劇場版ガンダムSEEDはお蔵入りか?15

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それから1年がたち、今も治療は続けていますが、ようやく少しづつ仕事に復帰できるようになってきました。

とはいえ、悩みは尽きません。

当初のプロットが1年以上前に書かれたものなので、その時に作ったテーマとストーリーが、果たして今の時勢に合うのか?と、言うことです。
映画では「愛情」というものをテーマの一つに考えていました。
「愛」ではなく「愛情」です。
この違いがポイントです!
数年前の「冬ソナ」ブームと、2年ほど前に「LIMIT OF LOVE 海猿」という映画も支持されたことで、恋愛というキーワードに注目しました。
キラとラクスの関係を軸に「DESTINY」の続きの時代を描こうと思っていましたが・・・。

世の中は刻々と変化していきます。
国内も世界も。中高生の置かれている状況も違ってきています。
オール新作で作る予定の映画ですから、普遍性も必要ですが、視聴者の置かれている時代を無視する訳にはいきません。
「SEED」も「DESTINY」も同じ考え方で作ってきました。
ストーリーもテーマも絵作りも。
それらをもう一度、白紙にして考えている状況です。
映画が難しいのは、TVよりも一本の制作にかかる時間が長いって事です。
TVではせいぜい1年くらいの先の時代を見据えて作ればいいんですが、映画は2年とか3年とか、作品によってはもっと先の時代に上映される事を想定しなければなりません。
例えば今回の「ガンダムSEED」の映画では、大河原先生がもう半分くらいメカ(モビルスーツ)の設定を上げて下さったのですが、なんと発注した新型のフリーダムがユニコーンガンダムのギミックにとっても似てたんです。
(画像はここでは出せませんが、映画が完成すれば途中のデザインもムック等に載せる可能性はあると思いますので)
ビックリしました。いや、僕のミスです。
新しいガンダムの企画は毎年なにかしら出ているのですから、本当に人が考える先の先を見てなきゃいけなかったんですね。
ある意味、そのままやらなくて良かったと思います。
2年後3年後を考えて、メカに関してもしっかりと見直しをしてゆくつもりです。

「ガンダム」というタイトルは、良くも悪くも未来に残ります。
先日も「逆襲のシャア」と「F91」がブルーレイになって発売されました。メディアが変わっても、対応して過去の作品がリリースされる…。本当に怖いタイトルです。
迂闊に妥協して作ったものでも、半永久的に残るんですから、ハンパは出来ません。
待ってくれている方には申し訳有りませんが、もう少し時間をいただきたいと思っています。

新しい内容については、またこの場でお話したいと思います。

※「SEED club mobile」(http://club.gundam-seed.net/gsc/(4ebbbsvjrhjnhz453xtqgi45)/guest.aspx?__redir=1&uid=NULLGWDOCOMO&d=128593839471431250)
内のコーナー 「column 福田己津央」より福田監督のコラムより引用

※軽薄な言い方になるが「流行」は商品を提供する上で決して無視できないものである。
※上記コラム内でもいわれている通り、昨今の時勢の移り変わりの速さには目を見張るものがある。
※以前のプロットが古臭いものになってしまったのは残念な事であるが、それをきっぱりと白紙にした福田監督の英断を評価したい。
※同じガンダムのコンテンツであるユニコーンと類似するものがあったのなら、当然先に世に出たユニコーンを優先するのは当然である。
※なぜなら「SEED」「ユニコーン」は競争相手ではなく同じガンダムの名とクオリティを引き継ぐものだからである。
※両澤氏の体調が回復した事から、プロット・脚本の完成はそう遠くない事が分かる。
※新しい内容を公開されれば、今まで語られてきた「お蔵入り」が完全に杞憂であった事が証明されるだろう。