劇場版ガンダムSEEDはお蔵入りか?15

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なぜって?

そりゃあ関わってくれる沢山のスポンサーや関係者の生活がかかってるんですから。
「売れなかった-、アハハごめん!」じゃ、ぶっ飛ばされますって(^^;;;
アニメーションは共同作業ではあるけれども、作品の成否の80%を握っているのは間違いなくシナリオ(脚本)です。両澤なしでは「ガンダムSEED DESTINY」は成功しなかったでしょう。
本当に這うようにして、シナリオを書き続けてくれました。
「DESTINY」は彼女にとっては手を入れきれなかった部分も有って、不本意なトコロもありましたが、結果は「SEED」に比肩するヒットになりました。
そんな無理が出てきたのでしょう。今度はどうしても一時、仕事を中断しなければならない状態になってしまいました。
だったら、「シナリオライターを替えりゃあいいじゃないか」と思う方もいらっしゃると思いますが、そんな簡単なもんじゃありません。
僕としては、アニメ界の未来のためにも、そういう考えの方は業界には来ないで頂きたい。
それをやって成功した作品って、ほとんどないんですよね。
キラというキャラクターひとつをとっても、彼女の書いたセリフと、平井さんのキャラクターデザイン、保志くんの演技で出来ているのです。
どれ一つが欠けても、あの「キラ・ヤマト」にはならないのです。
僕はキラ・モドキなんて見たくない。せっかくの映画なんだから、ちゃんと「キラ」を描きたいんです。
セリフなんて誰が書いても大差ないじゃないか、と思う方もいらっしゃると思います。
悲しい事にこの業界にもそうおっしゃる方はいるようですが、「だから君らの作品は売れないんだよ」と心の中で僕は思ってます。
この辺はまた話すことになると思いますが、本当の意味で「シナリオを読める」スタッフが、アニメ界に少なくなってきています。

キャラクターの内にあるもの、育ってきた環境や考え、その全てが一つ一つのセリフに出てくる訳で、上っ面をなでたセリフでは、視聴者の感情を揺さぶる事は出来ません。
スタジオによっても作り方は様々でしょうが、「SEED」は「このやり方」だったからこそ成功したのだと、僕は確信しています。
幸いサンライズの上層部からも、「一度制作を止めても治療をしてくれ」、という話をいただきました。
「ガンダムSEED」という冠が付いていれば、「内容はどうでもいいんだ。公開さえ出来れば」ということじゃなく、「ガンダムseed」をちゃんと未来に残る作品として、良いものを作ってほしいと言ってくれました。
本当に「ガンダムSEED」を大事に考えてくれました。

※SEED制作にとどまらず、アニメ界全体を憂う発言から作品についての真摯な態度を鑑みることが出来る。
※サンライズ側はDESTINY制作時における両澤氏の体調と、それにより生じたスケジュールの遅れ、制作費の増大を慮り、
※映画の製作延期に踏み切ったと伺える。
※これは企業として妥当な判断であり、また人道的配慮として正しいものである。