劇場版ガンダムSEEDはお蔵入りか?15

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まず映画の制作状況ですが、今はまだシナリオの製作途中です。
当初の予定よりは大分遅れてご心配をかけていますが、制作は続けております。
「DESTINY」のスペシャルエディション制作の終わり頃から構想を始め、両澤が構成とプロットを立ててシナリオに入ったのですが、彼女が病気になってしまったからです。
アニメージュ2008年4月号で彼女自身も語っていますが、「DESTINY」に入る直前にも、彼女は子宮筋腫と卵巣嚢腫いう病気で手術を受けました。
「SEED」に入る前すでに、「お腹にしこりがある」ということに気づいていましたが、それを僕にも隠して「SEED」を執筆していました。
シリーズ構成の仕事って、みなさんにはあまり馴染みがないんで分かりにくいと思いますが、両澤はエンディングで脚本に名前がテロップされていない話であっても、必ずシナリオに手を入れて、キャラクターのセリフと世界観を統一させる作業をしてました。
アニメのシナリオは時間の制約もあって、そこまでやるというのは滅多にありません。
でも、実写映画、ドラマの世界ではむしろ当たり前の事で、複数のライターが担当する場合には、必要な事だと思います。
話の重要度やホン(脚本)の完成度によってはほとんど書き直すという事もありましたから、彼女の仕事量は半端ではありませんでした。
幸か不幸か、おかげさまで「SEED」は成功し、続編をという話が出てきました。
これが最初は「映画」という話だったのですが、諸々の要望で「もう一度テレビシリーズを」という話になって行きました。
医者にかかったのはこの頃で、1年放置していたため本当にまずい状態で、子宮と右の卵巣摘出となってしまいました。
彼女は精神的にも相当なショックを受けたようでした。
とはいってもオンエアは待ってはくれません。
手術が終わって、家庭療養の時間をとる事も出来ないまま「DESTINY」の一話を書かなければならない状態でした。
心身ともにボロボロで、本当に辛かったと思います。
「SEED」と同じ量の仕事も体力的に無理でしたが、続編となると、今まで以上に要求も多くなり、どの関連会社も前回以上の数字を求めてきます。
人に任せてゆっくりと仕事をさせてもらう・・・。そうも言っていられない状況でした。
「ガンダム」というタイトルは失敗する訳にはいかないからです。

※ここで書かれている脚本家両澤氏の病気については複数の媒体において裏付けがあり、
※よってこのコラムの信憑性の確かさを証明する事が出来る。