【IF系統合】もし種・種死の○○が××だったら 5
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種キャラ女がマテリアライズできたら
詳しくは舞乙を見てください
第1話 赤と金のオトメ
移民暦74年、惑星エアル
世界は大きなうねりを迎えていた。
惑星エアルの極東にあるオーブ首長国連邦は早くから宇宙開拓を行っており、数多くの人間を宇宙に調査として輩出してきた。
人工的な人が住めるコロニーを建造。諸外国よりも大きく進歩した技術を持っていた。
しかし、その宇宙開拓者たちは宇宙において生活圏を広げ、大きな力を持ち始めていた。
これが気に入らないオーブ首長国連邦の一部は、コロニー爆発事故を起こす。
これにより、宇宙開拓者は自らをコーディネイターと名乗り、オーブに対して戦争を開始した。
優れた技術を用いたコーディネイター軍は電撃戦を展開。
オーブ国内を蹂躙することとなる。
オーブはこれに対抗するため、超人的な力を持つオトメの力を持った特殊部隊を編成し、これに対抗させることとなった。
機動巡洋艦『フリーダム』
そこに1人、たたずむ少女。
その金髪の少女は、鼻歌を歌いながら窓の外…それよりもさらに向こうを見ているようだった。
これから戦争だというのに彼女は落ち着いており、そして澄んだ瞳をしている。
「綺麗な歌ね?なんていう歌?」
それは赤い髪をした女。
壁にもたれながら、金髪の少女の歌を聴いていたようだ。
金髪の少女は赤い髪の女のほうを見ると微笑んで
「海の底」
「へぇ〜…変わった歌ね」
「そう?」
「なんていうか味気ないじゃない。もっとあなたの声にあった綺麗な名前にしたら?」
そういう女の言葉がよくわからないようなのか、不思議そうな顔を浮かべる金髪の少女。
そんな困惑している金髪の少女を見て微笑む赤い髪の女。
『ルナマリア・ホーク、発艦準備お願いします』
艦内放送が響く。その言葉を聞いた赤い髪の女…ルナマリアは、置いてあった缶ジュースを持つと、歩き出す。
「そろそろいかないと…あなた名前は?」
金髪の少女はルナマリアを見つめ
「ステラ……。ステラ・ルーシュ」
「私は、ルナマリア・ホーク。また聞かせてよね。ステラの歌」
ルナマリアはステラを横目で見て、そのまま艦内の奥に消えていく。
一人残されたステラは再び窓の外を見る。
すると彼女のポケットの携帯電話がなる。
ステラはそれを取り出し耳に当てた。
『作戦時間だ』
すると先ほどまでの純粋な少女の顔は、鋭い眼差しを持つ兵士の顔に変化する。
戦場はまさにコーディネイター軍の独壇場であった。
数で勝るオーブ首長国連邦をコーディネイターは宇宙開拓から発見した旧世紀の遺物を改良し使用していたのである。
その破壊力にオーブ軍はなす術がなかった。
艦内の格納庫に到達するルナマリアは、缶ジュースを置き、他に待つオトメたちを見る。
そこには自分の妹であるメイリン・ホークもいる。
「お姉ちゃん!遅い!」
「ごめんごめん。それで作戦内容は?」
ルナマリアはメイリンとともに少し呆れた顔をしている彼女達のマスターであるシン・アスカを見る。
シンは作戦指令書を見て読み始める。
「集結しつつある北側の敵の増援部隊を排除」
淡々と棒読みなところが、とてもこれから戦場というようには思えないわけだが。
これももう慣れてしまっている。
いつものことだ。
「オッケー。それじゃーちゃっちゃと済ませましょう?」
「もう!真面目にやってよね」
メイリンは文句を言いながら、これも姉の性格であると弱冠諦めている部分もある。
ルナマリアとメイリンの前の扉が開かれ、露になる広がる青い空とそして広大な砂漠。
「我が力を解放する」
ルナマリアとメイリンそれぞれのGEMがついた耳に口づけするシン。
『マテリアライズ』
オトメの力を解放させた2人はその開かれた扉を飛び出して猛スピードで前進していく。
それこそオトメの力の賜物である。
オトメをとめることが出来るのは、通常兵器では無理だ。
オーブ軍の集結部隊は機銃掃射で2人の動きを封じようとするが…。
「まったくうざったい」
ルナマリアは艦隊の真上に飛ぶ。
そしてエレメントとして取り出した巨大な砲身。
「コーディネイターの赤はダテじゃないのよ!」
巨大な砲身から放たれた閃光が艦隊を貫く。爆風と供に。
艦隊は次々と爆発していく。
ルナマリアは息をついて他の敵がいないかを確認する。
「お姉ちゃんやりすぎ。私の出番ないじゃん」
「ごめんごめん。だって私のエレメントって小回りきかなくてさ」
メイリンはそういいながら、後方で何かが光ったのを見た。
振り返るメイリンが見たのは爆発する巡洋艦『フリーダム』
「母艦が!!」
「誰!?」
メイリンとルナマリアは炎上する巡洋艦のブリッジにたっている人影を見た。
煙と炎の中、たつ存在。
それは自分たちと同じオトメの姿。
『…ステラ。作戦はあいつらの動きを封じることだ。殺すなよ』
耳にあてられた通信機からの声に頷くステラ。
彼女は飛ぶと、そのまま宙に浮く。
その姿を見たルナマリアとメイリンはかまえる。
ルナマリアはここでその目の前にいる女を見て思い出す。
(あの子……確かさっきの)
ルナマリアの一瞬のスキをついて、一気に距離を縮めるステラ。
「お姉ちゃん!」
メイリンが簡単に弾き飛ばされる。ルナマリアはすぐに両手でステラの蹴りを防ぐ。
重い蹴りだ。身体をしっかりと支えなければ、メイリンと同じく飛ばされていただろう。
ルナマリアは両手で防ぎ、そのままステラの足を掴むと、身体を軸にぐるぐる回して、砂漠の中に投げ飛ばす。
ステラはそのまま砂漠に吹き飛ばされるが、体勢を立て直して、砂漠に両足で着地する。
ステラが前を見ると、既にそこにはルナマリアが目前に迫っていた。
「あんた!敵だったの!?」
「私は、お前などしらない!!」
「なにいって…!あなたの歌聴いてたの覚えてないの?」
「何を言って…」
一瞬、脳裏に浮かぶ記憶。
(へぇ〜…変わった歌ね)
(なんていうか味気ないじゃない。もっとあなたの声にあった綺麗な名前にしたら?)
(私は、ルナマリア・ホーク。また聞かせてよね。ステラの歌)
「ルナ…マリア?」
ステラの瞳が一瞬、あのときのものになる。
ルナマリアは彼女の異変に気がついていた。
「そうよ。思い出した!?」
「うぅっ!あ、頭が痛い」
ステラは急に頭を抱えて膝をつく。
ルナマリアはそのステラの異変にどういう対処をしていいのかわからなかった。
ここで彼女を倒すべきなのかどうか。
『ステラ。撤退しろ』
顔をあげたステラはルナマリアの腹部に強烈な拳の一撃を加え、退けるとそのまま空を飛んで逃げていく。
ルナマリアは足をふらつかせながら、逃げていったステラを見つめる。
一体彼女はなんなんだろうか。
そして新たなる事実…オーブ首長国連邦もまたオトメを武力として手にいれたということ。
これで一般兵器での戦闘は無に帰すことになる。
ここからはオトメによる総力戦になるだろう。
戦闘地域より数キロはなれた場所。
「…ただいま」
ステラは地上に降り立ち、オトメの武装を剥がすといつもの優しい顔に戻る。
そんなステラの頭を撫でる仮面の男。
「さすがはスペシャルなだけはあるな。オトメ二人相手に文句なしの実績だ。ファントムペインはこれより、敵オトメを追撃し、これを殲滅する」
ステラには、仮面の男が何を言っているのかわからなかった。ただ自分は命令どおり動けばいい。そうすれば彼は喜んでくれる。
そして今日はもう1ついいことがあった。
自分のことを普通に接してくれる女の子にあったこと。
早くそのことを彼に話したくてステラは仕方が無かった。
移民暦74年、オーブとの戦争の激化はオトメ介入によるこのときからである。
そして2人のオトメ、ルナマリア・ホークとステラ・ルーシュの初めての出逢いの日でもあった。
続く…はず