新機動炭酸コーラサワーW 模擬戦3戦目

このエントリーをはてなブックマークに追加
1通常の名無しさんの3倍
このスレは我らがパトリック・コーラサワー他00の面々とWの皆さんの
日常を描いた心温まるスレです。

前スレが埋め荒らしの憂き目にあったので勝手に立ててしまいました。
悪りぃ、すまねえ、許せ。


<<前スレ>>
新機動炭酸コーラサワーW 模擬戦2戦目
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1204543589/

<<前々スレ>>
コーラーサワー主人公でW作り直そうぜ
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1191923320/
2通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:19:10 ID:???
主な登場人物

*プリベンターと、その関係者*
(日々、世界平和の為に戦ったり、戦わなかったりする)

パトリック・コーラサワー
 主人公。コードネームはプリベンター・バカ。
 プリベンターが誇る変態一号。
 何か行動を起こすたびに問題が発生するスペシャルバカ。
 元AEUの少尉らしいが退役した理由は不明。
 何が起きても生還率100%。
 今日もわが道を突き進む。

グラハム・エーカー
 コードネームはプリベンター・アホ。
 プリベンターの変態二号。
 独特の美意識を持ち、発せられる言葉はグラハム語と称される。
 ガンダムラブでプリベンターにきたらしいが詳細は不明。
 五飛の師匠(ガンプラの)

アラスカ野ジョシュア
 コードネームはプリベンター・マヌケ。
 プリベンターの変態三号。
 グラハムによってむりやり加入させられたかわいそうな人。
 あげくコーラさんによって呼称が「アラスカ野」になってしまった。
 すげえヘタレ。
 3馬鹿の中では意外とまとも。

ヒイロ・ユイ
 コードネームはプリベンター・ウイング。
 Wの主人公だがここでは影が薄い。
 MS(ミカンスーツ)の操縦から家事全般まで何でもこなす。
 リリーナの漫才がトラウマとなる。

デュオ・マックスウェル
 コードネームはプリベンター・デス。
 お調子者。
 立場上自然とつっこみ役になる(というか唯一の突っ込みキャラ)。
 喋る回数はコーラさんに次いで多い。

トロワ・バートン
 コードネームはプリベンター・ウエポン。
 口数は少ないがやるときはやる男。
 『しまっちゃうおじさん』を恐れる、妄想少年。
3通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:19:43 ID:???
カトル・ラバーバ・ウイナー
 コードネームはプリベンター・サンド。
 プリベンターの良心。
の筈だが意外と黒い。一度キレると誰も止められない。

張五飛
 コードネームはプリベンター・ドラゴン。
 得意技はコーラサワーいじり。
 強引すぎる手段で事件を解決しようとする。
グラハムの策略によってガンプラ作りにはまる。


サリィ・ポォ
 コードネームはプリベンター・ウォーター。
 プリベンターの現場部隊のまとめ役。
 コーラさんの暴走に頭を痛める毎日。

ヒルデ・シュバイカー
 コードネームはまだない。
 キレたら怖い。
 得意技はフライパン投げ。

レディ・アン
 コードネームはプリベンター・ゴールド。
 プリベンターのリーダー。
 本編にはあまり登場しないが、コーラさんやグラハムの加入を認めるある意味心のデッカイ人。

シーリン・バフティヤール
 コードネームはまだない。
 皮肉屋メガネ。
 レディ・アンの秘書みたいなことをしているらしい。

ビリー・カタギリ
みかんエンジンを発明した天才科学者。
喋りだすととまらない。
プリベンターに自身の開発した発明品を提供してくれる。
グラハムの一応友人。

マリナ・イスマイール
プリベンターのスポンサーその1。
この世界ではプチセレブ。
重度のショタコン。
20歳以上の男には容赦無くスタンガン攻撃を食らわせる
4通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:20:37 ID:???
ドロシー・カタロニア
 プリベンターのスポンサーその2。
 自身の屋敷の庭にはイカしたセンスの像が沢山立ち並んでいる。
 本編と同じく、気分屋と見せかけて意外と色々考えているお嬢様。


リリーナ・ドーリアン
 外務次官。
 ドロシーとお笑いコンビ『リドリロ』を結成。
 夢はM●1グランプリ優勝。
 ヒイロの恋人。


*マイスター運送*
(『24時間何処でも何でも運びます』がモットーの民間企業)

刹那・F・セイエイ
 マイスター運送の配送係。
 無愛想。
 ハローキ●ィちゃんマニア。

アレルヤ・ハプティズム
 マイスター運送の配送係。
 客に愛想の悪い刹那をたしなめた。

ロックオン・ストラトス
 マイスター運送の配達係。
 事実上マイスター運送のまとめ役。
 問題児が多く気苦労が絶えない。
    
ティエリア・アーデ
 マイスター運送の配送係。
 愛銃(水鉄砲)『ヴァーチェ』を携帯している。
 絶望するのが日課。

リヒテンダール・ツエーリ
 マイスター運送の配送係。
 陽気な性格。
 同僚のクリスティナ・シエラに片思い中。
 デュオと仲が良い。
   
スメラギ・李・ノリエガ
 ビリーの同窓(ビリーには九条君と呼ばれている)。
 一升瓶を持った酔っ払い。
5通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:21:21 ID:???
*人類革新重工*
(『揺り籠から墓場まで』が社訓。ここ数年、日の出の勢いで伸長を遂げている気鋭の企業)

セルゲイ・スミルノフ
 人類革新重工の商品開発部部長。
 心の俳句を詠む。
 俳句を詠む前は必ずブツブツと呟く。

ソーマ・ピーリス
 セルゲイの秘書。
 現在「バケラッタ」という言葉にこだわっている。
 コーラサワーと奇妙な友情が芽生える。

ミン
 人類革新重工の商品開発部係長。
 中間管理職。
 このスレでは数少ない普通の人。

*その他、頻繁に登場する人々*

カティ・マネキン
 元AEU大佐。
 現在は歌手デビューし、世界の歌姫として各地を飛び回っている。
 なんだかんだでコーラサワーの事が好き(?)

アリー・アル・サーシェス
 別名ゲイリー・ビアッジ、またはひろし。
 PMCのちょっかいかけ担当。
 世界が平和になって仕事がなくなったのでプリベンターを逆恨みしているが、  いつもやられている。
 武器はソッコ君もびっくりの異臭靴下と健康にいいアグリッサ。

沙慈、ルイス、絹江
 絹江はレディにインタビューを行い、沙慈とルイスはそれにくっついて議会前で雪合戦をした。

トリニティズ
 トリニティ運送に勤める三人兄妹。
 ヨハンは腹黒、ミハエルは客にけんかをうる問題児、ネーナは天然。

コーラサワーの女たち
 何人いるかわからないコーラさんの愛人。
 コーラさんいわく、プリベンターに入ってからはそっち方面は自重しているらしい。

看護婦
 新人ながらコーラ番にされてしまったかわいそうなナース。
 コーラさんが入院するたびにさんざんな目にあっている。
6通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:23:00 ID:???
ロラン・セアック
 掃除夫。
 トイレ紙がなくて困っていたコーラさんを助けた。

その他にも各職人の気分やネタで様々なキャラクターが登場します




◆とりあえず人物紹介には水曜氏テンプレをそのまま使わせていただきました。


<<おまけ>>
プリベンター制服の三馬鹿
ttp://imepita.jp/20080512/716420
7通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:37:48 ID:???
現在の職人構成

・毎週水曜日氏
・模倣の人氏
・不定期職人氏
・名無しさん土曜日氏

保管庫はまだない
顧問スレとは非公認ながら友好
8通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:41:37 ID:???
いちもつ
まさか埋め嵐にあうとはな
人物紹介はまぁそれでいいんじゃまいか、スレ的にもっとも対応してると思う
職人ごとが本当は望ましいが、量が多杉になっちゃうだろうしなあ…
9通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:47:11 ID:???
>>1超乙
前スレ覗いてビビったぜ。素早い対応ありがと。
人物紹介にラッセがいてもいいと思う。

職人さんもっと増えるといいなー。
記録係さんとかコテハンはないけどSS投下してくれた人たちとかもまた来てくれると嬉しい。
10通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:48:52 ID:???
保管庫に関してはガンダムクロスオーバーSS倉庫に間借りするって提案が
過去に出ていたけど
MADをつくりたいって人も出てきたし出来る事なら専用の保管庫が欲しいところだな
MSネーブルバレンシアの設定画とかも確かあったよな
11通常の名無しさんの3倍:2008/05/14(水) 20:58:16 ID:???
実はアレ、顧問スレのまとめサイトに保管されてる>ネーブルバレンシア
12通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 01:04:46 ID:???
一応人物紹介は水曜日さんベースのでいいとして、

※職人ごとのパラレルワールドですので、共通の部分もあれば異なる部分もあります

という但し書きは必要かな?
13通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 08:14:45 ID:???
あっていいんじゃない?
でないと制約ができちゃいそうだし。
それより人物紹介にロランは必要かなあ。ほんの一回出ただけだし、Wでも00でもないし。
14通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 10:57:17 ID:???
そもそもロランはいつどこで出てきたんだっけ?
記憶にない…
15通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 12:21:50 ID:???
たしかハム初登場のとき
土曜日氏が登場して欲しいキャラ募って、全部出した時その中にロランもいた
16通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 12:23:12 ID:???
誰が出て欲しいか提案したのは土曜日氏じゃなくて名無しだった
17通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 14:32:02 ID:???
まぁでも職人によって性格に差があるキャラっつっても、リドリロトロワくらいか
18通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 15:28:13 ID:???
カトルもじゃない?
職人によって、腹黒だったり普通にいい子だったりする
19通常の名無しさんの3倍:2008/05/15(木) 22:46:50 ID:1frSJYAT
前スレからこっちに誘導できなかったし、新スレ立ったことに気づいてない人もいるかな?
というわけで試しに上げてみる。
20通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 00:21:24 ID:???
結構キャラも出揃ってきたが、まだ未登場は?
21通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 00:32:05 ID:???
Wだとゼクスとノイン
00は…フェルトってもう出たっけ?
22通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 00:48:11 ID:???
土曜日さんの、アリーと惚けた仲間達のデパート占拠事件で出てたよ
23通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 11:09:36 ID:???
即死回避
24通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 11:41:55 ID:???
イーヤッホー
25通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 14:22:44 ID:???
ウーヤッホー
26通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 17:26:07 ID:???
エーヤッホー
27通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 19:50:46 ID:???
オーヤッホー
28通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 20:04:59 ID:???
スペシャルで!
29通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 20:05:29 ID:???
模擬戦で!!
30通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 20:06:00 ID:???
2千回なんだよぉぉぉぉぉぉ!!!
31通常の名無しさんの3倍:2008/05/16(金) 20:07:15 ID:???
任務完了、即死は回避した

職人が光臨するまで待機する
32名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/17(土) 02:31:05 ID:???
 パトリック・コーラサワーは近頃タウン情報誌で話題になっているヤキトリ屋に来ていた。
何の因果かグラハム・エーカーとアラスカ野ことジョシュアもたまたま居合わせており、
三人で卓を囲んで(これは彼らではなく店側主導)ヤキトリと酒に舌鼓をうつことになったわけだが、さて。
「うーい、このハツは絶品だな」
「すまんが店主、もう一本アツカンでサキーを頼む」
「あ、ビール追加ビール追加」
 何だこののんべオヤジどもは。
食っちゃ呑み食っちゃ呑み、まんま仕事帰りのサラリーマンといった感じである。
普通の会社に勤める者ならともかく、世界の平和を陰から守る隠密同心がこんな感じでいいのやら。
「しかしナルハム野郎……お前、なかなか酒がイケる口だな」
「フッ、このグラハム・エーカーを馬鹿にしないでもらいたいものだな」
「隊長、強がってますけど後で下戸の設定とか出てきたらどうすんです」
「敢えて言おう! その時はその時であると!」
「ごもっともで」
 アルコールの威力とは恐ろしいもので、
普段いがみあっている彼らの間に奇妙な紐帯が生まれつつあった。
いや本当に酒は怖い。
今回の人生の教訓その一、酒飲んでる時は軽々しく約束をするな、後で絶対悔やむから。
「おやじ……席は空いているかね?」
 コーラサワーたちのテーブルの串入れがパンパンになる頃、店に新たな来客が参上してきた。
スカーフェイス、腹の底から響くような渋い声の男性と、そして。
「げ、銀髪娘!」
「む、何だお前、何でここにいる」
 バケラッタ秘書のソーマ・ピーリスなのだった。


 スカーフェイスの男性、それは最近ギョーカイで伸してきている人類革新重工の商品開発部部長のセルゲイ・スミルノフ、
彼の背後にぴったり付き添っているのは、彼の秘書で銀髪がやけに眩しいソーマ・ピーリス。
あ、あとさらにその背後に『肩越しに秋風が見える男』ミン係長もオマケ的にいる。
この三人、特にソーマとコーラサワーは、
世紀の天才(嘘じゃないよ本当だよ)ビリー・カタギリの発明したミカンエンジン搭載MS(しつこいようだけどミカンスーツ)の試験披露の折りに、
いったいどこの神様がイタズラ心を起こしたものやら、模擬戦を軸にヘンテコな因縁が出来た仲である。
そもそもコーラサワーがセルゲイに失礼な態度を取ったのが悪いのだが、
それに過剰反応して突っかかっていったソーマも問題はあるっちゃあるわけで。
ま、互いに常人とは外れた感性の持ち主ゆえ、なんぞ磁石の同極のように反発しあっちゃう二人なのだった。
「おおこれは、プリベンターの……いや、先日は失礼した」
 早くも帯電した視線をぶつけ合うコーラとソーマに比べ、実にセルゲイは大人な態度。
まぁこうでなけりゃ企業の部長はやっていけないのだろうが。
ちょっと鷹揚過ぎる点はあるが、取りあえずは人格者と言っていいかもしれない。
「まさかおっさんもヤキトリを食いに?」
「うむ、実はこの店は、有名になる前から私の行きつけでな」
 オッサンという単語にビビビッと反応して目を吊り上げるソーマさん。
そいでその横でペコペコ頭を下げながらグラハムと名刺を交換するミン係長。
これはグラハムとジョシュアとは面識がないからで、
先日のミカンエンジン性能披露の時、サリィとコーラサワー以外は出払っており、これが初体面になるのだ。
自分のだけでなくセルゲイとソーマの分の名刺も差し出している辺り、
彼の生真面目な性格と置かれた環境の複雑さを伺い知ることが出来ると言える。
33名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/17(土) 02:32:49 ID:???
「こちらはグラハム・エーカー氏とジョシュア氏かな」
「何だ、知ってるのか洗い熊のおっさん」
「いや、初めてお目にかかるが、生き馬の目を抜くこの業界では情報を制する者が勝者となるものだ」
「ふーん、つまり勝手に調べたってことか」
 礼儀がちっと欠けているコーラさんと、それを非とも思わず対応するセルゲイ。
もしかしたらこの二人、案外タイプ的にあってる可能性がある。
セルゲイがややフランクな口調なのも、プリベンターの現場責任者であるサリィ・ポォが一見してこの場にいないということもあるが、
コーラサワーにどこか親しみを覚えているというのもあるかもしれない。
「待て、お前」
「な、何だよ」
 だが、セルゲイの秘書たるソーマは違う。
セルゲイを上司として尊敬し、また実の父のように慕う彼女からすれば、
コーラサワーの態度は簡単に許せるものではない。
「ちゅう……ゴホン、部長にこれ以上失礼な口のきき方をするな」
「へ?」
「その態度を続けるというのなら、私がその身に非礼の報いをくれてやる」
「はぁ?」
 やや気圧された感じのコーラサワー。
傍若無人な彼にしては珍しいが、やはり天敵というか苦手なモノはあるということである。
身内では五飛、プリベンターの外ではソーマがそれに当たると言えようか。
「わかったかバケラッタ」
「報いって何だよ、先日の続きならいつでも受けてやんぜ」
 とはいえ、コーラサワーも十も年下の娘に引いてばかりはいられない。
ミカンエンジン性能披露の時、実に三時間も決着つかず模擬戦を続けたということもあり、
いずれギャフンと言わせてやろうと思っているのもある。
「やめないかピーリスしょう……ゲフン、ピーリス君」
「はっ、しかし」
「ここは食べ、そして呑むところだ。無粋な真似をしてはいかん」
 どこまでもオトナなセルゲイさん。
いや空気が読めてないだけなんじゃという意見は流しておくのであしからず。
よくよく考えりゃ、ソーマは未成年なのだからここに連れて来ちゃダメなんでは。
「せっかくだ、同席して日頃のプリベンターについてお話を聞きたいのだが、どうか」
「……銀髪娘が噛みついてこなけりゃ、別に構わないけどな」
 嗚呼、サリィがこの場に入れ歯、じゃない居れば。
このままではコーラさん、自慢話にとどまらずプリベンターの内情までペラペラ喋ってしまいかねない。
側にいるのがグラハムとジョシュアでは、ストッパーにもなりはしない。
「あ、代金は別々にしてくれよ」
「もちろんだ」
 かくして、プリベンターと人類革新重工の即席宴会スタート。
さてさて、これからどうなるかは神のみぞ知るといったところか。
そう、イジワルな神様のみが。

 プリベンターとコーラサワーと人類革新重工の心の飲み会は続く―――



 コンバンハ。
次回はコーラソーマ大爆発サヨウナラ。
34通常の名無しさんの3倍:2008/05/17(土) 10:13:06 ID:???
コーラになついているマリーメイアとかどうか
35通常の名無しさんの3倍:2008/05/17(土) 13:17:41 ID:???
土曜さん乙!
コーラソーマは見てて和むな。当人らはちっとも和やかじゃないだろうが。
36通常の名無しさんの3倍:2008/05/17(土) 18:05:05 ID:???
土曜日氏乙!コーラソーマ大爆発に期待w

>>34
マリーメイアはこまっしゃくれているから、むしろ慇懃無礼にあしらってそう。
トレーズが存命なら、コーラのことを気に入りそうではあるが。
37通常の名無しさんの3倍:2008/05/17(土) 20:22:43 ID:???
コーラ、なんとなくだけど癖のある子供には好かれそうだよね
38通常の名無しさんの3倍:2008/05/18(日) 12:26:56 ID:???
〜前回のあらすじ〜
ダーツ。


 ホストクラブ『リ・ヴォンズ』。
 店の裏側にある事務所の応接室で、ラッセとコーラサワーが頭を下げていた。
「何卒ご一考を!」
 二人の向かいには、この店のオーナーが腰掛けて腕を組んでいる。
 リボンズ・アルマーク。若いながら卓越した経営手腕で店を切り盛りするだけでなく、
 自身もホストとして表舞台に立つ、やり手の男だった。
 リボンズは箱から首を出したコーラサワーに目を向け、眉間に皺寄せて唸った。
「確かに、容姿だけなら申し分ないのですが」
 あまりに子供っぽい言動のため忘れられがちだが、コーラサワーは公式でハンサム設定である。
 詳しくは角川スニーカー文庫より発売されているノベライズ版を参照されたし。
 しかし、とリボンズは続けた。
「生憎、現在は従業員の新規募集はしていないのですよ」
「そこを何とか。裏方仕事でもいいですから、こいつを引き取っちゃくれませんかね」
「そうですね……。それだったら僕は」
 曰くありげな笑いを含んで、リボンズが立ち上がってこちらに回ってきた。
「彼より貴方が欲しいな」
 傍へ近寄ってきた彼は、ラッセの逞しい上腕二頭筋や大胸筋を怪しい手つきで撫で回し、陶然としたように頬を上気させ、
「貴方の身体は実に素敵です。よろしければ僕のところに来ませんか?」
 とのたまう。
 ラッセは心の底から怖気だった。全身に凄まじい勢いで鳥肌が立つ。
「俺は! 普通で! ノーマルで! ノンケなんだよぉぉぉぉぉ!」
 全力で部屋の隅まで退避し、全身全霊で訴える。
 彼がよそのスレでどれだけの扱いを受けてきたか、それにどれだけ傷ついてきたかがよく窺える台詞であった。
 ラッセの突然の行動に一瞬呆気に取られたリボンズだったが、すぐさま可笑しげにくすくすと笑い出した。
「嫌だなあ。僕は、貴方ならいい用心棒になってくれそうだと言いたかっただけですよ」
 だがラッセはその言い分をすぐには信じようとしなかった。
「そ……そうなのか?」
「ええ、そうですよ」
「本当に?」
「本当に」
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー」
 そんなやり取りを繰り返し、みのもんたもかくやという長い時間を置いて、ようやく彼は警戒を解いた。
「誤解してすまなかった。だが、その誘いは断らせていただく」
「そうですか、残念です」
 そう肩を落とすリボンズの言葉に偽りはないようで、どことなく表情にも翳りが見えた。
 後ろを向いて何事かをぼそぼそ呟いているので、ラッセとコーラサワーは揃って耳をそばだてる。
(ちっ、あの鬱陶しいストーカー野郎を撃退できるチャンスだと思ったのに。
 エンジェルとか抜かしてキモいんだよ泥野郎が)
 これまで見せていた物腰柔らかな態度から豹変し、せっかくの美貌も台無しにするようなそれはそれは酷い表情で
 しきりに毒づいていた。
「……なんか」
「鬱屈してんなあ。ホストってのも大変なのな」
 二人は顔を見合わせ肩を竦めた。
39通常の名無しさんの3倍:2008/05/18(日) 12:27:30 ID:???
 しばらくして気が済んだのか、いつもの調子を取り戻したリボンズが振り返る。
「失礼いたしました。それで、そちらの彼についてですが――」
 と言いかけたところで、控えめなノックが部屋に響いた。
 リボンズが席を立って扉の方へ行き、わずかに開けた隙間から表に立つ何者かと小さな声でやり取りをする。
 どうやら相手は従業員のようで、聞こえてくる内容から察するに、リボンズに上得意から指名が入ったらしい。
 こちらに戻ってくると、申し訳なさそうに頭を下げた。
「申し訳ありません、少々店の方へ顔を出さなければならなくなってしまいました。
 ここでお待ちいただいても構いませんが、よろしければ貴方方も店に来てみませんか?
 招待客ということで、特別にサービスさせていただきます」
「ホストクラブつったら男ばっかりじゃねーか。何が悲しくてそんなとこに行かなきゃなんないんだよ」
 女好きで男盛りのコーラサワーの言い分はもっともである。
 が、流石に客商売に慣れているだけあって、リボンズの方が一枚上手だった。
「うちにくるお客様は皆揃って美人の女性ですよ。そんな方たちと杯を傾けるのも乙だと思いませんか」
 コーラサワーの目が大きく開かれた。どうやら美女という餌に釣られたらしい。
「行くー! 行くよ行きますとも是非行こう、なあ兄貴!」
「えー、俺は面倒くさい」
「なによ兄貴、女に興味ないの? やっぱガチホm」
「その台詞を最後まで言ってみろ、アンタの耳から指突っ込んで脳みそ全部掻き出してやるからな」
「うわぁん暴力反対ぃ!」
 とはいえ乗り気のコーラサワーを店まで搬送するのはラッセ以外おらず、結局二人揃って
 リボンズの店に厄介になることにしたのだった。

 『リ・ヴォンズ』店内。
 リボンズが己を指名した得意客にお辞儀をし、テーブルまでエスコートする。
「ようこそおいでくださいました、マリーメイア様」
「お久しぶりですね、リボンズ殿」
 高く澄んだ声で返答するその女性客を見て、コーラサワーとラッセの顎が外れたのは無理もない話である。
 リボンズを指名した客、その名はマリーメイア・クシュリナーダといった。そう、Endless Waltzでおなじみの少女である。
 本名をマリーメイア・バートンという彼女は、現在はレディ・アンと共に生活しているはずであるが、
 レディ自体が当スレ本編にろくすっぽ登場しないため当然マリーメイアの出番もこれまで一切なく、
 コーラサワーをはじめとするプリベンター新規メンバーとは全く以って面識はない。
 面識あるなしはこの際関係なく、二人が驚いたのはもっと別の、常識レベルでの話である。
「なんでこんな子供がこんな店に出入りしてんのよ!?」
「風営法、風営法ー!」
 驚愕の声を上げる二人に対し、リボンズはわずかに眉を顰めた。
「お二方、他のお客様のご迷惑となりますのでもう少し声を抑えていただけると」
「なに悠長なこと言っとるかッ! こんな小さな子を連れ込んで、摘発されても知らんぞ!」
 ラッセの指摘に、リボンズはこう切り替えしたのだった。
「女性に年齢を問うのは野暮ですよ」
「いやその、そういう話でなく」
「じゃああれです。『外見は少女に見えますが成人の設定です』ということで一つ」
「無理あるからそれ」
 のらりくらりと追及を躱すリボンズに付き合いきれなくなって、それ以上言及するのはやめた。
 でないとこちらが疲れるばかりである。
「うーん、確かに将来は美人に成長しそうな有望株だけど、いくらなんでも青田買いが過ぎるよなあ」
「そこ、女と見たらなんでもかんでも観察するんじゃないッ!」
 女好き属性を如何なく発揮するコーラサワーにツッコミを入れてから、本気で疲れたように肩を落とした。
40通常の名無しさんの3倍:2008/05/18(日) 12:28:15 ID:???
「で、こちらの方々は」
 マリーメイアが興味深そうに箱詰めコーラサワーを眺める。
 子供特有の好奇心だろう、瞳がきらきらと輝いていた。
「こちらの方たちはラッセ・アイオン氏とパトリック・コーラサワー氏です。
 パトリックさんの引き取り手を捜している最中だとか」
「そうなのですか」
 リボンズの説明に頷いて、マリーメイアがコーラサワーの顔をじっと凝視する。しばらくそのままでいたが、
 不意に相好を崩して呟いた。
「かわいいー。ペットにしたいー」
 道端で見かけた猫に対してするように、小さく可愛らしい掌でコーラサワーの頭を撫で回した。
「おおっ、じゃあお嬢ちゃんが俺を貰ってくれるか?」
 喉をごろごろされながらコーラサワーが問うた。
 マリーメイアは当初かなり乗り気だったのだが、でも、と表情を曇らせた。
「勝手に拾って帰ったらレディに怒られるかもしれません」
「レディって?」
「レディ・アン。私の後見人であり、現在はプリベンターのリーダーを努めている女性です」
「ああ、それは……俺もちょっとお断りしたい」
 自身もプリベンターに籍を置いている身としては、リーダーにこんな姿(箱詰め)を見られたら
 どんな大目玉を食らうか知れたものではない。下手をすれば免職されかねない勢いである。
 マリーメイアは非常に残念そうにうなだれた。
「お力になれず申し訳ありません……」
「いいよいいよ気にすんなって! そのうちどうにかなるってもんよ」
 このコーラサワーの言葉に、マリーメイアは思い出したように顔を上げた。
「あ、そうだ。どうにかして下さる方に心当たりがあります」
「へ?」

 というわけで。
「てなわけで頼むよぉぉぉぉぉ、いい加減この箱から開放されたいんだよぉぉぉぉぉ」
「それはそれは、ご苦労だったね」
 これまでの経緯の説明を受けて、ビリーが穏やかに微笑んだ。
 そう、マリーメイアの心当たりとは、天才科学者ビリー・カタギリのことだった。
 彼女からビリーのみかん農園を紹介され、こうして足を運んだ次第である。
 ホストクラブから退去するとき、オーナーのリボンズからまたも大量の土産を渡されたことも追記しておこう。
 ちなみにこの土産、実はリボンズが某アレハンドロから貢がれたものの処分に困っていた代物である。
 体良く押し付けられたといったほうが正しいか。無論リボンズはそんなことを一言も言いはしなかったが。
 さて、話を聞いたビリーはラッセに顔を向けて言った。
「僕が彼の次の送り先としてプリベンター本部を指定するのは有りなんだよね?」
「あ、ああ、もちろん有りだ」
「きゃっほーいマジで感謝するぜイーヤッホォォォォォウ!」
 あっさり解決したことに全身全霊で感謝の意を表し、段ボール箱のままぴょんぴょんと飛び跳ねた。
 むしろ、これまで誰一人としてこの考えが浮かばなかったことの方がおかしいのである。
「それにしても、凄い量だね」
 コンテナに積み上げられた数多くの土産が詰まった箱を見て、ビリーが感嘆したように呟く。
「まあ、俺が貰ったわけじゃないがな。プリベンターの人たちがどうにかしてくれるだろ」
 するとビリーは何を考えたのか、くすくすと含み笑いをした。
「ただプリベンターに送るんじゃ面白くないよねぇ。ちょっといたずらしちゃおうか」
「……なんだって?」
41通常の名無しさんの3倍:2008/05/18(日) 12:29:01 ID:???
 ビリーの説明はこうだ。まず現在コーラサワーが入っている段ボール箱を、五飛の筆跡も含めた全てを再現して量産し、
 コーラサワー本人とこれまで貰った土産をこの箱に移し替える(現在コーラサワーの箱は首用の穴が開いているため)。
 それらを一気に送るのではなく、初日は一箱、翌日は二箱、翌々日は六箱……と少しずつ数を増やしながら
 誰も見ていない深夜のうちにプリベンター本部へと運ぶのである。
「どうせだから僕も箱に詰めて運んで貰おうかな。彼らがどんな顔をするのか見てみたいしね」
「ガキかアンタ」
 ラッセのツッコミもどこ吹く風で、ビリーは実に楽しそうに箱の量産を始めた。
 そもそも00のキャラクターは歳相応の振る舞いをする者が少ないのである。
 ラッセよりも年上であるはずのコーラサワーやグラハム、そしてこのビリーの精神年齢がどうして大人といえようか。
 ビリーは五飛の筆跡をインクの成分から分析して再現する徹底振りである。
 才能の無駄遣いとはまさにこのことであろう。天才とは何を考えるかわからないものである。
 こうして、大量の段ボール箱が完成した。次はこれに土産を詰め替える作業である。
 が、山のような土産の数々を移し替えるのに、今いる三人だけではどれだけ時間がかかるかわからない。
 明らかに人手不足である。
「俺ばかりが苦労するのはもうこりごりだ。こうなったらあいつら全員巻き込んでやる」
 といってラッセはリヒティをはじめとするマイスター運送の配送係全員に連絡を取り始めた。
 ビリーはビリーで、
「じゃあ僕も労働力を増やす手伝いをしようか。ああ君、ちょっと細胞の提供をしてくれるかい」
 コーラサワーの皮膚と髪の毛を少量採取し、実験室らしき部屋へと引っ込んで行った。
 そして、数時間後。
 ラッセとビリーと箱から出されたコーラサワーと、ラッセが呼び寄せたメンバー
 (リヒティ、刹那、ロックオン、アレルヤ、ティエリア)と、それから新たな働き手が一堂に会した。
 その働き手とは。
「あ、どもよろしくお願いします」
「我々のことはみかんコーラとお呼び下さい」
「貴方がオリジナルですね、はじめまして」
 コーラサワーの遺伝子と農園自慢のみかんをかけ合わせた、みかん星人のような出で立ちの奇妙な者たちであった。
 ビリーにラッセが詰め寄る。
「人体実験なんて何を考えてるんだ、アンタには倫理というものがないのか!」
 ラッセの指摘は、しかし空回りするばかりであった。なぜなら、ここにいるのは揃って変人ばかりだからだ。
「うん、俺に似ていい感じに可愛いじゃないか!」
 これはコーラサワー。
「美味しそうっすねー。この子たち使ってクリスさんにお菓子作ってもらったら最高だろうなぁ」
 これはリヒティ。
「アンタはこのことに疑問を感じないのか!? そこ、よだれ垂らすな!」
 こんなやり取りを交わしながら、その日は夜遅くまで荷物の詰め替え作業が続けられたのであった。


<旅路編・了>
42通常の名無しさんの3倍:2008/05/18(日) 12:29:48 ID:???
【次回予告っぽい何か】

「ゼクス、サリィからメールが来ましたよ」
「……嫌な予感がする」

「良いものだな」
「また何か変なこと言い出しやがったぞこいつ」

「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

「嫌だ、あいつらに借りを作るなんて絶対に御免だ!」
「逆に考えろ、そいつらに厄介ごとを押し付けてしまえ、と」

「あー、またですか」
「ダリル、素早く終わらせるぞ」

 乞うご期待?



正しくは忘れないようにするための自分用メモ。
アーヤッフー皆様ご機嫌麗しゅう。
どうにか段ボールコーラ旅路編を終わらせられました。長かった……!
この後に前スレ>>602の記録係さんの話に続きます。上手く繋げられたかどうかわわかりませんが。
これでようやく違う話に移れそうです。それでは。
43模倣の人:2008/05/18(日) 12:31:40 ID:???
ぬはぁ、コテハン記憶のチェック外してたの忘れてた。
>>38-42は模倣の人です。失礼しました。
44通常の名無しさんの3倍:2008/05/18(日) 19:21:09 ID:???
模倣の人乙!
相変わらず見事ですなw
リボンズ様お疲れ様w
45通常の名無しさんの3倍:2008/05/18(日) 22:28:24 ID:???
GJすぎる!
46通常の名無しさんの3倍:2008/05/19(月) 10:00:25 ID:???
test
47通常の名無しさんの3倍:2008/05/19(月) 15:05:47 ID:???
乙乙ガンダム
48通常の名無しさんの3倍:2008/05/20(火) 09:21:28 ID:???
フィンガー!
49通常の名無しさんの3倍:2008/05/20(火) 15:43:55 ID:???
キャラ紹介で3馬鹿がそれぞれ変態一号・二号・三号と振られてるけど、
実際に変態って言える性格してるのはグラハムくらいじゃね?
少なくともこのスレでのジョシュアは普通だと思う(いじられ役だけど)
あと、職人さん毎のキャラの性格のブレってたとえばどんな感じだろう?
50通常の名無しさんの3倍:2008/05/20(火) 18:19:26 ID:???
ブレというか、例えばAという職人のBのキャラ像が脳に書き込まれちゃって、
Cという職人のBのキャラ像に違和感を抱くことはある

もちろんながらこれは職人ではなく俺の単純脳みそが悪いわけだが
51通常の名無しさんの3倍:2008/05/20(火) 22:40:15 ID:???
書く人によってコーラの弾け度合いが違うみたいな感じかな?
あとカトルが白いか黒いかの差とか。
52通常の名無しさんの3倍:2008/05/20(火) 23:10:18 ID:???
五飛もなんか違う気がする
というか書く人が違う以上当たり前だが、大小はあれど差異はあると感じてる
パラレルと割り切ってるから何の問題もないけどね
いっそキャラテンプレ外すか?
53通常の名無しさんの3倍:2008/05/21(水) 07:08:59 ID:???
いや、しかしあれは一応基本の下敷きだしな
54通常の名無しさんの3倍:2008/05/21(水) 23:41:56 ID:???
コーラコーラ
55通常の名無しさんの3倍:2008/05/22(木) 05:21:05 ID:???
>>54
ローラ・ローラに見えた
56通常の名無しさんの3倍:2008/05/22(木) 09:47:09 ID:???
絡ませて欲しいキャラの組み合わせってある?
57通常の名無しさんの3倍:2008/05/22(木) 13:08:35 ID:???
王留美とドロシーとか
58不定期でんねん:2008/05/22(木) 14:02:25 ID:???
 世界絶対平和は続いても、マフィアや暴力団は滅ぶことはない。 悲しいかな、それが他の暴力抑制装置になっている限りは。
 今日も、統合政府のある街の人通りの少ないところでいかにもな風体の輩達が集っていた。 
「今回のあがりはこれです。」
 「・・・最近、あがりがすくねえなぁ。 おまえら、ちゃんと働いているんか?。」
 「あい、すいやせん。 なにしろプリベンターとかいう輩達が商売の邪魔ばかりするんですよ。」
 「プリベンター?。なんだそりゃ。」
 「どうも、世界統合政府の直属機関で、あらゆる戦争の後始末や、凶悪事件の治安担当する連中らしいんです。」
 「政府のイヌか・・・。 そいつらの面は割れているのか?。」
 「こいつらでさぁ。」写真を数枚ボスらしき人間に差し出す。
 「なんでぇ、おまえら!!。 こんなガキどもと馬鹿面した男にやられておめおめ尻尾巻いて帰ってくんのか!!。」
 「まあ、聞いてくださいよ、ボス。 ガキ共の方は元ガンダムパイロットで、女はこの体で100tハンマー振り回すんですよ。
 この前なんか、100人ががりで勝負しようとしたら、モーニングスター取り出してきて、トスバッティングなみのスピードで全員お空の向こうへさようならにされたんですよ。
 こっちだって、商売あがったりでさぁ。 なかには、僕ちゃんもう帰るっていって、そのまま逃走したやつもいますぜ。」
 「んで、こっちの馬鹿面の方は?。」
 「腕自体は先のこいつらほどではないんですが、「俺ってスペシャルで模擬戦無敗で、エースなんだよおお!!。」とか喚いて、
  それでナイフで刺しても、ライフルで狙撃しても、トラックで跳ね飛ばしてもローラーで轢殺そうとしても、ぴんぴんしてるんですよ。
  ありゃ、人間じゃありません。 ターミネーターですよ。」
 「ふーむ・・・。 しかし、なんとかこいつらを始末せんと、俺もしのぎや上納金がだせん。 大ボスからこの前もこっぴどく絞られたからな。
 このままだと、俺たちお船にのせられ、簀巻きにされて沈められるぞ。」
 まあ、大概チンピラのバックには暴力団やマフィア、そして大ボスの組長、ラスボスの悪徳政治家やフィクサーがついているものだが、
それはともかく、今はどうやってしのぎをつけていくか、ボスとチンピラたちは思案投げ首していた。
 と、そのとき「すまんがの。」とボスの肩を軽く叩く者がいた。
 
 
59不定期でんねん:2008/05/22(木) 14:04:13 ID:???
 「ああぁ!?。」不機嫌そうにボスが振り向くと、爺様と婆様がたっていた。
「なんかようか、俺様に。」
「すまんが、世界統合政府の場所はご存じないかの?。」
「知るかよ!!。 そんなもん他の奴に聞けよ!!。じじぃ!!。」口汚くいった言葉が彼らの命運を決した。
「ほぅほぅ、どれもこれもロクな面はしとらんのう。 特におまえさん。 ガマガエルが道路でひき潰されたような顔をしておる。
肌のお手入れはちゃんとしておるのか。」とボスの顔をギュウっとつねった。
「イテテテテ!!。 なにしやがる。 ジジィとババァだからと思って優しくすりゃ付け上がりやがって!!。
おい!!、二度と足腰の立たないようにしてやれ!!。」
 チンピラは一斉にナイフやチェーン、ナックルパート等を構えた。
「ほほほほ、爺さん、ここには命知らずの人がおおいわね。」
「ほんじゃ婆さん、やりますかの。」
「はいな、私の分残しておいてくださいね。」
「ふぉっふぉっふぉっ。 はぁああああーーーー!!!!。」
 爺様が気をいれると、衣服を破り、そこにはプロレスラーも裸足で逃げるような鍛え抜かれた肉体が現れた。
 「ひ、ひぃぃぃぃーーーー!!。」ボスが悲鳴をあげて逃げ出そうとするが、
時既に遅し、頭をつかまれて、もがいても余計に指が入ってくる。
 「老人に話をするときはもっと敬意を持った話し方をせんかい。」もはやラオウ顔になっている
爺様にいわれ、「ごめんなさい、ごめんなさい。」と情けなく懇願するボス。
「今度から気をつけぃ!!。」といって、ボスをチンピラの方に投げつけた。
「あひゃー!!。」どーーーーーーん!!。ボスは20人ほどのチンピラを巻き添えに空の向こうへさようなら。
 
60不定期でんねん:2008/05/22(木) 14:05:05 ID:???
 「ありゃ、爺様相変わらずお見事ですこと。んじゃ私はこれで。」 左手に皮手袋をはめた婆様の目が妖しく光った。
 そして、チンピラの一人のバックをとり、「老人は労わるものじゃぞ。」といって、腕を捻り上げた。
「ぎゃあああああああああああああ!!。」チンピラの断末魔がとどろきわたる。
ぎりぎりと筋肉のきしむ音、そして、必殺仕事人でおなじみのレントゲン撮影。
ゴキィ チンピラは腰を落としてそのまま動けなくなった。 「あ、あひゃひゃひゃひゃ」あまりのことに
気がおかしくなったらしい。
 「ひ、に、逃げろう!!。」残ったチンピラたちは必死に逃げようとするが、婆様の足の速いこと速いこと。
あっという間においついて、ハイ、レントゲン。
 通りにはチンピラの山が築かれていた。 ほんでボスと巻き添えのチンピラはさぁ、どこへいったんでしょう。(笑)
 「うーむ、気分はすっきりしたが、世界統合政府の位置はわからんのう。」と爺様。
 「どおです、この人たちを連れがてら、警察にいってきいてみては。」
「おお、そうじゃった。最初からそうすればよかったのう。」すっかり好々爺に戻った
爺様と婆様は、縄でチンピラを結わいつけ、警察へ向かった。
 さあ、プリペンターの部屋で何が起こる?。我らがコーラサワーさんの運命や如何に!?。
次回ご期待を!!。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
どうも、お久しぶりでございます。不定期です。
ネタ不足で間が空きました。 いつの間にか新スレへ移行してましたが、相変わらず
土曜日氏、水曜日氏、模倣の人氏の切れ味は抜群ですね。
 腹筋何回壊れたことか。
 ちょっと本日は時間がありませんので途中にさせていただきます。
 今回のネタが皆様のお口に合うかどうかは不明ですが、やはりストーリーの演出は
 土曜日氏の路線に乗っているんでしょうね。
 また、違った面を書ければ、後半書いたあと考えたいと思います。
 失礼いたしました。

 

 
61通常の名無しさんの3倍:2008/05/22(木) 15:08:41 ID:???
乙!
面白い…んだけど、オリジナルキャラはあんまり出張り過ぎないほうがいいんじゃないかな、
というのが俺の個人的見解。
どちらかというと00やWのキャラをもっと見たいんだよな。
しかし爺つえぇー。
62通常の名無しさんの3倍:2008/05/23(金) 02:12:42 ID:???
乙!
63通常の名無しさんの3倍:2008/05/23(金) 02:14:39 ID:???
乙!面白かった
でもオリキャラに関しては>>61と同感かな

不幸な看護婦さんが受け入られているのもあくまでも
脇に徹している部分が大きいと思うし。
64通常の名無しさんの3倍:2008/05/23(金) 13:11:41 ID:???
まぁ目くじらたてるほどでは
65通常の名無しさんの3倍:2008/05/23(金) 17:48:49 ID:???
実はWや00のキャラかもしれないぞ>じじーとかばばー
66通常の名無しさんの3倍:2008/05/24(土) 01:19:58 ID:???
ここでじじばばナースのイラストが
67通常の名無しさんの3倍:2008/05/24(土) 13:20:05 ID:???
コーラさんバンジャーイ
68通常の名無しさんの3倍:2008/05/24(土) 23:12:45 ID:???
浮上
69名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/25(日) 01:42:51 ID:???
「うむ……やはり美味いな」
 最近話題のヤキトリ屋、その隅の席にて、
人類革新重工商品開発部部長のセルゲイ・スミルノフは、グラスの酒をノドにホロホロと流しこんでいた。
店内を薄く包む炙りの煙、年期を感じさえる渋いスーツ姿、そして冷酒。
実に味を感じさせる一景と言えた。
思わずコーラサワーも「似合ってんな」と一瞬感じた程だ。
この深みは、さすがにコーラサワーがどれだけ粋がってもまだまだ出せない類のものだろう。
「ちゅ……ケフン、部長、素敵です」
 そんなセルゲイをキラキラと輝く瞳で見つめているのは、彼の秘書であるソーマ・ピーリスちゃん。
未だ18歳の銀髪麗しき乙女である。
素敵とはいうものの、その感情は恋愛ではなく親とか保護者に対する純粋な敬愛のそれ。
なかなか複雑な生い立ちである故、ちょっと真っ直ぐ過ぎる、
見方によっては半ば崇拝とも言える信頼をセルゲイに寄せている彼女なのだった、バケラッタ。
「さあしょう……ゴホン、ピーリス君、遠慮なく食べたまえ」
 18歳ということは未成年。
未成年をこんな店に堂々と連れてくるセルゲイってどうなのよとは思うが、ヤキトリを食べるくらいなら問題はないだろう。
何となく、家族づれで居酒屋に行く感覚である。
「はい、ありがとうございます」
 微笑ましいっちゃ微笑ましい。
二人の横で無言で芋焼酎を飲んでいるミン係長がどこか痛々しいが、まぁそれはそれとしておこう。

「むはは、イケる口だなおっさん」
「君もなかなかに強いな、結構なことだ」
 さて、酒は人生の潤いとか何とか。
歳が離れていても、一献付き合えばそこで飲み仲間というものは成立する。
これは駅前の立ち飲み屋でも高級なバーでも変わらない。
コーラさんとセルゲイ部長、何だかんだで意気投合した模様である。
セルゲイはさすがに歴戦の管理職といった感じで、
傍若無人気味なコーラさんをしっかりと受け止めて対応している。
外見は岩のように固い彼だが、案外コーラさんのようなタイプに好意的なもかもしれない。
懐が広いのか、それとも感性の軸がずれているのか、どちらなのかは定かではないが。
グラハムやジョシュアとも普通に酒を酌み交わしているところを見ると、後者という気がちょっとはする。
「おい、お前」
「んあ」
「また部長のことをおっさんなどと……この串で額を刺されたくなかったら、その言葉づかいを改めろ」
 が、さすがにソーマちゃんはそうはいかない。
彼女にとってセルゲイは尊敬の対象、コーラサワーの態度がゾンザイなものに思えて仕方がないのだ。
もう少し彼女が人生経験豊富で器用な性格ならば、セルゲイを見習ってコーラをいなすことも出来るのだろうが。
「おっさんはおっさんだろ、俺は別におっさんの部下じゃないし、それに馬鹿にしてるつもりはないぜ、おっさんのことを」
「貴様、四度もおっさんと言ったな!」
「あんだよ、月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月みたいなもんだろ」
「全然違う!」
 コーラサワーとソーマ、語感が何となく似ている二人だが、どうにも性格は合わないらしい。
アニメの二期でうまくやってけるのか、どーにも不安である。
70名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/25(日) 01:43:12 ID:???
「だいたいな、酒も飲めねーお子ちゃまに説教される謂われはねーよ」
「私も精神レベルがお子様の大人にいばられる覚えはない」
「ふーんだへーんだ、悔しかったらビールの味でも覚えてからかかってきやがれ」
 ガキである。
まんまガキの口喧嘩である。
情けないのは突っかかるソーマなのか、それとも酒臭い息で文句を垂れるコーラさんなのか。
どっちもどっちな気もするが、さて。
「言ったな、お前」
「言ったぞー。っと、おーいオヤジさんよ、ネギマにポンジリ、三本ずつ追加な」
「よし、見ていろ。仮にも超兵たる私がお酒の一杯や二杯……!」
 手近にあったコップを、ガッと掴むソーマ。
さすがは本人も言うように超兵、ミンもセルゲイも止める暇のない速さだった。
ドクドクと芋焼酎をコップに注ぐと、グイッと一気にあおる。
ああああ法律違反、これが警察にバレたらセルゲイの首が飛ぶわけだが、
悲しいかな、コーラサワーへの怒りでそこまで頭が回ってないぞソーマちゃん。
完全なる超兵モードのアレルヤがここに居たら、「身体の反応と思考がズレてんだよバーヤ」と鼻で笑ったことであろう。
「んぐ……んぐ……んぐ……ぷはっ」
「んげ、マジで飲みやがった」
 コーラの目の前で、ソーマの白皙の頬が見る見るうちに朱に染まっていく。
さすがに銀の髪は色が変わらないが、肌の色は一寸前とは全く別モノに。
ついでに目もぐいっと据わり気味になったりして、もう一発で酒に強くないことがわかってしまう変わり様だ。
「ピーリス君、自重したまえ」
 遅いよ部長、遅すぎるよ。
いくら超兵の動きに追いつけなかったからと言っても、ならばコップを口に当てる前に止めないと。
「ふ、ふふ……うふふ……バケラッタ」
「な、なんだこりゃ」
 赤い舌をチロリと出して唇を舐めるソーマ。
もう少し歳を重ねててもう少し起伏のある身体をしていたらさぞかし艶っぽいのだろうが、
残念、今の彼女では異様な雰囲気の方が先に立つ。
コーラも女性関係についてはかなり戦歴をツンデレ、じゃない積んでることもあって、
薄気味悪さを察知したのか、警戒するかのように半身を後方にずらす。
まるで怯えた猫である、これでは。
「おい、きしゃま」
「お前、舌回ってねーぞ」
「……しょうぶだ」
「は?」
 気に食わない相手+アルコール=勝負してぶっ倒す。
実にわかりやすい、チュートリアルなんぞいらない親切すぎる思考である。
さすが超兵。
ん、違うか。
71名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/25(日) 01:43:38 ID:???
「ぶちょおをイジめるやつはゆるさない。だからしょうぶだ」
「いや勝負するってんならこっちも望むところだけどよ、後日にしとけ」
「うるしゃい」
「プリベンター本部に来たら模擬戦でコテンパンに、ってお前聞いてるか?」
「きいてにゃーい、きいてにゃいもん。だからしょーうぶ」
「……おい洗い熊のおっさん、こいつ、酒癖相当悪いぞ」
 絡み状態に突入したソーマをさすがにコーラもかわしきれず、セルゲイに流す。
この手の『酒が入ったら変わる女性』の相手をコーラサワーは経験豊富なだけに何度かしたことがあるが、やはりソーマは勝手が違うらしい。
いや、経験豊富だからこそがっぷり四つで組んだらマズイと細胞レベルで理解したのかもしれない。
「……ううむ」
「いや、ううむじゃなくって、おっさん」
「すんごぉぅぉおぅおい!」
「わ!」
 セルゲイ、突如両の目からまるで星飛雄馬のように涙をドバー。
さらに首を縦に何度も振り、体を感極まったように小刻みに震わせる。
「彼女は……今、生の実感を得ているのだ」
「は?」
「感謝をする。これで彼女は今、人間としての階段をひとつ上った」
「へ?」
 ソーマ・ピーリスの過去は重い。
ロシア軍の研究所で人間兵器として育成され、その行き過ぎた非人道的行為に査察が入って解放されたはいいものの、
当然身寄りもなく、本来なら病院にスライドしてそこで一生を終えるはずの存在だった。
そんな彼女を引き取ったのが軍とのパイプを持っていたセルゲイで、
以後側に置いて人間として、女性として真っ当に暮らせるように骨を折ってきた。
「これで二度目だな……君によって彼女が成長したのは」
「ほ?」
 家庭を持ちながらさらにソーマの面倒を見るのは並大抵の苦労ではなかったであろう。
まぁ、とっとと正式に養女にしとけば家族に出来たんだから、そっちの方が良かっただろうにとツッコミたくなるけれども。
「すんごぉうい、実にすんばらすんごぉうい」
 いや、未成年に酒で成長もクソもないけどね。
何か溺愛とは違うレベルで危ないぞこれ。
「ブツブツ……酒……乙女……成長……」
 スミルノフ部長、廃人、じゃない俳人モードに。
これで完全にソーマちゃんは首輪のついてない犬状態。
「さあしょーぶだ、しょーぶ」
「いや勝負ったってよ、どうすんだよここで!?」
「……すもーだ」
「ああ琴欧州、いやじゃなくって、相撲なんか出来るか! こんなところで!」
 女と出来るか、とは言わないコーラさん。
なかなかわかっていらっしゃる。
「うでずもーだ。ヒック」
「……ああ、まぁそれなら」
 しかし、完全にコーラサワーが受けにまわっている。
本来なら騒動の主導権は常に彼にある筈だが、プリベンターの外での出来事とはいえ、ここまで彼が後手後手にまわるのも珍しい。
やはりソーマとは相性的に悪いのだろう、男女のじゃなくて、人間としての。
72名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/25(日) 01:44:04 ID:???
「よし、こーい」
「お、おう」
 コップと皿を横にどけて、腕相撲の舞台を作る二人。
さっきから店のオヤジがチラチラこっちを見ているが、
何も言わないのはセルゲイが昔からの常連だからなのかそれとも忙しいからなのか、はたまた見て見ぬふりをしているだけなのか。
「おい、パトリック・コーラサワー」
「何だよナルハム野郎」
「勝負というからには全力を尽くせ、相手が酒に酔っていてもだ」
「それと、出来れば簡単に勝負を決めるな、粘れ」
 コーラサワーに声をかけるグラハムとアラスカ野ことジョシュア。
こーいう時でも自分の流儀か、ソーマを止めずに逆にコーラサワーに手を抜くなというグラハムはやはりおかしい。
まぁコイツも勝負ごとに関しては視野狭窄気味な奴ではあるが(周囲の状況より勝ち負け重視)。
で、ジョシュアがトンチンカンなことを言っているのは、これはソーマがスーツの上を脱いでブラウス姿になったから。
コーラサワーが勝つにしても負けるにしても、腕相撲が長引けばソーマのブラウス姿をより拝めると思っているのだろう。
もしかしたら、何かのはずみでそれ以上のものが期待出来るとすら考えているのかもしれない。
男としちゃ正しいのかもしれないが、ちょっと情けないぞお前。
「よぉしいくぞー、んぐ……んぐ……んぐ」
「お前、焼酎を割らずに二杯目かよ」
「ぷはー、さーしょぶしょぶ、ちうさ、ヒック、じゃないぶちうをばかにするやちゅはわたしがゆるしゃにゃう」
「……喋れてねえ」
 酔って絡んでくる女をいなしてベッドインしたことは過去に何度もあれど、
酔って腕相撲を挑んでくる女を相手にしたことはない。
パトリック・コーラサワー29歳、未知への挑戦である。
「よーし、いくぞぅ。ヒック」
「……こりゃとっとと終わらせた方がいいな」
 互いに右の掌をがっしりと握り合わせる両者。
残念ながら石破ラブラブ天驚拳ではない。
色気のイの字も恋愛のレの字もない、酒席での殺伐たる腕相撲である。
なお、腕相撲とアームレスリングは似て異なるものだそうで、それは各自調べておくれ。
「がんだむふぁいとー、れでーごー!」
「それWと違うGだろ……ってうおっ!?」
 右肘から先に凄まじい圧力を感じ、コーラサワーは驚いた。
ソーマの握力、そして押してくる力は尋常ではなかったからだ。
とてもとても細腕の女のものではなく、全力を出さねば抗しきれない程だった。
コーラサワーも元軍人としては細身な方だが、
それでも同じ年代の他の男に比べれば決して非力ではない(あくまで平均より上、ということだが)。
それがどうだろう、10も年下で自分の2/3くらいの大きさの、しかも女性に腕力で押されるとは。
「な、に、ぬねの!? お、お、何だこいつ!」
「ふふ、うふふ……ちょーへいをあまくみりゅな、ばけらった」
 そう、ソーマ・ピーリスは超兵、規格外の人間。
その身体能力は、ガンダムパイロット生身最強の五飛以上なのだ。
恐るべしちょーへい。
「どうした、何を手こずっている?」
「うひょー銀髪ちゃん前かがみ、もっと粘れ」
「す、好き勝手言うなお前ら、こ、コイツおかしいんだって!」
 だが、コーラサワーも意地がある。
模擬戦で引き分け、さらに酒の席とは言え腕相撲で負けたなら、あまりに立場が無さ過ぎるし、自尊心がどえらく傷ついてしまう。
プライドにかけても、ここはソーマを捩じ伏せねばならない。
73名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/25(日) 01:44:23 ID:???
「ぬお! ふぬりゃ! ほんが! ばーろー! 二千回! スペシャル!」
 よくわらかん掛声を放ちつつ、コーラは全力のさらに奥の力を解き放つ。
これぞ火事場のクソ力。
「ふふ、ふふふ……それでぜんりょくにゃのか?」
「おごおおおおおおおおおお」
 しかし、ソーマはピクリとも動かず。
額に汗ダクのコーラに対し、まったくどこ吹く風の涼しい顔(酔ってるけど)。
「……ちゅーさ、じゃないぶちょーをこけにしたばつ……とどめをさしゅてやりゅ!」
「のあああああああああ」
 さらなる負荷が右の腕にかかるのをコーラサワーは感じた。
「しょーりのびしゅ……いたでゃき!」
「ぼええええええええええ」
 まるで千切れんばかりの勢いで、自分が押す方向とは逆に手が持っていかれて―――


 ダン、とテーブルを叩く音が響いた。
ガシャンというコップと皿が踊る音がそれに続く。
パラパラとヤキトリの串が何本か、床へと落ちていく。
「ほ、げ、げ?」
「おお……」
「おー」
 コーラサワーの右手、それはテーブルにくっついていなかった。
テーブルに押しつけられていたのは。
「勝ったな、お前」
「もう少し空気読んで粘れよ、彼女のブラウスの一番上のボタン、外れかかってたんだぞ」
 ソーマの右手だった。
「お、俺の勝ち?」
 にわかにはコーラサワーは信じられなかった。
今まで勝負に負ける覚悟というものはしたことがなかったが、
今度の今度ばかり、最後の猛烈な力をソーマから加えられた時には覚悟をした。
だがどうだろう、終わってみれば自分は勝者で、子生意気な銀髪娘は敗者の位置にいる。
「……そうか、俺の秘めたる力が」
 お、お得意のポジティブシンキング。
「発動したんだな。オーラ力コーラ力、さすが俺……っててめーこら! 寝てんのかよ!」
 そう、ソーマ・ピーリスは眠っていた。
実に幸せそうな顔でテーブルに突っ伏して、すよすよぴいよと小さく寝息をたてて。
そして、がっしりとコーラの右手を掴んだままで。
「成る程、丁度スイッチが切れたというわけだな、タイミング悪く。いや、お前にとってはタイミング良くと言うべきか?」
「うっせーよナルハム野郎、か、勝ったのは俺だ、文句あっか」
「文句あるぞ、あれ程粘れと言ったのにあっさり終わらせやがって。ブラウスのボタンが……」
「アラスカ野、てめーあとでぶっ飛ばす」
 通常ならここでコーラパンチがジョシュアのテンプルにヒットしているのだが、
それが出来なかったのは、ソーマがコーラの右手を離さないから。
意識は飛んでもセルゲイをコケにした(と、彼女は思っている)恨みは身体が覚えている、と言ったところか。
死後硬直ならぬ眠後硬直。
74名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/05/25(日) 01:45:01 ID:???
「おい、洗い熊のおっさん! 何とかしてくれよこの銀髪娘!」
「うむ」
「頼むぜ、おい」
「ヤキトリの 煙も霞むか 乙女の怒り」
「俳句じゃねえよ! 手だよ、銀髪娘の手!」
「うむ、む……では、 憎い程 離せぬものと 握りしめ」
「だから俳句じゃねえ! しかもそれ川柳だろ! 季語ねーぞおっさん!」
「ぶははははは、ははははははは」
「ふっ、これも縁だと思え。そのままの恰好で酒を飲むのもミホトケの思し召しかもしれんぞ」
 わめくコーラサワー、俳句(川柳?)をヒネるセルゲイ、
そんな二人を見て腹を抱えて笑うジョシュア、コーラの勝利を皮肉っぽく祝うグラハム。
そして、芋焼酎をかっ食らう前とはまるで違う、ケンの取れた表情でくうかくうかと眠るソーマ。
「はーなーせー! おーきーろー!」
「すぅ……すぅ……」
「へい、ネギマにポンジリ、お待たせしてすんませんね」
 店のオヤジが、コーラサワーが腕相撲の前に最後に注文した品を持ってきた。
実に穏やかな、いや、穏やか過ぎる口調で。


 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅はまた次回―――











「……」
 喧噪の横、一人静かに酒を傾ける男、ミン係長。
意図的なのかそうでないのか、騒ぎの輪に加わらず、ポソポソとヤキトリを食べては芋焼酎を飲んでいる。
実は彼もセルゲイと同じくこの店の常連で、この芋焼酎は彼が入れているボトルなのだが。
「……半分になってしまった」
 その中身はかなり減っていた。
ソーマに飲まれて―――



 


 コンバンハ。
次回はまたガンダムパイロットたちとコーラサワーのお話に戻りますサヨウナラ。
75通常の名無しさんの3倍:2008/05/25(日) 03:34:46 ID:???
焼鳥屋シリーズ雰囲気良くて好きでした。ソーマ相手だと小さい子同士のケンカだなwww GJ!
76通常の名無しさんの3倍:2008/05/25(日) 19:22:10 ID:???
イラスト神カモン
77通常の名無しさんの3倍:2008/05/25(日) 22:43:38 ID:???
酔っ払いソーマ可愛かったぜGJGJ!!!
78通常の名無しさんの3倍:2008/05/26(月) 11:52:58 ID:???
コーラ最強伝説
79通常の名無しさんの3倍:2008/05/26(月) 17:34:46 ID:???
強羅埼京線接続
80通常の名無しさんの3倍:2008/05/27(火) 07:08:44 ID:???
待ち
81通常の名無しさんの3倍:2008/05/27(火) 15:13:47 ID:???
職人待ち
82通常の名無しさんの3倍:2008/05/28(水) 09:34:46 ID:???
保守
83通常の名無しさんの3倍:2008/05/28(水) 15:42:28 ID:???
おまえら…コーラさんは好きか…(ニヤソ)
84通常の名無しさんの3倍:2008/05/28(水) 15:44:53 ID:???
好きだからこのスレにいるんだろバーロー
85通常の名無しさんの3倍:2008/05/29(木) 07:20:47 ID:???
大佐お疲れ様です
86毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/05/29(木) 12:02:07 ID:???
その日の正午、事件は起こった。

「格納庫でMS(言わずともミカンスーツの事)が動いてるんだけど、一体誰が起動
させたの」
ヒルデの一言で各々デスクワークをしていたガンダムパイロット達は視線を合わ
せて結論をだした。
『奴しかいない…』
そう。こんな勝手な事をするのはプリベンターの中には一人しかいない。その人
物の名はコーラサワー。
しかし、ガンダムパイロット達の結論は簡単にひっくり返された。
何故なら、コーラサワーは彼等と同じ部屋のソファで玄米茶をすすっていたから
だ。コーラサワーが何故仕事をしていないかは、言わずもがな。彼が働けばそれ
だけ余計な仕事が増えるからである。
「おい、お前等。今真っ先に俺を疑っただろ!?格納庫の鍵はそこのチョココロ
ネみたいな頭した姉ちゃんと五飛しか持ってないんだから、俺が勝手に動かせる
わけ無いだろ」
コーラサワーの発言に、そういえばそうだと頷くガンダムパイロット達。
「じゃあ誰が…」
カトルの声はヒルデの悲鳴のような声で掻き消された。
「大変!MSが暴走して格納庫を破壊し始めたわ。このままじゃ格納庫が壊れちゃ
う!!」
「兎に角、現場に行ってみよう」
トロワの一言の後プリベンター達はMS格納庫へと駆けて行った。

MS格納庫に着いたプリベンター達は余りの惨状に言葉を失った。
1機のMSが、壁を壊しケーブルを引き千切り、兎に角暴れ回っていたのだ。
「おいおい…誰だか知らないけど、何の怨みがあってあんな事してんだ…」
とデュオ
「壁や機材は破壊しているが、待機中のMSには被害が無いようだな」
冷静に状況を分析するヒイロ。
「取りあえず、奴を止める!」
そう言って、五飛が待機中のMSの1つに飛び乗った。起動と共にスロットルレバ
ーを押しやり、暴れ回っているMSに飛び付く。
と、暴れ回っていたMSも標的を五飛の乗ったMSに変えて攻撃を仕掛けてきた。
ガンダムファイトならぬミカンスーツファイトをする2機。
互いのパンチやキックを受け流しながら攻防を繰り広げる。パイロットの実力は
殆ど変わらない。ガンダムパイロットと同じレベルで戦っているとなると、相手
は相当の手練だ。
予想以上の相手の強さにコックピットで舌打ちした五飛は、そこで不可思議な違
和感を感じた。
87毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/05/29(木) 12:03:42 ID:???
『この戦い方…相手はもしや…』
気付くと共に、回線をオープンにして相手のMSに向かって叫ぶ。
「こんな戦いは止めろ!…老師O!!」
老師O。この人名を聞いてガンダムパイロット達は「そんな」「まさか」と絶句し
た。
「ホッホッ…これが嘘じゃ無いんじゃなぁ」
声がした方に視線を向けると、格納庫の奥、光の届いていない暗がりからゾロゾ
ロと4人の人間が出てきた。暴走していたMSも動きを止めハッチが開く。
合計5人の侵入者をみて唖然とするガンダムパイロット達。コーラサワー、グラ
ハム、ジョシュアは状況が掴めずキョトンとしている。
「ヒイロ、久しぶりじゃな」
「ドクターJ…」
ドクターJと呼ばれた老人は義手をガショガショと動かし、ニカッと笑った―――



「つまり、わし等はリーブラを爆破した後、爆風に巻き込まれて宇宙を漂流し、
近くのコロニーに拾われ、まんまと生き延びた訳じゃ」
キノコのようにカットされた髪形の老人、プロフェッサーGが玄米茶を飲みながら
自分達のこれまでを簡潔に語った。
「へいへい、疫病神は不死身って訳ですか」
デュオが呆れて言う。「何故ここに訪ねてきたんだ」
トロワがこの場にいる全員が問いたい事を問う。
「なに、お前さん達が不死身の人間と新型のMSを使って面白い事をしてるという
のを小耳にはさんでな、ちと見学にきたんだよ。後ついでに耳寄りな情報も持っ
てきてやったぞ」
鼻カバーを付けた老人、ドクトルSが、なんて事ないように答える。不死身の人間
とは無論コーラサワーの事だろう。
「カトル」
ドジョウヒゲの老人、H教授がニヤニヤしながらカトルの名前を呼ぶ。
「なんですか」
「今日のパンツは何色じゃ」
ドジョウヒゲをヒョコヒョコ動かしながら、H教授は相変わらずニヤニヤしている
。カトルは溜め息をつくと、『セクハラで訴えてやる』と心の中で呟きH教授を無
視した。
「皆さんが何故ここに着たのかは分かりました。でも、どうして格納庫に侵入し
てMSを暴走させたりなんてしたんですか。普通に玄関から訪ねてくれば良いもの
を…」
カトルの質問を聞いて、待ってましたとばかりに技師達は嫌な笑みを浮かべた。
代表して老師Oが答える。
「普通に来てもつまらないからな。格納庫で騒動を起こせば、MSの性能チェック
と君達からの注目も集められて一石二鳥。まぁ、暴走は我々の日課だ。特に意味
は無い。しかし、格納庫のセキュリティは厳しいな、侵入するのに1時間はかか
った」
ただ注目を集めるだけで、一体どれだけの損害が出たと思ってるんだ!ガンダム
パイロット達は頭痛のする頭を抱えて盛大に溜め息をついた。
いままでずっと話を聞いていたジョシュアがおずおずと手をあげた。
「あのー。さっき言っていた耳寄りな情報っていうのは、なんですか」
88毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/05/29(木) 12:04:23 ID:???
「ああ、それか。つまらん事じゃよ。L1コロニー付近の資源衛生の1つが実は兵
器工場になっとるちゅーだけじゃ」
そう言ってドクターJは玄米茶をすすった。
「なんですって!?そんな情報、レディからは一言も…」
サリィが驚愕する。
「君達にことごとく工場を潰されてるからねぇ、悪の商人達は。奴さん達もそれ
だけ賢くなっとるってことだよ」
ドクトルSが答える。
「潰しても、潰しても出てくる兵器工場…まるでイタチごっこですね…」
玄米茶に写る自分の顔を見つめながらカトルが呟いた。その顔は憂いに満ちてい
る。
「どんなに悪が賢くなろうと、それを叩くのが俺達の正義。サリィ直ぐにでも宇
宙にあがるべきだ」
五飛が左手の拳を右の手の平へ叩く。
「だが問題がある」
老師Oが口を開いた。他の博士達もうんうんと頷く。H教授が自慢のドジョウヒゲ
を撫でながら、老師Oに代わり話始めた。
「見たところ、君達のMSは宇宙用ではないな。それに宇宙で使用できるような武
器も無い。彼方さんも相当な警戒をしている。今のままでは、お前さん達でも攻
略は不可能だろう」
H教授の言葉を聞いて、プリベンター達は黙りこんでしまった。確かに博士達の言
う通りだ。プリベンター達は言い返す言葉も無く、暫くの間沈黙が続く。
すると、突然プリベンター本部の扉が開いた。
「やぁ、皆さんお困りのようだねぇ」
突如扉を開けて現れたのは神出鬼没、白衣の天使ならぬ、白衣の眼鏡、ビリーだ
った。
「ビリー!何故お前がここで登場するんだ。ただでさえ今日は人数が多くて私の
喋る機会が少ないというのに、これ以上増えたら私の出番が無くなる!」
グラハムがビリーを追い出そうとするが、構わずビリーはズカズカと部屋の中に
侵入する。
「だってねぇ。かのガンダムを設計した天才科学者達が来てるって聞いたら同じ
科学者としては会わずにはいられないでしょう。それに話は外で聞かせて貰った
けど、宇宙用MSを入手しないといけないんだろ?僕一人でもやれない事はないけ
ど、どうせならここにいる天才的な博士達に協力してもらったらどうかと思って

それだけ言うとビリーはドクターJの前に立ち手を差し出した。
「私はビリー・カタギリと言います。お会い出来て光栄です博士。是非とも一緒
に宇宙用MSを開発させて下さい」
「君があのMSを開発した博士か。実に面白いモノじゃったよアレは。この老いぼ
れジジイ共で良いんなら幾らでも力を貸そう。それに天才とは、若いのに良く分
かっとるじゃないか」
ハハハと不気味な笑みを浮かべて2人はガシッと握手を交わした。自分達の事を
全く無視して話を進められたプリベンター達はというと、出来れば博士達とは関
わりあいになりたく無かったが、自分達だけで宇宙用MSを開発する事が出来るわ
けもなく、まぁ、今更しょうがないかと痛む頭を押さえながらしぶしぶMS開発を
了承した。
89毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/05/29(木) 12:04:54 ID:???
こうして、プリベンター達が宇宙で任務を行えるようにするため、彼等の許可は
一切無く最凶の天才マッドサイエンティスト達と若き天才ミカン博士は手を組む
こととなった。
取りあえず事の成り行きを一部始終をみていたデュオはあることに気付く。
「おい、ちょっと待てよ。一緒に開発するって事は、ジジイ共は暫くここに住み
着くって事じゃねーか!!」
「ふむ、世話になるなぁ。昔のようにまた仲良くやろうじゃないか。デュオ」
プロフェッサーGがニヤリと不敵に笑いながらデュオの肩をポンと叩く。
宇宙用の新たなMSを手にするその日まで、厄介な種をまた1つ手にしたプリベン
ター達。彼らの苦難の道はまだまだ続く。

今日も地球は馬鹿を除いて平和でありましたとさ。

***
お久しぶりですこんにちは。
暫くネットの世界から足を洗っていたら、3戦目になっててびっくりしました。
今回から『愉快なジジイ達とプリベンターが宇宙に行くよ』編です。
ジョシュアが生きてるなら博士達が生きても良いんじゃね?と思って考えついた
話です(結末まだ考えてないけど)。
ネーブルみたいに、宇宙用MSの名前を誰か考えてくれると有難いです。
では
90通常の名無しさんの3倍:2008/05/29(木) 12:09:38 ID:???
リアルタイム遭遇www
乙! 宇宙用は普通にスペースネーブルオレンジでいいんじゃね?
それとも超銀河大宇宙ミカンスーツとか(←とことんダサい方向に持っていきたいようです)
91通常の名無しさんの3倍:2008/05/29(木) 16:39:57 ID:???
サンキスト
92通常の名無しさんの3倍:2008/05/29(木) 20:56:48 ID:???
千疋屋
93通常の名無しさんの3倍:2008/05/29(木) 23:57:23 ID:???
バヤリース
94通常の名無しさんの3倍:2008/05/30(金) 13:23:34 ID:???
ハッサク
95通常の名無しさんの3倍:2008/05/30(金) 16:13:49 ID:???
ハッサン
96通常の名無しさんの3倍:2008/05/31(土) 07:36:34 ID:???
水曜日さん乙!
97名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/01(日) 01:22:03 ID:???
 プリベンター本部は平和だった。
ここが平和ということは、すなわち世界が平和であることを意味する。
騒動があれば即出動の隠密同心プリベンター、ここが暇であればある程世の中は無事平穏なのだ。
いや、プリベンターが出張るから騒ぎが起こるんじゃないのかという指摘があるのは承知している。
事件のあるところにコ○ン君ありじゃなくてコナ○君あるから事件が起こるという理屈だが、まぁそこはそれ。
実際問題を起こすのはパトリック・コーラサワーくらいのもんであるからして。
『……現場の絹江・クロスロードです。私は今、使用済み切手数千万枚が放置されていたという竹藪に来ています』
 今日は朝から特に式典警護や残留武器廃棄の仕事もなく、
プリベンターのメンバーは本部応接室でのんべんだらりと過ごしている。
『近くに住んでおられる第一発見者の方の話だと、昨日の夜に犬を散歩させに来た時はなかったということで……』
 テレビ(特注品。フライパンが百回飛んできて当たっても壊れない)の画面には、
先日より続いている謎の連続不法投棄事件の追跡ニュースが映っている。
この事件、使用済みの切手から封筒、チビたエンピツ、インクのなくなったボールペン、
書き損じの領収書、千切れた延長コード、墨で塗りつぶされた住所録、エトセトラエトセトラ。
こういった物が市内各所に千個単位でいつのまにか捨てられており、市民は恐怖に震えあがっているここ一週間なのである。
やれ単なる愉快犯の仕業だの、倒産した大手企業の社長が残品処理に困ってやってるだのと噂が絶えないが、
目撃を始めとした情報はほとんどなく、警察もただ事後対応に追われるのみで、
解決の目算はまったくたっていないと言っていい状況だった。
「物騒だか何だかわからない事件だな」
「それにしてもかなりの量ですよ、一人で持ち運ぶのは困難なはずです」
「複数犯の可能性が高いか」
 ガンダムパイロットたちもこの事件に興味が無いわけではなかったが、
だからと言って出動して警察の捜査に横槍入れるつもりは毛頭ない。
てか、この手の犯罪にまで動いてたらそれこそいくら身体と時間があっても足りないであろう。
いつぞやのデパート占拠事件のように、目の前で事件が起こったのならともかくとしても。
「しかしよ、こーゆーことする奴の常識を疑うよなあ」
「……」
「……」
「……」
「ん? 何だ? 皆して」
 ジョーシキをウタガう。
この発言をコーラサワー以外の誰かがしたならば、「だよな」と普通に流されていたことであろう。
しかし、これはれっきとしたコーラサワー本人の口から出た台詞。
そりゃもう、ガンダムパイロットもサリィも思わずコーラサワーに視線を突きさすてなもんである。
お前が言うか、と。
あ、ちなみにグラハムとアラスカ野ことジョシュアは今日は非番で、サリィは日雑のお買い物で本部にいませんのでよろしく。
「非常識な奴にそんなこと言われちゃ犯人もおしまいだな」
「誰が非常識なんだよ、コラ」
 で、こういう時のツッコミ役はもちろんデュオ・マックスウェルが担当することになる。
火中の栗を拾いに行くのに似た行為だが、性格上及びキャラクターの立ち位置上、どうしてもつっこまなきゃならん彼である。
「俺の目の前でソファに寝転がりながら『ねるねるねるね』を食ってる奴のことだよ」
「何ぃ、お前ねるねるねるねをバカにすんのか! これは業界に革命を起こした駄菓子なんだぞバーロー!」
「反応するところが違う時点でやっぱり非常識人間なんだよ!」
 これはどっからどう見てもデュオの方が理屈の骨格がしっかりしているのだが、
そんなもんコーラサワーさんにとっては屁でもない。
彼の感性には常に光子力バリヤーよりも固いガードがかかっている。
98名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/01(日) 01:23:02 ID:???
「だいたいパトリック・コーラサワーのどこが常識人なのか教えてくれよ、本人の口から」
「何だと? んなもん決まってるじゃねーか、俺は常識人だから常識人なんだよ」
「トートロジーにもなってないぞ」
「俺が断言してんだ、これ以上の理由はいらん」
 滅茶苦茶である。
であるが、強い。
傲岸不遜傍若無人、されどその精神は堅牢なり。
どこまでもポジティブに自分を賛美出来る人間は確かに鼻持ちならないが、
他者と相対することによって自分を確立しなくて済むので、簡単に心を折ることがない。
得てして歴史上の偉人というものは、この類の人物がけっこういたりする。
ま、コーラサワーがそうだとはとても言えないが。
「ほうほう、ならば今から常識度チェックをしてやろうか」
「? 何だかよくわからんがかかってこい、模擬戦二千回不敗のこのスペシャル様、受けてたってやらあ」
「よし」
 デュオはササッと五飛、ヒイロ、カトル、トロワに目くばせをした。
多人数で矢継ぎ早に質問して赤っ恥をかかせてやろうというその意図を、瞬時に理解するガンダムパイロットたち。
デュオたちもある意味非常識な存在ではあるのだが(十代半ばで元テロリスト紛い、今は世界政府の要職だし)、
それでもコーラサワーに比べれば知識も感覚もよっぽど社会的である。
「フェルマーの定理とはどういうものか言ってみろ」
「俺が子供のころ近くに住んでいたパン屋のフェルマーさんが編み出した一日のコッペパンの販売数を図る定理」
「メンデルの法則は優性の法則、分離の法則とあと一つ何の法則から成り立っているか」
「ラーメンデルの法則」
「第59代横綱で千代の富士の天敵と言えば誰か」
「隆の里」
「『新大陸』の発見者は?」
「シンタ・イリク」
「西暦2008年7月号を持って紙媒体としての27年の歴史を終えた一風変わったPCゲーム誌とは」
「LOGiN」
「西暦1805年トラファルガー岬沖の海戦で仏西連合海軍を破ったイギリスの提督とは誰か」
「楽天野村」
「蕎麦粉100%で作る蕎麦を何と言うか」
「100%蕎麦」
「映画『ジョーズ』に出てくるサメは何ザメ?」
「コバンザメ」
「麻雀において、符と翻数ではなく各役ごとの点数を合計する特殊な計算法を何というか」
「東天紅」
「世界最大のカブトムシは?」
「セカイイチカブトムシ」
「硬水と軟水の違いを述べよ」
「硬い水と柔らかい水」
「初代ガンダムの型式番号は」
「07211919」
「シャネルのイメージモデルを通称何という?」
「ミューズ」
99名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/01(日) 01:25:25 ID:???
「ワインを三種類に分けると、白ワイン、赤ワイン、そして何ワイン?」
「ロゼワイン」
「世界一流域面積が広い川はアマゾン川、世界一長い川はナイル川、では世界一幅が広い川は?」
「利根川」
「じゃあ次……」

 このヘキサゴンも真っ青な常識チェック、というクイズはこの後延々二時間超も続けれた。
これをファッション雑誌を読みつつ横目で見ていたサリィは、後日ヒルデにこう語った。
意外なことにコーラサワーの正答率は五割はいっていた、しかし内容に偏りが多かった、と。
そしてさらに続けた。
ガンダムパイロットたちが出した問題の答えが全てわかった自分をちょっとだけ嫌になった、と―――



 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く。


 コンバンハ、>>97の下から11行目、「〜は今日は非番で、サリィは日雑のお買い物〜」のところ、サリィじゃなくてヒルデの間違いですサヨウナラ。
100通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 02:17:15 ID:???
せ、せんせーっ!
五割どころか二割もわかりません!
常識度はコーラにも劣るか自分orz
101通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 05:22:14 ID:???
>07211919
コーラさんなんてはしたないっ!?
102通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 07:21:57 ID:???
光子力バリアーよりってかなり脆そう
103模倣の人:2008/06/01(日) 10:41:23 ID:???
 太陽系第四惑星・火星。
 テラフォーミング事業が進められるこの星で、ルクレツィア・ノインは懐かしい友人からのメールを受け取った。
 差出人はサリィ・ポォ。一時期プリベンターとして共に行動した仲間だ。
「ゼクス、サリィからメールが来ましたよ」
 懐かしさに口元を綻ばせながら、ノインは傍らの相棒へと声をかけた。
 ゼクスはノインの隣に立って画面を覗きこみながら、小さく唸る。
「どうかしましたか」
 彼の様子を不審に思ったノインが問うと、ゼクスは顎に手を当ててこう答えた。
「いや……これまで連絡なんてなかったのに急に来るのは不自然だと思ってな。
 よく言うだろう、便りがないのは元気な証拠と」
「まさか。そんなのは迷信でしょう?」
「わかっている。わかってはいるんだが、しかし」
 ゼクスは渋い顔をした。
「……嫌な予感がする」
「ま、まあ、とりあえず中身を読んでみましょう。話はそれからです」
 軽く咳払いをして、ノインはサリィからのメールをモニタに大きく表示した。
 そこにはこのように書かれていた。

『ご無沙汰してるわねノイン、元気にしているかしら?
 貴方たちが火星に行ってからどれくらい経ったかしらね。テラフォーミング事業の進捗状況はいかが?
 そちらの人たちとも上手くやっていけているの? 貴方たちのことだから、心配するまでもないんでしょうけど。
 さて、私たちプリベンターは人員も増え、随分と賑やかになりました。
 多くの仲間たちに囲まれて、私は毎日――

                                                        ――毎日が地獄です』
104模倣の人:2008/06/01(日) 10:42:02 ID:???

 プリベンター本部。
 今日も今日とて、メンバーは次の任務までの空いた時間を持て余していた。
 そんな中、グラハム・エーカーが過去の事件データを読みながら嘆息した。
 モニタに映っているのは、ガンダムパイロットたちにも馴染みの深い仮面の男、ゼクス・マーキス。
 ゼクスの写真をじっと凝視して、彼はこんなことを呟いた。
「うむ、仮面とは実に良いものだな」
「また何か変なこと言い出しやがったぞこいつ」
 傍らで聞いていたデュオが肩を竦める。実はグラハムのこの発言は、今回が初めてではなかった。
 始まりは先日、王留美が第三のスポンサーとして名乗りを上げ、この本部へとやってきたときからだった。
 留美の付き人である紅龍という男は拳法の達人であるらしく、同じく達人である五飛と手合わせをしていたのだが、
 その際紅龍が顔の上半分を覆う黒い仮面を着用していたのだ。
 それを見たグラハムが一言、
「格好よすぎる……」
 以来、グラハムは仮面に対して妙な憧れというか、執着心を抱いてしまったのであった。
「私も仮面をつけたいなあ」
「やめとけよ、変態度が増すだけだぞ」
「何と悲しいことだ、君には仮面のロマンがわからないのかね?」
「正直わかりたくもねえなあ」
「漫才はそこまでよ貴方たち。出動要請が来たわ」
 入室してきたサリィの言葉によって、グラハムとデュオのどうしようもないやり取りは中断された。
 今回持ち込まれたのは人質立てこもり事件である。
 しかも厄介なことに、立てこもり犯は遠隔式爆弾の起爆装置を複数所持していると見られるとのことだった。
「今すぐ世界政府を解散させないと要所を爆発させると息巻いているそうよ。まったく馬鹿げてるわ」
「馬鹿げているが、馬鹿な奴ほど平気で過激な行動も取る。油断はできんぞ」
 どこぞのコーラサワーのように、という台詞はかろうじて飲み込む。
 五飛の指摘に、周りのメンバーも表情を引き締める。失敗は許されない任務だった。

「あれか。犯人は一人……か?」
「協力者がいるかはまだ不明だけど、立てこもっているのは間違いなく一人ね」
 五飛が双眼鏡で現場のビルを覗きながらの問えば、サリィがそう答える。
 人質は現時点では無傷、だが体力と精神力の消耗具合はここからでは図れない。早急に救出する必要があった。
 プリベンターの面々はビルを包囲するように、五つの組に分かれて待機している。
 相手を刺激しないよう様子を窺いながら、隙を見て突入できるような構えだ。
 ただ。
「この分け方は失敗だったと思うぞ、俺は」
 チーム分けに対し五飛が難色を示した。
 具体的に言えば、サリィ&五飛組、ヒイロ&トロワ組、デュオ&ヒルデ組、カトル&コーラサワー組、
 そしてグラハム&ジョシュア組である。いろいろな意味で偏りすぎている気がしないでもない。
「そうね、何でこんな組み合わせになっちゃったのかしら……」
 サリィは今更ながらに後悔した。何事もなければいいが、と心配せずにはいられない。
 だがそんな不安ほど的中率は高かったりするものである。
105模倣の人:2008/06/01(日) 10:43:38 ID:???
「まだか、まだ動けないのか我々は」
「当たり前だ、迂闊に動いて人質に何かあったらどうする。少しは我慢しろよ隊長」
「私は我慢弱い男だ」
「あーもう、耳にたこが出来るくらい聞きましたよ。その台詞が免罪符になると思うなよ」
「くっ、さっさと立てこもり犯がアクションを起こしてくれれば我々も動きやすくなるというのに」
「あんたプリベンターとしての自覚ありますか?」
 先ほどからそわそわ落ち着かないのはグラハム、ツッコミを入れるのがアラスカ野ことジョシュアだ。
 今すぐにでも犯人にダイビングボディプレスをかましたい勢いのグラハムは、無線から未だに指示が来ないことに
苛立ちを隠せずにいた。
 ジョシュアはそんなグラハムの様子を横目で見て、一抹の不安を覚える。
 万が一にもグラハムが暴走したとしたら、自分一人で止められるだろうか、と。
「正直この人とペア組むの嫌なんだよなあ。せめてもう一人いてくれたらマシだったん……ん?」
 不意にジョシュアの視界が翳った。何事かと上を向いた瞬間、得体の知れない何かが顔に貼りつく。
「うわあっ、何だ!?」
 慌てて顔に貼り付いた何かを毟り取る。非常に柔らかい布の感触。
 どうやらどこかから飛ばされてきたらしい布切れのようだった。干されていたハンカチが飛んできたのだろうか。
 そう思っていたのだが、布切れを広げてみて正体を知る。
「うわぉ」
 それはレースをあしらった洒落たデザインの、紛れもない女性用パンティーだった。
 頬がだらしなく緩んでしまうのは男として仕方のない反応と言えよう。彼も健全な若人なのだから。
 ふと手元に痛いほどの視線を感じた。
 見れば、グラハムがジョシュアの手に握られた下着を穴が開きそうなほど見つめている。
 まあ隊長も男だしなぁ、とジョシュアはぬるいことを考えていたのだが、実際は違った。
 何せ、その男はグラハム・エーカーである。一般常識など通用するはずがない。
「それをこちらに寄越したまえ!」
 と叫ぶや否や、目にも留まらぬ速さで下着を強奪する。
「なっ、何をする気だ隊長!?」
「仮面……」
「は?」
「私に被れと、この悪戯な布が私を誘惑している!」
「ちょっ、それはあんたの錯覚ってか、それやっちゃったら人として大事な何かを失くすぞ!」
「私はグラハム・エーカー、この程度で己を失ったりはしない!」
「なにやら格好よさげなこと言ってるけど駄目だから! やめてっ、それだけはっ、いやっああああああああああ!」
 ジョシュアの懸命な呼びかけも空しく、グラハムは禁断の果実へと手を伸ばしてしまった。
 直視できずにジョシュアが顔を両手で覆って俯く。
「装・着!」
 下着を仮面よろしく顔に被る。
 絹の柔らかな肌触りは鼻梁や頬の曲線にも優しくフィットし、心地よい装着感を得られた。
「これだ、これこそ私の求めていた……」
 グラハムは感慨深げに呟くと、来ていた制服を一気に脱ぎ捨てた。
 制服の下に全身を覆うボディスーツを着込んでいたことに、ジョシュアは心の底から感謝した。
 これで一糸纏わぬ姿にでもなられたら、もはや救いようはなかっただろう。
 顔に下着を被る時点で紛れもなく変質者である事実に変わりはなかったが。
 カッ、とグラハムの目が強烈に光り輝いた。
 思い切り背を反らし、咆哮する。
「フォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
 この瞬間、グラハム・エーカーは覚醒した。
(続く)
106模倣の人:2008/06/01(日) 10:44:00 ID:???
おはようございます皆様ご機嫌麗しゅう。
なんか物凄い勢いでグラハムファンを敵に回した気配がギュンギュンします。
まあ、ネタってことで、変態グラハムなんて受け入れられないという方はスルー推奨です。それでは。
107通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 10:51:58 ID:???
ゼクスとノインキターーーーーー!!
サリィのメールに涙した。
冒頭の仮面フラグから、変態仮面覚醒に持ってきたのは不覚ながら見事だと思ってしまった…

バランスの悪いチーム分けと言われていたが、
コーラさんにカトルをあてがうのは一番無難な人選じゃないかと思う。
108通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 11:22:15 ID:???
模倣神キタ━━━━━━━━━━━!!!
GJ!
109通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 11:55:25 ID:???
話の構成が上手いなあ…
ところでコテはもう「模倣」で固定なんですか?
「模倣」という言葉はあまり印象が…
110通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 13:59:27 ID:???
ハムにツッコミ入れるのがデュオなのが笑える。仮面だけに。
111通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 19:43:08 ID:???
俺は公スレ住人でもあるのだが
貴様よくも…




私の腹筋を何回破壊すれば気が済むのだ……模倣の人
色々と凌駕しすぎだろwww
112通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 20:16:33 ID:???
デュオは仮面被るとテロメアが縮んじゃうからな
113通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 20:22:19 ID:???
テロメアと聞くとベターマンを思い出す
114通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 20:30:58 ID:???
>>110>>112
ごめん、何の話かわからない俺に教えてくれないか
115通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 20:32:42 ID:???
>>114
関俊彦は種で仮面男を演じていた。
とは言っても西川が死ぬ前に脱落した俺はそれ以上の事は知らんが
116通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 20:39:23 ID:???
>>115
そういうことか、ありがとう。
種見てなかったからわからなかった。
117通常の名無しさんの3倍:2008/06/01(日) 21:46:27 ID:???
模倣氏乙!
おもしろいw
118通常の名無しさんの3倍:2008/06/02(月) 10:26:21 ID:???
ノインとゼクスがとうとう出てきたか
今後に期待大
119通常の名無しさんの3倍:2008/06/03(火) 02:01:22 ID:???
そういえば朝のニュースでTバックを顔に被った二人組の強盗の話題があったぜ…
120通常の名無しさんの3倍:2008/06/03(火) 02:14:20 ID:???
このグラハムはもしかしてビリースレのつぶれ変態仮面が元ネタか?
うーん模倣氏ジーニアス
121通常の名無しさんの3倍:2008/06/03(火) 18:31:56 ID:???
農園に限らず、ハム=変態仮面はあちこちで言われてると思うよ。
122通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 09:51:11 ID:???
まあ農園と住人がかぶってそうではあるが
123通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 18:49:00 ID:???
ここの職人達に感化されて書いてみたけれど、つまらなかったら黒歴史にして下さい。
あと若干カプ臭がするので嫌いな人もスルーで。


ここはプリベンター達が利用する食堂。特に仕事があるわけでも無いので、
プリベンター達は暇を持て余している。相変わらずグラハムとジョシュアは馬鹿騒ぎをし、
ヒイロは変わり果てたリリーナに胸を痛め、やけ食いに没頭していた。
食堂の片隅には、しょぼくれている男が一人。え?誰がしょぼくれているのかだって?
それはプリベンター・バカこと我らがパトリック・コーラサワーである。
「……大佐〜。」
「珍しいな。明日は隕石でも降るというのか。」
「カティさんの仕事が忙しくて一ヶ月以上会ってないらしいですよ。」
かなり酷いことをスバズバと言う五飛と状況を説明するカトル。
皆さんもご存知であろう。カティ・マネキンは今や地球圏規模の大スターなのだ。忙しいのも当たり前。
「こりゃ〜重症だな。ツッコミの入れる必要もねえくらい落ち込んでる。」
デュオの言う通り、コーラサワーは13Rフルに闘ってもいないのに真っ白に燃え尽きていた。
「大佐と会えないなんてもう生きる気力が湧かない……。」
どうやらコーラサワーはかなりの重症のようだ。
「そう落ち込むな。大佐に会いたいのだろ。おいっ!ジョシュア。アレ持ってきてくれ。」
「アレ?あんなのでコイツの気が紛れるのか?」
グラハムには策があるようだ。ジョシュアはアレを渋々取りに行く。
しばらくすると、恥ずかしそうに戻ってきた。
「うむ。これで大丈夫。少し待っていてくれ。」
何かしら準備を始めるグラハム。
「何をする気だ奴は。もし良いものならサーカスの演目にでも取り入れるとするか。」
トロワは興味津々そう。
「認めたくないものだな。若さ故の過ちというものを!どうだ?大佐だぞ。」
「………。」
静まり返る一同。その時、食堂の気温が3℃下がったという。
「その時はまだ少佐ですよグラハムさん。」
冷静なツッコミをいれるカトル。
「あ、そうだったか。いや〜もっと仮面の先輩のことを勉強せねば。」
場が白けたことを全く理解していないグラハムであった。
124通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 18:50:42 ID:???
「みんな集まって。仕事の依頼よ。」
あまりの静けさに話しを切り出せなかったサリィが声をかける。
「おっ、久しぶりの仕事か。おい、元気出せよ。」
「……大佐〜。」
廃人と化したコーラを無理矢理引きずり集合するデュオ。
「仕事の内容は何ですかサリィさん?」
「要人の周辺警護よ。」
「周辺警護?ヴァリアブ……じゃなくて俺の得意な任務だな。対象は?」
わかる人にはわかる事をついヒイロは喋ってしまった(気にしなくてOK)。
「警護対象はカティ・マネキンさんよ。」
サリィの口からカティの名が出た瞬間、コーラのテンションは、
石破ラブラブ天驚拳を撃つ前のあの人並に上がったのだった。
「大佐〜!はいっ!やりますやります。俺が絶対この仕事やります。」
「待て、周辺警護なら俺が適任だ。」
「へっ!大佐は他の誰にも守らせやしねえぜ。俺にやらせろ!」
言い争いになるヒイロとコーラ。
「待てヒイロ。あいつの危機察知能力はかなり優れている。
任せてやっても問題はないだろう。」
「おっ、珍しいな五飛。あいつを褒めるなんて。」
「当然だ。あの馬鹿を警護担当から外してみろ。うるさすぎて仕事に集中できん。」
さすがコーラサワーとの付き合いがW勢の中では長い五飛。
コーラサワーの性格を熟知していると言えよう。
「じゃあ俺で決まりだな。詳細は?詳細を早く教えてくれ。」
125通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 18:51:47 ID:???
「詳細なら私が直に教えよう。」
そこに現れたのは、帽子にサングラスといういかにもスターがお忍びで
出かけるときの格好をしているカティ・マネキンであった。
「た、大佐〜!お元気でしたか?」
カティ本人の登場でますますテンションの上がるコーラ。しかし、
「馬鹿者っ!今は退職したのだから大佐と呼ぶんじゃない!」
カティ必殺の鉄拳が乱れ飛ぶ。
「お前という奴はっ!」
「ギャフ!」
「拾ってもらったというのにっ!!」
「イヤッフゥ!」
「人に迷惑をかけてばかりじゃないかっ!」
「この痛み。や、やっぱり大佐だぜ。」
コーラサワーはドMなんじゃかと疑われそうだが、これがカティなりの愛情表現らしい。
「まぁまぁ、会っていきなり殴らなくたっていいだろうよカティさん。」
コーラのお守り役のデュオが優しく諭す。
「ご、ごめんなさい。怒らないで。」
「えっ?」
その場にいた全員が、あまりの意外な展開に驚いていた。
「た、大佐が謝ってる?なんで?」
「私はただ……謝らないとこの子にすごく怒られそうな気がして。」
「俺もそんなにきつく言ったはずじゃないんだがなぁ。」
謝られたデュオも謝ったカティも何がなんだかわからない様子。
「ありがとうよ〜。これで毎回、大佐に殴られずに済むぜ。」
「いや、俺は特に協力する気はないけど。」
「そ、そんな〜。」
焦るコーラ。
「ほぅ、私のことをそんな風に思っていたのか。後でたっぷりと指導した方が良さそうだな。」
「ヒィッヤッホゥ!」
哀れコーラサワーはどこかに連れていかれカティの鉄拳指導を受けたとさ。
「(……なんであの少年に怒られると思ったんだ。……そういえばCBの最初の演説を聞いた時も悪寒したような。)」

ところで
「要人警護の件はどうなったんですかサリィさん?」
「あれは、続くといえば続くかも知れないわね。スレの雰囲気次第よ。」


駄文失礼。最後のネタがやりたかっただけです。
126通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 20:05:37 ID:???
ごめん、オチがよくわからなかった。なんで怒られる気がしたんだ?
あと要人警護の話も気になるので続きカモン。
127通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 20:29:33 ID:???
新しい職人さんにまずは乙
継続は力なりですよ
128通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 20:35:45 ID:???
忍者の卵な世界では、デュオと大佐は先生と落ちこぼれ生徒の関係だからじゃね?
129通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 20:51:11 ID:???
ああ、中の人つながりか。なるほど。
中の人ネタを使う時は一言フォローがあるとわかりやすくて嬉しいかな。
130通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 21:01:22 ID:???
>>129
すんません。最後のカティのぼやきが一応ネタのヒントだったんすが。
わかりやすい方がよかったですね。
131通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 21:01:43 ID:???
しかし賑やかになったものよ
最初期はコーラとごひとサリィしかいなかったことを思えば
132通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 21:03:12 ID:???
Gチームは割りとすぐ揃ったけどね
133通常の名無しさんの3倍:2008/06/05(木) 09:49:29 ID:???
ヒイロたちが揃う→職人増える→さらにキャラ参入
確変みたいだ
134通常の名無しさんの3倍:2008/06/06(金) 00:08:29 ID:???
とく
135不定期でおます:2008/06/06(金) 18:07:25 ID:???
 「うぃーーす。」コーラサワーが出勤してきた。
「おはようコーラサワー」サリィとプリベンターの面々があいさつ(シーリンとグラハムは非番)、中に入ってくると、
顔の右側から下半身に向かってタイヤの跡が縦横無尽についている。
「おい、どうしたんだよ。」とデュオが問うと、「いやあ、昨日の夜例の焼き鳥屋で
一杯やって、帰ろうとおもったら、人類革新重工のセルゲイ課長と会ってな。 
珍しくソーマがいなかったから、話と酒が進んでよ。 それから家にかえろうと歩き始めた
までは覚えているんだが、今朝目覚めてみたらこの状態だったってわけだ。
 しかし、俺も不覚をとったぜ。酒に足をとられて道端に寝転ぶなんざ。」
 「その服貸しなさい。洗うから。 それにしてもよくここまでこれたわね。」
サリィが半ば呆れ、半ば感心した感じで言うと、「まあ、俺は模擬戦2000回無敗のAEUの元エース、
パトリック=コーラサワーだからな。」と相変わらずの科白を吐く。
 向こうの世界でも、コックピットが光るという最大の絶望フラグすら、ものともせず、見事に粉々にへし折ったのだから、
たかが10tダンプや車満載のコンテナトラックが体の上を通過するくらい朝飯前だろう。
 他のプリベンターの面々も彼の丈夫さに半ば感心しながら2人のやりとりを聞いていた。
 シャワーを浴び、借り着をきて、事務所に戻ってくると、せんべいや珍味が多く置かれていた。
「いやにダンボールが多いじゃないか。例の俺のダンボールか?。」とコーラがいうと、「ちがうわよ。この前山里の村の不発弾処理
したでしょ。 あのときのお爺様とお婆様がこられて、お礼にって置いてかれたのよ。
私のすきな草加煎餅もあるし、五飛やヒルデはサラダ煎餅をうまそうに食しているでしょ。私たちの好みを心得られてくれてたのね。」
とサリィは言った。
 コーラはあの2人に会わなかったことをはじめて神に感謝した。 そう、例のギャラクティカ=マグナムで人間ロケットにされ、装備ももたず
宇宙旅行までしてしまったあのことが脳裏に浮かんだのだ。
 「あれ?ジョシュアは?。」「ああ、例の爺様に五飛が人間ボール爆弾投げ教えたら、爺様喜んじゃって、何回もジョシュアをボールにして的に当てて遊んでたら、
さすがのジョシュアも参っちゃって、今隣室のベッドに寝て手当て受けてるわ。 あなたと会えなかったのとても残念がってたわ。」とサリィ。
 「やばかった。もし俺がなってたら、本当にまた病院送りにされてたな。」と考えてたコーラにふと首筋に冷たいものが当っているのを感じた。
「な、なんじゃそりゃあぁ!!。」 
「中国針だよ。その極太板を教えてもらった御礼にってもらったのさ。」と答えたのは五飛だった。
「わ、悪い冗談やめろよな。五飛。」と蒼ざめながらコーラがいうと、
「抑止力にはなるだろ。 またお前が暴走したときにって教えてもらった本来は暗殺術だからな。まあ、コーラならせいぜい1日動けなくなる程度だけど。」
と冷たく言い放つ五飛。
「冗談じゃねぇ。 そんなもん危なくてしょうがない。すぐ除けてくれよ。五飛。」
「まあ、きょうは顔見世ってこった。 これからは暴走行為は慎むんだな。」といって、五飛は極太中国針をしまった。
 しかし、コーラサワーはどうせ1日たてば忘れて、いつものペースに戻るだろう。
 そのとき、なにが飛んでくるのかは後の楽しみに。 あなかしこ。あなかしこ。
_________________________________________________
 お久しぶりです。不定期です。 皆様のご指導の後、どうやってオチをつけるか、苦心しました。
ネタ元はもちろん「仕掛人梅安」です。 まあ、コーラサワー氏のことですから、
また平気の平左でいるでしょう。 そうでなければ、我々の思うコーラサワー氏ではないですからね。
 それにしても模倣氏は文章のキレが違う。見習いたいところです。
 そして、新しい方が入ってきそうなので続きが楽しみです。 是非お願いします。
 独自の世界を作っていけばいいのですから、書く人によっていろいろな視点があるのは当然です。
私も土曜日氏や水曜日氏の文章見ながら勉強中です。 またネタがあれば書きます。
それでは、皆様失礼いたします。

 

 
136通常の名無しさんの3倍:2008/06/06(金) 18:28:22 ID:???
>>135
なんかごひの口調に違和感。でもいい日常風景だったGJ
137通常の名無しさんの3倍:2008/06/06(金) 18:43:54 ID:???
乙乙

うむ、模倣氏のキレは確かにズバぬけてるが、模倣氏は模倣氏の、不定期氏は不定期氏の良さがあるのよ
そうしてパラレル共栄切磋琢磨してゆけばスレの未来はイヤッフゥ明るいぜ!
138通常の名無しさんの3倍:2008/06/06(金) 20:02:07 ID:???
乙!きれいにまとめたな。
五飛がもはや全くの別人になってるのが残念だけど。
139毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/06/06(金) 23:38:12 ID:???
「地味じゃ」
ドクターJが言った。
「そうじゃな、地味じゃ」
隣にいるプロフェッサーGも言った。その後ろにいる博士達も頷く。
ここはプリベンター本部のMS格納庫。そして博士達の目の前にあるのは皆さんご
存知、ビリー・カタギリ博士の傑作、プリベンターも御用達のミカンスーツ『ネ
ーブルバレンシア』。
「地味…ですか…」
たった今、博士達にMSの基本構造エトセトラを説明し終わったビリーは博士達の
意外な感想に思わず言われた言葉をそのままかえしてしまった。
「蜜柑を利用する。その斬新なアイディアと技術は良い。私達は別にガンダニュ
ムを使っても構わんが、あいつ等が煩いだろうしな、宇宙用も基本的には今の技
術を利用する方向で良いだろう。問題は外観と付け加える機能だ」
「例えば?」
「羽じゃな」
ビリーの問いにプロフェッサーGが即答する。
「羽には同意する。だがお前さんの悪趣味なコウモリ羽には同意出来んな。デス
サイズだけで十分じゃわい」
ドクターJがやれやれと肩をすくめた。
「何!?お前さんのガンダムなんてトンボ羽だったじゃないか」
「あれは可変機能に付属される造形美じゃ。そんな事も理解出来んとは…やはり
可変機能は付けるべきじゃな」
「デスサイズの羽は造形美と防御面どちらにも優れる完璧な羽じゃ。そんな事も
わからんとはこの老いぼれジジイが。可変機能なんて邪魔なだけじゃ」
「なんじゃと…」
「まあまあ、お二方共落ち着いて」
睨み合いながら火花を散らすドクターJとプロフェッサーGをなだめながらビリー
はコホンと咳払いした。
「他の方は?」
140毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/06/06(金) 23:38:43 ID:???
「オレンジ色が良い」
「はい?」
ドクトルSが顎に手をあてながらゆっくりと言葉を紡ぐ
「冗談だよ。いや、勿論オレンジ色の方が目立って格好良いからいいんじゃが。
いやね、仮に君の開発した蜜柑材を高濃度圧縮して発射する事が出来れば玉数や
威力はビームや実弾のそれには確実に劣るが、ガトリング砲を装備させる事が出
来ると思ったんだが、勿論ブレード型にも高濃度圧縮してギミック式のアーミー
ナイフもプラスでな」
「武器はそれで良しとしてシールドだな。サンドロックのフラッシュ機能を採用
してはどうだろうか。暗黒の宇宙空間ではこれ以上ない効果を発揮するだろう。
後、肩飾りは是非とも継承して貰いたいな。アレは究極の曲線美だ。なに、強度
の面は心配しなさるな。サンドロック以上のモノを開発しよう」
H教授がクククと笑う。それに続き老師Oも口を出す。
「私からは伸びる腕を提案しよう。やはり宇宙では遠距離攻撃に利がある。それ
とウイングゼロやトールギスに採用した巨大バーニア。アレはやはり採用し直す
べきだろう」
「えー、皆さん」
自分勝手な事をズバズバ言う博士達の話をずっと黙って聞いていたビリーが、再
び咳払いをして博士達の注目を集めた。
「分かっていると思いますが、僕達はあくまで作業用MSの延長を作る事を忘れて
はいませんよね?今の話を聞く限りだとパワーバランスが桁外れに高くなってし
まいます」
「勿論じゃ。しかし、それは1体に全てを凝縮した場合の話じゃろ?」
義手をガチャガチャと動かしながらドクターJはニカッと笑った。その言葉でドク
ターJ達の考えを察したビリーは、ポンと手をならして同じくニカッと笑う。その
顔は恐ろしい程すがすがしかった。
「成る程その手がありましたか!いやぁ流石博士達の考える事は違います。では
早速設計図を書き始めましょう!」
不気味な笑い声を格納庫内に響かせながら6人の博士達は、MSの設計図を書き始
めたのだった――――。


141毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/06/06(金) 23:39:36 ID:???
所変わって博士達の頭上、プリベンター本部。
「なぁ、ビリー達はずっと格納庫に籠ってるが本当に任せて大丈夫なのかね」
グラハムが思い出したように書類から目を上げ言った。今日のプリベンターは皆
でデスクワークなのである。
「性格には問題があるが、才能は確かだ。問題無いだろう」
五飛がチェックし終わった書類を整理しながら答える。一見すれば、何時もと変
わり無いプリベンター達の日常風景だが、明らかにおかしな人物がいた。
パトリック・コーラサワーである。椅子に座って頭を垂れ、放心した姿は、青筋
入れてどよよ〜んとした、いかにもな効果音と背景が良く似合いそうだ。
だがそんな彼に何も聞かないプリベンター達。触らぬ神に祟りなし。突っ込まな
いコーラサワーに害は無し。である。でもそんな状況をむず痒く思っている人物
がいた。
「あー、コーラサワー。どうした」
デュオである。元来ツッコミ属性の彼は何時もと様子のおかしい、まぁ、いつも
コーラサワーはおかしいが…兎に角さっきから彼が気になって気になって仕方が
なかったのだ。そしてとうとう痺れを切らして突っ込んだというわけである。
「聞いてくれるか三つ編みぃ」
ガバッと顔を上げたコーラサワーの瞳には少し涙の滴が輝いている。今にも泣き
そうなコーラサワーに驚きつつもデュオはコクコクと首を縦に降った。他のプリ
ベンター達も、先程と変わらず仕事を続けているが、やはりコーラサワーが気に
なるらしく耳はデュオ達の会話に傾けている。
「ミカン博士がな…」
「え?」
コーラサワーの口から発せられたビリーの名前にデュオは思わず声に出してしま
った。コーラサワーの事だから、凹んでいるのはどうせ女性関係、カティ・マネ
キンとの事だと思っていたからだ。そこに出てきた男性名。驚くのも無理は無い

「ミカン博士が、パイスーも作り直すって言ってたんだよ」
パイスー。言わずもがな、パイロットスーツの略称。因みに今日もコーラサワー
はAEU時代のパイスーを着用している。
「…それがどうしたんだよ?」
デュオには、正式にはその場に居た全員だが、コーラサワーの言っている意味が
分からなかった。
142毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/06/06(金) 23:39:58 ID:???
「それが?パイスーが変わっちまう事がそれで済まされるのかよ!?俺がこのパ
イスーにどれだけ思い入れがあると思ってるんだよ、お前!」
「知らねぇよそんなの、てか、お前毎日パイスー着てるよな」
「デートと寝るとき以外は何時もパイスーだぞ」
パイスーにここまで気持ちを入れ込んでいるのは全世界探してもコーラサワー位
だろう。パイスー職人だってそんな長時間パイスー着てない。
「おいおい、ちょっと待て。てことはそのパイスー相当汚いって事だよな…なん
かそう思うと臭いが気になってきた…」
鼻を摘まみながらジリジリとコーラサワーから離れるデュオ。
「なんだとーう!このパイスーには俺の汗と涙がしっかり染み込んでるけど、ち
ゃんと毎日ファブリーズして陰干ししてるんだぞ」
そういってジリジリと離れるデュオにジリジリと近づくコーラサワー。勿論今日
もコーラサワーはデスクワークなんてしてない。いや、させてもらえませんの間
違い。
「ギャー臭い臭い近寄るなぁ!誰でも良いからリセッシュー」
「だーかーらー、俺のパイスーは臭くないって言ってんだろ!ほれ嗅いでみろよ

「うわっ、止めろ。それ以上近づくな!」
「デュオ、煩いですよ。そんな大袈裟に騒がなくても…」
デュオを叱るカトルだが、自分はチェックが必要な書類を持ってちゃっかり安全
な場所、この場合コーラサワーより風上の場合に移動している。
「そうだデュオ、責任は自分でとれ」
同じく風上に避難したトロワが投げて寄越したのは、何処にあったのか布マスク
とファブリーズ。
「任務は完璧に遂行しろ」
無表情のまま風上に立ち、布マスクも装着済のヒイロがモゴモゴと声援を送る。
「あーもーお前等ぁ!俺にばっかり貧乏クジを引かせるなー!!」
デュオの叫びはプリベンター本部に虚しく響くだけだった。
「だから俺のパイスーは臭くないっつーの」
143毎週水曜日 ◆ErM7iM8SSc :2008/06/06(金) 23:40:22 ID:???
この後、デュオが嫌々コーラサワーからパイスーを脱がしたのだが、コーラサワ
ーのパイスーからは何とも言えない、持ち帰るの忘れた体育着と、牛乳拭いた雑
巾の香りが混ざったような臭いがしたそうだ。肝心のコーラサワー本人は、鼻が
麻痺して臭いが分かっていなかっていなかったようだが。勿論、脱がされたパイ
スーは、そのままゴミ袋に入れられ不燃ゴミとして処分された。コーラサワーが
男泣きしたのは言うまでもない。
こうして暫く新パイスーが出来るまでコーラサワーも他のプリベンターと同じく
、プリベンターの制服を着ることとなったのだった。

(つづく…)


***
まだまだ続かせますこんばんは。
ストーリーに重視になってるせいでイマイチ笑いにはしれない…
自分がまだまだ未熟者だと感じる今日この頃、こんな自分でも付き合っていただ
けると有難いです。
新MSの名前は出してもらったやつから検討しようと思ってます。
では
144通常の名無しさんの3倍:2008/06/07(土) 00:15:34 ID:???
乙。
コーラさんはそこまで不潔じゃないと思うんだけどな……パイスーばかりでなく制服も着てたし。
プレイボーイだから身だしなみには人一倍気を使ってそうなイメージがあるよ。
145通常の名無しさんの3倍:2008/06/07(土) 00:22:31 ID:???
水曜日氏乙
>>144
初期の入院してた時期のコーラさんはかなり酷かったからそれを思えば、
これはありだと思うけどな。
146通常の名無しさんの3倍:2008/06/07(土) 07:38:53 ID:???
まあ初期の頃はコーラさんのキャラもよくわかってなかったしな
147通常の名無しさんの3倍:2008/06/07(土) 07:41:07 ID:???
それでいて基本的な性格はブレてなかったんだから
土曜日氏はやっぱ凄いと思う
148通常の名無しさんの3倍:2008/06/07(土) 10:52:33 ID:???
まさか一話のまんま騒がしいキャラだとは、だよな
絶対裏というか影の部分があるはずだと誰もが思ってたのに

黒田水島にやられたわ
149名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/07(土) 23:26:04 ID:???
 コーラサワーは不機嫌だった。
いつも陽気……というわけではないが、
ポジティブに物事を推し進める彼にして、ムッツリと押し黙っているのは珍しい。
時々苛立ったように貧乏ゆすりまでして、何となくだが只事ではないという雰囲気を醸し出している。
「……おい、何かあったのか?」
 コーラサワーがプリベンター本部に出勤してから三時間ちょっと、
ガンダムパイロットもサリィもヒルデも、敢えてイライラコーラさんに話しかけなかったのだが、
ここでとうとうデュオ・マックスウェルがポソリと質問を投げかけた。
やはりこういう時、と言うかどんな時でもコーラサワーにイの一番で会話の糸口を作るのは彼しかいない。
この世界に『コーラサワーと会話しよう検定』というのがあったら、おそらくデュオは全世界でもトップクラスになるであろう。
ま、そんなもんで評価されてもデュオは髪の毛の先程も喜ばないだろうが。
ついでに言っとけばそんな検定、必要とする人間が地球上に何人いることやら、果たして。
「おう? ん、まぁな」
 ここで目をギョロリとひんむいて「うるせぇ、俺に話し掛けんな!」と凄まないところがコーラらしいっちゃコーラらしいか。
不機嫌でも周りに当たり散らさないのは、このマイペース男において数少ない美点であるかもしれない。
大体にしてポジティブ過ぎる天然人間は、
普段の行動で周囲に迷惑をかけることが多々あっても、やつ当たりというものを案外しないもんだったりする。
やつ当たりは自分以外のモノに対してムシャクシャをぶつけるわけだが、
自分本位で全て完結させちゃうゴーイングマイロードヒューマンは、そういった「ムカツキを理由なく他所に寄せる」行為が出来ない人種なのだ。
ま、逆に「何で怒ってるのかわからない(つまり、本人にとっては正当な理由が存在する)」ことがあるから、
他人にとっちゃやつ当たりよりタチが悪い場合ってのも往々にしてあるが。
「よし、まぁ聞けよ」
「えらく展開が早いな」
「何のこった?」
「ああ、気にしなくていい、いい」
 そして、ペラペラと「自分の都合で」事情というのを語りだすのもこれまたゴーイング(以下、GMHと略す)の特性。
よく刑事モノのドラマで犯人が喋りすぎで自滅する時があるが、
結構な割合でそういう犯人は「社会的地位があって才能があって他人を見下している」性格だったりする。
これもまたGMH。
コーラサワーは言えばその手の犯人とは少し異なるものの、
自分の物差しが絶対的価値基準になっているところは同じっちゃ同じであろう。
「みつあみおさげ、お前、インスタントのヤキソバって知ってるか」
「そりゃ、もちろん」
 日○食品のU.F.Oとか、ペヤ○グのヤキソバ大盛りとか、明○食品の一平ちゃん夜店のヤキソバとかエトセトラエトセトラ、
デュオの脳内に商品名とパッケージがくるくる浮かび上がってくる。
お湯を注ぐだけで作れるこの手のインスタント食品は発明から相当な年月が経っているが、未だに全世界で食べられている。
大手の食料品会社もブランドを守り続けているくらいだから、相当に需要があるのだろう。
デュオも今でこそ食べる機会も減ったが、ヒルデとジャンク屋を開く前の一人暮らしの頃はちょくちょくこういった食品を口にしていた。
何しろ楽だし、栄養面も添加物も今じゃ相当改良されているからお得っちゃお得ではあるのだ。
「それでよ、ヤキソバは湯きりが必要だろ」
「ん? あ、ああ」
 バソキヤとかバンバンとかどこ行っちゃったんだろうな、とか下らないこと思いつつ、デュオはコーラとの会話を進める。
ヒイロも五飛もまったく絡んでこないのは、会話の内容に呆れているのかタイミングを逃し続けているのか、さてさて、おそらく前者ではあろうJK。
150名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/07(土) 23:27:08 ID:???
「それでよ、昨日の晩は外食しなかったからよ、久し振りに作ったんだよカップヤキソバ」
「はぁはぁ」
「カヤクを入れて湯を注いで二分待って湯をきって、フタを開けてだな」
「ふんふん」
「そしたらお前どうよ、カヤクの袋がもう一つありやがった! 麺と容器の間に落ち込んで挟まってたんだよ!」
「へ?」
 デュオ、口ポカン。
一方のコーラさんは判定に不服があるプロ野球外国人監督のように顔を真っ赤にして舌をフル回転。
「許せねえだろ!? 台無しだろ!? 一気にテンション下がったぜ!」
「……いや、取り出して入れなおしたらいいだけだろ」
「バッカ言え! 湯を入れる前に放り込むのが正しい食べ方だろ!」
「だったらちゃんと説明読めよ! フタに書いてあっただろ!」
「そんなもんいちいち読んでられるか! 何のためのインスタント食品なんだよ!」
「威張れることか!」
「チキショウ、せっかくの『キャビアと南仏特選野菜のソースヤキソバ』が『南仏特選野菜のヤキソバ』になっちまったんだ」
「アホや、お前ホンマモンのアホや」
 思わず関西弁になってしまうデュオ。
こういったところに突っ込み属性の高さが垣間見える。
これを褒めれらても、やっぱり本人は喜ばないだろうが。
「しかし、今はそんなカップヤキソバが発売されてんのか。贅沢なんだな……って、ん、ちょっと待て」
「何だよ」
 ここでコーラサワーと会話しよう検定全国一位(推定)のデュオは、ピピピとアンテナに引っかかるものを感じた。
今コーラサワーは何と言ったか?
キャビアと南仏特選野菜のソースヤキソバ、これが商品名で、
コーラサワーはキャビアのカヤク(やっぱりフリーズドライなのだろう)を入れ損ねて、そして南仏特選野菜のヤキソバに……。
151名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/07(土) 23:28:09 ID:???
「なぁ、まさかとは思うが」
「んあ?」
「お前、ソースも入れ忘れたんじゃないだろうな」
「……」
「ん?」
 コーラサワー、しばしの沈黙。
そして。
「……フッ、怒りに我を忘れて思わず、な」
「何い?」
「ソースの存在を忘れて、勢いのままにかっ食らった」
「ドアホや、お前ホンマモンのドアホや!」
 全部自分が悪いんじゃねえか、それでイライラしていたなんてどんだけ……。
ここにハリセンのひとつも置いてないのが、非常に悔しいデュオなのだった。


 デュオとコーラからドアを一枚を隔てた簡易キッチン。
外に食べに行ったり注文を頼んだりしない時は、ここで軽い昼食などを作ることがある。
今日はヒルデがその当番だったのだが、さて。
「……ソースなし、ね」
 扉の向こうから聞こえてくるコーラサワーとデュオの会話を耳に挟みつつ、ヒルデは思った。
今日の昼食のヤキソバ(インスタントではなく、ちゃんとフライパンで作っている)、コーラサワーにだけソース無しの素焼きで出してやろう、と。
「案外おいしい……ってことはさすがにないわよね、うん」
 ちょっぴりではあるが、ヒルデもまたGMHなのかもしれない。
うん、ちょっぴり。



 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――



 模倣氏の作劇テクをはじめ不定期氏や水曜日氏の話づくりにひたすら頭が下がる毎日ですコンバンハ。
キャラが大きく活躍するSSはお任せして、当面裏道的日常小ネタで小さなことからこつこつとを座右の銘に西川きよしサヨウナラ。
152通常の名無しさんの3倍:2008/06/08(日) 00:01:23 ID:???
地味に吹いたGJ
かやく入れ忘れはやったことあるな。無理やり後から入れたが野菜かたかった
たまに西川きよしと氷川きよしと西川貴教がごっちゃになります
153通常の名無しさんの3倍:2008/06/08(日) 00:09:57 ID:???
GJ!
確かにインスタント食品での失敗は地味にイラつくわw
しかしカップ焼きそばにキャビアwwwwww作ってる会社にもツッコミてえwww
154通常の名無しさんの3倍:2008/06/08(日) 08:38:19 ID:???
乙!その焼きそばは美味いのか?
そしてヒルデがさりげなくSwww
155通常の名無しさんの3倍:2008/06/09(月) 01:20:51 ID:???
小ネタにシフト?
156通常の名無しさんの3倍:2008/06/10(火) 02:08:20 ID:???
イヤッ
157通常の名無しさんの3倍:2008/06/10(火) 04:34:06 ID:???
焼きそばは塩こしょうが好きな俺。
ソース入れ忘れてても問題ないぜ!
158通常の名無しさんの3倍:2008/06/11(水) 08:04:43 ID:???
ホゥ!
159通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 10:41:24 ID:???
フォ━━━━━━━━━━
160通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 15:24:04 ID:???
そういや保管庫問題は
161名無しとでも名乗りましょう。:2008/06/12(木) 15:30:21 ID:???
ここはプリベンター本部。先日、カティ・マネキンからの周辺警護要請を受けたプリベンターの面々だったが、
コーラサワーの一件で結局詳しい内容を聞きそびれていたのだった。
今日は改めて依頼内容を聞くためにプリベンター達は集まったのである。
「これを見てほしい。」
カティが一枚の手紙を見せる。
「これは……脅迫文ですか?」
「そうだ。内容は……」

俺は、双葉PMCトラスト商事のアリー・アル・サーシェス。
いきなりで悪いが今度、ブリュッセル新大統領府で行われる平和記念式典であんたを殺すことにした。
俺は平和なんて望んじゃいねえ。だから平和の象徴みたいに振る舞ってるあんたを殺せばまた戦争が起きるぜ。
おっと、逃げるなよ。逃げたらテロに屈したと新聞社に言いふらしてやる。
全世界に血まみれの天使とやらを見せつけてやろうってんだよ!

「双葉PMCトラスト商事?こんなのが大佐の命狙ってやがんのか?」
「ん?表に何か書いてあるな。」
トロワが脅迫文にあるはずの無いものを発見した。
「……って奴らのアジトの住所かよ!」
デュオは思わず手紙にツッコミを入れてしまった。ご丁寧に差出人の住所が書かれていたのだ。
「アジトがわかっているなら話は早い。乗り込むぞ。私は我慢弱いのだ。」
「まて、アホ。この住所はここからかなり遠い。奴らはもう抜け出して、
準備を進めているはずだ。使い捨てられるだけのアジトを用意しているだろうから戻ることもあるまい。」
五飛が血気に流行るグラハムを制止する。
「それに……。」
「それに何だ?」
「使い終わったアジトは爆破するのが、テロリストの間で流行しているようだからな。」
「どういう意味だ、カタギリ風少年。」
「漫画の影響じゃないでしょうか?マガジンの。」
サラっと変なことを言ったグラハムだが、
彼には髪を結んでいる人は全部ビリーのように見えるらしい。
というよりか名前を発音しずらいから適当にごまかしたとか。
「へっ!テロリストだか、侍だか知らねえが、俺が大佐を守れば良いだけだぜ。」
「お前はチームワークという物を知らんのかっ!」
カティの鉄拳がコーラを襲う。
「イヤッフゥ!」
きゅうしょにあたった。こうかはばつぐんだ。コーラはきあいのタスキでもちこたえた。
「このアリー・アル・サーシェスは要人暗殺や、オレオレ詐欺、
女の子のスカートめくり等数々の悪行を働いてきた凶悪犯だそうよ。」
「何か変なの混じってませんでしたサリィさん?」 カトルの質問はスルーして、サリィは話しを続ける。
「これが、アリーの手配写真。覚えておいて。」
ー世界の人々に凶弾を-ぎっちょん党、党首アリー・アル・サーシェス
「選挙ポスターの写真?他にマシなのなかったのかよ!」
「仕方ないのよ。過去に宗教団体を作って、選挙戦に立候補したものしか資料がなくて……。」
「へっ!こんな赤い髪した奴、俺がぎったんぎったんにしてやるぜ。」
コーラは妙にテンションが高い。大佐がいるからだろうか。
162名無し:2008/06/12(木) 15:31:26 ID:???
「……役割分担を発表するわ。(この子たちに世界平和を任せて本当に良かったのかしら。)」
サリィは時々不安になるときがある。
サリィの発表した役割分担はこんなもの
会場内警備・ヒイロ、五飛、ジョシュア、カトル、デュオ
対MS(A)戦迎撃(一応)・グラハム、トロワ
ボディーガード・コーラサワー
現場指揮・サリィ、ヒルデ(補助)

「直接付くボディーガードがあいつ一人で良いのか?不安だ。」
ヒイロが率直な意見を言う。
「あまり人が多すぎると機敏に動けないわ。それにあなたたちには事件を未然に防いで欲しいし。」
確かに、事件が起きてしまうくらいならテロリストを捕まえて、
何事もなかったように振る舞える方が一番だろう。
「任務了解。ところで式典はいつ開催される?」
「二日後よ。それまでも警備は怠らないでね。」
「了解!」
これで作戦会議は終了したのだが。
「……」
ふと、黙り込む五飛
「どうした?少年。」
「……お前の友人の科学者。カタギリとやらに頼みがある。」
「ほう、カタギリにか。で、内容は?」
五飛はグラハムと何やら話し始めたのであった。

一方、その頃双葉PMCトラスト商事アジト。
「おうっ!おめえら元気にしてっか!」
長髪赤髪の髭を生やした男。この男が、双葉商事のボス。アリー・アル・サーシェスである。
「チィ〜ス。」
部下達がヤンキーのごとく威勢よく答える。
「遂に二日後。俺達の祭が始まる。宇宙の歌姫ことカティ・マネキンを殺れば世界は大混乱に陥るはず。
きっとまた戦争が始まるぜ。そうすりゃ俺達は傭兵業でガッボリ儲けられるってもんよ。」
「御頭!また暴れられんですねっ!」
「おうよっ!今は祭のための下準備だ。行くぞ!」
「チィ〜ス!」
「(……俺は嘘つきでな。本当は私怨で奴を殺してえんだ。)」

以下アリーの一人語り。
俺は昔、東南アジア戦線で軍属として戦ってたんだぜ。
そんときにな、ロック歌手としてデビューすることになったんだ。
CDも売れて、戦うロック歌手として生きて行こうと俺は胸に誓ったんだ。
ところがぎっちょん!戦争が終結しちまった。その上軍人上がりのカティなんたらかが出てきて大ヒット。
俺の歌は見向きもされなくなっちまった。俺は奴が憎い。だから奴を殺して、
俺がもう一度スターになってやるんだぜ。
163通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 15:35:10 ID:???
急用できたのでいったん投下中心します。
164名無し:2008/06/12(木) 15:47:30 ID:???
そして二日後
ここは、ブリュッセル新大統領府。ヒイロがツインバスターライフルで目茶苦茶にしたために新たに建て直されたものだ。
今日は新大統領府の完成披露と共に平和を願う式典が催されている。
式典の前には立食パーティー。和洋中やアフリカの郷土料理など様々な料理が振る舞われている。
「この餃子うめぇ〜。いや蕎麦ってのも良いな。」
何故か食い気に走る男、それはパトリック・コーラサワーである。
「おいおい、お前ボディーガードの仕事しないで何やってるんだ。」
会場警備をしていたデュオがツッコミを入れる。以前出た警備体制で皆動いているのだが、
カトルは御曹司という立場上、世界各国の要人と話さねばならず、他に気を置く余裕がない。
「んぁ?大佐を守るためには体力ないといけねえ。そのための腹ごなしだ。」
正当な事を言っているはずなのだがコーラサワーが言うと、
ただ単に食事がしたいだけのように思えるのが不思議である。
「……全く。あいつ自覚あるのかねぇ。」
「諦めろ。俺達は与えられた任務をするまでだ。」
本当はリリーナの元にいたいヒイロがもどかしそうに言う。
「おっ!このミートソーススパゲッティうめぇ。ん?ボルシチって何だ?」
ここで通信が入る。
「……こちらプリベンター・ウォーター。もうすぐカティさんが壇上に上がるわ。注意して。」
プリンター達にも緊張が走る(コーラ除く)。
「え〜次は、宇宙の歌姫ことカティ・マネキンさんの登場です。」
司会がカティを壇上に迎い入れる。カティは純白のドレスを着ていた。
「大佐〜!綺麗ですよ〜。大佐〜!」
本来の仕事を忘れてカティの一ファンになっているコーラサワー。これで良いのかプリンターッ!
「ただいまご紹介預かりましたカティ・マネキンです。私が軍を辞め……」

「……おかしい。」
「どうした五飛。」
怪訝な顔をする五飛にヒイロが尋ねる。
「奴らはいくらでも襲うチャンスはあったはずだ。しかし全く動きがない。」
確かにコーラサワーがあんな状態なのだから、いくらでも襲えるはずである。
「奴らは脅迫文の中で全世界に血まみれの歌姫を見せつけると言っていたな。……!まさか!?」
五飛もヒイロの考えをさっちしたようだ。
「プリベンター・ウォーター応答してくれ。こちらプリンター・ドラゴン。
至急会場内のカメラマンの素性を確認してくれ。」
165名無し:2008/06/12(木) 15:50:16 ID:???
「(……遂にこの時が来たぜ。俺は嘘つきでな。この会場にはゲイリー・ビアッジとして来てるんだよ。
政府関係の仕事を取り仕切る派遣会社に登録したかいがあったぜ。
給料は安いし、過酷な労働ばかりだったが、信頼を得たことで重要な仕事を任された。
まさか珊瑚礁みたいな髪型した暗殺者が来るとは思ってねえだろ。変装は完璧だぜ。
絶好のアングル。さぁ、歌姫が血に溺れる時が来たようだ。)」

「五飛。2カメよ。壇上の右側にいる男。会場内を映し出す役なのに、
さっきからカティさんしか映してないわ。」
「くっ!この位置から近づいたのでは遠すぎる。コーラサワーは……気づいていない。」
緊迫した状況で考えを必死に巡らす五飛。
「(…全員、奴から離れすぎだ。大声をあげたら焦って撃たれる可能性もある。どうすれば……!?)」
ふと傍らを見ると出番とセリフがなくて暇人と化しているジョシュアが。
「暇ならたまには役に立ってみろ!」
五飛がジョシュアの胸倉を掴む。
「ん?え?それってあいつの仕事だろ〜〜!」
ジュシュアの人間ロケットが会場を飛ぶ!

「(……カメラ型拳銃。ガバメントなんちゃらかんちゃらをカメラの下部分に装備したんだぜ。
当たっちまえば人間なんて肉塊よ。)」
壇上ではカティがWHITE REFLECTIONを歌っている。
カティの周りではコーラサワーがヲタ芸ならぬコーラ芸を披露しながらピョンピョン跳ねていた。

「逝っちまいなっ!……ん?おわっ!」
銃声が会場に響く。一瞬。一瞬だけ人間ロケットが届くのが遅かったのだ。
しかし、
「大佐〜!」
スペシャルだからなのか?勘が冴えているのか?
凶弾がカティに届く前に驚くべき速さでコーラサワーが立ち塞がった!
「ギャッフゥ!」
その場に倒れ込むコーラサワー。もろに腹に当たったらしい。
「奴を取り押さえろ。」
五飛が怒鳴り声を上げるが、会場は恐怖に包まれ、混乱している。
「ちっ!しくじったか。おいっ!MAを出せ。脱出すんぞ。」
伸びているジュシュアを尻目にアリーは会場を抜け出した。
166名無し:2008/06/12(木) 15:53:46 ID:???
「パトリック?おい!どうしたんだパトリック。返事をしろ。」
壇上では、カティが涙を流しながらコーラサワーを叱咤激励していた。
「た、大佐。やられちゃいました〜。」
微かな声でコーラサワーは返事をする。
「もう良い。安静にしていろ。」
コーラサワーの腹からは血が溢れ出している。
「俺は〜大佐がこの世にいてくれて嬉しかった。」
「う、う……。」
カティは大粒の涙を流していた。
「泣かないで下さい大佐〜。俺は大佐を守ることができて満足です。」
「もう、何も言うな!」
「俺は〜もう限界です……。」
そう言うとコーラサワーは力なく倒れ込んだ。
「おい、パトリック?パトリック!パトリック・コーラサワー!!!」
カティの叫びが会場に虚しく響く。カティの純白のドレスは血で濡れていた。

綺麗な世界
「あ〜なんか綺麗なお花畑だな〜。あ、大佐がいる。大佐〜!最後にキッスを下さい〜。」

「イテッ!あれ大佐は?大佐はどこだ?」
「何寝ぼけてるんだ。ここは病院だぜ。」
デュオの言う通りここは病院。デュオの隣にはムスッとした表情のヒルデ。
さっきコーラサワーは寝ぼけてヒルデに抱き着いていたのだ。
と、ここまで来て疑問に思う方も多いだろう。コーラサワーは、
なんであれだけ死亡フラグな言葉を言ったのに普通に生きてんの?
この疑問に答えるにはある人に説明して貰うほうが早いだろう。
「どうも、ビリー・カタギリです。実は五飛君に頼まれて新型の防弾チョッキを作成していたんだよ。
それをボディガードの彼に付けておいたんだ。いや〜大成功だったね。
ちゃんと、理論通りみかんの成分が強固な膜を作り体をガードしてくれた。
え?血が出てたって?あれは血糊だよ。死んだと思わせて反撃を喰らわせるために仕込んでみたんだ。」

じゃあコーラサワーはノリで気絶したのか?それを説明するためにあの日の夜へ時間を戻してみよう。
「おっ、美味そうな料理だな。」
あの日コーラサワーはやたらと食った。
きつね蕎麦一杯、餃子20個、スパゲッティ一皿、梅茶漬け一杯、
ボルシチ一杯、ラーメン一杯、ハンバーガー2個、ひつまぶし等々……。
食い過ぎです。そして梅茶漬けとひつまぶし(鰻)。食べ合わせの悪さ。
あの時コーラサワーが言いたかったのは
「大佐。俺はもう限界です……(腹が)。」だったのだ!
あの日、MAは撃退したものの、アリーには逃げられてしまった。
しかし、不死身の男パトリック・コーラサワーがいる限りきっと世界は平和なことでしょう。
頑張れコーラサワー。ぼくらのコーラサワー!

「……(遺留品の銃を調べたけど、下手したら防弾チョッキも貫通してたことは内緒にしとこ)。」

お久しぶりです。ネタが思い付かずに時間がかかりました。アリーはかなり声優ネタに溢れてます。
カメラ型拳銃ってのは映画「ボディガード」で出てきたのをパクりました。
167通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 17:06:46 ID:???
乙です。名無し氏は土曜日氏設定とはだいぶ離れたパラレルなんだね。
防弾チョッキ着てても衝撃は受けるからコーラが気絶しても無理はないよな。
しかしホントにギリギリのラインで生き残る男だなコーラサワー…危うく貫通て。
168通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 19:23:08 ID:???

色んな設定があっていいさ、むしろ塗り替えるくらいの心意気で!
169通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 20:00:06 ID:???
コーラの場合たとえ貫通してても生きてたんじゃないかとw
乙です
170通常の名無しさんの3倍:2008/06/12(木) 21:11:43 ID:???
バラエティに富んでるのはいい事だ。ともかく乙
コーラが本気で怪我したのかと焦ったぜw
171通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 12:53:58 ID:???
いらんことしいのアリー、動機はどうであれやっとまともな役で登場wwww 
大佐のために体張る男コーラサワーが素敵だった。
これからも書いてください楽しみにしてるぜGJ!
172通常の名無しさんの3倍:2008/06/13(金) 15:27:36 ID:???
色んな設定があってもいい
ひとつに縛られるなんてコーラさんらしくないぜ!
173通常の名無しさんの3倍:2008/06/14(土) 15:40:32 ID:???
イヤッフゥ!
174通常の名無しさんの3倍:2008/06/14(土) 19:43:46 ID:???
999 通常の名無しさんの3倍 age 2008/06/14(土) 17:47:54 ID:???
1000ならオーバーフラッグズ復活!
皆でフラッグで空を飛ぶ


1000 通常の名無しさんの3倍 sage 2008/06/14(土) 17:47:58 ID:???
1000ならダリル、ハワードついでにジョシュア2期参戦


1001 1001 Over 1000 Thread
゚・ *:.。. * ゚
      +゚
 。 .:゚* +     このスレッドは1000を超えました。
     ゚      新しいスレッドを立ててくださいです。。。
    ゚  /ヾー、
       r!: : `、ヽ
      l:l::..: :.|i: 〉
      ヾ;::::..:lシ′       新シャア専用板@2ちゃんねる
         `ー┘          http://mamono.2ch.net/shar/


ダリル追悼スレが埋まりました。協力を感謝します。
175名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/14(土) 22:25:17 ID:???
 パトリック・コーラサワー29歳。
今彼は屈辱に身を震わせていた。
彼の手にはバケツと、そしてモップが握られている。
頭にはバンダナ、首にはタオル、そして足には長靴。
そう、彼は―――
「何で俺様がトイレ掃除しなきゃいけねーんだよおお」
 掃除当番だった。
トイレの。

 何故彼がこんな境遇にあるのか。
その発端は今から約一時間前にさかのぼる。
 プリベンターは今日も今日とてお仕事がなく、本部待機となっていた。
その本部があるフロアは他にも安全保障局、情報調査室、統合警備部があり、
言わば「武器を捨てた世界政府」を支える影の屋台骨が集まっているところ。
それだけに設備も超一流、清掃から営繕に至るスタッフも選りすぐられた面子が揃っている。
トイレ掃除も例外ではなく、清掃会社の派遣サービスでも腕っこきがやってくることになっているのだが……。
何と今日に限ってスタッフがノロウイルスでバタバタと倒れ、派遣ナシという事態になってしまった。
さぁそうなると、「誰がトイレを掃除するのか」という問題が急浮上。
トイレがキレイかどうかは結構重要であり、労働意欲に直結すると言っても過言ではない。
いやほんと、トイレの美化を図ることで業績を上げた会社が実在するんだから。
 で。
自然とその役目は暇をかこっているプリベンターにお鉢が回ってくるわけで。
いや、緊急事態に対応せにゃならん部署なので暇ってことはないのだが、
まぁせかせかと働いているフロアの他の部局(特に情報調査室)などから見ると、
「何じゃあいつら、遊んどんのとちゃうか」と思われることもしばしばだったり。
そいで、プリベンターが今日一日トイレ掃除の当番になった次第で、
さらにそいで、プリベンターの中でジャンケン勝負をしてその結果(誰だってしたくないのだトイレ掃除は)、
負け抜けしてしまったコーラさんがその任にあたることになった、と。
何も深い事情があるわけでなし、単純な話である。
176名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/14(土) 22:26:09 ID:???
「こんなの幼年学校以来だぜ、チキショー」
 ぶつくさ言いながら洗剤(この時代のものなので安全、お子様が飲んでも問題ナシ)を撒き、
ブラシでトイレの床をゴシゴシ擦るコーラサワー。
次いで便器を丁寧に磨き、香り玉を取り換え、トイレットペーパーを補充する。
この雑な男にして意外に丁寧な仕事ぶりだが、
投げ出さないのはコーラサワーも言ったが幼年学校時代に培われた習慣なのかもしれない。
傲岸不遜傍若無人な人柄でも、上下関係と規則の厳しい学校で刻まれた経験というものはなかなか消えないのだろう。
とはいえ、デートの予定がこの後にあったら多分ほっぽり出していたに違いないが。
「ノロウイルスなあ……あいつも寝込んでんのかね」
 あいつ、というのは以前トイレで紙がなくて困っていたコーラサワーを助けてくれた少年、ロラン・セアックのこと。
歳の割に落ちついてやたらと穏やかだった物腰が、コーラに強く印象を与えたようである。
「さてと、次々」
 好奇の視線を送ってくる他の部局の職員を睨みつけながら、コーラさんは次のトイレへ。
AEUでトップを張っていた彼のこの姿、かつての同僚が見たらさてどう思うことやら。
いや、結構掃除夫姿が似合っているけれどもね。
「ちっ、電球がキレてんじゃねーかバーロー」
 ライトを交換し、鏡を拭き、壁の汚れを取る。
ぶつくさ文句言いながらもこの仕事っぷり、これを普段からすればガンダムパイロットからの文句も減るだろうし、
ヒルデにフライパンを投げつけられる回数も少なくなるだろうに。
「しかし、誰も手伝いにこねーな。薄情な連中だぜまったく」
 愚痴るコーラさん。
が、彼は知ろう由もない。
彼が掃除を始めた直後に、プリベンターに出動がかかったのを。
環境右派組織が絡んだ空港爆破情報が入り、本部のメンバーは待機のヒルデを残して全員出張ってしまったのだ。
まったくそのことを知らされなかったコーラさん、実に哀れ。
まぁ情報が不確かであり、無理にコーラサワーを伴う必要がなかったのも事実ではあるのだが……。
「さて、これでフロアの男子トイレは全部終わりか」
 どっこらしょ、とバケツとモップを持ちあげて、コーラサワーが次に向かったのは。
「次は女子トイレか、あーやれやれ」
 何の疑問も持たず、対面にある女子トイレへとっとことこ。
いや、別にコーラサワーがオンナスキーだからと言って、下心があるわけではない。
ジャンケンで負けて(さすがに模擬戦程は勝敗に拘りがなかったようである、だだはこねたけど)トイレ掃除を任されてしまった以上、
ムカツクけどやらにゃならんよなあというだけである。
ここら辺結構天然さんなのだ、コーラサワーは。
深く考えていないという見方も出来るけど。
「小便器がないだけ楽かね」
 呟きながらコーラサワーは女子トイレの入り口をくぐり、そして。


 ヒルデが入っているトイレのドアを開けてしまい、
モップでボッコボコにされたコーラサワーが女子トイレから飛び出てくるのはこれから正確に五分後のことになる。


 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――



 小ネタコツコツコンバンハ。デモクトのキットが出るみたいで嬉しいですサヨウナラ。
177通常の名無しさんの3倍:2008/06/14(土) 23:39:08 ID:???
ヒルデの入っているトイレのドア開けたって…ヲォーイwww
小ネタでも普段の姿のほうがコーラを理解してないと書けないから難しいと思います。GJ!
178通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 00:14:24 ID:???
コーラ…wwww
ヒルデさんもカギ閉めようよwww
土曜日氏GJ!
179通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 00:51:02 ID:???
そうそう仕事だから掃除夫はちゃんと女子トイレも綺麗にしなきゃなんだよな。
例え女性に驚愕と嫌悪の目を向けられても仕事なんだからしゃーない。

んで。
これはヒルデが鍵を閉め忘れたのかコーラが鍵の存在など構わず力尽くで開けたのかwww
いずれにせよ互いに災難だったなwwwww
GJ!
180通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 00:52:25 ID:???
コーラさんもう責任取るしかないんじゃないかwww
181通常の名無しさんの3倍:2008/06/15(日) 13:19:21 ID:???
死神からのツッコミが鎌になるぞwww
182通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 06:23:49 ID:vmF4PH40
あげぃ
183通常の名無しさんの3倍:2008/06/16(月) 21:47:29 ID:???
いや、入ってすぐにコーラがきたんだろう常識的に考えて
184通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 09:08:22 ID:???

その考えはなかったわ
185通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 13:56:57 ID:???
マダー
186通常の名無しさんの3倍:2008/06/17(火) 18:57:18 ID:???
>>183女の子に恥かかせる訳いかないから、そうゆうことにしておこう。
トイレのドアって開けても開けられてもお互いダメージくらうよな。
187通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 11:02:54 ID:???
小学生の頃、昼休みにかくれんぼしてたんだ
で、ずっこい奴が校舎の一番奥の人気のない女子トイレに隠れてまんまと逃げ切りやがったことがあんのね
で、その日オニだった俺はそれを思いだし(逃げ切ったそいつも子の面子にいた)、そこに行ったわけだ
ゆっくり女子トイレに侵入すると、最奥のドアが閉まっている
ビンゴ!と俺は勢いよくドアを開け―――


後はもう説明せんでもわかるだろ
ついでに言っとくと次の日から俺にはひとつの渾名がついた
まあそれもわかるよな?どんなのか
188通常の名無しさんの3倍:2008/06/18(水) 21:55:11 ID:???
トイレ覗き魔ですか?
それとも変態ですか?



それは、やっちまったなぁ…まあ、飲め。奢りだ
つ【ス○リタス】
189通常の名無しさんの3倍:2008/06/19(木) 15:51:08 ID:???
職人さんマダー
190通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 07:04:38 ID:???
職人さんマダー?
191通常の名無しさんの3倍:2008/06/20(金) 17:52:40 ID:???
そういや保管庫問題は
192通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 00:19:22 ID:???
>>191
任せた
193通常の名無しさんの3倍:2008/06/21(土) 09:26:15 ID:???
かきくけコーラサワー
194名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/21(土) 22:30:25 ID:???
「暑いな」
「もうすぐ夏だからな」
「こういう時に出動したくねーな」
「不心得者だな」
「ま、でも良かったぜ」
「何が」
「今年の梅雨はカラ梅雨で。ジメジメ暑い上に大雨でも降られたら何もする気起きねえからな」
「梅雨ってお前、ここをどこだと思ってんだ」
 六月も終わりに近づき、気温もぐんぐんと上がってきている今日この頃。
皆さんお元気ですか、プリベンターは今日も元気です。

「ああ、いや……日本で事件が起こるかもしんねえだろ」
「可能性的には否定出来ねーけど、発言が出たとこ勝負すぎんだろ」
 世界政府議事堂の一角にあるプリベンター本部。
ここ二週間程緊急の出動がなく、いささかコーラさんも弛緩気味である。
リーダーのレディ・アンは変わらず議事堂の最奥にある専用室にこもって書類仕事に精を出しているが、
実動部隊のサリィ・ポォ以下は基本待機の状態だから、まぁ無理もないっちゃ無理もない。
無論、いつでも出張れるだけの準備は整えてあるし、細かい雑務もあることはあるけれども。
「しかし、あいつらも災難だな」
「何がだよ」
「こんな暑い中、要人警護だなんてよ」
 プリベンターの仕事は“火消し”だけではない。
個々の面子が何しろ精鋭中の精鋭なので、政府関係の行事に警護役としてよく呼ばれたりするのだ。
中でも張五飛とトロワ・バートンは単体としての格闘能力が異様に高く、
またヒイロ・ユイは隠密行動に長じ、
カトル・ラバーバ・ウィナーは計画立案能力に長けサポート役として適任なので、
どうしてもリーダーのサリィとこの四人が自然と警備任務に赴くことが多くなる。
残留は連絡係としてヒルデ・シュバイカーが主にその役目に当たるが、
複数の事件が同時発生した時のために実動部隊も本部に残しておかねばならず、
自然、上の五人が出ると残されるメンバーは決まってしまう。
そう、我らがパトリック・コーラサワーさんと、
何時の間にやらそのツッコミ相棒となってしまったデュオ・マックスウェルの二人がそうで、
コーラサワーはその問題を起こす性格ゆえ、
そしてデュオはそんなコーラサワーの監視役に適任だというのが理由になっている。
今日に限って言えばグラハムとアラスカ野ことジョシュアもMS(ミカンスーツだ)でくっついていっているので、
尚更“お留守番”なイメージが強くなってしまっているのが何とも悲しいところである。
「アレだろ? 建設中の新しいマスドライバーだろ?」
「ああ、出資者が視察したいとか言い出したらしいな」
「ケッ、迷惑なヤローだな。金は出しても口は出さない、それがスポンサーってもんだろうが」
 ちなみに、このスポンサーというのは某中華娘だったりするが、
二人がそのことを知るのはサリィたちが戻ってからのことになる。
「いやしかし、金を出してもらってる以上は無碍に断れないだろ」
「現場は気が落ち着かねーだろ。俺なんて後々のことを考えて口には出しても中には」
「はいはい例えがズレてる以上に卑猥禁止!」
 中がイイ、じゃない仲がいいのか悪いのかこの二人。
すぐ隣の部屋にヒルデがいることをもう少し気にかけてほしいもんである。
迂闊な事を口走ればフライパンが空中を疾風のように飛来してきかねないぞ。
195名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/21(土) 22:32:51 ID:???
「だいたいマスドライバーなんて必要か? この太陽光エネルギー全盛のこのご時世に」
「ないよりあった方がいいに決まってる」
「だからと言って民間から資金集めてまでやることかよ」
「大量の物資を打ちあげるのに必要だろ。軌道EVじゃ限界があるし」
「宙港があるだろうが。シャトルを使えばいいじゃねーか」
「かかるコストが倍以上違う。飛行機とはリクツが違うんだぞ」
 お前本当に元軍人か、とコーラサワーに冷ややかな視線をぶっ刺すデュオ。
時々、彼は真剣に思うことがある。
かつてコイツはAEU軍のエースだったというがそれはマジだったのか、と。
はるか大昔は腕一本で伸しあがった大空の勇者もいただろうが、
MSが主力となってからは、正直バカではパイロットは務まらない。
人間と同じような動作が出来るメカをレバーやボタンで制御するためには、相当の物理知識及び工学知識が必要となってくるのだから。
「ま、とにかくヒイロたちは御苦労なこった」
「さて、お前の相手をしなきゃならない俺の方がよっぽど御苦労だと思うがね」
「あん? 何だそりゃ、どういう意味だ?」
「気にするな、聞き流してくれよ」
 デュオはソファーにごろりと横になると、深緑の人民帽を顔の上に乗せた。
この人民帽、何時だったかジャンク街で手に入れたもので、
購入した理由も「ちょうど昼寝の時に顔を覆うのに手頃な大きさ」だったから。
「みんなが帰ってくるまで、あと数時間はあらあな」
 それまで一眠り、コーラサワーに突っ込み続けてたら精神が摩耗してしまう。
事件が起こったら起こった時、それならそれで別にいい。
「おいみつあみおさげ、お前昼寝するつもりか?」
「ああ、俺は不心得者だからね、っと」
 デュオは目を瞑った。
身体の奥底から、さざ波のように眠気が押し寄せてくる。
「何かあったら起こしてくれよ」
 コーラサワーとセットにされたからと言って、何時も面倒ばっかり見るのもバカらしい。
たまにはこっちがペースを握ってもバチは当たらないだろうさ。
ヒイロたちには悪いが、ここは丁度エアコンも効いていて快適だ……。
「ふわあ……」
 大きな欠伸をひとつすると、デュオは夢の精霊が待つ眠りの園へと、ゆっくりと歩を進めた。
エアコンの静かな作動音と、コーラサワーがぶちぶち呟く文句を子守唄代わりにして。



 ちなみに。
何かあったら起こせとコーラに頼んだデュオだが、結局起こされることはなかった。
理由は二つ、まず一つ目は事件が発生しなかったため。
そしてもう一つは、コーラサワー本人がヒルデが放ったフライパンに後頭部を喰らい、“眠って”しまったため。
 プリベンターとパトリック・コーラサワーの夢の旅は続く―――



 コンバンハ。
もう残業いやあああサヨウナラ。
196名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/21(土) 22:34:42 ID:???
おっと間違えた。

>そしてもう一つは、コーラサワー本人がヒルデが放ったフライパンに後頭部を喰らい

ここを

そしてもう一つは、コーラサワー本人がヒルデの放ったフライパンを後頭部に喰らい

に訂正。
197通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 00:17:28 ID:???
残業ごくろうさまです。
GJ!
198通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 08:43:55 ID:???
この一週間、職人神が他に降臨しなかったのが心配
199通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 20:29:44 ID:???
皆さんがお待ちの職人さんではありませんが、駄文を投下します。


それはよくある任務のはずだった。
三馬鹿をテロ集団のアジトの周囲で暴れさせ敵の目を引き(当然暴れすぎないよう監視付)、
その隙に別動隊が内部に侵入・制圧するという珍しくもない任務であった。
しかし今回はそれだけでは済まなかった。アジトの内部にテロ集団に攫われてきたと思われる
乳幼児が大勢いたのだ。おそらく将来のテロ要員として教育するつもりだったのだろう。

「はい、いい子ね。たっぷり飲むのよ」
サリィは笑みを浮かべながら腕の中でミルクを飲む赤ちゃんに話しかけた。
弟妹がいるため乳幼児の扱いに慣れている彼女は、元軍医というより小児科医にのように見える。
「おっこら待て、まだオムツ替えてないんだからはいずりまわるな。もうちょっとじっとしてろよ」
デュオはおむつを外した途端に這い這いを始めた赤ちゃんに素早く新しいおむつをはかせた。
いったいどこで覚えたのか彼の子守はなかなか手慣れている。
「可愛いけどこう人数が多いと大変ね。早く全員両親のところに帰れるといいんだけど」
高い、高〜いと赤ちゃんをあやしながらいうヒルデも、親戚の子の子守で赤ちゃんの世話は慣れていた。
テロ集団のアジトで見つかった子供たちの大半は、すぐ身元が判明し家族が迎えに来たり、遠方の家族のもとへ
送られていった。しかし自分の名前を言えない乳幼児はそうはいかなかった。
近くの施設で当分世話をしてもらおうにも満員で、彼らが子守りをすることになったのである。
「それにしても普通もう少し育ってからさらわねえかな。なあ」
デュオの問いかけに答える者はいなかった。泣き声の大合唱が始まったので。
サリィ・デュオ・ヒルデの三人は問題なく世話ができていた。が意外な人物もうまく世話ができていた。

「おお〜よしよしエミリー。お前は将来母さんそっくりな美人になるぞ〜」
コーラサワーは満面の笑みで赤ちゃんに頬ずりしていた。
最初、何でスペシャルな俺様が子守りなんか、と逃げ出そうとしたが
「将来の予行演習だと思えばいいじゃない」
「そうそう。育児に協力しないのって離婚の原因になるしね〜」
と労働力を逃がすまいとした女性陣にうまくのせられ
「大佐、おれはあなたとの幸せな家庭のため立派な父親になります!」
と意気込んで世話をしだした。正直、赤ちゃんのそばに置くのは危険ではないかとも思ったのだが、
30人の赤ちゃんの世話をするには人手が足りなかった。
「おお〜、なんという大佐似のビンタだ、マデリーン。でもまだスナップがきいてないなあ〜」
コーラサワーは、ぺちぺちと小さな手で顔を叩かれ喜んでいた。
どうやら彼は愛しの大佐似の女の子が欲しいらしい。顔だけでは性別の区別のつかない子は皆、将来の娘として
好き勝手な名をつけて扱っていた。男の子に見える子は全員「パトリックジュニア」と呼んでいた。
「ん〜、どうしたセシリア。ミルクか〜」
甲斐甲斐しく赤ちゃんの世話をするコーラサワー。
その姿はお世辞にも頼りになる父・夫ではなく、アブナイお薬で幸せな幻覚を見ている人だった。
200通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 20:33:48 ID:???
なかなか眠れずぐずる子を延々と抱っこしながら部屋中歩き回るジョシュア。
囁くように子守歌を歌い続けていた甲斐あって、ようやくうとうととし始めた。
意外とずっと抱っこしてると重いもんだなあ。でもまあ可愛いもんだ。
手間はかかるけど、妙な騒動を起こすわけでなし、妙な発言をするでもない。
妙に冷めきって、大人を小馬鹿にもしない。あぁ、あいつらもこんな時期があったのかなぁ。
俺って結構子供好きだったんだな。
ただ単に同僚に恵まれていないだけである。

縫いぐるみを抱えて微笑む赤ちゃん。別の子が縫いぐるみを取ろうとして取り合いになった。
「ほら、ここにもありますよ。仲良くしましょうね」
縫いぐるみを手渡しながら、穏やかな聖母の笑みを浮かべるレディ・アン。
たまたま近くのプリベンター支部を視察しており、本部に帰る前に様子を見に立ち寄ったのだ。
そこに一足先に本部に帰った秘書のシーリンから電話が入る。
「レディ、仕事がたまっているわよ。どうする気?」
「我々、プリベンターの仕事は紛争を未然に防ぎ、次の世代に少しでも完全平和に近づいた未来を手渡すことだ。
その未来を担う子供たちの世話するのも重要な任務と言える。」
軍人モードに戻り凛々しく言ったが、ただ子守りをしたいだけである。シーリンは無表情に返した。
「大統領に提出する書類にそう書くつもり?通用しないと思うけど」
忠告はしたわよ、と言って電話は切れた。

今度は別の子供たちがおもちゃの取り合いを始め泣きだした。子供たちを抱きよせながら彼女は言った。
「駄目ですよ。喧嘩をしては。もっとエレガントに遊びましょうね」
それを聞いた面々は「エレガントな赤ちゃんってどんな子だよ」と思ったが、
忙しかったので突っ込むのはやめておいた。

と、ここまではスムーズに赤ちゃんの世話が出来ているメンバー。(レディ・アンの本業除く)

「はい、もう少しじっとしてて。ん、何?」
優しく声をかけながらおむつを交換するカトル。そこに別の赤ちゃんがおもちゃを見せてきた。
その子に返事をしているとおむつを交換中の子がぐずり始めた。
大人に囲まれて育った彼は、赤ちゃんに慣れていない。配られたマニュアル通りにするのがやっとである。
ぐずり始めた子を抱き上げながら
「そのおもちゃ好きなの?よかったね」
などと声をかけるがかなり戸惑っている。もともと勘がよいため、どの子が機嫌悪そうだ、眠そうだとか
わかるのだがどの子を優先するべきかがわからない。
マニュアルには体調が悪いとか、怪我をしたわけじゃなければ、泣いてても少しぐらい放っておいても大丈夫、
とあったけど、急な環境な変化で体調を崩す子もいるだろうし、泣かれると自分が泣かしたような気がするし…
と、とにかく自分の周囲にいる子の様子にずっと注意していた。
彼はまあそれなりに何とかやっている。
201通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 20:34:37 ID:???
トロワも困惑していた。赤ちゃんが自分を見て困ったような顔をしているのだ。
トロワは精一杯、マニュアル通りに優しく笑顔で声をかけているつもりだが、付き合いの浅い赤ちゃんには
彼の微妙な表情の変化が伝わらないらしい。
…そういえば以前、赤ん坊に接するとき人は声のトーンが上がり、笑顔になる傾向があると何かの本にあったな。
だから赤ん坊は無表情な人間には戸惑うのだと。俺は声と表情がほぼ一定らしいから、俺に戸惑うということは
この子の保護者は、笑顔で接していたのだな。では俺も真剣に笑顔を作るとしよう。
トロワはまず、口角を上げてみた。が、赤ちゃんはやはり困ったような顔をしている。
この状態が長引けばおそらく泣き出すだろう。
よし、もっと力を入れるとするか。
トロワは全力で顔に力を入れ、口角を上げた。すると力が入り過ぎたのか両目が見開いてしまった。
赤ちゃんの体が強張った。
まだ足りないか、では、と更に両目を見開き、眉を吊り上げ精一杯笑顔を作るトロワ。更に強張る赤ちゃん。

腹が減って泣くのはわかる。物にぶつかって泣くのもわかる。目が覚めた時、人の姿が見えなくて寂しく
なって泣くのもわかる。だが、何故眠いという理由で泣くのだ?眠たければ静かにしていればいいだろう。
頼む、いい加減に寝てくれ、頼む。
それにこいつら、何故、こんなにぐにゃぐにゃとやわらかい体をしているんだ。
筋肉が一切ないのか?
五飛も困惑していた。小さくてやわらかい赤ちゃんを下手に扱ったら、怪我をさせてしまいそうで怖いのだ。
おっかなびっくりと仏頂面で接していれば、赤ちゃんも怖がる。
「お、おい。のけぞるな。落ちたいのか?何故、頭突きをしてくる、少しはじっとしていろ。
騒げば騒ぐほど眠れなくなるぞ、わかっているのか?」
のけぞったかと思えば、勢いよくぶつかってくる腕の中の赤ちゃんに言ってみてもわかっているわけがない。
ただ眠い、怖い、それだけである。
こんなに泣き続けて大丈夫だろうか。一体、どうすればいいんだ。
…叱ってくれ、ナタク。俺には子守りをする資格がない。
五飛は有無を言わさず、サリィに赤ちゃんを押し付け台所に行き、叫んだ。
「俺はこれからミルクの作り置きをする!ついでにお前たちの分も昼食を作る!あと必要なものがあれば
買い物にも行く!洗濯もする!何かあれば言え!」
まぁ、そういう係も必要である。
202通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 20:35:17 ID:???
そしてヒイロも上手くいっていなかった。
彼も五飛同様、赤ちゃんに怪我をさせないかと恐れていた。
何といっても、腹這いという力の入らない態勢で鉄格子を曲げる腕力の持ち主なのだ。
鉄格子よりも柔らかい赤ちゃんの体を、うっかり曲げてしまったらどうしようとそれしか考えられない。
「おい、壁に頭をぶつけるな。コーラサワーになりたいのか」
何が楽しいのか、背にした壁に頭をぶつけて遊んでいる赤ちゃんに恐る恐る声をかける。
目が覚めて泣き出した子、おなかがすいて泣き出した子、だっこをせがむ子。
教えてくれ、ゼロ。俺は一体どの子から世話をすればいいんだ。
…ここにゼロシステムがあれば、どの子から世話をすればいいか分かるのに。
しょうもないことを考えながら、うろたえていた。

グラハムも接し方がわからなかった。
とりあえず何とか眠らせてしまえないものかと思い、ジョシュアに倣い子守唄を歌ってみることにした。
「君に子守唄の一つも贈りたいところだが、あいにく私は子守唄に詳しくない。今日のところは
私の作った歌で眠ってくれ」
と自作の「愛ゆえに阿修羅道」を歌い始めた。

君に出会って運命を感じた
乙女座の私はセンチメンタル
君とは運命の糸で結ばれていた
君の存在に心奪われた
好意を抱くよ
興味以上の対象だということさ

抱きしめたいな 私は我慢弱い
この気持ちまさしく愛だろう
どんな道理も無理でこじあける
今の私は阿修羅すら凌駕する
多少、強引でなければ君は
口説けはしないだろうさ


だが愛を超越すれば
それは憎しみとなる それでもいい
そんな風に私を変えたのは
そうさ君なのだから
203通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 20:35:57 ID:???
「この歌を贈るのは君で二人目だが、眠気を誘う曲ではなかったかな」
熱唱を終え、腕の中で不機嫌そうな赤ちゃんに語りかけるグラハム。彼も子守に向かないようである。

…演歌? 何故、子守唄に演歌?
演歌でももっとましな曲があるだろ。こんな歌で眠れるわけないだろう。
誰もがそう思う暗い曲調だった。と同時になぜグラハムが一人身なのか悟った。
美形の元エリート軍人で現在も公務員。育ちも良さそうで、コーラサワーなどよりよほど女性にもてそうに
見えるのに浮いた噂一つない彼。
外見や職業につられた女性がいても、普段の言動に気持ちが揺らぎ始めたところに決定打のラブソング。
全員、ほんの少し彼に同情した。

「おいおい、そんな歌じゃ口説けないぜ。こうもっと相手を褒め称えないと。そんなストーカーみたいな
曲じゃ逃げちまう」
女性の扱いには自信のあるコーラサワーは親切心で助言した。
「では君ならどのような歌を贈るのだ」
以前、彼がこの曲を贈った女性は聴き終えると、目に涙を浮かべながら「ごめんなさい」と言い残し、
走り去って行った。そしてそれっきり連絡が取れなくなった。演歌好きな彼女に合わせて作った曲だったのに…
グラハムは悲しい思い出を思い出しながら、不機嫌に聞いてみた。
「ん〜、そうだなあ。もっと明るいポップな曲調で…自分のアピールしてもいいかもな」
少し考えてからコーラサワーは歌いだした。

俺たちゃプリベンター(fu-fu−)
世界平和守るぜ 守るぜ
紛争防止なら
どこでもいくさ

火種は 消せばいい(フーフー)
悪人は 逮捕 逮捕 逮捕 逮捕
皆は知らないさ(fu-fu−)
誰が 平和守っているのか
プリベンター それが俺達
204通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 20:36:28 ID:???
おいおい、何歌ってんだよ!そんなの歌われたら、プリベンター全員変人に思われるだろ!」
デュオが突っ込んだが、全員変人というのは間違ってはいない。全員認めていないだけで。
「まあまあ最後まで聞け。こんなに世界の平和を願い、日夜戦い続けている熱い組織で働いてますって、名曲だ。
プリベンターのテーマソングにしようぜ」
「やめて下さい、恥ずかしすぎます」
「そうよ、プリベンターの名前は出さないでよ」
「俺はそんな組織に属した覚えはない」
「その歌に心惹かれる女性がいると思えないな」
「それ以前の問題だ!いいか、この組織はトレーズ様の構想を基に創設されたもの。トレーズ様には
オペラこそがふさわしいのだ。そんな下品な曲は認められん!」
「おいおい、テーマソング自体はいいのかよ」
レディ・アンの言葉に思わず突っ込むデュオ。

その時、数人分の赤ちゃんの泣き声が響いた。
よちよち歩きの子が、落ちていた積木につまずいて他の子の上に倒れこんだらしい。
「積み木…?さっき片づけたはず。気付かなかった…おれのミスだああ!!」
コーラサワーの歌に皆で突っ込んだところに、ヒイロの突然の絶叫。ほかの子たちも一斉に泣き出した。
「あっ、ごめんね。大声出して。ね、泣きやんで」
「わりぃ、わりぃ。ほら高い、高ーい」
「すまないが、泣きやんでもらえないだろうか。…そうか、好きなだけ泣くといい」
…痛いな、心も顔も。筋肉だけあって表情筋も筋肉痛になるとは、新しい発見だ。
トロワはずっと両目を見開いた全力の笑顔のままだった。
「お前たち、何を泣かせている!?」
台所から五飛が顔出す。彼はずっとグラハムの歌にも、コーラサワーの歌にも大声を出してはいけないと
我慢していたのだが、鳴き声の大合唱に心配になったのだ。
「うっせ〜!さっさと逃げ出しやがった癖に!」
「コーラサワー、大きな声出さないで」
「お、…俺は良かれと思って」
「俺の、俺のミスだ…」


それから一週間後、すべての赤ちゃんが無事親元に戻ることができた。
ヒイロと五飛に小さくて柔らかいものに対する戸惑いと、トロワの顔に張り付いた笑顔を残して。
205通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 20:39:55 ID:???
すいません、単にグラハムのセリフで演歌一曲できそうだと
思ったんですが、長すぎました。
失礼します。
206通常の名無しさんの3倍:2008/06/22(日) 22:04:47 ID:???
土曜日氏&>>199-205氏乙!
土曜日氏の下品過ぎない程度にさりげなく雑じる下ネタが密かに好きだ。
すっかりコラ沢とデュオがコンビとして定着してきてますな。
199-205氏のネタは微笑ましくていいね。無愛想組は確かに子育てが苦手そうだ。
まあ案外そこらへんもパーフェクトにこなして見せたりするのかも知れないけど。
207模倣の人:2008/06/22(日) 23:03:38 ID:???
>>103-105の続き

 一方その頃、カトル&コーラサワー組はといえば。
「なー、まだ動いちゃ駄目なのかよー」
「もうちょっとだけ我慢してください。すぐに指示が来ますよ」
 案の定コーラサワーが待ちきれなくてうずうずしていた。この辺り彼とグラハムは良く似ている。
 近くにある比較的低いビルの屋上で、コーラサワーは柵に肘をかけて頬袋を膨らませた。
「さっきからそんなこといって全然指示こねえじゃねえか、いつまで俺様を待たせるんだコンチクショウ!」
「子供じゃないんですから耐えてください」
 カトルが注意するも聞く耳を持たず、暇を持て余している故か彼はいつもより更に熱心に弁舌を振るう。
「耐えられないものは耐えられないっての!
大体さぁ、俺ばっかり落ち着きがないように言われるけど、正直グラハムも五飛も俺と同レベルだと思うんだよ。
特に五飛の奴! あいつ本来の性質は絶対鉄砲玉だろ。仲間意識希薄だし独り善がりな面も多くあるし、
本心では俺たちのことなんて無視して『自分一人で解決できる』とか抜かして真っ先に飛び込んでいくタイプだぜ。
奴のこと棚に上げて俺ばっかり槍玉に上げられるのは納得いかねえな」
ほとんど八つ当たりだが彼の指摘は正鵠を射ていた。
 カトルは立場上同意するわけにもいかず、ただ曖昧に頷くしかできなかった。
 その代わり、
「貴方の指摘はもっともですがそれでも地を抑えられる分貴方よりよっぽど大人ですよ」
 というツッコミも敢えて口にせず胸の中にしまっておくことにした。
「あー待ちきれねー」
 もう一度柵に身体を投げ出した彼は、何かに気づいて「ん?」と首を傾げた。前方で何かが飛び出したのだ。
 よくよく目を凝らして正体を掴むと、彼とカトルは一斉に驚愕の声を上げた。
「あ、あれは!」
「グラハムさん!?」

 サリィと五飛の下に無線が入る。この回線はグラハム&ジョシュア組のものだ。
「はい、こちらプリベンター・ウォー……」
『ウォーター! ウォオオオオオタァアアアアアアアアアアッ!』
 今にも泣き出しそうな悲痛な叫び声が、無線から音割れしながら響き渡る。
 面食らって硬直したサリィの手から無線をひったくって、五飛が変わりに応答した。
「どうした三重苦、説明しろ」
『誰がヘレン・ケラーだ。ってんなこたぁどうだっていい。頼む助けてくれ、俺一人じゃ隊長を抑えきれないんだよおぉ!』
「落ち着け。状況を簡潔に説明しろ」
『風で飛んできたパンツ被って隊長が暴走したんだよぉお』
 五飛は思わず天を仰いだ。
 ジョシュアの言っていることは何がなんだかよくわからないが、尋常ならざる事態が発生したことはよくわかった。
「すぐ行く、そこを動くなよ」
『早く来……ああっ!?』
 無線の向こうからジョシュアの緊迫した悲鳴が聞こえた。何事かと身構える五飛の耳に、更なる言葉が届く。
『隊長が、隊長が犯人目掛けて飛び出してったー!』
「……何イィ!?」

 ジョシュアの懸命の努力も空しく、グラハムは拘束を振り切り大地を蹴って飛び立った。
 強靭な脚力から繰り出された跳躍力は物凄く、グラハムは空へ高く高く舞い上がる。
 プリベンターの仲間たちも、立てこもり犯も、誰もが日の光を受けて神々しく輝く彼をただ呆然と見上げていた。
 そして彼は逆光を背に、軽やかに犯人の目の前へ舞い降りた。
208模倣の人:2008/06/22(日) 23:04:24 ID:???

「な、な、な、何だァ貴様!?」
 犯人は上擦った声で目の前の奇人に問う。
 黒い全身タイツ(正しくはボディスーツだが犯人にはそう見える)に、顔に仮面よろしく装着した女性用下着。
 こんな変態が目の前に突如振ってきて、平常心を保っていられるわけがなかった。
 眼前の変態仮面は、犯人の問いに、何やら奇妙な決めポーズを取りながら高らかに答えた。
「愛ある限り戦いましょう。人々の愛に咽び泣く男、グラハム仮面!」
 良く通る声が、空間に木霊した。
 しばしの沈黙。
 それを破ったのは、犯人でもグラハムでもなく、囚われた哀れな人質であった。
「イヤッアアアアアアアアアア! この世はもうお終いだああああああああああ!」
 この世の絶望を一身に背負ったような絶叫が迸る。
 その声は離れた所で待機していたプリベンターたちにも届き、それを聞いた五飛が舌打ちをした。
「ちっ、こうなったらあのアホを取り押さえつつ犯人も確保するしかない。行くぞサリィ!」
 走り出しながら全員に指示をしようと無線を持ち上げたところで、カトルから通信が入った。
「カトルか、どうした」
『えー、無断で恐縮なんですが、僕たち今犯人の所へ向かっています』
 タイミング的には都合がいいといえる。が、指示をしてもいないのに何故、と五飛は当然の疑問を抱いた。
 だが今は気にしている場合ではない。現場に到着したらそのままグラハムと犯人を確保するように指示を出す。
 しかしカトルは酷く弱った声でこう言った。
『それは僕には無理だと思います……』
「何故だ」
『いま僕、コーラサワーさんを追いかけていますから』
 しばしの沈黙。
「もうイヤッ! あの人たちを監督するのはもう嫌よ!」
 事態を飲み込んだ五飛とサリィは本気で頭を抱えた。
 つまりはこういうことだ。グラハムが飛び出したのを見て、釣られるようにコーラサワーも暴走したのであろう。
 そういえば何か遠くの方で「イーヤッフゥー!」という能天気な掛け声が聞こえる気がする。
「ヒイロトロワデュオヒルデ! 犯人と、ついでにバカとアホの両名もひっ捕らえろ。
 無傷とは言わん、死なせん範囲で叩きのめせ!」
 他の者たちからも現場の状況は掴めていたのだろう、物騒な指示にも係わらず彼らは異を唱えず素直に従った。
『任務了解!』

「く、く、く、来るなぁ! このスイッチが目に入らないのか!」
 立てこもり犯は爆破スイッチを振り上げながら、もう片方の手に握る銃を変態仮面に向けて脅しかける。
 が、声は上擦り手は振るえ、威圧感は欠片もなかった。
 グラハムは艶かしい腰つきでゆらり、ゆらりと犯人に向かって歩み寄る。
 あと数歩の距離まで近づいたところで、犯人が引き金を引いた。グラハムはそれを跳躍して躱す。そして、
「成・敗!」
 そのまま相手の肩に乗り、太ももで頭を挟むと一気に振り子の要領で後方に倒れこむ。
 その際、エーカー家のお稲荷様。が犯人の顔にもろ直撃したことは言うまでもない。
 不快な感触を顔に受けながら地面に強烈に叩きつけられた犯人は、苦痛の呻き声を上げて失神した。
「イーヤッフゥー! ……って、あれ、もう終わり?」
 遅れて到着したコーラサワーは、満足げに決めポーズを取る下着を被ったグラハムと足元に転がる犯人を見て
拍子抜けしたような声を上げた。
209模倣の人:2008/06/22(日) 23:05:27 ID:???
 せっかく意気込んできたのに肩透かしを食らった彼は、せめて何かやれることは残っていないかと辺りを見回す。
 と、犯人の手から零れたらしい爆破スイッチのようなものを目に留めた。
「よっしゃ!」
「ちょ、待ちなさい、迂闊に触らないで!」
 得意げにそれを拾うコーラサワーを見つけ、ようやく現場に到着したサリィが大声を張り上げて静止する。
 けれど僅かに遅かった。呼び止めたときには既に、コーラサワーはスイッチを天高く放り上げ、
「いっくぜぇ、コーラサワー・スペシャル!」
 落ちてきたスイッチを拳で勢い任せに粉砕していた。
 プリベンターの面々は人質を伏せさせつつ自分たちも頭を低くし固く目を閉じる。
 ……だが、恐れていた爆発は起こらなかった。
「何してんのお前ら」
 コーラサワーが飄々とした顔で伏せた仲間たちを見下ろしてくる。
 どうやらコーラサワー補正がかかったらしく、爆破に直結した回路を完全に避けての破壊に成功したらしい。
 相変わらずどこまでも奇跡の男である。
 へなへなと腰の抜けたサリィはしばらく呆然としていたが、
「……プリベンター・バカ。こっちへいらっしゃい」
 しゃがみこんだまま彼女はコーラサワーを呼んだ。へらへらと笑いながら寄ってくるコーラサワーに更にしゃがむように言い、
目の前に下りてきた顔目掛けて渾身のビンタを叩きこんだ。
「この、バカ! 本当におバカね貴方! 今回はたまたま運が良かったからいいものの、爆発していたらどうするの!
 どうして貴方はいつもそうなの、バカ! バカ! バカァ!」
「痛っ、ごめ、ごめんてば、申し訳ありませんリーダー反省してます!」
 ビンタの応酬を食らいながら、コーラサワーは平身低頭して謝った。彼は女からの叱責と涙に弱かった。
 さて、こうして無事に犯人を確保し、彼がただの実行犯であり黒幕が別にいること、また黒幕が属する組織の目的などが
芋づる式に判明し、今日も世界平和が守られたわけであるが……それはこの際置いておこう。
 時間を戻そう。無事犯人を確保できたプリベンター一同であったが、問題はまだ残されていた。
 奴である。
「こら、降りてこーい!」
 デュオが上を見上げて声を張り上げるが、呼ばれた当人は聞く耳持たず、自由気ままに空を飛び回っていた。
「私は風のグラハム、何者にも囚われない!」
「起きながら寝言抜かすなアホンダラ!」
 下着を顔に装着したままビル群を壁伝いに飛び跳ねるグラハムと、それを追いかける残りのプリベンターたち。
 その光景は傍から見て非常にシュールであった。
「もういや、私もう耐えられない」
 未だ立てないサリィがベンチに腰掛けて顔を覆い、ヒルデがその背を慰めるように撫でている。
 男連中は懸命にグラハムを追っているが、彼は人の限界を超えたとしか思えぬ速さで宙を駆け続けていた。
「ちっ、このままじゃ埒が明かん。おいマヌケ、貴様あのアホと付き合い長いのだろう、いい手段はないか」
「あったらとっくにやってるよ!」
 ジョシュアが涙目で反論する。ユニオン空軍時代だって、彼とグラハムは反りが合わなかったのだ。
 そんな人間をどうこうできるわけが……
「ん、ユニオン?」
「心当たりがあるのか」
「……いいや、別にないね!」
 頑なに言い張るその態度は、却って心当たりがありますと主張しているようなものだ。
210模倣の人:2008/06/22(日) 23:06:28 ID:???
 五飛がジョシュアの襟首を捻り上げて問い詰める。
「言え、奴を止める手立てがあるんだな?」
「言う、言うから! ……手立てっていうより、どうにかできるかも知れない奴がいるかもって」
「よし、呼べ」
 だがジョシュアはぶんぶんと頭を振った。“彼ら”ならば確かにどうにかできるかもしれないが、彼らは揃ってグラハムシンパであり、
やはりジョシュアとは折り合いが良くなかったのだ。
「嫌だ、あいつらに借りを作るなんて絶対に御免だ!」
「逆に考えろ、そいつらに厄介ごとを押し付けてしまえ、と」
 そう切り返されると言葉に詰まる。確かに、ここで意地を張るよりは、彼らに面倒を押し付けてしまったほうが楽かもしれない。
 それに、逡巡している余裕はなかった。いつの間にかジョシュアの周りに仲間たちが集まり、無言の圧力をかけてきていたからだ。
「わかった、わかったよ。呼べばいいんだろ!」
 そうして彼は、携帯端末の登録の中から二人の男の名を呼び出した。
 ジョシュアやグラハムと同じく、元フラッグファイターであるハワード・メイスンとダリル・ダッジの名を。

(続く)



テラご無沙汰してました皆様ご機嫌麗しゅう。
なんかここのところ休日は出かける用事があったり部屋の模様替えしたり書いても筆が進まなかったり(これが一番の理由)でなかなか書けず、
気がついたら前回投下してから既に三週間も経ってました。お待たせしてすみません、そしてまだ終わりません。
どうにも短くまとめられない自分の悪い癖。
ところで最近気づいたんですよ。00で一番愛しているのはコーラさんですが、一番キャラとして動かしやすいのはグラハムであるということに。
グラハムっていくらでも暴れさせられるので書いてて楽しい。あとジョシュアも。逆にコーラさんの動かしづらさと言ったら……!
新機動炭酸スレにあるまじき出番の少なさです。愛はあるのに変だなぁ。あ、誤解のないよう言っておきますが、ハムさんは00で二番目に好きです。
それでは。次は極力早めに。
211通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 00:55:17 ID:???
いきなり投下ラッシュでウハウハw

>土曜日さん
このまったり加減がクセになって参りましたw
さらりと下ネタ言っちゃう辺りコーラさんやっぱそこは大人w
ツッコミ就寝中ヒルデに何言ってフライパンの刑になったのやら
残業は嫌だよね、全く(真顔で)


>>199-205
たまにはこういうのもいいですな
ハムの暗い過去が明らかに…w
動物とは上手くやれるのに赤ちゃんは駄目なトロワにワロタw笑顔をキャスリンに見せたいw
ただ、地の文で視点が混在してるんで、一行開けるとか切り替えをはっきりしてくれると読みやすいです


>模倣の方
腹筋への武力介入イクナイ!
ハwwwwwムwwwwwwwぱんつもとい仮面被ってんのに堂々と本名言ってどうするw
あと「ウォーター→ヘレン・ケラー」の流れにもフイタw
次は奴らですか。事態が収まるのか火事に重油ぶち込むのか、楽しみにしてます
212通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 00:57:50 ID:???
模倣神キテタ━━━━━━━━━━━━━━!!!!!
GJ!
213通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 02:49:33 ID:???
ポワントリン懐かしすぎるwwww
GJ!!
あとヘレンケラーもワロタ
214通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 03:51:22 ID:???
模倣氏うますぐる!
215通常の名無しさんの3倍:2008/06/23(月) 18:01:18 ID:???
最高ですか?
216通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 14:19:13 ID:???
「みんな、集合して。依頼が来たわよ。」
サリィがプリベンターの面々に声をかける。ここはプリベンター本部。
彼らはひっそりと世界平和ために行動している組織である。
「依頼内容は?また身辺警護か?」
「今回の依頼内容は……ヒーローよ。」
「?」
サリィの言っていることが理解できず皆ポカーンとなってしまった。


「要するに、ヒーローショーで中の人を演じてもらいたいってことよ。」
「……なぜ、ヒーローショーなんだ。」
サリィの持ってきた変な依頼に困惑するトロワ。
「おいおい、今でも大変なのにガキのお守りはゴメンだぜぇ。」
普段コーラサワーのお守りをしているデュオにとってさらに迷惑なことは避けたいご様子。
しかし、あの男達の反応は全く違った。
「ヘッ!俺様は、いつだってヒーローに決まってんだろ!」
「ヒーロー?うむ、良い響きじゃないか。」
コーラサワーとグラハムはノリノリである。

「まぁ、冗談は置いといて、真の狙いは凶悪犯の逮捕よ。」
サリィが今回の作戦の資料を皆に配る。
「凶悪犯………!コイツはあん時の野郎か!」
コーラサワーが大声をあげる。それもそのはず。凶悪犯とはアリー・アル・サーシェスなのだから。
「また何かやる気なんですかあの人。」
飽きれ気味にカトルが質問をする。
アリーは前回(名無しの書いた話の上で)カティ・マネキンの命を狙ったが、我らがコーラサワーに阻止されていたのだった。
「そうよ。今度は遊園地でヒーローショーの悪役をやっているらしいわ。」
「悪人が悪役やってるのかよ!」
「馬鹿にしちゃだめよ。次の資料を見て。」
ページをめくってみると……
「何で、台本がここにあるんだ。」
ジョシュアが思わずつぶやく。そこに書かれていたのは何かの台本だった。

ヒーロー1「悪事もそこまでだ。観念しろ!」
敵ボス「フハハ、まだ俺様にはこのロケット砲が残っているんだよ。」
―敵ボス、ビルの方へ向けてロケット砲発射。弾着。
「ただのヒーローショーの台本じゃねえか。俺様にはヒーロー1役がピッタリだな。」
コーラサワーは息巻く。
217通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 14:22:13 ID:???
「みんな想像してみて。普通ならロケット砲は本物じゃなくて音が出るだけの物を使うわ。
でも、それを本物とすり替え、ビルに向けて放ったとしたら……」
「奴なら、あの男ならやりかねん。」
五飛の目は険しかった。逃がしてしまったことを悔やんでいるのだ。
「だが奴の居場所はわかっているのだろう。なぜすぐに捕まえない?」
「それが……セリフ覚えに集中したいと言って三日前から行方をくらましているらしいのよ。」
サリィも困惑している。
「だから俺達がショーの最中にテロを阻止し、そのまま奴を捕まえるよう依頼されたってことかぁ。」
デュオは呆れぎみにつぶやいた。
「そういうこと。では配役を決めるわ。え〜と、戦隊は5人いて、他に第6と第7の戦士が途中で加わるから7人ね。」
「初演なのにもう7人も出るのか?」
「仕方ないのよ。人数多い方が捕まえやすいし。」
「じゃあ俺はブラック役だな。」デュオがまず決定。
「僕は、イエローで。」カトルはイエロー。
「私はブルーが良い。ブルーが良いと言った!」
グラハムがブルー役をもぎ取る。
「白が良い。」ヒイロはホワイト。
「グリーンは俺様……」
「俺が取る。」
「いや、俺もグリーンが良い。」
ああ、愛機の色が似通っている故の悲劇。コーラサワー、トロワ、五飛でグリーンの枠を争うことになってしまった。
「ここは公平にジャンケンで決めようぜ。」
「仕方ない。」
「そうだな。」
「せ〜のせいで。ジャンケンポン!」
五飛がパー。トロワとコーラサワーはグーで五飛の一人勝ち。
「ふっ、当然だ。」
「後残ってる色は、レッドとピンクね。」
「レッドだ。俺はレッドが良い。ピンクなんて着れっかよ。」
「俺もだ。」
ということで、またジャンケンポン!
「あ〜〜!負けた〜!」
コーラサワーの悲しい叫びが聞こえる。結局、トロワがレッド。コーラサワーがピンク役になった。

「ところでサリィさん。ヒーローの戦隊名ってなんですか?」
「考えてなかったわ。名付けるとしたら……」
「ピンクでもしょうがねえ。でもせめて俺に名前をつけさせろ!そうだな。
S.P.I(Special Pulibentar Iyaffu)特捜戦隊プリペンターだっ!」
「イヤッフゥてなんだよ!イヤッフゥって。」
デュオのツッコミが入る。しかし、彼らはこの時知るよしもなかった。
戦隊ヒーロー物には厳しい掟があることを。


今回の話は次のヒーロー編への繋ぎです。トロワの愛機はエンドレスワルツの時の奴で考えて下さい。
皆さん忙しいようですね。かくいう私もレポート提出ラッシュでネタ考える暇がねえ!
暇を見つけてまた投下します。
218通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 15:33:30 ID:???
ウメコが、ウメコがコーラさんだと言うのかあああああっ!!
普通にピンクはヒルデかサリィでいいだろwwwww
GJ! 続き期待してる。ところで何か仮名でもいいからコテハンつけない?
その方がわかりやすくて助かるかも。
219通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 15:57:22 ID:???
間違えました。さっきのは「名無し」です。
220通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 16:25:27 ID:???
乙乙ガンダム

ここは文の達者な職人が多いね
221通常の名無しさんの3倍:2008/06/24(火) 19:04:32 ID:???
アリー好きな自分にとって続きがかなり楽しみです。
レポート頑張ってください。
模倣氏>グラハム仮面www素敵すぎるwww蜘蛛マンからポワトリン、変態仮面まで幅広すぎwww好きだ。
思わず変態仮面スレ見に行ったらコンビニ版復刊変態仮面のコミックが出てたらしい。 
222通常の名無しさんの3倍:2008/06/25(水) 12:15:26 ID:???
模倣氏のネタの守備範囲広すぎるw
コーラまた最強ですw
223通常の名無しさんの3倍:2008/06/26(木) 13:17:40 ID:???
だめだwww
ここを覗くたびに笑ってしまうwww
模倣氏とか俺の腹筋になんか恨みでもあるんですかwww
224通常の名無しさんの3倍:2008/06/27(金) 09:14:12 ID:???
最近職人さん来ないな・・・・・・今まで来てた人たちどうしたんだろう
225通常の名無しさんの3倍:2008/06/27(金) 09:47:27 ID:???
一週間に最低でも一度は投下があるのに何を贅沢な
226通常の名無しさんの3倍:2008/06/27(金) 10:09:28 ID:???
ごめん贅沢言った
職人さんたちにはホント感謝してます
227通常の名無しさんの3倍:2008/06/27(金) 11:53:32 ID:???
二スレ目から模倣氏や水曜日氏をはじめ続々と参入してくれたからな
今じゃ恵まれすぎくらいだよ
228通常の名無しさんの3倍:2008/06/27(金) 21:51:27 ID:???
俺こんな平和なスレ見たの初めてだ
和むわ〜
229通常の名無しさんの3倍:2008/06/28(土) 11:08:53 ID:???
半年は長いと思ってたけどそうでもないのかな
230通常の名無しさんの3倍:2008/06/29(日) 10:56:40 ID:???
コーラさんバンジャーイ
231名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/29(日) 22:35:39 ID:???
「おい、カレー作ろうぜ」
「何をまた急に言い出すんだこの男は」
 今日も今日とて出動のないプリベンター。
そんな平和なプリベンターだが、事件がまったくないわけではない。
事件と言っても外ではなく内で、そいで大抵その手の騒動はパトリック・コーラサワーが原因となることが多い。
で、今回もまた例外ではなくそうなのだった。

「いや、親戚から野菜を大量に送ってきてよ、俺一人じゃ処理できねーんだ」
「ほほう」
「ほったらかして腐らせるのはもったいねーだろ、だからお前らにもわけてやろうと思ってな」
 この時代、ほとんどの野菜はバイオテクノロジーの発達によっていつの季節でも収穫できる。
コーラサワーの話によれば、遠い親戚の一人が大きな農場経営をスタートさせ、かなりの収益を上げたとのこと。
それで大盤振る舞いする気になったのか、はたまた余った野菜の処理に困ったのか、
縁故を頼ってかなりの範囲に野菜を送りつけたという次第らしい。
「正味の話、十代くらい前まで遡らないと繋がらないくらい遠い親戚なんだけどな」
「もう完全に他人じゃないかよ」
「俺も生まれてこの方、一度も会ったことがない」
 でもくれるというものを断るわけにもいかねーだろ、とコーラサワーは前髪をかきあげつつ言う。
タダより高いものはナントカという格言もあることはあるが、
モノが食べ物だけに確かに無碍に拒否することもできないところではあるだろう。
「で、配るだけだと何なんで、ほれ、ジャガイモやら人参やらあるからいっそカレーでも、とだな」
 カレーには多種多様な具を使うが、この時代もっとも一般的なのは所謂『日本風カレー』である。
カレーという料理そのものは18世紀にイギリスでその原型が作られて今日に至るが、
カレー粉と小麦粉を炒めてカレールウをこしらえ、そこに肉と野菜を入れ、
炊いたご飯にかけて食べるというのが日本で発達したカレー、すなわちカレーライスというわけだ。
料理・食事の手間、そして栄養補給の面でもお手軽であり、
文化が世界的に流動した今では、ほぼカレーのフォーマットはこれに統一されている。
「カレーライスねえ」
「でもおいしいですよね、せっかくですから作りましょうよ」
「昼食をそれで賄うか」
「よし、礼は言わないがうけとってやる、ありがたく思え」
 上から順にデュオ、カトル、トロワ、五飛の発言。
ヒイロは無言だが、これは別に特に言うべきことがなかったからであろう。
サリィとヒルデも黙ったままで、これもまたヒイロと同じ理由からかもしれない。
「そう言えば、軍隊でもカレーは食事として出るんじゃないのか?」
 コーラサワーが持ってきたダンボールの中からじゃがいもを一つ取り出すと、
コーラサワー、グラハム、アラスカ野ことジョシュアに向かって質問するデュオ。
かつてどこぞの国の軍隊では洋上などで日月の経過をお知らせする意味も込めて、
土曜(もしくは金曜)に必ずカレーを食事として出していた……というマメ知識を思い出したのだ。
232名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/29(日) 22:36:19 ID:???
「あったな」
「うむ」
「アラスカ基地にも名物カレーがあった」
「何時だったか、演習で行った時に食べたリヨン空軍基地のカレーは絶品だったな」
「MSWAD本部の食堂のカレーは有名だった、ユニオンの中でも評判になっていたぐらいだ」
「アラスカ基地のサーモンカレーも負けちゃいませんよ。後ろから撃たれる美味さ」
 軍隊時代を思い出し、思わず感慨に耽る三人。
普段はバカでバカしてバカポーンな面々だが、
これでも一応かつてはそれぞれに所属していた軍隊でエースを張っていたのだ。
まったくそう見えないのは、これはおそらく人徳という奴であろう、多分。
「ま、カレールウも市販のやつ持ってきたからそれで普通に作るとしようぜ」
「そうだな」
 普通のカレー、つまり角に切った牛肉と、人参、タマネギ、じゃがいもを具として使うカレー。
余計なものを放りこむより、失敗もなく無難に作れて食べることが出来るだろう。
やれスパイスがどーのとかトッピングがどーのと多人数で作って料理が成功する試しがない。
いや、出来ないわけではないが、七割の確率で不満足な味になることは間違いない。
Aという人物が美味いと思っているものを、Bも必ず美味いと思うかと言ったらそうじゃないのだ。
皆でワイワイ作る時は平均レベルになるように目新しい試みは避けるべし。
特にここには個性的な性格の人間が揃っているわけで、
それぞれに主張しはじめたら闇鍋も真っ青なカレーが出来てしまうだろう。
「よし、それじゃ頼むわ、オデコ姉ちゃんズ」
「オデコ姉ちゃん言わないで」
 オデコ姉ちゃんズ、それすなわちサリィ・ポォとヒルデ・シュバイカーのこと。
ちなみにここに五飛を加えるとオデコトリオ(コーラサワー命名)になるが、
もちろんのこと正式に結成されたチームではないのであしからず。
コーラサワーが勝手に言ってるだけなので。
「こういうのは言い出しっぺが作るもんじゃないの」
 ぶつくさ言いながら、サリィはダンボールの中を覗きこむ。
男女同権のこの時代、厨房に立つのは女性という風潮は消えて久しい。
だが、やはりこういう時は自然と女性が料理を作る役になるから不思議である。
いや、そりゃ俺が作るという包丁上手な男性もいるだろうし、
女性がいなけりゃどうあがいても男が作るしかないわけだが。
「男の料理だ!」とわけのわからん気合いを込めて、
むさい男同士で鍋やら皿やらを用意する時の虚しさというのは体験した者でなければわかるまい。
 話が逸れた。
で、カレーである。
結局、サリィとヒルデ、そしてお手伝いとしてカトルとデュオがキッチンに入ることになった。
ま、これも無難な面子選択っちゃ選択。
ヒイロや五飛もまったく料理が出来ないわけではないだろうが、手伝いとしては明らかに不適であろう。
233名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/06/29(日) 22:37:03 ID:???
「思い出すぜ、タクラマカンで大佐と一緒に食べたドクダミカレー」
「あれはいつだったか、カタギリが『即席カレーメーカー』を発明したことがあった」
「あー、サーモンカレー、もう一度食べたいなあ」
 引き続き思い出に浸るバカ三人。
せめてテーブルでも拭けよ。
「おーいオデコの姉ちゃんズ、俺のカレー、よそる時に大盛りにしてくれよ!」
「だからオデコの姉ちゃん言わないで」
「ヒルデ、その肉を炒めたフライパンを投げつけてやれ」
「ダメですよデュオ、まだ使うんですから。それよりお米といで下さい」
「……いいわよ、大盛りにしてやるわよ」
 何となく、楽しくない雰囲気でカレーを作るキッチンの四人なのだった。


 そして。
『超激辛カレー用スパイス』を大盛りにされたコーラサワーが口から火を吹きながら議事堂内を走り回るのは、これより三十分程後のことになる。


 プリベンターとパトリック・カレーサワーふんがくっくコーラサワーの心の旅は続く―――



 コンバンハ。
給料あげろコンチクサヨウナラ。
234通常の名無しさんの3倍:2008/06/29(日) 22:39:18 ID:???
カレーネタきたああああ
ケロA4コマのコーラさんカレー好き疑惑からでしょうか。
235通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 03:35:14 ID:???
ドクダミカレーって、不味そうだ…
そしていらんこといって墓穴掘るコーラさんに乾杯

カセットドラマでヒイロは家事全般完璧らしい事を言ってましたが
彼の場合は人と組んで料理をするという行為が駄目そう
236通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 07:19:38 ID:???
能力的には完璧超人系なんだな>ヒイロ
237通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 13:50:01 ID:???
GJですカレー食いたくなってきた。
土曜日氏大丈夫か、だいぶ堪ってんなぁ。どうかご無理はなさらぬよう。
238通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 21:25:51 ID:???
土曜日氏へ
つ旦~~
239通常の名無しさんの3倍:2008/06/30(月) 22:16:55 ID:???
土曜氏>そうそう大人数で料理すると味覚にばらつきあるから人の意見聞きすぎると微妙な味になりますよね。手伝いもしないでカレー談義をしてる三人組の姿にいるいるこうゆう人と頷きながら楽しみました、GJです。
240通常の名無しさんの3倍:2008/07/01(火) 07:55:31 ID:???
>>235
>カセットドラマ
kwsk

241通常の名無しさんの3倍:2008/07/01(火) 12:55:53 ID:???
土曜日氏、GJです。 コーラがどんな格好で議事堂内を走り回っていたのか、
想像するとWKTKします。
 口から火を吹きながら青田赤道のようにあらゆるものを破壊しつくすのでしょうか。
見学したいものですね。
242通常の名無しさんの3倍:2008/07/01(火) 17:06:53 ID:???
>>240
235じゃないけど
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm702296
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm702803
ニコでごめん
昔こんなのがあったんだよ。
ついでにこんなのもあった
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm801382

CDでなくカセットってあたりに時代を感じる・・・
243通常の名無しさんの3倍:2008/07/01(火) 18:17:38 ID:???
補足
家事全般おkの件はsm702803の21分40秒過ぎ辺り
244通常の名無しさんの3倍:2008/07/02(水) 16:54:24 ID:???
ほほー
245通常の名無しさんの3倍:2008/07/02(水) 18:20:57 ID:???
こういうの聴くと、やっぱり今度出るドラマCDにコーラが出ないのが残念でならない。
コーラやソーマも出した第二段とかやってくれんかねえ。
246通常の名無しさんの3倍:2008/07/03(木) 16:08:09 ID:???
このスレのソーマはやけにかわいい
247通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 07:54:31 ID:???
>>242
トン
248通常の名無しさんの3倍:2008/07/04(金) 18:19:30 ID:???
職人カモナベイベ
249通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 14:46:02 ID:???
下火?
250通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 14:52:36 ID:???
最終回から日数経ってる&2期の情報がまだ降りてこない=燃料が無い

この時期はちょっと過疎るのも無理ないやね。
251通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 17:11:29 ID:???
それでも仙道なら
252通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 17:23:41 ID:???
安西先生…新作が読みたいです……
253通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 17:49:09 ID:???
そらもうわがとこを信じる信じないの問題やない
今日は土曜日や
254名無し:2008/07/05(土) 19:57:13 ID:???
土曜日氏がきっと来てくれますよ。私も楽しみにしてますんで。
今書こうとしていたヒーロー編書いてるんですが、
あまりにもネタに走り過ぎた気がして最終的に投下して良いものか迷ってます。
255通常の名無しさんの3倍:2008/07/05(土) 22:48:00 ID:???
推敲と修正して納得がいったら投下すればいいと思うよ!
256名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/05(土) 23:09:40 ID:???
「平和だな」
「ああ、お前が言うと特にそう思うわ」
 今日も今日とてプリベンターは平和だった。
悪人罪人テロリスト、天に消えたか地に潜ったか、ここんところさーっぱりとご無沙汰な毎日である。
いや、事件は起こってはいるのだが、どれも全て警察でカタがつくレベルのものばかり。
天下の隠密同心プリベンターがまったく目立たないこの現状は、まぁ世界的に見ればいい傾向には違いない。
永久ってこともなかろうから、いずれ出番もあるだろうが。
「おいみつあみおさげ、キャベツ太郎とよっちゃんイカの袋取ってくれよ」
「……取ってやらんこともないけど、一応今は待機中なんだぞ」
「別に規則があるわけじゃなし、菓子のひとつやふたつどーでもいい話だろ」
「菓子の食い過ぎで緊急出動出来ませんでした、なんてことになったら末代までの恥じゃないかねー」
 この時代、世界のあらゆる職業は一日の労働時間が決まっている。
世界労働基準法により、最大八時間勤務内七時間拘束が限度。
これを破ると違反として雇用者には重い罰則が科せられることになる。
で、プリベンターだが、政府直属の正規組織である以上、無論この法の傘の中。
が、ぶっちゃけた話そんなもん遵守してたら世界平和は守れないわけで、
プリベンターのトップであるレディ・アンのどんぶり勘定、げふんげふん弾力的運用の下、
表向きは八時間勤務としつつも実質丸一日詰めとかやってたりする。
まぁ構成メンバーが一般的労働時間というものからかけ離れた前職の持ち主ばかりなので、
文句らしい文句も出ないっちゃ出ないのだった。
せいぜいコーラサワーとアラスカ野がぶーぶーいうくらいで、ええ。
「おい、チャンネル替えてくれ。ロッコー・タイガースとナベツーネ・ジャイアンツの試合をパリ・ドームでやってるはずだ」
 で、今日は(というか今夜は)毎度お決まりのコンビであるパトリック・コーラサワー氏と、
デュオ・マックスウェル氏が本部直勤で一晩待機の身となっているわけだった。
「へえ、お前一応フランス人なんだろ。サッカーじゃないのか」
「ん、軍隊じゃレクリエーションの一環でサッカーも野球もやったからな」
 この時代、フランスは結構な野球大国。
欧州では随一と言っていいほどで、その足跡をたどって行くと一人の日本人に行きつく。
「名手」「牛若丸」「取った瞬間投げている」など数々の高い評価を受けた阪神タイガースの名遊撃手・吉田義男。
フランスのナショナルチームの監督に就き、同国の野球レベルを引き上げた人物である。
そして今、彼が植えた種は見事大輪の花となり、AEUフランスはユニオンにも負けない野球強豪国となったのだ。
サッカーの方もサッカーで元気にシャンパンサッカーやっているが。
「ほぉ、軍隊で」
「スポーツは訓練でもあるからよ」
「しかし、どーせサボってばっかりだったんだろ?」
「何言ってんだよ、んなことするわけねーだろ」
「ホントかよ」
 疑ったところで、デュオはハタと気がついた。
コーラサワーの性格からして、自分に注目が集まるのは大好きなはず。
学校のクラスに必ず一人はいる体育になると張りきる目立ちたがり屋、てなところだ。
「幼年学校の野球じゃエースで四番、しかも町内のこども会サッカーじゃ10番でストライカーだったんだぞ」
「ああ成る程」
 つまりはお山の大将でいられたのもその頃までだった、と。
デュオは自分の想像が大方当たっていたことに頷いた。
歳を重ねるにつれ、本当に才能がある奴に上に行かれたというわけだ。
で、流れて軍隊で彼が自身の拠り所としたのが模擬戦……。
257名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/05(土) 23:11:35 ID:???
「軍隊でもエースで四番でキャプテンだったのか?」
「当たり前だろ」
「ほお、AEUのフランス軍ってのはそんなにヘボ揃い?」
「あん? そりゃ聞き捨てならねーな」
 さすがに皮肉に気づいて怒ったか、と思ったデュオだったが、
次のコーラサワーの言葉に思わずひっくりかえった。
「軍隊での野球ってのはなあ、MSに乗ってするんだぞ」

「……」
「軍隊舐めてんじゃねーぞ、みつあみおさげ」
「……」
「ポニテ博士の作ったMS(ミカンスーツ)じゃなくてモノホンの太陽光エネルギーで動くヤツだ」
「……」
 デュオ、しばし呆然。
普通にやるんじゃなくて、MSを使って行う。
しかも訓練とレクリエーションを兼ねるという立派な目的をもって。
「模擬戦二千回不敗の俺がエースで四番になるのも、ま、当然だな」
「正気か……AEU軍」
 デュオとしてはあきれるしかない。
確かにMSは人型である以上、まんまそのままとまではいかないが相当人に近い動きが出来る。
ロボット開発史をひも解けば、ロボット同士にスポーツを行わせようとした試みがいくらでも湧いて出てくるわけで、
その意味で見ればMSでの野球もあながちバカとは。
「いや、やっぱバカだろ」
「何がだよ」
 イナクトかヘリオンかどっちか知らないが、それが甲子園を何倍かしたグラウンドでがっちゃぞろぞろとベースボール。
こんなもん、真っ当な思考の持ち主ならまず考えない。
よしんば考えたとしても実行しない。
「今でもハッキリと覚えてるぜ、基地司令部の上を越えていった改心の場外ホームランをよ」
「……」
 そりゃ危ないだろ、と最早当たり前過ぎるツッコミをする気も起こらず、デュオは深いため息をついた。
そしてキャベツ太郎の袋に手を伸ばすと、何個か掴んで口に放りこんだ。
「もしかしてユニオンじゃMSでアメフトとかしてたのかね……」
 グラハムとアラスカ野に聞いてみたいような聞いてみたくないような。
「そして俺の必殺技がえびぞりハイジャンプ大回転消える黒いジャイロ魔球で、これを打てた奴は未だかつて」
 得意満面で喋りまくるコーラサワーを横に置き、微妙な気持ちになるデュオなのだった。


 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――



 コンバンハ。
毎日暑いですねサヨウナラ。
258通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 00:13:03 ID:???
人型ロボット同士でスポーツ対戦ってアイアンリーガってアニメ思い出した。20代半ばの自分。
コーラの場合スポーツだけじゃなくMSで新体操しろといわれてもで楽々出来そうだな。毎回土曜職人さんGJ!です。
259通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 00:39:17 ID:???
>世界労働基準法により、最大八時間勤務内七時間拘束が限度。
魂の主張ですね、心の底から分かります

高価なMS使って何やってんだAEUwwwww
確かに機体の性能実験とパイロットの操縦技術は確認できるかもしれないけどw
軍事演習という名の交流試合やってそうだぜ!いつもながらGJっす!
260通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 13:44:15 ID:???
>>258
ああ、アレハンの中の人が主役やってたアレね
261通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 14:23:56 ID:???
土曜日さんテラお疲れさん
AEUって馬鹿なんだね。
コーラさんだけが馬鹿なんじゃなくて、育てた故郷が元々馬鹿の温床だったんだね。
けどMS野球楽しそうだなー。
アフリカの広大な土地でやってたのかね、んでそれを観賞するリリーナ様。
262通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 19:26:34 ID:???
AEU馬鹿すぎるwwwwwwwwwwwww
263通常の名無しさんの3倍:2008/07/06(日) 22:42:01 ID:???
コーラは馬鹿よりアホの子という方がしっくりくる。
264通常の名無しさんの3倍:2008/07/07(月) 10:55:03 ID:???
新庄か
265通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 08:52:06 ID:???
世界のコーラ「模擬戦の時だけマジになります」
266通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 22:51:37 ID:???
実戦でもマジになってください
267通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 23:14:48 ID:???
パーソナルデータでは
趣味・特技は「何でもできる!」
好きな食べ物「何でも食える!」
好きな女性のタイプ
「いい女は食う!」

Q&Aが意味ぬぇー。

Q 軍人になった理由は?
A 自分がすごいから!

Q マネキン大佐のどこにひかれたのか?
A 直感!

浜田さんのインタも掲載。

・1話のころはコーラサワーにガンダムへの復讐心みたいなものが芽生えて
それを引きずっていくのかと思っていたらまったくそういうことでもなかった。
・台本があがってくるたびに「ちょっと方向が違う?」と思っていた。
・コーラサワーは完全に復讐とは違うベクトルで進んでいる。

・「大佐のキッスはいただきだ!」はコーラサワーを象徴している
すばらしいセリフ。でもぼくは彼が勝手に言ってるだけだと思っている。

(水島監督の「さらにかっこいい男になって帰ってきてくれると信じてる」について)
「さらに」って今までも格好よかったんだってことがびっくりですよ!
アフレコ現場でもコーラサワーが喋るとなぜかみんな笑うんですよ…。
僕は全力でやってる仕事をあんなに笑われるとは思わなかったです(笑)


(類稀なる強運について)
コーラサワーは世界に愛されているんだねって思う。
別に世界に対して何かするわけじゃないけど(笑)
268通常の名無しさんの3倍:2008/07/08(火) 23:24:19 ID:???
いい女は食う!は、まさにここのコーラさん像だな。
職人さんたちは彼を正しく理解していたんだ!
269通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 00:01:25 ID:???
食wうwなwよwwwww
もうちょっと言い方ぼかそうよwwwwww
270通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 00:01:49 ID:???
食wうwなwよwwwww
もうちょっと言い方ぼかそうよwwwwww
271通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 00:12:18 ID:???
ここまでまんまこのスレのコーラ像だと逆に怖いわ
模倣の人とか水曜日の人とか書いてて「コーラは本当にこんな人間なのか」と疑問に思ったことはなかったのだろうか

ヒャッホーすぎるだろコーラ
272通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 00:16:01 ID:???
土曜日氏の先見の力は異常
273通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 08:25:08 ID:???
さすがコーラさんかっこいいぜ!
274通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 21:28:59 ID:???
コーラの一日がヒャッホウ杉て噴いたwww

360 通常の名無しさんの3倍 sage 2008/07/09(水) 19:38:43 ID:???
>>347
これだな。パトリック・コーラサワーの優雅な一日 〜バレンタイン編〜

5:00
 起床、横で寝ているジャニス(売れない女優)を起こし浜辺で朝日を見る
6:00
 アイリーン(良家子女)と朝靄のかかる川べりを散歩
7:30
 ドロシー(有名企業の一人娘)とカフェ・ド・イヤフーで朝食
8:30
 出勤
9:30
 ルイーザ(整備士)とMSハンガーの裏で密会
10:00
 イリア(オペレーター)と人気のない倉庫で密会
12:00
 クニグンダ(戦略部員)、ヒルデガルド(情報部員)と基地の食堂で昼食
13:00
 一時間休憩
14:00
 一時間模擬戦
15:00
 アガサ(模擬戦やった女パイロット)とシャワー室で密会
16:30
 ホーリー(司令秘書)とレストルームでデート
18:00
 キャサリン(衛生部員)と救護室で密会
19:00
 退出
19:30
 パーラ(カーディーラー)とホテルのレストランで夕食
21:00
 イザベラ(宝石店店員)とモーテルで密会
23:00
 シャーリィ(雑誌記者)と別のモーテルで密会、
24:00
 就寝


来年はここにマネキン大佐の予定を入れたいと思うコーラさん29歳であった


まさに 完 食 スケジュールwww
275通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 21:52:57 ID:???
>ドロシー(有名企業の一人娘)とカフェ・ド・イヤフーで朝食
そのドロシーの眉毛が割れていたらコーラさんを尊敬する

何気にイリアってカトルの姉ちゃんにいたよな
276通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 21:56:09 ID:???
これ書いたのここの職人じゃあるまいなw
277通常の名無しさんの3倍:2008/07/09(水) 22:12:58 ID:???
ヒルデガルド…略したらヒルデ

まさかな
278通常の名無しさんの3倍:2008/07/10(木) 05:21:03 ID:???
とある園遊園地。今日、ここでプリベンターたちの作戦が決行されようとしていた。

「ハ〜ハッハ!アリーブレラ様が悪の限りを尽くしてやるぜ。」
園内に設置されているステージ上では悪の怪人が大見えを切っている。
演じているのはなんとテロリストのアリー・アル・サーシェス。
彼はショーの最中に演技のフリをしてテロを起こそうとしているのだ。と、その時どこからともなく声が聞こえてきた。
「エマージェンシー(緊急変身)!特捜戦隊プリベンター!」
一瞬、会場を強烈な光が包み込む。すると戦闘スーツを着た男達が颯爽とアリーの前に現れた。
「貴様ら何物だ!」
「この世に悪がある限り、俺は戦い続ける!プリベンター・レッド!」
トロワがやたら熱いセリフを喋ると爆発音と共に赤い煙が上がった。
「愛、故に戦う。愛があるから戦える。プリベンター・ブルー!」
またしても後ろで爆発音と青い煙が。
「正義は悪を滅ぼすためにあるものだ!プリベンター・グリーン!」
五飛の登場と共に今度も爆発と煙。どうやら演出らしい。
「いちいち時間かかるんだよっ!ヘヘっ、今のうちにやっちしちまえばこっちのも………なぬ!」
アリーは攻撃を加えようとしたが全く動けなかった。何かしらの強烈な力に押さえ付けられたのだ。

〜戦隊物の掟その1〜
自己紹介の前口上を述べているヒーローは無敵

「戦いの日々は繰り返させません!プリベンター・イエロー!」
カトルが出てくると爆発と煙(ry
「俺様にかかれば悪人なんてへっちゃらだぜ!プリベンター・ピンク!」
……失敗したようだ。何も起きない。そして五人合わせてこのセリフ。
「特捜戦隊プリベンター!」
大きな爆発音と共に4色の煙が立ち上った。(ピンクだけまた演出が失敗したようだ。)
「貴様らそれじゃ特捜戦隊じゃなくて火薬戦隊だろうが!!」
アリーのもっともらしいツッコミはさておき彼らの説明をしておこう。
S.P.I(Special Pulibenter Iyyafu)はアリーを捕まえるために結成された戦隊ヒーローなのだ!
「変身スーツは僕特製の物だよ。」
突如登場、ビリー・カタギリ、独身魔法使い片思い中である。
「彼らのスーツは、僕がみかんの成分を研究して作ったものなんだよ。銃弾を受けてもびくともしないんだから。
えっ?何で登場人物がただでさえ多いのにあなたがいるのかだって?それは必要だからだよ。」

〜戦隊物の掟2〜
ヒーロー物には科学者かサポートする人物が必須

ヒーローの登場に子どもたちから歓声が上がる。
「わ〜カッコイイ」
「……ピンクが男っぽい。」
279名無し:2008/07/10(木) 05:22:16 ID:???
「貴様の悪事もこれまでだ。観念しろ。」
五飛が強い口調でアリーに降伏を迫る。
「おまえら状況がわかってねえみたいだな。野郎ども、やっちまいな!」
アリーの掛け声と共に黒服の戦闘員(中身はアリーの部下)がプリベンター達に襲い掛かる。
「無駄だっ!」
トロワはキャット空中三回転を繰り出し、戦闘員を怯ませると飛び蹴りを喰らわせた。
「何故戦闘員は○ョッカーなのだ、ガンダムッ!」
無茶苦茶なことを言いつつグラハムは敵を薙ぎ倒していく。
五飛はさすが拳法家。まったく敵を寄せ付けない。ここで、心配なのは格闘戦が弱そうなカトルだが……
「フフッ。……そうですよ。戦争を起こす奴なんて消えてなくなれっ!」
ゼロシステムに取りこまれた黒カトルのような口調で敵を圧倒していた。一方、コーラサワーは、
「俺はなぁ。スペシャルで、2000回で、都営三田線なんだょ!」
支離滅裂なことを言いつつ相手の攻撃を避けまくっていた。
「チッ、こうなったら奥の手その1を使うしかねえようだな。」
アリーは、懐からDVDを取り出すと高らかに言い放った。
「おい、てめえら。コレを見ろ。男なら興味が沸くはずだぜ。」
アリーが持っているDVDには[大佐のシャワーシーン2時間入り!]と銘打ってある。
「た、大佐!?」
思わず大佐というフレーズに反応するコーラ。
「へっへっへっ。欲しい奴がいるようだがこれはお預けだっ!」
と、アリーは驚異的な遠投力でDVDを遊園地の外へ投げ出した。
「うおぉ〜!大佐のシャワーシーンは頂きだぁ。」
あぁ、何ということかコーラサワー。彼は大事な仕事をほっぽり出してDVDを拾いに行ってしまった。
「おい、待つのだバカ……。行ってしまった。これが愛という物なのか。」
「放っておけ。あいつがいなくてもケリはつく。」
呆れた五飛はコーラサワーを無視して任務を遂行しようとする。だが……
「なぜだ?体が重い。身動きが取れないぞ。」
「身体機能がスーツを着る前より低下している。どういうことだ。」
四人が困惑しているとカタギリから通信が。
「穏やかじゃないねぇ〜。そのスーツは五人が近くにいないとフルパワーが出せないんだよ。」
「カタギリ!なぜそんな面倒な設計にしたのだ!」
「だって掟だもの。」

ヒーロー物の掟〜3〜
5人揃ってないと弱い
280名無し:2008/07/10(木) 05:23:30 ID:???
「えぇい。私は我慢弱い男だ。脱ぐぞっ!」
グラハムはおもむろにスーツを脱ごうとした。他の3人も素の力で戦った方が良いと判断し、
スーツを脱いでプリベンターの制服姿になろうとしたのが……
「ぬ、脱げない。どういうことだカタギリッ!」
「子どもの夢を壊しちゃいけないもの。人前でスーツを脱ぐのはダメだよ。」

ヒーロー物の掟〜4〜
ヒーローの正体は子どもの前では明かさない(地球戦隊自重!)

「へっ!5人いないと問題があるらしいな。今のうちに死んでもらおうか。」
アリーが4人に詰め寄っていく。と、その時どこからかアリー目掛けて羽根が矢の如く飛んできた!
「な、何ものだ!?」
「投げるならバラだろとか言うなよ!プリベンター・ホワイト!」
「俺は最初からクライマックスだぜ!プリベンター・ブラック!」
ついに登場ヒイロとデュオである。

ヒーロー物の掟〜5〜
救援は都合が良い

新たなヒーローの登場に沸き立つ会場の子ども達。
「わ〜黒と白のヒーローだよ。」
「プリベンターだから略してプリ○ュアだね。」
突如現れた二人のヒーローに慌てるアリー。
「ちっ!新手か。野郎ども怯むな!相手は2人。たいしたことねぇ!」
新たなヒーローの登場に怯みそうになった部下を鼓舞し、アリーは二人に襲い掛かる。
「遅いっ!」
「なぬっ!?」
ヒイロは目にも止まらぬ速さでアリーの背後を取り正拳突きを食らわした。
「……ヒイロの動きが速すぎる。何をしたんだ?」
トロワが異常なまでの速さを誇るヒイロを不思議そうに見る。
「ん〜実はね。ヒイロ君のスーツにはゼロシス……これ以上言うのはプリベンターの理念に反するからやめておくよ。」
「………。」
「貴方も科学者ならあのシステムの危険性を考えてくださいよ!」
「……あいつならゼロシステムを使いこなせる。きっと大丈夫だ。多分。」
心配する3人をよそにヒイロとデュオは生き生きと闘っていた。
「それっ!まきびしっ!十字手裏剣20連発!」
「ゼロよ。未来を示してくれ!」
圧倒的な2人。このままプリベンターの勝利かと思われたが、
「えぇぃ、こうなりゃヤケだ。奥の手その2!」
なんとアリーは客席に無理矢理入り、子どもを人質に取ったのだ。
「くっ!この卑怯者!」
「卑怯?卑怯でけっこう。俺は悪人なんでな。さぁ、お嬢ちゃんの顔を見せてもらおうか。」
アリーが人質にした女の子の顔を確認しようとする。だが、女の子はヒイロも知る意外な人物だった。
281名無し:2008/07/10(木) 05:30:27 ID:???
書いていったらこれの二倍の量になりそうなのでとりあえず投下。後編はいつか書きます。
一応配役確認しておくと
プリベンター・レッド=トロワ
プリベンター・ブルー=グラハム
プリベンター・グリーン=五飛
プリベンター・イエロー=カトル
プリベンター・ピンク=コーラサワー
プリベンター・ホワイト=ヒイロ
プリベンター・ブラック=デュオ
です。

え〜と、土曜日氏乙です。きっと来てくれると思ってたらホントにピンポイントで来ましたね。
282通常の名無しさんの3倍:2008/07/10(木) 10:14:36 ID:???
>S.P.I(Special Pulibenter Iyyafu)
イヤッフーwwwww
名無し氏の戦隊にかける熱意はよくわかった!
283通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 07:10:10 ID:???
ジャッカー電撃隊!
284通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 11:07:23 ID:???
コーラ本スレにあがってくる記事情報を見るに、ここのコーラさんまんまだな
第一印象そのままのキャラクターって素晴らしすぐるw
285通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 22:40:04 ID:???
本編のコーラさんとここのはちょっと違うぜ。本編のコーラさんに危害を
加えると世界意思によってひどい目にあうけどここのはいくら突っ込みいれても大丈夫
286通常の名無しさんの3倍:2008/07/11(金) 22:52:11 ID:???
世界意志の守護を受けている男コーラサワー。
287不定期じゃけん:2008/07/12(土) 14:48:27 ID:???
 統合政府直営のスポーツセンターで、世界ジュニア・カデフェンシング選手権が行われていた。
丁度、日本で言えば、高校生がカデ、大学生がジュニアのカテゴリーに属する。
 ウイナー財閥が世界フェンシング協会の公式スポンサーであるため、スポンサー用の貴賓ルームにカトル
の誘いでプリベンターの面々は招待を受けた。 むろん、我らがコーラさんも一緒である。
 会場では、明日のフェンシング界を担おうという選手たちが剣を交え、熱い闘いを演じていた。
 カトルは御曹司兼スポンサーとして、あちこち飛び回っている。
コーラさんはというと、貴賓室のビュッフェスタイルの食事をグラハムとともに食い荒らしていた。
「んー。さすが、スポンサー用ともなると、味がぜんぜん違う。 どれ、イタリア・キアーナ牛のステーキ・・・うん、いけるぜ。」
「がっつくではない。 こういう立食スタイルは少量ずつ食べるものだけ盛るのがマナーだ。」
「そういってるわりには、シーフードグラタンとポテトサラダが山のようになっているようだが。」
「あなたたち、いい加減にしなさい!!。 カトルや他の方の迷惑になるでしょ。」
サリィが呆れながら注意する。 ヒルデが留守番でよかった。 この光景が彼女の目の前で展開していたら、
どれだけのフライパンが飛んでいたかわからない。 サリィはそう思うしかなかった。
 さてそれはさておき、選手権も佳境を迎えている。
カトルもやっと開放され、双眼鏡で試合の様子をみようと、覗き込むと、「あれ?。」
と声をあげた。
「どうした、カトル。」トロワが声をかけると、「ぼ、僕が、色違いの僕がいる。」 と動揺したようにいった。
「ちょっと、双眼鏡貸してくれ。」トロワが見たのは、日本選手団の中にいた。
髪と目の色が違うだけのカトルそのものの選手がいた。
 「信じられん・・・。しかし、これほど似ているのを見たのは初めてだぜ。」とトロワがいうと、
「世界には3人は自分と同じ顔の人間がいるというからな。」と、ヒイロがいった。
「ちょっと、選手名鑑あたります。」と、カトルが検索をしはじめた。
「先祖が戦国大名の血筋をひき、姉が5人いる一人息子って、よく似た家族構成の家族だな。カトル。」
デュオがいうと、「僕のところは姉は29人いますけどね。」とカトルはため息をつきながら答えた。
「しかも、名前が戦勝(ただかつ)だってよ。 あの顔からは想像もつかない名前だぜ。」とデュオ。
その後、その彼が女子選手からいじられているのを見て、カトルは、昔姉たちに着せ替え人形やいじられた
つらい過去を思い出したのか、大きなため息をつき、目を覆った。
「もっと厄介なやつがいたぞ。」と双眼鏡を覗き込んでいた五飛がいった。
 そう、あの強度のショタコンセレブ、マリナ=イスマイ−ルが会場にいたのを発見したのである。
「あの子もああ、この子もいいわ。 こんなに美少年がよりどりみどりなんて、いままでなぜ気づかなかったのかしら。
そのなかでもカトル様そっくりのあの子。 きっと、ご家族にはかわいがられてたんでしょうね。 ハァハァ・・・、
次のターゲットあの子にしようかしら。」
今にもよだれが落ちそうなほど、興奮してその彼を双眼鏡で覗き込むマリナ。
それを見て、彼に待ち受ける運命を思い、ため息を深くつく5人。
そして、それと関係なくビュッフェで食い荒らし、ヒルデ譲りのどかちんハンマーで
制裁をうけたコーラサワーとグラハム。
 各々の運命がここでも交錯していた。
__________________________________________________________________________________

どうも、お久しぶりです。 不定期です。 今回は短いですが、土曜日氏が野球をネタにされていたので、書いてみました。
でも、フェンシング協会の公式サイトみてたんですが、いやはやフランス語ばかりで、 言葉を覚えるのも大変です。
 また、特捜戦隊ものの続き、WKTKしながら楽しみにしています。 名無し氏に期待してます。
 どうも失礼いたしました。 いつ書けるか不安ですが、またお会いしたいと思います。
288通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 15:21:01 ID:???
乙!
289通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 16:55:12 ID:???
>>287久しぶりのマリナ登場ですね!ヤバイマリナ楽しみにしてます。GJ!
290模倣の人:2008/07/12(土) 18:52:08 ID:???
 グラハム・エーカーはかつて無いほどの高揚感と充足感を覚えていた。
 これまでの自分がまるで地を這う鈍重な芋虫であったかと思えるほど、身も心も軽く感じる。
 見慣れたはずの夜景がやけに美しく感じられ、取り巻く空気はなんという清澄感だろう。
 グラハムは歓喜に打ち震えた。
「私は今日新たに生まれ変わる。脱皮・・・・・・いや、羽化するのだ。私はこの瞬間、蝶へと変化するのだ!」

 あるビルの屋上で動きを止めたグラハムを、地上にいるプリベンターたちが見上げていた。
「止まったね・・・・・・満足したのでしょうか」
「いや、違うな。蹲って何をしているのか・・・・・・」
 カトルの疑問をトロワが否定する。よくよく目を凝らすと、グラハムはしゃがみ込んだ状態で痙攣していた。
「今がひっ捕まえるチャンスなんじゃねえか?」
「待てデュオ、様子がおかしい。迂闊に近寄ると危ない」
 ヒイロが足を踏み出そうとするデュオを静止した。確かに、グラハムの震え方は徐々に大きくなってきている。
 と思った、次の瞬間。
「クロス・アウッ! メタモルフォーオオオゼ!」
 急に立ち上がったかと思いきや、着ていたボディスーツを一瞬のうちに脱ぎ捨てた。
 そこにいるのは、顔に女性用パンティーを被り、身にはブリーフのみを纏った、ほぼ全裸の男であった。
 刹那、地上から見上げていた誰もが頭の中真っ白になった。
 一拍置いて、絶叫が響き渡る。
「こんの変態がァァァァァァァァァァ!」
「そのとおり。私は今、完全変態を遂げた!」
 地上の者たちからの批難を浴びても、彼は一切動じないどころかパンツ一丁姿で腕を組み威風堂々と宣言する。
「変態の意味違うだろアホタレが!」
「ちっ、だから件の連中をさっさと呼べと言ったのだこのマヌケが」
「もう呼んだっての、もうちょっと待てよ!」

 と、いうわけで。
「来ましたぜ」
「状況の説明を頼む」
 サングラスがトレードマークのハワード・メイスンと、ドレッドヘアが特徴的なダリル・ダッジが到着したのであった。
「ふん、仕方がない。この俺が簡潔にわかりやすく話してやるから感謝しろよ」
 救援を求めた立場でありながらジョシュアはやけに不遜な態度で、ハワードたちのこめかみに血管が浮き上がったりもしたが、
それでも手短な説明で意思の疎通が図れるのはやはりかつては同じ釜の飯を食った仲だからだろうか。
「あー、またですか」
「やれやれ、しょうがない人ですなあ。じゃあちゃっちゃと片付けますかね」
 ダリルとハワードは肩を竦めた。動じた様子のない彼らを不審に思い、カトルが問いかける。
「あの、随分と慣れたご様子ですが、もしかして過去にもグラハムさんがこういう風になったことがあるんでしょうか」
「いやあ、流石に下着被って覚醒なんてのは初めてだがね、あの人は基本的に暴走体質だから」
「うっわぁ」
 救えない。つい乾いた笑いが浮かんでしまうのだった。
「俺たちにも何か手伝えることはあるだろうか」
「ああ、ならばプラモデルを仕入れてきてくれないか。できればただのMSよりガンダムがいいだろう、できる限り大量に」
 トロワの申し出に、ダリルが頷いて指示を出した。
291模倣の人:2008/07/12(土) 18:53:41 ID:???
 作戦を簡潔に述べると、餌で誘き寄せたところを捕獲するというもの。とはいっても容易にはいかないだろう。
 何せ、スーツを脱ぎ捨て覚醒したグラハムは、先ほどまでとは比べ物にならないほど動きが高速化されているのだ。
 また行動が変則的で、先回りするのも難しい。
 が、ハワードは不適な笑みを浮かべてこう言った。
「その点は大丈夫ですぜ。更なる助っ人を呼んでますからな」
「助っ人?」
「僕だよ」
「のわあああっ!?」
 耳元に息を吹きかけられたジョシュアが驚いて飛び跳ねた。
 振り返るとそこには、白衣に身を包んだポニーテールの青年。ビリー・カタギリであった。
「やあ。何やらグラハムが面白いことになってるそうじゃないか。僕も協力させておくれよ」
「助かります。けど、いったいどうやって?」
「グラハムの行動パターンを読みたいんだろう、ならこれを使うといい」
 と言ってポケットから取り出したのは、拳大のみかん一つ。
 彼がみかんを宙に放り投げると、回転しながらなんと顔や手足がにょきっと生えてきたのだった。そしてみかんが叫ぶ。
「みかんは投げるものではなーい!」
 怒りの声で抗議するそれは、以前彼がパトリック・コーラサワーから採取した細胞と自身が栽培したみかんとを掛け合わせた
ハイブリッドみかん生物、その名もみかんコーラである。
「おお、バディ久しぶり!」
「こちらこそご無沙汰しておりますバディ。ご機嫌麗しゅうございます」
 いつの間に相棒になったのか、コーラサワーとみかんコーラが親しげに挨拶を交わした。
 コーラサワーを除いたプリベンターのメンバーはみかんコーラと面識がないため、喋る果物の登場に唖然とするばかりである。
 そんな彼らを差し置いて、コーラサワーがビリーに問う。
「こいつただのみかんだけど、一体何が出来るんだ?」
「実はちょっと改造してね。以前は君とみかんの細胞を掛け合わせただけだったけど、今度のはサイボーグ化してあるからね。
高速な情報処理も可能になったんだよ」
「へええ、凄えな!」
 コーラサワーは素直に驚くが、実際のところは凄いなどというレベルではない。
 動物細胞+植物細胞+精密機械。どう考えても現代の科学技術を遥かに凌駕する存在だった。
「ついでにZoning and Emotional Range Omitted Systemも搭載してみたんだ。これならグラハムの行動も予測できるだろう」
「Z.E.R.O. ……ゼロシステムだと!?」
 ヒイロが盛大に目を見開いた。しかしビリーは穏やかに微笑んだまま、あっけらかんと言い放つ。
「なあに、心配することはないよ。手を加えて暴走しないようにしてあるから」
 多くのパイロットを散々狂わせてきたシステムをあっさり改良してのけたという。ヒイロは深く溜息をついて、
「なんという化け物だ」
 と驚嘆の呟きを漏らした。他人から人外扱いされがちのヒイロをもってしてそう言わしめるのだから、ビリーがいかに
常人離れしているかがよくわかろう。

 外部カメラから取り入れた視覚情報を元に、みかんコーラがゼロシステムを用いてグラハムの行動パターンを解析していく。
 ムササビのように飛び回るグラハムの軌道を読み、次に辿りそうなルートを先回りしてガンプラを設置。
 上手い事餌に食いついたら、更にガンプラを囮にした上で目的の場所へ追い込み、捕獲。これが作戦内容である。
292模倣の人:2008/07/12(土) 18:54:21 ID:???
「この餌ちゃんと効くのかねえ。スルーされる可能性だってあるんじゃ」
 とデュオが懸念を口にするが、次の瞬間、
『かかったぞ。目標は現在ルートBを前進中、いつでも動けるよう準備を頼む』
 囮を設置していたヒイロから通信が入り、デュオは思わずつんのめった。
「おいおい、こんな罠なんざ今日日小学生でも引っかからないぜ」
「その程度にかかるからこそアホなんだろう。つべこべ言わずに行くぞ」
「へいへい。わかってますよ」
 五飛に引き摺られるように、少年たちが到達予定ポイントへと足を向けた。
 さて、先んじて到達ポイントで待機していたハワードとダリルは、具体的な迎撃方法をその場で打ち合わせていた。
「よし、これで行こう」
「だがやはり気が引ける。隊長にこんな手を……」
「いい加減腹を括れダリル。これは止むを得んのだ。……そら、おいでなすったぜ!」
 ハワードが指し示した方向、自分たちから見て前方に、華麗に舞う青年の姿が見えた。
 しなやかな筋肉をバネに、ひらひらと蝶が花から花へ飛び移るかのようにビルの間を行き来する。
 やがて変態グラハムは、ハワードたちの眼前に置かれたガンプラへと目をつけた。
「抱きしめたいなぁ、ガンダム!」
 案の定、グラハムはそれに目を光らせ飛び掛ろうとした。
「ほ、本当にやるのか」
「モチのロン。いいなダリル、素早く終わらせるぞ」
 言うなり、地上へと落ちてくるグラハムの下へハワードが素早く潜り込む。元上官目掛け、彼は渾身のアッパーを繰り出した。
 勢いよく宙へと吹き飛ばされるグラハムの身体。それにハワードとグラハムが取り付き、それぞれ脚を一本ずつ抱え込む。
 脚を二人に抱え込まれたグラハムは、パンツ一丁で大開脚というあられもない格好になった。
 高く舞い上がった三人は、頂点まで昇り詰めたところで今度は重力に従って地上へと落下し、
「Wパワーバスター!」
「……くぁw背drftgyふじこlp;@:!!」
 大の男二人からの筋肉バスター。この破壊力は凄まじく、12Gにも耐え抜くさしものグラハムですら耐え切れるものではなかった。
 言葉に言い表せない痛みが彼の股関節を襲い、意味をなさない悲鳴を上げてのたうち回る。
 次第に動きが緩慢になっていき、やがて動かなくなった。
「よし、今だ!」
 ジョシュアがロープを握り締めグラハムの下へ駆けつけようとしたが、
「ジョシュア殿の危険がチョーヤバです」
「! 待ってくださいジョシュアさん!」
 ゼロシステムで危険を予測したみかんコーラの言葉を聞いて、慌ててカトルが呼びとめる。しかしわずかに遅かった。
「……え?」
 ジョシュアの目の前で、グラハムがゆらりと立ち上がる。慄いて足を止めたジョシュアを見据え、彼は一足飛びに距離を詰めてきた。
「ガンダムぅぅ……そのガンダムは誰にも渡さんんん」
「ぬぁああああああああああッ!」
 恐怖に震えるジョシュアにグラハムの手が届く寸前。
 一迅の風が二人の間を遮った。
 そして一閃。
「ピッギャァアアァァアアアアァァァアアアァアアアアアアアァァアァアアアッ!」
 地面に投げ出されたのはグラハムの方であった。今度は動かない。どうやら完全に意識を失ったようである。
「ふん、手を煩わせるな」
 五飛が正拳突きの構えを解き、服の埃を払った。彼の拳はグラハムの股間を的確に捉えていたのだった。
293模倣の人:2008/07/12(土) 18:55:24 ID:???

 こうしてグラハム捕獲大作戦は無事に幕を閉じ、世間にもプリベンターにも平穏な時間が戻ったように思えた。
 あの事件の後、一時はビリーがグラハムの身柄を預かり、ハワードやダリルと共に性格矯正プログラムを施したそうだが、
数日後にはプリベンター本部へと帰還した。
 ビリー曰く、今回の騒動は仮面として被った下着がいけなかったのだという。
「グラハムの仮面を着けたいという願望と、女性用下着によって呼び起こされた性的興奮の相乗効果が悪い方向へ働いてしまったんだね。
けどもう大丈夫、下着でなければそれほど問題にはならないようだから、実家にあった適当な仮面を彼に渡しておいたよ」
 という経緯を経て、事務室で茶を啜るグラハムが現在装着しているのは、ひょっとこのお面である。
 どうやら顔に被れれば何でも良かったらしく、彼はこれで結構ご満悦の様子だ。
「うむ、これもいいものだな。だがせっかくだから色々なデザインを楽しみたい。よし、明日は般若の面にしよう」
「はあ、左様で」
 ジョシュアが疲れたように溜息をついた。ふと、隣に座っている男に声をかける。
「まさかアンタはパンツ被って興奮したりしないよな?」
「パンツ被って何の意味があるんだよ。そんなことを喜ぶのはガキくらいのもんだろ」
 コーラサワーはそう言って鼻で笑う。少し意外だったが、良識ある答えが返ってきたのでほっとした。
 が、ここで終わらないのがコーラサワーである。彼の言葉には続きがあった。
「女の下着は被るんじゃなくて、脱がせるためにあるんだよ」
「うん俺今すっごくお前を殴り飛ばしたい気分」
「殴っていいわよ」
 ヒルデがフライパンを差し出し、ジョシュアはそれを遠慮なく受け取って、全身の力を込めて振り抜いた。


 ところで。
「サリィ、いい加減出て来い。いつまで閉じこもるつもりだ」
 五飛が隊長室の扉を何度も拳で叩く。他の少年たちも、心配そうな目を扉に向けていた。
 あの騒動で緊張の糸が切れてしまったサリィは、すっかり引き篭もりとなってしまったのだった。
 隊員の誰とも顔を合わせようとせず、ずっと隊長室に立て篭もっている。
 彼女はそこで何をしているかといえば、端末に齧り付いて何かを一心不乱に打ち込み続けている。
 それはどうやらメールのようだった。送信先は、火星にいるルクレツィア・ノイン。

『ご無沙汰してるわねノイン、元気にしているかしら?
 貴方たちが火星に行ってからどれくらい経ったかしらね。テラフォーミング事業の進捗状況はいかが?
 そちらの人たちとも上手くやっていけているの? 貴方たちのことだから、心配するまでもないんでしょうけど。
 さて、私たちプリベンターは人員も増え、随分と賑やかになりました。
 多くの仲間たちに囲まれて、私は毎日――

                                                        ――毎日が地獄です』
294模倣の人:2008/07/12(土) 18:56:13 ID:???

 文面を読み進めていくうちに、ノインとゼクスの頬がどんどん引き攣ってきた。
 プリベンターでの日々の苦労、暴走ばかりする新隊員たちへの恨みつらみの数々、めったに現場に顔を出さないレディへの愚痴などなど――
 とにかく負の感情をありありと感じさせる内容が長きに渡ってつらつらと書き連ねられていたのだった。ようは八つ当たりメールである。
「……近いうちに一度地球に戻ろうかと考えたが」
 ゼクスがぽつりと零す。
「しばらくはやめておこう。その方が身の為だ」
「そのようですね……」
 苦笑いを浮かべて、ノインは彼の意見に賛同したのだった。


<変態仮面グラハムちゃん・了>




ケータイ捜査官7に激ハマり中です皆様ご機嫌麗しゅう。次は早めにとか大嘘ぶっこいてすみません。
冒頭のグラハムはテラパピヨン。ゼロシステムのくだりは名無しさんとネタ被ってしまい恐縮です。
さて、コーラさんのすんごぉいパーソナルデータが公表されましたね。いやもう何と言うべきか。

Q.>>271「コーラは本当にこんな人間なのか」と疑問に思ったことはなかったのだろうか
A.  大  有  り  で  す  。

もうちょっとこう、ほら、少しは計算してる部分もあるんじゃないかなーと思わないでもなかったですから、だから迂闊にネタに絡められなかったのに。
まさか本気でここまで単純とは思っていなかったのであり、本当はもうちょっとくらいは真面目なコーラさんを期待していたというのは本当ですか?
……ぬっ、いつの間にやら拙者が質問者! それでは。
295通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 19:38:50 ID:???
模倣神キタ━━━━━━━━━!!!!
禿げしくワロタ乙!


コーラに関しては真面目というかもう少しシリアスな裏があるんじゃ、とは思ってたな
ここでの初期からの全開コーラはある意味ネタスレ的なものとも考えていたが
まさか本当にイヤッフーなまんまの人柄とは…
296名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/12(土) 22:28:56 ID:???
「海だ」
「ああ、海だな」
 とある歌唄いが言いました、体が夏になる、と。
夏と言えば海、海と言えば差しこむ陽光に白い砂浜、
弾けるボディ、吹き飛ぶスイカ、跳ねるフナムシ、カゲキでサイコー……のはずなのだが。
「誰もいないな」
「そりゃそうだろ」
 今、プリベンターご一行はとある海岸へと来ていた。
地形といい波の穏やかさといい、ここいら一帯では遊ぶのに最適として有名は場所である。
で、時期も時期だけに客でパラソル大行列かと思えばさにあらず。
「海の家も閉まってやがら」
「これはまったくの貸切状態ですね」
「ま、貸切でも遊べるわけじゃないけどな」
 無論、閑古鳥なのには理由がある。
で、ここで突然だが、皆さんは『ジョーズ』という映画をご存じだろうか?
世界的監督スティーブン・スピルバーグが作った映画で、
巨大なサメという人の意思が絡まぬ“怪物”に襲われる恐怖を描いたパニック&ホラー映画の代表的作品である。
幼き頃テレビ映画番組でこれを見て、家族で海水浴に行ったはいいが、
「サメがいつの間にか近くにいるかも」と怯えてなかなか海に入れなかった思いをした人もいるかもしれない。
ちなみに言っとくと、このトラウマに近い思いをガキンチョに与えた代名詞的なものは多分「はだしのゲン」だろう。
空から不意に核爆弾が降ってくるかも、という怖さは自分の周囲しか世界を知らない小学生にとっては笑い事ではなかったのだ。
夏休みの登校日にこれのアニメを体育館で見せられた折には、
怖がりの子供にとってはそりゃもうたまらんものがあった(なお、当時の登校日の映画の双璧はこれと「対馬丸」だった)。
 話が逸れた。
で、ここの海岸にもおっきなサメが現れたかと言うと、実はそうじゃなかったり。
「そいでよ、何処にいるんだ? その巨大なカツオノエボシってのはよ」
「たくさんってことじゃなくて、一体だけってことだよな」
 そう、ここの海岸は巨大カツオノエボシの襲来を受けて客が来なくなったのだった。

 さて。
襲来と書くと何だかウルトラマンめいてくるが、まぁそうではない。
事の始まりは先月末の海開きまでさかのぼる。
何しろ人気の海水浴場、我先にと物好きどもが開かれた海へと突撃かましていったわけだが、
そこに突如現れたのが、さっきコーラさんが口にした巨大カツオノエボシだったという次第。
形がエグい上に毒持ちクラゲ、そのうえ大きいときたら、そりゃ客もサンダル履いて逃げ出すてなもんである。
「巨大たってどれくらいなんだ?」
「目撃談によると5、6メートルとか」
「? 浮き袋が?」
 カツオノエボシ、英名Portuguese Man o' War(ポルトガルの軍船)。
実はひとつの個体ではなく軍隊、もとい群体なんだとか。
プカプカ浮いてる浮き袋だいたい10数pだが、は触手の長さは平均で8〜10m、
長いのになると何と40mから50mになるというからなかなかビックリ動物である。
297名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/12(土) 22:29:18 ID:???
「なんだか本当に怪獣みたいだな、オイ。突然変異か?」
「突然変異的な人間に突然変異と言われちゃクラゲもおしまいだな」
「……なんだかすごくバカにされてる気がするな」
「バカにしてんだよ」
 はてどんとやら、最近暇なプリベンター。
いったいこの海水浴場の管理者(一応政府のお役人らしい。人生色々)とレディ・アンとにどんな繋がりがあるのかはさておき、
とにもかくにもレディから命令を受け、えんやこらさとプリベンターはクラゲ退治にやってきたのだった。
メンバーは現場指揮官のサリィ・ポォを始め、パトリック・コーラサワー、
グラハム・エーカー、アラスカ野ジョシュア、デュオ・マックスウェル、カトル・ラバーバ・ウィナー、ヒルデ・シュバイカーの面々。
本部居残りは張五飛、ヒイロ・ユイ、トロワ・バートンで、
本来なら連絡兼雑用係のヒルデも本部組のはずなのだが、この件に限ってはサリィに無理を言ってくっついてきた。
どうやら事件解決後にビーチで役得っぽく夏を楽しむつもりらしいが、
さてわざわざ準備してきた水着を着る余裕があるかどうか。
「よし! 聞くがいい諸君!」
「おわ、何だナルハム野郎?」
 で、そんなヒルデの企みの斜め上、既に水着に着替えている奴が一人。
変態仮面、げふんげふん、走りだしたら止まらない環八爆走ミッドナイト、グラハム・エーカー氏である。
「何やってんだお前」
「ふふふ、私はもう既に準備万端だ」
「いや、何の準備?」
 グラハム、ぴっちり具合が何とも怪しいブーメランパンツ装着済み。
元軍人だけあってさすがに体躯は均整のとれたものであるが、醸し出す雰囲気が実に微妙なのはさて何故だろうか。
「はっはっは、そしてこの俺も用意は完璧だ」
「アラスカ野!?」
 ジョシュアだが、こちらは体を覆う競泳タイプの水着。
見栄っ張りな彼だけに、もしかしたら○ピード社製かもしれない。
「このグラハム・エーカー! 人々を脅かすクラゲを決して許すことは出来ん!」
「……ん、だから皆で来たんだけどね」
 太陽の下、半裸で見得を切るグラハムに対し、リーダーのサリィはどことなく冷めた感じ。
おそらく彼女にはこの後の展開がある程度読めているのだろう。
で、止めても無駄ともわかっているからこそのこの態度なのかもしれない。
「ただちに海中に突貫! 巨大カツオノエボシの正体を見極め退治してくれる!」
「なんの隊長に負けてなるものか! このジョシュアもたまにはいいとこを見せてやる!」
 グラハムとジョシュア、額に汗を滲ませつつ不敵な笑み。
これが揃ってエースだってんだから、MSWADはかわいそうな組織だったんか?
298名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/12(土) 22:29:37 ID:???
「ではいざ! とうっ!」
「はいやーっ!」
 ざっぱーん、ざばざばざばざばざ。
カール・ルイスのようなフォームで波に向かって走っていくと、二人ともそのまま海中へ。
砂浜に残る足跡の歩幅が大きく開いているのが彼らの意気ごみを感じさせる。
「なぁサリィ」
「なあに?」
「止めないのか?」
「デュオ、あなたが止めてくれる?」
「遠慮するわ、カトルかヒルデ頼む」
「え、ぼ、僕ですか? うーん……お二人のやる気に水はさせません」
「私はイヤだからね」
 譲り合う面々。
麗しい友情と言うべきか否か、はてさて。
「おいおい、行っちまいやがった」
 で、我らがコーラサワーさんはというと。
「準備体操はきちんとしねーといけねーんだぞ。心臓麻痺になったらどうする」
「……似合わずマトモな発言だな」
「なんだって準備は必要だろうが、模擬戦だってそーだろ」
 止める止めない以前の問題なのだった。


 プリベンターとパトリック・コーラサワーの海物語は続く―――



 コンバンハ。
海より温泉入りたいサヨウナラ。
299通常の名無しさんの3倍:2008/07/12(土) 23:48:00 ID:???
そうですね、準備は入念に。前戯は重要ですもn(ry
300通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 00:43:04 ID:???
久々に任務の話キターGJ!
はだしのゲンて、前から思ってたが土曜日氏あんた何歳だwwwww
あとTMR噴いたw
301通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 00:51:53 ID:???
>模倣氏
なるほど、サリィの手紙はそう冒頭に繋がるわけですね
巧妙な組み立て方にGJ

>土曜日氏
カツオノエボシというとパッパラ隊を思い出しつつ
こいつらの滅茶苦茶さは奴らに通じるものがあるんじゃないかと思う今日この頃です
はっ…しっとマスク……


…なんか……仮面好きな男がカップル撲滅に暴走して……
カップル成立してるヒイロかヒルデ辺りに天誅食らわされる図が脳裏に浮かんだ
302通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 01:35:47 ID:???
模倣氏にはもう「うまい!」という言葉しか思い付かない
しかし、放送してないのに一週間に一度は必ず投下があるってのは滅茶苦茶贅沢だな…
303通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 02:10:35 ID:???
模倣氏>蝶☆素敵グラハムに腹筋割れましたwww

土曜氏>ジョーズって懐かしい!コーラの場合遭遇しても逃げ切れる気がするけどグラハムは遭遇したら暴走してサメ逃げ出してダリル、ハワードが止めないといけない感じがするな。
304通常の名無しさんの3倍:2008/07/13(日) 08:33:56 ID:???
はだしのゲンの映画は確かにトラウマ。
原爆炸裂で人が死んでいくシーンは強烈だったからなぁ。一瞬で焼けこげて眼窩から目が落っこちて倒れ臥して燃えていく……
対馬丸のおばあちゃんが力尽きて流されていって鮫に食われるシーンもトラウマ。
305通常の名無しさんの3倍:2008/07/14(月) 07:20:03 ID:???
ほよよん
306通常の名無しさんの3倍:2008/07/15(火) 10:24:42 ID:???
コーラさんサイキョ
307通常の名無しさんの3倍:2008/07/16(水) 10:59:00 ID:???
サイキョ!
308通常の名無しさんの3倍:2008/07/16(水) 13:40:56 ID:???
グラハムのお面はポピー・ざ・ぱフォーマーのケダモノのように
感情によって表情がころころ変わっても面白そうだ
309通常の名無しさんの3倍:2008/07/16(水) 14:59:09 ID:???
>308
それを聞いて、どこでもいっしょのスズキを思い出した俺は…ヤバイんだろうか…
310通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 06:35:34 ID:???
「ぬっ、いつの間にやら拙者が質問者に」は今は亡きゲーム帝国ネタか?w
(ゲサロにスレがあったけど)
311通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 15:57:14 ID:???
模倣神のネタはディープでインパクトでネオでユニヴァースでシンボリでルドルフでナリタでブライ(ry
引き出し深すぎです先生!
312通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 17:34:13 ID:???
落ち着け
313通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 18:02:07 ID:???
よし、落ち着くためにみんなでカツオノエボシのテンプラ食おうぜ
314通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 18:48:33 ID:???
そのテンプリャは誰が作ったんだ?
家事万能・ヒイロか
男の料理・グラハムか
意外と下手そう・ヒルデか
ボンボン育ち・カトルか
我らが英雄・コーラサワーか

まあそれはさておき。そんな毒の塊、俺は絶対食わんぞ!
315通常の名無しさんの3倍:2008/07/17(木) 20:49:02 ID:???
>314
俺も同感だ。エチゼンクラゲならまだしも、その他のクラゲはまず食用じゃない。
クラゲを食う海亀ですら、俺らがよく知ってる傘が丸い奴しか食わん…と思ったが。
316通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 11:05:51 ID:???
じゃあカニで
317通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 11:10:52 ID:???
>316
ソレを聞いて、カニ鍋に小躍りする我らがコーラサワーを想像しちまったジャマイカw
318模倣の人:2008/07/18(金) 14:46:47 ID:???
「時にカタギリ」
「なんだいグラハム」
 かに鍋を突付きながら、二人のやりとり。
 ビリーから昼食に誘われ向かった先がこの鍋物料理屋で、現在の季節にそぐわぬ熱々の鍋を二人は平然と食していた。
 まあ、夏だからといって冷たいものばかり食べていても身体には悪く、夏バテ防止の意味でも熱い汁物は最適なのだ。
 しかしそんな状況で顔に汗一つかかずにいられるのは、人前で無様な姿を晒さぬよう重ねた努力の賜物である。
 が、当然服の中は物凄い勢いで大量の汗が流れていてとても暑い。そのため、二人ともズボンは足首まで下げていた。
 もちろんこんな恥ずかしい真似が出来るのはここが個室であるが故。
「そういえば君の研究所の名前を訊いていないことに気づいてな」
「あれ、そうだっけ。言われてみれば君が僕の研究所に来たことなかったねえ」
 ユニオン軍を解散してからも二人の交流は続いているが、思えば大抵のやり取りはメールで済んでいたし、
会うときはビリーがグラハムを訪れるかどこか別の場所で落ち合うかのいずれかであった。
 ずずっと小鉢の中に残った汁を啜って、ビリーが言う。
「Bio&Mechanicsカタギリ総合研究所だよ」
「・・・・・・カタギリ」
「なんだい」
「友として一つ忠告しよう。今すぐにでも改称すべきだ」
「何故だい?」
「わからないのか?」
 ビリーは小首を傾げて考える素振りを見せたが、やがて頭を振った。
「わからないねえ」
「そうか、ならいい。私は忠告したからな」
 グラハムは目を瞑って、備え付けの団扇で太腿を扇ぎながら思う。
 きっとその研究所は世間では『バカ総研』と呼ばれているのだろうな、と。
 だが本人は疑問に思っていないようなので、わざわざ自分が指摘する必要もあるまいと、グラハムは敢えて
口を噤むことにしたのだった。



かに鍋食べるのがコーラさんじゃなくてごめんね皆様ご機嫌麗しゅう。
この二人が揃うと何故かグラハムが常識人になる不思議。
昔のファミ通は面白かったですね、ゲーム帝国とバカ総研としあわせのかたちとアバタモエクボとあそびじゃないのが好きでした。
もうすっかり内容は忘れましたが。岡崎つぐおはもっと評価されるべき。それでは。
319317:2008/07/18(金) 15:31:43 ID:???
>模倣の人様
ハムが珍しく常識人でGJ!wコーラサワーいなかったケド楽しかったよw
320通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 17:05:16 ID:???
模倣氏乙!

ファミ通の親とも言うべきログインが休刊してしまい残念しきり
島本和彦のワンダービットとインサイダーケンはもっと評価されるべき
寺島令子の墜落日誌も「PC寄りのゲーマー漫画」なので貴重なのに…
バカチン市国、 ウィズでござるよ、ヤマログ…
ゲーメストがプリクラとDDRの影響、コンシューマ機の発達で消滅してしまったように(会社の体質もあったけど)、
ログインもネトゲーの隆盛とWindowsの普及による機種ごとの差異の消失、
アダルトゲーム以外のPCらしさを生かしたゲームの衰退で、雑誌としての力を削られちゃったのがね…
321通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 18:14:58 ID:???
メストは新声社が倒産したから廃刊になったんでそ?
今はエンターブレインが引き継いでアルカデ出してるじゃん
322通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 19:00:20 ID:???
新声社って参考書なんかを出してた会社らしいね
ゲーメストは結構売れてたと思うんだけど、肝心の参考書類がさっぱりだったのかもね
あれだけ誤植の多い会社じゃ、参考書に書いてる事がアテにならなかったかも知れないがw

・・って、ザンギュラのスーパーウリアッ上は、原稿見たら確かにそうとしか読めない位に汚い字で書き殴られてたのが原因なんだがw
323通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 19:04:36 ID:???
ザンギュラとインド人を右には最早伝説だなw
この前押し入れを掃除してたらコミックゲーメストの準備号が出てきた
324通常の名無しさんの3倍:2008/07/18(金) 19:40:37 ID:???
おまえに烈風拳飛ばないし…
325通常の名無しさんの3倍:2008/07/19(土) 07:56:49 ID:???
大パチン
326通常の名無しさんの3倍:2008/07/19(土) 13:23:10 ID:???
大ピンチ
327通常の名無しさんの3倍:2008/07/19(土) 15:12:23 ID:???
江田島平八
328通常の名無しさんの3倍:2008/07/19(土) 15:23:05 ID:???
デイナトUSA
329通常の名無しさんの3倍:2008/07/19(土) 22:07:26 ID:???
>>318顔には汗かかないで体には汗かくって二人は女優モデル体質か!
模倣さん毎回乙です。
ファミ通の懐かしいネタでてくるとは…ファミ通のアレ(仮)って漫画すきでした。ドラネコシアターのコミックス1冊もってます。
330名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/19(土) 22:22:08 ID:???
「やれやれ、聞き込みが空振りとはな」
「骨折り損のくたびれもうけでしたね」
「クラゲに骨はないけどな」
「あんまり上手くないですね、その台詞」
 プリベンターは某海水浴場に来ていた。
細かい経緯は前回述べた通りなので省くが、
まあ簡単に言うと海辺にバケモンが現れて困っているので助けてくんろ、という声に応えるために出動してきたのだ。
争いの火種を消すのも、人外の怪物を退治するのも、共に正義の味方のお仕事也。
ぶっちゃけ、隠密同心どぶさらいと言っても結局宮仕えなわけで、
行けと言われりゃ行くしかないのが辛いところではある。
「お疲れ様」
「そっちはどうだった?」
「全然ダメね、知ってる情報以外には何も」
 まず閑散としてしまった海水浴場を視察した後、
プリベンターはメンバーを二手に分けて地域住民に聞き込み周りを行った。
もしかしたら中央に届いていない現地のナマの隠れ情報があるかも、
という目算だったのだが、これが見事外れた勘定に。
ちなみに二手とはデュオとカトル組とサリィ&ヒルデ組で、我らがコーラサワーさんは当然ながら現地本部で待機。
現地本部と言っても旅館の一室なわけだが、それでも最上階で一番お高いお部屋ではある。
まぁ旅館そのものが三階建てで客室が二十程度の小ぢんまりとしたもんだけども、それはさておき。
「しかし本当にいるのかね、その巨大カツオノエボシってのは」
「話だけ聞くとにわかには信じられませんけどね」
「だけども目撃者が何百人もいるんだから……全員が嘘ついてるってことはないでしょ」
「いや、俺以前そんな小説読んだことあるぜ。島の住人全員がフカシこいて探偵をだまくらかすやつ」
「それは作り事でしょ」
「でも、事実は小説より奇なりって言うしな」
 肩をすくめて見せるデュオ。
そんな彼を見やりつつ、サリィも同じように肩をすくめる。
もっとも、行為こそは同じでもその意味は違うが。
 デュオはコーラサワーとの会話の例を挙げずともわかるように、「まぜっかえし」な一面を持っている。
時と場合によってはそれが軽妙で洒脱に見えるが、逆に冷めた茶々入れ小僧に見えることもある。
しかし集団で行動する時にはこの手のツッコミ人間が必要不可欠なもの事実、
場を和ませるためにも、また皮肉めいたツッコミは視点と思考の切り替えを誘発する効果もある。
サリィとしても、そんなデュオの資質をガンダムパイロットの腕と同じくらいに評価はしているのだ。
ま、コーラサワー番としての役割により期待しているのも確かとはいえ。
「ねえデュオ、聞いてよ」
「何だよ」
「岩場で釣りしてるおじさんがいたから話を聞いたんだけどね、その人、ほとんどロクに答えてくれないばかりか」
「ばかりか?」
「ジロジロ私たちをいやらしい目で見てきてさ……ホント、腹がたっちゃった」
「へへえ、そりゃあ物好きな人間もいたもんだな」
「ねぇデュオ、私、フライパン持ってきてるんだけど」
「ああー、そりゃーいけないオジサンだねえ、言語道断だあ、同じ男として許せないなボカぁ!」
 最も、ヒルデ相手にゃどうにもその本質を発揮しきれないデュオではあるのだった。
仲良きことは美しきかな、一寸の虫にも五分の魂、ハンドルを右にインド人を右に、
鍵盤のババーが途中で消える、ストソートファイターU、メマルチプライ、
現代のテクノロジーを終結、ムエタイ戦死、待魂、確かみてみろ、ああもうやめとこ。
331名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/19(土) 22:24:31 ID:???
「仕方ないわね、宿に戻りましょ」
「ヒイロたちから何か連絡があったかもしれませんね」
「ないだろ、あったら間違いなくサリィに直接繋いでくる」
「……ごもっとも」
 額に滲む汗を指で払い、デュオたちはジワジワと忙しなく鳴く蝉の声をBGMに一路お宿へと足を向けた。
あ、一応ここはヤーパンです、エキゾティックジャパーンですのであしからず。
「だけどさ、せめてそれなりに大きなホテルとかに現地本部をこさえてほしかったんだけどな」
「仕方ないわよ、そんなホテルの類はここいらには無いもの」
「いや、でももうちょっとマシなのがあると思う」
 四人は現地本部(がある旅館)に着いた。
荷物を置きに一度来たので、正確には戻ってきたというべきか。
玄関の前でホウキでゴミを掃いていた初老の使用人の、
「どーもお帰りなさいましぇだー」というヘンチクリンな訛りの挨拶を受け、フロアの中へと入っていく。
成る程、デュオがボヤくだけあって、壁に痛みはあるは床はギシギシ鳴るわであまり良い物件とは言い難い。
「彼、おとなしくしてるかしらね」
「今頃クーラーをガンガン効かせて昼寝でもしてるかもしれないぜ」
「だとしたらどうします? デュオ」
「さーてね……ヒルデならどうする?」
「フライパンを顔面に叩きつけて起こす」
「うーん、過激でおまけにスカッとするな、そりゃ」
 物騒なことをのたまいつつ階段を上っていく四人。
で、当のコーラサワーさんはと言えば、実際クーラーをガンガンに効かせてはいた。
が、のうのうと昼寝などはしていなかった。
じゃあ何をしてたかと言うと。
「イーヤッフー! 海と言えばカニだなカニ! まるでグラマー姉ちゃんの尻のようにプリプリーッとした身がたまんねぇ!」
 食べていた。
カニを、全力で。


 さて一方、海パン一丁で海に突撃かました元MSWADの二人は。
「どこにいる、出て来い巨大電気クラゲ! この阿修羅の化身ことグラハム・エーカーに恐れをなしたかぁ!」
「隊長! り、陸が遠くなってガボッ、な、波も激しくなってバゴガボッ」
「よぉし! さらに沖に進んで探索を続けるぞ! 続けジョシュア、お前もアラスカのエースと呼ばれた男なら矜持を見せろ!」
「ちょ、おま、これ以上は命の危険がぼがんぼご」
「男一匹! 命を賭けずして大事が成せるか!」
 泳いでいた。
岸から離れた沖合を、全力で。



 プリベンターとパトリック・コーラサワーの海物語確率変動は続く―――



 夏休み五日も貰えたよコンバンハ。
でも去年の夏休みは初日に緊急事態発生で呼びもどされたけどねああそう言えば一昨年は大晦日に年越しソバ食ってる時に電話がサヨウナラ。 
332通常の名無しさんの3倍:2008/07/20(日) 11:20:59 ID:???
土曜日氏GJ!
相変わらず3バカがフリーダムすぎるwwwww

ところでこのスレにはアケゲーマーが多すぎると思うます。
333通常の名無しさんの3倍:2008/07/20(日) 11:31:04 ID:???
確かみてみろ、ストゼロマンガのクライマックスシーンでやらかしたんだっけな
個人的にはストリートファイターや龍虎マンガより
アメコミチックだった餓狼伝説マンガが印象強い
なんせメカギース
334通常の名無しさんの3倍:2008/07/21(月) 12:21:39 ID:???
マダー
335通常の名無しさんの3倍:2008/07/21(月) 21:35:13 ID:???
波動挙!
336通常の名無しさんの3倍:2008/07/22(火) 10:20:37 ID:???
長江戦記奇怪王!(だったっけ)
337通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 07:22:31 ID:???
サムライスポット
338通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 08:56:37 ID:3KA9/Y64
コーライナクトのパッケージ写真検索したら出た
339通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 16:03:43 ID:???
少し前にコーラ本スレに画像出てたよ。発売楽しみだ。
340通常の名無しさんの3倍:2008/07/23(水) 17:31:01 ID:???
00のMSはスマート(ティエレンも含む)で、新鮮だから購買意欲が沸く
種関係はジンとかシグーは好きなんだが、全体的にごてっとしすぎてたので
341通常の名無しさんの3倍:2008/07/24(木) 13:02:27 ID:???
というわけでイナクトを買いませう
342通常の名無しさんの3倍:2008/07/25(金) 12:10:38 ID:???
ワクワク
343通常の名無しさんの3倍:2008/07/26(土) 11:32:48 ID:???
過疎…
344通常の名無しさんの3倍:2008/07/26(土) 15:37:18 ID:???
今過去スレ分から読み返したが、もしかして土曜日の人は毎週必ず投下してるのか
御苦労さますぎるだろ
345通常の名無しさんの3倍:2008/07/26(土) 16:41:51 ID:???
土曜日の人の先見の明っぷりは異常
346名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/26(土) 23:07:30 ID:???
「さあて、それじゃとっととそのカツオノエボダイとかを倒して帰るとすっか」
「カツオノエボシだっつーの」
「何でもいいだろ」
「いい加減な奴だな」
 プリベンターは極東の某島国の某海岸にいた。
どうしてなのかその理由については、まぁ遡って読み返していただくとして、
問題はこの海岸に現れて夜な夜な風呂場の垢を舐める、じゃない、
便所から手を伸ばして尻を触る、でもない、
不意に現れては海水浴客を驚かせまくった憎っくき巨大カツオノエボシをどう撃退するかにある。
「でもよ、巨大っつーことはそれだけ目立つってことだろ」
「目撃者が多いということは、そういうことだな」
「ならば簡単じゃねーか、海岸で張って待つ、で、現れたところをバズーカでもミサイルでも何でもいいからズドン」
「野蛮極まりないな、おい」
 コーラサワーの能天気な作戦にツッコミを入れるデュオだが、
正味の話それが一番手っ取り早いやり方である、というのも理解はしている。
潜水艦を出してエンヤコラと海の中を探って、果たしてどれくらいの確率で遭遇出来るものか。
いかに相手が巨大クラゲと言っても、海はその何倍も、いや何十倍何百倍何千倍以下略で大きいのだ。
今の所この海岸以外で巨大カツオノエボシの被害が出ていない以上、
ここでピタッと張り付いて次の出現を待つのが、結局のところ最も効率がいいのである。
「誘き寄せられたらいいんだがな」
「好物のエサとか好物の超音波とか好物の電磁波とか好物の放射能とか、定番ですね」
 もちろんカトルは冗談で言っているのであしからず。
プリベンターの立場として、大掛かりな仕掛けが必要な作戦はそうそう打てない。
相手が世界的なテロリストならともかく、所詮は大きくてもクラゲなのだから。
「バカヤロ、もうひとつ抜けてるだろ」
「え?」
「好物の美女! キングコングの昔から異形の怪物は美女が好きって相場が決まってんだよ」
「群体生物のカツオノエボシに人間の女性の美醜を判断出来るのか?」
「宇宙からやってきた不定形生物だって選り好んで金髪美女を襲ってたぞ」
「いったいいつの時代の恐怖映画の話してんだ!」
「ドラキュラやオオカミ男や、果てはゾンビだって金髪色白むっちんぷりーんな姉ちゃんをだな」
「カツオノエボシはそいつらと同列なのか、お前の頭の中では」
「怪物って点では同じだろーが」
「大雑把過ぎるんだよ!」
 とことん軸がぶれた会話のコーラサワーとデュオだが、これでも結構噛みあっている方だから恐ろしい。
巨大カツオノエボシを退治して海辺に平和を取り戻す、それでいいはずだが、
どうして美女が云々という方向に転がっていくのか。
さすがはコーラサワー、と言っていいやら悪いやら。
「美女……」
「美女、ね」
 なお、コーラサワー発言に微妙にピクリと眉を揺らしたサリィとヒルデだったが、男性陣はまったく気付かなかった。
これは男性陣が鈍感だったから……ではない、あまりに小さい声に小さい動作だったから。
まあね、サリィとヒルデも女性だからね。
サリィは二十代半ばでヒルデは十代半ばだけど、“美女”という単語には一応反応しとかないと、女として。
「……ふぅ。ともかく、ここは少々時間をかけることを覚悟しておいた方がいいわね」
 現場の指揮官として、改めておおまかながら方針を皆に言い渡すサリィ。
最初の溜め息ははてさて、どういう感情の発露なのやら。
ま、あと数年で三十路に手が届く彼女としては、いろいろと思うところがあるのでしょうな、ふんがくっく。
347名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/07/26(土) 23:08:44 ID:???
「だけどいいんですか? あまり長期に渡ってプリベンター本部を薄くすることはまずいんじゃないですか」
「その辺りはレディ・アンの判断次第ね」
「要するに、結局はタイムリミットがあるってことだな」
 デュオは前髪をかきあげつつ呟いた。
つまりは短期決戦が望ましい、ということなのだ。
簡単に解決しない、時間がかかる、それは覚悟の上だがやはり速やかに終わらせた方が都合がいい。
まったく、どんな仕事でも何でも難しいものである。
合わないギヤを無理矢理はめて回さにゃならんのだ、この世で食っていくためには。
「とにかく、巨大クラゲはこの海辺にしか姿を今のとこ現していないのは事実だわ」
「何が理由なんだかねぇ、首輪で繋がれてるわけでもないだろうしさ」
「わかった、アレだな」
「もういいってば、コーラサワー流の解釈は」
「この海岸にはどこかに宝が隠されていてだな、それを守ってるに違いない」
「何が違いない、だ」
「悪い魔法使いに呪いをかけれられてそうなってるんだ。そして呪いが解けたら元の姿に、金髪美女に戻るんだぜ」
「ああそうかい、なら巨大カツオノエボシが出たらお前に任せるよ。熱いキッスでもかまして鈍いを解いてやるんだな!」
 真夏の太陽、静かに打ち寄せる波、白い砂浜。
巨大カツオノエボシは未だプリベンターの前に姿を現さず。
進展するのはデュオとコーラサワーのアホ漫才のみ。
ただただ時は過ぎていく。
じわじわ、じわじわと蝉の鳴き声の如くに。


 で、その頃。
海に突撃していった特別隊(正式な作戦上での分隊ではないのは言うまでもない)はどうなってたかと言うと。
「このグラハム・エーカー、礼を言う! 貴方達が近くを通りかかってくれなければ、ジョシュアは溺れていただろう」
「うううううう、ううううううううたたたたいちょちょう、く、く、唇や舌までけけけけいれんれんれんんしていして」
「疲労が全身に及んでいるからそうなる。とりあえずおとなしくしていろ」
「ううううううう」
 漁船に拾われていた。
グラハムはピンピン、ジョシュアはヘロヘロの状態で。
「さて、時に船長。この船はもしかして港へ戻るのだろうか?」
「ううう、うううう」
「ぬう、ジョシュアがこの有様では捜索を続けることは出来ないか……仕方ない、すまないが船長、このまま港まで同船させてもらいたい」
 後に、この漁船“第二白基地丸”の船長はこう語った。
まさか陸から数十q離れた海のど真ん中で人間を拾うと思わなかった、最初は舟幽霊かそれとも半漁人かと疑った、と。



 プリベンターとパトリック・コーラサワーの海物語確率変動は続く―――



 コンバンハ。
勢いだけでスタートして勢いだけで続けてきましたが、ただただ運が良かったと思いますサヨウナラ。
348通常の名無しさんの3倍:2008/07/26(土) 23:32:46 ID:???
GJです。っていうか海物語確率変動って、解るような解らないような(苦笑)
引き出し広すぎです先生!w
349通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 00:13:28 ID:???
ジョシュアがwwwww
そりゃハムに文句言いたくなるのもわかるwwwww
350通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 00:48:31 ID:???
パチンコかよ!
コーラとカツオノエボシ娘(仮)の邂逅が楽しみです。GJ
ところでサリィて何歳だっけ?
351通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 01:22:07 ID:???
この気持ち、まさしくGJだ!
ジョシュア生きてて良かったねジョシュア

>>350
たしか27歳だったと思う
352通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 01:30:53 ID:???
トレーズよりも歳上なんだよな、サリィ
揃って十代が多かったWでは大人なキャラだ
353通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 12:50:56 ID:???
元々お医者さんだしね。普通に考えるとそれくらいだろう
年齢設定が唯一まともな人だ
354通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 12:55:20 ID:???
俺の勘違いならいいんだけど、ゼクスって19だっけ?
355通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 13:10:12 ID:???
ゼクス→19
ノイン→19
トレーズ→24
レディ→19
サリィ→27

ヒルデはガンダムパイロットと同年、ドロシーは一歳上なんだっけか
356通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 21:58:45 ID:???
レディ19歳が当時どうしても納得できなかった。今でも納得してないが
357通常の名無しさんの3倍:2008/07/27(日) 23:02:22 ID:???
逆に考えるんだ。トレーズと一緒にいるモンだからエレガントオーラがうつって、年相応に見えない容姿になっちゃったと考えるんだ。
ん、誰か来たみたいだ…
358通常の名無しさんの3倍:2008/07/28(月) 16:02:33 ID:???
コーラさんとそんなに歳かわんないじゃないか>サリィ・ポォ
359通常の名無しさんの3倍:2008/07/28(月) 22:26:37 ID:???
>>358逃げてっ!全速力で即刻逃げてぇっ!
僕が囮になるから、早く逃げるんだっ!
くぁぁ、サリィ!まだ君は気持ちは若いというなら、その銃をおろs(ry
360通常の名無しさんの3倍:2008/07/29(火) 01:51:57 ID:???
>>358
というか、ハムと同い年です
361通常の名無しさんの3倍:2008/07/29(火) 10:25:57 ID:???
>>360
阿修羅とかのたまうくせにあの人、結構若かったんだな。
ん、誰かきt(ry
362通常の名無しさんの3倍:2008/07/29(火) 15:02:49 ID:???
あーあ、女性の年齢を話題にするからそんな目に遭うんだぞ。
女性に年齢と職業を聞いちゃいけないというのは鉄則だろうに。
君らは男としてコーラに負けた!
うん、スレ住人に女性がいる可能性は考慮してない。
363通常の名無しさんの3倍:2008/07/29(火) 16:54:35 ID:???
ほかの職人さんもガンガレ頼む
364通常の名無しさんの3倍:2008/07/29(火) 22:05:43 ID:???
バレスレ情報だが小説でジョシュアのフルネームが判明したらしいな!
365通常の名無しさんの3倍:2008/07/30(水) 17:05:04 ID:???
よかったなジョシュア
これでももう誰もお前をアラスカ野とは呼ばないぞ

たぶん
366通常の名無しさんの3倍:2008/07/30(水) 23:17:16 ID:???
>>365
何故だろう…我らがコーラサワーはずっとアラスカ野って言いそうな気がする。
367通常の名無しさんの3倍:2008/07/31(木) 01:26:01 ID:???
本名はゲンが悪いからアラスカ野の方がオススメだよ、ジョシュア
368361:2008/07/31(木) 01:46:56 ID:???
>>362
復活早々、君に話がある。俺はハムの事を言ったんだ。そしてハムにミンチにされたんだ。決してサリィではない。
369通常の名無しさんの3倍:2008/07/31(木) 10:04:15 ID:???
「よおアラスカ野」
「俺はアラスカ野じゃない。れっきとした名前があるのに何故誰も呼ぼうとしない?」
「む、ジョシュアの姓は何といったかな、忘れてしまった」
「隊長まで!? いいかお前ら、耳をかっぽじってよーく聞けよ。俺の名前はジョシュア・エドワーズだ」
「え、エドモンド?」
「誰が本田だ」
「ジェシカ・エドワーズか。女性みたいだな」
「それは銀河英雄伝説の登場キャラだ。もう一度言うぞ、俺はジョシュア・エドワーズだ」
「エドワード・エルリック?」
「それもうほとんど原型留めてないよな?」
「すまん。ジョシュア・・・・・・エドワルド」
「惜しい! てかわざと間違えてないかあんたら」
「ああもういいよ面倒くさいからエリンギで」
「人を勝手に菌糸類にするな!」


こうですか、わかりません!
370通常の名無しさんの3倍:2008/07/31(木) 16:31:34 ID:???
エドワーズというとどうしてもジェシカ女史が思い出される
371通常の名無しさんの3倍:2008/07/31(木) 21:51:44 ID:???
>>369
面白いジャマイカGJ!w
しかし解らんネタがある。
⊃エドモンド、本田の流れ
え、ググれって?それを言ったらおしまいだろ…
372通常の名無しさんの3倍:2008/08/01(金) 09:29:51 ID:???
今の若い子はエドモンド本田を知らないのか・・・・・・
当時はザンギュラやダルシムと並んでイロモノ扱いだったんだがなぁ、これがジェネレーションギャップというものか。
373371:2008/08/01(金) 10:45:02 ID:???
>>372
ありがとう、ダルシムヒントですぐに解ったよ。
スモウレスラーですね?解らなければよかったです。
374通常の名無しさんの3倍:2008/08/01(金) 17:17:22 ID:???
ゲームセンターCXとかを見て「懐かしい」と思ったらオサーンかな
375通常の名無しさんの3倍:2008/08/01(金) 18:39:42 ID:???
>>374
別に。
幼稚園の頃からゲームやってる二十代としては、あれに懐かしさは覚えるけど自分をおっさんとも思わない。
376通常の名無しさんの3倍:2008/08/01(金) 20:42:05 ID:???
ストIVに出てくるだろ
377通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 09:45:00 ID:???
>>372

>ザンギュラ

ザンギエフっていってやれよwスーパーウリアッ上くらうぞ
378通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 11:07:59 ID:???
ギギムセメントクラッシュ!

ザンギエフと言ったらこんなのを思い浮かべてしまうww
379通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 11:33:11 ID:???
GA☆CHI☆MU☆CHI☆BO☆DY

てかおのれらここはコーラとWのスレですよ
380通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 15:11:24 ID:???
小説で判明したコーラさんの姿
・過去にこだわらない男
・でも過去の栄光にはこだわるよ!
・立ち直りも切り替えも早い男
・頭足りないけど愛嬌がある男
・大佐の頭脳を持ってしてもトレース不可能

もうこのスレ予言書じゃねーのかと
381通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 15:20:52 ID:???
それだけここの職人さんがキャラのイメージを大事に書いてるってことだよな。
382通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 16:30:21 ID:???
凄いよな・・・原作者ですら、ろくすっぽ掴めてない様なキャラのイメージを的確に掴んでるんだから。
383通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 17:01:09 ID:???
>>348
>ただただ運が良かったと思います

これに尽きるだろ、実際あの時点ではコーラがどんな奴かハッキリとわかってなかったんだから
そしてこのスレはとりあえずバクチに勝ったんだよ
384通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 17:20:50 ID:???
この一勝は大いなる勝利だな
385名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/08/02(土) 21:17:16 ID:???
「うーんうーん」
「だいぶうなされているわね」
「まあ……無理もないけどな」
 アラスカ野こと、この度目出度く姓を小説で補完してもらったジョシュア・エドワーズは寝込んでいた。
デュオが呟いたように、実際無理もない。
海岸から遥か沖合まで荒波に耐えつつ全力で泳いだのだ、そりゃ体力も精神力も削られようてなもんである。
本人の意思で突撃したんだから自業自得と言えないこともないが、
彼にとって不幸だったのは共に突貫かましたのが歩く天然痘、じゃない天然党員のグラハム・エーカーだったことにある。
下手に弱音吐いたり休んだりしようもんならあの体力阿修羅馬鹿のこと、
「情けない! 軍人ならば死地にあってこそ矜持を見せろ!」などと曲解武士道を説いて無理矢理引っ張っていくのだからたまらない。
成る程、名パイロットと称賛されてるにもい関わらず進んでついてきた部下がダリルとハワードの二人しかいなかったのは、
旧知の間柄である以上に「結果的に残ったのがこの二人」に過ぎなかったのではとも思えるわけで。
多分たくさんの部下や後輩から慕われてたことはいたんだろうが、
彼の密林をナタではなく素手で叩き割りながら進むが如き剛直さ(?)にそうそうコバンザメできる人間もおらんに違いない。
フラッグのテストパイロット事件よりもきっとそっちの方が彼にとっては問題だったのではと……。
 失礼、話が逸れスタルビーイング。
エドワーズさん家のジョシュア君のことである。
とにもかくにも疲労困憊精神減退、あえなくここにリタイヤとなった次第。
「うーんうーん、怖いよう怖いよう、波の間から阿修羅がいっぱいやってくるよう」
 顔面に冷や汗を滴らせつつ、布団で見悶えするジョシュア。
かわいらしい美少女が眉根を寄せてうなされ寝る姿は色々と需要があるかもしれないが、
いい歳こいた寝汗塗れの男なんぞあっちの道の人間にしか求められない類のものである。
「おかしな夢でも見てるみたいね」
「間違いなく悪夢だろうな」
「錯乱夢、とでも言ったほうがいいかもしれませんね」
 一応そんなジョシュアを看病するプリベンターの面々たち。
まぁ彼らのしたことといったら布団を敷いてあげたことと冷えピタを額に貼ってやったことぐらいで、
後の医療的処置は全部お医者さんがやってくれたわけだが。
あれサリィって軍医じゃなかったっけなどというツッコミはここでは無視。
今の彼女は医者ではなくプリベンターの現場指揮官ですしー、などとタテマエを一応言っておく。
ぶっちゃけ彼女にも選ぶ権利はあります、患者をね。
仁の道から外れてしまうけれども、まぁそこはそれ、
あのブラッ○・ジャックだって「心の腐った奴」の命を助けなかったこともおっとまた逸れスタルビーイング。
「おおい何時までアラスカ野のむさ苦しい寝顔を見てるんだよ」
 はい、ここでようやく我らが性パトリック、いや失礼聖パトリックことコーラサワーさんの登場です。
頭が高い控えおろう、ここにおわすお方をどなたと心得る、
先の一期においての不死身少尉、パトリック・コーラサワーなるぞ、
ええい一同頭が高いと申しておる、控えい、控えいい―――とは、格さんも助さんもいないので口上ありませんよろしく。
「早く来ねーとカニを全部食っちまうぞ」
「お前、昨日からいったいどれだけカニを食べてるんだよ」
「カニと女は食った数を覚えていない」
「……下らん冗談はやめとけよ」
 コーラさん、隣の部屋で一人カニパーティー状態になっている。
いや、海辺の危機を救ってくれる(はずの)プリベンター、もちろん滞在費は公費で落ちる。
もちろん食事も込みなのだが、このカニカニ三昧は地元の大サービスで、暮らす人々の期待料と言っていいだろう。
386名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/08/02(土) 21:18:18 ID:???
「もう既にアラスカ野の分は俺が食っちまったが」
「……わかったわ、私たちもお腹が減ったし、いただくとしましょう」
「腹が減っては戦は出来ないですからね」
「策が無いともっと戦は出来ないけどな」
「あらデュオ、敵がいないともっと戦は出来ないよ?」
 上から順にサリィ、カトル、デュオ、ヒルデの発現也。
なぁお前ら、本当に謎の怪物・巨大カツオノエボシを倒そうという気持ちあんのか?
「あら、ところで彼は?」
「彼? ああナルハム野郎のことか」
「そう」
「アイツなら自分の分だけ食べると外に出て行った」
「え? ま、まさかまた海に?」
「いや、何だか無性に体を動かしたいからそこら辺を走ってくるんだと」
「……ああ、バカはバカでも体力系のバカだったな、あの人」
 ちなみにこの日、人気が無いからという理由でわざわざやってきて、
へこへこちちくりあっていたバカップルが何組か謎の人物に説教されるという事件が起こったが、
さてその説教をかました人物の名前は一切後世に残っていない。
ただ「夜七時を越えて物陰でイチャついていると怪人に怒られる」という都市伝説だけがこの地に語り継がれることになったが、それはまた別の話。
「うーんうーん、カニカニここはどこカニ……うーんうーん」
 哀れジョシュア、しかし君には敗北が良く似合う。
いつか君にも輝ける未来が来る、かもしれない。
もう出番のない本編以外で。
「おいみつあみおさげ、ふすまの横にビールのケースがあるから取ってくれよ」
「カニにビールか……お前、痛風になるぞ」
 で、アラスカ野・ジョシュア・エドワーズさんの苦悩なんぞかまいもせず、
我らがコーラサワーさんはカニをパクつくのであった。
やれやれ、ホントにこれでいいのカニ。


 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心のカニは続く―――







 ……さて。
コーラサワーさんがカニを頬張っている頃、海の中では。
「お頭、今日もたんまり捕れましたぜ! カニにアワビにサザエに」
「ふふん、がっぽりだな。たまんねぇなおい!」
 とある某悪人が海産物を乱獲していた。
大きな、とても大きなクラゲ型の潜水艦に乗って。
 


 コンバンハ。ではまた来週サヨウナラ。
387通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 21:34:08 ID:???
>>土曜日氏
乙ですGJ!w
っていうか…落ちはあの人ですかっ!もぉ、いい意味で予想を裏切る貴方の文才に完敗です。ついでに乾杯しましょうw
(^_^)つ旦<麦茶ですがw
388通常の名無しさんの3倍:2008/08/02(土) 21:40:18 ID:???
性パトリックに全力で吹いたwwwww
389通常の名無しさんの3倍:2008/08/03(日) 00:58:56 ID:???
GJ!黒幕はヤツかwwww
相変わらず大事のようなそうでもないような悪事しとるなw
390模倣の人:2008/08/03(日) 22:38:34 ID:???
逸れスタルビーイングwwwww
カニカニここはどこカニって古すぎるwwwwwwwwww
391通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 15:59:01 ID:???
>>390
模倣神じゃないですか、期待してますよ!

そういえばあと十日で90日ルールで落ちますね
要注意ですな
392通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 16:28:42 ID:???
>>391
こんなに支援あっても落ちるのか…どこかに支援頼んでこようかな…
393通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 17:14:29 ID:???
>>392
いあ、関係ないよ
90日経ったら理由無しで強制的に落ちるから
394390:2008/08/04(月) 17:40:00 ID:???
ブフゥーッ!
名前欄消し忘れwwwwwテラハズカシスwwwww
P3に忙しすぎてここんとこ全然パソコン開いてなかったんだごめんね、近いうちにまた来ますお。
395392:2008/08/04(月) 19:41:02 ID:???
>>393
そうなのか…。久しぶりに2ちゃん見始めて結構経つが、前はそんなのあったかなぁ…
俺がよく見てないだけかもだが。
じゃあ、名無しに戻る。
396模倣の人:2008/08/05(火) 00:51:12 ID:???
 プリベンター本部では、今日も明るい会話が絶えない。
「警察で予定されていたちーこりんの一日署長就任イベントは諸事情により中止だそうですよ」
「えーっ、残念! 俺見たかったのに。ちーこりんの婦警姿は絶対可愛かったろうになぁ」
「お前、ちーこりんのファンだったのか」
「可愛い娘なら全員好きだぜ。まあ大佐に敵う娘はいないけどな」
「お前らしい回答だ。しかし、ちーこりんよりもむしろ一日署長に相応しいのは、ふーこりんだと俺は思うがな」
「それは何故ですか」
「コスプレアイドルとしてキャリアを評価してな。だがそのマニアックさをどう捉えるかは意見の別れるところだろう」
 テレビを見ながらそんな談話を繰り広げているのは、ソファに腰掛けるコーラサワーと、彼の膝の上に座ったマリーメイアと、
そして背もたれに肘をついて寄りかかっているヒイロの三人であった。
「一般的な人気と知名度でいけばちーこりん。それは否定できない。
あるいは咽喉の手術を克服したばかりで話題性のあるみーこりんって線もあったかもしれないが、手堅く考えれば
よーこりんも捨てがたいところだ。けれども彼女には既に一日署長の経験がある」
「お前なんでそんな詳しいのよ?」
 離れた場所で盗み聞いていたデュオが堪りかねてツッコミを入れるも、ヒイロは平然とした様子で、
「一般常識の範疇だ」
 と答えるのだった。
 ところで、何故マリーメイアがいるのかといえば。
 理由は単純、珍しく本部へ顔を出したレディ・アンについて来たからである。
「お前もちーこりんやカティ大佐みたいに美人に育てよー」
「努力は怠っていないつもりです」
「いい心掛けだな!」
 殊勝なマリーメイアの頭をコーラサワーは満面の笑顔で撫で回した。
 不意に本部の扉が開かれ、外回りから戻ってきたサリィが顔を覗かせる。
「ただいま戻りました。ふぅ、暑いわね、アイス買ってきたから皆で食べましょ」
 彼女が手に提げた袋を掲げて見せると、待ってましたと言わんばかりにその場の全員が群がった。
 一人一つずつ配っていって、サリィは気がつく。
「あら、五飛は?」
「彼ならたった今、武術の鍛錬で掻いた汗を流すといってシャワー室に行きましたよ」
 どうやらサリィが帰ってくるのと入れ違いになってしまったらしい。
 ならばしばらくは戻ってこないだろう。五飛の分をしまっておこうと冷凍庫の扉を開けた瞬間――
 けたたましいほどの絶叫が本部中に響き渡った。声の方向は紛れもなくシャワー室がある方から。
「五飛!?」
 皆が振り向くと同時、五飛が扉を開けて転がり込んできた。
 よほど慌てていたのだろう、かろうじて下は履いているが上半身は何も身に着けていない。
 酷く青ざめた様子で唇を震わせている。勇猛な彼をこうまでさせるとは、一体何事が起こったのだろうか。
「だ、だ、だだだだだ」
「落ち着いて五飛。何があったの」
 五飛は一度唾を飲み下し、改めて口を開いた。
「誰だ風呂場を薔薇尽くしにしたのはっ!」
「……はい? なんですって?」
 サリィが眉を顰めて問い返すと、彼は世にも恐ろしい物を見たかのように頭を抱えてこうのたまった。
「石鹸からシャンプーからバスオイルから何もかもが薔薇の香りで、その上シャワーカーテンまで薔薇模様とはどういうことだ。
誰だあんな真似をしたのは!」
「あ、はい俺ー」
 挙手したのは他でもない、コーラサワーその人であった。
397模倣の人:2008/08/05(火) 00:53:05 ID:???
「だってここのシャワー室って全っ然洒落っ気ねえんだもん」
「だからとてあんな悪趣味な真似をしなくともよかろう!」
「どこが悪趣味だよ、高貴と言え」
「そうだぞ張五飛。あの方もこよなく薔薇を愛しておられた。薔薇の美しさを理解できぬとはやはりまだ未熟だな」
 コーラサワーに同調するように、レディ・アンも口を添えた。
 ちなみにレディの言うあの方とは、説明するまでもなくトレーズ・クシュリナーダ閣下のことである。
「だから嫌なんだ。何が悲しくて風呂のときにまであんな男の面影を思い出さなければならんのだ」
「気にしなきゃいいじゃん」
「それができれば苦労はせん! とにかくさっさとあれらを撤去しろ、あんなものに囲まれるなど耐え切れん」
「えー、せっかく俺が自費で揃えたのに。ちょっとくらい我慢しろよ」
「無茶を言うな、嫌なものは嫌なのだ!」
 どうやら本気で拒絶反応を起こしているらしい。目を血走らせて頭を掻き毟りながら全力で訴えてくる。
 そこには普段の沈着な五飛の姿は微塵も存在しなかった。
 そんな彼らの様子を大人しく眺めていたマリーメイアが、ぽつりと一言。
「大人げない……」
 ピシリ、と五飛が硬直した。
「嫌だ嫌だと喚き散らすことのなんと愚かしいこと」
 何かがひび割れる音がする。
「これが誇り高き戦士の成れの果てかと思うと、見ているこちらが情けない気持ちになります」
 何かが瓦解する音がした。
 見れば、五飛はすっかり打ちのめされた様子で四肢を床について項垂れていた。
「こんな子供に説教されるとは……俺は……僕は……私は……っ」


 翌日。
「あれ、五飛はどうしたんですか」
 本部内を見渡しても姿の見えない同僚を探すカトルに、トロワが答える。
「小さな子供に打ち負かされたのが相当堪えたらしい。性根を鍛えなおすといって山篭りしにいった」
「それはまた……相変わらず極端な性格をしてるね」

「五飛、いい加減帰っていらっしゃい。あんなことで誰も貴方を嘲笑ったりしないわよ!」
 サリィが川縁から呼びかけるが、五飛は一向に耳を貸そうとせず、ひたすら滝に打たれ続けている。
「五飛ってば、いつまで引きずるつもりなの?」
「……」
「もう、本当に頭が固いのね。どうしようもないほど馬鹿なんだから!」
「……」
 サリィは気づいていなかった。そうやって声をかければかけるほど、五飛の誇りが傷ついていくことに。
 こうして五飛は、幾日も幾日も山に篭もり続けたのであった。
 ところで、原因を作ったコーラサワーはといえば。
「薔薇はもう飽きたな。よし、次はひまわりだ」
 わずか一晩で薔薇製品を片付け、新たな調度品を鼻歌交じりに並べていく姿が目撃されたという。



恥という言葉を練り固めて人の形にすれば模倣の人が出来上がりました。こんばんは皆様ご機嫌麗しゅう。
ここのところ携帯から書き込めないから久々にパソでレスしてみればハンドル残しっぱという醜態晒してしまい穴があったら身投げしたい気分。
神郷兄弟とその周辺可愛いよというかペルソナアニメが面白かったので只今絶賛P3プレイ中ですタルンダ。世間の皆様はP4の時代でしょうがキニシナイ。
3ヶ月ルールなんてそんなものがありましたね。けどまだ頑張りたいです。近頃コンビニで薔薇水を見かけないことを嘆きつつそれでは。
398通常の名無しさんの3倍:2008/08/05(火) 06:22:47 ID:???
マリーメイアキター
いいキャラだな
ところで自費で薔薇まみれにできるとはプリベンターの給料はそんなにいいのかと思った
あの日の夏イントーキョー

タルンダ先輩はアニメでも見た目も中身も変わってなかったですね。
と言いつつ最後まで見てないので、子安が最終的にどうなったのか知らないのです
399通常の名無しさんの3倍:2008/08/05(火) 09:55:39 ID:???
>>模倣の人氏
GJですwウーフェイも頑固ですなw
っていうか…すっかりマリーメイアがコーラさんになついてる?w
400通常の名無しさんの3倍:2008/08/05(火) 18:17:06 ID:???
>>398
ペトリの最終話は

めぐみ・拓郎=漢
叶鳴=天使
テラ子安=お兄ちゃん

だったよ。
諒と肉彦が会話するシーンは中の人のせいかゼクスとヒイロの面影が・・・
401通常の名無しさんの3倍:2008/08/05(火) 19:34:13 ID:???
模倣氏キタ――――――!!
GJ!次回も期待してます大好きです

最近コーラさんだけでなくWのキャラたちの性格も上書きされてきたw
402通常の名無しさんの3倍:2008/08/06(水) 19:07:19 ID:???
次スレのテンプレどうする?
人物録は>>2-7の水曜日氏バージョンでいいだろうけど、追加分とかもいるよな


…そういや保管庫問題はどうなったんだ?
403通常の名無しさんの3倍:2008/08/07(木) 10:22:29 ID:???
キャラ紹介からロランを省いていいんじゃないかな、と思う。
あと出番の少ない沙慈、絹江、ルイスは今のところなくてもいいかも。
逆にラッセを入れてもいい気がする。

保管庫問題は言い出しっぺがやればいいじゃなーい
404通常の名無しさんの3倍:2008/08/07(木) 19:19:12 ID:???
ロランは別のガンダムのキャラだし、絹江たちは一瞬だけだもんな
ラッセラッセやマリーメイアは必要だと思うが…

いっそ職人さんにキャラ表作ってもらうわコーラさん何をえdrftgyふじこlp
405模倣の人:2008/08/07(木) 21:12:36 ID:???
水曜日さんのテンプレに追加して・・・

ラッセ・アイオン
 マイスター運送の配送係。
 このスレにおいては完全なるノンケ。
 ホモネタを振られると本気で泣く。

マリーメイア・クシュリナーダ(バートン)
 レディ・アンと共に暮らす幼女。
 年齢の割りに大人びておりクールな性格。
 コーラサワーに懐いている。


以上が俺設定ですが適当に弄っていただいて構いません。
保管庫に関しては、どなたか管理できそうな方にやっていただけるとありがたく思います。

ラッセッセが生きてて2期登場確定というニュースに狂喜乱舞しておりますよ。
・・・・・・え、ジョシュア? 小説の記述が何ですって?
ジョシュアシンデナイヨ! もう一度言います、ジョシュアシンデナイヨ!
406通常の名無しさんの3倍:2008/08/08(金) 17:06:37 ID:???
>>405
まさか模倣神様が直々に設定を下さるとは…
407通常の名無しさんの3倍:2008/08/08(金) 18:20:19 ID:???
>>405
もういっそ全キャラ分やっちゃえば?
408通常の名無しさんの3倍:2008/08/08(金) 21:05:43 ID:???
>>407
模倣神様に全員分やって貰うだなんて、恐れ多い…
いや、っていうかラッセ以外は水曜日氏のでっておっしゃってるじゃないか。
409名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/08/09(土) 21:00:16 ID:???
 悪い奴程よく眠り、よく食い、よく飲み、よく遊ぶという。
悪人イコール享楽的と捉えるには短絡的に過ぎるかもしれないが、
少なくとも悪さをするだけにバイタリティはあるということだろう。
「ぱは、ぁ……うーい」
 で、この世界で悪人と言えば誰でしょう。
まぁ問題にもなりませんな、そうですあの人です。
PMCのちょっかいかけ、別名ゲイリー・ビアッジまたはひろし、中年ファイターのアリー・アル・サーシェス氏でござります。
「うーい、ひっく」
 世界に一応の平和が訪れてからというもの、傭兵稼業は干上がったダム状態でまったくの頭打ち。
何となく一匹狼タイプに思えるが、彼も立派に部下を持つ身であり、はいそうですかと簡単に隠遁するわけにもいかないのが辛いところか。
やれ西で誘拐身代金要求、東で遺跡盗掘、北で密輸、南で盗品売買と、
テレビで刹那のトラウマにまでなった存在感はいったい何処へいったのやら、とにかくせせこいシノギをこなさにゃならん日々。
戦いそのものが趣味である彼にとっては不本意ではあったが、生きてくためには望まぬ仕事でも何かやらなきゃならないのだ。
そこで“真っ当な仕事で稼ぐ”という選択肢をチョイスしないのは、
とりあえずは悪人の面目躍如であっぱれと褒めてやるべきなのかもしれない。
「へっ……ん、んー」
 指揮卓の上に両足を投げ出すと、アリーはコップにウイスキーを注ぎ、ストレートのまま一気に飲み干した。
こういった仕草はやはり悪人らしく、なかなかサマになっている。
テーブルの上のツマミが駄菓子の酢漬けイカと甘栗むいちゃいましたなのがちょっと残念ポイントではあるが。
「お頭! どうします?」
「今日の予定量は獲れた、とっととひき返せ」
「うっす!」
 で、今彼とその一党が何をしているかというと。
「フン……爆釣状態だな。ボロいもんだぜ」
 そう、密漁なのだった。


 何故彼がここでこんなことをしているのか。
それを説明するには時を一か月程遡らねばならない。
 当時、アリーと部下たちはかなりフトコロ具合が厳しい状態だった。
小口の悪さでゼニを儲けても、所謂利益そのものは少ない。
で、たまーに大きなイタズラをすると必ずと言っていい具合にプリベンターに邪魔される。
先々を見据えてそろそろドカッと火星どかない、じゃない稼いどかないと先細りの尻すぼみで衰弱死しか道がない。
そこでアリーが打った手というのが、海産物の密漁という次第。
この時代、自然界保護と収穫量安定のために漁業はその上限が定められており、
また魚介類の食品としての価値は大きく変動することがない、というところにアリーは着目した。
つまり、モノさえあれば確実に収益が見込めるというわけなのだった。
一旦決めると彼の行動は素早かった。
裏の売買ルートと連絡を取ると契約を交わし、
所有していた潜水艦をクラゲ型に偽装、さらに漁業用の特殊アームも装着させた。
そしてプリベンターに邪魔されないように遥か極東の島国のとある海産物豊富な海辺をターゲットに絞り、
巨大カツオノエボシ騒動を起こして付近から海水浴客と漁師を一掃、
誰もいなくなった海で堂々と魚やら貝やら海老やら蟹やらを乱獲しまくりんぐウッハーウハウハ……。
とまあこれが彼の計画で、実際ここまでは結構上手く事が進んでいる。
が、何の因果かここいら一帯の海岸を管理している役人がレディ・アンの旧知で、
せっかく避けたはずのプリベンターがまた近くに寄ってきてたりするわけだが、
今の時点では彼も神ならぬ身、まだそのことを知らないのであった。
410名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/08/09(土) 21:02:16 ID:???
  ◆   ◆   ◆


 さてさて。
アリーがプリベンターがしゃしゃり出てきているのを知らないように、
プリベンターもまた事件の犯人があの靴下臭い臭い野郎アリー・アル・サーシェスであることを探知出来ていない。
そもそも巨大カツオノエボシが作りモノであることすら情報不足で知り得てないわけだが、
こ―いう時に野生のカンを発動させて切り込み口を作るのが我らがコーラサワーさんだったりする。
世界にはまったく影響を与えないが、それでも世界から愛される男コーラさん。
彼の背後にくっついている幸運の女神はさぞかし大盤振る舞いが大好きに違いない。
常人なら何度死んでるかわからない逆境でも、何しろカスリ傷一つ負ってないわけだから。
外宇宙に流されそうになるという究極の絶望的状況において、
たまたま近くを通りかかったMS(しかも敵だ)に蹴られて地球方向へと戻される。
この一文がどれだけ有り得ない内容か、皆さんよーっく考えてもらいたい。
幸運なんてレベルじゃねーぞゴルァ、と競馬場でギャンブルオヤジが外れ三連単馬券を放り投げつつ暴れ出してもおかしくないだろう。
「しかし、どうやって見つけ出したらいいものやら」
「やっぱり向こうから出てきてもらうのを待つしかないんでしょうか?」
 デュオ・マックスウェルとカトル・ラバーバ・ウィナーはともにヤシガニ、じゃない焼きガニを突きつつ呟いた。
デュオは男らしく身にかぶりつき、カトルは育ちの良さを証明するように箸でほぐしつつ食べている。
「ここ一帯にしか現れない、というのも不思議だわね」
「何か理由があるのかな?」
 サリィとヒルデはカニを一旦横に置きつつ、お刺身を口へと運んでいる。
流石は良漁場の近くとあって、カニだけでなく魚も新鮮なものばかり。
「だから、魔法使いに土地縛りの呪いをかけられた美女なんじゃねーの、正体は」
「もういい加減そんなファンタジーな考えは捨てろよ」
 コーラさん、ひたすらカニにむしゃぶりついている。
茹でカニに吸いつき、カニミソを啜り、カニ雑炊を喉に流し込む。
遠慮のエの字もないその食いっぷりは、成る程オンナスキーな彼らしいっちゃらしいのかもしれない。
いや実際、側にゲイシャの一人もいない夕食なので、食べることに専念している雰囲気はあるが。
この場になってもサリィとヒルデに手を出そうとしないのは、
まぁぶっちゃけキャラクターデザインが違うから食指が動かないのだとでも解釈してもらえれば幸いである。
「目撃者に話は聞いたんだろ? モグモグ」
「ああ、お前がクーラーの効いたこの部屋でカニ食ってる時に聞いて回ったよ」
 トゲのある視線をコーラサワーに突き刺すデュオだが、
彼にしてはやや皮肉が弱い。
今後の具体的対応策がハッキリしていないことが、やや彼の舌の回りを鈍くさせているのかもしれなかった。
「被害者は? もぐもぐ」
「被害者?」
「もぐもぐ、いやだって相手はカツオガエロイなんだろ、毒クラゲなんだろ? 刺された奴がいるんじゃねーの」
「カツオノエボシな。いやそりゃいるだろ、刺された奴は」
 デュオは箸を皿の上に置くと(もうお腹いっぱいらしい)、サリィの方を向いた。
被害者についてサリィの口から何か語られるだろう、という期待込みの眼差しだった。
が、それはあっさりぽんと裏切られた。
「それがね、いないのよ」
「え?」
「巨大カツオノエボシに刺された人、いないみたいなのよ」
 カツオノエボシの触手は、以前も解説したが長いのになるとそれこそ40mを越す長さになる。
普通の大きさのカツオノエボシでそれくらいなのだから、巨大怪物カツオノエボシになるとそれこそ100mを越えてもおかしくない。
411名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/08/09(土) 21:02:56 ID:???
「でも、目撃者がたくさんいるってことはそれなりに海岸に近い距離に現れたんだよな」
「それで、刺された人がいないなんて」
「ハッキリした写真もないんですよね、一瞬しか出てこなかったとかで」
「……?」
 瞬間、コーラを除く四人の頭の中で電球がピコーンと点灯した。
今までの流れと情報を組み合わせて導き出される答、それは。
「巨大クラゲは本当はクラゲじゃない……?」
 今、この海辺は客がまったくいない。
それは巨大カツオノエボシが現れたからだが、見方を変えれば、
客をいなくさせるためにカツオノエボシが現れたとも考えられる。
「サリィさん、もしかして」
「……ええ、もしかすると裏があるかもしれないわね、これは」
 食事モードから一転、世界平和を守るプリベンターモードに切り替わる四人。
そんな彼らに発想の転換を(結果的に)促したコーラさんは。
「うめー、やっぱりカニはうめーな」
 ひたすら食事モードのままだった。
カニカニカニイィィ。

 プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続くカニ―――




 コンバンハ。
ではネクストカニは次スレでサヨウナラ。

テンプレやキャラ表はお任せいたします。
一住人としてそれに従って投下を続けていきたいと思います。
412通常の名無しさんの3倍:2008/08/09(土) 21:43:14 ID:???
土曜日氏、乙です!
マイペースなコーラさんがGJです!続き楽しみにしてます!
413通常の名無しさんの3倍:2008/08/09(土) 21:46:28 ID:???
それだけがっついてもスリム体形のコーラさんすげぇなw
414通常の名無しさんの3倍:2008/08/09(土) 22:32:10 ID:???
>>413
そりゃ、スペシャルって自分で言うくらいだし、そこんとこもスペシャルなんじゃないか?
自分で言っておいて意味解らん…スマソ。
415通常の名無しさんの3倍:2008/08/11(月) 16:20:31 ID:???
土曜氏乙!
ネクスト蟹楽しみにしてます。
それにしてもアリーせこーいwww
416通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 09:52:53 ID:???
明日落ちるんだよな
いつ新スレたてる?

ちなみに俺ははじかれるのでミリメトル
417通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 17:24:28 ID:???
>>416
やっぱり落ちないうちに立てて、職人様及び住人のみんなを誘導するべきだろう。
俺は…出来ればやってみるが期待はするな。なにぶんネット出来るパソコンが家族内共用なもんで、見られたら恥ずかしくてOTLなる。
ま、こっそりやりゃいいって話だが。
418通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 18:15:09 ID:???
タイムリミットは今夜0時?
419通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 18:35:09 ID:???
落ちるのは14日の夜じゃない?多分だけど。
420通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 20:53:17 ID:???
>>419
そうなのか?しかし、転ばぬ先の杖だ。どっちにしろ立てない事には…
421名無しさん土曜日 ◆gLNd2xXs6c :2008/08/12(火) 21:29:00 ID:???
試してみましたが蹴られました。
422通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 22:06:36 ID:???
新機動炭酸コーラサワーW 模擬戦4戦目
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/shar/1218545997/

任務完了。
しかしテンプレをろくに準備せずに立ててしまったため
ラッセをマイスター運送に、マリーメイアをW勢の中に組み込まずに
追加という形になってしまった
俺はガンダムになれない…
423通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 22:37:57 ID:???
>>422
お前はガンダムだ、乙
テンプレは次回直せばいいよ
424通常の名無しさんの3倍:2008/08/12(火) 23:17:15 ID:???
乙ガンダム
では次スレで会おう
425通常の名無しさんの3倍
埋めー
このスレの男女比ってどんなもんかなあとちょっとだけ思った