種死のシンとエヴァのアスカを入れ替えたら 弐 (9)
>>1 俺乙
スレ立てから3ヶ月で落ちるってホントだったんだ
次スレからタイトルを
種・種死のキャラとエヴァのキャラを入れ替えたら
とかに変えて、少しでも裾野を広げるなんて案はダメでしょかね?
どうでもいいけどしつこいよな
乙。
毎回、完走に恵まれないよな、ここ。
ネタの拡張をするしかないかな。
本来なら分けたいところだが、00との介入もありにして落ちるのを防ぎたいぐらいに。
スレ立て乙です。
ネタの拡張もありですかね。
今でも普段、職人さん来るまでに何かの話題で盛り上がればそれなりにいけるとも思うのですが・・・。
といっても人が来なければどうにもなりませんがね。
職人さん、ちゃんと来てくれるかな・・・・・・
>>1さん、乙です!
で。取りあえずですが、まとめサイトに『アスカストライク!4巻目』と
『アスカ・ストライク!外伝〜愛が生まれた日〜』を発刊しておきました。
お暇な時に見てやってください。でも、サイト勝手にイジッてよかったのかな…?
アスシスさんやシンエヴァさんも暇を見つけて発刊したいな。
まぁ、またマタ〜リやりましょう♪
>>1さん、スレ立て乙です。
>>7 アスストさん、お疲れ様です。
続きも期待しています。
とりあえず、まあ、ここはまったりといきますか。
まとめサイト『アスカ・シスターズ? 2巻目』
完売いたしました。只今増刷中です。
3巻目、近日店頭に並ぶ予定です。予約はお早めに。
10 :
代行:2008/05/14(水) 02:47:34 ID:???
業務連絡
まとめサイト、トップの画像、ハッキリバージョンに変更しました。
まとめサイトお疲れ様です。
>>10 うわ、トップがでかい。
しかし、そういえばアスストさん以外の職人さんは大丈夫なのだろうか?
乙の10連呼よ♥
アゲ
スレ立て乙です。
まとめサイト更新も乙です。
シン「この俺が乙するから!」
アスカ「『この俺が守るから』っていうのはアンタの場合、死亡フラグってきいたけどこの場合、大丈夫なの?」
シン「アンタって人は〜!」
16 :
代行:2008/05/17(土) 14:14:06 ID:???
業務連絡です。
まとめサイトに『アスカ、来日』投下分、アップしました。
職人さんどっかで見てたら続きを書いてくれないものか…。
『シン、心のむこうに』第一巻発刊です。シンがエヴァパイロットになるまでが描かれてます。
だれか、プラグスーツを着たシン(凸&キラも可)のコラか絵が描ける人いないかな?
あとミサト服のマユ。
ファフナーでガマンしれ。
保守代わりにOOネタで。
第壱話 ガンダム、介入
第弐話 見知らぬ、組織
第参話 繋がらない、電話
第四話 武力介入、利用された後
第伍話 アレルヤ、心のむこうに
第六話 決戦、新ヨーロッパ連合−AUE−
第七話 アリーの造りしモノ
第八話 マリナ、来日
第九話 瞬間、ガンダム鹵獲
第拾話 ガンダムナドレ
第拾壱話 静止したキュリオスの中で
第拾弐話 教義の価値は
第拾参話 聖者、帰還
第拾四話 CB、魂の座
第拾伍話 鹵獲と沈黙
第拾六話 死に至る赤、そして
第拾七話 第二のCB
第拾八話 刹那の選択は
第拾九話 ガンダムとしての戰い
第弐拾話 世界のかたち CBのかたち
第弐拾壱話 CB、殲滅作戦
第弐拾弐話 せめて、ガンダムらしく
第弐拾参話 涙
第弐拾四話 終わりなきシ者
最終話 世界の中心でガンダムと叫んだ刹那
旧劇場版第弐拾四話 ソレスタルビーング
旧劇場版最終話 ガンダムと共に
新劇場版 ファーストフレイズ
新劇場版 セカンドフレイズ
新劇場版 サードフレイズ
新劇場版 ラストミッション
「ネーナ、来日」の方がらしい気がする。
>>20 実は00との内容とリンクしてるんで。
ネーナの出番はかなり後なんでマリナに。
一応、この回で外交してるし。
>>19 「フレイズ」ではなくて「フェイズ」ではないのでしょうか。
>>22 豪快な誤字すまん。
ちょっと、ジンでラミエルと戦ってくる…。
>>23 どういう連想なのかはわからないが――
急に空から落ちてきたデスティニーガンダムのシンと、弐号機のアスカが口論しながら
「ようするにこいつら、再生する前にぶっつぶせばいいんだろ!」
「そういうことよ! あんた、よくわかってんじゃない!」
とかいいながらイスラフェルに対してタイミング無視で二人が波状攻撃をかけて力業で倒すシーンが幻視された。
ミサト「何よ、あれ、アタシの作戦無視なわけ? それに何よ、あのロボットは!」
リツコ「まあ、結果オーライじゃないの。……まあ、そうね、とにかくあの人型兵器、確認する必要はあるわね」
「うおりゃーーっ! うぷぅっ!?」
アスカがシェルターから外に通じる最後の扉を蹴り開けた。
同時に吹き付ける爆発音と強烈な爆風。あっという間にホコリだらけになるアスカの顔と髪。
「ケホッ、ケホ! ううぅ〜、なんだってぇのよぉっ、いった…い、 !?」
態勢はすでに決していた。キラがフリーダムで出撃して、アスカ達がこの出口に辿り着くまで、僅か数分。
白々明けようとする朝日に照らされた浜辺には、幾本もの黒煙と残骸、
そして全く無傷のフリーダムが立っているのみだった。
「……ウソでしょう?」
残骸から推測するしかないが、多分使用されたのは潜入用に開発された水陸両用モビルスーツだろう。
特殊部隊ともなればパイロットの腕はそれぞれがエース級であるのは間違いない。
にも関わらず、10数体のそれらを相手に、フリーダムとキラは、しかもこの短時間で戦闘不能に……?
アスカもフリーダムの基本スペックはある程度予想がつく。が、所詮は1世代前のモビルスーツだ。
スピードならインパルスの方が上でさえあろう。
いくらフリーダムがN.J.C.を搭載しているとはいえ、
いかなパイロットが“スーパーコーディネーター”キラ・ヤマト、とはいえ、ヒトが操るモノである。
おのずと限界はある。
なのに、この一方的なまでの戦力差は…。いや、実はこれらのパイロットが全てナチュラルなら…。
アンディがアスカの背後からフリーダムの足下の残骸を見、唸る。
「あれは…“アッシュ”か!?」
「アッシュ?」
「あぁ。データでしか知らんがね。だがあれは最近ロールアウトしたばかりの機種だ。
ザフトでもまだ僅かな正規軍にしか配備されてないはずだが」
「――じゃあやっぱりザフトの、コーディネーターの特殊部隊なのね」
アスカの希望にも似た予想は裏切られた。
コーディネーターの特殊部隊が操るザフト最新鋭のモビルスーツ部隊。
それをあっという間に屑るフリーダムとキラ・ヤマト。
普通に考えればあり得ない結果。唯一あり得るとすれば、やはり…“M.A.G.I.”
アスカの背に寒気にも似た震えが走る。だが本当にたかがOSひとつでここまで違うのだろうか?
自分にも可能であろうか? 例えば使い慣れたインパルスがここにあったとして。
OSを“M.A.G.I.”に変えて、自分がこの数のモビルスーツ部隊と闘うとして…。
(いいえ、これは使ってはいけないモノ)
アスカはあえて答えを出すことを否定する。
(――やっぱり危険、だわね)
アスカは直感でそう思う。だがなにがであろう。フリーダムが? キラが? それともM.A.G.I.が、か?
アスカはもう一度見上げる。朝日の逆光に照らしだされたフリーダムを、――睨み付ける。
……続く...
27 :
アス・スト:2008/05/20(火) 04:06:46 ID:???
お久しぶりです。アスカ・ストライク! お届けです。
フリーダムの戦闘シーン、一応書いたのですが本編と大差ないのでまるまるカットしました。
唯一違うといえば、
(…………)
「わかったよフレイ、右だね」
(…………)
「そうだね、一気に行くよ、フレイ」
とか、キラがブツブツ言いながら戦っているとこぐらいですか。
そこらへんは本編『よみがえる翼』の回を脳内再生してください。
さて、アスカはこれからどうするのでしょうか? 取りあえずキラ達の仲間になるのは勘弁してほしいですが。
そろそろルナマリアやレイ達に会いたいな、などと思っています。
でわまた。
アス・ストさんGJです。
これからも期待しています!
GJ!!
なんか書いてみようかなぁ
アゲ
☆
保守
アゲ
☆
ギアスの紅月カレンとエヴァのアスカが世界を交換したら?
赤い髪つながりで。
自分で騎士団を全て引っ張るか、口ではともかく誰かに依存するかしそうな感じだけど。
保守
保守
☆
「……なんだかよく判らんが、プラントへのお引っ越しってのも、やめといた方がよさそうだ。ってことだな」
「…………」
フリーダムをケイジに収容し、敵モビルスーツのパイロットの生死を確認して回ったアンディが呟く。
結果、すべての敵パイロットは、正しく己の任務を遂行していた。
マリューは唇を噛み、青褪めた顔で静かに頷いた。
「それにすぐに飛んで来ると思っていたオーブ軍は、いまだ姿を見せず。……こりゃ、キナ臭い匂いがプンプンするねぇ。
今日は国防本部、臨時休業日だったかね?」
アンディは笑いながら言う。だがその目は……。
いくら外れとは言え、自国内の本島でこれだけの戦闘が行われたのだ。軍の監視レーダーに引っ掛からないわけがない。
そしてあの“ラクス・クライン”がここに滞在しているというのは、オーブ政府、軍、共に上層にいる人間なら周知の事実。
なのに誰も現れない、ということは。オーブに今回のユニウス事件を機になにかが起こっているのか、
はたまたオーブ政府や軍に、ナニモノかから圧力がかけられていて、動くに動けないか。
どちらにせよ、黙認したのだ、オーブは。ラクスが殺されるかもしれないことを。
最悪、オーブ政府が画策したとも考えられる。
(なに考えてるのよ、バカガリ! これじゃ……)
これもいろいろ考えられることがある。だがすべて憶測の域に過ぎない。
「これからアンタ達、どうすんのよ?」
こんな目にあっては、彼等ももうここで安眠はできないだろう。アスカがアンディに問い掛ける。
「……オーブにももう居られないねぇ。ボク的にはこの国、嫌いじゃなかったんだが。残念だよ」
「……そっか」
当然の結論だろう。だがかつての祖国ではある。アスカもそう言われるのは、やはり少々ツラい。
「そしてもうひとつ問題がある。――君だ」
アンディが顎で差す。皆の視線がアスカに集まる。
「――アタシ?」
「そうだ。成り行きとはいえ君は、我々とともにザフトの特殊部隊と戦ったな?
どうやら機密保持の為、連中、自爆したようだが、それも全員とは限らん。
そうだろ? ――『ザフト』の“惣流・アスカ・ラングレー”」
そう言いアンディは静かに拳銃をアスカに向ける。
「………っ!」
「待ってくださいっ。彼女は……」
アスランがアスカを庇うように割って入るが…。
「アスラン。残念だがね、僕達も死にたくはないんだ。このまま彼女を帰して、彼女の発言いかんでは、
ラクスや子供達の命に関わる。 そこらへん、ハッキリさせておかないと、な」
カチリ。拳銃の檄鉄が起こされる。――本気だ。アンディが放つ殺気。アスカの背に冷たいものが伝う。
だが脅されて手を上げるアスカではない。
「ハ、ン。バカ虎のくせに、なんかまともなこと言ってんじゃん。 だけどね、アタシもこ〜んなトコで死ぬ気ないのよ」
そう言いアスカも、背に回したポーチに手を入れる。
「アスカッ!?」
アスランが叫ぶ。が、虎と龍の視線は激しくぶつかりあう。
「銃をお納めください、バルドフェルド隊長。アスカさんも」『アカンデェ!』
静かな声と騒がしい声が割ってはいる。ラクスがアンディの背後から2人に近付く。
フリーダムからキラもワイヤーステップを伝い降りてくる。
「いや、しかしラクス」アンディが銃の構えを崩さず言う。
「わたくしの“友”に銃を向けるのは許しません。バルドフェルド隊長。彼女はわたくしの命の恩人でもあります」
「……。…ふ、ん」
凛とした、でも反論を許さない声。アンディは舌打ちしつつも、拳銃を懐にしまう。
「アスカさん」
「……」
ラクスがアスカの前に進む。隣のハロも大きく弾む。
「今回のこと。襲撃された方々をアスカさん、貴女も殺してしまっております。もし本当に彼等がザフトの方なら…」
その先を言い淀むラクスに代わり、マリューが後を引き取る。
「このままミネルバに戻って、今回のことが伝わっていれば貴女、軍法会議の上、銃殺刑は間違いないわ」
「……まあね」
アスカも不肖無承頷く。
ふりかかる火の粉を払っただけ、ではやはり通じないだろう。罪状は国家叛逆罪だろうか?
「そこでご提案がありますわ、アスカさん。貴女はこのまま私たちと共に…」
「ストップ! ラクス」
アスカがラクスの言葉を遮る。
「 ? 」
「……アンタがなにを言おうとしてんのか、大体想像つくわ。けどねアタシ、昨日も言ったわよね?」
「昨日、ですか?」
ラクスが首を傾ける。アスカは一度大きく息を吸う。そして、
「バカにすんじゃないわよ!!」
「!?」
一喝。
「いい? ラクス。耳の穴かっぽじって、よぉーっく聞きなさいっ。確かにアタシ、殺したわ。ザフトの兵隊を。
でもね、それはアンタの為じゃない。アタシはアタシの為に奴等を殺したの。じゃなきゃ殺されてたから!
そこにアンタの存在なんて、ひとっ欠片も関係ないのっ。どーゆーつもりでなに言おうとしてんのか知んないけど、すっごい迷惑!
アタシは自分のケツは自分で拭くわ。誰にも頼らない。頼ったとき、それはアタシにとって“負けた”ことになんのっ。
アタシは誰にも負けない! 負けるわけにはいかないのよっ。どんなヤツだろうが! それが“運命”だろうが!!
それがアタシの選んだ人生(みち)。他人に邪魔されたり、アンタにどーこーしてもらうなんて、ヘドが出るわ!!」
アスカが左手を大きく横に振る。
ラクスが寂しげな瞳をアスカに向ける。
「……だから“お独り”なのですか?」
「な……っ!?」
「だから、“孤独”を選ばれるのですか?」
「…………(まさかラクス、アンタ…)」
アスカの無言をどう受け取ったのか、ラクスは首を傾けニコリと笑う。
「わかりましたわ。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「ラクス!?」「ラクスさん!?」
アンディとマリューが驚きの声を上げる。つまりラクスはこのままアスカを放免すると言っているのだ。
アスカはラクスを見る。一度目を閉じアスカは、ラクスに背を向ける。2歩3歩進み、足を止める。
「……ラクス」
「はい? なんでしょう」
「逢うのもこれが最後かもしんないから言っとく。
アタシのこと“友達”っつってくれたの、その……嬉しかったわ。
でもね、アンタがこれからどうすんのか、何すんのかは知んないけど、
たとえアンタでもアタシの前に立ち塞がんなら、今度は全力で張り倒すわよ」
ラクスは自分の右頬を指で差し、ウフフと微笑む。
「覚えておきますわ」
これはラクスとアスカだけにしか解らない会話。
二人の話についていけず、アスランは二人の間をただオロオロとするばかりだ。
「アスラン!」
「は、はい!?」
突然アスカに名前を呼ばれアスランは思わず背を伸ばす。
「アタシをミネルバまで送ってちょうだい。てか、送れ」
アスカが横柄に言う。
「あ、ああ…。じ、じゃあ車を回してくる。道路の方まで出ていてくれ」
アスカはひとつ頷き、そして今度はラクスの背後に来たキラを指差す。
「アンタには“貸し”があったわね。そのうちぜーーーたいっ、返してもらうかんね」
「……うん。また会えるといいね」
「バカ虎! ……そしてたぶん、ラミアス艦長!」
「あ?」「そう言えば自己紹介…」
アスカは構わずラクスとキラをそれぞれ指差す。
「この2人、どこかボーっとしていて頼りが無いわ。大人のアンタ達がちゃんと目ぇ光らせとかなきゃ!」
「ふん」「ウフフ…」
アンディはアスカに親指を立ててみせ、マリューは口に手をやり笑う。
アスカはグルリと皆を一瞥し満足気に頷くと、腰に両手をあて、そして胸をはる。
「んじゃ、アタシ行くわ!!」
――アスカ・スマイル――
そう、その時のアスカの表情は、自信と信念に満ち満ちていて輝いていた。
それだけ言い、今度こそアスカは振り返らず歩きだした――。
「――アスカさん、大丈夫かな……」
小さくなるアスカの背を見送りながら、キラがポツリとつぶやく。
「信じましょう、キラ。あの方の未来を。大丈夫。彼女は優しく、強い女性(ひと)ですわ。――悲しいくらいに」
「そうだね。――“フレイ”」
キラは真顔のまま、ラクスに言う。
「……」
キラのその言葉に、端整なラクスの顔がわずかに歪んだ――。
アスカ・ストライク! 第一部 ――― 完 ―――
50 :
アス・スト:2008/06/03(火) 23:49:51 ID:???
お久し振りです。アスカ・ストライク! です。
今回は非常に読みにくい! しかもピンク教祖サマの不思議電波を大量受信し、
――第一部 完――と言いつつ、ワケわからん伏線が増えたし。……知〜らね。
関係ないですが、男性の方、寝ぼけて彼女と違う女性の名前呼んだことあります?
女性の方の心境ってどんなものなんでしょ? 相手がラクス様ならなおさら……ナムナム(;―人-)
さて。次回からは、またルナやレイに逢えそうですね♪
ルナの太もも…♪ レイのふ・く・ら・は・ぎ〜…♪
そして第二部こそ、自分の悲願達成を…(握りコブシ!)
でわまた♪
アススト氏乙であります。う〜ん、続きが気になりますねー。
早く続きを読める日を期待しております!
ところで、色んな人の作品みて思ってるんですけど、ラクス襲撃の犯人をみんなコーディネーターって決め付けますよねー。(原作が決め付けたから?)
白兵戦で殺した人のDNAを調べてから判断してもいいと思うのに…
あれがブルーコスモス達の仕業だったら原作も違ったんだろーなー。
52 :
通常の名無しさんの3倍:2008/06/04(水) 19:47:04 ID:fhJu/uDv
理由その1
原作でマリューが「コーディネーターの特殊部隊なんてサイッテー!」と言ってる。
その2
モビルスーツがザフトのだった。
その3
庇護してる立場で、(一応)カガリが元首してるオーブの可能性は低い。
その4
扱いの難しいエクステンデットを、要人暗殺の為だけにあれだけの人数を投入できるかどうか。
などなど考えると一番自然なのは、プラントの反クライン派、またはデュランダル派。
だがその他を完全に否定できるわけでもない。
うーん、ひさびさアスカ節の炸裂だねぇ。アスストさんGJ!!
なにはともあれ、アスカがラクシズに入信しなくてホッとしたよ。入っていたらアススト氏叩くトコだった。
が、ヘンな友情みたいなのが発生したのが気になるが。
第2部の開始、楽しみにしております。
>>50 乙、メイリンのおなかもヨロ
途中からとは言え初代スレからお邪魔していた私・・・つい最近種&種死を見ましたw
フレイパパってアスカパパだったんね
55 :
30:2008/06/06(金) 13:24:00 ID:???
【 機動戦士ガンダムSEED Destiny/Re:Genesis 】
────────────────────────────────────
01「 Phase-Shift 位相転移 」
────────────────────────────────────
ただ2度の攻撃。
それだけで22層もある特殊装甲が全て損壊し、ジオフロントへと通じる巨大な穴が開く。
第1作戦指揮所に激しい警報が鳴り響き、オペレーター達の発する怒号のような報告と混ざりあう。
その中からひときわ鋭い声が、その場にいる全ての人間の耳に飛び込んだ。
「目標、損壊部分より降下開始! まっすぐジオフロントへ向かってきますッ!」
正面にある巨大なモニターに、CGを使用しつつもリアルタイムで現状が表示される。「第14使徒」と表示された
巨大な物体が、こじ開けられた穴から静かに沈降してくる様子が映し出された。
いや───ジオフロント内の人間にしてみれば、沈降ではなく降臨と呼ぶべきか。
使徒と呼ばれる「それ」の侵入は、正に破滅の降臨を意味する。
モニターを見る全ての人間の脳髄に、生暖かくも冷たい何かが蠢いた。
NERV本部周辺に設置してある対空迎撃システムが半自動的に稼働する。
戦艦の主砲や巡洋艦の速射砲を流用した物や、地対空追尾ミサイル、MLRS(多連装ロケットシステム)などが次々と
地面の格納庫などから迫り出てきた。それらの矛先が、全て一点に集中する。
天に穿たれた大きな穴。
そこから無音で現れる異形の天使。
姿が確認された瞬間、迎撃システムの全てが火を吹いた。
3連装の40センチ主砲8基が、轟音と爆炎と黒煙を同時に撒き散らす。
30基近く配備された127mm(54口径)速射砲が、重く低い銃撃音と共に数万発の空薬莢を地面へと吐き出していく。
火線の狭間を縫うように、ランダム軌道で飛翔するミサイルが収束するかのように使途の真下から襲い掛かる。
無数に設置された12連装からなる発射機から、227mmロケット弾が天に向かって落ちる雨のように降り注ぐ。
40センチ砲弾が直撃する。数万発の鋼鉄の塊が巨体に突き刺さる。死角からミサイルが命中し炎と高熱が炸裂する。
全周囲から降り注ぐ爆砕の雨が天使の体を打つ。巻き起こる爆発。オレンジ色に閃く爆炎。轟音。爆煙。衝撃。
それが何度も、何度も、何度もジオフロントを大きく揺さぶった。
だが。
黒煙の中から光が走った。
主砲群が赤熱した次の瞬間、爆発にも似たエネルギーの炸裂の中で融解し、蒸発する。
吹き上がる爆光が十字架の形を模す。これが天罰だといわんばかりに。
やがてゆっくりと地表へ降下する煙の中から、神の御使いが姿を現した。その巨躯に傷付いた様子はない。
そして容赦なく無慈悲な光が迸る。速射砲陣は高熱と光圧の中に消え、ミサイル発射台は制御施設ごと粉々に砕かれ、
MLRS群は熱の奔流と衝撃波によってバラバラに引き千切られた。
まさに一瞬。
まるで無力。
小国が保有する全軍事力にも匹敵する兵力が、ものの2〜3秒しか足止めできない。
56 :
30:2008/06/06(金) 13:24:52 ID:???
しかし、彼女にとってはその数秒で十分すぎた。
「なめんじゃないわよおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!」
あれほどの大火力をものともしなかった堅牢なATフィールドが、いとも容易く中和される。
驚いたように使徒の体が身じろいだ。両腕と思しき平らな触手が反応する間も無く───何者かによって投擲され、
亜音速で飛来するソニックグレイヴが、使徒の右目と思われる部分に深々と突き刺さる。
攻撃中の隙を完全に突いた形だ。
突き立てられた衝撃は使徒の浮遊バランスを崩し、ジオフロントの大地へと巨体を叩き付けた。
そこへ前傾姿勢のまま、空気を刈り取るように駆け寄る赤い影。
汎用ヒト型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン弐号機。
その左右の手にはスマッシュホークが二振り。
「こんのおおおおおぉぉぉぉぉっ!」
エントリープラグの中で赤い少女が操縦レバーを引き絞り、A10神経に動きのイメージをダイレクトに伝達する。
戦闘機を追い越してしまいそうな速度で走る弐号機の身体が更に沈む。
そしてトップスピードを維持したまま、鋭い放物線を描いて跳躍する。延長接続されたアンビリカル・ケーブルが、その
動きにあわせて大きく波打った。
使徒が動く。身をよじらせながら、残された左の眼窩から光を連続で撃ち放つ。
大地がえぐられ、NERV施設の一部を砕き、ジオフロントの外殻に高エネルギーが炸裂し、かろうじてケーブルを切断
したものの、弐号機を捉えられない。エントリープラグ内で活動限界を報せるカウントダウンが始まる。パイロットの少女は
それに見向きもしない。その間にも高速で降下する弐号機が、赤い残像が鋭利な矢と化す。
ようやく仰向けになった使徒が、薄く平らな両腕を展開、素早く伸ばして迎撃する。
「ハンッ!」
しかし少女は……弐号機パイロットは、惣流・アスカ・ラングレーはその反応を鼻で笑う。
堅固なATフィールドを中和されッ、一番強力な光学攻撃も命中せずッ、体勢すらまともに立て直せない状態のアンタなんかのッ、
うろたえ弾みたいな攻撃にッッ!
「このあたしに通じるもんかああああああああああああああああああああああああッッッ!!」
スマッシュホークを握る両腕が動く。
白テープ状の触手がアスカの左右から迫る。大気を切り裂かんばかりに攻めるその先端に、真正面から2つの斧を叩き込む。
いや、ただ叩き込んだのではない。まるで竹を真っ直ぐ縦から割るかの如く、そのまま触手を、使徒の両腕を切り裂きながら
下降していく。裂断箇所から激しく火花が吹き上がる。
まるでジェットコースターのレールの上を走っているかのようだった。
そのレールの行く先にあるは、この腕の持ち主である第14使徒。
再び虚ろに広がる左眼に光が灯る。光学攻撃。腕を封じられた今、それが残された最後の攻撃手段。
「甘いッ!!」
左肩のウェポンラックが展開し、ニードルガンが連射される。ばら撒かれた薬莢が空中に吸い込まれていく。
福音から撃たれた7つの針が、今まさに攻撃を放たんとしていた使徒の左目に突き刺さる。
死を与える光が消え失せ、再び使徒の眼窩に闇が戻る。使徒が無音の悲鳴をあげた。
そして。
弐号機はついに使徒へと到達した。
57 :
30:2008/06/06(金) 13:25:49 ID:???
巨大な体躯を突き刺すように踏みつけると、衝撃が大地へと突き抜けた。地面が割れ、へこみ、隆起し、大きく破砕する。
スマッシュホークは降下の勢いのまま使徒の両腕を切り裂き通し、両肩をも両断。青黒い体液が吹き上がり、斧を、弐号機を、
地面を不気味な色彩に染め上げた。
「とどめぇッ!!」
斧を手放すと、突き刺さったままになっていたソニックグレイヴを引き抜いた。
傷口から青い血が飛び出すが、槍の刃先は汚れていない。刀身が高速振動しているためだ。
眼下には使徒の弱点である赤いコアがある。これを破壊すればアスカの、人間側の勝利。
ふと、アスカの脳裏にいくつもの顔がよぎった。
知っている顔。親しい顔。嫌な顔。だけど───身近な顔。
(ファーストは重傷、零号機も片腕が無い。バカシンジは司令や、なにより自分自身が許せなくてEVAに乗るのを止めた。
ここを抜かれたら加持さんや、ミサト達に逃げ場はない。だったら……ッ、だったら……ッ!)
スロットルを引き絞り、槍を握る両腕が振り上げられる。
「あたしがッ、シンジ達を護るしかないじゃないッ!!」
アスカの叫びに魂が宿り。
轟、と。
ソニックグレイヴの刺突が刃先の空気を押し潰す。
赤いコアに遮蔽板が覆いかぶさり防御しようとするが、渾身の一撃はそれを易々と貫いた。
「まさか、ぜーレのシナリオから逸脱するとはな」
冬月副司令の嘆息にも似た呟きが、暗い部屋に響き渡る。
それに対して碇ゲンドウは黙して語らない。
弐号機と使徒の激闘をNERV本部の司令室から直接ながめていた。
強化された硬化テクタイトの窓には、使徒のコアに槍を突き刺す弐号機の姿があった。
「問題ない。死海文書下典には、幾重にも広がる福音の旋律について記されている。
───修正は可能だ」
「いいのか? 弐号機の消失が一時的なものとは限らんぞ?」
「構わん。現状のままならゼーレへの牽制になるし、こちらの計画の時間を稼げる。
それに外典のシナリオ通りに進むとなれば……」
淡々と話す男の声に、わずかだが感情が宿る。
冬月の視線が窓から外れ、誰に対しても不器用に接する事しか出来ない男の顔を見た。
ゲンドウは窓の外から視線を外すことなく、次の言葉を紡ぎだす。
「必ず帰還する」
「───そうか」
苦笑しながら、根拠を説明しないその断言に冬月は頷いてみせた。
「ならば、まだ見ぬ隔てた福音の調べに運命を委ねるとしよう」
再び窓の外へと目線を移す。
コアが砕け、使徒の体から虹色の閃光が炸裂し───弐号機を包み込んだ。
58 :
30:2008/06/06(金) 13:26:53 ID:???
「ッ!?」
ソニックグレイヴを使徒のコアに突き刺すと同時に、それはガラス玉のようにあっさり割れた。
しかし次の瞬間、割れたコアや使徒の体が虹色に輝きだし、光が爆発したのである。
アスカはそれを自爆だと判断し、とっさに腕で顔を覆う。ところがいつまで経っても、予想していた衝撃も熱も到達して
こない。恐る恐る構えを解いてモニターを視界に入れる。
そこは千変万化の極彩世界だった。
弐号機が万華鏡の中に閉じ込められたかのように、目まぐるしく幾何学模様の色彩が変化する。
距離の算出もできず、足元の地面はおろか使徒の姿すら確認できない。
「なによこれ!? ミサトッ、モニターできてる!? ミサトッ! ミサトッ!?」
アスカは同じマンションに暮らす作戦部長の名を連呼する。
しかしスピーカーから通して聞こえてくるのは、川のせせらぎにも似た静かな雑音ばかり。
まったく通信回線が反応していない。
「ダメかッ」
通信を諦めたアスカの思考サイクルが、現状を分析しようとフル回転を始める。
これも使徒の攻撃だろうか? サブモニター群で各部をチェックするが、どこにも損傷はない。
シンクロ率にも影響はなく、非常に安定した状態である。精神汚染を促がすタイプの攻撃でもないらしい。
使徒を倒した際、確認されているパターンは「自爆(第3使徒)」と「爆壊(第6使徒等)」と「活動停止(第4使徒など)」である。
しかしアスカを取り巻く現象は、それらのどれにも該当しない。
「もしかすると第12使徒(※レリエル)のときのシンジみたいに、異相空間に取り込まれた……?」
思いついた推察を口に出してみる。ありうる話だ。
あの時は、初号機の暴走によって虚数空間(ディラックの海)を「物理的に引き裂く」というデタラメな方法で脱出していた。
幸か不幸か弐号機の制御は安定しており、これまで一度も暴走した事がない。
「……シンジと同じ事をして、ここから脱出でいるかどうかは別問題だけどね」
なにより暴走しても活動限界がある。先ほどの攻撃で外部電源ケーブルを切られてしまったのだ。
あと2〜3分程度しか電力が残っていないはず。
そう考えながら、アスカは活動限界時間を示すモニターへと目をやる。
「なっ!?」
そこに表示された数字を見て、アスカはこれまで発したこともないような声をあげて驚いた。
活動限界時間が、凄まじい速度で逆流している。2〜3分どころの話ではない。最大活動時間である5分をはるかに超えて、いまや
外部電源なしで1週間以上も活動できる時間にまで達してしまっているではないか。
しかもそれは留まる事を知らず、更に増加の一途をたどっているのだ。
戸惑うアスカの目が、モニターに表示された『S2機関』という文字に吸い寄せられる。
「え……S2……機関? なにこれ、あたし、こんなの知らない……!」
うろたえ、震える声でアスカが呟く。
しかし頭の片隅で、どうもこれが稼働時間の異常増加の原因であることを理解していた。
心のどこかに不安がよぎる。一体、あたしは、EVAはどうなってしまうのか?
一方で、そんな弱い心を許さないアスカの一部が、自身を奮い立たせようと叱咤する。
「ああ、そうか」
何となく、そこでシンジが抱えていた不安や葛藤が分かったような気がした。
何となく、そこでシンジと心がつながったような気がした。
「あのバカ。言わなきゃ、言ってくれなきゃ……いくら天才のあたしでも、こんなの分かんないじゃないの」
操縦レバーから手を離し、アスカはそっと膝を抱えてここにはいない少年に文句を言った。
それは、自分も同じか。彼への文句が、そのまま自分へと返ってきた。
LCLの中で、赤いプラグスーとが寂しそうに丸くなる。
訳もなく悔しくなったアスカは、もう一度「バカ」と口にしてみせた。
そして、
誰かが優しく微笑んで、名前を呼んでくれたくれた気がした。
59 :
30:2008/06/06(金) 13:28:20 ID:???
「え!?」
我に返ったアスカは、勢いよく顔を上げた。
全周モニターを占拠していた極彩色の空間が、加速度的に白くなっていく。いや、白くなっていくその端から、
どんどん色が、景色が、取り戻されていく。
元の世界に戻ってきた!?
「リツコ達がサルベージ作戦を成功、させ、た、の……ね……?」
喜びの声を上げ表情に明るさが戻っていくが、回復するモニターに広がる光景を確認するにつれ、声も顔も次第に引きつったものになる。
ジオフロント内部では見られなかった針葉樹林の深い森。
なにより突き抜けるような青い空と白い雲。
ジェット煙を引いて飛行する、見たことも無いタイプの航空機。
そして、こちらに銃のようなものを向けて構える人型の機動兵器らしきものが数機。
「は?」
おそらく14年という人生の中で一番マヌケな声をあげたに違いない。
アスカが妙に冷静な頭の中でそう考える。パニックになる寸前に、そんな冷静な思考が生まれたのは幸いだった。
瞬く間に彼女の思考回路が冷静さを取り戻す。
ここはどこか?
こいつらは何者なのか?
自分の身に何が起きたのか?
そのとき、正面モニターに空中を飛ぶ巨大な物体が映りこんできた。
戦闘機の主翼のようなものをつけた双胴の飛行物体である。
砲塔のような物が旋回し、こちらを向いていることから空中戦艦だと思われた。
「なに、あれ?」
思わず口がポカンと開く。
そんなアスカにとってあまりにも非常識な存在が、外部スピーカーから警告を発してくる。
『そこの所属不明の赤い機体! ただちに機動を停止し、コクピットから出なさい!
こちらはザフト軍所属、特務艦ミネルヴァ艦長タリア・グラディスです!
30秒以内に応答が無い場合は、武力による強制的武装解除を行ないます!』
聞いたこともない組織名。
与えられた30秒という猶予の間、アスカは「どうしたものか」と思案した。
限られた時間の中で出来る事。
とりあえずアスカは自分の頬をつねってみた。
───痛かった。
02「 Paradigm-shift 使徒襲来 」に続く
60 :
30:2008/06/06(金) 13:35:20 ID:???
>>30です
随分と時間がかかってしまいましたが、ようやく投下できました
書いてるうちにEVAアスカと種死アスカが入れ替わる話ではなくなってしまったのですが、
大丈夫でしょうか・・・?
許されるなら、このまま書こうと思ってるんですが・・・
一応、テレビシリーズの設定に準拠した話です
これからの話としては、種死世界(の中にある「白い月」)で再構築された使徒が襲来する
予定ではあります
ちょっとでも楽しんでいただけたら幸いです
↑期待してるお(^ω^)ノシ
正統派、カクイイッ!! GJGJ!!
こんな話を待っていたんだよ! イケイケどんどん!!
……しかし、あの世界にEVA、しかもS2機関搭載型が行くとアスカ独りで世界征服できるな。
この後の課題はパワーバランスかな。よし! 拘束具代わりにザムザザーを着ろう。
それは冗談だか、ガムバレ! 超ガンガレ!!
すべて我々のシナリオ通りだ。何も問題ない。
ビームはおろか核にも耐えられるATフィールド。
たぶん陽電子砲も効かないだろな…。
つまり、プラント(コロニー)<<<<<<EVA
ザフトとかが逆にヤシマ作戦の様なことをしたらEVAにダメージを与えられるかもしれん。
TVではラミエルのATフィールドを「肉眼で確認できるほど強固な」と評しているから、
EVAシリーズの(通常時の)ATフィールドはラミエルよりも強力でないはず。
日本全国の電力を消費するよりも少ない出力で貫ける可能性はある。
>>30さんへ
>戦闘機の主翼のようなものをつけた双胴の飛行物体である。
ミネルヴァでは双胴とはいえないと思うのですが。
双胴ではAAの方を一瞬思い浮かべてしまいました。
ま、気にせずに続きがんばってください。
67 :
30:2008/06/08(日) 00:18:47 ID:???
.
>>66 あ・・・
すいません、こちらの記憶違いでした。
完全に戦艦のシルエットをアークエンジェルと混同してました・・・
「双胴戦艦に見えたけど、全然そんな事はなかったぜ!」という事でひとつ・・・
ミネルバは宇宙戦艦ヤマトです。
>>65 パイロット暗殺のほうが早いっす
子供苛めるとママが半狂乱になるんで失敗すると悲惨そうですが
☆
保守
72 :
30:2008/06/10(火) 17:25:08 ID:???
【 機動戦士ガンダムSEED Destiny/Re:Genesis 】
────────────────────────────────────
02「 Paradigm-shift 使徒襲来 」
────────────────────────────────────
アスカはしばらく逡巡のち、武装解除の勧告を受け入れる事にした。
確かに正体不明の戦艦や機体によって包囲され、銃口や砲口を向けられている。
しかしATフィールドと特殊装甲を併せ持ち、さらに『活動限界』という枷から解き放たれた弐号機にかかれば、
彼らを全滅させる事など容易いだろう。
だがその後は?
確かに、弐号機は外部電源を必要としなくなった。モニターに表示される活動限界が1万年を突破した時点で、
アスカは演算処理を中断させている。おそらく半永久的に活動できるようになったのだろう。
如何なる規模の軍隊や兵器が襲いかかろうとも、戦い続け、撃退する事も可能なはずだ。
ところがパイロットのアスカは生身のままなのである。
日々の食事や衛生管理、LCLの交換だって必要だ。
どことも知れない世界や集団を相手に、たった1人で生きていくのは不可能に近い。
いま一番必要なものをアスカは冷静に導き出す。
それは衣食住と情報だ。
とにかく今は状況を把握し、安全を確保しなければならない。
『降伏』という言葉に抵抗がないわけではなかったが、沸き起こる苛立ちを理性で押さえ込む。
正面モニターに映る青空を、アスカは睨みつけた。
「あたしは、シンジたちがいる世界に帰るんだ」
必ず帰って───シンジを守らなくては。
その想いが、彼女を冷静にさせていた。
A−10神経を通じて弐号機の両腕を上げさせ、敵対する意思が無い事を示す。
そしてプラグ内のマイクを起動させ、外部スピーカーで勧告を受け入れる旨を伝えた。
「その代わり、降りるのを手伝ってもらえる?
ちょっと特殊なのよね、このコクピット」
聞こえてきた少女の声と不躾な要求に、銃口を向けているロボットから困惑する雰囲気がみてとれた。
73 :
30:2008/06/10(火) 17:25:56 ID:???
「にわかには信じがたい話ね」
戦艦ミネルヴァの艦長を務めるタリアは、アスカの説明を聞き終えたあと、実に率直な感想を口にした。
その反応は当然だろう、とアスカは思う。
自分がタリアの立場なら、まったく同じ事を述べたに違いない。
それどころか誇大妄想の狂人と決め付けたことだろう。
現在、アスカはプラグスーツのまま拘束されていた。両腕を後ろに回し、頑丈な手錠をかけられている。
その上で、艦内にある営倉のような場所に閉じ込められ……扉越しに艦長直々の尋問を受けていた。
嘘を吐こうにも、こちらの世界の事は何一つ分からない。正直に事情を説明し、相手の反応を見ることにした。
その結果、幾つか分かった事がある。
言語に英語が使用されており、使徒と違って意思の疎通が可能であること。
空気や植物などの外的環境は、アスカのいた世界と大して変わっていないこと。
この戦艦や人型機動兵器の技術力を見る限り、この世界の科学がかなり進歩しているであろうこと。
そして───いま現在も、どこかと戦争状態にあるであろうということ。
「けれど」
タリアは副官から渡された報告書に再び目を通しながら、溜息をつく。
「この報告を読んだ限り、貴女の言葉を頭から否定することはできなさそうね」
それは艦内に収容したEVA弐号機に関する、整備班からの調査報告書だった。
エントリープラグ、LCLによる衝撃緩和などのパイロット保護、神経接続によるインターフェイス、特殊装甲、
肩部ウェポンラックに収納された武装の数々、アスカの証言と併せた調査結果が長々と記してある。
そのいずれもが「ザフトはもちろん、連合の規格や技術ではない」と結論付けていた。
何より驚くべきは、その構造とエンジンである。
「貴女は言ったはね、あの機体を汎用ヒト型決戦兵器……『人造人間』エヴァンゲリオンと」
口にした言葉が震えたのをタリアは自覚した。
そう。装甲の下にあったのは有機構造体───人工的な「生体」だったのである。
しかもスキャンされた結果、モビルスーツのエンジンに相当する部位が見られなかったというのだ。
つまり、アレは『人が搭乗し操作する生命体』という事になる。
タリアはザフト軍に所属する身であるから、当然「コーディネーター」である。軍人である以上、人並み以上に
科学技術や科学知識を持ち合わせているつもりではいた。しかし、この報告にあるような技術などタリアは知らない。
この惣流・アスカ・ラングレーと名乗る少女の「異世界から来た」という証言に、妙な説得力が生まれてくるではないか。
今まで抱えていた常識や観念が、根本からひっくり返された気分である。
74 :
30:2008/06/10(火) 17:26:56 ID:???
「そう、その量産型モデルよ」
扉に作られた小さな窓から、気の強そうな少女の声がはっきりと届く。
報告書のまとめには「同じものを作ろうとしても、おそらく不可能と思われる」とあった。
コーディネーターたる整備技術の専門家が断言しているのだ。それは間違いなく真実なのであろう。
だとすれば、ザフトは量産型の機体ですら模倣できないことになる。
今日に入って何度目かの溜息をタリアは漏した。
「分かりました。あなたの拘束を一時的に解きます」
「え、なッ。か、艦長ォッ!?」
タリアの言葉に、後ろで控えていた若い副官が滑稽なまでにうろたえだす。護衛の兵士達にも動揺が走った。
さすがのアスカも驚いた。
「あたしが言うのもなんなんだけど……いいの? そんなにあっさり決めちゃって」
太っ腹にもほどがあるんじゃない、という少女の言葉にタリアは苦笑を返してみせた。
「生憎、コーディネーターだから体重コントロールは完璧なのよ。だから、多少の太っ腹でも大丈夫」
「───ハッ、それはなんとも……羨ましい世界ね」
「何かあれば私が責任を取るわ。だから、できるだけ『何か』を起さないで頂戴ね?」
オロオロする副官と扉の向こうにいるアスカへ向けて、タリアは静かに微笑んでみせる。
悪い人間ではなさそうだ。思考に柔軟性もある。アスカは素直に感心する。
ミサトやリツコとは違うタイプの女性、どこか包容力のある大人だった。
ふと……脳裏に『母親』の姿がよぎる。
懐かしき暖かさと、じくりと感じる心の痛み。
「そのかわり、身柄と機体はザフト軍が預かるわ。今は作戦行動中なの」
「いいわ。そちらの指示に従う。ネルフが無いんじゃ、他に頼るところも無いしね」
タリアの言葉に、アスカも笑って返す。
とりあえず衣食住は確保できそうだ。
(───あとは情報か)
ここまでは順調だ。順調すぎて、少し怖くなったが……やるしか無い。
扉のロックが開錠される電子音を耳にしながら、アスカは不安を決意へとシフトさせた。
75 :
30:2008/06/10(火) 17:28:03 ID:???
まったく違う思考をする人間になりきって、黒のビショップを動かした。
白のポーンを排除し、陣地をさらに拡大させる。盤上の優勢が、一気に黒へと傾く。
そして思考を自分のものに切り替える。
「ふむ」
そうきたか、と対戦相手である自分の腕に感心してしまう。ここ数年でかなりの妙手だ。
『どう切り返したものか』と考えていると、卓上に設置したコードレスフォンが鳴り響いた。
「私だ」
チェス盤に広げた思考を、頭の中へと畳み込む。
回線を開き、報告を受ける彼は一片の曇りもなくプラント最高評議会議長であった。
「……分かった。報告書はこちらにも回してくれ。直接読みたい。
ミネルヴァは近くの基地で待機するように伝えてくれ。何があっても出撃は控えるように、と」
指示し終えると、彼はゆっくり受話器を元の位置に戻す。
「そうか、この時が来たか」
盤上を白と黒に二分する小さな世界を、彼は目を細めつつ眺めた。
机の上に飾っていた赤い小さなガラス細工を手にすると、そのままチェス盤の上へと乱入させる。
半透明な赤色を輝かせ、ガラスの女神像が世界の色彩を変えてしまう。
「忘れられし白き月と黒き月を呼び覚ます赤き女神は、果たしてどちらの未来を紡ぐのか……」
盤上の三者は黙して語らない。もとより答など期待してはいなかったが。
「未来の旋律を奏でる奇跡の価値、か。
さて、それは人間にとって───いや、それとも……?」
言葉遊びをするかのように、どこか楽しげな口調と表情で独り呟きを漏らす。
再び電子音が鳴り響き、通信回線が接続を要求してくる。
しかし男には、ギルバート・デュランダルには、それはどんな内容の通信なのか既に分かっていた。
「白き月からの使者、か」
男性にしては細い指が白いキングを手に取ると、黒のビショップを鋭く弾き飛ばした。
盤の外へと放り出されたビショップは、繰り返す電気の旋律の中、
そのまま床へと落下して
粉々に砕けた。
76 :
30:2008/06/10(火) 17:29:24 ID:???
地球連合軍の管轄下にある軍事基地ヘールマイヤー。
東アジア共和国の領海内にある小島に建設された小規模の施設である。
主に各種広域レーダーによる防空システムと海上警備、そして通信中継基地としての役割を与えられていた。
しかしユニウス・セブン落下による被害の影響は大きく、ザフト軍や親プラント国家群との戦争が激化しつつある現在、
急ピッチで再編成が行なわれている拠点だ。
その中でも特に急がれていたのがレーダー網の再整備であった。
「なんだ、こりゃあ?」
赴任したばかりのレーダー観測員が、間の抜けた声を上げる。
最初に異常を感知したのは防空システムの警戒捜索レーダーだった。
ペンシル・ビーム(棒状の電子ビーム)が常識では考えられない巨大な物体を探知したのである。
「どうした?」
「方位26-9、高度3000に、恐ろしくデカイのが急に現れたんだが……」
同僚の問い掛けに、観測員が検出された数値を読み上げてみせた。
「デカイって……戦艦クラスか?」
「いや、なんというか、モニターいっぱいに広がってるんだが……」
驚いていいのか困惑していいのか笑っていいのか、どうしたらいいのか分からないといった表情を向ける。
そんな表情を向けられた方は眉間にシワを寄せて、怪訝な表情を浮かべてみせた。
「レーダー撹乱……チャフの類か? だとすると敵部隊が近付いてるんじゃないか?」
声に緊張を含ませて問い質すが、返って来たのは煮え切らない唸り声だけだった。
「分からん、分からねぇ。こんな反応は初めてだ……」
「クソッ」
レーダー画面を前に呆然とする観測員を無視して、同僚は基地内に通じる回線を開こうとコンソールに手を伸ばす。
敵の攻撃に備え、この観測室は地下に作られている。ここからでは外を確認する事が出来ない。
小規模な基地とはいえ、偵察機やMSを飛ばすための滑走路がある。当然、それを管理する管制塔もあるのだ。
その管制塔から肉眼で確認してもらおうと考えたのだ。
ところがそこへ、その管制塔から通信が入ったではないか。その嘘のようなタイミングに驚きはしたものの、すぐに
回線を開いてインカムに声を飛ばす。
「どうした? 今ちょうどそっちへ確認をしてもらおうと……」
『こちら管制塔だ! 真昼間から、ありゃあ何の冗談だっ!? 防空レーダーは何を見てたんだ!?』
マイクが声を拾うよりも早く、怒鳴り声がヘッドホンを突き抜けて耳の奥を叩く。
脳が金属音を響かせて意識を揺さぶるが、次の言葉で我へと返る。
『とてつもなく大きな、鏡みたいなデケぇ円盤が飛んできてるッ! ザフトの新兵器か何かか、アレは!?』
77 :
30:2008/06/10(火) 17:31:04 ID:???
「なっ……!?」
振り返ってレーダー観測員を見る。その報告をインカムを通じて聞いていたのか、彼も驚きの表情を浮かべていた。
彼らはそろってインカムを床へと投げ捨てると、観測室を飛び出した。全力で階段を駆け上がり、外に出る。
潮の香りに満ちた空気が、肩を上下させる2人の鼻腔を刺激した。
「何も見えないじゃないか」
反応のあった方角を見ながら、抗議の声をあげる。青い空と白い雲しか見えない。
いや、違う。青く広がる空間の中で、キラキラと反射するものはなんだ。
水平線とは違う、空の中に浮かび上がる『線』のようなものはなんなのか。
「うわ」
観測員が小さな悲鳴をあげた。
ゆっくりと「それ」が近付くにつれ、空中に浮かぶ『線』でしかなかったものに『面』が生まれ、全体像が見えてきた。
巨大な、途方もなく巨大な、そして非常に薄い銀色の円盤だった。
まるで空を飛ぶCD−ROM。だがスケールが違いすぎる。
半径だけで十数キロメートルはあるだろうか。首を左右に動かして見渡さなければ、全体を視界に収める事が出来ない。
中心には小さな穴が開いており、小さな赤い球体が浮かんでいる。
短い間隔で重い鐘を鳴らすような低い音が、周囲の空気を振動させている。
それが円盤全体が鳴らしているのか、球体から届いているのかまでは分からない。
しかし何より特筆すべきは、その円盤の全体が1枚の鏡のようになっていることだった。
上方向の面に降り注ぐ太陽光が乱反射し、まるで天使の輪のような光の影を作り出している。
「おお……」
見上げる2人の視界に、円盤が映し出す海面が広がっていく。なんとも不思議な光景だった。
まるで海の一部が切り取られ、空中に浮かべられているようである。
「すげえ」
我を忘れて、思わず簡単の呻き声が喉から漏れた。
その声は観測員のものだったのか、それとも自分のものであったか。
管制塔にいる兵士も、外で作業をしていた整備へいたちも、配備された板MSに乗り込もうとしていたパイロットも、
そこにいる誰もが言葉を失い、唖然とした表情で円盤を見上げていた。
天使だ、と誰かが呟いた。それはかつて彼らの歴史から失われた存在。
まるでその言葉に反応したかのように、しかし賛同の声が上がるよりも早く、銀の円盤が蠢動する。
銀盤の表面に小波(さざなみ)が生まれた。
それは数十億枚はあろうかという正方形の鱗が、ぞわりと蠢いたようにも見えた。
蠢きが瞬時に全体へ伝播すると、中心にある穴が形を変える。球体を中心に据えたまま穴を拡大させ、縁(ふち)を
上下の鏡壁で取り囲む。その鏡の壁に、中央の穴に太陽の光が激しく反射する。
光は反射を続け、指向性を持たされ、光が収束し、鏡壁を上を滑るように走り出し、1つの光の輪を作り出す。
練り上げられた光は膨大な熱を生み出し、空気を暖め、気流が生まれ、風が強く吹き荒れる。
「あれは」
まぶしさに目を眩ませながら呻いた声は、風の音に吹き散らかされた。
そして次の瞬間、巨大な光の輪が彼らの頭上に奉げられ───
数十万度に達する熱エネルギーの直撃を受け、ヘールマイヤー基地は爆発し、
島と周囲の海水を巻き込んで蒸発した。
最初の形態に姿を戻した円盤は、何事も無かったかのように進行を始めた。
第参使徒ハニエルの襲来である。
03「 Gear-shift 加速運命 」に続く
というわけで第2話です
・・・あれ? おかしいな、もう1人のアスカが出てきて喧嘩するはずだったのに・・・?
別世界(コズミック・イラ)の使徒ということで、カウントは漢数字にして区別しています
一応、聖書にも登場する天使の名前をつけており、ハニエルはエノク書などに出てくる「美」を司る天使で
金星を守護しているとされてます
金星 → ヴィーナス → セーラーヴィーナス → クレッセントビーム
というわけで、この天使は光学攻撃を主体とします(笑)
こんなアホな作者ですが、もうしばらくお付き合いください・・・
GJ!!
GJGJ! C.E.とエヴァ世界の融合かー。大変だ。
さて、ありそうで無かった気になるWアスカの掛け合い、楽しみにしてます。
似た気質の2人だから、たぶん間違いなく口喧嘩になるだろーが、シンが負ける画しか思い浮かばん…。
なぜだろう?
シンは口論に強くないから
…アスカ相手に修行すれば、終盤で凸に言い負かされなくなるんじゃねえ?
しかし、種とエヴァが融合しても使途の性能がチート過ぎて
種キャラ乙な図しか浮かばないなー…どうにかなるんだろうか?
インパルスにロンギヌスでも持たせる?
インパやフリーダムなんて、所詮エヴァ世界の戦自のヘリか戦車程度。使徒の周りをブロブロ飛ぶのが関の山。
で、可粒子砲で瞬殺だろ?
この流れだとC.E.世界にも死海文書があるんだな。
はっ!? 議長ってもしかしてバーべム財団の総帥?
ところでLCLの供給はどうするんだ?
エネルギーがある限り濾過装置が働くので無問題。補充はどうするのか判らんが。
LCLくらいなら製造出来るんじゃね?
>>82 でも、映像見る限りではエヴァよりもMSの方が動く気がするよ?
まあ、落とす火力がないならデスマーチにしかならないけど
シン:海だっ! 山だっ! スイカがうまい!!…とゆーワケで『夏』だぁあ!!
アスカ:……アンタ、気ぃ早すぎ。まだ梅雨じゃん。しっかし、うっとぉしいわね〜。日本のこの時期って。
湿度が高いからベタベタして気持ち悪いったりゃありゃしない。
マユ:外国の方では“ジューンブライド”。結婚するのに一番いい季節って言うんですけどね。
アスカ:あら〜、マユちゃんもそーゆーのに興味がある年頃なんだぁ。んー、良きかな良きかな♪
マユ:そ…そりゃ一応、女の子ですからあこがれはあります。
シン:ダメ! 絶対! 兄ちゃんは許しません!!
アスカ:出たよ。このシスコンバカ兄貴は。
マユ:え〜、なんでよぉ?
シン:いいか? マユ。男はオオカミなんだ。お前はヒツジ。少しでも気を許したらパクッとやられるんだ!
ヒドいヤツは親友の彼女を寝取ったり、ニートなくせに彼女や姉の稼ぎで食わせてもらおうとするのもいるっ。
アスカ:……アンタ、特定人物のこと指して言ってない?
マユ:ね…寝取っ…、も、もうお兄ちゃんのヘンタイ!(真っ赤)
シン:ガーン!! へ…ヘンタイ…。お、オレが…。ルナにも言われたことないのに(ガックシ)
マユ:あ、あの…お兄ちゃん?
シン:(ずーーーん)
アスカ:あーもーっ、だから、うっとおしい季節にうっとおしい真似してんじゃないわよ!
ま、でも衣替えで夏服になったのは正直嬉しいわね。身体が軽いわ♪
マユ:そうですね。気分がやっぱり違いますね♪
シン:……夏服? (チラッ) ブッ! そそそそうだな。気分がちちち違うよなっ。
アスカ:なにアンタどもってんのよ? …って! あ、あ、アンタ、なに人の胸見て顔赤らめてんのよっ!
このエッチ! バカ! ヘンタイ! サイッテー!!
マユ:…………。……お兄ちゃん。
シン:ちっ、違うんだ、マユ! オレは単に夏服って生地が薄いなって! アスカは今日はピンクか、とかそーゆーことは…あっ、イヤその!
アスカ:うっわ、アンタそーゆー目でアタシ見てたんだ。しかもしっかり見てるし。このセクハラ男!
マユ:お・に・い・さ・ま・あぁー?
シン:だから違うって! てか、そーゆー服って判ってんなら、下にンなの着るなよっ。
オマエはも少し『ハジライ』とか『ツツシミ』とか言うモノを持てよ!
アスカ:うわ。スケベでヘンタイのくせに逆ギレしてお説教? 将来、性犯罪で新聞に載るタイプね。
シン:お…オマエなぁ!
マユ:……お兄ちゃん、やっぱりアスカさんみたいにオッパイ大きい女(ひと)が好きなんだ。
シン:マ、マユ?
アスカ:マユちゃん?
マユ:そりゃマユ、まだこんなだからお兄ちゃんも興味ないだろうけど……(サスサス)
アスカ:マユちゃんはこれからなのよ。大丈夫よぉ。あ、そいや他人から揉んでもらったら大きくなるって…。
シン:可愛い妹にヘンなこと吹き込むなぁっ! い、いいかマユ? 大きいって、アイツのはせいぜい標準サイズだろっ?
あんなんより、オレはどっちかって言うと小振りな方がだな…(アセアセ)
アスカ:……アンタって。
マユ:……やっぱり。
アスカ&マユ:サイッテェ!!!
シン:オマエらあぁーーっ!!(泣)
そういやCEにも出自が「クローン」かつ名前が「レイ」がいたな……
終盤はロンギヌス装備した大量のレジェンドが!?
レイ:君は俺に似ているな…
綾波:あなたも増えるの?
元ネタわかる人挙手
>>86 よもやまって、まとめサイトの? シンも脚本に恵まれてたら…。
>>88 元ネタが判らない…、負け組なのか?
俺もわからんぜ
>>87 ここのお勧めに次女のスレは入っていないのに隣の長女のスレは入っているのな
4コマ漫画集のやつじゃね
保守
保守
惣流・アスカ「アスカでーす」
シン・アスカ「アスカでーす」
惣流・アスカ「2人そろって!」
シン・アスカ「三波春夫でございます!」
惣流・アスカ「ちょっ、あんたバカァッ!? 2人なのになんで個人名なのよッ!?」
シン・アスカ「なんだと!? だったらオーブ野姫様を呼んでアスカ・アスハ・アスカにすれば良かったのかよ!?」
惣流・アスカ「誰もそんな子と言ってないでしょ、バカシン!
・・・くっ。ああ、もう! シンジと違って1文字足りないからゴロが悪いったらないわね!
アンタ、シンジに改名しなさいよッ!」
シン・アスカ「なんで俺がそんな理由で改名しなくちゃならんのだッ!?
アスランも加わってアスカ・アスハ・アスカ・アスランで『アスアス・カルテット』とでも名乗れば満足かよ!」
さすがアスカのお家芸だな!」
惣流・アスカ「アンタもアスカでしょうがッ!? というか人並みの会話ぐらい成立させなさいよッ!!」
保守代わりにバカなネタでも
>>94 そっこー、よもやまに上がっているが、管理人か?
アススト、アスシス、シンエヴァの続刊発行マダー∪ヾ(`。` チンチン
保守
保守
===コンコン===
艦長室のドアを開け、警備兵が敬礼をする。
「失礼いたします。先程、惣流・アスカ・ラングレーの身柄を確保。事情説明の為、連行いたしました」
机の上の書類から目を上げて、ミネルバ艦長タリア・グラディスは彼に答える。
「ご苦労様。貴方はもういいわ。下がってよろしい」
「ハッ! 失礼いたします」
もう一度敬礼を返し、警備兵は部屋を後にし、アスカのみ部屋に取り残される。
扉が閉まるのを確認し、タリアは大仰にため息をついてみせる。
「(怒ってる、んだろなぁ)……ども。惣流・アスカ・ラングレー。ただいま休暇より帰艦いたしました」
艦長デスクの前に行き、アスカは形ばかりの敬礼をする。
ギシッ。タリアの座る椅子が鳴る。
「…………(ハフ)。……アタシはね、昔、地球とのシャトル便の操舵士やってたの」
アスカとは目を合わせず、タリアはボソリと言う。
「はぁ? あの……艦、長?」
「……それがね、プラントもある程度自治が整ってきた。そうなると自警団を持たなきゃいけないってなってきて。
プラントを護る。つまりは外敵とか隕石とかからね。作業するにはアストロノーツ(宇宙飛行士)の技能がいるの。
で、んなの悠長に育成してるヒマなんてないって言われて、『取りあえずオマエラがやれ!』って。
ヒドいと思わない? のんびり地球とプラント往復してたのに、いきなり次の日から軍隊と同じ地獄の士官教育の日々の始まりよ」
「はぁ、まぁ」
なぜにいきなり昔話? アスカはワケが判らずあいまいに返事をする。
「周りは男ばかりでね、『どうやって管理長官(今でいう評議会議長)に取り入ったんだ』とか、
『女は頭使わなくても肢体(カラダ)使えばいいからな』とか、相当言われたものよ」
タリアが遠くを見つめ、鼻で笑う。
「えーと……」
アスカは現状とタリアの話の接点を見いだそうと頭を捻る。が、解らない。
「……そいつ等を見返す為に勉強したわ。毎日毎日寝る間も惜しんで参考書睨んで、身体鍛えて…、
ま、その結果、1年後にはそいつ等全員部下にしたけどね」
「はぁ…、凄いんですね」
「あれから幾年か立って、いろいろあったけど、それなりの成果も上げて……。
ある人の推挙もあって、今回ザフトの最新鋭艦“ミネルバ”の艦長を任されることになったのよ」
(ある人、ねぇ)
アスカの脳裏に、長髪の某氏の姿が浮かぶ。
「よ。プラントドリームの体現者♪ ハハハ…」
アスカは取りあえず調子を取ってみる。
「…………」
「…………」
「……なのに(プルプル)」
「 ? 」
「なぁのにアンタって娘はああぁ!!!」
「(ビクゥッ)!!?」
叫ぶタリアは傍らに置いてあったスケッチブックをアスカの眼前に突きつけ、紙芝居よろしくめくってみせる。
《ミネルバの正面図》
(ミネルバよね? ださっ、しかも手書きだしっ!)
「せっかくの晴れ舞台っ。化粧もバッチリ! 美容院でブローまでしてもらって進宙式に臨んだってぇのにっ!」
さらにタリアはページをめくる。
《起動するガイア、アビス、カオスの図》
「一緒にお披露目予定の3機の“G”は強奪されてっ、アーモリー1の宙港はメチャクチャっ!」
《剣を構えたインパルスの図》
アナタも勝手に飛び出していくから式典もしないうちに、こっちも追いかけなきゃしようがなくなってっ!」
《叫ぶアスランの図》
(こ、これは人間、かしら? パースが狂ってるしっ)
彼を知ってるからこそ、コレがアスランであると認識できるが、初見の人には単なる落書きにしか見えないだろう。
「宇宙に出てみりゃサクッと敵の罠に嵌まってっ、なしくずしに戦闘になって、
さぁ腕の見せどころと意気込んでみれば、オーブの民間人に勝手に作戦仕切られて、立つ瀬無しっ!」
《ユニウスセブン フレアモーター作動の図》
「なんとかなったと思ったら、今度はあの“ユニウスセブン”が落下!?
近いからって理由だけで追っかけさせられてっ!」
《迫るジンハイマニューバ‖型の図》
「あまつさえテロリストと戦わされて! しかも犯人はコーディネーターでっ!」
《落下するユニウスセブンの図》
「降りるつもりも予定も無いってぇのに、ユニウスセブン砕く為に地球に降りるハメになって! 」
《流星、地球に墜ちるの図 なぜか流星は☆ヾマーク》
「砕いても破片がバラバラ墜ちてっ、悪いコトした覚えてもないのに陰で恨み言言われてっ」
《カガリ、ユウナに抱きつかれるの図》
「オーブのお姫様をお家まで送らされて! ミネルバはハイヤーじゃないってえの!」
《絆創膏をたくさん貼り付けたミネルバの図》(をい)
「いきなり新品だった船体はボロボロだわ、これからのことを思うと頭が痛いわ、胃はキリキリするわで!」
《十字架の前で祈るタリアの図》(笑)
「もうこれ以上の不幸はないだろう、無いと言ってくれと、信心も無いのにガラにもなく祈ってたら、何?」
《アカンベするアスカの図》(アタシはもっと可愛い!)
「部下は上陸のどさくさでバタバタしてる時に、紙切れ一枚残してホイホイ勝手にどこかに行ってしまいましたぁ!?
アナタはっ、アタシになにか恨みでもあるんですかぁーっ!!!(号泣)」
そこまで言いタリアはスケッチブックを放り投げる。
「……あの艦長? 誰に説明してるんですか?」
「アナタに決まってるでしょっ!」
「(ならこっち向けよ…)はぁ、ゴクロウサマデス…」
しかしずっとコレを描いていたのだろうか? 取りあえずタリアに絵心はあまりないことが解った。
(“艦長”ってもしかしてヒマなのかしら?)
まあ、これで今までの話の流れは大体解ってもらえたであろう(誰に?)。
「いやでもホラ、『可愛い娘には失踪させろ』、ってよく言いますし」
「そんなやさぐれた格言はありません!」
間髪を入れず、タリアがツッコミむ。
(むう…。頑固者め)
アスカはひとつ大きく息を吐き出すと、おいおい泣くタリアの側に行く。
「その…。悪かったって思ってるわよ。……タリア叔母様」
アスカは人前では絶対言わない秘密を言う。タリアの肩が揺れ、やっとアスカと視線が合う。
「ああんもうっ、この娘は心配ばかりかけるんだから!」
そう言うとタリアは立ち上がり、アスカをきつく抱き締める。
アスカとタリアに血縁がある訳ではない。ただアスカ達がワケあってオーブからプラントへ移住した際、
アスカと“彼女”が頼ったのが、このタリアであった。
ナチュラルのアスカがプラントのアカデミーに入ることが出来たのも、正直タリアが手を回してくれたおかげである。
もちろんその後はアスカの実力であるが。
それにタリア自身、なんと言うか…“母性”が強いのだろうか、
アスカの身の上を聞くと、アスカのことを自分の娘のように接してくれた。
「アナタがこの機会にオーブに帰国して、帰らないってことになったら、私、あの娘になんて言えばいいのよぉっ」
ハグを返しながらアスカは、タリアには聞こえないよう息を吐く。
(今さら…今さら帰れるワケないじゃない)
悪い人ではない。だがその必要以上の愛情はアスカにとって少々うっとおしくもあった。
アスカの今回の初所属がミネルバなのも、アスカとタリアの関係を知る“誰かさん”のせいだとアスカは疑っている。
だから悔しい。
『認められていない』 そんな想いがアスカの胸を刺す。
だが、そんなことをタリアの前で言うわけにもいかない。だから艦内では必要以上に上官として接していた。
アスカはなんとかタリアをなだめ、さりげなく身体から引き離す。
タリアも、まだ鼻をすすりながらも艦長帽を被り直す。やがて艦長の顔になり言う。
「取りあえず、惣流・アスカ・ラングレーには猛省を求めます。許可あるまで独房に入ってなさい!」
「……はぁ〜い」
「ア・ス・カ!」
「はいっ。惣流・アスカ・ラングレー。独房へ行って反省してきます!」
ピシッと敬礼するアスカにタリアはひとつ息を吐き、警備兵を呼ぼうとインタフォンに手を伸ばす。
「あ。その……艦長」
「 ? なぁに?」
どうしても確認しておかなければならないことがある。
ラクス襲撃の件。どうやらあの時、アスカがラクス・クラインと一緒に居たのは、まだバレてないようだが。
だがどう言うべきだろう?
“ラクス・クライン”が、現在もプラント市民の心の支えになっているのは、まぎれもない事実。そして重要人物であることも。
(艦長は、あの“ラクス・クライン”がオーブにいることを知ってますか?)
駄目だ。なぜかは解らないがラクス・クラインはプラントにも“存在(い)”るのだ。
そして、現在オーブに隠遁しているラクスはコーディネーターの特殊部隊に襲われた。
あの屋敷に“フリーダム”がなければ、たぶんアスカも今、この場にはいないだろう。
あえてどっちの“ラクス”が本物と言うつもりはないが…。ふたりのラクス。そして片方の謀殺の事実。
あまりにも大きくデリケートな話だ。アスカは頭をフル回転させ、タリアに言う。
「艦長は……。艦長は『ラクス・クラインの歌』、好きですか?」
タリアは腹芸が得意なタイプではない。プラント上層部と関係のあるタリアだ。
なにか知っていれば、なんらかの反応を示しそうだが。だが。
「ん? 嫌いではないわね。 けど最近の流行りにはついて行けなくてね。……歳かしら?」
タリアのあっさりとした返事。その言葉に、裏側は見えない。
「じ、じゃあ、今オーブに駐留しているザフト軍って、アタシ達以外でありますか?」
「 ? いいえ。特別な許可がない限り、オーブに他国の軍が入れないことくらいアナタも知っているでしょ」
「いえ、はい、まぁ」
(あぁもう! イライラするぅっ)
ムカムカムカ。あまりにもあっけないタリアの言葉に、アスカはだんだん腹がたってきた。
(な〜んでアタシがあんなピンク女ギツネの為に、こんな気ぃ使わなきゃいけないのよ!!
てか、あんなヤツ、今のうちに闇に葬ったほうが、世のため人のためザフトの為じゃない!?)
うつむきプルプルとアスカはコブシを震わす。
「 ? 変な娘ね。アナタはどうなの? ラクス・クライン。 好きなの?」
年頃の娘を持つ母親(のつもり)としてタリアは、アスカにはラクスほどとは言わないが、それ相応なレディになってほしいと思っている。
ので、プラントにおける若者のファッションリーダー的な彼女に、アスカが興味あるのかと軽口のつもりで言ったのだが。
「(ぷちっ)どぁ〜いっ、キライっ!!!」
……それだけ言うとアスカは艦長室のドアを開け、外で待機していた警備兵を押し退け、自習室に向かうのだった……。
第2部に続く…のか?
皆さん、おぴさ♪です。
アス・スト、今回は1部を振り返ってみよー。とゆワケで総集編。でも基本本編遵守なんでいらなかったかな?
「美容院行ってブローして…」のくだりで、アスカに、
「あぁ、その時その甲殻類頭に乗せたんですね」
って、言わせられない自分は小心者っス。
出来れば一度でいいから、あのシャワーを浴びてる時の髪型で出てきて欲しかったな。
さて第2部は、その頃オーブ行政府では…? から始めてみようかと思っています。
お付き合いいただければ嬉しいです。でわ♪
ブレーキ役がいないと艦長さんの胃が心配ですね
ここは今後来るであろう中間管理職殿に頑張ってもらいたいところです・・・既に下僕化フラグが立っている気もしますが
まあそんな事よりも ふ と も も は 〜?
バレルのふともも? ……見たいのか?
忘れてた。GJ! タリアってアスカの後見人だったのね。
皆様、お久しぶりです。
以前、アスカ姉妹を掲載させて頂いていた者です。
実は最近まで少し体調を崩しておりました。
ぼちぼち回復して参りましたので今後、折を見て少しずつでも書かせて頂きたいと思います。
本日はご挨拶だけで失礼させて頂きます。
落ちたのかと思ったが、気のせいだったみたいだ。
アス・ストGJ! タリア、そこらのオバちゃんだな。人間くさくて良♪
アスシスさんお久♪ 楽しみにしとります。
保守
保守
しかしなんだな。職人が来ないと話題が無いってのはツラくないか?
もう少しなんとかならんもんかね。
どうだろう。各職人さんに「コイツを出して欲しい」とか、「これからこうなるんじゃね?」とか言ってみるのは。
まぁ多少はキャラ贔屓の困ったチャンが来る可能性はあるが、スレは進むだろうし話題も出来る。
職人さんはそれを見ながら予想外の遥かナナメ上の話作ったり、話のクオリティを高められたりするんじゃね?
取りあえずアスカ・ストライク!さんには、アスカとシンジとの邂逅を求む!!
敵味方に別れた2人がそうとは知らずに闘うところが見たい。
それは
つシンジ死亡フラグ
だと思います。
>>111 >>112さんの言うとおりかも・・・・・
デストロイに乗るシンジ。
それを殺るフリーダム。
って展開になりそうで・・・・・
それならば、ここはぜひミサトさんに出張してもらうべき
でないとアスカの暴走が止まりそうもありません
ここまで書いて、そういえばタリアがなんか言っていたな?と思ったが
>私、あの娘になんて言えばいいのよぉっ
あの娘って年じゃないよな?
>>114 まとめサイトに行ってアス・スト全部見れ。大体想像が(たぶん)つく。
俺的には早く出てきて欲しい。
彼女はコーディネーターだったよな?
「気分はどうだ? ……キョウコ」
ハインツはモニタールームから、ガラス張りの狭い実験室に据えられた椅子に座る妻に声をかける。
キョウコの上半身を覆う巨大なヘルメットのようなモノ。それから伸びた幾本ものコードの端子が、
キョウコの頭部に、そして身体中に貼り付けられている。
正確なデータを採るため、薄布一枚で、椅子にベルトで固定されたキョウコの身体が痛々しくも見える。だが。
『良好よ。ハインツ』
スピーカーから聞こえるキョウコの声。そこに、惑いはなかった。
正直ハインツは、この実験の被験者になってほしいとキョウコに告げた時、彼女は拒否すると思っていた。
ハインツを凌駕するほどの頭脳と、科学者としての知識を持つキョウコである。
この、未知の実験の危険性、不確性、曖昧さをハインツ以上に理解しているはずだ。なのに。
『――ええ。いいわよ?』
なのに、その返事は拍子抜けするほどの明るいものだったのだ。
ハインツの胸になにかがチクリと刺さる。それをふり払うようにハインツは頭を振る。
「……。マヤ、そっちはどうだ?」
続いて、傍らで端末を操作するマヤを見やる。
「脳波、心拍数、ともに正常値。アストレイの義体とのハーモニクス、誤差修正、認められません」
ハインツが頷く。
「――よし。ではこれより、“M.A.G.I.”に被験者との、パーソナリィ・トランスプランテーション(人格移植)を開始する」
マヤがおずおずと口を開く。
「……博士。あの、よろしいのですか? “M.A.G.I.”の開発はウズミ様の命令で凍結されたんですよ?
これでは完全に命令違反ですっ。しかもその実験にキョウコさんを使うなんて……。
まだM.A.G.I.とのクロス・マインドの安全性は、十分確認されたわけじゃ…っ」
「うるさいっ!!」
ハインツがスチールの壁を叩き一喝する。普段のハインツからは想像できない怒声。マヤの細い肩が跳ねる。
「……っ。……すまない。大丈夫だ。この実験さえ成功すれば、ウズミだって考えを変えるはずだ。
君はいつも通りやってくれればいい」
普段は敬称をつけウズミを呼ぶハインツが、侮蔑するかのごとく言い捨てる。
すべての行動が普段のハインツとは違う。あの優しげなまなざしも、物腰も、今のハインツには、感じられない。
「…………。……自分の仕事はします。ただ納得はしていません」
マヤの言葉にハインツは視線をあわせず、言う。
「“潔癖症”はな、つらいぞ。いろいろとね。 ――第1次接続、開始」
「…………。――了解」
どうあっても中止する気はないようだ。マヤは説得をあきらめ、視線をモニターに向かわせる。
今、オーブの地で。悪夢の実験が始まった……。
――――続く。
117 :
アス・スト:2008/06/25(水) 22:24:59 ID:???
ども。今回予告したにも関わらず! バレルのふとももでも、役立たずカガリでもなく。
過去。なぜアスカがオーブを追われなければいけないのか? その時、のお話ですね。
まとめサイト『アスカ・ストライク!4巻 Insane―狂気―』の続きですね(遠い眼)。
時系列があっちこっち行って混乱しますねぇ。いや、だって、ある程度伏線回収しとかないと…。
アスカパパがマッドになってしまいました。ホントは良い人なのにね。
手前みそながら、前日のウズミとハインツの決裂のお話は気に入っております。
おひまな時にでも覗いてくださいませ。でわでわ♪
おお、いつの間にかきてるGJ!GJ!!GJ!!!
しかし、今の話よりこっちの過去話の方が好きな俺は異端なのか?
アスカパパ、どうせなら凄い悪役になって欲しいぜ。
…………ん?
……もしかして……。
実は生きていてラスボスだった! ……とか。
皆様、今晩は。
とてもお久しぶりです。
「シンエヴァもどき」を書かせていただいている者です。
アスストさん相変わらずGJです。
>>111 アスストさんにはラクスとアスカがもう少し親しくなってから戦って欲しい。
アスシスさんにはマユを人質に取られて身動きがとれなくなるとか……。
前回から間が開いてしまって大変済みませんでした。
以前、7割できているとかいっておきながらこのていたらく。
今回の分のデータが飛んだとか、PCが故障したとかアクシデントはあるにはあったのですが……。
全ては危機管理が出来ていなかった当方の不始末。
何事もバックアップは必要だねという良い教訓を得ました。
(リツコさんに「無様ね」とかいわれそうですね)
では今回も長めになってしまいました。
12レスほどですがおつきあいのほどよろしくお願いします。
ピラミッドを二つ重ねたような無機質な使徒の円周部に突然、光が走る。
「目標内部に高エネルギー反応!」
「え?!」
「円周部を加速、収束していきます」
「まさか!?」
オペレータ達の言葉にいつの間にか指揮所に戻っていたリツコがつぶやく。
「駄目ーッ! お兄ちゃん逃げてーッ!!」
マユの叫ぶと同時にきれいに舗装された道路が幾重にも開き、地下からエヴァ初号機が現れる。
「えっ?!」
使徒が放った光の刃が使徒と地上に現れた初号機との間にあったビルを貫き、そのまま初号機へと突き刺さる。
「アアアアァァァァッッッッ、グアアアァァァァ!!!」
水温が急上昇し、煮え立つように数限りなく泡立つLCLの中で胸を刺し貫かれるような痛みと熱に悶え叫ぶシン。
エヴァ初号機の胸部装甲が目映い光とともに次第に融解し始めた。
「シン!!」
マユの悲痛な叫びが指揮所中に響いた。
「戻して!! 早く!!」
急いでエヴァの回収をクルーに指示するマユ。
使徒は初号機に光の矢を打ち込み続け、目標が地上から完全に姿が見えなくなるとようやくその光の矢を納めた。
「目標、完黙!」
モニタースクリーン上、光の矢を納めた使徒の姿にオペレーターの声が被さる。
「お兄ちゃんは?」
オペレーターの日向マコトの方に振り向きシンの安否を尋ねるマユ。
「生きています!」
マコトは不謹慎にもそのマユの切なげな真顔にまじまじと見つめていたいほどの胸のときめきを感じていた。
「初号機回収、第7ケイジへ!」
マユはその報告を聞くと矢も楯もたまらず指揮所を後にした。
「私はケイジへ行くから。……ごめんなさい、後、お願いします!」
マユは後のことをリツコへ頼み、ケイジへ向かう間中、ひたすら心の中でシンのことを繰り返し呼んでいた。
マユがケイジにつくと、既に初号機からエントリープラグは途中まで引き抜かれLCLの排出作業が行われてた。
「そんなのいいから、ハッチ開けてよ! 早く!! シンが、お兄ちゃんが死んじゃうよ!!」
半泣きで叫ぶマユの前でプラグ取り出されハッチが開かれるとそこには鼻血を出し、気を失ったシンが現れた。
マユはストレッチャーに固定され、看護士と医師により運ばれるシンに目を真っ赤に腫らしながら無言のまま、
小走りで付き従う。
処置室へ消えるシンと医師達。マユはその後姿をただ見送るしかなかった。
「お兄ちゃん……、シン」
処置室の扉が閉まり、『処置中』の明かりがつくと彼女はその壁の方に向いて立ったまま額をつけるとそう一言
つぶやいてから肩を震わせて泣いた。
シンの処置が終わり、彼は眠ったまま再び病室へと運ばれる。
そしてマユは一人、マユとシンだけしかいない病室で彼のベッドの側に立って彼の寝顔を悲しげに見つめていた。
前回は彼のベッドの側の椅子に座り、泣き疲れてそのまま眠ってしまったのだが今は椅子に座りもしない。
そうしてマユは暫くシンの寝顔を眺めていたが、『いってくるね』と彼のその寝顔に微笑み一言声をかけると、
病室を後にした。
病室を出た彼女の表情は先程までの気弱な少女のそれは違う決意を秘めた強い意志のようなものが浮かんでいた。
――第六話 決戦! 第三新東京市
「ダミーバルーンおよび、威嚇攻撃を行った12式自走臼砲は荷粒子砲により消滅。
以上これまでに収集したデータによりますと、目標は一定距離内の外敵を自動排除するもの、と推測されます」
なるほどねー、とマユは少し感心した表情浮かべてつぶやくと、ぼんやりと天井の方を見上げた。
「エリア侵入と同時に荷粒子砲で100%狙い撃ち、エヴァによる近接戦闘は危険過ぎますね」
「そりゃそうだよね。……で、A.T.フィールドはどうなの?」
マユは天井から報告している職員へと視線を戻した。
「健在です。相転移空間を肉眼で確認できるほど、強力なものが展開されています」
芳しくない報告にマユはいっそう眉間にしわを寄せた。
「誘導火砲、爆撃などの生半可な攻撃では、泣きを見るだけですね、こりゃあ」
マコトは今回、マユと交わす会話が多く、少しだけ浮かれてしまい、なんとなくにやけて軽口が出てしまう。
周囲のスタッフにはまるでマコトのおしりにブンブンと振られているしっぽが見えるようだった。
(この忠犬ロリ公め……)(不潔です……)(やっぱり彼、特殊な性癖の持ち主かしらね、興味深いわ)
ネルフの命運がかかっている会議中だというのにマユを除く面々の雰囲気は今ひとつ緊張感に欠けてなくもない。
「攻守ともにほぼ完璧? ……まさに空中要塞ってやつ? ところで問題のシールドはどうなってるのかな?」
ゆっくりとネルフ本部直上まで移動した使徒はぴたりと停止して、その真下へと掘削用のシールドのようなもの
を出してジオフロントへと掘り進んでいた。マユはそのシールドの状況をオペレーターに確認する。
「現在目標はわれわれの直上、第三新東京市ゼロエリアに侵攻、直径17.5mの巨大シールドがジオフロント内、
ネルフ本部に向かい穿孔中です」
「敵はここ、ネルフ本部へ直接、攻撃を仕掛けるつもりですね」
マユはそのマコトの言葉に思わずぼやく。
「最悪だね……で、到達予想時刻はいつになるのかな?」
「明朝午前0時06分54秒、その時刻には22層全ての装甲防御を貫通してネルフ本部へ到達するものと思われます」
後10時間足らずか、と呟くマユ。あまり時間はない。打てる手もない。常識的には最悪の状況ともいえる。
そんな中でその問題のシールドの状況が報告される。
「敵シールド、第一装甲版に接触!」
じわじわとネルフののど元に突き刺さっていこうとする使徒の刃。
「で、こちらのエヴァ初号機の状況はどうなの?」
マユは今度はリツコの方へと視線をとばす。
「胸部第三装甲板まで見事に融解。機能中枢をやられなかったのは不幸中の幸いだわ」
「後3秒照射されていたら、アウトでしたけど……」
マヤがリツコの言葉を補足する。そしてケイジの方からも3時間後には換装作業が終了する予定だとの報告があった。
「了解です、ありがとうございます。……ところで零号機の方は?」
「再起動自体に問題はありませんが、フィードバックにまだ誤差が残っています」
『実戦は……』とマヤの報告をリツコが補足しようとしたが、最後まで聞くこともなくマユはその結論を呟いた。
「まだ無理ってことだよね……、今のところは」
「初号機専属パイロットの容体は?」
マユはあえてシンの名前を呼ばずに、専属パイロットと呼び、今までと同じ事務的な口調でマコトに訊いた。
「身体に異常はありません。神経パルスが0.8上昇していますが、許容範囲内です」
マユは周りにわからないように気を遣いながらかすかにほっと胸をなで下ろしていた。
「敵シールド到達まで、後9時間55分!」
そのとき、再び、使徒が放ったシールドについての情報が入った。
「ほんっと、状況は芳しくないよね」
「白旗でも揚げますか?」
マユの言葉にマコトは興に乗ってつまらない冗談をいってみる。
「まあ、それもいいんですけどね、その前にちょっとだけやってみたいことがあるんだ」
何か面白い悪戯でも思いついたかのようにマユはにやりと笑ってみせた。
「目標のレンジ外、超長距離からの直接射撃かね?」
だだっ広く悪趣味な司令執務室。そこでマユの突拍子もない作戦企画に驚きの声を上げ、聞き返す冬月。
「そうです。目標のA.T.フィールドを中和せず、高エネルギー収束帯による一点突破しか方法はありません」
二人を見据えたままマユは強い自信を持った口調で断言した。
「MAGIはどう言ってる?」
そんなマユに冬月が質問を続ける。
「スーパーコンピューターMAGIによる回答は賛成2、条件付き賛成が1でした」
「勝算は8.7%か……」
「最も高い数値です」
「ところで、碇一尉、君自身はその作戦内容についてどういう結論を出したのかね?」
冬月のマユの会話に今までマユを見据えて黙っていたゲンドウが急に口を挟み不可解な質問を投げかけた。
「……MAGIと同じです」
マユはいったん躊躇しながらもはっきりと答えた。だからこそマユはこの企画をあげたのだから。
「反対する理由は無い。やりたまえ、碇一尉」
「はい」
「しかし、また無茶な作戦を立てたものね、碇作戦部長さん?」
リツコは彼女の“研究室”で許可の出た作戦計画書を二人で見直していた。
「別に無茶とは思ってないよ。残り9時間以内で実現可能、おまけにもっとも確実なものだから」
「これがねぇ……」
リツコはそんな声を上げながら、ぺらりと計画書のページを1枚めくった。
「……ねえ、マユ、シン君のところにいっておかなくていいの? 作戦説明をするとかで理屈はつくんじゃない?」
リツコは計画書に視線を向けたまま、これまでと声色をかえてマユに話しかけた。
その彼女の表情はまるで『心配じゃないの?』とでもいいたげで、そしてそこにはあたかも親友か自分の娘か妹へ
向けるような少し暖かで相手を親身に心配する色を漂わせていた。
「……ん、ありがと。処置後すぐにちょっと寝顔見たし。
私はあの使徒に勝てるようにこの作戦の成功の確率を少しでも引き上げる。
そのために自分がなすべきことをする。それが今、私のやるべきことだから」
マユも計画書へと視線を走らせながらいつもより少し低い声でリツコの問いに答えた。
ゲンドウやその妻のユイも結構頑固だが、マユも負けずに頑固な性格だとあきれ顔でリツコは一つため息をついた。
(そんなところが似ててどうすんのよ、まったく……)
「で、その作戦だけど、うちのポジトロンライフルじゃ、そんな大出力に耐えられないわよ。どうすんの?」
リツコは声色を元に戻し、そこで初めてマユの顔を見て話をした。
「決まってるよ、借りるんだよ」
マユもリツコへ視線を向けてその薄すぎる胸を張って答える。
「借りるって、まさか……」
「うん、そうだよ。戦自研のプロトタイプ」
こともなげに無邪気そうににっこりと笑って言い切るマユ。
そしてマユはまもなく戦自研に姿を現していた。
「……以上の理由により、この自走陽電子砲は、本日15時より、特務機関ネルフが徴発いたします」
彼女は戦略自衛軍の研究所に乗り込み、担当者に自走陽電子砲の徴発要請書をかざしていた。
「かと言って、しかし、そんな無茶な……」
しかし、そのご無体で慇懃無礼だが高圧的な要請命令に文句を言うべきか――。
それとも小学生のような少女がネルフの代表としてここに来ていることにつっこみを入れるべきか――。
小学生にも見えかねないマユの姿を目の前にしてその戦自研の研究員は盛大に迷っていた。
だが、彼が迷っている間にも自走陽電子砲は接収されていく。
「しかし、A.T.フィールドをも貫くエネルギー算出量は最低1億8千万キロワット。
それだけの大電力を、どこから集めてくるんですか?」
そんな質問をしたマコトに言わずもがなのことだと言わんばかりにマユは笑って答えを返す。
「決まってるよ、日本中からだよ」
TVの臨時ニュースで、街角の広報用のスピーカーで、そして宣伝用のヘリのスピーカーで……。
全ての“広報手段”を用いて同様の内容の呼びかけがその日のうちに日本全国津々浦々隅々にまで流された。
『……本日、午後11時30分より明日未明にかけて、全国で大規模な停電があります。
皆様のご協力をよろしくお願いいたします……』
「敵シールド、第七装甲版を突破」
オペレーターのその言葉がマユ達に使徒の攻撃が刻々とジオフロントに迫っていることを否応なしに意識させた。
「エネルギーシステムの見通しは?」
「現在予定より3.2%遅れていますが、本日23時10分には、何とかできます」
「ポジトロンライフルの方はどうかな?」
「技術開発部第三課の意地にかけても、後3時間で形にして見せますよ!」
その技術開発部エンジニアの自信ありげな答えに『よろしくね♪』と笑顔で応えるマユ。
「いや、てっきり、こっちだけじゃなくて噂のあっちも接収するのかと……」
そのエンジニアが報告の後、ぽつりと呟いた。
「ああ、エヴァのサポート用ってことで開発されているとかっていう風神と雷神ってやつのこと?
あんなんじゃあ攻撃可能な距離まで接近する前に木っ端みじんにされるのが落ちだよ。
まあ、エヴァの囮くらいにはなるかもしんないけどね。
でもそれに新国連軍からの委託開発でまだテスト段階って話でしょう?
……そんなひも付き接収してもね。壊して返したら何言われるかわかったもんじゃないよ」
マユはそんなネガティブな感想を述べてから作戦の内容に戻った。
「防御手段は?」
「それはもう、盾で防ぐしかないわね」
リツコは格納庫の隅に立つエヴァほどの高さを持つばかでかい金属の板を指し示した。
「これが……盾ですか?」
マヤがとても懐疑的な声を上げた。
「そう、SSTOのお下がり。見た目はひどくとも、もともと底部は超電磁コーティングされている機種だし、
あの砲撃にも17秒はもつわ。二課の保証書付きよ」
「上出来だね。狙撃地点は?」
「目標との距離、地形、手頃な変電設備も考えると、やはりここです」
マコトは立体化された地図の一点を指し示した。
「フーン、ここなら確かにいけるかな……」
マユは地図の一点を凝視しながら作戦をイメージした。
「狙撃地点は二子山山頂。作戦開始時刻は明朝0時、以後、本作戦を、ヤシマ作戦と呼称します!」
「了解!」
マユの毅然とした声にマコトは妙にノリノリな声で答えた。
(後は、パイロットの問題ね……)
リツコにとっての残り一番の気がかりはあそこまで嫌な思いをしたシンが再び初号機に乗るのかということだった。
「初号機パイロットの意識が戻ったそうです。検査数値に問題なし」
その状況報告を聞いてこともなげに答えるマユ。
「そう。では作戦は予定どおりにいきます」
「了解!」
「でも彼、もう一度乗るかしら?」
スタッフ達がヤシマ作戦の準備で人が大わらわで動く中、リツコはマユに対して先程の懸念を言葉にしてみた。
実のところ、シンが初号機に乗らなければこの作戦の実行自体が非常に難しくなるといえるのだが。
「大丈夫だよ、あのお兄ちゃんだからね」
「信頼しているってわけ?」
「ううん、ちょっと違うかな。お兄ちゃんはへそ曲がりでちょっと、じゃなくて相当なスケベでお調子者だけど、
結構負けず嫌いの熱血おバカだから、あんな風に無様に負けたまんまにはしておかないと思うんだよね」
「まさに父親似ね。蛙の子は蛙ってこと?」
リツコはやれやれといった表情を浮かべて苦笑した。
「ああ、うん、そうだね。……だから大丈夫だよ」
そんなリツコの苦笑にマユも苦笑混じり笑顔で答えた。
「ん? あぁ……?」
また今度もネルフ内にある病院の病室で目覚めたシンの目の前にあのときのように見知らぬ天井が広がっていた。
前回の入院の時にはすぐ側にマユがいてくれたのだが、今度はマユがいないことがなぜか彼は無性に寂しかった。
入り口に人影を感じたシンはマユかも知れないと淡い期待を持って気配のする方へ視線を向けた。
「マユ? ……レイか」
シンはその人影がマユではなくて大いに残念だったが、レイで良かったような気もしていた。
「明日、午前0時より発動される、ヤシマ作戦のスケジュールを伝える」
レイはため息混じりのシンの言葉には何も答えず無機質な声で事務的に作戦概要が書かれたメモを読み上げた。
「碇・バレルの両パイロットは、本日17:30(イチナナサンマル)、ケイジに集合。
18:00(イチハチマルマル)、初号機および零号機起動。18:05(イチハチマルゴー)、発進。
同30(サンマル)、二子山仮設基地到着。以降は別命あるまで待機。
明朝日付変更と同時に作戦行動開始。……以上だ」
そしてレイはシンのベッドの上にパサリとビニールで包装された制服を放った。
「これが新しい着替えだ。寝ぼけてその格好で来るなよ。俺は問題ないが」
「ん?……わっ!……すまん!」
シンは真っ裸のまま状態を起こしていたことに気がつき、あわてて掛け布団を胸まで引き上げた。
「……俺、昨日から謝ってばかりいるな……」
「そうか? 俺は気にしていない。それとシン、食事をとれ」
「あまり食べたくないな」
シンはまだ胃が食事を受け付けてくれるような状態ではなかった。
「60分後に、出発だ」
「なあレイ、お前もあれに乗るのか?」
「ああ、そうだ。エヴァに乗る。……もし、お前が乗りたくないというのならこのまま寝ていればいい」
「え? 寝ていればって……なんだよ?」
レイの意外な言葉にシンは思わず聞き返した。
「初号機には代わりに俺が乗る。赤城博士が初号機のパーソナルデータの書き換えの用意も出来ている」
「リツコさんが? 別に俺は乗りたくないなんていってない! だから“レイも”って訊いたんじゃないかよ。
だいたいあいつにあんな風に負けっぱなしで、そのままにしておけるかよ!」
「それならいい。葛城一尉と赤城博士がケイジで待っている。……では先に行くぞ」
「あ、ああ……」
服を着てから病室を出たシンはほどなくしてレイと共にネルフ基地の更衣室にいた。
そしてプラグスーツに着替えながら隣のレイにも聞こえるように呟く。
「まさかここで死ぬなんてことはないよな……」
一足先に着替えていたレイは更衣室を出る間際に振り返り、シンにこう言った。
「どうしてそういうことを言う? だが……お前は死なない。俺が守るからな」
「おい、いい加減遅すぎるぞ、ディアッカ!!
もうそろそろ避難しなければならん時間だ! 本当にあいつらはここを通るのか?」
イザークは傍らのディアッカへと振り返り、今日ここに来て何度目かになる同じような愚痴を再びこぼしていた。
ここは夕焼けに包まれた第三新東京市郊外の山間の神社。
そこでイザークと数名の学生達は山に偽装された発進口からエヴァが発進するのを今か今かと待ちわびていた。
何かまたシンがあれに乗り、戦いに出る。だったらせめてシンが出撃するところを見届けてやりたい。
そんな思いに駆られ矢も楯もたまらなくなったイザークは、ディアッカを締め上げて出撃に関する情報を入手し、
そしてディアッカ達クラスメートと共にここに陣取り、エヴァに乗ったシンが出てくるのを待っているのだった。
「親父のデータをちょろまかして見たんだぜ。場所も時間も絶対に間違いないぜ」
彼もこれまた何度目かになる同じ答えを返した。
「しかし、本当に間違いないのか?! 未だに影も形もないではないか!」
『だったら待ってなければいいんじゃないか』
イザークの怒気を含んだ反論にディアッカは思わずそんな言葉が喉まで出掛かったがそれを飲み込んでエヴァが
出てくるはずの発進口辺りをまたじっと眺めてみることにした。
それから程なくして彼らが軽い地響きを感じると共に目の前の山肌がスライドを始め、2機のエヴァが現れた。
「おおっ?!」「山が、動いた!」
「ほらな、間違いなかっただろ!」
自慢げに話すディアッカの言葉が耳には届いていないのか、目の当たりにしたエヴァの大きさと迫力に驚嘆の声を
上げるクラスメート達。
「おおっ!」「すっげーっ!」
「頑張れよー!」「頼んだぞー!」「おおーい!」「気張っていけよー!」
ディアッカやクラスメートが口々にエヴァへと声援を送る。
(がんばれよ、シン! レイ! ちゃんと生きて戻ってこい! 俺たちは待っているぞ!)
クラスメート達が声援を送るその隣でイザークはむすっと口をへの字に結んだ顔で終始無言で彼を見送っていた。
ディアッカは今、心中とても残念には思っていた。
夕焼けをバックに彼らの前を横切っていく2機のエヴァンゲリオン。
それは彼が絶対にカメラで記録しておきたい光景であった。
なぜならクラスメート達が自分らのために命をかけて戦いへと赴く姿なのだから。
しかし、迂闊にも彼がこの光景をカメラに納めた途端、どこからともなく保安部の連中が出てきてこのカメラか
記憶媒体を没収するか破壊するのは想像に難くない。……いや、それくらいでことが終わればよい。
もしかすると彼と、ここにいる友達も含めてどこかへ“消えなければ”ならなくなるのかも知れない。
普通に考えれば今だって危険なのかも知れない。だがおそらく今ここで彼らがエヴァを見送っているところまでが
自分たちにとって彼らから“ギリギリ”許されているラインなのだろうと彼は漠然と考えていた。
だから“臆病者”の彼は今回はカメラを持たずに友達が出撃する姿をしっかりとこの目に焼き付けて、記憶だけに
留めておくことにしていた。
この記憶すらいつか消されてしまうかもしれないという恐怖を漠然と感じながらも。
彼らの声援はエヴァを操縦するシン達の耳にも届いていた。
「あいつら……」
モニターに映るシン達に声援を送ってくれるクラスメート達。
そんな光景にすこしだけ目頭が熱くなるシンだった。
そんな声援を送るクラスメートの中で無言のまま、仁王立ちで眉間にしわを寄せてこちらを睨んでいるイザーク。
何となくイザークも彼なりに自分を励ましてくれているように見えてシンは柄にもなく涙が出るほどうれしかった。
「敵シールド、第十七装甲板を突破! 本部到達まで、後3時間55分!」
2体のエヴァが二子山仮設基地へと到着したころ、仮設基地ではネルフ本部へと迫るシールドの状況が流れる中、
そこにいる全員が作戦の準備のため、忙しく動き回っていた。
この短時間で日本中の電力をここに集める。
それは前代未聞のプロジェクトであり、実のところいくら時間があっても足りるものではない。
「四国および九州エリアの通電完了」
「各冷却システムは試運転に入ってください」
その前代未聞のことが刻々と形になっていく。
“技術開発部第三課の意地”が形となり、ポジトロンライフルも組み上がり、その試運転のため作戦指揮車では
オペレータ達が忙しく各所に指示を出している。
そんなの中でマユはライフルの試運転を担当するオペレータ達に声をかけていた。
「精密機械だから、慎重にね」
仮設基地に着いたシン達は作戦前の最終ブリーフィングの為に指揮車にいるマユの下へと顔を出していた。
「けど、こんな野戦向きじゃなさそうな兵器で役に立つのかよ?」
オペレータにかけたマユの言葉を耳にしたシンは思わずそんな疑問を口にしてみる。
そんな彼に対していつの間にかシンの傍らに立っていたリツコが、忙しく周囲に指示を出しているマユに替わり
文字通りの身も蓋もない答えを返した。
「仕方ないわよ、間に合わせなんだから」
「大丈夫なんだろうな?」
(そんな使えるかどうかわからないもの使って本当に作戦が成功するのかよ?)
その“間に合わせ”を使わされ、それに命を預けなければならなくなりそうなシンは少し、いや大いに心配になる。
「理論上はね。でも銃身や加速器がもつかどうかは撃ってみないと分からないわ。
こんな大出力で試射したこと一度も無いから」
その通りだがもう少し安心させてくれるような言い方はないものか、とそのリツコの科学者然とした言い方に少し
不満を憶えていた。
(もう少しまともな作戦はなかったのかよ……)
シンは作戦そのものに対しても心の中ではそんな不満を憶えてはいたものの、肝心の作戦部長がマユであり、
今回の作戦立案も彼女がしたと聞いている。
マユが兄の不利になるような、ましてや危険なことはことはあまり考えることはないだろう。
だからこの作戦は自分にとっても最善なものであるはずだと信じて、心の中にある懸念を今ここで口にするのは
とりあえず控えておくことにした。
(まあ、大丈夫、だよな……きっと、おそらく、たぶん……)
「それでは本作戦における、各担当を伝達します」
星空の降る二子山の闇で、ぼんやりと4人の人影が浮かぶ中、マユの声が響く。
マユはリツコと共にシンとレイを外へ連れ出し、作戦部長らしくパイロット達に作戦の説明を始めた。
「碇シン君」
「ああ、なんだよ」
妹のいつになく妙にまじめぶった様子が何となくおかしくて――
病室で目を覚ましてからようやくまたこうして間近でマユの声が聞けたのがうれしくて――
だからシンは少しにやついた表情でいつものように返事を返した。
だがマユはそんな彼を一瞥してから至極事務的に言葉を続ける。
「初号機で砲手を担当」
「おう」
「……お兄ちゃん、こういうときの返事は“ハイ”だよ」
マユはたまりかねて小声でシンに注意をする。
そんなマユ達にリツコは少しあきれた視線を一瞬向けた。
しかしここにはマユとリツコ、レイとシンの4人しかいない。
「はいよ」
マユはシンに対して注意をするように咳払いを一つすると今度はレイの方へ声をかけた。
「……レイ・ザ・バレルは零号機で防御の担当をお願いします」
「わかった」
レイはマユの言葉にほぼ無表情でそう一言答えを返した。
「これはシン君と初号機の方がシンクロ率が高いからよ。今回はより精度の高いオペレーションが必要なの」
リツコはあたかもレイに対して言い訳をするように配置を決定した理由を述べる。
「陽電子は地球の自転、磁場、重力の影響を受け、直進しません。その誤差を修正するのを忘れないでね。
正確にコア一点のみを貫くのよ」
「そんなこと、まだ練習してないぜ」
シンはさっき読んだテキストにはそんなことは書いてあったように記憶していたがまだ実際シミュレーション
すら行っていない。
「大丈夫、あなたはテキストどおりにやって、最後に真ん中のマークがそろったらスイッチを押せばいいの。
後は機械がやってくれるわ」
(だったら最初からそういってくれよ。頼むぜ、まったく)
「それと、一度発射すると冷却や再充填、ヒューズの交換などで、次に撃てるまで時間がかかるから」
「じゃあさ、もし外れて敵が撃ち返してきたら……?」
シンは至極当然なことをリツコに質問してみた。
「今は余計なことを考えないで。一撃で撃破することだけを考えなさい」
(ようは大ピンチって事かよ、やれやれ……)
この期に及んで何を言ってもしょうがない、腹をくくるしかないなとシンは思った。
「俺は……俺は初号機を護ればいいんだな」
それまで返事しかしていなかったレイが突然、リツコへ自分の任務を確認した。
「そうよ」
「了解した」
「時間です。2人ともエヴァの側で待機をしてください」
話をしめるようにマユがパイロット達に告げた。
「おう!」
「はい」
「……だから、お兄ちゃん、こういう時の返事はハイだよ……」
マユは兄のやや不真面目さを感じられる返事にやれやれとばかりにため息をつき眉間にしわを寄せた。
日本中の灯りが次々と消えていき、全ては夜の闇の中へ――。
そんな日本中で光るものは、ただ降るように瞬く満天の星空と二子山の仮設基地からもれる必要最低限の照明、
そして煌々と光るライトにその身を照らされて浮かび上がるように見えている使徒ぐらいだった。
そんな周囲が闇に包まれている中、シンとレイの二人は待機のため、仮設基地のエヴァが設置されたハンガーの
整備用アームの上に座っていた。
作戦準備の為の人々の喧噪も聞こえないシンとレイの二人しか人間がいないように見えるその世界。
その中で遠くに浮かび上がるように見えている使徒をしばらくぼんやりと眺めていたシンは同じく隣の零号機の
ハンガーの整備用アームの上に座っているレイに話しかけた。
――レイはなんでこれに乗るんだ?
「絆だからな」
レイも使徒の方へと視線を向けながらシンの問いに答えた。
――絆?
「そう、絆だ」
そのレイの言葉にシンはネルフの格納庫でうれしそうにゲンドウと話していたレイを思い出していた。
――親父との?
「みんなとの」
みんな? 親父とのじゃなくてか? と胸の内で問い返すシン。
――強いんだな、レイ、お前。
「俺にはほかに何も無い」
いつものような口調でさらりと悲しくて不思議な言葉を口にするレイ。シンは彼の言葉に面食らって聞き返した。
――ほかに何も無いって、おい!
「時間だ。行くぞ。……シン」
レイはシンの言葉にはこたえず、スッと立ち上がると何事もなかったかのようにエントリープラグへと向かった。
仮設指揮所内に0時ちょうどを伝える時報が流れる。
「作戦、スタートです!」
その言葉と共に指揮所の中に、そして双子山仮設基地全体に、緊張の空気がふくれあがる。
「碇シン君、日本中のエネルギー、あなたに預けます」
碇マユ作戦部長がエントリープラグに座るシンへと声をかけた。
「……ああ」
シンはかすかに不満げに眉間にしわを寄せた。
(簡単に言うなよまったく、それもまた他人行儀にさ……。それも他人みたいな重い口調で……せめて)
「……お兄ちゃん、頑張ってね!」
モニターの中のマユは一瞬こわばった笑みを浮かべながらも幾分小声でいつもの声色でそう一言付け加えた。
(そうそう、それくらいいってくれてもいいじゃないかって……ん?!)
「え?! おう!! まかしとけ!!!」
マユからの“お兄ちゃん”の一言で勇気百倍碇シン!
リツコは作戦のため、緊張を隠せない表情のまま、『彼、単純ね』と人知れず微かに一つため息をついていた。
マユがそんな効果を期待して声をかけたのか、何も意識していなかったのかはわからない。
しかし、シンのモチベーションが鰻登りに上がったのは事実だ。
シンは気持ちがやや高ぶり微かに震える両手で操縦桿を握り直す。
(行くぞダブル三角野郎!! あのときの痛み、絶対にギッタギタンにして返してやる!)
「第一次、接続開始!」
事実上の作戦開始を告げる碇作戦部長の声が仮設指揮所に響き、そこへ絶え間なく次々とスタッフ達の声が続く。
「第一から、第803管区まで、送電開始!」「電圧上昇中、加圧域へ!」「全冷却システム、出力最大へ!」
「温度安定、問題なし!」「陽電子流入、順調なり」
シンは零号機が盾を構えて立つ横でポジトロンライフルを腹ばいに寝て構えた初号機のエントリープラグの中、
スピーカー越しに飛び交うスタッフ達の声をBGMに3つの照準器のマーカー達が飛び交うスクリーンに映る使徒を
にらみつけていた。
「第二次、接続!」
やや幼く聞こえるが強い意志のこもったようなマユの声が再び室内に飛ぶ。
「全加速器、運転開始!」「強制収束器、作動!」「全電力、二子山増設変電所へ! 第三次接続、問題なし!」
二子山、そして近隣の送電設備で様々な人たちが働く。ポジトロンライフルへあらん限りの電力を供給するために。
「最終安全装置、解除!」
「撃鉄起こせ!」「地球自転、および、重力の誤差修正、プラス0.0009。電圧、発射点まで、後0.2」
「第七次最終接続、全エネルギー、ポジトロンライフルへ!」
シンが撃鉄を起こした瞬間、前面のスクリーンの中の無機質な眼もないはずの使徒に急にギロリとにらみ返された、
そんな気配を感じて、背中一面ににぶわりと嫌な汗が吹き出してきた。
そんなシンの嫌な予感を尻目に仮設指揮所では使徒を倒すための最終カウントダウンが始まる。
「8、7、6、5、……」
「目標に高エネルギー反応!」
突然、これまで変化のなかった使徒の周囲に光が走るのがモニターで確認される。
「4、……」
しかし、既に数え始めたポジトロンライフル射撃のカウントダウンは止まることはない。
「何ですって!」
使徒のついての報告に驚いて思わずそのオペレータへと振り向くリツコ。
「3、2、1!」
「発射!」
マユは『お願い、間に合ってよ』と心の中で祈りつつカウントダウンに合わせて命令の声を発した。
シンがずっと睨みつけていたモニターの中でそれまで動き回っていた3つの照準器のマーカーが全て重なる。
(よし!!)
シンはマーカーが重なった瞬間思い切り押し込むようにトリガーを引いた。
ポジトロンライフルの銃口から光の槍が飛び出す。
しかし、それとほぼ同時に使徒からも荷粒子砲の白い光がエヴァに向けて打ち出された。
二つの光の矢がぶつかり合い、互いにはじけて大きくそれ、それぞれ市街地と仮設基地の一部に突き刺さり、
地表を深くえぐり取った。
「ぐぅううううッ!」
機体を襲った大きな衝撃と一面白く光るモニター画面にシンはうめく。
地表をえぐった衝撃に仮設指揮車も大きく揺さぶられ、リツコ達は悲鳴を上げた。
衝撃の余韻が残る指揮車の中、すぐに立ち上がったマユは未だ無傷な使徒の姿を見て叫ぶ。
「外した?!」
「敵シールド、ジオフロントへ侵入!」
マコトの声を聞いてマユは指示を出す。
「第二射いける?、急いで!」
いけるも何もここで目の前の使徒を倒せなければジオフロントは、ネルフは崩壊する。そして地球も……。
「ヒューズ交換! 再充填開始!」「銃身、冷却開始」
「目標に再び高エネルギー反応!」
その報告に思わず『ヤバイ!』と叫ぶマユ。
ポジトロンライフルは冷却中で撃つことも出来ず、射撃位置から動くことも出来ない今の初号機は使徒にとっては
格好の的にすぎなかった。そして初号機へ迫りくる荷粒子砲の光の矢。
「うぉ〜〜〜!!」
再び目の前が真っ白になる光景に叫び声を上げるシン。
「シン!!」
初号機へ荷粒子砲が突き刺さらんとするその光景を目にしたマユは思わず兄の名を呼んでいた。
使徒の荷粒子砲の光が初号機に突き刺さるより早く零号機が盾をかざして初号機の前へ飛び出し文字通り身を挺して
壁となり、使徒の攻撃から初号機を守る。
「レイ!」
シンは身を挺して自分を守ってくれている零号機の背中に叫んだ。
「盾がもたない!」
見ている間に形を変えて融けていく零号機のかざす盾。
「まだなの!?」
マユの悲痛な叫びが指揮車にこだまする。
「後10秒!」
既に盾を持たない零号機はそのまま自らの荷粒子砲の光にその身をさらしていた。
零号機は徐々にその姿が融けて崩れていく。
「早くしろよ……」
そんな白く光り、ゆっくりと形を変えていくように見える零号機の後ろ姿と使徒の周りを無邪気に動き回る3つの
マーカーを交互に見つめながらシンは呟く。
トリガーを持つ右手をこわばらせながら。
「早く!」
シンの呟きがいつか叫びに変わっていた。
零号機の後ろでポジトロンライフルを構える初号機を突き破ろうと、使徒の光の槍は盾になっている零号機を襲う。
「早く!!」
零号機はただその身をさらしシンが乗る初号機を守る。シンはただ待っているしかなかった。
「早く!!!」
そしてシンが睨みつけていたモニターの中のマーカーが3つ全てがようやく使徒の中心で重なった。
「いっけぇ〜〜!!!」
待ちに待った瞬間、シンは使徒へ直接何かをぶちかますかのように思い切り力を込めてトリガーを押し込んだ。
ポジトロンライフルから伸びる光の奔流が一直線に使徒へと突き刺さっていく。
一瞬、使徒の目前でATフィールドの壁が光るがそのまま光の奔流が突き刺さり、使徒はその悲鳴にも似た轟音を
たてて地表へと崩れ墜ちていき、それと同時にジオフロントの中まで伸びていたシールドもその動きを止めた。
「やった!」
使徒の崩れ落ちる様見てそしてシールドの停止確認の連絡を受け、喜びの声を上げるマユ。
そのマユの声を合図に指揮車で、仮設基地のそこここで、歓声と安堵の声が上がった。
「まだ終わってません! 零号機とレイの回収急いで!」
もう一仕事終わったような雰囲気の面々にマユは引き締めるように改めて命令を出した。
「レイ!!」
シンは救護班の到着を待たずに関節も飴のように融けてこわばった姿のまま倒れている零号機から初号機で
エントリープラグを注意深く引き抜き地表をおろし、エヴァから急いで降りてエントリープラグへと駆け寄る。
「うぅ……ぐぅぅぅ……うぅぅぅぅ……」
プラグスーツ越しに感じるやけどしそうな熱さも、スーツの焦げる臭いもものともせず、エントリープラグの
開放レバーを力一杯引っ張るシン。
シンはようやく開いた扉から中をのぞき込んで、中にいるはずの友の名前を呼んだ。
「レイ! 大丈夫か! レイ!」
レイは自分の名前を呼ぶ声に気がついてうっすらと目を開ける。
ぼんやりと見えていた自分をのぞき込む人影が次第にはっきりと形作られていく。
(碇、司令? ……シンか)
回復したばかりのうつろな意識の中、目の前にいる意外な人物の姿にどう対処していいかわからないレイ。
シンはレイが意識を取り戻したのを見てホッとしたのか、ふっと力が抜け、次にじんわりと涙があふれてきた。
「自分には……自分にはほかに何も無いなんて、そんなこと言うなよ……」
そういいながらあふれる涙をそのままにしておいて鼻水をすすり上げるシン。
そんなシンをレイはいつもとは違う、シンには初めて見せるとまどいの表情を浮かべて彼を見つめていた。
「泣いているのか? 何故だ、シン?」
「泣いて悪いかよ?! 友達が無事だったんだぜ! いいじゃねえかよ、それくらいさ……」
「友達……俺のことか?」
「ああ、決まってんだろ! 今、他に誰がいるんだよ?!」
「……すまん、シン、俺はこういうときにどんな顔をすればいいのか分からん……」
「笑えよ!」
「ん?」
「笑えばいいんだよ!……笑って、そして拳と拳をつきあわせて……それだけでいいんだよ! 友達なんてさ!」
レイは目の前の涙と鼻水で顔をぐしょぐしょにした友達の言葉に従い、おずおずとためらいがちに右の拳をつきだす。
そして彼の拳に合わせて拳を突き出したシンに対してレイは不器用にそして少し少年らしい笑みを浮かべてみせた。
以上です。
12レスで連投規制に引っかかって当然でした。
お粗末様です。
投下ばんじゃ〜い
>>117 この話のキョウコさんも健気で良いっすね
私の脳内ではママさん達が林原・川村と言うことでアノ方々のイメージになっちまって散々ですが・・・
それとここが一番重要な話ですが、ふとももはバレルとちゃう〜
>>132 マコト・・・これはエヴァ板某スレのように五等兵に降格するしかない!
プラグスーツに着替えるシーンでバレルのバレルが出てくるのかと思ってドキドキしちまったぜ
アススト、シンエヴァ両氏ともグッジョ〜ブ♪
しかしなんだ。アスストの方は《悲劇》の匂いがプンプンするな。いや、嫌いじゃないが。
今後の展開に期待。
シンエヴァさんは読み応えがあるぜ! 加持サンがロリじゃない限り、マコトにも希望があるのでは?
あとは
>>78氏とアスシスさん待ちだな。
みんなガンガレ。超ガンガレ♪
135 :
30:2008/06/27(金) 14:35:50 ID:???
その
>>78ですが
すいません
いま公私共に忙しくて、なかなか顔を出せませんでした
少しずつですが続きを書いておりますので、もうしばらくお待ちください
職人さん方GJ!!
保守
両氏ともGJ!!
保守
☆
保守
「今、実験してる頃よね。パパはともかく、ママも今日は遅いのかな……。つまんないな。
カガリはスカンジナビア王国に、ウズミ様と表敬訪問に行ってるし、シンジはもう寝てる、かな?」
枕を抱えてベッドに腰掛けながら、アスカは、窓から見える満月を見上げる。
「……ヤな月」
今日の月はやけに赤く見えた……。
「……すごい。凄いですよ。キョウコさんっ。こんなにスムーズにストール出来るなんて」
ハインツの研究所の実験ルームにて。
オーブの兵士で実験をした時とはまるで違う。数字が目まぐるしい速度でモニター上を駆け巡る。
「……クックック。当然だ。キョウコだからね。当然だ」
ハインツが卑屈に笑う。これが笑わずにおれようか。予想通り…、いや、予想以上だ。
ハインツは手元を見る。
ボックスにセットされた“BALTHASAR 2”“CASPER 3”と手書きされた2つの黒いチップが、淡く輝く。
“MELCHIOR 1”はすでにアストレイにセットしてある。
M.A.G.I.とは、この黒い3つのチップのこと。
それらにキョウコの思考が…、いや、『命』が書き込まれてゆく。それはハインツの悲願。それが今、達成されようとしているのだ。
(見たかっ、ウズミ! やはりわたしが正しいのだ。そしてそれはまもなく証明されるっ)
「キョウコさん? 心拍数が少し乱れてます。大丈夫ですか?」
『だ…大丈夫よ。マヤちゃん』
大丈夫なわけがない。この胸の中を掻き回される感覚。吐き気がする。無理矢理土足で自分の身体に、心に入ってくる、なにか。
(イヤッ!!)
まるで蛆虫が頭と身体の中を這いずり回っているようだっ。撥ね付けたい衝動が身を駆ける。
(気持ち、悪いっ!!)
だがキョウコはその異分子に逆らわない。いや、逆に次々と濁流のごとく押し寄せる問いを、整理し、まとめ、答えを示す。
(わたしの身体‘なか’に来ないで!!)
例えるなら、身も知らぬレイパーの前で一糸纏わぬ姿を晒し、この身をむさぼらせ、その求めに従順に応じてみせるようなもの。
(イヤッ。イヤイヤッ、イヤァ!!)
耳元で蛆虫がいやらしく囁く。
何故オマエがそこまでしなければならない? 苦しいのだろう? 恥ずかしいのだろう? キツいのだろう?
ハインツは何故オマエをこんな目に合わせる? “愛してる”? 本当に?
愛してる人間がこんなことをさせるのか? 本当にそう思うのか?
裏切 り そんなハズない 愛 してる 本当に? 耳心 辱 痛い 拘 束
愛して、ない 違う 哀しい なぜ? ゲヒルン ハインツ 女兼 い 嫉 女石
終わらない囁き。言葉。蛆虫の嘲笑。これは蛆虫? それともわたしの?
(なぜ? why? ナゼ? 何故!?)
なぜそこまでしてするのか。答えはただひとつ。
『キョウコ。もうすぐだっ。いいぞ。君は最高だっ。ハハハ!』
聞こえてくるのは、歓喜の声。
(……ハインツ。わたしにもうひとつの生きる道を示してくれた、愛しい人。
ハインツが、私が愛した人が、私に求めたから……)
カプセルの中から生まれた、自分。目的の為の“道具”として生まれた、自分。たくさんいる“わたし”の中のひとつ。
わたしは“キョウコ” わたしに付けられた記号。意味のないものと思っていた。
そんなわたしの前に現れた、ハインツ。
“好ましい”が“気になる”になり、“好意”から“愛”となるまでそう時間はかからなかった。
わたしは彼を愛して、彼はわたしを愛してくれた。人としての“情”までくれた人。
――パキン――
たくさんの贈り物。人間“キョウコ・ツエッペリン”に最高のプレゼントをくれた人。それが貴方…ハインツ。
わたしの……半身。わたしは少しでも彼に返すことが出来たのだろうか?
どんなに変わろうと、世界中が彼を否定しようと、わたしは彼を信じる。
(愛しているわ。――ハインツ)
――ピキン、パキッ――
キョウコの頬を、雫が伝う。
『キョウコさん? キョ…ウ、コ(ザッ)さん!?』
モニターしているマヤの不安そうな声が脳内に響く。その声すら蛆虫に蝕まれ、ノイズが走る。
(……マヤちゃん。優しい、真っ直ぐな子。わたしのもう一人の娘…家族。
わたしと同じ思いで、同じ人を想ってくれる、一途で可哀相な、子。幸せになって欲しい……)
キョウコは奥歯を噛み締める。見えはしないだろうと思いつつ、マヤに微笑んでみせる。
『大丈夫、だから……。続けて。マヤちゃん。あり、がとう』
――パキン。パキ、パキンッ――
『キョウコさんっ? 博士! 急激なレゾナンスの上昇がっ……』
いびつな音が頭の中に響く。なにかが崩れていく。吸い込まれていく。消えていく。
閉じたキョウコの瞼の向こう。キョウコによく似た紅い髪の少女が微笑む。
(これは……あぁ!)
『ママ?』『エヘヘ。マ・マ♪』『グスン、ママァ』『もう! ママったらっ』
希薄になる意識。だが、だからこそ逆に輝く、宝珠。ここにはいない、キョウコの宝物。
(アスカ、アスカ、アスカ、愛しい子。アスカ、アスカ、わたしの生きた証。
アスカ、わたしとハインツの、愛…、…結晶…)
――パチン、パチパチ、パチン――
キョウコの心(なか)に満ち溢れた珠が、次々と割れていく。だがこれだけは消させない。割らせない!
(アスカ、アスカっ、アスカ! アスカァっ!!)
キョウコがソレに手を伸ばす。
『アストレイの義体が動いています! 博士っ、博士っ!? キョウコさんっ!! ……っ』
(……この声。誰、だったかしら? )
もうキョウコには現実(うつつ)の世界は遠いものだった。
大きくなり始めたキョウコのお腹をさする、ハインツ
(パチン)
キョウコの腕の中で乳を吸う、アスカ
(パチン)
ビニールプールでシンジと遊ぶ、アスカ
(パチン)
カガリと草原を駆ける、アスカ
(パチン)
鼻の頭にクリームを付け、マヤと一緒にケーキを焼く、アスカ
(パチン)
深夜帰宅した時、泣き腫らした顔で眠っている、アスカ
(パチン)
(……あぁ、あぁ駄目……。消えちゃ、忘れちゃ……ダ、メ。……あれは?)
もう痛みも、苦しさも、悲しみも、どこにいるのかも、感じない。
キョウコに目に見えるのはただひとつだけ。キョウコの際奥で淡い、だが黄金色に輝く珠。
それはキョウコの望み。まだ見ぬ、先の未来。
(な…にかしら? あ、あぁ!)
その中に写るのは、はにかんだ笑顔で、純白のウェディングドレスを身に纏う、大人の、アスカ!
人々の祝福を受け、ライスシャワーの中、手にしたブーケを投げるアスカ。
(あぁ…綺麗よ、綺麗。アスカ。素敵な男性(ひと)を見つけたのね。よかった)
あいにく、そのアスカが腕を組む相手の顔は、よく見えなかった。だが、キョウコの心は暖かかった。
――バチッ!――
(そう。わたしのアスカが選んだ男性(ひと)だもの。とても素敵な人に決まっているわ。ね? アスカ)
――パチパチッ、バチ!――
キョウコは微笑む。急激に身体が昇華していく感覚。不安はもう、無い。
「アスカ。ありがとう。幸せに。そして…さよなら」
――……カッ!!――
淡くて暖かい、強い輝光(ひかり)がキョウコの身体を包む……。
『ギャアアアアアアァァァーーーーッ!!!!』
スピーカーから、悲痛な叫びが、モニタールームに響き渡る……。
…続く...
145 :
アススト:2008/07/03(木) 16:37:37 ID:???
アスストです。キョウコさんが…、嗚呼あああああぁ……(-人―;)。
正直、文章・マイハートともに乱れております。死に直面した時、人はなにを思うか。
答え:そんな目に会わなきゃわかんね〜。
だから非常に抽象的になってしまいました。スイマセン。
ただキョウコさんにとって、キョウコさんのこの人生って、幸せだったのかな? それが心残り…。
これ見ているとキョウコさん、こんな日が来るのが判っていたみたいです。
これからはカタチを変えて、アスカを見守って欲しいと思います……。
アススト氏GJ!!
GJ!!
続き待ってました
保守
今晩は。
皆様お久しぶりです、アスカ姉妹を書かせていただいている者です。
今回、短めですがとりあえず3レスほど投下させていただきます。
ではよろしくお願いいたします。
スティング、ステラ達2人と共にデブリの中に隠れていたアウルは前方から4機のMSが現れるのを見て内心
舌打ちをしていた。
――なんだよ! あの新型いないじゃねぇかよ!! あんたらじゃ、役不足だね!!
「新型がいねえぞ……」
アウルは思わずそれを口に出していた。
「だとしたらいるのはあの艦(ふね)の護衛の方にだろ」
通信封鎖しなければいけないこの状況で律儀にもアウルの独り言に答えるスティング。
「あんだよ、それ。じゃあさ、とっととこっちをすませて戻ればいいっていいわけ」
「そうだな」
「ステラも、“とっととこっちをすませて”ゼロとSinに合流したい」
じれてきている二人を見てスティングは4機が自分たちの前を通り過ぎたのを確認してから二人に声をかけた。
「それじゃ、行くぜ!」
「オーケー!」
「ん!」
3機はミネルバの4機へ攻撃するために今まで隠れていたデブリの物陰から勢いよく飛び出した。
ショーンとゲイルは二人ほぼ同時に彼らからやや後方のデブリで交信があった形跡と同時に動く影を発見した。
「各機散開!」「攻撃が来るぞ!」
ほぼ同時に仲間達へ声をかけると同時に自分も回避行動を取るショーンとゲイル。
あわててよけた4人の間にアビスのビームの束が通り抜けた。
「よけられた?! うっそで〜っ!」
アウルはどれかには当たるはずだと思って放ったビームをよけられて憮然とする。
「だけどさ、ちゃっちゃと終わらせてあっちへ行かせてよね〜」
そういって彼は手近なMSへ再びビームを浴びせかけた。
「レイ、どうするの?」
ルナマリアは必死に3機からの攻撃を避けながら隊長のレイの命令を待つ。
「3機を振り切ってボギーワンへ! いや、ミネルバへ!」
――命令をこなさなければ、ミネルバが……、いやミネルバへ戻らなければ! あそこにはギルがいるんだ!
今のレイは混乱してまともに判断が出来る状態ではなかった。
――バカ言ってんじゃね〜よ、若造! って俺と大して年齢かわらないか……。
――それが出来れば苦労しない!
必死に攻撃をよけながらビームライフルで反撃していたショーンとゲイルはレイの命令になっていない命令に
心の中で盛大につっこみを入れていた。
そしてレイ達のレーダーからボギーワンの反応が消えた。
――何?!
ボギーワンの反応と共にミネルバMS隊にとって、いやレイにとって当初の作戦目的も消えた。
――どうする? どうすれば、ギルを助けられる? こうしている間にもギルが……。早く戻らないと!
混乱して何も指示も出せず、焦りの表情を浮かべながらも黙って反撃をしているレイ。
待ち伏せしていたアビス、カオス、ガイアの3機。そして急に反応が消えたボギーワン。
「何よ、これ? あたし達まんまとハマったってわけ!?」
さすがのルナマリアにもこの状況がどういう事をさしているかはわかる。
「そのようだな」
アビスの攻撃をなんとか避けながらゲイルがルナマリアの叫びに答えた。
――この状況でちゃんと指示出せ、っていう方がルーキーの隊長さんには無理な話かも知れないな。
ただ必死に黙って防戦しているという芸のない状況のレイを横目に見ながらゲイルはそんなことを考えていた。
彼らの背後の今までいた辺りの空域にチカチカと忙しい光の明滅が起こる。
その光の明滅を眼にしたアスカとディアッカの二人はそこで戦闘が始まったことを認識した。
――始まったわね。じゃあ急がないと。
ルナマリア達が心配でない訳ではなかったが、ここは彼女らの腕を信じるしかないとアスカは腹をくくっていた。
そして背後の光の点滅に追い立てられるようにアスカは速度を上げた。
「急ぐわよ。遅れるようなら置いてくからね、あんた」
アスカはディアッカにはそういったものの重武装のブラストインパルスもそれほど高速とは言い難い。
「まあ、仕方ないね。こちとらそんなに性能良くはないからな」
「生き残ったらいいMS回してもらうことね」
ディアッカにはこのモニター越しに片頬をゆがめて冷たく笑うザフトレッドの少女が不思議に思えてならなかった。
――おいおい、たしかコイツ、今回のアーモリーワンが初陣のルーキーちゃんだって聞いたぞ。
「まあ、俺達の見立てが正しければ相手は対艦戦闘装備だ。
生き残る可能性は思っているほど低くはないと思うぜ」
――さっきの会話と言い、妙にというか、中途半端にというか、戦場慣れしてないか?
「あの白いのと変なMAは元々対艦戦闘装備だと思うけど」
「ああ、そりゃあそうだ。ちょいヤバかな」
「でしょ?」
「……だな」
ディアッカはため息混じりに苦笑する。
「だいたいあんたが指揮官なら、あのMAと盗んだMS、どっちをおとりに使う?」
「盗んだMS」
「ご名答!」
アスカはまるで簡単な質問にようやく答えられたできの悪い生徒を褒める先生のような口調で大げさに答えた。
「やれやれ」
ディアッカもそれに答えてモニターの先にいるアスカに大仰に嘆いてみせる。
なおも気を紛らすようにさらに会話を続ける二人。
「でも、もし、アスラン・ザラがMSで出てくれるとして、彼1機でどこまで持つかしら」
「少なくとも俺らが戻るくらいまでは持つんじゃないの。その上多少の掃除はしておいてくれると思うがね」
「あんたもそう思う?」
「まあな。……ところであいつ、本気になると思うか?」
「なってくれないと困るけど、……なんで?」
普通、本気で戦闘しない奴がいるのかしらね、とアスカは彼の質問そのものに首をひねっていた。
「あいつが本気になればあのキラ=ヤマトにも勝てる。
ま、実際、本気になったあいつに勝てる奴はザフト中探してもまずいないな。たぶん連合にもね」
「ずいぶんとアスラン・ザラの腕を買っているのね」
「いや、あいつの腕を買ってるんじゃない、あいつの腕を知っているんだ」
――さんざっぱら一緒に戦った仲だからな。
そういいながら彼はクルーゼ隊や三艦同盟の時に一緒に戦ったアスランを思い出していた。
――ただあいつ、気持ちに大きく左右されるのが玉に瑕なんだよな。
「ところでさ、キラ・ヤマトってそんなにすごいの?」
そんなアスカの言葉にディアッカはゲイツのコックピットシートからずっこけそうになった。
「あれ? 知らないのか?」
「聞いたことある、と思うけどね」
「ありゃ、反則的なバケモンだな」
「ふ〜〜ん、折りがあればお相手してみたいものね」
まずそんな機会はないのだろうが、気晴らしになんとなくそんなことを他人事のように考えるアスカだった。
黙って応戦しているレイに“じれた”ショーンが越権覚悟で命令を出した。
「ルナマリアはガイアを、レイはカオスを頼む。俺とゲイルはアビスを相手をする」
「了解!」
「あいよ!」
「わ、わかった……」
――しっかりしてくれよ、エリート隊長さんよ。
ショーンはアビスを攻撃しながらカオスへ向かう白いザクを片目で一瞬だけ視界に入れてそうつぶやいた。
ショーンの指示を受けて集中してガイアに攻撃を加えるルナマリア
「早くこいつらを落としてミネルバに戻らないと!」
そう叫びながら彼女はデブリの間を獣形態で飛び回るガイアへと闇雲にオルトロスを乱射する。
――さっさと落ちなさいよ、この泥棒わんこ!
モニターに映るガイアは彼女をあざ笑うかの如く、軽いステップを踏んでルナマリアの攻撃を避けて、接近戦を
仕掛けようとする。
「なに、ちょこまか動き回ってるのよ、こいつ!」
――盗んだMSでどうしてこんなに動き回れるのよ!
ガイアを操縦している誰かも強奪してからそんなに時間はたっていない上に、これが二回目の出撃のはずだ。
オルトロスを撃つためになんとか距離だけは保とうと努力するルナマリア。
しかし、次第に距離を詰められる度合いはましていく。
彼女は慌ててトマホークを構えてガイアからのすれ違いざまのビームブレードによる攻撃をなんとか受け流し、
後退し、苦労してまた距離を取ることに成功した。
「別にそんな焦ることはないぜ!」
オルトロスを乱射しながらもガイアに翻弄されているルナマリアに対して突然、ゲイルから通信が入った。
「え?!」
「ルナマリア!
ミネルバはアスカ達が何とかしてくれる!
俺たちは生き残って、アスカ達が追撃されないように、こいつらをここに足止めしておけば、“勝ち”なんだよ」
必死にアビスの攻撃をよけながらとぎれとぎれに早口でしゃべるゲイルの言葉にルナマリアはなぜか急にストンと
今まで胸につかえていた重いものがどこかへ落ちてしまったように気持ちが楽になった。
――それぐらいだったらなんてことないわね。ザフトレッドの私がこいつらをここへ釘付けにしておくくらい。
ルナマリアはオルトロスでガイアをすぐ撃墜することはやめて、突進してくる足下を狙うなど、相手の方から
接近戦に持ち込ませないような威嚇射撃へと切り替えた。
――それにあの養成学校主席のソウリューだったら戻ってミネルバにを助けることくらいわけないでしょう。
ルナマリアにとってあのいつもは鼻持ちならない高慢ちきな養成学校主席殿のでかい態度も、思い起こせば今は
とても頼もしいものに思えてくるから不思議だ。
「それじゃあ、もうちょっとアタシとしばらくお散歩に付き合ってもらうわよ、泥棒わんこさん」
先ほどまでのジリジリとした焦りもどこへいったのか、ルナマリアは当てないと割り切ったことが功を奏したのか
先ほどよりはわりと的確に相手の足下に攻撃を集中し始め、ガイアの足を止めることに成功していた。
今回は以上です。
そのうち徐々にピッチを上げていきたいところですが、まだちょっと……。
では失礼いたします。
154 :
30:2008/07/07(月) 15:56:39 ID:???
【 機動戦士ガンダムSEED Destiny/Re:Genesis 】
────────────────────────────────────
03「 Gear-shift 加速運命 」
────────────────────────────────────
弐号機に施されていた物理的拘束が解かれることになった。
本来は貨物の固定や牽引に使われるワイヤーでグルグルに巻かれて固定されていたのだ。
(起動してしまいさえすれば、その程度の拘束具など無いも同然なのだが)
それがクレーンや整備兵の手によって次々と解放されていく。
「いいのかよ、もう拘束を解いちまって」
真紅の機体を見上げながら、シンはすぐ傍にいた整備兵に尋ねた。
やや不機嫌な口調である。この決定に不服があるのだろう。
それにしては自分を含めた総ての物に不満があるような言い方である。
「まぁ艦長命令だしな。それに、別にこの機体そのものを拘束する意味もあんまりねぇし。
ホラ、例の細長いコクピットがないと動かないだろ?
だからアレさえ押さえておけば、こちらも管理が簡単なんだよ」
整備兵のヴィーノは苦笑いを浮かべながら、シンの不満へ律儀に返してみせた。
ミネルヴァのクルーは訓練航行もなく、いきなり実戦へと身を置いた者ばかりである。
出撃自体も緊急を要する出撃であったため、十分な数のクルーがそろっていない。
つまりミネルヴァは慢性的な人手不足に陥っているのだ。いくら武装のほとんどが自動(オートメーション)化されて
いる最新鋭戦艦とはいえ、無駄な仕事に人員を割いている余裕はない。
ヴィーノとしては、この拘束解除の命令は両手を上げての大賛成であった。
「ああもう。シンったらこんなところでサボってる!」
「艦長からパイロット招集命令が出た」
それでも不満を漏らそうとするシンの背後から、男女の声がそれぞれ掛けられる。
「……サボってるわけじゃない」
ふてくされるようにシンが振り返ると、パイロット仲間であるレイとルナマリアが近付いてきた。
ザフト軍の中でもエリートと呼ばれる赤い軍服が整備ドッグの中に映える。
とりあえず不満の矛先が自分からそれてくれた事にヴィーノは感謝しつつ、自分の作業へと戻った。
「ヴィーノ、悪いが俺達のMSの整備も急いでくれ」
そんな彼に向けて、珍しくレイの方から語りかけてきた。
滅多にないことに驚きつつも、プロらしく細かい事は聞き返さず「分かった、任せろ」とだけ返事をする。
「なにかあったのか?」
眉間にシワを寄せ、シンは声を硬くした。
「艦長に呼ばれたのも、どうもその辺に関係するらしいわ。
チラッと小耳に挟んだんだけど、連合軍の基地が何者かに襲撃されたらしいの」
「……敵の基地が襲われたんだろ? 別におかしなことはないじゃないか」
そんな同僚の言葉に、ルナマリアは右手を顔に添え、わざとらしく溜息を付いてみせる。
ザフト軍と支援国家群は連合と敵対関係にある。
そのザフト軍であるルナマリアが、あえて「何者か」と表現した意味をくみ取ってくれなかった様だ。
彼女の態度を前にしたシンが不機嫌さを加速させる前に、絶妙のタイミングでレイが助け舟を出す。
「問題は、これを襲撃したのが『何者』なのか分かっていない部分だ」
「つまり───攻撃したのはザフトじゃないってことか?」
「少なくとも、この近辺に展開してる部隊じゃないわね」
ようやく事態を飲み込んだシンの言葉に、ルナマリアは真剣な表情で頷いた。
「さらに付け加えると……今から2時間ほど前、偵察任務にあたっていたザフトのMS部隊が消息を絶ったらしい」
シンの顔に緊張が走る。
事前に耳にしていたルナマリアでさえ、レイの言葉に思わず息を呑む。
「連合でもザフトでもない、第三者による攻撃だ」
155 :
30:2008/07/07(月) 15:57:23 ID:???
艦長室で3人を待っていたのはタリアだけではなかった。
「紹介するわ。あの赤い機体───エヴァンゲリオンのパイロット、アスカさんよ」
「惣流・アスカ・ラングレーよ。よろしくね」
浅黄色のワンピースを着込んだ少女は、腰に手を当てながら自己紹介をする。
友好的に接しようとしながらも、口調に潜むどこか不遜な態度。アスカの性格が、このセリフに凝縮されていると
いっても良かった。一瞬にしてシンの表情が険しくなる。オーブの代表に対して暴言を吐いたときと同じ顔だった。
これはまずい。ルナマリアは直感で悟った。
「あ、わ、私はルナマリア。ルナマリア・ホークよ。赤く塗ったガナーザクウォーリアのパイロットよ。
よろしく! あは、あはははは!」
何とか穏便な流れへとフォローするために、わざとらしく大声で自己紹介してみせる。
「ああ。アンタが、あの赤いロボットのパイロットなのね」
自分と同じ『赤』がパーソナルカラーとなっている機体に親近感を覚えてのだろうか。アスカがルナマリアに対して
向ける口調から、高圧的なものが薄らいだ。
「あ。てことは、このワンピースを貸してくれたのアンタの妹さんなんだ」
「あ〜どこかで見たことあると思ったら、それメイリンのだったんだ」
年齢が近いという事もあるのだろう、アスカとルナマリアの距離は一気に縮まったようである。
そうした場の空気が弛緩したのを読んだのだろう、続けてレイが口を開く。
「レイ・ザ・バレルだ。ザクファントムに搭乗している」
「レイ?」
名を聞くやいなや、アスカの片眉が大きく釣りあがった。同じ名前の知り合いでもいるのだろうか。反応からすると
あまり親密な関係ではないようだが……タリアは独特の緊張感に包まれた自己紹介の場を眺めつつ、推測してみる。
アスカはしばらくレイをジロジロと眺めると、やがて「フンッ」と鼻を鳴らして胸をそらした。
「名前も同じなら雰囲気まで『優等生』と似てるのが癪だけど、まぁいい男じゃない」
高慢な態度は崩していないものの、どうやらレイを対等の存在として認識したようだった。
そして4つの視線が残った1人へと注がれる。思わず目をそらしそうになったが、ここで空気を読まなければどうなるか
ぐらい、シンにだって理解できた。
「……シン・アスカだ。インパルスガンダムに乗ってる」
渋々といった口調だったが、アスカの興味は引けたようである。
「アスカ? アンタ、苗字があたしと同じ名前なのね」
しかも同じEVAパイロットである少年の名前にも近い。複雑な気分だったが、近しいものの名前がこれほど集中して
いるのも不思議な縁を感じる。
「好きで同じになったわけじゃない。大体、人をいきなり『アンタ』と呼ぶような奴は好きじゃない」
憮然としてアスカを睨みつける。
(へえ、シンジと違って根性はありそうじゃない)
対するアスカは感心したように、余裕のある笑みを返す。それがかえって神経を逆なでしたのか、シンがさらに何かを
言おうと口を開きかけたとき、タリアがタイミングよく手を打ち鳴らした。
シンの動きがピタリと止まり、全員の視線が艦長へと集まる。
156 :
30:2008/07/07(月) 15:58:17 ID:???
「自己紹介はその辺にしておいて。貴方たちを呼んだ理由を説明するわ」
手元のパネルを操作して、壁に設置されたモニターを起動させる。
太平洋を中心とした海域地図が表示され、白い矢印と赤い×印が同じ地点に現れた。
「もう聞いているかもしれないけれど───7時間ほど前に、正体不明の存在が連合軍のヘールマイヤー基地を殲滅させました。
正体不明の存在……アンノウンは連合とザフトの両軍に損害を与えつつ、真っ直ぐこちらに向けて進軍しています」
「つまり、それを迎撃するんですね?」
ミネルヴァを表すマークに向かって伸びる矢印を眺めながら、ルナマリアはタリアに問いかけた。
しかしタリアは首を横に振った。
「なんでっ!? ザフトも攻撃を受け、こっちに向かってきてるんだろッ!?」
「エヴァンゲリオン関連の事で議長から指示が出ているの。
ミネルヴァには近くの基地で待機し、出撃を控えるように───と」
この襲撃に関しての指示は、まだ出ていないとタリアは付け加える。
つまり次の指示があるまで、待機命令は続行しなければならないのだ。
「ただし、情報は集まってる。アンノウンに関する情報収集のために、偵察部隊や威力偵察を敢行したの」
モニターの中央を進む矢印に対して、いくつかの△マークが向かっていく。
第28航空偵察部隊、MS部隊であるラッセ隊、アミドナ隊、クラッヘル隊、第7方面所属のブローニン海上艦隊。
そして現在ミネルヴァが駐留しているサウスルチア基地に所属しているMS偵察部隊。
△マークには、それぞれ名前が付けられていた。
しかし矢印に近付くたびに、それらは次々と赤い×印へと姿を変えてしまう。
やがて△マークは地図上から全て消えてしまった。
「これは……」
シンが呻く。アスカも眉をしかめている。
単純なCGの表示だが、それが何を意味しているのか理解できたからだ。
もちろんルナマリアやレイにもそれは理解できている。理解できるからこそ、表示され消えていった戦力に対して
不信感にも似た驚きを覚えていた。
ブローニン海上艦隊といえば戦艦や空母、イージス艦等からなる本格的な機動艦隊だったはずだ。
その艦隊を指揮するブローニン提督は、コロニー生まれながら地球上の艦隊運営に定評のあった軍人である。
この数時間で1個艦隊を含めたMS部隊などを撃滅していったというのだろうか。
「これらの交戦データと超高々度偵察機からの光学観測データを元に、アンノウンの情報をまとめたのが───これ。
貴方達に来てもらったのも、これを見てもらうためよ」
157 :
30:2008/07/07(月) 15:59:04 ID:???
モニターが切り替わる。
望遠レンズで撮影したと思われる航空写真だった。
海の上に雲が漂っている。しかし、写真の中央に違和感が形を成して写り込んでいた。
円盤。銀色の円盤。それが海と雲の間に浮かんでいるのだ。
「直径は約18キロメートルあるわ」
タリアの説明に、アスカが息を呑む。
写真に書き込まれたデータを信じるならば、直径18キロメートル、中央部の穴の直径は2キロメートル。
円盤本体の半径は、実質8キロメートルもある。穴の中心部(というよりも全体の中心部)に浮かぶ赤い球体の直径は
約3mほどと、他に比べて極端に規模が小さい。
「これが機動兵器だとしたら、ここがコクピットと機関部かしらね?」
写真をさらに引き伸ばし赤い球体の部分が拡大表示される。
補正をかけているものの、どうしても全体像はぼやけてしまう。
写真が切り替わる。交戦データと併用して作られたアンノウンの全体予想図を立体モデル化したものだ。
「なにこれ……これ本当に兵器なの……?」
ルナマリアが絞り出すような声で驚くのも無理はない。その約250平方メートルはある面積に対して驚くべきは、その
「薄さ」である。中心の球体を除いた目標の「体(円盤状の鏡)」の薄さは、およそ5マイクロメートル(0.000005メートル)
しかないのだ。しかも鏡は一枚鏡ではなく、何億という小さな鏡の集合体であるらしい。
恐ろしく強力な電磁障壁(陽電子リフレクター?)を展開しており、攻撃が通用しなかったというデータもある。
円盤本体からは電磁スペクトル分析でも独特の波形を検出しておリ、どうやら「未知の物質」で構成されているらしかった。
「嘘だろ、未知の物質って……宇宙人の襲来とか言うんじゃないですよねタリア艦長……?」
「宇宙人じゃないわ」
シンの枯れた声に、アスカが張りのある声が応える。断言する少女に、シンとルナマリアが顔を向ける。
そこには威風堂々と腕を組み、モニターを凝視しているアスカがいたが───その表情から驚愕の色は隠しきれていなかった。
「じゃあ、なんだよ。お前、あれが何か知ってんのか?」
驚くときも偉そうな奴だと思いつつ、シンは生意気な少女に問い質した。
しばらく「どう答えたものか」と思案する様子を見せていたアスカだったが、組んでいた腕を解き、再び腰に手をやりながら
シンを睨み返す。
「『使徒』と呼ばれるものよ」
158 :
30:2008/07/07(月) 16:00:41 ID:???
「シト?」
当然ながら理解しかねたような反応をパイロットたちは示した。
「あたしも詳しい事は知らないけど……人類の存在を脅かす、あたし達の『敵』とされる存在。
エヴァンゲリオンは使徒と戦い、倒すために作られたものなの」
アスカがいた世界、とやらの説明はパイロットや一部のクルーにのみ(簡単にではあるが)伝えられていた。
艦長からの話とはいえ、やはりにわかには信じられない。受け入れがたいと言い換えるべきか。
しかしモニター上に表示され、現実にせまりつつある「それ」や、艦内にあるエヴァンゲリオン弐号機を見た後では信じざるを
得ない。信じるしかないようだった。
「───まさか、このタイミングで現れるなんてね」
中央部分に鎮座する赤い球体……コアと呼ばれる部分の存在が使徒である証拠といえるだろう。
あの輝きは何度も目にしている。エヴァンゲリオンで使徒と戦ってきたアスカが見間違えるはずがなかった。
それでもレイは別の可能性を示唆してきた。
「君と……エヴァンゲリオンと一緒にこちらの世界に来たという可能性は?」
「それは否定しきれないけど、可能性は低いでしょうね」
転移する前、ジオフロント内に使徒は1体しかいなかった。
さらに使徒は複数同時に出現したことがなく、あの場でも他の使徒が潜んでいる反応は無かった。
アンビリカルケーブルによる電力供給の必要がなくなった原因……S2機関が弐号機内部に出現したのも、倒した使徒から得た
ものだと推測できる。つまりあのジオフロントに進入してきた使徒は完全に倒したのであり、こちらの世界に存在しているとは
考えられなかった。つまりあの転移の際に、他の使徒を連れてきた可能性は限りなく低いという事になる。
「ということは」
レイの言葉にアスカは頷く。
「こちらの世界にも元々『使徒』が存在していたって事になるわね」
何という運命だろうか。おおよそ生物と呼べるような形状ではない化物と戦う世界から離れたと思ったら、どうやら切っても
切れない関係にあるらしい。だがアスカの瞳は燃えていた。望むところだ。
自分という存在は、エヴァンゲリオンに乗ってこそなのだから。使徒と戦って勝つ事こそが自分自身の証明なのだから。
「待機命令は出ているけれど、準備を疎かにするほど私達は素人ではないわ」
タリアは、アスカの静かに燃える闘志にテコを入れるようなタイミングで、部下たちを見つめ直す。
シンの背筋が伸び、ルナマリアは瞳に緊張を宿らせる。レイは静かに姿勢を正し、アスカは腰に手を当て不敵に笑う。
「出撃する際はミネルヴァと、アスカさんを加えたこのチームで迎撃に当たります」
タリアの言葉には、戦う者が秘める確固たる意思があり───それだけ事が重大であることを感じさせた。
同時に頷く4人の傍で、モニターの中の矢印が不気味に進行を続けていた。
04「 Pole-shift 神性懲罰 」につづく
159 :
30:2008/07/07(月) 16:09:50 ID:???
30です。
かなりブランクがあいてしまいました。申し訳ありません。
社長の思いつきで、現場経験ない事務の私が1級土木施工管理技士の試験をうけることになってしまって
SSを書く時間が急に減ってしまったのが原因です。私事で投稿が遅れてしまい、ごめんなさい。
というわけで、ようやくアスカとアスカが出会えました。
その割には内容が薄い気がするなぁ・・・おそらく、このあとアスカのEVAの動かし方とか、シンのガンダムの動かし方について
互いに文句をいいあったりするんじゃないかなぁ(←他人事
当初は超高々度からの観測機(複座式の偵察用ザクウォーリア)が、海上艦隊と使徒との戦いを記録し、ミネルヴァまで
もって帰るという話にしていたんですが、前の話を被るしクドくなるんで止めました(笑)
なので急遽パイロットの話にしました。
他のSS職人さんの話も面白いですね! やはり書き慣れてる人が書く話は一味違うなぁ、と感心することしきりです。
毎回楽しみにしています! 頑張ってください!
♪デンッ、デンデン、ドッ、ドンッ。デンッ、デンデン、ドッ、ドンッ。パ〜ラ〜ルラ、チャ〜ラ〜ル、ララ〜…♪
(↑↑エヴァンゲリオン作戦時のテーマ:タイトルがわからん)
アススト氏、アスシスさん、159さん、グッジョ〜ブ!!!
それぞれを読みながら、バックに音楽をかけるとなお良し♪
今回159さんはまさにコレ。
アスシスさんはなぜか『猪木のテーマ』。……なぜなんだろう?
アスストさんは……『カノン』でした。
うーん、選曲メチャクチャだな。
職人諸氏がんがれ♪ 応援してるぞ!!!
あ〜忘れてた。アスシスさん、『ゲイル』じゃなく『デイル』ですよ。
……いいか別に。確かアススト氏も間違えてたな。どうせ、ストーリーに影響ないし。
>>159さん、なんか、かっくいいタイトル付けません?
アススト氏、私もアスカママ好きでした(泣)。
>>161 ????「ゲイルの後を追わせてやろうか、ええ!?たまらないな、人殺しというのはぁ!」
レイ「生存確率、コンマ02パーセント…」
????「貴様ら、影も形も無い様にしてやる…!」
164 :
30:2008/07/08(火) 08:33:38 ID:???
>>161 >タイトル
アスストさんたちのように、名前欄のところへタイトルを記入するってことですか?
確かにその方が分かりやすいですね・・・
一応各話冒頭に、本SSのタイトルとサブタイロル付けてたんですが
これからは名前欄のところに、作品の通称タイトルとか書き込んでおきますね
「機動戦士ガンダムSEED Destiny/Re:Genesis 」だと長いから「アスカRe:G」とか?
・・・。
・・・・・・。
アスカの新しい物語だから「新アスカ」とかどうだろう(笑)
職人さんたち投下乙!!
投下乙
保守
保守
アゲ
8日と9日と10日と、12日と13日の時も、僕はずっと・・・新作投下を待ってた!!
保守
人いないね
もはやこのスレも消えようとしているのか
誰か弐(10)立てといて
念のため弐(11)も
176 :
153:2008/07/20(日) 10:42:16 ID:???
>>161 >>あ〜忘れてた。アスシスさん、『ゲイル』じゃなく『デイル』ですよ。
すみません、やってしまいましたね……。
今更修正するのもあれですし。
リ・ジェネ(仮)さん、近いうちまとめサイトにあげますので、修正しときます?
>まとめサイト
あわわわ、ありがとうございます
これは、前以上に頑張って書かなければ!
誤字や変な言い回しのところもありますし・・・修正したいですねぇ・・・
修正したものを、UPロダにあげればいいでしょうか?
179 :
代行:2008/07/22(火) 22:51:51 ID:???
パソコンはいつくるんだろう・・・
そうですね。それがいいですね。
それか、とりあえずUPして、管理室からリ・ジェネさんが直接修正するか・・。
そもそも、なかなか来れない自分が悪いのですが・・。
スレが伸びないのは半分は自分のせいです。すいません。
保守
保守
エヴァの世界からアスカが居なくなったら?
エヴァ世界既存シンちゃんが明日からオカズに困るはずです
保守
184 :
リ・ジェネ:2008/07/30(水) 13:37:08 ID:???
185 :
代行:2008/07/31(木) 13:18:49 ID:???
パソが治り次第うpします♪
保守
(ハァッ、ハァハァ、ン、ハァハァ……)
心臓が、痛い。破裂しそうだ。でも今はそれどころでは無い。
パジャマ姿のまま、アスカは走る。寝入りばなにかかってきた、研究所にいるはずのマヤからの電話。
『アスカッ!! キョウコさんがっ、キョウコさんが……っ! キャアアァ!? ……(ツー、ツー…)』
「マヤ姉? ちょっと、マヤ姉!!」
(ハァ、ハァッ、……キャッ!? ……痛ぅ……、クゥッ!)
なにかが研究所で起きた。月明りしかない暗闇。さらに歩を早めるが、蹴つまずき、足がもつれ、盛大に転んでしまった。
が、構っていられない。アスカは再び立ち上がり、走る。
(ママッ! パパッ! マヤ姉っ!)
16ビートを刻む胸の早鐘を叱りつける。林を抜け、やっと、やっと研究所が見えてきた。その時……!
「――なっ!? なによっ、アレはっ!!」
思わず立ち止まり、アスカは叫ぶ。
研究所の隣。父の実験施設がある場所に、巨大ななにかが動いている。
施設の屋根を破壊し、這うように、ギクシャクしたいびつな動きながらも、月を背にし、やがてソレは立ち上がる!
そのシルエットは……。
闇の中で赤く輝く、両の目。呼吸しているかのごとき、上下する肩。不気味に聞こえる、うめき声(?)。
(――悪魔!?)
痛む胸を手で押さえ、アスカは茫然とその巨人を見上げる。
《……ゥォオオオーーン! フォオオオオオーーーーン!!》
その時、静かだったオーブの夜に、闇を切り裂くサイレンの音が鳴り響く。
===カッ、カッ、カッ!!===
悪魔の影に幾方向からスポットライトが当てられる。
民間企業と言いつつも、モルゲンレーテは兵器開発も行なう軍需産業施設である。不測の事態への備えは当然、ある。
スポットライトに照らし出される巨人に、アスカは見覚えがあった。
(……っ!? モビルスーツ!? あれはパパの、“アストレイ”!!)
背後からけたたましい音とともに、アスカの髪を揺らし、頭上を飛びすさる、2機のオーブ軍ヘリ。
(軍のヘリコプター!?)
やがて2機の軍用ヘリは、アストレイを挟みこむように牽制し、指向性ライトを照射しながら周囲を旋回する。
アストレイは眩しいか、片手で顔を隠し、ヘリを睨み付ける。
――しばしの沈黙。そして。
===ドウッ!!===
いきなり一機のヘリが横っ面を張られたように弾け、火を噴き、そして墜ちる。
無造作に振られた、プロト・アストレイの右のマニピュレーターによって。
「キャアアッ!?」
墜落したヘリの燃料に引火したのだろう。アスカがいる場所の反対側で爆発が起きる。
もう一機が慌てて16ミリ機関砲を撃ち、攻撃を開始するが……。
「そんなの無駄よっ。逃げて! そのアストレイは、1万2千枚のK.O.G.特殊装甲に覆われてるのよっ!」
父の研究所を遊び場にしていたアスカである。
あのアストレイに使われている装甲は、材料工学の権威である母のキョウコが開発し、
工学博士のハインツが各種データを採る為、惜しげもなく使用したものである。
生半可な攻撃が通じるわけがない。
アスカの叫びが届くはずもなく、ヘリは無駄な抵抗を続け、結果……、
===ゴギュッ===
アストレイが手にし振るった、曲がった鉄骨の直撃を受けて、空中でそのまま爆発、四散する。
「……あぁ……」
父があんなことをするはずがない。アスカが見ても判る。あれは制御不能状態、――『暴走』、だ。
エネルギーが切れるまで停まることはないだろう。いったい父達は……。
アストレイは、モルゲンレーテの施設を踏みつぶし、あるいは叩き壊し、炎の海の中で吠える。
「なにが起こっているの…?」
アスカは、アストレイが研究所から離れるのを待って、――駆け出した――。
…続く..
189 :
アス・スト:2008/08/03(日) 14:08:36 ID:???
暑中お見舞い申し上げます。
皆さんお久し振りです。仕事が目茶苦茶な状態での『アスカ・ストライク!』、大変お待たせしました。
あぁ…なんか言葉まわしもヘンだ。どうしたんだ? 自分…。
頭の中の映像を文章で落とす作業って、やっぱり難しいですね。
この暑さで脳みそがゼリーな自分にはツラいです。
次回はそろそろあの『オヤジ』が出てきそうな予感がします。
でわまた♪
乙
191 :
通常の名無しさんの3倍:2008/08/04(月) 22:37:08 ID:/veE9Qqk
まだやってんのか
GJ!!
保守
保守
アゲ
196 :
通常の名無しさんの3倍:
そろそろ次スレを立てないと
>1 名前:通常の名無しさんの3倍 [sage] 投稿日:2008/05/12(月) 01:41:21 ID:???
>>2-5あたりでちょっとだけ出た話ですがネタ拡張どうしましょうかね?
今頃ですが
>>189 乙
まあ、アスとレイなら暴走しても違和感が無い罠w