新機動炭酸コーラサワーW 模擬戦2戦目

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602懐かしい話が出たので便乗してみる
他の人達に比べるとお察しくださいな出来ながら、とりあえず黒歴史っぽいものを

『コーラサワーの奇妙な冒険   漂着編』

さて、コーラさんが発送されて久々に静けさを取り戻したプリベンター本部。
しかし、皆さんもご承知のとおりこの静寂が長続きすることなど「はい、ないです!」

それは発送翌日のことであった。
プリベンター本部の片隅に何故か発送したはずの段ボールが一つ。
五飛の筆跡まで完全再現である。
「お? 何だ、早速誰かが届けてくれたのか。やれやれ、どうなることかと思ったぜ」
第一発見者ことデュオ=マックスウェルは胸をなでおろし、箱を開けると同時「イヤッホォォォォォォゥ!」などという奇声を発して飛び出してきたコーラサワーを速やかに鎮圧し、中身を調べてみる。

箱の中に入れられていたのはパトリック・コーラサワー本人(気絶済)、コーラサワー(飲料)、みかん、そしてセンチメンタリズムと書かれた謎の塊。
「センチメンタリズムだ? あの乙女座に似合いそうなもん持たされてきたな……まあいいや」
ぽい、と箱の中に塊を投げ込んでデュオは箱を閉じた。
まあ、このまま気絶して大人しくしていてくれる分には何の問題もないだろう。
コーラサワー(飲料)をさりげなく持って行く辺り、彼も中々ちゃっかりしていると言うべきか。

――さて、少年老いやすく学成りがたし(コーラさんのような永遠の少年は除く)。
更に次の日のことである。
プリベンター本部の片隅に置かれた段ボールが二つ。
今回の第一発見者もデュオ=マックスウェルである。
「おいおい、何だこりゃ。誰だ? こんな悪ふざけしたの」
ぼやきながら、昨日開封して微妙に蓋の開いているコーラ入り段ボールではない方を開封してみると。
新橋色のメカ擬人化っぽい少女のフィギュアと「鳥子は俺の嫁」と書かれた紙が入っていた。
「……何だこりゃ」
二つともぽい、と箱に放り込むデュオ。この辺りの動作は二日目にして板についてきた感がある。

さて。月日は百代の過客にして矢の如し。色々混ざってはいるもののとりあえず三日目である。
プリベンター本部の片隅に置かれた段ボールが六つ。
「って、今日は三つじゃねーのかよ!?」
六つ並んだ段ボールの前で頭を抱えて唸っているのは皆さんご存知デュオ=マックスウェルである。
「……しょうがねーな……まずはこの箱か」
今日も今日とて未開封の箱に手を付けるデュオ。
今まで二日の経験から言ってそう危険なものは入っていないだろうと踏んだか、手つきも比較的不用意な感じである。
だが、その期待は箱をあけた瞬間に裏切られた。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
箱を空けた瞬間、眼前に広がった新橋色でデュオの視界が埋め尽くされた。

――箱にどーやっても入るはずのない指揮官用イナクトに押しつぶされ、
圧死寸前のデュオが見つかるまでには、それからまだ数十分を要したのだった。
むしろ、死ななかった辺り流石はガンダムパイロットなのか。
或いは、吐いた台詞が我らが『幸運の女神と寝た漢』ことコーラサワーの台詞と奇しくも一致していたのが効を奏したか。
前者の生存理由の方がデュオにとっては幸せかもしれない。
603懐かしい話が出たので便乗してみる:2008/04/25(金) 02:53:31 ID:???
「で、一体何がどうなってこうなったんだ?」
「お前が言うな」
さて、そんなこんなで段ボールから突然MSが湧いたとの異常事態に集められたプリベンターの面々。
何事もなかったように現れたコーラサワーが五飛に突っ込みを入れられているのもそこそこに、救出されて包帯塗れなデュオから事の顛末を聞いている。

そんな扱いでいいのかとも一瞬思わなくないが、まあ、そこはそれ、コーラだし。
最終話で何事もなかったかのようにいきなり生存しているような男である。外伝で辻褄あわせがあったらしいという話を聞かなくもないものの。
あげゃの人とそんな形で関わると誰が予測していたと脱線ご無礼

ちなみに、イナクトが入っていた箱には「For Lewis」という紙が添えられた誰かの指輪と短パン、シス魂と書かれた謎の塊、絶対領域なる謎の封印物が入れられていた

――なお、その後ろで『絶対領域』なるものを開けようとしたヒイロをグラハムが「それを開けるなんてとんでもないぞガンダム!」と制止しているのは全力で見なかったことに。
アレは中身が見えないからこそ良いものなのですよ?

「……とりあえず、他の箱も開けてみませんか?」
カトルのおっかなびっくりな提案に周囲も賛同し、残り三つも開封してみることに。
何が出てくるか分からないということで開封役は勿論この人。
「ったく、なんでスペシャルな俺様がこんなことを……」
不死身にして今回の元凶(?)なコーラさんに白羽の矢が立つのは当然ということで
まずは一つ目(通算四つ目)
「ドーナツにミルク、カツラと漫画が二冊だな……」
「『らき☆すた』に『柊かがみのぼっち一人暮し』? 聞いたことがありませんね……」
コーラに漫画二冊を投げ渡されたカトルが首をかしげて他の面々に意見を求めるも、全員が首を横に振る。
そっち方面への造詣は薄いプリベンターの面々、知らなくても無理はないか。
「次の箱行くぜー……何だこりゃ。しんぼっぼとか書いてある人形と拳の彫刻が二つ……この拳、どっかで見たような?」
「『大佐の鉄拳』と書いてあるな。しかし、この手は女性のものだ……貴様がご執心なカティ=マネキン氏の拳を型取りしたものかもしれないが、何でこんなものが」
五飛は安全と見て寄っていき、眼鏡をかけて中を覗き込み首をかしげる。
不可解なものが出てくる段ボール箱である。
「これで最後か。よっと……おわぁっ!?」
「な、なんだ!?」
――最後の箱はとんでもない当たりだった様で。
事の大本たる五飛と不死身の男を跳ね飛ばすようにして段ボールから現れたのは白衣にポニテの独身(三十路)。

「って、何であんたが箱から出てくるんだよ!?」
「うーん、昨日から泊り込みでミカンスーツの整備をしてたはずなんだけどね?」

遠巻きにしていたプリベンターメンバーの驚きも、包帯塗れのデュオの叫びもどこ吹く風の微笑な独身(健康状態優良)。
それにしてもこの独身(もちろん天才です)、理解不能である。誕生日おめでとう。
604懐かしい話が出たので便乗してみる:2008/04/25(金) 02:56:09 ID:???
「ふむふむ、段ボールが日に日に増殖していると。穏やかじゃないねぇ」
さて、事の次第を聞いて考え込むサンダル履きの独身(話の長さと難解さには定評があります)。
「……なんか分かるのか? ポニテ博士」
「うん、思いついたことは思いついたんだけど……しかし電子のダブルスリット干渉と同様の現象がマクロの次元でも」

〜独身(農園も経営してます)による高尚な仮説の展開中です。ギアスか00再放送を見ながらお待ち下さい〜

「……要するに、コペンハーゲン解釈を前提にエヴェレットの定式化を考えると……」

〜30分経過、独身(デートコースにドーナツ店? 大歓迎ですとも)による難解な解説はまだ続いております。〜

「……つまり、段ボールは一種の孤立系であり絶望系な閉じられた世界なんだよ、だから……」

〜3時間経過、独身(僕の作るみかんは女性にも人気です)の解説をマトモに聞いている人はもう誰も居ません〜

「であるからして、おそらくこの段ボールは今後も増え続けるだろうね」

5時間後、独身(一人息子でもカタギリの家名にはこだわりません!)の説明にようやく一区切りが付いたようである。
問題が問題だけに長いのも仕方ないのかもしれないが、あまりにも長く、そして難解。
午前中から始まった説明は何とおやつ時まで続いてしまったことになる。
なお、この時点まで残っている物好きは包帯まみれで満足に動けないデュオと、
一応義理ということで昼ごはんを食べた後終わりそうな時間を見計らって戻ってきたカトルのみ。
グラハムやコーラはともかく、(この面々の中では)比較的真面目な方と思われるサリィやヒルデも逃げ出しているあたり、破壊力はバツグンである。
「……てか、今日は一気に六つになってたが、明日はどーなってんだ?」
ぐったりとしたデュオの呟きに、独身(婿養子でもドンと来いクジョウ君!)は穏やかな笑顔で答えた。
「僕の予想が正しければ、42個になってるだろうね」

さて、行き交う年月も旅人。コーラさんもまた然り。
プリベンター本部の片隅には段ボールが合計42個。
独身(恋愛はできないけどきっと覚えます!)の予測通りの量が並んだことになる。
さすが独身(乙女心は解析できないけどGNドライヴなら解析できます)、伊達じゃない。
「てか、これ開けるのは骨だなあ」
42個(未開封は36個)の段ボールを眺めてため息をつくのは、例によって例のごとく第一発見者なデュオ=マックスウェル
「いやいや、多分明日はもっと大変になるだろうねえ」
穏やかじゃないねえ、と苦笑を洩らすは第一発見者その二となった独身(あ、語学も堪能だよ)。
「大変というと?」
最早開封する気力もなくうなだれるデュオに、独身(特許料と農園の収入で余裕ある暮らしをお約束します)は肩をすくめ、ポニーテールを揺らした。
「多分、明日は1800ちょっとにまで増えるだろうから」
「増えすぎだろ……」
デュオの突っ込みに力が感じられないのも已む無し。
605懐かしい話が出たので便乗してみる:2008/04/25(金) 02:58:22 ID:???
さて、36個の段ボールは当面見てみぬ振りということになった更に翌日。
「……(言葉もないようだ)」
「おや、思ったより少ないねえ。これは意外」
所狭しと並べられ、重ねられ、無秩序な空間をかもし出している400個以上(後のカウントで421個と判明)の段ボールを前にして、あんぐりと口を開けたデュオと独身(お酒も嗜みます)。
何やらこの二人が毎朝の確認係のような立ち位置になってしまっているが、デュオは第一発見者ということで半ば日課、
独身(最近の和風ブームで僕の株も上がってくれないかな)は興味本位ということで、このような組み合わせになっているようだ。
「ふむ、もしかするとこれで打ち止めかもしれないねえ。増加パターンに、在庫数がついて来れなくなったのかな?」
400個以上の段ボールを前におやおや、とがっかりする独身(どこかの乙女座と違って、ガンダムに愛を囁いたりしません)を尻目に、デュオは弱々しく呟いた。
「……打ち止めになってくれよ。これ以上は無理だって」
――主に、脳とか神経が。


次の日、段ボールが増えていなかったことで彼の脳とか神経が多少なりとも癒されたのは、彼にとっては幸運だったかもしれない。