このスレは我らがパトリック・コーラサワーとガンダムWの皆さんの
交流を描いた心温まるスレです
主な登場人物
パトリック・コーラサワー
主人公。コードネームはプリベンター・バカ。29歳。
プリベンターが誇る変態一号。
何か行動を起こすたびに問題が発生するスペシャルバカ。
元AEUの少尉らしいが退役した理由は不明。
今日もわが道を突き進む。
グラハム・エーカー
コードネームはまだない。
プリベンターの変態二号。
独特の美意識を持ち、発せられる言葉はグラハム語と称される。
ガンダムラブでプリベンターにきたらしいが詳細は不明。
アラスカ野ジョシュア
コードネームはまだない。
プリベンターの変態三号。
グラハムによってむりやり加入させられたかわいそうな人。
あげくコーラさんによって呼称が「アラスカ野」になってしまった。
すげえヘタレ。
張五飛
コードネームはプリベンター・ドラゴン。
得意技はコーラサワーいじり。
強引すぎる手段で事件を解決しようとする。
デュオ・マックスウェル
コードネームはプリベンター・デス。
立場上自然とつっこみ役になり、喋る回数はコーラさんに次いで多い。
ヒイロ・ユイ
コードネームはプリベンター・ウイング。
Wの主人公だがここでは影が薄い。
カトル・ラバーバ・ウイナー
コードネームはプリベンター・サンド。
プリベンターの良心。
トロワ・バートン
コードネームはプリベンター・ウエポン。
口数は少ないがやるときはやる男。
サリィ・ポォ
コードネームはプリベンター・ウォーター。
プリベンターの現場部隊のまとめ役。
コーラさんの暴走に頭を痛める毎日。
レディ・アン
コードネームはプリベンター・ゴールド。
プリベンターのリーダー。
実はここまでまともな台詞がまったくない。
コーラさんやグラハムの加入を認めるある意味心のデッカイ人。
ヒルデ・シュバイカー
コードネームはまだない。
キレたら怖い。
得意技はフライパン投げ。
シーリン・バフティヤール
コードネームはまだない。
皮肉屋メガネ。
レディ・アンの秘書みたいなことをしているらしい。
刹那・F・セイエイ
マイスター運送の配送係。
無愛想。
アレルヤ・ハプティズム
マイスター運送の配送係。
客に愛想の悪い刹那をたしなめた。
ロラン・セアック
掃除夫。
トイレ紙がなくて困っていたコーラさんを助けた。
セルゲイ・スミルノフ
人類革新重工の商品開発部部長。
心の俳句を詠む。
ソーマ・ピーリス
セルゲイの秘書。
現在「バケラッタ」という言葉にこだわっている。
ミン
人類革新重工の商品開発部係長。
中間管理職。
沙慈、ルイス、絹江
絹江はレディにインタビューを行い、沙慈とルイスはそれにくっついて議会前で雪合戦をした。
トリニティズ
トリニティ運送に勤める三人兄妹。
ヨハンは腹黒、ミハエルは客にけんかをうる問題児、ネーナは天然。
コーラサワーの女たち
何人いるかわからないコーラさんの愛人。
コーラさんいわく、プリベンターに入ってからはそっち方面は自重しているらしい。
看護婦
新人ながらコーラ番にされてしまったかわいそうなナース。
コーラさんが入院するたびにさんざんな目にあっている。
ビリーの紹介誰か頼む
>>1 スレタイは違うがこのスレもエンドレスワルツ後にコーラ介入スレなんだろ?なら乙に決まってるじゃねえかぁぁ〜〜!
○アリー・アル・サーシェス
別名ゲイリー・ビアッジ、またはひろし
PMCのちょっかいかけ担当
世界が平和になって仕事がなくなったのでプリベンターを逆恨み
武器はソッコ君もびっくりの異臭靴下と健康にいいアグリッサ
前スレの922より
ビリー・カタギリ
みかんエンジンを発明した天才科学者
喋りだすととまらない
グラハムの一応友人
>>8,9
ビリーの紹介とひろしのフォローd
見落としてたよ
即死判定ってなんぼ?
せっかく立ったのに落ちるよ
だったら前スレを埋めな
ほ
>>1乙
ふう・・・これでやっと半角コーラを辞書登録から消せる
だが今にして思えばなかなか味わいのあるスレタイだったことよ>前スレ
即死は20だったか30だったか?
即死は回避しなくては。
未参戦キャラをひとりずつ↓
おやっさん
支援するぜ
目付きの悪いハロ出演希望。
保管庫どうするの?
前スレのログ、誰か取ってる?
おっぱいチャイナも出てなかったよな?
トレミーズも
28 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/05(水) 00:29:28 ID:1RF8rLu0
世紀の天才、ビリー・カタギリ。
ポニテでエロメガネでサンダルで白衣で一人称がボクなちょっとお茶目な怪しい三十路過ぎだが、
その脳みそはアインシュタインも本郷猛も道を譲る程で、まさにインテル入ってるの超高性能。
蜜柑の皮を燃料にして動く蜜柑エンジンを発明し、太陽光に続くエネルギー革命の旗手と謳われる人物である。
「ちょっと待て」
「何だよ、今カタギリ博士に説明して貰ってるところだろ」
そろそろ春の匂いも感じ始められる三月初頭、プリベンター本部はいつになくせわしなかった。
いや、いつもせわしないのだが、今日はその質が違うと言えた。
何しろ、彼らが現場で駆る新たな手段と言うか、武器が手に入る日なのだ。
「だから待て! 何でポニテ博士の紹介が一番最初なんだよ、俺じゃねーのか!?」
「この件に関してはお前は全然役に立ってないだろ!」
で、そんな日でもコーラサワーは騒々しい。
もっとも、おとなしいコーラサワーなんぞ想像は出来ないが。
そんなコーラサワー、フリーザを一発で倒すヤムチャくらい有り得ない。
「ふっ、吠える犬は弱い犬、おとなしくカタギリの説明を聞け」
「うるせーうるせー! 黙れナルハム野郎!」
「やかましい! ちょっとは殊勝な態度でへぐぶしわっぐ」
「……すまんなアラスカ野、どうしてもお前だけは言葉より先に手が出るぜ」
コーラスクリューブローを右頬に喰らい、アラスカ野ことジョシュア、悶絶。
ごくたまにコーラサワーといい勝負をするのだが、
十回やれば九回はこうして一方的にKOされてしまう彼である。
心の中にあるヘタレ解除スイッチがOFFにならない限り、彼に光ある未来はやってこない。
「ええと、そろそろ説明を始めていいかな」
「失礼した、カタギリ博士。この馬鹿二人は置いて、先を続けてくれ」
困るカタギリ(でも笑っている)に五飛が先を促す。
張五飛、ある意味ガンダムパイロットの中でも最も内面が成長した男と言えようか。
前々から正義正義と小うるさい男だったのだが、
トレーズとの一件が決着してからはフッ切れるものがあったのか、
「俺は忘れたお前も忘れろ」を座右の銘にとにかく力づくで物事を解決する男になった。
この一文を見ると全く成長していないように思えるが、端的に言えば図太くなったということである。
元から図太い、というツッコミはさて置きつつ。
「まてコラ、馬鹿二人って俺とこのヘタレのことか」
「他に誰がいる?」
「コイツがいるだろ! ナルハム野郎が!」
「お前らに比べたらマシだ」
「ははは、そういうことだ」
「いや、褒められてませんから、エーカーさん」
グラハム・エーカー。
通称プリベンターの変態二号。
独特の美意識を持ち、物事の本質を突いているのかそれともただ迂遠なだけの言い回しなのかそれともアホなのか、
何とも判別つきがたい喋り方が特徴の元ユニオン軍人27歳である。
コーラサワーと張りあったり、はたまたジョシュアを無理矢理プリベンターに加入させたりとかなりトンデモな人物なのだが、
ある意味コーラサワーと同じく自分に素直な人間ではあるだろう。
カトルが丁寧に突っ込んであげているのに、全く気づきもしないのだから大物とは言えるかもしれない。
「貴方たち……ホント、そろそろいい加減にして」
溜息混じりで呟くのは、プリベンターの現場指揮官であるサリィ・ポォ。
まだ二十も越してちょろっとの若い女性だが、幾多の危険事を潜りぬけてきた豪胆な人物である。
トレードマークは見事なオデコだが、それを言うとスマキにされるので要注意。
なお、オデコ二号のヒルデ・シュバイカーも同様で、こちらはよく磨かれたフライパンが飛んでくる。
「ははは、穏やかじゃないねえ」
「すんませんね、どうも」
デュオがカタギリに謝る。
ガンダムパイロットの中で一番世間慣れしているのが彼であるが、
そのためかコーラサワーの相手役を務めさせられたりと何かと貧乏クジを引く傾向にある。
これはもうこういう性格のキャラの運命だと言っても過言ではない。
「さて、それじゃ僕が開発したMSのことだけど」
ちょっと待て、エンドレスワルツ以後MSは地球上から姿を消したのではないか、と疑問を感じる方もいるだろう。
確かに、軍隊からMSは全て引き上げられた。
だがしかし、作業用の小型MSは未だ残っているし、廃棄MSもまだ各地に転がっている。
それにこの前いらんことしいのアリーも言ってたが、屁理屈ながらもMAはちゃんと残ってたりする。
とんだペテンだ、と思うなかれ。
この後、カタギリの口からさらなるペテンが漏れるから。
「カタギリ式ミカンスーツ、略称MSなんだけどね」
はいそこ、なんじゃあそりゃあ、などとひっくり返らないように。
彼は結構本気で言ってるんだから。
それと、オレンジスーツじゃないんだ、とも突っ込まないように。
カタギリが涙目になってしまうので。
まあ正味、アリーのようなやんちゃくれが現れた以上、プリベンターとしても戦力増強を図らねばならないところ。
体面上非戦ではあっても、やはり治安維持のための手段はどうしても必要になってくる。
いずれリリーナ・ピースクラフトが目指す完全平和主義が実現するとしても、それはまだまだ遠い先のことであり、
それまではプリベンターはドサ周りの隠密同心であると同時に、泥かぶりの仕事人もこなさなければならないのだ。
ここらへんは、リーダーのレディ・アンをはじめとして、
それぞれに覚悟を持っているところである。
コーラサワーとグラハムとジョシュアは置いといて。
「ところでカタギリ」
「何だいグラハム」
「そのミカンスーツ、やはりフラッグ似で変形するんだろうな」
「君はそればっかりだね、結論から言うと似てないし変形しない」
「なあなあポニテ博士」
「何だいパトリック君」
「それってイナクトに似て」
「似てないね」
「……ビリー・カタギリ博士」
「何だいヒイロ・ユイ君」
「それはウイングに」
「似てないよ」
否定のジェットストリームアタックを食らい、
部屋の隅で膝小僧を抱えてうずくまるグラハム、コーラサワー、ヒイロ。
前の二人はともかく、ヒイロのこの行為は結構異常である。
まあ彼もリリーナを理解しつつもガンダムそのものには未練があったということなのかもしれない。
そりゃまあ、本音を言うともっと活躍したかったことであろう。
誰が最後のバスターライフル発射が強大な敵MSでなく、シェルターだと思うものか。
見せ場は他のメンツにことごとく取られまくりのエンドレスワルツだったわけで、
どこぞのウインドさんなんか突然現れて衛星ドカン、そして最後にノインと肩を並べてバンバンバンだもの。
ヒイロ、五飛とちょっと削り合っただけだし。
「だいたい太陽炉やミノフスキークラフトとかと同列に思われても困るんだけどねぇ、そこはほら、やっぱり蜜柑なわけで」
「……つまり、派手なドンパチは出来ないってことなんだな」
「仕方あるまい、それくらいの縛りがあってこそ平和維持活動だろう」
「平和の守り手が堂々とビームライフルなんか撃てませんもんね」
カタギリの言葉に、とりあえず納得するデュオ、トロワ、カトルの三人。
彼らは案外あっさりしたものである。
まあ、エンドレスワルツのラストバトルで不殺とはいえ思いっきり戦えたので納得済みなのだろう。
彼らの背後で五飛だけがやや曖昧な表情をしているが、
これはもしかしたらミカンスーツに青龍刀でも持たせようかと考えてるのかもしれない。
「形式はKM−01、カタギリミカンゼロワンだね」
「名称は?」
「まだ未定、全高は15m、本体重量は5t」
「ガンダムと比べると一回り小さいという感じですね」
「装甲はガンダミカンα超合金」
「ガンダミカン?」
「僕が開発した材質だよ。ガンダニュウムに比べると強度は劣るけど、弾力性は倍近くある」
「もしかしてそれも」
「そう、蜜柑の皮が原材料」
「凄いですね……」
蜜柑の皮かそれともカタギリの発想か、どちらが凄いとかとははっきり言わないカトルなのだった。
「なあなあポニテ博士」
「あ、復活した」
コーラサワーさん、ここで戦列復帰。
切り替えの速さ、立ち直りの速さは彼の最大の売りでもある。
「そのミカンスーツってのはどれくらいの強さなんだよ」
「んーそうだねぇ、単純なファイティングアビリティなら50ってところかなあ」
アビリティ、とはぬっちゃけた話強さのレベルみたいなもの。
ファイティングアビリティが格闘能力、
ウエポンズアビリティが総合火力
スピードアビリティが機動性、
パワーアビリティが駆動力、
アーマードアビリティが装甲強度となり、
それぞれリーオーの基準値を100として相対された数値がMSの力というわけである。
例えばヘビーアームズならファイティングアビリティが110、
ウエポンズアビリティが160、スピードアビリティが110、
パワーアビリティが140、アーマードアビリティが140となり、
これだけ見ても火力型のMSであるとわかるようにもなっている。
「ウエポンズアビリティは?」
「これも50だね」
「スピード…」
「50。いや、オール50だと思ってくれていいよ」
つまりはリーオーの半分の力、ということ。
はて、そう思うとおもっくそ弱く見えるから不思議だが、
まぁこの世界でこの面子が乗るならある意味妥当とも言える。
なんせガンダムパイロット勢ぞろい、それにグラハムスペシャルなのだから。
あ、それとコーラさんとアラスカ野も一応エースだし。
「えええ何だよそれ、鬼のようにつまんねぇMS(注:ミカンスーツ)だな」
「文句言うなよ」
「だってよ、ガーッと突撃してバーッと撃ってビーッとぶった斬ることが出来ねーなんてロボットじゃねーだろ」
「ガーとかバーとか、お前は長嶋監督かよ!」
「うるせーみつあみおさげ! 俺はとにかく強いMS(注:ミカンスーツ)に乗りてぇんだよ!」
ダダをこねるコーラサワー。
確認しよう、彼は29歳である。
「ふん、ガキかおまえへぐべろわしうぇ」
「ちょっと黙ってようぜアラスカ野。お前は俺が発言してもいいというまでダンボールの中で体育座りしてな」
コーラサワーとデュオが正統なボケツッコミ漫才だとすれば、
コーラサワーとジョシュアはドツキ漫才の様相を呈してきている。
ちなみに、コーラサワーとグラハムならボケボケ漫才になる。
「俺はああ、スペシャルでええ、模擬戦でええ、二千回なんだよぉおお」
「もうそろそろその台詞、賞味期限切れてるのを自覚しろな」
「そんなぁ!」
「あと、それも」
「はい! ないです!」
「シチュエーションがそもそも違うからな、それ」
やはりデュオ、切れ味が違う。
良くも悪しくも、コーラサワーのベストパートナーは彼ということになるであろう。
本人はもの凄く嫌がるだろうが、それが運命ってもんである。
「まあいいだろう、デュオ」
「五飛?」
コーラサワーとデュオの会話に割り込んできたのは五飛だった。
どうも先程から、彼の表情がおかしい。
何か企んでいるというか、そんな感じの色があるのだ。
「MS(注:ミカンスーツ)のテストも兼ねて、模擬戦をやってみたらいいかもしれん」
「ちょっと五飛! そんなの勝手に決めないでよ!」
「いや、僕としても歴戦のパイロットが動かすMS(注:しつこいがミカンスーツ)を見てみたいもんだねぇ」
サリィが慌てて止めに入るが、これは何とカタギリが制した。
発明家と言うか研究家と言うか、そっちの人はこういう時興味が最優先になる。
悲しくも罪なサガってやつである。
「よし、じゃあ決まりだ。俺達がお前の相手をしてやる、MS(注:だからミカンスーツ)でな。ヒイロたちも構わんだろう?」
「俺は別に問題ない」
「俺もだ」
「まあ、皆がやるなら僕もいいですよ」
「やれやれ、しゃあねえな、つきあってやっかあ」
ガンダムパイロット、五飛の意見を承諾。
一方のコーラさん、もう喜色満面。
「うははは! 機体が同じなら模擬戦負けなしの俺が有利に決まってらあ!」
バカと言うか何と言うか、これで機嫌が直るんだから単純極りない。
しかし女と落とす時はこの脳がフル回転するのだから、まったくプレイボーイという奴は人類の敵である。
「ぐははは、積年の恨み今こそ……って、何だよナルハム野郎」
コーラサワーはポンポンと肩を叩かれて振り返った。
そこには、ニヤニヤの一歩手前といった感じに微笑んでいるグラハムがいる。
「思い出せ」
「何を」
「あっちの世界、お披露目でナマス斬りにされた時の相手は何だった?」
「んあ? ふ、古傷をえぐるような質問を……ガンダムだよ、ガンダム!」
「そうだ。そして五飛たちもガンダムだ。ガンダムパイロット」
「……」
「また負けるな、間違いなく」
御愁傷様でした、と言わんばかりのグラハム。
「バ、バカにすんな! さっきも言ったろうが! 模擬戦で! 同じ機体なら俺に分がある! あるはずだあ!」
「さあ、どうだかな。……カタギリ、私もひとつ模擬戦に加わろう。私のMS(注:ああミカンスーツ)はあるか?」
「全員分揃ってるよ」
「よし、それじゃあ、AEUのエースとやらの力を存分に見せてもらおうか」
「うおお、どいつもこいつも……ギッタンギッタンにしてやる!」
コーラサワー、怒りのあまり顔が真っ赤。
やはり単純な男と言わざるを得まい。
まあ、こんな性格だから「大佐のキス〜!」で発奮出来るのも事実。
しかし誰が想像したやら、初のガンダム大破が彼になるとは。
「じゃ、じゃあ俺もはるぐへぐめしえ」
「あー、お前はいいやアラスカ野。お前はいい」
ガンダムに致命傷を与えるどころか一撃で屠られた男、ジョシュア。
同じMSパイロットでエースでも、こうも違う立場と扱い。
はてさて、世の中わからんもんである。
で、蜜柑エンジン搭載のMS(注:もういいですか、ミカンスーツです)による模擬戦、
参加はコーラサワー、グラハム、ヒイロ、デュオ、カトル、五飛、トロワの七人に、そして欠席はジョシュアに決定。
これからの彼らの仕事を測る上で、重要になるこの模擬戦だが、さてその結果と言えば。
コーラさんが可哀想になるので敢えて書きません。
ただひとつ、彼は最後まで負けを認めませんでした。
だから、模擬戦二千回無敗は依然継続中―――
プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は新スレでも続く。
保守代わりということでにコンバンハ。
新しいスレになってたので一発目にsageチェック入ってなかったこのバカスサヨウナラ。
ジョシュアの扱いがひでぇwww乙ですww
34 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/05(水) 01:35:45 ID:YLa+jnJl
いまや乳酸菌入りコーラの時代だ
35 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/05(水) 01:42:22 ID:/wx0GZWA
カタギリが天才すぎるwww
ミカンスーツをみかん星人のビジュアルで想像してしまったよ。
毎回職人さんGJ!です。
週末担当の職人さんですね。相変わらずネタが出まくって増すなあ。
コーラさんwww. 相も変わらずいじられてますなあ。
ジョシュアはへタレキャラがしっかりしみこんで・・・。www
お疲れ様でした。
これで即死はないか
「大佐のキッスはいただきだぁ〜い」
サーカスの舞台裏でピエロの衣装を着たコーラサワーがはしゃぎまっくていた。
「煩い!」
「ぼへぇあっ」
横にいたキャスリンの強烈な右ストレートがコーラサワーの頬を直撃。
コーラサワーに500のダメージ!コーラサワーのほっぺたはヒリヒリだ!!
「いてぇな、女!」
「あなたが騒ぐとお客さんに聞こえちゃうでしょ!全く、こんなのがトロワのお友達なんて信じられない」
言いながらキャスリンはもう一発右ストレートを打ち放った(クリティカルヒット!コーラサワーに1000ダメージ)。
そもそも何故コーラサワーがサーカスの舞台裏に居るかというと、遡る事3日前の話である。
「あーーー暇だ暇だ暇だ!なんかこう、模擬戦以外に俺にふさわしいスペシャルな任務は無いのかよ」
プリベンター内でコーラサワーが騒ぐ事は、最早日常茶飯事になっていたので、誰も何もいわなかった。いわゆるシカトというやつだ。
そもそも平和維持の為に設立されたプリベンターなのだから、平和な事は寧ろ喜ぶべき事なのだが。
「くそー!テメエ等皆でシカトしやがって!誰かなんでも良いから俺に任務をよこしやがれー!」
「本当になんでも良いのか?」
先日ビリーが置き土産に置いていった蜜柑を剥きながらトロワが言った。
「なんだスネ夫?お前なんかあんのかうぎゃっ!イテテ、お前、なにすんだよ!」
トロワの強烈なローキックがコーラサワーの弁慶の泣き所に命中。
コーラサワーに1500のダメージ!
「俺は本来名無しだから呼び名にはこだわらないが、その呼び方は止めろ。良く分からんが腹が立った。で、話だが俺のサーカスに出演して欲しい」
「あぁ?サーカスゥ?」
足を擦りながらコーラサワーは答えた。
「ああ、勿論タダとはいわない。特別席のチケットをやるから、その大佐とかいう人でも呼べば良い」
そう言いながらトロワは蜜柑を口に放り込んだ。程よい酸味と甘味が口内に広がる。
成る程、カタギリ博士の自家製蜜柑はなかなかの味だ。
「何!大佐をデートに!?よしよし、やってやろうじゃないか!これで大佐に惚れ直されちゃったりして」
コーラサワー完全に鼻の下が伸びきっている。この顔を変態面と呼ばずになんと呼ぼう。それに別にカティさんはコーラサワーに惚れてる訳ではない(と思う)。
「では、交渉成立だな。3日後にこの紙に書いてある場所に来てくれ」
コーラサワーの肩にポンと手を置いてトロワはニヤリと笑った。
例えるなら、罠に掛かった獲物を見つめる狩人のような笑み。
今までのやり取りを聞いていたデュオが、蜜柑を頬張りながらボソリとカトルに耳打ちする。
「アイツさぁ、彼女呼んでも自分が出演するんだから、デートになんねぇの、分かってないよなぁ?」
「いいんじゃないですか?それにトロワが僕達の分もチケットを用意してくれたので、僕達も観に行きません?
楽しみだなぁ。コーラサワーさん、どんなスペシャルな醜態を演じるんでしょう」
ニコニコと笑いながらカトルも蜜柑を頬張る。
「カトル…お前たまに黒いよな」
「うふふ。デュオ、口は災いの元だよ」
ニコリと金髪の天使が微笑む。
「悪い、俺が悪かった。でもトロワの奴、アイツに何やらせるんだろうなぁ…」
デュオは思わずホールドアップした――
そんなこんなでコーラサワーは今、サーカスにいる。
「さぁ、そろそろメインイベント、お前達の番だ。キャスリン、トロワ気合いいれろよ!新人、お前、生きろよ…」
意味深な言葉をコーラサワーに残して団長は去っていった。
「あたぼーよ!で、そもそも、俺は何をするんだ?」
「あなた何も聞いてないの?もうトロワ、この人で大丈夫なの?」
「キャスリン大丈夫だ。コーラサワー、お前は何も喋る必要は無い、俺達にやられる通りにすればいい。お前の身体能力なら何の問題も無い筈だ」
サーカスコスチューム(EW版)に着替えたトロワが答えた。今日の彼は猛獣使いの役である。
「さぁ、俺達の出番だ行こう」
トロワ達は舞台に向かって歩きだした。慌ててコーラサワーがついて行く。
「いよいよ本日のメインイベント!猛獣使いのトロワとアシスタントのキャスリン、ゾウ君と、そしてピエロのパトリックによる超人ショーです」
団長の声と共にスポットライトが当たる一同。客席から拍手が送られる。
まずキャスリンが動いた。
何処から持ってきたのか、頑丈そうなロープでコーラサワーをぐるぐる巻きにして縛りあげる。
この時コーラサワーが「イテッ」と声を挙げたが、キャスリンが客席に見えないよう腹にグーパンを入れたので、コーラサワーは気絶し、事なきを得た。
そしてキャスリンはつっ立ったままのコーラサワーを横に寝かせ(正しくは、倒し)、またまた何処から持ってきたのか、一畳程の木の板を布団をかけるようにコーラサワーの上にのせた(正しくは落とした)。
準備を完了させたキャスリンは客席に一礼すると舞台裏に去っていった。
そしていよいよトロワとゾウ君の番である。
トロワは空中七回転半ひねりをしてゾウ君に跨がると(この時観客席で拍手が巻き起こった)、コーラサワーの方に向かって歩くよう指示を出した。
ゆっくりとコーラサワーに近づくゾウ君。
小さい子が「危ない!」と叫んだりして、観客達は皆息を飲んで見守る。因みに笑顔で「本当に踏み潰されてしまえばいいのに」と思いながら事を見ているガンダムパイロット達は除く。
そして、ゾウ君がコーラサワーの上にのせた板に右前足を乗せた。
重さに耐えられないのか板がミシッと軋む。
誰かが「キャッ」っと悲鳴をあげたその瞬間、トロワが合図を送り、ゾウ君は右前足だけで立ってみせた。トロワもゾウ君の上で片手倒立。
一人と一頭のバランス感覚は抜群だ。
意識を取り戻したコーラサワーの悲鳴に近い叫び声は、観客達の割れるような拍手でかき消された。
そんなコーラサワーをよそに、トロワとゾウ君は次々と難解なポーズを決めて、その度に割れんばかりの拍手が送られる。
暫くして、トロワが最初と同じ合図を送ると、ゾウ君は泡を吹いて倒れているコーラサワーを鼻で掴み挙げ、「パオーン」と一声あげた後、ペコリと一礼して背中のトロワと泡を吹くコーラサワーと共に退場していった――
「いやー、死なないとは思ってたけど、マジで無傷とは思わなかったぜ!」
「流石ガンダニュウムより硬い男だけあるな」
「僕、ゾウ君とトロワがバランスを崩さないかとハラハラしちゃいました」
「最早不死身と言っても過言ではないな」
舞台裏でガンダムパイロット達が各々の感想を述べる。
一昔前にあった筆箱のような男コーラサワー。彼の上には100人乗っても大丈夫かもしれない。
「お前等、俺がどんな重さに耐えたかっイテテ!」
脇腹を抑えながらコーラサワーはガンダムパイロット達にくってかかる。その元気があれば彼はまだまだ大丈夫だろう。
「しかし、結果は大成功だ。良くやってくれたコーラサワー。次があったらまた頼む」
「おっ前髪!俺様を見直したか!はっはっは観客も拍手喝采だもんなぁ!次でもなんでも俺に任せとけってんだ!」
トロワはまたしてもニヤリと笑った、彼は別にコーラサワーを見直した訳では無い。
トロワは誰にも打ち明けていないが、実は今回のコーラサワーの役目は本来トロワの役目だったのだ。
天然のトロワの姉、キャスリンが役者の安全も全く気にせず提案する、普通の人間ならまず死ぬだろう、通称(サーカス団員達命名)地獄ショーシリーズ。
トロワも幾らガンダムパイロットといえど、例外無く普通の人間。そんなショーに付き合うのは真っ平御免だった(というか過去に何度も死にかけた)。
しかし、却下すればキャスリンは悲しむし、何より「この弱虫!!」とボクサー顔負け、姉の鉄拳右ストレートを食らう羽目になる。
断るに断れず困っていたトロワ。
そこに現れた餌食もといコーラサワー。彼の出現、代役によって自分の姉さんの希望実現と自分の命の保証、そして観客からの拍手喝采。正に一石二鳥、いや三鳥も得られた。
しかも、この次以降も自ら地獄ショーの犠牲になって頂けるというのなら、幾らでも感謝してやるといった展開だったのだ。
「あっそうだ!お前等大佐知らねぇか?お前等も大佐と同じ場所で見てたんだろ。俺の大活躍見てなんか言ってたか?」
そんなトロワの企みに等全く気付いていないコーラサワー。思い出したように大佐の話を持ち出す。
「大佐…ねぇ」
デュオがポリポリと頬を掻きながら言葉を濁す。
「はっきり言う、カティ・マネキンという人物はこの場に来ていない」
ヒイロがビシッと言い放った。
「は?な、何だって?」
コーラサワーは若干うろたえた。
「だから、その女は俺達と一緒に見てなどいない」
五飛も横から口を挟む。コーラサワーの顔の色がみるみる変わっていく。
「皆、事実だけ言ってもコーラサワーさんには伝わらないみたいですよ。コーラサワーさん。今日のニュース見ましたか?」
ニッコリと微笑むカトル、コーラサワーは口ポカンと開けたまま首を横に振った。
「うふふ。マネキンさん、今日からL-2コロニーで新曲の収録があるそうで、朝一番のシャトルで宇宙に向かったそうです。遅咲きの世界の歌姫は多忙みたいですよ」
そうなのだ、元AEUのカティ・マネキン大佐は、最近『JUST COMMUNICATION』という曲で歌手デビューをはたし、そのシングルはいきなりミリオンヒット。一躍世界の歌姫となったのだった。
「な、なんじゃそりゃ〜」
今やコーラサワーの体は白い灰となり、風が吹けばサラサラと飛んでいきそうだ。
「ふふ、残念。フラレましたね」
「大佐の…キ…ス」
カトルの一撃でコーラサワーはノックアウト。そのまま気絶した。
コーラサワー、幾ら本編で活躍しようと君の此処での春はまだまだ先のようだ。
今日も地球は、バカを除いて平和でありましたとさ…
***
祝新スレ!祝コーラ大活躍!
良いこと続きで後が怖いですが、まぁコーラだし大丈夫でしょう。
ティエリア出して、絶望させたいけどネタが思い浮かばない…
では。
GJ!キャスリンがトロワスレに近づいてないか?
GJ!
スレ間違えたかとオモタwww
乙!
こういうのが読みたかったww
48 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/05(水) 23:56:02 ID:/wx0GZWA
大佐があの歌の歌手ってwww
職人さん毎回笑いをありがとう。
変態前髪スレからも職人が来るようになったか…w
保管庫問題も話し合わんといかんのだよな
どうする?
はい!
ないです!
明日放送日か、早いな
これから一話づつが剣ヶ峰だわ(バレスレなんて怖くて近寄れんわ)
>>52 でもこれに間借りできるん?
過疎ってハニー
55 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/08(土) 18:43:54 ID:1byIAbmn
出番ありませんでしたー!
大佐は出てたのに………
キスは一体どうなったんだ
来週を待て
来週でこのスレも最終回になったらどうする
どうもしないか
いやきのこるか
ビリー・カタギリ製作のMS(ミカンスーツ)、その名も名無しのゴンベ号は無事プリベンターに受領された。
もっとも、中身が特殊なので大企業のバックアップはないし整備は全部自分でやらなきゃだし、
ある意味お仕事倍さらにドンな感じなのだが、
まぁ戦力が増えるにこしたことはないわけで。
「しかしよぉ、この色はどうにかならないのかよ」
「色って何が」
「下半身が緑で上半身がオレンジ、これってまんま蜜柑じゃねーか」
「JR東海道線みたいでイカしてると思えよ」
「えー、絶対ヤだヤだ俺ヤだ、新橋色でないとヤだ」
「なら徹夜して塗り直せ! お前ひとりで!」
ハンガーに響くコーラサワーとデュオの漫才。
プリベンターは平和だった。
何せ、今週コーラさんの出番がまったくなかったから、あっちの世界で。
「しかし、もう二度とMS(これはモビルスーツ)で戦うことはないと思っていましたけど」
「あの時はそう誓ったはずだがな……前言を撤回するようだが、しかし仕方ない」
「あの靴下男のような奴がいる以上はな。それとカトル、MS(モビルスーツ)ではなくてMS(ミカンスーツ)だ」
ああややこしい。
でもしょうがないので御容赦されたし。
「まあ、願わくばコイツが出る事件ってのが起こらないでいてほしいもんだぜ」
ポン、とデュオはMS(ミカンスーツ)の足を平手で叩いた。
戦うことに臆しはしない。
また、戦うことの喜びも知ってしまっている。
だが、その戦いをなくすために、彼らは一度武器を捨てたのだ。
ガンダムそのものに愛着はあっても、その決意に後ろ髪をひかれるものはない。
「えー、俺はとっととコイツで出たいぜ」
「お前はホント自重しろよ、プリベンターの存在意義がわかってるか」
「バァカ、悪者はとことんギッタンギッタンにやっつけないとダメだろうが! それでこそ抑止力も発揮されるってもんだ!」
「どっかの警察ロボマンガでこんな人いましたね、そういえば」
「俺に銃を撃たせろー、かい」
しかし、コーラサワーの意見にも一理ないわけではない。
軍隊なんぞあってはならない、平和が一番……という主張は確かに尊いものではあるが、
ならば今の平和は誰のよって守られているのか、というのもまた尊い現実。
改心前のマリーメイアも言っていたが、
戦いのワルツを繰り返しながら人類は今まで発展を続けてきたのであり、
戦争という行為を抜きにして歴史を語ることは絶対に出来ないのだった。
リリーナが目指す完全平和主義は、ぶっちゃけて言ってしまえば実現が限りなく不可能に近い理想である。
だが、その理想を掲げなければ人は新たな一歩を踏み出せない。
だからリリーナはその道の困難さを知りつつも、声を高らかにして平和主義を唱える。
その一方、現実に対応するために、プリベンターのような実動部隊も必要なのだ。
「しかし、実際にこうして目の前にしてみると、私も逸る心を抑えきれんな。何せ我慢弱い男だ、私は」
「素直に乗りてーって言えよ、ナルハム野郎」
「……ここで一発、隊長よりも俺の方がふぇぐるぶしゅ」
「ああ、お前は黙ってていいから、アラスカ野」
「あなたたち、頼むから勝手なことはしないでね」
早く乗りたい派とそうでもない派に分かれたプリベンター。
現場を統括するサリィ・ポォとしては、なるべくならMS(ミカンスーツ)が出張るようなことだけは避けたいところだった。
その前に事件の芽を摘んでこそのプリベンターだし、
それにコーラサワーやグラハムが大暴れしたら被害額がハネ上がってしまう。
「よし! じゃあまた模擬戦すっか!」
「やめとけ、また涙目になるぞ」
「あの時は腹の調子が悪かっただけだ! 今度こそはスペシャルな俺の力を見せつけてやる!」
「おい五飛、今度は足腰立たないようにとことんやってやれよ」
「そうだな、そうするか」
「あんたたち! もういい加減にしときなさい!」
プリベンターはホントに平和だった。
これが果たして嵐の前の静けさであるかどうかは、今のところは定かではない。
出番ナシでしたコンバンハ。
MS(ミカンスーツ)、何かいい呼び方ありませんかサヨウナラ。
乙でした
>>53 種がからまなくても大丈夫だろ。etcのとこのハルケギニアの蜻蛉は種なしだし
任せた
ミカンスーツの名前↓
ネーブルバレンシア
決定だな
Wの進行だと、次回でようやくヒルデ初登場だったんだよな。
1期2期分断はやっぱ変な感じだ。
コーラさんがまだまだ俺らを楽しませてくれますように。
コーラ大変だ
過疎だな
はい!過疎です!
「ところで、ものは相談なのだが」
プリベンター本部の昼下がり、グラハムが唐突に口を開いた。
嫌な予感はしつつも、黙って先を促す他の面々。
グラハムの主張は次の通りだった。
「そろそろ私にもコードネームをつけてもらいたい」
「いらん」
と、即座に却下する五飛。曰く、
「コードネームが必要なほど貴様は活躍しとらんだろう」
「何を言う、これから絶対に必要になるに決まっている。
それにあの彼にさえコードネームがあるというのに、私にないのは些か不公平だ」
彼というのは言わずもがな、我らがヒーロー・コーラサワー氏その人である。
ちなみに当の本人は買い出し(パシリともいう)のため現在は不在である。
一連のやりとりを端で聞いていたアラスカ野が、遠慮がちに口を挟んだ。
「あ、じゃあ俺にもコードネームつけてほしゅぐぼぅあがががが」
「君は黙っていたまえ。今話をしているのは私だ」
「いへぇーっ! ははへ、ははひへふへーっ!」
頬を抓られて悲鳴を上げるアラスカ野、だがいつもの光景なので誰も気にとめない。
グラハムの期待に満ちた視線を受けて、残りの面子は顔を見合わせた。
円陣を組み、額を寄せ合って小声で相談する。
「どうするよ、こうなったら梃子でも動きそうにないぜアイツ」
「まあ、考えてあげてもいいんじゃないですか? 頑なに拒む理由もないわけですし」
「時間の無駄だ」
「いや、さっさと決めてやった方が却って早いかもしれん」
「そうだな。決定するか否かはおいといて、候補だけでも挙げてやればひとまず満足するだろう」
というわけで、グラハムのコードネーム候補を考えてやる方向で話はまとまったのだった。
「でさあ、アンタとしてはどんなのをご希望よ?」
「うむ、そうだな……」
顎に手を当ててしばし考え、何を思いついたか満面の笑みを浮かべて言う。
「やはり私のかつての愛機にちなんで、プリベンター・フラッグというのは」
「待て! フラッグを駆っていたのはあんただけじゃないだろうが。
俺もフラッグファイターだったんだ、その名は俺にだって名乗る権利がある!」
「ちっ、余計なことを」
「“ちっ”て言った!? 今あんた小声で舌打ちしたな!?」
小さく吐き捨てられた言葉を耳敏く聞きつけたアラスカ野が喚く。
うんざりしながらも無視を決め込み、グラハムは次の案を口にした。
「では、あちらの世界での私の台詞から採るというのはどうだろう」
「あーなるほど、あっちの世界のアンタの台詞ってーと……」
「では、プリベンター・乙女座ですね」
カトルがにこやかに言う。
「……いや、せめて漢字ではなくヴァルゴと言ってくれないか」
「そんな気障ったらしいのはなし! いっそプリベンター・センチメンタルでどうよ」
「まてデュオ。呼ばれる側はいいとしても、呼ぶのは俺たちだ。
そんな恥ずかしい名は口にしたくない」
とはヒイロの弁。トロワも頷いて同意を示している。
「くっ……ならば、私は阿修羅をも凌駕する男だから、プリベンター・アs」
「ほう、プリベンター・三面六臂か」
グラハムの言葉を遮り、五飛が割って入った。
どうやらこれがデュオの笑いの壷に入ったらしく、床の上をゲラゲラとのたうちまわっている。
「ひーっ! ひひひひひ、さんめんろっぴて、もはや人間じゃねえぇ!」
「でもよく考えて五飛、デュオ。
三面六臂という名だと、まるでグラハムさんが働き者のようにも聞こえてしまうと思うんです」
さりげなくカトルの言うことは酷い。
まあ実際、あちらの世界はともかく、こちらのグラハムは何かの役に立った試しはないのだが。
「それ以前に、凌駕すると言っている男が阿修羅そのものを名乗るのは矛盾しているだろう」
「ぐっ」
トロワの的確なツッコミに唇を噛むグラハム。
どうにか笑いを収めたデュオが涙を拭きながら立ち上がる。
「あー、今のも駄目か、俺としちゃすげえ気に入ってたんだけどな。
そんじゃあ、ほかにいい台詞はあったっけか?」
「プリベンター・心奪われた男とかどうでしょう」
「プリベンター・我慢弱い男はどうだ」
「プリベンター・堪忍袋の緒が切れた」
「おいおいお前ら、それはちょっと長すぎるだろ。もうちょっと呼びやすくしようぜ」
「ふん、ではプリベンター・熟知している」
五人のあまりに酷い発言の数々に、アラスカ野が今にも吹き出しそうな顔をしている。
さすがにそろそろ自分がからかわれていることに気づいたグラハムは、思い切って訊いてみた。
「君たち、少しでも真剣に考える気はあるのか」
この問いに対して五人の返答は、
「ない」
「ねえよ」
「ありません」
「ないな」
「あるわけないだろう」
と、揃って全否定。
いっそ清々しいほどきっぱりと言い切る少年たちに、グラハムは言葉を失った。
自分としてはそれなりに弁が立つつもりでいただけに、一回りも年下の少年たちに
いいようにあしらわれたのが悔しくてならなかった。
憤怒の形相で、血の涙を流しながらハンカチを噛みしめる。その見た目はかなりキている。
「あ、あれー、ちょっとからかいすぎた、かな?」
「恐れるな。たとえ奴がぶち切れたところで黙らせる方法はいくらでもある」
「いや、だから、お前はもうちっと穏便に事を運ぶってことおぼえような五飛」
そんな不穏な空気が部屋を満たし始めた、そのとき。
「ふいー、たっだいまー。重かったぜえ」
空気をまるっきり無視した脳天気な声が響きわたった。
そう、我らが英雄パトリック・コーラサワー氏のご帰還である。
何故か衣服がぼろぼろになりながら、両腕には皆の昼飯と、大量のみかんを抱えている。
「どうしたんだよアンタその格好。あと山のようなみかんは何事よ」
「ああ、これか? いやー参ったぜ、道の途中で車に跳ねられてよ。
文句の一つも言ってやろうかと思ったけど、乗ってたのがまだ青さは残るが将来有望そうな
美少女だったから、まあ俺のひろーい心でもって許してやったわけだ」
胸を張って威張るパトリック・コーラサワー28歳。
どうやら車如きでは彼に傷をつけるのは不可能のようである。
「で、このみかんはカタギリ博士からのお裾分け。
自家農園で大量に収穫できたとかいってリヤカーいっぱいに積めて渡されてな。
ここにあるだけじゃなくて、実はまだ表に大量に残ってる」
窓の外を示されたので覗いてみると、確かにリヤカーいっぱいのみかん、みかん、みかん。
「げえぇー。あの人は加減ってもんを知らねえのかよ」
「気が遠くなりそうな数ですね……」
ここまでくるともはや苦笑しか浮かばなかった。
「ところでさ、ナルハム野郎どうしたん。キモいぞアレ」
半ば引き気味のコーラサワーの指す先には、未だ血涙を流すグラハム・エーカー27歳。
「あれか。奴がコードネームをつけて欲しいと言うから皆で考えていたんだが、難航していてな」
五飛の説明は嘘ではないが真実も語ってはいない。
言い方一つで彼らがグラハムを苛めていた事実がなかったことにされてしまうのだから
言葉というものは恐ろしい。
コーラサワーはふーんと頷きながらグラハムと、ついでにアラスカ野を一瞥して、
あっけらかんと言い放った。
「いっそプリベンター・アホとプリベンター・マヌケでいいんじゃねえの」
この言葉に五人はしばし顔を見合わせ、それから得心がいったというようにぽんと手を打った。
「これだ」
「決まりだな」
「そうだよ、深く考えすぎるから駄目だったんだな!」
「簡潔でわかりやすくて、しかもバカアホマヌケと統一感があって凄くいいと思います」
「バカの割に珍しく建設的なことを言う」
「おっ、そうか? いやー照れるな、誉めたって何も出ないぜ」
照れたように笑うコーラサワー。どうやら貶されていることには気づいていない模様。さすがはバカである。
「よし、では早速サリィに上申してくる」
「ま、待ちたまえ五飛! よもや本気ではあるまいな!?」
「おおお俺も嫌だぞ、マヌケなんて!」
踵を返す五飛を止めようと、慌てて呼び止めるグラハムとアラスカ野。
だが五飛は聞く耳など一切持たず、風のように軽やかに立ち去っていく。
「待て、待ってくれ! いやお待ち下さいませだ五飛!」
「やめてくれ頼むから! 後生だ五飛本気で待って頼むお願いだから!」
必死の形相で五飛を追いかける二人。
そんな彼らの背中を見送って、残された面々は肩を竦めた。
「追いつけっかなー、あいつら」
「賭けでもするか?」
「おっ、いいねえトロワ。お前らも乗れよ」
果たして二人は五飛に追いつけたのか。賭けは誰が勝利したのか。それは神のミゾ汁──
はじめまして皆様ご機嫌麗しゅう。いつもの人とは別人ですがネタを投下してみました。
グラハムのキャラが崩壊しまくってたりヒイロとトロワの差別化が出来てなかったりいろいろあれですが読んでいただけると嬉しいです。
>>73 乙
土曜日のじゃないのか、文体も用法も似てるから驚いた
職人も増えてきたし、コテつけてもらうしかないかなあ
>>74 しょっぺえええw
しょっぺすぎるミカンスーツw
三面六臂で噴いた。
年下におちょくられるグラハムがおもしろかったよ!
気が向いたらまた投下してくれ
77 :
支援:2008/03/10(月) 23:23:34 ID:bcnRyZOQ
かつて誤字を指摘させてもらった者ですが。
・・・・元祖職人氏の反撃に期待大。
元祖職人氏の芸風が炸裂しなければ、こんな秀逸な類似ネタも出てこなかったのだから。
読んでいる間、別人とは全く気がつかなかった。
「ふっふっふ・・・私もネタ師なのだよ・・・」という反撃に期待させてもらいます。
コテは元祖職人氏も敢えて付けないだろうから、このまま皆自己申告で良いんじゃない?
まぁ職人は全然気にしてないと思うけどなw
今後のコーラさんは
>>74 これで戦いたくはないが、ものっすごく乗ってみたい。
乗るだけ乗ってみたい。
あと出てないキャラは誰だ
登場人物紹介を見る限りではハロは出てないんじゃないか
バンパンと手を鳴らしてプリベンター達の注目を集めると、サリィがコホンと咳払いをして口を開いた。
「皆聞いて、プリベンターにスポンサーが付くことになったわ」
「とうとう私達を認める団体がふごふぁっ」
「アラスカ野お前は黙ってろよ。やっぱり俺様のスペシャルな活躍のお陰だろ!!スポンサーって事はロゴ入りユニフォームとか、TV出演とかあるんだよな!」
コーラーサワーが目をキラキラ輝かせながらサリィの話に食い付いた。
「残念ながら違うと思うわ、何でも個人の申し出らしいの。シーリンから送られた資料によると、『昔仕えてた貧乏姫が、最近セレブになって言い出した戯言。国も無いから適当に搾り取るだけ搾り取っちゃいなさい』ですって…もうすぐ挨拶に来るそうよ」
手元にある資料を見ながらサリィは説明する。どうやらサリィもどんな人物か知らないようだ。それにしてもシーリン、ドSである。
「どんな形であれスポンサーが付くということは資金が入るという事。これで私のネーブルバレンシアにフラッグの様な魔改造を施せるということだ」
「何!?俺のネーブルにも羽を装備出来るという事か」
「そういう事になるな」
グラハムとヒイロ、2人仲良くガッツポーズ。こ
そしてマリナは熱く語りだした。
面倒臭いので簡単に説明すると…
A.C.195時、貧困に喘いでいたアザディスタンとその国の姫マリナ、ダメ元で中東諸国でも財力のあるウィナー家に資金援助を頼んだ所、あっさりOK。
それからというもの、国の財政も潤い経済も右肩上がりに上昇。
統一国家が出来た今、マリナの姫としての勤めも終わり、自身も事業を展開。そしてそれも大成功。貧乏姫から一躍トップセレブに大変身!というのを1時間に渡りマリナは大演説した。
「そして、ウィナー家、いえカトル様に恩返ししたいと思っていた所、プリベンターに所属しているのをシーリンから聞きまして、是非資金援助をさせていただきたく訪れたのです」
「は、はぁ…(父上が亡くなった時、自暴自棄であちこちに援助とか投資とか適当にしまくってたなんて、流石に初対面の人には言えないよねぇ…)」
一時間手を握られっぱなしのカトルは取りあえず笑ってみたが、ぎこちない笑みになってしまった。
「理由はわかりましたマリナ嬢、では資金等の具体的な内容を…」
グラハムがニッコリ笑って差し出した手をマリナはバシッと片手で払い除けた(片手はカトルの手を握ったまま)
「触るな無礼者!成人以上が私の近くに寄るな!視界に入るな」
「え?…ぐは」
マリナはサッと護身用スタンガンを取り出しグラハムに食らわせた。バタリと倒れるグラハム。折角まともに振る舞えたのに、哀れグラハム。
「おいおいお姉さーん、そんな物騒なもの使うなよっぐひゃあ」
「だから、その成熟仕切った筋肉を近付けないで!」
続けてスタンガンを食らうコーラーサワー。バタリと倒れ…
「い、いてぇじゃねぇか!!」
スタンガン位じゃ気絶しなかった、コーラーサワー。マリナに食ってかかる。
「そんな、嘘。私のスタンガンで気絶しないなんて、笑えない冗談だわ!」
「ぐひゃぁ!」
もう一度スタンガン攻撃。流石に2度はきついのかコーラーサワー撃沈。
「あ、あのぉ、援助は…」
アラスカ野が恐る恐る声を挙げた、が。
「だから、誰が貴方達成人男性に援助するなんて言ったーー」
スタンガン攻撃を食らい、アラスカ野も呆気なくダウン。
凍り付くガンダムパイロット達と、床で倒れる馬鹿3人。ハッと我に返ったマリナがニッコリと微笑む。
「勿論、貴方達のような可愛らし、いえ素敵なガンダムパイロットの皆さんには沢山出資致しますので安心して下さいね。それにしても…」
カトルの手をスリスリと擦りながら、うっとりとした目でマリナは話始めた。
「スベスベのお肌に、発達仕切っていない筋肉、あどけない瞳…そこの緑のタンクトップの貴方!『俺がガンダムだ』って言ってみて」
カトルから手を離しヒイロに向かって指を指すマリナ。やっと手を話して貰ったカトルは霧吹きタイプのエタノールを手に吹き掛け、丁寧に拭いた。
「な、何故俺が…」
突然のご指名にうろたえるヒイロ。
「早く!」
周りの言わないとあの馬鹿達と同じ目にあうぞ、という無言の圧力を感じ渋々ヒイロは口を開いた。
「お、お、俺が、ガンダムだ」
「あぁぁん、その無愛想で生意気な思春期特有の言い方。たまらないわぁ。カトル様が守ってあげたい弟君タイプなら、タンクトップ君は無愛想だけどそこが可愛い少年タイプ!
様々なジャンルをカバーしあう完璧な5人組!!本当、貴方達みたいな美味しそうな子達の為ならお姉さん何でもしてあげちゃう!」
マリナ、完璧に別次元に飛んでいる。ガンダムパイロット達はゾクリとした生命の危機を感じた。
戦場で感じるスリルに近い危機ではなく、とって食われるような、オカズにされちゃうような危機。
「成る程、スポンサーの真の狙いは俺達か」
「何分析してんだよ五飛。お、おいカトル。お前沢山の姉ちゃんお陰で、年上の扱いには慣れてるんだろ。お相手してやれよ」
「そ、そんな事言われたって嫌ですよ。なんか手を握られた時、気持ち悪かったし…」
「なら、トロワ」
「嫌だ、無理だ」
「何故、何がガンダムなんだ…ゼロ、教えてくれ…」
真っ青な顔でカタカタと震えるガンダムパイロット達とそれに迫るマリナ。
双方の様子を見ていたサリィは、チラリと資料に目を落とした。
良く見ると資料の一番下の方に小さく文字が書いてある。
『ただ、マリナ様は10代以上の男性を極度に嫌い、10代の少年が大好物なので注意して下さい』
様はショタコンという訳だ。しかも重度の。今更言ってもしょうがないし、取りあえずスポンサーにはなってくれるようなので、サリィは自分の読み落としを見過ごす事にした。
それに、たまには皆私を困らせる罰を受けるべきなのよ。サリィは勝手に納得する事に決めた。
マリナ・イスマイール。新たな変態にして、ガンダムパイロット達最大の敵をスポンサーに迎え、プリベンターは更に発展して行くのであった。
今日も地球はバカを除いて平和でありましたとさ…
***
どうも毎週水曜日の人です。
今回はネタの都合上カトルが黒く無いですね。
マリナこんな性格にして良かったのかなぁ…でも20過ぎて10代の少年好きになるって絶対、ショタコ(ry
では。
乙…と言いたいところだが、
>>83が途中で切れとりゃせんか?
おつ
こうして複数の職人によって世界が構築されていくわけだな
ところでもうコテを「水曜日の人」にしちゃいなよyou
「ふああああああ、よく寝たぜ」
パトリック・コーラサワー。
29歳、男。
元AEU軍人、現統合政府直属組織プリベンターのメンバー。
性格は甚だしくマイペース、さらに自信過剰気味、若干天然。
特技は模擬戦、好きなものも模擬戦、趣味も模擬戦。
座右の銘は「俺のおかげ」、尊敬する人はかつての上司であるカティ・マネキン元AEU大佐。
「ん! 晴れだな今日は! はっはっは、間違いなく俺のおかげだぜ!」
コーラサワーの朝は早い。
ズボラで通っており、遅刻常習犯の彼だが、
実は寝覚めが物凄く良くて起床を苦にしないタチ。
何せ幼い頃は休日となれば六時七時に友達の家のチャイムを押すような早起き少年だったわけで、
ついたあだ名が『ニワトリ殺し』、もしくは『太陽の申し子』というもの。
こういうタイプ、学校がある日仕事がある日は重役出勤がお約束なのは、賢明な諸氏の明察する通りである。
「今日も元気だ、牛乳が美味い! ってか!」
今は今とて五時半には起き、まずは冷蔵庫から牛乳(ビリー牧場産)をゴキュゴキュと一気飲み。
コーラサワー、実は牛乳に対するコダワリは強い。
もっとも、それ以外に関しては結構大雑把だったりするが。
添加物がどーだの期限があーだのと文句つけない辺りは、
さてさて大物の証と言ってしまっていいものやら。
「うっし! それじゃあまずは朝の模擬戦いってみようか!」
元来ナマケモノの彼であるが、模擬戦と恋愛だけは身を入れて取り組んでいる。
後者は生来オンナスキーであると片付けることも出来るが、
では、何故前者は不満も言わずにやっているのか。
「プログラムは砂漠戦、敵は砂地仕様のサーペント五期、味方はナシ……」
慣れた手つきで、コーラサワーはシミュレーターに条件を打ち込んでいく。
今にも鼻歌でも唄いださんばかりにノリノリである。
なおこのシミュレーター、○ニーと任○堂とマイク○ソフト、
ついで○ガとボー○ングとホ○ダとヒュ○ダイとソフト○ンクと集○社が共同で開発したもので、
軍に訓練用として制式採用されたものだったりする。
めっちゃ高性能なわけだが、それを何故コーラサワーが持っているのかというと、
軍を辞める時にかっぱらってきたんだろうというのが専らのウワサになっている。
「こちらはイナクト、エネルギー残量75%、被ダメージ10……」
言ってみれば、模擬戦は彼にとって自己を確認する作業なのかもしれない。
また、この方面に才能が豊かだったのもあるだろう。
腕っ節は正直卓越したものがないが、一旦MS(これはモビルスーツね)に乗ってしまえば、体格も腕力も関係ない。
純粋に技術のみの勝負となり、パイロット養成学校から軍に任官してこっち、
本人も度々吹聴しているように模擬戦二千回腐敗、じゃない不敗という記録を打ち立てる程のテクニックであるからして、
やっててつまんないわけがないのである。
だって相手をボッコボコに出来るわけだし、いっつも勝つわけだし。
いつでも負けないパチンコなら誰だってやりたいってもんである。
「おらぁ! どらぁ! てめぇ! 落ちろ! くらえぇ!」
うるさい。
正味の話、うるさい。
模擬にしろ何にしろ、熱くなって思わず言葉を発してしまうことはあろうが、
何もシミュレーターでぎゃあぎゃあ騒ぐことはあるまいに。
叫ばないパイロットはMS乗りにあらず、というのがガンダム世界のお約束とはいえ、
コーラサワーの場合は無意味に吠えまくりなのでたまらない。
しかし、ただでさえ広くないこのマンションの部屋、
シミュレーターの音量だけでもかなりの大きさだが、
これが何と隣近所から怒られたことがない。
何故か?
答は簡単、彼以外に誰も住んでないからである、マンションに。
ボロボロじゃない綾○レイのマンションを想像してもらえれば、多分それが一番近かろう。
じゃあ何で誰も住んでないかというと、これも答は簡単簡単、欠陥住宅だから。
耐震構造を偽って建てられ、だーれも入居者が入らなかったところをコーラさんが借りたという次第だ。
まぁ、コーラサワーが住んでる限りは潰れないでしょう。
コクピットの真下を貫かれて生きてる男です、多少の災害はそれこそ敵じゃありません。
「人様の領土に土足で踏み込んどいて、ただですむと思ってねーよなぁ! はははは!」
叫ぶコーラサワー。
しかし、シミュレーター相手に言う台詞ではない。
「この俺を、AEUのエースと知ってのことかぁ!? 模擬戦二千回無敗の、パトリック・コーラサワーとなぁ!」
だからシミュレーター相手に言う台詞(略)。
「おおう!? てめぇわかってねえだろ! 俺は! スペシャルで! 二千回で! 模擬戦なんだよぉお!」
あ、ミスってやがる。
「俺としたことが何というケアレスミスリセーット!」
ここでコーラサワー、シミュレーターをリセット。
こうすれば戦歴は記録されない。
成る程無敗、お手軽ナンバーワン。
ジャパネットたかたもびっくりです。
奥さん今ならイナクトもついてきてお値段そのまま、超オトクですよ。
「ふう、俺は何も見なかったぜ。だから皆も忘れろ」
だから誰に言ってんだよこの人。
もう少し落ち着けよ、来年三十路なんだろ。
それにちょっと台詞に五飛分が入ってるぞ。
「……さて、いい汗かいた。ちょっとシャワーでも浴びっか!」
かいたのは冷や汗じゃないのか、というツッコミはさて置きつつ。
着ているものをポンポコ脱いでシャワー室へコーラサワーは直行する。
せめてシャワー室の手前で脱げばいいものを、
シミュレーターの前で素っ裸になったものだから、何というかこれはまんま裸族である。
文字通りぶらぶらさせながらシャワー室に向かう彼を見て、
果たして何人が元AEUのスペシャルエースだと見抜けるだろうか。
断言してもいいが、まず皆無であろう。
看破出来たらそれこそマネキン大佐の域に達しているので、
ただちにこの男を引き取りに来た方がよろしい。
返品は一切不可ということを付け加えておく。
「ふんふんふん〜、俺はスペシャル〜、とくらぁ」
上機嫌のコーラサワー。
さっきシミュレーターでヘグったことなどすっかり脳みそから追い出している。
鳥でももうちょっと覚えているはずで、まったくいい性格と言う他ない。
得てしてこういう奴がとんでもない大金星を拾ってくるわけだが、
それは対デュナメス戦で皆さんご存じの通り。
「さぁて、今日はどう過ごすかね? 久し振りに大佐に連絡でもしてみてもいいな」
元AEUのエース、パトリック・コーラサワー。
彼は今、こっちの世界でとことんマイペースに生きている。
個性的な仲間に囲まれながら―――
達者な職人諸氏が参入されて実に心強い限りですコンバンハ。
名無しのままでは今後色々と差し障りがあるかもしれないので今後このコテでいきますサヨウナラ。
乙!リアルタイムで見れたぜ!
>>87 うわぁ、やっちゃった…指摘d
しかもまさかの前スレの影響かコーラーサワーって打ってるし…orz
切れた所は『この2人部分的には気が合うらしい。』です。
各自脳内補正で読んで下さい。(SS保管の際、修正とか出来るなら頼みます)
来週以降はこんなことのないように頑張りますんで…
ちょっと誤字脱字の罰受けに、カティ大佐んとこまで殴られにいってくるわ。ノシ
連投スマソ
今確認したら滅茶苦茶切れてた…orz
もう一度完全版を投下し直します。
無駄なスレ消費本当すまん。
あともう木曜日ですが私のコテはこれで行きます。
バンパンと手を鳴らしてプリベンター達の注目を集めると、サリィがコホンと咳払いをして口を開いた。
「皆聞いて、プリベンターにスポンサーが付くことになったわ」
「とうとう私達を認める団体がふごふぁっ」
「アラスカ野お前は黙ってろよ。やっぱり俺様のスペシャルな活躍のお陰だろ!!スポンサーって事はロゴ入りユニフォームとか、TV出演とかあるんだよな!」
コーラサワーが目をキラキラ輝かせながらサリィの話に食い付いた。
「残念ながら違うと思うわ、何でも個人の申し出らしいの。シーリンから送られた資料によると、『昔仕えてた貧乏姫が、最近セレブになって言い出した戯言。国も無いから適当に搾り取るだけ搾り取っちゃいなさい』ですって…もうすぐ挨拶に来るそうよ」
手元にある資料を見ながらサリィは説明する。どうやらサリィもどんな人物か知らないようだ。それにしてもシーリン、ドSである。
「どんな形であれスポンサーが付くということは資金が入るという事。これで私のネーブルバレンシアにフラッグの様な魔改造を施せるということだ」
「何!?俺のネーブルにも羽を装備出来るという事か」
「そういう事になるな」
グラハムとヒイロ、2人仲良くガッツポーズ
この2人、部分的には気が合うらしい。
「兎に角、一応地球圏統一国家が出来て国が無くなったとしても、相手は元お姫様。失礼の無いようにね」
ふぅ、とサリィは頭に手を置き溜め息を着いた。
もう、真剣に転職考えようかしら…そんな事を考えているとコンコンとドアがノックされた。どうやら待ち人が来たようだ。
一番近くにいたトロワがドアを開けた。そこには黒髪の東洋、いや、中東美人が立っていた。ブランド物のバッグに服、いかにもお金持ちといった感じに、思わずヒュウッとデュオが口笛を吹く。
「初めまして、私マリナ・イスマイールと申します」
こうしてプリベンター達とマリナは出会ってしまった…
「で、どうしてウチのスポンサーに?」
マリナをソファに促しヒルデが出してくれたお茶を勧めながらサリィが聞いた。この場の全員が聞きたい事である。
こんな利益のない組織に出資するなんて、よっぽどの物好きか(みかん博士とか)何か裏がある以外に考えられないからだ。
「それは…」
マリナは辺りを見回しカトルと目が合うとガシッとカトルの手を掴んだ。
「貴方様のお陰です!」
「は、はい?」
そしてマリナは熱く語りだした。
面倒臭いので簡単に説明すると…
A.C.195時、貧困に喘いでいたアザディスタンとその国の姫マリナ、ダメ元で中東諸国でも財力のあるウィナー家に資金援助を頼んだ所、あっさりOK。
それからというもの、国の財政も潤い経済も右肩上がりに上昇。
統一国家が出来た今、マリナの姫としての勤めも終わり、自身も事業を展開。そしてそれも大成功。貧乏姫から一躍トップセレブに大変身!というのを1時間に渡りマリナは大演説した。
「そして、ウィナー家、いえカトル様に恩返ししたいと思っていた所、プリベンターに所属しているのをシーリンから聞きまして、是非資金援助をさせていただきたく訪れたのです」
「は、はぁ…(父上が亡くなった時、自暴自棄であちこちに援助とか投資とか適当にしまくってたなんて、流石に初対面の人には言えないよねぇ…)」
一時間手を握られっぱなしのカトルは取りあえず笑ってみたが、ぎこちない笑みになってしまった。
「理由はわかりましたマリナ嬢、では資金等の具体的な内容を…」
グラハムがニッコリ笑って差し出した手をマリナはバシッと片手で払い除けた(片手はカトルの手を握ったまま)
「触るな無礼者!成人以上が私の近くに寄るな!視界に入るな」
「え?…ぐは」
マリナはサッと護身用スタンガンを取り出しグラハムに食らわせた。バタリと倒れるグラハム。折角まともに振る舞えたのに、哀れグラハム。
「おいおいお姉さーん、そんな物騒なもの使うなよっぐひゃあ」
「だから、その成熟仕切った筋肉を近付けないで!」
続けてスタンガンを食らうコーラサワー。バタリと倒れ…
「い、いてぇじゃねぇか!!」
スタンガン位じゃ気絶しなかった、コーラサワー。マリナに食ってかかる。
「そんな、嘘。私のスタンガンで気絶しないなんて、笑えない冗談だわ!」
「ぐひゃぁ!」
もう一度スタンガン攻撃。流石に2度はきついのかコーラサワー撃沈。
「あ、あのぉ、援助は…」
アラスカ野が恐る恐る声を挙げた、が。
「だから、誰が貴方達成人男性に援助するなんて言ったーー」
スタンガン攻撃を食らい、アラスカ野も呆気なくダウン。
凍り付くガンダムパイロット達と、床で倒れる馬鹿3人。ハッと我に返ったマリナがニッコリと微笑む。
「勿論、貴方達のような可愛らし、いえ素敵なガンダムパイロットの皆さんには沢山出資致しますので安心して下さいね。それにしても…」
カトルの手をスリスリと擦りながら、うっとりとした目でマリナは話始めた。
「スベスベのお肌に、発達仕切っていない筋肉、あどけない瞳…そこの緑のタンクトップの貴方!『俺がガンダムだ』って言ってみて」
カトルから手を離しヒイロに向かって指を指すマリナ。やっと手を話して貰ったカトルは霧吹きタイプのエタノールを手に吹き掛け丁寧に拭いた。
「な、何故俺が…」
突然のご指名にうろたえるヒイロ。
「早く!」
周りの言わないとあの馬鹿達と同じ目にあうぞ、という無言の圧力を感じ渋々ヒイロは口を開いた。
「お、お、俺が、ガンダムだ」
「あぁぁん、その無愛想で生意気な思春期特有の言い方。たまらないわぁ。
カトル様が守ってあげたい弟君タイプなら、タンクトップ君は無愛想だけどそこが可愛い少年タイプ!様々なジャンルをカバーしあう完璧な5人組!!本当、貴方達みたいな美味しそうな子達の為ならお姉さん何でもしてあげちゃう!」
マリナ、完璧に別次元に飛んでいる。ガンダムパイロット達はゾクリとした生命の危機を感じた。
戦場で感じるスリルに近い危機ではなく、とって食われるような、オカズにされちゃうような危機。
「成る程、スポンサーの真の狙いは俺達か」
「何分析してんだよ五飛。お、おいカトル。お前沢山の姉ちゃんお陰で、年上の扱いには慣れてるんだろ。お相手してやれよ」
「そ、そんな事言われたって嫌ですよ。なんか手を握られた時、気持ち悪かったし…」
「なら、トロワ」
「嫌だ、無理だ」
「何故、何がガンダムなんだ…ゼロ、教えてくれ…」
真っ青な顔でカタカタと震えるガンダムパイロット達とそれに迫るマリナ。
双方の様子を見ていたサリィは、チラリと資料に目を落とした。
良く見ると資料の一番下の方に小さく文字が書いてある。
『ただ、マリナ様は10代以上の男性を極度に嫌い、10代の少年が大好物なので注意して下さい』
様はショタコンという訳だ。しかも重度の。今更言ってもしょうがないし、取りあえずスポンサーにはなってくれるようなので、サリィは自分の読み落としを見過ごす事にした。
それに、たまには皆私を困らせる罰を受けるべきなのよ。サリィは勝手に納得する事に決めた。
マリナ・イスマイール。新たな変態にして、ガンダムパイロット達最大の敵をスポンサーに迎え、プリベンターは更に発展して行くのであった。
今日も地球はバカを除いて平和でありましたとさ…
***
これでもう大丈夫なはず…
今度からはきちんと全文確認しますので。
前の文章は無かった事にしといて下さいorz
本当殴られに行って来ます。
101 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/13(木) 07:10:16 ID:LlPq7kg+
>>100 成熟仕切った筋肉を近付けないでwwwツボにハマった。GJ!
あんたが一番おもしろいや>水曜人
test
何でロランがいるんだ?
105 :
不定期職人:2008/03/13(木) 12:50:40 ID:???
「教会に逆らって、魔女を助けると!?。 お気は確かか、ウィナー卿!!。」
「・・・バートン卿、彼女は魔女なんかじゃありません。 王家の都合で神の声が
聞こえたという乙女を救世主に仕立て上げ、戴冠したら、まるで邪魔者のように、
魔女に仕立て上げる。こんなことは私は許すことはできない。 いまから、彼女を
助けに行きます。」
「しかし、魔女と認定されたものを助けたとなると、貴公も黒魔術師として、処刑されるんですよ。
この国の良心といわれる貴公が処刑されたら、この国はどうなるんです。」
「マックスウェル卿、私をお気使いいただいて、光栄です。 しかし、
私はこの国の行方は心配していません。 例え我が身がこの世からなくなろうとも、
私と同じ志を持った者が現れるでしょう。 いまはこの愚かな所業を止めることが
先決です。 では失礼します。」
「ウィナー卿!!。 ・・・貴公のお覚悟はわかった。ただ、お一人でいかすわけにはいかない。
我等も貴公と同じ思いを抱くもの。 援軍として加えていただきたい。」
「バートン卿・・・。マックスウエル卿・・・。」
3人剣をかざし、剣を交わす。
「さあ、急ぎましょう。ルーアンへ!!。」
3人は、馬に跨り、全速力で異端尋問裁判が行われているルーアンへ駆け出した。
彼らが去った後、黒髪と茶色の庇のような髪型をした男2人が藪の中からあらわれる。
「どうやら、本気らしいな。 しかし、あのウィナーって男、童顔だけど、強烈な人間だな。五飛。」
「人はみかけによらんよ、ヒイロ。 だがあの3人をほっとくわけにはいくまい。
俺は彼らを助けに行く。 おまえはどうする。」
「ここで傍観してりゃ男が廃るってものよ。 あの3人には生きててもらわなきゃ困るってわけよ。
なんせ、カトル、トロワ、デュオの御先祖様なんだからな。」
五飛、にっと笑い、「予想どうりの回答だな。 ほんじゃいきますか。」
と2人は隠してあった、小型ジェットを背負い、ルーアンへと旅立った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はい、お疲れ様でした。」 演出から声がかかる。
部屋が明るくなり、緊張が解けて賑やかになった。
「いやあ、本当に初めてなんですか。声優のお仕事は。」と演出家が問うと、
「ええ、本当に絵に合わせて台詞を入れるのは緊張しました。 意識的に声は低めにしたんですが。」とカトル
がいうと、「モビルスーツの操縦よりも緊張しましたよ。」とトロワとデュオ。
「俺たちは現代からタイムスリップしてきて、彼らを助ける役目でしたけど、
かまないように緊張してましたよ。」と五飛とヒイロ。
「いや、声量もあるし、演技もプロ顔負けでしたよ。 思わずあの世界にのめりこんでしまいました。
今度もまたお願いします。」とヒロイン役の声優。
演技を褒められて照れ笑いする五人。 こういう褒め方に弱いところは、まだ十代の青少年である。
106 :
不定期職人:2008/03/13(木) 13:51:08 ID:???
プリペンターの面々、今日は声優の仕事である。
なにせ、この方ぱったりと仕事が来なくなったので、サリィが芸能事務所のマネージャーよろしく
売り込みをしていたら、この仕事が舞い込んできたというわけである。
いくらマリナというスポンサーがついたとしても、仕事がなければ話にならない。
たとえ、ギャラが安くても、やれる仕事はやろうということである。
「ち、ヤニさがりやがって、おもしろくねえ。」と控室でモニターを見ながらぼやいているのは
プリベンター変態1号パトリック=コーラサワーである。
「ふん、あのような役は私のほかにふさわしいものはいないというのが当然だろう。」と不機嫌に
なっているのは、プリベンター変態2号のグラハム=エーカーである。
「おまえに喋らす台詞はねぇ!!。」っておまえにいうがね。とコーラサワーが挑発すると、
「それは私の台詞だ!!。」とグラハムが欧州いや応酬した。
本当に「同じ種族の違う種類ほど猛烈に憎みあうものはない。」という言葉があるが、
これも、一種の近親憎悪みたいなものだろう。
まさに一触即発といったところに誰かが入ってきた。
「ちょっくら、お邪魔しますよ・・・。おやおや、穏やかじゃないねぇ。」
コーラサワーはその顔を見たとたん顔から血の気が引いた。
そう、五飛に椅子に縛り付けられ、講義を5時間延々と聴かされて失神させた張本人、ビリー
=カタギリがそこにいたのである。
「カタギリじゃないか。今日はどうしたんだ。」とグラハムがいうと、「いえ、うちの農園であたらしい
品種を開発したもので、今日は差し入れにきたんですよ。」といった。
「また、変なものを作ったんじゃないだろうな。」と疑いの目を向けるコーラサワーに
「ははは、ちゃんとした食品ですよ。 表にありますからお見せしますよ。」
といって、2人に外へ出るよう促した。
107 :
不定期職人:2008/03/13(木) 13:52:32 ID:???
スタジオの外は快晴。暑くもなく、寒くもなく、絶好の運動日和である。
「なんだ、どこにあるんだよ。差し入れは。」コーラサワーがぶっきらぼうに問うと、
カタギリは携帯を取り出し、「ああ、私だ。例のやつを持ってきてくれ、そう・・うん。お願い。」
と連絡をつけたようである。
しばらくすると、飛行機の音がした。 そして、青い空からなにかが投下された。
黒い影がだんだん大きくなってくる。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁーーーー!!。」 MS級の大きな物体がコーラサワーを直撃した。
「うちの農場でとれた大かぼちゃですよ。 某薬品をまいたら、どれもこんなに大きくなってね。
でも、生でもあまくておいしいし、デザートやスープの材料にもなりますよ。」とカタギリは
平然といった。
「うーむ、さすが元ユニオンの天才科学者。スケールが違う。」と変なところで感心するグラハム。
「そんなところで感心してないで早くこれをどけろーーーー!!!。」と大かぼちゃの下でもがいている
コーラサワー。 さすが、あっちの世界でもこっちの世界でもフラグをへし折り続けた男だけのことはある。
生命力は超人級だ。
さて、ここから救出されるのはいつの日か、それは神のみぞ知る。
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どうも、元平日の職人です。
素晴らしい才能を持った「毎週水曜日」氏方新たに加入されて、笑い転げながら
拝読させていただきました。
また、週末担当の職人氏も「名無しさん土曜日」というコテハンをつけられました。
本当に、ネタのまわし方、物語の展開の仕方、笑わせどころ、全てにおいてつぼに嵌るので、
文章の書き方の勉強をさせていただいております。
ということで、私のほうもコテハンをつけさせていただきました。
また、お会いできる日をでは又。
水曜の人と不定期の人は文章うまいな
らしさがちゃんと出てる気がする
3人とも一見似たような文章だが
ギャグの種類が結構違う
全員GJだぜ
新たに登場したキャラも整理せんといかんな
キャラの性格は全共通にするのかそれとも職人ごとのパラレルワールドにして区別をつけるのか
「随分とご無沙汰しておりましたわねヒイロ。ご機嫌いかが?」
「……ああ、悪くない」
久方ぶりに休暇をもらったヒイロは、しかしこれといって有意義に休みを満喫できるほどの
趣味も持たず、かといってだらだら過ごすのも性に合わないため、結局彼は仕事に励むことで
時間を潰すことにした。
仕事といってもプリベンターとしてではなく、個人の護衛として。
ヒイロが誰を護衛するのかといったら、当然一人しかいないだろう。
リリーナ・ドーリアン。かつてはサンクキングダムの元首として名を馳せたこともある彼女は、
現在は外務次官として多忙な日々を過ごしている。
今日は一日リリーナの身辺警備として行く先々に同行し、ようやく休息の時間が取れた二人は
しばしのティータイムを楽しんでいた。
「今日は来てくださってありがとう。プリベンターのお仕事だって大変なのでしょう? わざわざ
時間を割いてもらって、なんだか悪いわ」
「気にする必要はない。俺の行動はすべて俺の意思で決めている。この場にいるのも
誰かに言われたからじゃない」
「ヒイロ……」
うっすらと目元を紅く染めて、リリーナがわずかに俯く。
ところが鈍感なヒイロは、彼女の顔が紅くなった理由を体調不良と勘違いしたらしい。
「大丈夫かリリーナ、疲れが溜まっているんじゃないのか。きちんと食事は取っているのか」
「え? ええ、とりあえずは。忙しいときはちょっと疎かになってしまうけれど」
「それでは駄目だ。多忙であるならば余計に健康管理には気を使うべきだろう。どんな任務も
丈夫な身体が資本なんだからな」
といって、持参していた紙袋から何やら取り出した。
「ヒイロ、これはいったいなんですの?」
「差し入れだ。遠慮なく食え」
ヒイロが並べた、大量の食料品の数々。それらは見事なまでにみかん尽くしだった。
みかんゼリー、みかんムース、みかんクッキーといった菓子から果てはみかん寿司といった
変り種まで取り揃えている。
ちなみにみかん寿司というのは、米をみかんジュースで炊いたすし飯に、具にまで
みかんをふんだんに使用したちらし寿司のことだ。愛媛県人なら知っているかもしれない。
これを甘酸っぱくて美味と感じるか、温まったみかんはゲロの味に等しいと感じるかは
人によって大きく分かれるところである。
「……見事にみかんばかりですのね。どうしたのこんなにたくさん」
「俺が作った」
「……そ、そう。凄いわヒイロ。でもどうして?」
「みかんが大量に手に入ったからだ」
酷く簡潔な説明に、リリーナはどう反応すべきか迷った。
「ありがとうヒイロ。でも、お心遣いは嬉しいのだけれど、こんなには食べられないわ」
「抜かりはない。保存が利くよう全て真空パック済みだ」
問題はそこではないのだけれど、とツッコミを入れたくはあったが、どこか自慢気に語る
ヒイロの姿が可愛く思えて、敢えて言葉は飲み込んだ。
「ふふふ、面白い人」
「面白い……俺が?」
「そうよ、貴方よ。本当に面白いわ」
人の顔を見て急に笑い出すリリーナを前に、ヒイロはなんだか居心地が悪かった。
ただ、悪気は感じないし、リリーナの笑顔は嫌いではない。
じっと凝視していたら不意にリリーナが視線を合わせてきたので、慌てて目を逸らした。
「そう、今の流れで思い出したわ。先日とても愉快な方にお会いしましたの。聞いて下さる?」
目尻に浮いた涙を指先で拭きながら顔をあげて言う。
ヒイロが何も言わないのを了承と受け取って、リリーナは口を開いた。
その内容は、第一声からしてとんでもないものだった。
「わたくし、先日、人を轢いてしまいました」
ヒイロは口に含んだ紅茶を噴き出さないようにするので精一杯だった。
どうやらハンドルを握っていたのはリリーナ自身ではなく雇った運転手だったらしいのだが、
その車が突然飛び出してきた青年を跳ね飛ばしてしまったらしい。
「まさか車道を横切られるなんて思ってもみなかったから、ブレーキが間に合わなかったんです。
結構スピードが出ていたから、その方、勢い良く飛んで行ってしまいましたわ」
本来ならば警察沙汰になるような事件である。
ところが、当の跳ね飛ばされた青年は、着衣はズタボロになりながらもなんと無傷で
自分を跳ねた車まで走って戻ってきたという。
話を聞きながらヒイロの胸には、何か嫌な予感が湧いてきていた。
「当然の事ですけど、始めはとても怒っていらしたわ。でも、謝罪の為に車を下りたわたくしに、
その方は非常に優しい態度で接して下さったの」
ヒイロの脳裏で二つの警鐘が鳴る。
続きを聞いてはいけないという忠告と、聞かねばならないという命令が。
「それで、どうなったんだ」
「わたくしとしてはきちんとした謝罪と然るべき償いをしたいと思っていたのですが、
相手の方は笑って、条件次第で許して下さると仰って」
酷く嫌な汗が手のひらを滑り、心臓が早鐘を打つ。
何故そんな状態に陥っているのか自分でもわからぬまま、ヒイロはその先を訊ねた。
或いは訊くべきではなかったかもしれない、その先を。
「条件とは、どんな」
「キスをさせてくれたら許す、と」
途端、ヒイロの手の中でティーカップが砕け散った。
否、この表現は正しくない。ヒイロが己の握力でもって粉砕したのだ。
「ヒイロ、なんてこと!」
リリーナが慌ててヒイロの手を開かせる。幸い怪我はなかったようで、ほっと溜息をつく。
ヒイロはそんなことには一切構わず彼女へ訊ねかけた。
「その男は、肩の下まで伸ばした赤い髪の、いやに陽気な釣り目の男ではなかったか」
「え、ええ、そうですけど。もしかしてヒイロのお知り合い?」
「知り合いでなどあるものか!」
珍しく憤慨するヒイロの様子に、リリーナは目を丸くした。
はっと我に返った彼は、身体を戦慄かせながら更に問う。
「それで、したのか」
「え?」
「だから! ……キスを、だ」
「ええ。して頂きましたわ」
ヒイロは急激に力を失ってソファに崩折れた。
しかしすぐさま跳ね起き、リリーナの肩を掴んで畳みかけるように言う。
「いいかリリーナ、その男のことは忘れろ。
お前が見たのは悪い夢だった。いいな、忘れるんだ。
……俺は、今日はもう失礼させてもらう」
「あっ、ヒイロ? ヒイロ!」
一方的に忠告を告げるや、リリーナが止めるのも聞かずにさっさと退出してしまった。
取り残されたリリーナは、しばらく呆然とヒイロが去っていった扉を眺めていたが、
次第に腹立たしさがこみ上げて、扉に思い切り蹴りを入れた。
「もう、ヒイロの馬鹿!」
蹴ったはいいが爪先がとても痛くなり、目に涙を浮かべて蹲る。
せっかく久々に会えたというのに。彼女は胸中で思いつく限りの罵倒の言葉を並べ立てながら、
一方で件の青年にキスされたときのことを思い返していた。
(手の甲にキスをしてもらうことの何がいけなかったのかしら、ヒイロったら。
もしあの方ではなくヒイロだったら、さぞ素敵だったでしょうね。
まるで姫君に忠誠を誓う騎士のようで……)
ヒイロに跪かれて手を取られる自分。
そんな光景を妄想しているうちに、いつしか怒りも忘れ彼女は一人舞い上がった。
恋する少女は、いつだってロマンチストな生き物なのだから。
時を移して、プリベンター本部。
「お、落ち着けよヒイロ! 俺が何をしたってんだ!?」
「黙れ、口を開くな。
貴様は許されざる罪を犯した。その罪は万死に値する」
「だからーっ! 何だってんだよ、いいからソレを下ろしてくれよぉ!」
どこぞのアーデ氏のような台詞をのたまうヒイロの手に握られているのは、
少年の身体には不釣り合いのガトリング・ガン。
本来はMS(モビルスーツ)に取り付ける為の装備を両腕に抱え、
しきりに逃げ回るコーラサワーへと狙いを定めていた。
「いいんですか、止めなくて」
「もう知らないわ、あんな人たち。気の済むまでやらせておきなさい」
長机の下に避難したカトルの問いに、サリィは溜息混じりに言葉を返す。
朱に交われば朱くなるというが、事実コーラサワーが来てからというもの、
かつて勇猛果敢に戦ったガンダムパイロット達さえもバカに染まってしまった気がしてならない。
「大丈夫なのかしらね、この組織」
この先の苦労を思うと、涙を禁じ得ないサリィ・ポォなのであった。
というわけで二度目まして皆様ご機嫌麗しゅう。今回はヒイロさん主人公です。
実は前回投下した際は、初めてということもあって、浮いちゃいかんなーと思い
敢えて土曜日さんの文体を模倣させて頂いてました。土曜日さんには大変申し訳ないことをしまして。
反省はしているが後悔はしていない。けど、実は比べると一目瞭然ですが土曜日さんの方が派手でこっちは地味な文章です。いえーい。
今回は自分の文体に戻しつつ。コーラさん主軸の話はほかの職人さんが書いてくれてるのでこちらは外堀を埋めてく感じで。
また今度投下することがあるとしたら、そのときはそれなりのコテハンをつけるかも。
ところで、どうして今日はいろんな職人さんが揃って投下してくるん?
緊張しちゃってこっちが投下しづらいじゃないか!
みかん寿司・・・
今週は投下ラッシュだな、各職人さんGJ!
で、みかん寿司って実在するの?非常に気になる。
GJ!ヒイロとリリーナいいね!
そしてコーラ哀れww
117 :
支援:2008/03/13(木) 23:05:37 ID:WIappIbW
皆様お疲れ様です。私は余計な事言っちゃったかな?
見事な共創で感動していますが。
>>99 >やっと手を話して貰ったカトルは
これだけかは分からない。多分私も見逃しているでしょう。
私の勝手な視点では、模倣犯氏のヒイロネタが一番笑った。
「貴様は許されざる罪を犯した。その罪は万死に値する」
緑川の口調まで浮かぶ。
>>110 芸風を必要以上に限定する必要は無いさ。
要は「われらがコーラサワーとW面子」というだけの事。
後は職人さんたちに好きにがんばって貰えば良い。
マスは掻きたいから掻く、ネタは書きたいから書く。
つまり、書きたいと思う気持ちについては自由を保証しないといけない。
小学校の給食にオレンジボールシチューなるものが出たことがある
名前のまんまホワイトシチューの中にオレンジの実が入っているというもの
あまりの不味さにみんな残して、2回出ただけで姿を消した
やっぱオレンジは生が一番だよ
コーラと言えばこんなことを思い出した
家に遊びにきた友人が飲み物を欲しがったので俺はコーラを用意した
気が付いたら俺はコーラに大量の塩を投入し塩炭酸なる恐怖の飲み物を作り友人に差し出していた
見た目では通常のコーラと見分けが付かないので一気飲みした友人は以降トラウマで炭酸飲料を過剰警戒するようになった
小学校時代、伝説の給食「オレンジチキン」なるものがあった
そのまんま鶏肉をオレンジで煮たもので、凄まじく不味かったそうだ
あと「オレンジピラフ」なるものm(ry
結論:栄養士 チャレンジ 精神マジ自重
鶏のコーラ煮ならめちゃめちゃ美味いんだがな…
オレンジピラフは俺の数ある給食トラウマメニューの中でもかなり上位に来る代物だ
みんな泣きながら食ってたよ
オレンジピラフ結構好きだったんだけどやっぱり少数派だったか…
123 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/14(金) 02:05:47 ID:jRuRoMwM
リリーナを大切に思ってる所にキュンと来たけど、後のレスの方が言ってるチャレンジメニューを食わせるのかヒイロwww
>>117 指摘d
まだ見落としてた誤字あったとは…
多分
>>99は『離して』の誤字だと思われます。保管の時って修正効くのかな…
模倣の人激しくナイス
模倣なんてとんでもないぜ!十分派手でオリジナルだぜ
>>123 てか、あやつにこんな人間的な感情と言動あるかあ?w
あとオレンジ料理は旨いのはほんと美味だぞ
シチューにオレンジの実ってのは考えたくないが
127 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/14(金) 21:00:39 ID:DfkY5BQI
>>126 リリーナとヒイロがゆっくりと喋ったシーンは実は本編でも殆ど無い。
サンクキングダムに転がり込んでいたときは印象的。
ちょうどいいタイミングでドロシーに邪魔されたから。
まあ、コーラさんにますますがんばってもらわないと。
「サリィさん、一息入れませんか。実家からいいお茶が届いたんです」
「そうね、じゃお茶にしましょう」
カトルとサリィは仕事の手を止めて、休憩することにした。
いつの間にか溜まってしまった書類を、二人で片づけていたのだ。
皆、書類書きがあまり好きではない。
自分が最低限、書かねばならない書類の処理しかしない。
提出期限前に慌てぬように早めの処理を心がけている二人が、最も多く書くことになるのだ
ちなみに二人の次に多く書類を書いているのは、始末書王のコーラサワーである。
「ねぇ、カトル。お願いがあるんだけど」
「何でしょう。サリィさん」
「あなた、ピースミリオンにいた時はまとめ役だったわよね。この前まで大企業のトップだったし、
マグアナック隊とか人を率いるのは得意のはずよね。どうにかあの馬鹿達も・・・」
「無理です!僕にはとても務まりません!そんな器じゃないんです!戦時中は皆がまとまる必要を
感じていたからで、会社は父の七光りです!僕なんかよりレジスタンスのリーダーだった
サリィさんのほうが…」
「いいえ、そんなことはないわ。あなたもプリベンターに来て大分経つし、次の任務では指揮を」
「無理です!ヒイロ達だけならまだしもあの人たちは、何を考えているのかも、
なぜあんなに頑丈なのかもわからないんです。一体どうやってまとめればいいんですか」
大財閥の跡取り息子として、生まれた時から人の上に立つよう教育を受けていたカトルだったが、
彼等をまとめようともまとめられるとも思えなかった。サリィの苦労は分かっていたが
プリベンターに入って初めて出会った人種との付き合い方が未だにわからなかった。
止める人々を振り切って実家を出たのも、自分には人の上に立つ能力などないと
無意識にわかっていたからなのかもしれないとさえ思っていた。
「大丈夫よ、ヒイロやゼクスやレディ・アン程じゃなくてもあなたも頑丈だし」
50階から飛び降りて骨折だけで済み、自爆して一月意識不明になっても、
「死ぬほど痛いぞ」で済むヒイロ。
リーブラの動力炉を破壊し、炎の中に消えても顔には火傷の痕一つないゼクス。
数ヶ月の昏睡状態から愛する人の危機を感じ取り目覚め、一瞬で宇宙に飛び、トレーズを救った
レディ・アン。
彼等ほどではなくとも、砂漠を徒歩で横断した後、MS戦。
腹を刺されたあとMSでリーブラ破壊活動。廃棄資源衛星に5秒で飛び移り、資源衛星に叩きつけ
られても「体感温度は80度を越えている。サウナだと思えば何でもないけど」
と、綿密な軌道計算もこなす。マグアナックと初めて会った時には肩を撃たれたあとMS戦。
大破したMSの中にいても大した怪我もなく、宇宙を漂流しても記憶喪失で済んだトロワ、
自在に仮死状態になれる五飛よりも頑丈な御曹司。
戦場育ちよりも戦士の一族よりもスラム育ちよりも頑丈なのは一体なぜなんだろう。
「いや、いっそあの人たちに指揮を任せてみてはどうでしょう。僕らより軍にいた期間も長いですし…」
「やめて!あなた自分が何を言っているのかわかってるの?なんて恐ろしいことを…」
サリィの指摘に自分の発言の恐ろしさを悟り青ざめるカトル。
二人はまとめ役の押し付け合いをやめ、無言になった。
「とりあえず、今日のところはこのくらいにしてもう帰りましょう。疲れてるのよ、きっと…」
「ええ…」
リーダー気質の二人は、誰か彼らを上手くコントロールできる人がいればいいのに、
と思いながら帰った。
翌日、悪夢にうなされた二人が休みを取ったため
プリベンターの面々は書類整理に追われることになった。
坊ちゃまって結構頑丈だよなぁ、と思っただけの話。
浮かんだので初めて書いてみました。
130 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/15(土) 01:02:36 ID:VOt8IsOh
>>129 二人の会話がまともなのに面白いww
Wのキャラの面々がアクが強いうえに体の構造に疑問をもたざる得ない奴らの集まりなのかを思い出した。
また書いてください。
一応、W最終決戦の現場指揮はカトルだったんだけどな
カニ眉毛が未来予測出来るエピオンS使って現場防衛指揮とってるから
サンドロックにゼロS積んで使って指示出ししろって言われてやらされてた
エンドレスワルツでも「まとめ役」みたいなことはしてたな>カトル
しかし職人が増えたなあ、ありがたいことだ
保守
今週もコーラさんはコーラさんでした。
でも来週が怖いね。
残り二話、そして予告に登場
本気で危ないな…線香を用意しておこう
「あ〜、書いても書いても減りゃしねぇ」
デュオは書類の束をうんざりした顔で処理していた。
「にしても珍しいよなぁ、カトルとサリィが休むなんて。二人とも俺より頑丈なのに」
「お前がひ弱なだけだ」
ヒイロも表情には表れないが、書類の多さにうんざりしていた。
「自力で骨折治せるお前が頑丈すぎるんだっての!俺は普通!」
「老師に殴られたぐらいで寝込むのは修業が足りないからだ」
五飛も書類書きに飽き飽きしていた。
「OZの兵士に殴られて入院するくらいだからな」
ガンダニウム合金製ではと疑われているヒイロには、考えられないことだった。
無言で書類に向かっていたトロワが三人に向って言った。
「せっかくあいつらがいないんだ。邪魔されないうちに片づけたほうがいい」
「それもそうだな」
今、バカアホマヌケトリオは一足先に休憩に入っている。
「もしかしてあの二人、あいつらの相手が嫌で休んだんだったりして」
「デュオじゃあるまいし」
呆れたように言ったヒルデは、ふと思い出した。
あれはヒイロ、デュオ、トロワ、カトル、ヒルデがプリベンターに入ったばかりの頃。
休憩時間中の雑談で、トロワの助走もなしで無重力空間で三回転半ひねりができる身体能力に
ついての話になった時だった。
「それくらい俺様にもできる!」と言い出したコーラサワーが室内でジャンプし、天井に頭を
打ちつけ、窓ガラスを突き破って5階から落下したのだ。
まだコーラサワーの脅威の耐久力を理解していなかった彼等は、慌てて駆け寄った。
「大丈夫ですか!」
と声をかけたカトルの腕をつかみ、コーラサワーは言った。
「今のショックで思い出したぜ。おまえの29人の姉ちゃんを俺に紹介しろ」
「何言ってるんですか。そんなことより早く病院へ」
「“そんなこと”じゃねぇ!L4のウィナー家といえば29人姉妹だろうが!早く紹介しろ!」
全身にガラスの破片を突き刺し流血していても、こんなことを言えるのなら心配はないだろう。
そう判断したヒイロ、トロワ、五飛はさっさと戻って行った。
「いや、やっぱ病院行った方が…」
「そうよ」
ごく常識的なデュオとヒルデの発言は非常識な男には通じなかった。
「い、いえ、そう言われても、僕もすべての姉の連絡先を知っているわけではありませんし…」
戸惑いながら答えたカトルに血塗れのゾンビの様な男は言った。
「何でだよ!何で姉の連絡先くらい知らないんだよ!普通知ってるだろうが!」
「え、でも姉さんと一緒に暮らしたことないし、全員とはまだ会ってないし…」
「馬鹿言うな。そんなわけないだろ」
「いや、本当なんです。姉さん達が各地の資源衛星にいることは知ってたけど」
何か複雑な家庭の事情でもあるのだろうか。そう思ったデュオとヒルデは何も言わなかった。
だが、非常識男はお構いなしだった。
「じゃ、今すぐ会え!会ってどんな姉ちゃんがいるのか俺に教えろ!」
そう言った途端、コーラサワーは貧血で倒れ、五飛が一応呼んでおいた救急車で運ばれて行った。
退院した直後にマネキン大佐と出会ったコーラサワーは、カトルの姉のことなど忘れ去っていたが、
カトルは忘れられなかった。
今まで16年生きてきて、姉と暮らしたことがないこと、全員と会っていないことを疑問に思っても
いなかったということを。しかもコーラサワーに指摘されて初めてそれがおかしいと知ったことを。
そもそも姉がいることを知ったのはいくつの時だったろう。幼いころは姉の存在自体知らなかったような気がする。
なぜ、父は教えてくれなかったのだろう。実の父も、作品の父も本編途中で退場した今となってはわからない。
ヒルデは仕事の手を止めて考え込んでしまった。
このチームで一番頑丈でないのはデュオらしい。だとしたら、バカアホマヌケトリオが何かをやらかした時に
被害にあって怪我をする可能性が高いのは彼なのではないかと。
元は普通の少女だったのに、OZに志願しMSを操縦し、デュオを逃がしたにもかかわらずお咎めなしで
いつの間にかOZを無事脱退。デュオのためにリーブラに単身潜入、リーブラ内部のデータを奪い、途中まで
一人で逃げた彼女より、彼のほうがどう考えても運が悪そうだ。
というか彼女は本当に普通の少女だったのだろうか。
「…ねぇ、ガンダニウム製のサプリメントってある?」
ヒルデはヒイロに聞いてみた。
「俺は聞いたことがない」
それなら体を丈夫にするより、防御力を上げることを考えた方がいいかもしれない。
近くのアンティークショップのショーウィンドウに甲冑が飾ってあったはず。
ガンダムパイロットなら甲冑を着たまま、生身でもMS(みかん製の方)でも戦えるだろう。
帰りに甲冑の値段を調べなくちゃ。
ヒルデは早く帰るために仕事を再開したのだった。
前回の続きを書いてみました。
サリィが怪我した描写とかないけど絶対デュオより頑丈そう。
デュオだけ頑丈に見えないのは、単に運が悪いせいなのか、
それとも幼児期にいいもの食べられなかったせいだろうか、と思ったので。
あとなんでカトルは姉さんの顔も知らなかったのかいまだに疑問だったもので。
お目汚し失礼しました。
ガンダニュウムサプリメントワロタw
GJ!
石川や浜の真砂は尽きるとも世に悪人の種は尽きまじ。
どれだけ世界が平和になろうとも、悪さをする人間は必ずいる。
人が感情の生き物である限り、それは決して絶えることはない。
「こちら、現場の絹江・クロスロードです。私は今、事件の起こったユニオンデパートに来ています」
業界最大手、ユニオングループが経営するデパート。
赤ちゃんのオムツから桐のタンスまで何から何まで揃うという評判で、
不況の波もなんのその、売上華やかなりし百貨店である。
で、今日はまたそこで事件が起こったわけで。
「犯人グループが立て篭もってから既に一時間が経過しています。警察も包囲を完了していますが、今のところ有効な手立ては……」
そいで、事件が起こるところに彼らの姿もあるわけで。
「現在、デパートの中にはまだ取り残されたお客さんが……キャッ! な、何ですか! マ、マイクを返して下さい!」
彼ら、というのはもう諸兄もわかってることと思うが、
隠密同心ドブさらい、天下の裏警察こと。
「あーあー、テステス、マイクのテスト中。ごほん、映ってるな? おいカメラ! ちゃんと撮れよ!」
「返して下さい! これはマスコミに対する冒涜でえええ!」
「いいから姉ちゃん、ちょっとだけだって……あー、俺はパトリック・コーラサワー! 今から華麗に事件を解決すっからしっかり見とけよ!」
はい、プリベンターなのだった。
「さぁて、どうする?」
「とりあえず、相手がどう動くかがわからない以上は迂闊に手だしは出来ないわね」
「しかし、時間をかけすぎれば具合が悪くなる一方だ」
「いつものように速攻で行くしかないということだな」
「MS(ミカンスーツ)はどうします?」
「今日は出番はないだろう。デパートを壊してしまう」
「私のグラハムスペシャルで一気に決着を」
「やめときなさいよ隊長、あんた、限度ってもん知らないから」
悪人に占拠されたデパートを見やりつつ、プリベンターは作戦会議。
意見を戦わせる彼らだったが、我らがコーラさんは蚊帳の外。
後方5メートルの位置で頭に大きなタンコブ作って寝そべってます。
テレビジャックした次の瞬間、五飛にトンファーの一撃を後頭部に喰らったので。
「それで、中に残された人はどれくらいいるんだ?」
「二人」
「……たった? 休日の昼過ぎに?」
サリィに即答で返されて、デュオは信じられないという表情になる。
無理もあるまい、彼も言った通り、休みの日のこの時間に襲撃されて、
それで人質がたったの二人なんてあるわけないからだ。
「それ、本当?」
「本当らしいな」
「何だヒイロ、知ってたのか?」
「警察が話しているのを聞いた。どうやら、犯人は結構迂闊な奴らしい」
ヒイロが説明するところ、
最初はそれこそ数えるのが嫌になるくらい人質がいたのだが、
何とデパートの裏口が完全開放状態になっており、
我先にと客が逃げ出した結果、そうなってしまったとのこと。
慌てて犯人が裏口を封鎖した時には、すでに遅しで二人しかデパートには残ってなかったという次第。
「アホだ、犯人は絶対アホだ」
「何か、力技でも解決しそうですね」
「よし、ならヒイロ、トロワ、つきあってくれ。とっとと決めてくる」
「やめなさい五飛……もしかしたら他にもいるかもしれないでしょ、中に客が」
ガンダムパイロットにアホ認定されてしまったデパート襲撃犯。
仕方ないっちゃ仕方ないわけだが。
「犯人の目星はついてるのか?」
「さぁ。今のところ名乗ってないわね」
「恥ずかしくて名乗れないんじゃないの」
「ありうるな」
さてさて、デパート襲撃などという大掛かりなことをやっておきながら、
あっさり交渉手段の人質を逃がしてしまうとは、
いったいどんなバカかと言うと。
「はっはっはァ! いいかお前ら、片っ端から金目のモン漁れよォ! この俺、PMCのゲイリー・ビアッジが許すからよぉ!」
こんなバカなのだった。
ゲイリー・ビアッジことアリー・アル・サーシェス。
争い大好きな彼は、世界が平和になったことで現在財布の中身が日照り中。
プリベンターを逆恨みしてちょっかいをかけたこともあったが、
デパートを部下と一緒に襲って強盗行為とは、
はてさてやることが派手なのやらしみったれてるのやら。
「先立つモンがなきゃやってけねぇ。構うこたねえ、マル○イのハムもゴデ○バのチョコも全部かっさらっちまえ!」
アリーの号令に、「アイサー!」と返礼して各フロアをかけずり回る部下たち。
その顔は実にどれも喜々としており、今まで彼らが置かれていた困窮の度合いを知ることが出来る。
「お頭ぁ! ガ、ガンダムのプラモもいいですか!」
「おう構わねぇぞ! ツヴァイをたらふく盗っていけ! 種でも髭でも関係ねぇ、自由だ!」
「お、お、お頭! モーニ○グ娘。の新譜いいっすか!」
「今どき娘か、お前も好きだねぇ……おうさ、もちろんだとも!」
「頭ぁ! あ、フィギュアいいですかフィギュア! ああ、このカレ○たんの制服モデルハァハァ」
「はっはっは! いいともさ! アヤ○ミでもハ○ヒでもセ○バーでも持ってけ持ってけ!」
「PS3! PS3はどうです? 頭!」
「DSでもPSPでもゲームギアでも何でもオーケーだ! 遠慮すんな!」
部下ども、宝石も貴金属も衣服も、食料品すらも後回しにしてトイフロアを荒らしまくり。
とりあえずアリーには子分を選べと言いたいが、
この親玉あってこの家来という見方も出来なくはない。
つか、ホントに戦争がまたしたいのかこのおっちゃんは。
「なんだありゃ。あいつら何やってるんだ」
「どうしたの……?」
「いや、どうも思ってたより事態がヘンな方向に向かってるらしい」
さて、ヒイロ情報ではデパートに取り残されたお客は二人。
逃げ遅れるなんてどんなマヌケだ、と言うことなかれ。
事情ってもんがあるんである、人には。
「さぁて、逃げだすにはあのトイフロアを突っ切るしかないわけだし、こりゃ身動きとれんなあ」
「……ごめんね」
「ん?」
「私が、モタモタしてたから……」
「ばぁか、フェルトのせいじゃねーよ。コイツが悪いんだコイツが」
「アイタアイタ! ロックオン、ロックオン、ボーリョクヨクナイ、ヨクナイ!」
「しーっ! 静かにしろハロ、気付かれたらどうする」
ロックオン・ストラトス、フェルト・グレイス、そしてハロ。
二人と言うが、正確には二人と一匹(?)、これが逃げ遅れた面子だった。
トイフロアで大暴れするアリー一味を物陰で伺いつつ、脱出の機会を図っている二人と一匹だが、
そもそも目端が効いて荒事の嗅覚にも優れているロックオンが何故こんなところでまごまごしているかと言うと、
それは側にいるフェルトとハロのせい。
客が我先にと裏口に向かう中、フェルトの腕の中からハロが転げ落ちてしまい、
それをフェルトが必死に探し、そのフェルトをロックオンが探し……とやってるうちにタイムオーバーになってしまった。
「しかし、巡り合わせが悪いとはこのことだな。買出しに来てこんな目に遭うとは」
ロックオンとフェルトは、マイスター運送というところに勤めている。
文字通り運送会社なわけだが、安心即日配達をモットーにしたなかなかの優良会社である。
以前、プリベンターにグラハム入りダンボールを届けたのはここで、
その時は刹那とアレルヤが配送係として登場したことを覚えている方もおられよう。
で、公休の二人は社長のスメラギに言われてラーメンやらお菓子やらの買出しを頼まれ、
こうしてユニオンデパートに来たところを騒ぎに出くわしてしまったというわけだ。
「……ロックオン」
「あー、そんな顔すんな。俺が何とかしてやるから」
心配そうなフェルトを、ロックオンは優しく励ます。
何となく、妹を元気づける兄貴といった風情がある。
「フェルトにもしものことがあったら、俺はスメラギさんとクリスにぶっ殺されちまう」
ロックオンの言葉に、クスリと笑うフェルト。
だが、それでいてどこか寂しそうなのは、さてさて女心というものか。
「どうすっかな、刹那たちは多分仕事で本社にいねーだろうしなあ」
銃があったら狙撃のひとつやふたつでもかましてやるのに、といささか物騒なことを口走るロックオン。
実は彼、マイスター運送に就職する前はバイアスロンの一流選手だったりする。
射撃狙撃はお手のものなのだ。
一方のフェルトはマイスター運送の先代重役の娘で、14という若い身空で両親と同じ職に就いた。
パソコンが得意で、主に経理を担当している。
労働基準法はどうなってんねん、というツッコミは隕石と一緒に虚空に流してもらえれば幸いである。
「警察……」
「ああ、シャクだが警察頼みだな。はぁ、当分隠れてるしかねーなこりゃ」
「シャクダ、シャクダー」
「しょうがねえだろ、ハロ……」
ハロを抱いたフェルトの背中を押すように、ロックオンは自販機コーナーの隅へと身を隠した。
「さて、バレなきゃいいがな」
少し心配するロックオンだったが、まぁ心配ナシ。
何せ犯人のアリー一家がアレですし、それに何より来てますから。
警察なんかよりゴッツいのが来てますから、デパートの表に。
「よっしゃ、突撃だな! カッコイイとこ見せてやんぜ! ヒャッホオォォォォウ!」
「また早いな、復活が」
警察よりゴッツい組織プリベンター、現在五飛が提案した作戦を検討中。
毎度毎度の手早い仕事だが、正味の話、相手がバカだと当たりがついた時点で綿密なプログラムもクソもないわけで。
何せガンダムパイロット、生身で戦ってもんんすんごぉんいぃいですから。
特に五飛、ヒイロ、トロワの三人はこの歳にして体術、格闘技、行動力がハンパではないし。
「おらおら行くぜ行くぜ! ほれ、とっととゴーサインを出してくれよ! 俺がスペシャルな技で強盗犯なんぞギッタンギッタンにしてやんよ!」
「アホ言え、一人で何が出来る」
「へっ、コーラサワー家に代々伝わる大往生流殺体術の真髄を見せてやんぜ!」
「隕石にぶつかる奴が真髄もクソもないもんだ」
「と言うか、そろそろこの人の胡散臭い家伝もネタが切れてきましたね」
デュオとカトル、容赦なくツッコミ。
プリベンターの良心ことカトルも、だんだん毒されつつある。
いや、それとも地が出始めているだけなのかもしれないが。
「それで? どうすんだ五飛!」
ちなみに、他人を勝手につけたあだ名で呼ぶことが多いコーラさんですが、
何故か五飛だけは徹底して名前で呼んでます。
もしかしたら心の奥底に何らかの苦手意識があるのかもしれません。
「そうだな。例の作戦でいくか」
「おう! 例の作戦て何だ? このスペシャル様が単騎で突撃して華麗に敵を打ち倒す作戦か?」
「ああ、単騎で突撃だ」
はい、このパターン何度目でしょうか。
しかしそろそろ学習しなさいコーラサワー。
「はっはっは! 任せとけ、俺の右手が光って唸るぜ!」
「そうか、唸ってこい」
「よっしゃ、じゃあ行ってくるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるうわわあわわわっわわわわわわわわわわわわわ」
張家究極奥儀・炭酸核弾頭。
この技の要諦は素早く相手の背後に回り込み、首根っこを捕まえて投げることにある。
正確に目標に命中させるには技術と腕力が必要で、習得するためには何年も修行が必要とされている。
なお、まったくの修行なしで使いこなせる猛者も存在するが、
それが張家の子孫であるかどうかは定かではない。
「何ですか、この民明書房みたいな解説」
「カトル、マニアックね」
「知ってるサリィさんもなかなかですね」
知的交流を図るサリィとカトル。
そんなのほほんとした二人を他所に、コーラサワーは飛ぶ。
一陣の風となって、宙をひたすらに飛ぶ。
そして―――
「どわはっはーっ!」
「な、何だぁ!?」
コーラサワー、見事にトイフロアのある階の外壁に命中。
次いでその勢いのまま、アリー一味のど真ん中に着弾。
「何だ! 何がどうしたってんだあ!」
まさか人間が飛んでこようたあアリーも思わなかったから、これにはしこたま驚いた。
まぁどれだけ傭兵として経験値が高くても、
コンクリ突き破って人間砲弾が飛びこんでこようとは思えないわけで。
前回ジョシュア弾とコーラ弾を食らったとはいえ、
それはプリベンターが目前にいてのもの。
今度はまったくのソフトバンク、いや予想外の攻撃であるからして。
「お頭ぁ! 敵襲だ!」
「あああ、ボクのカ○ンたんがあああ」
親玉がそんなんだから、当然部下も大混乱。
おいコラほんとにお前らPMCでバリバリやったんか?
「落ち着けぇ! 敵は一人だ! しかも床に上半身が埋まってる! 焦らずに武器を取れ!」
「りょ、了解!」
不意をつかれたとは言え、こうしてすぐに動揺を押さえて指示を繰り出す辺りは、
なるほど一流の戦争屋の雰囲気はある。
あくまで雰囲気だけだが。
「おらよ! サツかプリベンターのクソバカか知らねえが、覚悟しやがれ!」
アリーとその部下が懐から取り出した武器、それは靴下だった。
かかとからつま先までが一面黒ずんでおり、数メートル先でも異臭が届く究極のそれ。
アリーとその部下は、これを駆使して洗浄、もとい戦場を駆け抜けてきたのだ。
果たして何人の血を吸った、ではない、何日汗を吸ったであろうか。
「おい、こいつを掘り起こして鼻ヅラに押し当ててやれ!」
トイフロアの床に犬神家しているコーラさんを、
アリーの部下が引き剥がしにかかる。
あわや、コーラさん命のピンチ―――と、まさにその時。
「ぐわっ!」
「ふぎゃ!」
「どへっ!」
アリーの部下たちが、次々に顔を押さえてうずくまる。
まるで、何か固いものをぶつけられたかのように。
「今度は何だ! ……っとォ!」
眼前に飛来したモノを、アリーは靴下で咄嗟に叩き落とす。
「つぶて……いや、コンクリの破片か!」
そう、それは小石くらいの大きさに割れたコンクリートの欠片だった。
それを、アリーたちの死角から誰かが打ち出しているのだ。
「ほはっ!」
「いてえ!」
「あんぎらす!」
床を転がってつぶてを回避するアリーだったが、部下たちはそうはいかなかった。
あっと言う間に、トイフロアの床には犬神コーラさんを中心に顔面負傷した男どもが死屍累々(死んでないけど)。
「くそ、プリベンターか!? とにかくヤワな相手じゃねーな!」
棚が倒れて散らばったフィギュアの中を、匍匐前進するアリー。
美少女フィギュアをかきわけながらジリジリ進む彼の姿は、はっきり言って変態にしか見えない。
で、アリーとその部下をこんな目に合わせたのは誰かと言うと。
「……ロックオン・ストラトス、狙い撃ってやったぜ」
「オミゴト! オミゴト! ロックオン、オミゴト!」
「褒めるなよハロ、照れるじゃねーか」
もちろんロックオンなのだった。
銃を持てば百発百中の彼だが、実は指弾もお手の者。
撃てりゃ何でもいいのか、という気もするが、まぁこれは人それぞれの特性というやつであろう。
「お、ここだここだ、って何だ何だ」
と、ここでようやくプリベンター本隊のご到着。
呑気な話だが、五飛が強引に強行したんだから無理もない話ではある。
証拠に、サリィが苦虫を噛み潰した表情になっている。
「全滅してるな」
「まさか、コーラミサイルの一撃で沈んだんでしょうか?」
「いくら何でもコイツにそんだけの威力があるわけない」
ヒドイ言い様だが、その通りです。
「すまないが、あんたらは警察の人間か?」
「誰だ!」
声のした方を、ガンダムパイロット全員で向き、構えを取る。
グラハムが少し遅れたが、それは床に散乱しているガンダムのプラモに一瞬目を奪われたからで、
ジョシュアに至っては美少女フィギュアに見とれてて三拍子程動作が遅れている。
「俺はロックオン、ロックオン・ストラトス、一般人だ。そしてこの女の子がフェルト、この丸っこいのが……」
「ハロ、ハロ、ハロ」
「……だ」
ガンダムパイロットは構えを解いた。
完全に気を許したわけではないが、少なくとも、
目の前の人のよさそうなアンちゃんと、自分たちよりも年下にしか思えない少女からは、敵意も怪しさも感じなかったからだ。
まあ、床をコロコロ転がりながら電子声で喋る球体ロボは怪しいっちゃ怪しかったが。
「何だお前たちは。一般人というなら、どうしてここにいる」
ずい、と一歩前に出て、五飛が問いただす。
不遜な態度にも見えるが、こういう時はこれくらい高圧的な方が場に沿ってはいる。
「逃げ遅れたんだ」
「じゃあ、デパートの中に取り残された二人というのは……」
「ああ、多分俺たちのことだろうな」
ロックオンとガンダムパイロットの問答をしっかりと聞きつつ、
サリィは床に倒れて呻いている男たちに目を走らせた。
何故這いつくばっているのか、を観察していく。
彼女も嘆いたり呆れたりばかりしているわけではない。
伊達じゃないのだ、プリベンターの現場指揮官は。
「ねえ貴方、ロックオンさんと言ったかしら?」
「ええ」
「この床で寝そべってる連中、デパート襲撃犯?」
「だと思う。いや、確実にそうだな。何せここのオモチャを漁ってたし」
サリィは男たちからその周囲にへと視線の幅を広げた。
至る所にフィギュアやらプラモやらのオモチャが転がっている。
「……こんなもののために、こいつらはデパートを襲ったっていうの?」
「さあ? ただ、こいつらは下っ端だ」
「どういうこと?」
「あんたらが到着する前に、一人逃げた」
「逃げた?」
「ああ、命令を出してたし、こいつらの親玉なのは間違いないだろう。何かチンピラ臭い口調だったな」
チンピラ、という言葉を聞いて、サリィを始めプリベンター一同が頭に思い浮かべる姿がひとつある。
そしてそれは、次のロックオンとフェルトの台詞で確信に変わる。
「あー、何か他にも言ってたな、そういえば。何だっけ、フェルト」
「……くつした」
靴下から連想される者、それは一人しかいない。
「く、靴下!?」
「……奴だ」
「ああ、奴だな」
「アリー・アル・サーシェス、ですね」
ヒイロたちはその名前を口に出して、一拍置いてから、盛大に溜め息をひとつついた。
前回港でレポーター誘拐事件の時に関わって以来、
相手にしたくないリストのトップに位置している人間だからだ。
それがまさか、こんなところで再びすれ違おうとは。
「で? そいつはどこへ逃げた?」
「わからん。俺の一撃をかわして床を奥へと転がっていったからな……」
「一撃……か。フン、指弾だな」
「ありゃ、御明察」
拳法や格闘技に精通している五飛である。
フロアに乗り込んできて、床に転がっている男たちを一瞥した時に、ある程度推測は立てていたのだ。
彼もやはり、伊達ではない。
「一般人にしては、見事な腕前だな。まだコイツラが起き上がらんところを見ると、かなり正確に急所を狙い当てたものと見える」
「いやいや、下手の横好きってやつでね」
「嘘をつけ」
何やら言葉に毒が籠っている五飛だが、
もとから彼はロックオンのような飄々としていつつ底が見えない人物は好まない。
ちょっと毛色は異なるが、彼の宿敵トレーズもそんな感じではあった。
「どやっさあああああああああああああああああっ!」
と、ここでコーラサワー復活。
さすがに飛ばされた距離が距離なので、復活にいささか時間がかかってしまったのは仕方ない。
「くっそおお五飛のヤツ、まぁた俺をこんな目に、って敵! 敵はどこだ! 敵へぐぶわし」
コーラサワー、ロックオンが飛ばしたつぶてをモロに眉間に喰らってまた昏倒。
短い復帰であった。
「あー、こいつ、俺らの仲間だから」
「……そりゃ失礼しました」
デュオのツッコミを受け、悶絶しているコーラさんにペコリと一礼するロックオンなのだった。
こうして、ゲイリー・ビアッジことアリー・アル・サーシェスによるユニオンデパート襲撃事件は解決した。
コーラサワー捨て身の攻撃と、とある一市民の協力によって彼の部下は一網打尽にされ、以後、彼は世界的なオタズネモノとなる。
「くっそおおおおお、アグリッサ、アジトに置きっぱなしにしなけりゃよかったぜぇぇ! へ、へ、へーっくしっ!」
どこをどう転がり落ちたか、下水道を伝って逃げるアリー。
何とも哀れと言うかバカと言うかマヌケと言うか。
これでも一流の傭兵なんですよ奥さん、信じてあげて下さい。
「冷てえし臭えし、くっそぉおお、これも全部プリベンターが悪いんだ、コンチクショウが!」
コーラさんとは別の意味で不屈の精神を持つ彼は、
プリベンターと、そしてマイスター運送の面々と再々度宿命のぶつかり合いをすることになるのだが。
「へーっくしーっ!」
それはまた、別のお話。
プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――
コーラさんまた生き残りましたコンバンハ。
二人の漢、ロックオンとダリルに哀悼の意を表しつつサヨウナラ。
148 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/15(土) 23:58:39 ID:7wZKOxCP
今更だがこのスレタイ笑えるw
149 :
支援:2008/03/16(日) 00:07:17 ID:RUQqmbs1
>「はっはっは! 任せとけ、俺の右手が光って唸るぜ!」
>「そうか、唸ってこい」
>「よっしゃ、じゃあ行ってくるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるうわわあわわわっわわわわわわわわわわわわわ」
> 張家究極奥儀・炭酸核弾頭。
このリズム感がたまらない・・・。
(ちょうどスパロボやってゴッドGを動かしていたときだから尚の事)
久々に腹筋痙攣起こしました。有難うございました。
誤字もうまく逆変換してますね。「洗浄」・・・。
いつもながらGJ!!
つかマイスター運送出てくると思わなかったYO!
151 :
支援:2008/03/16(日) 00:20:11 ID:RUQqmbs1
>>138 >あとなんでカトルは姉さんの顔も知らなかったのか
>いまだに疑問だったもので。
以前読んだ小説版で分かる事実は、
@「カトル以外全員試験管ベビー」
A「試験管育ちは軽んじられていた」マグアナックも同様。
B「ウィナー家は大金持ち」
C「カトルは元々ひねくれていた」
(@+A+B+C)×推定
= D「父親は子供が大量に必要だった。」
Eカトルは元々子供の中で特別扱いもされていなかった
父親も一切区別していなかった。(小説版中での「事実」)
D+E
= F「子供同士顔も見たことの無い姉妹が大量に居た」
うん、グラハム語よりもエクセレントで、
ビリーよりも見事な論理の組み立てで、
コーラ以上に強引な結論だ。
単純に跡継ぎが欲しかっただけでは?
で30人目の正直でカトルが生まれたと
母体が病弱で出産に耐えられないといわれていたから、試験管ベビーにこだわったと推測するなら、親父さんも相当諦めが悪いぜ。
うほ、職人さんどちらもGJ
深夜にもかかわらず爆笑だったよ
デュオがひ弱とのことだけど
なんだかんだでしぶといイメージがあるんであんま賛同できないな
ちなみに腕力の設定は確か公式資料で
ごひ>トロワ>デュオ>ゼクス>ヒイロ>カトル
だったりする。腑に落ちねー
試験管ベビーで大量に娘さん生ませたのはウィナー家の方針転換を示すためだぞ
カトルだけ奥さんとの子供で自然出産(本人は知らない)
正式に結婚してる奥さんとの子供だからカトルは跡継ぎ
他の姉妹と差別してない云々は試験管ベビーだからと低く扱わない(=道具扱いじゃない)
でいた、って事だよ
元々ACの遺伝子操作は宇宙では自然に子供が生めないから、自然出産できる母体を生む
ために行われた
宇宙で出産できる女性を生み出す→その子供も自然出産できるようになった、て流れ
ウィナー家はこの方法を命を弄んでるって反対姿勢をとって試験管ベビーを否定してた
で、それに対してカトルパパが今までの考え方を否定して第一世代の女性を産ませた
だから全員女なんだよ、跡継ぎどうのじゃなく
長文スマソ
>「お、お、お頭! モーニ○グ娘。の新譜いいっすか!」
>「今どき娘か、お前も好きだねぇ……おうさ、もちろんだとも!」
あえて言わせてもらおう、時代は℃-uteだと!
職人さん方GJ!!いいねいいね
>>154 まあ会話的にアリだけど、そうなんだよ。あいつ弱かったら取り柄ねーw
>ちなみに腕力の設定は確か公式資料で
>ごひ>トロワ>デュオ>ゼクス>ヒイロ>カトル
鉄格子曲げた某アンドロイドより実は破壊力あるのが3人も・・・こえー
ヒイロは技>力ってことか。
全体的にバランスが取れているから腕力は低くとも総合的には強いのかな。きっと。
Wのパイロットはとにかく体が頑丈なイメージがある
160 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/16(日) 17:15:59 ID:RUQqmbs1
保守
人物録追加
○マリナ・イスマイール
御存知貧乏姫
ウイナー家に受けた恩を返すためにプリベンターのスポンサーに
はっきり言って重度のショタコン
武器はスタンガン
○リリーナ・ドーリアン
本当の姓はピースクラフト
世界政府の外務次官で、完全平和主義者
どう考えてもヒイロにベタ惚れ
○ロックオン・ストラトス
マイスター運送勤務
人のいいあんちゃんだが狙撃好き
実は指弾(指で礫を弾いて飛ばす)も使えるすごい人
○フェルト・グレイス
マイスター運送勤務
担当は経理とか
ロックオンにホの字(死語)
○ハロ
ロックオンの相棒
どうも突っ込み役らしい
162 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/17(月) 00:33:16 ID:DOtNRNmm
土曜日の職人さんGJ!
部下も武器、靴下なのかwww
保管問題どうなた?
>>161 此処の貧乏姫は一応プチセレブだぞw
登場済みキャラも職人の調整で微妙に変化したりするだろうし、次スレ前に検討し直した方が良いと思った。
ともあれ、まとめ乙
しかし、どういう世界設定なのやら
保守
167 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/18(火) 20:52:47 ID:kp+sSjXI
>>165 Wをベースに00の設定をぶち込んだ感じ?
あとは職人のノリでその都度変更や追加してけばいいんじゃね。
こんな神スレ見たこと無いんだぜw
本放送当時毎週楽しみに観てたよ
現在は火曜日の夜にやってるんだな
95年の文字を見て春鬱が吹っ飛んだよ
あれから13年も経過しているなんて
地球時間で13年ヒイロ達も年をとれば、コーラさんと同い年くらいになってね?
想像つかないけどなw
>>169 見事に28歳ぐらいになってることに吹いたwwwwww
今日のプリベンター本部はやけに静かでした。
何故って?答えは簡単。人が2人しかいないから。1人は張五飛、もう1人はグラハム・エーカー。
因みに、他のメンバーは何をしているかというと…
ヒイロ、リリーナの護衛の為単独で任務遂行。
デュオ&ヒルデ、昔のジャンク屋仲間と同窓会。
トロワ、サーカスの公演。
カトル、溜まったウィナー家のお仕事を片付けに実家へ。
アラスカ野、故郷のアラスカが恋しくなった為帰省。
我らがコーラサワーさんはというと、カティ・マネキンファンクラブ会員限定ライヴに参戦中。今頃物販で限定グッズを買い漁ってる頃でしょう…
さて、残った1人のサリィさん。実は出勤してるのだが、2人と居るのが気まずい為、買い出しを理由にこの場から逃げてたりします。
2人と居るのが気まずい理由。グラハムは滅茶苦茶真剣顔でガンプラ作ってるし(因みに00関連のガンダムは作りきったのか、只今1/100フリーダムの塗装中)五飛はメガネをかけてインテリモード全開で読書に没頭中。
煩い事に慣れてしまうと、沈黙した雰囲気ほど辛くて気まずいものは無いです。
例えるなら、友人と萌えについて熱く語っていたのに、お互いの萌えポイントが微妙に違うと分かった途端の沈黙(話題無い!さっきまでの勢いは何処に!?みたいな)。
という訳で、サリィさんは買い出しに出掛けて行ったのでした。
さて、話を再び男2人に戻しましょう。
只今部屋の中には、本をめくる音とエアブラシのシューシューする音とM●.リニアコンプレッサーL5(エアブラシに接続するエンジンみたいなやつ)の音、換気扇の回る音しかしてないです(リニアコンプレッサーの音って意外と煩いんだけどね、プチ工事現場って感じ)。
2人の間に会話は一切無い。本当2人とも真剣です。
そして、数分後――
「あ゛あ゛っ!!」
先に沈黙を破ったのはグラハム。青ざめて絶叫。
「どうした?」
メガネをクイッと上げながらグラハムに視線を向け、五飛が聞きます。
「力んでし…って、ムラが…ダマ…出来てしまっ…」
マスク越しで何喋ってるかよく分かりませんが、ガクッと項垂れるグラハム。どうやら塗装に失敗したようです。
「そうか」
分かったのか分かって無いのか、それだけ言うと五飛はまた本に目を落としました。が、また直ぐに視線をグラハムに向けます。
「面白いのか」
「え…」
ちょっと涙目になりながらグラハムが聞き返します。
「その、『ガンプラ』というやつは面白いのかと聞いている」
厚塗りしようか、いやいや、乾かして研磨剤で削ってもう一度塗り直すべきだ!そんな事を考えていたのでグラハムは一瞬何を聞かれたのか理解出来なかったのですが、理解した途端にマスクを外し、得意気に答えました。
「勿論だとも!!そうかそうか。うむ、ちょっと待っていたまえ」
一人で納得すると、グラハムはたかたかと部屋から出て行き、大きな段ボール箱を抱えて戻ってきました。段ボールには黒マジックで大きく
『まだ作ってないやつ入れ』
と書かれています(因みに『もう作ったやつの空き箱入れ』と書かれた段ボールもあるらしい)。
そしてフンフンと鼻歌を歌いながら段ボールから幾つか箱を取り出しました。
「君の愛機はシェンロンとアルト――」
「ナタクだ」
言い終わる前に、思いきり睨みつけて訂正する五飛。流石、アイ ラヴ ナタク。
「で、君はそのナタクを壊してしまったんだろう?」
「あ、嗚呼…この時代に…ナタクは必要無いからな…」
自爆風景を思い出して少し涙ぐむ五飛。ナタク愛は伊達じゃない。
「だが、ガンプラならナタクと何時でも一緒に居られるのだよ!」
「な、何だと…!?」
グラハムは段ボールから取り出した箱の一つを五飛に私ました。パッケージには格好よくポーズを決めたEW版アルトロンのイラストが描かれています。
「1/144アルトロンいや、ナタク。しかも限定クリアカラーバージョンだ!」
「ナ、ナタク…」
パッケージイラストを凝視する五飛。
「そして、こっちは1/144シェンロンいや、ナタク。で、これが1/100アルトロンいや、あーもう面倒臭いな!兎に角、ナタクだ」
次々に箱を手渡すグラハム。
「ナタクが、こんなに沢山…」
「そう!沢山!ガンプラなら自分の大好きな機体を幾らでも量産可能なのだよ!幾ら作っても罪にはならない。部屋中にガンダムを並べる喜び…素晴らしくないかね?」
「ぁ…い、いや。ナタクは1機だけだ。こ、こんなもの、何処が良いのかさっぱりわからん」
『嗚呼』と言いそうになって思い止まる五飛。このまま乗せられれば自分は変態と同等、という事になると気付いたのです。というか、簡単にいえば、五飛の中のツンデレ心がストップかけた感じ。
「そう言うと思ったので、今日はこんな物も用意したのだよ五飛君。見たまえ」
そう言って、テレビの通販番組のお兄さんの様にグラハムが五飛の前に置いたのは、台座の上で固定されたエクシアとカスタムフラッグ。それだけでは普通なのだが、問題はポーズ。
「フラッグが、エクシアに勝ってるように見えるな」
そう。塗装で絶妙に傷付けられたエクシアが、今まさにフラッグ(こちらは擦り傷程度の塗装がされてます)に最後の一撃を食らわされる。そんな臨場感溢れる舞台が台座の上で繰り広げられていました。これぞ職人技!といっても過言ではない出来です。
「そう、ガンプラならこのように、作り手の技量次第でどんな戦いでも再現する事が出来るのだよ」
「あちらの世界で、お前はここまでエクシアを追い詰めていないと思うが」
五飛の鋭い突っ込み。そういえばあちらの世界では、何時もガンダムに逃げられてますね、グラハム。
「う…しかしだな、君の対決も再現可能という訳だよ。丁度良くここに1/100ウイングゼロがある」
ササッとウイングゼロの箱を差し出すグラハム。今日はどんな突っ込みにも負ける気0のご様子。
「このウイングゼロとそこにある1/100のアルトロンいや、ナタクを使えば」
「ウイングゼロとナタクの戦いが出来る…」
少し考え込む五飛。やはりヒイロとの戦いには心残りがあったようです。
「そう、しかも舞台上の神は君だ。どんな場所でどんな戦いをさせて、どちらを勝たせるかも君の自由」
「トールギスUとも?」
やっぱり、トレーズとの戦いにも心残りがあったようです。そういえば五飛って悔いが残る戦いしかしてないような…
「愚問だな」
ニヤリと笑うグラハム。
「沢山のナタクに…夢の戦い…」
グラハムの悪魔の囁きにどんどん翻弄、いや洗脳されていく五飛。ヤバいです五飛さん、顔がうっとりしてますよ。
まるで宗教の勧誘の如く、グラハムも最後の一押し。五飛にチェックをかけます。
「そう、そしてガンプラの一番の良いところは全て手作業。凝れば凝るほど味が出る。何より一から丹精込めて組みあげた時の喜びはなにものにも代えられないのだよ…。素晴らしいとは思わないかね…五飛君?
私と共に充実した生活を、さぁ君もガンプラを作ろうではないか」
「嗚呼…グラハム…いや、今日から師匠と呼ばせて下さい!!」
はい、チェックメイト。そして洗脳完了。ガンプラ仲間の弟子をゲットしご満悦のグラハム。
何せ彼、今まで『せっちゃん』(HN)というメル友しかガンプラ仲間が居なかったのです。
やっぱり趣味友はOffでも欲しいよね。うん。
「ではこのシェンロンとアルトロン達とウイングゼロは君にあげよう。私と君の友情の証だ。」
「謝謝、師匠!」
「今日は私のニッパーを貸してあげるからまずはBB戦士、SDサイズのシェンロンから作ってみたまえ、塗装は初心者向きのガンダムマーカーだな。後、墨入れにも挑戦してみようか」
「はい、師匠!」
ナタクと訂正を入れるのも忘れ、パンドラの、じゃなくてガンプラの箱を開けてしまった五飛。おめでとうございます。君はもう一般人には戻れません。まぁ、初めから一般人では無いか。
夕方、買い出しから戻ったサリィは自分の目の前の光景を疑った。
『何故?いつの間に五飛までプラモデルを作ってるの!?しかもグラハムと仲良く!』
いやいや、私の見ているのは夢、そう夢なのよ。最近疲れてるのね…。だって五飛があんなにニヤニヤしてるなんてあり得ないもの。今日は早く寝ないと。サリィは自分に暗示をかけるようにしてその場を離れました。それが正解。変なものとは関わらないのが一番です。
変態達と触れ合う内に少しずつおかしな方向へ向かっていく、思春期真っ盛り、他人の影響力大のガンダムパイロット達。彼等は一体何処に向かっていくのでしょうか…
今日も地球はバカを除いて平和でありましたとさ…
***
今回はあえてコーラを出さないでみました。
因みにエアブラシの塗装は見た事有るだけで未体験の為、嘘入ってるかもです。ごめんなさい。
でも、ガンプラ組むの楽しいよね!こないだ1/144サンドロックとヘビーアームズ、今更買ってしまいました。
ハムのフラッグが改造中のまま2期にいきそうな気がするのは、私だけでしょうか…
では。
ツーミックスwww
投下乙!
ごひにワラタw
乙
ナタク愛の純真ベクトルがハムに利用されてw
でも良かったね五飛
乙!
貴方最高っす!
ハムが某カエル軍曹になっとるwww
乙! 最高です!
この友情(?)が長く続きますように
水曜日の人はGJすぐるな
187 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/20(木) 02:18:43 ID:DGgmTtbf
ウーフェイが洗脳されるなんて・・・
だが職人さんGJである!
プリベンターのアジトってどんなデザインなんだろ
おっきなP字型建造物
このスレ「絵」に起こしたいんですが・・・
皆様の…その…権利関係とか・・・
って言うか実に1X年以上前の気力体力は無いのでして
叩かれればしますけど・・・誰か買う?!
日本語でおk
売ると言われて素直にYES等という人は2CHに居ません
ガンダム売るよ!
194 :
模倣の人:2008/03/20(木) 09:34:20 ID:???
今回はプリベンターから離れて、違う人物を追ってみることにする。
本日カメラを向けるのはこの男、アリー・アル・サーシェス。
先日、デパートの占拠に失敗(詳細については前回の土曜日氏の作品を参照されたし)し、
ほうほうの体で逃げ帰った彼に注目してみよう。
部下を置き去りにしてどうにかアジトへと辿り着いたものの、一つ所に留まっていては
すぐに足がついてしまうであろうことは容易に想像がついた。
そのため、このアジトを早急に引き払って別の拠点に移動する必要があったのだが、
ここで大きな問題にぶち当たった。
逃走経路を辿られないようにするには痕跡を一切残さないのが鉄則であるが、
ところがぎっちょん、アリー一味は彼も部下も揃って清潔さには縁遠い奴らばかりだった。
何せ靴下も満足に洗えないような連中である。洗濯だの掃除だの整理整頓だのという言葉は
彼らの辞書には存在しない。
即ち、現在抱える問題とは。
「どうやって片付けりゃいいんだべなコイツはよぉ……」
恐ろしくとっ散らかったアジトを前に、アリーは一人頭を抱えていた。
部下という貴重な人員はプリベンターに悉く拘束されたため、人手も絶望的に不足している。
ほとんどゴミ屋敷といって差し支えないほどがらくたが山積みになったアジトを
一人でどうやって綺麗にしろというのか。アリーはなんだか泣きたい気分になったのだった。
195 :
模倣の人:2008/03/20(木) 09:34:55 ID:???
結局一人ではどうしようもないということで、業者の力を借りることにした。
そうしてやってきたのがトリニティ運送の職員、ヨハン、ミハエル、ネーナの三兄妹である。
トリニティ運送は近頃事業を拡大し、引っ越し事業にも着手したという。
サービス開始したての現在はより多くの顧客を獲得するため、非常に安価で
仕事を請け負っており、その上、実はトリニティ運送社長のラグナ・ハーベイとアリーは
顔馴染みでもある。
ラグナ社長は業績を伸ばすためなら手段を選ばぬ男で、決して表沙汰にはできないような
汚い方法を用いることもしばしばであり、そんなときにはよくアリーと手を組んで
ぼろ稼ぎをしていたのだ。
そうした事情もあって、二人は互いが困った時にはいつでも力を貸す約束を交わしていた。
今回のように、秘密裏に済ませたい引っ越しの時には非常に融通の利く業者であると言える。
「ここね、今回の依頼主がいるところは」
赤い髪の女がスローネ(=4tトラック)を降りてアリー一味のアジトを見上げる。
彼女と肩を並べるように、別の4トラから二人の男が降りたった。
「さっさと終わらせようぜ兄貴。ネーナをこんな辺鄙な地にいつまでも居させるのは可哀想だぜ」
「わかっている。まずは依頼人に挨拶だ」
長男のヨハンが先頭に立ち、アジトの入り口に向かって歩を進める。
と、いくらも進まぬうちに依頼人の方が玄関から出てきて三人の元までやってきた。
「よお、あんたらがラグナんとこの作業員かい」
「はい。私はトリニティ運送のヨハン・トリニティと申します。こちらは私の弟妹で」
「ミハエルだ」
「ネーナよ」
「本日は我々三人が業務を担当させて頂きます。早速ですが、荷物はどちらに」
ヨハンの丁寧な物腰と対照的に、アリーは酷くぞんざいに背後のアジトを指差した。
「あー、あん中にあるモン全部適当に包んで持ってってくれ。
ただし塵一つ残すんじゃねえぞ」
「へいへい。んじゃ、とっとと済ませちまうぜ」
アリーの言葉に頷いて、ミハエルが早く仕事を上がりたい一心で真っ先に建物へ向かった。
だが、彼は失敗を犯した。
何事にも慎重を期し、用心を以て臨むべきだったのだ。
ミハエルは何の警戒もせず、アジトの扉を一気に開け放ち──
急に白目を剥いてドサリと仰向けに倒れた。
「ミハエル……? ミハエル!」
ヨハンが血相を変えて叫ぶ。
それを見たアリーがニヤリと口角を釣り上げて笑った。
「ご臨終だ」
「……いやあああああっ、ミハ兄ぃ!」
ネーナの痛々しいほどの悲鳴が辺り一面に響き渡った。
──ここで何があったか説明しよう。
答えは単純。扉を開けた瞬間に中から漏れ出した異臭が、ミハエルに直撃したのである。
人の意識を奪い去るほどの悪臭が、内部がどれほど凄惨な状況であるかを物語っていた。
ちなみにずっと中にいたアリーは何故平気だったかというと、これも単純な理由で、
単に慣れきっていただけだった。
196 :
模倣の人:2008/03/20(木) 09:37:50 ID:???
その後、兄妹の献身的な救命活動でミハエルはどうにか生還を果たす。
具体的に言えば人工呼吸と心臓マッサージを施されたわけだが、ヨハンとネーナがどちらを
担当したかについては、読者各位の精神衛生上敢えて記さないことにする。
さて、ミハエルは無事復活したものの、彼らの仕事はまだ終わってはいない。
「つーわけで、よろしく頼むわ」
「いぃやあああああ、あたしのスローネに臭いが移っちゃうううぅ!」
「耐えろネーナ、これも我らの務め。どんな苦行であろうと誇りを持って臨まねば」
「いやこれは誇りでどうにかなる問題じゃねーよ兄貴。
ラグナの野郎、こんな厄介な仕事押しつけやがって。報酬は絶対に倍以上ふんだくってやる!」
ガスマスクの上から更にヘルメットという重装備で三兄妹は梱包作業に従事し、
散々文句は垂れながらもプロとしてのプライドから一切手を抜かず、
アジトの中をきっちり空にして、三台のスローネに荷物を載せて一足先にここを発っていった。
最後に残ったアリーは綺麗になったアジトの床に手足を投げ出し、
満足そうに紫煙をくゆらせる。
「いやあ、綺麗に片付くモンだなあ。よーし、これでまた気分良く始められるな」
次にまたプリベンターへちょっかいを出すときのことを想像して、彼は楽しげに笑った。
実際はこの後も新拠点に運んだ荷物を開封する手間が待ち構えているし、
今回仕事に当たった兄妹たちからはトラックの荷台に異臭が移ったとして損害賠償と慰謝料を
求められ苦しむことになるのだが、それはまた別のお話。
ともあれ今は、綺麗になったアジトとともに彼も心機一転、清々しい気持ちで
労働後の至福の一服を楽しむのだった。
おはようございます皆様ご機嫌麗しゅう。
なんか模倣の人で認識されたっぽいから名前はこれでいいや。いいの考え付かなかったので。
トリップもしばらくつける予定なし。いいの考えry
相変わらず外堀から埋めていくのが好きなようです。脇役って……いいよね。
それではいずれまた。
乙乙乙
しかし模倣の人は文章巧いな‥「模倣」と呼ぶのは失礼なくらいだ
「外堀さん」ではダメ?
「ご臨終だ」じゃねーよwww
警告くらいしろよおっさん!w
人手減らしてどーすんだwww
200 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/21(金) 00:40:54 ID:BM1+6Bs5
臭いで人を天に召し、ファブリーズの効果を堪能できない男、アリー・アル・サーシェス。トリ兄妹の仲がいい感じも素敵でした。GJ!
保管庫?
放送日になりますた
コーラさんの命日になりませんように
未登場キャラはあとティエリア、スメラギくらいか
205 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/22(土) 18:25:24 ID:UYD1YcXB
コーラぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(´;ω;`)
終わった・・・
どうすんだよ
今日が命日でした。あっさり風味だがコーラさんはこんなものだろう
ヒイロ達は悲しんでくれるだろうか…。
まだだ!
死体は一瞬たりとも映っていない!
きっと重体ながら生きているんだ!
全身包帯…ありえそうで怖い
まだだ……まだ下半身とこのスレが残ってるじゃないか……!
とりあえずコーラ乙w
マダ見てないが…コーーーーらさんんー!!
大佐は生きてるか???
下半身だけのこってやがったからな、たとえ来週以降なんの音沙汰がなくても
最終回をみるまであきらめないぜ
まだ見とらんが下半身だけってどういう…
大佐のいない世界にいってどーすんだコーラっち
ジンクスのハッチ部分と下半身が残ってるって話
いや、あれで生きてたら本当にギャグだろ
それだけはやっちゃいかんことだ
俺たちのコーラさんを素直に送ろうぜ‥‥
初めからぎゃぐキャラじゃん
ここで大佐による追悼ソング
220 :
支援:2008/03/22(土) 19:01:27 ID:rI06Kh3w
皆期待している通りと思いますが、コーラ先生は絶対生きています。
つーか、作成者もうまく盛り上がらないからと言って色々とやるね。
ほとんど誰も殺さずとも話が盛り上げられるという点では
種もWも大したものだったけど、
キャラが薄いからこそ殺して初めて引き立つというのは
あまりにも製作者が無能。
ということで職人の皆さん。心配は要らない。
間違いなくコーラさんは復活する。
そう言い切れそうな理由はもう一つある。
泣きたいぐーらーいーに貴方だけが愛しい〜♪
あーきーらーめーなーいーつーよーさーをー
くーれーるーあーなーたーだかーらだきーしめーたいー
いいけど制作じゃね?
なんか基地まで平泳ぎで返ってそうで恐い
ジンクスは2体いた。
その内の一体は身体がのこってたよ。もしかしたら
まだ本編見てないがあれだろ?
どこぞの前髪のように記憶喪失になって戻ってくるんだろ?
コーラ本スレその他に出てた考察をまとめるとだな
○ナドレビームは確実にジンクスに当たった
○コックピットフラッシュがあってきのこったキャラは皆無
○あれで生きてたらセーフティシャッターやNTバリヤーを越える
○冒頭の「やられちゃいますた」は伏線、今までまともに描かれなかった帰還を見せた回で消すという逆立ち演出
○物語的に今消えても別に影響はない
○前回予告に出ていたのも最後の花道
○最終回、正直「生きてました」を描く尺がない
○「こいつ生きてたの?がいます」という監督発言に該当するのはアリー、刹那にわざわざ今回ミスリードさせたから
○次回中の人の出番があるらしいが、回想かそれがなければ議員か司令役
結論→あぼんしてます、確実に
これで生きてたら伝説レベル
黒田は女やギャグキャラでも容赦なく殺すときは殺すからなー……
でも、でもよお、それでも期待しちまうんだよ。コーラには
今までジンクスは撃墜される時全て爆発している。
229 :
不定期職人:2008/03/22(土) 19:40:09 ID:???
「なあ。」
「あぁ?。」
デュオの問いにコーラサワーはちょっと、面倒くさそうに返答した。
「向こうの世界であんたが天に召されたかどうかで議論になっているぞ。
さすがに、頭だけじゃなくて、上半身全部持ってかれたから、多分だめだろうって、
いうのと、下半身とハッチが残っているし、次回の出演リストにのっているから、
生き残るっていうのでな。」
「案外、俺も人気があったって話だな。 まあ、向こうで俺の中をやってくれている人は
掛持ちの役が多いし、回想シーンで出てきても、おかしくはないだろう。大佐の回想で。」
「しかし、いままでいろんなフラグをへし折り続けてきたあんたがあんなにあっさり
天に召されるのは納得いかないんじゃないか?。」
「まあ、人間ってのは突然まさかのときに逝く時と、苦しみぬいた挙句逝く時とあるからな。
それは、向こうで脚本書いている人の胸先三寸だろう。 長い間出番がなかった時もあるし、
もしそれが運命なら、それを受け入れるしかないさ。」
「あんたらしくないな。 いつから運命論者になったんだい?。」
「まあ、軍人やっていれば、板一枚下は煉獄よ。 訓練時だって、いつ自分の乗っている
搭乗機が墜落するかは、誰にもわからない。 いつその時が来てもいいように覚悟は出来てたさ。
あんたたちだって、ガンダムパイロットやっていたんだから、俺の考えることはいつも心の隅にあったんじゃないか?。」
「・・・・・。 まあ、そうだな。 しかし、いつも体だけが頑丈なだけの奴かとおもっていたけど、おんたも一人前に
人間の運命について考えていたんだな。」
「体が頑丈なだけはないだろう。模擬戦2000回不敗のAEUのエースだったんだぜ、俺は。
まあ、この世界では俺はギャグキャラだし、ネタ師なんだから、これからも思う存分暴れさせてもらうさ。
俺は、この世界ではイジラレてなんぼだからな。」と、コーラサワーは椅子から立ち上がって背伸びをした。
「あんまり暴れてもらっても、困るがな。 いろんな職人さんが待っているから、いい味だせよ。」とデュオは
いつもとは違う温かい眼でコーラサワーに語りかけた。
「ああ、職人さんのネタが尽きるまでやるさ。それか、俺をいじることに飽きるまでな。」ふっと微笑んだコーラサワー。
窓の外は春、穏やかな太陽の光が心を慈しむように部屋へ差し込んでいた。
プリベンターの一日は今日も平和に過ぎていったとな。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
どうも、いつもお邪魔させていただいている不定期職人です。
コーラサワー氏の運命はどっちに転がるかはわかりませんが、これだけネタができやすい
キャラは珍しい人でした。
せっかく、模倣の人氏を始め優秀な職人さんが参入しはじめて楽しみが増えた
笑い転げるネタが多くこれから楽しみだと思っていた矢先の出来事で、今は考えがまとまりません。
どうか、こちらの世界ではいじられ役だと思うので、作品を発表していただけることを念願してやみません。
今回はえらく、しんみりしたネタで申し訳ありませんが、これにて失礼します。
ギャグはもうちょっとネタを仕込んでから書きたいと思います。
230 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/22(土) 19:44:22 ID:XcE1E3kU
自分で「職人」はちょっと引くわ
231 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/22(土) 19:46:57 ID:Cj3T3jUT
かなり引くわw
まぁ職人も住人も最低一週間は生き残ってると信じとくがよろし
来週スルーされたら退場、されなかったら生存だろうから
来週スルーされても2期の途中で仮面つけて出てきてもコーラだからで俺は納得するな。
第2期最終回のエンドテロップが出るまでは俺は信じるぜ
前髪君に倣い、復活するならトリプルアクセルで登場すべし
失敗して大佐の足元に頭から刺さるが
姉さん寒いよぶるぶる攻撃で起死回生の優勝を決めるコーラさんだった
もう今日は投下なくていいよ
ギャグでもなんでもとてもそんなん読む気分になれん
>>237 そうだな・・・職人さんには悪いが
とてもギャグを見る気分ではない
でもコーラ、最終回の声優キャストにいるんだけど・・・
COLA SOUR BEAT COMMUNICATION コーラ 飲みな〜がら〜
気の抜けない 激しい泡 身体中で伝えたいよ IT'S DRINK!
出撃する度に 機体いつも壊〜して
泳いでるその〜目は 大佐もとめさまよ〜うの?
あなたのキャラクタ 守りたい〜 フラグをへ〜し折る神の回避信じて〜!
COLA SOUR BEAT COMMUNICATION コーラ 飲みな〜がら〜
気の抜けない 激しい泡 身体中で伝えたいよ IT'S DRINK!
ボーカルは勿論大佐でなw
二期でブリーフィング時に空気読まずにパーティー用のマスク付けて登場
で、また大佐に殴られる。
とりあえず一週間お休みかな、このスレは
245 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/22(土) 23:40:10 ID:mpi/0de1
先週の放送からこの板自体動きが鈍くなってきてるけどネタスレだけでも小学生パラレルスレみたいにミンナナカヨク、生き生きとして欲しい。
放送日になると神経質に色んな牽制かけてくるしゅし厨がいてな
ただそれだけのこと
まあ、スレ民のほとんどが一期生存を信じて疑わなかっただけに(たぶん)、ショックはものすごく大きいしギャグなんて読んでる余裕ないのはわかる。
どうやら土曜人は空気を読んだようだな
ショックで寝込んでるのかもしれない
このスレの住人になら言える
コーラこないだTW○−MIX BPM150MAX聴いてたから生きてると思うよ
STAYIN’ ALIVE MAXとかw
生死に決着がつくまで一週間活動休止だな
土曜職人はしっかりそこらへんを察知したか。ショックを受けているわけはたぶんないだろう、あれだけメチャクチャな文を書くんだから
不定期さんは少しタイミングが悪かったな、さすがに直後は整理がつかんのできつかった
活動しようがしまいが好きにしてくれてかまわんが↑の言い分が分からんのぼくだけ?
うん。自分も分からん。
職人さんらに書く気がおこったら書いてくれたらいいし
読む側も、読む気力がなかったらこのスレにこなかったらいい
てうかコーラ死んでないよ!
>>246 しゅし厨w
支援とか言ってる人かな
自粛呼びかけてる人「が」ショックだったんだろうが
生死の決着ってそんなに大事なのかと新鮮な思い
生きてようが逝ってようがコーラはコーラってかんじ
おまえらは心が強いな、コーラさんも幸せ者だ
俺は心弱くてね、はっきりしてないうちはすっきりと楽しむ気になかなかなれんのさ
だが共に進むか、未来とこのパラレル世界へ!
とりあえずコラサワさんはおれらの心の中にしぶとく生存しまくり
というかこっちでは既に死んだはずのアラスカ野とか
絹江姉さんとかがピンピンしてるんだから
コーラさんが本編で死のうが生きようが関係ないっちゃないわな
生きてようが死んでようがコーラさんがコーラさんであることに変わりない
ネタスレでキャラの生死なんて拘るもんかね?
大体ネタを書く書かないは職人の勝手だろ。読む側が勝手に読んでるのと同じで。
しかし本スレもそうだけどショック受けてる人意外に多いな。
ネタキャラ以上に愛されてるじゃないかコーラさん。
自分では生きててもご臨終でもオイシイんだが
コーラさん程の出戻りキャラなら、光を浴びて塵になっていく、
位の描写がされてない限り、生きていると思ってまず間違いない。
むしろ一部の通夜ムードにびっくりしたんだぜ
とりあえず私は次回まで待機します。
では、また次の土曜日に。
放送を1回目に見た時は「死に方までコーラさんだぜコーラさん!」と思った
2回目に見た時は「機体が下半身しかない!こりゃ生きてるだろコーラさん!」と思った
生き延びてても死んであの世に行ってもコーラさんはコーラさん
暗くなるなんて変なんだぜ?
悪くない生き様だし逝き様だったよな
>>264 >機体が下半身しかない!こりゃ生きてるだろコーラさん!
なんか矛盾してるぞwww
そりゃ生きてたら嬉しいけど、あれで死んでもそれはそれでコーラらしくてよかったかもしれん。とりあえず来週が楽しみだw
>>263 おk、楽しみにしてますw
13年前何度自殺未遂を繰り返しても死なないテロリストを見てから
何が起きても驚かないと決めました
だからコラサワがんがれ
>>267 毎週毎週EDの超絶ドSソングで渇入れされてたM魂が遂に覚醒の時を迎えたか…
>>268 時代を先取りしすぎた最高のツンデレソングに向かって失礼な
2番とかサイコーですよ?
あれの2代目はむしろ恐怖だろwww
連合軍にもばれないように移動しているヒイロがリリーナにストーキングされてるあたりとあいまって
前半のリリーナがヤンデレに見えてくるww
すでに紫だったんで何事かと思ったら
このコラかwww
トロワスレにもあったやつだなwww張ったの俺だがw
>>271 ひ、ひどいw
コーラさん、土曜日に会えるよね?
登場の際は、ぜひ、ヒイロの最後のせりふで
ブログの感想とかで「怪しい」「生存の可能性を探る」みたいなのが結構多くてワロタ
ロックオンやハワードは死に物語的意味があったが
コーラはここで死んでもそれがまったくない自惚れるなコーラファン‥‥という意見はちょっと目ウロコだったな
エクシアに達磨にされながら入院し
再登場でヴァーチェのビームをスレスレで回避しながら墜落し
一番死んだと思われたであろうスローネ登場回でほぼコックピットの真下を撃ち抜かれて無事で
通信できないで救援呼べずに砂漠から帰還した強運だか悪運だかの持ち主だからなー
録画を見直して見たんだが、ジンクスの上半身が吹っ飛んでから「アン?」って言ってるなw
198 名前:通常の名無しさんの3倍 投稿日:2008/03/24(月) 13:16:11 ID:???
コーラさんは
├生きてるよ派
│ ├コーラさんが死ぬわけないだろ派(パトリック原理主義派)
│ ├今まで大丈夫だったから今回も無事だよ派(データと経験重視派)
│ ├ジンクスのコクピットは腰だよ派(MS解析下半身派)
│ ├コクピット光は被弾後だよ派(ガンダム的演出の罠派)
│ ├大佐とまだ結ばれてないよ派(大佐のキッス最優先派)
│ ├ここで死んだら二期でAEUが目立たないよ派(引き継ぎは計画的に派)
│ ├物語的に意味の無い退場はないよ派(黒田の良心を信じるよ派)
│ ├ネタキャラだから死なないよ派(週末に癒されたいよ派)
│ ├スメラギに拾われるよ派(CBに入って欲しいよ派)
│ ├ハムかソーマが助けてくれるよ派(三国交流活発化推進派)
│ ├ロックオンを拾って帰ってくるよ派(ロックオンもまだ死んでないよ派)
│ ├木星まで流されてCBの秘密知るよ派(29歳中年漂流記派)
│ └全部が理由だよ派(とにかく安心したいよ派)
│
└死んでるよ派
├とにかくウザいから死ね派(キャラが性に合わないよ派)
├あれは死んでるだろ常考派(前後の演出悲観的総括派)
├そろそろ三国側もエースが退場せんとな派(物語的生け贄が必要だよ派)
├ロックオンの仇死ね派(腐女子的八つ当たり派)
├ティエリアを傷つけた報いだ派(腐女子的八つ当たりその2派)
├大佐は俺のもんだコーラにはやらん派(カテキンは俺の横で寝てるよ派)
├監督と脚本家を考えろ派(水島黒田は甘くない派)
├コクピットは胸だよ派(他のMSと照らし合わせた派)
└とにかく死んでるよ派(割とどうでもいい派)
コーラって大佐に赤ちゃんプレイで転がされたがってる
ように見せかけてるけど内心(いい女じゃないか・・・)
だから大佐逃げてー
コーラさんは大佐のサンドバッグになれたら幸せだろう
>>279 でももう今更みたいだね>ラジオ
自分が聞いたわけじゃないけど
>>280 マシュマーとか言われてるもんね
生きてさえいれば、なんとか・・・
コーラの大佐に対する行動は全て
長年の勘と経験から計算され尽したハンターの動きだろ
284 :
模倣の人:2008/03/24(月) 23:22:53 ID:???
とある日。
マイスター運送の事務所に、女の弾んだ声が響く。
「うん、じゃあ明日に。楽しみにしてるね!」
声の主はクリスティナ・シエラ、通称クリス。どうやら電話でなにやらやりとりをしているらしい。
通話を終え携帯を畳むと、妙に浮ついた顔で微笑んだ。
「どうしたんすかクリスさん、明日何かあるんすか?」
「んー? ナイショー」
同僚のリヒティからの問いを受け流し、鼻歌交じりに仕事を再開した。
同時刻。
「ええ、じゃあ明日。楽しみにしてます」
声の主はリリーナの秘書官で、名をクリスという。
今日は時間が取れたので幼馴染のラルフと共に過ごしていたのだが、途中で電話がかかってきたため
ラルフから距離をとって応対していた。
通話を終え戻ってきた彼女に、ラルフが声をかける。
「どうしたクリス。明日、何かあるのか」
「え、ええ、ちょっとね」
質問をごまかすように言葉を濁し、曖昧な笑みを浮かべた。
そして翌日、プリベンター本部に呼び鈴が鳴り響く。
「はいはーい、どちらさま?」
「どうもー、マイスター運送です! お荷物をお届けに上がりましたー!」
訪ねてきたのは、整った顔に人好きのする笑顔を浮かべた、愛想のいい若い青年。
年の頃は二十代前半といったところか。腕には配達物らしき大きな箱を抱えている。
「あいよ、お疲れさん。判子はここでいいかい」
「どうもっす。ありがとうございますー」
だが、荷物の受領を確認したにもかかわらず、青年は帰ろうとする気配を見せない。
「……えっとお兄さん、まだ何か?」
「やあやあやあ、先日はうちの社員がお世話になったそうで。お礼もかねて、高名なプリベンターの
皆様に個人的にご挨拶しときたいなーと思いまして。
あ、申し送れました。俺はリヒテンダール・ツェーリっていいます。リヒティって呼んで下さい!」
「ああ、こないだの人の同僚さんか! いやあ悪いねぇこちらこそわざわざご丁寧に」
リヒティの差し出した名刺と菓子折りを受け取って、応対していたデュオが頭を下げた。
どうやらデュオとリヒティは性格が割と似通っているせいか、早速意気投合したようである。
「どうせだったら茶でも飲んでいくかい? 他の奴らも紹介するぜ」
「え、そんな悪いっすよ! でも、そんな、いいんですかね。じゃあ是非!」
とリヒティが足を踏み入れかけたところで、背後に更なる人影が立った。本日二人目の来客である。
「すまんが、トロワ・バートンはいるか」
「誰だ……ラルフ?」
声を聞きつけて顔を出したトロワが軽く目を瞠った。
その男は二十代後半と思しく、外見的にはヒイロを歳食わせて尚且つ痩せこけさせた印象である。
名をラルフ・カートといい、トロワとは旧知の間柄だ。
285 :
模倣の人:2008/03/24(月) 23:23:53 ID:???
「何かあったのか」
トロワが怪訝に思い問いかける。ラルフは妙に挙動不審で、さきほどからきょろきょろと視線を
彷徨わせながら頻りに額の汗を拭っている。
「クリスはこちらに来ていないか」
「え、クリスってクリスティナ・シエラ!?」
横から口を挟んだのはリヒティである。
「? ……いや、そちらがどのクリスを思い浮かべているかは知らんが、恐らく別人だ」
「クリスなら来ていないぞ。彼女がどうかしたのか」
「ああ、いや、大したことはないと思うんだが……彼女と連絡がつかないんだ」
「どうしましたか皆さん。何か込み入った事情のようですが、とりあえず中へ入りませんか。
ずっとここに立ちっ放しでは落ち着いて話もできないでしょう」
戻ってこない仲間の様子を見に来たカトルが、何となく緊張した気配を察して来客たちを促した。
応接間にラルフとリヒティを通して、プリベンターの面々も顔を揃える。
クリスのことを知っているのは元ガンダムパイロットの五人だけで、サリィ以下のメンバーは
彼女には会ったことはないが、わざわざプリベンターを訪ねてきた以上は可能な限り協力しよう、
ということで、一人を除き今いる全員がこの場に臨席していた。
「それで、連絡がつかないというのは」
トロワに再度問われ、ラルフは事情を説明し始めた。
「恐らくは俺の気にしすぎなだけだろう。単に朝から電話が通じないというだけなのだから。
彼女の仕事が忙しい日は電話が繋がらないなんてこともざらにあるからな。
だが、昨日今日は仕事は休みのはずだ。だからまあ、何か約束をしていたというわけではないのだが
少しくらい電話でも、と思っただけなんだ」
用があってかけたわけではないから、どうしても連絡を取りたいというわけでもない。
しかもまだ半日程度しか経っていないわけで、神経質になるような問題でもない、とは思う。
しかし、何故か今日に限って妙な胸騒ぎがするのだという。
「あのー、そのクリスさんって、本当にクリスティナ・シエラじゃないんすか?」
「だから違うと言っている。何故そう思う?」
「いやあ。うちのクリスさんも朝から連絡つかないんすよね。まあただの偶然でしょうけど」
と言ってリヒティが苦笑する。
ふと、ヒイロが一見何の関係もなさそうな疑問を唐突に口にした。
「そういえば、あの男は」
あの男とは今この場にいないプリベンターの一員、パトリック・コーラサワーのことだ。
その疑問にはグラハムが答えた。
「彼ならば、今日はデートだと言って朝早くから出て行ったぞ」
「デートだぁ? あんにゃろ、暢気なこと抜かしやがって」
「相手は誰とは聞いていないか」
ヒイロが問い重ねる。グラハムは聞いていないと答えたが、ジョシュアが「あ!」と声を上げた。
「そういや昨日あいつ言ってたな。『明日はクリスとデートしてくるぜ!』とかなんとか」
一気に緊張が走った。
プリベンターの面子は顔を見合わせ、ラルフとリヒティは顔面から血の気が失せる。
「そ、そういえばうちのクリスさん、昨日誰かと約束してたみたいだったっす」
「こちらのクリスもだ。相手が誰とは言わなかったが……ところで、そのパトリックというのは
どんな人物だ」
「どんな、ねえ。……良く言えば快活で、悪く言えば馬鹿で……」
サリィが言いにくそうにする。代わりに五飛が続きを答えた。
286 :
模倣の人:2008/03/24(月) 23:24:35 ID:???
「厄介なことに、どうしようもなく女たらしだ」
「いやだああああああああああ、クリスさああああああああああああああああああああん!」
「答えろ、その男は今どこにいる!」
「お、落ち着いてください二人とも!
まだどちらのクリスさんもコーラサワーさんと一緒にいると決まったわけじゃありませんよ」
取り乱したリヒティとラルフは、カトルに宥められて正気に戻った。
二人揃って気まずそうに咳払いをする。
だが、と五飛が言う。サリィに目配せをして。
「可能性がゼロというわけでもない。なんだったら追跡してみるか?」
「へ?」
一同は目を点にして五飛を見た。
「ここだな」
モニタに映された地図上の一点に赤い光が点る。これがコーラサワーの現在地であるという。
「驚いた。いつの間に発信機なんてつけたんだい、五飛」
「先日、奴が居眠りしている間にな。首の後ろに埋め込んでおいた」
「ちょっ、いくらなんでもそれは可哀想なんじゃ」
「文句ならサリィに言え」
「サリィさん!?」
視線の集中を受けたサリィは、「え、えへっ」と決まり悪そうに微笑んだ。
彼女ばかりを責められまい。これは常にコーラサワーに振り回されている彼女の、
せめて居場所だけは把握できるようにしておきたいという涙ぐましい努力の結果なのだから。
ともあれ、居場所はこれで掴めた。全員が狭いモニタを覗き込もうと顔を寄せる。
「あれっ、そういえばリヒティ、こんなことしてる暇あんのか? 配達はまだあるんだろ」
「仕事なんてどうだっていいんすよ。こっちが先決です」
社会人としては絶対に誉められない言い分である。
「ところでラルフ、こんな昼間から出歩いているが、お前は仕事していないのか」
「……」
「ヒモか」
「違う! 就職難なだけだ」
ラルフが不貞腐れる。
そんな彼らはさておいて、ヒイロが口を開いた。
「そこには何がある」
「待て、住所から検索する。……出たぞ。この場所にあるのはビーイングホテルだな」
ホテル、という単語を聞いた瞬間にリヒティとラルフの平常心は吹き飛んだ。
「駄目だああああああああああクリスさああああああああああああああああああああん!」
「うわああああああああああクリスうううううううううううううううううううう!」
「うるさいのよ静かにしてっ!」
ヒルデ得意のフライパンアタックが炸裂する。後頭部に綺麗な一撃を食らい、痛みによって二人は理性を取り戻した。
「す、すいません取り乱しちまって」
「迷惑をかけて申し訳ない」
「構わないわ。とにかくビーイングホテルまで行ってみましょう。何か掴めるかもしれないわ」
そう語るサリィの表情はやけに嬉しそうである。
「楽しそうだなサリィ。そんなに他人のゴシップネタが好きか」
「そそそんなことないわよ、私は至って真面目に」
しかし五飛にじっと見つめられると、諸手を上げて降参を示した。
「ごめんなさい私の負け。些か不謹慎だったわね」
とはいえ異論は出なかったので、彼らは早速ビーイングホテルまで向かうことにしたのだった。
287 :
模倣の人:2008/03/24(月) 23:25:03 ID:???
ビーイングホテル、ラウンジ。
「うっわあ、すっごく美味しーい!」
「本当! ラルフには悪いことしたけれど、来てよかったわ」
クリスとクリスティナが歓喜の声を上げる。
ここは予約制のケーキバイキング。女性に人気のスポットなのだが、結構な盛況ぶりのため
2ヶ月前から予約をしておかないと入れないという。
そしてここにはクリスたちだけでなく、発信機が示したとおり、パトリック・コーラサワーもいた。
「だろ? 女の子はこういうの好きだもんな。予約しておいた甲斐があったぜ」
と言って爽やかな笑顔を見せる。
店内には甘いケーキに幸せな気分で舌鼓を打つ客らがひしめき、和やかな空気に満ちていた。
が、その空気は突如破られた。俄かに入り口の方が慌しくなる。
「申し訳ございませんが、ご予約頂いてないかたのご入店はお断りしております」
「俺たちは客じゃない。中にいる人間に用があるだけだ」
従業員に食って掛かるのは、もちろんラルフとリヒティの二人である。
そして彼らは見つけてしまった。ケーキを食しながら楽しげに笑うクリスとクリスティナ、
それからプリベンターの者たちに見せてもらった写真どおりの赤い髪の男を。
頭に血が上った二人は、従業員の静止を振り切ってコーラサワーへ向かって走り出す。
二人に気づいたクリスたちは驚愕した。
「あら……ラルフ!?」
「えっ、リヒティなんでここに!」
急に叫ぶ彼女らの視線を追って初めて、コーラサワーは自分に向かって駆けて来る人影に気づく。
「へっ、何が」
「問答無用!」
「クリスさんを誑かしやがってぇ!」
疑問を最後まで口にするより先に、二人の拳が両頬にめり込んだ。
見事に上体が吹っ飛び、下半身だけ椅子の上に残して後ろの床に倒れこむ。
一瞬だけ店内に静寂が降りる。
次の瞬間には、店内が一気に騒がしくなった。
「いやあああ、パトリック!」
コーラサワーの向かいに座っていた女が、突然の暴行に金切り声を上げた。
隣の席に座っていたクリスとクリスティナは二人の男を見上げてただただ呆然としている。
「あっ、こらアンタら! 余計な揉め事起こしてんじゃねえ!」
後から追いついてきたプリベンターの面々がラルフとリヒティを羽交い絞めにする。
本当は様子を見に来ただけのつもりだったのだが、二人が逸る衝動を抑えきれずにホテル内へ直行、
プリベンター連中を置き去りに暴走してしまったのだ。
「ラルフ何をしているの、あんまりだわ」
「リヒティ、あなた自分が何をしたかわかってる?」
我に返ったクリスたちが、口々に二人を非難する。続く一言が、彼らに冷や水を浴びせかけた。
「無関係の人になんてこと!」
ぴしり、と硬直する音が聞こえるかのようだった。
「む……無関係?」
「そうよラルフ」
「えっと……この男に誑かされたわけじゃないんすか?」
「たまたま隣にいただけじゃない」
「え、じゃあ」
ラルフとリヒティが視線を向けたのは、コーラサワーの向かいに座っていた、金切り声の女。
女は二人に見つめられると、ひっ、と短い悲鳴を上げて逃げ出した。二人に恐れをなしたらしい。
そして当のコーラサワーは、頬を真っ赤に腫らした状態でひっくり返ったまま失神していた。
288 :
模倣の人:2008/03/24(月) 23:26:04 ID:???
どうにか騒ぎを収集してプリベンター本部へ戻ってきた一行。
ラルフとリヒティは、二人並んで正座をさせられていた。
「もう、リヒティったらどうしようもなく馬鹿なんだから。
仕事をサボった挙句に暴力沙汰なんて洒落じゃすまないわよ。スメラギさんに言いつけるからね」
「ラルフ、貴方がここまで短絡的だとは思わなかったわ。いったい何を考えているの」
しばらくの間クリスとクリスティナからこっぴどく叱られ続け、男二人はしゅんと項垂れた。
やがて怒るのも疲れたのか、彼女らは溜息をついて、二人の前に膝をついて顔を近づける。
「けど、心配してくれたんだよね。ごめんねナイショにしてて」
連絡がつかなかったのは、単に彼女らが携帯の電源を落としていたからだった。
クリスとクリスティナは、コロニーにいた頃知り合ってからの友人関係だという。
人気のケーキバイキングに行こうとは前々から計画していたのだが、本来はもう何人か誘うつもり
だったのだ。ところが随分な盛況ぶりのせいで、自分たちの席を確保するだけで精一杯だったらしい
。
「前にうっかりフェルトにも一緒に行きたいねって話をしちゃった手前、自分たちだけしか予約を
取れなかったなんて言いづらいじゃない。けどせっかく予約したのに行かないのももったいなくて、
じゃあ他の人には秘密でってことにしたんだけど」
「まさかこんな騒ぎになるんだったら、はじめから正直に言っておけばよかったわね。
ごめんなさい、私たちが至らなかったわ」
「そんな、こっちこそせっかくの休日を潰させちゃって申し訳なかったっす」
「すまないクリス。俺が浅はかだった」
「……どうやら、あちらは決着がついたみたいですね」
彼らの様子を観察していたカトルが呟く。
「問題はこいつだな」
五飛が睥睨するのは残る一人、コーラサワーである。
彼もラルフたち同様正座をさせられ、仲間たちから白い目を向けられていた。
彼のデート相手はクリスでもクリスティナでもなく一切無関係の、全く別人のクリス女史であった。
実際のところ責められる謂れはないはずなのだが、女にだらしがない印象が強すぎるせいか
女性のことで問題が起こればそれだけで、たとえ彼に非はなくとも白い目で見られてしまうのである
。
「なんだよなんだよ、俺ばっかり悪者にされてさ。むしろ俺は被害者だっつうの」
「日頃の行いが悪いからだろう。嫌なら普段から真面目にしていろ」
そのとき、呼び鈴が鳴り響いた。本日三人目の来客のようである。
ヒルデが応対に出向く。
そんなことには一切構わず、コーラサワーは文句をたらたら垂れ続けていた。
「いいだろ放っとけってぇの、俺がいつどこでどんな女の子とデートしてようと勝手だろ!
いい女がいたら誘いたくなるのが男ってもんだろうが」
「ほう、相変わらず火遊びが懲りないらしいな」
プリベンターの誰でもない、ハスキーな女性の声が響く。
その瞬間、コーラサワーは氷の彫像にでもなったかのように動けなくなった。
289 :
模倣の人:2008/03/24(月) 23:30:54 ID:???
ヒルデに案内されて入ってきた三人目の客、その名をカティ・マネキンといった。
今、世間やメディアから多大な注目を集めている歌姫を目の前に、ミーハーなデュオなどは
すっかり興奮しきっている。
「今日はオフだから久々に部下の仕事ぶりでも見てやろうと思ったが、気が変わった。
この私が直々に性根を入れ替えてやる」
「た、大佐……」
カティはコーラサワーの目の前に立ち、ブーツの踵で床を音高く踏み鳴らした。
「パトリック・コーラサワー少尉、立て」
「はっ!」
AEU軍時代に染み込んだ習慣で、すばやく立ち上がって敬礼する。
「歯を食い縛れ」
「はいっ!」
深く息を吸い込んでから、カティが自らの拳を大きく振りかぶった。
「こんの……バーロー!」
彼女の力強い拳が何度も何度もコーラサワーの頬を捉える。
往復ビンタならぬ往復パンチを幾度も食らい続けながら、けれどもコーラサワーは幸せそうな
笑顔を浮かべていたという。
「けど、カティさんも結局はコーラサワーさんを見捨てられないんですね」
「どういうことだ?」
色恋に疎いヒイロ、トロワ、五飛が首を捻る。
「バッカだなあ。わざわざ休暇を使ってまで様子を見に来るくらいは、あの人もコーラサワーのことを
気に入ってるってこった」
「……そんなものなのか」
「そんなもんなの」
すべて世は事もなし。些細な問題はあれど、世界は今日も平和だった。
こんばんわ皆様ご機嫌麗しゅう。
……へ、空気? (゜д゜)カラ…ケ??
というわけで問答無用で投下です。だってコーラさんは生きてるって信じてるもの。
ちなみにラルフとクリスはブラインド・ターゲットの登場人物です。
先日漫画版を手に入れたので、ついうっかりゲストに出してしまいました。
それでは。
コーラさん災難w
291 :
模倣の人:2008/03/24(月) 23:38:13 ID:???
あー、二箇所改行ミスがー。
……まあいいか。
おうう〜w 乙!
乙!
我がスレのエースよ!
>>283エロいよぅぅ///
模倣の人アリガトウこれから読むよ
あんたはもう模倣なんかじゃねぇぜ…
あんたが本家だ!
297 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/25(火) 02:21:26 ID:0hlZbj35
>>289 今日偶然ブックオフで立ち読みしたW漫画のキャラが出ててビビッたよwwwいつのまにか脳量子波受け取ってたのか。
コーラは動いてこそ魅力だから下手に空気読んでるより空気の入れ替えしてコーラを生かしたいのでGJ!
この盛り上がり…サタデーを越えたな…
レディ×シーリン<リバ有りハァハァ
もう寝ます
カティ大佐がコーラにちゅ?
コーラが大佐にちゅぅ?
カティさんはベッドの上では乙女であって欲しいな
コーラ生きてろよ・・・
多分絶対美味しいからな・・・
生存確定オメ
オフィシャルファイルの話か?
しかしあれ、最終話までカバーした内容なんかな?
空気を下手に読んで控えるよりも、空気を変えるために投下する、か
これはなにげに名言じゃね?
コーラ生きてんの九割確定したから土曜日も隠れてないでとっとと投下!投下!
ナドレと相打ち 上半身大破による戦闘不能等の記述から
24話もカバーしてあると思われ
後は大佐と添い遂げられるかだよ
>>311添い寝られるよ、と読んでしまった。不純。
サーシェスの靴下嗅いで反省してきます。
添い遂げる前に振り向いてもらわないとだろ!
ぶっちゃけ戦闘で生き残るより難易度の高い展開ですぬ
そうか?ぶっちゃけあと一押しで大佐陥落だと思うがな。
生きて帰れさえすれば問題ないだろ
ひろしは犯罪者
熊は会社員
大佐は歌姫
はらぺこはスポンサー
これで設定ガチ?
意表をついていつもいつ撃ち落されてる原因たるヴァーチェの中の人とくっついたりしてな。
よく考えてみると太陽炉が吹っ飛ばされてるから、自力で帰れないんじゃないか?
だろうね
拾ってもらうしかない、カテキンなりハムなりコンテナなりに
あのタクマラカン沙漠から水も食料もなしに自力で帰ってこれる男が
宇宙空間ごとき問題あるまい。
宇宙空間を余裕で泳ぐよコーラさん
321 :
支援:2008/03/25(火) 23:43:49 ID:3UTW+AWj
模倣の人お疲れ様でした。今回も楽しかったです。
それにしても何が空気だか・・・。
「作成」は自分のミスだから恥ずかしいけど。
@「元々やられキャラ設定だった。」全ての大前提
2回出すことも最初は考えていなかったんじゃないの?
A「ところが”本来人気が出てほしい”と製作側が考えていたキャラ連に人気が出ない」
(それどころか本編全体も・・・???)
Bコーラが全く本編に出てこなかったころ、そんな中でもめげずに
ネタを出し続けていた元祖職人氏(=土曜日の人)の努力は忘れていない。
少なくとも私は。
つーか本編コーラよりもこの世界で描かれているコーラの方が私は好きだ。
そういう人も増えたでしょ。多分模倣の人もそうでしょ?
C「ふと気がついたら
『全く意識していなかったコーラの方が反響が高そうだ』
と製作側が認識した。」
このスレと連動しているかは知らん。あんまり他のスレも見て無いし。
「どうもそれから扱いが良くなりネタが増えた。」
ずっと見てきて、上記流れは間違いないように思っていた。
Eさて今回の扱いは?
「生死不明確演出にして、コーラファンの皆さん騒いでください。」
「だって・・・本編自体が盛り上がりにも欠けるし、
脇役を殺しても大して騒いでもらえません。話も盛り上がらないし・・・」
こんな状況。だったら「生死不明確にするのも反響をあげるのが狙いである」以上
最初から死亡は無いと見て良いだろう、と思ったということ。
はい、以上でございます。
趣旨厨?
「職人に好きにやらせろ、あんまり縛るな」というのが趣旨ならそれはそれで結構。
私はネタは書けないし。
種子かと
>>321 わかった、あんたが色々考えてるのはわかった
だがまぁsageくらいはやってくれ、そんなに板の底だったわけでもないし
もしスパロボでコーラ達がプリベンターに所属していたら吹く。
コーラは回避が高くて、幸運をもってそう。
まさかのきのこるキャラだったりして
模倣=ガンダム
水曜=ジンクス
不定期=ハムフラ
土曜=アルヴァトーレ
>>324 いっそ新精神コマンドを作ってしまうかもしれない
一回死んでも自動復活、ただし使用は一度きり、みたいなw
復帰か再生か
直感
幸運
不屈
熱血
奇跡
愛
だろうがwwwwww
弱ったエクシアに勝つも結局逃げられてしまったハム
後続とともに戦場を捜索、そこで下半身ジンクス発見
「さすがに…いや、コクピットは無事だと?」
すわフラッグスの生き残りが、と近寄ってみれば
「AEUのパイロットスーツ…生きていたら返事をしろ、私はユニオンMSWADのグラハム・エーカー上級大尉だ」
「た、大佐じゃない…ユニオンだって?」
「重ねて問う、姓名と階級は?」
「…AEU、対ガンダム選抜隊、パトリック・コーラサワー少尉だ」
首を傾げるハム、そして思い出す
「ああ、最初にガンダムに倒されたイナクトの男か」
「ぐっ、ど、どうしてユニオンの連中は古傷を…!って、MSWADって!」
ここでコーラも心当たりに気づく、元気そうなコーラを見て笑うハム
「古傷が痛むのは生きている証拠だ。さて、どうやって船に連れ帰ってほしい?」
こんな電波を受信した
熱血じゃなくて挑発でいいな
俺はスパロボせんからわからんが、これらのコマンドは強いんか?
>>334 小隊員もしくはサポートユニットとしてならそこそこ
主力として使うなら使いにくいことこの上ない
特に熱血と集中がないあたり
>>336 奇跡とか愛って作品によって効果変わらんかったっけ?
後挑発の効果が分からん
常時発動アビリティ
・模擬戦のエース
自機HPが90%以上の時は士気上昇率アップ、下降率マイナス
>>338 底力は精神コマンドじゃなく特殊技能だぜ?
>>340 そうでしたか
てかスパロボ詳しくないんですスマソ
バーニィで印象深かったんで
キャラクターのまとめも新しくせんといかん?
イナクトとジンクスしか乗れないなら俺は間違いなくイナクトを選ぶ
当たり前だ
幸運 不屈 必中 突撃 熱血 復活 ツイン精神 魂
346 :
支援:2008/03/26(水) 20:35:21 ID:???
申し訳ないっす。sageたので混ぜて下さい。
スパロボ精神コマンド
ひらめき 幸運 熱血 努力 突撃 脱力
命中率アップ系(集中/必中)は持っていないのが味噌。
最後のコマンド、魂/奇跡と期待させて実は脱力。
「ハハハ…三つ編み、お前は負ける!」
「あっ!ちょっ、待て!」
「エビフライはいただいたぜ!コォォォル!ストレートフラッシュゥゥゥゥ!」
「あーーー、俺の…エビフライ…」
「これで俺の三勝だな」
デュオはガクリとその場に四つん這いになった。トランプが辺りを舞う。
デュオが暇つぶしにコーラサワーをポーカーに誘った事が事の始まり。只のゲームじゃつまらないと思ったデュオは、今日の夕食のエビフライを賭けて勝負しようとコーラサワーに持ちかけた。
結果はコーラサワーの発言通りデュオの惨敗。因みにイカサマ一切無し。流石、驚異の強運の持ち主、パトリック・コーラサワー。こういう事は強い。
「何をやっているんですか?二人共」
「カトル〜、助けてくれよ〜俺のエビフライ〜」
「カトルあまり相手にするな、大方コイツの自業自得だろうからな」
買い出しから戻ってきたカトルに泣きつくデュオを引き剥がしながら、トロワが情け容赦無い言葉を投げつける。
「だってよぉ、コイツこんなに強いと思わなかったんだよ。なぁ、カトル。俺の代わりにコイツに勝ってエビフライ取り返してくれよ」
「へへん、俺様はパソコンのカードゲームで負け無しだからな」
コンピュータしか相手が?
なんか後半切れたのでもっかい投下しなおします。
「ハハハ…三つ編み、お前は負ける!」
「あっ!ちょっ、待て!」
「エビフライはいただいたぜ!コォォォル!ストレートフラッシュゥゥゥゥ!」
「あーーー、俺の…エビフライ…」
「これで俺の三勝だな」
デュオはガクリとその場に四つん這いになった。トランプが辺りを舞う。
デュオが暇つぶしにコーラサワーをポーカーに誘った事が事の始まり。只のゲームじゃつまらないと思ったデュオは、今日の夕食のエビフライを賭けて勝負しようとコーラサワーに持ちかけた。
結果はコーラサワーの発言通りデュオの惨敗。因みにイカサマ一切無し。流石、驚異の強運の持ち主、パトリック・コーラサワー。こういう事は強い。
「何をやっているんですか?二人共」
「カトル〜、助けてくれよ〜俺のエビフライ〜」
「カトルあまり相手にするな、大方コイツの自業自得だろうからな」
買い出しから戻ってきたカトルに泣きつくデュオを引き剥がしながら、トロワが情け容赦無い言葉を投げつける。
「だってよぉ、コイツこんなに強いと思わなかったんだよ。なぁ、カトル。俺の代わりにコイツに勝ってエビフライ取り返してくれよ」
「へへん、俺様はパソコンのカードゲームで負け無しだからな」
コンピュータしか相手が居ないのもどうかと思うが。
「すみません、僕あまりカードゲームって得意じゃないんですよ。僕なんかより、トロワの方がずっと強いと思いますよ」
「確かに、カトルはカードゲームには向かないな、顔に出やすい。ババ抜きなんて表情を見てるだけで勝てる」
クククっと忍び笑いをするトロワに気付いたカトルは、デュオに顔を向けて苦笑したままトロワの足を思いきり踏ん付けた。トロワの顔が一瞬険しくなる。
だが実際トロワの言う通り。知能戦のオセロやチェスなら話は別だが、俗っぽい賭け勝負とは無縁の世界で生きてきたカトルは、勝利の為なら手段を選ばないようなゲームには事弱かった(賭け事大好き女王様、マリー・アントワネットも実際の勝負はかっきし駄目だったそうだし)。
「じゃあ、トロワでいいからエビフライ取り返してくれよー」
「別に構わないが、条件がある」
「何々!」
「今日は俺が食器洗い当番なんだが、それをお前がやれ」
デュオは苦虫を噛みつぶした様な顔をした。たかが食器洗いと思うかもしれないが、プリベンター本部には食べ盛りの男子が8人も居る。
当然食べる量が増えれば洗う量も増えるわけで、台所の洗い場は空の皿で山盛りになる。それを1人でやるのだから食器洗い当番は、トイレ掃除当番の次に皆が嫌がる仕事だった。
「しゃーない。エビフライの為だ。頼んだぜ大将」
デュオは渋々了承する事にした。大好物の為もあるが、このままコーラサワーに負けたままという事実が自分の歴史に残るのは、デュオのプライドが許さなかった。
「おうおう、今度は前髪が相手か?まぁ、スペシャルな俺様の相手じゃ無いだろうが、取りあえず勝負してやるぜ!お前が勝ったらエビフライ、俺が勝ったらそうだな…お前の前髪切ってやる!」
先程までの勝負で、コーラサワーは少々天狗になってるご様子。トロワはフンと鼻で笑うと無言のままコーラサワーと対峙して席に着き、パラパラとカードをきり始めた。トロワの方も相当自信があるようだ。
シャカシャカとまるでマジシャンの様にカードをきるトロワ。道化師をやっているだけあって、カード捌きはとても美しい。
カトルとデュオが見守る中勝負は始まった。さて勝敗はというと。
第1ラウンド
「コール、ロイヤルストレートフラッシュ」
「ハハハ、まぐれまぐれ。1回位は勝ちを譲らねぇとな」
第2ラウンド
「コール、ロイヤルストレートフラッシュ」
「ま、まだまだ俺はいけるぜ!」
第3ラウンド
「コール、ロイヤルストレートフラッシュ」
「な…も、もう1回だ」
第4ラウンド
「コール、ロイヤルストレートフラッシュ」
「な、なんじゃそりゃ〜。ま、まだだ!まだ俺は…」
第5ラウンド
「コール、ロイヤルストレートフラッシュ」以下略。
「なぁ、なんでトロワの奴さっきからロイヤルストレートフラッシュしかでないんだ?」
デュオの問いかけにカトルがそっと耳打ちする。
「僕も前にトロワが余りにも強いんで聞いてみたんですけど、神業レベルでイカサマしてるみたいです。
何でも、昔は戦地でよく大人相手に勝負してたらしくて、もうイカサマが癖になって抜けないそうですよ。
何も考えていなくても指が動くみたいで、だから僕なんて勝てた試しがありません」
「成る程ねぇ…」
今や完全にカモにされているコーラサワーを見ながらデュオは頷いた。まぁ、俺はエビフライさえ戻ってくればどうでも良いけど。でも、トロワとは絶対カードで賭けはしない。そう心に誓った。
「まだやるか?」
「俺は…スペシャルで…2000回で…模擬戦なんだよぉぉぉぉぉ!!畜生!覚えてろよ!」
久々の名ゼリフと共に逃げ去ろうとしたコーラサワーの肩をカトルがガシッと捕まえた。
「待って下さい、コーラサワーさん。僕からも1つお願いがあります」
「ああん?」
「今から場所取りをしてきて下さい」
カトルはニッコリと微笑んだ。
「はぁ?場所取り?」
「はい。桜も開花してきましたし、明日僕の実家に勤めてくれているマグアナック隊の皆がこっちに来るので、プリベンターの皆さんと一緒にお花見をする事になったんです。だから、その場所取りを貴方がしてきて下さい。
春といってもまだ寒いですから、今日の買い出しで一応ブランケットとお茶買っときました。行ってくれますよね?」
「今からって、晩飯は…」
「メインディッシュのエビフライが無ければ夕食抜きでも変わりませんよ。大丈夫、僕も鬼では無いので1人でとは言いません。デュオ」
カトルはコーラサワーの肩を掴んだまま、今度はデュオの三つ編みを捕まえた。
「いっ!なんで俺まで!」
訳がわからないという顔でカトルを見つめる。
「君、冷蔵庫に入ってた僕のおやつのプリン食べたでしょ?」
ニッコリと微笑んでいるが、カトルからは黒いオーラが出てき始めている。
「え…あ、あれカトルのだったの!?」
「駄目だなぁ…食べ物の怨みって恐ろしいんですよ。デュオ」
じわじわと黒いオーラが出るカトルに対してデュオの顔は青ざめる。
「2人共行ってくれますよね?それとも何か僕に言いたい事でもありますか?」
最終通告として2人に向かって満面の笑みを浮かべるカトル様。
これ以上彼の機嫌を損ねればどうなるのか、2人は身をもって良く知っていたので、首をブンブンと縦に振りながら
「「はい!無いです!」」
と答えてプリベンター本部を出ていった。
結局デュオのエビフライを食べられない運命は変わらず仕舞いとなった。
「良かったぁ、2人共心良く承諾してくれて」
トロワは何も答え無かった。触らぬ神に祟り無し。だが、デュオが居なくなったら食器洗い当番は自分のままだということに、トロワはまだ気付いていない…。
「それには私も参加して宜しいのですよね」
声と共にテーブルの下から突如現れたマリナに、カトルもトロワも目を見開いて驚いた。当然の反応だ。普通の人はテーブルの下から出てきたりしない。
「マ、マリナさん!いつの間にいらしてたんですか!?」
「今朝サリィさんが出勤した後位でしょうか」
マリナ、半日もテーブルの下で待機していたとは。
「一体何の用で!?」
「可愛いらしいプリベンターの皆さんの日常を観さ…いえ、拝見しようと」
そういうマリナの手には右手にビデオカメラ、左手にデジカメが握られていた。
「その機材はなんだ…」
「心配しないで下さい。個人的な目的以外では使いませんから」
その個人的な利用が一番恐ろしいのだが。
「うふふ、でも今日は良い収穫がありましたわ。黒カトル様は攻めで、五飛さんがヘタレ受け…」
どうやらマリナ、ショタコン+αで腐女子らしい。典型的な駄目女。
「で、勿論私も参加して良いのですよね?」
「え、ええ…マリナさんはスポンサーですから」
天下の黒カトルでもマリナは苦手というか、天敵のようだ。
「楽しみですわ。では、私明日の準備をするので帰ります」
彼女の場合、狙いは花より男子だろう。
まぁ、それはさておき、マリナが帰るのを確認すると、カトルとトロワは急いでグラハムとガンプラを作っていた五飛と、本日の夕食当番のヒイロを呼び出し、部屋中隈無く調査した。
結果、室内からは数十子の盗聴機と隠しカメラが発見された。
一体いつの間に設置したのやら…ガンダムパイロット達は別の意味で自分達が狙われているのを再確認したのであった。
――同時刻
マイスター運送本社にて。
「何故私が場所取りなのですか」
「しょうがねぇだろ、お前がくじ引きで外れ引いたんだからよ」
メガネの青年(?)と茶髪に眼帯をした青年が話をしていた。
「こういうのは普通新人がやるものでしょう!」
「駄目よ、刹那は未成年なんだから」
一升瓶を持ったお姉さんがメガネの青年の意見を却下する。
「じゃあお弁当は誰が作るんですか、私しかまともに作れないのに」
「それもそうねぇ…ティエリアの厚焼き玉子って、日本酒に良く合うし…じゃあアレルヤにしましょうか」
「彼も料理人員です」
「ロックオン!ロックオン!」
「あらハロ、良いこと言うわね。じゃあロックオン、後は宜しく。因みに明日は晴天よー」
そう言うとお姉さんは一升瓶の酒をがぶ飲みして部屋を後にした。
「結局俺ですか…」
「ビンボークジ!ビンボークジ!」
「お前のせいだろうが。じゃあハロ行くか」
一人部屋に残ったティエリアは、今はもう誰も居ない部屋で叫んだ。
「絶望したぁ!何事も適当に決める社員達に絶望したぁ!」
今日も地球は馬鹿を除いて平和でありましたとさ…
***
土曜日から数日たって、大分落ち着いたようなので取りあえず投下。
私もコーラさんは生きてると信じたい派です。
来週は季節に合わせて花見話の予定。最終回後だし色んな人登場させたいけど、W・00問わず誰が出てきて欲しいとか希望ありますか?
では。
マリナ…恐ろしい子…
とりあえずGガン勢希望w
乙
そうだなあ、とりあえず土曜日設定で縛られている面子の解放希望
熊とか桃子とかもったいないよ
個人的には女キャラを腐女子化させるのは嫌いだなー。
あと投下ミス多すぎるから、コピペする際はもうちょっと落ち着こうぜ。
ともあれ乙! 楽しげな雰囲気がいいね。
乙です
そうだな、マリーメイア嬢とか良いかもしれない
何故か帰って来たゼクスとノインとか化けて出たトレーズ閣下とかも
乙です!
生死不明と見せかけて実は生きていたってことで、
縁起かつぎに、シャアの出演を希望します
乙です!
マナーの悪い奴をとっちめるマスターアジア、木の幹に隠れ身の術をして参加してるドイツ忍者しか思いつかなかったぜ!
そこら中に絡んでるギンガナム御大将とか
民宿「東宝不敗」
女将 レイン
料理長 師匠
弟子 土門
料理のことで熱く戦う二人ってのは?
もう「W」じゃないぞ
セルゲイ、ソーマ→土曜設定で会社員、登場済み
マリーメイア→土曜設定で名前だけ登場
ゼクス、ノイン→土曜設定で名前だけ登場
トレーズ→土曜設定で故人
シャア、東方不敗、シュバルツ、ギンガナム、レイン、ドモン→W外なので当然未登場
皆の要望を叶えるためには土曜設定の見直しとスレタイ変更が必要だな
Wと00以外イラネ
G観てないからキャラも話もわからんし
あんまり闇鍋にされるとウザくなる
Wと00に拘るもよし、ヤミナベにするもよし
職人全員が同じ世界設定の話を書くこたねえやな、コーラとW陣がメインってだけが共通項としてあれば
以前にロランもちょい役だが出てたしな
メインに行かれるのは困るが目立たない程度になら良いネタにはなるんでない?
ウッ○が出ないんだったらなんでもいいよ・・・
>>369 GNドライヴがあったらもうタ○ヤなんて前世紀の遺物ですよ
Vは何でこんなにも・・・
>>356 別の設定で書ける人がいるなら大歓迎なんだけどな。色んなのが読めると嬉しいし
今の職人は土曜日さんの設定を元に他の人も書き出してるから、土曜日さんの内容
を気にするのは仕方ない
土曜日さんが気にしないなら、世界観だけ借りてパラレルって事で好きにやって
もらうのが良さそうなんだけどね
誰が書いてるか分かるんだし、混乱することはないと思う
>>373 黒カトル並の黒さだから>黒富野
カトル…自身が住んでる世界を壊そうとした
富野…自身が作った世界を壊そうとした
これ…母さんです
このシーンのオゾマシさは異常
ザンボット皆殺しやヒロイン発狂やっちゃう一方でキンゲとかも作るんだからもう
富野はガンダムという作品自体を憎んですらいるからな
シャーロック・ホームズを生み出したアーサー・コナン・ドイルと丁度同じように
富野か・・・奴は天才だよ
なんぴとたりとも皆のお禿に萌え萌えハァハァするのは許さん
えー
で、何の話だったっけ?
五飛「禿と言うな!」
眉毛ボーンのお嬢様がまだなんだよな、登場
はやくコーラになーれ
ドロシーの「むかしむかしあるところに」シリーズに新たなる一ページが
何のスレだよw
このスレはもっと高く羽ばたくことができる…
ほ
最終回、コーラ来い!
大佐の後ろにいたね
あれ、やっぱ、コーラさん?
当然のように、いたね
ふっつーに生きてるw
394 :
通常の名無しさんの3倍:2008/03/29(土) 18:07:25 ID:vnCJGsDg
爆笑しちまったわwwwwwwww皆よ、いらぬ心配だったな。
フォローも何もなしで生きてて思わず炭酸吹き出した
パトリック・コーラサワーは人間である。
何を当たり前な、と思われるだろうが、では改めて今までを振り返っていただきたい。
なお、アニメ本編のことなのでご了承を。
まず、栄えあるテレビデビューは00の初回、
まだ皆がこのガンダムは海のものか山のものか判別ついていない頃のことだった。
AEUの新型MSイナクトのお披露目の最中に、
主人公の刹那が駆るガンダムエクシアに文字通りバラバラにされてしまうという、
ガンダムの優位性、CBという組織の特殊さを視聴者に強く印象付ける展開であったのだが、
さてこの時、イナクトはボコボコだったわけだが我らがパトリックさんはどうだったか。
やられた直後にコクピットから飛び出ると、空を行くエクシアに思いっきり吠え倒し、
その後検査入院したようだったがどー考えても無傷、まったくの無傷。
グラハムとビリーがイナクトの安全性に感心していたが、
あれはもしかするとパイロット込みで言ってるんじゃないかと今になって思えたり何かして。
次はモラリア。
この軍事産業国家にCBが介入すると予見したAEUは“エース”パトリックさんの派遣を決定。
イーヤッフーゥ! でよろしくなモラリア空軍! そして見つけたぜガンダム! なんじゃーそりゃー!
多分これで合計一分も画面に映っていまい。
対ガンダムで一番致死率が高いと思われるヴァーチェの絶望ビームをすんでのところでかわし墜落、
その派手(?)な活躍に、我々の心はガッチリと掴まれ、さらに改めて、「出オチ」「調子乗り」の漂いを感じ取った次第であった。
お次はAEU空軍基地。
CBを認めようとする世論に対し、三国の政府は対決姿勢に傾向、
連携して一大包囲殲滅作戦を取るべく、それぞれの陣営にトップガンが集められる……の中でパトリックさんは何をしていたか。
そう、基地の横、新橋色のオープンカーで金髪さんとちゅっちゅくちゅしていたのである。
断言してしまってもいい。
このシーンとそこから続くマネキン大佐の鉄拳講座、そして惚れたぜのコンボで彼のファンは間違いなく増えた。
ネタキャラ街道突っ走り、一人だけ世界から浮いた空気を振りまくこの男から、目が離せなくなった機会は間違いなくここであろう。
さてさて、マネキン大佐にいいとこ見せたいパトリックさんの次の出番はタクラマカンである。
だだっ広いところに誘き出し、物量揃えてひたすら遠距離からドコドコ砲弾撃ち込み敵が疲弊するのを待つという、
嗚呼諸葛孔明も武田信玄もアーサー王も一度はやってみたかったろうなあこのゴリゴリ力押し作戦(長い)でガンダムを追い詰める三国軍。
パトリックさんも弱ったガンダムたちに突撃撹乱、現場レベルで意外に良い手際を見せ、メタボことヴァーチェを確保したわけだが、
さぁお立ち会い、この次が彼の真骨頂。
ここでいきなり問題です。
あたなはMSに乗っていますが、目の前から回避できない凶悪ビームが飛んできます。
間違いなくドテッパラに命中します。
どうなると思いますか?
三択で答えて下さい。
@死ぬ
A死にはしないが大怪我
B何それ? 痛いの?
◆ ◆
「……遺体、いや痛い」
「不謹慎な言い間違いだな」
コーラサワーの頭には、ぐるりと鉢巻のように包帯が額に巻かれている。
先日のユニオンデパートの一件で、何度目かの五飛ロケットを食らわされ、
デパートの外壁とフロアの床にしたたかに頭を打ちつけた時に負った怪我だ。
ちなみに、外壁と床はボロボロに崩れ、修復にはかなりの金額がかかるとのこと。
人の命は地球より重い、などという与太を人権主義者カブレはよく使うが、
さて、人の頭はコンクリートより固いとなると、これは与太などというレベルではないだろう。
「まさか一日の入院で戻ってくるとはな」
「あの看護婦さんにとったら、不幸中の幸いでしたね」
あの看護婦というのは、
コーラサワーがプリベンター加入直後に無茶する度に入院していたのだが、
院長の陰謀かそれとも看護婦長の不手際か、彼のマンツー、所謂“番”に任命されてしまった新人一年目の若いナースのこと。
病室でも傍若無人なコーラサワーにさんざん手を焼き、時には涙を流して遁走することもあったカワイソウな人である。
これからもコーラサワーに振り回される可能性大だが、是非とも乗り越えて強い看護婦になってもらいたい。
ガンダムと生身で戦えるくらいに。
「でもあの姉ちゃん泣いてたぜ。俺、何かしたっけな」
「自覚ないのかよ」
「ああ? 色々頼んだ覚えはあるが、患者の世話するのが看護婦だろ」
「理屈はあってるが、お前の頼みは極端すぎるんだよ」
泣いてたのは、またコーラサワーがやってきたという悲しみと、
一日で出ていってくれるという嬉しさの合わせ技一本の結果なんだろうな、とデュオは会話しつつ想像した。
ズバリ大正解なわけだが、答え合わせをしてくれる神様はいないので、誰も誉めてはくれないのが残念ではある。
「バカは死ななきゃ治らない、という言葉があるが」
「うん?」
梅こぶ茶の湯気を顎に当てつつ、五飛が呟く。
基本、プリベンターのメンバーが飲んでいるものは日本茶・中国茶系が多い。
コーヒーや紅茶等はあまりない。
ぶっちゃけレディ・アンやサリィ・ポォの趣味である。
「逆から考えると、治らないバカは死なないってことだな」
「……いや、それは何か違う気もするが」
「屁理屈ここに極まれりだ」
自販機にお金を入れたら缶コーラは買えるが、
自販機に缶コーラを入れてもお金は戻ってこない。
そういうことである。
あ、店の人に言うとかいうのはナシで。
「そういやナルハム野郎はどこに行ったんだよ、朝から姿を見ないぞ」
「ああ、『愛だ!』とか言いながら車検に行ったぞ」
「……あいつってそんなにカーキチだったか?」
「さあ。でも改造はしてあるそうですから、こだわりはあるんでしょう」
「エコカーならぬエゴカー、なんてな」
「笑えねーよ」
ついでに言うとアラスカ野ことジョシュアもお休み。
誰も話題にしてくれないが、どうやら故郷に墓参りに行ったらしい。
さぞかし、線香あげながらご先祖様に色々愚痴るのであろう。
「まあ、プリベンターには俺がいなきゃダメだろ! おちおち休んでられっかって!」
「ついこの前愛しの大佐とかに会うために有休取ろうとしてたくせに」
「大佐は別だ!」
「ケーキは別腹と同じみたいに言うんだな」
どこまでもマイペースなコーラサワーに、デュオもトロワも呆れ気味。
自分のペースで物事を進めたがることに関してはヒイロも五飛も同じなのだが、どうもそのベクトルが違うというか何というか。
「へっ、これからもスペシャルで模擬戦二千回、富士見のコーラサワーに期待しろってことだ!」
「富士山見てどうするんだ、この男」
「ファンタジアな人間ってことだろ、もう」
「……ちゃんと不死身の間違いだって突っ込んであげましょうよ」
吠えるコーラサワー、突っ込むガンダムパイロット。
今日も賑やかなプリベンターなのだった。
◆ ◆
はい、答え合わせ。
普通は@かAでしょう。
しかしコーラサワーは違います。
彼に限ってはBが正答なのです。
隕石と抱き合っても乗ってるMSの上半身を吹っ飛ばされても帰ってくる男に理屈はいりません。
屁理屈もいりません。
パトリック・コーラサワーは人間である。
人間だからいつか死ぬ、軍人だから危険性もある。
だがしかし、コーラサワーはコーラサワーである。
小難しい御託は不要、これが全て―――
さあ二期へコンバンハ。
半年間色々と生殺しですねサヨウナラ。
おつでした
コーラさん台詞も無しに生還とかw
よし
元気に次行ってみよう!
土曜の職人さんの好意ある温かさで見つめられて描かれたコーラは妙に人間くささがあって好きです。貴方が居なかったら新しい職人さんも登場がなく、ここまでスレ続くことはなかったですよ。GJ!。気が向いたらまた書いて下さい。
さすが土曜の人だ!(本編が最終回でも)何ともないぜ!!
今回もGJでした!来週も期待…するのはさすがに無理?
さすがにねたが続かないだろ。半年後まで待つんだ
なんか総集編あるかもって話だからコーラさんの新規カットに期待
なぁに、職人が複数いるから無問題
模倣神に期待
保守
期待保守
マダー?
hos
414 :
模:2008/04/01(火) 17:44:31 ID:???
ネタはあるし書きかけだけど
月末月初は仕事が忙しいのでしばし待っていただけると助かるとか呟きながら保守。
スペシャル了解!
イヤッホゥーッ
あ
保管庫どうするかまだ結論でてなかったな
職人さんの好意でなりたってるから気長に待ちましょう。
今日は職人くるかな
「いやぁ、僕までいいのかなぁ」
「気にするなカタギリ。人数は多い方がいい」
「だが、遠慮している割に荷物が多いな。その中身はなんだ?」
五飛がビリーの両手を塞いでいる荷物を指差す。
「ああこれかい?僕なりに日本のお花見というものを調べた結果、お花見にはお酒やお菓子やおつまみが必要なのが分かってね。自分なりに作ってみたんだ。ええと、蜜柑酒と、蜜柑団子、蜜柑大福、蜜柑の薫製…色々試作してみたから、皆で食べてくれると嬉しいな」
話を聞いていたガンダムパイロット達は曖昧に微笑んでおいた。カタギリ博士、素晴らしい才能を持っているのは確かだが、いかんせん使い方が明後日の方に向いている。
さて、今日はプリベンター一行(+マリナ+マグアナック隊+ビリー)でお花見。
昨日から場所取りをしているデュオとコーラサワーを探しているのだが、会場の半分以上が既に他の花見客で埋め付くされていて、なかなか見付からない。
「見当たりませんねぇ、デュオ達…」
「大きなレジャーシートだから目立つ筈なのだが」
「カトル様ぁ見付けました!!」
プリベンター達とは別の場所を探していたマグアナック隊がデュオ達を発見したらしく、プリベンター達を呼びに来た。いよいよお花見!と喜ぶプリベンター達がマグアナック隊に連れられ向かった先で見たものは、見事に咲き誇った桜の木の上で寝ている、デュオとコーラサワー。
勿論、場所なんか取れている訳が無い。
「なんで…」
鞄の中からフライパンを取り出すヒルデ。
「木の上なんかにいるのよぉぉぉぉ!!」
ヒルデの投げたフライパンは見事デュオの頭にぶつかって跳ね返り、コーラサワーの頭に当たった。ドサリと2人が木から落ちる。
「いてててて。ん?なんだお前等。弁当はあんのか?いでぇ!!」
寝惚けているコーラサワーに、フライパンでもう一発殴るヒルデ。
「何故貴様等が場所取りもせず木の上にいたのか説明して貰おうか」
『久々にゆっくり出来る』と、密かに今日を楽しみにしていたレディ・アンが手をバキボキと鳴らす。
「穏やかじゃないねぇ…」
ビリーが少し楽しそうに呟いた。
レディに殴られたコーラサワーとデュオの話を要約すると、途中までは普通に場所取り取りをしていたのだが、夜も丑の刻を過ぎる頃にもなればだんだん場所取りも飽きてきてしまった。
で、暇でどうしようもなくなったので、どっちが早く登れるか木登り勝負を始めたが、登る途中で疲れて眠ってしまった、との事。
全くもって馬鹿の2文字である。
「じゃあ花見はどうするのよ」
話を聞いて本日3回目のフライパン攻撃を浴びせた後ヒルデが嘆いた。
そんな時、何処からともなく空になった一升瓶を抱えた酔っ払いがプリベンター達、というかトロワの元に近寄ってきた。
「アレルヤァ〜お酒の追加を買ってくるって言って、何分かけてるのよぉ〜。あら?ちょっと見ない内に若々しくなったぁ?羨ましいわねぇ〜若さってぇ」
酔っ払いのお姉さんはトロワを見ながら呂律の回らない口で好き勝手に話だした。
「俺は、アレルヤではないのだが…」
「誰かと間違えているんじゃないかな?」
見ず知らずの人に絡まれて慌てるトロワを救ったのは意外な人物だった。
「その声は、クジョウ君?」
「ビ、ビリー!?何で貴方が此処にいるの!?あら?貴方はアレルヤじゃないわね」
ビリーの一言で一気に酔いが醒めたらしい。妙な誤解が解けてトロワはホッとした。
「それが、お花見をしようと思ってたんだけど、場所が取れなくてね」
ビリーは肩をすくめた。
「だったら私達の場所に来ない?私も会社の社員達とお花見してるのよ。人数が多い方が宴会って楽しいし」
「宜しいんですか?」
全員の気持を代弁してサリィが尋ねる。
「勿論」
ニッコリ笑うクジョウさん。こうしてプリベンター達はなんとか場所を確保する事に成功した。
「会社って、マイスター運送だったのか。リヒティも一言言えよな」
「こっちこそ、スメラギさんが連れて来た人達がデュオ達だったとは驚きっス」
久々の再開を喜ぶデュオとリヒティ。いつの間にか友達になっていたようだ。
「ご迷惑をおかけします」
ペコリと頭を下げてレジャーシートに座るサリィ。
「遠慮しないで。ささ、呑みましょう!アレルヤは戻ってる?」
クジョウさんに連れられて来た先にはプリベンター運送の面々が待っていた。お互い、偶然の再開に驚いたものの、すぐに宴会ムードに突入した。
「リヒティ、ヒイロの弁当スゲーんだぜ!なぁ、ヒイロ腹減ったから早く早く」
「煩い。少しは黙っていろ」
そう言うとヒイロは持っていた風呂敷包みを広げ5重箱を取り出した。中身は一言で言って完璧。彩り、栄養バランス、盛り付け、メニューの種類。何処を取っても、そう完璧。
「ヒイロ・ユイ。お前のやる事は相変わらず徹底している」
「おっ!エビフライもあるじゃねーか」
「昨日の残り物だ」
残り物は昨夜から場所取りをしていたコーラサワーとデュオの分。一見無愛想に見えるが、ヒイロは優しいのだ。
「ヒイロさんのも凄いッスけど、うちのティエリアだって凄いッスよ」
そう言ってリヒティはさっきから一人で呑んでいるティエリアを指差しながら弁当を持ってきた。確かに、ティエリアの弁当もヒイロに負けず劣らずだったが…
「きゃ、キャラ弁…!」
お弁当箱の中にはドラ●もんやキテ●ちゃん、トー●ス等の有名キャラクターを始め、どうやって作ったのか分からないガンダム等、細かな細工のされたキャラクターを象った食材が弁当箱の中に詰まっていた。才能の無駄遣いとは正にこの事。
「お!キテ●ちゃんがいるじゃねーか。もーらい!」
コーラサワーがキテ●ちゃんに箸を伸ばしたより早く、別の箸がキ●ィちゃんを捉えた。
「…え?」
「このキ●ィちゃんは俺のだ」
赤いマフラーをした少年がコーラサワーを睨む。目付きの悪さはヒイロ並だ。
「こら、刹那。人のもの盗ったら駄目だろ。すいませんねぇ」
眼帯をした茶髪の男性が刹那をたしなめた。
「俺が●ティちゃんだ」
モゴモゴとキテ●ちゃんを食べながら刹那は言った。どうやら反省の色は無い様子。
「ま、良いって事よ!じゃあ俺はこのトー●スをっと、うめぇ!そこの眼鏡、料理うめえな!」
コーラサワーが礼を言うと、少し離れた場所に居たティエリアがスタスタと近寄ってきた。
「今貴方、目から食べましたね」
「ああ。それがどうしたんだ?」
「絶望したぁ!煙突から食べずに目から食べる貴方に絶望したぁ!」
「おいティエリア、お客さんには…」
「ロックオン、貴方もです。うさぎさんを耳から食べずにほっぺの辺りから食べましたね。その行い、万死に値する!」
そう言うと、ティエリアはポケットから銃を取り出し、ロックオンとコーラサワーに向けて打った。
パァン!ではなく、ピューと勢い良く水が吹き出る。
「冷てっ!おいティエリア、水鉄砲はやめろよ」
ティエリアは少し驚いた顔した。
「普通の拳銃なら死んじゃうじゃないですか」
「あのなぁ…」
何でウチの会社にはこう手のかかる奴ばかりなんだろう…ロックオンは額に手をあてた。ロックオン、サリィと良い酒が呑めそうだ。
「平和ですねぇ」
「ええ全く。桜も綺麗ですし」
コーラサワー達の様子を遠目に見ながら、ラシードとシーリンは酒を口に含んだ。
マリナが本日何回目かのビデオカメラのバッテリーを交換した頃、グラハムが口を開いた。
「やはり、花見といえば一発芸だろう!」
どう関連付ければそうなるのか分からないが、もう大分お酒も入って出来上がってきた一同は特に反論もなく「イェーイ」と賛同した。
「じゃあ一番!俺、デュオ・マックスウェルいきまーす!」
ヒョコっとデュオは立ち上がると箸をマイクの様に持ちエヘンと咳払いした。
「仮面の男、ラウ・ル・クルーゼの声やります!3・2・1『君に任せよう』」
似ているというより本人そのものの声に、「おお!」と歓声があがる。
「次、アレルヤ何かやりなさいよ」
クリスがアレルヤを小突く。横でハロを抱きながら厚焼き玉子を摘まんでいるフェルトもコクコクと頷く。
「え、ええと、じゃあ一人漫才でも…」
おずおずと立ち上がるアレルヤに皆の視線が集まる。
「え、えーっと。ハ、ハレルヤ、あっちの世界後半の僕達って視聴者の皆さんになんて呼ばれてたか知ってる?」
「はぁ?知るわけねーだろ?なんて呼ばれてたんだよ」
「画面に殆ど映らないし、出撃もしなかったから、アレルヤとハブられるをかけて…」
「『ハブラレルヤ』ってか!っは、全然面白くねーんだよ!このボケが!」
「ご、ごめんハレルヤ。僕にはこれが精一杯だよ…えっと以上です」
ネタの面白さ云々以前に、『よくも此処までキャラを変えられるもんだ』と、その演技力を評価して皆は拍手を送った。
その後もマグアナック隊の面々の腹踊りや、トロワのアクロバット、五飛の拳法の形、ラッセのボディビル等様々な一発芸が披露され、その度に拍手や歓声があがった。
「なぁ、ヒイロぉ。お前もなんかやれよぉ」
相当出来上がったデュオがヒイロに絡む。
「俺には芸なんて無い」
「タンクトップも特技の一つ位あんだろぅ!やれやれぇい」
同じく相当出来上がったコーラサワーがヒイロの肩に腕を回す。
「特技…」
そう呟いて、少し考えた後、何か閃いたのかヒイロは立ち上がった。
「任務了解。ヒイロ・ユイこれより自爆する」
何処から取り出したのか、ヒイロは自爆スイッチをポチッと押した。
チュドーンッと小さな爆発が起こる。ヒイロに絡んでいたデュオとコーラサワーも勿論巻き込まれた。
「死んだらどうするっ!それに彼等は大丈夫なのか」
ギリギリ爆発に巻き込まれなかったティエリアが、びっくりして叫んだ。
「大丈夫ですよ。彼等丈夫ですから」
その横で、カトルが何もなかったかのように答える。マイスター運送の面子以外は、カトル同様何事も無かったかの様に弁当やおつまみをつまんだり、お酒を呑んでいる。
爆煙が消えると所々服が焦げた3人が現れた。流石ガンダニュウムより硬い男達。ちょっとやそっとの爆発なんてなんともないらしい。
「ゲホッ。おいヒイロ!俺を巻き込むな!」
「あいつが『特技』と言ったからな。俺にはこれぐらいしか出来ない」
「いてえな、畜生!俺、今日こんなんばっか…」
涙目になりながら、コーラサワーは手元にあった缶ビールをぐびりと飲み干した。
「ルイス、夜桜が綺麗だね」
「うわぁ、本当。今日これて良かったね」
「夜は危ないって言って、絹江姉さんもルイスのママもなかなか了承してくれなかったからね」
「ねぇ沙慈、来年も一緒に桜見に来ようね」
「うん」
こんこんと舞い散る雪の様に、桜の花びらが夜空を舞う…
今日も地球は馬鹿を除いて平和でありましたとさ…
***
まさかの体育会系オチにしちゃいました、こんばんは。
最終話、コーラちゃっかり映ってましたね!炭酸吹きましたw
他作品とのクロスオーバーは微妙なようなので、ちょこっと入れるだけにしときました。
プリベンターとマイスター達だけで一杯一杯になってしまったので、出して欲しい新キャラは今後の参考にさせて頂きます。
取りあえず2期まで結構空くので、これからは毎週じゃなくなるかもしれません。てか、先週からスランプ気味です。
嗚呼、コテハンに‘毎週’なんてつけなきゃ良かったぜイヤッホォォォ!!
では
乙乙乙乙
ワラタ!
●ティちゃん弁当で…腹がwww…腹筋痛いwwwGJ!ホントにツボ入って夜中に声だして笑えなくて辛いんだぜwww
ナイスだぜ‥‥この撃墜王!
これからもスレを牽引してくれ!
過疎った?
みんなコーラさんの新しい勇姿が見られないことに、ちょっぴり寂しさを噛みしめている最中
まぁこの手のスレは放送終了後はどうしてもなあ
役目を終えたのかこのスレは
いや
半年後のためにスペシャルに存続し続けるんだぜイィィヤッフゥウゥゥゥ!!
正直職人さんが投下してくださる間は存続だロシア?
実際スペシャルもやるらしいし
そのうちコーラさん専用イナクトも出るだろうし話題には事欠かないと思うよ
435 :
通常の名無しさんの3倍:2008/04/05(土) 00:22:41 ID:q0eBsbla
ときたとは別のガイデンあるかな
さぁ土曜ですよ
437 :
模倣の人:2008/04/05(土) 19:29:34 ID:???
凶悪犯が護送中の車両から脱走、現在も逃走を続けている――
数刻前にそんな一方がもたらされてから、現在はほとんどのメディアが総力を上げて
この事件の経過を追い続けていた。
とはいえそれだけならばあくまで警察の管轄で終わっていたはずだ。けれどこの事件にプリベンターも
係わらざるを得ない状況となっている。
というのも、逃走中の凶悪犯がよりによってビリー・カタギリの所有するみかん農園を襲撃、
そしてあろうことか敷地内に併設されていた研究所から試作中のMS(ミカンスーツ)新型機を
強奪したのである。
MS(ミカンスーツ)まで絡んできてしまった以上、プリベンターは立場上黙視していられない。
警察と連携を取りながら、凶悪犯の捕獲とMS(ミカンスーツ)の奪還を速やかに達成する必要があった。
「すまないね。協力するつもりが、却って君たちに迷惑をかけることになってしまって」
「君が悪いわけではない、気にするな」
申し訳なさそうに頭を下げるビリーに、友人のグラハムが答える。
その口振りだけ聞けばいかにも逞しく頼れそうな印象であるのに、現実はそうもいかないから不思議である。
「ところでその試作中の新型機だが、今のとどう違うんだ」
「よく訊いてくれた。君たちが今所有しているのは“MK−01:ネーブルバレンシア”、対して新型は
“MK−02:温州”。01との変更点は、操縦者のヘルメットに特殊なパイプを繋ぐことにより、
コックピットにいながらにしてみかんジュースを飲めるようになったことさ」
「……それだけか?」
「それだけだよ?」
「……すまん、訊いた私が悪かった」
流石のグラハムでも、ビリーの天然振りには適わなかった。
話を戻そう。プリベンターの急務は、とにかく逃亡犯を捕らえること、これ一点だ。
簡単なようだが、相手も武力を得てしまった以上、油断はできない。
万が一にも相手にMSで市街地を暴れまわられたら被害は甚大である。
そこでプリベンターたちが採った選択は、囮を使って人気のない所へ誘き寄せ、
一斉に取り囲んで捉えるというものだった。
サリィの判断によって、誘導地点はアラスカの雪原、囮役はコーラサワーと決定された。
ジョシュアにとってアラスカはホームグラウンドであるから、囮役は自分に任せてほしいと
申し出たのだが、サリィ曰く、
「囮役には、まず死なないと安心できる人間の方がいいのよ」
との理由であった。コーラサワーの不死身ぶりはもはやお墨付きである。
「不死身が選抜理由って理不尽じゃね?」
ジョシュアのツッコミはもっとも。だが現実的にも意外と重要な利点だったりする。
そんなわけで、ようやく実際の任務で初めてミカンスーツが運用されることになったのだった。
『こちらプリベンター・バカ。目標はうまいこと引っかかってくれたぜ。フェイズ2に移行する!』
「こちらプリベンター・ドラゴン。了解した、問題がなければそのままフェイズ3まで続行しろ」
コーラサワーからの通信を五飛が受け取る。
作戦を簡単に言えばこうだ。まずコーラサワーがMSで逃亡犯の眼前を動き回って注目を集め、
相手が食いついてきたら応戦しつつ移動開始、アラスカへと誘導する。
目的地に到着したら、グラハム機、ジョシュア機と三方から取り囲んで確保という流れである。
念のためヒイロとトロワも予備戦力としてMSに乗り別ルートからアラスカを目指しており、
デュオ、カトル、五飛は輸送機で3バカの後を追うように飛んでいた。
警察との連携のためサリィとヒルデが本部に残ったので、本日の現場指揮官は五飛である。
438 :
模倣の人:2008/04/05(土) 19:30:28 ID:???
それにしても、無駄にハイテンションなのは相変わらずなものの、今日のコーラサワーは
やけに殊勝だった。余計な口答えはせず、命令無視の勝手な振る舞いもせず、五飛の指示どおり
やるべきことを無難にこなしている。
もともとコーラサワーは性格に問題はあれど軍人としては優秀であったため不思議ではないのだが、
これまでの傍若無人な振る舞いの数々を目の当たりにしてきた彼らにとっては意外な思いである。
今日に限ってコーラサワーが大人しい理由、それは五飛の格好にあった。
現在の彼の服装は、横流し品から入手したAEUの軍服と軍帽、そして眼鏡。
なぜこんな格好をしているかというと、実はコーラサワー直々の頼みである。
「AEUの軍服着て眼鏡かけた状態で高圧的に命令してくれたら頑張れる気がする」
つまりはカティ・マネキン元AEU軍大佐を髣髴とさせる装いなのであった。
五飛としては断りたい気持ちであったのだが、彼は実際やや近視であるので眼鏡をかけることには
抵抗はないし、他の面々からもその提案に支持があったから、作戦をスムーズに進めるためならば
仕方がない、と五飛は不承不承ながら引き受けたのだが、わざわざコーラサワーなんぞのために
こんな真似をしてやっているという事実がどうにも腰を落ち着かせない。
よくよく考えれば義理立てする必要などないはずなのだ。従う道理などあるまい。
そう思って軍帽を脱ぎ眼鏡を外そうと手をかけた瞬間、画面の向こうでコーラサワーが絶叫した。
『眼鏡外すのダメーッ!』
「す、すまん」
驚きで肩が跳ね、反射的に謝ってしまう。
咄嗟に我に帰るものの、自分がコーラサワー如きに謝罪してしまったという事実はもはや
取り戻せるものではなかった。デュオにもカトルにもしっかり聞かれている。
五飛は悲嘆に暮れた。
「この俺があんな奴なんぞに押し負けるとは……叱ってくれ、ナタク」
「ちょ、しっかりしろよ指揮官、この程度で沈んでてどうすんだよ!」
「そうだよ、似合ってるしいいじゃないかたまには。こんなことで君の誇りは傷つきやしないよ」
しかしこうして二人に慰められることも、彼の誇りを叩きのめす要因となるのだった。
そちらはさておいて、コーラサワーである。
恐ろしいほど順調に事は運び、無事アラスカの雪原へと降り立った。
MSに乗った逃亡犯もすぐ側へと降り立ち、間を置かずコーラサワー機へと突進をかけてくる。
「おぉっと!」
そこはエースと称されるコーラサワー、ひらりと難なく躱す。
遅れてグラハム機とジョシュア機も到着し、逃亡犯の機体を中点に三角形となる配置についた。
彼らの目的は、相手の隙をついて三方から一気に襲い掛かる、通称トライアングルアタックだ。
某ペガサス三姉妹から脈々と受け継がれるこの必殺技は、三人の息が合わないと成立しない。
まったく気が合わないように思えるこの三人、けれど彼らは成功を信じて疑わなかった。
コーラサワーもグラハムもジョシュアも、性格はまったく違えど共通する素質がある。
即ち。
「大佐のキッスは頂きだぁ!」
「抱きしめたいなぁ、温州!」
「いつまでも自分だけのものと思って!」
三人ともバカであるということ。
奇襲だというのにわざわざ声を張り上げて相手にタイミングを知らせるような愚かさが、却って
彼らの気持ちを一つにしていた。
439 :
模倣の人:2008/04/05(土) 19:31:15 ID:???
操縦技術だけはずば抜けて優秀な三人は、MSの性能ぎりぎりまで出力を上げて驚くべき運動性を
見せ、一息に間合いを詰め逃亡犯の機体へと肉薄する。
三人も、輸送機から様子を見守っていた五飛たちも、誰もがほぼ作戦の成功を信じた、その瞬間。
なんと相手は、自身が傷つくのも躊躇わずその場で爆弾を爆発させたのである。
「へっ? んなぁー!」
爆風の煽りを受けて機体が後ろへ倒れた。思ったより威力は低かったようで双方とも損傷は少ないが、
それにしてもとんでもない反撃方法である。頭のネジの飛びっぷりはコーラサワー以上かもしれない。
そしてそれは事実であった。
「あん、通信?」
機体を起こしながら、モニタに映った逃亡犯と思しき姿を確認する。
ぼさぼさの金髪に荒んだ目をした、まだ年若い少年だった。
相手からの通信を受信したのはコーラサワーだけではない。グラハムもジョシュアも、輸送機の
五飛たちもである。
彼はいったい何の目的で通信してきたのか。相手が言葉を発するのを固唾を飲んで見守る。
しばしの空白の後、ようやく少年が口を開いた。
通信機を通して音割れしたその言葉は――
『あげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!』
いかにも気違いじみたその声を聞いて、輸送機の三人は眩暈を感じた。
頭痛を堪えるように額に手を置いて、五飛が憎々しげに呟く。
「馬鹿が増えた……!」
バカとバカは惹かれ合うのか。そう思うと疲れで一気に肩が重くなった気がした。
(多分続く)
ご無沙汰しておりました皆様ご機嫌麗しゅう。今回はここまでしか書けなかったので、続きは出来上がり次第投下します。
他の職人さんと世界観を共有するか否かという話に関してですが、私にとっては土曜日さんが土台を築き
水曜日さんや不定期さんが話を膨らませてスレ住人の皆さんが広げていった世界観を気に入って乗っからせてもらったクチなので、
私個人のオリジナル路線に走る事は出来そうにありません。なので、これからも共有の世界観で書かせてもらいます。
他の職人さんには迷惑をかけるかも知れませんが、これからも面白い設定があったらどんどんパクッ……げふんげふん、
参考にしていきたいと思ってます。もしかしたら名無しさんがポロリと零した設定も拾う可能性もあるかも。
即ち……他人のネタをも逃がさぬ模倣人の超←重↓力↑
それでは。
GJ!
模倣氏あるかぎりスレは安泰だな
サ←イ↑コ↓ーです
「どうもよろしく、人類革新重工商品開発部のセルゲイ・スミルノフです」
「こちらこそ、プリベンターのサリィ・ポォと申します」
世間が桜や桜やと浮かれ気分な今日この頃だが、プリベンターはそれでもお仕事。
いや、休みもあるし花見にも行ったが、隠密同心は基本的に常時出張る用意をしておかなければならないのだ。
コーラサワーやジョシュアを見ているととてもそうは思えないが、そーなのだ。
「こちらは秘書のソーマ・ピーリスと部下のミン係長です」
「今日はお忙しいところ、よろしくお願いします。人類革新重工のミンであります」
「ソーマ・ピーリスであります」
ソーマさん、さすがに今日は「バケラッタ」は封印か。
空気を読んでるのだとしたら、よっぽどコーラさんより大人である、彼女。
「では、早速件のMS、ミカンスーツというのを拝見したいのですが」
「わかりました。こちらです」
人類革新重工はここ数年、日の出の勢いで伸長を遂げている気鋭の企業である。
揺り籠から墓場までというやや使い古された言葉を社訓とし、業界で最注目株の存在だ。
さて、それではそこの商品開発部の部長と秘書、係長が何故プリベンターに足を運んだのか?
「おお、これが…シンプルでバランスが取れた造形、実に見事ですな」
「ええ、まあ」
ビリー・カタギリ禁制、じゃない謹製の有人ロボットMS(ミカンスーツだかんね)。
これに搭載されているミカンエンジンはミカンの皮を燃料として動く、究極のエコドライブである。
蛇の道はヘビ、猪木なら顎。
小型大型を問わず様々なマシーンを手掛けている人類革新重工がこれに目をつけぬはずもなし。
かくして、開発者のカタギリとプリベンターの長レディ・アンの許可を受け、
現在ミカンエンジンが搭載されている唯一の機械、ミカンスーツ・ネーブルバレンシアの視察に来たというわけだ。
「実にすんごおい、まったくすんごおおい」
鼻息荒いセルゲイ・スミルノフ部長。
なお彼の異称は『荒熊』というのだが、興奮すると息が荒くなるからついたのかは、さてさて定かではない。
「ファイティングアビリティはオール50、リーオーの半分と言ったところですか」
「成る程成る程、しかし十分ですな」
「ええ、ですがビーム系の兵器は一切携帯しておりません」
「わかります、プリベンターのような組織の性質を考えれば、その辺りはよくわかります」
伊達に部長という重職にはついていない、セルゲイおじさん、察しもいい。
言わば裏警察とでも呼ぶべきプリベンターが、堂々と『破壊兵器』を持つというわけにはいかないのだ。
そもそもミカンスーツだって完全平和主義の中ではかなり浮いたモンであるわけだし。
「多少既存のMS(これはモビルスーツね)より小さいようですが、しかしこれが動くのだとしたら……どうだねミン係長」
「ええ、内燃機関としては十分なパワーだと思います」
「すんばらしい、じつにすんばらしい」
セルゲイおじさん、首を縦に何度も振る。
仕事熱心でいいことだが、側にいるサリィからしてみれば、やや暑っ苦しいのは否めない。
「ミカン……エコロジー……パワー……」
と、不意にブツブツ呟き始めるセルゲイ。
ミンはまたか、という風にちょっと溜め息をつく。
セルゲイがこうやってボソボソやり始めたら、それは例のアレが出る合図でもある。
「人類の 革新ここに ミカンエンジン」
セルゲイ、心の俳句。
字余りだしそりゃ川柳だ、というのはもう今更野暮なツッコミか。
「ふむ、よく出来た。どう思うねピーリスしょ……ピーリス君」
「バケラ……いえ、お見事ですちゅう……いえいえ部長」
セルゲイの背中を眩しそうに見つつ、セルゲイの心の一句に讃辞を送るソーマさん。
バケラッタが出そうになったのは、まぁ愛嬌というヤツであろう、多分。
「是非とも、このミカンエンジン搭載のミカンスーツの動きを見てみたいですな」
「……ええ、それはもちろん」
新しい時代を切り開く重要な発明になるかもしれないミカンエンジン、
企業マンのセルゲイとしては当然の要求でもあり、展開的にも普通の流れなのだが、
ここでちょっとばかしサリィさんが憂鬱入ってるのは何故か。
はい、答は簡単。
「イィィ―――、ヤッフゥ―――ッ!! と言うわけで、このスペシャルな俺の出番だな!」
お馴染みのAEU製パイスーに身を包み、我らがパトリック・コーラサワーのご登場。
そう、動かすだけならそれこそガンダムパイロットたちが適任だし、
他にもグラハムがいるし、何なればアラスカ野ことジョシュアだっている。
だが何とも残念と言うか神様は意地悪と言うか、
こういう時に限ってプリベンター、サリィとコーラサワー以外の全メンバーが出払ってたりなんかして。
「ようおっさん! 俺が華麗な操縦テクを見せてやっから、よーく拝んどけよ!」
今日は世界政府主催の新年度一発目の大パーティがある日。
そのため、会場の警備のために腕っこきであるプリベンターが駆り出されたというわけだ。
本来なら現場のリーダーであるサリィもそれに行くはずなのだが、
今回はレディ・アンが直々に参加するとあって、
本部側の連絡係兼責任者として残留することになった次第。
レディ以下、その秘書役のシーリン・バフティヤール、
ガンダムパイロットのサポート役としてヒルデ・シュバイカーもくっついていったが、
ヒルデはどうもパーティと聞いて無理矢理同行した匂いがある。
ま、武器はフライパンながら彼女もオンナノコゆえ。
なお、パーティには当然リリーナも出席しており、
プリベンターのスポンサーでもあるはらぺこショタ姫ことマリナ・イスマイールもご同様に顔を出している。
さぞかしガンダムパイロットは会場でマリナに追いかけ回されていることであろう。
ここは彼女の元おつきであったシーリンの手腕に期待したいところではある。
「おっさんって……ちょっと! 失礼よ! それにミカンエンジンの力を見せるのであって、アナタの技術を見せるんじゃないからね!」
「わはははは、同じことだって!」
「同じじゃなーい!」
「はははは、さすがプリベンター、多様で特異な人材を抱えていますなあ」
「バケラ……しかし部長、これは無礼であります」
わかってないコーラ、怒るサリィ、豪快に笑い飛ばすセルゲイ、コーラの言動に憤るソーマ。
四人の斜め後ろでミンが固まっているが、
コーラサワーの傍若無人ぶり(スペシャルぶりとも言う)にドギモを抜かれているためである。
嗚呼、ついていけない常人は哀れなり。
「ところでよー、俺がただ乗って動かすだけじゃつまんねーよな」
「……アナタ、何が言いたいの?」
「せっかく来たんだ、聞けばそこのおっさんは『アライグマ』とか呼ばれて昔ブイブイ言わせてたって話じゃねーか」
「『荒熊』よ」
「だったら、ミカンスーツは一機だけじゃない、俺と模擬戦やって身体で感じてみないかってことだ」
「……あああ、やっぱりアナタもパーティに行かせるんだったわ」
コーラサワーの性格を考えれば、こうやって模擬戦模擬戦言い出すのは目に見えていた。
サリィにしてみれば、政府から財界からと各方面の重鎮が集まるパーティの護衛につかせて、
そこで逆に騒ぎを起こされるのが嫌でコーラサワーを本部に残したわけだが、
結局出口なしの行き止まりネズミになってしまった感じだ。
外に出したら出した、中に残せば残したで騒ぎを起こす男なのだ、パトリック・コーラサワーは。
「ほう……それもおもしろいですな」
「って乗り気なんですか!?」
大手企業の重役なんぞというご立派な社会的身分のセルゲイだが、
コーラサワーが言った通り、かつてはブイブイな男。
何しろロシア軍人時代、ボルガ川において素手で全長10メートルの鮭と闘い勝利したという伝説を持っている。
顔の傷はその時ついたとか何とか。
「ちゅ……部長、お待ち下さい」
と、ここでセルゲイに待ったをかけたのは、常識人の中間管理職ミン係長ではなく、
銀髪バケラッタ秘書のソーマ・ピーリスだった。
「何かね」
「ここは私が」
上着を脱いで既にヤル気まんまんだったセルゲイの前に、ずずいと進み出るソーマ。
コーラサワーを見る眼光は、まさに射抜く矢の如しだ。
敬愛する上司をコケにされたのが、余程原巨人スタートダッシュ失敗、じゃなく腹に据えかねたらしい。
「お、おう? やんのか女?」
女にイケメン視線ビームを送るのが得意なコーラさんでも、
女から睨まれるのはカティ・マネキン以外では慣れていない。
やだね、生粋のプレイボーイって。
「女ではない」
「へ?」
「ソーマ・ピーリスだ」
かつてここまでコーラサワーにキッツイ目線を飛ばした女性はいただろうか。
結構いたかもしれない。
サリィとかヒルデとかマリナとか。
だがここは敢えてスルー。
右から左に受け流スルー。
「しかしアンタ、操縦出来んのかよ」
「バカにするな。今時MSのひとつやふたつ、操れなくて秘書が勤まるか」
ミカンスーツ、一応コクピットは世界統一の標準規格。
免許があってもハンドル三角でアクセルが頭の後ろについてる車なら意味はない。
機体ごとにバラバラで現地整備に四苦八苦したジオン公国軍の轍を踏んではいけまじ、統合整備計画はお早めに。
「部長、よろしいのですか?」
「……ミン係長」
「は、はい」
「私は……実に感動している」
「は?」
「思いたまえ、あれほどイキイキしている彼女を見たことがあるかね? 彼女は生の実感を得ておるのだ……」
「はあ?」
「君も彼女の出自は知っておろう、ロシア軍の非人道的な研究施設で肉体改造されたことを……」
ソーマ・ピーリス、バケラッタながら結構重い過去持ち。
あまりに無茶なやり方に査察が入って施設(OZと繋がってたとか何とか)がぶっとんだのが数年前、
被検体だった彼女を引き取ったのが、軍とのパイプを持っていたセルゲイだった。
人としての感情を摩耗させてしまっていた彼女を、
足長おじさんならぬセルゲイおじさんは側に置き、何くれとなく目をかけてやっていたのだが、今日ここにそれが報われた感がある。
バケラッタに凝るくらいだからもっと前から感情復活していたんじゃ、などという無粋なツッコミはスルースルージェットストリームスルー。
「すんごおい、ううむすんごおい」
「はああ?」
「ううむ・・・…命の炎……ミカンスーツ……闘争心……ブツブツ」
目の前で繰り広げられる、茶番と呼ぶにしてもあまりに滑稽な一連の流れ。
もうサリィ・ポォは何も語らなかった。
語るべき言葉がなかった。
そして思った。
ああ、やっぱり人類革新重工の申し出、断っとけばよかったかな、と。
……パトリック・コーラサワーとソーマ・ピーリスの模擬戦はこの後、実に三時間の長きに渡って続けられた。
さて、これはソーマの実力を褒めるべきか、それともコーラサワーの実力を褒めるべきか。
終始キレ気味のソーマがコーラさんを押しまくっていたわけだが、
そこはそれ、負けを認めなきゃ不敗のコーラサワー法則第一項が発動、
無事コーラサワーの模擬戦負けなし記録は継続することとなった。
これを機会に、奇妙な友情が……。
「よくも部長を馬鹿にしたな! バケラッターッ!」
「うわああああ、なんじゃこりゃあああああああああ!」
「バケラッタバケラッタバケラッター!!」
「のおおおおおおお、俺はスペシャラルララァアッラッー!」
結ばれることとなった、かもしれない。
スペシャルなコーラさんと、彼よりちょっぴり精神大人なソーマさんの間に。
プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――
設定に関しては単にこっちが先だっただけの話ですコンバンハ。
どんどん改編してしまって下さい、畑は先に耕した者より美味い作物を作った者こそがスペシャルですよサヨウナラ。
模倣さん、土曜の職人さん毎回腹筋を鍛えさせてくれて有難うございます。
凶悪犯っていうからひろしのことかと思ったらまさかのあげゃwww 模倣の人も土曜日の人もGJ!
模倣氏うめぇww
あげゃとはな
模擬戦しか実績ないなら最初から年齢22歳ぐらいにしときゃいいのに
2000回も模擬戦あの年なんだろ
模倣氏、土曜氏、どちらもGJ!
本編が終わってもこの流れ…
「今までに集まった職人達の数を考えてみろ。我々はあと10年は戦える」
というわけですね!?わかります!
うーんさすがに十年は
でもやっぱり住人は減った感じがするね
人大杉
なんだろうね
ほっ
過疎ってコーラ
技術顧問のスレと同盟組むかw
同盟組めればいいけどねぇ。
ただ、こっちは向こうを見てる人も多いかもしれんが、向こうの住人がこっちも見てるとも限らんしなぁ。
00は見ててもWは知らない人だっているだろうし。
それこそ前のダンボールコーラ流出騒動みたいな事件でもないと交流は難しいかもしれんよ。
うむ
では打開策を
座して滅びを待つのみか
発想を逆転させてダブルオー世界にWキャラが来るとか
ハァハァ…やっとの事でカトルクローンズの襲撃から逃げおおせたまでは良かったが
見慣れない所に迷い込んでしまった。
どうやらここはミカン農園のようだが…。
おや?向こうから見慣れない人影が近付いてきた。俺よりもかなり背が高いようだ。
頼りなさげな風貌に眼鏡と白衣とベスト、そこまではまだいいが便所スリッパにポニテか。
いかにも妖精っぽい匂いがする奴だ。そんな事を考えているとそいつが話し掛けてきた。
「やあトロワ、今日はどうしたんだい?」
おかしい。こいつは何故俺の名前を知っているのか。
俺のそんな疑問に構わずそいつは話を続ける。
「今日は新しく開発したミカンスーツの試験をやろうと思っていたんだ。せっかくだから頼めないかな。」
ミカンスーツ?なんだそれは。こいつから急に兄弟スレのマイ臭が漂ってきた。
どうやら関わり合いにならない方がいい人種らしい。そう思った俺は無言のままそいつに背を向ける。
「残念だな、協力してくれたら色々とお礼をしようと思っていたんだけど。」
仕方ない。このトロワ、喜んであんたの手伝いをさせて貰おう。
そいつに案内されてミカンスーツとやらのある所まで歩いていった。
「ほら、テストして貰いたいのはこれさ。」
機体色は真っ黒、ずいぶんひょろ長いな。強度は大丈夫なのだろうか。
「今日は空中変形の試験をやって欲しいんだ。」
空中変形か。ぷにぱんがいたら俺を押し退けて試験に出たに違いない。
謝礼を独り占め出来そうなのは人類最低辺の俺には有り難い。
何となく不安だがまあ多分何とかなるだろう。
「じゃあ頑張ってね。」
まあこの俺に任せておけ。
試験飛行中に空中変形を実行した途端、俺の乗る新型ミカンスーツとやらは空中分解を起こした。
早かったな俺の死も。
ちょww
カタギリ何をwwww
向こうのトロワwwwwwwwww
相変わらず悲惨すぎるwwwwwww
こんにちはTトロワw
とうとうこのスレにも介入開始ですかw
なにせいつもの介入先から逆に介入されてミンチにされてるからなぁw
もう旧板には行き先が無いのさ
模倣氏まだー?
世紀の天才、ビリー・カタギリ。
ポニテでエロメガネでサンダルで白衣で一人称がボクなちょっとお茶目な怪しい三十路過ぎだが、
その脳みそはアインシュタインも本郷猛も道を譲る程で、まさにインテル入ってるの超高性能。
ミカンの皮を燃料にして動くミカンエンジンを発明し、太陽光に続くエネルギー革命の旗手と謳われる人物である。
「ちょっと待て」
「何だ」
「どうしてまたポニテ博士の紹介から入るんだよ! 俺が主役じゃねーのか! しかもこれ、二回目! 全く同じ!」
「字数稼ぎだ、気にするな。俺は気にしない」
「いや、いやいやいや!」
えー、さて、プリベンターである。
ここのところ警備以外にたいした出番もなく、のどかな日々を送っているわけだが、今日はちょっと特殊なお仕事。
MK−01ことミカンスーツ・ネーブルバレンシアの新武装の実地検証を行うことになったのだ。
もう何度も説明したようにこのMS(ミカンスーツだかんね)、
ミカンの皮を燃料にして動くミカンエンジン搭載のマシンである。
時代の最先端と言っても過言ではなく、つい先日も業界大手の人類革新重工から視察に来たくらいのシロモノだ。
「ええと、説明を始めてもいいかなあ」
「どうぞどうぞ、カタギリ博士」
「ちょ、こら、俺の話をふんがくっく」
文句たらたらのコーラサワーを、問答無用でトロワが抑え込む。
コーラの不満の原因はカタギリにスポットライトが当たっているほかにももう一つあるのだが、ま、それはおいおい。
「さてそれじゃあ、まずはこの機体のポイントからおさらいしようかねぇ」
カタギリの話は長い。
ただ長いのではない、天才の頭脳から引っ張り出される専門用語、比喩、事例の数々は、とことん凡人を打ちのめす。
以前それでコーラサワーが知恵熱出しかけたのはご存じの通り。
「あの、短めにお願いします」
「ああ、うんうん、わかってますよ」
プリベンターの現場リーダー、サリィ・ポォもさりげなく釘を刺す。
彼女もコーラサワーやグラハムとつきあううちにかなり気が長くなったが、
それでもカタギリの"御説明"のボリュームはちょっと敬遠したいところである。
「皆も知ってると思うけど、MK−01のファイティングアビリティはオール50ってことになってるんだけれど」
ファイティングアビリティについてはもう解説の必要はあるまい。
簡単に言えば、リーオーを基準とした強さの数値のことである。
リーオーがオール100なので、ネーブルバレンシアはその半分のパワーということになる。
「ミカンエンジンもまだまだ発展途上だしね、出力に関してはこれから僕が強化していくよ」
「まだ余地がある、と?」
「うーん、一朝一夕には無理だけどね」
カトルの質問に対し、穏やかにカタギリは返す。
いかな天才と言えども、わずかな時間でエンジンそのものをバージョンアップさせることは出来ない。
機体とのマッチング、バランス調整もある。
MS(ミカンスーツ)は精密機械なのだ。
「で、これからプリベンターは色々と難しい任務に向かうこともあるだろう。ならばオプションの充実こそが最優先ということになるねえ」
MS(これはモビルスーツね)は、公式で使われている物は一部の小型作業用を除き全て活動をストップしている。
しかし、まだまだ裏で残っているリーオーやサーペントなどがあるだろうし、
何より一休さん並のの屁理屈でMAはご健在ときている。
アリー・アル・サーシェスがゴキブリッサ、失礼、アグリッサでプリベンターに喧嘩を売ったのは記憶に新しいところである。
「エネルギーの問題と、そして倫理上の問題からビーム兵器はつけられない」
「当たれば一撃必殺なんだけどな」
「必殺ってのが危ないんですよ、デュオ」
「せめてビームトライデントくらいは欲しいところだが」
「……五飛、カタギリ博士の話、ちゃんと聞いてる?」
警察官がバズーカや対戦車ミサイルを常に持ってちゃ立場上マズイように、
プリベンターも一応『事件が起こる前に速やかに、起こってからもひっそりと』仕事を行うのが本分。
まぁパーソナルジェットで突撃したり人間魚雷やったりしている時点で崩壊している気もするが、とにかくタテマエは表に出す必要がある。
国内の米軍基地に核があっても非核三原則は非核三原則ってやつである。
「そこで、殺傷能力がない、もしくはとことん抑えた武器ってことになるねえ」
「はぁはぁ、それでどんなものが」
「うん、こんなものが」
デュオの促しに応えるように、カタギリは白衣のポケットから小型の携帯メモリーを取り出した。
この時代、もちろんこういった小型記憶装置も進化を遂げている。
現代のフラッシュメモリーと同じ大きさなら、国立図書館の全書物の内容を画像付きで突っ込んでもなおお釣りがくる。
「まずは、そうだね、ネットガンからいこうかな」
メモリーからデータを読みこみ、皆の目の前のモニターに映し出すカタギリ。
さっき説明は短めにとサリィに頼まれたのを殊勝にも守るつもりなのか、結構淡々としている。
で、ネットガンとは、文字通りネット=網を圧縮された空気によって打ち出す『拘束道具』のこと。
これに絡め捕られたら、身動きが著しく取れなくなり、逃走や抵抗はほとんど出来なくなる。
プレデターのアレまでいっちゃうとさすがに殺傷兵器になってしまうので、
カタギリ製のこれは網の部分が鋼線ではなく強化ロープになっているが。
「そしてトリモチガン」
あらお懐かしい、と思われた方もおられるに違いない。
Zガンダムの一番最初、クワトロさんがリックディアスで使っていたトリモチランチャー、言ってみればあれと同類である。
あっちはMS(これはモビルスーツ)の指関節に内蔵されていたが、
こっちは拳銃の形をしており、トリモチ弾を発射するタイプ。
粘着する物体を相手に付着させることで関節等の動きを制限するのが目的で、
使い勝手はネットガンと似たような感じだと思えば、まぁ間違いなかろう。
「次にペイントガン」
これは簡単、ペイント弾を打ち出すやつである。
コンビニにおいてある防犯用のペイントボールと同じ理屈ね、つまり。
MAとかにはあまり意味がないだろうが、逃走する車両などには目印がついて追跡が楽になるだろう。
「そして電磁警棒」
あらこれもまたお懐かしい。
そう、パト○イバーのアレと思ってもらって差し支えない。
スタンロッドと似て否なる物だが、強烈な電圧を流しこむことによって動力部、及び伝達部を無理矢理故障させるわけだ。
一見チャチいが、やる気があれば地球外生命体とだって互角に戦える、バカにしたもんではないのだ。
「ま、今はこんなところだね。後は初期装備のミニライフルをどうするかってところかな」
「ほおおおおおお」
「へえええええ」
「ふうううむ」
やれバスターライフルだのヒートショーテルだのビームガトリングだのとごっつい武器を使っていたガンダムパイロットからすれば、
こういったものは子供のおもちゃとさして変わりないところだが、それでも対悪人用の装備としてはとても心強い味方。
おもちゃでも何も、無いのとあるのとではエライ違いなのだから。
「よし、では早速テストしてみるか」
「そうだな、実際に使ってみないことには何とも」
「ふむ、このグラハム・エーカー、実に興味をそそられると言っても過言ではないと言えるだろう!」
「隊長、言うという文字が三つ被ってます」
「えーと、とにかく行きましょうか。陸軍の訓練跡地を特別に借りてあるから」
サリィを先頭に、ぞろぞろと部屋を出ていくプリベンターのメンバーとビリー・カタギリ。
おや、とここで思われた方もおられるかもしれない。
こういう時、大抵はあのお祭り男が先陣を切るはずなのに、と。
「ケッ、相手を破壊しない武器のどこがおもしろいってんだか」
何とコーラサワー、列の最後方。
両手を頭の後ろに組んでチンタラ歩き、いったいどこの80年代の不良だと言った感じの雰囲気を醸し出している。
で、ここで彼の不機嫌なもう一つの理由をお教えしよう。
まずはヒント、先週彼は一体ミカンスーツで何をしましたか?
はい、クエスチョーン。
「と、言うわけで訓練地までやってきました」
「早いな、展開が」
「移動中なんてなんもおもしろい話ないからいいんですよ」
三流旅番組みたいな流れだが、実際移動中はカタギリ博士による蘊蓄の宴だったので、そんなもんいちいち字に起こしてらんないわけで。
ゲーデルの不完全性定理とか適者生存と幸者生存の違いとか、そんなもん学者の口から聞いたってパンピーにゃ理解不能なのだ。
サリィ以下ガンダムパイロットは特殊知識が豊富だが、あくまでそれは実践面に直結するものであって、
学問的に有意義かどうかはぶっちゃけ全く関係ない。
グラハムもジョシュアも、ついでに言っとくとコーラさんも軍の養成校ではトップレベル(でないとエースにそもそもなれない)だったが、
彼らにとってもそれは同じである。
軍人にとって個人の趣味の範疇を越えたディープな知識は身を滅ぼす素なのだ、いやほんと。
「さて、ミカンスーツも揃ってることだし、本来なら模擬戦をやって有効性を確かめたいところなんだけど」
整列したメンバーを前に、一際鋭い目つきでとある人物をギロリとにらみつけるサリィ。
その眼光はすでに二十歳そこそこの若い女性のものではなく、彼女の日頃の苦労がしのばれるというものである。
「つい先日、どこぞのオバカさんが暴走したせいで、今は模擬戦自体に政府からストップがかかっています。ええ、オバカさんのせいで」
「ぐぐぐ、二度も言うことないじゃんかよう」
さて賢明なる諸氏よ思い出されたし。
さっきのクエスチョンの答え合わせである。
前回、コーラサワーが何をしたのかと言えば……はいその通り、視察に来た企業のお偉いさん相手に暴言を吐き、
おまけにその企業の社員と三時間超もミカンスーツで模擬戦をやっちゃったのだ。
おかげで彼のミカンスーツはボッロボロ、さらに周囲の施設にも少なからず被害が出て、
レディ・アンのさらに上に位置する政府のお偉方からこっぴどく怒られてしまったという次第である。
「俺のせいじゃない! あの銀髪の娘っ子がしつこく喧嘩売ってきたからだっつーの!」
「もともと売りつけたのはアナタの方です」
「そんなぁ! 喧嘩両成敗だろ!?」
「あら、両成敗というからにはアナタも罪の意識を感じてるということかしら」
「ほ、ほんがっくっく」
で、これがコーラさんの不機嫌の原因のもうひとつ。
自分のミカンスーツが修理中で、テストにそもそも参加出来ないというわけだ。
「だってよう、あそこでああなったら本気でやりあうしかねぇだろうがよう……」
「はいはい反省しなさいね。……えーと、そこで仕方ないので、仮想敵と言うか標的を作って試験を行うことにします」
眼光だけでなく舌鋒も鋭く、コーラをやりこめるサリィ。
一歩一歩成長の毎日です、彼女も。
「標的?」
「文字通り的というわけか。動かないのが何だが、まぁ威力を確認するくらいなら十分だろうな」
「少し残念ですね、実戦形式で出来れば効果を見たかったんですけれど」
ちょっと拍子抜けした感じのガンダムパイロットたち。
彼らも武器を一度捨てた身とはいえ、やはり男、戦いというものに血が騒ぐのはこれは生物として無理からんことではある。
その意味では模擬戦は良い気分転換にもなるわけで、
何もそこに価値を見出しているのは、コーラサワーだけじゃないのだ。
「成る程、それで陸軍の訓練跡地なわけか」
「ここなら射撃訓練用の標的がまだ残ってるかもしれませんからね」
軍が訓練で使う標的、それは結構単純なものだったりする。
老朽化した戦車とか装甲車を狙う場合もあるが、正味の話それはもったいない。
リサイクルの概念が根付いたこの世界でそんなことをすりゃ、頭の渋い経済学者や民間の平和論者辺りから散々詰られるであろう。
ほんじゃどんなんがマトなんだと言うと、はい皆さん、マンションを思い浮かべて下さい。
そんで、窓や壁にかかっている鳥除けのまんまるおめめをさらに思い浮かべて下さい。
もうここまで言ったらおわかりでしょうが、そう、あんな感じのまーるいおめめが的なのだ(もちろん風船ではないが)。
実戦形式以外の訓練なんてそんなもんである、ぶっちゃけ。
軍隊というのはあるだけで金を食う存在、
ババーンと費用を注ぎ込む一方で、いかにして細かい出費を減らすかってのは何時の時代でも軍隊運営の至上の命題ってやつなのだ。
「使用するのはこのコマンド部隊の訓練場、そしてターゲットは」
サリィがパチン、と指を鳴らす。
それを受けて、彼女の斜め前にいるヒルデ・シュバイカーが手にしたポータブルのミニコンをカシャカシャと鮮やかな指さばきで操作する。
訓練場のコントロールをきっちり事前にまとめておく辺り、
やはり出たとこ勝負のコーラサワーとは元より資質が違うと言わざるを得ない。
「あれです」
「あれ?」
サリィの右の人差し指の先、訓練場の最奥からんぎょんぎょと一枚の大きな板がせりあがってくる。
その縦にミカンスーツ程の高さのある板が的なのだが、そこに描かれているものとは……。
「ぶ、ぶはははは!」
「……何だあれは」
「ふむ、これは狙い甲斐がありそうだな」
「むしろこれはビームライフルが欲しいところだ」
「す、凄いですね」
「ううむ、しかしちょっと阿修羅には物足りんな」
「ぎゃははははは、は、は、腹いてええぇぇぇ、のはははははは」
抱腹絶倒するデュオとアラスカ野ことジョシュア、
呆れるヒイロとカトル、ハンターの顔つきになるトロワ、五飛、グラハム。
板に描かれているものとは、それは。
「な、な、なんじゃそりゃああああああああああ!」
笑顔でピースしているパトリック・コーラサワーだった、身長10メートルの。
プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――
次回へ続くコンバンハ。
半年の間に落ちてくる情報が気になりますねサヨウナラ。
訂正、
>>469は"ファイティングアビリティ"じゃなくて"アビリティレベル"ね
>>473 わーいリアルタイムで投下に遭遇したー。
GJ! 次に期待してます。
なんというか、是非とも恥ずかしい部分を狙い撃ちしてほしいところ。
水曜と不定期の人はどこへ
>>475 今週はネタがまとまらず投下出来ませんでしたが、来週は多分大丈夫だと思います。
ぶっちゃけ『自分が居なくても、他の職人さん達だけで十分なんじゃないかなぁ』とか思ってたんですが、一応ヘタレな自分にも需要があるようなので、それを励みにこれからも頑張ります。
では、(多分)次の水曜日に
最終回直後に思いっきり不定期さんを叩いてた人がいたからなあ。
あんな言われ方されたら投下しにくくなっちゃうっしょ。
本当はいろんな人にどんどんネタ落としてって欲しいんだけどね。
今いる職人だけじゃなく、一発ネタでもいいから名無しも参加できれば
もっと盛り上がりそうなんだが。
今は過疎りつつあるから職人は多いほうがいい
479 :
模倣の人:2008/04/13(日) 11:28:21 ID:???
〜前回のあらすじ〜
大変、新型ミカンスーツが盗まれちゃった! すぐに取り戻さなくっちゃ!
カティコスプレの五飛に大ハッスルのコーラサワーは張り切って凶悪犯を追い詰めイヤッホゥ!
ところがぎっちょん、凶悪犯はあげゃあげゃと笑ったよ。クラムボンはかぷかぷと(ry
「な、なんだぁ、こいつは」
珍しい事もあるもので、コーラサワーの声が面食らったように上擦っている。
日頃の破天荒ぶりも自分がやるから気にならないのであって、いざ他人の不可解な行動を目にすると
流石の彼でも動揺するらしい。
『おい、貴様の目的はなんだ』
輸送機から五飛が逃亡犯へと問いかける。皆も相手がどう返答するのか固唾を呑んで見守っている。
ちなみに現在は全チャンネルをオープンにしてあるため、会話全てが全員に筒抜けの状態である。
逃亡犯の少年は少しの沈黙を挟んで、再び口を開いた。
『あげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!』
『ふざけているのか貴様、まともに答えろ!』
『あげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!』
『貴様ァ――――――――――!』
『落ち着けって五飛!』
激昂する五飛を必死で取り押さえるデュオとカトルの姿がフレームに入った。
あちらはあちらで苦労しているようだ。
『いやでも本気のところどうするんだコレ。こいつちゃんと対話できんのか?』
ジョシュアからの通信に答えたのはグラハムだ。
『わからん。君が話しかけてみたまえ』
『なんで俺が』
『疑問に思うならばまず自分で行動してみてはどうかな?』
言うことはもっともであったため、渋々ながらもジョシュアは頷いた。
しかし当初は渋っていたものの、よくよく考えれば交渉役は非常に重要なポジションである。うまくやれば
目立てる大チャンスである。一度咳払いしてから、ジョシュアは爽やかな微笑みと共に少年へ声をかけた。
『我々はプリベンターだ。君の話を聞きたい、まずは名前を教えてくれるかな?』
すると少年は笑って、
『あげゃげゃげゃげゃ!』
『……いや、だから君の名を』
『あげゃげゃげゃげゃ!』
もしかして言葉が通じていないのだろうかと、ジョシュアは知りうる限りの言語で話しかけてみたのだが、
少年の返答は一貫してあげゃげゃげゃげゃである。
『俺は無力だあぁ』
『そんなことは知っている。どうやら説得は無駄らしいな、実力行使に移るぞ』
さらりとジョシュアに酷い言葉を投げかけて、グラハムが操縦桿を握りなおした。
前進しようとMSで一歩踏み出したところへ、動向に気づいた少年がグラハムの足元を機関銃で掃射する。
『牽制された!?』
『どうやら頭はあるらしいな……』
言葉が通じないから脳も足りないだろうと勝手に思い込んでいたのだが、どうやら思考能力は正常のようだ。
となると、迂闊に動くわけにもいかない。
かといって何もしないわけにもいかず、彼らは手をこまねいていた。
480 :
模倣の人:2008/04/13(日) 11:28:54 ID:???
打つ手なしかと思われたが、そんな状況を打破するのは、いつだってあの男。
そう、我らがヒーロー、パトリック・コーラサワーさんである。
どうしようかな、と首を傾げてしばらく悩みあぐねていた彼だったが、ふと思いついたように
通信機に向かって声を発した。
「い、イヤッホゥ?」
『あげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃ……げゃ?』
すると、少年がピクリと反応を示す。
その様子に気を良くしたコーラサワーは更に声を上げた。
「イィ―――ヤッフウゥ―――――ゥ!」
少年も合わせて叫ぶ。
『あげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃ!』
「イヤッホイヤッホイーヤッホォ――!」
『あげゃあげゃあげゃげゃ!』
「ヤッフヤッフイヤッホゥ!」
『げゃっげゃっげゃげゃげゃ!』
その光景はさながらゴリラ。
突然の意気投合に面食らったのは無理からぬ対応だったろう。目を丸くしてすっかり言葉を失くした仲間たちは、
奇異なものを見つめるようにただただコーラサワーと少年を眺めていた。
しばらく掛け声を二人だが、それが不意に止んだかと思うと、なんと少年がコックピットのハッチを開け
大地に降り立ったではないか。
何を企んでいるのかとプリベンターたちは警戒したが、少年は諸手を上げ投降の意を示す。
『……信用していいものだろうか』
ぽつりと呟いた五飛に、コーラサワーは自信満々に答えた。
「問題ねえよ。こいつはもう抵抗しないさ」
かくして、逃亡犯の捕縛と盗まれたMSの回収は拍子抜けするほどあっさりと達成されたのだった。
「なるほど、そんなことがあったのか」
「相変わらず人外だな奴は」
今回出番がなかったヒイロとトロワが、仲間たちと合流して事情の説明を受けるとしみじみと頷いた。
「けどまあ、手柄であることは間違いねえんだし、功績は讃えてやんなきゃな」
「そうですね。彼がいなかったらこれほどのスピード逮捕はありえなかったと思います」
「ふん、プリベンターとして成すべき事をした、それだけだろう」
一見不機嫌そうだが、五飛が素直でないのは昔からである。
その証拠に、いつもなら当たり前のように飛び出す辛辣な皮肉を今ばかりは口にしていない。
警察当局に引き渡され連行されていくる少年を見守っていた一同だったが、何を思ったかその背中を
コーラサワーが呼び止めた。
「ちょっと待ってくれ!」
小走りに少年のもとへ駆けていった彼は、にかっと笑顔を見せて右手を差し出す。
「ぐ〜 ま〜 ぐまぐまま ま?」
すると少年は、手錠されているのも構わず、嬉しそうにその手を握り返した。
「ぐま! ま〜 ぐ〜 ぐまぐまま ぐま!」
そして少年を乗せた警察の輸送機が飛び立ち、その姿が見えなくなるまで彼はずっと空を見上げていた。
短い時間であったが、不思議な友情が彼らのうちに確かに芽生えていたのだろう。
481 :
模倣の人:2008/04/13(日) 11:29:25 ID:???
やがて視線を地上へと戻したコーラサワーの肩を、グラハムとジョシュアが両方から叩く。
「大したものだ、君は」
「凄いなお前。よく奴の言ってることがわかったな」
ところがジョシュアの言葉に対し、コーラサワーはあっけらかんとこう言ったのだ。
「いやさっぱりわかんなかったぜ?」
「……へ?」
「なんつーか、ノリ? ほらよく言うだろ、『考えるな、感じるんだ!』って」
「や、それは使いどころ違うだろ」
「わかる、わかるぞ! その気持ち、まさしく愛だ!」
「何言っちゃってんの隊長!?」
「さっすが元ユニオンのエース、話がわかるな」
「ふふん、私もフラッグの気持ちがよくわかるからな」
「それは妄想って奴だろ。じ、じゃあ、最後に話しかけてたあの言葉は?」
「ああ、あれはアナグマ語。紳士の嗜みだぜ?」
「知らない、そんな紳士の嗜み知らない! アナグマ語ってなによ!?」
「アナグマ語も知らないのかジョシュア。そんなことではいかんぞ」
「いやだってそんなの人生において必要か? つーかなんなのあんたら、あんたたち本当に人間か!?」
「失礼な言い草だなこの野郎いっぺん泣かすぞ」
「いてえぇ―――――ッ! ギブギブギブ腕ひしぎ勘弁んんんんん!」
そんな3バカの様子を遠巻きに眺めていた少年五人組は、呆れたように溜息をついた。
「いいのかい、ジョシュアさんを助けなくて」
「寄るなカトル、馬鹿が感染する」
「まあ、終わり良ければ全て良しってことでいいんじゃねえか?」
「……出番がなかった」
「右に同じ」
各々思い思いの気持ちを抱えつつ、果たして事件は円満に解決を迎えたのであった。
この後、ビリーが発明した『翻訳蒟蒻ゼリー(みかん味)』のおかげで少年と言葉が通じるようになり、
司法取引によって少年は政府が抱える秘密組織『フェレシュテ』に所属することになったりならなかったり
するのだが……それはまた別のお話。
ちわっす皆様ご機嫌麗しゅう。
アナグマ語についてはここ(
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%82%B0%E3%83%9E%E8%AA%9E)を参照してください。
正直なところ、この話はグラハムに「その気持ち、まさしくry」を言わせたいがためだけに作られた話だったり。
ペースは確実に落ちるので次はいつくるかわかりませんが、また来ます。それでは。
482 :
模倣の人:2008/04/13(日) 11:36:24 ID:???
あ、抜けてるところ発見。
>>480の19行目、『しばらく掛け声を“かけあっていた”二人だったが』です。失礼。
ジョシュアさんは私の中ではすっかりツッコミ兼いじられ役で定着してきました。
貴方がエースだ!
がんばってくれ!
クラムボンワロスw
もう模倣氏キャラの性格で上書きされてしまった俺の脳内ww
ウケた
ノリかよ!
職人様がた、乙です!
今日も楽しませていただきました。
今日からBSで再放送が始まりまして。
番組を観ていると、感慨深いものがありました。
本放送を初めて観た半年前のあの日、よもや
スペシャルで、模擬戦で、2千回なあなたに
こんなにも心奪われることになるとは、
思いもしませんでしたよ。
>>485さんと同じく、頭の中でキャラがなんか、
変わっちゃっているですけどねw
模倣の人はキャラがイキイキしてるな
このスレはいいなぁ。
キャラが全部生き生きとしてる。
前スレ分が読めないのが悲しいとこだけど。
すげえなあ、一話開始直後から始まったスレなのにコーラさんのキャラにブレがないwwwww
そういやモラリアで出てきたとき、このスレのコーラさんそのまんまで噴いたなぁwww
>>490 ありがと〜
初っぱなから腹筋が持たないんですけど!
模倣氏も素晴らしいが、やはりこのスレは土曜日氏あってのものだと
つくづく思ったな
Gチーム揃うまでのエピソード〜コーラさん入退院の軌跡は何度読んでも
腹筋が武力介入される
前スレの三國志の話(11月24日)のとある部分から抜粋
「お前に用意された結末は二つだけだ、あっさり中盤で真っ二つにされるか、それとも終盤手前で台詞もなく絶望ビームに消されるか」
「台詞もなく、って逆襲の○ャアのギュネイか?」
「いや、キング○イナーのザッキ・ブロンコみたいな展開も考えられますよ」
「ヘタレて退場、生死不明、最終回でチラッと登場というアレか」←注目
なんという予言
あげ
グラハム「多少、強引でなければガンダムは口説けません」
コーラ「彼、メロメロなんですよ〜」
ゼクス 「殺人的なポニテだっ!」
test
499 :
毎回不定期:2008/04/15(火) 14:39:48 ID:???
山里の春は少し遅れてやってくる。
「爺さんや、お茶がはいりましたよ。」
「おお、婆さん気が利くねえ。」
縁側に座布団を置き、湯飲み茶碗に注がれた番茶と煎餅、あられをお供に春まだ浅い山里の陽がやさしく降り注ぐ中、老夫婦は
縁側でのんびりと、花が咲き始めた庭の植物に目をやった。
遠くで鳥たちの鳴き声。
「春ですな。爺さん。」 「そうですな。婆さん。」
ずずずずーーーーーー。
番茶をすする縁側の老夫婦、 ほのぼのとする一服の光景である。
「ところで、爺さん、3軒となりの権助さんところの休耕田で不発弾が見つかったそうじゃの。」
「ほう、まだそんな物騒なものがあったのかね、婆さん。」
「今度高速鉄道の用地に引っかかって、基礎工事のボーリングはじめたら、地中からごっそり発見されたそうじゃ。」
「昔の話じゃが、誤って爆弾を落としたものがあったとは噂にきいてたが。こんな山里にも戦争の爪痕があったんじゃな・・・。」
そんな話をしていると、役場の広報車が知らせにまわっていた。
「こちらは、○○町役場広報車です。 一昨日高速鉄道工事現場におきまして不発弾が多数発見されました。爆発物処理班が
本日処理作業を行います。 半径1キロ以内には処理作業終了までちかづかないでください。」
「ほうこんな山里までごくろうさんじゃのう。 して処理はだれがやってくれるんかのう。」
「なんでも、世界統合政府の方から派遣されてくるプリベンターって昔ガンダムパイロットやってた少年たちの集団と監督役の女の子と訳のわからん変な男3人の集団だそうで。」
「ふーーん。ずいぶん変わった集団じゃのう。」
そんなこんなで茶飲み話をしていると、作業用MSとプリベンターの面々を載せたトラックがゆっくり通りすぎっていった。
「ほう、かわいい子らじゃわ。こんな少年たちが宇宙で戦闘しとったとは。」
「美少年や美少女には目が早いな。婆さん。」
作業現場での作業も終わり、お日様も西へ傾きかけたころ、プリペンターの面々はトラックに分乗して、あの爺さんと婆さんの
庭先の道路を帰ってきた。
「ほんにえらい子らじゃのう。わが身を世界のために献身する作業をやってくれているとは。
ところで、あそこの大人はなんといったかのう。」
「 なんか、パトラッシュとか、パトレイバー=コーラサワーとかいっったんじゃないですか。あの目のきつい男は。」
そんなことを話していると、一台のトラックが止まり、一人の男が猛然と茶の間の
老人たちのところに飛び込んできた。
「俺は、犬や警察のロボットの名前じゃねえ。 俺は! スペシャルで! 二千回で! 模擬戦無敵の! パトリック・コーラサワーだ!!。」
「はあ、あんたが頭がパンパカパーンでどんなに墜落しても生き残ってくるので有名なお人かね。」
「誰が、頭の中で漫画トリオのネタをやるんだ!!。パトリック!!。パトリック=コーラサワー!!。
それにおれは墜落なんかしてねえぞ!!。」
「あ、悪かった。あれは墜落じゃなかったの。撃墜じゃったの。それにしても、よく体持つのう、感心感心。」
悪気があるのかないのか、コーラサワーの癇にさわるようなことをいわれて、
顔は赤いのを通り越して、紫色になっている。
「てめえ・・・!!。おれの癇に障るようなことをいいやがって、勝負だ!!。」チンピラじゃあるまいし、とてもかってはエースとよばれた
男にあるまじき言葉を放った。
「ほう、貴様がわしと勝負と・・・な?。」爺様の目の奥が不気味な光を放った。
500 :
毎回不定期:2008/04/15(火) 14:40:17 ID:???
「ひっ!!。」コーラはその鋭い眼光にたじろいだ。
「年寄りじゃと甘く見ているようじゃな・・・・。 お前はわしを怒らせた!!。」
もはや爺様の顔は、北斗神拳を放つときのケンシロウのようになっている。
そして、コーラサワーを片手で持ち上げ、首を締め上げた。
「ぼ、暴力反対!!。」 さっきまでの勢いはどこへやら、すっかりびびりあがっている。
「成敗を受けよ!!!!!。」 爺様はコーラを上へ投げると、驚くような速さで拳を放った。
「はあああああああ・・・!!!!!。ギャラクティカ=マグナム!!!!!!。」
カルロス=ゴーンじゃなかった、ドッゴーン!!!!!とすさまじい音とともに哀れコーラサワーの体はお空の遠くにきれいな
煙をのこして、空中へと消えていった。
「あ、あれは。」「また、あいつか・・・・何をやらかしたんだ。」「なんか、どおく=まんさんが書く
人間の飛び方ですね。」なかなかこないので戻ってきたプリベンターの面々はコーラのきれいな飛び方を
見て、頭を抱えて溜息をついた。
「爺さん、久しぶりにヒットしましたな。」「やあ、まだまだ体は若いですぞ婆さんや。ははは。」
お互いハイタッチしていると、サリィ=ポォとプリベンターの5人の少年が入ってきた。
「あの、申し訳ございません。うちの者が大変なそそうを冒したようで・・・。」
「いや、なになに、謝られることはありませんぞ。 少し、この老人と遊んでもらったの
じゃから、久々にいい運動になりましたわい。 それにしても今日はご苦労様じゃったのう。
これで安心してこの山里に住めますわい。 どうですかな、彼が帰ってくるまで、お茶菓子でも。」
「はあ・・・。そうですね。ありがたく頂戴いたします。」サリィと5人は
お茶菓子と番茶をいただき疲れを癒していた。
さて、我等がコーラサワーさんどこまで飛んでいったのか、その日の夕方の天気予報
で気象衛星「ひまわり」にきっちりととらえられてたそうです。
ああ、哀れなり(笑)、そして、彼の超人的な体の造りに感謝しましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皆様、お久しぶりです。人大杉状態で書き込めなかった不定期でございます。 前回ご指摘がありましたので少しHNを変えました。
毎回名無しさん土曜日様、毎週水曜日様、模倣の人様の巧みな文章に腹筋が壊れそうになりました。
(それと自分の文章の稚拙さも際立っている・・・Orz)
また、お願いがありますが、作品にたいして、あるいはタイミングに関してのご指摘、批判は甘受しますが、
人格を否定するような、あるいは誹謗中傷の書き込みだけはされないようお願い申し上げます。
これは他の職人様のためにも言っておかなくてはならないと思い、書き込みました。
ネタができたらまた書きます。 それでは皆様ごきげんよう。
お帰りー久しぶりー。
第三者からの視点ってのも面白いな。乙!
しかし不定期さんはちょっと慇懃すぎるところがあるな。もうちょっと肩の力を抜いてもいいと思うよ。
誹謗中傷を気にするなとは言えんが、ある程度は聞き流してもいいんだぜ?
とにかく頑張れ!
まあ気にしないことだ
ところどころツボにどストライクのネタ
超ウケた
爺さんつえーw
というか不定期氏はIEなのか?
専ブラの使用をお勧めする
不定期さま、乙です!
ギャラクティカ=マグナムってw
懐かしすぎます〜
わが青春の光と影、ですわ!
次の作品をおまちしております
二期になったらここのコーラも三十路バージョンになるのか
その場合Gチームも20歳とかになるんだろうか
成人したヒイロとかなんか想像するの怖いぞ
そこらへんは考えない方向で。
だってコーラっていくら年取ってもキャラが変わりそうにないんだもん。
まあ、実際に2期になってみないことにはなんとも言えん。
なんか携帯から読めない?
まとめ見て改めて土曜の職人さんの先見っぷりにビビッたぜ!一話目でよく思い付きましたね。
コーラはよくジェリドやクロノクルなどヘタレ的ライバルキャラと比較されるけど、
放送前や一話の時点では彼らをなぞるというか、報われない復讐者系のキャラになるんじゃないかと予想されてる部分があった
それがまさか最後まであのキャラクターを貫き通すとは、監督と脚本家がやるときゃ容赦なくやる人間だけにびっくりだ
二期の反動が怖いが、是非コーラはコーラのままできのこって欲しいものだ
何気にティエリアのライバル的位置だったのかな・・・?
ソレスタの、イオリアの紛争根絶という目的を公私の存在意義にしていたティエリアと、
どこまでも自己の感情に素直なコーラは対極的ではあるね
そしてティエリアはヴェーダとの接続がなくなった時点で自分を見失いかけて、
諭してくれたロックオンに半ば依存とも取れる情を見せ、マイスターとしての仮面がはがれた
一方コーラは大佐という思慕対象を得て行動の動機が強化された
当初の在り方を失った者とより補強された者の対比とも見れる
あのう・・・
今更なんですが、第1期最終話の、大佐の後ろにいたのは
ほんとーに、コーラさんなんですよね・・・?
いや、な〜んか、トラップとかありそうでw
プリベンター達の中には、別の仕事と掛け持ちをしている者もいる。
トロワ・バートンもその1人だ。今日は午前中だけ休みを貰って、サーカス団の公演内容のミーティングに参加している。
「というわけで次回はJAPのトーキョーで公演をする。誰か目玉になる演目はないか?」
団員達を見回して団長が問いかける。
「はーい!私に良いアイディアがあるわ」
キャスリンが元気よく手を挙げた。キャスリン以外の団員達の顔が曇る。
「あー、キャスリン。いったい今回はどんなものなのかな」
団長が遠慮がちに聞いた。
「うふふ、それはね――」
楽しそうにキャスリンは話始めた。
午後。プリベンター本部。
バタンッと勢い良くドアを開け、切羽詰まった顔をしたトロワが出勤してきた。
「コーラサワー。アルバイトだ」
入ってくるなりコーラサワーの両肩を掴み真剣な顔で言う。
「あ?アルバイト?」
おやつのスルメイカをしゃぶりながらコーラサワーが聞き返す。
「ああ、以前言っていたサーカス団のバイトだ。勿論やってくれるよな?」
「へへん、あたぼーよ。客の拍手が俺を待ってるぜ!」
内容も聞かずに了承するのは相変わらずのコーラサワー。彼の頭には『行動を起こす前に考える』という行動パターンは存在しない。
「ついでにジョシュア、お前にも頼みたい」
「嫌だ!俺は絶対嫌だ!関わりあいたくない!」
ソファのクッションを抱き抱え、駄々っ子のように首をブンブン振りながらジョシュアは拒否反応を示した。
彼の経験上こういう類いの申し出は必ず嫌な事が起こると予測済みなのだ。流石、3馬鹿の中で、いやプリベンターの中で一番常人に近いだけある。
「そうか…残念だな。俺の見込み違いだったか。エリートのお前にしか出来ないと思ったのだが」
「なに!このアラスカのジョシュアに出来ない事なんてない」
前言撤回。3馬鹿は3馬鹿でした。エリートの言葉に乗せられジョシュアも了承。トロワはニヤリとほくそ笑んだ。
「今度は何処で公演するんだ」
3人のやり取りを聞いていた五飛が問いかける。ガンプラの塗装中なのか顔にはマスク、手にはビニール手袋をしている。
「JAPのトーキョーだ。チケットはとってあるが観に来るか?」
「JAPの料理。特に寿司は美味い…」
ピンクのヒラヒラエプロンを付けたヒイロも話に加わる。どうやら料理の途中のようだ。しかし、ガンダムパイロット無口3人組が揃うとは珍しい。
「…」
「…」
「…」
暫く無言のまま見つめ合う3人。
「…」
「…」
「…」
1分経過…
「…」
「…」
「…」
2分経過…
「…」
「…」
「…」
3分経過…
「よし、決まりだ」
「カトル達も誘うべきだろう」
「案内は任せろ」
脳内で何か電波を送りあっていたらしい。お互いに頷きあい、五飛は塗料を乾かしていたガンプラの元へ、ヒイロは今日の晩御飯の準備を再開させるため台所へ消えていった。
「そういう訳だ。前回と同じようにお前達はなんの準備もいらない。時間等の詳細はこの紙に書いてあるからよろしくな」
そう言ってトロワは、無口3人脳内会議の結果を伝える為に書類を片付けているカトルとデュオの元に行ってしまった。
「なぁ、炭酸」
「どうした、アラスカ野?」
「このギャラに書いてある『カロリ●メイト3ヶ月分』というのは、ギャラとしてふさわしいのか?」
「あっ!俺がチーズ味好きなのアイツわかってるかな!?」
「人の話を聞け!!あ…でも、俺はフルーツ味が好きなんだが、後で言った方が良いのかな」
そんな他愛もない話をする2人。この後何が待ち受けているかなんて知る由もない。地獄ショーの開催は刻一刻と迫っている―――
ショー当日。サーカスの舞台裏にて。
「うひょー!!流石大都市トーキョー!客でいっぱいじゃねーか!!おいアラスカ野お前も覗いてみろよ!!」
「うう、きききき緊張してきたたたたた。それにこの服…は、は、恥ずかしいいい」
「煩い!」
「「ぼへぁっ」」
コーラサワーとジョシュアにに鉄拳ストレートを食らわせるキャスリン。一説によると彼女の鉄拳はヒルデのフライパン攻撃に勝るとかなんとか。
「トロワもトロワよ。準備したならショーにも参加しなさいよね。もう、本当困った弟なんだから」
キャスリンは頬をおさえる2人の横でふぅと溜め息をついた。
「ヘックシュンッ」
その頃トロワは客席でくしゃみをしていた。
「トロワ、大丈夫?風邪?」
「風邪薬ならここにあるぞ」
さっと風邪薬を出すヒイロ。
「いや、大丈夫だ。大方キャスリンが舞台裏で俺の愚痴でもこぼしていたんだろう」
「それよりトロワはショーに出なくていいのかよ?」
売店で買ったポップコーンを口に放り込みながらデュオが突っ込む。
「彼は下準備を頑張ったから出演は免除らしいよ。隣、いいかな?」
トロワの代わりに答えたのはなんとビリー。今日は何時もの白衣ではなくスーツ姿だ。
「ポニテ博士!?なんでサーカスなんかにいるんだよ」
「私も何も聞いていないぞ、カタギリ」
驚いた拍子に落としそうになったポップコーンを慌てて持ち直し、デュオが訪ねる。グラハムも突然の友人との再開に驚きを隠せない。
「それは勿論、自分が提供した発明品の出来を観るためさ。ねぇ、トロワ君」
一同の視線がトロワに集まる。
「ああ。今回は人以外にも舞台装置が必要だったのでな。急いでカタギリ博士に作って貰った。さぁ、そろそろショーが始まる時間だ」
トロワが言い終わると客席の照明が落ちた。舞台の中心にスポットライトが当たり団長が入場してくる。
「紳士、淑女の皆さんようこそおこしくださいました。どうか本日の楽しい一時を、我がサーカス団でお過ごし下さい」
簡単に挨拶をすませると観客の拍手と共に団長は退場していった。
猛獣ショーに空中ブランコ、一輪車、ピエロのお芝居等様々な演目が披露されていく。
トロワは何時も謙遜して何も言わないが、トロワの所属しているサーカスのレベルはかなり高い。演目はどれも見応えがあり、プリベンター達をはじめ、観客達は割れんばかりの拍手を団員達に贈った。
そして本日の目玉、コーラサワーとジョシュアの登場する番となった。
「ねぇ、トロワ。コーラサワーさん達は何をするの?」
パンフレットには何も書いていなかったらしい。パンフレットから顔を上げカトルが問いかけた。
「見ればわかる。あれだ」
下準備として筋肉質な男達が運んできたものは、オレンジ色の
「…大砲?」
「ああ」
トロワが頷く。
「あっ!そうか、五飛の‘アレ’を‘アレ’でやるのか」
「成る程。それはアイツ等にしか出来ない」「今回はどの位行くんでしょうかね」
「ふん。今後の参考にするか」
道具で何をやるのか納得したプリベンター一行は、各々感想を述べ舞台に視線を戻した。
そうこうしている内に、舞台袖からキャスリンとコーラサワー、ジョシュアが入場してきた。キャスリンは何時もの舞台衣装だが、コーラサワー達は以前着ていたピエロ服ではなく、オレンジ色の全身タイツ姿だった。
頭には同じくオレンジ色のヘルメット。頂辺には蜜柑のヘタを思わせる緑色のペイントが施されていて、制作者の遊び心を感じる。
「モジモジ君…」
誰かが呟いた。
舞台の上では、キャスリンがグーパンで気絶させたコーラサワーとジョシュアを大砲の中に詰め終わって、導火線に火をつけていた。ジジジ…と火は導火線を辿り大砲へと近付く。
ドカンッ!
盛大な音をたててコーラサワーとジョシュア、そして大量の紙吹雪が大砲から飛び出し、空を飛んだ。観客から「おおぉっ」と歓声があがる。
空に飛び出たコーラサワー達はそのままサーカスのテントを突き破り、空の彼方へ飛んでいってしまった。アニメだったらピカーンと飛んでいった先が光そうな感じ。
もうお分かりだろう。『人間大砲』それが本日のメインイベント。普段から五飛に飛ばされ慣れているコーラサワーさん達にしか出来ない芸当だ。
「飛んでいっちゃった…」
「テントに穴を開けてしまった…後で団長に怒られるな」
「ちょっと予想より、勢い良く飛び過ぎちゃったかなぁ。うーん、今回は大砲よりも爆発時の衝撃に耐えうる衣装作りの方がメインだったからねぇ。帰ったら改良しないと。人間を飛ばすかは別として、あれは君達のMS(ミカンスーツ)にも応用出来そうな素材だからね」
「大体予想はついたが、あれは全てカタギリが作ったのか」
「そうだよ、基本的な構造は従来からある―」
ビリーがべらべらと大砲と全身タイツの説明を始めだし、グラハムはその説明を右耳から左耳に聞き流す。流石長年の付き合い。扱いに慣れている。
「飛んでいったコーラサワー達はどうやって回収するんだ?」
ヒイロの質問に待ってましたとばかりにビリーが答える。
「もしもの時の為に衣装に発信機をつけておいたんだ!だから僕のラボに戻ってそれを辿れば大丈夫。それに」
「それに?」
「あの衣装、非常時にオレンジジュースが飲めるようになっているんだよ。いやぁ、あのピッチリした衣装にオレンジジュースを仕込むのは大変だったよ。もう少し改良したら任務時の君達の制服として提供するから楽しみにしていてね」
ヒイロはオレンジの全身タイツを着た自分を想像して頭を振った。スパッツは平気でも、オレンジ色の全身タイツは流石に無理がある。
「てことは、暫くアイツ等放置しておいても平気なんだな?」
デュオが楽しそうに言う。
「うん、3日位なら大丈夫だと思うよ」
「そうか、なら行くか」
五飛が荷物を纏めて立ち上がった。
「行くって何処に行くんだい?」
「僕達これからヒイロの案内でトーキョー見学するんです。良かったらカタギリ博士もどうですか?」
「いいのかい?ではご一緒させていただくよ」
ガンダムパイロット達とカタギリ博士は出口に向かって歩きだす。
「おい、私は誘わないのか!?誰か、ちょ、ちょっと待て。カタギリお前も私を置いて行くのかー!…む、無視は行けないと学校で習っただろう!!!本当に置いていくのか!?ま、待ってぇー」
涙目になりながらグラハムも出口へと向かっていった―
トーキョー郊外、とある公園。
「ママーあれ見てー」
「しっ、ユミちゃん見ちゃいけません」
地面に、オレンジの全身タイツが2人分頭から突き刺さっていた。
「「誰か…助けて…」」
今日も地球は馬鹿を除いて平和でありましたとさ…
***
携帯からアクセス出来なくてかなり焦りました。
何とか水曜日です。こんばんは。
プリベンター本部はいったい何処にあるんでしょうかね?
毎回、次こそは『プリベンターの仕事をしているプリベンター達』を書こう!と何時も思うんですが、どうも出来上がるのは『任務の無い日のプリベンター達の日常』ばかりです。
もう自分はそういうお笑い系担当だと思った方がいいのかもしれません…
次が来週になるか、来月になるかはわかりませんが、では
乙
なんかトラブってたらしい、携帯からはまだ不安定で、かなりスレも落ちたとか
なんなの、下がりすぎてても過疎りすぎててもこういうときは墜落の危険がある?
BBQがとまっていたそうだ
でもBBQって何だ?食えるのか?
PINK板発運営板経由の情報によるとお隣のお国(大陸ではない方)からDDOS攻撃食らったとか
どーなってるやらさっぱりだ
誰か教えてほしいんだけど、カタギリがMS(ミカンスーツ)ってかミカン厨なのってなんかのネタ?
ハムの中の人がラジオで「ビリー怒らせたらエンジンにミカン詰められる」と発言したらしい
そこからビリースレでネタにされた結果こうなったんだと思う
定期的にアゲ保守しとかんと次になにかあったら落ちるかもしれんのか
こことビリースレ、住人かぶってない?
保守
保守
あげ
まだ未登場のキャラクターっている?
ゼクス
ノイン
ドロシー
ぐらいしか思い浮かばない
マリーメイアも名前だけしか出てないんじゃなかったかな。
ノベンタ元帥
宇宙人でぇ!未来人でぇ!!超能力者なんだよォ!!
アレックス、ミュラー、ドクターJ
だから死んで…ってドクターJはイボルヴで生きてたんだっけ
00側はほぼ網羅したのかな
アレハンドロとかプロフェッサーとかがまだかな。
あとえんじぇぅ様
コーラは別格として、一番人気はごひかな
〜前回のあらすじ〜
ポチョムキン城に突入した黄門様を待っていたのは全身を緑のタイツで包んだ聖徳太子だった。
驚愕する黄門様一行を尻目にタイツ太子は言い放つ、「今こそ世の中にモジモジ君を流行らせん!」と。
時代を逆行させてはならぬ、聖剣エクスカリパーを抜いて「認めたくないものだな若さ故の綾波というものは」と聖徳太子に斬りかかる黄門様。
しかし聖徳太子も部下の新渡戸稲造とともに黒光りするバスターキャノンを股間から抜いて立ちふさが
らない。
断じて立ちふさがらない。
これはあくまでコーラサワーの物語である。
はい、以下に正しい前回のアラ寿司、ではなくあらすじ。
なるべく破壊兵器を使わずに敵を抑えることが大切なプリベンター、
MS(ミカンスーツ)の開発者であるビリー・カタギリに依頼し、非破壊鎮圧用の武装をこさえてもらうことに。
そこでその武器のテストのために旧軍事演習場を訪れたのだが、
そこで的になっていたのは巨大なコーラサワーの絵だった――ほにゃらら。
「な、な、なんじゃそりゃぁぁあぁあああぁ!」
パトリック・コーラサワーは驚いていた。
彼もツチノコ、じゃない人の子、びっくりすることだってある。
まして、目の前に自分の十倍近い大きさの『自分の看板』が出てきたとあっては、誰が心穏やかでいられるものか。
これで喜ぶのはバラエティ番組のリアクション芸人くらいなもんであろう。
「はい、あれが的です」
目ん玉飛び出んばかりにびっくらこいてるコーラとは対照的に、サリィ・ポォはどこまでも澄まし顔。
彼女とていつまでもコーラサワーに引きずりまわされているわけにはいかない。
プリベンターの現場リーダーとして、シメるところはシメておかないとダメなのだ。
いみじくもかつてのコーラの上司であるカティ・マネキンが鉄拳二発でコーラを黙らせたように。
まぁ、そこでコーラとサリィに二匹目のドジョウの如く恋の芽生えなんぞ起こりはしないが。
「な、な、何なんだよありゃあ! 何で俺があんなことになってんだぁ!? どういうことだよ!」
「質問は却下します」
「いや却下って! 却下って! だいたい何時の間に作ったんだよ!」
「答える必要を認めません」
「いや認めませんて! 認めませんって! 何で俺が的にならなきゃならないんだぁ!?」
「二度も言いません!」
「そんなぁ!」
これが『スペシャルなコーラサワーを祝う祭り』だったりしたら、
さぞかしコーラはデカコーラ看板の前で得意満面の笑顔になっただろうが、
さて、やっぱり試作武器と言えどその標的になるのはどうにもいい気持ちがしないらしい。
ま、当たり前っちゃ当たり前田のクラッカーだが。
「ああ皆、あの的、あと数十枚はあるからバンバン狙っちゃっていいわよ」
「ひでぇー!」
涙目のコーラさん。
普段に比べて若干意地悪なサリィの仕打ちだが、まぁこれくらいやってもバチは当たらんであろう。
今まで散々コーラによって精神をすり減らしているのだから。
彼女の背負い込んだ苦労は、二十歳ちょっと越えの女性のそれではとてもとてもない。
多少の憂さ晴らしはアリだろう、プリベンター的に。
「し、しかし一体何処で何時あんなものを?」
「んー……ま、スポンサーが臨時に援助してくれたからね、それでちょっと」
コーラの問いかけには答えないが、カトルの問いかけには答える。
これもまたサリィの心の奥底を現しているようでちょっと興味深い。
何度も言うが、彼女にだってこれくらの逆襲はあってもいいであろう。
「スポンサー、ですか」
その言葉を受けて、ガンダムパイロットの脳裏に浮かぶのはとある妙齢のお姫様一人。
太陽光発電にエネルギーの主役を取って代わられたが、まだまだこの世界では化石燃料は滅んじゃいない。
あっちの世界じゃドビンボーかもしれないが、こっちじゃアザディスタンは現代の中東石油産出国程ではなくとも、
それなりにやっていけるだけの経済的余裕があるのだ。
「あ、あのお姫様じゃないから」
「違うんですか」
マリナ・イスマイール説はあっさりサリィ本人が否定。
ほしたらば誰がこんなバカげたデカコーラ看板を作る資金を捻出してくれたか。
はいそこ、政府直属の特殊機関なのに民間から裏ルートで経済援助受けていいのかとか言わない。
そんなの日本でもやってる、先進国でも発展途上国でも何処でもやってる。
資本主義国家でも社会主義国家でも何処でもやってる。
「それじゃあ誰なんです?」
「……皆のよく知ってる人物よ」
「よく知ってる……?」
「そ。いろんな意味で」
さぁて来週のサザエさんは、じゃなく、ここで問題です。
ガンダムパイロットがよく知る人物で、かつお金持ちとは誰でしょう。
ヒントは「早く戦争になぁ〜れ♪」、はい、早押しでお答下さい。
「うぐ」
「どうした、カトル」
「デュオ……今、何か以前フェンシングで受けた古傷が痛みだしました」
「そうか、俺は何だか頭の中が眉毛でいっぱいだ」
カトルとデュオのやりとりを見て、トロワ、ヒイロ、五飛は視線を交わして頷きあう。
三人とも、サリィの言葉から連想出来るのはただ一人しかいない。
「ドロシー・カタロニアか……」
「あの女、今度は俺達のスポンサーか。また何を考えているのやら」
「さあな、風の噂では投機でかなり儲けているらしいが」
ロームフェラ財団は解体されたが、それでもドロシーの元にはかなりの額の財産が残った。
もともと他人を炊きつけるとか、種火を団扇で煽るのが得意な彼女である、
金を動かしてさらに大きく取り返すなんてのは、性に合っているのであろう。
なお、一応今でもリリーナ・ピースクラフトとは『お友達』である様子。
その性(しょう)は違えど、互いにどこか親しめるものがあるのかもしれない。
……と言うか、世界政府でそれなりに地位にあるリリーナに同年代の友達を作る余裕なんぞ今はないわけで、
自然前から付き合いがあったドロシーだけが残されたという見方も出来なくもないが、それは置いといて仲良きことは美しきかな。
ま、いずれ彼女もどっかで出てくるでしょう。
絶対コーラサワーとは性格が合わないと思いますが。
「じゃ、とにかくテストに入りましょ」
「ちょっ、おいっ、丁重に扱えよ! あの的、俺なんだからなぁ!」
「……」
武器のテストの標的に俺もクソもあるか、とは顔に出してもさすがに声には出さないサリィ・ポォなのだった。
プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――
はい、次回にまた続きますコンバンハ。
ちょっと仕事の新歓がありまして酔っ払ってますので今日は短めでサヨウナラ。
なお、冒頭のあらすじは模倣氏の模倣ということで。
模倣神マダー?
>土曜日氏
乙!
そういやWの世界設定だったら貧乏姫も貧乏じゃないのか。
ドロシーの登場にも期待。
ドロシー、リリーナには様をつけてずっと呼んでたんだっけ
リリーナは「ドロシーさん」だったっけ?あまりに昔で忘れてるわ
誰もいねーな
過疎っちまったな…
リリーナはドロシーのことは呼び捨てだった気が
リリ「ドロシーさん」
ドロ「ドロシーでいいわ」
リリ「では私のこともリリーナって呼んで」
ドロ「それは駄目」
だったな
リドリドリロリロ
縦読みすなw
漫才コンビみたいで可愛くね?
そんなこと言うとリリーナとドロシーを本当に漫才コンビにしていまうぞ職人がw
やめい。
それを見たヒイロがショックで自爆するぞ
ドロシー→ネタふり
リリーナ→ボケ
ヒイロ→自爆ツッコミ
役割分担がなされててなかなか素晴らしい
Gチーム内だと
ヒイロ→ボケ
デュオ→ツッコミ
トロワ→ボケ
カトル→ボケ
ごひ→ボケ
だけどな
みんないっぺんにボケられると
デュオ大変だな
コーラさんも
ハムの人も
ビリーもボケだし大変だな
そこはほら、サリィにも役割を負ってもらえばいいよ。
分担した方が負担も軽くなるさ。
そもそもコーラ波を分散させようとごひが他の面子集めた件
ごひ自体もボケなんだよな
他キャラもボケ倒し
サリィは諦めの方向だから真のツッコミ役がデュオしかいない
ボケの中で燦然と煌めく我らがコーラさん
まぁでも当初からの設定にこだわりすぎても
新進気鋭の漫才コンビ、リドリロがコーラに絡む日も近いか!?
職人に自重と期待の両方を求めようかw
567 :
通常の名無しさんの3倍:2008/04/22(火) 17:10:41 ID:tRvRJR36
浮上コーラ
リリドロ「「皆様ごきげんよう、リドリロです」」
ドロ「リリーナ様はご存知かしら?例のコーラサワーさん」
リリ「ええ、お名前だけなら」ドロ「素敵な男性らしいですわ。なんでも模擬戦2000勝!」
リリ「まぁ。実戦ではどうなのかしら?」
ドロ「・・・」
リリ「戦争なんて、愚かなことです!」
ドロ「で、でもリリーナ様?コーラサワーさんは激戦を常に生き残るエースなんですのよ?」
リリ「ヒイロも何があろうと生き残っています!」
ドロ「・・・え、ええと」
漫才の道は厳しそうな気がする
569 :
模倣の人:2008/04/23(水) 00:44:10 ID:???
プリベンター本部事務室、その片隅。
海よりも深く深く沈んでいる男がいた。その名はヒイロ・ユイ。
左手には花束、右手には拳銃を握り締めたまま、膝を抱きかかえて深く深く沈みこんでいる。
「なあ、あれどうしたん。もともと暗い奴が沈み込んでると余計重っ苦しくてうざいんだけど」
コーラサワーがその光景を見つつ声を潜めて仲間に問う。常日頃から根の明るい彼にとっては、
哀しい事があって落ち込むといったことには縁遠いため、ヒイロの心情を推し量るのは難しいことだった。
「ああ、それはな」
「そいつは俺が説明してやる!」
と、トロワの言葉を遮ってしゃしゃりでたのはデュオだった。
その手に握られているのはミュージックプレイヤーとマイク。いったい何をしようというのか。
デュオはおもむろにプレイヤーのスイッチを入れ、音楽を流し始めた。
曲に合わせてマイクに向かって演説を開始する。
「♪ 『綺麗な星空ね』…それは艶やかな女の溜息。『君の方が綺麗だよ』…それは甘い男の囁き。
夜空を見上げる恋人たち、ありふれた風景。繰り返される恋模様、ほんの些細なこと。
そんな気紛れなひと時を運命だと信じたりして、そんな不確かなものを運命だと信じたりして。
泣いたり、笑ったり、愛したり、憎んだりして。その束の間、遥か過去の光に思いを馳せたりして。
あの星々はもう滅んでしまっているのだろうか? それとも今もまだ滅びに向かって輝き続けているのだろうか?
光年という途方もない尺度の前では人の一生など刹那の幻に過ぎないのかも知れない… ♪」
なにやら怪しげな詩を歌うように語るデュオ。
どうしようもなくノリノリの彼に、流石のコーラサワーも開いた口が塞がらない。
「……」
「……」
「……おい、トロワ」
「なんだ」
「こいつまでいったいどうしちゃったん」
「どうやら精神的疲労が溜まって壊れたらしいな」
「壊れた?」
「主にお前相手に気を張り続けていることにだ」
「そっかー。……ってテメエ、さりげなく俺を悪者に仕立ててんなよ!」
「それはさておいて。デュオ、ノッているところ悪いが、それでは話が見えん。手短に話してくれないか」
憤慨するコーラサワーを華麗にスルーし、トロワがデュオにツッコミを入れる。
プリベンター内では常にツッコミ役に徹していたデュオが誰かに突っ込まれるとは、普通ではありえないことだった。
それだけ日頃から抑圧されていた鬱憤が弾けた反動が大きいということだろう。
「えー、これからがいいところなんだから。
♪ ――そんな些細な事。 されど偶然とはいえ、嗚呼…偶然とはいえヒイロは見てしまった。
お揃いの白い服を着て幸せそうに漫才の練習に励む、リリーナお嬢さんと、ドロシー・カタロニアの姿を… ♪」
「……ああ、なんだって?」
「だぁから、リリーナお嬢さんがドロシーと漫才コンビ結成を目指してネタ合わせしてるところを
偶然目撃しちまったんだと。
このヒイロが! あの朴念仁のヒイロが! わざわざ花束持ってデートの誘いに向かったってぇのに
相手のお嬢さんはこれまでの凛々しくそれでいて清楚なイメージを根底から覆すような行動をしてたんだとさ。
ヒイロも可哀想な奴だよなー」
「別にデートというつもりはない。花束だって、たまたま通りかかった花屋で綺麗なものが売られていて、
リリーナに似合いそうだと思ったから買っただけだ」
その台詞だけを聞けば、惚気のように聞こえなくもない。
だがヒイロの形相は、暗い穴の底から這い出た幽霊のように酷く陰鬱なものだった。
570 :
模倣の人:2008/04/23(水) 00:45:23 ID:???
と思ったのも束の間、一瞬のうちに目が血走った悪鬼のような凶悪な顔へと変貌する。
「何故よりによって漫才なんだ。
何故、何故だ、何故なんだああああああああああああああああああああッ!」
曰く、リリーナとドロシーはお揃いの白い衣装と、これまたお揃いの鼻眼鏡、
そして見るものを圧倒するほど長大なハリセンでどつき漫才を繰り広げていたという。
ヒイロがショックを受けるのも無理はなかった。
しょうがねえな、とコーラサワーがヒイロの前にしゃがみこみ、肩に手をかけて慰めるように言う。
「落ち込むなよヒイロ!
意中の女がどんなことをやっていようと、笑顔で受け入れてやるのが男ってもんだぜ!」
「……い」
「ん?」
なにやら呟いたらしいが良く聞き取れず、耳をもっと近くへと寄せる。
急激に目の前に火花が散った。
「ガッ……!? い、痛えええッ!」
どうやらヒイロが手にしていた拳銃の銃把で殴られたらしいと気がついたのは、床に仰向けに倒れたついでに
胸を思い切り踏みつけられてからだった。
コーラサワーの胸を右足で踏みにじり、凶悪な視線で一瞥をくれる。
「俺は貴様の頭空っぽの能天気さが気に入らない!」
「お、俺はただ元気付けようとっ!?」
「貴様に慰められるのは帰って侮辱に等しい。しばらく何もしゃべるな、何もするな」
と言いながら、手際よくコーラサワーの手足を拘束し、口にガムテープを張って言葉を封殺する。
そこへ五飛が顔を出した。
「何をしている貴様ら。先程からやかましいぞ」
始めこそうっとうしそうな表情の五飛だったが、拘束されたコーラサワーを見つけると、不意に口元を歪めた。
「なにやら面白そうなことをしているな?」
「俺は楽しくなどない」
「まあ落ち着けヒイロ。すぐにお前も愉快な気分にしてやるさ。トロワ、段ボール箱を適当に見繕って来い。
人一人が納まるくらいの大きさのものだ」
やがてトロワが指示されたとおりに段ボール箱を持って戻ってくると、その中に拘束されてもなお暴れる
コーラサワーを投げ入れガムテープで封をする。
「おいおい、どうする気だよ五飛」
「こうする」
問われて五飛は簡潔に答えた。
コーラサワーを詰めた段ボール箱(さっきから内部で暴れているらしく、激しく振動している)に、
マイスター運送便の送り状をべしりと貼り付ける。
荷主欄は無記名。そして送り先にはこう書いた。
『どこか適当に』
ついでに段ボールそのものにも、油性ペン太軸ででかでかと書きつける。
『だれかおいらを基地まで送っておくれ お土産ももたせてね(はぁと』
571 :
模倣の人:2008/04/23(水) 00:46:03 ID:???
「……」
「……」
ヒイロもトロワも絶句する。
かろうじてデュオだけが、どうにか苦言を呈することができた。流石はツッコミ担当と言うべきか。
「……五飛、これはマズイ。いくらなんでもこれはヤバイ」
「そうは思わん。俺は気にしない、貴様らも気にするな」
「んなわけにはいかねえっての!」
などと口論している丁度そこへ、天の使いか悪魔の使いかは不明だが、恐ろしいほどタイミングよく現れた者がいた。
「どうも、マイスター運送です。本日の荷物をお預かり致します」
契約のため毎日訪れる、マイスター運送の宅配便回収者が。
パトリック・コーラサワーの運命や如何に!?
(もしかしたら続くかもしれないし、続かないかもしれない。予定は未定……)
というわけでおばんです皆様ご機嫌麗しゅう。
Wで一番好きなのは五飛、00では当然コーラサワーです。五飛はそもそも中の人が好きってのもあるけど。
石野竜三氏と吉野裕行氏はなんとなく声が似ている気がするよ。なんとなくだけど。
ちなみに、序盤でデュオがなにやら語っているのはSoundHorizonの『StarDust』って曲です。I am サンホラー
続きは本気で未定。あまり期待されぬが吉。それでは。
>模倣の人
乙!ってサンホラかよおおおおお
デュオが語りだした時点でリリーナがヒイロに撃たれたんじゃないかとヒヤヒヤしてしまった
いつヒイロが「そこに物語はあるのだろうか」と言い出すか心配です
あとモツ煮なコーラさんもツボった
GJ
模倣氏乙!
最高ですよ貴方!
どこか適当にバロス
流石模倣神!
今スターダストを聞きながら見てたら『あれ?』
って思ったらやはりサンホラだったという偶然(゚Д゚)
コーラさんを箱に入れて流すと物凄い数に増えて帰って来る予感w
大丈夫か?ごひw
模倣氏や不定期氏、水曜氏が参戦してくれたおかげでスレも華やかになったなあ
>『君の方が綺麗だよ』
リリーナにそんな事を囁くヒイロを想像したらなんか寒くなったw
>コーラさんを箱に入れて流すと物凄い数に増えて帰って来る予感w
ごひなら何事もなくそのまま粗大ごみに出しそうだ
まあ箱コーラはカタギリがどうにかしてくれるだろうw
しかしいい意味でキャラ崩壊しててすげえ、よく発想できるな
やべwww
いまサンホラのDVD見てたwww
コーラサワーの世界やってくれないかなぁ…
雲一つ無い青い空、ぽかぽか暖かい陽気。時折小鳥達のさえずりも聞こえてくる。
そんな外でのお茶にぴったりな午後3時。ドーリアン邸のテラスにてお茶を楽しむ少女が2人。
「ねぇ、ドロシー」
「なんですの?リリーナ様」
リリーナとドロシーである。
戦中は色々とぶつかりあった2人だが、同世代の同性で、お互いの本音をぶつけあえた唯一の相手である事もまた事実。
『喧嘩する程仲が良い』ではないが、こうして戦争が終わった後は、気が付けば親友として互いの空いている時間を一緒に過ごして遊ぶようになっていた。
最も、普通の十代の若者達の遊びのような、ショッピングやレジャー施設に行くわけでは無く、貴族らしく優雅にお茶というのが彼女達の遊びなのだが。
「ヒイロは…ヒイロとは、どうすればもっと仲良くなれるのかと思って」
少し頬を染めながらリリーナが言った。いくら表では有能な外交官とはいえ、リリーナも花の十代、色恋はやっぱり気になるお年頃なのだ。
「そうですわねぇ…普段2人で居るときは、どのような事を話しているんですの?」
「私がコロニーと地球の話している時はヒイロは黙って聞いていてくれて、ヒイロは…最近プリベンターでの話をよくしてくれます。コーラサワーさんという方についての話がとても面白いの」
「じゃあ、リリーナ様が話している時はヒイロ・ユイはずっと黙っているのね」
「ええ」
リリーナからの返答を聞くと、ドロシーは自慢の眉毛をピンと指で弾き、アールグレイの紅茶を口に含んだ。
「それ、それは駄目だわ、リリーナ様。ヒイロ・ユイも笑わないと」
「え…?」
「リリーナ様のお話もきっととても楽しいのでしょうけれども、それだけじゃパンチが足りないのよ。
もっとこう。過激に刺激的な話しをして、彼を笑わせるべきだわ。笑いにはその場を潤滑にする効果があると思うの。だから、笑いよ」
「笑い…」
リリーナはドロシーに言われた事を復唱した。
「まずは、バライティ番組を観て少しお勉強するべきだと思うわ。でもリリーナ様には少し俗っぽすぎるかしら…」
「いいえ、ドロシー。ヒイロと仲良くなるためでしたら、私なんでもしますわ。そうと決まれば善は急げ、私『お笑い』についてお勉強します」
「その意気ですわ、リリーナ様。頑張って!」
リリーナとドロシーは手と手を取り合いにこやかに笑いあった。
こうしてリリーナの猛勉強は始まった。
まず暇さえあれば、バライティ番組を観、シャトルの移動時間も録画した番組のチェック。
お笑い芸人専門の雑誌も買い漁り、御忍びで気になる芸人の生ライブも観に行った。
毎夜一心不乱にノートにお笑いについて纏める姿はまるで受験生のようだった。
そして2週間ぶりにドロシーとリリーナはお茶会を開く事になった。今回はカタロニア邸。
「ドロシー。私、この2週間で様々な事を勉強しましたわ。ボケとツッコミ、そのテンポ…。そして気付いた事がありますの」
「なんですの?」
「やっぱり、観ているだけじゃ駄目だと思うの。ドロシー。私と漫才コンビを組みましょう」
リリーナはそう言うと優雅にコーヒーを一口飲んだ。
「ええ、そうね。…って、ええ!?」
急な申し出に、ドロシーはガチャリとコーヒーカップをテーブルに落とした。
幸い中身が入っていなかったので中身が溢れることは無かったが、相当びっくりしたのか、ドロシーの表情は口をポカンと開けたまま固まっている。
「心配しないで、ドロシー。もうコンビ名も考えてあるわ」
「そ、そういう事じゃなくて、リリーナ様…」
ドロシーの声が聞こえていないのか、リリーナはそのまま話続ける。
「勉強の結果、売れているコンビというのは、シンプルだけどインパクトのある名前が多い事が分かったのです。ですから、私達のコンビ名は『リドリロ』」
「リド…リロ?」
多分2人の名前を掛け合わせたであろう名前を不安気に復唱するドロシー。リリーナはなおも話を続ける。
「これ以外にも、リリード、ドロリード、リドシリー等を考えたんですが、リドリロが一番しっくりくると思ったのです。ドロシーはどう思いますか?」
「え、ええ…リリーナ様が考えたのが一番だと思いますわ…。リリーナ様、当初の目的は…覚えていますの?」突然話を振られ、ドロシーは声を上擦らせながら答えた。
「勿論、ヒイロを笑わせる為です。その為にも、私達はM●1グランプリの頂点を目指しますわ!衣装と小道具についてはパーガンに発注させておきました。明日には届くらしいです」
「そうなんですの…」
ふぅとドロシーは溜め息をついた。
ちょっと人よりぶっとんだ少女リリーナ。当初はヒイロと仲良くなる事が目的だったのだが、何時の間にやら漫才の頂点を目指す事が目的になったご様子。
元はといえば、自分の蒔いた種だが、これにはドロシーも溜め息を漏らすしかなかった。
恋人と仲良くなる方法として笑いのある会話を薦めたら、まさか自分が漫才コンビを組むなんて誰も想像出来ないだろう。
でも、それをやっちゃうのがリリーナクオリティ。
そして、それがどこかずれてるのもリリーナクオリティ。
「そうと決まれば明日から早速練習を始めましょう!場所は私の自宅で、ネタは取りあえず私が考えましたので、それを実践してみましょう」
「え、ええ…そうしましょう」
『ネタ帳』と書かれたノートを握りしめ、ニコニコしているリリーナにはこう答える以外無かった。
こうして、リリーナとドロシーは漫才コンビを組む事となったのだった。
次の日、1人の少年が悪夢を目撃する事になるのだが、これはまたちょっと別のお話…
これからもっと大勢が、彼女達、というか主にリリーナ様に振り回されるのもまた別のお話…
今日も地球は馬鹿を除いて平和でありましたとさ…
***
書いてる途中で模範氏の投下があったので、後半は模範氏の話に繋がるようにしてみました。こんばんは。
もう暫くお嬢様言葉はお腹いっぱいです。
最近、金髪碧眼の二次元モノ(人形は三次元だけど含む)が、全てカトル様に見えてくる位、カトル大好きなんですが、1回目の投下程活躍させられなくて不完全燃焼気味です。
00では察しの通りビリー好きです(少し自重せねば)。コーラさんも勿論好きですw
5月以降は私情で水曜日投下じゃなくなるor午前中投下になるかもしれませんが、今後もよろしくお願いします。
では。
おお…乙!
模倣氏の後に水曜氏、藤川球児の後にまた藤川球児が登板したようなものだ、両氏あれば安泰!
GJ!こういう経緯なら納得w
すげぇ!
他の人のネタを補完するこの手腕!
それでいて爆笑できる上に納得してしまうこの展開!
相変わらずクォリティ高杉だろw
初期は閑散としてたからな、ここも…
後続が現れてくれたのはありがたいことだ、先細りが回避されたわけだし
模倣氏も水曜氏もGJ
よくこうやってネタを広げられるなって感心する
>>578 スターダス子がヒイロだとその台詞はリリーナ様な罠
もしかしたら、最初の頃土曜日に名無しで書いてた?>水曜日の人と模倣の人
ナチュラルにどこかおかしく広がる世界
GJです!
なんで定期的に土曜日の人をおとしめる奴が沸くんだ?土曜日の人がいたから
このスレがあるというのに…
皆がネタ書きにくくなるし、本当にここが好きならいい加減にしる。
>>592 そう言う奴はスルー推薦
反応するとかえって逆効果だね
気にしすぎでね?
後からここに来て初期の頃を知らん人もおるだろうさ
何か景気づけに威勢の良いレスを一発さぁゆけ↓
お前をスペシャる!
>>576 400体越えたんじゃなかったっけw
妙な土産物も大量に持たされてたなあ
今日はビリー顧問の誕生日らしいな。
プリベンターのみんなが祝うとしたらどんな感じになるだろう?
普通に世話になってる人にはちゃんとした物を贈るんでないか
まぁ彼が一番ほしいのは九条君
技術顧問が向こうのスレで誕生日プレゼントでセガまみれになってる件
やめてー!
せっかくこの前の続きが浮かび始めたのに、あんな流れを見ちゃうと
セガネタ絡ませた何かを書きたくなっちゃうじゃないか!
マニアックになりすぎるし、まだネタの一つも浮かんでないけど。
別にセガ信者なつもりはないけど、スーファミよりメガドラ、プレステよりサターンで
遊んでた時間の方が多かった私には青春時代のときめきが蘇ってしまうッ!
旧ファンタシースターシリーズ最高だよね。高橋兄弟のシャイニングフォース新作がやりたい。
久々にタイムギャルとかソニアド2とかもやりたいわぁー。
そろそろスレチな勢いですね。自重します。
まぁいいんでない、元来そういうノリのスレだしw
しかしタイムギャルってあんた…えらい昔
他の人達に比べるとお察しくださいな出来ながら、とりあえず黒歴史っぽいものを
『コーラサワーの奇妙な冒険 漂着編』
さて、コーラさんが発送されて久々に静けさを取り戻したプリベンター本部。
しかし、皆さんもご承知のとおりこの静寂が長続きすることなど「はい、ないです!」
それは発送翌日のことであった。
プリベンター本部の片隅に何故か発送したはずの段ボールが一つ。
五飛の筆跡まで完全再現である。
「お? 何だ、早速誰かが届けてくれたのか。やれやれ、どうなることかと思ったぜ」
第一発見者ことデュオ=マックスウェルは胸をなでおろし、箱を開けると同時「イヤッホォォォォォォゥ!」などという奇声を発して飛び出してきたコーラサワーを速やかに鎮圧し、中身を調べてみる。
箱の中に入れられていたのはパトリック・コーラサワー本人(気絶済)、コーラサワー(飲料)、みかん、そしてセンチメンタリズムと書かれた謎の塊。
「センチメンタリズムだ? あの乙女座に似合いそうなもん持たされてきたな……まあいいや」
ぽい、と箱の中に塊を投げ込んでデュオは箱を閉じた。
まあ、このまま気絶して大人しくしていてくれる分には何の問題もないだろう。
コーラサワー(飲料)をさりげなく持って行く辺り、彼も中々ちゃっかりしていると言うべきか。
――さて、少年老いやすく学成りがたし(コーラさんのような永遠の少年は除く)。
更に次の日のことである。
プリベンター本部の片隅に置かれた段ボールが二つ。
今回の第一発見者もデュオ=マックスウェルである。
「おいおい、何だこりゃ。誰だ? こんな悪ふざけしたの」
ぼやきながら、昨日開封して微妙に蓋の開いているコーラ入り段ボールではない方を開封してみると。
新橋色のメカ擬人化っぽい少女のフィギュアと「鳥子は俺の嫁」と書かれた紙が入っていた。
「……何だこりゃ」
二つともぽい、と箱に放り込むデュオ。この辺りの動作は二日目にして板についてきた感がある。
さて。月日は百代の過客にして矢の如し。色々混ざってはいるもののとりあえず三日目である。
プリベンター本部の片隅に置かれた段ボールが六つ。
「って、今日は三つじゃねーのかよ!?」
六つ並んだ段ボールの前で頭を抱えて唸っているのは皆さんご存知デュオ=マックスウェルである。
「……しょうがねーな……まずはこの箱か」
今日も今日とて未開封の箱に手を付けるデュオ。
今まで二日の経験から言ってそう危険なものは入っていないだろうと踏んだか、手つきも比較的不用意な感じである。
だが、その期待は箱をあけた瞬間に裏切られた。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
箱を空けた瞬間、眼前に広がった新橋色でデュオの視界が埋め尽くされた。
――箱にどーやっても入るはずのない指揮官用イナクトに押しつぶされ、
圧死寸前のデュオが見つかるまでには、それからまだ数十分を要したのだった。
むしろ、死ななかった辺り流石はガンダムパイロットなのか。
或いは、吐いた台詞が我らが『幸運の女神と寝た漢』ことコーラサワーの台詞と奇しくも一致していたのが効を奏したか。
前者の生存理由の方がデュオにとっては幸せかもしれない。
「で、一体何がどうなってこうなったんだ?」
「お前が言うな」
さて、そんなこんなで段ボールから突然MSが湧いたとの異常事態に集められたプリベンターの面々。
何事もなかったように現れたコーラサワーが五飛に突っ込みを入れられているのもそこそこに、救出されて包帯塗れなデュオから事の顛末を聞いている。
そんな扱いでいいのかとも一瞬思わなくないが、まあ、そこはそれ、コーラだし。
最終話で何事もなかったかのようにいきなり生存しているような男である。外伝で辻褄あわせがあったらしいという話を聞かなくもないものの。
あげゃの人とそんな形で関わると誰が予測していたと脱線ご無礼
ちなみに、イナクトが入っていた箱には「For Lewis」という紙が添えられた誰かの指輪と短パン、シス魂と書かれた謎の塊、絶対領域なる謎の封印物が入れられていた
――なお、その後ろで『絶対領域』なるものを開けようとしたヒイロをグラハムが「それを開けるなんてとんでもないぞガンダム!」と制止しているのは全力で見なかったことに。
アレは中身が見えないからこそ良いものなのですよ?
「……とりあえず、他の箱も開けてみませんか?」
カトルのおっかなびっくりな提案に周囲も賛同し、残り三つも開封してみることに。
何が出てくるか分からないということで開封役は勿論この人。
「ったく、なんでスペシャルな俺様がこんなことを……」
不死身にして今回の元凶(?)なコーラさんに白羽の矢が立つのは当然ということで
まずは一つ目(通算四つ目)
「ドーナツにミルク、カツラと漫画が二冊だな……」
「『らき☆すた』に『柊かがみのぼっち一人暮し』? 聞いたことがありませんね……」
コーラに漫画二冊を投げ渡されたカトルが首をかしげて他の面々に意見を求めるも、全員が首を横に振る。
そっち方面への造詣は薄いプリベンターの面々、知らなくても無理はないか。
「次の箱行くぜー……何だこりゃ。しんぼっぼとか書いてある人形と拳の彫刻が二つ……この拳、どっかで見たような?」
「『大佐の鉄拳』と書いてあるな。しかし、この手は女性のものだ……貴様がご執心なカティ=マネキン氏の拳を型取りしたものかもしれないが、何でこんなものが」
五飛は安全と見て寄っていき、眼鏡をかけて中を覗き込み首をかしげる。
不可解なものが出てくる段ボール箱である。
「これで最後か。よっと……おわぁっ!?」
「な、なんだ!?」
――最後の箱はとんでもない当たりだった様で。
事の大本たる五飛と不死身の男を跳ね飛ばすようにして段ボールから現れたのは白衣にポニテの独身(三十路)。
「って、何であんたが箱から出てくるんだよ!?」
「うーん、昨日から泊り込みでミカンスーツの整備をしてたはずなんだけどね?」
遠巻きにしていたプリベンターメンバーの驚きも、包帯塗れのデュオの叫びもどこ吹く風の微笑な独身(健康状態優良)。
それにしてもこの独身(もちろん天才です)、理解不能である。誕生日おめでとう。
「ふむふむ、段ボールが日に日に増殖していると。穏やかじゃないねぇ」
さて、事の次第を聞いて考え込むサンダル履きの独身(話の長さと難解さには定評があります)。
「……なんか分かるのか? ポニテ博士」
「うん、思いついたことは思いついたんだけど……しかし電子のダブルスリット干渉と同様の現象がマクロの次元でも」
〜独身(農園も経営してます)による高尚な仮説の展開中です。ギアスか00再放送を見ながらお待ち下さい〜
「……要するに、コペンハーゲン解釈を前提にエヴェレットの定式化を考えると……」
〜30分経過、独身(デートコースにドーナツ店? 大歓迎ですとも)による難解な解説はまだ続いております。〜
「……つまり、段ボールは一種の孤立系であり絶望系な閉じられた世界なんだよ、だから……」
〜3時間経過、独身(僕の作るみかんは女性にも人気です)の解説をマトモに聞いている人はもう誰も居ません〜
「であるからして、おそらくこの段ボールは今後も増え続けるだろうね」
5時間後、独身(一人息子でもカタギリの家名にはこだわりません!)の説明にようやく一区切りが付いたようである。
問題が問題だけに長いのも仕方ないのかもしれないが、あまりにも長く、そして難解。
午前中から始まった説明は何とおやつ時まで続いてしまったことになる。
なお、この時点まで残っている物好きは包帯まみれで満足に動けないデュオと、
一応義理ということで昼ごはんを食べた後終わりそうな時間を見計らって戻ってきたカトルのみ。
グラハムやコーラはともかく、(この面々の中では)比較的真面目な方と思われるサリィやヒルデも逃げ出しているあたり、破壊力はバツグンである。
「……てか、今日は一気に六つになってたが、明日はどーなってんだ?」
ぐったりとしたデュオの呟きに、独身(婿養子でもドンと来いクジョウ君!)は穏やかな笑顔で答えた。
「僕の予想が正しければ、42個になってるだろうね」
さて、行き交う年月も旅人。コーラさんもまた然り。
プリベンター本部の片隅には段ボールが合計42個。
独身(恋愛はできないけどきっと覚えます!)の予測通りの量が並んだことになる。
さすが独身(乙女心は解析できないけどGNドライヴなら解析できます)、伊達じゃない。
「てか、これ開けるのは骨だなあ」
42個(未開封は36個)の段ボールを眺めてため息をつくのは、例によって例のごとく第一発見者なデュオ=マックスウェル
「いやいや、多分明日はもっと大変になるだろうねえ」
穏やかじゃないねえ、と苦笑を洩らすは第一発見者その二となった独身(あ、語学も堪能だよ)。
「大変というと?」
最早開封する気力もなくうなだれるデュオに、独身(特許料と農園の収入で余裕ある暮らしをお約束します)は肩をすくめ、ポニーテールを揺らした。
「多分、明日は1800ちょっとにまで増えるだろうから」
「増えすぎだろ……」
デュオの突っ込みに力が感じられないのも已む無し。
さて、36個の段ボールは当面見てみぬ振りということになった更に翌日。
「……(言葉もないようだ)」
「おや、思ったより少ないねえ。これは意外」
所狭しと並べられ、重ねられ、無秩序な空間をかもし出している400個以上(後のカウントで421個と判明)の段ボールを前にして、あんぐりと口を開けたデュオと独身(お酒も嗜みます)。
何やらこの二人が毎朝の確認係のような立ち位置になってしまっているが、デュオは第一発見者ということで半ば日課、
独身(最近の和風ブームで僕の株も上がってくれないかな)は興味本位ということで、このような組み合わせになっているようだ。
「ふむ、もしかするとこれで打ち止めかもしれないねえ。増加パターンに、在庫数がついて来れなくなったのかな?」
400個以上の段ボールを前におやおや、とがっかりする独身(どこかの乙女座と違って、ガンダムに愛を囁いたりしません)を尻目に、デュオは弱々しく呟いた。
「……打ち止めになってくれよ。これ以上は無理だって」
――主に、脳とか神経が。
次の日、段ボールが増えていなかったことで彼の脳とか神経が多少なりとも癒されたのは、彼にとっては幸運だったかもしれない。
とりあえずここまで
モツ煮コーラの記録係をやってた者です。
あまりにも懐かしいネタに、ついはしゃいで書いてしまいました。お目汚しをば。
421個の段ボールが開封される開封編は早ければ明日にでも。
それにしても、なんかビリー分が予想以上に多くなってしまいました。
少し遅めの誕生日プレゼントってことで一つ
記録係さんまで来たwwwww
乙です、続き期待してます!
乙!
ここ最近の充実っぷりは凄いww
こ、このペースだといずれ一週間一日ずつ職人が!?
模倣氏
水曜日氏
土曜日氏
不定期氏
記録係氏
職人は増えてきたがさてこうなると保管庫問題が
開封編を調子に乗って書いてみました
種々雑多な土産物全部を活かそうと意気込んでやってみたら想像以上のカヲスになった上に、それでもあんまり使い切れてません。
やりすぎご無礼、とゆーことでご容赦を。
さて、前回の粗筋
段ボール大増殖! 絶望の未来へレディ・ゴー!
……という、最終回風味で悪趣味な冗談は置いておいて。
421箱で段ボールの増殖現象がひとまず止まって二日。いよいよ各所の協力を得て開封作業が始まった。
「で、何で俺が開けてんだよ」
例によって開封係は我らが生還率100%の漢、パトリック・コーラサワーである。
土産の処遇については、普通の物が出た場合は保管室へ。武器が出た場合は武装保管庫へ。
生きた人間が出現した場合は応接室に通しておき、機動兵器級の物体が出現した場合は
ミカンスーツ数体で倉庫に運び込むという大作業の様相を呈している。
なお、機動兵器が出現するたびにコーラサワーは潰されているが、ミカンスーツで機動兵器を運び出すと
ケロリとして次に取り掛かるあたり、流石はAEUの元エース。
シーンの最前線(生死的な意味で)に立ち続ける覚悟はデフォルト装備ということか……というわけでもなく。
いつになくコーラが正しく仕事熱心なのには勿論理由がある。
武器・機動兵器・人間以外でコーラが所望した物は何でもコーラサワーの所有になるという条件が付いたのだ。
前者二つはプリベンターの建前から、最後の一つは本人の尊厳とか設定の辻褄とか諸々の為に除外されたのだが……。
ともあれ、コーラにしてみれば、実に破格の臨時報酬である。
曰く「どこでもらったかは分からないけれど、どうも"彼"がもらったことに間違いはないようだからね」という
独身(最近徹夜が辛くなりました)の提案や、元はといえば五飛がコーラを梱包して発送したりしたのが全ての始まりだという事の経緯から、
比較的すんなり決まったようである。
そして段ボール出現から一週間。
421個の段ボールは全て開封され、土産は全て箱から出され、処分待ち(一部既にコーラサワー等に譲渡)となった。
その数、なんと630種。あまりにも多い。多すぎる。
――物品類放置部屋。
「壮観だね……これだけの土産が一つもダブっていないということは、やはりコーラ君本人が増殖しなかったことについての
僕の仮説は正しかったようだね。おそらく、この基地の敷地内に入った瞬間に干渉が起きて」
独身(自称「人に嫌われるタイプ」のグラハムとも友達づきあい出来るので、大抵の女性は大丈夫です)の長い解説は
満場一致で放置する方向で、他の面々は保管されている物を見て回り始めた。
コーラに配分されなかった土産物は、プリベンターの面々及び外部協力者が希望の物を取り、
それでも残ったものは処分若しくは売却するという処理方式にされたのである。
「ふむ、このニッパーとガンプラ、GNドライヴの模型、OCHIAI専用エクシア、1/60エクシア、1/100タオツー、
HGUCゴッグ、ゲイツ用ガンダムカラーは頂いていくぞガンダム!」
「おい隊長さんよぉ! 玩具漁ってる暇があったらハワードと教授の遺影も持ってってやれよ、このガンダム馬鹿が!」
「黙れアラスカ野。あと師匠、独り占めは感心しないな」
「この「う"ぁーちぇ」って書いてあるパーツ群は保存状態が良いな……後で昔なじみのジャンク屋にでも売っ払うか」
「……この獣(ポンデライオン)は調教すればサーカスで使えそうだ……」
「チェロケースに電気スタンド……駄目ね。フライパンより使えそうなのはない、か……」
各々思い思いの(主に欲望むき出しの)選別作業を繰り広げる中、特に欲しい物も無いヒイロは
「売約済」と書かれた区画に隔離された書類といくばくかの宝石、一瓶の酒を見つけ、首をかしげる。
「……何だ、これは?」
「ああ、それはコーナー大使に譲渡が決まってる物よ。マリナ姫から話を聞いたらしいんだけど、妙に意欲的だったわね……
お金持ちの考えることは分からないわ」
妙なものに興味を示しているヒイロに気付いたか、配置中に既にめぼしい物を見繕ってしまったサリィが苦笑交じりにその独り言に答えた。
「コーナー大使か……なるほど」
見ればその書物、どれも年季の入った装丁だ。
タイトルは『ネクロノミコン』『ルルイエ異本』『エイボンの書』『無名祭祀書』……と、いかにも専門書じみたタイトルに見える。
宝石類も、不均整な形状をした金属製の小箱、見たこともない言葉と金細工で装飾された黒縞瑪瑙のメダル、
そして名状しがたい奇怪な形にくりぬかれた曇りガラスと、いかにも美術品か調度品といった趣に見えなくもない。
酒には「ミード(黄金の蜂蜜酒)」と書かれたラベルが貼られている。何せ「黄金」だ。きっと高級品なのだろう。
それらを見回してヒイロが下した判断は、"いかにも金持ちの道楽じみている"、というものだった。
「……」
久しくそんな機会はなかったが、たまにはリリーナが暮らしているようなセレヴな世界に浸ってみるのも悪くないかもしれない。
そうすれば、もしかしたら、リリーナが豹変して漫才などを始めてしまった理由の一端が自分にも分かるかもしれない。
どうせこんな機会など滅多にないのだし、少し手に取ってみる程度ならばバチも当たるまい……
――そんな甘い誘惑に今の消沈したヒイロが抗うことは、むしろ不可能に近かった。
「……あざとーすだ……俺があざとーすだ……」
誘惑に負けた挙句SANチェックにも失敗し、めくるめく狂気の世界にご案内されつつあるヒイロに
プリベンターの面々が気付くのは、もう少し後のことになる。
一方。そんなヒイロに気付かず、手持ち無沙汰に所狭しと並んだ土産物を見て回っていたサリィは妙な紙束を見つけた。
一番上に貼られた付箋にはこうある。『ラボたんの元から消え去った原稿』
「……なぜかしら。無性に小●館に届けなきゃいけないような気がしたわ」
『――ラボ先生。ガガガ文庫への移籍、おめでとーございます』
そんな幻聴が、どこからか聞こえた気がした。
多分、この異常事態で頭が疲れているのだろう、とサリィは首を振る。
この程度の幻聴を左へ受け流せないようなていたらくでは、我らがコーラサワーの相手など務まらないのだ。
――ところ変わって応接室。
「うふふふ、美少年がいーっぱい……そっちの妖しい雰囲気を漂わせた貴方は? そう、マスターテリオン君って言うのね。私、マリナ・イスマイール。
そっちの尖った感じが魅力的な貴方は? 柔沢ジュウ君ね。ふふ、いい名前ね……綾崎君、もうちょっと弱めで……そう、そこよ……」
カトルが扉を開けると、そこは逝き国……もとい、ハーレムだった。主にマリナ的な意味で。
周囲を20歳未満の少年で固め、金髪の美少年二人を両脇にはべらせ、刹那(何故か居る)に膝枕してもらい、
挙句に女装した美少年(仮称:綾崎ハーマイオニー)に耳かきしてもらっているという、
人として軸がぶれているどころか、むしろ全力で横倒し&絶賛大暴走中な元お姫様がそこに居た。
正に其処はイケメン☆パラダイス。
マリナ姫の一人天下にしてドリームワールド。
カトルのような健全な一般人にしてみれば、むしろ其処はドリーム通り越してナイトメアにしか見えないのだが、そこはそれ。
ネコミミアクセサリーやしっぽアクセサリー、各種衣類も気に入ったものは高値で買取ったのか或いは自前で持ち込んだのか、
姫様の思い思いの服装に魔改造されてしまった美少年達を見た瞬間に、カトルの脳裏によぎったのはこんな警告文。
ツギハ、ボクタチノバンダ
カトルが震える手で扉を閉めるのがマリナが彼らの来訪に気付くより早かったのは、不幸中の幸いだったかもしれない。
「……僕達は、この部屋に、入らない方が、いいと、思うんです」
悪寒、或いは身の内から湧き出る根源的な恐怖をこらえるが如く震えているカトルの提案に、
ガンダムパイロットの面々は深く頷いた。(医務室で錯乱中のヒイロ除く)
斯くて、一角がイケメン☆パラダイスと化している応接室に潜入……もとい、侵入することとなったのは、
20歳を越えているサリィ、コーラ、グラハム、アラスカ野、独身(チャームポイントは女性にも負けないポニテです)の五人となった。
ヒルデは姫様基準だと性別がアウトなのだが、ガンダムパイロットのお守りということでひとまず外で待機である。
Case1 グラハム=エーカーの場合
さて、この乙女座ファイター。よせばいいのに姫様ハーレムに刹那(猫耳装備)を見つけるや否や、妄言モード全開に。
「会いたかった……会いたかったぞ、ガンダムッ!!」
さあグラハム選手、猛然とダッシュ開始です。
サリィやアラスカ野の制止など、本気になったユニオンのトップガンに間に合うはずもありません。
「ようやく理解した……この気持ち、正しく愛d」
「この泥棒猫」
……だがしかし、グラハムはすっぱりと忘れていたのだった。
刹那(猫耳装備型)に膝枕してもらっているのが何者なのかということを。
言うまでもなく、護身用スタンガンの一撃で昏倒である。
コトノハ様のノコギリのように、回避不能の特殊効果でも付いているのかもしれない。何せ、姫様だし。
グラハム=エーカーの対マリナ戦績、これで二戦二敗となった。
相性の悪い相手というのは誰にでも居ると言うことか。
「はっ、ご愁傷さまだなぁ」
姫様ハーレムの中の、左目を前髪で隠した少年の呟きがグラハムに聞こえたかどうか、それは誰も知らないことである。
Case2 アラスカ野=ジョシュアの場合
「……」
「……」
さて、グラハムがあっさりと蹴散らされたその頃。
プリベンター・マヌケことジョシュアはなにやら露出度の高い衣装を着けたロリでデコな娘と見つめ合っていた。
「……(オイオイ、アイツあんな趣味あったのか?)」
「……(私も初耳よ)」
怪訝そうな顔で囁きあうサリィとコーラも何のその。じーっと見詰め合っていた二人は、やがて口をそろえて一言。
「「何か、他人のような気がしない(わ)」」
――あちこちで出回ることになるジョシュア・絹江・エリーゼの幸せ家族計画写真が撮影されるのは、この出来事からもう少し後のことである。
Case3 独身(32)の場合
「おそらく、私達はこの時空間転移により、属していた世界からこの不安定な世界に放り込まれた異物。
故に、この世界に既に並行同位体を有している場合、並存は許されず異物の方はこの世界から排斥されることになる。
多分、排斥の識別基準はこの基地の敷地内に存在しているか否か。だから、貴方は箱の中から現れた」
「ふむ、つまり統合……いや、この場合は選別かな。僕の仮説とも合致する興味深い話だ。
詳しく聞かせてもらえないかな、長門君……だったかな?」
――規格外頭脳の持ち主同士でピントのズレた長会話をしていた。放置推奨。
Case4 残った二人の場合
さて、その他群衆の中に、コーラが見覚えある人が一人。
「大佐ァァァァァァァ! 会いたかったでヘナップ」
「……ムチャシヤガッテ」
軍服姿のカティ大佐を久々に見てルパンダイヴを敢行したコーラサワー。
あっさりとぶん殴られてK.O.されるのを、サリィが止めるはずもなかった。
普段苦労かけられてるし。
「諸君、私は戦争が好きだ」
そんなサリィの耳に届く妄言が一つ
「諸君、私は戦争が好きだ」
否、それは妄言にあらず。言うなれば、妄執の発露。
垂れ流すは我執の亡霊。大戦争の遺物にして最大級の負の遺産。
「諸君、私は戦争が大好きだッ!」
カミーユヴォイスで放たれるその演説は洗脳・扇動・士気高揚の三大効果を発揮し指揮効果バツグンというシロモノ。
応接室の一角で高らかに戦争願望を謡い上げるそいつの眼鏡の奥から滲み出るは、50年越しの狂気。
まばらながらも着実に周囲に人を集めつつあるその男を見て、サリィの脳裏にこんな言葉が過ぎった。
進路にメタ膨、退路は絶望(プリベンター的な意味で)
「少佐殿! 少佐! 代行! 代行殿! 大隊指揮官殿!」
ああ、そうこうしている内にちらほらと洗脳被害者が出てきたし。
しかし、一方のサリィ。
あんな小太りの中年男に触れるのはそれはそれで脂ぎってそうでよろしくないし、かと言って任せられそうな人は部屋の外。
戦線離脱している乙女座やコーラでは、あまりにも頼りない。
……已む無し、とサリィは腹をくくり、そっとその場を離れた。
「マリナ様、あそこの小太りの男が姫様のハーレムを崩そうと画策しているようです」
「そんな……笑えない冗談だわ!」
ゆらり、と幽鬼の如く立ち上がり、ハーレムを率いて鎮圧に向かうマリナを見て、ふとサリィは思った。
……あの人、姫様やってるより少年兵部隊率いてた方がずっと輝いた人生送れるんじゃないかしら、と。
ショタがマリナにもっと輝けと囁いていたりいなかったり。
――こうして
ヒイロ:医務室で錯乱中
グラハム:姫様スタンガンにより戦線離脱
アラスカ野:絶賛家族交流中
独身(愛に気付いてください):自称宇宙人製アンドロイドな少女と事態について意見交換中
という風に、旧ユニオン勢+αが一気に戦線離脱したところで、武器庫へ移動となった。
ここには、土産の中にあった生身で扱える武器が保管されている。
無論、大佐にK.O.されたはずのコーラサワーがあっさり復帰しているのは例によって仕様である。
何か通りすがりの宇宙人委員長Withナイフや魔族とかにフルボッコにされていたものの気が付いたら復活している、それがコーラサワー。
その不死身度、正に理不尽の体現者と言うべきか。
なお、応接室の一部で既に何やら特撮的だったり少年漫画的だったりするバトルが勃発していたのは全力で見てみぬ振りをする方向で全会一致。
多分、マリナ姫がそのうちハーレム維持の為に鎮圧するだろう、というのは五飛の予測。端的且つ本質を見据えた予測であった。
「火炎放射器にミズノのバット、チェーンソーにAK-47……四聖文字砲まで♪」
――アイテム部屋ではさっぱりだったフライパンの代わりの武器(銃火器含む)を見つけてイヤッホゥな状態になっているヒルデと、
ガンダムパイロット達の表情の間がくっきりと明暗分かれているのは、さながら使う側と使われる側の証明か。
「……この玩具のような剣は一応切れるようだが……む? 『使うと"下がり"ます』だと? 縁起でもない」
一方、長刀的なものを求めていたらしき五飛は気に入った物を見つけられず、若干拍子抜けした様子だ。
無理もなし。ほとんどの武器が火器か、或いは所謂ファンタジー的な武器。
たまに近接戦用の刀剣類があったとしても、扱えないか、扱えるものだったとしてもロクでもない呪いが
洩れなく抱き合わせで憑いてくる素敵な代物かのいずれかである。
そしてお目付け役ポジションなサリィさんはと言うと。
「……ふふ」
某魔砲少女の杖を眺めてニヤニヤしていた。
別に変身できないはずだが……多分。
それに変身できたとしても歳とゆーものがげほげほ。
19歳で「少女」名乗るのも十分無理があったというのに20歳過ぎたおbげほごほ
ああ、バルディッシュは更にいけない! それは十代限定のアイテムでうげほごほ。
一方、我らがコーラさんはというと……これまた入り口でぼーっとしている。
この男、生身での戦闘行為に関してはことごとく興味がないようである。
そういえば本編でもダリルにカツ上げされたりしてたような。
「うるせえ! 俺ぁMSの模擬戦なら誰にも負けねえんだよ!」
そうだね、模擬戦ならね。
斯くして、最後の部屋。機動兵器類の倉庫へと場面は移る。
なお、食料品類はコーラその他が消費してしまったもの以外はとりあえず冷蔵庫等で保管中である。
「これは……」
「……すげぇ」
扉が開いた瞬間、一同揃って息を呑んだのもむべなるかな。
ひろしの使用していたアグリッサやかつてのコーラの愛機であるイナクト六機を筆頭に、全く異なる様々な技術思想の元で
生み出されたのであろう大量の機動兵器が鎮座していた。
ドリルを無数に装備したロボットが在った
蒼き翼と種々の火器で武装した、見たこともないガンダムが在った。
戦車とMSの相の子のような、キャタピラで走行するMSが在った。
空にそびえる鉄の城が在った。
ジェネシックな勇者王が在った。
赤い彗星と共に駆けた(放映上は)最後の機体が在った。
空高く舞う為に建造されたのであろう、巨大な翼竜型の機動兵器が在った。
――その数何と総計35機。
更に下に並んだ追加武装やオプション装備などを含めれば――その数は50すら越えるか。
果たして動かせるかどうかは分からないとは言え、これだけの機動兵器をプリベンターが得たということが知れ渡れば、
その瞬間にプリベンターの面子は丸つぶれである。
「……これらはまとめてカタギリ博士に預けて、今後のミカンスーツ開発の参考にしてもらうことが決定したわ」
「参考になるのか?」
「……まあ、みかんタンクくらいは出来るんじゃね?」
それが役に立つのかどうかは、ともかく。
なお、この壮観を見た瞬間小躍りして「早速これ使ってド派手に模擬戦やろうぜ!」と言い始めたコーラサワーは
速攻で五飛とトロワに取り押さえられた。
この場の最年長が、もう少ししっかりするのは果たしていつの日か。そもそもそんな日が来るのだろーか。
二期でも多分相変わらずのコーラさんであることだろう。何せほら、コーラである。
ガンダムパイロット4人とサリィ、ヒルデがコーラの相変わらずのKYっぷりに揃ってため息をついたころ。
喧騒に包まれた応接室では規格外頭脳の持ち主同士の意見交換がようやく終わろうとしていた。
何時間かかったかなど、当人達が気にしているはずもなし。それがヤツらという存在なのである。
「なるほど。つまり……いずれ、ここに居る人達や、保管された物は消え去る運命にあると」
「そう。いつになるか、どのような規模になるかは全く分からないけれど、必ず世界の修正を受ける。
この事態そのものが"なかったこと"になる可能性も十分に考えられるところ」
「それは……穏やかじゃないねぇ」
独身(お人よしとよく言われます)は困ったような微笑を浮かべ、腕を組み、何やかんやでこの珍妙且つ奇々怪々な事態を
そこそこ楽しんでいたプリベンターの面々を思い浮かべた。
辿り着いた結論は、ただ一つ。
「……このことは、当分彼らには伏せておくよ。あと、どうなるか分からないなら、収穫物の解析・調査は
急いだ方がいいようだね。ありがとう」
こう見えてもこのポニテの独身(朝起きると肩が痛かったりします)、一度方針を決めた後の行動の速さは定評がある。
やると決めたからには一直線。ビリー・カタギリは白衣を翻し、颯爽と彼が戦うべき戦場へと向かう。
彼にとっての"研究という名の戦争"は、戦争が終わってしまったこの世界でさえ、未だ終わってはいない。
そして、これからも恐らく終わることはない。
彼が人生を終えるその日その時まで、彼は自分の類稀なる頭脳のみを頼りに
この孤独な戦争を戦い抜いていかなければならないのである。
それが、研究者という在り方を選んだ彼の宿命であるが故に。
独身(OIが止まらない!)を呆、と見送った少女は、一言だけ呟いた。
「……ユニーク」
――その評価は、割とプリベンターの構成員全員に当てはまるところである。
エピローグ
この騒動が終息して暫く経った後。
最早誰も訪れることもなくなったプリベンター本部の片隅に、忽然と段ボール箱が置かれていた。
――その箱を開けた時何が起きるのか。それは、誰も知らない。
618 :
便乗してた:2008/04/25(金) 18:42:35 ID:???
SANチェック失敗に不覚にも吹いたが
あまりガンダム以外のクロスオーバーは望ましくないと思う
デモンベインなんてヒイロの中の人がスパロボに出したがっている事くらいしか知らねえよ
620 :
便乗してた:2008/04/25(金) 18:56:12 ID:???
>>619 確かにちと……いや、正直かなりやりすぎたと思います。
次があったら自粛します。ええ、もうがっつりと。
なに、そう卑下しなさんな
ガンダム以外のネタはスパイスですよ、適量なら美味しく仕上がるってもんです
シャイニングスペシャルコーラ
石川や 浜の真砂は 尽き るとも 世に盗人の 種は尽きまじ
石川五右衛門の辞世の句といわれているが、世界にやっと絶対的平和が
訪れようともなくならないのが犯罪である。
今日もチンピラ3人組が物陰に潜み、獲物を待ち伏せていた。
「この前の獲物はうまかったよな。いひひ。」「ああ、いまどき現金を
しこたまもっている奴にでくわすとは思わなかったぜ。」「今日もそんな獲物が
きますように・・・。 おい、人がきたぞ、隠れろ。」
歩いてきた男を取り囲むチンピラ3人。
「兄ちゃん、金だしな。出さないならその命もらうぜ。」そういうチンピラの手にはサバイバルナイフが光っていた。
「貴様らか・・・。この辺でかつ上げやっている連中は・・。」
「うるせえ!!。さっさと金を置いてくか、命置いてくか判断しろい!!。」
「どっちも断る!!。」
「やっちまえ!!」「おお!!。」
チンピラが飛び掛ってきたところに男の裏拳と旋風脚が次々とヒットした。
「ぎゃひ!!。」「ぐぁばっ!!。」「あべしぃ!!。」不様にひっくり返る
チンピラたち。「残念だったな。お前ら俺のことは忘れろ。俺も忘れるから。」
のたうちまわるチンピラをおいて男は立ち去った。 名を張 五飛といった。
しかし、こりないチンピラたち。またかつあげの決行を試みた。
一人の女性が買い物した帰りにチンピラの潜んでいる場所を通りかかった。
「くそぉ、この前はしくじった。あいてが子供と思って油断したぜ。」
「まさか、中国拳法の使い手で元ガンダムパイロットって相手が悪すぎますよ。」
「・・・きましたぜ。 女が。あれなら大丈夫でしょう。」
いっせいに女性を取り囲んでいつものとおりかつあげを試みるチンピラ。
しかし、この女性一般の女性とはわけが違った。
「あなたたち、こんなことやってて恥ずかしくないの?。」
「うるせえ!!。 説教たれる前に金おいてけ!!。」
「はぁーーー(溜息)いっても、わからなそうね。」
そういうと、この女性はどこからともなく取り出した金本選手サイン入り100tと
書かれたハンマーで襲いかかるチンピラたちをバッティング練習のように
ビルの壁にふっ飛ばした。
「あへ!!。」「あひっ!!」「あんぎゃ!!」 全盛時のカブレラよろしく、
打球の速い事。次々とチンピラたちは、ビルの壁にめりこんだ。
「まったく、無駄な時間だったわ。 さ、お昼の用意しなくちゃ、みんながお腹すかして
まってるわ。」そういって、立ち去った女性。 名をヒルデ・シュバイカーといった。
こうもひどい目に続けてあえば、少しは考えるものだが、このチンピラたち、鳥頭なのか
また、物陰に潜んで獲物を待っているのである。
「くそ、女だと思って、甘く見たのが失敗だったぜ。」
「もう、少年少女はやめましょうよ。 凶悪化している世代ですし。」
「己は教育評論家か!!。 やはり弱そうで金を持っていそうな奴狙おうぜ。」
「おい、きたぞ。隠れろ。」
向こうからやってきたのは我等のコーラサワー氏である。
いつものように取り囲むと、金品を要求したが、コーラサワー「もとAEUのエース、
模擬戦2000回、スペシャルなパトリック=コーラサワーに喧嘩を売るとはいい度胸だ。
勝負してやるぜ。」
「ざけんなぁーーーー!!。」激高したチンピラがコーラサワーの腹部にサバイバル
ナイフを刺したと思った瞬間、ナイフは根元から音を立てて折れた。
「な、なんでと思う間もなくコーラサワーの肘うちがチンピラの頭にヒットして、
チンピラの体は歩道にめりこんで、動かなくなった。
「ひ、ひいぃぃぃ、ば、化けものだ!!。」
「ったく、せっかくきのう買ったばかりの服がおじゃんだぜ。どうしてくれんだよお!!ああ!?。」
どっちがチンピラなのか分からない状態になるところがコーラサワーのコーラサワーたる由縁であろう。
「わ、わかりました。も、申し訳ありません。」といっていくばくかの金をだすと、
「ち、しけてやんな。 まあ、いい、これからは襲うときは人をよく見てから
おそうんだぞ。」と逆かつあげしたコーラサワーはその場を立ち去ったのである。
まあ、このチンピラと、宇宙で爆破されても、傷一つなく帰ってくる彼のことだから、
格が違うといえばそれまでだが、たいていのものは信じがたい話であろう。
「兄貴、もう田舎へ帰って真面目に働きましょうよ。 これ以上ここにいたら、
いくつ命があっても足りませんぜ。」
「・・・ああ、帰ろう。都会は俺たちが住むにはでかすぎた・・・。」
弟分に歩道から救出され、介助を受けながら3人は田舎へ帰っていった。
こうして、コーラサワーとプリベンターの面々で治安が守られたのである。
あなかしこ。あなかしこ。
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どうも、お久しぶりです。 不定期です。 前回みなさまから、励ましと
ご指導いただき真にありがとうございます。
便乗してた様をはじめ、新たにいろいろな方が参入されて盛り上がってきました。
どうか、才能ある方が多いのですし、様々な角度から、この世界に焦点をあわせるのも、
いいことと思います。
それでは、本日はこれにて。
626 :
不定期の人:2008/04/26(土) 07:56:54 ID:???
>623-625
HN入れるの忘れてた・・・orz。
乙。弟分の台詞が面白いな。
HNに関してはドンマイ☆
乙乙ガンダム
不定期さん乙!
ヒルデさんの腕力が素晴らしいことにw
>>602-605 >>611-618 段ボールコーラ懐かしいなw大胸筋土産に持たせたのを思い出したよ
あれは食料に入ったのかなー
ついこの前まで放送してたんだよなあ、土曜日の六時から
しかし一期終了して寂れてしまわないか不安だったが、逆に賑やかになるとは
マリナ様はショタコンにされたりカービィにされたり、どこのスレでもイロモノ扱いだなあ
可愛いげがあるってことさ
>>612 大使が名前だけ初登場してるwwwwww
そんなヤバい代物を大量にもらって大丈夫なのか大使
ここは「世界観は共通の職人別パラレルワールド群」でいいのか?
いや、なんかごっちゃになってきてなかなか流れを把握できんもんでw
今のところ土曜日さんの世界観に乗ってそれぞれの職人さんがノリでやってる感じだな
分類するならパラレル群かな。まあ、細かいことは気にせずノリでいいんじゃね?w
キャラの性格にも若干のブレがあるしな(それがまたオツなのだが)
全部まとめた詳しいキャラ紹介とかが欲しいw
二つも来ててえがった〜。
にしても、ジョシュアと共感してたロリっ子ってだれ?
スカイガールズのエリーゼ
>>638 あーこの子か。これのジョシュアコラ見たことあるや。
青い芝生、咲き誇る花。
白いあずまやに細かい装飾が彫られたテーブルとチェア、調度を損なわない程度に穏やかに吹きあげる噴水。
どっからどーみてもブルジョアなお家のお庭だが、ただ一点異常というかおかしい物がそこにある。
庭の丁度ど真ん中にポツンと象、じゃない像が立っているのだが、それが何と純金製のキューピーちゃん。
しかもただのキューピーちゃんではない、まるでミケンランジェロのダビデ像の如く肉感的であり、
憂いに満ちた表情のキューピーちゃんである。
さらにそのリアルキューピーちゃんを囲むように、
これまた純金製のアッグ、アッガイ、アッグガイ、ジュアッグ、ゾゴックが立ち並んでいる。
さて、こんなイカれた、もといイカしたセンス抜群のこのお屋敷の所有者はと言うと。
「ようこそリリーナ様、我がお茶会へ」
「お久し振りね、ドロシー」
はい、皆さまご存じ、黒い分裂眉毛と金髪ロン毛が特徴のお譲様。
あのドロシー・カタロニアさんです、はい。
「どうぞお召し上がりになって、日本は静岡から取り寄せた一級の茶葉ですわ」
「ありがとう」
招待主のドロシーはロームフェラ財団幹部であったデルマイユ公爵の孫で、客のリリーナはサンクキングダムのお姫様。
ともにどっから見ても正真正銘の令嬢で、こういった二人にあうお茶はまぁ紅茶と相場が決まっているのだが、
ところがぎっちょん、ここで二人が飲んでるのは何故か緑茶だったり。
しかもお茶うけが駄菓子のカレー煎餅と来た日にゃあ、
いったいどこの中年奥さまのおやつタイムだと小一時間突っ込みたくなる。
こんなものを用意してリリーナを招待するドロシーもドロシーだが、
はてさて、平気な顔で煎餅をパクついているリリーナもリリーナだと言えようか。
まぁ見方によっちゃあお高くとまってないので、親しみ易いと思えないこともない、かもしれない。
「ところでドロシー」
「何でしょう、リリーナ様」
「先日小耳にはさんだのですけれど、貴女、プリベンターに出資しているというのは本当?」
リリーナはドロシーを真っ直ぐ見つめている。
その瞳は清らかだが、どこか不安の雲もかかっている。
理想主義に漬かり過ぎだという批判を受けることの多い彼女だが、基本は素で優しい一人の女の子。
親友のドロシーがまた火遊びを始めたのかという疑念もあるし、何よりプリベンターにはヒイロ・ユイがいる。
物事というのはどこで転がり始めるかわからない、どうしても心にひっかかってしまうリリーナなのだった。
「ふふ、そうですわね……」
即答はせず、ドロシーは右手の人差し指で茶器を弾く。
これが薄いティーカップなら、さぞかしチーンと雰囲気のある音がしたのだろうが、
残念、彼女が手にしているのは寿司屋にありそうなくらいにごっつい湯呑みである。
ま、一応有名な陶芸家が作った逸品ではあるのだが。
「その通りですわ、リリーナ様」
「どうしてそんなことを……」
リリーナの目指すところは完全平和主義。
人と人とが傷つけあうことなく、対話によって問題解決を図る穏やかな世界が彼女の望むもの。
無論、それが簡単に実現出来るとは思ってはいない。
人が感情の生き物である以上、必ずすれ違いと諍いが起こるからだ。
だがそれでも、彼女は振り続けるつもりでいる、理想の旗を。
そしてその一方で、そこに至るまでの道のりにどうしても欠かざるべきものとしての、プリベンターという存在も容認している。
一見矛盾しているようにも思えるが、世界政府の中枢に関わる者として、現実と向き合わねばならないという厳しい事情がある。
紛争を未然に防ぐために、世界に未だ残る武器の爪痕を無くすために、プリベンターはどうしても必要なのだ。
「決まっていますわ、リリーナ様もおわかりのように、プリベンターには戦うための手段が必要ですの」
「戦う……」
「人類は未成熟な生物ですわ、リリーナ様」
もちろん、ドロシーもリリーナの想いを十分に理解している。
しかし、彼女はリリーナ程の覚悟はない。
見方を変えれば、よりリリーナより現場主義なのだ、ドロシー・カタロニアという人間は。
いかに完全平和主義が崇高なものであるとは言え、それを快く思わない者はいっぱいいる。
いらぬ火種を撒こうとする連中もまだまだたくさんいる。
ならば、どうしてもそれに対応するべき存在が必要となってくる。
ドロシーとしては、どこまでもリリーナには気高くあって欲しい、輝ける存在であって欲しい。
場合によってはリリーナに代わって汚れ役をひっかぶるつもりでもいる。
だからこそ彼女はプリベンターを支援する、つまり、リリーナとその理想を守るために。
「……争いを止めるプリベンターが、争いを生む組織になってしまうかもしれないのですよ」
「リリーナ様、それは違いますわ」
「え?」
「彼らは、彼女らはそれ程弱い人間ではありませんことよ」
ドロシーはきゅうすから新たなお茶を湯呑みに注いだ。
自分の分と、リリーナの分を。
「リリーナ様、もう少しプリベンターを信じておあげになったらどうかしら?」
「信じる……?」
「ええ、レディ・アンなら決して間違った方向にプリベンターと世界を持っていきませんわ」
「……」
「だからこそ、有事のために準備をするのです。それが無用になってくれればと祈りつつも、ね」
覚悟という面では、確かにリリーナの方がドロシーよりも上かもしれない。
しかし、プリベンターという組織の在り方については、ドロシーの方が現時点では理解度が高いと言えた。
ちゅうか、心配症に過ぎるところもあるのだ、リリーナに。
「リリーナ様はヒイロ・ユイを信じていらっしゃるのでしょう?」
「え?」
「ならば、彼と共にある者たちもまた、信じるに足るのではないかしら」
そこで語りを止めると、ドロシーはずずずと緑茶をすすった。
さすがに良家の子女か、湯呑みで緑茶でも相当サマになっているのが素晴らしいというか何というか。
「そう……ですわね」
リリーナは視線を、自分の手元の湯呑みに落とした。
そして気づいた、先程ドロシーが淹れてくれたお茶、そこに茶柱が一本立っているのを。
「ヒイロ……」
リリーナも、緑茶をすすった。
一人の少年の姿を、頭に思い描きながら。
◆ ◆
「うわあああああああああ、何しやがるちんちくりん! 俺が、俺の股間がああああ!」
さて、所変わってプリベンターの『カタギリ製悪人とっ捕まえ武器』の試験場。
テストが始まってからかれこれ三十分は経過しているが、
もう最初からパトリック・コーラサワーさんの絶叫大会の場と化している。
「カトル、次のターゲットを」
「りょ、了解」
ぽちっとな、とカトルが手元のスイッチを押すと、
うぃぃいんと巨大なコーラサワー看板がヒイロの乗るMS(ミカンスーツだってヴぁ)の前に出現。
かれこれ何枚目の『的』なのか、用意したサリィ・ポォもペイント弾を撃ってるヒイロも、叫びまくっているコーラも覚えてない。
「目標確認……」
「なあああ、こらちんちくりん! ヒイロ! さっきからてめぇ、股ぐらばっかり狙いやがって!」
「当たり前だ、急所だ」
「あれは一応MS(これはモビルスーツ)の代わりなんだろ! なら急所っておかしいじゃねーか!」
「……」
「無視かてめー! バーロー!」
そう、テストの初っ端はペイント弾。
そして担当がヒイロになったわけだが、この男、ひたすら看板コーラの股間ばっかり狙って撃っている。
ペイントのカラーは白から青から赤からたくさんあるわけだが、もうそれがために看板コーラ、悲惨な状態になりまくり。
看板の図柄がなまじカッコつけたポーズだけに、とことん笑いを誘う結果になっている。
デュオとヒルデはずっと腹筋崩壊しているし(だからターゲットのスイッチ担当がカトルになった)、
アラスカ野ことジョシュアは笑い過ぎて呼吸困難に陥り、救急車で病院に運ばれていった。
トロワと五飛、グラハムは大声で笑ってはいないものの、
口の端が微妙に歪んでいることから、爆笑をこらえているのは一目瞭然。
サリィとカトルだけが困ったような顔でテストに従事しているが、これは二人の生真面目さがおかしさ探知回路を無理矢理封じ込めているためであろう。
「ぐわあああああ、また、また俺の股間がぁぁぁぁあ」
「……射出の精度は問題ないようだ」
ヒイロ、澄まし顔。
十何発も看板コーラを恥ずかしい目に合わせてこの態度、
茶目っ気を通りこして何だか結構意地悪な境地に入ってきている。
ま、彼はもともと明るい子らしいですし、某ドクターの話では。
「よし、次だカトル」
「も、もう勘弁してくれぇぇぇえ」
半泣きのコーラさんを余所に、ポリポリと頬を掻きながらカトルはまたスイッチを押して新たに立てるのだった。
茶柱ではなく、看板コーラを。
プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――
もう残業は勘弁してほしいコンバンハ。
ちょっとリリーナとドロシーのパートが長くなり過ぎたので反省サヨウナラ。
主な登場人物
*プリベンターと、その関係者*
(日々、世界平和の為に戦ったり、戦わなかったりする)
パトリック・コーラサワー
主人公。コードネームはプリベンター・バカ。
プリベンターが誇る変態一号。
何か行動を起こすたびに問題が発生するスペシャルバカ。
元AEUの少尉らしいが退役した理由は不明。
何が起きても生還率100%。
今日もわが道を突き進む。
グラハム・エーカー
コードネームはプリベンター・アホ。
プリベンターの変態二号。
独特の美意識を持ち、発せられる言葉はグラハム語と称される。
ガンダムラブでプリベンターにきたらしいが詳細は不明。
五飛の師匠(ガンプラの)
アラスカ野ジョシュア
コードネームはプリベンター・マヌケ。
プリベンターの変態三号。
グラハムによってむりやり加入させられたかわいそうな人。
あげくコーラさんによって呼称が「アラスカ野」になってしまった。
すげえヘタレ。
3馬鹿の中では意外とまとも。
ヒイロ・ユイ
コードネームはプリベンター・ウイング。
Wの主人公だがここでは影が薄い。
MS(ミカンスーツ)の操縦から家事全般まで何でもこなす。
リリーナの漫才がトラウマとなる。
デュオ・マックスウェル
コードネームはプリベンター・デス。
お調子者。
立場上自然とつっこみ役になる(というか唯一の突っ込みキャラ)。
喋る回数はコーラさんに次いで多い。
トロワ・バートン
コードネームはプリベンター・ウエポン。
口数は少ないがやるときはやる男。
『しまっちゃうおじさん』を恐れる、妄想少年。
カトル・ラバーバ・ウイナー
コードネームはプリベンター・サンド。
プリベンターの良心。
の筈だが意外と黒い。一度キレると誰も止められない。
張五飛
コードネームはプリベンター・ドラゴン。
得意技はコーラサワーいじり。
強引すぎる手段で事件を解決しようとする。
グラハムの策略によってガンプラ作りにはまる。
サリィ・ポォ
コードネームはプリベンター・ウォーター。
プリベンターの現場部隊のまとめ役。
コーラさんの暴走に頭を痛める毎日。
ヒルデ・シュバイカー
コードネームはまだない。
キレたら怖い。
得意技はフライパン投げ。
レディ・アン
コードネームはプリベンター・ゴールド。
プリベンターのリーダー。
本編にはあまり登場しないが、コーラさんやグラハムの加入を認めるある意味心のデッカイ人。
シーリン・バフティヤール
コードネームはまだない。
皮肉屋メガネ。
レディ・アンの秘書みたいなことをしているらしい。
ビリー・カタギリ
みかんエンジンを発明した天才科学者。
喋りだすととまらない。
プリベンターに自身の開発した発明品を提供してくれる。
グラハムの一応友人。
マリナ・イスマイール
プリベンターのスポンサーその1。
この世界ではプチセレブ。
重度のショタコン。
20歳以上の男には容赦無くスタンガン攻撃を食らわせる。
ドロシー・カタロニア
プリベンターのスポンサーその2。
自身の屋敷の庭にはイカしたセンスの像が沢山立ち並んでいる。
本編と同じく、気分屋と見せかけて意外と色々考えているお嬢様。
リリーナ・ドーリアン
外務次官。
ドロシーとお笑いコンビ『リドリロ』を結成。
夢はM●1グランプリ優勝。
ヒイロの恋人。
*マイスター運送*
(『24時間何処でも何でも運びます』がモットーの民間企業)
刹那・F・セイエイ
マイスター運送の配送係。
無愛想。
ハローキ●ィちゃんマニア。
アレルヤ・ハプティズム
マイスター運送の配送係。
客に愛想の悪い刹那をたしなめた。
ロックオン・ストラトス
マイスター運送の配達係。
事実上マイスター運送のまとめ役。
問題児が多く気苦労が絶えない。
ティエリア・アーデ
マイスター運送の配送係。
愛銃(水鉄砲)『ヴァーチェ』を携帯している。
絶望するのが日課。
リヒテンダール・ツエーリ
マイスター運送の配送係。
陽気な性格。
同僚のクリスティナ・シエラに片思い中。
デュオと仲が良い。
スメラギ・李・ノリエガ
ビリーの同窓(ビリーには九条君と呼ばれている)。
一升瓶を持った酔っ払い。
*人類革新重工*
(『揺り籠から墓場まで』が社訓。ここ数年、日の出の勢いで伸長を遂げている気鋭の企業)
セルゲイ・スミルノフ
人類革新重工の商品開発部部長。
心の俳句を詠む。
俳句を詠む前は必ずブツブツと呟く。
ソーマ・ピーリス
セルゲイの秘書。
現在「バケラッタ」という言葉にこだわっている。
コーラサワーと奇妙な友情が芽生える。
ミン
人類革新重工の商品開発部係長。
中間管理職。
このスレでは数少ない普通の人。
*その他、頻繁に登場する人々*
カティ・マネキン
元AEU大佐。
現在は歌手デビューし、世界の歌姫として各地を飛び回っている。
なんだかんだでコーラサワーの事が好き(?)
アリー・アル・サーシェス
別名ゲイリー・ビアッジ、またはひろし。
PMCのちょっかいかけ担当。
世界が平和になって仕事がなくなったのでプリベンターを逆恨みしているが、 いつもやられている。
武器はソッコ君もびっくりの異臭靴下と健康にいいアグリッサ。
沙慈、ルイス、絹江
絹江はレディにインタビューを行い、沙慈とルイスはそれにくっついて議会前で雪合戦をした。
トリニティズ
トリニティ運送に勤める三人兄妹。
ヨハンは腹黒、ミハエルは客にけんかをうる問題児、ネーナは天然。
コーラサワーの女たち
何人いるかわからないコーラさんの愛人。
コーラさんいわく、プリベンターに入ってからはそっち方面は自重しているらしい。
看護婦
新人ながらコーラ番にされてしまったかわいそうなナース。
コーラさんが入院するたびにさんざんな目にあっている。
ロラン・セアック
掃除夫。
トイレ紙がなくて困っていたコーラさんを助けた。
その他にも各職人の気分やネタで様々なキャラクターが登場します
***
水曜日じゃないけどこんばんは。
暇だったのでテンプレの登場人物欄を手直ししてみました。
(ロランをテンプレから外すべきか悩んだんですがどうなんでしょう?)
これで少しでもキャラや設定が分かり易くなれば幸いです。
トロワの紹介欄の『しまっちゃう〜』は次あたりのネタで詳細を書こうと思ってます。
では。
おお、土曜日氏、水曜日氏乙!
スレの盛況をみるに、00とWのクロスオーバーって相性がいいんだろうな。
というか、コーラみたいなキャラがWにはいなかったし、00本編で主人公sと
コーラの絡みが少ないから、妙にはまるというかw
土曜日さん乙!
いじめの内容がえぐいぞヒイロw!!リリドロのパートが真面目でギャップがwww
>>645-649 ちょっと前にパラレルワールド群とかって話が出てたし、職人さんによってキャラが
微妙に違ってることを考えると、テンプレの記述内容は最低限の内容にした方がいい
のでは?
職人さん別のキャラ紹介があると差異が分かって面白いんだけど、ちょっと難しいか
土曜日氏乙w
ヒイロの攻撃に腹筋崩壊したw
>>645-649 前のと見比べると、土曜日氏の話をベースに
いかに水曜日氏、模範氏、不定期氏がキャラを良い感じに壊して、
話を広げていったのが良く分かるな。
誰か
>>1用のテンプレも考えたらどうだ?
653 :
模倣の人:2008/04/27(日) 02:50:43 ID:???
ラッセ・アイオンは困り果てていた。
というのも、先ほど預かった荷物の中で、処理に困るものがあったからだ。
そもそも、この荷物を預かった時点で既におかしかったのだ。
「どうも、マイスター運送です。本日の荷物をお預かり致します」
プリベンター本部へ赴いた彼がお決まりの口上を述べると、そこの職員であるらしい中国系の少年が、
奇妙で不適な笑みを浮かべて指差したものが件の荷物だった。
その、人一人が余裕で納まりそうな大きめの段ボール箱は、中に何を入れてあるのやら、激しく振動しているのだ。
しかも中からは呻き声らしきものが聞こえてくる。何が入っているのか訊きたいような訊きたくないような、
とにかく不安を煽る要素がこの時点であまりにも多すぎた。
その上、伝票は差出人無記名なばかりか、送り先には『どこか適当に』などといい加減なことが書かれている。
「あの、これは……」
「む、暴れていては運びにくいか? すまんな、すぐに黙らせる」
ラッセが訊ねたのは動いていることに対してではなかったのだが(もちろんそれも気になるが)、黒髪の少年は
人の疑問を勝手に解釈したらしく、その場にいた仲間に「おい、誰かこいつを黙らせろ」とのたまった。
しかし彼の仲間たちも顔を見合わせるだけで、具体的に動こうとするものはいない。
それどころか、皆揃って困惑の表情を浮かべている。
「なあ、五飛。いくらなんでもこれは人道に悖るんじゃねえのかなぁ?」
長い髪をお下げにした少年がチャイナ少年を恐る恐る諌めるが、彼は気に介した様子もなく、
逆にお下げの少年を説得にかかった。
「いいか、よく考えろ。今が決断のときなんだぞ。ここでこいつを流して恒久的な平和を得るか、それとも
こいつに同情してこれまで通り我々が耐え忍ぶ道を歩み続けるか。
お前がどちらを選ぼうと責めはせんが、未来のことを考えればどちらが良い選択かは自明の理だと思うがな」
「うっ……」
お下げの少年は迷う素振りを見せた。
秤にかけて大きく揺らぐ程度には、どうやら箱の中身を彼らも持て余しているらしい。
傍で見ているだけのラッセでもその程度の事情は読み取れた。
といって、彼らの事情をこちらが酌んでやる必要はないわけだが。
こんな得体の知れない、しかも荷主が責任を負う気のない荷物など受け取れるわけがない。
いくらサービス業といっても譲れない線はあるのだ。
「お客さん、いくらなんでもこれはうちじゃあ受け取れません。何を企んでるのか聞く気はありませんが、
うちは便利屋じゃないんですぜ」
「そんなことを仰らず。もちろん、労力に見合うだけのお礼は致します」
奥から更に別の少年が現れた。金に近い色の髪に色白の肌の、アラブ系の少年だ。
同じアラブ系でもうちの刹那とは随分違うな、と思考が横滑りしてしまうのは、目の前の現実から
逃れたがっている証拠である。
けれどもやはり現実はラッセを捉えて離さない。
「まずは前払いということで……どうかお納めください」
アラブ少年は言うや否や、ラッセの手を取ってそっと札束を握らせたのだった。
子供の癖になんとえげつない手段を使うのかと呆れるより先に頭が真っ白になった。
「……。…………。………………。
……………………な、何言ってんですお客さん! つうか、いいか坊主。子供が大人をからかうんじゃない!」
我に帰ると業務用の態度をかなぐり捨て、説教モードへと移ろうとしていた。
が、柳に風というように、カトルは涼しい顔で聞き流す。
「安心してください、そちらのスメラギ主任には既に話を通してあります」
「なっ!? ぬ、ぐぅ……なんて用意周到な」
ラッセは言葉を失う。にこにこと笑うアラブ少年に、パッと見アレルヤに似た長い前髪の少年が問いかけた。
654 :
模倣の人:2008/04/27(日) 02:51:28 ID:???
「おいカトル、それは本当か」
「ええもちろん。快く承諾してくださいましたよ」
「そうか。ならば俺も腹を括るとしよう」
前髪少年は言うなり、ガタガタ揺れまくる段ボール箱に向かって吹き矢を吹いた。
矢は箱を貫通して内部に突き刺さり、中身の何かが悲痛な呻き声を盛大に発して、それから急に沈黙した。
「トロワ、今のは何だい?」
「サーカスの備品から拝借して来た眠り薬だ。象でも三日は起きない」
「そ、そう、凄いね……」
カトルが心持ち引き気味になった。このトロワ、一度腹を括ってしまえば意外とやることが大胆である。
「というわけだ。これでこいつを心置きなく引き取ってくれ」
チャイナ少年の強い視線を当てられ、ラッセはもはや抵抗する気概を失ってしまったのだった。
と、こんな経緯を経て荷物を預かったはいいが、扱いに困って仕方なく営業所まで持ち帰り、
主任であるスメラギに相談してみる。
「どうすりゃいいんですかスメラギさん。どこか適当になんて、俺だって困っちまいますよ」
「あらぁ、別にいいじゃない。思いつくところに持って行って押し付けてくれば」
「んなこと出来るわけないだろう! 万が一何かあったとしたら責任は誰が取るんだ」
「どうにかなるわよぅ」
ラッセは声を荒げるが、スメラギの態度は暖簾に腕押し、糠に釘。何を言ってものらりくらりと躱される。
そして彼は気づいた。スメラギの頬がやけに赤いのと、彼女の背後に並ぶ大量の酒瓶を。
その品々はラッセが外回りに出る前まではなかったはずだ。ということは、恐らく。
「なに買収されてんだあんたは! 自分が何やってるかわかってんのか!」
「だってぇ、くれるっていうんだもの。断る理由なんかないじゃなーい」
「……いずれ摘発されて訴えられても知らんぞこの会社」
「大丈夫よぅ、いくらでも揉み消せるんだから」
スメラギの言葉は嘘ではない。このマイスター運送は創始者イオリア・シュヘンベルグの代から現在に至るまで
数多くの有力者と太いパイプを持っているのである。
例えば、世界政府においても相当の発言力を持つコーナー一族や、代々続く有名な資産家である王一族など。
また王一族はかつて竜一族とも繋がりを持っていて、当主の息女の王留美と五飛は面識があったりもする。
つまりこれらの伝手を頼れば、マイスター運送どころかプリベンターの決して表出しできない問題まで
全てひっくるめてなかったことに出来るのだ。
「やめてやろうかな、こんな会社……」
疲れた溜息と共に呟かれた言葉は、酔いどれたスメラギの耳にもしっかり捉えられてしまった。
「あら、やめるの? なら再就職先を斡旋してあげてもいいわよ」
「どこだ?」
「二丁目のゲイバー」
「頼むから、頼むから本気でやめてくれ。ただでさえ筋肉キャラってだけでいらん誤解受けまくってるのに、
そんなところに連れて行かれたら本当にもう……!
俺はそんな気なんてこれっぽっちも! 欠片もないんです! 頼むからガチホモ扱いは勘弁してください!」
心底ガチホモ扱いが嫌らしく、プライドの一切をかなぐり捨て必死で土下座する。
全身全霊で拝み倒され、流石にスメラギも弄りすぎたかと良心が咎めたようだ。もしくは、ドン引きした。
頭が冷えた彼女は、全力で拝み倒すラッセの肩を優しく叩き、立ち上がらせる。
「ま、冗談はおいといて。本当にこれの処置は貴方に一任するわ。
どこかに捨ててきちゃってもいいし、受け取ってくれる人を探し回ってもいいし」
「と言われてもなぁ。俺だってどうすりゃいいか思いつかな」
喋りながら荷物に視線を投げた瞬間、動かなくなっていたはずのその箱から急に、
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!」
この世の絶望を一気に解き放ったかのような、胸が押し潰されそうなほど苦しげな悲鳴が、箱の中から発せられた。
655 :
模倣の人:2008/04/27(日) 02:52:41 ID:???
――ある朝、パトリック・コーラサワーが不安な夢からふと覚めてみると、ベッドの中で自分の姿が一匹の、
とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。
固い甲殻の背中を下にして、仰向けになっていて、ちょっとばかり頭をもたげると、まるくふくらんだ、
褐色の、弓形の固い節で分け目をいれられた腹部が見えた。
その腹の盛りあがったところに掛け蒲団がかろうじて引っかかっているのだが、いまにも滑り落ちてしまいそうだ。
昨日までの足の太さにくらべると、いまは悲しくなるほど痩せこけて、本数ばかり多くなった足が頼りなく
目の前でひらひらしている。
いったい、自分の身の上に何事が起こったのか――
「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!」
自分の身に降りかかった出来事を受け入れられず、恐怖に引き攣った絶叫を上げた瞬間……コーラサワーは
再び夢から覚めた。どうやら今のは夢から覚めた夢だったらしい。盛大に安堵の溜息をつく。
そこでようやく、自分の現在の状況を把握した。
動かない手足、塞がれた口、暗闇に閉ざされた狭い空間。思い出した。ヒイロに身動きを封じられた挙句、
五飛に箱の中へと閉じ込められてしまったのだ。
(虫になった夢はこのせいかバーロー! 本気で怖かったじゃねえかよぉぉぉぉ)
たった今まで見ていた悪夢が蘇って、コーラサワーは箱の中でさめざめと泣いた。が、それも一瞬のこと。
すぐに感情は怒りへとすり替わり、またもや全身を揺らして芋虫のように暴れ出した。
(出せっ、ここから出しやがれ!)
喋っているつもりでも口をガムテープで封じられているせいで呻き声にしかならない。
それでも彼は体力が続く限り叫び、暴れまわることを止めようとしなかった。
ところで彼は象でも三日は眠る睡眠薬を打たれたはずでありながらわずか数時間で目覚められたのは、
当然彼がスペシャル様だからである。
そんな彼も暴れ通しでいい加減体力の限界が訪れ、ぐったりと疲れ果てて動けなくなった。
呼吸を整えながら外の様子を窺おうと耳をそばだて、気づく。
(あれ?)
小憎らしい同僚の少年たちの声が一切聞こえないのだ。聞こえてくるのは、耳慣れない声同士の会話だけ。
「なあ、スメラギさん。開けてやったほうがいいんじゃないんですかね?」
「けど、プリベンターの人たちからは決して開けるなと言われているのよね」
「んなこと言ったって、酸欠で死なれでもしたら夢見が悪くなりましょうよ」
「それもそうね……とはいえ彼らとの約束をまるっきり反故にするわけにもいかないし。
じゃあラッセ、首が通る程度の穴を開けて、顔だけ外に出してもらいましょう」
そんな約束律儀に守るな、全部開けやがれと内心で叫ぶが、言葉にならないのでは伝わりようがない。
結局女の声が言うとおり、段ボール箱の上部に頭大の穴が開けられ、逞しい男の腕がコーラサワーの髪を掴み
顔だけ外に出されたのだった。
会話をしていた男女の顔は、そういえば少しだけ記憶に残っていた。以前花見をした際に一緒に馬鹿騒ぎした連中だ。
スメラギと呼ばれた女の方が顔を近づけて訊ねてくる。
「ねえ、貴方はどこに送って欲しい?」
「んんんんん!」
「え、なぁに、何て言っているのかよくわからないわ」
「んんんんん!」
「スメラギさん、ガムテープ取ってやらんと何も喋れんでしょう」
「あら、そういえばそうねぇ。うっかりしてたわ」
スメラギは軽く酔っ払っているらしく、目は少しトロンとしていて、息がほんのり酒精臭い。
今すぐ剥がしてあげるわね、と言うなり彼女は容赦なくコーラサワーの口に貼られているガムテープを引っぺがした。
「痛えぇーっ!?」
絶叫する彼の様子に腹を抱えてゲラゲラ笑うのが憎らしい。
コーラサワーは復讐を誓ったが、彼女が美人であることと、目を惹く豊満な胸のせいで、復讐心は一瞬で霧散した。
656 :
模倣の人:2008/04/27(日) 02:53:15 ID:???
さて、と彼女は再び向き直る。
「プリベンターの人たちに貴方をどこか適当に送ってくれと頼まれているのだけど、どこか希望の場所はあるかしら」
「どこにも送らんでいい、さっさと俺を帰してくれーっ!」
「あら、本当に帰りたいの?」
「へ?」
「だって、こんな目に合わされてまで、そんなに帰りたい場所なのかしらと思って」
そう言われれば、そんな気もしてきた。わざわざあんな奴らがいるところに帰る利点などないかもしれない。
けどなぁ、と迷う気持ちもある。いつの間にか『プリベンターのパトリック・コーラサワー』である自分を
気に入っていた部分もあるようなないような、と。
「なんだったら、好きな人のところに送ってあげましょうか?」
「 そ れ だ ! 」
迷いなどもはや吹っ切れた。
「待っていてください大佐、貴方のパトリック・コーラサワーがいま参ります!」
身動きが取れないことなど完全に忘却の彼方、今はただ愛しのカティ・マネキンの元へ逢いに行くことだけが
彼の心を支配していた。
「いいのかそれで、あんたは」
コーラサワーを運ぶ役割を押し付けられたラッセはがっくりとうなだれた。
そんなこんなで、コーラサワーを配送用コンテナへと運び込む。
「しかしさあ」
「ん?」
「あんたも哀れな奴だな。こんな風にお荷物扱いされて。水曜どうでしょうの旅企画だってこんな無茶振りはせんぞ」
「だろだろ? 俺ってなんて可哀想なんだろうなぁ、あんなにプリベンターのために尽くしてきたのに。
今の俺ってばまるでグレゴール・ザムザみたいだよなぁ」
コーラサワーの問題行動など知る由もないラッセは同情的な態度を示す。
コーラサワーは少しだけ泣いて見せるが、次の瞬間には大佐との対面を夢想して相好を崩した。
「あー、早く逢いたいです大佐ぁー」
切り替えが早いのが彼の長所。
そんなこんなで、段ボールコーラサワーとラッセの旅が始まったのだった。
(続くといいな)
タイムギャルの原典は流石に知りません。小学生の頃メガCDに移植されたのを遊んだことがあるだけです。
真夜中にこんばんわ皆様ご機嫌麗しゅう。
記録係さんのオチに繋げられるか現段階で不明ですが、というか続けられるかどうかも不安ですが、段ボールコーラ旅路編です。
このネタを書くためだけに『変身』を買ってきましたが、ろくすっぽ読んでません。だって活字は苦t(ry
あと、水曜どうでしょう的にいうなら大泉君=コーラさん、ミスタ君=グラハム、藤村君=デュオ、嬉野君=トロワでどうでしょう。異論は認めます。
ちなみに安田君はジョシュアね。……わかる人だけわかってください。それでは。
模倣さま、乙です!
脳内で、デュオの顔と藤村君の笑い声が合体しちまって、困っていますw
何か急に投下ラッシュが来てるなw
しかし模倣氏は量も半端ないな、すげえ
模倣氏さん乙です。
配達用コンテナがツボにはいりましたよwwww
模倣神の発想・着想力に脱帽
初めて投下致します。ダンボールコーラさんの行方を描いてみました。
新参者の愚作で、お目汚しとは存じますが、お読みいただけたら幸甚です。
今日は、「ゆにおん祭り」の日。昨日から引き続き、朝からその準備に忙しくスタッフが走り回っている。
その中には、出向先のプリベンターから休暇をもらって戻ってきたグラハム・エーカー以下、
アラスカ野ジョシュアらオーバーフラッグスの面々もいた。
「ゆにおん祭り」とは、ユニオンの基地で年1回、基地周辺の地元民を招いて行われるイベントだ。
軍の基地という何かと剣呑で微妙な存在を一部民間に開放して、周辺住民の方々からご理解をいただくという目的で
行われている恒例行事である。「ゆにおん」がひらがななあたり、無理やりフレンドリーしようという薄っぺらな意図が
透けて見えるが。まあ、危なくないですよ〜、平和のための単なる抑止力ですから〜と言いたい訳だ。
非番のデュオ、トロワ、カトルも招待されて、やってきた。「歓待するぞ。ぜひ、来てくれ給え」
プリベンターでは他の濃すぎる連中に翻弄されるグラハムではあるが、自分のホームでなら大きな顔もできるというものだ。
「しかし、地味な祭りだな」
あたりを見回してデュオが言った。ユニオンの歴史や兵装の変遷などのパネル展示や、おでんや焼きそば、
綿あめなどの屋台が設営され、動物の着ぐるみ姿の隊員が風船を配ったりする、のどかな催しが多い。
「そうだ、おまえ、何か芸をやれよ」とデュオが言うと、トロワは、尻のポケットからいつものピエロの仮面と
数本のナイフを取り出した。仮面をデュオに差し出し、「おまえが的になれば、披露してやろう」と言うので、
デュオはあわてて首を振った。
もらったウサギ型の風船を片手に、カトルは笑いながら、
「今日は、ぼくらはお客さんなんだから、楽しみましょう。グラハムさんから食券ももらっているし、何か食べませんか?
焼きそばがおいしそうですよ」
「おれ、おでんも食べる!」
各々軽食を取り寄せて、木陰の簡易テーブルでつつきながら、事前にグラハムから送られたプログラムを開いた。
「この後、オーバーフラッグスによる航空ショーが、ありますね」
蛍光ペンで丸く囲ってある。グラハム一押しの出し物らしい。
「この“体験入隊”ってなんだ?」
「オーバーフラッグスに入隊して、フラッグのコクピットに乗れるそうです。発進シークエンスを体験できるようですよ」
「ほほう、そりゃあ、面白そうだなあ!」
3人の前にいきなり頭を突っ込んできたのは、われらがコーラサワー。綿あめの袋を小脇に抱えて、
大盛りの焼きそばを頬張りながらの登場だ。ニカッと笑う彼の歯には、お約束通りの青海苔が付着している。
3人は、驚愕した。コーラサワーは、ダンボールに詰め込んで何処かに配送されたはずなのに、今、
目の前にいつもの通りのノリで、平然といる。
「ちょっ、おま、こんなところで何やってんだよ?」
「スペシャルなおれさまが、フラッグを華麗に乗りこなしてみせるぜ!グラハム以上にな!」
「いや、だから、発進できないから。真似だけ・・・」
「早く、会場に行こうぜぃ!いやっふうぅぅぅっ!」相変わらずひとの話など聞いちゃいないコーラさん。
食べかけの焼きそばをトロワに押し付け、デュオの制止を無視してすっ飛んでいく。
小さくなっていく彼の歓声と姿を呆気に取られて見送る面々。
トロワは、もらった焼きそばを律儀にすすりながら、「騒ぎになる前に、止めた方がよさそうだな」とつぶやいた。
「・・・ったく、コーラのお守りは、いつもおれらの仕事だな!」
「ビンボークジ、ビンボークジ!」
足元の機械音に振り返ると、転がるハロと、マイスター運送のスタッフたちが立っていた。
その姿を見て、デュオは理解した。
「ここに、届けたのか?」
「彼が希望した配送先であるマネキン元大佐が、今日、ここでミニライブを開くらしくてな。
迅速丁寧に対応した、と言う訳さ」ラッセが、肩をすくめた。
「こんなにすぐに戻ってくるとは、思わなかったぜ」
デュオはぶつぶつ言いながら、「とにかく、追いかけようぜ」と駆け出した。カトルとトロワも彼に従う。
格納庫横で、オーバーフラッグス体験入隊の希望者受付が行われている。担当は、アラスカ野ジョシュアとハワード・メイスンだ。
そこに、グラハムと技術顧問がやってきた。瞳をきらきらさせて集う子供たちの姿に、カタギリは目を細める。
「今日は、地元の皆さんに楽しんでもらう日なんだから、君も愛想良くしてね」カタギリがグラハムに釘を刺す。
「この行事は広報とリクルートを兼ねているんだ。子供たちの夢を壊すようなことをしては、だめだよ」
「理解しているよ。努力する」
「あ、パイロットのひとだ!」
パイスー姿のグラハムに気がついた子供たちが、駆け寄ってきた。いつでも、パイロットは人気者。
グラハムは、片手を上げて笑顔で子供たちに答える。そんなグラハムに子供が無邪気に問いかけた。
「ねえ、ねえ、ガンダムは?」
「は?」
「ガンダム、無いの?」
グラハムは確かにガンダムを愛している。しかし、一番愛しているのはやはり自機のフラッグなのだよ。
ふるふると拳を振るわせるグラハムを制して、カタギリは「ごめんね〜、ここにガンダムはないんだよ〜」と宥める。
「ちぇ〜、つまんないなあ。MSに乗れるって聞いたから、ガンダムだと思ったのに」
一人の子供が不平を漏らすと、他の子供も続いた。
「ん〜、MS(ミカンスーツ)なら、あるんだけどねえ」
「フ、フラッグの方が、強いし格好良いぞ〜」グラハムは努めて笑顔を浮かべながら、答える。
「ガンダムだよ〜、ガンダムのが強いよ〜」全く、お子ちゃまというものは、容赦が無い。
「穏やかじゃ、ないねえ・・・」ビリーが、嘆息する。
と、受付でなにやら騒ぎが起きていた。ハワードと押し問答をしているのは、コーラさんだ。
「ですから、体験入隊は、小学生以下の子供だけなんですよ」
「いいじゃねえか、やらせろよ、乗せろよ!フラッグで、大佐のライブとコラボすんだよ」
歌と戦闘機。コーラサワーの頭の中には、某宇宙移民団の名シーンが浮かんでいるらしい。
「乗せてやるが、いい」ずいっと身を乗りだすグラハム。
「おまえに、フラッグが乗りこなせるのならな」と不敵な笑みをうかべ、コーラサワーを見下ろした。
今日は、大変強気なグラハムさんです。
「言ったなあ!後悔すんなよ、おれさまのテクニックを見ろってんだ!」
コーラサワーは、高笑いしながら格納庫にすっ飛んで行った。
「間に合わなかったか!」
格納庫奥からフラッグの機動音が聞こえてくる。ようやく追いついたデュオたちは、顔を見合わせた。
腕を組み悠然としているグラハムに食って掛かった。
「なんで、止めないんだよ。大騒ぎになるだろ」
「どうせ、あいつは口だけだ。フラッグを甘く見るな。まあ、無駄に暴れるようなら、わたしが仕留めてやるさ」
グラハムは、鼻で笑った。
「・・・少々、まずいことになった」格納庫から出てきたビリーが、口にした瞬間、すさまじい勢いでフラッグが発進していった。
皆が、あわてて地面に伏せる。彼らの上に降り注ぐのは、赤く光るたくさんの粒子。
「GNフラッグ!」
コーラサワーの乗ったGNフラッグは、瞬く間に空の彼方に消えていく。今は、かすかに赤い光点が見えるだけだ。
「あれの加速は、半端ないからな・・・」
「中のパイロットの安全など、度外視だしな」
「よりにもよって、GNフラッグを選んだのか」
皆、空を見上げて、呆然とする。最後に、デュオが、一言。
「そのまま、地球圏抜けて、外宇宙にでも行っちまえよ」
はっ、書き終わってから気がついた。
この世界には、所謂「兵器」は存在しないのですよね?MS(ミカンスーツ)以外。
フラッグ書いちゃったよ・・・。サーセン。お許しを・・・。
魔法の言葉
つ「パラレルワールド」
ウイングゼロとゼロカスの関係ですね
\ 刹那 /⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! /ヽ、
\ ! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |/ \
| ̄ ̄ ̄ \ | |/ヽ! | |ヽ / ヽ
| \ ヽ | _ ,、 !/| | ト, ゙、
/  ̄ ̄ ̄ ̄\\! '-゙ ‐ ゙ /| .リ | リ ! .|! | ト|ト}
/ ロックオンへ \ ∧∧∧∧∧ /// / | / .リ/ //イ|.リ
/ \ < ラ > //ノノ //゙ ノ'////|.リ/
/ / < 予 > /,∠-‐一彡〃 ト.、,,,,,,,,,,,レ゙
/ < .ッ >/ニ-‐'''"´ /`二、゙゙7
――――――――――――< 感 >,,ァ''7;伝 ` {.7ぎ゙`7゙
,, - ―- 、 < ! セ .> ゞ‐゙'' ,. ,. ,. l`'''゙" ,'
,. '" _,,. -…; ヽ < の > 〃〃" ! |
(i'"((´ __ 〈 } ∨∨∨∨∨ \. ! l
|__ r=_ニニ`ヽfハ } /_,,._,,.....、、..、、、,,_ \. (....、 ,ノ !
ヾ|! ┴’ }|トi } /゙´ .} \ `'゙´ ,' ヤ
|! ,,_ {' } / ,.ァぃぐ \--===ァ / ら
「´r__ァ ./ 彡ハ、 / ァ')'゙⌒´ 'リヽ, \ _ ./. ガ れ
ヽ ‐' / "'ヽ/ ヾ、 ,.、=ニテ‐゙レ l \ ,/. ン ち
ヽ__,.. ' / / . 〉 '" /{! .\ 〉 \ / ダ ゃ
/⌒`  ̄ ` / ,r‐-、 /  ̄´ `i. /ミlii;y′ \ ム え
俺たちの存在を・・・ / .| !`ト,jィ .`、 - 人 ./;jl髭'. \ : よ
ラッセさんが泣いてるから自重しろコンテナ厨w
コーラモツ煮ネタが一気に職人の敷居を引き下げた感じなのか?
終わったネタだと思ってたがさすが求心力があるなあ
職人が多いのはいいことさ
ここらでひとつ、まったく別の設定のコーラinWな話も見てみたいな
まさかこの後ラッセ旋風が吹き荒れようとは、
コーラサワーは予想していたのだった
ラッセとコーラが合体
ラッコ
可愛いですね
GWだぜ
GW(黄金週間)だと…?
こちとらまだ始まってもいねえよ!
プリベンターのみんなだってそうさ!
あ、GW(ガンダムウィング)のことか。
プリベンターに黄金週間などありませんよ
俺は5連休中だけど
仕事が少なくて、泣く泣く12連休にする企業も存在するんだぜ・・・?
その分給与は絶望的な額に・・・
プリベンターの皆さんの給与って、出来高ですか?
それとも年俸制かな?
黄金週間なんてうちの仕事にはありませんが、何か?
リドリロは結局どういう立ち位置?
うさんくさい鼻眼鏡の二人組み
あなたが落としたのは真面目なリドリロですか?
それとも漫才なリドリロですか?
はたまた銀のリドリロ、金のリドリロ、リドリロリロリロリロリロリ
イヤッホゥー!
>>681 嗚呼、その行く手には。
仮面のリドリロが立っていた…
サンホラ人口多いなオイ
俺はあらまりさん抜けるまでしかわからんが
コーラとドロシーは相性悪そう
リドリロ……響き的にドリルが必要ですね、ドロシー。
などと言ってドリルをあしらったデザインの衣装を作成するリリーナ様。
ポタポタと天井から水滴のしたたる洞窟の中を、懐中電灯を片手にプリベンター
達が奥へ奥へと進んでいた。
「つめてっ!たく何で水滴なんて落ちてくるんだよばーか!いてっ!なんでこん
な所に石が転がってんだよ!ばーかばーか」
小学生の様にモノにあたるコーラサワー。彼の場合、転んだら自分のせいではな
く石のせいにしちゃうタイプ。
「一々煩い男だ。ちゃんと足元を照らさないからいけないんだぞ。ほら、グラハ
ムフラッシュ」
グラハムがコーラサワーに懐中電灯の灯かりをあてる。
「わっ。眩しいじゃねぇかこのナルハム!」
食ってかかるコーラサワーに対してグラハムは鼻で笑う。
「ふんっ。油断しているのが悪いんだぁあああ」
コーラサワーに気をとられていたのか、グラハムも石につまずいた。プリベンタ
ー・アホのコードネームは伊達じゃない。
「へへへ。自業自得だばーか。でもよー、こんな所なんかに本当にMS(モビルスー
ツ)工場なんてあるのかよぉ」
コーラサワーが手元の懐中電灯を弄びながらブツクサ呟く。
「まぁ、砂漠の地下にMSの格納庫がある位だからなぁ、洞窟の奥に生産工場があ
ってもおかしくないだろ」
デュオがちらっとカトルを見て答える。砂漠の地下とはマグアナック隊のアジト
の事だからだ。それに気付いたカトルは少しばつの悪そうに苦笑した。
「デュオ、マグアナックの基地は地球圏統一国家になってから直ぐに破壊しまし
たよ」
そしてチラリと懐中時計を取り出し文字盤を見た。因みに、見た目はアンティー
ク調だが中身は最新式で、ライト付の電波時計。
さらにこの時計かなり名の通ったブランドの物。こういう所でカトルのお洒落な
お坊っちゃまらしさが出る。
「皆さん、洞窟に入ってそろそろ1時間になります。もしかしたら今回は空振りな
のかもしれません」
先日、この洞窟の奥にOZの傘下にあった会社1つが、秘密裏に作ったMS生産工場
があるとの報告を受けたプリベンター。その工場の発見と破壊が今回の任務だ。
だが、この手の情報は信憑性も余り高くなく、空振りになる事も多い。
百聞は一見にしかず。そういう訳でこういった任務にはプリベンター直々に調査
に向かうようになっているのだった。
「そうでも無さそうだぞ」
先頭を歩いていた五飛が突然立ち止まった。
「分かれ道だ」
五飛の指差す方向には引きずり込まれそうな程沈んだ暗闇が、左右中央に分かれ
て続いていた。
「前の工場の時も、分かれ道を作ってダミーにしてたもんなぁ。こりゃ今回はア
タリかね。あーやだやだ。ハズレだったらさっさと撤収出来たのに」
デュオが嫌そうに呟く。
「特に目印になるようなものもないな」
「そうなると、三手に分かれるのが賢明だな。どうする」
ヒイロの問いに答えたのは我らがコーラサワーさん。
「そりゃあ勿論、ジャンケンだろ!」
こうしてプリベンター一行は洞窟の暗闇でジャンケンをする事になった。
「ジャンケン」
「ポンッ!」
結果…
左ルートを進む事になったグーチームは
ヒイロ・デュオ・コーラサワー
中央ルートを進む事になったパーチームは
五飛・ジョシュア
最後、右ルートを進む事になったのはチョキチーム
トロワ・カトル・グラハム
「洞窟の奥なので無線も何処まで電波が届くかわかりません。常に電波の状態に
は気を付けて下さい。ダミーの場合でもアタリの場合でも必ず連絡はしましょう
」
カトルがヒイロと五飛に無線を渡しながら注意する。
「了解した」
ヒイロと五飛も無線が作動するかを入念にチェックしてから返事をした。
「では、お互い健闘を祈ろう」
グラハムの挨拶で確実洞窟の奥へと進んでいった。
こうしてプリベンター達は各々の道を進む事となった。果たして彼らには一体何
が待ち受けられているのだろうか…
「…はぁはぁ、こんな所まで来てしまった。だが、ここまで来れば奴も追って来
ないだろう。しかし、ここは一体なんなんだ…?」
一つの黒い影が、洞窟の奥深くを進んでいた。そしてその遥か後ろ。
「うふふ…僕から逃げようなんて100万年早いよ…絶対捕まえるんだから」
もう一つの影が前の人物を追うように同じく洞窟の奥を進んでいた。
(つづく…)
***
今週になってから急に忙しくなってしまい、うまくまとまらなかったので、
短いですが続かせます。こんばんは。
GWと書いて『ガンダムウイング』と読む。良い季節です。
次回からは各チーム編の話になる予定。
では。
次回がかなり気になります。
職人さんの方々、毎回投下してくださってありがとうございます。職人さんは律儀な方々が多いですね。
689 :
模倣の人:2008/05/01(木) 01:04:10 ID:???
〜前回のあらすじ〜
ドナドナドーナードーナードーナー コーラを載ーせーてー。
ドナドナドーナードーナードーナー コンテナ揺ーれーるー。
旬はとっくに過ぎてる気がしないでもないがまだまだ引っ張るモツ煮コーラ。
ラッセを道連れに彼はどこへ行くのであろうか。
「で、ここへ来たと」
ここは某収録スタジオの楽屋の一室。
音楽番組収録のために訪れたカティ・マネキンに宛がわれている楽屋に、コーラサワーは届けられた。
かくかくしかじかと、ここへ至る経緯とついでに同僚たちがいかに非道であるかを切々と訴え、その締めくくりとして彼は、
「というわけで、俺のことを是非とも受け取ってください!」
とのたまった。
その口振りはまるで裸の身体にリボンを巻きつけた女が「プレゼントは私です、受け取ってください」と主張するのと同じくらい
激しく痛い台詞であるが、当のコーラサワーはまさしくそのつもりであるため手に負えない。
それでも裸にリボンならまだ色気もあろうが、現在の彼は段ボール箱から首だけを外に出した状態である。
色っぽさには程遠く、近い喩えを上げれば誰もが真っ先に黒ひげ危機一髪を思い浮かべるであろう。
じろり、とカティは冷徹な眼差しを運んできたラッセに向けた。
「余計な物を運んでくれる。当然、受け取り拒否は出来るだろうな?」
「そりゃあ、まあ。けど俺としては出来れば受け取って頂けると助かる」
ラッセは重い息を吐いた。誰にも受け取ってもらえずたらい回しにされたらコーラサワーが哀れというのもあるが、
たらい回すための労力を払うのは他の誰でもない自分である。できればそんな事態はご免こうむりたかった。
カティに疎んじられている気配を感じ取ったコーラサワーは、どうにか受け取ってもらおうと必死にアピールをし始めた。
「ほ、ほら! とれとれぴちぴちのスペシャルエースですよ!」
「お前は蟹か、それとも産地直送の新鮮野菜か。とにかくぴちぴちなんて言葉は若い奴が言ってこそだろう」
忘れがちだがコーラサワーはこれでも三十路手前である。
「う、受け取ってくれたら何だってします! 貴方の下僕に、いや、犬にだってなってみせます!」
「そんなものは上司と部下の関係で十分だ」
「じゃ、じゃあ夜のお供にぐヴぉぅわッ!?」
言葉の途中でカティの拳が炸裂する。
「私は下品な冗談が嫌いだ」
「……申し訳ありません」
頬を赤く腫らしながら、寂しげにうな垂れた。その様はまるっきりご主人様に怒られて小さくなる犬である。
だが彼はすぐさま顔を上げ、カティの瞳を真っ直ぐに見据えると、真摯な眼差しでこう告げたのだった。
「けど、俺の愛は本物です。俺は大佐のためなら何を投げ出したっていい。大佐のことが好きなんです!」
荷物として受け取ってもらうためのアピールのはずが、いつの間にか愛の告白に目的が摩り替わっている。
こんな台詞を人目も気にせず恥ずかしげもなく言えてしまうのがコーラサワーの凄いところである。
直接言われたカティだけでなく、傍で聞いているだけのラッセでさえもあまりの小恥ずかしさに耳まで赤くなった。
「よせ少尉、こんなところで」
「はい、(やめ)ないです!」
「寝言はほどほどにせんかッ!」
二発目の拳がコーラサワーの頬を精確に捉えた。
690 :
模倣の人:2008/05/01(木) 01:05:20 ID:???
両の頬が腫れてオカメのようになったコーラサワーを見下ろしながら、深く溜息をつく。
「まったく。これだから放っておけんのだ」
「えっ、じゃあ受け取ってくれるん――」
「それとこれとは話が違う。いい機会だ、このまま世界を旅して見識を広めて来い」
「えー」
「えー」
口を揃えて不満げな声を上げるコーラサワーとラッセ。お互い早いところ自由の身になりたいと願う気持ちが、
二人の心を一つにしていた。だが拒否をする者に無理強いはできない。
「仕方ない、ここは引き下がろう。その代わり、次の送り先をあんたが指定してくれないか?」
「送り先か……参ったな、こういうときにとっさに浮かぶ伝手がない」
ラッセに頼まれて頭を捻るものの、こんな厄介な荷物を受け取ってくれる知り合いなど思い浮かぶはずもなかった。
結局カティには次の送り先を決めてもらえず一瞬気落ちしかけたが、そうだ、と思いついたように、
ラッセは部屋の隅に置いてあった電話帳を取る。
ぱらぱら適当にめくりながら、机の上にノートを広げ、定規とペンを駆使して手早く表を作っていく。
その内容は。
1.やったね、いきなりゴール! 『プリベンター本部へ帰る』
2.その地は天国か地獄か? 『マリナ・イスマイール王女宛』
3.世界政府の外務次官に頼れ! 『リリーナ・ドーリアン宛』
4.ある意味借りを作りたくない相手 『アレハンドロ・コーナー宛』
5.地球が駄目なら宇宙へ行こう! 『ゼクス・マーキス宛』
6.
ラッセの手元を観察していたコーラサワーが疑問の声を上げた。
「……なあ兄貴」
「俺はあんたより年下です。兄貴って呼ぶな」
「これ、何だ?」
「行き先を決められないからな、こうなったら運頼みだ。サイコロを振って、該当する目のところへ連れて行く」
即ち『サイコロの旅』。
「いやいやいや、こんだけ選択肢用意できるんだったらはじめっからプリベンターに帰らせろよ!」
「一度引き受けた以上、何もせず帰るわけにもいかないだろう。俺にも面子ってもんが」
「なんで変なところで義理堅いんだよあんた、そんなの適当にやっときゃいいだろうが!」
と、ぎゃいぎゃいと喚くコーラサワーをとりあえず無視して、ラッセはノートに向き直った。
ここまで選択肢を作ったはいいが、最後の一つがどうしても思い浮かばない。
ペンを銜えてしばらく唸っていると、見かねた様子のカティが横合いから手を伸ばして来た。
6.カティ・マネキンがお買い上げ
「……あんた、本当はこいつを引き取る気満々だろ」
「そんなわけはない」
「ならなんで照れたような顔をする?」
カティはその問いを黙殺で返した。
691 :
模倣の人:2008/05/01(木) 01:05:48 ID:???
ともあれ、これで準備は整った。ポケットからサイコロを取り出し高く掲げ、光にかざす。
逆光を受けて輝いたサイコロを、ラッセは思い切り振り投げた。
「い、1! いや6、6で頼むぅぅぅ!」
コーラサワーが渾身の力を込めて祈る。カティは興味のない素振りを見せながら、瞳の奥には明らかに期待の色を覗かせていた。
そして出た目は。
「……3、か」
「3だな」
ということで、めでたく(?)次の行き先はリリーナのところと決定したのだった。
「名残惜しいです大佐、大佐あああ」
「女々しいぞ少尉」
カティの拳骨が落ちる。ラッセがコーラサワーを抱えて退出しようとしたときの一幕である。
「それじゃ、俺たちはこれで」
「まあ待て。土産を持たせてやる」
コーラサワーの段ボール箱に書かれている一文を受けてか、カティがそんなことを言い出した。
コーラサワーが今入っているのと同じ大きさの段ボール箱を幾つか手渡される。
中身はと問えば、彼女は薄ら笑いを浮かべて「知りたいか?」と言った。
何となく訊くのが怖くなって、ラッセとコーラサワーは頭を振って曖昧な愛想笑いを浮かべる。
貰った箱を適当に配送用コンテナへ積み込むと、彼らは次の目的地へと旅立っていった。
(早く終わらせたい)
サンホラは1期も2期も最高です。『即ち……光をも逃がさぬ暗黒の超重力』をコーラかグラハムに歌って欲しい。
こんばんは皆様ご機嫌麗しゅう。連休前の仕事が本気で忙しくなりそうなので今のうちに投下。
>>661-661氏の話に繋げられなくて申し訳ない。
予想外にモツ煮ネタが長くなってしまいました。次か次くらいで終わらせられたらいいな。
ところでそろそろ気づかれてるかと思いますが、模倣の人は カ プ 厨 で す 。
苦手な方は精神衛生上、回れ右した方が安全です。それでは。
模倣の人GJ
個人的には未だ出番がない(無かったよな)5番が見てみたかったが
閑話休題カプ厨とみてああカプル厨なのかと思った俺は訓練されたガノタ
お二方乙!
キャラの性格や言動、オチのつけ方等々、
毎回奇抜な展開をよく思い付くものだと感心します
さて諸兄に問う。
パトリック・コーラサワー29歳(この作中の話である、あくまで)は馬鹿か否か。
おっと、早押しクイズの如く即答で「はい! そうです!」と答えないでいただきたい。
よくよく考えてみて欲しい。
彼はAEU軍のトップエースなのだ。
それにいくら300年後でも、MSは車と違う。
人型のメカを外部操縦でも内部操縦でも『人間のように動かす』ことがどれだけ難しいことであるかは、
HONDAの某ロボットが我々に嫌と言う程教えてくれた。
自称とは言え模擬戦で二千回も不敗を続け、性格を差っ引かれてもエースとして上司から認められるということは、
操縦のテクニックとMS力学(とでも言おうか)によっぽど通じていないと絶対に不可能。
野生のカンとか本能とか天才ですからとか、そんな便利な言葉で片付けていい問題じゃないのだ。
で、それじゃあコーラさんは頭がいいのか賢いのかと問われると、はて、これもそうだと言い難い部分があったりする。
知識と知恵は異なると言うが、少なくとも机上の学問で秀才である、とは断じて思えない。
かつてZガンダムでライラ・ミラ・ライラという女性パイロットがティターンズのジェリト・メサを評して、
「お勉強ばかりよく出来て馬鹿な子っているんだよね」との発言を残したが、
もしかするとコーラさんはこの真逆なのではないか、と思えるのである。
お堅い問題は不得手だが、理屈と膏薬でカタをつけられる応用証明系の問題はもしかしたらコーラさん、
とにかくやられても撃たれても生き残る、つまり結果を出し続けるという意味で大得意かもしれない。
(ここは意見が分かれるところである。突撃傾向や不意打ちに十分対処出来なかった面から、応用力に疑問符がつくという論もある)
事務系などの机に張り付く仕事以外では、この手のタイプが実に現場で重宝される傾向にあり、
組織下ながら個々のレベルで命令以外の瞬時の判断を求められるパイロットという仕事は、彼の天職と言うべきか。
大佐の指示をそのまま通している可能性があるとは言え、部下(?)にそれなりに指示を出している点を鑑みても、
やはり単なる馬鹿で片付けるべき男ではない、という結論に行き着くのである。
やあ諸兄、疑惑の目を向けてくれるな、これも理屈と膏薬ってヤツだから。
どこにでも貼りつくのよ、生きてる限りは。
「おいプリベンター・バカ、仕事だから行くぞ」
「このデコッパゲ……コードネームで俺を呼ぶなっつってんだろ!」
プリベンターは今日も今日とて平和である。
式典の警備とか、OZやデキム・バートンが残した『忘れ物』を処理するのがここのところのお仕事になっている。
もちろん、それらも立派にプリベンターの任務の範疇内であり、何ら恥じるところはないのだが、
イケイケゴーゴージャンプな性格のコーラサワーにとっては、いささか刺激が足りないのも事実ではあった。
まぁ正味の話、プリベンターが全力介入を図らねばならない程に世界を揺るがす事件がそうそう起こってもらっても困るわけで。
事件を未然に防ぐ、つまり影の抑止力もまたプリベンターに課せられた使命なのだから。
「何を言う、お前なんぞただのバカで済むところをわざわざプリベンターと付けて呼んでやっているんだ、感謝してもらいたいくらいだ」
「そんな理屈で喜ぶ奴がどこにいるんだよ!」
「俺の目の前にいる。自分でスペシャルとか言うような奴は所詮その程度だ」
「……お前ら、仲良いな」
コーラサワーと五飛の漫才的会話に、デュオがテーブルに頬杖つきながらボソリと突っ込む。
半ば、プリベンターの日常風景と化してきた場面である。
「俺はスペシャル様なんだよ! AEUのエースだったんだぞ! 模擬戦二千回負けなしなんだぞ!」
「もうその自己賛美台詞には垢が付いているのに気付け」
「何だとバーロー!」
普段、コーラサワーと最も会話が多いのはデュオ・マックスウェルである。
それは何故かと言えば、デュオがプリベンターの面子の中で一番のツッコミ属性の持ち主だからだ。
コーラサワーのボケ(と、本人は自覚していないが)にビシバシと言葉のレイピアで突き刺していくデュオは、
どう見てもプリベンターの中でベストマッチな取り合わせと言えるかもしれない。
ま、デュオは甚だ不本意だろうが。
そして、デュオの次にコーラサワーと言葉を交わす回数が多いのは、これが何と張五飛。
ツッコミともボケとも違う、独自の思想と理屈(これを変形ジャイアニズム、ウーフェニズムと呼ぶ)でもって行動する彼は、
ぶっちゃけて言えば相性が良い相手なぞいない。
基本、攻撃的な言動に終始して相手の意見を素直に通さないからだが、それでもそれなりに成長しているのである、彼も。
もともと頭の回転の良さはガンダムパイロットの中でも随一で、意志も強い男なのだ。
ただ、ちーっとばかりイジワルな方向に精神が伸長しちゃった感じはあるけれども。
「よしわかった、次からプリベンター・バカと呼ばないでいてやる」
「ん、んあ? わかりゃいいんだよ、わかりゃ」
「プリベンター・スペシャル・バカと呼んでやる、本望だろう」
「……お前、コラ五飛、喧嘩売ってんのか」
「ほう、お前は買っているのか? 喧嘩を」
「あんたたち、いい加減にしときなさいよ……」
呆れたような口調で、プリベンターの現場指揮官であるサリィ・ポォが呟く。
ほっとくと亜光速でどんどん地平の果てに飛んでいくコーラサワーとガンダムパイロットの会話に待ったをかけるのは、いつだって彼女の仕事である。
ちなみにヒルデ・シュバイカーも会話をストップさせることが出来る、フライング・フライパン的な意味で。
「早く出発しましょう、現地にはグラハムさんとジョシュアさんだけなんでしょう?」
「まぁ大丈夫だろう、あの二人も相当にアレだが、少なくともコーラサワーよりはマシだ」
「今ふと思ったんだが、パトリック・コーラサワーという男はいったいプリベンターの仕事のどこに寄与しているんだろうな」
カトル・ラバーバ・ウィナーを端的に評すると、『人の良いお坊ちゃん』となる。
実際、中東の名家ウィナー家の跡取り息子で、立場的にはかなり恵まれた存在である。
家柄が上級な上に人当たりが良く、礼儀も正しいので、対外折衝なんかにはうってつけの人物なのだが、これで結構頑固な面もあったりする。
それに、怒らせたら一番怖いという二面性も密かに持っている。
ヒイロ・ユイは言わずと知れたガンダムWの主人公さん。
もっとも、この物語ではとことん影が薄いが、まぁ寡黙で対人の関係作りが拙いタチなので、仕方ないとは言える。
何せ周りが個性的に過ぎるわけで、どうしてもワリを食ってしまうわけだ。
リリーナ・ピースクラフト絡みなら一気に主役になるわけだが、さてさて、今後そういった展開があるかどうか。
トロワ・バートンは謎の軽業師である。
いや、本当に。
本名は不明で、トロワ・バートンという名前は借り物に過ぎない。
バートンという姓でわかる通り、本物はデキム・バートンの一族でヘビーアームズの本来のパイロットだったのだが、
諸事情により今は彼が「トロワ・バートンになって」いる。
もう今更そのことについて言及する人間もおらず、また本人もこのままでいいと思っているので、
余程のことが無い限り、彼はこの後もずっとトロワ・バートンであり続けるだろう。
「おいお前ら、俺がプリベンターにとって邪魔だっていうのか?」
「そこまでは言っていないが」
「そ、そうですよ」
「正直、ちょっとは思っている」
この三人はあまりコーラサワーとマンツーで会話をしない。
言葉を交わすとすれば、今のように複数対コーラサワー一人という図式の上で行われることが多い。
コーラサワーに関わりたくない……と言うより、会話のネタが無いと言う方が実際のところである。
何もフェルマーの定理や量子重力理論について語れというわけではない、本当に会話が続かないのだから、しょうがないのだ。
「ざっ、けっ、んっ、なぁあああぁぁぁああ!」
「うるさい奴だな、本当に」
「名誉じゃねーか! このスペシャル様が在籍してるってことだけでプリベンターは価値が上がるんだぞ!」
「何だその『アイドルが踏んだからガムの噛みカスでも価値がある』みたいな屁理屈は」
「ヒイロ、相当に違うと思いますけど」
「でも当たらずとも遠からずだと思うぜ」
「聞き捨てならん、俺達はガムの噛みカスか」
「五飛、何でも噛みついたらいいってもんじゃあない」
「ガムだけにな」
「デュオお前、上手いこと言ったつもりか」
一人ひとりでは弾まない会話も、こうして五人集えばかしましい。
結局こうなるのだ、コーラサワーのゴーイングマイロード発言を中心に、ガンダムパイロットたちが茶々を入れるという展開に。
嗚呼、仲良きことは美しきかな、かもしれないなんて言っちゃったりなんかしちゃったりして。
「あなた達! いい加減にしなさい! これ以上の遅延行為は罰金対象にします!」
そして引率者、じゃない現場責任者サリィ・ポォの一喝。
その向こうで、すっかり準備を終えたヒルデがひとつ、呆れたように大欠伸をするのだった。
早くしなさいよ、揃って馬鹿みたいじゃない―――と。
今日もプリベンターは平和である。
そう、とことん。
プリベンターとパトリック・コーラサワーの心の旅は続く―――
GWは法事と仕事があるので早めにコンバンハ。
皆さま良い休日をお過ごし下さいサヨウナラ。
土曜日さん乙!
平和だなぁこいつらw
五人組が可愛く見えてきた、視力落ちたかな…
土曜さん乙&頑張って!
律儀に投下ありがとう、無理はしないようにねー。
コーラは頭の回転が早いバカなんだと思うよ。
並行世界がたくさん
1スレで何粒も美味しいコーラ
保守
連休はさすがに投下はないか
やっぱみんなどこか行ってんのかな。名無しも職人さんも。
まあ連休だしなぁ。
まぁ、2チャソより個人と家族だわな、そりゃ
期待を溜めとくとしますか
とはいえ、雑談でもネタないか?なにか
たったいまコーラゼロを飲みつつタバコを吸っている
コーラさん喫煙者じゃないよな
なんでだ?
海外は喫煙に厳しいイメージがあるな。
日本の喫煙事情が世界的に見ても超ゆるすぎるくらいだからね。
あと、コーラさんに煙草は似合わないよ。
どっかのスレで見たが欧州じゃタバコは常習性と健康を損なうために麻薬と同じ扱いで軍から排除される予定とかなんとか
嘘か真か知らんが
コーラ、酒は飲めそうだけどタバコは吸わなさそうだよな
コーラゼロっつー機体を作ればいーんだよ
幸運値だけが物凄い高いMS
必ず生きて戻れる保証つき
ただし起動だの発射だの何かするたびイィヤッフゥーーー!という音が鳴る
たまに操作する前にフライングイヤッフー音が出る愛嬌搭載
自販機での煙草の売り上げが激減した為、認証に運転免許を使う方向だとか
自販機買い換えたそこらのお店は涙目だろうな・・・
煙草すってる暇があったら模擬戦するよ
仲間との通信は全てイヤッフ語に自動変換!
敵軍に傍受されても解読不可能と大絶賛のイヤッフ語です!
更にコーラゼロの移動に必須の段ボールをお付けします!お色はもちろん新橋色!
更に更に!補強用の新橋色ガムテープに、貴方のセンスで世界を新橋色に染めて下さい!新橋ラッカーまでお付けして!
お値段ぽっきり一万円!
一万円での大奉仕!
さぁ皆様お急ぎ下さい!
ジャパトリネットこーら
スルタン三着なら三連複当たってたのに‥
カトルとドロシー
保守
連休最終日
test
あれ、専ブラが変だ
全部落とされた?
ここと本スレ、なぜかコードギアスのEU軍に〜しか生き残ってない。
まだましな方だ。中佐やジョシュアなんて本スレごと消滅した。
何にせよ、ここが生き残っててよかった…
連休終わって職人さん戻ってきてくれても、スレがなかったら目も
当てられんところだった。
個人的には巡回してたところが軒並み落ちてショックだけど…
単に鯖共有してるvipごと落ちただけよ。
今見えないスレはIEやら携帯やらで書き込んだら復帰する。
どうも前回と同じパターンだな
お隣のお国(大陸?)から攻撃→マモノ落ちる→大圧縮
適度にageないとダメか、ちょっとでも過疎ると危険かも
かきくけ
コーラ
コーラとカティ
ヒイロとリリーナ
デュオとヒルデ
カトルとドロシー
トロワとキャスリン
ごひと
ごひと妹蘭
ごひとサリィ
お好きな方で。
ごひとマリーメイアで
コヒデカト…ご
ごひはナタクだろ
死んだ嫁の名前なんだぜ?
それが妹蘭やん
もしや
>>730は
『嫁の名を付けられたガンダム』であるところのナタクと絡ませろと言いたいのか?
ガンダァム!
ハム公が煩くなりました
ハムハム
なんか可愛いな
なんか今、WのEDよろしく二匹のグラハム風ハムスターにヘッドロックかますリリーナ様を受信した。
デカいハムスターだなw
ボディブローでハムハムが吹っ飛んでいった
738 :
毎週水曜日:2008/05/09(金) 11:10:54 ID:???
前回までのあらすじ…
「突如宇宙からやって来たウマタロス軍団かっこ仮かっことじによって、次々と
動物の姿に変えられてしまったプリベンター達。
絶体絶命大ピンチ!
そこに現れた正義のヒーローコーラサワー。彼は地球の未来のため、宇宙列車バ
ンライナーを駆ってたった一人でウマタロス軍団かっこ仮かっことじに立ち向か
っていくのであった…どう。こっちの方が面白くない?俺様のヒーロー戦記!」
コーラサワーはニッと笑った。
「な・に・が面白いだ。俺達はMS工場探してるだけだろうが」
コーラサワーの頭にデュオがチョップを入れる。最近はデュオの突っ込みもすっ
かり板についている。後にこの能力がリドリロ、というかリリーナの目にとまり
、漫才指導をさせられる羽目になる事になるのだが、彼はまだ知らない。
そんな訳で、プリベンター達は前回洞窟内にあるであろうMS工場を調査すること
になり、分かれ道で三手に分かれて今に至る。
「因みに三編み、おまえはモモンガでモモタロス。タンクトップはネコガザルで
ネガタロスに変身させられるからな」
「俺参上!…って、ネコガザルってなんだよ!?無理矢理にも程があんだろ」
デュオタロス、じゃなくてデュオ、ノリ突っ込みもお手のもの。
「しっかし、なんで俺って運が無いんだろう…カトルみたいにまともな会話が成
立する相手と組みたかったなぁ」
「悪かったな…無口で」
先頭を歩くヒイロがボソッと言った。
「あら、ヒイさん聞こえてらっしゃったの。だったらなんか話そうぜ。例えばリ
リーナお嬢さんの話とか―」
「お前に話す事なんてない」
話したって別に減るもんじゃないのに。即答されてデュオは顔をしかめた。
「ヒイさんのいけずぅ。健全な男の子ならこういう話ってのは普通に食い付くも
んなの。なぁ、コーラサワー?」
話に交ぜないのも可哀想だと思いデュオはコーラサワーにも話をふってみた。面
倒見の良い所はデュオの長所だ。
「そうそう。俺がお前等位の時はな―」
「あぁ、それは後で聞くわ。それともヒイロ。もしかして喧嘩中?隠し事があっ
て気まずいとか?」
「別に…隠し事なんて…」
ヒイロはデュオから視線をそらした。明らかに動揺している。
ビンゴ。やっぱり例の漫才が気になってるけど、リリーナお嬢さんからは何も話
されてないんだな。
へへん、たまにはからかうのも良いよなと思うと、デュオはニンマリ笑い、ヒイ
ロの肩に腕を回した。
「そうかそうか、恋人が隠し事ねぇ。まぁよくある事だけど、それが原因で‘破
局’とかもあるからなぁ」
ワザと破局の二文字を強調して話かける。
「…」
暗くてヒイロの表情は伺えないが、焦っているのは態度で分かる。デュオは更に
追い討ちをかけようとしたが、
「外務次官のリリーナ・ドーリアンていったら、結構な美人だろ。まぁ大佐には
及ばないけどな。他の男もほっとかないんじゃねぇの。ほら好きな男に合わせて
趣味変える女もいるっていうし」
コーラサワーが代わりに追い討ちをかけたご様子。最も、本人はその事に気付い
ていないが。
ヒイロは暫くうつ向いていたが、何か思いついた様に顔を上げると、
「…命なんて安いものだ。特に俺のは」
そう言い、何処から出したのか自爆スイッチを取り出した。
「おい!ちょ、待てヒイロ!コーラサワー、腕おさえろ!」
「お、おう!」
花見の二の舞になりかねないので二人でヒイロをおさえつけて自爆スイッチを取
り上げる。
「返せ、俺の自爆スイッチ!」
「悪かった。からかった俺が悪かったから、洞窟で自爆は止めろ。シャレになん
ねぇから」
デュオがそう言った直後ドーンと物凄い轟音がした。デュオとコーラサワーは思
わずヒイロを見つめる。
「俺はやっていない」
「じゃあ誰が―」
言い終わる前にコーラサワー達の前方からダカダカと足音が聞こえてきた。
「誰か来る」
デュオとヒイロは銃をかまえた。数秒遅れてコーラサワーもかまえる。
懐中電灯でほんのりと照らされた洞窟からだんだんと人影が近付いてくる。
一筋の汗が頬を伝い、一同に緊張がはしる。と
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
悲鳴を上げながら、人影は全速力で駆け抜けていってしまった。
「おい…今の…」
デュオが少し呆れた声で言う。
「まて、まだ足音がする」
ヒイロが言った直後、また同じくタカタカと足音が近付いてきた。
「待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。あ、どうもこんにちは。では、待ってぇぇぇ
ぇぇぇぇ」
ヒイロ達の所で一度立ち止まり、ペコリと丁寧にお辞儀をすると、また声の主は
前方を走る影を追って走りさってしまった。
「いっちまった…」
2人の人影は嵐の様に通り過ぎてしまい、銃をかまえた3人は呆然とその場に立
ち尽くしていた。
「カトル達、あいつ等に会わないといいな」
デュオの言葉にヒイロはうんうんと頷き、コーラサワーは首をかしげた。
そして3人は銃をしまい、またテクテクと歩き出した。途中壁に大きな穴が空い
ていた場所を通過したが、多分先程通り過ぎた一人がぶち破った穴だろう。轟音
の理由とも辻褄が合うし、その人物の生命力を考えれば合点がいく。
「なぁ、あれ出口の光じゃねぇか?」
コーラサワー前方でうっすらと光る出口らしきものに向かって指を差す。
自然と3人の歩調も早くなり、光もどんどん大きくなっていく、そしてとうとう
3人は光の中に飛び出した。
久しぶりの太陽の光が眩しい。そう、3人が出たのは外に繋がる出口だった。周
りは木が鬱蒼と繁る森。
「なんだよ。俺達はハズレかぁ」
デュオがその場に座りこむ。
「おい、五飛達に連絡するぞ」
ヒイロは無線を手に取った。
「あ〜ああ〜」
そして、コーラサワーはその辺にある木に巻かれているツルにまたがり、ターザ
ンごっこを始めたのだった…
「…そうか、そちらはハズレだったか。こちらはもう少しかかる。カトル達とは
?そうか、繋がら無いか、こちらもだ。ああ、取りあえず元の分かれ道まで戻っ
てくれ。それと、さっきの轟音はなんだ?……ああ、そうか分かった。こちらに
害が無いのなら問題は無い。では切るぞ」
通信を終えた五飛はヒイロとの内容を簡潔にジョシュアに述べた。
「じゃあ我々がアタリという可能性もあるんだな」
「そういう事だ。行くぞ」
2人は再び歩き出す。「なぁ、五飛―」
「なんだ?」
「い、いや何でもない」
三手に分かれてからこの会話を何度かしている2人。ジョシュアは言いたい事が
あるのだが、話かける度に五飛に睨まれるのでなかなか話を切り出せないのだ。
「なぁ、五―」
「なんだ?」
「い、いやなんでもないんだ…」
五飛の反応速度がどんどん上がるだけで進歩無し。因みに最初は「なぁ、五飛。
実は話があるんだ…」だった。
そして、話かける事数十回目。
「なぁ、う―」
「なんだ?用があるならはっきり言え」
「お、お俺は暗い所が、苦手なんだ…」
数瞬の沈黙の後、五飛はふっと笑った。
「そうか…なら手っ取り早く終わらせよう」
「なにか良い方法でもあるのか?」
話してすっきりしたのか、ジョシュアの顔は心なしかさっきより明るい。
「ああ、こっちに来てみろ」
ひょいひょいと五飛が手招きするので近付くジョシュア。
近付いてきたジョシュアの襟をガシッと掴む五飛。
「え?まさか…」
さっきまで明るかったジョシュアの顔色はどんどん青くなっていく。
「俺も面倒臭いと思っていたからな。先に行って見てこい。心配するな、俺も後
から追いかける」
これ以上なく気持の良い笑顔を向けて五飛は発射体制にはいった。
「ま、待て、もうちょっと話あおうぅぅぅぅぅぅぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ジェット機の如く吹っ飛ばされたジョシュア。悲鳴が洞窟の中をこだまする。
「男の癖に悲鳴を上げるなど、弱い証だな」
誰も聞いていない場所で独り呟くと、ジョシュアが飛ばした方向に向かって五飛
は歩き出した。
(つづく…)
***
アクセス規制で投下出来ませんでした。こんにちは。
電王映画のデュオタロスVSヒイロタロスがツボだったのでネタに使ってみました
。
やっと『銃』とか任務っぽい単語を使えて、個人的に凄い楽しかったです(勿論今
までの話も書いてて楽しかったけど)。
多分次で終わると思うので、それまでお付き合い下さいまし。
では。
乙!
電王は見事に関vsグリーンリバーでしたな。
このスレにおいては常識人度がジョシュア>五飛だよな。うん。
GJ!
水曜神のキャラの作り方と物語のもっていき方はめがっさ巧いな
イヤッホォォォウ
しかし、職人に恵まれたスレになった
初期の頃から追いかけてた甲斐があったよ
画像神来い
模倣氏の話を読んで以来
小指を立ててマイクを持っているデュオと、赤いスーツで打ちひしがれているヒイロと
危機としてコーラさんを箱詰めしているごひと、鼻眼鏡のリドリロの図が頭から離れないが
残念ながら画力が足りない
748 :
模倣の人:2008/05/11(日) 02:15:17 ID:???
〜前回のあらすじ〜
コーラと大佐がなんかイチャコラしてました。
優雅な庭園に置かれたテーブルセットに、湯気を立てるティーポット。
椅子に腰をかけて、二人の淑女が微笑んでいた。もはや紹介するまでもなく、リリーナとドロシーである。
「遠路はるばるご苦労様。貴方が噂のパトリック・コーラサワーですのね」
ドロシーが視線を向けた先には、やけに緊張した面持ちの体格のいい青年と、箱詰めにされた赤毛の男がいる。
ラッセは慣れない雰囲気に動揺していた。いかにも金持ちそうな、しかし決して下品ではない穏やかな雰囲気の邸宅に、
これまた上品な身なりの良い令嬢たち。Tシャツ姿の自分がかなり場違いのように思えて居た堪れなくなる。
何より彼の傍らには箱入り息子ならぬ箱詰め青年が、首だけを外に出して。
傍から見ればもはや滑稽を通り越して不審者以外の何者でもなかった。
リリーナ・ドーリアンの邸宅まで来てみたはいいが、まさか本当に対面できるとラッセは思ってもみなかった。
こんな怪しげな二人組、本来ならば門前払いを食らってもおかしくない。事実、そうなりかけたのだ。
警備の人間に胡乱な目つきで見られ、通報までされそうになったのだが、それがこうして面通りが叶うことになったのは、
「面白そうな方たちですわね。是非連れていらっしゃいな」
と、たまたま茶の席に招かれていたドロシーが気まぐれに放った鶴の一声による。
ドロシーとリリーナからの許可が出たこともあり、監視の条件付で足を踏み入れることを許された二人は、
黒服のいかつい連中に囲まれながら、こうして庭に通されることになった。
そして現在。ドロシーがコーラサワーを面白そうに眺めている。
コーラサワーはコーラサワーで、ドロシーの全身を舐めるようにくまなく検分していた。
身体つきはスレンダーだが出るべき部分は出ている、流線を描いた綺麗なボディライン。
顔もなかなかに凛々しく美しい。惜しむらくは特徴的過ぎる眉毛だろうか。
二股眉毛が存在を強調しすぎていて、他の部分の印象が全て吹き飛んでしまうのである。
ともあれ、第一印象は及第点であった。
が、第二印象はというと。
「そういえばパトリックさん、先日プリベンターの皆様に差し上げた贈り物は気に入っていただけたかしら?」
「贈り物?」
そんなものは貰った憶えがない。コーラサワーが過去の記憶を遡っていると、
「まあ、忘れるなんて酷いわ。いいわ、教えてあげる。とても素晴らしい的でしたでしょ?」
的、と聞いた瞬間、悪夢が蘇った。
ヒイロにペイント弾で延々と急所を狙われまくった、あの悪夢が。
「ノォ―――――ゥッ! 俺の股間が、股間があああ!」
実際に自分が撃たれたわけではないのに、何故だか股間に衝撃が走った。
恥も外聞もなく叫んでしまい、傍で聞いていたラッセが露骨に狼狽えた。
「アンタ! 若い娘の前で変なこと叫ぶな!」
未だ場の空気に慣れることの出来ないラッセはとにかく問題を起こしたくない一心で、コーラサワーの口を手で塞ぐ。
目線を二人の少女の方へ向ければ、リリーナは恥ずかしそうに頬を紅くし、ドロシーは愉快そうに大笑いしていた。
「本当に面白い方。期待していたとおりですわね」
「アンタか、アンタがサリィに余計な物作らせたんか。ううっ、俺、このお嬢さん苦手かも……」
コーラサワーが呟く。第二印象は最悪なようだった。
749 :
模倣の人:2008/05/11(日) 02:15:42 ID:???
「そういえばお嬢さんたち、漫才コンビ組んだんだって?」
テーブルを囲んで茶を嗜みながら、思い出したようにコーラサワーが問い掛けた。
コーラサワーの茶は、段ボールに詰められ手が使えない彼のために、ストローが差された状態で提供されている。
当然中身は熱湯なので、啜った途端に舌を火傷したことを記しておく。
彼の問いに、リリーナは優雅に頷いた。
「ええ。ヒイロに笑って欲しくて」
「へぇー、そうなんだ」
笑うどころかショックを受けて海より深く落ち込んでいたという事実は、敢えて口にしないのが男の度量である。
「今、ドロシーとネタ合わせの途中ですの。問題も多いけれど、頑張ってますのよ。ねえドロシー?」
「え、ええ、そうですわねリリーナ様」
ドロシーの表情は何故か困惑気味だ。
ラッセとコーラサワーが不思議に思っていると、ドロシーが顔を寄せて小声で話し掛けてきた。
「わたくし、確かに笑いにはその場を潤滑にする効果があると思うと言いましたけれどね。
だからっていきなり漫才に走られるとは思ってもみませんでしたのよ。
その上、何故かわたくしまで参加させられることになって。正直に言うと、困ってますの」
笑いとはユーモアのことであったのに、リリーナはギャグの意味で捉えてしまったらしい。
その上リリーナは一度決めたら一直線で、ドロシーも止めようがないという。
ドロシーの困惑に気づかないリリーナは、いいことを思いついたと、嬉しそうに言葉を紡いだ。
「そうだわドロシー、この方たちに練習中のネタを見ていただきましょうよ。ええ、それがいいわ」
提案の形をとってはいるが、リリーナの中では既に決定事項である。ドロシーに拒絶の権利はない。
泣きそうな目でラッセとコーラサワーを見る彼女に、二人の男は心底同情した。
第三印象は比較的プラス方向へ傾いたようである。
「えー、ではお二方。これよりリドリロの漫才を始めさせていただきます。どうかよろしくお願い致します」
白い衣装に着替え、鼻眼鏡と巨大ハリセンを装備したリリーナとドロシーが、男二人に挨拶をする。
義理の拍手をする二人。リリーナは軽く咳払いをすると、キッと顔を上げてこう言った。
「空から機械が降ってくるとは、なんてキッカイな! ですわ」
突如、これまで穏やかに流れていたBGMが止まった。
場の空気が完全に凍りつく。
(え、これボケ? というか前振りは?)
(俺が知るか。とにかく、どう反応すればいいんだ?)
対応を決めあぐねたコーラサワーとラッセは密かに視線を交わし合い、小声で相談する。
そこへ、ようやく勇気を振り絞ったというようにドロシーが震える声でツッコミを入れた。
「じょ、状況がわかりませんわリリーナ様!」
巨大ハリセンでリリーナの頭を叩く。が、空気は一層白けるばかり。
「ですから、空からUFOが振ってきたと」
「UFOなんてあるわけありませんわ、きっと宇宙船と見間違えたんですのよ」
再度ハリセンを振り上げたところで、ラッセが止めに入った。
ドロシーの肩に手を置き、優しい眼差しで労わりの声をかける。
「もういい、もういいんだ・・・・・・アンタたちはよく頑張った」
「ラ、ラッセさん・・・・・・うぅっ!」
「あ、兄貴ぃぃぃぃぃ!」
男前なラッセの姿に、ドロシーとコーラサワーが噎び泣く。
一人取り残されたリリーナは、状況がよくわからないながら三人を見つめて「いい話ですわ」と感動の涙を流していた。
750 :
模倣の人:2008/05/11(日) 02:17:03 ID:???
さて。
気を取り直した彼らは、ようやく本題に入った。コーラサワーの処遇についてである。
リリーナが恐縮したように、けれどきっぱりと言った。
「申し訳ありませんが、わたくしどもで貴方の身柄をお預かりするわけには参りません」
「だよなぁ、やっぱり」
予想はついていたと、ラッセとコーラサワーが異口同音に答える。
「さて、次はどこへ送るかな」
ラッセが思案していると、
「いい考えがありましてよ」
とドロシーが横から提案する。
彼女が手を打ち鳴らすと、離れた場所で控えていた黒服の一人が、大きなボードを抱えてやってきた。
ボードにはほぼ同じ大きさの紙が貼られており、その紙に描かれているのは、紛うことなく世界地図。
それから、別の黒服がドロシーに何かを手渡した。
「それは?」
「ダーツの矢ですわ。あの地図目掛けて投げてみてくださいな。刺さった国から適当に送り先を探してみましょう」
「……えーと、それは」
「日本列島ならぬ、世界七大陸ダーツの旅、ですわね」
「水曜どうでしょうの次は笑ってコラえてか……」
複雑な心境でラッセはダーツを受け取った。
「兄貴、変なトコ当てんじゃねーぞ、絶対だぞ!」
「わかっている。俺だって辺境の地までアンタを運ぶのは嫌だ。できるだけ近いところを狙うぞ」
喋りながら、脚を上げて大きく振りかぶり、ボード目掛けて力強く投擲する。
カッ、と小気味いい音を立てて矢が深々と突き刺さった。
ドロシーが地図帳と電話帳を両手に、矢が刺さった場所近辺から目ぼしい所を見繕う。
「ああ、ここがありましたわ。ホストクラブ『リ・ヴォンズ』、ここのオーナーとは懇意にしておりますのよ」
と言って手渡された住所を確認して、男二人は安堵の溜息をついた。
「よかったぁ、ここならそんなに遠くないぜ」
「俺のコンテナで十分運べる距離だな。それじゃ、さっさと行くか」
「あん、お待ちになって。せめてお土産を受け取ってくださいまし。ねえリリーナ様?」
「ええドロシー。せっかくここまで足を運んでいただいたのですもの、手ぶらで帰っていただくには忍びないわ」
邸を退出しようとする彼らを、二人の令嬢が呼び止めた。
何事かと振り返るラッセに、再びダーツの矢を渡す。
「これが土産か?」
「そんなはずがありませんわ。あちらを見て」
ドロシーが指差す先に、先ほどとは違うボードを用意する黒服たちの姿があった。
こちらのボードには円形の回転盤が取り付けられている。更に回転盤をよく見ると、円グラフのように区切られた枠の中に
それぞれ景品と思しき名称が書き込まれていた。
「投げた矢が当たったところに書かれた景品をお土産として差し上げましてよ」
「今度は東京フレn」
「細かいことはお気になさらず! さあ、投げてくださいな」
751 :
模倣の人:2008/05/11(日) 02:17:58 ID:???
ドロシーが指示を出すと、回転盤が勢いよく回り始めた。すぐに盤面の文字が読み取れなくなる。
ラッセが指定の位置に立つと、離れたところに立ち並ぶ幾人もの黒服たちが一斉に唱和し始めた。
「パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!」
「……さっきチラッと見た限りじゃパジェロなんてなかったぞ」
「パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!」
「兄貴、イナクト狙ってくれイナクト!」
「パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!」
「イ・ナ・クト! イ・ナ・クト!」
「うるせええええええええええっ! 落ち着いて投げさせろ!」
「パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!」
「イ・ナ・クト! イ・ナ・ふがッ!?」
黒服全てを黙らせるのは骨が折れるので、せめて一人だけでも静かにさせようと、コーラサワーの口にガムテープを貼りつけた。
「パ・ジェ・ロ! パ・ジェ・ロ!」
相変わらず唱和を続ける黒服の声援を心の中でシャットアウトして、全体重を乗せた渾身の一擲を放つ。
矢は見事回転盤に当たり、徐々に速度を落としていった。刺さった場所に該当する景品は……ずばりAEU‐09イナクト。
「んぃーんっんぅー!(イィーヤッフゥー!)」
歓喜の声を上げるコーラサワーに対し、ラッセは酷く嫌そうな顔を浮かべていた。
「ちょっと待て、こんなものどうやって運べと」
「ご安心なさいな。きちんと梱包しますわよ」
「いや、そういう問題ではなくてな……」
何かツッコミを入れたかったが、何を言うべきかわからなくなって結局押し黙った。
なんとなく、リドリロの漫才が上手く行かない理由がわかった気がする。二人ともボケだからまともに成立しないのだ。
「ドロシー、どうしてモビルスーツを貴女が?」
「ご安心くださいリリーナ様。あれはただのハリボテです」
「そう? ならいいですけど」
ドロシーの言葉を鵜呑みにしたリリーナだったから、続いて小声で呟かれた言葉は彼女の耳には届かなかった。
しかし、ラッセとコーラサワーの耳には確かに聞こえてしまったのだ。こんな台詞が。
(ええ、ハリボテですとも。イナクトの装備と性能を完全に再現した、鉄のハリボテ)
「あ、アンタぁぁぁっ!?」
「あら、何かしら? 余計な事は口にしないほうが身のためですわよ」
そう言って凄絶な笑みを浮かべるので、二人は二の句が継げなくなってしまったのだった。
硬直するラッセに、リリーナがまたも矢を手渡す。
「さあ、次の矢をどうぞ」
「なに、まだあるのか」
これで終わりと思い込んでいたラッセは意外な思いでリリーナを見た。すると彼女はにっこり笑って、
「まだまだあります。ドロシー、残りの矢を全て出してくださるかしら」
「かしこまりましたリリーナ様」
といってドロシーが黒服に持ってこさせた残りの矢は、優に百本を超えていた。
ダーツ地獄はまだまだ終わりそうになかった。
752 :
模倣の人:2008/05/11(日) 02:18:32 ID:???
一方その頃、プリベンターたちは。
『ヒルデ、大丈夫か。いけそうか?』
『大丈夫よ。私だって役に立ってみせるんだから』
デュオがヒルデを心配するも、彼女は明るく答えて見せた。
本日の任務は不発弾の撤去作業である。
プリベンターたちはミカンスーツを駆使して、地中に埋められた不発弾を慎重に掘り起こしていた。
コーラサワーが抜けた穴には、代打としてヒルデが入っている。
操縦技術では確かにコーラサワーより見劣りするものの、任務をこなす上では支障のない範囲であった。
グラハムやらジョシュアやら、面倒な輩も相変わらず元気に厄介ごとを起こしてくれるが、問題児が三分の二に
減っただけでも他の面子にかかる負担は酷く軽減されるものである。
特に問題もなく、恐ろしいほど順調に仕事は片付いていった。
『……あのさ』
『余計なことは言うな。それは錯覚だ』
何か言おうとしたデュオの言葉を五飛が遮る。
何事もなく順調に進んでいる。それは歓迎すべきことのはずだ。
問題も起こらず、起こさず、平穏無事に時を刻む。本来は常にそうあるべきなのだ。そう、だから。
物足りないとか、寂しいとか感じるのは錯覚でなければならないはずだった。
作業を続けながら、カトルがふと呟く。
『今頃どこで何をしているんでしょうね、コーラサワーさん』
視点を戻す。
「ぬりゃあああ!」カッ
「どりゃあああ!」スコッ
「あんぎゃあああ!」ガコッ
「兄貴がんばれ兄貴、あと二十本!」
今頃どこで何をしているかといえば、ダーツを投げまくるラッセの応援に励んでいた。
ラッセに声援を送りながらコーラサワーは思う。ドロシーの第四印象は、かなりの変人でいて少々のドSであると。
こうして、コンテナの荷台には段ボール箱が山のように積みあがって行ったのだった。
ちなみに全ての中身を把握しているものは誰一人としていなかった。
(終われない)
ただ芋。
間違えた。ただいま皆様ご機嫌麗しゅう。
次はリボンズさんのところ行って、そのあと1、2件回って終わらせます。
本当は今回で全部回るはずだったんですけどね……(遠い目)。書いても書いても終わりゃしねえ。何故、何故なの、何故なんだぜー!?
でもここまで来ちゃったから終わるまで頑張る。もうしばらくお付き合い願います。それでは。
エース・模倣氏キタ━━━━━━━━━━!!!!
GJ!
しかし終わるって?
去らないでー!
イナクトじゃでかすぎるから人間大のイナクトスーツで
コーラさんなら体力馬鹿だから使いこなせるはずさ
模倣の人、去らないでぇぇぇぇえ
お前ら、内容に関しての感想も書いてやれよ…
模倣氏は無理なく巧いことキャラクターと世界を土曜日基礎設定から分離発展させたな、という感じだね
クローンだけど別の人、というかなんというか
並行世界がたくさんあって、コーラさんとごひたちがそれぞれ賑やかにやってると思うとなんかほんわかするな
「ふいいいい……ヒック。おいオヤジ、熱燗もういっちょ!」
「店主、私もサケー貰おう。冷でな」
「フッ、俺はドンペはぐぶろ」
「バカスカ野、この店にそんなカッコつけたもんねぇよ」
世界の平和を陰から守る隠密組織プリベンターの一員、パトリック・コーラサワーは飲みに来ていた。
提灯と暖簾、軋む出入り戸が何とも言えない風情を醸し出しているヤキトリ屋に。
彼一人ではない、同僚のグラハム・エーカーとアラスカ野ことジョシュアも一緒だ。
「皮をタレで三本、レバーを塩で三本、そしてスナギモも頼むわ」
「では私は一端口休めということで大根サラダを希望する。ドレッシングは梅紫蘇で」
「じゃ、じゃあ俺はソーセージとスモークタへぎばろ」
「お前絶対ワザとやってるだろ、コラ」
三人連れ立ってこの店に来たのは、別に仲が良いからではない。
昼間たまたまデュオが読んでいたタウン情報誌に、最近評判の店情報コーナーというものがあって、
そこにこの店のことが載っていたのだ。
となれば、何事にも首を突っ込みたがるのがコーラさん。
定時に仕事をあがると(と言っても一応『待機』なのだが)、
デュオと掛け合い漫才もせずにてくてくとやってきた、というわけだ。
女の一人も連れていかなかったのは、さて、カティ・マネキンを想うがためであるかどうかはわからない。
まあ、給料日前なんで懐が寂しいのではないかと推測される。
女性におごらせる、なんてのはコーラサワー的にはちょっと『かっこ悪いこと』なのだろう。
それだけ見れば、まぁご立派な心がけではある。
で、グラハムとジョシュアである。
何のことはない、彼らもコーラサワーと同じ理由でこの店にやってきたのだ。
つまりはたまたまなのだが、ここに至ってじゃあ別々に来たんだから別々の席で、とはいかないのが社会のややこしいところ。
じゃあ哀惜、じゃないや合い席すっか、というのは、これは自然な流れである。
コーラサワーもグラハムもジョシュアも偏屈と言えば偏屈なので、
そんな道理なんぞ路傍のペンペン草の如く無視してしまっても構わないのだが、
高級料理店ならともかく、小さなヤキトリ屋でそれをやってしまっては、やはりちょっとガキっぽ過ぎるというところか。
あと、お店的にも「あ、お客さん同じ職場の方で? すいませんねぇ、この時間は混むもんで、出来ればテーブル固めて下さいな」となるわけで。
ま、そんな次第である。
「しかし、噂になるだけあって美味いな」
「うむ、今の私は確実に海原雄○を凌駕した存在だ」
「隊長、ぜんっぜん意味わかんないですが」
こういった店は肩肘張らずに楽しむものだ。
また、店主の人柄も良くて、店も適度に小さいサイズなのが空気を穏やかなものに染めている。
これで値段もそれなりで、味は良く、さらに酒(日本酒と焼酎)のチョイスもセンスが利いているとくれば、成る程、これで評判にならないわけがない。
「ふっふっふ、連中に声をかけないで良かったぜ。あんなガキどもにこの味はわかんねぇだろう」
コーラさん、御満悦の表情でレバーをパクり。
連中とはガンダムパイロットのことだが、ええと、味がわかんねぇもクソも彼らは一応未成年なわけで、
この手の店に堂々と連れ立っていったらそっちの方がヤバかろう。
レディ・アンやサリィ・ポォは何かイメージが合わないし、また誘ってもコーラサワーとだけは絶対に行くまい。
「オヤジ! 熱燗さらに追加!」
「私も頼む、ここのサケーは実に口当たりが良い」
「あー、俺はビールで」
コーラサワーはAEUの、ジョシュアはユニオン時代の軍服をそのまま身に付けている。
プリベンターに制服というものがなく、ガンダムパイロットはともかくいい歳こいた大人が私服というのも何なので、
一応彼らは出勤時は軍服を着用している(コーラサワーは時々パイスーだが)。
しかし、このヤキトリ屋の雰囲気に妙に軍服がマッチしているのは何ともおかしいと言うか、のほほんとしたところである。
スーツ姿のグラハムが逆に浮いているように思えるくらいで、
そういった意味では、この手のお店は日常からちょっと離れた異空間と言えるかもしれなかった。
「ネギマ!」
「ポンジリ!」
「つくねわさび!」
それにしても、高校生並に健啖な三人なのだった―――
プリベンターとパトリック・コーラサワーの旅路は一端お休み。
次回、ヤキトリ屋でコーラサワーの天敵がバトルを繰り広げバケラッタ。
ヤキトリ食いたくなったGJ
なんだこのおっさんトリオwwwww
土曜の人と模倣の人、名前欄隠したら見分けつかんな
魂の双子か!
>プリベンターの制服
これはEWでサリィやノインが着てましたよ。
確かに着てたよな
これはミスだな
>>766 既にわかってることをいちいち指摘する必要はないだろ。誰だって間違うことはあるんだから。
次からは気をつければいいだけの話じゃないか、嫌味っぽい言い方は良くないよ。
俺だって言われるまでプリベンターの制服なんて忘れてたぞ。
本編でしっかりと着られていたにもかかわらず忘れられがちなのは
おそらくスパロボでプリベンター所属のGチームが普通に私服だからと見た
どうでもいいがスパロボのカットインは時々顔グラと服装が不一致だったりして可笑しい
カットインでジャケット脱ぐヒイロとか(これはまあ原作準拠だが)仲間なのにマリーメイア軍服ごひとか
>>767 すまん別に意地悪なレスのつもりはなかったんだが
以後気をつける
>>769 こっちも噛みついてごめん。
しかしあれだな、このジャケットをヒイロたち五人が着てるのは容易に想像つくけど
三バカが着てる姿がちっとも思い描けない。というか似合わなそう。
>>771Gj
Wの制服ってかっこうよいね
ジョシュアにイラっときたwww
おお、GJ
コーラさんは大体何着せてもハマるよな
帽子だけは髪型とケンカするのか絶望的に似合わんが
スパロボの五人のカットインは私服ばかりだよな。本編のパイスーかっこいいのに残念。
>>771 GJ
コーラが似合ってるのは意外。グラハムは雰囲気が変わるね。
ジョシュアは確かにイラッとくるw
アラスカノに視線がいってしまうwww
例えばの話なんですが、MADとか作ったらここに投下してOK?
それともやめておいた方が無難ですかね。
まあまだアイデア出しも素材集めも何もしてない段階なんですが、ちょっと訊いてみたくなったから。
別にいいんでない?
前回までのあらすじ…
秘密裏に作られたOZのMS工場があるとの情報を得たプリベンター達。そこで洞窟
の中を探索する事になったが、なんと途中に分かれ道が!
三手に分かれて調査したところ、ヒイロ・デュオ・コーラサワーのチームはハズ
レ。
しかもプリベンター以外にもどうやら洞窟の中に人がいる様子。果たして彼等の
運命は!?
「ちっ…ハズレか」
五飛は自分の目の前の石壁を睨みながら舌打ちした。
「な、なにぎゃ『ハズレか』だ。こここ、こっちはし、死にきゃけたんだぞ!」
五飛の足元でへばっているジョシュア。先程『先に行って見てこい』と五飛に投
げ飛ばされてそのまま石壁に激突。歯を何本か折ったらしく口元を押さえている
。彼方の世界では雑魚キャラAだが、こっちの世界では彼も驚異の生命力を得る。こ
れも全てコーラサワーさんのお陰なのだろうか。
「そうと分かれば後はカトル達だな。アタリか今回の情報自体が空振りか…おい
プリベンター・マヌケ。さっさとヒイロ達と合流するぞ」
そういうと五飛は踵を返し歩き始めた。
「おりゃは、マヌケじゃにゃいぃぃ」
ジョシュアも立ち上がり五飛の後を追う。歯は折ったものの、後はかすり傷一つ
無いようだ。人間、健康第一。
「しかし、何故カトル達に通信出来ないんだ」
五飛は呟いた。
数十分前。
「おかしいなぁ。デュオ達に定期連絡をいれようとしたのに繋がらないんです…
」
無線をいじりながらカトルは前方を歩くトロワとグラハムに話かけた。
「電波が悪いんじゃないのか」
グラハムが何て事のないような顔で答える。
「まだ分かれてそんなにたってませんし、それは無いと思うんですけど」
「カトル、貸してみろ」
「あ、うん」
カトルから無線を受け取りいじり始めるトロワ。
「カトル…」
少し呆れた声でトロワは言った。
「何?トロワ」
「お前はちゃんと無線のチェックをしたのか」
「して…な…い」
最後は消え入るような声で答えた。ヒイロ達には注意をしておいて、自分は無線のチェックを忘れていたのだから無
理もない。
「この無線自体が壊れている。次からは気を付けろ」
そう言うとトロワはカトルに無線機を返してまた歩きだした。
「ちょっと前髪君、その言い方は無いんじゃないか」
年長者として、トロワを注意しようとしたグラハムをカトルは制した。
「良いんですグラハムさん。悪いのは僕ですから…。それにトロワは言い方は素
っ気ないかもしれませんけど、本当はとても良い人ですし」
カトルは笑ってみせたが、明らかに落ち込んでいるであろう笑みは見ている側と
してはとても痛々しい。その場の雰囲気も何となく悪くなり、そんな状況を打開
しようとグラハムは話題変える事にした。
「まぁ、ミスは誰にでもある。私がユニオンにいた頃に、ハワードという人物が
いてな―」
その時、洞窟の中でドーンと大きな音がした。
「な、なんでしょう、今のは?」
「きっとコーラサワーが悪さをして洞窟に穴でも開けたんだろう、でさっきの話
の続きだが」
特に気に止める事も無く3人はまた歩き始めた。前の方でアメリカンジョークならぬユニオンジョークをかますグラハムと、それ
を聞くカトル。そしてトロワはというと、グラハム達の後ろを歩きながら先程の
カトルとのやり取りを脳内で悶々と後悔していた。
最も顔は持ち前のポーカーフェイスのお陰で、仏頂面のままだったが。
(グラハムに言われたように、先程俺はカトルに冷たく言ってしまったのだろうか
…俺は特に責めた訳ではないのだが。しかし、カトルはこうして落ち込んでいる。ここは励ましの言葉をかけるべきな
のだろう、例えば何だ『ミスは誰にでもある』いや、これはグラハムがさっき言
っていたな…。『問題は結果じゃない、プロセスが大切なんだ』これもなにか違
うな…。『次から頑張れば良いんだ』、『べ、別に怒って言った訳じゃないんだ
から』『ドンマイだにゃん』いや、流石にこれはないな。もう普通に『カトル、
さっきはキツイ言い方をして悪かった』でいいか…しかし、そもそもどんな顔で
言えばいい?)
その時トロワは、彼の姉の言葉を思いだした。
『トロワ。笑顔笑顔!』
(笑顔、そう何事も笑顔が肝心だと何かの本に書いてあったな。こう、いや、こう
か。口角はこれくらい上げるべきか。目尻はどうすべきか)
真顔で何回も笑顔百面相をするトロワ。第三者がみたら相当シュールというか、
寧ろ気持ち悪い。前では、カトルがグラハムの努力で少しずつ元気を取り戻しつ
つある。勿論トロワの脳内談義には気付いていない。というか、気付いてたら凄
い。
「…髪、おい、前髪。おい、前髪!」
「な、なんだ」
あまりに笑顔作りに集中していたせいで、トロワはグラハムに呼ばれていること
に気付かなかった。幸い、カトル達と数メートル程距離が離れていて、顔を懐中
電灯で照らされ無かったので、トロワの百面相がカトル達に見られる事は無かっ
た。
「トロワどうしたの?何時もの君なら呼ばれたらすぐに反応するのに。もしかし
て、具合が悪いの?」
トロワの顔色を伺うようにカトル達はトロワのもとに戻って来た。
「いや、平気だ」
言うなら今だ。このタイミングを逃したら後は無いと思い。トロワは口を開いた
。
「カトル、さっきはキツイ言い方をして悪かった」
カトルは目を見開いてとても驚いた顔をした。ついでにグラハムも口をあんぐり
と開けて驚いていた。
「何か、変な事を言ったか?」
心配になって聞いてみる。言われて2人はハッと我にかえった。
「私は君の笑顔を初めて見た」
「そうそう。トロワって滅多に笑顔を見せてくれないから、驚いちゃったんだ。
うん、有り難う。僕はもう平気だから。それでね、トロワ。グラハムさんが話が
あるんだって」
そう言われると、グラハムはエヘンと咳払いをしてカトルとトロワを手招きし、
自分の近くに寄せると小声で話始めた。
「実は、私達の後ろを誰かがついてきているんだ」
「えっ!?」
カトルが声に出して驚く。トロワも声に出しはしなかったが目を見開いた。
「証拠はこうだ。耳をすましてみたまえ」
そう言うとグラハムは、タンタンタンとその場で足踏みをしてみた。数秒後タン
タンタンと同じような音が聞こえてくる。
「なんだ、こだまじゃないですか」
カトルはホッとしたが、トロワにはカトルの声は聞こえていなかった。
(侵入者が居たのに気付かなかったとは。狙いは何だ、この工場の管理者がプリベ
ンターの命を狙って…いや、しかし今回の任務は一応世間には極秘の筈だ、だと
したら…洞窟、もしかして―)
彼の脳裏には先週デュオから借りて観たDVDBOX『ぼのぼの』第37話が思い出され
ていた。
(しまっちゃうおじさんが!?)
しまっちゃうおじさん。その名の通り、悪い子は石で出来た押し入れ的な建造物
の中にしまっちゃう、ピンク色の豹のようなおじさん。『はいはい、悪い子はど
んどんしまっちゃおうねぇ』とカミーユ・ビダンの良い声で囁くのが特徴的。
ファンも多いが、同時に子供の頃のトラウマとなっている人も多い。
(いやまさかそんな筈は、あれは物語だ。だがしかし、本当にしまっちゃうおじさ
んが居ないとも言い切れない…。本当にしまっちゃうおじさんが実在するなら俺
に勝ち目は無い…)
その時トロワはさっきまでその場に居た筈のカトルとグラハムが居ない事に気が
付いた。
「カトル…グラハム?」
呼んでみても返答は無い。
(まさか、2人は既にしまっちゃうおじさんの魔の手に!?)
そんな訳は無い。実際は、トロワが悶々と立ち止まって妄想している事に気が付
かず、置いて行っちゃったのが正解。
置いてけぼりにされちゃってる事にも気が付かず、トロワのスーパー妄想タイム
は続く。
(非力なカトルならともかく、グラハムまで捕まるとは…。っは!もしかして無線
が繋がらないから分からないが、ヒイロ達もしまっちゃうおじさんにしまわれて
しまったんじゃないか?可能性は無くはない。何しろ相手はしまっちゃうおじさ
んだ。だとしたら、やっぱり俺もしまわれてしまうんだ)
トロワはその場でガクリと膝をついた。
すると自分達が来た道からダカダカと足音が近付いてくるではないか。しかも複
数。トロワは銃を構えるのも忘れて頭を抱えた。
(嗚呼、しまっちゃうおじさんが来る…しまわれる)
駆け足で近付いてきたしまっちゃうおじさん(仮)はそのままうずくまっていたト
ロワに気が付かずトロワにぶつかった。ドンという音とともに地面に頭をぶつけ
たトロワは怖々相手の顔を見てみると、なんとそれは自分自身だった。
「な、しまっちゃうおじさんは…俺?」
頭をぶつけた痛みと、目の前のドッペルゲンガーにトロワの頭はパニックに陥っ
た。視界がグラグラと歪む。トロワはそのまま気絶してしまった。
そしてもう一人のトロワはというと
「しまった。今ので足を挫いてしまって動けない…奴が、奴が来る」
もう一人のトロワに遅れて到着したのは…カトルだった。
「んふ、駄目だなぁトロワ。世界を越えて逃げても無駄なんだよぅ。さぁ、僕達
の世界に帰って今夜はいっぱい愛しあおう」
「ま、待て。持ち帰るならそこで寝ているトロワを持ち帰れば良いだろう!?」
焦ったトロワは目の前で気絶しているトロワを指差す。端から見たら相当奇妙な
光景だろう。
「只のトロワに僕は興味なんて無いんだ。第一忘れたのかい?君の初期の日記帳
には君の方から僕を襲った事が書いてある。僕はね、普段は嫌がってるけど、本
当は君も僕を欲してるって事を分かってるのさ。僕達は相思相愛。さぁ、トロワ
、僕達の愛の巣へ帰ろう」
そういうとカトルはトロワの足首をガシッと掴み引きずり始めた。
「離せホモ!!俺はあんな世界に帰りたくなんかない。ここなら、俺はミンチに
もされないし、人権も保証されている。ん、なんだ、俺の涙か…。でも、ぷにぱ
んの同人誌は読めなくなるのは困るな…だとしても、嫌だぁぁぁぁ」
「もう、トロワったらツンデレなんだからぁ。うふふ、そんな所も大好きだよぉ
〜」
「い、嫌だ。助けてくれぇぇぇぇ!前髪君も何故こんな時に発動しないんだぁぁ
ぁぁ」
こうしてトロワとカトルの世界を越えたリアル鬼ごっこは、カトルの勝利で終わ
った。
そしてカトル達は洞窟内に突然出来た次元の狭間へ消えていったのだった…
この後2人がどうなったかは誰も知らない。トロワが日記に書かなければの話だ
が。
明かりが眩しい。外に出たのか?いや、これは蛍光灯か。しかし俺は、そうだ、
俺を見て…
「トロワ、気が付いたみたいだね」
トロワが重い瞼を開けてみるとそこにはニッコリと微笑んでいるカトルがいた。
「カトル?無事だったのか!?MS工場は?俺は、しまっちゃうおじさんだった俺
は!?」
「トロワ、落ち着いて。順番に説明するから」
ベッドから起き上がろうとしたトロワを制して、カトルはゆっくりと語り始めた
。
「MS工場だけど、僕達の道がアタリのルートだったんだ。で、MS工場を発見した
時に、僕達は君とはぐれてしまった事に気が付いた。取りあえず君と合流しよう
と戻ったら君が気絶していて、君をグラハムさんに運んでもらって、ヒイロ達と
合流したんだ」
そこから先はカトルの後ろにいたデュオが説明した。
「で、MS工場の破壊をしないといけないから、何故か気絶してるお前と歯を折っ
てたジョシュアはサリィの所、つまりここまで戻らせて、後は一人張り切ってた
コーラサワーが爆弾持って、一気にドーンとやったわけだ」
「コーラサワーさんは爆発に巻き込まれて洞窟に生き埋めにされたんだけどね、
今はそこで元気に寝てるよ」
カトルの指差す方向には包帯でグルグル巻きにされたコーラサワーが、ベッドの
上でいびきをかいて眠っていた。
「だいたいの内容は分かった。だが…俺の見たもの…幻覚だと笑われるかもしれ
ないが、もう一人の俺は何だったんだ?」
「それはTトロワだ」
事後処理を終えて戻ってきたヒイロが言った。
「Tトロワ?」
「そうだ。この世界には、平行して存在する世界が幾つかある。その内の1つ、
数ある世界の最底辺に属している世界のトロワにお前は会ったんだ。まぁ、一緒
にその世界のカトルもいたから、そいつが無事に元の世界まで連れ帰っただろう
」
「へぇ、もう一人の僕かぁ…会ってみたかったなぁ」
カトルが夢見がちに呟く。
「いや、カトルは会わない方が良いと思うぞ。というか、俺もあっちの俺には会
いたく無い」
ヒイロと共に戻ってきた五飛が言う。
「なにせ歩くソーラレイだもんなぁ」
デュオが腹を抱えて笑う。その後、デュオが五飛に投げ飛ばされたのは言うまで
もない。
「でも、どうしてヒイロ達はその『平行世界』の存在を知ってるんだい?」
カトルの質問に、デュオが投げ飛ばされて戻ってきながら答える。
「いてて。それは、俺達も向こうのぷにぱ…ヒイロの同人誌目当てに、よく出掛
けてるからな」
「同人誌…?」
「本だ!」
カトルの問いに五飛とヒイロが即答する。何故か2人とも顔が赤い。
「へぇ。じゃあ向こうの世界ではヒイロは作家をしてるんだね」
「あ、ああ。…もうこの話はやめよう」
ヒイロは視線をそらして頷いた。どうやらこれ以上の会話は厳禁のようだ。
「まぁともかく、今回の任務は一件落着よ。皆お疲れ様」
サリィとヒルデがコーヒーを運んできてくれた。今回の任務は危険が伴うので、
2人はずっと外のトレーラーで待機していたのだ。
コーヒーを一口飲んだカトルが呟く。
「ねぇ、トロワ。しまっちゃうおじさんて何?」
「それは…」
トロワは罰の悪そうな顔をした。DVDを貸したデュオは、ニヤニヤと笑っている。
トロワはデュオの腹に一発、姉譲りの鉄拳パンチを加えた後「何でもない」と言
うとコーヒーを口に含んだ。
…でも僕、同人誌もしまっちゃうおじさんも何のことだか知ってるんだよねぇ。
カトルは誰にも見られない所でクスリと笑った。
今日も地球は馬鹿を除いて平和でありましたとさ。
***
私、普段はトロワスレを拝見しておりまして、アホ可愛いTトロワをどうしてもこ
っちに登場させたいがためにこんな長編になってしまいました。こんにちは。
今回、Tトロワとの対比も兼ねて未だ真人間だったこっちのトロワのキャラ崩しに
挑戦したんですが、ヒイロ以上にキャラに隙が無く、かなり無理矢理な展開にな
ってしまいました。
一応、反省はしてるけど後悔はしてないぜ!って事でここは一つ広い心で読んで
下さい。
コーラスレとTスレの連中はとても相性が良い気がするので、また機会があったら
、性懲りもなく他のTスレの連中とも絡ませてやりたいなぁと企んでおります(『
本スレが過疎る』とか怒られそうですがw)。
では。
あ、改行に失敗した。
まぁ、気にしないで下さい。
うーん、Tスレの面々に関してはトロワの夢落ちとかの方が良かったと思う
基本的にここのGチームは極端なキャラ崩壊を起こしていないと感じていたので
ぷにぱん同人誌の愛読者というのには眉を顰めてしまった
兄弟スレとTスレの交流は兄弟スレの面子が一部(というかウッソ)除いて原作と乖離しないキャラでありながら
世界観がトンデモなのと、兄弟たちがTスレの面子を異質のものとみなしているからでないかと個人的には考えている。
少なくともこのスレのヒイロは兄弟スレのヒイロ同様Tトロワに関しては排除に回る気がする
まあ、Tスレ云々除けば面白かったと思うよ
しまっちゃうおじさんが飛田さんなのは知らなかった
スマン一箇所訂正
×一部(というかウッソ)除いて原作と乖離しないキャラでありながら
○一部(というかウッソ)除いて原作と極端には乖離しないキャラでありながら
刹那のガンダム好きとかは誇張表現にはなっている
しかし、基本的に原作を踏まえてのデフォルメだから違和感が少ないのだと思う
乙!
まぁ書きたいように書くのが一番ですよ
個人的には水曜日さんは何かと同人誌ネタに流れちゃうのが気になるところだけど
(マリナの腐女子設定とか)
普通のギャグは面白いと思ってるよ。
今回のはトロワが純真なのが面白かった。乙でした。
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