もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら13

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77898 ◆TSElPlu4zM

 アムロの視線は接近するバクゥ、スカイグラスパーではなく、後方に控えるザウートへと向けられた。
 遠距離からの狙撃とは言え、やはり脅威である事には変わりは無いのだ。
 ――あの接近するバクゥは、アンドリュー・バルドフェルドか!
 バクゥから放たれる気配から、相手がバルドフェルドである事をアムロは感じ取っていた。
 そしてもう一つ。スカイグラスパーから無邪気さ感じさせる闘争心が、自分へと向けている事に気付く。

「キラ、近付く二機は俺が相手をする。後ろのタンクもどきを優先しろ」
「分かりました!」

 二機の相手は自分がするべきだと判断したアムロは、キラに新たな指示を飛ばすと、スカイグラスパー一号機は後方のウザートへと向かって行く。
 その時、ストライクのコックピットに警告音が響いた。

「後ろからか!?」

 一瞬、目を向けて確かめると、それがアルファ〇二が撃墜し損ねたバクゥだと理解する。アムロはスラスターを噴かして引き離しに掛かった。

「……差し詰め、前虎後狼と言った所か」

 アムロはストライクを操りつつも、三機の動きに注意を払いながらそう呟いた。
 それとほぼ同時に、コックピットにバルドフェルドの声が大きく響く。

『心置きなくやらせてもらうぞ! アムロ・レイ!』
「望む所だ! アンドリュー・バルドフェルド!」

 元より承知のアムロは、砂漠の虎との勝負に出る。
 後方のバクゥを置き去りにしたストライクは砂を蹴り、バルドフェルドの駆るバクゥへと向かって行く。
 この時、演習開始から約一六〇秒が経過していた。