185 :
暇人A:2007/10/23(火) 22:25:15 ID:???
「で、何で家から出たんだ?」
公園まで走って、ヴィータはやっと手を離した。
「あの家じゃ話せないからだ、はやてが居るからな」
結構離れているのに、ヴィータは息一つ乱してはいない。
それ故に、矢継ぎ早に話を進める。
「今は遊園地とか行ってる場合じゃないだろ!?」
ヴィータとしては、本当なら今だって蒐集に参加したいぐらいなのだ。
それに、なぜ自分を誘われたのかも解せないという風だった。
「そりゃ、今すぐ行こうってわけじゃない。
蒐集が終わった後でも良いから」
「だから、なんで行きたいんだ!?」
実際、蒐集以上とは言わなくても、同じくらいにそのことが気になっていた。
シンは一瞬発言を躊躇すると、「なんとなくだ」と言って、家へ戻る事にした。
これ以上話しても行きたくないのなら意味がない。
それに、実際自分でもなぜこんな事を急に言い出したのか、先ほどまで分からなかったその答えが分かってしまった。
(ようは、重ねてただけなんだな……。)
どこか他人に壁を張っているヴォルケンリッターを八神家以外にも馴染ませたいなんて、成功しても自己満足にしかなりはしない。
そんな馬鹿なことを考えていた事に気づいたのだ。
「おいっ!!待てよっ!?」
別に良いじゃないか、悪態をつきながら追ってくる少女でも。
彼女の温かみも、笑顔も、自分は知っている筈なんだから……。
その後、家の前で収集をしていた組と合流した。
こうして積み重ねる事で、ついに過半数のページが埋まった。
多分次は、もう少しそっちよりのお話
セリフに♪を入れて良いのか正直迷ったけど、今回はやってみました。
少しでもかわいらしく見えたら幸いです。
オリジナル色が強い感じになったけど、本編の第三話辺りの話です。
無理やり笑顔をテーマにするからこういう「原作」と「映画」みたいな細かい違いが出てくるんでしょうかね?
しかもなんかはやての今の状況への皮肉みたいなタイトルになっちゃってたし・・・
因みに入れ忘れたフェイト赤面エピソードはスキップして、次は第四話あたりの話になる予定です。
この文章は投下直前に書いているので、入れることは出来るんです(物語的にも入れたい)が、あのシーンをあのまま文章に持ってくる自信がないのです。
さて、自分のやってきたストーリーの特性上、過去の話は終わっています。
よって、今後は『日常』が薄くなっていくでしょう。
色々と通過させたいイベントもあるし、自分の書くスピードが遅くなってることもあるので、しばらくはこのままお付き合いください。
可愛く、て言うか萌え死んだわ、エイミィに
188 :
どんぺり:2007/10/23(火) 23:11:58 ID:???
通りすがりのものですがキラパパとなのはママのお話いいですか?
どーぞ
暇人A氏GJ
まったり続きを待ってます
暇人A氏キター!!!
次の投下も期待してます
>>188 GO!
どんぺり氏がまだ投下されてないようですが、避難所の九話を移します。
さすがにこの時間に投下はないでしょうからw
第九話「闇の胎動」
なのはたちはお見舞いのために花束やケーキを買っていくことにした。
キラも何かしたかったが思いつくものがない。
「どうしよう」
「どうしたの?キラ」
フェイトが悩んでいるキラに声を掛けてくる。
「僕も何かはやてちゃんを喜ばせてあげられないかなって思ってさ」
「お見舞いに来てくれるだけで十分嬉しいと思うよ?」
「そうなんだけど・・・・・そうだ!」
「どうしたの?」
キラがポンと手を打つとマンションのほうに向かう。
「キラ?」
「トリィ、連れてくるよ!動物はダメでもトリィは大丈夫だよ」
「「トリィ?」」
アリサとすずかが何のことか分からないといった顔をする。
「うん、分かった。それじゃあ、先に行ってるね」
なのははキラの言葉に頷くと手を振った。
「ねぇ、なのは。トリィって何?」
「それはね〜、キラくんが病院着いてからのお楽しみだよ〜」
「ビックリすると思うよ」
なのはとフェイトは笑いながらアリサに答えた。
キラはトリィを肩に乗せてはやての病室に向かう。
すると病室の前でコートとサングラスをしたシャマルが病室の前で張り付いていた。
『トリィ』
トリィはキラの肩から飛び立つとシャマルの肩に乗る。
「ひぁっ!?」
ビックリしたシャマルが声を上げるが、中には聞こえていないようだ。
「何をしてるんですか?」
「キラ・・・・・君?お、驚かさないでください!」
「あ、その・・・・すいません。トリィ」
トリィはキラに呼ばれるとシャマルの肩からキラの肩へと飛ぶ。
「ちょうど良かった。出来ればお話をしたいんです、いいですか?」
そんなキラにシャマルは迷ったものの頷いた。
キラは少し待ってくださいと言うと病室の中に入っていった。
「失礼します」
その声の後、キラが病室の中に入ってくる。
「あ、キラ君や」
「こんにちは、はやてちゃん」
『トリィ』
キラの肩に乗っていたトリィが今度ははやての肩に止まる。
「わわっ、なんや?」
はやてはビックリしながらもトリィを見る。
「うわ〜、小鳥さんだ」
「でもこれって機械じゃない?」
「え?でも飛んだよ?」
アリサとすずかも興味津々といった感じにトリィを見ている。
トリィははやての肩に乗ったまま首を動かしたりする。
「かわいいな〜、これキラ君のなん?」
「うん、友達が作ってくれたんだ」
「凄いな〜、ビックリやわ」
トリィが病室をくるくると飛ぶ。
「うわ〜、凄い凄い」
アリサやすずかも嬉しそうだ。
「ちょっと僕、席外すから皆はトリィと遊んでいてね」
「「「「「は〜い」」」」」
五人はそう答えるとトリィを手のひらに乗せたりしていた。
「すいません、待たせましたか?」
キラは病室から出るとシャマルに謝った。
「いえ、別に・・・・・」
「場所を移しましょう」
キラとシャマルは休憩室のベンチに座ると話を始めた。
「もしアレが完成したらあなたたちは、はやてちゃんはどうなるんですか?」
いきなりキラは聞きたい事を直球で聞くことにした。
「それは・・・・・・」
「僕が知る限りアレは完成すれば、はやてちゃんは・・・・」
「分かっています!それは・・・・。私たちは闇の書の一部です。それは分かっているんです」
「じゃあ、何で!」
キラの声に少し非難の色が窺える。
「私たちははやてちゃんに元気になって欲しいんです!」
「だったら何で他の方法を探さないんですか!」
「はやてちゃんが苦しむのを止める方法が私たちにはコレしかないんです!」
「そうやって決め付けていたら何も見えない何も終わらない!何も始められない!」
シャマルの目に涙が浮かぶ、キラは興奮したのか顔が赤くなっていた。
「本当は何が正しいかなんて、僕達にはまだ全然分からない。でも、あきらめちゃったらだめでしょう?」
キラはシャマルの手を取りながら優しく言った。
「きっとはやてちゃんが元気になる方法があるはずです」
「何で・・・・何であなたはそんな難しい選択をするんですか?私たちとあなたは敵でもあるのに・・・・」
その質問にキラは少し考えた後、優しく言った。
「行きたいところに行くために」
「え?」
キラの言葉が理解できないのかシャマルは聞き返してしまう。
「みんな同じなんです。選ぶ道を間違えたら、行きたいところへは行けないんだ」
キラの言葉にシャマルは顔を俯かせてしまう。
しかし、シャマルはそれでも・・・と言葉を続けた。
「でも・・・・それでも私たちは闇の書を完成させます」
「分かりました」
シャマルの言葉にキラも頷いた。これ以上話しても彼女たちの心は変わらないだろう。
しかし、闇の書は悪意を持った者より改変されてしまった、闇の書が完成すればはやてが危なくなるだろう。
「それなら・・・・・」
「え?」
「僕はあの書からはやてちゃんを救ってみせる、そしてあなたたちも」
そんなキラの言葉にシャマルはキラの目を見た、その目の奥には強い意思があった。
シャマルはこの前シグナムが言った言葉を思い出していた。
この子なら・・・・・もしかしたら・・・・と。
「もう誰かを失うことも、失って誰かが悲しむ姿も見たくないですから」
キラはにっこりとシャマルに笑いかけていた。
キラはその日から毎日はやてのお見舞いに行くことにした。
自分も最初この世界に来たとき病院に入院していたから分かるのだ。やはり病室に一人でいることはとても寂しいのだ。
「はやてちゃん、また来たよ」
「あ、キラ君」
ドアを開けたときはやてが胸を掴んで苦しそうにしていたのをキラは見ていた。
今は笑顔でキラを出迎えているが多分苦しいのだろう。
「キラ君、毎日来るけど他にやることとかあるんやないの?」
「特にはないかな」
キラはそれを見ていなかったかのように振舞うことにした。
「えぇ〜、キラ君かっこええからお誘い受けとるんやないの〜」
「そ、そんなことないよ」
はやては楽しそうにキラと喋っている。シグナムたちとはこの頃会っていない、多分蒐集に集中しているのだろう。
シャマルとは時々会うし、話をするようになった。もうこの前のような会話ではなく世間話などをだ。
「なぁ、キラ君」
「どうしたの、はやてちゃん」
「こんなことシグナムたちに話せんのやけど・・・・・話していい?」
「うん、もちろん」
キラははやての不安そうな顔を見て迷わず答えた。
「実はな・・・・・私、怖いねん。時々、胸が苦しゅうなってとても辛いんや、それが・・・・どうしようもなく怖いねん」
はやては胸の辺りを掴み、泣きそうに言った。どうやらはやての心も段々弱ってきているようだ。
「大丈夫だよ、はやてちゃん。だから負けないで、そして逃げないで」
キラははやての手を取って笑ってあげるしか今は出来ない。
「うん、そうやね。負けたらあかんよね、逃げたらあかんよね」
キラの言葉にはやては頷きながら答える。
「キラ君の手、あったかいな」
「はやてちゃんもだよ」
キラははやての手の温もりを感じながら思う。この小さな温もりを絶対に守ってみせると。
「スー、スー」
いつの間にかはやては安心して眠ってしまったようだ。
もしかしたら夜も眠れないくらい苦しい時もあったのだろう。今はとても安らかに眠っている。
「おやすみ、はやてちゃん」
キラがそう言って手を離そうとするが、はやての手が離れなかった。
「・・・・・・・」
寝ているはやてを起こすわけにもいかず、キラは途方に暮れた。
まるでバインドをかけられたようなくらいとても強く握られていたのだ。
その後、お見舞いに来たシャマルにその光景を見られて微笑まれると助けもせずにニコニコとそれを見つめ出ていった。
次に来たシグナムもフッと唇の端を持ち上げ優しそうに寝ているはやての頭を撫でるとこれまた助けずに出ていった。
最後に来たヴィータにははやてが目を覚ますまで延々と睨まれ続けたのだった。
そして、キラが帰ることになったのは看護婦が夕食が来てはやてが起こされた時だった。
その時のはやては物凄く顔を真っ赤にしていた。
「それじゃあ、キラくん。よろしくね」
「あ、うん」
クリスマス・イブの日。
今日もなのはたちははやてのお見舞いに行くために準備していた。
なのはたちはプレゼントを買いに、キラは翠屋のケーキを買いに行くのだ。
「お店混んでると思うんだ」
「それだったら僕は遅れていくよ、皆は先に行っていてね」
キラは内心不安でいた。
今まで鉢合わせすることがなかったのはちゃんと連絡を入れていたからだ。
今回は連絡せずに突然行って驚かせようという計画だ。
確かにそのほうがインパクトもあり、嬉しいからキラとしては文句が言えないのだ。
しかし、抗議でもすれば怪しまれてしまうだろう。
「鉢合わせしなければいいけど・・・・」
そう考えながらキラは翠屋に向かった。
「はい、キラ君。落とさないようにね」
「ありがとうございます」
キラは桃子からケーキを受け取りながら言った。
店を出ると辺りが暗くなっている、ケーキの焼き上がりを待っていたらこんな時間になってしまったのだ。
「早く行かないと・・・・っと、その前になのはちゃんたちに連絡しよう」
携帯でも良かったが、念話を使うことにした。しかし、繋がらない。
「・・・・・・おかしいな」
キラの念話に反応をしないのではなく念話自体が繋がらないのだ。
「・・・・・・妨害されてる?」
そう感じた瞬間キラの中の何かが訴えていた。
嫌な予感がする、それもとてつもなく嫌な予感が・・・・・。
キラは病院に向かい走り出す、走るのでは遅いと思いキラは路地裏に入る。
誰もいないことを確認し、病院に転移しようと思ったが転移できない。
「な!?転移まで妨害されてるのか?」
キラの不安は増すばかりだ。
「仕方ない・・・・・フリーダム!」
『System all green. Drive ignition.』
キラは蒼い光に包まれ、光が晴れると蒼い翼を開き空に飛び立っていった。
一度、キラはマンションに戻りコツコツと貯めていたカートリッジを全部持ち出す。
それくらいの嫌な予感だった。
ついでにケーキも冷蔵庫にしまうとすぐにベランダから飛び立った。
「なのはちゃん、フェイトちゃん、はやてちゃん・・・・・無事でいて」
『Load Cartridge. High MAT mode. Set up.』
キラは翼から蒼い魔力が噴出し、スピードを上げた。
「なのはちゃん!フェイトちゃん!」
クリスタルケージの中で四重のバインドに捕まっているなのはとフェイトを見つけた。
キラはすぐにサーベルでケージとバインドを斬りさる。
「はやてちゃんが!」
「え?」
なのはが見ている方向を見るとそこにはなのはとフェイト、ヴィータとザフィーラそしてはやての姿だった。
「何が・・・・どうなってるの?」
「仮面の男は二人いたの!私たちは隙を付かれて捕まっちゃって」
「あの男たちが私たちに変身してる」
変身した仮面の男たちがはやての目の前でヴィータに手をかけようとしている。
「だめ・・・・やめて・・・・やめてーーーー!!」
はやての悲鳴も虚しく響いていた。
「やめろーーー!!」
キラはすぐにそちらに向かおうとしたが次の瞬間、白い光に包まれヴィータが消えた。
「うあ゙ぁぁっ」
はやてが苦しそうに呻く。
「はやてちゃん!はやてちゃん!」
キラはすぐにはやての正面に下りると両肩を揺する。
するとはやての下に白い光の魔方陣が現れる。
「はやて・・・・ちゃん?」
キラの声ははやてには届いていなかった。
『Guten Morgen, Meister.』
「!?・・・・・・夜天の書!?」
その瞬間、白の魔方陣が怪しく黒く色に染まっていく。
「はやてちゃん、ダメだ!」
「はやてちゃん!」
「はやて!」
「うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
はやての絶叫が響き渡り、闇の書の魔力が溢れ出す。
「くっ!?」
キラは堪らずシールドで防御し、後ずさる。
そして、その黒い魔力の中心ではやてが浮かび上がる。
「我は闇の書の主なり、この手に・・・・力を」
はやての手に闇の書が現れる。
「封印、解放」
『Freilassung.』
解放された魔力によりはやての姿が変わる。
体が大人の大きさになり、髪が伸び白く染まる。服装もバリアジャケットのようなものになる。
キラ、なのは、フェイトはその光景を唖然と見つめるしかなかった。
「また・・・・全てが終わってしまった。一体幾度こんな悲しみを繰り返せば」
「はやてちゃん!」
「はやて」
なのはとフェイトがはやての名を呼ぶ。
「はやて・・・ちゃん」
はやてが、闇の書が泣いている。キラは一歩ずつはやて・・・・闇の書に近づいていく。
「我は闇の書、我が力全ては・・・・・」
闇の書は手を高々と挙げるとそこに魔力が集まっていく。
『Diabolic emission.』
巨大な魔力の塊が出来上がる。
「主の願いを・・・・・そのままに」
闇の書の目からは絶え間なく涙が溢れていた。
投下終了です。
何だか今もあの荒らしが残っているようですが、こっちは関係なしにクライマックスへ向かいたいと思います。
ついに闇の書が完成してしまいました。
キラ・なのは・フェイト・はやての運命は!?
次回「運命」
「誓ったんだ・・・・・守るって」
「あの二人を・・・・か?」
「違うよ・・・・皆をだ!フリーダム!」
現在十話鋭意製作中w
>>201 訂正です、あとがきをそのままコピペしました。
気にしないでくださいw
>>201 クライマックスに向けて頑張って下さい。
第10話も楽しみにして待たせていただきます。
ゆりかごから脱出したクアットロはある目的地へ向かっていた。
そう、もう一人のスカリエッティがいる場所へ。
場所は異なるが似た雰囲気を持つ二つ目のスカリエッティアジトに着いた。
中へ入ると、ドクターがいるはずの場所へと向かう。自分が逃げ切った事を報告するために…。
いくつ目の角を曲がったときだろう。
「おやおや、そんなに急いでどこへいくつもりかな?」
声をかけられた。
「あなたは?」
新型ガジェット、ザムザザーの陰から出てきたのはブルーのスーツに身を包んだ金髪の男だった。
「名乗ってもいいんですが、スカリエッティが死んだ今、その必要はないでしょうね。」
「ドクターが?死んだ?」
クアットロは驚愕せずにはいれない。
何故?何故?何故?
そもそもこの男は一体誰?
「私が殺すよう指示した。」
同じく新型ガジェット、ゲルズゲーの陰から出てきたのは紫色の癖の強い髪をもつ男だった。
唇が青紫色でお世辞にも健康的には見えない。腕には黒猫を抱いていた。
第一部 鳴動のミッドチルダ
0076年 11月01日 PM12:32
「最近、地上は事件が減ったよね?」
「表向きはな…。」
スバルにボソッと返事を返したのはレイだった。
「でも出動回数は減ってるじゃん。」
「大きな事件が前と比べると減っている、ただそれだけだ。」
レイはパスタを器用にフォークに巻き付けると口へと運ぶ。
「そっか、レイは出動回数が他の局員と比べて多いもんね…。」
恐らくはJS事件の罪の清算なのだろう。スバルと一緒に地上部隊での研修期間に入ったが、あまり局内で顔を会わすことがない。
出動回数は一番少ない局員と比べるとその三倍はこなしている。
正直、感心してしまうスバルなのであった。
とまれ、今日一日、レイの出動はないとかで、偶然休日が同じだったスバルはこうして昼食にレイを誘ったのだ。
「レイ、今日一日休みだったよね?午後も暇なんでしょ?」
「予定はないな。」
身を乗り出してくるスバルにレイは食を止めた。
「…何だ?」
スバルは満面の笑顔を浮かべた。
同刻、時空管理局本局、執務室。
「シン、ご苦労様。」
デスクワークを終えたようで、椅子から立ち上がり、体全体で伸びをするシンの背後にまわり肩を揉みほぐすフェイト。
「そんなことしなくていいですよ…。」
「そう?」
フェイトがシンの肩から手を放すと、首を鳴らすシン。
「最近はデスクワークばっかりだから、ごめんね。」
「仕事なんだから、謝るのはなしです。」
「フェイトさん、終わりました。」
ティアナが書類をフェイトに手渡す。
「うん、ティアナもご苦労様。ところで、今日はこれからなのはの所にいくんだけど二人とも行く?」
フェイトの言葉にシンとティアナは頷いた。
「行く前に、二人ともメンテナンスでデバイスを預けたでしょ?取りに行こうか。」
フェイトに連れられ二人は執務室をあとにした。
扉をノックする音がした。
「どうぞ…。」
男にしては長い藍を帯た髪、アスラン・ザラは返事をする。
「アスラン、クロスミラージュとデスティニーのメンテナンスは終わってる?」
「マリーさん、終わってますよ?二人が受け取りにこられたんですか?」
アスランはモニターを閉じ、席を立つと保管庫のパスワードをうち、クロスミラージュとデスティニーを取り出す。
アスランはデバイス開発の職につかせてもらい、現在もマリーのもとで修行中。
最初は頼まれた部品を手渡す仕事しかさせてもらえなかったが、コーディネイターとしての学習能力の高さ故か、今では発注、メンテナンスの仕事まで一任されている。
もっとも、開発にはまだ携わっていないが。
「久しぶりだな、シン。」
「アスラン。」
シンにデスティニーを渡しながらアスランが薄く微笑む。
「それから、ティアナも久しぶり…。」
「お久しぶりです。」
クロスミラージュを受け取るティアナ。
「キラは元気にしてる?」
フェイトがアスランに声をかけた。アスランは軽く会釈する。
フェイトやなのは、はやてには世話になっている。
「はい、あいつは今はもう元気でやってますよ。」
「あれ、あの人、今何やってるんですっけ?」
シンが疑問を口にした。
「キラは今、保護した身寄りのない子供たちのお世話をしてるんだよ。
確か、地上本部直轄の施設にいるんじゃないかな?
ヴィヴィオともたまにあってるみたいだよ。」
「ふ〜ん…。」
「さぁ、話し込んでないで、待ち合わせに遅れちゃうから…行こうか。」
フェイトに促され、アスランやマリーと別れ、ティアナとシンは本局をあとにした。
「……。」
レイはスバルをただジッと見つめていた。
性格にはスバルのアイスの食べっぷりをだが。
十一月と言う時期、外は既に寒い。
しかし、こんな時期でも一般の人々は店内にしっかりと効いた暖房の中でアイスを食べるのが好きらしい。
それはいいとしよう。
だがレイとスバルはこれでアイス店、五件目。
最初の二件はレイも食べていたが、さすがに寒くなってきたので、後の三件ではホットコーヒーを頼んで体を温めている。
「私、アイス好きなんだよねぇ〜。」
「…見ればわかる。」
コーヒーをすすりながらレイ。
「あ、雪だ。」
スバルが外を眺めながら呟く用に言った。そして、緊急出動がかかったのはそんなときだった。
雪がはらはらと降るなか、燃えゆく管理局ミッドチルダ北部地方統括所。
なのはは白い吐息を苦しげに吐いていた。
(強い…。)
見慣れぬ魔導機械を航空魔導士と現地局員にまかせ、なのはは目の前の二人の少年と戦っていた。
一人はいい、まだ対等に戦える。だが、もう一人はディバインバスターが効かない。
当たったはずなのに逸れてしまうバスターとシューターを目にしたなのは焦ってしまう。
「くそっ!!何で落ちねぇんだよ!こいつは!!」
『ミュルニル』
一人の少年が持つ杖の先端の破砕球が勢いよくなのはへと発射される。
横に避けるなのは。そして、その背後から攻撃を仕掛けて来るのは鎌を持った少年だ。
「これなら!!」
限界まで引き付け、ミドルレンジでのショートバスターを放つが発射と同時に有らぬ方向へと飛んでいってしまう。
「またッ!?」
後退し、鎌による一閃を避けた。
「逃げるなよ!」
攻撃を外した少年が悪態をつく。もう一人の少年が漆黒の発射体リングを正面に展開した。
『Zorn』
瞬時に放たれるそれをなのはは余裕を持ってかわす。だが、今度は他方からの砲撃。鎌を持った少年からの砲撃だ。
『Hresvergr』
緑色の砲撃が放たれる。なのははそれを避けた筈だったが、
『Master!』
砲撃がなのはの避けた方向へと腕曲し、ラウンドシールドを展開、防御する羽目になる。
防いだあと、一息つく暇もなく、下方から放たれるコバルトブルーの砲撃を避けるなのは。
「三人目ッ!?」
なのはは驚き、三人から距離を取った。ちょうど三人が逆三角形を描く形になる。
「あれ、やるよ?」
「やりますか?」
「うっせーよ、お前ら!」
何やらぶつぶつと呟いている。瞬間、なのはの背筋に悪寒が走った。
逆三角に描かれる巨大な魔法陣。ベルカでも、ミッドでもないその奇妙な魔法陣の中心には鮮やかな黄色を帯た緑色の光が集束していくではないか。
なのはは航空魔導士たちに撤退を指示する。
とてつもなく嫌な予感がした。撃たせるな、なのはの脳から全神経に伝達が行く。
アクセルシューターを放った。
反れた!?
何故?
鎌を持った少年を狙ったわけではない。だが、何故?何故曲がる?
『Requiem』
なのはの視界を埋めつくす鮮やかな光に飲み込まれ、姿を消した。
レイとスバルが駆け付けたとき、大半のものが重傷と寒さ、そしてまだ残る炎のせいで死んでいた。
「…うっ…。」
スバルが口と鼻を塞ぎ、顔を背ける。
レイが何かを見つけた。
見慣れた色のバリアジャケット、レイジングハートの残骸。
高町なのは、かつての自分の教官にして憧れの人。スバルが悲鳴をあげた。
と言うわけで、まずは書けたところまでということで、投下終了です。
暇潰しにでもなれればと思います。
予定では一部〜三部か七部ぐらいの予定です。
ではでは、またそのうち
神隠し氏乙!
死人がでたり、なのはさんが撃墜されたり、なんだかすげえハードな展開だ・・・・。
というか最高七部作とは、下手したらStS編よりも長いのかw
神隠し様GJです!
も、もう劇場版が始まるとは・・・・・・。
仕事が早いといいますか。
ちょっと残念なのはもうちょっとワクワクして待ってみたかったw(もちろん早く見れるに越したものはないですが)
展開もいきなりビックリな状態ですねw
しかし、あのそんなに3人強かったんだってのが一番の感想ですw
1〜3部か7部ってかなり極端ですねw
一体どれくらいの長さになって私たちをワクワクさせてくれるのかとても楽しみですw
頑張ってくださいw
神隠し氏GJ!
うう、面白いけど胃が痛い・・・・。
なのはさんはレクイエムくらうし、この先マジで心配だ・・・・。
あの事故の二の舞は勘弁してくれ〜〜〜〜。
207
劇場版が始まりましたか。
確か劇場版はアスランとレイが主役?と以前書いてありましたよね。
あの三人は、合性の問題もあるんでしょうけれど強いですね。
旧連合三人組のほうが DESTINYに登場した三人組よりも個人的には強かった印象がありますけれど。
ところで、大体一部あたり何話を予定しているんですか。
やはりキラは戦いから身を引いたか…自分の力を恐れているといった感じだろうか?
シンはミッド出身じゃないからティアナよりは階級は下なんでしょうか?
>>188 どんぺり氏は投下はされないのでしょうか
一部あたり五話、六話で行きたいです。
因に、今日投下したのは一話 予兆になります。
一話はまだ続きますので、今日は書けたところまでということで…。
さて、SEED組の階級についてですが、低いです。いつ自分たちの世界に帰ってしまうかわからないので…。
とにかく、種三人組と種運命三人組は極端に強くしてます。
合体魔法や、フルドライブ(予定)なんかもありますしね。
なのはは大丈夫です、強固なバリアとジャケットが守ってくれたのですぐに復帰すると思います。
キラについてですが、やはり精神的に今回もまた追い詰められていきますが、戦うのが怖い、と言うのはない予定ですね。少しはあるかもですが…。
今回ははやてと深く(性的、恋愛的な意味じゃないですよ?)
絡めていきたいと思ってます。
GJ!!3馬鹿が強くてうれしいです。しかも合体魔法まであるとは・・・。
アスランとキラは彼らが生きてるのを見たらビックリしそう。
214
キラは今回もまた追い詰められていくんですか。
はやてとの絡みは精神的にや仲間としてあるようなので楽しみにさせていただきます。(恋愛的のが無いのが少し残念ですが)
217 :
どんぺり:2007/10/24(水) 20:29:48 ID:???
遅れましたが投下ですw
その日、起動六課終編、なのはとキラとヴィヴィオのお話投下します。
初心者なので文法等少し編ですが気にせず見ていただけたら幸いですw
キラ視点ですがw
起動六課終編
以前の休暇でスターズの子達が保護した女の子…そしてその子の足に括り付けられていたレリック…
何であんな状態だったのか、あんなに小さい子供が…でもレリックが関わってる以上
スカリエッティが関わっている事に変わりは無い…理由はどうあれ守らなきゃ…
人のために何かできる力…それがきっと僕の魔法だから…
「くん…キラくん?」
「あ、はやて?どうしたの?」
よほど僕がボーっとしてたのか、はやてが心配そうに僕の顔をのぞいていた。
「なんや?つかれてるん…?あかんよ〜キラ君、六課設立前も休まず戦ってたんやろ?たまにはやすまなあかん」
「ありがと、でもそうも言ってられないよ、あんな小さな女の子が、しかもレリック付きで保護されたんだから…」
はやての洞察力は人並以上に鋭い。顔を見ただけで僕の体調を当てたり見抜いたり…
さすが部隊長だね…とまぁ、それは良いとして、僕はとっさに話を戻すことにした。
「で…どうしたの?なにかあるんじゃ…?」
「あぁ、カリムがキラ君に会いがっとったんよ、色々お話もしたい言っててなぁ」
「カリムさんが?僕に?」
カリムさんは、昔、聖王教会護衛任務の再知り合った僕にとっては姉みたいな人だったりする…
でも少々おせっかいが過ぎる気も…必要以上にべたべたしすぎって言うか…
「そや、カリムやアコース査察官はキラ君を気にいっとるからなぁでもそのおかげで私はキラ君と出会えたんやけど」
「そうだね、この戦いが終わって休暇が取れたら、カリムさんに会いに行くよ。今はそれどころじゃないから…」
はやても、カリムさんを姉のように慕ってるけど、実は僕もアスランもカリムさんは少々苦手だったりする
理由は上記の通り…(汗)
「それより、なのは達はどう?女の子の件大丈夫?」
「私もちょっと前にあってきたけど、なのはちゃんにものすごく懐いてなぁ」
「そうなんだ、でもそれなら、普通の子そうでよかったね」
とりあえずなんともなさそうだった…でもそんな普通の子にどうしてレリックなんか…
普通に考えてあの女の子には何か秘密がある…でもあんな小さな子に一体どんな秘密があるんだろう…
考えるだけでちょっと頭が混乱してきた…
と、そのとき
「キラ君、はやてちゃん、ただいま〜」
なのはが帰ってきたようだ
支援
規制に引っ掛かったのか?
220 :
どんぺり:2007/10/24(水) 21:49:53 ID:???
めしくってますw
もう少しまってねw
ずいぶんとマイペースな職人さんだな
222 :
どんぺり:2007/10/24(水) 22:14:06 ID:???
なのはがこっちに歩いてくる、その腕にはつい前保護された女の子が抱かれていた。
「ほら、ヴィヴィオ、キラさんに挨拶は?」
その子の名前はヴィヴィオって言うらしい、でもその瞳は今にでも泣いてしまいそうな、
そんな弱弱しさが伺える、でもそれも無理はないだろう、目覚めて知ってる人は誰も居ず
知らない人間に囲まれてるわけなのだから…怖くても無理は無い
「ヴィヴィオって言うんだ…僕はキラ、よろしくね、ヴィヴィオ」
ヴィヴィオの頭をなでようとした途端、ヴィヴィオはなのはの後ろに隠れてしまった。
ちょっと馴れ馴れしかったかな…ううん、やっぱり怖いんだろう…
なのははヴィヴィオに物凄く懐いてる…きっとなのはのどこかに母親を見たのかも…
「ヴィヴィオ?だめだよ?ちゃんと挨拶しなきゃ…」
めっとヴィヴィオをしかるなのはだが、なのはの後ろに隠れたまま涙目のヴィヴィオ…
はやてが苦笑しながら僕を見ている。
「あはは、嫌われちゃったかな…」
物凄い拒絶のされようだ、子供は好きななんだけど…何か不味かったのかな…
「キラ君ごめんね、きっと色々戸惑ってるんだよ…」
なのはも言葉が見つからないようだ…
「とりあえず、ヴィヴィオは私の部屋に連れてくねっキラ君、はやてちゃん、また後で!」
なのはに宥められ、ヴィヴィオはとことことなのはについていった。
「二人のエースオブエースも、ヴィヴィオにはかなわんな〜」
真横で笑いながらはやてが僕をからかってくる。笑い事じゃないってばもう…
「まぁ…誰かしらに心を開いてればそれでいいと思うけど…」
内心ちょっと悲しいかも…
「さあ、仕事を片付けよう…帰りにアスランと食事するんだけど、はやてもくる?」
「えぇなぁ、いくいく!」
こうして僕の時間は過ぎていくのであった…
続く
どんぺり様GJです。
続きを楽しみに待ってますw
そして、自分も短編のキラパパなのはママを十話より早く書き上げてしまいました。
暇つぶしで書いたらサクサクいってしまいましたw
StSを見ていないのでちょっと違う部分があると思います。
ヴィヴィオの一人称って何でしょうか?(StSを書き始めない限り見ない予定なのでw)
それが分かれば投下します。
224 :
どんぺり:2007/10/24(水) 22:28:10 ID:???
>>223 おぉ!完成なさりましたか!
なら遠慮せず先に投下どうぞです!
っていうかどんどんどうぞ!
>>223 一応先に全部見といたほうが良くないですか?
アトヅケ設定とかあるから食い違いが出てくるかも…
まあ強制はしませんが
226 :
どんぺり:2007/10/24(水) 22:38:30 ID:???
数日後…それぞれのリミッターの話で、隊長陣全員が会議室に集められていた。
「いずれ、皆のリミッターを完全解除する時が繰るかもしれへん…だから皆も気を引き締めてな…」
何時に無く、はやての表情が真剣だ…昨日、散々僕にお好み焼きを奢らせたはやての笑みとは大違いだ。
ちなみに言うまでもなく、フェイトとアスランのお好み焼きも僕が奢った…
「スターズにシード部隊の隊長、キラさんとなのはさんの限定リミット解除エクシードとフリーダム」
「そしてフェイト隊長にアスラン補佐官のザンバーモード、ファトゥムモード…」
リィンとシャーリーが各隊長の限定リミット解除名を挙げていく、でも正直名前は別に必要ないような…
そんなきもするけど…でも名前はあったほうがわかりやすい…か
『キラくん』
と、そのときなのはが伝心してきた。
『うん…どうしたのなのは…?』
『私が言うのもなんだけど…今回の戦い、私のエクシードやキラ君のフリーダムモードで十分だよね…?』
おそらくなのはは『アレ』のことを心配してるのだろう…お互いの最後の切り札であるリミットブレイクの事を…
『私のブラスターモード…そしてキラ君のドラグーンモード…類似してるシステムだから尚のこと心配なんだよね…』
『なのはは、人の心配よりもう少し自分の心配しなよ、体は僕と違って女の子なんだから…ね?』
『あー、それ差別だよ〜、それに私の事は私でちゃんと管理できるから、でもキラ君は目を離すとすぐ遠くへ言っちゃうからね』
珍しくなのはが向きになって突っかかってくる。僕なにかしたっけ…?
『もう…なのはは相変わらず強情…』
あ、やばい…思わず伝心で喋っちゃった…
『キ…キラ君だって人のこと言えないよ!?』
なんか話が脱線し始めた…うまくごまかさないと…
「キラ君?なのはちゃん?大丈夫??」
あ、ごまかす前にはやてが水を差してくれた…危なかった…
大丈夫だよ!とお互いその場をごまかす。はぁ…何やってるんだろう僕らは…
それと…少しでもヴィヴィオとうまくコミュニケーションとらないと…
子供に嫌われるのってなんか嫌だから…
『がんばろう』
また伝心で喋っちゃった…
『何が?』
しかもフェイトに…(汗)
つづく
ふむ・・・・そうなると投下は結構後にしますね。
まだA´s書いてる途中でStSを見るわけにもいきません(自分のルール決めてるので)
ですから、黒歴史ということで(別に歴史でもなんでもないような)
追伸:十話は明日か明後日くらいには投下すると思います。
それでは、失礼します。
つづくという言葉で次回かと思ったら・・・・・支援ですorz
229 :
どんぺり:2007/10/24(水) 22:42:01 ID:???
いえ、別ルートではこうなるとか見たいな解釈で投稿してほしいかもです!
めっさきになる!
リリカルクロスSEED A´氏ぜひとも投下してほしいです。
気になって寝ることができない!
231 :
どんぺり:2007/10/24(水) 23:01:00 ID:???
そして会議も終り今日は解散。ティアナに借りたDVDを返し、スバルにコンビニでアイスをおごり寮へもどった。
最近奢ってばかりだな僕は。。。。
「今日の晩御飯は…どうしようかな…」
最近はなのは達隊長陣でよく外食をしてるせいか、重い物は極力避けたい
それにここ最近甘いものを食べてないから…
「ドーナッツでもつくろっかな…」
確か、地球のどこかの国では、食事が朝、昼、夜と全部甘いケーキ類だっていう話だし…
いいかな…?いや良くないんだろうけど…たまにはいいよね…
そう決めた僕は、早速ドーナッツを作ることにした。
基本料理は大好きで、和食から洋食、お菓子を作ったり等慣れてたりする。
そういえば昔、研修でアコースさんと一緒に調理実習したっけ…(笑)
前は期間限定で一緒の訓練部隊になったフェイトも交えて、アスランと僕の三人でよく料理作って食べてたっけ…
フェイトもあー見えて実はすごい食べるし…ってとにかく作ろう…
小麦粉…卵…ベーキングパウダー…バニラエッセンス、重曹と…
「よいしょ…」
生地を練り、下味をつけ型で繰りぬく…
「これでよし…後は揚げるだけだね」
出来上がったドーナツ生地を順番に、高温の油で一気にあげる。
普通こういった揚げ菓子類は、低音の油でゆっくりあげるんだけど
僕の場合は一気に高温であげちゃう。そうする事で表面がパリパリになって
揚げパンのような食感になるから…
・・・・
・・・
・
「よしできたっ、久しぶりに作ったけど…まぁまぁかな…」
思ったよりよくできた。味を見ても美味しかったり。
晩御飯がドーナッツって言うのもアレだけど、美味しいからよしっ!
僕はドーナッツをさらに盛り付けそのままソファーの茶の間へ運んだ。
続く
支援
233 :
どんぺり:2007/10/24(水) 23:17:24 ID:???
完成したドーナッツをテーブルに置きそれをほおばりながらテレビをつける。
でも正直、ミッドの放送番組ってあまりバラエティ物が無いようなきが…
元からそう言うのはあんまり見ないけど…でもと…そのとき、後ろからかすかな隙間風を感じた。
「あ…ドア開けっ放しだ…」
仕事に疲れてうっかりしてたのか、ドアを開けっぱなしでそのままにしてたみたい…
我ながら無用心…とりあえず戸を閉めようと立ち上がる、すると扉の向こうに何か気配が…
ジィ…
「あれ…」
開きかかった扉の向こうには、ジーっと困ったような表情をして僕を見てる
ヴィヴィオの姿があった。ドーナッツの匂いにつられちゃったのかな…?
「あはは、ヴィヴィオも一緒にたべる?」
食べ物で釣って好感を得るなんてちょっとせこいけど…
「…」
ヴィヴィオはドーナッツに見向きもせず僕をうるうるとした目でずっと見つめてる。
子供とはいえ…気まずい…
「ほら…ここだと寒いから…中においで…?」
と言ったそのとき…
「…パ……」
「え…?」
「パ…パ…」
ちょっと良く聞こえなかった…
「パパァ!」
急にヴィヴィオが泣きながら僕にしがみついてきたのであった、いきなりのヴィヴィオの行動に
僕もあせって混乱する。。。。。。。それにパパって!?
「パパーパパーぁ!」
「わかった…わかったからおちつこ…ね?」
「やぁ!パパー!」
こ…困った…どうしよう…
こうして今日の夜はドーナッツどころの騒ぎではなくなってしまった…
それにしてもパパって…まだ僕…19歳なんだけど…(汗)
つづく
書きながらの投下は止めれ
237 :
234:2007/10/24(水) 23:31:37 ID:???
激しく同意。
しらけた…お前もうこなくていいよ
普通に面白いんだが…どんべりさんGJ
気を悪くせずにどんどん続き頼むぜ!
どんぺり氏GJ!
続きをwktkしながら待ってます!
まあひとまず落ち着こうか
241 :
どんべり:2007/10/24(水) 23:37:32 ID:???
いえ…
はっきり言ってくださったほうが嬉しいです。
まだまだ文力不足で皆さんに深いな思いをさせてしまいすいませんですた。
続きを書こうと思いましたが、もう少し勉強してからのほうがいいと判断したので
SS投下は少し控えますね^^;
>>237 おいお前234は俺だ勝手なこと言うな、お前が来んな
いや…あんたは別に悪くないってw
ただの荒しだろうよ…
気にせずかいてくれ〜!
最後まで書かないなんて罪だぜ!
>>241 書き溜めて一気に投下するなら誰も文句は言わんと思う
245 :
どんべり:2007/10/24(水) 23:43:31 ID:???
わかりました…最後までがんばりますたい!
>>241 書かないことには成長しないし投下しないことには評価も貰えないよ?
まず最後まで書いてみたら?
>234 >235 >237
自演乙
>>245 頑張って下さい!!
とりあえず最後まで書ききってから投下をすれば大丈夫かと。
続きをいつまでも待ってますぞ!!
荒らしは無視の方向で、当たり前だけど。
投下の仕方は次から気をつけて
GJするだけじゃなく手厳しい意見言うことも大切だと思うけどな。特にこのスレは
どこがどうつまらないのかを書くなら有意義だろうけど
つまんね市ねだけじゃただの荒らしにしか見えないぜ
「さて……」
ガーティー・ルーの艦橋で、ネオは、幾分渋い顔をしながら、スティングとアウルに向
かって言う。
「お前らの役目は、母艦の方を襲撃、敵さんが此方に構っていられないようにすることだ、
判ってるな?」
「別に、沈めちまってもいいんだろ」
アウルが、ぶっきらぼうな態度で、そう言い返す。
「できるものならな」
そう言って、ネオは口元で苦笑したが、すぐにその笑みを消す。
「だが、中に例の新型ゲイツが何匹詰まってるか判らん。落とされる事だけは絶対にない
ようにな」
「わぁってるよ」
不機嫌そうな様子で答えるアウル。
「それと、万一、母艦の方にドラグーン使いの新型がいたら、無理せずすぐ逃げろ。いい
な」
幾分強い調子で、ネオは言った。
それに対し、アウルは不愉快そうな表情でネオを見る。
「何でだよ。そいつも生け捕るなりバラバラなりにしちまえばいいんだろ?」
身を乗り出して、食って掛かった。
「やめろアウル!」
スティングがアウルにより、険しい表情で声を荒げる。
「コロニーの中で判ってるだろうが。アイツには俺とアウルの2人がかりでもかなわない」
その言葉に、アウルはしぶしぶといった感じで引き下がるように、一歩下がって俯いた。
一方、ネオは、意外そうにスティングを見た。
「ちっ、しゃーねーな」
せめてといった感じで、アウルは悪態をつく。
「それじゃあ、俺は先に出るからな。リーの言う事を聞くんだぞ」
「はい」
「へいへい」
シンプルなスティングの返事と、いい加減なアウルの返事を聞いてから、ネオはブリー
フィングルームを後にする。格納庫に出ると、自分のために用意させた、エールストライ
カー・ダガーLに乗り込む。
「言われた通りにしてありますが、中身的にはまるっきりノーマルのダガーですよ?」
少し不安げな表情で、整備員が訊ねてくる。
「俺の手にかかればどんな機体だって一流だよ、と言いたい所だがね。少なくともアレと
やるのに、モビルアーマーじゃとても相手にならないのは確かだよ。エグザスだろうとね」
ネオは口元で苦笑しながら、軽く冗談交じりにそう言った。
「判りました……お気をつけて」
整備員はそう言うと、軽く敬礼してから離れていった。ネオはコクピットを閉める。
起動スイッチを入れ、OSのコンディションチェック画面を確認。ダガーLを進ませ、発
進待機位置へと進む。
「ネオ・ロアノーク、ダガーL出るぞっ!」
「…………?」
ボギー01(ワン)の“反応”を追いかけていたシンだが、前方にその姿が見えてくると、
訝しげに表情をしかめた。
そして、シンの脳裏によぎった事と同じ事を、レイが通信越しに声に出した。
『やられた、シン、デコイだ!』
「畜生! ミネルバが!」
制動して、反転しようとする、インパルスと、灰白色のゲイツBD。
『敵MS!』
女性の声が聞こえてきた。ゲイツFR。ゲイル・アン・ミラー機。
衛星軌道ステーションの残骸に、ダガーLが隠れていた。ゲイルのゲイツFRに、ビー
ムサーベルで切りかかってくる。ゲイルはシールドを突き出して斬撃を凌ぐが、ダガーL
はゲイツFRを蹴り飛ばす。ゲイル機は太陽電池パネルに叩き付けられる。表面の強化透明
樹脂がクレーター状に凹み、白くひび割れる。
「ミネルバ! フォースシルエットを至急、ミネルバ! 応答願います!」
「……が……瞭で………受………ま……」
シンはミネルバを呼び出すが、デジタル変調が妨害される、途切れ途切れの音声が聞こ
えてくるだけだ。
レイはビームマシンライフルを構えさせ、ダガーLに向かって撃ちかける。
「むっ!?」
ダガーLが急機動でかわした所に、もう1体ゲイツFR、ショーン・クラインフェルド機が、
対装甲アキナスをパルチザン形態に展開し、上段から斬りかかる。
「!」
ダガーLは捻ってかわすと、ビームサーベルを振り上げる。
だが、それが振り下ろされる寸前、レイの灰白色のゲイツBDが、シールドタックルでダ
ガーLを突き飛ばした。
「なんだ、この感覚は……」
自らも、ゲイツBDに対装甲アキナスにストックを連結させてパルチザン形態にしつつ、
レイは、目の前のダガーLから放たれる強烈なプレッシャーを感じていた。
そして、同時に、ダガーLのパイロットもそれを感じていた。
「どうやら、クジには外れちまったみたいだが、残念賞があるようだな!」
ネオは、言葉では冗談を織り交ぜつつも、口元は忌々しそうに歪んでいる。
「ショーン、ゲイル! ミネルバの掩護に戻れ! こいつは俺とシンで何とかする」
レイがそう言った瞬間、ダガーLのビームサーベルが振り下ろされ、レイのゲイツBDの
シールドとぶつかり、アンチビームコートとの間で激しく火花を散らす。
『了解!』
『了解!』
金髪碧眼の美丈夫と、女性でありながら丸刈りに近い短髪の褐色肌の女性が、レイの言
葉に答える。ゲイツFRがスラスターを吹かし、ミネルバの方向へと戻ろうとする。
「くっ」
ネオはゲイツFRを追って踵を返しかけたが、その途端、ダガーLを高出力のビーム砲が
掠めた。シンがインパルスのケルベロス・ビームカノンで狙っている。
「外れクジは、俺じゃなくてあっちの2人かな!」
乱射してくるビームカノンを、ダガーLは急機動で次々とかわす。踊らされているよう
にも見えたが、確実に間合いを詰めてくる。
「シン!」
レイが声を上げる。
ダガーLはインパルスの懐に飛び込んでくる。
インパルスもビームジャベリンを構えるが、ネオの斬撃の方が早い。
「くっ」
シンは、かろうじて、シールドで受け止めるが、体勢は不利だ。もともとブラストシル
エットは対MS格闘戦向きではない。
第2撃がインパルスに振り下ろされかけた瞬間、レイが、再びシールド・タックルでダ
ガーLを弾き飛ばした。
「ふぅ……」
息を呑んだシンの目の前で、ゲイツBDがパルチザンを構えなおす。
「!」
レイが突撃しようとするのが早いか、ダガーLはエールストライカーのバーニアを全開
にし、2人から遠ざかり始めた。
「逃がすかっ」
シンはケルベロスとデリュージー・レールガンで追撃をかけるが、ダガーLはそれを文
字通り縫い針が縫うようにして回避しながら、飛び去っていく。やがて、ケルベロスの射
程外にまで出て行ってしまった。
「この……!」
『待て、シン!』
シンが追撃をかけようとするのを、レイの言葉が遮った。
『ミネルバに戻る事が先決だ、襲撃されているかも知れん』
「!」
シンはその言葉にはっとする。
「しまった……フェイト!」
熱くなると我を忘れる自分の性格を呪いつつ、シンはインパルスのスラスターを全開に
し、レイのゲイツBDを置き去りにせん勢いでミネルバへと一直線に飛んだ。
わずかに時間は前後する。
ミネルバはシンとレイを送り出した後、ミネルバは自身も“ボギー01”を追いつつ、そ
の巨体を難儀しつつもデブリの間を縫って進んでいた。
デュランダル、カガリとともに指揮官席に座っていたアレックス──アスラン・ザラは、
ミネルバのクルーが難儀しながらデブリの間を縫っていくのを見て、ふと違和感を覚えた。
そして軽く考え込み、その違和感の原因をまとめる。
────こんなところを大型艦が通るだろうか……確かに隠れるには理想的だが……待
てよ、隠れる?
「デコイだ!」
思わず、声を上げていた。
カガリ、デュランダル、タリア、それにアーサーが、驚いたようにアスランを振り返る。
「ええ?」
「今2機が追っていったのはデコイですよ! 本物はどこかで待ち伏せして。危険です、こ
んな回避の取れないところじゃあ!」
アスランの言葉に、ブリッジクルーは一瞬、言葉を失う。
「タリア! 艦をできるだけ広いところへ」
デュランダルの声で、タリアは我に返り、正面に向きなおす。
「っあ、はっ、変針右15度、上方30度、変針後に減速20%、デブリから艦を離せっ」
ミネルバが資源用衛星の遺棄体から離れかけた時、
「後方から小規模な熱源多数接近……ミサイルです!」
「回避します!」
ミネルバのCIWS対空銃座がミサイルに向けて撃ちかける。右に倒れこむようにミネルバ
が回避した瞬間、さらに艦砲のプラズマビームがミネルバを掠めた。
「ルナマリアとフェイトを出して! 敵はすぐ側にいるわよ」
『了解! 出します』
タリアの言葉に、コンソールの向こうのエイブスが答えた。
「しかし、敵艦の反応は」
「メインスラスターを止めてるのよ! レーザーサイトと磁気感知のデータは!?」
男性オペレーターの言葉に、タリアは苛立ったように言い返す。
次の瞬間、メイリンが甲高い声を上げた。
「モビルスーツの反応接近中、4機!」
──中央航空機用フライトデッキ。
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、コアスプレンダー出ます!」
静かに、しかしはっきりと言う。コアスプレンダー2号機が宇宙(そら)に飛び立つ。
ルナマリアのゲイツBDの発艦を待つように減速しつつ、追ってきたチェスト、レッグと
連結、MS形態に変形する。アサルトデバイス・シルエットがその背中に被さる様に連結し、
ウェポンラックからバルディッシュの手にビームパルチザンが握られる。
紅いゲイツBDが横に並ぶ。ウェポンキャリーシールドから、対装甲アキナスを抜き、ス
トックと連結してパルチザン形態に展開する。
『4機接近……1:2かぁ』
ルナマリアの、口調はどこかのんびりした、しかし表情は引きつりかけた、言葉が、通
信越しに聞こえてくる。
ミネルバを背後に、構え、向かってくる敵を見定める。
サブディスプレィに照合パターンが表示される。
『ひゃあ、カオスとアビスじゃない!』
ルナマリアが、驚いたような声を出す。
「でもなんにもなく一直線、それに」
────あの紅いMAはいない。
口に出さず、そう言った。
「ルナマリア、先に後ろの新型ダガーを」
『おっけー』
バルディッシュとゲイツBDはそろって、相対的下方をえぐりこむように機動する。
その2機に向かって、アビスのフルバーストが降り注いだ。
だが、その瞬間、すでに2機は射線上からいない。
「何!?」
アウルの驚愕の声と同時に、アビスとカオスのコクピットに同時にロックオンアラート。
アビスに向かって、バルディッシュのブリッツエッジ・ビームブーメランが向かってく
る。
同時に、カオスにはゲイツBDが胸部に装備する短銃身ビームガンの射撃が迸って来た。
「くそっ!」
アウルはそれを肩のシールドで防ぎ、ブーメランの実体部分にぶつけて弾き返す。
一方、スティングはビームガンを難なく避けた。だが……
「しまった!」
スティングが毒ついたときにはもう遅い。
次の刹那、背後にいた2機のダガーLはバルディッシュのビームパルチザンに胸上部を薙
ぎ払われ、あるいはゲイツBDの対装甲パルチザンに頭部ごとパワーパック部分を叩き潰さ
れていた。
「畜生! なんでてめぇらがこっちに残ってんだ!」
アウルは毒ついてアビスを構えさせる。一方、バルディッシュと紅いゲイツBDもそれぞ
れパルチザンを構えなおす。
2機と2機が、対峙するように向かい合った。
支援
[ショーンとゲイルを設定]
ぐぐっても具体的な資料というか設定自体ないみたいなので、もう開き直ってオリキャラ化しました。
ごめんなさい。
ショーン・クラインフェルド
金髪碧眼の美丈夫。レイとは違い、顔は美形だが、体つきはがっしりしている。
(「宇宙一の無責任男」シリーズのル・バラバ・ドムを金髪碧眼にして、髪はストレートにしたイメージ)
性格はけっこうお調子者で、ナンパ好き。
身長は177cmだが本人は180cmあると言い張っている。
ゲイル・アン・ミラー
金髪、褐色肌の女性。坊主頭一歩手前のベリーショート。目もゴールドポイント。
切れ長なのでそうは見えないたれ目。
上から御愁傷様、普通、ほんの少し大きめ。
性格は実直だが遊び心がないわけではない。でも女性らしくはない。
>>254-258 今回は以上です。
ショーンとゲイルの姓、それらしい単語でぐぐると由来がわかります。
でも別に書いてる奴はそれについては良く知りません。orz
>261
GJです!
いつもフェイトやシンの会話をワクワクしながら読んでいます。
これからも頑張ってください!
実は私もヴィヴィオのパパとママの話を書いていたり…。
出来たら投下してもよろしいでしょうか?
>>260 Fate in C.E.73氏GJ!!
おおオリキャラ登場ですか!自分もフェイトの活躍を楽しみにしています。
次回も頑張って下さい。
>>262 いつでも待ってます!
>>263 それは俺も気になった。
262氏の完成を待とうじゃないか。