1 :
◆NXh03Plp3g :
/ / l \ ヘ ヽ \
/ / / l \ } \
\/./ / / / / ∧ 、 ヽl \
./ / / / / // ∧ i. i ', /
l i i / ///./ / ', i i i /
| ハ .ト L___ ェニ ァ/ 人 / ヽ i _l | /
i い | ィー‐,ニニ三/ / / ーェ、___,>r '´ | i i |/
. V∧ |∧/ /フr::。}ヽ ./´ "^,rこニ;;、`ヽェi i i |
∧ i.ヽ lレ' {::リー'::ソ " {rイ::::゚リ } // / /ハ
./ {\ iト、 ,〃ー― , ヾこ.゙ソ / / // .|
' } \ i ヽ"" ` ` ー‐" /イ .イ / l
>>2getだなんて幼稚な行為に血道をあげてホルホル
ヽ ト、 ,へ、___,, 〃/ / /// i l してるのは本人だけで、他の人からはキモウゼェと
. r‐|i i.>、. /:::::" ゛"::::::ヽ / / / i l 思われてる事にいい加減気づきやがれですぅ
_,.レ┴ニ ~ \ {:: :::} イ 「___ ノ‐┐ i. l
/ / / >、 } ` 、 ̄ `' ー ―‐ '´ .イイ^ヽ `ト- {. i l
. / / / / _.>、{ `;- _ _, -‐ ' ´, へ ヽ \ | 〈 ヽ i l
" i ' ´ } /二コ T_\ | ` } .〉 ', i l
i イ'レ'´/ /「H. \\ } ./ ./ } i l
りりかるなのはストライカーズ
みちゃったよ。
なんかドラゴンボールZみてぇ
__ ... -‐ 、
, -.::''.:::::::::::::::::::::..`ー-.、
/::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
イ/::/:::::::;ィ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
/::::i::::/.l::/l::ハ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
/;ィ::{:/ー、l/_.!' |:::ハ:;∧:::::l:::::::l
/ |::| テ''ッ、` 丶ー- 、 i;:::|::::::/
.|::l , 'テ''z、 l:::リ::::::i
.|/| / r.Kヽf''i/'lノリ ハルヒのせいで、いつも憂鬱
ハ ` | .| l .| |ノ キョンの憂鬱
,小. - 、 .| .l/././、 もとい、>>4ゲット
_,,ィ'´.H. ゙.. ,, -'" ,/  ゙̄'ー、
''´ / { ' `''r'´ / / ヽ
/ ヽ、 ,ィl イ / / ヽ
./ .,ィ^i }_/_/l |/ , i
'.‐'" ヾ{;:::;}::;;/|. l. / |
古泉>1樹 話すときいちいち息吹きかけるなや。キショイ!ホモちゃうか?
た>2川流 趣味はバイクと麻雀って、ホンマオタとは縁遠いんやなあ
朝比奈>3くる ハルヒのせいで毎日ご迷惑かけて、ホンマすんまへん
>5ンピ研部長 とんでもない目にばっかおうて、ホンマ因果やなあ.........
後藤邑子 アンタの声聞くとホンマ>6ズムズしてくる。俺もロリの仲間入りちゃう?
>7が門有希 アンタのおかげでホンマ命拾いできました!えろうスンマヘン
>8ルヒ ジコチューもたいがいにせいや!ホンマ親の顔が見てみたいわ!
朝>9ら涼子 あんなんがまだおるなんて、ホンマ寒気がしてくるわ!
い>10のいぢ 調子ぶっこいてホンマスンマヘン!これからは気い付けるさかいに.............
>>11-1000 こんどソバメシおごったろか!
_,l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l,,_
,.r'´,. -┐ ':..,゙ヽ
,r' ,::;:' ,ノ ヽ、 ゙:::.ヽ
,.' _.,:;:'___ _立_ ___;;ミ゙、  ̄ノ ̄| ̄
.l厄巳厄巳厄 i王i ,.巳厄巳厄巳l ,勹 .├‐''
l´ , "´  ̄ ̄ ̄ `'''′  ̄ ̄ ̄`.:`{ ´_フ ヽ、_,
| l ;;:.,. ::、. ... '゙|
,.-''、.,! ,.::' ヽ、:.゙、 ;;.:' '' ヽ | ,.、 __l__
./ 、/ `ヾー─tッ−ヽ'' kーtr─ツ'´〕. ヽ. |
/ {´i Y::::.. ` ̄ ̄´.: "i! ::. 、` ̄´ ゙:::.、} r、 l i,____
| ヾ_,,入;:::.. `'' " ´.::; .::i! ::.. ``` :. }ツl l
\ ノ ヾ ;:::. .:r'' :: ll! :ヽ;:..:. .: j,ノ ,! ┬‐┌,┴┐
ヽ',,;l ゙i ;::.. _ `ヽ、;;,,,,'.ィ'' _,, .::,;r'1,,,/ l__ ノl士
ッジ::::::| ゙ ,r'´:::;;;;;;;::> 弋´;;;;;::::ヽ'" |:::::゙'イィ ノ凵 l土
弍:::::::::::l /:::;r'´ ,,..-ー…ー-、 ヾ;:::'、 |:::::::::::ヒ
シ:::::::::::l i':::,! ´ __ ゙ l::::l:. |::::::::::ス __ヽ__‐┬┐
彡;:;:::::l l:::l ''''''''⇒;;;:, l:::l |::::;;ャ` ニ メ ,ノ
,r', 广'`ヽl:::l ::::. .:: ゙::. l::l ノ^i`、 l ̄l ハヽヽ
,イ(:::j i::;ヘ :;:. .:: l::l'" l:ヽヽ  ̄  ̄
|;:ヽヽ l::l ヽ ;:.... .. .. : /l::l ノ ,.イ
|;:;:;:;\\ l::l ', :;.:;::::::::::..::. / l::l,r'' /;:;:;|
,>、ヽ ,. ゝ―-、////ニニヽ ,__
jニ-―ty′ \__`フ
/ィ''ア´ / // /ハ 、 ̄ヽ、 |
/ / y′,イ::ィ 7!7,イ/ ! l | \ \ <いいの ベイべー!
|/ / /,.〈 l トイfヒ7` ハイ/! ト、',、 ト、. 逃げる奴はなのは厨なの!!
|、 !ク ⌒| | , 代},イ/! / |ト、ヽト、\ 逃げない奴は真性のロリコンなの!!
ヽ\ vト、 {_ア ,イ| | レ′,ト、 \ \\
\二Z_/> 'ト-‐ ァ'ヽ/ _, " ノ `ー' ヽ \ リリカル
,, - 'ヽ, ゙L,::ヽィァ'"::::_} ゙l, ホント魔法少女は地獄なの! ナァノハハハーハァー
/ ヽ〈_::::ィ::ト、::::::)_l_ ri *● < Don't worry.
,/(9 r‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| | / |
l ,===-_ l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
l´ `ヽ _|_ _ "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
ヽ:,. 'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄ [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
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12 :
テルー:2007/08/18(土) 18:16:32 ID:???
心オナニーに例えよう
シコシコシコシコ
ウッ!ドピュッ!
前スレで「次スレ立てた奴=問答無用で荒らし認定」
とされてなかったっけ?
決めたってより一人か二人が勝手に言ってただけだと思う
スレ立てずにいるとどうしても人が離れてしまいそうだし。たとえ避難所があったとしても
ここはもう避難所への案内所&雑談用として使えばいいかと
16 :
14:2007/08/18(土) 21:11:29 ID:???
>>15 わかってると思うが一応言っておく、これも俺が言っただけなんでスレの総意とかではないぞ。
17 :
15:2007/08/18(土) 22:44:42 ID:???
OK、その辺も分かってるさね。
どちらにしろ人居ないし、来ないし。
しかし避難所にも人来ないな…
you盛り上げちゃいなよ
::| _
::| //i _
::|. /_/三 l //ヽ
::| ハ'゙、 三.l /.../三.ヽ
::|. / ハ ヽ三.l;;;;;;;/ 三ヲヲノ このスレは
::| / /_ ゙、 ヽ=.i / 三イ バルタン星人に
::|i' , - 、_`ゞ,ヽ='=/;;i 常時監視
::|'( ゚)〉`=-ヾ/ ノ_! されています
::|ゞ`ー 'ソミて"`tゥ'`ノr' ゚゙i
::|  ̄ソ/´ミ `シ=、'';;;!、_ノ
::| シl i;;、 ,,,.... il l`ー::ノ !
::| ヾ゙、ヾ、 :.:.:! l;;;;ノシ
::| :. ヾ\=ヽ :! l/,/
::|ツ:. :. ヾ゙、=i:l li=/ノ
::| ソ`'、. |、'-、
::|ヾ / :;;;;i l;;. i
::| イ ;;;l 冫 l`ー-、 __
::|. ノ| ,,;;;l i';;;;;,, | ノ' `ヽ
Fate×Destiny氏のような作品が好みだ。
自分でもかいてみたいがなのはは見たことない漏れがいる。
ソバメシげと!!
ソバババーン!
過疎だな。
というか、職人さん…こっちこないかな。
人がいなくなったら荒らしもいなくなる…か
まぁ、何にしてもスレが落ち着いたのは幸だな
そうだな
後は住人達がゆっくりと此方に戻ってきてくれれば完璧だ
29 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 20:36:13 ID:2ALenv2W
スレを立て直したほうがいい気がするけど
【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その14
立て直すならこれで
後は様子見て
避難所にも聞いてきたほうがいいな
荒らし対策に変なタイトルにしたと思ってたんだが・・・違うの?
荒らしが変なタイトルで立て逃げした
まぁこっちで投下していいんならここで続けてもいいとは思うんだけどね
このスレは軍事板の監視対象です^ ^
>>34 毎度ご苦労さん。てっきりそちらさんが建てたもんだと思ってたケド
さて…何をしたものか
とりあえず(深い意味はないが)MSの設定でも考える?
38 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 23:04:52 ID:18LiGhEu
まずは
>>34みたいな荒らしが自演できないようにID出そうか。
出せない奴は三人目の自演でよろ。
この段階で
>>38が荒らしだって気づけなかったから前のスレは駄目になったことを忘れずに
41 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 23:11:08 ID:4bZxJ+jy
> 避難所派
学習能力無いねぇチミは。
>>39 前スレ崩壊は軍事板から流入した連中にお前らが構ったからだろ。
本当にゆとりって奴は…
>>40 管理者にはIP丸見えな避難所を荒らして早々とアク禁されたお馬鹿さぁん乙w
>>43 避難所は荒れてなんかいないぞ?
事実を歪曲とは在日らしいw
45 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/21(火) 23:15:30 ID:4bZxJ+jy
さぁ、三匹目のスーパー自演タイムだ!
ストライクMk-Uが時空管理局を壊滅させるのはいつだ!?
指揮官ヘッドは全て低性能という自説を証明できるのか!?
次回に期待せずに行こう!!!
>>45 だからID出すから荒れるのがわからないのか?
ちゃんと
>>38を嫁よ。
もうブロントのそれほどでもないを三人目のために改変してあげたくなった
避難所でオススメされたからやってみた
ID出しは禁止です
出した者は三人目として扱います
>>44 確かに荒れてないわね。けど荒らそうとしたお馬鹿さぁんのジャンク書き込みならあったわぁ。
52 :名無しの魔導師:2007/08/02(木) 13:42:47 ID:d6kfysXc
負け犬君たちはこんたところで引きこもりですかwwwww
くやしいのうwwwwwくやしいのうwwwww
お前さぁ…
なんでスルーできないんだよ
55 :
テルー:2007/08/21(火) 23:45:42 ID:???
心オナニーに例えよう
シコシコシコシコ
ウッ!ドピュッ!
SEED世界ってAIあったっけ?
モビルドールレベルのやつ
お前らが追い出した奴らのほうがまともな対応してるんだぜ
>>56 成長途中だがスタゲのがどうにか……かな?戦闘は有人でやってたはずだけど。
育て上げた状態がどんなもんかわからんからねぇ。まぁぶっちゃけ見てないんだが。
MDみたいに量産機に乗せられる程安い・早い・うまいなのは無い。
無いか…
そりゃそうだよな。そんな便利な物があったら戦闘用コーディとかエクステンデッドとか要らないもんなぁ
インテリジェントデバイス級のAIでMSが動かせるかって言うとそれも疑問ではあるけど…
つーかぶっちゃけAI,AIっていうけどAIって結局どのくらい凄いんでせうかね?
>>61 AIが作られた世界・時代・場所・設計思想など複合要因でバリエは無限に近いな。
行く所まで行けば神の依り代になるような代物まであるしねぇ。
AIもピンからキリまであるからなぁ……一概にどうとは言えない
MSのデバイス化に関しては映像として面白いアイデアはあるけどね。
操作方法はモビルトレースシステムっぽくて、元のMS風デザのBJ装着で搭乗(?)
んで、原型となったMSの形がワイヤーフレーム状の魔力エネルギーフレームで形成。
外から中の搭乗者が見えると同時にMSの大きさとパワーを生かした戦闘もできる。
ドラマ・戦闘両方出来てお得ですよドウデスカオクサーンなんだけどイマイチイメージが判り辛い……
つか考えた俺が言うのもなんだが自分では書けねーし、他からの需要もなさそーorz
ガンダム世界でトップクラスの自立AIって言えばセンチネルのALICEかな
開発経緯とかは全然違うけどEXAMシステムもMS制御AIみたいなもの……と思ったがこっちはゼロシステムの方が近いか
EXAMは偶然の産物的な意味合いも強いけどな。マリオンの意思が働いてることを考えると完全な人工知能とも言えない。
ゼロシステムは……ありゃ、ただの演算機能か?
>>65 EXAMはNTの生霊というか、攻殻のゴーストをコピーする違法技術に近いような。
>>66 ゼロシステムはラプラスの悪魔システムと言った方が近いかも……
最終的に結果を選ぶ権利が搭乗者に与えられるけど(システムに飲まれなかった者限定)
69 :
56,61:2007/08/22(水) 01:44:54 ID:???
EXAMにはマリオンが入ってたけどALICEには誰も入ってな(かった気がする)い…
アリスなのに…中身はきっとゴスロリなょぅι"ょに違(ry
リョウに対する当てつけ?←違う
なんでSEEDはAI出さなかったんだろう
よっぽど遺伝子操作云々をやりたかったのかな
そしてどうしてボクはこんなクロスに微妙に絡めづらいうえに自分がたいして話題をつなげられるわけでもない事を言い出したのかな?かな?
なのは「少し…頭冷やそうか」
はは…やっぱボクって、可能を不可能に…ってあれ?何か違(ry
>>69 そりゃあ一応種の大きなテーマは遺伝子ですから
AIはそのテーマと特に接点が感じられなかったから出さなかったんだろ
ヽ(`Д´)ノウワァァン
72 :
65:2007/08/22(水) 07:25:23 ID:???
EXAMとゼロシスが近いって言うのは運用方法の事で
どちらも単独で機体を動かすものじゃなくてパイロットに情報等強制ドーピングを叩き込むのが主なので
マリオン人格は完全におまけつか
>>66の通り偶然の産物だし
このスレのように荒らしを追い出せずスレが寂れるのと
女難スレのように荒らしを追い出せても他スレの職人とその信者にスレ乗っ取られるのとではどっちがましだろうか・・・?
こっちはまだ避難所が機能してるが女難は避難所まで・・・
>>73 他スレの事に首つっこんでいられるほど余裕無いだろ。
まだこのスレのほうがマシじゃね?住人もいずれもどってきそうだし。
そうすりゃまた安定しそう。志向は統一されてるっぽいし。
女難はいろんな勢力が割拠するカオスな状況だぜ。
他スレのこと考える余裕があるならスレ立て直す気概くらい見せろよ
女難てシン総合女難の事?
総合女難は三人目のおかげで住人が団結したんだぞ
まあスルースキルのなさはこことどっこいどっこいだが
>>80 とても団結には思えない件
あそこは勢いだけで職人の投下から何からすっ飛ばされるからな。沸点の低さもあそこ以上のスレはそう無い。
どっちにしろこのスレは余所が云々言えるほど余裕も何もねーよ。
肝心の元が裏設定のピレネー山脈に入山許可が下りてないような状態だからなぁ
三期はほんと二次創作殺しだからなぁ、色々と。
>>85 後から後からの超展開ばっかだから、SSで少しずつ話を展開させるとか難しそうだよな。
>88
住んでる場所のせいでまだ全然なのはStS見れてないんだが、後半にそんなに詰め込んでるのか?
ここのStSのSS読んでる分には序盤から結構おもしろそうに感じるんだけど?
>>89 自分もまだ12話以降見てないからなんとも言えないけど
クロスオーバーが有るのと無いのとじゃかーなーり印象違うぜぃ。
例えば高天氏の作品だとカナードが本編の不足分を非常に巧く補ってる、とか
ずーり ずーり
∧_∧
/ ・ω・)
...../____ノ
神のお言葉:paizuri
>90
そうなのか?
高天氏、アストレイ系だったから読んでなかったんだけど、今から読んでくる
まぁ、別に叩くつもりも崇めるつもりもないけど、あくまで自分の主観だからその辺は了承しといてくれ
ルーテシア、ゼスト、アギトの三人と合流したアレックス。
ルーテシアは相変わらずの無表情。
ゼストも無表情なうえ、アレックスに対して悟られないように様子をうかがっている。
露骨に警戒心と不快感を態度に表しているのはアギトで、常にぶつぶつと不満を漏らしている。
それも、アレックスの耳に入るようにだ。
そんな雰囲気の中、四人はレリックの探索に励むのだが、アレックスは役立たずである。
まず、レリックについての知識がないし、地理にも疎い。
基本の魔法も念話ぐらいしか使えなかった。
「何が役に立つ…だ!あの変態ドクターめ!」
アギトが悪態をついた。
夜、火を囲む三人と、そこから少し離れたところに一人座っている。
火を囲んでいるのは、ルーテシア、アギト、ゼストの三人で、一人離れたところで缶詰の様なものを黙々と食べているのがアレックスだ。
アギトの声が聞こえたのか、一瞬、フォークをとめるアレックス。
「まぁ…、あくまで戦闘面で役立つとドクターは言ったのだろう?」
「戦闘面って…あたしらで十分じゃんか!」
小さな体、全身で猛抗議のアギト。
ゼストは、どうしたものか、とルーテシアを見るが、当のルーテシアは無言、無表情のままに、缶詰をつついていた。
「用は、奴の力量がわかればいいんだな?」
「…旦那?」
小言をぶつぶつとたれているアギトにゼストが言った。
無論、ゼストもアギトに賛成ではあるのだが、アレックスが果たしてスカリエッティの手先であるかと聞かれれば難しい。
助けたのは自分達で、治療をしたのはスカリエッティ。
治療の過程でいくらかいじられている可能性もゼロではないが、短に本当に恩返しという可能性もゼロではない。
「アギトは…アレックスが強ければ認めるの?」
それまで黙って食を進めていたルーテシアが口を開いた。
「それだけじゃ納得いかねぇな。ドクターが戦闘面では役に立つっても証拠がない。」
アギトを頭の後ろで手を組、あぐらをかく。
ルーテシアは無言で立ち上がると、アレックスの元へと歩いていった。
自分に近付いてくる足音に顔を上げるアレックス。
「何だ?」
「これからガリュウと戦ってもらうけど…いい?」
アレックスは顔をしかめた。
「…ガリュウ?」
頷くルーテシア越しにアレックスはアギトやゼストの様子を窺ってから
「成程…」
といって頷き、腰をあげる。
「…わかった…。やろう…。だが、君はいいのか?
ガリュウは君の…。」
「…いい。」
ルーテシアは魔法陣を展開し、ガリュウの召喚準備に取り掛かる。
場所を移し、アレックスは朱色のキーホルダーを左腕に握り締め、天にむけ、拳をつきだした。
「ジャスティス!!」
拳の隙間から溢れ出る鮮やかな朱の光に包まれ、その光が爆散。
空気中に飛び散った魔力のカスが霧散していく。
「魔力反応…でけぇ…。」
宙を見上げるアギトとゼスト。
ワインレッドに白のラインと緑のラインの入ったバリアジャケット。
両腰部に添えつけられた白い円筒の棒。
膝と爪先にある突起と左腕の盾。
「行くぞ!ジャスティス!」
『Yeah!!ファトゥム01 Stand by...Complete!』
背中に発生する鋭利な翼。
「ガリュウ、…お願いね。」
少しだけ調子を落とし、ルーテシアが言った。
「アレックス!ガリュウ、準備はいいか?始めるぞ。」
アギトがその体格には似合わないほどの大声で言った。
アレックスとガリュウがたがいに相手を見据え、構える。
『シュペール・ラケルタ・アンビデクストラス・ハルバード』
両腰の白い円筒の柄尻を連結、魔力刃が発生する。
ガリュウの手の甲からは暗色の紫の魔力刃が発生。
ドォンッ!!
アギトが一発の花火を放った。
先手必勝、持ち前のスピードを駆使し、アレックスへと向かうガリュウ。
右手甲の魔力刃をアレックス目がけつき出す。しかし、ジャスティスに阻まれ、今度はアレックスが右手に持つ連結サーベルを下段から手首を返し、振り抜いた。
だが、朱色の魔力刃は空を斬った。
金髪の少年は、痛みにより目を覚ました。
頭部、腹部、両腕、両足に走る痛み。
カチャカチャと音がするので見てみれば、白衣を着た紫色の髪の男が何やら片づけをしているところだった。
「……ここは……。」
第一声はそれだった。
白衣の男がこちらへとやって来る。
「おや?もうお目覚めかい?
早いね…。」
少年は体を起こそうとするが
「まだ動かない方がいい、せっかく塞いだ傷が開いてしまうからね…。」
軽く少年の体をベッドに押さえ付ける白衣の男。
「さて、君にいくつか質問したいのだが…、いいかね?」
少年は力なく頷く。
「君が住む世界の名は?」
「ミッドチルダ…です。」
ふむ、と一人うなずき、クリップボードにペンを走らせていく。
「君の、名前は…?」
白衣の男は持っていたボードで口を隠した。
口許には笑みがこぼれている。
「……、ラ…ウ・ル・クルーゼ…?」
ラウと名乗る少年は何故だかそれが確であるか疑っているかのように答える。
「君の友人の名前は、覚えているかね?」
「…アレックス・ディノ。」
スカリエッティは満足そうに目を細めた。
「どうやら、異常はないようだね…。
今はまだ眠るといい。」
スカリエッティは部屋をあとにした。
「これで…、ちゃんと認めてくれるな?」
ジャスティスから発生する大型の魔力刃の切っ先が、ガリュウの首に突き付けられていた。
「あ、あぁ…。」
不機嫌そうな返事をするアギト。だが、認めないわけにはいかなかった。
魔力槍との連携。
そして、圧倒的な武装の数。
時間を確認すると、十分も経っていないのだから驚きだ。
アレックスは無傷、ガリュウも無傷で決着した。
ラウが合流したのはそれから数日後である。
そして現在。
「さて、行くとするか…。」
座っていた岩からゼストが腰を上げた。
「おう、旦那ぁ!」
アギトはゼストの肩に腰かけたまま言った。
「地上本部…か…。」
「まぁ、ドクターのナンバーズ達に手をかすだけです。
何とかなるでしょう…。」
「そうだな、ドクターには世話になったしな…。」
アレックスとラウも立ち上がり、最後にルーテシアが立ち上がった。
「もうじき、地上本部での公開意見陳述会がある。我等の役目は分かっているな?」
「おう、分かってるぜ、旦那!」
「あぁ、わかってる。」
「分かっています。」
ゼストの問いにアギト、アレックス、ラウが答え。
そしてルーテシアが頷いた。
機動六課、医務室。
「はい、傷口の消毒、終わりましたよ。」
「ありがとうございます。」
シャマルにパシンと軽く背中を叩かれ、シャツを着るキラ。
「もう、痛みはないですか?」
「はい、痛みはないですよ。これなら訓練にも戻れ…」
「駄目ですよ!キラさん、完治するまでは…。
今、無理したら傷口が開いてしまいますよ?
ちゃんと治してから、訓練に参加してください。」
シャマルが険しい表情をして言う。
そんな彼女の表情に気押され、たじろぐキラ。
「そ、そうですね…。ところで完治まで、あとどれくらいですか?」
「そうですねぇ〜、あと一週間弱ってところですかね…。」
やんわりと微笑みシャマルが言う。
「今は怪我を治す事だけを考えて…ね?」
シャマルはそう言ってキラの来ているシャツの襟首を整えた。
時空管理局 地上本部 公開意見陳述会まであと7日。
第十四話 遭遇 投下終了になります。
え〜、あとがきで説明させていただきますが、時間がかなり遡っています。
理想としては、キラとシンが六課に入る頃に、アスランとラウがルーテシアに助けられたと言う設定です。
さて、次回は第十五話 その日、機動六課前編を予定しておりますが、変わるかもしれません。
では、これからもよろしくお願いします!
神隠し氏GJ!!
久々の投下待ってました!!
しかしアスラン強ぇー
あんたを待ってたぜ!グレイト!!
質問なのだけど。
結構前のスレでキラとなのはの話
EDでなのはが赤服でキラの部隊に入隊してハッピーエンドっていうSSがあったんだけど
その影響で誰かがザフトの赤服姿のなのはさん書いたみたいだぞw
誰が書いたかは不明だけどupしていい?
構わんけど、大丈夫なのか?
第十五話 その日、機動六課、前編
公開意見陳述会五日前。
機動六課、技術室。
「マリエルさん、どうですか?」
パネルを操作しているマリエルに、キラが聞いた。
「ん〜、難しいね…。排熱機関を増やせば、その分、デバイスの耐久性が落ちちゃうし…。
かと言って今のフレームのままだと十分に機能が発揮できない…か…。」
う〜ん、と唸ってしまう。
「あの、マリエルさん、これでうまくいきませんか?」
キラが自分の案を話す。
「うん、そうだね、それで言ってみよう。
取り合えず、今片方を片付けちゃいますね。」
「お願いします。」
公開意見陳述会の前日、PM19:14、機動六課隊舎ロビー。
「明日はいよいよ、公開意見陳述会や。
明日、十四時からの開会に備えて現場の警備はもう始まってる。
なのは隊長とヴィータ副隊長とリィン曹長、それからキラ君を除いたフォワードメンバー五名はこれから出発…。」
「はやて部隊長、僕も出れます。」
前線から外されたキラ。もう怪我も完治寸前で痛くもなんともない。
「フリーダムもまだ片方だけですが…完成してます。」
しかし、はやては許可を出さなかった。
「あかんよ、キラ君。最近、訓練もろくにしてへんやろ?
それに、フリーダムもまだ完全やない。そんな状態で戦ったら、フリーダムがかわいそうや…。
病み上がりやし、今回はここ、六課で待機。
ええな?」
「……わかりました。」
渋々とうなずくキラ、はやては頷くと続ける。
「今言ったメンバーはナイトシフトで警備開始。
私とフェイト隊長、シグナム副隊長は明日の早朝に中央入りする。
それまでの間、よろしくな。」
フォワードメンバーは元気よく返事をし、ヘリポートへ向かった。
ヘリポートには見送りにきたヴィヴィオとキラの姿、それから、ヘリに乗ろうとしているなのは、後ろに続くシンの姿があった。
「あんたの分まで、俺が警備してやりますよ。」
にやっと笑いながらキラに言うシン。そんなシンを苦笑いしながら、ヘリに乗り込むのを見送るキラだった。
飛んで行くヘリを見送るフェイト、はやて、シグナム、キラ、ヴィヴィオ。
ヴィヴィオの手を引いて隊舎内に戻ろうとするキラをはやてとシグナム、フェイトが呼びとめる。
「キラ・ヤマト、お前は待機と言うことになっているが…、分かっているな?」
シグナムが不意にそんなことを言うので、キラの頭上には?が浮かんでいた。
「前線メンバーがほとんど六課からいなくなっちゃうでしょ?
だから、何かあったときはキラが六課の攻めの要。」
「一応、シャマルとザフィーラは残るけど、どっちも援護と補助が本領や。
せやから、うちらがおらん間、しっかり留守番…頼むで」
フェイトをはやてが引き継ぎ、キラの胸を軽くこづいた。
「はい。わかりました。」
そう返事をするとキラはヴィヴィオを連れて隊舎内へと戻っていった。
管理局地上本部へと着いたメンバーたちはそれぞれ指示された配置に着き、警備を開始した。
シンもヴィータたちに色々と指示をされあちこち走り回っている。
それからしばらくして日が昇ってくると、なのはは内部警備をしにいくため、一旦、フォワードメンバーを集合させた。
「そろそろ、私は中に入るんだけど…。
内部警備の時はデバイスは持ち込めないんだ。
だから預かっておいてね。」
とスバルにレイジングハートをなのはは渡した。
日が高くなるにつれ、地上本部周辺も騒がしくなり始める。
テレビ局や、上司を向かえる下位の魔導士たち、人混みを整理し、きちんと並ばせている。
丁度、その頃合いにはやて、フェイト、シグナムも到着。
彼女らもデバイスをフォワードメンバーたちに預け、局入りした。
「一先ずは何も起こりそうな気配はなさそうですね。」
肩にフリードをのせたエリオが、周囲を警戒し、視線を走らせながら隣を歩くシンに言った。
「…あぁ。」
もう公開意見陳述会は始まっている。
ふと、シンが空を見上げるといつのまにか太陽は遮られ、暗雲が広がっていた。
周辺警戒をしつつ、ヴィータは念話を用い、なのはに話しかけていた。
「(予言通りの事が起こるとして、内部の反乱によるクーデターって線は薄いんだろ?)」
何でも、最新の予言情報では、この公開意見陳述会を機に管理局崩壊の危機が訪れるとの事である。
だから、普段よりも警備が厳重なのだが…。
「(アコース査察官が調査してくれた範囲ではね…。)」
「(そうスッと外部からのテロだ…。でも、目的は何だよ?
犯人が、例のレリックを集めてる連中…スカリエッティ一味か…やつらだとしたら、さらに目的がわからねぇ。)」
スカリエッティは兵器開発者であり、ならば理由はその威力証明が該当しそうだが、正直なところはわからない。
いくら考えたところで答えにはたどり着けなかった。
「開始から四時間…か…。中の方ももうすぐ終りだな…。」
シンが腕時計をみながら言った。
フォワードメンバーたちは今、集まって警備にあたっているのだが、未だに何か起きそうな気配はない。
「最後まで気を抜かずにしっかりやろう!」
スバルが喝を皆にいれ、シャキッとさせた。
雲を貫きそびえたつ時空管理局地上本部の塔。
それを遠くから見守る4つの陰があった。
アギト、ゼスト、アレックス、ラウである。
「連中の尻馬に乗るのは…どうも気が進まねぇんだけど…。」
アレックスとラウが顔をしかめる。
「まぁ、それでも、いい機会ではある。
今日、ここで全てが終わるのならそれにこしたことはない。」
ゼストが開いている空間モニターにはレジアス中将が写っていた。
ターゲットだろうか。
そしてアレックス、ラウの開いているモニターにはキラ・ヤマトの顔が写っている。ちなみに、命令は捕獲だ。
「まぁねぇ、つか、私はルールーも心配だ。」
腕を組つつ喋るアギト。
「大丈夫かなぁ〜、あの子…。」
「心配ならルーテシアについてやればいい。」
ラウが言う。
「ゼストには俺とアレックスがついている。」
鋭い目付きでラウを睨みつけるアギト。
「ドクターの回し者が…。」
ラウが表情を険しくさせる。
「俺は許しませんよ?ドクターを悪く言うのは…。」
「何ィ!!」
睨み合う二人。
「おい、よせ。二人とも…。まぁ、今回は大勢が相手なんだ。
きっと、アギトも、ゼストの事が心配なんだろう?」
そういってアギトを見るアレックスにケッと言葉を吐き捨てた。
「まぁ実際、俺もルーテシアが心配ではある…。だが、ガリュウやジライオン、他にもいるんだ。
その点を考えると、やはりゼストの方が心配だ。
それに恐らく地上本部には…」
「やつも…キラ・ヤマトも来ているでしょうからね…。」
ラウがアレックスを引き継いで言った。
「ナンバーズ…、ナンバー3ドーレから、ナンバー12、ディードまで全機…配置完了。」
次々と準備完了と報告してくるナンバーズ、アレックス、ラウ、ルーテシア、ゼスト、アギト。
スカリエッティは笑いを堪えきれず、笑った。
「楽しそうですね?」
情報整理を行いながらスカリエッティにウーノが言った。
「我々のスポンサー氏に特と見せてやろう、我等の思いと、研究と開発の成果をな。
さぁ、始めよう!」
目を見開き、スカリエッティは口の両端を歪にゆがめる。
全てが一斉に動き出した。
一気に増大する魔力反応。しかし、管制はそれを伝えられないでいた。
通信管制システムに異常が発生してしまったためである。
また、それだけではなく、クラッキングまでされている。
モニターが次々と閉じて行き、管制室はパニックに包まれた。
クアットロのIS、シルバーカーテンの仕業である。
そして館内で突然、爆発が起こる。その煙を吸った局員たちが次々と意識を失っていった。
セインのIS、ディープダイバーを使った奇襲。
そしてチンクのISランブルデトネイターにを用いた、内部施設の破壊。
さらに、ルーテシアの遠隔召喚を使い、とんでもない数のガジェットを地上本部に転送。
それに加えディエチのヘビーバレンを使い、管理局の外壁を破壊した。
多くのガジェットのアンチマギリンクフィールドにより、建物を覆う防御障壁が消失。
魔力で動いているもの全てが停止。
ヴィータを除く機動六課隊長陣を含め、多くの魔導士たちが閉じ込められた。
そして、援護に駆け付けた管理局航空部隊はドーレとツェッテに押さえられている。
頼みの綱は早くも外の警備に当たっていたフォワードメンバー五人とヴィータ、リィンフォースUの七人にかけられた。
機動六課管制、ロングアーチでもその状況はモニターしていた。
しかし、隊長たちの安否は確認できない。
地上本部内部に通信が通らないのだ。
ロングアーチスタッフたちも対応に四苦八苦していた。
「ヴィータ副隊長!私たちが中に入ります!なのはさんたちを助けに行かないと!」
スバルがレイジングハートを握り締め、言う。
ヴィータはシン以外の四人を隊長陣救出に向かうよう指示。
ロングアーチから入る報告。
航空戦力四。
推定オーバーSが接近中とのこと。
「航空戦力はわたしとリィン、それからシンとやる!!
地上は残りの四人がやる!」
ティアナたちにシグナム、はやてのデバイスを渡し、ヴィータはリィンとユニゾン。
いつもは真紅のバリアジャケットの色が純白に染まる。
『バリアジャケット・デスティニーフォーム』
そのあとを追い、シンは翼を展開。
鮮やかな魔力噴射炎を散らしながらヴィータのあとを追った。
フェイトとなのはも局内でじっとしているわけではない。
閉じ込められた部屋から脱出、エレベーターのロープを伝い、下へと降りていった。
一方、空。
「こちら、管理局!あなたがたの飛行許可と個人識別表が確認できません。
ただちに停止してください!
それ以上進めば…迎撃に入ります。」
リィンフォースが警告するが、止まらない四人に12の真紅の光弾が襲い来る。
ゼスト、アギトは急停止、その後ろを飛んでいたラウが同じ数だけ何かをばらまいた。
灰色の閃光によって瞬くまにその数を減らしてい行く真紅の光弾。
そして、注意のそれたゼストを狙うヴィータ。
「ギガント…ッ!?」
『グラップルスティンガー』
「何っ!?」
朱色のバインドがヴィータを拘束、アレックスだ。そしてそのままたぐりよせようとしたその時
『フラッシュエッジ』
緋色の魔力刃がヴィータとアレックスを繋ぐバインドを切り裂いた。
「何なんだよ!何であんたが!レイが!こんな!!」
アロンダイトによる一閃をジャスティスで受けるアレックス。
その一瞬の間に、ゼストとアギトが融合。
黒髪が金髪へ、騎士甲冑のいろも変化していた。
別の空。
ルーテシアはウーノと通信していた。
「こっちはもういいね?次に行くよ?」
『はい、未確認のレリックと、聖王の器が保管されていると思われる場所』
ウーノが確認を取る。
「機動…六課」
ルーテシアは抑揚ない声でそう呟いた。
機動六課。
ロングアーチ管制モニターにアラートの文字。
「そんな…、これは…。高エネルギー反応二体、高速で飛来!」
シャーリーが席をたち、言う。
「こっちに向かってます!」
グリフィスは待機部隊を出動させ、近隣部隊に応援の要請をするように指示をだした。
館内を走っているキラ。その腕にはヴィヴィオを抱いている。
隣を走っているのはザフィーラだ。
「キラ、お前は一先ずバックヤードスタッフとヴィヴィオを避難させろ!」
「でも…」
二の句を言う前にザフィーラは先に行ってしまった。
確に、デバイスは今手元にない。のこのこ外に出ていってもただの的だ。
フリーダムは技術室で保管されている。
「くそっ!!」
キラはヴィヴィオを抱いたまま、走るスピードをあげた。
第十五話 その日、機動六課 前編、終りとなります。
さて、いよいよ神隠しもここまで来ました。
よくよく見てみれば、いつのまにか折り返しですね。
暇潰しになればと思います。これからも、よろしくです。
次回は第十六話 その日、機動六課 中編
キラ「シャマルさん…、ザフィーラさん…。」
シャマル「…早く…皆の…避難を…。」
ザフィーラ「早く…行け、キラ!」
キラ「…待ってて、すぐに戻るから…。そして、一緒に皆のところへ戻ろう…ね?」
シャマル&ザフィーラ「っ!?」
シン「次回、『その日、機動六課 中編』
アスラァン!!いっつもそんなんでやれると思うなぁぁああ!!
おたのしみに!!」
109 :
101:2007/08/25(土) 15:22:45 ID:???
一応保存した。
だがZAFT制服ならフェイトだろう。
期待してなかったけど光の速さで保存した
>>シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜 ◆CmPRCdy5tY氏
GJです。
もうすぐ9月だし、正常運転に戻るかな?
>>神隠し氏GJ!
次回にwktkがとまらない!
114 :
高い天を行く者から勇敢な者へ ◆7wkkytADNk :2007/08/26(日) 21:10:27 ID:YA50zbwG
高い天を行く者から勇敢な者へ
第七話・中編
「援軍なら既に送ったよ。ヴェイアをね」
その名を聞き、驚きの表情を見せるウーノとトーレ
「ドクター、彼では逆に足手まといになる」
「トーレの言う通りですよ、ドクター。ヴェイアは戦闘向きではありません」
ウーノとトーレはヴェイアの参戦に反対する。
実際ヴェイアは戦闘向きではなかった。身体能力は人並み以上にあり、魔法も多少使えるが、
そこらの戦闘局員と実力は大して変化が無かった。
トーレは一度、ヴェイアと模擬戦を行った経験があり、ヴェイアの実力を良く知っていた。(開始18秒でヴェイアの負け)
二人の最もな意見に満足したのか、微笑みながらスカリエッティは話す。
「二人の意見は最もだよ。確かにヴェイアは戦闘向きではない。ただ、『表』の方はね」
スカリエッテイの言葉に疑問を顔に出す二人
「ふふっ、確か君達は知らない筈だ、『裏』のヴェイアのことを」
「(あ〜困った・・・・)」
ルーテシア達と一緒に捕まり、ヴィータ達に包囲されているセインは呟く。
「(向こうは隙無く構えてるからな〜、こう拘束されてちゃ、ディープダイバーは使えないし)」
ヴィータの質問を無視し、考え込む。
「(とりあえず、トーレ姉が気づいてる筈だから援軍が来るのを待つしかないか〜)」
セインがそう思った時
「(ルーテシアにアギトにセイン、3秒数えたら目を閉じて、あの人たちを怯ませる)」
その声に聞き覚えがあるセインは驚くが、直に目をつぶる。すると
『スターレンゲホイル!!』
上空から赤い光の弾が数個落ち、あたりを強烈な光が支配する。
その隙にヴェイアは二人を抱え(アギトは軽く握り締める)、ヴィータ達から離れた位置に移動した。
光が消えた後、突然現れ、二人の前に立つ少年を睨みつけるヴィータ
「てめぇも、あいつらの仲間か!」
ヴィータの問いに
「はい、そうです」
素直に即答するヴェイア。そんなヴェイアを驚きながら見据える三人
「ヴェイア!助けてくれたのは嬉しいけど、なんで来たんだ!正直・・・・」
『足手まといにしかならない』という言葉を飲み込むセイン。
「そうだぜ!元々戦闘はてんで駄目じゃんか、ヴェイアは!無茶すんな!」
アギトもセインの意見に同意する。
そんなセインとアギトの気持ちを知ったのか
「うん、足手まといにしかならない事は知ってるよ。だけど皆を逃がす事はできる」
そう言い、ルーテシアとアギトの体に巻かれたバンドをナイフで切り裂く。
「ルーテシア、セインのバインド解除をお願い。アギト、セイン、ルーテシアを頼むよ・・・僕なら・・大丈夫だから」
そう言い、首にかかっているヘッドフォンに触れるヴェイア。
その言葉にいぶかしむアギトとセイン、だが、ルーテシアだけは普段見せない驚きの表情を見せる。
「・・・・・わかった」
そう言い、瞬時にセインのバインドを解除し
「セイン・・・お願い・・アギトも捕まって」
セインにしがみつくルーテシア
「やらせねぇ!!」
逃走を阻止しようとヴィータが突っ込んでくるが、
「早くいって!!」
叫びながらマシンガン型のデバイスで突っ込んで来るヴィータに攻撃を開始するヴェイア
「・・・・わかった・・・すぐに助けに来るからな!」
そう言い、ディープダイバーを使い地面にもぐるセイン達
「いかせるかぁ!!」
セイン達を行かせまいと、スバル達も突撃を開始するが、
「通さないよ!」
マシンガンでヴィータを牽制しながら、突撃してくるスバル達にスターレンゲホイルを放つ。
スターレンゲホイルの発光により動きを止めるスバル達、だが
「このやろぉ!!」
マシンガンの魔力弾を避けきり、ヴェイアの近くまで来たヴィータはグラーフアイゼンを振り被った。
ヴェイアも所持していた実体盾で防御しようとするが
「そんなもんで!!」
ヴィータの一撃は、実体盾もろともヴェイアを吹き飛ばし、壁にたたきつける。
「くっ・・・・」
どうにか立ち上がるヴェイア、だが既にヴィータ達に包囲されていた。
「抵抗すんな、もうにげらんねぇぞ」
睨みながらグラーフアイゼンを突きつけるヴィータ。
そんなヴィータの表情を見たヴェイアは、持っていたマシンガン型のデバイスを地面に落す。
突然の行動にヴィータ達が警戒する中、ヴェイアは首に下げていたヘッドフォンを耳に装着し、
スイッチを入れた。
「ヴェイアの奴・・大丈夫かな・・・」
不安げな顔で呟くアギト。
ヴィータ達から逃れ、今はトーレが指定した合流場所に向っているセイン達
だが、アギト同様、セインも心配で仕方が無かった。
「(ここまでくれば、ルーお嬢様達だけでも合流場所に行ける。今なら)」
セインがルーテシアを置いて、ヴェイアの救出に向おうとしたその時。
「・・・・大丈夫」
今まで黙っていたルーテシアが話し出した。
「ルールー、何いてるんだよ!大丈夫なわけ無いじゃんか!」
アギトの意見にセインも同意するが
「ヴェイアより・・・あの人たちのほうが心配・・・それに」
ルーテシアは少し間を置いた後、
「あんなヴェイアは・・・・・・見たくない・・・」
俯きながら呟いた。
「ここまで来れば、大丈夫だろう」
ディエッチの砲撃を防いだカナードはその後、安全圏までストームレイダーの護衛をしていた。
周りに敵がいないことを確認し、ストームレイダーの中に入る。
「カナード、ありがとう、助かったわ」
「たすかったぜ!!」
笑顔でカナードを迎えるシャマルとヴァイス。
「ああ、間に合ってよかった。だが、久遠には悪い事をしたな」
そう言い、抱えていた久遠を下ろすと
「くう〜〜〜〜ん」
ふらふらしながら、床に倒れた。
「久遠には許可を取ったのだがな。このスピードでは、やはり無茶だったか・・・回復を頼む」
久遠に近づき、微笑みながら回復魔法をかけるシャマル。
「だけど、どうして分かったの?私達が戦闘をしてるって?通信端末は壊れてた筈だし
長距離念話を使おうにもカナードの場所は分からなかったから無理だったし」
久遠に回復魔法をかけ終え、カナードを見据えて尋ねるシャマル。
「ああ・・・・それについてなんだが・・・・」
カナードが理由を話そうとしたが、
「シャマル先生にカナード!ちょっといいか!」
ヴァイスの声に振り向く二人
「さっき急に、ヴィータ副隊長と新人達の反応が消えた!ちょっと見てくれ!」
ヴァイスの言葉に反応し、端末を開くが
「ちっ、ジャミングが酷いな・・・・ロングアーチ!何か分かるか!」
苦々しく呟きながらもロングアーチに尋ねるカナード
「待って・・・・結界のような物が張られてる・・・・反応が急にロストしたのはこれが原因みたい」
シャーリーの報告を聞き、カナードは直に行動に出る。
「ヴァイス!ハッチを開けろ、すぐそこに向う。ロングアーチ、高町達には引き続きヘリを撃った連中の
追跡を続けるように伝えとけ。久遠はそこで待ってろ!シャマルは一緒に来てくれ!」
・封鎖結界内
「はぁ・・・はぁ・・・」
息を切らせながらもグラーフアイゼン(ギガントフォルム)を構えるヴィータ。
ヴィータの横には、ヴィータ同様息を切らせながらもファイティングポーズを崩さないギンガとスバル
その後ろには、わき腹を押さえながらもクロスミラージュを構えるティアナ。
少し離れた道路脇には、動かないエリオと、目に涙を浮かべながら回復魔法をかけるキャロとツヴァイ。そして
「ヒャハハハハ!!つまんないなぁ〜!もっと抗えよ!!!」
ヘッドフォンから洩れるノイズを撒き散らしながら、愉快で仕方が無いと言った感じでヴィータ達を見据えるヴェイアがいた。
「(こいつ・・・・急に別人に・・・・)」
内心で呟きながらヴィータは数分前の出来事を思い出す。
ヴェイアが首に下げていたヘッドフォンを耳に装着し、スイッチを入れた直後
ヘッドフォンから漏れるほどのノイズが聞こえてきた。
そのノイズが流れた直後、急に俯き動かなくなったヴェイア、
不審に思い、ティアナがクロスミラージュを構え近づき、ヴェイアの前まで来たその時、
「ティアナ!離れろ!!」
急に場の空気が変わった事に気づいたヴィータは叫ぶが、
「お・そ・い」
急に顔をあげたヴェイアは右手でクロスミラージュを払い、ティアナの腹に強烈な蹴りを放った。
「か・・はぁ・・」
肺から空気を出しきった様な声を出しながら道路脇の壁に激突するティアナ
「ティアァァァ!!!」
スバルは叫びながらティアナが吹き飛ばされた所に向う。
エリオはヴェイアを睨み、ストラーダのカートリッジをロード、魔力刃を展開しヴェイアに突撃するが、
「よせ、エリオ!!あいつはヤバイ!!」
ヴィータが警告をするが、既にエリオはヴェイアの前まで迫っていた。
迫ってくるエリオをつまらなそうに見つめるヴェイア、そして
「ソードカラミティ」
その言葉と共に、ヴェイアは赤い光に包まれ、
「さかしいよ」
突如現れた自身の背丈ほどある刀(シュベルトゲベール)でストラーダを難なく切り払い
「だから寝てろ」
驚くエリオを笑いながら見据え、左手のシュベルトゲベールをエリオに叩き付けた。
その衝撃と痛みで意識を失うエリオ。そんなエリオに目もくれずに
「・・・・クックックッ・・・・久しぶりだなぁ〜・・・・ほんとに」
自身の手を見つめ、心底嬉しそうに言葉を発するヴェイア。ふと、足元で気絶しているエリオを見て
「だっけど、あいつと違って弱いねぇ・・・・お前」
そう言い、地面に倒れているエリオの頭を踏みつける。
「エリオ君!!」
キャロが目に涙を浮かべて叫ぶが、ヴェイアはそんなキャロを面白そうに見つめ
「あ?お前の彼氏?じゃあ返すよ」
そう言い、ヴィータ達に向ってエリオを蹴り飛ばすヴェイア
宙を舞うエリオをギンガは抱きとめ、道路脇にそっと寝かせる。
「回復お願い!!」
ギンガの叫びに、急いでキャロとツヴァイは近づき、エリオに回復魔法をかける。
「ああ、安心してもいいよ、手加減しといたから」
悪びれる事無く話すヴェイアを睨むキャロ達。
「(ティアナ・・・・・大丈夫か・・・)」
ヴェイアに気を配りながらティアナに念話で話しかけるヴィータ
「(はい・・・痛みますが、問題ありません。エリオは?)」
「(顔から険しさが消えた。回復が効いている様だから大丈夫だが、戦闘は無理だな・・・)」
エリオを見た後、こちらをニヤニヤしながら見ているヴェイアを睨むヴィータ。
「(いいか、どの道結界が張られてるから撤退は難しい、戦うしかない。ティアナはクロスシフトで牽制してくれ、その後アタシとギンガとスバルが突っ込む、
リインとキャロはエリオの回復を続けてくれ・・・・どうやら、ユニゾンをする暇はなさそうだ)」
作戦を伝えたヴィータはグラーフアイゼンをギガントフォルムにする。
「いくぞ!!!」
「(クソッ・・・・リミッターがかかってる状態で戦える相手じゃねぇ・・・・)」
結局ヴィータの作戦は失敗し、今は固まってヴェイアの攻撃に備えていた。
「何だもう終わりかぁ?なら、こちらから行くぞぉ!!」
楽しそうに叫びながら肩の突起物を掴む。突起物は外れ、そこからエネルギー刃が出る。
「マイダスメッサー・・・そらぁ!」
ヴィータ達に向って放たれるブーメラン(マイダスメッサー)、だが急に方向を変え
エリオに回復魔法をかけているキャロとツヴァイの方に向って行った。突然の攻撃に対応しきれない二人。
「てめぇ!!」
ヴィータは猛スピードで二人のところに向かい、二つのマイダスメッサーを叩き落すが
「いや〜、思ったとおりに動いたね〜・・・・馬鹿が」
このことを予想していたヴェイアは、既にヴィータの目の前まで接近し、
合体させたシュベルトゲベールの峰で、ヴィータを横一文字に叩き付けた。
「がっ」
体をくの字に曲げて吹き飛ぶヴィータ。
「ヒャハハハ!安心しろ、楽には殺らないから」
地面に倒れているヴィータに、さらに攻撃を加えようとするが
「ブラッディダガー!」
ツヴァイの咄嗟の攻撃魔法により、ヴェイアの足止めに成功する。だが、
『TrancePhase』
ヴェイアを赤い光が包み、ダメージを最低限に抑える。自分を攻撃したツヴァイにゆっくりと首をむけ
「さかしいよ、カトンボ!」
ツヴァイ目掛けて腕についているロケットアンカー(パンツァーアイゼン)を放つ。
「きゃああああ!!」
パンツァーアイゼンはツヴァイに直撃し数メートル吹き飛ばす。
吹き飛んだツヴァイにゆっくりと近づくヴェイア、そんなヴェイアを止めようとスバル達は動こうとするが
「バインド!?」
スバル達全員にバインドがかけられ、動きを封じられてしまう。
「よ〜く見とけ〜こいつがつぶれた蛙のようになるのを」
ツヴァイの所までたどり着いたヴェイアはツヴァイを掴み、徐々に手に力を入れていく
「あ・・あああ・・・」
体が圧迫され、苦しむツヴァイ。そんなツヴァイを楽しそうに見つめるヴェイア
「や・・め・・ろぉ・・・」
痛みに耐えヴェイアに向って叫ぶヴィータ、その時
ドゴォォォォォ
爆音と共に破壊される結界、そして
ガガガガガガ
ヴェイアに向かって正確に放たれるザスタバ・スティグマトの魔力弾
「ちっ!」
舌打ちしながらもツヴァイを放り投げ、回避するヴェイア。
放り投げられたツヴァイは地面に激突する瞬間、カナードにより受け止められる。
こんばんわです。投下終了です。
感想をくださった皆様ありがとうございました。
職人の皆様GJです。
すみません、最初ミスりましたorz
・・・・・だらだらと書いていましたら、投降規制に引っかかる量になってしまったので分けました。
前回の話しは『前編』ということでお願いいたします。
後編は明日にでも。
GJ!
ソードカラミティktkr
アストレイとは人格交代は逆なんだな。
高天氏GJ!!
ヴェイア強いなぁ…カナードとの対決が楽しくなってきましたね。
GJ!!
ヴェイアの外道ファイトが良かったです。
地上本部襲撃時の配置が早くも気になり出しました。
正直単なる萌えアニメと思ってました。
燃えました。なのはさん侮ってて御免なさい。
単にフェイトがMSに乗るような話でも良いんだろうか。
>124
いいんじゃないかい?
とりあえずSTSに現時点で断言できるのは
・リミッター設定はマジに無駄だった。無くてもストーリー上全く問題無い事が判明
・キャロとルー子、エリオとガリューの関係がいきなりクライマックスで、前フリが無い
ライトニング組で話盛り上げたい人は、出来ればある程度、両者間にフラグ立てといた方が良さそう
確かに今回はキャロとルー子の関係に違和感ありまくりだったよな
1話飛ばして見てたっけと自分を疑うほどに
脚本は一人プレイしないでください(^o^)
やっぱゲームの脚本書きだわ>都築
今期はあちこちにそれが出てる
それでも福田に比べると幾分マシなんだよな・・・
大風呂敷を広げた挙句、畳めなくなって
開き直って続けるしかなくなる=都築
大風呂敷を広げているという自覚すらない=福田
今回はスーパー眼鏡タイムだったから満足ですw
>>129 どっちも目糞鼻糞だろwwww
眼鏡で思い出したが例の放送禁止用語何て言ったんだろうな
ってこういう話はスレチかな
>>131 むしろ職人様各位がそこをどうするかが気になる所だな
都築は1クールならまだまともな脚本書けてるんだがなぁ
そこかしこにキャラどうしの関係をばらまきすぎて、収拾できてない感じがするな…。
ティアナが1カットすか…
高い天を行く者から勇敢な者へ
第七話・後編
「カナー・・・・ド・・・さ・・ん・・・」
朦朧とする意識の中、自分を受け止めたカナードを見据えるツヴァイ
「大丈夫か・・・・・あとは任せろ」
「はい・・・・ですぅ・・・」
カナードの言葉に安心したのか、気を失うツヴァイ。
「シャマル・・・・・ツヴァイを頼む、それとヴィータ達の回復もだ。俺は・・奴を・・・・」
そう言い、殺意を剥き出しにしてヴェイアを睨むかナード
「ヒャハハハハ!!誰かと思えば、こうも早く会えるとは(黙れ・・・・」
ヴェイアの言葉を遮るかナード
「・・・なにも語る・・・・必要はない!!」
そう言い、展開してあったフォルファントリーを警告無しに放つ。
自分目掛けて放たれた強力な魔力砲を空中へ飛び避け、シュベルトゲベールを構えるヴェイア。
カナードも空に上がり、ザスタバ・スティグマトを構える。
「おいおい、いきなりかよ、せっかちだな〜・・・・・だけど」
楽しそうに微笑みながら
「それでこそ戦いがいがあるってもんだぁ!!」
カナードめがけで突撃を開始した。
突撃してくるヴェイア目掛けてザスタバ・スティグマトを放つカナード
自分目掛けて放たれる魔力弾を避け接近し、右手のシュベルトゲベールを振り下ろす。
その斬撃を体を捻り、避けるが
「いただき!」
避けることを予想していたヴェイアは、左手のシュベルトゲベールをすくい上げるようにしてカナードに斬りかかるか、
カナードはその斬撃をザスタバ・スティグマトに搭載されているロムテクニカで受け流す。
「やるなぁ〜、楽しいぞぉ〜」
嬉しそうに話すヴェイアを無視し、左手に持ったロムテクニカでヴェイアを刺そうとするが、ヴェイアは後ろにさがり回避、
すぐにカナードに向かって両腕のパンツァーアイゼンを放つ。
「小賢しい!」
至近距離から放たれたパンツァーアイゼンをロムテクニカでまとめて切り払うが、
「・・っ!」
切り払った直後に放たれた魔力砲を紙一重で避けるカナード
「へぇ〜、『スキュラ』も避けるなんてねぇ〜・・・なら、これはどうだい?」
そう言い、カナード目掛けてスキュラを放ち、加速しながら突っ込んでくる。
カナードは自分目掛けて迫り来る砲撃を上へ避けるが、砲撃と同時に突っ込んできたヴェイアはカナードの
すぐそばまで接近しており、合体させたシュベルトゲベールを振り下ろした。
「ちっ、アルミューレ・リュミエール展開!」
振り下ろされるシュベルトゲベールをアルミューレ・リュミエールで防ぐが
「そぉ〜〜〜らぁ!!」
襲撃までは殺しきれず吹き飛ばされ、近くの廃ビルに叩きつけられる。
瓦礫に埋もれ、痛みに顔を顰めるカナードを満足そうに見つめるヴェイア。
「どうだぁ?戦闘においては進行方向への回避駆動はありえない。それを利用して真っ直ぐに相手を狙った
攻撃をわざと避けさせて、避けた方向に斬りかかる。こいつはある奴の技でなぁ、本当は次弾となる攻撃も
射撃なんだが、これは次弾を接近戦にする事によって相手の動きに臨機応変に対応できる俺のオリジナル。
ヒャハハハハ!だけど防がれるとはなぁ・・・改善の余地がありそうだぁ!!!」
律義に解説してすぐに、ヴェイアは続けてスキュラを放つが、
「調子にのるなぁ!!」
カナードは両腕にアルミューレ・リュミエールを展開、放たれるスキュラを力ずくで防ぎながらヴェイアに突撃をし、そのまま体当たりをする。
続けて怯んだヴェイアにロムテクニカで攻撃しようとするが
「そんなちゃちな物でぇ!」
ヴェイアはすぐに態勢を立て直し力任せにシュベルトゲベールでロムテクニカを切り払い、その衝撃でロムテクニカの魔力刃は粉々に砕かれてしまう。
「はっ!ナイフで大剣に挑む馬鹿がいるか・・・・ああ、ここにいるなぁ、ヒャハッハッハッハ!」
続けて振り下ろされる斬撃を後ろに下がり回避し、同時に距離をあける。
「(ちっ、あいつの戦闘スタイルでは否が応でも接近戦になる。最初の斬撃は受け流したが、まともに受ければロムテクニカが持たんな。
アルミューレ・リュミエールでの防御も限界がある。だが、手はある)」
「そぉら!いくぞぉ!!」
愉快に笑いながら突撃してくるヴェイア。
「アルミューレ・リュミエール展開」
カナードはアルミューレ・リュミエールを展開。だがそれは平らな逆正三角形の形をせずに、細長い三角錐の形になる。
「強力な盾は強力な武器にもなる。ふっ、以前言った覚えがある台詞だな!」
小さく笑いながらも、振り下ろされるシュベルトゲベールを細長い三角錐型に形成したアルミューレ・リュミエールで切り払う。
「ちっ、やってくれるねぇ〜、ホント楽しいよぉ!!」
獰猛に微笑みながら突撃するヴェイア、同じく突撃するカナード、廃棄都市の上空で二つの光が激しく激突する。
一方、フェイト達の追撃から逃れていたディエッチとクアットロは一度は追い詰められたが
トーレのISにより、逃れる事に成功。だが
「そこまでだ」
シグナム達より一足早く着いたリインフォースが待ち構えており、
トーレ達目掛けて、なのはの魔法・エクセリオンバスターを放とうとしていた。
「なっ・・・・何で・・・貴様・・・・が・・・・眠っ・・・て・・・」
先ほどまで笑いながらカナードと戦闘を繰り広げていたヴェイア、
だが突然、頭を抑え、苦しみだす。
「あん・・な・・・半機・・・械女達な・・・ど・・・がぁああ!!」
叫ぶと同時に離脱するヴェイア
「逃がさん!」
様子が変になったことに疑問を持ちながらも、ヴェイアを追うカナード
「ちっ・・・ぬかった・・・」
上空でエクセリオンバスターを発射しようとするリインフォースを睨みつけながら呟くトーレ
そんなトーレ達を上空から見つめ
「警告は無しだ・・・・エクセリオンバスター!」
エクセリオンバスターを放った。
「(二人抱えてではISが間に合わん・・・・防ぐしかないか)」
先の先頭で疲弊している二人の前に出て、防御態勢を取る。その時
トーレの前にヴェイアが現れ、迫り来るエクセリオンバスターに合体させたシュベルトゲベールを突刺し、
そしてすぐに分離させ左右に広げるようにして受け流す。その結果、二つに分かれたエクセリオンバスターは
左右の地面に着弾、クレーターを作ることとなった。
「ヴェイア・・・なのか・・・」
突然現れ、自分達を攻撃しようとした魔力砲を受け流したヴェイアを驚きながら見つめるトーレ
「うっそ〜・・・・」
「・・・・本当に・・・ヴェイア・・・?」
ヴェイアの実力を知っているクアットロ達も驚きながら見据える。その時
ガガガガガガ
隙が出来たヴェイアに、ザスタバ・スティグマトを容赦なく放つカナード。
『TrancePhase』
ヴェイアはすぐにフィールドを展開、だがそれでも防ぎきれない魔力弾がヴェイアを襲った。
全段撃ちつくし、マガジンを交換するカナード。
「『敵は倒せるうちに倒しておく』俺の知り合いが教えてくれた傭兵の心得だ」
そう言い、爆煙に包まれているヴェイアを見る。
数秒すると爆煙は晴れ、そこには俯きシュベルトゲベールを持ったまま佇むヴェイアがいた。
「ヴェイア!大丈夫(血だ・・・・)か・・・・」
トーレが心配し、ヴェイアに近づこうとするが、ヴェイアの言葉に反応し、歩みを止める。
「血が出ちゃったよ・・・血がさぁ・・・ハハ・・・ヒャハ・・ヒャハハハハハハハ!!!やってくれてたなぁ!!
スーパーコーディネーターの失敗作の分際でぇ!!この俺に!!英雄ヴェイア様に!!!」
この時、トーレ達ナンバーズは同時にこう思った。
『ヴェイア・・・なのか・・・本当に・・・・』
普段の優しく、大人しい、ノーヴェとウェンディに振舞わされているヴェイアとは全く違うヴェイアに戸惑うディエチ。
冷静なクアットロとトーレも、ヴェイアの変わりように戸惑いを感じていた。
同時にカナードもヴェイアの言葉に引っ掛かりを感じた。
「(『英雄ヴェイア』だと?確か死亡した筈だが・・・それに俺のことを『失敗作』と・・・・なぜ知っている・・・)」
冷静に自問してはいるが、顔が今まで以上に険しい表情になるカナード。
そんな皆を無視し、ヴェイアが感情丸出しでカナードに攻撃しようとしたその時
「ヴェイア、待て!撤退だ!」
カナードに突撃しようとするヴェイアを止めようとするトーレ、だが
「うるせぇんだよ!人形風情がぁ!!」
トーレを殺気を出しながら睨みつけ、怒鳴り散らず。
突然の暴言に言葉が出ないトーレ、そんなトーレを無視し、攻撃を開始しようとしたその時
「待ちたまえ、ヴェイア」
スカリエッティから通信が入る。
「トーレの言う事を聞いてくれないか?このままでは君もただでは済まないだろう?」
スカリエッティの通信に、動きを止めるヴェイア
「・・・・・・ちっ、貴様の指示を聞いてやる!」
そう言い、ヴェイアは手のひらに赤い弾を形成する、その数四
「あまっちょろい人格の方の技を使うとはな・・・・スターレンゲホイル!!」
手のひらで形成した四つの弾を地面に叩きつける。その瞬間、辺りを激しい光が襲いカナードとリインフォースの視界を奪う。
「くっ・・・こしゃくな・・・・・リインフォース!」
「すまない・・・こちらも無理だ・・・」
どうにかヴェイア達の姿を捕らえようとするが、強烈な光により周りを見る事ができない二人。
そして、光が晴れた頃には、ヴェイア達の姿は消えていた。
「くっ・・・やられたか・・・・」
ヴェイア達がいた場所を苦々しく睨みつけながら呟くカナード。
その後、すぐにロングアーチにより周辺調査が行われたが、結局見つける事は出来ずに、この戦いは終った。
レリックに関してはティアナの機転により、ケースは奪われたが、中身は無事であった。
・スカリエッティのラボ
「はぁ・・・やっと戻ってこれた・・・・」
無事に戻ってくれた事に疲れながらも安心するディエチ。
「お嬢の集団転送のおかげですね、ありがとうございます。それとヴェイア、助かった、ありがとう」
ヴェイアの援護とルーテシアの集団転送により戻って来れたため、二人に感謝するトーレ
「・・・・・うん」
小さく頷くルーテシアと
「・・・・・・」
黙ったままノイズを聞くヴェイア。
「・・・ああ、セインちゃん、ケースの中身、確認♪」
そんな微妙な空気を物ともせず、明るくケースの確認をセインに促すクアットロ
「はいよ〜!」
セインは明るく返事をし、ケースを開ける。
「じゃじゃ〜ん!!・・・空っぽぉ?」
だが、ケースにはレリックは入っていなかった。
セインのミスではないかと攻めるクアットロ達、だがセインは確実に運んできたと主張し映像を出す。
「ちゃんとスキャンして、本物のケースだと確認し(ガシッ!」
セインが文句を言い終わる前に、ヴェイアがセインの首を掴み壁に叩きつける。
「かはっ・・」
ヴェイアの突然の行動に驚きと同時に、首を締め付けられる苦しみに顔を顰めるセイン。
「ヴェイア!何をや(映像をよく見ろ」
無表情にセインの首を絞めながら呟くヴェイア
「ケースを持っているガキの隣の奴の帽子を見てみろ、そこに隠してある。
貴様らの目はエネルギー体も感知できるようになっているのに・・・とんだ出来損ないなだなぁ〜」
そう言い、首を締め付ける手に力をいれ、セインを持ち上げるヴェイア
「ヴェイア!やめろ!!」
アギトを始め、トーレ達が止めようとするが、ヴェイアは即座にバインドを施し、アギト達の動きを止める。
「黙ってろ・・・生体兵器と半機械人形風情が・・・・。まったく役立たずだなぁ〜お前は・・・・・・丁度言い・・・処分しよう、ヒャハッハッハッ!!」
笑顔で言い放ち、ふくらはぎに仕舞ってあったナイフ(アーマーシュナイダー)を取り出す。
「ヒッ!」
これから起こる事を想像し、恐怖するセイン。トーレ達もヴェイアを止めようとバインドの解除を試みるが、中々解除できないでいた。
「お前運がいいなぁ〜、姉妹への見せしめとして役に立つんだからさぁ〜・・・・・・バイバイ!」
笑顔でセインの胸にナイフを突刺そうとするヴェイア。
反射的に目を閉じるセイン。
誰もが胸にナイフが突き刺さったセインの姿を思い浮かべた。だが
「・・・・・あ・・れ・・」
刺されたかと思ったが、特に体に異常が無いため疑問に思い、目を開けるセイン。そこで見たのは
刃が自分の胸の数センチで止まっているナイフと、そのナイフを震えながら持ち、険しい顔をしているヴェイアだった。
「な・・・ゼ・・・干渉・・でキる・・・キさ・・・マ・・がぁ!!」
ヴェイアはアーマーシュナイダーを放り投げ、セインを下ろす。
「げほっ・・げほっ・・・」
絞められていた首を押さえ、咳き込むセイン。そんなセインを無視し、ヴェイアは苦しみだす。
「あノ・・と・・キ・・も・・ゼス・・・ト・・・・・の・・・・・ヒャは・・・・このまマで・・・すムトぉ・・・」
頭を抑え苦しんでいたヴェイアは、ノイズが流れているヘッドフォンを取り、壁に叩き付ける。
その瞬間、ルーテシア達に掛けられたバインドは解除され、自由に動けるようになった。
「大丈夫か!セイン!」
セインの元に駆け寄るトーレ達
「大丈・・・夫・・正直もうだめかと思ったけど・・・・」
首を押さえながらも笑顔で答えるセイン
「そうか・・・だが、ヴェイアは・・・・」
そう言い、ヴェイアの方を向くトーレ達、そこには気を失って倒れているヴェイアがいた。
「信じられない・・・・本当にヴェイア?」
ディエチは警戒しながらもヴェイアを見据える。その時
「もう大丈夫だ、あのノイズが流れない限り、『あのヴェイア』は出てこない」
突然の言葉に、声がした方を向くトーレ達、そこには
「チンク・・・どういうことだ?」
申し訳なさそうな顔をしたチンクが歩いてきた。
・数時間後
:スカリエッティのラボ・ヴェイアの部屋の前
「・・・う〜ん・・・」
ヴェイアの部屋の前で悩んでいるセイン。本来なら何時も通りに入ればいいのだが
今回の出来事が、セインの行動を無意識に制限していた。
あの後、現れたチンクから聞かされたヴェイアの秘密。
スカリエッティのラボにいたノーヴェとウェンディも一緒に聞くこととなった。
当初二人は信じられないといった顔で話しを聞いていたが、記録していた戦闘映像と、
笑顔でセインを殺そうとしている映像を見た瞬間、
「「・・・・・・」」
二人とも黙ってしまった。
以外にもウーノもこの事実を知らなかったらしく、あの時の戦闘映像で初めて知ったらしい。
ちなみにヴェイアの秘密を知っていたのは『スカリエッティ・ルーテシア・ゼスト・チンク』の4人であり
スカリエッティはヴェイアがここに来てから、残りの3人はアギトが仲間になる前、レリック絡みの任務で
ルーテシアとゼストのサポートとしてチンクとヴェイアが同行した時に知る事となった。
「あの時もこのように暴走してな・・・正直信じられなかったよ。ゼスト様がいなかったら私とルーテシア様は・・・・」
そう言い、あの時の光景を思い出したのか、顔を顰めるチンク。
「じゃあ・・・・・なんでこのことを黙ってたんだよ!一歩間違えればセインは!(口止めされてたの・・・・・」
ノーヴェがチンクに攻め寄るが、ルーテシアの言葉がそれを遮る。
「ドクターに・・・口止めされてたの・・・・」
ルーテシアの言葉に黙り込む全員。
「この事に関してはドクターも『裏のヴェイア』とは話しはしてあるらしいが、
まさかあんな行動に出るとは思っても見なかったらしい。今は『裏のヴェイア』と今回の騒動について話しているそうだ」
「って大丈夫なのかよ!?ドクター一人で!?」
『裏のヴェイア』の行動からして、ドクター一人では危ないと思うノーヴェ達
「いや、それについてはドクターが大丈夫と言っていた。ドクターが嘘をつくとは思えない」
「確かに、撤退の時もドクターの言葉は素直に聞いてたわね〜」
撤退の時のヴェイアの行動を思い出すクアットロ。
「これで最後だが、この『裏のヴェイア』については『表のヴェイア』には話さないで欲しい。
ドクターが言うには、『表のヴェイア』は『裏のヴェイア』が活動中は意思か全く無いらしく、何をしていたか憶えていないらしい。
今下手に真実を知らせると、人格崩壊を起こしかねないそうだ」
「だが、セインを刺そうとした時、『表のヴェイア』が介入したような気がしたが?」
トーレがあの時の『裏のヴェイア』の行動について尋ねる
「ああ、私の時も『表のヴェイア』が介入した事があった。だが、無意識に行っているらしく『表のヴェイア』は憶えていなかった」
俯きながらチンクは答えた。
チンクの話しが終った後、皆はそれぞれ解散したが
「(ヴェイアはもう帰ってきてる筈だけど・・・・)」
セインは気になり、ヴェイアの部屋まで来ていた。
ナンバリングも誕生時期も姉妹の「真ん中」であるセインは、姉達と妹達の間をつなぐ役をこなす事をしていた。
だが、それぞれ個性が強いため、中々上手くいかなかったが、ヴェイアの協力により今では皆気軽に話し合えるような関係になっている。
そのため、セインはヴェイアとは気が合い、よくヴェイアの部屋に来ては他愛も無い話しなどをする仲となっていた。
そんなヴェイアが、数時間前には笑顔で自分を殺そうとしていた。
たとえ、それが別人格のヴェイアだったとしても、その光景を忘れる事は出来なかった。
セインがヴェイアの部屋で考えているその時、
「あれ、セイン。どうしたの?」
突然の声に驚き、後ろを振り向くと、資料を抱えたヴェイアが笑顔で立っていた。
「はい、コーヒーでよかったかな?」
「あ・・うん、ありがとう」
ヴェイアの淹れたコーヒーを素直に受け取るセイン
「ゴメンね、お菓子の方はノーヴェとウェンディに食べられちゃって。それで?何か用なの?」
セインを見据え尋ねるヴェイア
「(本当に・・憶えていないの・・・・)」
ヴェイアを見据えるセイン。どう見てもヴェイアが嘘をついている様には見えなかった。
「ん?僕の顔に何かついてる?」
「えっ、いやいやいやいや!!なんでもない!・・・・そういえば・・・ヴェイアって首にヘッドフォンをよく下げてるよね?」
やはり今回の事が気になり、遠まわしいに尋ねるセイン
「ああ・・・これね、壊れてるんだ。流れるのはノイズのみ。向こうの世界で戦いに明け暮れていた時は、これが手放せなかった。
これ無しでは戦えないほどだったよ」
「確か・・・・ヴェイアがいた世界って戦争してたんだよね?」
「うん、普通の人『ナチュラル』と遺伝子を調整して生まれた人『コーディネーター』でね。
僕も戦っていたんだ、MSという機械に乗ってね。『英雄』とまで呼ばれてた」
そう言い、向こうの世界を思い出したのか、遠い目をするヴェイア
「すごいじゃん!『英雄』なんて(すごくなんかないよ・・」
セインの言葉を遮るヴェイア、その顔はとても悲しそうな顔をしていた。
「正直、むなしかった・・・・最初はプラント・・・ああ、コーディネーターが住んでいる場所ね、そこを守るために戦っていた。
だけど、戦って、ナチュラルを殺す事で『英雄』と呼ばれる自分自身に吐き気がした」
「ゴ・・ゴメン・・・考え無しに・・・」
俯き、謝るセイン。そんなセインを微笑みながら見つめるヴェイア
「ううん、セインは悪くないよ。そしてね、僕は考えたんだ。自分を本当に生かせる場所、
自分が自分らしく生きられる場所がないかってね。だから僕は軍を脱走したんだ。だけど、その後の記憶が曖昧でね、
軍を脱走してから、この世界に来るきっかけとなった出来事の記憶が無いんだ。ただ・・・・何かを・・何かの旅立ちを見送ろうとしていた。
誰かと戦っていた・・・そんな曖昧な事しか憶えていないけどね」
自分に入れたコーヒーを飲み、一息つくヴェイア。
支援
「ああ・・・・ゴメン、話しが反れちゃったね。ヘッドフォンを下げてる理由だけど、実はね、僕はノイズジャンキーなんだ」
「ノイズジャンキー?」
聞き慣れない言葉に、首を傾けるセイン
「世の中には色々な中毒があってね、僕の場合はノイズなんだ。他の人にとっては耳障りなノイズが、僕にとってはたまらない快感なんだ」
そう言い、席を立ち備え付けの机に向うヴェイア
「だけど・・・ヴェイアがノイズを楽しんでいる姿は・・・・」
途中で言葉を飲み込むセイン
「うん、なぜだか、今はノイズを楽しもうとは全く思わないんだ。今はこの歌に夢中かな?」
席に置いてあった端末を操作し、歌を流す
「・・・・いい歌だね・・・・」
歌以前に音楽には全く興味が無いが、この歌には素直に聞き入ってしまうセイン。
「フィアッセ・クリステラ。ミッドチルダでも有名な歌手だよ。僕の世界でも歌姫はいたんだけど、いまはこっちに夢中かな」
ヴェイアは席の引き出しを開け、ある物を取り出し、それを持ってテーブルに戻る。
「はい。秘蔵のお菓子、二人には秘密だよ」
微笑み、互いのカップにコーヒーを足す。
ヴェイアと話していて、セインは確信した。このヴェイアは何時もの、優しく、大人しい、ノーヴェとウェンディに振舞わされているヴェイアだと。
だから言わずにはいられなかった。
「だったら・・・・・そんなヘッドフォン、捨てちまえばいいじゃんかよ!」
急に立ち上がり、ヴェイアを見据えながら叫ぶセイン。そんなセインに驚きつつも、
「それは出来ないよ。さっきも言ったけど、戦闘をするときにはこれは必要不可欠なんだ。それより教えて欲しい、
ノイズを聞いている時の記憶が途切れているんだ。僕はどうなっているんだい?」
ヴェイアの質問に戸惑うセイン、頭の中にチンクの言葉がよぎる。
『今下手に真実を知らせると、人格崩壊を起こしかねないそうだ』
だからセインは笑顔で
「それは・・・・頑張って戦ってるよ・・・・そうじゃなきゃ、今頃私もルーお嬢様も捕まってる筈だし」
嘘をついた。
「だけどさ・・・戦闘ならあたし達に任せなよ!ヴェイアだって記憶が欠落するのは不安だろ?ヴェイアには
皆の武装の調整や妹達の教育係、その他諸々etc・・・いろいろ仕事はあるんだからさ」
「うん、そうだね。でも安心したよ・・・ありがとう、セイン」
安心したのか、笑顔でお礼を言うヴェイア。その時、来客をつけるブザーが鳴り
「ヴェイア・・・いる?」
「・・・・いるっすか〜?」
先ほど見た映像が原因なのか、多少警戒しながらノーヴェとウェンディが入ってきた。
「二人とも、どうしたの?」
突如訪問してきた二人に尋ねるヴェイア
「いや・・あのっすね〜・・・・」
言葉を濁すウェンディに対し
「・・・セインと同じだよ、理由は」
そう言い、セインを見据えるノーヴェ
「ああ・・それなら大丈夫、何時ものヴェイアだから」
セインの言葉に安心する二人
「ん?どういうこと?僕に関係が?」
自分の名前が出たので尋ねるヴェイアに
「「「なんでもない(っす)」」」
3人は声をそろえて答えた。
「なら良かった・・・・・後でチンク姉達も様子を見に来るって言ってたんだけど・・・・何食べてるんだ?」
安心したのか、今度はテーブルのお菓子に注目するノーヴェ
「ばれちゃったか・・・・・良かったらどうぞ、今飲み物を入れるから」
そう言い、コーヒーを淹れるヴェイアと席に座って大人しく待つノーヴェ
ウェンディも席に着こうとしたが、急にセインから念話が入る
「(ウェンディ・・・頑張ろう・・・・私達が頑張れば、あんなヴェイアを見なくて済む)」
セインの念話を聞いたウェンディは
「(当然ッス!)」
セインを見据え、笑顔で答えた。
こんばんわです、投下終了です。
感想をくださった皆様ありがとうございました。
職人の皆様GJです。
今回は前回の続きです。
ヴェイアは以前も書きましたが、このままでは常に『裏』人格なので少し設定を弄りましたが・・・・はっちゃけすぎたかな?
(小説では『ヒャッヒャッヒャッ』『面白いな〜』でしたし)
後、デバイスはソキウス繋がりでソードカラミティにしました。(カスタムとはいえ、ジンじゃ心もとないので)
あと、久遠に引き続きフィアッセも登場させました。
ナンバーズの姉妹関係がはっきりとしない事に不安を抱きつつ、次はいつになるになるのやら・・・・・・orz
支援
>ナンバーズの姉妹関係がはっきりとしない
つ独自設定
GJ!
姉妹関係はいっちゃいなよYOU!
>>145 環境が変われば性格も多少変わるだろうし、理屈をつけて少々弄るのは行き過ぎなければ問題ないかと
というか本編クアットロが一人外道一本道をひた走ってるので、先ずはこいつを如何にかしないと仲良し姉妹ルートはかなり困難
個人的に悪役キャラとしては大好きなんだがね、4の子
アストレイはほぼ未鑑賞ですが毎度楽しく読ませて頂いてます
GJです!!
ソキウスはソードカラミティよりロングダガーの印象が強い俺ガイル
第十六話 その日、機動六課 中編
雲を貫く管理局の塔をバックに、何度もぶつかり合う五色の光。
三対ニでシンとヴィータは不利な位置に立たされているが、何とか互角の戦いを繰り広げていた。
その一つの理由には、ゼストとアギトの融合相性があまり良くないことが関係している。
シャイニングエッジをかわし、ゼストによる一閃をアロンダイトで受けるシン。。
「どうしてこんなことするんだ!!」
無論、そんなことをゼストははなっから話す気はない。
視界の端に灰色の魔力光を捕える。
「シン!お前は騙されている。管理局にいいように利用されているだけだ。」
「レイッ!?何を!!」
シンはゼストの力を利用し、自ら距離を取る。
数瞬までシンがいた場所を数多の奔流が流れていった。
ヴィータと背中合わせになり、自分たちを囲んでいるゼスト、ラウ、アレックスの出方を窺うシン。
「シン、気を抜くんじゃねーぞ!」
「そんなこと!分かってる!!」
再び五色の光が入り乱れた。
時空管理局地上本部内部。
「なのはさん!」
なのはとフェイトがシャッハと丁度合流したときに、フォワードメンバー四人も合流した。
「スバル、皆…いいタイミング。」
デバイスを受取りながら、頼もしくなった四人を見て微笑むなのはだったが、
「ギン姉ッ!!ギン姉は?」
建物の壁に反響し響くスバルの声と
「ロングアーチ?こちら、ライトニング1。
ロングアーチ!」
フェイトの声。
そして、フェイトの通信から漏れるノイズの混じったグリフィスの声が響く。
「ライトニングは六課に戻って!
スターズはギンガを探しに行くよ!」
なのはの指示により、各隊は動き出した。
機動六課は炎に包まれていた。
多量のガジェットに包囲、襲撃を受け、ロングアーチはほぼ壊滅に近い。
待機部隊の過半数もやられてしまった。
避難経路も絶たれ、今は残存隊とヴァイスにより、警護されながら、非戦闘員を安全な場所への誘導を行っていた。
しかし、予想以上のスピードで火の手が回ったため、それも叶わない。
ヴィヴィオはキラの胸に顔を埋め、震えていた。
「……、ヴァイスさん…。」
そんなヴィヴィオを軽く抱き締めながら、キラが口を開く。
「何だ?キラ…。」
デバイスを巧みに操り、迫り来るガジェットを射撃魔法で破壊していくヴァイス。
「援護してください、フリーダムを…取りにいきます。」
ヴァイスが手をとめ、キラを見た。
「建物が崩れかけてるんだぞ?それに、このガジェットの数、無理だ…。
それぐらい、見ればわかるだろ。」
「分かってます…。でも、このままじゃ…皆が…。」
身を縮め、震える非戦闘局員たちを眺めてからキラが言った。
したうちをするヴァイス。
「ったく、わぁーったよ。
そうと決まれば行くぞ。準備しろ!」
「ヴィヴィオ、いい子にして待ってるんだよ。…僕が必ず、助けてあげるからね!」
むずがるヴィヴィオの頭を軽く撫で、局員の一人に預けるとキラはヴァイスとともに駆け出した。
崩れた瓦礫を、火を飛び越え、ひた走る。
途中に出てくるガジェットT型をヴァイスが撃ち落とし、それを二、三回繰り返したころ
「ここからは、お前一人で行け!俺はここでガジェットを迎撃する。」
破壊された建物の壁陰に隠れ、杖を構えるヴァイス。
「さすがに待機部隊が非戦闘局員を守ってくれてるとはいえ、離れすぎるわけにもいかねぇからな…。」
「わかりました。」
キラは瓦礫の隙間をみつけると、六課建物の中へと姿を消した。
「…死ぬんじゃねぇぞ…。」
カチャリっ
と音をたて、ヴァイスはデバイスを構えた。
「君達はたった二人でよくここまで踏ん張ったよ…。でも…僕のISレイストームの前では…」
ナンバーズ、八番目。ショートカットの少女の容姿をしたオットーは片腕をシャマル、ザフィーラに向かってかざす。
青い光が手に収束し、五本の光線が放たれた。
「クラールヴィント!防いで!!」
緑色の盾が五つ発生。レイストームを防いだ。
機動六課、本館。
口と鼻を六課の制服である茶系のジャケットで塞ぎ走る。
「熱ッ!!」
廊下の天井に亀裂が走っていき、キラは慌ててその場から飛び退いた。
崩れ、廊下を防ぐ瓦礫。
自分が通ってきた通路だ。キラは構わず、火の中を進む。
「ここだ…。」
扉のロックを解除し、中へ入った。
まだ火の手は回ってきていなかった。台に置かれ、配線に繋がたフリーダムは無事だ。
「よかった…。」
パネルを叩き、配線を外して行く。
「フリーダム、力をかして!」
『Yes, my master.
シングルモード。
バリアジャケット・フェイズシフト。』
灰色のフリーダムが一丁キラの右手に収まった。
時空管理局地上本部周辺上空。
「アスラァン!!!」
「アスランじゃない、アレックスだ!!」
シンは渾身の力を込め、アロンダイトを振るい、対するアレックスも連結ラケルタを振るう。
飛び散り、空を駆ける二色の魔力光。
「さぁ、言え!!キラは…キラはどこにいる!!!」
「誰が答えるもんか!!!!デスティニィー!!!」
『Destiny Form Fainal Plus』
シンの両手にアロンダイトが握られた。
「ならば!力づくで聞くまでだ!!」
ジャスティスを構え、突っ込んで来るアレックス。
「シンッ!!」
ヴィータが叫ぶ。
「よそ見していていいんですか?」
一斉射されるドラグーン。それを障壁で防御し、爆煙から逃れたところでゼストの刺突が襲う。
「何っ!?」
ヴィータの表情が引きつった。
「ヴィータ副隊長!!」
アレックスの目の光が失われる。
シンが気をとられた一瞬をつき、アロンダイト二本を力で強引に押し飛ばした。
サーベルの連結を解除。
アレックスが幾度か見せた攻撃パターンだ。
シンはしっかりとアレックスを見据え、両アロンダイトから一発ずつ薬莢を消費。
振り上げられるアレックスがもつ二刀のサーベルを前にしてシンは、二刀のアロンダイトを空中に放り投げた。
「ッ!?」
シンの奇怪な行動に戸惑いながらも、サーベルを振り下ろそうとするアレックス。
「いっつもそんなんで…やれると思うなぁぁああ!!」
『Type Power SEED Burst』
失われる目の光。
そして、両の掌に溢れ出す緋色の閃光。
その両手で、二刀の魔力刃を掴む。
『パルマフィオキーナ』
不快なほど眩しい光が飛び散る。
「何っ!?」
「おおぉぉぉ!!!」
パルマフィオキーナが強く発光し、同時にラケルタの魔力刃が砕かれる。
刹那
『『グリフォン』』
アレックス、シンの両脛部を繋ぐ魔力刃。そのまま、互いの脛どうしで相手を狙う。
互いの脛部魔力刃が激突。
歯を悔い縛り、持てる力、全てで競り合った。
『シュペールラケルタ&ブレフィスラケルタ』
アレックスの頭上に発生する三対の魔力槍。
「これでぇッ!?」
勝利を確信したアレックスの目に止まるのは、両手にアロンダイトを持ったシンの姿。
宙に放り投げたアロンダイトをキャッチしたのだろう。
しかも、左にもつアロンダイトを振り被っている。
魔力槍は発射体形成中、まだ発射できない。
アロンダイトからカートリッジが消費された。
不気味な、鈍い音がアレックスの耳に入る。
『フラッシュエッジ・アロンダイトシフト』
バキャッ!!
互いの脛部魔力刃が弾かれた瞬間、シンはアロンダイトを投剣した。
大型の魔力刃がジャスティスに喰らい付き、離れない。
アレックスはジャスティスで防ぎつつも、弾き飛ばされていった。
シンはそれを確認すると、ヴィータの援護へと向かう。
迷わずラウへと狙いを定め、翼を広げ、飛びたった。
機動六課。
「ぐあっ!!」
「ザフィーラッ!!」
ザフィーラが弾き飛ばされ、受け止めようとしたシャマルごと地に伏した。
「IS、ツインブレイズ。」
ナンバーズ12番目、ディード。双剣をもつ赤い髪の少女が、上空から、シャマルとザフィーラを冷ややかな視線で見下ろす。
その隣にはオットーの姿。
再び手をかざすと、収束していく青い光。
「少し、眠っていていてもらおうか…。」
ズンッ!!
六課本館の屋根から吹き出す蒼き閃光が空へと伸び、光が消えると同時に現れたのは白と紺、そして計四枚の翼を持つ少年だった。
『デバイス・フェイズシフト』
白を貴重とし、青と赤のラインが入ったフレーム部分以外。
本体部分が灰色から黒へと色を変え、蒸気を吹き出す。
『ハイマットモード・プラス』
片翼五枚、左右十枚の翼を勢いよく広げる。
「何だ?」
ディード、オットーが見上げる。
キラは倒れているシャマルとザフィーラを見つけると降下し、二人の元へと向かった。
「シャマルさん、ザフィーラさん!」
地に降り立ち、二人に駆け寄ってしゃがむキラ。
「大丈夫ですか?」
大丈夫じゃないのは見て分かった。ザフィーラは気を失い、ぐったりしている。
所々から出血していた。
キラの声に気付いたのはシャマルだった。
ぼろぼろになった騎士甲冑、煙や煤、傷で汚れた白い肌。
シャマルは力なく目を開け、力なく微笑んだ。
それから、細い声で、消え入りそうな声で、途切れ途切れ言葉を口にした。
「私…たちは……大丈…夫です…から……、キラ…さん…たちは、早く…ひな…んを…。」
目が今にも閉じそうだった。開けているだけで辛いのだろう。
そんなシャマルにキラは微笑みかけ、言う。
「…待ってて、すぐに戻るから…、それから一緒にみんなのところへ戻ろう…ね?」
薄れ行く意識の中でシャマルが最後に見たのは、光を失った鋭いキラの眼だった。
火に包まれる機動六課、所々建物が崩れ、瓦礫が地にぶつかる音がその場に響く。
二人に障壁を張ってから立ち上がり、ナンバーズのほうへとキラは振り向いた。
面倒臭そうに溜め息をつくオットー。
「すぐに終わらせる…。ディードはルーお嬢様の元へ…。」
「分かった…。」
ディードがキラに背を向け、立ち去ろうとした瞬間。ディードの顔のすぐ横を蒼き閃光が駆け抜けた。
「行かせないよ…。僕は…君達を…討つ!」
オットー、ディードの二人は不適に笑った。
「フリーダム、ドラグーンは使わないよ。」
『バリアジャケット・ヴァリアブルフェイズシフト。
ヴォワチュール・リュミエールを展開します』
十枚の蒼き翼が、形を乱し、激しく波打つ。
『サーベルモード』
音を立て形成される蒼い魔力刃、地を蹴り、キラは空に飛び上がった。
「IS発動、レイストーム。」
複数の青き光線が、上空のキラを狙い、全包囲360度からキラを狙う。
それら全てを急降下し、かわすキラ。
「何だ…こいつ、早い!!」
『クスィフィアス』
降下しながら発射されたそれはオットーのバリアに着弾、爆煙をあげ、直後、風がオットーの体を通り抜ける。
煙が渦をつくり霧散、その煙を裂いてオットーの背後に現れたキラは反転し、ガジェットの群れへと狙いをつける。
弾け飛ぶ4発の薬莢。
『ハイマット・ヴァリアブル・フルバースト』
多重弾膜のバラエーナ、クスィフィアス、そして通常射撃が、ガジェットT型、V型の群れを壊滅させた。
そのまま、地上に立つディードへ狙いを定め、着地しながらの縦一閃。
ディードは跳躍してそれをかわすとツインブレイズの片方で突きを放つ。
『シールド』
腕から発生したシールドで突きをうけ流し投げ飛ばす。
空中で姿勢を建て直し、斬撃を繰り出すが、キラは跳躍、そのまま飛翔する。
何本も放たれるレイストームの嵐を上昇降下しながらかわし、ターン、今度は左右に体を振りながら飛行。
ほとばしる奔流を避ける。
オットーのすぐ横をすれ違う刹那に蒼き刃を振り抜き、反転、バラエーナを放つ。
両手が宙を舞い、バラエーナが着弾した両膝から下が力なくだらんと垂れ、オットーは地に伏した。
「お前ッ!!」
こちらへ飛翔しながら向かってくるディードをキラも迎え撃つ。
キラによる一刀の斬撃を二刀をクロスさせうけるディード。
赤い光と蒼き光が反応をおこし、紫電を巻き散らす。
『クスィフィアス』
「何ッ!?」
キラの腰部に添えつけられた砲芯が持ち上がる。
慌ててバリアを展開するディード。
距離はほぼ零。
凄まじい衝撃と爆発、爆煙が舞い上がる。
「ぐっ!!」
歯を悔い縛り耐えるディード。
薬莢が排出される音が響く。バリアごしに見えるのは5つの魔力光。
『High MAT Full Burst』
バリアが派手な音を立て、砕けちった。
何とか後退させられるだけですんだディードはフラつく足を必死で立たせ、ツインブレイズを構える。
と、一発、弾け飛ぶ薬莢。金属音を響かせ、地に落ちる。
閃く圧縮された高濃度の魔力弾がディードの右肩に直撃した。
片方の剣を取り落とし、だらんと垂れる腕。
さらに一発。弾け飛ぶ薬莢。
今度は左腕がだらんと力なく垂れる。
冷ややかな視線をディードへ向け、直立不動でフリーダムの引き金を引くキラ。右足、左足を射抜き、ようやくフリーダムを下ろした。
地に伏したディードを無視し、オットーへと近付いて行くキラ。
体を起こしたオットーはキラを睨みつける。
あえてキラは視線を合わせ、その光を失った目で見下ろしながら通りすぎてゆくとザフィーラとシャマルのもとへ向かった。
暗雲立ち込める空。
ポツポツと少しずつ、雨が降り始めていた。
第十六話 終了となります。
今回、シンには無理して頑張ってもらいました。
逆に、キラには非情になってもらいました。
合わなかったらごめんなさい。
どっちにもプッツンしてもらったつもりです。
これからも神隠しをよろしく!
第十七話、その日、機動六課後編
お楽しみに!
続いていきます
魔道戦士まじかるしん23話「力を合わせて」
スウェンが放った魔力弾は、真っ直ぐ、正確にティアナのほうへ向かっていった。
しかし……
「幻術か……」
ティアナは魔力弾が命中すると同時に霧のように消えた。
スウェンはすぐに察知し、一旦距離を置こうとする。
おそらくどこかに隠れてこちらを狙い打つつもりだろう。
「クロスファイアー…シュート!!」
すると、スウェンの左から多数の魔力弾が襲う。
ティアナが先回りをしていて、フェイクシルエットを作ってずっと機会をうかがっていたようだ。
魔力弾は不規則は動きをしながらスウェンを襲う。
(なかなか訓練されているな……しかし!)
スウェンは一つ一つ見切り回避していく。
次はおそらく。
「うおーーーーーー!!」
スウェンが攻撃を回避している間にスバルが高く飛び上がり、自分を攻撃しようとする。
やはり……
「ノワール、フラガラッハ」
スウェンの言葉と同時に、双銃から瞬時に二つの剣になる。
そしてそれを使ってスバルの攻撃を受け止める。
「え!?」
相手が瞬時に全く用途の違う武器になった事にスバルは驚きを隠せないでいた。
勿論、スウェンはその隙を見逃さない。
もう一人、ティアナもこれだけ接近していれば撃てないだろう。
スウェンは二人のちょうど間くらいに魔法陣を展開。
『リニアカノン』
そしてその状態から射撃魔法が発射させる。
『プロテクション』
その攻撃はマッハキャリバーが自動的にバリアを張る。
ダメージはないが少し隙ができてしまう。
「アンカー射出」
その隙に、スウェンはまた双銃に戻し、銃に備えられているアンカーを射出した。
そのアンカーはスバルをぐるぐる巻きにする。
「くっ」
手足も巻かれているのでスバルは身動きも取れない。
「終わりだ……」
スウェンは小さくつぶやき、ぐるぐると遠心力を利用してスバルをティアナのほうへ投げ飛ばす。
スバルは何とかプロテクションで出来るだけティアナと自分への衝撃を和らげる。
スウェンはそれを見て再度魔法陣を展開。
今度は一つだけだが、リニアカノンのときとは地が大きさが段違いであった。
「スピンストーム!!」
珍しくスウェンが叫ぶと、魔法陣からおびただしい量の魔力が二人を襲う。
先ほどのオレンジ頭の女がフェイクだとしても、青髪のほうはフェイクなんてく連れないしオレンジ頭も青髪の分のフェイクも作る暇はないだろう。
少なくとも青髪の方はつぶせる。
そう思ったときだった。
「何!?」
スウェンの周辺に帯のようなものが出現する。
『ウイングロード』
それはスバルから発せられたもので、スバルはウイングロードを使いスピンストームを回避した。
ティアナも本物らしく、スバルはティアナを抱えながら攻撃を避けた。
「ち」
スウェンは舌打ちして銃を構える。
(本当に、よく訓練されているな)
スウェンは二人の力を賞賛するが、すぐに目つきが変わる。
(だが、コーディネーターに与するのなら、容赦はしない!)
気持ちを新たにスウェンが武器意を構える。
そろそろ向こうも増援が来る頃だろう。だが、そんな事をさせはしない
「閉鎖空間、発動」
スウェンの言葉と同時に、スバルとティアナ、そしてスウェンを囲んだ結界が発動する。
「これは……結界魔法!?」
つまり、自分達は鳥の個sレたと言う事になる。
「たいした魔力じゃないと思っていたが、少々なめていたようだな」
スウェンはフラガラッハを構え、二人を見る。
決界をはっても、そこから破られる可能性がないわけでもない。
決着は早目がいいだろう。
「だが、これまでだ。お前達には死んでもらう」
スウェンの気迫に二人はおされ気味になるが、すぐに前を見る。
(スバル、ここはコンビネーションで行くわよ)
(うん、わかってる)
個人能力では相手が格段に上である。
ならば、二人のコンビネーションで戦うしか勝てる手段がない。
二人はそう思い、スウェンと対峙する。
しかし、そこにいたのはスウェンではなく、黒いロボットがいた。
二人はあれに似たようなものをしていた。
「あれってまさか……」
そう、同じ機動六課であるシン・アスカのデバイス、インパルスにもある能力。
「モビル……ジャケット……」
「これは……結界魔法?」
なのははアクセルシューターでザムザザーを落とした後、結界魔法が張られた事に気付く。
「それに、スバルとティアナの……」
それと同時に、スバルとティアナの魔力を感じ取れなくなってしまった。
結界に取り残されたのだろうか……
「ヴィータちゃん」
「なのはも感じたのか、スバルとティアナの事を」
ヴィータに聞こうとしたら、ヴィータも気付いているみたいであった。
なら話は早い。
「ヴィータちゃん、私はスバルたちの救援に向かいたいんだけど、ここを頼める?」
なのはの言葉に、任せろ、とヴィータはアイゼンを構える。
「これくらいなら、何とかあたし一人でも大丈夫だ」
それを聞いたなのはは、おねがいね、といって急いで決界魔法が確認されたところへと向かっていった。
その時、なのはにはさっきシャマルから連絡があったシンが拾った女の子の事を考えていたのだった。
「さあて……」
なのはが離れるのを確認して、ヴィータはザムザザーやゲルスゲーを見る。
そしてクラーフアイゼンを前に突き出す。
「なのはがいねえ分、がんばらないとなあ。いくぜえ!」
そういって、ヴィータは真っ直ぐザムザザーに向かって突撃していった。
「はあああ!!」
「うおおおお!!」
叫びとともに聞えるのはガン、キンと剣と剣がぶつかり合う音。
「こんな相手がいたなんてな……久々にアドレナリンが沸騰してきたぜ!」
対峙している一人の男、エドワード・ハレルソンはシュベルトゲベールを構える。
大してシグナム構えるが、その表情は曇っていた。
「私もだ、お前のような相手もなかなかいない。だが……何故お前のような男がブルーコスモスのような組織に」
確かに、人にはいろんな考えがある事は自分でもわかっている。
しかし、彼のような男がブルーコスモスにいるということが解せなかった。
これほどの男が何故……
「ま、俺はブルーコスモスじゃなくて地球連合軍なんだがな……無理やり傘下に入れられてね。
結局、俺もただの一兵士って事さ。兵士はただ命令を聞くことしか出来ないものでね」
そう所詮自分は一人の兵士。
兵士はただ上の命令を黙って聞くだけ。
さらに、無理やり協力させられている状態でもある。
「ま、それでも俺は俺の好きにやらせてもらうけどな!」
『モビルジャケット、セットアップ』
叫びとともに、エドワードの姿が機械的な姿に変わる。
(やはりあったか……)
シグナムは黙ってエドワード……ソードカラミティを見る。
あのかにと蜘蛛を除けば明らかに穂あのメンバーとは違う武器ではあった。
シンのようにモビルジャケットを持っていてもおかしくははかった。
「いくぜ!」
エドはシグナムに向かって走り出し、両手に持っている剣を振り下ろす。
(あれだけのサイズの武器が二つだと、防ぐのは無理か)
シグナムは受けきれないと判断すると、さっと後ろにとび態勢をと整える。
『マイダスメッサー』
しかし、ひるまずエドは連続で攻撃を加える。
シグナムに向けてつい美声の魔力人が向かっていく。
シグナムは回避態勢を取るが、何故かそれはシグナム周りを回るだけであった。
それで少し反応が遅れてしまうシグナム。
『パンツァーアイゼン』
その隙に、エドは両腕に装備されているシールドのようなものからアンカーを射出する。
「なに!?」
シグナムは両腕をアンカーにぐるぐる巻きにされたあげく、両腕にアンカーに挟まれる。
(A´s7話のあれにアンカーがあるようなもの思ってくれ…あれまでひどくはないが)
もはや身動きする事ができないシグナム。
「もらった!」
エドは魔法陣が展開し、そこから魔力が収束していく。
『スキュラ』
そしてその砲撃が放たれようとしている。
(持つかどうかはわからんが……)
「レヴァンテイン、パンツァーガイスト」
『ja』
シグナムの甲冑に魔力の壁が展開される。
とりあえず、今は防御魔法で耐えるしかない。
そう思ったときだった。
「プラズマランサー、ファイア!」
突然、上空から雷撃が飛んできた。
それはパンツァーアイゼンのアンカー部分を切断し、さらにはエドにも襲っていく。
「なに!?」
それをすぐに察したエドは魔法陣を消し、回避に専念する。
一体誰が……
エドはそう思い先ほどなんかが飛んできたほうを見る。
そこには、長い金色の髪をした、黒いバリアジャケットを似見つけている女性がいた。
「テスタロッサか…助かった」
シグナムは少し冷や汗をかきながらその人物、フェイト・テスタロッサを見る。
フェイトはバルティッシュをハーケンフォームに変え、それを構える。
「珍しいですね、あなたが追いつめられるなんて」
フェイトの言葉に、シグナムはまあ、そういう時もあるといってレバンティンを持ち直す。
「先ほど助けてもらっておいてなんだが……こいつとは一人で戦わせてくれ」
シグナムの言葉に、フェイトは、はあ…とため息を付き呆れる。
さらに、その気持ちがわかってしまう自分にも。
やはり、自分はバトルマニアと言われてもおかしくないなと思った。
「じゃあ、私はエリオとキャロのところへ行ってくるね」
そういってフェイトは高く飛翔する。
それを見たシグナムは、相変わらずの子煩悩だな、と心中で思った。
さて、とシグナムはエドを見る。
1体1で戦いたいといったが、そんなに時間を割くわけにもいかない。
ならば……
(次で決めるか……)
そう思い、シグナムはレヴァンティンのカートリッジをロードさせる。
「紫電……」
それと同時に、レバンティンの周りに炎が立ち込める。
それを見たエドも二本あるシュベルトゲベールを重ねるように持つ。
そして少しの間沈黙が続き……エドが全魔力を使用し駆け出す。
「はあああ!!」
そして振りおろされるシュベルトゲベール。
「一閃!!」
そしてシグナムも剣を振るう。
それと同時に、二人の周囲に爆発が起こった。
「がは!」
倒れたのはエドで、エドは胸部にやけどを負ってどさりと倒れた。
シグナムも肩をやられて、頬にも傷を負ったが、足は大地を踏みしめていた。
そして叫ぶ。
「勝った!!」
第23話、完……いや、まだ少し続きますよ。
「はぁ……はぁ……」
そのころ、結界内では未だに戦いが続けられていた。
しかし、その結果はスウェンの圧勝であった。
最初は意外に善戦するスバルとティアナに驚いたが、Bランクの二人と、ブルーコスモスのエースであるスウェンとでは格が違った。
二人は息を切らしながら目の前にいるスウェンを見る。
「どうした、もう終わりか?」
逆にスウェンは、二人を見下したような目で見る。
「ま…だ…まだあーー!!」
痛みに耐え、スバルは立ち上がり、ファイティングポーズをとる。
まだだ、まだあきらめちゃいけない。
ティアナも何とか立ち上がりクロスミラージュを構える。
「まだ大丈夫だね、マッハキャリバー」
『問題ありません』
「もう少しお願いね、クロスミラージュ」
『イエス』
2人のデバイスもまだまだヤル気のようだ。
2人があきらめない様子を見ると、スウェンもフラガラッハを構える。
そしてお互いが動こうとしているときだった。
突然の事だったので反応が遅れたが、スバルたちとスウェンの間に巨大な光が降り注いだのだ。
その砲撃は、スウェンが張った閉鎖空間すらも打ち抜いた。
3人はその光がしたほうを見ると、そこにいたのはスバルたちの隊長であった。
「なのはさん!」
「よかった、間に合った……」
なのははスバルたちを見てほっとした。
夜張る予測どおり、二人は結界に閉じ込められていた。
しかもその相手がスウェンだとわかったら最初いたときは驚いたが……
(よくもっててくれた。これも訓練の成果かな)
そう思ってスバルを見るなのは。
(二人とも一度下がって。そろそろシンが来る頃だと思うから、シンが来たら他のメンバーと一緒に援護してもらってもいい?)
なのはの言葉に頷いて、二人は一度下がる。
そろそろシンが所定の位置につくころなので、せめて彼だけでも足を止めておく必要がある。
「今度の相手はお前か。俺はそんなに管理局に狙われているのか?」
スウェン新しい相手、なのはを見ながらがフラガラッハを構える。
先ほどからザフトではなく管理局員との戦いばかりである。
「まあいい、いくぞ」
スウェンは気を取り直しなのはに切りかかる。
なのはもレイジングハートを構え迎撃する。
「アクセルシューター!」
なのはは多数の魔力弾を生成し、スウェンに向けていっせいに発射させる。
「ち」
『アンチマジックシールド』
先ほどのティアナのものとは桁違いの威力と数の魔力弾に、スウェンは舌打ちしながらシールドを張り防ぐ。
「ディバイーン……」
その隙になのはの18番であるディバインバスターの準備をする。
だんだんと膨れ上がる魔力。
「バスターーー!!!」
そして放たれる砲撃。
「く!」
スピンストームでは歯がたたないと感じたスウェンは跳躍して回避する。
だが、なのはの攻撃はまだ終っていなかった。
スウェンは後ろから何か奇妙な感覚を覚えたスウェンは後ろを振り向く。
そこには先ほどのアクセルシューターがまだ残っていて、それがスウェンに迫っていたのだ。
シールドをハルヒまもなく、シューターはスウェンを直撃する。
「ぐ……」
スウェンは痛みに耐え、なのはを見る。
「まだだあ!!」
スウェンは叫びながらフラガラッハを持つ。
「ナックルボンバー!!」
そしてフラガラッハを持ったまま構え、スウェンは手の部分をロケットパンチのように飛ばす。
それは真っ直ぐなのはのほうへ向かう。
「こんな使い方まで」
なのははモビルジャケットの様々な戦い方に驚くが、フラガラッハを持ったナックルボンバーを紙一重で回避するなのは。
「そこだ!ダイナマイトキーック!!」
だあ、先細野お返しとばかりに高く舞い上がり、魔力をまとったけりを放つ。
「レイジングハート」
『イエス、マイマスター、プロテクション』
なのははプロテクションを展開し、スウェンからの攻撃を防ぐ。
魔力と魔力の衝突で火花が飛び散る。
その量さはかなりのもので、二人の魔力の大きさが高い事を伺える。
「ち」
『バースト』
向こうの防御がやけに高い事を察したスウェンはまとっていた魔力を爆発させて距離をとる。
「く」
その爆発の際の衝撃がなのはを襲う。
だが……
(これだけ時間を稼げば……シン、もういいよ)
なのはの合図とともに、ある地点から二つの砲撃が放たれた……
後半へ続く
投下完了。
やっぱ難しいね、前面バトルっていうのは。
しかもまたねたが多いし(関係ないのが多いって言うのも同だろう……)
そして、早めに報告しておきます。
この作品、ナンバーズは出てきません!
出てきても数体くらい……
これ以上増やしても消化しきれないと思っての事です(そもそもスカ出てくるか微妙)
お2人ともGJです!
>シールドをハルヒまもなく、シューターはスウェンを直撃する。
ある〜晴れ〜た日〜のこと〜♪
スウェンの中の人ネタを、ゼンガーじゃなくて鋼鉄神もってくるあたりにセンスを感じるw
作者の皆様GJです。
それにしても投下ラッシュ来ましたね(^∀^)
自分としては待ち望んでいただけに嬉しいです。
これからも頑張ってください。
高天氏
アストレイのことは詳しく知りませんが、毎回楽しんで読ませてもらってます!
GJ
神隠し氏
そう言えばパルマでサーベル掴んでましたね、凸返り討ち、シン、カッコイイです。
キラも格好よかったけど、もう少し、シャマルやザフィーラとの親しんでいる描写があればグッドだと思っちゃいました。
これからの展開に期待してます!GJ!
まじしん氏
色んなネタが出てきましたね。
毎回笑わせてもらってます。
次回、シン登場でどう展開していくのか楽しみです!
何だかまじしん氏の誤字は狙ってやってるのかと、今回思っちゃいましたwww
何にしてもGJ!
高天氏
カナード格好いいよカナード(*゚∀゚)=3
アストレイ関係はスパロボくらいの知識しかないですが、楽しく読んでます。
続きにwktk
>>神隠し氏
キラ怖いよキラ((゜Д゜;))ガクブル
よくよく考えると、MS戦でいつもやってた事を人にやるとかなり残酷www
こっからどうなるかwktkがとまらない
>>まじしん氏
スバティア頑張ったよスバティア(´∀`)
スヴェンもエドもさすがに強い!なんかエドがラストバトルとかに援軍にきそうな予感がしてしまった
ガルナハン作戦の結末にwktk
スヴェンの声ってアムロだっけ?と思った俺は間違いなくスパ厨
そして本日のマイベスト誤字
>>つい美声の魔力人が
どんな人っすかwwwww
まじしん氏には悪いとは思いますが、ついつい誤字も楽しみにしてしまいます。
すいません
スウェンは鋼鉄神ジーグの主人公と中の人が同じ
魔法少女リリカルなのはクロスSEED第6話、出来上がりましたので投下します。
(今回は全然バトルシーンがありません・・・すみません・・・orz
しかも長くなったので前半と後半に分けてます)
「ただいま、アルフ」
「ただいま」
「二人ともお帰り〜」
アルフがフェイトに抱きつく。
「大丈夫だったかい?」
「うん。ほらこの通り」
ポワッと宙に浮かぶジュエルシード。
「さっすがアタシのご主人様!で、アスランも大丈夫かい?」
首だけをアスランの方へ向ける。
「そんなとってつけたみたいに言われてもな・・・」
「ま、いいじゃないか。あんたも無傷みたいだし」
頭の先から足の先まで見て、これといった外傷のない事を指摘する。
「まあな」
「それに・・・昨日の子もいた」
「昨日のって・・・フェイトの邪魔をしたっていう子かい?」
「うん。後・・・」
チラッとアスランに視線を向けて
「アスランの知り合いの人もいた」
「・・・戦ったのかい?」
アルフがアスランを見据える。
「・・・ああ」
一息置いて答えるアスラン。
「・・・ま、何にせよ無事ならいいじゃないか」
「・・・そうだね」
アルフの言葉にフェイトも同意する。
「とりあえず俺は部屋で休むよ。あ、フェイト」
「はい」
「後でまた特訓に付き合ってくれないか?」
「わかった」
それだけ言葉を交わし、アスランは自室へと戻る。
部屋に戻ったアスランはベッドで横になり、天井を見上げながら先程の戦闘を思い出していた。
今日のキラの動きを見る限りではまだ魔法を使い始めて何日も経っていないようだった。
いや、昨日の時点で結界内でバリアジェケットを装着していないことから察するに、
力に目覚めたのは昨日の夜か、今朝のジュエルシードの封印の時かもしれない。
それにキラ自身ジュエルシードの事をよくわかってないみたいだったし。
だが、目覚めた以上はこれからこっちの世界にも深く関わることになるだろう。
そうすれば、次に会った時には今日よりずっと強くなっているかもしれない。
今日の戦闘では自分自身もほぼ無傷で勝てたが、この次はこうはいかないだろう。
だが、俺は負けるわけにはいかない。
プレシアとの約束を、フェイトの邪魔は誰にもさせない。
その為にも、俺はもっと強くならないといけない。
「・・・・・・お、れ・・・は」
戦闘の疲れが出たのか、昨日一睡もしていないことも重なり、
段々と意識が遠のき、アスランは目を瞑る。
そして意識は深い闇へと落ちていく。
魔法少女リリカルなのはクロスSEED
第06話「不思議な夜の出会いなの」
翌朝。
「それじゃ、結界を張るね」
「お願い」
ユーノの足元に魔方陣が展開する。
そして広がる空間。目に見えない空間だが、魔力の素質を持つ者は感じることの出来る空間。
その空間はある程度の広さまで広がると、膨張を停止する。
「レイジングハート」
『Yes、My Master』
「ストライク」
『OK、Mastar』
「「セッート、アーップ!!」」
言葉と共に輝く赤き宝玉と白き結晶。
その輝きがそれぞれの主を包み込み、光がはじけると、それぞれのバリアジャケットが装着される。
「それじゃ今日からキラさんも特訓に参加するんだけど、その前にストライクの事を教えてもらいたいんだ」
「ストライクの事を?」
「はい。僕は多少魔法の知識はあってもそのデバイス、『ストライク』を良く知らないので・・・」
「あ、私も知りたい!」
なのはがユーノの言葉に便乗する。
「ストライクに関しての知識は契約の時に全て頭に流れ込んできたから説明くらいなら出来るけど・・・」
「昨日、赤いジャケットと緑のジャケットがありましたよね。それの説明をお願いしてもらっていいですか?」
「そうだね。それじゃ、ストライク、エールジャケット!」
『OK、Change、エールジャケット』
上半身が輝き、白い服の上から赤いジャケットのような服が発現する。
「えと、これが『エールジャケット』。主に高速移動や空での戦いに向いている、かな」
「一番最初に着てた服だよね」
「うん」
「装備はこのライフルと、盾と、」
右手のライフルを腰にマウントし、肩の白い筒を引き抜き、筒の先から桜色の魔力がサーベル状に発現する。
「このサーベルが二本かな」
同じ筒が左肩にも装着しているのを指で指摘する。
「次は・・・ストライク、ランチャージャケット!」
『OK、Change、ランチャージャケット』
赤いジャケットが光り、緑色のジャケットへと変化する。
そして左の肩から見える大きな大砲のようなものはキラの足元近くまで伸びていた。
「武器は二つ、一つは」
カシャッと右肩のショルダーガードの部分の正面パネルが開き、
バシュッ!!といくつかの魔力弾が発射される。
何もない空へと向かっていく弾は、結界内でかき消されてしまう。
「この拡散型のタイプと、」
左手を上げ、左背面にある大砲を正面へと向け、両手で支える。
「この長距離型バスター『アグニ』の二つだね」
「これも昨日着てた服だよね」
「うん、地面に落とされた時、何とか封印を阻止しようとしてこのジャケットに換装したんだ」
昨日の回想:キラ視点
アスランの蹴りが腹部に入る。
みぞおちを狙ってくるあたり、さすがはアスランといった所だろう。
言葉にならないくらい痛い。
だけど痛いよりも食らった反動で地面に落ちていって激突したら、不味いことになりかねない。
何とか体勢を立て直そうとするが、落下するスピードの方が早い。
直撃は避けたい。そう思ってシールドを掲げようとしたら
「キラさんっ!!」
誰かが僕の名前を呼ぶ。
そして地面と激突すると思ったその瞬間。
僕と地面の間に魔法の壁のようなものが発生し、それが衝撃を和らげてくれた。
それのおかげで地面に安全に着地できた。
「ありがと・・・」
助けてくれた誰かにお礼を言おうとし、先程名前を呼んだ発生元へと首を向け言葉を発しようとしたが、
途中で止まってしまった。
普通なら、視線の先には誰かがいる。
そう思ったのだが、そこには誰もいなかった。
否。正確には、人間の"カタチ"をした者はいなかった。
代わりにそこにいたのは一匹の小動物。
巡る思考、そして一つの結論が弾き出される。
「大丈夫ですか!?」
脳内で弾き出した答えを否定しようとした瞬間に、目の前の小動物は堂々と言葉を発した。
そう、キラの答えは間違ってはいなかった。
助けてくれたのは目の前のフェレット、『ユーノ』であるという事。
自分に今話しかけているのは、高町家のペットの、『ユーノ』であるという事実。
「キラさん?」
再び話しかけれてようやく目の前の現実を理解し、受け止める。
「えと・・・君が助けてくれたの?」
自分的に何をフェレットに話しかけているのかと思うのだが、実際目の前のフェレットは自分に話しかけているのだ。
「あ、はい。衝撃を和らげる為に、浮遊の魔法陣を使ったんです」
そしてその言葉で追加される項目。
自分を助けてくれた『ユーノ』が魔法を使えるという真実。
普通だったらあまりの事についていけないんだろうが、
実際自分自身が今魔法を使っているのだから何ともいえない現状である。
「えと・・・助けてくれて、ありがとう」
「あ、いえ。僕にはコレぐらいしか出来ませんから・・・」
上空に響く、魔力のぶつかる音。
それに反応して見上げる二人。
見るとアスランの銃撃をバリアで防御し、防戦一方のなのは。
そして首を少し動かして見ると、金髪の女の子がジュエルシードの前にいた。
女の子は持っている黒い斧を掲げる。
「まさか、封印を!」
ユーノが驚きながら声を出す。
封印とは先程なのはちゃんがしようとしていたことだろう。(アスランに邪魔されたけど)
「封印されたら、もう手が出せない!」
「えっ!?」
なら何とか封印を阻止しないと。
だが、ここからじゃ距離が遠すぎてライフルが届かない。
もっと遠くまで飛ばせる長距離砲か何か・・・
『マスター』
不意に響く機械的な声。
『ランチャージャケットを使用してください』
ランチャージャケット・・・・・・そうか!!
「うん、そうだね!ストライク!ランチャージャケット!!」
『OK、Change、ランチャージャケット』
それまで着ていた赤いジャケットが緑色へと変化する。
「これなら・・・っ」
左手に背後の大型のバスター『アグニ』を上空に構える。
「あそこまでいける?」
視線の先には、金髪の女の子。
『No Problem』
「よし・・・」
狙いを定め・・・威嚇するように・・・・・・。
「ストライク!」
『アグニ、バースト』
そして、一発の閃光が空へと駆け上る。
「でも結局ジュエルシードは奪われちゃったね・・・」
昨日の失敗を悔やむキラ。
「でも、今度はそうならないように頑張ろう!」
それを励ますなのは。
「それで、ストライクの換装はその二つですか?」
「いや、もう一つあるんだ」
「もう一つ?」
なのはの記憶にあるのは赤いエールと緑のランチャーのみなのだが、まだあるという。
「うん、ストライク!ソードジャケット!!」
『OK、Change、ソードジャケット』
先程と同じようにジャケットが輝き、変化していく。
そして光が消えて、現れたのは水色に近い、青のジャケットだった。
左手には小型のシールドと左肩に角のようなものがあり、
先程と違って今度は右肩にジャケットと同じ色の大剣が背負われていた。
「このソードジャケットは接近戦用かな。武装は」
左手を上げて、肩の角を持ち、引き抜く。
引き抜かれた角の先から短めの魔力刃が形成される。
「このブーメラン『マイダスメッサー』と」
左手を前に出し、空へと固定する。
バシュッ!!という音と共にシールドから灰色のクローのようなものが発射される。
「ロケットアンカー『パンツァーアイゼン』」
そしてある程度の長さまで行くと、左手のシールドへと収納される。
「そして・・・」
右手を上げ、肩の背面に装着してある大剣を持ち、前に振り下ろす。
振り下ろされた剣の刃の部分に赤い魔力刃が発現する。
「これが、『シュベルトゲベール』この三つかな」
「『エール』、『ソード』、『ランチャー』・・・・・・」
ユーノは驚きの色を隠せないでいた。
レイジングハートも通常のデバイスと違ってハイスペックなデバイスであることには変わりないのだが、
それでもやはり中・長距離型のデバイスで、接近戦には不向きである。
だが、このデバイス『ストライク』はそれぞれのジャケットでそれぞれの状況下での対応を可能にした、
まさしくオールレンジタイプのオールラウンダー型デバイスなのだ。
「とりあえずこの三つ、かな」
「ふぇ〜」
なのはもストライクの詳細を知って驚きの表情を浮かべていた。
「・・・ストライクの事はわかりました。とりあえずそれぞれのジャケットの長所を伸ばすようにしていきましょう」
こうして、キラの特訓が始まった。
それからの日々は、
朝はなのはとユーノとの魔法の特訓。
昼は翠屋での仕事。
夜はなのはとユーノとジュエルシード探し&特訓。
というハードな生活を送っていた。
だが、それでもキラは挫けることなく全てをこなしていた。
そして一週間後。
「温泉・・・ですか?」
翠屋の閉店作業をしていたキラは、いきなり士郎から告げられる。
「ああ、明日は他のみんなにまかせてみんなで温泉に行こうかと思っているんだが・・・キラ君はどうする?」
「僕ですか?」
「ああ、キラ君も一緒にどうかと思ってね」
「いや、でもそんな・・・これ以上迷惑をかける訳には・・・」
ただでさえ、どこの誰かも知れない自分を助けてくれて、食事や寝床、仕事までくれている。
それだけでキラは十分に恩義を感じていた。
それに温泉というのは行った事は無いが、そこそこのお金がかかるはずだ。
「金銭面に関しては気にしないでくれ。第一、君にはうちで働いてもらっているんだ」
「・・・それでも、僕はやっぱり遠慮しておきます」
「・・・そうか、わかった。君がそこまで言うなら強制はしないよ」
「すみません・・・」
士郎の気持ちは、嬉しかった。
こんな自分を家族のように接してくれる高町家の人たちの思いは、とても嬉しかった。
だから、これ以上迷惑をかけたくはなかった。
いつか恩返しをする為にも、自分がここで甘えるわけにはいかない。
そう思い、キラは行く事を遠慮した。
「それじゃ、キラ君」
「はい」
「留守の間、翠屋をお願いするよ」
「・・・わかりました」
翌日、高町家+αのみんなを見送るキラ。
「キラ君、本当に一緒に行かないの?」
「うん・・・ごめんね。その代わりなのはちゃん達はゆっくりと楽しんできて」
「でも・・・」
(こっちでジュエルシードが出たら僕がどうにかするから)
念話で伝えるキラ。
(うん、わかった・・・でも無理しないでね)
(何かあったらすぐに連絡下さい)
ユーノも念話に加わってくる。
(うん、大丈夫。だからゆっくり楽しんできておいで)
ニコッと微笑むキラ。
「いってらっしゃい」
「行って来ます!」
「キュッ」
全員が車に乗り込み、それが見えなくなるまで見送る。
「・・・よし、今日も頑張ろう」
そしてキラは高町家を後にして翠屋へと向かう。
支援
「温泉?」
「そう。あんたも一緒にどうだい?」
「・・・いや、遠慮しておくよ。行くなら二人で行って来るといい」
「どうしてですか?」
フェイトが疑問をぶつける。
「もしこっちでジュエルシードが出現したら、みんな温泉に行ってるとすぐに対処できなくなるだろう。
この間だってうまくあの子の封印を邪魔できたからよかったものの・・・」
そういい、アスランは椅子から立ち上がる。
「だから、こっちでジュエルシードが出現したら俺が封印しておくから。二人はゆっくりしてくるといい。」
ポンとフェイトの頭に手を置き、なでなでする。
「な?」
「・・・はい」
以上で前半投下完了です。
各職人様GJです。
後半はまた明日に…。
(しかも後半にはまったくといっていいほどなのはキャラが出てこないんだが…いいんだろうか?)
望氏
乙です!!
これからどう展開していくか楽しみです。
クロスなんですから、種キャラだけの回があってもいいと思いますよ!
これからもがんばってくらい!!GJッス!
ところでやっぱ人少ないですね…ROMにまわってるのかな?
平日だからかな?
早く住人たちが戻ってくるといいなぁ〜…。
遅くなりましたが、後半投下します、
「ありがとうございました〜」
本日最後の客が帰っていく。
なんとか大きな失敗もなく、一日を過ごせた事に心をほっとさせるキラ。
「それじゃキラ君、後はお願いしていいかな?」
「あ、はい。お疲れ様でした〜」
士郎から翠屋の鍵を預かっているキラは自動的に最後まで残ることになる。
とはいっても、ほとんど残務処理とかは他の店員さん達がやってくれるので、
自分がすることと言えば、清掃と戸締りと金庫の確認ぐらいである。
そして従業員が全て帰り、自分のみになる。
「これで掃除完了っと・・・後は売り上げを金庫に閉まって・・・」
コンコン。
「ん?」
不意にノックされるドア。
もうすでに閉店時間は過ぎているというのに、一体誰が・・・?
おそるおそるドアに近づくと、そこに一人の人影が見えた。
とりあえずもう閉店なので、しかたないから今日はお引取り願うとしようと思い、ドアを開けた。
そしてドアを開けると、そこにいたのは一人の少年。
年は自分と同じかちょっと低いくらいの青年だろうか。
「すみません、もう閉店時間なので明日また来店して頂けないでしょうか?」
「そう、ですか・・・ああ、すみません。最後にここのケーキをもう一度食べたかったんですが・・・」
「最後?」
少年のその一言が気になって聞き返すキラ。
「ああいや、実は僕、明日にはこの国から離れることになったんです。それで次に帰ってくるのがいつかもわからないので、
離れる前にもう一度食べたかったなと思ったんですが・・・無理言ってすみませんでした」
少年の気持ちを感じ取ったキラは、「ちょっと待っててください」と言って中へと入っていく。
そして厨房の冷蔵庫の中を確認し、戻ってくる。
「ここじゃなんですから、どうぞ中へ」
突然のキラの申し出に驚く少年。
「えっ?でも・・・」
「大丈夫です、もう僕しかいないので」
「いいんですか?」
「はい」
キラはきっと高町家の人たちならこうするだろうなと思い、青年を中へと招き入れる。
アスランは夜の街を歩いていた。
その理由は、夕食を作ろうとして冷蔵庫に何かないものかと思って空けてみるとほとんど何もなかったので、
食料を買いに行く事にした。幸い、お金に関してはいくつかの手持ちはあるんで困る事はない。
歩いて5分程進むと、コンビニエンスストアが見えてくる。
「ここでいいか」
ドアの前に立つと自動でドアが開き、中へと入っていく。
即座に目に付いたのは、ポツンとおいてある最後の鮭おにぎり。
それを手に取ろうと手を伸ばしたら、
コツン。
横から出てきた見知らぬもう一つの手に当たった。
視線は自動的にその手の主の顔へと行く。見ると、自分と同じくらいの少年であった。
「あ、ごめん」
「あ、いやこっちこそ」
パッと手を離す両者。そしてその場に残る一つの鮭おにぎり。
「・・・やっぱりあんたもそれを?」
「・・・そういう君もか?」
訪れる沈黙。
気まずい空気が辺りを支配する。
「「ど、どうぞ」」
二人の声が見事にハモった。そしてさらに深まる沈黙。
すると、ウィーンと自動ドアが開き入ってくる人物。
カツカツと二人の前に立ち、おにぎりを手に取る。
「「あ」」
そしてレジへと行き、会計を済ませてスタスタと出て行った。
「「・・・・・・・・・」」
唖然としたまま二人はそこに立ち尽くしていた。
「どうぞ」
コトとテーブルの上に置かれるケーキと紅茶。
「ありがとうございます」
中へ少年を招いたキラはカウンターへと案内し、ご注文のケーキを出してくる。
「えと、この紅茶は・・・?」
頼んでいないはずの紅茶が出てきて、聞き返す青年。
「その紅茶とセットが一番人気なんですよ、あ、お代は気にしないで下さい」
「すみません・・・ありがとうございます」
カチャと紅茶の入ったティーカップを持ち、口をつける少年。
「おいしい・・・!」
「本当だったらもっとうまく淹れられたらいいんですけど・・・」
「いや、これでも十分おいしいですよ」
「そういってもらえてありがとうございます」
紅茶の淹れ方とかは一通り教えてもらってはいた。
そして少年はケーキへと手を伸ばし、小さく分けて口へと運ぶ。
「・・・やっぱり、ここのケーキはおいしい」
とても穏やかな顔でとても嬉しそうに食する少年を見て、キラはよかったと思った。
「あの、一つ聞いてもいいですか?」
「はい?」
「いつここのケーキを?」
「えと・・・つい半年ほど前だったんですけど、実は僕、記憶喪失なんです」
「え?」
「半年程前に、僕この町の公園で倒れてたらしいんです。しかもボロボロの状態で」
キラは思わず言葉に詰まった。
まるで自分がついこの間置かれていた状況と瓜二つなのだから。
「その時僕を助けてくれたのが孤児院の院長さんで、僕を拾ってくれたんです。
そして半年程お世話になって、そしてひょんなことから僕がピアノを弾くと、
「君には才能がある」といって僕を知り合いのピアノの先生の所へ留学して頂けることになったんです」
「・・・・・・」
「拾ってもらった後、怪我が治ったお祝いにと、ここに連れて来て貰ったんです。
ここのケーキがとてもおいしいんだ。といって僕にケーキを食べさせてくれたんです」
「そうだったんですか・・・」
「はい。それで、留学が明日に出発なので、最後にここのケーキをもう一度だけ食べたいと思ってきたのですが、
あなたに会えてよかったです。本当にありがとうございます」
少年はそういって深々と頭を下げる。
「あ、いや、そんな・・・」
「そういえば、あなたはここの店長さんですか?」
「あ、いや僕は違うんです。ここの店長さん達が家族で旅行に行ってて、代理で任されたんです。」
「そうだったんですか」
「はい。あの・・・ちなみに記憶の方はまだ・・・?」
「・・・はい」
少年が頷き、俯く。
「何も覚えていないんですか?」
「はっきりと覚えているのは、自分の名前だけで、後は・・・うっすらとですが、ある人の事なら」
「ある人?」
「はい」
アスランは結局食料を買い損ねてしまい、仕方なくコンビニを立ち去ろうとしたら、
先程手がぶつかった少年が話しかけてきた。
「さっきは悪かったな。俺のせいであんたのおにぎりが持ってかれちまってさ」
「気にするな。それにあれは俺のと決まっていないしな。そっちこそすまなかったな。俺のせいで」
「あ、それもそうか。・・・まぁ、お互い様ってことで。それはそうと、あんたこれからどうするんだ?」
食料を買いそびれ、また違う店を探すしかないと思っていたので、それを口にする。
「だったらさっきの侘びもかねて飲み物くらいは奢るぜ」
断る理由も特にないので、ご馳走になるアスラン。
公園のベンチに二人で腰を落ち着け、飲み物を啜っている。
「しかし、よかったのか?」
「何が?」
「コレを奢ってくれたことだ」
そういって手に握っている缶を揺らす。
「ああ、それくらい気にするな」
そういって屈託のない笑顔で返す青年。
「そうか、わかった」
せっかくの少年の好意を無駄にはできないと思い、素直に受け取っておくアスラン。
「・・・・・・似てる」
ふと少年が漏らした言葉に?な表情で見るアスラン。
「ああ、いや気にしないでくれ。俺の知り合いだと思う奴に似てるって思っただけだから」
「だと、思う?」
その部分がとても文章的におかしかったことが気になり、聞き返す。
「・・・実は俺、記憶喪失なんだ」
「えっ?」
「数ヶ月前、この街で俺ひどい怪我してた所を助けられたんだけど・・・それ以前の記憶が全然無いんだ」
「・・・・・・」
「今は孤児院に世話になってるんだけどさ、あんまし迷惑かけたくなくて・・・どっかに働こうかと思ってるんだ。
でも、俺まだ16歳だからさ、ほとんどどこも雇ってくれなくて・・・」
自分と同じ年の人間なのに、その少年の気持ちがよくわかったアスラン。
自分も同じように、誰かを護りたくてザフトに入ったから。
「・・・えらいな、君は」
自分の事を言っているわけではないのだが、素直な感想を口にした。
「んなことねーって・・・それで覚えてるのが、自分の名前と・・・友達・・・だと思う奴の事。
記憶が曖昧だからよく覚えてないんだけどさ、そいつは・・・いつも笑ってて、人から頼まれた事を断れない、断らない奴で、
誰かの為に、いつも頑張ってる奴でさ・・・俺、そいつと一緒に遊んだり、勉強したりした記憶が断片的に残っているんだ」
「・・・・・・」
少年の話を聞いて、アスランは思い出していた。
そういえば、あいつもそうだったな・・・と、今この夜空のどこかにいるはずの元親友の事を・・・。
「変だよな、でも俺、そいつの名前すら思い出せないんだぜ・・・」
「・・・いつか思い出すさ」
「えっ?」
「それは君の大事な思い出で、その人は君にとって大事な友達なんだと俺は思う。だから、消えないんだ。
断片的でも残っているなら、そこから何かを思い出す可能性はゼロじゃない」
「・・・・・・」
「だから、諦めるな」
少年はアスランの言葉を受けて、何かを考えるように目を瞑る。そして目を空けて、夜空を見上げる。
「・・・そうだな」
「すまない・・・確証もないのに、曖昧なことばかり言って」
「おいおい、そこであんたが謝ったらダメだろ〜」
バシバシと笑いながらアスランの背中を叩く少年。
ちょうど飲み物を飲んでいる時に食らったので、ゴホゴホと咳き込むアスラン。
「あ、悪い、ちょい力入れすぎたか?」
「・・・気にするな。痛くはないから」
「そっか」
「真面目なんですけど、どこか抜けていて、しっかりしているようで、実は優柔不断な所もあって、でも優しい人でした」
「・・・・・・」
「僕、いつも迷惑ばかりかけていた記憶があるんです」
少年の言葉に思い出すのは、自分の親友、アスラン・ザラの事。
キラも幼少の頃はよくアスランに助けてもらったことを思い出す。
「でも僕、その人の名前も覚えてないんです・・・」
そういって俯く少年。
「でも、その人の事を覚えてるってことはその人に会えたらもしかしたら記憶が戻るかもしれませんよ?」
「・・・そうですね・・・でも、それは少し・・・怖いんです」
「怖い?」
少年の言葉に疑問を浮かべるキラ。
「記憶が無くなる前の自分がどんな人だったのか・・・どこで何をしていたのか・・・
それを思い出すと、今の僕が消えてしまうんじゃないかって・・・そう思ってしまうんです」
見ると、少年の手がかすかにだが震えていた。
記憶の無い不安。それを抱えたことのないキラには少年の痛みがわからない。だけど、
「・・・その人と一緒にいる時の君はどんな風なんですか?」
「え?・・・それは・・・・・・」
考え、記憶を探る少年。
「僕は・・・その人と・・・」
そして導き出される答え。
「笑っています・・・」
少年の瞳から自然と涙がこぼれていた。
「・・・だったら、記憶が戻っても」
「きっと、笑い会えることができると思います」
「・・・・・・そう、ですね」
ポケットからハンカチを出して涙をぬぐう青年。
見ると、少年の手の震えはいつの間にか止まっていた。
「さてと、それじゃ俺はそろそろ帰るとするわ」
少年がベンチから立ち上がり、ん〜。と背筋を伸ばす。
「あんたはどうする?」
「・・・俺も今日は帰るとするよ」
食料を買う事はできなかったが、この少年と過ごせた時間は悪くなかった。
「そうかい」
「すまなかったな、それとごちそうさま」
「どういたしまして」
ヒュッと空き缶をカゴへと投げるアスラン。それは弧を描くように真っ直ぐカゴの中心へと入っていく。
「うまいな」
「偶然だ」
「・・・あんたにも、大事な友達っているのかい?」
「・・・ああ」
「だったら、大切にしろよ」
「・・・そう、だな」
今はこの世界でも敵どおしな親友。
「何だよ、歯切れが悪いな。ケンカでもしてんのか?」
「・・・まあ、そんなところだ」
「ふぅん、ま、いいんじゃないの?『ケンカするほど仲がいい』って言うし」
「・・・それとはまた少し違う気もするが」
「ケンカできるってことは、そいつと本音で、本気でぶつかれるってことだろ?お互い譲れないものもあるだろうしさ。でも」
「?」
「あんたが友達の事を大事だって思ってんなら、仲直りだって簡単だと思う」
「・・・・・・」
「仲直りするキッカケがあれば、意外と簡単だと思うぜ」
「・・・・・・」
「だから、あんたも頑張れ」
ポンと肩を叩く少年。
「あ、そうだ」
「?」
「最後に、あんたの名前、教えてくれない?」
「・・・俺はアスラン、アスラン・ザラだ」
「俺はトール、トール・ケーニヒ」
「そっか、覚えたぜアスラン。じゃ、またな」
「ああ、またな。トール」
そしてトールは明かりの無い道の向こうへと消えていった。
(・・・仲直りか・・・)
アスランの心は、揺れていた。
(・・・そうだ、俺は別にキラを殺したいわけじゃない・・・)
ベンチから立ち上がるアスラン。上を見上げる。
(だが、お前が俺の邪魔をするのなら・・・俺はお前を止めてみせる・・・)
そして本日最後のお客の食事が済むと、お会計を済まし、キラも翠屋を後にした。
途中までの道を一緒に歩く二人。
「・・・僕、この国に必ず戻ってきます。そしたら、また翠屋に来ようと思います」
「今度はマスター達もきっと喜んでくれると思います」
「はい・・・今日は本当にありがとうございました」
深くお礼する少年。
「僕にも・・・君の記憶の中の人とよく似ている人がいるんです」
「そうなんですか?」
「はい、でも・・・今ちょっと仲違いしちゃってて・・・なんとか話をしたいと思っているんですけど・・・」
「諦めなければ、いつか必ず伝わりますよ」
「え?」
「だって、あなたがその人の事を大事な友達だと思っているのであれば、その人に伝わるまで、
何度でもぶつかり合うぐらい本気じゃないと、相手には伝わらない」
「・・・・・・」
「中途半端な気持ちじゃなくて、全力で向き合える。それが友達だと思います」
「・・・うん、そうだね。僕もそう思う」
「だから、本気でぶつかってください」
中途半端ではなく、全力で自分の気持ちをぶつける・・・。
今までの自分に足りなかったのは、アスランと本気でぶつかり合うっていう覚悟と気持ちだったのだろうか?
(・・・今度は、全力でぶつかろう。僕の本気で)
そして別れの時。
「あ、僕こっちなんで・・・」
「そうなんですか・・・」
「最後に」
「?」
「名前を、教えて頂けますか?」
「・・・僕の、ですか?」
「はい」
それは、この世界でキラのたった一つの、唯一の意味を持つ言葉。
「僕はキラ、キラ・ヤマトです」
そして、記憶のない少年のたった一つの、唯一覚えている記憶。
「僕はニコル、ニコル・アマルフィです」
そしてどちらからかともなく、手を握り合い、握手する。
「また、どこかで」
「お会い、できるといいですね」
そしてお互いの手を離し、
「それじゃ、さよなら」
「さよなら」
お互い振り返ることもなく、それぞれの道を歩いていく。
いつか、二人の道が交差することを、願って・・・・・・。
以上で投下完了です。
改行の関係で、最後の完が入らなかった・・・orz
今回の後半部分に関しては、ありえなかった『if』の一つをやってみました。
まあ、二人が来たんだから、他の人も来ててもおかしくないかなと思い、
それぞれに関わらせてみました。
・・・・・・はい、完全になのは無視してますねorz本当申し訳ないです。
次回からは本編の流れに沿っていきます。
それではまた〜。
>>望氏GJ!
全俺が泣いた
続きもwktkしてる
望はキラ厨
192 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 23:27:36 ID:s7sinxCb
08スレに三人目警報!
住人は避難所へ退避かID晒しでお願いします。
職人の皆様GJです!
高い天を行く者から勇敢な者へ ◆7wkkytADNk氏
ヴェイア強えええええ!!
カナードとの対決…アストレイの枠を超えた対決ですなぁ…楽しみです
シンとヤマトの神隠し〜Striker'S〜 ◆CmPRCdy5tY氏
シンとアスランの戦いが熱いです…
キラ怖ええええええ!!!まさに種死13話をそのまま描いておりますなぁ
しかし四肢を全て打ち抜くのは生身でやるとなかなかにエグイですね…
まじかるしん ◆YnaZQ2TNTU氏
スウェンvsスターズ…新人二人には勝ってもやはり冥o…ゴフンゴフン
には苦戦しますね…次回はシンとの対決?かな
望 ◆nTZWuJL8Pc氏
キラとニコル、アスランとトール…関係的にはすげー複雑だよなぁ
この夜の会話が今後の二人にどう影響するかが楽しみです
神隠し氏…
ディード、オットーをアッシュ扱いはどうかと…
>>194 アッシュ扱いするほど種割れしたキラが強いと思ってる俺は割り切りすぎかもしれん
でも次回で、ディードがティアナに普通に倒されたりしたら、この描写も妥当だったって事になりそうな悪寒
まぁでもこの場合キラがドラグーン使わず無印フリーダム状態で倒したってことがすごいんだろうけど
何故かはわからんが…
スッとしたのは俺だけ?
200 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/31(金) 17:37:25 ID:aPgh2lZG
本編じゃ六課ボコボコだったからなあ。
キラが気をはいてくれたのは、痛快だった。
俺的にシャマルゥの敵をとってくれたキラに感謝だ。
とりあえず、シンとキラは以前(神隠し一期)の頃の力を取り戻したっぽいな。
下手すりゃ以前より強いかもしれんが。
てか一期の頃と比べると、シン&キラとなのは達が疎遠になった感があるんだが、何故だ?
シンとキラがなのは達に敬語使ってるからか?
9歳だった女児達が、年上のお姉さん方に。
しかも、再会時にこちらは記憶喪失。
ぎくしゃくならん方がおかしくね?
そういや年上なんだっけ
新キャラとの絡みに重点おいてるとか?
戦いばっかじゃなくてまったりとした日常モノとか誰か書いてくれないか?
短編なら書くぜ?
なんかキーワードが偏ってきたな
ところで、どんなまったり話がいいのかな?
何かお題てきものがあると書きやすい。
>>209 今日はシンの誕生日らしいし、それ関係のものとかいいんじゃないか?
フェイトin種死な作品を書いてみたい。
だが俺はなのはを見たことがない。
Web上で設定とあらすじ読んだだけでは無謀だろうか。
短編ばっかりのスレがこの板にあったと思うが
なのはだけではないけど
>211
無謀だな
>>211 種に叩き込むと多方面から叩き込まれるからやめとけ
>214
そうでもないだろ?
一応、作品はあるし…。感想の多い少ないはあるが…
なのはin C.E
種なのは(仮)
Fate×Destinyとかあるし
投下おk?
バッチこーい
トリップはどうした?
一応つけてもらえるとありがたい
それでは投下します(遅れてごめん)
魔道戦士まじかるしん 24話「力を合わせて」(後編)
なのは達機動六課が主にガジェットやザムザザーなどの新型MAと戦っているとき、ザフト軍は連合軍のモビルジャケットと戦っていた。
「ディアッカ、撃て!」
「お、おう!」
イザークは自ら超回転してそこに魔力も回転しながらだんだんとたまっていく。
それをディアッカは素手で打ち出す。
「行くぞ、超級ぅ!覇王ぅ!!電影だあぁぁーーーーん!!!」
体は回転しているはずなのに、何故か首は回らないまま、イザークは敵に向かって突進していく。
それは多数の敵を巻き込みながら直進する。
やがて上に上っていき、イザークの「爆散!」という言葉に次々と爆発が起こり、手キッは倒れていった。
「しっかし、相変わらずの力だな……流派東方不敗って言うのは……」
ディアッカの言葉に、まあな、とイザークは地面げに
「これもシーゲル・クライン師匠の訓練の賜物だ」
周囲の敵をあらかた片付けて、二人は少し談笑する。
「にしても、この数、どうにかなんないの?」
ディアッカはため息を付きながら周囲を見る。
そこには、死んではいないが地球軍やブルーコスモスの兵士がそこらじゅうに倒れていた。
その時、司令部から通信が入る。
「管理局の一員が洞窟から出て、真っ直ぐ亜s-裏へ向かっているようです」
通信の声に、そうかといって、イザークはアースラを見る。
敵は出来るだけひきつけた。
「まあ、今回は管理局に手柄を譲るとしようぜ。いろいろとわけありみたいだしさ」
ディアッカの声に、そうだなといってイザークは新たに前を見た。
「よし、敵はいない、このまま一気に!」
シンは洞窟から出た後、周囲を確認して出口周辺には敵がいない事を確認し、そのままアースラへと直進する。
他のみんなも敵をひきつけていて、最初のほうは敵とは遭遇せず順調に迫っていた。
シンの存在に気付いた敵も追跡しようとするが、フォースインパルスのスピードについてこれない者がほとんどで、順調にアースラに接近している。
「何をしているのだ!!」
その映像を見て、この基地の司令官は戦況に不機嫌をあらわにして叫ぶ。
さっきからの報告を聞くと、時軍所不利な事ばかりである。
ついさっきも地球軍のエース、エドワードもやられたと連絡も入った。
「もういい!全戦力を投入してやつを止めろ!ここを落とされたら上に何を言われるかわからん!」
司令官の言葉に、慌ててオペレーターは、はい!と叫んで各員に連絡する。
「大変です!」
それと同時に、ある兵士がブリッジにやってきた。
変わりあわてているようで、かなり重要な事のようだ。
新た報告に、こんどはなんだ?と半ばやけになりうながら答える。
「そ、それが……捕らえていたはずの例の少女が抜け出したようで……」
「なに!!?」
まさかの報告に、司令官は頭を抱える。
これは上になんと報告すればよいのか……
「現在、この基地内にいるものに捜索させているのですが……なかなか…」
「早く探せ!このばか者め!!」
司令官は兵士を一瞥してから再度前をみた。
そこには、残っていた塀がシンに向かっていたのだった。
それを見た司令官が命令する。
「脱出の準備をしておけ、もしものときはこの基地を放棄する」
司令官は歯軋りしながら言う。
基地を失って戻ったら何を言われるかどうか危うい。
だが、やはり自分の命は惜しかった。
コーディネーターに、あんな化け物に捕まれば何をされるかわかったものではない。
「くそ」
シンは舌打ちしながら敵を迎撃する。
最初は敵に会う事はなかったが、途中で伏兵にし、今足止めされている。
「いい加減にしろ、お前ら!」
シンは連合軍の一般的なモビルジャケット、ダガーLをエクスカリバーで叩ききる。
そこへ……
「わが道突き進む俺の必殺技シリーズその2!!スパイラルドライバー!!」
「いくよストラーダ!スーパーウルトラスペシャルストロングマッスルDX!!」
シンの後ろから何かが突っ込んでくる。
一つ真っ直ぐ。もう一つはぐるぐると回転しながらシンを横切ってそれぞれ敵を倒す。
「レイに……エリオ?」
シンはぽかんとしながらその二人を見る。
二人は敵を倒した後。レイは地面に、エリオはフリードの上に着地する。
「思ったより順調に事が進んでな、援護が出来るようになった」
「ここはぼくたちがおさえます。アスカさんはそのうちに」
エリオに言われ、ああといってその場を後にしようとする。
だがその前に……
「あの技名何とかならないのか?正直ダサいぞ」
「ええ!?」
シンの言葉にエリオはショックを隠せないでいた。
「一晩中ずっと考えてたのに……」
考えてたのか、とシンは呆れながらエリオを見る。
「シン、早く行かないとまずいぞ」
レイに言われて、シンはアースラの方を見る。
その時、シンは何かを見た。
アースラから、何かが飛び立っているのだ。
「あれって……脱出艇!?」
おそらく基地の司令官などが乗っているであろう脱出艇がアースラから発信したのだ。
「シン!アースラのほうは俺が行っておく、そのうちにお前は飛行艇を追え!」
それを見るなり、シンはフォースシルエットになり、すぐさま脱出艇のほうへ向かう。
運よくあまり離れていなかったため、何とか追いつけそうな距離ではあった。
だg、あまり時間をかけるわけには行かない。
「だったら……」
そういってシンはライフルを持ち、構える。
ウイング部分を狙い、バランスを崩させようとする。
シンはよく狙って連続でライフルを放つ。
放たれた魔力弾は見事にウイング部分を破壊する。
しかし……
「しまった、エンジン部分を!?」
シンが放った魔力弾は、ウイング部だけでなくエンジン部分も破壊してしまった。
運よくエンジン部分だけがあたっただけのようだが、勿論その損害を受けた飛行艇は急降下する。
「大丈夫なのか?」
シンはまあとりあえず追いかけるかと思いながら落下している飛行艇を追う。
そして、よく見るとフェイトもすぐそこまでやってきた。
どうしたのだろうか……
「シン、ミネルバから連絡が入ったんだけど、あの基地は放棄されたみたい」
フェイトの言葉に、シンはこの脱出艇は何かくさいと感じた。
そして、炎上する飛行艇から数人の人影が見える。
その人物は地球連合の高官の制服を着用していた。
おそらくあの基地の司令官と見て間違いないだろう。
「私は時空管理局者です。あなた達を拘束させてもらいます」
フェイトの言葉を聞いて、くそ……と悪態をつく司令官。
その時、司令官は彼女とは別の人影を見た。
人型なのだが機械的な体をしているモビルジャケット。
その姿は、同見てもこの地球連合軍のものではなかった。
「ザフトめ……」
司令官はそのモビルジャケット、インパルスを睨みながら悪態をつく。
シンはその司令官の言葉を聞いて、モビルジャケット、そして張りアジャケットも解除する。
「俺はザフトじゃない、管理局の人間だ」
シンはそういって司令官を見る。
司令官はシンの目を、燃えるような赤い目を見る。
黒い髪に赤い目。
普通はそんな組み合わせの人間はあまりいない。
さらに地球連合にないモビルジャケットを持っている。
これだけの要素があれば間違いない。
あいつは……
「コーディネーターめ……」
司令官の言葉に、シンは司令官を見る。
「コーディネーター、この宇宙の化物め!」
「!!」
司令官の言葉に、シンは体を震わせる。
そんなシンを見て、司令官は言葉を続ける。
「お前らのようなやつが存在するか争いがなくならんのだ!お前らのような化物などはやくほ」「くっ!」
「……」
司令官の言葉に耐えられなくなったシンは、司令官を手刀で気絶させてしまう。
「シン……」
そんなシンを心配そうに見るフェイト。
「隊長……後、お願いできますか?」
いつもより静かなシンの言葉に、フェイトもうんとぎこちなく返事をして、シンはその場を後にした。
「シン」
シンは人気の少ないところで岩に座りながらぼうっと空を眺めていると、レイがやってきたのだ。
「レイ?」
シンはレイの存在気にづくと、レイはシンの隣に座る。
そして二人とも何もしゃべらないまま数分のときが流れた。
「所詮はブルーコスモスかそれに属する地球軍の言葉だ。あいつらの言っている事は気にするな」
どうやらフェイトからある程度の事情は聞いているらしい。
まあ、元からあいつの言っている事など気にしてはいない…といえばうそになるのだが……
「ちょっと前の事思い出した……」
そう、インパルスを手に入れるきっかけにもなった、あのコーディネーターを憎む者との模擬戦の事を思い出す。
あの出来事の詳細を知っているのは、シンと相手、それに同じフィールド内にいた教官だけである。
話の内容はレイにも言っていない。
だが、それでいいのかと思ってついその事が表情に出てしまった。
「気にするな。誰にも知られたくないことの一つや二つはある」
だが、レイはそれを全く気にしていないようである。
まるで、自分の何かを隠しているように。
「だが、フェイト執務官には気取られないようにしておけよ。あの人の考え方は俺達とは逆だ。
何かあれば言ってほしいという感じの人だからな」
レイの言葉に、わかってるよとシンは苦笑しながら言って立ち上がる。
レイの言葉はフェイトだけでなく、隊長陣にもいえることだろう。
どうも隊長陣の皆さんはお人よし過ぎるというところがある。
さっきレイもいっていたが、人間黙っておいてほしいことの一つや二つはあるんだから、気にしないでいてほしい。
もういいのか?と言うレイのことばにもああと返事を返すシン。
「いつまでもほうっておいたら、逆に心配されかねないからな」
ま、既に何かあるとは思われてるけど、と苦笑しながら言う。
そういうシンに、そうかといってレイも立ち上がり既に管理局員で分解、回収作業を行っているアースラへと向かっていった。
「あ、アスカさん、バレルさん」
二人が現場に戻ったときに最初にあったのはエリオとキャロだった。
「エリオ、状況はどうなっている?」
レイはエリオに尋ね、エリオはフェイトから聞いたことだけを話す。
既にアースラの中にいた地球連合軍の兵士は、すべて降伏したという。
そう、地球連合軍だけ。
「話じゃブルーコスモスの人たちは既に逃げ出したみたいですよ」
エリオの話に、そうかとレイは頷く。
「なのはさんが戦っていた相手も、結局は逃がしてしまったみたいですし……」
なのはを相手に逃げる事ガでkたと言う事は、その相手もかなりのものなのだろう。
「それとアスカさん。フェイトさんが探してましたよ、どうしたんですか?」
キャロに言われ、ええと……とシンは言葉をつまらせる。
(こいつらにはどういうべきか……)
とりあえず簡単な回避方法は……
「さあ、俺にもさっぱり……何なんだろうな?」
と適当のごまかし、二人からフェイトの場所を聞きだし、シンはそのほうへと向かっていった。
そんなシンを不思議そうに二人は見る。
「執務官のことだから気になるのか?」
レイに言われ、え!?と二人はあわてながらちがうちがうと二人は否定する。
思いっきり気になってますといわんばかりの表情だが、そうかといってそれ以降レイは何も言わなかった。
「あ、シン」
シンはフェイトを探していたが、フェイトのほうが先にシンを見つけた。
フェイトはすぐにシンのほうへ駆け寄る。
「シン…えっと……」
フェイトハシンにどのように声をかけようかどうか迷っている。
まあ、普通は思い当たらないだろう。
「別にいいですよ、気にしなくて」
シンがそういうが、フェイトはまだ何かいいたそうであった。
「俺も、もう気にしてませんから」
シンの言葉に、そう?と尋ねるフェイト。
だが、シンの表情はまだ少しくらい。
「それより、教官の姿が見えないんですけど、どうかしたんですか?」
シンは話題を変えようと、キョロキョロとなのはの姿を探す。
スバルやティアナは見つかったが、なのはは探してみたがどこにもいない。
シンの言葉に、ああとフェイトはストームレイダーのほうを見る。
「なのはは今、シンが見つけた例の女の子のところにいるよ」
そして話はいつしかその女の子の話になった。
その結果、女の子はまだ目が覚めておらず、レリックを持っていたということもありしばらくは教会側で預かるという事になったという。
「それで、なのははそのこのことが気になって、自分のやる事を終らせて、ずっとそのこのところにいるんだ」
フェイトの言葉に、シンはその少女を思い出す。
何故あんな子供がレリックを二つも持っているのだろうか。
その時だった。
何かがシンに飛びついてきた。
シンは誰なんだと思いそっちの府を見ると、そこには作戦前に洞窟の事を押しえてくれた現地の少女、コニールがいた。
「守ってくれてありがとう!」
彼女は、本当にうれしそうに笑いながらシンに礼を言う。
シンはそんなコニールに圧倒され、あ、ああとぎこちない返事を返す。
フェイトは、そんな二人を見えほほえましく微笑んでいるのだった。
次回予告
シ「俺達がコズミック・イラで戦っていたとき、ミッドチルダではある事件が起こっていた」
は「場所はミッドチルダ北部、聖王教会」
な「その人は失敗作と揶揄されて、所詮は実験台とはき捨てられた人」
フェ「その人がそこまで言われてもなおも戦い続ける理由とは……」
レ「次回、魔道戦士まじかるしん25話「欠陥品」」
ス「今回はまともな予告でしたね」
は「そろそろねたも少なくなってきたしな」
シャ「はやてちゃん…いつそんな情報を仕入れたんですか?」
は「そんなもんちょこっとコネを使えばすぐになんとかなるもんよ」
シグ「いいのですかそれ……」
投下完了。
あれ?なんかエリオまで壊れてきた気が……まあいいや(ぉぃ)
さあて、そろそろ阿須ライガーを出したいが……なかなか出す機械が……
見たい方は、「主役は遅れてやってくる」という気持ちで待っててください
乙!
まあ、これは既に原作でも今更すぎる事なのだが、あえて言おう
もう魔法でも何でもねえwww
GJです!今回もおもしろかったです
やっぱりシンは本編と違ったトラウマ抱えてるみたいだな・・・
まじかるしんだけじゃなく、りりかるシードにおけるシンにも言えることだけど、
ある程度立ち直ってるだけに、なにかの拍子に一気に崩れそうな危うさを感じてしまう・・・
その直前の記憶はハッキリしていない。
ただ、“飛ばされた”、あるいは“振り落とされた”と表現するような事象に遭遇した
事は、ぼんやりと覚えている。
────目覚めた時。
そこは、ありふれてはいるが、見慣れない街の中だった。
調べていくうちに、そこが親友達と過ごした世界の未来の姿だという事が解った。
日本によく似た都市文化と、熱帯特有の文化とを併せ持つ持つこの国は、オーブ連合首
長国と言った。
彼女が知るA.D.20世紀末から21世紀初頭にかけてのこの世界には、存在していなかった
国家である。
この時代より60年近く前に世界再構築戦争、それ以前の人間である自分の視点から見れ
ば『第三次世界大戦』と呼ぶべき大規模戦争が起き、世界の国境線は大きく書き直された
のだと言う。
そのことを調べて回る最中に、自分らしくない、迂闊なミスを犯す。
この国の通貨を持ち合わせていないことに気付かず、喫茶店であやうく無銭飲食をやら
かすところだった。
たまたま、その場に居合わせた、制服姿のトダカという青年に助けられた。
服装から創造されるとおり、この国の軍人であり、三佐という階級だった。その階級制
も、自分と関わりの深いある組織に酷似していた。
行くアテのない彼女は、トダカの官舎に居候する事になる。
思春期を迎えた少女が、独身の青年の家に住み込むのは、いかがなものかとも自分でも
思ったが、他にアテがあるわけでもない。
幸いにして、青年は紳士であり、少女に対し不穏な行動を取る事はなかった。
こうして、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、11歳は、コズミック・イラ67年のオ
ーブに暮らす事になったのである。
当初、一時的なものだと思っていた。
親友や尊敬する義兄がすぐに迎えに来てくれる、そう思っていた。
ただ、不安な事もあった。
フェイトは、バルディッシュを失っていた。
この地に来てから失くしたのか、それとも次元の彼方に飛ばされてしまったのか、それ
は解らない。
それを失ったことは、最初のうちは、泣き叫んでしまいそうなほどの不安だった。トダ
カがいなければ、実際、そうしていただろう。発狂していたかもしれない。
なんとか自分で心を落ち着かせつつ、迎えを待った。
だが────
1ヶ月、半年、1年、2年────それだけの時が流れても、迎えは来なかった。
親友である少女のことは疑っていなかった。彼女はたぶん、彼女の世界と時間から、で
きる限り自分を探しているだろう。
けれど、本来その力を持つ、あの機関はどうだろうか?
所詮はお役所である。強力なデバイスであるバルディッシュを失い、せいぜい他人とは
違う事が出来ます程度の少女に成り下がった自分を、リスクを冒して探し出そうとするだ
ろうか。
そう、思考が及んだ途端、フェイトの中で、何かが崩れ去った。
尊敬する義兄、優しかったハラオウンの家族。だが、それも結局はプレシアの作り出し
た“産物”である自分に対するものでしかなかったのか。
オーブに来て2度目の季節、13歳の年に、フェイトは迎えを待つことをやめた。
だが、動き出した運命は、彼女にオーブでの平穏すら与えてはくれなかった。
Jun・5・C.E.71────
ザフト・プラントとの戦闘で苦境に立たされた地球連合は、オーブに対しカグヤ島のマ
スドライバー使用を要求。オーブがこれを突っぱねると、地球連合は軍事力を行使してオ
ーブに侵攻してきた。
オノゴロ島の市街地に、続々と降り立つ、連合軍の鉄の巨人、人型機動兵器モビルスー
ツ、ストライクダガー。
その足元では、まだ取り残された。市民が逃げ惑っているのだ。
だが、オーブ軍のM1アストレイは、そんなことはお構いなしに、市街地に降り立つスト
ライクダガーに攻撃を仕掛ける。
「あぶないっ!」
フェイトは、思わず声を上げていた。
逸れた粒子ビームが、1組の母子に向かう!
思わず手をつきだし、デバイスなしで出来る限りの障壁を生み出そうとした。
「えっ!?」
思わず、手をまじまじと見つめる。魔法が発動しない。
「きゃあぁっ!」
粒子ビームは間一髪、母子を逸れたが、余波で2人は飛ばされ、転倒する。
「はやく、こっちへ!」
フェイトは母子に駆け寄り、抱き起こすと、避難船の待つ漁港の方へと促す。
────この2ヶ月、どうも調子がおかしかった。
以前は、バルディッシュがあるときの様には行かないと言っても、簡単な魔法なら発動
させることは不可能ではなかった。しかし、4月頃から、それさえできなくなったのであ
る。
ほとんど唯一、バリアジャケットだけは、少し魔術式を組み替えることによって。発動
させる事が出来た。
フェイトは、トダカの身内ということで市街地でなるたけ逃げ遅れた一般人を探して回
っていた。あらかた無人となった事を確認すると、舗装された道路を歩く避難民を追い越
すように、その山側の土手の、犬走りをかけて行く。
「!?」
フェイトの頭の中に、一瞬の電撃のようなショックが走った。
思わず立ち止まり、空を見上げる。
そこには、オリーブドラブと黄色に塗られた大砲の化け物、カラミティ、そして……
それを見た瞬間の、フェイトの感想は、“禍々しい堕天使”。
「あ……あぁあぁぁ……」
翼を広げた、青と白の怪物────
カラン。
立ち尽くしていたフェイトの足元に、何かが転がってきた。
「やだぁ……やなのぉ……」
上の林道の方から、幼い女の子の声が聞こえてくる。
そちらを見ると、自分と同年齢程度の少年が、斜面を駆け下りてくるのが、正面に見え
た。
そして、フェイトの足元に転がった、それを拾い上げる。
「あぁ……ごめん」
少年がそう言いかけたとき。
その背後に、青と白の翼持つ巨人──フリーダムが、視界一杯に入り込んできた。
「あぶないっ!」
反射的にだった。
少年の身体を抱え込み、強引に伏せうずくまらせると、自らの背中を盾にするように、
少年を覆う。
閃光、熱、衝撃、轟音。どれがどれだけどの順に押し寄せたか判別できない。フェイト
は、死を覚悟した。
ゴォォォッ
フリーダムかカラミティか、どちらかのスラスター音が離れていくのが聞こえる。
「っ……ご、ごめんなさい……っ」
重そうに動く少年に、フェイトは慌てて立ち上がった。
少年も立ち上がる。お互い致命傷は負っていない。何とかバリアジャケットはその役目
を果たしてくれたようだ。
一瞬、呆然と仕掛けた表情で、お互い見つめ合ってしまう。
「そうだ、マユ!」
先に我に返ったのは、少年の方だった。
少年は慌てて、斜面を登っていく。フェイトもそれに続いた。
斜面を登りきるとそこはフリーダムの射撃で、無残に抉られ、林道を形成していた木々
は、なぎ倒され、燃えていた。そして────
「マユ……父さん……母さん……!!」
少年がそう呼びかける、変わり果てた3人の人間の姿。両親、マユと言うのは妹だろう
か────
フェイトは空を見上げた。フリーダムとカラミティは、跳梁跋扈するように、まだ戦い
を続けている。
その姿に、青と白の悪魔の姿に、フェイトは胸の奥に、久しく忘れていた感情が、呼び
覚まされていくのが解った。
────力が欲しい。バルディッシュに変わる新しい力を。
「うわあぁあぁぁぁぁあぁぁっ」
緋色の瞳を怒りに燃やし、叫ぶ少年──シン・アスカ。
その姿を見て、フェイトは自分の手を、ぎゅっと握った。
────彼のような存在を守る、力が欲しい!
俺に言えることはただひとこと。
続きを書くんだ!
木邑さん重視
最近職人さんの投下が無いなぁ…
みんなStSが終わるのを待ってるんだろうか?
他の職人さんも早く戻ってきてほしいな
俺、865氏のSDデバイスの続きを結構楽しみにしているんだが
というか、スレタイいつもと違うからいつもの検索に引っかからなくて落ちたって思ってる人いるんじゃない?
じゃあ、避難所にURLでも貼るべ
投下、よろしいでしょうか?
来い来い!
高い天を行く者から勇敢な者へ
第八話
『ほう・・これがメンデルで作られた実験体ですか』
『しかしどうやって生き延びたのか』
自分を囲む白衣の人間達、誰もが物を見るような目で自分を見ている・・・・・・・いつ見ても忌々しい
『破棄される筈だったのですか、助手の一人が情けを掛けて逃がしたそうです』
『ふん、面白い事をする者もいるのもだ。まぁ、そのおかげで我々もスーパーコーディネーターの研究が出来る』
『確かに、その助手には感謝しなくては』
そいつがなぜ俺を逃がしたのか・・・・それは結局分からなかった。「気まぐれ?」「同情心?」今となってはどうでもいい・・・
これから行われる『科学の進歩』という名目で行われる『人体実験』の前では・・・・・
『ダメだこんな失敗作ではヒントにもならない!』
『本物のサンプルさえあれば・・・この・・出来そこないがぁ!!』
研究員がスイッチを押すたびに、体に猛烈な電流が流される。俺があいつらを睨んだ時、満足なデーターが取れなかった時
ただの気まぐれ、ウサ晴らしに・・・・・・・
普通の子供ならショック死し、コーディネーターの子供でも唯ではすまないその電流を、何度も何度も浴びせられた・・・・・・
正直、楽になりたかった・・・・死にたかった・・・・だが、おれの体がそうさせなかった・・・・
『生きているだけでもありがたく思え』
ウルサイ
『まったく、痛い目に遭わせないと理解できないとは・・・正に動物だな』
ダマレ
『このモルモットが!!』
ダマレェェェェェェェェェェ!!!!!!!
・八神家
:カナードの部屋
「ッ!」
ベッドから飛び起きるカナード、 ハァハァと荒い息遣いが八神家の自分の部屋に響く。
「夢・・・か・・・・・」
時計を確認すると、深夜の2時を少し過ぎた頃、荒れる呼吸を落ち着かせたカナードは腕で額の汗を拭う。
同時に周りを確認すると、体は汗で濡れており、体から出た汗で布団は水を掛けたかのように濡れていた。
その状況に舌打ちをしつつも、シャワーを浴びるためにタンスから着替えを取り出す。
「まさか・・・・今更あんな夢を見るとはな・・・・はやり・・あいつの言葉か・・・・」
数日前の戦闘で、ヴェイアが自分に対して発した言葉を思い出す。
『スーパーコーディネーターの失敗作の分際でぇ!!』
「・・・フッ・・・まだ吹っ切れていないとは・・・・・な・・・・・」
自己嫌悪しつつも、同時にあの時の事も思い出す。
・数日前
「どうした、くお・・・・・ん・・・・」
後ろを向いていたので、久遠の方を向くカナード。すると、そこには・・・・・・
「プ・・・・レ・・・・ア・・」
目の前に現れた少年『プレア・レヴェリー』の姿にに目を見開き驚くカナード。
信じられる筈が無かった。プレアは確かに死んだ、カナードは彼の死を見取った。
だが、現にプレアは自分達の目の前にいる。幻でも見ているのかと思ったが、
久遠も見えているのか、じっとプレアを見据えていた。
『急いでください』
突然、カナード達に言葉を発するプレア
『皆が・・・・戦っています・・・・カナードさんの力が・・・・必要です・・・』
「まて、どういうことだ!?それにお前はプレアなのか?答えろ!!?」
プレアが発した言葉を気にしつつも、目の前の光景に理解が追いつかないカナード
そんなカナードをプレアは微笑みながら見据え
『お願・・します・・・』
そう言い、プレアは蜃気楼のように消えてしまった。
蜃気楼のように消えてしまったプレアを気にしつつも、カナードはすぐに行動を開始した。
支援
「結界的には・・・・・皆を助ける事が出来た・・・・だが・・・あれは一体・・・」
考える事は色々あるが、今は汗を流そうと思い、バスルームに向った。
・翌日
「すみません、シグナムさん。車出してもらっちゃって」
自分の腿の上で、大人しくしている久遠を撫でながらシグナムにお礼を言うなのは。
「なに、車はテスタロッサからの借り物だし、向こうにはシスターシャッハがいらっしゃる、私が仲介した方がいいだろう。
久遠も行きたがってたからな」
微笑みながらも、しっかりと前を見て運転するシグナム。
先日の事件で保護した少女に会う為、聖王医療院に向うなのは達。
二人が向おうとした時、
「あの子の所?・・・・久遠も・・いく・・・・」
久遠が同行を求めた。
あの時、ストームレイダーに残された久遠は、仮ベッドに寝かされていた少女が気になっていた。
その少女に会うと聞いた久遠は自分も一緒に行きたいと、なのは達にお願いをする。
久遠のお願をなのは達は快く了承、カナードも「行って来い」と言い、久遠を見送った。
先ほどまで微笑んでいたシグナムが急に真面目な顔になる。
「しかし・・・検査が済んで、何かしらの白黒がついたとして、あの子はどうなるのだろうな・・・・」
保護した子のその後を案じるシグナム。
なのはは、当面は六課か協会に預けること、受け入れ先を探すにしても安全確認がしっかりと取れないと無理なことなど
現状での処置を不安げな顔で話す。その時、シスターシャッハから通信が入った。
検査の合間に女の子が姿を消してしまったことを話すシャッハ。
聖王医療院についたなのは達はさらに詳しい現状を聞く。
特別病棟とその周辺の封鎖と避難は済んでいること、今のところ飛行や転移、侵入者の反応は見つかっていない事、
ここまですれば外には出られない筈と考えたなのはは、手分けをして女の子を探す事となった。
人が誰もいない医療院を探すなのは達。その時、中庭を探していたなのはの前に、ウサギのぬいぐるみを抱きしめた女の子が現れた。
「ああ・・・こんな所にいたの」
微笑みながら優しく話しかけるなのは、だが少女は怯えと不安が入り混じった表情をしている。
丁度その頃、シグナムと一緒に医療院を探していたシャッハは窓からその光景を目撃し
「逆巻け!ヴィンデルシャフト!」
バリアジャケットを装備したシャッハが一瞬でなのはの前に現れ、ヴィンデルシャフトを構える。
「あ・・・ああ・・・」
武器を持ち、自分を睨みつけるシャッハに恐怖を隠しきれない少女、その時
草むらから久遠が現れ少女の姿に変身、女の子を庇うようにシャッハの前に立ちはだかる。
突然の久遠の登場に戸惑いつつも、ヴィンデルシャフトを構えることを止めないシャッハ
そんなシャッハを睨みつける久遠
「この子・・怯えてる・・・いじめるの・・・・ダメ!!」
そう言い、両腕に雷球を出現させる。一時は一触即発は空気が流れたが、
「シスターシャッハ、ちょっとよろしいでしょうか、くーちゃんも」
今にも戦闘を開始しそうな二人を止めるなのは。
その後、少女の名前は『ヴィヴィオ』という事がわかり、六課につれて帰る事となった。
・機動六課
:部隊長オフィス
部隊長オフィスで臨時査察が行われる事をフェイトとカナードに話すはやて
「臨時査察?機動六課に?」
地上本部の査察はかなり厳しいと聞いているため、不安げに尋ねるフェイト
「うう・・・うちは唯でさえ突っ込み所満載の部隊やしな〜」
はやてはため息をつき、うなだれる。
「まぁ、乗り切るしかあるまい、今位置やシフトの変更命令は致命的だ。ここは八神部隊長の腕の見せ所だな」
はやてを見据え、小さく微笑むカナード
「う〜ん・・・なんとか乗り気らなぁ・・・」
うなだれながらも覚悟を決めるはやて。その後、特に会話が無いのか、しばらく続く沈黙
「ねぇ、これ、査察対策にも関係してくるんだけど、六課設立の本当の理由、そろそろ聞いてもいいかな?」
沈黙を破り、フェイトがはやてを真っ直ぐ見据え、尋ねた。
「俺もテスタロッサと同じ事を聞こうとした、無理にとは言わないが・・・・・・ダメか?」
カナードもはやてを真っ直ぐに見据える
「そやね・・・まぁええタイミングかな今日、これから聖王協会の本部、カリムの所に報告にいくんよ、クロノ君も来る」
「クロノも?」
「なのはちゃんと一緒について来てくれるかな?そこで、まとめて話すから」
はやての言葉に満足げに頷くフェイト
「だが、聞いといてなんだが、俺も同行してもいいのか?俺は一応は部外者だか?」
「勿論や。ここに来てすぐにカナードはこの機動六課に疑問をもっとったし、いつかは教えるって約束したからなぁ」
カナードの疑問に答えるはやて
「そうか・・・それでは、早速行くか」
その後、聖王協会に行く事となり、当然なのはも同行する事となったが、なのはに懐いたヴィヴィオは大泣きしてしまう。
フォワード組やなのはは困り果てたが、フェイトの達人的なあやしと、
「久遠は・・一緒に・・いる」
ヴィヴィオの頭を撫でながら、微笑む久遠に納得し、無事、聖王協会に行く事となった。
・聖王教会本部
「失礼いたします、高町なのは一等空尉であります」
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官です」
敬礼をする二人を笑顔で迎えるカリム。
「はじめまして、聖王教会・教会騎士団騎士、カリム・グラシアと申します。どうぞ、こちらへ」
そう言い、なのは達を窓側のテーブルに案内する。
それぞれ断りを入れて椅子に座るなのは達、そんな中、カナードは既に椅子に座っていた男性を見る
「(・・・・・どこかで・・・・・あったか・・・?)」
そんなカナードの疑問は
「クロノ提督、少しお久しぶりです」
フェイトの発言で解消される
「ああ・・・フェイト執務官、カナードも本当に久しぶりだな・・・・・どうした?」
疑うような目で自分を見るカナードを疑問に思うクロノ
「いや・・・・・人間、10年で身長が2倍近くも伸びるものだな・・・魔法の力か?」
真顔で尋ねるカナードにクロノは顔を引きつらせる
「・・・・・・普通に成長しただけだ・・・失礼な・・・・」
そんなクロノの態度に笑いがこみ上げるなのは達、その後カリムの好意によりなのは達も普段通りに話す事となった。
「カナード・パルスさん、お話しははやてから何時も聞いております。一度お会いしたいと思っていました」
微笑みながらカナードを見据えるカリム、その言葉にカナードはどんな事なのか内容を尋ねようとするが、
「はやてが?あいつは一体どんな(ゴホン!!さて、昨日の動きやその他諸々!はなそうか!!」
突如、わざとらしく言葉を遮るはやて、そんなはやてをジト目で見るカナード。そんな二人の反応に
「ふふっ、内容は、直接聞いてください」
カリムは微笑みながら答えた。
軽く雑談した後、部屋のカーテンが閉まり、『機動六課設立の裏表についてと、今後の話』についての話が始まった。
「六課設立の『表向き』の理由は、ロストロギア『レリック』の対策と、独立性の高い、少数部隊の実験例だ」
「やはり別の理由があったか、レリックの対策に関しては以前はやてには話したが、対応する戦力が大きすぎるし、
それ程危険なら本局が本腰を入れるはず。後者も、別に高町達のような上級魔道師ばかりを集めて行わなくてもいい。
まぁ、レリックは未だに『謎の』ロストロギアだ。それに高町達は何気に人気があるからな、あいつらが揃えば局としては良いプロパガンダ
にもなる。建前としては十分だ」
一気にまくしたてるカナード。
「さすがだな、カナード。皆は知っての通り六課の後継人は僕と騎士カリム、僕とフェイトの母親で上官のリンディ・ハラオウンだ」
クロノはさらにパネルを捜査する
「それに加え、非公式ではあるが三提督も設立を認め、協力の約束をしてくれている」
三提督の映像が映し出された瞬間、カナードだけではなく、なのはとフェイトも驚きの表情を見せる。
「その理由は、私の能力と関係があります」
皆の前に出たカリムは、手に持った古紙としか見えない束の紐を解く。
「私の能力『プロフェーティン・シュリフテン』これは最短で半年、最長で数年先の未来、それを詩文形式で書き出した預言書の作成を行うことができます。
二つの月の魔力がうまく揃わないと発動できませんから、ページの作成は年に一度しかできません」
紙の束は一枚一枚光を発し、カリムの周りを囲むようにして回りだす。その内の3枚がなのは・フェイト・カナードのもとに送られる。
「預言の中身は古代ベルカ語で、しかも解釈によって意味が変わることもある難解な文章。
世界に起こる事件や事柄をランダムに書き出すだけで、解釈ミスも含めれば的中率や実用性は割とよく当たる占い程度、つまりはあまり便利な能力ではないのですが」
『この文字・・・・・わかるか?』
カナードが念話で二人に話しかけるが
『にゃはは・・・全然』
『ゴメン・・・私も』
二人は苦笑いをしながら念話で答える。
「だが、いくらかデメリットはあるとはいえ、無視できる物ではあるまい。根拠の無い占いと違って『割とよく当たる』のだからな」
カナードはクロノを見据え尋ねる。
「その通りだ。聖王教会は勿論、次元航行部隊のトップも有識者の予想情報の1つとして預言内容は目に通す。信用するかどうかは別としてな」
「ちなみに地上部隊はこの予言がお嫌いや。事実上のトップ『レジアス・ゲイズ中将』が、この手のレアスキルがお嫌いやからな」
ため息をつきながら答えるはやて。
「そんな騎士カリムの予言能力に、数年前から少しづつ、ある事件が書き出されている」
カリムの方を見るクロノ、カリムは頷き、予言を読む。
「それって」
「まさか」
予言の内容に、すぐに反応するなのは達。
「ロストロギアをきっかけに始まる管理局地上本部の壊滅と・・・・・そして、管理局システムの崩壊」
カリムの言葉に、しばらく部屋に沈黙が走る。
「・・・・・いいか?」
その沈黙をカナードが破った
「これから話すのは俺の考えだ、別に聞き流してくれても構わん」
そう断りを入れて、話し始めた。
「失礼だが、騎士カリムの予言は完璧ではない、不確定だ。それに管理局そのものが崩壊、異世界人の俺から・・・俺だからか?にしても考えられん」
カナードの言葉に耳を傾ける一同
「仮に地上本部が攻撃され、それがきっかけで本局まで崩壊というのはどうかと思うのだが?」
「まぁ、本局でも警戒強化はしているんだがな、問題は(レジアス・ゲイズ中将だろ」
クロノの言葉に割り込むカナード
「さっきの話から、ゲイズという男は予言を信用していないのだろう。対策などは全く取っていない筈だ、違うか?」
カナードの発言に驚きつつも頷くクロノ
「本局と地上本部の仲が悪いとは、ある奴から聞いた。まぁ、異なる組織同士が協力する事は難しい、俺の世界でもそうだったがな。
そんな仲だ、ハラオウン達本局が協力を申し出ても、強制介入ということになりかねない。結局は無用の軋轢を生んでしまう。
だからこそ、地上で自由に行動ができ、尚且つ本局が直接指示が出来る部隊が必要となった。それが機動六課」
カナードは出された紅茶を飲み、一息入れ、さらに話し出す。
「今回の事件も予言が外れて、レリック絡みだけで事が終わればそれでいいが、そこから更なる非常事態、
地上本部の壊滅に関わる事に発展した場合は、最前線で事態の推移を見守ることや、地上本部が本腰を入れて事態に当たるか、
本局の本格的な介入があるまで時間を稼ぐ、この考えならリミッターをかけてまで高町達を集めた理由にも納得がいく、
高町達なら、リミッターを解除すれば十分な時間稼ぎ、もしくは事態の収拾が出来るからな。俺の考えはこれで終わりだ」
カナードの話しが終わり、沈黙が支配する。
「ふぅ・・・・・」
その沈黙を、今度はクロノが破った
「まったく・・・・僕達が話す事が無くなってしまったよ」
同じ意見なのか、カリムとはやても小さく微笑む
「しかし・・・今なら母さんの気持ちが分かるよ、どうだい?うち(本局)に来な(ダメや!」
クロノを誘いを真っ先に否定するはやて
「カナードは今は六課がやとっとるんや、クロノ君の頼みでもそれはできへんなぁ〜」
街角のチンピラのようにクロノを睨むはやて、そんなはやてに
「それは残念だ」
わざとらしく肩をすくめて残念がるクロノ。
そんな二人のやり取りを微笑ましく見ていたカリム、だが急に真面目な顔になる
「それと、予言なのですが、この他にも、気になるものがあるんです」
そう言い、プロフェーティン・シュリフテンの一枚を目の前に掲げ、読み始める
『高い天を行く者・・・・再生と、神と人との誓約を身にまといし悪に破れ・・・・・その翼を折られるであろう・・・・・』
その予言に反応するなのは達
「『高い天を行く者』って・・・・・・たしか・・・・・」
なのはは確認を取るようにカナードの方を向く
「ああ、ハイペリオンだ。ギリシア神話の神、「ヒュペリオン」に由来し、「高い天を行く者」の意を持つ」
そう言い、懐から待機状態のハイペリオンを取り出す。
「これって・・・カナードが負けるって風にしか解釈できへんなぁ・・・・・・」
深刻な顔で考え込むはやて
「だが、これは一個人を予言している。そんなことはあるのですか?」
クロノはカリムを見据え尋ねる、カリムも考え込み
「本来、このプロフェーティン・シュリフテンで一個人の予言が出た事は今までありません。
ですか、先ほどの予言の解読を優先したため、この予言は今だ解読中でして、どうつながるかは・・・・」
途中から申し訳なさそうに話し出すカリム
「・・・すまないが、他に分かっている部分があったら、教えてくれないか?」
カナードがカリムを見据え尋ねる。
「はい、今分かっている事は、先ほどの部分と、『勇敢な者』『運命の子』という言葉しか」
カリムが発した言葉に目を見開き驚くカナード、なのは達も心当たりがあるのか、驚きの表情をする
「『勇敢な者』って、確か・・・・プレア君の」
なのはが10年前に行動を共にした少年の顔を思い出しながら、フェイトに尋ねる。
「うん、勇敢な者『ドレッドノート』プレアのデバイスの名前だよ。だけど、『運命の子』の意味が(プレアだ」
フェイトの発言をカナードが途中で遮る
「『運命の子』・・・・あいつが・・プレアが俺がいた世界でそう呼ばれていた。ある人物にだがな」
「だが、どうしてプレアが・・・彼はもう・・・・」
クロノの発言に沈黙する全員
「・・・・お前達には・・話してなかったな・・・」
沈黙を破り、カナードは数日前の墓地での出来事を話し始めた。カリム以外はカナードの話しの内容に驚きの表情を見せる。
「・・・俺も正直信じられん。だが、プレアの助言が無ければストームレイダーは落ちていたし、ヴィータ達も危なかった。騎士カリム、この予言の翻訳を頼みたい」
「わかりました。お任せください」
その後、機動六課隊舎に戻ったなのは達、はやてはなのは達と別れ、一人明かりのついていない部隊長オフィスに入る。
無言でデスクの椅子に座り、引き出しからアルバムを取り出す。アルバムをめくり、昔の写真を見ながら微笑むはやて。
次のページをめくり、グレアムの写真が出た時、はやての表情は曇る
「グレアム叔父さん・・・・私の命は、グレアム叔父さんが育ててくれて、うちの子達が守ってくれて、なのはちゃん達に救ってもらった命や」
アルバムを仕舞い、外の夜景を見るはやて
「あんな悲しみとか後悔なんて・・・・この世界の誰にも・・あったらあかん。私の命は・・・」
その時、訪問を告げるチャイムが鳴る。
「入るぞ・・・・・灯りぐらいつけろ」
入室し、部隊長オフィスの明かりをつけるカナード
「カナード?どうしたん?」
突然のカナードの訪問を疑問に思うはやて、だがカナードは、そんなはやてを見据え
「やはりな・・・・・そんな顔をしていたか」
そう言い、軽くため息をつく
「えっ?『そんな顔』って?」
「覚悟を決めた・・・・・新たに決心した顔・・・か?」
カナードの答えに、黙り込むはやて
「はぁ、俺は向こうに帰る時に言った筈だ『自分の幸せも考えろ』と」
「なにいってるんや。相変わらず元気な家族、頼れる友達、期待できるフォワード組、カナードも無事に帰って来て、うちは十分幸せや」
はやては微笑みながら答える。だが、カナードは表情を変えずにはやてを見据え、自分の考えを話す。
「俺には、自分の幸せを削ってでも・・・・自分の命を削ってでも、他人の幸せを守ろうとしているように見えるが」
その言葉にハッとするはやて、だがすぐに顔を引き締め、カナードを見据え
「そうや、うちの命は、そのために使うんや」
はっきりと、自分の考えを述べた。
はやての考えを聞いたカナードは急にはやてを睨みつける。そして
「この・・・・馬鹿者が!!」
容赦なく怒鳴り散らす。
「自己犠牲も大概にしろ!!そんなことをしても誰も喜ばん!!いいか、以前行った事をもう一度言う。
お前がシグナム達の幸せを望んでいるように、シグナム達もお目の幸せを心から望んでいる無論俺もだ。
そんな、他者の幸せのために自分の命を削るような考えは捨ててしまえ!!」
一気に捲し立てる。
「・・・・・カナード・・・・」
カナードの怒りを含んだ発言に、はやては俯いてしまう。カナードも、感情に任せた発言に反省をする。
「スマンな・・熱くなった・・・だが、シグナム達が幸せなのはお前がいるからこそだ・・それを忘れないでくれ」
先ほどとは違い、優しく諭すように話すカナード。
「・・・・・うん・・・」
はやては俯きながらも頷く。
「だが・・・どうしても、自分の命を削ってでも、他人の幸せを守ろうというのなら・・・・その考えを捨てきれないのなら・・・俺の命も使え」
その発言に驚き顔をあげるはやて
「二人分だ、死ぬ事はあるまい」
カナードははやてを見据え、微笑みながら答えた。
「・・・・ほんま、カナードには・・・・助けられっぱなしやな・・・今はうちが年上なのに、これじゃあ・・・格好・・・つかへん・・・」
はやては声を震わせながら話し、涙で濡れた瞳をこする。
「そんなことは気にするな・・・邪魔したな」
そう言い、出て行こうとするカナード、だが、急に後ろからはやてが抱きつき、カナードの動きを止める
「ありがとうな・・・・せやけど、カナードも自分の命を削るような無茶はせんといてな」
カナードは背中から伝わってくるはやての言葉を黙って聴く。
「カリムとはそれなりに、つきあい長いんよ・・・・せやから予言のことも良くしっとる、カリムはああ言っとったけど、
うちが出会ってからは勿論、カリムがあの能力を使用してから、予言が外れた事なんてほとんど無い、外れたとしても、それに近い事が起きとる」
「・・・・そうか」
「せやから・・・心配でしゃあない・・・もう・・・カナードがいなくなるんは・・ゴメンや・・・・絶対に・・・・」
はやてが話し終わった後、部隊長オフィスに沈黙が流れる
「・・・・・安心しろ。いざとなれば、お前達に遠慮なく助けを求める。それに、あの予言は一個人を予言した事は無いと言っていた。
たまたま言語が重なっただけかもしれん。だが、もしもの時はよろしく頼むぞ」
「うん、任せとき!」
カナードから離れるはやて、先ほどの行動を思い出したのか顔を赤くする。
「そんなら、色々とすっきりした所で、飲みにいこうか!」
先ほどまでとは打って変って笑顔で話すはやて
「地球では年齢的に飲酒は禁止の筈だが・・・まぁ、ここはミッドチルダだから関係ないか、今更だがな」
肩をすくめながらも、同行することにするカナード。
翌日、さわやかな笑顔で仕事をこなすはやてと、顔色を悪くしながらも必死にキーボードを叩くカナードが六課で目撃された。
こんばんわです、投下終了です。
感想をくださった皆様ありがとうございました。
職人の皆様GJです。
前回、感想で「ソキウスはソードカラミティよりロングダガーの印象が強い」というご意見がありましたが
本編を見ていくうちに、ソキウスを出そうかと考えまして、ロングダガーなどのダガー系はそちらに回そうかと思っています。
コーディネーターって酔うのかなぁ〜と思いつつ、次はいつになるのやら・・・orz
GJ!
ソキウス達はかなり好きなキャラなので期待したいですね。
その場合、精神破壊されてる方とされてない方、どちらになるんですかね?
コーディネーターはアルコール分解能力もナチュラルより高いだろうから、あんま酔わないと思いますが。
>>251 GJです
はやての決意のシーン、本編だとちょっと自己犠牲の感が強過ぎる様に思ってましたがフォローが入っていて良い感じです
色々描写が丁寧で解り易いです
神と人との誓約も出るのか・・・・
各デバイスを汚染するウィルスでも撒き散らすんだろうか?
GJでソキウス。
ドレッドノートΗになるのかなぁ。
wkwkwkwkwkwkwktk
あの誓約の言葉にウイルスだと佐○菌が連想されるなぁ
インテリジェントデバイスが○山菌に感染したら面白いことになりそうだけど
GJ!
ソキウスは個体能力差がほとんどなく精神も同一的になるよう調整されてるから連携がうまいんだよなあ。
あとは制式レイダーとディープ・フォビドゥンっすね!
ついにあの男がクルー!
高天さん来てたのか
GJです
ナンバーズ弱ッ!!
SSに期待するしかない
ここでなのはの魅力を知った者です。
今、なのはを全部見終わって自分もクロス書いています。
出来たら載せてみてOKでしょうか?
>>260 迷う事はない。是非とも投下してくれ!!
>>259 格闘戦用ナンバーズが背後から攻撃しといてティアナに止められるってどんだ腕力低いんだよwww
データ共有・蓄積でパワーアップしといてこれかよw
>>259-262 あれはないよなwww
なんのために戦闘データとってんのかよく分からんかったしな…。
なんか、打ち切り決まった漫画みたいな展開だったしwww
せつねぇ〜…
ナンバーズがずっと1時間もティアナを追っかけ続けてたのにはワラタwww
尺が足んなかったのかな?
幻術は解析済みなんじゃなかったんすか。
>>262 あくまで強襲がメインで3や7みたいにガチにやり合うには向いてないんじゃね
>>267 使えねえー、よえー、欠陥品じゃねーか。苦しいっす。なんのためのサイボーグだ。
第一話:運命の出会いなの
「キラァァァァァッ!!」
「アァスゥラァァァァァン!!」
僕らはお互いを見失うほどに・・・・・憎みあい、戦った・・・・殺す気で・・・・。
「くそっ」
イージスに組み付かれたストライクは身動きが出来ないでいた
スキュラの発射口が目の前に見えたが、イージスのエネルギーが尽き、フェイズシフト装甲もダウンする。
しかし、身動きが取れない。何とか抜け出そうとしていたキラに見えたのはコックピットから飛び出した友人の姿だった。
その瞬間、目の前が真っ白になった。
イージスが自爆したと判断した時、キラの意識が途切れた。
高町なのは私立聖祥大附属小学校三年生。
今日は彼女の父の高町士郎と朝の散歩に出かけているところだった。
「朝の散歩は気持ちいいもんだな、なのは」
「そうだね〜」
二人はそんな会話をしながら進んでいくと、なのははふとあるものに目に入ってきた。
「あれ?」
「どうした、なのは?」
「えっと・・・・・あれって・・・・・!!??」
なのはの目に見えたのは、草むらに倒れている少年の姿だった。
「お父さん!男の子が倒れてる、凄い怪我だよ!」
「何だってっ!?」
士郎はすぐに駆け寄ると携帯で救急車を呼んでいた。
それが、キラ・ヤマトと高町なのはの出会いだった・・・・・・。
「うっ・・・・・・」
キラは全身の痛みで目を覚ました、まず目に入ったのは白い天井だった。
それから身を起こそうとするが、痛みの所為か思うように体が動かない。それに何か体に違和感があった。
「あ!気がついた!」
すぐ横で元気そうな女の子がこっちを覗き込んでいた。
「こ・・こ・・・は?」
「病院だよ、大怪我していた君をウチのなのはが見つけて私が救急車を呼んだんだ」
女の子から視線をずらしたところに大人の男性がいた。
どうやら、自分はこの女の子、なのはちゃんとそのお父さん?の人に助けられたようだ。
「そうなん・・・・ですか、ありがとうございます」
「しかし、何で君はそんな大怪我をしていたんだい?」
「それは・・・・・・・!?」
(そうだ・・・・僕はアスランと・・・戦って、トールが死んで・・・殺し合った・・・・)
思い出した瞬間に、キラの目から涙がこぼれてきた。
「あ・・・あ゙ぁ・・・ぼ・・くは・・・・・ぼくは・・・・・・」
「どうしたの?どこか痛いの?」
女の子が心配そうにキラの顔を覗き込んだ。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
キラは我慢が出来ず、大声で泣いた。友達を失い、そしてそれを殺した親友を憎み、殺しあったという事実を理解してしまったから・・・・・。
「落ち着いたかい?」
「はい・・・・・・すいませんでした」
キラは涙が枯れるくらいに泣くと少し落ち着くことが出来た。
隣ではなのはが心配そうに見ている、キラはこんな子にまで心配させるわけにもいかないと思い、彼女に不器用ながらも「大丈夫だよ」と微笑んだ。
「それで、もう一度聞くけど君みたいな小さな男の子が何であんな大怪我を?」
「それに着てた服、ぶかぶかの宇宙服みたいだったけどなんでなの?」
「え?」
そこでキラは二人が言っていることの一部の意味が分からなかった。
小さな男の子?キラは16歳決して小さな男の子と呼ばれる歳ではないこと、そしてぶかぶかの宇宙服?それはパイロットスーツだろうが、あれは体に密着するものであるし、パイロットスーツを知らないのもおかしい。
「何を言ってるんですか、僕は・・・・・・・」
そう言って、今までの違和感が分かった。
まずはベッドが異様に大きく感じること、そして四肢が何だか妙な感じがすること。
キラはそっと自分の手のひらを見てみた。
「!!??」
キラが見たものは自分の手じゃないと言えるほど小さな手だった。
キラは体の痛みが走るのも構わず身を起こした、目の前に鏡があった。
そこには・・・・・・昔の・・・・小さな頃の自分が映っていたのだった。
「こんにちは〜、キラ君」
「お見舞いに来たよ〜」
「あ、なのはちゃんに美由希さん。こんにちは」
キラはベッドにあるテーブルのノートパソコンから顔を上げた。
そこにはなのはと彼女の姉の美由希の姿があった。
「またパソコン?好きね〜」
「えぇ、まぁ・・・・何かこういうことが好きみたいで」
キラが入院して一週間が経った、当初キラは自分が今おかれている現状に混乱していた。自分はアスランと戦い、そしてイージスの自爆に巻き込まれたはずなのだが・・・・・。
起きてみると体が縮んでいて、さらにはオーブやザフト、地球連合なんて単語すら知らない世界にいたのだ。訳が分からない質問攻めで医師を困らせた。
状況確認のためにキラが医師に頼んだことはパソコンを貸して欲しいというものだった。
まず驚いたのはそのパソコンのスペックの低さだった。これも自分がいた世界と違うという事実の一つとなり、パソコンを起動し色々調べていくうちに自分の世界とは違うことを決定付けられた。
夢か死後の世界かと思っても、ちゃんと傷は痛むし、死後にしてはリアルすぎた。
その後、キラは散々悩んだ挙句、こう医師やなのは達に答えた。
自分は記憶喪失で何も覚えていないと・・・・・。
自分が違う世界の人間だと言っても信じてくれるわけがない、ならこうしたほうが一番だと判断したのだ。
「それにしても、もうちょっとで退院なんだっけ?」
「はい、こんなに治りが早いなんて信じられないと言われました」
これもコーディネーターというものの特徴の一つなんだろうなとキラは苦笑いで答えた。
すると、なのははキラのすぐ横の椅子に座るとパソコンの画面を覗き込みながら聞いてくる。
「キラくん、記憶戻りそう?」
「ううん、分からないかな」
「そっか」
なのはは少し悲しそうな顔を見せたが、やがて笑顔で「すぐ思い出すよ」と言った。
「さて、今日はキラ君に聞きたいことがあってきたんだ」
「え?何ですか?美由希さん」
「キラ君は退院したらどうするの?」
「どうするって言われても・・・・・・・」
最近のキラの悩みの一つだ。もちろん元の姿、元の世界に戻るのが一番の悩みだが、退院後のことは考えるべきことである。
「当てもありませんし・・・・・そういう施設を紹介してくれるとは先生に聞きました」
それは孤児の子達を保護する施設のことだ、多分そこに行くことになるだろうとキラは思っていた。彼女たちと別れることが嫌な気がした、彼女たちが暖かいから。
しかし、自分はこの世界の人たちにとっては他人、あってはならない存在・・・・・世界に一人だけ・・・・・ひとりぼっちなのだ、仕方ないことなのだ、とキラは思った。
「それなんだけどね、高町家でキラ君のことを相談した結果」
「キラくんをなのはの家で預かることに決まったの!」
「え?」
この発言にキラは驚きを隠せなかった。
「どう・・・して?」
「キラ君、またひとりぼっちになるのはかわいそうだって、なのはがね。みんなその意見には賛成だったから」
キラの目から涙がこぼれてきた。
「こらこら、男の子が泣くもんじゃないぞ」
「でも・・・・うっ・・・ひっく・・・・」
キラは頭を下げると声を殺して泣いていた。
自分だけ世界の違うものだと思っていた、世界でひとりぼっちだと思っていた。
でも、違った。
目の前の人たちは暖かく自分に手を差し伸べていてくれることがとても嬉しかった。
「ありがとう・・・・・ございます」
キラはその差し出された手を握った。
「よし、決まり。早速家に帰って準備しないとね。なのは」
「うん!キラくん、またね」
「うん、また」
2人に手を振って別れると、キラは窓から空を見上げた。陽がとても暖かく感じた。
「そんな!いいです!僕にそこまでしてくれなくても!」
なのはは学校から帰るとキラが珍しく大きな声を出していることに驚きながらもリビングに入った。
「だけど、キラ君もなのはと同じくらいだし勉強をしないと」
「悪いです、そこまでしてもらうわけには」
テーブルでキラと士郎が何かの言い合いをしていた
「あ、なのは、おかえり」
なのはに気付いたのは兄の恭也だった。
「ただいま、お兄ちゃん。どうしたの?キラくんとお父さん」
「あぁ、父さん達がキラも学校に行くべきだと言ったんだが、それをキラが反対してるんだよ」
「そうなんだ」
「まぁ、キラのやつ変に大人びてるからそこら辺かなり遠慮してるんだろうな」
「ふ〜ん」
すると外に出ていたらしい桃子が帰ってきた。
「ただいま〜、キラ君キラ君!見て見て〜♪」
「どうしたんですか、桃子さ・・・・・・・」
後ろを振返ったキラの目が丸くなり、口も開いたままだった。
「キラ君の制服買ってきたわよ〜」
「さすが、母さん。準備がいいね」
「もちろんよ〜」
キラは最初の顔のまま固まってしまっている。
「こりゃ、詰みだな」
「あ、あはははははは」
その様子を呆れたようになのはたちは傍観していた。
支援
支援
キラは押しに弱い性格のため、最後にはやはりキラが折れてしまった。
「はぁ、まさかもう一度学校に通うことになるとは」
「どうしたの?キラくん」
「ううん、何でもないよ」
「そうだ、バスの中で私の友達を紹介するね」
「アリサちゃんとすずかちゃん・・・・だっけ?」
「うん、覚えてたんだ」
病院で何度かその子たちの話を聞かされたのを覚えていたのだ。
なのはは嬉しそうに二人についての説明をする。
それを見ながらその二人がなのはにとって大切な友達なんだというのが良く分かった。
(僕やアスランみたいな・・・・)
キラは親友の顔を思い出し、少し暗い気分になった。
「どうしたの?キラくん?顔色悪いよ?」
そんなキラをなのはは心配そうに覗き込んできていた。
「あ、うん。大丈夫、ちょっと緊張しちゃって。あ、バス着たよ」
キラはとっさに嘘を言って誤魔化した、なのはたちを心配させるのは嫌だったのだ。
「おはようございま〜す」
「お、おはようございます」
二人はスクールバスの運転手に挨拶するとバスに乗り込んだ。
「なのはちゃ〜ん」
「なのは〜、こっちこっち〜」
二人の女の子がなのはに手を振っていた。
なのははすぐに二人のもとに向かった、キラもそれに続く。
「すずかちゃん、アリサちゃん」
「おはよう」
「おはよう、なのはちゃん」
「おはよ」
「ところでさ、なのは」
アリサはなのはの後ろにいるキラを見ていた
「その子がキラ君?」
「うん、そうだよ。この前メールで話したよね」
「えっと・・・・はじめまして、キラ・ヤマトです」
キラは二人に軽く頭を下げる。
「アリサ・バニングスよ、よろしくね」
「月村すずかです、よろしくお願いします」
「こちらこそ」
握手をし、とりあえず最初の挨拶は無難に終了した。
「へぇ〜、記憶喪失の人って初めて見た」
「あの・・・・・大丈夫ですか?」
興味津々な顔でキラを見るアリサと心配そうな顔をするすずか
「う、うん。大丈夫、今はなのはちゃんの家で預かってもらってるから」
それからアリサやすずかから色々な質問を受け、バスが学校に着いた
「同じクラスになれるといいね」そんなことを話しながらキラは三人と別れた。
しかし、すぐに教室で会うことになったのだが・・・・・・・。
支援
・・・・・・お昼休み
「まさか本当に同じクラスになるとはね」
「でも、良かったですね」
アリサとすずかが笑いながら話している
「多分、僕の事情を士郎さんたちが話してくれたからなのはちゃんのクラスに入れてもらったんじゃないかな」
「なるほどね」
「これからよろしくお願いしますね」
「うん、こちらこそ」
キラは笑いながらそう答えた。
(ここに来て僕、たくさん笑ってるな)
元いた世界と今の世界のギャップがキラにはとても大きく感じだ。少し沈みそうになったのでとりあえず話題を振ってみた。
「そういえば3人は将来の夢とか決まってるの?」
キラは今日受けた授業のことを思い出しながら3人に聞いた。
アリサは自分の親の家業を継ぐこと、すずかは機械工学系の専門職と答えた。
「そっか、二人とも凄いよね〜。私も何かやろうとは思うけど特技も取り柄も特にないし」
なのはは少し沈んだ顔をしたが、なのはの頬に薄切りのレモンが投げられた。
「バカチン、自分からそういうこと言うんじゃないの!」
「そうだよ」とすずかも言う
キラは弁当を食べるのを止めて笑いながらなのはに言った。
「なのはちゃん、特技も取り柄もないから自分にはなにもできないなんて思っちゃダメだよ。何もできないからって何もしなかったら、もっと何もできない・・・何も変わらない、何も終わらないんだ」
「うん、それは分かるんだけど・・・・・」
「あぁ〜、もう!私より理数の成績上の癖に取り柄がないなんてどの口が言ってるの」
「ゔあぁうあ〜、だってなのは文型苦手だし体育の苦手だし〜」
「二人ともダメだよ〜」
「あははははは」
そんな三人をキラは笑いながらに見ていた。
キラは塾があるという三人と別れて一人で帰っていた。
すると自分が倒れた場所が見えてくるとキラの足は自然とそちらの方に向かった。
「ん?」
自分が倒れていた場所に何か引かれた気がして草むらを掻き分けると白と青のクリスタルのようなものを見つけた。
それを持つと何故だか、自分がコレの持ち主だということが分かった。
でも、自分にはこんなものを持っていた覚えもなかった。
しばらく考えたが、それでも手放すことは出来なかった。
何かに呼ばれたような気がしたが、遠い所為か聞き取ることは出来なかった。
不思議に思いながらもキラはそれをポケットに入れると高町家に帰った。
おはようございます。
皆さんがStSの話をしている中で無印クロス投下です。
ここのおかげでなのはの魅力に取り付かれ最初から見ることに・・・・。
とりあえず、初投稿だったので誤字脱字変な表現etc...
それは・・・・大目に見てください。
至らぬところもございますが、これからリリカルクロスSEEDをよろしくです!
PCのHDDが逝きました…おかげで今までのデータが全部パーに…orz
ですので第7話を待っている方は申し訳ありませんがしばらくお待ち下さいm(_ _)m
>>278 リリカルクロスSEED氏GJ!!
まさかキラが幼少化とは…拾った白と青のクリスタルはやはり自由?
自分も同じ無印なのはとのクロスですのでお互い頑張りましょう!
それでは自分は10時になったらHDDを買いに行ってきます……
あぁ!やはり誤解を生みそうな表現が・・・・・orz
キラのクリスタルは白と青の2個のクリスタルじゃなくて1個です。
白と青の色が半々になってるって言えばいいでしょうか。
>>279 望様の無印クロスも楽しみに見てます。
HDDはお悔やみ申し上げます。そして、がんばってください!
リリカルクロスSEED氏
GJです。
まさか幼少化とは…。
続きに期待しております!がんばってください!
望氏
災難でしたね…、でも負けずがんばってください。
楽しみにしてます。
リリカルクロスSEED氏
GJです。
まさか幼少化とは…。
続きに期待しております!がんばってください!
望氏
災難でしたね…、でも負けずがんばってください。
楽しみにしてます。
>>269 他の奴ら見たって万能型はいないしセッテ除く後発組は大して強くないのはわかるだろ
(セッテはトーレの指導受けたみたいだし)
後だ、ディードは奇襲とはいえ基本攻撃パターンは背後をとって上段から振り下ろすのがほとんどだったろう
そしてそのパターンを見切ったのがティアナだ
だいたいあの世界はランクが自分より下とはいえ格闘型魔導師のパンチを素手で止めた砲撃魔導師もいるわけで、ゆとりゲーム脳で物事考えるのは止めてください><
>>283 でもあれはナンバーズが弱いってよりも放送スケジュールの問題でああなったんだろ。
あきらかに端折り過ぎだよ。
急展開過ぎるって。
>>278 キラの子供化ですか。
望氏 のようにアスランも来ているのでしょうか。
>>279 大変でしたね。
10時になったらHDDを買いに行くそうなので、もうそろそろ買ったぐらいでしょうか
>>283 夏休みはもう終わったのに、まだこんな池沼が沸くのか。
突如弱体化したナンバーズとハイマットフルバースト時に動かなくなる敵の
姿がどこか似ている
そもそも
>>262がスレチなレスするから変なのが沸いたんじゃね
ここじゃ本編はどうでもいいんです
>>290 まあ種ほどはあからさまじゃなかったけど
contact of Destiny5話、24時前後に投下予定です。今回も前、中、後の三つに分かれます。
あとこの話は全7話の予定でしたが、1話増えそうです……。
>>293 待ってましたあああああああっ!!!
おおおおおおおおお久しぶりです!!!!!
今から24時間後に備えなければ!
>>293 щ(゚Д゚щ)カモォォォン
どうでもいいが24時間後に見えて一瞬「え・・・?」ってなった
297 :
294:2007/09/08(土) 23:36:17 ID:???
>>296 ごめんあまりの嬉しさに誤解した俺がイル
ちょっと吊ってくる……
5話
1
「――以上です」
ミッド地上本部。そこにある講堂の舞台にはやてとなのははいる。
講堂内は扇状に広がっており、階段状に横に並ぶ長机には管理局の陸、海、空の上役の
者達の姿がある。
週に一度、六課の成果を報告するためはやてはここに訪れている。今日もいつもと同じ
ように報告後、上役達からのさまざまな質問にはやては一つ一つ丁寧に答えていく。
そんなはやてを端の席に座る六課の後継人の一人であるクロノ・ハラオウン提督、そし
てその後ろにいるアスラン・ザラが満足そうな笑みを浮かべている。
会議が終わり上役達が講堂を出て行くのを見送ったあと、細かな片付けを局員に任せ、
二人も講堂から出る。
<ふぅ、とりあえず今日も平穏無事に終わったね>
<せやね。まぁ最初と違って目に見えた成果を上げとるわけやし、陸のお偉方もそうそう
文句はつけられんはずや>
地上本部の廊下を歩き、念話で会話する二人。目の前にある十字路を右に曲がりしばら
く歩くと本部内に設置された喫茶店が見えてくる。
店内に入り、奥の席へ。そこには一足先に到着していたクロノとアスラン二人の姿があった。
「お疲れ様。はやて、なのは」
カップを置き、クロノが言う。はやて達は返事を返し彼らの対面――なのははクロノの、
はやてはアスラン――に座る。
「六課の方は話に訊いていたが、なかなか上手くやっているみたいだな」
ウェイトレスに注文したところでクロノが言う。
「当然や。108部隊の局員達は皆頼りになるし、なのはちゃん達が一緒なんやで。上手
くいかないはずがあらへん。
それにしてもクロノくん、久しぶりやなぁ。最後にあったのは三ヶ月ぐらい前やろか?」
六課が結成されてからこうしてクロノと会うのは初めてだ。多少嫌みを込めて言うと、
クロノは苦笑いを浮かべる。
「僕の方も色々と忙しいからな。気にはしていたが、余裕がなくてな」
・ ・ ・ ・
「それでも連絡の一つは欲しかったなぁ。私はともかく部隊長二人が――特にスターズの
隊長が連絡くれんことに時々愚痴ってたなぁ」
「は、はやてちゃん!」
顔を真っ赤にしてなのはが抗議の叫びを上げる。しかしはやてはそれを無視して、
「ちょうど明日は休日や。少しでもええからフォローしておくんやで」
「ああ、そうするよ」
頷き、クロノは微笑を浮かべてなのはへ視線を向ける。それを見てなのはは頬を染め、
縮こまってしまう。
「――ああ、なるほど。二人はそういう関係なのですか」
なのはの様子を見て、納得したかのような声をアスランは上げる。なのはの顔がゆでタ
コの如く、赤くなる。
なのはが落ち着くのを待ってから、アスランが口を開く。
「先の強奪犯との戦いでの報告は聞きました。しかしCEの魔導士達がこうも絡んでいる
とは……同じ世界出身として恥ずかしい限りです」
「気にせんでください。彼らは必ず捕まえます」
「はい、よろしくお願いします。何か我々にできることがあれば遠慮なく言ってください。
協力は惜しみません」
真摯の籠もった言葉にはやては胸が温かくなる。これまで数回しかあったことがないが、
本当にアスラン・ザラは真面目で正義感溢れる人だ。
――そう、血気盛んなどこかの誰かさんとは、大違いや
思わず数時間前の会議での、とある出来事を思い出し、はやては表情を硬くする。
「はやて、どうした?」
「……え、いや。別に。なんでも」
こちらを見るクロノが怪訝そうに声をかけてくる。内心が表に出ていたようだ。はやて
は慌てて笑みを浮かべるが、
「そういえば八神さん、シンは元気にやっていますか」
アスランが発した言葉にはやては笑みのまま、固まる。はい、元気でやってますー、と
返事を返そうとするのだが、何故か上手くいかない。
そして脳裏に浮かぶは口汚く自分を罵倒するシンの姿――
「……あいつ、何か問題を起こしたのですか?」
「…っ。い、いいえっ!?」
咄嗟に否定の答えを返すが、声が裏返ってしまっていた。アスランの眉がさらに深く潜
められる。
――しまった……
怪訝の色を強めた視線をクロノが向けてくるが、はやては黙秘を貫く。だがその視線が
はやてからなのはに移ると、
「アスランさん、シン君は元気でやっています。でも……今日、ちょっと、ありまして」
あっさりとクロノの視線に屈したなのはが口を滑られる。
「何がです!?」
ずい、と身を乗り出してくるアスラン。不安全開の顔だ。
はやてはため息をつき、話し始めた。
2
108隊舎のメンテナンスルームにシンはいる。108部隊と本局の整備班の目の前あ
る二つの透明の円柱には、真紅と灰色の羽根の形をした飾り――”デスティニー”、”レ
ジェンド”が収まっている。
コンソールを叩くのを止め、二人の整備班員は何やら話している。しばらくして話が終
わり、二人はこちらを振り向く。
「とりあえずメンテは終了しました。しかし……」
108隊舎の整備局員が口ごもり、本局の整備局員が付け加える。
「デバイス本来の機動モード”デスティニーモード”の完全修復はできていません。以前
と同じ3形態の使用が可能となっているだけです」
「はや――八神部隊長の話では何とかなると聞いていたんだが」
「すみません。あなたのデバイスは思った以上に複雑かつ、高度に構築されていまして…
…」
専門家達の情けない答えにシンは舌打ちしかけるも、
「わかった。それじゃあ”デスティニー”を本局で直してくれ。それまではあんた達の用
意したデバイスで間に合わせる」
言ってシンは本局メンテスタッフから十字架の形をしたデバイスを受け取ると、メンテ
ルームを後にする。
休憩場でコーヒーを呑み、一息つく。
「ふぅ……」
思わずため息が漏れる。と、視界の端に二つの人影が入り、視線を向けると、
「ナカジマ三佐。それにギンガ…」
ここ108部隊の部隊長ゲンヤ・ナカジマとその長女ギンガ・ナカジマの姿がある。
休憩中なのか、二人は飲み物を購入するとシンの横に座り、話しかけてくる。
「元気がねぇな。どうした」
”デスティニー”について話すと、ギンガは眉を潜めて、
「そうですか。直らなかったんですか」
「ああ、本局行きだよ。まぁ直るまでの間、本局メンテスタッフが用意してくれたデバイ
スを借りられたわけだが」
言ってシンは二人に借りたデバイスを見せる。
「前回のメンテ時に取った”デスティニー”のデータを元に造ったそうだけど、大丈夫な
のか少し不安なんだよ」
「そういやぁメンテスタッフの奴が言ってたな。お前さんの魔力や魔法は強力すぎてデバ
イスそのものにも大きな負担をかけるってよ。
で、そのデバイス。微調整はしたのか」
「いや、今からするつもりだけど…」
「なんだけど?」
デバイスをノーマルモードへ変化させる。白銀の十字架は近代ベルカ式の騎士が使う一
般的なポールランスに姿を変える。
「俺のデバイス”デスティニー”は武器が本体って言うことはないからさ。偏見みたく思
われるかもしれないけど、なんか凄く貧弱そうに見えるんだよ。コレなんか、魔力を全開
にした途端穂先から砕けていきそうな、そんな感じ」
”インパルス”、”デスティニー”などザフト製のデバイスでも特に強力な、または特
殊な魔法や能力を付与されたデバイスは彼らがまとうバリアジャケットや騎士甲冑がデバ
イスの本体となっている。そしてデバイスのコアも手の甲や体の中心、または背中など様
々な場所に設置されている。
「こんなデバイスで、あのアッシュ・グレイと渡り合うことになったらって思うと……ど
うしても、なぁ」
ため息をついて、槍を元の十字架に戻し、左手に持っていた空き缶をゴミ箱に投げ入れ
る。甲高い音を立ててゴミ箱に収まる空き缶。
「そういやぁ、そのことで何やら八神の奴と揉めてたようだな」
シンの真紅の瞳が細まる。
「あいつから、聞いたんですか」
「いんや、ちょうど通りかかったところでお前さんと八神が激しく言い合いしてるのが聞
こえてきたのさ」
「………会議室なのに防音処置はされてないんですか」
「まぁ、あそこは第二会議室だしなぁ。最低限の処置はしてるが、まぁそれだけおまえさ
んたちの声がでかかったって事だ」
からからと笑うゲンヤ。
「……はやての奴は甘すぎる」
数時間前の捕縛を強調するはやての顔を思い出し、シンの表情が険しさを増す。
「あいつはあくまでアッシュを捕まえることに拘ってる。そんな悠長なことができる相手
じゃないのに」
あの男の強さ、「リジェネレイト」と言う魔法のやっかいさ。それは実際戦ったシンや
フェイト達が一番分かっている。
戦っていないとはいえ、交戦映像を見ているはやてがあの男の異常さや強さ、恐ろしさ
をわかっていないはずがない。非殺傷設定だの、捕縛だの、そんなぬるい考え方が通じる
相手ではないのだ。だというのに、あいつは――
「じゃあ、お前さんはどうするべきだと?」
「決まってる。捕まえる必要なんかない。――見つけ次第、倒すべきだ」
シンは躊躇無く、断言した。
3
『――なるほど』
通信用の魔法陣の向こう、頷くレイ。
今日、隊舎になのはとはやてが不在のため、フェイトは隊舎から離れるわけにはいかず
こうして魔法でレイと連絡を取っていた。当然業務の合間にできる時間を使用してだ。
会話の内容はレイの容態や体調、そして今日の会議のことだ。
『確かにシンの言うことは分かる。俺は直接の面識はないがシンの口調からアッシュ・グ
レイがどれだけ危険な男なのかは推測できる。
倒すというあいつの判断は、俺たちから見れば間違っていないだろう』
「でも私達管理局はそういうわけにはいかないよ。いくら危険人物だからっそんな物騒な
真似を、そう易々とするわけには」
『では君はどうなんだ? アッシュと交戦した君はどう思う?』
「それは……」
返答に窮するフェイト。フェイトは会議の場でははやての意見に消極的賛成の立場だっ
た。
あの男、アッシュ・グレイは非常に危険だ。強さや「リジェネレイト」と言う魔法のこ
とだけではなく、何より本人の性質が。
シンの言うことも、フェイトから見れば間違っていないように思った。だが、自分達は
彼ら、犯罪者を断罪する立場ではない。
「やっぱり、捕まえるべきだと思う」
『そうか。どのみち六課としては捕縛する方針なのだろう? ならその通りに動けば良い
だけだ。
ただ一つ、シンがアッシュ・グレイを殺さないよう注意しておけば問題はない』
「!?」
思わずフェイトは机から身を乗り出す。
『あいつがそう言ったのなら、ほぼ間違いなく言ったことを実行する。命令違反や罰則な
どではシンを止めることはできはしないからな』
「人ごとみたいに言わないで! 間違って殺しでもしたらシンだけの問題に留まらないん
だよ!?」
クロノ、リンディのハラオウン提督に聖王教会の騎士カリム。これだけに大物が後ろに
いるとはいえ、今だ六課設立に反対する意見も彼らの影響力に迫る程に強い。
あくまで管理局として成果を残さねばならないのに、いかに危険とはいえさしたる罪の
経歴もない人間を殺めてしまえば、それは格好の六課への糾弾材料になってしまう。
「下手をしたら、六課設立の話まで無くなってしまうかもしれないんだよ。それに……!」
アッシュを殺したシンも、ただではすむまい。裁判にかけられ経歴なども調べられれば、
彼を庇ったアスラン・ザラにも累が及ぶはずだ。そして今目の前にいるレイにも――
『そうだとしてもあいつは止まらない。むしろそんな理由で止めようとすれば、かえって
あいつは怒るぞ』
「どうして!?」
シンとて、今六課が非常に微妙な立場であることが分かっていないはずがない。そして
六課設立にはやてがどれだけの強い想いでいるのかも――
『簡単なことだ。一時の夢と君達の命を引き替えにはできないからだ』
当たり前の事実を言うかのように、淡々とレイは言葉を紡ぐ。
『どんな高潔な信念も、気高き理想も、抱くべき人が死んでしまえば何もならない。例え
今回そうならずとも、生きていればいくらでもチャンスはあるだろう。
俺がシンと同じ立場でも、きっと同じ事をする』
「レイ…!」
『君だって知っているだろう。シンがそう言う人間だと言うことを』
レイの言葉に、フェイトは何も返せない。
六課の中でシンとレイの二人は誰よりもアッシュ・グレイの危険性を感じ取っており、
特にシンは彼を倒すためならば手段など選ばないだろう。
先の戦いでの戦いぶりと負傷が、それを何よりも物語っている。
『あいつを止めることは、君には、いや六課の面々にはできない。大切な誰かを失った喪
失の痛み、悲しみを知っている君たちはな』
自分達の事情を知るレイははっきりと、ゆっくりと、染み渡るように言う。
「でも……私達を守って、その為にシンが犠牲になれば、私達は悲しいよ!?」
『だろうな。……だから難しい』
レイの頷きには苦渋が混じっている。誰よりもシンを分かっているが故の、苦さだ。
『とはいっても説得するのはほぼ不可能だ。ならばシンがそうしないよう見張っておくし
かない』
だがまだ問題はある。と言ってレイは表情を厳しくする。
『実際の所、そこまで――捕縛するまでアッシュ・グレイを追い詰めることができるのか
どうかだ。奴には”リジェネレイト”がある』
「……うん」
『だがそれがあろうとなかろうと、見たところ今の君たちでは捕縛どころか互角に渡り合
うこともできないぞ』
いかなる負傷も瞬時に回復する”リジェネレイト”に加え、アッシュ個人の戦闘能力の
高さ。それを考えれば、そう言う答えになるのは当然だ。
仮にフェイトがリミッターを解除して戦っても、彼を捕縛まで追い詰められるかと問わ
れれば、肯定も否定も、どちらの返事は返せない。
戦闘において、魔力や魔法、スピードを除いた部分――アッシュの身体能力や経験、技
術、そして戦意――と自分と比べれば、明らかに彼は自分よりも上を行っている。リミッ
ター解除してそこで、互角に渡り合えるかもしれない――そう思ってしまうほどにアッシ
ュは強いのだ。
先の戦闘を思い出す。ヴィータとシグナム、そして自分。三対一という圧倒的な不利な
状況にもかかわらずアッシュは怯む気配を微塵も見せず、むしろその状況を楽しんですら
いた。
そして自分達3人の怒濤のような攻撃をかわし、時には食らいつつもそれと同等の苛烈
かつ、強烈な攻撃を幾度となく放ってきた。
そのアッシュをものの見事撃ち倒したのは僅かな時間とはいえ本来の実力と魔法を発揮
したシンがいたからだ。彼がいなければ、負けていた可能性すらあり得る。
『”デスティニー”、”レジェンド”そのどちらかが完全に修復されれば俺かシンのどち
らかで何とかできるのだが』
「そ、それは駄目だよ!」
シンについては先に述べたとおり、もし今のシンに修復された”デスティニー”が渡れ
ば、躊躇無く彼はアッシュを殺害してしまうだろう。それが可能なことは先の戦闘ですで
の証明済みだ。
何よりそうなってしまえば自分達はシンを止めることができなくなってしまう。
レイに至っては論外だ。テロメラーゼ導入により、テロメアの延長現象が見られている
もそれも微々たるものだ。今無理をすれば元通りどころか、悪化するだろう。
『ああ。その二つは駄目だな。さて、何か妙案はないものだろうか……』
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。はやてが捕縛に決めたって事は現状で何とかでき
るって事だよ。だから大丈夫」
フェイトがはやての意見の消極的ながらも賛成だったのはそこにある。はやては規則や
感情だけに固執して動くような人ではない。あの若さで部隊を立ち上げるだけあって指揮
官としては一流なのだ。会議でも、シンとの論争がなければ何かしらの策を説明していた
はずだ。
『……なら、いいのだが』
いささか納得のいかない表情で、レイは言った。
4
『どうやらあまり上手くいっていないようですねぇ』
モニターに映る男は見るだけで不快になるような笑みを浮かべる。
『私が提供したソキウスとあの3人の遺伝子。クローン共は本来の性能を示していたはず
ですが……あなたが奴らを上手く扱えていないのか、それとも管理局の方が上手なのか』
長舌でゆっくりな、確かな不満と非難を込めた声質が空洞に響く。
『さらに、かなりの性能の良いバケモノを雇ったにもかかわらず、あえなく敗退するとは』
バケモノ、と言う部分に尋常ならぬ負の感情が込められている。
『どういうことですかねぇ?』
首を傾ける男。
『弁解のしようもありません。ムルタ・アズラエル様』
ウーノは黙ってモニターに映る男に頭を下げる。
ムルタ・アズラエル。次元世界の一つ、CEに現存する組織”ブルーコスモス”の先々
代の首領であり、また今は無き軍需産業複合体”ロゴス”の幹部でもあった。
公式の記録では六年前の戦争で死亡している男だ。連合軍――彼が牛耳っていた軍事組
織らしい――から脱走した兵達によって倒されたと。
だが彼は生きていて、今回とあるロストロギアを入手するために自分達に接触してきた。
確実に手に入れたいようで彼の私兵や彼が所持していた有能な人造魔導士――ブーステ
ッドマンという――魔導士達の細胞までこちらに提供してくれたのだ。
本来依頼者がそこまですることはないはずだが、それには彼の思惑があるのではないか
とウーノは思っている。
CEは人造魔導士といった技術には自分達と差して変わらないが、クローンや戦闘機人
といった系統の技術は大きく後れている。おそらくはその技術を欲しているのではないか
と。
最初に自分達に接触してきて、スカリエッティを数々の賞賛の言葉で褒めた光景を思い
出す。今のように長舌に語られる言葉からは痛いぐらいの強い欲求が感じられた。
「六課についてのデータをごらんになられていると思いますが、バケモノ二匹が六課に協
力しています」
アズラエルへ通じさせるのと、二人の実力。その二つの意味を込めてウーノは彼の言う
蔑称を使う。
『ええ、知っています。ですかそれを理由にされましても』
「あなたからの依頼されたロストロギア――”メンデルの書”でしたか」
目的の物の名を出したところで、さらに侮蔑と屈辱の言葉を語ろうとしていたアズラエ
ルは動きを止める。
「あれを入手する計画は整えてあります」
計画を説明し終わった後、懐疑的に彼は問う。
『上手くいくんでしょうね?』
「ほぼ間違いなく」
即答したウーノを見て、アズラエルはしばしの間商品を見定めるような視線を向けて、
『期待してますよ』
言って通信を切る。ウーノはため息をつき、歩き出す。
研究室の一室に入ると、中には自分と同じ”ナンバーズ”、姉妹達の姿がある。
「あらウーノ姉様。どうなさったの?」
「彼の容態を確認に」
訊ねてきたクアットロにそう返し、ウーノはコンソールを操作。眼前に映し出される巨
大なカプセル。
自分達戦闘機人や人造魔導士の回復、治癒能力の促進を高める特殊カプセルだ。中には
アッシュ・グレイの姿が見える。
六課のバケモノ――シン・アスカとの戦いの後、救出された彼は魔力と体力、傷の治療
のためミッド各地に点在しているスカリエッティの研究施設の一つの治癒カプセルに入れ
られていた。
傭兵である彼に研究施設のことは教えていない。依頼が終わるまで教えるつもりはなか
った。
だが先の戦いで予想外の重傷を負った彼を短時間で回復させる必要があったため、やむ
得ず連れてこさせたのだ。
「あらあら。まだ目覚めてないようですね」
「あれだけの傷に身体的ダメージ。完全回復するにはもうちょっとかかるはず」
クアットロに答えたのは彼女の後ろで砲身を磨いているディエチだ。
「いくら強いからって、所詮は人間ってことか」
鼻を鳴らしたのはノーヴェだ。
姉妹達の話を聞きつつ、コンソールでカプセル内のアッシュの状態を確認するウーノ。
「クアットロ、今日明日中には目が覚めると思うわ。そうしたら連絡をちょうだい」
後ろからクアットロの明るい返事を聞き、ウーノは部屋を出て行く。向かうはスカリエ
ッティのいる研究室だ。
出口付近に来ると、その横にある倉庫の中に何故かソキウスが二人いる。
「ウーノ様」
こちらを見たソキウス二人は立ち上がり、見慣れぬ敬礼をする。
その反応を見て、このソキウスが誰なのか、ウーノは悟る。
「……イレブンとセブンね」
「はい、ウーノ様」
右のソキウスが頷く。同じ顔と声、仕草を見せる二人に未だウーノはどちらがセブンか
イレブンか分からない。
セブン、イレブン・ソキウス。この二人は他の有象無象のソキウス達と僅かに違っている。
彼ら二人は人形のような他のソキウス達と違い、たまに声や仕草に、個性のような物
を感じさせるのだ。
彼らソキウス――アズラエルから受け入れたときには、何でも言うことを聞く便利で使
い捨てが自由な人形と聞いていたのだが、彼ら二人はそれが当てはまらないような気がす
るのだ。
もっともウーノは彼らを疑ってはいない。意志があるような彼らだが、自分やスカリエ
ッティの指示には躊躇せず従っているしアズラエルの言うとおり”何でも言うことを聞く
便利で使い捨てが自由な人形”なのだ。
彼らは活動するとき以外、ほとんどがあてがわれた部屋で休んでいる。こんな所にいる
のは珍しいというか、奇妙だ。
そう感じたウーノは思わず訊ねてしまう。
「こんなところで何をしていたの」
「話を、していました」
「話?」
「はい。僕らソキウスの存在価値と意義について」
その言葉にウーノはかすかに眉を潜める。ウーノは彼らソキウスがどうして造られたの
か詳しくは知らない。ただアズラエルの所属していた組織がコーディネーターに対抗する
ために造りあげられた存在だとしか。
沈黙したこちらを見て、左のソキウスが感情のない声で、
「お気になさらないでください。ウーノ様から見れば、大したことではありません」
言って二人は「では、失礼します」と告げて去っていく。
その仕草はまるで自身の内情を探らせないかのように見えた。
5
「ふぅ……」
重く、疲労がにじみ出るため息を吐き、シンはシャワールームから出てくる。
すでに時間は深夜に入っている。薄暗い隊舎内を引きずるような足取りでシンは歩き、
部屋に向かう。
出動も無い日でここまで疲れたのは初めてだろう。それも無理もない。ゲンヤとの話の
後、シンは渡されたデバイスに馴染むべく休憩時間や夕食を除き、ずっと訓練場で体を動
かしていたのだ。
「くっそー……ちょっとやりすぎた」
予定していた時間を大きくオーバーして訓練したため、体力も魔力も限界ギリギリだ。
早く眠ろう、と言う心に響く声に従うようにシンは一心不乱に部屋を目指す。
「シン?」
視界の隅に、用意された自分の部屋の扉を見つける。力が抜けに抜けた体の各所に残っ
た絞りかすのような体力を燃焼させて、安息の地を目指す。
「ちょっと、シン!」
支援
だが何故か途中で扉への距離が縮まらなくなる。右肩に誰かの手が置かれているのに気
が付き、そちらを振り向くと、
「……はやて」
彼女の顔を見た途端、昼間の会議のことを思い出しシンの顔が歪む。
はやてとはあの会議の後、一度も会っていない。
「なんか用か」
刺々しい言葉を出すと、はやての表情も硬くなる。
「なんか用かって、シンは一体こんな時間までなにしとるの」
「訓練とデバイスの微調整だよ。使用申請は出しておいただろ」
突き放すように言うとはやては眉を潜める。
「申請書に表記されていた使用時間はとっくに過ぎとるよ。今何時やと思うてるの」
う、とシンは唸る。はやては仕方がないと言ったような表情でため息をつき、
「デバイスの微調整は終わったん?」
「……まぁ、とりあえずはな」
ぶっ続けで行ったぶん、必要最低限には使えるようにはなった。もっとも結構な無茶を
したのでメンテが必要だろうが。
「この間の怪我が直ってからそう時間もたっとらんのに無理したらあかんよ」
「わかってる」
「本当に大丈夫なん? 部屋まで一緒に付き添おうか?」
「大丈夫だって。そんなに心配するなよ」
「今のシンの顔色見れば、誰だって心配するよ」
シャワー中、鏡を見たときに自分でも酷いとは思っていたが、面に出ている疲労の濃さ
は相当なものらしい。
「明日は休みなわけだし、体をゆっくり休めるよ。それよりお前こそ、こんな時間まで何
してるんだ」
「仕事や」
「…またかよ。俺のことよりもお前の方は、大丈夫なのか」
「平気や。慣れとるし」
口調や声質はいつもと変わらない。本人の言うとおり慣れているのだろう。
だが月明かりに照らされた面からは隠しきれない疲労の痕が見え、頬も妙に青白く見え
る。
――今のはやてを見たら、リィンやシャマルは泣くかもなぁ
「……まぁ、ほどほどにしてさっさと休めよ。お前が倒れでもしたら、みんな大騒ぎだぞ」
しかしはやてはそれに答えず、
「シン、明日の休みのことなんやけど、午後から一緒にクラナガンに行かん?」
「……は?」
会話と全くつながりのない唐突な申し出に、思わずシンは呆けた声を出す。
「午前中は私の方にちょう仕事があるし、シンもその間に体を休められる。どうや?」
そう言われてもシンは言葉を返せない。いや、そもそも何故誘いを受けるのか分からな
い。昼間喧嘩した相手をなぜ誘うのだ。と、いうかお前は休みでも仕事をするのか。
瞬時に浮かぶ無数の疑問。とりあえず一つ一つぶつけてみる。
「何で俺を誘うんだ? せっかくの休みなんだ。なのはやフェイト、シグナムたちと一緒
にいたほうがいいんじゃないのか」
「それそそれでええと思うけど、あの子達もいろいろと用事があるみたいやし」
シンは眉をひそめる。おかしい。なのは達はともかく、仕事ならばともかくシグナムた
ちが、はやてよりも自分の用事を優先することなどありうるのだろうか。
「……お前、明日休みなのに仕事するのか。いくらなんでも――」
「ちょっとした資料整理や。たいしたことあらへんよ。で、どうや?」
はやてを見る。笑みを浮かべるその姿はいつもの彼女だ。何か企むような、隠している
ような様子は伺えない。
昼間の言い合いを引きずっている様子もない。
――はやての中では、アッシュのことはもう終わったことなのか? だが俺は――
「シン?」
「あ、ああ」
昼間のことを訊こうとするが上目遣いでのぞき込まれ、口を噤む。何故か、噤む。
先程ああ言ったものの、シンは明日も丸一日訓練に費やそうと考えていたのだ。
休んでなどいられない。少なくともアッシュ・グレイを止められるほどにならない限り
は。
断ろう、とシンは思うがもし拒否の返事を返したら、どうして断るのかとか、明日は何
か用事があるのかとか、色々と事細かに聞かれそうだ。
普段でさえシンは隠しごとはあまり得意ではない。今の状態で問いつめられれば本音を
零してしまう可能性は十分にある。
「……わかった。付き合う」
観念のため息をつき、シンは答えた。
翌日、シンはレイへの連絡、自分が持っている書籍に目を通して時間を潰した。それで
もできた暇な時間、訓練場に行こうかとも思ったが、シグナムとヴィータ二人が訓練場全
面を使用した大規模な模擬戦闘を行っているようで中には入れず、結局午前中ははやてに
昨日言ったとおりに体を休めることに使うことになった。
退屈な午前が過ぎ、昼過ぎ。隊舎入り口のロビーにてソファーにだらしなく背をもたれ
させながらシンははやてを待っている。
「……遅いな」
腕時計を見ると約束の時間からそろそろ二十分は経つ。仕事が長引いているのだろうか
ととも思ったがそれならそれで連絡があるはずだ。
となると考えられるのは準備に手間取っているのだろう。少なくともそれ以外は思い浮
かばない。
「ゴメン、遅くなったわ」
聞こえたはやての声にシンは身を起こして彼女を見る。
「遅いぞ。何をやっていたん、だ」
苛立ちを含んだ言葉の語尾が、一瞬途切れる。
目の前に立つはやてはいつもの陸士の制服ではなく、かといって騎士甲冑姿でもない。
「その格好……」
「え? なんかおかしい所ある?」
慌てるはやて。しかしシンはそんな彼女の姿を唖然とした面持ちで見つめ続けている。
はやては洋服を着ていた。休みなのだから当たり前と言えば当たり前だが、とても新鮮
にシンは感じ、そしてすぐに気が付く。
――そう言えばプライベート時のはやてを見るのは、初めてだったか
出会ってから今まで、シンが見たはやては陸士の制服か騎士甲冑、そのどちらかを来て
いる姿だけだ。
しかしはやての着る洋服はなんというのか、とてもよく似合っている。全体的に大人し
めだが、一部が明るい色彩をしている。
普段見せる若々しくも落ち着いて、どこか幼い少女の鱗片を見せるはやての雰囲気にも
の見事似合っている。
「何やってんだお前ら」
突如聞こえた第三者の声に呆けていたシンと慌てていたはやては我に返る。同時に視線
を向けると、書類を抱えたゲンヤの姿がある。
「こんな所でいちゃついてると、周囲の注目の的だぞ」
言われ周囲を見ると、周りにいる隊舎の隊員達に何やら生暖かい視線で見つめられてい
る。
見渡したあとシンとはやては顔を見合わせ、同時に赤くなる。
「別にいちゃついてなんか…! は、はやて。さっさと行くぞ!」
「え、あ、うん。そ、そういうわけで行ってきます、ナカジマ三佐」
「おう、ゆっくりデートを楽しんでこい」
からかうような笑みを浮かべてゲンヤが言うと、さらにはやての顔が赤くなる。
「ち、違いますよ! デートやなくて…!」
さらに弁解しようとするはやてをシンは手を引っ張って連れ出す。後ろで何やら歓声の
ような物が聞こえるが無視して早歩きで隊舎から去る。
「はぁ……。あとで色々と大変や」
しばらくして手を離すと、はやてがぼやき、シンを睨めつける。
「どうするんやシン」
「どうするって……別に普通に事情を話せばいいだろ」
「それで納得するようなら誤解っちゅう言葉は生まれへんよ……。シンもあとで色々と覚
悟しとき。うちの子達の追及は厳しいよ」
言われてシンは初めてその光景を思い浮かべる。先程の光景によりあらぬ誤解や噂が生
まれ、それをシグナムたちが鵜呑みにしたとき。
あの五人が、はやてを心底信頼し、愛している彼女らが聞き、愕然、そして怒りの表情
となりデバイスを片手に自分に詰め寄る五人――
「……はやて。あいつらへ上手い説明しておいてくれ」
「自分でしてや」
素っ気なく言い歩くはやて。気をとられた理由がそちらにあるとも知らず、何とも勝手
な言い分だ。
しばしシンも言葉を返さずはやての後に続く。数分で近くのレールウェイ発着場に着き、
切符を買って中へ。
クラナガン行きのレールウェイ乗り場に着くとシンは空いている椅子に腰を下ろし、何
故かはやてはどこかへ行ってしまう。
数分後戻ってきたはやてはシンを見て、言う。
「もう問題ないやろ?」
「……何が?」
突然に問われてシンは首を傾げる。するとはやては頬を膨らます。
「シン、さっき私を凝視してたやろ。それでどこかおかしな所がないか、今見てきたんや」
「いや、別に。さっきもおかしいところはなかったけど」
「じゃあさっき何で私をじっと見とったの」
睨むはやてに素直に理由を言おうとし、それがもの凄く恥ずかしいことにシンは気が付
く。
「どうしてなん。説明を求めるよ」
ずい、と迫ってくるはやて。くっつくような距離にはやての顔があることにシンは思わ
ず後ずさるが、間髪入れずはやてはその距離を詰めてくる。
「……!」
そのため間近ではやてを直視することになってしまう。
最初見たときは気がつかなかったが、簡単な化粧をしているようだ。どこかどうなって
いるとはわからないが、いつもは感じない”女性”の香りを漂わせている。
シンは顔が熱くなるのを感じ、とっさに叫ぶ。
「めっ、珍しい格好をしてたから驚いただけだ!」
「珍しい? ……ああ、そっか。そういえばシンに私服姿なんて見せたことなかったなぁ」
納得の表情を浮かべてはやては下がる。シンは大きく安堵の息を吐く。
「で、どうや? 似合っとる?」
笑い、くるっと回るはやて。こちらの気も知らないその様子にシンはむっときて、
「別に。いつもと変わらない」
つっけんどんに返事を返すと、その頭にはやてのチョップが入った。
「はやて…!」
シンの顔に迫るはやての姿を見てヴィータが飛び出そうとするが、それを背後からシャ
マルが押しとどめる。
「何すんだよ! シャマ…」
「シッ! 大きな声出しちゃだめです。二人に気づかれちゃいますよ!」
ヴィータを物陰に引っ張り、リィンとシャマルははっと息を漏らす。そして十数秒置い
て両者はゆっくりと視線を向ける。
見れば乗り場の椅子に座るシンの頭にはやてがチョップを食らわしている。会話の内容
を聞くと、原因はシンのようだ。
ともあれ、現状自分たちが危惧した展開にはなりそうもないので、ほっと息をつく。
昨日の夕食のことだ。明日はどうするかの話題になり、当然シャマルたちヴォルケンズ
ははやてと一緒にいると考えていたのだが、
『明日は昼からシンと一緒にクラナガンに出かけてくるよ』
その言葉にシャマルたちは仰天した。慌てに慌てる四人──ザフィーラは「そうですか」
と呟いただけだった──をはやてが宥めて、事情を説明する。
その事情を聞いて、不承不承ヴィータは納得、シャマルにシグナム、リィンも同様だっ
たのだが──
「こんな状況を見逃すわけにはいかないわ」
自分達にとって最愛の主であり家族であるはやてが、まさか、知り合いとはいえ、付き
合いがまだ一月そこらかという男性と。
男性と二人っきりで出かけるなど──
「危険だわ…!」
ぎゅっと握りこぶしをシャマルは作る。それにつられてリィンも、ヴィータも同様のし
ぐさをとる。
はやては気がついていないようだったが、隊舎のロビーの時や先ほどのシンは明らかに
はやてに見惚れていた。危険だ。
はやては美人だ。器量も避けれれば性格もいい。スタイルも文句はない。女性としてま
さに理想の形といってよい彼女だが、一つ欠点がある。
それは自分に向けられる異性の目線に、ひどく鈍感なところだ。それが今まではやてに
男の陰が射さなかった理由だ。
他者のそう言ったことには鋭い割には、本当自分のこととなるとどうしようもなく鈍い
のだ。まぁ、シャマルたちから見れば、別に問題はないのだが。
クラナガン行きのレールウェイが到着する。乗る二人にわずかに遅れ、シャマルたちも
乗り込む。
遠目から、こっそりと二人の様子を伺う。平日の昼過ぎという時間帯だけあって内部に
人の姿はまばらだ。
そんな中二人は隣に座り、大して距離もおかず談笑している。その姿は一見、どこにで
もいるカップルそのものだ。
「はやてちゃん、楽しそうです……」
本来なら今日、自分がそうするはずだった光景を見てリィンが寂しげに呟く。
「シンの奴、はやてにちょっとでも妙な真似したらギガントだからな」
いささか目が据わったヴィータが待機状態のグラーフアイゼンを握っている。
シャマルも二人ほどではないが、さびしくはあり、心配である。シンの事は信頼できな
いわけではないが、先ほどの様子を見てしまうとはやてに何かしでかしてしまうという可
能性はぬぐえない。
シャマルとしては、別にはやてが誰と付き合おうが、好きになろうが、文句はない。た
だ半端な男ならば容赦なく交際には反対の立場である。
はやてより一つ年上のシンであるが、所々で年上とは思えないほど子供っぽいところが
見られる。魔道士としては信頼できても男として信頼できるかといえば、答えは否だ。是
と言えるほどまだシャマルはシンのことを知らない。
時計を見る。隊舎へ帰るの時刻までまだ五時間はある。
──何も起きませんように
祈るように思い、シャマルは二人を見続けた。
6
クラナガンの大型デパートの三階。周りが女性だらけの場にシンはいる。
女性は十台半ばから二十代、三十台といった若々しい女性ばかりだ。彼女たちは周りに
有る店の中で楽しそうに喋りながら商品を物色している。
「まだかよ……」
目の前の店にはやて達がそろそろ一時間は経とうとしている。
はやてと共にクラナガンに到着すると、予想外の人間がシンを出迎えた。
ルナマリアだ。自分たち二人を見ると手を降ってきた彼女。どういうことかはやてに尋
ねると、
「六課が今日休日だってこと知っとったみたいなんよ。それでシンも連れて三人で遊ぼう
って話になってな」
「いいじゃない。こんな美女二人と一緒にいられるのよ。両手に花よ、シン」
白目を向けるシンに、ルナマリアはあっさりと返す。
そんなこんなではやて案内の元、クラナガンのお勧めスポットなどを巡っていたのだが
──
「なんで全部喫茶店やらケーキやらアクセサリー店やら、女性用洋服店なんだよ……!」
よくよく考えればシンが好むような店をはやてが知るはずはなく──ルナはわざと避け
ているような素振りがあった──そうなるのは当然の成り行きだったのだが気がついた時
には後の祭りである。
はやて達に好き勝手に引っ張りまわされ、現在に至るというわけである。
時折注がれる若い女性の視線に羞恥プレイの屈辱をシンが味わっていると、ようやく小
さな袋を持ったはやてとルナの姿が見える。
「お待たせ」
「お待たせ、じゃないだろ。何分待たせてるんだよ!」
「なに怒ってるのよ。女性の買い物が長いのは常識でしょ」
「何メイリン見たいなこと言ってるんだ。ミネルバにいた時はさっさと済ませてたくせに」
「あの時は戦時中。今は平時中。状況が違うのよ」
ああいえばこういうルナの屁理屈にシンはがっくりと肩を落とす。
「まぁ、確かにちょっと時間はかかったなぁ。どこかで休憩しよか」
苦笑じみた声ではやてが言う。
「……喫茶店やケーキ屋以外だぞ」
「はいはい。わかったわよ」
肩をすくめるルナ。休憩する場所はデパートの地下にある和食店になった。
夕食をとるにはまだ早い時間だったが引っ張りまわされたシンは空腹だ。席に着くなり
メニュー表を開いて、冷やを持ってきた店員に早速注文する。
「今日はありがとね。予想以上に良い物が買えたわ」
「いや、私もそれなりに楽しめたし。お互い様や」
「……なんだか二人とも、妙に仲が良いけどいつからそんなに仲良くなったんだ」
仲むつまじい二人を見て、シンは前々から思っていた疑問を投げかける。
シンが知る限りルナが108隊舎に来た回数は数回だ。にもかかわらずルナははやてだ
けではなくフェイトやなのはとも妙に親しげだ。
「別になにもないわよ。会って話したりしてる内にこうなってたの。で、何でそんなこと
聞くのよ。……さては、私達の仲が良いことに嫉妬でもしてるのかしら」
「まさか」
肩をすくめてシンはふと思いだす。アカデミー時代、最初に少しばかり話をしただけだ
ったのだが、気が付けば友達という間柄になっていたことを。当初成績でライバル視して
いたレイともルナつながりで仲良くなった。
前々から感じていたことだが彼女には何か人を仲良くさせる才能のような物があるよう
だ。
「で、シン。あんたはどうなのよ。はやて達に何か迷惑かけてないでしょうね」
「別に、なにも」
一瞬昨日の会議でのことを思い出すが、内心で否定する。
迷惑はかけていない。あれは仕事での言い争いなのだから。
「ならいいけど……と、きたわね」
運ばれてきた料理。早速シンは手をつける。
「相変わらずの食べっぷりねぇ」
「昔から、ああなん?」
「そうなのよ。アカデミー時代も――」
半分ほど料理を平らげたところで、人をネタに会話を展開しているルナをシンは止めよ
うとするのが、
「あははっ、なんや、それ。おかしいなぁ」
笑うはやてを見て、止める。
ルナの話を聞き、笑うはやては、今日は頻繁に、いつもはごく希に見る姿だ。
仕事中や八神家の一同といるときには決して見せない、思いのままの感情を表わす姿。
勤務時間外で、なのはやフェイトといるときのみ見せている、姿。
部隊長ではなく、八神家の母でもなく。ただ一人の、女の子としての、顔――
普段の姿ならあんな風に笑ったりもするのか、と思うだけだろうが、今の姿とその顔を
見てシンは素直にこう思う。
――可愛い、と。
「シン、何はやてを直視してるのよ」
言われはっとなる。見ればジト目のルナと微笑を浮かべつつも、少し恥ずかしそうにし
ているはやての姿がある。
「あ、いや。別になにも……」
「何もない奴が、そんな食い入るように女の子を見ないわよ。……さて、何を考えてたの
かしら」
詰問口調になるルナを見て、シンは慌てて残っている料理に手をつける。
さすがに先程思ったことをばらすわけにはいかない。しかし自分は気持ちを隠すのは上
手くない。何か上手いごまかしはないだろうかと思い、ちらりと視線を向ける。
料理を口にしつつ、先程と同じ横目のルナと、そして何やら真剣な表情で腕時計を見て
いるはやての姿がある。
見ればはやてはルナと違い、料理にほとんど手をつけていない。そして時計を見る表情
に、僅かばかりの影もある。
思わずシンは箸を止めて、訊く。
「はやて? どうし――」
「すまない。遅くなった」
シンの声に被さるように誰かの声が聞こえる。その声を聞きシンは一瞬驚きで固まり、
しかしすぐに顔を上げてその人物を見やる。
「アスラン!?」
何故か目の前には仇敵、アスラン・ザラの姿があった。
先程までの和やかな空気は消え去り、緊迫した雰囲気に一転する。
至近にいるルナマリア達には目の前で放たれる殺意は肌を刺すように感じる。
自分達でコレなのだから、周囲に影響を及ぼさないはずもない。周囲にいる客や通りか
かった店員達が殺意の発生源をおっかなびっくりで通ったり、居心地悪そうにしている。
「シン、落ち着きなさいよ。アスランだって一応ミッドにいるんだからこういこうもある
でしょ」
呼びかけるがシンはアスランへの視線は外さない。アスランを睨めつけるその視線には
見覚えがある。
大戦末期、出撃前に幾度となくシンが見せていた物だ。全てを焼き尽くすような怒りと
凍りつかせるような凄絶な殺気が込められた眼。
それを見て、終戦後の自分のアスランへの対応を思い出し、ルナマリアはそれ以上の言
葉を控える。
終戦後、戦時中の罪を問われることがなかったルナマリアは軍を辞めた。
軍を辞めたのは戦争が終わったのと、軍にいる理由――プラントを守る――がなくなっ
たからだ。
デュランダル議長を倒したラクス・クラインが率いていた反乱軍にはCE最強の魔導士
の呼び名高いキラ・ヤマトに伝説のエースアスラン・ザラ。彼らの実力はメサイア攻防戦
において、目のあたりにしている。
彼らの圧倒的な実力は自分など必要ないと思わせるには十分と言えた。
何より、彼らはルナマリアの大切な仲間を、平和への導き手であった議長を討った。例
え彼らの言うことが正しかろうと、そんな人間と肩を並べられようはずもない。軍を辞め
るという選択は当然と言えた。
何をする気も起こらず、半年ほど何をすることもなく自堕落な生活を送っていたそんな
ある日、実家にアスランが訊ねてきて、軍に戻って欲しいという言葉を聞かされたのだ。
支援
支援
支援
連投規制かアク禁くらったんじゃね?
ちょうどいい所だから気になるぜ。
アスランは何しに来たのだろうか?続きよみてぇ!!
しかし、シンには自分の意思を貫いて欲しいな
当然ルナマリアは激怒した。軍を裏切り、その反抗勢力の英雄と祭り上げられている人
間の言うことなど聞けるはずもない。かつて上司として仲間として信頼してただけ、その
怒りは強かった。
しかし彼は諦めず何度も訪れては説得を繰り返す。その態度にはかつて幾度と見た誠実
さ、また自分が攻める彼の態度から、自分達と敵対したことへの後悔も感じられ、徐々に
心が揺らいでいった。。
そして半年、とうとうルナマリアは折れた。一つの条件を付け加えた上で。
『二度の裏切りは許さない』
そして現在、ルナマリアはアスランを信頼はしているが、もし彼が裏切れば誰よりも真
っ先に自分が彼を倒しに行く。その思いを心の片隅に抱きながら彼と共にいるのだ――
怒りのまま睨めつけるシンと複雑な感情を見せながらもそれを真っ向から受け止めるア
スラン。彫像のように動かない二人だったが、ふとアスランが口を開く。
「すまないが二人とも、席を外してくれないか」
ルナマリア頷き、立ち上がる。はやてもそれに倣い、店を出る一瞬気遣わしげにシンを
見て、店を出る。
店を出てすぐ近くの休憩所に着くと、
「……大丈夫やろか」
ため息をつくはやてにルナマリアは答えない。期待を持たせるようなことは言わない。
ルナマリアとてはやてと同じ思いなのだ。
昨日アスランより方針の違いでシンとはやてが揉めたと聞き、それについてアスランが
シンと話すと言うことを聞いたのだ。
ルナマリアは仰天した。シンのアスランへの感情を察するに話し合いが上手くいくとは、
いや話し合いどころか殺し合いに発展しかねない可能性もあったからだ。
止めるべきだと進言したのだがアスランは頑と聞かず、ルナマリアははやてと共に二人
の話し合う場を用意することにした。
しかし事前に話せば当然シンが一緒に来るはずもない。そこでそう見せないようカモフ
ラージュをしたと言うわけだ。
横に座るはやては不安の色を強く見せている。無理もない。彼女には二人の間に何があ
ったのか、店内でルナマリアが知る程度には話している。
それ以外にも、はやてとしてもアスランから話をすることには賛成ではなかったようだ。
「いい加減にしろ!」
数分後、身を叩きつけるような怒声が店内から聞こえ、慌ててそちらに視線を向ける。
入り口にかけてあるのれんの隙間からはキャッシャーに伝票と金銭を叩きつけるシンの
姿が見えた。
「シンっ!」
呼び止めるアスランの声を無視して、シンは店から飛び出す。
燃え上がる激情を必死に押さえシンは走る。周りも見ず、どこへでもなく、闇雲に走り
続ける。
我慢の限界なのだ。あれ以上あの場にいれば、アスランの言葉を聞いていれば、自分が
押さえきれない――
息が上がったところでようやく止まる。周囲を見れば夕日の茜に染まった人気のない見
晴らしの良い場所にいる。
幾つかの自動販売機にベンチ。どうやら屋上のようだ。
焼けるような乾きを覚え、販売機で幾つかジュースを購入。瞬く間に飲み干す。
「アスランの奴……!」
手に持っていた空き缶を原形をとどめないぐらいに握りつぶす。アスランから言われた
のははやてへ迷惑をかけるなという注意と六課の方針に従えという忠告だ。
『彼女の言うことは正しい。軍にいたときとは違う。ただ敵を殺せばいいと言うものでは
ない』
「……何も、分かってないくせに」
アスランは知らないのだ。アッシュ・グレイの危険性を。だからあんな言葉がのうのう
と吐ける。
「――シン!」
顔を上げると入り口には息を切らしたはやての姿がある。
しかし彼女の姿を見てシンの胸に内に沸き起こるのは、怒り。
「……こういうわけだっただな。俺を誘ったのは」
一瞬、はやての表情が固まる。その反応を見て、シンの怒りが瞬く間に燃え上がる。
「わざわざアスランに言うとはな。一体何の嫌がらせなんだか。それともアスランが言え
ば俺が納得するとでも思っていたのか」
「シン、聞いて――」
「お前は何故分からないんだ!? あの男が管理局の、生っちょろいやり方で対処できる
はずがないだろう! 倒すのが最善だと、どうして納得しない!」
話が通じる相手、また自分達で対処できるならばシンとて殺そうとまでは考えない。
だがアッシュは別だ。あの男は普通の人が持っている倫理観というものが微塵もない。
命の大切さを理解せず、ただ己が快楽のために殺しを好むような男だ。
何より現状の六課の面々では対処ができない。それこそ六課の主力全員がリミッター解
除するか、”デスティニー”が直らないかぎりは。
「シン、私らは次元世界の法の番人。私達の身勝手な正義で誰かを殺すわけには――」
「それが甘いって言ってるんだ! そんなふざけた建前を気にしてて、もし犠牲が出たら
どうするつもりだ!?」
シンの脳裏に蘇る過去の傷。爆撃で抉られた大地に横たわる腕。へばりつくように叩き
つけられ、原形をとどめない大切な家族。
自分の腕の中で、力無く消えていく命。守ると誓った、何よりも、誰よりも、大切な少
女の最後――
――なのはが、フェイトが。シグナムにヴィータ。――そしてはやてが、もしそうなった
ら……!
「――なんで、わからないんだよぉっ!!」
今も残る。消えない、忘れられない、焼け付くような、締め付けるような、深い深い、
傷跡。
凍りついた表情のはやてに、シンは灼熱の怒りを叩きつける。
「……お前達は、知らないんだろうな」
「……え」
「目の前で誰かを失う悲しさ、悔しさ、痛みなんて……!」
そう、彼女らは知らないのだ。喪失によるあのどうしようもない痛みを、悔しさを、悲
しみを。
知っているならば自分の意見に同意するはずだ。知っているならば――
パン!
「……え」
何か妙な音がした。一体何の音かと思っていると、左の頬が熱を持っている。
気が付けばはやてがいつの間にかすぐ近くにいる。右手を振り抜いた体勢で。
それを見てシンは自分が彼女に叩かれたのだと理解。固まっていた思考が瞬時に怒りの
熱を注ぎ込まれて動き出そうと――
「!?」
動き出そうとして、再び固まる。
自分を睨みつけているはやての表情は、今にも泣き崩れそうになっていたからだ。
そしてその表情が語っている。――知っていると。あの痛みを知っている、と。
だがシンはそれを見てさらに強い反発を覚える。
「……知っているなら」
呻くような声が唇から漏れる。その先は言葉にならず、内心で叫びを上げる。
――知ってるなら、何故自分と同じようにしないのだ!? 組織のやり方に従ってまた同
じ過ちを、大切な人を失うことを繰り返すのか!?
思いの強さのあまりに言葉にできず、シンははやてを睨む。と、その時。
「!?」
結界の発生を感じ、シンは目を見開き、それと同時にはやてが血相を変える。
「シン!」
感じる圧力と殺意。考える前にシンは動き、はやてを突き飛ばす。
それから刹那の時間、背中にとてつもない重力と破壊の衝動を感じ、シンの意識は闇に
落ちた。
シンに突き飛ばされたはやては瞬時に騎士甲冑を纏うと、シンの背後にシールド系防御
魔法を出現させる。
だが巨大な藍紫の光は数秒にも満たないほんの僅かな時間でそれを破壊、シンに激突す
る。
――シン!
爆発に包まれたシンを見て、さあっと血の気が引く。フィールド系防御魔法を展開し爆
発で発生した煙や熱を反らし、発生源を見据える。
「……!」
そこにはシンが散々危険だ、殺すべきと言っていた男、アッシュ・グレイの姿があった。
彼の足下には地に伏しながらも真紅の光に包まれたシンの姿がある。しかし無傷という
わけではなく体のあちこちからは魔力光よりも濃い真紅の血が流れている。
医療にさほど詳しくないはやてでもシンの負傷や出血具合が、危険な状態であることは
すぐに分かった。アッシュ・グレイからシンを引き離すべく、シュベルトクロイツをはや
ては構える。
支援、高域攻撃に特化したはやてにとってアッシュ・グレイは危険なタイプだ。近接近
においては勝負にならないし、生半可な広域魔法ではあの”リジェネレイト”ですぐに回
復されてしまう。
はっきり言って、はやてのみならず六課の方針である”殺さず捕縛”というのに、アッ
シュ・グレイほど難しい相手はいない。
だがだからといって殺すのは論外だ。それに策がないというわけではない。
相手の様子を伺いながらそこまで考えていると、はやては違和感を感じた。
「……?」
シンを踏みつけた体勢のまま、アッシュが動かないのだ。よくよく見れば全身が脱力し、
体が傾いている。こちらを見る目も、表情も何やら力がない。
放たれる殺意や圧力は痛いぐらい感じるので、なお不気味だ。
「――小僧は、どこだ」
ぼそりと呟き、そして次の瞬間、大きく両目を見開く。
「あのクソガキ、シン・アスカはどこにいやがるんだぁ!!」
叫びと同時、青紫の魔力をまとってアッシュが突進してくる。
唐突な相手の動きにはやては慌てて防御魔法を展開。白い盾が生まれ、突進を受け止め
るも、勢いに押される。
「どこだ、どこにいる! さっさと教えろぉお!!」
血走った目で、涎をまき散らしながら叫ぶアッシュ。理由は分からないが精神状態がま
ともではない。
自分が先程倒し、足下にいることさえ、分かっていないようだ。
「くっ……!」
ともあれ距離を置かなければ話にならない。はやては眼前に黒の短剣を出現させ、アッ
シュに放つ。
アッシュの視界を塞ぐ程度の爆発。だがそれで相手の動きが一瞬緩み、それを察知した
はやてはアッシュの腹部を蹴りつけて、離脱。さらに背部の三つの黒羽を羽ばたかせ、さ
らに距離を置く。
無傷のアッシュは充血しきった眼をめいいっぱい開き、血が出るほどに唇を噛んでいる。
「どこだぁぁぁ!!! どこに隠したぁ!!」
音程のずれた、明らかな狂気の叫びを上げてアッシュはやてに向かってくる。離れてい
た距離が瞬く間にゼロになる。
――なんとか、せえへんと…!
アッシュから繰り出される鉛のように重く突風のように激しい猛攻。避けることもまま
ならずはやては一方的に受けに回るばかりだ。無詠唱で使用できる魔法すら、使う隙もな
い。
「うっ、ぐ……」
近くにいるルナやアスランへ念話を送ってみるが、通じない。周囲に張り巡らされた藍
紫の結界は念話遮断の効果もあるようだ。
――なんとかして外と連絡を取らんと……!
アッシュを捕縛するにはここの力量では不可能だ。せめて自分を含めなのは達が二人は
いなければ。
防御魔法越しとはいえ息つく間もなく放たれるアッシュの攻撃。痛みが蓄積され、徐々
に動きが鈍く、重くなる。
「……!」
そして気が付けば、なんと離れたはずのデパートに戻ってきている。しかし防御一辺倒
のはやてにはどうすることもできない。
「ああああっ!」
鞭のように繰り出された両腕の二連撃。それを受けてとうとう白の盾が砕かれる。
「……!」
目を見開き、はやてはすぐに新しい盾を造ろうとするがその時間さえも与えられない。
旋回の遠瞬力を載せ、放たれた横蹴りがはやての右脇腹に突き刺さる。何かが折れるよ
うな音が聞こえ、呼吸が止まる圧迫感を感じ、小さく呻き声を漏らす。
「…ぁ」
蹌踉めくはやてへ更なる一撃が放たれる。はやてにはもはやそれがどのような一撃かわ
からず、まともに食らい、デパートめがけて吹き飛んだ。
C-EEEEEEEEEEEEEEEEN
7
「う……」
枯れた声で呻くシン。目を開けるとアスファルトの床が視界に入り、自分が倒れている
のだと自覚。
すぐさま起き上がろうとするが背中から走った稲妻の如き激痛がそれを許さない。
「ぐ……? これ、は…」
幾度か深呼吸をして痛みで乱れた呼吸を整え、どうしてこうなっているのかを考える。
数秒後、自分がどうして倒れていたのか理解するとゆっくりと立ち上がる。
「くぅっ………」
傷塗れ、血まみれの体を見る。何者かの突然の襲撃を食らい、ダメージを負った体は魔
導士としての、コーディネーターとしての回復力やデバイスの自動治癒魔法により、幾つ
かの傷からは血は止まっている。
とはいえ相当なダメージを受けたようで足下がおぼつかない。屋上に建てられた給水塔
の影に隠れ、周囲に気を向けつつ簡易の治癒魔法で傷口を塞いでいると、
「……!」
敵の姿が視界に入り粗に身を隠す。
アッシュ・グレイはこの距離からでも子供でも分かるような殺気や狂気を振りまいてい
る。
――くそ。今日、よりにもよって……!
最悪だ。”デスティニー”は手元にはなくあるのは管理局が造った貧弱なデバイス。こ
の負傷に、さらにははやてが――
「……はや、て?」
名を呟き、シンは思う。――彼女はどこにいるのだろう?
気を失う前に突き飛ばしたあと無事に逃げたのだろうか? そう思うが周囲の結界を見
てそれを否定。
では、どこに? 周囲には彼女の姿は見えない。
背中がひんやりとする。何か酷く不味いことがおきたような、そんな予感がする。
シンははやての魔力を探り、それがすぐ見つかったことに安堵し、同時にそれがいつも
より小さく感じられていることを不思議に思った。
アッシュは屋上でうろうろしながら、ぶつぶつと何やら呟いている。
「ん?」
シンは眉を潜める。何故かアッシュの足下の近くにははやてが騎士甲冑姿の時に被る帽
子があった。さらに所々が破損した十字剣の杖、シュベルトクロイツもある。
「――」
悪寒が強まる。一瞬想像した悪夢を振り洗うようにシンは周囲に視線を向ける。
そして、見つける。
「……ぁ」
給水塔の影からは見えない死角、アッシュから少し離れた場所にアスファルトにめり込
んだボロボロのはやての姿を。
「……なんで?」
これは一体どういう事なのだろう。何故はやてが倒れているのだ。
今の自分の状態に状況。全てを忘れ、シンははやてに歩み寄る。
「……シン・アスカぁ!」
アッシュの狂喜の声が聞こえるも、シンは足を止めない。
「どうして」
遠目から見えるはやては全く動いていないように見える。その姿を、シンは自分の腕の
中で息絶えた少女の姿と重ね見る。
「どうしてこうなってるんだ?」
はやての前に立ち塞がるアッシュ。それを視認すると同時、シンの固まっていた思考が
一気に活動を始める。
「……あ、ああ」
悪夢の光景、敵の姿。目の前の全てがシンの感情を高ぶらせる火種と化す。
「あああああああああああっ!」
喉が裂けんばかりの叫びと共に、シンは眼前の憎き敵へ向かっていく。
「シン・アスカぁぁぁ!」
放たれる攻撃をかわすことも頭になく、手にした槍、魔力で強化した四肢で闇雲に殴り
かかっていく。
――どうして――!
アッシュの一撃一撃は意識を揺さぶるほどに強烈だ。しかし今のシンはそれでも止まら
ない。
どうしようもないほどの敵への憎しみ、そしてそれ以上に巨大な自身への悲しみと後悔
が彼を突き動かす。
――どうして、いつもこうなる!?
脳裏に過ぎるのは戦火のオーブで肉塊に変わった家族、殺戮の爪痕を残すベルリンで力
尽きたステラの姿。
――どうしていつも、俺は大切な人を守れないんだ!?
「あああああっ!」
地面に叩きつけたアッシュへ渾身の刺突を放つ。穂先がアッシュの腹部にめり込み、血
飛沫を吹き出すが”リジェネレイト”によって瞬時に回復してしまう。
反撃の蹴りを受け、吹き飛ぶシン。しかしすぐに反転しさらにある一撃を叩き込もうと
アッシュの懐に入り込む。
繰り出された両腕の魔力刃を回避して、再び刺突を放ち――
「!?」
手応えを感じた次の瞬間、槍全体に大きな亀裂が走り、砕け散る。
「がああああっ!」
しまった、と思う間もなく、瞬時に回復したアッシュの一撃をシンはまともに受けて、
先程のアッシュのように地面に激突、めり込む。
「……っが」
内臓が大きく脈動したのを感じたと同時に、大きな血塊が零れでる。苦痛に耐え起き上
がろうとするが、力が入らない。
それどころか指先さえも満足に動かせない。
「うっ…ぐっ……」
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
両手を掲げ、膨大な魔力球を形成するアッシュ。逃げなければ、と思うが体は動かない。
「殺す殺す殺す――ころおぉぉすっ!!」
辺り一帯を吹き飛ばす威力を持つ魔力球が放たれる。シンはもがくが、体は――動かな
い。
――こんな所で死ぬのか、こんな所で!
「くっそおぉぉぉぉぉぉ!」
無念と絶望の叫びを上げたと同時、赤紫の閃光が球体を貫く。
シンは呆けた表情となり、しかしすぐに赤紫の閃光が放たれた方角へ視線を向ける
「…!?」
瞳が映したのは二人の魔導騎士。ルナと――アスラン、だ。
支援多すぎ支援
アスランは二本のサーベルをアンビデクストラス・フォームに変えると、加速してアッ
シュに向かっていく。ぶつかり合う藍紫と赤紫の光はあっという間に遠ざかって視界から
消える。
「な……で、アス……」
――なんで、アスランが…!? 出すことのできない言葉を内心で紡いでいると、
「シン、大丈夫!?」
すぐ側に降りたつルナ。すぐに回復魔法をかけてくれる。
痛みが引き、動かなかった体に力が戻ってくるのを感じ、シンは訊ねる。
「なんで、アスランがここに……」
「ちょっとシン、何言ってるの。大丈夫?」
こちらの問いに、何故かルナは怪訝そうに眉を潜める。再び問おうとしてシンははやて
のことを思いだし、
「ルナ…! あいつは、はやては……!」
「ちょ、ちょっと落ち着いて! 大丈夫よ、彼女は生きてるわ。今守護騎士のみんなが救
助に向かってる。
だから体を起こさない! 寝てなさいってば!」
強引に押さえつけるルナ。体の各所の痛みで声が出ない。
しばらくして痛みが引いたところで大きく息を吐き、シンは呟く。
「……生きて、るの、か」
「ええ、生きてるわ」
もう一度、息を吐く。安堵の息だ。
――よかった……
そしてそれを吐き出した途端、瞬時にシンの視界は黒の一色に染まった。
気絶したのだ。
病室のベットの上、シンは目の前のモニターに表示された先日の事件のあらましに目を
通している。すでにあの日から数日経っている。
先の戦闘によるダメージと傷、さらに完全に直りきっていなかった両腕の状態も悪化。
目が覚めたのは今日の朝方なのだ。
外見上の傷は大多数が僅かに痕を残しているか、完治のどれかだが、左腕は別だ。
朝、検診にやってきた医師の話によれば先日の戦いでの傷を差し引いても、酷い有様だ
ったらしい。
話を聞いたとき、そう言えばあの時は、後先何も考えず力任せに殴りかかっていたなぁ、
とまるで他人事のように感想を抱いた。
また体内の骨や臓器へのダメージはまだ残っていると言うことらしい。結果、しばらく
の間入院、そして絶対安静とのことだ。
目を通し終えて、モニターを閉じる。軽くため息をつき、
「結局、アッシュの奴は捕らえきれず、か」
シンが気絶した後、アスランがアッシュと激突。あと一歩の所まで追い詰めたそうだが、
突如出現したガジェットに、ソキウスによってそれは阻まれたと言うことだった。
さらにその後、クラナガン郊外のとある場所から所有者不明の研究施設も発見されてい
たのだという。
だがシンにとってそれはあまり意味のないことであり、今は一つの疑問が思考を支配し
ている。
「アスラン……何故、俺を、助けたんだ」
思わず呟いたその言葉に、シンは反射的に内心でどうしてそんな言葉を吐くのか、と自
身に語りかけてしまう。
そう、よくよく考えれば愚問だ。シンの知るアスランなら、当然の行為だからだ。仲間
の危機を黙って見過ごすような――
「……って、俺は何を考えてるんだ!」
思わず右腕を膝に叩きつけ、膝と右腕、両方に痺れが走りシンは悶える。
「あいつがアッシュと戦ったのははやてを守るためだ。それ以外に、何があるんだ」
ようやく納得のいく答えに辿り着き、シンはほっとする。と、病室のドアが静かにノッ
クされる。
入ってきたのはシグナムだ。意外な客にシンは驚く。
「目が覚めたと聞いてな。体調や気分はどうだ」
入ってくるなり、座りもせず彼女は問うてくる。
「体のあちこちは傷むけど、まぁ悪くないよ。一人で来たのか」
「いや、テスタロッサとだ。あいつは今はバレルの所にいっている。じきにこちらに来る.
だろう」
「はやての奴はどうしてる? あいつの怪我は」
「お前と比べれば大したことはなかった。元気に働いておられる。
六課の方も、お前がいない間はルナマリアが協力してくれているからな。問題はない」
腕を組み、壁に背をつけるシグナム。
いつも以上の淡泊な態度にシンは眉を潜める。
「テスタロッサが来るまで少し時間がある。昔話でもしよう。
今から十年前、両親と死に別れ、足の不自由な少女に元に”闇の書”というロストロギ
アが現れた」
唐突にシグナムは語り出す。
「主に絶大な力を与えるとされていた禁断の魔導書だ。闇の書より現れた騎士達を少女は
家族として扱い、そんな心優しい主に騎士達も忠誠を誓った。
だが少女の病状の悪化により、騎士達は闇の書を完成させるために罪を犯した。そして
管理局も闇の書の管制を防ぐべく騎士達と戦った。
過去幾度となく完成した闇の書は必ず暴走し、次元世界へ多大な被害を及ぼしていたか
らだ」
淡々と語られる言葉。しかし何故か懐かしさと重苦しさを感じさせる。
「戦いの末、闇の書は完成し暴走。しかし管理局の魔導士との協力により少女は闇の書の
――夜天の魔導書の主として正しく覚醒し、彼女らとの共同戦線の末、闇の書を消滅させ
ることに成功した。
――その代償に、少女の家族である一人の騎士を犠牲にして」
そこで言葉を切ると、彼女はシンを見て、
「その騎士の名はリィンフォース。今我らと共にいるリィンフォース2の、先代だ」
告げられた瞬間、シンは今の話がどういうものかを理解する。語られた少女と騎士達、
それが誰であるのかを。
「主は――八神はやてという少女は分かっている。目の前で誰かを失う悲しさ、悔しさ、
痛みを」
厳しい眼差しを向けてくるシグナム。どうやらどこからか屋上での話を聞いたようだ。
「……わかっているのなら何故」
「それは直接聞くことだ。――主はやては夕方頃に来られる」
言って彼女は目を閉じ、黙り込む。
それからすぐにフェイトがレイと共に病室を訪れる。昼から検査があるため、最低限の
話をして彼女たちはすぐに病室から姿を消す。
支援
幾つもの事細かい検査が終わり、病室に戻る頃には日は沈みかけていた。
ベットに戻ると、検査による疲労でシンは知らず知らずのうち眠りについてしまう。
だが眠りについてすぐ、額に誰かの手が添えられたことに気が付き、目を開けると、
「あ、ごめん。起こしてしもうた?」
ハンカチを持っているはやての姿があった。彼女の肩にはリィンの姿も見える。
「…いや、別に眠ってたわけじゃないから。ちょっと疲れてうとうとしてただけだし…。
お前が来るのを、待ってた」
「私を?」
「ああ……」
こちらを見て何を思ったのか、はやては横へ視線を向ける。
リィンは僅かに頷いて浮き上がると、病室から出て行く。
静まりかえる病室。しばしの時を置いて、シンは言う。
「この間はすまなかった。あんなこと言って。
シグナムから、少し聞いた。――やっぱり、お前は知ってたんだな」
何を聞いたのか、知っていたのか。はやては僅かに表情を動かして、シンの言葉に無言
の肯を示す。
「でも、わからない。知っていたのなら、何故捕縛にお前が拘ったのかが。アッシュを倒
すことを、容認しなかったのかが。
シグナムから話を聞いて、ずっと考えていた。でも……」
はやてが捕縛に拘るのは、何も管理局員としての責務だけではないことはシンも気が付
いていた。
それ以外の、何か。しかしシンはそれが何なのかが、どうしてもわからない。
「はやて、お前はアッシュと戦ったんだろう。あいつの危険性は十分に分かったはずだ。
それでも、意見は変わらないのか」
「変わらへんよ」
躊躇無く答えるはやて。思わずシンは目を見開く。
「どうして…? そこまでして六課の設立が大事なのか? もしあいつによってなのはか
フェイトか」
重い体を動かし、はやてに詰め寄るシン。
「お前の大事な家族が失われたら……。そうなったときの事は考えなかったのかよ」
「考えとるよ。出動のたびに」
先程同様間を置かず、きっぱりと彼女は答えを返す。
「隊舎から指示を出したあと、いつも願っとる。みんなが無事に帰ってくることを。でも、
最悪の可能性は心の片隅から消えへん。
暫定とはいえ初めて自分の部隊を、部下を持って、前線の指揮官がどんな思いなのか知
ったよ。
確かに怖いよ。そのことを思うと」
僅かに俯き、両膝に置かれた手が握りしめるはやて。自分を見ていた毅然の表情が不安
に歪む。
「それでもみんなは私を信じて頑張ってくれてる。最良の結果を残すべく、指示を出した
私を。
そんなら私が皆を信じんわけにはいかんやろ。――だから、私は自分の思いを曲げるこ
とはできんのや。
六課の皆ならアッシュの捕縛ができる。そう信じたその思いを」
言い終え、歪んでいた表情がいつもの明るい自負に満ちた笑みに戻る。
そしてはやてはアッシュを捕縛する方策を語る。それはシンが考えていたものよりもず
っと的確で洗礼されたもので、倒す一辺倒に考えていたシンには決して思いつかない策だ
った。
でもはやてってシンよりは幸せな気がする。
リインは確かに消えちゃったけど、アレって本人が仕方が無いとは言え、望んだわけだし。
シンは許容も容赦も無く殺されまくったからなぁ…家族や親友とか。
戦争だから、って言ってしまえばそれまでなんだけど
家族の死に方は壮絶だったな。
規制か?
かもね
「それにな、それとは別で、捕縛に拘った理由はもう一つ、あるんよ」
額に掌を添えるはやて。いきなりの行動にシンは驚くも、声は出ない。
「こんな仕事をしていてなんやけど、私の隊にいる間だけは手を汚してほしくない。
みんな優しい子達やから。誰かをその手にかければ、きっと苦しむ。もちろんレイもシ
ンもや。
私はみんなの隊長やからな。みんなを守らなあかん。そう言う悲しみ、苦しみからもな」
慈しむような表情ではやては二、三度、シンの頭を撫でる。
「――」
「いつかきっと、そんな綺麗事が通じないときも来るとは思う。手を汚さなければならな
いときも、あるとは思う。
だからといってそんなときの予行練習みたいなことはしたくないし、するべきやない。
それに私はそんなのは嫌や。例えそんな状況になってもそうならないよう何とかする、
してみせる。リンディさんやクロノくん、なのはちゃん達が私を守ってくれたように。私
の全てをかけて」
「はやて……」
確固たるはやての思いを聞き、夢想家、甘い奴と思う前に、シンは一つのことを思う。
皆を、自分の元に集った全ての人達を守ると彼女は言った。――なら、彼女は、はやて
は誰が守るのだろう。
機動六課部隊長、総合SSランク魔導士、古代ベルカのレアスキル継承者、八神はやて
二等陸佐。
数々の立派な称号や呼び名を持つとはいえ、同時に彼女はただ一人の、八神はやてとい
う女性でもあるのだ。それをシンは今日知ったのだから。
ただ一人の彼女が、皆のために傷つき、責を負わせるような真似は許せない。何より、
はやての自己犠牲のような言葉には、納得しない。するはずもない。
「はやて、お前は皆を守ると言った。――なら俺はお前を守るよ」
裡に膨れた思いを、そのまま言葉に変える。
「シン……」
おそらく余計な気遣いだろう。彼女の周りにはなのはにフェイト、そして八神家の家族。
さらにナカジマ三佐やギンガ、六課をバックアップする多くの面々もいる。
自分の守りは必要ないかもしれない。だが、そんな理屈抜きにシンは彼女を守りたいと、
彼女の夢である六課設立に協力したいと初めて思う。せめて自分が側にいる間だけは――
アッシュに対する姿勢を、変える気はない。だがそれを実行するとき、綺麗事がすまさ
れないときだ。
その時になるまで、シンは自身の思いを封じる。出会い、僅か一ヶ月しか経っていない
自分を、親友達と同じように信頼する彼女の思いに応えるために。彼女の思いを、守るた
めに。
動く右手で頭にあるはやての手を握る。驚くはやてに、シンはもう一度、言う。
「お前は、俺が守る」
ぽかん、とした表情のはやて。がすぐに破顔一笑し、
「ほんならまずは、怪我を治さなあかんなぁ。あと私の指示にはちゃんと従ってな」
浮かべた笑みはシンが見惚れた、”八神はやて”という女の子の笑みだった。
to be continued
5話投下終了です。前話から一ヶ月。スレの荒れ具合に話が上手くまとまらないなどの事情もあり、こんなに時間がかかりました。
シンとはやて(六課)、両者の”敵”に対する思考の違いと、シンのはやてへの見方が変化する話です。
StS決戦でもはやてはなのは達にナンバーズの殺傷(破壊?)許可を出しているようなシーンはありませんので
捕縛に拘るようにしました。他の理由は当然独自設定です(笑)。
ところでみなさん、王道って好きですか? 自分は大好きです。なのはの原作から知っている自分としては、やはり王道に拘りたく……
…と長々言っていますがまぁ、なのはとクロノについてです。本編ではあんな感じになっていますが、せめて自分のSSではこうしたい
なぁ、と思いまして。
まぁ最初の後書きで一部設定が違うところがあるって言ってるし問題なし! ……ですよね(開き直
6話は早くて再来週かと。最近仕事のシフトが変わりまして時間が取れない…
>リリカルクロスSEED氏
なのはと同じ9歳になったキラ。フェイトとはどう絡むのか期待ですね。
そしてキラと同様にこちらに来ていると思われるアスランとの対面も。
GJです。
>望氏
HDが壊れましたか……。やはり常日頃からのバックアップは必要ですね。
お互い気をつけましょう。ウチのHDも時折変な音が…
追記
今回も多くの方の支援、有り難うございます。
時間も時間なので寝ます…。それでは。
王道だって?そんなもの・・・
大 好 物 で す
>>339 GJ!
無理せず自分のペースで投下して下さい
>>338 ここのクロノはなのはとなにかいい感じなのでしょうか、ユーノじゃなくて。
そうならクロノはエイミィと結婚はしていないことになるのでしょうか?
あと王道ってもしかしてPCゲームのおもちゃ箱の方のリリカルなのはですか?
おはようございます。
投下OKでしょうか?
そして、皆様すいません。先に謝っておきます。
アスラン・・・・・・こっち来てません。(土下座)
アスランが来てると望様と被るので、ちょっと変えようと思ったので。
今回はキラの一人の舞台です・・・・・期待させた方すいませんでした。
>>343 投下してください!!
そっかキラの一人舞台か…それでも今までにない展開なので期待しています!!
第二話:目覚める刃なの
「キラ君は動物は大丈夫かい?」
「あ、はい。大丈夫です」
「なら、いいんじゃないかな」
高町家の夕食でなのはが怪我をしたフェレットについての話をして、それを飼ってもいいかという話になった。キラとしても反対する理由はなかった。
そうして、キラは部屋に戻ると、帰り道に拾ったクリスタルを眺めていた。
(何なんだろうな・・・・・これ)
そう考えながら寝ようとした時だった。
『聞こえますか?僕の声が聞こえますか?』
「え?」
キラは辺りを見回したが誰もいない。
『聞いてください、僕の声が聞こえるあなた。お願いです、僕に少しだけ力を貸してください』
「・・・・・・誰なんだ、君は」
答えることはない、まるで受信しか出来ない通信機のようだ。
『お願い、僕のところへ、時間が・・・危険が・・・・もう!』
「!?」
何か危険な状態であることは分かったが声の主がどこにいるかが分からない。
「どうすれば・・・・・・・え?」
持っていたクリスタルが光りだし、宙に浮き・・・・窓から飛び出した。
「あっ!」
キラはすぐに外に飛び出していた。
「あれ?」
玄関から飛び出すと先を走るなのはの姿が見えた、その上をクリスタルが飛んでいる。
わけが分からないままだったがキラはそれを追いかけていた。
ドーーーン
なのはがある建物の敷地に入ったとき大きな音と砂煙がした。
「なのはちゃん!」
「キラくん!どうしてここに?」
キラはすぐになのはの無事を確認すると音の原因を見て驚いた。そこには木をなぎ倒した。変な化け物がいた。
「なになに、一体なに!?」
「来て・・・くれたの?」
今度は別方向から声が聞こえてそれを見るとフェレットが喋っていた。
「喋った!?」
「なのはちゃん!」
喋ったことになのはが驚いていていたが、キラはすぐになのはの腕を掴むと走り出した。
「何が起きてるの?」
走りながらもなのははフェレットに話しかけていた。
キラは話を聞かず、後ろを確認しながらなのはに言った。
「先に逃げていて」
「そんな、キラくん!」
「いいから!!」
なのははキラの大声に驚きながらも走り出した。
それを見送るとキラは追ってくる化け物に目を向けた。それはキラが今までに見たことないものだった。ただ、邪悪なものだということは分かった。
「なのはちゃんが逃げ切れる距離だけ稼げれば!」
キラはそう判断すると手近にあったゴミ置き場から鉄パイプを見つけて構えた。
一応、高町家にお世話になっている間、体を鍛えるということで恭也に剣道を教えてもらっていた。
ここでもコーディネーターのおかげかすぐに物にすることが出来て、恭也を驚かした。
キラは上段の構えからこっちに突っ込んでくる化け物に思い切り振り下ろした、しかし・・・
「うわっ!?」
弾き飛ばされてしまった。
さすがにコーディネーターでも9歳の子供と木をなぎ倒すほどの化け物、力の差は歴然だった。
「うぅ・・・」
起き上がったキラが化け物を見たときには化け物はキラに飛びかかろうとしていた。
「!?」
咄嗟に目をつぶってしまう。
しかし、いくら待っても化け物が来る気配がない。
そっと目を開けると盾が目に入った、それはとても懐かしく見えた。
「ストライクの・・・・・シールド?」
それが自分の目の前に現れ、化け物の攻撃を防いでいた。それと同時にいつの間にかクリスタルが手に収まっている。
「これって・・・・・・」
ストライクのシールドを手に取る、間違いなくストライクのシールドだ。大きさは今のキラのサイズに合わせてあるようだった。
わけが分からないが、どうやら自分に力があることには自覚が出来た。
「これなら・・・・・・」
どうにかなると思ったが、化け物は進路を変えると物凄い勢いで飛んでいった。
「あっちはなのはちゃんが逃げた方角・・・・・・くそっ!」
キラはすぐにその後を追った。
キラが追いついたときには全てが終わっていた。
何故か服装の変わったなのはが杖、レイジングハートを青いクリスタルのようなものに触れている場面だった。
「なのはちゃん?」
「あ、キ、キラくん!?」
驚いているうちになのはの服装が元に戻っていた。
「あ、あれ?終わったの?」
「はい、それにそこの人も・・・魔力持ちだなんて・・・・・それより、ありがと・・う」
フェレットは喋り終えるとそのまま倒れてしまった。
「ちょっと・・・・大丈夫、ねぇ」
「なのはちゃん!心配する前に今はここを離れよう!」
周りは電柱は倒れているわ、塀も崩れているわ、地面には大きな穴まで出来ていた。
キラがそういうと遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
「う、うん」
2人はすぐに走り出し、近くの公園へ入った。
そこでなのはとキラはフェレットのユーノと自己紹介を交わす。
「すいません、2人を巻き込んでしまいました」
ユーノは顔をうつむかせてしまった。
「えっと、私は多分平気だよ」
「僕は・・・・・わけが分からないことばかりだけど・・・・大丈夫」
「ともかく、一旦家に戻ってからにしよ」
「そうだね、もしかしたら心配かけてしまってるかもしれないし」
その後、2人は恭也に怒られながらも美由希に助け舟を出してもらったり、ユーノの可愛さに大喜びの桃子のおかげで話をしそびれてしまった。
次の日、なのははレイジングハートをキラは拾ったクリスタルで会話、念話というものができることをユーノに教えてもらっていた。ユーノ曰く、キラの持っているものは少しレイジングハートとは違うものデバイスには変わりないものらしい。
「と、いうことはキラくんも魔法使いになれるのかな?」
「そうだね。魔力も凄いし、使い方を後で教えるよ」
「うん、分かった」
そうして、二人は学校へと向かった。
「おっはよう〜」
「おはよう」
なのはとキラが入ってくるとアリサとすずかが直ぐに話しかけてきた。
「なのは、夕べの話聞いた?」
「へ?夕べって?」
「昨日行った病院で車の事故か何かあったらしくて壁が壊れちゃったんだって」
「あのフェレットも無事かどうか心配で・・・・」
「うん」
(キラくん、それって・・・・・)
(間違いない、あの化け物のことだ)
二人は念話で相談した結果、話を合わせてフェレットが逃げ出して自分たちと道端であったことにしておいた。嘘は付いてないが大きなところは語られることはない。
その後、なのはとキラはジュエルシードのこと、その危険性、ジュエルシードがこちらの世界に来てしまった理由を話してもらっていた。
(別にユーノ君悪いわけじゃないんじゃ?)
(だけど、あれを見つけてしまったのは僕だから)
(なんとなくだけど、ユーノ君の気持ち分かるかもしれない)
(うん、そうだね)
(夕べは助けてもらって本当に申し訳なかったけど、この後魔力が戻るまで休ませてくれないかな?5日もあれば元に戻るから・・・)
(戻ったらどうするの?)
(また一人でジュエルシードを探しに出るよ)
(それはダーメ)
(ダメって・・・・)
(学校と塾の時間以外は手伝えるから)
(僕も手伝うよ、少しでも役に立ちたいしね)
(だけど、昨日みたいに危ないことだってあるんだよ?)
(でも、話も聞いちゃったし・・・)
(うん、ほっとけるわけない)
なのはに続いてキラも答えた。
(ユーノ君、ひとりぼっちなんでしょ。ひとりぼっちは寂しいもん・・・わたしにもお手伝いさせて)
(僕もなのはちゃんの意見に賛成かな)
(ありがと、キラくん)
(二人とも・・・・・ありがとう)
キラにとっては全くもってファンタジー以外の何物でもなかった。しかし、昨日や今日の事を見る限り信じなくてはいけないようだった。そして、ユーノを手伝うことが今の自分に出来ることだと感じた。
(ところで、ユーノ)
(え?何?)
(あ、とりあえずなのはちゃんごめん、二人で話していいかな?)
(うん、いいけど・・・・・どうしたの?)
(ちょっと・・・・・)
なのはは後ろに座っているキラを見たが、キラは苦笑いを浮かべていた。
(あのさ、ユーノ。さっき言ってた時空間船って、もしかして違う世界に行けたりするのかな?)
(はい、そうですけど・・・・・どうして?)
(あの・・・・・これは嘘じゃないんだ。真剣に聞いて欲しい)
キラはユーノに自分が体験したことを全て話した。
(そんなことが・・・・・)
(うん、どうにか元の世界に帰る方法があるならどうにかできないかな?)
(キラさんが別の世界から来たなら、魔力を持っているのも分かる気がします)
(・・・・・・・)
(でも、今の僕にはキラさんを帰す方法は・・・・・・すいません)
(そうなんだ、ありがとう。あ、それと年上だからって「さん」付けしなくてもいいよ)
(分かりました、でもお役に立てなくてすいません)
(いや、いいんだ。少し希望が持てたから。後、このことはなのはちゃんには・・・・・)
(分かりました)
(お話終わったかな?)
なのはが喋りかけてきたのでこの話題は終了となった。
アリサとすずかと別れた、なのはとキラは家に帰ろうと足を進めていた、その時だった。
一瞬、周りの空気が変わったのをなのはとキラはすぐに気がついた。
(新しいジュエルシードが発動している、手伝って!)
((うん))
なのは、キラ、ユーノは神社の階段を急いで登っていた。
「なのは、レイジングハートを!」
登りきると犬の姿をしたような化け物がいた。
「原住生物を取り込んでいる・・・・・実態がある分手強くなってるよ」
「なのは、レイジングハートの起動を!」
「え?起動って何だっけ?」
「「え?」」
はてなマークを出すなのはにユーノもキラも唖然としてしまっていた。
「!!??」
犬が飛び出そうとしているのに気がついたキラはなのはを庇うように前に出ていた。
「キラくん、ダメ!!」
「守りたいものがある・・・・だから・・・・僕は力が欲しい!!」
そういった瞬間になのはのレイジングハートとキラのクリスタルから光が溢れた。
「こ、これは・・・・」
『Please call my name. My master.』
『Stand by. Ready. Set up.』
「名前・・・・・・ストライク!」
「レイジングハート!」
二人が叫ぶとキラは白と青の光が、なのははピンクの光が包み込んだ。
光が止むと、キラはシールドとライフルをなのははレイジングハートを持っていた。
「二人ともパスワードなしで起動した!?」
驚くユーノを余所に化け物が二人に飛び掛ってきた。
「二人とも!防護服を!!」
『Barrier Jacket.』
化け物の突撃を受けたが、二人とも間一髪でバリアジャケットに身を包んでいた。
キラのバリアジャケットは白と青を基調にしたものだった。
化け物が二人に再度飛び掛るも自動的にプロテクションが発動。
ノーダメージで化け物を吹き飛ばした。
しかし、化け物犬はまだ立ってきていた。
「封印するにはもっと弱らせないとダメだ!」
「うぅ、弱らせるっていったって・・・・・」
「なのはちゃん下がって!」
言った瞬間キラは飛び出していた。
「ストライクと同じなら・・・・・・うおぉぉぉぉぉっ!!」
キラはライフルの引き金を引く、青い魔法の弾が犬型の化け物に当たり吹き飛ばした。
起き上がり、飛び掛ってくる化け物をすぐに避け、またライフルを放つ。
「すごい・・・・戦い慣れてる?」
ユーノはキラの戦いを見ながらそんな言葉を漏らしていた。
キラは腰からアーマーシュナダーを両手に持ち、化け物の前足に投げ、それが刺さり動きを封じた。
「グオォォォォォォッ!!」
「今だ!なのはちゃん!」
「いくよ、レイジングハート!シリアル16、ジュエルシード。封印!」
光が集まりやがて霧散していくとジュエルシードが現れ、なのははそれをレイジングハートに触れ、封印を完了した。
飼い主とジュエルシードに取り込まれていた子犬が帰っていく。
「お疲れ様、なのはちゃん」
「うん、キラくんも」
「二人とも凄いね、魔導師の才能があるよ」
ユーノは先ほどの戦いを見て、本当に驚いている。
なのはとキラの才能は他の魔導師より抜きん出ているといってもいいほどだった。
「まぁ、とりあえずさ。帰ろうか?」
「そうだね、私おなかペコペコだよ」
「あははははは」
二人と一匹は笑いながら帰途に付いた。
と、いうわけで投下完了です。
キラ君が持ったクリスタルはストライクでした。
まだまだ序盤誤字脱ry
それでは、第三話「決意の砲火」をお楽しみに!
>351
GJ!俺は自由より攻撃のほうが好きだぜ
装備を変換しつつ戦うというコンセプトに燃えを感じる
ところで今回キラが使ったのはエールじゃなくて無印攻撃だよな?
アニメを見る限り、クロノがエイミィとフラグ立ててない場合は
はやてとくっつきそうな気がする
>>353 リリカルの原点おもちゃ箱のリリカルなのはでは、なのははクロノとくっついたんだよ。
まあ設定も違うしアニメとは別物だけどな。
それよりおもちゃ箱のなのはを知ってる人って少ない気がする。
>>354 いやいや原作はわかってる
ただ闇の書の主であったはやてと闇の書の被害者であるクロノはなんとなくフラグ立ちそうな気がしたからさ
>>355 同じ闇の書の被害者って事で?
なんかそれって傷の舐め合いっぽくない?
>>356 実際にクライドが死んだ時はまだはやては闇の書のマスターじゃなかったけど、はやての性格からして
少なからずクロノには申し訳ない気持ちを持つような気がするし
クロノはクロノでそんなはやてを優しく諭したり…
スマン、変な妄想になってきた
>>351 アスランは来ていませんか。
コックピットから脱出したと書いてあったと思うので当然かもしれませんね。
キラの魔力の色は青で決まりですか。
学校では体育の授業では手加減したりしてやっているんですかね。
せっかく陸士空士って設定があるんだしエールじゃなければ
空戦不可能って設定にすればどうだろう?
それだとランチャーはともかくソードの使用頻度がかなり低くなるが
実際原作でもそんな感じだしな
考えてみればキラもなかなかに不幸だな
親友の親友を殺し親友に親友を殺され親友と殺し合ったんだから
さあ早口で言ってみよう
昨日一日使ってようやくPCが使えるようになりました……
これでなんとか続きが書ける……
今度はデータのバックアップ用にフラッシュメモリ買って来ました。
今度からはHDDとメモリに保存していきます。
ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。
>>lyrical Seed Destiny氏
シンとはやてが急接近ですね〜というかあんだけ苦戦したアッシュをあと一歩まで追い詰めるアスランはどれだけ強いんだ……
ちなみに自分も原作はしました。
>>リリカルクロスSEED氏
クリスタルはストライクでしたか!アスランが出てこないのはちょっと残念ですが、
その分キラには頑張ってもらいましょう!
さて、では仕事が終わったら帰って続きを書きます…出来る限りお早めに投下したいと思っていますが、今しばらくお待ちください…orz
>>361 まあデスティニーが不完全だった上にブランクで腕が鈍ってるシンに対して、凸はデバイス完璧で現役で実力も維持してるだろうしな
差が出るのは当然な気がする
>>351 GJです
キラとなのはが対等な立場で会話をするssってこれが初めてですよね
個人的にはキラとユーノの友情物語が見たい
なのはシリーズは女同士の友情ばかりで男同士の友情を軽視しているように見える
>>363 と言うか、男の存在自体を軽視してないか?
>>364 一応魔法少女物だからな。
女重視になるのは仕方ないのかもな。
そもそも原点がエロゲーだからなw
>>365 つか、無印→AS→STSってなるにつれて、男の軽視されっぷりが上がっている気がする。
ザッフィーなんてその最たる例だ。
キラとユーノ、シンとクロノ
この2組は絶対気が合う
ザフィーラは一応リベンジ果たしたからいいだろ(人型無いけど)
むしろ真価が問われるのは来週のエリオ
仮にもメインキャラの一人なんですが……
エリオいらね
ザッフィーも一度くらいSts中に人型で出してやれよと思ったよ。
最終回でも人型にはなれなかったぽいし
11時過ぎぐらいに投下します
魔道戦士まじかるしん25話 失敗作
「うわあ、綺麗だねーー」
もう時刻は午後の2時
シン達機動六課とカリムは作戦が終了した後、ディオキア言う町に駐留する事になった。
なぜそこにみんながいるのか、
それは彼女達に会いたい人物がいるということなのだ。
「それにしても私たちに会いたい人って……だれやろ?」
はやてがう〜〜んと考えるが、よく分からない。
(なあレイ、まさか……)
(ああ、おそらくは……)
その中、コズミック・イラ出身の二人組みはその人物に大体の予測はついている。
しかし……
(議長、いろいろと忙しいはずなんだけどな…)
(地上に用があるのかもしれない)
いろいろと忙しいのに大丈夫なのだろうか、あの議長……
まあ、本当に議長かどうかはわからないが……
「二人とも、どうしたの?」
フェイトが二人のひそひそ会話を見て、どうしたのだろうか尋ねる。
しかし、ふたりはいえ、なんでも…と気まずそうにいう。
「そういえば、あのコンサート会場のセットのようなものってなんでしょう?」
エリオは何かコンサートの会場のようなものが
その時だった……
「ザフトのみなさーーーん!元気ですかーーーーーー!!?」
その時、会場からなにか大声でザフト兵士に問いかける声が事故得る。
なんだ?と思い六課のメンバーは上を見ると、ステージの下から女性の声が聞こえてきた。
その女性はコンサートなどでよく使われるあれベーターでだんだんとその姿が明らかとなった。
派手な、それも特定の男にこびそうな露出度の高い衣装を着たピンク色の髪をした女性がメロディと同時に踊りだし、歌を歌いだした。
その女性が来たとたん。基地にいる兵士は次々とその女性のもの杜へ向かっていった。
「この世界のアイドルかな?…そういえば誰かににてるような……」
なのはは誰かに似ていると思い出そうとする。
「ラクス・クライン?けど……」
シンもよく似ている人物を思い出した。
実際に一度会っているからよく分かるが、それはその人物、ラクス・クラインとは全然違う。
容姿はよく似ているガ、あそこまではっちゃけているようには見えな。
なにより……
(あんなに胸あったか?)
本物と見比べてもいろいろとラクス・クラインとは違うところが見受けられる。
その時、シンは何か妙な視線を感じる。
視線の先には、ティアナがこっちを睨んでいた。
「…スケベ」
「な!?」
どうやらかなりの勘違いをされているようだ。
「ち、違うって!勘違いするな!!」
シンは必死に弁明するが、どうだか…とティアナは冷めた目で見る。
「エリオ、どうした?」
レイはエリオを見るが、エリオを目はさっきからキョロキョロとしていた。
その理由を、レイはなんとなく察した。
「……気になるのか?彼女の衣装が」
「え!いや…あの……」
レイの言葉に、エリオはドキッとなって顔を赤くする。
小さいとはいえ、エリオもやはり男か、とレイは微笑する。
そのエリオの反応に、フェイトはくすくす笑い、キャロは顔をむっとさせる。
「さっきまであんなに戦ってたのに、元気ね」
カリムはそんなやり取りを見てくすくすと微笑む。
その時、別方向からヘリが降りてきた。
「なんだ?」
そのヘリがなんと自分達の近くに下りると、そこから一人の人物が降りてきた。
その人物を見て、なのは達は仰天にも似た驚きの顔を出すが、シンとレイは半分やっぱり、と言った感じであった。
「初めてだね、機動六課の諸君。最も、レイとシン君は別だが」
その人物は、長いワカメのような髪をしている温和そうな男性であった。
その人物は謎のマントを羽織っている。
そしてシンは不意につぶやく。
「議長……」
さて、機動六課がコズミック・イラにいたときのカリム・グラシアのいない聖王教会。
「全くあなたと言う人は…本局からあなたの事で話があると聞いて内容を聞いてみれば……」
「いや、あの……だから、その……」
聖王教会の修道女(シスター)であり、目の前にいるヴェロッサ・アコースの教育係でもあり、
さらには彼とその義姉カリム・グラシアの護衛もしているシャッハ・ヌエラ。
シャッハは呆れながら目の前にいるヴェロッサを見る。
「また仕事をサボったみたいですね」
一方、シャッハから説教を受けているヴェロッサはもうお手上げ状態であった。
どうも彼女とカリムには頭があがらない。
「失礼だなシャッハ…ちゃんとやってるよ…たまには」
「いい加減にしてください」
ロッサの見苦しい言い訳もシャッハには通用しない。
「ちょうどカリム様もいないことですし…今日はこってりと絞らせていただきます」
「そんな、こどもじゃないんだから」
「そうまでしないとちゃんといしないのはどこの誰ですか?」
ごもっとも、と少ししゅんとなるロッサ。
「だけど、今日だけは勘弁してくれないかな?これから人と会う約束があるんだ。
待たせるとまた遅れた、とかサボリだとか言われちゃうからね」
あはは、渇いた笑みを浮かべるロッサだが、まだシャッハの顔は厳しい。
その理由は、以前にも同じ理由でシャッハの説教を抜け出したことがあるからだ。
ちょうどその時だった。
「シスターシャッハ、アコース査察官はおいでですか?」
ドア越しに聞こえる聖王教会のものの声に、いますよと返事をする。
「よかった。お部屋にいないと思って、まさかまたしかられてると思ってきてみたら正解だったようですね。
アコース査察官。お客様がおいでです」
聖王教会のものの声に、ね?と答えるロッサ。
やれやれ、とシャッハはため息を付く。
どうやら今回は本当らしい。
そしてロッサはその人物からその人物が自分の部屋の前にいると聞いて自分の部屋へと向かう。
それにしても……
(やっぱり僕っていつもシャッハにしかられているイメージがあるのかな?)
などと思いながらロッサは自分の部屋へ向かう。
するとそこにいる黒い挑発の男は彼の姿を見る。
「やあ、待たせたみたいだね、カナード」
ロッサの言葉に、カナード・パルスはロッサを見る。
「またしかられてたのか……」
彼の言葉に苦笑いを浮かべながらまあ……と答えるロッサ。
どこまでこの事実が知れ渡っているのだろうか……
まあいいか、と気を取り直して、二人は教会の外へ出た。
そこは緑にあふれた庭、といっても、ほとんど森といってもいいかもしれないところで二人は止まった。
「言れたとおり、いろいろ調べてきたよ。キラ・ヤマトの事をね」
「すなんな」
「いいよ、僕も君にはいろいろと助けられたしね」
けど…と急にロッサの顔が険しくなる。
「いろいろと調べてわかったけど、君は何故彼を探してるんだ?」
ロッサの言葉に、その男、カナード・パルスは急に俯く。
「ククク……」
そしていかにも怪しい笑みをこぼしながら言う。
「いろいろ調べたという事は、お前も知ってるのだろう?キラ・ヤマトがどういう人物なのかという事を……」
キラ・ヤマト。
コズミック・イラうまれのコーディネーター。
しかし、他のコーディネーターとは少し違う。
科学者達の長い遺伝子研究の末に完成した者。
ただでさえナチュラルよりも高い能力を持つコーディネーターだが、なんでもその研究はそれよりも高い存在だという。
「そうだ、それであっている」
だが……カナードはある事を告げる。
「だが、それには…スーパーコーディネーターには勿論失敗作がうまれる。それもかなりの数がな……」
そのカナードの言葉に、まさか…とロッサはカナードを見る。
もしかして彼は……
「そうだ、俺はその失敗作だ」
そして彼は、その失敗作の唯一の生き残りでもある。
彼は少し彼について話す。
彼は生まれて間もない頃、失敗作なので廃棄されかけた。
だが、ある研究者の一人は自分だけ逃してくれた。
その後、カナードはスーパーコーディネーターに興味を持つ様々な研究機関にさらわれ、実験をさせられた。
だが、強力なレアスキルを持ってはいたが、コーディネーターの能力と言う点では、確かに普通のコーディネーターよりも高い。
だが、どれをとっても思ったよりもよい結果が得られないため、研究者は彼を「失敗作」や「欠陥品」などといわれ、さげすまれた。
その後、彼は様々な場所をさまよい、管理局に保護された。
そして今に至る。
「だから、俺はキラ・ヤマトに会わなくてはいけないんだ……それで、やつはどこにいる?」
話す事を話して、カナードはロッサに尋ねるが、ロッサは口をひらこうとはしない。
彼の過去にも驚いているが、彼の話を聞く限り、彼はおそらく……
「俺は、あいつを倒す。倒して、俺を作ったやつに、俺を蔑んだやつらに、俺は失敗作じゃないと証明させる!
それが俺が今生きている理由だ!」
今までそのために生きてきた。
やつを、本物を倒して自分が失敗作ではないと証明させる。
「ついでに言えば、管理局にいたのもそうすればやつの手がかりがつかめるかもしれないと思ったからな…」
そのあと、彼は管理局を辞めて彼を探し出そうとしている。
そんなカナードの思いを聞いて、ロッサは少しため息をつく。
「気持ちはわからない事はないけどね……けど、このデータを君に渡す事ができなくなったね」
ロッサはそういうが、カナードは別段驚く様子は見せない。
自分がそういう事を予測したのだろうか……
「悪いけど、君を止めさせてもらうよ…まさか管理局員同士で本気で戦う事になるとは思わなかったけどね」
そういうとロッサは構える。
だが、それを見てカナードは笑う。
「おいおい、査察官が戦いなんて出来るのか?無茶な事はするな、命を落とすぞ?」
戦闘向けではない査察官であるロッサと、失敗作といわれてはいるがコーディネーターであるカナード。
戦いと言う点に関しては、どちらが上というのは明らかだった。
それはロッサも承知している。
だが、いまさら引く気もない。
「僕も古代ベルカのレアスキルを持っているんでね。少しは戦えるさ」
そういうと、ロッサの周りから魔力で出来た犬が出現する。
そしてロッサはカナードに向けて犬を走らせる。
「ハイペリオン」
カナードは静かにバリアジャケットを着用。
だが、犬は確実にカナードに接近し、襲い掛かる。
「アルミューレ・リュミエール」
すると、カナードの周りにプロテクションが展開される。
そのプロテクションは犬を簡単に弾き飛ばした。
次にロッサは、手から炎を生み出す。
「マッガーレ!」
そして生み出した炎を蹴り飛ばす。
それは曲線を描きながらカナードに向かう。
そしてカナードに命中し爆発する。
「ダイナマイトキーック!」
そしてそこに向かって追撃といわんばかりと魔力のこもったけりをかます(以前と同じねたでスマン)
「やめておけといったはずだ」
しかし、カナードはロッサの魔力をおびていない足を掴み攻撃を防いでいた。
そしてそのまま近くの木に投げ飛ばす。
ロッサは魔力で何とかダメージを和らげるが、目の前にはすでにカナードがいた。
カナードはおもむろにロッサの後頭部を掴み、顔面を思いっきりひざで蹴り上げる。
『ロムテクニカ』
カナードは魔力刃を生成するナイフを持つ。
「があ!!」
バリアジャケットを着ていないロッサに躊躇なくナイフが刺さり激痛が襲う。
それと同時にさしたときに出た血がカナードのバリアジャケットにも付着した。
『ザスタバ・スティグマド』
カナードが持っていたナイフはマシンガンに変化し、ロッサに向けて数発放つ。
それと同時にロッサは気を失ってしまう。
「安心しろ、急所は外しておいた。これはもらっていくぞ」
そしてロッサの手に握られていたデータを奪い取る。
だが、なんだかんだ言いながらも彼にはいろいろと世話になった。
そう思ったカナード上空を見る。
これほど暴れればそろそろ誰かが駆けつけるだろうが……
『フォルファントリー』
上空へ二つの砲撃を放つカナード。
こうすれば誰かがここに駆けつけるだろう。
そう思ったカナードはバリアジャケットを解きサイフを取り出す。
なんだかんだ言ってもいろいろと付き合いが長い人物をこうしてしまったのだ。
せめて医療費ぐらいは出してやろうと思ったカナードはおもむろにかなりの数の紙幣を織り出し、彼のそばに置いた。
(わかりやすく言えば100万の札束を思い描けばおk)
そのあと、真っ先に異変にづいたシャッハはカナードはこの場に消えてからわずか1分後にあの現場にやってきた。
「ロッサ!!」
シャッハは血だらけで倒れているロッサを見つけて、急いで医療班を呼んだ。
その時、シャッハにいることに気付いたロッサ。
そしてこうつぶやく。
「シャッハ……コズミック…イラにいる…姉さんに伝えて…おいてくれないかな?
ラクス…クラインの護衛役…キラ…ヤマトを……守ってくれ…って……」
すべてを言い切る前に、ロッサの意識は途絶えてしまう。
その時、カリムたちはギルバード・デュランダルとあって話をしていたときであった。
シ「キラ・ヤマトの居場所を知るためにヴェロッサを倒したカナード」
な「そしてディスクに入っていたものとは……」
レ「それと同じ頃、シンは議長と模擬戦をする事になる。果たして議長の実力とは……」
フェ「次回MP3228に、テイクオフ」
デュ「これも若さゆえの過ちというやつか……」
シ「議長、いつの間に……」
デュ「いやあ、ちょっと退屈になってね、邪魔しているよ。仕事なら問題ない。
通常の議長の3倍のスピードで終わらせたからね」
シ「はぁ……」
投下完了。
今回からはアストレイX編に突入。
カナードには、あの人とたた勝てもらうわけなのですが(ブレアじゃないよ)
それはまたお楽しみということで
乙なの!
カナードはまじかるしんでも強いのか。
まあ、CEでもトップクラスの実力者だしな。
てか、このノリだと並の魔導師の3倍強そうだな>>議長
GJ!
カナードの強さはまぁ当然だが、予告の議長の赤い彗星補正ワロタww
ノリ次第でガチンコでキラに勝てるんじゃないかw
え〜、私もSS書けたので投下してもいいでしょうか?
戦闘がうまく書けず、ダメダメ臭が漂っていますがorz
いけ、書いたなら投下するしかない!
さぁさぁさぁさぁ、カモーーん!!
魔法少女リリカルなのはC.E.73 第30話
投下します。
「──!? そんな……ッ!」
キラは、計器がもたらす情報から、ムラサメ隊の一機が落とされた事を知る。その事に一瞬動揺し、隙をさらしてしまう。
そして、それを見逃す事なくアビスが放ったビームが、キラのムラサメを襲った。
「──くっ!!」
キラはギリギリのタイミングで回避するが、ビームが擦ったムラサメの装甲には焦げ跡が残る。
必死に機体を制御して体勢を立て直し、アビスに銃口を向けようとするが、相手は再び海の中に身を隠していた。
「くそッ!! このままじゃ──」
このまま膠着状態を続けていては、先に母艦の方が落とされてしまう。そうでなくとも、機体のエネルギー残量にあまり余裕がない。
だが、このじり貧の状況を打破し得る手段がキラにはあった。
ガルハナンでの事もあって、自ら禁じていた力──SEEDの発動。いくら能力が上がろうと、いつ気を失うか分からない程消耗するのでは、実戦では使えないからと、封じていたその力。
「──やるしかないか……」
キラはSEEDの発動を決意する。
──が、それと同時。戦場に異変が起こった。
戦場にいる誰もが息を飲み、動きを止めてしまう。
爆散し、海の藻屑と課したはずのザムザザー達が、次々と完全な姿で浮かび上がってくる。
「な……何だよ、これ……?」
シンは思わず言葉を漏らす。事前にマユから聞いていたとはいえ、自分が目にした光景は余りにありえないものだった。そして、それはアスランも似た様なものだった。
いや、彼らはまだマシな方で、レイやルナマリアを初めとする殆どの者達が、目の前で起こっている事態に思考が追いつかない。両軍の指揮官に当たるタリアやネオですら、ただ唖然としているだけだ。
戦場で止まった時間が動き始める。ザムザザーらが、ザフト・連合問わずに、無差別射撃を開始したのだ。
しかし――
「アスランっ! シンっ!」
それより幾ばくか早く、キラは叫んでいた。
キラの叫び声で我に返ったシンとアスランは、すかさず回避行動を取り、ザムザザーの火砲から逃れる。
「くっ!!」
シンが辺りを見回すと、ザムザザーの攻撃をかわせなかったダガーやウィンダムが堕とされていた。キラの声が無ければ、自分も堕とされていたかもしれないと思い、シンはゾッとする。だが、同時にそれが癪に障った。
(──くそっ! よりにもよって、アイツに貸しを作っちまうなんて!)
苛立ったシンはザムザザーに攻撃を仕掛けようとするが、アスランに制される。
『止せ、シン! あれがどういったものなのか、お前も聞いているんだろ!?』
アスランの言葉にハッとするシン。マユの話を思い出す。あれはMS等で立ち向かえる相手では無い。
(だけど、なんでアスランさんが……)
一瞬浮かんだ疑問も、すぐに解ける。アスランも事前にキラ辺りから聞いていたのだろう。
「――っと!」
そう考えている間にも、ザムザザーからの砲撃が間断無く襲ってくる。
シンはインパルスに大きく回避行動を取らせながら、牽制のライフルを撃った。しかし、本来のザムザザーにとって死角となる下方からのビームは、バリアによって弾かれてしまう。
「くそっ! こんなの、どうしろって言うんだよ!?」
無駄だとは分かっていても、シンは毒づかずにはいられなかった。
混乱していく一方の戦局に、バルトフェルドは腕を組み、唸り声を上げた。
「むぅ……どうする、ラミアス艦長?」
彼に問われ、マリューは僅かに思案するが――彼女とて、この事態を全く想定していなかったわけではない――やがて、矢継ぎ早に指示を下していく。
「……後退して様子を見ます。MS隊は、ザムザザーに対して十分に距離を取るように。連合に対しては、こちらに向かって来るもののみ迎撃。ミネルバへの回線を開いて――」
「ま、妥当だろうな」
バルトフェルドは肩をすくめて言った。
この場に連合軍がいる以上、あのザムザザーの足止めに専念するわけにもいかない。また、このような状況下で相手にするには、あのザムザザーは危険すぎる。
戦局と同様に、タリアは混乱していた。
敵MAであるザムザザーが敵味方を無視した無差別攻撃は、今もなお続いてる。
「――! 艦長、デュナメイスから通信です!」
メイリンの言葉に反応して、タリアは混乱した思考をいったん頭の隅に押しやる。
「こちらに回して頂戴」
「了解」
その間に、タリアは表面上だけでも平静を取り繕う。同じ艦長職であるマリューに、うろたえる自分の姿を見せたくないという彼女の意地のようなものだった。
しばらくして、正面のモニターにマリューの顔が映し出される。
『タリア艦長。連合のMAによって、戦況は激しく混乱しています。一度後退して様子を見るべきかと』
毅然とした様子で提案するマリューに、タリアは内心で驚嘆する。
(不沈艦アークエンジェルの艦長として前大戦を生き延びたのは、伊達では無いという事ね)
マリューの判断には、タリアも同意見だった。ここは態勢を立て直しつつ、情報を集めるべきである。
見れば、デュナメイスのムラサメ隊は、既に艦の防衛に専念しつつあった。デュナメイス自体も後退を開始している。
「分かりました。こちらも下がります――」
タリアはミネルバのブリッジクルーに指示を出していく。
「連合を牽制しつつ後退する。敵MAの動きには特に注意。メイリン、アスラン達にも伝えて」
=========================
「……あれだ!」
なのはは目標がギリギリ視認できる距離まで来たところで停止する。この距離ならMSや戦艦の巨体は視認できても、人間サイズはそうはいかないはずだ。
今まで見てきたMSよりも大きく人型ではない機動兵器から、魔力反応が感じ取れる。が――。
「――って、三機も!?」
これまで単機でしか出現していなかった為、そういったものなのだと先入観が出来上がってしまっていたなのはは、目標が複数出現していて驚く。
集中してみても、三機から感じる魔力反応に差異は無かった。つまりは、どの機体にダーククリスタルが宿っているのか、判断ができないのである。
「……悩んでてもしょうがないよね」
無駄な犠牲が出る前に、目標を打ち落としてしまおうと、なのはは決断する。
よく見ると、この世界の軍は対応しかねているのか、その機動兵器から距離を取って様子を伺っているようだった。
「……これなら!」
これまでと違って他者が積極的に交戦していない為、目標となる機動兵器までの間に障害となる物は無く、現地点からの長距離狙撃も可能だと、なのはは判断する。
「やるよ、レイジングハート! バスターモード、セットッ!!」
《All right.Buster mode》
レイジングハートの先端部が変形する。
なのはが砲撃の構えをとると、レイジングハートの先端部付け根から、桜色の翼が三枚展開した。
狙いを澄ますなのは。精密照準を行うレイジングハート。
《Load Cartridge》
レイジングハートが二発の薬莢を排出する。なのはの足元に魔法陣が展開し、レイジングハートにも四つの環状魔法陣が取り巻く。その最先端部で桜色の魔力が光球としてチャージされていく。
《Divine Buster……Extension》
「ディバイィィィン――」
光球が大きく膨れ上がると同時、その三方に光点が生まれ、魔力が臨界点に達する。
「――バスタァァァッ!!」
撃ち出された砲撃は、目標までの距離をほぼ一瞬で踏破し、圧倒的な威力を維持したまま、対象へと突き刺さり撃ち砕いた。
《It's a direct hit》
「うん。続けていくよ!」
《All right》
残りの二機を撃墜する為に、なのはは再び砲撃のチャージを行う。
=========================
彼方より飛来した桜色の閃光に、ザムザザーの一機が穿たれて爆散した。
「――なッ!?」
その光景を目の当たりにしたシンは、驚きのあまり目を大きく見開く。
「いったい、どこから!?」
射線の源へとインパルスのメインカメラを向けると、その方向から先程と同等の砲撃が再び放たれてきた。それは、またもや正確に、残る二機のザムザザーの片割れを捉えている。
しかし、今度はザムザザーもリフレクターを展開して防御行動をとっていた。桜色の閃光がザムザザーのリフレクターに着弾する。
せめぎあう桜色の砲撃とリフレクター。やがて砲撃は止み、ザムザザーが凌ぎきったかに見えたのだが──数秒の間を置いてザムザザーは爆散してしまった。
(負荷に耐えきれなかった……のか?)
──等と推察するシンは、ある違和感に気づく。
「もう一機がいない!?」
インパルスのモニター越しに周囲を見回すが、残り一機いるはずのザムザザーの姿をシンは完全に見失ってしまっていた。
=========================
「──!? 落とせた……?」
二射目の砲撃は防御されたはずだった。
しかし、奇妙なタイムラグを経て、目標は爆散してしまったようだ。訝るなのはだったが――やがて、とある戦闘へと思い当たる。
(……! もしかして──)
《Master!!》
思考はレイジングハートの警告によって中断される。
なのはのすぐ側に出現する魔法陣。その中から現われたのは、狙撃目標であった最後の一機。
「短距離転移!?──このッ!」
予期せぬ方法での敵の接近に驚きながらも、なのはは後退しながら数発のアクセルシューターを放つ。
だが、相手は正面に障壁を展開し、弾幕をものともせず強引に突っ込んできた。
ハサミ状の右手がなのはに迫る。なのはは右手をかざして障壁を張るが──。
「──!?」
あっさりと砕け散る桜色の障壁。バリアブレイクの効果があったようで、高威力で抜かれた時のような魔力ダメージは無かった。
問題なのは──。
「──バインド!?」
ハサミにはバインドの付加効果まで付いているらしい。鷲掴みにされたまま、海中へと連れ込まれるなのは。
(不味い……息が)
魔力によって身体強化されていようと、種としてのライフラインは必須だ。以前のような下準備無しの状態で、海中というフィールドに長居はできない。
なのははバインドの解除に意識を集中させる。
《Bind Break》
バインドの効果を打ち破ったのが原因なのか、ハサミによる物理的な圧迫も緩んだ。
すかさず敵の手中から抜け出すと、反転しながらレイジングハートを横薙に払う。敵機に目がけて飛翔する数多のアクセルシューター。
相手は正面に障壁を張るが、それを読んでいたなのはの制御を受けて、桜色の光弾は四方八方へと弾道を変えた。障壁を回り込み、次々と目標に着弾する。
その隙に、海上へと逃れたなのはは、呼吸を整えながら砲撃のチャージに入る。ただし、魔力リソースには余力を残して。
油断無く注視していた海面に変化が起こる頃には、砲撃の準備は終わっていた。
「ディバイィィン……バスターッ!!」
放たれた桜色の砲撃は、真っすぐに敵機へと突き刺さる。
しかし、最後の一撃はこれまでとは違い、『非殺傷設定』を有効にして放っていた。
(手応えはあったんだけど──)
なのはは前方を見据えて警戒を崩さない。
やがて、着弾時の煙が晴れ、黒い水晶が姿を見せた。既に、転移用と思われる魔法陣を展開している。
だが、なのはも今回は無策ではなかった。
「今度は逃がさないんだからッ!」
《Restrict Lock》
レイジングハートが捕獲魔法によってダーククリスタルを空間に固定する。なのははマガジン内に残された最後のカートリッジをロードし、レイジングハートを構える。
「このまま一気に封印! いくよ、レイジングハート!!」
《All right.Starlight Breaker》
なのはの正面に展開される大型の魔法陣。その中心へと、桜色の流星となった周辺の魔力が集う。
《Count seven, six...》
レイジングハートのカウントが進んでいく。発射までの間、ダーククリスタルを空間に縛りつけておく自信が、なのはにはあった。それだけの修練を重ねてきた魔法だから。
《four, three...》
「――嘘ッ!?」
しかし、なのはの予想を上回る速度で、ダーククリスタルにバインドを破壊されてしまう。ダーククリスタルは再び転移用の魔法陣を展開し、この場から逃れようとしていた。
(……このまま撃つ!)
僅かに生まれた動揺を打ち消し、なのはは決断する。どちらのチャージが先に終わるかは五分五分の見積もりではあるが、発射シークエンスを続行した。
《one, zero》
「スターライトぉ……」
なのはは左手に持ったレイジングハートを頭上に振り上げ――
「ブレイカーっ!!」
――勢いよく振り下ろした。魔法陣から撃ち出した極太の収束砲が、ダーククリスタルを飲み込み、海面へと突き刺さる。凄まじいまでの威力を持った収束砲は、非殺傷設定であってなお、巨大な水柱を生み出した。
巻き上げられた海水が、元の海面へと降り注ぐ。
眩い桜色の閃光が奔った空間には、何一つ残っていなかった。
魔法少女リリカルなのはC.E.73─完─ な第31話の投下終了です。
30話までの全てを丸投げしてもいいなら、最終話に見えなくもない。
いや。まだ続くんですけどね。
てか、誰か覚えてる人いるのかな?
いつになるか分からない次回の投下へと続きます。
ではではノシ
俺はちゃんと覚えてるぜ!
GJ!
これからもがんばって!
続きに期待してます。
二人だけの誕生日
AM1:02機動六課隊舎、エリオ、キラ、シンの部屋。
スーッ、スーッ。
規則正しく、一定の感覚で聞こえる寝息。
カーテンの隙間からさしこむ、優しい月光がエリオの、キラの寝顔を照らし…、そして爛々と輝くシンの深紅の瞳を照らしていた。
(……眠れん…。)
何度寝返りをうち、何度トイレに行ったことだろう。
訓練で疲れているはずなのに、眠いはずなのに瞼が重くなってくれない。
「……食後のブラックコーヒーが不味かったかな…。」
小声で呟くシン。
しかし、周囲が静かな為にその呟きは予想外に大きかった。
「ん…うぅん〜…フェイトさぁ…ん…。」
寝返りをうちながら寝言を言うエリオに
『起こしてしまったか?』
とドキドキする反面、やっぱりまだ子どもなんだなと鼻で笑ってしまう。
(俺も早く寝ないとな。)
シンは頭から布団をすっぽり被り、瞼を閉じた。
……………三十分後。
(眠れん…。)
やはり、眠れないシン。
はてさて、どうしたものか…、明日…というか今日も早朝訓練があると言うのにどうしたものか。
しばらく呆っと天井を眺めていたが、シンは布団を抜け出し、寝巻きのまま、部屋を出ていった。
ヒタ、ヒタ、ヒタ…。
音を立てないように静かに廊下を歩いていたシンは途中の自動販売機でミルクを買った。
確か、眠りやすくなる成分が入っているとか聞いた気がするからだ。
そしてシンは、ミルクを持ったまま部屋へは戻らず、屋上へと向かった。
屋上に続く扉を開けると、やや肌寒い空気が体を包み込む。
ホットミルクを買えばよかったか?
何て思いつつ、シンはストローを挿入口に差し込んだ。
そのまま地ベタに寝転がり、視界一杯に広がる星空を眺めていると、金色の閃光が走っていた。
最初は流れ星かと思ったが、どうやら魔力光のようだ。
誰だか想像はつく。
やがて光がこちらへと近付いてきた。
「シン…、こんな時間に、こんなところで何を…。
早く寝ないと駄目だよ?」
舞い降りたのはフェイト・T・ハラオウンだった。
「寝ようとは思ってたんですけど…眠れないんですよ…。
フェイトさんは?こんな時間まで仕事ですか?」
「うん、ちょっと緊急の仕事があってね。」
そうですかぁ〜、と返事を返し、ストローをくわえ、月を眺めるシン。
「あっそうだ。」
バリアジャケットを解除し、鞄から何やら取り出すフェイト。
四角い箱だ。とってがついていて、ケーキなんか買ったときによく見る箱だとシンは思った。
「何ですか、それ?」
「これはアコース査察官がお土産にってくれたケーキ。
食べる?」
「へぇ〜…、ケーキか、そういやつい最近、誕生日だったから…。」
「そうなんだ?」
シンは立ち上がって、フェイトが持っている箱の中を覗く。
イチゴのショートケーキがちゃんと切り分けられていて、一つを手で掴み、口へと運んだ。
「ん〜…、うまい、甘すぎないのが俺は、好きなんだ。」
一つをパクパク警戒に頬張り、指についた生クリームを舐めると、もう一つ手にとる。
そんなシンをキョトンとした表情でみていたフェイトは何だか笑いがこみあげてきて笑ってしまった。
「ふふふ…、そんなに急いで食べなくても…ほら、座って…。」
「ん…。」
地に腰を下ろす二人。
フェイトもシンを見習ってケーキを食べる。
シンが4つ、フェイトが2つケーキを食べ、空になった箱をフェイトは小さくまげ、畳んだ。
「ケーキなんて…何年ぶりだろ…。」
指についた生クリームを舐めていくシン。
「そんなに久しぶりだったの?
あっ…シン…。」
フェイトに呼ばれ、顔をあげると、フェイトの指がシンの頬に触れた。
「何を……。」
「生クリームがついてるから…よし、取れたよ。」
そしてそのままクリームを口へと運ぶフェイト。
「うん…、ごちそうさま。
ケーキ、美味しかったね。
それから、誕生日、おめでとう」
そう言って微笑むフェイトにシンは頬を真っ赤にして答えた。
「あぁ…、ごちそうさま。」
それを聞いて立ち上がり、隊舎内へ向かおうとするフェイトを
「フェイト」
シンが呼びとめた。
立ち止まるフェイト。
「ありがとな…。」
シンはフェイトに背を向けたままそう、呟くように言った。
「どういたしまして。」
フェイトは隊舎内に姿を消す。
シンがもう一度空を見上げると雲の隙間から月が恥ずかしげに顔を覗かせていた。
〜完〜
投下終了です。
どうでしたでしょうか?
久しぶりの短編です。一応、ほのぼのっぽく書いたつもりですが…。
楽しんでいただければと思います。
えっ?本編?
今書いてますからもうしばらくお待ちください。
すみません。
ではまた!
オマケ
シンは目を覚ました。
太陽の光が眩しく、一瞬顔を背けてしまったが、それでもそこがどこか分かってしまった。
訓練用空間シュミレーター内だ。
太陽は自分のほぼ真上にある。
(なるほど、今は昼過ぎ…てことは早朝訓練すっぽかしたんだなぁ〜俺…。)
「おはようシンくん。よく眠れた?」
「はい、とっても…。」
「もっと気持よくしてあげるからね。レイジングハート!」
『Starlight Breaker』
キラ「目覚めの一発、スターライトブレーカー、絶賛発売中!!」
完
おはようございます。
いつもの朝の投下確認です、OKでしょうか?
とはいえ、10時に投下予定です。
しばらく、お待ちください。
まじかるしん様、魔法少女リリカルなのはC.E.73様、神隠し様、GJでございます。
まじかるしんさま
何時も楽しく拝見しています、ネタの部分など真似できないので新鮮に感じます。
魔法少女リリカルなのはC.E.73様
覚えて、というかガンダムクロス倉庫で拝見し、しっかり頭に入っております。
神隠し様
私もクロス書きたいと思わせた作品でした。これからもがんばってください。
それでは、先駆者の方々に後れを取らぬよう準備をしておきます。
10時に投下予定ですか。
投下ペースが速くうれしい限りです。
でも、あまり無理をせず自分のペースで頑張って下さい。
第三話:決意の砲火
「ストライク!」
『Yes. sir.』
青のバリアジャケットに身を包みキラが盾を構えて向かっていく。
それに反応して黒い化け物も体当たりをしてくる。
キラはそれを見越して大きく跳躍、化け物の真上に飛びライフルを構える。
青い魔法の弾の数発が化け物を貫く。
キラは盾を投げ、化け物の顔に命中。すかさずアーマーシュナイダーを構え接近戦へと持ち込む。
道場で恭也に剣道を教えられている所為か接近戦の身のこなしが上手くなっているのを感じる。
出来得る限り相手の体力を削るとキラは化け物から距離を置く。
「なのはちゃん!」
「準備オッケーだよ!キラくん!」
そういうとなのははレイジングハートを構える。
『Stand by. Ready.』
「リリカルマジカル。ジュエルシード、シリアル20。封印!」
バリアジャケットから普段着に戻る二人。
「お疲れ様、二人とも」
ユーノが二人にねぎらいの言葉をかける。
「うん、ありがと」
キラはそれに笑いながら答えるが、なのはにそんな余裕はなかった。
帰り道、レイジングハートを引きずるなのはを見て、ユーノは心配そうに声をかけた。
「大丈夫?なのは?」
「うん、大丈夫なんだけど。少し疲れた」
そういうと倒れそうになるなのはをキラがそっと支えた。
「無理しないで、なのはちゃん」
「ありがと、キラくん」
「すぐには動けそうにないか・・・・・・しょうがない、よっと」
「うわっ!?」
キラはなのはをお姫様抱っこしていた。
「キ、キキキキ、キラクン!?」
「じっとしててね」
そういうとキラはゆっくり歩き出した。
最初は真っ赤になりながら慌てて下りようと説得していたなのはもさっきの戦闘の疲れか眠ってしまっていた。
それを見ながらユーノとキラは微笑んでいた。
「キラく〜ん、そろそろ時間だよ」
「あ、は〜い!」
道場で恭也と美由希と一緒に素振りをしていたキラは士郎に呼ばれて返事をした。
「そういや今日はサッカーの試合だったか」
「はい、何か欠員が出たみたいで士郎さんに出てくれと頼まれて」
「なるほど、キラ君なんでもこなしちゃうしね〜」
「あ、あはははは。それじゃ、いってきます」
キラは苦笑いをすると道場から出ていった。
ジュエルシードやストライク、魔法、元の世界のことなど考えることは山ほどある。
それの所為で悩みすぎて最初は部屋からあまり出ていなかった。
しかし、士郎に時々誘われて士郎がコーチ兼オーナーを務める翠屋JFCに顔を出すようになった。
キラも調度いい気分転換になるため時々は来るようになり、今日はその試合の日だった。
「キラ〜、頑張りなさいよ〜!」
「頑張ってくださいね」
アリサやすずかに応援されたキラはにっこり笑って手を振っていた。
(頑張ってね、キラくん)
(頑張って)
(ありがと、二人とも)
キラはなのはとユーノに念話で返事をするとポジションに付いた。
「キラって本当に何でもこなすわよね〜」
「そうですね、成績優秀・運動神経抜群・性格も優しい・顔もカッコイイとそういう話を良く聞きます」
「わたしも聞いた、何かファンクラブが出来てるらしいわよ」
「ふぇ〜、そうなんだ〜」
なのははそんな返事を返しながらキラを見ていた。そう言われて見ると何だかカッコイイ気がした。
この前のお姫様抱っこのことも思い出しそうになって顔を赤くしていた。
試合はキラが司令塔として活躍、キーパーのファインセーブなどのおかげで翠屋JFCの勝利となった。
試合が終わり翠屋でなのはたちはキラと一緒に話をしていた。
ユーノが普通のフェレットじゃないという話題を芸を見せてはぐらかすなのはだった。
その後、ユーノがアリサとすずかになでまくられるのをなのはとキラは苦笑いを浮かべながら見ていた。
「「!!??」」
二人はジュエルシードの反応を一瞬感じた。
(キラくん。今のキーパーの子・・・・気のせいかな?)
(う〜ん、一瞬だったから良く分からなかったよ)
キーパーの子はマネージャーの子と二人並んで街のほうへ行った。
それをキラとなのはは心配そうに見つめていた。
そういう会話をしているうちにユーノが目を回しているのを見て、また苦笑いを浮かべてしまう二人だった。
二人と別れた後、キラはさっきの感じを確かめに行くと言って街へ向かった。
キラに休んでてと言われたなのはは士郎とユーノとともに家に帰っていた。
「どこ行ったんだ、あの二人」
辺りを見回しながら探すが見つからない。
すると、いきなりジュエルシードの反応が強くなり、地鳴りがした。
キラの足元から木の根が出てきてキラはすぐに反応し回避した。
「発動した!?とにかくなのはちゃんと合流しないと!」
キラはなのはと念話で連絡を取ると合流場所へと急いだ。
合流場所のビルの屋上に着いた二人は眼前に広がる光景に絶句した。
「これは!?」
「・・・・・・ひどい」
街をビル以上の大きな木が何本もコンクリートを突き破り生えていた。
「多分、人間が発動させちゃったんだ」
(まさか・・・・・)
(あのときの子が)
気付いていた、こんなことになる前にどうにかできたはずだった。二人は自分の失敗を悔いた。
「どうにか出来ないの?」
「まずは元となっている部分を見つけないと」
「元を見つければいいんだね」
「なのは(ちゃん)?」
なのははそういうとレイジングハートを構え、魔方陣が現れた。探索魔法だ。
「リリカルマジカル、探して。最悪の根源を!」
すると、魔方陣から光の帯が現れ、街全体に広がっていった。
なのはに広がった光からの情報が集まってくる。そこから膜で包まれた二人の姿が見えた。
「見つけた!」
「本当!?」
なのはの向けた方角を見たが距離がありすぎた。
「すぐに封印するから」
「ここからじゃ無理だ、もっと近づかないと!」
「大丈夫だよ。そうだよね、レイジングハート?」
「これがストライクなら・・・・ストライク、ランチャーモード!」
『Shooting mode. Set up.』
『Launcher mode. Set up.』
レイジングハートが射撃形態へと変わり、キラのほうは手に大型砲アグニが現れる。
肩にはガンランチャーがついた装備に換装していた。
二人は銃口を目標に定める。
「いって!捕まえて(ろ)!」
『Stand by. Ready.』
『Target lock. Ready.』
「リリカルマジカル。ジュエルシード、シリアル10。封印!」
「当たれぇぇぇぇぇぇっ!!」
二つの銃口から放たれた光がまっすぐ進んでいった。
街を光が包み込みそれが晴れた時、そこには樹の姿はなかったが、その爪痕が痛々しいほどに残っていた。
そして、ジュエルシードを封印は完了した。
「色んな人に迷惑かけちゃったね」
「・・・・・・うん」
キラとなのははビルから周りを見渡しながらそう呟いていた。
「な、何言ってるんだ。二人はちゃんとやってくれてるよ」
そう言っても二人は首を振った。
「僕たちは最初に気付いていた、そして止めるべきだったんだ。そうすれば・・・・・」
「・・・・・・・・」
キラは悔しそうに手を握り締めていた。
「二人とも・・・・・」
ユーノはそれ以上何も言えなくなってしまった。
帰り道、怪我をしたのか、マネージャーの肩を借りて歩くキーパーを見る。
そして、なのはとキラは改めてジュエルシード集めに対する向き合い方を決める。
(キラくん)
(うん、そうだね)
二人は誓った。もうこんなことが起きないようにするために、全力を尽くすと。
「それじゃあ、頑張ることも兼ねて特訓しようか」
「特訓?」
キラの言葉に?マークを浮かべるなのは。
「なのはちゃんは、体力面が不安材料だから今からここから家までマラソン!」
「え゙?」
「そ〜れ、スタート!」
キラはなのはを押して走り出す。
「え?え?えぇぇぇぇぇ〜!?」
キラが少しでも明るく振舞おうと分かったなのはは、心の中でキラに感謝した。
「でも、マラソンはいやぁぁぁぁぁ〜っ!」
そんななのはの声が夕暮れに木霊した。
投下終了です。
今回はエールじゃなくてランチャーモードが登場。
今までは無印で戦っていました。
思えばSEEDでもランチャーの換装が最初でしたね〜、凄い偶然。
>>393 心配どうもです、実は少し書き貯めしているので大丈夫です。
ありがとうございます。
って、しまった!今回のタイトルに「なの」が付いてないorz
申し訳ありません、それでは続きは明日か明後日です。
次回「宿敵の牙なの」お楽しみに!
ついにあの子が!!
スレに活気が戻ったような気がします(^o^)
活気がもどったというか何なんだ!このGJラッシュは!!
各職人達GJ!
>>397 キラは学校でファンクラブができるほどの人気なんですね。
次回の話でついにあの子が登場ですか。
キラしか来ていないということなので戦力バランスが大変だと思いますが、頑張って下さい。
さて、STSどうするか。
あの24話のせいでなのはがギャグアニメと化した
>>401 あそこまで酷ければかえって開き直れるんじゃね?
ストーリーとか設定なんて有って無いようなもんだし。
子供のキラがシュベルトゲベールを持ったらえらいことになりそうだな
ほぼ身長と同等のサイズということは150〜160cm?
それとも小さくなったキラに合わせて対艦刀も縮むのか?
チビキャラに巨大な得物はある意味王道。
ぶっちゃけ脚本自体はいつもと大して変わらない
作画と演出がヤバすぎた
脚本なんてA'sの頃から少しずつアレと化してたから慣れてるしまだいい
なんだあの演出、prayが台無しじゃねぇかorz
>>403 A´s時のフェイトのザンバーフォームみたいなもんじゃね?
あまりにも実剣部分が多すぎるけど
ぶっちゃけ対艦刀って何の意味がある?
真っ先に当たるのはビーム刃の部分だろ
水中で使用可能なこと以外メリットが見当たらん
対艦刀の本来の用途は文字通り対艦戦。
種死でシンパルスが空母とかぶった斬ってたのが本来の姿。
実剣なしの巨大なビームサーベルじゃだめなのか?ってことじゃね?
エネルギーの節約とか?
ブーメランみたいに投げて、帰ってきた時に取りやすいようにじゃないか?
かっこいいから
>>412 対艦刀って投げたらブーメランみたいに戻ってくるのか?
フラッシュエッジじゃないんだぜ?
でも、普通のビームサーベルより見映えはいいよな?
>>414 投げ方にもよるんじゃないか?
まぁ、多分カッコいいからが一番有力じゃね?
上と下の両方からビーム刃が放出されているから威力は2倍なんじゃ…
意味がわからなかったらゴメン
あの、もう自分でも最後に投下したのがいつか忘れたほど今まで放り投げてた話の続き、乗せてもいいでしょうか?
種の兵装に意味を問うてはならぬ
種の兵装に疑問を感じてはならぬ
レールさんが作ったレールガンとか
陽・電子さんが作った陽電子砲とか、つっこみどころいっぱいだから
>>418 どの作品の方ですか?
あ、もちろん投下はOKですよ。
>419
アニメなんて現実的な話以外だいたいそんなもんだろ?
表現上の都合もあるだろうし、現実的に考えようとする思考が間違ってる。
書いてて自分で「これ人に見てもらえるようなものか?」と思って、
何スレ目で書いてたかも忘れてしまったほど疎遠になってたのですが、
フォルダ整理してたら妙にこの頃のなのはたちが愛しくなって。
それでは、少しして落とそうと思います
>>423 おおおおお久しぶりです!!
待ってましたああああああ!!!
俺ずっと続きが気になってたんだけど、帰ってきてくれてありがとうううう!!!
ばっちこーい
第十二話
「キラ=ヤマトだと……」
愕然とクルーゼが呻く。
見間違えようなどあるはずもない。
記憶といくらか顔つきが違うが、間違いなくキラ=ヤマトだ。
赤い鳥を纏い、空をゆったりと巡っている。飛行魔法ではないのが一目で分かった。
プレシアの杖を、リリィとキラの中間で構えてクルーゼは緊張の度合いをさらに強めていく。
(厄介な相手が増えた、と考えるべきかな?)
遠目での見積もりだが、キラに飛行魔法もデバイスも、バリアジャケットさえない。
それでもなおこんな場所まで出てくるのだから、それなりの備えがあるとクルーゼは考える。
加えて、ヤキンドゥーエ最終決戦での因縁だ。
キラはこちらへ攻撃を行う。
少なくとも突っかかってくるだろう。
クルーゼの思考に、これらが第一に噛まざるを得ないのは無理なからぬ事。
さらに言えば、キラに並行して飛んでいる少女についても、クルーゼは知っている。
持てる知識のデバイス、バリアジャケットと若干の違いはあるが、
(高町なのは……か)
戦況が複雑になっていくが、クルーゼのする事は変わらない。
リリィへの攻撃だ。
複雑になった戦況は一応、好転しているように感じられる。アルフはリリィの捕縛を目的とし、クルーゼと利害の一致。高町なのはもクルーゼの知識の中にある性格と経緯、所属がそのままであれば、ほぼ間違いなくリリィから「話を聞かせて」欲しいと思って行動しているだろう。
やはりキラ=ヤマトがマイナスの要因であるはず。
だった。
「ラウ=ル=クルーゼさん!!」
大声。
クルーゼは、瞳をリリィへと向けたまま聞いた。
「僕は誰なんですか!?」
「………な、に?」
そして、驚く。
「らぁ!!」
S2Uが、レヴァンティンをいなした。
シグナムの体が、傾く。その右脇腹へと、容赦なくクロノは拳を叩きこみ、骨に響かせるために抉るような捻りを加えた。さらに、シグナムの態勢が崩れていく。
そこから深く踏み込んだクロノは、シグナムの腹へと膝を突きさして吹き飛ばす。
悲鳴も、嘔吐もなしに飛んでいくシグナムだが、無機質な瞳でずっとクロノに焦点は合わせている。
「―――と――」
そんなシグナムへ、追撃に空を跳ぼうとしたクロノが踏みとどまって詠唱。それと同時にレヴァンティンからカートリッジが勢いよく弾けて空を舞った。
剣の分割。
蛇腹。
シュランゲフォルム。
意思を持ったように唸り、うねりクロノを包囲しようとするレヴァンティンへと、チェーンバインドが幾筋も疾る。10を超えるチェーンバインドのほとんどが刃に切り裂かれるが、何とか数本が蛇腹刃をつなぐ鉄線を掴むにいたり、レヴァンティンの制御に楔を打った。
シグナムがレヴァンティンに魔力を込めてチェーンバインドを解こうとする隙をついて、S2Uから熱線が迸る。
ブレイズキャノン。
4連射。
シグナムは初撃ギリギリで防御魔法陣を展開するが、3発目が魔法陣を叩くと同時に割れた手ごたえをクロノは掴む。
それでもまだ安心できる相手ではない。
熱風を突っ切って、ブレイズキャノンの向こうからシグナムが現れた。
効果はある。
ダメージも与えている。
しかしその動きは鈍りもしない。
レヴァンティンは剣の形。
カートリッジが弾けた。
炎。
真っ向からの紫電一閃。
防御魔法陣を幾重にも施したS2Uが斬撃を受け止める。
範囲は、ほとんど一点に絞り、刃にのみ防御力を集める形状。
S2Uが悲鳴を上げる。受けきった。
強度限界ギリギリの防御。
冷や汗が、クロノの頬を伝った。
そして、クロノがその接近をチャンスととって蹴りを入れようとすれば、シグナムがその蹴り足の腿を踏んで止めた。クロノの顎がシグナムのつま先に蹴り上げられる。正直、顎の骨が砕かれなかったのが不思議なぐらいだった。
朦朧とする意識と刈り飛ばされた平衡感覚を、必死につなぎとめながらクロノは不吉な風切り音へとS2Uへと差し出した。首を捌こうと水平に流れたレヴァンティンが止まる。
冷や汗さえ凍りそうな気分を意識の隅へと追い払いながら、シグナムの顔面を殴りつけた。
狙いは鼻。
潰すつもりだったが、額で受け止められて、鋭すぎる前蹴りが返ってくる。
みぞおちを狙った蹴りだが、どうにか体を逸らして胸板で受け止めた。。
「!!! ―――!! !!! ―――!!」
心臓を揺さぶられるような不快感を味わいながらクロノは空を落ちて行く。
シグナムの足止めを開始してから、クロノの戦い方はほとんど肉弾戦だった。
はっきりと、シグナムの力量が己を上回っているのが理解できたクロノは、なり振り構わずに原始的な動きに出るしかない。
それが一番シンプルなのだ。シンプルだから、速い。
速ければ、当たる。
当たれば、どうにかこうにか勝機もある。
「こちらから近づく」のは危険だが、「向こうが近づいてくる」というのはもっと危険だと感じたのだ。
魔法でも戦闘でも勝ち目はほとんど有り得ない。
だから、喧嘩だ。
手加減も、女扱いも出来なかった。すれば瞬く間に殺される。
そして、手加減も説得もしても無意味なのがユーノからの資料で良く分った。
ゾンビースレイヴは、親しい者が声をかけてどうにかなる精神作用などではない。意識を抜きだすゾンビーを作るシステムだ。魂も意識も封じられているのではなく、無くされているのだから説得も意味なし。
リンカーコアを摘出するぐらいしか、「シグナム」を取り戻す術は今のところ思いつかない。
だから、今は眼前のゾンビースレイヴの肉体を叩き壊すぐらいしなければやってられない。
「ぐおおお!!」
痛んだ内臓にも気を使わずに、中空を踏んでクロノは全力で吠えながら高度を上げた。
そのスレスレを、魔力の矢が通り過ぎていく。怖気のするような灼熱感がすぎ去れば、大地に着弾。
爆熱と熱風。
そんなボーゲンフォルムから放たれた矢が、さらにクロノに狙いを定めて次々と射られる。
全速力で空を逃げている間、クロノは生きた心地がしなかった。出力を絞った連射仕様のシュツルムファルケンのようだ。軽く見て、3発で対闇の書の闇へ射った1本くらいだろうか。
だが、それでも受けきれる自信が沸くような威力ではない。
逃げながら、クロノの手に魔力光弾が浮き上がり、掌の上で回る、廻る。
回る、廻る、回る、廻る、回る、廻る、回る、廻る、回る、廻る、回る、廻る、回る、廻る。
そんな掌の円運動で蓄えに蓄えた速度を、
「スティンガースナイプ! スナイプショット!」
発射。
螺旋の渦を尾として軌道に残し、シグナムへ魔力光弾が駆け抜ける。
本来の操作性を破棄して、破壊力と速度のみを特化させたスティンガースナイプのバリエーションだ。
命中。
防がれた。
しかし、シュツルムファルケンの手も止まる。
片手のS2Uでブレイズキャノンをバラまきながら、空手の片手に一振りの魔力の刃――スティンガーブレイドを形成。全速力でシグナムへと接近した。そして、堂々とスティンガーブレイドを、振り下ろす。
それをシグナムは剣で防ごうとした。
クロノのまっすぐな太刀筋を、シグナムが騎士の動きで剣を掲げたのだ。
(かかった!!)
が、スティンガーブレイドが散って、
「!!」
フープバインドに再構成。
シグナムを縛った。
そもそもの素体がシグナムなのだ。ならば、戦略や戦法に奇襲や不意打ちが混ざろうともその肉体が最も信頼できる動きは剣にある。
「剣で攻撃されたから剣で受け止めた」というわけではない。
「剣で受け止める」事に確実性があったから、ゾンビーであるのに騎士の動きを行ったのだ。それを突いて出来たバインドである。
2秒と経たずにシグナムはフープバインドを破ってみせる。
しかしクロノから距離を取る時間はもうない。
レヴァンティンに接するS2Uが輝く。
「すまない、レヴァンティン」
『気にするな、主を頼むぜ』
「分かってる……S2U!」
『Break Impul―――
メキ。
S2Uを持つ腕に固い音。
S2Uは手放さなかった。しかし、レヴァンティンからは距離が空いて蓄えた輝きが散る。
クロノの腕の強烈な硬度は、レヴァンティンの鞘。
「クッ……!」
レヴァンティンの切っ先が突き出される。
首をひねる。
クロノの頬が裂けた。
血。
その飛び散った赤の向こう。
シグナムの向こう。
空の一角。
光が開く。
「!!! あ、あの馬鹿!!」
声が荒くなる。荒くなるしかない。
散々言った。
「君が敵の目的だ」と。
それも聞かずに、やってきた。
やってきてしまった。
「シグナム!」
黒い6枚の翼。
十字杖。
シグナムと名を呼ぶのは、盾の守護獣を従えた最後の夜天の王。
何がおかしいか、クルーゼは自分でもよく分らなかった。
本人でさえそうなのだから、周囲で浮かんでいるなのはやアルフらに至ってはぎょっとしてしまった事だろう。
笑った。
クルーゼは笑った。
自分を殺した男がキレイサッパリと自分の事を忘た事実に、腹を抱えんばかりに笑った。
何がおかしかったのか、分らない。
ただ、笑わずにはいられなかった。
自分を殺した相手を前に何故怒りがわいてこないのか、自分の笑い声を聞きながらクルーゼの冷静な部分が自問するが、それも数秒で何がおかしいのか分らない愉快さにかき消された。
随分と唐突に、そして長々と笑い続けていたクルーゼに、その場にいたリリィさえも身動きできずに硬直してしまっていた。
「そうか…記憶喪失……」
ひとしきり笑った後に、クルーゼがぽつりと口にする。
それに答える様に様にキラの赤い翼が一つ羽ばたいた。
「教えてください! 僕は誰なんですか! 僕はあなたを知っていますよね!」
「邪魔だ。どきたまえ」
クルーゼに従うように、フォトンスフィアが数個、虚空から姿を現す。ざわりと、戦いの風が吹く。
その風を受けるのはリリィ。空を四つんばに構える姿は猛獣の如くである。
「クルーゼさん!」
「フォトンランサー」
もうキラに対して興味を失くしたように冷めた態度と声。
フォトンランサーが数条、空を走った。
やはり、機敏な動きでリリィはそれらをかわすが、偶然か狙ってかある一条はキラへと走って行った。
緩慢な動きで空を流れるだけのキラに勿論かわす術などない。
驚愕にキラはこわばるが、その前に今まで黙して動かなかったなのはが滑り込んではフォトンランサーを防いだ。
「ク、クルーゼさん!?」
「何するんですか!?」
キラとなのはの声を後方へと置き去りにしながら、クルーゼはプレシアの鞭とフォトンランサーを操りながらリリィへ攻撃を加えていく。アルフも状況がよく飲み込めないながらも、リリィを確保するという最優先事項に集中する。
「あんた、いったいなんなのさ。あの子は敵なのかい?」
「クックックッ……君は勘が良い。しかし、話をするのはあれを捉えてから、という約束だろう」
「さてはヤな性格だね、あんた」
ヤな性格であれ、その動きは唸るものがある。
アルフの動きに上手く連携してリリィの姿勢を崩していく砲撃や鞭は、クルーゼが抜群の支援能力を有する証明だろう。
クルーゼの攻撃はアルフを戦いやすくし、リリィを戦いにくくするものばかりだ。
指揮や全体を見渡す眼を養われているのが遠目からのなのはでも良く分かる。
それでも、リリィを捕らえられるレベルのコンビネ−ションには及ばない。
そもそも近接タイプのアルフはリリィに地力で劣り、クルーゼはどうも魔法のバリエーションが少ない。
まあ、バリアブレイクを乗せたストレートを簡単に避けられたアルフが舌打ちをした
(これは……無理か?)
アルフが展開するシールドを踏んで逃げるリリィを、苦虫を噛み潰したような顔で見送るアルフの目に桜色が映った。
アクセルシューターだ。
クルーゼの凶行に茫然としていたなのはの、ようやくの参戦である。
ここで、一気にアルフは攻めた。
リリィがまた空を踏んでアルフから距離を取ろうとすると、その行く手を防ぐのは金色と桜色の光。
阻んでくるフォトンランサー、さらにはアクセルシューターさえその爪で切り裂いていく驚くべき反射と反応をリリィは見せるが、その足踏みがアルフを追い付かせる結果となる。
鋭いアルフのフックが、リリィの仮面に叩き込まれようと振るわれた。
どうにか、首をひねったリリィだが仮面から零れた髪の毛が数本アルフの拳に触れたのに背筋に冷たいものが走る。
もうあと4手5手で、アルフの拳に捕らえられる事を直感したのだ。
「!!」
そんなリリィが、驚いた様子でクロノがいる空へ目を向けた。
驚きは相当なようで、足さえ止まってしまいフォトンランサーの一条がリリィの右肩を射抜いた。
「なに!?」
牽制程度のフォトンランサーの命中に、逆にクルーゼが声を上げてしまう。
さらにアルフが体重を乗せた渾身の拳をリリィの繰り出した。
しかしアルフの突きが捉えたのは、リリィの影。
もうすでにリリィは動きだしていた。
明らかに全速で、クロノがいる方角へと飛んでいくではないか。
「逃がしゃしないよ!」
それを追うアルフ。
クルーゼも、一拍を置いてそれに倣った。
残されたのは、なのはとキラ。
そのなのはへと、エイミィからの通信が入ったのはすぐだった。
『なのはちゃん、大変! はやてちゃんが……はやてちゃんがクロノ君の所に! このままじゃ一斉に狙われちゃうよ!』
話が進んでませんが終わりです。
もはや「え、誰これ?」と初見の方もいらっしゃるでしょうに12話とか飛び過ぎてるでしょうが、恥も押し込んで投下です。
次も、いつになるかも分りませんが、ただ覚えてくれる方がいたのは、ゲロはきそうなほど緊張してる中でとんでもなく嬉しかったです。
GJ
なんだか懐かしい人達が一気に投下をw
うれしい限りですが
>>433 お久しぶりです。
投下ラッシュで盛り上がってますね。
以前投下していた職人さん達も貴方に続いてくれると嬉しいですね。
GJ!でした。
>>433 GJ!!
俺もこの作品の続きを期待していた一人。
これからも続きをお願いします。
第十七話 その日、機動六課 後編
「くっそ〜!!」
数多の奔流を避けるシン。
ヴィータはゼストと、シンはラウと戦うので精一杯なのだが、無論一対一と言うわけにはいかない。
機会を見つけ、余ったアレックスとも代わる代わる戦闘を行う。
『フラッシュエッジ』
『シャイニングエッジ』
放たれる二つの緋色と朱色の魔力刃が衝突。
二人の魔力が反発しあい、爆発した。
動きを止めればドラグーンの餌食。
しかし、戦わなければアレックスに捕まってしまう。
ラウに向かい、アロンダイトを投剣するシン。
その一瞬の隙をつき、アレックスが接近しようとした刹那、ウーノからの通信が割って入った。
『アレックス、キラ・ヤマトは機動六課にいます。』
「何?」
機動六課の様子がモニターに写った。蒼き翼、茶色い髪、パールブルーの目。
間違いなく、キラである。
『妹二人が戦闘したようですが、失敗したようです。』
「わかった、すぐに向かう。」
アレックスはシンとは反対側に向かって飛翔を開始、朱色の光が段々と小さくなっていく。
「ッ!?」
急なアレックスの戦線離脱を疑問に思いつつ、シンは後を追おうと翼を開く。
「行かせはしない!!」
しかし、
『Warnning!』
目の前を駆け抜ける灰色の奔流。
急停止、ステップ、降下。瞬時に判断し、ドラグーンをかわす。かわせない分はシールドを使用。
「レイ!」
シンは追跡を阻んだ相手を睨みつけた。
「(シン、そいつの相手はまかせた!私はゼストを叩く!)」
言われなくてもそのつもりである。
シンの沈黙を了解と受取り、ヴィータとゼストが激しく火花を散らす。
それが合図だった。
ラウを中心に散開する灰色の魔力光。
「くッ!!」
シールドを発生させながら全てを回避するため宙を舞う。
ぐるぐると回る視界。段々と地上側と空の境界がわからなくなってきた。
『ユーディキウム』
「ッ!?」
目の前には砲撃体勢に入ったラウの姿。距離は五メートルと離れていない。
灰色の爆光がシンを飲み込んだ。
『METEOR Set Up』
「行くぞ、ジャスティス!」
加速し、輝きを増す朱色の魔力光がフェイトと二人のナンバーズの横を駆け抜けていく。
「あっ、待て!!」
アレックスは六課に向かっていったはずだ。
だとすれば、エリオとキャロの二人が途中で交戦する可能性が高い。
恐らく、あの二人ではアレックスを止めるのは不可能。
フェイトは光を追跡しようとするが、それを阻止する二機のナンバーズ。
「くっ!バルディッシュ、サードフォーム」
バルディッシュの形状を一刀の大剣へと変え、フェイトはナンバーズ二機を迎え撃った。
時空管理局地上本部。
「ギンねぇ…。」
スバルは呟く。
脳裏によぎる嫌な予感が告げる。
ギンガを早く見つけだせ…と。
狭い通路をマッハキャリバーを器用に操り、猛スピードで駆け抜けていく。
「スバル!先行しすぎ!!」
遥か後方からなのはに抱えられたティアナが叫ぶが、スバルの耳には届かない。
ぐんぐん小さくなって行くスバルの姿。
「仕方ないね、こういうところだとスバルの方がスピード早いから…。
こっちが出来るだけ早く追い付けばいい。」
なのははスピードをあげたまま角を曲がった。
機動六課。
「カートリッジ残り二発。次は?」
先程までいた数えきれないほどのガジェットは、ただの残骸と化していた。
六課周辺のガジェットに動いているものはない。
キラは地面に這いつくばったままのオットーとディードのもとヘ向かう。
スカリエッティのアジトを聞き出すためだ。
「ッ!?」
しかし、すでに二人の姿はなかった。四肢を破壊し武装解除もしたはず…。
なのに、何故。
「そう言えば…。」
キラは視線を走らす。機動六課を覆う炎は今だその勢いをうしなっていない。
「こちらライトニング5、ヴァイス陸曹、応答願います…。」
『………。』
キラの脳裏にキャロの言葉が蘇る。
『優れた召喚魔導士は転送魔法のエキスパートでもあります。』
もし、ディード、オットーの他に機動六課に向かっていた敵戦力があったら?
もし、ディード、オットーが待機部隊の目を引くためにこんなに派手に暴れたのだとしたら?
そして、敵の狙いは?
決まってる狙いは…。
「ヴィヴィオ!!」
キラは翼を開き、ヴィヴィオに待つよう言った場所に向かった。
ズドォンッ!!
轟音がシンの耳に飛込んできた。視線を一瞬だけ、音源へと走らせる。
ヴィータとゼスト、二人の姿がない。
目の前、背後にドラグーンの発射体がこちらを狙っている。
強引に体を捻ってかわし、片方のアロンダイトをラウへと向かい投剣。
しかし、何なくレイは回避。
直後、シンの肩へ走る衝撃。ドラグーンの直撃だ。
「ガッ!!」
シンを囲む数多の発射体。そして奔流が一斉に放たれ全てがシンを直撃する。
声にならない悲鳴。
アロンダイトが砕け散り、バリアジャケットもディスティニー、フォース、ソード、ブラスト、全てがパージされるまでドラグーンによる攻撃はやまなかった。
そして気を失い、脱力して地へと落ちていくシンをラウは捕まえ、ビルの屋上で呆然とこちらを見ているヴィータを一捌すると、ゼストを追って行ってしまった。
「何やってんだシン!起きろ!!
シン!!!起きろぉぉおお!!!」
そんなラウの背中に向かって悲鳴じみた大声で叫ぶヴィータ。
しかし、シンはピクリとも動かなかった。
降り出す雨がヴィータの足元の破壊されたグラーフアイゼンと、手の中で眠るリィンフォースツヴァイを濡らしていった。
機動六課。
「そんな…、これは…。」
意識を失い、地に伏している局員たち。ヴァイスにいたっては血を流している。
燃え盛る火の中佇むキラ。
ヴァイスが少しだけ目を開け、腕を動かし、空に向け指を差した。
「……ぉ……ぇ……。」
「でも……、このままじゃ…。」
腕を下ろさず、尚も目で訴え続けるヴァイス。
キラは頷くと一ヶ所に局員たちを集め
「フリーダム!」
『シールド』
障壁を張り、ヴァイスの指差す方向へと向かった。
「今行くからね…ヴィヴィオ…」
機動六課、海上付近。
フリードに乗るエリオとキャロ。
その横をすれ違うガジェット二型に乗った人影、ルーテシア。
「あれは……。
キャロ、援護お願い!ストラーダ!フォルムツヴァイ!」
「えっ?…エリオくん!」
キャロの静止も聞かず飛び出すエリオ。
ストラーダの第二形態は空戦を可能とする。
バックファイア全開でエリオはルーテシアへと向かっていった。
「おおぉぉぉぉ!!」
咆哮と共にルーテシアへ向かうエリオ。
不意に視界内に入ってくるガリュウの蹴りをストラーダの柄で防ぐ。
「ぐっ。」
力で押し負け、蹴り飛ばされるも、ストラーダを巧くコントロールし体勢を建て直す。
そして…。
「はぁぁああ!!」
ガリュウに向け、渾身の突きを放ち、エリオとガリュウが鋭い音を立て交差する。
ガリュウの手の甲の刃がへし折れ、エリオの肩から少しだけ血が飛んだ。
そして、そのままルーテシアを捕えようとした刹那、目前を駆け抜ける朱色の野太い閃光。
ストラーダを瞬時にコントロールし、上昇離脱。しかし、目の前に現れるアレックス。
『グリフォン』
「ッ!?」
エリオはストラーダの柄でグリフォンを防ぐ。
しかし、ミーティアで強化された刃を防ぐ事は叶わず、柄は二つに切断。
次の瞬間にはアレックスがエリオを叩き落とそうと大剣を振るう。
『Warnning』
高速で飛来する二発の魔力弾。
ジャスティスで防ぐも、衝撃までは殺せず、バランスを崩すアレックス。
「アァスラァアン!!!!」
エリオの腕を掴み、通常射撃を連射するキラ。
それらはジャスティスにより防がれる。
「キャロ!エリオを頼んだよ!」
フリードの上にエリオをのせ、キラはアレックス、そしてルーテシアが保護しているヴィヴィオを取り戻すため飛翔して行く。
「ヴィヴィオ!!」
名前を呼びながらルーテシアとヴィヴィオが乗るガジェット二型に迫る、だが、その間にたちふさがるアレックス。
「ガリュウはルーと共にいけ…、こいつは俺が捕獲する。」
『エリケナウス』
「ッ!?」
アレックス付近に無数に発生する魔力弾。それはキラが以前使った空間攻撃魔法。
アレックスが使うのであれば多少効果が違うかもしれないが、六課をバックに戦う限り避ける分けには行かない。
「ジャスティス/フリーダム」
「「ターゲットマルチロック」」
手当たり次第にロックして行くアレックス。一方キラは慎重にマルチロックして行く。
フルバーストは撃ってもあと二発が限界。
二発も撃てばフリーダム本体、クスィフィアス3に装填されているカートリッジはゼロだ。
となれば、あとは誘爆による連鎖破壊を狙うしかない。
エリケナウスとハイマットフルバーストが同時に放たれた。
取り合えず書けたところまで…。
投下終了です。
職人様方、GJです!
ではまたそのうち!
職人再開ラッシュだな〜。
>>433 ストーリーと文章が特徴的だから、覚えてる人は多いと思う。
GJ!
クロノVSシグナムに萌えたぜ!
萌えたのか
危ねぇ〜。もうちょっとで割り込むとこだった。
神隠しさん、GJ!であります。
キラを応援したくなってしまう、熱い展開!
撃墜されたシンは入院コース?
続きもwktkして待っています。
445 :
442:2007/09/10(月) 22:10:33 ID:???
いちいち訂正する必要もないだろ
ここは2ちゃんだぜ?
>>397 キラだけが来るのは珍しいのでこれからも楽しみにしています
神隠しのシン、ギンねぇみたいになりそうだな。
シンならば立ち上がる!
「今度は逃がさないんだからッ!」
《Restrict Lock》
レイジングハートが捕獲魔法によってダーククリスタルを空間に固定する。なのははマガジン内に残された最後のカートリッジをロードし、レイジングハートを構える。
「このまま一気に封印! いくよ、レイジングハート!!」
《All right.Starlight Breaker》
なのはの正面に展開される大型の魔法陣。その中心へと、桜色の流星と化した周辺の魔力が集い、一つの光球を形作る。
《Count seven, six...》
レイジングハートのカウントが進んでいくにつれて、桜色の光球はその大きさを増していく。
発射までの間、ダーククリスタルを空間に縛りつけておく自信が、なのはにはあった。それだけの修練を重ねてきた魔法だからだ。
《four, three...》
「――嘘ッ!?」
しかし、なのはの予想を上回る速度で、ダーククリスタルにバインドを破壊されてしまう。ダーククリスタルは再び転移用の魔法陣を展開し、この場から逃れようとしていた。
(……このまま撃つ!)
僅かに生まれた動揺を打ち消し、なのはは決断する。どちらのチャージが先に終わるかは五分五分の見積もりではあるが、発射シークエンスを続行した。
《one...》
なのは自身の身長をゆうに上回る大きさまでに膨れ上がった魔力の塊。桜色に光輝く巨大な光球。
《zero》
「スターライトぉ……」
なのはは左手に持ったレイジングハートを頭上に振り上げ――
「ブレイカーっ!!」
――勢いよく振り下ろした。
魔法陣から撃ち出した極太の収束砲が、ダーククリスタルを飲み込み、海面へと突き刺さる。凄まじいまでの威力を持った収束砲は、非殺傷設定であってなお、巨大な水柱を生み出した。
巻き上げられた海水が、元の海面へと降り注ぐ。
眩い桜色の閃光が奔った空間には、何一つ残っていなかった。
スレを見ていたら、投下ミスに気づく。
最後の方、最終修正前のものを投下していましたorz
まとめの方は修正しておきましたが、一応こちらにも。
はい、図に乗ってあんまり間をおかずに13話を落とそうと思います。っつっても、流石に誰もいなさそうなので、すぐに落としますね。
第十三話
立て続けで襲来する灼熱の矢を叩き折り、はやてを背にしたままザフィーラは徐々に後退していく。
しかしシュツルムファルケンをしのいで終わりではない。
さらに、大きく回り込む形で真っ赤な魔力光弾がザフィーラを避けてはやてを狙い撃ってくるのだ。
ファイアガトリングである。
そう、はやての出現とともにシグナムは標的をクロノからはやてに変更。
さらに、待っていたと言わんばかりにヴィータと、そして仮面の首謀者――トライア=ン=グールハートが次元を割って襲い掛かってきたのだ。
冗談のような数の真紅に輝く純魔力の瀑布に、はやてとクロノが共同して障壁を展開。
ザフィーラを含めた3人を包んだ壁が、赤い魔力を遮断してしまう。
砲撃が、止んだ。
ファイアガトリングの衝撃が止まりザフィーラは直感的に次の敵の攻めを予期して動き、はやてとクロノの障壁から躍り出ていった。
ザフィーラの行く先には、ヴィータだ。弾けたカートリッジの向こうで、ギガントフォルムが姿を現した。
どうにか、ギガントシュラークを繰り出す前にヴィータに取りついたザフィーラは、とにかくヴィータを叩く。
その破壊力だけで言えば、ヴィータはシグナムを超えるのだ。ここで、抑える。
シュツルムファルケンがクロノとはやての障壁を破るのを横目に、ザフィーラはヴィータへ拳の連打を浴びせ続けた。はやて自身も強い魔法使いで、それをクロノの冷静さが補佐すればシグナムを相手にしても持つと踏んだ信頼だ。
小回りの利くはずがないギガントフォルムを解き、グラーフアイゼンがハンマーフォルムに変われば即座にその鉄槌がザフィーラの脳天をかち割らんと降り注ぐ。
片腕の手甲とグラーフアイゼンが小気味いいほどの衝突音を奏でる中、ザフィーラが残る手でヴィータの洋服を掴み、動けなくした所で膝、肘を各部急所へと叩き込んでいく。
腹に膝蹴りを受け、その衝撃にヴィータの体が泳ぐが、ザフィーラはその手を離さない。
小さな体に間を置かずに殴り、蹴る。
そんなザフィーラの攻撃に、はやての悲鳴が遠くから聞こえた。
心を閉ざしてそれを聞き流しながらザフィーラはヴィータを殺すつもりで蹂躙していく。
はやてが説得して、どうこうなる問題ではないのだから。
そんなザフィーラへとファイアガトリングが降ってきたのは予想外だった。
はやてが一段大きくヴィータの名を叫んだ。
ヴィータさえ巻き込んだ灼熱の雨は、ザフィーラを大きく吹き飛ばしてしまう。ぶすぶすと煙を上げながら、ザフィーラが目にするのはヴィータの動向とトライアの位置。
ザフィーラの殴打に加え、ファイアガトリングに巻き込まれたヴィータはかなり大きなダメージが見て取れとれた。そして、トライアは明らかにはやてを狙うのではなく、ザフィーラを撃つ位置を飛んでいる。
標的ははやてだが、キチンと側面から削っていく冷静さがトライアにはあるようだ。
いや、ヴィータを巻き込んでザフィーラを仕留めるつもりだった様子を見れば、冷徹というのが正しいか。
「貴様……」
「ヴォルケンリッターの戦闘員は残り君だけなんだから、さっさと死んで、さっさとこんな事終わらせてくれない?」
「主には手を出させん」
「大した忠犬だ」
また赤い雨が降る。
やはりヴィータも巻き込んだ砲撃の嵐だが、当のヴィータも赤い砲撃を受けながらザフィーラを狙ってくるのだから厄介極まりない。
「ぐおおおおおおおおおおおお!!」
一撃。
赤い灼熱にさらされながら飛ぶヴィータのグラーフアイゼンがザフィーラの肩を捕らえた。
鉄槌が食い込む筋肉に、嫌な音がする。
痛みに硬直するザフィーラへと、トライアは極大の赤い砲撃を見舞う。
盛大な閃光と熱がザフィーラへと一直線に走り、飲みこんだ。
「………」
数秒、灼熱の極光がザフィーラを通過して森の一部を焼き払ったのを見て、トライアは仮面に隠れていない唇を歪ませた。
「まだ生きている……」
一瞬、もう一発極大の砲撃を撃とうとしてトライアは踏みとどまる。
余力が、ない。
圧倒的な力を引き出すレヴァンティンの行使に、トライアでは少々スタミナが足りないのだ。
そのままヴィータと引連れて即座にシグナムと合流、はやてとクロノを追い詰めていく。
「ザフィーラ! ザフィーラァアア!!」
「落ち着くんだはやて!! まだザフィーラは生きてる! 大丈夫だ!」
「大丈夫やない!? あんな砲撃受けて、大丈夫なわけないやんか!」
涙さえ流しながら前へ出ようとするはやてを制し、クロノはS2Uを片手で構える。
シグナムにやられた腕の痛みが尋常ではないのだ。歯を食いしばりながら耐えるが、動かすのも難しい。だが、片手でもなおクロノの闘志は揺るがなかった。
いくつか、この窮地を脱せる要素があるのだ。
魔力で編まれた弦が引き絞られ、またシグナムはシュツルムファルケンがセットする。
クロノ戦から数えて、シュツルムファルケンはここまで連射できる代物ではない。間違いなく、そろそろシグナムの魔力とカートリッジは底が見える時間だ。
グラーフアイゼンを掲げるヴィータも、身体的に殴られ、さらには焼かれて大きな消耗がある。
そして、トライアと名乗る怪人は、前回の記録を見る限り、ハッキリ言って実力が中途半端なのだ。
諸々の状況判断をすれば、実は現在フルパワーのはやてがいるクロノ陣営の方が総合力が高い。
が、
「シグナムぅ……ヴィータぁ……なんでや……なんでやねん…こんな…こんな……」
泣きじゃくるこんな少女に、どうして戦えと言えるだろう。
U2Sを握る手に力がこもる。
守る。
今はフェイトのように間に合わなかった場面ではない。
護る。
命を燃やせる。
引き絞られた弦が、放たれる。
赤いハヤブサのような矢から、はやてを引っ張って逃げる、逃げる。
シグナムの連射速度が徐々に落ちているのを肌で感じながら、反撃の機会をクロノは逃げながら測った。それでも、狙撃の精度は落ちていない当たり流石シグナムである。
その逃走進路にヴィータが突っ込んでくる。
すれ違いざまに鉄槌をはやてに叩き込んで離脱する勢いだ。
「ヴィータ! 目ぇ覚まして!! お願いやから!」
はやての声とグラーフアイゼンの鈍い風切音が重なり、U2Sとの衝突音がさらに加わった。
グラーフアイゼンを防ぎつつ、さらにクロノはヴィータに蹴りをくれてやりながらその反動で方向を転回。
転回していなければ進んでいたであろう場所にトライアのファイアガトリングが降り注ぎ、何もない空間を焦がす。
トライアの舌打ちが聞こえてきそうなほどクロノの動きは冷静だ。
シュツルムファルケンを2人で際どくかわしながら、クロノはトライアとの距離を詰めていく。
近づくにつれてファイアガトリングの命中率が上がっていくが、はやての防御でかなり緩和できるレベルだ。
トライアの前で弓矢を構えていたシグナムが、一定の距離を消化したあたりでレヴァンティンを剣に変えた。
正念場だろう。そうクロノは思う。
背後からシグナムとタイミングを合わせた速度でヴィータが迫るのを感じながらクロノとはやてはそれぞれのデバイスを構える。
まず攻めてきたのはヴィータだ。
都合4つの鉄球を叩いてシュワルベフリーゲンとすれば、高速で飛翔する鉄球に並んでヴィータも前進する速度を高めてきた。
全弾をはやてが防御魔法陣で防いだ一呼吸を置いて、グラーフアイゼンがその防御魔法陣を叩いて砕く。
支援
魔法陣が砕かれた次の瞬間には、はやてはクロノに蹴り飛ばされて空をかなり落ちていった。
驚くはやてが見たものは、自分をかばう形でシグナムの飛龍一閃に横腹を浅く切り裂かれたクロノ。
2人まとめて串刺しに出来る位置だったのを考えればダメージとしては最小限だろう。
体が泳ぐはやてに対して、ファイアガトリングが大量に殺到するが、シグナムもヴィータも無視して放たれたブレイズキャノンにかなりの数がかき消され、はやてにたどり着いた赤い魔力は微々たるものに抑えらた。
「クロノ君!?」
そうしてはやてを守ったクロノが、シグナムに袈裟がけの一閃を受けてしまう。
両断はされていない。
どれだけ斬られた?
クロノが動いた。
無事?
出血しているがそれほどの傷ではないのか。
バリアジャケットを裂いただけ?
クロノが胸を押さえている。
シグナムがまたレヴァンディンを振りかぶっている。
今度はU2Sが防いだ―――クロノ君は無事や!
一瞬でたどり着いた最後の思考に、はやては弛緩したのだろう。
ここで目に入っていないのは、トライアだけだったのを忘れてしまったのだ。
トライアの手にあるレヴァンティンが、魔力の収束を完了させる。
シグナムとヴィータとザフィーラを吹き飛ばした極大の炎熱砲撃。
発――――
気の緩んだはやてへと、まさに砲撃を開始する直前だ。
大地から純白の魔力が槍のように伸びてレヴァンティンを持つ手を串刺す。
「ぐあああああああああああ!!!!」
鋼の軛を穿たれたトライアの口から絶叫が迸るとともに、照準のずれた真紅の極光があさっての方向へと飛んで行った。
「主には……手を出させん!!!」
トライアのさらに上空から突っ込んできた蒼き狼が、トライアの肩を噛み砕いた。
盛大に飛沫く血の向こうで、骨がおかしな音を立てていく。
もはや悲鳴さえ出せないトラアイだが、どうにか手放さなかったレヴァンティンにファイアガトリングをセット。自分に牙を立てる満身創痍のザフィーラへを焼こうとするが、それも新たな影に必要なくなった。
「この!! このおおお!!」
ざっくりと蒼い毛並みに爪を立てたのは、音速もかくやと言わんばかりに飛来したリリィである。
牙を外して、致命傷こそ避けたが、かなりの深手がザフィーラに追加された。
「ザフィーラ!!」
ぼろぼろと涙をこぼしながら、はやての何度目かの叫び声。
そんなはやての声に、クロノの大声がかぶさった。
「はやて!! 後ろだ!!」
「!!」
咄嗟に振り返ったはやては赤い弾丸さながらの少女を見た。
ラケーテンハンマーによる超々高速の突貫である。
反射的に掲げたシュベルトクロイツがそれを防ぎ、
ビシリ
「―――!!!」
砕けた。
「あ……ああああああああああああ!!!」
まるで思い出が壊されたかのような衝撃がはやてを襲う。
脳裏によみがえる、祝福の風と名付けたパートナーの最期。
それが、壊されたような気分だった。
「チッ……ここまで、か」
ぎこちなく肩を抑えるトライアが、苦い口調で空の一角を見た。
こちらに向かってくる、アルフ、クルーゼ、そしてなのはとキラだ。
トライアの合図とともに、最後の奇襲に失敗したヴィータとクロノとほぼ互角になるほどに消耗したシグナムが一斉に退いた。
そして、リリィがしんがりを務める形で、逃げたのだ。
「ザフィーラ!! ザフィーラ!!」
もうトライアたちを追うほどの余力なく、指をくわえて逃げるのを見ているだけのクロノたちの元へと、アルフとクルーゼが到着。真っ青になって、アルフははやてに抱かれる血まみれのザフィーラへと飛んだ。
支援
次いで、なのはとキラも到着。
驚くべき事に、奇麗に風を物にしたキラはなんとなのはの飛翔にどうにかついてきたのである。
確かに固く魔力展開を行うなのはは小回りの利かず重い。
だからと言って、直線で遅いわけではないのにも関わらずについてきたキラは異常なほど空を飛ぶ事に慣れていた。
「ひ、酷い……」
まるで冗談のように血にまみれたクロノやザフィーラを見て、キラが呻き、なのはが泣きそうな顔になる。
そんな現状を、即座に確認してまだ視認できるトライアを追おうとするクルーゼへ、キラが叫んだ。
「クルーゼさん!!」
「……フン」
キラへと一瞥をくれただけで、トライアへと向き直ってからクルーゼは飛ぼうとし、
「待て!!」
今度はクロノが止めた。
「ラウ=ル=クルーゼ! お前は何故やつらを追う!」
「……ただのけじめだ。私の世界の、な」
「こちらと協力するのは、どうだ?」
「確かに、管理局の組織力というものは魅力だがね、少々時間が惜しいのだよ。協力したいのなら、今すぐ追撃に参加したまえ」
冷笑を残し、今度こそクルーゼが飛んだ。
もう戦えるほど魔力の残らぬクロノは、それを悔しげに眺めるしか出来なかった。
「あたしも……!!」
怒り狂ったアルフも、クルーゼの背中に向かって空を踏んだ。
その、マントの裾がピンと張る。
「……なのは?」
掴んでいたのは、小さな女の子の手。
今にも泣き出しそうな、なのはだった。
「アルフさん……今は、みんなを」
「………」
深手のザフィーラを茫然と抱きしめるはやて、自分でどうにか止血を行うクロノ。
どんどん頭が冷えていくのを感じながら、アルフは眉根を寄せてバツ悪そうに項垂れた。
「そう、だね……」
それから20分とせず、クルーゼとトライア一味を見失ったとの報告がエイミィから入る事になる。
終わりです。
ビックリするぐらいキラとはやてが邪魔ですが、この子たちなりに事情があるので察してやってください。
>>460 乙、まあ理解できない訳じゃネーからなー。
後、どんな時間でも待ってるぜ!俺たちはよ!w
GJ!!です。
最強のナチュラルの1人に数えて間違いないクルーゼが、なぜトライア達を追うのか
気になります。専用デバイスを作ったら魔法戦闘でも強者になれそう。
おはようございます・・・・・じゃないような。
朝の投下予告です。
今日は12時頃になってしまいますが、OKでしょうか?
それにしても職人様方GJです、素晴らしい作品ラッシュ・・・・。
自分は投下ペースが早いくらいしか取り柄がありませんが、がんばります!
>>463 12時頃投下ですか。私はリリカルクロスSEEDの作品面白く好きですよ。
こちらに来ているのはキラ一人だけということなので、パワーバランスなどが大変だと思いますが頑張って下さい。応援しています。
ええい、sageんか
第四話:宿敵の牙なの
夜のビル街、その一つのビルの屋上に少女が立っていた。
手には黒い杖、黒いマントを羽織っている、彼女の金色の髪が風に揺れる。
「ロストロギアはこの付近にあるんだね」
少女はそのまま街のほうに目を向けていた。
「形態は青い宝石、一般呼称はジュエルシード」
そんな彼女を見守る一頭の大きな犬が隣のビルにいた。
「そうだね、すぐに手に入れるよ」
どうやら少女はその犬と念話を使って話しているようだった。
夜の街に犬の遠吠えが響き渡る。
「なのは〜、キラ〜、まだか〜?」
恭也の呼ぶ声に二人が反応する。
「すいません・・・・・後ちょっとです」
「ごめ〜ん、もうちょっと〜」
今日はなのはとキラが月村家にお呼ばれされていたのだ。恭也は付き添い。
二人はその準備をしているのだった。
準備を終え部屋を出てなのはたちと合流し、バスで月村家へと向かう。
「・・・・・大きい」
月村邸の前に着くとキラはそんなことを呟く。
そんなキラの言葉になのはと恭也は笑ってしまうのだった。
インターホンを押し、扉が開くとそこには一人のメイドがいる。
「恭也様、なのはお嬢様、キラ様。いらっしゃいませ」
「あぁ、お招きに預かったよ」
「こんにちは〜」
「メイドさん・・・・やっぱりこういう家にはいるものなんだな」
キラはメイドを実際に見るのは始めてだったため、また驚いてしまっていた。
「キラ様ですね。初めまして月村家メイド長のノエル・K・エーアリヒカイトと申します」
「あ、キ、キラ・ヤマトです。よろしくお願いします」
丁寧なお辞儀をされ、キラも慌ててお辞儀をする。
そんな光景を二人はまた笑って見ていた。
屋敷を歩いて向かった先はガラス張りのテラス。
そこでアリサ、すずか、そしてすずかの姉の忍がお茶を飲んでいたところだった。
傍らにはもう一人メイドがいる。
「なのはちゃん、恭也さん。キラ君も」
三人に気付き、すずかが声をかけてきた。
「なのはちゃん、いらっしゃい」
もう一人のメイド、ファリンもなのはに声をかける。
「恭也、いらっしゃい」
「あぁ」
恭也はしのぶと見つめあいながら挨拶を交わす。
「お茶をご用意いたしましょう、何がよろしいですか?」
「まかせるよ」
「あたしもおまかせします」
「それじゃあ、僕も一緒でお願いします」
「かしこまりました」
「すずかのお姉ちゃんとなのはのお兄ちゃんは相変わらずラブラブだね〜」
「うん」
「そうだね〜」
こういう恋愛の話となるとキラは疎いので周りにいる猫の数を数えていたりする。
「そういえば今日は誘ってくれてありがとね」
「ううん、今日は来てくれてありがとう」
「今日は・・・・元気そうね」
「え?」
「なのはちゃん、最近元気なかったから」
ジュエルシード集めで休む暇があまりないため、なのはは疲れた顔をする時があったのをキラも覚えていた。
「もし何か心配事があるなら話してくれないかなって、二人で話してたんだけど」
「すずかちゃん、アリサちゃん」
そんな三人の会話をキラは優しそうに見ながらも自分がもう少しなのはの負担を減らそうと決意する。
するといきなりユーノの鳴き声が聞こえてびっくりするなのはたち
下を見るとユーノを子猫が追い掛け回していた。
タイミングが悪いのか、何なのかユーノが逃げる方向にお茶のトレーを持ったファリンが現れた。
「は〜い、おまたせしました〜。イチゴミルクティーとクリームチーズクッキーで〜す」
ファリンがそういった瞬間ユーノと子猫はファリンの足元を縫うように走りまくった。
「あわ、あわ、あわわわわ」
ファリンはバランスを崩すと後ろに倒れそうになる。
「危ない!」
キラの行動は素早いものだった。
すぐにファリンを支えて、落ちそうになるトレーを伸ばした手で支える。
どうにか届く範囲だったので助けられた、多分ノエルくらいの身長だったら無理だろう。
「大丈夫・・・・・ですか?」
「あ・・・・すいません。キラ様ありがとうございます」
「あ、いえ、怪我をしなくてよかったです」
キラは笑いながらファリンに答えていた。
中庭に場所を移してお茶会の続きをすることになった。
キラは席を離れ、子猫たちを優しくなでていると・・・・・・。
「「!!??」」
キラとなのははジュエルシードの反応を感じていた。
(なのは、キラ!)
(うん、すぐ近くだ)
(どうする?)
(えっと・・・・・)
どうやってこの場を抜け出せばいいか、二人に案が浮かんでこなかった。
(そうだ!)
ユーノはそういうと森の方へ駆け出していった。
ユーノの意図を理解した二人はアリサたちをごまかしながらもしてユーノを追いかけた。
「発動した」
「急がないと!!」
ユーノは周りを見ながら悩んだ。
「ここだと人目が・・・・・・・・結界を張るから」
するとユーノは目を閉じ魔方陣を作り出し、結界魔法を発動させた。
結界を張り終えると近くの木をなぎ倒して巨大な何かが現れた、とっさに構える二人。
しかし、現れたのはただ巨大化しただけの子猫だった。
目が点になる二人と一匹。
「あ・・・あ・・・あ・・・あれは・・・?」
「多分、あの猫の大きくなりたいという願いが正しく叶えられたんじゃないかなと」
「そ、そっか」
「あ、あははははははは」
呆然と状況をなのはに説明するユーノと引きつった顔で笑っているキラ。
「だけどこのままじゃ危険だから元に戻さないと」
「そ、そうだね。さすがにあのサイズだとすずかちゃんも困っちゃうだろうし」
「いや、そもそもこの子が元に戻らなかったらすずかちゃん以外の人たちも困るというか、大変だよ」
キラは苦笑いを浮かべながらなのはにつっこんでいた。
「襲ってくる様子はなさそうだし、ささっと封印を・・・・・」
「じゃあ、レイジングハート」
「今回は僕の出番はないかもしれないけど、一応・・・ストライク」
二人が言い終わらないうちに黄色の魔法の矢が二人の間を抜けて巨大化していた子猫に直撃した。
すぐに魔法が放たれた方向を二人は見上げる。
そこには黒い杖と黒い服、黒いマントを羽織った金髪の少女がいた
「バルディッシュ。フォトンランサー、電撃」
『Photon Lancer. Full auto Fire.』
少女の杖に魔法の雷が貯まり、そこから無数の電撃の矢が発射され、子猫に直撃する。
子猫は痛そうに悲鳴を上げる。
「な・・・魔法の光・・・・そんな」
「レイジングハート!お願い!」
「ストライク!!」
『Stand by. Ready. Set up.』
『System all green.』
二人はバリアジャケットに身を包んだ。
「飛ぶよ、ストライク!エールモード!」
『Flier fin.』
『Aile mode. Set up.』
なのはの靴から小さなピンクの羽根が生え、キラの背中には赤い翼がついていた。
二人は子猫の上に飛び出すと二人はレイジングハートとライフルを構えた。
『Protection.』
「当たれ!!」
キラが飛んでくる電撃の矢を出来得る限り撃ち落す。
落としきれなかった矢をなのはが障壁を展開して止める。
「・・・・魔導師・・・・しかも、二人?」
金髪の少女は子猫の足元を狙い、転倒させる。
なのははバランスを崩し、そのまま地上に降り、レイジングハートを構える。
キラは空中で止まり盾を構え相手の出方を伺う。
すると、金髪の少女は近くの木に降り立ちなのはを見下ろす。
なのはやキラは少女がなのはと同い歳くらいなことに驚いた。
「同系の魔導師と見たことのないタイプの魔導師・・・・・・ロストロギアの探索者か」
「・・・・・・・」
「間違いない、僕と同じ世界の住人・・・・・そしてこの子、ジュエルシードの正体を・・・」
ユーノが考えている間に、金髪の少女はレイジングハートに目を向ける。
「バルディッシュと同系のインテリジェントデバイス」
なのはも同様に少女のデバイス、バルディッシュを見る。
「バル・・・ディッシュ?」
「ロストロギア、ジュエルシード」
『Scythe form. Set up.』
杖の形状から魔力で出来た黄色の刃が出ると大鎌の形状へと変わった。
「申し訳ないけど・・・・頂いていきます」
少女が鎌を構えなのはに斬りかかろうとした時、その刃を別の刃が阻んでいた。
「させない!」
キラは魔力で出来たサーベルで少女の鎌を受け止めていた。
「なんで、こんなことをするんだ」
「答えても・・・・多分、意味がない」
「そんなこと・・・・・分からないじゃないか!!」
キラは少女を押し返すとサーベルを振るう。
少女はそれを跳躍してかわし、空中で静止する。
「この人・・・・・強い」
たった一度打ち合っただけだが、少女はキラを見ながら呟いていた。
(この男の子と戦うのは得策じゃない・・・・・・なら!)
『Arc saver.』
鎌から放たれた魔力の刃はキラのほうではなく、なのはの方に向かって飛んでいった。
「!?」
『Protection.』
障壁を張り、何とか耐えるなのは。
「なのはちゃん!?」
それに気をとられたキラにかなり接近した少女はバルディッシュの先を向けていた。
『Photon Lancer. Get set.』
大きな魔力の塊が集まっていくのを、振り返ったキラは見えた。
「しまっ・・!?」
『Fire.』
ほぼ、零距離そして全力の一撃。魔力の流れがキラを飲み込んでいった。
ドーーーーン!!
「キラくん!」
なのははキラのほうに走り出したいのをどうにか堪え、レイジングハートを構える。
今余所見をすればキラの二の舞だ。
『Shooting mode.』
なのははレイジングハートを少女に向け、少女もバルディッシュを構える
『Divine buster. Stand by.』
『Photon Lancer. Get set.』
(きっと私と同い年くらい、綺麗な瞳と綺麗な髪。だけど・・・この子)
そうしていると、子猫が起きた。
「・・・・!」
なのはは一瞬それを見てしまい、注意が逸れた。
そして、少女はそれを見逃さなかった。
「ごめんね」
振り返ったなのはは彼女がそんなことを言っているように見えた。
そして・・・・・・意識が途切れた。
少女、フェイト・テスタロッサはジュエルシードの封印を完了し、帰ろうとしていた。
するとさっきフェイトが零距離のフォトンランサーで吹き飛ばした男の子が倒れていた。
男の子は頭から血を流したままピクリとも動かなかった。
バリアジャケットももう着ていない。
「・・・・・・・・」
フェイトは考えた、もしこのまま誰にも見つからなかったら彼は死んでしまうかもしれないと。
そうすると、フェイトも無視することができなかった。
フェイトはキラを担ぐとどこかへと飛び去っていった。
投下完了です。
やっぱりキラは周りに気を配ってしまう。
そこを考えればフェイトでも簡単に倒せてしまいました。
さて、次はフェイトたちとキラのお話です。
第五話「おだやかな日になの」お楽しみに!
>>リリカルクロスSEED氏GJ!!
2対1でもフェイトの勝ちですか…流石に向こうの方が魔法に関しては先輩ですからね。
しかしキラが拉致られるのは以外な展開ですなぁ
次回も期待してます。
リリカルクロスSEED氏
フェイトとの初戦は一日の長があるためにフェイトの勝ちですか。
キラは怪我をしてフェイトに助けられましたか。
そして、次回の話で、キラはフェイトと話をするんですか。
このことにより、キラは、いろいろと悩んでしまうんでしょうね。
次も期待しながら待たせてもらいます、
>>471 GJです
まさかキラはこのままフェイトサイドに付きクロ助とタイマンとか?
なーんてね
久々に来てみれば、スレの盛り上がりように…驚いたぜ…。
皆さんGJ
へっへっへっ、流石に今日は誰もいないでしょうからさっさと投下させてもらいましょうか。
プロットとかではこの14話で起承転結の承が終わりなので、この3日ほどスムーズに話を書きあげられましたが、次話からはちょっとペースがどうなる事やら。
第十四話
「さて、申し開きはあるかしら?」
アースラのブリッジでの事。
うつむくキラへと厳しい顔で言及するのはリンディだった。
リンディの隣では、腕を固定したクロノがやはり鋭い目つきだ。
「いえ……」
「あなたは本当に軽率に動いたわ。今回、なのはさんたちが向ったのが戦場であるのはスクリーンでよくわかっていたでしょう?」
「……はい」
そう、いかにクルーゼと知己であったとして、あんな場所へとずぶの素人が飛び込んでいいはずがない。
管理局からすれば厳罰ものの暴挙だ。
偶然にも飛行を目的とした魔力運営を考えていなければ、キラは死んでいたかもしれないし、その救助に手間をかければ重要参考人であるリリィに有利な展開になったかもしれない。
さらに言えば、クルーゼから一度攻撃を受けている。なのはが横にいなければ、これも殺されていたかもしれない。
「記憶の手掛かりが欲しいのは分かります。しかし、今度あのような行動に出るのならば私たち管理局としてもそれなりの措置をさせてもらいます。いいですね?」
「……もう一度だけ…もう一度だけ、あの人と話をさせてもらえないでしょうか?」
「それは約束できません。現状、ラウ=ル=クルーゼと友好的な関係が築けるとは思えない以上、あなたも話ができるというのは甘い考えです」
「でも、やっと手掛かりが……」
「それは分かりますが、しかし記憶と命のどちらが大事かと言えば、あなたも分るでしょう?」
「………」
「納得できないようね。でも、素人同然のあなたをあんな危険な場所へと行かせるのはできないわ。今回生きて帰ってこれたのだって、ただ運が良かっただけなのよ? それほど危険じゃなかったという認識は、改めてちょうだい」
「なのはちゃんは……構わないんですか」
「あの子は、実績も経験もあるわ。弱いあなたとは、違うのよ」
ぎゅっと、キラの手が強く握りしめられる。
悔しさが募る。
どうにか、間違いなく自分を知っている人間に会えたのにこれが敵意一色の人物だ。
けんもほろろに無視されても、ここは退きたくない。しがみついてでも、クルーゼから自分を教えてもらいたいのだ。
わらにもすがりたい思いだったキラが初めて掴んだわらである。離したくない。
「記憶を戻す方法は他にもあるはずよ。ラウ=ル=クルーゼについては、諦めてもらいます。いいですね?」
「………はい」
あくまでリンディの目を見ようとせずにキラは呻くように返事。
その様子にリンディはため息を一つつくが、今回は厳重注意で済ませるつもりなのでここまでとした。
「それでは、もう少ししたら来た時と同じ公園へと転送しますから、なのはさんの所へ」
そうして俯いたまま、キラはブリッジから出て行った。
何とも寂しそうな背中である。
いくらかの静けさがブリッジに流れたが、それもすぐにリンディが破る。
「さ、それじゃあクロノ、ヤマト君を追いかけて」
「……は?」
仕事人のクロノからすれば、母のキラへの態度は甘すぎると考えていた所である。
厳しい顔をしていたリンディだが、それが一転、嬉しそうな表情だ。
「だから、ヤマト君追いかけて適当な課題を出してきてちょうだい。その課題をクリアすればラウ=ル=クルーゼをチャッキした現場に立ち会わせるのよ」
「いや、ですが艦長、あんな素人が現場に出てくると困るんですが」
「だから、クロノもきっちり課題を出してね」
「だから、クリアしたら現場って……どれだけ厳しい課題になるんですか。そんなの無理に決まってるでしょう」
「無理なら無理で構わないわよ。少なくとも、今のヤマト君なら熱心に課題に取り組むわ。それでクリアできなくとも、これからの成長の大きなバネになるわ」
「………あ!」
どうも、話がかみ合わないと思ったクロノが、一つ思いつく。
「艦長、まさかキラ=ヤマトをスカウトするつもりじゃ……」
「正解。なのはさんやフェイトさんとは、また違った才能があるわ、あの子。鍛えるなら今ね。しかもラウ=ル=クルーゼに会うという目的があるんだからこれは伸びるわよ」
嬉しそうなリンディに対して、クロノはどんどん脱力していく。
例えば記憶が戻ったとして、魔法についてもうここまで足を突っ込んでいるキラは少なからずこれからの人生管理局と接触せざるを得ない。
その時、強い魔法使いであればある程待遇が良くなるのは事件を起こしているヴォルケンリッターやフェイトを見ても明らかだ。
記憶が戻らなかったとしても、故郷の分らないキラは管理局にすがるしかない。この時も、強い魔法使いであった方がやはり有利だ。
過去を失った不安を埋めようとする熱心さや情熱は、クルーゼを餌にして鍛練という方向性を与えれば、伸びる。
見る限り、キラの魔法の才覚は目を見張るものがあるのだから間違いない。
リンディの言うとおり、鍛えるならば今だ。
「……分かりました」
エイミィがクスクス笑っているのに睨みを利かせてから、クロノはキラの後を追った。
アースラに備えられた会議室にいた面々は、ブリッジに呼び出されたクロノとキラを除いた全員である。先ほどの出撃は見合わせたが、今回の事で帰ってきたフェイトもその場にいた。
丁度、シャマルが全員の前に立ち、今回起こっている襲撃の正体を説明し終えたところである。
光の卵。
闇の書殲滅のためだけに生まれたロストロギアの全貌に、場の空気は重くなる一方であった。
特に、はやては未だに魂抜けたように覇気も気力もない。
「……じゃあ、シグナムさんとヴィータちゃんは、助けられるんですね」
強く激しい思いを込めて、静かになのはが沈黙を割った。
頷くシャマルも、強い意思秘めた瞳だ。
「できるはずよ。リンカーコアさえ、摘出できれば、きっと」
「この場でリンカーコアに干渉できるのは、シャマルとザフィーラだけかい?」
「……いえ」
アルフの視線に、シャマルの表情が陰る。
シャマルが見つめるのは、自失寸前のはやてだ。
つまりはこのチームでリンカーコアを摘出するとなればシャマル、ザフィーラ、はやての3名である。
戦闘である事を考えれば、シャマルには荷が重い。
そして、愛する騎士たちから掛け値なしの殺気を突きつけられたはやても、戦えるかどうか、分らない。
適任と言えば傷ついたザフィーラぐらいなものだった。
「……います。ここにはいないけど」
「そうね、いるわね、2人」
フェイトの呟きに、シャマルも頷く。
もう引退した使い魔たちだ。その実力も折り紙つきだろう。コネもクロノがいるから連絡がつく。
「あの2人から、リンカーコアを……」
呟いて、アルフはぞっとしてしまう。
間違いなくこのメンツで考えた時に1対1でリンカーコアなぞ望めない。
ザフィーラであれ1対1ではヴィータのリンカーコアに干渉する隙がなかったのだ。
だが、可能性は間違いなくある。
フェイトももうそろそろ現場に出て構わない体調に戻るだろうし、リーゼ姉妹についてもこちらに助力してくれる率の方が大きいだろう。
そして、はやてのシュベルトクロイツが壊れてしまった事も、冷たく考えればプラスに働く。
デバイスのないはやてには、現場はきつい。これで今回のような飛び入りはしたくても出来ないはずだ。
まだまだ不安要素が多い中で、なのはやアルフたちには光が見えてきた気分であった。
その頃合い、クロノが入ってくる。
誰もいないと思うならそれは間違いだ
これから寝るんだがなw
感想は明日するぜ
お休み
「なのは、そろそろ君を転送するから来てくれ」
「はーい」
「そこまで送ろう。キラ=ヤマトも待ってる」
「あ、わたしはいいから、クロノ君はシャマルさんたちと話をして欲しいの」
「光の卵についてだろう? 僕はもう知っている」
「そうじゃなくて、あの、いろいろとクロノ君の人脈についてといいますか……」
「? まぁ、構わないが……」
それから、元気になのはは「さようなら」の声を残して、会議室から抜けて行った。
アースラに来た時と同じ転送機器へとたどり着くと、もうすでにキラが立っていた。
そして様子は、明らかに今までとは違っていた。
「ヤマトさん、何かあったんですか?」
てっきり、リンディに絞られて気落ちしているとばかり思っていたなのはとしてはキラのたたずまいは予想していたものとまるで違う。
一言で表すならば、「嬉しそう」というのが適当か。だか「嬉しそう」というのも微妙に違う。
「うん……」
活力と希望に漲り、さらに不安と恐怖も混じったような瞳がしっかりなのはを見据えてきた。
覚悟した、と言うのが一目でなのはに分かる。
「僕も戦えるようになる」
『戦えるようになる事』
それが、クロノの出す課題だった。
たったの一言だが、勿論これを審査するのがクロノであるのだから生半可な戦闘では失格の印は確実だろう。
クロノと言う人物自体をそう知らないキラからすれば、どのくらい戦えるようになれば現場でクルーゼとの接触させてくれるのか分かるはずがない。
ただ、年下の執務官がいくつも修羅場をくぐりぬけてここに立っているのを肌で感じるキラは、楽観してすぐに現場に出してもらえるとは思えなかった。
それでも、その課題をキラは受けた。
正直、どうすれば戦えるようになるのか、よく分らないが覚悟を以て受けた。
『やるからには、相応の覚悟をしてもらう。とりあえず、まずは環境も訓練に向いた場所にしたい。本局の方で生活してもらうのが適当だ。アリサ=バニングスに事情を説明して、すぐにこちらに来てもらう事になる』
そして、その覚悟が次のクロノの言葉で揺らいだのだった。
あの、居心地のいい場所から離れる。
アリサと、鮫島と、樹理と、真由良と、朝木と、離れる。
『止めるなら止めるで構わない。記憶もラウ=ル=クルーゼと接触するだけが道じゃないはずだからな』
迷いが強かった。
自分を受け入れてくれるアリサたちと一緒なのは、涙が出るほどの感謝と楽しさがある。
その迷いを傾けたのは、ラウ=ル=クルーゼという名前。
もう一度会わなければならないような、気がしてならなかった。
記憶のためかどうかと言われれば、そうだろう。
だがそれ以上に、ラウ=ル=クルーゼと言う人間に対してキラは心の奥底に重い繋がりを感じるのだ。
間違いなく、自分はラウ=ル=クルーゼと強い関係があった。
そんな直感じみた観念。
そして、もう一度会うためには、力が要る。
これはクロノの課題うんぬんの話ではなく、ラウ=ル=クルーゼと対峙するには力も必要だと本能が警告を鳴らすのだ。
一度、フォトンランサーで攻撃された事以上に、失った記憶がラウ=ル=クルーゼに怯えのようなものを感じている。
それでも、会う。
キラはまるで壊してしまった超えるべき壁が、再び前に現れた気がするのだ。
今度は、超える。壊さずに。
覚悟は、できた。
『……わかった。こちらも準備させてもらうから、そちらも準備が終わったらなのはを通して連絡してくれ』
ギュッと、思いを握りしめる様に拳に強く力を込めてキラは「これから」の不安を押しのける。
「ど、どうしてですか……?」
「あのラウ=ル=クルーゼって人に、もう一度会いたいんだ。そのために、きっと強くなきゃ、ダメなんだ」
「記憶のためにですか?」
「……うん。それに、自分のため」
「?」
「自分のため」と「記憶のため」の違いがなのはに分らなかったのだろう。クエルチョンマークを頭に浮かべるなのはに、キラは少し苦笑した。正直、自分でもわからないのだから苦笑するしかない。
エイミィの警告が入り、それからすぐに2人は転送魔法陣の光に包まれる。
帰ってきた2人を迎えた公園は、もう月が高くに昇っていた。
よし、終わりです。
こんな時間でもまだまだ人がいるのに、驚き、そしてちょっぴり悔しいですねぇ。
話が進んでいるようで実はあんまり進んでいないというでんでん虫っぷり。
良い加減もっとスピーディな展開にしたいけどそう言う話の作り方と書き方が出来ない性質と言う歯がゆさ……赤くなりてぇ。
ガンバ
んでもってオヤスミ
おつかれ
そして俺は寝る!
丑三つ時(3〜4時くらい)だと思考が鈍るから人がいないってばっちゃがいってた
中央から左右へ広がって行く爆光。
「うっ!」
「きゃっ!」
衝撃波がエリオとキャロを襲う。
「あぁぁぁぁぁッ!!」
「おぉぉぉぉぉッ!!」
全長ニ十メートルはあろうかという魔力刃を振り回すアレックス。
刃同士で打ち合う、キラが弾き飛ばされ、失速、しかし、海面ギリギリで体勢を建て直し、収束砲四発をかわす。
水しぶきが盛大に舞い上がった。
しかし、追い討ちをかけるようにして、アレックスのラケルタニ刀による中距離からの斬撃、縦一閃。
『クスィフィアス3』
キラの腰部の砲芯が持ち上がり、放たれる魔力弾。
ジャスティスで防ぐが、やはり衝撃までは殺せず一瞬だけ動きが鈍った。
(今だッ!!!)
両肩部に展開される魔法陣、腰部の持ち上がった砲芯をそのままに、右手のフリーダムでアレックスに狙いをつける。
「キラさん!!援護行きます。」
『Boost up burret power and buster power!』
フリードの上で、両手を広げケリュケイオンを構えたキャロ。
「ブーストアップ、バレットアンド、バスター!」
ケリュケイオンから放たれる桃色の魔力光がフリーダムとクスィフィアスに注がれる。
『Resieve』
光の輝きを増すキラの魔力光。
「これで決める!!!!」
勢いよく溢れ出す五の閃光がアレックスを飲み込み、爆煙を舞い上げた。
至近距離で一点集中型の、しかも強化型のフルバーストに当たったのだ。無事では済まないだろう。
「ごめんね…アスラン…。」
『Warnning!』
ヒュッ
キラのすぐそばを何かが通りすぎた。
時空管理局地上本部周辺空域。
何とか外に脱出したシグナムはヴィータとシンのもとへと向かっている途中だった。
「(シグナム!)」
「(ヴィータか…どうした?)」
シグナムは遠目に魔力光を捕え、その動きをとめた。一人の男と、融合器と思われる少女。
「(リィンが…アイゼンが……シンも…!!)」
次いで通りすぎようとするラウに目が止まる。いや、正確には、ラウが手に抱えているものにだ。
「シン…。(安心しろ、ヴィータ…シンは私が取り返す。)」
念話で告げるとシグナムはラウを追って飛び出した。
「えっ…?」
キラの背後に姿を表すガリュウ。とっさの回避行動に頬を切るだけですんだ。
「くっ!!」
『サーベルモード』
歯を悔い縛り、振り返りながらの縦一閃。
「キラさん!後ろ!!」
「ッ!?」
『グラップルスティンガー』
煙の中からとびだしてきたバインド。
そして引っ張り寄せられ、キラの腹に一発、アレックスの拳がめり込んだ。
「がっ…ア…ス…ラ…。」
気を失うキラ。
「キラさん!!!フリード!ブラスト…。」
「待って、キャロ、キラさんを巻き込んじゃうよ。」
キャロを制止し、折れたストラーダを構え、フリードの背に立つエリオ。
「やめろ、抵抗するな…でなきゃ俺は…君達を撃たなきゃいけなくなる。」
「…キラさんを…放せ…。」
エリオが静かに言う。
「命令は捕獲だ…、それはできない。」
やるしかない、ストラーダを握る手に力を込め、尖端をアレックスに向ける。
『ファトゥム01』
エリオとキャロに向け放たれる魔力槍。
しかし、それは目の前で方向を変え霧散した。
その光景に目を奪われていたエリオとキャロがアレックスとガリュウに視線を戻すとすでにそこに姿はなかった。
雨足が早まり、六課の火を鎮火してゆく。
フリードに連れて行ってもらい、六課だった場所に着いた二人は愕然としていた。
変わり果てていた。
隊舎には大穴があき、風が吹けば崩れてしまいそうな、そんな有り様だった。
エリオの力の抜けた手からストラーダがすり抜け、地に落ちる。
「……何にも…出来なかった……。」
六課だった場所にはガジェットの残骸が数えきれないほど転がっている。
「…僕は…何も……。」
キャロはエリオの様子を窺う。
幾つもエリオの頬を伝う筋。雨のせいで涙かどうか判別出来なかった。
「私たちは……。」
キャロも呟いた。
キラを助けられなかった。戦う事すら出来なかった。自分の無力さを胸にキャロは静かに涙を流した。
「うちのフォワードを返してもらおうか…。」
シグナムはラウに向け、レヴァンティンの切っ先を向けた。
「残念ですが…、あなたの言葉は聞けません。レジェンド!」
『ドラグーン』
ラウを中心とし弾けるように灰色の魔力光が散開しようとした刹那。
『シュヴァイゼンフォルム』
刃連ねる蛇が、渦を巻き、ドラグーンを絡め破壊する。
「くっ!」
「飛龍…一閃!!!」
次いで一旦、引っ込む刃連ねる蛇が魔力を帯、今度は直線に放たれる。
ラウは紙一重でそれを避け、
『ディファイアント』
魔力槍を生成、放とうとするが
「大人しくシン・アスカの解放、投降すれば命までは奪わん。」
背後からの声。
慌てたラウは振り向き様にディファイアントを放つ。
「紫電一閃!!」
だが、被弾覚悟で振るうシグナムの一閃がシンを抱えるラウの腕を霞めた。
腕の中からすり抜けるシン。
「ぐっ…ちぃっ……。」
ラウは撤退。
シグナムはシンを抱え、ラウを見送った。
時空管理局地上本部。
スカリエッティからの声明を受け、さらに六課の壊滅を知らされたカリムとはやて。
「予言は…覆らなかった…。」
カリムの沈んだ言葉に、はやてはただ沈黙で返すことしか出来なかった。
と言うわけで、第17話 終りです。
さて、どうでしたでしょうか?
楽しんでいただければ、暇潰しになってくれればと思います。
ちょこっとだけ話をいじってます。それから、最後ら編はかなり展開をいじるつもりです。
なるだけ、神隠しが面白くなるようにがんばります。
次回 第18話 翼、再び
お楽しみに!
神隠しさんGJです
作品の質上げようとしてるのがよく分かるので、これは暇つぶしにはもったいない出来ですぜ
しかしキャロエリのロリショタどもは応援したくなる
489
キラは連れて行かれましたか。
アスランやレイのように洗脳されるんでしょうね。
そうすると戦力バランスがどうなるのか楽しみにしています。
鎮魂歌さん!GJ!
無理にペースをあげて展開を早くしなくても、俺はずっと待ってるぜ!
神隠しさん!GJ!
しかし、シンがギン姉みたいになるかと思いきや…。
これは確実に物語後半で六課大苦戦だな。
Oct・2・C.E.73
アーモリー1
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、ただいま着任いたしました」
MS搭載強襲戦闘艦・ミネルバ。
翌日に就役式を控えたこの艦の艦橋で、フェイトは艦長、タリア・グラディスに報告し
ていた。傍らにアーサー・トライン副長も立っている。
着ている制服は、ZAFT軍事アカデミーの修了者のうち、上位10名だけが着る事が出来る
というザフト・レッド。
「よろしく。任務の詳細については追って説明する」
タリアは返礼しながら言うと、それを解いてから、笑い混じりに言う。
「もっとも、貴女に関しては既に機体の搭載も済んでいたわね」
「はい。よろしくお願いします」
そう言って敬礼を解く。
タリアたちと別れ、人員用のエレベーターに乗る。
居住区のレベルに移動しようとしてボタンを押しかけ、少し躊躇ってから、格納庫のフ
ロアを押す。
ドアが開く。
舷側の格納庫はまだがらんとしている。完成して就役する艦ということもあり、“愛機”
の概念が強いZAFTでは、他の搭乗員が着任とともに割り当てられたMSを運んでくるのだろ
う。
2セットだけ、特殊なMSが、中央のリフト型格納庫に、既に搭載されていた。
「バルディッシュ……」
中央格納庫を見上げ、呟く。
「よっ、おっつかれさん!」
軽い口調で話しかけてきたのは、整備員のヴィーノ・デュプレ。年恰好はフェイトと変
わらない。
「シンは? ヨウランと一緒に出るって言ってたけど」
フェイトはヴィーノに訊ねる。
「2人ともまだ来てないぜ」
ヨウランはヴィーノの同僚になる整備員。フェイト同様、シンと共にミネルバに着任す
るはずだった。
「街でうろついてんじゃねーの? シンはともかく、ヨウランが一緒じゃな」
ヴィーノは呆れたような苦笑で言う。
「でも良いよなー、羨ましいよなー、シンの奴」
ヴィーノは手を頭の後ろに組み、そう言った。
「彼女と2人して赤服で、一緒の艦に乗って、オマケに部屋まで同室? ここホントに軍
隊?」
「べっ」
ヴィーノの言葉に、フェイトは顔を真っ赤にして、裏返った声を出してしまう。
「……別に、そういう理由で同室ってワケじゃ、ないから…………」
「関係については否定しないんだな」
ヴィーノは、呆れきって直立しながら、ぼやく様に呟いた。
フェイトはその場で俯き、哀しげな顔をする。その様子に、ヴィーノはさすがにまずい
と思ったらしく、慌てて声をかける。
「ご、ごめん! わ、悪気はなかったんだ、冗談なんだよ!」
「あ……」
フェイトは顔を上げた。
「ちがう……ただ……私とシンは、互いに自分しか…………」
「す、すまん。本当に」
ヴィーノは真正面で手を合わせ、頭を下げる。彼は仏教徒や日本神道の信者ではないは
ずなのだが……
2人はオーブ出身で、何れも天涯孤独の身だと、周囲には知られている。
シンの家族は、前大戦におけるオーブ戦の際に、戦闘に巻き込まれて亡くなった、とい
う事実のままに。
そして、フェイトは、周囲にはそれ以前から孤児であったと説明していた。
「気にしないで、ください」
深々と頭を下げるヴィーノに、フェイトの方が困惑してしまい、おろおろとしながら言
う。
「ホント、ごめんな」
ヴィーノは顔を上げたが、表情はまだ、“苦味”が多い苦笑だった。
その2人を他所に、人員用のエレベーターがフロアに到着し、扉が開いた。
「おやぁ〜?」
エレベーターから降りてきたヨウラン・ケントは、フェイトとヴィーノが一緒にいると
ころを見ると、ニタニタ笑いながら降りてきた。
「だめだぜヴィーノ、フェイトにコナかけたって、彼女にはだな……」
「ばっ、バカっ!」
腰に手を当てて、妙に得意げな態度で話そうとするヨウラン。しかし、ヴィーノが驚い
たような声を出すと、首に手を回して、無理やり引きずってフェイトから離れていく。
「あーフェイト〜シン、先に部屋に行っているってよ〜」
ヴィーノに締められつつ、ヨウランは手を振りながら、そう言った。
「あっ……」
思わず表情が明るくなってしまう。ヨウランが降りてきたエレベーターに乗り込み、格
納庫を後にした。
「ですから姫、その問題には我々としては如何なる回答もいたしかねると、申し上げてい
るはずです」
プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルは、困惑と、呆れと、憤りの混じ
った険しい表情で、そう答えた。
「何故だ! 元々彼らはオーブの国民だぞ!?」
激しい口調で、明らかに敵意を持った表情で言う、カガリ・ユラ・アスハ、オーブ首長
国連合代表。
「今は違います。既に彼らはプラントの国民です。その彼らの職業や居住の自由をオーブ
が制限する事は、プラントに対する内政干渉であるだけではなく、彼らに対する人権蹂躙
でもあります」
険しい表情のまま、淡々と言い返すデュランダル。
「しかしっ、……それが戦争である必要はないはずだ!」
言葉に詰まりかけ、感情的な言葉を吐くカガリ。
「姫。軍事技術が即戦争につながるというのはいささか短絡的過ぎです」
デュランダルはウンザリしたような様子を見せながら、そう答える。
「その、姫というのはやめてくれ!」
カガリは、顔を紅潮させながら言った。
「では代表、と。先ほど私は同胞と申しましたが、実のところ、オーブからはコーディネ
ィターのみならず、ナチュラルの難民も少なからず受け入れているのですよ。そしてその
ほとんどがこのアーモリー・シティに在住している」
「それはっ……」
「彼らの生活と人権の擁護を、プラントの代わりにオーブが補償できるというのですか?
1人の例外もなく」
「…………」
デュランダルの言葉に、カガリは言葉を失い、しかし表情は相変わらず、敵意をむき出
しにしたような険しい顔。
随員のアレックス・ディノは、表情をサングラスの下に隠していたが、どちらかという
とデュランダルに対して、眉を潜めているのが見える。
「だが────」
カガリが、何か言おうとした時。
デュランダルの背後で、閃光が迸った。
居住室の扉が開き、フェイトは室内に足を進める。
「シン」
シン・アスカはザフト・レッドの制服に着替えつつ、何かを手悪戯していた。ピンク色
の携帯電話。妹、マユ・アスカの形見。
2年前、フェイトの足元に転がってきたこれを、シンは追いかけてきた。そしてそのお
かげで、家族の中で彼だけが生き残った。
────でも、結局それで、私は彼を苦しめてしまっているのかもしれない。
フェイトが俯きかけた時、シンは顔を上げた。
「ああ、フェイト」
笑顔を見せるシン。携帯電話をズボンのポケットに押し込む。
フェイトの表情は晴れなかったが、シンの仕草を見て、ふと思い出した。自分のズボン
のポケットに、手を入れる。
取り出したのは、ペンダント。“q”の字の円の部分がやや大きい形をしている。中心
の円には、ルビーのような、シンの瞳と同じ色の素材が嵌められていた。
「これ、シンにお守り。持ってて」
「あ、ありがと」
フェイトからペンダントを受け取り、シンは早速首にかける。
「色違いなんだね」
シンが言う。フェイトの首には、同じ形で、周りの金属の部分が濃いグレー、中央が黄
色の素材が嵌められた、ペンダントが下げられていた。
「フェイトのお守りは効くからな、嬉しいよ」
シンが笑顔で言うと、フェイトもはにかむ様に笑った。
室内の空気が、和やかになった、そう思った時。
アラートが、室内、いや艦内全体に鳴り響いた。
『工廠地区でMS強奪発生、インパルスとバルディッシュに出撃要請。繰り返す、工廠地区
でMS強奪発生、インパルスとバルディッシュに出撃要請』
女性オペレーター、メイリン・ホークの声が、放送で響く。
「強奪だって!?」
シンは飛び上がるようにして、部屋を出る。フェイトはそれに続く。
ブリーフィング・ルームから続くロッカー・ルームに飛び込む。当然ながら、フェイト
とシンの駆け込むそれは別々だ。
フェイトはロッカー・ルームに駆け込むと、ザフト・レッドの服を脱ぐのではなく、胸
にかけているペンダントを握った。
ガチン!!
ペンダントの、“q”の字の“柄”になっている部分が、音を立てながら収縮した。蒸
気のような物が、あふれ出る。
ザフト・レッドの制服が消え、レオタード状のバリアジャケットが現れる。ガントレッ
ドとブーツはオミットして、ベルトはクロスではなく横一線に改めているが、ほぼ以前の
イメージを踏襲している。
ペンダントの“柄”の部分が一度延び、そこから薬莢のようなカートリッジが排出され
た。
その上からパイロットスーツを着込む。バリアジャケット装着状態ならば宇宙空間に放
り出されても平気なはずだが、その存在を知られたくないというのと、もう一つ、この世
界の時代に、魔力素に干渉しその流動を妨害する何かが存在しているということが理由だ
った。
ブリーフィング・ルームへ飛び出す。シンと同時。一瞬、目を合わせる。
「気をつけてね……」
「フェイトこそ」
さらに格納庫へ飛び出し、キャットウォークの階段をシンは上へ、フェイトは下へと駆
けて行く。
『コアスプレンダー1号機、発進待機位置へ』
エレベーターが動き、コアスプレンダーが、ミネルバの中央航空機用発艦デッキに上げ
られる。
「シン・アスカ、コアスプレンダー、出るっ」
格納庫側から射出口へ向かってガイドLEDが順に点灯し、リニアカタパルトが1機目のコ
アスプレンダーをアーモリー1の作られた空へと打ち出す。
『インパルス、チェスト・フライヤー、レッグ・フライヤー、射出します』
航空機型に変形している、インパルスのチェスト・フライヤー、レッグ・フライヤー、
『シルエットフライヤー、ソードシルエット、射出!』
そして、ソードシルエットを組み込んだシルエットフライヤーが、コアスプレンダーを
追いかけて飛び上がって行った。
『コアスプレンダー2号機、発進待機位地へ』
Generation
Unrestricted
Network
Drive
Assault
Module
COMPLEX
YFX-M56-2 CORE-SPLENDER
インパルスのコアスプレンダーに対して、2機目として改善点があるものの、カタログ
スペック上はまったく同一機種のコアスプレンダーが、発艦デッキに上がる。
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、コアスプレンダー、行きます」
静かに良い、そしてリニアカタパルトに、コアスプレンダーは射出された。
『バルディッシュ、チェスト・フライヤー、レッグ・フライヤー、射出します』
インパルスのそれに良く似たそれらが、次々と射出されていく。
『デバイスシルエットフライヤー、ソード・デバイスシルエット、射出!』
最後に、戦闘機型の無人輸送機に搭載されたそれが、打ち出されていった。
フェイトはコアスプレンダーをほぼ垂直上昇状態にする。主翼を折りたたみ、そこへレ
ッグ・フライヤーがドッキングしてくる。
スロットルを絞り、チェスト・フライヤーとドッキング。チェスト・フライヤーはイン
パルスと異なり、航空機形態時の主翼は腰元へスライドするように移動して、シーリング
・リフターになる。
COMPLETE. ZGMF-Y56S/Adv BARDICHE
形式番号が示すとおり、元はZGMF-X56Sインパルスの量産化評価用として2機製造されて
いた機体のうち、1機を改修したものだった。そのため、背中にはシルエットシステム用
のインターフェイスの他に、ニューミレニアムシリーズで採用されたウィザードシステム
用のインターフェイスも併設されている。
そのインターフェイス部分に、ソード・デバイスシルエットが被さる様にドッキングす
る。
ウェポンキャリアから、ビームグラディウスを抜く。従来のビームサーベルとは異なり、
柄の先に突起状のビームジェネレーターを持ち、幅広の刀身ビームを発生させる。
MA-M941T『シグナム』。命名はフェイト自身に依った。
エクスカリバー対艦刀を連結させ、ファイティングポーズをとるインパルスと、背後同
士を向けるようにして、降り立った。ポーズをとることはせず、アンチビームコーティン
グ・ウェポンキャリーシールドを構える。
『何でこんな事、また戦争がしたいのか! アンタ達は!!』
通信と、インパルスの外部スピーカー越しに、シンの声が聞こえてくる。
だが、フェイトはモニター越しに工廠の惨状を見ると、目を細めて、呟くように言った。
「違う、……この人たちは、戦争を知らない」
>>493-498 あかん。漏れが書くとどうしてもノリがガンダム寄りになりすぎる。orz
しかもなんかシンとフェイトが仲良すぎだし。or2
気にするな、俺はGJしか送らない
期待してるぜ!
種キラが飛ばされる話が2種類、フェイトが飛ばされる話が2種類ですか
職人さんたちの書き分けに期待してます
ここも活気にあふれてきましたね。
皆様GJです。
私も頑張らねば
誰か絵師はおらんのかっ?
BJを着たキラとかザフトレッドを着たフェイトとか激しく見たいぞ!
ザフトレッド着たなのはならあるが
俺は神隠しの六課の制服を着たシンとキラが見たいな
たぶんどこの学生?って感じなんだろうが
508 :
506:2007/09/12(水) 19:39:31 ID:???
>>508 お前お前おま(ry
てっきりシグナム姉さんがクルカトオモタヨ……orz
何故シ(ry
これはあれか、魔法少女ラミパスシンちゃんを書けと
おれも自分で書いたバリアジャケットシンしか書いてない……しかも某聖騎士団っぽくなたし(というかそのまんま)
バリアジャケットのキラって昔にイメージピッタリの画像なかったっけ?
なんかフリフリがいっぱいついたやつだよな?
>517
多分クリスマスの付録かなんかの画像じゃない?
>514
何か、リーマンっぽい
安価ミスった。
>513ね
バリアジャケットの絵欲しいな。文章だけじゃ保管するの難しいし
>>520 イメージしてたバリアジャケットとは違いすぎて笑ってしまった
久しぶりにきてみたらなんと言うGJの嵐ww
もう殆どの職人が戻ってきてるのか?
脳内ではこう、シンとフェイトがいちゃついてくれちゃってしょうがないんですが、
それでも続きを書くべきでしょうか?
書くな!と言う選択肢は俺にはないので大丈夫だぞ!
>>233 そういうのは、シンだから許されると思う。少なくとも俺は。
というか、そこは問題じゃない。
問題は、 俺 の 嫁 が 武 器 に な っ て る 事 だ
いや、これはこれで面白い発想とは思う。
俺は書いて欲しいぞ!!
本編十八話みてきましたが…何か説明ばかりですね…。
やはり神隠し本編でも説明すべきでしょうか?
>>527 そこは今後の神隠し氏の展開に関わらない程度の解説ぐらいでいいんでは?
まぁここにいる住人のほとんどはStS見てるでしょうし。
会話じゃなく解説文を何行かくらいでいいと思う私。
その代わりに六課メンバーの心情を書くとか…
>528
レスに感謝です!
色々頑張ってみます!!
朝の投下予告です。
今回は、10時くらいに投下させてもらいます。
OKでしょうか?
職人の皆さんGJです。
すごいGJラッシュなため自分の更新頻度をゆっくりにしてみようかと・・・・。
それでは、また10時くらいに
全然問題ない!さぁみんなが君の投下を待ってるぜ!!
更新頻度を人それぞれだから自分のペースに合わせてすればいいと思うぜ。
私のように最初はどば〜、後半だら〜、はよくないですよwww
僕なんて最初から亀のごとく遅い…orz
はい、今からまた執筆に戻ります。
第五話:おだやかな日になの
「うっ・・・・・く・・・・」
「お、気がついた」
キラは痛みが走るにもかかわらず勢いよく体を起こした。
「ここは!?なのはちゃんは!ジュエルシードは!」
「まぁまぁ、落ち着きな。あんた傷人なんだから」
「そんなこ・・・・・・」
声を掛けられたほうを見ると大きな犬が一匹いるだけだった。
「ん?どうしたんだい?あんたも魔導師なら使い魔くらい知らないのかい?」
「え?あ・・・・いや、魔法のこと知ったのもついこの間だったし・・・・」
犬の会話に驚き正直に答えてしまうキラ。
キラは周りを見渡すとここがどうやらマンションの一室だと理解できた。
「あの・・・・僕は一体・・・・」
使い魔と名乗った犬に聞こうと思ったとき別方向から声がした。
「私がここまで運んだからです」
聞いた事のある声、いや気絶する前に聞いた声だった。
「君は!」
キラの目の前には先の戦闘で戦った女の子が立っていた。
すぐにストライクを呼ぼうと思ったが、自分の手元にストライクはなかった。
「あなたのデバイスは預からせてもらっています」
「・・・・・・・何でかな?」
「あなたがロストロギア・・・・ジュエルシードの障害になるからです」
フェイトは自分でも何故彼を助けてしまっていたのか分からなかった。
だから一番自然そうな選択をし、答えた。
「そういうわけで君はここで大人しくしておいてもらうってわけ」
「・・・・・・・・」
キラはそのまま押し黙ってしまった。
「それじゃあ、アルフ。私は少し出てくるね」
「大丈夫かい?」
「うん、アルフはその人を見張っておいて」
「分かった、いってらっしゃい」
そういうとフェイトは部屋から出て行ってしまった。
「あの・・・・・・」
今まで黙っていたキラが口を開いた。
「ん?」
「なのはちゃ・・・・・お世話になっているところに電話していいですか?」
ここでなのはの家に電話すると言うのは難しい、別の言い方で言うことにしておくことにした。
「う〜ん」
アルフは少し唸ったが、やがて部屋の外に出るとすぐに戻ってきた。
「余計なことは喋らないよう、見張らせてもらうよ」
「ありがとう」
キラは礼を言うとなのはの家に掛けた。
『はい、高町ですが・・・・』
電話には桃子さんが出たようだ。
「あ、キラです」
『キラ君!?今どこにいるの?皆心配しているのよ?』
「すいません・・・・・でも、僕は大丈夫です」
『今、なのはたちが外で探してるの』
「えっと、実は・・・・・」
キラはあらかじめ決めておいた話を使うことにした。
自分はなのはと別れた後、記憶が少し戻った。
そして、その記憶を頼りに飛び出してしまったということにした。
『本当に・・・・大丈夫なの?』
「はい、今は知り合いのところにお世話になっていますから、心配しないでください」
心配を掛けた上に嘘を言っている自分が辛かった。
「はい・・・・それじゃ、また落ち着いたら電話します」
電話を切るとキラはため息をつき、俯いてしまった。
「もういいかい?」
「はい、ありがとう・・・・ございました」
キラはアルフに電話を渡すと枕に顔を埋める。
アルフは電話を直すため部屋の外に出ると直ぐに部屋の中からすすり泣く声が聞こえてきた。
「ごめんなさい・・・ひっく・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい、ごめんなさい」
アルフはキラが泣き止むまでは部屋に入らなかった。
「温泉・・・・ですか?」
「そ、ジュエルシードの反応が近いから行ってくるの」
キラはここ数日でアルフと言葉を交わす内に仲良くなっていた。
フェイトとはあまり喋る機会がなかった。
当初は頑なに二人と関わりを持とうとしなかったキラだが、ある夜一人で泣いているとアルフが来て慰めてくれたのだ。
自分を監禁している相手を慰めるのはどうかと思ったが、彼女たちの事情も少しは理解すべきではないかと考えることにした。
そして、彼女たちがなんのためにジュエルシードを集めているのかが分かれば、なのはとフェイトが戦わないように出来ると考えたのだった。
それからキラは少し二人と打ち解けるようになった。
今のアルフは女性の姿をしている。
最初アルフが人間の姿になったときはさすがのキラも驚いて目を丸くし、それをアルフが大笑いをしていたりした。
この時ばかりはフェイトも口の端を少し持ち上げたようにキラには見えた。
「でも、フェイトちゃんもアルフさんもいなくなると・・・・・」
「大丈夫、部屋から出られないように障壁張っていくから」
「いや、そこは僕が心配するところじゃなくて期待するところですよ」
キラはそんなアルフを見てため息をついた。
「気をつけてね、いってらっしゃい」
「いってきます」
「キラ〜、お土産期待しててね〜」
そういうとドアが閉じられると同時に障壁が張られたのがストライクを持たないキラにも分かった。
どうやら電話も通じないようにされている。
多分、フェイトのことだ、抜けたところなどないだろうと判断したキラは部屋に戻ろうとした。
するとリビングに写真が飾ってあるのに気付き、それを手に取ってみる。
そこにはフェイトの子供の頃と思わせる子供とその母親のような女性だった。
「母親か・・・・」
オーブでは両親に会うことなく、戦場に戻ってしまったキラにとってはとても懐かしいものだった。
「ただいま」
「キラ〜、ただいま〜」
「あ、おかえり。フェイトちゃん、アルフさん」
キラは二人を迎え入れるとリビングに通した。
「一応、暇だったから晩御飯作ってみたんだけど・・・・どうかな?」
テーブルの上にはロールキャベツなどが置かれていた。
「うは〜、これってキラの手作り?おいしそうじゃない」
「うん、アルフさんよりはうまくないと思うけど」
アルフはロールキャベツの一つを口に含むと笑顔になった。
「うん♪おいしいじゃない、キラすごいのね〜」
「そんな、僕が作れるのってこれぐらいだから・・・・・」
素直に褒めてくれるアルフに照れてしまうキラだった。
「ごめんなさい・・・・私、食欲ないから」
そんな中、フェイトは自分の部屋に戻ろうとキラに背中を向けるとその背中に傷があることにキラは気付いた。
「ちょ、ちょっとフェイトちゃん。背中」
「大丈夫だから」
そう言って戻ろうとするフェイトの肩をキラは強引に掴むとそのままソファに座らせた。
「だから・・・・・大丈・・・」
「じっとしてろ!」
キラの怒った顔を見たのは初めてだったため、フェイトは驚いてしまった。
救急箱を持ってきたキラはすぐにフェイトの治療を始めた。
「痛いけど我慢してね」
「っ!?」
「痛いよね、でもねフェイトちゃんアルフさんや僕も君の傷を見ると心が痛いんだ。それを分かって・・・・ね?」
そう言われフェイトは何も言わず、キラに治療を任せた。
アルフはそんな二人を優しそうに見ていた。
フェイトが部屋に戻り、少し経った後キラが部屋に入ってきて「少しでも食べないと体力が持たないよ」といいロールキャベツの皿を置いていった。
フェイトはそれを少しだけ食べた。
それはとても温かくて、懐かしさを感じさせるような味だった。
「それで何があったの?」
フェイトが寝たことを確認して、リビングでくつろぐアルフにキラは話しかけていた。
「さぁね、あの白い子と戦ったからかもね」
「!?・・・・なのはちゃんとまた戦ったの?」
「仕方ないだろ、お互いがジュエルシードを集めるもの同士。会ってそれを取り合うのは当たり前さ」
「それで・・・・なのはちゃんは?」
フェイトの無事は分かるがなのはのことは分からない、フェイトの様子を見るに勝ったようだ。だから、余計に心配してしまう。
「大丈夫だよ、無傷さ」
「そうか」
キラは安堵のため息をつくが直ぐに表情を強張らせる。
「何であんな小さな子たちが戦いあわなければならないんだ。君たちの目的は何なんだ」
「・・・・・・・・それはキラには関係ないことだよ」
アルフは何も言わず、そのままフェイトのところに行ってしまった。
「ん〜♪こっちの世界の食事もなかなか悪くないよね〜」
そう言いながらドッグフードをおいしそうに食べるアルフ。
昨日の会話はなかったように振舞っているためキラは昨日のことをもう一度聞く気にはなれなかった。
「せ・・・・せめて犬状態で食べてくれないかな?」
人間状態でドッグフードを食べている隣で食事をしているキラはげんなりしていた。
「そう言われてもね〜」
そう言いながら食べることをやめないアルフにため息をついてキラは降参した。
「さてと、うちのお姫様はっと」
そう言いながらドッグフードを持って上のほうに向かうアルフ。
キラはアルフが食べた後を片付けることにした。
「あ〜、また食べてない」そんなアルフの声が聞こえ心配そうに見上げるキラだったが、アルフにまかせることにした。
「それじゃあ・・・・いってきます」
「うん、気をつけてね」
このやり取りでフェイトたちを送り出すのも何回目だろうかとキラは思った。
「アルフさん」
「大丈夫、フェイトには私が付いてるんだから」
そう答えると二人は出て行ってしまった。障壁が張られたが、もう気にすることもなくなってきた。この生活に慣れてしまっている。窓から外を見る、夕焼けがとても綺麗だった。
「なのはちゃん・・・フェイトちゃん、どうか無事で・・・・」
キラは二人の身を案じずにいられなかった。
そして、二人に何も出来ない自分がとても悔しかった。
投下完了です。
キラ君は監禁状態でなのはとフェイトの戦いに参加出来ない。
これが戦力バランスをどうにかする方法でした。
その代わり、なのはたちの戦いが書けないという諸刃の剣になってしまったorz
さて、キラはフェイト側に付きかねない状況・・・・・悩んでますね。
多分、もう一押しでしょう。
それでは次回「分かたれた道なの」お楽しみに!
GJです。
監禁とは違いますが、なんとなくフリーダムへの布石を思わせる展開ですね。
キラはこれからどうするんでしょう。
フェイト側に付きかねない状況でも、なのは達と敵対するというのは考えにくいと思いますし。
それはそうと、キラは監禁状態なら、学校は休んでいるということですね。
>>538 GJ!
なのは本編に改編要素がないなら、キラ中心の描写だけでも問題ないと思いますよ。
>>539 このままいくと、キラは第3勢力化したり?
「僕はプレシア派じゃありません。そしてもう管理局(なのは)派でもない」
>>531 >>532 >>533 心配ありがとうございます。
更新がだらだら進むことはありません。
実は今はA´sを書き始めたところで、無印はほぼ完成しているんです。
まぁ、手直しが結構いるので2日に1話になると思います。
読み直していく時間を設けた方がいいくらいだったのでww
後、ここで聞きたいことがA´sではキラ1人かアスランも加えるかで迷っています。
一応、皆さんの希望も聞きたいなと思ったりしました。
私としても気まぐれになってしまうかもしれないですが、返答をお待ちしています。
>>542 私としては、他の作品では一人だけが来ているというのは確か無かったと思うのでキラだけでもいいと思います。
他の作品では管理局側に一人、ヴォルケン側に一人ってパターンが多いですからね
>>542 リリカルクロスSEED氏GJ!!
このままだとキラはどうなるのかな…サブタイ的にフェイト側になるのかな?
双方に一人ずついないとパワーバランスが変になるっていうのもあるんだろうけど、
まぁキラ一人だけならいいんじゃないのかな?
自分的にはアスランも出てきて欲しいけど…(というかアスランが出てくるのが少ないので…)
>>542 俺もキラ一人でいいと思う
だいたいシンならともかくアスランってのがなぁ…
あとAsには一度元の世界に帰らずそのまま続くんですか?
キラがラクスの所に居た期間ってどのくらいだっけ?
ラクスと共にいた期間=この世界の滞在時間なのだとしたら
早く帰らないと大天使が沈んでしまうw
児童化したりしてるぐらいだから、『種世界に戻ったらほとんど時間は進んでなかった』もアリじゃね?
『舞い降りる剣』で魔導師なキラ降臨とか。
まさに「なんだ、あれは!?」
>>547 逆に考えるんだ。「ノイマンがいればキラなんていらないさ」と
>>リリカルクロスSEEDさん
自分はアスラン欲しいですねぇ
当初はキラと2人が主人公という話だったのに、主人公といえばいつの間にかキラかシンですし
もっとも、キラ1人にしろ、アスランがリリカるにしろきちんと読まさせてもらいますので応援してます!
アスランねぇ…なんつーかアスランってボケにもツッコミにもなれない中途半端な人ってイメージが…
仕事以外で接点を持とうとしないって感じもあるしキャラと絡ませにくそう
監禁状態でアルフが慰めにきたって描写でエロいことを想像したのは俺だけではないはず。
デバイス化したMSたちはCE式とでも呼称すればいいのかな?
魔法で戦争を行うとしたらこっちの方が効率はいいだろうな
アスラン……ネタむけじゃない?
短編みたいなのには結構でてるし
>>553 さらにPSJ(フェイズシフトジャケット)はすべての実体攻撃を防ぎ(斬撃、炎等含む)
無敵の防御力を誇るが魔力を著しく消費する
魔力が危険域に達するとBJが灰色になり腰のナイフで格闘戦に移行するわけですな?
どうせだったらCE勢は本人に魔力じゃなくて、デバイスに魔力がやどってるほうがよくね?
皆さん、多くの意見をありがとうございます。
なるほどなるほど、と言うしかありませんでした。
>>543 ふむふむ、1人でOKですな。了解です。
>>544 戦力バランスをこれから考えないといけませんね、最初はキラ負傷で戦力外とか?
>>545 たしかにアスラン少ないですものねぇ〜、何ででしょう?
>>546 それは今後を見ていてくだされば分かりますw
>>547 確かに助けに行かないといけませんしね〜、どうなるんでしょうかw
>>548 まさに・・・なんだ、あれは!!ですなww
>>549 ノイマンさん何者!?って感じですねw
>>550 ふむふむ、やっぱり欲しい方もいる。確かにキラとシンが目立ちますね〜w
応援ありがとうございますw
>>551 中途半端・・・・一番戦う勢力コロコロ変えていたからでしょうか(^^;
>>552 9歳の子供にエロイことって、見境いがねぇ〜ww
>>553 555 556
面白そうな設定ですな、しかしそれだと戦闘が早く終わるような気がしてならないw
誰かがその設定で書いてくれるのを待ってみましょう。
>>554 ネタむけ・・・・吹いてしまいましたww
こんなに意見を言ってくれて嬉しい限りです。
最終的にどうなるかは無印が終わった後に始まりますのでそちらもよろしくです。
何かアニメの続編決定を言っている気分ww
それでは長々になりましたが、貴重なご意見ありがとうございました
このスレで人気のあるクロスカプってやっぱり
キラ×なのはとシン×フェイトか?
シン×はやても捨てがたい
自分的にはアスラン×フェイトもなかなか
シン×なのは
ってのはあんま無いね
シン×はやてが一番好きかも
ツンデレ×ツンデレで、シン×ティアナとか
>>562 あんま無いってシン×なのは物って何かあったっけ?
俺はシン×フェイトかな
あるのならシン×なのはの方がいいけど
シン(らき☆すけ)×六課でいいじゃん
そろそろやめたほうがいいかもな、この話題
仕事から帰ってみてみると、何やらクロスカプで盛り上がってるじゃないか!
そういえば最近はそういうカプネタってないよなぁ…
ちなみに俺はシン×はやて派
フェイト「あ、シン。おはよう、よく眠れた?」
シン 「ようおはようフェイト!?」
こけっ!
シン 「いたたた……ご、ゴメンフェイ……この柔らかい感触は一体」
フェイト「シン君・・…」
さあオチないまま吊ってこようか!
俺は構わんのだが、こういうネタ始めると歯止めが利かなくなるんだ
特にこのスレでは実例があるからな、総合女難のほうに行ってくれないか?
ライトエッチなネタは簡単に浮かぶよなwww
シン×淫獣派ですが?
超レアなキラ×シグナム派の俺、参上!
俺もクロスカプは好きだが、そろそろ一旦落ち着こう。
橘さん×ティア
>>572 つぶあん乙wwww
女難より新たに一つスレ建ててやったほうがいい希ガス
あっちは女性関係が複雑すぎてまったくわからん。
【なのはとシンが知り合いました】 とか
私にいい考えがある。
ここではなく、キャラ総合に立てるんだ!
>>577 らき☆すたスレみたいな感じか?
ssだけでなくネタも楽しむスレってことか。
おもしろそうだなw
ここはSSスレだからな、小ネタとかはスレ違いになっちゃうしな。
路線変更で投下おk?
良いに決まってるじゃないか
>>577 そのスレタイだとシンがメインになってしまいそうで女難と変わらんだろ
魔道戦士まじかるしん26話 「NP3228」
「さあ、こんなところでは話しづらいだろう。こちらへ」
なのはたちとカリムはデュランダルに連れられるままに彼の元へついてゆく。
そして案内された部屋には、いかにもと言う豪華な机とイス。
そしてその机には豪勢な料理が並んでいた。
その光景を唖然としながら見る一堂。
「あの、議長…これは?」
ふとシンがデュランダルに尋ねる。
これは全く予想をしていなかった事なのだ。
そして本人のほうは、なんともないように答える。
「何、ちょっとしたお礼だよ。今回の件に協力してくれた、ね」
何でも今回の件で機動六課に協力を要請したのは他でもない彼だった。
だから、これは個人的な礼だと言う。
流石金持ちというかなんというか……
「それに、いろいろと君達にも興味があってね、ゆっくりと話がしたいのだよ」
そういってデュランダルはフェイトのほうを見る。
「そう、いろいろとね、フェイト・テスタロッサ君」
「え?」
フェイトは、ハラオウンをつけていない、以前の自分の名前を言われ、戸惑いながら議長を見た。
「な、何だね君は!?」
ところ変わって、ここはミットチルダのある研究施設。
そこにいきなり誰かが入り込んできたのだ、そして一言。
「ここの一番偉いやつを呼べ!!」
男はそういってずっとそこに居ずわっているのだ。
そして、この研究所の所長がやってきたのだ。
所長はその男が管理局の執務官服を着ていることに驚く。
そんな局員がなにか用なのだろうか?
「久しぶりだな。まさか忘れたとは言わせないぞ……」
その執務官は自分に見覚えがあるようだが、本人はさっぱり覚えていない。
果たして誰だろうか……
「ふん、やはり覚えてなかったか。人の事を勝手に作っておいて、あまつさえ捨てようとした男の一人が管理局で働いていたとはな……」
執務官、カナードの言葉に、どこか引っかかりを感じる所長。
まだわからないのか、とカナードはため息を付く。
ならいやでも思い出せてやろう。
そう思い、カナードは所長を見据える。
「メンデル……これで俺が誰かわかるだろう」
その言葉が引き金となり、その所長にとって悪夢といわざる終えないある出来事をもいだス。
「まさか……お前は……」
所長は驚き、驚愕の目でカナードを見る。
あ…あ…と後ずさりし腰を落とす。
「そうだ…お前達が研究していたスーパーコーディネーター…その失敗作だ。
ナンバーで言うとNP3228だがな」
カナードは自嘲気味に笑いながら所長を見る。
既に所長は心ここにあらずといった感じだ。
「安心しろ、殺しはしない。おまえたちに復讐したところでどうこうなるものじゃない」
そうだ、こんなやつなど殺しても何にもなりはしない。
自分が倒したいのは……
「俺はキラ・ヤマトを倒し、お前達が俺に貼り付けられたレッテルを引き剥がしてやる。
今日はそれだけだ。
安心しろ、お前がスーパーコーディネーターの研究で多数の命を無駄に散らした事は黙っておいてやる。
……あくまでも研究者の名前はな」
おそらく自分がこの研究の事を言えば、すぐにでもこいつのこともわかるだろう。
そう思って、カナードはその場を後にするのだった。
「おいしいこれ!ねえティア、これおいしいよ!」
「スバルうっさい!場所を考えなさいよ。あんたも少しはエリオたちを見習いなさい」
「はやてちゃん、これおいしいです」
「ほんまやなあ」
殺風景極まりない先ほどまでとはうって変わって、こちらは明るい雰囲気が漂っている。
先ほどの後、結局議長と少々早い夕食をする事になった一同。
その食事メニューに驚きながらも、その料理に舌鼓を打つ一同。
しかし、一名ほどあまりいい顔をしない雰囲気をしている人物がいた。
「………」
その人物、フェイトは少々難しい顔をしながら食事を取る。
「フェイトさん、大丈夫ですか?」
フェイトははっとして声のほうを向くと、キャロとエリオが心配そうにフェイトを見ていた。
フェイトは心配させまいと大丈夫だよ、と言うが、それでもまだ二人の顔ははれない。
「あの人、フェイトさんの知り合いなんですか?」
アリオはフェイトと議長は前に何度かあったことがあるのかどうか尋ねたが、いや、とフェイトは首を横に振る。
彼とは恭初めてかおおあわせた。
と言う事は……
(やっぱり母さんとなにか……)
フェイトは自分の母、プレシア・テスタロッサとつながりがあるのだろうか?
それとも、ただ名前が長いから省略しただけなのか……
そう思いながらフェイトは議長を見る。
「二人とも、向こうでは上手くやっているかね?」
「はい、議長。いたって順調です」
「それは良かった」
議長はレイ、そしてシンと話をしていた。
どうやら二人は議長に面識があるようであった
「あの、少しいでしょうか?」
「ん?なんだね?」
フェイトは意を決して聞いてみることにした。
これではっきりする。
「あなたは、プレシア・テスタ路差の事を知っているのでしょうか?」
フェイトの言葉に、隊長陣の空気が一瞬重たくなったように感じた。
即になのはの表情が暗いくなった。
それはそうだろう。フェイトの過去を考えると、自然と表情も暗くなってしまう。
一方、フォワード陣は何がなにやらさっぱりであった。
そんなフェイトを見て、デュランダルは含みのある笑みを浮かべながら一枚の写真を取り出す。
かなりの人数が写真に写されていて、その中央に写されている人物にフェイトは驚く。
「かあ…さん…」
その中心にいる人物こそ、プレシア・テスタロッサだった。
「私の父があなたの母上のプロジェクトに参加していてね。
私も何度か彼女とは面識があるようだが、小さいときのことでね……」
と、デュランダルは自分とプレシアのつながりを話す。
そういうことだったのか、とフェイトはどこか安心したような顔をする。
だが、とフェイトは思い出す。
彼女の研究は確か失敗して……
どうやらその疑問の顔に出ていたようで、デュランダルは笑いながら話す。
「ああ、あの事件の当日、話では父は休んでいたよ。
なんでもミスで腕を骨折させたみたいでね」
そうですか、とフェイトは微妙な笑みを浮かべる。
(ねえティア)
(なによ?)
(フェイト隊長のお母さんって、リンディ・ハラオウン提督じゃなかったっけ?)
(さあ…私たちにわかるわけないでしょ)
スバルとティアナは話の内容がわからなかった。
その子世で、エリオとキャロが心配層にフェイトをみていた。
こうして食事と話が終わると、デュランダルをシンとレイを見る。
「二人とも、これから少し模擬戦をしないか?」
突然議長の言葉には?と聞き返す二人。
まあ今までのことがあるからそこまで驚かないが……
「君達が機動六課に入って、どれほどの腕になったのか見てみたくてね」
笑いながら、デュランダルは側近の者にあるものを持ってこさせる。
二人の言葉は勿論……
「わかりました」
「お願いします」
とすぐに返事をくれた。
次に議長はなのはたちのほうを見て、
「よければ見学でもどうかね?」
という議長の誘いに、フォワード陣の何かの参考になると思ったなのは。
そして単純に議長の強さに興味がある副隊長陣とフェイトとカリム。
その結果、なのはたちもその戦いと言うものオ見る事にした。
一堂は広い庭へと向かう。
「インパルス!」
「ファントム!」
二人はそれぞれのデバイスを起動させる。
一方議長のほうはデバイスは持たず、一本の刀を持つ。
「今回は私はこの逆刃刀で戦う。君達は全力できてもらってかまわんよ」
「ええ!?」
議長の大胆発言に驚くシン。
シンばかりではない、なのはたちも驚く。
その中、レイだけはわかりました、と簡潔に言う。
(お、おいレイ!)
(何だ?)
(何だじゃない!いくら議長が有名な剣術家といっても、デバイス無しじゃ……)
シンの言葉にああ、と頷くレイ。
「そうか、シンはしらないのだな……」
そういって、レイはデュランダルのほうを向く。
デュランダルのレイの意図を察した。
「シン、こちらを向きたまえ」
不思議に思うまま議長のほうを向くシン。
そこには確かに議長がいた。
だが、次の瞬間議長の姿が急に消えたのだ。
「え?」
そして、消えたと同時にシンの背後に動き、首筋には刀があった。
わずか一瞬のうちにこれだけの事を、魔法も使わずに行ったのだ。
この動きにシンは唖然としながら冷や汗をかく。
「シグナム、さっきの見えたか?」
「なんとかな……だが、捕らえるだけで精一杯だ」
「私も……」
シグナム達も、彼の速さに圧倒される。
新人達にいたっては何がなにやらさっぱりであった。
「だから言っただろう、シン。議長にとって、俺達程度の相手ではデバイスなど必要ない」
レイの言葉にを素肌で実感したシン。
それを見て、議長はすっと先ほどまでいたところへと戻る。
「それでは始めようか」
そういって議長の目つきが変わり、剣を構える。
『フォースシルエット』
『スラッシュウィザード』
二人もそれぞれのシルエットに変形し武器を持つ。
そして30分後。
「はぁ…はぁ…」
二人とも息もたえたえの状態で議長をみた。
既に二人のジャケットはぼろぼろである。
だが、議長のほうは息一つ絶やさず悠然と立っている。
そして……
「驚いたよ、まさかここまで上達しているなんてね。これも訓練の賜物と言うものか」
議長はにこやかに笑いながら二人を見る。
よく見ると、議長の衣服に何箇所か傷と呼べるのかどうかわからないものがついていた。
ただし、それは魔力刃の余波のようなものでついたもので、実際に傷をつけたとは言いがたい。
「はぁ…あ、ありがとうございます」
模擬戦も終わり、一同は議長の実力に思い知ったときだった。
「騎士カリム、緊急事態です!」
突然シャッハが通信を入れてきたのだ。
どうしたの?と尋ねるが、シャッハの牛論考形を見て唖然とする。
そこにあったのは真赤なちか……ではなく、真赤な血でまみれている義弟であった。
それははやてたちにも見えていた。
「ヴェロッサが何者かに襲われて倒れていたのです。それで……」
シャッハは気を失う前にヴェロッサが言っていた事を話す。
「ラクス・クラインを護衛しているキラ・ヤマトを守ってくれ、とおっしゃっていたのですが、その人物を騎士カリムはご存知ですか?」
キラ・ヤマト……
聞いたことない名前だ、とカリムは思った。
このメンバーでキラ・ヤマトの名前を聞いて反応したのは3人であった。
それは、議長、レイ、シンの3名であった。
そろそろ連投規制回避の支援をしておくか
(そうか、彼はついに突き止めたのか……)
その中でも、議長は何か昔の事を思い出すように微笑を浮かべるのだった。
そして、その表情に疑問が残るよう名目で見ていたのはフェイトであった。
「あの、議長。お尋ねにくいのですが、その件について何か知っているのですか?」
フェイトに聞かれ、つい懐かしさで顔に出てしまったようだ。
ならば、とデュランダルは話し始める。
「ああ、知っているとも……かれこれ10年位前だったか……」
フェ「議長の口から開かされる儀等とカナードの出会い」
な「それは、彼に現在の戦う理由を授ける」
な「だけど、その話を聞いたフェイトは……」
シ「次回、魔道戦士まじかるしん「カナード」に、テイク・オフ」
ティ「なにか……すごいフラグのようなものを感じるんだけど……」
投下完了
だんだん魔法少女から外れています(原作もだけど)
まあ、24話を見て、ちょっとわが道を進んで見ようかどうか悩む今日この頃……
このSSはねたが多いだけにいろいろなねたが思い浮かぶ。
ただ……やっぱりどれもが魔法少女っぽくないんだよなあ……
>>まじかるしん氏GJ!!
カナードが段々キラに近付いていくなぁ…てことはそろそろキラが出てくるのかな?
ていうか議長強っ!!2vs1でデバイス無しでほぼ無傷って…
流石は飛天御剣流…。
デバイスはシャア専用のですか?
ザクからナイチンゲールまでのどれかで飛天御剣流・・・・・・
議長のデバイスはジャバウォックだろ?
ウィツァルネミテアじゃねーの?
15話出来上がったんで、乗せますね。
話書くの楽しいですねぇ。
例え他の人が読みづらくとも! 内容が薄味でも!
精進します orz
第十五話
「そんな事が……」
一連の話を聞き終えた鮫島は、困惑を隠せず唸ってしまう。
事情を身振り手振りで説明したキラに、対面して座るアリサも突然過ぎる話に驚いていた。
バニングス邸へと帰れば、もう8時を少し超えた時間。
緊急で、アリサと鮫島の2人を広間に集まってもらい、テーブルをはさんで着席。
そして、キラは今日あった事とクロノの課題について2人に話したのだった。
現在この館の住人で、リンディらアースラスタッフから次元世界について教授されているのはこの2人だけなのである。
「それで……本当にヤマトさんの記憶は戻るの?」
「……分らないんだ。クロノ君からも他に方法があるかもしれないって言われてるけど……」
「じゃあ、なんでそんな危険な目にあってまで……」
「……それも、正直分らない。今日、クルーゼさんと実際に会って、何か思い出したわけじゃない。でも」
しっかりと、キラは鮫島とアリサを見つめた。
アリサの険しい目。
鮫島の柔らかな目。
どちらも、しっかりと。
「でも、僕はクルーゼさんともう一度話をしたい。昔あの人ときっと何かあった。それを、拾わなきゃ、前に進めない気がする……」
トン、トン、トン、トンとアリサがテーブルを指で叩いてキラから目をそむけた。
納得しかねているようにしか、見えない。
対して鮫島は、困惑からいくらか脱し、いつもの紳士然とした落ち着きを取り戻しつつあった。
「分からなかったり、そう言う気がするだけだったり……」
「……ごめん」
「謝らないで!」
控え目に小さな大声で、アリサが身を乗り出した。
傍目から見れば、何とも可愛らしい仕草なのだが真正面から迫りくる位置にいるキラは少々ビックリ。
「今度は本当に本当に記憶の手掛かりが見つかったんじゃない! 魔法いじりまわしてるより、そのクルーゼって人とっ捕まえる方が確実なんだから、これでヤマトさんの記憶もきっと解決よ!」
「え、あ……はい」
「声が小さい!」
「はい!」
「よろしい。その調子で、ちゃっちゃと戦えるようになって、さっさと記憶を取り戻すように!」
「あの……納得、してくれてるの?」
「そんなわけないでしょ! でも……こうしてキチンとあたしたちに事情を話してくれて、その上で自分がこうしたいって言ってるんですから、なのはよりはマシです」
「そ、そう…なの?」
「そうです。あの娘ったら、フェイトの時もはやての時もあたしとすずかに何も言わないんだから、思いっきりカヤの外だったんですからね! そのせいで首突っ込めなくて、あたしも魔法少女になる機会逃しちゃってバーニングアリサも……」
「私も……納得はしかねますが、なのはさんやフェイトさんを見ていて、黙るしかありません。どうか、戦えるようになたっとして、戦わない道になるようにと思うばかりです。どうか、お体をお大事に」
何か炎髪灼眼になったり使い魔召喚しそうな勢いで嘆き始めるアリサを横に置いておき、鮫島が実に穏やかにキラに微笑んだ。
どこか、寂しそうなその微笑みにキラの目頭が熱くなる。
「鮫島さん……ありがとうございます……僕…本当に…あなたたちに助けられて良かった………」
「いえ、今までお力になれなかった事が心苦しいばかりです。どうか、管理局ではきっと事態が好転しますよう……」
「そんな! 僕がここまで元気になれたのは、この屋敷の皆さんのおかげです。感謝してもし足りないぐらいなのに、返せないほどの恩なのに……勝手に出ていくなんて言って……」
「ふふふ、次に会う時は、記憶が戻っているといいですなぁ。今度は、ヤマトさんの世界について話を聞かせてもらいたいものです。それが、私たちに対する大きな感謝の印になる。その時は、きっと美味しいお茶で歓迎しましょう」
さて、と小さな声とともに、鮫島が立ち上がり未だブチブチ言ってるアリサに就寝を告げる。
「お譲さま、もう九時を過ぎてしまっていますので」
「そうね……それじゃヤマトさん、明日の朝にもうちょっといろいろ詰めて話を聞かせてもらうわ」
「うん。おやすみ、アリサちゃん」
ドアの向こうに消えるアリサと鮫島に、ぎこちなくキラは笑った。
今にも、泣いてしまいそうな、笑顔。
音も立てずに後ろ手できっちりドアを閉めてから、鮫島はアリサの肩に優しく手を置いた。
少女からは、ぐす、と鼻をすする音。
「鮫島……」
「はい」
「寂しいよ……」
「よく、我慢なさいました」
「うん……」
ギュッと、鮫島はアリサの手を握ってやった。
>>595 ウィツは神だからジャバと一緒にロストロギア扱いじゃね?
クルーゼとの接触、シュベルトクロイツの破損と様々な事を纏めた話し合いの後、
シャマルの言に従ってクロノはすぐさまリーゼ姉妹へと連絡。
リーゼロッテよりすぐさま「オッケー行く行く。じゃ、明日レティちゃん所集合ね!」との返事をもらう。
その能力ゆえ、グレアム希望辞職後もリーゼ姉妹がちょくちょく管理局の事件に力を貸す事は多い。
そういう場合、「管理局が民間の魔導師を雇う」という形を書類上作る必要があるので、
人を動かす仕事をする責任者に話を通すのが通例だ。
今回は、リンディとも親交深いレティ=ロウランにその白羽の矢が立つ。
幸い、レティのスケジュールにも空きがあったので、すんなりと面会の許可が下りてくれた。
そして、昨日から一日たった今日、クロノはレティの執務室のソファで待機中だった。
レティの部下であるマリーから、レティが遅れるのは聞いているので待たせてもらっているところである。
そろそろリーゼ姉妹の到着する時間だろうと、これまでの事とこれからの事を考えていたクロノのU2Sへと、連絡が入ってきた。
口にしていたコーヒーカップをテーブルへと置いて、カード状のU2Sを手に、思念通話の要領で回線を開いた。
『ク、クロノ! き、君のお師匠さんが!?』
『へっへっへぇ、よいではないか、よいではないか』
『あ、ちょ、ズボンは止めてください! ちょ! あ! そこは! クロノ! た、助けて! な、何とかしてくれぇ!』
『おぉ! 可愛い顔して、これはまた立派な……』
『いや! 本当、止めてくださ、あ、あ、あ、ぼ、僕にはなのはが…あ、ちょ、やめ、待って…心の準備がアーーーーッ!!』
そこで通信が途絶えた。
無事、リーゼ姉妹が本局に来た事が分かり、再びコーヒーをすすりながらクロノは、こっちにはアリアの方が来るのか、と思った。
だが、その予想は裏切られる事になる。
「待たせたわね」
執務室の扉が開く。
クロノがコーヒーカップを置いて立ち上がれば、入室してくる人物は2人。
レティと、グレアムだ。
「! グレアム提督!?」
「元提督だよ、クロノ」
柔和に微笑む老兵は隙なくスーツを着こなしており、管理局の制服姿ぐらいしか見たことのないクロノは見違えてしまう。
「ど、どうして元提督が……アリアやロッテは…?」
「ロッテは無限書庫で光の卵について情報を受け取りに、アリアはデュランダルの調整だ。2人から話は聞いたよ、クロノ。私も、君たちの力になりたくてね」
「き、恐縮です……」
「そんなに固くならんでくれ。もう私は一民間人だ。クロノ執務官、君の指示に従う側だよ?」
「そんな。しかし、なぜ提督……元提督まで?」
グレアムの目が伏せられた。
威厳ある顔立ちに、ほんの一瞬だけ陰りが見える。
「……罪滅ぼし、と言うのが適切だろうね」
「はやての事ですか」
「その通りだ。以前の私も光の卵と同じ側だったからこそ……今度は、今回こそは君たちと道を同じくしようと思う」
穏やかな表情で、しかし猛々しいまでの気配を備えてグレアムは笑う。
老いたと言え、まだその強さはっきりとクロノに感じられる。
持久力といった面ではクロノに分があったとして、瞬発力では到底この老練なつわものにかなうまい。
提督と言う責任がなくなった今、グレアムも戦場に出るつもりかもしれない。自然と、クロノの喉が鳴った。グレアムに圧倒されているのだと、それで気づく。
「グレアム元提督、まさか戦闘にまで首突っ込むつもりじゃありませんわよね?」
そんなグレアムへと、この執務室の主はデスクの向こうで訝しげな表情だ。
「年寄りの冷や水だと思うかな?」
「ええ」
レティがきっぱりと断言。メガネの向こうの眼光は鋭すぎる。
「ロッテとアリアがいるんですから、老人は後ろにいるのが一番です」
「ははは、当面はそうさせてもらうよ。まずは、はやて君のシュベルトクロイツを直す手伝いだ」
「はやても喜びます」
「どうかしら?」
クロノの言葉に、レティの冷えた声が割って入ってくる。
一瞬、クロノの脳裏に浮かんだのは泣きじゃくるはやての姿。今のはやてに何かを喜べるほど心にゆとりがあるかと問われれば、否だろう。
「さっき、正式に本局での待機命令を出したわ。一応、期間としてはシュベルトクロイツ修理完了までにしたけど、あの様子じゃシュベルトクロイツがあっても現場に出るの無理よ」
「………」
黙るしかなかった。
ザフィーラ、なのは、アルフと同じく、クロノははやての痛ましい姿を目の当たりにしているのだ。
またシグナムとヴィータから攻撃を仕掛けられる現場へと、戻れるようには見えない。
「なに」
しかし、
「あのロストロギアさえ扱いこなしたはやて君だ。きっと、また現場に復帰するだろう。その時のために、老人が今頑張らなければな」
ただ1人、グレアムだけは静かで暖かだった。
「さてクロノ、アリアとはここで合流だったろうが、今はマリー君のところだ。行って来なさい」
「そのようですね。それでは、失礼します」
「あ、待ちなさい」
引き止めたレティから、クロノは2つの物を手渡される。
一つは、双剣をかたどったペンダント。
もう一つは、この本局の簡易IDだ。
「こっちはロッテに渡しておいて」
「これは……デバイスですか?」
「そう、レヴァンティンよ」
「! レティ提督も持っていたんですか?」
「昔の愛用品だけど、もう使ってないから引っ張り出してきたわ。
状況が状況だけに、ロッテあたりに使ってもらってちょうだい。こっちの簡易IDは、キラ=ヤマト君に」
「ええ、渡しておきます」
一礼して、クロノが退室していく。
ちなみに、アリアとはすぐに会えたクロノであるが、なぜかロッテの合流はとても遅かったという。
車のドアが開いた。
運転席の鮫島は、並ぶキラとアリサを感慨深げに瞳を細めて眺めていた。
出発の日。
本局へ、キラは行く。
もともと荷物などないのだから、身軽な装いだ。
だが、心は重い。
もっと、この屋敷にいたいと思う。
一歩、キラが車に近づく。
そして、アリサに振りかえった。
「あの…アリサちゃん、今までありが 「違うでしょ!」
腰に手をあてて、アリサが大きな声。
一瞬、たじろいでからキラは恐る恐る口を開く。
「えっと……さような 「もっと違います!!」
おどおどと、うろたえるキラに、アリサは一睨み。
すくみあがるキラが鮫島を見ても、優しく微笑むだけだった。
「えっと……」
俯くキラ。
数秒、どうすればいいか、考えた。本気で。
だから、それを閃いた時、キラの表情はほころんだものだった。
「いってきます!」
アリサが、笑った。
「いってらっしゃい!」
終わりです。
じゅうごわのまとめキラがアリサをすててクロノにはしりました
グレアムはまだまだげんきです
アリサもグレムアもキャラがびみょうにほんぺんとちがうきがしてなりませんが、こうなってしまいました
これもひとのごうです
グレアムが戦闘に参加するかどうかは正直まだ考え中です。
しかし一つだけ確かなのは私がじっちゃん系のキャラが好きだという事です。
鮫島とグレアム大好き。
>>604 失われた者たちへの鎮魂歌氏GJ!!
キラとアリサの別れはちょっと感動してしまった。
これからはあの猫姉妹にしごかれるんでしょうね…
ちょっと気の毒……あ、こんな時間に誰か来ry
>鎮魂歌氏
GJです。
自分も鎮魂歌氏のように文章力を高めたいです!
この調子で最終話まで頑張ろう!
>>604 キラとアリサの会話は良いですね。どっちが年上なんだか分からなくなるw
自分もじっちゃん系好きです!ダンディなのがいいですね。
>>まじかるしん氏
GJ!
議長強wwwww
やはりフェイトに興味をもちましたか……
そしてカナードの登場
次回もwktkしてます!
>>鎮魂歌氏
GJ!
じいちゃんの活躍に期待ww
それと
>> 『ク、クロノ! き、君のお師匠さんが!?』
>> 『へっへっへぇ、よいではないか、よいではないか』
>> 『あ、ちょ、ズボンは止めてください! ちょ! あ! そこは! クロノ! た、助けて! な、何とかしてくれぇ!』
>> 『おぉ! 可愛い顔して、これはまた立派な……』
>> 『いや! 本当、止めてくださ、あ、あ、あ、ぼ、僕にはなのはが…あ、ちょ、やめ、待って…心の準備がアーーーーッ!!』
ユーノ!?返事をするんだユーノ!?
うらやまし……ゲフンゲフン
第18話 翼、再び
機動六課隊舎。
「これで全員です。」
「ご苦労様。」
フェイトは隊員に挨拶し、エリオとキャロを探しに向かった。
怪我人の搬送をするため、今回重症をおっていない隊員たちも手伝いに来ているのだ。
ティアナもフェイトと一緒に戻っている。なのはとはやての二人に関しては今日は地上本部に残るとのこと。
「エリオー、キャロー?」
雨音に負けないよう少しだけ大きい声で呼ぶ。
「…フェイトさん……。」
エリオとキャロがこちらを向き、雨で張り付いた前髪を払いもせずフェイトを虚ろな目で見た。
「こんなに濡れて…早く戻らないと風邪ひいちゃうよ?
キラは?もう、戻ったの?」
ふと視界に入る地に落ちたままのストラーダ。
柄部分が途中から折られていた。
「ッ!?エリオ?どっかやられたの。」
フェイトが心配し、エリオに言うが首をふり、否定した。それから、声を喉から絞り出すようにして
「キラさんが…キラさんが…連れていかれました…。」
「キラが!?」
なるほど、道理で先ほどから姿をみないはずである。
「私たち、何も出来なくて…。助けてあげられませんでした。」
おえつを漏らしながらエリオとキャロは声を上げ泣いた。
自分の非力さに泣いた。
フェイトは複雑そうな表情でその様子を見ていたが、やがて二人の肩を抱き、耳元で囁くように言った。
「キラのことは…きっと私たちが何とかするから…。
今は皆のところへ戻ろう?今は体を休めて…明日のために…。」
「「……はい……。」」
フェイトは二人の手を引き、搬送ヘリに戻った。
翌日、病院一室。
スバルは体を起こしてからも終始無言で窓の外を見ていた。
すっかり雨雲はさったようで、今日は中々に日差しが強い。
ちなみに、隣のベッドではシンが雑誌を読んでいる。といっても、目次を開いたまま一行に開く気配がない。
室内には重苦しい雰囲気が漂っていた。
コンコンッ
そこへ、ノックの音。
「入るわよ〜!」
「「失礼します。」」
声から察するに、ティアナ、エリオ、キャロだろう。
「ど〜ぞ〜。」
シンが言うと、三人が部屋に入ってくる。
「シンさんもスバルさんももう起きててもいいんですか?」
「あぁ…、俺の方は大丈夫だ。」
「私も大丈夫だよ。」
キャロに微笑んで答えるシン、スバル。
「差し入れ、持ってきたわよ。どうせ二人ともご飯食べてないんでしょう?」
会話もそこそこ、エリオとキャロ、ティアナが持っている袋から食べ物を並べていく。
おにぎり、サンドイッチ、ホットドック、冷たいカップのスープに惣菜、お茶、etc...。
食べ物を見た瞬間、シンのはらが鳴る。
「昨日、何も食べなかったからなぁ〜…、食べていいのか?」
「…どうぞ。」
キャロが包装を剥ぎシンにおにぎりを渡す。
「おぅ、サンキュー、キャロ。」
シンは勢いよく食べ始めた。
別室、シャマル、ザフィーラの部屋。
ヴィータが部屋に入ると、シャマルが体を起こし向かえた。
「別に、無理して起きなくてもいいんだぞ?」
「うぅん、別に無理なんか…、私よりザフィーラの方が重症だから…。」
「そうか…。」
「あの一瞬、ザフィーラが私をかばってくれなかったら…どうなってたことか…。」
シャマルが隣のベッドに包帯を巻き横たえているザフィーラを見た。
「まぁ、ザフィーラもヴァイスもリィンも峠を越えたみたいだし…、リィンは明日にでも目を覚ますそうだ…。
ただ…。」
ヴィータは口を濁し、その先を言おうか言うまいか悩んでいたが、
「ただ、ライトニング5…キラ・ヤマトな…。
あいつは…やつらに連れていかれた…。」
「……連れていかれたって……?」
「…戦闘中、シンも敵に連れていかれそうになったけど…、シグナムが連れ戻してくれた。」
室内が沈黙に包まれる。
「……また、あとで来るよ。でも…あいつ…キラのことだけど……。」
ヴィータはドアを開けたまま立ち止まり
「何でもない。」
そう言って病室から出ていった。
一方、戻ってスバルとシンの病室。
「そっか…キラも…。」
エリオとキャロから詳しい事情を聞かされるスバルとシン。
それから、スバルとティアナから聞く話によれば、ギンガ・ナカジマ、スバルの姉も連れ去られたらしい。
「敵として…出てこなきゃいいけどな……。」
シンが呟く。
前回地上本部を襲撃してきたのはスカリエッティ一味。
そのスカリエッティは生命操作などの技術にたけていると聞いた。
ならば、この世界には存在しないコーディネイターはスカリエッティにとって興味深い存在だ。
利用しようとしないはずがない。
シンの呟きはその場の全員に聞こえていた。
スカリエッティ、アジト。
元はナンバーズが眠っていたカプセルに先の戦闘にて回収されたギンガ・ナカジマが加えられた。
因みに、ディード、オットー、チンクなんかは修理中。とりあえず、スカリエッティはそれらをクアットロやウーノにまかせ、自分はキラ・ヤマトのデータをとっているところだ。
キラが運ばれてきてからすぐに作業を開始したのだ。
口の両端をつり上げ、目を見開き、キラの、いや、世界最高のコーディネイターに関して調べていく。
「すばらしぃ…。」
遺伝子操作を用いれば、優れた魔導士をいくらでも量産できる。
学習能力も向上させられる。戦闘機人と違い、いちいち調整する必要もない。
「すばらしいよ…コーディネイター…。さて……。」
キラについてはデータをとり終わった。
キラの隣にはアレックスとラウ、二人も寝かせてある。
アレックスとラウに仕込んだキラを敵だと認識させるための記憶操作を解除する。
「アレックスとラウにはまだ協力してもらおう…。
世界最高のコーディネイター…君には…これからを盛り上げるために…協力してもらおうか。」
暗い部屋、スカリエッティの笑い声が響きわたった。
「いやぁぁああ!!やだぁ!!!」
台座に縛り付けられ、泣き叫ぶヴィヴィオ。
ウーノとクアットロが気にもとめずにレリックを埋め込む準備が進められて行く。
すると、ドアが開きレリックのケースを持つスカリエッティとバリアジャケットを纏ったキラが立っていた。
「……キラ…。」
ヴィヴィオが泣きやみ、きょとんとした表情でキラを見つめた。
「…大丈夫だよ…ヴィヴィオ…。」
キラがゆっくりと歩み寄っていく。
「…僕が……側にいるからね。」
ヴィヴィオの涙を手で拭い、微笑むキラ。しかし、その目の光は失われていた。
はやてはアコースのもとへ向かっていた。
時空管理局地上本部にて確認をとろうとしていたことがあるのだが、それは秘匿事項ということで確認をとることは出来なかった。
それに、レジアスがスカリエッティに手を貸しているというのは、あくまではやての推測に過ぎない。
推測で疑われる側の気持を考えれば、ぶしつけだったかもしれない。
しかし、それでも先の戦闘にて失った戦力は大きい。スカリエッティがあれほどの戦力を蓄えているとなれば、のんびりしている分けにはいかない。
まだ管理局が崩壊したわけではないのだ。
「まだや…まだ予言は当たってへん。」
覆すチャンスはある。
はやては後部座席から運転手に向かって言った。
「すまんけど…急いでくれるか?」
「はっ、了解しました。」
運転手はアクセルを踏み込み、車のスピードをあげた。
シンとスバルの病室。
「スバルが戦闘機人?」
シンが声をあげた。
「うん、ごめんね。私がスバルに口止してたの。」
ティアナが言う。エリオとキャロも少し驚いたような表情をしていた。
「まぁ、それは…別に…。でも隠すようなこと…。」
いいかけてシンは口をつぐんだ。
コーディネイターとナチュラルの事を思い出す。
「そうか…。」
暗い雰囲気漂う病室。ティアナがスバルとシン、二人の肩を叩く。
「まだ全てが終わったわけじゃない。私たちはまだ戦える。
だから、スバル、シン、エリオ、キャロ、奪われて悔しいなら取り返してやればいい!
きっとギンガさんもキラもまだ生きてる。」
病室にいる全員がティアナの言葉に力強く頷いた。
機動六課隊舎屋上。
「なのは、落ち着いた?」
ヴィヴィオ守ると誓ったにも関わらず奪われた悔しさと、不安にかられ泣いてしまったなのはを抱き締めながらフェイトが言った。
「うん…。」
涙を拭いながら顔をあげるなのは。
「私もヴィヴィオのことは心配…でもキラのことも心配だ…。
まだなのはには知らせてなかったけど六課防衛の為、戦ったキラはアレックスに捕獲された。」
「………そんな…。」
「アレックスもラウも記憶を操作されているから、キラやシンの敵に周り戦った。
だとすれば、キラが敵に回る可能性はかなり高い。」
「…そうだね…。泣いてる場合じゃないよね…。
取り戻すんだ、ヴィヴィオも…キラも…!」
「がんばろう、なのは!」
あれほどの戦闘のあとにも関わらず、晴れわたり、澄みわたる夜空の下、決意を新たにする二人だった。
短いけど、第18話 終了になります。
次回 第19話 ゆりかご
になります。
今回、かなり話をはしょってます。分かりにくかったらすみません。
さて、どうでしたでしょうか?
もう、皆さんお気付きと思いますが、キラは敵になります。
戦うのはシンか?なのはか?それとも、フェイトか?
ここでは秘密にしておきましょうwww
それでは、また、そのうちお会いしましょう。
最終決戦に向け、テイク・オフ!!!
614 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 19:01:02 ID:y1B1WAeW
意表をついてはやて
神隠し氏GJです
キラが敵に・・・・・キラが本気出すと恐ろしいような・・・・。
かなり続きが気になります!
そして、自分は大穴狙いでエリオ&キャロで!
個人的にはフェイト。
prayをBGMに激しい戦いを繰り広げてほしい。
GJっす!
これでデュランダルの念願、戦うだけの最強戦士の誕生ですかね。
未来永劫適うものなしとまで言われた。
ティアナで射撃対決もいいと思います。
でも、ヴィヴィオの傍に置いときそうだから、なのはな展開ですかな。
正気を取り戻してなのはとヴィヴィオを助けるのが王道なのでしょうが、王道だけが全てじゃないですからね。
シンが仮にCEの3人を相手にすれば、間違いなく負けるから、別々にしたほうがいいかも。
原作でフリーダムのドラグーンに翻弄されてたから、そこにレジェンドのドラグーンが加わったらお終いだし。
個人的にはシグナムVSアレックスの決着を。
SEED組み3人とも敵か。。。シン一人じゃ余程のことが無い限り無理そうな予感www
これは次回が気になるぜえええ
神隠しさん応援してます(^o^)
フォワードメンバーは勝てるのか?キラにwwww
勝てるとしたら四対一ぐらいにしないと舜殺されそうな気が…
武装局員がフルバーストで次々と落とされるところしか想像できないww
>神隠し氏
前から思ってましたが……
リィン ×
リイン ○
ですよ?
アスランとキラのミーティアフルバースト一回で何百という数の武装局員が…舜殺というワンシーンを想像した…。
>621
しまった…。
ご指摘ありがとうございます。
以後、気を付けます。
フェイトかシグナムと戦うのが一番熱そうだけど……シグナムはアレックスとの決着がまだだし
ここはフェイトと予想
>鎮魂歌氏
俺も気付いたんだが
クロノのデバイスはS2Uですぜ
アスランがアレックスでレイがラウということはキラはカナードか?
つーかそもそも偽名を名乗ることに何か意味があるのか?
キラのレアスキル「嫁補正」は新人4人には通用するのか?
おいおいここはクロスSSスレだぜ
両方の作品を由来としてFMF(フクダ・モロサワフィールド)と名付けよう
ステエキには確実に通用しちゃうな。
>>625 あ、作中のクロノのデバイスはS2Uの兄弟機です。
嘘です。まとめの方、直して来ました。お恥ずかしい限りです。
指摘どうもありがとうございました。
ここ最近の職人さんラッシュのおかげでスレの容量がそろそろやばいぞ
本当だ・・・
次スレは【相互】【乗入れ】を使ったスレタイに直しすべきだろうか?
天プレに避難所も
>>617 ドラに翻弄された?いつ?
スペエディだと初見で全弾問題なくかわしてるぞ、それも種割れ無しで
>>626 偽名じゃなくて、本人達がスカリに拾われた時に記憶が混濁してて、そう名乗ったからスカリ達もそう呼んでるだけだろ
そもそもスカリは便宜的な意味以外では、名前なんてどうでもいいと思ってる奴だし
>634
>617は多分、ドラグーンに誘導されてフリーダムのレールガン喰らったこといってるんじゃないかな?
エグザスでもドラグーンに似たようなのはよけれたし…。
まぁでも、片方がまだしも、フリーダムとレジェンドが組んでドラグーン射出したら、覚醒しても避けるのは難しいと思われる。
>>636 一応防いでた気がするが・・・まああの二人相手は普通にきついね
でも俺は、シンとキラで一騎討ちだったらいいなと思ってたりする。
「あの時の決着を今つける」とか、燃えないか?
>637
レールガンがビームシールドに着弾して爆発したから当たったかとおもた。すまん。
そう言えば、シンとキラは決着ついてなかったんだっけ?
それも、見たいが…。
スバル、ティアナ、キャロ、エリオが力を合わせて戦うってのもよくないか?
エリオとキャロは結構キラになついてたイメージあったし…。
キラがどんな洗脳うけてるか知らないけど、エリオかキャロが
「想いだけでも…力だけでもって教えてくれたのは!!!キラさんじゃないですか!!!」
みたいな。
>639
おっけ!
頼んだぜ!
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アクセス規制・プロキシー制限等規制は、2ちゃんねるビューアを使うと回避できることがあります。自分で解決してみよう! 書き込めない時の早見表
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すまん誰か頼む
スレタイは、【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】15で
>>636 シンはオールレンジ攻撃に対して被弾ほぼなしだろ。一回だけ足に掠ったけど。レールガンはシールドでちゃんと受け止めてる。
って言うかウィンダム30機と言い、複数からの攻撃に対してシンは強いな。
さすがにキラとレイの二人相手は無理だろうけど
C.E.組のデバイス、リミットブレイクしたらMSになるという設定を妄想した。
シンは反応速度ならキラを上回るんじゃね?
>646
反応速度で言うならキラが一番なんじゃないか?
出なきゃドラグーンかわしながら反撃できないだろ?
>>647 いや、それ反応速度じゃなくね?
反応速度ってのは目視してから回避とかだろ。
例えがシンしか思い浮かばないが
フリーダムの銃口を見て間接を動かして回避
フリーダムが銃を構えた瞬間に打ち落とす
コックピット狙いの胴薙ぎを分離して回避
こういうのじゃないか?
キラで言うならアロンダイト白羽取りかな?
>>神隠し氏GJ!!
ついにキラまでスカ一味入りですか…段々面白くなってきますねぇ。
しかしシンはどうするんでしょう?
話の流れ的には
1.なのは&ヴィータと共にゆりかごへ
2.フェイトと一緒にスカアジトへ
3.フォワード4人と市街地へ
のどれかでしょうけど、どこに三人が現れるかがわからないからなぁ…
これからも頑張ってください!!
シグナム&シンVSアレックス&ゼストというタッグ戦の可能性もあるぜ!
キラはヴィヴィオに付きっきりでなのはと2対1も有り得そう
ヴィータがキラ殴って目を覚まさせるのも・・・
可能性は無限大\(^o^)/
みんなって1対1がいっぱいあるのが好きなの?
それとも1対いっぱいがいいのかな?
もちろん闇の書の闇みたいな可哀そうな1対いっぱいじゃなくて
集団戦は絵にしても文章にしても難しいからな
実際、プロの漫画家や小説家ですら、「これは上手い!」という人は滅多に見かけない
大抵はタイマンの繰り返しになる気がする
俺の中での印象なんだが、神隠しのキラは一対ニとか結構多いよな?
派手に負けてるけど…。
いや久々に来て見ればすごい職人さん達が戻ってきてるじゃないですか。
うれしいことです。
StrikerSも残すところあとわずか。
放送終了後にはまた職人さん達が帰ってきてくれることを願っています。
では
>>654 アニメで大勢を相手にしての戦闘が多かったからじゃないか?
そうかもしらん
ついに本編でもなのはさんがドラグーンを…
これはキラとのドラグーン対決に期待してもいいってことですか神隠し先生!!
都築はスパロボに染まりすぎ。
なのはのドラというよりファンネルの威力やばすぎだろwwwwwなんだあれwwwww
僕の考えた最強キャラみたいになってるな
都築はもう駄目だ…
なのははAsで終わっとけばよかったんだ…
>>661 ファンネルは冨野が強すぎると言った代物だもんな。
そして戦闘が単調になってしまうとも。
実は手ではたくと中のジャイロが壊れて墜落するとか、
中に一匹ずつ淫獣が入っていて手動でバインドかけて居るとか……
一見最強に見えるが、あそこまでやっても黄金聖闘士やミストバーンや
本気アルクェイドやRXあたりが相手だと負けそうな辺りが
最強厨都築の限界なわけでw
突き抜けられなかったから、都築の負け!w
百八式波動球のインパクトに及ばないな。
>661>663
まぁ、職人さんの腕に期待して待とうぜ!
>>663 ファンネルを遥かに超える性能の追尾系魔法が戦術の基礎な世界で何言っとるんだお前は
>>668 これがなのは教狂信者か…
いかれた他作品ボッコMADが多数生まれるわけだ。
メガネが実は強キャラだと期待してたのは俺だけじゃないはず(^o^)
都築ワールドの中ではブラスターの実験体でしたけど。
今週はなのはのフルバースト見れたし中々熱くて面白かったけどな
作者も含めなのは狂信者ってどうしてそこまでしてなのはを勝たせようとするんだろうな。
>>670 あれが熱いとかいう奴がいるから作る方は楽だよな。
結局本気なれば勝てる程度の相手だっただけじゃん。
危険とか言うなら、意味のないなんちゃって代償じゃなくて記憶を失うぐらいしろ。
>>672 メガネに対するレスじゃないのか残念\(^o^)/
俺の中に沈めとこう・・
670の今週は熱かった云々はなのは狂信者がいると聞いたので
気を使ってカキコしただけよー
埋め待ちのスレにコソコソ書き込みなんて、なのはアンチはセコい奴ばかりだな
向こうを荒らしたくないからここでウダウダ言ってるんだよ。
そのくらい察しろゆとり。
>675
ここはアンチスレじゃない。
それぐらい察しろ、ゆとり。
アンチとは心外。
嫌いだったらこのスレにいません><
つっこみ入れてるだけでアンチとは心外だ。
現存するSSから見ると、キラのドラグーンはなのはのドラグーンには勝てなさそうだぞ?
ただ、連射性能から見るとキラのが優秀だな。
ファイナルリミットを解除したなのは対、種われしたキラ、見てみたい気もするが…。
アニメなんて楽しんで見ればいいんだよ
だいたい信者=なのは好き、アンチ=なのは嫌いって固定観念みたいなもんあるんだから(あくまで単純な例)相容れるわけない
それなのに叩かれて擁護したり信者そのもの叩いたりとか結局どっちもどっちだと思うね
内容云々なんて別にいいじゃまいか!
とにかく、マターリSS雑談でもしようぜ!
>>679 だが25話見る限りドラグーンみたいにビュンビュン動いてなかったから(多分)その辺はまだわからんな
なのはのはドラグーンというより、ビットかオプション的なものだと思う。
あんな極太レーザー撃てる+ドラグーン並みに動いたら世界\(^o^)/オワル
>682
そういえばそうだな…。
相手をバインドで動けなくしてから撃つみたいだしな…
>>683 どっかでGXのGビットって意見もあったような。
>>685 威力的にサテライトキャノン級か満更でもないから困る(´・ω・)
キラにもフルドライブあったらと思うがミーティアぐらいしかないかな〜
いくら魔法使えてもMS落とせるかよw
とかいう奴がたまにいるけど、無印でプレシアママンがアースラを損傷させてるんだよね。しかも体が完全じゃない状態で
だから高位の魔導師なら戦艦落とせそうだ
フルドライブはMS
>686
えっ?
ミーティアってフルドライブも同然じゃない?
>>687 まあムサイやサラミスくらいなら沈むだろうな。
つか、耐久力だけなら闇の書の防衛プログラムを上回ってるMSや戦艦なんてそうそう無いだろ
>687
プレシアママンの場合、さらにあれ次元越えての攻撃なんだよな
その手間入れずに直接撃ったらどれくらい威力になるんだと思ってしまったよ
ノイマンの操るアークエンジェルを落とすのは無理wwww
あ…当たらなければ意味が無い……
>>691 ゆりかごは防衛プログラムより上そうだよなぁ
大きさからして違いそうな気もする
あんなのはSLBよりはやてご自慢のフレース・ヴェルグでおk
>>689 自分の中でミーティアは雑魚掃討用のパーツとしか思ってなかったもので
種死でシンとレイと戦う時、故意にミーティア外してたし・・・
でもそれはMSの話でデバイス化したミーティアはフルドライブも同然の力かもですね
小回りも利きそうだし
>>693 6課フルメンバー+クロノでも落とせる気がしねえwww
>>697 む、まてよ?
エターナルコフィンで動き止めればいいんじゃね?
>>698 そのエターナルコフィンすら避けてしまいそうで((((;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
そ……そんな時の為にバインドだ!
彼こそまさしく、
『不可能を可能に出来る漢』
だからな…
バインド対策としてAMFはバッチリだろう。
>>701 AMFなんて必要なさげ…お得意の超機動で完全回h(ry
C.E.最強って実はこいつじゃ((((;゚Д゚)))))ガクガクブルブル
ノイマン……発射が確認された後のビーム(亜光速だろう……常考)
を艦長の号令後に回避してのける神業の持ち主。
因果律を捻じ曲げて『回避した未来』を呼び寄せるか何かしてる。
……ん? アークエンジェルに突入して直にノイマン殺れば良くね?
>>703 >因果律を捻じ曲げて『回避した未来』を呼び寄せるか何かしてる
>磁化にノイマン殺れば良くね?
その『回避した未来』を手繰り寄せてるのはノイマン本人……ってことは直殺りも無理か!?
正直都築はやる気ないだろ流れ的に考えて
2クールが長すぎたんだと思う
あとキャラ増えすぎたのも原因かな
どのくらいの人数が良かったのかな?
強い敵を、六人程度でよかったと思うよ?
後はスタッフだな
フェイトがプラズマランサー使わないのは明らかに作画に手間かかるからだろうし
誰もいNeeeee!!
いないなぁ
点呼! 1
2
参
四!
少ねぇ〜www
ところで聞きたいんだが、皆はおすすめのSSある?
とりあえず、まじかるしん氏、リリカルSEED氏、望氏何かは読んでるだが、おすすめあったら教えてくれないか?
人少ないつか、ここは前スレだから当たり前
やはりオススメは神隠し氏と高天氏のお二方の作品かな。
俺も神隠しさんかな。
本編に添った話だからかなり分かりやすいし
他のSSも読もうと思ってるけどこのスレ以外にも見てるから大変><
そして人いないなら本格的に埋め作業した方がいいな
埋め埋め
うめうめ
もう休憩ムード
埋め埋め
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Y |/ ' ´ ̄``ヽ、 / | | _|_ ――┐ _|_ | | フ土 | |
>/ニ ‐ 、 、 ヽ | | | | ─ / ヽ./ / | | .)羊 | |
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| l イ ヽ{ トッ::リ ,fi }〃/ l l:!:.:.:.:.:.:.:.、:/{ム<_{:人:.:.j:.、:.:.ヽ!
ヘ. ヽ| :l | `ー'′ トリ1 }} l jゞ.:.:.:.:.:.:.:.:ト' r't:dミッ ,ソ_)ィ、:.:.N
ヽ ヽl l __ ' ゙' j 〃/l / 〉:.:/ニ}:.:,'´,..:`ー' ftテァ'}:.:.:!' ,. ‐'"´ ̄ ̄ ̄三≧=-
\l l i´ ノ ,.イイ/イ /イ '、:.l '(j、:.:} " _`)゙´/:.ノ' , ':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、 __
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ヽ `マ ヽヽ._7ー‐ ' / / /`ヾン '、二)ノ /´ イ:.:.:.ィt:.:.:.:.:.y‐rミメiVjL:l:.:.:ヽ 丶v' : : : : : : : : : : : : : ` ‐ 、
l l ', ヽ ^1 ` ーrく / ,/ \ 、 ‐ ,. ´ 'ノ}:.{f'リ:.:.:.:.卞‐゙' ゙ti'リ,、:.:、:',/ : : : :/l: : 、: : : : : : : : : : : : ` 、
l l ヽ===l ll Y丁ヽ ´ ̄::\ `丶-`干[´ ,」ノ:`ーf{:.:.:トl、 _ イ:.ト、ヾ!゙' |: : : : /__ヾ: : \: : : : : : : : : : : : \
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└─ '"¨¨><ヽ、_ / // / l い!|ト----、:::::::::::| |:::::, -| l l |´、`丶、:::::::::`7三彡)`丶、 ,' `-| ト、 -‐_- /l \: : /
,.ィ7ハヽ \_// 〃 | l/|| ヾ:::::::| |:::/ lノノノ、::::\::::ヽ::::::::/ /L:::::::::ト、 /: : :.i | | \ /l | }:/
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