【相互】種死リリカルなのはSS【乗り入れ】その12
種死&リリカルなのはクロスオーバー
シンが八神家やフェイトに餌付けされたり
レイがリリカルな魔法少年になったり
なのはさんが種死世界に行き、世直しをしたり
デバイス達がMS化したり
キラがフルバーストでガジェットを一掃したり
アスランは相変わらずハゲてたり
ほかetc……
・職人様はコテとトリ必須
・次スレ立ては950を踏んだ人が立ててください
・1000に達する前に容量オーバーになりそうな時は気づいた人が立ててください
・各作品の考察は該当スレでどうぞ
・スレは、sage進行です。
2ゲェェェット!
これが抜けてるぜ。
テンプレ修正版
シンが八神家やフェイトに餌付けされたり
レイがリリカルな魔法少年になったり
なのはさんが種死世界に行き、世直しをしたり
デバイス達がMS化したり
カナードがシグナムにカウンターかましたり
キラがフルバーストでガジェットを一掃したり
アスランは相変わらずハゲてたり
ほかetc……
さっき話題になってたから、なのはキャラをMSにのせてみた話を書いてるんだが出来たら投下してもいいかな?
私は一向に構わんッ!
>>1 ちょwwwwwまさか本当に採用してくれるとはwww乙
東ヨーロッパ北海沿岸地域
(どういうことだ…何でザフトが急に…)
渓谷を覆う積雪。暗雲立ち込める空から舞い降りる雪を払い除け空を駆ける十枚の蒼き翼をもつ機体、フリーダム。
バクゥ、ディン、バビ、と次々メインカメラ、部装を破壊していく。
そのパイロットであるキラ・ヤマトはフリーダムを器用に操り、放たれるビーム、ミサイルをかわし、バクゥ、ディン、バビ、のメインカメラ、部装を破壊。
戦闘不能に陥れ、さらにはアークエンジェルを狙うミサイルをバラエーナ、ルプス、クスィフィアスの一斉射撃で撃ち落とす。
尚も絶えることを知らないザフト軍のMS部隊。
キラは同じ作業を繰り返した。
ミネルバMS搭乗待機室。
赤いパイロットスーツに身を包むシン・アスカとフェイト・T・ハラオウン(16歳)の二人は格納庫へ向かうためエレベーターに乗った。
「シン、フェイトお前たちならやれる。」
扉が閉まる前に、レイが拳を胸元で握り閉め、頷きながら言う。
「あぁ。」
「うん、任せて…。」
シンは不適な笑みを浮かべ、フェイトは緊張した表情で頷く。
前回フリーダムと遭遇したとき、鎌を持つ腕を撃たれ、一瞬にしてメインカメラを切り取られ、何が起きたのかもわからなかった。
たが、今回はレイの協力もあり、十分に研究しつくした。
「フェイト、俺があいつを接近戦で押さえるから…」
「分かってるよ…シン…。」
「絶対…勝とうな…。」
「…うん…。」
エレベーターの扉が開き、中央カタパルトへ向かうシンと、右舷カタパルトへと向かうフェイト。
『インパルス、バルディッシュの発進シークエンスを開始します』
メイリンによるオペレーションが始まった。
突然静まりかえる戦場。
キラはレーダーだけでなく、モニターを使って周囲を確認する。
嵐の前の静けさとはよく言ったもので、これからが真の戦いの幕開けだった。
突然のジャミングと攻撃の再開。
「シン・アスカ、コアスプレンダー!行きます!!」
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、バルディッシュ!行きます!!」
それと同時にミネルバから発進する二機のMS。
山の陰からアークエンジェルの前方に姿を現すミネルバ。
キラは背面スラスターふかし、アークエンジェルの援護に向かおうとするが上空から降り注ぐビームがそれをさせない。
「ッ!?あれは!」
インパルスが猛スピードで迫ってくる。
フリーダムが五枚の羽を閉じ、後退する様を見たシンは不適な笑みを浮かべた。
背後に現れる漆黒の機体、バルディッシュ。
持っている鎌で胴薙を見舞う。
「もう一機ッ!?」
盾で防ぎ、サーベルで返すフリーダム。
バルディッシュは金色の波状シールドを展開。サーベルを防ぐと、すぐに後退する。
その直後、キラは瞬時にフリーダムの姿勢を沈めた。頭部スレスレの空間を斬るインパルスのサーベル。
横薙一閃。
ビームサーベルがインパルスの胴を斬るはずだった。しかし、放った斬撃は空を斬る。
キラは目を疑った。
インパルスは他のMSとはことなり、足、コア、胸部、兵装の4つにわかれ、これらが結合することにより、一体のMSになる。
つまり分離することも可能なわけで、下半身、上半身が分かれたことにより、斬撃ははずされたのだ。
離脱するコアスプレンダー。
瞬間、コクピットにいるキラを襲う振動。フリーダムの片翼がもがれる。
バルディッシュの腰部レールガンの砲口が折り畳まれ、ついで、右肩部の金色のビームブーメランをフリーダムに向け投げる。
背面スラスターを全開にし、足は切り落とされながらも致命傷をなんとか回避する。
いつのまにか換装し終えたインパルスが対艦刀を構えていた。
背面スラスターから排出される噴射炎が勢いを増す。
対艦刀による渾身の一撃を見舞った。
先に謝ります。ごめんね。
いや、なにが?
問題ない続けろ
連載してみたいのは山々なんだけど…、一話からの設定をまだ練ってないんだ…orz
じゃあこれは予告編ってことか?
まぁそんな感じで…。
もともとなのはたちがC.E.にいたほうが都合がいいんだが…そうなると魔法は?
ってなっちゃうんだよね…
プレシア女史が開発していた次元転移炉だっけ?
あれをMSに搭載すれば・・・・
もう面倒だからいっそコズイラの住人にしたらいいじゃん
コーディネイターにすればMSも動かせるだろ
MSはデバイスがMS化してくれた方が楽なんだよね。
そうすれば、MSの操作なんてしらなくても操作できそうだし…。
燃料は搭乗者の魔力。
ただ…問題があって、インパルスがデスティニーってな具合いに新機されるのをどうしようかな…と。
バルディッシュが大破したら直せそうにないぜ…。
普通に後続機でバルディッシュアサルトでいいじゃん
その後継機のシステムをどうやってC.E.技術でつくらせるんだぜ?
さあどうやってだろうねぇ(無責任)
・・・ってかそれを考えるのは俺じゃない!(開き直り)
シンとかが元々から魔導師だって設定のSSもあることだし
フェイトとかが元々からMS乗りの設定のSSがあったっていいじゃない
>22
そうだな。
何も魔法が使えなきゃいけないわけじゃなかったな。
便乗してSEED舞台で軽く設定練ってみた
ナノハ・タカマチ
オーブの学生でキラ達の友達。コーディネイター16歳。
G強奪に巻き込まれ成り行きでレイジングハートガンダムに搭乗することになる。
フェイト・テスタロッサ
ザフトの赤服(ラスティの代わり)。コーディネイター16歳。
ストライク強奪には失敗したが代わりにバルディッシュガンダムを発見し奪取する。
てな感じで。だが途中まで書いてgdgdになったよ。だれかこのネタ使っていいよ。
あははは……やっぱり見切り発射はよくなかったな………
あの設定、いろいろとどうしてくれよう……特にあいつだよあいつ……ははは……はぁ……
(独り言なので気にするな)
まあ予告編は予告編さ
実際に本編じゃちょっぴりたっぷり設定が違ってたりしてもそれは設定を練りこんだという証拠だよ
プロローグ
C.E.71 オノゴロ
熱風が吹き荒れ、轟音、爆音、悲鳴が轟く。
そんな中、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンは呆然と立ち尽くしていた。
「………。」
木々の焼ける匂いが立ち込め、閃光が瞬き、地が揺れる。
「…何?…これ…。」
目を見開いたまま、混乱する頭を必死に整理する。
ふとすぐそばのえぐられた道へと視線が行った。
管理局の制服とは違った制服をきた男が少年の肩を抱き、こちらへと小走りにやってくる。
「何をしてるんだ!君も早く避難船に…!」
うつ向く、少年の肩を抱く男が叫ぶ。
フェイトはそんな二人の背後に見たものに言葉を失った。
初めて見る人間の爆死体。
千切れた腕に血まみれで横たわる少女。
有り得ない方向に向いている女性の四肢。
へし折れた木に胴を貫かれた男の死体。
あまりの光景に腰が抜け、ストンっと座り混んでしまった。
悲鳴をあげようにも声が出ない。
ゴォッ!!!
突風が吹いた。
フェイトは空を見上げる。
翼を広げた人型の何かが黒と緑、二機の人型に追い掛けられ、緑、金、赤の光線をその二機に向け放っていた。
避ける二機。
その度に何度も地が揺れ、爆音が響き、光が瞬く。
瞬間、自分が別世界に来たのを理解した。
フェイトには、何が原因でいつ始まったのかはわからない。
ただ…聞いたことと、見たことはあった。
この世界は戦争をしている。
男、トダカーに肩をかりるフェイト。
避難船へと少年、シン・アスカと異世界から来た少女、フェイト・T・ハラオウンは出会い、保護された。
のちに二人はプラントに上がり、アカデミーに入る。二年で卒業し、ザフトのトップガンとなった。
少年は自分の家族と同じ思いをする人を少なくするために、少女は悲惨な光景を無くすために…。
そしてC.E.73…運命の歯車が音を立て回り出した。
VSフリーダムを書いた者です。
フェイトが何でC.E.に?
って思うかもしれませんが、追い追い明らかにしていきたいと思います。
おお、それは期待大だな
GJ!
期待させてもらうぜ
31 :
ジ・アスの人:2007/07/23(月) 18:45:24 ID:???
ジ・アストレイ―風の章1
<第三十三管理外世界・ティターン遺跡群>
「大丈夫か?」
「ん……平気」
カナードの心配を他所にルーテシアは深呼吸をし、気合を入れなおす。
4人同時の長距離転送魔法はさすがに堪えた
やっぱりアギトは置いてくるべき――
「ルールー! 今変なこと考えたろ!?」
「……」
失態。ちらりとアギトを見ただけでばれてしまうとは
もう少しポーカーフェイスというものを学ばなければ
紫髪の美少女――ルーテシアはそう固く誓う
「実際、当てになるのか?――この情報」
「俺も半信半疑だがな――かといって無視するわけにもいかん」
ゼストはこの情報の主――ジェイル・スカリエッティをあまり信用していない
まぁ気持ちもわからなくもない
自己を最優先し、他を排除する研究者なんて誰が――
『ふん、失敗作が――』
黙れ……黙れ!
脳裏に響く声を否定する。
「お二人さん、見えてきたよ?」
赤き妖精――アギトの言葉にゼストとカナードは視点を一致させる。
草原の中にぽつんと岩の塊が存在する
なるほど――視覚的錯覚<ビジョン・エラー>が掛けられているのか
スカリエッティからの正確な座標情報がなければ完全に見落としていた
32 :
ジ・アスの人:2007/07/23(月) 18:47:48 ID:???
ルーテシアは右手をかざし、岩の擬態に向かって詠唱する
「我らに真理と真実を見せよ――強制解除<スペル・アウト>」
瞬間、岩を紫紺の膜が包み込み――真相を実体化させる。
解除膜は偽装膜と化学反応を起こし――大気へと融解する。
暴かれたのは、遺跡の入り口
***
「――っ!ルールー、向かってきてるよ!」
「転移魔法はなるべくこっそりしたのに……」
「ルーテシアのせいじゃないさ」
カナードの慰めに少女はこくりと小さく頷く
ルーテシアは即座に自身の"虫"で映像を確認する
白い服装の人間が10――管理局の人たち……
「俺が足止めしておく、先に行け」
「でも……」
「お前らはこんな所で捕まるわけにはいかないんだろう?」
「すまないな、カナード」
進み出るは黒髪の少年。
渋る少女をゼストとアギトが連れて行く。
『カナード……気をつけて……』
「お前も上手くやれよ……即席仮面<インスタント・フェイス>!」
少年の顔には――漆黒の顔が張り付く。
変身魔法の初歩――今、面が割れるとまずいからな
入り口は俺が死守する
空いた左手で"片方"の剣を抜く。
「おい、貴様、何者だ!?」
33 :
ジ・アスの人:2007/07/23(月) 18:49:17 ID:???
降り立つは次元世界の審判者にして絶対なる組織――時空管理局
問いかける白き制服は絶対正義の象徴
対峙するは全身が黒の仮面の男
ふん、随分と対比的だな
「そうだな――X<エックス>とでも名乗っておこうか」
それが戦いの合図だった。
34 :
ジ・アスの人:2007/07/23(月) 18:57:44 ID:???
ゲリラ投下してみ(ry
相変わらず短くてすんません。
本編もちょっと見てみました。
……なんだよ、あのキャラの数(´・ω・`)
GJ!
>少年の顔には――漆黒の顔が張り付く
怪傑ゾロだ!ゾロが現れたぞ!
スレを開く→書いた文章をコピー→投下→512kオーバー
(゚Д゚)
「これは…!」
「…?」
「ヴィヴィオー!」
「アスラン?」
「良かった…勝手に離れたらダメだろう?ヴィヴィオ」
「離れたらって、あんたが目を離したんでしょ」
「アスラン…シン…君達はなんてことを…」
「キラ、何を言ってるんだ?」
「緑の目と赤の目…アスランの目とシンの目…」
「何を言ってるんだ!あんたは!!」
38 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:15:01 ID:???
一話後半投下してもいいですか?
39 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 22:19:11 ID:zSEfwFG0
ダメなはずがないだろう
さあ、来い
41 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:22:30 ID:???
○新暦75年1月・ベルカ自治領-聖王教会
夜が明けて、翌日。シンは病院から別の場所へ移送された。聖王教会と呼ばれるその場所にて、目の前に居る女性はカリム・グラシアと名乗った。
「デスティニーを……解体する!?」
シンは己の立場を忘れてカリムへと詰め寄ろうとした。身体が動いた瞬間に腕を掴まれ、それは適わなかったが。
シンの腕を掴んだのは桃色の髪をポニーテールにした長身の女性だった。即座に振りほどこうとするシンだが、掴まれた腕はビクともしない。
最後の足掻きとばかりにその女性を睨みつけるが、全く気にした風も無く受け流された。
これでもシンは軍人だ。力ずくでこの女性を打ち倒す事を考えはしたが、その視線に込められた威圧感を感じて諦めた。
「どういう事だよ……!!」
「その通りの意味です。アレは調査が完了次第、即時解体処分する事が決定しました」
厳格な面持ちでそう言うカリムをシンはただ睨みつけることしか出来ない。
……シンだってわかっている。デスティニーは紛れも無く"兵器"だ。争いの――戦争のない世界では存在する意味が無い。
それにデスティニーはほぼ全壊しているのだ。壊す理由ならともかく、そのまま残しておく理由は一つたりとも無い。
「けれど……そんな……!!」
「これは決定事項です。また解体の際には貴方にも協力を――」
カリムが言葉を言い終わらぬ内に、ドアが叩き壊されんばかりの勢いで開け放たれた。
「騎士カリムッ!! 緊急事態ですっ!!!!」
血相を変えて飛び込んできた女性が悲鳴に近い声で叫ぶ。その女性に続くようにはやても部屋へ入ってくる。
はやての服装は昨日見たスーツの様なものではなく、時代錯誤といえるような不思議な服を着ていた。
「シグナム行くでッ!! 新型のガジェットや!!」
「心得ました!!」
はやては一言叫んでまた部屋を出て行く。その言葉を聞いた長身の女性は短く叫んではやてに答え、後を追うように部屋から駆け出していった。
「な……何だよ、何が……!?」
事情が飲み込めずにうろたえるシンを差し置いて、周囲の状況が慌しくなっていく。部屋の外からも大勢の人が動く足音が聞き取れた。
部屋の内部では先程血相を変えて飛び込んできた女性がカリムの机周辺で何かを操作している。
数秒経たずに何も無かった虚空に四角い映像が出現した。
原理は解らないがこの世界ではモニタの様な出力装置が無くとも映像を映し出せる技術があるようだ。
カリムと女性が映像を見て息を呑むのがわかる。
しかしシンの居る位置はちょうど映像から正反対になっており、何が映っているのかよく見えない。
映像を覗き込む二人の表情や先程からの慌しい空気。妙な胸騒ぎを覚えたシンはそろそろと移動を開始した。
普通ならば直ぐにでも気づかれるのだろうが、よほど映像に見入っているのか二人は最後までシンに気が付く事は無かった。
やや距離をとってシンは映像を覗き込む。
そして、愕然とした。
映像は度々切り替わっていた。
崩れ落ちた建物。あちこちで燃え盛る炎。逃げ惑う人。
その原因たる、巨大な"何か"。
それは一見すると巨大な鳥のように見える。しかしよく見るとそれは鳥の形をした機械だった。
頭部には五つの目のようなカメラアイ。水色のボディに連結されているのは銀色のウイングブースター。尾の様に伸びたそれはコードの束だ。
怪鳥とでも言うべき鋼の鳥は高速で空を駆け、放たれる光弾を意に介さず悠々と飛び回っている。
降る光弾を避け、弾き、又は無視してその怪鳥は惨劇の上空を旋回する。
次の瞬間、怪鳥がその首を赤く燃える地上へと向け――撃った。
それは青い光の矢だった。高速で連射されるそれが地上に降り注ぎ、上がる炎の数が更に増えた。
無事だった建物が崩れ、既に崩れた建物もその瓦礫を寄り細かく粉砕されて周囲へ飛び散る。
42 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:25:33 ID:???
「……何だよこれ」
巻き起こる爆発と勢いを増す炎。
人の営みが破壊されている光景。
罪のない人々が踏みにじられている状況。
まるで――
「何なんだよ、これはぁっ!!!!」
まるで――家族を失った、あの時のようだ。
気が付いたら駆け出していた。
先程の咆哮で映像を見入っていた二人もシンの存在を思い出したらしく、駆け出して部屋を出るシンに対して何かを叫ぶ。
だがそんな事は今のシンには関係が無い。ドアを壊さんばかりの勢いで開け放ち、見慣れぬ廊下を疾駆してただ一箇所を目指す。
進路に居た人間は弾き飛ばす勢いで矢のように駆け抜けた。
建物の中は騒がしく、シンの様に全力疾走している人たちや、何かを叫んでいる人達で溢れていた。
そのせいかシンを気にかける人間は全くおらず、取り押さえられるという事にはならなかった。
これ幸いとシンは速度を更に上げる。
場所はわかっている。
ここへと移動した際、建物の外に朽ちた機体の姿を確認している。
どうやらシン同様、”あれ”もここへ運ばれてきたらしい。
転ばないのが不思議なほどの速度と走り方で階段を駆け降りる。一階まであと三段のところで足を踏み外して転げ落ち、無様に床に打ち付けられた。
それを無視してシンは起き上がる。痛みを感じている必要なんか無い。そんな事を気にかけている場合ではない。
映像の内容が、破壊された街の画がシンの脳裏によみがえる。
――更に速度を上げる。
怪我の治りきってない身体が脳に訴える不調。悲鳴を上げる心臓と肺。
総てを無視して通路を走る。
角を三回曲がったところで外への出口を発見した。
ドアを体当たりで"退け"て外へ出ると視界が一気に開ける。開けたその場所でシンは視線をめぐらせた。
そしてシンの視界に入る灰色の体。距離としては十メートルほど。
「あった!!」
横たえられた愛機を発見したシンはその胴体に駆け寄った。装甲を踏み台にしてコックピットへとよじ登る。
いつの間に壊れたのかコックピットハッチは無く、操縦席のシートが外部から確認できた。
シンはその椅子へと滑り込む。千切れていたシートベルトは無視してコンソールを叩く。
「動け……!」
しかし、機体からは一切の反応は返ってこない。
コンソールに指を叩きつける。ボタンを闇雲に押す。スロットルをもぎ取らんばかりの勢いで引っ掻き回す。
「動け……動け……!!」
冷静に考えれば、この結果は簡単に予測できる。あれだけのダメージを受けて墜落したのだ。再起動できると考えるほうがおかしい。
だがシンの手は止まらない。計器を破壊する勢いで、コックピットの中で暴れ続ける。
無駄だと認めるのが嫌だった。
今この瞬間にも罪の無い人々が踏みにじられているというのに黙って見ているしかない――この現実を認めたくなかった。
「動け……動け……動け……ッ!!」
陰鬱とした気分は真っ赤な怒りに塗り潰されて何処かへ消えた。今のシンを突き動かすのはただただ純粋な怒りだ。
見ていることしか出来ないのが嫌で。
失う事が嫌で。
だからシンは力を欲し、手に入れた。
……手に入れた、筈だった。
43 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:26:41 ID:???
「ちくしょう……ちっくしょうッ……!!」
両腕を振り上げて。
「うごけえぇ――!! デスティニ――――ッ!!!!」
力の限り、コンソールへと叩きおろした。
『Yes my master.』
「え?」
その瞬間白い光が爆発した。
光に焼かれた目が一時的に視力を失い、シンの視界が真っ白に塗りつぶされる。
何も見えない中で、シンは自分を包む暖かい何かを感じていた。
背中に触れていたシートの感触が変わる。
シートベルトと思しき物が身体を固定する。
何も握っていなかったはずの両手に何かが滑り込んでくる。
無事な聴覚に聞き慣れた駆動音が静かに響き、振動が身体に伝わる。
次いで軽い衝撃とシートに固定されたシンの身体が起き上がっていく。
横たわっていたデスティニーが今まさに起き上がろうとしている。その事実に気づくのにいくらかの時間を要した。
「これ、は……?」
シンが目を開けると、周囲の状況が一変していた。
「何だここ……デスティニーのコックピット、だよな……?」
そもそもこれが本当にモビルスーツのコックピットなのかをシンは疑問に思った。
この空間にあるのはシンの身体を固定する為のシートと両手で握る操縦桿のようなグリップ。
またコックピットの壁面は滑らかな曲線を描いていて、シートに座るシンが球体の中に浮いている形だ。
色は壁面からシート、操縦桿に至るまでその総てが白一色で統一されている。
「何だ? 何が起こったんだ……?」
現在の状況を確認しようにも操作すべき機器が何も無い。いつの間にか両手に握った操縦桿にはボタンも付いていないし、固定されていて稼動する素振りがない。
「くそ! どうなってるんだ!?」
その質問に応える様に、瞬時にシンの周りに映像が無数に出現した。
相変わらず出力装置は見当たらない。映像だけが宙に浮く形で出現している。
「…………なんだこれ」
その映像の中にそれぞれ不思議な文字が羅列される。
たっぷり五秒間それを見つめて、シンはそれが特殊なフォントの英語に近い言語だと理解した。
もしシンの推測どおりこれが英語と同じ文法と単語を用いているのならば、映像に羅列された文章はこういう意味になる。
『起動許可確認』
『機体の復元を完了』
『全システムの起動を終了』
『メインジェネレータ正常稼動中』
シンがそれらを読み終えた瞬間、新たな映像が眼前に出現する。
『命令を下さい』
44 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:29:06 ID:???
「……いけるって、いうのか?」
呟きに近いシンのその声を受けて、周囲の壁面が外の風景を映す。
以前までのようにメインカメラの映像を前面のモニタに映すのでなく、滑らかな壁面全てが周囲の映像を映し出す形式だった。全天周モニタといったところか。
「……………………」
突然の出来事に対する驚愕が薄れ、シンの胸に怒りの炎が戻ってくる。理由や原理は今はどうでもいい。
今シンがすべき事。
"ここ"へ来た理由を思い出す。
「デスティニー! 操縦方法を! それと使用可能な武装も出力しろ!!」
『Yes my master.』
○新暦75年1月・ベルカ自治領-聖王教会
「穿て! ブラッディダガー!!」
はやての周囲に出現した数十本の紅い短剣が敵目掛けて駆ける。
目標は前方の"怪鳥"――その体長は推測で20メートル前後。
怪鳥は超高速で飛行しているが、ブラッディダガーの弾速とはやての魔力操作技術を持ってすれば決して当てられないほどではない。
事実ブラッディダガーは全弾が怪鳥の頭部付近に突き刺さった。
「……あかん。"当たった"だけや」
数十本の短剣の直撃を意に介さず、怪鳥が吼える。己へと矛を向けたはやてへとその首をぐるりと向け、頭頂部から魔力矢を発射する。
『主!』
「問題あらへん!!」
際限なく連射されるそれを避け、または迎撃のブラッディダガーで弾き落としながら、はやては怪鳥から距離をとりつつ空中を翔ける。
「リイン! 住民の避難状況は!?」
『現在八割です! もう少し持ちこたえてくださいマイスター!!』
はやては心中で歯軋りする。
はっきり言って、この新型のガジェットは最高に厄介だった。その最たるものとしてサイズに見合うほど強化されたAMFがある。
効果範囲こそ通常のガジェットとは大して変らないが、その効果が比べ物にならないほど強力だ。
先程はやてが撃ったブラデッィダガーも着弾の瞬間にほとんど魔力構成を砕かれて、無力化された。
仮にAMFを抜けても、あの巨体を維持する装甲を破壊する威力が残るとは思えない。
無論はやてにはさらに強力な魔法はいくらでもある。しかしながらそれらは効果範囲が広すぎる。
対象が街の傍から離れない限りそれを撃つ事は不可能だ。
効果範囲内に入ってしまえば飛行魔法を瞬間的にキャンセルされるため、接近戦も不可能。
シグナムにとっては最高に相性の悪い相手といえるだろう。斬りかかった瞬間、地面へ一直線だ。
『申し訳ありません……私の力不足です……』
「シグナムが責任感じる事あらへんよ。この状況で役立たずなんは私も一緒や」
『しかし……』
「ええから。避難誘導の方をお願いな。出来るだけ急いで」
『……わかりました』
迎撃に撃ったブラッディダガーが魔力矢を総て弾き飛ばす。
リインとユニゾンすればはやての魔法も精度は上がるが、基本的に広範囲の魔法だという事に変りは無い。
むしろその強力さが仇になってすらいる。蒐集で集めた魔法もあるがそれは"はやて"の魔法ではない。精度はむしろ下がる可能性すらある。
45 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:30:55 ID:???
接近戦では叩き落される。
遠距離戦では装甲を抜けない。
発動効果は避けられる。
(避難が終るまで、持ちこたえるしかないか……)
いまはやて達が取りうる最良の選択は住民の非難が終了してから大威力の砲撃で一気に潰す事。
騎士杖――シュベルトクロイツを握り直す。浅く息を吐いて、牽制に使えそうな魔法をいくらか検索。
「いくでデカブツ。根競べといこうやないか……!」
『マイスター! 高速で接近する物体が――』
改めて魔法を発動しようとした所でリインフォースから念話が入る。だがリインフォースが言い切る前に、戦場に咆哮が響いた。
『うおおおおおおおおおおおおおおっ!!』
はやては眼前で何が起こったのか理解できなかった。
かろうじてわかったのは何かが高速で突っ込んできた事、それにより視界にあった怪鳥が吹き飛ばされた事。
そして、綺麗に輝く赤い翼。
『何を……何をしてるんだお前はああああぁぁっ!!』
我に返ったはやてが声の方へと視線を向ける。飛び込んできたのは、斬り飛ばされて空を舞うのは怪鳥の翼にあたる部分だった。
一瞬間をおいて、その翼が爆発する。飛び散らされた破片と爆風を防ぐ為にはやては咄嗟に障壁を張った。
『主! 今すぐ退避を!!』
シグナムの声が心なしか遠い。
それほどまでに、はやては目前で行われている巨人と怪鳥の争いに釘付けになっていた。
先程まで猛威を振るっていた怪鳥は、肩翼をもがれてバランスを崩し、空中で無様に回っていた。
それを追撃するのは巨大な人型。緑に輝く目。
額から左右へ鋭く伸びる角。
白い四肢に青いボディ。
両肩からは白い角が飛び出している。
右手には赤光を帯びた巨大な剣を持ち、その背中には赤く輝く翼が広がっていた。
『薙ぎ払ってやる――こんなものぉ!!』
巨大な剣が再び振るわれる。残った翼が斬り飛ばされ、再び爆発した。
推進機関を失った怪鳥は重力に引かれて地面へと落下――出来なかった。
剣が振るわれる。逆袈裟に一閃、刃を返して袈裟懸けに。
斬り飛ばされたパーツは瞬時に爆散し、残ったのは頭部と胴体が三分の二ほど。
そこへ
『はああああああああ――!!』
巨大な左掌が怪鳥へと叩き込まれる。怪鳥の口付近から強引にねじ込まれた鋼の腕が首を無理やり拡張して突き進む。
怪鳥の胴体まで巨人の腕が突き進んだ瞬間――青い閃光が奔る。胴体と、首、そして頭部が一瞬ボコンと膨張し、次の瞬間破裂するように爆発した。
46 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:32:20 ID:???
「――っ!」
先程までより規模の大きい爆音と爆風が周囲を駆け抜ける。
咄嗟に張れるレベルで最硬の障壁を張ったはやても、それらが収まるまで目を開ける事が出来なかった。
ようやく目を開ける。
そこには巨人だけが残っていた。ボディのどこにも損傷は見られず、爆心地にいた左腕も多少煤けている程度である。
背中で広がっていた赤い翼は光が消え、形状も若干変化していた。
「あれだけの爆発を至近距離で受けて……無傷なんか……」
巨人が右腕に持っていた剣から光が消える。中心辺りで折り畳まれたそれを、巨人は自らの背中へと固定させた。
「主……あれは、何ですか」
「わからん。全然わからへん……」
いつの間にか横へと来ていたシグナムの問いにはやては呆然と呟く。
こちらの存在などまるで気にした様子もなく、巨人はゆっくりと高度を落としていった。
巨人の降りていく先には未だ炎の上がる街がある。
「追うで、シグナム」
「はい」
シグナムと共に、はやても高度を落とす。
視界の中で巨人が地面に足を下ろしていた。そのまま巨大な足音を周囲に響かせながら歩行する。
どうやら崩れた建物の一つへと向かっているらしい。
巨人の行く先には逃げ遅れたのか、中年の男女が佇んでいた。
建物の――その家の住人と思しき二人が近づいてくる巨人に気づく。怯えたように悲鳴を上げる女性を男性が庇うように抱きかかえた。
その二人の眼前で巨人が腰を折り、目線を下げていく。
「主! 民間人が!!」
愛剣の柄に手をかけ、飛び出そうとするシグナムをはやては片手で制止した。
「ええ。大丈夫や」
「しかし……っ!」
「大丈夫」
はやてにはあの巨人は民間人を傷つけない、そんな奇妙な確信があった。
確かにシグナムの言う事はわかる。あの大型のガジェットを瞬殺した戦闘力は脅威だ。
だが
――何を……何をしてるんだお前はああああぁぁっ!!
――薙ぎ払ってやる――こんなものぉ!!
あの怒り。
あの痛烈な怒気。あれは全て敵に向けられた物だった。
だとしたらきっと。
巨人が片膝をつき、その腕を伸ばす。
怯える男女を目指したかのように見えたその腕は――男女を飛び越え、ゆっくりと瓦礫に突き刺さった。
数秒後にがらがらと音を立てながら、瓦礫から巨人の腕が引き抜かれる。
巨人は引き抜いたその腕を怯えた男女の前に降ろして、指を開く。
その掌の上に、女の子が居た。
瓦礫の中に埋もれていたらしい少女は汚れてこそいたが、目だった怪我も無く、気絶しているだけのようだ。
「……リイン。こっちの位置は追ってるよね。医療班呼んでくれへんか」
『わかりました。マイスター』
47 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:34:18 ID:???
さっきまで巨人に怯えていた男女だったが、その女の子の姿を確認した瞬間に躊躇うことなく巨人の掌の上へと駆け寄っていた。
どうやらその女の子は二人の娘だったらしい。
『安全なところに、連れて行ってあげてください』
巨人から声が響く。鋼の外見に似合わぬ少年の声だった。
はやてもシグナムも戦闘中にその声を聞いてはいるのだが、戦闘中の怒号と違い、酷く穏やかな声だった。
男女はすぐさま女の子を抱き上げ、巨人を見上げて何回も礼を言いながら走り去っていった。
「…………」
「…………」
はやてもシグナムも言葉を発さず、片膝を付いたままの巨人を見つめていた。
ふいに巨人から色が失われていく。
白い四肢も、青いボディも、赤い翼もその鋼の身体のほとんどが色を失って灰色へ変色していた。
「昨日の……? という事は、あれに乗ってるんは……」
はやての脳裏に昨日墜落してきたボロボロの機動兵器が映る。
完全に復元していた事と色が付いたために気が付かなかったが、眼前の鋼の巨人は間違いなく昨日見た機動兵器と同一のものだった。
『そうだ……俺には……これしかないんだ……』
少年の声が響く。
ガバリと巨人の胸部が一部開き、そこから少年が這い出てくる。
黒い髪と、深紅の瞳の少年。
ふらつく足取りで胸部から肩へと渡り、巨人の頬辺りについた手で身体を支える。
「こんな事が在るんなら、こんな事が続くんなら……」
その少年は空を見上げる。
怒りで滾った赤い瞳が青い空を見上げる。
強く握り締めた拳から血のしずくが数滴、デスティニーの灰色の装甲へと落ちる。
「どんな敵とでも……戦ってやるさ!!」
誰でもない、己自身に宣誓する為にシンは空へと吼えた。
48 :
SDデバイス:2007/07/23(月) 22:35:54 ID:???
次回 第02話「機動六課、始動」
これにて一話終了。
ご意見ご感想お待ちしております。
あと前スレで前半部分の英文にツッコミがありましたが
『構造分析は終了しました。
兵装分析は終了しました。
破損箇所をを復元するのに必要な情報を収集中です。
起動許可は得られていません。
マスターから起動許可を得てください。』
てな感じです。
雰囲気重視なので英文は正直適当です(笑
一言で言う
燃えた
GJ!
もうなんていうか展開が熱すぎて興奮したぜ……
>>48 GJ!!
よかったよ!次も期待してます!!
52 :
神隠し:2007/07/23(月) 23:00:10 ID:???
ある日のヴィヴィオとキラ
「キラさん、目に隅が出来てますけど…、眠れなかったんですか?」
廊下を歩きながら、傍らを歩くキラの顔をエリオはまじまじと見ている。
欠伸を噛み殺しし、キラは理由を説明した。
「フリーダムの修復の手伝いしてたらね…、部屋に戻るの朝方になっちゃったし…。」
「フリーダム…直せそうですか?」
「うん…、時間はかかりそうだけど…なんとかね。」
「そうですか。
じゃあ、僕は訓練なんで失礼します。また、お昼に!」
エリオはキラと別れ、玄関へと向かっていく。
「うん、がんばって…。」
笑顔で見送り、それから、ヴィヴィオの子守りのため、目的の部屋に向かうキラであった。
部屋の前まで来ると、ドアがスライドして開く。
中に入ると、ソファに座ってキラを待っていたヴィヴィオは舟を漕いでいた。
無理もない、まだ本来ならば子どもが起きるには早い時間帯だ。
首がかくんっと落ちてはすぐに寝惚け眼を開け、座り直すが、またすぐに瞼が閉じて行く。
「ヴィヴィオ?」
「……ふあ?」
一生懸命に目を開けようと頑張るヴィヴィオ。
「あはは…。無理に起きてなくていいんだよ?寝ちゃったら?」
「…なのはママが…。」
恐らく、なのはがヴィヴィオ一旦起こしたときに言ったであろう言葉、「起きて、ヴィヴィオ」を忠実に守ろうとしていたのだろう。「うん…、なのはママには僕から言っておくからね?大丈夫だよ…。」
キラはジャケットを脱ぎ、ヴィヴィオにかけてやると、その手を掴むヴィヴィオ。
「ん?」
「…行っちゃやだよ?」
寝てる間にどこかに行かないで、そう言いたいのだろう。
「うん、いかないよ…。
おやすみ…ヴィヴィオ。」
ヴィヴィオはキラの膝に頭を預け眠りについた。
53 :
神隠し:2007/07/23(月) 23:01:46 ID:???
SD氏、GJです!
燃えた皆さん、鎮火してごめんなさい
短編でした。
おまけ
シンとヴィヴィオのランチタイム
「ヴィヴィオ、ちゃんとピーマン食べないとだめだぞ?」
「苦いのきらーい…。」
「苦くない、ほら」
パクッとヴィヴィオの皿からピーマンを頬張るシン。
「う〜〜〜〜……。」
唸るヴィヴィオ。明らかに疑っている目だった。
「もう一個…。」
ヴィヴィオに促されもう一つ。
「うん、うまい…。」
「……シンがピーマン全部食べてどうするの?」
苦笑いするキラ。
「あっ……。」
「まぁ、いいよ、ヴィヴィオ、僕と一緒にゴーヤ食べようか?」
キラはヴィヴィオの隣に腰かけ、トレーを机に置く。
「ごーやってなぁに?おいしい?」
「うん、おいしいよ…さぁ食べようか…。」
〜完〜
神隠し氏GJ!!
>>52 ほのぼのですね〜たまにはこういうのもいいですね
>>53 シンw全部食うまで気付かないってww
でもその後のキラがwww
ゴーヤはだめだろゴーヤはwwwwwww
調理法によってはピーマンより苦くないぜゴーヤ。
キラは一体、どんなゴーヤ料理を食わしたんだ?
キラ「生しかないよね、チャンプルーなんて作れないし」
シン「何てものを食わしてるんですか!あんたは…、はい、ヴィヴィオ、口直しに…」
キラ「それ…ブラックコーヒーだよね?」
ゴーヤかよ!
俺が思うに野菜の中で一番苦い部類に入ると思うね、あれは。
キラは外道だな…。
>>48 乙なの!
まさに最初からクライマックス!!
>>神隠しさん
ほのぼの(・∀・)イイ!!
書き上がったので、第4話投下します。
設定
インテリジェントデバイス『デスティニー』
シン・アスカ専用にザフトが開発したデバイス。
CE世界ではモビルデバイスと言う名で呼ばれていたが、インテリジェントデバイスと全く同じ規格の為、そう呼ばれる事は無いだろう。
待機状態ではピンク色の携帯電話、戦闘時の本体は右手手甲のピンクの宝玉(ナックルガードに隠されて見えない)
ちなみに声はマユでw
ケルベロス
デスティニー『ブラストシルエット』の主砲。
一発の威力はディバインバスターとそこまで変わらないが、2発同時撃ちのため、破壊力という点では上。
ゴーヤの漬け物作ってみろ
苦味な癖になる漬け物が出来るから
>>18 問。
なのはを乗せるMS(砲撃戦特化型、飛行可能)がないことに対する処理
解。
@ガナーザクで大戦果。
→一山いくらの量産型でガンダムに立ち向かう姿には漢を感じるが、
ガナーザクの仕様では逆立ちしてもエースになれんので、魔法による大規模な性能Upが必要。
ダブルエックスレベルとは言わんがせめて、ウイングガンダム(ゼロじゃない方)くらいには底上げしないと地味すぎる。
カノン砲を軸にした魔法陣の展開と魔法による高エネルギーの収束を行うためのうまい方便はないものかのう。
根っからのC.E.兵器を魔導行使用の媒体にするには難点が山積みか。
だいたいどうやって操縦するのか。
AデバイスのMS化
→メリットはなのはがMSを操縦できる理由に対してわかりやすい形の回答(デバイスとの間の精神リンク。A'sコミック版より)を提示できること。
最大の問題点は読者にデバイスMSのイメージができないということ。
(この点に関しては、”イメージは他のガンダム作品のMSを参照(例。MS版レヴァンティン→トールギスV)”としてごまかす方法もある)
ついでになぜデバイスがいきなりMS化したのかについて地に足のついた説明をしにくいので、この点についてはお茶を濁さざるを得ない。
B他のガンダム作品から”MSだけ”持ってくる
→Aで”イメージは他作品を参照”をやるんならこれでもいいか、と。
あまり多くの作品からMSを使うと収拾がつかなくなるし、何より節操がないのでネタ元は1作品に限定した方が吉。
アナザーガンダム3部作やスターダストメモリーならガンダムがたくさん出てくるから、3人娘&ヴォルケンズもパイロットにできる。
また、ターンエーのようにただ掘り出すだけでは、連合にしろザフト、オーブにしろ「なぜ自分たちは性能の低いMSに乗って、ぽっと出の余所者が高性能MSに乗るのか」という疑問が噴出する。
極論だがこれを放置すると「キラをはじめとする種割れ組への高性能ガンダムの配給」という悪夢の泥沼になってしまうので、なのはたちにしか本来の性能を発揮できない魔導師専用MSのような設定が必要か?
スカリエッティがどっかの滅んだ世界からMSを回収してきて、魔力が機体に通せるように軽く改造、
アインへリアルに次ぐ次世代兵器のコンセプト模索としてのモニター実験とか(当然黒幕のスカはStsの役者なので無事逃げおおせる)。
投稿者は憑かれて寝てしまいました。
act.4 再会は、いつだって嬉しいものなの
「……じゃあ、なのはちゃんと一緒にここで待っといてな?」
そう言ってはやてがフェイトと一緒にヘリコプターに乗って飛んで行き、シンとなのはは二人きりで取り残される。
「……アンタが隊長なんですか」
「うん、そうだよ? ……でも、アンタじゃなくてなのはって呼んで欲しいな」
「分かりましたよ」
何処かきくしゃくと言葉を交わすシンとなのは。
と、シンが何か思い出したように手を叩くと、口を開いた。
「そう言えば、なのはさんって無限書庫の司書長……ユーノ・スクライアだったか? と付き合ってるって聞きましたけど」
「に、にゃああああ!?」
奇声を上げて飛び上がり、真っ赤になって両手を無意味にぶんぶん振り回すなのは。
「ち、ち、ち、違うよう〜! そ、そんな事、誰に聞いたの!?」
「……リンディ・ハラオウン提督からこの世界の事を教わっている時に、提督から。
それと、そんな反応しながら否定しても、『その通りだ』って叫んでるようなものですよ」
「……あうう……」
見事に追い討ちをもらい、なのはは真っ赤になって俯く。
そんななのはをフォローするように、レイジングハートが声をかけた。
『バリアジャケットを装着した方がいいのではないでしょうか』
「そ、そうだね! レイジングハート、お願い!」
『スタンバイ・レディ』
光に包まれた後、バリアジャケットに覆われたなのはを見て、シンは何故か携帯電話を取り出す。
そんなシンを、なのはは首を傾げて見やリ、……シンは携帯電話に呟いた。
「……デスティニー」
『スタンバイ・レディ。セットアップ!』
幼い少女の声が響いたかと思うと、シンの身体がバリアジャケットに覆われる。
なのはのそれとは全く違う鎧のようなジャケットに、かなりの数の武器が据え付けられていた。
『非殺傷システム正常稼動。出力70%に固定』
「うにゃ……」
圧倒されたように立ち竦むなのはに、バリアジャケットの点検をしながらシンが喋り出す。
「CEでは大体武器を媒介にして魔力使ってましたからね……。
デバイスぶっ壊れても出力は落ちますけど使えるようにしてたりしますし」
デバイスぶっ壊れたから新しいの取ってくるまで待っててくれなんて戦場では言えませんしね、
とシンが左手と比べると妙に分厚い右手のナックルガードをいじりながら言い、なのはは頷く。
「……ただし、CEではバインドなんて無かったですから、俺もレイもバインド使えませんし、
シールドはそこそこ固いとは思いますけど……、アレ見て守りの自信無くなってるし……」
「にゃ?」
明らかに年齢より幼い仕草で首を傾げるなのはに、シンは微笑んで言った。
「ユーノ・スクライア並のバリア張る奴は、CEにはいないって事ですよ」
「はにゃ!?」
「記録映像見せてもらったんですけど……、デバイスも無しにあのハンマー受け止めるとか、絶対無理ですから。
デバイスあれば捌くくらいは出来そうですし、『アカツキ』ならなのはさんのディバイン跳ね返すことだけなら可能でしょうけど」
デバイス無しであれだけやる奴は今まで見た事ありませんとシンが言うと、なのははにっこりと笑う。
その笑みはとても嬉しそうで、得意げで。そう、まるで、
「……そんなに自分の彼氏が誉められると嬉しいものなんですか?」
「そ、そんなんじゃないんだってば〜!」
そうシンが突っ込むと、また真っ赤になるなのは。
シンは結構鈍い方だが、これほど分かりやすかったらさすがに気付けて。
「まあ俺には関係無いですし、素直になれないって言うんならそれでいいですけどね、一つだけ言わせてください」
「だ、だから素直になるも……!」
「黙って聞け!」
「!?」
急に声を荒げたシンに、なのはは硬直する。
そんななのはに、シンは深呼吸を一つして、話し始めた。
「……本当に違うんならそれでいいさ。俺が言いたいのは、
『好きになった明いてには早く気持ちを伝えないと、二度と伝えられなくなるかもしれない』
……ただ、それだけだ。……俺が、そうだったから……」
そう言ったシンに、なのははにっこり笑って首を横に振った。
「今から言えばいいよ、シン。今から、後から」
そう言ったなのはに、シンは詰め寄った。
「ふざ……けるな! 言える物ならとっくに言ってるさ! ……もういないんだ!
ステラは……もう……この世には……!」
「……」
絶叫するシンに、なのはは余程本当の事を言おうと思い、口を開いて、
『マスター!』
「!?」
突然叫んだレイジングハートに飛び上がった。
「な、何!? どうしたのレイジングハート!」
『三人の受験者が危険です! あの速度では止まり切れずにゴール後ろの瓦礫に激突します!』
「ええ!?」
「何っ!?」
慌ててシンとなのはが道路を見ると、オレンジの髪の少女を背負って爆走する青い髪の少女と、
何故か四つんばいになって爆走する金髪の少女。
あのスピードでは今から急制動をかけても止まれそうも無い瓦礫との距離に、なのはとシンは行動を開始した。
「レイジングハート! あの瓦礫の前にバリアネット展開!」
『オールライト』
「デスティニー! インパルスモード、ブラストシルエット!」
『イエッサー! ブラストシルエット、スタンバイ!』
「あの瓦礫……吹き飛ばすぞ!」
『カートリッジロード、ケルベロス……シュート!』
その瞬間、2本のカートリッジを使用した2本の火線が瓦礫を薙ぎ払い、
瓦礫があった場所の手前に張られた桃色のネットと、地面から突き出した柔らかな白い棒が、三人を受け止めた。
「……」
「……あ、あはは……」
後で面倒な書類書くの覚悟でケルベロスをぶっ放したのが完全に無駄に終わって、シンは半眼でなのはを見詰める。
なのはは乾いた笑みを浮かべ……、
「い、行こっか、レイジングハート」
『アクセルフィン』
……逃げ出した。
「……デスティニ―」
『フォースシルエット』
溜息を吐くと、シンはなのはを追いかけた。
「何で時間はまだたっぷり残ってたのにこんな危ない事したですか!」
腰に手を当ててぷんすか怒っているリインフォースを、スバルとティアナはぽかんと見詰める。
……まあ、普通試験官が人形サイズだとは誰も思わないから当然ではあるが。
「……可愛い……♪」
「きゃわ!? な、何するですかーっ!」
突然ステラがリインフォースを抱き締め、リインフォースはじたばたと暴れる。
慌ててスバルとティアナが止めに入るが、ステラはぎゅっとリインフォースを抱き締めたまま。
「〜♪」
「は、離してくださいです〜」
ステラはすりすりとリインフォースに頬擦りし、リインフォースは赤くなりながらもがき続ける。
「ほら、ステラ! 困ってるんだから離してあげよ、ね?」
「この馬鹿! この人試験官なのよ!? 落とされたらどうするのよ!」
どうにかスバルとティアナが二人がかりでステラを引き離し、リインフォースはほっと息を吐く。
と。
「……つっ!」
「あ、ティア! 大丈夫!?」
「大丈夫じゃ……無いわよ……! ……今下手に立っちゃったから、捻り直した……」
そう言ってしゃがみ込みながら足首を押さえるティアナを、スバルとステラは心配そうに見詰める。
と、リインフォースが映像を何処かに繋げ、そこに映った誰かに二言三言話しかける。
そして、ステラ達の後ろ……ちょうど瓦礫があった所に視線を送ると、にっこりと笑ってステラに言った。
「今、お医者さんを呼びましたです。もうしばらくすれば来るですよ。
それと、ステラさん、お客さんです。……後ろを向いてくださいです」
「?」
きょとん、としながらステラは振り向いて、
……燃えるような赤い瞳と目が合った。
「……ステ……ラ……?」
「……シン……?」
意思が強そうな瞳に、まず目が奪われて。
呆然とステラを見詰めてくるのは、大好きな、世界で一番大好きな人で。
「シーン!」
「うわあっ!?」
ステラは、物凄い勢いでシンに飛び付いた。
シンが慌ててステラを受け止めると、そのままステラはシンにまるで子犬のようにじゃれかかる。
身体に当たる確かな柔らかい感触と、その匂いにシンは赤くなって……
ぎゅっとステラを抱き締めて、ステラはきょとんとした。
「シン……?」
「……」
自分を力強く抱き締めるシンの腕に、ステラは首を傾げる。
と、頭の上に何かが当たる感覚がして、ステラは顔を上げた。
「……シン……泣いてるの……?」
ぽたぽたと落ちてくる水滴を見詰めながらステラはそう言うと、シンの肩にぽす、と顔を埋める。
……そして、シンにゆっくりと、囁いた。
「シン……会いたかった……」
「―――っ!!」
その瞬間、ステラの瞳からも涙が溢れ出し、シンとステラは互いを力強く抱き締め合う。
「シン……シン!」
「ステラ……っ!」
もう二度と離さないと言うかのように抱き合って、ぽろぽろと涙を零し合う二人。
それを見ながらなのはは満足そうに一つ頷き……、
レイジングハートの一言に飛び上がった。
『マスターと前マスターも、ああ言う風に抱き合える関係になって欲しいのですが』
「レ、レイジングハートまで〜!」
これで終わりです。
……だから何で性懲りも無くユノなの出すかな俺orz
あとレイハさんの性格間違えたかもw
……リインが可愛がられるシーンで何故かティアナに「お持ち帰り〜」言わせようとしたのは秘密だw
支援必要かな?ちがったらスマソ
四つん這いステラはかわゆすぎるだろ
GJ!!
ステラのデバイスはガイアか・・・あ、あの体つきで四つんばいなんてッ!!
けしからんッ!!実にけしからんッ!!ぜひ後ろからジェット・ストリーム・アタックのように
追従し隊の1番だッ!!
ステラのデバイスがデストロイだったら試験はすぐ終わったんだろうな・・・ビルごと破壊で。
>>64 前スレの終了間際にあったヤツの添付
なのはさんがMSに乗る理由
なのはさんが種の世界に事故かなにかで流れついてコーディVSナチュラルの戦争に干渉するような場合。
管理局には”@魔法のない世界に魔法の存在をおおっぴらに教えるのは重大な外交問題(=魔法の禁止)”
”Aタダでさえ管理局の人員は足りてないから、次元間に影響する上級ロストロギア関係でもなければ管理外世界のゴタゴタに関わるのは御法度という管理局上層部の判断(=戦事介入の禁止)”
という束縛が当然あると思われ、ややこしいことになるのでは?という疑問が浮かぶ。
・Aは管理局の規定に”戦時下で混乱期にある世界に漂着した場合では、もみ消せるレベルならば生存のための最小限の世界情勢への干渉は許容される”という条項がある、としてクリア。
・@の対策として、管理局に帰れたときに言い訳するためにできるだけ目立たない方法で魔法を行使しなくてはならないから、なのはさんがMSに乗る理由ができる(魔法効果をMSの仕様、性能としてごまかす)。
MSの操縦
インテリジェントデバイスであるレイジングハートにMSのOSをハッキングさせて、なのはさんの脳からRHを通して直接MSを操縦する(いわゆるサイコミュ式の操縦というやつ。
機械的な操縦を行わないため、ナチュラル&MS戦闘素人のなのはさんにもMSが操縦できる。
有視界の空間戦闘技術を管理局で叩き上げた彼女はそれなりに強いであろう)という案が考えられる。
・なのはさんはA’sのコミック版でRHを使って授業中に仮想戦闘訓練を行っており、RHとの間にかなりしっかりした精神リンクが構築できると思われ、拡大解釈すればサイコミュ的な情報伝達が可能であると考えられる。
・RHにハッキング機能がついているかは不明だが、某「魔砲少女ラミ○ルなのは」の動画でRHがMAG○をハッキングしてネル○本部の自爆を解除しており、ネタとしての下地はあると思われる。
・問題点は種と種死の世界ではなのはさん用の適当な砲撃用MSがないこと。知名度の低いアストレイを持ってくるのも…
最大の難点はなのはさんの行動原理である。
なぜ縁もゆかりもないなのはさんが見ず知らずの世界で戦争やらなきゃイカンのか。平和な世界の為だなんて言ったらキラ様の二番煎じだ。なのはさんがキラ様の後塵を拝すなんて有ってはならんことだと思うのだが、というか余りにも空虚すぎる。そうすると
・なのはさんだけがやってきた場合→ひっそりとアースラからの救援を待つ→救援くる→クロノ「管理局の仕事は正義の味方じゃない。帰るぞ」→おしまい。
いや、極端かも知れませんがこんなもんでしょう(笑)。救援を待つときに何か事件があってMSに乗ったとしても、その後が続かない。
GJ!!
不覚にも萌えた。
>64
これで何とかうまくいかないかな?
MSを製造する際、中核を担うシステムに待機形態のバルディッシュ又はレイジングハートを使用。
故に、フェイト、なのは専用に作られた機体。
燃料は魔力。
なお、フェイトはザフトのアカデミーに二年間、なのははファントムペイン側なので、二年間を連合で過ごす。
その間に開発されたのがバルディッシュ(ザフト製)と エクシード。
エクシードガンダム(仮)兵装
機動兵装ウィング、アクセルシューター八門(大気圏内では使用不可)
ディバインバスターライフル×2連結でスターライトブレーカー。
エクセリオンバスター腹装砲×1
近接戦闘用武器
ストライクフレーム(ビームジャベリン)×1
ビームシールド×2
カラーリング、セイバー系
>>70 GJ!
瓦礫を吹き飛ばしたのはシンの勝手で、なのは達に落ち度はないようなw
そして、シンとステラの再会で、スバルとなのはの再会が霞んでる件w
なのはがMSに乗る理由付けの話をしてる人達は自重してほしい。
投下直後まで設定話だけされてもね。
>>74 なのはさんがCEで戦争やるなら親友のフェイトとはやてがCE世界で失踪しなきゃ始まらんと思う。
この二人が地上にいるなら(あるいはそう確信しているならば)殺傷モード解禁のSLBでユニウスセブンを打ち抜く事も厭わないかと
早々に助けが来てもらっては困るので、アースラには一緒に失踪してもらう(ついでに中破させて終盤まで表舞台に上げない)
CE世界は本局のあるミッドからは位置的に閑古鳥が鳴くほどのド辺境として本局からの救援を遅らせる。
半年から1年はなんとか粘れ。
何でも屋のミノフスキー粒子には確か通信妨害効果があったから、ついでに魔法通信の妨害もしてもらうというのはきびしいか?
というか、CEにミノフスキー粒子って有ったっけ。
何にせよ互いに全く連絡の取れない状況がないとさっさと合流して、はいおしまい、になってしまうのでここに何かのカラクリがいる。
CEに行くきっかけはStSコミック版にあったような同窓会的任務で3人娘(&ヴォルケンズ)が船外活動中、回収したロストロギアが暴走してCE世界にとばされる、みたいな。
バリアジャケット&オート発動のプロテクションがあるので宇宙空間に出たり、戦艦に勢いよくつっこんでもダイジョーブ
ユーノ君やアルフあたりをAA組に同行させてもいいかもね
>>64 滅んだ世界とはWのアフターコロニーやXのアフターウォーのこと?
主力ガンダムはみんな自爆するか大破するかして原型とどめてるのは1機も残ってないっすよ。
ACはともかく
AWはDXとゲテモノ以外は残ってると思うんだが…
DXもギリギリ原型とどめてるからナノマシンに漬ければ直るだろ。
否!
ラストのDXはあのまま眠らせてやるべき
>>82 とりあえず君には全力で同意せざるを得ない
84 :
81:2007/07/24(火) 03:11:20 ID:???
すまん、確かにそうだ。もう15年頑張ったんだから眠らせてあげた方がいいな。
……15年間眠りっぱなしだったGXが残されてるけどな
サテキャ無いのが救いか
データというか魂はDXに移動したんだよ。よってあれはかわいそうだが抜け殻だ。
Xの魂はGコンにあるんだろ?
>>70 GJ!!
感動の再会の後には始末書が待っているシン乙
これで最後にしますんでご勘弁を
>64
これで何とかうまくいかないかな?
MSを製造する際、中核を担うシステムに待機形態のバルディッシュ又はレイジングハートを使用。
故に、フェイト、なのは専用に作られた機体。
燃料は魔力。
なお、フェイトはザフトのアカデミーに二年間、なのははファントムペイン側なので、二年間を連合で過ごす。
その間に開発されたのがバルディッシュ(ザフト製)と エクシード。
エクシードガンダム(仮)兵装
機動兵装ウィング、アクセルシューター八門(大気圏内では使用不可)
ディバインバスターライフル×2連結でスターライトブレーカー。
エクセリオンバスター腹装砲×1
近接戦闘用武器
ストライクフレーム(ビームジャベリン)×1
ビームシールド×2
カラーリング、セイバー系
>>75 なんかイメージがストフリっぽくみえてしまう俺・・・
腹装砲がスターライトブレイカーだろ・・・常識的に考えて
俺もそう思うんだ。
93 :
望:2007/07/24(火) 10:18:42 ID:???
>>89 というよりMSの規模で考えると燃料が魔力でも一回の消費量が膨大じゃないのか?
いくらなのはやフェイトの魔力量がケタ違いっていってもすぐに空になりそうだが
魔力とデュートリオンのハイブリットってのをかんがえてる。
まどろっこしいなぁ
だから始めっからコズイラ出身にしろと
>>93 武装系と駆動系を同一の動力で動かす必要は無いですよ(システム的には簡単だけど)
ってか早く一話を投下せねばネタが使われてしまうっ
今一話書いてるんだ。
頑張れば今日中には投下出来そう。
>>77 CEではミノフスキー粒子の存在は確認されていない
NJがその代わり
ていうかCEでミノフスキー粒子を戦闘濃度で撒いたら最悪それだけで
山ほど精密電子回路を積んでるCEのMSは落ちて二度と動かなくなる可能性すらあるはず
第一話 怒れる瞳と悲しむ瞳
穏やかな街の一角。
店の中から出てきたフェイトは、シンとの待ち合わせ場所へと向かう。
「シン…待った?」
「いや…、俺も今来たところだから…。」
フェイトとシン、二人は日用品を買いに来ている。
両手に紙袋を持っているが、フェイトの持っているそれはシンの持っているものよりも一回り大きかった。
「フェイト、そんなにいっぱい何買ったんだ?」
「……女の子には必要な物がいっぱいあるんだよ。」
「ふ〜ん、そういうもんか。」
明日はミネルバの進水式があるのでそのことを話題にしながら基地まで二人は話をしながら歩く。
「インパルスの調整はどう?」
「まぁ上々かな…。フェイトのバルディッシュは?」
「うん、いい子だよ。」
微笑んでいうフェイトにシンも表情が緩む。
MSのことを『子』扱いするのはどうかと、最初のうちは思っていたが、毎回整備を行うたびにフェイトがバルディッシュに声をかけているのを見ていたのでなれてしまった。
「そっか…昼はどうする?」
大通りから細い路地に入り、歩き続ける二人。
「う〜ん…」
腕時計を見るフェイト。
「結構時間も押しちゃってるし、軍の食堂でいいんじゃない?」
路地から大通りに出ようとした時だった。
「そうだな…そう…あっ!?」
ドンッ。
一人の少女にぶつかってしまい、とっさに荷物を放り出して、シンはその少女を両手で転ばないように支えた。
「ごめん…大丈夫?」
肩まで伸ばしたフェイトと同じ金髪に、幼い顔立ち。
ヒラヒラしたドレスのようなものを着ている少女は、シンを睨むと、自分を支えるシンの手をふりほどき走っていってしまった。
その様子をただ呆然と見送るシン。
「駄目だよ…シン…。女の子の胸触っちゃ…。」
「えっ!?…あれはとっさだったから……わざとじゃなくて…。」
「必死なところがまた怪しいね。」
半目になったフェイトがシンの横を通りすぎ先に行ってしまう。
「あっ、ちょっ…待てよフェイト!」
慌ててフェイトのあとを追おうとするシン。しかし、荷物を散乱させたままのことを忘れていたので、ちゃんと全部紙袋に詰めてからあとを追う。
「だから…わざとじゃなくて…」
「分かってるよ…シンはそういうことする人じゃないし…。
ただちょっとラッキースケベなだけだよね?」
「フェイト!?お前、そんな言葉…どこで…。」
ヴィーノあたりに吹き込まれたのだろう。
基地までの道のりを誤解を説くのに費やしたシンだった。
アーモリーワン、工場区域。
「だが、強すぎる力は、また争いを呼ぶ!!」
オーブ国家元首、カガリ・ユラ・アスハはそう叫んだ。
戦後、本来ならば必要のない兵器、戦艦を製造し続けるザフト。
そして、オーブ戦のおりに流出した技術と人員の軍事利用の停止について、未だ返答をもっていない。
プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダルに言葉巧みに言いまかされ、苛立ったカガリがそう叫んだ。
「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない。
我々もそうありたい、いや、そうであれば一番いい。
だが、力なくばそれは叶わない。
それは姫の方がご存じでしょう?だからオーブも軍備を整えているのでしょう?」
カガリの脳裏に蘇る前大戦の記憶。
「しかし、ならばなぜ…何を怖がってらっしゃるのです?あなたは…。」
区域を移りながらデュランダルはもちろん、カガリ、それからその護衛であるアレックスと数名のザフトの護衛を従え、歩き続ける。
「大西洋連邦の圧力ですか?オーブが我々に条約違反の軍事強要をしていると?」
一時の沈黙。
「だが、そんな事実は無論ない。
かのオーブ防衛戦のおり、難民となったオーブの同胞たちを我等が暖かく迎え入れたことはありましたが…。
その彼等がここで暮らしてゆくために、その持てる技術を生かそうとするのは仕方のないことではありませんか?」
カガリは黙ったままだ。
「そして、争いがなくならぬから…力が必要なのです。」
返すことばが見付からなかった。カガリはデュランダルに視線を向けたまま拳を握る。
長い沈黙を破ったのは、警報だった。
「何だ?」
デュランダルが状況の確認を取ろうとしていると、爆音が響き、爆風で熱波を含む黒煙がこちらへ向かってやってくる。
アレックスはカガリを、他護衛はデュランダルとともに、近くの物陰に伏せ、黒煙を回避する。
そしてその黒煙から姿を現す緑、黒、青の三体のモビルスーツ。
「そんな……カオス、ガイア、アビス…。」
ザフト製、最新鋭の機体三体は、何者かによって強奪されていた。
「まずハンガーを潰す!モビルスーツが出てくるぞ!」
緑のモビルスーツ、カオスに搭乗するのはスティング・オークレー。
「ステラ!お前は左…。」
青のモビルスーツ、アビスはアウル・ニーダ。
「…わかった。」
黒のモビルスーツ、ガイアはステラ・ルーシェだ。
三機のモビルスーツはそれぞれ別方向に散開し、工場区の破壊を始めた。
轟音、地響き、ついで爆音、爆風、爆煙が舞い上がる。
ガイアはモビルアーマー形態となり、暴れまわる。
アビスはその砲門の数にものを言わせ、ハンガーに収納されているモビルスーツを一掃する。
カオスは迎撃に出てきたモビルスーツを撃破していく。
「なんだとっ!?」
デュランダルは報告を聞き、目を見開く。
「強奪されたのは六番ハンガーの新型です。」
「新…型?」
カガリは呟いた。
瞬く間に広がり行く戦火。カガリとその護衛、アレックスの目に、新型と呼ばれるモビルスーツ一体の姿が目についた。
「あれは…ガン…ダム…。」
他のモビルスーツとは形状が違うのですぐに判別出来た。
アビスのカリドゥスがハンガーを根刮ぎ爆散させ、カオスのファイヤーフライが広域にわたって爆破する。
ワインレッドのショートカットの髪の少女と金髪長髪の少年は専用のモビルスーツにのるため、ハンガーに向かう途中だった
二人ともザフトのトップガンである証しの赤服を纏っている。
少女の名前はルナマリア・ホーク、少年はレイ・ザ・バレルと言う。
しかし、二人のモビルスーツはファイヤーフライの着弾衝撃により、横倒しになり、さらに瓦礫に埋もれていた。
一方、カガリとアレックスはデュランダルの計らいにより、シェルターへと案内されていたのだが、途中の爆発ではぐれてしまった。
「ミネルバにも応援を頼め!」
デュランダルはテキパキと指示をだす。
ミネルバ。
「アーサー!二人は?」
ミネルバ艦長、タリア・グラディスは副艦長、アーサー・トラインに探すよう指示をだした。
カオスに攻撃を仕掛けるゲイツR、ディン、ガズウート。
しかし、放たれるビーム、マシンガンは盾で防がれ、逆にカオスのビームとミサイルにより一掃される。
逃げ惑うアレックスとカガリ。
MA形態のガイアがディンを背面のグリフォンビームブレイドで上半身下半身を両断。
空中で爆散し、その衝撃でザクウォーリアが一機、ハンガーから飛び出した。
衝撃からカガリを蒲っていたアレックスの目にそれが止まる。
「カガリ!こい!!!」
ミネルバ。
中央カタパルトの扉が開き、一機の戦闘機が姿を見せる。
パイロットスーツを着たシンは直ぐ様コックピットに飛び乗った。
『インパルス、発進スタンバイ、パイロットはコアスプレンダーへ。
モジュールはソードを選択。シルエットハンガー二号を解放します。
シルエットフライヤー発進スタンバイ、プラットホームのセットを完了。
中央カタパルト、オンライン、機密シャッターを閉鎖します。
発進区画、非常要員は待機してください。
中央カタパルト、発進位置にリフトアップします。』
オペレーションを聞きながらコックピット内で素早くスイッチ、レバーを操作し、準備を進めていくシン。
『コアスプレンダー、全システムオンライン。発進シークエンスを開始します。
ハッチ解放、射出システムのエンゲージを確認。
カタパルト、推力正常。
進路クリア、コアスプレンダー発進どうぞ!』
戦闘機が中央カタパルトから発進する。
シルエットフライヤー、チェストフライヤー、レッグフライヤーが次々と発進していく。
『続いて、バルディッシュの発進シークエンスを開始します。
バルディッシュ、全システムオンライン。
カタパルトにセットを完了。
右弦ハッチ解放。
カタパルトエンゲージ。推力正常、進路クリア。
バルディッシュ発進どうぞ!』
「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!バルッディッシュ!!行きます!!」
重力下に投げ出される灰色の機体。
フェイトはスイッチを押す。すると、灰色の機体が漆黒へと変わり、背部のウィングが展開、スラスターから金色のバックファイヤーを噴射し、工場区域へと向かった。
アレックスはカガリをつれ、ザクに乗り込んでいた。
「こんなところで、君を死なせるわけにいくか!!」
ザクを起動させ、緑色のザクは立ち上がった。
「何だ、お前は…?」
ガイアを操るステラは突然、直立したザクに警戒する。
だが、正直、今まで出てきた敵は引金を撃てば当たるただの的だった。
ビームライフルの引金を弾くと同時、ザクは瞬時に回避行動に出た。
「ッ!?」
驚くステラ、避けただけではなくこちらへと向かってくる。そして、タックルを繰り出した。
「こいつッ!!!」
コクピットを揺るがす大振動。
ガイアをなんとか弾き飛ばしたものの、打ち倒すには至らず、相手はバランスを建て直し、サーベルを抜いた。
そして、スラスター全開、猛スピードで襲い来るガイア。
アレックスは舌打ちしつつもザクを巧みに操り、ビームアックスで迎え撃つ。
だが、力比べでは残念ながら、ガイアには勝てず、弾き飛ばされる。
モニターに映るガイアがサーベルを振り上げている。
とっさにアレックスはザクにバックステップさせ、紙一重でそれを避ける
しかし、返す刀でサーベルで横薙一閃の連撃で弾き飛ばされた。
「ぐっ!!」
短くうめき声をあげ、ザクの体勢を建て直し、着地。
だが、背後にはカオスの姿。
「もう一機!?…ッくそ!!」
「ステラ!!」
スティングの声に頷くステラ。
サーベルを抜き放ち、跳躍してのカオスの斬撃を直撃を回避するも、かわし切れず、ザクの左腕は切り飛ばされてしまった。
追撃を仕掛けるカオス。
しかし、カオスを衝撃が襲う。
「何だ!?」
煌めく青き戦闘機。そしてその後ろを追随する複数の戦闘機。
そしてそれらが一つずつ合体して行く。絶え間なく動き続けるシンの指。
見とれているまにザクに攻撃を仕掛けるガイアを襲う金色の刃。
盾によって防がれた金色の刃は黒い一点に向かって戻っていく。
ガイアと同じ漆黒に金のラインが入った機体バルッディッシュ。
手には斧を持っている。
そして、ニ刀の対艦刀、エクスカリバーを持つ赤いモビルスーツ、ソードインパルスの二体が戦場に降り立った。
対艦刀を連結、頭上で回転させ、構えると光が刃を作る。
「バルッディッシュ!サイズフォーム!」
『Yes, sir!』
斧の刃を形成する部分が持ち上がり、そして金色の光が飛び出し、釜を作った。「「何でこんなこと…。」」
「また戦争がしたいのか/また戦争をする気ですか!?」
「あんたちは/あなたたちは!!!」
投下終了。
文章下手でごめんよ…。
でも頑張って書きます。感想書いてもらうと嬉しいです。
応援よろしくです。
>>104 GJ!非常に新鮮です!
今からラストに期待してもいいよね?答えは(ry
GJ!
最初の仲良さげな二人に和んで、最後の息ぴったりな二人に燃えた。
続きに期待させてもらいます。
GJ!
釜を作ったにワロタw
とうかおkですか?
やっぱ背を任せられる味方が居るって良いなあ、GJ!
>>108 良いと思いますよ、お待ちしております
>>104 GJ!!
なぜかごく最近までほとんど顧みられなかった、なのは達がMSに乗ってCE世界の空を飛ぶ、という分野にとうとう手が入りましたか!
上の議論を読んでみても、この分野には面白くなりそうなネタがあちこちにゴロゴロ転がっている予感がします。
シン&フェイトという組み合わせにも自分的には意外性を感じてよいです。
先人がいないという意味では大変かもしれませんが、応援します!!
魔道戦士まじかるしん 20話 「コズミック・イラ」
「ふぅ」
最新鋭のXV級艦船「クラウディア」の艦長室で、クロノ・ハラオウンはため息を付く。
このクラウディアの艦長であり、提督としても活躍し、さらには執務官資格も持っている人物。
ハラオウンというファミリーネームからわかるとおり、フェイトの兄である(詳しく言えば義兄であるが…)
そんな彼は、一つの事件を任された。
「全く、してやられたよ……」
そこは、シンたちの世界、コズミック・イラの地球のある地域に、あるものがあった。
それはミッドチルダの艦船の備えられているアルカンシェル。
どうやらジャンクとして捨てられたものがこっそりと盗まれてしまったらしい。
こうなってしまうのも、ひとえに管理局の人員不足からなる。
人が少ないと、どうしても製造する船も少なくなる。
そしてそれを長期運用する事によって、予定よりも早く寿命を迎えてしまうときもある。
今回は、それが重なってしまい、戦艦を仮解体しておいて、順次本格的に廃棄するという方法をとっていた。
それで今回の事件だ。
話の内容によると、どうやらスパイがいたらしく、こっそりと転移して盗まれたらしい。
何とかスパイを捕らえる事に成功し、尋問を行ったところ、相手はボロを出した。
クロノはしらないが、尋問を行ったのは特別に呼ばれたのは猫を素体とした猫の使い魔らしい。
それを聞けば、クロノは頭を抱えるだろう。
「あいつら…」といいながら。
尋問を行った結果、どうやらブルーコスモスの仕業らしく、さらに言えば本局、地上本部にもスパイは数人いるという。
それを聞いた尋問を行った猫の使い魔は、なんと1日以内にすべてのスパイを捕まえたという。
そんな事は知らない(その時は別任務にでていたため詳しくは知らされていない)クロノ。
クロノはその盗まれたデータを見てさらにため息を付く。
そのアルカンシェルは、艦船の前半分はそのままで、後は基地にくっついているというものである。
ジェネレーター部分は盗まれていなかった事から、ただ発射台として使うのだろうか…
その前半分の艦船部分を見て、クロノは怒りが芽生える。
その艦船は、クラウディアに乗る以前に、自分達が長い間世話になった艦船「アースラ」だったからであった……
「はい、みんな集合!」
なのはの集合の声とともに、午前の訓練は終了をつげる。
メンバーはつかれたあ、と言う顔を前面に出していて、昼食へ向かおうと足を運ぶ。
あれ以降、ティアナもいつもの調子を取り戻し、機動六課は一段と団結力を高めた。
そして昼食を終え、各自少しの間休もうと思ったときだった。
「ん?」
シンは何かを蹴飛ばし、何を蹴ったのかと思い下を見る。
「これって……」
それは、何かのキーだった。
それもどこかで見たような気が……
「それって、フェイトさんの車のキーじゃ……」
エリオのことばに、ああとシンは頷く。
キーを見ると、フェイトのほかに数人の人の写真が入っているロケットがついていた。
おそらく家族のものだろう。
「しょうがない、渡しにいくか」
そういって、シン、そしてエリオは鍵を渡しにフェイトのところへ行く。
そしてロビーに入ったときだった。
「エリオじゃないか、久しぶりだな」
エリオは誰かに呼ばれ、そっちを振り向く。
その声に、シンは聞き覚えがあった。
友人とそっくりな声だった。
「どうしたんだよヨウラン……?」
周囲を探しても、声の主らしいヨウランの姿が全然見当たらない。
周囲をうろうろうろつかせると。
「俺はヨウランと言う名前じゃないんだけどな」
目の前にいる青い髪をしている男性の声にシンは驚く。
ヨウランの声にそっくりなのだ。
ヨウランに落ち着きがあったらこんな感じだろうか。
「あ、アスカさんは会うの初めてでしたっけ?この人はクロノ・ハラオウンさんで、本局で艦船の艦長をしている人です。それでいて提督でもあって執務官でもあるんです」
エリオの説明に素直に驚くシン。
だが、ちょっと不思議に思ったことがある。
ハラオウン?
「どうも、クロノ・ハラオウンだ。君の上官、フェイトの義兄だよ」
そのあと、フェイトの部屋に行くまで、3人は話をしていた。
「それで、クロノさんはどうしてここに?」
エリオはどうしてこんなところにクロノがいるのか気になった。
仕事で忙しいのではないか?
「ちょっとね。本来ははやてに用があるんだが、ついでに妹との顔を見ておこうと思ってね」
ちょっと顔を赤らめながらクロノは言う。
そんな彼の顔を見て、シンは苦笑する。
「わかりますよ、その気持ち。俺にも妹がいましたから」
シンの言葉にそうか、とクロノは言う。
シンの言う「いました」という言葉を汲み取って、これ以上深く追求しない事にした。
それに、はやてに用があるといったが、彼にも関係があることだったが、いまは伏せておく事にした。
「それで、君達もフェイトに用があるっていってたけど何なんだ?」
クロノの言葉に、シンはポケットから鍵を取り出す。
「どうやらフェイトさん、鍵を落としてしまったみたいで……」
エリオの言葉になるほど、とクロノは頷く。
そうこうしているうちに、3人はフェイト、そしてなのはの部屋へとやってくる。
どうやら鍵は開いているようだった。
そしてドアを開けるとそこには……
少し時間をさかのぼりここはなのはとフェイトの部屋。
「弱ったなあ……」
ふぇいとはあわてながら部屋のあちこちを探す。
「フェイトちゃん、どうしたの?」
そんな友人の行動に、部屋にはいてきたなのははどうしたのか尋ねる。
「それが、車の鍵を落としちゃったみたいで……」
それで慌てて探しているのだ。
さっき来ていた訓練用の服も探したけど見当たらない。
かばんの中にもない。
さらにはあちこち部屋を探したけどどこにもない。
それでフェイトは困っていたのだ。
「もしかしたら落し物のところにあるかも、いってみようよ」
その言葉にフェイトは頷く。
だがその前に、着替えなければいけない。
今フェイトは下着のままだ
フェイトは下着になってから気付いてあちこち探していたのだ。
この状態で誰かは入ってきても困る。
なのはも手早く着替えようとしたときだった。
いきなりドアが開いて、そこには3人の男がいた。
そして一瞬時が止まった。
唖然とする男達。
3人とも顔を真っ赤にしている。
いま、なのはは下着姿のままで、フェイトにいたってはブラすらない状態であった。
運よく手で大事なものは隠れていたが……
少し二人の思考が止まっていたが、すこしずつ復活していく。
見る見るうちに顔が赤くなり……
「「きゃああぁぁーーーーーーーーーー!!」
二人は同時に叫び、フェイトは布団で身を隠し、二人でとりあえず近くにある強力そうで硬いものを掴み、投げ飛ばす。
それは真っ直ぐと真ん中にいる一番背の高い人物の顔面に直撃する。
その男性は「ぐは」といいながら吹き飛び、倒れたときに頭を打ち、当たり所が悪かったらしく、気を失っている。
二人はキっと残りの二人を睨む。
しかし、そこには一人、シン・アスカしかいなかった。
「シン、どういうこと?」
布団に身をくるめたフェイトがシンに尋ねる。
その声はやはり怖かった。
「ああ、えっと……これを……」
そういってシンがとりだしたのは、さっきまで自分が探していた車の鍵だった。
そして反対方向を見ると、そこには鼻時を出しながら顔を真っ赤にしたエリオが倒れている。
どうやら刺激が強すぎたらしい
そして、真ん中に倒れているのは……
「お兄ちゃん?」
「なるほどなあ」
はやては今日は久し振りに仕事が少なく、ヴィータもシグナムも出かけていたので、リィンフォースと一緒にシャマルのいる医務室へいて話をしていたのだ。
そこで、鼻字を出しながら倒れていエリオを抱えたフェイトと、顔が赤くはれているて、そして当たり所が悪かった後頭部から血を流していたクロノを抱えたシンとなのはがやってきたのだ。
医務室でシャマルが治療をして、リィンフォースが手伝っている中、はやては3人から事情を聞いていた。
「つまり、シン、そしてエリオはフェイトちゃんが落とした鍵を届けるためにフェイトちゃんとなのはちゃんの部屋へ」
「はい」
「そんで、クロノ君は本来は私に用があるんやけど、その前にフェイトちゃんが元気にしているか確認しようと顔を覗かせた」
「そういってました」
はやてはふむ、と少し考えるようにして、今度はなのは立ちのところへ目を向ける。
普通は隊長と言うべきなのだが、今はほとんどプライベートのようなものなので、普段どおりに話をしている。
「フェイトちゃんは着替え中に鍵がないことに気付いて、下着姿でいろいろと部屋中を探し回ってた」
「うん」
「そんで、そこへなのはちゃんが部屋に入ってきて、フェイトちゃんが何か悩んでいたのですぐにかけつけた……うっかり部屋の鍵を閉め忘れて」
「う…うん…」
なのはは気まずそうに頷く。
そしてはやてはすぐに決断を出す。
「こういうアクシデントの場合、女性として二人の味方したいけど……今回は流石に二人が悪いわ」
はやての言葉に、うう……と二人は顔を下に向ける。
「それで、私に用って……なんなんやろ?」
はやての言葉にシンは判りませんと言う。
ただ、用があるとしか聞いていない。
はやては考えるが、当の本人は見事に撃沈しているので今は気候にも聞けない。
「う……うーん……」
その時、クロノより先にエリオが目覚めた。
「あれ、ここは……」
エリオは周囲を見渡す。
ここは確か医務室。
どうして自分はここにいるのだろう……
シンと一緒に、フェイトの部屋に鍵を届けに言ったのだが、それ以降が良く思い出せない。
「あ、目が覚めたんだね」
ふと横を見ると、そこにはフェイトがいた。
「話はシンから聞いたよ。いきなり倒れたって聞いたからびっくりしたよ」
フェイトのことはにえ?と驚くエリオ。
「ああ、いきなりふらっと倒れたんだ。よほど疲れてたんだな」
ふと、二人の言い方に少しギクシャクしていて、何かエリオは引っかかるところがあった。
「エリオ、今日はもう休んでていいよ。疲れたまましても危ないからね。他の人には私が言っておくね」
なのはにまで言われ、本当にそうなのだろうと思ったエリオ、はもう一度ゆっくりと布団にもぐる。
そしてすぐに寝ていたため、疲れているのはある程度は本当だったみたいだ。
エリオが寝るのを確認して、ほっと一息つく一同。
あの事件前後の記憶が消えているもの助かった。
「よほど衝撃だったみたいだな……」
ふとつぶやくシンの言葉に、二人は顔を赤くしながら頷く。
ちなみにシンはもうあまり動じないのは……まあ簡単に言えばヨウランたちのせいだといっておこう。
やがてクロノが目覚め、後頭部に包帯を巻かれている事に驚く。
何故そうなったのか大方をはやてから聞いた。
「あの、お兄ちゃん。ごめんなさい……」
「クロノくんごめん。ちょっとやりすぎた」
二人が謝るがクロノもこっちこそすまないと謝る。
普通はギクシャクするようなものだが、それはフェイトが妹と言うこととなのはも小さいことから交流があること。
そして最大の理由は、クロノの妻がエイミィである事とだけいっておこう。
その後、クロノははやての部屋に連れて行ってもらって、本題へ移る。
「さっきの少年、シンから聞いたと思うが、今日はちょっとお願いがあってね」
そういって数枚の資料を展開させるクロノ。
「数日前、本局のほうである事件が起きた。一つの艦船のパーツの一部が持ち出されるという事件だ」
クロノの言葉に驚く隊長陣。
いつもまにそんな事件が。
「どうやら、管理局本局、そしてこの地上本部にもスパイが紛れ込んだらしくてね。今は捕まってるみたいだが……」
さらに言葉は続く。
「で、そのパーツはある世界へ持ち出され、このようになっている」
そして映し出されたのはとある世界のある渓谷であった。
そこにある基地が建設中みたいであった。
そこにある奪われた艦船の一部。
「こ、これって……」
なのははその艦船にも覚えがあった。
いや、見覚えとかと言うレベルではない。
「ああ、敵、ブルーコスモスは艦船アースラのアルカンシェルと艦船の一部を奪っていった。そしてそれを基地に接続して使おうって寸法らしい」
しかし、まだ建設中と言うのが助かる。
「だから、本局は現地の軍と共同戦線を張る事になったんだが……」
その明細書の一部にこう書かれていた。
「尚、管理局の部隊に、機動六課を迎えてほしい……プラント最高評議会議長、ギルバート・デュランダル」
この文に、はやて達が驚く。
なぜ、違う世界の人物が、それもかなりの大物が最近出来たばかりの自分たちの部隊の名前を知っているのだろうか……
「なんでも、君達のメンバーの一人の存在が不可欠らしい」
クロノの言葉に、フェイトは納得した。
「そうか……シンとレイはあの世界の出身だから……」
ただ、何故それをも彼が知っているかはわからないが。
「確かに、クロノ提督の言うとおりやけど、こっちもこっちで忙しいし……」
そうだ、自分はレリックの回収が残っている。
いつまた新しいレリックがあるともわからない。
「けど、何とかしないとあそこにすむ多くの人が危ない」
そうなると、答えは決まった。
「了解や。これより機動六課は、本作戦に参加します」
はやての言葉に、そうか、とクロノは顔をほころばせる。
何かを隠しているような顔だった。
「おにいちゃん、何か隠してない」
ついそういったが、誰も気にしていない。
フェイトの言葉にやれやれ、とクロノハ肩を落とす。
やはりこういうのは苦手だ。
「実は、既に騎士カリムと連絡をしていて、許可を得ていたんだ」
クロノ言葉に、はやてはやっぱり、といった顔でいる。
そうでなければここまでスムーズに事が進むはずがなかった。
「お前たちがいない間は、教会側でどうにかしてくれるらしい」
既にそこまで話が進んでいたのか……自分達をのけ者にして。
「それはちょっとひどくない?」
そういうはやての言葉に、すまないなとクロノは軽く謝る。
こうして、機動六課、艦船「クラウディア」、現地の軍「ザフト軍による「アルカンシェルゲート突破作戦」が開始された。
な「ついに開始されたアルカンシェルゲート突破作戦」
フェ「現地の軍との協力線になるのだけど、ちょっとしたいざこざが……」
???「次回!機動武闘伝まじかるしん第21話!!「アルカンシェルを突破せよ!!」にぃ、レディー、ゴーー!!」
シ「ばればれなうえに題名変えないでください!」
リU「任せてください。……ふう……???さん!いいかげんにしなさい!罰として、このコッペパンは没収です!」
???「大佐ど……失礼しました、曹長殿!申し訳ありません!」
レ「…いいのかこれで?」
投下完了。
……よし!これで隊長陣すべての人物にラッキースケベ完了(なにやってんだ)
次回からはちょっと運命編で行こうかと思ってます。
せっかく同時に世界があるんだからこっちもやってみていいかもってかんじで。
運命編ktkr
次回も楽しみにしています
何というふもっふ
アルカンシェルゲートってw
難攻不落ってレベルじゃねえぞ!
いや、その発想のブッ飛び方に感服しました
一発撃たれた終わるぞwwww
いたぁいのBJはふもっふだな。
GJ
しかしノックもせずに入るシン達が悪いだろ、常識的に考えて・・・
123 :
122:2007/07/24(火) 21:03:54 ID:???
って部屋の鍵閉めてなかったのか、よく読んでなくてスマソ
レイ「キャロ、メイド服を着てくれないか?」
なのはinCE系で若干マニアックなモノを投下したいのだが、よいですか?
さあ、来い
おK!!
ここでマニアックなのが嫌いな奴なんてそうは居ない
度が超えなければwww
なのは→CE世界の設定を考えるときに誰もが一度は妄想するであろうスターライトブレイカーによるユニウスセブン破砕。
それは現実的に可能なのか??
ユニウスセブンの大きさ:直径10km説と直径8km説があるが、血のバレンタインの核攻撃で少し壊れたと考えて&ちょっとでもなのはさん
に有利なように直径8km説を採用。
なのはさんのスターライトブレイカーの放射角:最大で90度。ただし、強力なあたり判定(魔力光部分)があるのは中心部最大45度。
残りは魔力による衝撃波みたいな感じ(A's2話&12話の発射モーションより)。また、放射角は時間とともに変動する。
宇宙空間には空気がないため、純粋な衝撃波はできないが、魔力によって生成した何らかの縦波を叩き付けることで破砕能力は有ると解釈
する。するんだってば。
図) 4000m
_ __ |←−−−−−→|
↑ | |_
| | |_
| | | \
| | ユ | \ 魔法陣
直| | ニ | \ ↓
経| | ウ | \_ \
8| | ス | −−\_\ |
0| | セ | −−−−\\|
0| | ブ | −−−_//|○← なのはさん
0| | ン | −_/ / |
m | | | / /
| | | /
| | | /
| | _| / ↑
| | _| スターライトブレイカー
↓ |__|
ー
絵心がなくて申し訳ない
上図のように直径8千mの物体を真っ正面から放射角90度のエネルギー放射の効果範囲(直角二等辺三角形の底辺)に納めるならば、
8000m÷2=4000m
なので4km離れたところから撃たなければならない。
nanoha wikiによればスターライトブレイカーの距離による減衰は比較的早いという記述が有るので、4kmも離れた対象に有効な破壊が行え
るのかは怪しいところではある。
A'sでヴィータに長距離砲撃をかけた時は山二つ超えて(ただのベルカ式演出という説も…)狙撃してもまだ威力を保っていたから、それに
比較したら減衰が早い、という解釈は…こじつけ臭いですか。
減衰が早いのは地上の大気がある中で、宇宙ではしっかりがっつり届きます……というのは??
なんか閉塞感が漂うので視点を変えよう。
”なのはさんをMSに乗せて、生身と同じサイズ比率で魔法および魔法陣が生成できる”という条件をくっつけてみると…
1期でなのはさんがスターライトブレイカーを撃ったとき(全力全壊でたぶん魔法陣サイズは既出作品中最大)のなのはさんの身長:魔法
陣直径がだいたい1:12。
MSの全長を約17.0mとすると、MS版全力全壊魔法陣サイズは…17m×12倍で……直径約204m……でかっ。
いやいや、ユニウスの大きさに比べたら小さい小さい。
イメージがつかみにくいなら、逆にMSに乗ってユニウスを撃つという状況を生身(小3時)128cmに置き換えてみると、
(資料がないのでなのはさんの身長は小3女子平均値を採用。真の値をご存じの方がいたらそっちで計算よろ)
大きさ比は1.28m÷17m=0.0753倍
ユニウスの大きさイメージは8000m×0.0753倍=602m
つまり、300m離れたとこから、迫り来る直径600mの円盤に向けてスターライトブレイカーをぶっ放すイメージ。
ちなみに魔法陣は直径15m。
おお、これなら何とかいけそうな気がしなくもない。
問題はエネルギーの捻出と強当たり判定が小さいことだけ。
ミネルバ組が頑張って破砕してくれたら前途は明るいぞ!!
というか、はやてさんのフレスベルグや初代リィンのSLBのように目標地点で爆発を起こしてくれるのなら、
ユニウス内部まで打ち込んで内側からバラバラにできるのにねえ。
モノを砕くにはソーラシステムより核弾頭ミサイル。
それでもあえてなのはさんというのがロマンな訳ですが
A'sよりさらに進化したリミッターフル解除したなのはさんなら生身で壊せる気がする。
しかし128-129よく計算できたな。すごいぜあんた。
そこはかとなく漂う論理のすり替えに萌えるかも
正攻法じゃ打ち破りがたい壁だって言ってるみたいで。
だが、無敵ではないなのはさんもまた有りだ。
序盤からすっげー強いMSでるのあり?
なのは好きの一人として言わせてくれ。
なのは最強なのは無敵を執拗にアピールされるとウザイ。
なのはのMS、後続機にかえるタイミングがないから序盤からエクシードにのせようかと…。
それと、なのはを途中でザフトかAA組か悩んでます。
出るのは大丈夫だと思うけど、ミネルバ追い込みの場面で落とせなかったらのおかしいよとか
思ってしまうかも。しっかりとした理由が必要になる。
なのはは思考的にはキラに近いのかな?被害や人死が出て欲しくないなどの理由から、
個人的には、ただラクスたちにいいイメージがないなぁ。あえてAAに行かせて無印の時の
フェイトと対話しようとするのを最終決戦でやるとか。素人がいろいろ失礼しました。
>>134 なんらかの欠陥が無いと序盤から最強ってのはキツイかも…
機体のOSに不備が有ってそれを補う為に重装の追加装甲→機動力が低い
とか
EN効率が莫迦みたいに悪く戦闘可能時間が半端じゃなく少ない
等など
なのはが連合って聞いただけで、カラミティかデストロイに乗っている場面しか
想像できない。お話を聞いてぇー!!といいながら撃ちまくるとか。
>>132 ヴァイエイトクラスならいいんでない?
思うに、128-129が示したいのはMSが単機で無事にユニウス7を完全に破壊するのはどこか嘘くささが漂うってことだろうと。
でなきゃあんな歯に物の詰まったような言い方はしない。
あまり完全無欠ッぷりをアピールするとアンチが生まれるから、
やるなら”全力全開で撃ったら大破して二度と使えなくなりました”ぐらいに控えた方がいいかもしれない。
大気圏すれすれでエネルギー使い果たしたら地球に落ちるだろうし。
なのはたちならバリアジャケットとオートシールドがあるからコクピットが赤熱してもわりと生きてるかも
地球に破片を降り注がせるかどうかはどちらが良いのか・・・
>>134 なのはが連合なら、いっそのこと最後の最後までジブリールに忠を尽くすというのは?
種死本編みたいに最後の最後までジブがおバカで踊らされてることに気付かなければどうしようもないが、
もう少し冷静かつ、頭が回ればジブは悲劇の男優になれた(最後死ぬのは変わらんけど)
すでに無欠っぷりが酷い設定出してる奴がいるからこの話題に関しては辟易気味なんだが、
全てをなのはさんにやらせようとするからダメなんじゃね?
ユニウス破壊に関しては、最悪なのはさんの行動タイミングをサトー辺りが死ぬ直前まで引き伸ばせばユニウスも小さくなってるし、
それこそ接近戦型じゃなくて完全な遠距離砲撃用機体作ればほとんどは完全に燃え尽きる程度までには砕ける威力があるとかでいいと思うんだ
どっちにしろ「砲身が」とかそういった制限はつくだろうけど
>>139 座して死を待つ退廃的ジブリールはもしかしたらかっこいいかもしれないけどな
種デスでのジブリールの扱いは酷すぎた。
あれは笑いをとっているのかマジなのか本気で悩んだぞ
貴重な意見をありがとう。
とりあえず、今出た案を踏まえた上で書いてみるよ。
もしかするとなのはが死ぬかもしれんが…
久し振りに投下…1話の後半が短めなんで2話の初めも投下…
つか、戦闘しない限り同じ場にいることのない対決方式にしたのが間違いだったかも…
第1話 悪夢の鎮魂歌は突然なの
3rd PHASE 「閃光」
「少々優秀な奴もいるみたいだな」
風に長い金髪を揺らして少年は、呟き、デバイスを起動させた。
「クロノ・ハラオウン」
こちらに向かっている男の名を口にして、その少年、レイ・ザ・バレルは飛んだ。
「そこのお前、っ!」
レイに呼び掛けたクロノだったが、応答しないどころが、いきなり射撃を放たれ、唇を噛む。
「君達は、先にあれを!」
クロノは、引き連れていた魔導師達数名に、高い魔力のあった物体に向かうように指示した。
しかし、レイは背中に背負うデバイス、レジェンドの上部にある2つの突起をパージ。
その突起、ドラグーンから魔力刃が形成され、魔導師達に襲い掛かる。
ドラグーンは、変幻自在の動きで魔導師達を翻弄する。
他の魔導師は大したことないようだな。
レイは残りのドラグーンを前方に倒し、魔力を放った。
クロノは回避しつつも、レイへの注意を怠りはしない。
〔120秒前〕
あと、60秒、それだけ稼げば発射を、レクイエムの発射を止められないだろう。
相手は、クロノ・ハラオウン、管理局でも指折りの魔導師にして提督。
この男から60秒をなんとしても守り切る。
「あいつ、攻撃する気ねぇかよ」
ファトゥムの乗って飛行するアスランを忌ま忌ましそうに見るヴィータ。
速度、旋回力が半端ではなく、なかなか攻撃が当たらないのである。
〔120秒前〕
充分だな
アスランは、ジャスティスをシグナムに向け、射出。
同時に、落下し、落下と相俟った猛スピードでヴィータにサーベルを向ける。
シグナムは、構えるが突撃する前に魔力を放つファトゥム。
そういうのも当然ありか。
シグナムは慌てることなく回避する。
ヴィータは刃に合わせて、グラーフアイゼンを当てようとしたが、アスランは刃を消し、落下していく。
ヴィータは気を抜かれ下にいるアスランを見遣る。
ファトゥムがアスランの元へ戻ると再び、上に乗る。
そして、カートリッジを使用し、先程よりも速いスピードで逃亡を開始した。
とりあえずは俺達の勝ちだ。
キラは、カートリッジを4発使用。
ライフル、両肩上部、両腰横、そして腹部から魔力を一気に撃ち出した。
7本の魔力は、3人の元へ向かう。
フェイトとなのはは、なんとかシールドで防御するが、態勢を崩される。
シンは、元々そういう風に撃たれのもあってほんの少し動くだけで回避した。
なのはは、態勢を立て直すが、フェイトはシンの蹴りのダメージのせいで飛翔魔法が弱まり、落下していく。
後姿を攻撃されれば、致命的。
そのまま、落下してもバルディシュが護るだろう。
しかし、なのはは考える間もなくフェイトの元へ翔けた。
シンは光の失われた瞳でキラを睨みつけるが、キラは動じず、首を明後日の方向に向け、シンに逃走を促す。
少し沈黙の後、シンの瞳に光が戻り、なのはとフェイトを1回だけ見る。
フェイトを受け止めたなのはと眼が合ったが、シンは視線を反らすと、キラと共に逃走を開始した。
『全員今すぐに退避しぃ!!』
念話とスピーカー両方を用いたはやての叫びが響き渡った。
〔60秒前〕
頃合いだ。
手の内を見せないように戦っていたレイは、作戦の成功を確信し、離脱を謀る。
魔導師達を翻弄していたドラグーンをこちらに戻しつつ、クロノに向ける。
感づいたクロノは回避するが、レイとの距離が開き、レイの元へと戻るドラグーンを見るしかなった。
追おうとしたクロノだったが、こちらが先、とばかりにレクイエムに向かう。
ある程度近付くと、デュランダルを奮う。
レクイエムを絶対零度の氷結が包み込む。
「どうだ!?」
レクイエムは少し出力を落とし、クロノは「やったか?」と顔を緩めたが、再び出力は上昇する。
「くっ、ダメか」
クロノもなんとか離脱を謀ろうとする。
氷結は破られ、レクイエムは爆発。
そして、一筋の閃光が発射された。
その閃光は、管理局へ向かう。
その途中にあるもの全てを薙ぎ払って。
やがてクラナガンへ到達した閃光は、管理局の建物を薙ぎ払い、逃げ遅れた魔導師を飲み込む。
緩やかに射軸を変え、更に被害を拡大させていく。
なんとか離脱した機動六課の面々は、絶望の光が奏でる鎮魂歌にただ、呆然とすることしか出来ない。
その光が状況に合わず、鮮やかな輝きを放っていたのは皮肉なのか。
やがて、閃光は散っていった。
第2話 戦う決意なの
1st PHASE 『ディスク』
「上手くいったな」
「俺は、かなり“きてた”けど」
無表情なレイと首に手をやって疲れたようなシンが並んで“部屋”に入っていく。
「シン、手の内を見せ過ぎだ」
入るなり聞こえたのは、アスランのお叱りであった。
やっぱり、とシンはウンザリした顔をする。
確かに見せてないのは、最大出力のアロンダイトと、ゼロ距離射程のパルマフィオキーナくらいである。
パルマフィオキーナに至っては予測が立てられている可能性もある。
おまけに、SEEDまで発現させたのだ。
「はいはい、すみませんでした」
こっちは、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの2人を一気に相手したんだ。
少々、無理をしないとこっちがヤバイ。
「シン!」
シンの反省の色の見えない言葉にアスランは、真面目にやれ、と怒鳴る。
「アスラン、シンもあの2人を相手にしてたんだから」
すかさずキラがフォローに入る。そして、レイが冷静に呟く。
「相手は、管理局。下らない論争などしていては、勝てるものも勝てない」
2人の言葉にアスランは、深呼吸して落ち着く。
「とにかく、無事で良かった。…そして、第一段階は完了だ」
「しかし…」
珍しくレイが言い淀む。
「予定よりも更にダメージは減っちゃったね」
その先の言葉をキラが代わりに言った。
レクイエムによる攻撃。何も障害が無い場合の2/3をほどの被害を出せる予定であったが、
実際には、半分に至るか至らないほどのダメージを与えるに留まった。
それでも管理局にとっては、大ダメージであったのだが。
「クロノ・ハロウラン…氷結の杖、デュランダル」
その最大の要因となった男とそのデバイス。
デバイスの名前がギルの姓と同じことが、レイには少し気に入らなかった。
軽視していたわけではないが、彼らにとっての障害は、本局の魔導師でも機動六課でもなく
聖王の器いや、もはや聖王と呼んでも差し支えないだろう、ヴィヴィオであった。
そのヴィヴィオがいない時を狙ったのだが。
「通信は?」
シンがアスランに聞くと、アスランは浮かない顔をする。
「安定していない…だが、俺達4人が帰還出来たことだけは、‘あちら’に伝えることは出来た」
そうですか、と感情を込めることなくシンは呟いた。
「とにかく、このデータのロックを外さないとね」
いきなりそう言ってキラは、ディスクを掲げる。
「ロック?」
シンの口から漏れる。
「うん、初めはロックを外してからコピーしようと思ってんだけど、思ったより堅くて」
キラが堅いと言うくらいだ、相当堅かったのであろう。
キラが無理なら自分だともっと無理。
シンも苦手ではないが、キラのコンピューター技術はそう思わせるほどレベルであった。
「それでロックを解かずに丸事コピーして…そのせいで時間かかっちゃったんだけど」
キラはディスクを見ながら言った。
このディスクは市販のものではなく、キラが自ら作り出したもの。
その容量は、半端ではない。そして、今このディスクには、管理局の情報が詰まっている。
各部隊のメンバーから能力、過去の事件まで。
「じゃあ、なんとかやってみるから」
そう言うとキラは、自らの部屋に向かおうとするが
「あ…お、おい!」
シンがキラの背中を呼び止める。言い難そうな顔で頭を掻くシン。
「助かった」
シンは、小さく呟くように言うと、キラを追い越して出ていこうとする。
「良かったよ。SEEDを発現させてるからどうしようかと思ったけど」
今度は、キラがシンの背中に声をかけた。
「っ!こういう時は黙っておくもんだろ!あんたは!」
シンは、声を荒げて出ていった。
キラは、唇を緩めて「ごめん」と冗談混じりに呟いた。
「お帰りなさい。無事で良かったですわ」
部屋に戻ったキラを迎えたのは、鮮やかな桃色の髪をした少女、ラクス・クライン。
しかし、その声はかつて歌姫と呼ばれた時の声ではなく、掠れた弱々しい声であった。
「うん、ただいま」
歌うこと大好きだった彼女。そしてまた、自分も彼女の歌を聞くのが好きだった。
しかし、それは奪われたのだ。時空管理局の正義のせいで。
「上手くいったみたいですわね」
「うん。今からこのディスクの中の情報を解析しないと」
「では、紅茶を入れてきますわね」
パタパタと歩いていくラクスの後ろ姿を見送ってキラは、コンピューターを起動させた。
「第二段階を開始するまで時間がある…。それまでに少しでも戦力を削れればいいが」
アスランは、自室で戦闘記録を見ながら独り呟いた。
「高町なのは、フェイト・T・ハラオウン」
画面には、シンと戦闘を繰り広げる2人の姿。そして、なのがディバインバスターを放つ。
「この砲撃、フルゴールで塞ぎ切れたか」
だが、彼女のデバイスにはエクシードモード、そしてエクセリオンモードがあったはず。
その状態なら威力は更に上がるだろう。他にも高威力の砲撃魔法もある。
こちら側は、砲撃はキラとレイの領域。
だが、レイは一発の威力よりも数で勝負である。
キラもバラエーナ、カリドゥスが高威力といえど、この砲撃には適わない。
「なら、やはりシンに任せるか…」
シンの翼から吹き出されるミラージュコロイドはロックを無効にしてしまう。
砲撃魔導師には、非常に厄介だ。
「だが、ロック無しでもあの精度」
先程の砲撃。翼の展開具合から考えてもミラージュコロイドを使っていたのは明らかだ。
しかし、それはフェイトとの鍔ぜり合いがあったからで、かわすことも可能だったはず。
「1VS1に持ち込むしかないか」
自分達の最大の懸念材料は、連携の面であった。
個の力、そして長所を伸ばすことを2年間、重視してきた。
自分とシン、そしてキラが持つSEEDの特性がその最大の理由であったのだが。
アスランは、フェイトの戦闘を分析するのを待って、疲れを取ろうとシャワーに向かおうとする。
だが、思い出したようにコンピューターを操作する
画面が表示されるが、映っているの砂嵐。
聞こえるのは、ノイズ。
「ダメか」と呟いてシャワーに向かった。
支援・・・管理局被害甚大!!
やっちまったよ…また…
2‐2、そして3話はSEEDとなのはがあんまり絡みません…
3話にいたってはCEの過去話なので、なのは達はほとんど出てこない予定…
なんの為のクロスだorz
ヴォルテールもてっきりフリードみたいにちっちゃくなってキャロの横につくもんだと思ってたけど
違うみたいで書く前に分かって良かった…
ヴィヴィオは勝手に聖王に昇華させてたが大丈夫だろうか…
ギン姉どうしよう
GJ!!何があって、あの不殺のキラと戦争反対シンがこのようなことを起こしたか
気になります。
GJ、凄いね、どっちも…。過去話はかなり気になるところです。
というわけで、勝手にバトンタッチです。
第二話 戦いを呼ぶもの
「フェイトはカオスを頼む!俺は…!」
「うん…わかった。シンはガイアだね…、アビスは様子をみながら、二人で対応して行こう。」
すると、シンはガイアへと向かって行く。
「何だ!?これは!!」
ガイアを操るステラは向かってくるソードインパルスを警戒し、直ぐ様回避行動に移った。
「はぁぁああ!!!」
気合い一閃。
先程までガイアのいた場所をインパルスの大きさを越える対艦刀、エクスカリバーがえぐる。
かわされるがそれでも連結エクスカリバーを返す刀でガイアに向けシンはインパルスに振るわせた。
「ッ!?」
とっさに盾を構え、ガードするも強引に弾き飛ばされ、悪あがき、頭部機関砲を連射し、その間に体勢を建て直す。
相手の動きを一瞬鈍らせる為の攻撃だ。案の定、盾を使いもしないソードインパルス。
そして弾幕の中、腰にマウントされているビームライフルを右手に取り、ビームを放つ。
しかし、すでに空中で体勢を建て直したガイアはスラスターを全開。
ビームを回避し、着地。その直後、着地した場所を直ぐ様ステップして離れる。
その場所を緑の閃光が閃き、爆破した。
棒立ちのザクをカオスのビームが狙う。放たれるビームをバルッディッシュはビームシールドで防御。
ザクに通信が入る。
『そこのザクのパイロット!どこか損傷しているならミネルバへ!!場所は今送ります。』
カオスのビームをビームシールドが弾く間に地図を送る。
腰部の砲芯が持ち上がり、シールドを解除、レールガンフォトンランサーがカオスへ向け放たれた。
跳躍し、バルディッシュの頭上に迫るカオス。
脚部爪先から発生されるビームクロウ。
そしてバルディッシュの真上に来たところで降下して来る。
フェイトはバルディッシュにバックステップさせながらの鎌による横一閃を見舞うも、シールドで防御された。
「何だこの機体…こいつらも新型か?ガンダム?
どういう事だあんな機体の情報は…。」
バルディッシュの鎌を弾き、カオスは破壊された工場の物陰にかくれ、コンソールを叩く。
しかし、突然現れた二機の情報はただアンノウンとしか表示されない。
「アウル!」
スティングはアウルへと通信を繋いだ。
そして今更悔やむ…17話で管理局があんだけやられて…その半年後(残り話数を2ヵ月くらいとしても8ヵ月後)に
また壊滅寸前って…orz
空中でモビルアーマーへと変形。ガイアは四足でインパルスへと突攻を仕掛ける。
対するソードインパルスはエクスカリバーの連結を解除。
迎え撃つため、ガイアへと向かっていく。背部スラスターの噴射炎が輝きと勢いを増した。
同時に跳躍する二機、二刀で切りかかるインパルスの斬撃をかわし、すれ違い、振り向き様に背部に装備されている突撃ビーム砲を撃つガイア。
着地で硬直するインパルスに直撃するかと思われたが、上半身をよじり、ビームをシールドで防御。
そして振り向き様に、エクスカリバーの片方を投剣。ガイアはモビルアーマー形態を解除、シールドを構えるも、あまりの衝撃に受けきれず体制を崩した。
「こいつぅ!!!」
落とせない相手に苛立つステラ。
インパルス、ガイア、そしてカオスとバルディッシュは互いに距離をとり相手の出方をうかがう。
『シン!フェイト!!命令は捕獲だぞ!!分かってるんだろうな、あれは我が軍の…』
ミネルバ服艦長アーサーからの通信がシン、フェイトの両名に入る。
「分かってます、でも出来るかどうか分かりませんよ!
だいたい…何でこんなことになったんです?」
アーサーが写るサブモニターとは別のモニターにフェイトが写った。
『今はそんなこと言ってる場合じゃないよ!シン…なんとしてもここで止めるんだ…。』
「言われなくてもッ!!!」
サーベルを構え向かってくるガイアの攻撃をかわし、斬撃で押し合う二機と、ミドルレンジで砲撃戦を繰り広げるカオスとバルディッシュ。
その頃、アーモリーワン港宙域、JPジョーンズ。
「さて、行こう。慎ましくな…。」
仮面の男が言う。彼の名前はネオ・ロアノークであり、この艦をしきる隊長だ。
ミラージュコロイドで艦を覆っているため、付近の港のレーダーには引っ掛からない。
そしてステルス性能を持つダークダガーが港からまさに発進しようとしていたナスカ級の艦を撃沈。
そして母艦による奇襲攻撃により、見事なまでにあっさりと港は壊滅した。
アーモリーワンを揺るがす大振動。
それは戦闘中の者にも分かるほど大きなものだった。
ガイアの攻撃に翻弄されるインパルス。獣の様に奔放に動くため、捕えずらい。
「くそっ!演習では…こんな…。」
分かっていたことではあったが、改めて思い知らされるシンだった。
援護に向かおうとする二機のディンをうち落とすビーム砲。
アウル・ニーダの操るアビスだ。ちなみに、そのせいでザクは逃げようにもアビスに狙われ、逃げられない状況だ。
「スティング、あれ!」
アウルは軽い調子で先程の振動の意味をスティングに確認した。
「あぁ、分かってる。お迎えの時間だろ?」
「遅れてる…、バス行っちゃうぜ?」
「分かってるといったろう!!」
予想外の事態に、てこずってしまったステラとスティング。
「だいたい、あいつら何だよ!大体新型は三機のはずじゃなかったのかよ?」
「俺がしるか…。」
そう言いつつ、ザクとバルディッシュを狙い撃つアビス。
「で、どーすんの?あんなの予定にないぜ?」
何度も事前にもらったデータを確認するが、あの二機のモビルスーツの情報は名前さえのっていない。
「けど、放っとくって分けには行かないだろ!追撃されても面倒だ…。」
警戒音が背後のセンサーからなり響く。向かってくるバルディッシュを牽制。カオスはガイアと交戦中のインパルスへと向かっていく。
その様子を見送ったあとにアウルが続いた。
「はっ!首でも土産にしようっての?
格好悪いってんじゃねぇ!?そーいうの!!」
サーベルとエクスカリバーで鍔競り合いをする二機。
『ステラ!』
スティングからの通信でガイアは競り合いを中断、その場から飛び退く。
異変に気付くシン。
そして後部センサーから警戒音が響き、振り替えると、カオスが向かって来ていた。
だがカオスがは攻撃せず、宙に跳躍する。
姿を現すアビス。そして腹装砲のカリドゥスがインパルス目がけ放たれ、シンは何とかそれをシールドでガード。
だが、再び、背後のセンサーから警戒音がなる。
ガイア、そして頭上にカオス。
避けられない、そこへ、今まさにビームを頭上から放とうとするカオスと、サーベルで斬りかかろうとするガイアを両肩部ビームブーメラン、アークセイバーニ刀が牽制。
「そぉらぁ!!」
アビスのカリドゥス、バラエーナの一斉射撃を受け、バルディッシュはバランスを崩し、地に倒れた。
インパルスもカオスとガイアの連携により、尻餅をつく。
モニター越しのシンの目の前に現れるアビスのビームランス、しかし、ここへ来てザクが動いた。
アビスをタックルで打ち倒し、サーベルでバルディッシュに斬りかかろうとしていたガイアをビームアックスを投げることで妨害する。
だが、アビスの腹装砲で撃たれ、肩部を破損、壁に叩きつけられた。
「ぐっ…うっ…。」
大きく揺れるコクピット。アレックスは座席に座り、シートベルトをしているが、カガリはしておらず、それどころか立っていた。
短い悲鳴をあげ、倒れるカガリを慌てて受け止めるアレックス。
頭から血を流すカガリに気をとられているともう一発、カリドゥスが放たれた。
ザクは跳躍することでかわし、そのまま戦線を離脱した。
援護に駆け付けたディンとシグーを悪態つきながら撃ち落としていくアウル。
「そんな好き勝手!!」
エクスカリバーを構え、向かってくるインパルス。
対艦刀での横薙一閃。
しかし、空を斬り、煙を切り裂くだけに終わってしまう。
そのインパルスの隙をつき、ガイアが飛びかかるが、横から割り込んだバルディッシュが鎌で食い止める。
「このぉ!!」
落とせないことに苛立ちを覚えるステラ。
「させるもんか!」
怒りを露にするフェイト。五機の激しい攻防戦が続いた。
デュランダルは避難もせずに状況把握にいそしんでいた。
「誰がここの指揮をとっている?あの三機はどうした?
状況を説明してくれ!」
半苛立っているかにも見えるデュランダルの態度、いや、焦っているのだろう。
次第に広がって行く戦火。
「議長、ここはまだ危険です。シェルターに避難を…有毒ガスも出ています。」副艦長クラスのものたちがデュランダルに避難を促す。
「そんなことが出来るか、まだ状況すら掴めておらんのに…。」
「ならばせめてミネルバへ。」
警護、副艦長クラスに促され、デュランダルは舌打ちをしながらも、ミネルバへと向かった。
とりあえず、書けたところまでと言うことで…。
やばい、難しすぎるぜ、戦闘描写…。
感想、意見下さった方々、ありがとうございます。
ではまた、近いうちに…。
二人ともGJ!
突然ですが、またしばらくまじかるしんの投下を控えようかと思います。
理由は簡単……最近の展開にちょっとついてこれず、少々待って情報が明確になってからさいかいしようかと。
それと、以前シンがデバイスになったって言う話があった気がするけど
それの自分verを考えてしまったorz
これは……まじかるしんが再開するまでの間投下しろという合図なのか……
ちなみに種組の時間帯はオーブ戦直後〜レクイエム発射あたりで=アスラン大怪我、シン大根RUN中の時で
遅れたけど、二人ともGJ!
ハァ?
軍オタは神聖な新シャア板に来るなよ!
あらゆるオタの中で、最もフィクションと現実の区別がついてない最低人種キター
取り合えず、GJしようぜ?
ぶぶ漬けを求めて旅立ちし影持つ者――未だ帰らず
通販の竈、鳴動しダックの女王おかん、遂に挙兵す
光の王いけずな方、呼応して両者、ホルモン屋にまみゆ
ともに戦うは忌まわしき ”耳”
金魚すくい煮え立ち、天目百杯棒八百本、倒る
全てのちから、あめちゃぶの尻に雫となり、影を持たざるものの世、麻婆豆腐
ぶぶ漬けを求めて旅立ちし影持つ者――永久に帰らず
「考えたんや思いついたんややっとかなあかんておもたんや」
「どうしたのはやてちゃん?そんなにいきり立っちゃって……」
機動六課定例会議にて、ガジェットの戦力調査報告書やレリックの調査・報告
その他予算配分や多方面への根回し、広報のプロパガンダの方向性エトセトラエトセトラ――、ああ、ちなみになのはとフェイトは緊急出動にて欠席しているZE
部隊の存続に必要な会議、毎日行われている話し合いが佳境に進み、これ以上の議題が無く解散と言うところで部隊長はやてが立ち上がった
「そもそもな、うち思てん。なのはちゃんとかフェイトちゃんとかおってさらにいろんな優秀なスタッフがおってはじめて「ああ、これが機動六課やねんなぁ」
っておもててん。でもな?なんかウチの心が満たされへんねん。何か足らんもんがあってそれが内の心を虐められっ子が入ってそうな牛乳拭いて一週間放置しされた
雑巾が投げ入れられたロッカーの中に閉じ込められるような感じでな?そやねん、何か足らんねん。 そこで何が足らんか考えてみたんや
そして結論に到る訳や、なのはちゃんとフェイトちゃんにはスターズとライトニングっちゅー直轄分隊があるのに対してウチには何も無い!!
つまりウチが好き勝手に動かす手ごm……分隊がないっちゅーことに結論が達した訳や!!そこで!!!」
「主はやて……いきなr「黙れ劣化」……劣化じゃないです、烈火なんです……でも空中に字を書いて龍を呼び出せないとです……」
シグナムはひんしにだめーじをおった、いじけてじめんにののじをかいている
「で、でもはやて隊長は部隊総括者ですし、この部隊そのものが直轄「シャリオはちちしりふとももが足らんのや、増強せなあかんやろ?」――アレだけ触っておいて…遊びだったんですか!?あの日の語らいは!?」
シャリオはきょうがくのしんじつをかたった。しかしこうかはあまりない
「てなわけで!ウチ直属の部隊を作るで!」
「………今でも直属でしょ…具体的にどのような?」
「一人は熱くって一人は寡黙で一人は達観してるよーな人員で構成されたよーなアクが強いやちゅら!!」
「(駄目だこの隊長早く何とかしないと)」
「そのあたりから適当につれてきました」
「早っ!!」
「クロト・ブ・エ・ル!」
「シャニ・アンドラス……」
「南春夫でござ……オルガ・ゴルルコビッチ……じゃなくてサブナック、……つーか、次の俺たちの左遷場所ってここ? いい加減にして欲しいよな管理局の奴等も…」
「チェンジ、男やん」
「生憎女性局員は全員出払っておりますし他の部署からまわせる人もいないんです、察してください性的な意味で」
ぶぶ漬けを求めて旅立ちし影持つ者――永久に帰らず
『ごめんなさい、三人の奴等書いてる最中にこんな電波受信しちゃったんで……orz』
>>165 軍オタは作品を作品と認めず、病的なまでに突っ込み入れるからな。
まさに社会のゴミだよ。
こいつら、もしかして08スレから来た荒らしかも…
学園島スレと言えば軍板きっての荒らし常駐スレじゃないか
173 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 11:28:17 ID:HcybP4WQ
とりあえずID出そうか
sageは荒らしとしてスルーよろ
>>163 うん、レベル低いから読まないでいいお^^
もう、こないでねw
175 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 11:36:36 ID:HcybP4WQ
なぁ、カガリってナチュってるのに種割れたよね?
フェイトやなのはも割って大丈夫かな?
>>175 脳内ルール振り回さないでよ。
軍事板のルールは新シャア板じゃ通用しないんだ。
なのはさんに殺されちゃえなのー!
179 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 12:02:25 ID:ypy1JK79
自演くさい
180 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 12:13:31 ID:HcybP4WQ
とりあえずおかしなレスはスルー。
スルーできない奴は荒しの自演と見なして触るな。
>176
好きに書けば?
初代.hackのパロディモードwwww
こんな時間から書き込んでるのは人生の負け組
スレ違いな内容はもういいから。
今夏休みですが
191 :
189:2007/07/25(水) 13:37:51 ID:???
学生だったら日本のため学業に専念しろよな。
日本が今置かれている状況、わからないのかな?
>>192 駄文を書いて喜んでる連中ですよこいつらw
就職なんて、できるわけがない。
自分はニートではないんですよアピールなんてどうでもいい。それが普通だしな。
暇ならSSでも書いてろ。
>>194 お前らみたいなキモオタと一緒にすんなよ、クズ!
>>195 俺だって一緒にされたくないね。2ちゃん覗いてる時点でてめーもキモオタだろーが。
お仲間のところに帰りな
日本の為に勉強なんかしたくねぇーですwww
そんなにいうなら君はもちろん貢献してるんだろうね?
つーか、「働け」とか書き込みする暇あるなら働けよ、社会人。
過労死するまで働いてろ
>>200 自分でキモオタと認めたwwwwww
なのは厨きも!
>>203 悪いが俺はどっちかって言うとキラ房だな
いいからお前は勉強でもしてろよ。まさかニートなわけないよな?
何という荒れ具合い
こういう空気で投下するのが好きな人、居たよね・・・
まあみんな落ち着けよ。
冷静に話し合おう
そろそろ神隠し氏降臨せんかなー
>206
いたっけ?
神隠し氏は投下がない日が続くと来るよな?
俺の思い違い?
そういやストライカーズ本編でエリオがプロジェクトFの実験体、
ナガシマ姉妹が戦闘機人ということが発覚したな。
>投下がない日が続くと来るよな?
そりゃ普通はそうじゃない?
どいつもこいつも普通の人間じゃないのよは簡便してほしいんだけど
>>206 俺も好きだが、残念ながらストックがない。
Fate×Destiny氏に期待。
最初から熱い。
そういえばFate×Destiny氏のSSではやてやヴォルケンリッターのみんなはどうなるんだろ?
>>207 じゃ、レベル低いとこなので、お引取り願えませんせんかね?w
別に軍事板みたいに高尚なものが読みたいわけじゃないので^^;
>220
やっと静かになったのに蒸し返すな、馬鹿!
つ 自演はスルー
ヴォルケンズはぁ〜…予定してなくて…出る予定もないです…ごめんよ。
いや大丈夫だ
IF要素が多くなりすぎるSSは失敗するって言うしね
職人さんがやり易いようにしてくれい
それと、あれからなのはののるエクシードガンダムを考えたんだ。
前大戦のおりに流出したフリーダムのデータを元に開発改良されたってのはどう?
フリーダムのデータ流出
キラは結局、約束を守れなかったということに
流出先はドノッドノートとかのほうがよくないか?
アズラエルがフレイから受け取ったデータに乗ってなかったっけ?
228 :
226:2007/07/25(水) 18:15:43 ID:???
あ、アズのほうに流出したほうか
すっかり失念してました。
確かに敵性技術とは言え種死で連合が
それを応用してこなかったのは不自然だったからありだと思います
なのはの二つ名はもちろん白い悪魔で話が進むと冥王にクラスアップするんですよね?
カラミティとフリーダムを足して割った感じはどうですか?
まだ核動力を使ってなかったみたいなので、三体から得たデュートリオンを動力にしたら強さのバランスも良いのでは。
肩に備え付け砲身があって腰には折りたたみ砲身があるのか・・・
フルバースト時が見たい。
いっそデストロイのプロトタイプ。
プロトサイコガンダムみたく、サイズは小さめにして機動力が高い、みたいな。
今、思えばデストロイってカラミティの火力にレイダーの変形機能にフォビドゥンのビーム歪曲が合わさってるんだよな
デストロイはあれでサイズを半分以下にして機動力に回せば、もっと戦えた機体だと思うよ。
パワーで押し切るには限界があるしさ。
アズラエルもジブリールも手段を選ばない割にも肝心のMSは核動力じゃなかったし、
なのはの機体は核動力かな?
でないと燃費が悪い。
でも、デュートリオンビームなら種のカラミティくらいには動くかな?
ふと思った。
ここの職人さんの作品で登場する種キャラで
ナンバーズと渡り合えるのって誰だろ?
・・・・全員?
サイズ小さくして機動に回せば火力が大幅に激減するし、
なのはの機体に核使っちゃえばもうパワーバランスも何もない気がするんだが
とりあえず舞台がCEなんだし、そんな何でもかんでも最強にするような設定はやめね?
そのうちDB化しそうで超怖ス
>>235 カナードはいけそうな気がする。
後は…CEから脱走してきた、6課のメンバーよりも強い(らしい)シンとレイ
天鎧王にすればいいじゃない。天のナノライマーとガンダム両方出来てお得。
ラストの展開が一番怖いな。
どの勢力が勝っても反感ありそうだもんね。
ラクシズは夢想主義、連合はコーディネイター全滅、ザフトはバーコード家畜人生、普通がない。
ここは作家さんの腕の見せどころ。
オリジナル展開もSSならありだし。
なのははキラが乗るフリーダムに撃破される予定ですが…まずい?
一応、初期にしては火力何かは高いMSですが、かわりに大気圏内では小回りも聞かず、近接戦闘用武器無しのため、中距離砲撃が基本になります。
その火力を押さえる為にフェイト、又はアスラン、シンが近接戦闘でフルバーストをなかなか撃たせない感じでいこうかと
まあ、なんだ。あまりネタバレするのはよくないぞ
できればコテ付きであまりレスしすぎないほうがいいと思うよ。
そーゆーのウザイって思う人もいるだろうし。
243 :
sage:2007/07/25(水) 20:21:32 ID:0y2cVFxC
個人的にはステラ生存を希望。
だって好きなんだもん
なのはSSで死人はまずいんだろうか
17話を見て四肢切断くらいはおkな気がしてきた
死人の出ない戦争はありえない。
ある程度は隠蔽ならできるだろうけど…
17話にしても、瓦礫の下敷きや、炎の近くにいたりしたら死人が出てないのは、お都合主義だからだろうな。
誰か作家さんこないかな〜
>>248 「誰だッ!」
/ / / | /| /:::/:.:.:.:.:.:.:|::::::
/ 〃 i .::| /:.:.| |::l::|:.:.:.:.:.:.:.:|::::::
,゙ /| | .:::|. \|:.:.:.:| |::l::|/:.:.:.:.:.:j/::
! ,' ! ::| ::::|!. ,ィ|≧ゝl、_.;|::ィ|/_:._/ィllヘ
l ,' │ ::|:.. ::::|く/ {ひlll|::|ヾ|:.N:.::´〃ひlllリ::
ヾ '、 |\ ::::|:.\\こソ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:、、\こソ
'、 :| \ :::\:.:._,、__彡 _' -─ 、`゙ー=
ヾ、/.::>:、:;ヽ、__ /ーァ''"´ ̄ ヽ
/ .::::::::::::::::ヘ ̄ {|::/ }
/...::::::::::::::::::::::::::\ V j}
まだ作品も発表できていない駄目職人でおま orz
三罵迦むつかしすぐる
書いてる真っ最中です・・・orz
あと1話くらいなら投下できるけどしようか?
私はして欲しいとしか言えません><
魔道戦士まじかるしん 21話 「アルカンシェルゲートを突破せよ!!」
「うわあ、すごい……」
軍の人につれてもらい、機動六課のメンバーとクラウディアのクルーの数人は、しばらく厄介になる戦艦「ミネルバ」を見る。
この世界とは違うつくりの船に、新人達は興味津々である。
こっちの世界の艦船とは違い、様々な魔力兵器が搭載されていて、本当に「戦艦」と言うのも納得できるものだった。
コズミック・イラの世界は、世界中で紛争などは起こっていて、それゆえか魔力兵器の技術に特化している。
「ひょっとしてあんたたち、機動六課の方かい?」
なのは達もこの世界の船を見ていると、誰かに呼ばれる。
はやては振り向くと、そこには自分達と同じくらいの年齢ぐらいの金色の髪を黒い肌を男性がいた。
「ミネルバで副官をしているディアッカ・エルスマンです。艦長室で艦長とクロノ・ハラオウン提督、そんで聖欧教会の騎士カリムが待ってるんで、
さっさといきましょうか。特に、うちの艦長は時間に五月蝿いからねえ」
悪気もなく、軽く話す男に少々あっけに取られながらも彼についてくる一同。
だが、クロノはともかく騎士カリムも来ているのは予想外だった。
その時、あ、と何かも思い出したように言うディアッカ。
「そういえば、来るのは隊長陣だけだったっけ?他の人は別の迎えがあるから、ここで待っててくんない?」
そういって、わざとなのはたちに囲まれるような立ち位置でさ、いこうかといって促す。
それになのは達は動揺するが、そんな事を気にせずにディアッカは艦長室へと向かう。
ディアッカの両手は、なのはとフェイトの腰を優しくつつみこむ。
女に慣れた手つきだった。
「最低……」
ティアナがそうはき捨てると、うんうんと頷くリィンフォースとシャマル。
ヴィータはずっとあいつのほうを睨む。
そのなか……
「あいつ、第一印象はあれだがなかなかの魔術師だな」
「ああ…」
シグナムとザフィーラは彼の中にある魔力を感じて、なかなかの能力を持っていることに気付く。
「やれやれ。相変わらずだな、あいつも……」
後ろから声が聞こえる。
そこには、オレンジの髪をした男がいた。
「ミネルバ隊、ハイネ・ヴェステンフルスだ。艦内の案内を巻かされてる。ま、よろしく頼むよ」
ディアッカと言う人物に続いて、軽い感じで話しかけてくるハイネ。
「あ、うちの艦長は堅物だけど、ディアッカと俺の場合は普通に友達と話す感覚でいいから♪」
そんな言い方に、本当に軽い男だ、と一同は思った。
「おや?」
ハイネはシンを見てすこし不思議そうに見る。
「な、何ですか?」
シンは少しハイネを警戒する。
シンはシンを見て、ハイネは笑いながら言う。
「あんた、もしかしてコーディネーター?」
「遅い……」
イザーク・ジュールはいらいらしながら来るのを待つ。
ディアッカは何をやっているのだろうか。
その時、失礼します、と言う声が聞こえて、入れ、と言う期限の悪い声が聞こえてきた。
入ってくると同時に、イザークは真ん中にいる男に遅い!!と怒鳴りつける。
入ってきたなかの、唯一の男性はやっぱり、といった感じだ。
「イザーク、無茶言うなよ。こっちだってこのだだっ広い場所で人を探すのも苦労したんだぜ」
ディアッカの言葉に五月蝿い!と怒鳴りつける。
どうやらかなりお怒りのようだ。
これは早めに退散したほうが言いと睨んだディアッカはさっさと退場する事を選ぶ。
イザークがたびたび起こす暴走を止めるのは自分の役目だが、この後大切な会議があるからすぐにでも調子を取り戻すだろう。
「それじゃあ、客は連れてきたからな。先に失礼するぜ」
軽く敬礼してディアッカはその場を去る。
全く、とい言いながらも何とか落ち着かせ、目の前にいる女性達を見る。
「見苦しいところを見せてすまなかった。アルカンシェル突破作戦の指揮を取ることになったイザーク・ジュールだ」
イザークははやてたちに敬礼すると、はやて達も敬礼する。
「機動六課部隊長の八神はやてと」
「スターズ分隊長の高町なのはです」
「ライトニング分隊長のフェイト・T・ハラオウンです」
「しばらくはそちらの指揮に移る事になりましたので、よろしゅうお願いします」
3人の紹介が終った後、向かい側にいる女性が立ち上がる。
「二人ははやてからは聞いてると思うけど、会うのは初めてですね。聖欧協会のカリム・グラシアです」
そしてその横にいるのはクロノである。
「シホ、下がっていいぞ」
イザークの言葉に、わかりました、といって彼が直接指揮するジュール隊の隊員兼彼の秘書的存在であるシホ・ハーネンフースも部屋を跡にした。
こうして集まった6人。
その後簡単に向こうの基地、通称「アルカンシェルゲート」を突破するための会議が行われた。
「ふーん、なるほどねえ……」
ハイネは休憩室でシンとレイから話を聞いた。
何故コーディネーターであるシンが管理局へいるのかを。
シンはこのハイネと言う人物に戸惑いを隠せないでいた。
今日始めて会うにもかかわらず、彼はシン達と昔からしっているような感覚ではなしているのだ。
そういう性格なのだろうか?
逆に、シグナム達はシャーリーと気が合いそうだ」と思っていた。
ハイネはシンから自分はコーディネーターである事。そしてコーディネーターであるが管理局にいる事を聞いた。
それを聞いたら、普通のコーディネーターは驚くのだが、ハイネは妙に納得した。
そういう人もいるだろう、と……
ハイネも、あまりコーディネーターとかナチュラルとか考えない人物の一人だ。
依然はその考えを持つ人は限りなく少なかったが、今ではその傾向も薄れ、こうやってナチュラルばかりの組織とも交流を持つようになっている。
しかし、もちろん全員がそういうものばかりではない。
それはシンも良く知っている。
そこで、ちょっしたトラブルが起こった。
「ナチュラルだと?」
ハイネは何か殺気のようなものを感じてすぐに振り向く。
そこにはスバルたちと数人の男たちがいた。
あいつら……といいながらハイネはため息を付く。
「誰なんですか?」
シンは尋ねると、ハイネは呆れながら答える。
「この艦で1、2を争うほどのナチュラル嫌いさ。ほめられるものじゃないんだけどな」
そういいながらハイネは席を立つ。
「な、なんですか?」
キャロはおそるおそるいきなりやってきた男に答える。
その男は、スバルたちを睨みつける。
それに伴い、フリードも男を睨む。
「ちっ、ザフトも地に落ちたもんだな。ナチュラル、それもこんなガキに応援をよこすなんてなあ……」
男の言葉に、周囲の半分ほどの人間は笑う。
笑っている連中は少なからずとも男の意見に賛成らしい。
そこ男の物言いにカチンと来たヴィータ。
「そんなの関係ねえだろ」
ヴィータの言葉に、男は少しいらだつ。
「いってろ、お前らナチュラルなんぞさっさといなくなればいいんだ。世界はコーディネーターだけでいればいい」
「こ…この……」
この男の言葉は、少々頭に血が上りやすいヴィータだけではなく、スバルたちもむっとした。
「そんな言い方はないんじゃないですか?こうやって一緒に戦う事になるのに」
スバルも男に言うが、真に受け止めない。
その時だった。
「おい、そこまでにしてお……」
ハイネがそろそろやめるように言おうとしたときだった。
男とハイネは違和感を感じた。
男の体がピクリとも動かないのだ。
「だあから、余計なトラブルを起こすなって注意したばっかだろ……面倒増やすなよ」
全然ピクリとも動かないのだが、じわりと脂汗を流している。
休憩室の入り口から、ディアッカがやってきたのだ。
それと同時に、男の足元から氷の柱がいくつも出現する。
「お前は知ってると思うけど、触れると危ないからな」
ディアッカはそういって男の表情を見る。
男はすっかり意気消沈していた。
やれやれ、とディアッカは男の周囲にある氷を解除する。
だが、まだ男の体は動かない。
「動けるようになるまで少し時間が要るから、注意しろよ」
そういってディアッカはハイネのところへ向かおうとしたときだった。
「なんだ、一体何の騒ぎだ?」
ディアッカは後ろを向くと、そこにはイザークを一とした面子が揃っていた。
イザークは男を見て、大体の予想はついた。
「なるほど、コイツが八神部隊長の部下にちょっかいを出したんだな…ナチュラルと言う理由で」
そ、と簡単にディアッカが答える。
イザークも彼のナチュラル嫌いには気にかけていた。
イザークはちょっとはやてたちに待ってもらい、イザークは彼の元へ行く。
「た、隊長……」
男はイザークのほうを向く。
「管理局の人間の前で、特に女性の前でこういうのは俺だってつらいが、あえて言ってやろう」
イザークは胸ポケットからある帳面をとりだしてぺらぺらとめくる。
そして、ふう、と一呼吸おく。
「貴様!これから戦うものに対してその態度は何だ!貴様は男のクセにキン○マはついないのか!?ええ!?
それとも貴様は、ナチュラルと共同戦線を張るよりも、そこらにいる爺とフ○○クでもするほうがましなのか!?
全く、ナチュラルとの共同戦線を張るたびに貴様はトラブルを……いい加減にしろ!この蟲野郎!!」
容赦なく下ネタを含めた馬事を浴びせ続けるイザークに、他のメンバーは半分呆れるしかない。
はやてを始め女性陣は顔を赤くしている。
シホの説明によると、彼は新人を育成する教官もしていて、その時にこの言葉を言うらしい。
大変ですね、となのはは言うと、シホは「そういうところも彼らしい」という。
その意味をなのははまだわからなかった。
その頃、キンと言う言葉を聞こえた直後、速攻事情を察知したフェイトはキャロを、シンはエリオの耳をふさぐ。
こんな言葉、聞くには早すぎる。
だが、少し事情を博してしまったエリオは困惑する。
そのなか、男は「ですが…」とまだ口論しようとする。
「黙れ!俺はいい加減にしろといったんだ!!この腐った○○野郎!これ以上フ○○クで喘いでいる女の声のような雑音を出してみろ!
今すぐ艦長室に連れ出して、俺の○ソやション○ンを、貴様の口に詰め込むぞ!嫌なら黙れ!!」
「りょ…了解しました……」
男は生気がない声で答える。
「言ってみろ、貴様の命は誰のものだ!!」
「ジュ、ジュール隊長のものです!」
「貴様のキンタマは誰が握っている!!」
「ジュール隊長です!」
こうして説教(?)はおわり、イザークはふうとため息を付く。
そして、ある妙案を思い出す。
イザークはなのはのところへむかう。
「ふぇ?」
先ほどまで顔を真っ赤に品がらっ来ていて、すっかりボーっとしていたなのはは、イザークが国庫に着て少しあわてる。
「少し頼みたいことがあるがいいか?」
イザークの頼みにん?となのははイザークを見る。
「この艦に艦にある訓練室を使って、あいつと戦ってほしい」
そういってイザークは先ほどめちゃくちゃ言っていた男を方を向く。
男のほうもイザークのほうを向く。
「あいつにわからせるんです。ナチュラルでもコーディネーターに勝てるという事を。
あなたも教導官だとは聞いています。それであいつを教育してやってほしい」
先ほどまでとは違うイザークの言葉使いになのはは少し迷うが、すぐに「わかりました」といって男のほうを向く。
その結果、やはりなのはの圧勝であった。
いくらコーディネーターといっても、幼いときから管理局で鍛えられたなのはに敵うはずもない。
圧倒的な魔力でなのはは男を叩き伏せる。
その時見ていた他の兵士は(絶対にやつだけには逆らうまい)と心に誓った。
試合が終わり、なのはは男の方へ向かう。
「使ってるのはアームドデバイスみたいだけど、ちょっと使い方に癖があるから、直したほうがいいよ」
なのはは男にアドバイスを与え、その場を後にする。
その時、男はなのはを見つめていた。
それを見ていたはやてとシャマルは。
「またなのはちゃんファンクラブのメンバーが増えたな」
「そうですね」
どうでもいいことだが、それ以降、男はナチュラルに対する偏見を完全になくしたという。
それから数分後、本作戦の会議が行われた。
「今回作戦について、非常に重要なのが何点かある。まずはこれだ」
そういって見せたのが、基地の周辺であった。
「まずはこれだ。管理局の応援を呼ぶ事につながった「アルカンシェル」だ」
そこには、かつてアースラに搭載されていたアルカンシェルが敵の手により改造を施された。
以前アースラに乗った事の在るメンバーは、それを見てショックと怒りに燃えていた。
「今回の任務は、基地もそうだが何よりもあの砲台を破壊する。最悪あれだけでもかまわん」
しかし、その中で邪魔になるのがいくつかある。
「つぎはこれだ。ブルーコスモスが持っている最新型の魔道兵器」
そういって映し出されたのは、以前シン達が戦った魔道機械と、まだ見たことも無い魔道機械だった。
「ザフトではこれを「蟹型」と「蜘蛛型」と呼ぶ事にした。だが、それ以上に問題なのは……」
イザークはさらに画像を出す。
「この二人の魔術師だ。我がザフトでも敵ながら有名なエドワード・ハレルソンとスウェン・カル・バヤンだ」
この二人は魔術師としてかなりの腕を持っている。
映し出される映像は、次々と兵士を切り倒しているエドの姿があった。
その姿を見て、一瞬シグナムが反応した。一度剣を交えてみたいと……
「そして次に……今回の基地の構成員を見て、一部のものに地球軍の兵士のものと見られる兵士が多数発見されている」
これはザフトのメンバーは知っているが、機動六課のメンバーには驚くべき出来事だ。
「この件に対しては、議長とオーブのウズミ代表が会議をしているところだ」
だが、と答える。
「今回の敵は地球軍、ナチュラルだ。だがこれだけは勘違いするな!!まだわからんやつがいるみたいだからな。
俺達はコーディネーターだ。確かにナチュラルよりも優れている点は多数ある」
だがな、とイザークはいう。
「そのナチュラルも俺達と同じで赤い血が流れている事を忘れるな。それに協力しているオーブや管理局のように、コーディネーターを好意的に受け止めるものがいる事を忘れるな!!」
一呼吸置いて、イザークはこほんと一呼吸おく。
「実は、今回の作戦に関して、現地の抵抗勢力から重要な情報を得ているらしい。
その人物がそろそろ到着するはずなのだが……」
その時、プシュ、と自動ドアが開き、そっから一人の少女がやってくる。
その人物を見て、ザフトのメンバーは驚く。
(おいおい、子供かよ、本当に大丈夫なのか?)
などと勝手に話していた。
そのなか、少女、コニールは説明する。
「やつらの警備はほとんど完璧って言える。だけど、私達の村でもなかなか知らない秘密の洞窟があるんだ。
抜ければ基地に真っ直ぐなんだけど、連中もそこはまだ気付いてないみたいなんだ。岩でふたをされてるのが理由だと思う」
そういってコニールは資料を見せる。
それは村のはずれにある洞窟だった。
それを見て、イザークとクロノは考える。そこから進入すれば、奇襲をする事ができる。
そこで考えたのは……
「まずは大部隊を率いて囮舞台を出して敵をひきつ、その隙に誰かはその穴から抜けて相手の懐を突き刺す」
タイミングが重要になるが、これがベターな作戦だろう。
一番の問題は、誰が突入するか。
岩をすばやく移動しなければいけないので、空戦能力を持つものでないといけない。
さらに、洞窟は真っ暗なので、データを写さなければいけないので、それを直接見るためにはモビルジャケットしかできない事だろう。
その中から推測される事は……
「ん?」
なのはたちはいっせいにシンを見た。
「シンならインパルスでモビルジャケットになれるし、突入後も遠、近両方対応できるから、今回の任務にぴったりだね」
インパルスと言う言葉に驚くものが数人いたが、いまはそんなところではないので、みんなは黙ったままだった。
シンもそこまで言われたらするしかない。責任は重大だ。
「わかった。コニールさん、データを彼に」
クロノはシンにデータを渡そうとさせるが、コニールはじっとシンを見る。
「本当にコイツで大丈夫なのか?」「な!?」
心外な事を言われ、シンは席を立とうとするが、すぐにレイに眺められ、ぐっと答える。
「だって、コイツが今回の作戦の肝なんでしょ?作戦が成功するかどうかのこの重要な任務に、こんなやつが負かされて大丈夫なの?」
好きなように言われてるが、シンはぐっとこらえる。
耐えろ、耐えるんだシン。どうせ子供の言いがかりだ。
そうだ、それでわざわざ怒るほど、自分は子供じゃない。そう言い聞かせた。
「ここには他に優秀なのがたくさんいるんだろ?だったらそいつらに任せればいいじゃないか」
この子供は全然わかっていない。
そうなれば指揮をするものがいなくなってしまう。
そして、コニールは今までと違ってアア競っているような顔になる。
「失敗したらこの町のみんなだってマジで終わりなんだ!」
話によれば、彼女に住む町は半ば強制的にブルーコスモスに働かされている形となっていて、一度暴動を起こしたのだが、その時のいざこざで町の人口の3分の1が死んでしまったのだ。
さらに、彼女の父を含め、数人は人質として捕らえられている。
この作戦が失敗すればどうなるかわかったものではない。だから、彼女は必死なのだ。
「心配ないよ、コニール」
そんなコニールを、フェイトは優しく接する。
「彼は、とっても優秀だから」
そういわれ、コニールはゆっくりとシンの方へ向かう。
そしてディスクを差し出すが、なかなか話そうとはしない。
その時、シンは彼女がどのような思いでここにきたのかがわかった。
それがわかったシンは、コニールと、隣にいるレイとエリオにしか聞こえないように言う。
「大丈夫さ、俺が守ってやる」
シンの言葉に、え?とコニールはシンの火を見る。
「お前の父親も、村のみんなも、俺が守ってやる」
そうだ、シンはこのためにここにいる。
家族を失ったあのときから、一人でも多くの人を助けたいと思った。
だから彼は今、管理局に入ったのだ。
コニールもそんなシンの思いが伝わったのか、ディスクをゆっくりと放す。
その時、本当に小さな声で「頼む」と聞こえてきたので、ああと頷いた。
そんなコニールをフェイトが落ち着かせるために部屋を後にした。
そして、イザークがふう、と一呼吸。
イザークの呼吸を聞くと同時に、ザフトのメンバーはキッと真面目な顔つきになる。
まさか……
「諸君!我々はただいまより死地へと赴く。どうだ、楽しいかあ!?」
「「「「「サーイエッサー!!!」」」」」
「負ければ我々どころか、現地の人までえらい目を見る事になる、どうだぁ!楽しいかぁ!!」
「「「「「サーイエッサー!!!」」」」」
部屋中に響き渡る声で、イザークと部下達は叫んだ……ディアッカとハイネを除いて。
「よし、行くぞ!」
イザークの叫びと同時に、ザフトのンバーはバリアジャケット、騎士甲冑、中にはモビルジャケットにもなる人物までいた。
イザークは大きく深呼吸する。
「野郎共!!俺達の目的は何だ!!?」
「「「「殺せ!!殺せ!!救ええ!!」」」」
「俺たちの特技はなんだあ!!?」
「「「「「粉砕!玉砕!!大喝采!!!」」」」」」
「くきゅー♪」
「キャロ!?フリードも、なんで地味に混じってるの!?」
「ようし、これより、アルカンシェルゲート突破作戦、始動!!!」
「「「「「うおおおおぉぉぉーーーー!!!」」」」」
一同は意気揚々とその場を後にする。
なにか、ぽつんと取り残されたかんじがするミッドチルダ陣。
さっきの出来事から、何かあるとは思ったが、まさかここまでとは……
コニールが見たらどう思うだろうか……
まあ、そうしてアルカンシェルゲート突破作戦は開始されるのだった。
予告
は「開始されたアルカンシェル突破作戦」
フェ「そのなか、シンは重大な任務を負かされる事になった」
な「シンはその任務の途中、本当に、ちょっとしたことが起こる」
シ「次回、魔道戦士まじかるしん第22話「洞窟の少女」
???「ママ…ママ……ママはどこ?」
ス「あーあー、まだそれははやいから、ね?」
ティ「すっごいネタばれね……いまさらだけど」
GJです
>「「「「「粉砕!玉砕!!大喝采!!!」」」」」」
>「キャロ!?フリードも、なんで地味に混じってるの!?」
ちょ、社長wってキャロなにしてんのww
投下完了。
えーと、とりあえず食事中の皆さん、そしてイザークファンの皆さんすみません。
確実にイザークが某コッペパン軍曹になってしまいました。
そして種キャラ大量増量。
今回はシンと例外ないって事でミネルバには遺作と痔悪化、そして西川が登場。
さらに、今回でしばらくはまじかるしんの投下を控えようと思ってます。
ちょっと原作のほうが進んでから……あまりにも急展開過ぎる。
けど、そのかわりにシンがなのはたちのデバイス化という以前あったような電波が……
中の人ネタktkr!
爆笑したぜ
なんという軍曹・・・BJは間違いなくふもっふ
そしてさりげなく罵りの中にも遊戯ネタがw
イザークのジャケットはボン太君アサルトシュラウトですか?
それともスラッシュボン太君ファントム或いはボン太君イグナイテッド?
シャイニングボン太君に決まってるだろw
GJ!!スウェンとエドが出るとは・・・回転撃ちが楽しみです。
イザーク軍曹は絶好調だな。
つまんねーSSだな…
もっと読者を楽しませようって気は無いのか?
安易なパロディに走るあたりも逃げを感じて嫌になる。
もう少し勉強するか、書くのやめちまえ。
>>269 単に人生経験が少ないんだろ>まじかるしん(笑)
単調な文体で理解しろよなw
リアリティがないな、まじかるしんには
なんという自演臭……
やっべ俺釣られちまった!?
>>263 GJ!まさかスタゲ参戦とは・・・・
文才に嫉妬する自演は気にするな
軍オタ、頼むから荒らさないでくれ…
>>272 貴重な意見はちゃんと、SSに反映すべきだと思う。
独りよがりの創作なんて気持ち悪いだけだよ。
ハイハイスルースルー
>>273 嫉妬?
軍オタがファビョってるだけだろw
新シャア、無敵すぎw
>>269 職人様に読ませて頂いているご身分で何を言っているんだ?
職人様への否定的レスは一切禁止なの!
ハイハイスルースルー
>>278 まじかるしんは糞だが職人様なら仕方ないよなぁ
ハイハイスルースルー
ハイハイスルースルー
284 :
281:2007/07/26(木) 00:54:47 ID:???
>>282 ごめんね、低学歴で仕事見つからないのw
だから許してピョン
文句たれるぐらいなら読まなきゃいいのに…。
そんな簡単なことも出来ないとは…なんという馬鹿
自分の巣が恐ろしいまでに過疎ってるから暇でしょうがないんだよ
ハイハイスルースルー
このスルースルーって言ってるのも自演荒らしだな
そして俺も同じ穴の狢
皆さん別の話題をどうぞ
CEが魔法世界設定のssではキラはどうやって戦ってたのか?
非殺傷で撃ちまくってもキリがないだろうから
デバイス破壊しまくりだろうか?
それが一番てっとり早いだろうな
そこは相手の手や足を高出力であり圧縮されたビームで打ち抜いて無力化でしょう。
幾ら魔法技術があるからって、身体の再生とか出来んのかな
そういった事抜きでもMSじゃあるまいに、流石にピンク集団でも手足撃ち抜きは避けるんじゃない?
コーディの魔法技術なら可能かもな
だがやはりデバイス切り落としがしっくりくるな
ごめんねとかいいながら手足切り落としたり打ち砕いたりしてたら、
怖すぎるな。
バインドしてそのまま放置じゃないの?
どんだけの量のバインドを維持して戦えるんだよw
「くそ、この新型!」
インパルスと対峙するカオス。そして次第に戦闘は地上から空中へとうつっていた。
「カオスもガイアもアビスも…」
『シンッ!!』
通信から響くフェイトの声に、ガイアの接近に気付かせる。
サーベルによるガイアの斬撃を後退しかわした。
「どうしてこんなことになるんだ!!!」
フラッシュエッジを投剣し、向かってくるガイアを退ける。
アビスの両肩部シールド内部からビームが放たれ、そのわずかな合間を縫って避けるバルディッシュ。
しかし、避けたビームは地上に控えているMS部隊を撃破。
振り返るフェイト。
「ッ!?駄目だ…迂濶に避けられない。」
「そぉらぁ、もう一丁!!!!」
アウルはそれを楽しむかの様に発射スイッチを押した。
カリドゥス、バラエーナ、シールド内部のビーム砲が一斉に放たれ、むやみに避けるわけにもいかずバルディッシュにシールドを展開させるフェイト。
「ぐっ…く…。」
歯を悔い縛り衝撃を耐えるも、途中でシールドが弾け、吹き飛ばされた。
空中で大きくバランスを崩し、モニター越しの風景がぐるぐると回る中、何とか姿勢を建て直す。
「フェイトッ!!」
「さっさと落ちろぉ!!」
アビスの砲門がインパルスへと向けられる。
「うっ!!」
ガイアへの対応にわれていたシンは回避行動に移る時間が遅れた。
「もらった。」
笑みを浮かべ、発射スイッチを押そうとスイッチに指をかけるアウル。
しかし、ビームの嵐がアビスのシールドに降り注ぎ、止めのチャンスを邪魔する。
「…今度はなんだ…?」
アウルは衝撃を堪えるため閉じていた目をあけ、モニターを見る。
白いザクを操るレイ・ザ・バレルと赤いザクを操るルナマリア・ホークが向かってきていた。
バインドは管理局員みたいな多数が一人に対してかけるからこそ有効だろうし、
戦場みたいな所だとバインドは余り役に立ちそうにないな
やっぱりデバイスを破壊してまわるのがしっくりくるな・・・インテリジェント型だとダメージ大きいだろうが
「よくも舐めた真似を!!」
ルナマリアの操るザクがアビスへとビームを連射。
幾つも放たれた緑色の閃光がアビスを捕えようと向かう。
しかし、難無くアビスは回避。
「スティング、きりがない…。こいつだってパワーが…。」
向かってくる赤いザクをあしらいながら、アウルはパワー残量を確認する。
考えもなしに連続しての砲撃は危険な残量だ。
彼方から白いザクが突撃ビーム砲を連射しつつカオスへと向かってくる。
スティングはカオスに盾を構えさせながら避け、レイの操るザクと交錯する。
ビリビリと空気が振動する。
「えぇい、離脱するぞ、ステラ!!…そいつを振り切れるか?」
只でさえ予定を大幅に遅れているのだ。これ以上遅れるわけにもいかない。
アンノウンが相手ならば尚更、無理をする必要はないと判断したスティングは、戦闘を放棄し、離脱をはかる指示をだした。
しかし、
「すぐに沈める!!」
闘争心剥き出しのステラはスティングの指示を無視。インパルスへと背部突撃ビーム砲を放ちながら向かっていく。
際どくぶつかり合うサーベルと対艦刀。
「離脱だ!やめろ、ステラ!!」
バルディッシュのレール砲をかわし、鎌による斬撃をシールドで受けながらスティングがステラに言う。
インパルスと一旦、交錯し、旋回。
尚もインパルスに戦闘を挑もうとするステラにさすがのスティングも声を荒げる。
『ステラ、よせ!離脱だ!!』
「私が…こんなぁぁああ!!」
ステラは吠えながら、ガイアをインパルスへと向かわせるが、
『なら、お前はここで死ねよ!!』
瞬間、ステラの様子に異変が起きた。
『アウル!!』
怒声をあげるスティングを無視し、アウルは続けた。
『ネオには僕が言っといてやる。さよならってなぁ!!』
インパルスを目の前にし、ただ単にホバリングを続けるガイア。
その様子を不思議に思いながらも、シンは背部に備え付けられているフラッシュエッジビームブーメランを投剣する。
間に割って入ったカオスが、盾を使って弾き、インパルスに向かって即座にビームを放った。
突然、逃走を開始するガイア。それに追随するカオス、アビスの二機。
急な相手の行動の変化に、戸惑いながらもそのあとを追うインパルス、バルディッシュ、ブレイズザクファントム。
ルナマリアのザクはスラスターに異常が発生したため、追撃はせずにミネルバへと向かった。
JPジョーンズ。
港に奇襲を駆け、揺動に成功したものの、アーモリーワンは軍事工場地帯である。
その為、いくら戦艦を撃墜しようが次々と出てくるわけで、このまま戦えば、逆に自軍が撃墜という事態になりかねない。
予定していたよりもスティング、ステラ、アウルの帰艦が遅い。
何かあったか?
とネオは踏み、席を立つ。
「出て時間をかせぐ、ナノハにもそう伝えろ。艦を頼むぞ!」
ネオは艦長に伝え、ブリッジをあとにした。
出撃待機室に向かうと、虚空を見つめる少女の姿。
「さて、私達も行くかね…、準備はいいか?ナノハ…。」
「……はい……。」
ナノハは抑揚の無い声でそう呟く様に返事をした。
「実戦は初めてだろうが、なぁに、お前なら大丈夫さ…。」
ネオはナノハの小さい肩を抱き、搭乗デッキへと向かった。
カオスの機動兵装ポッド、そしてアビスのバラエーナとカリドゥスの一斉射撃がインパルス、ブレイズザクファントム、バルディッシュを狙い撃つ。
シン、レイ、フェイトは各機を巧みに操り、避け、シールドで防ぎ、逃走を図る三機を追う。
「何てやつらだ!奪った機体でこうまで!!」
『確に、凄いね…。でも、止めなきゃ…。』
『フェイトの言う通りだ…。脱出されたらおしまいだ。その前になんとしても捕える!』
サブモニターに映るフェイト、そしてシンはレイの言葉に頷き、追撃を開始した。
「ネオ・ロアノーク、エグザス!出るぞ!」
「ナノハ・タカマチ、エクシード、行きます!!」
JPジョーンズから発進する二機。
一機はモビルアーマー、もう一機は赤い十枚の翼と二丁の銃を持つガンダムだった。
出撃してまもなくシグー、ザクに遭遇し、戦闘がはじまった。
ミネルバ、ブリッジ。
プシューと音をたて扉が開き、ブリッジに入ってきたのはデュランダルと護衛二名だった。
アーサー、そしてCIC担当のメイリン・ホークも驚き、振り返る。
そして、ミネルバ艦長、タリア・グラディスも振り返り、驚いた。
「議長!?」
「状況は?どうなっている!」
開口一番にデュランダルは声を張り上げた。
「うぁぁああ!!」
悲鳴に近い声を上げながら、ステラはビームをプラントの外壁に向け、何度も放つ。
しかし、やはり万全をきした構造のため、ちょっとやそっとでは穴を開ける事などできない。
「何をっ!?」
フェイトはバルディッシュのスラスター全開でガイアへと向かい、
「ここにはまだ、人がいるのに!」
ガイアへ狙いを定め、両肩部のアークセイバーをニ刀、投剣する。
しかし、それはアビスの一斉射撃により破壊され、届くことは叶わなかった。
立ちはだかるカオスとアビス。
レバーを握る手に汗をかいているのにフェイトは気付いた。
『ミネルバ!フォースシルエット!』
シンの声が聞こえた。
まだ諦めていない声、絶対に食い止めると言うシンの気迫が伝わってくる。
レバーを握る手に力を込めるフェイト。
『シン!下がって、装備を換装して!あの二機は、私とレイで押さえるから…、いいよね?レイ。』
『あぁ、行くぞ、フェイト。』
スピーカーから響く二人の声を聞き、幾分か緊張がほぐれるシン。
もし二人がいなければ、換装することは難しかっただろう。
「サンキュー、二人とも…。」
最後にエクスカリバーを投剣し、シンは換装の為に一時、戦闘空域から離れた。
「いい加減…」
「しつこい!!」
撃てども撃てども執拗にくらいついてくるザクとバルディッシュに苛立ちを覚えるスティングとアウル。
ザクのビームアックスをジャベリンの柄で受け、弾き、バランスを崩したところを二段の蹴りで蹴り飛ばすアビス。
そして六発のビームを一斉に放つ。
モビルアーマー形態のカオスの機動兵装ポッドからの突撃ビームをかわし、追撃から逃れるバルディッシュ。
向かってくる本体のビームクロウを鎌の柄でうけ、弾き飛ばす。
バルディッシュとザク、フェイトとレイは連携し、同じく連携し、攻撃を仕掛けてくるカオス、アビスをインパルスから引き離す。
その間に、機動性、俊敏性に優れたインパルス、フォースシルエットに換装。
一番手近にいたカオスへとサーベルを抜き放ち、ビームをかわし接近しながら振るう。
装備を換装するインパルスを見て、驚きを隠せないスティング、アウル。
カオスを退け、アビスのビームを盾を使いながら強引にかいくぐり、突進。
弾き飛ばし、ガイアへと一直線に向かう。
ガイアの替わりに壁面に全火力を集中させるアビス。しかし、穴は開けられない。
その間にも、接近してくるインパルスを必死で退けようとビームを連射するガイア。
明らかに精度が落ちたそれはインパルスを捕えられない。
「落ちろぉ!!」
シンは声を張り上げ、インパルスのスラスターを全開にした。
刹那、カオスによって背後から放たれた四の奔流が壁面に大穴をあける。
プラント内の空気が風呂場の栓を抜いたかのごとく、勢いよく渦を巻いて抜けていった。
そして、ガイアはそれに吸い込まれるかの様に飲み込まれ、カオスとアビスはそれに続く。
「くっそ〜!」
悪態をつきながら、シンは三機のあとを追う。
レイが引き留めようと彼の名を呼ぶが、もう遅かった。
レイもフェイトも、シンのあとを追い、プラントの外へ出た。
「艦長!あいつら…何を勝手に外の敵艦はまだ…。」
戦闘をモニターしていたアーサーが言う。
「インパルス、バルディッシュのパワー危険域です。最大でインパルス300、バルディッシュ400。」
メイリンの報告に、タリアは座っていた椅子から腰を上げ、ミネルバの出撃を宣言した。
インパルスとバルディッシュまで失う分けには行かないのだ。
デュランダルも許可を出し、ミネルバの発進準備が艦内全域に伝えられた。
単独で宙域を飛行するインパルス。
強奪された三機の姿を見つけようと躍起になっているシンにレイとフェイトからの通信が入る。
『シン、一旦引こう。こっちもパワーが危ない。』
『やみくもにでても…』
フェイトとレイがシンを引き留めようと何度も言葉をかけるが、聞く耳持たず、どんどん潜行していってしまう。
プラントの外壁の陰に身を潜めるエグザスとエクシード。
『無事、脱出、出来たみたいですね…。』
ネオへと入るナノハの通信。
そして三機が出てきた穴から再び三機が出てくる。
内、二機はアンノウンだ。
「ふ〜ん、なるほどねぇ〜。確にこれは…俺のミスかな。」
ネオは口元に笑みを浮かべ、母艦であるJPジョーンズへと必要事項を連絡。
そして、カオス、ガイア、アビスの三機が無事帰艦したのを確認すると、動き出した。
「さて、では見せてもらおうか、エクシードの力…。」
スラスター全開でインパルスらへと向かうエグザス。
「…了解しました。」
抑揚なくナノハは言う。
黒のラインが入る赤い翼、左右合計十枚を広げ、白に赤、金のラインの入ったモビルスーツ、エクシードはエグザスのあとを追った。
第二話、投下終了です。
楽しんでいただければと思います。
GJ
305 :
まじかるしん作者 ◆om9ygRXchQ :2007/07/26(木) 06:40:55 ID:OyOAibAO
私のせいでこんなことになるなんて…
荒れそうなので、私はこのスレから撤退します。
短い間でしたが、楽しく過ごせました。
ありがとう、そしてさようならノシ
GJです。いやいや十分楽しんでますよ。
なんだ?荒らししたいのに誰も相手してくれないから他人の振りして荒らしか?
じゃあ私が相手をしてあげよう。
氏ねじゃなくて死ね
文句言って良いのは自分で書いてるヤツだけだと思う俺
>>309 すまん、どこがギアスネタなのか教えてくれ。
撃っていいのは撃たれる覚悟があるやつだけだ!
>>303 乙なの!
なのフェイが互いに面識あるのかが気になる。
ギアスっていうより凄くありきたりなセリフだと思うけどね。
むしろ309が過剰反応しすぎ。
とりあえずまじかるしんはもの凄くおもしろいです、と。
>>303 すごいな、なのはの雰囲気がなんか違う。これからの展開に期待してます!GJ
お前ら…いいかげんにしないと職人様が投下しにくいだろうが…
>>317 別に荒れてなんかいないよ?
電波飛ばしてないで仕事しろ
>>303 シンとフェイトがいいコンビですな。あとレイも。ルナさんはどうしたんだろ?
続きに期待してます。
まじかるしんはすごくおもしろいですよ。こっちも続きに期待してます。
上の流れはどう見ても荒しじゃねーか…
308が極端すぎるといのは同意だけど。
夏ですからね。
すまん、まじかるシンの作者様はぶっちゃけ文章力低いと思うよ
だけど、それを補うだけの魅力はあると思うよ
まあモビルジャケットとか書いてあった時には目が点になったが
斬新だし面白いよな
>>330 パロかなぁ…安易なパロは批判されるが俺は嫌いじゃない
まあ、俺の言葉通り批判され易いがな。後はキャラの掛け合いとかかね。
正直ネタが分からなくて、笑ったほうがいいのか?ってところがある。
同意だな
職人さんに文句はあんまりいうもんじゃない。
嫌ならスルーでいいでしょ。
俺はまじかるしんは好き。
>>263 GJ!!です!
イザークが…某朴念仁に…って元からry(ウワー
まじかるしんの投下を心待ちにしております
これからも頑張って下さい
338 :
まじかるしん作者 ◆om9ygRXchQ :2007/07/26(木) 15:35:02 ID:OyOAibAO
みなさんレスありがとうございます。
でも、正直自分にはこれ以上書く気も時間もありません。
またどこかでお会いできる日を楽しみにしています。
さようなら…
まじかるしんの作者様はトリップ使ってないはずなんだがな?
そんなものまで用意してなりすまし荒らしがしたいか。効果無いからやめとけ
>>339 同じIDで上のほうでもやってるから、スルーしとけ。
構っちゃだめだって。
>>327 お前さ、自演乙なんて言ってるけどさ。そんな証拠なんてあんの?
証拠も無いのに自演乙なんて……お前頭が腐ってんじゃねぇのか?
341
そいつもage厨
新しいSS書くような事もいってたし、書く時間がないともいわないだろう。
スルーしようぜ!
何だ、まだ荒れてるのか?
以降蒸し返す奴は問答無用で全員自演確定でいいんじゃね?反論も荒れる原因だからな。
うん、ごめん。またなんだ…、でも投下しようと思うんだ。
きりのいいところまで書けたし…。
行きます!
第三話 予兆の砲火
脳裏を駆ける直感的な鋭い感覚。
「何だ?」
レイは不振に思いながら、シンのあとを追った。
頭上、横、背後からのビーム攻撃。
「なっ!?一体どこから?」
シンはインパルスの動きをとめないように注意しながら宙域を滑る。
「さぁて、その機体も頂こうか!」
ネオは口元を歪にゆがめ、突撃ビーム砲四機をインパルスに目がけ、再び射出する。
直線的ながらも、ランダムに動くその四機の砲塔はインパルスを全包囲、360度で狙い撃つ。
次々と放たれる砲火をインパルスは盾を使い防ぎ、何とか避けた。
グルグルと回るメインカメラのモニター映像。
とはいっても、あたり1面似たような風景が続くので不快な思いはしないが…。
額に汗が滲むシン。
右から放たれるビームをかわすと、直後頭上、そして、下、そして左。
一発でもあたり、動きを止めれば、撃墜は必死だろう。
めまぐるしく動く発射体の動きについていけず、避け、防ぐのだけで精一杯だ。
『『シン!!』』
フェイトとレイが援護に駆け付ける。
スラスター全開でバルディッシュとザクが割って入った。
そしてネオの脳裏にもレイと同様の感覚が駆けた。
全包囲から放たれるビームの嵐を巧みに避け、かわしバルディッシュとザクが位置を入れ換える。
ザクを狙うビーム砲塔をバルディッシュが間合いの長い鎌で破壊。
そして、バルディッシュを狙うビーム砲塔をザクのビームが撃破する。
『何をやっている!シン』
『ぼうっとしてたら、落とされるだけだよ!』
「こりゃ、さすがの俺も一人で三機を相手にするのはしんどいかな…。」
エグザスのコクピット内でそんなことを呟くネオ。
サブモニターにうつるナノハの姿。
『ネオ…、撃つよ?』
戦闘区域よりも少し離れた宙域にエクシードはいた。
「エクセリオンバスター・フォースバースト」
ナノハが呟くとマルチロックオンシステムが機動。
レーダーにうつるインパルス、ザク、バルディッシュの三機を表す機影を赤い枠が囲んでいく。
「ロックオンされた?」
フェイトが声をあげた。
『ロックオンって一体どこから?』
ビームを防ぎつつシンから通信が入る。
『動きを止めるな!ぼうっとしていたら、ただの的だぞ。』
二丁のライフル、ディバインバスター、背部の両翼のバインダーから姿を見せる二つの砲口、ディバインバスターEX。
そして腹装砲、エクセリオンバスターから膨大な光が溢れだした。
「機密正常、FCSコンタクト、ミネルバ、全ステーション異常なし。」
アーサーはミネルバのシステム起動が正常に進んでいることを確認していく。
「索敵急いで。インパルス、ザク、バルディッシュの位置は?」
進水式がまだにも関わらず急遽発進することになっミネルバ。
「インディゴ53、マーク22、ブラボーに不明艦1。距離、百五十!」
「それが母艦か…」
デュランダルが言う。
「熱紋をデータベースに登録、以後、対象をボギーワンとする。」
タリアにより、指示が出され、そして
「同、157、マーク80、αにインパルス、ザク、バルディッシュ。
交戦中の模様。」
三機の位置を特定したメイリンがタリアに報告する。
「呼び出せる?」
「駄目です!電波障害激しく、通信不能。」
「敵の数は?」
「二機です。モビルアーマー、モビルスーツ一機ずつです。」
五の奔流が通り抜け三機を散々にする。
「なっ…」
回避するシン。
その奔流の歩飛ばしる勢いと太さが、破壊力を物語る。
「もう一機!?」
フェイトはバルディッシュに近付いてくる敵影を目視。赤い十の翼。
左右の手に持つ、ライフルの砲口が向けられ、交互に放たれる桜色の奔流がバルディッシュのビームシールドに突き刺さり、霧散。
そして、動きを一瞬止めたバルディッシュに容赦なく降り注ぐエグザスの突撃ビーム砲。
「フェイト!」
インパルスはスラスターを全開でアンノウンモビルスーツへと向かう。
メインモニターを横切る発射体。
「ぐっ!!」
フットレバーを緩急つけて踏み込み、ハンドレバーを操る。
インパルスを減速させ、盾を構え、左右に移動させながら、突撃ビーム砲の狙いを散らし、正面はシールドでガードする。
突撃ビーム砲によるビーム砲の嵐を上昇降下、左右後退、サイドローリングしながらかわす、レイの操るザク。
一旦呼吸を置き、エグザスの本体を狙い撃つザクのビーム。
「ちぃっ…。」
ネオは舌打ちをし、ビームスパイクを射出した。ザクは上昇してかわす。
「はぁっ!!!」
ビーム刃を持つ鎌で横一閃。しかし、エクシードは後退し、かわしながらビームを連射する。
見たところ、近接戦闘用の武器がない。
「シン!!」
フェイトはインパルスへの通信回線を開いた。
「ボギーワンを撃つ!」
タリアは決意し、指示を出す。
「ブリッジ遮蔽、進路、インディゴδ、信号弾、及びアンチビーム爆雷発射用意!
アーサー!」
「了解、ランチャーエイト、一番から四番、ライトハルド装填。
トリスタン、一番二番、イゾルデ起動。照準、ボギーワン!!」
アーサーの声と共にミネルバの武装が次々と起動させられていく。
「彼等を助けるのが先じゃないのか?艦長…。」
デュランダルは怪訝そうな顔で、タリアに聞いた。交戦中のザクを除いたインパルスとバルディッシュの二機は、エネルギーが危険域と聞いたからだ。
戦闘中のモニターを見ても、三機の分が悪く見える。
「そうですよ、だから母艦を撃つんです。
敵を引き離すのが一番手っ取り早いですから…。この場合は…。」
「艦…?」
ネオは呟きながらモニターでミネルバの姿を確認。
「欲張り過ぎは元もこもなくすか…ナノハ!!」
ネオが呼ぶと、通信モニターにナノハの姿が移る。
「そいつらを振り切れるか?」
『…うん…。大丈夫だよ…。振り切れば、いいんだよね?…』
「そうだ…。」
ナノハは頷き、モニターの画面が消える。
ネオはザクを突撃ビーム砲で牽制すると戦線を離脱した。
一方、二方向に大型のビームを放つエクシード。
そしてその方向から向かってくるインパルスとバルディッシュ。
そのビームを紙一重の距離でかわし、エクシードに斬撃を見舞う二機。
エクシードはそれらを宙返りしてかわし、背部両翼のバインダーに収納されているディバインバスターEXを展開。
放たれる大型のビームをなんとか回避するインパルスとバルディッシュ。
そしてその間に背部の翼、フライヤーフィンをスライドさせ展開、エグザスの後を追っていった。
「くそっ!逃がすか!!」
シンが追撃しようとするが、ミネルバから信号弾が放たれ、帰艦命令が出る。
「ミネルバ…、帰艦信号!?何で!」
「そろそろ、インパルスもバルディッシュもパワーがきついからね…。」
ヘルメットを外し、額の汗を拭うフェイト。
「何より、命令だ…。戻るぞ!」
三機はミネルバへと向かった。
追撃を受けるボギーワンこと、JPジョーンズ。
ライトハルド、トリスタン、次々放たれる砲火が次々とJPジョーンズを襲う。
そんな悪条件の中、エグザス、エクシードは帰還し、ネオは指示を出すため、直ぐ様ブリッジへ上がっていった。
「インパルス、ザク、バルディッシュは?」
慌ただしいミネルバのブリッジ。
「帰投、収容中です。」
「急がせて!このままボギーワンを追う。」
タリアはメイリンにそう言いつけた。
「大佐!」
JPジョーンズブリッジに入ってきたネオに艦長が声をかける。
「悪い、少し遊び過ぎたか…。」
「かなり足の早い艦のようです。厄介ですぞ。」
次々放たれるミサイルの迎撃の指示を出す。戦艦の付近で爆発、衝撃で船体が大きく揺れた。
「両弦の推進材予備タンクを分離後爆破!アームごとでいい、鼻っ面に食らわしてやれ!!」
指示を出すネオ。
「同時に、上げ舵35!取舵10、機関最大!!」
ネオの指示でトリスタンをかわし、本格的な逃走を開始した。
帰還したレイは状況を知るため、すぐにコクピット内から飛び出して行く。
シンもそれは同様だが、ヴィーノとヨウランのかける声にも反応せず、行ってしまった。
シンの様子に異変を察知するヴィーノとヨウラン。
「何だ、あいつ…。大丈夫か?」
ヨウランとヴィーノは顔を見合わせ、バルディッシュへと向かう。
こちらは割りとゆっくりだ。
「フェイト、大丈夫か?」
シンにかけた言葉と同じ言葉をフェイトにかけるヴィーノ。
「うん…、大丈夫だよ…。ちょっと疲れてたけど…。ごめんね、逃がしちゃった…。」
「何でもいいよ、無事に帰ってきたんだからさ…、お疲れ、フェイト。」
「うん…。」
フェイトは困ったような笑みを浮かべ、頷いてから、コクピットを出ていく。
長い金髪ふわつかせながら、フェイトは出口へと向かった。
投下終了です。
名称や表現など違ってたりしたらごめんなさい。
戦闘描写、難しいです。
GJです!シンとフェイトがお互いを気遣いあってていい感じですな。
GJ!!
GJ
素晴らしいバトルでした。
GJ!
このフェイトはもちろん常時ハイレグですよね?
GJ!
どうでもいいんだけど赤服って当初は5人で
4話か5話あたりで2人共瞬殺されてたよね?
ルナがあっという間に2人もとか言ってた気が・・・
あれはないわと思ったな
最初はデバイスMS化とか無理だろ、出来てもつまらなさそうとか思ってたけど、GJ
俺の中のエクシードのイメージがフリーダムだけど、それはそれで面白そうじゃね?
>>355 その二人は赤服じゃなくて緑服だよ
赤服はシン達3人だけ
>356
フリーダムVSエクシード…か。
楽しみなような気がしないでもない。
359 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 20:13:17 ID:4TzwdQVm
>358
フルバーストとフォースバーストのガチンコが見れそうだwww
だがダルマにされて瞬殺しか思い浮かばんな
魔法でキラがなのはに敵わないように
MSではなのはがキラに敵うわけないしな
まぁ・・・それでもなのはがキラ相手に
どこまでやれるか見ものだな。
MSでまでキラを葬る超人なのはなんて見たくねぇよ
なのはがゴジラ倒す動画見て悦に浸ってるニコ厨じゃあるまいし
まぁ見せ方次第だな。
とことんキラを嫌われものにするか、なのはを嫌われものにするか
contact of Destiny4話10時頃に投下予定ですが、宜しいですか?
ちなみに前、中、後の三つに分かれそうです。メモ帳に書いていますが70KB近くの量に……。1話は24KBだったのですがorz
前、中、後、30分おきに投下予定です。
下、感想です。
>MMGSLNSDSCVG氏
六課VSCEですか。これは今までにない話だ。管理局は一体何をやらかしたのやら。
ラクスが出てきたけれど、彼女は戦うのかな? ともあれGJです。
>38 ◆KHEtQ2j5Nc氏
おお、自分のSSと似た世界観だ。
しかしキラとカガリが……なんか、なぁ。和解するにも相当苦労しそうだ…というか、和解します?
ステラが生きていますが、どんな理由か楽しみにしてます(自分のSSでは死んでますので)
>りりかるシード STS氏
おお、シンが先輩の貫禄を見せている。かっこいい、と思いきやなのはさんに止められてふて腐れてる……。
でもシンのポジションが良い感じですね。スバル達よりも格上だけど、なのは達よりも遠くない。
GJです。
>まじかるシン
アルカンシェルがローエングリンの変わりですか。おまけにエドやスヴェンのエース二人。
…誰かが重傷か、再起不能になりそうだ。
そしてさりげなく凍結系を使うディアッカカッコヨス
>望氏
再開した二人。まさかいきなり殺し合いには……ならないか、な?
でもなのはやフェイトが傷つけられたら、どうなるやら。
高町家でのほのぼのがいい感じです!
>神隠し氏
友との意外な再開に悩むシンとキラ…。さて、彼らはどんな道を選ぶのでしょうか。
そしてヴィヴィオに絡まれるキラ。さぁ、今こそ孤児院で鍛えた子供のあやしかたを見せるときだ!
>種なのは(仮)氏
初っぱなからSLBですか。どこでも全力全開は変わりませんななのはさん(小)
ザフト側には誰か加わるのでしょうか? GJです。
>魔法学園リリカルプラント
おお、ほのぼのとしたSSですね。スカリエッティが保険医…。
と言うことはルーテシアやナンバーズは当然学生ですね?
どう絡むのか、楽しみです。
>暇人A氏
空港火災を起こしたのはレリックのはずですが、人為的手があったのでしょうか。
というか、本編でも原因って、明らかにされてないんでしたっけ?
GJです。
>GmV9qCP9/g 氏
GJ。しかし30回とは、作品の中で一番長いのでは。
なのは達がCEの戦争に関わる話。古参の方のようなので、wktkして最初から読ませていただきます。
>ジ・アストレイ氏
ルーテシアサイドのSSですか。意外な組み合わせですねー。
六課サイドじゃない作品は稀少なので、期待してます。
17話あたりとか、凄そうな予感…。
>SEED NANOHANY氏
ザフィーラに食われたキラ、合掌。そしてレイ……
「俺はすでに錯乱している」
そう言っているレイを止めようとしない男性陣鬼畜ですなぁ。
そしてオチは管理局の白いあ(r
>高い天を行く者から勇敢な者へ氏
殴られ、殴り返すとは。さすがカナードと言ったところでしょうか
スバル達とはどう絡んでいくのでしょうか。wktkしながら続きを待ってます!
>SDデバイス氏
シンが熱い。ムチャクチャ熱い!
次回も楽しみです!!
> Fate×Destiny 氏
ナノハさん、ファントム・ペインですか! しかしフリーダムと同じマルチロックオン。核を搭載してるのでしょうか。
デバイスがMSになるSSはこれが初めてでしたっけ? CEの世界で、ナノハとフェイトはどんな戦いやドラマをみせてくれるのか。
戦闘描写も上手く、GJです!
Fate×Destiny 氏
皆GJばかりなのであえて批評意見を
なのはがどんな経緯でCEにきてファントムペインに入ったのかは、今後語られるでしょうけど
あきらかにステラ達同様いじられてるみたいですね。
言動とかやファントムペインに専用機付きでいる時点でそのような雰囲気がします。
あとすでになのはには、死亡フラグ立ってる気がするんだが職人さんも前になのはは死ぬかもって言ってましたしね。
世界がCEで戦争ものだから仕方ないものかもしれないけど、なのは死んだらこのスレ荒れるんじゃないか。
それに守護騎士達は出ないと仰っていましたけど、フェイトやなのはがいなくなったらさすがに管理局が探すのではないでしょうか。
それともCEは管理局でも探せない世界なのでしょうか?
管理局も完璧ではないですから、そういうこともあるでしょうが。
そういえば、はやて達八神家の連中ってどこで寝泊りしてるんだろ?
なのは達やスバル達は六課の寮だし。
やっぱりミッドチルダに引っ越してそこに住んでるんだろうか?
それとも六課の寮に引越し?
みんな中卒で働いてるんだっけ?
最終学歴が中卒で自称魔法少女な教官ってどうなのよ
>>374 学歴よりも魔導師としての才能なんだろう、優先するのはさ
魔法学校とかあるだろ常識的に考えて
3期は軍隊モノじゃなくて魔法学園モノにすりゃあよかったんだ
なのはとかキラとかって嫌いな食べ物とかあるっけ?
〜contact of Destiny〜 4話
1
「よし、これで最後や」
各関係部署への報告書をまとめ終え、はやては椅子に寄りかかる。
「今日はいつもにも増して多かったですー」
机にへたり込むリィン。その姿に苦笑しつつも、静かに同意の意を示す。
軽く休憩を入れていると、リィンが言う。
「あ、はやてちゃん。そろそろお客様が到着する時間ですよ」
時計を見ると、到着時刻三十分前だ。相手に失礼がないよう、会議に参加するメンバー
に呼び出しをかける。
五分ほどの時間が過ぎた後、スターズ、ライトニング分隊の隊長、副隊長たちはそろっ
たのだが、
「シンはどうしたん?」
四人に尋ねるが、全員首をかしげる。CEからの援軍である彼は形式上六課に所属して
いるが、実際のところ自分たちと行動を共にするのは出撃の時や会議のときぐらいだ。
「出かけるって言う連絡はなかったから、隊舎のどこかにおるはずやな」
端末を使い、スキャンをかけるとあっさり見つかる。訓練場にいるようだ。
「訓練場? シンの奴、まだそこにいるのかよ」
あきれた様子でヴィータが言う。確かに朝食後、訓練場に行くといっていたが今は昼前
だ。もしかして朝食後からずっと訓練場にいたのだろうか。
いったい何をやっているのかと思い、様子を伺う。一際大きいウィンドウが展開し、訓
練場の様子が移る。
訓練場には大きな真紅の結界が見える。その中心にシンはいるが、何やら妙に疲弊して
いる。
『くそ……やっぱり”デスティニー”が完全じゃない状態だと、体への負担が大きすぎる
な――』
自分の掌を見て、何やらぶつぶつと呟くシン。不思議に思いつつ、はやてはシンを呼ぶ。
「シン、何しとるの!」
・ ・ ・
「……ん? なんだ、はやてか」
汗をぬぐっているシンは気だるそうにこちらを振り向き、ファーストネームで呼ぶ。
「…今は仕事中や」
「あー、はいはい。すみませんでした八神部隊長」
反省の感じられない声でシンは言う。
「朝言っとったやろ、今日は昼前に会議をするって。お客さんも来るんやから、さっさと
部隊長室に来てや」
「……ああ、そういえばもうそんな時間か。わかった、シャワー浴びたら、すぐ行く」
「あと二十分弱でお客さんが来るんよ!?」
「待たせても平気だって。お客さんって言っても、どうせルナかアスランだろ」
結界を消し、隊舎へのろのろと歩きながらシンは言う。怠惰なことこの上ない。
「──ふぅん。なんだかずいぶんと偉そうなことを言うのねぇ、シン」
訓練場からもう一つの声が聞こえ、見るとシンのすぐ近くに赤のショートヘアの女性の
姿が。
「ル、ルナ……」
「訓練お疲れご苦労様。──なんだか私、久しぶりにシンと訓練したい気分になってきた
わ。疲れてるところ悪いけど付き合って」
にっこりと笑うルナマリアと後ずさるシン。それを見て、はやては頭を抱えた。
カーテンが閉め切られ、電灯が消され暗室となった会議室。
円卓には六課の隊長、副隊長にシン。そしてルナマリアの姿がある。
午前中の訓練の後にルナマリアの強制訓練でシンの体は疲労困憊だ。会議が終わったら
レイの見舞いに行く前にシャマル先生から薬をもらおうと決める。
今回、彼女がいるのは六課が送っている報告書でCE側から何かの報告があるというら
しいのだ。
テーブル円卓の中央部に映し出される立体映像には六課の面々が戦った者達が映ってい
る。
ガジェット、ソキウスと切り替わり、次に映ったのは例の魔導士達だ。
「さて、前回の襲撃後シン・アスカが提出したレポートにありました”ゲシュマイディッ
ヒ・パンツァー”と言う魔法ですが、彼の推測通り、これはCEの魔法です」
テーブル場に表示されたカーキ色のバリアジャケットを纏う魔導士の立体映像は、なの
はやフェイトの砲撃を逸らしている姿が映っている。
「この魔法を使う魔導士は魔法自体の特殊性により限られており、そしてこの魔導士は実
はCEの大戦中の記録に残っていたのです」
「じゃあCE出身の魔導士なのか」
シグナムの言葉に肯定の返事を返すルナマリア。さらに彼女は彼らがブーステッドマン
と言われる連合の特殊パイロットだと説明。
その説明を聞き、シンは内心で叫びを上げる。
――投薬、特殊訓練、精神強化及び操作された兵士…! それじゃあこいつらはステラと
同じなのか!?
シンの脳裏に蘇る、守れなかった無邪気な少女の影。海が好きで、天使のように純粋だ
ったステラ。どんなことをしても守りたかった存在――
「しかし彼は5年前――前々大戦のヤキン・ドゥーエ宙域戦において死亡が確認されてい
ます」
「は? なんだよそれ。じゃあ今ここに映ってるこいつは何なんだ?」
当然の疑問をヴィータが上げる。ルナマリアは後で説明を、と言って話を続ける。
「彼だけではなく、他二人の魔導士も同時期に死亡していると情報があります。この情報
は彼らと交戦し、直接止めを刺した方からの情報なのでほぼ間違いないでしょう」
そして、と彼女は言い、
「前々大戦、彼らのうち一人――青緑のバリアジャケットを纏う魔導士を倒したのが他な
らぬアスラン・ザラ中将なのです」
「アスランが!?」
「死亡したはずの人間が、どうして今もない生きているのか。それについてははっきりと
わかってはいません。しかし、ある程度の推測は立てられます。
それは彼らが人造生命体――私達の世界の言葉に言い換えれば、クローンと言うことで
す」
シンは息を呑む。思わず膝の上にある手が硬く握られる。
――クローンだって? こいつらが、レイと同じ?
「ソキウスや彼ら3人の魔導士達を見たザラ中将は当初、今回の事件を裏で操っているの
はCEの出身者であると思っていたそうです。ソキウスも彼らもCEの技術で作られたも
のですから。
しかしCEのクローン技術はここまで優れていません。ですからこのように考えられま
す。
一つは生体技術に優れた科学者が何らかの方法で彼らの細胞を手に入れて造り、私兵と
しているか。もう一つはその科学者とCEの元連合の人間が共謀しているかの二点だと。
そしてその二点のどちらにも共通していることが――」
「CEのロストロギアや「レリック」を狙っとるちゅうことやな」
はやての言葉に、重々しくルナマリアは頷く。
シンは机の上に映る魔導士達を複雑な感情で見る。
――こいつらはステラと同じ、連合によって強制された生を与えられた人達……。奴らの
思惑通り戦って死んで、ようやく安らかに眠っていたはずなのに……!!
総身を震わせるシン。激情を抑えるのが精一杯でルナマリアが何を言っているか分から
ない。
――どうしてこんな真似をする! どうしてこんな事が許される! 人の人生を、命をも
てあそぶような真似を!?
脳裏に浮かぶステラの最後。そして続いて現れたのはレイが自身の出生を明かしたとき
の表情。
『俺は、クローンだからな』
淡々と語る親友。かつてはそう見えたあの顔が今になっては怒り、憎み、嘆いて摩耗し
きった表情だったと気付く。
――誰がどんな理由でこんな事をしたのか知らないが絶対に許さない。必ずその罪、償わ
せてやる……!!
心の中で怒りの種火を燃やし、シンは誓う。今は亡き少女と、苦しむ親友に。
2
『ねぇギル。ラウは?』
無邪気に訪ねる幼い自分。だがギルは端正なその表情に悲しみをにじませている。
『ラウは…もう、いない』
ラウがいない? ギルのたった一人の親友であるラウが? 自分にとってもギルと同じ
ぐらい、大切な彼が?
『だが、君もラウだ』
唖然とする自分へギルは薬の入ったケースを差し出す。
『それが君の運命なんだよ……』
そしてギルは語る。ラウと、自分の運命を。そして全てを語り終え、彼は自分に言う。
『いつか必ず……この間違った世界を正そう。もう一人の君が果たせなかったことを、私
達の手で』
「――……っ」
目を開けると視界に入ったの病室の電灯だ。レイはベットからゆっくりと起き上がる。
「……夢、か」
大きくため息をつき、呟く。眠っていたはずなのに体が鉛のように重い。全身に汗をか
き、入院着がへばりついている。
幾度か呼吸をすると、疲れを見せていた表情は、いつもの無表情に変わる。そろそろシ
ンか六課の誰かが見舞いに来る時間だ。余計な心配をかけてはいけない。
戸棚からタオルと下着、新しい入院着を取りだす。汗を拭いて着替え、側にあるコップ
に水を注ぎ、喉に流し込む。
喉を通る水がいつも以上に体に染み渡る。素直に上手い、と感じ、コップを戸棚に置く。
ようやく落ち着きを取り戻し、寝る前まで読んでいた魔導書に手を伸ばす。
10ページほど読む終えると部屋のドアが開き、シン、フェイト、そしてルナマリアの
三名が入ってくる。
「やっほ、レイ。元気してる?」
「元気ならここにはいないな」
「……変わんないわね。その冷淡なリアクション」
呆れの表情のまま、壁に掛けてあるパイプ椅子を組み立てて座るルナマリア。フェイト
もそれに倣い、何故かシンはぎこちない動きで続く。
「それにしてもルナマリア。今日はどうしたんだ」
「どうしたって、はには?」
「……」
会話の最中、フェイトのむいた果物を頬張るルナマリア。飲み込むのを待ってから、
「お前がここに来たのは初めてだろう。何か理由があるのかと思ったんだが」
「ないわよそんなの。ただ単に元気にしてるか見に来ただけよ」
あっけらかんと言う。それからしばしルナマリアがメインでの会話が展開する。好奇心
旺盛に彼女は自分とシンの3年間の出来事やフェイトへのプライベートなことや魔法に関
して、とにかく興味津々に話しかけてくる。答えが返るその都度、感心したり唸ったり、
笑い転げたり、何故か自分とシンを半目で見たりなど、リアクション豊かに反応する。
3年の月日は外観だけは彼女を大人に変えたが、中身は殆ど変化がないようだ。
「――ってことがあったんですよ。レイはともかくシンの奴、妙にかっこつけるから」
「へ、へぇ。そうなんだ……」
「何捏造してるんだよルナ! そんなことなかったぞ! ってかフェイト、お前も何納得
してるんだ!」
シンとフェイト。双方のやり取りは自分とのやり取りとそう変わらない。あの日以来、
どうやらシンは六課で上手くやっているようだ。
「ご、ごめん……」
「フェイトを虐めないの。大体捏造だなんて人聞きの悪い。全て掛け値無しの事実よ。ね
ぇレイ?」
フェイトの頭を撫でながらルナマリアが言う。いつの間にか彼女も六課の面々と仲良く
なっているようだ。
「シン、気にするな。俺は気にしない」
「俺が気にするんだよ!」
さらに話は続き、ルナマリアとフェイトが楽しげに話しては笑い、対照的にシンは怒っ
たり叫んだりしているが、本気でないそれを皆無する。
「…あ、私そろそろ行くわ」
「帰るのか」
「うん。このあとちょっと会議やら魔法の講義やら色々あるし。あんまり長居できないの
よね。じゃあねレイ。また来るわ」
立ち上がったルナマリア。それにフェイトとシンが続く。
「あ、ルナマリアさん。下まで送ります」
「俺も。トイレのついでに見送るか」
「……シン、あんたそのデリカシーの無さ、何とかした方がいいわよ」
出ていく三者。それを見送りレイは微笑。
こういうとりとめのないやり取りが、今のレイにとっては何よりの清涼剤だ。特に今日
はルナマリアがいてくれたおかげで盛り上がった。
ふと、レイの脳裏にアカデミー自体のやり取りが蘇る。あの時もこんな感じだったな―
―思い返して窓へ目を向けると、戸棚の隅に放置してあるモノを見て、視線が止まる。
レイのデバイス”レジェンド”だ。数日前、見舞いに来たフェイトから渡されたのだ。
『デバイスの基礎構造は問題ないけど”ドラグーンシステム”を直すのには時間がかかる
って。準備ができるまで返しておくね』
「フェイト・T・ハラオウン……」
この病院に入院してすでに1月弱、何もせずレイはただ読書に没頭しているわけではな
かった。
アスラン達の動向、そして機動六課の面々についても独自の方法で調査していたのだ。
そしてその途中、自分と同じ自然ではない生まれのものがいることをレイは知る。それ
がフェイトだ。
だが彼女は自分と違い、生まれ以外は何ら普通の人と変わらない。自分のような短い時
間しか生きられない欠陥品とは違う。
ここに入院し、シン以外で見舞いに来る回数が一番多いのが彼女だ。
――同情? それとも、憐れみか
知ったときは気になったが、すぐにその問答は捨てた。そんなことを訊ねてしまえば相
手に不快な思いをさせるだろうし、何よりシンの立場を悪くしかねない。
それにどちらであってもレイは気にしない。気にしないのだから――
ベットから立ち上がり”レジェンド”を掴むと、戸棚の引き出しへ放り込む。
「もう、俺には必要ない……」
ここに入院し、検査を受けて分かったことなのだが、クローンであるレイのテロメアが
短いのは元の人物のテロメアが短いと言うこともあるのだが、それ以外にもう一つの理由
が発覚した。
それは魔力を行使することだ。医師の話によれば自分の場合、魔力の増幅や回復にもテ
ロメアが少なからず関係しており、その度にレイのテロメアは少なくなっていったという。
ここ数年でさして発作が起きなかったのも、魔力を使用しなかったからだという。
レイは率直に医師に尋ねた。魔力を使うのと、使わないのとでは、自分は後どれぐらい
生きられるのか、と。
躊躇しつつも、医師は答えた。魔力を使用し続ければ数年の命、使用しなければ10年
弱だと。
そうならないよう数日前より特殊な投薬でテロメアをのばそうとしているそうだが、今
のところ効果はないという。
「所詮は歪んだ命。真っ当に生きようなどと思うこと自体、間違いだったのかもしれない
……」
3年前、あのメサイアでキラ・ヤマトが語った言葉に心を動かされ、自分は最も大切な
人の命を奪った。
そして死ぬはずだった自分。――だが自分を呼ぶシンの声。それを聞きグラディス艦長
とギルは自分をシンの元へ送ってくれた。
シンにも、今は亡き二人には感謝してもしきれない。――しかしこうして自身の運命を
知らされると彼らに対して申し訳ない気持ちになる。
精一杯生きようとしてもこの体は常に自分に死が迫ることを教える。こんな体だからた
った一人の親友の力にもなれない不甲斐ない自分。
「俺は……このまま生きていていいのだろうか………」
ここ数年、常に考えてきたことだ。CEを抜け、シンと共に暮らしても常に発作は起き、
働くシンに対し、自分は家事を手伝うことしかできない。
そして今回シンが六課に協力することにしても、自分という足枷がなければアスランの
思惑通りに戦うこともなかっただろう。
「すまない……シン」
友に謝罪したその時だ。体の奥深くが締め付けられる圧迫感を覚える。
「…っ! が、あっ……」
いつにない強烈な痛み。ナースコールに手を伸ばそうとするが錆びついたブリキ人形の
ように鈍く、ぎこちない。視界はぐらつき、呼吸は速く、短い。
苦しい、苦しい。感覚全てが苦痛を訴えている。これほどまでの苦しみは感じたことが
ない。胸部を押さえる手のひらが強く食い込み、血を流す。
「ぁ…。…っ……」
十分か、一時間か。もはや時間の流れさえもはっきりしない時が過ぎ、ようやくナース
コールに手が届き、スイッチを押す。
しばらくし自分の名前を呼ぶ誰かが慌ただしく病室に入ってくる。しかしレイはそれが
誰かを確認する前に、気を失った。
3
黒の帳に覆われた病院。がらがらの駐車場にライトをつけた車が停車する。
二人乗りのそれから出てきたのははやて、そしてフェイトだ。人気のなく、しかし電灯
のついている病院はどこか不気味な雰囲気を持つ。
中に入りエレベータに乗る。3階に到着してすぐに右に曲がる。昼間なら大勢の人で賑
わっている憩いの場は電灯が落ち、外からさし込む月の光で僅かに内装が見えるだけだ。
入り口付近のソファーに手を組み、腰を下ろしている人物を見つけ、はやては声をかけ
る。
「シン……」
名前を呼ぶが、シンは反応しない。猫背のまま俯くばかりだ。
別件で隊舎に戻ってきて、はやては昼間に起こった出来事を聞いた。シン、フェイト、
そしてルナマリアの3人がレイの見舞いに行ったところ、レイの容態が急に悪化したのだ
という。
「シン、レイの様子はどうなん?」
シンは答えない。はやてはシンの肩を叩くと、シンはのろのろと顔を上げる。
「…はやて、か」
部屋の影に覆われた彼の表情は幽鬼じみた雰囲気を漂わせている。
「シン、レイはどうなったの?」
「……わからない。あれからここでずっと待っているけど、何も連絡がないんだ」
言って、再び頭を垂れてしまう。
「シン、今日はもう遅いから、帰ろう」
「いや、俺はここにいる」
「でももうこんな時間だし……休まないと今度はシンが倒れちゃうよ」
すでに時刻は夜の0時時を回っている。後一、二時間でレイが倒れて半日が経過する
「シン、帰ろう。ね?」
肩に手を置くフェイトを、シンは乱暴に手で押しのける。後ろに下がるフェイトをはや
ては慌てて受け止める。
「シン!」
あまりの態度にはやては思わず声を荒げるが、顔を上げたシンを見て口を噤んでしまう。
こちらを睨むシンの表情にはいつもの覇気はなく、触れれば砕けてしまいそうな脆さが
あった。
先程はよく見えなかったが目元はくまができており、真紅の瞳は元の色以外の原因で赤
く染まっている。
「俺は……レイが大丈夫とわかるまで、ここにいる」
「はやて、シンの好きにさせてあげよう」
立ち上がったフェイトがこちらを見て言う。
「フェイトちゃん!?」
「お願い」
懇願の口調でフェイトが言う。はやては驚き、しかしすぐに気が付く。
彼女は見ていたのだろう。苦しむレイと、それを見て取り乱すシンの姿を。
そういえば――はやては思い出す。過去、なのはが任務中に負傷をして入院していたと
き、ヴィータやフェイトが暇なときがあれば、なのはの病室に泊まり込むことがあった。
きっとその時の自分の姿をシンに重ね合わせているのだろう。
「……大丈夫とわかるまでやで」
ため息をつき、はやては言う。フェイトだけではない。はやてとてシンの気持ちは十分
にわかる。
自分は泊まりこそしなかったものの、暇さえあればなのはの病室を訪れていたのだから。
「さて、と。シン、夕食は……食べとらんよね」
「あ、売店……は、もう開いてないか。それじゃあ近くのマーケットに」
フェイトが言いかけた先を病院内に響く音が遮る。視線を向ければ白衣を着た壮齢の男
性がいる。レイの主治医だ。
「八神さん、来ていらっしゃったのですか」
疲れをにじませた声で彼は言う。はやてはレイの容態を尋ねようとするがいつの間に立
ち上がったのか、シンが駆け寄る。
「先生! レイはどうなんだ!?」
駆け寄るや白衣の襟首を掴むシン。心配していたのは分かるが、やり過ぎだ。
「ちょっ…シン、落ち着き! そんなことしたら先生が話せんやろ!」
はやては慌てて両者の間に割って入る。襟を正した主治医にはやては謝るが、彼は特に
気を悪くした様子を見せず、
「バレルさんの容態ですが、今のところは安定しています。
――ですか予断を許さない状態ではあります。今日起こった発作も今までにはなかったほ
ど状態が悪かったですし。
今日の検査でも安定していただけに我々としても今日のような副作用は予想外――」
淡々と語る彼にシンは掴みかかり「ふざけるなっ!」と罵声を浴びせる。再びはやては
引きはがそうとするが、今度はビクともしない。
テロメアが短いため、発作に苦しみ、先短い命を持つレイ。解決策としてはテロメアを
長くできればいいのだが、それは非常に困難なことなのだ。
テロメアに深く関わっているのがテロメラーゼと呼ばれる成分で、これを体内に導入す
ることでテロメアを延長させることが可能だという。しかしミッドの医療技術でもそれは
非常に困難で、成功率が極めて低いのだという。そして外部からテロメラーゼを導入する
ことにより副作用の可能性もある。――これはレイの治療を行う前に説明されていたことだ。
フェイトと二人がかりでようやくシンを引き離す。敵のような目で主治医を見るシンに
彼は、
「申し訳ありません。今のは不適切でした。ただ、今日の発作はもしかしたら良い結果に
結びつくかも知れません」
「どういうことだよ!?」
「過去、テロメラーゼを導入した患者で発作の具合や状況は違いましたが同様の症状が現
れたという記録があるのです。
そしてその後にテロメアの延長現象が現れたとも」
「じゃあ、レイは、レイのテロメアは――」
ぱっと明るくなるシンだが、主治医は暗い表情のまま続ける。
「断言はできません。記録はほんの数件。その記録の数倍の量でテロメア延長に失敗した
という記録の方が多いくらいなのですから。
でも私達はバレルさんの治療に最前の手は尽くします。それだけはお約束します」
固い声で主治医は言った。
4
「――それで、保管場所は分かったのかしら」
クラナガンのとあるバー。薄暗い店内の中には僅かな数の客がおり、店内にはレトロな
音楽が流れている。
ナンバーズ、ウーノが目の前の男に問うと彼は愉悦の笑みを浮かべ、
「まぁな。特に苦労もしなかったな。次元世界の法の番人と称されているが所詮はどこの
組織とも変わらん。腐った部分はいくらでも見つかるし、見つけやすい」
「それで、いつ実行に移すの」
「まだ決めてはいない。奪うだけなら今すぐにできることだが、それだけでは俺の欲求は
満たせん」
笑みを濃くし、彼は酒をあおる。
「どうせ奪うのなら管理局に予告して、大勢の局員が守っているところを襲う。警備が厳
しくなればなるほど俺様にとっては最高の楽しみだ」
「クライアントが焦れているわよ」
「知った事じゃあない。俺は何よりも俺の欲求を最優先とする。大体そのクライアントや
ら借りた奴らは役に立っていない。文句を言うのなら己の私兵をもっとマシなレベルにし
ろと伝えておけ」
「私も焦れているのよ。忘れたの? あなたの雇い主は、私ですよ」
こちらの注意に全く堪えない無神経な男に、ウーノは多少声を強めて言う。
「だったら契約を解除するか? 俺は一向に構わんぞ? お前から解雇されても俺の欲求
を満たせる仕事は探せばいくらでもある」
ウーノは黙り込む。彼の雇い主は確かに自分だが、雇うよう命令を下したのは己の主だ。
この男を雇うことは、彼にとって何かしらの意味があるのだろう。そう考えると自分の勝
手な判断で止めさせるわけにはいかない。
「……とにかく、早く実行に移しなさい。やり方はあなたの好きにして構わないから」
言ってウーノは席を立つ。これ以上話していると不快な気持ちを抑えきれなくなる恐れ
があったからだ。
答えも聞かず、彼女は店を出た。
気が付けば、白一色の世界にレイはいた。四方どこを見ても白だけの世界は虚無感と恐
ろしい孤独を感じさせる。
「なんだ、ここは……」
何もないその場所に、レイは言いしれぬ不安を覚え歩き出す。景色は違えど、ここはあ
の忌まわしい場所――自分が生まれた研究施設を連想させる。
自分以外の、生きたものがいない世界――
気が付けば息が弾むほどに歩いていた。そして目の前に人の影が見えてきたのを確認し
て安堵の息を漏らし、
「……!」
愕然とその表情が凍りつく。近づいてきた自分に振り向いたその人物は二人。かつて、
いや今もなお自分の大切な人であり、そしてもう二度と会えないはずの人だったからだ。
「やぁレイ」
黒髪の男、ギルが微笑む。
「君もこっちへ来たのか」
金髪の男、ラウが同じように微笑む。
「こっち……?」
「後ろを見たまえ」
言われてレイは振り返ると、いつの間にか自分の真後ろに一本の線と、そして向こう側
にはシンやルナマリア、フェイト達六課の面々がいる。
ラウの言葉の意味を悟ったレイは、慌てて線を超えようと足を踏み出すが、何故か足に
力が入らず、滑ってしまう。
「な……!?」
起きあがり、見ればなんと両足が細くなっている。枯れ木のような両足には無数の皺が
見え、それはまるで老人のような足だ。
「レイ、言っただろう? 運命からは、逃れられないと」
耳元で囁かれるギルの声。かつては自分に安心をもたらしたはずの声が今は恐怖しか感
じさせない。
「そう。レイ、君は私だ。――だから君も私と同じ、道を辿るのだよ」
囁かれるラウの声に、レイは反射的に叫び返す。
「違う! 俺はあなたじゃない! 俺は――」
「違わない」
いつの間にか後ろに立っていた二人。重なった声がレイの叫びを冷酷に、無慈悲に、否
定する。
「君はラウだ」
「君は私だ」
前に出るラウ。その姿を見て、レイは恐怖に凍りつく。
その姿は最後に見たものとは似てもにつかない、誰とも知らない老人の姿だったからだ。
いや、違う。この老人は――
「君は、私なんだよ。レイ」
老人が言い、笑う。レイは背を向けて前に進む。足は動かなかったが、這ってでも彼は
前へ進む。
恐ろしかった。今もなお心の中にいる二人がたまらなく怖かった。自分の安心と安らぎ
をもたらしてくれるはずの二人が――
「おやおや。レイ、いつから君はそんな聞き分けの悪い子になってしまったんだい?」
小さく笑い、窘めるような口調でギルが言う。その言葉に反射的に何か返そうとするが、
レイは前に進む。
二人は死んだ。でも俺は違う。生きている、俺はまだ生きている――!
その思いを一念に前に進むレイ。そしてとうとう白線を越える。すると今まで動かなか
った足に力が入り、レイはシン達の元へ向かう。
「シン!」
声をかけ、振り向くシン。しかしその表情にはいつもの笑みはなく、
「……誰?」
見知らぬ誰かに呼ばれた戸惑いとよそよそしさしか感じられない。
親友の予想もしない態度にレイが愕然としていると、背後からラウの嘲笑うような声が
響く。
「言っただろう? ――君は私だと」
ふと、下へ視線を向ける。すると白の床には先程のラウの姿が映って――
――いや…違う。これは、これ、は……!
ラウと寸分変わらぬ自分の姿にレイはへたり込む。周りには誰もいなくなり、体を抱え、
震えるレイの元へ、再びギルとラウの二人が側までやってきて、
「君はラウだ」
「君は、私だ」
先程と同じ言葉を繰り返す。レイは喉が破けんばかりの絶叫を上げた。
「――っ!」
目を覚まし、起き上がると周囲は薄暗い闇に覆われている。僅かでも周囲に色の違いが
見えることにレイは安堵する。
浅く、荒い呼吸を繰り返し今のが夢だと自覚する。しかし体の震えや汗は止まらない。
「うっ…ぐぅ……」
体を抉るような痛みを感じ、レイは体を縮める。浅く呼吸を繰り返し数分後、痛みが治
まる。
テロメラーゼ導入による副作用が現れ始めてから連日、今のような悪夢をレイは見てい
た。己を死に誘うような忌まわしく、おぞましい悪夢を。
内容こそ違えどどの悪夢にもギルとラウの二人が出てきては口にそろえて、言うのだ。
自分はラウだと、運命からは、逃れられないと―――
「違う……。俺はレイ・ザ・バレル。ラウ・ル・クルーゼではない……」
膝を抱え、レイは己の名を呟く。闇の中、悪夢を振り払うかのように、何度も。
5
ざわめく食堂。その一角に六課の面々は集まり、朝食を取っている。
二つのテーブルを使っており、いつもは賑やかに談笑しつつ食べているのだが、片方の
テーブルは話し声は聞こえず、ただ食器がぶつかる音が響くばかりだ。
沈黙の原因はフェイトの左横に座るシンだ。一週間前のレイの発作以降、発作の回数が
格段に上がりろくに見舞いに行けていない。主治医に詳しい病状を尋ねるも安堵するよう
な言葉が返ってきていないのだ。
不安定なシンのことを思ってかはやてがレイの容態が分かるまでは任務から外れたらど
うかとも進言したが、シンはそれを拒否。いつも以上に任務に積極的に、精力的に取り組
んでいる。
なにこのSS?
夏厨の嫌がらせには迷惑させられるなぁ
死ねよ軍オタ!
支援
支援する
支援だ
このスレは只今より【軍板】学園島戦争 開始23年目【出張所】となります。
既存の住人は今すぐ退去してください。
魔法少女(白石学園)とWWU独軍装備学園(稲葉学園)の戦いを描くSS創作及び考察スレです。
世界設定は
>>2以降のリンク先にあります。
設定を無視したスレ違いのSS、レス、ニュースコピペの投下は止めてください
必読事項 ↓
1 sage進行でお願いします。
2 SSは要項抜粋の短編、小説型長編のどちらでも可。内容はシリアスでもギャグでも大歓迎です。
3 心無いレスは控えましょう。
職人方々がやる気を無くし、スレの雰囲気が悪くなります。
4 作者叩きは、禁止。
何か意見等があれば「○○の部分が、□□のようにおかしい」 「△△のような書き方は気をつけた方がいいと思う」 等、
言いたいところをできるだけ丁寧に書いてレスして下さい。 より良い作品・スレ作りにご協力下さい。
「面白い」という意見も、ただ「乙」など一言でも結構ですが、
「××がよかった」「○に感動した」とか書き込むと、 職人方々にとっては何よりの応援になります。
荒れそうな議論、突っ込みがあった場合は避難所の考察スレをご使用願います。
避難所考察スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5513/1146160497/ 5 荒らしに反応する人も荒らしです。徹底スルーでお願いします。
反応すると被害が拡大するどころか、削除依頼等が通りにくくなるので注意しましょう。
何を支援してるのかは知らないが、作者様はGJです
まぁ夏は仕方ないと思って乗り越えてくださいね、皆さん
FAQ
Q:学園島ってなんですか
A:タイフーン◆TZ4rJYsZg.氏が考案した架空の世界で、他の方も参加しシェアードワールドになっております。
そこでは島全体が回帰圏となっており、稲葉学園と白石学園の間で戦争が起きています
Q:現実世界との関連はあるのですか
A:現実世界と似た発展をしたものの現実世界とは異なる世界です
また発展の度合いも現実と異なっており、電子機器関係は現代並ながらその他はWW2レベルの科学水準となっています
さらに、現実では存在しない「魔法」がこの世界では実在しています
Q:回帰圏ってなんですか
A:その範囲で死亡した人が生き返る魔法結界のことです。学園島はこの回帰圏に覆われているため、この島で死んだ人は必ず生き返ります
ただし、生き返るのに要する時間は一定していない上、長期間掛かることもあるようです
Q:なぜ学生たちは戦うの
A:稲葉・白石共に本土の東西国家がバックについており、回帰圏という特殊環境での限定代理戦争といった意味合いが強いです
しかし、夏だなぁ
虫の鳴き声がうるさいぜ
現在、警戒警報発令中
・現在、学園島スレ、自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた等の創作系スレは、age厨と呼称される荒らしによる攻撃を受けております。
・メル欄が【age】となっているのが特徴です(必ずしもそうであるわけではない) 。
・「軍板の総意」もしくは「自治スレの総意」という言葉を使う時もありますが、匿名掲示板の性質上、そんなもの存在しません。
・割れ鳥を使った騙りや、スレと関係ないニュースコピペといった荒らし行為を行う事もあります。
・タイフーン ◆sePHxJrzaM:というコテ はage厨本人であります。
荒らしは死ねよ
>>401
確かに・・・
まぁ・・・スルーしながら職人様の降臨を待とうぜ。
ま、マジかよ…続きが気になる
この屑コテは学園島戦争のスレとここの住民を争わせようとしてるだけだから易い挑発に乗らずに絶対に特攻しないでくれよ
こいつを叩くための場所は最悪板にあるからむかついたらそっちに行け
既に透明あぼん設定なので何も見えません
lyrical Seed Destinyをwktkしながら待つことにするか
とりあえず軍板のスレに嫌がらせしてきたお。
128 名無し三等兵 sage 2007/07/26(木) 22:48:47 ID:???
痛い妄想で盛り上がっている奴らがいるなぁ
中学生までならいいけど
二十歳過ぎが混じっていたら黄色い救急車呼ばないといけないな
いちいち報告すんなよカス
>>409 そういやレス番飛んでるな
来たのはどっちだ?
まぁどっちでも良いがコテ外すなよ
>>411も自演だろ?このスレには特攻かますような屑はいねーよ
>>411 乙です。
軍事板の奴らは少し頭を冷やした方がいいですね。
>>415 なのはさんが俺たちを守ってくれてるしな!
>>415 屑はお前だろ。
種厨の分際で軍事板に楯突くな。
生意気なんだよ!
lyrical Seed Destinyはもう投下終了なのか?
そうならそうと言ってくれるとありがたいんだが
>>420 少なくとも連投規制にはかかってると思う
うへ、まだ解除されてないのかな……
くっそ、続き気になる
なんというww
これが孔明の罠かww
>>420 もし続きがあったとしても
この雰囲気じゃ投下できないと思う。
しかしフェイトはそんな姿に不安を覚える。無理をしているのが、見え見えだからだ。
「ごちそうさま」
箸を置き、手を合わせシンは席を立つ。
「シン、午後はあいてるんだよね。だったら一緒に病院に行かない?」
「……ああ、そうだな」
元気のない声で返事を返して、シンは食器を片付けに行く。
「元気ねーな。シンの奴」
「無理もないだろう。一週間も友と会っておらず、その容態も知れないのだ。
シャマルは何か聞いていないのか」
「聞いてはいるけど…多分、シン君が聞いてることとおなじことよ」
「早く元気になってほしいです……」
「そうやね」
隣のテーブルに座る八神家の皆も去っていくシンの姿を心配そうに見つめている。
フェイトとしてはシンが心配なのは当然だが、レイの方も気がかりだ。ルナマリアを見
送って病室に戻ってきたときに見たレイの苦しみようは尋常ではなかった。
アレがほぼ毎日起きていると言うのだ。レイは大丈夫なのだろうか……
朝食後、いつものように雑務や訓練をすませると昼時に。シンを連れてフェイトは病院
へ向かう。
面会の手続きを取り、まずは主治医の元へ向かう。レイの容態と現在面会謝絶となって
いるレイへの面会許可を取るためだ。
主治医からレイの状態を訊いた――やはり昨日と変化はなかった――後、フェイトが面
会を頼む。
「面会ですか」
「はい。……今日も無理ですか」
元気のないシンを見て、主治医は柔らかく微笑む。
「いえ、今日は容態も安定していますし問題はありません。ただ時間の方は短いですけれ
ど……」
「ありがとうございます!」
立ち上がり、両手を握るシン。あまりの変わりように主治医は驚き、しかしすぐに微笑
を零すと、病室まで案内してくれる。
シンの嬉しさ一杯の表情にフェイトも微笑み、またレイに会えることに安堵する。
「……シン。それにハラオウン隊長か」
病室に入り、レイを見て、フェイトは絶句する。レイの無表情には強い焦燥の色が見え、
発した声にも以前にはなかった堅さと乾きが感じられる。
そして何より、こちらを見る視線が鋭く、冷たい。まるで憎むべき相手を見るような――
しかしシンはそんな彼の様子に気が付かないのか歓喜一杯の表情で駆け寄り、レイに話
しかけている。
「よかった、レイ。心配したんだぜ」
「そうか」
「ゴメン。俺、レイが苦しんでいるのに何の力にもなれなくて……」
「気にするな」
「顔色はちょっと悪いけど……でもまぁこれから回復していくさ」
「ああ」
シンの言葉に淡々と応じる彼の姿を見て、フェイトはさらに不安を感じる。
今度こそ支援
一見いつもと同じに見えるが、彼らをよく知る人物から見れば明らかに雰囲気が違う。
レイの応答には情の欠片も感じられない。まるで機械が受け答えしているかのようだ。
「テロメラーゼがちゃんと定着するのには時間がかかるらしいけど、きっともうすぐち
ゃんと定着するさ」
明るくシンがそう言い放ったときだ。レイの表情に変化が見られる。歪みと憤怒という
変化が。
「簡単に言ってくれるな」
嘲笑を浮かべ、レイは言い放つ。シンの表情が凍りつく。
「仮にテロメラーゼが導入したとしても寿命が延びるとは限らない。むしろさらに短命に
なる恐れだってある」
「そ、それは……」
「それを知っていながらシン、よくもまぁそんな希望的な観測ばかりできるものだ。お前
のその短絡的思考が羨ましいな」
親友からの、予想もしない言葉にシンの面が蒼白となる。
シン同様レイの豹変に驚きつつも、いきなりの罵詈雑言にたまらずフェイトは前に出る
が、
「レイ! そんな言い方はないでしょう…! シンがどれだけあなたのことを」
「心配していたと? 心配されても俺の苦痛や苦しみはなくならない」
突き刺すような眼光を放ち、レイはこちらを見る。
「気持ちだけで何とかなるのでしたら誰も苦労はしない。苦しみも悲しみもこの世に有り
はしない」
強い憎悪の念が籠もった言葉にフェイトは言葉を失う。
突然向けられた憎しみに、フェイトが戸惑っていると、
「お前にはわからないだろう。俺の恐怖や苦しみなど。――俺と違い完璧なクローンであ
るフェイト・T・ハラオウン、お前には……!」
放たれた言葉にフェイトの思考は停止してしまう。何故、それを知っているの、と言う
疑問に脳裏が埋め尽くされる。
「完璧なクローン……? フェイト?」
唖然としたシンの声にフェイトははっとなる。
シンは説明を求めるような表情で自分を見ている。説明するべきかどうかを考えるが、
すぐにその考えを振り払う。
今はそんなことをしている場合ではない。原因はよく分からないがレイの様子がおかし
い。一体何があったのか、訊かねば――
「…ぐぅっ!?」
そう思ったとき、レイは胸元を押さえる。以前見たとき以上の苦痛の表情に、
「レイ、レイ! しっかりしろ、レイ!」
シンは駆け寄り彼の背中をさすったり、呼びかける。そんなシンをレイは鬱陶しげに手
で払い、
「構うなっ…!」
言って、さらなる苦痛の呻きを漏らし、身を縮める。
数分後、ナースコールでフェイトが主治医と看護師達を呼び、処置を始める。
二人は閉め出され、しばし廊下で立ち尽くす。
一体何があったのだろう。あのようなことを言い出すなど、彼らしくない。フェイトの
知っているレイは無口で感情を表に出さないが、シン同様強い意志を持つ、友達思いの青
年だ。
それが一体何故あんな心にもないことをシンにぶつけたのだろう――
また連投規制に引っかかりました、支援頼みます
シンを見ると、彼は病室の扉に顔を向けたまま動かない。声をかけようとしたところで
彼は呟く。
「……最低だな、俺。レイがどんな気持ちかも考えず、自分勝手に喋って、怒らせて、傷
つけた」
「シン、それは」
「メサイア攻防戦の時――俺はレイを助けた。その時からレイがクローンであることも知
ってたし、先短い命だって事もレイから聞いてた。
でも俺はレイを助けた。――死なせたくなかったから。寿命が短かろうが、何だろうが、
少しでも長く生きていてほしかったから」
彼は左腕を押さえながら唐突に語り出す。話の内容から察するに、おそらくCEでの前
大戦のことなのだろう。
「でも俺は知っていたんだ。レイがあの時、議長と一緒に死にたいと思っていたことを。
時折、レイはうなされてるんだ。そしていつも最後に議長に謝ってるんだ。『一緒にい
られなくて、ごめんなさい』って……」
フェイトは絶句する。それはフェイトにも経験のあることだからだ。
プレシア・テスタロッサ。目の前で母が虚数空間に消えゆくのを見た彼女はしばらくの
間、夢の中に母が出てきて、そしてその度にフェイトは母に謝っていた。
そしてそれを側で訊いていたアルフが「フェイトは悪くない。謝る必要なんて無いんだ」
と慰めてくれていた。
「俺はレイを助けたい一念で助けたけど、もしかしたらそれはレイのためじゃなくて、俺
のためだったのかもしれない。……俺が一人になるのが怖くて。俺がレイを失いたくなく
て。俺の身勝手でレイと議長を引き離してしまった」
シンの総身が震え出す。握りしめている両の拳からは血が垂れている。
「レイは俺のことを恨んでいるのかもしれないな。議長から引き離した俺を。
レイのことを本当に考えているのなら、あの時俺は――」
「シン!」
フェイトはシンの方をこちらに引き寄せる。泣き崩れかけている表情のシンを真っ直ぐ
に見つめ、言う。
「レイはあなたのこと恨んでなんかいないよ。あなたと同じで誰よりもシンのことを大切
な友達だと思っているし、生きたいと強く願ってる」
そう、フェイトは知っている。レイが誰よりもシンを大切に思っているのかを。
シンが六課に所属して数日経った頃のことだ。フェイトはレイを見舞った。シンと共に
アスランから預かっている身としては彼がどんな人か知る必要もあったからだ。
病室を訪れた自分にレイは微塵も表情を動かさず淡々と話し、または返事を返す。初対
面の時に感じた、何を考えているのか分からない人物と言う人物像が定着し始めたときだ
った。
『俺の出生についてシンから聞いているのでしょう。難しいとは思いますが何らかの対処
法を見つけてくれることを、願っています』
そう言う言葉からは紛れもない、強い生への執着と渇望が感じられた。初めてレイの、
感情の入った言葉を聞けたのがこの時だ。さらに彼は続けて、
『シンは六課で上手くやれていますか』
その質問に、一瞬フェイトは答えに詰まった。しかしそれに気付かれぬようすぐ何とか
上手くやっていると答えたのだが、
『やはり上手くやれていないようですね』
そう告げてレイはさらにこう言った。
支援!
『多少は問題のある奴ですが、あいつのことをよろしくお願いします』
頭まで下げる彼にフェイトは慌てた。何故あっても間もない自分にそんなことを言うの
かと。
レイは初めて笑って、
『アスランのふざけた命令にあなた達は従っている。それにシンが話すあなた方への印象
や俺に対しての態度を見れば、あなた達が正真正銘のお人好しということぐらい容易に想
像がつく』
褒めているんだか、けなしているんだかわからない台詞をレイは言い、最後にこう付け
加える。
『ただし、何かしらあいつを傷つけたときは覚悟してもらう』
声質は変わらなかったが、僅かに眉を潜めた怒りの表情をレイはしていた。それだけで
彼が本気だと言うことは十分に分かった。もしシンに自分達が何かあれば、彼は何の躊躇
もなく自分達に、その代償を払わせるだろうと――
そこまで友を思えるレイにシンと同じようにフェイトは羨望と深い共感を感じ、そして
彼もまた自分達やシンと同様、他者のために頑張れる人なのだと、確信した。
「レイは自分の苦しみと闘っている。今は負けそうになっているのかもしれない。こんな
時にこそ、シンや私達が支えてあげなきゃ」
「……ああ。そうだな」
シンは僅かに力を感じられる笑みを見せた。
6
スクリーンに映っているのはエルセア市内のマップだ。その中央に表示されている公道
を進む赤い点――ロストロギアを搬送している車両――が見える。
「搬送車、今のところ異常ありません」
「公道及び建造物周辺200m以内にも異常ありません」
108陸士部隊のオペレータからの報告を受けて、はやては「警戒を怠らないよう注意
して」と指示を放つ。
今、はやてがいるここは108陸士部隊隊舎の第二作戦司令部だ。六課の作戦時にはこ
こを使用している。
一定の時間が立ち、幾度か同様の報告が帰ってくる。それを聞き隣に発つシグナムが呟
く。
「今回は来ないのでしょうか」
「だと、ええんやけど……」
今回のロストロギアの搬送の護衛の任に当たっているのはシンとフェイトだ。隊舎に帰
ってきたとき元気のないシンを見て、レイと面会できなかったのかと訊いてみたが面会は
したという。
しかしシンは朝よりも元気がなく、またフェイトも少しばかり何か悩んでいるような素
振りを見せていた。とりあえず業務が終わった後話でもしてみようかと思っていたとき、
前回襲撃にあった保管庫の責任者からロストロギアを別の私設に搬送するので護衛を頼む
という依頼が舞い込んできた。
はやては元気のない二人ではなく、シグナムとヴィータに行かせようとしたのだが話を
聞いたシンは何故か自分が行くと頑として言い張り、さらにフェイトもシンに付き合うと
言ってきたのだ。
異様な迫力を放つシンにはやては折れ、搬送の護衛の任を任せたのだが――
「何が、あったんやろ」
誰にも聞こえない声で、ぽつりと呟く。
フェイトもシンも、何やら様子がおかしかった。シンは間違いなくレイ絡みだろうが、
フェイトの方は何が原因なのか、わからない。
――なのはちゃんがいれば、何か聞き出せたかもしれへんなぁ
昨日からなのはは教導隊の方に呼ばれ、不在なのだ。
シンやフェイト、なのはが早く帰ってこないだろうか、などと考えているはやてに、オ
ペレーターからの報告が飛び込んでくる。
内容は先程と同じだが、二度呼ばれていたようだ。集中を欠いていた自分を叱咤する。
――二人のことは、今は後や。任務に集中せえへんと
気合いを入れ直し、モニターを見る。赤い光点は先程と変わらず公道を進み、
「え?」
突然、消えてしまった。そして次の瞬間、悲鳴じみた報告が聞こえてくる。
「車両、攻撃を受けましたっ!」
「く……」
チカチカする視界とふらつく体。理由は分からないが危険を感じたシンは、”デスティ
ニー”を機動。トリコロールの騎士甲冑をまとい、自分の右頬を殴りつけて無理矢理意識
をはっきりさせる。
つい先程まで輸送者の中にフェイトと二人でいたはずだ。しかし突然何かの衝撃が来た
かと思った次の瞬間、何故か自分は道路に投げ出されていた。
「なんなんだ。今のは……フェイト?」
周囲には大破したトラックと、かがり火のような小さな炎が公道を燃やしている。
自分のすぐ近くにバリアジャケットを着たフェイトが倒れている。慌てて抱き起こし、
声をかける。
「おい、大丈夫か!?」
声をかけると、フェイトは朦朧とした表情を見せる。まだ意識がはっきりしていないよ
うだ。
「…あ、シン。今のは、一体……?」
「……俺にもわからない。ただ……」
フェイトに視線を向けつつ、シンは周囲に気配を向ける。
すると感じられた気配は三つ。その内二つは転倒しているトラック内から感じられた。これはトラックの運転手たちだろう。
「攻撃を受けたことは、間違いない」
そして残る一つ。それは自分達の真上から感じられる。巨大な魔力と、肌をざわつかせ
る殺気と共に。
視界を上に向けると、そこには奇妙な文様を顔に刻んだ男がいる。
一目見て、その男が普通でないということと、非常に危険であるとシンは悟った。
藍紫の騎士甲冑を身にまとうその男は狂気そのものと言った表情で自分達を見下ろして
いる。何より彼が放つ威圧感、そしてまとわりつく空気からは濃厚な血と死の気配を感じ
させている。
フェイトも男の異様な存在を感じたのか、”バルディッシュ”を構え、上を見上げる。
「ほう、今の一撃を受けてもう立ち上がるか」
笑みを濃くして、男が言う。
「そうこなくては面白くない。あっさり殺せても、それはそれで面白みがないからな」
男の視線が横に動く。その先には転倒したトラックがある。
ぎょろっと男の目が動いたのを見て、反射的にシンとフェイトは動き、トラックの前へ。
その直後、男から放たれる射撃魔法を二人は防ぐ。
「…っ、何するんだ!」
「そいつらは前菜だ。お前達というメインディッシュをいただく前のな」
「前菜……メインディッシュだと?」
「そうだ。そこのムシケラ達の命はお前達に比べれば、それだけの価値しかないと言うこ
とだ。とてもではないが俺の腹を満たすことなど、できはしない。
殺しという俺の飢えを、な」
平然と殺人を語る男にシンは愕然し、激怒する。
「人の命に勝手に価値をつけるだと…! 何様だあんた!」
「あなたは人の命をなんだと思っているんですか!」
シンと同様にフェイトも激しく激昂。鎌形態だったバルディッシュが薬莢を吐き出し、
”エクスカリバー”のような大剣へと姿を変える。
「ひ・と・の・い・の・ち・ぃ・〜? 決まっているだろう。大切なものだ、尊ぶべきも
のだ」
目を見開き、気味が悪いほどに口を歪ませて、男は叫ぶ。
「全ての命は、この俺に娯楽を与えるためにある! 殺しという娯楽をなっ!!」
叫びと同時に両手を広げる男。その中心には浮かぶ魔法陣からは砲撃魔法が放たれる。
咄嗟にシンは前に出て防御魔法を展開。全身に重圧がのしかかるような砲撃魔法を食い
止めながらシンは叫ぶ。
「フェイト、運転手さん達を安全な場所まで連れていけ! この男は俺が倒す!」
「…気をつけて! すぐに戻ってくるから!」
フェイトが現場から離脱したのを察すると、砲撃魔法を反らし、シンは男に向かってい
く。
”ウァジュラサーベル”を男の胴へ薙ぐがあっさりとかわされ、宙で一回転した男の魔
力刃つきのかかと落としを返される。
反射的に受け止めて、弾くと同時男から距離を置く。
「ほぅ、よく受けたな!」
嬉々とした表情で男は四肢に魔力刃を精製させ、攻撃を繰り出してくる。一見出鱈目に
見えるその動きは非常に正確で、時折トリッキーに変化してシンに襲いかかる。
負けじとシンも”ヴァジュラサーベル”で斬りかかり、またはインパルスシューターを
放ち、攻撃するも、男は高笑いしながら悠々とかわしては弾き、反撃を返してくる。
――こいつ……強い!
攻撃、防御の動きの鋭さもさることながら、フォースモードであるシンの動きに余裕を
見せてついていっている。このまま戦っていても決定的ダメージを与えられる可能性は低
い。
なら――
「ははっ! どうした、その程度かぁ!?」
男が放つ砲撃魔法を回避して、シンは加速。迫る最中フォースモードからソードモード
へ変更。”エクスカリバー”を連結させて斬りかかるが、
「そんな大振りが当たるかぁ!!」
斬撃は虚しく空を斬り、男の反撃を食らう。致命傷はないものの、体に傷を負いつつも
シンは男に向かっていき、そしてまた攻撃がかわされる。
それらを繰り返すシンに次第に男の表情が変化していく。
「そろそろお前の相手は飽きた。…死ねっ!」
ゴミを見るような目つきで男は叫び、砲撃を放つ。攻撃を受け続け、動きが鈍っていた
シンはかわせず、それを受け止め、後方へ吹っ飛ばされる。
支援age
支援
止めを刺そうと追ってくる男。体に感じる激痛を無視してシンは左の”エクスカリバー
”をビームブーメランに変化させ、投げつける。
『フラッシュ・エッジ』
「下らん小細工を!!」
投げつけたブーメランを男はあっさりと弾き、さらに迫る。さらにはインパルスシュー
ターを放つも、これらも同様にかわされ、弾かれる。
「これで終わりだぁ!」
至近の、かわせない距離まで近づき男が砲撃を放とうとする。それを見てシンはまずシ
ューターに命令を下す。
<ターン!>
弾かれたシューターはシンからの命令を受け、背後から男に遅いかかかる。それに気が
付き男はかわすが、その時シンはそれを見ず、空中を浮遊している”フラッシュ・エッジ
”にシューターと同じ命令を出すと同時、”エクスカリバー”に薬莢を吐き出させる。
目の前の男は狂っているが、強い。現状では勝ち目は薄い相手だと言うことはすぐに分
かった。
だが――勝ち目がないというわけではない。
シンは騎士甲冑を赤、青、白に戻し、”エクスカリバー”を構えて男に迫る。”フラッ
シュ・エッジ”を再び弾いた男はこちらを向き、
「何ぃ!?」
”エクスカリバー”を振り上げたシンを見て、驚愕の叫びを上げる。この距離では防御
魔法も、回避も間に合わない。
『エクスカリバー』
真紅の大剣が男を袈裟斬りに切り裂き、爆発。確かな手応えをシンは感じ、しかしさら
なる追い打ちを放つ。
”エクスカリバー”を消してシンの騎士甲冑が暗緑に変化。手に握ったジャベリンを腰
に構えて男へ突撃。
「貴様…!」
血まみれながらも男は激怒の表情を見せる。突き出したシンのジャベリンを防御魔法で
受け止める。
藍紫のシールドと真紅の穂先がぶつかり合い、火花を散らす。ぶつかり合う中、シンの
ジャベリンが藍紫のシールドを貫通する。
しかしほんの僅か――親指程度しか貫通しない。そのことに男は愉悦と殺戮の混じった
笑みを見せて反撃の気配を見せるが、
『ケルベロス』
ジャベリンが薬莢を吐き出すとシールドに突き入れた穂先の前に二つの真紅の魔法陣が
展開し、砲撃が放たれた。一瞬男の驚愕の表情が見え、しかしすぐ砲撃によって生まれた
爆発が隠す。
砲撃の衝撃でシンは後退。男も打ち付けるような轟音と共に公道に激突する。
「ふぅ……」
ため息をつき、シンはゆっくりと降下する。今頃になって体の各部が痛み出した上、疲
労が一気に体におぶさってくる。
”エクスカリバー”に”ケルベロス”。今のシンに使用できる魔法の中でも最大クラス
の魔法を連続で使用したのだ。無理もない。
一瞬の気のゆるみをすぐに押さえ、シンは男が激突した公道に視線を向ける。
公道はものの見事に陥没しており、男は公道の破壊によって生まれた瓦礫の下敷きにな
ったのか、姿は見えない。
しかしシンは油断していない。あれほどの使い手がこの程度で死ぬとは思えない。だか
らこそあえて殺傷設定で攻撃したのだ。確実に身動きを取れなくするために。
着地すると同時、一部の瓦礫が吹き飛び、男が姿を見せる。しかし騎士甲冑の所々は破
損しており、傷だらけ、血まみれだ。
「ここまでだな。大人しくしてもらうぜ」
告げるシンに、男は狂った眼差しを向け――唐突に笑い出した。
「はははははははははははははははは! はははっ、はーっはっはっは!」
奇っ怪な笑い声にシンはぎょっとなる。何かまた仕掛けてくるのかと思ったシンはバイ
ンドで拘束しようとするが、シンの手が止まる。
「……な、何…!?」
傷だらけと血まみれで天を仰ぎながら、笑い続ける男。しかし驚いたのはその姿ではな
く、男の体から流れている血が止まり、傷がふさがり、騎士甲冑が復元していくその姿だ。
瞬く間に完治した男。先程と同じ狂気の笑みを見せて、男は叫ぶ。
「なかなかいい攻撃だったが、その程度では俺は倒せん。このアッシュ・グレイ様と”リ
ジェネレイト”はなぁ!!」
叫びと同時、砲撃魔法がシンに向かって放たれる。回避と同時、”ケルベロス”を放つ
もあっさり避けられ上空へ。
「なんなんだ、あいつは…!?」
男――アッシュ・グレイはつい先程まで相当な怪我を負っていた。気の入れようで無視
できるレベルのものではない。
完治した姿が一瞬幻覚類の魔法かとも思ったが、それを男の動きが否定する。殺戮の悦
びをその面に浮かべ、アッシュは先程のように攻撃を放ってくる。
見間違いでも、幻覚でもなく、間違いなく男の傷は治っている――そう判断せざるを得
ない。
「はははははっ!」
笑い声と共に射撃魔法が放たれる。シンのインパルスシューターと同じ大きさのそれは
速さの威力も明らかに上だ。シンはフォースモードにチェンジ。回避に徹し、今現状で分
かること、できることを踏まえ、策を考える。
アッシュ・グレイは狂っているが、優秀な魔導士であることは間違いない。それは今ま
での戦闘が証明しているし、保有する魔力量もかなりのものだ。
――怪我が治った後、ごっそりと奴の魔力が減っている。どうやら無限に回復するわけじ
ゃない
牽制のシューターを放ち、シンはエルセアの夜空を飛び回る。
――魔力を多量に消費し、しかも重傷と言える怪我を瞬時に治す魔法だ。おそらくはデバ
イス依存型の魔法…
強力で、効果の高い魔法ほど、時間や複雑な術式、詠唱を必要とする。あれだけ高レベ
ルの回復術にそれが全くないとなるとデバイス依存型としか、考えられない。
もっとも、シンは例外たる手段を知ってはいるのだが――彼がその手段を用いることこ
そ、まさしくあり得ない。あれが使えるのはシンが知る限りでは自分を含めてたったの四
人のはずだ。
「逃げてばかりかぁ! さっきの勢いはどうしたぁ!?」
――となると、デバイスを破壊すればいいだけだが……それも無理だ
アッシュの速さは今のシンには捕えきれるものではない。”デスティニー”が完全に機
能を回復しているか、シンの魔力が満タンならば話は別だが。
「と言うことは…あいつの魔力を使い切らせるしか手は無いというわけか!」
射撃魔法を回避して、シンは”エクスカリバー”を右手に出現させる。
放たれる魔法を回避して、シンは斬り込む。間合いに捕え、斬撃を繰り出すもあっさり
上に回り込まれる。
振り下ろされる攻撃を、シンは回避し、反撃の斬撃を返す。
「…っ、やるなぁ!」
元々スピードや反射神経がシンはずば抜けている。アッシュの速さはシンを上回ってい
るがこう長時間戦い続けていればそのスピードにも慣れてくるというものだ。
振り上げた斬撃を回避し、アッシュは離れると同時に砲撃を放つ。シンは回避、そして
すぐに接近し右手に”エクスカリバー”、左手には”ヴァジュラサーベル”を持って斬り
かかる。
ぶつかり合う真紅と藍紫の光。さらにそこへ黄金の光が襲来する。
「シン!」
運転手達を安全な場所まで避難させたのか、フェイトが帰ってくる。アッシュと間合い
を離し、念話で現状を伝える。
彼女から近くの病院――なんと、レイの入院している病院に運転手達を運んだ――に連
れていったと伝えられ、シンは一瞬昼間の出来事を思い出すも、すぐに頭から振り払い、
<同時に斬りかかるぞ。俺は前から、フェイトは左右や背後から頼む!>
<わかった!>
返事と同時に二人は飛び出す。フェイトが――アッシュから言えばメインディッシュ―
―が戻ってきたのが嬉しいのかアッシュは狂喜と狂気の笑いを上げて向かってくる。
雷の魔力変換資質を持つフェイトは、まさしくその稲妻のような鋭く速い。フォースモ
ードの自分と同等か、それ以上にも見える。
攻撃も腕力で押すシンとは対照的で速さや女性特有の柔らかい動きを最大限に生かした
さばきぶりだ。フェイトが加わったことにより押されっぱなしだった状況が互角以上の展
開へと傾いていく。
「ちぃっ…このクソどもがぁッ!」
この苦戦を予想もしていなかったのか苛立ちの表情でアッシュは砲撃を放つ。だが二人
はあっさり回避し、シンはインパルスシューターを。遅れてフェイトがプラズマスマッシ
ャーを放つ。
それらを回避し、アッシュは舌打ち。
「ふん……気に入らんがあの人形共を使わせてもらうか」
何やら呟き、彼は右手の指を鳴らす。すると後方より何やら光が接近してくる。
いや、違う。あれは――!
「砲撃魔法! でも……」
「俺たちを狙ったものじゃない!?」
はるか後方より放たれた幾つもの光はなんとアッシュの背中に激突する。
六課の誰かか、近隣の部隊の援護だろうか――そう思ったシンだが、アッシュを見て、
愕然と呟く。
「砲撃魔法を…受け止めている!?」
砲撃魔法を受けたはずのアッシュは何故か微動だにせず、宙に佇んでいる。そして彼の
足下に浮かぶ藍紫の三角魔法陣。
『ライトクラフト・プロバルジョン』
アッシュのデバイスが言葉を紡いだと同時、シンの横を何かが通り過ぎていった。
慌ててそちらへ振り向けば何故かそこにいたはずのフェイトの姿が無い。――そして自
分に迫る藍紫の光。
回避しなければ――そう思った瞬間、藍紫の光――アッシュの放つ蹴りが腹部に命中し、
シンを吹き飛ばした。
支援
7
何かの振動を感じ、レイは目を覚ました。自分の体が倍以上の重力に覆われたかのよう
に、酷く重い。
病院内のあちこちが騒がしくなる。いや、もうなっていたようだ。ただ今崎ほど感じた
衝撃にさらに喧噪が大きくなっているようだ。廊下からは医者や看護師達、患者の声が上
がっては消えているのが聞こえてくる。
そんな騒ぎをレイは黙殺して薄暗い闇の中、現状を確認する。
「夜か……。ということは、あの後から俺はずっと眠っていたのか」
眠る直前の光景を思い出し、レイは沈痛な表情となる。脳裏に浮かぶのは愕然としたフ
ェイトと、泣き出しそうなシンの顔――
「俺は……なんてことを…………」
副作用が苦しかった。悪夢を見て怯えていた。自分の苦しみを知らず、無邪気に喜ぶ姿
を見て苛立った。などは理由にならない。自分の容態を心配してくれていた友人に対し、
最悪の対応をしてしまい、さらには恩人が抱え持つ秘密をばらしてしまった。
「俺は、こんなにも愚かだったのか……? 醜かったのか…?」
己の行いを省みて、レイは強い悔恨の念を覚えると同時、思ってもみなかった己へ愚か
さ、醜さを知り、愕然とする。
そもそも、自分にこんな一面が会ったこと自体、予想もしなかったことだ。思い、しか
しレイは気付く。CEにいたときにはそのような思いで常に行動していたことを。
自分はシンに苛立ちをぶつけた後、心のどこかですっきりしていた。フェイトの秘密を
らし、愕然とした彼女の表情を見て内心で嗤っていた。
「俺は…………」
許されない。呪われた生を受けた自分はどんな所業さえも罪深い。
考えてみれば、今までの自分は大切な人達に対し、何をしてきたのだろう? 感謝され
るようなことは何一つしてこず、周りに害になるようなことばかり振りまいてきた。この
3年間も、戦争の時も。
シンに対しても、そうだ。戦争時は彼の思いを利用して操り、ただ戦うための兵器とし
ようとした。そしてこの3年間も、自分の体のことで常に迷惑をかけていた。
もはや生きる価値など、いや――最初からそんな価値などなかったのだ。だというのに
死を恐れて、必死に生にしがみつき己の命に価値を見出そうとするとは。無意味かつ、害
悪だ。
レイはベットから起き上がり、戸棚から”レジェンド”を取り出す。
「この体でどこまでいけるかわからないが……」
もはや今の自分にできることはこの呪われた生を誰もいない場所で終わらせることだけ
だ。誰にも迷惑を変えず、誰もいない所で、ひっそりと。
自分が死ねば、シンはアスランの命令からも開放される。六課の新しい友人達とも仲良
くやっていけるだろう。自分という呪縛からシンは解き放たれて、自由になれる。
友人のそんな姿を想像し、レイは一瞬幸せな気持ちに浸り、すぐに消す。そんなことを
夢想することさえも自分には資格がない――
病院内は騒がしい。この状況では自分がいなくなっても気付くのは時間がかかるはずだ。
レイは病室の窓を開ける。そして”レジェンド”を起動させようとしたとき、病室に向
かってくる足音が聞こえ、急いでベットに潜り込む。
それと同時に乱暴に病室のドアが開かれる。入ってきたのは主治医と共に自分の治療に
当たっている若い看護師だ。レイは今の音で起きたような素振りを見せて、
支援age
支援!!
支援
支援
支援
ダントツに文章力高いな…脱帽だ
30分たったな
>>374 なのはさんたちの世界観では地球なんてただの田舎
そんなとこで高学歴でもミッドやほかの世界では無意味なんだろ
>>448 そんな素晴らしい職人のいるスレを荒らすのは許せないよね。
報復してきました。
130 名無し三等兵 sage 2007/07/26(木) 23:58:58 ID:???
>>129 おおっ神降臨!!
お仕事はもう慣れましたか? 職場の人間関係は良好ですか?
そろそろ新しい靴など買って夏前にリフレッシュしましょう!
1月ごろに予告していたSSの進行状況はどうですか?
どんな内容か忘れてしまいましたが、新作待ってます。
なるべく早くお話ください。
投下マダー?
「何の騒ぎだ」
「バレルさん……屋上に……」
弾ませている呼吸を整えて、彼は続ける。
「屋上にフェイトさんが飛んできました!」
「……なんだと?」
不可解な表情を自分は浮かべていたのか、若い看護師は屋上の給水塔にフェイトが飛ん
できて、激突したのだと伝える。
先程の激突音を思い出す。だが何故フェイトが飛んできたのだ。
「ともかく彼女の元へ案内してくれ」
言い、レイは彼と共にフェイトの所へ向かう。途中、どんな顔して彼女に会えばいいの
かと思い至ったが、引き返すわけにも行かず進む。
「レイ…!」
診察室のベットに寝かされていた彼女はこちらを見て驚き、気まずげな表情になる。レ
イも一瞬、内心の心情が表に出そうになるがなんとかこらえ、いつものポーカーフェイス
で問う。
「どうした。何があった」
寝かされている彼女は酷く汚れ、ボロボロだ。黒を基調としたバリアジャケットのあち
こちは破け、血によって赤黒く染まっている。
彼女がここまでの傷を負うなど。相当の強敵と戦ったようだ。
フェイトは治療魔法をかけられながら、現状を説明する。
「アッシュ・グレイだと……」
その名前には、聞き覚えがあった。前大戦末期、ザフトに所属していた腕利きの魔導士
だ。
ザフト特殊防衛軍所属。当時のプラント議長、パトリックに最新鋭のデバイスを与えら
れ、しかし大戦末期に行方不明となった男――
そして彼の使用するデバイス”リジェネレイト”と同じ名を冠する魔法にも、レイは知
っている。
「奴がアッシュ・グレイだとすれば、今のあなた方では奴は倒せない」
リジェネレイトはCEの回復系魔法の中でも最高位に位置する。致命傷クラスの傷です
らものの数秒で完治してしまうあの魔法の前には生半可な攻撃は通用しない。
倒すならばデバイスとマスターを同時に攻撃して破壊するか、マスターの魔力を尽きさ
せて”リジェネレイト”を使用不可能にするか、”リジェネレイト”の回復よりも速く、
連続で攻撃を叩き込みマスターを倒す以外術はない。
そして今の彼ら――リミッターがかかっているフェイトに、”デスティニー”が完全で
はないシンでは到底不可能――
「……いや」
ある。一つだけ。現状でアッシュ・グレイを倒す方法が。
シンに使用できない――いや、封印した”デスティニー”の魔法を使わせる方法が。
そしてそれを実行できるのは、今この場には自分以外いない。
だが――
「何か案があるの?」
フェイトの問いに、レイは答えられない。方法はある。しかし今の自分はそれをできる
のか。それをしていいのか。
欠陥だらけの己。自分をずっと助け続けてくれた友へ悪意をぶつけた己が――
「……何かあるんだね、方法が」
逡巡する自分を見て、悟ったような表情を見せるフェイト。治療を続ける看護師の手を
払って彼女は立ち上がる。
「フェイトさん、どこへ…」
「シンの所へ戻ります。皆さんは患者さんを連れて避難を。あと近隣の陸士部隊へ連絡を
お願いします」
きびきびと言うが、体に蓄積したダメージは抜けきれていない。頼りない足取りで彼女
は診察室をあとにする。
「無茶です! 怪我は治ってもまだまともに動けるほどには…!」
「今、シンは一人で戦っています。私がここで寝ておくわけにはいきません」
食い下がる主治医を見ずフェイトは言い、自分の方を振り向く。
「レイ、教えて。どうすればアッシュ・グレイを倒せるの?」
「そ、それは…………」
真っ直ぐに眼差しに、思わずレイは後ずさり、視線を逸らす。
「教えて」
視線を逸らした自分へ、彼女は逃がすまいと顔を近づけてくる。
美しい――ふと、そんなことを思う。今の状況や場所、何もかも忘れて。
自分と同じ存在。しかし彼女は凛々しく、美しく、強い。クローン――造られた、本来
いるはずのない存在とは思えないほどに。
何なのだ、この違い。一体何故、どうしてここまで、自分と違うのだ――
圧倒されつつも、レイはその方法を告げる。己では不可能なそれを訊いてフェイトが愕
然となるが、すぐに表情を戻すと、自分を見て、
「レイ、あなたならそれができるんだよね。なら一緒に来て」
「……!」
「フェイトさん、無理です! 今の彼は戦闘など」
「問題ありません。彼は戦いませんから。――レイ」
差し出される手。しかしレイはそれを掴むことをためらう。
「シンに会うのが、怖いの?」
刃の如く、レイの内心を貫くフェイト。
「俺は…!」
内情をぶちまけようとするレイをフェイトは笑顔を見せて、遮る。
「友達と喧嘩したんだもんね。その気持ち、分かるよ。――でも、もしレイが行かずその
結果、シンにもう会えなくなってもいいの?」
――シンにもう会えない……? それはつまり――!
脳裏に浮かんだ悪夢の光景。それを連想させた目の前の女性の胸ぐらを怒りのままレイ
は掴む。
『サー、レヴァンティン、グラーフアイゼンのマイスターがデスティニーのマスターの元
に救援に来たようです』
”バルディッシュ”が無機質な声で告げる。その内容にレイは安堵する。
よかった。これでシンが死ぬことは――
『しかしデスティニーのマスターは、危険な状態です。生命活動が著しく低下しています』
だが続けて告げられた内容にレイは愕然とする。フェイトから手を離し、後ろへ下がる。
――シンが……死ぬ?
今まで、そんなことは想像もしたこともなかった。シンは誰にも負けない。その確信が
あった。
ギルが見出し、自分が育てた戦士。SEEDの因子を持つCEの申し子――
運の巡り合わせか、何かシンの内面に問題があったのかメサイアではアスランに敗北を
喫したが、それでもなおシンが誰かに負ける――殺されるなど、あり得ない。例え、キラ
・ヤマトであろうとも。そう思っていた。
そのシンが、負ける? 死んでしまうというのか? ……もう、会えなくなるというのか?
「シンと話してみたら、どうかな」
「……話す?」
おののくレイにフェイトは言う。
「シンも気にしてたよ。あの後、酷く落ち込んでいた。自分が無理矢理レイを生かしてた
んじゃないかって」
「な……!? 馬鹿な、何故そんなこと」
あの時、自分を救ってくれたシンにレイは感謝しても、しきれないほどに感謝している。
それが何故そんな風にシンは思ってしまうのだ!?
「友達って間柄、難しいよね。お互いを知っているように見えて、でも実のところ、知ら
ないことばかりだらけ」
「……」
「だから時には喧嘩したりするんだよね。私もたまにやっちゃうんだ」
小さく笑うフェイト。
「でも喧嘩した後はいつもちょっと後悔して、話し合うの。どこが悪かったのか、知らな
かったのか。お互いを理解するために、今まで以上に仲良くなるために」
「ハラオウン隊長……」
「先に行ってるね」
まるで自分が来ることを確信しているような言い方をして、彼女は去っていく。
立ち尽くす自分へ己の中にいるもう一人の自分が冷たい声で呼びかける。
『何を恐れている。あの女の言うことなど当てになるものではない。シンは強い。例え俺
がいなくても、負けることなどあり得ない。むしろ俺が側にいればあいつの足を引っ張る
だけだ』
助ける必要はない――そう告げる無表情の自分とは別の、もう一人の自分が呼びかける。
『何を迷っているんだ。シンが危ないんだぞ。このままなにもしないつもりなのか。見殺
しにするのか』
助けるべきだ――必死の表情で叫ぶもう一人の自分。相反する思いに挟まれ、レイは動
けない。
「きゃっ」
どん、と何かの衝撃がした。視線を向ければ車椅子に座っている少女の体勢が崩れてい
る。このままでは床に転げ落ちる。
避難していたところ、廊下に立っている自分にぶつかったのだろう。咄嗟にレイは腕を
差しだし、少女の体を受け止める。落ちると思っていたのか少女はしばらく目を閉じたま
まだったが、恐る恐ると言った感じで開き、自分とレイを見ると、
「ありがとう、おにいちゃん」
はにかむような笑みを浮かべ、礼を言った。
「―――」
何気ないその笑みが、シンのものと重なり、レイは目を見開く。車椅子を引いていた看
護師が頭を下げ、少女を連れて行く。それを見送り、レイは動き出す。
――俺は一体、何を迷っていたんだ。なせ迷っていたんだ。
病室に戻り”レジェンド”を手に取ると、その足で屋上に向かう。
――シンに会うことが怖かったからか。罵倒され、拒絶されることが。
扉を開き、屋上に出る。破壊された給水塔を一瞥。
――そうだ。俺は怖かった。そして今でも、そうなることを恐れている。だが、
「”レジェンド”、シンの居場所は分かるか」
『”デスティニー”のマスターは四時の方向に400m程の距離にいる様子です。その周
辺には”バルディッシュ”、”レヴァンティン”、”グラーフアイゼン”のマスター達と、
アンノウン・ウィザードが一名、戦闘中です』
――憎まれるより、拒絶されることよりも、あいつを、シンを失うことの方が何よりも恐
ろしいし、怖い。――そんなことは絶対にさせない!
自分には力がある。友を救う力が。ならば今この状況でそれを使わずして、いつ使えと
いうのか。
「”レジェンド”、起動しろ!」
主の宣誓に応じる”レジェンド”。灰色の騎士甲冑をまとい、レイは友のいる場所を見
据える。
――話してみたら、どうかな
そうだ。今自分はシンと話したい。死ぬ、消える前に、せめて自分の思いを知ってもらいたい――
その表情はいつもの無表情に見えるが、彼を知るものが見れば、違いに気が付くだろう。
その顔に灼熱の如き熱い”情”が宿っていることに。
8
「う……ぐっ」
ボロボロの体を必死に動かし、シンはようやく立ち上がる。
上空でアッシュと戦っているのは”ライトクラフト・プロバルジョン”を食らい、身動
きが取れず止めを刺されようとしたところ、はやての命令で援護に来たシグナムとヴィー
タ、そして先程戻ってきたフェイトだ。
ライトクラフト・プロバルジョン。詳細については不明だが、どうやら砲撃などのエネ
ルギーを受け止め、それを推進剤代わりとして超加速の攻撃を仕掛ける魔法のようだ。
彼女らが戦ってくれていたおかげで”ライトクラフト・プロバルジョン”を受けたダメ
ージが幾分か抜けていった。とはいえ完全には抜けきれていない。蹌踉めき、慌ててシン
は”エクスカリバー”を支えに立ち、空を見上げる。
――たったの一撃で、このザマかよ……
同じように食らったフェイトは戦線に復帰しているというのに。おそらく彼女が攻撃を
食らう直前反応し、後ろに下がったのだろう。だから姿が消えたかのようにはるか後方へ
吹き飛んだのだ。
三対一という圧倒的有利な状況。しかし戦況に変化はない。アッシュの動きは衰えもせ
ず、三者と互角に渡り合っている。
シグナム達の攻撃を受けても”リジェネレイト”が瞬時に回復させてしまうのだ。しか
も数が増えたことによるためか”リジェネレイト”の使用回数が減っており、ここぞ、と
言うときにしか使用していない。
「このままじゃ……」
アッシュと違い、フェイト達は攻撃を受ける度にダメージは蓄積され、動きは鈍る。リ
ミッターがかけられている彼女たちではアッシュを倒すことはできない。先日の戦いでリ
ミッター解除したはやてを除く隊長陣はリミッター許可の申請中だ。
周辺には近隣の陸士部隊が集結しているがあの激闘の中に割って入れるような実力はお
らず、周りを囲むだけで精一杯のようだ。
「くそっ……」
シンは歯噛みする。もしも”デスティニー”が完璧に直っていたら、いやせめて魔力だ
けでも完全回復できたのなら、自分が何とかできるのに――!
悔しさと怒りでシンが空の戦いを見上げていると、ふと背後から何かが迫ってくる。
――これは……まさか!?
疑惑のような確信を抱き振り向くと、後ろには灰色の騎士甲冑をまとった一人の青年。
「レイ……どうしてここに!?」
驚きつつも彼に近づくシン。レイは自分を見て安堵の笑みを浮かべ、しかしすぐに重苦
しい表情となる。
「レイ……」
親友の変化にシンは足を止め、昼間の出来事を思い出す。
「レ…」
「シン」
重苦しい表情でレイが名を呼ぶ。シンは反応が遅れてしまう。
「あ、な、何だ」
「まだ戦えるか」
問いに聞こえるそれは、確認だ。それを聞き、シンはレイが何を言いたいのか、どうし
てここに来たのかを悟り、当然こう答える。
「ああ」
「わかった。なら始めるぞ」
『ハイパーデュートリオン』
”レジェンド”の声と同時にレイの足下に浮かぶ灰色の三角の魔法陣。その魔法陣から
放たれる光がシンを包み込む。
枯渇しかかっていた魔力が急激な勢いで満ちていく。さらにそれに応じるように”デス
ティニー”が告げる。
『”レジェンド”のマスターよりハイパーデュートリオンの受信を確認。”デスティニー
”に記録されている魔法、全て使用可能です』
ハイパーデュトーリオン。本来この魔法は使用者の魔力の爆発的増大と、詠唱破棄の二
重効果を持つ。
しかしシン、及びレイは大戦後この魔法に一つの効果を与えていた。それはデバイスに
記録されている魔法の封印という効果だ。
”デスティニー”、”レジェンド”のデバイスに記録されていた魔法をシンとレイの二
人はデバイスを起動させずとも使用できる。しかし今まで使用したことは一度もない。
リスクが大きすぎるからだ。”デスティニー”、”レジェンド”の魔法は一つ一つが非常
に高レベルだ。デバイスを起動させずに使用すれば術者本人にも反動が返ってくるし、体
への負担も大きい。
それ故にこの3年間、一度たりとも使用してはいなかったのだが――
『ただし”デスティニー”の機能不全によりリミットは180秒』
”デスティニー”が告げると同時にシンは片刃の長剣”アロンダイト”を右手に出現。
同時に、
『ヴォワチュール・リュミエール』
背部の翼より溢れ出る虹色の光の翼。加速向上と幻惑の複合魔法だ。
――時間もない。一気に片を付ける!
早速アッシュの元へ向かおうとするシン。そこでレイから声がかかる。
振り向けば、先程と同じ重苦しい面持ちを見せるレイ。
「シン、昼間はすまなかった」
「レイ……」
「もちろんこんな言葉で済むことじゃない。だからこの後、お前と話したい。
昼間のことや、今までお前に話さなかったこと。様々なことを」
そう言うレイの表情はいつになく幼く、脆く見える。そんな表情をする親友にシンは驚
くも、笑みを見せる。
「……ああ。わかった。俺もレイに訊いておきたいことや話しておきたことがあるからな」
言うとレイはいつもの表情に戻り、頷く。
「そうか。――あとは任せた」
「ああ。任せとけ!」
光の翼をはためかせ、シンは飛ぶ。
時間もない。力の出し惜しみはしない。
ぶつかり合う四つの光はすぐ見えてきた。藍紫の光が赤と紫の光をはじき飛ばし、黄金
へ迫る。
<フェイト、下がれっ!>
こちらの念話を聞き、”バルディッシュ”を振るおうとしたフェイトはその動きを急停
止、下がる。
「おおおおっ!」
フェイトが下がったことによりできた間にシンは入り込むと、アッシュに向けて”アロ
ンダイト”を振るう。
突然の乱入者に一瞬目を見開くも、アッシュは斬撃をかわし、左足の魔力刃を鞭のよう
に振るう。
猛禽の爪牙のごとき鋭い一撃を、シンは悠々とかわして背後に回り込むと”アロンダイ
ト”を薙ぐ。
「なっ!?」
アッシュが驚きの声を上げると同時に、斬撃がアッシュの背中を横に薙ぐ。確かな手応
えを感じるも、切り裂かれた部位は数秒後には何事もなかったかのようにふさがってしま
う。
「効くか! そんなチンケな攻撃がぁ!!」
振り向き両腕を振るうアッシュだが、シンは身を屈めて回避し、彼の胸部に左の掌を押
し当てる。
『パルマ・フィオキーナ』
落雷の如き轟音が耳朶を殴りつける。左手を焼けるような激痛が襲うが、シンは歯を食
いしばって必死に無視。
――この程度でっ…!
『残り120秒』
よろめくアッシュへ、シンはさらに追撃する。右手に持っていた”アロンダイト”を左
手に持ち替え、今度は右の掌を左の掌を当てた場所へ叩きつけ、
『パルマ・フィオキーナ』
「ぐううぁあぁ…っ!」
二度目の轟音と激痛。吹き飛ぶ両者。激痛に呻きながらもシンはボロボロの両手で”ア
ロンダイト”を握り、刺突の構えを取る。
『残り75秒』
――容赦はしない――!
『アロンダイト』
背中の光の翼が爆発的に噴出し、長剣の片刃に真紅の魔力が宿る。鍔から薬莢が三つ、
四つと飛び出し空色の刀身が溶岩のように赤く濃い色に染まる。
「おおおおおっ!」
”アロンダイト”を突き出したシンは真紅の弾丸となってアッシュに激突する。刀身は
二発の”パルマ・フィオキーナ”が炸裂した部位に激突。藍紫の光は真紅の光に呑まれ、
さながら隕石の如く両者は公道へ向けて落ちる。
公道を突き破り、地面に激突する。発生した衝撃波と石飛礫がシンを殴りつけ、吹き飛
ばすが、空中で一回転し、大上段に”アロンダイト”を構える。
支援
『残り30秒』
――これが最後だ――!
『エクスカリバー』
放たれた真紅の斬撃は強大な爪痕を大地に刻み、さらなる爆発を生む。さすがに至近で
の二重の衝撃波と爆発にシンは抗しきれず、吹き飛ばされる。
『残り7秒――』
もはや体勢を立て直す力も残っていない。残った最後の魔力でシンは最後の魔法を発動。
『ソリドゥス・フルゴース』
シンの周囲を真紅の球体が包み込み、公道を転がりつつける。
「ぐぅっ…っ」
体勢を立て直したと同時に球体は消失。背中の翼も”アロンダイト”も音もなく消えて
しまう。どうやら時間切れのようだ。
立ち上がろうとするが全身が酷く痛み、両腕は刃物で裂かれたようにズダズダだ。
ハイパーデュートリオンによる”デスティニー”の魔法使用の反動は、予想を超えたも
のだった。小指を動かす力さえも、残っていない。
「シン!」
降りてきたフェイトが駆け寄ってくるが、こちらの様子を見て絶句する。
「俺のことはいいから、アッシュの奴を、早く……」
怒鳴ったつもりだったが、実際に聞こえたのは少女が呟くようなか細い声だ。しかしそ
れが聞こえたのかフェイトは崩落へ向かった。
ボロボロのシンを置いておくのは気が引けたが、彼の言葉通りフェイトは崩落の現場へ
向かう。
ここでアッシュを逃すわけにはいかない。シンのためにも、なんとしても捕らえないと
――!
崩落を見下ろせばその中心部、土と瓦礫に埋もれたアッシュの姿がある。
ピクリとも動かず、ボロボロの鎧や傷は再生の兆しも見せない。どうやら完全に沈黙し
ているようだ。
彼を捕らえるべく、フェイトはバインドを仕掛けようとするがその時、
「!?」
突然放たれてきた射撃魔法がそれを遮る。視線をそちらに向けると2体のソキウスが魔
導の杖を向けている。
たたき落とそうとするが、その手をフェイトは止める。隙がないのも理由の一つだが、
目の前にいるこのソキウスは今まで戦った者達とは雰囲気が違う。
生気を感じさせないその目から、僅かな意志を感じさせているのだ。
彼らは射撃魔法を放つ。フェイトだけではなく自分と同じように崩落に近づいていたシ
グナム達へも忘れない。
――鋭いっ……!
たまらずフェイトが下がったと同時にアッシュの周囲に転送の魔法陣が生まれる。
「っ! まずい…!」
逃がすまいと前に出るフェイトだがそれを遮る射撃魔法の雨。邪魔をされ、反射的にフ
ェイトは彼らへハーケンセイバーを放つも、あっさりと彼らは回避してしまう。
しかし射撃の雨はやみ、フェイトは崩落へ行き、見下ろすが、
「…!」
遅かった。すでにアッシュの姿はなく瓦礫と土煙の姿だけだ。
投下の邪魔をされて腹が立ったので反撃してきました。
他にも住人のみなさんが連中を叩いているようですね。
133 名無し三等兵 sage 2007/07/27(金) 00:16:09 ID:???
寄生獣作者の岩明均のキャラは精神のバランス感覚がリアルで共感できる
タイフーンが妄想するような奇をてらっただけの下劣下品キャラはいつも見苦しいですな
いっつも頭悪い行動するからいらいらさせられるよ
名前見ただけで気分が悪くなる
ソキウス達も撤退していく。まんまとアッシュを逃がした二人を逃すまいとフェイトは
二人を追うとするが、
『フェイト隊長。もうええ。そこまでや』
「はやて!?」
突然告げられた追撃停止命令にフェイトは憤りの声を上げる。
『フェイト隊長も、シグナム、ヴィータ両副隊長も、シンも傷ついとる。……帰還してや。
命令や』
最後の語尾は震えていた。あえて命令と強調するあたり、いかにはやてがこの敗北を悔
しがっているのかが分かる。
そう、敗北だ。ロストロギアは守れた。周囲への被害も最小限に抑えられた。
だが――またしても敵を誰一人、捕らえることができなかった。その上たった一人の魔
導士を相手に六課の主力四名を総動員して倒すのが、やっとだったのだ。
任務は成功。しかし……
「我々も、まだまだだな」
シグナムの苦渋に満ちた言葉に、フェイトは無言で頷いた。
9
「失礼します」
声をかけて中にはいると、いつものようにレイがベットの上で魔導書を読んでいる。
「こんにちはレイ」
「ようこそ、ハラオウン隊長」
本を閉じ、自分を見るレイ。顔色はなかなかにいい。
「フェイトでいいってば」
未だに生真面目な口調で言ってくる彼にフェイトは微笑。無表情なまま、しばしレイは
黙り込む。
「……。シンはどうしてましたか」
「早く退院したいって。まだ怪我が治りきってないのに」
先日の戦いでシンは負傷――特に両腕が酷い――を負っており、回復するまでここの病
院に入院させられている。
しかし見舞いに来るごとに退院したいと口にしているのだ。本人は怪我が治ったからと
言っているが、それはあくまで表面上の話だ。まだ戦闘に耐えうるほど完治していない。
それは本人とてわかっているはずなのだが。
「自分まで迷惑をかけていることに心苦しさを感じているのでしょう。気持ちは分からな
くもありませんが、しっかりと監視をお願いします」
「それは大丈夫だよ。今は、なのはが見てるから」
「それは安心です」
話すレイの姿からは以前通りの、いや以前以上に生気に満ちている。
先日の戦いの後からさらに数日経った頃、レイの体に変化が訪れたのだ。
そう、テロメラーゼ導入による、テロメアの延長という変化が。
延長したとテロメアはほんの僅かな長さだが、それでもシンが狂喜したことは言うまで
もない。
そしてフェイトはもう一つ、彼の微妙な変化に気が付いていた。
レイの表情が、柔らかくなったのだ。無表情がデフォルトなのは変わらないが、幾分か
喜怒哀楽の変化も見えてくるようになった。
どうやらシンと何やら話し合ったらしい。その話の内容をレイからかいつまんだ程度に
訊いている。
『シンに怒られ、泣かれましたよ』
話し終わった後、苦笑して彼は言った。フェイトはシンのように泣くのも、怒りもしな
かったが、もし現場にいたら同じような態度を取っていただろう。
己の命を疎んでいること、レイ自身の存在意義、シンの側から消えようとしたこと、自
分に嫉妬していたこと――
確かに自分もレイと似たような感情に陥ったことはある。しかしそれは自分を大切に思
ってくれている人への侮辱に他ならないということはフェイトは知っている。
クローンだろうが何だろうが、その人はその人。その命はこの世にたった一つしかない、
かけがえのないもの。変わりなど無いのだから。
「ハラオウン隊長」
変わらぬ呼び方にフェイトは内心で苦笑。名前で呼んでと前々から言っているのだが、
未だにファミリーネームや役職の方で彼は自分達を呼ぶ。言葉もどこか、丁寧で堅苦しい。
まぁ、これは時間がかかるだろうとフェイトが思っていると、
「俺はあなたに興味が沸いた」
「……え?」
突然そのようなことを言われ、フェイトは固まる。
――興味? 興味って……??
「あなたは俺と同じクローン。人の手によって生み出された命。
しかしあなたは普通の人と変わらない輝きや強さを持っている」
混乱するこちらに構わず、レイは淡々と――しかしどこか熱い口調で語る。
「どうしてそこまで強く、堂々としていられるのか――。俺はあなたを知りたくなった」
「え、あ、う、うん」
レイの言葉――どうやら自分を褒めているようだ――を聞き、たどたどしくフェイトは
頷く。
「そう言うわけで、これからも色々よろしく頼む。――フェイト」
そう言ったレイは、微笑を見せる。誰の目から見ても明らかな、柔らかい微笑みだ。そ
して名前と口調にも変化が。
これは自分をシンと同じように、友達として認めてくれたのと判断して良い、というこ
となのだろう。おそらく、いや、きっと。
「……うん、よろしくね。レイ」
フェイトは微笑み、新たな友へ握手を差し出す。レイは僅かに目を見開くも、すぐ微笑
を浮かべて、その手を握り替えした。
to be continued
lyrical Seed Destiny氏の作品は妄想を書きなぐるまじかるしんと違って良作だな。
まじかるしんは見てて吐き気がするが、lyrical Seed Destinyは非常に面白い。
4話投下終了です。大勢の方々支援有り難うございます。
テロメアについてもちょこっとネットで検索しました。ただその辺の突っ込みは勘弁してください。
さて4話ですが、レイがレイらしくないと思った方もいるかも知れませんが本編より時間も
経っていますのでご勘弁を。
レイについては小説種死の5巻を参考にしています。他の巻は、レイの心理描写って殆どありませんしね…
敵キャラアッシュ・グレイについてはASTRAYからの出演です。滅茶苦茶な強さになっていますが、
実際彼はASTRAYでも結構良い待遇でしたので、こういう風にしました。(核搭載MSを二機も持っています)
今回の話でようやくシンとレイ、両名が六課と絡みました。とりあえず一安心。残り3話。上手くまとめるよう頑張ります。
5話は来週か、再来週の土曜日辺りに投下予定です。
………ちなみに461は偽物です。
>>465 GJなんだぜ
大変おいしくいただきました。
>>467 軍事板への仕返しお疲れ様でした。
軍事板の連中はなのはさんに制裁されるべきですよね。
最近の流れのせいで作品の過度な批判は皆荒らしに思えるから困る
職人様GJ!!
>>471 仕切り厨うざいよ仕切り厨
叩かれたくないならチラシの裏にでも書いとけ
まずはGJ!
レイは自身の悪夢に勝てる日は来るのか、そしてレイとフェイトのこれからが楽しみですね
戻ってきても…いいんですか?
もちろんだ
俺も最初は書いてたらGJすら貰えなかったけど
今はGJしてくる人がいるからその人たちのために書いてる。
>479
つまり何がいいたいっていうと、叩くやつはスルーって事でおk?
当然ッ!!アズライガーを放置していなくなる事こそ重罪だぜッ!!
ジブの旦那のデバイスも気になるし。ゲルマン忍法かな?
まじかるシンの人本物なら気にすんな
書き込んでんのなんてどうせ一人だから
483 :
???[sage]:2007/07/27(金) 01:53:37 ID:bLujg3gU
アッシュが出てくるとはwww。GJです♪
気にせずにまじかるしん氏の書きたいSSを書いてくれ。
俺達はあなたのSSに楽しませてもらってるんだ。
マジカルしん氏の書きたいように書けばいいと思うよ。
叩きは気にするな
俺達は楽しみに待ってるぜ。
>>465 GJです!
アッシュ出てきましたね〜。
私も登場させる予定なのですが、かなり先になりそう・・・・orz
続きを楽しみにしています。
>>477 私もマジカルしん氏の作品を楽しみにしているものの1人です。
是非とも頑張ってください。
私も土曜日には・・・・どうにか・・・・orz
lyrical Seed Destinyだけでいいよ
>488
じゃ、他はスルーしろ低能
>>489 軍オタうぜぇ
また荒らしてほしいのかよ
新シリーズ(?)みたいなの出来たけど投下していい?
もちろんです。
AM5:30
某場所
「ん……」
シン・アスカは目を覚ました。
昨日はいろいろとあってぐっすりと眠れたようだ。
だが、気分は晴れない。
(くそ……)
シンは先日の戦いを思い出す。
(あいつ、生きてたのかよ……)
シンはくそ、と悪態をつく。
せっかく倒したと思ったのに、何であいつが生きているんだよ。
あのときからそれが気になってしょうがなかった。
せっかくの目覚めもこれでは最悪というおのだ。
その機嫌の悪さに、シンが違和感を感じるのが遅れた。
とりあえず着替えようと思ったときだった。
(あれ……動かない?)
どれだけ体を動かそうとしても全然動かないのだ。
動こうとすれば何かがカタカタと鳴る音しか聞こえない。
金縛りにでもあったのだろうか……
それに、とシンは目の前を見る。
既に日は昇っていて、部屋がはっきりと見える。
おかしい、自分はミネルバにいたはずだ。
それが何でこんな女の子チックな部屋にいるのだろう。
同じ部隊のルナですらここまで行かないのに(戦艦だから当たり前であるが)
そこで、シンは目の前で鏡があることに気付く。
その鏡を見ても、自分がいないのだ。
おかしい、と思いながらシンは周囲を見ようとする。
そうするたびに、鏡にある金色の小物のようなものがカタカタと動く。
シンが動きをやめると小物もぴたっと止まる。
最後動こうとするとまたもやもカタカタ動く。
……よし、落ち着け自分。
まあ確かにフリーダムやアスランが生きていて、さらにわけのわからない言葉で精神的にやばいのは自分でもわかる。
だが、ここは何とか落ち着こう。
深呼吸深呼吸…すぅ…はぁ……よし。
何か深呼吸すると同時に小物がピカピカ光ったような気もするけどこの際ほうっておこう。
まずは状況の確認だ。
えーと、自分が動こうとすればあの小さな金色の小物が動く。
鏡に自分がいない。
と言う事は………
(俺があの変な三角の小物になっているのか……)
なるほど、それなら自分の動くたびにカタカタ動くのも納得がいく。
自分があんな小物になったのか………
『って……んなわけあるかああぁぁーーーーーーーー!!!!!』
「うわ!?」
シンは力の限り絶叫した。
それと同時に何か声がしたような気がする。
『なんなんだよこれは!?ここはどこなんだよおい!!?それに俺はどうなってるんだ!!?』
先ほどの落ち着きっぷりがうそのような慌てっぷりである。
「え?…え?……」
その慌てっぷりに、横で寝ぼけながらきょろきょろしている少女の存在に気付かない。
「フェイト、どうしたんだい?」
少女、フェイトの悲鳴を聞いて一人の女性が入ってきた。
「何か人がいるように見えたけど、アルフは見なかった?」
フェイトにいわれて、アルフは周囲に気を配らせる。
確かに変な気を持っているのはいる。それも近くに。
さらに……
「変なのが二人いるよ?」
アルフの言葉でえ?とフェイトは周囲を見渡す。
もしもの事を考えてフェイトはバルディッシュを握ろうとする。
その時だった。こんこんとドアを鳴らす音が聞こえる。
「フェイト、起きているか?聞きたい事はあるんだが」
既に見知ったそのこえに、いいよ、とフェイトは言う。
ドアが開くと、そこには自分のデバイスを持つ義兄、クロノ・ハラオウンがいた。
「クロノ、どうしたの?」
デバイスなんかもって、まさか、アルフが感じたことに関係するのかもしれない。
フェイトの言葉にいや、とといってクロノはバルディッシュを見る。
「バルディッシュは問題ないのかって思って」
クロノの言葉に首をかしげる二人。
「デュランダルの調子がおかしいの?」
肯定の意味を示すように頷くクロノ。
「どうも調子がおかしいらしいんだ」
そういって待機状態のデュランダルを前に出す。
『ここはどこなんだ?』
確かに、思いっきり日本語でしゃべっている。
その時、後ろから声が聞こえた。
『おい、レイなのか?』
フェイトは声のほうを向くと、それは紛れもなくバルディッシュだった。
「バルディッシュ?」
しかし、そんなにとをほうっておいて、デバイス同士は話を続ける。
『シンか、ここはどこなのだ?』
『そんなのこっちが知りたいくらいだ。目が覚めたらこんなところにいるし、どうなってるんだ?』
『おれにもわからん…今回ばかりは気になるな』
などと話しているのをあっけにとられるしかないフェイトとクロノだった。
同時刻、高町家
「レイジングハード、どうしたんだろう……」
高町なのはは朝からうーん、頭を悩ませている。
今日は学校が休みで本当によかった。
その悩みの種は自分の相棒でもあるレイジングハートにあった。
なのはあ朝起きると毎日のようにレイジングハートに挨拶をする。
だが、いつも返事をしてくるレイジングハードが、今日に限って返事をしないのだ。
不思議に思ったなのははおーい、とかレイジングハートー?とか尋ねるが、全然応答しない。
そして、ようやくレイジングハートはなのはに気付いた。
『だれだよお前、っていうか、何でそんなにでかいんだ?』
「……ふぇ?」
訪れる沈黙………
『って……ここ、どこだよ!?確か俺は宇宙にいたはずだぜ、なのになんでこんなところにいんだよ!?』
誰かは考えるが、なのははそんな事は聞こえなかった。
今まで苦楽をともにしてきた相棒にだれだよよばわりされて、かなりもショックをうけたのだ。
少し時間はたちAM6:00 八神家
ピピピ、と朝の目覚ましがなる。
八神はやてはうーん、と背伸びして目覚ましのスイッチを押す。
ふと横を見ると、そこにはヴィータはすやすやと眠っている。
はやてはそれを見て微笑むと、今度は一緒の枕で寝ているリィンフォースを見る。
リィンフォースも、元気にどばどばと胸元から血が流れている傷を中心にして、傷だらけのリィンフォースが「ぅぅ……」とうなだれながら寝ていた。
「……え?」
はやてはあまりの光景に呆然としていた。
それどころかしばらく思考能力が停止する。
うなだれているリィンフォースの声が男のものだなんて気付いてすらいない。
(え、なんで?何でリィンがこうなったん?……は、まさか寝取る間に頭で踏み潰して……)
と、いろいろ考えているはやての顔は、だんだんと涙目になっていった。
「シャマルーーーーー!!」
はやてはやさしくリィンを持つと、大急ぎでシャマルの部屋へと向かう。
そのころ、シャマルははやての朝食の準備をしようとゆっくりと起き上がろうとしていた。
「どうしたのはやてちゃん……」
シャマルはいきなり入ってきたはやてにどうしたのだろうと思いながら、傷まみれのリィンを見て言葉を失う。
「寝取る間に私がリィンを頭で踏んだみたいで……」
あせあせとはやては説明すると、わかりました、といってリィンは急いで自分デバイス、クラールヴィントを手に取ろうとした。
「え……」
シャマルはクラールヴィントを見て言葉を失う……
「クラールヴィントも壊れてるぅ〜〜〜」
その言葉にははやても驚く。
「騒々しいぞ、どうしたんだ?」
そして、なにやら騒がしいと思ったシグナムが駆けつける。
「シグナム…実は……」
そしてシャマルから簡単な説明を受けると…
「よし、じゃあシャマルは急いで救急用具でリィンに救急手当てをしてくれ」
シグナムの冷静な言葉にわかった、といって下に下りるシャマル。
「シグナムぅ……」
ひぐ、ひぐ、と泣きながらはやてはシグナムを見る。
「主も落ち着いてください。主はリィンに怪我などさせていません」
シグナムの言葉にえ?とはやてはシグナムを見る。
「大体頭で押さえただけであれほど傷来ませんし、もち血が出ても主の髪の毛に血がついているはずですが、見た限りではついていません」
シグナムにいわれて、はやては自分の頭を触る。
確かに血はついていない。
だが、それはそれで疑問に残る。
「ほな、何であんな怪我を……」
はやては考える。
普通はあそこまで怪我なんてなかなかしない。
それを一晩で何かあったのか。
「はやて〜〜〜」
シャマルの部屋で考えていると、ヴィータは眠たそうに目をこすりながらやってきた。
「さっきから携帯がなってるんだけど」
そういってパパパパーンとどこかの狩りゲーのテーマソングが流れている携帯を差し出すヴィータ。
はやてはそれを受け取る。
中身はメールでフェイトからであった。
はやては内容を読み、シグナムとヴィータに尋ねる。
「二人とも、フェイトちゃんからデバイスの確認してって。
なんでもフェイトちゃんとクロノくん、さらになのはちゃんまでもがデバイスがおかしいっていっとるみたいなんよ」
はやての言葉に?と首をかしげながら、二人はそれぞれの部屋へと戻る。
まずはシグナム。
はやてに言われ、シグナムはレヴァンテインを手にする。
それと同時だった。
『な、なんだ貴様!!?やめろデカブツ!!』
レヴァンテインがあるまじき言葉を言ったので、シグナムは少々面食らう。
「レ、レヴァンテイン?」
一体どうなったと言うのだろうか……
『それにここはどこだ!?俺はボルテールにいたはずだぞ!それが何で地上にいるんだ!?おまけに身動き一つとれんとはどういうことだ!!ええ!!?』
ヒステリック気味にさわぐレヴァンテインに、シグナムは呆然とするしかない。
テスタロッサたちのデバイスもこういう感じなのだろうか………
次にヴィータ
ヴィータはグラーフアイゼンを手に取り、そしてすぐにおどろいた。
『君……誰?』
グラーフアイゼンはとても驚いたようにヴィータを見る。
と言うよりも半分ビビッているようにも見える。
「おい!誰ってどういう意味だ!忘れたのなら本気で怒るぞ」
グラーフアイゼンはこんな冗談は言わないはず。
なら彼は誰なのだろうか……
『えっと……ごめん。ほんとうにわかんないや』
やけに気弱なグラーフアイゼンに、ヴィータはただ黙り込むしかなかった……
AM10:00 アースラ会議室
頭に手をやり嘆きながらクロノが言う。
「朝、突然みんなのデバイスがおかしくなったりいきなりリィンフォースが大怪我を負ったりで、
おかしい事がいきなり同時に起こってみんなも混乱していると思う。実際ぼくもかなり混乱している」
クロノは資料を見ながらため息をつく。
「それで、本局に緊急メンテを行った結果……」
それ以降はクロノのとなりにいる人物、マリーが話を続ける。
「今回、かなり興味深い結果になりました」
そういいながらコンソールを動かすマリー。
足下らいろいろなデータが出力されている。
「この広い次元世界、時空漂流者がいるのはわかりますけど……それでも……その時空漂流者がデバイスに乗り移るなんて聞いたことがないですね」
つまり、と咳払いしてマリーは笑顔で言う。
「あなた達のデバイスの人格が別の人と入れ替わったんです」
「………は?」
訪れる沈黙………
「いやー、私も最初は驚いたのよねえ。まさかこんな事が起こるなんて。けど解析していくうちにいろいろわかってきて……」
一人で勝手に興奮してしゃべっているマーリーをよそに、なのはが尋ねる。
「あのー、マリーさん」
「ん?どうしたの?」
「それで、レイジングハートは?」
なのはの言葉に、ああとマリーは相槌を打つ。
今まで忘れていたのだろうか……
その中、マリーが予想外な事を口にする。
「いやー、実はもう待機しているの。人型形態で」
マリーの言っている事がわからず、首をかしげる。
人型モードなんてあったのだろうか。
「もう入ってきていいわよ」
マリーの言葉と同時に、ぷしゅうと自動ドアが開く。
それと同時に……
「「この裏切り者がーーーー!!!」」
「ごはぁ!!」
二人の男の叫びとともに、赤いものを撒き散らしながら何かがなのは達の横を通り過ぎた。
そこには、見たことも無い男の人達と少し怪我を負っている一人の女の人がいたのだった……
投下完了。
カオスった内容ですみません。
しかもどこかで見たような気がする………
まあ、こんなものでも再開までのつなぎとして続けようかな、と思ってます。
あくまで終わりのない短編集ッぽい感じで行こうかと思ってますので。
ちなみに、ギャグ度はまじかるしん以上なのでご注意を
ついでに、誰だが誰か分かる人がいればこそっと考えたりもしてください(シンとレイはすでにでたけど)
支援ageしますよ
なんというカオスwww
GJ!
相変わらずつまらんな、こいつの話。
GJ!!
叩きに負けることなく、がんばってくれ!!
応援してます。
まじかるしんは好きだけど、これは無理
女性型のレイジングハートに男キャラが憑依って、いくらなんでも壊れすぎ
おなじ職人さんの作品とは思えないよ
スルーすることにします
>>502 俺もまじかるしんはスルーしてる
つーかNGに入れてる
ところで読んでて思ったんだが、神隠し氏とFate×Destiny氏って…同じ人?
何となく書き方が似てるような…
>まじかるしん作者
スレ住人に対する嫌がらせやめろよ
>>497 GJ!
まぁ、夏は多いので仕方ないけど、頑張ってください!
次も期待してます!
もうあまりの粘着っぷりに笑いが込み上げてくるw
ただ、こういう風にやられると非常に投下しにくいだろうな他の職人も
>>509 この状況下で投下したいなんて思う奴は稀だろ?投下するにしても批判を覚悟しなきゃいけないし
512 :
502:2007/07/27(金) 10:57:42 ID:???
>>503 まて俺はまじかるしんは好きだって言ってるの
今の繋ぎに書かれてる憑依物が駄目なだけ
まじかるしん自体は好きだよ
>>514 わざわざ「スルーする」とかは言わなくてもいいだろって言ってるわけで
まぁ叩かれるってことは人気がある証拠だろ…。
518 :
502:2007/07/27(金) 11:14:26 ID:???
>>515 シン達魂?がバルディッシュなどのデバイスに宿るやつ。
>>493からのやつ
>>516 すみません荒らしと思われるかもしれませんね、自重します
まぁ確かにまじかるしんは前作のD'sに比べると微妙な感じもするし
ってD'sとまじかるしんって作者同じだよな?
やっぱりみんなまじかるしん嫌いなんだね…
>>497 >元気にどばどばと胸元から血が流れている
ワロタ
グラーフアイゼンがキラでレヴァンティンがイザーク?
後は詳しい人に任せた
そろそろ、コテつけてくんね?
一人なのバレバレだから
レイジングハートにつくならディアッカだろ?常識的に考えて
なのは「ディバイ〜ンバスター!
やりすぎちゃったかな?」
レイジングディアッカ『グゥレイト!殺ったぜ!!』
フェイト「バルディッシュ、カートリッジロード」
バルディッシュイザーク『ふん…今回だけだぞ』
フェイト「………。」
ヴィータ「ラケーテン…ハンマー!!」
グラーフアイゼンヤマト『討ちたくない、討たせないで…』
ヴィータ「このバカデバイス!さっさとカートリッジロードしろ!」
シグナム「レヴァンティン!!」
レヴァンティンアスラン『なら戦うしかないじゃないか!!(自爆)』
すまん、こてのつけ方知らないんだ………
レイジングハートが誰だかわからんw
>524
カオスwww
GJ!!
これは、いい感じでカオスですな。レイハさんはオルガだと思ってしまった。
なのはさんが指示してないのに勝手にカートリッジロードして砲撃してくれそう。
カートリッジロードの際にこんなのはどうだ?
フェイト「シン!カートリッジロード!」
シン『嫌なんだよなぁ〜…。カートリッジロードの際のあの感覚が…』
フェイト「いいから!早く」
シン『わかったよ、ふんッ!!
う、あ何か変、微妙に変。うぉぁぁああ…アッー!』
フェイト「ごめんなさい」
うわっ、つまんねースレ
>>531 鏡を見ろもっとつまらないものが見れるぜ
>>533 なんでスルーできないの?
君、もしかして頭悪い?
言ってる時点でてめーも同類
>>525 コテと言うかトリップのことだと思うんで、それでググって味噌
538 :
まじかるしん ◆Upy4wcs9SI :2007/07/27(金) 12:29:12 ID:Wc78vlbI
これでいいですか?
>>538 一応YOUが本人という証のために何か書いてくれYO
志村ー、sage忘れ!
こうか
544 :
まじかるしん ◆Upy4wcs9SI :2007/07/27(金) 12:35:40 ID:Wc78vlbI
>>540 今ちょっと外出中なんで、少しお待ちをお願いします。
>>525 >523は荒らしに対して言ってるき気がしますが
トリップの付け方は名前欄で半角の#後にキー文字列を
入れるとトリップが生成されます
“まじかるしん#honyarara”みたいに
キー文字列(上の例ではhonyarara)が判らなければ
同じトリップを出すことが出来ないので、本人の確認が出来ます
ただしキー文字列にハンドルや作品タイトル、キャラ名など容易に
推測できるものを使っては意味がありません
>>138 じゃあさっきのssの答えを
レイジングハート=ディアッカ
バルディッシュ=シン
グラーフアイゼン=キラ
レヴァンテイン=イザーク
リィンフォース=アスラン
クラールヴィント=メイリン
(クラールヴィントまでは変わってるってわかった人はいないか流石に……
ちょっと壊れてただけだし)
>>530 そのカートリッジというのは、マサカ……
やばい、なんかlyrical Seed Destinyさんの設定とごっちゃになってきた
「ハイパーデュートリオン」
『フンッ』
「アッー!」
久しぶりに来てみたら荒れすぎワロタwwww
NG導入でスルーできるんじゃないの?
>>551 ああ、軍板から厨が流入してきて大荒れだお…
だが、きっとここの職人さんは残ってくれると信じてる!
なんていうか夏ですね
蝉が鳴くまで待つべきなんだろうか
>>552 今夜あたり、また爆撃してこようかな>学園島スレ
なんか避難所みたいなのないの?
俺虫苦手だからさ
とうとうラクス教信者まで来たのかよw
今日も荒れ模様だな
アンチラクシズもうざいから消えろ
まじかるしんの作者の人頑張ってください。応援してます。
まじかるしん作者気持ち悪いな
まじかるしん叩くのやめようぜ?
他にも妄想SSいっぱいあんだろ!
神隠しとかwww
あー、そうか。X運命荒らしの時にやたらラクシズ厨連呼してたのもage厨だったのか。
とりあえず他になすりつけるやり方といい、民主的だのどーのこうの言ってるのといい、
偶然じゃねーなとは思ってたんだが。あの時の荒らしがage厨だってのは判ってたが
ラクシズ厨連呼してる奴もage厨だったとはな。
シン「(今日もフェイトたんの写真で抜いたぜ)」
ユーノ「お客さん。新しい写真があるよ。今回は女子更衣室で撮ったんだ」
シン「すいませーん。ここに犯罪者がいまーす」
ユーノ「ちょ」
望は間違いなくキラ厨
誠「なあ世界…荒らしの相手するのって…疲れる」
一ついえることは唯一つだ。
「あたま・・・ひやそっか・・・」
>>576 お前も頭冷やせ
文章が酷いことなってる
「冷や奴、食べようか…」
>>576 つ【アイスノン】
今もあるのかは知らないが。
576は確かに文章おかしいがいいたいことはわかる。
わかればいいだろ。熱くなるなよ。
シンウザーさんがなのはをレイプしてるぞー
職人さんたち頑張って。作品の続きを期待してます。
期待して待機。
軍事板の方々は職人さんについて文句をいわないでください。
嫌ならスルーがこのスレの基本なので。
夏はやはり多いな…そろそろ避難所でも作るか?
よく分からないが、軍事板が何で関係してるんだ?
>>560のスレに人を集めたいんじゃね?荒らして誘導したい、とか。
どうも、軍事板うんぬんと言ってる奴と、
第三勢力スレを荒らしているやつから、おんなじ臭いがする。
新シャア板と向こうを喧嘩させたいだけなんだから、スルーしましょう。
向こうでも、こっちの人間が荒らしてるなんて信じてる人はいないしね。
この流れをぶった切ってくれる
職人様の降臨に期待www
スルースルー
>>417の避難所につながらないんだが…、俺だけ?
>>598 おれは繋がるけど一部、文字化けしてるな
>>598 確かに・・・
おれも行こうとしたが繋がらん。
>>598 専ブラで接続できたが書き込むと文字化けが…。
>>546 シンたちの名前の前にデバイス名がつくだけで、
なんかシン達が強くなってるように見える。レイジングハートディアッカとか。
どうやら機能の誤作動が原因だったようです、さっきまで自分も見れませんでした。
とりあえずそこを修正してみたのですがどうでしょうか?
>>603 おお、文字化けも治ってる
俺は無問題だよー
>>603 専ブラで見ると名前欄の文字化けがまだ…
>>603 さっきは行けなかったけど
ちゃんと行けるようになってました。
自分も問題無しです。
名前欄の文字化けも直ったみたい
乙です!
しかしヴァイスのトラウマはホントになまなましいな
あの女の子どうなったんだろ?
>>607 チンクがアイパッチつけてるから同一人物か?と思ったけど
チンクは右目、誤射された娘は左目を撃たれたんだよな・・・・
チッ
バーローは人質に取られた蘭姉ちゃんの足を撃ったっていうのにヴァイスときたら・・・
航空隊が機人たちに蹂躙されるのを見て
フリーダムのフルバーストを連想したのは俺だけじゃないはず
ナンバーズって強さにムラがありそうだな
新しいほうが強そうな気がする、ガンダム的に考えて
そういえば局員=B、隊長=Aという設定は……
そうですか、廃棄設定ですか
細かい部分を深く考えたら負けだ
確かに、アニメ全体もにいえることだな
一方で、なのはやガンダムにはこういう考察をする楽しさがあるんだけどな
>>611 十年も経てば管理局も弱体化するんじゃね?
地球連邦や今の日本のように
それで数を保つため全体的にレベルを下げざるをえなかったとか
いや、単になのはたちを目立たせるための演出だろ
9歳フェイトのフォトンランサー1発の直撃にBランク魔導師は耐えきれないんだから別に設定逸脱でもないだろ
いや、どう考えても今回のはガジェットから逃げた陸士達への言い訳だろ
何が「陸士」はBランク以下だ。こんなくだらない設定作るなら最初からスバル達のランクをAくらいにしとけば良かったのに
それだと旧キャラ信者が暴れるからな
なのはたちを強くしすぎたツケが回ってきてるな。
バランス取るには
フェイトかはやてあたりに退場してもらうしかないのか
こりゃ下手に動けないな……。
ある程度荒らしが収束するまで書き溜めておきます。
なのはたちと同レベルのキャラを出せば有る程度解決するとおもうが…
都築だから無理だな。
いや、今更ぽっと出のキャラ出されてもな……
>>620 投下の自粛ってかえって荒らしを増長させるだけだと思うんだが…
>>611 その設定は本局の武装隊員限定で地上はCランクからDランクばかりなんだよ。
私はもう少ししたら書きあがるので、投下しようと思いますが、おk?
>>627
来て
>>627 投下速度が早すぎて私生活や体調が心配になってくるな・・・
なにはともあれカモーン
>>627 HURRY! HURRY HURRY!! HURRY HURRY HURRY!!!
唐突にまとめサイトの人、いつも乙
推進材予備タンクの爆破の間に何とか逃げ切ったJPジョーンズ。
「やってくれるわ…。こんな手で逃げようだなんて…。」
呆れと賞賛の意味を込め言うタリア。
「大分手強い部隊のようだな…。」
デュランダルは難しい顔をする。
「ならば尚のこと、このまま彼らを逃がすわけにはいきません。そんな連中にあの機体が渡れば…。」
その先は言わずともデュランダルにも知れた。
「今からでは下船していただくことも出来ませんが…。
私は、本艦はこのままあれを追うべきと思います。
議長のご判断は?」
「いや、私のことは気にしないでくれたまえ、艦長。
私だってこの火種、放置すればどれだけの対価になって返ってくるか…考えるのは怖い。
あの三機の奪還、もしくは破壊は、現時点での最優先責務だよ。」
「ありがとうございます。」
タリアはデュランダルの気遣いに感謝し、クルーに追跡の指示をだした。
フェイトの指示でミネルバへと避難していたカガリとその随員のアレックスはルナマリアの案内でデュランダルに謁見を希望し、士官室に案内されているところだった。
『全官に通達する。
本艦はこれより、さらなるボキーワンの追撃を開始する。
突然の状況から思わぬ初陣となったが、これは非常に重大な任務である。
各員、日頃の訓練成果を存分に発揮できるよう務めよ!』
「何だと!?」
アレックスが驚愕の声をあげる。
避難しに来たつもりが、余計に危険な場所に来てしまったようだ。
ブリッジの遮蔽を解除、警戒レベルを緩める。
「議長も少し、艦長室でお休みください。
ミネルバもかなりの足自慢ではありますが、敵もかなりの高速艦です。すぐにどう、と言うことはないでしょう。」
そこへ、いいタイミングでレイがブリッジへとやってくる。
「丁度よかったわ。レイ、議長をご案内して。」
タリアに命じられ、レイが案内しろと頼まれた人物を見やると、目を見開き、驚く。
「議長!?」
デュランダルはレイに微笑みかけると座席から腰をあげ、立ち上がった。
「ご案内します。議長、こちらへ…。」
レイがこちらへ来るよう促し、デュランダルが向かおうとした時、ルナマリアからの通信が入った。
JPジョーンズ。
光が明滅を繰り返す三つのカプセルの中にアウル、スティング、ステラ、ナノハの4人が眠っていた。
端末から伸びた配線が4つのカプセルに接続され、モニターには四人の脳波や、バイタルコンディションが示されている。
それをしばらくジッと見つめていたネオは、部屋から出て、ブリッジへと戻る。
「どうやら成功…というところですかな?」
とリー。
「ポイントBまでの時間は?」
質問には答えず、ネオが逆に尋ねた。
「あと二時間ほどですが…、大佐はまだ追撃があるとお考えで?」
一時の間を置いてから答えるネオ。
「わからんね…。わからんから、そう考えて予定通りの進路を取る。
予測は常に悪い方にしておくものだろう?特に戦場では…。」
ふむ、と納得するリー、それからまた質問をする。
今度はカプセルで眠る四人のことだ。
「彼らの最適化は?」
「大胸、問題は無いようだ。みんな気持ち良さげに眠っているよ。
ただ、アウルがステラにブロックワードを使ってしまったようでね…。
それがちょっと厄介と言うことだが…。」
「エクシードのパイロットは?何やらラボでは手を焼いていたそうですが…。」
「ふむ、ナノハは今のところ、問題は無いとのことだ。ステラたちとは違って、急ピッチで造られたわりに、最適化しやすいそうだ…。
まぁ、それがナノハにどう影響するかはわからんがね。」
は溜め息を着くリー。
「何かある度、揺り篭に戻さなければならないパイロットなど、ラボは本気で使えると思ってるんでしょうかね?」
「それでも、前のよりは大分ましだろ?
こっちの言うことや仕事をちゃんと理解してやれる分だけ…。」
ネオはどこか調子を落とした声で言った。
「本当にお詫びの言葉もない…、姫までこの様な事態に巻き込んでしまうとは…。」
ミネルバ士官室。
座席に座るデュランダルと頭に包帯を巻いたカガリが対面して座り、そして、その両名のわきに控え立つミネルバ艦長、タリア・グラディスと、カガリの随員、アレックス・ディノ。
「ですがどうか、ご理解いただきたい。」
「あの部隊については、まだ全く何も分かってはいないのか?」
カガリは咎めるような目付きでデュランダルを睨む。
「えぇ…、まぁ…そうですね…。艦にも何かを示すようなはっきりとしたものはなにも」
デュランダル自分の後ろに控えているタリアに確認をとる。
「しかし、だからこそ私は、一刻も早く、この事態を収拾しなくてはならないのです。
取り返しのつかないことになる前に…。」
「あぁ…分かってる。それは当然だ…議長。
今は何であれ、世界を刺激するような事があってはならないんだ…絶対に!」
いくら停戦中とは言え、未だ前大戦の爪痕は残っており、今の平和な状態は、些細な刺激で崩れてしまうほどに脆弱なものなのだ。
「ありがとうございます。姫ならばそうおっしゃってくださると…信じておりました。」
デュランダルは何故かその視線をカガリにではなく、随員のアレックスへと移す。
「ッ?」
それから席を立つデュランダル。
「よろしければ、まだ時間のあるうちに艦内をご覧になってください。
一時的にとは言え、いわば命をお預け頂くことになるのです。
それが盟友としての我が国の相応の誠意かと…」
デュランダルの気遣いに、正直、あまりいい気分がしないカガリとアレックスだった。
モビルスーツ格納庫。
「オーブのアスハ?」
シンが声をあげた。
「うん、私もびっくり…まさかこんなところで、前大戦の英雄に会うとはね。」
陽気に話すルナマリアと違い、浮かない表情のシン。
「そう言えば、あのザク誰が乗ってたんだろ?
戦闘中だったし、損傷はしてたけど、動ける様だったからミネルバに向かうよう指示したんだけど…。」
フェイトが手に持っている端末を操作しつつ、何気なく話題を反らした。
「何だ、フェイト、あんたが指示したの?
それならそうと連絡入れてくれればって…。
まぁ、まさかオーブの代表が乗ってるとは思わないわよね。」
「ごめんね…ルナ。」
笑いながら謝るフェイト。
「じゃあ、操縦してたのはアスハ?」
「うぅん、多分、護衛の人だと思うわよ。」
シンの問掛けにルナマリアはそう答え、さらに続ける。
「アレックスって言ってたけど…」
シンとフェイトの顔を覗き込むルナマリア。
「実はアスランかも…。」
その名前を聞き、シンもフェイトも驚いた。
アカデミーでも有名な名前でシンもフェイトも何度か耳にしたことがある名前だ。
「代表がとっさに護衛の人をそう呼んだのよ、アスランって」
興奮しながらルナマリアが言う。まぁ、無理もない、前大戦ヤキン・ドゥーエにて停戦に導いた、三国同盟、プラント出身の英雄の一人なのだ。
フェイトも会ってみたいと思っていたりする。
「アスラン・ザラ、今はオーブにいるらしいって噂でしょ?」
とそこへ、議長の声が聞こえてきたので、会話を切り上げMSの調整に戻る。
「ZGMF-1000ザクはもうすでにご存じでしょう?
現在のザフト軍主力の機体です。」
流暢に話すデュランダル。
「そして、このミネルバ最大の特徴とも言える…この発進システムを利用したインパルス、工場でご覧になったそうですね?」
そうカガリに尋ねるがしかし、彼女はデュランダルを睨むばかりで何も答えなかった。
代わりにアレックスが頷く。
「技術者に言わせると、これは全く新しい、効率の良いシステムだそうですよ。
もっとも、私にはあまり、詳しいことは分かりませんが…。」
口元に笑みを浮かべ、愉快そうに話すデュランダルとは別に、不快感を隠せないカガリ。
自然と握る拳に力が入った。
「しかし…やはり姫にはお気に召しませんか?」
そう尋ねるデュランダルに
「議長は嬉しそうだな。」
皮肉るカガリ。
「嬉しい…というわけではありませんがね…。
あの混乱の中から懸命に頑張り、ようやくここまでの力を持つことが出来たと言うことは…やはり…。」
「力か…。」
うんざりしたようにカガリは言葉を吐き捨てる。
「争いがなくならぬから力が必要だと言ったな…議長は…。」
途端に今までの表情を真剣なものにするデュランダルと、その隣に控えているレイ。
「えぇ…。」
デュランダルは肯定する。
「だが…ではこの度のことはどうお考えになる!
あのたった三機の新型モビルスーツのために、貴国が被ったあの被害のことは!」
周囲の整備班、そして、フェイト、ルナマリア、シンたちの視線が一斉にアレックス、カガリ、デュランダル、レイに集中する。
場所を考えず、声を張り上げるカガリをアレックスがなだめるが、聞く耳をもたない。
「だから…力など持つべきではないと?」
「そもそも何で、そんなものが必要なのだ!!今更!」
格納庫に響きわたる声。さらに注目を集める。
ようやく停戦にこぎつけ、安定を取り戻そうとしている世界に何故、力が必要なのか。
熱弁を振るうカガリ。
そして、その熱弁は全くの綺麗事ばかり、一人の少年のこらえていた感情が爆発した。
「さすが綺麗事は、アスハのお家芸だなぁ!!」
怒声というには過言だが、嫌味と言うには少し足らない声。
そしてその少年、シン・アスカへと周囲の視線が一瞬にして移動。
カガリに向けられる憎悪に満ちた赤い瞳。
デュランダルのそばに控えていたレイが彼に向かって足場を飛びこえていく。
警報がなり響く艦内。
恐らく、ミネルバがボキーワンを補足したのだろう。
整備班、技術班、そしてパイロットたちは出撃準備のため、慌ただしく準備をし始めた。
「シン!!お前!」
シンは胸ぐらを掴むレイの手を乱暴にふりほどき、パイロットスーツに着替えるため、更衣室へと向かった。
「申し訳ありません、議長!この処分は後程必ず!!」
レイは敬礼したのち謝罪すると、シンのあとを追って行った。
そしてその様子を呆然と見送るカガリ。
「本当にすみません、姫。彼はオーブからの移住者なので、よもやあんなことを言うとは思いもしなかったのですが…。」
デュランダルの言葉に、困惑の表情を隠せないカガリだった。
投下終了です。
次回は第四話、星屑の戦場です。
ではまた、そのうち…。
GJ!!
GJ
続き続き♪
GJです。
それにしても、本当に投下が早いな。
高い天を行く者から勇敢な者へ
第三話
・部隊長オフィス
カナードがシグナムを殴り返した直後、一時は一触即発な空気が流れたが
「フ・タ・リ・ト・モ・ヤ・メ・ナ」
はやての目が笑ってない微笑での制止により、沈静化した。
そして今現在は
「主の淹れてくれたコーヒーは最高です」
「本当、インスタントとは思えないわ」
四人で仲よくコーヒータイムとなっていた。
コーヒーを二口ほど飲んだシグナムは、カナードを見据え
「すまん・・・・・いきな殴ってしまって・・・」
素直に謝罪をした。
「全くだ、馬鹿者め。だが、心配させたのは事実だ、すまなかったな、二人とも」
カナードも二人に謝罪をした。
「全くだ、お前が約束を守ってくれたのは確かだが、こちらでは十年も経過していたのだ。まぁ、無事だからよかったが」
シグナムが微笑みながら答えた。
シャマルもカナードを見据え
「本当に心配したんだから!シグナムなんて毎夜毎夜『カナード〜さびしいよ〜』って枕を抱きしめながら床をゴロゴロ(ゴン!)ひゃ!!」
シャマルが言い終わる前に、シグナムの拳がシャマルの脳天に直撃した。
「シャマル・・・・・・・デタラメを言うな・・・・・次はどこがいい・・・・・・」
シグナムは拳を震わせ攻撃態勢に入る。
シャマルはそれどころではないらしく、頭を抑えうずくまっていた。
その光景を見たはやては
「シグナム、少しは手加減せえへんと」
やんわりとシグナムを注意(?)し
「はい、申し訳ありません」
わざとらしく敬礼をするシグナム。
「二人とも・・・・酷い・・・・・カナードもそう思わない?」
シャマルはカナードに尋ねるが、
「ふふっ・・・」
カナードはその光景を見て笑っていた。そして
「全く・・・・十年経っても、変わらんな、うちの『家族』は」
笑顔で答えた。
「そういえばリインフォースとザフィーラは?」
今だ会っていない二人の場所を尋ねるカナード
「二人とも今は特別任務中なんよ」
ニヤニヤしながら答えるはやて。
「ん、何だ?」
不審に思い尋ねるカナードに
「まぁ、近いうちにわかる、そう焦るな」
同じくニヤニヤしながらシグナムが答えた。
四人のコーヒーが空になる頃、訪問を知らせるブザーが鳴り
「失礼しまーす」
ヴィータが入ってきた。
「おっ、シグナムとシャマルも来てたか。カナード、準備できたぞ。テスタロッサが車を回してくれるって」
ヴィータの報告を聞いたカナードは
「コーヒー美味かったぞ、少し出かけてくる」
そう言い、立ち上がった。
「何や?帰ってきて早々お出かけか?」
はやてがヴィータに尋ねる。
「うん。あの時、カナードと約束したことだから」
ヴィータの言葉に心当たりがあり、納得するはやて達。
「そうか、きいつけてな」
「ああ、じゃあ、あいつに・・・プレアに報告しに行って来る」
駐車場には、黒塗りのスポーツカーに寄りかかるフェイト・テスタロッサ・ハラオウンがいた。
カナードの姿を確認したフェイトは
「カナード!!」
走ってカナードに近づく。
「本当に・・・・・・無事でよかった、心配したんだよ」
そう言いながらカナードの頬に触れ
「ほんと、私のほうが年上になっちゃったね」
微笑みながら答えた。
「心配かけたな・・・・だが・・・・恥ずかしいから辞めてくれ」
フェイトの手を軽く払うカナード
「ふふっ・・・ごめん。懐かしくって、つい」
フェイトは悪びれる事無く、答えた。
「お〜い、バカップル〜いくぞ〜」
ヴィータはそんな光景を呆れながら見詰めていた。
・ミッドチルダ
:墓地群
「遅くなったが、帰ったぞ・・・プレア」
プレアが眠る墓に花を沿え、話しかけるカナード。
「Nジャマーのデータは確かにマルキオに渡してきた。しかし驚いたぞ、マルキオがこちら側の人間だったとは・・・」
カナードが驚かされたのは、マルキオ導師がこちら側(ミッドチルダ)の人間だったという事実だった。
カナードは当初、デバイス化した首飾りをどう渡そうか考えたが、データだけを抜き取って首飾りは貰ってしまおうと思いついた。
仮に怪しまれてもC・Eの技術ではデバイス云々の解析など出来まいと思ったが
「これは・・・・デバイスですね・・・・」
マルキオ導師の発言にその考えはもろくも崩れ去った。
デバイスを知っている人間に隠しても仕方が無いと思ったカナードは、向こうで起こった事実をマルキオ導師に話した。
話が終ると、マルキオは深々と頭を下げ
「ありがとうございました」
カナードにお礼を言った。
「だが・・プレアは・・・・」
カナードがなにか言おうとした時
「それ以上はいいのです」
マルキオがカナードの発言を遮った。
「私にはわかります。プレアは幸せだった筈です。そして、プレアの死は無駄ではなかった」
マルキオは首飾りを優しく握り締め
「プレアの思いは、貴方に受け継がれている」
「プレアの思いが・・・・俺に・・・・・」
確認するように呟くカナード。
「プレアは貴方と共にある。それを忘れないでください」
その後、カナードはマルキオ導師についての事を聞いた。
彼は試作の小型戦闘機の訓練飛行中に事故に合い、こちらの世界に飛ばされ、この海岸に打ち上げられていたそうだ。
彼を発見した民間人により救助されたが、事故の怪我で両目の視力を失い、リンカーコアも消失。
魔力を失った彼に、ミットチルダへ帰る術は無かった。
「そして、今の私がいます。もうだいぶ昔の話です」
マルキオ導師は昔を懐かしむかのように語った。
「俺には魔力がある。ミッドチルダの座標も把握している。つれて帰ることは出来るが」
カナードの提案に、マルキオ導師頭は頭を振り答える。
「ありがとうございます。ですが、もういいのです。元々私には家族がいませんでしたし、向こうの世界に未練はありません。それに・・」
マルキオ導師は後ろを振り向く、カナードが釣られて見てみると、いつの間にかドアの隙間から子供達が様子を伺っていた。
「今の私には家族がいる。この世界が、今私がいるべき場所なのです」
「そうか・・・・」
納得し、頷くカナード。
「ですから、貴方もお帰りなさい。貴方の家族が待ってる場所へ」
マルキオの言葉に
「もちろん、そのつもりだ」
カナードは微笑み、答えた。
その後、帰るカナードを見送るマルキオは
「高い天を行く者よ、たとえその翼が折れようと、羽ばたくことをあきらめてはなりません」
カナードの後姿を見ながら、そんなことを呟いた。
その後、カナードはもう一つの目的を遂行した。
ジャンク屋や情報屋ケナフ・ルキーニ、傭兵サーペントテール、各マスコミに協力してもらい
施設の破壊、情報公開など、様々なことを行った。
サーペントテールとの行動中、風花に関しては、嘘を突き通すことが出来なかったため
マルキオ立会いの下、彼女だけには真実を話した。
メリオル達に関しても、施設を襲った時に手に入れた上層部の弱みをガルシアにちらつかせ
脱走罪と反逆罪を帳消しにしてもらった。
魔法に関しても、行動中に合間を縫って結界を張り、魔法のトレーニングも怠らなかった。
こうして、全てが終る頃には四ヶ月が過ぎていた。
向こうでの出来事を思い出し、小さく笑うカナード。
「俺達がこの世界で過ごしていた間、向こうでは数日しか経っていなかったらしい。
お前の行動は今頃向こう側の人間を多く救っているだろう」
カナードは懐から首飾りを取り出す。
「データの転送が終ったので、これは貰ってきた。お前の依頼を達成した報酬だ、俺が貰っておくぞ」
そういい、墓を後にする。
「カナード、終った?」
カナードの後ろには花を抱え待っているフェイトとヴィータがいた。
「ああ・・・二人とも、ありがとう。プレアのために」
お礼を言うカナードに
「プレアは私の家族だから、当然だよ」
微笑みながら答えるフェイト。
「友達の墓参りをするのはとーぜんじゃんかよ」
ヴィータも微笑みながら答えた。
その後、墓参りが終った3人はフェイトの車に乗り、機動六課隊舎に向っていた。
「カナード、聞きたいことがあるの」
運転をしながらフェイトはカナードに尋ねた。
「・・・機動六課のことか?」
カナードの言葉に頷くフェイト。
「正直、カナードには機動六課に入隊してもらいたいんだ。なのはやはやても同じ考えだと思う」
信号が赤になり、車が止まる。フェイトは助手席のカナードを見据え
「カナードの実力は私達が良く知ってる。どうだろ?」
信号が赤になり、走り出す車。
「あっ、でも、カナードが何か別のことをやりたいんだったら強制はしないよ、協力するから」
フェイトの言葉に沈黙するカナードそして
「そのことなら、答えは出ている」
はっきりと言うカナードに
「当然入隊するよな!?」
ヴィータが前のシートの間から顔を覗かせ尋ねた。
「まぁ待て。それより先に」
カナードは窓の外を眺め
「あいつとの約束を果たさんとな」
そう呟いた。
・翌日
「は〜い、午前の訓練終了」
なのはが笑顔で訓練の終了を告げる
「「「「あ・・・・ありがとうございました〜」」」」
へとへとになりながらも返事をするフォワード組
「フェイト隊長は忙しいから訓練に付き合うのは難しいけど、アタシは当分お前らにつきあってやるからな〜」
ヴィータがニヤニヤしながら言い放った。
「あ・・・・ありがとう・・・ございます・・・・」
スバルが引きつった笑みで答える。
「それから、ライトニングの二人は特にだけど、スターズの二人も、まだまだ体が成長している最中なんだから、くれぐれも無茶はしないように」
「「「「はい!!!!」」」」
「それじゃあ、お昼にしようか。残りの訓練は夜からだから、しっかり食べて、しっかり休んでね」
そう言い、なのははパネルを捜査した。
お昼ご飯を食べに向うフォワード組のなかで
「あれ?結界が・・強化されてる?」
キャロがいち早く気がついた。
「ああ、午後からシグナム副隊長が模擬戦をするんだよ。結界を強化しないと、ここが壊れちゃうからね」
フェイトが笑顔で答えた。
隊長クラス同士の訓練や、模擬戦ではリミッターは簡単に解除できる。
リミッターがかかった状態(互いが手加減した状態)で訓練をしても、
実力が上がる訳が無いから当然といえば当然である。
「まぁ、なのは隊長は結界で強化された訓練室を幾度と無くこわしたツワモノだけどな〜」
ヴィータはニヤニヤしながらなのはを見て言った。
「「「「へぇ〜」」」」
関心(?)するフォワード組
「ヴィータ副隊長!スバル達もそんな目で見ないの!」
怒りながらもパネルを捜査するなのは
「それで、シグナム副隊長の相手は誰なんですか?」
ティアナがなのはに尋ねた。
「ヴィータ副隊長だよ、名前はね」
・数時間後
陸専用空間シュミレーターにより、廃墟の町にセットされた空間で
「そういえば・・・お前と戦うのは初めてだな」
騎士服を装備したシグナムがカナードに尋ねた。
「ああ、正直楽しみだ。お前もそうだろ?」
同じくバリアジャケットを装備したカナードが答えた。
今回の模擬戦は名目上「シグナムVSヴィータ」となっている。
カナードがヴィータの名前を借りたのはシグナムに限定解除をさせるためであった。
(ただの一般市民であるカナードに対し、限定解除は出来ないため)
「さて、約束は約束だ、手加減はしないぞ。全力でいく!」
そう言い、レヴァンティンを構えるシグナム
「向こうの世界でも訓練は欠かさなかった、ブランクは無い。ただで済むとは思わないことだな!」
そう言い、ザスタバ・スティグマトを構えるカナード
「「・・・・・フッ」」
数秒間見つめあった二人は互いに笑い、そして
「いざ!!」
「いくぞ!!」
二人の戦いが始まった。
カナードは接近するシグナムに向け、ザスタバ・スティグマトを放つ。
だがシグナムはカートリッジをロード、パンツァーガイストを展開し、時にはかわし、時には防ぎながら接近し
「はぁぁ!!」
カナードに斬りかかった。
それらをかわし、距離をあけようとするが、
「距離などあけさせん!!」
カナードに喰らいつき、連続してレヴァンティンを振るう。
「ちっ」
舌打ちしながらも左手でロムテクニカを持ち、斬撃を捌いていくカナード。だが、
「(剣術の差もあるが、ナイフと剣ではリーチの差が・・・・まずいな・・・)」
シグナムがカナードを追い込んでいた。
「(ザスタバ・スティグマトに搭載されてるロムテクニカを使えばリーチは稼げるが・・刃部分の短さは変わらん。
ザスタバ・スティグマトが破壊されるだけだ・・・だがな・・・)」
振り下ろされたレヴァンティンをロムテクニカで受け止め
「いつまでも優勢であると思うな!!」
レヴァンティンを振り払い、至近距離からザスタバ・スティグマトを放った。
それを紙一重で避け、距離をあけるシグナム。
だがカナードはザスタバ・スティグマトを撃たずにしまい、ロムテクニカを逆手に持ち、構えた。
その光景に満足し、レヴァンティンを構えるシグナム。そして
「はぁああ!!」
「おおおお!!」
二つの光が激突した。
「すごい・・・・・」
激しく交差する二つの光を見ながら素直な感想を述べるスバル。
「あいつ・・・・なんなの・・・」
ティアナが拳を握り締め呟いた。
お昼を済ませたスバル達は、なのは達と模擬戦を見学していた。
「二人とも、楽しそうだね」
皆と一緒に二人の戦闘を見ているなのはが呟く
「まぁ、シグナムもカナードも、フェイト隊長と同じバトルマニアだからな〜」
「私・・そんなバトルマニアかな・・・・?」
ヴィータの発言に苦笑いしなら呟くフェイト、
「ですけど、今のところカナードさんが不利なような気がします。接近戦ではシグナムに分がありそうですし」
接近戦でのシグナムの強さをよく知るリインフォースUは呟く。
「『今のところ』はね。だけど勝負はまだ始まったばかりだから、わからないよ」
リインフォースUに呟きになのはが答え
「それに、カナードの場合、接近戦での不利を身体能力で補ってるからな、ホントにわからねぇぞ」
ヴィータもなのはの意見に賛同し、答えた。
二つの光が数十回目の激突をした時、
「はぁ!!」
シグナムの力をこめた一撃が、カナードからロムテクニカを払い落とした、そして
「あの時の、カウンターの返しだ!!」
カナードの腹目掛けて鋭い蹴りを放った。
「がはっ!!」
シグナムの蹴りで吹き飛ぶカナード、その隙を見逃すシグナムではなかった。
「レヴァンティン・カートリッジロード!!」『EXPLOSION』
接近しながらカートリッジをロードし
「紫電!!」
カナード目掛け
「一閃!!」
炎の魔剣を振り下ろした。だが
「アルミューレ・リュミエール展開!」
カナードはアルミューレ・リュミエールを展開、シグナムの奥義を防いだ。
「おおおおおお!!!」
シグナムは振り下ろしている炎の魔剣に力をこめ、アルミューレ・リュミエール共々斬ろうとするが
「なめるなぁ!!!」
カナードは燃え上がるレヴァンティンを力任せに横に払った、そして
「蹴りを返すぞ!!」
無防備なシグナムの腹目掛けて容赦なく蹴りを放った。
「ぐっ!!」
容赦ない蹴りに吹き飛ぶシグナム、
「こいつも持ってげ!!」
続けてザスタバ・スティグマトを放つ。
「くっ!やって・・・くれる・・・・・何!?」
ジグナムがどうにか体制を立て直した瞬間、今度はザスタバ・スティグマトの魔力弾がシグナムを襲い、
着弾時に起こる爆煙がシグナムを包んだ。
「すごいね・・・シグナム副隊長もカナードさんも」
「うん・・・・」
キャロの感想を生返事で答えるエリオ。そんなエリオの態度に
「エリオ君・・・調子悪いの?」
キャロは心配そうにエリオの顔を覗き込んだ。
「う・・ううん!大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから」
「そうなんだ、よかった」
心から安心した表情を見せ、また二人の戦いを見るキャロ。
「ほんとうに・・・・すごいな・・・・・」
エリオは呟きながら今朝の出来事を思い出した。
・数時間前
エリオが早朝訓練のため早起きをし、洗面台で歯を磨いている時、
あくびをしながらカナードが現れた。
昨日、フェイトにカナードのことを紹介され、六課の寮で泊まっている事を思いだしたエリオは
「カナードさん、おはようございます!!」
元気よく挨拶をした。
「ああ・・・おはよう」
カナードも挨拶をし、顔を洗い始める。
「モンディアルは早朝訓練か?」
「はい!カナードさんはどうしたんですか?こんな朝早くに?」
もしかしたら、カナードも早朝訓練に参加するのではないかと思い、尋ねるエリオ。
「俺も似たようなものだ。だがお前達とは別でやる」
タオルで顔を拭きながら答えるカナード。
しばらく沈黙が続き、エリオはカナードにあることを尋ねた。
「あの・・・・カナードさんは機動六課には入隊されないんですか?」
質問の後、数秒沈黙が続き
「ふっ・・・・お前もテスタロッサと同じ事を言うな」
カナードはエリオを見据え答えた。
「はい!カナードさんが入隊していただけると、とても心強いです!」
素直な感想を言うエリオ
「買い被るな。だが、俺の中では答えは決まっている。本当は今日の夜にでも高町達に話そうと思ったのだが」
顔を拭いたフェイスタオルをカゴに放り投げ
「まぁ、少ない男同士だ。教えてやる」
はっきりとこう言った。
「俺は、機動六課には入隊しない」
こんばんわです。投下終了です。
感想をくださった皆様、ありがとうございました。
職人の皆様GJです。
今回ですが、書き終わって見直しましたら。
今までより長くなってしまったので三話と四話に分けました。
次はいつに・・・ではなく明日にでも投下しようかと思います。(今までと比べて短いですが・・・orz)
GJですぜ
まさにアストレイだ
だが、それがいい
GJ!
カナードかっこいいなぁ
>>653 GJ!!
相変わらずの熱い戦闘シーンに脱帽です
GJ!!起動六課にはということは・・・いろいろ想像しちまうぜ。
GJ!!
カナードが最後、ものすごく気になる言い方してるな。
起動六課には・・・ってことはどこに入隊する気なんだ。
ところで
> 信号が赤になり、車が止まる。フェイトは助手席のカナードを見据え
> 「カナードの実力は私達が良く知ってる。どうだろ?」
> 信号が赤になり、走り出す車。
あぶねってマジで!
>>659 ミス申し訳ありませんorz
「信号が青になり、走り出す車」です。
投下してもおkでしょうか?
さあ、来い
ジ・アストレイ―風の章2
リンカーコアとの直列接続<ダイレクト・シフト>を確認
弐式兵装、起動スタンバイ――
起きろ――
(刻み込む鎖狗<チェイン・オルトロス>――戦闘起動)
瞬間、カナードの持つ剣に亀裂が入り――鎖状連動剣<チェインブレード>としての
機能をその身に灯す。
全部で十一の連結独立ユニットから成る範囲攻撃型特殊デバイス。
「た、隊長、あの武装は……」
「怯むな! 全員距離を取り、火力を集中させよ!」
合図と共に、局員たちは黒髪の少年から距離を置いたまま、杖状デバイスで
一斉に砲撃を加える。
少年の身体は集中照射された光熱により焼け爛れる。
次々と照射される熱線魔法に身体は耐え切れなくなり――溶解する
「ば、馬鹿な……悲鳴すら上げないだと……!?」
誰もが焦っていたのだ
冷静に考え対処すれば気づいたであろう――偽装具現化<イミテーション>であることに
(お話的には間を持たせるべきなんだろうがな――)
生憎遊んでやるほどこちらには時間に余裕がない
ついでに言えば作者にも余裕がない――失礼
一撃で終わらせる
(少数を撃破するには、包囲殲滅が最適だが――くくっ、この陣形は――)
オルトロスの餌食だ。
隊員たちからは"見えない"位置で鎖状連動剣をそっと横に構える
多対一を想定したマルチレンジアクション
内臓されたリボルバー型カートリッジシステムが薬莢を三つほど噴出する
外部からの強制的な魔力強化――カートリッジシステムの真髄
「喰らい尽くせ――業火戦乱<インフェルノ>!」
叫び声に局員たちは一斉に振り向く――遅かった
十一に半分離機動したチェイン・オルトロスは赤熱しながら全ての対象に絡みつき――焼き尽くす。
ある者は炎に包まれ、ある者は灼熱に耐えかねて意識を手放す。
――安心しろ、殺してはいない……"一応"な
慈愛や容赦など一切ない、ただの蹂躙
だからこそふさわしい――地獄の番犬"オルトロス"の名に
この日、陸士129部隊は壊滅した
***
【ティターン遺跡・内部】
「心配すんなって、アイツも十分強いからよ」
「……うん」
妖精アギトに答えるはどこか神秘的な少女――ルーテシア。
「なぁ、ルールー」
「……何?」
「どうして、アイツを拾ったんだ?」
「それは……」
彼を拾った――というよりは彼と出会ったのは一年ほど前の冬の出来事。
博士からの依頼を終えた帰り道のことだった。
道端に倒れていた黒髪の少年、カナード・パルスを介抱した。
たぶん、気まぐれだったのかもしれない。
この世界の実情と――自分の目的を彼に話した。
誰かに話を聞いてもらいたかったのかもしれない。
彼は借りは返すと言った。
私は――それを受け入れた。
その日から私は依頼の合間を縫って、彼に魔法の概念と知識を教えることにした。
最初は馬鹿にしていたけれど、目の前で小型魔道虫"インゼクト"を召還してみせると
呆気にとられていた。ふふ……あれは少し痛快だった。
元々才能があったのかもしれない。
三ヶ月もすると基礎的な魔法は既に修得しつつあった。
ただし、問題があった――彼の魔力資質はお世辞にも高いとは言えなかった。
本人もそれを承知で身体への負担の大きさに見合うだけの強力な対なるデバイス
"――――・―――――"と"チェイン・オルトロス"を愛機とした。
私は――止められなかった。
「ルーテシア、アギト、あったぞ」
「お、さすが旦那、仕事が早いねー」
ルーテシアは「ん……」と意識を戻しながら、赤き魔道宝石"レリック"に目を向ける。
真紅に輝く遺産――それはまるで人の過ちを具現化したようなもの
視るものに力と欲望を与え、理性と概念を打ち崩す魔性の宝石
私が求めるのは、唯一つの願い
この時はまだ、適うと――信じていた
それがどんなに儚く、空しいものだったとしても。
ゲリラ投下(ry
相変わらず短けぇ。。文章も小学生並だし。
ルーテシア側の目的がさっぱりなのであんまり進められない(´・ω・`)
>>666 ベッド文章下手じゃねぇぞ。ただ、ちょっと厨臭いがw
俺は嫌いじゃないぜ。次回も期待してるよ
>>666 下手でも良い、厨臭くても良い
書くと宣言しておいて、半年近くもプロットの段階から進まないダメ人間よりかはorz
GJです。本編終わってないんだからしょうがないですよ
どうも、まじかるしんです。
しばらく投下ができなくなりました。
理由はちょっとパソコンの調子が悪くなって今修理に出してます。
今はちょっと弟のパソコンmんを借りてやってるので、しばらくは執筆もままならない状態です。
読んでくださってる方々、どうもすみません
>>658 カナードにとっちゃリミッターを付けるなど我慢ならん!だろうしなw
>>658 どこぞの謎の食通さん達みたいに六課の影になりそう。
GJ!!カナード容赦なし!!凶悪な笑いしながら撃ったんだろうな。
カナードにシグナムが馬乗りになって合体技の練習中に新人が目撃して・・・
GJ!!
カナードがステエキの訓練なんてしたら再起不能にしてしまうぞ。
カナード×ギンガフラグktkr?
むしろカナード×ティアナと思うけどな〜。
どっちも自分の存在意義について葛藤してるし。
第四話 星屑の戦場
JPジョーンズ、ブリッジ。
「やはり来ましたか。」
レーダーに捕え、モニターに映るミネルバを眺めながるリー。
「あぁ、ザフトもそう寝惚けちゃいないと言うことだ。」
人呼吸置き、ネオは指揮を取り始めた。
「ここで一気に叩くぞ。
総員戦闘配備、パイロットはブリーフィングルームへ。」
ミネルバ。
「向こうも、よもやデブリの中に入ろうとはしないだろうけど…危険な宙域での戦闘になるわ。
シン、フェイト、ルナマリアの三人で先制します!」タリアがブリッジの扉のスライドする音に振り向けば、デュランダルとカガリ、アレックスだった。
「議長…。」
「いいかな?艦長…、私はオーブの方々にもブリッジに入って頂きたいと思うのだが…。」
他国の代表をブリッジに入れるなど前代未聞だろう。ミネルバも一応は最新艦なのだから、あまり見せられない部分もあったりするのだが…。
「え…あの…それは…。」
口ごもり、戸惑うタリアの様子を気遣うでもなく、淡々と続け行くデュランダル。
「君も知っての通り、代表は先の大戦で艦の指揮もとり、数多くの戦闘を経験されてきた方だ。
そうした視点から、この艦の戦いを見てもらおうと思ってね。」
デュランダルの言葉はともかく、どうみてもカガリの方は乗り気ではなく、それにどころか、不機嫌そうにも見える。
「分かりました、議長がそうお望みなのでしたら…。」
「ありがとう、タリア。」
それを川切りに、アレックスを挟み、それぞれデュランダル、カガリも席に着いた。
「ブリッジ遮蔽!対艦、対モビルスーツ戦闘、用意!!」
「あの新型艦だって?」
パイロットスーツに着替ながら、アウルがスティングに話しかけた。
「来るのはあの合体野郎かな?」
「だったら、今度こそバラバラか、生け獲るか…。」
「バラバラ…だね。」
着替を終えたナノハが言う。
「へぇ〜、ナノハ、ヤル気だな…。ま、どっちにしろ、面白いことになりそうだ。
なぁステラ?」
スティングがステラに話題を振るが首を傾げるだけだった。
フラグなんてどうでもいいぜ!
我らがカナード先生は全部ボキボキにしてくれます!
カオス、ガイア、アビス、エクシードが艦から発進していくのを確認。
ネオは次の指示を出す。
「アンカー撃て!同時に機関停止。デコイ発射!タイミングを誤るなよ!」
JPジョーンズはネオの指示通り、目前の小惑星にアンカーを打ち込み、上昇回転を開始した。
『ルナマリア・ホーク、ザクウォーリア発進スタンバイ!
全システムオンライン。
発進シークエンスを開始します。』
メイリンのオペレーションで準備が進められ、ハンガーからカタパルトへとセットされるザク。
同時進行で中央カタパルトのインパルス、左舷のカタパルトのバルディッシュも発進シークエンスが開始された。
『バルディッシュ発進スタンバイ、全システムオンライン、プラズマスマッシャーを装備します。』
バルディッシュの背部のラックに装備される長射程高エネルギービーム砲。
威力はケルベロス一門よりも若干劣る。
『インパルス、発進スタンバイ。モジュールはブラストを選択。
シルエットハンガー三号を解放します。
コアスプレンダー全システムオンライン、発進どうぞ!
続いて、ガナーザクウォーリア、バルディッシュ発進、どうぞ。』
左右のカタパルト、そして中央カタパルトから三機が発進した。
三機の発進をブリッジのモニターで見送りながら、不意にデュランダルが口を開いた。
「ボギーワンか…、本当の名前は何と言うのだろうねぇ…あの艦の…。」
「はっ?」
アレックスは唐突なデュランダルの言葉を疑問に思いながら、聞き返す。
「名は、その存在を示すものだ…。ならばもし…、それが偽りだったとしたら?」
座席を少しだけアレックスの方へと向け、口許に笑みを浮かべ続けた。
「それが偽りだとしたら、それはその存在をも偽り…ということになるのかな?」
ブリッジのクルーは聞耳をたてながらも警戒を怠らない。
「アレックス君…いや、アスラン・ザラ君…。」
アレックス・ディノ、いや、アスラン・ザラの深緑の眼が驚愕に見開かれた。
「あんまり成績よくないんだけどね…デブリ戦…。」
「わ、私も…。」
ボキーワンに接近しながら、ルナマリア、フェイトが言う。
「向こうだって、もうこっちを捕えてる筈だ。油断するな。」
いつになく真剣なシンに違和感を覚えるルナマリアが愚痴った。
「レイみたいな口聞かないでよ、調子狂うわ…。」
ミネルバブリッジ。
「敵艦に依然、変化はありません。速度もそのままです。」
「よし、ランチャー1、ランチャー6、一番から四番、ディスパール装填。
シウス、トリスタン起動。今度こそ仕留めるぞ!」
戦闘準備を着々と進めていくアーサーを初めとする他クルー。
そして、それとは別に、デュランダルがアレックスをアスランと呼んだことで、タリアから向けられる視線。
密かに聞耳を立てるメイリンと、デュランダル、アスラン、カガリ、三人の間に流れる沈黙。
「ぎ、議長…それは…。」
カガリが慌てて取り繕おうとするが、上手い言葉が出てこなかった。
宙域を飛行するブラストインパルス、赤いザクウォーリア、バルディッシュとゲイツR二機の五機。
付近に漂う基地の残骸。
「ご心配には及びませんよ…、アスハ代表。私は何も、彼を咎めようと言うのではない。
全ては私も承知済みです。カナーバ前議長が彼等にとった措置のこともね。」
ただ、と続けるデュランダル。
「どうせ話すのなら、本当の君と話がしたいのだよ。
アスラン君…。」
アスランはデュランダルの目から視線をそらし、うつ向く。
「それだけの事だ…。」
相変わらず口許に浮かべた笑みを崩さずデュランダルは付け加えた。
ボギーワンを追う五機のモビルスーツ。
レーダーに捕えているボギーワンは今だ進路も変えず、特に戦闘体勢に入っている様には見受けられない。
「(おかしい、何でまだ何も…。)」
シンが丁度そんなことを思った瞬間だった。
ミネルバのブリッジでもシンが思っている疑問と同じことを考えていた。
「今だ進路も変えないとは…どういうつもりだ?」
クルーたちがざわつきはじめ、そして一早く、ボギーワンの狙いに気付いたのはアスランだった。
「デコイだ!!」
同時
「よぉーし、行くぜ!!」
「オーケー!」
「…了解…。」
「うん…。」
スティングの合図で基地の残骸の影から一斉に飛び出す四機が四方向に散る。
カオスが機動兵装ポッドを分離、その間にアビスのバラエーナ、カリドゥスが五機を襲う。
奇襲に慌てて回避行動に移る五人、しかし、アビスの砲撃は回避させる為に放たれたもので、五機が散開。
一機ずつになったところで、ゲイツRの一機をカオスの機動兵装ポッドによるビーム砲で爆破させ、爆光が残り四人の視界に入った。「ショーン!!」
ルナマリアが声をあげる。
バルディッシュのコクピット内で表情を悲痛に歪めるフェイト。
決して親しいわけではなかったが、目の前で死ぬっというのは未だになれない。
「でも!!」
一人でも多くの人を守るために、ザフトに入隊した。自分にはやれるだけの力が、今はある。
あの時のように無力ではない。
「散開して各個に応戦!!」
シンからの通信。
「やるんだ!」
フェイトはハンドルを握る手に力を込めた。
前包囲36度どから二機の機動兵装ポッドによって代わる代わる放たれるビームをかわすシン。
「くそっ!待ち伏せか!?」
ボギーワンの動きを確認するためレーダーを確認。
「ッ!?ボギーワンが…」
レーダーがサーチ、捕えていたはずのボギーワンの機影が消えた。
「ボギーワン、ロスト。」
「何ぃ?」
クルーの声に驚愕するアーサー。
「ショーン機もシグナルロストです。」
CIC、メイリンが報告、さらに続ける。
「イエロー62βに熱紋4…これは…カオス、ガイア、アビス、アンノウン一機です!!」
「索敵急いで!ボギーワンを早く!」
慌ただしく作業に移るブリッジにタリアの声が響いた。
「ダガー隊発進!機関始動!!ミサイル発射管、五番から八番を発射。主砲照準、敵戦艦!」
ミネルバの背後に突如として現れるボギーワンことJPジョーンズ。
そして艦から発進するダガーL(キャノン砲装備)が二機発進した。
「ブルー18、マーク9、チャーリーに熱紋!ボギーワンです!距離、500。
さらにモビルスーツ2!」
次々と報告される状況に驚かされるばかりだ。
「後ろ…。」
タリアはそう呟く。
背後から狙い撃たれるであろうボギーワンからの主砲とミサイルに備え、指示を出す。
「アンチビーム爆雷発射、面舵30、トリスタン照準」
「駄目です、オレンジ22デルタにモビルスーツ。」タリアはすぐに別案で対処。
「機関最大、右舷の小惑星を盾に回りこんで!!」
ミサイルの追撃を小惑星を利用し、迎撃しつつ回避するミネルバ。
ミサイルは小惑星の凹凸に着弾、表面を砕き、破片が飛び散って行く。
船体を激しい衝撃が駆け抜け、悲鳴をあげるミネルバブリッジのクルー。
「メイリン、シンたちを戻して!残りの機体も発進準備を!
マリク!小惑星表面の隆形をうまく使って、直撃を回避!
アーサー、迎撃!」
「ランチャー5、ランチャー10、ってぇー!!」
ガイアによる背部突撃ビーム砲をかわすルナマリア、操るザク。カオスの追撃を受けるブラストインパルス。
そして、エクシード、アビスから放たれるビームの嵐をビームシールドで防ぎ、かいくぐるバルディッシュ。
「もらい!」
アウルはそう呟くとシールド内部六発のビームを一斉に放ち、物陰に身を隠していたゲイツRを破壊する。
「ゲイル!!」
ルナマリアが叫ぶのがスピーカー越しに聞こえる。
「この、よくも!!」
バルディッシュ、両肩部のアークセイバーを引き抜くと、フェイトは投剣させ。
金色の刃が回転、弧を描きながらエクシードへと向かって行き、その間に、背部にマウントしてあるプラズスマッシャーの砲口をアビスへと向ける。
「あたれ!」
溢れ出す緋色の光が紫電を伴いながらアビスへと一直線に向かって行く。
しかし、エクシードは容易にビームブーメランを撃ち落とし、アビスはそれを難無く回避、代わりにカリドゥス、バラエーナを見舞う。
『あっと言う間に二機も!?』
ルナマリアからの通信を聞きながら、カオスから放たれる三方向からのビームをかわすインパルス。
電子音をたてミネルバからテキストオンリーで通信がはいる。
『不味いよ、シン。ミネルバが…。くっ!』
バルディッシュの機体を降下。
エクシードの腹装砲にして最大の破壊力を持つ、エクセリオンバスターの奔流が放たれたのを回避しながらフェイトが焦りを含む声で言った。
とりあえず、かけた所までということで…。
モビルスーツ戦、戦艦戦、難しすぎる…orz
がんばりますので、応援よろしくです。
夜勤行ってきます!
投下中に出くわしたのは初めてだ……。
荒らしもいなくなったみたいなので、連続投下、行きます!
>>686 3秒差とはいえ割り込んですまん
GJですぜ
それにしても誰か絵心のある人エクシードガンダム書いてくれんかの〜
act.5 それは、恋の芽生えなの
「……」
「……」
駅から機動六課の官舎に戻る車の中、
沈黙に包まれる車内の空気に、エリオとキャロは居心地が悪そうに身動ぎする。
前を向けば、運転しているシグナムと、助手席に座っているレイ。と、レイが口を開いた。
「……すまんな」
「え!?」
「元々そんなに喋りが得意な訳じゃないからな……、出来ればそっちが会話を振ってくれるとありがたい」
そう言ったレイに、キャロが口を開いた。
「あの……バレルさん」
「レイでいい」
「は、はい! ……その……、レイさんのご家族ってどんな人達でいらっしゃるんですか?」
天然の仕業か、一つ目の質問で盛大に地雷を踏んだキャロに、レイは一瞬硬直した。
気を取りなおすように深呼吸して、レイは答える。
「……今は……いないな」
「……ご、ごめんなさい!」
細かなニュアンスで察してくれたキャロに、レイはほっと息を吐いて、
……シグナムが口を開き、レイは運転席に視線を向けた。
「そう言えば……、バレルはテスタロッサと仲がいいのか?」
「……それなりには」
「「ええ!?」」
シグナムの言葉に冷静に答えたレイだが、冷静ではいられなかったのはエリオとキャロの二人で。
突然大声を上げた二人に驚き、シグナムは思わずハンドル操作を誤り、慌てて車体を立て直す。
「うわっ!?」
「きゃっ!?」
その瞬間、エリオとキャロの悲鳴が聞こえ、シグナムは慌てて車を路肩に寄せた。
「大丈夫か!? モンディアル、ルシ……エ……」
「……何をやっている?」
顔を寄せ合うようにして後部座席を覗き込んだレイとシグナムの視界に、それは映った。
自分の方向に倒れ込んできたキャロに押し倒され、車のドアに頭をぶつけて涙目になっているエリオと、
そのエリオの服を握り締めて、エリオの胸に顔を埋めている状態になっているキャロ。
と、レイの声に気付いて、エリオは我に返り、慌ててキャロをどかそうとする。
しかし、キャロにしっかりと服を握られていてはどかせられる訳も無く。
「ル、ルシエさーん?」
「……♪」
エリオの胸板に頬を摺り寄せて、キャロは幸せそうに表情を緩める。
しかし、エリオからは見えずに、エリオがただただ真っ赤になってあわあわと慌てていると。
「!? ひゃうう! ご、ごめんなさい!」
「あ、あはは……」
我に返ったキャロが悲鳴を上げて後退りし、エリオは引き攣った笑みを浮かべる。
そのまま真っ赤になって俯いた二人を見て、レイとシグナムは揃って溜息を吐いた。
「……大丈夫のようだな」
「……ああ……」
盛んに溜息を吐くシグナムに、レイは首を傾げ、車がまた動き出したのを機に、レイはシグナムにその事を聞いた。
「……その溜息は、一体何だ?」
「いや……、高町とスクライアがもう一組出来たと思ってな……」
そう言ってもう一度溜息を吐くシグナムに、レイは目を剥いた。
「……待て、あの二人はさっきのキャロとエリオのような事が日常茶飯事なのか?」
「ああ。私が見た限りだが、高町がスクライアと会った時はほぼ毎回高町がこけてスクライアが受け止めているな」
「ほぼ毎回……、それはわざとと言わないか?」
「……わざとと言うよりも無意識だろうな。
あの二人が両想いなのは当事者以外は全員気付いていると言うのに……」
時折斬りたくなってくる鈍さだからな、あの二人は、とぼやくシグナムに、レイは呆れる。
―――どうにも恋愛に器用そうにも鋭そうにも見えないシグナムが言うくらいなのだから、よほど鈍いのだろうな。
そうレイは思い、シグナムに向かって口を開いた。
「……それは、今まで自覚が芽生えなかった事に感謝するべきじゃないのか?
無自覚でそこまでべったりなら……、自覚が出来たら、凄いぞ」
そう言われ、咄嗟に想像してしまったシグナムはげんなりとした。
宿舎に着き、シグナムが先に立ってエリオとキャロを案内するのにレイは付いて行き、
……急に硬直したシグナムにぶつかってバランスを崩したエリオとキャロを慌てて受け止めた。
「どうした? 一体何が……」
そう言うとレイはシグナムの肩越しに中を覗き込み……、そして、『それ』を見た。
「ちょ、ステラ! 当たってるって!」
「シン……♪」
わたわたと慌てふためくシンと、そのシンを力一杯抱き締めてとろけた表情を浮かべるステラ。
それを見ながら、はやてとフェイトが二人がかりでなのはをからかっていて。
「ユーノくんの話しとる時のなのはちゃんみたいな顔しとるな、ステラちゃん」
「わ、わわ、私あんな顔……」
「してるよ? ずっと」
「……あう……」
二人がかりでからかわれ、なのはは真っ赤になる。
と、シグナムの肩がぷるぷると震えている事に気付き、レイは賢明にもエリオとキャロを引っ張ってシグナムから離れる。
しかし、他の五人はシグナム達四人が帰って来た事にも気付かずに甘い空気を撒き散らして、
……シグナムから、何かが切れる音がした。
「貴様らそこになおれぇ!」
ぶち切れたシグナムが五人を説教しているのを見ながら、レイは何食わぬ顔でエリオとキャロの案内を続ける。
と、エリオがすこしおどおどとしながら言った。
「あの……止めなくていいんですか? レイさん」
「構わないさ。……エリオは、どうしても外せない用があるからと代打を押し付けられた相手が、
帰って来て見たら雑談中だったらどう思う?」
「……えーっと……、多分怒るかと……」
「そう言う事だ」
そう言ってすたすたと歩いていくレイを、エリオとキャロは慌てて追い掛けた。
……それから、一週間後。
「7人とも良く走りますねー……」
なのはが見ていたウインドウを覗き込みながらシャーリーが言うと、なのはは笑って答える。
「にゃはは、そうだね。……そっちはどう?」
「大丈夫、データはばっちりです! 良い子、作ってみせますよー!」
一人で盛り上がり、力瘤を作るシャーリーに、その後ろから突っ込みが入る。
「……変な物は作るなよ?」
「あ、ヴィータちゃんひどい! いつ私が変な物作ったんですか!」
ヴィータの突っ込みにシャーリーは抗議するが、すぐにヴィータが怒鳴り返す。
「あたしのアイゼンをドリル型にしようとしたのは何処のどいつだよ!」
「ドリルはロマンなんです!」
「んな訳分かんねえロマンで改造されたらたまったもんじゃねーよ!」
たちまちヒートアップするヴィータとシャーリー。
そこに、なのはがのんびりと呟いた。
「二人とも、喧嘩は止めて欲しいな。……『お話』する事になっちゃうし」
「「……」」
微妙に黒いオーラを撒き散らすなのはに、シャーリーとヴィータは硬直する。
と、ヴィータが慌てて話し始めた。
「な、なあ、なのは!? 何で私を呼んだんだ!?」
そう聞かれて、なのははにっこり笑うと、答えた。
「シン君とレイ君と、私とヴィータちゃんで模擬戦やりたいな、って思って」
「模擬戦……ね。確かあいつらってこず……こずみ……、あーもう! 兎に角向こうの世界じゃエースなんだろ!? あたしは構わねーぜ」
「本当? ……良かった、限定解除はしてもらってるんだけど、1対2じゃ勝てる自信が無かったから」
そう言ってにゃはは、と笑うなのはに、ヴィータは溜息を吐いた。
「バトルジャンキーの親友はやっぱりバトルジャンキー、か」
これで終わりです。
……何でシグナムがこんな事でキレるのかは俺にも分からな(ry
後、シャーリーが変な人になってしまったw(多分怠惰のアレのせい)
>>688 以前、インパルスにバリアジャケットとレイジングハートエクセリオンくっ付けたやつが投下されてたような……。
個人的に俺はあれをエクシードで想像してる。
バ〜トルジャンキー♪バ〜トルジャンキー♪
GJです。
はたして2対2はコンビネーション対決になるのか、それとも実質タイマン勝負になるのか
今からwktkして待っとくぜ
お二人ともGJなんだぜ。
毎回参考になります。
GJ!!面白かったです!!
GJです。
怠惰なあれの影響ですか、あれはみんな壊れてるからなぁ
高い天を行く者から勇敢な者へ
第四話
「俺は、機動六課には入隊しない」
「あの・・それじゃあ、他の部隊に入隊するんですか?」
エリオの問いに
「いや、どこにも入隊はしないぞ。やりたい事があるのでな」
そう言い残し、カナードは出て行った。
エリオは残念で仕方が無かった。
フェイトさんや八神部隊長達もがっかりするのではないかと思った。
「(残念だけど・・・カナードさんにも何かやりたいことがあるんだから・・・しょうがないかな・・・)」
エリオは自分を納得させ、改めて二人の戦闘を見詰め続けた。
「全弾命中。さて・・・・どう来る・・・」
ザスタバ・スティグマトのマガジンを交換し、爆煙を見据えるカナード。その時
『シュランゲバイゼン』
電子音と共にシュランゲフォルムに変形したレヴァンティンがカナードに襲い掛かった。
「そう来たか、だがな!」
カナードはアルミューレ・リュミエールを展開し、防ごうとしたが
シュランゲフォルムの蛇腹剣はアルミューレ・リュミエールを避け、カナードの右足に巻きついた。
「くっ・・・展開していない部分を!!」
カナードは忌々しげに爆煙の方を向くと、
「やってくれたな・・・・だが、捕まえたぞ・・・・・」
所々破けた騎士服をまとったシグナムが、邪悪に微笑みながら言い放った。
カナードはザスタバ・スティグマトに搭載されたロムテクニカで、シュランゲフォルムのワイヤー部分を切ろうとしたが。
「やらせん!貴様は・・・・」
シグナムはカナードが絡みついたレヴァンティンを力の限り振り上げ
「寝てろ!!」
身近なビルに思い切りたたきつけた。
衝撃のあまり叩き付けられたビルは倒壊し、生埋めになるカナード。
「・・・・これで・・・終るとは思えんが・・・・」
呟き、レヴァンティンをシュベルトフォルムに戻すシグナム。
シグナムはこの時に、カナードと一緒に瓦礫に埋もれていた部分のシュランゲフォルムを、よく見ておくべきであった。
そうすれば
シュランゲフォルムのワイヤーに挟まったザスタバ・スティグマトのマガジンを見つけることが出来たからだ。
ワイヤーに挟まったマガジンの存在にシグナムが気がついた時には、
マガジンがシュランゲフォルムの刃と刃に挟まれる瞬間であった。そして
ドカーン!!!
刃と刃に挟まれたマガジンは圧縮され、魔力爆発を引き起こし、一時的に機動不能になるレヴァンティン。
そして、その隙を見逃すカナードではなかった。
瓦礫から飛び出し、ロムテクニカを片手に猛スピードでシグナムに突進するカナード、そして
「とったぞ!!」
シグナム目掛けてロムテクニカを振り下ろした。
レヴァンティンが使えないため、シグナムはその攻撃を咄嗟に腕をクロスしガード、だがロムテクニカの刃は手甲に突き刺さった。
「カートリッジロード!!」『Burst』
手甲に突き刺さったロムテクニカの刃は爆発、両腕の手甲を粉々に吹き飛ばす。
「この衝撃では、しばらくは腕が痺れて使えまい!!」
そう言いながら左手に持ったロムテクニカで、もう一撃喰らわせようと刺しにかかるカナード。だが
「この・・・程度ぉ!!」
シグナムはロムテクニカの刃を左腕でで掴み、防いだ。
「・・・・ロムテクニカが刺さる瞬間、両腕だけにパンツァーガイストを集中展開させた。
手甲が吹き飛んだだけでどうにかなったが・・・・ギリギリだった・・・・・。」
カナードの驚いた顔を満足げに見詰めながら、種明かしをするシグナム。そして
「それに・・・レヴァンティンも言っているぞ・・・・お前を・・・・叩きのめしたいとな!!!」
右手を振りかぶるシグナム、そこにはシュベルトフォルムに変形が完了したレヴァンティンが炎をまとっていた。
「くっ!アルミューレ(させん!!!」
カナードがアルミューレリュミエールを展開するより早く、シグナムはレヴァンティンを力任せに叩き付けた。
「が・・・は・・・・」
レヴァンティンの直撃を受け、地面に叩きつけられるカナード、さらに
「バインド・・だと?」
バインドがカナードの右腕だけを地面に張付けるように拘束した
「確実に張付けにするためだ。右腕に集中的にバインドを施した。まぁ、お前なら抜け出すのに一分も必要ないだろうが・・・・」
シグナムは喋りながらカートリッジを補充し直にロード、レヴァンティンをボーゲンフォルムにする。
「その一分が・・・・命取りだ!!」
そして矢を形成、カートリッジをダブルロードし
「片腕だけのアルミューレ・リュミエールでは防げまい」
カナードに狙いを定める。
シグナムが自分に狙いを定めている時、カナードは打開策を考えていた。
「(まずいな・・・あれを喰らえば敗北は必至、奴の言う通り片腕だけのアルミューレリュミエールでは防げまい。
フォルファントリーは・・・ダメだ。引っかかってて展開できん。何より展開できたとしてもその前に向こうの矢が・・・・・矢?)」
その時、カナードは一つの打開策を思いついた。
「(動体視力には自身がある・・・・やってみる価値は・・・・あるな)」
カナードが空いている左手に魔力を集中した時
「私の勝ちだ・・・・駆けよ!隼!!」『シュツルムファルケン』
音速超過の矢は、一直線にカナード目掛けて放たれた。
この瞬間、誰もがカナードの敗北、シグナムの勝利を確信した・・・・・カナードがあんな行動に出るまでは。
音速超過で飛んでくる矢を、カナードは
バシッ!!
フィールドで包んだ左手で掴み取った。
「ぐっ・・・・」
左手に走る激痛に耐えるカナード
「・・・・・・・」
呆然とするなのは達
「なんて・・・インチキ・・・・」
呟くティアナ
だがシグナムは瞬時にレヴァンティンをボーゲンフォルムからシュベルトフォルムに変形させ突撃、
「おおおおおおおお!!!!」
カナード目掛けて振りかぶった
「アルミューレ・リュミエール展開!」
だがカナードも矢を投げ捨てアルミューレリュミエールを展開し、レヴァンティンの斬撃に備える。
二人の盾と矛がぶつかった瞬間、発生した衝撃波が周りの瓦礫を吹き飛ばす。
「ぐっ・・・・・おのれぇ・・・・」
先ほどの行動が原因なのか、腕に力が入らず徐々に押されていくカナード
だが、シグナムも限界であった。
「(この機を逃したら・・・・マズイ・・・・ここで・・・決める!!)」
シグナムはレヴァンティンを握る手に力を込める。
「レヴァンティンよ!我が魔力を糧に今一度、燃え上がれぇぇぇ!!!!」『Ja wohl!!!!!』
シグナムの思いに答え、燃え上がるレヴァンティン、そして
「紫電一閃!!!!」
大爆発が二人を包み込んだ。
なのは達が見守る中、爆煙が晴れる。そこには
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
騎士服が先ほどより所々破け、息を切らせながらも、刃の部分にヒビが入ったレヴァンティンを向けるシグナムと
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
バリアジャケットが所々破損し、地面に腰を突きシグナムを見上げるカナードがいた。
「私の・・・はぁ・・・・はぁ・・・勝ち・・・・だな・・・・」
息を切らせながら尋ねるシグナムに
「ああ・・・癪だが・・・・・・俺の・・・負けだ・・・・」
カナードは素直に負けを認めた。
その後仲よく二人は倒れ、医務室に運ばれることとなった。
お二方共GJです!!
怠惰のアレは…俺も見てます
・数時間後
:部隊長オフィス
「結論から言う、俺は機動六課には入隊しない。やりたい事があるのでな」
模擬戦の後、目覚めたカナードは入隊について話があると言いはやて達を呼び、
そして今現在、夜の部隊長オフィスには、はやてと各隊の隊長、副隊長が集まっていた。
カナードの言葉に黙って耳を傾けるはやて達、その時
「何でだよ!どうし(ヴィータ!!」
カナードに詰め寄ろうとするヴィータを遮るシグナム。
「ヴィータ、カナードにもやりたいことがあるよ。無理言ったらあかん」
ヴィータをたしなめるはやて、だがその顔はとても残念そうであった。
しばらく沈黙が続いた後
「あの・・・カナードのやりたいことって何?昨日も言ったけど、協力するよ。」
カナードに尋ねるフェイト
「俺は傭兵をしようと思う」
「傭兵?」
「ああ、向こうの世界の知り合いがやっていてな、しばらく一緒に行動して思ったんだが、俺向きの仕事だと思った。
実力に関してはシグナムとの模擬戦で再確認できたからな」
確かに、カナードほどの実力者なら傭兵としてもやっていけるだろうと思うフェイト達。
「はぁ・・・・だが・・・・困ったことがある・・・・」
急にわざとらしく溜息をし、困った素振りをするカナード
「なんだよ・・・困ったことって?」
カナードを睨みながら尋ねるヴィータ。
「新米の傭兵というのは、仕事が全くといっていいほど来ないと聞いた。そのため、普通は自分から実力を売り込んだりするのだが
俺はそういうことは苦手だ」
カナードははやてを見据え、
「そこでだ、どこかに俺のような新米傭兵の実力を理解したうえで、長期にわたって雇ってくれる所はないだろうか?」
カナードの言葉の意味を瞬時に理解するはやて達
「八神部隊長、どうでしょうか?彼の実力なら雇うに値すると思いますが?」
シグナムが微笑みながらはやてに尋ね
「わたしもシグナム副隊長に賛成です。良い人材は確保しとくべきかと思います」
なのはもシグナムの意見に賛同し、微笑みながら尋ねた。
「そうやな。そんなら、機動六課部隊長、八神はやてが貴方を雇います。よろしいでしょうか?」
はやては笑顔で尋ね
「雇っていただき、感謝する」
カナードは笑顔で引き受けた。
「ったく、まどろっこしいな〜、素直に入隊すればいいのによ〜」
先ほどまでの不機嫌が嘘のように笑顔で尋ねるヴィータ。
そんなヴィータに、カナードは理由を話し始めた。
「入隊しない理由については『リミッター』が関係している」
「どういうこと?」
ヴィータに引き続き、なのはが尋ねる
「機動六課は一般的な部隊と比較すると、本来一部隊としてはありえないほど充実した戦力を保有している。
だが、それを実現するためにお前達は自らリミッターをかけているそうじゃないか」
カナードの言う通り、機動六課は隊長格三名が全員オーバーSランクで副隊長もそれぞれS-とAAA+、
他にもAランククラスが二人と、本来ならありえない戦力である。
それを可能にするために能力限定という裏技を施している。
「俺のランクは分からんし、自分の力を過信するわけではないが、おそらくは入隊した場合、俺にもリミッターが掛けられるのではないのか?」
「うん、そういうことになるかな」
カナードの質問に答えるなのは。
「だが、それは『入隊』した場合だ、『雇った』傭兵にまで、そんな措置をする必要はあるのか?」
カナードの言葉に、はっとする全員
「そういうことだ、お前達とは違って、俺は常に本調子で活動できる。新人達や本調子でないお前達を援護したり、
お前達の限定解除までの時間も稼ぐことが出来るだろう。いざとなれば単独行動も出来る。」
「確かに、能力限定が掛かっているうちらと違って、カナードは常に本調子で活動可能。これほど心強いことはあらへん」
納得し、カナードを見据え
「ありがとうな・・・・いろいろと考えてくれて」
素直な気持ちを言うはやて
「まぁ、こういう組織に入り込むのが苦手というのもある。そして何より・・・・」
カナードはヴィータを見据え
「お前が俺の上司になるのはゴメンだ・・・・プライド総崩れだ」
笑いながら言い放った。
「何だとテメェ!!!!」
カナードに食って掛かるヴィータ
「少しは冷静になれ、馬鹿者」
カナードがニヤつきながら注意するが
「テメェは別だぁ!!!」
ヴィータの叫びが部隊長オフィスにこだました。
こうして、機動六課に1人の傭兵が雇われることになった。
・一時間後
:八神家
「それではこれより、『カナード帰ってくるのがおそいんや!せやけど無事で何より!と、いうわけで今夜は飲めや歌えや大騒ぎや!!』
を、始めるでぇ〜!!!!」
はやては長いパーティ名?を言いながらグラスを掲げ
「それでは、かんぱ〜い!!!」
こうして、『カナード帰ってくるのがおそいんや!せやけど無事で何より!と、いうわけで今夜は飲めや歌えや大騒ぎや!!』が始まった。
「なるほど、昨日執拗に寮に止まれと言ったのはこのためだったのか」
オレンジジュースを片手に近くにいたリインフォースに尋ねるカナード
「そうだ、主はやても言っていただろう、私達は『特別任務中』と」
悪戯が成功したかのように微笑むリインフォース。
「二人だけじゃ、準備が色々大変でしたから途中からリインも手伝ったんですよ〜。ねぇ、お姉ちゃん」
「ああ、助かったよ」
そう言い、ツヴァイの頭を撫でるリインフォース
「へへへ〜、えっへん!」
その行為に嬉しそうに身を任せるツヴァイ。
「お前も主の料理は久しぶりだろう、存分に堪能するがいい」
骨付き肉を食べながら料理を勧めるザフィーラに
「そうだな、いただこうか」
そう言い、カナードは料理に手を伸ばした。
・数時間後
「くっ・・・・だから・・・・酒など・・・・」
呻きながらベランダに出て、夜風にあたるカナード。
「まぁ・・・・料理は美味かったし、こんなパーティーを開いてくれたはやて達には感謝するが・・・・」
先ほどまでいた部屋を覗くと、部屋の中にははやて達の死屍累々な光景が広がっていた。
「あいつら・・・明日大丈夫か?」
心配しながらも、ベランダに備え付けてあるイスに座るカナード。その時
「ほら、水だ」
唯一正常なリインフォースが水を差し出した。
「すまない・・・いただく・・・」
そう言い、水を一気に飲み干す。
その後、しばらく夜風にあたる二人、すると突然
「楽しかったな」
リインフォースが呟いた。
「・・・ああ・・・そう・・・だ・・な・・」
「もし・・・もし十年前のあの時、お前とプレア達が止めてくれなかったら、私はこのような思いは出来なかった」
リインフォースは部屋の中でヴィータの頭に乗っかり、寝息を立てているツヴァイを微笑ましく見つめる。
「ツヴァイとも、会うことは無かっただろう」
そして、今度はカナードの方を向き
「お前はあの時言ったな、『はやての騎士として、一人の女として生きろ』と。だからわたしは・・・ん?」
俯いたまま動かないカナードを見据えるリインフォース、すると
「・・・・・・スー・・・スー・・・・・」
カナードは眠っていた。
その姿に微笑み、部屋から毛布を持ってきてカナードにかける。
「そういえば・・・・言ってなかったな」
リンフォースは眠っているカナードに顔を寄せ
「無事でよかった・・・お帰りなさい」
頬に口付けをし
「無事に帰ってきた・・・・褒美だ」
笑顔で呟いた。
・おまけ
「カナードがどんな人か?」
なのはとフェイトは、偶然居合わせたリインフォースと一緒に遅めの昼食を取っていた。
食後のコーヒーを堪能している時、飲み物を取りに来たエリオを覗いた新人組がそんなことを尋ねてきた。
「はい、カナードとは軽く自己紹介した程度でしたから、お願いします」
ティアナが代表してお願いするが
「それなら、本人に聞けば良いのではないか?」
リインフォースがもっともな事を言う。
「あの、皆さんから見たカナードさんのイメージを知りたいと思いまして・・・だめでしょうか」
なのは達にお願いをするキャロ
「あっ、それでしたら、初めて会った時に印象に残ったこととかは?」
スバルが改めて尋ねる。
「そうだね・・・・」
なのはの場合
「私の場合、初めて二人きりになったときなんだけど」
「「「はい」」」
興味津々なスバル達
「思いっきりローキックを喰らったかな」
「「「はい!?」」」
フェイトの場合
「私の場合は・・・・」
「「「なんですか」」」
興味津々なスバル達
「右手を掴まれて」
「「「右手を掴まれて」」」
「思いっきりビルに叩きつけられたかな」
「「「・・・・・・」」」
リインフォースの場合
「私の場合は」
やな予感がするスバル達
「服(騎士服)を裂かれたな」
「「「な、なんだってぇ!!!」」」
「その後、ザスタバ・スティグマトで撃たれて吹き飛んだな」
「「「(・・・・敵じゃないよね、カナード(さん)って)」」」
その後、なのは達がきっちり説明したので要らぬ誤解は無かったそうだ。
・さらにおまけ
「シグナムがどんな奴か?」
カナードが通路を歩いている時、偶然出会ったエリオがそんなことを尋ねてきた。
「はい、一緒に行動することがあまり無いので、知っておきたいんです」
六課に入隊してから、まだそんなに日は経っていないが、
エリオがシグナムとまともに話したのは、初対面でのあの時だけであった。
「本人かテスタロッサから聞けばいいではないか?」
カナードがもっとな事を言う。
「フェイトさんにも聞こうと思うのですが、以前一緒に住んでいたカナードさんから見た、
シグナム副隊長のイメージが知りたいと思いまして、ダメでしょうか?」
「いや、構わんが」
そう言い、少し考え込むカナード、そして
「あいつは・・・・・」
「はい」
「男であろうと人が入浴している時に乱入してくる奴だ」
その後、カナードはきっちり説明などせず、その場を去った。そのため、エリオは
「シグナム副隊長って・・・・・・」
シグナムに対して間違った(?)印象をしばらく持つことになった。
こんばんわです、。投下終了です。
感想をくださった皆様、ありがとうございました。
職人の皆様GJです。
なんとなくおまけを描きました。
信号をちゃんと守りつつ、次はいつになるのやら・・・・orz
708 :
701:2007/07/28(土) 22:48:34 ID:???
>>706 『怠惰な日常』でググレ。
>>707 GJです!!
投下中に申し訳ありません…ちょっと吊って来ます
次回も期待してます!!
GJです
今思えば強烈な印象しかないカナードにワロタw
カナードもすっかり丸くなったな・・・
だがアイツ、光波防御帯系の装備を見るとキレるんだよな今でも
GJ!
しかしカナードがいたら新人4人はいらな(ry
12人もいるナンバーズ相手ならいるんじゃね?
イヤボーンしてやっとないよりまし程度だな。
ドレッドノートHになったらどうなるんだろう・・・・
まぁ確かに強すぎるのは問題だわな
本編だってリミッターかけたフェイトよりちょい強いかって位の奴がナンバーズでは結構強いっぽいし、スバルもあれだけやれてフェイト以下(暴走はしてても)って設定だし
正直リミッターかけないと苦戦してても寒いだけだな
まぁその辺をうまくやってくれる事を期待ww
>>714 まぁ、ヴォルケンズもリイン2とのユニゾンでさらに強くなるからな。
あと、アッシュとノイズジャンキーを出すみたいだから
カナードの相手はこいつらになるような
(双方ともスカ博士以上にクレイジーだし)
とにかくGJ!!!!!です。
何気にリイン姉妹のやり取りが見られたのが嬉しい。
>>716 ヴィータのあれはパワーアップじゃなくて2Pカラーになっただけにしか見えんかった。
>>686 ここにいるヒトはみんな種も種死も基本的には
(展開の全てを事細かに憶えてたり、シーンの台詞を丸ごとそらんじて言えたりするのはあまりいないだろうが) 知ってるんだから本編と同じ展開を取るにしても、本編とそっくり同じ場面、台詞回しを経る必要はないと思う。
確かにそれではSS単独では作品としてここの繋がりど〜なってんのや、みたいなことになるかもしんないですが、
「本編見たならここの裏でどんなイベントが発生してるか知ってるでしょ」といえるのはSSの特権ですし、
ぶっちゃけ、本編と同じ部分についてはほのめかしぐらいにして、なのフェがいる、という条件が加わったせいで変化が生じた部分だけをクローズアップしたほうが密度が上がっていいんじゃないかな〜などと愚考するわけですよ
か、「本編では描かれなかった、そのころのあのヒト達」みたいなのとかね
>>714 前作から察するに
メリット=魔力無限・PS装甲
デメリット=アルミューレ・リュミエールの全方位展開不可能・ナイフ爆発一回きり
(サブマシンガンに装着されてる奴)
攻撃もビーム砲付くけど、フォルファントリー無くなっちゃうからドッコイ?
今回や前作の戦闘だとカナードはナイフでの格闘が得意だからやり辛くなる?
とにかく、高い天氏、乙です。
が、基本的には”Fate×Destiny”という仕事におけるアイデア自体はなかなかだと思うよ。
がんばれ
早くフリーダムにご登場願いたい。
本編でアッシュを殲滅したのって何話だっけ?
唐突に思ったんだが、デバイスMS化でどう頑張っても不可能なのって、ケリュケイオンとアスク何とかじゃない?
>>723 ケリュケイオンはリジェネレイト系列で、竜型のサポートメカと運用する事を前提にしたコアMSとか。
アスクレピオスはテスタメント系列で量子コンピュータウイルス送信システム持ちとか。
こんな感じでどうよ。
ミーティアみたいなサポートメカでいいんじゃね?
アスクレピオスでWの外伝のズゴックガンダムが出てきてしまった俺はボンボン世代
まー向こうはアスクレプオスだけど
>>726 俺はキラが主役で歌歌ってるゲームの軍師だな
あいつは名前のせいで正体バレバレで吹いたww
>>726 あー、居たなぁそんなの。
なんと懐かしいwww
ケリュケイオンとアスクレイピオスは名前の通りにしたらタイプが全然変わってくるな
まぁそれでMAにでもしたらいいと思う
ケリュケイオンをいっその事、超機人にしてだな
ん?客か?
アッーーー!
>>730 小クロノと大クロノが…んっ何だこんな時間に
>>721 そこは大型ビームソードとリュミエールランスがある。
>>724 ガンダム3号機やガンダムアクエリアスみたいなノリか
連載を始めてみようと思うんだ
大丈夫なのかね?
大丈夫でしょ
ただ最初からトリをつけておくことをお勧めしておく
>>721 NJキャンセラーがAMFもキャンセルできる設定にすれば。
AMFキャンセラーを作れば良いんだ
>>735 おいwそれだと八話でティアは戦闘機人に嫉妬してたことになるぞw
暗闇の中、一つのドアがゆっくりと開く。
広がる外からの光、そして一人の人影がモルタルの床に写された。
人影は何度か周りを見渡すとその後ろに向かって手招きをした。
床の影が増えていく。二つ、三つ、おそらくは最後の三人だろう。
ゆっくりと室内に入ってくるその挙動を見て、俺は小さく呟いた。
「なってない……」
既に自分達数人しか残っていないというのに、クリアリングを怠るなんて
考えられないミスだ。しかも、肩に構えているのはストック長が長く、マズル
フラッシュが酷く、室内では取り回しの効かないカービンライフルだ。
ハンドガンは支給されているというのに、まさかこいつらは遊びでやっているつもりなのだろうか。
……まぁいい。
流石に狙撃や罠ばかりで狩るのも飽きてきた。実戦を想定して、とは言うが、
こいつらが実戦を想定していないならこっちだって構わないだろう。
俺はそう勝手に結論付けると、右のベルトから刃渡り30cmの大型のコンバット
ナイフを抜き、左のホルダーからはハンドガンを
――と思ったがこちらは止めておいた。必要無いだろう。
ずれ落ちた眼鏡を空いてる左手で押し上げ、先頭の一人の銃口を見る。
あれが下がったら本日最後の狩りの開始だ。
最後ぐらい手ごたえを感じたいのだが、そう思いながらじっとタイミングを伺う。
20秒ほど経っただろうか、安心しきった一人が銃口を下げると同時に、俺は飛び出した。
とっさに銃を構え直そうとするが、無駄だ。
俺は瞬時に懐に入り込むと同時に、相手が持つライフルのバレル部分を叩いて脇にそらし、
右手のナイフを一閃した。
「流石元エース、といったところか」
「いえ、ただ単にやる気の問題では?」
「お前にやる気について言われてもなぁ」
ほっといて下さい、と瓶底のような大きな眼鏡をかけ、目を半開きにした
少年が気だるそうに答えた。飾り気のない白い部屋の中で、少年のろくに
手入れもしていない長い黒髪が、空調の風に揺れる。
「それにあいつらはあれでもスクールの選りすぐる連中だぞ?
それも三小隊十二人を相手にお前は丸裸の状態からのスタートだ。やる気どうこうではないだろう」
これでもか、と論を述べてくる自分の上司に少年は上げ足を取った。
「丸腰と言っても服は着てますけどね」
「それでもただの作業服だろ。条件的にはお前の不利だったことに変わりはない」
確かに少年は先ほど相手をした後輩達――士官学校の現主席たち――が
身に付けていたスニーキングスーツなんて身に付けてはおらず、サイズが丁度いい
グレーの作業服を適当に着ているだけだった。まぁ着ている本人からすれば、
ポケットが多くて使いやすかったりするのだが。
「……まぁいいです。それで、今日は何の用事で自分を呼び出したのですか?」
頭を掻きながらどうでもよさそうに言う少年に、上司は咳払いを一つし、
デスクから一枚の書類を引き出し読み始めた。
「明日十時三十分、L5コロニー群アプリリウス市中央コロニー内新プラント中央評議会へ来られたし、以上だ」
それを聞いて猫背気味だった少年の体がわずかに持ち上がった。
(政治家か……)
ここ六年来、少年は政治家が根本的に好きではなかった、無論今でも
好きではなかったがある程度割り切れるようにはなった。
>>735 ティアナは・・・ってことは
ほかのメンバーは誰も知らないって事?
「と、この先にはまだ続きがある。差出人はそんじょそこらの政治家じゃないぞ、聞いて驚け」
もったいぶった言い方をする上司の次の言葉に、少年は確かに驚いた。
「現プラント最高評議会議長だ」
「ラクス……クライン?」
「『議長』をつけておけ」
注意する上司の言葉を無視し、少年は疑問を投げかけた。
「なぜ、今になって俺を?」
「知るか、行って確かめろ」
端的に言われ、青年は頭を垂れた。
「命令ではないようだが、どうする?」
「まぁ、行きますよ。というか議長の名前を出されれば行かざるおえないんですけどね」
「よし、じゃぁ行け。今すぐ行け!」
「……え?」
少年が怪訝そうな顔をすると、上司は壁に掛かった時計を指差した。
今の時刻は二十時、丁度夜間訓練が終わって小腹も空く頃合であるが……
「あ……」
と、ここで少年は気付いた。ここはL4のはずれにある新兵訓練用の
小さなコロニー、L5のアプリリウスコロニーに移動するには二十時間
はかかる上に、この辺境のコロニーでは連絡船が多く出てはいない。
確か中央への終発は……
(二十一時だったか!)
後約1時間。その間に荷物をまとめ港まで出なくてはいけない。
少年はそれに気付くと回れ右をしてドアに向かって行った。
「ちょっと待て」
上司からの声に少年は一瞬立ち止まり、振り返った。上司はおもむろに少年の肩を掴み。
「まず猫背を直せ」
といい背中を叩き。
「それから髪も切れれば切れ」
少年のすっかり長くなった髪に手ぐしをいれ。
「あと目もしっかり開けろ」
そう言って少年の眼鏡の隙間から目を……
とこれは流石に少年は拒絶し、グイと眼鏡を押し上げるとしっかりと瞼を開いた。
「これでいいですか?」
瓶底眼鏡の奥に揺れる紅い瞳。
よし、と上司は言うと、少年に優しく言った。
「また、家の奴らをしつけに来てくれ。シン」
「ええ、そのときはまた稽古を付けてください」
シンはわずかに、ほんのわずかに笑みを浮かべて、静かな廊下を走り出した。
コズミック・イラ七十六年
メサイア攻防戦から二年後の、ある日のことだった。
>>743 先に言っておく、気にしないでww
ではまた
>>746 気にするなといわれたが一応・・・途中割り込みスマン。
後になってしまったがGJ!!
>>746 序盤からかなりwktkしてるんだがひとつ聞きたい。ホントになのはクロスだよな?投下するスレ間違ってたりしないよな!?
>>748 クロスさせますので御心配なくw
まぁこれだけじゃなにか判りませんよね
今回は少し短めですが、投下します。
>>746 これからの展開が非常に楽しみな出だしだ・・・
この後次元跳躍するのか、それとも元々ミッドチルダの管理下世界なのか色々と妄想されるなぁ
ただ、たぶんきっとこのシンは6課メンバーより強いな
>>751 そういってキョウスケと同じ目を見た人間を、私は幾度となく見てきた
act.6 二人の本当の力なの
「模擬戦……ですか?」
「うん。新人達に見てもらいたいなって思ってね。レイ君も、お願い出来るかな?」
そう言ったなのはに、シンは少し表情を真剣なものに変えた。
「別に俺は構いませんけど……、相手は?」
「私と、ヴィータちゃん」
そう言ったなのはに、何故かスバルが飛び上がった。
「な、なのはさんの戦いが見られるんですか!?」
「あ、う、うん」
瞳をきらきらと輝かせて詰め寄ってくるスバルに、なのはは冷汗を浮かべながら後ずさる。
と、そんななのはに、レイが声をかけた。
「……始めないんですか?」
「あ、そ、そうだね! シャーリー、お願い!」
「はいはーい♪」
レイのフォローにこれ幸いと乗っかり、シャーリーに声をかけるなのは。
それにシャーリーは答えると、あるスイッチを押す。
と、なのはの後ろ、ちょうど海の上にあたる部分がゆらめき、街が姿を現した。
「これが、なのはさん監修、海上訓練場です!」
「ここの、ポイントC-1にバリアジャケットに換装して移動してくれないかな?
場所はシャーリーが誘導するから」
「全力で来いよ?」
「了解!」
「……了解」
そうシンとレイが答えると、なのはとヴィータはバリアジャケットに着替え、飛んで行く。
残されたシンとレイは、それぞれデバイスを構えると、叫んだ。
「デスティニー!」
「……レジェンド」
「「セットアップ!」」
『『スタンバイ・レディ』』
幼い少女と落ち着いた男性の声が聞こえ、シンとレイはそれぞれのバリアジャケットを身に纏った。
軽く動作チェックをすると、シンとレイはシャーリーの指示に従って飛んで行った。
それぞれの位置につき、思い思いの武装を構えるシンとレイに、レイジングハートを構えながらなのはが言った。
「制限時間は無制限、ペアのうち片方が落とされたらその時点で戦闘終了だよ。
……シャーリー、スタートのタイミング、任せるね!」
『はーい! ……じゃあ……スタートです!』
そうシャーリーが叫んだ瞬間、なのはの周りに光球が、ヴィータの周りに鉄球が展開された。
『アクセルシューター』
「シュート!」
『シュワルベフリーゲン』
「ぶっ飛べぇっ!」
同時に放たれた20条の光弾と4条の鉄弾。
それをシンとレイが散開して交わすと、光弾はレイを、鉄弾はシンを追尾する。
「デスティニー!」
『ソリドゥス・フルゴール』
両手の甲から展開させたシールドで鉄球を弾くと、ヴィータが追撃に突っ込んでくる。
「ラテーケン・ハンマー! らあああっ!」
『フラッシュエッジサーベルシフト』
「舐めるなっ!」
叩き付けてきたハンマーをサーベルに変化させたフラッシュエッジで受け、シンはそのままヴィータに肩から突っ込む。
何かむしょうに嫌な予感がしたヴィータは僅かに距離を取り、
「逃がすか!」
『ブーメランシフト!』
「ちっ!」
すかさず放たれたフラッシュエッジを、何とかハンマーで叩き落した。
「キリが無いな……」
「強え……なら!」
「「一気に……決める!」」
シンとヴィータは同時にそう叫ぶと、互いに相手に向かって突っ込んだ。
『ギガントフォーム!』
「轟天爆砕! ギガント・シュラーク!!」
『アロンダイト』
「っ……あああっ!」
『ミラージュスラスト!』
20条もの光弾に追い回され、レイは思わず舌打ちを一つ。
「ちいっ……! レジェンド! ブレイズモードに移行!」
『オーケー、ブレイズモード……ファイアビー』
バリアジャケットが変わると同時に撃ち出された無数の魔力弾に、アクセルシューターは次々と撃ち落される。
それによって生まれた煙を隠れ蓑にしながら突っ込んで来る残りのファイアビーに気付き、なのはは下がりながら自身の主砲を構える。
『シューティングモード、セットアップ』
「ディバイ―ン……バスター!」
撃ち出された砲撃は、ファイアビーを一つ残らず消し飛ばし、新たな煙を生む。と、その中から声が響いた。
「……行け!」
『ドラグーン』
その言葉と同時に、煙の中から多数の小さな何かが飛び出し、なのはの周りを囲んだ。
なのはも煙の中から薄っすらと現れたレイにレイジングハートを構え、魔力のチャージを開始する。
そして、二人が同時に動き出した瞬間。
『ヴィータちゃんの撃墜確認。模擬戦は終了です!』
「ええ!?」
シャーリーからの通信が入り、なのはとレイは思いっきり戦う気を削がれた。
「ちょっ……まだ5分くらいしか経ってないよ!?」
『あはは……ヴィータちゃん、勝負焦りすぎて自滅したみたいで……』
そう言ったシャーリーに、なのはは急に俯いて肩を震わせる。
それを怪訝に思い、レイはなのはの顔を覗き込み……、
覗き込んだ事を後悔した。
「久し振りで全力全開出来ると思ったのに……、ヴィータちゃん、後でSLBの的にしてあげようかな?」
そうくすくす笑いながら呟いたなのはの表情が、まさに「魔王」の物だったから。
これで終わりです。
……ヴィータ逃げて!逃げt(ry
戦闘シーン苦手だよ……orz
>>735 d。
……知ってて、映像見る限りだと外皮以外は大体機械で埋まってるっぽいから……。
シンの声優ネタダブルで使えばシンに気付かせる事も可能かな?
GJです。
それにしてもヴィータ弱っ!!
始まって5分くらいっていくらなんでも早すぎなんじゃ・・・
>>758 まて!! 自滅したって書いてある!!
つまり、この場合はヴィータが弱いんじゃなくて、シンが搦め手を使ったってことだ
>>758 逆に考えるんだ、ヴィータが弱いんじゃなくてシンが強すぎるんじゃね?とそう考えるんだ
マジレスすると、この設定ならシンは強くて当たり前じゃね?
GJ!!
ウオッ!!終わるのが速い・・・大技でも出そうとして二コル殺しを喰らったか?
レイなんか実力の片鱗すら見せてない。
模擬戦だからって無茶してやられたら意味ないじゃない・・・頭冷やそうか?フラグがw
>>756
GJです!
ああああ悪魔が降臨なされた!皆の物(特にヴィータ)逃げるのじゃ!((((゜Д゜;))))
だけど一番拍子抜けしたのはスバルだろうな。
期待してなのはの戦いを見ていたら5分で終了したんだから。
ヴィータはなのはとスバルに挟み撃ちにあうな。
ダブル・ディバインバスターだな。