種・種死の世界にWキャラがやってきたら MISSION-09

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1通常の名無しさんの3倍
「新シャア板でガンダムWについて語るならここだ!」
「GガンやXが盛り上がってるから、Wも盛り上げて行こうぜ」
「職人さん常時募集中です」
「現在、SS連載中だ。荒れ防止のため「sage」進行を勧める。」
「荒らし・煽りはエレガントにスルーするのが基本だ。諸君らもエレガントな心を忘れないでくれたまえ」
「職人の作品投下中はレスを控えてくれ。職人も投下終了が分かりやすいよう配慮してくれるとありがたい」
「職人の作品に対して意見したいこともあるだろうが、単なる誹謗・中傷の類は控えたまえ」

「前スレはこちらになる。」
種・種死の世界にWキャラがやってきたら MISSION-08
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1174989315/

「こちらがまとめサイトになります。」
ttp://wctts.hp.infoseek.co.jp/
ttp://fhp.jp/GW-P/
http://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage

「避難所はこちらだ。」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/1777/1161501957/l50

「タイトルロゴもあるんだ。」
ttp://wctts.hp.infoseek.co.jp/1-59-2/images/uzhseuwl10324710.gif
2通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 20:15:15 ID:???
08が埋められてしまったのでスレッドを立てました。
勝手に立ててしまい申し訳ありませんでした。
3通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 20:24:10 ID:???
>>1
乙乙。
ついでに保守〜。
4通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 20:34:38 ID:???
>>1
スレ立て乙。
07の時も荒らしに勝手に埋められたんだよな。
5通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 23:00:21 ID:???
>>1乙鰈
例のカタールスレと他を争わせたいらしい>ume荒らし
6通常の名無しさんの3倍:2007/07/17(火) 02:39:51 ID:???
>>1-2
だから閉鎖したんだからGW-P消せって
7通常の名無しさんの3倍:2007/07/17(火) 10:18:44 ID:???
過疎気味のSS系スレちょくちょく埋めてくよな。
ああいうのこそアク禁にすべきだと思うんだが。
8通常の名無しさんの3倍:2007/07/17(火) 12:59:28 ID:???
過疎気味でなくてもいるよな、アレ
なんとかなんないかな
9通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 00:29:32 ID:???
スレ立て乙
いまだに解けない疑問だが
EWの最後でツインバスターライフルを撃ったゼロは壊れたよな
ツインバスターライフルの衝撃に耐えられなかっただけか
それとも五飛の攻撃のダメージによって耐えられなかっただけか
よく分からないのだが
10通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 01:04:25 ID:???
全部でしょ。
11通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 12:51:33 ID:???
大気圏突入のダメージ+五飛にやられたダメージ+サーペントに撃たれまくったダメージ+ツインバスターの衝撃。
これ全部でしょ。
もしかしたらイブウォーのダメージも完全に修復していたわけではないかもしれないし。
12通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 13:52:08 ID:???
ゼロは大気圏突入可能だが脱出はできるんだろうか?
トルーギスとウイングは追加装備で脱出していたがゼロは羽の中のバーナーだけでいけるんだろうか?
13通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 14:41:19 ID:???
ソースがいい加減ですまないが、α外伝だと大気圏離脱して月に飛んで行ってる。
14通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 15:25:53 ID:???
となると種の世界の勝ち目はないな
遠距離戦のゼロ・ヘビーアームズ中距離戦のナタク接近戦のサンドロック・デスサイズ
サンドロックは探索系が強化されていてデスサイズは数機の機体を完璧なジャミングで隠すことも可能だからな
そもそもあの大きさであの軽さは前スレでも取り上げられていたがかなりの機動力を誇ってるし
全員一度はゼロシステム体験をすんでいてデュオ以外扱えていたしな
15通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 17:47:08 ID:???
デュオも小説では扱ってるよ
レミングラクスマダー?
16通常の名無しさんの3倍:2007/07/19(木) 17:47:44 ID:???
イブウォーでも最後、リーブラぶち抜いてから宇宙に戻ってきてるからな。
つまり、ゼロは単独で地球の重力を振り切るだけの推力を持ってるってことでしょ。
もちろん、地球上から完全に重力を振り切って大気圏から離脱するには相応の燃料が必要になるから素の状態じゃプロペラントが足りなくなる可能性もあるけど。
17通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 13:13:15 ID:???
ってかキラのように甘えてないしな 
全員自分のことは自分ですると教育されてる
18通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 18:18:50 ID:???
結局のところコーディネーターといえどもヒイロやその仲間たちの異常な身体能力には敵わんわけだが
白兵戦に持ち込んだら勝算はMS戦より下がるし
19通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 22:22:23 ID:???
>>11
サーペントに撃たれて足とれてるっぽいしね。
20通常の名無しさんの3倍:2007/07/20(金) 22:35:46 ID:???
では無傷では大気圏突入・脱出は可能であると考えてよいだろうな
ツインバスターライフルは何発撃てるかであるがバスターライフルは3発が限界だからな・・・
どうなんだろ・・・
21通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 10:50:08 ID:???
機体からのエネルギーチャージで撃つからなー。
ツインバスターは。
22通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 13:02:55 ID:???
ツインバスターはジェネ直結で実質射ち放題と聞いた
あと速度についてだけど、ゼロは第二宇宙速度出せるらしいな
23通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 15:48:58 ID:???
念のため言っとくが、大気圏離脱できるかどうかと第二宇宙速度出せるかどうかは別だぞ。
24通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 18:32:28 ID:???
ストフリは第二宇宙速度出せるのか?

>>22
ならゼロの動力ってなんだろ?
25通常の名無しさんの3倍:2007/07/22(日) 22:14:47 ID:???
26通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 14:37:22 ID:???


はやく投下しろよカス
27通常の名無しさんの3倍:2007/07/23(月) 14:54:10 ID:???
早く埋めろよカス
28通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 16:24:25 ID:???
保守
29通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 22:34:29 ID:???
ヘルカスタムって相手のモニタやらレーダーやら使い物にならせなくするんだよな
30通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 04:32:40 ID:???
話ぶったぎってすまんがwikiの方のアドとか更新されてないんだがやっといた方がいいのか?
31通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 08:20:29 ID:???
ああ、なるほど どおりで人がこないと思った
更新したほうがいい
32通常の名無しさんの3倍:2007/07/25(水) 23:04:29 ID:???
過疎ったな
33通常の名無しさんの3倍:2007/07/26(木) 19:30:57 ID:???
・・・作家さんこないね
34通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 02:43:51 ID:???
それじゃぁ適当に比べるか
ストフリVSW0どっちが勝つと思う?
35通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 04:12:30 ID:???
36運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:01:24 ID:???
大分遅くなりましたが、投下します。
後、>>1スレ立て乙です。
37運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:03:22 ID:???
「タンホイザーの射線軸に敵機……モビルアーマーです!」
 ミネルバオペレーター、メイリン・ホークの声が響いたのは、ミネルバから
発射された主砲、陽電子破砕砲タンホイザーと、敵ガルナハン基地から出撃し
たモビルアーマー、ゲルスゲーが接触した正にその瞬間だった。
 着弾、爆発、閃光、爆風……
 その圧倒的衝撃を目の当たりにしたミネルバクルーと、出撃していた三機の
モビルスーツパイロットの表情は、すぐに一変した。
「防いだというのか……こちらの陽電子砲を!」
 副官のアーサー・トラインが叫び声を上げた。
 爆風が晴れた後に姿を現したのは、無傷の基地と、その前に光りの壁を展開
させて浮かぶモビルアーマーだったのである。
「敵は、陽電子砲に耐える防御システムを完成させたというのか……そんな馬
鹿な!」
 アスランはモビルスーツの中で、驚愕に打ち震えるが、ハイネとオデルの反
応はそれぞれ違った。ハイネはすぐさま、次の敵の攻勢に対応するために、と
りあえず目の前で起こった「あり得ない光景」からは目を反らした。
 だが、オデルはミネルバや、他の二人の動揺振りが何故だかおかしかった。
確かにミネルバの主砲は防がれ、こちらの形成は一気に不利になった。それは
当然として、何故こんなにも動揺、いや、驚いているのか。
 別に陽電子砲を防いだこと自体は、そんなに驚くことではないはずだ。ザフ
トがモビルスーツを作ったとき、旧連合はそれに対抗するため自分たちのモビ
ルスーツを作り上げた。やがて、モビルスーツ戦闘が主流になった後は、その
兵器を如何に防ぐかという点が研究され、ラミネート装甲や対ビームコーティ
ングが双方の陣営で使われはじめた。
 要するに、どちらが先に実現させたかと言うだけの話だ。片方が作り出した
兵器は、やはり片方でも作ることが、理論上では可能なのだ。
「もっとも、ナチュラルにこんなことが出来るのか、という類の驚きなら別だ
が」
 コーディネイターのナチュラル軽視及び自分たちの優位意識は、オデルにと
ってはあまり心いい物ではない。彼は、整備士として働く中でPS装甲について
も研究したが、あれだって元は旧連合が開発した技術だ。それを考えれば、敵
に陽電子砲を防ぐ技術を開発されたからと言って、そう驚くこともないだろう。
「だが、窮地に陥ったのは事実か」
 こちらだけ必殺の攻撃が封じられたのは確かにきつい。敵の主砲を防ぐ手な
ど、こちらには存在しないのだ。
「シンが来るまでに、少なくとも3時間は掛かる。しかも、この時間は長くな
ることはあっても短くなることは決してない」
 シンが到着するのが先か、ミネルバが落ちるのが先か。
 それとも……
「私が、我慢できなくなるのが先か、か」


        第25話「少年の背負うもの」

38運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:06:50 ID:???
「ミサイル発射管、パルジファル装填!」
 衝撃で時の止まったミネルバの艦橋で、はじめに声を出したのは副官のアー
サー・トラインだった。
「ミサイル攻撃で、敵モビルアーマーを叩きつぶせ!」
 この彼にしては珍しい、怒声に近い叫びは、動揺の最中にあったクルーを動
かすのにそれなりの効果を発揮した。砲手は混乱する頭を必死で振り切り、ミ
サイルの標準を固定し、発射する。幾本もの地上用ミサイルがミネルバから飛
び出していく。
 しかし、ミサイルの爆発力程度では、陽電子砲を弾く敵のモビルアーマーを
破壊することなど不可能だった。ミサイルはいずれも直撃こそしていたが、む
なしく爆散するばかり。
 ミネルバの艦橋は、再び重い沈黙に支配されそうになるが、今度は艦長のタ
リアが命令を飛ばす。
「ミネルバ急速後退、敵の主砲が来るわ!」
 このままで敵主砲の第二射でミネルバは確実に落とされる。今は、主砲の射
程圏外に下がるしかない。タリアは後退の歯がゆさを噛みしめたが、他に方法
は……
「艦長、ここは艦を急速前進させるべきではありませんか」
「なんですって?」
「敵主砲の第二射発射と同時に正面に加速を掛け、前に抜けるんです。そうす
れば、敵が第三射をチャージするまで、敵は主砲を使えない。そこを急速前進
して、一気に基地に迫るんです」
 そして、モビルスーツ隊でモビルアーマーを押さえ込み、ミサイルを主砲発
射口に叩き込む。これならば……
「ダメよ、今前進したところで、固定砲台の餌食になるわ。ミネルバの装甲が
いくら厚くても、ビームとリニアカノンを乱射されたら一溜まりもないわ」
「しかし……」
 アーサーとしても反論しようのない事実だった。彼なりに事態を打開しよう
と考えたが、今回ばかりは空振りに終わった。

 この陽電子砲の激しい応酬が、ミネルバのガルナハン攻略の始まりだった。
ミネルバが左可変翼を損傷する被害を被ったのに対し、ガルナハン基地は全く
の無傷。この事実はミネルバに甚大な心理的打撃を与え、積極的な攻勢を行う
ことを躊躇わせた。要するに、怯んでしまったのだ。
 ミネルバの目的が、あくまでシンの到着を待ち、それをサポートすることで
ある以上、無理に戦い、落とされるわけにはいかなかった。
「さて、敵はどうでるかな」
 ハイネは、モビルスーツ同士の回線を繋いで、アスラン、オデルの二人と通
信を交わしていた。
「敵は予想通り、積極的には仕掛けてこない。となると、俺達が攻めるしかな
いわけだが……」
『難しいだろうな。俺達はともかく、一度陽電子砲を防がれたんだ。ミネルバ
は前に出にくいだろう』
 アスランの言っていることは、心理的状況であるが、意外とそういう部分が
露呈されるのが戦場であり、それは見事に的中していた。
「防がれるのを承知でぶっ放す……いや、その前に向こうが撃ってくるか」
39運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:08:45 ID:???
『モビルスーツが出てくれば、楽なんだけどな』
「空戦か……その可能性は低いな。なまじ、モビルスーツを出撃させれば、主
砲の餌食になるだけだ」
『待っているだけでも、敵はミネルバを撤退させることが出来るからな』
 現にミネルバは攻め倦ねている。シンの到着を待つと言っても、シンが地中
を掘り進んでいることを知られれば、敵はいくらでも対処の仕様がある。それ
故に、ミネルバは敵の注意を引かねばならないのだが……
『ここは敵の出撃に期待するしかなさそうだな』
 ここまで何も発言しなかったオデルが、そう呟いた。
「というと?」
 ハイネが興味を示し、聞き返す。
『敵としては、ミネルバの存在はただ追い返せばいいと言う物ではないはずだ。
落としてこその戦果、と考えても不思議じゃない』
 ミネルバは、これまでにファントムペイン相手に連戦連勝を重ねている。敵
も当然それを知っているはずだし、出来ることならミネルバを落としたいと思
っているはずだ。
『そこに付けいる隙があれば、あるいは……』
「なるほど、一理あるな」
 多少の危険を冒してでも倒しておきたい相手。敵にとって、ミネルバとはそ
ういう存在なのだ。
『だが、敵が痺れを切らして出てくるのを待つ、というわけにも行かないだろ
う? 時間の経過は、ミネルバにとって不利だ』
 こちらが何らかの手を打たねばやられる。アスランの意見にハイネとオデル
も同意したが、何か打開策を練らねばならなかった。
「ちょっと危険だが……仕掛けてみるか」
 ハイネは一計を思いつくと、すぐにミネルバへと回線を繋いだ。

「敵はさすがに攻勢を諦めたようだな」
 ガルナハン基地では、基地司令官が勝ち誇った顔で幕僚たちを見回した。
「このまま前進しても、我が方の主砲に撃ち落とされるだけですからな。敵も
陽電子砲の餌食にはなりたくないのでしょう」
「では、このまま撤退するかな?」
「敵の司令官が愚か者ではなければ……ですが、敵も負けっ放しで引き下がる
とは思えません。何せ、コーディネイターは負けず嫌いですからな」
「なるほどな」
 すると、別の幕僚の一人が、こう意見してきた。
「どうです、モビルスーツ隊を使って奴らを挑発し、再び主砲の射程内に引き
ずり込んでみるというのは。あれだけの獲物を、ただ撤退させるのは勿体ない
と思いませんか?」
 この幕僚の言葉に、司令官は魅力を感じざるを得なかった。宇宙ではロアノ
ーク隊と激闘を繰り広げ、カーペンタリアではホアキン艦隊相手に善戦し、イ
ンド洋ではエースパイロット率いる集団を全滅させているミネルバ。それを自
分が落とすことが出来れば、武勲の大きさは比類無いものだ。
「だが、ミネルバはエースパイロット揃いだ。我が方のモビルスーツ隊で勝て
るだろうか?」
 むしろ、出撃したところに猛撃をかけられ、壊滅的被害を被ることもあり得
る。ミネルバは、敵のモビルスーツ隊を全滅させたという確固たる戦果を武勲
として、悠々と撤退できるだろう。
40運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:10:36 ID:???
「司令、敵のモビルスーツ隊に動きが」
 しかし、司令官の考えは、通信士官の声で中断を余儀なくされた。
「一機が変形して上昇。残りの二機が正面、我が基地に向かって突っ込んでき
ます」
 司令官は、思わず幕僚たちの方を向く。
「恐らく、正面と空から同時攻撃を仕掛けるつもりでしょう。モビルアーマー
を狙っているに違いない」
「対応策は?」
「ローエングリンを一旦収納し、ゲルスゲーも下がらせるのです。固定砲台を
正面と空に乱射して、弾幕を張りましょう」
 ゲルスゲーはいつでも再出撃可能にする。そうすれば、敵の戦艦が接近して
きても、対抗は出来るはずだ。
「よし、固定砲台で迎撃せよ!」

 その頃、ガルナハン基地へと続く坑道の地下を、一機のモビルスーツが掘り
進んでいた。シン・アスカが搭乗するジオグーンである。
 ジオグーンは、前大戦で作られたグーン地中機動試験評価タイプの制式仕様
であり、ベース機にはなかった潜水能力を持っている。周囲の土壌、岩盤を粉
砕し、液状化させて掘り進むスケイルモーターは、着実に坑道の地下に道を造
っている。
「機体の安定度が思ったより悪いな……それに、岩盤を砕く力にムラがある」
 シンはマニュアルを片手に、必死でジオグーンの調整に追われていた。ジオ
グーンは確かに地中潜行能力を持った優れた機体だ。しかし、それは予想以上
に手間と時間の掛かる物であり、パイロットは各種微調整に細心の注意を払わ
ねばならなかった。
「潜行を開始して一時間が過ぎた。ミネルバは大丈夫だろうな?」
 地中を掘り進む音のみが連続的に聞こえるコクピットの中で、シンはミネル
バのことを案じていた。ジオグーンが、目標地点、即ちガルナハン基地へと到
達するには少なくとも後2時間は掛かる。それまで、何とか持ってくれればい
いのだが……
「大丈夫だ。ハイネさんや、アスランさん、ザフトの英雄が二人もいるんだ」
 それにオデルさん――年上の凛々しい青年の顔を、シンは思い出す――あの
人なら、どんな窮地だろうと打ち破るような、凄い力を持っているような気が
する。彼と、彼のモビルスーツにはそれが出来そうな気がするのだ。
「もしかしたら、オデルさんはどっか遠くの宇宙から来たスーパーヒーローか
もしれないな」
 割と事実に近い洞察を、シンは鼻で笑うと、再び操縦桿と各種スイッチ、計
器との緻密な作業に没頭し始めた。

 敵が予想したとおり、ハイネが立てた作戦は、モビルスーツによる空と正面
からの同時攻撃だった。アスランのジャスティスと、オデルのジェミナスで固
定砲台の注意を引き、加速力のあるセイバーで空から突っ込む。ハイネにして
は大雑把な作戦だったが、このガルナハン基地周辺は細かい作戦を立てるには
空間が狭すぎるのだ。
41運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:27:11 ID:???
「だから、限られた戦術を、如何に効率よく行うかしかない」
 ハイネ自身、この作戦が敵に見破られることは承知していた。だが、彼は敵
に気付かせることにこそ、この作戦の意味があると思っている。
「敵は恐らく、固定砲台のみで対応をしてくるはずだ。そこに勝機がある」
 後は、味方が息のあった動きをしてくれるかどうかである。ミネルバについ
ては、まあ心配はない。艦長のタリアは少々気が強く、自己主張の強い人間で
はあるが、物のわかった人間だ。副官のアーサーも、優秀な男だ。問題はモビ
ルスーツパイロットである。
 アスラン・ザラは、実力の上では問題はない。だが、ハイネはどうもアスラ
ンにきな臭い物を感じていた。腹の内を探ろうと飲みに誘っても、やんわりと
断られた。
 オデル・バーネット、この男に関してハイネはほとんど知らない。議長がま
た特権だの特例だのを駆使して、ミネルバ所属と言うことにしたらしいが、そ
の素性は全く持って不明である。機体にしてみても、どうやらザフト製でもな
ければ連合製でもないらしい。
「まあ、シンが懐いているところを見ると、悪い人間じゃなさそうだが」
 アスランとオデル、共に戦場を駆けるには、まだまだ信頼に足りない二人だ。
本人たちには悪いが、ハイネはそう思ってしまう。
 これがもし……
「もし、あの男だったら」
 ハイネの脳裏に、美しい金髪と、華麗なる美貌を持つ男の姿が浮かぶ。これ
がもし、あの男との共同であったのなら、自分は彼に絶対の信頼を寄せるだろ
う。
「我ながら、おかしな話をしているな」
 彼、ロッシェ・ナトゥーノと、ハイネが戦場を共にしたことは一度しかない。
しかも、その時ハイネは彼の活躍を見ておらず、人づてに活躍を聞き、戦闘記
録を見ただけに過ぎない。ロッシェと会ったのも、ただの一回。ホテルのバー
で酒を酌み交わしたときだけだ。
 だが、そんな短い関係でも、ハイネはロッシェに信頼を寄せていた。それだ
けの価値がある男だと、彼の本能が告げているのだ。
「シンも、同じなのか?」
 彼もまた、オデルに信頼を寄せている。それは尊敬と畏敬の念に近い物であ
ったが、本質的には同じように思える。
 強さへの憧れ、そして……感服。ハイネ都心は、同質の思いを異世界の男た
ちに向けていた。

「敵戦艦が陽電子砲の発射態勢にあります!」
 固定砲台による攻撃が始まる中、ガルナハン基地の通信士官が驚きの叫びを
上げた。
「陽電子砲? 馬鹿な、敵の艦首砲は射程外のはずだ」
 司令官は、幕僚たちに意見を求める。
「モビルスーツ隊は陽動で、真の狙いは陽電子砲に合ったのかも知れません。
ゲルスゲーを下がらせたことで、こちらの防御は確かに薄くなりました」
「なるほど、モビルスーツ隊で攪乱し、その隙に接近か……その手に乗るか!」
 司令官は叫ぶと、モビルスーツ隊の出撃を命じた。敵のモビルスーツを牽制
し、ゲルスゲーを守るためである。
「固定砲台と呼応した攻撃をさせろ。無理に敵を落とす必要はない」
42運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:29:47 ID:???
 ガルナハン基地のハッチから、続々とモビルスーツが踊り出した。その数二
十機。地形の狭いこの基地では、少数の方が機動力が上がるのだ。そして、二
手に分かれて、固定砲台の攻撃を上手く避け、時に防ぎながら突き進むモビル
スーツに攻撃を仕掛けると思いきや……そうではなかった。
 何と、出撃した二十機全てが、空中から基地に迫らんとするハイネ・ヴェス
テンフルスのセイバーに攻勢を仕掛けたのである。
 二十機のモビルスーツから発射されるビームライフルとミサイルを前に、さ
すがのハイネも転進を余儀なくされた。如何に最新鋭機のセイバーといえど、
あの攻撃を喰らっては一溜まりもない。敵のダガーLは連射を続け、ハイネ
のセイバーを十分な距離まで追い返すと、一機に急降下して、アスランのジャ
スティスとオデルのジェミナスに迫った。
 この時、ハイネを追い返したことにより固定砲台のほぼ全てが正面のアスラ
ンとオデルに攻撃できることとなり、膨大なエネルギーが二機に叩き付けられ
た。
「くそ、上空に」
 咄嗟に、天井方向へと逃げようとする二機だったが、その正に真上から敵モ
ビルスーツ隊の攻撃に襲われたのだ。
 上下左右、全てを封じられた二機は、一旦後退するしかない。
 するしかないのだが……
「こんなことで!」
 アスランは、ジャスティスのスラスターを全開にすると一気に正面突破を図
った。端から見ても、それは無謀な行為であった。
『よせ、アスラン。死ぬつもりか!』
 ハイネから怒声に近い通信が送られてきたが、アスランはそれを無視した。
彼にも彼なりの意地があり、プライドがある。
 そして何より、アスランは自分の実力にそれなりの自信を持っていた、固定
砲台の砲撃は苛烈だが、突破できないものではない。むしろ、ここで一気に突
破してあのモビルアーマーを破壊すれば、勝負は決まる。
「そうすれば、俺の勝ちだ!」
 アスランがここまで勝利に拘るのは珍しいことなのかもしれなかった。もし
かしたら、それはシンへの対抗心だったのかもしれない。年下の少年に対抗心
を燃やすのもおかしな話だが、先日の作戦会議でのことが尾を引いていたこと
もある。アスランは、出来ることならシンが来る前に戦いを終わらせてやろう
と思ったのだ。
「ここで、抜ければ!」
 やるだけあって、アスランの操縦技術、回避能力は大した物だった。口うる
さくアスランに後退しろと叫んでいたハイネも、アスランが固定砲台の砲撃の
間を縫って基地に迫るのを見ると、さすがに何も言えなくなった。そして、自
分にはあんな芸当出来るのかと、つい考えてしまう。
 一旦後退したオデルもまた、アスランの芸術的な動きに眼を奪われていた。
見事だ、そう呟いたかもしれない。
 だが、アスランの芸術的な動きに、敵は真っ白なキャンバスを用意して待っ
てはいなかった。
 アスランが、ミネルバの陽電子砲を警戒して浮遊するゲルスゲーを、固定砲
台の攻撃から抜けきって射程に捕らえたとき、彼の機体に衝撃が起こった。

 何もない、壁面からの攻撃によって。
43運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:32:28 ID:???
「な、に!?」
 アスランは攻撃のあった方にセンサーを向ける。しかし、そこには何の姿も
見ることは出来ない。
「一体何が……」
 すると、再びその壁面からビーム攻撃が行われた。凹凸のある壁面に、砲台
の類は見受けられない……まさか。
 アスランは、その攻撃を避けると、壁面にビームを乱射した。着弾した壁面
が次々に爆発し、その空間の一部が、揺らいだ。
「ミラージュコロイドか!」
 そう、アスランのジャスティスに攻撃を仕掛けたのは、敵が配置していたモ
ビルスーツ、NダガーNだった。この機体は、前大戦でザフト軍に奪取された連
合軍モビルスーツブリッツのデータを基に開発された機体であり、他のダガー
系統とは一線を画するガンダムヘッドが印象的である。
 名の由来、Nジャマーキャンセラーを搭載したことで、安定した動力を確保し、
大量の電力を消費するミラージュコロイドの使用を可能としたのだ。
「敵の通信と索敵を妨害するために出した、電磁波と妨害電波が裏目に出たか」
 これらの影響で、通信は元より索敵は光学的なものに頼らざるを得ない。つ
まり、ミラージュコロイドにとって、これ以上の可動場所はなかったのである。
「うぁっ!?」
 今度は別の方向から攻撃が炸裂した。彼が仕留め損なったゲルスゲーが攻撃
を仕掛けてきたのだ。ゲルスゲー自体の機動力は高いものではないが、攻撃力
は決して低くない。ジャスティスはたちまち、地面へと叩き付けられてしまっ
た。
「くそ、動け、動いてくれ!」
 幸い距離の関係で、固定砲台の射程からは外れている。だが、このままでは
NダガーNと、ゲルスゲーの攻撃にやられてしまう。
 ここまでか……アスランは自分の運命の終わりを感じ取った。

 ジャスティスに向かって、NダガーNとゲルスゲーの砲撃が行われた。

「――っ!」
 死をも覚悟したアスラン。せめて、ジャスティスの核爆発だけは食い止めな
くてはならない。仮に爆発すれば、ガルナハン基地は吹き飛ぶかもしれないが、
ミネルバだってただでは済まない。そして、ガルナハンの町も。そんなことに
なっては……
「んっ?」
 おかしい。砲撃による爆撃音はする、だが、ジャスティスは爆散するどころ
か、揺れの一つも感じていない。これは一体……?
 アスランは、カメラを操作し、外で何が起きているのかを確認しようとした。
「なっ……なんだって」
 そして、彼の眼に飛び込んできたのは、彼のジャスティスを守るように、シ
ールドを掲げて攻撃を防ぐ、オデルのジェミナスの姿だった。
44運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:36:04 ID:???
 ハイネは目の前で起こった出来事に、ただただ驚いていた。鮮やかな操縦技
術で敵に迫ったアスラン。しかし、敵の伏兵に進撃を阻まれ、彼は絶体絶命の
窮地に陥った。咄嗟にハイネは、セイバーで救援に向かおうとしたが、そこを
モビルスーツ隊の一部と、固定砲台の砲撃に阻まれた。
 間に合わない! ハイネがそう思ったときである。
 オデル・バーネットが動いた。彼は自身の機体を急加速させると、凄まじい
威力のビームライフルでモビルスーツ隊を蹴散し、ジャスティスと敵の間に割
り込んだのだ。
 常識破りの、正に神業だった。
「あんなの、アリかよ……」
 ハイネだけではなく、彼と戦っていたダガーLさえも、オデルの動きに驚き、
制止してしまっている。オデルは以前、敵の攻撃をシールドで受け続けている。
何という強度のシールドか。
「だが、今がチャンスだ」
 ハイネは、制止した敵に向かってアフォルタスプラズマ収束ビーム砲を撃ち
はなった。卑怯、いや、戦場で制止した方が悪い。ハイネ自身を、敵が撃ち落
とす機会でもあったはずだ。
 そのままビームライフルを連射して、着実に敵にダメージを与える。ここを
突破し、一気にゲルスゲーへと向かえば……
「この反応はっ!」
 ハイネは、センサーが感知した反応に眼をやった。
 それと同時に、『地響き』が辺りに起こり始めた。
「真打ちのお出ましか!!!」
 シン・アスカが、到着したのだ。

「な、何だこの揺れは!」
 ガルナハン基地の指令室も、地響きと揺れに包まれていた。
「じ、地震か?」
「いえ、違います。これは……まさか」
「さっさと報告しろ!」
 司令官の怒鳴り声に、通信士官が悲鳴に近い声を出した。
「何かが、基地の地下に出現しました。地面を掘り進んできた模様!」
 指令室に衝撃が走った。
「そんな馬鹿な、馬鹿な話があってたまるか」
「敵アンノーン、機関室付近に移動、このままでは機関部が……」
 通信士官が告げるより早く、第二の揺れがガルナハン基地を襲った。
 シンのジオグーンが、機関部に攻撃を行ったのだ。
 激しい爆発が機関部で巻き起こり、山を要塞化しただけという単純構造の基
地は次々に崩れようとしていた。
「し、指令室は耐えられるのか!?」
 幕僚の一人が叫ぶが、通信士官はもう応えない。彼は自分の向かっていた通
信システムが爆発したことで、死んでしまっていた。
 パニックが起こった。砲手の一人が悲鳴を上げて指令室を出ようとした。そ
れに釣られ、何人かの士官が一緒になって外に飛び出し、その瞬間死んだ。爆
発による振動で、天井が崩れ、それが直撃したのだ。
 幕僚たちが青ざめた眼で司令官を見る。司令官は、ギリギリの冷静さを保っ
て、こう叫んだ。
「総員、退去せよ!」
45運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:38:32 ID:???

 シンの到着を悟ったとき、オデルは防御の姿勢で固まっていた機体を動かし、
一気に攻勢に転じた。シールドを突き出したまま、ゲルスゲーへと突撃したの
である。途方もないジェミナスの強度にムキになって攻撃を仕掛けていたゲル
スゲーは、反応に遅れた。スラスターを全開にして回避行動に出るが、とても
間に合いそうにない。
 オデルのジェミナスがビームライフルを撃ったのと、ゲルスゲーが陽電子リ
フレクターを展開したのはほぼ同時だった。
 激しい光りが、両機の間に巻き起こり、ゲルスゲーが吹き飛ばされた。あろ
うことか、肩のリフレクター発生装置がオーバーヒートを起こしている。たか
が、モビルスーツの攻撃を防御しただけで……
「ハァァァァァァァァァッ!!」
 オデルは距離を詰めると、ビームサーベルを抜きはなった。指針距離、ゲル
スゲーには避けようもなかった。
 一閃、ゲルスゲーはジェミナスのビームサーベルの一太刀に、両断された。
 その光景を見て、対応に遅れたのがNダガーNだった。パイロットはオデルに
攻撃を仕掛けるべきか悩み、ハイネのセイバーが接近していたことに気付かな
かった。
「よそ見すんなぁっ!」
 セイバーの二刀のビームサーベルに、NダガーNは斬り裂かれた。

「艦長、敵のモビルアーマーが落ちました!」
 陽電子砲をチャージし、そのまま待機していたミネルバが、やっと動くとき
が来たのだ。シンの到着、モビルスーツ隊の善戦、条件は全て揃った。
「ミネルバ前進、タンホイザーを敵基地に叩き込め!」
 タリアの命令で、ミネルバは急速前進を始めた。もはや、行く手を遮る物は
何も存在しない。
 陽電子破砕砲タンホイザーが発射され、ガルナハン基地の壁面に突き刺さっ
た。トドメの一撃であった。
 ガルナハン基地は、爆発を繰り返し、死神に捉えられていた。内部は崩壊し、
外面は砲撃で吹き飛ばされた。基地の安全装置は、兵士たちを守ることが出来
ず、限界を迎えていた。各所で、血に染まった兵士が倒れ込んでいる。生きて
いる者も、何らかの傷を負っており、倒れている者を構ってなどいられなかっ
た。
 指令室は既に崩れ去り、壊滅していた。中にいた司令官、幕僚は尽く死に絶
え、生存者などいるはずもなかった。
 中には脱出を図る者もいたが、格納庫は完全に潰れており、脱出路も脱出口
も無くなっていた。だが兵士は、途方に暮れる間もなく、力尽きた。

 そして、ガルナハン基地で最後の爆発が起こった。大爆発であった。

 超高熱が基地内を包み、爆風が基地を崩壊させてゆく。それまで生きていた
者も、その全てが死者と化した。
 そして爆発は、基地の天井方向へと突き進み、陽電子破城砲ローエングリン
発射口へと伸び、その砲身をも吹き飛ばし、爆発の噴火を空に突きだした。

 ガルナハン基地は、陥落した。
46運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:40:36 ID:???

 基地の壊滅する様を、誰もがまじまじと見つめる中、ルナマリアが最初に声
を発した。
「シンは? シンは大丈夫なの?」
 あれだけの爆発が基地内部で起こったのだ。シンが退避に失敗していれば、
無事であるはずがない。そもそも、あの状況で満足な退避が出来たのだろうか。
 アーサーがすぐに確認を取らせたが、妨害電波と電磁波、何より爆発の影響
がそれを滞らせた。まさか、ここまで上手く、そして、ここまで凄いことにな
るとは思わなかった。シンの空けた穴から歩兵と工兵を送り込む? そんな必
要、どこにもなかったのだ。
「艦長、前方の地面に異変が。これは、これはきっと……」
 メイリンが叫ぶと同時に、全員がメインスクリーンを凝視した。
 モビルスーツパイロットたちも、機体のカメラをその位置に固定した。
「シン……」
 オデルがその名を呟いた。
 その時、地面の一部が膨れあがり、勢いよくジオグーンが飛び出してきた。
シンは機関部を攻撃して、致命傷を負わせた時点で退避をしていたのだ。ジオ
グーンは、地面へと出てきたところで動きを止め、すぐにコクピットが開いた。
 シンが、ゆっくりと機体から出てきた。
 ミネルバでは、クルーが次々に賞賛の言葉を叫んでいた。聞こえるわけもな
いのだが、叫ばずにはいられなかった。
「やったぜ、シン!」
 モビルスーツに乗るハイネも、シンを絶賛した。作戦は完全に成功したのだ。
「まったく、君は大した奴だな……」
 アスランもまた、シンの才能と実力を認めざるを得なかった。自分で考え、
自分で動き、シン・アスカ、凄い少年が現れたものである。
 こうした感嘆の思いが向けられる中、当のシン本人は何とも言えない、いた
たまれない表情で炎上するガルナハン基地を見つめていた。あの中で、一体何
人死んだのか、自分は、一体何人殺したのか?
 そんなことを、考えてしまう。
 命の重み。それは、若干十六才の少年には、重いものなのかもしれない。
 シンは首を振ると、ミネルバに帰投するべくコクピットに戻るが、そこに通
信が送られてきた。脱出、あるいは離脱した敵の一部が、ガルナハンの町へ向
かっているというのだ。モビルスーツ戦力はないようだが、町が危険なことに
変わりはない。
「コニール……!」
 シンは、一旦ミネルバに戻るため機体を再起動させた。コアスプレンダーで
飛んだ方が、ジオグーンよりずっと早い。
「今行くぞ、コニール」
 だが、シンは知らない。この先に待つ、悲しい運命を。

                                つづく
47運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/07/27(金) 05:48:43 ID:???
第25話です。
ガルナハン攻略戦、自分としてはかなり気合いを入れた部分であり、
書いてきた中で一番難しい話でもありました。

まず、W-DESTINY氏とは違う方法で基地の攻略をするべく、頭を悩ませました。
その結果、使用したのがグーン地中機動試験評価タイプであり、ジオグーンです。
これを活かして、地中から基地を攻略する。無理があったかもしれませんが、
やれるだけやってみました。

後は、前にも書きましたが種死本編への疑問点を追求。
細かい部分を突き詰めたら、こんな話に変わりましたって感じなのかも。

早いうちにといいつつ、こんなに遅くなってしまい、申し訳ありませんが、
8月中に何とか進めたい、そう思っています。
それでは、また。
48通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 06:41:58 ID:???
GJ。早朝から乙です。
49通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 11:55:58 ID:???
アスラン、惜しかったな。複数の意味でw

引きの言葉が気になるぜ、GJ
50通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 15:44:07 ID:???
ジオ・グーンを活躍させた作者氏に惜しみないGJを!!!!!!
51通常の名無しさんの3倍:2007/07/27(金) 17:10:01 ID:???
GJ!…なんだけどーー……

コニール逃げて、超逃げてーーーー!!!
52通常の名無しさんの3倍:2007/07/29(日) 21:21:07 ID:???
W−DESTINYの続きマダー?
53通常の名無しさんの3倍:2007/07/30(月) 11:49:43 ID:???
俺もそれがここで一番気になってる
再開楽しみにしてますよ^^
54通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 00:07:51 ID:???
シン厨共にくれてやるネタは無いとよ
55通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 01:14:56 ID:???
GW明けたら再開って話だったんだけどねぇ。
まだ仕事が忙しいのかね。
56通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 21:12:13 ID:761qTJww
んが
57通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 08:51:07 ID:???
くっく
58通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 12:33:00 ID:???
誰がうまく繋げろと(ry
59通常の名無しさんの3倍:2007/08/02(木) 22:41:45 ID:???
最後のオチに注目(マジ
http://www.youtube.com/watch?v=bqTraAKJ77k
60通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 12:40:57 ID:???
>59
教えてくれてサンクスw
61通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 16:57:24 ID:???
>>59
クルーゼが失敗したコスプレイヤーさんにしか見えねえw
62通常の名無しさんの3倍:2007/08/04(土) 21:11:14 ID:???
変態仮面吹いたwオチもワロタ。
63通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 03:16:41 ID:???
ツイバスってジュネ直結だったよな
64通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 15:45:07 ID:???
ブラバスは、釣ったら持って帰れ
65通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 01:13:13 ID:???
ブラバスは食えねーよ
ツイバスは撃てます 核シェルター破壊可能です
66通常の名無しさんの3倍:2007/08/07(火) 02:06:02 ID:???
ブラバスもブルギルも食えるよ
ツイバスはジェネ直結で打ち放題です
67通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 18:42:04 ID:omu5fThq
まさに無敵
68通常の名無しさんの3倍:2007/08/11(土) 22:39:40 ID:???
クソな流れだな
69運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 01:41:01 ID:???
投下します〜
70運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 01:48:48 ID:???
 軍人とは民間人を守るために存在する。
 これは民主共和主義の軍隊における大原則であり、聞こえの良い建前だ。
 だが、少なくともシン・アスカという少年は民間人の生命を守るために軍人
になった。彼に軍人としての誇りがあるのだとすれば、この一点に尽きるのだ
ろう。
 しかし、もし仮にその民間人が過ちを犯したら?
 復讐という名の牙を剥き、怒り狂う獣となって暴れ回っていたら?
 シンはどのように感じ、どのようなことを思うのか。

 そしてそれは、みたくもない現実となってシンの前に突きつけられた。

「なんだよ、これ……」
 ジオグーンからコアスプレンダーに乗り換えて、急ぎガルナハンの町へと戻
ったシンが目にしたのは、とてもみていることの出来ない惨状だった。
 町の各所で、殺し合いがはじまっていた。
 ガルナハンの町に住む人々は、陥落した基地から逃げ延びてきたフォントム
ペインの兵士たちに銃火を放ったのだ。
 命からがら逃げてきた兵士に、無言で銃弾を撃ち込む。兵士たちもここが安
住の地などではないと理解していたし、すぐさま応戦を始めた。だが、数が違
いすぎた。
 ガルナハンの人々は、基地が陥落した最後の最後になって、ファントムペイ
ン、しいては旧連合に対し復讐を開始したのだ。それは十数年にも及ぶ長きに
渡って彼らの心に蓄積された強い怒りと、失った事への悲しみ、どうにも出来
なかった不満、それら怨念とも言うべき感情の集合体が、戦場から伝わる狂気
で活性化し、彼らを動かしたのだ。僅かに生き残ったファントムペインの兵士
は暴徒と化した民間人の狂乱に晒され、ガルナハンの町は集団私刑の場となっ
た。
 かつてこの地で虐待、虐殺、横暴の限りを尽くした士官は、生きたまま指を
切り落とされ、四肢を切断された挙げ句に、射殺された。
 子どもを狙って暴行を働いていた兵士たちは、木に吊され投石で身体を痛め
つけられた後、火あぶりにされ焼け死んだ。
 町中を走る回る車がある。その車にはロープが繋がっており、ロープには食
料強制徴収などを行っていた下士官が縛り付けられ、引きずり回されていた。
既に息はないはずだ。しかし、車は止まる気配を見せない。
 こうした状況に、ファントムペインの兵士たちはただ黙って殺されはしなか
った。彼らは手に持つ僅かな銃器を使い、必死で抵抗をした。仮にも彼らが持
つのは最新式の武器である。恐怖に支配されたこともあり、狂ったように、死
に物狂いで反撃を始めた彼らの前に、ガルナハンの人々も旧式の重火器を持ち
出して攻撃を始めた。それはかつて、僅か一日で抵抗を潰されたレジスタンス
の残したものだった。
「これは……なんだ。なんなんだよ!」
 シンの知らない、気付かないところで、どれほどの憎悪が巨大化していたの
か。いや、シンの来るずっと前から、この地はそういう場所だったのだ。
『シン、一旦ミネルバに帰還しろ。今、この町に降りるのは危険だ』
 ハイネから緊急通信が入った。彼もまた、セイバーで町の上空へと飛来した
のだ。
71運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 01:52:44 ID:???
「だけど、こんな状態の町を!」
『俺達に他国の民間人をどうこうする権利なんて無い。それに、さっきまで戦
ってた兵士を守るっていうのか!?』
「それは……」
 歯がゆそうに叫ぶハイネ。彼だっていたたまれないのだ。こうなることを予
想できなかった自分自身も含め、彼は叫んでいた。
「でも、俺は……俺は!」
 シンは、群衆の中からコニールを探した。
 しかし、いない、どこにもいない。彼女の姿は、暴徒たる群衆の中には見受
けられない。
「いたっ、あそこだ!」
 狂乱から少し離れた位置に、コニールらしき人影があった。
 少女は地べたに蹲るように座っている。
 シンは、コアスプレンダーをその付近に着陸させ、コニールの元に急いだ。
「コニール!」
 シンは叫び、少女を抱き起こした。
「シン……か?」
 生きている! シンは、彼女を離すまいとしっかりと支える。
「大丈夫か?」
 その時、一段と大きい音が遠くで響いた。恐らく、誰かが手榴弾などの爆発
物を使ったのだろう。
「なんで、なんでこんなことになったんだよ! 町の人も、みんな、みんなど
うかしてる!」
 シンは、叫んだ。叫んだつもりだった。しかし、彼の口から出たのは、弱々
しい声だった。彼は恐怖していた。自分の信じていたものが、心にあった大事
なものが崩れ去る事への恐怖。
「私も、私の両親もずっと苦しんできた。虐げられ、嬲られ、それが十数年、
数十年の続いてきたんだ………私には止められなかった。ファントムペインに
その気持ちをぶつけないと、もう収まりがつかないんだよ。それは、その気持
ちはお前には分からない。絶対に分からないんだ!」
 それは違う。そんなことはない!
 叫ぼうとして、シンは息を呑んだ。手の平に、温かい感触があった。
 弾は、少女の身体を貫通していた。
 大地に落ちる赤い血は、彼女の生命の結晶のようだった。
 シンは少女を抱きしめたまま、けたたましい喧騒のなかで、一人、世界から
遠く遠く離れていくような、奇妙な感覚に襲われていた。地球も、プラントも、
シンには関係のない世界が寂しく回っていた。
 シンは、生まれたての子どものように、何もわからず、ただ立っていた。シ
ンは泣くことさえ許されていなかった。



          第26話「ロッシェの回想」


72運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 01:58:50 ID:???
 移動要塞メサイア。前大戦で、ヤキン、ボアズと宇宙における前線基地を失
ったザフトが新たなる軍事拠点の一つとして作り上げた存在だ。
 小惑星をくり抜いて作られたこの要塞は、攻撃、通信、補給、そして医療、
整備など戦闘に必要な設備は全て揃っており、収容艦艇数及び収容可能なモビ
ルスーツ数は地上基地のそれを上回る。
 まだ完成こそしていないが、いずれ完成すれば宇宙におけるザフト軍の中心
となることは間違い無しであり、ファントムペインは建設の阻止とは行かない
までも、内部構造など詳しい情報を欲していた。
 そして、その移動要塞内で、現在二つのモビルスーツが新たに開発され、動
き出そうとしていた。
「しかし、モビルスーツの開発を頼んだが、もう出来るとは思ってもいなかっ
たな」
 メサイアの視察を名目に、極秘裏に勧めているモビルスーツ開発の視察にも
来たデュランダルは、完成しつつある試作機をみて、そう感想を漏らした。認
めざるを得ないことだが、ハワードという老人はコーディネイターのどの技術
者よりも優れた頭脳を持っているようである。
「なに、機体設計自体はプラントにあるものを流用したに過ぎん。わしがやっ
たのは内部構造の改造だよ」
「それにしたって……ところで、一つ訊きたいことがあるのだがいいかね?」
「なんだ?」
「何故、二体あるんだ?」
 確かにデュランダルは空戦用の新しいモビルスーツ開発を頼んだが、まさか
二体も作るとは思ってもみなかった。しかも、どちらも似ても似つかぬ外見を
しており、唯一似ている部分があるとすれば、人型という点だろうか。
「ただ作るだけでは面白味がないんでな。コンセプト機ということで、謂わば
対極の考えで二つの機体の構想を練ったのさ」
「ほう、それではあの二機は、同じ空戦用でもタイプが違うと?」
「全然な。操縦法はともかくとしても、戦い方が違う」
 二人は歩き出し、試作機のうち一機目の前で立ち止まった。この機体は、外
面だけなら今現在ザフト軍の主力となっているザクに似てなくもない。
「この機体の名はグフ。機動力と、柔軟な運動性に優れた、接近戦専用の格闘
機だ」
「格闘機?」
「そう、こいつには長距離武器も中距離武器も存在しない。接近して、相手を
倒すことのみを考えた武装が施されておる」
 そして、こっちは……と、ハワードはデュランダルと共に二機目の機体の前
に移動する。
「この機体はバビ。グフとは違い、加速力を追求した爆撃型の機体となってい
る。武装は中距離、長距離専門の射撃装備のみで接近戦武器は存在しない」
「まさに対極的だな。片方は、格闘能力に優れ、もう片方は射撃能力に優れた
機体か……」
 デュランダルは知る由もなかったが、ハワードのこうした構想は彼のいた世
界で作られたある機体に由来している。旧知である悪党連中のことを思い出し、
ハワードは懐かしさに苦笑した。
「この二つの機体、説明を聞いた限りだと両極端のようにも思えるが、実際に
はどっちが強いんだい?」
73運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 02:01:53 ID:???
 当然の質問として、デュランダルは尋ねた。彼はこの時点では、どちらか強
いほうを量産化しようと考えていた。
「どっちもどっちだな。長所もあれば短所もある。グフが接近すればバビは手
も足も出ないし、接近する前に撃ち落とされればグフはバビに勝てない」
「となると……」
「より強いパイロットが乗っているほうが勝つ。それだけのことさ」
 戦略構想としては、バビが砲撃と爆撃で敵にダメージ与え、グフが接近して
敵を壊滅する。このような支援運用が望ましい。
 ファントムペインなら、ストライカーパックを変えるということで対処する
であろう局地戦における武装変化を、ハワードは機体ごと入れ替えるという方
法を採ってしまったのだ。確かにこれならば、戦闘効率はグンとアップするか
もしれない。
「後どれぐらいでこの機体は完成する?」
 はやる気持ちを抑えつつ、デュランダルはハワードに尋ねた。
「グフが80%、バビが60%といったところかな……バビは、可変機能と大気圏
内でも通用する大推力、加速力を得るために宇宙での運用が難しくなってしま
ったから、その辺りも考えんといかんしな。その後は、テストパイロットを使
って機体のテストを行って」
「やっと量産、ということか」
 そう長くなることもないはずだ。この機体を量産させて、地球圏に送り込む。
もはやこの戦争は勝ったも同然だ。ファントムペインなど、すぐにも壊滅させ
ることが出来るであろう。
(そして、私は戦争の勝利と共にあの計画を発表する)
 まさかこんなにも早く、自分の夢を果たすことが出来るとは思わなかった。
まだ誰にもいっていない、レイにもいっていないあの計画を。
(いや、違う)
 たった一人、話した男がいた。親友といっていい間柄だった。とても悲しい、
自分では変えることの出来ない、生まれながらに悲劇という名の運命を背負っ
ていた男だった。
「ところで、そのテストパイロットのことなんだが」
 デュランダルの回想は、ハワードの言葉で打ち切られた。
「なにか?」
「うん、なるべく戦闘経験豊富なものにして貰いたい。手練れでないと、扱い
にくいと思うのでな」
「分かった、ザフト軍のエースから選出しよう」
 デュランダルは無言で佇む二体のモビルスーツを見上げた。自身の夢、散っ
ていた親友、それを背負って生きる少年。それらを抱えるデュランダルは、何
としても勝てねばならないと、自分に再確認をした。

 その頃、ロッシェは官舎にある自室にいた。彼はハワードとデュランダルが
進めるモビルスーツ開発には、積極的に参加しようとはしなかった。彼は戦闘
面においては一流の男だったが、技術分野においてはさほど優れているわけで
はない。モビルスーツの整備や点検、応急処置などならともかく、一からモビ
ルスーツを作るなど、興味こそあれ手伝おうという気にはなれなかった。また、
変に手伝って足手まといになるのも、彼のプライドが許さなかった。
 だが、そうなるとロッシェは本格的に暇になった。
74運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 02:05:14 ID:???
 以前は、絵画だの歌劇だのといったプラントの芸術鑑賞に凝っていたのだが、
やがてそれにも飽きが来たのか、日がな一日官舎で過ごす問い日々が続いてい
た。彼の唯一の『友人』であるミーア・キャンベルも、このところは忙しいら
しく顔を見ていない。
「ふぅ……」
 ロッシェはすることもなく、花瓶から一輪腹を取り出すと、片手で弄んでい
た。こんな時、彼は元の世界のことを良く思いだしていた。
 ホームシックなどではないにしろ、彼にだって望郷の念がないわけではない。
むしろ、いつまでもこの世界にいる気など更々無かった。彼は帰らねばならな
い、そして、あの世界には彼の帰りを待つ人がいるのだ。
「アリサは、元気にしているだろうか?」
 ロッシェの脳裏に、一人の女性の姿が浮かび上がる。アリサはいつもロッシ
ェの側にいた。彼に忠誠を誓い、彼に尽くし、彼のために敵地へとやってきた。
あの一件が終わった後も、それは変わることがなかった。
 アリサはロッシェを信頼し、ロッシェはアリサを信用していた。だが、そん
な彼女も、一度だけ、ロッシェに異を唱えたことがあった。
 それは、ロッシェがプリベンター入りを決めかねていたときである。そもそ
も彼がプリベンター所属となったのには、いくつかの経緯があった。元いた世
界での戦後、しばらくはMO-Xに留まっていた彼だが、いつまでもここにいるわ
けは行かないとコロニーを後にした。
 しかし、彼の知らぬ間にOZは消滅し、彼が加盟していたロームフェラ財団は
解体されてしまっていたのだ。戦争を利用してのし上がった財団が解体された
とき、そこにあった莫大な資産のほとんどは、戦争被災への復興へと当てられ
た。なるほど、確かにそれは心温まる話だろう。だが、ロッシェは自身の家が
持っていた財産のほとんどを財団に管理させていたのだ。その為、戦争が終わ
ると、途端に彼は生活に苦しむこととなった。
 彼一人なら何とかなりそうなものだったが、彼にはアリサという連れがいた。
ロッシェは貴族として、また騎士として女性に不自由な生活をさせるわけには
いかないと、今後どのように暮らしていくかを考えた。幸い、ロッシェはモビ
ルスーツパイロットとしての能力も優れてはいるが、それ以外の分野でも多彩
な才能を持っていた。今すぐにもモデルとして活動できそうな端麗な容姿に、
芸術的教養の広さ。だが、それらは生憎と戦後すぐに使える代物ではなかった。
 そうしてロッシェが、色々と苦心しているとき、かつてOZで籍を同じくした
レディ・アンが声を掛けてきたのだ。
「プリベンダーは、政府の諜報機関だが、モビルスーツ戦力は一切持たない。
だが、現実にモビルスーツを隠し持つコロニーは多く、地球も同じ事だ。そこ
で、お前にモビルスーツのパイロット要員としてプリベンター入りをして貰い
たい」
 戦後、宇宙や地球ではガンダムによるモビルスーツ掃討作業が行われていた。
その支援行動の意味も兼ねて、ロッシェに声が掛かったのだ。
 彼の手元には、MO-Xを後にする際に修理されたカスタムリーオーレオスがあ
った。確かにモビルスーツパイロットとして、再び活動することは出来るだろ
う。
 だが、それにアリサが反対したのだ。
「ロッシェ様は、何も武勇の人だけではありません。政府の裏の仕事に手を染
めるよりも、表舞台で活躍なさってください」
75運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 02:08:12 ID:???
 アリサの言いたいことはロッシェにも理解できたが、ロッシェは前向きにプ
リベンター入りを考えていた。やがて時が来れば、レオスも手放す日が来るの
だろう。その時まで、せめてこの世の中からモビルスーツが消える日が来るま
では、愛機と共にありたい。そう思ったのだ。
 結局、ロッシェは渋るアリサを説得し、プリベンター入りを果たした。
 その結果が、分けの分からない異世界に飛ばされるなどと、誰が思ったか。
「彼女の言うとおりにしていれば、こんなことにはならなかったかな」
 今頃アリサは、自分を心配しているのだろうか? この世界に来てから随分
立ったが、元の世界と時間軸が一緒とは限らない。もしかしたらこちらでの一
日が向こうでの十年かもしれないし、逆にこちらでの十年が向こうでの一日か
もしれない。
 考えただけで、おぞましいことだ。どちらにしろ、早く帰らなければ取り返
しの付かないことになる。
「アリサは……泣いているかもしれないな。彼女は涙もろい性格だった」
 虫のいい考えだろうか。彼女の意見を無視し、はねのけてプリベンターに入
ったのは他ならぬロッシェ自身だ。自業自得であるし、今頃アリサはロッシェ
のことなど忘れてしまっているかもしれない。
「……こう暇だと考えが憂鬱としてくる」
 ロッシェは首を振り、気持ちを落ち着かせる。何もすることがないから、こ
のような馬鹿なことを考えてしまうのだ。明日からでも、何かしなくてはなら
ない。ハワードの手伝いは無理だろうが、そう、今奴が行っているというウル
カヌスの探索や、元の世界に帰る方法を調べることなど、やるべき事はいくら
でもあるはずだ。
「どうせ宇宙では小競り合いしかしていないんだ。それぐらい自由は利くだろ
う」
 デュランダルに連絡して、さっさと了解を取り付ける。そう思って、通信機
器に手を伸ばしたロッシェだったが、ハワードが彼が今作業場としている要塞
にデュランダルが訪問してくると言った話を思い出した。そうなると今、デュ
ランダルに連絡を取るのは難しいだろう。
「やれやれ……なら明日に」
 その時、自室のインターホンが鳴った。来客が来たようだ。
 もっとも、この部屋に来る来客など僅か3人しかいないのだが。
 ロッシェは彼女を向かい入れるため、玄関へと向かった。
「ミーア、久しぶりだな?」
 扉を開け、彼女に声を掛けたロッシェは、突然のことに動揺した。別にそこ
にいたのがミーアではなかったとか、そういうことではない。そこにいたのは、
確かにミーアだし、数日ぶりにみる彼女だった。ロッシェが驚いたのは、彼女
が突然、ロッシェに抱きついて倒れ込んできたからだ。
「ロッシェ、どうしよう……どうしよう、アタシ」
 ミーアの身体は、声と共に震えていた。ロッシェはそんな彼女の身体をしっ
かりと支え、抱き上げた。
「ミーア、一体何があった? どうしたというんだ」
 小刻みに震える少女は、目に涙を溜めていた。
 そして、少女の口から出たのは、ロッシェにとっても衝撃的な内容だった。

                                つづく
76運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/12(日) 02:10:56 ID:???
第26話です
前にも書いたかもしれませんが、私は作中にオリジナルキャラとか(モブはともかく)
オリジナル機体を出すのが嫌なので、なるべく既存のキャラや機体で話を書いています。
そういった意味ではハワードが作る新機体を待っていた方、申し訳ありません。グフとバビでした。
作中にも書いてますが、機体の設計思想にメリクリウスとヴァイエイトを当て嵌めています。
まあ、あの二機は攻撃と防御でしたけど。
77通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 08:00:59 ID:???
GJです

グフとバビ・・・本編ではやられ役に過ぎなかったこの量産機がどれほど活躍するか楽しみですね
78通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 13:55:45 ID:???
乙です。

シンが新たな絶望に叩き落とされましたね。
オデルとハイネという頼れる大人が2人いるから、何とか立ち直れるかな。

あとは、ミーアが何を知って動揺しているのかが気になるところ。
79通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 17:01:55 ID:???
あいかわらずGJ

――しかし、人少ないね
80通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 18:23:12 ID:???
帰省ラッシュのクルマの中で茹だってるんだろう
81通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 18:44:12 ID:???
GJ!
グフとバビのテストパイロット……
イザークとディアッカだったりしてw

>>79
なに、少ないくらいのほうが荒らしも出なくてちょうどいい。
82通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 19:16:10 ID:???
コニールの生存を祈るしかないな……今のままだと守るべき物さえも滅ぼそうと
シンが暴走しかねん。
83通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 01:51:00 ID:???
GJ!!
最後のミーアの動揺は凸助との婚約のことを聞いたせいかな?
84通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 08:50:51 ID:???
体重が5`増えたから
85通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 09:42:53 ID:???
カップサイズがあがった
86通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 12:17:33 ID:???
よりラクスに似せるため減乳整形を言い渡されたから
87通常の名無しさんの3倍:2007/08/13(月) 16:04:21 ID:???
まわされ(ry
88通常の名無しさんの3倍:2007/08/14(火) 13:59:23 ID:???
鬼畜共めwww
89通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 15:45:14 ID:???
>>86
ソレはキッツイな・・・確かに
90通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 16:13:35 ID:???
裏をかいてできちゃtt(巨大な薔薇が脳天に刺さる
91通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 16:20:48 ID:???
>>90
違和感ないじゃねーかw
92通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 19:33:02 ID:???
議長にギャハハハハwされた
93通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 19:22:25 ID:V8iLNIhS
?
94通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 08:48:42 ID:???
−−−−−−−−−− 終了 −−−−−−−−−−−
95通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 09:07:20 ID:???
−−−−−−−−−−− 再開 −−−−−−−−−−−
96通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 00:55:36 ID:???
−−−−−−−−−− 完全終了 −−−−−−−−−−−
97通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 01:32:53 ID:???
−−−−−−−−−− 完全無敵再開 −−−−−−−−−−−
98運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:19:15 ID:???
投下します。
99運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:21:39 ID:???
 その日、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの議長室に、ロ
ッシェ・ナトゥーノが尋ねてきたのは正午を少ししすぎた辺りだった。多忙を
極めるデュランダルは、一日の前半をザフト軍本部における軍務、後半を最高
評議会での政務に当てており、昼食をその境目にしている。
 デュランダルがロッシェと面会するにわざわざこの時間を選んだのは、激化
する戦争と、それに伴う仕事量の増加から、昼食時の僅かな時間でもないと人
と会うことすら侭ならぬ状態であった、といってもいいだろう。
 もっとも、この日の昼食は双方共にあまり気分の良い物ではなかった。
「ミネルバがガルナハン基地を攻略したという報告は君も聞いていると思うが、
あれは想像以上の効果を見せていてね。何せ、インド洋の時とは違い、制式に
稼働中の基地を陥落させたという事実は、軍事的、政治的にも意味合いは大き
い」
 デュランダルはガルナハン基地を攻略したことで、市民感情が悪い方向で熱
を帯びていることを感じざるを得なかった。彼にとっても予想外のことではあ
ったが、これまでにザフト軍は勝ち続けている。この戦争でザフトは、明確に
負けたことが一度もない。小競り合い程度ならともかく、大きな戦いでは勝ち
っ放しと言って良い状態なのだ。
 これでは市民が『ザフトの強さ』を熱狂的に考えるのも無理はない。元々、
ナチュラルより自分たちが優れているという優越感も相俟って、市民は既にこ
の戦争に勝った気でいるのだ。しかも、これは仕方のないこととはいえ、ミネ
ルバ単艦による軍事行動の結果が大々的に報道されるため、勝利とは如何に容
易い物なのかと、市民が錯覚を起こしているのだ。血の滲む努力をしているミ
ネルバクルーが聞けば、怒りを通り越して呆れかえるだろう。
「しかし、議会でも戦争拡大論は日に日に強まってはいるんだ。身内の恥をさ
らすようだが、今の最高評議会は先の和平総会襲撃事件の際に入れ替わりでそ
の地位に付いた連中が多くてね。戦争に勝てば、そのポストに居続けることが
出来ると思ってるのか、見栄えの良い軍事的勝利を欲しているんだ」
 特に委員長クラスの人材は、議長とその他数名を除けばほとんど代理、代役
という形で入れ替わった。そんな彼らにしてみれば、おこぼれに近いとはいえ、
巡ってきたチャンスを物にしたいのだろう。
「さて……私の愚痴はこれぐらいにしようか。ロッシェ、あまり食が進んでい
ないところをみると、君の用件はかなり深刻らしいな?」
 仔牛肉のステーキをメインとした昼食は、庶民には考えも付かないような豪
勢な物であったが、デュランダルの指摘通り、ロッシェは口に運ぼうとしない。
「議長、私が今日あなたに面会を求めたのは、私個人の問題についてではあり
ません」
「ほう、すると誰か別の人間についてかね?」
 デュランダルの視線が、ロッシェの心を探ろうと光る。
「我が大切な友人にして、議長にとっても必要であろう人物、ミーア・キャン
ベルについてです」
「あぁ、『ラクス・クライン』のことか」
 無意識にその名を訂正するデュランダル。彼にとってミーアはラクスなのだ。
「彼女がどうかしたのか? いや、そうか、君の言いたい事というのは、詰ま
るところあの件のことだな?」
 ロッシェはそんなデュランダルに厳しい表情を作りながら、口を開く。
「えぇ、彼女の地球ザフト地上軍への慰問についてです」
100運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:24:12 ID:???



          第27話「歌姫の騎士」


「地球にいるザフトへの慰問?」
 泣き崩れるミーアを宥め、応接間にて応対したロッシェは、彼女の取り乱し
ようと、その意外な理由を知って驚いた。
「今日マネージャーから言われたわ……評議会の決定で、あたし、地球に行く
ことになったの」
 地球といえば、現在最も戦闘の激しい場所であり、最大の戦場とされている
場所だ。そんな場所へ、しかも地上ザフト軍基地への慰問が決定したというの
だ。
「馬鹿な、君は平和を歌う、謂わば反戦主義のシンボルだろう? 今までだっ
て、ずっと和平についてと、戦争の終結を説いていたではないか。それがどう
して、軍隊向けのアピールをするんだ?」
 ミーア、つまりラクスの役割とは戦争推奨ではない。彼女は、むしろ戦争拡
大論や主戦派の激発を市民レベルで抑えるための抑制剤であり、何をどうした
って軍事行動の活性化のために存在しない。
 しかし、ミーアの話では連日勝利を重ねるザフトの軍士気を高めるため、謂
わば一種の高揚剤として、評議会はラクスの地上ザフト軍への慰問を決定した
という。確かにラクスは軍内部でも人気が高いアイドルではあるが……
「ロッシェ、あたし、怖い。怖いのよ、地球が」
 以前、ロッシェも聞いた話だが、ミーアはナチュラルに対して強い恐怖心を
抱いている。彼女のように遺伝子的優劣において、何ら優れた物が見いだせな
いコーディネイターにとって、ナチュラルは野蛮極まりない存在として認識さ
れており、その巣窟とも言える地球になど、行けるわけもなかった。
 だが、ミーアは自分の行動に、ラクスとしての自分に決定権が存在しないこ
とを知っていた。彼女の行動を決めるのは評議会であり、彼女は所詮評議会の
広告塔の一つでしかない。判っていて、知ってそれを望んだはずではあるが、
いざこのような事態になると、年端もいかない少女である、重圧に恐怖に押し
つぶされそうになってしまったのだ。
「そういうとか……」
「ねぇ、ロッシェ、あたしどうしたらいい? どうしたらいいと思う?」
 僅かな可能性ではあるが、何だかんだと理由を付けて地球行きを取りやめに
することは出来るかもしれない。だが、精神的にいっぱいいっぱいの彼女には
それを考えられなかったし、そもそも自らの恐怖心だけを理由に断っていいも
のかとも、少しだけではあるが考えていたのだ。
「身の安全は、ちゃんと保証されているんだろう?」
「それは……まあ、回るところは比較的安全なディオキア基地とか、ジブラル
タル基地だって話だけど」
 それでも絶対と言うことはないだろう。最高評議会はザフトから、ミーア専
属にで護衛を付けることを検討しているようだが、ミーアは信頼も信用も出来
そうになかった。
「護衛か……それはもう決まってるのか?」
101運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:27:06 ID:???
「えっ、まだだって聞いたけど」
 恐らく白兵戦技と要人護衛の能力が高い人間が選出されるのだろうが、まだ
決まってはいない。ロッシェはそれを聞くと、数秒ほど考え、ミーアに言った。
「明日、議長に会うことにしよう」

 ロッシェがデュランダルに面会を求めたのは、こうした背景が合ってのこと
だったが、デュランダルとしてもそれはある程度予想していたようだった。
「議長、彼女は確かに戦争という一つの外交手段においては便利な道具かもし
れない。しかし、今回の件は違うでしょう。明らかに役割が違う」
「君の言いたいことは判るがねロッシェ、人の役割、役目というのはその都度
変わっていくものなんだよ。彼女の影響力というのは何も市民だけに効果的な
分けじゃないんだ」
「だが、軍人対して慰問を行うというのは、それまでの彼女を行動を、反戦・
和平派としての立場を自ら否定することになってしまう。それでもいいのです
か?」
「別に軍部に政治的協力をすること自体は否定対象にはならないはずだ。ラク
ス・クラインは人の命を尊ぶという『設定』があるわけだし、彼女が戦地にあ
る兵士の元に赴き平和を訴えって悪いということはないはずだ」
「軍隊とは所詮暴力的な存在、殺人者の組織ですよ」
デュランダルはロッシェとの口論にやりにくさを感じていた。結局の所、ど
んな言葉を並べたところで、最高評議会はラクス・クラインという存在を都合
のいい広告塔としか考えていないのだ。市民に対しては激化する感情を抑える
鎮静剤とし、軍部に対しては士気を高めるための高揚剤とする。カリスマ的ア
イドル性を持ったラクスだからこそ出来るのだ。
「ロッシェ、ザフト軍は何も支配者ではない。地球にいるナチュラルは、時に
そう思うかも知れないが、私としてはむしろ解放者としての軍隊を目指してい
る。地球で権力者と市民が対立する中、我々ザフト軍は市民の味方をする。そ
れが間違ったことだろうか?」
「議長、私は何もザフト軍その者が悪いなどと言ってはいないのです。ただ、
プラント全体で主戦論、戦争拡大論が広がる中、誰も平和について訴えなくな
るのはおかしいといっているのです」
 ここでラクスという存在までも主戦派に傾けば、それこそプラントは戦争を
止めることが出来なくなるだろう。ラクスの存在意義は先にも言ったとおりそ
の影響力であり、例え市民全体が戦争推奨派になっても彼女が一言平和につい
て語れば市民は耳を貸す、そういう存在なのだ。
「では、どうしろというのだ? 地球行きをキャンセルしろと? そんなこと
は今更出来ない。小さいながらもこれは最高評議会で可決された案件の一つな
のだから」
「どうしても送りますか、彼女を地球に」
「身の安全はザフトが全力を挙げて守る。今だって腕利きの護衛を選出してい
る」
「……護衛ですか」
 ロッシェは少し思案顔を作ると、デュランダルに向き直った。
「議長、その件で一つお願いがあるのですが」
 止められないならば、他にもやりようはある。ロッシェは、デュランダルに
ある提案をした。
102運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:30:52 ID:???

 ジュール隊隊長、イザーク・ジュールを嫉妬深い性格の持ち主と評する者は
これまでにも数多く存在し、これからも存在し続けるであろう。彼は自信家で
プライドの高い人物であったが、そうさせるだけの確かな実力と実績を兼ね備
えていた。
 イザークの強い自尊心は、常に誰かに対して対抗意識を燃やすものであり、
その相手とは大抵彼より優れた者であった。アカデミー時代ならば彼より席次
が上だったアスラン・ザラ、入隊したザフト軍では彼と激闘を繰り広げた連合
軍のキラ・ヤマト、彼にとって対抗者とは自分の上にいる存在であり、彼はそ
れを目指してひたすら努力を重ねるのだ。こうした高見を目指すイザークの性
格は、賛否あれど概ね受け入れられていた。
 短気ではあるが意地の悪い性格ではないため部下にも慕われていたし、実力
がともなってこその彼の評判は良かった。
 で、あるからこそ、ラクス・クラインによるザフト地上軍への慰問が決定し
つつあるとの噂がザフト軍内部で広まったとき、彼女の護衛役となるのはイザ
ーク・ジュールに間違いないと囁かれるのも無理はなかった。ラクスの要人と
しての価値は、プラント最高評議会議長に匹敵すると言われており、それを守
るのは、当然ザフト軍の実力者であるとされたのだ。そしてイザークはこの当
時、ハイネ、アスランに次ぐザフト軍のエースであり、英雄に後一歩の位置に
いる男と言われるほどだった。
「しかし、モビルスーツパイロットとしての実力が英雄クラスでも、白兵戦の
戦士として優れているとは限るまい?」
「ところがどっこい、イザーク・ジュールはアカデミー時代に白兵戦でも1,2
を争う実力者だったそうだ。だから、要人警護なんてお手の物さ」
 こうした会話がザフト軍の中で繰り返される中、当のイザーク本人はという
と、正に気が気でないという状態であったという。後に、彼の次席副官であっ
たシホ・ハーネンフースが回想したところによると、
「あの時の隊長は妙にそわそわしており、まるで初恋の相手に送った恋文の返
事を待つ少年のようだった」
 と、評されている。シホがどのような気持ちでこれを書き残したのかはとも
かく、イザークが「浮かれていた」のは事実であり、彼にとってラクス・クラ
インの護衛に付くと言うことが如何に名誉で、嬉しいことだったのか計り知れ
ないであろう。
 そして遂に、国防委員会より首都アプリリウスに戻り、至急出頭せよとの通
達が舞い込んできたのだ。喜び勇んで、イザークは副官であるディアッカ・エ
ルスマンを引き連れアプリリウスへと向かった。
「イザーク、喜ぶ気持ちはわかるが、判ってるのか? 俺達はアスランが地上
にいるうちにやっておくことが山とあるんだぞ?」
 アスラン・ザラが地上へと降りている間、宇宙においてイザークとディアッ
カは忙しい毎日を送っていた。軍務の合間を縫ってはウルカヌスに赴き、サト
ーらと数々の難題に立ち向かい、少しずつではあるがそれを解決し、次へと繋
げているのだ。ただでさえ、人手不足なのに、ここでイザークまで地上に降り
たとあっては、計画の進行はかなり遅れることになるだろう。
「だが、国防本部から正式に命令を受ければ、軍人である以上、断ることは出
来ないではないか」
「そりゃそうだろうが……」
103運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:33:13 ID:???
「それにこれまでの成果と経過をアスランに伝える必要もある。誰かが地上に
降りねばならんし、ならば事のついでということもある」
 言いたいことは判るが、ラクス・クラインが地上に降りたからと行ってアス
ランに会う機会があるとも限らないだろう。そう言いかけてディアッカは止め
た。これ以上は同僚の機嫌を損ねると思ったからであり、また、一応は『婚約
者』である以上、ラクスことミーアと、アスランが会う可能性だって否定は出
来なかった。

 ディアッカをともない国防委員会本部ビルに出頭したイザークは、現国防委
員長ヘルマン・グルードと面会することとなった。ヘルマンは前大戦時、パト
リック派の政治家としてザフト軍に強い影響力を持っていたが、大戦終了と共
に起こったクライン派の蜂起で一時的に失脚した。だが、その後の選挙で再選
を果たし、先の地球連合平和総会襲撃事件の際に代理として国防委員長の席に
着くこととなったのだ。主戦派の政治家ということでデュランダル議長ははじ
め、この人事を良しとしないとされていたが、他に国防委員長の大任を務めら
れる者がいなかったため、このような結果になったと言われている。
 イザークはヘルマンの次席秘書官に連れられ、彼の執務室へと案内されたが、
急遽控え室において待たされることとなった。何か、急な連絡が入ってきたら
しい。まあ、国防委員長ほどにもなればそんなことも年中あるのだろうと、こ
の時は軽く思っていた。
 だが、一時間以上待たされた挙げ句、用件が不要になったと聞かされてはイ
ザークも戸惑いを隠せなかった。
「どういうことです。自分は何か、新たな命令を下されるものと思い出頭した
のですが……?」
 申し訳なさそうな顔で謝るヘルマンに、イザークは言う。彼が欲しいのは謝
罪の言葉ではなく説明である。自分はラクスの護衛官としての任を命じられる
ためにこの場に来たはずだ。それがどうして、用件不要などということにな
る?
「君も承知の上だと思うが、近々ラクス・クラインが地上ザフト軍へと慰問に
赴くことは知っているだろう?」
「はっ、恐縮ながら自分がその任に当たると思っておりましたが……」
 言って、自分はかなり図々しいことを言っているな、とイザークは思わない
でもなかったが訂正はしなかった。ヘルマンがこの物言いを否定しなかったか
らだ。
「そうだ。国防委員会としては国家の要人である彼女に、最高品質の護衛を付
けようと思い、ザフト軍より選出をはじめた。そうして選ばれたのが君だった」
「では何故? ラクスの慰問が中止になったのですか?」
 考えられる事態といえばそれぐらいであり、そのような事情ならばイザーク
も納得せざるを得なかっただろう。
 しかし…………
「いや、今さっきデュランダル議長から緊急の連絡が入ってな。議長自ら、特
務隊の中からラクス・クラインの護衛を選出、推薦するというのだよ」
「なんですって?」
 イザークは自分の顔色が変わったであろう事に気付いたが、そんなことに気
を使っていられなかった。
「ラクスとも公私にわたって親しい者だそうで、ラクスたっての希望というこ
ともあってな。今さっき決まってしまった」
104運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:37:02 ID:???
 ガクガクと膝が揺れている。動揺に立っていられない。だが、イザークは腰
に力を入れ踏ん張った。最後まで聞かねばならない。
「まあ、国防委員会としてもジュール隊ほどの部隊を使えないということには
抵抗があったから、ここは悪いが……」
「誰です」
「何?」
「誰が、ラクスの護衛官になったのですか」
 あぁ、とヘルマンはデスクの端末を操作した。護衛官の資料は先ほど送られ
てきた。知らない顔と名であったが、彼が失脚し野にいた時期に出てきた人物
であろうと勝手に推測していた。
「ロッシェ・ナトゥーノ。特務隊フェイス所属」
 言って、ヘルマンはイザークの変化に気付いた。顔がみるみる上気し、表情
に強う憤怒が現れている。
「何故です……何故、奴なのですか!」
 イザークの叫びに、その怒声とも思える声にヘルマンは圧倒された。
「自分は、モビルスーツパイロットととしても、白兵戦の戦士としても腕に確
かな覚えがあります! 特務隊だろうが、引けを取るとは思っていません!」
「だ、だが、これはラクス本人の……」
「例え本人の希望であっても、この男が彼女を守れなかったらどうするのです
か! 自分なら、彼女を命がけで守り抜く自信がある!」
 ヘルマンは、イザークがとてもプライドの高い人物である、という話を聞い
たことを思いだした。恐らく任地からわざわざ赴いてのこの仕打ちに耐えられ
ないのだろう。いや、もしかすればラクスの護衛官という名誉ある任務を横か
らかっさらわれたことで、自尊心を傷つけられたのかもしれない。
 まあ、推測などいくらでも出来るが、イザークがこの件に強い不満を持って
いることは事実である。
「わ、判った。議長にもう一度再考を打診してみよう」
 迫力に押され、ヘルマンが了承するまで長く時間が掛からなかった。前大戦
時は、タカ派として辣腕ぶりを発揮した彼も、野にいた時間に幾分か弱まった
ようだった。

 こうしたラクス・クラインこと、ミーア・キャンベルの護衛官の地位を巡っ
ての流れは、イザークとロッシェ、どちらが護衛官として優れているかを判断
するという形になった。つまり、どちらが白兵戦において強いのかを試す、と
いうことである。
「面倒だな。イザークという男、何をそんなに固執してるんだ?」
 判らない、といった風にロッシェはデュランダルに尋ねる。しかし、デュラ
ンダルもイザークの抵抗には驚いたようで、
「彼の中の何かが、ラクスの護衛官となることに絶大な意義を見出したのだろ
う」
 まさか、イザークがラクス・クラインに惚れ込んでいるなどと言うことを知
らぬ二人は、不思議そうな顔で首を傾げるばかりだった。
 そして、その判断をするときが来た。といっても、これはイザークが呼び出
されたその人のことであり、如何にイザークが強く抗議したのかが判ることだ
った。もっとも、最高評議会がこのように『くだらないこと』に時間を掛けた
くなかったというのもあるが。
105運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:39:54 ID:???
「射撃の腕、狙撃犯から対象を守る空間認識能力、実戦の実力……まあ、これ
ならイザークが負けるわけないか」
 事の成り行きをあきれ顔で見つめるディアッカは、そういいながら溜息を付
いた。唯一イザークの個人的事情を知るものである。ここまで来れば、もうど
うにでもなってしまえと、多少投げやりに思っていた。
 審査員というわけではないが、判断を下すものとして、最高評議会議長ギル
バート・デュランダルと、国防委員長ヘルマン・グルード、そして護衛対象で
ある当のラクス・クラインことミーア・キャンベルが、この茶番劇の観客とな
った。
「何か凄いことになっちゃった……」
 ミーアとしては、ロッシェに決まって欲しいのだが、自分の一存ではどうに
もならない。自分がただの操り人形であることに悲観的になるが、要するにロ
ッシェが勝てばいいのだと思い直した。そして、ミーアはロッシェが勝つこと
を微塵も疑っていなかった。
 そして始まった選出試験とも言うべき内容は、意外にもいい勝負を繰り広げ
ていた。射撃の腕、とっさに物事を判断する反射神経、イザークはもちろんの
ことロッシェもかなりいい線をいっていた。
「ほぅ……」
 デュランダルはそんなロッシェの姿に眼を細めた。彼はロッシェがナチュラ
ルであることを知っている。知っているからこそ、優れたコーディネイターで
あるイザークと互角の勝負をする姿に、少なからず感銘を受けていた。同じく
事実を知るミーアは、ロッシェの姿にただただはしゃいでいる。彼女は気付い
ているのか? ただのナチュラルが、コーディネイターに等しい存在なのだと
いうことに……
 そうして流れは実戦へと向かっていった。これは単純な物で、互いに白兵戦
を演じて、強いほうが勝ち、ただそれだけである。
 イザークは銃に弾を装填したりと準備をするが、その時『おぉっ!』という
どよめきが上がった。振り向くと、何とサーベルの一つ持っただけのロッシェ
が、銃器も持たずに立っているのだ。
「これ一つで十分だ」
 目を瞑りそう断言するロッシェ。これに対して、イザークの怒りはますます
燃え上がった。
「剣で勝負か……面白い!」
 イザークは叫ぶと軍用刀を片手に飛び出した。実のところ彼は剣技にかなり
の自信があった。射撃の腕こそアスラン・ザラに劣っていたが、接近戦におい
ては常に互角、いや、幾度となく勝った経験すらある。
「貴様など、ここで斬り倒してくれる!」
「やってみるがいいさ」
 軍用刀とサーベルが激しくぶつかり合う。強度においてはどう考えても軍用
刀の方が勝っているのだが、ロッシェはイザークの突進を上手く受け流してい
た。
「ラクスの隣で、彼女の護衛をするのは俺だ! 貴様などではない!」
 私怨たっぷりに叫びながら、イザークはロッシェに斬りかかる。激しい剣戟
が繰り広げられ、イザークはロッシェを圧倒しつつあった。
「ロッシェ……」
106運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:42:20 ID:???
 頑張って。そう叫びたかったミーアだが、この場でどちらかに肩入れする発
言を、ミーアは許されていなかった。不安そうに辺りを見ると、デュランダル
もヘルマンも二人の戦いに魅せられているようだった。それだけの迫力があっ
た。ただ、唯一、イザークの副官である緑色の軍服を着た青年が険しい目で二
人の戦いをみているのがミーアは気になった。
「イザークが……負ける」
 ディアッカはそう呟いた。ざっと見た限りでは、圧しているのはイザークの
方だろう。彼は激しい剣捌きをもってロッシェに迫り、ロッシェはそれを避け、
受けるのに精一杯のように見えた。
 だが、ディアッカにはロッシェがまだ余裕を持って戦っていることに気付い
ていた。単純にパワーやスピードなら、確かにイザークは強い。しかし、あの
ロッシェという男はそれ以上にとてもバランスの取れた戦い方をしている。如
何に動けば相手の攻撃を受け流しすことができるのか、その効率のいい動きを
肌で感じ取っているのだ。
 一見すれば派手に猛撃を加えるイザークが有利なように見えるこの戦いも、
いざ終わってみれば恐らくは……

「ウォォォォォォォォォォォッ!!!」
 轟き叫ぶイザークの一撃がロッシェの脳天に振り下ろされる。確実に捉えた。
訓練用の、刃のない刀ではあるが当たれば無傷ということはあるまい。しかし、
イザークは構わず振り下ろした。この金髪美形の青年を、叩きのめしたかった。
「良く吠える男だな……」
 そういうと、ロッシェはイザークの渾身の一撃をいともあっさり横に避けた。
そして、勢いと共に膝を突いたイザークの首筋に、サーベルの刃を這わせた。
誰がどう見ても、決着が付いていた。
「……殺せっ!!」
 自分が敗れた事を悟ったとき、イザークの口から漏れたのはこのような言葉
だった。だが、ロッシェは首を振ると、
「馬鹿馬鹿しい。何故、この程度のことで私がお前を殺さねばならないんだ」
 そもそもこれは、ミーアの護衛を決めるためのものであり、命を取り合う殺
し合いではないはずだ。
「今ここで殺さなければ、後悔することになるぞ」
 在り来たりな捨て台詞だったが、イザークの猛獣のような目には説得力があ
った。
「……そうか、ならばそれを楽しみにしよう。何なら、次はお前の得意とする
モビルスーツで戦いたいものだな」
 片手を上げて、ロッシェは去っていった。彼を待つ、ミーアの元へ。残され
たイザークは、膝を突き、力の限り叫んだ。

「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 この瞬間、ラクス・クラインことミーア・キャンベルの地上ザフト軍への慰
問と、その護衛官としてロッシェ・ナトゥーノが選ばれたことが、正式に決定
した。

                                つづく
107運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/26(日) 00:44:01 ID:???
第27話です。
今回はちょっと強引すぎたかな。
本来なら49話ぐらいで考えていたこの話も、気がつけばもう半分以上を書いてます。やばいです。
Wなら、丁度総集編ですかね。あ、ということは次の回も総集編か。
思い出すと、Wも二週に渡って総集編とかやってたんだなぁ……
108通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 00:50:49 ID:???
GJでしたが、なんだか今回妙に文章が銀英伝っちくですね。

まあ、Wの総集編は普通にクールの節目にやってただけで種よりは少ないですし。
109通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 04:10:07 ID:???
GJっした。
イザーク…護衛の任務取りで殺せとか言うなやw
しかも何か企んでるかもしれませんよ?と言わんばかりの態度だぞ、それw
110通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 07:04:40 ID:???
五飛VSトレーズ?
111通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 20:43:13 ID:???
GJ!
112通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 20:56:33 ID:???
GJ!
ロッシェスゴス!
嫉妬で戦いを挑んで負けたら殺せwゼロシステムに続きイザークの駄目さ加減が止まらないwww
113通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 21:55:52 ID:???
なんかアレだな、イザークに、
「ラクス(ミーア込)のどこがホントにそんなにいいんだ餅つけ」
と言ってやりたくなるな。
114通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 22:13:48 ID:???
おかっぱテラアワレス
しかし笑いが止まらんのも本音だったりしてwwwww
115通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 23:00:23 ID:???
>>113
桃色電波の洗脳効果にも個人差があるんだよ。
そして遺作は吉良と並んで「相性」が良い。
116通常の名無しさんの3倍:2007/08/26(日) 23:36:56 ID:???
これはwww
ロッシェ、ラクスを退けて三隻同盟の盟主にでもなってZAFTの頭になったオデルに宣戦布告でもするつもりかwww
117通常の名無しさんの3倍:2007/08/27(月) 02:37:27 ID:???
逆恨みが昂じて、ゼロシステムさえ使えば勝てるという妄執に取りつかれて
盛大に自滅しそうな未来しか見えないのだが…何かフォローの余地はあるんだろか。
118通常の名無しさんの3倍:2007/08/27(月) 03:17:28 ID:???
>>117
ギャグキャラ属性という可愛げがあるところを、伸ばすことが出来れば……あるいは
だが問題は相方の黒い炒飯に、その辺を持っていかれてるということですがw
119通常の名無しさんの3倍:2007/08/28(火) 04:43:06 ID:???
普通護衛って複数人じゃ……
120通常の名無しさんの3倍:2007/08/28(火) 08:21:52 ID:???
カガリに対するアレックス・ディノって感じだと思う
常に一緒に行動する人
121通常の名無しさんの3倍:2007/08/28(火) 16:05:20 ID:???
GJ ナイスです
122通常の名無しさんの3倍:2007/08/28(火) 19:23:55 ID:???
>>120
専属ボディガードって事か、ロッシェが直談判してなかったらすんなりイザークに
決まってたのかもしれないが、一般論としてこういう仕事って身体能力や戦闘技術は
ともかく、精神面が沈着冷静でないと務まらないもんじゃなかっただろうか。
熱心なのはいいとして護衛対象自体にのぼせ上がってるようではそもそも…
123通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 00:52:13 ID:???
>>122
プラントの人事にそんな配慮を求めんなよw
124通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 12:09:05 ID:???
>>123
ソレを言っちゃあお終ぇよ。
125運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:02:35 ID:???
投下します。
126運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:05:01 ID:???
 ガルナハン基地陥落!
 予想だにしなかった報告が、ファントムペイン首脳部を震撼させた。
「馬鹿な、ザフトがガルナハンに兵を進めたというのか」
 報告を受けたホアキン中佐は愕然とし、そう呟いたきりしばらくは微動だに
しなかったという。
「あの天然の要塞とも言われた場所を攻略したのか……」
 誤報ではないのか? ファントムペインの誰もがそう思ったが、これは動か
しようのない事実であった。
 この大失態を前に、政略関係の実務を行っていたロード・ジブリールも顔色
を変え、秘書官を通じて事態の確認を行わせるほどだった。
「この世に難攻不落の要塞などあるものか。敵がこちらより頭が良く、上手く
動いた。それだけのことだ」
 動揺するファントムペイン内部で、唯一冷静だったのはネオ・ロアノーク大
佐である。ザフトがガルナハンを狙ってきたのは予想外だったが、落とされて
しまったものは仕方がない。騒ぐより先にすることがあるはずだ。
「ネオ、ステラたち負けちゃうの?」
 慌ただしい雰囲気を敏感に感じ取っているのか、施設内を行くネオに、寄り
添うように付いてきているステラ・ルーシェがそのような質問をしてきた。
「いや、既に負けている。負け続けている……」
 遠征作戦の失敗以降、ファントムペインにめぼしい戦果はなく、軍事的勝利
はまるでない。インド洋に続き、ガルナハンまで失ったという事実は対外的に
もザフト有利を示す結果になったのではないだろうか?
 ネオは、現在の不利な状況を考え陰鬱になるが、不安そうに見つめるステラ
を見て、口元だけ柔らかい笑みを浮かべた。
「心配するな。局地的には負けてるが、要するに最終的に勝ってれば良いんだ
よ。次辺りの会議で、そのことが話し合われるだろう」
 ステラの頭に手を置き撫でながら、ネオは言う。そう、まだ大局が決して分
けではない。このままザフトが勢いづいて勝ちに乗じていくか、ファントムペ
インが巻き返すかは判らない。
 恐らく、今年中にまた大規模な会戦が行われることになるだろう。ファント
ムペインには後がなく、これ以上負けるわけにはいかない。逆にザフトはここ
で大勝を収めて、一気に戦況を傾けたいはずだ。
「場所はスエズ辺りか……まったく、この戦いはいつになったら終わるのやら
……ん?」
 ネオは目の前の廊下を足早に横切ってゆく男を見て、仮面越しに眼を細めた。
「どうしたの、ネオ?」
 そんなネオを、不思議そうにステラが見る。
「知り合いに似た顔だと思ったんだが……気のせいだろう」
 だが、その男がこんな場所にいるわけがない。ネオはそう思い、ステラと共
に再び歩き出した。そして、自分の執務室につく頃には、もう忘れてしまって
いた。


          第28話「過去への執着」

127運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:07:28 ID:???
 レドニル・キサカ一佐は、前大戦時オーブ首長国連合で陸軍将校を務めてい
た男だった。『オーブの獅子』と呼ばれたカガリ・ユラ・アスハの父、ウズミ
・ナラ・アスハからの信頼も厚く、オーブを代表する軍人に一人であった。
 そのはずだった。
 前大戦が終結してから、微妙に彼の人生は狂いはじめる。
 三隻同盟に所属し、最後の最後まで死力を尽くして戦った彼に待っていたの
は、戦後における事後処理という名の処分だった。というのも、中立国という
点を差し引いても、戦時中のオーブは数々の罪を犯している。
 そのもっともたる例が、現代表であるカガリ・ユラ・アスハの『他国のレジ
スタンス活動への加担』であり、キサカはその同行者として全責任を問われる
こととなった。しかしこれは決して、責任転嫁というわけでもない。現役のオ
ーブ軍人である彼が他国のレジスタンス活動、それも武力を伴うものに参加し
た事実は、オーブがレジスタンスに対し現役軍人の『軍事顧問』を派遣したと
も取られる行動であり、これはウズミがことさらに唱えていたオーブの理念の
一つ「他国の争いに介入しない」という項目を明らかに破る行為であり、実行
者であるキサカの責任は免れなかったのだ。
 キサカ当人としては、現代表であるカガリの立場を守るためならば仕方なし
と考え、処分を受け入れた。その結果、彼はオーブ軍情報部部長へと左遷され
た。この部署は、軍事的な情報収集・諜報活動を行うために設立された機関で
あるが、あらゆる軍事行動を良しとしないオーブにとっては、閑職もいいとこ
ろだった。
 それでもキサカは、ウズミの志を継ぎ、オーブの理念を守ったとの矜恃があ
った。後はカガリが代表として成長し、ウズミのようになればいい、そう思っ
ていた。
 だが、現実は彼に耐え難い事実を突きつけた。
 戦後のオーブにおいて代表となったのはカガリだったが、政治的指導権を握
ったのはセイラン家だった。セイラン家は、オーブの氏族の中でも末席とは言
わないが、それほど大きくない家名であり、当然五大氏族ではない。そんなセ
イランが実質的な政治権力を握ったのは、かつての五大氏族が前大戦時に名誉
ある自決(とキサカは考える)を敢行した結果である。
 キサカに言わせれば、セイランなど漁夫の利を得た成り上がりであり、そん
な連中にオーブの政治を壟断させるのは看過できないことだった。
「我々は国を守るのではなく、そこに住まう国民を守る。これからは、そう在
りたいものですな」
 これは宰相へ就任した際のウナト・ロマ・セイランの発言だが、この発言も
また、キサカの怒りを買わずにはいられなかった。ウナトの発言は、暗にオー
ブの英雄であるウズミのことを批判しているのだ。そしてそれは、ウナトの息
子であるユウナも同じことで、
「オーブは政治的にも軍事的にも数々の矛盾を抱えている。それを少しでも解
消していきたい」
 国防本部の長になったユウナの発言。かつてのオーブを信奉するキサカにと
って、このような否定的発言は許せるはずもなく、理解も出来なかった。キサ
カは彼らのような『悪しき考えを持った存在』が代表となったカガリに悪影響
を与えるのではないかと懸念したが、時を経ずしてそれは現実のもになった。
「父が犯してきたことをしっかりと受け止め、私は代表として前に進まねばな
らない」
128運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:09:40 ID:???
 まるで亡き父親を犯罪人のように扱うカガリの物言いに驚愕したキサカは、
カガリと会ってそれを注意した。彼はまだ自分がウズミから任命されたカガリ
の教育係・世話係だった頃の感覚が抜けきっていなかった。
「キサカ、私は何も父上のことを貶めているのではない。今でも尊敬している
し、愛してもいる。だが、父上だって人間である以上、欠点もあった。それを
指摘したところで、父上を誹謗することにはならないはずだ」
 だが、それは今まで口にしてはいけない、暗黙の合意があった。ウズミは国
家的英雄であり、アスハ家が強い権力を持っていた頃には批判も批難も許され
ず、彼に対してマイナス感情を抱くことすら間違っているとされていたのだ。
「それに私は欠点を誇張しているわけでもないし、父上の美点を無視している
わけでもない」
 カガリは変わってしまった。キサカはそう痛感し、オーブ行政府から彼の官
舎に戻った。後に残ったのは、言い様のない怒りだった。カガリの『変貌』に
対しての怒りをセイランにぶつけることで幾分か気持ちは晴れるが、カガリ自
身が元に戻ってくれないことには何ら変わりはない。
 アスランがカガリの元を去って以降、彼女はよりいっそう政務に励むように
なったが、セイランの操り人形では何ら意味がないではないか。
 アスハ家に近い、アスハ派の人間であるキサカには、そのような考えしかで
きなかった。彼にとってはアスハが絶対なのであり、ウズミこそが全てにおい
て正しい存在であったのだ。
 このままではカガリは、オーブはダメになってしまう。そんな考えが、日に
日にキサカの中で大きくなっていった。この情勢下において進行は遅れている
が、ユウナとカガリの婚約の件もある。カガリがあのような男の妻になるなど、
考えただけでもおぞましく、またそうなってしまえば、オーブはセイランに奪
われてしまう。

 そうした中で、キサカはキラ・ヤマトの下を尋ねた。カガリの義弟であり、
かつて同じ戦場で戦った同志。彼ならば、義姉であるカガリに対して、何か影
響のある発言をしてくれるのではないか?
 期待を胸にキラと会ったキサカだが、これもまた当てが外れた。ラクスに案
内され、気の抜けた表情で安楽椅子に腰掛けるキラと話したキサカだったが、
キラは聴いているのか聴いていないのか、キサカの熱弁に対し相づちすら打と
うとしなかった。先の大戦で精神的に病んでしまったとは聞いていたが、ろく
に会話も出来ないほどとは思っていなかった。
 キサカはオーブの現状について訴え、カガリが良くない方向に変わりつつあ
ることを危険視する発言をした。何事か考えるようにしていたキラだが、カガ
リのことについてだけは触れた。
「オーブの件は、政治家でもない僕には何も言う権利はありません。それはカ
ガリも同じことで、義姉ではあっても彼女はこの国の代表者です。同じく、僕
なんかが言えることは何もない」
 ただ……と、キラは付け加えた。
「変わらないことが美徳というわけでもないはずです。理念や志を受け継ぐの
は確かに大事なことかもしれない。でも、全てが全て、子どもが親の考えに賛
同し、真似をするということもないはずですよ」
 キラの脳裏に、過去の記憶が蘇る。
 彼女は、コーディネイターである自分に罵声を浴びせ、罵り、批難した。キ
ラが守ることの出来なかった彼女の父親は、ナチュラル原理主義者であったと
いう。
129運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:12:01 ID:???
(いや、それとこれとは話が別だ……彼女はコーディネイターとか関係なしに、
守れなかった僕に怒りをぶつけていたんだ)
 傷つけてしまった人であり、互いの傷をなめあった関係。
 だが、彼女はもう……
「僕に言えることは、それだけです」
 キラはそういうとそれきり口を閉ざした。ラクスがすまなそうにキサカを玄
関まで送った。
 キラの意見は一理あるものではあったが、キサカにとってありがたみも何も
ないものであった。アスハ家による君主制ともとれる政治形態に身を埋めてき
たキサカにとって、変革など許されるはずがない。彼は、現在の自分の地位無
き地位に絶望しながらも、何かできることはないかと必死で考えいてた。
 全てはオーブの、今は亡きウズミのために。

 そして、そんな時だった。ザフトに復隊したはずのアスラン・ザラから、何
重にも偽装された通信文が届いたのは。

「これは……」
 アスラン・ザラ。キサカにとって、その存在は何とも言えぬ、複雑なものだ
った。カガリの良き理解者であり、護衛官。オーブにいた頃の彼はそのような
男だった。カガリと恋愛じみたことをしているようではあったが、その点には
目を瞑っていた。それはキサカから見て、アスランが悪い青年ではなく、むし
ろ好印象を憶えたからであるが、彼は今回の戦争に際して、ザフトに復隊した。
 即ちオーブを裏切ったのであり、カガリの元から一方的に去ったのだ。
 キサカはそんな『裏切り者』に対して怒りを覚えずにはいられなかったが、
そんな彼から通信が来たことには驚きを隠せず、また意外であった。
 何故、自分なのか? 彼が極秘裏に通信を送るならば、やはり親密な関係に
あったカガリに対してであろう。どうして大して交流があったわけでもない自
分に……キサカはそう思いながら通信文を読み、さらに驚愕することになる。
 そこには次のようなことが書かれていた。
 まずはじめに、アスラン・ザラが個人的な望郷の念、祖国愛からザフトに復
隊したというのは間違いであり、全てはオーブの、カガリのためにザフトに戻
ったと言うことが書かれていた。ザフトに身を置くことで、オーブへの戦火を
避け、オーブに危険が及ばないように出来れば、ただ、それだけを思っている
のだという。プラントやザフトの思惑がどうであれ、自分の心はオーブと共に
あることを忘れないで欲しい、とのことだった。
 そしてその次に、オーブを守るためには、どうしてもザフト有利に事を運ぶ
必要があるとも書かれていた。現在、ファントムペインはオーブに対して強い
圧力を掛けており、件の同盟条約など結ばされれば、オーブの理念、あの気高
き『オーブの獅子』ウズミ・ナラ・アスハが唱えた志を破ることとなり、これ
は看過できることではない。ならば、オーブとは友好関係にあるザフトに当面
勝たせることで、オーブへの干渉を少なくすることは出来ないか? というこ
とである。その具体的な方法に、アスランはファントムペイン内部への進入、
つまり諜報活動を上げていた。敵の情報を得てこそ、ザフトのためにもオーブ
のためにもなる、電子文書にてアスランはそう熱弁していた。
130運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:15:21 ID:???
 キサカはこのアスランのある意味で情熱的な訴えに心を動かされつつあり、
また、アスランを裏切り者などと非難していた自分を恥じた。あの青年は、
オーブのことを、カガリのことを第一に考えてくれていたのだ。
「そうだ、私にだって出来ることはある」
 キサカはそういいながら自分を奮い立たせた。自分は行動者だ。オーブのた
めに動く必要がある。そして、アスランはそのことを自分に教えてくれた。キ
サカに、もう迷いはなかった。

 翌日、国防本部へと赴いたキサカは、ファントムペイン内部への諜報活動を
行うための許可を取り付けた。これに対して国防本部の長であるユウナは、彼
の熱弁する情報戦の重要性を理解し、その要望を受け入れた。ユウナにしても、
ファントムペインの情報は欲しいところであり、政治情報だけに偏るのはよく
ないと考えたからである。むろん、キサカの要望の裏に、アスランの影がある
ことなど知る由もなかった。
 そしてキサカは、東アジア共和国軍経由でファントムペイン入りを果たした。
東アジア共和国は必ずしもファントムペイント共通の認識を持ってはいなかっ
たが、その武力の前に屈服したのだと言われている。兎にも角にも、キサカは
自分のやるべきことを見出し、それを果たすことが出来る喜びを憶えていた。
ここで入手した情報は、無論オーブに送ることとなるが、それと同時にアスラ
ンにも送らねばならない。どうやったのかは知らないが、アスランは彼が乗艦
するミネルバに厳重に、そして何重にも偽装を施された秘密の回線を作ってお
り、そこに情報を送信することが出来た。欠点として、傍受の危険性からアス
ラン側から何か情報を発信するということが出来ないことであるが、キサカと
しては大して気にはならなかった。
 だが、キサカは気付いていなかった。アスラン・ザラの目的と、その本質を。


「アスランさん、例の回線にさっそく受信がありましたよ」
 ガルナハン攻略戦から明けて二日、メイリン・ホークがアスランの士官室へ
と訪れていた。フェイスであるアスランは、他のパイロットなどとは違い個室
を与えられているのだ。
「そうか……意外に早かったな」
 キサカが動いてくれるかどうかは、一種の賭ではあったものの、アスランは
失敗するとは思っていなかった。彼は旧体制、アスハ派の軍人であり、現在セ
イラン家が主導権を握っているオーブの現状に満足していない。むしろ、不満
を持っているはずだ。そこにことさら、ウズミの名や、カガリのこと、オーブ
の理念などを強調すれば、きっと動くはずである。そして、それは早くも現実
のこととなった。
「これで彼が俺にファントムペインの情報を送ってくれる。それと同時に、オ
ーブの情報もな」
 アスランは難点であったファントムペインの内部情報の収集を、このような
形で実現可能にしてしまったのだ。あまりに上手く事が進んでいるので、思わ
ず笑い出したくなってしまう。
「…………」
 そんなアスランを、メイリンは複雑な表情で見つめていた。アスランに請わ
れ、外部と秘密裏に情報のやり取りが出来る回線を構築したのは彼女である。
131運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:17:32 ID:???
その手際の良さは、アスランも驚くほどであったが、アスランは彼女に、自身
の計画の全てを話してはいない。
 時期が来れば話す、アスランはメイリンにそう言っているが、メイリンには
不安があった。アスランは何か、とんでもないことをしようとしているのでは
ないか?
 だが、メイリンはこの事を誰にも話さなかった。英雄であるアスランの裏の
顔を知ることへの興味と、アスランと秘密を共有しているという、彼に好意を
示す女性たちへの優越感、そんな感情が彼女の口を硬くしていた。何よりも、
情報面においてアスランがメイリンを頼りにしているという事実も大きかった。
姉のルナマリアのようにパイロットとして輝かしく活躍できるわけでもないメ
イリンにとって、情報は唯一の武器であり、得意分野でもあった。そして、そ
れを頼ってくれる人がいる。嬉しくてしかたがなかったのだ。
 アスランはそんなメイリンの心を明確に洞察していた。色恋沙汰に関しての
女性心理には疎すぎるといわれる彼であるが、ことが謀略の範疇となると途端
に頭が冴えるらしい。彼はメイリンには全てを話す日が来るであろうとは思っ
ているが、彼女が必ずしも自分に賛同しないかもしれないと考えていた。まだ、
16歳の少女なのだ。国とか世界とか、そういうことを考えるには若すぎる。そ
れに、そんな年端もいかない少女を巻き込んでいいものかとも、アスランは考
えていた。

 しかしこの時、こうしたアスランの暗躍を感づきはじめた人間が、ミネルバ
内部にいた。そして、ゆっくりとではあるが、アスランに近づきつつあった。

                                つづく
132運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/29(水) 17:19:34 ID:???
第28話です。
今回は区切りの良いところで終わらせたんですが、結構短くなってしまいました。
ディオキアを前に、複線を回収したりとやっておかなければならないことが多い
です。もう一つWっぽい話をやりたいけど、ダラダラ戦闘もない話を続けるより、
さっさとディオキアに入ったほうが無難かな……
133通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 18:07:27 ID:???
134通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 18:11:58 ID:???
GJ!です
135通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 18:14:14 ID:???
GJ!
こういった地味な話も良いですね。
アスラン暗躍してますな。
そして気付くのは誰か?気になりますね。

その人は裏切り者にされてグフで逃げるも落とされる気がするのは何故だろう?
136通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 18:49:27 ID:???
GJ!
名誉ある自決wwwwキサカさんマジっすかww
137通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 21:34:05 ID:???
>>132
いつもながらGJです。
クロスオーバーや改変物の醍醐味は異世界機種格闘技戦もさる事ながら、
微妙に変わってしまった世界でおなじみのキャラが改めてどう考えてどう動くか、
にも強く含まれてると思いますんで(むしろこの点がおろそかだと陳腐で興ざめに
なり易い)、戦闘無しとかはあまり気にせずじっくり描いて読ませてやって下さい。

それにしても、ここのキサカもウズミ真理狂の脳筋ゴリランボーでしたか…orz
138通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 21:44:33 ID:???
キサカはまさしく獅子身中の虫。
139通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 21:54:34 ID:???
キサカが素敵に狂信者ですなぁ。
ついでに凸が外道過ぎるw

続き楽しみにしてます〜
140通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 22:08:07 ID:???
こんな謀略に頭のきれる凸なんか凸じゃないやい。
しかし半分廃人のキラがカガリの件については的を射た事を言っている。
某ミーアスレのSSでもそうだが、勘違い救世主思考と訣別して一から出直すには
代償としてハンディキャップの一つくらい負わなきゃならんのだろうか…
141通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 22:39:24 ID:???
GJ!
キラが…… キラがまともになってる!
精神的に病んでしまったってのも外面的なことで、実は深い思索の海に沈んでいるのかもしれない。



が、そばにラクスがいるのが不安と言えば不安www
142通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 22:47:48 ID:???
初期編を読み返してみると、フリーダムはキラの意志でザフトに返還されたとあるが
ラクスは猛反対してたというし(平和に隠棲したいんならナゼ必要なのかな、ん〜?)
いまだに表舞台に立つ事を完全放棄してはいないようだが……
いずれアスランがウルカヌスに拠って自派旗揚げしたら介入か乗っ取りを謀るかな?
でもってその場合イザークが(ry
143通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 22:51:05 ID:???
というよりは、既に考える以外やることがないだけな気も。
フレイのことがかなりトラウマになってるみたいだし。
自分がなにやっても無駄、もしくは関わっても悪い方向にしか行かないとか思ってるのかも。
一種の鬱病とか燃え尽き症候群とか、そんな状態かな。
ここから復活するのか、それともシンのありえる未来の姿のひとつ、壊れた英雄として終わるのかはわからないけど。
なんにせよ続きが楽しみだ。
144通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 22:56:42 ID:???
>>141
ラクスほどその存在自体が危険なキャラはそうはいないよな。
145通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 02:27:23 ID:???
>>143
でもそうやって悩んでても、ある日唐突に「暇だ」って立ち直るんだがな、ふつーはw
暇と孤独は、ゆっくりと、だが確実に人を殺せる…
146通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 08:42:00 ID:???
本編の連中と比べれば二軍オチもいいとこのロッシェがここまで強いとは
147通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 10:17:28 ID:???
歌姫のラクスって、ちゃんと考えることの出来るキャラになってると自分は思ってたんでそう不安はないが・・・
ただ、あの行動力は確かに不安か
148通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 10:29:21 ID:???
ロッシェも設定では優秀な成績を収めたエリートなんだよな
149通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 10:50:12 ID:???
このアスランは軍略より謀略、
政治的なものに長けている凸だな。
軍師的な味方が必要だな。地ならしをしておいたのに
戦闘において敗退しかねないな。
150通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 12:22:56 ID:???
小うかつで残念な軍師でよければ……
151通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 12:27:19 ID:???
GJ!!
四馬鹿はいろんな意味で成長しているというのにキサカは……。
多分最後にアスランに切り捨てられるな。
152運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:05:44 ID:???
投下します。
153運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:10:20 ID:???
 傭兵部隊サーペントテール。
 超一流の実力者たちで構成されたこの部隊は、連合、ザフト共に一目置く存
在であり、C.E世界にその名を轟かせている。
 リーダー兼戦闘要員の叢雲劾は、旧連合によって作られた戦闘用コーディネ
イターの試作型である。彼に施された戦闘能力強化は完成度が非常に高く、さ
らに傭兵として培った経験がそこにプラスされたとき、劾は自他共に認める最
強戦士となっていた。
 並のエースパイロットでは太刀打ちできない彼の強さを頼り、数々の人間が
サーペントテールに依頼を申し込んできた。サーペントテールは、自身らが定
めた基準に見合い、依頼料さえ払う相手ならば、連合、ザフトを選ばずに仕事
をした。
 そんな、偏りのない一面もまた彼らの評価を上げる一因となっていたが、現
在行われている戦争に突入してからというもの、事情が少し変わってきた。戦
争といえば、傭兵の稼ぎ時であり、傭兵たちはそれぞれの陣営に自分たちを売
り込むために努力をする。トップクラスの実力と実績を持つサーペントテール
にはその必要こそ無かったが、逆に以前にも増して慎重に依頼を選ぶようにな
ったのだ。
 もっと極端に言えば、クーデターによって旧連合に取って代わったファント
ムペインからの依頼を受けることに対し、リーダーである劾が渋るようになっ
たのだ。
「どうして俺が、ファントムペインのような跳ね上がり共に協力しなくてはい
けないんだ!」
 普段、沈着冷静な劾がこのように声を荒げるのには深い理由がある。という
のも、先の記述通り彼は旧連合によって作られた戦闘用コーディネイターであ
るが、彼を作り出した研究所の母体となっていたのが、ナチュラル原理主義者
の集まりであるブルーコスモスなのだ。ナチュラル原理主義である彼らが戦闘
用コーディネイターを研究してたというのは不可解な話だが、本来ならば劾は
彼らによって強力な心理コントロールを施され、彼らの意のままに動く戦闘人
形となるはずだったのだ。それが傭兵をやっている理由は、彼に施された心理
コントロールが不完全なものであったからだが、そんな経緯がある故に、劾は
ブルーコスモスを嫌い、敵視していた。
 そして、今現在地球圏を支配するファントムペインの母体もまた、ブルーコ
スモスだった。ファントムペインはブルーコスモスが旧連合軍内部に持ってい
た私兵ともいえる集団であり、劾にしてみれば、このような連中からの依頼な
ど受けられるわけがない。むしろ、可能ならばザフト側についてファントムペ
イントその背後にいるブルーコスモスを根絶やしにしてやりたいぐらいなのだ。
 だが、それでは彼が心に決めた精神に反してしまう。劾は日々を悶々と過ご
していたが、遂にファントムペインからサーペントテールに依頼の申し込みが
行われてきた。



        第29話「潜入、移動要塞メサイア」

154運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:21:22 ID:???
「断ってくれ」
 ファントムペインから、サーペントテールに申し込まれた依頼の内容を聞く
前に、劾はそう斬り捨てた。元より引き受ける気がないのだ。
「俺はファントムペインからの依頼は受けない。奴らのために働く気はない」
 明らかに劾の我が儘なのだが、事情が事情だけにどう説得したものか、劾の
物言いにサーペントテールの一同は困ったように顔を見合わせる。
 まず、劾と同じく戦闘要員であるイライジャ・キールが常識論を持って説得
を開始した。
「劾、気持ちはわかるけど、現在ファントムペインがザフトに相対する勢力で
あることは事実なんだ。ファントムペインの依頼を突っぱねて、ザフトの依頼
だけ受けるって分けにはいかないだろう?」
「俺は今まで幾つもの依頼をこなしてきた。連合、ザフトと問わず。たまには
好き嫌いで依頼を選んだって良いはずだ」
 これまでだって、依頼内容の良し悪しで吟味したことはいくらでもあったが、
内容も聞かず依頼者が嫌いだから、という理由は恐らく初めてである。頑固な
劾を前に、イライジャはやれやれと首を振る。
「劾、今回の仕事は誰かを殺せとか、どこかの基地を壊せとか、そういうもん
じゃないんだ。にもかかわらずギャラははずんでるときた。割が良いとは思わ
ないか?」
 情報収集と依頼交渉を専門とするリード・ウェラーが、このように切り出す。
彼の言葉に嘘はなく、ファントムペインは通常より遥に多い依頼料を提示して
きたのだ。
「依頼料の問題じゃない」
「劾、あんまり我が儘いってると、お前がカレーにソースを掛けて食べてるこ
とを他の傭兵にばらすぞ」
「何の話だ!」
 そんなやり取りを呆れたように見守っていた、サーペントテールの紅一点、
ロレッタ・アジャーが劾を諭そうとする。
「ねぇ、劾。イライジャの言うとおり、あなたの気持ちはわかるわ。でも、考
えてみて? もし、このまま戦争が続いて……ファントムペインが勝ってしま
ったらあなたどうするの?」
「それは……」
「そうなれば、当然依頼者もファントムペイン、ファントムペイン寄りの人間
が多くなるわ。それでも、嫌いだからって理由で依頼を突っぱねるの?」
 諭され、ふてくされたように劾は黙ってしまった。ロレッタの言っているこ
とは事実であり、可能性としては十分ある。現状を見るに地上ではザフト有利
にことが運んでいるようだが、先のことは判らない。ファントムペインが反撃
を開始して、ザフトを打ち破ると言うことも十分に考えられる。
 ロレッタは、黙りこくったままの劾をみて、溜息を付く。
「判ったわ……今回の仕事は私がメインでやるわ」
「えぇ! お母さんが?」
 これまで黙って成り行きを見物していたロレッタの娘、風花・アジャーが声
を上げた。
「が、劾。我が儘言ってないで、引き受けてよ! お母さんだけじゃ危険だよ!」
「なに言ってるの。依頼内容からすれば、私に適任よ」
155運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:28:04 ID:???
「で、でも……」
 そんな、母娘のやり取りに若干心を動かされたのか、今度は劾が溜息を付い
た。大きく長い、疲れ切った溜息を。
「依頼内容を教えろ。聞くだけ聞いてやる」

 依頼内容は次のようなものだった。
 ザフト宇宙軍が、前大戦時に失ったヤキン、ボアズに代わる拠点として建造
中の移動要塞メサイアの内部資料と、内部にて極秘裏に製作されているという
新型モビルスーツの情報を入手せよ。
 確かに、誰を殺すわけでもなく、何を壊すこともない依頼であった。だが、
それとは別にこの依頼には少々大きめのリスクが存在する。
「メサイアは建造中ということもあって人の出入りは多いようだが、ザフトは
先のアーモリーワンの事件から外部侵入者には警戒を強めている。そこに潜入
して情報収集を行うのか……」
 潜入などの内部工作は、サーペントテールではロッレタが得意とする分野で
ある。爆発物のプロフェッショナルにして、格闘技の達人でもある彼女はこの
手の依頼に向いている。
 だが……
「ザフトだって、そう何度も進入されるほど馬鹿じゃない。見つかったら即射
殺だろうな」
 何処が割のいい仕事なんだ。劾はリードを睨むが、彼は素知らぬ顔で目を背
ける。
「ね、だからお母さんだけじゃ危険なんだよ!」
 風花が劾にすがりつくように言う。
「…………」
 劾は依頼内容を見ながら、思案する。報酬のでかさはリスクの大きさに比例
している。だが、この依頼はメサイアを爆破ないし破壊しろというわけでも、
新型機を奪取せよというわけでもない。単なる情報収集だ。如何に警備が厳重
といえど、ロレッタをサポートに、劾が行動すれば上手くいくのではないか?
「だが……」
 劾にはまだ迷いがあった。ファントムペインの依頼を受けるというのは、や
はり気が進まない。しかし、ここで自分が拒否すれば、ロレッタが単独でこの
仕事を受けるだろう。彼女にもしものことがあったら、取り返しがつかない。
「ロレッタ、お前にはサポートを頼む。イライジャ、お前は万が一の時の脱出
の支援だ。リードと風花は、艦で待機」
「劾……」
 風花がビックリしたような声を出す。言ってはみたものの、劾が引き受ける
とは思っていなかったのだ。
「調べることを調べて、さっさとケリを付けるぞ。それなら、文句はないんだ
ろう?」
 劾はサングラス越しに一同を見回した。誰もがこの展開に唖然とする中、リ
ードだけが笑いながら口を開いた。
「あぁ、上等だ」

156運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:30:05 ID:???
 こうしてサーペントテールによる、移動要塞メサイアへの進入作戦が開始さ
れた。劾は進入するに当たって、綿密な下調べを行い、メサイアへの外部から
の出入り状況、外部、内部の作業時間、警備状況などを事細かに調べ上げた。
 如何にザフトが警戒態勢を強めていると言っても、やはり人間のやること、
死角もあれば穴もある。劾は時間を見計らい、ロレッタと共にメサイアの内部
へと進入を果たした。
「建造中といっても、内装までほとんど出来てるのね……」
 ザフト軍の制服に身を包み、変装をした二人は監視カメラや警備兵などに注
意しながら、メサイアの情報・管制制御室へ入り、すぐに情報収集を開始した。
床にはこの部屋の担当であった兵士が倒れているが、殺してはいない。特殊な
薬品をかがせたため、目覚めたとき、本人は自分が居眠りをしてしまったもの
と勘違いするだろう。そういう薬品だった。
「管制室が複数に分散されてるわ。相互監視機能を使って監視して、全てを同
時制圧されない限り、機能掌握されない作りになってる」
「今も監視機能が動いているのか?」
 若干緊張しつつ劾が質問する。
「……動いてないわね。まだ要塞が正式稼働してないからじゃないかしら。そ
れに、動いてたら今頃この部屋に警備兵が押し寄せてくるわ」
「それもそうだな」
 調べていく中で、劾とロレッタはメサイアの様々な情報を入手することが出
来た。この巨大な要塞は、戦闘・補給両面でとても優れた性能を持ち、戦闘面
では外壁に無数配置されている固定砲台及び、ミサイル発射管が向かい来る敵
を排除し、格納庫は数多くのモビルスーツ、艦艇収容能力を誇っている。ミサ
イル製造システム、モビルスーツ・艦艇修理機能、傷ついた兵士のための病院
設備も充実しており、確かにヤキン、ボアズに代わるザフト宇宙軍の新たなる
拠点というだけのことはある。
「劾、これを見て!」
 外壁武装のチェックをしていたロレッタが、驚愕の声を上げた。
「どうした」
「外壁武装の一つに、ジェネシスがあるわ」
「なに!?」
 劾はロレッタを押しのけるようにモニターをのぞき込んだ。画面には、メサ
イアの外壁武装の要、つまり主砲としてジェネシスの新型が配備されることが
書かれていた。
「ザフトのやつら、前大戦から何も学ばなかったのか」
 現在ザフトを取り仕切る最高評議会議長ギルバート・デュランダルは学者出
の穏健派として知られている。いくつかの行動でそれは示されており、今回の
戦争は彼の本意ではないという。その為、劾も面識はないがデュランダルに対
し『運の悪い男』と多少なりとも同情していたが、どうやらそれは間違いだっ
たらしい。
「でも、無理もないじゃないかしら。ファントムペインはL5宙域会戦で核兵器
を使用したんでしょ? だったら、対抗策としてジェネシスを使うのも……」
「そんなことをやってるから、戦争は終わらないんだ」
 劾はそう断言すると、再びジェネシスの情報を見る。改良された新型ジェネ
シスは、旧来の元違いミラー交換為しに発射することが可能だという。この巨
砲がある限り、メサイアは外敵に対して無敵を誇るであろう。
157運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:33:39 ID:???
「ロレッタ、格納庫の情報と、建造中のモビルスーツの情報を出せるか?」
「やってみる」
 ロレッタはコンソールパネルを操作するが、数十秒後、困ったように声を出
した。
「ダメね、さすがに新型機の情報はないわ。何処で作ってるのかも判らない」
 格納庫にしてみても広大な要塞内、無数に存在している。いずれかで新型機
は作られているのだろうが、ここからでは調べようがなかった。
「……よし、各格納庫の地図を出してくれ。俺が直接調べる」
「大丈夫? 新型機を作ってるともなれば、警備も厳重じゃないかしら」
「なんとかなるさ。お前はここで、情報収集を続けてくれ」
 劾は制御室を出ると、慎重に基地内部へと進んでいった。格納庫は大小それ
ぞれ各種あるが、新型機を製作するとなればそれなりの広さと設備が必要とな
る。緊急時のことも考えれば、それは当然のことだ。
 劾は無数の格納庫の中から目星を付け、そこに向かった。途中、幾度か警備
兵や作業中の整備兵などに出会したが、上手くやり過ごした。どこもせわしな
く作業しており、一々他に構っていられないようだ。
 やがて劾は、一つの格納庫へとたどり着いた。彼の予想は的中し、そこには
二体の見たことがないモビルスーツが佇んでいる。恐らく、これが新型機なの
だろう。
「もう、ほとんど完成しているじゃないか」
 出払っているのか、この要塞内でも奥の奥、判りにくい場所にある格納庫に
は一人の人間も居なかった。劾はロレッタに連絡を送り、モビルスーツを発見
したことを伝えると、それを調べるために機体へと近づいた。
「ザフト軍のモビルスーツにしては、かなり両極端な機体だな……コンセプト
機か?」
 外見は、今までのザフト軍のそれと近しい部分もあったが、大体は大幅なア
レンジがされている。どうやら、ザクに似ている方が接近戦を重視した機体で、
もう一機の紫色の塗装をされている方が射撃戦を重視した機体のようだ。
「どちらもバランス良く設計されている。地上戦を想定しているようだが、こ
の機体が前線に投入されれば、かなりザフトが優位に立てるかもしれない」
 そう考えると、ファントムペインの為に仕事をしている自分が何故だか馬鹿
馬鹿しく思えてきた。ファントムペインは劾が入手した情報を元に対抗策を練
るのだろうが、果たしてそれが上手くいくかどうか。
 劾は、二機のモビルスーツを感慨深げに見上げていたが、その時ロレッタか
ら緊急の連絡が入った。何者かがこの格納庫に向かっているというのだ。劾は
耳を澄ませて音を確認する。確かにかなり遠くからではあるが、足音と話し声
のようなものが聞こえてくる。
「まずいな、この格納庫までは一本道だった」
 退路を確保せずに進入するのは、劾らしくないミスであったが、出入り口が
一つしかないのだ。これではどうしようもない。
「どうする……」
 一時、どこかに身を潜めてやり過ごすしかない。劾は、広い格納庫を見渡す
がここには隠れられるような場所がない。かなり離れた位置に、モビルスーツ
のパーツ類が山積みになっているが、距離がありすぎる。全力で駆けたとして
も、その前にここに向かっている人間が到着してしまう。となれば……
 劾は数秒思案したと、一つの決断を下した。
158運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:37:08 ID:???
 ミーア・キャンベルの地球慰問が正式発表され、各所が準備に追われる中、
ロッシェはハワードの下を尋ねた。ロッシェもまたミーアの護衛官として地球
に赴くため、しばらくハワードと顔を合わせることもないからだ。
 ハワードは現在、デュランダルの要請でザフト軍の新型モビルスーツの製作
に着手しているため、もっぱらメサイアに寝泊まりしている。彼と、彼の仲間
であるA.C世界の技術者はデュランダルが厳選した口が固く、信用のおける人
材と共に作業をし、早くも新型モビルスーツを完成させつつあった。
 そこへロッシェが尋ねてきたため、ハワードは折角だからと彼を新型モビル
スーツの所へ案内した。
「ところでロッシェ、お前、地球にレオスを持って行くのか?」
「当たり前だろう。モビルスーツを使ったテロの危険性だってある。レオスな
らこの世界のモビルスーツに後れを取ることなどまず無い。そうだ、出発前に
レオスを地上用にチューニングして欲しいのだが」
「ふむ……」
 ハワードはなにやら思案顔を作る。何か問題でもあるのだろうか? ロッシ
ェは考えるが、思い当たる節がない。A.C世界のモビルスーツを目立たせたく
ない、というのなら既にオデルが地上で戦いに参加している今となっては無駄
な話である。
「ロッシェ、レオスは確かに強い。この世界のモビルスーツでは、恐らく太刀
打ちできないだろう。だが……」
「何か問題でもあるのか?」
「あぁ、ロッシェ、レオスは地上では宇宙のように戦えん。ワシはそこが気が
かりだ」
「そんな当たり前のことを、何を今更」
「よく考えてみろ、レオスは汎用性の高いリーオーのカスタム機だが、高機動
ユニットがなければ空も飛べんのだぞ? 敵が空戦モビルスーツで頭上から攻
撃をしてきたら、お前さんどうするつもりだ?」
 言われてロッシェはハッとした。確かにその通りだ。レオスが負けるなどと
いうことは考えられないが、空を飛べる相手との戦闘を考慮した場合、確かに
不利な点は否めない。リーオーはオプション装備で高機動ユニットを装着すれ
ば空も飛べるようになるのだが、そのユニットは現在オデルがジェミナスに装
着させているため、ここにはない。
「では、どうしろというんだ」
 かといって、ザフトの機体に頼るというのもどうだろうか。現在、ザフト軍
で主力となる空戦機はディンという機体らしいが、その機体とてファントムペ
インが使う空戦機に刃が立たないと言われている。だからこそ、ハワードがこ
うして新たな空戦用モビルスーツを作っているのではないか?
「まあ、ワシに少し考えがある」
「考え? それは一体……」
「さて、ついたぞ」
 長い一本道を歩き、ロッシェたちは格納庫に到着した。広い空間には、モビ
ルスーツが二体佇んでいる。これが例の新型だろう。
「あのモビルスーツの残骸は何だ?」
 ロッシェは隅にあるモビルスーツのパーツの山を見て尋ねた。ジンやザクの
ばらされ、武装などと共に積まれている。
159運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:41:21 ID:???
「残骸ではない。研究用に、武装と一緒にばらしたパーツが必要だったのだ。
ディック、ロッシェにこの二体の説明をしてやってくれ」
 言われて、ディック・ヒガサキが進み出た。彼は元MO-X所属の技術者で、現
在はプリベンターに所属している。技術屋の腕としてはなかなかのもので、今
ではハワードの右腕として活躍している。
「まずこっちの機体、こいつはグフイグナイテッドといって空戦における格闘
戦を想定して作られた接近戦重視の機体だ。武装は盾の内部に収納されたビー
ムソードと、両腕にマウントされたビームガン、そして両腕内部に収納された
スレイヤーウィップだ」
「スレイヤーウィップ?」
 聞き慣れぬ名前にロッシェが眉を顰める。
「まあ、俺達の世界で言うところのヒートロッドだな。で、防御面は対ビーム
コーティングを施したシールドだ」
「驚くほど接近戦専用なのだな。これでは長距離砲火に対応できないではない
か」
「だから、こっちの機体があるのさ」
 ディックは隣に佇む機体を指さす。
「こっちはバビといって、徹底的に火力を強化した機体だ。あの胸部にあるの
がバビの主砲ともいえるアルドール複相ビーム砲、高出力で威力が高い。片翼
の上部には機関砲とミサイルランチャーがある」
「翼に武装? まさか、あの機体、可変型か?」
「そう、バビは爆撃戦闘機としての戦うことも出来る機体なんだ」
 可変モビルスーツというのは、この世界においてもかつてアスラン・ザラが
愛機としたイージスや、現在ハイネ・ヴェステンフルスが乗っているセイバー
など先例はある。だが、量産機で可変型というのは、恐らくこのバビがはじめ
てだろう。
「この二体、もう動かせるのか?」
「グフもバビもほぼ完成してるが、エネルギーチャージが中途半端だから、戦
闘は出来な……」
 言いかけてディックは口を噤んだ。突然、ロッシェが手で制止をかけたから
だ。
「どうした、ロッシェ?」
 ハワードが不審そうに尋ねるが、ロッシェは小声で声を潜めるように言うと、
護身用に持っている拳銃を抜きはなった。
 バビの、コクピットに向かって。
「そこにいるのは誰だ」

 気付かれた。
 劾はバビのコクピットの中で、外にいるザフトの赤服を着た男に拳銃を向け
られ、自身の存在がばれたことを悟った。気配は消していたつもりだったが、
なかなかに敏感な男らしい。
「ザフトにも出来る奴はいるな」
 無論、赤服を着て居るぐらいだからエースパイロットなのだろうが、劾はま
だ焦っていなかった。ばれたとはいえ、この場を切り抜ける方法はいくらであ
る。拳銃程度ではモビルスーツのコクピットを撃ち抜くことなど不可能だ。
160運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:43:42 ID:???
 だが、だからといってこのモビルスーツで下にいる赤服や、ザフトの技術者
を殺すわけにはいかなかった。無闇に血を流すのは、劾の好むところではない。
「仕方ない、一暴れして、その隙に逃げるか」
 劾は、そう呟くとバビを起動させた。

「ロッシェ、お前がグフに乗ってバビを止めろ!」
 突然の事態に、多少動揺しつつもハワードが叫んだ。
「私があの機体に?」
「そうだ、拳銃程度ではどうにもならんだろう」
 見ると、音を立ててバビが起動していく。まさか、バビを奪取するつもりな
のか? 以前、ロッシェがこの世界に来る前にもザフトの新型機が盗まれると
いう事件があったようだが……
「選んでいる余裕はなさそうだな!」
 ロッシェは覚悟を決めると、グフに向かって駆けだした。彼は普段こそレオ
スを愛機にしているが、この世界のモビルスーツに乗ったことはある。彼が暇
を持て余していたときに、暇つぶし程度でいくつか乗ってみたのだが、『あま
りに単純すぎて』飽きてしまったことがある。それほどまでに、ロッシェにと
ってこの世界のモビルスーツは弱い存在だった。
 だが、このグフは曲がりなりにもハワードが作った機体だ。
「それなりに強いことを期待しよう!」
 コクピットに乗り込み、機体を起動させる。コクピットこそこの世界のもの
と同一だが、ロッシェは自身の高い実力から相手に引けを取るとは思っていな
かった。

 起動したバビとグフ、二体のザフト軍新型モビルスーツが激突した。

 劾は相手がモビルスーツで対抗してくる可能性を十分に考慮していたが、不
用意に攻撃をすればパイロットを殺してしまう可能性があるため、慎重になっ
ていた。
「この機体、かなり動きが良い。空中戦用なのに、安定したバランスを持って
いる」
 劾はエネルギー残量を見て舌打ちする。少ないとは言わないが、満杯まで入
っていないのだ。胸部のビーム砲などは使わないほうが良いだろう。
「ならば、ガンランチャーで威嚇を」
 ミサイルランチャーなどの爆発物は使えない。あまり騒ぎを大きくするわけ
にはいかず、下の技術者たちも巻き込んでしまう。
「なにっ!?」
 グフが先手を取った。シールドを片手にバビへと突っ込んでくる。
「くそっ」
 劾は機体を急上昇させ、この突撃を避けた。人間には広いこの格納庫も、モ
ビルスーツにとってはそれほどでもない。限定空間での空中戦に、劾は神経を
集中させる。
「今のを避けたか。反応のいい奴だ」
 一方のロッシェは、先制攻撃が外れたことを意外に思いながらも、空中に飛
んだ敵に向かってビームガンを斉射した。狙うは胸部、最初の突撃もそうだが、
ロッシェは最大の驚異であるビーム砲を潰すことを第一に考えていた。あれを
使われては、ハワードたちを守らねばならない自分は不利だ。
161運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 22:46:45 ID:???
「ビームを避けた。はじめて乗る機体であそこまで動けるものなのか」
 ロッシェは相手の適応能力の高さに感心しながらも、早期決着を付けるため、
ビームソードを抜き放ち、バビに迫った。
「多少、壊れても私のせいではない」
 ビームソードを振り上げ、グフはバビへと斬りかかった。しかし、バビは驚
異的な動きでこれを避けた。
「何っ!」
 ロッシェの顔色が変わった。彼は今までレオスを駆り、ほぼ一撃の下に敵を
倒してきた。彼はこの世界でまだ、『苦戦』したことがないのだ。いくら機体
が違うからとはいえ、これには彼のプライドが刺激された。
「面白い、少しは出来る奴のようだな」
 イザークほどではないにしろ、ロッシェも昔は気の強いほうであり、プライ
ドは高い。ロッシェは不敵に笑うと、目の前の敵を倒すために機体を飛ばした。
「私の前に現れたことを後悔させてやろう!」
 グフの激しい攻撃にバビはひたすら回避行動を取っていた。劾は相手が予想
外に強かったことに焦りを憶えていた。はじめて乗った機体ではあるが、並の
相手に後れを取る自分ではない。
「エースか……」
 武装に制約を付けたままで勝てるのか?
 いつの間にか、劾の思考もまたロッシェと同じく、勝ち負けへと変換されて
いた。ただでさえ、限定された空間では接近戦のグフが有利なのだ。ミサイル
類の使用を封印している自分では、分が悪い。
「何か接近専用の武器があれば……」
 バビにはそのような装備はないため、劾はモニター越しに辺りを見回した。
「あれだっ!」
 劾は、隅に積まれたモビルスーツのパーツ類に目を向け、そこに向かってバ
ビを動かした。
「逃げるのか?」
 バビのそうした動きに、ロッシェはグフで後を追う。しかし、加速力ならば
バビの方が上だった。
 やがてバビはモビルスーツのパーツが山積みとなった場所に着地した。
「そこだ!」
 すかさずロッシェはグフのビームソードで斬りかかった。
 しかし、バビはパーツ類の中からジンが使う重斬刀を右手に掴み取ると、向
かい来るグフに向かって、同じく斬りかかった。

 ビームの刃と、実体剣の刃が激しくぶつかり合った。

「こいつ、なんて奴だ!」
 ロッシェは相手の機転の良さに驚愕の声を上げ、
「強い。ザフトにこんな奴がいたのか」
 劾は相手の強さに素直に驚いていた。自分と互角に戦うものなど、数えるほ
どしかいないのだ。
 グフとバビによる剣戟は、長続きしなかった。技量はほぼ互角に近かったが、
重斬刀がビームソードを受けきれなくなりつつあったのだ。
 やがてビームの熱量を前に、重斬刀が脆く崩れようとする。
162運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 23:00:32 ID:???
「チッ!」
 劾は使い物にならなくなった重斬刀に固執せず、牽制のためにそれをグフに
向かって投げつけた。
 ロッシェはそれをグフのビームソードで払いの受けるが、
「しまっ――」
 バビの胸部からアルドール複相ビーム砲が発射された。劾は技術者たちから
も十分な距離があるこの場所ならばと、使用を踏み切ったのだ。
 咄嗟のことにロッシェは対ビームシールドを前面にかざすが、さすがのシー
ルドも高出力のビーム砲の前に吹き飛ばされた。
「やったか?」
 劾は今の一発で、バビのエネルギーをほとんど使い切ってしまったことに気
付いた。だが、今の一撃で倒せたなら、すぐに脱出を……
「――っ!!」
 違う、倒せていない。シールドを吹き飛ばされたグフは、両腕を振り上げた
格好で、まだ動いている。そして、その両腕から細長い鞭状のものが飛び出し
てきた。
「ぐぁっ!」
 鞭全体に発生する高電圧パルスがバビの機体を揺らす。
 これまでか? 劾はそう思ったが、次の攻撃が来ない。

「くそっ、エネルギー切れだと?」
 ロッシェはモニターを叩いて叫んだ。敵を後一歩まで追いつめながら、バビ
に遅れる形でグフもエネルギーを使い果たしつつあったのだ。これでは満足に
動くことすら出来ない。
「――! 逃げるか」
 見ればバビのコクピットから男が脱出していた。ロッシェも慌てて、グフの
コクピットを開け、外に飛び出す。
「逃がすものか!」
 地面に降り立ち、ロッシェは銃を斉射した。しかし、男は驚異的な反応速度
でこれを避け、振り向き様に何かを投げて寄こした。
 爆弾か!?
 ロッシェは思わず後ろに飛ぶが、地面に落下したそれは、目映い光りを放っ
て炸裂した。
「閃光弾か!」
 目を庇うロッシェだが、目が一瞬でも眩んだのは事実であり、それは劾が逃
げ出すに十分な時間だった。
 ロッシェが気付いたときには、劾は出口を抜け駆けだしていた。
「逃げられたか……くそっ」
 ロッシェは悔しそうに呟いた。そこに、ハワードとディックが駆けてきた。
「ロッシェ、大丈夫か?」
「あぁ……凄い奴だった。再三、私の攻撃を避けられた」
 ロッシェは男が駆け去った出口の方を見つめている。あの強さ、本当にファ
ントムペインの手の者なのだろうか。
「サーペントテール」
 以前、ミーアから聞いたことがある。この世界にはその名をした凄腕の傭兵
部隊が居るという。
163通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 23:00:44 ID:???
規制かな?
164運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 23:02:28 ID:???
「すぐにメサイアの全出入り口を封鎖しろ。機密が漏れるぞ」
 言いながら、ロッシェはあの男が見事逃げおおせるだろうと確信していた。

「劾、大丈夫?」
 ロレッタと合流し、劾は脱出するためメサイア内を駆けていた。まだ警報は
なっていない。
「俺としたことが、つい熱くなってしまった。さっさと帰って、頭を冷やさな
いとな」
「イライジャが外で待機してくれてるわ。すぐに脱出しましょう」

 この時、ロッシェにレオスが合ったのならば、彼はそれに乗り込んで追跡を
開始しただろう。そうすれば、劾たちは生涯で最大の敵と相見えることとなっ
たであろう。劾の愛機であるブルーフレームと、ロッシェのレオスとが、激し
い戦闘を繰り広げたはずだ。
 だが、ロッシェはメサイアに来る際にはシャトルを使っており、レオスはプ
ラントへと残してきた。結果として劾は、偶然に救われた形となり、ロッシェ
はこの世界で最も強い男と本気で戦う機会を逃したのであった。

                                つづく
165運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/08/30(木) 23:07:43 ID:???
第29話です。
投下はじめたら、いきなり一太郎の調子が悪くなったり、持ち直したと思ったら、
今度はさるさん規制に陥ったり……
まあ、色々ありましたが、何とか投下できました。

今回の話は「大して物語的には関係ないけどやっておきたかった」話です。
グフとバビをあのような形で登場させた時点で、この話は考えていたんですが、
誰を潜入させるかで悩みました。丁度いい奴が誰もいなかったので。
叢雲劾を起用したのはそうした理由からですが、劾ファンの方はすいませんでした。
あんまり劾が格好良くないし、彼の持ち味を活かしきれなかった感があります。

8月中にあと1回は投下したい……8月中に進めると言いつつ、全然進めてないので。
166通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 23:10:21 ID:???
GJ!
おお劾がロッシェとここまで戦えるとは!
167通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 23:55:52 ID:???
GJ!
やはり経験に裏打ちされたものを持ってる実力者は強いな。
168通常の名無しさんの3倍:2007/08/31(金) 02:19:12 ID:???
すんません。
一個疑問点が。
ザフトって、前回の強奪の経験って生かされて無いんですかね?
ザル警備なのはこの際目を瞑るとして、MSが簡単に起動させられるってのはどういうことなんでしょう。
経験が生かされているとするならセーフティくらいは掛けとくと思うんですが……
169通常の名無しさんの3倍:2007/08/31(金) 02:42:32 ID:???
本編見ろよ、学習機能は未実装だぞ、ザフトも連合も
170通常の名無しさんの3倍:2007/08/31(金) 11:10:30 ID:???
バッテリーを全部充電してなかったあたりに、ちょっぴり学習のあとがあるぜ!w
171通常の名無しさんの3倍:2007/08/31(金) 13:07:33 ID:???
テストパイロットがテストしまくりてー!と燃えてたから
面倒くさいセキュリティは解除しっぱなしだったんだよ。
172通常の名無しさんの3倍:2007/09/01(土) 21:01:43 ID:???
頭良いけどどこかぬけてる可愛い人たちなんだよ
173通常の名無しさんの3倍:2007/09/04(火) 00:59:58 ID:???
だってスタッフはコーディ(ry
174運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:06:51 ID:???
投下します。
175運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:10:28 ID:???
 ガルナハン基地を陥落、攻略の任務を果たしたミネルバは、マハムール基地
の部隊に別れを告げ、一路、ディオキアへと移動していた。
 黒海に面したディオキアの町にはザフト軍の基地があり、ミネルバは別名あ
るまでそこで待機と言うことになるだろう。
「作戦は成功したんだし、休暇ぐらいは貰えるでしょうね」
 クルーにそう説明したタリアの声に、一同は歓声を上げる。連日連戦とは言
わないまでも、このところは戦いばかりだったのだ。海辺の町で休暇が貰える
ともなれば、否が応でも期待は高まる。
 説明後、タリアはアスランとハイネ、そしてレイを呼び、その場に残るよう
に言った。
「実は国防委員会からある伝達があってね。あなた達だけには伝えておいたほ
うが良いと思って」
 タリアの話では、丁度ミネルバがディオキアに着くか、着かないかという頃
に、ラクス・クラインが慰問のためにザフト軍ディオキア基地に訪れるという
のだ。
「ラクス、ですか……」
 アスランはプラントで出会った少女の顔を思い出す。どこからどう見てもラ
クス、しかし、その中身はミーア・キャンベルというごく普通の少女だった。
「良かったな、アスラン。久しぶりに婚約者に会えるじゃないか」
「まあ、な」
 ハイネに肩を叩かれるが、アスランとしては複雑だった。本物のラクスにし
てみても、既にアスランとの婚約は解消され、関係は切れている。それを思う
と、アスランとミーアの関係など、細く千切れやすいものなのではないか。
「それと、これはまだ極秘時効なのだけど、フェイスの二人と、そしてレイに
は伝えるべきと判断して、伝えるわ」
 その言葉に、レイが眉を顰めた。ラクス・クラインのことは、婚約者のアス
ランならともかく、自分やハイネには大して関係あることとは思えない。とな
ると、これから話すことが関係してくるのか……?
「ラクス・クラインと一緒に、デュランダル議長も地球に来られるそうよ。地
上視察でね」
「ギルが?」
 レイは思いがけないことに、自分でも意識せずに顔をほころばせた。プラン
ト最高評議会議長であるギルバート・デュランダルは、レイの後見人であり、
養父のようなものだった。レイは、彼の親友の被保護者で、その親友亡き後、
デュランダルが引き取ったのだと言われている。もっとも、この件は非公式で
あり、あまり公にはされていない。レイもデュランダルも、この話題に言及す
ることを避けていた。
「ラクス・クラインも、もちろんだけど、議長も来ることを忘れないで。何か
あったときは、あなた達にも色々頼むことになると思うから」
「まさか、テロの危険性が?」
 ハイネが、自分がこの場に残された理由を考え、緊張の面持ちを作る。ファ
ントムペインが負け続きである状況を、テロリズムによって解消しようと行動
を起こす可能性は大いにある。
 だが、タリアは静かに首を振る。
「そういうわけじゃないけど、ファントムペインの母体であるブルーコスモス
はその手のことが得意でしょう? 警戒するに越したことはないわ」
176運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:12:15 ID:???
 それは確かに事実だったので、三人が納得して同意し、解散となった。
 アスランは士官室に戻る途中、今日知り得た情報をどう扱うか、考えはじめ
ていた。
「ミーアはともかくとして、議長か……」
 これを上手く利用しない手はない。だが、どうする? 極秘に来るというこ
とは、そもそも会う機会があるとも限らない。彼の被保護者であるレイならば、
それもあるだろうが……
「後は、イザークたちと連絡を取る機会が得られればいいが」
 宇宙のことも気になるところだ。彼らに任せきりだが、ウルカヌスの方はど
うなっているのか。
 いずれにせよ、全てはディオキアに着いてからだろう。休暇を貰えると言う
し、ある程度、行動の自由は約束されているはずだ。
「よぅ、アスラン!」
 その時、士官室へと戻るアスランにハイネが声を掛けてきた。
「ハ、ハイネか」
 少なからず驚き、アスランは応える。
 今の、聞かれただろうか? だが、口に出していたとは言え、それほど深い
意味がある言葉ではなかったはずだ。
「アスラン、お前ディオキアに着いたらどうするんだ?」
 しかし、ハイネは聞いていたのか、聞いていなかったのか、アスランにこう
質問してきた。
「どうするって、何が?」
「休暇だよ、折角の休暇、お前は何をするのかってことさ」
「……そう言うハイネは?」
「まだ決めてないから、お前はどうするのか聞いてるじゃないか」
 気さくに話しかけてくるハイネに、アスランは心の中で安堵しながら、苦笑
しつつ答える。
「俺だってまだ決めてないさ。ラクスが来るっていうし、彼女とも会うことに
なるんだろうが……」
 その時、俺は軍人として彼女に会うのか? それもと、私人としてだろうか。
「まあ、着いてから考えるさ」
 アスランはそう言って、ハイネと別れた。イザークたちと連絡を取るにも、
手段も方法もまだ考えていない。全てはこれからだ。
 ハイネは、そんなアスランの背をジッと見つめている。先ほどアスランに話
しかけた時に浮かべていた気さくな笑顔は消え、彼には珍しい鋭い視線だった。
「決めてない、か。上手い言葉だな」
 胡散臭げにハイネは呟き、遠くに見えるアスランの背中に背を向け、その場
を後にした。




              第30話「初陣」


177運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:14:13 ID:???
 ラクス・クラインこと、ミーア・キャンベルが、ロッシェ・ナトゥーノと共
に地球へと出発したのは、移動要塞メサイアで起こった小規模すぎる戦闘から
二日後のことだった。本来なら、デュランダルも彼らと同じシャトルに同情す
る予定だったのだが、メサイアの一件を処理するために、出発が遅れ遅れるこ
ととなった。
 二人の乗るシャトルはザフト軍の護衛艦六隻によって守られている。地球ま
での航路はザフト軍が確保したものを使用しているが、それでも危険がないと
は言い切れない。護衛艦からはモビルスーツも出撃しており、もしもの事態に
備えている。これは、プラントにとってラクス・クラインがどれほど重要な人
物が如実に示しているものだが、重要とされている人物は複雑な心境を抱えて
いた。
「ラクス様は大切なお方ですから、か」
 出発前、物々しい護衛の規模に驚いていたミーアに、護衛艦隊の指揮官を務
めるという男が言った台詞である。当然のことであるが、指揮官の男はラクス
が偽物であることは知らない。
「私はラクス……ラクス・クライン」
「どうした、ミーア?」
「ん、なんでもない。なんでもないの」
 隣に座るロッシェが、不意に呟いたミーアを訝しげ見てきたが、ミーアは笑
って答えた。
 ロッシェには、その笑顔が作り物のように思えた。
「ねぇ、ロッシェはこうして私のために一緒に来てくれるわけだけど、本当に
それで良かったの?」
 不必要に、『私のため』という部分を強調したかもしれない。
「何を言ってるんだ。君の身にもしものことがあったら……」
「でも、ロッシェは元いた世界に帰る方法を探したり、忙しいんじゃないの?」
「それは別の人間に任せてあるから大丈夫さ」
 本当のところは、人手が足りているわけではない。元の世界に帰る方法もそ
うだが、この世界に来ているであろうウルカヌスの所在も探せねばならない。
(アイツがどちらを優先的に探すかだが……)
 別次元の世界に帰る方法と、宇宙のどこかにあるであろう衛星の捜索。一人
ではとても手が足りない。
「まあ、仮に元の世界に帰る方法が見つかったとしても、しばらくはこの世界
にいるだろうな」
「どうして?」
「最期まで見届けたい。この世界の行く末という奴を……」
 自分は、関わってしまったから。この世界と、そしてミーア・キャンベルと
いう少女に。
 深く、深く……

 だが、ロッシェが地球へ向けて旅立つとほぼ同時期に、この宇宙で小さいな
がらも、後の歴史に大きな影響を与える事件が発生した。
 それはロッシェのあずかり知らぬ場所で、確実に起こっていた。

178運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:15:54 ID:???
 ウルカヌスではある協議が為されていた。これまでの経過をアスラン・ザラ
にどう報告するべきか? というものである。予定では、ラクス・クラインの
地球慰問と共に地上に降りるイザークが連絡を取るはずだったのだが、彼が地
球に行かなくなったという事実が事態を複雑化させていた。
「誰かしら地球に送り込まねばなるまい」
 サトーはそう判断したが、この一件に関してイザークが特に話題に上げるこ
とを嫌っていたこともあり、人選は彼が決めなくてはならなかった。隠密行動
を必要とされる重要な任務であり、多人数ではなく少人数が望ましい。
 メンバーのリストから、サトーが慎重に人選をしているときに、その事件が
起こった。

「補給艦がザフト軍に見つかった?」
 報告を受けたのは、偶然にもイザークとディアッカがウルカヌスに足を運ん
でいるときであった。
「あぁ、ローラシア級が一隻、追跡しているらしい」
 ウルカヌスはモビルドール製造工場としては、これでもかというぐらいに設
備が充実しており、優れていたが、それだけでは組織を動かすことなど出来は
しない。補給には食料品・衣料品・医薬品など生活には欠かせないものが数多
く含まれており、また、常にザフトの警戒網に気をつけねばならないため、一
度に運び込まれる数は少ない。ということは、備蓄量もまた少ないため、補給
が滞ることは彼らにとって死活問題なのだ。
「既に護衛のモビルスーツが2機ほど向かっているが……振り切れるかどうか」
 補給艦はそれなりに足の速いものを使っているが、それでもモビルスーツに
は敵わない。追跡しているローラシア級が、撃沈もやむなしと判断すれば、そ
れまでだ。
 しかし、だからといって多大な増援を派遣すれば激戦となり、それこそウル
カヌスの存在がザフトに露見してしまう。ウルカヌスの核融合炉は未だ修復で
きて居らず、移動することが出来ないのだ。
「だが、見殺しにも出来まい……」
 サトーは、自らモビルスーツに乗り込み補給艦を救援に向かうと宣言したが、
意外なことにイザークがそれを却下した。
「お前らのジンでは、モビルスーツには勝てても戦艦は落とせまい」
 この指摘は正しい。サトーらが使うジン・ハイマニューバ2型は格闘戦に優れ
たモビルスーツでり、火力が低い。特に、対艦武器が一切無いのは致命的で、
ローラシア級が持ちこたえる間に援軍を呼ばれる可能性は高かった。
「では、捨てておけと言うのか!?」
 仲間に大して、強い感情を持つサトーは、イザークを批難したが、イザーク
はそうではないと首を振った。
「敵はローラシア級一隻なんだな?」
「それと、艦載機のモビルスーツが何機かいると思うが」
「なるほどな……」
 イザークは、ニヤリと笑うとディアッカの方へ振り向いた。成り行きを見て
いたディアッカだったが、イザークの浮かべる笑みに嫌な予感を憶えた。
「ディアッカ、そろそろ俺達も初陣といかないか?」
「イザーク、お前まさか……」
「メリクリウスとヴァイエイトの出撃準備をさせる」
179運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:17:56 ID:???
 ザフト軍所属のローラシア級戦艦が、その不審船を見つけたのは全くの偶然
であった。警戒任務中に、レーダーの端に映る艦影をキャッチしたのである。
 それは旧型の高速船で、通常航路からどんどん離れた位置を向かっていた。
 何か事故でも起こしたのか? それとも、宇宙海賊の類か?
 不審船に大して検問を行うことも、この警備任務の一環であり、艦長は部下
に追跡を命じた。不審船は余り速度を出していなかったが、通常航路か大きく
外れた宙域を進み、その進路は明らかに不自然だった。
 追跡をはじめて数十分が過ぎ、相手に通信が届く距離まで近づいたとき、艦
長は停戦命令を発信した。すると、どうしたことか、相手は追跡の存在やっと
気づき、急に速度を上げて逃亡を開始したのだ。
「やはり、海賊の類だったか」
 もしくは、密輸船ということもあり得る。どちらにしろ、何かしらの悪事に
加担していることは間違いない。艦長は、停戦しなければ攻撃もやむなしとの
命令を発信したが、それでも敵は止まらず、むしろ加速を続けていく。
「艦長、旧型とはいえ相手は高速艦です。このままですと、振り切られるおそ
れもあります」
 そう、航宙士が意見すると、艦長も決断を迫られた。現在、不審船とローラ
シア級戦艦には戦艦の武装射程外ほどの距離が開いており、艦砲射撃による破
壊は不可能である。となれば……
「よし、モビルスーツ隊各機、発進せよ」
 この艦に搭載されている艦載機はそれほど多くはない。リーダー機であるザ
クウォーリアーが一機と、その部下であるゲイツRが二機の、僅か三機だった。
しかし、パイロットの腕はそれほど悪くなく、リーダー機に乗る男はエースと
は言えないまでも、前大戦を生き抜いた歴戦の戦士であった。
 出来うる限り生け捕りが望ましい、不可能な場合は撃沈も可とする。
 そのように命令を受けて、ローラシア級からモビルスーツが出撃した。この
時、リーダー機であるザクウォーリアーは、装備として砲戦使用のガナーを選
択している。これは大口径の高出力ビーム砲による威嚇で、敵の逃亡しようと
する意思を喪失させようとした一種の心理的効果を狙った選択であった。
 出撃した三機は、可能な限りの速度で不審船へと迫ったが、そこへ補給艦の
救援へと駆けつけたジンと遭遇したのだ。
「モビルスーツが救援に駆けつけた?」
 艦長は、機体照合を急がせ、そのモビルスーツが先のユニウスセブン落下未
遂事件において、テロリストが使用していたものとイッチしたとの報告を受け
驚いた。
「そうか、あれはテロリスト共の船だったのか」
 この時、艦長はザフト軍本部への報告を、故意に怠った。彼は前線指揮官を
望ながらも、警備任務に回されたことに強い不満を持っており、功績の一つで
もたてて、昇進したいと考えていたのだ。ここでもし、彼の艦がテロリストを
捕縛ないし、アジトを突き止めるなどすれば、軍部もかなりの評価を付けるは
ずだ。そうすれば昇進は間違いない。
「なんとしても不審船を捕獲しろ!」
 こうした一個人の権力欲から、ザフト軍はウルカヌスに潜むテロリストを発
見する好機を逃していた。艦長のこうした行動は、無論批難されることだが、
後のことを考えれば、それだけでは済まないことでもあった。
180運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:20:41 ID:???
「先にモビルスーツを排除するぞ」
 モビルスーツ隊の隊長を務める男は、接近戦使用にカスタマイズされたジン
を相手に、ゲイツRと共に長距離からの攻撃を開始した。わざわざ接近戦専用の
機体に乗るぐらいである。相手は接近戦によほどの自信があるのだろう。相手
の得意とするもので戦う必要など何処にもない。
 ザクのオルトロスや、ゲイツRのレールガンが発射され、テロリストのジンを
追いつめていく。ジンは不審船を守りながら、ビームガンで応戦を試みるが、
積極的に攻撃を行えないこともあって苦戦を強いられていた。なんとか、不審
船だけでも逃がそうと、努力はしているが思うようにいかないのである。
 だが、そうした戦闘を十数分続けたとき、突如、二機のジンがザクとゲイツR
に突進をかけてきた。いきなりのことに、ザクたちの行動が乱れ、その隙をつ
いて不審船が離脱を図ったのだ。攻撃を最大の防御とし、モビルスーツ戦闘に
釘付けにすることで、船を逃がそうと考えたのである。
 その意図を悟ったザクウォーリアーに乗る隊長は、敵モビルスーツを撃破し、
すぐにでも不審船の後を追おうとしたが、二機のジンはなかなかの強さを持っ
ており、容易に倒すことが出来ない。それでもなんとか、二機のゲイツRのう
ち一機を追撃に向かわせることに成功し、自らは残ったゲイツRとともに敵モビ
ルスーツの排除に専念することとした。
 激しい攻防が続いたが、接近戦を避け、射撃戦を展開するザクとゲイツRの連
携に、次第にジンは追いつめられていく。そして、ジンのビームガンのエネル
ギーが底を尽き、二機は岩塊群へと緊急退避をした。
「逃がすな、岩塊に釘付けにしろ!」
 ジンが機体を潜めた岩塊に、ゲイツRのレールガンが降り注ぐ。岩を削り、彫
り込むような攻撃にジンは身動きが取れないでいる。
「岩塊ごと吹き飛ばしてやる」
 ザクウォーリアーはオルトロスの標準を岩塊に合わせると、一発、高エネル
ギービーム砲を撃ちはなった。岩塊へと直撃したそれは、岩塊を粉々に打ち砕
きはしたが、ジンはまだ生きている。
 ザクは即座に二発目の、トドメとなる一撃を放とうとした。
 だが……
「ぐぁぁぁぁっ!?」
 瞬間、どこからともなく降り注いだ一条の閃光が、ゲイツRを貫いた。
「ビーム攻撃!? どこからだ」
 ザクに乗るパイロットは慌ててレーダーを確認するが、そこにはジン以外の
機体は映っていない。
「……そこか!」
 ザクから見て、前方斜め上の位置に反応があった。ザクは第二波を警戒して
いたこともあり、即座に攻撃を放とうとするが、
「なっ!」
 そこにいたのは、先ほど不審船を追うようにと先行させたはずのゲイツRのも
う一機であった。一撃でやられたのか、コクピットに空いた穴を除けば、目だ
った外部損傷は見受けられない。
 だが、コクピットを貫かれた以上、パイロットは……
「こ、これは……ハッ!」
 そのゲイツRの後ろから、二体のモビルスーツが現れた。現れた、という表現
になったのは、その二体がレーダーには映らず、光学モニターで、やっと認識
することが出来たからである。
181運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:24:01 ID:???
「見たこともない機体だ……ステルスなのか!」
 レーダーに全く映らない、ステルス機。まさか、テロリストにこれだけの機
体があろうとは。レーダーに映らないと言うことは、射撃・砲撃の標準すらま
まならないということなのだ。
「しかし、だからといって!」
 ザクは光学モニターを謎のモビルスーツに固定する。その二機は、黒と白の
対照的なカラーをしており、それぞれ特異な形の装備をしている。明らかにそ
れまでのザフト製とは違う機体だ。
 そして、ザクのパイロットは勇敢な、あるいは愚劣な行動を取った。謎のモ
ビルスーツ二機に対し、戦闘を仕掛けたのである。既に部下であるゲイツRを
二機失い、その怒りの矛先を、行った相手に大して向けたのだ。
 レーダー標準が使えないといっても、光学認識は可能なのだから、ロックオ
ン自体は出来る。そう判断したザクは、オルトロスを二機に向けると、その高
出力ビームを発射した。
「避けないのか!?」
 発射はしたが、恐らく何らかの回避行動を取ると思っていたザクのパイロッ
トだが、あろうことか二体のモビルスーツは避けようともせず、白い機体に至
ってはオルトロスの射線に自ら進み出たのだ。
 死ぬ気か? ザクのパイロットは相手の不可解な行動に困惑を憶えたが、す
ぐにそれを撤回した。なんと、白い機体の周囲に円盤のようなものが出現した
と思ったら、それがオルトロスを弾き飛ばしたのだ。
「馬鹿な、バリアーとでもいうのか」
 それは、連合が開発した防御システム、陽電子リフレクターをも超える装備
だった。メリクリウスのプラナイト・ディフェンサーは、完全にザクの砲撃を
遮断していた。
「くそぉぉぉぉぉっ!」
 ザクはオルトロスの連射を行うが、白い機体はそれを弾き飛ばしながらザク
に急接近してくる。
「ま、まずい」
 接近戦、ザクのパイロットは慌てて接近専用のトマホークを取り出そうとす
るが、相手の方が何倍も早かった。気がついたときには――、ザクは腰から真
っ二つに斬り裂かれていた。

「全機撃墜……フフ、フハハハッ!」
 メリクリウスのコクピット内で、イザークは歓喜の笑いを上げていた。
 強い、強すぎる。相手の砲撃を弾き飛ばしながら斬りかかるなど、早々でき
ることではない。ザフト軍に所属し、ザクの性能を知るからこそ、イザークは
自分がどれだけ凄いことをやってのけたのかを理解していた。理解した上で、
彼はメリクリウスの力に、自分の強さに酔っているのだ。
「この力だ! この力さえあれば!」

 ――今度は、お前の得意なモビルスーツで勝負したいものだ。

 いいさ、いつでも勝負してくれる。俺達が覇権を握った暁には、貴様を打ち
倒し、ラクスをお前の手から奪ってみせる。
182運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:27:18 ID:???
 イザークは、歪んだ妄想と現実の間を行き来しながら、唯唯笑っていた。メ
リクリウスのゼロシステムが、彼の強烈な感情を増幅しているのだ。
 ディアッカは、そんな友人の変わりように戸惑いを憶えていたが、そのイザ
ークからの通信が彼をさらに驚愕させた。
『ディアッカ、次はお前の番だ。ヴァイエイトの砲撃で、ローラシア級を消し
飛ばしてしまえ』
「なっ……おい、イザーク!」
『何を躊躇う? お前のヴァイエイトの射程距離なら、ここからでもローラシ
ア級を撃つことは可能なはずだ』
「そう言う問題じゃ……」
 モビルスーツは全滅させたが、未だ母艦は健在である。これが増援を呼ぶな
り、事態をザフト軍本部に報告するなりされたら確かにディアッカたちとして
は都合が悪い。ここで叩いておく必要がある。
「だが、こいつらザフト軍なんだぞ」
 それでも、ディアッカにはザフト軍を、同胞を撃つと言うことに抵抗があっ
た。サトーらのようにザフト軍を見限って脱走した兵ならばいざしれず、ディ
アッカは未だに正規軍に所属しているのだ。そして、それは、イザークだって
同じのはずだ。
『馬鹿馬鹿しい、いずれ俺達が立ったとき、ザフトとも戦うことになるのだぞ?
 それが撃てないなどとは、とんだ腰抜けだな』
 ゼロシステムの影響なのか、イザークの口調は嫌に挑戦的で、高圧的だった。
『大体、貴様、前大戦の時にはザフトを裏切って戦っていたではないか。あの
時出来て、今はもう出来ないとでも言うつもりか?』
「くっ……」
 それを指摘されると、ディアッカとしては反論が出来ない。前大戦時、彼が
ザフトを裏切り、三隻同盟に加担していたのは事実だ。イザークと戦ったこと
さえある。
「ちくしょう……」
 ディアッカは歯を食いしばると、ビーム砲の標準を遠くに見えるローラシア
級に向けた。ローラシア級は前進こそ続けているが、目だった動きをしておら
ず、おそらくまだ事態が掴めていないのだろう。
「――っ!」
 脳裏に鮮明な映像が流れてくる。ゼロシステムが、如何にして敵を倒すかと
いう明確なる情報を叩き込んでくるのだ。ディアッカは激しく首を振るが、あ
らがえそうにない。
 それから逃れようと、ディアッカは遂にヴァイエイトのダブルビーム砲を発
射した。

 ローラシア級戦艦の艦橋は、突然の事態に状況が飲み込めていなかった。モ
ビルスーツを先行させ、不審船を追っていた彼らだが、そのモビルスーツが一
瞬にして全滅したのだ。
「何が、何が起こったのだ」
 艦長は反応の消えたモビルスーツに愕然としたが、モビルスーツが何にやら
れたのかまでは判らなかった。ジンにやられたとは思えない。では、誰に?
 ローラシア級のセンサーやレーダーを持ってしても、メリクリウスとヴァイ
エイトの存在を掴めなかった。索敵担当の士官は不審に思いながら、何も映ら
ないレーダーを見ている。
183運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 00:29:13 ID:???
「艦長、モビルスーツがやられたとあっては、これ以上追跡を続けるのは不可
能です。増援を呼ぶか、撤退を考える必要があります」
 副官の言葉は、あくまで控えめであった。呼ぶのは増援ではなく、救援だ。
こちらのモビルスーツ戦力を倒した時点で、テロリストたちは証拠隠滅のため
に母艦であるこの艦を狙ってくるはずだ。幸い、敵と本艦の間にはまだ距離が
ある。今から反転、急速離脱をすれば逃げ切ることも可能なのではないか?
 副官はそうした意図を込めて助言したのだが、艦長は決断を迷った。ここで
逃げ出せば、結局なんの手柄も立てぬ間々、パイロットに無駄な犠牲を強いた
ことになり、救援を呼べば、手柄は別の者に取られてしまう。
 こうした最後まで自己中心的な考えが、決定的な瞬間を作ってしまった。
「こ、高エネルギー体接近!?」
 索敵担当の士官が、突然大声を上げた。通信士官など他の士官、艦長もその
突拍子もない声に思わず目を向けた。
 レーダーに何も映っていない状況。モビルスーツの姿も、戦艦の艦影すら確
認できない中で、どこから攻撃が来るというのか? だが、索敵士官だけは知
っていた。何もない空間から、突然高エネルギーが発射されたことに。
「馬鹿な、一体どこから――」
 撃ってきた。その言葉を最後まで言う暇もなく、艦長はこの世を去った。正
に一瞬、ヴァイエイトのビーム砲は、ローラシア級を一撃の下に葬り去った。

 残ったのは、虚しさだけだった。
 意気揚々とジンを従え帰還するイザークに着いていきながら、ディアッカの
心持ちは重かった。仕方なかったとはいえ、本来ならば味方であるべき存在を
撃ったのだ。戦場で人を殺すことに慣れきっていたディアッカではあったが、
久々に自分は人を殺したんだという実感が沸いてきた。
(あの艦に何人の人間がいた? 乗員には家族もいたはずだし、もしかしたら
俺やイザークの知り合いがいた可能性だったある)
 考えれば考えるだけ、ディアッカは胸が締め付けられるような感覚を覚えた。
彼を愕然とさせたのは、撃った行為を平然と肯定しようとしている自分が居る
ことに気付いたからだ。それはゼロシステムが彼にもたらした影響の一つで、
敵と倒すことは当然であり、その為に邪魔なものは全て排除するという効率的
な考え故だった。
「この機体……本当に大丈夫なのか」
 自分が今乗っている機体は、恐ろしい兵器だ。単純な強さだけではない。乗
る者の人格を変革させ、マシーンのようにしてしまう。そこに、感情や良心な
どといったものは一切含まれない。
 ディアッカは、この機体に乗り続ける自信がなかった。
 例え、乗り続けたとして、この機体が自分に何をもたらしてくれるのか?

 一体、何を――?

                                つづく
184通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 00:42:13 ID:???
イザークどう見ても発狂自滅フラグです本当にGJ!
ディアッカは…足抜けした方がいいと思うけど今回のペナルティじゃ無理か…
185運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/05(水) 01:00:11 ID:???
第30話です。
いよいよ次回からディオキアです。
ガルナハンと同じく、W-DESTINY氏が素晴らしい話を既に作っておられるので、
頑張らないといけません。
思うに、W-DESTINYという作品はディオキアで大きく話が動きました。おそら
く、ディオキアという場所は物語の中間点であり、分岐点なんでしょうね。
氏の作品に負けないものを、などとは言いませんが、少しでも近づけるように
したいものです。

あとがき投下しようと思ったら規制。
しかも、暇つぶしに覗いてたスレでコテ外し忘れたまま書きこんでしまったw
……笑い事じゃないかも。たまにやってしまうんですよねぇ。
186通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 01:48:23 ID:???
GJ!!
もしかしたら、ディアッカにはゼロシステムを使える資質があるのかも知れんな。
怯えてはいるけど自分を見失ってないし。
187通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 11:55:21 ID:???
GJ!
イザーク、ゼロシステムに囚われすぎだろうwwwトラント以上に暴走してる。
ディアッカは迂闊で残念なのが幸いしたな。
188通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 12:35:33 ID:???
う〜ん、痔と遺作の対比が秀逸ですな〜。
遺作の言ってることも間違っちゃいないですけどね。

しかしバンバン死亡フラグを立ててるな、遺作w
189通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 20:06:59 ID:???
昔、「臆病なくらいで丁度良い」と言った人がおります。
それはともかく、GJ.
190通常の名無しさんの3倍:2007/09/05(水) 20:17:52 ID:???
遺作は破滅か勝利しかない危うい道を歩んでるけどけどあそこで迷う痔の未来は
破滅しかない最悪の道だな。遺作もいってるけどここまで深入りしてためらっちゃ駄目だ
うかつで残念な痔らしいといえばらしいけど
191通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 12:25:46 ID:???
ここでためらう感性の持ち主だからこそ、本編のように陣営変えてすいすいと泳ぎきるのかも知れないぞw
192通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 21:29:38 ID:???
そういえばW-DESTINY氏どうしてるんだろうか・・・・
193通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 23:13:21 ID:???
>本編のように陣営変えてすいすいと泳ぎきる〜
しかも俺たちの中のドコからも批判が出ないトコなんて神がかってるねw
凸も似たような事してるけど、コレって人徳?
194通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 23:16:14 ID:???
>>193
つ『諦観』
195通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 01:05:36 ID:???
>>193
建前の奇麗事を並べ立てて自己正当化したり、寝返りにあたっても
女を巻き添えにしたりしなかったからじゃないかね。
196通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 03:12:51 ID:???
>>192
あの人の連載再開だけを楽しみにここを登録してる俺が居る。
デスティニー登場!!ってところで中断なんて蛇の生殺しみたいなもんだよぉ…
197通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 08:23:41 ID:???
トレーズとかレディ・アンが出て来るのってまだ無いよね?
198通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 16:10:43 ID:???
トレーズは何かに出てきてたけど、レディ・アンはないと思う。
名前だけチラホラ出てくる感じ。
199運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:03:41 ID:???
投下します。
200運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:07:50 ID:???
 ガルナハン基地を攻略したミネルバが、一路ディオキアを目指し出発してか
ら数日が過ぎた。艦長のタリアからの説明で、ディオキアにて久方ぶりの休暇
を貰えることを知ったクルーは喜び、艦内はいささか浮ついた空気が漂ってい
る。
 だが、そんな空気を余所に、一人浮かない顔をしている者がいる。
 シン・アスカだった。
 彼はガルナハンの地を出発してから、一度も笑っていない。理由は明かであ
ったが、それが判ったところで、どう声を掛ければいいのか。シンと同室であ
るレイは、下手に話題に出して刺激するより、触れないままそっとしておくほ
うが良いとし、彼との会話の数を減らした。こうしたレイの対応に、ルナマリ
ア・ホークが非難の声を浴びせた。同期、同年齢の友人として、冷たすぎるの
ではないか? しかし、レイにもまた複雑な事情がある。彼は先日、タリアか
らディオキアでプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルと会えるこ
とを知らされた。彼は久しぶりに保護者であるデュランダルに会えることを、
心の底から喜んだ。喜ばずにはいられなかった。そして、そんな幸福感に満た
されている自分が、悲しみに暮れるシンに対し、どうして声が掛けられようか。
 レイは不器用な少年だった。元々、幼い頃の環境が災いして、彼は他人と接
するのが得意な方ではないのだ。まして、精神的苦痛に悩む少年の励まし方な
ど、知る由もなかった。
 一方で、同じくシンと同期で友人であるルナマリアは、レイよりはずっと積
極的だった。彼女はシンに話しかけ、会話をし、語らい、彼を慰めようとした。
食事に誘い、シミュレーションの訓練に誘い……そうした中で判ったのだが、
意外なことにシンは見た目ほど落ち込んではいなかった。いや、落ち込んでは
いないと見せかけていた、というべきか。
「俺には、落ち込んでる余裕なんて無いんだ……」
 覇気のない声で、シンは答えた。ルナマリアには、そんな彼の姿が痛々しく
思えた。自分には、泣くことさえ許されない。そう断言したシンに、ルナマリ
アはなんと声を掛けるべきなのか、それを見いだせなくなってしまった。
 悩んだ末、ルナマリアは年長者の意見を仰ぐことにした。年齢でいえば、ル
ナマリアはシンより一歳ばかり年上なのだが、この場合はもっと人生経験豊富
なほうが良い。お姉さん風を吹かせるには、問題が大きすぎた。
 誰に相談するべきか、ルナマリアは真っ先にミネルバ艦長であるタリアを候
補から除外した。タリアは一般人としては、常識人に値するだけの女性だが、
シンとの仲が良くないのだ。険悪、というほどでもないが、互いにそりが合わ
ないことを理解し、作戦行動時でもないと会話をしない。では、副官のアーサ
ーはどうだろうか? ルナマリアは彼のことはよく知らない。実はかなり有能
な人物なのではないか、と最近艦橋要員の間で話題の彼だが、軍事的な才覚を
持ち合わせる者が、十代の少年が抱える精神的な痛みを和らげることが出来る
かは話が別である。
 ルナマリアが次に思い浮かべたのは、アスラン・ザラである。だが、これは
失笑と共に候補から消えた。この失笑が、アスラン本人に向けてなのか、彼を
候補として一瞬でも思い浮かべた自分へのものなのかは定かではないが、どち
らにしろアスランは選択肢としてはない。悩み多き青少年の代表などといわれ
る優柔不断な奴に、期待するだけ無駄であろう。
 大変失礼なことを考えながら、ルナマリアは候補を二人に絞った。一人は、
ハイネ・ヴェステンフルスである。彼はザフトの英雄として、アスランにも引
けを取らない名声と、そして歴戦を勝ち抜いてきた経験を持っている。人受け
のいい性格でもあるし、彼ならば……。
201運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:09:43 ID:???
 だが、ルナマリアの当ては外れた。艦内を慌ただしく動き回っていたハイネ
に声を掛けてみたのだが、ハイネは「すまんが、ちょっと忙しいんだ」と駆け
ていってしまった。軍事行動中でもないのに何を忙しなく動いているのか? 
そうしたこともあって、結局ルナマリアは、相談相手として二人目の人物を選
んだ。直接話す機会は少ないが、とりあえず、信用しても良いだろう大人の男
を。

 オデル・バーネットが、シンのことについてルナマリアから相談を受けたと
き、彼は私室のパソコンで、なにやら作業をしていた。彼女の訪問を意外に思
いながらも、彼は作業の手を止めて、ルナマリアを部屋に迎えた。
「それで、シンったら何かを悟りきったっていうか、諦めきった感じなんです」
 ルナマリアは、二十代も中盤のオデルにシンの状態を説明し、意見を求めた。
オデルはそんなルナマリアの話を良く聴き、時に相づちを打ちながら、彼女の
言いたいこと、伝えたいことを全て話させた。
「なるほど、シンはそこまで思い詰めているのか」
 自分へ特に相談してこなかった少年の実情を知り、オデルは僅かに眉を顰め
た。
「シン、大丈夫なんでしょうか?」
「難しいな。これは、今までとはまた違った問題だ」
「というと?」
 ルナマリアは、てっきり、シンがコニールという少女に起こった出来事にシ
ョックを受けているのかと思ったが、オデルは違う考えを示した。
「多分、シンは自分の抱いていた価値観を否定されたことに、強いショックを
受けているんだ」
 シンは、おそらく、ガルナハン攻略のその日まで、民間人や一般市民を無辜
の存在だと信じていたのだ。そして、力なき彼らを守ることこそ、軍人である
自分の役目なのだと。
 しかし、ガルナハンの地で起きた惨劇が、そんなシンの考えを打ち砕いたの
だ。人々は手に武器を取り、復讐心と共に狂乱の限りを尽くした。
「今まで信じてきた者の、違う一面を見たとき、人はそれに対して少なからず
動揺し、失望する。シンは、守るべき者のある意味でもっと酷い一面、人の醜
さというものを目の当たりにしてしまったんだ」
 嫌な言い方をすれば、それはシンが勝手に抱いていた幻想に過ぎないのだが、
十代も半ばの少年にそれをいうのも酷というものだろう。
「恋人の全く違う一面を見て、ショックを受けてる……って感じ?」
「程度は違うが、まあ、そんな感じだな」
 ルナマリアの少女らしい表現に苦笑しながらも、オデルは頷いた。
 シンの決定的な誤りは、彼が民間人を弱者と考えたところだろう。むろん、
軍人が強者で、民間人が弱者という考えは正しいのだが、絶対というわけでは
ない。歴史を紐解けば、過去に市民が武器を手に取り、軍隊を打ち破った例な
どいくらでもある。政治に大して人々の中に膨れあがる不満、不平、あるいは
反抗心。理由は様々あれど、虐げられるだけの弱者などこの世に存在しない。
それらを上手くまとめ、先導する者が現れれば、途端にそれは強者へ変わる。
 だからこそ、歴史上には数々の革命が起こり、時代を動かす革命家が存在す
るのだ。
202運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:11:30 ID:???
「しかし、時代が進むにつれ、そのことは忘れられてしまうものだ」
 特にこのような時代、軍隊が圧倒的とも言える力を保持していると、何かこ
とを起こそうにもすぐに鎮圧される。現に、ガルナハンの地で蜂起したという
レジスタンスは、僅か一日で敗れ去った。
「モビルスーツなどの強力な兵器は、時としてそうした事実を曇らせてしまう。
だが、一度それが失われ、軍隊と民間人が対等になったとき……」
 あのガルナハンのようになってしまうのだ。
 シンは若くして、現実というものを突きつけられたのだ。
「けれど、これは別にシンが悪い分けじゃない」
 軍隊というものは、そもそも暴力的な組織だ。そして、軍隊という組織が民
間人を守るために存在すると考える者は、驚くほど少ない。例えば、権力者と
市民が対立したとき、軍隊はほぼ確実に権力者のために戦う。本来守らなけれ
ば行けない人々に銃を向け、威圧し、支配しようとする。先に述べたような軍
隊と民間人の間に起こる対立が、それを証明している。
 だからこそ、シンのような考えを持つ者は稀であり、それはとても貴重なも
のだった。
「シンのそう言った部分は大切にしなければならないとは思うが……」
 現在シンは、そうした自分の考えに疑問を持っているのだ。もしかすれば、
自分の考えは間違いだと思いこみ、他と変わらない軍人になってしまうかも知
れない。
「そうなって欲しくはないが、これはやはりシンの決めることさ」
 オデルは、ここで自分やルナマリアがどうこう言ったからと言って、その意
見にあっさり傾くようでもいけないと考えているのだ。心が惰弱しているとき
は、誰だって、もっともらしい他人の言葉に従いそうになるものだ。それでは
ダメだ。いつまで経っても、心は弱いままなのだ。
「なるほど、結局はシンが自分で解決するしかないんですね」
 納得したように、ルナマリアが頷いた。
「だが、立ち直れるかどうか、という問題もあるな。シンにしてみれば、日の
光も差さない谷底に突き落とされたようなものだ」
「大丈夫だと思いますよ。シンなら這い上がって来られますよ」
 それに……と、ルナマリアは付け加える。
「這い上がってきたとき、シンは今よりずっと強く、格好良くなってます」
 その微笑みには、不思議な説得力があった。

 ところで、ルナマリアの声を振り切って、忙しなく動いていたハイネだが、
彼は現在ミネルバの資料室兼記録室にいた。ここは、主に戦闘記録や、艦内情
報などを資料化し、記録しておくための部屋である。ミネルバは軍艦だけ合っ
て、警備も完璧で、ほとんどの場所に監視カメラが配置されており、士官室等、
個人の部屋も例外ではない。もっとも、プライバシーということもあり、どう
しても必要な場合以外はそれを見ることが出来ないが。
 ハイネは戦闘記録をまとめるという名目でこの部屋に入室すると、戦闘記録
とは全く違った作業をし始めた。彼はここ最近の艦内データを調べだし、特に
アスラン・ザラの周辺を慎重に見ていた。監視モニターの記録、PCの通信記録、
ハイネは片っ端から情報を引き出すが、目だった動きはない。
「不審な点はみられない……か」
203運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:14:13 ID:???
 実のところ、ハイネはアスラン・ザラという男を欠片も信用していない。
 ハイネは、どうしてもアスランが故郷プラントのためだけにザフトへ復隊し
たとは思えないのだ。無論、最初はデュランダル議長が自身の地盤強化のため
に旗下に加えた手駒だろうと思っていたが、アスランという男はあれで計算高
い。ただ、議長の手駒として踊ってやっているようには見えない。
 何か彼には、彼の意図があってザフトに戻ったのではないか? 数々のアス
ランの言動や、行動が、ハイネにその疑惑を強めきた。アスランは何かを焦っ
ている。作戦会議では積極的に主導権を握ろうとするし、戦場に出れば功を焦
って突出する。これは、今までのアスランの性格には似つかわしくない。
 アスランが焦る理由は何か? 彼が目立ちたがり屋という話を、ハイネは聞
いたことがない。地位や名声に執着するような性格ではないはずだ。
「何を狙ってるんだ」
 一度離反した身であるが故、武勲の一つでもたててザフト軍に認められたい、
そう考えるのが普通なのかも知れないが、ハイネはそうは思わない。
 アスランがことさら派手に動き回るのには、何か理由があるはずだ。でなけ
れば、あのように自分の武勇を見せつけ、宣伝するような真似は――
「宣伝か」
 仮に、もしアスランが自分を宣伝、言い方を変えれば世の中に自身の存在を
知らしめようとしているのだとすれば? なんのために? 性に合わぬことを
してまで行う価値のあることなのか。
「ふむ……」
 ハイネが思案顔を作り、モニターをチェックしていると、ある日のアスラン
の部屋に、艦橋要員である通信士官メイリン・ホークが尋ねてきていた。
「部屋に女がやってくるとは、色男は違うねぇ」
 誰にも聞かれないことを良いことに、大声で皮肉ってやったが、そんなこと
をしても虚しいだけだ。ここだけの話だが、ハイネはあまり女運が良いほうで
はなく、浮いた話も少ない。
 何気なくチェックすると、メイリンは何度もアスランの部屋に通っているよ
うだ。おそらく、そういう関係なのだろう。アスランが、ミネルバに乗って日
は立つが、手が早いともいえるだろう。
「いや、まてよ……」
 これは、少しおかしくはないか?
 モニターを見つめるハイネの顔に、不審が広がっていく。どうもアスランと
メイリンの表情には、恋仲に見られる笑顔とか、そういうものがない。キスを
するわけでもないし、情事を行うわけでもない。むしろ、顔は真剣そのもので、
恋人が語らっていると言うより、秘め事を話し合っている、といった感じにも
見える。
「メイリン・ホークか」
 ハイネは、ミネルバに乗艦するクルーのリストから、彼女のデータを取り出
した。
 メイリン・ホーク、同じくミネルバに乗艦するモビルスーツパイロット、
ルナマリア・ホークの妹であり、アカデミー時代、姉がモビルスーツの操縦な
どで高い成績を残したのに比べ、彼女は情報処理などの分野で高い成績を取っ
ている。ザフトは基本的にモビルスーツ操縦などの部分を高く評価しており、
事務方の仕事は軽視しがちで、エリートの証である赤服も、当然のようにパイ
ロットへ渡される。
 だが、ハイネの見た限り、メイリンの情報処理能力等は総合点が極めて高い
主席のレイをも上回っており、その実力はかなりのものだ。
204運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:16:19 ID:???
「アスラン・ザラと、メイリン・ホーク……」
 この二人が親密な関係というのには、何か意味があるのだろうか? ただ、
男と女の関係というわけではなさそうである。
 ハイネは少々乱暴に頭をかきむしった。元来、こうした根気のいる調査など
の細かい仕事は、彼に向いていないのだ。それでも、彼がこうして独自に調べ
だしたのは、自身の好奇心と、アスランへの疑念からであるが。

 一方、そんな疑念を向けられているアスランは、それに気付くこともなく、
格納庫でモビルスーツのチェックをしていた。ガルナハン攻略戦で、よもや撃
墜の危機に陥った彼は、それを挽回するためにも次の戦闘に備えているのであ
る。
 そんな、アスランの気持ちとは裏腹に、整備班の心持ちは妙に浮ついていた。
彼らもまた、目前に迫った休暇を待ち望んでおり、ディオキアでどう過ごすか
など、同僚たちと談笑混じりで話しているのだ。
 特に若い整備士、シンやレイなどと同年代の感心を誘ったのが、ラクス・ク
ラインによるディオキア基地への慰問である。プラントのアイドルである彼女
の存在は、整備士の少年の心を掴んで離さなかった。
「ラクス・クラインが来るってことは、やっぱりコンサートを開くのかな?」
「慰安コンサートか……うん、多分そうだろうな」
 普段から、ラクス・クラインのファンであることを公言しているヨウランと
ヴィーノは、期待に胸を膨らませ、最近発売されたラクスの新曲はどうだとか、
彼女がなんとかという雑誌に載ったときのグラビアは最高だったなどと会話を
している。中でも二人の共通意見として、
「何ていうか、可愛いよな、近頃の彼女」
 というものがある。以前までのラクス・クラインは、清楚で物静かというイ
メージがあったのだが、前大戦が終結してしばらくが過ぎ、再び表舞台に姿を
現すようになると、今までとは打って変わり、明るく活発な美少女アイドルと
して活動するようになった。この様変わりに当初、プラント市民は困惑しない
でもなかったが、若い世代を中心に、ラクス・クラインも随分親しみやすくな
ったという意見が増え、急激に人気を高めていった。一方で、なんだかラクス
が安っぽいアイドルになったようだと批判する者もいたが、アイドル性を強め
た彼女の人気は、そうした批判をものともしなかった。
 そうした影響をもろに受けていたのが、ヨウランとヴィーノであったが、彼
らはアイドルファンとしてはそこそこ満足していた。任務のため地球に赴き、
プラントで行われる彼女のコンサートやライブに参加できないのが、残念であ
ったのだが、これから行くディオキアでそれが行われるというのなら、いうこ
とはない。
 だが、そんな彼らに対し、アスラン・ザラがまじめくさった顔で話しかけて
きた。当然、セイバーの整備についてなのだが、誰も彼もが休暇に向けての思
いを馳せているなか、アスランは一人別の空気を帯びている。
 会話に水を差されたことを多少不快に思いつつも、若い整備士の二人は礼節
を持って対応した。そして、それが終わると、やや不満げにアスランとラクス
の関係について話す。
「いいよぁ……婚約者だもんなぁ」
「あぁ、なんて羨ましい」
205運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:19:57 ID:???
 一般には、まだアスラン・ザラとラクスクラインは婚約関係にあると信じら
れている。つまり、アスランは少年たちが憧れを抱くアイドルの全てを手に入
れる存在なのだ。彼らが熱狂する美しい歌声も、目を奪われるその身体も、や
がてはアスランのものになる。面白いわけがない。
「チッ、ジャスティスのケーブルを、2,3本引っこ抜いてやろうか?」
「まったくだな」
 二人は、遠くで整備主任と話すアスランを見ながら、忌々しげに毒づいた。
この時は冗談のつもりであった。

 話を戻して、オデル・バーネットの部屋には、まだ、ルナマリアがいた。シ
ンのことを話したことで、オデルを信頼し、また馴染むことの出来た彼女は、
話題を転じ、目ざとくというべきか、オデルのパソコンのディスプレイに映っ
ているものに目を付けた。
「それ、インパルスのデータですよね?」
 ルナマリアが指摘したとおり、画面にはインパルスとシルエットフライヤー
についてのデータが表示されている。
「あぁ、これか」
 オデルは、この艦に来てからと言うもの、モビルスーツパイロットの他に整
備士としても働いている。その一環で、インパルスのデータを入手したのだが、
彼はこの機体に大して並々ならぬ興味を持っていた。
「昔、これと似た構想の機体を作っていたことがあってね」
「インパルスと、ですか?」
「装備を変更することで、あらゆる戦闘環境に耐えうる機体だった」
 どちからといえば、それは連合、ファントムペインが持つストライカーパッ
クシステムの方に近いのだが、インパルスが遠いというわけでもない。
「もしかしたらだが、今より少しはインパルスを強くすることが出来るかも知
れない」
「本当ですか?」
 ルナマリアは驚いたようにオデルを見る。インパルスはザフト軍の最新鋭機
であり、そこにはザフト軍技術者たちの英知の限りが尽くされている。しかし、
オデルはそれをも超えることをしようというのか。
「ディオキアに着く前にまとめられれば良いんだが……私が、シンにしてやれ
るのはこれぐらいだからね」
 案外自分も無力なものだ。オデルは苦笑すると、ディスプレイの方を見た。
構想は、もう組み立ててある。後はそれを、実現できるかどうかということだ。

 そして翌日、ミネルバはザフト軍ディオキア基地へと到着した。

                                つづく
206運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/07(金) 17:21:36 ID:???
第31話です。
計算違いといいますか、ディオキアに突入出来ませんでした。
プロット確認してたら、一つ話を飛ばしてみてたことが発覚。
申し訳ないです。
207通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 17:43:10 ID:???
GJ

アスラン爆破フラグktkr
208通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 19:18:15 ID:???
GJ!
アスラン…大きな変化があっても同僚との関係はうまくいかないのかw
らしいといえばらしいのかもしれんがw
唯一アスランとある程度うまくやっている(悪い男に引っかかったとも言うが)メイリンとルナの今後の関係が心配です。

そいや、ジェミナスも装備の換装であらゆる地形、戦場に適応するって構想だったな。
素でかなりスペック高いし宇宙用の装備しか出てきてないから忘れがちだが。
209通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 19:21:57 ID:???
GJです
>心が惰弱しているときは、誰だって、もっともらしい他人の言葉に
従いそうになるものだ。それでは ダメだ。いつまで経っても、
心は弱いままなのだ。
クロスオーバーで妄想してるとついついクロス先のキャラを洗脳
しそうになるんですよね…orz
210通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 20:03:17 ID:???
GJ!
結局アスランはどこまで行ってもアスランか……

>>208
今回の話を見る限りルナは大丈夫そうだけどね。 
211通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 20:49:44 ID:???
メイリンとルナの『今後の関係』が心配なのであって、ルナが心配ということではないと思うが。
212通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 22:29:50 ID:???
う〜ん。
こういう悩み方はちょい、予想できなかった。
シンがドンドン成長していくフラグを立ててるなぁ。


それにひきかえアスランは……
まぁがんばってはいるけどさぁ……w
213通常の名無しさんの3倍:2007/09/07(金) 22:33:14 ID:???
そら戦時中の戦艦内で恋人的なこともしないで妙に真面目顔で密会してたら不審がられるぜ。で
214通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 01:11:19 ID:???
でも西川さんが活躍するのも、なんか違和感がある俺w
215通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 12:45:15 ID:???
西川さんが活躍すると死亡フラグにしか思えない自分は末期か
216通常の名無しさんの3倍:2007/09/08(土) 13:51:58 ID:???
ああ、死亡フラグとしてなら、活躍するのも納得だw
217通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 00:36:23 ID:???
むしろ後日談でなく種死リアルタイムの改変・クロス物で、ハイネが活躍せず
同人アヌメ並に早死にする話を探す方が難しいような気がするんだが。

それにしても…凸は凸なりに世界の事を考え、乱世の梟雄として悪名を被ってでも
後の世の平和の為になればと思っているつもりなのかも知れんが…
どうにもラスボスが勤まるようには見えんのよね。
自分とメイリンの事は既にバレかけてるし、イザークはロッシェへの私怨が
システムで増幅して小物坂一直線だしディアッカはすっかりブルってるし、
なんか旗揚げの為に脱走したものの、抜かれてたケーブルのせいでサクッとあぼーん、
残った烏合の衆はキラを見限った本物ピンク悪魔にそっくり乗っ取られたりして…
218通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 13:35:54 ID:???
ケーブル抜けぴーんち、を救ってもらってサクッと改心。
陰謀をペラペラしゃべって、最終決戦へ。
もうやめるんだイザーク、と叫ぶコウモリ凸が、そこにはおったそうな…
めでたしめでたし
219通常の名無しさんの3倍:2007/09/11(火) 15:00:27 ID:???
>>218
もちろんその際の乗機は当然ガズウートだね保守
220運命の歌姫 ◆UKJJLaAqeQ :2007/09/14(金) 17:03:04 ID:???
投下します。
221運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:05:33 ID:???
「こちらディオキアポートコントロール。ミネルバ、アプローチそのまま。貴
艦の入港を歓迎する」
 ザフト軍ディオキア基地は、黒海の沿岸に面して建設されたザフト軍の地上
基地では比較的新しい部類にはいる。元々この辺り一帯は旧連合の勢力地域だ
ったのだが、ジブラルタルから進軍したザフト軍によって解放されたという過
去を持っている。
「綺麗な街ですね……ディオキアと言うところは」
 艦橋で、アーサーが何気なしに呟いた。洒落た台詞でこそ無かったが、艦橋
要員もまた、ディオキアという海辺街に対し、綺麗だという印象を持ったのは
確かだった。
「そうね、最近は山だの砂漠だのと、そんなのばっかりだったものね。こんな
場所で休暇を過ごせるなんて思っても見なかったわ」
 タリアも口元をほころばせながら言う。彼女を含め、ミネルバクルーは連戦
に次ぐ連戦で疲労しきっており、休暇は願ってもないことだった。
 だが、さすがに到着したらすぐ休暇というわけではなく、艦長であるタリア
と、副官であるアーサーはディオキア基地司令部に出頭し、到着の報告及び、
休暇申請の受理をせねばならない。どちらもさほど重要なことではないのだが、
軍隊である以上形式は大切にせねばならない。
 タリアとアーサーは、到着すぐにディオキア基地所属の兵士の案内で、基地
司令部へと向かった。
「やけに人が少ないですね……」
 アーサーが基地本部の中を見渡しながら、タリアにこっそりと耳打ちする。
「そうね、平時とはいえ、最低限の人員しかいないって感じね」
 タリアも不審げに辺りを見る。しかし、特に慌ただしい様子もないので、緊
急事態というわけでもないのだろう。
 やがて二人は、司令官室へと通され、そこで基地司令官と対面した。
「私がディオキア基地司令官兼駐留艦隊指揮官のマルコ・モラシムだ。ミネル
バの武勇は聞いてる。よく来てくれた」
「私も、『紅海の鯱』にお会いできて光栄ですわ」
「よしてくれ、昔の異名など」
 マルコ・モラシム。前大戦時、カーペンタリア基地に所属していた軍人で、
同基地の海軍戦力モラシム隊の隊長として、インド洋周辺を制圧下に置くなど
高い実績を有している。旧連合相手に紅海で連戦連勝を重ね、『紅海の鯱』と
あだ名されるまでになった彼は、名実共に海の覇者であったが、破綻は突然訪
れた。
 前大戦時、彼は上層部の命を受け旧連合所属の戦艦を強襲した。そう、連合
軍第八艦隊所属アークエンジェル。不沈艦とあだ名される、最強の艦。モラシ
ムは十分な兵力と、鍛え抜かれた部下たちとともにアークエンジェルを襲い、
物の見事に敗北した。モラシムは旗艦及び部下を全て失い、自身もまたモビル
スーツを破壊され、絶体絶命の危機に陥った。それが偶然にも救助され、彼は
命を繋ぎ止めたのだが、重傷だったこともありプラント本国で大戦終了まで療
養する羽目になったのだ。
 モラシムは敗残の将であり、命からがら生き延びた点ではどんな批難をされ
ても構わないと思っていた。しかし、世間もザフト軍内部も彼を責めなかった。
彼と同じく命拾いしていた『砂漠の虎』アンドリュー・バルトフェルドがザフ
ト軍を脱走し、敵対したためだった。モラシムは、同僚のこうした行為を理解
できずにいたが、何か行動を起こそうにも身体が動かなかった。
222運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:07:06 ID:???
 そうしている内に大戦は終わり、モラシムは新設されるザフト軍の地上基地、
ディオキア基地司令官兼艦隊指揮官の辞令を受けたのだった。
「まあ、戦闘こそ行われていないが、やることは意外に多くてな。何せ基地職
員及び、駐留艦隊所属の兵士の大半は経験の足りん新兵だ。まずはそれを少し
でも使えるようにしなければならない」
 この時期ザフトとしては、熟練兵や歴戦兵など実力あるもののほとんどを、
ジブラルタル、カーペンタリア両基地に集めている。これは両基地がザフトの
地上における二大軍事拠点であることから、当然といえば当然の選択だったが、
モラシムとしては不満を禁じ得ない。
「客人に大して愚痴を言うとは、私も歳を取ったな。ミネルバのクルー全ての
休暇届は一両日中には受理されるだろう。申請中であっても、この基地の中な
ら行動は自由だ」
「モラシム司令のご厚意に感謝しますわ。ところで、随分と基地内に人が少な
いように見受けられたのですが……?」
 厚意を感謝しながら、タリアは先ほどから感じていた疑問を口にする。する
と、モラシムは若干険しい表情になり、
「実は……なんと言ったらいいのか、この基地では今日催し物があってな。一
部の兵士はその準備に当たって、他大半はそれの見物に行っている。基地には
興味のないもの、もしくは重要部署に所属するもの以外は残っていないのだ」
 嘆かわしいことだ、とモラシムは首を振った。タリアとアーサーは顔を見合
わせ、何が行われるのかを尋ねた。
「それは、ほら、この部屋からも見えるだろう」
 言われて、アーサーが立ちあがり窓の外に見える光景に目をやった。
「あれは……」
 思わずアーサーは目を見張った。基地の広い敷地内に、かなり大規模な野外
ステージが設営されている。まるで、臨時のライブ会場のような有様だ。
「我らがプラントの歌姫が、二日間に渡る慰安ライブを開いてくれるそうだ。
まったく、喜ばしいことだな」
 モラシムの口調があまりに投げやりだったので、タリアは苦笑したが、同時
にとあることを思い至った。
「ラクス・クラインが来ている……ということは、議長も既に?」
「いや、その予定だったのだが、プラントで何かあったらしくてな。出発が遅
れて、到着は明日に変わった」
「そうですか……」
 タリアは複雑な表情を作りながら、窓の外を見る。特設野外ステージには既
に沢山のザフト軍兵士が詰めかけている。
 ラクス・クラインのライブが、始まろうとしていた。



          第32話「運命の前日」



223運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:09:38 ID:???
「みなさ〜ん! ラクス・クラインで〜す!」
 ピンク色に塗装されたザク。
 アスランが最初にそれを見たとき、思わず吹きだしたという。何をどうした
らあのような発想が出来るのか。基地内への上陸許可が出ると共に、若い整備
兵などは駆け出していってしまったが、アスランの足取りは重い。信じられな
いものを見た、といった感じに足を引きずっている。
「あれはない、あれはないって」
 見れば近くにいるハイネが腹を抱えながら笑っている。どうやら彼の笑いの
神経が著しく刺激されたらしい。唖然としてみているのは、ルナマリアやメイ
リンなどの女性陣で、ラクスことミーアの持ち歌である『Quiet Night』の流
れる様を呆然と聴いていた。
 唯一、不審気な表情をしていたのはオデル・バーネットだった。彼は元々こ
の世界の人間ではないため、ラクス・クラインに対する知識も低ければ、認識
も薄い。軍隊向けの慰安企画の一つか何かなのだろうが、あまりに派手すぎる、
と感じているのだ。
「……ロッシェ!?」
 しかし、彼はそんなラクス・クラインの側によく知る顔を見つけ出した。ロ
ッシェ・ナトゥーノ。彼と同じ、異世界からの迷い人。
「何故、アイツがこんなところに」
 オデルは困惑していたが、ライブの熱狂に包まれるこの状態では、ロッシェ
に近づくことすらままならない。ひとまずは様子を見るほかなかった。

 そのロッシェであるが、彼は特設ステージの袖で、周囲を警戒していた。ラ
イブ中だというのにその顔は険しく、不機嫌そうであった。
 実は、ロッシェはこの企画を行う際に専属の護衛官としてある意見を出した。
野外ライブを、屋内に変更して欲しいと申し出たのだ。これは無論、警備の観
点からいった安全面を意識しての意見であり、野外警備よりも屋内警備のほう
がやりやすいからであった。
「野外などで行って、その姿を堂々と晒すなど以ての外だ。どこに暗殺者が潜
んでいる限るまい」
 だが、ロッシェのこうした意見は却下された。ディオキア周辺はザフトの勢
力範囲内であり、ファントムペインなど居らず、さらにこの野外ライブは、周
辺住民への宣伝、すなわちライブをやるだけの平和と余裕が、ザフトにはある
のだと見せつけるためのものでもある、ということだった。
 当然、ロッシェは憤りを憶え抗議したが、関係者は誰も耳を貸そうとしなか
った。それどころか、「護衛官は慎重も度が過ぎる」などと、失笑してきたの
だ。ロッシェは怒り任せに斬りつけたい衝動に駆られたが、何とか堪えた。こ
うなれば、何があってもラクスを守り抜くほかない。
「まあ、何も起きないことを祈りたいが……」
 ロッシェは近くに佇むモビルスーツに目をやった。グフイグナイテッド、ザ
フト軍新型モビルスーツの試作機であり、地上に赴くロッシェのために、ハワ
ードが寄こしてきた機体だ。性能はレオスに数十段は劣るものの、高い空戦能
力を有しており、その辺りの自由が利く。地上でのテストも兼ねて、という理
由を付けられロッシェに与えられたのだ。
224運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:11:35 ID:???
「何か奴に乗せられた気もするが」
 自分の愛機以上に信頼できる機体など有りはしない。少なくともロッシェは
そう考えている。例えどんなに強い機体、優れた機体であっても、ロッシェに
は乗りこなす自信がある。しかし、それでも乗り慣れた機体に勝るものはない
はずだ。仮に敵が攻めてきたとして、グフで何処まで戦えるのか?
 考え込むロッシェの元に、警備担当からの連絡が入る。ロッシェは基地司令
部から三百人ほどの人員を借り受け、この野外ステージの周辺の警備を行わせ
ている。二十分おきにくる連絡は、どこも異常がないことを彼に伝えた。
 ロッシェは、視線を基地の柵の方に向けていた。柵の向こうは一般区域であ
り、地域住民が物珍しから集まってきてる。もし、あの中に殺し屋の一人でも
いて、広範囲に危険を及ぼす爆発物でも持っていたら? 考えれば考えるほど、
何から何まで危険に思えてくる。
「我ながら、神経質すぎるかもしれんな」
 溜息を付き、ロッシェはもう一度柵の外を見た。そして、少しだけ注意して、
外に止まっている赤いスポーツカーに目を向けた。距離があってよく見えない
が、若い男女が乗っているように見える。ロッシェは軍事用の小型双眼鏡を取
り出し、その連中を見た。運転席には、サングラスを掛けた若い男。助手席も
同じく、同年代の男。後部座席には女……というよりは、少女が一人座ってい
る。これだけなら、ただの若者で済むのだが、ロッシェが気になったのは彼ら
が余り楽しそうではなく、むしろ険しい目つきでミーアのステージを見ている
と言うことだった。
「ナチュラルはコーディネイターに反感を持つと言うが……」
 それでもディオキアの市民にとってはザフト軍は解放者である。比較的好意
を持たれていると聞いていたが、彼らはそうではないのだろうか?
 ロッシェが結論を出すよりも早く、その車は発進して、何処かへと去ってい
った。しばらく不審そうに思っていたロッシェだったが、警備担当から次の定
時連絡が来る頃には、忘れていた。

 ロッシェに気にされていた若者たち、彼らは実はディオキアの市民などでは
ない。彼らは目下ザフト最大の敵であるファントムペインに所属するモビルス
ーツパイロットたちであった。
「やれやれだな……」
 ライブを少しだけ鑑賞したスティングは、運転しながら溜息を吐いた。
「ホント、何か楽しそうじゃん。ザフトの奴ら。ミネルバだっけ? あの艦ま
た勝ったんだろ」
 味方の敗北をせせら笑うアウルだが、元はといえば宇宙でミネルバを落とし
損ねたのは彼らの失態でもある。スティングは、そこには敢えて触れず話題を
変えた。
「あの艦のことはひとまず忘れとけ。俺達は別の任務で来てるんだからな」
「ネオの特命でな」
「声が大きい。失敗すれば、後がないことをお前、判ってるのか?」
 スティングとアウルが言い合いをしている中、ステラはボーッと海を眺めて
いた。ネオが側にいないとき、彼女は途端に無口になる。三人の中では一番精
神が不安定なのだが、今のところ感情に起伏は見られない。
 そもそも、彼ら三人がこうしてディオキアの街に潜入しているのには、少々
複雑な事情があった。というのも、これは正規の作戦行動ではないのだ。発端
は、ファントムペインのネオ・ロアノーク大佐が、盟主ロード・ジブリールに
とある提案をしたことから始まった。
225運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:13:44 ID:???
「ディランダルめの暗殺だと?」
 ネオは、昨今の情勢を顧みて、これ以上ザフトと戦闘を継続するのは危険だ
と考え、ジブリールにプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの暗
殺を意見したのだ。
「そうです。奴を暗殺すれば、プラントは一時的にも混乱に陥るはずです。現
在のプラントは、デュランダル議長のワンマン体制といってもいい状態。この
ままザフトと無闇に戦火を拡大するよりは……」
「馬鹿なことを言うな!」
 強い声がネオの言葉を遮った。ネオは面食らったように、盟主ジブリールを
見つめる。その顔は怒りで大きく歪んでいた。
「私はファントムペインの大艦隊を持ってザフトを打ち破り、プラントを消滅
させるのだ。それでこそ、全世界にファントムペインの存在と、ブルーコスモ
スの覇権を認めさせることが出来るのではないか」
 それはそれでもっともな意見であるが、ネオとしては暗殺を反対されたこと
に意外さを憶えた。元々、ブルーコスモスは暗殺などのテロリズムに優れた組
織であり、過去多くの人間をその手に掛けてきた。
 だからこそ、ネオは敢えて得意分野で起死回生を果たそうと提案したのだが、
ジブリールは怒声を持って返してきた。
「盟主、ザフト軍はガルナハンを攻略し、次はスエズを狙ってくるはずです。
スエズは我らファントムペイン中東最大の軍事拠点ですが、勢いに乗るザフト
の前に勝てるかどうかは分かりません。仮に勝てたとしても、こちらの被害も」
「黙れっ!!」
 勝てたとしても、ネオのそんな後ろ向きな言い回しがジブリールの感情を強
く刺激していた。しかし、ネオは尚も少数によるテロリズムを熱弁した。
「大艦隊など使わずとも、破壊工作の経験がある兵士を三百名、いや、二百名
動員すれば、付きにいるイアン・リー少佐と協力して……」
「ここまできてそんな真似が出来るか! 戦闘で負け続けだから、テロに走る
など、貴様、私の顔に泥を塗りたいのか!」
 何を今更、とネオは言わなかった。彼は盟主に聞こえないように溜息を付く
と、すごすごと引き下がった。仮面に隠れた顔は、失望の色で染まっている。
「まさか、盟主が大艦隊を率いて戦う魔力に取り付かれているとは……」
 盟主の怒りに触れ退散したネオだが、だからといってこの考えそのものを捨
てたわけではない。彼は優れた軍人であればこそ、今ファントムペインが窮地
に陥っていることを肌で感じているのだ。
 そんな彼の元に、側近の部下から情報がもたらされた。近々黒海にあるザフ
ト軍ディオキア基地へ、あのラクス・クラインが慰問へと訪れるというのだ。
「ラクスというと、あのラクスか」
 ネオは、今現在プラントで活躍しているラクスが、本物ではなく偽物である
ということを、とある事情から知っていた。プラントもなかなかに小細工を要
するものだと思っていたが、そのラクスが地球へ来るという。
「これは使えるかもしれんな。デュランダルの暗殺が無理でも、ラクス・クラ
インを人質にすることが出来れば……」
 偽物であることを知っているが故に、ネオの良心は痛まない。か弱い少女を
人質に取ることへの抵抗感がないといえば嘘になるが、なりふり構っていられ
ないのだ。
「盟主に言っても反対されるだけ……ならば、仕方がないな」
226運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:16:03 ID:???
 ネオは直属の部下、ステラなどロアノーク隊の面々と、重火器類を集めると、ラ
クス・クラインの誘拐計画を立て始めた。この場合、対象は何としても生きた
まま誘拐せねばならない。ここでもし、偽物とはいえラクスが死ぬようなこと
があれば、プラントはそれを口実に大攻勢を掛けてくるだろう。
 こうして部隊の中から選りすぐりの150人ほどの兵士が、ディオキアへと向
かったのだ。そしてその中に、スティング、アウル、ステラの三人も含まれて
いた、というわけである。
「ラクスってのは、プラントの象徴的存在だ。そいつに銃口を突きつけて交渉
を迫れば、奴らは嫌とはいえないってことさ」
「でもよぉ、さっきの見ただろ? 結構な人数が警備してたじゃん」
 スティングの話を訊きながら、アウルが答える。
「あれじゃ、誘拐する隙なんて何処にもないだろ」
 アウルは軽口を叩いているようだが、計画の困難さを既に見抜いているのだ。
見抜いた上で、どうするのだと仲間に問いかけているのである。
「俺達の入手した情報では、ラクスは明日の昼から夕方に掛けて市街地を回り、
明日は夜にライブをするらしい」
「となると、市街地巡りしてるとこを狙ってく?」
「白昼堂々か? そんな目立つ行動は出来れば避けたい。明日のライブが終わ
った後、夜ホテルに戻ってからだ」
「夜襲を仕掛ける分けか」
 寝静まった寝込みを襲う。暗闇に紛れ行動するのは、テロの常識だった。だ
が、それにしたって絶対というわけではない。何故、スティングが今日の夜に
ことを起こさないのかというと、今日の夜を参考に、ホテルの警備人数、配置
などを確かめておきたかったからだ。
「にしても……」
 アウルがやや不安そうに後部座席に目をやる。そこにはステラが座っている
わけだが、彼女は二人の会話に関心を示さず、ただ海を眺めていた。ステラも
また暗殺などテロリズムに秀でた能力の持ち主で、ナイフを使わせれば右に出
るものはいない。彼女と共にプラントに潜入し、最新鋭機を強奪したこともあ
る。だが、ここ最近は戦闘もないせいか、いつもボーッとしている。
「いきなりテロとか、出来るのかな?」
「さあな、でもネオは大丈夫だって言ってたろ」
 ステラの感情をコントロールできるのは、今のところネオ・ロアノークだけ
である。彼は出発前にステラに計画を言い聞かせ、彼女は笑顔で頷いていた。
「まあ、例えステラが使い物にならなくても、俺達は計画を遂行する。それだ
けのことだ」
 スティングはそう断言すると、彼らが一時的な拠点としている場所へと車を
走らせた。


 ライブが終わってから一時間ほど過ぎ、体力を取り戻したミーアは、ロッシ
ェと共に街へ繰り出した。といっても、二人きりではなく、ミーアとロッシェ
の乗る車は三大の護送車に守られ、ミーアはただ車内から外を覗くだけである。
「なんか、つまんない……」
 ミーアでなくとも、不満が漏れる状況だった。そして、ミーアは護衛の責任
者である男、正面に座るロッシェに問いただした。
227運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:18:44 ID:???
「ねぇ、少しぐらい外に出ちゃ行けないの?」
「ダメだ。危険がある」
「でも、ちょっとぐらいなら……」
 嫌々とはいえ、来てしまった以上は少しぐらい外にも出たいというもので、
ミーアには十代の少女らしい好奇心もあった。それなのに、現実はこれである。
文句の一つだって言いたくなる。
「そうはいってもな、ミーア。この町がいくらザフトの勢力下だといっても、
どんな危険があるかは分からない。君を守るものとしては」
「だって、車から眺めるだけなんてつまんない」
 それにマスコミの目もある。彼らはラクス・クラインが地球へ行くと言うこ
とで、挙って記事を書き立てたい。だが、肝心のラクスはライブを除けば盤石
の警備によって守られ、近づくことすら出来ない。これでは宣伝にならないで
はないか。
「わかった。少し歩こう」
 ロッシェは溜息を付くと、周囲の車に連絡し、一旦止まるように命じた。事
情を了解した各車から黒服のSPたちが降りてくる。
「……あれ、なに?」
 ミーアが嫌そうな表情を外のSPたちに向ける。
「何って、君を護衛する連中だ」
「護衛はロッシェでしょ?」
「専属は私だが、一人だけでは限界がある。彼らはいざというとき、君の剣と
なり盾となる」
 いざとなれば、この私さえも。ロッシェはそう言おうとしたが、ミーアはま
だ不満があるようだった。彼女に言わせれば、ロッシェは乙女心というものを
分かっていないそうなのだが、ロッシェにとって女性を扱うのと、理解するの
では雲泥の差がある。そしてロッシェは、どちらかといえば前者の方が得意だ
った。
 外に出たミーアとロッシェは、街を歩き、周囲の奇異な視線を受けながら、
短い時間ではあるが色々な場所を見て回った。
「ねぇ、ロッシェ、ホテルに戻る前に行きたい場所があるんだけど?」
「どこですか、お姫様」
 もうとことん付き合ってやろうという気になったのか、ロッシェは苦笑しな
がら答えた。
「海よ」

 絵にも描けない美しさという言葉がある。絵画などの芸術では見劣りしてし
まうような自然なままの美しさを指して言われることが多いが、夕日に染まっ
たディオキアの海というのは、確かに美しく、芸術を超えていた。
「綺麗ね……」
 しみじみと、ミーアは感嘆の言葉を漏らした。ここはディオキアにある高台
の一つ。ミーアはSPたちを後ろに下がらせると、ロッシェと共にここから景色
を眺めていた。
「あたし、海って初めて見たの。プラントにも人口の海があったけど、やっぱ
り本物は全然違うわね」
「そうだな……私も見たのは久しぶりだ」
 海になど来たのは、いつ以来だろうか? 思えばずっと宇宙で生活してきた。
228運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:21:25 ID:???
宇宙で騎士道ごっこに興じて、信じた友に裏切られ、敵と思って奴に救われ、
戦って、戦い抜いて……今では異世界の客人だ。
 母なる海という言葉がある。全ての生命は海から誕生したことを指して言わ
れる言葉だが、この世界の海は、自分にとって母なる存在といえるのだろう
か?
「柄にもないことを」
 自分がパトリオチズムを感じていることに違和感を憶えながら、ロッシェは
薄く笑った。何故か、このあかね色を見ていると、自分が異世界の住人なのだ
と言うことを改めて実感させられたのだ。
「ミーア、ホテルに戻ろう。もうすぐ日が落ちる。この美しいあかね色は、残
念ながら星空へと変わる時間だ」
 一時でも二人きりになれたことが嬉しかったのか、ミーアは素直に頷いた。

 一方ミネルバでは、休暇の申請が正式に通り、クルー全員が職務から解放さ
れた。これで休暇中は何処へ行こうと自由である。中には既に近くのリゾート
ホテルを予約している者もおり、皆が皆思い思いの休暇を楽しもうとしている。
 ルナマリアはメイリンを誘って街へ繰り出す予定なのだが、実はまだシンの
ことを気にしている。気分転換に彼を誘って見たいとも思うのだが、今はまだ
そっとしておいたほうが良いだろう。
 レイはデュランダルの到着が遅れていることに嘆いたが、気を取り直して、
いつ来てもいいように基地で待機することにしていた。
 メイリンは前述の通りルナマリアと出掛けるのだが、詳細なプランを立てた
いと妹を捜す姉に隠れて、アスラン・ザラの部屋に入っていた。彼女には、や
っておかねばならない仕事がある。
 そして、そのアスラン・ザラは意外なほどに多忙だった。
「休暇に入ったことで艦内での私的な通信規制が解除されました。だから、プ
ラントとの通信も出来ないことはありません」
 アスランの部屋では、メイリンが彼のパソコンを操作している。アスランは
この休暇がある内に、宇宙にいるイザークたちと連絡を取っておきたかったの
だ。
「また、規制解除は向こうからの通信やメールを受信することが可能になった
ということでもあります。ミネルバの行動予定は、作戦本部や国防委員会に確
認を取れば分かるはずですから、向こうから何か連絡をしてくるって可能性も
……」
 僅かな電子音とともに、アスランのパソコンにオフライン通信が届いた。
「あ、早速来ましたよ」
「さすが、イザーク……開いてくれ」
 アスランに言われ、メイリンが通信文を開くと、そこには簡素な文が一行あ
るだけだった。
<史跡近くから見る夕日は美しい>
 メイリンがそれだけしか書いていない文にきょとんした表情を作るが、アス
ランは笑みを押し殺そうと必死になっており、
「イザークらしくもない。アイツがこんな詩的な文章送ってくるなんて」
 アスランは真顔に戻ると、メイリンにこの近くにある海岸に面した史跡があ
るかどうかを調べさせた。検索して十数秒、メイリンは驚くべきスピードで探
し当てた。
「ここか……」
229運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 17:23:19 ID:???
 明日の夕日が沈む時間帯に、ここへ行く。イザークやディアッカが来るとは
思えなかったが、彼らのことだ、連絡員の一人でも送り込んできているに違い
ない。
「アスランさん、ここに行くんですか?」
 イスに座ったメイリンが、上目遣いに尋ねてくる。
「あぁ、イザークの言う夕日を見に行ってみたい」
 着いてきたい、などといわれたらどうしようかと思っていたが、メイリンは
何かを悩むように口元に指を当て、
「明日の午前中、時間ありますか?」

 予定が決まっていないと言えば、ハイネ・ヴェステンフルスもその一人であ
るが、彼は彼ですることがあった。それも現在進行形のことだ。
「今日も来てるのか……」
 ハイネは数日前からそうしているように、資料室にてアスランの監視を行っ
ていた。今回は現在作動中の監視カメラから送られてくるリアルタイム映像を
見ている。
「アスランが明日出掛ける? 史跡見物に?」
 史跡といっても、観光名所というわけではない。どちらかといえば、人も寄
りつかないような僻地にある。
「誰かと会うつもりか」
 何者かと密会する、というのなら十分あり得ることだ。だが、一体誰と?
 答えのでない問いを自分自身に投げかけながら、ハイネは資料室を後にした。
急いで用意しなければならないものがあった。

 オデル・バーネットは、決して予定がないということはない。彼は何故か地
球に来ているロッシェと会う必要性があった。だが、ロッシェはどうも職務で
地球に来ているようで、容易に会える状態ではないことが分かった。彼がミネ
ルバにいるように、ロッシェにも立ち位置があるのだろう。
 シン・アスカは、予定がないというよりは決める気がないと行った感じだっ
た。友人であるヨウランとヴィーノから、ラクス・クラインのライブに誘われ
たが、どうもあのノリにはついて行けそうもない。
「海がみたいな……」
 景色としての海を見たのは、恐らくオーブを出て以来ないだろう。折角景観
のいい場所に来たのだから、何処か眺めにいい場所で見てみたい。
 シンは何気なく考えながら、ミネルバにあるバイクの使用申請を行った。
 それぞれの思惑が、ディオキアという街で交錯する中、シンだけはその輪の
なから外れた位置にいた。少なくとも、この時点では。

                                つづく
230運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/14(金) 18:00:07 ID:???
第32話です。トリップの打ち間違えには焦った。
やっとこさ、ディオキアに到着。
モラシムを勝手に生きてることにしたのはごめんなさい。
種死って名前付きの軍人が極端に少ないので、仕方なく彼を引っ張り出しました。
ちょっとばかし重要な役所なんで、名無しの端役は嫌だったし、オリジナルキャ
ラは出さないと決めているので……

後、サブタイは他に良いのが思いつかなかったんです。ごめんなさい。
そういや、31話のサブタイを付け忘れてた。
実は本文考えるより悩む部分だったりする。
231通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 18:30:45 ID:???
GJ!
史跡で何が起こるのか楽しみ〜
232通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 18:44:27 ID:???
GJです!
233通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 18:57:37 ID:???
>モラシムを勝手に生きてることにしたのはごめんなさい。
気にするな。俺は気にしない。

まぁ、どうやっても「コレは死んだだろ」
ってヤツを生きてることにしちまったバカも世の中には存在することだし
明確に「死んだ」と描写されてない人物が生きてることくらい
気にすることも無い。少なくともオレは・・・・・

しかしロッシェは苦労人だなぁw
234通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 19:34:24 ID:???
反陽子砲の直撃食らって生きてたネオことムウよりいいさ。にしても
ジブと別ベクトルで駄目な作戦だな
235通常の名無しさんの3倍:2007/09/15(土) 21:20:35 ID:???
236通常の名無しさんの3倍:2007/09/16(日) 21:54:04 ID:???
age
237通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 21:16:00 ID:???
そういえば、リリーナが出てないのは俺の気のせい?

もしリリーナが種世界にやってきたら、ユウナがキラ達に拉致られたカガリの代理として
オーブの代表を頼まれ、オーブで完全平和主義を唱えると思う。
238通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 21:23:00 ID:???
そうかぁ?
権力持って行かれるの嫌がりそうだし、
何の保証もない人間をそんな重要ポジションにつけるとは思えん。
239通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 21:24:40 ID:???
それよかドロシーが出ないかなと思ってる俺ガイル。
あとW連中お得意の敵組織への潜入とか
240通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 22:14:37 ID:???
>>238
いろいろ異論はあると思うけど、ソックリさんだったんで影武者役に、実権は無しってのはどう?
241通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 22:28:12 ID:???
リリーナが完全平和主義を唱える世界の注目人物なのは、暗殺された外務次官の(義)娘で亡国のお姫様
という出自によるところが大きいからなぁ。
なんの背景も無いところに一人で放り出されて世界に影響を与えられるようになるまでには相当な時間が
かかると思う。10年単位で。
時間さえかければあのわけのわからないカリスマで信奉者を増やしていけるとは思うけどね。
242通常の名無しさんの3倍:2007/09/18(火) 23:04:06 ID:???
外交官としてはかなり優秀みたいだけどね
まあ出自とカリスマによる説得力が能力の大半を占めるんだろうけど
243通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 03:12:03 ID:???
リリーナがカガリにインしたお


じゃ駄目? やってくるんだから憑依もありかと
244通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 10:22:23 ID:???
ヒイロのいない世界でリリーナががんばる気になるとも思えないが。
ぶっちゃけリリーナの行動の原動力はヒイロだぞ。
逆もそうだけど。
245通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 18:04:47 ID:???
>>244
現にW-DESTINYのヒイロは茫然自失状態だしなぁ……
246通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 23:38:24 ID:???
いっその事、Wメインキャラ全員を種世界に飛ばせば良いじゃんかよ
飛ばす時期はピースミリオンがリーブラの主砲に特攻する直前に

念に書きますが、量産機パイロットと名脇役、それにOVAキャラは除外

希望としては
ヒイロ、デュオ、トロワ、カトル、ウーフェイ
リリーナ、ミリアルド、ドロシー、トレーズ、レディ・アン
ハワード、ドクターJら5人の科学者など
247通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 23:39:26 ID:???
なにそのクレクレ
248通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 00:00:37 ID:???
W世界に種、種死キャラが来るというのはどうだろう?
249通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 00:12:55 ID:???
ごひに問い詰められて涙目なラクシズが簡単に想像できます。
250通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 00:44:08 ID:???
ついでにキラもあっさり撃墜されそうだな。

つかACの一般兵はフルバーストの間棒立ちするようなボンクラはいないしw
251通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 01:15:04 ID:???
AC一般兵もなかなかの棒立ちっぷりだが、何度か交戦すれば、フルバーストに対策たてて応戦するだろーな。後の兵士の為って考えが実を結び、キラ撃墜
252通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 02:04:58 ID:???
AC一般兵はその気になればビルゴだって倒せる連中だぞ。
種の連中と一緒にしてはいけない。
253通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 02:37:01 ID:???
自軍の勝利の為に捨石になれる覚悟があるからな
相打ち覚悟の特攻も辞さない連中だし
254通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 02:51:37 ID:???
ACは一般兵描写が上手かった
適度に強いし
255通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 07:26:22 ID:???
>AC一般兵もなかなかの棒立ちっぷりだが、
これずっと言われてる事だが、AC世界ではリーオーは同じMS以外には無敵の兵器だったわけで
格闘戦以外では回避の概念が戦術そのものに無かったんじゃないだろうか
まさか一撃でMSを完全破壊できる火器が存在するとか思って無かっただろうし
256通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 20:21:18 ID:???
リーオーなら歩兵の火器で完全破壊は無理でも当たり所良ければ戦闘不能にはできるはずだよ
子供ヒイロの無反動砲でリーオーに乗ったトレーズ様入院したし
257通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 21:56:21 ID:???
AC世界にくるとなると
エレガントな閣下がいるOZ
ゼクスが指揮するホワイトファング
まとまりが無いWチーム
が迎えてくれますが、何処と戦ってみますか?
258通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 22:06:14 ID:???
どの勢力とやるにしても、質、量、覚悟、熟練度全てにおいてラクシズと違いすぎる件。
まとまりがないWチームにしてもカトルが中心にいればまとまりがでるわけだし。
259通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 22:37:44 ID:???
MD相手だと不殺とか舐めた真似が出来ないから
負けても手加減してたって言い訳は不可能
260通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 23:13:16 ID:???
逆に五飛辺りに不殺されて、弱い者は戦うな。と言われ無理やり和田から降ろされ和田スクラップ、じゃない。
261通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 23:44:59 ID:???
Gチームは一人でもテロのする事は一通りできるから
わざわざガンダム持ってこなくても勝てる。
例えばラクシズに潜入するとか
262通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 23:53:45 ID:???
正面からブッチギリ特攻上等な五飛ですら潜入して宿舎爆破とかしてたしな
ガンダムチームとマジでやりあったら戦争の前に多分全員暗殺される

トレーズとゼクスは馬鹿正直にドンパチやりあうと思うが
263通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 23:58:26 ID:???
種ならともかく、種死の高性能MSで遠距離戦しかこなせなくなったキラ(ラクシズ主力)に
プラネイトディフェンサーが攻略できるとは思えんぜ
264通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 00:10:53 ID:???
AC側のMS
OZ トールギス2 01
WF エピオン 赤鬼 青鬼
G  0 02〜05

量産機のぞいてもやばすぎないか?
265通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 00:22:06 ID:???
Gチームを負かす手段がラクシズにあるとしたら
それはコロニーを盾に取るといったレディの作戦をするか
コロニーを全部乗っ取るかだな。
266通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 00:31:44 ID:???
マリーメイアと同じことをするのか
ラクシズなら平和を求めて立ち上がった市民をMSで制圧するだろうな
267通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 00:37:27 ID:???
大丈夫です。
市民は偉大なる我らの太陽、ラクス様に逆らいません。
またラクス様が開放なされた国の民は全てラクス様の威光に服しますので、
脅迫したりする必要はありません。

…いや、まじで、ラクスの能力ってそういうもんだろ。
268通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 08:35:29 ID:???
>>267
それはX運命だろw
269通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 15:05:10 ID:???
いや、でもさー。演説の時に種割れ起こしてからするってのはさー
説得力やらカリスマやらを上げるってことだろ?
つまり強引に自分の意見に従わせるって事

それって平たく言うと、洗脳するって言わね?w
270通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 23:06:02 ID:???
種割れとカリスマは関係ないと思うが
271通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 01:12:19 ID:???
コロニーがラクシズについたら確実にカトルがキれます
272通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 08:26:17 ID:???
狂カトル再び
273通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 09:40:55 ID:???
でもレディ・アンにコロッと乗せられるコロニー市民ならラクスの上辺だけで騙されそうだ
274通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 09:58:21 ID:???
レディはあの時は本心からあの行動をとってたからな
真摯な行いは人の心を打つもんだ
275通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 20:18:59 ID:???
あの時はマジで二重人格だったからな。>レディ
小説版だとトロワに言われた言葉に傷ついたりもしてたし。
276通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 20:31:39 ID:???
>>217
アスランをラスボスにするには、
Wクロス的に「エレガントが足りない」ということだと思う
特に額の
277通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 21:02:40 ID:???
>>273
ラクスには上辺すらないだろ、あいつがコロニー市民に何を提供できるというのだ?
278通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 22:13:33 ID:???
>277
ファクトリー製の武器だよ、きっと
279通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 22:26:01 ID:???
電波全開の言葉
280通常の名無しさんの3倍:2007/09/22(土) 23:07:12 ID:???
警備員に変装したヒイロかデュオがオーブ行政府を爆破する
281通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 18:15:05 ID:???
そんなバカなことはしない
282通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 21:59:56 ID:LTL3Kbz0
>>267
ヒイロによる暗殺が実行される
283通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 22:28:24 ID:???
>>267
ばかだなぁ。 あのピンク娘程度の力でトレーズ様に勝てるとでも?
284通常の名無しさんの3倍:2007/09/23(日) 22:42:03 ID:???
>>267
コーディネーターはどう考えてもラクスに対する服従遺伝子が刻まれてるんだろうが
ナチュラルにはないから反逆すると思うぞ。
285通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 08:30:24 ID:???
連射可能なツインバスターライフルがあれば種の世界消滅させられるな
286通常の名無しさんの3倍:2007/09/24(月) 14:33:24 ID:???
ツインバスターで回転するやつあったけど、あれってどんどん距離が伸びてくのかね?
287通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 00:00:36 ID:???
結構伸びてたからな・・・確か最初から一定だったと思う
そもそもガンダムW系の出力って何 核融合? 
288通常の名無しさんの3倍:2007/09/25(火) 17:26:37 ID:???
一定なんだ
ありがと
289運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/09/27(木) 03:29:33 ID:???
申し訳ありません。
PCがぶっ壊れてデータが吹き飛んだため、
しばらく投下は無理そうです……。
書き溜めてた分から、全話構成プロットまで全部消失 orz
290通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 13:22:39 ID:???
なんだってーーーーーOTZ
俺はいつまでも続きまってますよ
291通常の名無しさんの3倍:2007/09/27(木) 15:42:46 ID:???
>>289
なんたる事ぞ…どうして面白いSSの作者氏ほど忙しさで滞ったり
PCの破損等に見舞われたりするのだ……orz

せめてご復帰までに、30話〜32話までクロスオーバー倉庫にまとめておきたく思いますが
どうも31話のサブタイトルが見当たりませんようでして、何というお題で
>>200-205でのどのあたりに挿入すべきかご一報いただければ幸いです。
292通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 01:23:03 ID:???
データの予備とか作ってないの?
293通常の名無しさんの3倍:2007/09/30(日) 23:58:40 ID:???
SS作者のPCは良く壊れるの法則発動w
294通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 18:14:20 ID:???
保守
295通常の名無しさんの3倍:2007/10/01(月) 23:21:34 ID:???
狂人が池沼の群れの中に入ったところでただ混乱するだけで何も生み出さない
296通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 20:29:31 ID:???
本スレとズレるが

宇宙世紀0153年に起きたザンスカール紛争がきっかけで
腐敗した地球連邦に代わり、地球権統一連合が発足した
統一連合は圧倒的な軍事力を持って、各コロニーを武力制圧をする
そして、各コロニー間の連帯を断つため、交流と通信を断絶させたのである
そして……

宇宙世紀0195年、作戦名「オペレーション・メテオ」
連合に反目する一部のコロニー区住者たちは、巧妙に擬装した新兵器を地球に送り込む行動に出た。
しかし、この作戦はすでに連合本部に察知されていたのである――。
297通常の名無しさんの3倍:2007/10/03(水) 20:53:04 ID:???
そしてそれから数十年たつと、重力制御技術とナノマシン技術を完成させた人類の実力者達は
汚染された地球を捨て大陸型コロニーで宇宙から地上を支配する。
そして放棄された戦争の代償行為としての、ガンダムファイトが始まり…
298通常の名無しさんの3倍:2007/10/04(木) 08:35:28 ID:???
100年程度でえらい進化だなw
299通常の名無しさんの3倍:2007/10/04(木) 18:38:03 ID:???
>>296-297
UCとWの間にXを入れてほしいw
300通常の名無しさんの3倍:2007/10/04(木) 18:57:51 ID:???
>>297,299
むしろWの中にGとXを入れて欲しい
301通常の名無しさんの3倍:2007/10/04(木) 19:30:51 ID:???
>>300
宇宙世紀0195年、作戦名「オペレーション・メテオ」
その日、地上に無数のコロニーが降り注ぎ、宇宙世紀は終わりを告げた。
荒廃した地上を捨てた人類は宇宙に新たなコロニーを築き地上を支配した。
302通常の名無しさんの3倍:2007/10/04(木) 20:43:06 ID:???
5つのコロニーに搭乗した少年がコロニー落としを実行
ウィングコロニー
コロニーデスサイズ
コロニーヘビーアームズ
コロニーサンドロック
シェンロンコロニー
303通常の名無しさんの3倍:2007/10/04(木) 21:04:14 ID:???
確か、オペレーション・メテオって
地球にコロニーを落とし、その混乱に乗じてガンダムで制圧をする地球侵攻作戦で、
科学者たちは地球環境の壊滅と人類の大量虐殺を避けるために作戦内容をガンダムのみ降下する
作戦に変更したんだよね?

それなら、ドクターJ等は>>301の作戦を絶対に反対するんだと思うんだが……
なんだか種死とはだいぶ離れていくような気が・・・
304通常の名無しさんの3倍:2007/10/04(木) 21:48:17 ID:???
>>303
取り合えず、スレを立ててみた・・・

ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1191502029/
305通常の名無しさんの3倍:2007/10/05(金) 02:47:54 ID:???
いきなり新スレ立てるほど盛り上がってねぇよ……
しかも内容的に旧シャアだろ。
306通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 06:23:23 ID:???
エンドレスワルツを夜中に放送していたが、
まさかOOがそれの二番煎じという暗示か?
307通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 16:18:48 ID:???
>>306
超えてみろというエールかも試練
308通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 21:00:45 ID:???
上の流れだとXの戦争ってUCのは数に入ってない?
309通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 21:17:46 ID:???
何時やってた?>エンドレスワルツ
310通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 21:26:50 ID:???
検証してみようか。
ガンダムX、冒頭が第7次宇宙戦争だよな。

1.ジオン独立戦争
2.グリプス紛争
3.第1次ネオジオン戦争
4.第2次ネオジオン戦争
5.クロスボーンバンガード
6.サンスカール帝国
7.ホワイトファング

木星帝国とかデラーズフリートとかは戦争と言うほどの規模じゃない
ので抜いたが…やはり数が合わないな。
グリプス紛争は連邦軍内部の内輪もめなので戦争じゃない、って言えば
何とかなるけど。
311通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 21:39:59 ID:???
>>310
いや第7次はXの冒頭でやった戦争だから、Wのホワイトファングは関係ないと思うんですが
312通常の名無しさんの3倍:2007/10/07(日) 23:18:12 ID:???
>>311
だから数が合わなくなっちゃうな、という話だと思うんだが。
313通常の名無しさんの3倍:2007/10/08(月) 00:45:33 ID:???
イラクでもブッシュジュニアは「戦争終結宣言」をしたが実際はどうみても終わってません本当に(ry
な状態だから、後世の人からすれば幾つかの戦争は一まとめになっちゃうのかもよ?
314通常の名無しさんの3倍:2007/10/08(月) 19:58:05 ID:???
グリプス戦役と第1次ネオジオン戦争 を一つにしちゃっても良いんじゃね?
315通常の名無しさんの3倍:2007/10/08(月) 22:42:59 ID:???
保守
316通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 01:03:55 ID:???
1.ファースト
2.Z
3.ZZ
4.逆シャア
5.F91
6.V
7.第7次戦争
その後X→W→G→→→∀かと

種…X〜∀のどこか?
OO…第1話見たけど分かんね
317通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 06:23:45 ID:???
俺の予想だが、1st〜Xの後が∀
種〜OOは別の時間帯だと思うんだが……
318通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 08:36:29 ID:???
だから∀はSD以外の全てのガンダムの後だと何回(ry
319通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 12:48:54 ID:???
宇宙移民開始が宇宙世紀元年でしょ。
なら軌道エレベータめぐって争ってる段階の00は普通にUCの前でいいと思われ。
……技術レベルなんか気にしませんよ?
320通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 15:19:07 ID:???
待った待った、各宇宙暦の改元が常にすんなりバトンタッチされたとは限らんぞ。
任意のシリーズの最終回の後年、さらに破滅的な戦争があって、その結果
よくて石器時代への回帰、ヘタすりゃイデオンばりの滅亡と再生があって
そこからまた西暦まで経てガンダム付きの宇宙時代へ漕ぎつけ……とかいうのを
何度か繰り返して∀本編に至った…のかもしれんじゃないか。
(∀の光臨と月光蝶の埋葬も正暦前の一回だけだったとも限らなかったりだな)
おそらく00の西暦もそんな繰り返されてきた多くの西暦のひとつかと。
あるいは軌道エレベーター戦争という事から実は時空振動弾の影響が(ターン
321通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 16:18:50 ID:???
>>320
普通にそうだと思っていた俺なんなんだ。

UC→X→W→Gの間には∀の破壊と再生があり、かつての失敗の記憶が宇宙にでたことによって蘇り、同じ徹は生踏まないようにしたのがそれぞれの世界だと思ってた。
X→より完璧な破壊
W→平和路線への転換
G→より完全に近い平和の社会
と思ってた。
322通常の名無しさんの3倍:2007/10/09(火) 17:57:48 ID:???
少なくとも月の風でCEは黒歴史の中に入ってる
323通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 00:55:49 ID:AvMjclC0
ここのスレは安心して話せるから好きだな
324通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 01:57:14 ID:???
まあタイムマシーンにしなくても平行世界が収束した未来の∀で成り立つけど
325通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 15:34:28 ID:???
∀は再生のたびに素敵なナノマシンパワァで20世紀末ぐらいの世界をまるごと再現してたから
どの世界も当然のようにホンコンとか存在するしXの医者が古典詩を知ってる
しかし∀直前の破壊再生のときだけターンXが妨害したので文明再現ができてなかったり
かわりに黒歴史のMSを再現するバグが生じたという俺妄想
326通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 19:18:24 ID:???
C.Eも重大なバグが発生してないか?
327通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 20:22:24 ID:???
W以降、MSによる戦争がなくなったことを考えると、種を入れ込むならXとWの間かな。
肉体的な超人度でもX<種<W<Gで、ニュータイプとは別種類の進化と言えなくもないw
そうすると、スカンジナビア王国とサンクキングダムが歴史的につながるかもしれない…と、俺妄想。
328通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 20:46:04 ID:???
WのOVAラストで火星の開発を本格的にはじめる、って話があるから、
W→種の方がその点ではつながりが良いよ。
329通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 21:24:38 ID:???
火星圏から遺跡が発掘されたりするんだろ
種世界の人間のメンタリティは北斗の拳の核戦争後の世界並みなので
文明がC.Eにリセットされる時点で旧石器時代レベルにまで退行してるに違いない
330通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 22:16:35 ID:???
ちなみにGの頃には火星はリゾート地になっている
331通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 00:22:46 ID:???
>種世界の人間のメンタリティは北斗の拳の核戦争後の世界並みなので

謝れ!北斗の拳の世界の人たちに謝れ!!!
332通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 06:05:48 ID:???
ヒャッハー!MSだぜ〜!!!
333通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 08:54:08 ID:KnMvnuMW
拳王軍団はあんななりでかなりまともな集団だったよな。
334通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 09:35:12 ID:???
獄長(・∀・)イイ!!
335通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 12:41:21 ID:???
種人類は名無しモヒカンと同レベルのモラル
336通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 18:34:37 ID:???
違うモラルは有る(一部除く)アタマの出来が同レベル
337通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 20:29:01 ID:???
>>333
いや、「そんなババァ」とかも拳王軍だぞ?
338通常の名無しさんの3倍:2007/10/11(木) 22:44:40 ID:???
Xでは本当にモヒカン刈りの悪人が跋扈してたな
339運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:12:03 ID:???
ご無沙汰です。投下します。
340運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:14:25 ID:???
 地球にいるアスラン・ザラと連絡を取るために、サトーが派遣したメンバー
は、ヨップ・フォン・アラファスという男を隊長にした面々だった。隊長のヨ
ップは“フォン”などと名前に付けているが、決して貴族というわけではない。
コーディネイターとして自分は高貴な存在であることを誇示するために、好ん
で名前に加えているのだ。
 性格は、典型的なナチュラル蔑視、コーディネイター至上主義の持ち主で、
彼がザフト軍を抜けた理由も、ナチュラルとの融和路線を図った最高評議会に
嫌気がさしたからと言われている。年齢から言えば、アスランやイザークたち
よりも歳は上なのだが、サトーに比べればまだ若い。過激な一面も持ち合わせ
ているため、サトーらの中では問題児でもあったのだが、彼はザフト軍では特
殊部隊に所属しており、潜入工作等が得意であったため今回の任務に選ばれた。
 命令を受けたヨップは、精力的に活動をはじめた。自分と同じく、潜入工作
の経験があるものを中心に、五人ほどの人間を選び部隊を結成し、地球に向か
う準備をする。この戦時中、地球に降りることは大変難しく、民間シャトルな
どもかなりの数が規制されている。 また、ザフトを脱走、もしくは除隊した彼
らが正規の手続きを行うことは不可能に近く、地球へは密航する以外の手段が
なかった。
 ヨップは、特殊部隊時代のルートを使って裏社会の商人と連絡を取り、地球
へ密航者を送っている貨物船への乗船を取り付けた。何処の世界にも、金さえ
払えばどんな仕事でもする人間はいるのだ。
 こうしたヨップの働きをサトーは感心して眺めていたが、彼には不安もあっ
た。性格上、ヨップが地球において軽率な行動に出るのではないかと思ってい
たのだ。
「今回の任務はあくまで地球にいるアスラン・ザラと連絡を取る、それだけだ」
 なので、出発前にサトーは改めて任務の確認を行った。
「ウルカヌスの現状と、プラントの状況、主に宇宙で起こったことを中心に話、
彼の意見と命令を聞いてくる。余計なことは考えず、任務遂行後は直ちに帰還
することを心がけろ」
「分かっています。必ずやアスラン・ザラと接触を果たし、彼の意思を訊いて
参ります」
 礼儀正しくヨップは了解したため、サトーもひとまずは安心した。第一、軽
率な行動といったところで、ヨップが地球で出来ることなどたかが知れている
し、何か問題が起こることはないだろう……
 少しは部下を信頼してやるべきだ。サトーはそう結論づけると、ヨップを送
り出した。ヨップはウルカヌスを離れ、密航船で地球へと向かっていった。航
路の都合も含め、一週間程度の予定である。
 何も起こらなければいい、サトーはそう思っていた。
 だが、この人選を後日、サトーらは後悔することとなる。



             第33話「一つの出会い」

341運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:17:03 ID:???
 ラクス・クラインことミーア・キャンベルは、ディオキア市内の高級ホテル
に宿泊している。彼女はVIPではあるものの、軍関係者ではないため、ディオキ
ア基地に宿泊することは出来ないのだ。
 部屋は当然のように最上階のスイートルームで、調度品から外の景色まで、
プラントでは味わうことのない贅沢だった。
 警備の方も無論万全で、部屋の外では二十人のSPが警戒をしており、ミーア
の泊まる部屋と直結したコネクティングルームには、専属護衛官であるロッシ
ェが待機している。護衛官はベッドルームも同室にすべきだという意見もあっ
たのだが、女性に対しての礼をかくとロッシェが拒否した。ミーア自身は、同
室でも全然構わないと何故か熱っぽく言っていたのだが、結局、ロッシェはコ
ネクティングルームに入り、ミーアは部屋に一人となった。
 そして、ディオキアでの二日目の朝。
「あれ、ロッシェ、もう起きてるの?」
 まだ、朝日も昇ったばかりといった時間、ミーアはこっそりと隣室を尋ねた。
彼女なりのいたずら心か、ロッシェの寝込みを襲う、もとい寝ているベッドに
潜り込んでしまおうと考えたのだが、ロッシェは部屋で優雅に紅茶を飲んでい
るではないか。
「ミーアか、おはよう」
「お、おはよう」
 考えてみれば、なかなかに恥ずかしい状況だ。寝間着姿で、しかも枕持参で
ノコノコと隣室に入ったのだから。
「ロッシェ、もしかして寝てないの?」
 早くに起きている彼が、もしかして寝ずに隣室にいたのではないかと思い、
ミーアは尋ねる。
「いや、軽く睡眠は取った。寝不足じゃ護衛官は勤まらないだろう?」
 これがミーアを納得させるための嘘であったかどうかは分からないが、少な
くともロッシェは疲れを感じさせない表情だった。
 ミーアが自室に戻って着替えを済ませると、朝食を取るために二人でホテル
のレストランへと向かった。
 レストランの外や中には、ラクス・クラインを取材したくて堪らないマスメ
ディア関連の人間が大勢いた。ある程度はマスコミも許容するべきだとの意見
にロッシェも妥協はしていたが、警戒するのは当然であり、
「ここは食事を取る場所だ。マナーを守っていただけるか?」
 と、食事中に取材を申し込んできた礼儀知らずを追い払ってしまった。
 このように手厳しいことを言われれば、事情を分かっているとはいえ反感を
禁じ得ないのがマスコミというものである。しかし、そうなってくると、彼ら
には一つの疑問が浮かび上がる。そもそも、ラクスの専属護衛官をしているこ
の男は何者なのか? という話だ。
 ザフトのエリートのみが着ることを許される赤服を綺麗に着こなす金髪美形
の男。ラクスと並べれば良い絵図らなのだが、この男の情報は一切無い。ザフ
トに問い合わせても、護衛内容の詳細を明かすことは出来ないとの返答であり、
謎は深まるばかりであった。

 この日、ディオキア基地では昨日とまた違った意味で慌ただしい状況にあっ
た。一部の人間には知らされていたのだが、プラント最高評議会議長ギルバー
ト・デュランダルが、本国から地球へ、視察のためにやって来るというのだ。
342運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:19:52 ID:???
「自分は前線にも顔を出すっていう一種の宣伝活動だろうな。歴代の議長でも
戦時中の地球に訪問してきた例は皆無に近いし、自分はこんなこともするんだ
ぞってのを国民にアピールしたいのさ」
「じゃあ、どうしてお忍びなんだ? もっと、大々的に宣伝すればいいじゃな
いか」
「馬鹿、そんなことしたら真っ先にテロの対象になるじゃないか。いくら、デ
ィオキアがザフトの勢力圏内でも、遠いプラントにいるはずの議長が地球に来
るんだ。ファントムペインも多少の無茶はするだろうよ」
「なるほどねぇ……」
 ディオキア基地の兵士たちは囁きあうが、彼らの推測は間違ってはいない。
彼らの議長は、自分が地球へ訪問することに前線で活動する兵士と、本国の国
民にかなりの政治的宣伝効果が見込めると考えたのだ。
 勿論、公人としての職務も含まれているのだが、それは何も議長自らが地球
に赴いてするほどのことではない。だからこそ、宣伝としての側面が強くなっ
てしまい、事情と状況を理解できる者からすれば、見え透いた行動のように思
えてしまうのだ。
 だが、それらを理解した上で今回の訪問に納得し、彼を出迎えるための準備
をする者も当然いる。
「政治家ってのは少しでも自分を偉ぶってみせるために、色々と演出しないと
やっていけない人種なのさ」
 基地司令であるモラシムに頼まれ、早朝から基地内の警備案をまとめている
ハイネ・ヴェステンフルスである。彼は、今日は予定があるため、出来ればこ
のような面倒な仕事は避けたかったのだが、せめて議長が到着する午前中だけ
でも頭を下げられては断るわけにもいかない。
「まあ、アスランが例の場所に行くのは夕暮れ時だ。その時までに解放されれ
ばいい」
 そのアスランは、現在メイリン・ホークとともに街に出ているという。多少
気になるところではあるが、如何にも街へ繰り出すと行った格好のメイリンを
見る限り、デートに近い物のようだ。
 ちなみに、そんな妹の姿を見せつけられ、さらに自分との約束を午後に回さ
れたメイリンの姉、ルナマリア・ホークは、妹とアスランがそのような関係に
あったことに多大なショックを受けたらしく、茫然自失状態でへたり込んでし
まったという。これは、アスラン・ザラとそのような関係にあるということよ
りも、妹が自分より先に彼氏を作ったという事実に打ちのめされたらしい。
 ルナマリアは、事の次第をすぐに友人であるシンやレイに伝えようとしたが、
シンは早くからどこかへ出掛けており、レイは議長の出迎えに忙しく動き回っ
ている。結局、一人で悶々とするしかなかった。とりあえず、帰ってきたら問
いつめるつもりではあるが。

 そのアスラン・ザラと、メイリン・ホークは、ディオキアの街にいた。ハイ
ネの推測通り、それはデートと何ら大差ないものであり、メイリンはアスラン
を連れて、ショッピングを楽しみ、公園を歩き、恋人気分を満喫していた。ア
スランとしては、このようなことは本意ではないのだが、不本意というほどで
はない。可愛い女の子とデートをして不満を漏らすほど、アスランは性格は悪
くない。それにメイリンには日頃から世話になっているし、買い物ぐらい付き
合って当然というものだろう。
343運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:23:01 ID:???
 やがて、昼も近くなったとき、二人は大通りのオープンカフェへと入った。
アスランは無難にコーヒーを頼み、メイリンはケーキセットを頼んだ。
「……メイリン、君は俺に何か話があったんじゃないのか?」
 コーヒーに口を付けながら、アスランは尋ねた。昨晩の彼女の口振りからし
て、そうだと思ったのだが、今のところそう言った話はない。
「アスランさん、折角のデートに水を差すようなことを言わないでください」
「デートって……」
 これはやっぱり、デートだったのか? と口に出さなかったのは、アスラン
がある程度人として成長していたからだろうか。とにかく、これ以上はメイリ
ンの気分を害してしまうと思い、アスランは沈黙を余儀なくされた。
 そんなアスランは、メイリンは苦笑気味に見つめていたが、やがて小さく溜
息をつくと、辺りをこっそりと見渡した。
「話したいことはありますよ。だから、わざわざ、街に出てきたんじゃないで
すか」
「ミネルバの中じゃ、ダメなのか?」
「そう、ダメなんですよ」
 メイリンはそうして語り出した。その口調はわざと真剣みを帯びない、自然
な口調だったが、内容を聞くうちにアスランの方が顔色を変えてしまった。
「それは本当なのか?」
 慌てた口調になるアスランだったが、その口をメイリンの人差し指が塞いだ。
「焦らないで、あくまで自然を装ってください。周囲の人が訝しがります」
 あくまで冷静なメイリンにアスランはいくらか落ち着きを取り戻し、コーヒ
ーを飲むことで気分を整えた。
「しかし、何だってこんな話を、それも街中で……」
「艦だとまずい内容だからですよ」
「だったら、もっと人気のない場所で」
「だって……そんな場所に行ったら、何をされるか」
「おい!」
「冗談ですよ。ちゃんと理由もあります」
 メイリン曰く、殊更にヒソヒソと行動するとかえって怪しく、疑念を抱かれ
やすい。ならば、敢えて街中という人通りの多い場所、しかも誰もが出入りす
るカフェの方が自然な会話が出来るというのだ。
「なるほど。君の言うとおりだ。だが、この情報は確かなのか?」
「ここで証拠を提示することは出来ませんけど、確かです」
 メイリンの情報収集能力には定評がある。アスランも協力者としてメイリン
の実力は高く評価しているし、疑いようがなかった。
「アスランさん、アスランさんが何をしようとしているのか、私は知りません。
でも、この事は頭に止めておいたほうが良いですよ」
 注意を促すメイリンに、アスランは黙って頷いた。彼の頭の中では、既にこ
の情報をどう処理するかということで一杯になっていた。
「今日、例の場所に行く前に話しておこうと思ったんですけど、どうでした?」
「あぁ、助かったよ。知らずにいたら、どうなっていたことか」
 頷くと同時に、アスランは改めてメイリンの有能さに感服していた。ここま
で使える人材が身近にいるというのは、アスランにとってかなり有利に働いて
いるだろう。
「メイリン、この件の処理が終わったら、君に全てを話す」
344運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:25:00 ID:???
 ここまで巻き込んだ以上、もう後には引けない。意を決して、アスランは言
った。
「……わかりました。待ってます」
 メイリンは、期待と不安を織り交ぜた表情で、こくりと頷いた。


 その頃、ディオキア基地ではデュランダルの搭乗したシャトルが到着してい
た。最高評議会議長の到着といっても、事は内密に勧められており、盛大な歓
迎式典があるわけでもなく、会見が行われることもない。
 彼は基地司令のモラシムに迎えられたが、すぐに専用車に乗ってホテルへと
移動した。このホテルは、ラクス・クラインことミーア・キャンベルが滞在し
ているのと同じホテルである。マスコミが多いのが難点ではあるが、ラクスを
警護するために万全の体制が敷かれており、同時にそれをデュランダルを守る
ために使えるのが利点であった。
「口で言うのは単純だが、同時に二人の人間を守らなきゃいけないSPの身にも
なって見ろよ……」
 ハイネはこの奇妙な状況に毒づく。実際問題、議長とラクスではどちらを優
先して守るべきか判断に迷うところだ。方や国の代表で、方や国の象徴的存在
だ。選べるわけがない。
「俺の仕事は終わった」
 そう呟くと、ハイネは基地に戻った。そして、基地の備品管理室へと向かう。
そこには、彼が、昨日のうちに用意させているものがある。
「ご所望の品は全て用意できましたが……一体、何をするつもりなんです?」
 管理を任されている職員が、困惑気味な表情でハイネを訪ねた。彼がテーブ
ルの上に並べたそれは、軍用の双眼鏡、半径700メートル圏内の音声を拾うこの
とできる高性能集音マイクと録音機器、望遠カメラ、さらに簡易ステルス機能
を備えた覆面車両である。
「これは全部、諜報部員や、特殊部隊が使う代物だ。スパイごっこでもはじめ
るつもりですか?」
 冗談のつもりで言ったのだが、笑わないハイネの顔に、職員は押し黙った。
ハイネはフェイス特権を駆使して、強引にこれらの備品を借り受けたのだ。
「申請時にもいったが、公式記録には残すなよ」
「ですが、貸出記録がないと定時チェックの時にばれます」
「なら、適当に偽装しろ。要は俺が使ってることが、対外的にばれなければ良
いんだ」
 なんと言っても相手は特務隊であり、断ることなど出来そうもなかった。
「明日の朝、いや、夜のうちに返す。それまで何とかしてくれ」
 ハイネは備品をリュックに詰めると、すぐにミネルバに戻った。そして今度
は、ミネルバの備品管理のクルーを捕まえて、こう尋ねた。
「今日、ドライブに行きたいんだが、ミネルバの地上車は使えるか?」
 クルーは手元の端末を操作し調べたが、すぐ申し訳なさそうに首を振り、
「残念ですが、今日は別の方が使用申請をされてまして……」
「別? 一体、誰が?」
「パイロットのアスラン・ザラが、昨日の夜に申請を」
「そうか、なら基地の方で借りるとしよう。ありがとう」
345運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:26:56 ID:???
 礼を言ってクルーと別れると、ハイネはその足で格納庫へと向かった。そし
て、アスランが今日乗る予定である地上車に追跡装置を取り付ける。これはと
ても小さく偽装されており、通常の装置探索機では発見されにくい軍用のもの
である。例え相手が10q以上離れていても追跡可能という優れものだ。
 これを車に取り付けて、準備はほぼ完了となる。
「後はやつが帰ってきてからだな……」
 自分は何をやっているのか? もしかすると、凄く馬鹿なことをしているの
ではないか?
 ハイネは、頭に浮かんだ考えを、振り払った。ここまできて、止めるわけに
も行かない。アスランに怪しい部分があるのは確かだし、裏を取っておく必要
がある。白なら白で、黒なら黒で、ハッキリさせておいたほうが良い。
「お前の本性を見せて貰うぜ、アスラン」

 ホテルへと到着したデュランダルは、VIP専用の通路から入り、彼の泊まる部
屋へと向かった。部屋は、このホテルで2番目に豪華で高級な部屋とされている。
本来なら、最高級に止まるのが普通なのだが、生憎その部屋は既にラクスが使
ってしまっているのだ。
「ギル、お久しぶりです」
 部屋の前には、レイが待機しており、デュランダルを温かく迎えた。
「レイか。久しぶりだね」
 デュランダルは彼を部屋に招き入れると、彼との隔たりのない会話に花を咲
かせた。それは互いの日常生活に関することだったり、プラントにおける世間
話など、両者の役職には関係のない話が多かった。
「そうだ、レイ。君以外のミネルバクルーは、今日どうしてる?」
「私以外の、ですか?」
 そんなこと言われても、レイが知るわけがない。ミネルバのクルーといって
も、人員数は膨大であり、その全ての行動予定をレイが把握しているわけはな
い。
「言い方が悪かったな、具体的には艦長やモビルスーツパイロットたちのこと
だ。出来れば、今日の夕食を彼らと取りたいと思っていてね」
「なるほど……ですが、彼らは休暇中ですから、今日もほとんどの人間が外出
中です」
 同室のシンは朝早くからどこかに行ってしまったし、アスランもミネルバに
はいない。ルナマリアはメイリンと街へ繰り出す予定だそうだし、ハイネに至
っては忙しそうに動き回っていた。
 まあ、艦長や副官は呼べば来るだろうが……
「では、すまないんだが、彼らが帰ってき次第、伝言を頼めるかな?」
「わかりました。伝えておきます」
 将兵を労うのも、最高評議会議長であるデュランダルの役目なのだが、彼は
何せ内々にこの場所へ来ているため、そう目だった行動も出来ないのだ。
 だから、親交深いミネルバの将兵を呼ぶわけであるが、これには別の目的も
ある。デュランダルがプラントに帰還次第、今回の地球訪問は公開情報となる。
そして、ミネルバクルーを労ったことも、周知の事実になるだろう。
 すると、ミネルバのこれまでの功績を議長が褒め称えた形となり、以前の失
態で周囲から厳しい目で見られているミネルバへの評価を見直させることにな
るだろう。
346運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:31:02 ID:???
 まあ、この政治的配慮は、ミネルバのため、というよりはかつての恋人へ便
宜を図っているだけにも見えるが、こうすることでミネルバ側も、議長への恩
義を感じるだろう。そうなれば、デュランダルはミネルバという強力な部隊を
自分の手駒として使うことが出来るのだ。
 ハイネやロッシェがこの事を知れば、「議長も何と浅ましい考えをするもの
だ」と批難しただろう。
 だが、デュランダルにしてみれば半分は善意も含まれているので、それは心
外というものだったに違いない。


 ところで、テロをしきりに警戒しているザフトであったが、実は彼が滞在し
ているホテルは、現在テロの標的となっている。
 そう、ネオ・ロアノークの指示により派遣された、ファントムペインのテロ
実行グループがディオキアの街に進入しているのだ。
 彼らの目的は、プラントにとって最高評議会議長と並ぶ重要人物とされるラ
クス・クラインの誘拐であり、それはとてつもなく困難なことだった。しかし、
計画遂行を任されたスティングはネオが立てた作戦原案を基に計画を練り、完
全とは行かないまでも、万全に近い形でテロを行おうとしていた。
 が、今現在彼らには別の問題が浮上していた。
「ステラが、いなくなった?」
 報告を聞いたスティングは、頭を抱えてしまった。何と大事な計画実行前に、
ステラ・ルーシェがどこかに消えてしまったらしい。元々、精神状態が常に不
安定な少女で、こういう事は多々あった。
「けど、今回は場所が場所だ……さっさと見つけださんと」
 ステラの口から計画のことが漏れるということは、まずあり得ない。彼女に
は計画の触り程度しか教えておらず、具体的内容は決行ギリギリに叩き込むつ
もりだった。
 それでも、ファントムペインの人間だということがバレれば、ディオキア基
地のザフトに拘束されてしまうだろう。
 スティングは、アウルを呼び出すと、彼にステラの捜索を命じた。
「えぇっ!? 何で俺がそんなことしなくちゃいけないんだよ」
「俺やお前のほうが、他の人間よりステラの行動パターンがある程度判ってる
し、連れ戻すときに抵抗もされないだろ」
 なまじ、他の人間に探させると見つからないかも知れないし、見つかったと
しても彼女が警戒して逃げ出してしまうかも知れない。
「だったら、お前が行けばいーじゃんよ」
「俺は計画の遂行で忙しいんだよ! いいから、さっさと行ってステラを連れ
戻してこい」
 ステラは車やバイクの運転が出来ない。いや、正確には出来るのはずなのだ
が、特に運転したことはない。だから、彼女の移動はモビルスーツ以外では他
者が運転する乗り物か、徒歩だ。今回は徒歩で姿を消しているから、そんなに
遠くには行っていないはずだ。
「チッ、判ったよ」
 嫌そうに出て行くアウルだったが、彼が本心で嫌がっていないことをスティ
ングは知っている。何だかんだいって、アウルは同年代の異性であるステラに
好意を持っており、彼女のことを大切に思っている。
 素直じゃないので、彼女をいじめてばかりなのが、難点だが。
347運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:52:50 ID:???
 アウルがステラ探しに出発した頃、ミネルバのシン・アスカが目的の場所へ
と到着していた。
「ここか……」
 彼は海がよく見える高台へと来ていた。
 奇しくもそこは、前日にミーアとロッシェが訪れた場所で、人気が無く、静
かであった。
 海が綺麗に見える場所に行きたい、そう思ってこの高台に来たシンだったが、
人っ子一人いないことに少なからず驚いていた。そんなに人混みが好きなわけ
でもないので、観光スポットから外れた所まで遠出してきたのだが、誰もいな
いというのは予想外だった。
 シンは、石造りのベンチに腰掛けると、黙って海を眺めていた。一見すると
暇そうに見えるが、彼にはこの静かな風景が、とても大切に思えた。ここには、
争いとか、憎しみとか、そういうものが一切無い。
「いいな、こういうの」
 こんな風に、海を眺める事なんていつ以来だろうか? ここに来るまで、戦
いの連続だった。
 戦って、殺して、生き抜いて……。得るものは何もなく、逆に失ったものの
方が多かった、無意味な戦闘。
「俺は、何のために」
 戦ってきたのか。ガルナハンで見た光景は、シンにそう問いかける。別に、
ヒーローになりたかった分けじゃない。感謝されなくても良い、ただ、力のな
い人の役に立つことが出来れば、そう思っていた。
 だけど、現実は違った。シンは奇妙な虚脱感に悩まされていた。
 戦う気が起きないのだ。戦う意義や、目的を見出すことが出来ない。目的が
なければ戦うことが出来ないのかと、叱咤する人間もいるかも知れない。だが、
目的も為しに機械的に戦う人間を、シンは心のどこかで軽蔑している。
 シンは、軍人の有り様、軍隊の在り方、共和主義の軍隊が民間人を守るため
に存在するという建前を、本気で信じている。建前だと知っていても、それが
当然であるという考えを、捨てきれないのだ。
 そして、それが他国の民間人であっても、変わることはない。戦争をしてい
るのは政治家であり、戦闘を行っているのは軍人だ。いくら他国だからといっ
て、民間人への被害をしょうがないとか、仕方ないで済ませることはシンには
出来ない。
「けど…………」
 さすがに、「俺はあんな奴らのために戦っていたのか」、などと絶望的な考
えには至らなかったが、いくらか失望したのは事実だった。その失望を、どう
すれば拭い去ることが出来るのかも、シンには判らない。
(みんなは何で戦っているのだろうか?)
 シンはふと、自分以外の仲間がどうして軍人をやっているのかということを
考えた。
 自分の場合は単純である。それしか道がなかったのだ。シンは謂わばオーブ
戦役における戦災孤児で、プラントへの移民者だったが、同族のコーディネイ
ターとはいえ、プラントだってタダ飯を食わせているわけにも行かない。
348運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:56:13 ID:???
 何かしらの取り柄があるものは職に就き、無いものはそれを得るために学校
に通う。シンは、まだ子供だったので、出来る仕事などあるわけもなく、学校
に通うこととなった。だが、学費はタダではないし、政府から出る援助金にも
限りがある。シンは当時、自分の精神状態が非常に不安定だったことも鑑みて、
自らを鍛え直す意味も含め、ザフトのアカデミーへと入学した。
 ザフト軍人になることは、国益に直結したものと考えられており、卒業後軍
人となった生徒は学費が免除されるのだ。
 シンの事情はこのような感じだが、他のみんなはどうなのだろうか?
 同期の面々については、ある程度知っている。レイは、自分と似た境遇だと
いうのを以前聞いたことがあり、彼もまた生きるために軍人になった。ホーク
姉妹に関しては聞いてもはぐらかされることが多いが、こちらも家庭事情が絡
んでいるようだ。
 アスラン・ザラは、先の大戦が開始される切欠となった血のバレンタインで
母親を亡くし、それがザフトへの入隊理由だったというのを、どこかで見聞き
したことがある。
 彼らは、どんな気持ちで軍人などやっているのだろうか? 祖国のためか、
そこに住む人々のためか?
 祖国のためというのなら、これほど単純な理由はない。アスランだって、祖
国プラントの危機に直面して、ザフトに復隊したという。国を守るために戦う、
立派な理由だろう。
 けれども、シンにとってプラントは祖国でもなければ、故郷でもない。ヴィ
ーノやヨウランといった友人が、祖国で待つ家族の話などをしているとき、シ
ンは何処とない疎外感を憶える。彼は、待つべき家族などいない、天涯孤独だ
ったから……

「ん? あれは」
 シンが小人閑居して後ろ向きな考えに浸っていたら、誰もいなかったはずの
高台に人影があった。
 見ると、一人の少女が高台の先っぽで手すりに手をつきながら海を見ていた。
「ここにも、人は来るんだな……」
 少女はのぞき込むように海を見ている。何か珍しいものでもしたにいるのだ
ろうか? かなり身を乗り出して、手を伸ばしているが……
「って、おい!」
 足が地面から離れた。少女は身を乗り出しすぎ、今のにも落ちそうになって
いた。
 シンは慌てて駆け寄ると、少女の腰を掴んで抱き寄せる。突然のことに少女
は暴れるが、ここで引き戻せなかったら自分と少女は高台から転落して、確実
に死ぬ。
 やっとの思いで少女を引き離し、尻餅をつくように倒れ込むシン。抱えてい
た少女の腰から腕を解き、立ちあがる。
「……大丈夫?」
 へたり込む少女に、シンは恐る恐る声を掛けた。少女はしばらく放心してい
たが、そのままの状態で上目遣いにシンを見て、口を開いた。
「て……」
「え?」
「て、届かなかった。海に、触れなかった」
 まさか、あそこから海に手が届くと思っていたのか?
349運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 02:58:50 ID:???
 シンは困惑気味に少女を見るが、少女は立ちあがるともう一度手すりの方へ
行く。
「ちょ、ちょっと待った!」
 同じ事をされては堪ったものじゃない。シンは辺りを見回すと、下の岩場に
降りる階段を見つけた。
 シンは少女に歩み寄ると、下をのぞき込むとしている、彼女の手を掴んだ。
「……何?」
 振り払われはしなかったが、その手に若干の力が入る。一応、警戒はされて
いるようだ。
「あそこから下に降りられるけど、良かったら行ってみる? 触れると思うよ、
海」
 少女はしばらく無言でシンの顔を見ていたが、頷くと階段に向かって駆けだ
した。シンも、その後を着いていく。
 なんだか妙なことになってきたと思うが、一人で考え事をしているよりは、
ずっと良い。
 下に降りた二人は、より近い目線で海を見た。少女はすぐに駆け寄り、海水
に足をばしゃばしゃとさせている。その邪気のない姿に、シンは目を奪われる。
(可愛いな……)
 何となく、そんなことまで考えてしまう。あまり色恋沙汰には興味のないシ
ンだったが、目の前の少女は、間違いなく美少女といっていい部類であった。
 友人のホーク姉妹も、十分に美少女だとは思うが、それとはまた違う愛らし
さというものがある。
「冷たくて気持ちいい……」
 少女がシンの方を振り向いて、そう呟いた。声は小さかったが、とても嬉し
そうであった。きっと、他人への感情表現が苦手なのだろう。
「そう、それは良かった」
 シンは近づくと、水平線の方へ目を向けた。
 綺麗な景色だ。この景色を、自分はいつまで見ていられるのか。この風景を、
自分はいつまで憶えていられるのだろうか?
 見えない先に、シンが思いを馳せていると、少女がシンに尋ねてきた。
「ねぇ、貴方はだぁれ?」
「え、誰って……」
「名前、教えて」
 あぁ、そういうことか……と、シンは思い、名乗ろうとしたが、少し躊躇し
た。休暇中とはいえ、自分は軍人だ。軍規違反ではないにしろ、早々民間人の
少女に名前など名乗って良いのだろうか?
 だが、柔らかい少女の笑顔を見ていると、そんな疑念はすぐに吹き飛んでし
まう。
「シン。シン・アスカ」
 眼をパチクリさせ、少女はシンの名を聴き、小声でそれを半鐘していた。忘
れないように、しっかり憶えようとしている。
「私は、ステラ、ステラ・ルーシェ」
 これが、シンとステラの出会いだった。シンは後に、ステラと会ったこの日
のことを、細部まで思い出すことが出来た。
 出会わなければ良かったのかも知れないと、後悔を混じらせながら……。

                                つづく
350運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/12(金) 03:01:33 ID:???
第33話です。
PCが壊れたときはどうなることかと思いましたが、何とか次の話を投下するこ
とが出来ました。
大分遅れてしまって、本当に申し訳ないです。
書き始めた頃は、まあ、年内に完結すればいいかななどと軽く考えていたのですが、
このままではそれも難しそうです。
何とかペースを上げたいのですが、PC故障で色々なものが滞ってしまい、てんやわ
んやしています。
私事で大変恐縮な内容のあとがきですが、必ず完結はさせますので、よろしくお願
いします。
351通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 03:01:43 ID:???
まさかリアルタイムに遭遇できるとは、GJです

次回は嫉妬に燃えるアウルがどんな行動を取るのかが楽しみです
352通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 03:31:21 ID:???
最近このスレ見始めたんですが職人さんが居たんですね。
簡単にでいいんで、これまでのあらすじを教えてくれませんか。お願いします!
353通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 07:36:35 ID:???
ここまでのあらすじ:まとめwiki見る手間を惜しむな。
354通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 11:59:37 ID:???
>>350
よくぞお帰りを、お待ちしてましたGJ!
ご復帰にはもっと時間がかかるものと覚悟してましただけに望外の喜びで、
さっそくWikiにまとめさせて頂きました。
つきましては、第31話のサブタイトルと、どこの部分に挿入しましたものか
ご一報いただければ幸いです。
355通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 12:17:43 ID:???
GJ!
嵐の前の静けさって感じでいいっすな。
メイリンが何話したのか気になるけど、まさかハイネの監視に気付いたのかな。
そうだとするとハイネ死亡フラグかw
356通常の名無しさんの3倍:2007/10/12(金) 20:22:32 ID:???
GJでした。

シンの悩みはわかるけど、プラントって共和主義って言って良いのか?
議員選出がコンピューター任せなあたり、微妙に違うような気がするんだが。
357通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 05:25:40 ID:???
建前と実態ってやつだろ。現実にも民主主義国家とは名ばかりの官僚独裁社会主義国家もあるわけだし。
358通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 09:26:48 ID:???
>>357
本当にそうなら楽なんだがなぁ。
むしろマスゴミ独裁国家だと思うぜ、俺。
359通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 09:49:13 ID:???
マスゴミは権力者に取入って民衆に影響を及ぼしてる「つもり」の勘違い寄生虫だろ。
小泉政権時代の尻尾の振り方は酷かった。今でも十分酷いけどな。記者クラブなんて談合組織だし。
360通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 10:21:32 ID:???
板違い自重
361通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 12:47:08 ID:???
>>358-359は新潟地震で種死3話が中止になった時被災者に暴言吐きまくった人非人
362通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 12:57:25 ID:???
ロッシェに思う存分ハァハァしたいです(*´Д`*)
363通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 13:34:45 ID:???
ミーア自重しろ
364通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 14:47:44 ID:???
一方>>362がミーアだと知ったイザークは
365通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 15:32:39 ID:???
>>361
ジェス、おまいも自重しろ
366通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 16:42:47 ID:???
なんでジェスの名前を出すんだ、ふざけるな
367通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 17:03:19 ID:???
ゼロシステムに翻弄されてるのか?
368通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 17:12:13 ID:???
そういや、竹Pによればラクシズは「理想のジャーナリズム」なんだっけか
369通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 17:20:50 ID:???
えええ???
「理想の義勇軍(口酸っぱくして言うがあくまでも竹公が言うところの)」なら
わからんでもないが、ラクシズの行動のどこにジャーナリズムがあるんだぜ?
370通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 17:24:51 ID:???
さぁ〜?所謂自画自賛という類のやつじゃないのw
371通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 17:27:38 ID:???
>>368
俺的にはラクスは種世界版マリーメイア
372通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 17:51:54 ID:???
ジャーナリズムが正義を騙るとロクなことをしないという反面教師

と云うワケではなさそうだな。
373通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 21:21:40 ID:???
要するに、ラクスの言う事に全部従うのが種世界の絶対正義だからだろ
ラクスを竹Pに置き換えれば奴の基地外っぷりがよくわかる
374通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 21:32:10 ID:???
まぁ竹Pにとってもラクシズは自己投影対象なんだろうな
375通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 22:13:53 ID:???
 シンは共和主義を戦う理由の一つにしてるけど、一応大統領もいる共和制の連合と戦っている現実とどう折り合いつけてるんだ?
相手も共和制なんだから、戦ってる相手も民衆の意志の結果と考えると、あんな奴らのために戦っていたって感想は変な気がする。

共和主義だからオーブが許せないっていうなら、わかるが。
376通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 22:39:52 ID:???
兵隊が精神の均衡を保つ為に必要不可欠な自己暗示だから
んなコトまで気にしてるような兵士はノイローゼになって病院送りor除隊するか
イラクの米兵みたいにストレスで変になって暴走するかだよ。
TV本編終盤のシンもかなりテンパってたしな。
377通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 22:46:11 ID:???
その点じゃ、アムロ・レイは割り切ってるんだよな。
終盤でカイに「この戦争が終ったらどうなるんだ」とかふられた時もスルーしてるし。
その辺がシャアがイラつくところかもしれない。
378通常の名無しさんの3倍:2007/10/14(日) 05:58:11 ID:???
AGE
379通常の名無しさんの3倍:2007/10/14(日) 22:29:44 ID:???
PXオーバードライブ!オレがageるぜ!
380運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 01:51:34 ID:???
投下します。結構長いので、途中で規制に引っかかると思います。
381運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 01:53:34 ID:???
 ヨップ・フォン・アラファスは、とてもプライドの高い男だった。
 彼はコーディネイターとしての自分が特に優れた存在であると、常日頃から
『自覚』しており、それに見合う結果を数多く打ち立ててきた。
 そんな彼にとって、アスラン・ザラとはどのような存在だろうか? ヨップ
には、その高いプライドと同等に強い野心がある。
「俺はいずれ宇宙を手に入れる男だ」
 大言であるが、彼はそれを不可能だと思っていなかった。ウルカヌスに出会
ったとき、彼の運命は変わった。
 あの未知のテクノロジーに触れたとき、彼は自分の野望を現実の物に出来る
と確信したのだ。そもそも、武闘派の多いサトーらザフト脱走兵で構成された
組織をここまで作り上げてきたのはヨップだ。
 様々なテロ計画を練り、情報を集め、資材を揃え……。そういった雑務を全
て引き受けていたのが彼であり、謂わば組織の影の支配者であった。いずれ組
織がプラントへのクーデターないし、テロを成功させた暁には、自分こそ組織
の頂点に立つのだとヨップは思っていた。サトーは所詮武人であり、彼の部下
もモビルスーツパイロット以上の存在ではない。ヨップに言わせれば、彼らに
は組織を運営する知能と知性が足りないのだ。
 ウルカヌスにフレアモーターを取り付け、移動させる計画を立て、実行した
のもヨップだ。これをしなければ、今頃ウルカヌスはザフトによって確保され
ていたに違いない。
 こうした努力を重ねつつ、着々と将来への地盤を固めるヨップだったが、破
局は突然訪れた。そう、サトーがアスラン・ザラを自分たちのリーダーとして
迎え入れたのである。
 アスラン・ザラのことは当然知っていた。前大戦、ザフト軍のモビルスーツ
パイロットとして前線に赴き、数々の武勲打ち立て、ネビュラ勲章の授与、特
務隊への昇進まで上り詰めた男だ。父親は国防委員長から最高評議会議長にな
ったパトリック・ザラで、その典型的タカ派思想はサトーたちの中で英雄とし
て神聖化されている。そうした事情を考えれば、アスラン・ザラをリーダーに
据えたことはある程度の理解は出来る。
 ヨップとしても、当初は納得していた。アスラン・ザラという存在でザフト
過激派をより多く引き込み、組織力を増大化できる、つまり宣伝材料の一つと
考えていた。もちろん、リーダーなど仮初めに過ぎない。
 だが、ヨップの予想は大きく外れ、その野望は狂いはじめた。組織へと参加
したアスランは思っていた以上に精力的に活動をはじめ、一緒に参加したイザ
ーク・ジュール、ディアッカ・エルスマンらと共にあっという間に組織の実権
を握ってしまったのだ。今では、サトーでさえ彼らの意思を第一に考えている
ほどだ。
 この状況、面白いわけがない。
 それは、一種の歪みだった。やがては無限の権力と権威を手中に収めんと考
えていたヨップの中に、狂気が生まれようとしていた。



       第34話「守りたいもの、守りたい人」

382運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 01:55:01 ID:???
 その出会いは偶然だった。
 シンは、ステラとの出会いについて、それを知る数少ない人物から尋ねられ
ると、必ずこう答えたという。
 シンがあの時、あの高台にいたこと、ステラがあの時、あの高台にきたこと、
それらは全て偶然であり、二人の出会いに、必然性などなかった。特に運命を
感じたわけでもない、自然な感覚。
 ただ、悩むこともある。
 人と人の出会いに、必然性や運命があるのだとすれば、自分とステラの出会
いにはどういった意味があったのだろうか?
 出会わなければいけない理由が、あったのだろうか。

「シンは、この町の人?」
 昼下がり、水遊びに興じるステラが、シンに尋ねた。
「いや、違うよ。ここへは、仕事できてるんだ」
 言ってから、シンはその質問の仕方に違和感を感じた。この言い回しだと、
どうやらステラも、この町の住民というわけではなさそうだ。
「ステラも、ここへはお仕事できてるの」
「へぇ、そうなんだ……」
 年下か、良くて自分と同年代であろう少女の口から『仕事』という単語が出
てくるのを聞いて、シンは意外さを禁じ得なかった。
「シンは、何のお仕事をしている人?」
 訊かれて、シンは返答に詰まった。彼の職業は軍人であるが、口に出すのは
憚られた。威圧感や、人によっては嫌悪感を与えかねないからだ。軍人の中に
は、自分の職業に誇りを持ち、殊更軍人であることを誇示する者もいるという
が、今のシンはそれをしようと思わなかった。
 シンは、軍人という存在の意味に、疑問を持ち始めていた。
「そうだな……困ってる人を助ける、そんな仕事かな」
「助ける?」
 ステラが不思議そうな顔をする。
「助けるというか……守る、そう、守るんだ。困ってる人や、力のない人を」
 守りたかった。それがシンの本音だ。
「ステラはどんな――」
 仕事をしているの? そう訊こうと思ったシンだったが、ステラの呆然とし
たような表情に驚いて言葉を止めた。
「守る……どうして、守るの?」
「どうしてって、困ってる人を守りたいって思うのは普通だろう?」
 シンは何故ステラが驚いているのか不思議でならなかったが、ステラの表情
は変わらない。
「違う。そんなことはない。自分の身は、自分で守る。それが普通」
「ステラ……?」
「人は手なんて貸してくれない。守ってなんかくれない」
 それはステラがここまで生きてきた中で掴みえた、ある種の真理だった。彼
女にとって、生きることは戦いであり、生き延びるためには、自分で自分を守
るしかなかった。
 出来ない奴は死んでいく。それがステラの生きてきた世界。
 シンの知らない世界だった。
383運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 01:56:36 ID:???
「そんなことはないと思うけど……」
 最終的には、本人がどうにかすることだというのは、シンにだって理解でき
る。だが、自分がこれまで信じてきた信条を、こうもあっさり否定されるのは
気持ちの良いものじゃない。
「ステラが、そうだった」
「えっ?」
「ステラは今まで、誰にも手を差し伸べられたことをなかった。守られたこと
なんて、なかった」
 理解が出来ない。
 ステラ・ルーシェにとって、シン・アスカの考えは、理解することが出来な
いことだ。どちらが悪いわけでもない、住んできた世界が違うのだ。
 シンが弱い人を守りたいと思って軍人になったのは、シンの理想の結果であ
り、ステラが自らを守るために強くなったのは、ステラが生き残るためである。
ステラは戦いを望まない。しかし、周囲は自分に戦いを強いる。自分や、みん
なに良くしてくれるネオも、それだけは他と変わらない。
 守っては、くれない。
「弱い奴は生きていけない。生きるためには強くなる。それしかない」
 シンには、目の前にいる少女が、とても儚げに見えた。
 誰からも守られたことがないという少女、誰からも手を差し伸べられなかっ
たという少女、彼女はどんな想いで、今日まで生きてきたのだろう?
 自分とは違う、戦争の被害者なのだろうか?
 シンの場合は、戦災にあった場所が中立国のオーブだったから、まだ救いが
あった。プラントへ移民し、そこで生活することで、一時でも戦争とは無縁の
場所に行くことが出来た。
 だが、ステラはきっと違ったのだ。彼女は戦争で何もかも失い、生きてゆく
には全て自分で何とかするしかなかった。
「だけど、それでも」
 何かを言いたかった。このままステラ言うことに、納得してはいけないと思
った。
「……俺は、人を守りたい」
 ゆっくりと、シンはその言葉を口から出した。
 それは幾度となく、彼の口から発せられた、彼の理想であり、希望。
「俺の力なんて、ホントに大したことない。ちっぽけなものだ。でも、俺には
力がある。困ってる人や、力のない人、弱い人を守ってあげられる力が」
「全員は救えない」
「それも判ってる。自分の手の届く範囲内、いや、時にはその範囲ですら守れ
ないことだってある」
 偽善だろうといわれても、中途半端だといわれても、守らないよりは、守る
ほうが良いじゃないか。
「……そうか」
 シンは、自分の中に何かが見えてきたような感じがした。
 守ることに、意味などいらないのだ。自分は弱者を守るという行為の中に、
無意識のうちに意味を求め、見返りを求めていた。
 自分が強者であることに溺れ、弱者を見下していた。自分は弱者を守る強者
であるのだから、弱者は弱者らしくしていてくれないと困ると。
「俺って、最低だな……」
384運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 01:58:10 ID:???
 自分がどれだけのことをしたから、相手にそれだけのことをしてくれと強要
する。そんな無理の押しつけを自分はしていたのだ。
 ヒーローになりたいと思ったことはない? 何を馬鹿な、自分は自分をヒー
ローになるために、弱い者を守る自分に、酔っていただけじゃないか。
 人を守るという行為に、見返りや打算があってはならないのだ。
「シン?」
 どこか吹っ切れたような表情のシンに、ステラは困惑顔を作る。
「ステラ、俺は君を守る」
「守る?」
「そう、俺は君を守りたい」
 シンは、ステラというこの少女を、守ってあげたいと感じていた。誰からも
守られたことがないというステラを、せめて自分だけは守りたいと、そう思っ
ていた。
「嘘。そんなこと出来るわけがない」
「確かに、俺はいつまでもこの町にいるわけじゃない。それでも、俺は君を守
りたいんだ」
「できっこない」
「出来るさ! やってやれないことはない!」
 根拠など何処にもない。勝手な言い草なのだが、シンは誰か一人でも自分を
守ってくれる人間がいるというのを、ステラに教えたかった。
「……本当に? 本当にステラを守ってくれるの?」
「あぁ、もちろん」
「ずっと遠く、例えば宇宙で、ステラが怖い目にあっても?」
 宇宙という単語が出たとき、シンはステラの仕事に興味を覚えた。一体、ど
んな仕事をしているのだろう、と。
「そんな時は、何故だか俺も宇宙にいるもんなのさ」
 シンは笑い、釣られるようにステラも笑った。二人とも、この会話に現実味
がないことを知っていた。
 しかし、ステラは嬉しかった。ステラに対して、彼女を守るといったのはシ
ンがはじめてなのだ。ネオ・ロアノークもそうだが、ステラは自分を庇護して
くれる人間に弱い。ネオは優しい上司であり、シンは……
「ステラッ!」
 その声は背後からした。シンと向き合うステラの背後から、駆け足で近づい
てくる人物がいた。
「アウル……?」
 聞き覚えのある声に、ステラが振り向いた。それは確かにアウル・ニーダで、
まっすぐこちらに駆けてくる。
「知り合い?」
 シンが尋ねる。
「うん、友達」
 少なくとも、ステラはそう思っている。アウルはスティングと同じく同僚だ
が、ステラは彼らのことを仲間とも友達とも思っている。スティングはステラ
の知らないことを一杯教えてくれるし、アウルにはいじめられることも多いけ
ど、仲が悪いと感じたことはない。
「ステラ、こんなところにいて! 探したんだぞ」
 嘘ではなかった。アウルはステラの行きそうな場所をしらみつぶしに辺り、
数時間掛けてやっと見つけたのだ。
 それも、高台から、男と仲良く会話する彼女を見下ろす形で。
385運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 01:59:49 ID:???
「早く戻らねーと。スティングの奴も心配してるし……」
 ここでアウルは、『今気付いたかのように』、この事態を黙ってみているシ
ンに話しかけた。
「ごめんねぇ、こいつに絡まれるなんて、アンタも災難だったね。ウザかった
でしょ?」
「いや、俺は……」
「すぐ連れて帰るからさ。俺らのことは、さっさと忘れちゃっていーよ」
 そういって、アウルは半ば強引にステラの手首を掴んで引きずっていく。面
倒なことになる前に、この場から退散するつもりなのだ。
「ちょ、ちょっと」
 突然といえば突然のことに、シンは声を上げるが、アウルは無視して階段の
方へステラを連れて行く。
 そんなステラが、シンへ振り返った。
「シン、さっきの、さっきのこと、あれ本当?」
 守る、シンは確かにそういった。
 ステラのことを、守ると。
「あぁ、本当だよ。約束だ!」
 シンは言った。言い切った。守れるかどうかも判らない、そんな約束だった。
でも、シンはそれを守ろうと思った。どうやってとか、どうすればとか、そん
なことは関係なしに、その約束を、守ろうと、そう思った。


 シンとステラが別れた頃、アスラン・ザラはミネルバから借り受けた地上車
に乗っていた。メイリンと街へ出た後、ミネルバに戻り、すぐに仕度を調えて
出てきたのだが、到着は夕暮れ丁度になりそうだった。
「あと三十分も走れば、目的の場所に着くか……」
 アスランは、今回どんな人間と会うことになるのかを知らない。だが、それ
は別に対した問題じゃない。接触してくるのは相手であり、要は相手がこちら
を知っていればいいのだ。
「宇宙は一体どうなっているのか」
 地球に下りてからというもの、宇宙のイザークたちとはほとんど連絡を取っ
ていなかった。彼らがどれほどまで計画を進めているのか、それによってアス
ランの地球での行動も変わってくる。
 過度な期待は禁物だが、アスランが地球に降りてから結構な日が過ぎた。少
しは事も動いているのではないかと、そう考えずにはいられなかった。
 ある意味で陽気な気分のアスランが運転する地上車を、一台の車両が追跡を
していた。距離感覚は1.2qから1.5q。
 ハイネ・ヴェステンフルスの運転する覆面車両である。
「やはり、アスランは昨日言っていた場所に向かおうとしている。走行状態を
見る限り、俺の追跡には気付いてないか?」
 アスランの乗っている地上車も軍用のものであり、簡易レーダーやセンサー
の類は付いているのだが、ハイネが乗るのはそれらを一切遮断するステルス車
だ。車間もかなり開いているし、まず追跡に気付かれるはずがなかった。
386運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:02:57 ID:???
 やがて、車を止めたアスランは、岩場ばかりの海岸へと降り立った。足場の
悪いそこには、壊れかけの神殿の石柱のようなものがあり、おそらくこれが史
跡とやらだろう。
「誰もいないのか……?」
 アスランは、チラリと太陽の方を見た。見るまでもなく、既に太陽は美しい
夕日に変わり、空はあかね色に染まっていた。
「アスラン・ザラですな」
 アスランは声のした方向に振り向いた。いつの間にいたのか、そこに一人の
男が立っていた。
「私の名はヨップ・フォン・アラファス。サトー隊長の命を受け、貴方との連
絡要員として派遣されてきました」
「アスラン・ザラだ。よろしく」
 言いながら、アスランは辺りを見渡す。
「一人で来たのか?」
「いいえ、一人ではありません。ですが、この場に大勢いても仕方がないので、
他の者には周囲の警戒をさせています」
「そうか」
「失礼ですが、よもや尾行などはなされていませんね?」
 アスランは眉を顰めた。ヨップの物言いが不快だったのではない。彼の声に、
嫌な感じを覚えたのだ。
 ヨップの容姿は、コーディネイターにしてはそれほど良くはない。年齢は二
十代前半から中盤、茶髪の頭髪に、厚い唇、多少筋肉が付いているが全体的に
は中肉中背で、容姿に拘るとされるコーディネイターには珍しいタイプだ。無
論、容姿に関して何か言うほどアスランは差別的ではなかったが、その厚い唇
から発せられる声は、特徴的すぎた。
 このような男の口から出る声と言えば、少し低音、低めの声を想像するだろ
う。しかし、ヨップの口から発せられるそれは、甲高いものであり、彼自身と
合っていない浮いたものだった。
 先に声を掛けられたから、アスランは彼の容姿に対して驚きを憶えたが、こ
れが逆だったら、彼の浮いた声に衝撃を憶えたかも知れない。大げさな言い方
だが、それほど彼の声には違和感があった。
「それで、君は俺にどんな話を?」
 尋ねるアスランに、ヨップは無言で小さな機器を取り出した。アスランは、
それが何であるかを知っている。
「随分、慎重だな」
「念には念をです。こちらと違って、貴方は単独で行動されていますから」
 ヨップが取り出したのは盗聴器の検査機であり、盗聴器が発する微弱な電波
を感知するのだが、幸い、アスランからは発見されなかった。
「どうやら大丈夫のようですね。部下からも周囲の異常は連絡されませんし」
「やっと本題か……」
 ヨップは、アスランにウルカヌスの現状を伝え聞かせた。アスランのいない
間に色々なことが起こっていたようだが、中でもイザークとディアッカが有人
機の起動に成功し、戦闘まで行ったというのがアスランには驚きだった。
「戦闘って、一体どういう事だ?」
「実は我々に物資を補給するために行動していた輸送船がザフトの監視網に引
っかかりまして」
387運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:09:15 ID:???
 あくまで、イザークの強い意志の下に出撃が敢行されたことを強調しておく。
アスランも、イザークが強く希望したと聞くと、彼らしいなと苦笑した。
「それで? この事が原因であれが発見されるようなことはないんだな?」
「一応、撃破された艦の捜索は行われていますが、痕跡は消しました。発見さ
れることはまず無いでしょう」
「なら良いが……そうだ、あれ自体はどうなってるんだ? まだ、動けないの
か?」
 ウルカヌスが動けるかどうかは、アスランにとって重要な問題である。移動
能力があるなら、使えるに越したことはない。
「現在、メリクリウスとヴァイエイトのデータを下に、ビルゴの起動を最優先
にしています。ですが、あれの場合は最近発見された区画から設計資料が見つ
かったので、機関部の修理も時期できるようになると思います」
「発見された区画? まだ、そんなものがあったのか」
 ウルカヌスは広く、複雑となっている。サトーら少人数では回りきるのも一
苦労であり、中には開かずに放置された扉などもあり、つい最近は別の格納庫
が見つかったぐらいだ。
「もっとも、この格納庫はパーツ類の資材置き場となっていて、モビルスーツ
の類はまだ発見されてません」
 パーツ類を調べれば、組み立ててモビルスーツの一つでも作れるかも知れな
いが、研究班や整備班のほとんどはビルゴとウルカヌスの核融合炉復旧に当て
ており、そんな暇はなかった。
「報告は以上になります。何かご質問は?」
「いや、特にないが……」
「でしたら、こちらから2,3お伺いしてもよろしいですか?」
「なんだ?」
 ヨップの目つきの変化を、アスランは見逃さなかった。
「我々は現在、あれの復旧作業を急いでいますが、復旧した後、何が行われる
のか、それをお教え願いたい」
「それは復旧し終わったときに話す。復旧できてもいないのに、焦ることもな
いだろう」
「しかし、仲間内ではこの先に不安を覚えるものも多いのです。最終的に、ア
スラン・ザラの目指すところだけでも教えていただきたい」
 仲間内などという表現を使ったが、知りたがっているのはヨップ本人である。
アスランが打ち立てる計画に粗を探し、自分でもっと良い作戦を立ててやろう
という魂胆がそこにあった。
「今は戦時下だ。状況というものは刻一刻と変化してるし、それによって俺達
の行動も変わる。今どうこういえることじゃない」
 なかなか自身の計画の内容を話そうとしないアスランに、ヨップは内心で舌
打ちをして、話をすり替えることにした。
「現在、ディオキアにはラクス・クラインと、デュランダル議長が来ているそ
うですね」
「……よく知ってるな。前者はともかく、後者は軍のトップシークレットだぞ」
「専門は情報工作なものでしてね」
 ヨップの声に、僅かだが自尊めいたものがこもる。
「そこで考えたのですが、我々の計画をさらに完全なものとするために、人質
を取ってはどうでしょうか?」
388運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:12:52 ID:???
「人質?」
 アスランは言い慣れぬ単語を口にし、また、ヨップの真意を測り損ねていた。
「そうです。先ほども言いましたが、我々の組織がおった災難は、今後も起こ
りうることです。それに対し、一々武力で対処してはきりがない」
 つまりヨップは、プラントやザフトに対して武力制圧ではなく、人質を使っ
た脅しで屈服させようというのだ。
 そして、ラクス・クラインや議長は、それにもっとも適した存在だった。
「ラクス・クラインは貴方の婚約者ですし、警備も厳重だ。だが、お忍びでき
ている議長ならば……」
 拉致するのも容易いだろう。
 ヨップは自分の立てた計画に自信を持っていたが、対するアスランの視線は
冷めていた。
「どうです、この計画は?」
 アスランはその視線を隠そうと目を伏せ、こう尋ねた。
「一つ訊くが、その計画は君が立てたのか? それとも、イザークやディアッ
カ、サトーが立てたのか?」
「勿論、私個人で立てました」
 とても心外そうにヨップは言った。あの武闘派共に、こんな応用の利いた策
略など巡らせるわけがない。奴らは武力こそ事を動かす唯一の手段と思ってい
る節があるが、そんなことはない。
 テロリズムの基本は相手に有利な状況を作ることであり、人質はもっともポ
ピュラーなものだ。
 しかも、政治家や政治屋といった連中は、戦争で軍人や民間人がどれほど死
んでも気にしないのに、政府関係者が死んだり捕虜になったりすると、顔色を
変える。
「答えを、聞きたいか?」
「是非、聞かせていただきたい」
 ヨップは、アスランの変化に気付いていない。

 アスランとヨップが会話をする場所から丁度700メートル離れた崖の上に、ハ
イネ・ヴェステンフルスがいた。
 彼は、パラボラに似た高性能集音マイクを使ってアスランとヨップの声を拾
っているのだが、距離がギリギリのためなかなか上手くいかない。
「くそっ、もう少し近づければ……」
 だが、それは出来なかった。ヨップの部下と思われる男たちが、半径500メー
トル周囲を警戒しており、これ以上ハイネが近づけば発見される恐れもある。
ハイネは拾っている音声を録音機に録音しながら、望遠カメラで二人の写真を
撮る。ディオキア基地の備品管理職員にスパイごっこかと聞かれたが、まさに
それではないか。
「会話をぼかしてやがるな。どこまでも慎重だな」
 アスランとヨップの会話には、いくつかの単語は出てくるが、重要と思える
ものは「あれ」とか「それ」といった言い回しを使っており、ハイネには判断
することが出来ない。
 ハイネは注意深く聞いていたが、彼には判らない単語がいくつか出るばかり
で、なかなか実態が掴めない。
 しかし、話の方向性が少し変わりつつあった。
389運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:15:10 ID:???
「議長を人質に……? こいつ、テロリストか」
 アスランはテロリストと内通していたのか? ハイネは自分の勘が当たって
いたことに興奮を憶える。相手は恐らく過激派の一員か何かだろうが、まさか
アスランが裏でそのような男と繋がっていたとは思いもしなかった。
 しかし、まだ決定的ではない。もう少し、アスランが直接テロに関与してい
るような発言が出せれば……。

「二度とそのようなことを考えるな!!」
 アスランの怒声が、ヨップの聴覚を直撃した。その変わりようにヨップは怯
むどころか、痺れたように硬直してしまった。
「俺達には大儀があり、志しがある。皆で力を合わせ、理想の実現に突き進む
中、人質だと? 馬鹿も休み休みってくれ!」
「馬鹿、ですって」
 ワナワナとヨップの身体が震える。
「あぁ、馬鹿だな。そんな姑息で卑怯な手、そこらのテロリストと変わらない
じゃないか。俺達はテロリストやレジスタンスじゃないんだ。間違ってもそん
な手段は使わない!」
 断言するアスランに、ヨップは何か反論しようと口をパクパクとさせるが、
上手い言葉が出てこない。
「ウルカヌスとそこに常駐するものはビルゴの起動と、機関部の復旧を最優先
に。全てはそれからだ」
「あ、あまり大声を出されないように……どこで、誰が聞き耳を立てているか」
 ヨップの発言は、苦し紛れに持ちだしたものに過ぎなかったが、実は当たっ
ている。
 だが、アスランはそんなヨップを侮蔑したように失笑すると、
「無駄な心配だな。盗聴器は発見されなかったし、周囲は君の部下が警戒して
るんだろう?」
 アスランは周囲をさっと見回すと、言葉を続ける。
「それにだ、仮に盗聴されていたとしても、その記録は法的証拠能力を有さな
い。逆にこっちが盗聴した奴を訴えることが出来るぐらいだ」
 ヨップの言葉を斬り捨てると、アスランは話は終わったとばかりに踵を返し
た。
 後に残されたのは、茫然自失状態のヨップだけである。
 そんな彼の下に、部下たちが駆けつけてきた。
「隊長、周囲を警戒した結果、怪しい人物は見受けられませんでした……隊長?
 どうなれましたか?」
 答えないヨップに対し、部下が困惑気味に問うが、すぐに言葉を継ぐんだ。
ヨップの顔がみるみる赤面していたからである。それも恥ずかしさに赤くなる
といった具合ではなく、憤怒に燃えるといった感じだった。
「おい、確か地上協力員がモビルスーツを持っているといったな」
 ヨップたちが地上で行動する際に、色々と手引きしてくれた協力者がいる。
金で動く人間は、宇宙にも地上にも数多くいるのだ。
「持っているとは言っていましたが、それがなにか?」
 部下は不思議そうに尋ねる。優秀だが発想力がない部下たちには、ヨップの
考えが判らなかった。
390運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:17:03 ID:???


 ミネルバへとアスランが戻ったのは、日もすっかり沈んだ夜のことだ。格納
庫に車を止めたところに、クルーの一人が駆け寄ってきて、レイがアスランを
探していることを告げた。
「レイが?」
 アスランは電源を切っていた通信機器のスイッチを入れると、レイに繋いだ。
『アスラン、良かった、繋がって』
「レイ、俺に用らしいが、一体何だ?」
『実はギル、いえ、デュランダル議長が……』
 レイから、デュランダルがアスランらミネルバのモビルスーツパイロットた
ちと食事を共にしたいと言っていることを聞かされた。
「判った。軍服に着替えて行こう。議長は、どのホテルに泊まってらっしゃる
んだ?」
『ラクス・クラインが滞在しているのと、同じホテルです』
 既に、ルナマリアやオデル、アスランより一時間早く戻ってきたシンなどが
その場にいるらしい。シンは、艦長のタリアも同席する場に難色を示したのだ
が、議長のご氏名とあっては致し方ない。
 唯一、ハイネ・ヴェステンフルスだけは連絡が取れず、アスランだけでも見
つかって良かったとのことだった。
「ハイネはいないのか……」
 アスランは呟きながら、軍服へ着替えるため私室へと急いだ。
 そのハイネだが、実はアスランより早くミネルバに戻ってきている。彼はこ
っそりと私室に戻ると、今日入手したデータの記録をはじめていた。
 しかし……
「盗聴の記録は法律上の証拠にはならない、か。アスランの奴、言ってくれる
じゃないか」
 コンソールを操作しながら、ハイネは唸るように吐き捨てた。確かに、通常
の法律ではアスランの言うとおりだ。盗聴などという違法な手段で入手したも
のはどんなに決定的でも司法の場で証拠として取り上げることが出来ない。
 しかも、アスランはこう続けていた。逆にこっちが訴えることも出来る。つ
まり、アスランは盗聴者に対して人権侵害で訴えることも可能だと言ってのけ
たのだ。
「俺の存在には気付いてなかったようだが……チッ、これじゃ手詰まりだな」
 録音した音声を聴き直しても、大した内容ではなかった。アスランと会話を
していた相手は後で調べ上げるとしても、アスランはあの会話の中でテロリズ
ムを否定していた。何を考えているのかは知らないが、これだけでは決定的な
ものとなりえない。
「これじゃ憲兵は動かせない……どうしたものかな」
 もっと重大な内容であったのなら、例えば国家を揺るがすような発言が録音
されていれば、無理矢理にでも司法委員を動かすことも出来ただろうが、これ
では無理だ。
「だがまあ、記録はしとかないとな」
 とりあえず、収穫はあった。後はこれをどう利用するかだ。誰かに相談した
いところだが、信用できる奴なんて……
「そういえば、アイツが来てるんだったな」
 ハイネの脳裏に、金髪美形の男の姿が過ぎった。ロッシェ・ナトゥーノ。ラ
クス・クラインの護衛官として、ディオキアに来ている。
391運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:19:07 ID:???
「会う機会があったら良いが。アイツは今、ライブ会場かな?」
 後で顔を出してみるか……ハイネはそんなことを考えながら、記録作業に没
頭しはじめた。

 デュランダルがミネルバのパイロットと艦長のために用意した食事の席は、
それは豪華なものだった。黒海料理は、やはり海ということもあって、魚が豊
富だった。
 特に名物であるイワシを使ったピラフは絶品で、議長の食は進んでいる。
「ふむ、このチーズ・ホンデュは逸品だな」
 黒海地方ではイワシ料理と同じくチーズ・ホンデュが有名で、ブラーマ(蒸
し料理)などにもチーズが使われることが多い。
 プラントでは食する機会もない、地球独特の味にデュランダルは大いに満足
しているようだった。
 ミネルバのパイロットたちも、特に美食家というわけではなかったが、デュ
ランダルの評価に同感だった。あまりガツガツと食べないのは、軍人はろくな
ものを食べていないのかと、軽く見られないためである。
「さて、まずはここまでの道のり、本当にご苦労だったね」
 いくつかめの料理が運ばれてきたとき、デュランダルがこう切り出してきた。
「あの忌まわしい事件から行く日も過ぎたが、君たちにはさぞ辛い道のりだっ
たろう」
 忌まわしい事件とは、ミネルバが国防委員長の命を受け行った地球連合和平
総会襲撃事件のことである。行く日も過ぎたと言っても、それは記憶に新しく、
パイロットたちは少しだけ眉を顰めた。
「そうですね、本当に大変でした」
 答えたのはタリアだが、これは礼儀上のことあってだろう。シンなどは、顔
を伏せて、ナイフとフォークを使っている。ガチャガチャと少し音が鳴ったの
で、ルナマリアが諭すような目でシンを見ている。
「だが、その後のミネルバの活躍は、めざましいものだった。カーペンタリア
では基地の防衛に努め、インド洋では建設中の敵基地の発見と、破壊に成功し
た。そして、ガルナハンでは……」
 この戦争が始まって以来はじめて、ファントムペインの拠点の一つを叩き潰
すことに成功したのだ。これはザフト軍にしてみれば、勲章ものである。
「私はミネルバの活躍を誇りに思うよ」
 褒められて悪い気はしない。それは、人であれば当然のことで、ルナマリア
やレイ、タリアなどは純粋に喜んでいた。アスランも見かけは喜んでおり、例
外はシンとオデルである。
 言ってしまえば、デュランダルは敵兵を大量に殺したことを褒めているのと
同じであり、それを考えると、シンはいささかシニカルな気分になる。事実な
ので反論しようもないことなのが、複雑だった。
 オデルの場合は、少し違う理由がある。彼は成り行きでこの世界の戦いに介
入しているのであり、ザフト軍人ではない。議長の褒められたところで、彼に
は何の意味も成さないのだ。
「ところで、ミネルバの今後についてだが……」
 褒め言葉が一部に通用しなかったことを悟ると、デュランダルはすぐに話題
を転じた。多種多様な話題を作るのはさすが政治家といったところか。
392運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:21:16 ID:???
「実はミネルバに限らず、近々地球にいるザフト軍は大規模な軍事行動へと出
ることになる」
「大規模な? どういうことですか」
 軍事に話になると、さすが軍人、全員食いつきが良い。
「うむ、まだ正式には発表されていないが、いよいよスエズ攻略戦に乗り出す
ことになった、というわけさ」
「スエズ……スエズ基地ですか?」
 それは旧連合の基地では、中東最大勢力を誇る軍事基地であり、ファントム
ペインに接収された後も、変わることがない。
 保有する戦力も兵力も、ザフト軍の二大基地、ジブラルタルやカーペンタリ
アに匹敵すると言われ、ファントムペインの本隊がいるヘブンズベースの次に、
マスドライバーを持つビクトリアやパナマと同等の力を持っているとされる。
「詳細はまだ決まっていないが、動員される兵力は、ザフトが行ってきた地上
戦では空前の規模といっていい。例に出したくはないが、前大戦のアラスカの
ようにね」
 アラスカとは、かつて存在した地球連合軍統合最高司令部、通称『JOSH-A』
のことである。ザフトは、これを攻略するために大規模な兵力を動員した。そ
れが、オペレーション・スピットブレイクである。
 結果として、この作戦は失敗に終わったのだが……
「ミネルバもその作戦の際には、参加して貰うことになると思う。正式な決定
と発表は、私がプラントに帰還してからになるが」
 さすがに、全員声もなく考え込んでいた。
「随分、急な決定なんですね」
 アスランが口を開き、事の真意を正す。
「スエズ攻略自体は、前々から国防委員会の方で検討されていた事案でね……
こんな言い方は悪いと思うが、今回の決定はミネルバの活躍によるところも大
きいのだよ」
「ミネルバの、ですか?」
 軍事的勝利は時として最高の美酒となる。アルコール度数の強いそれは、人
々が心の中に持つ好戦的な部分を刺激し、さらなる美酒を求めるようになるの
だ。
 ジブラルタルとカーペンタリアで敵軍を追い散らし、インド洋では建設中の
基地を未然に落とし、そしてガルナハンを解放した。
 プラントの人々は『勝利』だけでは飽きたらず、『常勝』とか『不敗』など
という名の美酒を求めてくるかも知れない。皮肉なことだが、人々をここまで
酔わせてしまったのは、ミネルバなのだ。
 酔いを求めた人々は、酒量を増やし、酒を寄こせと騒ぎ立てる。プラントの
情報操作もあるのだろうが、これでは次の軍事行動も避けられないだろう。
「私としては、スエズを落とした辺りでこの戦争も止め時だと思うのだがね…
…やるならとことん、などと感情的になって言う輩が、意外と多くて困ってる
のさ。政界、軍部、一般市民、枚挙にいとわない」
 スエズほどの大規模な基地を攻略すれば、それを交渉材料に有利な講和が結
ぶことが出来る。スエズだけではない、ガルナハンにインド洋、ミネルバが手
に入れ、プラントが扱える材料は意外に多いのだ。
「だから、その時になったら、よろしく頼むよ。私はミネルバには、かなり期
待をしているのでね」
393運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:22:55 ID:???
 これは本心であり、嘘偽りのないデュランダルの言葉だった。デュランダル
は、ナプキンで口元を拭うと、今閃いたように顔を綻ばせて、喋りだした。
「そうだ! 折角だから、君たちも今日はこのホテルに泊まったらどうだね?
 君たちの功労に、少しでも報いさせてくれ」
 思いがけない申し出に、ルナマリアが顔を輝かせるが、躊躇したようにレイ
が口を挟んだ。
「議長、申し出はありがたいのですが、休暇中とはいえ、ミネルバは軍艦です。
最低でも一人、モビルスーツパイロットが待機していませんと」
 といったところで、好き好んで艦に残りたいと思う奴がいるわけもない。こ
こは自分が残るしかないだろう。行方が判らないハイネは、帰ってくるかも判
らないのだから。
 なので、自分は艦へ戻ります、とレイが言おうとしたとき、
「なら、私が戻って待機しよう。それでいいな?」
 オデルが立ちあがって、みんなの同意を求めた。オデルはパイロットたちの
中で一番の年長者であるし、ここで異を唱えては話がややこしくなる。同意す
るのが正解だろう。
「しかし、それでは、私は何を持って君の功労に報いればいい?」
 一応は聞いておかなければと、デュランダルが尋ねる。実はオデルとしては、
これが狙いだった。
「でしたら、一つお願いが……」


 ロッシェ・ナトゥーノは、ラクス・クラインことミーア・キャンベルのライ
ブ会場の警備に追われていた。前日のライブは野外だったが、今日のライブは
夜に行われるため、市内のホールを貸し切っているのだ。
 ライブは終盤に差し掛かり、今はアンコール曲が披露されている。
「議長から連絡? 私にか」
 ロッシェのもとに、デュランダルが連絡を寄こしてきた。警備の途中ではあ
るが、出ないわけにはいかない。ロッシェは、通信機器を受け取る。
「ロッシェです……はい、はい、そうです。今は彼女のライブ会場に……この
後ですか? 勿論、彼女をホテルまで……」
 言葉を交わすロッシェだったが、その顔に意外さが広がっていく。
「オデルが? 来てるんですか、ここに」
 何と、オデル・バーネットがディオキアに来ており、ロッシェとの面会を求
めているというのだ。
 ロッシェはミーアの護衛に没頭する余り、ミネルバが来ていたことを知らな
かった。
「わかりました。時間を作ります」
 オデルと会うのも久しぶり、それこそA.C.世界ではぐれて以来だ。今の自分
はミーアの専属護衛官という立場ではあるが、会っておいても良いだろう。
 問題があるとすれば、いつ会うかだが……
 そんなことを考えながら、ステージの袖まで戻ったロッシェだったが、いつ
の間にかライブは終演しており、ミーアは楽屋に引き上げたらしい。
 多少慌てながら、ロッシェは楽屋に向かった。
「ロッシェ、最後の時いなかったじゃない。何処に行ってたの?」
 ミーアが不満げにロッシェに言った。
394運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:24:36 ID:???
「議長から連絡が入ってな。応対をしていた」
 隠す必要もないので、事実を答える。ミーアは余り納得はしていないようだ
ったが、気を取り直すと、
「さ、それじゃあホテルに戻りましょう。食事を済ませて、今日はさっさと寝
ないと」
「あぁ、そのことなんだが……」
 ロッシェは、人と会う予定が出来たので、食事は一人で取ってくれないかと
頼んだ。すると、気を取り直したはずのミーアの機嫌がみるみる悪くなる。
「人って、誰と会うのよ。議長?」
「いや、議長じゃない」
「じゃあ、誰よ」
 これも話して良いのだが、周りにはライブスタッフやらがいる状態だ。オデ
ルのことや、自分がこの世界の人間でないことが露見するのはまずい。ロッシ
ェは、帰りの車内で話すと言って一時会話を切った。

 結局、ミーアを納得させて、ロッシェがオデルと会うことが出来たのはホテ
ルに戻ってから30分過ぎた後だった。ロッシェは議長に確保して貰ったホテル
の一角に赴き、久しぶりに彼と再会した。
「久しぶりだな、オデル」
「あぁ、久しぶりだな」
 両者はガッチリと握手を交わし、再会の喜びを分かち合った。何せ、はぐれ
たときは、両者共にもしもを考えたのだ。それがこうして、異世界の地球では
あるが再会できたのだ。嬉しさがこみ上げてくる。
「お前が地球に行ったと聞いたときは驚いたが、まさかザフトの軍艦に乗って
るとはな」
「そちらこそ、プラントの歌姫の護衛官とは、出世したものだな」
 そして二人は情報交換に入った。互いの立場で、現状を話し合うのである。
オデルは今日、デュランダルの口から聞いたことを、そのままロッシェに話し
た。
「ほぅ、ザフトは大規模な軍事行動に出るか……オデル、お前もそれに参加す
るつもりか?」
 なんなら、一緒に宇宙に戻るかと訊いているのだが、オデルは首を振ってこ
ういった。
「ここまで来たら、参加するしかないだろう。何やら、ミネルバのクルーとも
仲間意識が芽生えてきたしな。そう、ちょうどかつてのお前のように」
「古い話だ……まあ、否定はしないがな」
 少しだけ照れたようにロッシェは言ったが、すぐに真面目な顔に戻ると、
「だがな、オデル。何も異世界の人間であるお前が、そう危険なことをする必
要もあるまい」
 ジェミナスは確かにこの世界では強力な兵器だ。それにオデルの技量が加わ
れば、ロッシェとレオスであっても、一歩譲る形になるだろう。しかし、いく
ら強力といっても、一兵器が戦場を左右するといった例はそれほど多くはない。
皆無とは言わないが、それほど意味があるとも思えない。
「それにだ、俺達はいずれはこの世界から去らねばならない人間だ。この世界
に深く浸かるのも、大概にしておいたほうが良い」
「その通りだが、お前には言われたくないなロッシェ……。ところで、現在宇
宙には誰が残っているんだ?」
395運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:26:38 ID:???
 これは、ロッシェが地上に来ていると知ったとき、オデルが真っ先に気にな
ったことである。てっきりロッシェは、ハワード共に、元の世界に帰る方法を
模索しているのだとばかり思っていたが……
「宇宙にはハワードと、後、アイツが残ってる。元の世界に帰る方法は、ハワ
ードやアイツがやってくれてるが……問題はウルカヌスだな」
 さすがに、モビルスーツで行動できるのが一人では、色々大変だろう。だか
らこそ、ロッシェはオデルにも宇宙に戻って貰い、その辺りの捜索をはじめた
いのだ。
「くどいな、私はしばらくはミネルバの客員だ。宇宙に戻るのは、一区切り付
いてからだろう」
「オデル……お前にもしものことがあったら、アディンになんと言えば良いん
だ」
 説得は無理だと知りながらも、ロッシェは論法を変えて攻めてみる。
「第一、君はトリシアのためにも帰らねばならない男だ。その辺をもう少し考
えたらどうだ」
 トリシアとは、オデルの妻である女性、トリシア・ファレルのことだ。ロッ
シェが出会った頃は、二人はまだ婚約関係だったのだが、後に正式に結婚した。
彼女はMO-Xのオペレーターで、気丈で聡明な人格を、ロッシェは高く評価して
いる。
「重ねて言うが、お前に言われたくはない。お前にだって、アリサがいるだろ
う。彼女のためにも、一日も早く帰りたいと思っているはずだ」
「アリサのことは……言うな」
 ロッシェは気まずそうに口を噤んだ。図星だったからであるが、それ以外の
引け目が、実はあった。
「まったく、人が心配していってやってるのに、貴様という奴は」
 この時、二人が会話している場所は、完全に人払いがされているはずだった。
これは議長の配慮であり、二人は安心して会話を交わしていたのだが、実は会
話をこっそりと立ち聞きしている人物がいた。
 それは、長いピンク色の髪をした少女で、少女はつい先ほどまで、ロッシェ
と行動を共にしていた。彼女は興味本位で、ロッシェとその友人の会話を聴い
てしまったのだ。彼女の知り得ない、事実があるとも知らずに。
 少女は、少しだけ身体を震わせると、黙ってその場を立ち去った。
「ロッシェ、実はお前に渡すものがある」
「渡すもの?」
 そんなことは知らずに、ロッシェとオデルは話し込んでいた。オデルは懐か
ら記録ディスクのようなものを取り出すと、それをロッシェに渡した。
「これは? 何かのデータのようだが」
「あるモビルスーツの資料と、その強化パーツの設計データが入っている。そ
れを、ハワードに渡して欲しい」
「どういうことだ?」
 オデルの話では、ミネルバにG-UNITとよく似た設計思想の兵器があり、その
資料を読むうちに様々な長所や短所、利点や欠点が見えてきて、ついには有効
な強化パーツまで設計してしまったというのだ。
「まったく、ハワードといい、技術者というのは救わぬ性分だな」
 苦笑しながらも、ロッシェはそれを受け取った。
396運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 02:29:04 ID:???


 夜が更け、深夜といっていい時間に差し掛かった頃、ホテルの外では小規模
な事件が起きていた。旧連合が人体実験をしていたとされる施設が見つかり、
ファントムペインの武装集団がそこにいるというのだ。
「ロドニアか……そう遠くはない。すぐに部隊を出撃させろ」
 モラシムは基地の白兵戦部隊などを動員して、これをロドニアに向けて出発
させた。即断即決は彼の持ち味であり、夜襲を掛けてこれを落とそうというの
だ。
 これによって基地の白兵要員が減ることになるが、致し方のないことだ。モ
ラシムは自分の考えに自信を持っていたが、実は彼は別の人間の思惑に、まん
まと乗せられていたのだ。
「ディオキア基地から、軍用ヘリと装甲車の発進を確認……予想通り、結構な
数が出たな」
 遠くから、双眼鏡でそれを確認していたスティングは、自分の思惑通りに事
が運んだことにほくそ笑んでいた。
 そう、これは彼が考えた、陽動作戦だったのだ。彼らがラクス・クラインの
滞在するホテルへ潜入すると同時に、別方向で大規模な事件や事故を起こす。
それもザフトの注意や関心を引きやすい部類のものを。
 ロドニアのラボは、確かに旧連合が人体実験を行っていた施設の一つである。
スティングにとっても、アウルやステラにとっても因縁深い場所だ。施設はザ
フトによって制圧されるだろうが、そこはもぬけの殻であり、彼らは資料こそ
手に入れても、一人の武装兵も見つけられないだろう。
 本当は、施設に時限式の爆弾を仕掛けて混乱を誘いたかったのだが、急場と
いうこともあって、用意が間に合わなかった。それでも、ザフト軍をこうして
誘き出したのだから、まあ、作戦としては合格ラインだろう。
「後は、何事の邪魔もなく、ラクス・クラインの身柄を確保できればだが……」
 スティングは後方に控える仲間たちに目をやった。中でも、アウルとステラ
に顔を向けるが、どちらもふてぶてしいといった表情をしている。実は、アウ
ルがステラを連れ帰ってから、二人はずっとこのような調子だった。
 話を訊いたところ、アウルによればステラが得体の知れない男と話し込んで
いたので救い出してきた、とのことだが、ステラに言わせると、優しい人とお
話をしていたら、アウルが無理矢理に手を引っ張り連れ帰られた、というわけ
である。
 どちらも主観が入っているが、アウルの苛々しているといった態度から察す
るに、ステラが同年代の少年と会話しているのを見て、嫉妬に駆られたのだろ
う。まったく、判りやすい奴だ。
 もっとも、その判りやすさが、ステラには伝わらないのだが……
「時間だ。行くぞ」
 ホテルの見取り図は、苦労した末に入手し、ほぼ全員が頭に叩き込んであり、
彼らが保持する小型端末に地図がインプットされている。唯一の例外がステラ
で、彼女には作戦内容を教え込むだけで精一杯で、見取り図までは憶えさせる
ことが出来なかった。
 しかし、ステラの暗殺能力、白兵戦能力を持ってすれば、大抵の事態は切り
抜けることが出来るであろう。
 スティングたちは、十数の集団に分かれると、一般客を装ってロビーから堂
々と潜入したり、警備の薄い部分から隠れて潜入をはじめた。
397運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 03:00:51 ID:???
「うっ――!?」
 一人、警備の男がうめき声を上げた。ステラが、男の口を塞ぎ、喉元をナイ
フで切り裂いたのだ。男はそれ以上の声を上げることもなく、静かに倒れ込ん
だ。
「雲行きが怪しい……雲が厚くなってきたな。急ごう」
 スティングの支持で、彼らの行動が開始された。ラクス・クライン誘拐作戦
が始まったのである。
 この時、スティングがもう少し空に、そう、雲の向こうに気を向かせていれ
ば、それに気付いたかも知れなかった。そこに居る、居てはならない存在に。

 オデルとの会話を終えたロッシェは、ミーアが待つスイートルームへと戻っ
ていた。
 部屋にはいると、そこは僅かな照明だけ付けられており、薄暗かった。
「ミーア? もう寝たのか……?」
 長々と話し込んでいたし、ミーアはライブ疲れがある。もう寝ていても、不
思議はなかった。
 だが、ミーアは寝ていなかった。寝間着にも着替えておらず、私服のまま、
窓辺に立っていた。ロッシェに気付き、ゆっくりと振り返る。
「お帰りなさい……」
「あぁ、ただいま」
 挨拶を交わして、ロッシェはミーアの口調に違和感を感じる。そこには、彼
女が持つ明るさがなかった。
「お友達とは、会えたの?」
「勿論、久しぶりに色々と話すことが出来た。感謝している」
「そう……」
 やはり、何かが変だ。
 ロッシェは、この奇妙な違和感について問いただそうと、ミーアに喋りかけ
ようとするが、
「ねぇ、ロッシェ」
「……なんだ?」
「話があるの」
「話?」
 真剣な彼女の口調に、ロッシェは若干、気圧されていた。何の話なのか、心
のどこかで予想が付いたからであろうか。
「大事な話……そう、大事な話よ」
 ミーアは言いながら、ロッシェに向かって歩いてくる。ロッシェはその場に
立ちつくし、動くことが出来ない。
「貴方の――」
 それは突然の攻撃だった。
 爆発音と共に、衝撃と振動が、ホテルを揺らした。
 ロッシェとミーアが地球に来て僅か二日、早くも迫り来る生命の危機に、晒
されつつあった。

                                つづく
398運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/18(木) 03:13:57 ID:???
第34話です。
33話を投下したとき、はじめて読まれたという方があらすじを知りたい、と書
かれていたので、この場を借りて、作品解説のようなものを書かせていただき
ます。
この『運命の歌姫』は、通常のガンダムWのキャラではなく、『新機動戦記ガン
ダムW デュアルストーリー G-UNIT』のキャラを使ったSSとなっています。
既にこのスレでは、Wキャラと種キャラの絡みを描いたW-DESTINYを初めとした
多くの名作が生まれ、皆様に親しまれていたので、私は敢えて誰も使っていな
かったG-UNITをネタにさせていただきました。
作品コンセプトとしては、初期の後書きにも書きましたが、「種の世界で、Wの
世界を書く」というものです。A.C.世界で起こった様々な出来事を、C.E世界で
置き換えたらどうなるのか? 無論、話を全て置き換えるのではなく、Wっぽい
話や展開を要所、要所に散りばめていくといった感じです。
このように長いシリーズを書くのは初めてであり、いたらぬ所も多々あります
が、1話から読んで下さると幸いです。

wikiに登録して下さった方、ありがとうございます。あとがきではありますが、
お礼を言わせて下さい。
尚、31話のサブタイトルなのですが、あれは何が良いか浮かばずに、そのまま
放置し、それを忘れて投下してしまったものなのです。
私はタイトルを付けるのが凄い苦手で、いつもギリギリまで決まらなかったり
します。31話は、実のところ未だに決まっていない、というか思い浮かびません。
もういっそのこと、誰か付けてくれて良いですよって感じなのですが、作者とし
て、そう無責任なことも言ってられないので、何とかしなくては……

長々と後書きを書いてしまいました。では、また次回に、
399通常の名無しさんの3倍:2007/10/18(木) 06:49:37 ID:???
GJ!
ロドニアにシンが行かないってことは、ここでステラと再会してしまうのか、それともロッシェが襲撃してきたステラを捕まえるのか。
一方のロッシェは修羅場突入かってトコで別の修羅場、もうwktkが止まらない!
400通常の名無しさんの3倍:2007/10/18(木) 16:10:58 ID:???
>>352です。わざわざすみませんでした
Wのキャラいないなと思ってたら、外伝?のキャラだったんですね
読み直してみます
401通常の名無しさんの3倍:2007/10/18(木) 16:27:56 ID:???
GJ!
これはいい展開。
402通常の名無しさんの3倍:2007/10/18(木) 17:35:59 ID:???
此処のラクシズは、思いっきり惰眠を貪ってるなぁ(w
403通常の名無しさんの3倍:2007/10/18(木) 22:46:09 ID:???
そりゃブレイク・ザ・ワールドも起きてなければ暗殺未遂も起きてないし、
ましてキラはいまだに精神的に再起不能なわけで。
もうラクシズはストーリーに関わらないんじゃないか?
404通常の名無しさんの3倍:2007/10/19(金) 16:28:16 ID:???
ついでに言えば自由をプラントに返してるしな。
ストフリを密かに建造している、って言うオチならともかく、そうでないならキラが乗る機体すらありゃしない。

本人が精神的に駄目駄目になっちゃってるけど。
でも原作のキラより真人間だよね、ここのキラはw
405通常の名無しさんの3倍:2007/10/20(土) 04:44:25 ID:???
放送日あげ
406通常の名無しさんの3倍:2007/10/20(土) 07:18:15 ID:???
キラさえ出てこなければ、普通にWみたいな展開になっていくよね
407通常の名無しさんの3倍:2007/10/20(土) 12:37:11 ID:???
心が折れてるけど、ちゃんと常識も持ってる真人間キラが動かざるをえなくなるシチュか…
やっぱ洗脳くらいしか思いつかんw
408通常の名無しさんの3倍:2007/10/20(土) 14:08:11 ID:???
きっとキラがゼクスの位置に来てくれると・・・・・・
アスラン?トレーズとかカーンズじゃない?
409通常の名無しさんの3倍:2007/10/20(土) 15:49:14 ID:???
>408
セプテム将軍くらいが妥当だな。
ゼロシステムに飲み込まれたイザークあたりが、もうアスランいらなくね? って感じで。
410通常の名無しさんの3倍:2007/10/21(日) 20:53:50 ID:???
>>408
トレーズ様は言いすぎ。
411運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:23:47 ID:???
投下します。前回より長いです。絶対規制入ります。
412運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:25:42 ID:???
 深夜のディオキア基地で、警報が鳴り響く。
 警戒レベルは第一級に指定され、警告灯がまぶしく光る。
「一体何が起こった!?」
 司令官室にて待機していたモラシムは、突然の事態に慌てて中央指令室に駆
け込んできた。指令室は既に慌ただしく、士官たちが動き回っていたが、通信
士官の一人がモラシムの姿を見つけると、この異常事態に声を上げて叫んだ。
「ラクス・クラインの滞在するホテルに緊急事態が起こりました!」
「緊急事態だと? 一体何が起こった」
 怒鳴るようにモラシムが問いただすと、士官は必死で呼吸を整えながら声を
出した。
「爆発が起こりました。モビルスーツによる攻撃と思われます!」
 モラシムの顔から血の気が引いた。指令室の座席に座ろうとしていた腰が、
再び浮き上がったぐらいだ。
 指令室のメインモニターがホテル周辺の映像に切り替わる。ホテルは、轟々
と赤い炎を立て、燃えているようにみえた。
「幸い攻撃は、ホテルの中庭に着弾したため、ホテル自体の損傷はそれほどで
はありませんが……」
「そんなことはどうでもいい! どこからだ、どこからの攻撃だ!?」
 よりにもよって、ディオキア基地の警戒網を突破され、議長とラクス・クラ
インの泊まるホテルを襲撃されたのだ。
「ホテル上空からと思われますが、詳細はまだ」
 歯切れの悪い士官の物言いに、苛立ちを隠せないモラシムは、大声を張り上
げる。
「当直の警備主任はなにをしていた? 何故、こうなる前に止められなかった!」
 そこに、索敵士官からの報告が届いた。
「先ほどから、あらゆるレーダーやセンサーを使い、目標物の補足を行ってい
ますが、失敗しています。どうやら、攻撃を行ったのは強いステルス機能を持
つ機体だと思われます」
「ステルス機だと? 光学映像に切り替えろ、目標を捕らえるんだ」
 しかし、これも上手くいかなかった。この夜の天気は非常に悪く、流れは速
いが、常に分厚い雲が空を覆っていたのだ。
「敵軍か、テロリストの襲撃だろう。すぐに部隊をホテルに急行させろ! そ
れと、ヘリを飛ばして、敵機の確認を……」
 命令を飛ばすモラシムに、副官が言いにくそうに口を開いてきた。
「それは難しいと思われます」
「何? どういうことだ」
「小型軍用機や、白兵戦部隊のほとんどは、先ほど司令官の命令でロドニアに
向かわせました。呼び戻すにしても、最低1時間は……」
 士官はそれ以上言葉を続けられなかった。豪毅な人物としられるモラシムが、
完全に硬直していた。



             第35話「歌姫の嘆き」

413運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:27:10 ID:???
「一体、何が起こった……」
 床に倒れ込んでいたロッシェは、ゆっくりと立ちあがった。彼は爆発音に反
応して、ミーアを抱えて倒れるように床に伏せていたのだ。
「ミーア、大丈夫か?」
「う、うん……」
 怯えたようにミーアが答える。無理もない、突然の爆発だった。ロッシェは
窓に目をやる。硝子は割れていない、ということは、この部屋に直接攻撃があ
ったわけではないらしい。
「火煙の上り具合からすると、下か?」
 攻撃か、それとも何かの事故か。
 さすがのロッシェもこの時点では、モビルスーツによる攻撃だと気付いては
いなかった。
「何にしても情報だ……すぐSPに」
 言いかけて、ロッシェは気付いた。何故、SPが部屋に飛び込んでこない? 
ここではないにしろ、爆発が起こったのだ。外に控えるSPが、中の様子や、ミ
ーアの安否を知るために部屋に入ってくるのは当然だろう。
「誰か、誰かいないのか!」
 ロッシェは声を上げながら、部屋の扉まで歩いていき、勢いよく扉を開け放
った。
 だが……
「これは、どういうことだ!?」
 部屋の外には、誰一人としてSPがいなかった。扉の前や、廊下、エレベータ
前、そして階段など、二十人はいたはずのSPがどこにもいなかった。
「馬鹿な、奴ら、何処へ消えた?」
 分けが分からず、ロッシェはミーアの方を振り向いた。驚きを隠せないとい
ったロッシェだったのだが、ミーアは、至って平然とした。どこか、諦めを滲
ませたような表情を、その顔に浮かび上がらせながら。
「SPは、みんな違う場所へいったのよ。爆発が起こったんだもん、当然よね」
「違う場所? 何を言ってるんだ、彼らは君のSPだろう。護衛対象の君を放り
出して、一体どこに行くというんだ」
「そう、『昨日までは』あたしのSPだった……」
 何かを悟ったような、そんな不可解な雰囲気を醸し出すミーアに、ますます
ロッシェは混乱してしまう。しかし、今はそれを考えてる暇はない。
「とりあえず、ここを出よう。君を狙ったテロの可能性もある」
 幸い、ミーアは動きやすい私服を着ているので着替える必要がない。ロッシ
ェは、彼が使用していた隣室に入り、備え付けの机から、拳銃を取り出した。
これが、彼とミーアを守る、唯一の武器だった。
「グフまで辿り着ければ良いが」
 ロッシェが騎乗するグフは、ホテル近くの林の中にある。本当はホテルのす
ぐ側に置きたかったのだが、景観を損ねるだのと色々な理由で却下されたのだ。
「さあ、行くぞミーア」
 ロッシェの声に、ミーアは黙って頷いた。彼女は、無言でロッシェの後に付
いていった。

414運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:29:23 ID:???

 一体、何が起こったのか?
 この夜、この疑問を抱えた人々は非常に多かった。しかし、その中でも、ス
ティングたちテロリストが受けた衝撃と動揺は大きかった。
「くそっ、誰が爆弾なんて使いやがった!」
 スティングは、チームの誰かが爆発物を使ったのだと思い込んでいた。だが、
別行動を取っているアウルからの連絡で、攻撃は中空から行われたという事実
を知った。
「つまり、俺達以外のテロリストが空にいるって事か!?」
『そうみたいだねぇ……どうする? 俺達、さっさと逃げ出したほうがいいん
じゃないの?』
「そんなこと出来るか! 任務も果たせず帰ったとあったら、俺達はともかく
ネオがやばい」
 成功したのならともかく、失敗して成果も為しに帰ったと合っては、ネオの
立場がない。スティングはそれを誰よりも理解しているからこそ、この状況に
焦りを憶えつつあった。
『でも、空にいる奴はこのホテルをメチャクチャに壊すつもりなんだろ? や
ばいじゃん』
「いや、そうとも限らない。空のいる奴が、このホテルを破壊するつもりなら、
さっきの一発で終わってるはずだ。これにはなにかある」
 スティングの洞察は正しかった。空にいるもう一人のテロリスト、戦闘機か、
モビルスーツかは不明だが、ホテルの破壊が目的ならば、既に仕事は済んでい
るはずだ。いくら分厚い雲に空が覆われているといっても、この距離で狙いを
外すだなんてあり得ない。
「俺達は、俺達の仕事をする。予定通りに行動しろ」
 逆に言えば、ラクス・クラインを護衛する者たちの間でも、混乱が生じてい
るはずだ。そこを狙って一気に突破できれば……
 考えるスティングに、別の連絡が入った。最短距離でラクス・クラインが寝
泊まりする部屋に向かっていた部隊が、SPの集団と出会して銃撃戦を開始した
というのだ。
「敵に先手を打たれたか?」
 テロであることを見越して、積極的な攻勢に出たのか? スティングは、そ
う考えるも、どこか不自然なことに気付いた。連絡では、そのSPの集団と一緒
にラクスはいないという。
 SPの任務というのは、あくまで対象の護衛であり、敵を殲滅させることでは
ない。何故、わざわざ護衛対象から離れてまで、迎撃を行う必要がある?
 幾つもの疑問が頭の中を飛び交い、スティングが混乱しかけていたとき、突
如としてホテルの照明が、全て消えた。
「ステラがやったか!」
 別行動を取っているステラたちのグループが、配電室を占拠無いし、破壊し
たのだろう。予備電源が作動しないところを見ると、ご丁寧に全て無力化した
らしい。
「いくぞ、絶対にラクス・クラインを確保するんだ!」
 スティングの号令と共に、暗闇に包まれたホテルの中を、テロリストたちが
駆けだした。
415運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:31:24 ID:???
 さて、この時このホテル外には、スティングたちにとってイレギュラーの存
在が出現していた。が、実はこのホテル中にも、スティングたちの知り得ない
人物たちが、いたのだ。
 ミネルバクルーである。
「なんだよ、一体……」
 闇夜の中を一人、シン・アスカが移動していた。
 彼もまた、この異常事態に戸惑いを隠せない一人だった。
「いきなり、爆発が起こったと思ったら、今度は電機まで消えやがった……ま
さか、テロじゃないだろうな?」
 配電室辺りで爆発でも起こったのかと思っていたが、どうやら爆発自体は外
で起こったらしい。シンは、自分の考えに嫌な寒気を憶えながら、慎重にホテ
ルの廊下を歩いている。
 シンは武器を携帯していない。格好こそザフトの赤服、つまりは軍服を着て
いるが、これは議長との会食の際に礼服として使用しただけであり、ましてそ
のような場所に銃器を持ち込むわけがない。
 さらに、突然ホテルに泊まるようにいわれたこともあってか、日用品のほと
んどはミネルバにあるのだ。
「レイやルナマリアは、大丈夫かな」
 二人ともこのホテルに泊まっているが、部屋は全く違う場所にあった。普段
から顔をつきあわせているのだし、こんな時ぐらい部屋も離れたほうが良いだ
ろうという配慮らしいが、シンは単純に部屋が余っていなかったのではないか
と疑っている。
 どちらにしろ、今は二人と合流がしたかった。
 一方で、シンはアスランや議長のことは一切考えていなかった。アスランは
ともかくとしても、議長には専用の護衛が幾人も付いてることだろう。
 シンは暗闇に目を凝らしながら、ひたすらホテルの廊下を歩いていた。

 そんなシンが合流を果たそうとしていた面々、レイとルナマリアはいち早く
合流を果たしていた。元々、二人の部屋は階にして一つ分の距離しかなく、容
易に合流が出来たのだ。
 だが、合流できたのは良いものの、二人の意見は真っ向から割れていた。
「急いで議長の下へ駆けつけるべきだ。賊は、議長を狙っているに違いない!」
 焦りと動揺に慌てふためく、そんなレイの姿を見るのは意外だったが、その
おかげでルナマリアは自分が幾分か冷静になっていることを感じながら、意見
する。
「今はシンと合流を果たすべきよ。シンのいる部屋と、議長のいる部屋じゃ、
シンの方が断然近いわ」
 近いといっても、どちらも遠いなかで、シンの方が距離的に近いという意味
に過ぎないのだが、レイは議長を優先するという意見を譲らない。
「議長に何かあれば、プラントはお終いだ! シンは白兵戦技も優秀な奴だし、
自分で何とか出来るだろう」
「落ち着きなさいよ。いい? このホテルで、テロの対象になりそうなのは、
確かに議長だけど、もう一人いるじゃない」
 そう、ラクス・クラインのことである。ルナマリアは、ここにいること自体
秘匿されている議長と、大っぴらにライブなどをも要していたラクスでは知名
度が違うと思っている。
「敵が狙うならまずラクスのはずよ。第一、銃も持ってないアタシたちが、テ
ロリストがいるかもしれないホテルを動き回るのは危険すぎるわ」
416運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:33:12 ID:???
 意見自体は正論そのものだったので、レイとしては言い返すことが出来ない。
むしろ、冷静さを欠いている自分に恥じ入るところだった。
 本来レイは、デュランダルに近い部屋になることを望んでいたのだが、あて
がわれた部屋はもっとも遠い位置にあった。アスラン・ザラが泊まることにな
った部屋は議長のいる部屋とそれなりに近かったのだが、まさか私情を理由に
上官へ部屋を変えてくれと言えるわけもなかった。
 そんなわけで、レイは現在、彼が身を案ずる相手、デュランダル議長ともっ
とも離れいた位置にいるのだった。

 そんなデュランダル議長であるが、彼がこの事態を前に動揺していなかった
といえば、嘘になるだろう。
 だが、仮にも彼は一国の代表であり、もっといえば人類社会にある二大勢力
のトップに君臨する男だ。このような事態、つまりテロの被害に遭うことも、
十分に想定は出来ていた。
「すぐにSPたちを結集しろ。そして、情報も集めろ!」
 就寝していたデュランダルは、爆発音に飛び起きると、素早く寝間着から着
替え、指示を飛ばした。すると、丁度その瞬間にホテルの明かりが全て消えて
しまった。
「議長、ここは危険です。非常通路を通って、ディオキア基地へ避難しましょ
う」
 懐中電灯の明かりを付けたSPの一人が、デュランダルにそう進言した。もし、
敵の狙いがデュランダルの誘拐や暗殺ならば、この場所に留まり続けるのは危
険だというのだ。
「よし、判った。すぐにここを離れよう」
 この時、デュランダルの身辺を守るSPの数は十人に満たなかった。お忍びと
いうこともあって、あまり大々的な警護をしなかったのが理由だが、既に『別
の場所』にいるSPを呼びつけてあるし、すぐに警護は万全の物になる、そう思
われた。思われて、いたのだが……
「ぐぁっ!?」
 懐中電灯の明かりだけが頼りの暗闇の中で、SPの一人がうめき声を上げた。
その一瞬前には、僅かな発砲音がした。つまり、撃たれたのだ。
「議長をお守りしろ!」
 SPたちは次々に銃を抜き放ち、暗闇の先にいる敵と激しい銃撃戦を開始した。
離れていてくださいとの声に押されるように、デュランダルは単身、距離を置
いてしまう。
 そして、気付いたときには、デュランダルを守るはずのSPは、誰一人として
立っていなかった。
「馬鹿な……」
 さすがに、デュランダルは身震いしていた。SPもいない、そんな中、暗闇の
ホテルに一人でいる、しかも前方からはテロリストであろう足音が迫っている
のだ。
 デュランダルは懐から拳銃を取り出した。護身用であり、もっといえば、そ
れ以上の物ではない。彼自身、銃の扱いは下手ではなかったが、それでもプロ
には遠く及ばない。
 迫り来る足音に、デュランダルが発砲しようと覚悟を決めたとき、
「うぉっ――!?」
417運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:35:17 ID:???
 前方で、人影が無数、動いている。銃声や、それとは別の鈍い音が鳴り響き、
どうやら格闘戦が行われているらしい。
 デュランダルは震える手で拳銃を構えているが、やがてその音が消えたとき、
前方から聞き覚えのある声が響いてきた。
「議長、ご無事ですか!?」
「アスランか? ここだ、ここにいる!」
 何と、あのアスラン・ザラが、議長の窮地に駆けつけてきたのだ。彼は、爆
発音と、それに続いて照明が消えたことに、テロの可能性を思い起こし、すぐ
さま議長の下へ走った。そして、間一髪、議長を狙うテロリストを打ち倒した
のだ。
「ご無事で何よりです、議長」
「間一髪だったがね……他のSPはどうだ?」
 尋ねるデュランダルに、アスランは小さく首を振った。激しい銃撃戦だった
のか、誰一人生きているものはいないらしい。
「このライフルは、テロリストを打ち倒して奪ったものです。少なくなくとも、
50人から100人の武装したテロリストが、このホテルに侵入したと思われます」
「無事に脱出できるだろうか?」
「どこかに潜んで、基地からの救援を待つという手もありますが、敵の数から
いってそれは難しいでしょう。大丈夫です、自分が必ず議長を安全な場所へと
退避させます」
 力強く言ってのけるアスランを、デュランダルは頼もしげに見つめていた。
何故だか、今のアスランには全幅の信頼が寄せられる、そんな気がした。


 その頃、ディオキア基地ではやっと事態の把握が出来つつあった。
「つまり、空中にモビルスーツがいて、まずはそいつが爆撃を行った。その次
に、ホテル内に侵入したテロリストが、ホテルの照明を落とした、ということ
だな?」
 確認するように、モラシムは幕僚たちを見回した。冷静さは取り戻しつつあ
ったが、状況がきついことに変わりはない。
「どういうつもりだろうか。ホテルを破壊するなら、最初の攻撃で終わってい
るはずだ。敵の狙いは何だ?」
 それはスティングが疑問に思ったことと全く同じ事であったが、モラシムの
参謀を務める士官がこう発言した。
「恐らく、モビルスーツによる攻撃は我々への牽制でしょう」
「というと?」
「つまり敵の狙いはデュランダル議長か、ラクス・クラインの拉致にあり、仮
にそれが失敗したときの保険として、ホテルを破壊ないし爆破する手段として、
モビルスーツを用意したのではないかと。さらに、我々が行動を起こした場合、
モビルスーツを使ってホテルへ攻撃することも出来ると、一種の警告のような
物でしょう」
 まさか、空にいるモビルスーツと、ホテル内部にいるテロリストに関係性が
全くないという事実に気づけるわけもなく、ディオキア基地首脳部は対応に苦
心していた。
「司令官閣下、ホテル上空に異変が!」
 メインスクリーンに映るホテルの映像、見れば、その上空の雲に乱れが生じ、
ゆっくりとであるがモビルスーツが降り立ってくる。
418運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:36:58 ID:???
「姿をさらすのか? 一体、何のために」
 モラシムが不可解そうに呟く。分厚い雲の中にいてこそ、その存在を隠せる
というものなのに、何故敵モビルスーツはわざわざ地上へと降りてくるのか。
「恐らく、姿をさらした方が、より強力な牽制になると思ったのでしょう」
 参謀がそう推測するが、指令室にはすぐに別のどよめきが起こった。降り立
った機体が、拡大映像で表示されたのである。
「ディン……だと」
 そこに映っていたのは、紛れもないザフト製モビルスーツ、ディンだった。
 ボディカラーなど、細部に違いはあるが見まごうわけがない。
「すぐに機体情報を照合しろ!」
 命令が飛び交う中、モラシムの副官が報告を入れてきた。基地の防衛システ
ムで、モビルスーツへの攻撃が可能だというのだ。
「敵が姿を見せたのは好機というもの、閣下、ご決断を」
 副官は熱っぽく攻撃を主張するが、モラシムはそれをはね除ける。
「仮に攻撃が失敗すれば、ホテルに被害が及ぶことになる。それだけは何とし
ても避けねばならん」
「ですが、モビルスーツを排除できれば、基地に残っている部隊をホテルに送
り込むことが出来ます。基地から攻撃がダメだというのなら、せめてこちらか
らもモビルスーツを使っては……」
「議長が泊まるホテルの前でモビルスーツ戦など出来るものか!」
 手詰まりとは正にこういう事をいうのだろう。だが、副官のいうことも一理
あるのは事実だ。
 要するにネックはモビルスーツの存在であり、あれさえ排除できればホテル
内に侵入したテロリストなど、すぐに駆逐できる。だが、あのモビルスーツが
いる限り、それが出来ないのだ。
 悩むモラシムの下へ、ミネルバから緊急回線が繋がれてきた。
『司令官、ハイネです!』
「おぉ、ハイネ・ヴェステンフルスか」
 モラシムは、手短に事態を説明しようとしたが、既にミネルバの方でもある
程度の事情と事態は把握しているようだった。
『俺がセイバーで出撃して、敵をホテルから引き離します』
「出来るのか、そんなことが?」
『やらないとホテルにいる連中の命が危ないんだ。やるしかないでしょ』
 あそこには俺の仲間と、友がいる。
 ハイネの進言を、モラシムは取り入れ、出撃を許可した。特務隊であるハイ
ネの技量に信頼を寄せていたからであるが、他に状況を打開する方法もないと
感じたからであった。

 素早く出撃の準備に取りかかったハイネは、同じく異常事態に部屋から飛び
出してきたオデル・バーネットに協力を要請していた。
「アイツをホテルから引き離すには、前後左右、どこでもいいから双方向で攻
撃を仕掛ける必要がある。お前のジェミナスで、俺を支援して欲しい」
 だが、オデルは彼には珍しく焦ったような口調で答えた。
「そうしたいのは山々だが、今ジェミナスはフライトユニットの整備をしてい
る。だから、出撃は出来ても空が飛べない」
419運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:38:37 ID:???
 オデルは休暇を利用して、ジェミナスの大掛かりな整備をしていたのだ。中
でも、酷使してたリーオーの高機動ユニットは一度ばらして整備していた。
「再装着して出撃するまで、四十分は掛かる」
「三十分に短縮してくれ、俺が何とか引き延ばす」
 まずハイネが出撃し、敵の正面を引きつけ、次に出撃したオデルが別方向か
ら回り込んで敵を押さえ込む。現状ではこれが最もベストな作戦だった。
 ハイネはセイバーのコクピットに乗り込むと、すぐさまハッチを開けさせた。
「ハイネ・ヴェステンフルス、セイバー発進する!」


 モビルスーツがすぐ外で姿を現したホテル内では、様々な場所で、それぞれ
の人物が動き回っていた。
 最上階から、なんとか外へ脱出しなければいけないロッシェとミーアの足取
りは、予想以上に重かった。ホテル内の全ての電源が落とされているため、エ
レベータもエスカレーターも起動しない。外に通じる道まで、歩かねばならな
いのだ。
 ロッシェは敢えて懐中電灯等の明かりを使わずに進んでいた。下手に明かり
を付けていると、敵に発見される確率が高くなる。
「ミーア、もう少しだ、もう少しで外に出られる」
 励まし、宥め、ミーアに気を使いながら歩き続けるロッシェだったが、ミー
アの体力は長続きしなかった。激しいライブを行って、まだ時間もそんなに経
ってはいない。むしろ、疲れが出るとすれば今だろう。そんな状態にもかかわ
らず、広いホテルの中を歩き回っているのだ。
「もう、ダメ……」
 ミーアが突然、地面へとへたり込んだ。疲れたようなその声は、いつになく
弱々しいものだった。
「ミーア、立つんだ」
「ダメ、もう歩けない……歩くの、疲れた」
「ミーア!」
 ロッシェは語気を強めるが、その瞬間予想外のことが起きた。ロッシェのこ
とを見上げた彼女の目から、涙が溢れていたのだ。
「ロッシェ、もういいのよ。私なんて置いて、貴方一人で逃げて……」
「何をいうんだ。そんなこと出来るわけ無いだろう」
「あたしに……あたしにそんな価値はない!」
 ミーアは、声を上げて叫んだ。少女は泣いている。
 涙を流して、泣いていた。
「ロッシェ、私には判ったの。いえ、判ってたのよ、いつかこんな日が来たと
き、自分の存在価値が証明されたとき、自分がどうなるかって」
「……どういうことだ?」
「SPたちが姿を消したのは何故か、判らないなら教えてあげるわ。彼らはね、
みんな議長の下へ行ったのよ。彼を守るために」
「何?」
 予想していなかったわけじゃない。可能性の一つとして、それも思い浮かべ
はした。だが、それでも、これは意外な事実だった。
「何故だ、何故、議長の下へ行くんだ? 彼らは、君の……」
「護衛部隊? 違うわ、彼らは議長の用意した監視役に過ぎない。彼らはあた
しじゃなくて、議長の忠誠を誓っているのよ。だから、爆発が起きたとき、真
っ先に議長の身を案じて、飛び出していったの」
420運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:40:21 ID:???
 護衛対象であるはずのラクス・クラインを放り出し、本来の護衛対象の下へと
向かったのだ。
 全ては、ギルバート・デュランダルという男を守るために。
「だが、それじゃあ君はどうなる? 君の身は誰が守る」
 無論、ロッシェは守り抜くつもりであるが、そういうことを言っているので
はない。
「言ったでしょ、これがあたしの存在価値……議長はね、あたしが危険な目に
合おうが、極端に言うと死んだって全然構わないのよ」
「そんな、馬鹿な……」
「事実よ。そもそも、どうしてあたしの今回の地球行きが決まったと思うの?
 こういう事が起こるかも知れないって判ってて、それでも行かせたのよ。国
の象徴であるはずの『ラクス・クライン』を」
 つまりそれは、ラクスの身に何かあっても大丈夫だと、構う必要がないとい
うことなのだ。
 議長は、ギルバート・デュランダルという男は……
「死んだら死んだで、また新しいのを用意すればいい。これが議長の本心よ」
 それほど重要などと、思ったことは一度もない。死んでも、また新しいのを
あてがえばいい。そもそも、ミーア自身、ラクス・クラインの変わりとして
『作られた』存在である以上、容易に想像できることだった。
「これが真実、これが私の、価値よ」
 ミーアは寂しそうに、自嘲めいた口調で呟いた。
「君は……君は、それを知りながら、ラクス・クラインを演じていたというの
か?」
 彼女の口から発せられた事実に、ロッシェは動揺を隠せなかった。デュラン
ダルの思惑と、それを明確に理解していたミーア、知らなかったのは、自分だ
けだった。
「だって……だって、仕方ないじゃない! もうあたしはミーアじゃない、ラ
クスなのよ。ラクス・クラインになった以上、それをやり通すしかないじゃな
い!」
「ミーア!」
「ロッシェ、貴方だけ、貴方だけなのよ、今も私のことを『ミーア』と呼んで
くれるのは……」
 誰か一人でも、自分がミーア・キャンベルであることを知っていて欲しい、
憶えていて欲しい。
 だからミーアはロッシェに近づいた。ラクス・クラインという存在を見たこ
とも聞いたこともない異世界の迷い人。そんな彼なら、自分自身、ミーア・キ
ャンベルとしての自分で、接することが出来る。
「だけど、そんなのいつまでも続くわけがない……ロッシェだって、いつかき
っと元いた世界に帰っちゃう。そうしたらあたしは、あたしは、一人になる」
「ミーア……私は」
「待ってる人がいるんでしょう、その世界には」
 何故ミーアがそれを知っているのか、この時のロッシェはそれを尋ねること
が出来なかった。
 気高い男であるはずのロッシェが、動揺で口がきけなくなってしまっている。
彼は何と、ミーアに声を掛けるべきか迷っていた。どんなことを言えばいいの
か、声が、出ない。
421運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 03:42:16 ID:???
「いたぞ! ラクス・クラインだ!」
 その時、ロッシェとミーアの前に数人の男たちが駆けてきた。ロッシェは瞬
間的に銃を抜き放つと、ミーアを壁際へと寄せた。
暗闇においても、ロッシェは敵に後れを取ることなど無いと思っていた。精
神的動揺はあったが、それを除けば条件は同じだ。
 同じのはずだった。
「これはっ――!?」
 先に撃ったのは、テロリストたちであった。ライフルから放たれた銃弾は、
正確にロッシェの持つ拳銃を弾き飛ばしていた。
 ロッシェは瞬間的に壁際にいるミーアを抱え、廊下の角へと身を寄せた。
「ロッシェ、大丈夫?」
「あぁ……どうやら、奴らは暗視スコープ付きのライフルを持ってるらしい」
 比べて、こちらは唯一の武器を早々に失ってしまった。こうなれば格闘戦を
挑むしかないが……
「もう無理よ、ロッシェ、貴方だけでも逃げて!」
「そんなこと出来るか!」
「どうして? どうして貴方はあたしなんかを……」
 少なくとも、嫌われていないとは思う。好意的であることも判っている。だ
が、それだけでは、命を賭ける理由にはならない。命を賭けて、自分を守って
くれる理由には、ならないはずだ。
「私は……私は騎士だ!」
 ロッシェは断言でする。
「騎士は、騎士道を重んじる男は、一度守ると決めた相手を、絶対に守る!」
 そして……少なくとも、ロッシェはミーアに好意を持っている。これは動か
しようのない事実だった。
「ラクス・クラインだとか、そんなことは私には関係ない。私はミーア・キャ
ンベルという女性と知り合い、ミーアとしての君と接してきた。ラクスとして
の君が必要ないのだとしても、私はミーア・キャンベルという人を守りたい」
「でも、私は……」
「ラクス・クラインがなんだ。例え、そいつがどんなに偉大な奴でも、今ここ
にいるのは紛れもない君だ! 君は君に出来ることを、精一杯やれば良いん
だ!」
 今必要なのはラクスという虚像かも知れない。ならば、それを変えればいい。
自分の意思で物を決め、自分の意思で物を言う、行動は結果だ。人はその人が
何を言ったかでも、何を行ったかでもない。
 その結果、どう変わったのかを判断するのだ。
「そんなこと、私に出来るわけが」
「君と同じぐらいの歳の女に出来たことだ、やってやれないことはない」
 コーディネイターの性能だとか、個体差の優劣だとか、そんなことは関係な
い。
「君自身が、自分で動いてこそ、人々はミーア・キャンベルという君を認めて
くれる、そうじゃないのか?」
「ロッシェ……」
 涙を拭うロッシェに、ミーアは寄り添う。今は、ロッシェ一人かも知れない。
だが、やがては全ての人が知るようになればいい。
 ミーア・キャンベルという少女のことを。
422運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:13:30 ID:???
「その為にも、まずはここを切り抜けなくてはならないな」
 テロリストたちは慎重に動いているようだが、手持ちの武器がないこちらが
圧倒的に不利だ。一か八か飛び出して、格闘戦を挑むか? 仮に失敗しても、
ミーアを逃がす時間ぐらいは稼げるかも知れない。
「ミーア、ここは私が……」
 言いかけて、すぐ側で銃撃音が響いた。何人か、男たちの悲鳴が響く。数か
らいって、今し方ロッシェと対峙していたテロリストたちのものだろうが……
「ラクス様! 大丈夫ですか!?」
 ザフトの警備官の制服を着た若い男が駆けてきた。ロッシェは少しだけ身構
えるが、男は肩で息をしながら身分証を提示した。
「階下の警備をしていた者です。お二人とも、ご無事ですか?」
 身分証は本物で、このホテルの警備を任されている兵士の一人だった。
「貴方、どうしてここに?」
 何故、議長ではなく、自分の下へなど来たのか。ミーアはそれが不思議でな
らない。
「自分は、ラクス・クラインの警護をするためにこのホテルにいたのです。議
長を守るためではありません」
 青年といっていい年頃の兵士は、ミーアに関する事情は知らないようだった
が、自分の意思でこの場に駆けつけたらしい。
「確かに議長が来られた際、何事にも議長優先でとの命令は受けましたが、私
は最初の命令を遂行します」
 単純にラクス・クラインが好きなのか、それともデュランダルが嫌いなのか、
どちらにしろ味方が増えるのは良いことで、自分のために駆けつけてきた人間
がいるという事実は、ミーアの心を随分と軽くした。
「何とかして外に出たいのだが、どこか出られる場所はないか?」
 ロッシェは弾き飛ばされた銃を拾いながら、青年兵に道を尋ねる。
「ここから近い場所に非常階段があります。爆発が起こった中庭の真裏ですし、
そこなら外に出られると思います」
「よし、ならば当面はそこを目指そう……もう少し頑張れるか?」
 ミーアの方を振り向くロッシェ。暗闇の中だが、ミーアはハッキリと頷いた。


 ハイネ・ヴェステンフルスが乗るセイバーは、ミネルバから発進しすると、
すぐにホテル上空へと到着した。ビームライフルを構えて、地上のディンを威
嚇するが、ディンはメインカメラを向けただけで、全く動じない。
「くそっ、ホテルを背にすればこちらが撃てないと思ってやがるな」
 敵が地上に降りてきたのは、恐らくホテルを背にすることで、こちらの攻撃
を封じる意味もあったのだろう。確かにこれでは、ホテルへの着弾を恐れてビ
ームライフルなどの射撃武器が使えない。
 さらに、敵がホテルと密接している以上、爆散させずに倒す必要もある。
「なら、ビームサーベルで……」
 接近戦を挑もうとするハイネだったが、それをいち早く察したのか、敵は驚
くべき行動に出た。
 何と、ディンの持つライフルの銃口を、ホテルへと向けたのだ。
423運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:16:39 ID:???
「下手に動けば、ホテルに攻撃するってことかよ! なんて野郎だ!」
 やはり一人でこの敵をどうにかするのは無理だ。
 ハイネは膠着しつつある状態に冷や汗を流す。余り長引かせれば、ホテルの
中に残っている面々の危険が増すばかりだ。早くなんとかしなければ……
 改めて敵機体を見るハイネ。先ほど、ディオキア基地の方からデータが送ら
れてきた。この機体は、ディンのカスタム機で『ディンレイヴン』というらし
い。地上用のディンをステルスタイプにカスタマイズした機体で、大戦末期に
少数作られたという。
 通常のディンに比べ、推力や機動力がかなり高くなっており、モビルスーツ
の性能としても、並の機体とは分けが違う。
「しかし、何だってこんな機体をテロリストが持ってるんだ?」
 パイロットは、ザフトの過激派だろうか? 以前、ユニウス7で事件を起こし
たテログループは、ザフトを脱走した過激派グループだったという。同じか、
もしくは似たような連中が、ラクス・クラインの命か、それとも身柄を狙って
動いているのだとすれば?
「それにしちゃ、随分とずさんな計画だな……」
 今夜起きた一連の出来事は、非常に上手く計算され、練りに練られた作戦で
あるようにハイネには思われた。
 偽の情報を流して基地の部隊を遠くへ追いやり、その隙を狙ってホテルへと
侵入を果たす。ここまではいい。だが……
「モビルスーツを出すタイミングが早すぎる。これじゃあ、ホテルの中に入っ
た連中は隠密な行動が取りにくくなるはずだ」
 まさか、とハイネは思う。
 もしかして、千分の一、いや、万分の一ぐらいの確立で、あのモビルスーツ
とホテルの中にいるテロリストたちが、まったく違うグループで、たまたま居
合わせただけだとしたら?
 この状況が、奇妙な偶然が重なった結果だとすれば?
「そうすれば、この噛み合わなさに説明が付く」
 そんな偶然起こりうるのか? そう考えないでもないハイネだったが、敵の
呼吸の合わなさは明らかにおかしい。これは何かあるはずだ。
「案外、あのモビルスーツのパイロットも動揺しているのかもな」
 これは予想というより希望である。敵が動揺なり、混乱していてくれれば、
それだけ時間が稼げるのだから……

 動揺を期待されたディンレイヴンのパイロットは、確かに動揺していた。こ
の機体が持つ優れた索敵機能で、ホテル内を調べた結果、何と別のテロリスト
がホテル内で激しい戦闘を繰り広げているのだ。
「何でこんなことになった……」
 慌てたような声を出す男の声は、聞く人が聞けば非常に耳障りな、甲高い声
をしていた。
 男は、名をヨップ・フォン・アラファスという。
 今日の夕方まで、アスラン・ザラと会話をしていた、あの男だった。彼はア
スランとの会話を終えると、すぐに地上協力員の下へ赴き、渋る相手を銃殺し、
モビルスーツを奪ってここまで来たのだ。
 全てはアスランを殺し、デュランダル議長の身柄を確保するため。
 計画はもっと簡単にいくはずだった。ホテルの中庭に軽い爆発を起こし、何
事かと窓際に現れるであろうデュランダルの身柄を確保する。それだけで、済
むはずだった。
424運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:18:17 ID:???
 それがどうだ。爆発後、突如としてホテルの照明が落ち、落ちたと思ったら
各所で銃撃戦が行われる始末。これでは、デュランダルを探すどころか、アス
ランを始末することさえ出来ない。
「俺の計画は、完璧のはずだ!」
 ヨップは確かに頭が良い。組織の中にあって、それを運営する能力には確か
に長けていたし、特殊戦などの任務でも高い成功率を誇っていた。
 それが彼の自信であり、自分を高く評価する理由、自負であった。
「何とか、何とかしないと……」
 しかし、彼は自分の計算外の事が起きると、途端に焦り、動揺した。彼が意
識しない弱点、精神面の脆さだった。
 だからこそ彼は、アスランに論破されたときも何も言い返せず、一方的に相
手に怒りをぶつけることしかできなかったのだが、今それを言っても仕方ない
だろう。
「せめて、アイツだけは……アスラン・ザラだけは殺す。ぶっ殺してやる!」
 怒りに吠えるヨップだったが、彼には余裕がなかった。この状況、確かに膠
着状態を保ってはいるが、長くは続かない。
 もし、ヨップがホテルに攻撃を仕掛ければ、眼前の機体は復讐心に身を躍ら
せ、全力でヨップを倒すため、襲いかかってくるだろう。では、逃げ出すとし
て、ヨップも敵の機体のことは知っている。
 ZGMF-X23Sセイバー、セカンドステージシリーズにおいて、もっとも空中戦に
適した航空機系統の機体だ。その圧倒的な加速力を前に、ディンレイヴンで逃
げ切ることが出来るのか? ステルス機能など、この際飾りにしかならない。
「俺は、どうすれば……」
 ヨップは迷い、焦り、悩む。そしてその時間は、彼の敵に決定的な時間を与
えつつあった。


 ヨップの標的である二人、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダ
ルと、特務隊フェイスに所属する男、アスラン・ザラは行動を共にしていた。
デュランダルは、この夜に起きた出来事を、一生忘れられないだろうと思って
いた。
 既に幾度もテロリストと遭遇してはいるのだが、
「ハァッ!」
 一人、テロリストの身体が宙を浮く。アスランが恐ろしいほどの威力のキッ
クを放ち、その身体を蹴り上げたのだ。そして、その宙に浮いた男に皆の目が
集中した瞬間、ライフルを連射して残りを始末する。
 アスランの強さは、圧倒的だった。
 向かい来る敵を、その驚異の身体能力を駆使して、バッタバッタと薙ぎ倒す。
射撃の腕は、敵のそれを凌駕していたし、格闘能力は一撃で相手の意識を奪う
ほどのものであった。
「なんて強さだ……」
 デュランダルはそんな光景をまざまざと見せられ、いや、見せつけられ、感
嘆せずにはいられなかった。
425運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:20:31 ID:???
 アスランの強さ、自分を守ってくれる頼もしい存在、そんな彼を重用した自
分、様々な考えが頭の中で巡り会い、デュランダルの気持ちを高ぶらせる。強
さを持って敵を倒し、デュランダルを守るアスランの姿は、彼にとってヒーロ
ー像となりつつあった。
 所謂、吊り橋効果という奴である。吊り橋など、揺れ幅の激しい極限状態に
身を置いた男女が、極限を一緒に体感したという事実から互いを信頼し合い、
恋愛に発展するというものだが、デュランダルはそれに似ていた。もっとも、
この場合は恋愛感情ではない、ただの偶像かと信頼で、アスランの方は議長に
何の感情無かったので、まあ良くて議長の片思いといったところだろうか。
「それにしても、ラクスたちは大丈夫でしょうか?」
 アスランは、ライフルの弾倉を交換しながら、呟くように言った。彼なりに、
一応は気にかけているらしい。
「そうだな……無事だといいのだが」
 彼女にした仕打ちのことなどすっかり忘れ、心にもないことをデュランダル
は口走る。彼の中で、ミーアがどうなろうと知ったことではないのだ。
「先ほど外にモビルスーツの影を見ました。これは早く、ホテルから脱出した
ほうが良いでしょう」
 アスランはテロリストが持っていた端末から、ホテルの詳細な地図を手に入
れていた。この分なら、非常通路の一つから外に出ることが出来そうだ。
 今まで出会ったテロリストたちは、デュランダルの姿を見ると誰もが意外そ
うな、驚いた顔をしていた。これから考えるに、敵は議長の存在を知らずに、
ラクスを狙ってきたのだろう。
 ならば、彼女の泊まる部屋から使われるであろう経路を全て無視し、離れた
経路を使えばある程度は無事に外に出られるはずだ。
「彼女には悪いが……な」
 アスランとしては、彼女を助けて感謝されるよりも、デュランダルの命を助
けて恩を売っておきたいのである。
 そうすれば、今後有利に動けるだろうから。

 騒動の輪から、一人はずれていたのはシン・アスカだった。驚くべき事に、
彼はホテルを移動する最中、未だにテロリストの一人にも出会していなかった。
これは武器を持たない彼にとっては幸運だったが、他の問題もある。
 シンはホテルの構造を知らないし、当然地図も持ってない。暗闇の中、ほぼ
当てずっぽうで進んでいるのだ。それで敵と遭遇しないのだから、まったく大
したものであるが、今、シンの足下にはあるものが転がっている。
 死体だった。
「これ、ザフトのSPだよな……?」
 死体を見るのは初めてではない。嫌というほど、脳裏に焼き付いてるものも
ある。それでも、慣れるということはないらしい。
 シンは震える手で死体を触り、まだ温かいことを確認する。
「ここで、銃撃戦が行われたのか?」
 死者に悪いと思いながらも、シンは死体から拳銃を奪った。この近くにテロ
リストがいるというのなら、少なくとも銃は必要だろう。
 シンが銃を懐にしまおうとしたとき、銃撃音が聞こえてきた。近い。
「近くで、誰か戦ってるのか?」
 音は激しく、数人による銃撃戦のようだった。
426運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:22:17 ID:???
 シンは拳銃を構えながら、ゆっくりと音のする方向に歩いていく。近づくに
つれ、銃撃音が小さくなり、代わりに人の悲鳴や、呻き声のようなものが聞こ
えてくる。
 意を決して、シンは暗闇の廊下に飛び出した。
「うっ――」
 そこは、屍だらけだった。ザフト兵とも、テロリストとも判らない死体が、
無数に転がっている。よほど激しい銃撃戦だったのだろう。
 シンが銃を構えた方向に、人影があった。窓のある廊下だというのに、闇夜
は相手の姿を視認させてはくれない。
「!?」
 人影が動いた、何かが空を切るような感じがすると共に、シンの腕から拳銃
が弾き飛ばされていた。
「手投げナイフか!?」
 見れば、転がる死体には、幾本ものナイフが刺さっていた。恐らく、ナイフ
専門の殺し屋といったところだろう。
 武器を失ったシンを後目に、人影は大振りのナイフを取り出した。ギラリと
した僅かな銀光と、刃物の音が鳴り響く。シンは、その場に転がっている兵士
の死体から、戦闘用の軍用ナイフをもぎ取った。
 靴音が鳴り響き、屍を飛び越えるように二人は跳んだ。ナイフ同士がぶつか
り、激しい金属音が生じる。ギチギチ、ギリギリとナイフの刃を這わせ、火花
が飛び散る。
 シンがナイフで斬り裂けば、相手はそれを打ち返し、突き刺さそうと迫り、
それを薙ぎ払えば、相手はそれを受け止め巻き込もうとする。弾き飛ばし、距
離を取ったシンは、相手が恐るべき使い手であることを悟る。
「強い……」
 暗闇での戦闘とはいえ、シンは自分の腕に、ナイフを使った接近戦において
自信があった。彼はアカデミー時代、その実力を持って同級生のトップに立ち、
殺しの教官とあだ名されるナイフのフレッドと、最も強い生徒としか戦わない
と評判の教官と戦った経験すらある。
 そんな自分と互角の勝負を繰り広げる、一体どんな奴なのだ?
 気付いたのは、相手の攻撃に重さがないということだ。素早く撃ち込まれる
一撃は、鋭さにおいてシンを圧倒していたが、不思議と重さがなかった。その
おかげもあって、シンは何とか防ぐことが出来ているのだが、これではまるで
……
「えっ――」
 偶然、だった。
 シンとテロリストが一騎打ちを行っている、まさにその時。分厚い雲の切れ
目から、月明かりが、ホテルへと差し込んだ。
 僅かな光だった。だが、それまで暗闇にいたものにとっては、それはこの上
ない光であり、そして――少女の姿を映し出す。
「ステラ……?」
 光によって映し出される、眼前の敵。血濡れのナイフを握りしめ、返り血が
飛び散ったのだろう顔は、シンのよく知るそれ。
「……シン?」
 シン・アスカと、ステラ・ルーシェは、たった数時間で再会した。
 だが、本人たちはこの再会を、とても喜べそうになかった。
427運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:24:00 ID:???


 ロッシェとミーア、そして青年兵の三人は、ホテルから脱出しつつあった。
彼らは非常階段の一つから外に出ることに成功し、今、地面へと降り立ったの
である。
「この先に林にグフがある。そこまで行けば、とりあえずは安全だ」
 コクピットには三人も入れないので、申し訳ないが青年兵にはグフの腕にで
も乗って貰うしかない。まあ、ディオキア基地まで行くだけなので、その辺り
は大丈夫だろう。
 ロッシェがそんなことを考えながら、辺りを見回す。その心配は、すぐにす
る必要が無くなった。無くなって、しまったのだ。
「危ない!」
 突如、青年兵がミーアの前に飛び出してきた。瞬間、銃声が鳴り響いた。ロ
ッシェはすぐに音のした方向に銃を向けた。見れば、手負いのテロリストがそ
こにいた。
「貴様ァァァァァァァッ!!!」
 ロッシェが放った銃火は、テロリストを一撃の下に倒した。そして、ミーア
の方を振り返るが、彼女はしゃがんでいた。しゃがみ込んで、倒れた青年兵の
手を握っていた。胸から血を流す、その手を。
「どうして、どうして!」
 ミーアは泣き、叫び、声を掛ける。青年兵は、そんなミーアを、今やうっす
らとしか開いていない瞳で、確認する。
「ラクス様……ご無事ですか?」
 ミーアは答えられない。目の前で、彼女が手を握りしめる相手の命が、失わ
れようとしている。それが、とても怖かった。
「無事だ。君が、君が守った」
 代わりに、ロッシェが答えた。青年兵は、良かったと呟くと、安堵のため息
を吐こうとした。だが、口から出たのは血塊だった。
「……何か、言い残すことはないか」
 自分がどれほど、残酷なことをいっているのか、ロッシェは知っていた。だ
が、ミーアを守ってくれた相手に対し、せめてこれぐらいはしなければならな
いと思った。
「自分は……アカデミーを出てません。出世コースなんて、とても縁遠い場所
にいて、今まで、そういった連中への、意地だけで、生きてきました」
 弱々しい、今にも消え入りそうな声。
「だけど、最後に、ラクス様を、ラクス・クラインを守れた。守って、死ぬこ
とが出来る。うれ、しいです」
 その言葉に、ミーアは顔色を変えた。
「違う、あたしは……あたしはラクスじゃない。あたしのためになんか、死ん
じゃ、死んじゃダメよ!」
 衝撃の告白のはずだった。だが、死に行く青年兵は、全く動じていない。
「……例え、貴女が何処の誰であろうと、貴女の平和を訴え、願い、歌う姿は、
本物だった。それを守れた、だけでも、俺は」
 満足です。その言葉を、最後までいうことは出来なかった。
 青年兵は、ゆっくりと目を閉じ、ミーアに手を握りしめられながら、死んだ。
428運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:25:38 ID:???
「ミーア……」
 ロッシェは深い悲しみに心を満たされながらも、彼女に声を掛ける。この青
年兵は、彼女の正体を知っていたのか? それとも、知らない上で、あの発言
が出来たのか。
「ミーア、立ってくれ。そして、歩くんだ。彼が守ってくれた命、無駄には出
来ない」
 言われて、ミーアは青年兵の腕を胸の前で組ませると、黙って立ちあがった。
涙で濡れ汚れた顔には、決意の表情が浮かんでいた。彼女は、ロッシェ以外の
自分の理解者をはじめて得ると同時に、その場で失ったのだ。
「ロッシェ、あたし頑張る……頑張るから」
 止まらない涙を振り切りながら、ミーアはロッシェと共に駆けた。
 事件は、いよいよ終幕を迎えようとしている。

 ホテルの外で、未だ膠着状態にあるハイネとヨップ。ハイネはまさか、相手
が数時間前にアスランと一緒にいた男だと思ってもいなかったが、このままで
は埒があかない。
「オデル……まだか」
 この緊迫した状況、一分が一時間にも感じるなかで、ハイネは賢明に援軍を
待った。
 だが、ヨップは、そんなハイネを待ってはいなかった。
「なっ、ホテルの外壁を」
 ヨップはディンレイヴンの手で、ホテルの外壁を崩しの掛かったのだ。早く
止めさせなければ、ホテルは倒壊してしまうが、下手に手を出せば、それを早
めるだけである。
「一か八か、斬りかかるしないのか!」
 ビームサーベルを抜き放つハイネ、それに気付き、ホテルへの攻撃を強めよ
うとするヨップ、その両者を、
「うぁっ!?」
 悲鳴を上げたのは、ヨップの方だった。
 突然、目の前のセイバーとは全くの別方向から攻撃を受けたのだ。
「な、なんだ」
 攻撃が来た方向を見ると、凄まじい勢いで、モビルスーツが一機、突っ込ん
でくる。
 そう、ロッシェ・ナトゥーノがグフへと辿りつき、ハイネの援護をしたのだ。
「こ、この!」
 ヨップはディンレイヴンのライフルを向けるが、グフから飛び出したスレイ
ヤーウィップに絡め取られ、破壊されてしまった。
 ヨップはそのあり得ない出来事にまた動揺し、恐怖を憶える。
「何なんだよ、こいつは!」
 機体を動かし、急速上昇させる。こうなったら逃げるしかない。ステルス機
能をフル活用し、この場から逃げ切るしかない。
 しかし、それが実現することはなかった。
『逃がすか!』
 ロッシェとハイネは、ほぼ同時に叫んでいた。ロッシェは機体を上昇させ、
逃げる敵の足にスレイヤーウィップを絡ませた。
「貴様さえ来なければ、死なずに済んだ者がいたのだ! その罪、命を持って
償え!」
429運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:27:04 ID:???
 勘違いであったが、ヨップは十分今回の事件に関わり、原因の一つとなって
いる。
「くそ、離せ、離せよ! 俺は、俺は――!」
 こんなところで終わる人間じゃない。
 未だにそんな自意識過剰なプライドを振り回すヨップに、
「テメェもこれまでだぁっ!」
 それを真っ向から打ち砕かんとするハイネのセイバーが迫り、二刀のビーム
サーベルによって斬り裂かれた。
 ヨップは、最後まで自分の正しさ、優秀さを信じて、死んだ。
 今宵起きた事件の、幕切れの一つだった。


 大きな衝撃音と爆発音が、今度はホテルの上空で起こった。
 だが、そんなことも、今この場で対峙する二人には聞こえない。
「ステラ……どうして君が……テロリスト?」
 分けが分からなかった。つい数時間前に知り合い、語らった少女。
 守ると誓った少女が、目の前にいる。
 それも、血濡れのナイフを握りしめて。
「シン、軍人、なの?」
 ステラもまた、混乱していた。自分を守ると、はじめていってくれた少年。
 初対面だったが、好意を持った少年が、目の前にいる。
 ザフト軍の、赤服を着て。
 二人は動かない。いや、動けなかった。目の前の状況が、理解できない。判
っているのは、先ほどまで自分たちはナイフで殺しあいをしており、今はその
続きということだった。
「こんな、こんなことって」
 だが、シンは動くことが出来ない。それどころか、ナイフを取り落としてし
まった。ステラにしてみれば、シンを殺す絶好のチャンスだったが、彼女もま
た、動かない。足が震え、動けないのだ。
 そんな状況を打ち破ったのは、ステラに届いたスティングからの連絡だった。
『もうダメだ、撤退するぞ! ステラ、周りに敵はいるか?』
 通信機器を持つステラの手は震えていた。目に、涙を溜めながら、シンの方
を見てる。
「いない、誰も、いないよ……」
 その声に、若干嗚咽が混じっていたことに、スティングは気付かなかった。
すぐに脱出しろといい、そのルートを端末に送信して、通信を切った。
「ステラ……行ってくれ」
 シンは、ステラにそう言った。それしか、言えなかった。
「シン……」
「良いから! 早く行ってくれ!」
 シンは俯き、そう叫ぶことしかできなかった。駆け足と共に、ステラはその
場を走り去った。シンは、グッタリとその場に膝をつき、叫んだ。
「なんで、なんでこんなことに、こんなことになるんだよっ!!!」
 涙の混じったその叫びに、答える者は誰も、誰もいなかった。

                                つづく
430運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/23(火) 04:30:05 ID:???
第35話です。
いつもは区切りの良いところでいつも終わらせるので、
それでは無駄に話数が多くなるだけだと思い、長いのを投下してみました。
今回は過去最長だと思いますが、どうなんですかね?
やっぱり、長すぎるのも、読むのが面倒になるとかあるんでしょうか?
難しいところです。
431通常の名無しさんの3倍:2007/10/23(火) 06:15:04 ID:???
GJ

俺は長くても平気だぞ
寧ろ長いほうが楽しめる

ただ長い分色々と統合性が取れなかったりするところが出てくるかもしれん
推敲にも時間がかかるだろう。話しの切りどころが肝心だね
432通常の名無しさんの3倍:2007/10/23(火) 09:47:20 ID:???
GJ!
いかすぜロッシェ、騎士道を貫く彼の叫びが格好よすぎる!
一見同じように騎士と姫やってるアスランと議長組とはえらい違いだな…青年兵にも黙祷
シンとステラは残酷な再会だなぁ、種死のOPの魔乳と仮面のワンカットみたいだw
433通常の名無しさんの3倍:2007/10/23(火) 11:13:32 ID:???
この議長がアスランに裏切られたときは
な・・なんだってー!!な展開になるんだろうか。
434通常の名無しさんの3倍:2007/10/23(火) 13:12:10 ID:???
GJ!
まさかアスランがこう来るか!
435通常の名無しさんの3倍:2007/10/23(火) 19:32:01 ID:???
ん〜、いい感じです。このくらい長い方が読み応えがあっていい。
しかし凸強いな……
この調子ならむしろ議長は凸の案を知っても支持しそうな気がするが。
436通常の名無しさんの3倍:2007/10/24(水) 00:23:50 ID:???
うーん、それぞれのキャラが思惑の元に活き活きとしてるところでどうにも議長が情けなく感じるのがw
せっかく種世界では大物といっていいキャラなんだしヒーローに守られるお姫様(笑)じゃなくて、いいとこ見せて貰いたいもんだが。

まあなんにせよGJ!いろいろ転機になりそうな話だったし次回にも期待してるぜ。
437通常の名無しさんの3倍:2007/10/24(水) 10:41:57 ID:???
クロスオーバー倉庫がまた荒らされてる
トップページから各作品へのリンクがウィルス仕込んだページに……
438通常の名無しさんの3倍:2007/10/24(水) 13:26:56 ID:???
>>437
荒らしてるのは手前だろ?
439通常の名無しさんの3倍:2007/10/24(水) 13:40:04 ID:???
>>437
氏ね
440通常の名無しさんの3倍:2007/10/24(水) 16:09:53 ID:???
>>437
はいはい、ウソはもういいからね

そして運命氏GJ
名も無き青年兵士にほろっと来たり。
しかし原作じゃあユカイなリアクションしか覚えてない、ヨップさんが悪役してるなあ。ややショボいけどw
441通常の名無しさんの3倍:2007/10/24(水) 22:17:23 ID:???
ターニングポイントのつるべ打ちGJ!
しかし各人ドラマチックな展開を見せる中、只ひとり格を下げつつある議長orz
この調子だとひょっとして、あまたのクロス・改変物の中でも前代未聞で世にも珍しい、
「TV末期よりも器量の劣るギル」という例が出現したりして?
442通常の名無しさんの3倍:2007/10/24(水) 22:42:57 ID:???
俺、小物臭くても妙に人間臭いこの議長結構好きだ…
443通常の名無しさんの3倍:2007/10/26(金) 06:30:26 ID:???
保守
444通常の名無しさんの3倍:2007/10/26(金) 20:24:51 ID:???
大昔、本宮ひろ志の『天地を喰らう』で、
董卓に無理矢理人肉食わされて帝位も奪われそうになった後漢の献帝が、
貂蝉(この場合愛人ではなく本人以上の野心家な妹)に唆されて
董卓を惨殺した呂布に一発でメロメロになり、その場で丞相に任じた話を思い出した。
これまた三国志ものの中でも類を見ない展開で続きが興味深かったんだが
ほぼ直後に打切られたんだよなあ……
445通常の名無しさんの3倍:2007/10/26(金) 21:39:12 ID:???
ゲームで補完しろ
トンデモ展開ばっかだが
446通常の名無しさんの3倍:2007/10/27(土) 09:00:16 ID:???
放送日あげ
447運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 02:55:44 ID:???
投下します。前回よりは全然短いのですが、規制に引っかかるかは微妙なところです。
448運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 02:57:54 ID:???
 テロ事件から一夜明けたディオキア市内のホテルでは、ザフト軍の憲兵隊に
よる捜査活動が行われていた。本来なら、地元警察が出張ってくるところなの
だが、事件はプラントの要人を狙ったテロであり、使用された機体がザフト軍
機ということが、事態を複雑にしていた。
 モラシムは半ば強引に、ディオキア基地所属の憲兵隊主導で捜査を行わせる
ことを市と警察本部に制約させ、精力的な活動を開始した。
 たった一夜のテロで、ホテルとその周辺の様子は随分と様変わりしてしまっ
た。美しい外観を誇っていたホテルの外壁は無惨にも崩れかけており、緑の濃
かった中庭は、モビルスーツの攻撃で小さな荒野と化していた。その周囲を憲
兵が忙しなく動いており、撃墜され、散らばったモビルスーツの残骸などを回
収している。
「一般客の身元確認は後回しにしろ! 今は、SPとテロリストの遺体収容を最
優先だ」
 ホテル内でも、後始末とも言うべき作業が行われていた。現場を写真や映像
等で保存し、あちこちに転がっている死体を運び出すのである。
 今回のテロで死亡した人数は、100人に満たないが、50人よりは多い。大半は
ザフトのSPと、襲撃してきたテロリストばかりだが、ホテルの従業員や一般客
にも、少なからず死傷者が出た。SPに関してだけ言えば、生きている者より死
んだ者の方が遥に多いという壊滅的状態で、憲兵隊は当初、よほどの大人数が
襲撃してきたに違いないと思っていた。
 しかし、回収されたテロリストの死体はそれほど多くなく、監視カメラに残
されていた映像をチェックしても、100人いるかいないかと言ったところだっ
た。さらに、その大半はまんまと逃げおおせている。
 要するにザフト側が一方的にやられたわけなのだが、テロリストの方も結局
目的は果たせていない。昨夜このホテルに泊まっていたプラントの要人二人は、
そのどちらも怪我一つ無く無事保護され、今はディオキア基地にいる。なので、
ザフトとしては『多大な犠牲は払ったが、敵の目的を挫き、またテロ対象も無
事であった』と公式記録には残すだろう。嘘は付いていないし、また敢えて悪
い部分だけをあげつらう必要もないのである。
「しかし、テロを未然に防げなかったという点を指摘されれば、何も言えなく
なるんだけどな」
 ぼやきながら、ハイネ・ヴェステンフルスは現場の一つである中庭を歩いて
いた。彼もまた、憲兵に混じって捜査活動を行っている一人である。実際彼は、
テロリストのモビルスーツと対峙した一人で、これを撃破したわけであり、進
んで捜査に協力を申し出た。といっても、憲兵隊がテキパキと作業を進める中
にあって、彼のすることなどほとんどなく、ただ現場を歩き回っているだけな
のだが。
「ハイネ!」
 そんな彼の背中に、懐かしい声が掛けられた。ハイネはニヤリと笑いながら、
背後から歩み取ってくる男の方へ振り向いた。
「ロッシェか!」


             第36話「運命の交差路」

449運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:00:04 ID:???
「久しぶりだな。お互い、変な場所で会うもんだ」
 ハイネは、久方ぶりに再会したロッシェと握手を交わし、苦笑したように言
う。確かに、テロ現場で再会など滅多なことではないだろう。
「てっきり基地でお姫さんの護衛に専念してるかと思ったが?」
「その彼女から言われてな、部屋にある私物を取りに来たんだ」
 昨夜、テロリストたちの対象となったプラントの要人の一人、ラクス・クラ
インことミーア・キャンベルは、現在ディオキア基地でザフト兵によって守ら
れている。モラシムは基地の中だというのに、彼女を守るために一個中隊も動
員していたが、これはテロを未然に防げなかった失態故の配慮だろう。
 ロッシェと共に基地へたどり着いたミーアは、すぐに医務室へと運ばれた。
幸い、外傷などはなかったが、服や肌の汚れは酷く、疲労も限界に達していた
ので、シャワーで汚れを落とした後は、用意された部屋でぐっすりと眠ってい
た。そして、数時間後、目を覚ましたミーアは、ホテルに残してきた私物を取
ってきて欲しいとロッシェに頼んだのだ。
「まあ、人を寄こしても良かったんだがな……彼女が他人には見られたくない
と言うから」
「お前も大変だな。色々と」
 逆に言えば、それほどロッシェが信頼されていると言うことなのだが、ハイ
ネはそこには突っ込まない。
 二人は現場を歩きながら、モビルスーツの残骸の回収作業が行われている場
所で、足を止めた。
「結局、テロリストの正体は判明したのか?」
 ロッシェがハイネに尋ねる。だが、ハイネは険しい表情で残骸を見つめなが
ら、言いにくそうに答えた。
「俺としては何とも言えないな……あの機体、まあ、見りゃわかるがザフト製
なわけだよ」
「ディンのカスタム機らしいな。詳しくは知らないが」
「当然、基地の方でも当初はザフトを離脱した過激思想の持ち主たちによるテ
ロだと考えた訳なんだが……」
「違うのか?」
 ロッシェも、ザフト軍機を見たときはザフトの過激派によるテロだろうと思
っていた。しかし、事実は違うらしい。
「ホテル内で発見されたテロリストの遺体を調べた結果、どうもファントムペ
インの可能性が強いらしくてな。身元が確かめられるようなものは一切無かっ
たが、コーディネイターじゃないらしい」
 そうなってくると、事をプラント内での内ゲバだと思われたくないザフトと
しては、ファントムペインのテロリストがザフト軍機を使ってテロを起こした
と主張したくなってくる。
「ザフト製にしろ、地球製にしろ、モビルスーツなんざ金さえ払えばそこら中
で手にはいるからな。闇商人、ジャンク屋、傭兵、そういった連中が最新鋭機
を持ってる世の中だ」
「戦場での拾い物か……横流しか?」
「前々からその手の噂はあったな。今回は、恐らく後者だろうな」
「酷い話だ」
「まったくだ。ザフトってのは酷いところだよ」
 自分もザフトであるくせに、いけしゃあしゃあとハイネは言う。
450運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:02:18 ID:???
「で、憲兵隊としてはファントムペインのテロリスト共が、闇商人を殺害して、
機体を奪ったということで結論づけたいらしい」
「まあ、それが普通だろうが……何かあるのか?」
 ハイネの険しい表情から、疑念の影を感じ取ったロッシェが、そう尋ねた。
「気に掛かることが色々あってな」
 ハイネは、昨夜敵と対峙していたときに疑問に感じたことなど、違和感をロ
ッシェに語って聞かせた。
「なるほど、そういわれれば確かにそうだな。モビルスーツパイロットの身元
は分からないのか?」
「それがなぁ……そこなんだよ、そこが問題なんだ」
 げんなりした表情で、ハイネはディンレイヴンの残骸を見た。釣られてロッ
シェも見るが、機体は見事なまで破壊され、朽ち果てている。
「あの時さぁ、勢いに乗って思いっきり爆散させちまっただろ? それで、コ
クピットが思いっきり、な」
 二刀のビームサーベルで×の字に斬り裂いたものだから、コクピットは一溜
まりもなかったのだろう。コクピットが合ったはずの場所は見事に消滅し、遺
体など判別しようのないほど損壊していたという。
「ドジったぜ。パイロットの身元さえ割れれば、まだ何とかなったんだが」
 全く同じ日の、同じ時間に、別の組織に属するテロリストが同時襲撃を仕掛
けてきたなどという荒唐無稽な話を信じることが出来る人間が、果たしてどれ
ほどいるだろうか? ハイネ自身、実際に敵と対峙したからこそ、こうした疑
問を持つことが出来たわけであるし、その疑問にしたって確証が得られた分け
じゃない。テロリストの計画の練り込みが甘かったと言えばそれまでだし、敵
の呼吸が合っていなかっただけと言われれば、反論しようがない。
「しかし、お前には確証を得るだけの何かがある、そうだろう?」
「ん……まあ、な」
 問うロッシェに、ハイネは曖昧な返事をする。仮にディンレイヴンに乗って
いたのがザフト過激派だとすれば、確かにハイネには心当たりがあった。昨日、
アスラン・ザラが会っていた男である。
 過激な発言をベラベラと喋っていたあの男は、議長やラクスに対してのテロ
行為を諭すような発言をしていた。結果としては、アスランが怒声を持っては
ね除けたわけだが、あの男がそれを無視したとすればどうだろうか?
 ザフト軍関係者であれば、ディンレイヴンが難なく操縦できたことも説明が
出来るし、一応の辻褄は合う。しかも、アスランがテロリストと関係していた
ことも明るみに出せ、最近抱えている問題を一気に解決することが出来ただろ
う。
 だが、現実はそう甘くはない。ハイネは自らの失敗でテロリストを判別不能
なまでに殺してしまい、その道を閉ざしたのだ。後日、その失敗がどういう形
で現れるか、知りもしないで。
「そういや、議長の話、聞いたか?」
 ハイネは話題を変えたが、議長という単語を聞いたロッシェが、一瞬眉を顰
めたのが気に掛かった。
「無事脱出して、今は基地にいる。会ってはいないがな……」
 ディオキア基地へと逃げ延びてきたデュランダルは、ミーアと同じく、これ
といった外傷もなく、すぐにテロ対策の陣頭に立って指揮をはじめた。ディオ
キア基地の面々は、デュランダルとモラシムの間で指揮系統が二分化されるの
ではないかと危惧したが、幸いそのようなことはなかった。
451運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:04:13 ID:???
 デュランダルは、現場の憲兵隊などには一切指示は出さず、その辺りはモラ
シムの報告を聞くだけに止め、自身はプラントへの連絡や、マスコミ対策など
に追われていた。そう、折角お忍びできたのに、今回のテロが原因で、デュラ
ンダルの存在がマスコミなど世間に露呈してしまったのだ。
「今は情報規制を行っているが、長くは持たないだろうな」
「テロが現在進行中ならともかく、終わった後じゃな。無理ってもんだ」
 そうした中で、デュランダルは一度たりともミーアの元を訪れはしなかった。
職務に精励していたのだといえば聞こえは良いが、会う勇気がなかったのかも
知れない。会いに来たところで、どの面を下げてくるのかと、ロッシェは苛立
ち紛れに思ってしまう。
「まあ、議長は世間に向けて会見して、釈明だけしてればいいのさ。政治家な
んてのは、会見で報告するのが仕事だからな」
 既にデュランダルは、二度の会見を行っており、これが自身とラクス・クラ
インを狙ったテロであることを協調し、また、それをザフト軍が撃退したこと
を声高に宣伝していた。撃退したこと自体は事実だが、自分もテロ対象だった
という辺りが、底の浅い発言だろう。
「テロ攻撃の中を脱出した自分の姿を誇張して、冒険譚にでもしたいのさ。
『プラント最高評議会議長、テロリストに襲撃されたホテルの中から見事脱出!』
……ケッ、B級映画の内容だな、こりゃ」
 実際にデュランダルが襲われたのは事実ではあるのだから、別にデュランダ
ルの発言に問題はないのだが、その芝居がかった会見と脚色のほどはハイネや
ロッシェにとって心地よいものではない。
「アスラン・ザラ、だったか? お前と同じ、ミネルバの乗組員が始終議長を
守っていたそうだが」
 デュランダルは会見の中で、テロリストから身体を張って自分を守ってくれ
たアスランのことを絶賛し、彼の活躍振りを熱っぽく語った。それこそ、ヒー
ロー映画の一幕のような話、ロッシェには到底信じられなかったが、ハイネは、
「まあ、アイツならそれぐらいやるだろうな」と言った。
 また、デュランダルは死亡したSPの遺族に対し、遺族年金の支給と、SP自身
の特進を約束していた。これは慣例的な処置であったが、重要なことでもある。
死者に対して涙を流さず、名誉も与えないような人間には、誰も付いてこない
のだ。
 この辺りの政治的な処置は、デュランダルが非凡な政治家であるという事実
を示していた。何せ、アスランが居なければ死んでいたかも知れないのだ。そ
んな体験をしたばかりなのに、きびきびと行動が出来る辺り、それなりの評価
は出来るはずだ。
「ロッシェ、お前、昨日何があった?」
「何、とは?」
「どうも、議長の話をするとあからさまに機嫌が悪くなるな。こいつは、何か
あったっていう証拠だ」
「それは……」
 ハイネにならば、話してもいいと思った。だが、デュランダルがミーアにし
た仕打ちを話すということは、即ちミーアの正体をばらすことになってしまう。
ハイネは信用できる男だとは思うが……
「ま、大方、なんちゃってラクス姫の事なんだろうが」
452運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:06:44 ID:???
 サラリと言ってのけるハイネに、ロッシェは一瞬虚をつかれた。
「知って、いたのか?」
「確証を得たのは、今だがな」
「なっ!」
 カマを掛けられた。しかし、不思議と不快感はない。
「特務隊にいるとな、そういったくだらない政治のうわさ話も耳に入ってくる
のさ。それに、第一……」
 呆れたようにハイネは言う。
「見た目も歌も、変わりすぎだろ。どうして、プラントの連中は気付かないん
だ?」


 テロ事件で、奇跡的に何の被害も被らなかった面々がいる。
 ミネルバのパイロットたちである。
 彼らは、デュランダルの計らいでホテルへと宿泊したその夜に、テロに巻き
込まれたわけだが、各人が各人、冷静に対処、行動をして事なきを得ている。
 まず、早々に合流を果たしたレイ・ザ・バレルと、ルナマリア・ホークの二
人は、仲間であるシン・アスカと合流するために行動を起こした。二人は武器
を持っていなかったので、レイの提案で非常用の消火器を武器代わりに持って
歩いた。途中、数人のテロリストと出会したが、咄嗟にレイが消化剤を浴びせ
かけ、空になった容器で殴りかかるという彼には珍しい格闘戦を披露し、全員
を打ち倒した。テロリストから奪った銃器で武装した二人は、同時に手に入れ
たホテルの地図を頼りに進んだが、結局シンとは合流できなかった。彼も独自
に行動を起こしており、すれ違ってしまったのである。やがて、ホテルの中で
の戦闘は終わり、二人はディキア基地より駆けつけた武装部隊に保護された。
 次にアスラン・ザラであるが、彼は今回のテロに際し、もっとも精力的に行
動をした人物の一人とされている。急場にして、祖国の指導者たるデュランダ
ルを懸命に守り、命がけで避難させた彼はマスコミによってヒーローとして書
かれ、既にいくつかの新聞社やテレビ局が、取材依頼を申し込んでいる。情報
規制が解禁され次第、アスランはしばらくマスコミに追われるだろう。彼の行
動自体は賞賛に値するものであり、絶賛されてもおかしくないはずであったが、
ハイネなど彼を疑っている人間は、何か裏があるのではと考えている。
 そして、最後にシン・アスカだが、彼は意外なほどに冷静だった。彼は憲兵
隊から事情聴取を受けた際、自分はホテルを当てもなく動き回っており、時折
死体とは遭遇したが、ただの一度もテロリストとは遭遇しなかったと説明した。
一応、現場からシンの指紋が付いた拳銃と軍用ナイフが押収されはしたが、護
身用として死体から拝借し、事が終わったことを知ったときに捨てたとの証言
は信憑性が強かったし、疑う理由は何処にもなかった。
 聴取後、同じく聴取を受けていたルナマリアから、「テロリストに遭遇しな
かったんだって? いいわねぇ、こっちは大変だったのよ?」などと言われ、
シンは何かを言い返そうとして、止めた。自分があの場所でステラと再会し、
一瞬でも死闘を行ったという事実は、誰にも言うつもりはなかった。

 昨夜のことを、シンはまだ鮮明に覚えている。
 月明かりに照らされた少女は、確かにステラだった。ステラ・ルーシェ、昨
日の昼頃、海がよく見える高台で出会った少女。不思議な感性と、雰囲気、そ
して悲しすぎる瞳をした彼女に、シンは興味を持った。
453通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 03:13:57 ID:???
シエン
454運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:16:34 ID:???
 自分とは全く違う環境で生まれ育ち、真逆の考えを持っていたステラ。誰に
も守られたことがないという彼女を、シンは守ると誓った。果たせるかも判ら
ない、もう会うかどうかも判らない二人が交わした、小さな約束。
 ほんの、小さな約束のはずだった。
「まさか、ファントムペインだったとはな」
 シンは、絶望を滲ませたような声で呟いた。さすがにステラがガイアを奪取
したモビルスーツのパイロットであることまでは知らなかったが、彼が精神的
落胆を憶えるには、昨夜のことで十分だった。自分は敵対する組織に所属する
少女に向かって、守ると誓ったのだから。
「俺は、どうすりゃいいんだよ」
 つくづく、自分は大切にしたい、大事にしたいと思う女性とは、縁がないら
しい。心の底から愛していた妹は、自分を残して逝ってしまい、守りたいと誓
った少女とは、敵として再会した。そして、自分を勇気づけ、立ち直らせてく
れた、強い瞳を持った彼女は……
 考えて、シンは怖気がした。彼が触れようとする存在は全て、関わった人は
みんな、不幸になるんじゃないかという奇妙な錯覚に、身体を絡め取られそう
な感覚を覚える。
 情けなくて、足が震えてくる。
 例え、ステラがファントムペインだったとしても、自分の決意、ステラを守
ると誓ったその約束に、偽りはない。
 だが、揺らぎがないかと聞かれれば、正直動揺はしていた。軽い気持ちで言
ったつもりはないし、真剣そのものだった。けど、彼女が敵だなどと、想像し
ていなかったのも事実だ。
 敵である少女を、自分は守ることが出来るのか?
 シンが軍人で、ステラがファントムペインなら、この先戦場で見えることが
あるかも知れない。その時、シンは、味方の銃火に狙われるである彼女を、守
ることが出来るのか?
 もっと極端に言えば、例えば、そう、ルナマリア辺りがステラと戦っていた
として、ルナが殺されそうになったとき、シンはステラを撃てるのか?
 守ると、その口でハッキリ誓った少女を。
「でも、だからって」
 ステラに銃を向けられなかったとして、その場合はルナを見捨てると言うこ
とになる。だが、当然シンにはそんなことは出来ない。ステラは大切にしたい
と、守りたいと願う少女であるが、ルナマリアもまた、シンにとってかけがえ
のない友人であり、大事な存在だ。選べるわけがない。
 そもそもこれは、対象が誰であっても同じ事だ。レイでも、ハイネでも、オ
デルでも、それこそシンが知りもしないような人物であっても、ザフトがファ
ントムペインと敵対し、現在戦争を行っている事実は確かなのであり、ザフト
兵が敵であるステラを殺そうとするのは当然なのだ。それを妨げる方がどうか
している。
「ステラ……」
 本当に、どうにも出来ないのだろうか? 何か、何か考えなくてはいけない。
ここで、挫けるわけには、いかないのだ。

455運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:21:34 ID:???
 シンとは違う意味で、レイもまた、憂鬱気味だった。彼は昨夜のテロ事件で、
テロリストを打ち倒したという功績は上げているものの、遂にデュランダル議
長の下へ辿り着けぬまま、事件は終わってしまった。デュランダル自身は、ア
スランが身体を張って守ったということもあって無事に保護され、その辺りは
安心なのだが、レイは出来ることなら自分がデュランダルを守りたかったとい
う思いがあった。
 無事だったのだから、それでいいじゃないかという意見もあるだろう。まっ
たくもってその通りなのだが、レイにとってギルバート・デュランダルという
男は特別で、レイは彼のために何かをしてあげたいと常に思っていた。元々、
レイとデュランダルは、レイの保護者が彼と交友関係にあったことで知り合っ
た。デュランダルは、保護者の男にも、そしてレイに対しても親切で、男が戦
場で帰らぬ人となり、天涯孤独になったレイを気にかけ、後見人になってくれ
たほどだ。
 単純な恩義ではない。レイは自分自身という限られた存在の使い道を、出来
ることならばデュランダルのために使いたいと思っているのだ。
 だからこそ、テロに際してデュランダルの役に立てなかった自分が歯がゆく、
彼のために命がけで戦ったというアスランを羨んでしまう。筋違いなのは判っ
ているが、そんな思いもあって、未だにデュランダルと、そしてアスランにも
顔を合わせづらいレイだった。
「レイじゃないか」
 だが、偶然会うことまでは回避できない。悶々とした気分でミネルバを歩き
回っていたレイは、ばったりアスランと遭遇してしまった。
「アスランさん……基地に行ってらしたのですか?」
「あぁ、憲兵隊の聴取を受けてた。お互い、昨夜は災難だったな」
 この時点で、アスランはまさかヨップがあのような凶行に及んだ犯人である
ことに気付いてはいない。気に掛かりはしていたが、まさかとは思っていたし、
疲れも溜まっていたこともあって、今はその思考をストップさせていた。
「いえ、私など、大したことはしていません。アスランさんにはギル、じゃな
い、議長を助けていただいて、本当にありがとうございました」
「当然のことをしたまでだよ。議長は今のプラントに必要な人だ。何が何でも
守らなきゃいけない」
 そう、今のプラントには必要な人材だ。だが、これからのプラントには、必
要だろうか?
 アスランはそのどす黒い考えを心の奥にしまい込むと、レイに向かって形だ
けの愛想笑いをする。
「レイ、一度暇を見つけて、議長に会ってこい。きっと喜ぶぞ」
「でも、俺は」
「無事な姿を見せて、安心しさせてやれ」
 そういって、アスランは歩き去った。いつになく爽やかなアスランにレイは
疑問を憶えたが、実はこれには分けがある。
 アスランは、昨夜議長に恩を売るために、身体を張って彼を守った。この行
動は予想以上の成果を上げ、議長は感謝し、現在アスランには取材申し込みが
殺到している。アスランとしては、顔を売るいい機会なのだ。
 もっとも、そのような裏の事情、レイは知る由もなかったが。

456通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 03:28:28 ID:???
支援
457運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:32:38 ID:???
「ロッシェ、お前、これからどうするんだ? いや、お前というよりは、彼女
の方だが」
 ミーアの私物を取りに、最上階のスイートルームへと向かったロッシェ。何
となく着いてきたハイネだったが、エレベーターもエスカレーターも使えない
状況で、最上階まで上るというのは意外に疲れた。
 少し休んでから戻ろうというロッシェの誘いに乗って、今はスイートルーム
で二人、お茶をしている。
「本来なら、今日の朝にはジブラルタル基地とやらに向けて出発してるはずだ
ったんだがな。どうやら、全ての予定をキャンセルして帰国となりそうだ」
「まあ、テロの対象になったんだからな。無理もないか」
「おや、一応、議長も対象の候補だろう?」
「ハッ、議長が狙いなら、それこそこのホテルを爆弾で吹っ飛ばしちまえばよ
かったのさ」
「議長は殺害テロの対象、というわけか」
「当然だろ。アイドルの彼女なら人質としての価値は高いし誘拐するのが当然
だが、議長の場合は別だ。殺してこそプラントの国家体制を狂わせることが出
来るんだからな」
 ハイネはせせら笑うと、いい香りを立てている紅茶を口にした。
「にしても、ラクス・クラインにそんな秘密があったとはな。予想していなか
った分けじゃないが」
「この事実を知っている者は、プラントでも限られている。私と、お前、そし
てラクス・クラインの婚約者であるアスラン・ザラという男と、婚約者候補だ
ったというイザーク・ジュール、それに議長だ」
「アスランか。そういや、アイツ、ラクスとの事を聞かれると、口を濁してた
な……」
 頷きながら、ハイネはあることを思いだした。アスランといえば、現在ハイ
ネの中ではメイリン・ホークと関係を持っていることになっている。恋愛関係
かどうかは不明だが、昨日デートのようなことをしていたし、あながち的はず
れというわけではないはずだ。
「アイツ、婚約者がいるのに年下の女に手を出したのか。最低だな」
「何の話だ?」
「いや、こっちの話だ」
 本物のラクスは、今どこでどうしているのか? というハイネの疑問に、ロ
ッシェは答えられなかった。単純に、知らなかったのである。以前、ミーアか
らどこぞの国で隠棲しているようなことを聞いた記憶があるものの、まったく
興味がなかったので忘れてしまった。
「過去の人間など、消えればそれでお終いだ。消えるべき時に消えなかった奴
は、見苦しいだけさ」
 ロッシェの言葉は、誰に向けていったものでもなかったが、ハイネは共感し
たように頷いた。
「まったくもってその通りだな。だが、プラントはラクス・クラインという虚
像に今も縋り付いている。あぁ、その意味ではアスランもそうか」
「ほぅ?」
「ザフトの英雄アスラン・ザラ、アイツにしたって議長の人気取りの手駒さ…
…いや、手駒だったというべきか」
 そのアスランが、今では議長を利用して自分の知名度を上げようとしている。
458運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:34:59 ID:???
「どうやらお前、アスランとかいう男に思うところあるようだな?」
 目ざとくロッシェが指摘するが、ハイネは疲れたように首を振った。
「さあな。元々、好きじゃないタイプってのもあるが、アイツはちょっとな」
 ロッシェに全てを話すべきだろうか?
 ハイネは、彼に珍しく迷っていた。ロッシェはハイネに対し、ラクス・クラ
インに関しての真実を打ち明けてくれた。それは、ロッシェがハイネを信用し、
信頼してくれた証である。ハイネも同じだ。ロッシェとは知り合って間もなく、
考えてみれば会うのもこれで二度目なのだが、強い信頼感を寄せている。
 だが、今ハイネが抱えている問題は、おいそれと人に話していいものではな
い。アスランが何を企んでいるにせよ、確証のない段階であるし、それにロッ
シェを巻き込むというのも気が引ける。
「ロッシェ、お前の方こそ、議長とは今後どんな風に付き合ってくんだ? こ
れまで通りってわけにはいかないだろ」
「あちらにはあちらの言い分があるだろうが、それを信じる気にはなれんな」
「どうして?」
 尋ねるハイネに、ロッシェはわざとらしいほど意外そうな顔をして、
「どうしてって……胡散臭い男と、美しい女性、言い分が真逆なら女性の方を
信じるのは男として当然だろう?」
「…………そりゃそうだな。俺が悪かった」
 二人は声を出して、笑った。

「次会うとしたら、プラントかな?」
 帰り道で、ロッシェはそのようなことを呟いた。だが、ハイネは少しだけ真
剣な顔をすると、
「さあ、それはどうかな。軍人なんて、明日の見えない職業やってると、どう
なることやら」
「不吉なことをいう」
「今度、でかい会戦があるかも知れないって話は知ってるんだろう? いくら、
ザフト優勢といっても、規模が多い戦いは、それに見合った死人の列が出来る
もんさ。俺だって、そう都合良く生き延びられるかどうか……」
「努力してほしいものだ。お前には、彼女のためにも色々協力して貰いたい」
「美人の手助けほど、胸躍るものはないな。まあ、実をいうと俺の方も、その
うち協力して貰いたいことがある」
 ハイネは制服のポケットに手を突っ込むと、中からマイクロディスクを取り
だし、ロッシェに放り投げた。
「これは?」
 手の中に落ちたそれを、ロッシェはしげしげと眺める。彼は、この世界の記
録ディスクを見るのが初めてだった。
「まあ、俺にもしものことがあったら、覗いてみてくれ」
「おい、まさか、遺言でも入ってるのか」
「そんなじゃないさ……そう、どちらかといえば、今度会うときまで預かって
て欲しい。出来れば、誰にも知られずに」
 真剣な表情に、事の重要さを感じ取ったロッシェは、マイクロディスクをし
まい込み、ゆっくりと、だが力強く頷いた。
「約束しよう」
 もし、この時、この瞬間に、ハイネが自身の知りうること全てをロッシェに
話していれば、後の歴史は違っていただろう。ハイネが知らなかったことをロ
ッシェは知っていたし、ロッシェの知りたかったことをハイネは知っていたのだ。
459運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:36:10 ID:???
 結果としてハイネは、生涯最大の判断ミスを犯したことになった。そして、
これが彼にとっては、生涯最後の失敗になった。


 ミネルバの甲板で風に当たっていたシンを、オデルが尋ねた。
「シン、昨日はすまなかったな」
 オデルは結局、ジェミナスの整備が間に合わず、出撃することが出来なかっ
たのだ。ロッシェが間に合ったからいいようなものの、もし遅れていたら、ど
うなっていたことか。
「いや、仕方ないですよ。あんな事になるなんて、誰にも予想できませんって」
 シンにとっては、テロよりも予想外の出来事があったわけだが、それは口に
しない。
 考え込むシンに、オデルは何かを察したようで、
「また、何か悩んでるのか?」
「えぇ、また、です」
 近頃、悩みっぱなしである。悩みのせいで髪の毛でも大量に抜けるんじゃな
いかとまで思えてきたが、さすがにそれはなかった。若くて良かったと思う。
「オデルさん」
「なんだ?」
「あくまで、あくまで、仮定、仮の話なんですけど……」
 一から十まで、自分で考え、答えを出す必要はない。
 本当に困ったときは仲間を頼る。その為の仲間だと、シンは思っている。
「もし、自分の大切な人と、戦いたくないのに戦うことになったら、オデルさ
んはどうしますか?」
 我ながら無茶なことを聞いてると思う。そんな、シチュエーション、稀とい
うより普通じゃあり得ない。
 だが、オデルは特に不思議そうな顔もせず、どちらかといえば意外そうな顔
をしていた。まるで、何か覚えがあるかのように。
「大切な人とか……それは、辛いな」
 思い出すような、苦みを込めた表情だった。かつてオデルは、こんな表情を
しながら戦ったことがある。
 銀色の仮面に、その素顔を隠しながら。
「私は……私なら戦う」
「えっ、戦うんですか?」
「本当に大切なら、守りたいと思うなら、時には戦うことも必要だ」
 経験談である。
 オデルは、大切な人と、大事な場所を守るために、敢えて敵として、彼らと
戦ったことがあるのだから。
「全力でぶつかれば、相手はそれに答えてくれる。この場合、自分よりも、む
しろ相手を信じることが大切だ。信じる心、それさえ忘れなければ、案外どう
にかなるものさ」
「相手を、信じる……」
 噛みしめるように、シンは半鐘する。
460通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 03:38:14 ID:???
しえん
461運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:39:15 ID:???
 ステラがどんな気持ちで戦っているのか、正直なところ、シンには判らない
し、想像も出来ない。ただ、感じるのだ。ステラは本心から戦いたいなんて、
思っていないのではないかと。本当は戦うのが嫌で、誰かに守って貰いたいと
思っているのに、それが言い出せず、今日まで生きてきたんじゃないかと。
 これは決めつけだ。もしかしたら、ステラは好き好んで戦っているのかも知
れないし、守って欲しいなんて思ってないかも知れない。
 けど…………
「オデルさん、ありがとうございます。なんか、見えてきました」
 それが彼女の生き方なら、それはそれで仕方のないことだ。他人で、しかも
敵である自分に否定する資格はない。なら、自分は押し通すまでだ。全力で彼
女とぶつかり、それを伝えるだけだ。
 シンは空を見上げる。ディオキアの空は青く、美しかった。今、どこかでス
テラも、この青空を見ているかも知れない。もし叶うのなら、次にあったとき
は、二人とも笑顔で、青空を見つめてみたいと、そう願った。

 それからしばらくして、ラクス・クラインことミーア・キャンベルが早々に
帰国することとなった。デュランダルの方は今少しの間現地に留まることにな
っていたが、ミーアとしては一緒に帰るなんて、それこそ願い下げだった。
 そして、そんなミーアをアスランが見送りに来た。
「アスラン! 来てくれたの?」
 意外と言えば意外だった。確かにアスランとは、同じ場所にいながら会って
居なかったが、ミーアは彼が来るとは思っていなかったのだ。
「えぇ、まあ……」
 アスランとしては、何とも歯切れが悪い。実は、現在アスランは多方面から
賞賛を受ける一方で、一部から批判も受けている。何故、アスラン・ザラは婚
約者であるラクス・クラインを助けに行かなかったのか、というものである。
 それには理由があるわけだが、当然馬鹿正直に話せるわけもなく、アスラン
としては周囲の目を気にした結果、一応、婚約者の立場を果たすためにこうし
て見送りに出向いたのだ。
「…………」
「…………」
 こんなわけだからして、互いに話が弾むわけもなく、すぐに会話に詰まって
しまった。ミーアは、焦ったように、つい傍らに控えるロッシェの方を見てし
まう。アスランもその視線を追って、改めてロッシェの姿を見る。
 確か一度、プラントで会ったことがあるはずだ。ミーアの友人だとかで、イ
ザークがかなり嫉妬していた気がする。こうして護衛官を務める辺り、ミーア
とは公私ともに親しい間柄なのだろうか? 二人が会話している最中、一切口
を開かないが、その整った顔だちと容姿は、アスランに鮮烈な印象を焼き付け
てくる。
「そ、そうだ、ラクス。地球に降りる前に差し上げた、ハロの方は?」
 喋ってもいないロッシェに、どこか気圧された気がしたアスランは、話題を
変えるようにミーアへと話しかけた。
「あぁ、ハロですか? それなら……」
 ミーアは旅行鞄の一つから、ハロを取り出した。
「この通り、元気ですわ」
462運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 03:44:29 ID:???
 むしろ、元気が有り余るぐらいで、始終五月蠅く騒いでいるので、こうして
しまい込んでることも多い。アスランには悪いと思ったが、公の場にまでハロ
を連れて行くわけにも行かないのである。
「そいつは良かった」
 ミーアとアスランは、それから、2,3言葉を交わし、互いに礼儀を持って接し
たが、ロッシェから見ると如何にもわざとらしい風景だった。
 やがて、ミーアが乗るシャトルの発進準備が整ったことで、二人は別れた。
「じゃあ、俺はミネルバの方に戻るから」
 特に名残惜しそうでもなく、また、婚約者同士で抱き合うこともなくアスラ
ンは帰って行った。ミーアもまた、その後ろ姿に軽く手を振るだけである。
「あれが、アスラン・ザラという奴か……」
「プラントで一度会ったじゃない」
「そうだったか?」
 ミーアが言うのだから、恐らくその通りなのだろうが、ロッシェの記憶には
なかった。印象が薄かったのか、それとも……
「アイツは、どのような男なんだ?」
 ハイネが彼を気に掛けていたことを思い出し、ロッシェはミーアに尋ねた。
「どんなって、ザフトの英雄で、ラクス・クラインの婚約者で……まあ、簡単
にいえばエリートかな」
 父親は前大戦で亡くなった、元最高評議会議長パトリック・ザラで、アスラ
ンは官僚の家の子として生まれた。ザラ家はプラントの名家であり、元々知名
度が高い。やがて、ザフト軍に入隊したアスランは戦果を重ね、前大戦を終結
させる切欠を作ったことで、今日日ザフトの英雄と言われているのである。
「戦後は、まあ、裏切り者ってこともあって中立国に亡命してたらしいんだけ
どね」
「随分と詳しいな」
「一応、婚約者だから。これぐらいは知っておかないと」
 笑うミーアとは対照的に、ロッシェは思案顔だった。特に、どうということ
はなかった。平凡な、という言い方もおかしいが、見た目はただの若い軍人で
あり、エリートであることを鼻に掛けた雰囲気もない。それと同様、強烈な個
性も感じられなかった。かつて、彼がアディン・バーネットや、トレーズ・ク
シュリナーダに感じた驚きのようなものが、アスランから伝わってこない。
 だが、それが間違いであったことを、ロッシェは後に知るのである。そして、
それはもう少し、先の話だった。

                                つづく
463通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 03:45:44 ID:???
GJ!
464運命の歌姫 ◆1gwURfmbQU :2007/10/28(日) 04:15:42 ID:???
第36話です。
前回、前々回よりも短くなってしまいました。
後書きを投下する寸前、規制に引っかかりました。また、PCの動作がとても重く
投下にも時間が掛かってしまい、支援して下さった方、こんな時間にありがとうございました。
予定では、この話と次の話を区切りとして、また戦闘が再開されると思います。

前回は、多くのコメントを貰い、私としては大変な励みになっております。
完結にはまだ掛かりますが、最後までお付き合い下さると嬉しいです。
465通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 04:23:50 ID:???
GJ!
あぁ、ハイネが着々と死に近づいてく……
466通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 04:33:49 ID:???
死亡フラグは辛すぎる…
467通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 09:16:09 ID:???
>胡散臭い男と、美しい女性、言い分が真逆なら女性の方を信じるのは男として当然だろう?

( ・∀・ )b
468通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 09:38:21 ID:???
>「見た目も歌も、変わりすぎだろ。どうして、プラントの連中は気付かないんだ?」

ワロタw
視聴者全員の心の声だw


あと、ハイネの死亡フラグが完全に確定しちゃったね……
469通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 11:58:38 ID:???
爽やかなアスランをいぶかしがるレイにワロスw
普段どんだけじっとりしてんだよw
470通常の名無しさんの3倍:2007/10/28(日) 14:33:20 ID:???
>>468
いや、これは誤先生フラグかもしれない!
471通常の名無しさんの3倍:2007/10/29(月) 01:20:12 ID:???
「生涯最後」であって「最期」じゃないから華麗に死亡フラグを
回避してくれるかもしれない…
472通常の名無しさんの3倍:2007/10/29(月) 06:40:06 ID:???
GJ!
アスランが良いな〜。
原作でもこの半分で良いから頑張って欲しかった…。
473ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:14:45 ID:???
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474ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:15:47 ID:???
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475ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:16:49 ID:???
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476ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:17:51 ID:???
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477ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:18:52 ID:???
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478ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:19:54 ID:???
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479ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:20:55 ID:???
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480ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:21:57 ID:???
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481ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:22:58 ID:???
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482ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:24:00 ID:???
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483ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 09:25:02 ID:???
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484ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:00:10 ID:???
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485ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:01:11 ID:???
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486ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:02:12 ID:???
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487ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:03:13 ID:???
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490ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:06:15 ID:???
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491ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:07:19 ID:???
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492ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:09:41 ID:???
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493ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:11:50 ID:???
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494ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 10:12:52 ID:???
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495ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 11:07:30 ID:???
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496ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 11:08:31 ID:???
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497ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 11:09:35 ID:???
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498ラウ・ル・クルーゼ:2007/10/29(月) 11:10:36 ID:???
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499通常の名無しさんの3倍:2007/10/29(月) 11:22:29 ID:???
一応次スレを立てておきます、テンプレはこんなんでどうでしょうか
次スレで意見をお願いします

「新シャア板でガンダムWについて語るならここだ、職人常時募集中!」
「GガンやXが盛り上がってるから、Wも盛り上げて行こうぜ」
「現在、SS連載中だ。荒れ防止のため「sage」進行を勧める。」
「荒らし・煽りはエレガントにスルーするのが基本だ。諸君らもエレガントな心を忘れないでくれたまえ」
「職人の作品投下中はレスを控えてくれ。職人も投下終了が分かりやすいよう配慮してくれるとありがたい」
「職人の作品に対して意見したいこともあるだろうが、単なる誹謗・中傷の類は控えたまえ」
「本編と外伝、A.C.とC.E.両方のファンが楽しめる作品およびスレ作りに取り組みましょう」

「前スレはこちらになる。」
種・種死の世界にWキャラがやってきたら MISSION-09
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/shar/1184584352/

「こちらがまとめサイトになります。」
ttp://wctts.hp.infoseek.co.jp/
http://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage

「避難所はこちらだ。」
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/anime/1777/1161501957/l50

「タイトルロゴもあるんだ。」
ttp://wctts.hp.infoseek.co.jp/1-59-2/images/uzhseuwl10324710.gif
500通常の名無しさんの3倍:2007/10/29(月) 11:24:33 ID:???
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501通常の名無しさんの3倍
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