謎の新コーナー、次回予告?
シ「ガジェットの破壊、そしてレリックを守るためにやつらが暴れている船へ向かう俺達」
ス「初めての実戦だけど、新しい相棒を胸にその時は近づいていく」
エ「けどキャロの調子がなんだか良くない。何もなかったらいいんだけど……」
キ「次回、魔道戦士まじかるしん第12話『激闘!ミッドチルダ海上!!(いつもと題名の感じが違うけど気にしないでね)』。次回も不定期な時間帯にテイ……」
な「ドライブ・イグニッション♪」
キ「ええ!?」
シ「って隊長!それは10年前のあなたでしょ!!それに今はキャロの言う番だし……」
な「にゃはは♪つい……ごめんね、キャロちゃん」
レ「というより、これってなんですか?予告?」
は「まあ、あんまり気にしないことや」
レ「はあ……」
謎のコーナーを取り入れつつ投下完了。
同じ列車じゃアニメと同じなので、フレノウでしてやれーって言う感じだけど、そこらへんの高層はできているので(ほとんど本編と一緒だけど……)お楽しみに。
次こそは本当にD´sを投下予定
乙
この世界のレイは原作と違ってそれなりに幸せな家庭環境がありそうだな。
GJ
シンとレイがいい感じですな。
しかしここまで来てしばらくお預けというのも続きが気になってしまいます。
これからも頑張ってください。
乙です
レイが練り物を食べられないって・・・
それなんて土井先生?
乙&Gj!
…………スバルのローラーが壊れてバランス崩した所でラッキースケベが発動すると思ってたよ(爆
ローラーが壊れる→スバルの体勢が崩れる→シンにぶつかる→
シンがスバルの胸に触る→ははは
ですか?
乙GJ
土井先生で大いに吹いたwww
投下しようと思ったら、『まじかるシン』とほぼ内容が同じなのに吹いたwww
プレッシャーだなぁ…汗
もう少し書き足して、キリのいいところで投下します。
ギャグ少ないですが…、それは『ある日の…』で提供したいです。
ご希望があればなんなりと…、投下がいつになるかは分かりませんが…。
それから、D'sさん乙です!
いつも楽しんで読ませてもらってます!
二作品同時は大変でしょうが、頑張ってください!
乙です。
>「練り物はだめなんだ……俺がまだ小さいときに親戚がそれを喉につまらせて病院に運ばれて……それがトラウマでな……それ以降どうしても練り物が食べれないんだ」
それなんて土井先生?
土井先生への食いつきのよさに吹いたwwww
「じゃあ、一旦寮でシャワー使って、ロビーに集まろうか?」
今は、早朝訓練からの帰りで、寮に向かう途中だ。
色々と皆で話をしながら歩いていると、徐々に近付いてくる車の音。
「あっ?あの車って…?」
いち早く気付いたティアナ。そのティアナの言葉に、一同が立ち止まると、一台の黒塗りの車が七人と一匹の前で停止した。
屋根がすっと消えサイドの窓も消えると、車の中が露になり、中に乗っているのがフェイトとはやてであることがわかった。
皆がもの珍しそうにその車を見ながら、
「すご〜い!」
などの歓声をあげている。「地上での移動手段なんだ。」
微笑みながら言うフェイト。
「ところで皆は、訓練の方は頑張ってるんか?」
助手席に座っているはやてが、汚れた六人の訓練着を見ながら言う。
「あ〜…、えと…」
「がんばってます。」
言い淀むスバルの代わりににティアナが言った。
はやては満足そうに頷く。
「エリオ、キャロ、キラ、ごめんね。私は三人の隊長なのに…。あんまり見てあげられなくて…。」
困ったような表情を浮かべるフェイト。
「え…あの、いや…。」
心配してくれていたのがよっぽど嬉しいのか、エリオは喜びを隠せないらしく、言葉になっていなかった。
「大丈夫です。」
と言ったのはキャロだ。各言うキャロも何だか嬉しそうな表情をしている。
「キラくんは調子どう?まだあかんか?」
はやてがキラを見て微笑む。
「えぇ…まぁ…何とか…。」
困った表情を浮かべ、頬を掻きながら答えるキラをみて、はやてが吹き出した。
「…?…あの…?」
「あぁ、ごめん、ごめん…。変わっとらんな〜、思ってな…。曖昧な返事するところとか…。」
「シンは?大丈夫?無理してない?」
「はい、大丈夫です。」
フェイトが心配してシンに聞くが、はっきりと答えるシンに、フェイトは安心した。
「六人とも良い感じで育ってきてるよ?
いつ出動になっても大丈夫。」
会話もそこそこに、なのはが全体を評価してそう言うと、はやては、それは頼もしいと上機嫌だ。
六人も上官にそう評価された事が嬉しいのか、何だか嬉しそうである。
「ところで、二人はどこかにお出掛け?」
なのはがはやてとフェイトに聞く。
「うん、ちょっと六番ポートまで。」
「教会本部でカリムと会談や。夕方には戻るよ。」
「私は、お昼には戻るから、お昼は皆で一緒に食べようか?」
はい!と一同。
それを川切りにフェイトが運転する車は走り出し、一同はそれを敬礼で見送った。
「聖王教会騎士団の魔導騎士殿、本局の理事管。
カリム・グラシアさんかぁ…。私はお会いしたことはないんだけど…。」
道中、不意にフェイトがはやてにそんな会話を振る。確に、ただ運転するだけ、と言うのも面白くないかもしれないし、小学三年生からの付き合いなのだから、こういうときは気軽に話しかけられるのだろう。
「あぁ、そうやったねぇ。」
「はやてはいつから?」
ん〜、としばらく考え込み、はやては口を開く。
「私が教会騎士団の仕事に派遣で呼ばれたときのことで、リィンが生まれたばっかの頃のはずやから…8年ぐらい前の頃かなぁ…。」
「そっか…。」
ハンドルを捌き、アクセルを適度に踏み込んだり、緩めたりしながら、フェイトははやての話に耳を傾ける。
「カリムと私は、信じてるものも立場もやるべき事も全然ちゃうんやけど…。
今回は二人の目的が一致したから…。
そもそも、六課の実質的な立ち上げをやってくれたんは、ほとんどカリムなんよ?」
「そうなんだ?」
交差点を過ぎ、風景が流れていく。
「お陰で私は人材集めの方に集中出来た。」
気楽そうに笑うはやて。
「信頼できる上司…って感じ?」
「ん〜、仕事や能力はすごいんやけど…あんまり上司ってかんじはせぇへんなぁ…。
どっちかっていうとおねぇちゃんって感じや。」
フェイトの問いに答えるはやて。
「そっか。」
おかしそうに笑いながフェイトは頷き、ハンドルで進路調整を図る。
「まぁ、レリック事件が一段落したら、ちゃんと紹介するよ。
きっと気があうよ?フェイトちゃんもなのはちゃんも。」
はやての言葉にフェイトは再度頷いた。
「皆、まだかなぁ〜。」
と一人ロビーの階段に座りぼやいているのはエリオ・モンディアル。
フリードもそれには同意見なのか、ク〜、といつもよりトーンが低い鳴き声を漏らした。
「仕方ないよ…。女の子だしね。」
エリオがびっくりして声のしたほうをみやると、キラがこちらへ歩いてくるところだった。
その後ろにはシンもいる。二人とも、きちんと六課の茶系の服を着ている。
「待たせてごめんね…。」
「悪いな、エリオ。」
三人と一匹が集まって十分が経つ。
「…ホントに遅いね…。」
キラたちがシャワーを使っていたのは十五分程度、エリオは十分もシャワーは浴びていなかった。
加えて、髪を乾かしたり、着替えてからここに集合場所に集まるための時間も含めるとかれこれ三十分は経つんじゃないのだろうか。
さすがにシンも壁に寄りかかって立つのをやめて、エリオとキラの座る階段に腰をかけた。
もちろん、真ん中はエリオだ。
「ところで、キラさんとシンさんは何で最初から実戦用のデバイスだったんですか?」
とにかく、退屈だったのでエリオは手当たり次第に話題を探した。
これが最初の質問だ。
「…わからない。」
とシン。
「それは、僕たちが実戦用のデバイスを持ってたからじゃないのかな?」
「ふ〜ん…。」
キラの意見に生返事を返すシン。
「そうなんですか…。追加プログラムってなんなんでしょうね?」
「さぁ、それは、わかんないかな…。」
キラから視線をはずし、シンへと向けるエリオ。
「俺も…、その人に同じ…。」
「…あはは…ははは…。」
シンがキラを指差していう。
苦笑いするキラ。
エリオは頭を抱えて祈った。
「(スバルさんたち、早く来て!)」
ミッドチルダ北部、ベルカ自治領「聖王教会」大聖堂。
「ごめんな、すっかりご無沙汰してもうて…。」
窓際の日当たりの良い場所。そこではやてとカリムはお茶を飲みながら、久しぶりの再会に言葉を掛け合う。
「気にしないで、部隊の方は順調みたいね。」
「カリムのお陰や。」
とはやてが微笑みかけると、カリムも微笑み、答える。
「そういうことにしとくと、色々お願いもしやすいかな…。」
「…なんや、今日の会って話そうは、お願い方面か?」
持っていたティーカップをはやては置いた。
カリムの顔から笑顔が消え、真剣な顔付きになる。
不意に空間にモニターとパネルを開き、いくつか操作すると、部屋のカーテンが一斉に閉じ、室内が薄暗くなる。
はやても真剣な顔付きになり、先ほどまで自分達に光を注いでくれていた窓の方に顔を向けると、6つの空間モニターが開かれていた。
「これ、ガジェット?新型?」
「今までのT型以外に、新しいのが二種類…。戦闘性能はまだ不明だけど…。
これ…。」
カリムはモニターを操作し、円形のガジェットが写るモニターをアップにする。「ガジェットV型は割りと大型ね。」
円形ガジェットと人を比較すると、明らかにガジェットの方が大きかった。
「まだ正式には発表してないわ。監査役のクロノ提督にはさわりだけお伝えしたんだけど…。」
カリムの話に耳を傾けつつ、モニターをみていたはやては何かに気付く。
「これは?」
写っているのは何かの装置か、はたまた箱か?形は四角に近いが、八角形の銀色の立方体が写っている。
「昨日付けで、ミッドチルダに運びこまれた不審貨物。」
「レリック…やね?」
「その可能性は高いわ。
U型とV型が発見されたのも昨日からだし…。」
そっかと頷くはやて。
「ガジェットたちが、レリックを見付けるまでの予想時間は?」
「調査では、早ければ今日、明日…。」
「そやけど…、おかしいな…。レリックが出てくるのがちょい早いような…。」考え込むはやて。
「だから、会って話たかったの…。これをどう判断すべきか…。どう動くべきか…。
レリック事件もこのあと起こる事件も…対処を失敗するわけには…いかないもの…。」
カリムが何だか真剣に悩み、緊張を張りつめているので、はやてはパネルを操作し、カーテンを明け、薄暗い部屋を明るくした。
「まぁ、何が起きても大丈夫。カリムが力を貸してくれたお陰で、部隊はもう、いつでも動かせる。
即戦力の隊長達はもちろん、新人フォワードたちも実戦可能。
予想外の緊急事態にもちゃんと対応できる下地ができてる。
そやから、大丈夫。」
力強く頷くはやてに、カリムは少しだけ安堵した。
場所は変わって…。
「へぇ〜、これが…」
「私たちの新デバイス…ですか?」
いつもどおり、スバルの言葉をティアナが引き継ぐ。目の前には青い宝石がついている首飾りと、白に赤のラインに黄色い宝石が埋め込まれたカード。
それから剣の装飾がついているネックレス。
「そーでぇーす!設計主任私。協力、なのはさん、フェイトさん、レイジングハートさん、リィン曹長。」
と元気よく声をあげているのはシャーリーだ。
「ストラーダとケリュケイオン、フリーダムは変化なしかな?」
「うん、そうなのかな…。」
エリオの言葉に、残念そうに言うキャロ。
「追加プログラムって…何なんだ?」
さらに、ぼそっと呟くシン。
「違いまーす!」
シンの頭にボスっと着地するリィン曹長こと、リィンフォースU。
「いてっ!何すんだよ、あんたってか、頭の上に乗るな!」
「変化無しは外観だけですよ?」
「聞けよ!人の話…。」
シンを無視して説明を始めるリィン。
そのまま、シンの頭から飛び下り、エリオとキャロの前まで飛行する。
「二人はちゃんとしたデバイスの使用経験がなかったですから、感触に慣れてもらうために、基礎フレームと最低限の機能だけで渡してましたです。」
「あれで最低限?」
「ホントに?」
エリオとキャロは驚いている。
「キラとシン、以外が扱うことになるデバイス、四機は六課の技術スタッフたちが技術と経験を合わせて完成させた最新型。
部隊の目的に合わせて、エリオやキャロ、スバル、ティアに合わせてつくられた文句なしに最高の機体です。」
次にシンとキラの前にリィンは移動し、追加プログラムについて今度は説明を始める。
「キラとシン、二人のデバイスは元々が二人に合わせてつくられているのか変更部分はあまりなかったです。
キラのフリーダムは少ないカートリッジでも性能を十分に引き出せるように燃費を中心に向上、それからシンは前回こちらに来たときに使っていた魔法を追加しておきましたです。」
「へぇ〜…。」
シンもキラもそれしか言葉が浮かばなかった。
「ただの道具や武器とは思わないで大切に、だけど性能の限界ぎりぎりまでおもいっきり使ってあげてほしいです。」
リィンがそうはなしていると、ドアが開き、なのはがようやく、姿を現した。
「ごめん、ごめん、待ったぁ?」
「なのはさ〜ん」
なのはに向かって飛んでいくリィンフォース。
「丁度よかった。じゃあ、使用方法説明しますね?」シャーリーの言葉に六人が頷く。
「まず、この子たちには何段階かにわけて出力リミッターがかけられてるのね?
最初はそんなにびっくりするほどのパワーがでるわけじゃないから、まずは、それで扱いを覚えていって。」
「で、各自が今の出力を扱えるようになったら、私やフェイト隊長、リィンや、シャーリーの判断で対処していくから…。それから、キラ、シンの二人のデバイスは出力リミッターはかけられなかったけど…。
フリーダムのミーティア、それからデスティニーのファイナルは使用するときは私たちに許可をとること…。いいね?」
「はい…。」
シャーリーをなのはが引き継ぎ、
「丁度、他四機はみんなと一緒にレベルアップしていく感じですね。」
なのはをリィンが引き継ぐ。
「出力リミッターっていうと、なのはさんたちにもかかってますよね?」
リミッターの話で思い出したのか、ティアナが口を開いた。
「あぁ、私たちはデバイスだけじゃなくて…、本人にもだけどね。」
「「「「えぇ?」」」」
エリオ、キャロ、スバル、ティアナの四人は驚く。だが、キラとシンの頭上には?が4つぐらい立っていた。
「能力限定って言ってね。うちの隊長と副隊長はみんなだよ。
私とフェイト隊長、シグナム副隊長とヴィータ副隊長、それからはやて部隊長にもだよ。
それから、キラとシンにもかかってるみたいだね。
何でかかってるのか私達は分からないんだけど…。」
「えっ?俺たちにも…でありますか?」
シンが耳を疑い、なのはに再度、確認する。
「うん。
スバルとティアの試験の時に、怪我をして現れたあなたたちを治療するとき、治療と一緒に魔力検査を行ったの。
そしたら、リンカーコアとは別の、だけど連動している魔力の塊があったんだ。でも、普段はそれに…。
そう、ティアのバリアブルシュートみたいに魔力外皮が張られていて、圧縮されてる魔力の塊を見つけた。
見た目、種みたいだから、医療班の人たちも、私もそれをSEEDって呼んでるけどね。」
まんま何だけどね〜と笑うなのは。
「それじゃあ…続きを…」
とシャーリーがモニターを操作しようとしたとき、室内に警報が鳴り響いた。
投下終了です。
次回は第四話に入っていきます。
よろしくです!
乙です。
>SEED
種割れは重要局面で発動する事になるのかな?
>>869 GJっす。
練り物ダメは声優ネタですか。声優に詳しい自分にはとても楽しめました
>>871 あははは……実はそれやろうと思ってました。考えることはみんな一緒か……
>>885 シン達のリミッターはどんなのでしょうか?気になりますね
889 :
暇人A:2007/05/18(金) 20:04:25 ID:???
お二人とも面白いですね
同じ場面、キャラだけどそのうち何名かが変化してるってのは並んでみると尚更です
この時間帯を選ばれたのは個人的に正解だったかとww
さて、放置してた自分も続き書くとするか
ちょっと間を空けて文才の無さがなるだけ見られないようにww
お二人ともGJです。
さて・・・・私も頑張るか〜
>>869 まじかるしんでブルーコスモスがメビウスを使ってるが
今後グラスパーやユークリッドは登場するんだろうか
シンは「かみちゃまかりん」を毎週欠かさず見ているのです。
キラは「きらレボ」
SEEDに新解釈ですか。GJ!
そろそろ次スレを立てるべきでは?
お前が立てろよ、とは言わないでほしい。
立て方が判らないんだ・・・
まだまだだろう、50KB以上余ってんだから。
ほとんどSSじゃなくてラッキースケベで埋めたからね…www
この調子だと、スレ分立してから始めて1000まで行くことになるな
>>891 そいつらだけならともかく、ザムザザーやゲルズゲー、果てはベルグランデとか出てきたらかなりの強敵だよな
899 :
暇人A:2007/05/18(金) 23:39:28 ID:???
空気読めない男が投下にきましたよ
1000いけないかもしれないけどいいよね?
例のごとく答えは(ry
今日も今日とて、魔力を少しでも抑えるためにシンは時空転送をしていた。
だれもいない、静かな場所なのだ。が、
「何でキミはいつもここをえらぶのかね?」
不意に、声をかけられた。どこか、懐かしいような声・・・
「誰だ!!」
「わたしのことはいい。どうなんだ?」
振り返ると、仮面を付けた、金髪の男が立っていた。
「何でそんな事をあんたに話さなきゃならないんだ?」
「そうだな。君に興味があるからだ」
気持ちの悪い事を・・・
「そんなの、あんたに教える義理は無い!!」
「義理は無くても理由はあるよ」
「なに?」
シンは警戒しまくりな声を上げた。
「君の事を黙っておいてやる、それで十分じゃないかね?」
「アンタをここで始末すれば、そんな事気にしなくていいだろ?」
シンの言葉に、「ふははははははは、はっはっはっはっは」などと、仮面の男は大笑いした。
「何なんだよ、あんたは!!」
「君の手がいくらこれ以上汚れないからと言っても、今ここで私を殺せば、君を匿っている少女も共犯と言う事になると思うが?」
「なっ!?」(なんではやてのことを・・・)
「どうかね?悪い相談ではないと思うが?」
たとえ悪い相談でなくても、こいつに付け込まれるのはシンは生理的に許せなかった。大体・・・
「俺にやましい事なんて無いんだ。別に管理局に何を言われても、構いやしない」
「ほう、ならなんで逃げているんだ?」
「別に逃げてなんかッ!!」
901 :
重なる宿命:2007/05/18(金) 23:45:16 ID:???
「いいや、逃げているさ。
君は君の内にある膨大な魔力を恐れ、さらには二度と八神はやてに会えなくなることを恐れている」
「なっ、名前まで知ってるのか!?」
「君の名前も知っているさ。ああそれに、君がどんな想いで彼女のそばにいるのかも知っている」
「何を言ってるんだよ、あんたは」
シンの言葉を無視し、仮面の男は続ける。
「君は穢れを知らぬ少女と共にいることに矛盾を感じながらも、その時間の絶えぬことを願っている。
そんなに心地よかったかね?人間とは愚かしいまでに『雰囲気』などに弱いからな」
「そんなんじゃ無い!!」
「ならなんだ?なぜ逃げる?それが君のためにならないと分かっていながら!!!」
シンは押し黙った。
一方的に知られている以上、討論で敵うとは思えなかった。
それに、この男の言っている事は、少々婉曲されていても真実なのだ。
「まぁいいさ。君に質問をするために出てきたわけではない。
ましてや、言い負かすためでも、ね」
そんなシンを見て、満足したように告げた。
「これを受け取ってくれたまえ」
そして、右手と、そこに乗せられた薄く四角いものを差し出した。
「何だ、これ?」
「デバイスだよ。インテリタイプではないが、八神はやてのためにこれが必要なときが来る」
「何?」
「いつか分かる時が来る。君はただ、それを持っていてくれればいい」
言って、仮面の男は消えていった。
シンはデバイスを握り締めた。
これは、どうすればいいのだろう・・・
(守るための・・・力だよな?)
今はそう、はやてに降りかかる『何か』がもしもあるのなら、そのために使いたいと思い、それの存在を許容した。
本当は、受け取りたくなかった力ではあったのだが・・・
902 :
重なる宿命:2007/05/18(金) 23:46:38 ID:???
「これ、は?」
受け取ったものに、アスランは困惑した。
「これはデバイスっていうの」
赤い、カード。と、言えど、硬めだ。
「これがあれば、魔法ももう少し簡単にコントロールできるようになるから」
「はぁ・・・」
そういうものは先に渡してもらいたいものだが、あちらにも考えはあるのだろう。
「発動には名前を呼んだりすれば大丈夫」
「インテリタイプじゃないけど、名前は自分で付けていいわよ」
「名前って・・・」
カードに、名前?
「そう。それはあなたのための特注品だから」
有り難い話だった。
「名前って、たとえば、バー○ーカー○ウル、みたいに?」
「まぁ、なんでもいいけど・・・」
そのセンスはどうかと思う、って空気に書いてあった。
「そ、それじゃあ、えっと・・・『ジャスティス』だ」
「ジャスティス・・・正義か、いいんじゃない?」
「そうね」
少々曰く付きの名前ではあったが、デバイスの名は決まった。
「デバイス?」
「そう、あの人の。え〜っと・・・キラくん、だっけ?」
先ほど、キラの中に高い魔力の素質が見つかったので、エイミィがクロノに相談を持ちかけたのだ。
相談と言っても、クロノが呼び出されて、彼女はなんかPCを弄っていた。
903 :
重なる宿命:2007/05/18(金) 23:48:57 ID:???
「それは流石に許可できない。一応彼も身元を証明するものは無いんだから」
「そうよねぇ。流石にこれ以上『爆弾を抱えた艦』なんて評判、欲しくないもんねぇ」
と、いうのは、特例としてこの艦にはフェイトたちが乗っている事に起因していた。
「あ、デバイスといえば・・・」
エイミィが思い出したようにクロノを振り返り、もう一度PCを弄り始める。
「あの時からずっといろいろあって言い忘れてたんだけど、これ・・・」
画面には、シンのデバイスがあった。そこには、
「バーサーカーモード?このデバイスは暴走でもするのか?」
「あたしもそう思ったんだけどさぁ、なんかこのモードって言うの?出力下がってんだよねぇ」
「じゃあ、何でバーサーカー?」
バーサーカーといえば、凶戦士≒暴走、とかが思い浮かぶ。
「それを考えてたわけよ。それに、このデバイスはまだ色々謎なんだぁ」
「謎?」
「そう。携帯電話としての機能も残ってたし、音楽聞けるし、メモリースティックも入るし・・・」
「s○ny製か・・・は、どうでもいいとして・・・」
確かに、今までに無いタイプでは、あった。
能力としてはナイフを二本出すほかには、少々魔力の引き出す手伝いをするだけ・・・
「能力が低すぎるのに・・・さらにリミッターを『かける?』」
『かかってた』、でないのが、逆に不気味なくらいだ。
「そうなんだよねぇ・・・これも懸案事項にしておく?」
「優先ではないとはいえ、こういうタイプのデバイスが過去あったかどうかは調べておいたほうがいいかもしれない・・・」
既にシンと共に行方不明である以上、このデータ以上は望めない、というのも起因して、少々消極的な捜索にはなりそうだ。
「うん、そうする。
そういえばフェイトちゃんの嘱託魔導師の試験みたいなのも、近づいてきたよね?」
思い出したように、エイミィは言う。
「そうか、それもあったな・・・」
問題は目の前にも存在するのだ、二つほど・・・
「たいへんだねぇ、わたしたち・・・」
能天気そうに言っているが、本気で山積みである。
904 :
重なる宿命:2007/05/18(金) 23:49:51 ID:???
シンは先ほど貰ったデバイスを眺めていた。
「このデバイス・・・」
それには問題点がいくつかあった。
先ず、「名前が分からない・・・」これはインテリじゃないから何とかなるとして、
「魔力を全く感じられない?」
つまり、これはデバイスなのかどうかから、胡散臭かった。
使うつもりはさらさら無いけど、持っている力の使い方が分からないのでは、どんな危険を及ぼすか分かったもんじゃない。
「シン〜、ご飯やよ〜?」
はやてが呼んでいる。
「あぁ、今行く」
シンはデバイスのことは一旦忘れて、一階へ下った。
はやてを守るための力のことに気を殺がれて、はやてを心配させるわけにはいかない。
(大体、力が必要って言った奴自体がありえないほど胡散臭かったしな・・・)
そんな認識で十分だって、シンは思いたかった。
翌日、シンははやてと町に出ていた。
と、言うのも、今日の朝に、はやてがどうしても付き合って欲しいとシンに頼んだからだ。
もちろん快諾したシンは、たいして用件も聞かずに付いてきていた。
折角なので、はやての車椅子を押しながら町並みを眺めてみた。
数ヶ月前、もうそんなに経つことに驚きさえあるが、その頃シンは記憶を失っていた。
(そっか・・・思えばあの時から、はやてとは知り合いだったんだよな・・・)
オープンテラスのカフェを眺めながら、そう思い出す。
静かな町だ。でも、活気のある町だ。
「いい町だな・・・」
思わず呟いた言葉にも、はやては反応してくれた。
「そうやね。毎朝晩、わたしのことを手伝ってくれる人がおったんは、やっぱりこの町やったからやと思う」
「好きか?この町・・・」
「好きやよ、すっごく」
とても昔のシンには考えられないような笑顔で、はやては答えた。
「俺も好きだ」
雰囲気も、町の人々の暖かさも。
そういえばフェイトを管理局が完全に敵とみなさなかった直接的な理由であるなのはも、ここに住んでいると聞いている。
なのはなら話せば分かってくれるだろうが、やはり今は会いたくなかった。
「シンが好きになってくれると、わたしもうれしいわ。住んでたかいがあったっちゅうもんやね」
「どういう理屈だよ」
笑いながらの会話に温かみをかんじれる。
(そうか・・・俺は・・・)
ある人に問われてついに答えることなくこちらへ来てしまったこと、『俺の本当に欲しかったもの』。
案外、ずっとこういうものを求めていたのかもしれない。
905 :
重なる宿命:2007/05/18(金) 23:50:59 ID:???
「さ、到着や」
そういわれて前を改めてみる。
いや、歩いているときから見えていた建物だが・・・
「映画館?」
「そや。シンはなんか見れんタイプのある?」
「映画・・・そうだな・・・好きなのってのも特に無いけど、嫌いなのってのも無いかな・・・」
実際は熱血格闘ものとかSFとかは好きな部類に入るが、相手が女の子と言う事も考慮してやめておいた。
「せやったら、あれなんかどう?」
そういってはやてが指をさしたのは、唯一まだ空いている場所。
「ここは30分ずつずれて始めてるから、今からならこれが一番早いし・・・」
内容は・・・学生の恋愛物か・・・
「まぁ、別に俺はなんでもいいけどな。
時間とかも気にしてないから、はやての好きな物にしろよ」
「それやったら・・・」
言い、はやては見回し、
「やっぱり、これがええな」
結局すぐに始まる恋愛物を見る事になった。
「すみません、大人と子供一枚・・・」
はやては、受付にそう言いに行き、何やら簡単な手続きをしていた。
(ってか、俺は経済力がないとは言え・・・)
この状況はあまりよろしくないような気がしたので、
「すみませ〜ん、ポップコーンとジュースを・・・」
はやてから受け取っていたお金で先に買っておくことにした。
席について、映画なんてものが久しぶりである事を思い出した。
休戦の折、シンは軍に入った。
それは、まだまだ成長段階だったシンにとって、きついものだったのは言うまでも無い。
休日に映画館に入る相手もいなければ、入ったところで眠気に勝てるわけも無く・・・
(ぐっすり寝る、ってのが、そもそも少なかったんだよな・・・)
そして戦後、シンは各地を回ってMSの操縦技術などで人々の助けをしていた。
少しでも、助けになれるようにと思って。
もちろんその際に、いろいろと憎まれ口をたたかれはした。
曰く、「何で議長の言ってた平和が訪れないのか」、とか、いろいろ。
かつて救った街ではそのとき知り合った少女にいろいろときつい事も言われた。
まぁ、彼女は彼女なりに許してはくれたのだが・・・
各地における民族的な問題は、収まるどころか浮き彫りになっていたのは、もはや仕方の無い事であるとも言えた。
そんなこんなをやっているうちに、シンはこちらの世界へ送られたのだが、
(その辺の記憶が、また曖昧なんだよな・・・)
そう、自分がなぜこの世界にいるのかは、未だによくは分からない。
「あ、はじまるで?」
はやての言葉どおり、暗幕が上がっていった。
別に見たくないわけでもないので、今は映像を見、なるだけ難しい事は考えない事にした。
906 :
重なる宿命:2007/05/18(金) 23:55:36 ID:???
そして、約二時間後、
「シンって、映画とか平気で寝てまうタイプの人と違うんやね」
なんて心外な事を言われた。
「俺だって、他人の金で入ってまで寝るような奴じゃない」
「あ、なんや、自分で払ってたら寝るみたいやね?」
「それは・・・寝るかもしれない」
ってか、多分映画なんかを見にきたりしないような気がする。
「ほな、次は服買いに行こうか?」
「はやての新しい服?」
「ちゃうよ〜。シンの生活用の服。
ええ加減に借りてる服は返さなあかんよ?」
そういえば、今のシンの服はお隣から『どうせ着ないし』と言うことで借りていたものなのだ。
「そうだったな・・・悪い、はやて」
そんな服を買うのも、今ははやてに頼るしかなかった。
「ええよ、困ったときはお互い様や」
今までもずっとそんな感じにはやてはシンにいろいろと与えてくれていた。
食事や服だけではない。
シンはここに来て始めて、居場所を貰った。だから・・・
(はやてになにか困った事があったら、俺が助けてやりたい)
もう何度とも分からない決意、だが、それだけが、今のシンをこの場所につなぎとめている『鎖』だった。
そのことに、はやてが気づかないはずも無かった。
「トリィ、トリィ」
フェイトがキラの部屋に入ると、妙な泣き声で空を飛ぶロボットが一機。
「キラさん、その子は?」
「あ、フェイトちゃん」
ずっとつれていたが、時空転送の際に一度機能が停止したらしく、先ほどようやく修理が完了した。
「これはトリィって言ってね、大切な友達に貰ったものなんだ」
そして、『大切な友達』が敵のとき、『正体をばれず』に逃がすためにも役に立った。
あの時アスランにまだ自分が友達だと思ってるって言えなければ、オーブは攻め落とされ、戦争はある人によって最悪の結末を迎えていただろう。
「そうなんですか・・・
わたしにもありますよ、大切な友達に貰った、大切なもの」
そういって、別れの際になのはと交換したリボンを見せた。
「それに、わたしの命は、とても大切な人に貰ったものです」
あの時、止めてくれなかったら、自分は母と運命を共にしていただろうから。
「そう。
それじゃあ、大切にしなきゃね」
結ばれた絆が一度も違わず、衝突する事も無いように、キラはフェイトに告げた。
「はい。だから、一緒に探しましょうね」
しかし、キラはそういわれるまでそれがシンの事とは気づいていなかった。
907 :
暇人A:2007/05/19(土) 00:03:52 ID:???
取り敢えずここまで
いろいろとこっちの脳内で筋が通ってるだけって部分がありそうだからその辺は気づいたら伏線として回収していきたい
それと今回の内容についてだけど、シンみたいな職業軍人ってSF好きなのかな?
逆に嫌ってそうな感じがしたり・・・
ついでにはやてとシンは仲が良く書かなきゃいけない事情があるとはいえ仲良すぎかもしれないからその辺は普通にごめんなさい
何はともあれそろそろA'Sの状態に入っていくと思います。
A'Sはいろいろと把握しきれていない設定がある所為でグダグダになるかもだけど気にしないでくれると幸いですww
>>907 乙&GJ!
僕はシンとはやて仲良くてもいいと思いますよ。
>>907 乙&GJ
シン「あの教会へ行こう!」
はやて「は?」
>>907 GJ
仲の良いシンとはやてが読んでいてすごく面白いです。
全然遠慮する必要はないと思いますよ。
>>907 GJ
シンとはやてが仲良くても全然オッケーだよ。
なんかもうこの作品ではそれを見るのが楽しみの一つになっているw
>>907 乙
シンが着々と光源氏コースを歩んでいるように思えるww
このまま行く所まで行くのかww
シンに白色のタキシード着せようぜ
なんで?
ああ、白色のタキシードってウェンディング用のか、なるほど。
はやて「タキシンド・仮面様!」
>>913 なぜだろう・・・まったく違和感がないw
>>915 ウェンディングじゃなくてウェディングな。
確かにシンとはやては何気に似合いそうだw