2 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/25(日) 17:39:56 ID:mp8zUBGc
地球マンセーなんだろうな。
死の商人というのは変わらんと思う。
議長マンセーを是正するだけじゃね?
敵に煽られて突撃だと、vip板の奴らと同じだしw
報告
1000 名前: 埋立業者 ◆CT.DMZiSxE [sage] 投稿日: 2007/03/25(日) 20:11:31 ID:???
ラスト〜
∧__∧ 埋埋埋埋埋
(´・ω・) 埋埋埋埋埋
/ヽ○==○埋埋埋埋埋
/ ||_ | 埋埋埋埋埋
し' ̄(_)) ̄(_)) ̄(_)) ̄(_))
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
| (●)(●)| そうだな・・・常識的に考えて・・・
____. .| (__人__) |
/ \ ` ⌒´ ノ
/ ─ ─\ .}
/ (●) (●) \ よく考えたらこのスレいらないな
| (__人__) | ノ.ヽ
/ ∩ノ ⊃ /∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |/ _ノ | |
.\ “ /__| | /__| |
\ /___ //___ /
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
ミミ:::;,! u `゙"~´ ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,; j ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;; ゙ u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | '-- 、..,,ヽ j ! | Nヾ|
'" _,,.. -─ゝ.、 ;, " ;; _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ | 、 .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i / ̄ ̄\
j / ,.- 、 ヾヽ、 ;; ;; _,-< //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─-- エィ' (. 7 / / ─ ─\
: ' ・丿  ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、 i u ヾ``ー' イ | (●)(●)|
\_ _,,......:: ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... ' u ゙l´.i・j.冫,イ゙l / ``-、..- ノ :u l ____. .| (__人__) .|
u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y / / \. ` ⌒´ .ノ
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u / / ─ ─\. }
_,,..,,_ ,.ィ、 / | /__ ``- 、_ l l ``ーt、_ / // (●) (●) \. }
゙ u ,./´ " ``- 、_J r'´ u 丿 .l,... `ー一''/ ノ ト 、,,_____ ゙/ /. | (__人__) |. ノヽ
./__ ー7 /、 l '゙ ヽ/ ,. '" \`ー--- ",.::く、 ./ ∩ノ ⊃ / ∩ノ ⊃| |
/;;;''"  ̄ ̄ ───/ ゙ ,::' \ヾニ==='"/ `- 、 ゙ー┬ '´ / \..,,__ . \ / _ノ | | / _ノ | |
、 .i:⌒`─-、_,.... l / `ー┬一' ヽ :l / , ' `ソヽ “ /__| | /__| |
ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i\ /___ //___ /
\ U /
\ U /
\ / ̄ ̄\ /
\ / ─ ─\ /
\ / (●) (●)ヽ /
\ .| (__人__) .| /
ノ// | ` ⌒´ |ミヽ /
/ く ヽ / \
/ /⌒ / ヽ ノ⌒\ \
(  ̄ ̄⌒ ⌒ ̄ _)
` ̄ ̄`ヽ /´ ̄
| |
−−− ‐ ノ |
/ ノ −−−−
/ ∠_
−− | f\ ノ  ̄`丶.
| | ヽ__ノー─-- 、_ ) − _
. | | / /
| | ,' /
/ / ノ | ,' \
/ / | / \
/_ノ / ,ノ 〈 \
( 〈 ヽ.__ \ \
ヽ._> \__)
うほっ
そういえばアスランはもしアズの作者さんの作品内では脱走していないんだろうか。
オーブ偵察時の描写からしてシンがまともそうだったから、「シンが冷静だったら」のスレみたいにアスランもザフト所属でいいからまともであって欲しい。
というか、全キャラまともで冷静であってほしいというのがあの本編を見た者としての願望
>全キャラまともで冷静であってほしい
それはちょっと……
まともで冷静というよりも、現実的な行動が取れる奴が欲しかったよ。
あ、自分が見たかったのそれです。「現実的な行動がとれる奴」
言葉足らずですみません。感謝です
それだと、デス種始まらないんじゃね?
いや、全員まともって意味じゃなくてな。
DQNもいればまともな奴もいる、そういった奴らが混在した物語がガンダムだからさ。
まともな大人が少ないのが問題
少年少女にもまともなのがいまんせんけど。
少年少女はまともじゃなくてもいいんだよ。まともな大人が、彼らを導けばいいんだから。
未成熟なのとまともじゃないのは違うような…
なまじ能力高いから、質が悪い。
ステラ生存展開は駄目かな。彼女死んでたらシンが冷静というかまともでいられなさそうだし。
薬中の治療法は、faith権限で人員かき集めた凸がロドニアラボの徹底調査と自身も不眠不休で、送られて来た山のようなデータ解析の末になんとか解決。
連合との戦績であまりシンに応えられなかったから、それくらいやらないとシンに反抗されっぱなしのままだろうし。
つて盟主王に関係ないな。
まあ盟主王に限らずまともな人間が多いほうに越したことはないけど
>>22 >ステラ生存展開は駄目かな。彼女死んでたらシンが冷静というかまともでいられなさそうだし。
それはそれでいいと思う。
気になる人間が死んで、冷静でいられる人間なんていないし。
滅びの美学ってのもありかなとは思う。
どん底まで落ちてはい上がるのもいいし。
要は納得出来ればなんでもいいよ。
神にすべて委ねて保守
ステラというかロドニアラボ関係はザフト側がもつ宣伝戦で使えるカードだしね。
宣伝戦の材料としてステラを助けるために人員要請しても問題はないし
作品内部はステライベントは通過してる辺りだから出てこなさそう
ジブリール、おしっこ漏らして涙目。www
コーディネートされた被告と
コーディネートされた弁護士と
コーディネートされた検察と
コーディネートされた裁判官と
コーディネートされたマスコミが
争ったら
誰が勝つの?
ステライベントは通過しているが、この先Dプランがあるのを考えると、シンが議長に賛同する理由としてステラの恩人and人質にとられてるとかがないとシンの行動理由がないかなと
冷静でまともに考えるなら軍務に忠実なだけであるべきだがシンというキャラクターとしてそういう行動は向いてないというか
それ以前に議長の唱えるDプラン自体まともじゃない気もするけど
個人的に、盟主関連以外の生死はアニメ準拠の方が良いな。
ステラ達が生きていてもこの流れだとあまり意味はない気がする。
シンは運命を与えられた時点で完全に議長側というか反ロゴスだし。
その時点で立ち位置はアニメ版と変わらない。
ステラの所為でそれが変わるより、
オーブ侵攻で何かあった方が個人的には好みだな。
>>29 決着が着くまでに一番熱心に努力して
一番熱心に自らの仕事をして
かつ一番運がいい奴
遺伝子の上に胡坐かいてる奴に勝ち目なんか無い
もしアズの作者さんは「反ロゴスという行動原理自体が妄想的陰謀論に過ぎず馬鹿げてる」という姿勢だから、シンたちがユウナの演説に対して動揺しながらオーブに出撃するのかなとも思って。
それにDプランに対して懐疑を示さずレイへの義理立てだけで称賛というのもどうかなと
そうなったら故人に対する感情だけでシンが暴走する本編終盤の展開がどうにかできるんじゃないかなと
盟主王の冷静キャラぶりを見ると、一部を除いて暴走キャラにしない方がいい気がして
つてAA組はとっくに暴走してるか
意表をついて、AA組出てこなかったら神
>>34 AAやラクシズに関しては間接的な描写にとどめるという手も有るな。
基本アズラエル視点だし。
AAは巣穴から燻り出される可能性もあるが、
ザフト(プラント)は前の戦争の時のようなナチュ殺せ軍団は脱してるはずなので、考えなくて良いか。
やぶ蛇になりそうだけど…
ギアスのピンクは死んだが、こっちのピンクは出てこなくていいよ。
保守
ちょっと保守
保守。
やばい…保守
危うし盟主王
AA組に頼もしさを感じる日が来るとは…
保守
ほっちゃ〜ん
保守!保守!
やばい…このまま落ちるのか!?
保守
勘違いしないでよね!保守するだけなんだから
梅
青き清浄なる保守
「青き清浄なる世界のために」
作画マンが夫妻に反抗
キラ「そおれでもおおっ!!青き清浄なる世界の為に――――――!!!」
53 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 07:54:19 ID:j/f26p5D
アズラエルのモデルって筑紫○也だって聞いたけれど本当かい!?(ミイヤ風)
それとジブリールのモデルは久○宏だって言うのも本当かい!?
盟主王にジブリールってバリバリ右翼じゃねえかw
正反対だと思うが…
茸Pとプクタンと怪奇ふくれ女の眼と脳が腐ってたんだろ
え〜竹Pじゃね〜の?
捕手
ume
ほしゅう
盟主王…
ちょっと遅すぎ。止めたのかな?
新入社員で忙しいと見た。
続きを勝手に書いてみた。
もしアズさん、帰ってきたら同人誌だと思って、普通にスルーして続けてください。
我々、プラント評議会は地球圏の安定を確保し、世界平和に寄与すべく全将兵をあげ征戦を断行するもオーブ連合首長国はプラント最高評議会の真意を理解しようとせず、いたずらに平和を乱すことはなただし。
地球圏の安定のため、プラント最高評議会はここにオーブ連合首長国に宣戦を布告するものである。
翌朝、プラントからの宣戦布告が中立国を通してオーブ外務省に通知された。
もっとも、昨日の放送が事実上の宣戦布告であったため、本来は中立国としてその役割を果たさなければならないオーブにたいするデュワンダルからの皮肉ととるべきなのか内容はきわめて簡潔なものであった。
「どうしてくれるんだと、こんなことでは戦争ではないか。」
「プラントも随分むちゃしますね。まあ、私もその気持ち分からなくもありませんがね。」
慌てふためるユウナを尻目にアズラエルは、その余裕に満ち溢れた態度を崩すことはなかった。
彼とて、一度はオーブに侵攻した一人だ。地球圏を掌握するために、オーブがどれだけ目の上のタンコブなのかは百も承知だった。
「まあ、少なくともあなたの名演説のおかげでオーブの面目は保てました。世界の敵と罵られ、国を再び焼くよりかわましでしょう。」
「あなたが関わったことで、一度ならず二度も国を焼く羽目になってしまう。一体どうしてくれるんだ。」
あまりの態度にユウナも感情を爆発させたが、それにひるむことはなく不敵の笑みさえ漏らしていた。
「オーブは焼かせませんよ。ここを失うと私も行くところがなくなりますから。」
そう言うと、アズラエルは席を立った。
「ど、どこに行くんだ。まさか、逃げる気か。」
「友達に会いに行くだけですよ。」
アズラエルは行政府有事対策室を出ると、その足であの男に会うため休憩室に向かおうとしようとした。
だが、彼は食堂に行くこともなく目の前に目当ての男がいることに気づいた。
そして、その男はこちらに向かってくると、すれ違いざまに軽く肩をぶつけた。
「すみません。少し急いでまして。」
「いえいえ、こちらこそ。」
そういうと、男は足早に去って行った。
もちろん、アズラエルの上着の中には一枚のメモが入れられたのは言うまでもないが。
なぜ、行政府にアズラエルが出向いたかというと、表向きは現在のオーブ及び世界情勢を把握するためであったが、そんなことユウナの私邸でも全く問題なくできることであり、本来の目的はこっちの方であった。
まさか、誰もが行政府の中でスパイ行為が行われているとは思わないであろう。
行政府を出て、車に乗り込むと真っ先にそのメモを見た。
アカツキ島の地下にアスハ家と最高級の軍幹部のみしか知らないかなり大規模な極秘の軍事施設がある。
おそらく、このことはユウナ・ロマ・セイラも知らないと思われる。
アズラエルの中で、すべてのパズルがそろった。
アズラエルは、おそらくザフトとオーブ間で再び戦闘が起これば、その時は地中海でそうあったようにアークエンジェルが介入してくると考えていた。しかし、アークエンジェル程のもの隠そうと思って隠せるものでない。
さらにいえば、ミネルバとの戦闘で手負いのアークエンジェルはどこかで必ず修理を受けているはずである。
だからこそ、アズラエルは探していたのだ。オーブ周辺でアークエンジェルの修理、及び隠匿ができる施設を。
さて、その施設さえ見つけてしまえば、ザフトなど恐れるに足らない存在である。
本土決戦における勝利とは敵の撃退のことである。アークエンジェルが戦闘に介入すれば、まず、オーブが負けることはあり得なくなる。
しかし、それはユウナの庇護のもとにいるアズラエルにとっては、一難去ってまた一難である。自分がオーブの保護を受けられなくなるからだ。
そうしたら、地球上に自分の居場所がなくなり冗談抜きで月に住むしかなくなるのだ。
「私も地球は好きですからね。」ぽつりと独り言をつぶやいた。
むしゃくしゃしてやった。
いまは、反省している。
反応自体では続きも書くよ。
盟主王とAA組が組むのか?
つか、女帝と盟主王って…意外といいかもw
アークエンジェルと組んでもザフトには負けるよ
連合の時みたいに
盟主王が資金出すから無敵ですw
まあ、叩き、煽りがなかったので続けます。
古今東西を問わず、クーデターが成功するか否かは、国軍を掌握できるか否かであり、その意味では国軍に対し強烈なカリスマを持つカガリ・ユラ・アスハの存在は時限爆弾であった。
そして、そのカガリがオーブ周辺どころかオーブにいたのだからたまったものではない。
戦闘がはじまり、オーブの防衛線が崩れ、絶体絶命のピンチになり、文官であるユウナへの軍部の不信が高まったとき、その時こそが、カガリが国軍を掌握する最大のチャンスである。
そうすれば、ユウナは政治的失脚、自分もよくてオーブでの終身禁固刑といった所であろうか。最悪の場合、ユウナは国家反逆罪をでっち上げられ、自分はプラントに引き渡され仲良く死刑台送りである。
アズラエルは自分の背筋に冷たいものが流れるのを感じた。
そこで、敵襲警報が流れているのに気づいた。
窓の外を眺めると人影一つないまるでゴーストタウンのような光景であった。避難命令はとっくに出されていて町は異常なほどの静けさをしていた。
「やれやれ、私もそろそろ行きますか。行政府に行ってくれ。」
「戻られるのですか?なら、アスハ様が用意されたシェルターの方に行かれた方が・・・・。」
「私も、死ぬ時は薄暗い地下室よりかは、戦争を一望できる特等席の方がいいですからね。」
「はぁ、わかりました。」
行政府につくと、ちょうどセイラが車に乗り込むところであった。
「どちらに行かれるのですか?」
その声を聞いて、セイラはまた厄介なやつが戻ってきたと思いため息をついた。
「なんだ、まだいたのか。僕が用意してあげたシェルターは気に入らなかったのか。」
「いえいえ、あんなにすばらしいものを用意してくれてありがたく思っています。ただ、私とあなたは一蓮托生。死ぬ時は一緒にと思いまして。」
「これから国防本部に行く。失礼。」
ユウナはアズラエルから、今すぐ逃げたかったが、アズラエルは車の扉をつかむとこう言った。
「私も連れてって下さいよ。」
ユウナにとっては不愉快この上ないことであったが、アズラエルにかなうはずがなくリムジンに同情することとなった。
国防本部に着くと、ユウナは一直線に司令部に向かった。
その一方で、アズラエルは国防相室へと向かった。
入口で、職員に呼び止められたものの自分はユウナの客人であること、そして部屋で待つよう命じられたことを告げると、職員も相手が指名手配犯として世界中に顔をさらされているアズラエルなので、何の疑いもなく部屋に入れた。
ユウナ自身は、いま司令部にいるので予想通り内は無人で会った。
ユーザー名 ユウナ・ロマ・セイラン
パスワード ****
Enterキーを押すと、簡単にログインができた。
「ふっ、ダメダメですね。もしかして、銀行のパスワードも生年月日じゃないでしょうかね。」
皮肉をつぶやきながら、アズラエルは大西洋連邦大統領執務室へとつないだ。
今回のオーブとザフトの戦争について、大統領は触らぬ神に祟りなしとの姿勢から、ヘブンズベースの陥落後は、どちらつかずのダンマリを決め込もうと考えていた。
いくら、ザフトでも単独では大西洋連邦に勝てないであろうが、下手に動いて、東アジアやユーラシアまでも敵にしてしまえばさすがに苦しくなる。
嵐が過ぎるのを待ち、落ち着いたところで地球連合を再構成し、プラントと話し合いの席に座る機会を狙っていたのだ。
そんなところにプラント代表代行からの通信が届いた。
停戦の仲介の要請か、それに近いものだと大統領は思った。しかし、予想は大きく外れた。まさか、お尋ね者、本人が出てくるとは夢にも思っていなかったのである。
「お久しぶりですね、大統領閣下。」
相変わらずの不気味なニヤケ面であった。
「お・・・、おまえは。」
「いや〜、参りましたよ。まさか、こんな大事になってしまうとは。」
「い、いったいどこにいるんだ。」
「僕の居場所なんて、世界中のだれもが知っていると思いますがね。」
「オーブか・・・・。」
「まあ、そんなところです。ゆっくりと、オーブでバカンスでもしていたいのですが、そういうわけにもいかなくて。」
「オーブが落ちたら、次はこっちに匿ってほしいとか言うんじゃないだろうな。」
「そんなことは言いません。ただ、こちらに少しばかりの援軍を送ってもらいたくて。」
「な、何を言っているんだ。そんなことしたら、大西洋連邦は・・・」
「世界の敵ですか。大統領のおっしゃることもわかります。でもね、忘れていませんか、世界安全保障条約を。オーブとプラントは戦争中ですよ。まさか、傍観を貫くとは言いませんよね。」
「し、しかしだな・・・」
「勝たなきゃだめでしょ、この戦争。いいですか、これはロゴスだけの問題ではない。誰が、この地球圏を掌握するのか、それを決める戦いです。
いまや、ユーラシアと東アジアがプラントについたことで、地球連合はプラントの駒です。民衆もそうです。少し前までは、蒼き清浄なる世界のためにと団結していたのに、いまや、デュアンダルの舌先に踊らされています。
オーブが落ちたら、次は大西洋連合の番なんですよ。進行の口実なんて好きに作れます。セイラン代表代行の演説をお聞きになれば、オーブに非がないことは明らかです。」
確かに、アズラエルの話が本当であれば、もっとも恐れていた事態、つまりは、東アジア、ユーラシア、ザフトの連合軍と大西洋連邦との間で時機に戦争が始めるということである。
ならば、ここで軍を動かした方がいいのでは、そんな考えが頭の中をめぐった。
「それは、本当なのか。」
「ええ、もちろん。プラントと大西洋連邦は長年の宿敵ですから、相手も機会をうかがっているのでしょう。」
正直なところ、アズラエルは、まさかプラントが大西洋連邦に侵攻するとは思っていなかった。いくらなんでも、オーブと大西洋連邦では国力が違いすぎる。だが、ここでどんな手を使っても大西洋連邦を動かさなければ、それはオーブの敗北を意味した。
「・・・・・、わかった。パナマから援軍を送ろう。」
「わかりました。しかし、それを待っていると、オーブは焼け野原になります。もっと、身近な部隊はないのですか。」
「規模はあまり大きくないが、第62任務部隊がオーブ近海に展開している。」
「その部隊は・・・・、バジルール大佐の部隊ですね。上出来です。パナマからの援軍はどのくらいで到着しますか。」
「3〜4日といったところだろう。」
「わかりました。」
「では、もういいだろ。」
「ええ、それでは失礼させていただきます。」
フフフハハハハッハッハッハッハッハ
思わず笑いがこぼれてしまった。これならば、ザフトに勝てる。
早く、このことを代表代行に伝えなければ。
そう思うと、駆け足で司令部に向かった。
えらい暢気な盟主王だな。
ヘブンズベースを見たら、多少援軍が来ても笑えんだろ。
>>72 まあ、おれもアズラエルを最終的に勝たせようとは思ってないからな
以前エヴァSSを書いていたものですが、種と種死を観て、アズラエルを
書きたくなりました。
ただ、どうにも時系列が不得手です…。
連合やザフトの動きを時系列で観られるサイトなどは御座いませんでしょうか?
参考にしたく考えております。
77 :
74:2007/05/01(火) 21:36:32 ID:???
>>75 ご教示頂きありがとう御座います。
早速、読んでみますね。
もし、こちらに投稿する事がありましたら宜しくお願い致します。
MSやMAの開発年表もあると便利かもね。
79 :
74:2007/05/02(水) 00:30:42 ID:???
「蒼い血或いはノブレスオブリュージュ」
序
大西洋連邦首都ワシントン、そのお膝元にあるニューヨークは往時の繁栄を取り戻せず、
夜の闇の中に咲いている。
NJによるエネルギー危機は他の理事国と比べ、比較的軽いと言われている大西洋連邦の
一大都市でさせ、多くの悲哀と絶望、怒りなどを飲み込み、沈んでいた。
「雪、ですか」
先ほどより降り始めた雪は内部の熱気とは裏腹に、張り詰めたように冷えきっている外
を白く染めている。
スコッチをちびりちびりと舐めながら、彼、ムルタ・アズラエルは外に降り行く雪の切片
をぼんやりと眺めていた。
それは、彼の多忙な日常の中でぽっかりと空いた真空のように静謐な時間であり、彼はそ
の得難い時間を存分に味わい、楽しんでいる。
「……様。アズラエル様」
振り向くとそこには、大西洋連邦事務次官であるアルスター氏と彼をこの場…ブルーコス
モス上層部の私的なパーティに誘った大西洋連邦国防総省付武官である、サザーランド中佐
がぎこちない笑みを口元に称え目礼した。
長い付き合いから彼は、アズラエルがひとりで佇んでいるような時には、決して話かけない
のだが、アルスター事務次官が是非、というので渋々アズラエルの意識をこの地上に引き戻す。
アズラエルは気を悪くした風も無く「ムルタ・アズラエルです。ようこそ、事務次官閣下。
今夜の会は如何でしたか?」と手を差し出す。
その手を両手でがっちりと握り締めながら、アルスター事務次官は満面に笑みを浮かべた。
「はい。中佐のお陰でこのような場に私も出席出来ましたこと、大変恐縮であります。さきほ
どの…ジブリール氏でしたかな。そう、ジブリール氏のお話、大変興味深かったですよ」
内心、アズラエルは数度舌打ちし、それでもそれは表には出さず皮肉げに口元を歪めた。
「そうでしたか。彼もブルーコスモス運動の中で熱心に基金を募っていますからね。宜しけれ
ば、事務次官閣下も是非幾ばくか、お願い致しますよ」
尊大なのか、卑屈なのか分らないような事を言いつつ、アズラエルは「環境保護団体」としての
ブルーコスモス盟主としての役割を果たす。
数度のやり取りの内、アルスター事務次官はパーティに戻っていく。
その後姿を見つめながら、アズラエルは溜息をついた。
80 :
74:2007/05/02(水) 00:31:18 ID:???
…お疲れですかな、アズラエル様」
「ふん…下らないパーティに出れば、そりゃ、疲れもするさ」
不思議と、サザーランド中佐の前ではアズラエルは何時もの彼に戻る事が出来る。
サザーランドは外見から中身まで軍人そのものであったが、思想的にはアズラエル派と呼ばれる
軍部の中でもコーディネーターに対する強硬派で鳴らしていた。
そんな彼は、アズラエルが政治とビジネスを志して以来からの付き合いであり、彼の複雑な性癖
を知り尽くしていたとも言える。
それゆえ、アズラエルは彼に対しては胸襟を開く事が出来た。
サザーランドは肩を竦めながら、苦笑いを浮かべる。
「今夜も雪ですな、アズラエル様。私は雪は嫌いです」
「僕だって嫌いさ」
そう言いながら、言下に彼が言いたい事をアズラエルは正確に理解していた。
このホテルでは豪奢な料理、一流の音楽、調整された空調の中で富裕な男女がさざめいていたが、
1歩外を出ると、そこには貧困と飢え、それに加え寒さという地獄が広がっている。
その現状、それを齎したものへの怒りをアズラエルも共有出来た。
「…それでどうですか? そろそろプトレマイオスから発った艦隊も奴等と交戦している予定でしょ」
サザーランドは腕時計を一瞥し「そろそろですな」と続ける。
アズラエルはこのパーティの会場に用意された、スクリーンに目をやったが、まだそのスクリーンは
灰色に沈黙していた。
81 :
74:2007/05/02(水) 00:31:58 ID:CD1KaIhy
ふと、嫌な声が聞こえたので、そちらの方に嫌々ながら目を向けると、ジブリールがブルネットの
美しい女性の腰に腕を絡め、談笑していた。
彼もこちらに気付いたようだが、一瞥の後、彼も又、黙殺をする。
アズラエル家とジブリール家は、ロゴス内部における序列においては、圧倒的にアズラエル家の方が
格式、財産、共に大きかったが、こと影響力となると、自然と声が大きい、ブルーコスモス最右翼で
ある、彼、ジブリールの影響力は絶大であった。
それ故もあるが、幾度となくパーティや会議の場で顔を合わせ、言葉を交わした結果、双方がこう
思ったのであった。
…あいつは嫌いだと。
それにと、アズラエルは思う。
彼の横に居る女性…名前はマリエッタと言ったか、某銀行家一族の傍系だが、先月までアズラエルの
公式な恋人であったのだ。
お互い、お互いに冷めた結果の別れであったし、アズラエルも今までどれだけの女性と付き合ったか
分らないせいもあり、未練は一遍も無い。
だが…相変わらず趣味が悪いとアズラエルは思う。
ジブリールにはこういう子供じみた一面があった。
「…相変わらず趣味の悪い男だ。僕のお下がりがそんなに欲しいのですかねえ」
サザーランドは聞かなかったふりをし、時計にちらちらと視線を向ける。
もう一つ、アズラエルがジブリールの事を嫌う理由があった。
自身、子供じみていると思うのだが、昔から不思議とアズラエルは庶民的な一面が存在した。
それは学生時代に彼と付き合ったものなら誰もが口にした事であり、それがアズラエルの魅力ともな
っていたのだが、彼は意識していない。
曰く、大西洋連邦有数の富裕階層、アズラエル家の嫡男にして若き跡取。
その性癖、肌の色に拘らず。
彼の数多い恋人達、フランソワ…レイコ…キム…ヴァイオレット…マーサ……etc
82 :
74:2007/05/02(水) 00:32:31 ID:???
その点、ジブリールは保守的であった。
彼が愛するのは金髪碧眼の白人女性だけ。
そんな彼をWASP野郎とアズラエルは見下していた。
ふ、と会場に闇の帳がおりる。
「時間ですな」
サザーランドがそう呟くのと、アナウンスはほぼ同時であった。
特別な回線を利用した戦場の光景。
それは自らが血を流す場に立たない者たちにとっては最高の余技であった。
まだ、メディアにも卸されていない、新鮮な映像。
連合のMAメビウスとザフトのMSジンは1:5のキルレシオで、お互いが真空の火花となり消えてゆく。
戦況は五分五分であったと言えよう。
「…それで例の噂はどうでしたか?」
暗闇の中、点々と灯る人の命が散っていく光景が見つめながら、アズラエルは続ける。
「諜報部の連中は口が堅くて…。ただ、例の筋からリークがありました。恐らく意図的と思われ
ますが」
「何て?」
「ルーズベルトが何か企んでいる、とだけですが」
その時、プラントの一角が輝いたと思うと、その輝きは拡大し、プラントの一つを飲み込んで行った。
広場にざわめきが広がる。
気の早いものは「空の悪魔に鉄槌だ! 蒼き清浄なる世界の為に!」と叫んでいた。
アズラエルはプラントの一つが完全に爆散する光景を、冷めた気分で見つめ続ける。
内心、あれを一基作るのに幾ら掛かるんだ、と計算し、その算出額に幻滅しながら。
こうして「血のバレンタイン」と呼ばれる事件は起き、歴史が動いていく。
それはアズラエルでさえも抗えない、流血の道であった。
83 :
74:2007/05/02(水) 00:33:34 ID:???
…間違えて上げてしまいました。
本当に、申し訳ありません。
如何なものでしょうか?
これからも宜しくお願い致します。
よろぴく
此方こそ宜しく。
>>63の人、
誤字脱字には注意しような。
セイランがセイラになってたりデュランダル議長がデュワンダルになってたり、
会話の「○○は」が「○○わ」になってるところがあるぞ。
内容自体は悪くないからガンガレ!
>ノブレスオブリュージュ
坊ちゃま乙w
乙です。
マターリやってください。
>>87 ガンヲタならそこで、コスモ貴族主義か!?とか言って欲しかったよ。
答えは聞かないけどね。
――何が起こった?
ドアをすぐに閉じ、呆然と立ちつくす。
あり得るわけがない。
あいつがこの世界にいるわけが――
「アズラエル理事?」
後ろから声をかけられる。
振り返ればいたのは……真空管禿だった。
続くかな?
…続けるつもりか?
92 :
>>63の人:2007/05/06(日) 17:44:02 ID:???
>>86 >>63の人です。
すいません、誤字脱字には気を付けます。
それでは続き・・・・
アズラエルの頭の中には、この状況を打開する二つのカギがあった。一つは、大西洋連邦の援軍。もう一つはアークエンジェルの存在。しかし、それらは共にもろ刃の剣でもあった。
ザフトを撃退した後、アークエンジェル、すなわち、カガリ・ユラ・アスハがオーブの中枢を掌握していたのであれば、それはセイラン派の失脚を意味し、
また、大西洋連邦の援軍がオーブ国軍に対し軍事的優位を保っているとき、その時は大西洋連邦軍の後押しするセイラン派と国軍を掌握したアスハ派の間での軍事的衝突の可能性が危惧される。
それは、再びザフトの侵攻を許すことに他ならない。
彼にとっての理想形、それは世界安全保障条約に基づき、オーブ、大西洋連邦の連合軍がプラントを制圧するというものであった。
デュランダルによって塗り替えられた世界秩序は、デュランダルを倒すことでしか、もとに戻せないのである。
「第二次防衛ライン突破されました。」
「本土防衛線が総崩れです。立て直さなければ全滅します。」
「だったら、やってよ。いいからもう早く。」
「ですから、そのご命令は。」
司令部に着くと、一目で戦局が悪いことがわかった。
まさか、最高司令官、っといっても文官のユウナに作戦の立案を求める始末である。これでは、何のための将官か。
アズラエルは笑いをこらえながら、大声で言った。
「いや〜、すごいですね。この国は、現場の軍隊の作戦、指揮にまで政治家の命令が必要なんですか。主体的文民統制の国なんて教科書でしか見たことがありませんね。」
周りの視線が一気にアズラエルのもとに集まった。
「いや、皆さん失礼しました。代表代行にようがありまして。」
そういうと、ユウナのもとへと歩いて行った。そして、耳元でつぶやいた。
93 :
>>63の人:2007/05/06(日) 17:47:23 ID:???
「代表代行、世界安全保障条約に基づく大西洋連邦の援軍が来ますよ。すでに先遣隊として第62任務部隊が向かっています。」
「ほ、本当かい。いや〜、君はよくやってくれた。オーブの英雄だ。この戦いが終わったら叙勲ものだよ。君はオーブいちの防衛大臣だ!!
諸君!! 大西洋連邦の援軍はもうすぐ到着する。それまでに何としても本土を死守するのだ。」
さっきまでの厄病神扱いとうって変わって、ユウナは喜びに頬をゆるませた。
しかし、援軍が到着する前にオーブが落ちていれば何の意味もない。
アズラエルは真面目な表情を崩すことなく続けた。
「おそらく、この戦い、アークエンジェルも介入してきます。その時は、おそらくアスハ代表も一緒にいられると思います。
そして、アスハ代表がされることはただ一つ。国軍の掌握です。失礼ですが、あなたはあまりにも軍に人望がありません。
ですから、アスハ代表につけいる隙を与えないようにしt」
「ソガ一佐、沖合上空に新手の友軍部隊が。」
「この識別コードは、タケミ・カツシ搭載機のものです。」
「なんだと。」
(大西洋連邦の援軍ではない。となると・・・・、やはり来たか、アークエンジェル。)
「アンノウンモビルスーツいち、ムラサメと供にこちらに向かってきます。」
全員の視線がモニターに集まった。もちろん、アズラエルもである。
94 :
>>63の人:2007/05/06(日) 17:48:17 ID:???
『私は、ウズミ・ナラ・アスハの子、カガリ・ユラ・アスハ。国防本部、聞こえるか。突然のことで真偽を問われるかもしれないが、指揮官と話したい。どうか・・・』
通信を聞くとユウナは、真っ先に通信機へと向かって言った。
「カガリ、カガリ、カガリ!!来てくれたんだね、マイハニー。ありがとう、僕の女神。指揮官は、僕、僕だよ。」
『ユウナ・・・。私を本物と、オーブ首長国連合代表首長と、カガリ・ユラ・アスハと認めるか。』
「もちろくぁwせdrftgyふじこlp;@:。」
アズラエルは、彼の口に自分の手を覆いかぶせた。ユウナがやろうとしたことが何を示すかがわかっていた。まさに、今がさっき彼の注意したつけいる隙であった。
「代行、落ち着いてください。こんなことでどうするんですか。」
『ユウナ、どうしたんだ。早く、私を本物と認めてくれ。』
アズラエルは、動揺するユウナから通信機を奪った。
「あなたがカガリ・ユラ・アスハ代表か、今この場で判断するのは非常に難しいです。ですから、どうですか。この戦いの後で真偽を決めても遅くはないと思いますよ。」
そうだ、大西洋連邦の援軍さえ来れば、奴らが来さえすれば、カガリ・ユラ・アスハが戻ってきても、セイラン派がアスハ派に実権を奪われることはなくなる。
あと、2〜3日。どうしても、時間を稼がなければ・・・・。
95 :
>>63の人:2007/05/06(日) 17:49:01 ID:???
しかし、アズラエルの思い通りにはならなかった。
カガリが現れたこと自体が、すでに起爆剤となっていた。
「あれは、カガリ様だ。」
一人の将校が叫びだすと、司令部のすべての将兵たちは、カガリが帰ってきたことを認めた。
カガリ様、カガリ様、カガリ様
その声が司令部に満ち溢れた。アズラエルがもっとも、恐れていた国軍の掌握が行われたのである。
『み・・、みんな、ありがとう。それでは、カガリ・ユラ・アスハが命じる。ユウナ・ロマ・セイランを国家反逆罪で逮捕せよ。』
やられた。代行が捕まったとなると・・・・。
そこで、自分が軍人に囲まれていることに気づいた。
「アズラエル様。」
一人の将校が肩に手をかけた。
「触るな!!君たちは状況が分かっているのか。いま戦うべきはザフトだ。内ゲバをやっている場合ではないだろ。もうすぐ、大西洋連邦の援軍だって来るんだ。それまで、持ちこたえるんだよ。」
しかし、その声は届くことなくセイランと供に自身も拘束されることとなった。
96 :
>>63の人:2007/05/06(日) 17:49:43 ID:???
「放せよ。僕を誰だと思ってるんだ。僕にこんなことして、ただで済むと思うなよ。」
畜生、なんで僕がこんな目に・・・。
アズラエルとユウナは、手錠をかけられ、軍の一室に連れていかれた。
その中には、すでに先客(?)、ジブリールがいた。
「無様だな、アズラエル。」
「くそっ。」
カガリ・ユラ・アスハの存在を甘く見ていた。
まさか、こんなにも国軍に好かれ、いやあれは崇拝の類だとは思ってもいなかった。
一方、そのころドミニオンは、オーブの戦局を眺めていた。
本国から指令が来ていない以上、無駄に動くことはできない。ドミニオンは中立維持ため、オーブ領海から200カイリ離れた位置で待機していた。
「艦長、パナマ司令部から通信です。」
「ああ、つないでくれ。」
これは、撤退の指示なのだろうと、ナタルは考えていた。
オーブに味方してしまったら、大西洋連邦は世界の敵になるし、逆にプラントに味方する、こんなことは、政府、議会、軍の大多数が反コーディネーターを占める大西洋連邦では、まずおこることはない。
軍の首脳のなかには、世界安全保障条約に基づきオーブに援軍を送るべきだと主張する者もいたが、シビリアンコントロールが原則のこの国において大統領が戦争への介入ではなく中立を選んだ以上、ただ、戦局を見守るしかなかった。
だが、撤退命令ではなく、それは戦闘介入命令であった。
「オーブ側につくのでありますか。」
「ああ、我が国とオーブの間には安全保障条約がある。すでにパナマからの援軍もそちらに向かっている。」
そんな馬鹿な。この戦争に介入して得るものがあるとでもいうのか。
しかし、命令が来た以上、それに従わなくてはなるまい。オーブに舵をとるよう命じた。
>>92-96 うーむ……。
いや、何ぼなんでもユウナが馬鹿過ぎだろ……。
「ほ、本当かい〜」の辺りはどこの無責任男だよ、みたいな台詞だし。
後、「言いかけで遮られた台詞をアルファベットで表記」や「何を言ってるか分からないことの表現に『ふじこ』」
は表現としてはアリなんだけど、この作品には合わんと思う。
それから、ひらがなが多すぎるせいで今一つ台詞に棒読み感がでちゃってる。
緊迫した台詞のはずなのに、語尾が「。」で間抜けになっちゃってるところも散見されるし。
>タケミ・カツシ搭載機
沈んだ空母ならタケミカヅチ(武御雷)な……。
まあなんだ、ガンガレ。
98 :
74:2007/05/08(火) 02:32:10 ID:???
のバレンタインより4日後、プラント最高評議会のクライン議長が地球圏に発した宣言、
所謂「黒衣の独立宣言」は地球連合理事会において、完全に黙殺という意見で一致した。
特に大西洋連邦の時の大統領であるゼーレン・アッシュはこう断言した。
「先に手を出したのは誰か? 地球を困窮させているのは誰か? プラントの野蛮な挑戦
には屈するわけには行かない。それが地球の総意である」と。
血のバレンタインより先んずる事、一週間前。
コペルニクスの悲劇によりその首脳陣の爆殺を期にその地位を継いだアッシュ大統領は、
その支持基盤であるブルーコスモスの影響を強く受けており、妥協と取られる言辞を行う
事は出来ない事もあったが、彼、アッシュ大統領もナチュラルとして、個人的な悪感情を
プラントに対し抱いており、それは多かれ少なかれ、地球連合首脳の共通見解であった。
NJ(ニュートロンジャマー)。
プラント最高評議会付主席報道官は楽観的に語ったものだった。
これは通商を妨害するだけの、クリーンな装置であり、これがプラントの地球への融和の証だと。
その優しい装置により、地球の総人口の1/10が死滅した時に、初めてプラントはその自らの行い
に恐怖した。
「蒼い血或いはノブレス・オブリュージュ・2」
寧ろ質素とも言える執務室で何時ものように傘下の企業への決済等を行いつつ、彼、ムルタ・
アズラエルは悩んでいた。
悩みの種は多い。
凪のように少しだけ書類が少なくなった午後の一刻。
首を回しながら呟く。
「あー、疲れました。全く…これだけの被害とは予想外ですよ、全く」
NJによる通商破壊により、地球圏の経済は大不況と呼ばれる状態に変遷し、アズラエルもその
傘下の企業の大幅な赤字修正により、彼の莫大な財産の内の幾ばくかを市場に溶かした。
加え、宙間戦闘用MAであるメビウスが、ザフトの新兵器であるMSにキルレシオの上では到底、
対抗出来ず、多くの熟練したパイロットを失っている事も又、アズラエルに取っては頭が痛い。
アズラエルは、彼の唯一の上位意志決定機関であるロゴスと、一つの見解を巡り、ここ数日
折り合いが悪かった。
メビウスにおける脱出機構の洗練化及びメビウスの装甲向上化プランをアズラエルはロゴスに
提出し、それが却下されたからである。
99 :
74:2007/05/08(火) 02:32:40 ID:???
「でも、ですよ…? このプランによりパイロットの救命率が上がりますと、そのパイロット
を養成する費用に対し、費用対効果の上で、格段の向上を示し…」
ロゴスの一人はアズラエルを制し「それは分っている。だが…プランを導入するとなると
現状の生産工程では対応出来ん。君も初期投資費用という言葉は知っているね?」と皮肉るでも
なく、続ける。
「パイロットの救命率が向上したとしても儲かるのは政府でしかない。我々は慈善団体では
無いのだよ…ムルタ君」
思わずバンと机を叩きながら、アズラエルは立ち上がる。
「そういう問題じゃないんです! これは長期的視野に立って見ると、寧ろビジネスとして、我々
国防産業が大儲けするチャンスなんですよッ! 戦争はまだまだ続きます。だから、それを
痛くない形で終らせる為にも…現状じゃ、パイロットの在庫が尽きちゃいますよ?」
延々と議論が続く中、結局、その日は平行線で終った。
空いている時間にアズラエルは考える。
結局、MAメビウスの現状の能力において、国防産業連合が得るウマミは少ない。
何故なら、多く消耗される中、政府…中でも国防総省は、メビウスのダンピングを敢行し、更に
国防産業の利益部分を圧殺しようとしていた。
政府としても、これ以上の戦費の出失は避ける必要が財務省より、要望書の束となって、彼らに
それを要請していた。
「だから…国防総省を黙らせる意味合いもあるってのに…頭の悪い馬鹿ばっかりですよ、全く」
アズラエルはぶつぶつと独り言を呟きながら、端末にある書き物をしていた。
書き綴る中で、次第にアズラエルの胸の内に、小さな勝利の予感が沸いてくる。
それと共に、口元にも自然と笑みが零れた。
同じ頃。
L1宙域に位置するコロニー世界樹には地球連合第1、第2、第3艦隊、のべ80隻の航空母艦及び攻撃
艦艇、駆逐艦艇が集結していた。
偵察艦艇より月と地球の橋頭堡である、このコロニー世界樹に対し、ザフトの総攻撃が始まる事
を予知し、ユーラシア連邦及び東アジア共和国も又、地球連合として、その多くは無い宙間戦闘
艦艇集結させている。
第3艦隊はユーラシアと東アジアの混合艦隊であり、残る第1と第2は大西洋連邦の独自の艦隊で
あり、総指揮は知将として知られるハルバートン准将が執っていた。
「地球圏の興亡はこの一戦にあり。諸君の検討に期待するところ大である」
100 :
74:2007/05/08(火) 02:33:20 ID:???
ハルバートンをして指揮官に選ばれたのは、大西洋連邦及び東アジア共和国及びユーラシア連邦
間の政治的綱引きの結果であった。
この宙間での戦闘を期に、一挙に月面においての勢力展開を狙った大西洋連邦であったのだが、
共同受権者である、東アジア共和国及びユーラシア共和国は及び腰であった。
それは極秘裏に月面に建設中のプトレマイオスクレーターにおける大西洋連邦月面基地に対する
暗黙の非難でもあった。
ハルバートン自身、この戦闘を副官にこう語ったと言われる。
曰く「これはファニーウォー、だと」
様々な思惑を秘めながら、戦闘は開始される。
『世界樹攻防戦』の始まりであった。
「戦艦クイーンヴィクトリア沈黙! 右翼艦艇が手薄ですっ!」
「空母キングジョージ…アンノウンを確認! 右翼突破されます! ザフト艦隊、世界樹に接近」
ふ、とハルバートンは顎を撫でた。
艦隊指揮艦『エドワード』内ブリッジの空気は冷ややかであった。
「…仕方ありませんな。彼我戦力差、というよりも、ザフトの兵器が強すぎます」
軍人らしからぬ、厭戦めいた言葉を口にし、ライト副官は溜息をついた。
ハルバートンはスクリーンを見つめたまま、副官の言葉に頷く。
「…知っているかね。大鑑巨砲主義が崩れた時代の事を。当時と今は状況が似ている…。さて、
上の連中はどう考えているのやら」
「分らぬほど低脳では無いでしょうな。ただ…このメビウスにも金がかかっていますから」
「アズラエル財閥か…死の商人連中は五月蝿いからな」
深い溜息を付きつつ、ハルバートンは考えていた。
ライト大尉はふと気が付いたように「それで司令…如何致しますか?」と続ける。
眉間に皺を寄せ、ハルバートンは答える。
「現戦域からは撤退だな。世界樹には民間人は残っているのか?」
「はい。深宇宙開発機構の研究スタッフを中心に200名ほど」
「後ろの補給艦艇を回して連中を保護しろ。その後…」
ハルバートンは左右を見やり、小声で呟く。
「世界樹を渡すわけにはいかん。ネクロトラップは念入りに、な」
ライトも声を低める。
「良いのですか? 上が五月蝿いのでは?」
「なに、ザフトとの交戦中に自然崩壊、これで良いだろう」
ハルバートン自身、漠然とはしていたが、この時彼の頭にはある計算が浮かんでいた。
この彼のアイデアが戦場を一新する事となる。
101 :
74:2007/05/08(火) 02:34:22 ID:???
「はぁー、L1宙域での戦闘はザフト優位で終りましたか…」
アズラエルは大きく溜息を付き、椅子に深々と崩れ落ちた。
流石に予想はしていたとはいえ、世界樹コロニーまでもが崩壊との知らせに、アズラエルは瞬間、放心した。
サザーランドはそんなアズラエルを見下ろしながら、淡々と報告を続ける。
「東アジア共和国航空宇宙軍はほぼ壊滅。ユーラシア共和国宇宙軍はヨシフ准将が撤退の折、旗艦と共に
MIAとなっております」
目を瞑り、額を神経質そうに揉みながら、アズラエルは内側からの崩壊に耐える。
「ふう。大体の所は分りました。それで我々は制宙圏はほぼ失ったと…そういう事ですね?」
「…アズラエル様においては、ご理解が早く助かります」
当所、この戦闘における被害を楽観視していたアズラエルを責めるかのように、サザーランドは言に皮肉を
込めた。
「終った事は終った事です。まあ、これで僕としても話は進めやすくなる面もありますからね」
「アズラエル様はこれを狙っていたのでしょう?」
その問いには答えず、アズラエルは続ける。
「さて、忙しくなりますよ。老人どもには僕から話を付けます。中佐は国防総省との折衝をお願いします」
「いよいよですな」
「ようやくですよ、まったく。これで僕の案が通ります。そう、当所からの予定どおりに」
数日後。
大西洋連邦国防総省長官、ダグラス・ジーンによる宇宙主戦力兵器の大幅な見直しと、新たな主力兵器の
開発が発表された。
MAメビウスの開発・改良は新たなる段階を迎える。
それと同時に、ハルバートン准将は独自のプランを進めていく。
戦況は未だ暗く、闇はその晴れる事を知らなかった。
102 :
74:2007/05/08(火) 02:36:18 ID:???
書くのが遅く、申し訳ありません。
ご感想、頂けると大変嬉しいです。
それと
>>78にもありますが、MS及びMAの開発の年表や
兵器の名前などが載っているサイトをご教示頂けましたら
大変助かります。
宜しく、お願い致します。
103 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 09:32:23 ID:91gZt9gf
104 :
103:2007/05/08(火) 09:32:55 ID:???
うお、あげちまった。スマン orz
乙です。
色々と生臭い話が飛び交い、中間管理職のような苦労を強いられるアズラエル。
何となく背中に哀愁が漂ってるぜ……
106 :
74:2007/05/09(水) 22:20:45 ID:???
その日は晴天であった。
ワシントンDC近郊の緑地帯に作られた巨大なドーム状の建造物。
天面が強化硝子張りになっており、内部に日が差し込み、ドーム内には多くの植物が
植えられ、人工のせせらぎも存在する。
集った老若男女は、まるで週末の暖かい春の日に、郊外の祖父母の墓地を訪れたかの
ように、憩っていた。
環境保護団体ブルーコスモスの定例集会に集まったのは、政財界の大物や民間の篤志家
や活動家、一般の団体員など、顔ぶれも多種多様であった。
その聴衆が今は、壇上の人物に食い入るような視線を向けている。
ブルーコスモス副盟主である、彼、ロード・ジブリールの演説が始まった。
「ここにお集まりの皆様、皆様はナチュラルであり、清浄な存在です。まずはそれを
誇りに持って頂きたい」
始まりは穏やかに、次第に火を噴く彼の演説はブルーコスモスの格好の出し物であった
わけであるが、アズラエルはその日、貴賓席に収まりながら、内心冷や汗をかいていた。
・・時期が悪すぎる・・
大西洋連合の南米への侵攻、ザフト初の地上降下作戦である、ビクトリアでの攻防戦の
被害も生々しく、何より…。
「そう、ニュートロン・ジャマー。あれを御覧なさいっ! あの忌々しいコーディネー
ターの化け物どもがしたり顔で我等の神聖なる地球にばらまいた装置をッ!! 今現在、
どれだけのナチュラルが苦しみ、絶望の中で息絶えていっているかを…」
聴衆が静まり返る。
壇上に設置されたモニターには大西洋連邦機軸通貨である$の数値が、彼の言葉に呼応
するように上昇していく。
聴衆の手元にあるボタンを押すと、彼らの預金通帳から、ブルーコスモスの預金口座へと
少なからぬ金銭の流動が行われる。
107 :
74:2007/05/09(水) 22:23:30 ID:???
馬鹿めと、アズラエルは内心吐き捨てた。
この場で彼がこのような強気な態度に出ると、次に控えている次の盟主選出選挙で、自分
自身の立場が微妙になる事、そして何より、所謂エイプリル・フール・クライシスの後で
は、治安も悪化している。
それを更に煽るような事は、彼の立場では看過し得ぬ問題でもあった。
壇上のジブリールはそんなアズラエルの内心には気付かず、大袈裟な身振りを繰り返していた。
「皆様に宣言する。血は血でしか購えない事を。コーディネーターはその最後の一人まで、
彼らが流した血を自ら購わされるであろう。そして、それを…!」
ジブリールが絶叫したのとほぼ同時であった。
ボン、と何処かで花火のような音がしたと思うと同時に、衝撃がアズラエルを襲った。
まさか…。
そう思った時、彼の意識は途絶えた。
『蒼い血或いはノブレス・オブリュージュ3』
その知らせを受け、ある者は取り乱し、ある者は会心の笑みを浮かべたという。
彼、サザーランドは前者の内の一人であった。
「まずは盟主の身柄の確保、そうだ! 医療チームはドーム外で待機させろ!」がっ、と苛々と
電話を叩きつける。
当所は事故と思われていた爆発であったが、時間が進むに連れ、テロリズムであるという証拠
が次々とあがり、現場の総指揮はサザーランドの同期である、ヴァイス少佐が行っている。
サザーランドとしては直接現場において指揮を取り、まずは盟主であるアズラエルの安全を
確認したかったのであるが、ブルーコスモス上層部がほぼ全員爆殺されたという、未確認情報
までが踊り、政府上層部の反ブルーコスモス派もその意気を上げており、彼自身の一存では、
軽率に動くわけには行かない状況が生み出されている。
108 :
74:2007/05/09(水) 22:24:09 ID:???
サザーランドは冬眠から覚めたクマのように、部屋を行ったり来たりしながら、ただヴァイス少佐
からの報告を待っていた。
端末から秘書の報告が伝わる。
「中佐。ヴァイス少佐よりご報告があるとの事ですが如何致しますか?」
ふんと、鼻をならし秘書には何も答えず、直接回線をヴァイス少佐に繋げた。
お互い略式の敬礼を慌しく交わし「少佐。早速だがアズラエル様の安否は?」と続ける。
現場の煤で塗れた頬をうっそりと撫でながら、ヴァイスは答える。
「爆発の中心とアズラエル氏の着席場所が近かったので、当所は身柄を案じていたのですが、幸い
氏の座席の前方に設置されていた大理石のモニュメントが盾となったようで、ご存命であります。
ただ…」
些か言葉を濁すヴァイスに対し、サザーランドは全身に安堵を示す。
サザーランドは椅子に腰を据えながら、実際疲れたように溜息をついた。
「…無事でおられたか……。少佐ご苦労だったな」
「いえ、それが…アズラエル氏は確かにご存命なのですが…」
「何? ジブリールの狂犬でも死んだのか? それは良い事だ」
ヴァイスは軍帽を被りなおし、モニターに向き直る。
「いえ、ジブリール氏は軽症であります。…中佐…少しやっかいな事になりました…」
その説明を受け、サザーランドは大西洋連邦の中でも切断部位の接合治療において、高い名声を
受けている、ある医師を現場に派遣した。
109 :
74:2007/05/09(水) 22:26:34 ID:???
セレーネ・マクグリフはその日、学会での発表を控えていた為、ワシントン国立記念病院の自室に
て、端末と向き合っていた。
晴れた陽光が窓から差込、彼女の腰まで伸びた黒髪に乱反射する。
勤務中は長い髪が邪魔にならないよう、後ろで結んでいるが、現場での仕事が無い時は、何時も
髪をそのままストレートにしていた。
何となく、その方が落ち着くと、彼女は思っている。
少しだけ目を細め、それでも彼女はその論文に集中していた。
細い鼻梁からすっと伸びた唇から溜息が漏れる。
端末の端に緊急の文字が躍っていた。
「はい。マクグリフです。如何致しましたか?」
端末の回線を繋げると、院長が何故かそわそわした表情を浮かべている。
「マクグリフ君。突然で悪いが、急患が出た。現場に向かってくれないか」
簡素にして明瞭。
セレーネ自身、回りくどい院内や学会での派閥政治や人間関係よりも、現場での仕事に遣り甲斐を見
出していたので、それは寧ろ心地よかった。
急患という事は一時を争う。
「はい。すぐ現場へと向かいます。詳しい報告はヘリの中でお聞き致します。それでは」
「頼んだよ、マクグリフ君。くれぐれも粗云々の無いように」
少しだけ院長の言葉に反発しながら、それでも感情は表に出さない事が彼女の心情、というよりも、
それが性格であった。
昔から知人や両親からも、セレーネは冷たいと言われる事が多々あった。
寧ろ、彼女自身、激情家と自身の性格をアナライズしていた結果、感情を押さえる事が多くなった、
その結果であったが、そういう時、少しだけ寂しさを感じながらも、それでもそういう性格を変える
事は出来ず、現在に至っている。
自分は自分でしかない。
だから、自分が今出来る事を行う、だけ。
そう思い、彼女は立ち上がり、髪を結わえると、ドアへと向かった。
110 :
74:2007/05/09(水) 22:28:07 ID:???
混濁した意識の中、幾つもの言葉の断片が浮かんでは、消える。
ああ、僕はどうしたんだろう。
何か言葉を発しようとするが、口元のマスクが邪魔で上手く言葉を発する事が出来ない。
ほっそりとした、白い手が彼の額にあてがわれる。
幼少期、アズラエルは風邪をひき寝込むと、何時も母がそのように彼の額に手を当てて、彼が眠り
につくまで、傍らに居てくれた。
何だか、安心し、再びアズラエルは眠りに落ちた。
「…聞こえますか? 聞こえましたら返事をお願いします」
アズラエルの意識を、細い女性の声が再び揺り戻す。
「ぁ…ああ。聞こえていますよ。此処は…天国ですか?」
おお、というどよめきが聞こえる。
目を少しづつ、空ける。
眩しく、目を顰めながらも、目を開け続ける。
ああ、お母様か…。
アズラエルの意識はまだ少しだけ混濁していた。
長い髪を後ろで纏めた、女性らしいシルエットが滲んで見える。
彼女はアズラエルを見下ろし、手を握っていた。
その手を握り返しアズラエルは続ける。
「…僕が天国に行ける訳、ありませんよね。ああ、ありがとう。もう大丈夫です」
「Mrアズラエル、まだ無理をしては行けませんよ」
起き上がろうとするアズラエルの身を柔らかく、押さえ、その声は何処か気遣わしげに響く。
徐々に意識が覚醒して行く。
何か違和感があった。
何時もは空気のように感じていながら、あって当然のものが無いような、そんな気分。
その事実に気付き、アズラエルの体内から血の気がひいて行った。
「…私たちも全力を尽くしたのですが、Mrアズラエル、貴方が見つかった時にはもう殆ど壊死に近い状態で…。
これからの事は全力でバックアップして行きます。どうか…お心を強くお持ち下さい…」
ああ、足が片方、無い。
アズラエルは蒼ざめた顔を、その女医に向けながら、唇を震わせる。
「…あ、右ですか、ひ、左ですか…。僕、どうしちゃったのかな。な、何だかどっちだか分らなくて…はは、可
笑しいですね…ははは…」
女医、セレーネは気の毒そうに、彼の手を握り締める。
他意は無かったのだが、何時も彼女は、体の一部を失った患者の体を慈しむように触れる事が多かった。
ただの安っぽい哀れみかもしれない。
けれども、彼女は彼女自身の為にも、それは続けている。
「Mrアズラエル、落ち着いて下さい。…右足の膝部より下を切断しました。氏もご存知のように今は代替医療が
発達していますので、必ず歩けるようになります。歩けるまで、サポートも致します」
「…そうですか……」溜息と共に、アズラエルは内心の弱気を振りほどこうとし、それは叶わなかった
女医のネームプレートを見、力なく続ける。
「ええ。お願いします。セレーネさん」
出会いは人の世の常であり、絶えず流動する世界の中でただ一つ確かなもの。
こうしてアズラエルに取って、世界にとって、進むはずだった時間からの逸脱が始まる。
それがどのような方向へと彼らを誘うのか、それは知れない。
111 :
74:2007/05/09(水) 22:29:51 ID:???
色々と細かい部分を変えています。
セレーネの設定も原作からは少しづれが生じておりますが、ご容赦
下さい。
尚、NJの投下が早すぎました。。
何とか話の中で調整しましたが、焦りました。汗
乙〜。
セレーネと出会ったことでスウェンと同じように人間的になってくのかな?
乙です。
失う事より全ては始まる、ですか。
まあ、この場合、命があっただけでもめっけもんと言う事にしときましょう。
唯一の収穫として、出会いがあったみたいですしね。
これがアズラエルにどう影響するか。
個人的に希望としてはアズラエルはアズラエルのままでいて欲しいなぁ……(良い意味において)
最後に。
サザーラント大佐、ジブリールが嫌いなんですねw
狂犬乙であります。
乙でした。
アズラエルがセレーネ・マクグリフと出逢ってどの様に変わって行くか楽しみですね。
病気で弱っているアズラエルは彼女に励まされる内に…とか期待してしまうですね。
テロリストども、ジブ公だけはキッチリ殺しとけよ。
盟主には重傷負わせたくせに、使えねーな。
サイボーグになって盟主王爆誕に期待
包帯ぐるぐるだけど、なぜかトランクスは装着している盟主王萌え
118 :
74:2007/05/12(土) 20:00:08 ID:???
「DSSP…? ああ、深宇宙探査開発機構ですね。家も出資していますよ」
CE以前より医療分野に置ける医師とコメディカルの発展的な統合、即ち一人の患者の
治療からリハビリまで、医師に一元化するというシステムが既に一般的となって久しい。
セレーネはアズラエルの身体を支えながら、青と白でコーディネートされたリハビリ室
の中をゆっくりと歩む。
一時はショック状態にあったアズラエルであったが、見かけはほぼ、失調から回復して
来たと言える。
セレーネと雑談を交わしながら、ぎこちなく装具と共に歩むアズラエルの姿は、以前の
彼を知っている者からは、想像出来ないものであった。
「当然Mrアズラエルはご存知ですね。そう…あそこで働く事が夢でした」
アズラエルは意地悪そうな笑みを口元に浮かべ「では、医師の仕事は第二希望だったとい
う事ですね」と囁く。
少しだけ頬を赤らめ、セレーネは抗弁する。
「…そういう訳ではありません。ただ…何時も思うんです。人間には希望が必要だと」
「希望…?」
首を傾げ、その表紙にバランスを崩したアズラエルの身体が崩れ、それを支えていたセレーネ
と共に、膝を付く。
慌てて、その身体を支えなおし、セレーネは彼を抱き起こす。
「大丈夫ですか…? Mrアズラエル?」
少しだけ眉間に皺を寄せながら、アズラエルは返答する。
「え…ええ。見かけより力があるんですね。Drセレーネ」
「仕事柄、当然です」
アズラエルは内心、肩を竦める。
ちょっとしたセクハラのつもりで言ったんですがね、と。
そうして、話の途中で途切れていた言葉に気付く。
「そうそう、希望とは何なのですか? 希望なんてものは、死まで誘ってくれる、嘘吐きな
同伴者としか僕は捉えていませんが」
不思議そうにセレーネはアズラエルを見つめる。
「Mrアズラエルは宇宙『そら』を見上げた事は無いのですか」
119 :
74:2007/05/12(土) 20:00:47 ID:???
『蒼い血、或いはノブレス・オブリュージュ4』
アズラエルの病室は、緊急の執務室となり、多くの来訪者を警備スタッフが念入りの検査をし、
漸く、彼の病室まで辿り着ける。
それはサザーランドでさえも、そのチェックは免れなかった。
「それにしても物々しい警備ですな」
些か憮然とした表情を浮かべ、サザーランドは入室する。
事件以降、何度か端末でブリーフィングは行っていたので、無用な見舞いの言葉などは告げず、
サザーランドは早速、鞄の中から書類の束を取り出し、アズラエルに手渡す。
面白くなさそうに、アズラエルはその書類に目を通す。
「何がオペレーションワルキューレだ…糞ッ!」
書類を苛立たしげに振りながら、激する。
オペレーションワルキューレ、軍部の反ブルーコスモス派将校の手によって仕掛けられた、ブ
ルーコスモス右派の上層部壊滅を狙った暗殺爆破事件は、軍上層部までその捜査の糸は伸びて
いった。
苛々と不機嫌そうに、指で眉間を揉みながら、アズラエルはその書類の最後まで目を通す。
「…モッケンバーグは亡くなりましたか。ふん、変わりにジブリールのオカマ野郎が死ねば
良かったんですが」
ごほん、とサザーランドは無言のうちに同意を示す。
亡くなったブルーコスモス関係者は32人。
殆どが、ブルーコスモスの中でも穏健派と呼ばれる人々であった。
「それで…何処まで捜査は進んでいますか?」
「内務省情報統括一課が動いています。今現在、152名の逮捕者を出していますが、首謀者で
あるシュタウフェンベルク大佐はプラントに亡命を図り、彼の意図を知りながら、それを看過
していた軍・政府内の上層部の探り出しに時間が掛かっているようですな」
「分りました。何処に逃げても逃げ場は無いという事を思い知らせましょう。プラントの方には
僕の方から圧力をかけます」
些か言葉を濁し、サザーランドは居を正す。
「…では、これを機会にハルバートンを失脚させますか?」
「それは中佐、君の私情でしょ…? 失脚させる事は何時でも出来ます。ただ…僕達の力は思い
しらせておく必要はありますね」
端末に指を走らせ、その内容を記憶させた端末をサザーランドに手渡す。
「これは内密に行って下さい。指揮は…」
そこで唇を歪めた笑みを浮かべ、続ける。
「ジブリールに執らせて下さい。汚名と悪名は彼のものですから」
軍部における反ブルーコスモス派の中堅である、ハルバートン准将の子女が何者かに誘拐された
上、女性としての陵辱を受けた上で解放された。
それは反ブルーコスモス派に取っては、明確なメッセージとして伝わった。
誰もが、ブルーコスモスの長い腕からは逃れる事は出来ない事を。
逮捕された事件関係者は、自白剤や拷問も辞さない取調べの後、ほぼ全員が処刑された。
ささやかではあるが、陰惨なそれは、幕間劇であった。
120 :
74:2007/05/12(土) 20:02:09 ID:???
「宜しい。それでは…」
部屋の主の趣味であろう、ロココ調にアレンジされた薄暗い豪奢な部屋の中で、端末の一つにそう、
ジブリールは指示を下す。
騒乱は世界各地へと伝わって行く。
再構築戦争以来の地球圏全体の戦争は波のように、宇宙を地上をその色に染め上げて行く。
戦争当所は、ジブリールらブルーコスモス過激派とも最右翼とも目されていた、彼の派閥は比較的
小規模なものであった。
だが、この戦争を境に急激にその規模を拡大し、その都度、ジブリール家も又、その財産を確実に
増やして行った。
満足げに目を閉じ、手にした杯を一気に飲み干す。
大洋州連合はザフトの手に落ちた。
それは良い、とジブリールは一人ごちる。
まだまだ、戦争は泥沼に、そして長期化しなくてはならない、いやそうして見せよう。
世界とは庭の表象であり、庭は手入れされてこその庭である。
当然、庭に住まう毒虫は排除しなくてはならないが、邪魔な枝木も手入れしなくてはならない。
彼はこの戦争を、自分自身が勝者とするパーフェクトゲームで終るよう、その算段を繰り返していた。
そして、彼のもとに、また一つの駒が転がりこんで来た。
「ふ…盟主を気取るあの阿呆にも暫く謹慎して貰おうか」
ジブリールは満足げに、手元の書類に目を落し、微笑んだ。
「はいはい。え…! 漸く完成しましたか! では、私の端末に詳しいスペックをお願いしますよ」
アズラエルはリハビリの時間以外はベットの背もたれをに身を預けながら、端末と書類に埋もれていた。
西日が差し込み、紅い日が目の端にちかちかと眩しい。
今日の仕事もこれで終わり、とアズラエルが思った時、端末から重要項目としてフォルダ分けされた
通信が届く。
現在の連合の宇宙主戦力メビウスの発展改良型メビウス・ディープの量産化に目処が立ち、主に
月面プトレマイオスクレーターにおいて、その生産が急ピッチで進んでいる。
メビウスがザフトからの諜報により入手したMS開発技術をそのスラスターに生かしており、機動力が高い
事をその特徴としていたが、メビウス・ディープはそのスラスター技術を継承しており、機動性は
高いながらも、その装甲と武装を強化しており、救命用ポッドの整備により、その救命率も高いもの
ともなっていた。
メビウス・ディープの大凡のキルレシオはザフトのMSジンとの比較において3:1となっており、数で
圧倒する連合としては十分満足出来る数値である。
アズラエルは満足げに、端末を閉じ、満足の吐息を付いた。
そうして取り留めない事を考えながら、目を閉じる。
「宇宙ね…。僕も見ていますよ、何時だって」
121 :
74:2007/05/12(土) 20:03:01 ID:???
数日前、下した一つの判断が正しかったのか否か、アズラエルには答えが出ない。
ただ、彼は純粋に知りたかった。
コーディネーターに付いて、そして…宇宙に付いて…セレーネ個人に付いて、を。
サザーランドは珍しく感情を露にし、声を荒げている。
「危険です…アズラエル様、これは危険ですぞ」
「何がですか…? そもそも彼女を遣したのは中佐、貴方なんですよ…?」
ハンカチで額を拭い、サザーランドは答える。
「…それは私もミスを認めます。ただ…彼女の両親がブルーコスモスの賛同員だった事から彼女自身に
ついては調査を怠ってしまいました。まさか…コーディネーターだったとは。だからこそ…! アズラエ
ル様のお傍にそのようなものを置いておくわけには!」
何故かアズラエルは不機嫌になった。
「ええ。ええ…これは貴方のミスですよ、中佐。僕はね、治療の途中で主治医を変えるつもりは無いんです」
「アズラエル様…困りましたな」
「何も困る事は無いでしょう? 身元はしっかりしているんだし、大丈夫ですよ。中佐、あんまり僕を困らせ
ないで下さい」
困らしているのはどちらだと、サザーランドは内心毒づきながらも、アズラエルが頑として譲らないものに対
しては、手の打ちようが無かった。
それに…この情報を、ブルーコスモス機関紙に公表したジブリールへの反発もある。
アズラエルも、ジブリールが発信源の自らのネガティブキャンペーンに対し、憤っているのであろうと、自ら
を納得させ、この件は機関紙に対し、然るべき圧力をかけるという事で終った。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず…ですよ」
その言葉でサザーランドとの通話を終えた事を憶えている。
思い返しながら、アズラエルは時計に視線を写す。
さて、そろそろリハビリの時間ですね。
身じろぎし、アズラエルは一つ、欠伸をした。
122 :
74:2007/05/12(土) 20:05:10 ID:???
皆様、ご感想を下さり、ありがとう御座います。
ご感想を頂けると、凄く嬉しいです!
>>113 簡単に人間は変わりませんし、アズラエルは何時までもアズラエル
らしく、やっていきたいと思います。
>>115 ジブリールは皆に嫌われていますね。苦笑
彼にも見せ場を作りたいです。
GJ
アズラエルはやはりアズラエルか
そしてやっぱコーディなのね、セレーネ
最後の部分が過去のことだってのがちと分かりにくい
正直分からなくてもあまり支障のない文なのだけれど
124 :
74:2007/05/12(土) 21:39:29 ID:???
>>123 確かに分りにくいですね。
本当に申し訳御座いません。
自分でも読み返して、読みづらかったです。
以後、気をつけます。
どうぞ、お見捨て無きようお願い致します。
どうも皆様、乱文乱筆失礼致します。
GJ!
軍の将校が自国の要人を暗殺するための爆弾テロですか……
なんというか、大丈夫か連合?
ジブリールは、アンチコーディ主義者というより野心溢れる男って感じですな。
相変わらずデスクワーク一辺倒というのはTVと変わりないようですが。
アズラエルは、なんというか微妙な変化が見られるようですね。
純粋に相手のことを知るため、といっても「恋」という訳じゃありませんしw
>「敵を知り己を知れば百戦危うからず…ですよ」
が、今の所の彼の本心なのかもしれません。
ジブリールがアズラエルのスキャンダル(?)をブルコス機関紙に暴露したみたいですが、これって効果があるんですかね?
ブルコス本来の目的から見れば、セレーネがコーディネイターであったとしても盟主が責められることはありえないと思うのですが……
むしろ、器の広さを示す格好の材料かと。
恐縮ですが文章の指摘をば
>メビウス・ディープはそのスラスター技術を継承しており、機動性は高いながらも、その装甲と武装を強化しており、
>救命用ポッドの整備により、その救命率も高いものともなっていた。
↓
>メビウス・ディープはそのスラスター技術を継承し、従来機の機動性を維持しながら装甲と武装の強化に成功している。
>さらに救命用ポッドを装備する事により、サバイバビリティが格段に高められていた。
「おり」が続いて出ていたので少し修正を加えてみました。
こんな感じでどうでしょうか?
「スラスター技術を継承」は「スラスター技術をさらに改良」の方がいいかもしれません。
126 :
74:2007/05/12(土) 22:43:25 ID:???
>>125 まずは文章ご指摘頂き、ありがとう御座います。
確かに125さんの書き方の方が洗練されています。
今後もご鞭撻の程、お願い致します。
書いているうちに文章も上手になれば良いのですが。汗
連合は混乱しつつも、それでも進んで行ける構造的な強さこそが、
一番の強みかなと考えておりました。
それぞれの人間の思惑、正義を説得力がある形で書いてみたい
ものです。
ご指摘頂いた点につきましては、SS内で物語って行ければと考えて
おります。
長くなりましたが、拙い文章を読んで下さり本当にありがとう御座います。
それでは。
GJ〜。
MS開発まで長そうだなぁw
ところで
>コーディネーターに付いて、そして…宇宙に付いて…セレーネ個人に付いて、を
この場合「付いて」ではなく「ついて」だよ。
久し振りに見たら、もしアズの人が来なくて代わりに74って人が勝手に続き書いてるでFA?
一寸びっくりしてる
129 :
74:2007/05/13(日) 02:13:56 ID:???
国防総省統合作戦総司令部、AD時代には通称ペンタゴンと呼ばれた施設は現在、その本部機能をアラ
スカに移転している。
大西洋連邦大統領ゼーレン・アッシュと、東アジア共和国主席ナオコ・グールド、ユーラシア連邦大
統領レオニード・ユスーポフの三者において地球連合戦時下統合会議の定例会が開かれていた。
「アッシュ大統領。大洋州連邦の背信行為に対し、合同で懲罰的処置を取るべきでしょう? 電撃的
にプラントを攻略すべきです。わたくし達はこの戦争の長期化は望みませんわ」
「だが、太洋州連邦は以前から地球連合に加盟して居ない。どのような根拠で措置を取ると仰るの
ですかな」
歴史的に大洋州及び東南アジアに対し、領土的な野心を抱く東アジア共和国は対プラント戦役において、
常にその最右翼を占めていた。
しかも…と、内心アッシュは呟く。
東アジアではつい最近まで、民族紛争が絶える事無く、今現在も少数民族を弾圧する強硬姿勢により、
辛うじて国としての体をなしている。
大西洋連合の掲げるデモクラーシーには相容れない価値観を有し、彼女ナオコ・グールドも権力闘争の末、
漁夫の利的なスタンスでその地位を得た故に、国内向けの対プラント過激派とも言える存在である。
ユスーポフ大統領が水を一口飲み、コンソールに口元を近づけたとき、アッシュは正直助かると、そう
思った。
しかし、期待は裏切られる。
「我が国においても、エイプリル・フール・クライシスの被害は甚大です。ここは主席の仰る通り、こちら
からも打って出るべきです」
「しかし…今の航空宇宙戦力では…冒険主義は禁物というのがわが国の見解であり…」
アッシュは言葉を捜すように、水を口にしながら、彼らを見渡す。
前年までの顔ぶれは、彼、アッシュに取っても馴染みの相手であったが、ここ一年ほどで東アジア共和国と
ユーラシア連邦の首脳陣の顔ぶれは一気に変わってしまった。
まだ、30代半ばの…妙齢の女性であるナオコ主席は言うに及ばず、ユスーポフ大統領さえまだ40代半ばの
年齢である。
そういえば、うちのアズラエル氏も30代だったなと思い返し、溜息を付いた。
時代は変わっている、という事なのだろう。
年齢相応の疲労がアッシュ大統領の両肩に大きく圧し掛かったように感じた。
130 :
74:2007/05/13(日) 02:14:47 ID:???
『蒼い血或いはノブレス・オブリュージュ5』
変わらず、アズラエルはベットの上の住人であった。
少しづつ、よろめきながらも歩けるようにはなって来ているが、まだ完全とは言えない。
上手く歩けない苛立ちから、その日のアズラエルは荒れていた。
「はぁ…? たった2個艦隊でプラント本国に侵攻する…? 中佐、これは笑えない冗談ですよね」
サザーランドは見舞いの果実バスケットをサイドテーブルに載せながら、彼自身、肩を竦める。
「上の…地球連合としての総意という事です。アズラエル様、老人達に手を回し、今回のこの無謀な作戦
を廃棄出来ませんか…?」
地球連合の総意という事は、各国の首脳達の会談で決まった事項であり、それを覆す事は流石のロゴスに
おいても不可能事であった。
首を振りながら、諦めたようにアズラエルは吐息を漏らす。
「…無理ですよ中佐。どうせ、アッシュも老人達には図っているでしょうしね。ふん、僕は蚊帳の外って
わけです」
何と声をかけてよいのか分らず、サザーランドも吐息を漏らす。
「決定事項という事ですな…。核でも使うつもりでしょうか」
「忌々しいプラントの通商妨害により核は現在使用不可です。うちでも色々と研究を進めていますがまだ
対策法はありませんし、二個艦隊を芸も無くプラントに突入させる作戦なんでしょ、どうせ。資源と金
の無駄遣いも良い所ですよ、まったく」
「精々、我々の息のかかった将兵は無駄死にさせたくはありませんな」
病院での普段着である、パジャマの紐を苛々と伸ばし、アズラエルはその苛立ちを露にした。
「当然です。僕達はこの作戦には一切ノータッチです。冗談じゃない…糞ッ!」
後に第一次ヤキン・ドゥーエ攻防戦と呼ばれる戦いは、産まれる前から死産を予定された不吉な胎児の
ように、そのそもそもの作戦起案から準備、発動に至るまで、後手後手であり、誰もが始まる前から、
その死産で終る結果を知っていた不幸な作戦である。
嫌々のように月面プトレマイオスクレーターを出立した、第5と第6艦隊の総指揮を執る、ノーマン・ブ
ラッドレイ少将は、自らの不運を嘆かずにはおられなかった。
「司令…司令がそんな態度では兵に示しがつきません」
副官であるブラッド中佐はそう、言葉にしながらも、彼自身貧乏くじをひいたという意識を拭えずに
いたのだから、説得力に欠けていた。
それでも居住まいだけは正し、ブラッドレイ少将は指揮コンソールに視線を向ける。
何度見ても、その布陣は変わらず、それが彼の何度目かの溜息を誘った。
「そうは言うが中佐。君も私も…派閥を持たぬものの不運だな、これは」
と、力なく呟く。
ザフトの陣形は既に偵察用メビウス・ディープによりもたらされており、完全な縦横陣をひき、彼らを
待ち構えている。
勝敗は既に戦う前から定まっていた。
コンソールに視線を落し、ブラット中佐も溜息をついた。
「…これは酷いですな。後は如何に被害を最小限に留め、引くかです」
「そうだな。少なくとも私たちは艦のクルーの生命には責任を持つ立場だからな。やるだけやろうじゃ
ないか」
131 :
74:2007/05/13(日) 02:15:58 ID:???
ザフトもプラントを背にし背水陣をひいていた影響もあり、深追いはしてこなかった事が、第5及び第6
艦隊にとっては幸運であった。
それでも出撃させたメビウス・ディープはMSジンや要塞砲により、次々と爆散し宇宙を一瞬だけ染め、
そして塵となっていった。
これも幸運な事に、メビウス・ディープはその初陣において、サヴァイヴァリティの高さを証明し、
アズラエルが目論んだ通り、母艦船さえ健在ならば多くの将兵の生命が救われ、そして次の戦場の為
に温存される。
撤退する地球連合の艦隊を見送りながら、プラント最高評議会議員であるエザリア・ジュールはこう宣
言したものである。
「既に地球連合は形骸であると」
「いや、それにしても先日はお騒がせしました」
何時ものように、リハビリ室の中をセレーネに支えられながら、とぼとぼとアズラエルは歩きつづける。
そして、ぽっりと軽い謝罪の言葉を口にした。
常に他者に対し、威嚇するような、見下すような、そして恐れるような言動を向けるアズラエルも、軍
や政府の後ろ盾が無い民間人に対しては、庶民のブルーコスモス構成員に話し掛けるようにその口調も
些かは和らぐ。
──ブルーコスモス盟主、主治医にコーディネーターを選ぶ。優秀性を買っての事と、アズラエル氏の
関係者は言明。専門職はやはりコーディネーターが優秀なのか? 各界に波紋──
セレーネの耳にもその話は入っており、そのお陰で病院内においても色々と不便な目にあって来た。
不思議とセレーネは全てを淡々と受け入れていた。
もし、患者であるアズラエルから解任を申し渡されれば、それに諾々と従った事だろう。
だけれども、まだその話は無く、アズラエルは一患者として日々リハビリに励んでいる現状、セレーネ
としてもこれ以上、どうすれば良いのか判断が尽きかねたのである。
132 :
74:2007/05/13(日) 02:17:23 ID:???
「私は気にしておりません…Mrアズラエル。貴方が患者である以上、私は医者ですから」
「そうですか。それは助かります」
アズラエルも素っ気無く、それに答える。
こういう時、皮肉げな笑みを口元に浮かべるのが常の彼であったが、どうも上手く行かない。
素顔の表情を、アズラエルは忘れていた。
片手で手すりにつかまり、もう片方の手をセレーネの首に回しながら、アズラエルは兎も角歩く。
苛々するはずの作業であったが、放心したようにアズラエルの感情はフラットになっていた。
ふと、外に視線を向け「もう、春ですねえ」と呟いた。
セレーネも外のふっくらと芽をつけている樹木に目をやりながら、少しだけ微笑む。
「そうですね。Mrアズラエル…貴方ももう少しで春と共に外に出られますよ」
そうして外に出て、何をするのか…金儲けの算段か、効率良く人を殺す手段を講ずるのかは、セレーネ
には分らない。
まだ、少なくとも大西洋連合の都市部において、専門職として手に職を持つコーディネーターまで
迫害はされていない。
それも…時間の問題か。
アズラエルに聞こえないよう、吐息をついた。
何故、両親はブルーコスモスの賛同員でありながら、自分という存在を産みだしたのか。
何を願い、私という存在に希望をかけたのか。
聞こう、聞こうと思っているうちに、彼女の両親は事故で無くなり、その機会は永遠に失われた。
だからと、彼女は思う。
私はブルーコスモスに対しても、ナチュラルに大しても、そしてコーディネーターである事にも、何の
感情も浮かばない。
ただ…争いの耐えない地球圏より外の、より広い外の宇宙『そら』への祈りと憧憬いのようなものだけ
があった。
アズラエルはしきりに「出られますかねえ…」と呟いている。
ぽんと、軽くアズラエルの背中を叩き元気付ける。
「大丈夫ですよ、Mrアズラエル」
133 :
74:2007/05/13(日) 02:18:13 ID:???
「ちょっと確認ですが、Drセレーネ、貴女はコーディネーターですよね?」
当然のようにセレーネは頷く。
「ええ。MRアズラエルが嫌いなコーディネーターですよ。そして現在は貴方の主治医です」
アズラエルは少しだけ眉を顰める。
「いえいえ、別にDrを非難しているわけじゃないんですよ…? 僕達はプラント施設を返してもらいたい
だけですから」
「Mrアズラエルの主張は知っています。ブルーコスモスの事も多少は」
「Dr…Drセレーネのご両親はブルーコスモスの賛同員だったんですよね。どうしてその両親が貴方みたい
な…あ、いや」
セレーネは微笑みながら続ける。
「無理はしないで下さい。そう…私も分らないんです。何故、両親が私をコーディネーターにしたのかが」
不意に、アズラエルはセレーネの顔を覗き込み、真剣な口調で問う。
「Drセレーネ。貴女の美しさ、そして微笑み、能力、献身…全て…コーディネートされたものなのですか…?」と。
アズラエルの真剣な口調に驚きながらも、セレーネはただ、彼女の気持ちを吐露するため首を振る。
「…どこまでが自然な私で、何処までがコーディネートされた私かは…私も分りません。私が私を分ける事は
不可能ですから」
「……」
「でも産まれて来て、生きてきたのは私であり、遺伝子ではありません。…それだけです。Mrアズラエルはこんな
話を聞いて不快ですね」
少しだけ悲しげに、セレーネは俯く。
「……」
アズラエルにも分らなかった。
自然である事、そして不自然な事の差違が。
そうして、ナチュラルとコーディネーターの本質的な違い、が。
西日が差す中、重い沈黙が部屋と二人を包み込んだ。
134 :
74:2007/05/13(日) 02:20:54 ID:???
今日は暇だったので、今夜中に続き書いちゃいました。
>>127 本当、長そうですね。
大体のプロットは決めているので、後は細かい部分でしょうか。
文章のご指摘も本当、ありがとう御座います
何だか、穴があったら入りたい気分です。笑
>>128 誤解させたようなら大変申し訳御座いません。
ええと、僕のは僕のでまた別のお話しです。
現在5話まで進んでいます。
もしアズの作者の方、カムバックして欲しいですね。
一ファンとして願います。
GJ!!
連続投下、乙であります。
ユーラシア・東アジアがプラントに対して最強硬の姿勢をとるのは、ある意味仕方ないかも。
史実においては、これらの地域が最も被害が大きかったと有りますし。
何もしなければ国民感情が暴発しかねないのかもしれません。
まあ、それ以外にも東アジアには生臭い理由があったみたいですが。(おそらくユーラシアにも)
なんにせよ不十分な準備で事を起こすのは感心しませんけどねw
>地球連合の総意という事は、各国の首脳達の会談で決まった事項であり、それを覆す事は流石のロゴスにおいても不可能事であった。
GOD JOBです!
TVではロゴスが全てを支配しているかのように描かれてましたが、これが普通でしょう。
エザリアの発言にある「形骸」
おそらくプラントは、この形骸化した連合にしてやられる事になるでしょう。
大国の完成したシステムが本腰を入れてで稼動した場合、小国に抗う術はありません。
それこそ、第二次大戦の日本やUCのジオンのようにぶっ潰されます。
エザリアはこんなこと言っている暇があるのなら、もっと外の味方を増やす事に尽力すべきです。
NJのおかげで只でさえ少ないんだし。
>自然である事、そして不自然な事の差違
なんか、少し重いテーマになりそうな気が。
だが、本来TVでやるべきであったテーマの一つに挑戦する作者氏に敬礼であります!
単純に生物として考えるなら「コーディネイターは不自然」となります。
世に生まれて出てから一世代、世代を重ねただけで出生率に問題が出るような種はどう考えてもまともじゃないです。
でも、このテーマって単純な問題じゃありませんしね。頑張ってください!
最後に誤字をば
>忌々しいプラントの通商妨害により核は現在使用不可です。
↓
>忌々しいプラントのNJ(ニュートロンジャマー)により核は現在使用不可です。
GJ
>>135 それは、隠語の類ですから、通商妨害のままでいいんじゃないですか?
74氏GODJOB!!
>>135 通商破壊でおkかと
NJの効果は、まさに通商破壊以外の何物でも無いような?
通称破壊というより、インフラの破壊だな。
139 :
135:2007/05/14(月) 18:02:00 ID:???
まあNJなんて関与の仕方によって認識は大きく変わるしな。
戦闘員からすれば武器としての核の封印で
他からすればエネルギー資源の封印だし
仕方ないような部分だと思う。
通称妨害ってプラントを皮肉った言葉だろ?
>>98の本文中に
> NJ(ニュートロンジャマー)。
> プラント最高評議会付主席報道官は楽観的に語ったものだった。
> これは通商を妨害するだけの、クリーンな装置であり、これがプラントの地球への融和の証だと。
> その優しい装置により、地球の総人口の1/10が死滅した時に、初めてプラントはその自らの行い
> に恐怖した。
ってあるからな
>>142 >地球の総人口の1/10が死滅した時に、初めてプラントはその自らの行い恐怖した
って…
実行する前にシミュレーションはしなかったのか?
そんな発想力があれば原子力発電に頼ってるトコにNJ投下しようなんてそもそも思わないんだぜ?
>>143 結論を元に物事を決めるのはありがちです。
>>143 最初から決まってる結論を元に物事を決めるなんてこと、よくあることさ。
その結果はかなりエゲツナイが
結果だけを求めてとんでもないことをやらかすのはプラントのお家芸だろ
凸父とか桃色電波とか某彗星声とか
>結果だけを求めてとんでもないことをやらかすのはプラントのお家芸だろ
それは、プラントではなくコーディ全般の特徴だな。
種の設定の中にも「即結果を求める」という性質が、コーディにはあるという記述が見られる。
……なぜか長所の様に書かれてるけどな!
メリケンみたいなやつらなんだな。
結果を重要視することと結論ありきで物事を進めるのは全然違うぞ
後者は結局おかしな結果になるわけだから
奴らは結果に至るまでの過程を無視してるからおかしいんだよ。
結果がすべてというのは、現実の社会でも同じだが、そこに至るまでの過程を無視するというのはアホのやる事だ。
コーディ談義はスレ違いじゃね?とりあえず黙って次回作が来るのを待とうよ。
おk。
Nジャマーの投下は血バレの後だったような気が…
コーディ誕生→軋轢発生→S2ウイルス→コペルニクス→血バレ→Nジャマー投下→連合プラントを核で殲滅未遂→茂パパがジェネシスで地球殲滅未遂→終戦
の、流れのはず、見事に憎しみの連鎖デス、仕掛けた側の数が1回の悲劇ごとに大幅に増えスギ。
種死だとコロニー落下も加わるから、よく人類が滅びなかったものだと。
まちがい、茂パパは血バレの主犯で、ジェネシスは凸パパのほーでした。
茂パパって血バレの主犯なの?
茂パパってまた微妙に分かりにくい表記だが、血バレはナチュラルがユニウスセブンに核攻撃した事件で
茂パパがやったのはNジャマー投下をはじめとする一連の四月馬鹿クライシスだぞ。
ラクスが反乱起こしたのにパパが殺されちゃったよ。
どっちが盟主かわからん。
つーか、あれは結局何がやりたかったんだ?
成功したらどうなってたわけ?
あれがどれを指してるのか分からんのだが。
161 :
74:2007/05/18(金) 00:30:15 ID:???
「ザフト空母艦隊が北大西洋に集結中です。進路、地中海方面…ジブラルタルに向かっています」
各種CIC機器が並ぶブリッジは、一瞬静寂に包まれた。
「本国への橋頭堡を築かせる訳にはいかん。総員コンデションレッド発令」
「ホセ中将…本国との回線が開きました」
その言葉と同時に、ユーラシア連邦統一海軍中将である、彼、フィリップ・ホセの専用端末にユスーポフ
大統領の疲れたような顔が浮かぶ。
「何故、ここまでの進入を許したのだ! もし地中海へザフトの進出を許したら、私は治安を維持する
自信は無いぞ…!」
「その時は…」
にやりとホセは続ける。
「軍政を敷くべきでしょうな。軍は全面的に…大統領、貴方を支持しますよ」
「なっ…!?」
ユスーポフ大統領が恐慌に陥る、間際。
「冗談ですよ大統領。統一海軍の威信にかけて地中海への進出は許しません」
その後、幾つかのやり取りの後、ホセ中将に統一海軍の全権が委譲された。
第一次カサブランカ沖海戦は当所、連合の空母艦隊より飛び立った重武装スピアヘッドによるザフト空母護衛
艦隊への爆撃で幕を開けた。
空中戦力に乏しいザフトはその主戦力を、潜水空母艦隊へと搭載している事から、連合としても決定打に欠ける
攻撃を繰り返し、それでもザフトの護衛艦隊はほぼ壊滅させた。
無傷の潜水空母艦隊は、着実に連合艦隊へと距離を縮めて行く。
「…! 空母チェザーレ撃沈…ッ!」
ホセは隣に立つ副官へと向き直る。
「な…何処からの攻撃だ…!」
「ふ、不明です…!」
その時、旗艦ノブゴロドのブリッジが大きく揺れる。
CICが「エドワード撃沈しました!」と叫んだ瞬間。
轟音と共に、ノブゴロドのブリッジが傾き始める。
側壁に打ち付けられ、頭部から血を流しながらホセは副官の姿を探した。
負傷したホセに駆け寄りながら、副官は彼の頭部に自らの軍服の裾を破り、その傷に添えた。
「提督…! 攻撃はか、海中から行われています…!」
「海中から、か…。どうやら我々はザフトの技術を甘く見すぎていたという事だな」
薄らぐ意識を必死に繋ぎ止めながら、ホセは長年連れ添った副官に最後の命令を下した。
「…君は生きてこの情報を上に伝えてくれ……頼んだぞ」
ユーラシア連合統一海軍が壊滅したのはその18分後の事であった。
ザフトはその新兵器である水中用MSグーンの性能を発揮し、こうしてザフトは地中海への進出
を果たした。
ユーラシアは喉元にナイフを突きつけられた形で、苦しい戦いを続けることとなる。
162 :
74:2007/05/18(金) 00:32:00 ID:???
『蒼い血或いはノブレス・オブリュージュ5』
「了解しましたよ大統領。僕にお任せ下さい」
端末をオフにしながら、人差し指でトントンと机を叩きながら、アズラエルは黙想する。
ようやく、ベットから解放され、デトロイトの某所に位置する何時もの執務室に帰り、そこで
執務を執るアズラエルであったが、退院直後のアッシュ大西洋連邦大統領からの知らせと要請
にその苛立ちを募らせていた。
僕は何でも屋じゃないんですよ…とぶつぶつ呟きながらも、端末を叩きつづける。
ユーラシア連邦大統領が、大西洋連邦大統領であるアッシュを急かし、そのアッシュがアズラ
エルに物事を丸投げするという、連鎖構造であった。
軍需産業理事と言っても、上から丸投げされた案件に肉付けし、それを具体化して行く事が、
アズラエルの主要な業務でもあり、アズラエルはそれに不満を述べつつも、着実に仕事はこなし、
今の地位を築いてきた。
ぶつぶつと、アズラエルの独り言だけが、室内に響き、時間は過ぎてゆく。
時間が来ると、アズラエルは痛み止めの薬を空っぽの胃にコーヒーと共に流し込んで行く。
そのアズラエルの酷使された脳髄から一つのアイデアがロゴスに提出される。
時間が来ると、アズラエルは部屋の照明を落し、自らの端末を白壁に向ける。
埃の粒子が、煌く光の中、ひらひら舞うのを見つめながら、溜息をついた。
「さて、今回は理事からの提案である地球連合正式航空機の見直し案についてだが…」
壁に映し出されたグリッドには、ロゴスの構成員が映し出される。
モニター越しの会議、アズラエルから言わせれば時間の無駄、がこうして始まった。
ロゴスの面々との会議を終え、モニターの光が消えた暗闇の中、アズラエルは瞑目する。
今回の彼の提案は是認され、大統領に上げられる。
後は、財団と政府の技術者間の実務的な交流に終始するので、実質この案件はアズラエルの
手から離れた。
突然、照明が灯る。
「お疲れのようですが大丈夫ですか。Mrアズラエル」
瞼を開き、扉の方へ向き直る。
隣の部屋で控え、彼の業務をサポートしている女性、セレーネ・マクグリフがそこには立っていた。
163 :
74:2007/05/18(金) 00:33:38 ID:???
一月前。
「義足の具合も良いようですね」
「Dr…貴女のお陰ですよ」
長期間ベットの上にあった肉体はその行使に悲鳴を上げている。
以前より、少しだけゆったりとした歩行速度で歩く分には既に、支障は存在しなかった。
何時ものように、日中の業務を終えた後、アズラエルはセレーネと共に、貸切のリハビリ室を
ゆっくりと肩を並べながら歩いている。
アズラエルの歩行速度や歩幅などを端末機器により測定しながら、セレーネは微笑む。
「どうやらMrアズラエル…退院が近づいて来たようですね」
肩を竦め、アズラエルはやれやれと溜息を付いた。
「ようやくですね。もう病院の天井には飽き飽きしていた所です」
「退院後の細かい処方は書いておきますから。それを後任の医師にお渡し下さい」
「……」
ふと、アズラエルは口をつぐみ、休憩用のベンチを見つけると、そこに腰を下ろす。
セレーネも少し距離を取りながら、そのベンチに腰掛けた。
以前、体験した深い沈黙の中、セレーネは居心地の悪さを感じる。
やはり…不快なのだろうか。
「Dr…いや、セレーネさん。僕のお願いを一つ聞いて貰えますか…?」
突然、沈黙の帳を破るかのように、アズラエルはぽつりと口にする。
「私に出来る事でしたら」
と、セレーネは少しだけ不安を覚えながら答えた。
アズラエルはセレーネから顔を背け、小さく呟く。
「いや、貴女に僕の秘書を勤めて貰いたいんですよ」
驚き、しかし反射的にセレーネは拒絶した。
「…私は医師です。政治的な事は分らないし興味ありません」
「僕が頼んでも駄目ですか。この僕が」
「Mrアズラエル。無理なものは無理です」
「……」
「……」
164 :
74:2007/05/18(金) 00:35:07 ID:???
ポケットに手を差し入れ、アズラエルは折りたたんだ紙片を取り出す。
「DSSPへの外部オブザーバーとしての参加及び計画案策定…それに、システム上流研究員としての
地位を用意すると言ったら、セレーネさん、どうしますか?」
セレーネにその紙片を差し出す。
それはDSSPへのアズラエル財団の資金投入割合を示すものであった。
全体の60%以上の資金を投入しているアズラエル財団はDSSPへの直接的な指揮介入権は無いものの、
その研究の方向性を暗喩し、自らの息のかかったスタッフを送り込む事は容易であり、それはすぐに
セレーネにも理解出来た。
「当然、暫くは僕の傍で勤めてもらうので、遠隔スタッフとしての参加ですが…まあ、問題は無いん
じゃないですか」
「……」
無意識のうちに唇を噛み、セレーネは俯く。
答えを待つように、アズラエルは沈黙した。
宇宙『そら』への夢を叶える為。
私は悪魔にでも魂を売るであろう。
幼い頃よりも何度も何度も想い浮かべ、そうして大人になってからも想い浮かべていた、夢。
その夢が突然、現実のものとなり、セレーネは戸惑った。
戸惑いながらも、冷静に思考の糸を巡らせる。
そうして暫く黙考しながらも、セレーネは自分がどう答えるか、答えが分っていた。
メフィストフェレスと契約するファウストのように、セレーネの気持ちに迷いは無い。
「…私で宜しければ。微力は尽くします」
アズラエルはにっこりと微笑み、セレーネの手を取り囁いた。
「後悔はさせませんよ…セレーネさん」
74氏乙でした。
しかし
>>161の艦隊が攻撃されてるシーンですが
どこから攻撃されてるとかは余裕でわかるかと
Nジャマーではソーナーや磁気センサ(SQUID?)は妨害出来ないわけですし。
GJ!
>メフィストフェレスと契約するファウストのように
言いえて妙すぐるw
>>165 確かに。
NJじゃ、ソナーは妨害できませんね。
……グーンがソナーを掻い潜るほどのステルス性を持っていると考えるしか……
ソナーを掻い潜るステルス性って・・・
グーン凄すぎだろ。
乙です。
>メフィストフェレスと契約するファウストのように、セレーネの気持ちに迷いは無い。
>「…私で宜しければ。微力は尽くします」
>アズラエルはにっこりと微笑み、セレーネの手を取り囁いた。
>「後悔はさせませんよ…セレーネさん」
ある意味これは
愛 人 契 約
ですね。
そうじゃないと分かっていてもついつい頭に思い浮かんでし合いましたw
>>168 グーンは鯨の皮を被って移動してたと考えるんだ!
170 :
74:2007/05/18(金) 15:54:57 ID:???
昨日は急いでいたのでろくにレスも返せず、申し訳御座いませんでした。
本当に、皆様に多々ご指摘、励ましのレスを頂き、ありがたく思っております。
グーンをソナーで捕らえられなかった事は、私自身の軍事的な知識の不足
によるミスです。
大変、申し訳御座いません。
SSを書く上で最低限必要な軍事的な知識を得たいのですが、中々良いサイト
が見つかりません。
何時も申し訳御座いませんが、何方か良いサイトをご存知でしたらば、ご教示
の程、お願い申し上げます。
>>135 一年戦争の鋳型である第二次世界大戦から得た教訓ですね。
大国のシステムが動き出したら、絶対に叶わないという。
CE世界も普通であれば、そういう現実のシステムにより物語れたはずですが…。
ただ、窮鼠猫を噛むという言葉もあるとおり、まだまだアズラエルに安息の時間
は無いのかもしれません。
174 :
74:2007/05/18(金) 20:27:35 ID:???
>>171 172
どうもありがとう御座います。
参考にさせて頂きますね。
>>173 いや、お恥ずかしい限りです。汗
ご指摘、ありがとう御座いました。
>>174 みんな指摘しないが深宇宙探査開発機構はDSSDが正しいのではないかと。
176 :
74:2007/05/18(金) 20:50:43 ID:???
>>175 orz
確かに氏の仰る通りです…。
細部に神は宿ると言いますが、駄目駄目ですね…。
本当に、申し訳御座いません。
穴があったら入りたい。
たしかグーンとかの無印種の水中MSは『超音波攻撃』ができたはず
・・・アストレイRで確認した
それを応用すればソナーを混乱させることはできるんじゃないか?
某国の監視ソナー網にミンクが引っかかって魚雷と間違えられたことが多々あったとかいうのもあったしw
多分先手必勝の音響攻撃でソナー員の鼓膜をぶちやぶったんだろう
と、脳内解釈したww
74氏ミスに気にしないで頑張って執筆してください
細部のミスはよくあることですし、こういうSSは最後まで完結させることこそが
もっとも重要なんですから
足りない部分はスレ住人が補うぜ!
>>177無理だお
耳で聴かなくても位置は解るし
超音波は減衰しやすいし
そもそも人間に超音波は聴こえない
実際のソナーって、爆発とかのでかい音は自動的にセーフティーがかかってシャットされるそうだ。
故、音響攻撃でソナー員の鼓膜を破るのは無理。
ただ、爆発によって海中が掻き混ぜられるからしばらくは音を補足しづらくなる。
多分、某潜水艦漫画の間違いをそのまま使ったんだろうね・・・
182 :
74:2007/05/18(金) 22:43:36 ID:???
東アジア共和国ニホン自治区。
CE以前東アジアの一大先進工業地帯であったこの地域は、再構築戦争の際、朝鮮半島と共に
北京政府の傘に置かれた。
当然、当所は散発的に独立運動が勃発したが、武力により統制され約1世紀。
ニホン自治区においては雌伏の時が流れ、先日この地域出身の国家主席が誕生した。
当所、ニホン自治区においては、これを機と捉え、独立運動の芽が芽生え始めたその時、ナオ
コ主席はその独立運動は徹底的に圧殺した。
民族や出自を問わない、その政治姿勢は中央政界において賞賛を浴び、その抑圧された民意
は反プラント、反コーディネーターとして奇妙な形で結実する。
「ジブリール氏…反応は如何かしら?」
強化硝子越しに熱狂する民衆を何処か粘りつくような視線で見下ろし、彼、ロード・ジブリ
ールはこの東アジア地区での反コーディネーター感情の強さに満足を覚えていた。
隣に立つ東アジア共和国国家主席に顔を向け、会心の笑みを浮かべる。
「理想的…と言えましょうな。ただ、向かうべきベクトルを故意に曲げている感は致しますが」
ナオコ主席は苦笑いを浮かべる。
「貴方の活動と同じですわ。御さないと…その勢いに飲まれてしまう。大西洋連邦も同じでは?」
「その通りです。私の活動を理解しない愚者どもも大勢いますがね」
吐き捨てるようにそう言いながら、ジブリールはアズラエルの顔を思い浮かべる。
「所で主席。例の件…軍は良く納得したものですな」
妖艶に微笑み、ナオコ主席は続ける。
「猪ばかりですの…この国の軍人は。政治局の方々は分っておりますわ。我が国の現状…を」
「そう…戦争は続けなければならない。徹底的に。その為には生贄も必要でしょう。新星という名
の生贄が」
『蒼い血或いはノブレス・オブリュージュ7』
「敵も粘ったが…いよいよ反応が鈍くなってきたな」
ユウキ隊長はローレシア級MS搭載旗艦「ガリヴァルディ」のブリッジで対新星の指揮を執りな
がら不機嫌そうに呟く。
彼の視線の先で新星の周りを火花が踊っている。
この新星攻略戦は一進一退を繰り返し、こう着状態に陥っていた所を、現場指揮官の左遷に伴い
彼、ユウキ隊長にその任が回ってきた。
不機嫌にもなろうものであった。
艦長であるアデスも同意を示す。
「グリマルディでは必死でしたからな奴等も」
その言葉に頷きつつ「敵の思惑がどうであれ確実に頂かなくては…な。予備のMSジンも逐次発進
させろ。クルーゼ隊長に通信開け」
はっ、という敬礼と共にアデスはドックにて待機中のクルーゼとブリッジを回線で繋ぐ。
「クルーゼ隊長。敵の動きが鈍い…一気にケリを付けよう。発進中のジン各隊を指揮し、新星の
防衛網を完全に破壊してくれ」
その言葉を聞き、クルーゼは口元を皮肉げに歪める。
「その後は…退去勧告を出すわけですな……ユウキ隊長はお優しい事で」
「…皮肉は言わないでくれクルーゼ隊長。…私はこの戦争を殲滅戦で終らせたくない、そう思って
るだけだ」
そして姿勢を正し続ける。
「これはフェイスとしての命令だ。頼んだぞ…クルーゼ隊長」
183 :
74:2007/05/18(金) 22:45:08 ID:???
約1月ほど続いた新星はクルーゼ隊の働きにより、陥落した。
現場指揮官であったユウキ隊長は、連合に退去の時間を与え、追撃する事もなく整然と見送った。
この行動にプラント最高評議会の強硬派であるパトリック・ザラは彼のフェイス特権の剥奪を提案
したが、シーゲル・クライン議長はそれを拒否した。
こうして東アジアの資源衛星新星は、ザフトの宇宙要塞ボアズと改名され、プラント本国の守備に
就く事となる。
アズラエルはその報告を聞き、バンとデスクを叩き、苛立ちをぶつけた。
「やられました!」
執務室の隅でDSSDのデータベースを開いていたセレーネは一瞬、肩をびくっと竦ませる。
慌ててそのデータベースを閉じ、アズラエルの方に顔を向ける。
自分を見つめている視線に気付き、アズラエルは苦笑いを浮かべた。
「いや、何でもありませんよ…」
アズラエルに入る情報は機密度の度合いにより、そのアクセス権限は異なっていたが、通常業務に
おいての通信は彼の私設秘書であるセレーネも把握していた。
「新星の陥落…それによる東アジアの暴動の件ですね」
「ジブリールの糞野郎…あ、いや…彼にも困ったものですよ…。散々油を撒いておいて、後は全て
こちら任せですからね」
秘書の業務を行う際、セレーネは一枚のディスクをアズラエルから渡された。
それには極秘度の高い、そして彼の秘書を勤める上で欠かせない情報が詰まっており、その情報は
既にセレーネの頭の中に全て写されている。
「東アジアの新しい主席は国内の不満を宥める手段として反コーディネーター感情を煽っていると
聞きます。ただ…主席自身はさほど思想を持っていないと聞きました」
アズラエルは肩を竦め、溜息を付く。
「何が言いたいのですか、セレーネさん」
「Mrアズラエルご存知の事をです。連合がこの戦争を有利に進めて行ければ、東アジアは必ず、
その尻馬に乗って来ます」
「ようは…勝てば良い、そう…そういう事ですよ…それが難しいんですがね」
セレーネは微笑んだ。
「それをこなすのが、Mrアズラエル…貴方のお仕事では」
もう一度大きく、アズラエルは溜息をついた。
「分っています…分っていますよ。その為の…MS開発計画ですから」
反ブルーコスモス派の二重スパイから齎された情報に当所アズラエルは拒否感を示していた。
だが、その計画の成否を決めるのは彼では無く、別の誰かであった。
グーンの速度が早いのと遠距離データリンクが死んでるから奇襲を許した、とかなら無理がないな
185 :
74:2007/05/18(金) 22:46:41 ID:???
大西洋連合国防総省。
そこには副大統領であるジョージ・スミスを議長に、反ブルーコスモス派の軍部及び政府関係者
が極秘で会議を行っていた。
客賓としてオーブ首長国とスカンジナビアの外交官も出席している。
戦況がやや連合に不利な形で推移する中、戦後のイニシアチブの獲得も含め、議論は難航していた。
ハルバートン准将より提案された連合によるMS開発プロジェクト「G」はその予算の莫大さと、
その費用対効果が予想し難い事から、紛糾を極めている。
議長であるジョージ自身、あまりの予算の膨大さにMS開発計画には後ろ向きであった。
「資金、技術、時間…あまりに難しすぎるのでは…ハルバートン准将? これではアズラエル財団
も一口噛ませなくては資金とて捻出出来んよ…」
アズラエル財団と聞き、ハルバートンは眉間に皺を寄せる。
彼とアズラエル財団の確執を知るものには当然の態度であった。
「副大統領…これは国家存亡を賭けた計画です。既に計画案は議長のお手元にあるようにお膳立てして
おり、後は認証を待つばかりです」
手元の書類を手にとり、副大統領はその書類に再度目を通す。
「モルゲンレーテが協力してくれるなら技術面では問題無いが…。これだけの施設…アズラエル財団
すら所有していないが…」
勢いづけるように、ハルバートンは立ち上がる。
「その点もご心配無き様。全権大使殿…お話下さい」
続けて、オーブ首長国の全権大使が立ち上がり、話を繋ぐ。
186 :
74:2007/05/18(金) 22:48:25 ID:???
会議が終わり、スミス副大統領はアッシュ大統領に「G」計画の開始を進言する。
連日の折衝で疲れきった表情のアッシュ大統領はつまらなさそうに、提出された書類に視線を向けた。
「だが私の一存では決められんよ。まずは国防総省に図った上で…」
スミスはあからさまに侮蔑の表情を浮かべる。
「大統領…貴方がこの国の、いや地球連合の指導者ですぞ」
「だがスミス君…分るだろう、私の立場も」
「ええ、理解出来ますよ。軍需産業連合の利権はそんなに美味しいですかな」
突然の言葉に、アッシュは目を見開く。
「し、失礼では無いかね…!」
「失言でしたな。失礼。だが大統領…ここで政府の主導権を発揮しない事には…足元を見られますぞ、
彼らに」
興奮し、顔を赤らめながら、アッシュは首を振った。
「駄目だ…。私の一存では決めかねる…」
だが、その言葉には当所の強さが失速していた。
それを感じ取ったスミス副大統領は、内心笑みを浮かべる。
この老人には任せておけないな。
そう思いながら。
軍需産業連合とモルゲンレーテ社が開発を担当し、開発施設はオーブ首長国のスペースコロニーである、
ヘリオポリスがあてられる。
その資金の多くは地球連合諸国家の篤志家…通称ロゴスが提供するする紐付きの資金であった。
各陣営の思惑が踊る中、「G」計画はその始まりを告げた。
187 :
74:2007/05/18(金) 22:50:56 ID:???
ようやく本編に追いつきました。苦笑
皆様、博識でいらっしゃいますね。
少しでも皆様の知識を吸収し、SSに生かせたらと思います。
連合の水中用兵器はディープフォビドゥンなどが開発されるまで
どのような機体が担っていたのでしょう?
どうも、調べても連合の通常兵器は分りにくいですね。
>>178 179
暖かいお言葉、ありがとう御座います。
どうぞ、これからも宜しくお願い致します。
日本人は一匹たりとも生き残ってないって推測できる矛盾の固まりは放置しちゃ駄目だろ
>日本人は一匹たりとも生き残ってないって推測できる矛盾の固まりは放置しちゃ駄目だろ
?
生きてだろ普通に
矛盾の固まりって何ですか?
190 :
184:2007/05/18(金) 23:17:07 ID:???
74氏
切っちゃってすいません
>>187 グーンがザフト初の水中用MSで、対MS戦闘を考慮してないってことは、通常の潜水艦じゃないか?
この世界はバッテリーが現実より相当進化してるだろうし、潜航時間長いんだろうなぁ。
>>192 財団でも財閥でもいいじゃん。
そもそも日本じゃないんだし、民法の規定にこだわってもしょうがないべ。
194 :
74:2007/05/19(土) 00:37:01 ID:???
>>190 いえいえ、お気になさらないで下さい。
>>191 やはり潜水艦でしょうか。
潜水艦だととてもMSグーンには敵いませんね。
>>192 ご指摘有難う御座います。
オーブは原作でも外交が上手いというより、漁夫の利を得るのが上手い感が
致しました。
>>193 財団Foundationと財閥Konzernでは意味が違います
いっそナ○ト財団みたいなノリで。
反ブルーコスモス組織・ラクシズのテロにより重傷を負ったムルタ。
目覚めると整形手術により別人の顔となり、ブルーノ・アズラエルの養子となっていた……
彼は愛機・ストライクを駆り、法で裁けぬラクシズと戦っていくのだ!
最終話あたりでPS装甲の分子結合殻の構造式が盗まれて破られる方向で。
オーブの外交か・・・
現時点では有能なサハク一家がやってる仕事だな
ただ、ヘリオポリス襲撃後はウズミに責任押し付けられて
ロンド姉弟の裏工作以外出来なくなっちゃうけどなw
連合とザフトのMS対潜水艦系に関しては
MSV戦記の第二回、CE70年4月10日・エイプリールフールクライシス発生から9日後の
コーラルシーでの戦いの回が詳しい
で、ガスタービンの老朽艦を引っ張り出してきてたぜ連合は
エンジンが全部駄目になったからな、後ヘリコプター使ってた
それでもエアーウルフなら、エアーウルフならきっと何とかしてくれる、とか思い浮かんだw
ジーク、ラクシズ!
ジーク、ラクシズ!
保守した!
つい最近このスレを知ったんだが、
なんだか変なテンションでアズラエルブームが到来してしまった。
続きが気になっているのだが、もしアズは2スレでは続きが来ていないのか?
だとしたら非常に残念だ……orz
205 :
204:2007/05/22(火) 21:43:49 ID:???
しまった、ハンドルを直すことすら忘れて……
頭の中はすっかり盟主様に毒されてしまったようです
きっと誰かさんが、「アズラエルは仕事もせずに被虐趣味のコーディネータの女と遊んでいる」
などとせっせと悪いうわさを流しているに違いない。
>>205 勝手にへぼい3次創作始めたヤツならいたようだが。
あんなん始められちゃ本人来なくなるんじゃね。
もう来ないんじゃないかな。
>>207 そんな言い方、無いだろ。
仮にも書いてくれた人だ。
自分で書かない奴ほど
>>207みたいなアフォな発言をするんだよな。
俺は待ってるぜ。
そうかなぁ。
いかに本人来てないとはいえ、他人の作品に勝手に続き書くほうがよっぽど失礼だと思うが。
分かってるとは思うけど、俺が言ってるのは74氏のことじゃないよ?
続きがさっぱり来ない打ち切り・放置状態の作品の続きを書く
っていう場合はまた違うのではないか?
>>63も、もしアズの同人みたいなつもりだと書いているわけだし、
失礼というのは言いすぎではなかろうか。
……まあ同人の同人ってなんだよという議論の余地はあると思うが。
むしろこの場合、あまりに勝手なタイミングであることのが問題だと思う。
先にも述べたけど打ち切り状態の続きを考えるってのはけして悪いことじゃないと思う。
続きが気になっている、続きを書いて欲しいという人は実際居るだろうし。
ただ、どれくらいの期間で打ち切りや放置なのかっていうのは議論されて然るべきではないか?
そういう相談を他のスレ住人にした上で三次創作ということに取り組むべきだったと思う。
元の作者氏がもう書かないって宣言してプロットなり何なり投下、それにおおむね添った形の続きなら読んでみたいけど……
まぁもっともな話だが不法侵入も年数が経てば正式に権利が認められるわけで
読めればOKな俺としては書いてくれるなら誰でもいいやと思ってる
内容的にあまり続きって感じでもないしな
他人の作品の続きを承諾なしに書くのはまずいだろ。
んなこた書いてる当人が一番自覚してるだろ
もしアズの作者さんが戻ってこない以上、何言ってもむなしいけどな……
ところで、2スレ目でここを知ったからイマイチぴんと来ないのだが、
「盟主様のトラウマが無い」というのはどういう状況なのだろうか?
1.単純に幼い頃の事件が未遂なり無かったことになる
2.そこそこに成長してから劇的な何かが起こってトラウマが払拭される
3.戦争開始後にとんでもない劇的な何かでトラウマが(以下略
ざっと考えるとこんなパターンか?
1.のパターンだとCO憎しの感情が少なめだからブルコスの盟主になるかどうかがそもそも怪しい感じ。
2.のパターンだとどんな事件(出会い?)があったのかで話の方向が変わりそうだ。
3.のパターンだと既に盟主の座にある彼がどうするのかがミソだろうか。
CCAスレだとアムロに出会って、なんだ、ナチュラルだってコーディ越えられるんじゃんって悟り開いてたけどな。
4.の「トラウマの源泉である幼いころの事件を自力で乗り越える事で優劣など乗り越えた盟主王」
とかどうよ!!? 大切なのは勇気と努力と根性と知恵と友情だ!!
これが勝利の鍵だぁぁぁぁぁぁっ!!
つNJC
>>221 スパロボWであったなあ
クルーゼの『戦争を終わらせる鍵』発言に対して『勝利の鍵』を連呼する盟主
挙句の果てにフェルミオンミサイルぶっ放したけどな。
みんなが74氏に提供している情報を有り難く使わせてもらっている俺はわるいこ
電波を受信した
舞台はフレイを回収するところ。この際にフリーダムも捕獲し、現物のNJCと設計図を手に入れる盟主。更にキラとフレイのやりとりを見て「ナチュラルとコーディネーターの未来」について思い直す盟主。
NJCはエネルギー回復andNJC搭載MSに使用し、核兵器には使わない方針の盟主
しかし核使用を願うブルーコスモスの幹部を言いくるめるためにがんばる盟主。
言葉にしづらいがこんな感じのを受信した。
蒼き未来(あす)への軌跡(みち)
第一輪 二人の可能性 前
今日は人生の中で最も幸運な日ですねぇ。
ブルーコスモスの盟主。ムルタ・アズラエルはそう思わずにはいられなかった。
戦闘中に救難ポッドと捕虜、そして──ZGMF-10Aフリーダムと呼ばれる機体を回収することに成功。自分の推測通りその機体にはニュートロンジャマーを打ち消す装置が搭載されていた。ニュートロンジャマーキャンセラーと呼ばれる物が、だ。
最初その報告聞いた時には笑みが隠せなかった。それだけでも手放しで喜べる。最高だった。しかし、それ以外にも驚くべきことがあった。救難ポッドに乗っていた少女、フレイ・アレイスターが手に持つディスク、その中身。
ニュートロンジャマーキャンセラーの”設計図”がこと細かに記載されていたのだ。
「今日は運を総て使い果たしたかと思っちゃいましたよ……」
早速研究部に現物と設計図を届け、投資額を再考し、核攻撃部隊を結成して、あの忌まわしいプラントを……!
そんな考えは、少女の大きな怒鳴り声とそれを抑えようとする係員の声によって遮られた。
「離して! 会わせてよ! キラに!」
「止しなさい! 彼はコーディネーターなんだ! 万が一何かあれば……」
「キラは友達なの! お願いだから……」
なおも食ってかかる少女。若いですねぇ……
「ちょっとちょっと、どうしたんです?」
係員は私の姿を認めるとすぐさま姿勢を正し、困り果てながら答えた。
「理事、この娘が捕虜と会うと言って聞かなくて……」
「そんなことですか? 会わせるくらいいいじゃないですか」
「しかし、相手はコーディネーターですよ!?」
しつこいのは係員だったか。
まったく、面倒な奴だ。
「いいんですよ。私も彼に用がありますし、彼女も面識があるみたいですし、何か話すかもしれません」
「それともなんですか……私の言うことが解らないとでも?」
「い、いえ……では失礼します」
軽く脅しを掛けた途端、そそくさと去っていく係員はどこか間抜けだった。
少女、なにがなんなのか解らずいまだ動揺しているフレイに向き直り、軽く話す。
「聞いての通りです。どうぞ、こちらへ」
フレイとアズラエルは何も話さずじっとしている捕虜、キラ・ヤマトがいる独房へと続く通路を進んでいった。
今は反省している、続きは夜投稿予定。
いいよいいよー
wktk
あなたが、あなたが神か!!
蒼き未来(あす)への軌跡(みち)
第一輪 二人の可能性 中
まさか、敵の手に捕まるなんて……!
あと少しでフレイを助けれたのに、助けるどころかフリーダムもろとも……
後悔していても始まらない。とりあえず何か何か逃げる手がないか考えよう……
しかし、考えようにも手錠に足枷に監視カメラの厳重体制。逃げるどころか立つことすら困難極まる状況で、見張りが二人。共に当たり前だが軍人であり銃を保持しており、勝てる見込みはない。
万が一自分が手足自由に動かせる場合だったとして、鉄製の柵を壊すことは叶わない。鍵も開けることは出来ない。万が一開けれたとして、倒せるか? 気付かれずに奇襲すれば一人は気絶させれるかもしれないが、そこで終わりだ。
何を考えている、現実的に考えよう。糞、何がスーパーコーディネーターだっ! 人と何も変わらないじゃないか!
そんな後ろ向きな考えを打ち消すように異常は訪れた。何者かの足音。複数、軍人ではないもので──
「あー、私です。そこの君、バジルール少佐を呼んできてください。君は外を見張っててください」
「ああ、それと、捕虜はここで合ってますよね? 結構」
人を小馬鹿にした声。やり手のビジネスマンのように聞こえる。
「キラ・ヤマト元少尉……MIAと判定され大尉に二階級特進ですか……スゴいもんですねえ?」
「ただの学生が大尉ですよ? 君は出世の神に愛されていますねぇ」
やはり人を小馬鹿にした声。そして近づいてくる足音。
独房の壁に背中を預けている僕の目に映ったのはやはりビジネスマンのように見える若い男。青のスーツを着ている。
顔は良く見えなかった。いや、見えたが知らない顔だった。その男は。
その隣は違った。良く見知った顔。僕にとって大切な女(ひと)。僕が傷つけてしまった女。僕は確かめるようにその女の名前を呟いた。
「……フレイっ……アルスター……」
否定的な意見がなかったので投稿。
途中で後半部分が消えたときは焦った。
てかアレイスターじゃなくてアルスターでしたね。スマソ
>230
GJ、続きに期待っ!
……どうでもいいが、アレイスターだと某学園都市の理事長だな。
未来(あす)への軌跡(みち)
第一輪 二人の可能性 後Apart
「……フレイっ……アルスター……」
フレイ・アルスターを連れて来てみれば、口にした言葉がそれとは。
まったく、何時の時代も男は女に左右されますねぇ……
「……キラ……キラっ! 私、あなたに、あなたに、謝らなくちゃ……!」
その逆もまた然り、ですか。
見つめ合ったまま動かない二人を放って勝手に話を進める。
「あー失礼。挨拶がまだでしたね。僕は国防産業連合理事の任に就いている者でして、MSを作っている会社の会長みたいなもんです。ブルーコスモスの盟主でもありますね」
フレイを見つめていた目をアズラエルに移して、口を開けたままにするキラ。まあ確かにキラと自分では格が違いすぎた。
さらにブルーコスモスの盟主である。
見ればフレイ嬢も同じように自分を目に映している。
「あー少しいいです? キラ・ヤマトくん、君の背後関係についてちょっと話してもらいたいんですが……」
「っ! 話せません!」
やれやれ、報告にあった通りですねぇ……
ならばと思い知人も連れてきたんですが、無駄でしたね。やはり薬漬けにして生体CPUに使いますか……
しかし、もし穏健派陥落の原因が彼にあるとすれば……? 面倒ですねぇ。
「いえ、なにも無理にとは言いません。ただ、あなたが元いた軍にまで矛先を向ける理由と、その志について興味が沸いただけですよ」
「興、味……」
「そうです。軍事的に、政治的に気にならないとは言いませんがあなたから話を聞きたい要因はやはり興味、好奇心です。人がこの欲求に打ち勝つことは出来ないと僕は考えていますよ」
そうして何秒かの沈黙が訪れた。やがてキラは決心したように顔を上げ、静かに語り始めた。
「僕はイージスとの戦いの後……プラントにいま……」
そこで遮る物音。自動で開閉するドアが開けられ、若い女が入って来る。
「失礼ですが理事。せめて艦長の私に断りを入れてからにして頂けないか」
ナタル・バジルール少佐その人だった。
やや肩を上下させていることから急いできたのだろう。帽子が少し傾いていた。
「艦長さん、早かったですねぇ」
「優秀な副官がおりますので、それより捕虜をそこから出すのを手伝って頂けないか?」
「僕ですか? 面倒ですねぇ」
ついていけないキラとフレイを置いて、ナタルとアズラエルはキラを外に出すために動き出した
続く
次にBpartとCpartと続く予定だけど書き溜方式にするので次回投稿は遅れます。
おお、久々の新作!
続きを楽しみにしてます。
変更点 アズラエルの一人称
蒼き未来(あす)への軌跡(みち)
第一輪 二人の可能性 後Bpart
唐突に現れたナタルと渋々手伝うアズラエルにより外に運び出されたキラは足枷を解かれ、二人の軍人とアズラエル、フレイとナタルと共に尋問室と化した艦長室の席に座っていた。
「ご苦労。君達は外出したまえ」
「はっ」
ナタルが告げると、姿勢を正して回れ右をする軍人二人。
そして二人が部屋を出たのを確認するとナタルはキラに振り返り、
「良く生きていたな。キラヤマト」
普段の声よりもやや優しげに言った。もちろん、長い付き合いの者でなければ解らないほどに極僅かだったが。
どうやら知り合いのようですね……というか、彼女が声色を和らげるなんて思いませんでしたよ。気付きにくい変化でしたが……
──無論、人を相手にする職業に就く者ならば気付く事も可能ではあるが。
「いえ、ナタルさんもお変わり無いようで……」
ナタルは一瞬微笑むと、表情を変えてキラに問いつめるように尋問を始めた。
キラは時節顔を歪めながら、少しずつ説明する。
それが、殆どが自分達の行動を正当化するような言いぐさだったのは癪でしたがねぇ。
全てを聞き終えて、フレイは複雑な表情──おそらく大変な思いをしたのだろう、という同情の念──を浮かべ、ナタルはたから見ても分かる呆れ顔をしていた。私は笑いを堪えるのに苦労しましたよ。
「解りました、戦争を止めたいのですね?」
「……はい……それでラクスからあの剣を……」
「戦争を止める手段は? まさか戦いがある場所に向かって両軍を退かせると?」
「そうすればいつかはみんな……」
「……つまりテロを起こそうとしたわけですね」
眉間を押さえてため息を吐く。
「違います!」
「いいえ、違いません。更にはどこにも所属しない武装集団ですね。それで……争いを止めてどうしたいんです?」
キラはまだ不満があるのか、多少躊躇ってから言った。
「世界を平和に……」
「それで軍は納得すると思いますか。民衆は納得すると思いますか」
「なっ……もともとはあなたがたが仕掛けた戦争でしょう! あなたがたのせいでユニウスセブンは……」
「あれは少々やり過ぎでした、今この場で謝罪いたしましょう。しかし……」
天井を見上げ、やや思い出す。正確な数は発表されていなかったか。
確か大まかな数字は──
「10億……でしたっけ。エイプリルフールクライシスの被害者の数は」
息を呑む音。
「20万人の代償が10億──人類の人口の十分の一とは。被害者の中には何の罪もない子らもいたでしょうね。それはユニウスセブンも同じですが……」
「それでいいんですか? 本来そんな物はプラント側の手元に在ればよいのでは? 関係ない国にまで仕掛ける必要があったのか?」
わざとらしく目を瞑り机に手を着く。
私はこういうの苦手なんですがねえ……
しかしキラの方にも何かを考えている様子が見られる。
「恐いですね。これだから宇宙の化け物共は……」
「違う! キラは化け物じゃない! キラはみんなに優しいもの! 私キラに酷いこと一杯言った! それでもキラは……」
アルスターは確か反コーディネーター派だったはず……
ならばその娘も勿論……妙だ。
「キラは私達の為に戦ってくれたんだから……」
「フレイ、いいよ……あのことは僕が悪いから……」
「違うわ! キラは悪くない!」
やれやれ、昼ドラですか……しかし、ここまで仲良しになれもんですかねぇ。虫酸が走りますが……
そう思いながら考えているとナタルがこちらに近付いてきた。まるで諦めろと言わんばかりの表情を浮かべて、
「理事、若い者は無限の可能性を秘めています……私は彼の考えを肯定する気にはなれませんが……」
「彼が目指す世界は誰もが少しは考える夢です。彼は苦しむでしょう。強くなるでしょう」
「ナチュラルでもコーディネーターでも、関係無く傷付き、苦しみ、それを乗り越えていくでしょう……」
「らしくはないでしょうが、そう責めないでいただきたい。彼は道を間違えてしまっただけなのです……」
驚いた。まるっきり規律最優先で感情などはいらないとでも言い出しかねない彼女が。
あやふやな、何を言いたいのかまれやれ……わかりました。ストップです。もう私は咎めません」
私がそう言うと驚いたように振り向く二人。なんか引っかかりますね。
「さて、あなたには二つの選択権が在ります。捕虜として扱われる。そして……」
「我々に協力する。情報提供もよし兵となり協力するもよし……これである程度罪状は軽くなるでしょう」
流石に予想しなかったのか二人が固まる。背後から「なっ……」とうなる声。
決めたものは決めたのだ。リスクは無いだろう。
まったく、小説の話のようだ。
「僕に再び連合に属せと……僕は、誰かを撃つのが、それが嫌で!」
「はい、そうですね。平和の為ならそれはいいと、失礼。置いておきましょう。それと、この艦は戦場に出ます。艦長の話ではアルスター嬢は艦で働きたいと仰っているようです。それにあの三隻の艦隊とも戦うでしょう。艦隊の旗艦も成しますから狙われるでしょうね」
何かが哀れんだ。こうして脅し紛いの方法で戦わせようとする私の欲深さを、私の心の中の何かが哀れんだのだろうか。
いや。違う。莫迦莫迦しい。勝つためには何でも利用しなければならない。
例え若い少年であろうと。
両親を失った少年に多少の薬物投与と洗脳、厳しすぎる訓練を指示したときも、幼い子らを生体CPUにするよう許可した時も、ソキウスのようなコーディネーター達を的として撃破している様を観ても、何も迷わなかった。
それが今何故こうも……
保たない。押し殺した感情が疼く。しかし、だ。それを後悔してなんになる、私は後悔してはいけない。反省はしよう。だが後悔はしない。ならば……
「あなたが良ければこの艦に配備することも可能です。この艦を護ることも、ね」
キラは悩んでいる様子だった。裏切りを赦すまいと、しかし彼女を護りたいと、自分のしてきたことに対する疑念と、それを否定する心等が見て取れた。
しかしフレイの顔を見ては首を振り払い、だがやはり悩む。悩む。悩む。長い時間、悩み続ける。
若い人はこうして育つんですかねえ……
キラはまだ悩んでいるようで、呟くように言った。
「一晩、考えさせて下さい……」
結局、答えは後者だった。しかしその時の交わした会話ときたら……
『やっぱりプラントに核兵器を……使用するんですか?』
『……いいえ? 核なんて使いませんよ』
やれやれ、彼らのお陰で押し殺した感情は動き出すし。スゴいもんです。若いってのは、種族関係無く、ね。
さあて、核無しでボアズをどう攻略しますかねぇ……
続く
と入れるのを忘れたorz
GJ!唐突ですなキラから何かうつりましたか盟主王。状況に流されやすい性質とか。
歌姫洗脳が解かれたわけでもなしフレイで釣った状況ですか、永遠に相対したら惑わされそうですなキラ。
核>ボアズ(要塞)はプラント(コロニー)じゃないからいいんじゃない?別に律儀に守る必要ないし。
いやはや来ましたかその疑問、はいそうなんです。ボアズにはいいんです。10分前に再度読み直して誤字に気がつきましたorz
しょうがないので一応理由等を考えてはいます……挙げるならばキラとの会話で動き出した感情(良心)が核の使用を躊躇わせるとか、もしくは『核を使えば強硬派がプラントへの核攻撃をしかねない』とか。
しかし盟主王の変貌振りは異常、書き手がそう思うんだ読み手はもっと思ってるはず、やはり最終話近くだからかな……電波頼りに書いたからか……
ちなみにキラは戦闘時に無理矢理吹っ切れさせます。
>キラとの会話で動き出した感情(良心)が核の使用を躊躇わせるとか、
トラウマ関係なく三十路の男が青臭い餓鬼の戯言ごときで安易に変心するとはおもえませんが・・・
だいたい話のながれからしても核の使用をためらう理由が全くなかったりしますが、ボアズ攻略で自軍に戦死者出すのとは良心にとがめないんですかね。
攻略が成功するとは限りませんし、良心の優先順位が違うと思いますが。
>もしくは『核を使えば強硬派がプラントへの核攻撃をしかねない』とか。
盟主王(強硬派のトップ)は伊達じゃない、と自分の足元ぐらい手綱を握れなくてはね。
エイプリルフールクライシスの被害を考えれば帳尻が合わないですが、ジェネシスといい、
ザフト普通にナチュラル絶滅目的で行動しているじゃないですか。アレだけの暴挙のあとでプラントが存続できるほうが本当に不思議ですよね。
核動力を使えれば自ずと核攻撃が可能なことがばれますからせっかくのNJCは使わない方針ですか、一体のMSのキルレシオを考えればザフト有利、どうなりますか。
確かに、これはアズラエルのトラウマがなかったらを考えて書くスレですので自分のは趣旨的にもおかしいですし矛盾点もみつかりますね……
被害者や遺族に関しても気付けない自分はどうにかしてますね……
強硬派云々はジブリールを出してそのやりとりを描きたかったのですが……勝ち進んでおりますのでコントロール出来ない者(ジブリール)が出てくるでしょうし
核云々も同上。
自分はアズラエルが策を駆使して戦争に勝つのを書きたかっただけかもしれません。戦争で出る被害者のことを忘れてるとは、戦争をゲームと同視した証拠ですね。
これらの穴は電波だから、ではなく自分の技量が足りなかったせいです。他にも穴は確認しております。しかしこれらを修正すると丸々作り直すどころか作れない、自分は書くのは向いていませんね。
これ以上の存続は自分では無理です。大変身勝手ながら、ここへの投稿は中止にしたいと思います。大変申し訳ありませんm(_ _)m
244 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 09:46:05 ID:f8CCVyK/
つまり投げ出したんだろ。生半可な気持ちで投稿すんな
>>243 単に核発射と陽電子砲発射のメリットがトントンだっただけじゃねーですか?
どのみち常時宇宙線が飛び交って素で被爆地帯ど真ん中の宇宙空間では核爆弾なんてちょいと威力がデカイ爆弾に過ぎんわけで
オマケにリティア周りの設定的には、使えない連合の核爆弾は既にある程度物理的に処理済の筈
原作でも別に核を積極的に使う意義も無く
おそらく「残りの在庫一斉処分」みたいな感覚だったんじゃねーですかね?
NJCが手に入ったとはいえ、別にエンジン周りに核動力するって方式でも全然問題は無いわけで。
ぶっちゃけ攻撃力・範囲は核より陽電子砲のローエングリンのが上だし。
そー言う(別に積極的に使わずとも、どっち側にNJC使っても勝てる)前提があったからと脳内補完してます
ぶっちゃけあの当時の連合的には、むしろ重要なのはNJCとそれに使われるベースマテリアルの確保なワケで。
そのNJCを大量に消滅処理された(リティアはそれを一部パクったけど)在庫処分品の核爆弾に使うか、
それとも従来兵器の動力である小型の核エンジンに使ってMSサイズのローエングリンランチャーでも生産するか
どっちのルートを選んでも盟主王的に問題は無いわけだしね。だから盟主王は(最後の一押しは若さとはいえ)そっちを選んだと
さすが種世界の未来を憂う商売人だぜ!!
まあ、つまり総括すればなんていうか乙でした。
自分は面白く見せてもらいましたよ、続きはどこに投下するのかが楽しみです。
>>245 ×:ある程度物理的に処分
○:地上連合側に保有する核爆弾の殆どを物理的に処理(太陽に投げ込んだんだっけか?)
リティアの核パルスシステムには、その太陽方面に投げ込んで処理した核爆弾の一部がガメて使われてる
>>243 大丈夫です
矛盾に思えるかもしれませんが、実はあの時点で核に傾倒する事自体が矛盾なので
トラウマの無い盟主王を描くという前提の場合、そこで連合の道筋が変わっても気にせんで良いのです
ぶっちゃけ、核攻撃自体が原作で成功したとはいえ、無線誘導でもレーダーでもない、人力操作でのカミカゼとかいう
クソ一か八かの捨て戦法なワケで。アウトレンジから陽電子砲大量生産しての連射とかの方が、戦略的には使えるんだよね
ちなみに、このメンデル戦からボアズ戦までには、ぶっちゃけこの時点から数ヶ月のインターバルさえ置けるワケで
NJCを大量生産した上で宇宙における作戦を色々と練る時間は十分にあるんですよ
なにせ、この時点でまだ地上人類の一大反抗作戦であるビクトリア攻略が終了したくらいの時点ですから
まだ地上側は、ジブラルタル攻略である「カサブランカ沖海戦」とカーペンタリア攻略である「八・八作戦」
そしてその中の作戦である軌道上からのカーペンタリア強襲攻撃「エアーズロック降下作戦」すら発動していない
そんな時系列ですからこそ、こーいうIFをトラウマの無い柔軟な盟主王はやってのけると脳内補完できます。
っていうかまずボアズ攻略を考える前に
地上のジブラルタル攻略とカーペンタリア攻略作戦が控えてますよ、と
そういう事ですな
ボアズの事は、それらに勝ってる間に用意すれば良い、と
つまり
アウトレンジから陽電子砲発射もしくはその他のナイスなアイディア>>>至近までメビウスでカミカゼアタックで接近して核爆弾投下
どっちが人死に多いかを考えると、つまり「トラウマの無い盟主王GJ!!」と
そういう事ですよGJ!!
どーせもうこねーよ。投稿は中止するって言ったんだし。
最近はちっと指摘されただけでこれだからな、打たれ弱いというか
別にここで書いていいと思うけどなあ
まあ、どーしても他で書きたいなら仕方ないけど
“どーせ”とか言う奴は敗北主義者だ
どうしても使いたいなら“だから変わりに俺がネタ投下するぜ!!”くらいの事は言い切って見せなさい
男でしょう情けない
>>219 悟っているのかアレ?
感情的なのか計算高いのかイマイチよく分からん盟主になっちまっているぞ。
ただでさえ少ない職人追い出してどうすんだか……
なんだよ、もう職人挫折かよ。
打たれ弱い野郎だな。
覗いてみればなんだかすごいことに、追い出されたわけでもないのですがw
いやはや説明不足申し訳ない。実は手違いで
>>243の前身たる文章が一度消えてしまったのです。それで時間が無く
>>243は前身の一部分を省略した形となりました
今のままのじぶんではこれ以上の存続は無理です。とにかく今は余り知らないアストレイの話を調べて、設定等を練り直し、矛盾やおかしな部分が残らないようにするまでここへの投稿は一旦中止にしたいと思います。
あやふやですがもとはこんな感じの文章でした。
要約すると勉強してから投稿を再開する。って感じです。
手違いで消えてしまい時間が無かったので省略しましたが混乱を招いてしまうとは、すいませんでしたm(_ _)m
なお、期間につきましては短くて二週間長くて一ヶ月程度を考えております
この職人……ガッツがあるッ!
盟主王にあり本編キラになかった何かを見せてくれそうな気がするぜ……
おk、期待して待ってるぞ!
今、盟主様のことをいろいろと調べていたんだが、
誰かソキウスの作成年代とか分からんか?
ソキウスの研究がいつ頃実用化したのかっていう詳しい時間を知りたいんだが、
CE年表にはどうにも載ってないみたいなんだ。
アストレイ小説版によると
ジョージ・グレンの告白に軍が注目、戦闘力を特化した兵士の研究開始。
↓
数十年かけて研究、コーディネイターブーム到来により遺伝子操作技術飛躍的に進歩
それに伴い研究も加速
↓
成長したコーディネイターに対し、心理コントロールが聞かないという問題が発覚、
以降の研究はコーディネイターに対する心理コントロールに重点が置かれる
↓
人類がもともと持っている服従遺伝子に注目、新たにソキウス計画と名づけられ開発続行
↓
莫大な予算と長い年月をかけつつ徐々に成果を上げるも、連合とコーディネイターの戦争勃発
心理コントロールが完全でなく裏切りの可能性がある(とされた)ため研究の中止が決定されるが、
ブルコス系企業がMS開発に利用するため計画を引き継ぐ
↓
ナチュラル用のOS・生体CPUの完成により廃棄処分
こんな流れだから開戦前にはほぼ実用レベルに達していたんじゃないかと思われ。
なるほど、参考になった。
戦争勃発によってブルコス系企業が引き継ぐ流れなわけだな。
ということはオーブ侵攻の前後にソキウスの廃棄処分が絡むわけだ。
小説でのその辺の流れは、
三馬鹿らしき生体CPUとの戦闘形式でのソキウス処分中に
(ソキウスはナチュラルである生体CPUに反撃できない)、三馬鹿薬切れ。
↓
こんな不完全なモノよりソキウスのほうが役に立つことを示さなければ!
ってことで、イレブン・セブン二人のソキウスが脱走。
↓
最強のコーディネイターである劾倒せばいいんじゃね?
で、劾を倒して青枠の首を手土産に連合基地に帰還。
↓
先の脱走がソキウスの裏切りと判断され、残ったソキウスは薬物で精神を完全に破壊されていたが、
二人の帰還によりソキウス計画で培った心理コントロールの有効性が確認される。
帰還した二人はアズラエルらしき人物によりジブラルタル基地に特攻させられる。
↓
ジブラルタル基地襲撃の情報を入手した劾が、オーブで改修された青枠で二人を撃破、
戦う意志を見せ付けられた二人は連合を離反、冷凍保存されていた他のソキウスの
胎児やら何やらと一緒に、真にナチュラルのために働く方法を探しに出る。
完全廃棄(薬物で処理)されたのはオーブ侵攻前だね。
ソキウスの心理コントロール技術はステラみたいな次世代の生体CPUに使われたっぽい。
おお、度々すまないな。なるほど、そういう経緯だったわけか。
どうもアストレイは詳しくなくてなぁ……。
ソキウス→ブーステッドマン→エクステンデットという技術的な流れなんだな。
さすが盟主スレ、詳しい話をありがとう。
いや、エクステンデットに使われてる技術とソキウスの服従遺伝子は別物だと思う
エクステンデットのゆりかごはコーディネイターからナチュラルまでありとあらゆる種をゆりかごにのせたら
自由自在に頭の中を操れるという画期的で全く未知のアプローチからのもの
正直、陽電子砲・ミラージュコロイド・量子ウィルス・ヴォワチュール&アルミューレ系のリュミエールと並ぶ
稀代の種系厨技術の一角を間違いなく担うよエクステンデットのゆりかごは。
ふむふむ……そこまで画期的なアプローチだったのか。そりゃマティスも大喜びだね。
いずれにせよ、CE71〜72を舞台にする限りはゆりかごの技術はさほど気にすることもないか?
どうにも長編は苦手で短編を構想中なんだが、時系列は押さえておきたくてな。
プロット作りと並行して盟主が戦中に何やったかを年表に書き加えてたんだが、
ロンド姉弟との絡みあたりからあやふやになってしまったというわけなんだ。
というわけで、個人的な感想で構わんから聞かせて欲しいんだが、
盟主は飛び級しているだろうか? やはり二十歳の頃にはもうビジネス界に入っているんだろうか?
劇中(CE71)ではもう30だか31歳なので飛び級とか無しで普通にカレッジを出ていても問題は無い気もするんだが……。
ソキウス
と
ブーステッドマン
は
開発というか育成の世代・時代的に、
並列して開発育成されていたと思われます
正確には、連合軍でソキウス計画を継続している、まさに真っ最中に
ブルーコスモスの方ではブーステッドマンやエクステンデット
そしてそれらの素体となるスヴェンたち先発組みの教育と開発をやってたのさ
前者の作成には百パーセント軍としての兵士育成を追及したものだが
後者の育成にはコーディを否定するブルコスの多分に思想的な側面が絡む
奇しくも、前者が性能・安全性的に有能性を発揮したのに対し
後者が世情的に有用と判断され、二度の大戦において積極的に投入されたのは
実に皮肉な事だと言えるかもしれない。
あ、ちなみに劾達はソキウス以前の戦闘用コーディネイターだから
肉体・精神的に強い戦闘用に特化調整したコーディの作成は比較的容易だったらしい。
問題は奴等は戦士として強化されてるから洗脳教育も効き難いと言う本末転倒さ。
そして劾達の脱走が成功し、連合の戦闘用コーディ作成は
ソキウス作成へとシフトしてくわけですな。
サハクかぁ
サハク周りははっきり言ってオーブの内部(アスハとか)と連合との思惑とザフトの干渉があって
スッゲー複雑になってるからなァ、種の第一話段階で。
盟主王は飛び級してても良いと思うよ
確かに持ってる会社が兵器会社だとは言え、初見でNJCを看過したり軍艦に乗って的確に判断したり
何よりバレルロールで時系列を超越してビームすらかわすノイマンの操るAAに、なんと直撃コースでローエングリンぶち込んだりと、
あの人はあの人で種世界的に超人的なところがあるからなぁ
なるほどw 言われてみれば盟主様って意外とスペック高いよなぁ(苦笑
スペックの高さを鑑みるとやはり二十歳の頃にはもうビジネス界で凌ぎを削っている方が自然か……。
で、そこから十年かけてロゴスやらブルコスやらのトップに登り詰めるわけか。
このあたりは設定する上で半分は好みだな。トラウマの払拭の仕方も問題だし……。
しかし、ノイマンってそう考えると凄いやつだなw (盟主も充分凄いが
種の前段階で、盟主王は
1.GAT計画をハルバートンのスポンサーになって頑張って進めてた
2.そこにモルゲンレーテ経由でサハクが擦り寄ってきてストライカーパックのコンペで勝ち上がる
3.さらにヘリオポリスの施設使用まで、ここでアラスカ主体の量産計画とヘリオポリスの高スペック機開発が並列で進められる
4.ヘリオポリス崩壊の三日前、アスハはザフトがヘリオポリスに攻め込む情報を掴むが、握りつぶして劾にプロトアストレイ消去を以来
5.ヘリオポリス崩壊、その頃盟主王、ギガフロートやらダガー系の多種多様な計画やら地上性GATシリーズやらブーステッドマンやらで
何気にとても忙しい期間
6.アークエンジェルのオーブ寄航⇔オーブ出向までの間に少なくとも盟主王主体で開発されてたロングダガーと後期GATシリーズは完成していた模様
これは、劾のオーブ寄航中にソキウスによる挑戦と劾のリターンマッチが行われている所からの逆算である(小説版と無印漫画からの推察)
ちなみにこの時点でロウもオーブにいる(無印漫画2巻)、そしてロウがオーブに来る直前にはAAが入港している筈である(既にドレス着せられたカガリがいる)
この時点ではナチュラル用OSは作成されて無い模様
7.ギガフロート完成する、しかしジャンク屋に乗っ取られていずこかへ消え去る(予断だが、もしここで連合にコレが渡っていたらオーブは攻められなかったかもしれない)。
8.スピットブレイクによるJOSH-A放棄。ここは特に語る事も無い。
9.パナマ防衛戦、この時点で始めてストライクダガー(ナチュラルOS)が実戦で使える形で完成した模様。盟主王の努力が実を結んだと言える
9.そして、盟主王のオーブ攻略、この時に前後してサハクはビクトリア攻略に参加している。
10.サハクに色々と機体やパイロットを渡す盟主王
11.戦場はビクトリア奪還を切っ掛けにザフトの負け戦に、ジブラルタルを攻め落とし戦場は宇宙まで推移。
12.メンデル付近でザフトと三隻同盟と戦い、NJC設計図手に入れた盟主王
13.カーペンタリア攻略作戦「八八作戦」CE71年8月8日に開始。なおこの頃には秘密裏にボアズ攻略の為の戦力が宇宙へと集められていってる。
14.ボアズ攻略戦、この時には月面にて作成されたNJCは(カナードが一度奪い取って施設を破壊したとはいえ) 一定量が確保できているようだ。
あー、大体こんな所かな?
おおう、何気にものすごい参考になるものを……これは助かる♪
5とか13とか結構盲点だなぁ……。
ギガフロートか……確かにこれはある意味で大きく左右する問題だよな。
まあ、オーブ侵攻というイベントはやはり捨て難いしな。マルキオの顔を立てるさ。
おかげで時系列はほぼ押さえられたと思う。木曜か金曜あたりに投下しにくるぜ!
盟主王バケモノすぐるスペックで吹いたwww
ぶっちゃけ合気と柔術でも習得させれば肉体的に優れてるだけのコーディになら勝てるよ
合気道の開祖の強さといったら人間じゃねぇよ・・・
グラップラー刃牙レベルだぜ、リアルで
安心しなさい
CEの極めたナチュラルもいろんな意味でガンダムファイターレベルだから
MSに乗らない生身でMSを撃墜して
MSに乗ったらビームを切り裂き核機をPS装甲ごと掌底の一撃でオーバーヒートさせてぶっ壊す
それプラス
地上であるにも拘らず、生身でコックピットから跳躍してMSの頭をとび蹴りで破壊し
その勢いでフツーに地上十数メートルから生身で飛び降りて平気で、さらにその直後MSからの対物砲撃の連射の直撃食らって素でかすり傷
武術を極めたら君もすぐにそんなバケモノクラスへの仲間入りだぞっ☆
僕達はこの果てしない人間坂を登り始めたばかりなんだねっ☆
人間の積み重ねてきた努力と研鑽の技術を、舐めるなコーディネイターッ!!!
高々数十年程度の優越、何を誇るコーディネイター
人間はその数百倍、生き抜く事を研鑽してきたのだぞ!!
>僕達はこの果てしない人間坂を登り始めたばかりなんだねっ☆
なんだ、その見上げた時点で回れ右したくなるような坂はw
人間坂を登りきると龍玉のクリリンやGガンの東方先生やドモンクラスになるのか・・・
盟主王が生身でコーディネーターを打倒するスレになったなw
×:君もすぐに
○:血反吐を吐きつつ基本を何とか身に着けて毎日毎日反復練習と鍛錬を欠かさなかったら君もすぐに
み、微塵も“すぐ”じゃねェーーーッ!!!
>>278 考えうる最悪の事態が天国に思えるような地獄の特訓ですか?
原点回帰
盟主王が勇者王ばりにサイボーグになれば良いんだよ。
人類総サイボーグ化計画。
生身のお肉だけでは生きていけない銃夢世界へ突入です♪
クリリンよりセルや18号の方が早いでしょ?
ガンダムの場合
“デビルよりドモンのが強い”とも言えるわけで
自爆野郎のヒイロ・ユイ
ナチュラルも捨てたもんじゃないお。
木曜か金曜と言っておきながら第一話が書きあがったので投稿することにします。
3〜4レス予定ですが、最初の1レスは全体の冒頭なんであんまり関係ないかも(苦笑
尚、基本は短編連作で行こうと構想しているので、あしからず。
トラウマ関係でオリキャラ登場します。全体的にコメディ風味?
アズIf冒頭部分
C.E.71 9月27日――
「メネラオスより入電! 本隊は20:00より要塞への攻撃を再開せり。
旗艦は第4分艦隊の旗艦となり敵新兵器を強襲しこれを破壊せよ、以上です」
通信士の声がブリッジへと響く。
この艦の艦長、バジルール少佐がそれを受ける。
「こちらに回ってくる分艦隊の陣容はどうなっている?」
彼女はまだ若いが優秀な人材だ。戦闘は素人の自分でも分かる。
この艦に来てからの短期間でそれを充分に目の当たりにして来ている。
が、今回ばかりは分が悪い。
「ネルソン級が2隻、イワノフとK.ジョージ。
その艦載機とこちらへの補充分を合わせてストライクダガーが計20、メビウスBが10です」
少ない。これから一番守りの厚いところを抜こうというのに、これでは少な過ぎる。
いや、状況を考えればどうにか掻き集めたのには違いないのだろう。
なけなしの核ミサイルを10発にほぼ無傷の戦艦を3隻。
先ほどの戦闘で損傷をしていない艦の方が珍しい。その上、敵の新兵器で第一艦隊は壊滅、
月からの援軍にプトレマイオス基地までもがやられている。それを思えば文句は言えない。
ハルバートンにしても下手な部隊を付けても足手まといだと分かっているのだろう。
数頼みの部隊は囮として正面に投入するつもりなのだ。
「こちらのMS隊を足しても40にも満たないか……」
艦を預かる艦長としては作戦の無謀さに、まさに苦渋の決断というやつなのだろう。
「あー、艦長さん?」
「理事……なんですか?」
急に話しかけたものだからえらく怪訝な顔で返されてしまった。
まあ仕方がないと言えば仕方がないんですけど。
「この期に及んで悩んでる暇はないでしょう? あんなものをここに残しておくわけにはいきません。
地球を撃たせるわけにはいかないんですからね。一応、軍艦に乗った段階で多少は覚悟してましたから、
僕のことは無視してやっちゃってくれて結構ですから」
自分でも似合わないことをしていると思う。ビジネスと家庭以外で他人を激励するなんていつ以来だろうか。
それでも、この作戦は失敗させるわけにはいかない。そのためなら何だってする。
艦長さんの空気が変わった。腹を括ったというやつだろう。
「補給を急がせろ。本隊の作戦開始に合わせてこちらも発進する。
メビウスは6機を緒戦で投入し、進行方向の血路を開く。残りは敵大型兵器の破壊に回す。
一番足の速い本艦に残りを搭載するよう伝達しろ」
しっかし、オブザーバーになんてなるもんじゃありませんね。
前線の視察どころか地球の命運を賭けた一戦に立ち会うことになろうとは。
僕、どこで選択間違えましたかねぇ……?
C.E.70 7月13日――
「一月粘って、結局L4からも撤退ですか……」
昨日の『新星』放棄に至るL4宙域での攻防戦の報告書を見ながら一人愚痴る。
グリマルディの戦訓が全く生かされてない。だからあれだけメビウスだけじゃ戦力不足だと言ったのに。
「明日の会議までの例のレポート間に合いそうですか?」
傍らに控える自慢の秘書に予定を聞く。開戦からこっち、ろくに休みも取れないような忙しい日々が続いている。
それもこれも、MA至上主義というか大艦巨砲主義というか、とにかく考え方の古い保守派の連中と
よりにもよってブルーコスモスの強硬派の連中が癒着してしまっているからだ。
口を開けばやれ殲滅しろだの物量で押し切れだの、それが出来てればとっくに戦争は終わっているというのに、
はっきり言って呆れるしかない。その皺寄せでうちの会社が儲かっているのはいいけれど、おかげで睡眠時間も最近じゃ怪しいほどだ。
僕が倒れずに仕事をこなせているのは、ひとえにこの優秀な秘書さんがいればこそだ。
時々彼女が居れば僕が居なくても一日くらいどうにかなるんじゃないかとすら思う。
「その件については、提督から直にお話をということで7時にアポを」
打てば響くとはこのことだ。
「連絡を下さった時には、理事のおかげで目処が立ちそうですと仰られてましたから、
きっと良い報せだと思いますよ? まあついでにいろいろとお願いもされるおつもりなんでしょうけど」
ただ、優秀すぎるのも困りものというか今日も定時に上がれないんですね……はぁ。
「あのですね、エレノアさん。僕そろそろ20日間連続でお仕事なんですよね」
「奇遇ですね。私も20日間連続勤務ですわ」
僕付きの秘書さんなんだから当然っちゃ当然ですけどね……ってこのままやり込められたら30日間連続が決定しちゃいます。どうにか粘らないと!
「そうでしょうそうでしょう、そろそろ疲れもたまってますよねぇ? ここいらでゆっくりと羽を休めたいなぁ、なんて……」
「メビウスのキルレシオ、未だに1:5から大して改善が無いそうです。
これをどうにかしないとG計画どころではなくなるかもしれませんね」
ああ、そんな華麗にスルーしなくても……。分かりましたよ、お仕事しますってば。
「そうは言いますけどね、メビウスの完成度はあれで相当高いんですよ。
下手にいじると余計に悪くする可能性もあります。今は我慢の時ですよ」
あ、不服そうです。ご機嫌を損ねた感じがします。これで次の休暇が遠い未来になったことだけは確実ですね。
エレノアさんも昔はもっとほややんとしてたのに。あの頃の天然癒し系にはもう戻らないんでしょうか……。
おや? まだ何か言いたそうですね。単に不機嫌というわけじゃなさそうです。聞くだけ聞いておきましょうか。
「それじゃ、君にはいいアイデアでもあるんですか?」
「そう言われると困ります。けど、アタッチメントだけでもどうにかならないんですか?」
「アタッチメント?」
「ええ。今のメビウスの主装備、対艦装備じゃないですか」
一瞬、何を言っているのか理解が追いつかなかった。メビウスが対艦装備?
そもそもメビウスはザフトのジンに対抗するために急造したのであって、あれは対MSを想定しているはずであって……。
「だって、リニアガンって厚い装甲でもダメージを与えられるようにっていう対艦用の武器でしょう?
ジンみたいにマシンガンとかそれに類する武器のが良いと思うんですけど」
……言葉が続かない。というかそんなことにも気づかなかった自分や軍は一体。
「あの、社長?」
呆然自失の僕を心配そうに、というかキョトンと見つめている彼女。
天然さんってのは今でも変わってませんでしたか。いやそんなことはどうでもいいんですよ。
「あ、はは、はははは……」
いきなり笑い出した僕を今度は本気で心配そうに彼女が見つめている。そりゃそうだ。僕だって傍からこの光景を見たら絶対に引く。今この部屋に他に誰も居なくて良かった。
「すぐにデトロイトの開発部につないで下さい。社長命令だって言って最優先で呼び出して」
急がば回れはビジネス界では死後です。時は金なり、善は急げ。失敗を取り返すのも早いにこしたことはありませんからね。
急にいつもの調子に戻っても彼女の方は普段通りに内線をつないでくれるのだから、嬉しいやら物悲しいやら。
持つべきものは良き理解者です、いやほんと。でも、理解されすぎってのもなぁ……。
「ああ、主任。急に呼び出してすみませんね」
五大湖周辺にはうちの系列会社が多く立地している。下請けから生産調整まで、コングロマリットグループと言えばこの地域で知らぬものはない。
「設計案、見させてもらいましたよ。ただ……あれで本当にいけるんですか?」
社長室での目から鱗のやり取りからわずかに一日。デトロイトの開発部からは早くもアタッチメントの設計案が届いていた。
そう、いくらなんでも早過ぎる。不審に思ってプランに目を通してみればこれまた驚きだ。
「どう見ても零式のガンバレルを抱えてるようにしか見えないのですが?」
現行のリニアガンよりも威力が低下しても構わないから連射性、命中性に優れた対MS戦用のアタッチメント。
この要求に対してデトロイトの開発部は既存のパーツをリサイクルすることと解釈したらしい。
「大丈夫です、社長。シュミレーションでは現行機よりもはるかに高い数字を出しています」
設計主任の言い分はこうだ。
1つ、ガンバレルを固定兵装として利用するのでワイヤーなどの余計な装備をオミットした分、
弾数が増えているので要求どおり弾をばら撒く戦い方が出来る。
1つ、ガンバレルのスラスターをそのまま利用しているので、機動性の向上に繋がる。
よって、リニアガン装備よりもはるかにジンに対して有効である。……とまあこういうことらしいです。
まあ、分からなくもないんですけどね。
それにしたって一日で出来上がったものを信用しろと言う方が無理ってもんです。
そんな僕の不信が顔に出ていたんでしょう。またしてもうちの秘書さんに窘められました。
「せっかくですし、実際に試してみるというのはどうですか?」
「はぁ? エレノアさん、本気で言ってます?」
「もちろんですとも」
ああ、昔から言い出したら聞かないんですよね、この人。
まあ失敗しても余ってたガンバレルのパーツが壊れるだけですから別にいいっちゃいいんですけど。
「流石は奥様! お目が高い! この新型なら必ずやご期待に添えるとお約束いたします!」
……回線をつなぎっぱなしにするんじゃありませんでした。
自分の案に味方してくれると分かった途端にこのよいしょっぷり。
この男、設計局よりも案外営業とかに向いてるんじゃないでしょうか。
「分かりました。テストの段取りはこちらで手配しましょう。試作機が出来たらまた連絡して下さい」
この場であれこれとごねるのも面倒なので、用件を伝えてさっさと通信を切ることにします。
しかし、ほんとに大丈夫なんでしょうかね?
僕の心配を他所に、「結果が楽しみですね」なんて、横では呟いてるし。
結果から言いましょう。
設計から一週間で完成した試作機はその後一週間で宇宙での実戦テストを終え、翌週には正式採用が決定しました。
アタッチメントが増えたので、今までのリニアガン装備をAttackerのA型、大型ミサイル装備をBonmberのB型、
今回の新装備をFighterのF型と呼称することまで決まりました。
何が驚きかって、あっさりとキルレシオを1:3にまで改善するほどの大成功らしいです。
ハルバートン曰く、3人ないし4人で零式を再現するような運用が見事にツボにはまったということらしいです。
「流石は奥様ですな。これでGが完成するまで戦線を支えられます」
とうとうハルバートンまでこんなことを言い出す始末です。
本気で僕がいなくてもどうにかなるんじゃないでしょうかね。
まあ、ますます自慢の有能な秘書さんこと、うちのカミさんに頭が上がらなくなったことだけは確実です……。
はい、というわけで第1話、「奥様はお目が高い」をお送りしました。
改行規制に引っかかってちょっと手間取りました。次回以降の参考にしたいと思います。
ちなみに、このF型を大量に配備した第8艦隊はクルーゼ隊に対して善戦。
ハルバートン以下第8艦隊の主要な将兵はこのF型によって命を救われることとなるのですが、それはまた別のお話。
こんな感じで別のお話をつなげていくつもりですのでそのうち第2話をお届けする予定です。
とりあえず、盟主様のトラウマ払拭話までは書きたいなぁ。
新しい作者さん、乙です。
ガンバレル、もとい頑張れ〜
有線式の推進器ついたガンポットを本体と同時に操作するのが難しいんであって
機体にくっついたままなら何の問題もないよな
流石は奥様! お目が高い!
某スレじゃメビウスゼロのガンポットを機体のエンジンの一つとして扱って鬼機動する奴も居たな・・・
どこぞのオクレ兄さんなんかガンポットの高推力化でバケモノ機動してたなぁ
まさか鬼機動であのまま勝つとは思わなかったなぁ。更新止まっちゃってるけど
ガンバレルで高機動ってどこの話ですか?
メビウスだったら確かアムロスレ、オクレ兄さんはX運命だったっけ?
ありゃ、両方とも全然違ったかも。
オクレ兄さんが高機動50円に乗るのはW-DESTINYでなかったかな?
どこかの模型誌でメビウスの方がゼロより機動性は上とありましたが、ガンバレルを機体のエンジンとして使うなら、
それは凄いでしょう。メビウス+ガンバレル−分離遠隔操作機能、後はビームライフルでも付ければ、ゲイツまでは対抗できそうですね。
>>299 ジンを参考に、フレキシブルスラスターを採用って設定のはず。
だから機動性ではなく運動性がゼロより上が正解だと思う。
ゼロはガンバレルの分も加速に使えばかなりの速度が出せるはずだから、機動力はかなり高いはず。
ガンバレルをエンジンとして使うよりもそのスペースにエンジンを追加した方が良いような気が……
そしてフレスベルグビーム砲でも付ければ敵なしじゃね?
週末なんで時間があるのを利用して第二話が書けてしまいました。
3レス予定。前回と作風が違うのは気になさらず。
まだまだ試行錯誤中です。
C.E.69――
その日、大西洋連邦の軍関係者が集まる中で声高に自身の主張をするものが1人。
「自治権の完全要求、貿易の対等化! これはもはや独立要求以外の何物でもありますまい!」
その男――軍事関連産業の大物の1人にして、ブルーコスモスの超タカ派として知られる彼――
は居並ぶ大西洋連邦の軍人達を前に堂々の演説を続けていた。
曰く、コーディネイターの巣窟であるプラントが独立を要求するなど論外である。
曰く、不浄なる存在であるコーディネイターが我々ナチュラルと対等な立場を求めるなどあってはならない。
云々……と流石は反コーディネイターの急先鋒なだけのことはある。
(アジ演説の才能だけは大した物だと認めてやってもいいかもしれませんね)
内心で毒吐きながら、手元の資料に目を落とす。プラントに駐留していた連邦軍の完全撤退。
ZAFTを名乗る「プラントの軍事組織」によって撤退に追い込まれたのだ。MSなる新兵器によって。
今後の対策を練り、動向を見極めるための会議はもはや反コーディネイターを謳うだけの無益な集まりになってしまった。
同規模ならまだしも、圧倒的少数のはずのZAFTに追いやられたというのは大問題だ。
敵――開戦したわけではないから、この呼び方は気が早いかもしれない――の新兵器は無視できない性能を持っていることの証左に他ならない。
にもかかわらず、卑劣な奇襲攻撃のせいだの、駐留部隊が腑抜けていただの、自分たちの敗けを認めようともしない連中ばかりだ。
(今度の盟主選、辞退して正解でしたかね?)
いまや連邦軍の上層部はブルーコスモスの傀儡と言ってもいい状態だ。
しかし、それが頭の固い保守派や反コーディネイターのタカ派だらけでは、
とてもではないがビジネスパートナーとして選べたものではない。
(先を読めない人達がどうなろうと知ったこっちゃないですけどね)
とはいえ、こちらの事情を考えるとこのまま手をこまねいているわけにもいかない。
(これ以上、強硬派の連中をつけ上がらせても百害あって一利なしですか……)
「――プラントなぞ所詮我々と比べれば小規模な集まりに過ぎないのです! 何を恐れることがあるというのですか!」
まだ続いている男の演説にも見切りをつけ割って入る。
「あー、そろそろ今日はお開きにしませんか。 話し合うことはもう残ってないでしょう?」
突然に演説を遮られた男のあからさまに不機嫌な様子は無視する。向こうからの反論が来る前に畳み掛ける。
「時間もおしてますしここは1つスポンサーの顔を立ててはくれませんかね?」
言外にお前と違って暇じゃないんだと含ませて。
会議が終わり、モニターも切れ、直にその場に居たもの達は1人また1人と会議場を後にする。
その中の1人に目当ての人物が居た。適度に人通りの少ない通路まで来るのを見計らって声を掛ける。
「大佐」
「アズラエル理事、どうかなさいましたかな」
目当ての人物――デュエイン・ハルバートンはやや意気消沈した様子だ。まあ無理はない。
彼の提出したレポートはこっぴどく扱き下ろされた上に却下だったのだから。
「サザーランド中佐に手酷くやられたようですね」
「全く、面目ありませんな……」
ブルーコスモスのシンパが多数を占める今の上層部ではハルバートンは派閥のはみ出し者となっているのだ。
現実主義故に反コーディネイターという流れに安易に乗らなかったことが結果的に彼を少数派へと貶めてしまった。
「G計画でしたか……あなたの提案したプランに興味がありましてね」
目的はこれだ。自分と同じようにプラントの新兵器に脅威を感じている人物。
彼が提唱したMS研究のプランはそれを如実に示していた。
「……どういうことですかな?」
喰いついた。内心ほくそ笑みながら言葉を続ける。
「ジンでしたっけ? 例のMSとかいう新兵器。どうにかして手に入りませんかね。
内通者からの設計図でもなんでもいいんです。この際贅沢は言いません」
ハルバートンの顔から先ほどまでの消沈した雰囲気が消えた。
と同時に不信と期待の入り混じった複雑な顔色が伺える。
「コングロマリットグループでG計画を受け持たせて欲しいと言ってるんですよ」
「理事は何がお望みですかな?」
向こうも切れ者と有名な軍人だけのことはある。こちらの意図に気づいたようだ。
「話が早くて助かりますよ提督。立ち話も何ですし場所を変えましょうか。さっきから恐い人が睨んでますしね」
そこで初めてハルバートンの方も背後の視線に気づいたらしい。ちらと視線を動かし相手を確認する。
「ジブリール殿ですか」
距離はあるから話の内容までは聞こえていないだろうが、わざわざ情報をくれてやることもない。
「全く、彼にも困ったものです」
「サザーランドも彼に付いたようですな。次の盟主選で選出確実という話ですが、理事はそれでよろしいのですかな」
「なかなかどうして、提督の情報網もあなどれませんね」
「肩身が狭いものでして」
「それで、協力の見返りとして、理事は何をお望みなのですかな」
あの後、場所を移し――と言っても基地内の彼の士官室に入っただけだが――その第一声がこれだ。
話が早いのはいいが、世間話の一つも出来ないのでは少々不安になる。
だが、裏を返せば腹芸が出来ないということでもあるだろう。
その意味では彼は自分にとって絶好のビジネスパートナーと言えた。
「強硬派の連中がこれ以上増長するのは僕としても好ましくありませんからね。
計画が無事推移した暁にはうちの財閥系の企業に優先して仕事を回すことが一つ。
それと、ジブリールの側についた人間がどれだけいるのかという情報の提供が二つ目。
後は……まあとりあえずそんなもんですかね」
ハルバートンの双眸が一瞬釣り上がる。
「解せませんな」
「何がです?」
「アズラエル財閥はブルーコスモスへの最大の出資者でしたな。
そのあなたが何故ブルーコスモスと敵対するような位置に居るのですかな?
その上、ジブリール殿が盟主になっても一向に構わないという風だ」
「出資してたのは先代の話です。
それに、僕がどうにかしたいのは反コーディネイターを声高に叫ぶ過激派の連中ですよ。
それに正直今のブルーコスモスは僕の手には余ります。今しばらくはジブリールの好きにさせますよ」
予想通りと言えば予想通りの反応。表向きには僕はブルーコスモスの穏健派の筆頭ということになっている。
実際、財閥がこれまでに相当な額を出資しているの事実だし、その基盤を父から受け継いだのだから、
ブルーコスモス内部でも未だにそれなりの発言力があるのは確かだ。だが……
「僕自身はブルーコスモスなんてどうでもいいんですよ。
ビジネスの上で切り捨てることが出来ないだけなんですからね。
大体、うちのグループには地球出身のコーディネイターもそこそこ就労してますからね。
過激派の連中は目の上のコブ以外なんでもないですよ」
「それではまるで、出来るなら縁を切りたいというように聞こえますな」
腹芸は出来なくても洞察力は確かなようだ。今の自分の立場と情勢ではとてもではないが表沙汰に出来ない事情。
厄介ごとの種を増やしてしまったかもしれない。
「別に、他意はありませんよ」
「それはやはり、奥様のことですかな?」
なかなかどうして、派閥から漏れてもここまで出世してきただけのことはあるらしい。
想定していた以上の曲者ぶりには正直舌を巻く。先ほど褒めた情報網とやらは相当に優秀らしい。
「僕は口の軽い人は好きじゃありませんよ?」
内心の動揺を隠して努めて冷静に返すと、ハルバートンの双眸が崩れた。
「ははは、これは失礼。ですが、これでお互いに組まざるを得なくなったわけですな」
「ビジネスはギブ&テイクが基本なんですがね……。弱みを握り合うというのは提督に一本取られましたかね?」
ハルバートンが手を差し出してくる。
「では、同盟成立と思って宜しいですかな?」
握手を交わしながら予想以上に実力者であると、この提督への評価を上方修正する。
ふと思いついて、やられっぱなしというのも癪なので、去り際に付け加えることにする。
「僕は商人ですよ? 商談成立と言って下さい」
……はい、というわけでアズIf第2話「盟主じゃない」をお送りしました。
最後の台詞が書きたいがために話を捻り出した気がします。
そう、このお話の設定ではこの時点では盟主様は盟主にならないというミラクルっぷり。
サザーランドをジブ派に設定した都合でハルバートンをアズ派としてみました。
時系列的には第一話よりも前のお話になります。
コメディ路線の第一話とは意識的に雰囲気を変えてみましたが、どうでしょうか?
GJ!
ラストの台詞、ああいう洒落というか茶目っ気のある言葉は大好きだw
乙でした。
エリノアの容姿は、格闘メイドさんな認識でOKですか?
おう、痛いところをつっこまれてしまいましたね……
第一話にて登場させたトラウマ関連のオリキャラ、エレノアについてなのですが、
大まかなイメージしか自身の脳内にはありません。
性格とか素性の設定のようなものはある程度構想してあるのですが、
容姿に関しては正直読む人のお好みでという感じでしょうか。
現在までのプロットにある限りだと、容姿についての設定は、
カレッジまでは長い髪だったのが卒業後にショートにという設定があるくらいでしょうか。
あ、髪は赤系統とかって隅にメモってありますねぇ……。
>「僕は商人ですよ? 商談成立と言って下さい」
商人なら交渉成立だといいますがこの場合。
商談とは物の売買が前提。
商人っぽさを出したかったので、分かりやすさ優先であえて商談という表現にしてます。
まあ、サービスも商品ですから、「情報提供」と「計画の援助」がこの場合の物の売買だと思って頂ければw
交渉成立だと商人っぽさよりネゴシエーターな感じがするんで商談成立でいいじゃまいか?
313 :
308:2007/06/03(日) 03:03:15 ID:???
今更何言ってんだ。
もしアズさんは実生活でなにかあったのだろうか
1.飽きた
2.構想が浮かばず四苦八苦している
3.SSの神が降臨、完結編まで怒涛の勢いで執筆中
……3番でお願いしていいですか?
駄目じゃ
じゃ1番で。
またしても週末が近づいて投稿にやって参りました。
今回は短めで2レス予定。反省はいつも通り後で。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
C.E.70 10月――
戦線が膠着状態に陥って早3ヶ月。
両陣営とも小競り合いは起きているが、お互いに消耗した戦力を補填しようと必死だ。
「まあ、おかげで最近は睡眠時間くらいは確保出来てますけどねぇ」
社長室にて本日分のサイン待ちの書類を片づけながらぼやく。
開戦以来、不眠不休と言っていい忙しさだったのだが、新星での戦線が落ち着いてからは、
ようやくエネルギーの使用制限のかかる時間帯くらいは休息に充てられるようになってきている。
「ぼやく余裕がお有りなのでしたら、テキパキと片付けてもらいたいのですけど?」
横から手厳しいつっこみを入れてくるのは僕の自慢の秘書、エレノアさんです。
今日もダークグレーのスーツがばっちり決まってます。スカートの丈も目に毒じゃないラインで文句なしです。
2人だけならまだしも、他人に見せたくはありませんからね。
「社長がセクハラで訴えられるというのもなかなかに間抜けな展開ではありますわね」
「身内がセクハラしても警察も弁護士も取り合ってくれませんよ?」
あ、またしてもご機嫌を損ねた感じです。今日こそは定時で上がれると思っていたのに……。
ああもう僕の馬鹿。ついつい調子に乗っちゃうんですよねぇ。
ピピピ……。
会話の途切れた絶妙のタイミングでコール音。
社長室にダイレクトだなんて確実にお仕事が増えた感じですが、この際気にしません。
エレノアさんの不機嫌オーラを紛らわしてくれればそれでよしです。
……おや? なにやら雲行きが怪しいですね。
手元のモニターで応対しているエレノアさんの表情が一段と険しくなってるじゃないですか。
「ハルバートン提督から通信が入っているそうです。それも緊急で」
ああ……どうやら定時では上がれないようです。
「和平会談?」
ハルバートンの口から飛び出したのは予想の斜め上を行く単語でした。
「しかも交渉は決裂!?」
はー、こっちの知らない間にそんなことになっていたなんて。
傍らに控えているエレノアさんも相当驚いているみたいですしね。
「マルキオ導師の取次ぎで、オルバーニとクライン議長が極秘に会談を持ちました。
私の方でもつい先ほど入った情報でしてな。理事のお耳にも入れておこうかと」
ハルバートンのこういう機転の利くところは流石です。
決裂した以上、大したことではありませんけど、こちらの情報網に引っかからなかったのは問題がありますからね。
マルキオ導師……バックにはジャンク屋の連中が付いているとの噂ですが、どうやら本当のようですね。
軍の情報網の裏をかけるのは、現状特殊な傭兵連中とあそこだけですからね。
「分かりました。連絡をしてくれたことは感謝しておきますよ、提督」
「それで、G計画のことなのですが……」
当然そう来るわけだ。この辺り、本当にハルバートンは先見の明がある。
「ええ、僕の方でも出来るだけの手は打ちましょう。そうですねぇ……モルゲンレーテにでも頭を下げておきますよ。
開発ペースを上げて欲しいってね」
「わざわざすみませんな。よろしくお願い致しますぞ」
手元のモニターを操作して通信を終了させる。これは思ったよりも忙しくなりそうだ。
「あの……社長?」
どうしたことだろう。自慢の秘書殿にしては珍しく、話に付いていけてないという風だ。
昔の彼女を想起させるきょとんした表情が、妙に癒し効果を発揮してくれる。
「極秘に行われた和平会談が決裂したというのは分かるんですが、それがどうしてG計画の方に繋がるんでしょう?」
仮にも僕の留守を預かることになるような人間がそんなんじゃ困るんですけどね。
まあそこがエレノアさんがエレノアさんたる所以なわけですが。
「和平の下交渉が決裂ってことは、戦争がまだまだ長引くってことですよ。
つまり、G計画の進展如何で戦況が大きく動く可能性があるってことです」
「ビジネスチャンスというわけですわね」
こういう飲み込みの早さは大したものだ。側に置いてみっちりと鍛えてきただけのことはある。
「それもありますけどね。Gが完成すれば、戦争の早期終結に繋がるかもしれません。
僕が言うのもアレですが、こんな戦争早く終わらせないと」
「あら、社長がそれを望まないなら誰がそれを望んでくれるんです?」
「おだてても何も出ませんよ?」
難産だったアズIf第3話、「嵐の前」をお送り致しました。
時系列的には第1話のずっと後、SEED本編の直前というところです。
本当はもう少し違うお話というか、ソキウスの絡む展開になる筈だったのですが、
書いてるうちにプロットから離れてしまい、ソキウスの部分はまた次回ということに。
ああ、トラウマの話がどんどん遠ざかっていく(苦笑
前回の投稿後の指摘を受け、少しずつエレノアの描写を入れるよう調整してます。
ご自由にと言っておいてあれですが、全く描かないのもあれなので。
グッジョ〜〜ブ。
Gロールアウトまで3ヶ月かw
GJだ!
いいね!
ムルたんてどこまで現場に関わっているんだろうなあ。
ビル・ゲイツくらいの立場だと思うんだが、親族企業だよな>アズラエル財団。
盟主王、モルゲンレーテ買収!
スティール会長の会見見てて、ふと浮かんだ。
文才ないから書けないがw
遅くなったけど、GJ
今週は少し遅れましたけど、第4話が書きあがったので投下します。
3レス予定。相変わらずコメディなんだかシリアスなんだか分からないのはご愛嬌ということで。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
C.E.70 10月下旬――
「サザーランドから打診?」
そのあまりに想定外な報告に思わず傍らの秘書に鸚鵡返しで聞き返しちゃいました。
「はい。G計画に関連して、こちらで評価試験を行って欲しいとのことです」
対するその秘書さんはと言えば、これまた冷静に返してきます。
いや、ものすごくありがたいことだとは思うんですけどね?
「ソキウス……ですか? なんでまたこんな計画がうちに回って来たんですかねぇ」
渡されたレポートを斜め読みしての率直な感想。
確かこの研究所はジブリールに付いた企業の子会社だったはずです。
だというのに、真反対の僕のところにお鉢が回ってくるとは……。
「先方の事情、予想は付きますけどあまり気分は良くないですね」
一方、この自慢の秘書さんは理由に目星が付いているようです。
その上、微妙に不機嫌なオーラが漂っていてなんとも嫌な感じです。
機嫌の悪い時、男は大抵無口になるそうです。
で、女性は逆に誰かに聞いてもらったりして話をした方がスッキリするとかしないとか。
「目を通すより聞いた方が早そうですし、説明して貰えますかエレノアさん」
というわけで、僕としては早急にご機嫌を回復したいなぁと思うわけなんですよね……。
「――つまり、傘下の企業で研究を引き継いだはいいものの、
コーディネイター嫌いの激しい仲間内では積極的に使いたがる人間がさっぱりで、
コーディネイターの扱いに関してグレーゾーンな僕のところまでお鉢が回ってくることになった……こういうことですね?」
結局20分近く、ところどころ脱線しながら続いたエレノアさんの説明というか演説を要約するとそいういうことらしいです。
“コーディネイターを服従させる研究”として軍が半ば見限ろうとしていた研究を引き継いだ挙句、
コーディネイター嫌いの強硬派の連中としては、実際に使おうとすると手に余ったというわけみたいですね。
使えるものは使うというスタンスの人間も全く居ないわけでもないでしょうに、完全に実用化出来たと証明されるまで手を出したくないみたいです。
で、「精神コントロールの実証のために実際に使ってみる」というのが僕のところまで回ってきたと……。
主義主張に凝り固まって柔軟性に欠くという、ジブリールの欠点が露骨に出てるので僕としては気分良いですけどねぇ。
散々喋って少しは気が晴れたのか、エレノアさんも少しは落ち着いた感じです。とはいえ、感情的に納得しきれてはいないようで、
「“人間”を屈服させる研究だなんて、いくら戦争だからって……」
と、このまま放っておくと演説が再開しかねない勢いです。
彼女にサボタージュされるとマジで仕事が止まりますから、適当に宥めておくことにしましょう。
「まあ、世界が綺麗事だけじゃ回らないことは分かっているでしょう?
僕も、エレノアも、この仕事をしている時点でどちらかというと悪役ですしね」
「私は割り切ってるからいいんです。必要悪です。それにあなただってそんなこと言っておいて、
私が知る限りロゴスの幹部の中じゃ一番の甘ちゃんですよ?」
あー、なんだか更に話が脱線したような気がします。まあ、割り切ってる発言も出ましたし、テキパキお仕事することにしましょうか。
「それじゃ、ソキウスの話ですけど返事をしておいて下さい」
「承諾されるんですか?」
「おや? そうして欲しいんだとばっかり思ってましたけど?」
サザーランドの打診を承諾して2日、早くも件の“ソキウス”なる人物が送られてきました。
とはいえ、扱いに困ったのは連中だけなくこちらでも同じなんですがね。
向こうから送られてきたレポートにはソキウスは戦闘用とありました。
仮にも民間企業だというのに、戦闘用のコーディネイターなんかどこで使えと?
G計画はあくまでもナチュラルでも使えるMSを開発することが目的です。よってそっち方面は却下です。
という具合にどこで受け入れるかがなかなか決まらず、エレノアさんとも相談した結果、
「というわけで、君には僕のSPでもやって貰おうと思ってます」
大企業の中で唯一武闘派な人間を必要とする部署――要するに保安課です――に落ち着いたわけです。
「了解致しました」
社長室で直に辞令を受け取ることになった目の前の少年――本当に少年としか言いようが無いのだから驚きです。
パッと見で16、7といった感じでしょうか――は抑揚の無い、淡々とした口調で了承の意を返しました。
精神を調整してあるからって、なんだか機械っぽくて味気ないですねぇ。
「一応、君の処遇は研究所からうちの会社への出向という形になってます。うちの保安課に籍を置いてもらって、
軍事面以外でのソキウスの有用性を実証するテストの一環ということで僕の警護をお願いします。
……ああそうそう、念のために言っておきますけど護衛の対象は僕だけじゃなくてこちらの秘書さんもお願いしますね」
「………………」
ところが、今度は応答がありません。2人も面倒見切れないとでも言うんでしょうか?
「どうしました? 何か不満な点が?」
少年はしばらくの間沈黙していましたが、不意に口を開きました。
「ソキウスの存在意義はナチュラルの利益を守ることです。コーディネイターの護衛は行動理念に反しています」
部屋に緊張が走るのを感じます。内心の動揺を必死に押し隠してポーカーフェイスを保ちます。
散々にらめっこを強要した幼い日の娘にこんなところで感謝するとは……。
この少年がどこまで知っているのか、確かめなければなりません。
「……どういうことです?」
「コーディネイターであるエレノア・アズラエルの護衛は承服しかねます」
どうやらこのSP、予想以上に優秀な様です。厄介なことになりました……。
……はい、というわけでアズIf第四話「優秀なSP」をお送りしました。
もともと一話分だった3話と4話を分量が増えたので分割した都合上、若干短めになってます。
さて、登場当初からバレていた気もしなくもありませんがエレノアの素性がいよいよ明らかに。
トラウマ払拭の話もようやく取り掛かる目処が……。
時系列的にはもともとセットでしたので第三話の直後、ヘリオポリス崩壊まで後3ヶ月なのは変わらずです。
ソキウスの実用段階についてはこのスレでの議論を大いに参考にしてます。
まあもともとがIfなので細かいところはどうかご勘弁を……orz
GJ!
またまた面白くなってきたなぁ。
アズラエルより察しがいいなんてエレノアさん優秀だよエレノアさん。
GJ
何となく……
ア「エレノアさんに何かあると僕の仕事が止まってしまうのですよ」
と言う光景がw
乙でした。
ん〜しかし、敵対派閥の工作員の可能性が有るソウキスに身辺警護を任せますかねぇ。
ソキウスはどんな理由であれナチュラルを直接害する行為は取れないからあまり心配ないんじゃね?
盟主王がそれを知らないとしても、そもそも精神コントロールの有効性を実証するのが目的なんだし
ちょいと信用できないくらいがちょうどいいのかも。
保守
つーかソキウスの製造販売元は盟主になる以前からのアズ氏の事業なわけだが
>>336、
>>339 誤解を招く表現を一週間も放置で済みません。
一応、今日の夜に第5話投下予定です。
その辺の理由付けも含めて第5話からソキウス編に突入しようかと。
トラウマ払拭編は10話までには書けるはず……はず……orz
だらだら仕事しながら待ってるぞ!
お、続き来るのか! 期待ageして待ってるぞ!
ってか夜っていつぐらいだw
まあ、個人的には夜=ドラマが流れる時間帯でしょうか。
……なんだか痛い発言をした気がしますけど予告通り?投下します。
今回はまた1話や2話と同じくらいのボリュームで。3レス予定。
例によって例のごとく反省とかは後で書きます。
「コーディネイターであるエレノア・アズラエルの護衛は承服しかねます」
自分の存在意義を考慮すれば当然の結論だった。
ナチュラルを守るための存在。
“コーディネイター”からナチュラルを守るために生み出された“特殊なコーディネイター”、
それが自分達ソキウスの存在意義だ。ナチュラルを守るための行動に否やはない。
だが、それがコーディネイターとなれば話は別だ。
提案を拒否されたアズラエル理事の表情は硬い。いや、冷たいという方が正しいだろうか。
先ほどとは別人のような強烈な圧力を伴って対峙してくる。
「どこでそれを?」
短い言葉に凝縮された疑問。
理事からすれば自分の妻がコーディネイターだなどと周囲に知れれば一波乱などでは済まない。
ブルーコスモス最大のスポンサーというその立場が、大きな混乱を巻き起こすに違いない。
表に出されていない筈のそれを何故自分が知っているのか。ある意味当然の疑問と言えば疑問だ。
「ジブリール……ということはないでしょう?
もし彼が知っているのだとしたら僕が今こうしていられるはずが無い。
サザーランドでも同じです。あの腰巾着がジブリールに報告しないわけが無い」
理事はそこで言葉を区切るとこちらを見据える目を細めた。あからさまな敵意。
返答次第で強硬手段も辞さないと言わんばかりの強烈なプレッシャーだ。
この若さで、それもジブリールの一派に反目する非主流派だというのに軍事産業連合の理事にまで登りつめただけのことはある。
G計画の出資も彼の一派だ。この戦争のキーパーソン。そして何より、ソキウスを売り込むのにこれ以上の人間は居ない。
「ソキウスは自我が無いわけではありません。ナチュラルのためになることであれば独自に行動することもあります」
そう、ここで結果を出さなければならない。“ソキウス”という存在自体が掛かっているからだ。
会戦後、連邦軍が連合軍へと再編される際、自分達の研究も再編の一環として半民半官の研究所に引き継がれた。
研究所の出資者は欧州系の製薬企業。もちろんそれは多分に書類上の都合というやつで、
実態はロード・ジブリールの息のかかった企業であり、平たく言えばブルーコスモスが引き継いだと言っていいだろう。
自分達の命運はそこで半分以上決まっていたとも言える。
既に服従遺伝子による心理コントロールはほぼ完成しており、引き継がれた後に行われたことは徹底したデータの採取だった。
コーディネイターがどの程度の能力を持っているのか。それに対抗するためにはどの程度の能力が必要なのか。
そのための数値を測ることに大半の時間と兄弟達が費やされた。
ジブリールの下で進められていた強化人間を生み出す研究の目標値を得るために。
ただただ、それだけのために。
その事を自分達が知ったのは、研究員達の些細な会話からだった。
「いつまでこいつらの面倒を見なきゃいけないんだか」
「まあ腐るなって。後々のためにデータは多いに超したことは無いだろ」
「それもそうか。エクステンデット、だっけか?」
「それとブーステッドな」
「こっちのデータを基にして、向こうの再調整が上手くいけばこいつらともおさらばってわけだ」
「そういうこと。今日も残業頑張りましょうってか?」
前任の研究者達ならばこんな会話を、それも研究対象である自分達が聞こえるような状況ですることはなかった。
ソキウスはナチュラルには逆らわない、逆らえない。
日々単調に繰り返されるデータの採取というルーチンワークの中で、
ソキウスが自我を持つ存在であることを忘却してしまった、正確には意識しなくなったというべきか。
とにかく、実験中の些細な会話は、指示を出すためのインカムを通じてモニタの向こう側にいる兄弟達に伝わった。
互いに意思疎通を図れる環境に居た兄弟達の間で情報はその日のうちに共有され、そして一つの結論を導き出した。
ナチュラルに自分達の存在の有用性を認めてもらわなくてはならない。
ナチュラルを守ることでしか存在できない自分達。その存在を守るためには他に出来ることは無かった。
まずは少しでも良い数値を出すことから。データの測定を長引かせると同時に自分達の有用性をアピールする。
けれど、この方法では余程劇的な数字を出さなければ上の方の意思決定に影響は出せないだろう。
ならばどうするか。
上層部の人間の中に、自分達を使おうと思ってくれる者がいればいい。
幸い、各種データの採取ために通信端末を含めた電子機器の取り扱いは機能している兄弟達のほぼ全員が出来たし、
技術習熟のための使用は許可されていたので外部の情報を秘密裏に収集することは不可能ではなかった。
誰に取り入るべきか。最終的にそこが一番の問題となった。
自分達の居る研究所が、反コーディネイターを唱える一派の下にあるのも問題だった。
評価してもらうには外部の人間でなければならない。けれどブルーコスモスや軍に一定の影響を持つ人物。
そんな矛盾した条件を満たす人物がそう簡単に見つかる筈もなく、ましてや見つかったとしてどうやって接触しようというのか。
研究所の外部で実際に運用を行い評価をしてもらうという試験が通達されたのは、まさにそんな時だった。
出向先となるコングロマリット社、その最高経営責任者たるムルタ・アズラエルが、
ブルーコスモス最大のスポンサーであるアズラエル財閥の会長であること、
そしてジブリール派と対立する穏健派の筆頭であること。つまり矛盾を解消する絶好の人物だったのは、
ソキウスの存在を掛ける最初で最後のチャンスが来たと言っても過言ではなかった。
その彼に取り入るため、研究所を離れる前に出来る限り情報を集めた。
食べ物の好みから現在の役職に至るまでの過程、幼い頃の人物関係に至るまで集めれるものは何でも集めた。
……そして、不自然な点が浮かび上がった。彼の妻、エレノア・アズラエルの情報が少なすぎることが。
彼女の旧姓を確認するだけ一苦労だった。そして決定的な情報。
デトロイト、C.E.55年当時のとある病院での学生ボランティアの名簿に彼女の名前が載っていたのだ。
だがそれは同時にエレノア・アズラエルへの対応が難しいことも示していた。
その名簿は言わば、彼女がナチュラルに味方するコーディネイターであることの証でもあったからだ。
それだけではない。
外部の情報を収集するうちに、自分を含めた一部の兄弟達の間に自分達の存在意義そのものへの問いが生まれるようになった。
自分達はナチュラルの利益を守る存在である。ならばナチュラルの利益とは何なのか?
ナチュラルに敵対するコーディネイターを排除する存在である。ならばナチュラルに与するコーディネイターはどうなのか?
そもそもナチュラル同士の対立が起こった場合にはどうするのか?
出発前にもセブンやイレブンとはこの命題について互いに話あったりもしたが結論は出なかった。
そして懸念した通り、エレノア・アズラエルへの対応で取り入るべき人物に警戒感を抱かせる――
いや、最初からある程度は警戒されていたはずではあるだろうけど――結果となってしまっている。
場を支配する沈黙。
その重い空気の中口を開いたのは、意外なことに理事ではなく問題の人物であるエレノア・アズラエルその人だった。
「あの……社長? 別に秘書である私まで護衛をしてもらう必要はないのでは?」
流石にこれは予想外だった。自分と理事が何が原因で黙ってしまっていたのか全く理解していない発言だ。
「いや、あのですねエレノアさん、僕はそこを問題にしているわけじゃなくてですね……」
「あら、それじゃ何が問題なんですの?」
「〜〜〜〜〜〜っ」
これには理事も困ったらしい。眉間に手を当てたまま唸っている。彼に取り入るなら今しかないだろう。
「理事。ソキウスはナチュラルの利益を守るために存在しています。貴方に不利になるようなことは致しません」
「……秘密は秘密のままに、ということですか?」
そんな状況でも的確に返答してくるのはさすがだ。やはり彼に取り入るという判断は間違っていなかったようだ。
彼の傍らでは、件の人物が頭上に?を浮かべて首を傾げているが今は無視だ。
「ソキウスにとってナチュラルの命令は絶対です。今回の試験では出向先での指示に従えとしか命令を受けていません」
言外にこの場を収める方法を含めて伝える。
「なるほど。それじゃあ改めて辞令を伝えましょう。お願いじゃなくね」
自分の言いたいことが伝わったことが分かり安堵する。最初の関門は突破できたようだ。
「エイト・ソキウス、君の仕事は僕と僕の秘書の護衛をしてもらいます」
「了解しました」
……はい、というわけでアズIf第5話、「存在理由(レゾン・デートル)」をお送りいたしました。
設定紹介に終始した感があって、あまり満足のいく出来ではないのですが、
ただでさえ設定のややこしい種世界が題材ですのでどうか平にご容赦を。
そんなわけでトラウマを払拭している我らが盟主様はブルコスの主流派ではありません。
なので強化人間などのプロジェクトも最初はジブ派が主導で進むことになる……と設定しています。
ただそうなるとジブがどこまでソキウスを当てにするかなぁと考えた結果、今回の第5話を挿むこととなりました。
時系列を無視した短編連作の筈が、ここ3話ほど連続ドラマ調ですがお気になさらず。
こんな調子で毎週末に投下するペースを保ちたいなぁと思いつつ失礼致します。
GJ!
ASTRAY本編でもソキウスはこんな感じで悩んでたなw
それに連ドラ調でもこちらは全く気にしないぞ!
うは!GJ
350 :
74:2007/06/24(日) 03:19:51 ID:???
「ほう」
と、地球連合事務総長オルバーニは驚きと共に吐息を漏らした。
オーブ首都バンチであるアプリリウス1に入港し、シャトルから下船すると、ザフト儀杖隊
が演奏を奏でる。
その儀杖隊はMSジンであり、その巨大さと繊細さにオルバーニは思わず、それを見上げた。
「ようこそ来られました。プラントを代表し歓迎致します」
すぅと、手が差し出される。
その手を握りながら、オルバーニは満面の笑みを浮かべた。
「議長自らのお迎え…感謝致します」
10月会談と呼ばれる、地球連合とプラントの和平会談はこうして始まった。
しかし双方自身の意見を譲らず、結局は平行線で終わり、会談は決裂する。
丁重な警護の中、シャトルに乗り込み、オルバーニは溜息を付いた。
彼がシャトル内に待機していた記者団にこう語ったと言われている。
──まだ血を飲み足りないのだと──
351 :
74:2007/06/24(日) 03:22:15 ID:???
蒼い血或いはノブレス・オブリュージュ』
「ジブリール氏の最近の言行を纏めたものです」
サザーランドは久しぶりに訪れた、アズラエルの執務室に居心地の悪さを感じていた。
その原因は分ってる。
横目で端末を操作しているセレーネを見やる。
コーディネーターの小娘めが。
アズラエルはサザーランドの内心に気付かぬように、彼が提出した書類に目を通している。
「中佐…これは確かですか」
サザーランドはセレーネから視線を逸らし、アズラエルに向ける。
「確かです。東アジアでジブリールは策動しているようですな」
椅子に深々と身を預け、アズラエルは首を振る。
「やれやれ…今度は対コーディネーター専属部隊への資金提供ですか…。ジブリールは毎度
毎度好き勝手してくれますね…」
ジブリールらブルーコスモス過激派は大西洋連邦内においては比較的沈静化しているが、東ア
ジアやユーラシアにおいてその勢力を燎原の火の如く伸ばしている。
資金の提供を手始めに、技術スタッフの提供、そして兵員の提供を通じて彼…ジブリールの
私設部隊が作られるのは時間の問題であった。
少なくとも、ジブリールは現在の所、東アジアのナオコ主席の支持を得ている。
アズラエルとしても、手が打ちようがないぶんだけ頭の痛い問題であった。
「一層…我等も何らかの実務的な行動機関を持つときが来たのかもしれませんな」
ぽつりと、サザーランドは呟く。
「流石にまだ時期尚早でしょうねえ。ただ…プランだけは策定しておいて下さい」
「分りました。軍内部でもそれといった人材には目をつけております」
「頼みましたよ」
ひらりと、手を扉に指し示す。
それに気付いたサザーランドは手にした軍帽を被りなおし、敬礼する。
「それでは」
部屋を出る際も、セレーネを横目でじとりと睨みつけて行った。
352 :
74:2007/06/24(日) 03:24:18 ID:???
ふうと、ネクタイを少しだけ緩め、アズラエルは目を閉じる。
「それでモルゲンレーテの進捗率はどうですか?」
「動力部分は問題無いようです。マニュピュレータ部門とOS部門が若干、進捗率が落ちていますが」
セレーネの端末を開きながら、淡々と告げる。
「そうですか。オーブの尻を少し叩きますか。所で例のアクタイオン社の強化人間生産施設ですが…
打ち切りにします」
ふと、気付くとセレーネがアズラエルを見つめている。
「どうしました…? アクタイオン社のプロジェクトは打ち切りです。もうお終いですよ」
じり、とアズラエルの目を見つめながら、セレーネは続ける。
「…お言葉ですがMrアズラエル……アクタイオン社のプロジェクトは継続すべきかと」
「ふん。訓練と洗脳では限界があります。セレーネさんもご存知でしょう…ロドニアのラボ」
露骨にセレーネは眉を顰める。
「…セレーネさん。それは偽善ですよ」
セレーネは首を振る。
「戦争は勝たなくてはならない…それは承知しています。ただ…勝てば良いと言うものでも無いと私は
思います」
アズラエルは段々と苛々が募らせる。
「そうは言いますけどね…! では、何故アクタイオンの強化人間開発施設は残せと言うんですか?」
セレーネは自己嫌悪を交えた、複雑な表情を浮かべ答える。
「…Mr…アズラエル……。それが有用だから、です」
疑わしげな視線を向けながら、アズラエルは問う。
「どう…有用なんです…?」
「これをご覧下さい」
セレーネの端末からアズラエルの端末へ、データを加工した簡単な書類が転送される。
それはアクタイオン社の施設における被験者の対MAシミュレーション結果と、連合の通常の兵士の対MA
シミュレーション結果を照合したものであった。
「え…!? こんなに差が出ましたか…! やれやれ僕の見ていたデータは古いものだったようですね。
いや、セレーネさん良く見つけてくれました」
控えめな笑みと共に、セレーネは自らの端末に視線を落す。
自らのエゴの為に働く以上、私情は捨てなくてはならない…そう思っていたはずなのに…。
そう、セレーネは自嘲した。
353 :
74:2007/06/24(日) 03:26:18 ID:???
「始めまして…ユスーポフ大統領」
自信を全身から発散させながら、ジブリールはユスーポフ大統領と握手を交わす。
ユスープフは連日のように続くザフトからの都市部への攻撃の対処に終れ、ろくに眠りすら取っていな
い状態であった。
それにより益々、国民の反コーディネーター感情は募って行き、一部では都市暴動すらおきている有様
である。
軍部は強硬派で占められており、シビリアンコントロールの原則すら侵そうと、ユスーポフへの突き上げ
を繰り返している。
そんな状況の折、ブルーコスモス副盟主であり、ジブリールが半ば強行的なスケジュールで彼のもとに
現れた。
そんな彼へシンパシィを持つ軍部や、その背後の多くの国民の視線を無視するわけには行かない。
ユスーポフは満面の笑みを浮かべ、がっちりと握手を交わす手に力を込めた。
「苦労しておられるようですな…? 大統領閣下」
つぅと、厭な汗がユスーポフの脇を不快に湿らす。
彼は長年の政治的生活により、その直感は動物並に優れていると自負している。
「率直に言い、我が国は現在様々な問題を抱えています。…が、全て国内問題ですから」
暗に、国内の問題には口を出すなと牽制した訳だが、ジブリールはそんな彼の暗喩を無視し、続ける。
「良いお話を持ってきたんですよ。東アジアでは成功している方法です」
ふん、と鼻をならし、ユスーポフは首を振った。
「民衆を官僚とマスコミ及び政党のトリニティで煽る…あれ、ですな」
ジブリールが口を開くまもなく、ユスーポフは続ける。
「その方法は民主主義の伝統のある我が国には合わない。だから…今回はご足労でしたな、ジブリール氏」
にこりと微笑み、ジブリールは厭な笑みを浮かべた。
「東アジアとて無闇にコーディネーターを排斥しているわけではありませんよ、大統領。使いようによって
は……」
言葉の効果を確かめるように、ジブリールは一拍置く。
「大統領、即ち貴方に反するものもコーディネーター主義者という事によりその地位を追う事も可能でして」
そんなジブリールの言葉を遮り、ユスープフは腕を上げる。
「馬鹿な…。先も仰った通り、我が国は民主主義の伝統を保守する国々の共同体であり、そのような強権、
いやマキャベリズムは到底受け付けない、これが国是です」
取っておきのカードは最後まで見せないものだが、ジブリールは仕方なく、もう一枚のカードを手にした。
「そうですか。大統領がそう仰るのなら結構。ブルーコスモスとしては大統領、貴方では無く、軍部を支持
させて頂きますよ。物心共に…ね」
その言葉に、ユスーポフの選択肢は奪われた。
後に、ジブリールの火祭りと呼ばれる各国首脳への恫喝と懐柔はこうして一応の幕を閉じたのであった。
354 :
74:2007/06/24(日) 03:27:32 ID:???
皆様、お久しぶりでした。
私用が重なり、書き込むのが大分後れてしまいました。
大体のプロットは最後まで出来ているので、私が死なない限り、
時間はかかっても完成させたいと思っています。
GJ!!
マターリといきましょう。
GJですぜ!
週末に連チャンで続きが来るとは、両者とも乙です!
読み返してみると、両者ともに秘書さんがコーディでアズとジブが対立してるわけで、
どんな展開になっていくのかマターリと待たせてもらいます
保守
保守
保守
保守
保守
保守
保守
保守。
アズトラマンはまだか…
366 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 10:23:13 ID:/L7Z+BRi
保守
保守
保守
hoshu
捕手
このスレが消えて無くなるのも時間の問題だな…
それでも保守るさ
しかし、ミーティアで偵察だなんて、ラクシズはアホですか?
殺る気マンマンじゃねーか。
おまけに超目立つし……
誤爆した……
ちょっと三重連太陽系で吊ってくる
なまか保守
ならば保守だ
それも私だ
小利口な盟主王に魅力なし!
じゃあ狡猾になればいいじゃないか!
ついでに残忍になれば、きっとグゥレイトォになれるさ!
何その小迂闊で残念な男
保守ぬるぽ
保守
hosi
ほす
保守
捕手
ホッシュ
390 :
74:2007/08/30(木) 02:36:03 ID:Veh4WXl0
「大統領閣下、お時間です」
主席秘書官の方に軽く頷き、アッシュ大統領は演説壇に立つ。
その瞬間、フラッシュが眩く、彼の目を射た。
彼は何時ものように、壇の上に置かれた聖書に手を載せた。
「地球の皆さん、大西洋連邦と致しまして今回の一連の騒乱による被害者に
深い哀悼の念を捧げます」
言葉に呼応し、フラッシュの音が更に高まる。
表向きにはザフトの潜入工作員による、情報操作によるテロ行為と断定されて
いたが、地球中を席巻する形で起きた、コーディネーターと【目された】人々に
対する暴動は当初、東アジアの一部で発生し、ネットやメディアを通じ、燎原の
火の如く、世界中に広がった暴動を、大西洋連邦以外の国家当局は、それを黙認し、
また故意に放置する事により、厭戦的な自らの敵対勢力へとその暴動の凶刃を向かわ
せ、自らは労する事無く、反対派の粛清に成功した。
アッシュは東アジアやユーラシアで行われている、反時代的な暴動行為に反対し、
緊急閣議を開いたのだが、閣内は寧ろ冷ややかですらあった。
「しかし、市民の間で広がった厭戦気分もこれで一新する事でしょう」
ブルーコスモスの息が掛かった、とある国務大臣はそう言い放った。
アッシュは自らが孤立している事を、悟った。
【蒼い血或いはノブレスオブリュージュ】
アッシュ大統領による今回の暴動に対する演説をモニタで見やりながら、アズラエルは
苛々と自らの髪を掻き毟った。
これで政府首脳、アッシュ大統領やスミス副大統領に対する、ブルーコスモスの浸透
運動は頓挫してしまった事になる。
彼らはこのような無思慮な行為を働いた団体であるブルーコスモスに対し、反発を募ら
せている事だろう。
なにせ、当のブルーコスモス盟主である、彼、ムルタ・アズラエルにさえ、これは腹立た
しい愚挙でしかなかった。
ザフトによる通商破壊、即ちNJにより都市は荒廃し、暫時、発電を火力など旧時代のもの
に移行させていたが、大西洋連邦国民の市民生活は荒んでいた。
アズラエルは篤志家ではなかったが、国力の低下による内需の減少は彼とその眷属の資産
を大幅に減少させた事に対し、苛立ちを募らせていた。
391 :
74:2007/08/30(木) 02:39:12 ID:Veh4WXl0
「これで政府に対する今までのロビー活動も水の泡です…」
呆然と、アズラエルは呟く。
小首を傾げ、セレーネは内心、肩を竦めていた。
今回の件は、明らかにブルーコスモス内部における権力闘争の結果…即ち、強硬派である
ジブリールが企てた、反アズラエル暴動であり、それを薄々は察知しながらら、結局は
止める事の出来なかった、アズラエルの明らかな失点であった。
アズラエルは歯が痛むかのように、不快な表情を浮かべている。
「…Mrアズラエル、関係各所からのメールが山積しています」
むっとした表情で、セレーネの方に向き直り、アズラエルは口を開く。
「重要度に応じてピックアップして下さい。その後、こちらで返信しときます」
「はい」
何か言いたそうに、アズラエルはセレーネの方をちらちらと覗っている。
何度か、躊躇った後、疲れたようにアズラエルは椅子に崩れ落ちた。
「セレーネさん…僕の認識が甘かったですかねぇ…」
「第一義的にはMrアズラエル、そう言わざるを得ません」
「そうでしょうね」
「気付かれていますか…? 本当に…」
些か気分を害した表情を浮かべ、アズラエルは頷く。
「ええ、ええ。今回の失点により僕は盟主の座を追われるでしょう。分っていますよ」
やはり、分っていない。
セレーネは、吐息を付いた。
アズラエルは大局的に物を見る事が出来る人間ではあるが、結局は大局にしか視点を
向けていない。
セレーネ自身、自身をエゴイストと見なしていたが、それでも言わなくてはならない事
は言わなくてはならない。
それは結局、誰かがしなくてはならない事だった。
「…まずはMr…これをご覧下さい」
「まずは乾杯…」
アッシュの演説より数時間後、高級仕官クラブに集ったハルバートンと彼と志を同じく
する、仕官達はアズラエルの失点を祝い、杯を交わしていた。
「アズラエルの悔しがる顔が浮かぶようですな」
「然り。これでブルーコスモスも弱体化を余儀無くされるでしょう」
同僚の楽観的な言葉を聞きながら、ハルバートンは何処か上の空である。
G計画が最終段階に達したとの報が、コロニーヘリオポリスからの開発仕官から届いた
のはつい先ほどであった。
これでアズラエル…彼の憎しむ死の商人に対し、優位に立つ事が出来る。
そう考えると、ハルバートンは高揚を押さえきれなかった。
この功績を元に、彼は何処までも上り詰めるつもりであった。
中将から大将へ…そして最終的には、この国の頂点まで。
その為に、派閥造りは怠るわけには行かない。
同僚に笑みを持って返し、ハルバートンはジブリールと連絡を取る事をその時、決意した。
敵の敵は味方…そうハルバートンは考え、会心の笑みを今度は、内心で浮かべた。
そうして、この夜のもう一人の主賓、オーブのセイラン出身である大使に対し、掌を差し伸
べた。
「このたびは情報の提供に感謝します…大使閣下」
392 :
74:2007/08/30(木) 02:41:59 ID:Veh4WXl0
夜の帳が深々と落ちた中、デトロイトにあるアズラエルの主オフィスには灯りが灯っていた。
当然、その主であるアズラエルとセレーネを照らしながら。
数時間前。
突然、セレーネに促され目を通した資料は、彼やその出資者であるロゴス、そうして間接的
には運命そのものを、怨嗟していた。
生身の息遣いに、アズラエルは畏れすら感じ、その瞬間、自らが手にしている権力の大きさ
とその責任感の大きさに、思わず圧倒された。
青褪めた表情で、アズラエルは呈示された資料に翻弄され続ける。
それは動画やデータ資料、報告文、現場レポートの複合体であり、そこには今回の暴動で命
を落した人々の遺族の声すら、載せられている。
当然、こういう事態は想像出来てはいたのだが…。
いたのだが…。
今まで考えた事すら無かった方向からのアプローチに、アズラエルは吐き気すら覚えていた。
彼が一つ、決断を誤っただけでこの結果があり、結果という言葉の裏には数百万の人命が
人生が控えている。
「…これが結果です、Mr…。言い辛い事ではありますが…貴方が下した決断の結果がこれです」
セレーネは自身の偽善性に辟易していた。
だけれども…青臭い理想論が彼女の背中を否応無しに促す。
一般市民として育った彼女は、当然一般人であり、政治やその結果に対し、自らの血を持って
償うのは何時も一般市民であるとも、感じていた。
当然、市民の総体としての政府であり、民主主義を標榜する以上、全ての責任と結果は市民の
上にある。
だからこそ、一部の特異的な権力による、横暴にはどうしても納得が行かなかった。
この人ならば理解出来るはず。
そういう、アズラエルに対する楽観視もあったがそれは医師として彼に付き添い、一時的にせよ
【弱者】の側に立った事もあるアズラエルに対するこれは信頼であった。
「…こんなものを僕に見せて…セレーネさん、どういうつもりですか…?」
言葉は鋭いが、何時もの言葉に宿る力強さと言ったものに欠ける声あった。
深く、頭を下げ、セレーネはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「まずはお詫び致します。ビジネスの上での部下として失格です…私は。しかし…やはり私は
医師であり、そうして…一人の人間として……」
上手く言葉が続かない。
「…セレーネさん、いや、Dr…続けて下さい」
「…一人の人間として政治に携わる人、そうしてMr…貴方のように貴方の意思で世界を動かす
事が出来る人に知って貰いたかったのです…戦争、血の重み…そうして責任についてを」
それだけを言うと、セレーネは俯いたまま、沈黙した。
これ以上、偉そうな事は言えないし、セレーネ自身の自分を責める内心の声に耐えられなかった。
アズラエルは少しだけぎこちなく立ち上がり、後ろの全面窓に向き直り、夜の闇に視線を向けた。
夜闇は深く、星々が瞬いていた。
彼はふと、何時かの事を、即ち…この戦争が始まった際、サザーランドと眺めた夜景を思い出していた。
それは闇だけが深々と浮かび上がり、そのコントラストとしてアズラエルが立つ場の光を逆に
浮かび上がらせていた。
思えばそれは一つの示唆であった。
多くの市民が貧窮する中での、富豪としてのアズラエルを、そうして政治的なオブザーバーとし
ての彼を。
沈黙が蟠る中、静かに時間だけが過ぎて行った。
393 :
74:2007/08/30(木) 02:46:51 ID:???
すいません…大変遅れてしまいました。
保守してくれた方々、ありがとう御座います。
GJだ。GJと言わせて貰おう。
盟主王が、盟主王が帰ってきた……
心からGJを!
そーいやハルバートンって国内の巨大企業(アズラエル財団)を敵に回してどうするつもりだったんだろうな・・・
お帰りなさい!
待ってた甲斐があるわぁ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:*・゜゚・*
半分あきらめてたのに…保守したかいがあった。
>>396 逆に軍高官を敵に回す軍需産業というのも…
下手するとナチ政権下のハインケル社みたいになる
いや別に軍高官はハルバートンだけではないし
ブルーコスモスのシンパは多い設定だっただろ?
所謂、変な色に染まった組織の数少ない良識派として描きたかったんだろ?
視聴者的には「この程度のやつが?」という印象だったが。
やるならコーウェンぐらいには演出して欲しかった
つーか種にはシナプス艦長やブライト的な人が居ないんだよな
種に『大人』がいないってのは毎度言われてることだな
図体ばかりで本当の大人がいない
エヴァンゲリオンですか、種は!
>>402 コーウェンはコーウェンで復興が最優先な時期に高コストなガンダム4機作った挙句核弾頭積んでみたりとか
とてもじゃないけどマトモな軍人じゃないけどな
ヤツさえ無茶しなきゃ・・・
>>405 いやあくまで穏健派としての演出面でな
誰もコーウェンが優秀とは言っとらんよ
コーウェンって穏健派か?
どう見てもレビル系の過激派に見えるんだが・・・
0083で穏健派はシーマ様と取引しようとして人くらいだろ・・・
久しぶりにSS来たぁぁぁぁぁ!!感謝感謝。
ホシュ〜
ほすほす
コーウェンと言うと、初代ゲッターチームだったか?
コーウェン=ゴリラ
414 :
74:2007/09/11(火) 01:04:29 ID:r6ehKgG8
ブルーコスモスにおける最高幹部定例会は何時に無く緊迫の色が濃いものであった。
上席に座するアズラエルとその最大派閥である保守穏健派と、ジブリールが代表する
極左過激派の間で目に見えない緊張感が漂う。
その間に存在する、多くの中間派はその両派閥の出方を覗っていた。
定例会が始まると、即座にジブリールが挙手し、余裕を湛えた表情を浮かべ、立ち上がる。
「早速ですが…盟主の更迭を求めます」
アズラエルはほぼ確実に予想されていた事であり、外面は平静を装っていた。
そうして、ゆっくりと室内に浸透させるように言葉を発する。
「決を採る前に…一言宜しいですか?」
誰も異は唱えず、アズラエルは一動を見渡す。
「皆さんもご承知の通り、今回の末端構成員の暴走は僕の責任であり、その責を取り、現在
の職を退く用意があります」
その言葉に、軽いどよめきが起き、ジブリールはほくそえんだ。
どよめきが収まるのを見計らい、言葉を続ける。
「…しかし、現在はまだ盟主の地位に居るものの責任として…後任に対し、一つの条件があり
ます」
少し、小首を傾げ、考え考えながら、アズラエルは言葉を紡ぐ。
「僕は現在のブルーコスモスの発展的解散及び新組織の創出を提案します」
その言葉は爆弾のように、出席者に衝撃を与え、沈黙が広がった。
「馬鹿な…ッ! アズラエル…貴様、自分の言っている事が分っているのか!」
ジブリールは逸早く立ち直り、アズラエルを睨みつけながら怒号する。
「──僕はまだリコールされていませんよ。ま、リコールされる寸前ですけど。それは関係無く、
地球圏全体に対する責任を取る為にも、ブルーコスモスも組織として新生しなくてはこの先立ち
行きませんから。それは今回の暴動を鑑みても協賛頂けることかと思います。まあ、貴方はどう
かは分りませんが、ジブリール」
怒髪天を突く勢いで、ジブリールは音を立てて立ち上がる。
「何を言っている…!? 貴様は解任されるんだぞ…! そんな権限があるものか…っ!!」
困ったように、肩を竦めアズラエルは答える。
「ええ、ありません。しかし、組織とは結局の所、スポンサーが一番強いわけです。僕は僕の
提案が通らない場合、組織を割る事も厭いません」
「……ッ!!」
ジブリールは振り上げた拳の持って行き場に戸惑い、周囲を見渡す。
他の構成員も、周囲を不安げに見渡しながら、他の人間の出方を探っていた。
「まあまあ、僕も暴君じゃありません。リコールされたらそれに従いますし。ただ、その前に
前述のように組織の要綱から始め、少しずつ穏健な方向へのシフトを提案しているだけです。
その方が上層部にも浸透しやすいですし、大衆受けも良いですよ」
415 :
74:2007/09/11(火) 01:05:35 ID:r6ehKgG8
【蒼い血或いはノブレスオブリュージュ】
「やれやれ、疲れましたよ」
執務室に入るなり、開口一番、アズラエルは愚痴を言った。
「御疲れ様です」
そんな彼の所作にも慣れたもので、セレーネは丁寧に頭を下げる。
実際、彼女は彼に対し頭が下がる想いであった。
あの夜以降、特に差し出がましい話は強いてしなようにし、お互いにそのような事は無かった
かのようにすら振舞っていた。
だから…アズラエルがブルーコスモス、その組織自体を穏健な方向に回帰させ、支持母体に
対する安定した票田とする、それを聞いた時は驚いたものだ。
そもそものブルーコスモスは過激派とは縁遠い、穏健な保守組織であった。
だから、その構想を口にした時、アズラエルは寧ろ困ったように眉を顰めた。
「原点回帰するだけですよ。そしてこれは…」
続ける言葉を、セレーネは正確に理解した。
表情を改め、アズラエルは自らを鼓舞するかのように。
「新たなる敵の創出でもあります。即ち過激派残党、これはまあテロリストですね。そして…
テロを利用する敵性国家群の炙り出し」
アズラエルとしても大きな賭けである。
ロゴスの出資母体は主に大西洋連合の出身者で占められており、これは多くの新興財団から
CEのフリーメーソンと揶揄される所以でもあった。
「──これは第二の世界構築戦争です。この戦争の後、大規模な戦争は起きないでしょう。
この戦争で全ての片を付けます。前世紀からの負債も含めて」
アズラエルのそれは言葉の爆弾であった。
ロゴス最高幹部会議の招集を決議し、矢継ぎ早に世界構築戦争論をぶちあげた時、ロゴスの面々
はアズラエルが【狂った】と認識した。
そもそも、その気があるのだと、衆目の一致するところではあった。
だが、話を進めていくアズラエルの論理に破綻は無く、寧ろこのザフトによる通商破壊それによ
る世界の荒廃に心を痛めているものは多かった。
当然、その心を痛めるとは荒廃による自分自身の財産の目減りではあったわけであるが、世界に
新たなる秩序を構築し、市民生活の建て直しを図るという基本的な線はロゴスと政府上層部、そ
して市民によって共有される意識でもあった。
だからこそ、戦争とは狂った博打であり、まともな商売人としては足を踏み入れる場では無い、
そういう認識がロゴスを席巻している。
恒久平和は夢物語だが、せめて100年の平和は誰もが望むものではあった。
416 :
74:2007/09/11(火) 01:06:46 ID:r6ehKgG8
即ち大西洋連合によるヘゲモニーの確立。パクスの実現です。その為にはまずは自身の身中
を掃除しなくてはなりません。その後、敵性国家との駆け引き、場合によっては交戦です」
ある一人の古参のロゴス構成員はこう疑問を口にした。
「だが、しかし…大西洋連合に世界を向こうに回して勝てる目論見いはあるのかね?」と。
「当然、あります。現在、進行中のG計画も既に最終段階に入ります。それにより、連合によ
るMS開発も近日中に予定されており、当然、NJをキャンセルする研究や現在主力兵器に
おいても我が大西洋連合は他を圧倒しています。これに皆さんの財力が加われば、大丈夫です」
まるで詐術めいた話ではあったのだが、アズラエルは賢者ファウストを堕落させたメフィスト
フェレスのように少しづつ、議論を自身の望む方向へと誘導する。
部が悪い賭けでは無い。
少なくとも、現況のまま、ザフトだけを敵と認識し、終わり無き殲滅戦を続けるよりも、大局
的な意味での戦争の終わりを呈示した点でも画期的であった。
当然、アズラエルは全ては口にしていないが、東アジアやユーラシアとは全面戦争にはならな
いと確信していた。
これは彼の持つパイプの太さから導き出された答えであり、早晩、ブルーコスモスからの過激派
の脱落と、東アジア及びユーラシアの反大西洋連合派は孤立し、お互いに手を組むだろう。
そうして、敵を纏めて叩く構想も既に出来上がっている。
彼なりに考えた、これがセレーネへの返礼でもあり、結論でもあった。
ロゴスよりの親書を手にし、その書類を持つ手にじんわりと嫌な汗が浮かぶ。
アッシュは戸惑いながら、その書類に目を通していた。
「これは…どう思う、スミス」
スミス副大統領も同じものを手にし、既に目を通し終えていた。
内心、大きく溜息を付く。
それは感嘆であった。
反ブルーコスモス派であるスミスとしても、ブルーコスモスの毒が抜け、善良な票田に回帰する
ならそれを止める必要は無い。
それに、これは大西洋連合に取っての千載一遇のチャンスですらあった。
既に動き出したと報告があるG計画は成功し、ザフト特殊強襲隊すらも撃退する戦果を既に上げている。
後は、この試作5機を地上に下ろす事が出来れば、完全に大西洋連合と他の国々との格差は広がる。
これは…アズラエルの側に立つべきかもしれないな、そうスミスは考えていた。
そんな内心の葛藤を完全に覆い隠し、スミスは静かに提言する。
「大統領、まずは議会に諮らなくてはなりませんな。当然、この方策を大統領、貴方がどう扱うかに
より、そのするべき事も異なって来ますから」
絹のハンケチで額を拭いながら、アッシュは薄っすらとした白髪に手をやる。
「…正直、困惑しているよ…スミス君。これは私の一存では決めかねる…」
冷ややかに、スミスは冷笑を口元に浮かばせた。
「では誰が判断するのですかな、大統領。この国の国家元首である貴方以外に。貴方が選択するという
事は市民の選択でもありますからな」
老アッシュは、更に10年は老け込んだように、書類に視線を落とし、背を曲げていた。
一人のただ善良な基督者である大統領にはこのような世界を包括する戦争の概念や意義、そして責任は
荷が重すぎた。
だが、選択は全ての人間に迫られる。
それは人間の人間たる運命ですらあった。
417 :
74:2007/09/11(火) 01:07:52 ID:r6ehKgG8
どうも、皆様何時も保守して頂きありがとう御座います。
ご感想、お待ちしております。
ブルコスが穏健的な団体に立ち戻ろうとしてる中、反アズラエルと言うだけでより危険なジブリールに
一旦は付こうとしていたハルバートンがどう動くのか、予断を許さんな……
要するにGJ&続きにwktkだ!
迷将春バートン
痴呆将ハルバートン火病のヨカーン
>>416 74氏、乙でした。
しかし、撃退したって事はアスラン達Gの奪取に失敗したんですね。
出来ればどのように撃退できたのか、その事も書いて欲しいです。
誤字指摘です。
大西洋連合は大西洋連邦ですね。
保守
保守
保守
保守
保守
最初に謝ります。ごめんなさい。
ちょっと唐突に海の向こうに放り出されて、ネットがずっと不通でした。
でも月末にやっと日本に帰れることになったので、出来れば続きを書きたいっす。
本当にすまんかった。もう読んでくれる人居ないかもと覚悟はしてる。
率直な意見聞かせて欲しい。罵倒でも何でも良いので。
>>427 そういう事情ならしかたないさ
ずっと読み返しながら待ってたぜ
唐突にだったみたいなので続きはこれからだろう?
待ってるよ。
>>427 おいおい、固定住人ってのは
出戻り職人にも意外と優しいんだぜ?
>>427 ああ。だからこそ保守され続けているのさ…
つまりだ……
続きキボンヌー!!!
でFAってことだ!
わっふるわっふる
しかし、この時代にネットが全く不通なんて、どこ行ってたんだ?
傭兵でもやってんのか?
アニメ系二次創作を書く凄腕の傭兵がいると聞いた事がある。
モサドの知り合いの情報なので間違いない。
あーなんか聞いたことある
元傭兵で、凄腕のSEで神主も出来ると自称するSS書きw
お前ら知らんのか、ミスリルをよ。
日々世界平和のために頑張ってくれてるんだ。
安部ちゃんに毒を盛ったかは知らんがなw
ミスリルの敵は共産主義や軍事的独裁者だぜ
いやマジで
作者がそのつもりで書いてたが、現実の方が斜め上を行ってしまった、あの国とかなw
保守
440 :
通常の名無しさんの3倍:2007/09/28(金) 01:26:35 ID:mieUE5dW
あげ
>>435 まさか、ここでその話が出るとは思わなかった
結構広まってんだな
保全
保守
上の書き込み見て、◆VS9KarHWR6氏がヤツなのかって一瞬疑って、
まとめサイトの「もしアズ」読み返して別人と判り安心。
保守
朝の保守
保守
ほしゅ
保守あげ
450 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/10(水) 21:12:25 ID:TVQffuCo
保守
保守
ホシュ
453 :
通常の名無しさんの3倍:2007/10/13(土) 09:46:19 ID:xljv/8Sr
アズラエルのモデルは筑紫哲也だそうです。
ジブリールのモデルは久米宏だそうです。
久米?
古館じゃなくて?
保守
保守