ここは新シャア板SS職人の、文章力向上の為にあるスレです。
誰かがお題を提示したら、それに乗っ取って1レス〜2レス程度の量でSSを
作って下さい。(あまり長くてもいけません。これも練習です)
・新シャア板ですので、暗黙の了解として「CEガンダムに係わるもの」が条件です。
・どうしてもと言うのならユニコーンも可。
・お題はAA,イラスト何でも構いません。(ただし、個人サイトのは晒す事になる為
基本的に不可)
・罵詈雑言はNG。
・職人達の練習の為、おかしいポイントは言ってあげて下さい。また投下する職人は
言われてもメゲないで下さい。
・職人が誰だか判っても、貴方の心に閉まって下さい。
・お題の出し方に、「三題噺」というものもあります。これは三つの言葉を絡めて話を
書いてみるものです。
・新しいお題の出し方が思いついたら、提案して下さい。
2GET
職人叩いても誰も文句言わないスレってここですかー?
久しぶりに来たけど相変わらずの糞っぷりですね^^
5 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 13:25:18 ID:46QWJcYk
誰も出題者無しか・・・
ならばお題はベタにガンダムで一レス分
但し文中ガンダムは使わないこと
コレでどうだ
私はこれから乗る事になったザフトの新型の性能に狂気した。
ニュートロンジャマーキャンセラーを積み、そしてドラグーン。
プラントへの核が利いたようだ。そのお陰で私は、これに乗れる。
これを使いこなせば、あのムウ・ラ・フラガを葬る事さえ容易い。
笑いがこみ上げてくる。欲望のために命を弄んだ人間、そしてその息子を殺せる。
私はその為に、ザフトへ入隊しパトリックの駒となり、パトリックを駒として使ってきた。
視界がぶれ始めた。どうやらあの症状が始まったようだ。全身に軽い痙攣と痛みを覚える。
近くに置いてあるこの症状を抑える薬を手に取ると、私はそれを口に投げ込んだ。そして
それを飲み干す。食道に特有の違和感を感じる。
これを飲むたびに私は、アル・ダ・フラガを思い出す。失敗作と言い放ち、私を見限り息
子へと愛情をそそぐ。その光景は私のトラウマなのかもしれない。これを思い出すたびに憎
悪にさらなる憎悪を積み重ねる。
私は感情に蓋をする。
「ラウ・ル・クルーゼ出撃する」
まぁ、レスや容量消費が怖いなら、うpロダに.txt挙げてやればいいし。
専用ロダとか作ったらもうね
「バクゥって猫に似て無くない?」
退屈な昼下がり、ルナマリアが訳の解らない事を言い出した。
「いや。バクゥは犬だ。ラゴゥが猫だ」
レイは珍しくルナの戯言に付き合っている。「どうでも良いよそんなの。俺たちは地上部隊に配属される訳じゃないし」
アカデミーを卒業すれば俺は念願の赤服に袖を通す事が出来る。望んだ力を得る事出来る。しかしその前に……。
「そんな事よりお前ら、人の部屋にたむろってんじゃねえ」
只でさえ狭い風呂無しトイレ無し四畳半の我が家に三人もいると狭くてしょうがない。つーかウザい。
「良いじゃないの。気にしない気にしない」
ルナはホホホと笑いながら俺を見る。
「何してんだ?お前」
ルナは何やらごそごそと探し始めて雑誌を見付だした。ちょっと待て。それは俺のとっておきの……。
「年頃の男の子の愛読書を探してるのよ?……発見!ほほー、シンはこういうのが好みですかー?レイはどう思う?」
ルナは雑誌を捲り嘲りを含んだ笑みを浮かべてレイに見せる。
「……シン。お前がどんな趣味だろうと俺は気にしない。」
ルナとレイが俺に生温かい視線を投げ掛ける。
「おーまーえーらー!出てけ!今すぐ出てけ!」
俺は奴らの態度にキレた。
何かが弾けた様な感覚。
全ての思考がクリアーになる。
手にしたプラスティック製の定規を振るい二人にペシペシと襲いかかる。
「きゃー!シンがキレたー!」
「落ち着け、シン。お前は錯乱している」
「問答無用!出ていきやがれ!」
逃げ出した二人の背中に俺は流しから取り出した塩の袋に手を入れて、塩をムンズと掴みバラ撒く。
「一昨日来やがれ!この唐変木!」
二人が去り静かになった部屋で俺はとっておきの雑誌を広い上げる。
「ああ!皺が出来てる!ちょっと破れてる!跡もついてる!?」
悲しい。例えるなら一週間食事が塩かけ御飯になるくらいに悲しい。
ん?塩……?
「ああ!我が家唯一の調味料が!」
俺が憎しみに囚われたせいで、塩は無惨なことになっている。
虚しい。焼き肉と称して段ボールを焼き肉に見立てて食べる真似をした時くらいに虚しい。
負の感情を振り払う様に俺は頭を振り、食費を切り詰めて買った大事な雑誌のお気に入りのページを開く。
エロ可愛く擬人化された新型のMSのチョッピリHなイラストが俺に向かって微笑んでいる。
色々な意味で元気が出た。
俺もこんなMSに乗って活躍したい。
……色々な意味で。
9 :
8:2007/03/10(土) 16:47:41 ID:???
真面目に書いたら突き詰めて馬鹿になっちまった。
……ダメダメだな。シン厨の人すまん。
ラゴゥはぬこだ
・・・スマン
第X話 天国に一番近い島 〜虹の彼方 変奏曲〜
シンが携帯電話を拾ったその瞬間だった。
空に虹が拡がり港へと続く道に降り注いだ。
余りにも綺麗で哀しい虹の先には、鋼鉄の天使が神々しい後光を携えていた。
突如虹の光を遮るように地響きが起こった。熱い風が吹き付けシンは吹き飛ばされた。
地面に叩きつけられそうになったが、シンは携帯だけは守ろうとがむしゃらに受け身を取った。
シンの視界からは虹も、天使も既に消えていた。
「早く、皆と逃げなくちゃ」
体のあちこちが悲鳴を上げる。その痛みを振り切るようにシンは立ち上がった。
――誰も、いなかった。港へと続く道には沢山の人がいた筈なのに。マユや父さんや母さんがいた筈なのに。
「皆、何処に行ったんだよ?」
シンの呟きは爆発音に掻き消された。向こうの方から何度も何度も聞こえて来る。
思わず音のする方へと歩いて行くとシンは何かにつまづいた。拾い上げるとそれは温かかった。
棒のような物に布切れが巻いてあった。見覚えのある切れ端。マユの服にそっくりなボロ切れ。
「あ……あ……あああ!」
血がシンの衣服を紅に染め上げる。どんどんと冷えて行くそれを抱き締めて、シンは絶叫した。
空にまた虹が走る。キラキラと大空を懸けて行った。
「――行かなくちゃ」
シンは迷わなかった。天使の放った虹。皆を連れて行った後光。その先にはマユが待っているのだ。
マユはきっと泣いている。お手々が千切れて痛いようって叫んでいる。
だからシンは行かなくてはならないのだ。マユの腕を付けてやるのだ。そうしたら家族皆で虹の彼方で幸せになれるのだ。
――待っているんだぞ、マユ。お兄ちゃんが助けてやるからな。
シンはよろよろとした足取りで歩き出した。
楽しそうなスレだと思い投下させて頂きました。
自分が執筆しているSSに関連を持たせているのは御愛敬という事で。
お題に関して意見よろしいでしょうか?
ガンダムと云う言葉を使わずにガンダムを描くと云う事ですが
ガンダムと云う言葉は色々と言い換えられるのでは無いでしょうか?
自分は天使と置き換えましたが、例えばパイロットなら相棒、整備士ならこいつですとか。
長々とスレ汚し失礼致しました。
うるせーよカス。
と、言うよりはそもそもCE世界で「ガンダム」って言う単語が使われてないしなぁ。
「ストライク」とか「デュエル」とかで表現出来ちゃう。
お題をもうちょっと難しいのに変えても良いかもしれんね。
>>8 MS少女でわかれと言われても・・・
読むほうのスキルアップも求めるのかww
>>12 あっさり置き換えるとか形式番号とか
簡単だけどスレの趣旨には沿わないよな
ガンダムの形容無しでガンダムを感じさせないと
ちなみに状況から言って天使はそぐわないと思う
>>13 氏ね
>>15 つーかね、こういうのは発想の問題でな?どういう風に話を作るかが問題な訳よ。職人の発想にケチをつけたらいかんだろ。
スタンダードにまとめた
>>6、脱力させてくれた
>>8、詩的な表現をした
>>11。皆正解な訳で。
センスの問題だよ。しかし
>>6以外は誰が書いたのか丸解りだな……。
<対極にありて、平和を望むもの>
(遂に、完成ね……)
目の前に居る、巨大な巨人像――そう形容して良いのだろうか。雄々しい外観を持つモビルスーツを見ながら、エリカ=シモンズは思う。
ここまで来るまで、長かった。
様々なシステム障害との戦い、そして予算との格闘――それらを越えてようやく出来上がった結晶が、今目の前に居る。それはまるで我が子の様にエリカには思えるのだ。
でも、エリカはこうも思うのだ。この子は、明日にもなれば屈強な軍人達に連れられて人を殺す。何人も、何百人も。――それがこの子の運命なのだから。
けれども、こうも思う。
(この子が戦う事で、ひょっとしたら……)
世界は、平和になるのかも知れない。
それは、出来損ないの物語だと思う。戦う事は平和にとっては最後の手段であり、対極にあることの筈だ。
それでも――エリカはその考えを振り払えないで居た。
そう考えることは、エリカにとっても、この子にとっても嬉しいことだと思うから。
出来損ないの物語のヒーローにされてしまったエリカの目の前のモビルスーツは、しかし優しそうな目をしてエリカを見下ろしていた。
18 :
17:2007/03/10(土) 19:35:13 ID:???
うぎゃあああ、もっと改行するべきだったぁぁ!
うーん、何時もWIKIにばかり落としてるから、行制限が妙に気に掛かってこのザマ。
精進せねばなるまいな。ああ、2ちゃんに慣れてないから……。
職人の個性が出ててステッキーなスレでつね。
>>17 エリカにとってMSは我が子同然なんだあなとしみじみしました。発想がお見事です。
三人称エリカ視点なら、()の中の文を地の文で表現してみても良いと思います。
まあ、この辺りは好みですよね。
そろそろお題を変えてみよう。飲み物でどうだ。お題は縛り無しで抽象的な方が面白いだろ。
<あの時の飲み物>
……あの時の事は良く覚えてる。
夜景越しにガラスに映る、自分の姿。今日が見納めとなる自分の姿。
そう、あたしは後数時間で”別人”になる。ミーア=キャンベルからラクス=クラインに。
だから、あたしは何故かその時の自分の姿が忘れられないでいた。
緊張を解す為に飲んでいた飲料品の味も、銘柄も、全てが忘れられなかった。
ミーアがラクスとして動き出してから、既に数ヶ月。初めてのステージも、その後のファン達の
追求も上手く乗り切った。
「ラクス様、復活感謝です! これからも頑張って下さい!」
「ラクス様、LOVE! 大きくなった姿を見せてくれて感謝です!」
そんなファン達の姿に支えられて、あたしは日々を楽しく乗り切っていた。
嫌なことが無い訳じゃない。友達達との別れ、そして親を悲しませていること。
……人づてに彼等には伝えたけれど、一人の例外もなく”ミーア=キャンベル”の死を悼んでくれた。
それは、あたしにとっても辛いことだった。けれど、今更引けないのが今のあたしだった。
必死に、懸命に……あたしは”ラクス=クライン”を演じ続けた。それだけが悲しみを癒してくれたから。
「コマーシャルですか? 良いですよ〜♪」
そんなある日のこと。あたしの元にCMの依頼が舞い込んできた。あたしは何の気無しに了承した。
そんな仕事は何回もこなしてきた。だから、不安なんか無かった。
……コマーシャル収録当日、現場を見るまでは。
それは他愛の無い飲料品のCMだった。その辺で売っている、その辺で自販機で適当に買える飲料品。
そう、”あの日あの時飲んだ”飲料品。
あたしは動揺する心を懸命に押し込んで、CMに望んだ。
必死で笑顔を作るのだって、あたしには出来るはずだ。
必死で可愛いしぐさを作ることだって、あたしには出来るはずだ。
「じゃあ、それ飲んで美味しそうにして下さい」
「は、はい」
ディレクターからのその言葉。あたしは硬直しそうになりながら、のろのろと飲料品の蓋を開ける。
あの日、あの時と同じ蓋の開く音がした。
……その後の事は、良く覚えていない。
現場で倒れたとか、一口飲んだ瞬間倒れたとか人づてに聞いた。
過労だろうと、誰もが噂した。最近は激務だったから、というのが免罪符になった。
けれど、あたしは−−あたしだけは、真実を知っていた。
−−あたしは、ミーアじゃない。もう、ラクスなんだ。ラクスなんだよ……。
あたしは己の心にそう弁明しながら、説得し続けていた。
……もう二度と、その飲料品は飲めなかった。
>>19 言われた通りJane入れてみた。
どうだろう? まあ普通に表示されるとは思うけど。
……戦闘は終わった。
確かに勝った。勝ったんだ。
俺は確かにデスティニーを駆ってロゴスの基地を落とした。
だけど、これで終わる気がしない。まだ何も終わっていない。
二度と大切なものを失うことのない世界には、遠いと感じる。
ステラやマユのような子は、二度と作らせない。
そう決意したはいいが、ジブリールは逃げ、ロゴスは未だに存在している。
まだ何も終わりはしない、何も―――
熱っ。
「シーン、人が声かけてやってる時はせめて返事くらいしなさい」
「あ、ああ……」
ルナだった。
手にはコーンポタージュの缶がふたつ。
「ほら、これでも飲んで元気出しなさい」
「わ、悪い……」
そういや、こんなものまであったんだな。
缶の中身を半分くらい飲む。熱くてあまり一気に飲めない。
「これって、コーンが缶の中に残るのよね。
なんでコーンポタージュまで缶になったんだろ。普通残るって気づくでしょ?」
いいじゃないか、そんなことは。
「シンは気にならないの?」
「別に。なんで気になるんだよ、飲めればいいじゃん」
「えー、だって勿体ないじゃない」
たわいもない会話が続く。
気のせいか、そうしていると少しだけ気持ちが軽くなっていくような気がした。
まさか、ルナは俺のことを察して―――?
だが。
「大変だ、ジブリールの居場所がわかった」
部屋に入ってきたレイの言葉は、その一時の幸せを破壊するに十分だった。
「―――オーブにいる!」
オーブ。
あの国は、あの国はまた俺を裏切った。
オーブに対する怒りで、拳に力が篭る。
缶は潰れ、手に残りのポタージュがぶっかかった。
「あぁっづ!」
俺は倒れた。
>>24 素敵な物語ですね!
ミーアの心境が手にとるように伝わって来ました。
一ヶ所気になったのは
友達達
って所ですね。
同じ漢字が続いてしまうので、「友達」にした方が見栄えがよろしいかと。
単に「友達」だと単数になってしまうとオモ。
「友達たち」か「友人達」のほうがよろしいかと。
29 :
24:2007/03/10(土) 21:24:38 ID:???
ミーアは今書いてる奴だと、既に死んでるんで書けないから書いてみました。
友達達については、察して下さいorz うがー、友人達って書いたつもりだったのに。
>>26 コンポタはなぜああも「飲み残し」が出てしまうのか、悩みどころであります。
しかしシン、コンポタの缶は確かかなり固い缶の筈だが……。かなりの握力だな。
あえて苦言を言うのなら、「ポタージュがぶつかった」より「ポタージュが掛かった」
の方が良いとは思う。後、三点リーダーとか棒線(名前知らん)は二個で纏めておいた
方が良い様な気がする。
とはいえ、シンが可愛いw
アンディは自分で作ったコーヒーを皆に進めていた
アンディ「今日のはうまいと思うんだが…」
マリュー「えっ?…いやさっき飲んだのよ」
アンディ「そうか。なら仕方ない」
やはり避けれていた(汗)
結局誰も飲まなかったので自分で飲む事にした
アンディ「これを飲んでいるとアイシャと飲んでいた日を思いだす」
アンディは自分が出すコーヒーをアイシャはおいしいと飲んでいた日の事を思い出していた
キラ「バルトフェルドさん。マリューさんが呼んで…バルトフェルドさん?」
アンディ「あ、キラか。すまないな、ふと昔を思い出していたのさ」
キラ「昔の事?」
アンディ「このコーヒーをアイシャと一緒に飲んでいた日の事を…な」
キラ「あっ…」
アンディ「ああ気にするな。あの時は仕方なかったのだよ」
キラ「そう…ですか」
アンディ「キラも飲むか?僕の自慢のコーヒー」
キラ「はい…いただきます」
アンディ「どうだい?」
キラ「おいしいです」
アンディ「だろ?アイシャがおいしいと言ったんだからな」
アンディは今日のような日も悪くないと思った
第X話 優しい記憶 〜虹の彼方 転調〜
シンは歩き続けた。けれどいつまで経っても虹の彼方へは辿り着かなかった。
「どこまで行けば良いんだよ!誰が教えてくれよ!」
シンがどんなに大声で叫んでも誰も答えを返さない。返してくれる人などそこにはいないのだ。
火薬の臭い、砂煙。既に冷たくなったマユの腕。
朦朧とする意識の中、シンは爆発音の中からマユの声が聞こえたような気がした。
――お兄ちゃん、早く助けてよう。マユ、お手々が痛いよう。
頭の中に声が響き渡り、シンは思わず涙を流した。泣いて泣きはらして、笑った。
「……家に帰ろう」
出掛ける前に飲んでいた母さん手作りのレモネード。それをもう一杯飲んだら元気が出る筈だ。
そうだ、これは夢なんだ。オノゴロが戦場になるなんて有り得ない話だ。
シンはもう爆発音にも虹にも惑わされなかった。父さんも母さんもマユも家でシンの帰りを待っているのだから。
体に痛みなんて感じない。一刻も早く家へ、暖かい我が家へと向かい歩き続けた。
シンの行き先を時折大きな穴が遮った。けれどシンにとっては知ったこっちゃ無かった。
そういえば、隣の叔父さんがこの道を作ったんだっけ。隣の家のシンと同い年の娘がそんな事を言っていたのを思い出した。
シンは可笑しくなって笑い出した。笑いが止まらなかった。歩くのを止めて腹を抱えた。
不意に砂煙がシンを包んだ。シンの顔は既に砂やら涙やらで汚れていた。
――何で、俺、泣いていたんだっけ?
シンがキョトンと前方に視線を走らせると、色取りどりの防災頭巾がシンの方へと向かって来るのが見えた。
32 :
26:2007/03/10(土) 21:49:24 ID:???
>>29 シンは少なくとも漫画版では缶を握りつぶした描写がありましたが、
あれはスチールかアルミかわからないんですよね。
ぶっかかったは少し表現がまずかったですか、ふむ。
ダッシュは今までずっと3つでやってましたからねえ。
SSとかだとふたつの方がいいのかな。
貴重な意見ありがとうございます。
飲み物って色々有りますよね。
書いていて頭を捻りまくってしまいました。
しかも自分は飲み物はサラッと小ネタとして出しただけで
皆さんのように主題にはなって無かったり……
精進しなきゃですね。
スレ汚し失礼致しました。
踊る踊る。くるくる踊る。金色の髪を潮風になぶらせ、心のままに舞い踊る。
海は青い。青くて広い。見渡す限り、いっぱい、いっぱい。凄いことだとぼんやり思う。
空と同じく、どこまでもどこまでも突き抜ける青。吹き渡る潮風の行き着く先には、小さく見えて大きな船が、ぽつり、ぽつり。
海は好きだ。昨日も今日も分からない自分、けれども海は好きだった。確信がある。そう思う。
(あおがいっぱい。みずがいっぱい。ステラたちがどんなにがんばってものみほせない。)
綺麗な青い水。
ふと、アウルを思い出す。彼ならアビスに乗って、海に好きなだけいられるのだろう。
(こんど、のっけてってたのんでみようかな。
でも、こんどって、いつだろう。)
分からなくなってきた。だから、すぐに海に行くことにする。
(アウルとスティングとネオにもってって、みんなでのもう。)
みんなで。ゆっくり。仕事を済ませて、みんなでパーティ。
(ステラがのみものよういする!)
綺麗な綺麗な青い水。赤い水とは全然違う、透明できらきら輝く水。どれだけ素敵な味がすることだろう!
少女はくるくる舞いながら、輝く青へと身を投げた。
小さな小さな飛沫が上がり、少女の姿を隠していった。
自分が投下している間に他の方が投下なさっていたみたいですね。
>>26 前半のシンの決意と落ちのギャップが良かったです!シンが可愛らしくていいなと思いました。メリハリのある文章が羨ましいです。
>>30 アンディのコーヒーに対するこだわりが伝わって来ました。
>>34 飲み物に海水を持ってくるアイデアか凄いなと思いました。
ステラの描写も解りやすくて想像しやすいと思いました。その描写の才能を分けて欲しかったり。
珈琲……それは魅惑的で官能的なな琥珀色。朝の目覚めに、ちょっとした息抜きに似合う人生の友。
ミルクを落としてマーブル模様に混ざっていく様は目を楽しませてくれるが、やはりブラックが一番だ。
砂糖を入れると胃を壊してしまうし、何よりも珈琲の味を壊してしまう。
芳ばしい香りとほろ苦さと仄かな酸味……。まるで人生の縮図だ。
上手く煤煎しないとえぐみが出るが、それもまた良し。人生は順風満帆に行かない事を教えてくれる。
ドアが乱雑な乾いた音を奏でて来訪者の到来を知らせる。
「隊長!敵襲です!」
勢いよく扉を開けて入ってきたのはダコスタ君だ。
焦る気持ちは解らない訳でも無いが、少々無粋だ。
「ダコスタ君。落ち着いたらどうだい。何事にも焦りは禁物……二分の余裕が必要さ」
マグカップを手にして鼻に近付けて豊かな香りを楽しむ。この時、鼻の穴一つずつで匂いをかぐ。
こうする事により香りをハッキリと楽しむ事が出来る。まあ、これは本の受け売りに過ぎないのだが。
「しかし、事態は一時を争います!」
ダコスタ君は唾を飛ばす様な勢いだ。力が入り過ぎているのだろう。
「君も珈琲を飲むかい?少しは落ち着けるだろう。……珈琲に唾を飛ばしてくれるなよ?そんな事をしたら銃殺刑ものだ」
ダコスタ君が信号機の様に顔色を変えていくのを楽しみつつ、珈琲をあおる。
今日の珈琲は少し苦味が強い。えぐみが無いのがまだマシと言うべきか。
「さて、冗談はさておき、出発しよう。準備はどうなってるかな?」
「全てすませてあります!後は隊長の号令を待つだけです!」
流石はダコスタ君だ。ぬかりは無い。彼が真面目だから僕も楽が出来る。
「じゃあ、出かけるとしよう。水出し珈琲は帰ってきてから楽しもうか」
ダコスタ君は溜め息交じりの悲鳴を挙げる。
なに僕は仕事は確り果たす主義だ。安心したまえ。君は余裕を持たないといけないな。
今度は無難にまとめて見ました。ありきたりでしたね。
もっと精進しないと。
>>30氏
シナリオ形式は如何なものでしょうかね。まあ、自分の嗜好の問題ですが。
「ちょっと、アンタ大丈夫?」
「シミュレーターとは、全然、ちが……ぐぅ」
現在、訓練生であるシン達は宇宙に出ていた。彼らにとって初めての無重力帯での実習である。
訓練の内容自体はMSを使って宇宙に浮かぶ救命ポッドを拾って艦に戻ってくる、という簡単なもの。
しかしシミュでは味わえない、実際に四方八方へ内臓をブン回されるような感覚にシンは完膚なきまで叩きのめされ
こうして艦の休憩室でルナマリアに介抱されているのだった。
持つべき物は友だ。シンはそう強く思う。
「アタシも気持ち悪いけど、こんなに消耗する?普通」
「う、うるさいっ、うぅ」
「ここで吐かないでよ」
鬼め。
「まーったく、いくら宇宙での訓練が始めてと言ってもな。ここまで酔う奴は初めて見たぞ」
そう言って休憩室に入ってきたのは先輩のハイネ。
ほれ、と飲み物の入ったカップ―――ファーストフードのドリンクみたいにフタとストローのついた奴をシンに投げて寄越す。
そうか。宇宙じゃこうしないと中身がプカプカ浮いちゃうんだよなー。
まだ酔いの残る頭でボンヤリそんな事を考えながら、ストローに口をつけて、中身を啜った。
「あ゛ぶっ!!」
口の中に突如流れ込んだ熱湯を思わず噴き出す。
「ちょ、ちょっとシン!」
「あーあー、せっかくお前用にあつーい茶を用意してやったってのに」
「ふぁ、ふぁんふぁってひほふぁあ……」
この鬼!キツネ!ジャイアン!額がまぶしいぞこの野郎!
目の前でプカプカ浮かぶお茶を涙目で眺めながら、シンは心中で自称優しくて頼りがいがあって
歌の上手い先輩を全力で罵ったのだった。
小説形式って難しい……たまにネタスレに1レス分のネタを1時間かけて書くような文章力じゃどうにもならんね。
あとネタ元がバレバレです。本当に(ry
「フリーダムめ!とどめを刺さずに去るとは馬鹿にしている!」
──命があるのだから良かったじゃないか
「こんな海底になど誰も助けになど来やしないさ」
──確かに貴重な戦力をこんなことに使うはずはないね
「後は酸素が無くなるのを一人モビルスーツの中で待つだけさ……くそっ!」
──まあこれでも飲んで落ち着こうよ
「一体これはなんだ?」
──それは君に贈られたプレゼントだよ
「はて?誰からの贈り物だったか?」
──親愛なる我が盟主さ
「そうだ、盟主さまから頂いた飲み物だった」
──飲むの?
「もちろんありがたく」
──そうするといい
「しかしこれは美味なのかね?盟主さまを疑う訳ではないが私は相当味にうるさい性質なんだ」
──大丈夫、飲んだら三秒で死ねる。痛みもない
──ただの毒薬さ
40 :
39:2007/03/11(日) 00:30:05 ID:???
ミスったw
×「こんな海底になど誰も助けになど来やしないさ」
◯「こんな海底になど誰も助けに来やしないさ」
「隊長、コーヒーでもお淹れしましょうか?隊長の好みは――」
軍務をこなしていると隊内の女性兵士が色々と気を利かせて世話を焼いてくる。
そんな時、クルーゼはいつも「君に任せるよ」と常時湛えている笑みと共にあいまいな答えを返していた。
飲料――というものにクルーゼ自身特別に執着心はない。
コーヒー、紅茶、フルーツジュース等種類は数多あれど、乾いた喉を潤すという機械的な作用をもたらす物という味気ない認識のほうが強かった。
例外、といえば今も隊長室の執務机に置かれている一杯のミネラルウォーターだろうか。
老化から来る苦痛や老化そのものを抑える為にクルーゼ自身が常備しているカプセルを胃に流し込む時に必要とするものだ。
必要なものではあるが、自分の命が残り少ない事と自分の身体が不完全なものであることを逐一感じなければならない瞬間に毎度立ち会う物でもあり、クルーゼにとっては忌々しいものに近かった。
ふと、机に置かれていたグラスが誰かの手によって持ち上げられた。
クルーゼは端末を叩いたままでそちらをちらりとも見ない。
誰だか分かっているからだ。
そう、その誰かとはクルーゼ本人がアラスカより連れ帰った連合の少女兵――フレイ・アルスター。
捕虜としてではなく、クルーゼはフレイにザフトの軍服を身に纏わせ自身の目の届く範囲ならある程度の自由を許した。
最初は怯え戸惑っていたフレイだが、今ではある程度慣れたのか諦めたのか、割合おとなしくしている。
身の回りの世話を頼めば、最初はお嬢様育ち故か不満そうな面も伺えたが、ジッとしているよりは仕事があったほうが気が紛れるのかいちいちクルーゼがああしてくれと指示を出さずとも動いてくれるまでになった。
フレイにしてみればクルーゼ以外縋る相手もいないのだ。
傍目には甲斐甲斐しく尽くしているようにさえ見える。
トレイにグラスを乗せて隊長室を後にしたフレイは、程なくして再び戻ってきた。
トレイに今度はグラスではなくティーポットとティーカップを乗せている。
それを机の脇に置くと、フレイは丁寧な手つきでカップに紅茶を注ぎ、陶器特有の涼やかな音を微かに立てながらクルーゼの横へソーサーを置いた。
「どうぞ」
短い声に、クルーゼは端末を叩いていた手を止めてフレイを見やる。
「また紅茶か……君にお茶くみを頼んだ覚えはないがね」
「だって、他にやることなくて……」
フレイは仮面の瞳に目線は合わせず僅かばかり目を伏せて呟いた。
クルーゼは内心溜め息を零す。
フレイ自身紅茶が好きだと口にした事があり、よく隊長室に女性兵が出入りしてはコーヒー等を運んでくるのを目にして真似たのか、いつ頃からか毎日と言って良いほど紅茶を淹れてくるようになった。
あまり自分で紅茶を淹れるという作業に慣れていないのか、その味は飲み物というものに執着のないクルーゼですら最初に口を付けた時には思わず顔を顰めた程だ。
その際、「君は軍人でもないが、家事も向かないらしいな」と皮肉を言えば流石にムッとしたようで、暇つぶしなのか意地なのか理由も分からないまま毎日こういうやり取りが繰り返されている。
今も、目を伏せたかと思えばチラチラと目線を上下させたり瞬きを繰り返したりと落ち着きがない。
早く飲みなさいよ、という声が聞こえてくるようだとクルーゼは指で一度仮面を押さえてから、優雅な動きでティーカップを持ち上げた。
口元へ持ってくれば、湯気と共にふわりと甘い匂いが鼻孔をくすぐる。
この香りはダージリンか、と分析しながらクルーゼはそれを口に含んだ。
ゴクリ、と喉が鳴る。
クルーゼではない、フレイの喉だ。
評価を気にしているのだろうか、クルーゼが再び隙のない動きでカップをソーサーに戻すとソワソワした様子で下唇を軽く噛んでいた。
無言の圧迫感がクルーゼを襲う。
これもいつもの事だ。
「……少し苦いな」
クルーゼは一寸間を置き、感じたままを抑制のない低い声で呟いた。
フレイが肩を落とすのが目の端に映ったが、気にせず端末に向き直り仕事に戻る。
舌にダージリン特有の渋みがまだ残っていた。
が、それほど不快でもない。
今のダージリンを10倍薄めたようなものや、5割り増しの濃さで出してきた過去を思えば確実に進歩はしている。
事実、昨日よりも今日のほうが味はいい。
明日にはまた微々たる進歩ではあるが、良くなっていることだろう。
するとこのままいけばいつかは名人と呼べるほどの腕になるのだろうか――、とクルーゼはふと思った。
果たして、フレイを手放す日とフレイが万人の喉を唸らせる腕を身に付けるのはどちらが先か。
それを楽しむのもまた一興だな、とクルーゼは口の端を吊り上げる。
それは理由はともあれ今の自分は多少なりともフレイの淹れる紅茶には執着しているのだろう、という自嘲の含まれた笑みだったのかもしれない。
みんなスゴス
>>36 虎カコイイ
大人の余裕っぷりを感じられる文章が素敵
>>38 何気にハイネが先輩になってるけど、
既に二年前からミゲルの尊敬する兵士になってるのでは?
しかしハイネひでえw
>>39 毒薬かよ! この発想はなかった。
自決用の毒薬……まあ、確かにこういう切り口もありか。
>>41-42 少しこのスレ的には長いけど、クルーゼ視点ですっきりと書き上げてくれて
かなりまとまってたな、と。
さて、そろそろ次のお題に参りますか。
っ【対艦刀】
種の中でも特徴的な武器、これをどう料理するか。
<対鑑刀を持つ者達の運命>
「対鑑刀……ですか?」
シュベルトゲベールが使いやすかったか。私は目の前の少年にそう聞いた。
私は少年に本音で語って良い、その事で少年になんら不利益は無い−−そう確約した。
「正直に言うと、嫌いでしたね」
少年は半信半疑だった様だが、どうやら本音で語ってくれている様だ。
促す様に私は何故?と問いかける。少年は、意を決した様に続けた。
「……簡単ですよ。アレは、”殺した”感覚が手に伝わるからです」
人を殺す衝撃。それは、ビームサーベルでは味わえないものであり、対鑑刀では容易に味わえるものだ。
相手のコクピットを狙い、横薙ぎに打ち出す−−それはシールドに止められない、圧倒的な斬撃。
一度間合いに入れば、相手を瞬殺しうる鋭利な一撃。
確実に相手を倒せる。それは、パイロットにとって嬉しいことの筈だ。
だが、モビルスーツの戦闘はともすれば”戦争”という感触を忘れさせる、ゲーム的な側面もあったのだ。
「声が、聞こえたんです。……断末魔の。それ以来、あの武器を使いたく無いんです」
人が人を殺すのは、恐ろしい事だ。おぞましい事だ。……そして、戦争とは多くの人が、多くの人に”それ”を強要する事だ。
少年にとって、ビームライフルで敵を撃ち殺すのは、ビームサーベルで敵を切り倒すのは、ゲーム的な事に感じられていた。
血が出る訳では無い。ただ機体が壊れ、爆発するだけの事だからだ。
むごたらしい死体は、機体の炎が焼き尽くすし、それをわざわざ見に行く暇人も居ない。
少年は、対鑑刀を通じてそれを悟る事が出来ていた。私はそれを確認すると、違う質問をして少年を和ませ、その場を後にする。
……そういう人が居るのなら、まだ人類に希望は残されている様な気がしたからだ。
そんな私のレビューを、誰かが見ていたのかも知れない。
数年後、ザフトで開発された新型モビルスーツは新たなる対鑑刀「エクスカリバー」を装備していた。
私は彼も優しい少年であれば良いと願いながらも、その事で傷つく日が来るのかと悟っていた。
だから、私はその日の夕食で彼の幸せを願うことにした。……それ位しか、してやれる事は無いのだ。
「また戦争がしたいのか、アンタ達は!」
……人の運命は、終わらない。
―― 天に問う、剣は折れたのか? ――
朦朧とした意識が、徐々に戻ってくる。俺は生きていた。
モニターの反応が、全くない。これは死んでいた。
そうだ。俺は確かあの時、アスランの攻撃を受けて……。
コクピットを自力で開く。
眼前には、どこまでも広がる宇宙。
無惨に壊されたモビルスーツの残骸。
そして――そして、ザフトの天守閣たるメサイアの無惨な姿。
言うまでもない。
エースの撃墜、メサイアの陥落、それが表すものは敗北。
ザフトは、オーブ軍に完全敗北してしまった。
とはいえ、ここで立ち止まっていても始まらない。
暫く歩くと、巨大な刀が地に刺さっていた。
アロンダイト。
それは、運命の名を冠するモビルスーツの、破壊の権化を断つ剣。
少なくとも、平穏を願い幾度となく振り抜いた、無垢なる刃。
しかし、それは自らの敵に通用することはなく。
――天に問う、総ては終わったのか
――天に問う、俺は悪だったのか
――天に問う、剣は折れたのか
答えはない。
その刃は、ただ事実だけを残酷に表す。
その刃は、純粋なる結果だけを俺に突きつける。
俺は負けた。
今の俺には、何もない。
僚艦は冗談のようにあっさりと沈んで行く
MSの機動性には護衛艦などついて行けようはずは無い
まして航空母艦など向こうから見れば止まっているも同然だろう
ここで、こんなカタチで沈められることが
こんなカタチで自分の命が終わることが
果たして運命だと言うのか
斜め前にいた護衛艦のブリッジが切り取られる
そしてついに目の前に禍々しい刀を持った巨大な人型の機械が
衝撃と共に着地する
その機体が刀を振り上げた瞬間に唐突に思う
あの日助けた少年は、幸せに暮らしているだろうか
次の瞬間、対艦刀はブリッジに振り下ろされた…
PHASE-?? 金と浪漫と勇気のワルツ
「……なんですこれ?」
「はっ! これは一五・七八メートル対艦刀シュベルトゲベール≠ニ呼ばれるものでして――」
とあるオフィスの一角で、提示された資料の内容に目を通したムルタ・アズラエルは呆れ果ててしまっていた。目の前の士官が緊張しきっ
た様子で敬礼しているのなどどうでも良い、こんなもの馬鹿げている。アズラエルはもう一度深いため息をついて言った。
「あのですねえ、僕が言っているのはそういうことではなくて、何でこんな馬鹿でかい剣を装備させる必要があるのかってことを聞いている
んですよ」
敬礼している士官の顔には大粒の汗が浮かべられている。士官はしどろもどろになりながらも必死に何かを言おうとするが、説明が思い
浮かばないのか口をぱくぱくしているだけだ。なんとも情けない。とりあえずこの士官は首だ。
ふいに、少し離れた位置でゆったりと佇んでいた別の男が悠然と言った。
「剣――それは男の浪漫ですよ、盟主」
「浪漫って……貴方はどこの夢想家ですか? ジブリール君」
ジブリールと呼ばれた男はアズラエルが苛立った視線を送ったのにも気づかず、つかつかと足を踏み出し続ける。
「よいですか盟主。剣――それも両手で持つほどの大剣となると、夢と浪漫が溢れているのです」
「……ああそうですか。で、それが金になるとでも?」
「金!? そんなもの、憎きコーディネイターを滅ぼすためならばいくらでも投げ打ってしんぜましょう!」
……この男はいつもそれだ。どうも現実が見えていないというか……。金に勝るものは無いと考えているアズラエルにとっては全くもって
理解しがたい。こんな世の中であるから利用はしやすいのだが。
そういえば開発を進めている強化人間プランで、この男は丸々戦艦一つとセットで運用する馬鹿げたものを発案していた。よくもまあこん
な男がジブリール家に生まれたものだ。当然却下したので特に支障は無いのだが、やはりこういう男がブルーコスモス内にいると動きづら
いのも事実だ。アズラエルにとってコーディネイターの殲滅など二の次なのだから。
とりあえず改行タイミングの見直しを進める
「あのですねえ、ジブリール君。戦争はビジネスなんですよ?」
「もちろんそれも承知しております。しかし、多くの難民や子供達を奪ったコーディネイターは直ちに滅ぼさなくてはならないのです。我々の
未来のために、青き清浄な――」
「あーはいはいわかりました。だからと言ってこんな原始的な装備をつける意味にはならないでしょう?」
青き清浄なる世界の為に――それはブルーコスモスのキャッチフレーズだ。アズラエル自身、若かりし頃はその世界を信じ、コーディネイ
ターを抹殺し平和で安心できる世界を、と戦ったものだが……なんというか、飽きてしまった。だいたい一つの種族をそう簡単に絶滅に追い
込むことができたら苦労が無い。ナチュラルの中に隠れて生活するコーディネイターだっているのだから。それに、世の中金だ。
ソードストライカー=Aこんな馬鹿げた装備は却下だ。これなら胸に獅子のマークを書いたりしたほうがまだマシだ。
「それに、これは盟主のお父上殿も賛成してくださっていることです」
「ちょ……なんですかそれは……」
あのもうろくじじいめ……。いい加減引退して欲しいものだ。
「お父上殿がおっしゃるには、剣とナイフとハンマーには勇気が詰っているだとか」
もう呆れて声もでない。自信満々に語るジブリールの後ろで先ほどの士官が感激してうなずいている。もう少しまともな人間はいないのだ
ろうか。
ついにその士官が声をあげた。
「お、及ばずながら! 自分もそれに賛成であります! 勇気ある誓――」
「あーあーもう、わかりましたよ! 許可すれば良いんでしょう許可すれば」
今日は厄日かもしれない。アズラエルは目の前にいる二人の熱血馬鹿を呪いながら承諾のハンコを資料に押した。
あれれ? なぜだ・・・
Live2chのプレビューでは普通に表示されてるのに・・・
というか投下って滅茶苦茶難しいな
仕組みがいまいちわからないス
51 :
47の人:2007/03/11(日) 23:50:08 ID:???
普段やらない、カカッと書いてカカッと投下って手法を取ってみたけど、やっぱり誤字が多いなあ
それに、上手く描写が伝えられそうにない部分も結構あるし
投下の仕方かあ、改行かあ・・・これも2chに投下することで難しい問題の一つだわ、俺にとっては(´・ω・`)
勇者王ワラタ
しかしもうちょっと皆批評してやらないと、向上にはならないような。
各職人が書きなぐってるだけの状態に近いし。
内容はワラタwwwwだが、誤字脱字改行は再考が必要だなぁ
2回改行する意味あるか?
55 :
47:2007/03/12(月) 00:32:56 ID:???
>>54 いや、二回改行したつもりは一切無いんだ
たぶん俺が書き込みの仕組みを理解してないのが原因だと思う
メモ帳からそのままコピーしたのが原因かもしれないけど、それを含めて色々と学ばないと
誤字脱字は……それやってたらたぶんどんどん内容に満足がいかなくなって、一週間二週間と寝かしたくなっちゃうからあえて思いついたままサッと書いてサッと投下って手法を取ってみたんだ
歯磨きながら思ったよ、この手法は危険だw
モルゲンレーテ開発のストライクにアズラエルが許可、とかそういうのの理由作りも忘れてたり
まあ今書いてるSSはずうーっと誤字脱字チェックをしてるから大丈夫だとは思うけど……改行かあ
超頑張る
>>53 確かに、批評してくれる方々がいないとこういうのは成り立たないよな
批評できるほどのスキルがない…
ヘリオポリス強襲から低軌道会戦を経て、クルーゼ隊の旗艦ヴェサリウスはしばしの休暇のため本国プラントへと帰還していた。
そのクルーゼ隊に所属し、奪取したGAT-X207ブリッツのパイロットとなったニコル・アマルフィは休暇だというのにトップガンの印である赤の軍服を着込み、MMIの工廠を訪れていた。
MMI――マイウス・ミリタリー・インダストリー。
プラントきっての軍需企業である。
ニコルの地元マイウス市を本拠とし、ニコルの父であり評議会議員とザフトMS開発最高責任者をも兼任するユーリ・アマルフィはMMIの機械工学博士でもあった。
「休暇くらいのんびりしていても良いんだぞ?」
工廠に詰めていたユーリは赤を身に纏い、背筋を伸ばして歩く息子を誇らしくも優しい目で見つめ、優しく声をかけた。
「そうさせてもらおうとは思っているんですが……どうしても気になるんですよ、愛機の機嫌が」
ニコルはというと、今はフェイズシフトを解かれ本来のメタルグレイが露わになっているブリッツを見上げている。
クルーゼ隊の休暇を利用しての本格的な機体解析のため、ブリッツとイージスはここMMIへと搬入されているのだ。
生真面目な性分故か、普段から機体チェックを欠かさないニコルにとって長い間ブリッツと顔を合わせないというのはどうにも落ち着かない。
せめて休暇の間に一度は様子を見に来ようと今日この場所へ赴き、早速周りの工員たちと意見を交わしあいながら、普段どおりのチェックを進めていく。
「そういえばニコル君、この機体でユーラシアの要塞落としたんだってな?」
「難攻不落の要塞を単機で撃破!ってプラントでは結構騒ぎになってたよ」
雑談ついでに工員たちに言われ、ニコルは軽く微笑んだ。
「ほとんどブリッツのおかげなんですけどね」
議員の息子という立場の為か、クルーゼ隊での活躍はプラントでも大きく取り上げられる事が多い。
慣れたように返事をして、ニコルは愛機の足首辺りを緩やかに撫でた。
しかし、その表情が少しばかり曇る。
アルテミス陥落は副次的な戦果であり、当初の目的であったアークエンジェル及びストライクの捕獲ないしは撃破という任務は結局果たせなかったのだ。
今でもふと思う。
あの時、ちゃんとストライクとの戦闘が叶っていれば落とせていたのではないか、と。
「アルテミスといえば……あの時のストライクはソードを装備していたようだな」
ブリッツを撫でた手を無意識に握り締めていたニコルの耳にユーリの声が届き、ハッと顔を上げるとユーリは何やら解析用のモニターを覗き込んで顎に手をあてていた。
「ええ、あの時はソードでした。あの機体は3タイプに換装可能な汎用機のようですね」
「吸い出したデータにあったんだが、あれは対艦刀――本来は戦艦戦を想定して作られた武装だということだ」
「へえ、対艦用……確かにあれだけ大きいと振りかぶった際に生まれる隙が大きすぎますからね、相手が高機動の格闘機だと分が悪そうです」
ニコルの声に若干棘が混じる。
実際、あの時のストライクには隙も多かった。
なのに討てなかったという自身への苛立ちからだ。
「しかし弾幕をフェイズシフトと機動力で乗り越え、戦艦に有効打を与えるという意味では面白い武器かもしれんぞ。バスターのような支援タイプと組めば更に力は増す。ザフトにもどうにか取り入れられないものか……」
「量産には向いてない武装だと思いますけど。エネルギー消費も激しそうですし」
「いやしかし!ストライクのように換装用にするとか、規模を小さくして出力を落とすとか……ああ、二本にして連結させるというのはどうだろう?」
ユーリの方は新たな武装案でもあるのか、しきりに自分の言葉に頷きながらモニターに見入っていた。
先日も早速ブリッツの武装に目を付け、トリケロスを参考にシールドからビームクローを出せないか、とかグレイプニールを進化させアンカーにビーム機構を付けられないか、
とか熱の籠もった声で新たな武装の開発への意欲を語っていたユーリを思い出し、ニコルはクスッ、と笑みを漏らす。
ニコル自身本来敵側の機体であるブリッツに愛着を持っているように、ユーリも例え敵の兵器であれ優れた部分は認め、積極的に取り入れようとしている。
そんなユーリを尊敬していたし、ニコルもユーリの意見には賛成だった。
実際、対艦刀は良い武器なのだろう。
デメリットもあるが、威圧感、切れ味、どれをとっても目を見張るものがある。
「でも僕としては……是非仕切り直しをお願いしたいですけどね」
ほんの刹那、アルテミスで斬りを結んだソードストライクの姿を浮かべ、ニコルは鋭い目つきで愛機ブリッツを見上げた。
その顔は幼さの消えた、まぎれもない戦士の顔だった。
数ヵ月後、どういう因果か皮肉な形で再戦の叶ったソードストライクの対艦刀により命を落とし、対艦刀を巻き込んで愛機と共に砕け散ることになるとはこの時のニコルは知る由もない。
そして停戦後――、ザフトは全く新しい機体構造を持つMS"インパルス"の開発に成功。
すっかりポピュラーとなった換装タイプを持ち、その中のひとつにはMMIの新兵器であるレーザー対艦刀"エクスカリバー"を主力武器とするソードインパルスの姿もあった。
かつてストライクの武装であった対艦刀を思わせるようなこの武器の開発の流れの中に、あの時のニコルとユーリの会話があったのか――今はもう分からない。
>>55 俺はだいたい40字程度で改行するようにしてるけど
句点打ったらとにかく改行ってくらいの方が読みやすくなりそうな気はするな
しかし俺も初心者なんで、是非ベテラン方の意見を聞きたかったりする(´・ω・`)
で、対艦刀で今日の練習分↓
さりげなく、ゲイツの武装ネタが織り込まれてるなw
プラントの首都アプリリウス。
そこのザフト軍基地・格納庫前試験場にてシンはインパルスの最終チェックを行っている。
今はソードシルエット装着時に不備は無いかの確認。
電装系、良し。VPS装甲の動作確認、良し。
モニタに表示される情報にくまなく目を通して、ちょっとした違和感にも気をつけなければならない。
そんな作業の中、インパルスの正面カメラに人影が映る。
アカデミー時代からの友人レイ・ザ・バレルだ。
自分のザクの調整はとっくに終わらしたって言ってたのに、なんでこんな所にいるんだ?
そんな事を考えながら機体から降りて軽く挨拶を交わした後、彼からこんな頼まれ事をしたのだ。
「すまない、少しだけの間でいい。インパルスに乗せてくれないか」
しかしこんな事を言い出すとは思わなかった。あのレイがインパルスに乗りたいなんてなぁ……
やっぱり悔しいだとか、何で俺なんだかとかって思ってるのかなぁ。
実際アカデミーで行った実戦訓練じゃ俺が負け越してるし。
白兵戦、いわゆるチャンバラに持ち込めればシンにも勝ち目があったが、大体はその間合いに入る前に
レイの正確、精密な射撃になすすべなく撃ち落されていた。
その時の事を思い浮かべただけで自然と眉間に皺が寄ってしまう。
あぁもう。どうしてあんなにも冷静と言うか、マイペースと言うか、陰湿と言うか―――
「今からエクスカリバーのチェックを行う。足元にいる者は離れてくれ」
と、インパルスのスピーカーから響いたレイの声がややずれかけたシンの思考を呼び戻す。
シンは慌て、駆け足でインパルスから離れた。
一方レイは足元に人、周囲に物が無い事を念入りに確かめてから背部の対艦刀2本を抜き放つ。
まずちゃんと刃の部分にレーザーが出力されるかの確認。
続いて右手に持った対艦刀を縦に、横にと様々な角度で振って、腕にかかる負荷などをチェック。
なるほど大した物で、これだけの大質量を振り回してもフレームに異常は全く見られない。
左手も同じようにチェックを行ったのち、両手の対艦刀を連結。
自身の身さえ切り裂きかねないその巨大な刃を赤色の巨人は軽々と振り回す。
最後に頭上で大回転。その勢いを乗せたまま対艦刀を縦に振り下ろし、見得を切った。
そして。
「……俺は最初からクライマックスだぜ」
マイクも拾わぬ微かな声で呟き、レイはコクピットを降りた。
やっぱりそのオチかwwwww
>>64 だって他に思いつかなかったんだもの(´・ω・`)
あと9行目「頼まれ事をした」じゃなくて「頼まれ事を受けた」だな…
>>58が教えてくれたスレで精進してくるよ
文章力もそうだけど発想力と構想力を磨くのも大事だよね。お題はガンダムらしくない方が良いのかも知れないね。
関係ない物から話を作り出す方が勉強になるのかも知れないよ。
次のお題は「そら」でどうかな。空でも宇宙でも何でもありで。
駄目なら別のお題を挙げてくれ。
待てまて、そう短時間でお題を変える必要はないんじゃないか?
現にぽんぽん変えてる所為か一つ一つにちゃんと批評がされてない
感じがするしな。
短くても一つの話に色々意見出した方が職人の為になるような気がするが。
そうだな。最低ひとつの作品につきひとつは意見があればいいとは思う
素直にいいところを述べるだけでも価値はあるんだしさ
>>66の意見も
>>67の意見も理解出来るように思います。
お題はガンダムと関係が無い方が勉強になる気がするし、お題を変え過ぎな気もします。
後、批評。批評するスキルが無いと言って批評しないと云うのは問題かと。
このスレは文章力向上が問題なのでしょう?互いに切磋琢磨し合うのが目的ですから。
批評するスキルを磨く事は自分のSSを推敲する時に役立つと思います。
対鑑刀はお題としては不向きだと思いスルーさせて頂きました。
……だって、難しくて書けなかったんです。ごめんなさい!
>>59-60 なんというか、しんみり来た。
ソードインパルスにはアマルフィ父子の意思がしっかりと継がれてる気がする。
自由落としたのソードだしね!
「この曲が新曲ですか?嬉しい!」
あたしはプロデューサーから手渡された歌詞カードに目を通しながら、満天の笑顔を浮かべて兎みたいにぴょんぴょんと跳び跳ねてはしゃいでしまった。
ラクス様の歌のアレンジでは無く、あたしのオリジナルの歌――あたしの為だけに作られた歌。
あたしの置かれている状況と重なっているこの歌を、あたしは一目で気に入ってしまった。
あたしの夢。それは沢山の人に歌で思いを伝える事だった。歪な形ではあるけれど、夢は叶った。
必要とされているのはミーア・キャンベルとしてのあたし。ふと鏡を見ると、ラクス・クラインが此方を見つめていた。
イヤホンを耳にして楽曲を頭に叩き込む。ノリが良くて可愛らしい音楽が流れて来る。
振り付けはどんな感じだろう?
クルクル回ったりする所があれば良いななんて、思わずあたしは想像を拡げる。。
回る度に髪がなびくのって素敵。その度にあたしは髪を掻き上げる。コケティッシュな仕草であたしは皆を虜にする。
間奏部分もとてもユニーク。遊び心が詰まっていてファンの皆もコールし易そう。
ここの部分はライブでは皆にマイクを向けてみたらどうかしら?
一緒に歌ったらファンの皆と一体感が感じられそう。
スポットライトの中であたしは歌い踊る。全てを釘付けにする。あたしの役目。あたしの願い。
一部の人がラクス・クラインは安いアイドルになり果てたと批評しているのは知ってる。
その度にあたしは議長に申し訳無くて引け目を感じてしまう。
いつか、あたしの化けの皮が剥がされてしまうかも知れない。
その時まで走り続けたい。
「この空は、夢の形……か」
あたしはポツリと呟いた。
『そら』と言うお題でSSを投下させて頂きました。
対艦刀というお題で書こうと思ったらお題がそらに変わっていたんですね。
こういった抽象的な言葉は職人のセンスが試されているようで興味深いですね。
普段使う事のない文体で書くのは楽しい経験になりました。
スレ汚し失礼致しました。
すいません、感想・批評を書き忘れてしましました。
対艦刀と云う言葉は使う人、作った人それぞれの視点から見ると違った印象を得るんですね。
皆さんのSSを読ませて頂いて勉強になりました。
重ね重ねスレ汚し失礼致しました。
尚且重大なミスまでしてました……
必要とされているのはミーア・キャンベルとしてのあたし。
ではなく
必要とされているのはミーア・キャンベルとしてのあたしではなくて、ラクス・クラインとしてのあたし。
です。
本当に申し訳ありませんでした。
>>71 ミーアの、元気な女の子らしい様子がよく伝わってきます。
単語の選び方などにも細かく気を配られていらっしゃいますね。
それでいて、そこはかとない幸薄さが漂っていて、
ミーアはいい娘だなあ、と改めて思った次第です。
お題『そら』。↓
――――――――――――――
いつもだ。あの時はいつも白と黒の世界を見ている。
最もシンプルな情報のみを取り込んで処理を早くしているのだろうか、などと
自分なりに解釈してみた。
けれど本当に人間の頭がそんな理屈で動くのかもよく分からない。
メインカメラの端で陽電子砲の砲塔がクッと動いた。
そこへ焦点を定めたシンの瞳を、砲口は黒々として静かに見返した。
ロックオンされたことを告げる警告音がインパルスのコックピットを高く裂く。
すべてが対消滅するプラズマを浴びせられる、その予感は
実弾やビームの幾倍もの圧迫感でもってシンの神経を苛んだ。
視界が歪むほどの頭痛。
耳鳴りが駆け、ぱきん、と頭蓋が弾けるかのような錯覚をする。
そして、視界が、さっとモノクロームに塗り変わった。
灰色の世界で、シンには、二千メートル四方の全てが手に取るように分かる。
首筋に痛みとも熱ともつかないものが走り、
それを辿れば背後、ウィンダムのビームライフル。
カメラで確認する。と、同時にシンは目標の艦橋を一点に定めてスラスターを噴かす。
ビームブーメラン、更に腰部の対装甲ナイフを抜き取る。それぞれ前方と後方へ投じる。
更に二振りのビーム対艦刀をバックパックから引き出す。結合させ、振り上げた。
ウィンダムのライフルは発射の瞬間に暴発した。機体の片腕も道連れだった。
その砲口に深々とナイフが埋まったせいだ。
ブーメランが目標艦の横腹から砲塔を抉り取る。
インパルスは対艦刀を一閃、艦橋を切り裂く。
炎と煙がどっと吹き上がった。これも灰色の。
楕円に軌跡を描いて戻ったブーメランを受け、機体を後方に翻し、再び放った。
まだ追ってきていたウィンダムのコクピットを正確にビームが薙ぎ、
胸部にばくりと深い口を開けてウィンダムは落下した。ブーメランが戻ってくる。
カメラで状況を一通り確認する。
終わりか。
不意に力が抜け、汗が噴出す。
作戦終了です、帰還してください、とシンプルな指示が、遠い潮騒のように思えた。
午後の陽光が降り注いでいる。
モビルスーツの砕かれた手足や頭が漂い、ところどころ赤い火と黒煙があがる海面。
それらを器用によけながら、波間は日を受けてきらきらと光をこぼしている。
空が、青かった。鮮やかに、静かに、目が痛いように青かった。
ああ。また、戻って来ることができた。
シンは機体をミネルバに向かって回頭させ、ヘルメットを脱いで汗を拭った。
――――――――――――――
戦闘シーンがとても苦手で自信がないので、練習させていただきました。
よくない点や直したほうがいい点などご指南くださると幸い。
……いやこれ、すでに一線級で通るレベルだと思うんだが……
>>41-42 フレイはパパと同じ声で「美味しい」と言ってもらいたくて必死に
頑張ってるんだろうか・・・とか思った。
お題を変えるのは一日一回決まった時間に定めたらどうか?
書いているうちにお題が変わったらと思うと落ち着かないし
せめて締切は設定してほしいなあ
うん。そだねぇorz
今、対艦刀で書いてて急にお題が変わって一個ゴミ箱へ放り込んでた
>>80 それは勿体ない…
お題を変える香具師は少々せっかちジャマイカ?
>>80 それは勿体無い……
折角書き上げたのですから、投下なさっても大丈夫だと自分は思います。
折角の文章練習の場ですものね。
>>81 同感です。それぞれ書くスピードやペースが違いますから、せっかちにお題を変える必要性はないですよね。
このスレのルールやテンプレを考える必要がありそうですね。
>>76 素晴らしい戦闘シーンだと思いました。的確な微妙がなされていて情景が浮かんで来ました。
そのセンスを見習いたいなと思いました。
一度出されたお題はずっと使ってイインジャマイカ?
間が空いたらどこどこで出されたどういうお題か最初に書けばいいんだし。
一日に一回ってのも確かにやりすぎだけど。
大空を黒く塗り潰すような降下部隊。
降ってきた大量のザフトMS部隊により連合軍最高指令部基地であるアラスカは壊滅したという。
そして、まだ飽き足らないとばかりにザフトはここパナマ基地に狙いを付けてきた。
目的は分かっている。
パナマはマスドライバーを所有している連合の宇宙への重要な足場だ。
その連合最後のマスドライバーを奪うという腹なのだろう。
厳しい戦いになると誰もが悟っていた。
しかしパナマを落とさせるわけにはいかない。
宇宙では大勢の同僚たちが戦い、このマスドライバーを頼りとして日々軍務に励んでいるのだ。
パナマ陥落は自分たちだけでなく、彼らの死をも意味する。
「ザフトMS部隊、第一防衛ライン突破――!」
テントで司令部とコンタクトを取っていた兵が悲鳴に近い声で状況を知らせてきた。
視界には羽を広げたディンが映っているし、既に耳慣れた銃器音、機動音と共に地震と紛うような地響きが身体の芯を振動させている為、眼前まで敵が迫っていることは分かっていた。
「怯むなよ、伍長!」
部下を従えた軍曹が、鉄帽をかぶりなおして地対空ミサイルをスタンバイさせていた。
伍長、と呼ばれた青年も土色にペイントされた顔を引き締め、地に伏せるように身を屈めて碧眼を光らせながら対戦車ミサイルの発射トリガーに手をかける。
MS対生身の人間。
無謀すぎるかもしれないが、誰もが今も空を飛んでいる航空部隊のような戦闘機や密かに配備されている連合初の量産MS・ストライクダガーに乗れるわけではない。
歩兵部隊はどんな時代にあっても最前線の現役なのだ。
パナマは山岳部という地形を活かし、激しい起伏や岩陰に潜む戦車部隊や設置された自動迎撃ミサイルがザフトMSの進入を何とか阻もうと猛攻する。
ばら撒かれた地雷を踏んで横転したジンが激しい地鳴りを起こしては、その上を爆破された戦闘機が炎を噴きながら落ちてくるという死闘は既に何時間も続いていた。
木に紛れながら果敢にもジンの足元に踏み込み、連合の戦車が砲塔をコクピットへ向けたかと思えば、ジンはそれを嘲笑うかのように片足で戦車を踏み潰し、上空から自身を狙い降下してきたミサイルを突撃銃で軽く迎撃する。
地にはその際連射された弾の残骸が転がり、突如ジンは何を思ったか腰の重斬刀を抜いて蹲踞した。
重斬刀が突き立てられた先には破損した装甲車から脱出したと思しき陸軍兵が数人存在していたのだ。
しかしもはや過去形――今は大地に赤い染み模様を描き出すだけの物と化し、鮮血滴る重斬刀を抜き去ってジンは離脱していく。
地獄絵図とはこういうことを言うのだろうか。
黒煙の中にパナマの暑さが臭い立たせる死臭が立ちこめ、そこかしこに両軍の残骸やパーツの揃わない人体が転がっていた。
それでも歩兵部隊は逃げ出すことなど許されなかった。
否、逃げようという意思など誰一人として持っていなかった。
「やってやる!やってやるさこの宇宙の化け物め……!」
青年伍長の傍で、年下の兵長の気迫籠もったけたたましい声と共に唸るような機関銃の音が聞こえた。
動く高層ビルのように迫っていたジンに全ての弾が当たるが、それは空しく火花を散らすだけで何の効果ももたらしていない。
宇宙の化け物――とはよく言ったものだ。
彼らは突如として空から降ってきた。
開戦直後、大空から流星群のように地上に降り注いできたNジャマーにより地球は未曾有のエネルギー危機へと陥った。
それに付け込み、地球への侵略を開始したザフト軍。
今日もまた今のパナマのようにどこかの空を黒く覆い尽くして、地上へとその化け物が降りてきていることだろう。
あの日からもうずっと、子供の頃見ていたような澄んだ青空というものを見ていない気がする。
どこかのテロ団体が「青き清浄なる世界のために」と叫んでいるのもおぼろげながら理解できる。
ただ、元の曇りのない青空を人々は渇望しているだけなのだ。
しかしそんな伍長の思惑など幻だと突きつけるように、数機のジンが視界を埋め尽くす。
間近で見上げると聳え立つ山のようだ。
あまりに人は小さく、空など見えやしない。
品定めをするようにジンのモノアイが光を放ちながら揺れ動き、伍長もまた周りに負けず必死に応戦した。
空を切るような音を立てて発射されるミサイル。
容易く動きを見極められるような対戦車のそれは、一機のジンのふくらはぎ辺りでオレンジ色の爆発を起こして一歩だけジンを後退させるに至った。
それが人間の限界なのか――弾切れをおこしたミサイルに代わり、伍長はただの自動小銃を抱える。
傍で鉄帽が空を舞った。
目の端に一瞬だけ映った赤い液体。
兵長が倒れたのだろうなどと確認する余裕などあるはずもなく、ひたすら弾を連射し続ける。
そのうちに伍長は、いつの間にか泥に頬をつけている自分に気づいた。
その周りを何か赤いものが広がっていっている。
何故だか意識も朦朧としてきた。
瞳だけを上向ければ、大きな手のひらが迫ってくるのが微かに映る。
その後方には、確かに戦っていたはずだったジンのモノアイ。
抑え潰す気なのだろうか。それとも握り潰す気なのか。
どちらでもいい。やはり青い空など見えやしない。
未だ空は黒いままだ。
そんな伍長を突如として浮遊感が襲った。
ジンは伍長を潰すでなく、ひょいと掴むと無造作に宙へと放り投げたのだ。
急に視界が反転し、伍長の世界を彩ったのは紛れもない自身の青い瞳と同じ色だった。
淀みのない、澄み切った青。
地球にいる者だけが見上げる事のできる、特別な色。
基地を覆う銃撃の音も、ジンが向けてきた突撃銃の稼動音さえも今の伍長の耳に届くことはなかった。
無音の世界に、まっさらな空。
――綺麗だ。
大空を仰ぎながら、伍長は声にならない声で唇を動かす。
掴み取るように手を伸ばした刹那、その瞳に焼き付くような青が伍長の永遠となった。
伍長の身体を幾重にも貫いて空となった突撃銃の弾装をリロードすると、ジンはモノアイを空から地へと移して何事もなかったかのように地響きと共に荒々しく次の目標へ向かっていった。
『そら』というテーマでMSに乗らない一般歩兵に焦点を当てて
ここまでの物を作る方がいるとは…よそスレで書いてるけどこの文には、嫉妬を覚えるくらい上手く
"戦争らしさ"が描かれていると思います
GJです
>感想について
皆に提案なのだが、こんなのはどうだろう?
・SS投下者は、その直前のSSに対して感想を書く。
これなら一応全てのSSに対してコメントが付く。
何故こんな事を提案したかと言うと、少なからず居ると思われる携帯ユーザーに
配慮した方が良いのでは無いかと思ったから。
投下直前のSSならどうしても見るはずだし、『批評』とは
『(対象を)比べて、どちらが良いか評価する』という意味合い。
と、なればそういう風にすると「前の投下者と己の文章を比べる」という
事になり、必然的に『批評』する事になる。
PCユーザーならともかく、携帯ユーザー、また(居るのか解らんが)PSP
ユーザーの事を考えれば、その辺りが妥協点では無いかと思う。
現状見ると有志が一つ一つレスを付けている様だが、それは大変な作業。
ここは見たところ、新シャア中の職人が集まりつつある様なので、このような
ルールが必要では無いだろうか?
悪くない案だと思うぞ
調子に乗って次の提案をしてみる。
>感想の付け方について
今までのログを見ていたが、感想の付け方にも一考あって良いかも知れない。
例えば「文章の練習」とは、そのまま「文章を読み解く」事が出来る必要がある。
文章とは、ただ読むものでは無く、その奧に隠された「テーマ」や「作者の意図」
を読み解く必要があると思う。
とはいえココは新シャア。そこまでやることは(当人の意志次第だが)やる必要は
無いと思う。
グダグダ上で(俺が)述べているが、要は「感想レスが一行」というのはどうかと思ったのだ。
せめてこの位はと思うのが以下。
【長所】
【短所】
【感想】
まあせめて三行かな。
別にこれは相手の為だけではないと思う。寧ろ自分の為だ。
「この作者の見習いたいポイント」「駄目なポイント」「個人的な感想」
この位までは労せずして出せるのでは無かろうか?
ポイントを絞って文を読み解く癖を付けていれば、必然的に作者自身の
引き出しが広がる効果があると思う。
>>90 賛成。やっぱり客観的に見る力も必要だもんね。
あと、前の奴だけじゃなくて自分が良いと思った奴にも感想をつけるのもありにしようよ。いくつも感想があればやっぱり励みになるし。
それとお題を変えるのは二日に一回にしないか?社会人だと書く時間を取るのは大変だし、自分の連載もおろそかにしたくないし。
我が儘言ってごめんね。
最後の提案。
・お題を変えるのは奇数日
理由は
>>91が言った通りだな。
今までの提案を纏めると、
・SS投下者は、その直前のSSに対して感想を書く。
・他に、遡って感想を書いても良い。
・感想の付け方は【長所】【短所】【感想】の三つに分ける。
・お題変更は奇数日。
・叩かれても泣かない。
後は……そうだな。
必要が有れば「…」「−」「、」「。」等の文法テンプレなんかもあった方が良いのか?
もし必要が有れば、暇な時に(辞書片手に)作るが。
>>92 文法テンプレはいらないんじゃないか。
個人的に気になるのは
・誰がお題を決めるのか
・シナリオ形式での投下の可不可
だな。
お題については取捨選択自由だけど選んだお題はSSの前なりメール欄なりに書いて欲しい。
>>92 三点リーダーとか文法テンプレは是非欲しい。
ただ―-や……の多用は駄目!とかは個性とかの範疇なんで(俺個人としてはいかがなものかと思うけど)
テンプレには載せず個々のレスで対応。あくまで最低限の文章ルールとか簡潔明瞭に纏まってると嬉しい。
特に一行あたりの理想的な改行のタイミング、最大文字数や改行限界など
『新シャア』ならではのルールを書いてくれると助かるな。
しかし議論で批評がされずスレが進んでいくのは本末転倒なような。
スレ開いた途端見えるのはSSじゃなくルール決めじゃな。
最初から見てると一作品につき一レスがほとんどだし中には付いてないのもあるし
ごちゃごちゃ言うより最初からもっと良く見て各個人の判断で批評 や ら な い か ?
というわけで、言いだしっぺから。
>>6 短所というか、完全に揚げ足取りでスマンがクルーゼの出撃台詞は
「ラウ・ル・クルーゼだ。プロヴィデンス出るぞ!」だったような。
クルーゼの感情の機微が短いながらに詰まってて凄く良いと思った。
解釈が自分と似てたという個人的理由もあるが、引き込まれた。
もう少し長い話も読んでみたい。
一番乗り乙、最初の投下は勇気がいっただろうから尊敬する。
>>85 中盤まで、視点が誰にあるのかよくわからないのが勿体無いと思います。
最後の、伍長と空のシーンがものすごく鮮烈で、この作品の一番肝心なとこだと思うので
最初から伍長の主観で導入したほうがいいのではないでせうか。
しかし無駄がない文章の引き締まり方、臨場感、こまやかな心理描写、
全てに感嘆です。掌編として完全に成立してるのも素晴らしい。
ひとりの連合兵から見たCE世界の広さ立体感にぞくぞくするほど興奮しました。
<文法テンプレ> (案)←正式採用時は外す
【、】……読点(とうてん)。意味の切れ目を示す。体感として、読み上げる際に息継ぎ等をする場所。
上手く使えば「朗読しやすい文章」となる。人によって違うが、長い文章でも効果的に使うと読みやすくなる。
【。】……句点(くてん)。文が終わった印。ちなみに会話文「」の最後は省略可。
【?】……疑問符。クエスチョンマーク。意味は解るだろう。この記号を入れた時は次に空白を入れる。
ただし、会話文「」の最後ではこの空白を入れないで良い。
【!】……感嘆符。エクスクラメーションマーク。解らん奴出てこい。横書きの場合、!!、!!!、等の様に
驚きの度合いを数で表す事もある。また!?又は?!の様に疑問符と連携される事もある。
縦書きの場合は使い方が違うので注意すること。
【…】……三点リーダー。間を取る時に使う。使い方は多岐に渡るが、これは作者のセンス次第。
多すぎる人も居るそうだが、人それぞれだと思うこと。ちなみに商業誌では……の様に、二つ続けてが基本。
これは行頭で使用する際、行がずれると格好悪い為だと思われる。
【−】……棒線(たぶん)。三点リーダーよりもスピード感ある間を取る際に使われたり、文中で説明補助に使ったり。
二つ続けて使われる理由も多分三点リーダーと一緒と思われる。
2ちゃんにおける最大行数は48行。最大4096バイト(Jane調べ)。字数は概ね33〜35辺りで名前、メール欄の端に
到達する。最大でも40文字辺りが改行ポイントだと思われる。
場面転換時の改行や、「」前後の改行はそれこそ自由。読者に解りやすいと思えば何でも良いだろう。
取りあえず空気を読まずに作ってしまったので、空気を読まずに投下して俺は逃げる。
職人達よ、頑張ってくれ。
>>41-42 全体に一文が長くなりがちかな?という気もする。
切れるところでは切るように研究してみるといいかも。
フレイが本当に可愛い。ありのままのフレイのどんなところが可愛いのか
よく見極めていらっしゃる。
クルーゼの心が僅かに動いている様子もとても自然で丁寧に描いてるなーと思う。
「ちょっとだけ心が通うかんじ」が印象的。
>>98 乙。有り難い。
【−】の名前は「ダッシュ」だと思ってたが、どうだろ?
ダッシュって入力すると変換できるよ。
101 :
98:2007/03/12(月) 22:43:24 ID:???
>>100 俺自身の拙い記憶から抽出してるんで、多分そちらの「ダッシュ」の方が当たりだろう。
まあ俺とて最低限しか出来てない自負があるので、これも勉強だな。
参考になった。
……さて、空気を読んで今度こそ逃げる。サラバだ。
ここは文章力向上の為のスレなので
>>98は良いと思う。少なくとも俺はありがたい。
字数制限とかよく引っ掛かってたんで参考になるよ。
ちなみに―は全角はダッシュ、半角のはハイフンまたはマイナスと呼ばれるようだな。
>>8 良い意味でキャラが立っている。この位記号的に立たせられれば、
キャラがどんどん自分から動き出すだろう。良い感じだ。
改行と読点をもっと効果的に使うと、読みやすくなるな。!、?の後は
空白を入れよう。会話文「」の後は必要ないが。
文法を敢えて言われるのは煩わしいと思うかも知れないが、最低限
きちんとしていればそれだけ読者に読みやすくなる。事実、人気のある
SS書きはそれなりに統一されている筈だ。
キャラを立てるのが得意なのならば、もっとはっちゃけて良いんじゃ無いだろうか。
読者を置いてけぼりにする様な疾走力を期待したい。
次のSSを書く際の、参考程度に考えてくれると嬉しい。頑張ってくれ。
104 :
8:2007/03/12(月) 23:11:02 ID:???
>>103 指摘ありがとう。文法の面でまだまだ未熟だと解ったよ。精進しないと駄目だね。
いつもはっちゃけ過ぎて読者おいてきぼりと言われたから少しマイルドにしたのが悪かったみたいだね。
やはり俺は突き抜けた馬鹿で無いといけないと言うことか……。
ご意見はこれからの作品に反映しようと思う。
>>76 戦闘が苦手と書いてあるが、なかなかどうして。
しかし、幾つか気になったポイントがあるので書いておく。
まずは失礼ながら、本文5〜7行目を手直ししてみた。
>メインカメラの端で、陽電子砲のがクッとこちらを向いた。
>シンの焦点がそちらを定めると、黒々とした砲塔が静かにシンを見返していた。
>ロックオンされたことを告げる警告音がインパルスのコクピットに響き渡る。
大事なのは、この文の主眼が「シン視点」であることだな。にも係わらず、本文では
「そこへ焦点を定めたシンの瞳を〜」となっている。これはシン視点になっていない
書き方だ。他にも幾つか、視点の良く解り辛い箇所がある。作者は「シンの気分になって」
書き切れていないな。
後は、もう少し辞書を読んだ方が良い。
「幾倍」という言葉は無い。「幾つ」という言葉は「数量が不定・不明」の際に使う。
使うなら「何倍」か「数倍」だな。
「耳鳴りが駆ける」という言い方も、俺の記憶には無い。こういう風に書きたいのなら、
>耳鳴り−−ぱきんという、頭蓋が弾ける様な感触。
という風では無いだろうか。
……なんか否定してばっかりなので、良い所も。
戦闘シーンに於いて、もっとも必要なのは「時系列を順に理解させること」だと思う。
要するに読者が読んだ順に物事が起こっているという事だな。
その様な書き方の場合、読者はどんどん読み進められる。所謂、「テンポが上がる」
という事だな。
時系列を整理し、また視点が何処にあるのかをしっかり認識さえすればアクションシーン
の面白みは上がる筈だ。
文章が単調にならない様に緩急を付けられる様になれれば、しめたモノだろう。
どうもあまり良いことは書けなかったが、これでめげずに頑張って欲しい。
これで落ち込まれると書いた俺が報われん……。
106 :
105:2007/03/12(月) 23:54:36 ID:???
人のことはやはり言えん。俺もしっかり間違った。
×>メインカメラの端で、陽電子砲のがクッとこちらを向いた。
○>メインカメラの端で、陽電子砲がクッとこちらを向いた。
……うむ、精進しようorz 駄目だこりゃ。
どうでもいいが、新人スレより新人スレっぽいふいんきなのはなんでだぜ?
>>24 ミーアの決意と懸命さが良く現れてて楽しめた。
葛藤が伝わるようでこっちも切なくなって、思わずミーアへ声援をかけてしまったりした。
ただ、記号は使わないほうがいいように思う。
>「コマーシャルですか? 良いですよ〜♪」
これ、音符を使わずとも
「コマーシャルですか?」
そんなある日のこと。あたしの元にCMの依頼が舞い込んできた。
あたしは直ぐいつものように弾ける様な笑みに乗せて明るく了承の返事をした。
等いくらでも思わずポップを口ずさんでいるような感じを伝えることはできるんじゃないかな。
しかしながらミーアが可愛くて、違和感なくかけてて好みだ。
自分は一人称苦手だから羨ましい。
>>8 三人の役割分担が分かりやすく、面白いです。内容について一点挙げるならば、
原作の言葉ではなく、キャラが言いそうな台詞で個性付けをしては如何でしょうか?
次に表現や台詞に違和感を感じたところが幾つか。
「バクゥって猫に似て無くない?」 → 「バクゥって猫に似てると思わない?」
日常会話では良く使うかもしれませんが、質問の意味で二重否定を使うのは違和感を
感じました。
同じような理由で、
「――たむろってんじゃねえ!」 → 「――たむろしてんじゃねえ!」
も挙げておきます。
俺は奴らの態度にキレた
後の二行がシンの主観的な『キレた様子』を表しているので、必要が無いと思います。
>>107 最初のスレで投下されたのが長編だったために、『初めて長編を連載してみるスレ』と
勘違いされたからではないでしょうか? ハードルが上がってしまったのでは?
ときに、今日の「そら」についてどう思う?
問い掛けが幾分唐突に過ぎただろうか、彼からの返答には少し間があった。
――藪から棒に何ですか。何か本題があってその前振りですかと。
否。さして深い意図があって訊ねたのではない。
こんな所に篭って、訪問者も珍しいとなれば、世情と乖離もする。
戦争が終結してようやく半年。
体制一新されたプラントは復興の途上で未だ安定には遠いと推察されるものの
彼の口からその生活の実感を聞いてみたかった。
先程よりなお長い沈黙が下りる。
言葉を選びあぐねてか何度も口を開きかけては閉じ
……いま私に彼の顔は見えていないが、そのような気配があからさまに示され……
概ね平穏です、緊張状態を保つ余裕すらないのかもしれないけれど、
混乱も少なく平和と言っていいはず。
想像していたよりも随分トーンの低い返事を寄越してくる。
まるで彼ががその平和のを喜ばしく思っていないかのように響き
そこで私は自分の無神経に気が付いた。
彼は旧体制の先頭で戦った闘士であり、敗残者である。茶飲み話のノリで応答できはしない。
近頃とみに親近感の増したお陰で無遠慮きわまる態度を悔いていると
どうあれ、平和は尊いですよ。平穏万歳。戦争なんて、
糞喰らえだ。
言葉を継いだ彼の心境はどう見ても穏やかならざるものであり
その葛藤や悩みを吐き出す事が、彼の足繁くここへ訪れる理由なのではないかと理解する。
111 :
110:2007/03/13(火) 10:42:11 ID:???
直前のSSに感想を、とのこと。
ではでは
>>85へ
【長所】くどい表現が無く一気に読み進められた。
【短所】一文を短く区切ってあるので全体に起伏が感じにくかった。
【感想】MSが人型であることの空恐ろしい感じが滲み出ていて良かったです
> 「バクゥって猫に似て無くない?」 → 「バクゥって猫に似てると思わない?」
> 「――たむろってんじゃねえ!」 → 「――たむろしてんじゃねえ!」
口語表現でそ?
それこそセリフと地の文ではルールが違くね?
とわざわざ口語表現で書いてみましたが、台詞回しはそれこそ発言者のキャラ立ちによって違うし、
このキャラがこんな風に発言するはずがないと思っても作者の人が「改変」してる可能性もあるので、
他人が訂正入れるのは難しいよね。
113 :
76:2007/03/13(火) 11:31:51 ID:???
>>77>>82>>105 ご意見いただけて嬉しいです。
褒めてくださった方も、直すところを教えてくださった方も
本当にありがとうございました。
誰かが真剣に読んでくださったと思うだけでかなりモチベーションが上がります。
これからもがんばって文章を磨いていきますので、ご縁がありましたら
またご批評くださいませ。
<ソラノムコウ>
――風が、雲を押し流していく。
蒼穹の空が、雲の合間から除くのは気持ちの良いことだと思える。
私には、そうした事が人の営みの様に思えてならない。
人とは、一体何なのだろう?
人を愛し、子を育て、そして生き方を伝えていく――それは、あらゆる生命の成せる業。
けれど人は、神様になろうと足掻いた。どんな生命よりも足掻き続けた。
……コーディネイターという禁忌すら、創り上げてしまう程に。
雲はただ、風に流されていく。
人はただ、時のままに流されていく。
私はただ、空を眺めて――。
けれど私は、雲の隙間から見える蒼穹の空が好き。
人がどれ程醜くても、私がどれ程醜くなろうと、”世界”はこんなにも美しい。
<辛い時は、空を見上げて御覧。きっと……>
それを教えてくれたのも、人。私を育ててくくれたのも、人。
……私が好きになったのも、人。
辛いことの先に、厳しいことの先に、きっと輝く未来があると思える――
それは、素晴らしいことだと思うから。
強い風が、雲を押し流していく。
その時見えた、見渡す限りの蒼い空――それは、私にとって”希望を与えるモノ”。
世界の何処でも、それは見える。世界の誰もが、それを見る事が出来る。
……だから、頑張ろう。
白い鳩が、私の視界を横切る。
蒼穹の空を羽ばたくその鳩を、私は何時までも追い掛けていた。
115 :
114:2007/03/13(火) 15:08:21 ID:???
くそう、タイトルに釣られてやってきてしまいましたよ。ああ、某所そのまんま……。
まああっちは僕も手伝ってるから温かい目で(r
というわけで
>>110の感想です。
【長所】戦争、というものがどんなものか容易に想像させてくれる文章ですね。
その中で敗残兵(と言って良いのかな)が、未だ闘志を失っていないという事を
匂わせています。……また戦いが続いてもおかしくない。そういう思いがありますね。
考えさせてくれる文章だと思います。
【短所】まずは、この文章には二人の登場人物が居るようですが、良く読まないと
誰が何を言っているのか解りづらいですね。この様に双方を地の文で表す場合、
――などを使って、インタビュー形式でやると解りやすくなります。
また、良く読めば「敗残兵が男(主眼)の所に訊ねてきた」というシチュエーションだと
解りますが、それをもう少し誘導した方が解りやすいのでは?
例えば五行目の「こんな所に篭もって〜」の箇所に主語「誰が」を付けるだけで
一気に解りやすくなります。
【感想】戦争とはこういうモンだ。ストレートにそれが思えるという文章ですね。
お題、ガンダム、飲物、そら。 3つ絡めると、ざこばと鶴瓶の”らくごの語”を思い出すな
場面はスターゲイザーの借り物。
コズミック・イラ73年10月3日、ユニウスセブンが地球に向かって落下を始めたその日、多くの地球に住む人々
は2年前の大戦を終えて、なおも抱え続けるコーディネイターのナチュラルに対する憎しみの強さと、前大戦の最終兵
器ジェネシスが放った閃光が、プラントと月の間の夜空を明るく染め上げた出来事を思い出し、今だ埋まらぬ溝と、深
まる混迷に眠れぬ恐怖の一夜を過ごした。
極北に近い地球連合軍の駐屯地では、人気の途絶えた外の雪景色とは対照的に、深夜の酒場の店内では兵士達が集ま
り、興に乗ったビリヤードを囲む勝負の熱気で溢れ、明かりに紛れて漏れた熱気が外に伝わり雪を溶かす勢いだった。
色眼鏡を掛けた精悍な黒人の青年シャムス・コーザは、ショットグラスに注がれた琥珀色の液体を一気に飲み干すと
ビリヤード台にキューを構えて勢いよく突く、反発した白いボールは華麗な軌道を描くと、運命の9ボールを目がけて
飛び掛り、他のボールを突き崩して見事ポケットに沈めた。
「この勝負も、ユニウスセブンでバカ騒ぎをやったコーディネイターとの戦争もオレの勝ちで決まりさ」
シャムスの勝負を傍らで見守っていた彼の同僚の一人、派手なメイクが目立つ女性ミューディー・ホロクロフトはシ
ャムスの勝利宣言を聞き終わると、そっと席を外して店から出た。彼女は防寒コートを羽織り振り固まった雪の上を音
も立てずに器用に歩くと、一人ユニウスセブンの落下がもたらした唯一の福音である流星を満足げに眺めるもう一人の
同僚スウェン・カル・バヤンの背後から声を掛けた。
「またソラを見てるの、あなた宙を見てると厭きないのね……スウェン、出動待機命令」
ミューディが外に出たことに気づいたシャムスも、外でたたずむ二人に近づき会話に混じる。
「災害出動なんて言うなよ?」
「ファントムペインに、助けを求めるバカがこの世界にいると思って、宇宙のバカ騒ぎの後始末」
見上げた空から視線だけミューディーに移し、押し黙ったままのスウェンにかまわず彼女は続けた。
「だから……一応乗ってろって」
「あれで戦争が出来るなら、なんでもいいさ」
ミューディとシャムスの会話を聞き流すように、スウェンは再び見上げた先の向こうに、子供のころ両親から買って貰
った宝物の天体望遠鏡で眺めた”しし座流星群”とは違う流星に、植えつけられた反コーディネイターの感情が蘇って
くる。
「いいコーディネイターは死んだコーディネイターだけだって、御婆ちゃんが言っていた」
ミューディーの言葉にスウェンは振り返り、二人を促してこの場を立ち去った。
117 :
116:2007/03/13(火) 16:06:06 ID:???
ミンナ巧いな、人の感想書くほどたいしたもんじゃないけど
>>114の感想です。
【長所】斬新な切り口で、こういう表現方法は自分で書くと難しい所を
難なくやっているところがスゴイ、戦争の苦悩が巧く描けている
【短所】お話としては、独白なので成立していないが、ありえないけど
長編で、この調子で続くのはツライ
【感想】表現としては巧いし、キッチリ物語として進めば読みたいな
机に置いてあるコーヒーを口に含む。
「甘い」
どうやら砂糖とミルクが入っていたようだ。
仮面のお陰で全ての色がオリジナルと異なって写る。
だから間違えた。所詮言い訳に過ぎないか。
全てがそうだ。コーヒーにしかり、空、山、海、そう全てが……。
仮面というフィルター越しに見る空が特に不鮮明だ。
このフィルターを外して見る時の空は私一人しかいない。
側には誰もいない。いや私が寄せ付けないだけか。
友だろうと恋人だろうと誰一人とていない。
そんな考えをしている自分に気付き苦笑した。
友、恋人等最初からいないのに……。
私は昔の事を思い出す。地球で見た空を。
もう一人の自分、そしてその子供と一緒に見た空を思い出す。
あの時は何も知らなかった。だから幸せだった。
だが全てを知ったとき、私は何もかも失う。
それから私の瞳はあの時のあの男の瞳と同じかもしれない。
絶望した時の瞳なのだから。あの男は私に絶望し、私はこんな世界に絶望した。
ある日、私は青い空を赤色へと変貌させた。それを見た私は空を綺麗だと思ってしまった。
私は夕焼けを見る度に、その事を思い出し心が幸福に満たされる。
現在、私は夕焼けを見る事は殆どない。プラントにいるのだから。
プラントで見る夕焼けは本物ではない。だからなのか心が躍らない。
最高のコーディネータ、あの男の息子を葬れば私の心は満たされるのだろうか。
物思いに耽っていると、議長に呼び出される。どうやら新型を私に乗せてくれるようだ。
私はこれから乗る新型の性能に狂気する事になる。
まてまて、新型がクルーゼに乗っちゃったらクルーゼ死ぬwww
>>36 こんな短い中に二人の人間の個性を上手く出し切ってて見事。
虎の余裕さはカコイイがダコスタの苦悩が忍ばれて、こっちにも心労が伝わってきたw
ダコスタまで余裕こいたらバルトフェルド隊は回らなそうだ。
121 :
118:2007/03/13(火) 19:05:34 ID:???
>>116の感想
【長所】三つのお題が短い文章の中でうまく融合していた
【短所】一文が長いように感じた
【感想】スターゲイザーを見ていないけど、面白く読めました
>>110 申し訳ないけど、何が言いたいのかいまいち分からなかった。
SEEDっぽさというか、CE世界のことなのかというのもよく分からないし
もう少し具体的に主役?の全体像が想像できるように書いてくれたら
良かった。
>>114 SSなのかポエムなのか良く分からなかった。
主役像が全く見えてこないし、見えてこないと感情移入もできない。
110でも同様に思ったんだが、チラシの裏に書いてるわけじゃないんだから
人に読まれることを意識したほうが良いように思う。
人が読んで面白いのか、内容を理解してくれるのか、等。
なんかきつい事言ってるようで申し訳ないが、二人とも文章に問題があるとか
そういうわけではないから勿体無いと思ったんだ。
>>1に1〜2レス程度とあるが、もう少し伸ばしても良くないか?
せめて1〜4まではOKとか。
>>118 文法のミスが惜しかった。
それ以外は、中盤まではかなりまとまりがあって好印象。
心情の描写の切り口が特によかったと思う。
ただ、最後の二行あたりが少々あっさりしすぎていたような気がする。
ばっさり切るのも何か違うが、他の描写に変える方がよかったと思う。
よし、俺もまた作ろう。
124 :
118:2007/03/13(火) 21:05:06 ID:???
文法のミスがどうおかしいのか解らん。良かったら教えて
質問なんだけど完成したらすぐ投下ってまずいですか?
>>124 >どうやら新型を私に乗せてくれるようだ。
これだと新型を私の上に乗せることになるのでは? 潰れそう。
→どうやら私を新型に乗せてくれるようだ。の方がよさげ。
多分書き上げてから何度か目を変えて読み直してみたほうがいい。
自分は職人じゃないけど、書き直しが効かない場では特にそう思う。
― 宇宙に消える ―
少し昔の話をしようか。
俺達ザフトは、連合――否、オーブの技術の結晶である
モビルスーツ五機のうち四機を奪取することに成功した。
俺は砲撃機。
イザークは軽装の汎用機。
今は裏切り者だが、アスランは指揮官機。
そして、「あいつ」は特殊な性能を持った機体だった。
PS装甲を展開すると黒いボディになるその機体は、
奪取の機会を逃した最後の一機と新型戦艦を潰すために敵の基地に潜入したんだ。
「姿を消して」。
凄いんだぜ? そいつの持ってた機能は、今は条約で禁止されてる機能なんだ。
そう、ミラージュコロイド。
ちょうど宇宙の闇に溶けるように、見えなくなっちまうんだ。
いや初めて見た時は本当に驚いたね、俺は。
まさかあれほど完璧に、景色に溶け込めるとはね。
そいつはどうなったか? ああ、やられちまった。
二年前、その最後の一機に。
あれから二年以上経ったけど、あいつの事は何一つ忘れない。
あいつの好きだったピアノも、平和を願ったあの優しい心も、あの機体も。
何一つ、だ。
だから、実は前から決めてたんだ。
いつか俺に専用カラーが許されたら、そいつの機体の色だった黒にしようってさ。
あの宇宙に消えた、黒いモビルスーツの色に。
>>124 >このフィルターを外して見る時の空は私一人しかいない
このフィルターをはずして空を見る時の私は一人きりだ
>だが全てを知ったとき、私は何もかも失う。
これは過去の話なので「失った」のほうがいい。何もかもを、のほうがよりいいかも。
>それから私の瞳はあの時のあの男の瞳と同じかもしれない。
それからの私、だな。
>ある日、私は青い空を赤色へと変貌させた。
ここはちょっと意味が分からなかった。いや、いいたいことは分かるんだけど
抽象的過ぎる。
>最高のコーディネータ、あの男の息子を
あの男がアルなのかヒビキなのかがいまいち。キラとムウを両方殺したい(前者)とも
とれるしキラを殺したい(後者)とも取れるし。
後者なら「最高のコーディネイターを作り出した、あの男の息子」にしたら分かりやすい。
>どうやら新型を私に乗せてくれるようだ。
一瞬夜逃げに踏み潰されるクルーゼを想像し(ry
完全なミスだと思うけど一応、「どうやら私を新型に」「どうやら新型に私を」。
一度丁寧に推敲したほうが良いとは思うよ。勿体無い。
――あたし達、どこへ行くんだろう?
段々と藍に染まって行く空を見上げながら、ルナマリアはシンに気付かれぬよう密やかに溜め息を吐いた。
慰霊碑での対談はルナマリアには到底理解出来る結末では無かったが、
シンの涙に免じて、感じた違和感を口に出すのを控えていた。
――ねえ、シン。あの人達を手伝うって具体的に何をするのよ。軍人のあたし達に何が出来るって言うのよ。
とことこ、とことこ。無言のまま二人は歩いていた。
ふと前に視線を走らせると、若い女性が歩いて来るのが見えた。黒髪をなびかせて颯爽と歩いてくる。
すれ違いざま、彼女がシンの名を呼んだ事に気付いた。シンも彼女に振り返った。
ルナマリアはシンが穏やかな笑顔を浮かべたのが分かった。それはルナマリアにとって久々に見るシンの笑顔だった。
彼女はシンがオーブに住んでいた時の知り合いだったらしい。彼女が清楚な仕草で会釈をしてきたので、ルナマリアも会釈を返した。
ルナマリアは口を挟まず聞役に徹した。
彼女は今は学校に通いながらボランティア活動をしている事を楽しげに話していた。シンは仲睦まじげに彼女らしいと頷いていた。
「おじさんやおばさん、それに元皆は元気か?」
シンの言葉を聞いた彼女の表情に愁いを含んだのをルナマリアは見逃さなかった。
彼女の話によると、ご両親は元気だが、彼女のすぐ下の弟が戦争で亡くなったと云う事だった。
シンは目を見開き手で顔を覆いながら涙を流し始めた。
彼女は弟の為に泣いてくれて有難うと言っていたが、ルナマリアには何故シンが泣いたのか分かっていた。
彼女の弟はあの時オーブの旗艦に乗っていたそうだ。殺したのだ。あたし達が。
「哀しい事があったけれど、それを糧にして生きて行くのよ、人は」
彼女は去り際にそう言って歩いて行った。
「ねえ、シン。あたし達、生きて行こうね。レイの分も、彼女の弟さんの分も、生きようね」
ルナマリアは泣きじゃくるシンを後ろから抱きしめる事しか出来なかった。
空にはいつの間にか青白い月が輝いていた。
130 :
128:2007/03/13(火) 22:09:22 ID:???
忘れてた。
>>123と
>>126は俺が書いてます。
感想を先に書き込むと携帯じゃどうしても遅くなって困るね。
>>126 ディアッカの語り口によるニコルの回想と云うのが斬新に思えました。
ノスタルジックを含んだ文章が素敵だなと思いました。
気に入ったのは
「あいつ」と「姿を消して」の「」です。不要に思いました。
>いつか俺に専用カラーが許されたら
この文章は自分ならば
いつか俺に専用カラーが許されたなら
と書くと思います。この辺りは好みだと思います。
場末臭の漂う雑居ビルの一室。
室内には煙草の紫煙がもうもうと立ち込め、床には無数の煙草の吸い殻が転がっている。不健康で不健全な環境の中、数人の男がパソコンのモニターを覗き込んでいる。映し出されているのは戦闘のワンシーンだ。
「……デスク、ここです。一瞬だけど不自然にMSが止まってるでしょ?」
デスクと呼ばれた男は無精髭の生えた顎を擦りながら紫煙を吐き出す。
「確かに止まってるな。……で、この後撃墜された……と」
若いメガネの男が嬉しそうに笑いながらキーボードを叩くと映像が変わって一隻の戦艦が映し出去れる。
「それでコイツは連合から脱走した奴らしいです。ヤキン戦後にオーブが隠匿してたらしいですね。裏は取ってあります」
デスクはパソコンから離れて窓際に行き、下げられたブラインドを開く。空模様は良くもなく悪くもない。
「維持やらの金の流れは?」
デップリとした中年が缶コーヒーを飲みながらメモを見ながら答える。
「決して透明ではありませんな。白と言うよりは灰色と言った所でしょうね」
デスクは煙草を指で揉み消して床に捨てる。
「戦闘中に急に止まるMS、隠匿された戦艦、不透明な金の流れ……。ネタに出来るな」デスクの不敵な笑みを見てメガネはクスリとほくそえむ。
「ネタに出来なくてもでっち上げる……ですね?」
デブはガハハと笑い缶のプルタブを外しズボンのポケットにしまう。
「デカいネタになりますな」
デスクは再び窓の外の空を見上げる。
「題名は『灰色のオーブ』で特集を組むぞ。首脳陣を埃が出るまで叩いてやれ!」
「了解!」
「あいよー!」
ここは三流ゴシップ誌の編集部! うたい文句は最低の一流! 灰色の真実の捏造なんのその、下半身から世相を読み解く!
来週号はかなりの嵐を呼ぶかもしれない。
とりあえず感想を
>>129 【長所】心理描写が上手い。上手くまとめてあると思う。
【短所】文調が子供っぽい。もう一皮向けるべきだと思う。
【感想】世界観が上手く練り込まれていて面白い。更に積み重ねて行けば良いと思う。
私は彼女――ミーア・キャンベル嬢を憎む気になど更々ありませんでした。
彼女は確かに私になりすましまし、デュランダル議長に協力をしました。
ですが、私は知っています。皆さんもご存知だと思います。
彼女は心を込めて歌を歌いました。愛情、平和を祈る心、様々な想いを込めて歌を歌っていました。
ですから、私は彼女を嫌いにはなれないのです。寧ろ、もっと早くに出会いたかったと思うのです。
一緒に歌を歌ったり、額を寄せ合って楽しくお喋りをしたり、空を眺めてはお互いの夢を語り合ってみたりして、仲のよいお友達になれた事でしょう。
皆さんは気付いていらっしゃるでしょうか?
彼女の持っていた野心、虚栄心といった感情は、程度はあれども誰しも持っている物です。
ですから私は彼女を嫌う方にお伺いしたいのです――何故彼女を嫌うのですか、と。
この本には真実の彼女がいます。
表紙を御覧になっていただけましたか?
艶やかな黒髪をなびかせて、はにかみがちに目を細めて笑顔を浮かべる少女。
この少女こそが真実のミーア・キャンベル嬢の姿なのです。
可愛らしいそばかす、服装も若々しさに溢れているじゃありませんか。
この表紙に使われている写真はCDジャケットにも使われています。
ミーア・キャンベル名義で出されたCDの事は皆さんご存知だとは思います。
私も企画の段階からお手伝いさせて頂き、楽曲にもコーラスとして参加させて頂きました。
この本の題名は『ミーア・キャンベル 愛と孤独の歌姫』と言います。
企画当初は副題が偽りの歌姫というものだったそうです。私は違和感を覚えたので、変えさせて頂きました。
この本には知られざる彼女の姿が描かれています。
彼女の真実に触れ、彼女を好きになって頂けたら幸いです。
『ミーア・キャンベル 愛と孤独の歌姫』前文より抜粋
>>132 【長所】情景が解りやすく描写されている
【短所】展開が強引と言うか独りよがり。説明不足で分かりづらい
【感想】オリキャラのキャラが立っていると思います。
紫煙と云う言葉を使い過ぎだと思います。
ブラインドは開く物では無いと思います。
戦艦は脱走はしないと思います。脱走するなら乗組員だと思います。
(文中のコイツに当てはまるのが戦艦しか無かったのでこう思ってしまいました。)
全体的にまとまっていたと思います。
感想や評をメインにしているスレッドでのもっともセンシティヴな点は
感想に感想をつける行為、または批評の書き方を批評する行為が行われると
たとえその中身が妥当なものであっても空気を悪くするという弊害が顕著になりやすい事と思われる。
>>135 上げずに開くタイプのブラインドもあります。
>>134 >彼女は確かに私になりすましまし
ケアレスミス
>服装も若々しさに溢れているじゃありませんか
この部分だけやけに口語的というか「抜粋」してある文にしては砕けていて違和感を覚えた
>>132 >埃が出るまで叩いてやれ
埃の出る対象を叩くからには不自然な表現で、埃が出る限りとでも置いてみては。
>>129 >元皆は元気か
ケアレスミス。削除し損ねか追加し損ねか測りかね
>>118 >新型の性能に狂気する
ここの変換は狂喜だろう
以上、内容の感想は省く。
某スレの添削屋さんのように事務的なまでに淡々と指摘するような人は希少価値があるのかも。
いざ他人の文章に評をかけるとなると改めてやりにくさを感じた。
>>134 なんというか、晒し者かYOという思いとラクスの純粋さと空恐ろしい
狡猾さを同時に感じた。
このラクスは大物になりそうだ。
お題、そら、飲み物。短編難しい……
「拝啓、お袋様。元気か?……と」
いつも、そこまで打つと俺の指はぱったりと止まってしまう。
思わずアパートの窓から外を見やって、俺は何となく失敗した気分になった。
コロニーに空は無い。
上を仰いで見えるのは、頭の上の大地に張り付いた舗装路や建物や公園の緑か、あるいは人工の湖だけだ。
赴任した時に感じた圧迫感は薄れたが、たまにこう、気が抜けてる時にふと不自然さを思い出す。
「やっぱりそうそう慣れるもんじゃねえやな」
俺はそう呟き、次の瞬間同室の奴にお前最近独り言多いぞ、と突っ込まれた。
ヘリオポリスに赴任してもう1年になるだろうか。
故郷じゃ雨季を除けば灼けるような陽光に照らされての仕事が常だった。
雨季はもっと最悪だが。
それに嫌気が差して宇宙行きに志願したのにな。
まさか念願かなってオーブを出たら今度はその日の光が恋しくなるとは夢にも思わなかった。
当たり前の話だが、コロニーの気温は年中ほとんど一定に保たれる。
軍人だから、仕事といえば訓練訓練、また訓練。
毎日ミストラルに乗ってるかシミュレータに乗ってるか、あるいは書類を書いてるかのどれかだ。
赴任してから数ヶ月は緊張しっぱなしだったが、今じゃだれちまった。
まさかここまで何も無いなんて普通思わないよな。
ザフトと連合が戦争してても、中立のこの国には関係がない。
地上じゃいろいろ言われてた海賊が襲ってくる気配なんてのもついぞ無かった。
同じL3にアルテミスがあるのと戦争中だからって話らしいんだが……。
俺が来てから緊急事態になったことなんか一度しか無いのがいい証拠。
それも探知機の誤作動、誤報だったから本気で何も無かった事になるか。
毎日訓練して、飯食って寝る日々。
平和な毎日。
裏返せばそれは、変わり映えの全くない毎日ってことで。
……最近はビールも不味い気がしてる。
オーブに居た頃は毎日浴びるように飲んでたっていうのにな。
お蔭様で宇宙に上がってから毎日が嫌になるくらい健康的になっちまった。
宇宙に上がるからってんで煙草も止めた。この上酒も飲まないってことで金ばかり貯まってる。
何しろこのヘリオポリスは学術機関や研究機関が集中してるせいか、風俗系の店が少ねえ。
ガキ向けのアミューズメントなんたらは山ほどあるってのに、不公平な気がしてならない。
遊ぶけどな。
……つらつらと何書いてんだ俺。
家族に手紙書くつもりがまたぐだぐだと……
いいやもう、このまま送っちまえ。
まぁそんなような感じで元気でやってます。そのうち帰ります……と。
やばいところだけ消して、まぁこれでいいや。
送信、と。
「……このメールはヘリオポリス崩壊当時コロニー守備隊に在籍していたソウジ・カネト三尉が家族に宛てた最期のメールでした。
直後に襲撃事件が起こり、このメールが送付されることなく現在まで崩壊したコロニーの中で眠ることになったわけです。
次のニュース。第二次ヤキン・ドゥーエ戦役から2年が過ぎ……」
一つのお題で複数投下したりしてもいいの?
140 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 00:35:12 ID:YtT3zS3v
>>139 できるだけの能力があるならいいんじゃない?
半日で3本書き上げた経験から言わせて貰うと、書いたうちの1本が面白いのは間違いないはずなんだ。
ただ……あとの2本は80点とか60点の出来で、人様の目にさらすのは自分がつらくなると思うよ?
後で見返して「ああぁぁぁぁぁ!orz」ってなるかと。
80点もありゃ十分だと思う。他人が判断してだが。
次のお題だけど、光と影とかどう? 光と闇でもいいけど。
少し相談なんだが、直前のSSの前後に感想っての無しにしないか?
名無しで感想書く分には構わないんだが、いざ書き手として投下すると
人のSS批評したりできるほどか?とどうしても思ってしまうし、誰が書いたか
分かる分批評もしにくいし、された側も嫌に思うこともあるかもしれない。
直前のSSがどうしても受け付けない作風とかだとなお書きづらいし、そんな感じで
投下躊躇ってる人もいるんじゃないかな。
直前のじゃなくもっと前のに書きたい人もいるだろう。
一つ投下する毎に一つ感想というのは大原則として、時間は問わず名無しで書き込むってことに
しちゃ駄目か?
完全に書き手の良心を信じることになるが、感想貰いたいって気持ちは全員同じだろうから
皆やってくれると思う。
その際、あまり感想付いてないと思うSSに率先して感想付ければ感想ゼロというのも
防げるかと思うが、どうか?
144 :
視点変更:2007/03/15(木) 05:48:55 ID:???
散漫に続く会話が一段落するとタイミングを計ったように彼が提案する。
もう夜も更けた、休憩を取るか明日に備えてお開きにするかいと。
知らず話し込んで2,3時間も経つ。
まだ寝ないなら珈琲でも飲んでみてはと勧められるに従い、俺は一言断ってから席を立った。
ついでに小用を足してから戻る。
ふと……彼はこの数分の空き時間をどう過ごしているのか興味をくすぐられた。
画像は直結していないので、俺が「戻りました」とでも発するまで向こうにそうとは知れない。
その間同様に飲食物を摂るなり目薬を差すなりといった所作が介在し得ない彼には待ちぼうけを食らわせてしまう事になる。
そう思うと、気を遣わせてしまった側として恐縮というか、神妙な気持ちにならなくもない。
「すいません。お待たせしました」と送ることにした。
何度目だろうか。彼は返してきた。
なにもそう構えなくて構わない、気楽に接してもらえると嬉しいと。
確かに上官でもなければ目上の人物でもない彼に敬語で接する必要は無い。
無いとはいえ……彼の示す人当たりは亡き議長を髣髴とさせるもので、それにつられた応答になりがちな俺である。
私としては君がこうして会話の時間を持ってくれるのは感謝に堪えないが
体調に響かないよう気を付けてほしいね。くまなど作ってはいたたまれないだろう?
さらりと失礼なことを言う。
休暇の前日でもないのだ、同僚や後輩達にからかわれる種になるような隙は見せまい。
ただ現実にはこんな冗談めいたやり取りを交わす機会は久しくなくなっていた。
俺は大概腫れ物のように扱われ、そんな関係を改めることもなく、現状に馴れてしまっている。
互いに顔の見えない間柄である彼との会話は――いうなれば一種のリハビリを果たしていた
>>138 【長所】同居者の「お前最近独り言多いぞ」がアクセントとして良く効いていると思えました。
【短所】モノローグ部分とグダグダメールの中身とが混然としていてやや戸惑いを覚えます。
【感想】ブルコスやザフトと比べれば、当時のオーブ兵は緊迫感を持ちづらい環境だったのがしのばれて何とも切ない話でした
>>122 レスどうも。
ここへ書くにあたりいくらか制約を課した上での文章で、引き込むような面白さを意図的に除外してありますが
指摘はもっともなのでスタイルを変えていけるよう心掛けます。
文章に特に問題はないと言ってもらえたのは励みになりました。ありがとう。
しまった。まだ書くところあったOTL
レス浪費申し訳ありませぬ。
>>114 感想どうもです。せっかく助言いただいたのに全然活かしてなくて気が咎めてます
直接会話でないやり取りを表すのに「」や――の使用法に手を焼いている所です。
長い感想をもらえると有難い反面文章に直接描写してない設定に触れたくなるのが自分の未熟さと痛感しきり。
>>143 原則直前のSSに対して。
受け付けない場合はひとまず別のSSを対象にコメントして、
別の機会に(名無しで)コメント回避したSSに改めて…でいいんじゃないでしょうか。
辛口の批評や「終わりまで読む気になれなかった」なんて感想でも、書き手が受け止められるようであったほうが良いのでは。
仮にそれだけ前のSSにコメントしづらい場合
むしろ「自分の文の投下より先に」を(名無しであれ)徹底したほうが心理的にも後腐れないかと思えます
まずい、もう七時だよ……ごきげんよう。
>>145 感想ありがとうございます。
短所に関してはもう少し記述に差を付けるべきだったかな、と思いますorz
不幸なのは死んだ後もこんなgdgdなメール見られた挙句ニュースで流された本人及び家族かと。
>>138 自己ツッコミ
>このメールが送付されることなく現在まで
このメールは送付されることなく現在まで か? 語感からいうと。
>>143 賛成。感想は何度も付けてるし感想書くのも苦ではないんだが
投下と感想がセットだと思うとどうしても投下控えてしまう・・・。
このルールできてから投下できてないorz
>>138 わざわざ名前を出す意図が分からない。
絶対必要不可欠なら仕方ないが、そこは三尉の名を出さずとも書けるだろう。
せっかく良い流れだったのにそこだけ気になった。
そういう名前のキャラがいたのならスマン。
まあ、少しルールを決めた方が良いかもね。
ルールとかはそう必要とは思わないが、投下後が苦痛って人がいるなら
感想及び批評は名無しでやってもいいんじゃないか?
あと、
>>1に1、2レス程度ってあるけどそれだと3レスくらいまで良いのかと
思えてしまうし、少し長めの話書きたい場合とかに
>>122の1〜4レスって案は良いと思う。
まあ元々曖昧なものではあるが…。
議論でレス流れるのもアレだしなぁ、このレスが投下の流れ止めたのならスマン。
シナリオ形式は嫌だなー
種SSじゃないけどシナリオ形式でも良作はあるんだけどね…
拒絶反応を起こす人が多いから避けるべきやね。
もう自由ってことでいいやん。
感想義務付けも元は感想批評が少なかったことが原因なんだし
それがなきゃこのスレが成り立たないってことを忘れなきゃ自然と皆やるだろう。
投下レス数も別に連載とか大長編にならなきゃいいんだろうし、各自自分で判断すりゃいい。
ってことで↓何事もなかったようにSS投下どうぞ。
>>153 良作のシナリオSSがあるのは知っているけど
ここは文章力向上スレだから。
戦闘描写や心理描写を磨きたい人の修行用のスレだから。
短い文章で話を作る事に意味があるんじゃないか?
シナリオ形式は駄目だろ。あくまで文章力の向上スレなんだし。
短いの定義も人それぞれだしな。
まあ一万字強とかにならなきゃいいんでないの。
>>157 元は原稿用紙一枚で話を作るという事から始まった@職人スレ
今更形になる前の話を持ち出しても意味ないだろ
話をコンパクトにまとめるってのも修行なんだよ。
意味なくはないよ。
初心忘れるべからず
で、具体的に何レスまで?または原稿用紙何枚までとかまで決め込んじゃうわけ?
それともこれ以後は全員原稿用紙一枚以内に収めろとでも言うつもりか?
>>161 初心もなんも158はこのスレが立つ前の話であって何の関係もないやん
テンプレ通りでいいじゃん
ええい議論はいい!もうフリーダムにやっていいから誰かSS投下しろ!
166 :
分かった:2007/03/16(金) 00:27:52 ID:???
お題:空
宇宙へと上昇を続けるシャトルの白煙を、少年はムラサメのコックピットで追っていた。
高度三万メートル――速度はマッハ1.5。音の壁を突破したムラサメのコックピットは、
力任せに空気抵抗を突き破るエンジンの高振動が伝わるだけだ。
シャトルの向かったその先、宇宙に浮かぶ人口の大地、巨大なプラントの姿をモニターの
中に少年は探す。
希薄な高高度の大気は、もう宇宙に近く、視界の半分以上を真空に続く暗闇が覆っていた。
気を抜けばさかしまに落ちて行きそうなほど、少年に見える空は暗く、深い。
やがて今の位置からはL5が見えない事に気付いた。
「静かだな……」
時折アラームが鳴る。それが聞こえるという事が、機内の静けさを示していた。
『やっぱりおじさんの声が聞こえなきゃあ、心細くなってくるのかい、坊主?』
「そんなのじゃないです、坊主は止めて下さいよ、一尉」
『飲みに付き合うか、おじさんに勝つか。どちらにしろ"大人の階段"を昇ってねえ餓鬼には、
坊主で十分だな』
独言に通信を返してきた先任の一尉と、お決まりの会話を交わす。
『ま、暇なら女の子の事や、哲学について考えるこったな』
「女の子はともかく、哲学なんて考えていたんですね」
『おお、後輩に語って聞かせるためにな』
どうも聞いて欲しそうだったので、質問してやる。
『いいか坊主、空の戦場を去るパイロットには二種類在る。空に帰る奴と、陸に帰る奴だ。
負けたパイロットは垂直に墜ち、勝ったパイロットは水平に飛び去って行く。
二人のパイロットが残す残煙は、墜ちたパイロットの為に十字の墓標となる――』
一尉の語った言葉が、果たして上等な哲学なのか、少年には判断がつかなかった。
きっと言いたい事は、重力に引き寄せられないパイロットになれ、ということなのだろう。
――哲学、か。少年はムラサメの頭上に広がる暗黒に目をやった。丸みのある地球に
縁取られた奈落。地に墜ちることがなければ、いつか自分はこの暗黒へ囚われるかもしれない。
「"深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ"」
『ニーチェかい、坊主?』
一尉に答えず、少年は宇宙から目を逸らす様に眼下に広がる地上を見た。見覚えの在る
形の島が見える。少年にとって大事な人は、毎日空を見上げて祈りをささげているそうだ。
人が空を見上げるのは、空にいる何かに自分を見守って欲しいからなのだろう。だが空は
その果てに、人を誘い込む暗闇を抱えている。
「帰投します」
ならば自分は空に在って彼女を見守り、彼女に代わって深淵を覗き込むものになってやろう。
その想いを胸に秘めて、少年はムラサメの機首を巡らせた。
>>166 乙、良くやった。
空は単純に青空を連想しがちだが、宇宙にいたら暗いだけなんだよな。
しかも際限なく広がっているという大気圏外のイメージが良く伝わってきた。
もう少し周りの状況を詳しく書いてくれるとありがたかったがなかなか深みがあって
読んだ後色々考え込んでしまったよ。
ちょいと考えてみたんだが、シャア板1レスで書ける行数は48と決まってて
一行辺り書ける文字数は128と決まってる。
だがビッチリ書いてしまうと制限バイト数に引っかかるから限界文字数と限界行数を併用するのは無理。
で、バイト数を取っ払って書けたとしたら1レス辺り6144文字書けて2レスだと12288文字。
つまり原稿用紙だとおおよそ20枚分書けることになる。
まあ、うん、やっぱ自由にやれって結論に達した。
って違うよ30枚は軽くいくよ。まあ、もはや似たようなもんだが。
読みやすさを考えても、五十文字が四十八行あれば原稿用紙六枚になるので、
まあ一般的なショートショートぐらいの文字数は十分あるのではないでしょうか?
>>166 ……もしかしてあんた、あそこの……いや、野暮な話はするまい。よく投下してくれた。
さて、じゃあちょっとだけ感想。
【良かったところ】
簡潔な説明で、登場人物周りの環境や、今の状況を想像できる。
変に凝った表現(過剰な例え表現など)を使わないので、文章をスマートに読むことが出来、読みやすかった。
登場人物の名前を出さないこと、何故彼らがそれをしているのかを説明しないことなどで、彼らそのものを色々と想像する余地があって、
「ショートショートの裏を楽しむ」余地を読者に与えている。
【改善したほうがいいかも、という点】
<1>
良くも悪くも「SEEDの世界が舞台である事が前提」のためか、世界観に依存する専門用語に説明が無い。
L5くらいには、簡単な説明が欲しかったかもしれない。
説明が入ることで冗長になり、くどくなるのを避けたのであれば悪くない切り方なので、他の部分には特に無し。
他の部分での描写や表現で「それが何であるか」が大体想像できるので。
<2>
どうせ途中で改行するなら、句点で改行してしまっては? という部分がいくつかあった。
例えば
『飲みに付き合うか、おじさんに勝つか。
どちらにしろ"大人の階段"を昇ってねえ餓鬼には、坊主で十分だな』
という感じで。ただ、これは「この投下方式である」ことが前提の話なので、別のところではあまり気にしなくていいかも。
だけど、気をつけて文章を構築すると、より読みやすくなると思う。
<3>
あと、ちょいと細かいが、一つの文章内で同意義同音の言葉はくどくなりがちなので、注意すると文章が綺麗になる。
きっと言いたい事は、重力に引き寄せられないパイロットになれ、ということなのだろう。
↓
きっと、重力に引き寄せられないパイロットになれ、ということを言いたいのだろう。
こんな感じで。
「さかしま」のような、一見誤字に見えやすい言葉は控えたほうがいいかもしれない。
……俺も一瞬誤字かと思ったことは、君と俺との秘密だ!w
【全体的な総評】
全体的にスマートな文章で、非常に読みやすく好感が持てる。
目立って問題のあるところはあまり見受けられず、躍起になって「アラを探そう」とでもしない限り、悪いところは見当たらない。
いくらか説明や描写で「物足りない」と感じたところはあるが、それは俺の個人的感覚であると思うので、
無理に付け足す必要は無いとも感じた。
あ、あと書きながら思ったところ。
――哲学、か。少年はムラサメの〜
↓
――哲学、か。
その言葉を反芻しながら、少年はムラサメの〜
にしたほうが、文章の視点変更を改行で少し緩和できるので、いいかもしれない。
急に第三者視点や登場人物視点にころころと視点が変わると、混乱することがあるので。
ちなみに「少年は〜」の前につける言葉は何でもいいし、無くてもいい。
なんとなくそんな感じで視線を動かしたからこそ、後のセリフが出たのではないかと、俺が勝手に思っただけなので。
ショートショートとしての出来は、かなりいいと思う。
通常の物語としては足りない説明が結構あるが(何故彼らはそういった状況なのかとか、彼らの容姿とか)、そこはまあ、そういった文章の時に足してくだされ。
このまま初心と向上心を忘れず、精進を続けてください。
欲を言えば、今度はお前さんの「用意された舞台を読み手が知らない」前提の文章を読んでみたい。
つまり、この場合だと「読み手がSEEDという舞台を前提としていない」前提の文章、って事だが。
では、本当に長々と失礼。
……いや、まさかこんなに長くなるとは……ゴメンよ。
光あるところに影は生まれる。
それは世の摂理なのか、人の業か。
生まれた影は闇となり、やがて世界を覆いつくす――それこそが、人の定めなのだ。
C.E.67――プラントは秘密裏に戦闘用MS"ジン"の開発に成功。
その祝賀会という意味合いも兼ねている事は伏せてあったが、その日の夜は社交界よろしくプラント各界の著名人が集い、パーティを催していた。
その場に、ブラック・タイにゴーグル状に近い通常より太めのブリッジを持つサングラス姿の少々風変わりな男がいた。
少々長めの透けるような波状の金髪に、服越しにも分かる鍛え抜かれた長身の身体。
後に"仮面の男"と敵味方に恐れられる事となるザフトのラウ・ル・クルーゼだ。
クルーゼは二十歳を過ぎた辺りから、自身の中に燻ぶる老化という忌むべき物が形となって外見に表れる兆しを見せ始めた為、よく顔を覆う何かを身に付けるようになっていた。
そのうちに今タキシードから出ている掌には手袋を、今付けているサングラスはもっと広く顔を覆えるようなものに変えなければならないとは考えていたが、今の所はこれで事足りている。
さぞ周りは不信がるだろうが気にすることはない。
パトリック・ザラが全力で庇ってくれるのだから、とクルーゼは今日この場に出席するよう言ってきた人物の方をちらりと見やった。
ホワイト・タイに身を包んだパトリックを中心に豪奢なシャンデリアの放つ光の元、プラント現議長であるシーゲル・クライン始め議員の面々がカクテルを片手に歓談している。
その傍に今日は珍しくパトリックの妻、レノア・ザラもいる所為かパトリックの表情はいつもより穏やかだった。
いい気なものだ、とクルーゼは顎に手をやる。
風変わりではあったものの、近くにはダークスーツにサングラスというSPも複数存在していた為、一見するとクルーゼ自身彼らと同じ職種だと間違われる可能性もある程度には周囲に溶け込んでいた。
尤も今の自分はパトリックのSPみたいなものか、と自嘲しているとこちら側へ歩いてくるワインレッドのイブニングドレスを身に纏ったロングヘアの女性がクルーゼの目に映った。
身体の線を美しく描き出すシンプルでタイトなそれを纏った女性が、自分の顔を見て若干表情を変えたのを察し、クルーゼは先に声をかける。
「これはこれは……ミス・カナーバ。お久しぶりです」
言って、眼前まで歩いてきた女性の手を取り軽く跪いてその手の甲に唇を寄せる。
流れるような美しい仕草に自然周囲の視線を集めていたが、女性もまた自然にそれを受け入れた。
こういう場合の立ち振る舞いが身体に染込んでいるのはあの男の教育の賜物か、とクルーゼは胸にほんの少しの嫌悪を過ぎらせながらも何食わぬ表情で顔を上げる。
目の前にいたのは自分とそう歳も違わぬ妙齢の女性、アイリーン・カナーバ。
プラント評議会付属外交委員会の外交委員であり、次の議員選では当選確実と言われる若手の筆頭だ。
「あなたがこういう場に出席なさるとは珍しいですね、ミスター・クルーゼ」
「今回ばかりは私も全くの無関係、という訳ではないものですから」
「……そうでしたね」
軽い会話を交わしながら、カナーバは微かに目を伏せる。憂いを含んだような長い睫がうっすらと影を作っていた。
「ジン――実験段階の運用テストをパイロットとしてされていたそうですが、ずいぶんと良い腕をお持ちだと国防委員の知人から聞いています。いずれ、あなたはプラントにとってなくてはならない人となるでしょう」
「これは勿体無い……しかし、何か懸念でも?」
華やかだった表情を僅かに暗めたカナーバをクルーゼは気遣ってみせる。
カナーバは議長であり外交委員長も兼任しているシーゲルと親しくしていた為、今夜のパーティが戦闘用ジンの完成祝賀会も兼ねている事を知っているのは必然だ。
加えて、カナーバは穏健派といわれるシーゲルよりも更に穏健寄りの思想を持っていた。
故にいずれザフトのパイロットとして戦闘となれば前線に立つだろう自分を目の前にし、その事実を思い出して気を落としたのだろう。
甘いことだ、とクルーゼは内心吐き捨てる。
「出来れば使う日など来なければ良いと思っていますから」
やはりか、とクルーゼは口元に自然嘲笑を孕んだ笑みを浮かべてしまう。
するとカナーバはその微々たる変化に気づいたのか、おかしいかと訊いてきた。
「いえ、お気持ちは分かるのですがね……無論、私とて使わずにすむならそれがいい」
思想に似合わず、カナーバはハキハキと物を言う女だった。
クルーゼとしては自分の得られる情報量は多ければ多いほど良く、こういう社交の場での人付き合いは抜かりなくしている為カナーバとも例に漏れず今までも何度か言葉を交わしてきたが、温い考えを確信めいて話す様は時折気に障る事がある。今もそうだ。
「防衛の為、ということで議長はジンの開発を容認なさったはず。あなたは軍人かもしれませんが、私は外交官です。我々外交委員の務めは武力交戦することなく事を収めること」
「……それはごもっとも」
「それはあなたの命を守る事でもあるのですよ、クルーゼ」
だが、そう言われてクルーゼは一瞬カナーバの強い瞳に縛られたように動きを止めた。
周りのうららかな声が作り出す重奏のうねりがやけに煩く耳に響いてくる。
サングラスをしていて良かった、とクルーゼは思った。
どうも癇に障ると思ったらこの女、似ているのだ。
自分より濃く唸るような金髪も、いかにも上流の生まれの中、陽の当たる所だけを歩んできたような考え方も。
あの男の息子と、あの男の息子の母であった女を思い起こさせる。
自分が闇の中へと叩き落してやった面々が脳裏を過ぎり、クルーゼははぐらかす様に無理やり笑った。
「して、理事国との交渉はどういう具合に進んでいるので?」
「上手く腰を折りましたね」
カナーバはカチンとしたように不服そうな色を顔に浮かべた後、ふうと息を吐く。
「あなたは私に会うといつも仕事内容に探りを入れてくるように思うのは、私の気のせいでしょうか?」
「これは思ってもみないことを」
「まあ良いです。詳しくは当然言えませんが、難しい……とだけ。ですが厳しくとも理事国と手を取り合い歩んでいけるような道が見つかれば良いと思っています」
やはり、カナーバは理想論を口にした。
これからもこの女は何の影も持たず光ばかりを見ているつもりなのだろうか、と過ぎらせつつクルーゼはいい加減実りのない話を終わらせようとする。
しかし一言挨拶をしてからこの場を離れようと実行に移しかけた時、突如として音楽が鳴り始めたのだ。
優雅なワルツの調べだ。クルーゼはほとほと困り果てた。
このタイミングで女性に背を向けるのは状況が許してくれそうにない。
後におかしな噂でも広められたら厄介だ、と罰の悪さに内心愚痴を零しながらこの場の醸し出す空気に身を乗せる。
「しかし、いざという時が来てしまえばあなたをお守りするのは我々ですよ、ミス・カナーバ」
言って、スッと手を差し出た。
「一曲宜しいですか、レディ?」
カナーバは真紅のルージュを引いた口元を一瞬開いた後、ええ、と頷いて素直にその手を取る。
周りの視線を一身に集めていることをクルーゼは自覚しながら、流れるようなホールドでカナーバをリードし優雅にステップを踏んでいく。
間近で見つめるカナーバの長い髪が緩やかに揺れ、周囲が感嘆の息を漏らしている中彼女は確かに穏やかに微笑んでいた。
上品なシルエットを作るワインレッドのドレスも艶やかで、形容すれば美しいのだろう。
甘く、光しか知らない女。
だが、それ故にパトリックの庇護下にあり身元さえ確かでなく素顔すら隠し始めた自分に偏見の目を向けてきた事など一度もない。
それがまた、気に障った。
何も知らない女。
操作された才能に操作された容姿、そして人並みの肉体を持って何の影もなく育った女が自分を守るだと?そんな世迷い事は自分に人並みに老いていける肉体を与える魔術でも操れるようになってから言って欲しいものだ――と
つい自分でもバカだと呆れ返るほど子供じみた事を思う。
耳に優しい旋律も、合わせた手も、どれも自分とは異質の世界のものだ。
しかし直に触れていた彼女の滑らかな背中から伝わる温もりや、自分と同じ息遣いには嫌でも安らぎを覚え、こうして流れる空気は紛れもなく柔らかく心地良いとすら思えてしまうもので
クルーゼにも彼女の見ている眩い光の道がほんの少しだけサングラス越しの世界に感じられた気がした。
やがてその甘やかだった時間も終わり、クルーゼは普段と変わらぬ仕草で一礼をする。
では、と告げればカナーバは軽く頷き、クルーゼは最後に一言付け加える。
「言い忘れていた、僭越ながら一つアドバイスを。政治家には狡猾さも必要なもの、あなたのその感情が表情に出てしまうクセはマイナスだ」
途端、言われた傍からカナーバは不満げにほんの少しだが眉を寄せた。
「人としてはそれも長所と成りえますがね」
その表情を見て笑いながらカナーバに背を向けると、クルーゼは歩き出す。
後ろでカナーバが自分を見つめ、微笑んでいたなどとは知らずに――。
数年後、最高評議会議員となったカナーバは、クルーゼのアドバイスを聞き入れてかは定かではないが、あまり表情を表に出さない政治家へと育っていた。
そしてこの夜の穏やかな空気は儚い夢だったかのように、第二次ヤキン・ドゥーエ戦でクーデターを起こしプラント政権を掌握したカナーバは発祥した全ての罪を同時期戦死したクルーゼに被せて一時の平和を築いた。
それが二人の間に僅かに流れた光の影となったのか、カナーバ自身が育てた闇だったのかは分からない。
今のクルーゼがその事実を知りえることが出来たならば、きっと笑うだろう。
それみたことか、と。
世の摂理に漏れず、カナーバも影を湛えた人の業から逃げられぬただの人に過ぎなかった、と。
しかし待ち受ける運命など知る由もなく、カナーバに背を向けたクルーゼは真っ直ぐパトリックの方へ歩いていった。
自身の歩むべき、闇で塗りつくされた破滅への道へ。
172-174
なかなか、見事な出来栄えお見事です。
文章なり文体なりは固まっているようなので、あとは磨くだけと思いますが端出がましい点はご容赦ください。
>その傍に今日は珍しくパトリックの妻、レノア・ザラもいる所為かパトリックの表情はいつもより穏やかだった。
こういった表現は個人的には非常に良いですね。交渉ごとでも使えますが
ディティールをキメ細かく描くと主役がより引き立ちます。
172の部分は漢字が多く表現が硬いような印象を受けました、173/174はこなれた印象で筆致のノリが違ったのか
とも思いましたが、私も試行錯誤中ですが、報告書と同じように漢字はむやみに使うと印象が換わるので
巷で言われているように、報告書の漢字の使用量は30lがベターといわれている通り、
漢字の配分に気をつけると格段によくなると思います。
ベタな方法ですが、作中クルーゼと一曲舞う前に、「アイリーンと呼んでください」又は「アイリーンとお呼びしても」
ファーストネームで呼び合う件をつけても良かったかな、クルーゼが拒絶すればワザと親密な関係を築かない様子
が描けるし、クルーゼから言い出せば彼の出自の善い所が出てしまうとか。
何はともあれ、クルーゼの闇の部分と孤独なさまが良くできてます。
色々書きましたが、全てはあなたの持ち味です、惑わされずに己の信念でよい作品を投下してください。
>>172-174 描写が解りやすくて良かったです。描写を多用すると煩くなってしまいがちですが、流れる様に話が進むので、その匙加減が絶妙でした。
気になったのはダンスシーン。ダンスで流れて良いのはステップで、ホールドが流れたらまずいような……
そうかカナーバがクルーゼを戦犯に仕立て上げたのはこの後やり捨てられて
可愛さ余って何とやらかw
ラクス・クラインの議長就任祝賀会が行われるその日、ルナマリアはシンの部屋を訪れていた。
調度品も雑貨も何もない部屋。明るい光が窓から差し込むも、ルナマリアの表情は虚ろに翳っていた。
シンは大きな鞄を抱えて立ち上がった。
「じゃ俺は行くよ、ルナ」
申し訳なさそうな口調とは裏腹な決意の光を瞳に宿したシンの顔を見て、ルナマリアはシンの服の裾を固く握った。
「考え直す気は無いの、シン。あの時ラクス議長にも言われたじゃない、平和の為に手伝って欲しいって」
何度もシンに投げ掛けた言葉ではあるが、ルナマリアにはそれしか言えなかった。
「もう決めた事なんだ。自分の身の丈に合った生き方をしたいんだ」
変わらぬ答えを吐き捨てるシンの姿にルナマリアは憤りを禁じ得なかった。
「……嘘吐き。あんたは怖くなって逃げ出すんじゃない。何が赤服よ、何がフェイスよ。根性無し!」
ルナマリアは顔を紅潮させシンを見上げた。シンは寂しげにルナマリアを見据えていた。
「俺は只の人間だよ。光の中で輝けるような、そんな資格は無い」
「違うわ、そんなの只の綺麗事よ。あんたはあたしを捨ててオーブにいるあの女の元へと行くのよ。裏切り者!」
「ルナ!彼女は関係無い……関係無いんだ」
激しい語調で名前を呼ばれ体を震わせたものの、ルナマリアは自分の口に歯止めを掛ける事が出来なかった。
「そうよ、関係無いわよね。だってあの女の弟を殺したんだものね、シンは。彼女がそれを知ったらどう思うかしら。……ね、だからシン、馬鹿な事はやめよ?」
哀しそうに目を伏せたシンを見て、ルナマリアはシンを優しく抱き締めた。
「そうよ。あんたは所詮は人殺しなのよ。そんなあんたにラクス議長が優しく手を差し延べてくれたのよ。あんたを闇から光へと導いて下さるのよ。こんなに喜ばしい事は無いわ」
優しく柔らかい口調でシンの耳元に甘く囁いた。だがシンはルナマリアを力を込めて引き離した。
「いい加減にするんだ、ルナ。俺は助けを待つだけの子供じゃない。俺は自分の力で道を切り開くんだ。傷付いたって構わない。自分の力で生きて行きたいんだ」
ルナマリアは下唇をきつく噛み締めた。もうシンを繋ぎ止めておく術が無い事を悟った。
シンは旅立った。あっけない終わり方だった。ルナマリアは自分の溢す涙に気付かずに呆然と立ち尽くしていた。
>>172-174 クルーゼとカナーバの関係性が良かったです。
こういう湿度の低い関係性を種で書こうとすると人選が大変ですよね。
描写も丁寧で分かりやすかったですし、文体が完成されているので特に問題を感じませんでした。
強いて挙げればダンスシーンでしょうか。
>>176でも指摘がありましたが、ホールドは流れるものではないと思います。
流れるようなと云う部分がリードに係るようにすれば宜しいかと思います。
(お題・空/注意・捏造分量大目。てか卑怯。スレ趣旨にあってなかったら全力であやまる)
『忘れえぬソラの彼方』
―――「ソラ」。
それは少年にとって禁忌の言葉。
連合にはエクステンドと呼ばれる人工強化人間調整技術が存在していた。
強化された被験者・エクステンデッドにあっては身体だけでなく心もまた強化の対象となる。
たとえば、恐怖心は兵士にとって天敵であり人工的な処置でこれを克服できれば大きなアドバンテージとなろう。
とはいえ恐怖は感情のもっとも本源的なもので、それを除去すれば感情そのものも失われよう。
感情なき人間には柔軟な思考も臨機応変な対応も期待できず、結果兵士として役に立たない愚物に成り下がる。
よってエクステンド技術は恐怖を克服する為に逆に被験者が最も怖れる記憶を喚起する
キーワードを意識の深層に刷り込み恐怖そのものを無意識下に抑圧する。
つまり、潜伏するより強い恐れによって他の恐怖を麻痺させるということ。
これが「ブロックワード処理」と呼ばれる精神操作だ。副次的には強化人間の反抗防止にも使われるこの措置は
人間の心身を意図したとおりに加工するエクステンド技術の精髄といえよう。
被験者の恐怖でさえ操る彼等である。エクステンデッドを優秀な「道具」として扱う連合将官は
不都合な記憶の操作など日常茶飯事にやってのける。
操作の度にばらばらに刻まれ組み合わされる寄せ木細工のような強化人間の精神。
加工されるごとに継ぎ目の隙間は広がり、いっそう不安定の度を増していく感情。
しかしエクステンデッドであるその少年には精神操作に対する不満はなく、
むしろそれを妥当な処置だとさえ考えていた。
消去された記憶。封印された想いの数々。
――どうせ必要ないものだ。
彼はそう信じる。
忘れたのは失くしても構わない事―――
(「ソラ」―――赤い赤い空。夕焼けと火と血とが混じる朱色の惨景。全てが焼け爛れたあの日。
肌を抉られる痛み。咽を圧する苦しみ。見知らぬ人々の死。見知った人々の死。愛する者らの死死死死……)
そして。名さえ忘れてもなお脳裏に焼きつき彼の胸をかき乱す少年と少女の姿。
―――思い出しては、ならないことなのだと。
少年は薄々は気づいている。
過去を一つ零し落とす毎に未来もまた少しづつ失われていく事に。
だが…
強化された心身がそう長く保つものでないことくらい彼にはとうの昔に分かっている。
いずれ、明日なきものに思い出など何の意味があるだろう?
連合軍要塞「ヘブンズベース」。
至天の名を冠するこの軍事基地が、少年にとって最後の戦いの場となった。
出撃前。彼は自らが乗り込む「デストロイ」を見あげていた。
黒い巨体は何故か、ほんの束の間少女の面影を彼に思い起こさせる。
正体も分からず浮遊する追憶の残照を、少年は振り払うように機体に乗り込む。
迫り来る敵軍を絶対の布陣をもって迎え撃つ、少年と彼の所属する連合軍。
しかし、対するザフトはそれ以上に強大だった。
特に、戦場を縦横に駆ける鬼神の如き圧倒的な猛威を振るう機体の存在。
ザフト最新鋭MS「ディスティニー」の力には目を見張るものがあった。
長きに渡る死闘に僚機は一機、また一機と堕とされていく。
ふと気づけば、目前には光翼を羽ばたかせる「ディスティニー」の姿。
血涙のような線形の刻まれたその相貌は、自ら放つ劫火にもだえ苦しむ悪魔を思わせる。
かけがえない何かを振り落とし零し落とすようにひたすらな破壊と殺戮に哭く鉄の修羅は、
戦う為だけに作りかえられた彼自身の似姿だった。
「ディスティニー」に向け機体を奔らせながら彼は笑う。
自分が戦う相手としてこれ以上相応しいものはいない、と。
熾烈な戦闘の末。
「ディスティニー」の長刀が、彼の「デストロイ」を深々と刺し貫く。
損傷はコクピットにまで届き、ひしゃげた鋼鉄に潰された
少年の混濁した意識は精神操作のくびきから解きはなたれ中空を彷徨っていた。
モニタに広がるあの日と同じ朱色の空が、奥底に沈められた彼の記憶を蘇らせる。
「…空、が…」
しかしもはや、少年に怖れはなかった。
血と炎に浸る赤い空。
けれど、
(ア…ウル…)
この空の先には、
(ステ…ラ…)
二人の弟妹が待っているのだから。
爆散に途絶える意識の一刹那、
少年は天空を掴むように高く高く、その手を差し出した―――
>>149 レスありがとうございます。
いや、ニュースで名前出ないのはなあ、と違和感感じたもので即興で作ったのですが。
考えてみれば話の流れとしては無い方がすっきりしますね。
ご指摘有難うございました。
「斬艦刀」「そら」「光と影」
暗闇が溶ける。周囲を見る。
狭い箱の中にいる自分に気づく。手元のスイッチを手順通りに操作すると、正面が白く輝く。
光と影が周囲に輪郭を生み出し、自分が狭い部屋に座っている事に気づく。ここがデストロイという
兵器の操縦席という事を知っている。
光る翼を持った人型兵器が巨大な剣を振り上げているのが正面モニターに映っている。ディステニー
という兵器の名前を知っている。敵だという事もわかる。
デストロイの右腕を突き出す。向かってきていたディステニーが横滑りしてよけたので、右腕を横薙ぎに
しながら分離させておいた左腕の光学兵器を地面に撃つ。右腕に気を取られていたディステニーが
破片混じりの土煙をあびて速度を落とす。ディステニーが体を入れ替え火器を斉射し、自分は機体の
上体をそらし、フィールドを張ってかわす。
相手も当てる気はなかったらしく、近くにあったビルの影に隠れる。待機させておいた左腕から正面で、
互いの発したビームがビルの影から四方に散る。
左腕から信号が返ってこなくなる。斬艦刀が宙で分解する。
ややあって敵機がビルの影から現われ、両手の火器をはなち、すぐ元のビルに隠れる。無意味と思う。
ペダルを踏みこんでデストロイの重心を前に移動させ、脚で蹴り上げる。ビルが玩具のように崩れる。
敵機に衝撃を与えたであろう感触が圧力センサーからペダルを通し、自分の足に伝わる。黒い物体が
吹き飛んで工場の壁に刺さる。
頭上を警告する表示が出る。見上げた空に太陽。黒点。大きくなる。敵パイロットの声が聞こえる。
「せめて……!」
何を言いたかったのかもわからないまま自機に斬艦刀が食い込む。ディステニーの背中に光る翼しか
無い事から、宙で分解したのは火器だったと理解する。
モニターに映る工場の壁にはデストロイの左腕が刺さっている。直後、モニターが破裂してガラス片が
襲いかかってくる。ゆがんだ操縦席が金属音の悲鳴をあげて構造材がめくれあがりパイロットスーツを
ずたずたに寸断する。
腹部に熱さをおぼえる。傷口を押さえた手が赤く染まる。指先がしびれる。喉の奥が甘苦くなる。
視界が闇に落ちる。しびれが止まる。呼吸が止まる。静かになる。
暗闇に溶ける。終わる。
掲示板コメントならともかく、SSなら行頭一字下げをしようぜ。
>>6 「違和感を感じる」は、感と感がムダに重なるんで、あんまりよくない。「馬から落馬する」ような文章は好まれないぞ。
「違和感が生じる」あたりが良かろう。
>>17 最後の行、「エリカの目の前の」の「エリカ」は不要。
「〜の〜の〜の」と連続するのも好まれないし、同じ文章にエリカと二回も書く必要はない。
>>30 小ネタ用の省略表現と考えても、台詞前の名前はムダ。
会話場面はどれも二人だけなのだから、勘違いするほうが難しい。読み手を信用しろ。
句点も入れて欲しい。文章修行で「(汗)」という表現を使うのもどうか。
>>34 「()を使いながら改行するのはそれでも悪くはない。
「が、このような方法もあるのを憶えていても損はなかろう。
「あと、ぶっちゃけ赤い水が何を指しているのかわからない」
>>36 悪かないが、この後につながる本編を思い出すと、笑えるというか皮肉というか。
「官能的なな琥珀色。」みたいなのは注意せよよよよよよ。
>>38 そもそもハイネとは、地球での出会いが、基本的に初対面だったような気がするんだが。
>>39 単品でまとまっているのがいいな。
ただ、オチの効果を考えると、「死ねる」という部分は「安らかな気持ちになれる」とでもしたら良いんじゃなかろうか。
>>41-42 同じ話で半分に縮められるし、文章修行と考えると縮めるべきと思うんだが。
>>44 タイトルが最後の一行にかかっているのはわかるが、SS内にも「運命」とからんだ部分がほしい。
せっかくだから、インパルス搭乗時の台詞の後に、ディステニー搭乗時の台詞を一つ加えたら
どうだろうかと思いつき。より「運命」がダブルミーニングで強調できるかもしれん。
>>45 なぜ「天」に問うのだろう?という疑問がぬぐえない。宇宙にいるんだし。
悪いとはいわないが、他にふさわしい象徴がありそうな気が。残骸になった「運命」でも良かろうし。
>>46 戦闘を望んでなかったとはいえ、空母を前に出す選択をした当の人間が「運命」と考えるのは違和感ある。
そういう心情にいたった経緯が欲しい。
>>49 ガオガイガーは主人公側ロボが武器を明確な形では持たない事をコンセプトにしているので、
斬艦刀とからめると違和感あるな、俺には。
>>59-60 英字が半角全角混在しているぞ。どっちかに統一せよ。
>>71 「批評している」だが、軽い表現が続いているので、俺なら“評している”と書くかな。
基本的には悪くないと思う。歌詞を忘れていたのでオチの効果が弱く感じたのは俺の問題。
>>76 「耳鳴りが駆け」は、文学的表現と考えれば悪くはないんじゃないか。
独自の比喩はあっていいし、耳鳴りを起こす物が頭の中を駆け巡っているような気分も
わからないでもない。そういう独自表現に違和感を持つ人もいるだろうが。
>>84-85 ちょっと書きなおせば、前後それぞれ別視点のSSとしてまとまると思う。
逆にいうと、この短さでどんでん返しも無いのに、別視点による語り直しをやっても、ムダに長いだけな印象。
>>110 語り手や「彼」が誰なのか、わかんね。かといって筋立てが純粋に面白いというわけでも、
詩的な表現をねらっているわけでもないしな。文章そのもんは悪くないがね。
>>114 「蒼穹」はそれだけで空という意味をふくむから、「〜の空」と続ける必要は無いなあ。
ただ蒼穹と書くか、後で出てくる「蒼い空」に統一しても良い。
>116
一文が長いので「興に乗ったビリヤードを囲む勝負の熱気で溢れ、」のような、かかり受けが
わかりにくい箇所が多すぎる。あと、改行する時に「、。ゃゅょ」などが頭に来たらいかん。「シャ
ムス」というふうにせよ。この場合は一字はみだすようにする。
>118
最後の新型うんぬんあたりが、どうにも推敲ミス以前に収まりが悪い。
一文一文は悪くないが、流れがおかしいんだわ。もうちょっと時制を意識してみようや。
>126
ストライクに触れた文章がないのに「その最後の一機」と書くのはまずい。
“奪取できず残してしまった一機”とでもするべき。
引用や会話文ではないのにカギカッコを使うのも誉められん。別の種類のカッコを使おう。
>129
短文で泣かせる場合、唐突な印象が持たれやすい。1クッションはさむか、涙もろさに対する
自己ツッコミがほしいな。他は悪くない。
>132
口から吐くタバコの煙は白いので、あんまし紫煙という表現はふさわしくない。
煙の粒子が大きくなって光の散乱が変化するためだ。科学豆知識。
プルタブを外す缶はなんとも古いが、うらぶれた雰囲気が出るので俺は面白い描写と思った。
>134
「違和感を覚えた」も悪くはないが、「覚える」と「感じる」は同義なので俺は好きじゃないかな。
これまで使われなかった形式で書いているのは好印象。
>138
主人公の性格や自己ツッコミから考えると、一人称やメールのぐだぐださはOK。ベタな話だが悪くはない。
ただ、メールで消去した部分まで修復したのかとか、いくらなんでも送信したら家族に届くんじゃないかとか、
メールにしたために疑問に思う部分がいくつか。文化的にありえそうだから手書きの手紙でも良いんじゃないか。
>166
わりと良いと思うんだが、シャトル護衛の任務(かどうかも?)気にかかる。舞台背景だけは説明が欲しい。
あと、マッハ1.5で大気圏を飛び出すシャトルにどこまで追いつけるもんかな。細かいスペックは省くのが無難。
>172-174
長い。形容詞を削ると雰囲気が出ないってんなら、早々にあきらめて別の話を考えるべし。
色んな話を考え、使えなさそうな話は削除するのも修行。
>178
あの女の弟? すまん、わからん。
もしキラの事なら、主要キャラに関わる話で本編にない展開は、補足する描写がいるぞ。
>180-181
オチはブラックラグーンのオマージュ?
181前半のシン視点や状況説明を削れば、1レスに収められるかもしれない。
叩き男氏GJ!辛口コメントが良いね。
>>132 紫煙について。叩き男のはただ叩いてるだけなので、何が悪いかの解説。
科学豆知識は、「何故、紫煙とついたか」の知識ひけらかしだから。蛇足カッコワルイ…
何が悪かったか。
紫煙は、「タバコの先から立ち上る煙」のことだから。
煙は確かにタバコの煙だけど、出るところがタバコの先か口かが間違っていたってことなんだ。
他の人にも言えるけど。
推敲のときには辞書を傍らにおいて表現の間違いがないかチェックすること。 いつも使わないような言葉、言い回しは重点的にチェック!
間違った言葉や表現を使うと、どれだけ話しの筋がよくても読者の興が冷めるものです。
あとで指摘されると、気恥ずかしくなるしね……(遠い目)
叩き男氏GJです。
自分は辛口だとは思わなかったな。
言われて納得のいく批評でした。
>>186 ご指摘サンクス
念のためいっておくとシン視点どこにもないんですよ…
今後は誤読を招くような悪文書かぬよう気をつけます。
追伸・当方ブラックラグーンよく分かりませんので
この場合ありがちなシチュが被っただけかと(それはそれで問題だが)。
そろそろお題をかえないか?光と影(闇)では投下が少なかったしな。
誰か決めてくれないか?
んじゃあ、「ビームライフル」で
お題が固有名詞だとやりにくいかも
これも修業か?
ビームライフルだと突撃機銃がつかえねぇ
地球連合とプラント間の戦争――後の世に言う"ヤキン・ドゥーエ戦役 "の開始より十日ほどたった頃。
ザフト軍は連合の月への橋頭堡であるL1のスペースコロニー・世界樹へ侵攻。
MSという新型起動兵器と核分裂停止だけでなく電波障害をも引き起こすNジャマーを投入することでザフトは数で勝る連合軍に対抗し、戦闘は激しくも拮抗したまま二週間が過ぎていた。
「あ、まーた中尉は写真に見とれて手がお留守だ」
ふと、開けっ放しにしていたコクピットハッチの先で茶化すような声が響いた。
中尉、と呼ばれた男が顔を上げる。
20代後半といったところだろうか、栗色の短髪に栗色の奥まった瞳が印象的でいてどこにでもいるような白人青年だ。
「そういうお前はどうなんだ、准尉」
「俺はもうちゃっちゃと終わらせちゃいましたよ、メビウスの調整」
「ったく最近の士官候補生は生意気なんだよ。戦争が長引きゃお前みたいなのが増えるかと思うとウンザリだ」
中尉は大げさに肩を竦め、しかし言葉尻はあくまで部下を可愛がるようにして上半身をコクピットに入れてきた准尉の頭を小突く。
すると准尉は「酷いなぁ」と冗談交じりに笑いながらつい今しがた中尉が見ていた写真を覗き込むと、まるで少年が初恋の相手を見るような憧憬を宿した眼差しを浮かべる。
「綺麗な人っすよねぇ中尉のフィアンセ、どうやって捕まえたんすか?」
「そりゃお前、あいつが俺に一目ぼれってヤツだよ」
ニ、と笑いながら中尉は親指を立て、途端現実に引き戻されたように准尉は往なすようにして肩で笑った。
「見栄っ張り」
写真の中には睦まじく肩を寄せ合う二人の男女。
一人は中尉。その隣にはブラウンのウェーブの髪が柔らかい印象を誘う、可愛らしい雰囲気の女性がいた。
「でも、彼女も軍人でしたよね?確か、階級も中尉とか――」
「いやいやいや、俺のが先任だから」
「分かんないっすよー、案外将来の奥さんのが優秀でちゃちゃっと昇進しちゃったりして」
悪戯っぽく笑う部下に、中尉は痛いところを突かれたとばかりにガシガシと頭をかいて目を寄せる。
「確かにあいつ士官学校での成績良かったからなぁ、もう俺が養ってもらおうかなそうなったらさ。あいつ料理壊滅的に駄目でさ、たいてい俺が作ってんだぜ?」
「マジっすか!?」
「マジっすよ。あ、前者は冗談な」
手を広げ、中尉が西洋人らしいウィンクをすると准尉は苦笑いを浮かべながら、あ、と呟いて瞬きをしてから名案とばかりに中尉の顔を覗き込む。
「思いつきました!手っ取り早く昇進する方法」
「お、何だ?」
「それは――」
「まさか二階級特進とかじゃないだろうな?」
しかし中尉が言葉を遮れば准尉はウッ、と喉を詰まらせ「やっぱりか!」と准尉の首を自身の左腕で固めて中尉は数発軽く殴りつける。
准尉がギブアップしたところで開放してやると、中尉は腕を組んでシートに座り直した。
「二階級特進たってなぁ、うちの実家もそう余裕あるわけじゃないし遺族年金で食っていけるかとなると考えちまうよなぁ」
「いや冗談っすから。不吉なこと真面目に考え込まないでくださいよ」
「お前も考えとけよ、割と現実的な話だ」
言って、中尉は飾っていた写真の中の女性を見つめる。
ふ、と口元を緩めているとハンガーから呼び出しの号令がかかって二人は弾かれたようにコクピットを飛び出していく。
「第1艦隊が現在ザフト軍と戦闘中だ、第2艦隊にもじき救援要請が来るだろう……アルファ小隊の諸君、いつも通り任務遂行は滞りなく行うように」
小隊長がパイロット一人一人の顔を見やりながら気を引き締めさせる。
ザフトが世界樹に侵攻し始めて二週間、アルファ小隊も何度か出撃はしていた。
哨戒任務が主で、幸いにもパイロットの入れ替わりは今のところない。
お題は固有名詞で構わないんじゃないか。
ビームライフルじゃ今回はスルーしようかな。
「例のMSとかいう人型兵器、やっぱり厄介ですかね?」
小隊長の話も終わり、解散となると中尉は個人的に小隊長へ話しかけた。
小隊長は生真面目そうにうむ、と頷く。
「ジン、という名称らしいが……機体性能はともかく、どうもとんでもないヤツがいるようだ」
「というと?」
「いわゆるパーソナル塗装したエース機というのか指揮官機なのか分からんが、こちらのメビウス15機、ネルソン級4隻を一人で沈めたパイロットがいるらしい」
「あー、それ俺聞きましたよ!」
と、目ざとく二人の中に准尉が割り込んでくる。
「何でもホワイトカラーで偉く目立つらしく、今じゃその色見た途端逃げるメビウスも少なくないとか」
「へぇ、ま、直線運動じゃメビウスの一人勝ちだから良い案じゃあるな」
「中尉!敵前逃亡を肯定するような発言を部下の前でするな」
軽く返せば小隊長の怒りを買い、頬を引きつらせて中尉は敬礼すると小隊長に背を向けた後にぺろりと赤い舌を出しながらその場を後にした。
程なくしてアルファ小隊にも出撃命令が下り、パイロットスーツに着替えたパイロット達がそれぞれの搭乗機へと向かう。
「白いジン……か」
「は?」
「よし、出世だ!」
「ハァ……!?」
床を蹴ってメビウスへ向かっている最中、中尉の呟きを聞いた准尉は素っ頓狂な声をあげる。
「あの、中尉?」
「ザフトの白ジン落とせば明日の俺は大尉昇進間違いなし!次の休暇予定彼女と重なってるからなぁ、つか式も挙げる予定だし自慢してやれるぞ!」
ニシシ、と笑いながら自分のメビウスのコクピットへ入っていった中尉を一頻り呆れ顔で見た後、その底抜けの明るさにクスリと笑うと准尉も自身のメビウスへと向かう。
出撃直前、中尉は表情を引き締めてからいつものようにコクピットの写真を手にとってキスをした。
漆黒の宇宙へ飛び立つ彼にとって、それは紛れもない一条の光なのだ。
音のない孤独な世界で、自分を照らしてくれる光。
しかし、日々激化する戦況はいつまでも哨戒任務に甘んじるということをアルファ小隊に許しはしない。
支援要請を受けて小隊が向かった先には、闇を幾重にも染め上げる死の光という名の熱線飛び交う激戦地だった。
だがそれも分厚いガラス一枚隔てた世界のことのように音は伝わらず、あまり実感はない。
遠くで煌く光芒は美しいとすら思えてしまう光景は、パイロット達を無言のプレッシャーとなって襲ってくる。
実感もないまま死ぬかもしれないという恐怖。
事実、それを刻み付けるようにザフトのジンはMAには不可能なほど柔軟な動きで回り込み、サーベルのような武装でメビウスの装甲を切り裂いていく。
メビウスは自身の攻撃をかわされてしまえば、巧みに回りこんでくるジンの前に成す術がないのだ。
「ジン1補足、アルファ小隊散開ッ!」
アルファ小隊全機に小隊長の声が飛び込んでくる。
パイロット達は言われるままに一機のジンを取り囲むように散らばった。
全方位。
ジンに目標を定めさせず、それでいて袋小路に閉じ込めるような陣形だ。
中尉のメビウスは仲間が袋小路を作る中、ジンに猛進する。
その後ろにピタリとついていたのは小隊長機。
ジンのモノアイが唸りをあげるように光り、手に持っていた銃口を向けてきた瞬間、中尉は思い切り機体を横倒しした。
「今だ、小隊長!」
中尉の叫びより先に、中尉が操縦桿を切るタイミングを完璧に読んでいた小隊長は機体中央のリニアガンのトリガーを既に引いていた。
中尉のメビウスに当たるか否か、紙一重の所で亜高速のリニアガンは宇宙を切り裂き、ジンもろとも弾き飛ばす。
撃墜には至らないとパイロットたちは分かっている為、袋小路を作っていたメビウスたちがバルカンの雨を集中的に浴びせ、ジンに反撃の隙を与えさせないまま蜂の巣にしてしまう。
無事撃墜に至り、ふう、と中尉は息を吐いた。
撃墜音すら響かないというのは嫌なものだ。
こうして宇宙に長くいると、地球の自然が奏で出す音すら忘れてしまいそうで空恐ろしい。
しかし思考を逸らしている暇はない。
アルファ小隊全員が揃っている状態でジン一機を相手にするならまだ何とかなったが、そうそうずっと上手くはいかないものだ。
それを証明するかのように突如として僚機のシグナルがモニターから消える。
宇宙は無音。敵を切り裂こうが敵に打ち落とされようが、音など響いてもこない。
「なっ――!」
故に頼りとしていた電波状況の悪さの所為なのか、敵の接近に気づかなかったとでも言うのか?とカメラを巡らせた中尉のコクピットに響いてきたのは怯えたような准尉の声。
「中尉、あれ、なんすかあれーー!」
呼応するようにモニターに写ったのは、小隊の2機が同時に爆散する光景だった。
まるで線を描き出すかのように捕らえきれない程の高速で動いていた敵機を、拡大にしたモニターで中尉の目は確かに捕らえ、おののく。
頭にトサカを付け、赤く光るモノアイは通常のそれと変わらなかったものの、まるで今も遠くに光る星のように白い外観をしていたのだ。
「あれ……例の白いジンか!」
同僚をやられたという怒りもあったのだろう。
中尉はスラスターを噴かせてその白いジンへ向かっていた。
小隊長も同様だった。
他のメビウスも准尉のそれも続くが、あいにく控えていたのは白いジンだけでなく肩に大型のミサイルを背負い込んだジンも数機いたため、やすやすと先ほどのような陣形は取れない。
白のジンは巧みにデブリの陰などを利用し、正確な射撃を繰り出してくる。
「ちぃ、撃墜数伸ばしでも狙ってんのかよあの機体!」
大きなデブリの影で一旦メビウスを急停車させ、身を潜めた中尉のメビウスに繋ぎっ放しになっていた准尉のメビウスから更なる泣き言が飛び込んでくる。
「デ、デルタ小隊全滅だって、俺、俺……あんなの相手に――」
「ウルセーんだよ落ち着けヒヨッ子!あんなのただのニワトリじゃねーか!丸焼きにして俺が食っちゃる!」
一番機体操作に劣っていたため目を付けられたのか、無茶苦茶に回避運動を取る准尉を見かねて中尉は再びメビウスを発進させた。
ちょうど准尉と白ジンの間を縫うようにリニアガンを発射させる。
眼前を閃光が横切れば、注意は逸らせるはずだ。
しかしその意図を読み取ってか、ジンは中尉には目もくれずまるで嬲るのを楽しむかのように准尉のメビウスにゆるりとした動きで銃を向けた。
「な、んだあの性悪鳥はッ!」
コクピットで悪態を付きつつ、中尉のジンは加速する。
「離脱しろ准尉!加速を最大にすりゃジンはメビウスにゃ追いつけない!」
そして逃げろ、と通信機に向かって怒鳴りつけた。
敵前逃亡。
小隊長から大目玉だな、などと思った瞬間、ノーマルジンを振り切ったのか小隊長のメビウスが准尉の退路を確保するように援護に現れた。
目を見開くと同時にハハッ、と中尉は思わず笑う。
厳しいふりして、甘い。
まるでどこかの誰かみたいだ、と一瞬写真の女性を見やって再びリニアガンを繰り出した。
「まぁ俺も甘いけどなッ!」
同時に小隊長機のリニアガンも火を噴きクロスを描くようにして白のジンを襲ったが、まるでパイロット自身の背中に目でも付いているかのように白ジンは機体を捻ってそれを避けてしまう。
中尉のメビウスと小隊長機が行き違う最中、サーベルを抜いた白ジンが素早く忍び寄って叩きつけるようにそれを振り下ろした。
「小隊長――ッ!?」
叩きつけられたのは小隊長機。
流石にただではやられないのか上手く往なしたように見えた、が、機体の上部がへこんでいる。
今まで見てきたメビウスのように真っ二つにはされてはいないが、あれではコクピットは潰れたかもしれない。
くそっ、と中尉は白ジンのほうへ反転を試みるもメビウスはジンのような鮮やかな動きをしてはくれない。
方向転換で隙が生まれたと同時に、中尉のメビウスは激しく揺れた。
宇宙だというのに失速感。コクピットには火花が飛び散っていた。銃弾を浴びてしまったのだろう。
一瞬意識を手放しかけた中尉はうっすら瞳に写った写真を見て、ハッと意識を取り戻す。
「推進剤が……チッ!」
無我夢中だったのだろうか。計器の破片が身体中に突き刺さり、至る所から血が噴出していたことに中尉は気づかなかった。
「くそ、近くに友軍艦は……!」
僚艦を探しながら、准尉は逃げ切れたのだろうか――と、小隊長と自分で逃がした部下のことを彼はふと思う。
きっと離脱できたはずだ。それならいい。まだ若いのだ、いきなり中尉に昇進されてはこちらの立つ瀬がない。
そんな冗談を言えば、彼女は怒るだろうか。でも逃がしたという行動には賛成はしてくれるはずだ。情の厚い女だから。
そうだ、次に会ったら話をしようと思っていたことがある。
将来お互い退役して、いずれ生まれるだろう子供も手を離れたら緑豊かな静かな場所で、余生を過ごさないか、と。
気が早すぎると笑われるだろうか。でも悪い話じゃないはずだ。
風の音、鳥の鳴き声、小川のせせらぎ、それら一つ一つを余すことなく耳で楽しみながら語り合う。
宇宙の無音を思い出しながら、自然の音に二人で浸るのだ。
そんな平和な世界を、かつて体験した戦争を胸に秘めながら二人で噛み締めるのだ。
だから、今は逃げなくては。
白ジン落とせなくて昇進できないのは癪だが、笑い話は一つ出来た。
敵のエースはニワトリだった、って彼女にも言ってやるんだ。MSよりMAの方がイカすだろう、って親指を立てれば呆れながらもきっと笑ってくれる。
というか、何を考えているんだ――、と中尉は訳も分からないまま近くにいたネルソン級へ緊急着艦要請を出す。
白ジンはその様子をジッと見ていた。見逃していたかのように見えた、が、近くにいたD装備のジンを呼び寄せ、指示を与える。
推進剤が火を噴き、もはや制御すら思うようにいかなくなっていたメビウスを中尉は気合でネルソン級のハッチへ飛び込ませた。
緊急着艦ネットがブレーキも利かせず入ってきたそれをどうにか受け止める。
無事着艦し、まだ生きている、と思ったとき中尉は漸く身体を襲う痛みとコクピットにふわふわ浮いている赤い球体に気づいた。
「あ、あれ?怪我かよ、みっともねぇ」
しかし呟く声が弱々しいことには気づけない。
怪我したなんて知ったらあいつ泣きそうだな、などと写真の中の愛しい女性を見やり、力なく笑う。
写真の彼女の笑みが眩しく、中尉はそれに手を伸ばして掴むとコクピットハッチを開けた。
応急処置をしたらまた漆黒の闇の中へ戻らなければならない。
だが大丈夫、また戻ってこられる――、と懸命にハッチから顔を出した中尉の瞳を、まるで太陽の中心にいるかのような光が包み込む。
D装備のジンがミサイルを4基、ネルソン級の腹へ撃ち込んだのだ。
既に船体は持たないまでに膨らみ、中尉がハッチから顔を出した時には弾け飛ぶ寸前だった。
ジュワ、と中尉が手に持っていた写真が生々しく溶けていき、中尉は呼びかける。
「マリュー……」
写真の中の女性は消えたが、光の中で中尉が見たものは紛れもない、自分を迎え入れてくれるような彼女の優しい笑みだった。
今度会う時は、長い人生を共にしようと契った彼女の笑み。
挙式で着るウエディングドレスを楽しみにしていた、はにかむ彼女の笑み。
会いたくて会いたくてたまらなかった、闇を照らす彼女の笑み。
中尉は白む意識の中で、彼女に駆け寄るようにして最初にこう語りかけた。
ただいま……、と。
つーかお題にセンスが感じられねえ。
俺は風と提案してみる。
202 :
200:2007/03/17(土) 23:40:36 ID:???
つーかね、飲み物やそらを提案したのも俺なんだけどね。全く関係の無い言葉から話を作り出した方が面白いと思うんだよ。ガンダム系の用語をお題にしても面白くないしね。
抽象的なお題の方が発想が試されると思うよ。
じゃあお題提案「うんこ」
なんでビームライフルなんてお題を思い付いたんだろうね?
ガンダムだからって発想からならばちょっと感性に難有りだよな。
戦闘描写を向上させるためとか?
よく考えたら、素のビームライフルってメイン武器の割りに扱いひでーな。
アカツキに反射され、キャノンとかドラグーンとかがメインになって
戦闘開始直後にぶっ壊されてばかり……
MSに乗って、こんなに後悔した事は無かった。
モニターを見れば一面の海、清々しいほど蒼い水面をじっと眺めていると、
ずっと後悔していた事柄を一瞬忘れられそうな予感もした。
しかし現実はそう甘くはない。
襲い来る「波」に歯を食い縛り、握っていた操縦桿に指を食い込ませた時、
小さなモニターにキラの顔が映った。
「アスラン?顔色悪いよ?」
不安そうに声を潜めるキラに精一杯の笑顔を浮かべ、「大丈夫だ」と返す。
するとキラは眉を潜め「やっぱりさ・・・」と言葉を返してきた。
「大丈夫だ。何とかなるっ」
「でも」
「良いから。お前は先に行け」
「わかった」
飛び去るフリーダムをモニターで見つめながら、アスランは溜息を吐き出す。
その瞬間、パイロットスーツの中に生暖かな感触が伝わってきた。
「ヤバい、そろそろ限界か?!」
操縦桿を握っていた手を離し、首元をおさえる。しかし生暖かい感触は
上半身をせり上がり、首元まで襲ってくる。
このままでは数分も耐えられない。
アスランは被っていたヘルメットのバイザーをあげ、はぁっと息を吐き出した。
やばい、このままではもう持たない。
こうなったら戻るしかないのか。
じわじわと痛み始める辛さに歯軋りをたて、改めて操縦桿を握り直したアスランは、
通信ボタンを押し、先にでかけたキラに声をかけた。
「キラ…すまない、俺はもうダメだ」
「だから言ったじゃないか、無茶するから」
「悪い」
「早く行きなよ」
呆れた感じで行けと言ったキラに、歯向かう力はもう残っていない。
アスランはMSの向きを変えて海上で待つAAに向かった。
痛みは最高潮、手も震え、冷や汗すら流れ落ちる。
情けない。MSに乗ってこんなに後悔したことは初めてで、屈辱でもあった。
痛い、苦しい、辛い、そして…臭い。
「出撃前に済ませておけばよかった…」
パイロットスーツに排泄処理機能が欲しい、と、アスランは痛切に感じていた。
お題:「うんこ」
>>203へ
>>207 ワロタwww
短編では劇的な出来事がないと感動させたり笑わせたりするのは難しいけど
その点「うんこ」はお題として強烈な切り札になりうるな……意外だ
まさに刺激物
うんこSS書いた香具師GJ
「ビームライフル」より「うんこ」の方がお題として相応しい件について
それよりCEのパイロットスーツってオムツないのか?
UCのパイロットスーツにはついているという描写あったはず…御大の小説だけど…
何より現実の宇宙服は当たり前のようにオムツついてるし…CEはどういった進化してるんだ?
あの世界では「美形はトイレに入らないんです」っていうのがデフォでありそうで怖い。
……ふつーに考えればおむつなんだろうが。
ところで何らか議論する場合、職人スレで書いたらどうだろうか?
用途は若干違うが、殆どの住人が被ってるだろうし。
ヽ( ・∀・)ノ● ウンコー
うんこネタには敏感ですねおまえら
ばっさり切り返して見せた
>>207はまさにGJ!
お題:『雨』 『夕暮れ時』 『花畑』
但し明るい話にする事
麗らかな陽射しの日の昼下がりだった。あたしはお気に入りのモノトーンを基調とした服でオープンカフェへと向かっていた。
今日のお相手はメイリン。是非会いたいと云う言葉にあたしは少々気後れをしていた。
約束の場所に着いたあたしはロイヤルミルクティーとラズベリーのタルトを注文した。
メイリンはまだ来ない。あの娘はきっとあたしよりも洋服とか髪型とかメイクとかネイルの方が大切なのだろう。
ミルクティーがとっくに冷めてしまった頃、メイリンは楽しげに笑いながら現れた。
サーモンピンクの可愛らしいアンサンブル。髪は二つ縛りではなく緩めに内巻きウェーブが掛かっている。
「あら、お姉ちゃん。ミルクティーが冷めてるじゃない。猫舌じゃあるまいしさっさと飲んじゃえば?」
挨拶と遅刻の謝罪をすっ飛ばしたメイリンは小さく手を上げてウェイターを呼んだ。
「紅茶はアールグレイ、後はメイプルトーストとグリーンサラダをお願いします。ドレッシングはバルサミコ酢で。」
いつもの声ではなく低音気味の柔かい声。あたし思わず喉を鳴らしてしまった。
「これからはやっぱり低音よ。高い声って可愛らしいけれど安っぽいし下品なのよね」
メイリンはテーブルに左肘を乗せてふわりと髪を掻きあげた。薬指にはキラキラと魅惑的な光を放つ石が飾られていた。
「ジルコニア?……違うわ、ダイヤモンドね、それ」
「本当にめざといわよね、お姉ちゃんたら。確かにダイヤモンドだけど、小さいからそんなに高くはないのよ、これ」
メイリンはあたしに指輪が良く見えるように手を前へ差し出した。
「彼ったらあたしが初めて貰う指輪が婚約指輪じゃロマンチックじゃないって言ったら、その次の日にこれを買ってきてくれたのよ。」
紅茶と料理が運ばれてきた。メイリンは夢中になって食べ始めた。
「あんた、ダイエットはいいの?最近また増えたんじゃないの。顎の辺りがふっくらしてるわよ」
あたしの言葉にメイリンはピクリと肩を震わせたものの、にこやかな笑顔をあたしに向けてきた。
「仕方ないのよ。お姉ちゃんと違って私の体は私だけの物じゃないんだもの」
クスリと笑いながらメイリンは自分のお腹を優しく見つめた。
Vでウッソが「トイレ何処ですか?」と聞いて
「そのまますればいいだろう」とか返されて
「トイレパックが一杯になっちゃって」と理由を答えてたシーンがあった、はず。
「私、彼――アスランと結婚するのよ。私はお姉ちゃんのように赤じゃないから仕事を続けても先は見えてるじゃない?彼に事実を告げたら結婚しようって言ってくれたの。……私はロマンチックな場所で改めてプロポーズしてって答えたんだけどね」
あたしは思わず残っていたミルクティーを一気に飲み干してしまった。甘かったけれど、メイリンと較べると随分ましな味だった。
「ところでお姉ちゃん。あの人に逃げられたって本当?風の噂で耳に挟んだんだけれど。私だけが幸せになっちゃって申し訳ないわ。でも、いつかお姉ちゃんにも運命の人が現れるわよ」
メイリンはあたしの手を優しく握り締めた。あたしの目を見つめて頑張ってと言うメイリンの言葉には偽りはないのだろう。
あたしは声が震えないようにおめでとうとメイリンに告げた。笑顔ではしゃぐメイリンを尻目にあたしはウェイターを呼び会計を済ませた。
「あら、もう行っちゃうの、お姉ちゃん」
メイリンは可愛らしい淡いピンクの封筒をあたしに手渡した。
「こんなお腹じゃお式を挙げるのは恥ずかしいじゃない?お式じゃなくて、仲良くさせて頂いてる方を呼んでちょっとしたパーティーを開くの。是非お姉ちゃんも来てね」
あたしは封筒を受け取りメイリンに精一杯の笑顔を見せた。
天使のように無邪気に微笑みを浮かべるメイリンを尻目にあたしはカフェを後にした。風はいつもと違って冷たいように思えた。
219 :
感想:2007/03/18(日) 20:45:27 ID:???
>>197-199 【総評】名も無きパイロットの心情は纏まっているものの、構成に余分なところがあり
いささか長すぎる感じがしました。
【良かったところ】白いジン相手の戦闘シーンや、母艦に帰艦して一息つこうとした瞬間に
母艦ごと撃沈される描写は良かったと思います。
【改善できそうなところ】
ショートショートとしてのまとまりを考えると、
場面を幾つか削って端的に表した方が良いかと想います。
白ジンとの戦闘シーン
出世目当てで勝負を挑んだことへの後悔
損傷して帰艦
撃沈される
と繋げれば2レスに収まるのではないでしょうか?
もう一つ、これは好みの問題なのでしょうが、
マリューさんの名前を直接出さずにそれと匂わせてみれば物語が締まる気がしました。
>>197 准尉って階級は少尉の下ですが、士官学校出の少尉や中尉など子供扱いです。
詳しくは軍オタにでも聞いて下さい。
ガノタは准尉好きだよなw
そんな階級、採用しているところとしていないところあるのにな。
陸軍、海軍、空軍で階級の呼び方の違うところがあったりするわけだが。
准尉はなるべく使わない方がいい。軍オタにつっこまれるぞ?(苦い経験)
春が准将の世界だぞ?
別にこのスレは純粋に種世界の話であって再構築でも再設定でもなんでもないから
軍ヲタなんか「は?これ種世界でファンタジーですよ。テレビ観てなかったの?」
で終了だろ。いちいち突っ込んでくるほうがアフォ。
その昔の制服、階級スレのテンプレからよく使うあたりをコピペ
・参謀には一般的に直接指揮権はないので飾緒を吊って部隊指揮をしているアニメ等の描写は
軍ヲタ的には若干う〜んであるらしい。設定上参謀を示す飾緒でない可能性もあるわけだが
ちなみに飾緒とは通常右肩に吊っている飾りひもの事
・特務士官は(旧日本海軍に於いては)特殊な任務に就いているという意味ではない
下士官、兵からの叩き上げの士官の事
いろいろ制約はあるもののたたき上げから優秀な者が将校に出世できるシステムである
・准尉の扱いについては実はマンガや小説、ゲーム等でたくさん出てくる割には立場が曖昧
正式な士官ではなく士官候補生の意味合いが強く、准尉のままでは一般的には任務には就かない。
一時的に部隊を指揮することになった曹長なども指揮権の問題から准尉に昇進するらしい
士官学校の生徒が外に出ると准尉の扱いだった様な気が
ちなみに准将は普通の階級。偉い人を表現するのに使っても問題ない
以上スレチ気味ですが補足
いや、池沼の地位だと普通は少将以上だろ。准将じゃおかしい。
しかし作中じゃそうなんだから仕方ねーだろが、スレチって分かってんならすんな。
ここは文章力向上スレ
軍隊談義はとっとと移動しろ。
メイリンの独身最後の日、あたしは家族水入らずで過ごす為に実家へと戻っていた。手ぶらで帰るのは気が引けたので花屋でカサブランカの花束を買った。
空は夕暮れで朱に染まっていた。何だかあたしを慰めてくれているみたいで嬉しかった。
家に着くと玄関は花束の山が一杯で、まるで花畑みたいだった。
「お姉ちゃん、おかえりなさい。お花が一杯でしょ?皆も本当に気が利かないわよね。会場の方に届けてくれれば良いのに」
眉をハの字にしながらもメイリンは嬉しそうに笑っていた。あたしはメイリンの言葉に思わず花束を隠そうとした。
「あら、お姉ちゃんも花をくれるの?嬉しいわ」
メイリンが見逃す筈もなく、あたしは花束を差し出した。
「カサブランカね。匂いがちょっときついのよね、これ。……ってこれおしべがついてるじゃない。百合の花粉って服に着いたらなかなか取れないのよ。」
メイリンは無造作にカサブランカを花束の山の上に放り投げた。あたしは仕方なく花のおしべを取り除き綺麗に置き直した。
居間に向かうと家族の他にアスラン隊長がいた。
「いらっしゃい、アスラン隊長。」
「ああ、お邪魔しているよ、ルナマリア」
幸せな雰囲気が家を包みこんでいる。何もかもがあたしには眩しく見えた。
「嫌だわ、あなたったら。お姉ちゃんは貴方の姉になるのよ。お姉ちゃんもアスラン隊長だなんてよそよそしいわよ。みんな家族になるのよ」
メイリンの言葉に皆が朗らかに笑い出した。あたしは楽しげな家族団欒だと思った。
「そうだね、メイリン。そしてお義姉さん」
アスラン隊長はメイリンとあたしを交互に見つめた。それはとても優しい視線だった。
「そうそう、メイリン。あんたは明日からメイリン・ザラになるのね。それともザラ夫人の方が良いかしら」
何気ないあたしの一言に家族皆がきょとんとあたしを見つめた。一瞬の沈黙の後、メイリンのキャラキャラとした笑い声が部屋中に響き渡った。
「嫌だな、お義姉さん。僕がホーク家に婿入りするんですよ。……僕がアスラン・ホークになるんです」
アスラン隊長はあたしに対して自然な敬語で真実を伝えてきた。あたしは思わず頷いた。
「本当に良かったわ。メイリンはルナマリアと違っておっとりしているから心配だったけれど、こんなに立派なお婿さんと一緒になれるなんて」
「そうだな、母さん。我が家はこれで安泰だ。……ルナマリア、お前は家の事は心配せずに自分の道を行きなさい」
父さんと母さんは目尻を下げて微笑みながらメイリンを見つめている。
「そうよ、お姉ちゃん。お姉ちゃんは私と違って優秀なんだから仕事を頑張ってね。お姉ちゃんは私の誇りなのよ?」
メイリンはあたしの顔を覗きこんで笑った。あたしも曖昧に笑顔を作った。
「僕達、新婚旅行はオーブに行くんです。メイリンがどうしてもオーブへ行きたいって言うんですよ」
オーブと云う言葉を聞き、あたしは目を見開いた。
「そうそう、オーブと言えばシンさんは除隊してオーブに行ったのよね、向こうでシンさんに逢えたら結婚報告しなきゃいけないわね」
メイリンはアスラン隊長と仲睦まじく見つめあっている。肩を寄せ合う姿は幸せそのものだった。
「おや、お義姉さん、顔色が悪いですよ。大丈夫ですか?」
「やだ、お姉ちゃん。明日は私の大事なパーティーなのよ。今日はゆっくり休んだ方がいいわ。」
あたしはその言葉に従い部屋に戻ろうとしたが、メイリンに声を掛けられた。振り向くや否やメイリンが抱きついて来た。
「お姉ちゃん、私達幸せになるから……だから応援してね。私もお姉ちゃんの幸せを祈ってるから……」
メイリンは目に涙を湛え私を見つめた。私はメイリンを慰めようとただ頷いた。
明日雨が降ってもパーティーの頃には雨が止むだろう。雨上がりの空に虹が架かればメイリンは嬉しそうに虹を見上げるだろう。
ふとあたしはそんな事を思った。
「ロミナの頭の中ってお花畑で出来てるみたいね」
独身時代、友人に度々そんなことを言われたという。
彼女は嬉しそうに「なんて言うのよ?どういう意味かしら。でも頭の中にお花があるなんて素敵だわ」などとおっとりとした口調で朗らかに微笑んで話していたな――と、昔のことを思い返しながら
アマルフィ家の大黒柱であるユーリ・アマルフィはリビングのソファでお茶の準備に勤しむ妻の姿を見つめていた。
「あなたが休日にゆっくりできるなんて久しぶりね……もうすぐスコーンも焼き上がるからテラスへ出てお茶にしましょうね」
だがその一言に、緩やかに笑う妻・ロミナの姿に自然笑みを浮かべていたユーリの顔が少々強張る。
「ん、じき雨の時間だろう?今外に出れば濡れ鼠にならないか?」
「あ、あら?あらあら、そうだったかしら……まあ大変、忘れていたわ」
ロミナはほっぺたに手を当てて瞬きをした後、パタパタと急ぎ足でリビングを出て行く。
外に何か出しっぱなしにでもしていたのだろう。
ハァ、とため息を零した後ユーリはくすりと笑う。
確かに常に頭に花が咲いていそうなほど彼女は少女めいている。
もう十三になる息子がいるとはとても思えない程だ、とユーリは視線を上向かせた。
ロミナに良く似た一人息子、ニコルが階段から降りてくる音が聞こえたのだ。
「母さんどうかしたの?ずいぶん慌ててましたけど」
「ああ、雨の時間を忘れていたらしい」
「……またですか。ひょっとしてお茶も外で飲もうなどと考えていたのでは?」
「鋭いな、正解だ」
ユーリが茶化すように言えば、ニコルは苦笑いと共に少々頭を抱えていた。
歳の割に大人びてしっかりしたニコルにとって、母親のおっとりぶりは悩みの種なのだろう。
「でも、雨の時間……か。なんだか味気ないですね、決まった時間に決まった天候というのは」
ニコルはユーリの隣にやってくると、ソファに腰を下ろして窓の外を見やる。
その横顔を見つめながら、ユーリは「そうだなぁ」と呟いた。
しかしユーリ達第一世代のコーディネイターは地球出身で自然の見せ付ける予測不能な天候を実際に体感している為、完全に管理されているプラントのそれに奇妙さを感じることもあるが、地球を知らないニコルもそう感じるものなのだろうか。
それとなく訊いてみると、ああ、とニコルは目を細めた。
「分からないんですよ、僕。水面に映し出された月の美しさとか、雨上がりの空にかかる虹とか、突然のスコールとか。想像するのすら難しくて、例えばクラシックを弾きながらジレンマと戦ったり……」
ユーリの心臓がドキッ、と跳ねる。
いつ頃からだろうか、プロを目指すほど真剣にピアノに取り組んでいる為かニコルは地球という存在に酷く憧憬を抱いているようなそぶりを良く見せていた。
しかし地球――プラント理事国とプラントの関係は緊張状態にあり、プラント自体地球を軽視する傾向もあり情報もそう多くは入ってこない。
タブーに近いと言ってもいい。
アマルフィ家ではそうでもないものの、外でおおっぴらに地球への好意を口にするのは難しい状態にあった。
「そうだな、父さんの生まれ故郷は寒い場所で、記憶にあるのは一面の雪景色だな」
それとなくぎこちなく話を合わせると、ニコルは寂しさと憧れの入り混じったような色を瞳に浮かべて視線を外に流し、口の端を微かにあげた。
「雪かぁ……どんなものなんだろう。僕、地平線から昇る太陽や水平線に沈む太陽、そして朝や夕暮れ時に一面オレンジに染まる空間を一度でいいから見てみたいな。作り物じゃない、本物の」
暗に地球へ行ってみたい、というニコルにユーリは寂しげに笑い、そっとなだめる様にして肩に手をやった。
地球――人類の祖国。ニコルの憧れそのままに、自然の持つ力は脅威であると共に美しい。
いつか家族で里帰りできるような日が来ればいい、と願いながらニコルに笑いかけるユーリの鼻を、突如として焦げ臭いニオイが襲う。
「何だ……?」
「ま、まさか」
ユーリとニコルが顔を合わせた瞬間、響いてきたのはパタパタという忙しない足音と、ロミナの慌てたような声だった。
「あらあら、いやだわバルコニーに出たついでにお花にお水をあげていたらすっかりスコーン焼いていることを忘れて……ま、まあ、焦げてしまったわ、どうしましょう」
キッチンに飛び込み、オーブンを開いて頬に手をやるロミナの様子にユーリは苦笑いを漏らし、ニコルは脱力してコメカミ辺りを手で押さえる。
「母さん……」
呆れたようなニコルの声を聞きながら、リビングに流れる空気を感じユーリは思った。
やはり、ロミナの頭には花畑があるのだと思う。
家族を和ませる、とびきり美しい花畑が。
[227〜229]乙です。
シンと別れたルナや、悲劇の近いニコル家が[イイ味(変な表現だけど)]だしてますね。
>>227-228 終始笑顔のルナマリアが実は悲しいみたいな展開が見たい
一レスにまとめられるかも
>>229 登場人物は気がつかずに明るく暮らす
読み手だけがこの後の運命を思って暗くなる。GJですな
砕いたユニウス7と共に大気圏内に降下したミネルバは、ゆっくりと高度を下げつつあった。
インパルスとザクが無事着艦した――喜びに湧くクルーは、爆撃を受けたような衝撃に驚く。
「慌てるな、地球を一周してきた最初の衝撃波だ――おそらくな」
終始冷静なまま破砕作業に加わっていたレイが、静かに制する。
落ち着きを取り戻したクルーは、格納庫へ向かう者達と、展望室へ向かう者達二つに分かれた。
機体を損傷させつつも無事に帰還したシンを、皮肉交じりに労う者達と、空を見る者達だ。
粉塵の合間から夕日が見えるという情報が、見晴らしのいい区画へとクルーを誘っていた。
――日没一つで騒いで、子供みたいじゃない。プラントでは三分に一回日が出て沈むのに。
太陽が沈む事などさして珍しいとも思わないルナマリアは、三つ目の方向――アレックスを
見舞うために医務室へと歩いていった。
怪我を押して出撃したオーブの随員は、着艦するなりベッドの上に逆戻りしていた。
「だけどやっぱりあの人……アスラン=ザラよね?」
テロリストたちの声を聴いていきなり動きが悪くなった事を思い出す。
オーブのお姫様もいきなり出陣したのには驚いたが、今回の作戦では結局ミネルバに死者は無く、
それだけでも御の字だと思う。
進路をオーブ首長国連邦――南に向けたミネルバの開放された左舷には窓から西日が差し込み、
反対側の壁に窓の形の赤い枠を作っている。
そして何気なく窓を見たルナマリアの目に、その光景が飛び込んできた。
ルナマリアは、圧倒的な密度の気色に網膜が焼かれながら、雷光に貫かれたように立ち尽くす。
薄く靄が掛かった空に太陽が赤く輝き、海面を鮮やか過ぎるグラデーションに染め上げている。
窓に駆け寄ったルナマリアの視界一面を埋め尽くすように、黄色の蒲公英から真紅の薔薇まで
ありとあらゆる色彩の花が、遥か天蓋の向こうに咲き誇っていた。
時折、濃密な色彩の中を切り裂くように光が走る。
天を行く幾条もの流星は、砕いたユニウス7の欠片であるはずだった。
流れ星のたどり着いた先では、一体何人が命を散らしているのだろうか。
殺戮の流星雨、それに見入る事は、滅びの美しさに心を囚われることのようで――
――なのに目を逸らす事が出来ない。
いつの間にか溢れていた涙を拭う事すら忘れ、胸の前で手を組み合わせていたルナマリアは、
人が何故空に向かって祈りを捧げるのかを、やっと理解した気がした。
やがて心配したメイリンが、夕日に頬を染める姉に恐る恐る声を掛けてくるまでルナマリアは、
目を焼く太陽と、人を焼く流星の雨と、偽物の花壇が織り成す滅びの風景を見つめていた。
それは世界の砕けた日、人の歴史が混迷の闇に向かうその直前に残された黄昏の時刻。
朝は未だ、遠い。
>>215,
>>217,
>>227-228 これは同じ人かな?
ルナの孤独感がなかなかいい。
惜しむらくは何でシンと別れたのか全く触れていないところ。
一行程度で簡単に匂わせておけば、メイリンの幸福感との落差がさらに出たと思う。
>>232 お題の使い方が巧い!雨を流星雨とは脱帽です。
描写も細かいし、凄いです。
気になったのは日没と言う言葉。ルナマリアが使うにはちょっと堅い言葉じゃないかな?
控え室に入るとメイリンさんは神妙な面持ちで鏡と向き合っていました。彼女はきっとこれからの生活に心を這わせている事でしょう。
鏡に映った私の姿を見たのか彼女は此方に振り返りました。大輪の花のような笑顔を浮かべて私に駆け寄って来ました。
「ラクス様!いらっしゃって下さったんですね。有難うございます」
デコルテのラインがエステの成果を物語っていました。純白のシンプルなドレスでしたが、彼女にとっても似合っていました。
「メイリンさん、ご結婚おめでとうございます。本当にドレスがお似合いですわ」
思わず私は彼女を抱き締めました。彼女は顔を薔薇色にして私を見つめています。
「私、実はちょっと不安だったんです。私みたいな普通の女の子がこんなに幸せになれるなんて夢にしか思えなくて」
彼女は一歩下がりお腹の辺りを優しく撫でました。服のラインのお陰か余り目立たないように見えました。
「やっぱり女の子の幸せって結婚してお母さんになる事ですよね。男の人の中に混じって必死に働いてもラクス様みたいには慣れっこないもの」
言い切るや彼女は目を細め優しくお腹を見つめました。
「あっ、動いた……この子はとっても元気なんですよ。私、この子をコーディネーターにするのは止めようと思うんです。この子にも女としての幸せを感じて欲しくて……」
私は自分の姿が鏡に映らないように態勢を変えました。今頃キラはアスランと積もる会話に花を咲かせている事でしょう。
「私、本当に幸せなんです。好きな人と結ばれて、赤ちゃんまで授かって。皆にもこの幸せを分けてあげたい位です」
彼女はまるで聖母像のように慈愛に満ち溢れていました。一点の曇りの無い笑顔は私には眩しく見えました。
「ラクス様はあの方とご結婚なさらないのですか?ラクス様にも女の幸せを感じて欲しいんです、私。」
彼女の幸せに当てられてしまったのか、私は無性にキラに逢いたくなりました。キラの笑顔が恋しくなりました。
「あの方も幸せな家庭が欲しいんじゃないかしら。ほら、男の人って家庭に安らぎを求めるじゃないですか。可愛い子供の声って、癒されますよね」
メイリンさんは歌うようにしゃべっています。純粋無垢な彼女を見て、私は何故彼女は白無垢のお衣装を着ていないのか疑問に思いました。
不意にドアが開き、ルナマリアさんが入って来ました。寝不足のせいか目の下に隈が出来ていました。
「お姉ちゃん、まだお化粧してないの? 私のパーティーはもうすぐ始まるのよ。コンシーラーを使えば隈なんて目立たなくなるんだからね、全く。まさかコンシーラーを持っていないんじゃないでしょうね」
ルナマリアさんは申し訳無さそうにうつ向いていました。
「ルナマリアさん、私の物で良ければお貸し致しますわ。さ、行きましょう」
私はルナマリアさんの肩を優しく抱き部屋を後にしました。
メイリンさんは雲一つ無い空のような清らかな笑顔で私達を見送りました。
さてさて今日のお題は何かな?
普段、このスレは読んでるだけだが、自分が出してよいでしょうか?
自分の書いてるスレで、今日、銃の話題が多かったので『銃』はいかがでしょうか?
コズミックイラ74年も暮れようとしていたころ、プラント最高評議会に招聘されたラクス・クラインは
戦後の収拾に追われていた。
「この書類は重要機密として、コズミックイラ154年までの機密解除、および何人たりとも公開請求でき
ないように」
ラクスは、部下に指示を下すと自らもテキパキと書類の決裁を進め、今や評議会の一員として重職を十分
に果たしていた。
その姿は、数ヶ月前の歌姫と呼ばれたころとは少し変わり、もはや堂に入ったものだったのは、数日前に
最愛の人でもあるキラ・ヤマトが、プラントの評議会幹部として支えていたのと無関係ではなかったかもし
れない。
「さて、一息つきましたし……ピンクちゃん」
「ハロ、ラクス」
ラクスは政務の合間のひと時を、キラとのお茶の時間でくつろぐと、忙しいひと時をしばし半年前の戦乱
に思いを馳せる。
思い返しても、それは薄氷の勝利と言う他ありません。それでプラントの全てを掌中に収めた事を考えれ
ば、当然の苦難だったのかもしれません。
始まりは簡単でした、プラントの工廠の見取り図から新型MSのIDまで、全てこちらでお膳立てしてお
きました。地球連合軍特殊部隊が動いたのは予想外でしたが、目論見どおり新型MSを奪取、その後易々と
オーブを巻き込む事に成功しました。
アスランが予想外に奮戦したのが良かったのか、カガリさんは疑うこともなく。あっさりとプラントに不
審を抱き、ミネルバとの連携に水をさす効果までありました。カガリさんは御しやすいですは。
次に、サトーも気づいてはいないようですが、ジン・ハイマニューバ2型をあれだけ揃えるのは簡単で
はありませんでした。ユニウスセブンが思ったより早く落下したことは計算外でしたが、ここでも、アスラ
ンは見事な働きで最小限の落下で事を収めてくれたばかりか。大西洋連合、ユーラシア他の国の方達も厳戒
態勢に入ったプラント・ザフト軍を警戒しないばかりか、早々と報復攻撃をしない旨をホットラインで伝え
てきてくれました。
おかげで、アスランさえ知らないところで、大部隊を地上に降下させることが出来たのは僥倖でした。
そして、何よりも滑稽なのはデュランダル議長。
ヘブンズベースを逃げ出し、あとは坂道を転げるような運命しかない男を追い詰め、最後はロード・ジブ
リールを出し抜き、確信的にダイダロス基地のレクイエムを発射させて、プラント世論を戦争継続に導いた
功績は評価に値しますが、それ以上の野心を抱かなければ長生き出来きましたものを、真にロゴスを示そう
していたのは……
戦後の軍産複合体を温存させるため、テクノクラートが心血を注いで提出していた地球規模の復興計画
5大陸にまたがる大陸横断リニア新幹線計画。
そしてプラントの復興計画の切り札、成層圏に大規模なオービタルリングを作り、輸送コストを半減させ
停滞した経済を活性させる。ほんの少し、これらの計画に横槍をいれ、少しの間頓挫させました。
デュランダル議長が頭に乗らなければ、彼に軍産複合体を弱体化させプラント中興の祖としての栄誉を授
けようかとも考えました。彼はそれに値する働きをしたのですから。
しかし、彼は重大なミスを犯したのです。そうミーアという儒子を使い続けたのは万死に値しました。
そして、これらの計画が順調に進めば、軍需産業からスムーズに産業の転換が図られ、追々育ってくる人
材を振り替えることが出来ます。人材がいなければ軍産複合体のロビー活動も弱まり、手を汚すことなく弱
体化が出来るというものです、いまは著についたばかりですが必ず成し遂げられるでしょう。
そうそう、一部では鬼神のごときフリーダムの活躍があったように思われていますが、レクイエムも内部
工作で予定通り事なきを得たようですし……そして、この人の活躍が喧伝されればされるほど、わたくしに
とっては。
でも、全ては154年の機密解除までは全ては闇の中。
私は国家であり、すべての人民とプラント、オーブの国民。特にこの人の前では、わたくしは光であり太陽
でなければなりません。
「ラクス、そろそろ」
キラが政務に戻る時間をラクスにそれとなく促すと、キラはラクスの椅子を引き、手を取ってエスコートする。
この人と共にある限りは……
241・242
ごめんなさい、番号の付け方間違った。
244 :
感想、批評:2007/03/22(木) 03:40:23 ID:???
>>241、
>>242 ラクスの一人称による告白が、分かりやすいものの分かり易過ぎて損をしています。
陰謀家が心の中の声を出している所為で、底の浅い印象を持ってしまいました。
このラクスは回りに自分の本心を見せずに世界を動かす事に成功しているという
設定であるように見受けられましたので、そのネタばらしをラクス本人にさせるというのは
やや読者に親切過ぎだと思います。
書類の決裁を続けるラクス。
机には"機密"の印が押された書類。地の文でその内容を説明。
ラクスの台詞「皆さん一生懸命働いてくれましたわ……わたくしの思い通りに」
ラクスを呼びに来たキラ。表舞台――演説の会場に向かうラクスで〆。
これで1レスに収まると思います。読者に匂わせる、位に留めては如何でしょうか?
>>240 軍ヲタ乙w
お題は喜怒哀楽のどれかでどう?
>>240 はあ?お題にセンスが感じらんねーよ。
ここに投下してない奴がお題を出すなんておこがましいと思わないか?
ひょっとしてお前、三人目か?
>>240は武器をお題にしないと文章が書けない三人目
「銃」より「うんこ」の方がマシ
・罵詈雑言はNG。
・職人達の練習の為、おかしいポイントは言ってあげて下さい。また投下する職人は
言われてもメゲないで下さい。
・職人が誰だか判っても、貴方の心に閉まって下さい。
テンプレ位守ろうな?
スレー出来ないで代わりの提案も無いやつは荒し
>>245 広すぎww
>>245-247から一つずつ頂いて
『感情』 『センス』 『文章』
なんてどうだ?
自分で振っといて何だが最後がキツイな・・・
お題は月なんてどうよ?
お題は奇数の日に変えるんじゃなかったっけ?
252 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 23:37:14 ID:O/LchQ+Q
フェイズ50:最後の力。SEEDデスティニー全員が大阪人だったら。お題ウ○コ
何度目かの競り合いの後、正面からアスランが駆るインフィニット・ジャスティスと対峙したディスティニー
のコクピットでシンは過去のわだかまりからアスランに絶叫をぶつける。
「!クソー。なんでアンタなんかに」
「お前も、ええかげん過去に囚われたまま戦うのはやめんかい」
「なに言うてんねん。臭っさいお前の逃げ出した後、部下の俺達が汚いケツ拭かされてんぞ」
「シン!。そんなちんけな事、気にすんなや。お前大物になられへんで」
「やかましわい。大きなお世話や!パルピロのように消えてなくならんかい」
シンは、ディスティニーのパルマフィオキーナ掌部ビーム砲を放ちながら、スラスターを全開にし光の翼を
はためかせる様にインフィニットジャスティスに肉薄しアスランを追い詰める。
「シン、必死のパッチやな、お前の欲しかった力はそんなんか」
アスランは余裕の体勢でかわすと、ディスティニーの両腕を一刀両断し軽々と切飛ばす。
「クッソ!なんでお前みたいな、けったクソの悪いヤツに、やられなアカンのや」
シンは満身創痍のディスティニーから、インフィニットジャスティスに向かって渾身の蹴りをみまうが、軽々
とかわされた挙句、返し技を脚部に受けてコントロール不能に陥ったディスティニーは月面に落下する。
「見っともないやっちゃな。まっお前は京橋のグランシャトーか、千日前のユニバースで女と乳繰り合うのが
よう似合うとるは。ほなレクイエムに行きまひょか」
落下するディスティニーを追いかけるインパルスを見届けたアスランは、レクイエム破壊に向けて機体を操った。
これで、投稿は3本目だけどお題替え過ぎじゃないか、10日に始まってガンダム、飲物、対艦刀、そら、光と影
ビームライフル、う○こ、雨、夕暮れ時、花畑、感情、センス、文章、月ってどれだけ出すんだww
月曜日に日付が変わって早い者勝ちでお題を出すのはどうだろう?1週間あればソコソコ熟成できるし
253 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 00:29:23 ID:j3bcAPez
236・237
お題の見当がつかないけど「そら」かな読み込みか足りないのかな、すみません
第3者の視点で姉妹を巧い具合に描けていると思うが、もう少し寝かせれば
モット良いのが書けるとおもう。
台詞を意図的に話し言葉にしていると思うけど、さりげなく書き言葉に直したほうが引き立つと思う
素顔から塗るならコンシーラーでもいいが、正直年頃の女がスッピンで外歩くのはどうかと思う。
ファンデの上からなら裏技でリキッドファンデーションの方が良いと思う。
南太平洋に浮かぶ小さな島に、戦災孤児を預かる孤児院が在る。
可能な限りの自給自足を旨とするその孤児院で、今日も今日とて畑仕事に精を出す少女が居た。
背中に届いていた髪を短く切り揃え、目立ちすぎる名を変えた少女は、土に塗れた手で額の汗を拭う。
ジャガイモの入った籠を抱える幼い少年が、土の跡がついた顔を指差して笑った。
太陽光から電力を作り、薪を燃やす炎で料理する生活は、少女に土の香りを染みつけていた。
クーラーの無い生活は、少女に空へ目を向けることを覚えさせた。雲と太陽とが、
生活にどれ程深く関わっていたのか、日の傾きつつある空を眺めて少女はそれを実感する。
「――姉ちゃん! そろそろ雨が降ってくるよ!」
大きく手を振りながら全身で叫ぶこの少年は、そうして段々野生化してきたうちの一人だ。
天気の変わり目などを敏感に察知して、電波の届かない離島の孤児院で天気予報を担っている。
「まあ……それでは皆さんでお水を集めましょう!」
少女もまた、上水道の通っていない僻地の暮らしに順応していた。
生活用水は雨水を浄化してまかなっている。それでも足りない時は海水を飲料水にしていが、
ろ過のためのイオンフィルターが目詰まりを起こして使用不能となっていた。
本土から修理を呼ぶ事は出来る、多忙を押してやってくるであろう少年の顔を思い出すと
胸が熱くなるが、しかし同時に申し訳なくなるのだ。
少女が孤児院に呼びかけると、桶やタライを抱えた子供たちが飛び出してくる。
「皆さん、お風邪を引かない様に、なるべく雨に当たらないようにしましょうね!」
無駄を悟りつつ少女は子供たちに注意した。子供たちは隙あらばずぶ濡れになる機会を伺っている。
孤児院の裏手に広がる花畑の所々に、天の恵みを受け止めるための器を用意する。
大き目の器に雨水を集めるため、傘やシートで作られた即席の漏斗は、見ようによっては
花畑の中心に出現した異形の植物にも見えて、何人かがまた笑う。
やがて、上空に発達した積乱雲が、一メートル向こうも見えない程の激しい夕立を降らせる。
久しぶりの大雨に、子供たちは大いにはしゃぎながら漏斗を支える一個の柱となっていた。
「もう! お体を冷やしてはいけませんわ。雨がやんだら、しっかりと体を拭くのですよ。
それから久しぶりにお風呂を沸かしましょうね!」
シートの端を支える少女にも、激しい雨は打撃のように降りかかり、服を下着までぬらしていた。
やがてすべての器を満たした後、雨は降り始めと同じように唐突に止む。
一歩毎に水を零しながら貯水槽に容器を運ぶ少女たちの耳に、遥か遠くから空気を裂く航空機の
エンジン音が聞こえてきた。聞き覚えの在る轟音に、空を探す。
「――あ! 兄ちゃんだ!」
子供たちは口々にある少年の名を呼び、点にしか見えないほど遠い機体に向けて飛び上がった。
「まあ、本当ですわね。もうすぐこの島の上を通りますわ」
オーブ本土でパイロットを為ている少年は、船に乗ってか戦闘機に乗ったままかは分からないが、
時折この島にやってくる。
翼を降りながら低空を通過したその戦闘機に手を降りながら、少女は少年の名を呟いていた。
「――もしかしたら、貴方とその機体が、この雨を降らしてくださったのかも知れませんわね。
本当に助かりましたわ……」
唐突に空から訪れる激しく短い――にわか雨、驟雨。
破壊のために生まれながら天の恵みの名を冠するそのMSは、ムラサメという。
数度の旋回を終えて、沈みかけた太陽の方角へと帰って行ったムラサメへ向かって、
少女と子供たちはずっと手を降り続けていた。
>>255 何気ない日常のひとコマ、淡々とした感じが良いですなGJですよ。
実際は効率よく帆布で雨水受けたり、海水飲むと苦しむだけだけど
細かい突っ込みは野暮ですね。
1箇所だけ誤記があるけど、個人的には文体はまとまっていて良いので
がんばって精進してください。
>>255 うわあ・・・
映画のラストシーンみたいでいい感じだなあ。
少年と少女が誰を暗示してるか分かったらより感慨深くなっちゃった。
いいもの読ませてもらいました。
南海の小島が入り組んだ海岸で、二つのMSが対峙していた。互いに空中で何度か組み合ったのち、再び
空中で激突する。
キラはストライクのビームライフルを連射すると、アスランのイージスと至近の距離に入り右足で渾身の
蹴りをイージスの肩に目掛けて入れる。
アスランはストライクの蹴りに合わせて、イージスの右半身をかわすように操作すると、同じく蹴りを見
舞う様に攻撃を仕掛ける。
互いに致命傷を与えられずに、地上に着地すると再び空中で衝突する。ストライクのビームライフルが確
実にイージスをロックオンしキラの精密な3連射がイージスを捉えるが、アスランの素早いマニューバ操作
とイージスの旋回軌道が巧みにロックを外し、ビームライフルの射撃を逸らす。
だが、それはアスランが駆るイージスのビームライフルとて同様に、キラの素早い回避操作が、ストライ
クの高次元で融合した運動能力を最大限に引き出し、ビームライフルでの決着は着きそうに無かった。
そうした何度目かの射撃戦で、ストライクが放ったビームがイージスのビームライフルに当たり爆発四散
させる。アスランは咄嗟の判断でビームサーベルを引き抜き、急速にストライクに接近戦を仕掛け、ストラ
イクのビームライフルを真っ二つに両断し、互いの条件を再び五分に持ち込むと、波打ち際の海岸線で互い
にビームサーベルを構え、この日何回目かの対峙にもつれ込んだ。
アスランは、イージスのビームサーベルを中段から切っ先をやや下に下げ、残心の構えを取り。キラが間
合いに踏み込んだ瞬間に、これまで何度かくぐり抜けてきた戦闘での、必勝の突き技で勝負を挑む決心をつ
ける。
対してキラは、ストライクのビームサーベルを上段に構え、こちらも幾多の危難を乗り越えた渾身の技を
繰り出す構えを取ると、微動だにしないアスランのイージスに合わせて、合撃(がっしうち)を決めるべく
精神を明鏡止水の境地に集中させた。
二人の間を、傾いた夕日が差込み、太陽が真上だった頃に始めた戦闘が、南海の孤島で咲き乱れる花々に
差し込む光と影が入れ替わったことで、時が経った証を無言で告げる。
勝負は一瞬だった。
双方共に俊足の足取りで近づくと、アスランのイージスは必殺の突きを繰り出す。
キラのストライクはアスランが繰り出す突きを、一髪の差で上段から体重を乗せた合撃を決め、イージス
の右腕を袈裟懸けに切り飛ばし、脚部にも致命傷を与える。
イージスのコクピット内では、稼動限界と致命傷を知らせるダメージコントロールの警報が響く。
「アスラン、何を!」
「キラ、許してくれ」
アスランは機体の限界を悟ると、自らの負けを認めるかのようにイージスをMA形態に変形させ、キラの
ストライクに組み付き、自爆装置を作動させて自らは脱出した。
キラはストライクを操作し、渾身の力でイージスを引き離そうとしたが、コクピット内に広がる閃光で意
識が途切れ、数拍後の轟音と衝撃がストライクの周りの木々さえもなぎ倒し、あたりは黒煙が立ち上った。
暮れなずむ空にかかる下弦の月だけが、二人の決着を静かに見守っていた。
自分でその文章を読んで、自分が意図する情景が浮かびますか?
二段落目で読むのを止めた。
説明しすぎ、書き過ぎでテンポが滅茶苦茶悪いよ。
文章量を2/3ぐらいに減らしたほうがいい。
【総評】 視点移動が多すぎて読みづらいです。このSSのテーマや動作の主体を
誰に求めて良いのかが分からなくなり、普通第二段落ぐらいできつくなります。
あと色々詰め込みすぎ。
【改善すべきだろうところ】 かなり長くなると思いますので注意。
1、小島が入り組んでいるのは地形で、海岸は場所です。
複数の島が一つの海岸線を形成する事は在りません。
2、互いに空中で組み合った後、一度も地上に降りずにまた空中で激突しているので
単に空中での激突を繰り返しているだけです。
3、ストライクがビームライフルの連射を牽制として蹴りを放ち、イージスが反撃という描写ですが、
重要じゃないなら二行で収めましょう。
『キラはライフルでイージスを牽制し接近、蹴り飛ばそうとするが、回避され逆に痛撃を浴びる』
はい、これで42文字です。逆に重要な攻防であれば十行使ってもいいと思います。
4、蹴りを見舞うのは攻撃を仕掛ける事なので、表現の重複です。
5、すぐに空中にあげるなら地上に下ろさなくてもいいのでは?
折角地上に下ろしたなら一回くらいビームサーベルで切り合いさせたら良いのにと思いました。
6、精密な三連射がイージスを捉えるが……って当たってます。その後に回避しています。
スパロボじゃあないんですから、お互いに回避しながら狙う所為でなかなか当たらない、
という描写をすればいいのでは?
7、ライフルでの決着は着きそうに無かった――というのは誰の感想なのか不明です。
これは視点を固定していない事の弊害です。
ストライクを操縦するキラ、モニターに映るイージス、通信機越しに聞こえるアスランの声、
という風に目線をストライクのコックピットに置いておけば、ビームライフルが有効な武器とならず
バッテリー残量に焦るキラ、という描写が出来ます。
8、まるでフェアプレイ精神溢れるアスランが、条件を五分にするためだけにライフルを狙って
切ったように読めます。コックピットを狙って切りかかったが、キラがライフルを盾にして
何とか防いだ、ぐらいは書きましょう。
9、 ビームサーベルを使った『必勝の突き技』と『渾身の合撃』なんぞがあるなら
始めからサーベルで戦えよ、という気分に陥るほど必殺技の登場が唐突です。
スパロボじゃないんですから。
ついでに、残心は文字通り心残りの事なので、残心の構えは攻撃の後にしましょう。
10、キラの精神状態を描写するのが面倒だからと言って、
明鏡止水の四文字で終わらせないで欲しいです。
11、真昼に始まって夕方まで戦い続ける程バッテリーが保たないと思います。
それは別にしても、時間が経ったのならキラもアスランも少しは疲れたところを見せましょう。
それから此処で夕日、花、光と影、等『お題』のようなものを二行で書くのは唐突です。
『対艦刀の刺さった機体から降りたキラは雨の中、夕暮れ時の花畑、
光の当たらない影になったところで銃を構えてうんこした』
上の文で「お題を消化した」と言われたら怒られませんか?
12、MSの足など飾りなので、切り飛ばされても致命傷にならないと思います。
13、第三者視点を使うのなら、いっそ喋らせない方がいい。もっと言うならば、MSの動きを
外から描写する積もりならパイロットを出す必要が無いです。
14、一個の文の中で、キラ視点から第三者の視点に移り変わっています。
常識を超えた読解力を期待されても応えられません。
【感想】これはわざとですか? ひょっとして私は釣られたのでしょうか?
電灯の光が舞い降りて私を照らす。青白い硬質な光に包み込まれると胸に溜った感情が涙となって溢れ出してくる。
「私は何をやっていたんだろう?」
妹のメイリンはアスランとの結婚を控えて幸せの中にいる。私はといえば深い悲しみの迷宮の住人だ。
今まで色々と頑張ってきたおかげで充実した日々を送っているけれど、心は渇いた凍てつく荒野だ。
雪の様に降り積もる切なさを打ち払おうと熱る体を一人慰めてみても一瞬の安楽しか得る事しか出来ない。指とシーツを汚すだけ。虚しさだけが私を支配する。
幸せそうなメイリンを見ていると胸に黒い闇が広がって行くのが判る。嫉妬、羨望、そして憎悪。黒い闇は私の体を侵していく。ジワリジワリと。
妹の幸せを素直に祝福出来そうもない。なんて嫌な女なんだろう。自分が情けなくて惨めで涙が出てくる。
人の温もりを感じて体と心を温めたい。好きな人と繋がりたい。私を満たして欲しい。
欲求が溜って体は微熱をおびるけど心は冷たく覚めていく。
指を暗い自分の部屋に戻りスイッチを入れると電灯の光が舞い降りて私を照らす。青白い硬質な光に包み込まれると胸に溜った感情が涙となって溢れ出してくる。
「私は何をやっていたんだろう?」
妹のメイリンはアスランとの結婚を控えて幸せの中にいる。私はといえば深い悲しみの迷宮の住人だ。
今まで色々と頑張ってきたおかげで充実した日々を送っているけれど、心は渇きた凍てつく荒野だ。
雪の様に降り積もる切なさを打ち払おうと熱る体を一人慰めてみても一瞬の安楽しか得る事しか出来ない。指とシーツを汚すだけ。虚しさだけが私を支配する。
幸せそうなメイリンを見ていると胸に黒い闇が広がって行くのが判る。嫉妬、羨望、そして憎悪。黒い闇は私の体を侵していく。ジワリジワリと。
妹の幸せを素直に祝福出来そうもない。なんて嫌な女なんだろう。自分が情けなくて惨めで涙が出てくる。
人の温もりを感じて体と心を温めたい。好きな人と繋がりたい。私を満たして欲しい。
欲求が溜って体は微熱をおびるけど心は冷たく覚めていく。
辛い感情を抱いて枕に顔を埋めると涙が出てきた。誰にも分からない様に声を押し殺して鳴咽した。
――我慢だ、我慢だ、うんちっち。
メイリンは幼い頃に読んだ絵本の文章を頭の中で思い出していた。
光が当たってキラキラと輝く硝子の器にルビーの如き紅の莓が山盛りになっていた。それはメイリンの瞳には大変センスが良い盛り付け方に映った。
メイリンは莓を一粒手に取った。小さくて可愛らしい莓。純白のドレスに身を包んだメイリンの姿に、莓の紅はアクセントとなり一層メイリンの輝きを引き立てていた。
甘酸っぱい莓の味が口の中に拡がる。妊婦なんだからこういう物を食べたくなっても仕方ないと、メイリンは莓を頬張った。感情に任せて貪り続けた。
――周りから見ても違和感は無いわよね。だって私が莓を食べているんだもの。皆もきっとその姿に見とれる筈だわ。
器に盛られている半分程を食べた時にメイリンは下腹部に痛みを感じた。
メイリンははにかみがちに舌をペロリと出した。急いでトイレへと向かおうとしたが、メイリンは様々な人に声を掛けられた。皆今日の主役の花嫁に一言声を掛けたかったのだろう。
必死でメイリンは笑顔を作り応対した。無様な姿は見せられないとばかりに幸せ一杯の可愛い花嫁を演じ続けた。
――我慢だ、我慢だ、うんちっち。
メイリンは念仏を唱える様に何度も何度も頭の中で唱えた。演技に支障は無かった。花嫁への賛辞は無個性に定型文化されていたのでメイリンもそれに倣っていたからだ。
表情を微妙に変えて楽しく談笑している花嫁。しかし、花嫁の額に浮かぶ脂汗を見逃さなかった人間がいた。
ルナマリアとラクスは月の輝きの様な控えめで安らかな笑顔を浮かべ、一見幸せそうに見える花嫁の元へ向かって来た。
>>262 自分が書いているホーク姉妹のSSに設定が似ているなあと思いました。
>>261 お疲れ様!
俺も
>>258は直すんだったらどういう風にするから…って考えていたから、
他の人の手直しはとても参考になるよ。
こういうシーンはどういう風に作っていくのかな、というのも見えてくるしね。
出てきたSSに対して、推敲例を出すってのも面白いかもねえ。
南海の群島、半分の月が昇るころ、空中で軌道を交わし激突する二機のMSがあった。
『キィラアァァァーーー!』
激しい機動を行うストライクの操縦席にあって、急加速のGに気絶寸前のキラは、
かつての友人――この瞬間の敵――の声を聞き、唇を噛み千切って意識を呼び戻す。
「アァスラァァーーーン!」
胸の奧から噴き上がる怒りそのままに叫びながら、ストライクにビームライフルを構えさせた。
荷電粒子の奔流をイージスの赤い機体向けて解き放ちながら、突撃。
「君が――君がトールを殺した!」
『ニコルを殺したのはお前だ――キラ!」
幼いころの友情が輝かしかったが故に、ひとたび憎悪に転換された時の怒りも大きかった。
鋼鉄のメカニズムを纏ったキラは、親友との隔たりをビームの光条で埋めようとする。
――踏み潰し、撃ち殺してやる!
湧き上がる殺意を留める事すらせず、キラは暗い衝動に酔った。
ビームの連射でイージスの体勢を崩しつつ、機体の全重量を乗せた蹴りを放つが、イージスもまた
カウンター気味に蹴り込んで来た。お互いの蹴りが胴体を捉え、装甲が火花を散らしながら弾かれる。
『其処だ――!』
一瞬早く体勢を立て直したのは、イージスであった。ストライクへ向けビームサーベルの剣閃が走る。
反射的に操縦席を庇ったビームライフルが、数万度のプラズマジェットに両断された。
「させる、かァァーー!」
ストライクもまた抜刀し、コックピットに向けられたイージスのライフルを切り裂く。
月明かりの照らす海岸線にストライクとイージスは対峙した。互いに射撃武器はもう無い。
「アス……ラン――!」
呼吸を乱したキラは、全身にのしかかる鉛のような疲れを悟られぬようにイージスを睨みつけた。
天に座する下弦の月が、潮風を受ける二機へと優しく光を投げかけた。砂浜に落ちるイージスの影、
その輪郭のあやふやさが、キラに刹那の逡巡をもたらす。
――もし、アスランとの友情がこの月光のように弱弱しいものであったなら、落ちる影も曖昧で、
僕は彼をこんなにも憎むことなく居られたのだろうか?
つかの間の感傷が、イージスの突撃に対する反応を遅らせた。
斬撃――勝負はたったの一合で決した。イージスのビームサーベルに操縦席前の装甲を吹き飛ばされた
ストライクは返す一撃で足を切り飛ばす事に成功するも、即座に変形したイージスに組み付かれてしまう。
切り裂かれた前面装甲の合間から、イージスが内蔵されたビーム砲を放とうとして――PSダウンを
起こす様が見える。
『キラ……許してくれ――!』
「アスラン――?」
アスランの謝罪に訝しむキラの視界を、イージスから漏れ出す閃光が覆って――
――――――爆発。
静寂を取り戻した戦場は、充満していた憎悪も悲哀も全て潮風の中に包み込んで行った。
勝者も敗者も存在しない戦場で、誰が去り、誰が残ったのか。
全ては、天から柔らかな光を落す下弦の月だけが知っている。
>>258 とりあえずキラ視点、必殺技なしで書いてみました。まともに書いたら百五十行は掛かる
戦闘だと思いますよ。やっつけ仕事なので荒いと思いますが、キラの心情や心理に、
あるいは戦闘描写そのものにお題(月、光と影)が関わっていないと意味が無いということが
わかりますか?
>>263 この文量でお題を消化しつつ別のお題も入れて、更にストーリーを進める手腕は見事です。
文章的には二点。
一つは、二行目から三行目にかけて時間が戻っていること。間に一行あけるか、メイリンに
「――あんなに食べるんじゃなかった――」などの独白を一行言わせて状況説明に
上手くもっていくのが必要だと思います。
もう一つは最後の行。『月の輝きのような控えめで安らかな笑顔』を浮かべているのが
ラクス、ルナマリアである場合とメイリンである場合と両方に読むことが出来ます。
前者の場合、トイレに行きたいのにルナマリアとラクスに邪魔されて大恥をかくメイリンの姿が
有り有りと想像されてしまいますが……もし分かっていてわざとこういう書き方をしているのであれば
脱帽です。
二人の友情の深さと月光の影を絡めたか。
なるほど。
月の光を背に立つイージスの絵が浮かんでしまった。
「メイリン、ラクス議長があなたにお願いがあるんですって」
ルナマリアは楽しそうにクスクス笑いながらメイリンに話しかけた。
「優しいメイリンの事だもの、お願いを聞いてあげられるわよね?」
ルナマリアはメイリンの背後に回った。メイリンの肩に優しく手を置いてメイリンの耳元に口を近付け歌うように囁いた。
朦朧とする意識の中、メイリンはラクスの笑顔を見て息を飲んだ。
「メイリンさん、私にあなたのお腹を触らせて欲しいんですの。安産でありますようにってささやかに祈りを捧げたくて――異存はありませんよね?」
「まあ、メイリン!良かったわね。ラクス議長にこのような言葉を貰えるなんて誉れ高い事だわ」
返事をしようと口を開いた時、ルナマリアはメイリンの言葉を遮るように大きな声を上げた。
足は震えだし汗が目に入った。メイリンは限界が近付いて来ていると感じた。
人生最良の日。可愛らしい花嫁として皆から祝福され、主役として輝く筈の日。
――壊したくない。絶対に。
「ごめんなさい、ラクス様。ちょっとつわりが酷いので後でも宜しいでしょうか。」
メイリンは日頃練習していた大人っぽい低音の柔かい声を出した。目を見開き呆気に取られたラクスを尻目に、ルナマリアの手を感情に任せて振り払った。
「お姉ちゃんにはつわりの苦しみなんて判る筈無いわよね。私、お姉ちゃんのそのセンスの悪い香水で気分が悪くなったんだわ、きっと。」
先程から頭の中を駆け巡っていた文章はメイリンの消え去っていた。
――ばかみたい、我慢だ、我慢だ、うんちっちだなんて。私は世界一幸せな花嫁なのよ。
メイリンは足早にトイレに向かった。残された二人が拳を固く握っていた事に気付きもせずに。
>>263と
>>270が、同一人物の書かれたSSだと判断して書きますが。
【総評】始めから一レスに纏めて下さい。
【感想】あくまで直接描写せずに溝や軋轢を描くのは非常にお上手だと感じましたが、
技法に拘りすぎて分かりにくくなっているところがあると思います。
先ず、
>>263と
>>270は、48行で一つのレスに収めた上で改行を調節して、一行が
最大45文字位に纏められますので、お手元にエディタがあればやってみてください。
別のお題を消化しながら連作できるのは凄いと思うのですが、前の話を読んでいないと
次の話が全く理解できない事がありますので、注意してください。
【分かりにくいところ】
>>237を見るに、ラクスはメイリンに悪意を持っておらず、メイリンが我慢している様子に
気付いたのならさりげなくフォローはすると思うのですが、それをしていません。
という事は、
>>263で『花嫁の額に浮かぶ脂汗を見逃さなかった』のはルナマリアだけで、
見逃したラクスをけしかけてメイリンに恥をかかせようとしたのでしょうが、そうなると
気になるところが一点。「――異存はありませんよね?」は強すぎる言葉に感じます。
「――よろしいでしょうか?」と聞くべきだろうと思います。
まあ、ラクスが天然腹黒なのでしたらどっちでもいいでしょうが。
それで、多分ルナマリアが妹を少しばかり不幸にしようとしたのでしょうが、それを考えると
今度はルナマリアが最後にラクスと同じリアクションを取っているのが気になります。
ラクスと同じ反応をするほど、メイリンの台詞にショックをうけたのでしょうか?
【改善点】
先に言ったとおり、一レスに纏めて推敲し、それぞれの表現がどう読まれるかをもう一度
確認するべきだと思います。キャラクターの意図は行間に読ませる手法でいいでしょうが。
新規お題ベタに
『キス』
但し、薔薇、百合はもとより極端なエロ、ヘイトも勿論禁止
読後涙が止まらないような切なく悲しいお話を 1レス分 で
昨日アク禁で書けなかったんで奇数日のお約束破りになっちゃいますが
お題を限定しすぎだ。キスならキス、悲しい話なら悲しい話と分けてしまえ。
俺がお題を出すとしたら「死」だな。
南海に浮かぶ島、その入り組んだ海岸にて、対峙する巨人が二つあり。
夕暮れ時の天を駆ける光条は緑、巻きあがる土煙で遮られる太陽の赤。磨かれた装甲に映し
出される、光と影。
鉄の巨人は衝きあい、撃ちあい、咆哮す。そは、まるで喜怒哀楽全ての感情をほとばしらさん
ばかり。
岩場の姿はいびつに変わり、紺碧の海は白く泡立ち、黄昏の空は煙に濁り、あい争う心の幼さを
具象化す。
数刻がすぎ、陽は海の彼方に沈んだ。天頂に浮かびあがるは、いとおかし上弦の月。
柔らかき光に、薄らと白き砂浜が照らし出される。散らばるは、骸。自らを炎と風に化して敵を
滅しようとした狂気の遺物にてそうろう。
そこに通りかかりし者あり。目をこらさば倒れ伏したる小さな人影一つ、と後に語る。
気を失いて倒れし少年は、我が棲み家の前にまで運ばれし。近づきて見れば、頬に涙の跡が
一すじ、白くあり。
少年を床につかせ、我も戦の跡に出向けば、人の気配が絶えた海辺に、もはや動くものは
波の他になし。
灰色に戻りし兵器の残骸は、塩水にさらされながらもなお艶やかに照り映え、星空を映すは
鏡のごとく。
冷たく時が止まりし情景に、笑うは天上の月ばかり。
無惨なる戦の後は、常に無残なり。
少年と出会いし日を思い起こしつつ、導師記す。
ガガガガガガッ!
断続的な衝撃に相転移の装甲が悲鳴を上げる。
赤道近くの海原に浮かぶ、無数の島々。炭灰色の上空を、踊るように赤と白が交錯する。
白き巨人は、その名も攻撃を示すストライク。
赤き巨人は、その名も防御を示すイージス。
本来、対となるべく造られた二体の兵器。搭乗するのもまた、友となるを互いに願った二人の
少年。
しかしそれはすでに遠く過ぎ去った過去。互いに打ち砕いた昔話だ。
「トール!」
開放される出力にストライクが身を震わせ、慟哭にも似た咆哮を上げる。
住む場所を別にし、所属する軍を違えてさえ、通じると思っていた感情、言葉。
しかし戦いの中、それぞれが互いに友人を殺してしまった。
「おまえが……ニコルを潰した! 砕いた! 消し去った!」
皮肉な話だ。別れて戦う境界となったナチュラルとコーディネイター、それぞれの友人が生きて
いる事が、互いに敵と憎みあわないでいられる最後の砦だったのだから。その砦は、もはやない。
戦争だからしかたがないなどという薄っぺらい言葉は何の意味も持ちはしない。
かつて交わした言葉、積み重ねられた過去、全て今は幻……そう、二人は思っている。
一進一退の攻防を続けながら、互いに消耗していくストライクとイージス。
それでも名が象徴するとおり防戦に回るイージスは、徐々に力を失っていった。
チリチリ、チリチリ……
稼動限界の近さを示す光が明滅する。しかし、追いつめられるほど、イージスを操縦する者の
心からは雑念が消え、研ぎすまされていく。
攻撃を続けるストライクが間合いをつめ、イージスの武装を削ぎ、ついには操縦席にビームを
叩き込もうとした瞬間……イージスは人の形状を放棄した。
イージスは巨大なアギトにも似た姿に変わり、ストライクに咥えこむ。そのまま動かなくなった
機体の装甲が鈍いグレーに染まり、盾の力を失う。
護る能力を捨てる事は、兵器が本来持つ意義……敵を殺す目的のみに、全ての能力を注ぎ
込むという宣言に他ならなかった。それは同時に、盾である事を放棄したイージスにとっても、
最後の瞬間になる。
そしてイージスが自爆しようとする刹那、少年はモニターの片隅で光る半円を目にした。
一瞬だけ切れた雲間からのぞく、半分に欠けた月。
光と影に分断された衛星は、半身を失おうとする自分自身のように思えた。
そして思い出す。
僕たちはあの月で知りあい、感じた事を語りあい、日々をすごして友となった。
月はいつか再び満ちる物だ。
ならば、まだ……互いに友を失ってもなお、語るべき事はあったのではないか。わかりあえる
余地は残されていたのではないか。
心の底に押し込めていた感情が後悔となって波のように押し寄せる中、爆発の衝撃で少年の
意識が飛ぶ。
それでも気を失う最後の瞬間、二人の少年は願った。
もし互いに生き残る事ができるなら、それはきっと戦死した友人が、これまで奪ってきた命が
許してくれたからだろう。
だからもし、再び出会う事があれば、話をしよう。憎しみも、怒りも、悲しみも……ぶつけあい、
わかりあう努力をもう一度だけ、してみよう。
そう、二人は同時に願っていた。
島全体が揺れ、黒煙が雲に達するまで昇り、衝撃波が大地と海原に巨大な波紋を広がらせる。
その中心にあったのは、白きストライクと赤きイージス。二体の巨人は最後の瞬間、相転移の
装甲強化能力を発動させていた。操縦席は、すでに脱出された後。
対として造られた兵器は、人を殺す道具は、戦いの中に主人を守る事を選んだのだ。
やがて厚い雲から煤をふくむ黒い雨が……たんたん、たんたん……残骸を打って音を奏でる。
灰色の残骸は黒く汚れて目の光を失いながら、雨にけぶっている。夜明けは、まだ遠い。
だが、この世に明けない夜はない。
この空も、いつかは晴れるだろう。
いいか、クズども。
貴様らはママがうんこの代わりに垂れ流した汚物だ!
宇宙人のように金がかかった人形じゃあない、避妊を忘れてさかったサルの末裔だ。
貴様らは自分がビームライフルのように強靭な装甲をつらぬく武器と勘違いしている。
だが実際には、ライフルから放出される粒子一つほどの価値もない!
貴様らが股間にぶらさげているミニガンから放出される精子一匹がせいぜいだ!
先日、地球上で行われたモビルスーツの戦闘記録を貴様らに見せる。
戦いかたを参考にするためではない。反面教師にするためでもない。あざけり笑い、
中指を突き立てるためだ!
こいつは我が軍からあずかった、命よりもママよりもタマよりも大事なモビルスーツを
失ってしまった。それも一体ではない、先に奪われたイージスと合わせて二体だ。
つまりこいつは両方のタマを抜いてすら償えない罪を犯したのだ。
まさに女の腐ったようなオカマだ。ドレスを着せてフレンチカンカンでも踊らせろ!
この戦闘を行ったパイロットと顔をあわせたら、貴様らがその場でひりだしたうんちを
幼稚な顔に塗りこめてやれ。うんこのうんこ、クソの出したクソを塗りこめろ!
いいか、貴様ら。上官の命令にはイエスサー、上官の体罰にはイエスサー、上官が
ケツにキスをしろといえばイエスサーだ。
さもなければ、こいつらのように、地・面・と・永・遠・に・キ・ス・を・す・る・!
見ろ、聞け。きるぅああああ! あしゅるぁぁああん!
頭の中が花畑になっておる。戦場で口にして良いのは絶対服従を誓う時だけだ。
そら叫べ汚物ども、イエスサー! イエスサーだ!
ストライクにのるキラは、強いんだ。ストライクは対艦刀(たいかんとう)やビーム砲
(びいむほう)、ビームライフル、ビームサーベル、たくさんの武器(ぶき)をもっている
んだよ。
イージスをあやつるアスランは、キラの友だちで、強いライバルだ。イージスはビーム
ライフルをもっていないかわりに、高速移動形態(こうそくいどうけいたい)に変型(へん
けい)して、すごいビームを発射(はっしゃ)できるよ。
みなみのしまで、ストライクとイージスがたたかうぞ。
ストライクはビームサーベルで切りかかった。イージスはりょう手りょう足に一本づつ
ビームサーベルをもっているけど、キラのそうじゅうがうまいから、イージスは負けそう
になる。
しかしアスランはイージスを変型(へんけい)させて、ストライクをつかまえたぞ。
キラがあぶない!
ストライクは、にげようとしたけれど、にげられない。だけどイージスもフェイズシフト
ダウンしてしまった(でんちが切れて、はい色の体になり、こわれやすくなる)。
するとアスランは、さいごの手段(しゅだん)で、イージスを自爆(じばく)させたんだ。
大爆発(だいばくはつ)で、ストライクもイージスもこわれてしまった。
キラとアスランはどうなったのかな?
次回(じかい)、お楽(たの)しみに!
>>276-280 面白いなあ。特に
>>276 本当に戦闘シーンか!?これ、という感じ。
どこぞの純文学ですかいw
懐古文調で見事仕上げたセンスに脱帽。
>>274-275 縛りの中でものを書くのがココの存在意義だと思ってさ
だからワザとキツくした。空気読めてないならスルーで良いです
>>281 わざと、なんだけど・・・
いいんじゃないか。お題の追加は頻繁でさえなければ。
書き手は気が乗らなければスルー出来る訳だし。
「お題」といっても主題と限ってはいない上、付加条件(切なく悲しいとか)は無視して書いてもいい。
たとえ制約例が挙げられても書く人間にアドバンテージがあるのはここでも違いないっしょ。
「明るい話で」を無視するとか、3題のうち1題を無視するとか。自由。
……感想つかなくなる可能性は高くなるだろうけどさ
>>283 ワザと難しくしたんだ。ふーん、凄いね。
見本見せてよ。自分で出したお題だから書けるよね?
期待しないで待ってるからさ。
>>283 最近の過疎っぷりはお題がくだらないからじゃないか?そこらへん考えろや。
みんなで
>>283の見本をマターリ待とうぜ。
きっと切なくて泣けるSSを投下してくれるさ。
期待して待ってるぜ!
つーか切なくて泣けるSSってこの板にあるのか?
愛して愛されないのは悲劇だろう。ならば此処には二つの悲劇がある。
結婚式の会場に向かう送迎車の中で、青年は隣に座る少女を見つめている。
完璧にセットされた少女の瀟洒な金髪が眩し過ぎて目を細めた。
初めてあった日の事を思い出す。挨拶を交わしたその晩に、許婚であると知らされた。
その日に、青年が一生をかけねばならぬ相手が決められたのだ。
少女の輝きはそのころから少しも減じないが、周囲の期待する暗闇がひたすら深みを増した。
誰もが行く道を見失う世界で一人真っ直ぐに前を向いているが故に、衝突を繰り返した。
政治は悪魔が混沌を煮詰める鍋だ、その世界に汚していい少女ではなかったのだ。
「口調をもう少しおしとやかにした方が良いね――」
――政治に身を置くのなら、自分を偽る事も大切なんだよ。
「髪を、もっと長く伸ばした方がいいんじゃないかな」
――髪の短い君が愛していた彼は、プラントに行ってしまったから。
「ほら、民が心配するだろう、無理でも笑顔を作りなさい」
――僕にその涙を見せないでくれ……辛すぎる。
しかし少女は青年に答えず、ぼんやと空を見ていた。
此処には二つの悲劇がある。
式典用のM1が並ぶ式場に乱入したMSが、少女に向かって鋼鉄の手を伸ばす。
「――行くのか?」
行ってはいけない、行かないでくれ――少女の立場にも自分の感情にも訴える事が出来ずに、
青年はそれだけを聞いた。
少女は小さく、しかしはっきりと、首を縦に振る。
青年は声にならぬ叫びを上げた。
――君は、僕の手を振りほどくその瞬間だけ、僕をまともに見てくれるのか。
湧きあがる思いに任せて新婦の手を引き寄せ、その唇を奪った。
間近に迫る驚愕の瞳を見つめていたのは、どのくらいの間だったろうか。
腕の力を抜くと、少女の体がよろけるように青年から離れた。
「分かったよ、この戦争は僕の家がやる」
そう宣言して微笑んだ青年の顔にえぐりこむようなストレートがめり込み、
この国で初めて、新郎をKOした国家元首の新婦が誕生した。
「やっぱりドレスよりもスーツが似合うな、君は――」
駆け寄ったSPに抱え起こされながら青年は笑った。口の中に血の味が広がる。
「君が戻ってくるまで、僕はこの国を守るよ。それが僕の戦争だ」
涙で滲んだ視界の中で、飛び去っていくMSを睨みつけ、青年は決意した。
291 :
290:2007/03/29(木) 22:07:47 ID:???
すいません、脱字です
×ぼんやと空を見ていた。
○ぼんやりと空を見ていた。
雪が空から舞い降りてきたが、不思議と冷たさは感じない。それよりも胸に抱いた君の亡骸の方が冷たい。そして、僕の心も。
湖に入っても冷たさを感じる事はない。雪がポツンポツンと湖面に波紋を作り出していいき、溢れ落ちた涙の雫の波紋がそれを書き消していく。
楽しそうに歌い踊る君をもう二度と見れない。心にぽっかりと穴が空いたようだ。心に隙間風が入り込んで君との思い出を吹き飛ばしていく。
忘れようとしても忘れられないくらい僕の心にいた君がドンドンと風化していく。
優しい思い出は悲し過ぎて、溢れる涙が止まらない。君の顔にまで雫が落ちていく。
君と生きることが俺の幸せだと思っていたけれど、それは叶わない事になってしまった。君を解き放つ前に、最初で最後のキスをしよう。
死の味のするキスは俺の心を渇かせる。
怒り、悲しみ、絶望。様々な負の感情が芽生えて行くのが分かる。
でも、君はそういう物とは無縁でいて欲しい。無邪気な君はまるで天使の様だから、で誰にも汚されて欲しくない。
だから僕は君を水の霊柩に解き放つよ。
ゆっくりと波紋が作り出す花びらに包まれて沈んでいく君はとても綺麗だ。
悲しい一生を送ってのだから、せめて安らかな眠りを。
──さようなら。
誤字ばっかだなー。
×ポツンポツンと湖面に波紋を作り出していいき
○ポツンポツンと湖面に波紋を作り出していき
×無邪気な君はまるで天使のようだから、で誰にも
○無邪気な君はまるで天使のようだから、誰にも
即興だとだめだこりゃ。
そんな些細な部分じゃなくて方向性が誤っていないか?w
297 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 23:38:02 ID:fecUj/mj
ここの住民なら詳しそうなんで聞きたいんだが
「昔の有名な人が作った建築物の中に入ったとき
その人の過去や生き様がひしひしと感じられる」
これを何とかもっとうまい表現に変えられないですかね?
今色々書いてるんだが「過去や生き様」の部分がどうもしっくり来ないんだ('A`)
それだけではなんとも。その建物の状況がわからんとどうにもしようがないぞ。
ふーむ、まずはちょっと書いてみるか。
「この建築物は、昔の有名な――なんだっけ、まあ忘れたけど――建築家が立てたそうだ。
こういう所に来ると思うんだけど、造った人の意志がひしひしと感じられる。
その人の生きた世代や風土、そして思想……どのような思いが込められたか。
そういう事を理解するのは、楽しい事なんだ」
んでもってそちらの文はこうなるな。
「(僕には)昔の有名な人が作った建築物の中に入った時、
その人(建築家)の過去や生き様がひしひしと感じられる」
要するに、文章を端折りすぎてる。
建築物を見て過去や生き様は解るだろうけど、一発目に来る内容じゃ無いだろう。
それじゃ、サイコメトラーじゃないか?
昔の有名な人がどんな人か(性別・性格・容姿etc)
建築物はどんな建築様式で建てられたか
いつ誰がどこの建物に何故どうやって入ったのか
自分はそれを踏まえて描写するので、
>>297の文章は使わないですね。
深い意味がありそうなのでこってり描写したいかなって思いました。
301 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 00:01:15 ID:fecUj/mj
>>299 サンクスです!すごく参考になりました。
それにしてもこの短時間でよくそこまで書けるもんすね。
その建物は有名な人が設計をしたそうだ。生憎と自分はその人物の名前を忘れてしまったけれども。
覚えておけば良かったとも思うけれど、後の祭だ。後で調べてみる必要があるかも知れない。
一歩足を踏み入れると、そこには個性的な空間が広がっている。
こんな感覚は初めてだ。その人物の過去、そして生き様を覗き見ることが出来た様な気がする。
今は亡きその人物になり代わって建物が雄弁に物語っているのだ。
建物の状況が分かればもっとマシな文章が書けるがなんの情報もないのでこれぐらいしかできんよ。
303 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 00:11:18 ID:yWimMnjv
>>300>>302サンクスです。
俺の文は全く描写されてないですねorz
参考にさせてもらいます。
「ある高名な建築家が作った建築物の中に入ったとき、その人の人生観というか、哲学というか、そういうものがひしひしと感じられたんだ」
「その話がこのMSと関係あるのか?」
「あぁ、俺はこの機体に乗ってわかったよ。これを開発した奴はとんだクソ野郎だって事がな!」
こうですかわかりません
下げてくれ
306 :
300:2007/03/30(金) 00:15:53 ID:???
>>303 だから、状況を詳しく教えて?じゃなきゃ書けないから。
307 :
302:2007/03/30(金) 00:21:18 ID:???
>>303 すまんがキツイ事言わせて貰うぞ。まともな情報がないからお前さんの文章なぞ参考に出来ん。建物の形状や状況、時間帯など描写に不可欠な情報くらい書いておけ。
まあ、まともに描写をする気がなければお前さんの文章で十分だろうがな。
まずは自分の頭の中に浮かんだ風景を描写出来るようになれ。そうすりゃ俺程度の文章よか良いものが書けるようになる。
>>303 もういいや。真剣に考えようとして馬鹿見た感じ。
もう寝よう。
309 :
>>293:2007/03/30(金) 02:34:27 ID:???
とりあえず三箇所ほど添削してみた。
雪が空から舞い降りてきたが、不思議と冷たさは感じない。
それよりも胸に抱いた君の亡骸の方が冷たい。そして、僕の心も。
湖に入っても冷たさを感じる事はない。
↓
君の亡骸を抱いて湖に入る。降り始めた雪の冷たさすら感じないのは、
僕の心もまた冷え切っているからだろうか?
(干渉する波紋をみて仙道に開眼するが、死者は蘇らない)
楽しそうに歌い踊る君をもう二度と見れない。心にぽっかりと穴が空いたようだ。
心に隙間風が入り込んで君との思い出を吹き飛ばしていく。
忘れようとしても忘れられないくらい僕の心にいた君がドンドンと風化していく。
↓
僕の心にヒビが入った音がする。吹き込んできた隙間風が、記憶に残る君の姿を、
歌い踊る君の笑顔を、さらさらと風化させていった。
優しい思い出は悲し過ぎて、溢れる涙が止まらない。君の顔にまで雫が落ちていく。
君と生きることが俺の幸せだと思っていたけれど、それは叶わない事になってしまった。
↓
優しい思い出が悲しすぎて、涙さえ流す事を忘れてしまった。
君と共に生きる未来は、もう叶えられる事の無い僕の幸せとなってしまった。
逆に考えるんだ。あれも「お題」だったと考えるんだ。
>>283の泣けるSSの投下マダー?
早くしてよね、待ってるんだからさ。
>>309 添削したのかも知れんが悪くなってるぞ。
つーか仙道ってなんだ?
仙道 敦子
本名:緒形敦子
女優。セーラー服反逆同盟で主演。
マジレスするとJOJOネタだと思われ
挿入する意味が理解できんが
316 :
309:2007/03/30(金) 22:57:49 ID:???
消し忘れた……我が未熟を恥じ入るばかり。
震えるぞキラ
燃え尽きるほどシン
勝手に100以降ここまでのまとめ。
抜け落ちがあったらゴメンナサイ。100以前の作者さんにもゴメンナサイ。
お題「そら/空」
>110,>114,>116,>126,>129,>134,>138,>166,>180-181,>183,>236-237
お題「飲み物」
>116,>118,>138,>144,>215-217
お題「風」※不人気
>215-217
お題「対艦刀」※不人気
>183,>280
お題「ビームライフル」
>258,>267,>280
お題「雨・夕暮れ時・花畑」
>227-228,>229,>232,>255
お題「花畑」
>279
お題「夕暮れ時」
>276
お題「雨」
>277-278
お題「光と影/光と闇」
>172-174,>178,>183,>195-199,>241-242,>258,>267,>276,>277-278
お題「文章・センス・感情」※不人気
>263,>270
お題「うんこ」
>207,>252,>279
お題「キス」
>279,>290,>293
○レスが付いてないと思しきもの(不遇なので優先的にコメント推奨)
>>144,
>>183,
>>252,
>>262,
>>290
―― 慰霊碑に二人 ――
「雨は、嫌いですか?」
少年が問う。
あの日あの時あの場所で、総てをなくした少年が。
「ああ、正直な」
青年が答える。
あの日あの時あの場所で、総てを憎んだ青年が。
「雨の日は、嫌な事がありすぎて」
忘れない。
互いに友の命を奪いあい、憎み、殺しかけたあの戦い。
一生の悔恨。
青年の名は、アスラン・ザラ。
「お前は、どうだ」
「嫌いじゃありませんよ。雨は流してくれます、どんな嫌な事も」
忘れない。
無慈悲なまでに総てを焼き尽くした、爆光の嵐。
一生の悔恨。
少年の名は、シン・アスカ。
「人の流した血でさえも、ね」
雨が止み、空は割れて。
夕焼けの紅が花を染める。
慰霊碑の前には、小さな花畑。
散った人々の魂を吸ったかのように、咲かせて。
「忘れるな、人の生きた証は」
「勿論ですよ。俺は何一つ忘れない」
どんなに綺麗に花が咲いても、人はまた吹き飛ばす。
それでも花は、不器用に咲くことしかできない。
そして、戦士には嵐を吹き飛ばすことしかできない。
戦うことを選んだ二人、散った人々の魂を背負い行く。
目の前には修羅の道。上等だ。
止められるなら止めてみろ。俺はとことん止まらない。
平穏を無限にする正義。
望む運命を切り拓く刃。
二人は明日を歩み行く。
今は共にひとつの道を。
で、建物の件はどう言ったらいいかわからんので
>>293 ポツンポツン、とかドンドン、とかのカタカナ二連の文があったが、
ここはしんみりした描写には合わないと思った。
雰囲気は出ていていい感じだと思うし、そう駄目というわけではないと個人的に。
>>320 体言止めや倒置法を多用しすぎて読み辛い気がします。
>>320 オレは逆にこれはこれで。味のある作品と思うけどな
短編だから個人のカラーとか、意図が出やすいし
こういう基調でまとめたかったんだろう。
導入部や最終で使うと良いんじゃないか、長編のアクセントで使っても
良いけど多用はできないよな
読みにくい読みやすいだけじゃなく、実験的なところもあるだろうし
作品の導入部で使ったら「なにその糞ポエム、馬鹿にしてるの?」って叩かれそう。
ネタならいいんだろうけど。
>>320 ラブストーリーは突然にを思い出した。
俺は悪くないと思うよ。
>>320 改行が往年のコバルトみたいかな。
後半の句読点の使い方があざとい感じがする。
うーん、話的には好きなんだよなあ。なんでちょっと辛口な感想になったかも。
>>325 文中の「あの日あの時あの場所で」って言うところで自分もそう思った。
>>320 書きたいものと文章力が乖離しているというか、文法が……無茶苦茶過ぎて……
ひょっとして釣りなのかなあ?
>>320 何だか劣化種蒔きさんとか劣化高畑さんみたいだと思った。
329 :
320:2007/04/01(日) 19:27:11 ID:???
意見thx。
やっぱこの書き方は難しいか……
いやまあ、自分の文章が少し味気ないように感じたから、
ひとつ実験的に組んでみようと思ったんだ。
流石に釣りとまで言われるとは思わなんだ。
まあ、この書き方は今後控えることにする。
>>328 その言い方はお二方に失礼だと思うんだが。
日常描写も心理描写も遥か遠く及ばなくて劣化以前の問題。
>>329 実験的云々以前の問題かな。日本語のお勉強をしましょうねと言われてもおかしくない。句読点とかがいわゆる三人目。
最初にアスランとシンの名前をぼかす必要性を感じないし、あの日あの時あの場所〜のフレーズの多用も煩い。
体言止めを多用しすぎて文章が散漫になっている。
短い文を切り貼りして改行をしているように見えて、非常に読み辛い。
技巧に走るよりも素直に文章を書いた方が宜しいかと。
>>172 クルーゼとカナーバの組み合わせとは珍しいと思いつつなかなか
しっくり来てて良かった。
コーディ上流組の煌びやかな様子が浮かんできたよ。
>いずれ、あなたはプラントにとってなくてはならない人となるでしょう
これは当たったなw
プラントっつーかカナーバにとってクルーゼはなくてはならない人になったし。負の意味で。
題を文字として消化するか、言葉として消化するか、それとも主題として消化するのは人それぞれと思うが、
数十ある題から適当に使用可能ってのは自由度が高すぎやしないか。>252等も指摘している。
次のお題が出たら原則禁止、どうしても張りたい場合でも時間制限ありというどこかで見た意見を俺は推すが。
>144
グッジョブな318のおかげで抜けに気づいた。
視点変更ってことは既に書かれたものと同じ設定と思うが、該当しそうなのは>110くらいしかない。
ぶっちゃけ、どっちも具体的な名称や状況が全く明示されてないので、文章ならともかく話は感想のつけようもない。
>183
誰も突っ込んでないが、ディステニーじゃなくデスティニー。直前のとネタかぶりをしているのもどうか。
>190
ブラックラグーンの方もベタな情景ではあるんで、かぶっていても問題というほどじゃない。俺が引っかかっただけ。
視点に関しちゃ、敵兵器に対しては「目を見張るものがあった」の前に“敵ながら”とでも付けるべきじゃないかな。
>195,197-199
メビウスパイロット視点によるクルーゼ過去と見せかけ、オチで本編に繋げつつクルーゼ過去描写としても深みが増す、
構成はよくできている。あえて逃がして(?)母艦ごと叩く戦術も良。この構成なら長くならざるをえないのはわかる。
ただ、戦力半減で上官の命令があれば、撤退に問題はない。モデルとなった軍隊にもよるが、上層から撤退禁止が
命じられた等の描写が無ければ、「敵前逃亡」と悩むのは変。「中尉のジン」とかの単純ミスも多いな。
>207
お題やタイトルに出てくる単語をストレートにオチにすると、早々に予想できるから困る。
オチが予想できてもキャラ崩しを楽しめるが、これなら最初からネタを明かしながら糞真面目な文体で語るようにすれば、
もっと短くまとめられたんじゃないか。
>215-217
カッコを閉じる時に句点が有ったり無かったりが気になる。統一せよ。
ぶっちゃけ雰囲気が好みじゃないんで、話は評価不可能。ただ色んなSSの中に、こういうのがあるのも面白い。
>227-228
俺には明るい話に感じられない。
主人公が感情を見せず、しかも明るくなっている人々から距離をとって見ているため、冷めた印象がつきまとう。
>229
後々の状況を思っても、これはこれで明るい話だと思える。
スコーン焼き過ぎのように、ベタながら細かいフリの回収がていねいなのでまとまりも良い。
>232
描写や文章は問題ないと思う。
が、明るさを原始宗教的なものにこめたのはわかるが、明るい話と読み取ってもらうには読者の想像にたよりすぎかな。
>236-237
んー、前まではかろうじて単体で成り立っているSSと思えたが、今回はさすがにつらい。
>241-242
前作終盤ころから何度も各所で目にしたネタなので、悪いが飽きた。陰謀のつじつま合わせはソコソコだがねえ。
>252
着眼点は良いが、どうせなら地の文まで大阪弁にしようか。笑かすネタは徹底が肝要。
逆に、セリフは変更しないほうが良かろう。大阪弁版ではなく、ただのありきたりなセリフ改変ネタに見えてしまう。
>255
固有名詞を排してるおかげで文章を短くまとまっているのが良いな。
イオン交換膜は海水を真水にできるので、SF考証でも極端な間違いはない。
>258
空白行のためにわかりにくいが、一度切りかかった後なので、残心の構えをとるのは間違いではない。
しかし、動きを説明するだけじゃ映像には勝てんよ。少しは文章ならではの戦闘描写を心がけろ。
また、下弦の月を夕方に見るのは不可能。ついでに、「暮れなずむ」は夕暮れ時ではなく“まだ暮れてない”の意。
>262
「充実した日々を送っている」というのは個人の価値観。直後の、「心は渇いた凍てつく荒野」という部分と矛盾する。
“送っていた”と過去形にするか、“送っているように周囲からは見えるだろう”とでもすべき。
あと全年齢板で書く時、性的表現の扱いは注意な。
>263
「センスが良い」とそのまま地の文に書くと、センスが無い文章に見える。冒頭の奇妙さも他が指摘しているとおり。
あえて投げっぱなしにしているわけでもないのに、オチている感が無いのも困る。
>267
安いラノベを思い出させるセリフや文章がなんだかな。文体に関しちゃ、258より安っぽい。
本編通りの簡単なフレーズを叫んでるばっかじゃ、セリフは無くていいよ。
あと、まだ説明臭いわ。格闘部分は映像を文章化しているだけ。工夫しているから許容はできるがね。
>270
267の続きか? 同じ題でまとまりのないエピソードをぶつぎりに提示されても、反応しにくい。
人物の配置も情景もほぼ同じ。別人が似せて書いているのでもない限り、文章修行にもなるまい。
すでに自分の文章力がほぼ固まっているようだから、全く違う文体で書いてみたらどうだ。
力を入れた批評は他にもらえ。
>276
アニメで盲目設定は明示されてないが、導師の目が見えてるってのはどうよ。明るくもないな。
>277-278
本来は三語まとめて明るい話という条件の「雨」「夕暮れ時」「花畑」を分割している割りには、ちと長いわな。
>279
フルメタパロは古いネタだし、好悪別れるからなあ。あと、275の意見があるとはいえ、全く切なくない悲しくない。
>280
お題が、パロ的な設定説明で軽く触れられている程度ってのがね。
対艦刀が直前に登場するエピソードなのだから、もうちょっと何とかできたんではないかと思わなくもない。
>290
キスからストレートの辺りでギャグに転調しているのに、中途半端にシリアスでしめてるため、どっちつかずで笑えん。
結婚しようとする流れでカガリが殴るのは唐突すぎ、ギャグのふりをしたシリアスとして見ても構成が悪い。
>293
自分に酔ったキャラの一人称ポエムじゃ、感情移入できない奴を全力で置いてきぼりだあな。
「僕」と「俺」が混在しているのも問題。わざとなら、それと判るようにしないと読み手が混乱する。
>297
職人相談室に行くべきだが、そもそも“過去の生き様〜”あるいは“過去の思いや生き様”の方が慣用的。
適当にフレーズ検索でもしてみろ。
逆に、ありきたりな慣用表現なため、安易な文章と自覚していれば唐突に使用しても可ではある。
>304
どっかで見たネタだが、こういう引き出しを持っている事や、取り出すタイミングの良さは長所だ、とマジレス。
>309
それは添削と呼ばん。方向性もポエムのまんま、表現を多少変えただけでは面白味がない。
>320
適度に七五調になっていてリズム良し。このスレの中では、文法的な問題も少ない方。
本編の台詞や状況を受けた部分が多いので理解しにくさも少ない。というわけで、俺は読みづらさを感じない。
しかし、「平穏を無限にする正義」という箇所は意味不明。もうちょっと文章として成り立たせろよ。
叩き男氏GJ、そして指摘に感謝。自分じゃ分かりにくいところもあるので助かります。
叩き男氏、おつかれさまです。
正直なところ、コンセプト、アイデア先行で実験的な試みを投下しているので
あなたの中立で作品を汲み取ろうとする批評は参考になります。日々精進します。
叩き男氏乙!
と言いつつ奇数日だし停滞してるようなのでお題を一つ
ベタに【機密文書】なんて如何?
特に条件なし
今までの流れだと、話を作るだけでもかなり難しいかも知れん…
奇数日だからって、安易にお題を出すなよ。
前のお題で考えているのは、オレだけじゃないだろう
お題出すなら、SS投下もセットで義務にしてくれ、
SS職人に較べて、お題クンが多すぎるぜww
>337機密文書で投下して自ら停滞感を払って見せてくれ
意味不明なお題が多すぎ。キスで悲しい話だの機密文書だの……
奇数日にお題を変えるのは良いが、訳判らないお題じゃ書く気は起こらない。
お題を出す人は何を考えてんの?そこら辺をちゃんと教えて欲しい。
勿論SS投下はセットでね。自分でお題を出したなら責任持てよな。
>>337 「機密文書」ってベタなネタか?
とりあえず見本のSS投下してね。期待しないで待ってるよ。
直後の
>>340に比べると
>>339正直すぎ。「我慢ならん」ってレベ(ry
実際、お題を例示するのはノーリスクだし、腹を立てる人は多いかもだけど何の責任も伴わない。
新しいお題で書く気になれないなら古いのから選べばいいじゃない。
>>338も、新規でお題が追加されたからといって以前のお題で書きかけの文を投下できない理由はないよ。
個人心理的に「時期を逸したようでやりづらい」なんて感覚は誰も考慮できやしないんだから。
>>341 お題を出すのにノーリスクなのが問題だと思う。
リスクが無い結果低レベルなお題を垂れ流す輩が続出しているんだし。
お題を出す人はSSも同時に投下すべきだと思う。
343 :
338:2007/04/03(火) 22:26:18 ID:???
>>341 ハッキリ言わないと、わからないようだから言うけど
面白半分で”お題”を出すなと言いたいだけだよ。
お題出すほうもリスクをキッチリ背負ってもらったほうが良いと思う。
正直いって下らないお題を出している人が職人だって思えない。
345 :
338:2007/04/03(火) 22:32:15 ID:???
この流れだから、我侭を承知で一言、言わせてもらう。
批評のレスつける方も、短編だということを考慮して欲しい。
自分のカラーや作風、表現の方法として、狙って書いている場合もあると思う。
日本語・文法・句読点がおかしい、釣りとしかレスできないのなら、ただの批判で批評ではない
釣りの一言で、ばっさり切り捨て、日本語おかしいと大上段に構えずに、巧い表現方法を提示。
添削指導するくらいの気概と、文章力向上スレの名に恥じない批評をして欲しい。
叩き男氏のように、長所を汲み取り悪いところも指摘するような、レスが増えることを願う。
SS職人とネタ職人の区別がついていない馬鹿が多いのさ。
>>345 大体の部分は同意できるよ。
ただ、日本語・文法・句読点がおかしいのは論外でしょう。
指摘されるのは狙いが外れまくっている証拠なんじゃないかな。
面白半分で出すなという気持ちは理解できるが
リスク背負ってお題を出すって…
一体どんなリスクを負わせれば気が済むん?
SS一本添えるってのは賛成だな
リスクSSを一本背負ってくる場合、それまでに出されたお題で書いてくるのか、
それとも自分が出そうとしているお題で書いてくるのか。
リスクというなら後者だろうけれど、その人だけに書きやすいお題というものもありますよね。
SS書くことが、「リスク」なのか?
SSが無理ならプロットを添えるってのはどうだろうか
リスクって言い方が嫌いなら、責任って言い換えよう。
つまり、自分の言には責任取れ、と言いたいのさ
お題を出すお代を出してほしい、そういうことですね。
いっそのこと両方書いてきてもらうか?
>>348 さっきからSSを添えるって出ているよ。ちゃんと読んでね。
>>345 叩かれたく無ければ最初にこういう狙いで書いたって書いておけば?
狙いが伝わらないのは筆力不足の証拠じゃん。自分の力に見合ったSS書くべきだと思う。
>>352 ここは向上スレ。
プロット発表会じゃない。
あんた何言ってんの?
なるほどわかった。
リスクを負わせたいわけではなく、
お題提出のハードルを高くしたいんだね。
言葉をそのまま受け取っていたのでピンとこなかったんだスマソ。
おかしな風に盛り上がってるなぁ。
成立するか否かはわからないがテンプレートを新たに固める事が望まれてるのか?
>>348 リスクを負わせる事は出来ない。
上で言われるように投下を伴わない限り無効・無視するという対処が精々。
>>338 自分の理想を他人に求めるのは窮屈なだけだよ。
ここからいなくなれ、とかカミーユみたいな言い方はしないが、あんたも十分大上段だと自覚汁
とりあえず皆、落ち着け。カッカしたってどうにもならんぞ。
お題は別に、何だって良いだろう。要はそこから類推すれば良いだけの話だ。
ついでに言うとお題には「コレを使え」等という強制要素は無い。
というより、2ちゃんで強制なんか出来る訳無いだろう。
批評については、作者側でもこう思うべきだ。
「批評が神の声という訳では無い」
あくまで批評とは文章を読んだ者からの意見であり、正解ではない。
というより、そもそも正解なんざ無い。
ただ、その中で出来るだけ正解を目指さねばならない。それが本質だ。
意見の真意を組み、自分の力になるように理解する。それがより良い
作者側の在り方だと思う。
蛇足だが、百人に読ませて百人から「面白い」と言われる作品は無い。
その事を踏まえ、もう一度考えてみよう。
自分はお題を出すのに躊躇するよ。
下手なお題を出したら自分の感性が疑われそう。
364 :
338:2007/04/03(火) 22:57:43 ID:???
>>347 だから、論外だと切り捨てずに、説明ぐらいしてあげたらってことだよ
一言で済まされても、どこが悪いのか判らない。
狙いがわからないなら、レスつけないで欲しい。
>>364 日本語を一から教えるのは大変過ぎるよ。
添削というか、自分の文体でリライトした方が万倍楽だよ。
文章力向上スレ
更に余談だが、文章については俺はこう考えている。
というより、俺の参考にしている「文章の書き方」という本からの抜粋だが。
「文章の目的とは、『相手に理解される』という事だ」
つまり文法とは『文章を読みやすくする為に』発生した技法であり、必ずしも
文法が必要な訳では無い。要は読者が読んでくれりゃ良い訳だ。
しかして、文法が気になる人は読んでくれない。そこで読者が減っている事になる。
つまり損をしている訳だ。
まとめると文法については、こう言える。
「文法を気にせずとも読者が来るのなら別に気にする事はない。
だが、何処かで損をしている事もある」
改めて言うが、ここは2ちゃんだ。市場レベルのものを期待するのは行き過ぎだろう。
だが、直せばもっと良いものが読める。そう考えるのなら、是正するのも有りだろう。
>>364 貴方の投下したSSを教えて?ちゃんと批評してみたいな。
読み手に知識やスキルを求めるのは不毛。傲慢。
ここは向上スレで、SS投下には感想つけないとならないってルールが守られるだけでも僥倖。
自分がどうするかは勝手だし自由。他人のレスを制約は出来ない。
>>320 まず、描写が少なくて状況が解り難い。
――慰霊碑に二人――
だけで無く、もっと描写を入れた方が良い。後半にちょろっと描写があるが序盤に入れた方が解りやすい。
その描写も鮪のブツ切りみたいなのがおかしい。往年のコバルトやティーンズハートや学研レモン文庫風にしたかったのかも知れんがな。
あの日あの時あの場所で
これも同じフレーズの使い過ぎだ。東京ラブストーリーが好きなのかも知れんが一度で十分。
全体的には劣化高畑さんみたいな感じを受けた。遠く及ばないが雰囲気はそれなりに出てると思う。実験だとしたらそれなりの出来だと思うぞ。
もらった批評でわからないところがあれば、訊いてもいいんじゃないかな?
「切り捨てられた!」で終わるよりずっと前向きだと思うけど。
でもここの批評をくれる人たちは親切だと思うけどなあ。
だってここ、2ちゃんだよ?
しかも新シャア版w
批評家ぶることが楽しい人もいるから成立するのかもしれない。
お題について提案だが……。要するに自分でお題を決めてSSを書きたいなら、
それでも良いんじゃないか?
当初こそ「同じお題で比べあいをする」という前提があったが、その方向性は既に
過ぎ去ってしまったようだ。
今は、文章の文法問題が中心になってきているようだな。(まあそれも全員が諸手
上げて喜んでいるわけでもなさそうだが)
ただ、自分の為を思うなら「出来るだけ限定したお題」にするべきだな。
のびのびと書いて解らない事を理解する為の場所。それがこのスレの主旨の筈だ。
どうだろう?
お題を直前にあった言葉から選んでもいい?
しりとりみたいで面白そう。
俺は縛りのないお題でやるべきだと思うがね。自由な発想、展開等を鍛えるべきだよ。
つーか俺はここは大喜利みたいな場所だと思ってたんだが。
SS書くよりも、こうやって「俺ルール」を主張する時のが生き生きしてるねみんな
大喜利は”わかっている”玄人がやるから見てる分には面白いんだけど……ねぇ?
381 :
375:2007/04/03(火) 23:35:00 ID:???
>>375 うむ、ミスリードしたようだorz
俺が「限定した」というのは文章の長さ等の条件の方だな。
少ない行数でしっかりと情景を浮かび上がらせる。それが、
文章書きの一番の難関であり、常日頃から研鑽を積むべき
場所。それを言いたいが故の「限定」だ。
即ち、お題は自由であるべきだ。誤解を与えて申し訳ない。
そのアンカーミスも誤解を与えるためのものか?
>>381 了解。文章の量と言うことか。それなら賛成だが、短い文章でそれが出来る職人なんているのか?俺にゃ無理だ。
384 :
338:2007/04/03(火) 23:40:22 ID:???
>>368 お断りします。
>>ALL
大人げなかった、正直すみません。
初めと違って、最近は文法を指摘する人が多いけど
じゃあ、中勘助や相田みつお、など対極だけど色々な作品と較べて
文法や日本語どうとか言っているのかな、翻訳物は結構大げさで、おかしいところあるし
言っている人のレベルはどうなのかなと、
結局、文体やキャラの好き嫌いで、評価している気がして言葉が過ぎました。
385 :
375:2007/04/03(火) 23:41:08 ID:???
>>382 うむ、ギスギスした雰囲気を和ませようとだな……。
無理があるか。普通に豪快にアンカーミスだ。許せ。
338=320=三人目w
>>379 自分はSSを書いている方が好き。
最近はお題がつまらないから投下してないだけ。
「機密文書」って何?全然ベタじゃ無いよ。センスを疑うよ。
「キス」で悲しい話で一レスって言われても、ハァ?まずはお前が書けよって感じ。
争いはなくならんものだな
喰いつけないネタはスルーすればいいだけの事じゃないか。
お題に文句つけている奴は自分の気に入ったお題が出るまで暴れ続けるんだろうか。
ハァ?は人によるものなんだね。
キスで悲しい話で1レスに挑んで書きたい話があれど未だうまく纏まらずorz
日々これ精進だ頑張れ俺。
SSに文句つけている奴は自分の気に入ったSSが出るまで暴れ続けるんだろうか。
>>392 誤爆?
同列に並べてるとしたらすごい脳内構造もっているねw
文句つけている人の立場とその人のスレにいる意義がまるで違うでしょうに。
大人げなかった、正直すみません。
読点はいらない。ですます調にして句点をいれる。
初めと違って、最近は文法を指摘する人が多いけど
読点の位置を文末に変える。じゃなきゃ後の文の主語に影響あり。
じゃあ、中勘助や相田みつお、など対極だけど色々な作品と較べて文法や日本語どうとか言っているのかな
「じゃあ」は不要。接続詞の多用は悪文の証拠。主語を入れて文を切る。相田みつをの読点も不要。
翻訳物は結構大げさで、おかしいところあるし言っている人のレベルはどうなのかなと、
ここでも文を切る。
結局、文体やキャラの好き嫌いで、評価している気がして言葉が過ぎました。
「初めと違って〜言葉が過ぎました。」が一文な事に頭がクラクラした。
改行で誤魔化されているけれど文章長すぎだよ。
主語が分かり難くて文がダラダラ続くから読み難い。
詩は形式が自由な分センスや語彙が重要。あなたにある?
翻訳物は原文の雰囲気を忠実に表現する為に多少のおかしさはスルーされる場合がある。あなたは翻訳家?
文法がしっかりしてないから狙いが読者に伝わらない。文体以前の問題。
推敲スキーとは言え、悪文の添削は疲れるよorz
>>394 君の行為は推敲・添削じゃない”輩”勘違いするな。
「前略、おふくろ様、お元気ですか。俺は余り元気ではありません、なぜなら……」
書いている内容を口でなぞりながら文面を打ち込んでいる手が止まる。
「……なぜならフリーダムとかいうクソッタレ野郎が、俺の可愛いゲイツをぶち壊して
くれたからです……だめだ。どうも感動に欠けるな、これじゃあおおふくろ殿は泣かねえ」
頭をかくと、五十時間も風呂に入っていない所為か、五分刈りの頭からフケが粉雪の如く舞い、
無重力のコックピットにしばらく漂っていたが、やがて換気口に吸い込まれる。
「どうやら俺には文才が無いようだぜ、お袋の腹に置き忘れてきたかな?」
紙と筆で書いている文であれば丸めてゴミ箱に放り込む事も出来ただろうが、
電子データはそうも行かず、大人しくデリートキーで消去した。
「……暇だな」
親への手紙を書く作業に飽きて寝てしまおうかとも思ったが、目が冴えてしまって眠れない。
「恨むぜおふくろ殿。もう少し言語学的才能に恵まれるようコーディネイトしてくれりゃあ、
地球圏を感動させる一大叙述詩って奴を書けたかもしれないのによ……」
やたらと忙しいパイロットの激務から開放された事で湧きあがる開放感を、
その後に訪れた助けが来ない焦りを、身を燃やすような敵パイロットへの怒りを、
自分の運命を察した瞬間の背筋を凍らせる恐怖を、全てテキストデータに残す事が出来れば、
後の世界に残る作家の一人として名を連ねる事が出来たかもしれない。
「でも時間がありすぎて何を書いたら良いのか分からなくなっちまったよ」
一人の時間が長すぎて、気持ちの持っていくところを忘れてしまった。
「正直なところ、今の感想を聞かれりゃあ"臭い”しかないしな」
はだけたパイロットスーツから漂う自分の体臭に辟易して食欲を失っている。
食べかけのレーションが回転してモニターに当たっては跳ね返るのを繰り返していた。
「どうせおふくろ殿に送る手紙は軍本部にもう渡して或るもんなあ……」
地球送りにされた新米兵士の頃書かされた遺書には、何と言葉を残したか気になった。
「……ってしまった! 実家に俺の私物が送られたら、日記がおふくろ殿に読まれちまうじゃないか!
不味いぞ、それは死ぬほど恥ずかしい――!」
突如戦線に乱入した機体にスラスターを破壊され、宇宙を漂うMSに閉じ込められてはや二日、
モニターで点滅を繰り返す数字が、いまや秒に一桁を残すのみとなっている。
「時間切れ、か。あばよ、おふくろ殿」
薄暗い操縦席に残された最後の空気を、胸いっぱいに吸い込んだ。
「やれやれ、生まれて初めて空気の美味さってものが分かりかけてきたんだが……」
ささやかな電子音が、電力の枯渇を告げる。
換気装置が停止するかすかな音がして、コックピット内部の空気の流れが止まった。
「……どうにも言葉にならないや」
何時終わるとも知れない暗闇と静寂が、コックピットに満ちた。
もし先ほどまでの流れで、SSを一つ書けばお題を出して良いというのであれば。
「内容は自由、ただし空白行を使わずに丁度三十五行で収めること」
改行の仕方は各自に任せますので其処まで難しくないと思います。
気に入らなければ他のお題にスルーしてください。
>>395 輩を強調した意図が読み取れない。日本語でおK
>>396 お言葉に甘えてスルーさせて頂きます。
質の悪いSSで意味不明なお題……ユニークな思考回路ですね。
>>396 「クソッタレ野郎」って言葉が流行ってるの?最近この言葉を使う人って多いよね。
と言う訳で感想行きます。
構成は面白いです。キラの不殺の残酷さが手に取るように分かりました。
描写も分かりやすいし、容易に人物の心理が想像出来ました。
ただ、やっぱり読点の多用で一文が長くなっている箇所が気になるんです。
「頭をかくと〜吸い込まれる」の部分です。ここは自分なら「〜粉雪の如く舞う」と文を切り、「俺」が見た視点でふけが吸い込まれて行く様子を描写します。
ここを直すだけでいいと思います。読点は文を区切るためにあるのでは無い事を意識して下さい。
お願いですから句読点を気をつけて下さい。
せっかく時制の一致や視点はできているんですから……
文法が出来ない職人の存在意義ってなんだろう?
批評されたくなければチラシの裏を活用すれば良いと思うw
クソッタレ野郎=う○こ お題にかけているのでは…
使い手と、読み手のセンスにもかけているのは穿ちすぎか。
>>396 批評なんてできなくてすまないんで感想を書く。
書き出しの台詞回しで文に引き込まれた。
読点は、言われて見ればああそうだなって感じだったな。
もっともっと読点を多用する作家の本を最近読んだせいかもしれんw
35行でこれだけまとめられるんだなあと素直に感心した。
唯1箇所、「身を燃やす」という言葉にちょっとだけひっかかったのは自分だけか。
同じ身を使う言葉だったら「身を焦がす」のほうが自分はよく耳にするからかな。
>>398 結局誰が何やったって気に入らないんだなw
ならさ、君がSSつけてお題出したら?
お題出す側にある程度の責任を持たせたいというなら、
出されたお題とSSにそこまで言う人にも責任感を持ってほしいものだね。
そう思わない?
>>398
「あんさんは何度言われたら分かるんえ?内股はをどりの基本おすのになあ」
三味線の音が止み、和装の女性がディアッカをジロリと見た。
「すいません、先生。最近は忙しくて家でおさらいが出来なかったんです」
ディアッカは申し訳無さそうにうつ向いた。仲間内では狡猾で残忍なイメージが持たれてはいるが、をどりの先生の前では借りてきた猫のようにしおらしかった。
「言い訳は聞きたくはありませんえ。あんさんはお稽古に力が入っておらんなあ。何時でも辞めて宜し」
ディアッカはその言葉を聞き即座に土下座した。
「すみません、先生。精進しますのでお願いします」
ディアッカは子供の頃に見た日舞に憧れて日舞を始めた。その時の感動は忘れ難いものであったし、着物を着た時の背筋がしゃんとする感覚が非常に大好きだった。
「なんや、その姿勢は。そんな汚い土下座は見たくあらしません。さっさと立ち上がって最初からをどってみい」
内股で歩幅は小さめで。肩を落として華奢に見えるように。緩やかな所作で女性らしさをアピールして。
ディアッカは三味線の音に合わせて舞った。まだまだ名取でお世辞にも優雅とは言えない。だからこそ心を込めてディアッカはをどり続けた。
「はい、宜し」
先生の言葉を聞きディアッカはをどりを止めその場に正座した。
「あんさんは筋がええのにムラがある。しっかりお稽古するんえ」
ディアッカは頭を下げた。
「ありがとうございます、先生」
稽古が終わりディアッカは更衣室へと向かった。鏡の前で立ち止まった。
額に流れる汗は光輝いているもののディアッカの肌は深い闇の色を呈してして、そのギャップが妙におかしくて、ディアッカは思わず吹き出した。
伸びすぎた背丈は女形をやるには不向きになった。肩幅も広くなり、体型もゴツゴツとした男らしい物へと成長してしまった。だからこそ、努力をする価値があるのだとディアッカは思った。
明日は友人の結婚パーティーだ。余興としてディアッカは舞を披露する。
恐れおおくもラクス・クライン議長が唄と三味線をやって下さるという。
――だが、白塗りをしたら皆は俺だって解るだろうか?それもグゥレイトゥな展開かもな。
明日に期待を這わせディアッカは着替え始めた。
405 :
404:2007/04/04(水) 20:01:16 ID:???
>>396 非常にリアリティのあるお話だなあと思いました。
人物の気持ちが伝わって来る気がしました。
自分は
>>403の方とは逆でラストが素敵だな、と思いました。
お題が35行との事でしたが、生憎当方は携帯ですので、ちょっと無理でした。大変申し訳ありませんでした。
スレ汚し失礼致しました。
408 :
404感想:2007/04/05(木) 16:55:45 ID:???
【総評】ディアッカの設定をうまく使った描写が出来ていると思いますが、
読み易さとお題の使いかたに改善すべき点があると思います。
携帯からでは矢張り書きにくいし読みにくいと思いますので、出来れば
エディタを使って書いてから投下するべきだと思います。環境次第ですが。
改行についてはご自分でも分かっていらっしゃると思いますが
行頭一字下げもして欲しいところです。
次にお題の使い方。ディアッカが持っている狡猾で残忍なイメージと、
先生の前でのしおらしさがまず一つのギャップを生んでいます。
女形に向かなくなってきた体で必死に練習をす様も、をどりに影響が
出るのではないでしょうか?
そうしたギャップををどりの中に現れる陰影として描写できれば
よりSSが深まると思います。
>>407 そのくらいですごいっていうなよ。当たり前のことなんだからさ。
お題に文句つけるっていうのは、自分の引き出しが少ないって公言してるって事なんだし。
新人職人スレで「修行するならショート書け」っていった名無しからでしたよ。
――思えば遠くへ来たものだな。
イザークは雑巾掛けをしつつひとりごちた。掃除は半分も終わっていなかった。
戦争が終わった時、イザークは虚無感に襲われた。空に散っていった戦友。自分の手で殺した沢山の敵。
目を閉じる度にイザークを責めたてる声が聞こえた。眠れぬ夜が続きイザークは日に日にやつれていった。
そんな時にイザークは休暇を取るようにラクス・クライン議長に勧められた。
頑に断ったものの議長の真摯な訴えを聞き、イザークは休暇を取り地球へと降りた。
そこでイザークは出会ってしまったのだ――自分の救われる道に。
小さな島国だった。かつては経済大国であったらしいその国はエイプリルフールクライシスで打撃を受けていた。
民俗学を趣味としていたイザークはその国の歴史や遺跡にに興味を持っていたのだが、
訪れた寺院は以前写真で見た物と現実のそれとでは全く違っていた。
無惨に荒れ果てており、イザークはきつく唇を噛み締めた。
呆然と立ち尽くしていたイザークに一人の僧侶が話し掛けてきた。
度重なる戦争の影響で人々の心が荒んでしまった事。信仰が失われてしまった事。
しかし、僧侶は嘆くばかりでは無かった。
命があるかぎり信仰に身を捧げたい、辛い世の中だからこそ希望を持ち続けたいと
見ず知らずのイザークに熱く語り続けた。
イザークはその姿に心を打たれた。自分もかくありたいと思った。
イザークはプラントに戻るや全てを捨てた。地位も名誉も輝かしい未来も。
休暇時に訪れた寺院に赴き仏に帰依した。
イザークは長い長い廊下を掃除する。それが朝の日課だった。
掃除を終えた頃には太陽が昇り始めていた。
「これ、お前に手紙が来ているぞ」
イザークは僧侶――和尚様から手紙を受け取った。ディアッカからだった。
アスランが結婚した旨が書かれており、その時の写真が添えられていた。
ディアッカが日舞を踊る姿にイザークは思わず吹き出した。そして微かに目を細めた。
世俗を捨てたイザークにとっては遠い国の出来事であったが、かつての戦友はこうして
イザークの身を案じて手紙を送ってくれる。
――もっともっと頑張らないとな。
イザークは遥か空の彼方にいる戦友の事を思った。
411 :
410:2007/04/05(木) 21:53:46 ID:???
奇数日なのでお題を提案します。
「趣味」なんていかがでしょうか?
自分も投下を今しがた投下したSSにイザークの「趣味」を入れて見ました。
キャラクターを把握するのに役に立つのでは無いかなあと思います。
412 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/06(金) 00:30:19 ID:naG9bVAf
今までの「お題」まとめ、抜けが合ったらごめんなさい。
3月10日13:25 ガンダム:文中ではガンダムの名詞は使わない
3月10日20:13 飲物
3月11日11:51 対艦刀
3月12日02:18 そら(空or宙)
3月15日01:03 光と闇
3月17日22:35 ビームライフル
3月17日23:02 風
3月17日23:59 う●こ
3月18日19:56 雨、夕暮れ時、花畑
3月21日23:22 銃
3月22日13:57 感情、センス、文章
3月22日21:23 月
3月28日09:08 キス:薔薇、百合、極端なエロ、ヘイト禁止。悲しいお話を1レス分で
3月28日21:20 死
4月03日15:06 機密文書
4月04日02:49 内容は自由、空白行は使用禁止。35行で収める
4月05日21:53 趣味
単体で鮮やかに、複数絡めたおやかに纏めるもよし17回提案され21題。
オーブ代表首長府所有のセーフハウス。
津波によって削り取られた海岸線から潮風が吹き付けてくるテラスに人影があった。
まだ若い少年だ。小さな樽に腰を下ろし、膝の上に乗せた端末を何やら操作している。
照明の落された部屋から月明かりの下へ、ナイトガウンを羽織った少女が現れた。
「――まだ起きていましたの? キラ」
「ラクスか、何の用?」
ラクスの手には虎印の珈琲カップが握られていた。芳香が風に乗ってキラに届く。
習慣的な動作で受け取りつつも、キラの顔にはげんなりとした表情が浮かぶ。
「……カフェインの致死量ってどのくらいだったっけ?」
飲まなければラクスも差し入れの主も納得しないだろう。大人しく苦味のある液体を口に含んだ。
焙煎の深いマンデリンの苦味とコスタリカ産の豆が放つ酸味がブレンドの妙によって互いに引き立ち、
すっきりとした旨味を後に残す。満面の笑顔で豆を煎る自称珈琲通の顔が頭に浮かんだ。
夜風に当たるうちに体が冷えていたのだろう。熱い液体を飲み下すと芯から温まってくる。
「美味しいけど問題は量だよ。珈琲が関わると急に大人気が無くなるよね、あの人」
「心安らかに珈琲を楽しめる世界。あの方はその為に戦っておられるそうですわ」
「モカの産地に隕石を落したのは万死に値するって言ってたな。やりすぎだよ」
腰掛けている樽を一回だけ叩いた。表にブルーマウンテンと印が焼かれている。
「キラは何をしていたのですか?」
画面を覗き込もうとするラクスから隠すように端末の電源を落した。
「あ……いやちょっとメールチェックをしてたんだ。軍機というか個人的な興味というか……」
「……女性ですの?」
ラクスの大きな瞳が猫科の狩猟動物の如く拡大した。夜の暗さも相まって怖い。
「いやその、DSSDのマクグリフ博士だよ! VL系技術のレポートについて感想を送ったんだ。
量子磁場の斥力方程式や並進多弦粒子の予測操作を八咫装甲に応用できないかなって!」
「ぶい……える? やた……? 聞いたことがありませんわ」
専門用語の羅列で混乱させることに成功して一息つく。ラクスが理系に疎くて助かった。
「それにしても今のは驚いたよ。瞳孔が開いてる感じだった」
「――ふふっ! 随分練習しましたわ。キラが余り来てくれませんでしたから」
島暮らしはそんなに暇だったかと、端末を閉じながらキラは同情した。温くなった珈琲を一口すする。
「二人きりでしたら……幾らでも時間を潰すやり方がありますのに」
思わずむせてラクスを凝視したキラへ向けて、ラクスが艶かしい視線を返してきた。
海風に前髪がたなびいている。柔らかな月光が意味有り気な笑顔に淡い陰影を落していた。
「お体が冷えますわ。中に入りましょう」
ふらふらと少女について部屋に入ると軽やかな音をたててドアが閉じ、テラスから人影が消える。
そこには空になった珈琲カップが二つ。潮風を浴び月に照らされながら朝まで忘れ去られていた。
種で趣味で虎の珈琲は少し安直過ぎたかな?
>>413 趣味は、あるようでない、使えそうで使えない。ベタな珈琲と展開は仕方ないかな。
35行でもあるので、日常を切り取った描き方は良いと思う。
もう一段向上する展開としては、次の期待を抱かせる終わり方を考えてみては
君なら出来ると思ったのでキツイ言い方かもしれないけど、がんばれ
お前がインパルスでミネルバを出るのを見送り、制御室にこもった。ロックが解除され
るまでの時間稼ぎにはなるだろう。
「帰ってくる」と言ったお前の言葉を信じて決めた行動だ。アカデミー時代から見ていて
お前は基本的に忠実な兵士だ。しかしその場の感情に流されやすい。今回のことは理解で
きるが、最たる例だろう。艦長たちは怒るだろうが、それがお前を成長させるのならかま
わない。ギルが必要とする最強の兵士になるには、お前はまだまだ経験が足りないのだか
ら。戦争は最後は頭を使った側に勝機が生まれるものだ。
連合軍の虜になるほど愚かではなく、ザフトから見て更に愚かな行動を取ったお前は俺
の隣の営倉に入ることになった。
お前は俺にすまながっているようだが、別にかまいはしない。お前はあの強化人間を連
合に返したことで一安心しているだろうが、あちらに彼女を戦闘先頭に出すだけ回復させ
るノウハウがある可能性に気付いていないだろう。そのときにお前があの少女を殺せれば、
お前は新しい世界を生み出す尖兵となるだろう。
ギルに言われてお前に近づいたのはアカデミー入学からさしてたっていない頃だった。
お前は素直に俺の成績を賞賛し、実戦系では俺以上の成績を取った。家族のない成績上位
者同士が親友というのは、他人から自然な目で見られていた。またお前を通して色々な学
生を知りえたのも事実だ。ミネルバに配属された同期生は、能力だけでなくお前を伸ばす
のに有用な人材だと考えられているのだ。
硬いベッドの上で寝返りを打つ音が聞こえる。
悩んで苦しんで大人になれ。お前にはその道があるのだから。
この世の中から戦争をなくすためには、強権を持って新しい未来を切り開かねばならな
い。そのための強力な剣になれる人材として、ギルがお前を指名したんだ。
お前はまだ知らないが、ジブラルタルでは新しい剣がお前を待っている。人間がその能
力を生かして安らかに生きていく世界を作るための『デスティニー』というモビルスーツ
が。
後手後手にしか対応できない上官、アスラン・ザラが降りてきた。お前との話のかみ合
わなさに苦笑してしまった。アークエンジェルと接触したのにフェイスの上司である議長
になにも報告を上げない男のいうこととは思えない。こういう、自分のことは棚上げだか
らお前に反発されるのにわかってない。
とにかくお前には輝かしい未来があるのだから。
「シン、もうやめろ。――アスランも、もういいでしょう。いまそんな話をしたって、な
んにもならない」
お前に託す未来、守りきってくれ。
>>415 二人称だ。アマチュア作品では初めて見た。
レイのシンへの議長のための兵士を育てるという思いと友情が、両方書けてる。
>二人称だ。
???
> 二人称だ。
主人公を語り手が「君」「おまえ」「あなた」などの代名詞で呼びかける形式の文体。
人称代名詞の二人称を用いるところから二人称。
いわゆるゲームブック文体。この形式の小説は極めてまれで、
俺も神林長平の「言葉使い師」しか読んだことはない。
>>415は語り手がレイ・ザ・バレルという(作中で)実在するキャラクターであるため、
厳密な意味では二人称とはいえない。がそこまで目くじら立てる必要はない。
>>415 レイの心が丁寧に描けてたと思う、シンを利用していながらもちゃんと友情も感じている。
そんな感じが文章から伝わって来た。
今回は二人称を使って表現した所が良いんじゃないかな?、違和感はなかったし。
改行も丁寧で読みやすかったよ。
素人の感想でごめんね
一文目、『制御室に』の前に『俺は』が欲しいと思った。けどそうなると、二人称形式が危うくなるのかな?
ちょっと気になっただけなんで的外れな意見だったらスルーして欲しい。
<井戸端>
”知識とは、経験があってこそ役に立つもの”――そう、昔の人は言ったそうだ。
その事をラクス=クラインは今、痛切に感じていた。
「はぁっ……」
溜息と共に、白い息が漏れる。――寒い。
空は淀み、今夕にもまた雪が降ってくるだろう。ラクスは今厚着をしていたが、
どうやっても冷気は侵入してきていた。
(こんな経験は、プラントではやった事ありませんでしたものね……)
キラという少年と共に、地球にある小さな教会で暮らし初めて、既に数ヶ月。
地球での暮らしは、ラクスにとって未経験の日々だった。
使用人が居るわけではない。その事はラクスに”労働”の機会を与えていた。
そしてラクスに与えられた”労働”――それは”水汲み”だった。
水道など、一通りの生活設備は協会内にもある。が、昔からの習わしとしてこうした
作業は残っていくものだ。聖水用に使う等、教会ならではの用途がある。
当初、それは子供達の役目だった。しかしここに来てからというもの、一向に何も
出来なかったラクスはその役目を子供達から譲り受けたのだ。
――何か一つ位、自分にも出来るはずだと言い聞かせながら。
教会の裏口から出て、歩く事十分程か。そこに小さな井戸がひっそりとある。
未だ朝靄が晴れぬ中を、ラクスはさくさくと歩んでいく。寒さに身を屈めながら、
目指す井戸はそこにあった。
ロープに吊された木の桶を井戸の中に放り込むと、数秒経って水の音。
一度覗き込んだ事はあるが、かなり深かった――怖かった覚えがある。
それから滑車でロープを引き上げていくのだが……これがまた重労働だった。
力は確かにそれ程要らないのだが、何しろ引き上げるまで時間がかかるのだ。
「んっ……!」
懸命に踏ん張りながら、ロープを引っ張るラクス。
今まで、プラントでは使用人が全てやってくれていた。こうした作業は無かったとしても、
同じ様な事はしてくれていたのかも知れない。それは、今思えば凄い事だったのだと思う。
(私は、人に指示をしてばかり。一度だってこんな風に……!)
汗水を垂らして、努力をした事はない。それは、ラクスの負い目だった。
命を賭けて、戦ってくれたキラ。快く住む事を許してくれたマルキオ。
そんな彼等に、自分は何をしてあげられるのだろう? 言葉などでは無い、
自分だけの”もの”が欲しい――それは、今のラクスの行動原理だ。
子供が家で、自分の居場所が欲しい時は働くものだ。理由はそれに近い。
やっと桶が井戸から出てきて、目に見える。それを他の桶に移し替えようとして――。
「きゃっ!?」
……水を溢した。
心の底から、溜息が漏れる。自分は、何をやっているのだろうと。
自分は、結局何も出来ない役立たずなのかと。それは、悲しい事だった。
その時、不意に朝靄が晴れていく。日が昇ってきたのだ。
差し込んでくる陽光が、朝靄を、冷気を打ち払っていく。まるで世界を救う様に。
それはラクスをも照らし、暖かみと――活力を与えてくれる。
(そうですわね。一度や二度の失敗で挫けてはいけません!)
もう一度。もう一度。もう一度。人はそうやって成長するものだ。
……それをラクスは、この経験を通じて学んでいた。
422 :
421:2007/04/11(水) 23:50:52 ID:???
やっべ、最近投下してなかったからここのルール綺麗さっぱり忘れてた。
テーマは「箱庭系」とでもしておいてくれ。微妙にスレ違いスマン。
もっと心理描写を上手くした方が良いんじゃないかな。()を使えば心理描写になるという訳じゃないよ。それは心情を吐露させただけだよ。
424 :
421:2007/04/12(木) 00:05:30 ID:???
なるほどね。結構地の文で心理描写やった”つもり”になってたからなぁ。
後、今読み返して気付いたが事象系列間違ってるorz
最初の方で「今夕に〜」とか出てるのに後半「朝靄の〜」って何だよorz
即興で書き上げたからダメダメだな。あーあ……。
>>423 次書く時は地の文と心理描写を分けて考える事にするよ。ありがとう。
>>421 話は悪くは無いと思います。
普通のSSだと問題は無いと思いますが、箱庭系との事なので厳し目に行きます。
()は不要。地の文で心理描写をした方が良いかと思います。
台詞も不要。溜め息と悲鳴程度なら地の文で描写した方が良いかと思います。
描写も微妙に寸足らずな気がします。
>>421 話は悪くは無いと思います。
普通のSSだと問題は無いと思いますが、箱庭系との事なので厳し目に行きます。
()は不要。地の文で心理描写をした方が良いかと思います。
台詞も不要。溜め息と悲鳴程度なら地の文で描写した方が良いかと思います。
描写も微妙に寸足らずな気がします。
一文を抜き取って説明します。
「はぁっ……」
溜息と共に、白い息が漏れる。――寒い。
の部分を自分ならこう書くと思います。
ラクスは溜め息を吐いた。その白さに驚きつつ、凍てつく空気にかじかんだ手を擦り合わせた。
こんな感じですね。即興ですので前後の文脈は無視しています。
ポイントは「寒い」と云う言葉です。人物に寒いと思わせるのでなく、行動を取らせてあげて下さい。
これは知り合いの職人にも注意する事ですね。
寒かったからくしゃみをした、寒かったら背中を震わせた、寒かったから歯がカチカチとなったなど、
色々な動作をする人がいます。そういう動作をきちんと描写する事が大事だと思います。
その積み重ねがいわゆるキャラを立てる事に繋がるのではないでしょうか?
後はダッシュと“”の多用がちょっと気になりました。
お話は本当に素敵でした。ラクスが純粋に頑張る様が好感を持てました。
では失礼します。
途中送信してしまいました。すみませんでした。
静かに目を開けると、まだ病院のベッドの上でした。
日ごろの疲れでも出たのでしょうか。自覚症状もありましたので、時間をとって診察を受け
たのですが、エコー(超音波診断)の後、貧血気味なのか立ち眩みが起きたので、大事をとり
ベッドで横になるうちに眠ってしまったらしいです。
目が覚めてくると、右腕に冷たい感覚が伝わってくるのを感じましたので、頭を起こして見
回すと点滴のチューブに繋がれた右腕と、輸液のパックが吊り下げてあるのが目に写り、すっ
かり病人のような扱いがおかしく思え、自然と口の端に笑みがこみ上げてきます。
思い当たる節といっても、少し前から、体にだるい疲れが残るとともに微熱がおこり、続い
て現れた膨満感と吐き気に予感はありましたが。
軽いノックの音に気付き、視線を走らせると最愛の人が見舞いに現れたようです。
「大事をとって2・3日入院だって」
「お医者様は、もっと大事なことは言わなかったですの」
「ボクは君から聞きたいから」
「まあ……」
帰り際寄り添いながら。
――そっと静かにキスをかわす。
なかなか寝付かれずに目が醒めると、これが夢の続きではないと思い知らされる。
個室に呼ばれ医者に告げられたが、あまりの事態にとぼけた返事を返し、きっと医者は呆れ
ただろうか、それとも何人も同じような患者の家族を見てきているのだろうか、担当の医師は
冷静に、しかし威厳を備えたハッキリとした口調で病状を説明する。
「血液検査の結果CMLです」
その後の丁寧な説明。フィラデルフィア染色体に転座が認められ。化学療法で融合遺伝子特有
の酵素阻害剤を使うということ、超音波診断の結果からも脾臓の腫れが認められ、化学療法が
どこまで利くかわからないが、急遽編成された医師団は総力を上げて治療を行い寛解にもって
いくということ。
説明は2時間に渡って続けられたが、今は容態が安定していて治療を行うが、慢性から急性
に急変した場合、命の保障は出来ないと言うことだった。
説明の中で何度も言われたHLA適合者も、彼女の実母は幼いころに死別し、先年の戦いで
実父も特殊部隊に暗殺され、ましてや兄弟もいないとあっては確率の低いバンクに頼るしかな
い。
「今日も来てくれたのね……わたくし、こうなると思っていました」
「……」
「大丈夫、貴方なら……出来ます……そして、ごめんなさい」
そしてボクは涙をこらえ。
――無菌病室のガラス越しにキスをかわし、部屋を後にした。
保守
>>428 途中で視点が切り替わっているので一行あけないとむしろ分かりづらい。
この短さでわざわざ視点を変更させるのは避けるべきだと思います。
431 :
428:2007/04/20(金) 01:18:13 ID:???
>>430 2部構成で進めていましたが、人物や表現をハッキリ細かく書いていると
何か違う気がしたので、暈した表現と推敲で削っているうちに短くしました
わかりやすくしたつもりもないし、視点を変えるのも当初の予定通り。
一人で独白で終わると普通に病人のたわごとで終わっておかしかったしね
むしろ、わかり難く暈して書いてるんだから。
でも、満足する出来でもないので。所詮、大病を患ったこともない、
MSに載ったことも人を殺したことも無い、描写やリアリティに掛ける
もっと症状に変化が出ているはずだし、急性に変化していてもおかしくない
やっぱり迷っているとダメなんだね
もっともっと、つきつめて狂気に自分を追い込まないと、納得がいくものが
出来ないのかもしれないな、次がんばるよ。
キツイ言い方をあえてするけど…
狂気をつきつめる前に、中学生が誰かとだらだら話をしているような文章を改善した方がいいと思う。
それから、わかりやすく書いたつもりもないというのは、読み手に対して失礼ではないだろうか?
書き忘れた。
次もがんばれ!
>>430 文章がユニークだね。
狂気を突き詰める前にしなきゃいけない事は山程あると思うよ。
一つの文章に〜ので、〜のでって入ってたりするのは狂気的だと思うよ。
普通はそんな悪文は書かないもん。
ですます調の使い方が間違っている所が沢山ある所も狂気的だよ。
こんな文章書けるのは最早一種の才能だよね。
……取り敢えず頑張って!
435 :
430:2007/04/21(土) 21:13:42 ID:???
え……私?
ワラタw
お題のルールがよく分からん。
お題に沿ってかけばいいのはわかるが。
単発でOK?それと出来れば今のお題を教えてください。
単発でもOKです。お題は
>>412に書かれているものから適当に選んで書きます。
今は多分「趣味」。複数組み合わせてもOKです。
内容を自由にしたい人が『35行』のお題を使うという感じです。
>>438ドモ、暇ができたらやってみるかな。批評はありがたいし。ただ携帯がなあ……PCツカイテ
「ごめん……シンっ私……」
俯きながら言葉を絞り出す同僚にを見て、思わず何故このようなことになってしまったのか考えた。
「シンってさ。ピンクの携帯大事にしてるよね」
ことの発端は、ふと思い出したかのように呟いた同僚の何気ない一言だった。
「え? あー、いや、なんていうか」
しどろもどろに、曖昧に答えながら、少し胸が締め付けられるのを感じた。誰にも触れて欲しくない古傷、というものか。
オーブでの、最後の思い出は一言で表すならばーー無力。だろうか。胸糞悪い。今自分はどんな顔をしているのだろう。
「どうした。気分が悪いのか」
整った風貌の同僚が声をかけてくる。駄目だ。ボーっとする。
「あー、そう、かもしんない。ちょっと休むよ……」
初めてじゃない気分。脳裏に両親と妹の笑顔が浮かび上がる。反転。千切れた腕。周囲にこびり付いた血。炎。赤。赤ーー
反転。上空を飛び交う白と青の機械人形。自分の声。
ーー死んだ。誰が。家族がーー
やめてくれ。黙れ。
ーー死んだ? 誰が、家族が、殺された、コロ、さ、殺され、た? 何もしない。しない。弱い、いーー
黙ってくれ……
ーー見殺しにしたーー
黙れ。黙れ。黙ってくれ……っ!
イメージが消える。しつこかった自分の声も。目を開けたら医務室の天井が見えた。ボーっとする。
「目が覚めたか」
声がする方へ首を向けると、そこには同僚ーーレイ・ザ・バレルがいた。
声を出そうとするが、出ない。少し置いて、レイが話し出した。
「お前は食堂で倒れた。過労らしいが……何があったかは、聞かないでおく。だが、忘れるなよ」
レイは数瞬間を空けて、
「俺達はおまえの味方だ」
どういうことだろう。もう一度声を出してみると、今度は出た。
「それって……」
自分でも分からないぐらい声は震えていた。
レイは微笑むと振り返って手を挙げた。足音がする。もう一人の同僚の姿が目に映った。ルナマリア・ホーク。何故か暗い。そして今に至る、と。
「ど……でうしたんだよ、ルナ?」
「私がシンの……妹さんの……」
何故? そう疑問に思って、次の瞬間には理解した。レイには知らせていたのだ。マユのことを。
だが、謝らなくてもいいだろう。形見のこと言われたぐらいじゃ死なないぞ。大体これは過労のせい。
「そんくらい気にしなくていいよ」
あー、昔のことだし、なとも付け加えた。
だが……彼は勘違いをしていた。もっとも、すぐ気づくことになるのだが……
ルナマリアの表情が明るくなる。
「良かった……みんな気にしてないからね。別に妹さんの画像四六時中眺めてるのが趣味でも、独り言を言うことが多くても、友達だからね」
……は?……へ?……あー、殴っていいですか?
私がマユの画像を見るのが趣味と、私がシスコンだと、私が危ない人だと言いやがりましたね。
「ルナ、そっとしておいてやれ」
レイさん。あんた顔に似合わず考えてることが酷いですよレイさん。
おまえだけは信じてたのに……
よく見れば何時の間にか現れたアスランさんやヴィーノやヨウランや看護師さんまで同じような目で見てきた。死にたいんですが。
「それにしてもシンにそんな趣味があったとはねぇ……」
「好みや趣味は人の自由だからな」
「そうだぞルナマリア。人の趣味にとやかく言うもんじゃない」
これは恐らく神のイタズラだ。いたずらっ子だなあ神様は。叱っちゃうぞ〜!
誰か助けて、悲しくて死にそう。まあとりあえずアレですか。せめて、叫ばせて。
「んな……んな趣味もってねえぇ!!」
ミネルバの医務室に少年の声が木霊した。
しかし、あの声と悪夢のような映像はあれ以来出なくなった。
まるで見計らったかのように、だ。彼は、吹っ切れたのかもしれない。新たな友との繋がりによって、あの悪夢から。あの後悔の海から。
終
あー、まるで落書きだこりゃ。
ボロクソにお願いします。
>>442 最初は皆下手くそなんだぜ?
腐らずに黙々と量こなしてけば上手くなる。とオレは妄想してる。
>>441 粗削りで酷い出来だ。しかし面白い!何か光る物がある!
ーーではなく──を使ったほうがいい
>>443 分かった。頑張って努力しつつ妄想するよ。
>>444 やっぱり酷い出来でしたか。3時間の突貫作業のせいかもしれない。それでも面白いって言ってくれてありがとう。
>>445 あーその点はすみませんでした。携帯に不慣れで見分けがついていなかったものでして……。以降直していこうと努力していきます。
>>440-441 あれ!?毎段落一マス空白空けしたはずが空白消えてた……?
投稿の際にミスがあったかも……。申し訳ありません。
>>447 もしや半角スペースでは?全角スペースにするといいと思うよ。確か。
449 :
441:2007/04/22(日) 13:04:34 ID:???
>>448 あー本当だ。面倒で半角スペース二つで済ませてたっぽいです。いやはやどうもです。
それやんなくてもいいよ、意味ないから。
あー横書きの場合はそうらしいですね。でも、ま、これは癖みたいなものなので見逃して下さい(汗
保守
保守
書き手がいなくなってすっかり廃れたな、保守
シンとアスランがキラを相手し、レイとルナが奇策を持ち合わせてバルトフェルドを相手する電波が流れたけど
ハイネの死亡後は虎宇宙いっちゃうんだよな
それに考えてたのだとルナレイVS虎戦には崖が必要で、ムラサメ小隊がAAにいてオリキャラの乗るバビ小隊がミネルバに必要だった……
しかもお題に当てはまらんので苦しいな……大幅修正したのを書いてるけど……いつになるやら
奇数日にお題提出して投下すれば(・∀・)イイ!!ンだよ
>>456d
まだお題投下OKだったのか。てっきり……
つまり自分の書きたいようにお題投下するのもOKということか
それはジサク(・∀・)ジエンの一種?
冗談だよw
推敲してたら面倒になって半ば投げ出してるし
保守
保守
保守
過疎ってきたなあ・・・
464 :
35行空白行なし:2007/05/04(金) 01:00:44 ID:+WixMhwJ
目当ての貨物船は埠頭の岸壁に、どっしりと腰を下ろし出向を待つばかりだった。
貨物船のタラップを登りきり、デッキに両足をつけ、急角度のタラップの感触から離れたのを
確かめるように踏みしめると、船長室に向うべく年端も行かぬような甲板員に声を掛ける。
「船長室はどこかな」
若い甲板員に案内されながら船長室に通された3人は、海の男らしく鍛えられた肉体を、肩の
徽章と白の船長服に相応しく、日焼けした精悍な顔と鋭い眼光に威圧されながら船長と対面した。
「本船は差し押さえられました」
執行官が高らかに宣言すると、船長は苦虫を噛み潰した表情を一瞬浮かべたが、海の男の威厳
をスグに取り戻し、毅然とした態度で国籍証書を差し出す。
執行官、弁護士そして、オーブ首長国、自治省に出向中のレドニル・キサカは何度目かの儀式と
もいえる場に立ち会った。
ロゴス残党の勢いを削ぐべく、彼等企業がチャーターした船舶の油代金の譲渡を受け、担保権
を上回る効力を持つ先取特権を行使し、主要メンバーの企業に圧力をかけていた。
もちろん、これ以上ないほど合法的に、且つ最大限の効果を得るべく腐心していた。
北大西洋連邦の経済を握るロゴスを敵に回す以上、彼らのロビー活動などの政治的なプレゼン
スは侮りがたく、各地域に穿たれた残滓は想像以上に力を温存していた。
各地に残るロゴスの残党。その中でも急進的な反コーディネイターを叫んで憚らない勢力を押
しとどめるのに腐心していた時、このアイデアを聞いたときは、正直驚きを隠せなかった。
船舶を押さえることによって積荷を押さえてしまう。それによる差し押さえの権利は、他の誰
よりも強い効力を及ぼす。
納期に間に合わない積荷は企業の信用を損なわせ、何度も続けば保険で対応できた範囲こえて
保険料率の跳ね上がりを招くか引き受けを断られる。保険に入らない積荷などまともな船主は倦
厭するようになり、企業活動に少なからぬ影響を及ぼす。
まさにコロンブスの卵、コペルニクス的発想と言うべきだった。
――腐っても鯛。
我ながら云いえて妙だ。とキサカは脳裏に浮かべながら、目の前で続く引渡し事務に意識を戻
しながら、罪のない船長に胸のうちで謝罪しつつ船を後にした。
「Mr.キサカ。成功おめでとうございます」
弁護士が、成功の喜びを口にしながら差し出した手を硬く握り。キサカも、ここに到るまでの
苦労を思い返し感謝の言葉を告げる。
「先生。そして執行官には、ご苦労を掛けました」
「ハハッ、だいたい最後の執行は土壇場と相場が決まっておる」
「連勝が伸びたことは行幸ですよ」
少壮の弁護士と老執行官を交互に見ながら、キサカは笑みを浮かべ硬く握手を交わすと、次の
仕事が待つ場所へそれぞれ帰っていった。
別の長編で書いている部分を書き直してみました。説明が足りないかも
>>464 アニメ本編ではなかなか見れない、キサカが活躍する話ですか。
ロゴス系企業に打撃を与える為、彼らの息のかかった民間船の積荷を
強権で差し押さえてしまうとはキサカの旦那もなかなかワルですね。
…なぜか政府公認の海賊と言う言葉を思い出してしまった。
ウケ狙いのネタではなくちょっと渋めの話だった所が個人的に気に入ってます。
やっぱ色んな発想とストーリーが見たいですもの。
表現上で少し気になったのが、3人で船に乗り込んだという表現が1行目でなく
やっと5行目で初めて登場し、主人公のキサカの名前がでてくるのが10行目だったので
最初に読んだ時はちょっと混乱してしまいました。
「あっ3人で来てたんだ!」と、あわてて脳内アニメを修正したり。
船長の描写も彼の身体特徴を先にくわしく述べて最後に名前を出しているので
最初は誰の身体特徴をいっているのか少し解かり難かったです。
鍛えられた体が先で船長服が後なので、この2つを順序反対にするだけでも
船長を早めに特定できると思います。
読者は何も知らない状態で読むので、誰と誰が登場しているのかという表現は
出来るだけ前の方に持って来たほうがいいんじゃないかなと私は思いました。
466 :
464:2007/05/05(土) 21:12:45 ID:???
ありがとう。
長編と違って纏めるの難しい、だから練習になるのだけど
指摘された点は長編に活かす様にします。
保守
テスト
保守
ムウ・ラ・フラガは、飛行訓練の後に呼び出さた士官室のドアを前に、ためらいの表情を滲
ませながら、襟元を直し終えると思い切って告げる。
「ムウラ・フラガ参りました」
――入れ。
凄みのある声がドアを通して、フラガの体を圧する。
「失礼します」
フラガは背筋を伸ばした姿勢を保ちながら士官室に入ると、敬礼したのち直立不動になる。
「フラガ、実に勇敢な行動だった。――だが君がすべきなのは、基地に帰還して後続の部隊に
任せることだった」
基地指令官は、フラガをひと睨みすると言葉を続ける。
「幸いにも残り少ない燃料で、所属不明機を追い払って生還できたが、あれはお前のものじゃ
ない納税者のものだ。一つ違えば、お前の給料で払いきれない何倍もの損を抱えるところだ
った」
フラガをまっすぐ見ながら、指令官はフラガの過去の行いを何一つ間違うことなく告げる。
「リーダーを降ろされること3回。私が謹慎処分にしたのが3回。それに将官のお嬢さんと問
題を起こしたのが2回。――首が繋がっているだけでもありがたいと思え」
「ハッ、ありがとうございます」
フラガは正面を向いたまま、悪びれる様子もなく返事をする。
「いい加減にしろ!! フラガここに何をしに来たんだ」
「祖国に貢献したいのであります。そして、地球連合軍随一のパイロットになりたいのであり
ます」
司令官は呆れた表情を浮かべながら、机の上の書類にサインをしながら話を続ける。
「利いた風な事をぬかしおって、確かにお前は優秀なパイロットなのかもしれん。だがお前の
才能を理解できないものには危険すぎる」
話しを切ると、サインを終えたペンを無造作に置き、書類をフラガに手渡す。
「頭の痛いことだが、お前に最高のチャンスをやろう。この隊からミラマーに誰かを派遣する
ことになった。お前は5週間で世界最高のパイロット達と渡り合い技量を磨きあう」
フラガは渡された書類を慌てて読み直す。
――トップガン
「いいか、これだけは肝に銘じておけ。向こうで何か問題を起こしたら、一生退屈な国内便の
パイロットだ」
「ありがとうございます」
フラガは入室した時とは、打って変わった弾んだ声で返事をする。
――以上だ。幸運を祈る。
司令官に笑顔で送り出された先に、過酷な訓練が待っている事はフラガは知る由もなかった。
トップガンは閉鎖で今はないけどね。そこはご愛嬌で補完してください。
フラガと呼び捨てるより、階級をつけたほうがいいとオモタ
保守
保守
_,、、、、、、、,_
,riTl|l.il|..ll..|ll.i..lli、
ril l!|.|l|.l||!.l|.|l|lil.l|l|l
||l!i!|州l|l|ll||lllミillll|l|
!|||ラ''' '´!|ll||l!lソ|||l|| こ
`t'_,,,ヽ i´l州 の
゙iー '' /i',ノ'゙入 荒 ス
`ー'、´ /,r'´ ,>、 れ レ
,イy' / /,r ヽ, 見 て
,r'// / /,i' ' i ゙、 え い
/,/li,/ ,/,i',i' ,r ,r7' ヽ,i. 奥 る る
〃,//l/ .// ,' /'´ / ハ. が が. よ
/,' / l./ ,i'i l// / / l 深 う
/ ,i ,i ,!/ ,i' l // ,/ ,/ l. い 案. に
,/ l l i l./ !i .l / _,/ / l! . ・ .外
,r'=‐、_ll_!j'_,_、-‐、‐' __,,. !l. . ・
/ノ /´/ ``ヽ、 ` ``''''"´ ,! l ・
/´ ,/-/ `` ``ヽ、、___,, i l
/ ,.イl / ,.r‐ ``ヽ、,__ ,! ./!l
/ jly' - '´ i i !.|
保守
「暫定議長が?」
「プラントからの至急報です。心臓発作だそうで」
なんて事だ。デュランダル議長の後を継いだ副議長も心臓発作で僅か2ヶ月で倒れ、そして今度も。
「暗殺、じゃないな?」
「でしょう。今、プラントを混乱させても誰も得しません。純粋に過労かと」
そりゃあ過労にもなる。暫定議長だった男は元は水循環システム管理局の局長で、現状を大過なく維持
するならともかく、戦後交渉となると荷が重い。
前任者と歌姫が好き勝手放題やった後始末は、誰かがやらなければならない。そしてプラントは、
責任感のある人材を片っ端からすりつぶすかのようだった。
「連中、もう少し議長職の権力を複数分散する気がないのか?これでは次も焼き切れるぞ」
「コーディはテクノクラート独裁に慣れきってますからね。じきに学習するでしょう。それまで何人、
犠牲が出るかは判りませんが」
「そう悠長に構えてもいられん。我々、赤道連合は貧乏な事でも有名なんだ。さっさと戦後世界が安定
して貰わんと、国民を食わせるにも事欠く有様だ」
そう言って壁の地図、橙色に塗られた祖国に視線を流す。暴動、貧困、ゲリラ、疫病。橙色がいつ血
の朱色になってもおかしくない。
「で、赤道連合としては?」
「動けるものか。うちの影響力など皆無だ。インド方面軍、難民救済とゲリラ討伐に善戦しとるが、彼ら
に報いたくとも振る袖もない」
前線から届く、1機でもダガーを、の悲痛な叫び。だが、中古捨て値のMSすら、今の祖国には重い。
「忌々しいのはオーブです。ジャンク屋どもが無節操にザフト製MSを売るせいで、戦火が収まらない。
しかも、首魁のマルキオはオーブで聖人づらして崇められて」
部下が憤るのも無理はない。オーブのような無茶苦茶な専制国家が我が世の春を謳歌し、かろうじて
民主国家の矜持を保つ我が祖国が惨めな境遇では。
「オーブか。今はともかく、アスハ家も稀代の馬鹿姫のお陰で屋台骨が傾いだな。言論統制でカリスマを
維持してはいるが、権威が失墜して民主化運動に弾みがついた以上、どうにもならん」
「そうなると、オーブに隠遁した歌姫も厄介ですね。今度は自由を求めるオーブ国民に、一見ご立派だが
中身のない演説でもぶちかましますか?」
「ふん。あれはその程度の舞台じゃ歌わんだろう。まぁ、今度は隠遁中に代わって働く影武者もいない。
じきに忘れ去られる。最近、あのピンクの歌、聞いたか?」
部下が無言で首を振る。
「まぁ、我々は自身で出来るところから片付けよう。赤道連合に英雄はいないが、他人に丸投げするような
奴もいない。今はオーブの下風だが、いつまでもそうではない」
部下が浅黒い顔に希望を滲ませ、頷いた。
そうだ。しっかり両足で立ち、泥まみれでも精一杯に生きる我々に敗北はないのだ。
戦後の小国の官僚のひとコマを書いてみました。
保守
保守
保守