こういうスレを作ると必ず叩かれるとは分かっているけど、
それでも読みたい人も居るだろうからあえて作ってみたり。
とりあえず今なら電撃スパロボ等で公式設定を入手しやすいですし、
元々クロスオーバー作品のキャラなので相性もそれほど悪くないと思うのですよ。
3 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 14:57:29 ID:mxGRtrBd
クスハの場合はαみたいな立場になり、戦火の中でリュウセイと再会する。二人対決がはじまった。とか
>>1 だったらテメーが書けよ、と思ってみたり。
元々このスレ重複なんですよ。
自分を救ってくれた軍人・トダカの死を目の当たりにしたシンは、彼の分まで人々の平和を守る為、雷凰に乗り込むのだった
ミネルバにイングラム来たら
/`く´  ̄ `> 、
/ / ヽ _ / ヽ
/ ,、 , ヽ ー┴ ス ヽ- 、
/ V ヽ / / ヽ / / ヽ ヽ\、ヽ
/ 冫/ヽ. Y | | | l_, ..l _ ヽヽ\
l l lハ l l l _ l l lハヽ `ヽ! lヽヽ
/{ l l l l l _,. _'´ l´ヽヽニイ トトヽ l ! ヽヽ
/ /ィスォj_!、_j j-ィテ∠ イ } j l llハヽ./ / ! l
. / イ/ lーt、ヽ /´ ̄ィjァ'´! ト、,.イ ヽl ll | / /, ‐ ニヽ
i i { ! ト `ヽ ′/, ̄‐ ´/ l lヽヽ ヽ//// ` ゴッツォでぇ〜す♪
| ! l l ハヽ. l / / _/ -_ ニ フ /ト、j ハ
lヘヽヽj_ i ! V i´ /- ' r‐', - ´ --ヽ | , イ7
ハ l ! ll ハ l lヽ | , -| / /イ ̄ / _l_
,. - ― フ l ! | |' ト、l /j ヽ く l j | j/ ノ / , - ´
l ハー' | ヽゝ'ィ/ Yl / ! レ'l / /
l ! l ト、 |ヽ} ! / // ! !/ / _ --
、ー 、 l ! l ! ヽ. トーl / // l l' / / ̄,. -‐  ̄
誰だよ、この時空にラオデキヤ艦隊呼んだの
8 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 20:41:23 ID:mxGRtrBd
クスハ「リューウセーイ!!」
リュウセイ「クスハー!!」
シン「もっと高く、もっと早く!!」
レイ「いくぞアストラガン!!」
10 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 21:07:44 ID:dbKIKJVB
重複クスクス
あ゛!!エイブリルフール・クライシス起きないな、謎エネルギーの宝庫だ
阿部さんがスパロボに来たら
「ぐっ…!」
視界が反転し内蔵がかき混ぜられる。
今だ落下中の機体にかかる途轍もないGに翻弄されつつも、
制御を失った機体をなんとか立て直そうとキョウスケはあがき続けた。
しかしその甲斐もなく、OSは無情に変形システムのエラーを示し続け――
モニターに写る海は、距離が0になった所で砂嵐となり消えた。
人型とも戦闘機とも取れぬ奇怪な姿のまま、
本来は白く美しかった体躯を醜く砕かれたビルトラプターは
非常用のフロートでなんとか水面に浮いていた。
その中で墜落の衝撃に意識を失っていたが、痛みですぐ覚醒したキョウスケは、
己のパイロットスーツに深々と突き刺さる幾多の破片と
完全に電源の落ちているグシャグシャになったコクピットを見て思う。
「(天国では無さそうだな…)」
パイロットスーツを貫き肉に突き刺さる破片と
恐らく折れているのであろうアバラからの痛みに耐えつつ
自分にのしかかる残骸を蹴り飛ばしたキョウスケは、
光の差す場所まで這い出てそこで初めてキョウスケは実感を持つ事が出来た。
「また、生き残ったか――」
しかし彼はまだ気付いていない。
目の前にある島が彼の居た極東基地では無い事に。
そもそも、この世界が彼のよく知る新西暦の世界では無い事に。
今、C.E.に一本の杭が打ち込まれた。
そが貫くは悲しき対立か、それとも――
答えは、まだ遠い――。
>>5さんと
>>11さんの言うことも尤もなので、
とりあえず職人さんの登場を期待しつつ保守作品投入。
ところで重複ですがスパロボキャラのはどれも落ちてますし、
今立ってる中に種キャラ→スパロボのはあったと思いますが、
逆のは無かったと思うのですが…見落としでしょうか?
一応「スパロボ 種」や「スパロボ SEED」等で検索はしているのですが…。
携帯からだがGJ!!
あ、アツイ・・・キョウスケが種世界なんて・・・!
ヤザンが種世界にくる話もよかったんだよな。途中までしか読んでないけど。とりあえず続き期待
嘘だろマジにSSとしてスタートしやがったぜ!!
GJ!!
携帯からだが書いてもオケ?
ok
……………繋がった宇宙が元の姿に戻ろうとしている………
女王蜂は己の過ちを認められぬまま、無に帰した…………
考えることは山ほどある…………
無事に元の世界に帰れるのか?、皆は無事なのか?、そして彼女は………
だが、考えたところで結果は変わらない……賽は投げられたのだ
行き先は天国か地獄の二つに一つ、しかも天国側のオッズは史上最高額…………
男は不敵な笑みを浮かべる。
…分の悪い賭けは嫌いじゃない…
激しい衝撃に機体を流されながらも、男の目は諦めという物を知らなかった………………
そして、彼はたどり着くこととなる……
あらたな敵と新たな仲間、再会と離別、そして…………
あの男との第二ラウンドだった…………
21 :
素人三等兵:2007/02/18(日) 23:34:11 ID:???
とりあえず投下しますた……
自分文才ないっすね………
駄目出しとかアドバイスよろしくお願いします。orz
おぉ、GJです素人三等兵さん!
ところで実は私もあまり書きなれてないので、
この板の住人の皆さん宜しければ駄目出しを頂けるとありがたいです。
しかし、世間はリュウセイ派よりキョウスケ派の方が多いのでしょうか?
追記
私の二話目は現在執筆中ですが、
一話目より大分長くなってしまっているので
何時投稿出来るかは不透明となっております。
しょ、少々お待ち下さいませ…。
23 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 00:00:09 ID:iy33TNJ7
主人公の差
クスハ、マサキ、キョウスケ、αシリーズ、ゲームボーイシリーズの主人公
リュウセイは問題外
リュウセイは脇役で十分
24 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 00:37:42 ID:N6+58OQl
その2
C.E.72………
ジュール隊所属ディアッカ・エルスマンは退屈していた………
現状が不満な訳ではない……
かといって満足している訳でもない……、確かに自分はザフトを裏切り、また舞い戻ってきた男だ、こんな事で不満を漏らしてはいけない事は十分わかっているつもりである。
「しかしどーも暇だねぇ……」
しまった…、口に出してしまった。ほぅら来るぞぉ、3・2・1…
「不満を漏らすな、ディアッカ!!、これも大切な任務だ!!」
いかにも頑固そうな怒鳴り声がスピーカーから聞こえて来る
へぃへぃ分かってますって。相棒は相も変わらず堅苦しい、こんな事じゃいつも側にいる副官の淡い思いには気づきそうも無い、不憫な……
自機の右前方を進む濃紺の機体の主に向かい、ため息を漏らす。彼女も彼女で奥出なのだ。男の自分がフォローするにも限界がある、どこかに良いアドバイスを遅れる女でも……
そう思い描いた人物はつい半年ほどに別れた彼女だった……更に深いため息を吐く
彼らは一時間程前に確認された、ラグランジュポイント5の外でも起きた謎の熱源反応の調査に行く途中である。
プラント群外輪部のパトロール中だった自分達の部隊が一番近かった為、こうして急行している訳なのだった。
三十分後に彼らが見た物は胴と右腕しかない巨大な赤い機体とコクピット部のみの白い機体だった………
25 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 00:44:31 ID:???
調子に乗ってその2投下しますた……
やっぱりあの男には相方が必要かと思い白騎士投入です。
ザフト凸凹コンビは彼らと出会い、どう変わるのか?
そして、シホの思いはイザークに届くのか!?
酔ったノリで書いてるのかで、正直不安です……
26 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 02:00:54 ID:???
その3
ナスカ級ボルテール医務室
視界の霞みが解けてゆく……どうやら賭けは俺の勝ちのようだ……
「……それはどうかしら?」
自分の心の内を覗いたかのように、聞きなれた女の声がする……何故ここにいるかは聞くまでもない。
「どういう意味だ……エクセレン……」
ウェーブの掛かるブロンドを今肩まで下ろしている彼女に問いかける。
体中に走る痛みは、自分が生きている事を証明している……、最も地獄や天国は痛みを感じないのかどうかは行ったものにしか解らないが……
「ここ、どこだと思う?」
彼女は真剣な口調で語りかける……こういう時は深刻な状況という事だ……伊達に長い付き合いではないのだ、自身の周りの状況を見渡してみる……白い天井、包帯だらけの体、生命維持装置、傍らに彼女、
「見たこと無いタイプの生命維持装置だ…………ハガネでも、ヒリュウ改でもない……」
ましてはクロガネでもない……ここは最悪の回答をしてみる………
「……ここが違う世界で、俺達は仲間とはぐれてここにいる………か?」
冗談混じりに言いながら彼女の顔を見る、
彼女はゆっくりと…
「…ええ…」
首を縦に振った…………本当に正解するとは思わなかった
正直参った、これからどうするのか……
自分の体がこの状態なら、おそらく機体も無事ですんではいないはないだろう……、彼女の方も、大方同じ様な状況だろう、目立った外傷は無さそうなので、とりあえず『体』の方は大丈夫だろう、
それよりも、今後の方針である……
寝ている間に色々と聞かれたのだろう、顔に若干疲れが見える、さすがのエクセレンも、普通では考えられない状況に混乱しているようだ……俺達自身、余り『普通』ではないのかだが…
「ねぇ、キョウスケ…皆はどうなったのかしら?」
エクセレンが不安げに尋ねる
「さぁな……」
「んもう……相変わらず素っ気ないわね〜〜」
…少し調子が戻ってきたようだ、余り彼女の沈んだ顔は見たくない。
エクセレン・ブロウニングは陽気な女性でなければならない、それはチームの為でもあり、この俺自身、キョウスケ・ナンブの為でもある、
27 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 02:12:11 ID:???
すいませんorz
酒の勢いで、その3投下しますたorz
駄目出し、悪口雑言お構いなしなんで、よろしくお願いします。
GJ!ブックマークして続きを待ってる
とりあえず三点リーダー( ……のことね)は乱用しないほうがいいと思う。
もちろん文章の性格もあるだろうけど、上のSS読んでる分には不必要な三点リーダーが多い。
特に地の文は基本的に三点無しと考える方が良いよ。三点の乱用は厨坊によく見られるから、添削はしっかりと、な。
30 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 03:06:12 ID:???
指摘ありがとうございます。
投下もカキコも素人なので、正直かなりありがたいです。
もし種世界にエアロゲイターが来たら、プラントと連合はどうするんだろうか。
さすがに一時停戦はするよな?
サルファメンバーが、スペシャルステージ中に事故がおきて、種死世界に来てしまう
みたいなネタ考えたんだが文にする力がない
Dとのクロスなら妄想した事があるな。
ユニウス落としの時に地球が消滅して、ジョッシュがミネルバに拾われるみたいな。
シン「チッ、アンタまでアスランアスランかよ」
ジョッシュ「見てたのか。怒るなよ、シン。
おまえはオレの命の恩人で、頼りになるパイロットだと思ってる。友人ともな。
それじゃ、いけないか?」
シン「……あの異変以来、全部が狂いっぱなしなんだ。
ミネルバに乗るまではずっと1人でやってきたし、オーブ出身って事で他の連中にはやっかまれてな。
俺は、別にそれでもよかった。インパルスのパイロットで、俺は他と違うからな。
それが、いまじゃめちゃくちゃだ」
ジョッシュ「焦ってんだ」
シン「なに?」
ジョッシュ「オレと同じさ。どうしたらいいか、何をしたらいいか、わからなくて、焦ってる。
状況の変化に対応できてない」
シン「……俺は、コーディネイターだ」
ジョッシュ「コーディネイターも人って事だろ?」
シン「……」
34 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 04:10:50 ID:N6+58OQl
その4
ナスカ級ボルテール・MSデッキ
ジュール隊隊長イザーク・ジュールは今、自分の見ている物体が信じられなかった
格納庫内に一際目立つ2つのスクラップが置かれている。一般人が見ると、それは人の形をした兵器、MSのなれの果てだと思うのだろう、
だが、少しでもMSの知識を持つ者ならば、このスクラップの異常さに直ぐに気づくだろう。その大きさである。大きすぎるのである。
「二機とも、ザクと比べて二周り以上でかいな…」
コクピット部だけでこの大きさである、全体像はこの格納庫に入り切らないかもしれない。
「見ろよこの右腕!!、こんなのにやられたくねぇな……」
赤い機体の右腕に付いた巨大なパイルバンカーは胴体のみとなっても、その存在感は威圧的である。
部下であるジュール隊のパイロット達は、口々にこの『有り得ない』機体について、さまざまな憶測を立てていた。曰わくナチュラルの新兵器、ザフトの極秘兵器、外宇宙からの侵略者etc…
そんな中、イザークはメカニックと会話をしていた、この機体の本当の正体を知るためである。
「何か判明したことは?」
「駄目です、この艦の設備だけではとても…」
先に目が覚めた女の救助者からは、余り話を聞けなかった。
「男の方の話、聞けば良いんじゃねえの?」
後ろから口を挟んだのは相棒のディアッカである。
「目…覚ましたみたいだぜ。シホが呼びに言ったから、艦長室にでもまたせるか?」
相変わらず勝手に事を進める奴だ、そういう所は赤服時代から変わっていない…
だが、奴もまた先の大戦でかなり変わったようだ、子供のような残忍さは消え、少し余裕のある人間になった。
あの大戦で奴が何を見て、何を知ったかは解らんが、昔以上に背中を預けられるようになった。
「変わらんのは……俺だけか……」
「何か言ったか、イザーク?」
「何でもない」
少し寂しげにつぶやくと、イザークは艦長室へと足を運んだ。
シホ・ハーネンフーズは、医務室扉前で立ち往生していた。
船内の軍医は気を利かせて食堂へ行ってしまった…、医務室内は救助された2人のみ、しかもなにやら怪しい雰囲気…気にならない方がおかしい。
意を決して中に入る
35 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 05:28:18 ID:???
その4の2
ナスカ級ボルテール艦長室
「助けていただいて、感謝しています」
キョウスケは向かいに座る銀髪の青年に感謝を述べた。
「宇宙空間での遭難者を救助するのも我々ザフトの任務の一つだ。礼はいらん」
(ザフト?聞かん名だ……やはりエクセレンの話しは本当のようだな…)
少しばかり傲慢な青年の言葉にキョウスケは確信を得る。ここは『平行世界』という奴らしい。
「それより貴様等に聞きだい事がある。あのMSは何だ?、連合・ザフトどちらの技術でもないあの機体……貴様等は何者だ?」
((おいおい!!))
キョウスケとディアッカは心の内で同時に突っ込んだ
いきなり本題を突きつけてきた。この青年は会話の駆け引きには向いていない性格のようだ…前線指揮官に相応しい。
(ボスの若い頃ってこんな感じだったのかしらん?)
とエクセレンはイザークをこう評価した。当たらずとも遠からずである。
「話しても良いが、君達が信じるかどうかは解からんがな…」
出方をうかがう必要はないようだ。こちらも本腰を入れよう…
キョウスケとエクセレンは自分達は違う世界の住人であり自分達の世界で起きた戦争、異星からの侵略者、そして平行世界の特殊部隊の暗躍などを話した…
イザークやディアッカ、シホは黙ってそれを聞いていた……
「率直に言って、お前達の言っていることは信じられん……だが、お前達があれに乗っていたことは救助した俺自身が認めざるを得ない。」「嘘か真実かは機体に残った実戦データをみればいい…」
「ちょっと良いかい?」
銀髪の青年の後ろに控えていた褐色の肌の青年が手を上げる。
「アンタ達の世界に俺達みたいなのはいるのかい?」
「???確かに君達位の年の指揮官はいないわねぇ?」
エクセレンは首を傾げる質問自体が不思議なようだ…
ディアッカはその一言に衝撃を受ける、絶対に引っかかると思っていた…しかし彼らはコーディネーターという単語すら知らない!!
「おい、イザーク、どうやらオッサン達の話、嘘じゃなさそうだぜ…」
ディアッカはイザークに囁きつつ、彼らを格納庫に案内した…
「ところでシホ、何故顔が赤くなっている?」
「い、いえ…何でもありません…」
(い、いつか隊長とあんな風に……)
シホが医務室内で何を見たかはシホだけの秘密である。
36 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 05:31:51 ID:???
ダメだ……
まとまんない…
とりあえずまた明日…
半角でsageないきゃダメなんじゃないんですか、知らんけど…
[三等兵]さん、GJ!
最初はこんなもの。
漠然とした骨格があるか知らんけど、
無ければ時事ネタを参考にしてダラダラとつづけてもいいよ。
39 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 09:35:25 ID:???
様々なご指摘有難うございます。
やっぱり自分で書くのは難しい……
次はもうちょっと上手く書けるように頑張りマス
触発された。
俺もやる。
だけどこれしかおもいつかなかった゜.'.゜(つД`)ウワーン
ここは…どこ…ですの??
キョウスケ…
エクセ…レン……
「ん?」
アカデミー所属、シン・アスカは訓練の一環でMSの戦闘を行っていた。
その最中、レーダーが不思議なものを感知した。
「……なんだ、これ」
恐る恐る、レーダーが示すものに近づいていく。
「…!!!な…なんだ、これは…!」
彼が出会ったもの、それは…
コクピットと、鬼を模したようなショルダーだけしかない巨大な赤い機体だった。
「…救難信号、出したほうがいいよな…」
これが、消えたはずの少女と不幸な少年の小さすぎる出会い…そして、後に正史を大きくねじまげ波紋を広げる事になる出会いだった。
41 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 14:57:31 ID:???
小ネタを投下
前編
「阻止限界点までの残り500、メテオブレイカー、間に合いません!!!」
オペレーターが悲痛な叫びを上げる。ザフト中央指令室内の議員や軍人達はこぞって沈痛な表情をしている。
だが、議会席の中央に座る男、ギルバート・デュランダルの表情は落ち着いている、しかし彼は決断を迫られていた……
(失敗か……)
彼には切り札がある。しかし、その切り札は世界を敵に回すかもしれない代物である。
一年前に接触してきた『彼ら』は地球外からの侵略者の存在を彼に伝えた。
『彼ら』は侵略者に抗うための力を自分に見せた…
強大過ぎる力、たった一機で地球を滅ぼしかねない力を……
『彼ら』の一人は言った、
もしも地球の危機が迫った時は迷わず自分達を使って欲しい……と
デュランダルはゆっくりと立ち上がり、議会席を見渡し、声を上げた。
「全艦ユニウス7より後退せよ!!、議長権限だ!!」
議会は騒然となる……議長は気でも狂ったのか?、このままでは前大戦の二の舞だ、幹部達は異議を立てる。
デュランダルはそのまま議長席に直通回線に繋ぎ『彼ら』とコンタクトをとる。
「……私だ。少しばかり地球を救ってくれないかね………」
42 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 15:07:03 ID:???
よろしければ続きは夕方頃投下します。
あとオリジェネ世界では遺伝子強化って結構一般的みたい
ライとか設定状はもろコーディだし
ぶっちゃけた話、んな程度の低い次元で争ってる場合じゃなかっただけだが
クヴォレーも何気にコーディネーターだよな
ヤツは人造人間だろ
>>31 αのように争いに乗ぜられるんじゃない?
ビアン博士もSDFもいないわけだし、むしろ悪化しそう
うぉぅ、
>>40さんも三等兵さんもGJです!
スレ主としては嬉しい限りですよ、本当…。
ところで今執筆中なのですけど、
キョウスケがビルトラプター大破させた(させられた)あと、
昇進させられた上で放り出されてますよね。
少尉になる前の階級って何でしょう?
すみません、階級とかの知識が弱いもので…。
曹長。自衛隊基準なら準尉だけど
>>48 ありがとうございます…!
これで続きを書けますよー。
50 :
素人三等兵:2007/02/19(月) 23:29:55 ID:???
遅れて申し訳ありません
後編です。
どこかの会議室のモニターの前に男が立っている、
「ユニウス7、それはかつての農業用プラントであり、その大きさは約直径7キロ…通常攻撃での破壊は不可能だ。」
モニターに巨大なCGが表示される。巨大な岩の塊の上に都市や高速道路が乗っている。さながら天動説の図解のようだ。
男は続ける、
「現時点で、このユニウス7は地球に向けてのコースをとっている、直撃すれば地球は壊滅的打撃を受ける……ザフト軍が破砕作戦を行っているが、実行犯が妨害しているらしく状況は芳しくない。」
つまり、この事件は人為的なものということだ。男は一旦説明を止め、向かいに座る部下達を見渡す。皆真剣な顔付きである。
男は続ける
「今から約五分ほど前…プラント最高議長からの正式な依頼が入った、諸君の任務はこのプラント、ユニウス7の完全なる破壊である。現時点のタイムリミットでそれができるのは我々だけだ…」
男はそう言うと、モニターの画面が切り替わる。「現在、目標宙域は議長権限により退避がなされている、諸君等の巻き添えにするわけにはいかんからな…」
男は不敵な笑みを浮かべ、すぐに真剣な顔付きに戻る。
「我々に残された時間は少ない!!
迅速に対応し、目標を破壊せよ!!
お前達は俺が選んだ最高のチームだ……失敗は許されん!!」
男…イングラム・プリスケンは部下に命令を下す。
「行くぞ…SRXチーム出撃!!」
その日オーブの軍事施設の集中する島、
オノゴロ島の航空管制室はパニックに陥った。
何せ島に存在したさまざまな粒子技術に関わる、
あらゆる測定器という測定器が揃って狂った数値を叩き出すと同時に、
島から数百m離れた海上数十mの所にまるでブラックホールのような黒い染みが出来たのだ。
それを現実の光景と受け入れられず呆然とする管制員達を尻目に、
数十秒その染みは揺らぐと、衝撃と共に白い何かを吐き出すと消えた。
本来冷静な対応力を求められる管制室であるが、
場所が今までただの一度も侵攻された事などないオノゴロ島である。
飛行事故等へは対処出来ただろうが、流石にこのような以上事態となると
異星人の襲撃かザフトの新兵器かとパニックを起こすのみであった。
そこに、たまたま同じ物を目撃したトダカ一佐が状況を確かめようと管制室に駆け込んできた。
彼が管制員を叱咤しなければ、
あと10分は恐らく推測だけが暴走して何も出来ずに居ただろう。
「レーダーに反応は!」
「あ、ありません!」
「何かあの中から出て来たようだが、確認作業は!」
「現在軍の巡視船を3隻向かわせています!
しかし目標には何の動きもありません!」
「つまり、巡視船からの報告待ちか…」
空に出来た染みについての確認の内線への対応に慌しい管制室の中で、
トダカ一佐はただ待つ事しか出来なかった。
その頃、キョウスケは妙に遅い救助に首を傾げていた。
「もう来ていてもおかしくないはずだが…」
もしかすると、自分をハメたハンス・ヴィーバー中佐が
確実に事故死させる為にあえて救助部隊を遅延させているのもしれない。
そんな勘ぐりをし非常用キットに入っている信号弾でも打ち上げて
救助の催促をしようかとも思ったが、
いくらキョウスケといえども切り傷だらけな上にアバラまで折れていては
瓦礫に埋まったコクピットからそれを掘り出すのは不可能だった。
それから幾ばくか経ち、出血に意識が朦朧としてきた頃。
見慣れない船が数隻近づいてきたのが見えたが――
そこでキョウスケの意識は途絶えた。
「ここは、病院か」
次にキョウスケが意識を取り戻したのは、一目で病室と分かる所だった。
アバラからの痛みに耐えつつも枕元にあった水差しから水を飲んで一心地ついた所で、
自分はどれだけ昏睡していたのか、それを確認しようとナースコールを押す。
すると、何故か病室にやってきたのは見慣れない軍服を着た男達とスーツを着た優男だった。
「ご機嫌はいかがかな?キョウスケ・ナンブ曹長」
「は!痛みはありますが気分自体は悪くありません」
軍人達の階級章も見慣れない物で階級が分からないが態度から上官で、
軍人たちに囲まれたスーツの男は何らかのVIPだろうと推測したキョウスケは
ベットに横になりつつも敬礼を返す。
「あぁ、楽にしたまえ。痛むのならなおさらだよ」
「ありがとうございます」
「さて、君は今が何時だか知りたいんじゃないかな?」
「は、自分は何日ほど昏睡し――」
「今はC.E.70年5月10日だよ、軍曹?」
「コズミック…イラ?」
新西暦の極東基地では――
「転移シークエンス完了を確認。機体チェック開始…オールグリーン。
現在地の確認…極東、基地?」
シャドゥミラーの人造人間W16ことエキドナ・イーサッキは、
普段冷徹な彼女らしくもなく流石に焦った。
秘密裏に転移し軍の中枢に近づいて情報工作をするはずが、
転移先がいきなり軍事施設の目と鼻の先だったのである。
突然基地の目の前に所属不明、正体不明の機動兵器が出現したのだ。
恐らくすぐにでもスクランブルがかかり、PTかAMかADかさてはヴァルキュリアか。
兎に角機動兵器が出撃してくる事は間違いない。
「状況確認。現段階では即座撤退すべきと判断する」
素早く決断すると、シャドゥミラー特性のジャミングシステムを最大出力で稼動させ、
アシュセイバーの機動力を生かして戦線離脱を図る。
なんとか追っ手を振り切った頃には、転移した瞬間白い大型戦闘機を見た気がした事など忘れていた。
なんとか、書き上げました…。
三等兵さんの執筆速度を見習いたいものです。
…とか考えてたら、重なってしまいましたね。
すみません三頭兵さん。
書き直したら、なんか短くなってしまいましたねー…。
ところでおまけですけど、キョウスケはエキドナちゃんの転移に巻き込まれて、
おしくらまんじゅうのようにビルトラプターごと吹っ飛ばされてしまったようです(何
54 :
素人三等兵:2007/02/20(火) 00:29:06 ID:???
後編その2
ちなみに戦闘チームと青ワカメさんは別々の世界から来た設定です。
撤退命令が出た後もユニウス7の上では未だ激戦が続いていた……
「ぐうッ……」
ジンの蹴りに吹き飛ばされる。ザフト・ミネルバ隊隊員シン・アスカはユニウス7落下の実行犯達が駆るジンHMに包囲されつつあった……。
メテオブレイカーの設置を一つでも多く完了するために、あえて命令を無視してまで一人で残っていた……いや、
「シンッ!!、大丈夫か!?」
逃げ遅れたのか、背中越しにザクが一機、シンはその声を持ち主を知っていた……
「アレックスさん!?何でアンタがこんな所に!?」
彼はアスハのボディーガードのはずである……彼もてっきり撤退したものだと考えていた。
「お前こそ…さっさと撤退しろ!!」
「それが出来たら、もうミネルバに着いてます!!」
周囲のHMを警戒しつつ、シンは乱暴に吐き捨てる
テロリスト達は自分達に止めをさそうとしないが、包囲を解くことはなかった……おそらく、なぶり殺しにでもするつもりなのだろう。
「貴様達の無力さを噛み締めながら、絶望のうちに逝くがいい……、パトリック・ザラが示した道こそ、唯一無二ッ!!正しき道なのだァ!!」
テロリストのリーダーらしき男の声が全周波通信で伝わる、この男の発言にシンは怒りを、アレックスは不快感を露わにする…
「何言ってんだよ!!アンタ達は、地球の人達がアンタに何をしたって言うんだ!?」
シンは怒りをぶつける、だがテロリストは聞く耳を持たない、
「「ナチュラル共に死の鉄槌をォ!!」」
周りのジンのパイロット達も賛同するように声を上げる。
「……シン、俺が囮になる。その隙にお前は脱出しろ」
突如、アレックスはシンに語りかける……
「このままじゃ大気圏に燃え尽きるか、奴らと戦ってて死ぬかしかない、お前のインパルスなら、奴等を振り切れるだろ?」
エネルギーも残り少なく機体の各所にダメージを負っているアレックス機は、もう逃げられないだろう。彼の言うことは正論だった……
しかしシンは認められなかった
「イヤだ……アンタにここまで借りを作ったままだと、絶対返せなくなるこれ以上借りを作りたくないからな!!」
「……シン……」
もうユニウス落下を防ぐ事は無理だろう…ならばいっそ、奴らに最後まで抗おう…
55 :
素人三等兵:2007/02/20(火) 01:17:23 ID:???
後編その4
ザフト軍艦ミネルバ艦長タリア・グラディスは突然の全艦撤退命令に不満を持っていた……
(このままユニウス落下を防ぐ事が出来なければ地球は……)
しかし、彼女も軍人である、命令には従わなければならない、
しかし、彼の部下の一人であるシンと、傍らに座るアスハ代表のボディーガードであるアレックスが、敵の包囲を受け、撤退出来ずにいた……
いっそこのまま、命令を放棄して、救助に向かうか……
彼女か副官であるアーサーに命令しようとした時、
「所属不明機四機、ユニウス7に高速接近中!!」
突如として管制官、メイリン・ホークが声を上げる…
ミネルバの傍らを通り過ぎてゆく4つの機影は、ザフト・連合のMSとはかけ離れた姿だった。
ユニウス7
シンとアレックスは抵抗を続けていた。 しかし相手は歴戦のパイロット、しかも数の上では圧倒的有利な状況に、彼らは次第に追いつめられていく……
「くそっ!!ここまでか……せめてアイツだけでも……」
シンを逃がすため、武器のなくなったザクはインパルスを斬りつけようとしたジンにしがみつく
最後の手段に移る、自爆コードを、シートの下にあるテンキーに入力使用とした瞬間、
何かに上から攻撃され周りジンが爆発した
「待たせたな!!、騎兵隊の到着だぜ!!」
通信と共に、ユニウスの上方から四機のMSらしき機体がやってくる……それぞれ特徴的な外観を持っているが、どこか統一性を持ったデザインをしている。
「すまない、遅くなった……」
蒼い砲を背負った機体から通信を受ける。
「アンタ達は……」
突然のことにシンは何がなんだかわからない。
「ここから先は俺達に任せて、あんたらは後退してくれ!!」
もう一方の白い機体からも、通信を受ける
自分達は助かったのか……いや、それよりも彼らは何者なのか?、アレックスの頭は混乱しつつも素直に撤退を始める
「シン、俺達に出来ることはもうない、大気圏に引かれ始めているし、ここは撤退しよう…」
シンは納得できなかった……彼等に問い掛ける
「なんとかできるのか?…ユニウス7を……」
指揮官機らしき機体が答える、
「そのためのチームだ…舐めてもらっては困る」
男は不敵に答えると、さっさと撤退しろと退避を促した。
56 :
素人三等兵:2007/02/20(火) 02:04:14 ID:???
後半その4
ユニウス7には未だ多数の敵機が残っていたが、彼らにはさしたる脅威には感じられないようだ
二機の退避が完了した後、イングラムは部下の機体、Rマシン各機に指示を出す。
「残存敵機を戦滅後、目標ポイントにてHTBシーケンスを開始、目標を破壊する。リュウセイ、パターンOOCの解除を承認する。お前のタイミングに任せる」
「了解!!、ライ、アヤ、2人共、準備はいいな?」
白い機体、R1のパイロット、リュウセイ・ダテは僚機のR2、R3のパイロットに確認する
「問題ない」
「こちらOKよ」
「作戦は迅速に行え、あまり時間は無いぞ」
「「「了解!!」」」
四機はフォーメーションを組みつつジンに襲いかかった。
格闘戦型のR1が牽制し、重装備のR2が一撃、バランス型の指揮官機R‐GUNが撃ちもらした敵機にトドメを、そして管制機でもあるR3が索敵を行いつつ、支援する。強力なフォーメーションに次々と破壊されていくジン…
テロリストのリーダーであるサトーは自分の目が信じられなかった……
先程まで、順調だった作戦がたった4機の機動兵器に壊滅されていく、
「かくなる上は……」
彼は切り札を出した、 本来は脱出時に敵艦隊を突破するために確保していた機体、『ミーティア』を………
残存敵機をほぼ駆逐し、指定ポイントまで残り少しという時に、ソレは現れた……巨大なブースターに乗ったMS……とでも言えばいいのか、その機体は彼等を圧倒するスピードで、彼等を迎え撃つ!!
おびただしいミサイルとビームに晒され、身動きがとれない、
リュウセイは仲間達に通信を送る……
「いくぜ!!『合体』だ!!」
Rマシン各パーツが分離し、脚部、胴体、胸部に変形し、巨大な人を形作ってゆき、R1のシールドがゴーグル状の頭部となり、完成する……
彼等の世界で、無敵を誇ったスーパーロボット・『SRX』の完成である!!!。
GJ!
SRXキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!!!
58 :
素人三等兵:2007/02/20(火) 03:02:19 ID:???
その5
断然小ネタじゃなくなってゆく……
「……………」
シンは未だに自分の見たものを、信じられずにいた。
目の前で、『三体のMSが合体し巨大なMSとなる』なんて、現実にソレを見なければ、世他話である…
その巨人は前大戦で猛威を振るった『ミーティア』の攻撃を、全く受つけず、指に搭載されたビーム砲でミサイルを撃ち落としていった……
その圧倒的な力を垣間見たシンは羨望と嫉妬を抱き始めていた……
「くそっ、ちょこまかと動き回りやがって、」
SRXのメインパイロットであるリュウセイは、悔しそうに呻く、
「リュウセイ、あまりに相手にしていては、時間が無くなるぞ」
エンジン出力担当のライディースが諫める、
「そうよ、ぐずぐずしてると、取り返しのつかないことになるわ…」
管制担当のアヤも同意する。
「わかってるよ!!」
観念した様子で、敵機を牽制しつつ、イングラムとの合流ポイントに急ぐ。
目標ポイントに到着し、イングラムとの合流に成功したSRXは、ユニウスの破壊を開始した。
「教官、『一撃必殺砲』を使わせてくれ!!」
リュウセイが許可を求める。
イングラムはSRXチームの母艦の専用管制室にいる『2人』に指示を出す
「いいだろう。マイ、アヤとの『コンタクト』の用意を…」
「了解」
SRXチームのオペレーターであり、アヤの妹でもあるマイが答える。
SRXの最大の特徴である念動力を応用した兵器は、2人の精神リンクにより、その威力を飛躍的に増大することができるのだ。
「各員、HTBシーケンス!!」
同じく母艦の管制室にいるヴィレッタ・バディムの号令により、ハイパー・トロニウム・バスター、通称『一撃必殺砲』の発射フェイズが開始する
「了解!!、シーケンス開始します。マイ、行くわよ!?」
「わかった、アヤ」
「トロニウムエンジン、オーバードライブ!!」
「R-GUN、『メタルジェノサイダー』モード起動」
「トリガーを預けるわよ、リュウ!!」
R1のコクピットの真ん中にトリガーがせりでてくる。
照準を点ける直前、ユニウス7の前にサトーが立ちはだかる。
「なぜわからんのだ!?、何故立ちふさがるのだ!?我らコーディネーターが受けた痛みを奴らに与えぬのだ!!!」
ミーティアの前腕部についた砲塔を巨大なビームサーベルとして突撃する。
59 :
素人三等兵:2007/02/20(火) 03:52:46 ID:???
その6
やっとラストorz
「うぉぉぉぉォォォ!!!!!」
凄まじい気迫とともに、ブースターを全開にして巨人目掛けて突き進んでゆく……
リュウセイは、その気迫を弾き返すが如く、声を荒げる。
「ヒトを守るためにだッ!!!!一撃必殺ッ!!!バスタァァァキャノンッッッ!!喰らいやがれえぇぇぇぇッッッ!!!」
SRXの構えだ巨大に銃から放たれた光はサトーとともにユニウス7を貫きつつ、内部に存在したメテオブレイカーを誘爆させていった………
「こんなモノを議長はいったいどこから……それにあの威力」
機械工学を学んだ身として、今の世界の技術力は知っているはずだが、あんな機体は有り得ないとしか言いようがない。
その力を間近で見たアレックスは恐怖を抑えきれなかった。
「とりあえず、作戦終了だ。 ご苦労だった。」
イングラムが状況終了を宣言する。
完全に破壊されたユニウス7の大部分は、地球の大気圏で燃え尽きるだろう。
しかし、リュウセイの胸の内は晴れない……
「なぁみんな?、何でこの世界はこんなに対立してんだ……たかが遺伝子をいじくった程度で……?」
「わからんな……人間が宇宙に進出するためには、多かれ少なかれ、調整を受けるものだがな…」
と、自身も遺伝子調整を受けたライが答える。
「とりあえず、エアロゲイダーよりも先にこっちをなんとかしないとね……」
「そういった疑問は帰還してからにしろ、先ずは母艦に帰ることだ……」
イングラムが会話を締め撤収を開始する。
と、彼等に通信が入る。どうやら先程の2人の片割れらしい。
「さっきはお礼を言い忘れてたんで……助けて頂いてありがとうございます。」
少年、シン・アスカは憮然と、しながらも、感謝を述べた。
「別に感謝されるためにやった訳じゃないから、そんなにイヤな顔をしないの」
アヤが答える。
「…あの…みんなの名前、教えてくれませんか?
なんか、命の恩人達の名前くらいは知りたいし……」
アヤの返答に顔を赤くしながら、シンは訪ねる。
「アヤ・コバヤシよ」
「ライディース・V・ブランシュタイン」
「………イングラム・プリスキンだ………」
「俺の名前はリュウセイ、リュウセイ・ダテだ。お前は?」
「俺はシン、シン・アスカだ」
「そうか…じゃあな、シン!!、地球がピンチの時は直ぐにいくからな!!」
この時は彼等との再開が直ぐに来るとは、少年は考えもしなかった……
[三等兵]さん乙です。GJ!
続きをやってみた。
プロローグ。
出現
とある日の休日。
シン・アスカはアカデミーの自室にいた。同室のレイは出かけている。
「………」
目をつむっていても、開けていても、気になるのはあの時の機体。
軍が回収したらしいが、自分には黙っておけと言われた以外何も情報が入ってこない。
「…ああ〜もうっ!」考えを振り払うように首を振り、シンはベッドにダイブした。そしてそのままピンクの携帯をいじりだす。
「…………はぁ」
異変は、その時に起きた。
「……!!」
何かの異変を感じとり、シンは後ろを向いた。
「………?光…?」
その視線の先で、光の粒子が集まって人型をとっていく。
「何が……って、おおおお女の子!?」
最終的に光は蒼い髪の少女の容となった。
少女は意識がないのかシンの方に倒れこんでくる。
「だだだ大丈夫か!?」
慌てて抱きとめるシン。だが、目をつむっている少女はポツリと呟いた。
「……キョウスケ………」
一撃必殺砲キタwwwでもR3は姉妹の二人乗りでSRXチームは5人?
63 :
素人三等兵:2007/02/20(火) 11:29:28 ID:???
無理やりSRXチーム全員で、一撃必殺砲撃たせてみたかっただけだったりする
やってみたかったんだよ……orz
気にするな、俺は続き以外気にしない
65 :
名無し三等兵:2007/02/20(火) 22:11:06 ID:???
そろそろ本筋に戻ります。
宇宙コロニ―『アーモリー・ワン』基地エリア
「トライアル2、状況開始まであと3分、最終確認をお願いします。」
年若い女性オペレーターの声に従い、キョウスケは機体の最終チェックを行う。
あれから1年、キョウスケとエクセレンはザフトに入隊した…
自分達はパイロットが天職だと感じているし、他の仕事に就く気も無かった…
幸いにイザークは『戦争を終結に導いた英雄』らしい。
彼の口利きもあり、彼等は比較的楽に入隊できたといえる。
元の世界で文字通りエースだった彼等は、その経験を生かし、直ぐに頭角を表すことになる。起動兵器の操縦に長けた彼等は直ぐにテストパイロット部隊にされる事となった。
この時代の起動兵器、モビルスーツは、彼等の世界の起動兵器パーソナルトルーパーと違い、EOTを使われずに制作されているため、性能は劣っている。
加えて、モーションデータを司るOSも、数段遅れていると言わざるをえない状態だった。
そのため配属後、2人は先ず、モーションデータの構築とOSの作成、加えてより実践的な戦闘マニュアルの作成を手掛ける事となった。
現在は、OSとマニュアルの作成はほぼ完了し、モーションパターンの作成に取り組んでいた。
今回の任務は、近距離格闘戦型新型機『グフ』シリーズの戦闘データの収集である。
キョウスケの機体は、高機動仕様『イグナイテッド』、対する機体は『クラッシャー』、対MS用に作成された、『グフ』である。
「状況開始、戦闘を開始して下さい。」
オペレーターの声を聞くや否や、キョウスケは背面に搭載された翼状のスラスターを全開にし、真紅の機体に突撃する…
対する『クラッシャー』は高周波鞭の先端についたモーニングスターを振るう。
『イグナイテッド』は左手のビームガンを連射しつつシールドからビームソードを引き出す……
『クラッシャー』はモーニングスターのハンマー部を切り離し、小回りの効く鞭にして、中距離戦でケリをつけようと、槍の如く突き出す……
キョウスケはそれを右腕に装着しシールドで受け流しつつ、そのまま相手の左腕に叩きつける!!
『クラッシャー』のがのけぞり、左腕が吹き飛ぶが、『イグナイテッド』の右腕も使い物にならなくなる……が、青い巨人はそのまま体当たりをかまし、転倒させる……
そのままビームソードを相手のコクピットに突き刺した所で暗転する…
66 :
名無し三等兵:2007/02/20(火) 23:10:42 ID:???
「状況終了、パイロットはシュミレータールームから退室して下さい。」
(今回は俺の勝ちか……)
キョウスケはシュミレーターを降り、反対側のシュミレーターから降りてくるアンリ・ユージェニーを見つけた……
「くそ!!、あそこで『左腕』をやられちまうとはな……」
彼はこの『クラッシャー』に絶大な信頼を寄せている……
「あの左腕にかなりやられているからな…
あれを封じないと正直キツイ」
この前の模擬戦でも、あの『左腕』に散々鳴かされた……あれの対策を考える為に一昨日から徹夜で考えたのだ、
「まぁ、おかげでコンペでは、最大の成果を出せそうだ……感謝してるぜ」
アンリは嬉しそうに笑う。
「あいつ等はコスト面やウィザードシステムで、ザクに劣るが、基本性能はザクを上回っている……大恥を書くことはなさそうだな。」
キョウスケは皮肉で返す。
「当たり前だっ!!『クラッシャー』は対MS戦では無敵だ!!、『左腕』さえあれば、例えG兵器にも負けはしない!!」
G兵器……連合が、後にザフトも開発した他のMSとは段違いの性能を持つワンオフの試作機の総称である。
「三週間後の新型艦の進宙式に同時に最新機種が御披露目という噂だが……」
「そんなことより……来てるぜ、彼女」
扉の前で、見慣れた長身の女性が手を振っている……
「エクセレンか……」
「相変わらず素っ気ないな……じゃ、お先」
アンリはそう言うと、シュミレータールームを後にした。
「はぁいキョウスケ、元気ぃ?」
「……そっちの方の新型はどうだ…」
彼女の問い掛けを無視し、訪ねる
…元気か否かは朝起きた時から、とうに知っているからだ…
「こっち?、ぜ〜んぜん、あの機体、地上用の砲撃戦機体よ?
空中戦はダメダメ!!
確かに地上用としての機能はすんごいし、武装はナイスだけど、機体の方はあたしの好みには、合わないわね……」
エクセレンは、不平を漏らす。
彼女の得意とする空中戦の不得意な機体では無理もない。
「そうか……」
これまた素っ気なく返事をする。
「何よ?、あたしがこんなに不機嫌なのにダーリンはねぎらいの言葉もないの!?」
お姫様はとっても御不満なようだ……ご機嫌を直してもらうべく、キョウスケの頭の中では様々なプランが飛び交っていた。
67 :
名無し三等兵:2007/02/21(水) 00:30:19 ID:???
そろそろ題名つけようかね
……何がいいかな?
アーモリー・ワン工場エリア郊外
何の変哲もない工場街の一角にある倉庫……
専用パス、ガードマン、生体認証を抜けた先にあるのは、2体の機動兵器の成れの果てである。
キョウスケとエクセレンが初めてここ、「アーモリー・ワン秘密工匠エリア」に入ったのは、目の前にいる男、ギルバート・デュランダルと初めて対面した時である。
あの時、彼はまだ、唯の一議員であり、正直ここまで出世するとは思っていなかった。
イザークの紹介で、彼にあった時、彼は真っ先に言った。
「君たちの存在が私の、そして人類の明日につながる!!」と……
彼は2人をここへ連れて行き、彼らに因縁のある、『ある物』を見せた
白い虫のような外観…
顎のような物に隠された二つ目、
損傷は激しく、機能は停止している様だが、その姿は記憶の中と変わらない……
「「バグス…」」
2人は同時にその名を呟いた。
デュランダルは満足げに頷き、説明を始めた…
「今から五十年以上前、ファーストコーディネーター、ジョージ・グレンは、木星圏を探査中、異星文明の存在を示す二つ物体を発見した……
一つは『エヴィデンス01』、羽クジラと呼ばれている生物の化石、もう一つは……」
彼は白い機械虫を指差し……
「コレだよ……『02』と呼ばれている。」
静かに、だが力強く言った。
「ジョージ・グレンは、確認しただけでと同型のモノがには数千は下らない、と報告している」
「何故、彼はこれを公表しなかったのですか?」
キョウスケはデュランダルに訪ねる。
「したかったが、出来なかったのだよ。
そんなモノが一斉に襲いかかってきても、地球にはまだ対抗する術はなかった……」
「つまり、教えてもどうすることも出来ないから、知らせない方が良いってこと?」
「全くその通りだ。
だが、彼は諦め切れなかった……対抗する術を模索するために自らを遺伝子操作した人間だと明かし、研究の為にこのプラントを作り始めた……
だが、彼は志半ばに凶弾に倒れ、残されたコーディネーター達は迷走して今日に至るわけだ……」
デュランダルは続ける
「私は友人と、彼の手記を偶然発見し、この事実を知った……
私は彼の意志を引き継ぎ、地球を彼らの手から守るために、研究を続けてきた……」
68 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 06:03:28 ID:Hgr2vFBd
オーブでは
キララクとクスハとブリッドはマルキオの家に暮らしている。
仮にもブリックスだって能力者なんだからゴキラクソの溢れる怪しさと欲望に気付くだろ
まあサルファでは普通に共闘してたから会っていきなりという事はないだろうが、流石に途中でコイツらヤベえって気付くよな
意図してかどうか知らんがラクスが喋ると誰もが放置する。いじめを感じずにはいられなかったが仕方ないか・・・
ついでにキラが自由持ってきたときに自由のエンジンに触ったら許さんみたいな事言っててアホかと思った
ゲッター炉とか縮退炉とか触ったら怒りましょうよ
サルファは種より別の作品に枠使って欲しかった
ニルファでフラグたってたしグレンダイザーはまず確実に出ると思ってたのに……
アストナージが普通に整備してるしマードックも手伝ってる。ジェガンの核融合エンジンもたまに調子見たりしてるんだろうか
S2機関とかトロニウムエンジンなんてのもあったな
きっとサルファの核分裂エンジンは凄いものだったと思うようにして納得するしかない
NJCがラムーやらゲッター線のようにザフトにだけ対して脅威でした
程度のもの
南極条約意味ねえほど無茶があふれてるせいで、ガトーのGP02強奪が
薄く見えた効果と同じ
そうなのか・・・
まああのトンでも世界じゃしょうがないよな・・・
種厨ってわけじゃないけど次回スパロボで種出る時はUCと絡まない方がいいんだろうな
JでもWでもそうだし
独立愚連隊であると他と馴染みがいい
上下とかしがらみがあると馴染むためにオリ展開が要る
戦闘はするが、それが目的で無いと浮く
ビッグオーとかGとか
まあGは師匠とかが持っていくから
もう言い出したらヤボ
それは馴染むというより染めてしまう
キラの性格は本当に何とかならんか・
種では
最初に仲間と一緒に居る時は本当におっとりしてそうで優しそうだけど実はすごい椰子
フレイとくっついてる時は何か攻撃的
カガリと一緒の時は少し熱血
ラクスと一緒になってからは・・・
スパロボ補正で何とかしてくれよ。師匠やドモンあたりと一緒なら良い影響は出ないだろうか
スパロボ補正は馴染ませて
影響を与え合うというIFをサービス的に入れるものだから
改変とはまた違う
トッドとかシャピロとか最初からイイヤツで出てきたりしないだろ
>>71 放置じゃなく言ってることがキチガイ電波で意味不明なだけ
ラクソはコミュニケーション種世界以外ではすら取れないんだよ
種死で何か電波の後付けがあれば
スパロボ陣営にも馴染むかなあとおもったけどねえ
もう出る限り放置プレイだろ
82 :
素人三等兵:2007/02/21(水) 11:14:35 ID:???
携帯の電源が切れたため
、昨夜の投下が中途半端な所で止まってしまいました……orz
後、「素人」が「名無し」になってる……キズケヨ
種死がスパロボに参戦した日が次に新シャアでラクシズ厨とアンチラクシズの戦いが再び激化する日だな。
ぶっちゃけ種死が出るとゲーム自体の話が破綻しかねないから参戦すらして欲しくないが
万が一参戦するなら、ラクシズと戦うかはプレイヤーに選択させるのがせめてもの配慮だとは思う。
HP10万のストフリ閣下やエターナルと戦えると思うとゾクゾクするぜ!
こっち側はレジェンドとか運命(微妙かもしれんが…)使えるとかだと楽しみだ
その後ギルバートも何だかんだで退場しそうだけどな
上等だ、せっかくなら最高のコーディネーターらしくHPも30万くらいあってかまわん。
こちらには真ゲッターや魔神皇帝、超電磁コンビやらダイターン3、
場合によっちゃガンバスターやジェネシックガガガもいるだろうしな。
いくらなんでも撃墜しても死亡扱いはないだろうけど万丈あたりに諭されて…っていうか力に訴える前に説得するよな
どちらにしてもキラ達かギルバートのどっちがか完全悪役にしないと種死は出ても絡ませられないよ。
なんて扱いが難しいんだ。空気参戦で仲良くやってもらってもいいけど
今日のアニメは話も絵も凄まじいクオリティだった…まじ見習え種死の無能スタッフども
今日は職人さん来て欲しいなあ
今考えてる設定がまとまったら投下しても良いですかね?
オッケー!
アスカ一家がロム兄さん御一行に救出される、
ロム兄さんに憧れたシンが天空宙心拳を習って自由に運命両断剣ツインブレードを叩き込んで達磨にする姿を幻視した
グッドサンダーチームの影響を受けたミネルバトリオが見たいぜ
眼下に海岸を臨む夜の林の中を、俺は突っ切っていた。
理由は判るが、原因は分からない……
『この世界』に迷い込んだ俺が、彼等に助けられて数日、
部屋で休んでいた俺に隻眼の男、アンドリューが入ってきて
「話している時間はない。死にたくなければ逃げろ!!」
と言って服を投げて寄越した後、部屋を出ていった。
何だかヤバい雰囲気を感じた俺は急いで服を着て慎重に窓の外を覗き込んだ……
怪しい黒尽くめの男達が屋敷を取り囲んでいる。
男達の統率された動きや、肩にぶら下げているモノから、どうやら友好的な訪問者では無さそうだった。
「目的は俺ってわけじゃ無さそうだ……」
そう言いつつ、頭の中でこの屋敷の住人を確認してみる。
さっきの男と、彼と同年代の女性が一人、女性とその息子。そして少女と子ども達……
どう考えても男達のターゲットになりそうな奴はいない。
「あるいは俺の知らない『何か』が、この屋敷にあるのか……」
そう俺が呟いた時、窓の外、林の向こう側の海岸に巨大な影が動き出していた。
彼等の世界の機動兵器、MSとか言う兵器だ……俺は背中にイヤな汗が出るのを感じた。
この屋敷は元々政府の要人用の物を買い取った物らしい。
そのため、臨時シェルターや、そこに避難するための、非常用エレベーターがあるという。
「今は僕達の家だからね……色々と『不要な物』をしまっているのさ。」
と、アンドリューがコーヒーの自慢話と共に喋っていた事を、思い出した。
恐らく彼等はシェルターに逃げこむだろう。しかし、もし男達がその存在を知っていたら?
もし、男達が彼等を其処に行かせるように誘導しているとしたら?
考えに行き着いた瞬間、俺は窓を破って二階の部屋から飛び出した!!
男達が予想外の状況に戸惑い、上官らしき男に指示を仰いでいる。
俺はそれを後目に目的地を目指す……
彼等にはこの島に突然降って湧いた俺を助けてくれた恩があった。
「それに、ガキと女性のピンチを黙ってみているほど、俺はチキンじゃないぜ!!」
一人叫ぶと、腕に巻いた時計型の小型端末で、『アレ』の心臓に火を入れる……
彼等を黙って殺させる訳にも行かない。
端末で偽装を解き、コクピットに乗り込み、計器をチェック
……問題なし、戦闘行動可能!!
征くぜ、『グルンガスト』!!」
94 :
>>93:2007/02/25(日) 17:43:17 ID:???
後編はまた後ほど、
OK、期待してるぞ!
ところで、種世界の量産型とOG世界の量産型ってどっちが質がいいんだ?
ワンオフな機体はNGな方向で。
それはOGじゃないかな。
種は量産機はほぼ蚊トンボだし。
デザイン的には好きなんだけどね。ウィンダムとか。
核融合ジェネレーターとか普通に使われてる世界だからなぁ。
OGの量産機はかなり高性能でしょう。ゲシュペンストとかリオンとか。
元々数で絶対的に負けてるから、質をギリギリまで上げないとやってけないし。
99 :
93:2007/02/25(日) 23:58:47 ID:???
>>93 ザフト軍特殊部隊隊長ヨップは
作戦が八割方成功していても、決して安心しなかった……
彼の目的は『彼女』とその仲間の抹殺。
「全ては俺達兵士の為……
俺達が俺達であり続ける為に!!」
そう……ヨップは決して慢心しない男だった。
シェルターひとつ崩壊させるために、最新鋭隠密工作戦用MS『アッシュ』を12機持ち出したのだ。
これだけの数をこの目的のため、極秘裏に持ち出したのだ。
しかし、自分達の『大佐』は自分達兵士のために命を賭けて、
自分達の世界を作り出そうとしている……
三年前に道標を失ったヨップにとって彼は現在のプラント議長よりも、仕えるに値する男だった。
と、彼の部下達から通信が入り、作戦状況を報告する。
「αチームより、『中尉』へ、『歌姫』と『騎士』達は、籠城を開始した!!
繰り返す!!……『歌姫』と『騎士』達は籠城を開始した!!」
「『中尉』よりαチーム、よくやった。
『中尉』より全チームへ、『歌姫』達は城門を閉じた……直ちに帰投せよ。
『投石機』は全火力を持って城塞を破壊せよ!!」
階級の無い筈の組織、ザフトの『中尉』は『投石機』……MSに命令を下す。
海岸の崖の下に12機の『アッシュ』が、岩に偽装したシェルターに向けて、全砲門を放とうとしたその時……一番端の機体が突如として爆砕した。
「ジマーがやられた!!
何だ!!、あのMAは!?」
崖の内陸側から、巨大な戦闘機の様なフォルムの青いMAが飛び出してきた!!
「デニス、ヤナギモトは奴を撃ち落とせ!!
残りはシェルターの破壊を開始せよ!!」
MS部隊の指揮官は突然の乱入者に驚きつつ、部下に命令する。
「オラァ!!落ちやがれ!!」
二機のアッシュがビーム砲を、MAに向け乱射するが
青い機体はその巨体に似合わない運動性で、ひらひらと避けつつミサイルを発射してきた……
「くそっ!!何なんだあのMAは!!、『伍長』、『中尉』連絡……」
ビーム砲を乱射していた機体の片方が、炎に包まれ爆発した。
「ヤナギモトがやられた!!、全機、シェルターの破壊は中止!!
まずはコイツを落とす!!」
残り10機のアッシュ隊はミサイルを一斉にに発射する……
さすがの青い機体も数には勝てず、次々にミサイルが当たり、黒煙に包まれ、海に落下する……
100 :
93:2007/02/26(月) 00:00:17 ID:???
もう少し続きますが、
投下まで暫くお待ちください。
101 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/26(月) 00:54:28 ID:ZQ5r+R0s
>>99 「ヒュー!!、やったぜ!!
これであのヒコーキ野郎も……」
パイロットが言い終わる前に機体は黒煙から飛び出した巨大な質量に貫かれ、胴体が消滅した……
「まだ生きてるぞ!!
攻撃を続行、続行だ!!撃て撃て!!」
九機の『アッシュ』は、未だ黒煙の晴れないそこに向けて、全火力をばらまいた。
しかし、黒煙の中の『何か』は熱線を放ち、そこにいた5機の『アッシュ』を消滅させた……
黒煙が晴れ、中から機体が現れる……
全長40メートル程の文字通りの『巨体』
鋭角と曲線の混ざり合った、ヒーロー然としたフォルム……
青と金の美しい機体色……頭部には人を模した顔……
どれも「この世界」に存在する機体のデザインとはかけ離れているその機体は『超闘士・グルンガスト』という名だった……
残った『アッシュ』の指揮官はふと、彼等の同志達の噂を思い出した。
曰わく、自分達の活動を妨害をする者達が存在する事、
そして彼等は自分達の技術を上回る装備と機動兵器を所持して、水面下で動く自分達『影』を狩っている……
「そうか……貴様もまた、『大佐』と同じ……だが!!我々は負けん!!」
指揮官『伍長』は一人納得すると、部下と共に巨人に背を向け、シェルターに向けて加速した!!
奴に勝つことが勝利ではない。そして、生き残るだけでも勝利ではない……
かくなる上は、この身をシェルターにぶつけるのみ!!
「貴様の武装は把握した!!
この射線軸ではその絶大な威力の武装も撃てまい?」
「そうでも無いぜ?」
勝ち誇った声の『伍長』は、初めて敵のパイロットの声を聞いた……
まだ年若い男の声だ。
シェルターまであと500、『巨人』両腕の拳が器用にカーブを描きながら飛び、二機が爆発!!
あと300、次いでもう一機!!
あと100、突如、青い『巨人』が変形……いや、変化し先ほどの戦闘機になり、飛び上がりながら元の人型に戻り、どこかから剣を取り出す。
残り50、ここでは爆風がシェルターに届かない……
「おのれぇぇぇ……
男の呪いの言葉が終わる前に、彼の『アッシュ』は、真っ二つになり、爆発した。
最後の爆発から『投石機』からの連絡はない……
ヨップはすぐさま、部下達を脱出させると、一人残り、
拳銃をホルスターから抜き、こめかみに向け、引き金を引いた………
雷のような音……
102 :
93:2007/02/26(月) 01:02:02 ID:???
>>93 >>99 >>101 どうも、「グルンガストVSアッシュ部隊」を投下させていただきました。
SEED世界の彼等にとって、OG世界のスーパーロボットって文字通り『化け物』だなぁ…
と考えて、書きました。
一応続きは考えているんで、反響があればダラダラと投下させていただきます。
103 :
93:2007/02/26(月) 01:04:13 ID:???
ちなみに最後の所はネタです。
夜のテンションで書いたため、あまり気にしないでください。
[93]さん乙です。
自由が飛び出す間もなく解決!GJ!
GJ!
リアル系の機体ならまだしも、スーパー系は化物でしょうね。
やっぱラクシズが変な事言ってくるんだろうな
106 :
93:2007/02/26(月) 14:24:54 ID:???
インターミッション……
「『中尉』の作戦は失敗したみたいですね?」
「だが、『歌姫』達に揺さぶりを掛けることはできた……
結果としては、作戦は成功と言える。」
薄暗い部屋に男が二人、片方はまだ年若く、もう片方は車椅子に乗っていた……
「ふふふっ、やはり指揮官として、部下の無駄死にはお嫌いですか?」
「事実を言ったまでだ……
それより、貴様の方はどうだ?我々が貴様に与えたデータの解析は進んでいるのか?」
男は青年のからかいに応じずに、答えを待つ。
「概ね良好♪♪
もともと『工場』の中はボクと彼女達がほとんど握ってるし、
そのサハク達は『上』で好き勝手やってるみたいだからね……
こっちもこっちで好き勝手できるのさ。」
「……随分と嬉しそうだな?」
上機嫌で答える青年に対し男は終始無表情だ。
「そりゃあそうさ、君達がくれたたデータで、『工場』の技術は益々発展するし、ボクの発言力もあがる。
あなた方は『工場』で作られたより高性能な兵器が優先的に使える。
双方共に良いこと尽くめだ!!」
「そのために我々が貴様にこの技術を与えのだ……くれぐれも……」
「分かってる。出どころは言わないし、言うつもりもないよ。
これはビジネス!!
双方の信頼が大切なのは僕も知っているよ」
青年はそう言うと、男は何も言わなかった。
「さて、そろそろ行くよ、議会の開始が近い……お姫様の相手をしなくては……
最近はなかなか賢くなったからね、楽しくてしょうがない。」
男が何も言わないのを肯定と判断して、青年は、回れ右をしてドアまで歩く。
「……『オーブ』は他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、ならば外でやってもらうまでた。
もちろん、『奴ら』じゃなく、『僕達』製品でね」
青年はそう呟くとドアを開け部屋を出た。
一人残された車椅子の男は、青年を黙って見たまま後に続き、外に出た……
んー。
デストロイは彼等から見れば立派な特機じゃないかな、と思ったり。
というかスパロボオリキャラ限定だな
スーパー系とかやったら駄目なのか?
旧ゲッターとか無理か
>>107 トンデモ変形したり、謎エネルギーで動いたり、普通の攻撃じゃ傷一つつかない装甲……
全部当てはまるな……
トンデモ変形→せめてゲッターくらいは超変形してくれないと、、、
謎エネルギー→せめて電力じゃなくて超電磁とかゲッター線とか光子力とかトロニウムとかで動いてもらわないと、、、
普通の攻撃→核パワーでの高出力ビームや謎重力攻撃をビームバリアじゃなくて素の装甲で防いでもらわないと、、、
グルンガストも種世界から見れば十分超変形だと思う
戦車・飛行機(MA)・人型だもんな
ところで93氏の書いてる奴のパイロットってイルムだよね?
112 :
93:2007/02/28(水) 11:50:29 ID:???
>>111 YES
あのSSでは、あえて敵側の視点で、グルンガストの化け物加減を出してみたかった。
ただそれだけです……スマソorz
グルンガストシリーズは零式と参式が一番化物だろ?
参式というと、指パッチンで真っ二つにされたアレですか?
ええ、後に竜虎王の素材になったアレです
スレードゲルミルなんて化け物にもなったぜ
でも俺は第四次の初代グルンガストが一番思い入れある
主人公が命中率系精神覚えなくて動く棺桶になったのもいい思い出さ……
真ゲッターを送り込むSSとかって無いかな?
無ければ書けば良い……
ここはそういうスレだ……
120 :
93:2007/02/28(水) 21:55:58 ID:???
>>102 朝焼けをバックに青い巨人がその姿を晒していた……
「すげー!!」
「カッコイいい!!」
「なんだかコワいよ……」
シェルターから出てきた子供達は、自分達を救った巨人に対し、様々な反応を取った。
対して大人達は、余りのあり得なさに、皆開いた口が塞がらなかった……
どう見ても40メートルは越しているし、こんな機体が動く筈がない。
しかし、周りの
『MSらしき黒こげの何か』
を見ると、どうやらこの機体がやったらしい……
「にしても、こりゃ戦闘って言うより蹂躙だな……」
そう呟いたアンディの言葉に反応するように、巨人がこちらを向いた。
慌てて子供達をシェルターに戻そうとしたその時、
〈オッ!!みんな無事みたいだな!!
よかったよかった!!〉
と、巨人から脳天気な声が聞こえる。彼等はその声に聞き覚えがあった。
「カザハラさん!?」
彼等の一人、キラは思わずその名を口にした。
「ピンポーン!!だが商品は無しだ。
ところで俺、コイツから降りたいから、どっか隠すとこない?」
アンディは苦笑しつつ、「あっちに細い入江がある。そこならその巨体も隠せるだろう。」
巨人からサンキューという声がして、実にスムーズに歩き始める。
おそらく、今この世界の技術では、実現不可能な動きだろう。
「……何なのです……あれは……」
不意に今まで黙っていた少女、ラクスが巨人と黒こげになったスクラップを見て、恐怖に声を震わせていた。
「何だといわれても、僕達は今、コイツをみたばかりだ。
異星人か、彼の言う未知の世界の兵器なのか、後は彼の話を聞くしかない」
ラクスの言葉にアンディはおどけて返した。
「ですが!!あんなものをそのままにしておく訳にはいかな……「ラクス……」
不意に傍らにいたキラが、言葉を遮った。
「……僕達が持っている『アレ』も、充分大変な物だと思うよ?」
「それは……」
キラの指摘に対し、ラクスは返す言葉がない。
「それに、まだカザハラさんの話を聞いてない……
あの人が何故あんな機体を持っているのか?どうして僕達を助けたのか?
まずはそれを聞いてから……ね?」
「……分かりましたわ……」
ラクスは渋々と頷いた。
それを見ていた女性、マリューは、青年の成長を嬉しく思いつつ、
彼の母と共に子供達を屋敷に戻らせ始めた。
121 :
93:2007/02/28(水) 22:01:10 ID:???
とりあえずここまで。
後は気が向いたら……
面白いことには面白いんだが、イルムってスパロボのキャラの中でも結構鋭い奴だから
ラクシズの胡散臭さにも気付くと思うんだよなぁ…ラクシズの言いなりになるような頭の弱いキャラではないような…
まだラクシズとして活動すらしていないうちから何を言い出すか
前大戦で身勝手に暴れ回った責任を一切取らずに行方眩ましただけでなく
条約で禁じられたMSを修理隠匿所持してる奴らはラクシズだろ。
キラは種死と違うみたいだから俺は期待しているぜ?
そもそも始まったばかりなのに決めつけるような事言うなよ…
>>93氏GJ!
まずはGJ!
ラクシズの連中がどう思うか知らんが、グルンガストはまだまだ危険じゃないと思うぞ。
もっと危険なロボットはいるしな……グランゾンとか。
なんかエターナルと和田が親分に真っ二つにされる絵が脳裏をよぎって仕方ない
敢えてスパロボ機体じゃなくて改修したソードストライクかソードインパルスの対艦刀をゼンガー用にチューン。斬艦刀に。
ラクスやアスランキラの御託に対しては「問答無用!!」
でも議長の運命計画にも納得する訳ないだろうな。両陣営を相手にするという更に泥沼な展開に。種死にまともな勢力はないのか
ソレなんてゼンダム?
納得はしないだろうが、Dプランは武力で無理矢理にでも潰さねばならない程の計画ではないので、
そこでいきなり問答無用やるとただのキラさんになっちまうぜ
議長もラクシズもまともじゃないんだもんな・・・
「ディスティにープラン…。己の往く道を決められ。可能性という芽を摘まれる世界が正しいとは思わん」
「だが武力に訴えるお前達が正しいとも思わん。それがお前達の正義か!? …行くぞ、ナタク!!」
ごひっぽくなった
>>132の「行くぞ、ナタク」が「行くぞ、ナタル」に見えた俺
それなんて盟主王フラグ?
まぁあまりにラクシズが酷過ぎるせいで議長が霞んで見えてくるからな…
仮にも監督脚本サイドが正義面させようとしてる連中が客観的には最低最悪最凶極悪不法な犯罪者集団だっていうんだから
チョンなんかよりはるかに斜め下を行っている、悪い意味で凄いよ、種死は。
とりあえず、キラはステークつけたフリッケライM1で
「衝撃のォォォォォ!!!」とか言い出すってのはFAかな?
サーベラス・イグナイトならぬ、デスティニー・イグナイトに搭乗するシン
「イグニッション!!」
アーサー乙www
138 :
93:2007/03/02(金) 14:32:35 ID:???
またまた保守代わりにSS
「議長!!あなただけでもお逃げ下さい!!」
シャトルの機長は後ろに座る男に向けて叫ぶ
10分程前……アーモリー・ワンで建造中の新型戦艦を視察を終え、
男、ギルバート・デュランダルを乗せたシャトルはアプリリウス市に戻る途中、
突然正体不明のMSの襲撃を受けたのだった。
そして現在、15機いた『ザク』の護衛部隊は、たった3機のアンノウンにより全滅の憂き目にあっていた。
「いや、ここで脱出しても、周りに彼等がいる……
どちらにしろ助からんよ。」
「しかし!!」
男はさも冷静に機長に返す。
直後、最後まで粘っていたザクがビームの直撃を受けて爆発する。
アンノウンは彼の乗ったシャトルに向けてライフルを向ける……どうやら目的は拿捕ではなく破壊のようだ。
「私の運命も、ここまでか……これも遺伝子に決まっていたのか?
それとも、私が遺伝子にばかり目を向けていた神からの罰か……」
男は覚悟を決め、目を閉じた……
突如、シャトルの周りにいたアンノウン達が、爆発を起こす!!
「議長、外を!!」
機長にそう言われ、シャトルの窓をのぞくと、
またもや見たことのないMSが、アンノウン達を撃破していた。
「彼等は一体……」
「さぁ……私にも判らんよ。」
それが、彼と協力者達と、『影』との初めての邂逅となるのだった……
139 :
93:2007/03/02(金) 15:55:42 ID:???
まだイルム編が終わってないのでとりあえずここまで。
てか全然触りの部分……
影とやりあってんのはSRXチームか?
GJ!
…71年9月26日ヤキンドゥーエ
戦場に一条の閃光が走った。
「やれやれ、俺も悪運が強い。だが周囲には何も……おぉぉぉ!?」
彼は我が目を疑った。「影」が壊滅し、もはや戦争の要因などなくなったはずの宇宙で
トサカと羽の生えたザクのようなMSと、いささか鋭角的になったパブリクのような戦闘艇が争っている光景が目前に拡がっているのである。
(えーっと、ちょっとまてよ、一年戦争は、あの世界あの時よりもさらに7年前に起こった戦争である、マル。よろしい、ということはつまり…)
彼は自分の出した結論に頭を抱えながらも、他に可能性は思いつかなかった。
(システムが最後に暴走したかなにかで別次元に吹っ飛ばされてしまった…てことだろうねぇ。)
非常に非現実的な発想でありながら、彼は即座にその考えに至った。彼は既に「それ」を一度体験していた…
「しかし…どうやら、相当根の深そうな別世界のようだな…少なくとも、制式量産機の性能や、一軍人の生死程度の差では済みそうにないな…やれやれ」
彼はため息を1つ吐いた。そして愛機の現状を確認する。右腕は全壊していることが目視できる、右脚の反応もなし、メインカメラは不調を目前に晒し、メインスラスターは情けない悲鳴を上げている。
目前で繰り広げられている戦争に参加するどころか、動くことすらままならない。流れ弾でも飛んでくればそこで一巻の終わりだろう。
「それはそれで目的は達成されるんだがな…」
自分の想像に言葉で突っ込みをいれる。彼は生まれ育った世界、そして転移した世界全土に災厄の火種を撒いた部隊の最後の一人としてケジメをつけるため、部隊に反逆、指揮官に向けて特攻を行った。
その最期の地がさらなる別世界だろうと、このままじっとしていれば彼の本懐は遂げられる。
だが、彼には気になることがあった。あの戦闘艇の腹に収まっているミサイル…そのひとつひとつから吐き気をもよおすような邪悪を感じるのである。
「これがニュータイプとしてのカンというやつなのか?」
彼は自分がニュータイプなどとは思っていなかった。確かに、生まれ育った世界においては、強化措置を施されていないにもかかわらず強化人間と五分以上に渡りあい、最高の兵士と謳われた人造兵士達も敵ではなかった。
戦場において、殺気を感じ取り、見えるはずのない方向からの攻撃をかわした、などということは度々あった。
だがそれは、熟練の兵士なら皆一度ならず経験したことであり、転移後の世界で出会った真に「ニュータイプ」と呼ばれる戦士達…アムロ・レイやカミーユ・ビダンの感じているものとは比べるべくもなかった。
「なにより、たった一人の女とも分かり合うことができないで何がニュータイプだっ!!」
彼は吐き捨てるようにコックピットの中で叫んだ。
彼が煩悶している間に、戦場には変化が訪れる。一機の戦闘艇がトサカザクの防衛線を突破し、その奥へ突き進もうとしていたのである。
それを視界の端に捉えた彼は咄嗟に稼動する火器の照準をその戦闘艇に合わせる。
その行為が、異世界とはいえ、所属組織…連邦に仇為す行為ではないかということが頭をよぎった。
しかし、その躊躇は一瞬であった。
彼は悪意を懐に抱いた機械に向けて、銃爪を引いた。
バーニアを射抜かれた機体は螺旋を描き、砕け散った。
「…なんだと?」
防衛線を抜かれ、一瞬ではあるが、祖国プラントが核の焔に蝕まれる光景が頭をよぎったプラント戦闘部隊『ZAFT』の部隊長イザーク=ジュールと、
そのイザークと一度は袂を分かった親友にして、今まさに戦闘艇…MAメビウスを補足し、親友との再会に派手な祝砲を挙げようとしていたディアッカ=エルスマンは
背景の一部としてしか認識していなかったスクラップがいきなり動いたことに目を丸くした。
「…いよお、イザーク。」
「キサマっ、ディアッカか!!何しに来た!!」
「いや、助けに来ようと思ったんだが…あれ、何だ?」
「………知らん」
「おや?てことはザフトの新型じゃないのか?」
「ああ…大体、既存のMSと形が違いすぎるだろう」
「ふーん、まあいいや」
「おい!!なにをやっている!!うかつに近づくなっ!!」
「ソッチこそ何いってんだ。核を落としてくれたのは事実だろ。なら助けてやらなくちゃ。そもそも俺はまだザフトに復隊するとは一言もいってないので命令聞く義務もありません、っと。
それに、次のお客さんが到着しちまうぜ」
言うが早いか、バスターは振り向き様に火線を開放し、数機のメビウスを撃墜、そのまま異形の機体へ接近していく。
「ま、コイツ回収したらまた戻ってくるんで、期待してろや、じゃあなー」
「…ったく」
だが、悪態を吐きながらも、イザークの表情にはうっすらと安堵の笑みが浮かんでいた。
「おーい、お前、生きてるか?生きてたら返事しな」
「…ガン…ダム?」
「ん?」
「ああ、いや、気にするな。見てのとおり、機体はほとんど使い物にならんが、俺の方は無事………
でもないな…さっきまで気づかなかったんだが、空気漏れが始まってるんだな、これが。」
さらりと危ないことを言う。ディアッカはいささか呆れながらも、ひとまず大事には至りそうにないことに安心する。
「…わかったわかった。すぐ艦まで連れていってやるよ。ところであんた、一応名前と所属を教えてくれねえか。」
「…ああ、分かった。俺は…元地球連邦軍…
「…ポウ?」
「………………第十三独立部隊ロンド=ベル所属、アクセル=アルマーだ。」
彼にとっての、第三世界での開幕ベルが鳴り響いた瞬間であった。
続く
といいな。
143 :
141:2007/03/02(金) 22:29:51 ID:???
とりあえず思いついたネタを書いてみました。
SRWAの元アホセル、アクセル=アルマーネタです。
見て分かるとおり、彼の機体は未だ特定されておりません。
もし続編書く機会があれば、彼は何に乗せるのが最も良いか、皆様の意見をお聞かせくだされば幸いです。
ソウルゲインが王道かもしれんがここはあえてヴァイサーガ
アクセルキタァー!!
ソウルゲインは後継機にして、最初はランドグリーズとかアシュセイバーみたいな量産機にしたらどうか?
GJなんだなこれが。
所でAの主人公のアクセルやラミアは記憶が戻る前や言語機能が壊れている頃が
輝いていたと思うんだが、どうだ?
エンジンだけそのままにして種世界技術のドラグーンとビーム兵器で劣化アシュセイバーとかも燃えだと思う
すまん忘れてた、GJ!
>>146 いや、それがあったからこそ後半の変化した姿も輝いていると思うのだが。
Aのラストとかアホセルのままだと流石にどうかと思うし。
151 :
93:2007/03/03(土) 01:02:27 ID:???
イルム編
「……異星人に秘密結社、おまけに正体不明の化け物……やれやれ、君達の世界にはロクな者がいないね?」
アンディは苦笑と共に納得した。
「どうりでトンでもない機体なわけだ……
要するに、君のその『グルンガスト』とやらはそいつ等の技術から作られたんだろう」
「その通り、アイツは異星人の技術、『EOT』を元にして俺の親父が作り上げた
実戦想定型の特機(スーパーロボット)の一号機、『壱式』だ」
イルムはアンディの回答に誇らしげに答えた。
「ってことは、その『グルンガスト』は、ワンオフの試作品じゃないってことですか?」
キラは疑問を口にする。
「ああ、『壱式』は少数量産されたし、量産タイプの『弐式』、
あと全部の大元の『零式』、最新シリーズの『参式』で全部だな?」
「何故あなたの父親は、そのような兵器を作り上げたのですか?」
ラクスはイルムを非難するように回答を求める。
「必要に迫られたのさ……奴らと俺達の戦力差は正直絶望的だった。
だから一騎当千、絶大な火力と装甲で大多数の敵と渡り合う為の機体を作り上げた。
それが、コイツ等って訳だ。」
「その戦争が終わった後、その機体が悪用される事は考えなかったのですか?」
「悪用か……」
ラクスの問いに真剣に考えるイルム。
考えた事もなかった。
「コイツ等は脳波登録式の操縦システムだからな……パイロットが許可しない限り、操縦出来ないのさ。
それに、そんなことをした奴は、俺や仲間達が許さないからな。」
「仲間……」
ラクスが無意識に呟く。
「ああ、軍人としての誇りを持った……
まぁ、中には変や奴もいるが、最高の仲間達だ!!」
「軍人の誇り……」
「そう…仲間を見捨てない、虐殺をしない、民間人を殺さない、そして必ず生きて任務を遂行する。さ」
イルムはキラの呟きに答えた。
キラは自分が出会った軍人とは、彼は全く違うことに気が付き始めた。
152 :
93:2007/03/03(土) 01:14:27 ID:???
またまた今日も此処まで。
そして
>>141氏GJ!!
自分としては、前半種世界のMS、後半ソウルゲインがいいかも。
GJ!
イルムの台詞カッコヨス。あれぞまさにヒーローの言葉だ。
やはりラクソは馬鹿過ぎw目の敵に迫った緊急事態をスルーして事後のこととは笑わせてくれるwww
スタジオジブリのレクイエムを完全にスルーして議長だけ目の敵にする
状況判断能力の著しい低さは同人アヌメを忠実に再現してるぜ!
GJ!ラクシズの腐りきった脳みそは不変なんだなwwww
155 :
93:2007/03/03(土) 11:12:20 ID:???
>151を読み返してみた。
なんかイルムの台詞がおかしいな……
……必ず生き残る。さ」の所を
……必ず生きて任務を遂行する。とかな
まぁ、戦場に立つための前提みたいなモンだな。
力に溺れたり、保身に走る奴、そいつ等はもう軍人じゃないのさ……」
に脳内変換しといて下さい。
ちょっとクサいな……orz
スパロボの各ロボットをラクシズが批判するとしたら、どんなこと言うと思う?
そのような力はあってはならないのです、みたいに言うだけじゃない?
あの桃色汚物は自分が気に食わない奴が持っる大量破壊兵器になりうるものだけ
(ジェネシス、ジブリのではなく議長が持ってたときのレクイエムみたく)否定するから。
SRX、アストラナガン、みたいなEOTは絶対否定するだろうし、
ラクシズ側になければ人界を守るために動こうとする自我を持つ超機人だって否定すると思う。
ラクスは自分側の脅威を棚上げするからな
ストフリやミーティアのどこが大量破壊兵器じゃないんだか
ゲッターやマジンガーでもその力は他人に使われまいとするの
はもちろんのこと、自分で自分の力の使いかたも戒めてるぜ
魔装機神辺りも否定対象かな
兵器としての側面しか見なくて、成り立ちやあり方なぞ見ようとしないだろうから
まぁ、イデオンやグランゾンとかになると、ラクシズが否定するのもわからんでもないがな。
けど、下手すると勇者ロボも否定しかねんぞ。
スパロボには出てないけど、トランスフォーマーも否定しそう
まあ個人的にアイツらだけはマジで殲滅した方がいいかもと思えてしまうぐらいのアホ集団だが
実際ガンエデンみてーなもんだしなラクシズ
他がいくらそれまで死んでもいいのだが、いいかげん許容越えると
問答無用に正義を押し付けて勝利と平和を取りにくるという
それまでいくら死んでてもってのが問題だよなあ
163 :
93:2007/03/03(土) 17:29:02 ID:tec5vb+T
「……それにな」
キラの思考はイルムの言葉に中断された。
「人を殺す武器もあれば、人を守る為の武器もある……要は使う人間次第だ。
一概に武器は危険だ、とは言えないんじゃないか?
どうもお嬢ちゃんは、あれを人殺しの道具としての側面しか見ていないような気がするぜ?」
イルムはラクスの目を見た。
「わたくしは……」
ラクスは言葉を返せない。
「お嬢ちゃんが戦争中に何を考え、何をしたのかは知らんが
戦場に無闇に首を出す物じゃない、
どう足掻こうと、人間という存在がこの世から消えない限り、
争いは無くならないし、止まらない。」
「そんなことは!!」
「事実だ、でなけりゃあ今頃地球は平和の星だ」
ラクスの反論に、イルムは皮肉を漏らす
「正義ってのは人それぞれだ……
もし、あんたが何かの力を使って地球を平和にしても、誰かが異議を唱える。
「こんな世界は間違ってる、俺達が世界を変えるんだ!!」ってな。
そしたらお嬢ちゃんはどうする?あんたの大嫌いな兵器を使うのか?それとも……」
「もう結構ですっ!!」「ラクス!!」
イルムの言葉に耐えきれなくなったラクスは、部屋を飛び出した。
キラは慌てて止めようとするが、アンディに留められた。
「そっとして置いてやれ……彼女も自分の矛盾に気付き始めたのさ……」
アンディはイルムに向き直り、
「いやはや、君はとんでもない男だな……」
「悪いな……つい餓鬼みたいにムキになっちまった」
アンディは笑う。
「そうじゃない。二年前に彼女のしたことをピタリと当てたんだよ、君は……」
「は?」
茫然とするイルムに対し、彼等は二年前の真実を話し始めた……
続く
164 :
93:2007/03/03(土) 17:32:22 ID:???
すまん、sage忘れた
GJ!
この作品のラクシズはマトモになってくれそうだな。
何事もなければ……
投下するときは、ある程度まとまってから投下してみては?と言ってみる。
2、3日くらい掛かろうが待ってるからさ。何はともあれGJ。
ここのキラとかトラはまともそうだな…
GJ!!
ガンエデンに土下座して謝れwww
案外「あの方は危険ですっ!」と、コロッと騙しそうなピンクと、コロッと騙されそうな超コーディーかも知れんよ?
種世界にラッセルが来たら…
171 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 00:20:24 ID:PtLoG1R6
クスハ編お願いします
クスハ…だと?
キラの肉便器にしてしまえ。
やめてよね、クスハが本気になったらキラが敵う訳無いじゃないか
龍虎王とかザブングルのテクノロジーを見たCEの人間の反応は気になる
>>174 待て。何故そこでザブングルが出てくるww
怒りで強くなる獣戦機なんてシンにうってつけジャマイカ
>>176 問題は残りの三機を誰にするかだが……レイとルナは確定で良いか?
つ西川
なるほど、向かい風を浴びながら(半裸で)拳法を披露するのか
180 :
ユーゼス:2007/03/05(月) 02:09:07 ID:???
そ れ も わ た し だ
アスランシャピロ
ムゲラクソ
デスガイヤー虎
ヘルマットニート
ギルドロームは?
184 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 14:28:32 ID:PtLoG1R6
クスハ編書いて
>>184 ageてまで読みたいなら自分が書いたらどーかと思う
>>175 ハンドルで操作できるWM
すごいだろw
お前ら何か忘れてないか?
超科学&エコロジー、コミカルな修理費10のスーパーロボットを?
ただ敵に向かって歌うだけのファイアーボンバーの機体を見たラクシズの反応やいかに
流れぶったぎって申し訳ないのだが、ここはスパロボキャラ(バンプレオリ)だけじゃないのか?
>>188 サルファで既に見てるやん
ラクスはバサラに憧れて自由強奪しちまったらしいですよ
>>190 最悪だな。あの桃色汚物はバサラがただ戦場で暴れ回ってるとしか見てないのか。
192 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 21:37:29 ID:PtLoG1R6
クスハ編書いてお願い
やめてよね。妊娠キャラがヒロインとか許せないじゃない?
俺の中のクスハは、DC版α主人公8人の中で最弱の能力(念動力&切り払いLv8止まり)で、後半からどうやっても戦力にならない弐式に乗ってきた女だ。
スーパー系では特殊誕生日で奇襲・捨て身・戦慄・大激励・復活・奇跡と揃い過ぎてて逆に使えない精神コマンドの持ち主にした。
しかもフラグ立ててない。
つーかお前はイングラムのヒロインじゃなかったっけと小一時間ry
イングラムのヒロイン? それってレオナだろ
>>195 そんなところで何をしているんだ、俺のクローンよ。
悪いが俺にとっちゃα主人公と言えば、改造魂袙で紅茶と空が大好きなパピヨンだ。
今やα主人公の中では存在がまさにバニシング寸前。
数少ないコミカル要因としてグッドサンダーチームとかJ9のメンバーを
>>197 気が合うな同志よ
OGでα主人公組中唯一出演してなかったときには
密かに涙を流したものさ
>>199 今やってるアニメでは、台詞はないんだがカーラはちゃんと顔見せ場面があった。
今のとこはユウだけが完全にバニシングになっているぜ………orz
一部には、SRWDWの前にやってる武装錬金に30分早く出てるから出番無しという噂があるし。
ヴァンデルはラクスを上手く利用しそうだな。
ヴィンデル「ヴァンデルとは誰だ」
アクセル「聞いたことないんだな、これが」
冒険王ビィトに出てくる魔物を操る魔人らしいよ>ヴァンデル
自由戦士キラ
ダンクーガノヴァが出たらラクシズとザフトを優先的に狙うのか?
ダンクーガノヴァは第一話しかみていないがラクシズと同類じゃないかアレ?
ラクシズも自分が同じような事をされればいいんだ。
それっていつやってるの?
よく知らないけどそれだけ聞くとダンクーガバーンとはえらい違いそうだな
ノヴァの概要
世界各地で戦争があるから『優位に立ってる側』をボコボコにしてこい
主人公「何でそんな事しなくちゃいけないの?」
いいからやれ
主人公「やってやるわ!」
Aパートでピンチな所を助けられて、ありがとうダンクーガと感謝してた軍人が
Bパートでは優位になったからと、ダンクーガに滅ぼされたのはシュールだった
それだけ聞くと世界を混乱させて裏で何かしたいやつがわざとやらせてるようにしか見えない
ボロボロにされた街を救いにきたダンクーガ、敵側を「ほぼ」撃退
これ以上やっつけたら戦力がイーブンでは無くなると言って帰ってしまうダンクーガ
戦争はまだまだ終わらない……
ていう回もあった。
ダンクーガを戦わせてる謎の人物F.S.(声:矢尾一樹)が何を企んでるかは不明
まだ3話しか進んで無い
どう見ても謎の人物F.S.が黒幕です
ほんとうにありがとうございました
アマンダラカマンダラとか灰色の魔女みたいなタイプ臭いね
イニシャルとCVで正体バレバレw
まあはた迷惑な行為として描かれてる点はラクシズと違うな
種死の時も一応凸やツンの視点で「何やってんだアイツラ?」と言う描写は
していたが、結局全肯定されて全て台無し
>>214 「ぃやあってやるぜ!」の人か?
ノヴァってダンクーガと直接ストーリーつながってるの?
>>216 前に聞いたが断空剣は同じ物らしい。現在の設定があの時から変更あったら知らんが。
スパロボでノヴァと種死が同時出演したらラクシズと共同戦線張りそうだな
むしろ自由やら和田淫邪だけ頭一つ性能が高いから、乱入して4つ巴の戦いになってニートとハゲを斬り伏せてくれる展開を期待
>>219 主人公変更でまったく逆展開が来てもそれはそれで
ダンクーガノヴァ・・・まったく先が見えん
ここはダンクーガノヴァを語るスレではないし、まだ放送中なのでこのへんで
ヤマダジ・・・いや、ダイゴウジ・ガイが種世界に来たらラクシズの言う事を真に受けかねん。
222 :
93:2007/03/10(土) 02:38:36 ID:???
久々に投下
その1
屋敷の廊下をアンディとイルムが進み、その後ろにキラが続く
見せたいものがある。と言うアンディに案内され、三人はシェルターに向かっていた。
「……で、その『ブルーコスモス』とやらが、核ミサイルを撃ってきたから、
お返しにガンマ線レーザーを撃とうとしたわけか……全く、どこの世界の過激派もやることが極端だな」
「だから『過激派』なんだろ?お互いにお互いの存在が許せないのさ……」
「だから相手を皆殺し、ってか?俺のいた世界も戦争ばかりやっているが、こいつはちょっと行過ぎだぜ」
アンディの言葉にイルムはため息をつく、彼の話によると、
この世界は自分のいた世界とはまた違った意味でこの世界は異常だった。
まず、戦争直前からしてとんでもない。
地球側の農業プラントへの核攻撃。
その報復に核分裂抑制装置『ニュートロンジャマー』の地球への投下、
それにより地球では原子力による発電が不可能になり、エネルギー不足が深刻になり世界中で一億人が餓死。
大戦の直前でこれである。よく滅亡しなかったものだ。
「宇宙と地球。遠く離れて住んでいる、ましてや顔も知らない奴に罪悪感なんて浮ばないのさ……
だから、お互いが何も変わらないこと知ったとき、この戦争を終わらせたいと考えたのさ。」
アンディが足を止める……どうやら目的地のようだ。
シェルターの奥に巨大な鋼鉄の扉があり、アンディとキラが互いに扉の端に立ち、持っていた鍵を同時に差し込んで回す。
轟音と共に扉が左右にすべり、内部の電源のスイッチが入る……
中には灰色の巨人、グルンガストよりはかなり小さいが、18メートル程の身長に背中に翼の様なスラスター、
腰には折りたたみ式のキャノン砲、誰がどう見ても戦闘用にしか見えない。
「こいつが前に言った『厄介なもの』、ZGMF・X10A 通称『フリーダム』。
前大戦中三機しか実戦に出なかった、核動力で動くMSだ。」
「見たところ必要以上の火力を持ってる様だな、おそらく俺のグルンガストと同じように一対多数を想定した機体だな。」
223 :
93:2007/03/10(土) 02:39:45 ID:???
イルムの質問に対し、アンディは自嘲的な笑みを浮かべ、
「こいつと対になる機体と専用艦を奪取し、同志を集め、双方に殴りこみをかけた。要するにテロ活動さ……」
「いま思えば、他にやり様はあったのかもしれない……けどあの時、僕たちには時間も物資の余裕も無かったんです。結果としては最悪の結果は防げたけど、僕たちはその後始末ができませんでした。」
キラが申し訳なさそうに説明した。
「おいおい、やることやっておいてそのままかよ?せめて、プラント側に臨時政府をたてるとかさ、やり様はあるだろ?」
戦場を散々混乱させておいてあとはサヨナラ。これはテロ活動以前の問題である。平和を創るとか、世界を支配するとかではなく、『争いを止めさせる』その一点のみしか考えていなかった彼らは、戦後の混乱期に対しては見て見ぬふりであった……
「あのお嬢様もそれくらい考えているもんだと考えていたんだんだがねぇ」
イルムは愛機の存在理由を頑なに否定し続けた少女のかおを思い出した。。
彼女にとって兵器は人を傷つけるものでしかないらしい。人を傷つけるのも、同じく人だというのに……
ここまで考えたイルムはふと疑問を浮かべた。
彼女は兵器が嫌いで、その存在を認めない。ならばなぜこんな物騒なものがここにあるのだ?
「ここにこのフリーダムを隠したのはラクスです。彼女、こういった兵器を目の届く場所に置いておくのが安全だと考えているらしくて……」
その疑問を知っていたかのようにキラが言った。
「ますますワケがわからねぇなあのお嬢様。頭の中どうなってんだ?」
「しかし彼女には人を惹きつけるなにかがある、それは確かだ。事実プラントと地球には彼女の熱狂的なファンが大勢いる。彼女の一声で、多くの人間が動く。」
224 :
93:2007/03/10(土) 02:42:43 ID:???
その3
イルムの質問に対し、アンディは自嘲的な笑みを浮かべ、
「こいつと対になる機体と専用艦を奪取し、同志を集め、双方に殴りこみをかけた。要するにテロ活動さ……」
「いま思えば、他にやり様はあったのかもしれない……
けどあの時、僕たちには時間も物資の余裕も無かったんです。結果としては最悪の結果は防げたけど、僕たちはその後始末ができませんでした。」
キラが申し訳なさそうに説明した。
「おいおい、やることやっておいてそのままかよ?せめて、プラント側に臨時政府をたてるとかさ、やり様はあるだろ?」
戦場を散々混乱させておいてあとはサヨナラ。これはテロ活動以前の問題である。
平和を創るとか、世界を支配するとかではなく、『争いを止めさせる』その一点のみしか考えていなかった彼らは、戦後の混乱期に対しては見て見ぬふりであった……
「あのお嬢様もそれくらい考えているもんだと考えていたんだんだがねぇ」
イルムは愛機の存在理由を頑なに否定し続けた少女のかおを思い出した。。
彼女にとって兵器は人を傷つけるものでしかないらしい。人を傷つけるのも、同じく人だというのに……
ここまで考えたイルムはふと疑問を浮かべた。
彼女は兵器が嫌いで、その存在を認めない。ならばなぜこんな物騒なものがここにあるのだ?
「ここにこのフリーダムを隠したのはラクスです。
彼女、こういった兵器を目の届く場所に置いておくのが安全だと考えているらしくて……」
その疑問を知っていたかのようにキラが言った。
「ますますワケがわからねぇなあのお嬢様。頭の中どうなってんだ?」
「しかし彼女には人を惹きつけるなにかがある、それは確かだ。事実プラントと地球には彼女の熱狂的なファンが大勢いる。
彼女の一声で、多くの人間が動く。」
225 :
93:2007/03/10(土) 02:55:53 ID:???
その3
「ある意味彼女の力はどんな兵器より強大なのさ……」
アンディが皮肉げに呟いた。
彼女の協力を得た瞬間に勝利が決まる。まさに勝利の女神。
しかし、その女神は少々独善的なようだ……
「ってことはさっきの奴らは、お嬢様を狙った奴らってことか?」
彼女は先の大戦での最大の妨害者、しかもそのトップだ。
双方からいつ襲われても不思議では無い。
しかしアンディは難しい顔をして考え始めた。
「それだがね、どうも引っかかるのだよ。
君がぶっ壊してくれたMS達なんだが、ありゃどうもザフトの最新型みたいなんだよ。
今現在のプラントの内政は親ナチュラル派が占めているし、
先月議長に就任したギルバート・デュランダルなんかはその筆頭だ。
もし彼らが僕たちの暗殺を考えるなら……」
「強硬派に見せかけるために旧式、もしくは主力機を差し向けるはずってわけか。」
「もちろんブルーコスモスの残党という可能性もあるし、プラントからの刺客という可能性もゼロじゃない。
だけど、何かが引っかかるんだ……」
なぜあのような手のかかる方法で自分たちの殺害を考えたのか、あの方法では確実性に欠けるし、何よりこちらに前大戦時に最強と云われたMSがある。
もしイルムが居なくても最悪全滅には至らなかった筈だ。
「何かがおかしい気がするんだよ、何かが……」
三人は何も語らない灰色の巨人を見上げた。
世界は未だ混迷の中だ。この機体が再び舞うのもすぐ先なのかもしれなかった。
226 :
93:2007/03/10(土) 02:56:26 ID:???
投下ミスりました。スマソorz
227 :
93:2007/03/10(土) 03:03:06 ID:???
上記の通り、投下ミス申し訳ありませんorz
イルム編ですが、あと一回ほどで終了し、次はシン編になります。
気にするな93氏。 まずはGJ!
やっぱりここのキラと虎はまともだな。
これなら、シンとちゃんとした和解が出来そうだ。
そんでもって、アニメの方はとうとう、イングラム裏切りか……
いちおう血のバレンタインは戦争直前じゃなくて宣戦布告後だよ
GJ!なんだが疑問が1つ。
ピンクが地球で人気があるはずがないと思うんだけど…
ってか地球人にとってはむしろ、4月クライシスやらかした憎くて仕方ない茂の娘なんだから
人気どころか地球人の最も強い憎嫌悪の対象じゃないか?当然同人アニメでは描写(を負債かできるはず)ないが。
231 :
93:2007/03/10(土) 17:07:58 ID:???
>>229 間違えた……
一昨日までスパロボWやってたから直前だと勘違いしてた……
スマソorz
>230
スパロボWじゃあSMAPと演歌がともに好きな人間が好きなアイドルだったからなあ。
233 :
93:2007/03/11(日) 11:43:52 ID:???
今続き書いているんだが、
イルム編の構想が続き過ぎてシン編がおざなりになってしまうのだが、
シン編を書くか、キラの方をメインにするかどちらが良いかね?
シンもスパロボキャラの誰かと会って変化していきそうだからシン編で。
でも誰と会うんだろ…
ピンク理論が完全に破綻しきったもので愚か極まりないものだと今更ながらに認識した
ラクシズがどうなっていくのかが気になるところではあるなぁ…
自分に都合の悪いことは聞かなかったことにする耳を持ってたら意味は無いだろうがな。
真人間キラも興味深いが、シンが成長していく様も見たいんでシン編をお願いします。
やはり種死の主人公だったシン編をお願いしたい。
シンと出会うのは個人的に教導隊がいいなぁ。
238 :
93:2007/03/11(日) 21:16:48 ID:???
皆さんサンクス。
ってことでシン編にしたいと考えています。
キラ編の方針は殆ど決まっているのですが、シン編は殆ど何も決まっていません!!
誰と絡ませるかな……
>>237 カイ少佐ラトゥーニってのも面白そうだよな
240 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/11(日) 23:40:22 ID:ls19isw3
>>238 決まってないなら決まっているキラ編を決まっている分だけ書いちゃって委員ジャマイカ?
シン編も楽しみだが、あの基地外電波垂れ流ししか能がない桃色汚物の洗脳が解け始めたキラって
キャラとしてはいい素材だと思うんだ。
親分と組ませるとソードしか使わなくなりそうだなww
ヘブンズベースでデストロイを真っ二つにしたシンだから適応できそうだが。
最近、口汚い奴が多いな。アンチスレじゃないんだからほどほどに。
もうユーゼスはどうだ!?
ラクシズを上回り規模で地球圏を滅茶苦茶にして「それも私だ」と言って戦う。
ラクスに絶望を与えて、己の愚かさを理解させ真人間にするというという王道物語りで
真人間にするのは構わんが、ユーゼス倒したらちゃんとそれまで犯した罪を償うために監獄にぶち込まないと。
ってか絶望を味わってもさらに歪むだけな気が…
>>235 ピンク真人間化って別に王道ではないと思うぜ。
さんざん再構成スレで話されたことだがピンクほど種世界で存在が不要な奴もいないし。むしろいるだけで世界中がおかしくなる。
ニートが洗脳から抜け出したりとかシンが「普通に」成長するのが王道ってやつなんじゃないだろうか。
>>235じゃなく
>>244だ…
魂と必中かけた天上天下一撃必殺砲で因果地平の彼方へ吹き飛ばされてくるわ
教導隊の場合は旧にするか新にするかで結構変わるな
カイ少佐のオッサンに鍛えてもらうのが一番真人間への近道な気がする…シンだけじゃなくキラもハゲも。
>>246 っていうか
ピンク真人間化が王道なのは
バカピンクを主役と置いた時だけです
最近馬鹿ピンクという単語をよく目にするがどんな内容のSSなんだ?
バカピンクはSSの内容ではなく
キャラクターの状態を指す造語なのではないかと思う
アレな状態のキラたちをラクシズと言うみたいな感じ
ピンクは元から馬鹿だとは思うが
つまり、良い意味で馬鹿になるか
悪い意味で馬鹿になるかの差か
いい意味でバカなのがバカピンクで、
悪い意味でバカなのがラクシズ
OK、とりあえずクローンスレに池
バカピンクの発祥はそこだから
馬鹿ピンクか。
アレはイイものであった。
>>248 新教導隊のメンバー構成はインパクトありすぎるな。
竜巻兄さん、悪を断つ剣、復讐鬼、オッサン、アポロンだもんな…
濃過ぎて胸焼けしそう。だがそれがいい!そんなオッサン達がいるからこそストーリーに締まりが生まれる。
あれ、それは旧教導隊じゃなかったっけ?
新の方はライやラトゥーニが所属してるやつじゃ?
OG2後の教導隊はアラド、ゼオラ、ラミアがいなかったか?
新のメンバーも悪くは無いが、あまりにも濃すぎる旧のメンツと比べるとどうしても見劣りしてしまうな
263 :
93:2007/03/13(火) 23:43:06 ID:???
イルム編、ラスト(一応)
その1
薄暗いコクピットの中、青年が前方のモニターの片隅に映る時計表示を見る
午前一時五十分、作戦開始まであと十分……
青年は深呼吸をひとつ、既に幾つもの依頼をこなしてきたが、未だこの瞬間に慣れる気配は無い。
緊張ほぐすため、もう一度機体の最終チェックを行う。
計器チェック、コンデンサー、バッテリーチェック、オールグリーン。
アクチュエーター、左腕部に若干のブレ、が、行動に支障なし。
FCS、外部センサー、問題なし。
全システム問題なし……
「そろそろだぞ、準備は良いか?」
通信機から聞きなれた男の声がする。ここ半年ほど、毎日聞いている声だ。
自分は彼から様々なものを教わった。
兵士が戦う訳、引かない理由、
自分がやってきた『不殺』という行為が必ずしも正解とは限らないこと、
時に命を奪う事が相手にとって救いとなること、
戦い方、逃げ方、守り方、女の口説き方、Etc.……そして、
「どこで生まれても、どこにいても、帰る場所は一つだよね」
モニターの隅に置いたに二枚の写真を見ながら呟いた。
少々かすれ始めたそこには、自分、そして仲間達が楽しげに笑う写真……一つは戦争が始まる前のもの、
もう一つは戦争が終わり、オーブに帰ってきたときのもの。
それはオーブを飛び出した時にキラが持ち出した数少ない私物であり、
今ではお守りの代わりとして大切にしているのだった。
前に、酒に酔って(嫌がったのだが強引に飲まされた)自分の出生を打ち明けたことがあった。
自分は人工的に作られた存在であり、自分は多くの失敗作の命の上に立っている、と。
そんな告白を、彼は平然と聞いていた。
そんな彼に対しムキになって、気味が悪くないのかとか、何でそんなに平然としていられるのかと叫んだ
すると、彼は一転して冷静な表情になり、突然自分に向けて水をかけた
264 :
93:2007/03/13(火) 23:48:39 ID:???
何をするのか、と自分が問いかけたら彼はこう言った
「お前さんが何者で、どうやって生まれたなんて事は知らん、が、今目の前に居るナヨナヨした野郎がキラ・ヤマトだということは、十分知っているぜ」
では、なぜ水をかけたのかと聞くと、彼は半ば呆れたように、
「お前、生きていることも、生まれてきたことも罪だと思ってんのか?
生まれてくることは選択できねぇし、お前が生きている間の人生はお前だけのものだ。
人様がお前を選んだわけでも、その失敗作さんの所為でもねぇ。
お前はお前だ。誰に作られようが、誰に妬まれようが、誰が恨もうが、生きることを邪魔する権利はねぇよ。
邪魔するやつは返り討ちにしちまえ!」
と、笑いながら酒の御代わり頼んでいた。
この時を境に自分はこのことをあまり深く考えなくなった。
忘れてしまうわけではない、事実として受け入れ、『スーパーコーディネーター』ではなく、
ただの一人の人間として生きていく。これが当面の目標である。
無駄だと嗤うのなら嗤えば良い。誰かが妬むのであれば勝手に妬めばいい、
襲い掛かって来るのならば……後悔させるまでだ!
「おい、キラ、聞こえてんのか?おい!」
彼、イルムが呼びかける。少しばかり思い出に浸っていた時間が長すぎたらしい……
時刻は午前二時二分前、そろそろだ。
青年、キラ・ヤマトは頬を叩き、気合を入れる
「準備よし、いつでもどうぞ!」
「よっしゃ、今日も張り切っていくか!」
「はい!!」
キラは勢い良く答えると自らの乗る白と青に塗装されたMS『ダガー』を起立させゆっくりと前進させた。
目標はこの地一帯を根城とする賊への強襲。
自分達の外にも幾つかの傭兵も参加している筈だ。
少しずつ白け始めた空に向けて、バックに装着したエールストライカーのスラスターを吹かし飛び立って行った……
彼との出会いから半年、キラとイルムはこの世界に散った仲間を探すため、世界中を回る傍ら、傭兵として生計を立ていた……
gj
キラが更正しているぞ
流石はイルムの兄貴だ
キラ専用ダガーか……いいね、初っ端からフリーダム乗るんじゃなくて、ダガーに乗るとは。
機体は違うが、ストライクのような機体はキラにとっては懐かしいかもしれんな。
今日のスパロボDWにパピヨンが出ていたのでもう満足だぜ
素人三等兵様か93様にお願いしてもええかな?
ガンドロ(タスク)・ガーリオンC(レオナ)vsデストロイ@ベルリンキボンヌ。
この際シンがステラを救出するか否かに関してはお任せします。
本当は自分でSS書けば良かったんだけど種死全然見ていないものでorz
後、マークVガンナー(リョウト&リオ)出るならどこら辺になりますかね?
269 :
93:2007/03/15(木) 14:50:26 ID:???
270 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:28:41 ID:ggj1gAUS
》259
93様感謝感激ですわ。
シンのステラに対する思いを知ってレオナはエルピス事件を思いだし、
タスクはホープ事件の二の舞は避けたいと思うように攻撃出来ないと苦悩する展開なんてありかも。
271 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 21:29:52 ID:ggj1gAUS
しもた》269だったわ
白鳥九十九に種世界に来ていただきたい。
種、種死をちゃんと見たこと無いんだが何か書きたくなってきた
……いいだろうか?(ドキドキ
どうぞどうぞ、
小ネタでも一場面のみでも長編でも
書いてみて投下すればオケ
実は自分もうろ覚えだったりする
気にするな、俺は気にしない。
スパロボなんだからガンガン補正かけても問題あるまい。
277 :
93:2007/03/17(土) 02:17:29 ID:???
少し遅れましたが、》259氏の要望を。
接触編
「おい、アンタ大丈夫か?顔色悪いぞ?」
最初にその人に会ったのは、三ヶ月程前、俺が再びオーブの地を踏んだ時だ。
俺の人生が狂ったあの場所から戻る途中、ふと声をかけられた。
その声に惹かれたのか、先程からの苦い記憶を忘れたいためか、フラフラと彼の傍に寄せられていった……
そこには、路上で手品を見せている青年が一人……流れの手品師らしく恋人(当人は断固として否定)と共に友人を探しているらしい。
「手品なんて久しぶりだ……」
俺は、その鮮やかな奇術達にすぐさま魅了された。
事実、あの日以来手品やサーカスなどとはご無沙汰だった。
密閉された環境、何より細菌や微生物による汚染に敏感なプラントは、自国内にサーカスを入れるなど以ての外であり
そういったものを見るためには自然とプラント外のコロニーに行かなければならなくなっていた。
唯の一市民であり、そんな余裕もない俺はそれらの存在も忘れ、この二年間暮らしてきたため久々の体験に先はどの
久々に童心に帰り楽しんだ俺はチップを払おうとしたが、
「アンタ沈んだ顔をしてたからな……余計なお節介みたいなもんだ」
かれは照れくさく笑いながらバンダナ越しに頭かきながら、丁重に断られた。
最後に名前を聞こうとしたが、後ろから自分を呼ぶ声がしたため、振り返ると、同僚のルナマリアが妹と共に俺に向けて手を振っていた。
「呼んでるぜ?早くいきな。」
と囃され、別れの挨拶も出来ぬままその場を離れることになった。
「どうしたの?あんまりいい思い出無いって聞いてたけど、えらく上機嫌じゃない?」
ルナマリアが訝しげに尋ねる。
「そうか?まぁ久々にいいもん見たからな……」
そう答える俺にルナマリアは妹と顔を見合わせて、ワケがわからないという様子だ。
なんでもない、と二人に言いながら俺は自分たちの艦が停泊してるドックへの道を歩く。
またどこかで会える。と確信に近い思いで俺は市街地をあとにする
地球についてからここに来るまでにみたあの日の夢は、この日は見ることが無かった。
再会編に続く……
278 :
93:2007/03/17(土) 02:21:01 ID:???
本当は昨日の内に投下するはずだったのですが
今投下しました。≫259氏申し訳ないorz
279 :
93:2007/03/17(土) 02:49:42 ID:???
ついでに、
六ヶ月前、
この世界に散らばった仲間を探すために、イルムはオーブを出て、世界を回ることすると告げた時、突然キラが付いていきたいと申し出てきたのだ。
「二年前、僕は争い止めるために戦っていました。でも今は、自分が本当に争いを止めたのか、世界はいまどうなっているのか……それが知りたくなったんです。だからお願いです!僕を連れて行って下さい」
イルムは数刻考える
「お前さん、もし俺に付いてくるなら人を殺すことになるかも知れない……それでも来るのか?」
元の世界では軍人であるイルムは、この世界でも、戦闘を専門にする生業に就かざるを得ないだろう。キラは一瞬顔を強張らせる。が、
「それが、自分の身を守るためなら……」
キラの決意は固いようだ。アンディは笑いながらキラの頭を叩きつつ
「君の負けだよ、この世界を回るには道案内も必要だろう。なに、こいつは君が思っているより随分と、タフでね。そんじょそこらの小僧とは一味違う。」
と、うれしそうに言う。どうやら反論できそうに無い、とんだオマケが付いてきた物だ。
確かに、今現在頼れる人間はこの屋敷の中に居るのみだ。だからと言って、
「道安内なら女性の方が……」
「彼女にも仕事があるさ、それに、ラミアス君も僕も、待たせている人がいるからね……」
アンディが窓の側に置いた写真の方を向く、どうやら彼女もコイツも戦場で恋人を無くしているらしい。
確かに湿っぽいのは苦手だ。イルムはしぶしぶと頷き
「わかった!わかったよ、ったく、どうしてこう俺の周りには自分から危険な目に合いに行こうとする奴が多いんだ!?」
「似た者同士は惹かれあうんじゃないか?」
「冗談!!来てくれるのは女の子だけで十分だ。」
と、軽口をたたきながらキラに準備をするよう促す。
準備をしに自室に戻るキラを待つ間、アンディはコーヒーを淹れることにした。
「今までに飲んだ事も無いヤツを頼むぜ。」
「任せてくれたまえ、二度と忘れられない奴を淹れてやろう」
アンディは得意げに笑うと器具と容器を取りに部屋を出る。
一人居間に残ったイルムはバルコニーに出て、海を見下ろす……
きっとどこかに居る予感がする、……自分と同じように何処かを彷徨っている。
「待ってろよ、必ず戻るからな」
一人呟くと、バルコニーを後にし、彼もまた、自室に戻り始めた
そろそろ自分も支度をしなければなるまい……
仲間を探し出すために、自らの行動の結果を知るために……
イルム編一部終了、シン編一部に続く……
適当にSS投下、キラが不殺してないとかみんなの口調が適当なのはかんべんな
キラのフリーダムが放つフルバーストがゼオラのビルトファルケンを捕らえる
ゼオラ「きゃああああああ!!」
レイ「!!」
ゼオラ「くっ、ファルケンが動かない!?」
シン「ゼオラ!!」
ゼオラ「お願い、動いて、ファルケン!」
シン「クッ、ゼオラを・・・ちくしょう、インパルス、動け!動けよ!!」
ゼオラ「わ、私は、私はこんなところで死ぬわけにはいかないの!大切なものを守るためにも、シン達にそのことを教えるためにも!」
シン「ゼオラ…」
ゼオラ「このままじゃ死ねない、こんな気持ちで死にたくない、あの子達に会うまで死にたくない!」
シン「ちくしょう・・・どうしてだインパルス!?なんで動かないんだ!?」
レイ「ゼオラ!シン!」
ゼオラ「私にはまだやらなきゃならないことがあるの、あの子達を捜さなきゃならないの!イルイとアイツを、私の大切な人を、アラドを見つけ出すまで死ねないのよ!!」
キラ「・・・・・ごめんね」
シン「ゼオラッ!!」
キラがフリーダムのライフルをビルトファルケンのコックピットに向けトリガーを引こうとした時、長い間ファルケンの中で眠っていたある『システム』が起動する
メイリン「艦長、謎の機体が高速で戦闘宙域に接近しています」
ゼオラ「・・・え!?」
シン「何だ!?」
ゼオラ「な、何、これ、TBSモード起動!?あ、あぁ、まさか、これって!」
キラ「何!?うわぁ!!」
謎の機体は文字通りフリーダムに突撃しファルケンに近づく。その右腕に付いた兵器は当にカニバサミ
アラド「何がカニバサミだ!?これはクワガタのハサミだって言ってんだろ!!」
タリア「・・・・あの機体、何者なの?」
アラド「ん、あんたがミネルバ艦長のグラウディスさん?特務隊FAITH、アラド・バランガ、これより戦線に参加しますよ!ゼオラ、何ボサッとしてんだ?トリコロールカラーのやつにツイン・バード・ストライクをぶちかますぞ!」
あーもうメンドクセー、ってなわけで続きません
1/3
それは間違い それが間違い
私は間違い
だから起こす 間違いを
巨悪に立ち向かう孤独なヒーロー。
昔、そんな作り話を夢中で見ていたことがある。
あの頃はそのヒーローがとても格好良く見えていたものだ。今でもそのヒーローは好きだし、彼の持つ強さと心にちょっとした憧れさえ持っている。
しかしどうだろう。実際に垣間見るそれは、俺の顔は。
何故こうも、化物を見てしまったかのような恐怖心に襲われているのだろうか。
「おい、嘘だろ……?」
コクピットの中で、赤い瞳の少年シン・アスカが呟いた。
眼前には二つの巨体。地球と、今まさに落下しようとしているプラント・ユニウスセブン。
その中間で仁王立ちする一体の巨人―――鎧武者を思わせる、MSの四倍ほどの体躯を持つそれは、どこから出したか自身より巨大な刀を大上段に振り上げて構えていた。
『え? ええ??』
『いや、まさか。本気か……?』
『馬鹿な! あの機体、ユニウスセブンを斬る気か!?』
『グゥレイト。まさに切り札って感じじゃん?』
事態を飲み込めていない者、冷静だが緊迫した息を吐く者、ヒステリックになる者、自棄気味に軽口を叩く者。
彼らだけではない。この場にいる全ての者が我が目を疑い口々に何かを叫んでいた。
「議長! あれは……」
「いいから。我々は見守るんだ」
ミネルバ艦橋。艦長のタリア・グラディスはプラント議長ギルバート・デュランダルを睨みつけていた。
破砕部隊の援護をしていた矢先、彼は唐突に全部隊へユニウスからの撤退を指示したのだ。何故かと問えば「切り札がきた」と余裕の表情。
何かと思って視線を戻せばこの光景である。この男の正気を疑うのも致し方ないことだろう。
2/3
時間にして数秒、しかし随分と長く感じられる静寂がこの宙域を包んだ。
その沈黙を破ったのは、巨人だった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!」
咆哮。天地を割らんばかりの漢の声。
巨人との通信は開かれていない。しかし聞こえる勇ましき怒号。
裂帛の気合と共に振り下ろされた一撃は巨石の墓標を容赦なく貫いた。
一 刀 両 断
二つに分かれた衝撃で破砕機が連動し、ユニウスセブンは見事に四散した。
だが歓喜の声は起こらず、眼前の出来事を現実と認められる者もおらず、また静寂が訪れていた。
その中で巨人は身を翻し、去っていく。
追う者は居ない。誰も彼もが呆然としていた。
「諸君、まだ破片は残っている。作業にかかってくれ」
ただ一人、穏やかな表情で指示を出した男を除いて。
3/3
去っていく鎧武者を、赤い瞳はずっと追い続けていた。
無言で地球の危機を救った英雄(バケモノ)…… その背中を、ずっと。
「何だよ… 何なんだよ、一体……」
熱に浮かされたように漏れる言葉。
胸の中で黒い何かが蠢いている。それがどのような感情か、誰のものか、少年は知る術を持っていなかった。
―――そう これは間違っている
―――これは 間違い
―――私の
「……ぇ…?」
『シン? ちょっと、シン!?』
不意に聞こえた何者かの声。だが少年は、それが何であるか突き止めることは出来なかった。
友の声が彼を現実へと引き戻したからだ。
ユニウスセブンの地球落下。後にブレイク・ザ・ワールドと呼ばれるはずだった事件は、こうして改変された。
あれは間違い あれも間違い
私は間違い
だから起こした 間違いを
けれども 間違いとは 何だろう
以上。投下終了
2ちゃんでのSS投下は初なのでこれでいいのかどうか orz
因みに今回の出演は 親分 Rのあの人 でした
では失礼
「グゥレイトゥ、流石BOSSだぜ」
てなわけでGJ
スパロボのアニメ見てテンション上げながら某SSを完走させましたが何か?
気付いたら最終決戦の言い合いが暁の決戦のときのマサキ、流星とビアンのやり取りにクリソツ…orz
気にするな。俺は93氏のSSにいつパピヨンが出るかだけを気にしてる。
>>280 この配役で行くと、シンは最終的にディス(ティニー)・アストラナガンに乗って、平行世界の番人になるのか
290 :
93:2007/03/18(日) 03:28:53 ID:???
291 :
288:2007/03/18(日) 13:15:11 ID:???
さぁ?俺はドリル戦艦の情報漏洩なんて知らないけど?
292 :
93:2007/03/18(日) 14:08:10 ID:???
今回はちゃんと続けるから……
293 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 22:48:30 ID:ToAzuGvc
ほす
294 :
93:2007/03/20(火) 01:37:17 ID:???
こないだの≫277の続き
再会編その1
再会は意外にも早かった。
ディオキアでステラと出会い、再会を約束した帰り、見覚えのある姿がみえた。
「よう、久しぶり。景気はどうだい?」
彼は笑みを浮かべながら手を振った。どうやら俺のことを覚えていてくれたらしい。
どうやら先客が居たらしく二、三会話をした後、去っていった。
「すみません、客、逃しちゃいましたか?」
俺は謝るが、彼は客では無く知り合いだと言う。
「じゃあ友達に会えたんですね?」
「ま、全員じゃないんだけどな……」
と、能天気な声で答えた。
「それより、俺に会いに来たって事は、俺のトリックが恋しくなったってコト?」
残念ながらその通りだった……どうやら俺は、悲しいことや寂しくなると、童心に帰りたくなる性質らしい
「んじゃ、この俺のとっておき、見せてやるぜ!!」
「じゃあ、またタダで見せてくれんのか?↑」
「人生そんなに甘くは無いぜ、前回の分もまとめて徴収じゃあ!!」
「ゲーッ↓」
「おいおい、そんな落ち込むなって」
上機嫌で始める彼に釣られて、俺の気分も上がってきたようだ。
不思議な奴だった。ノリは軽いのだが、ちゃんと自己を確立している。
まるで自分とは正反対だ……大して歳の変わらない自分とは何が違うのか?
「おいおい、ジョーダンだって。金ねぇのか?何なら今回の分もタダにするか?」
心配そうに声をかける。
「……違う、違うんだ」
俺は今までのいきさつを彼に話した。
295 :
93:2007/03/20(火) 01:38:18 ID:???
ソノ2
たった二回しか会ったことのない人間なのに、なぜか、彼には話せる気がした。
「なるほどね……争いからみんなを守りたい。だから軍に入った。と」
彼は頷きながら俺の話を真面目に最後まで聞いていた。
しばらくして、ゆっくりと口を開いた……
「俺なんかが言っていいかわかんねぇけど、アンタは最初から高望みしすぎなんだよ。」
「高望み……」
「そう、端から大多数の人間を守りたいなんて、高望みもいいところだ。」
「じゃあ、どうすればいいんだよ!!」
「千里の道もなんとやらってな、俺もまだまだ一合目だ」
そう言いながら、彼は店じまいを始めた。
「もう行くのか?」
「そろそろ金も貯まったからな、また流れるとすっか……レオナちゃーん!!そろそろ移動しようよーっ」
こっちに歩いてくる女性にむかって、彼は荷物を入れたケースを片手に歩き出す。
ふと、こちらに向き直り手を振りながら、
「じゃあな『シン』、何事も最初が肝心だぜ!!」
そう言うと、女性と一緒に歩き出す。
それを見送る俺は、ふと気がつく……
「なんで、俺の名前しってんだ?」
決断編に続く……
296 :
93:2007/03/20(火) 01:42:48 ID:???
本編は明後日あたりに投下します。
≫288氏は、『ソニックブレイカー』と『Fソリッドカノン』、
どっちがいい?
297 :
288:2007/03/20(火) 07:32:03 ID:???
高望みをするとGソードダイヴァーだけど、
二択ならFソリッドカノンかなぁ…ラーズも主役機だし。
ソニックブレイカーだとPS装甲に効力が減らされそうな気もするし…
298 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 00:23:40 ID:S+ipEm93
そういえばラーズアングリフが主人公機ってイメージがあんまない…
俺はAでは真っ先にラーズを選んだぜw
硬い装甲に旧式なデザインな砲戦型俺のハートにクリティカルだったよ。
ちなみにパイロットはラミアだった。
そういえば、スパロボキャラって版権の連中も含むよな。
スパロボ世界で成長したキラが種死の世界にやってきて、ラクシズ&平行世界の自分に立ち向かうって話はどうだろうか。
アストレイ勢との面識があって、フレイやトールが生存するWのキラなんて物凄くオイシイと思うんだけど。
いや、Jの熱血キラも捨てがたいが……。
サルファのキラでもよくね?
>>300 カルネアデス作戦に成功し水木を倒したαナンバーズが地球に帰還した、と思ったら
そこは新西暦ではなくCEと言われる地球だった、というSSなら昔書いてお蔵入りさせたw
そういえばサルファで種勢力が敵で出てきたときには大抵の奴がグリリバ先生の手にかかっていったなぁ。
特に種死でハゲがうざかった辺りのときに出てきたイージスには余ったSP注ぎ込んで熱血ゴルディオンハンマーやら
熱血ツインバスターライフルやら熱血断空光牙剣でトドメを刺してた記憶が…
ここってスパロボのオリジナルキャラだけじゃなかったか?
エクスカリバー&斬艦刀とか個人的に凄く燃えるんだが
いっそシンにはグランドスラムを使わせるべき
308 :
93:2007/03/23(金) 00:35:48 ID:???
そういえば、このスレ的にはオリ機体はアリなのか?
既にキラinダガーは出しちゃったけど、次の愛機は和田以外の機体にしたいんだが…
だめかね?
>>308 そこで上に出ていたストライクE+フリーダムストライカーですよ
310 :
93:2007/03/23(金) 01:52:13 ID:???
本編スタート
―指示通り、ダミーを通じて例の情報をリークしたけど、本当に良いのかい?
―かまわん、既にあちらは確実に食らい付く……もはや止められはせんよ
―あれ自体が罠の可能性は?
―どう転んだとしても、こちら側にリスクは存在しない……
所詮実行部隊は『奴ら』の息のかかった部隊……早々に消耗してくれれば、こちらも動きやすい
―まぁ、そう言うのなら僕は何も言わないよ
―さて、そろそろ時間だろう……
―これでもう僕たちがやることはオシマイかい?
―まさか、これから始めるのだよ……
311 :
93:2007/03/23(金) 01:53:01 ID:???
警報が響く。接近されすぎた
「くそっ、またか!!」
シン・アスカはコクピット内で左右に揺られながら、悔しそうに呻いた。
彼の乗るMSは敵を引き離そうと、スラスターを吹かしつつジグザグに後退するが、中々距離が離せない
「三回連続して同じモーションだ」
相手の機体のパイロットはそう呟くと、シンの一瞬を突き、モニター内から掻き消える……
直後、機体の左側から激しい衝撃が奔り、シンの機体は横倒しとなり、
倒れたシンの機体の胴体めがけ拳が振り下ろされる。
コクピット内の明かりが消え、モニターがブラックアウトした後オペレーターの無情な報告がする
「アスカ機、コクピットに直撃。演習終了、パイロットはシミュレータールームから退出して下さい。」
筐体から降りたシンは、深いため息をついた。
初戦から数えて12回連続敗北、いまだ白星はついたことは無い。赤服たる自分がなんというザマだ……
重い足取りでシミュレータールームから出ると、控え室に、見覚えのある顔が二人。レイとルナマリアである。
「また酷くやられたようだな。」
「そういうお前は何回目だ?」
クールに振舞うレイだが、シンは知っている。レイもルナマリアも、おそらくここに居る殆どの人間も、自らの演習相手に勝ったためしが無い事を
「……俺は一太刀入れた。」
「何よ、肩にかすっただけじゃない。しかもその後すぐに直撃食らってオシマイだったクセに」
苦しそうなレイの呟きに対し、ルナマリアがツッコミを入れる。
「「「ハァ……」」」
どうやら皆同じような物らしい……三人は同時にため息をつく。
二人は士官学校の同期であり、卒業後も同じ部隊に配属された親友である。
又、一週間後の新しい配属先も一緒という何か因縁めいた腐れ縁でもある
「噂は伊達じゃなかったわね……」
三人の紅一点、ルナマリアが悔しそうに呟く。
本来ならば、新しい配属先への調整をしている筈の彼らが何故、今になってこのような演習に参加しているかというと、この演習に参加しているある部隊のためである。
312 :
93:2007/03/23(金) 01:53:47 ID:???
――特殊戦闘技術教導隊――
半年前、現プラント議長、ギルバート・デュランダルが、機動兵器操縦技術の指導、研究を目的として設立した特殊部隊である。
メンバーは議長直々に各地域から選出した人物で構成されており、年齢、性別、人種も様々な人間が集まっている。
発足当初は、古参のパイロット達からの厳しい批判もあったが、今はその声もなりを潜めていた……。
理由は、彼らの圧倒的な操縦技術である。彼らの駆る機体は、システム以外はほぼ一般量産機と変わらないはずなのだが、エースと呼ばれる者でさえ、かなりの苦戦を強いられる程の強さである。
『現在、アーモリー・ワンに駐留中の全パイロットは彼らとの模擬戦を行うように。』
との議長直々の通達が来たのが、一週間前
彼らの着任直後から腕に覚えのあるパイロットが次々に挑戦したが、結果は惨敗に次ぐ惨敗、次こそはとリベンジに燃える彼らだが、未だ結果は実ったためしは無い……
士官学校トップの証の赤い制服を着る彼らといえど、まだまだ実戦を経験したことのないヒヨっ子である。彼らに対し一太刀も当てられないのは当然なのだが……
「そういえば、さっきアンタ隊長室に呼び出されてたわよ?」
「ゲッ!!マジかよ……」
直接会って話をしたことはなかったが、シンは教導隊隊長であるカイ・キタムラに対して苦手意識を持っていた……
着任当時、彼らとの顔合せの時、シンが思わず『舐めた口』を利いてしまったため彼らの犠牲者第一号となってしまったのである。
しかし、命令は命令である。出頭を拒否するわけにもいかずシンはしぶしぶ隊長室へと向かうのだった……。
313 :
93:2007/03/23(金) 01:55:12 ID:???
「シン・アスカ、入ります。」
「おう、入れ。」
扉の先には彼らのオフィスがある。シンは緊張しながら扉を開けた
奥のデスクに中年らしき男が座っている。
「来たなアスカ、まぁ座れ」
男はそう言って、椅子を指し座るよう勧める
シンはガチガチになりなりながら、差し出された席に座った。
「まぁ、そう緊張するな。別にお前の演習成績についての話だとかそういう事ではない。
実は、お前の戦闘パターンに『奴』が興味を持ってな……直々にモーションデータを取りたいそうだ。」
「『奴』って……」
「そうだ、
『ゼンガー・ゾンボルト』
お前が初戦から負け続けているあの男だ。」
カイは口の端を歪める。
シンは自らの想像とは全く違う展開に、驚きっぱなしである。
ゼンガー・ゾンボルト……シンは元よりベテランすら打ち負かすほどの技量をもつ男である。
教導隊の名を短時間でここまで広めたのは、彼らの腕前の他にも彼のその奇特な戦いかたも大きかった。
彼の駆る機体は、片刃の重斬刀とけん制用の武装しか使わないという、独特な戦闘スタイルをとるのだ。
「でも俺、来週受領する機体は、換装式の汎用機です。
教官のモーションは接近戦に特化しているから、効果は薄そうですけど……。」
シンは遠慮がちに述べる、が
「そうか、お前は例の新設部隊行きだったな……だが、このプラントで、
あのゼンガーが目を付けたんだ、話だけでも聞いてやれ。」
どうやら断ることは不可能らしい、シンはカイに強引に、ゼンガーの待つ格納庫へと連れて行かれるのであった。
続く……
314 :
93:2007/03/23(金) 02:01:24 ID:???
第一話終了。
とりあえず、キタムラのおっさん登場!!
≫288氏
パピヨンは、三バカ襲撃までしばらくお待ちください……
315 :
309:2007/03/23(金) 02:03:10 ID:???
スレタイを改めて確認した。
見事なまでに誤爆だったorz
>>313 GJです。
てか旧教導隊キタ――――(・∀・)―――――!!
オッサンと親分キタwwwwwwwww
オッサンが隊長なのか
カーウァイ・ラウは最初から存在しないか、それともガルインとしてファントムペインに所属か
教導隊に対して、カガリが何をいうのやら……
兎に角、GJ!
なんかSSきてるw
320 :
93:2007/03/24(土) 22:39:41 ID:???
種世界でスパロボキャラMS乗るなら何に乗るか……
親分にソードは無しで
誰もが思い付くが、あんまり似合わないし……
ソードカラミティと行きたいとこだがザフトにはないんだよなこれ
グフクラッシャーあたりに蘊奥爺さん直伝の刀でもつけとこうか
つ機斬刀持ちのあの機体
機斬刀じゃなくて、斬機刀じゃね?
親分に全長150メートルのあのポン刀を使わせずに、いったい誰に使わせろと?
馬っ鹿あのポン刀をジンで使いこなす所に
親分の凄さがあるんだろ
つーか機体がもたねぇwパワードレッドが必要だwww
竜巻兄さんをガイアに乗せて親分とセットで竜巻斬艦刀は熱い?
待て、パワードレッド本体を用意する事はない
幸いにも現在シビリアンアストレイJGだかDJだかカスタムとかいう
性能上プロトアストレイと同じ規格で性能持つ量産型アストレイが今月のHJだか電撃だかで発表されてる
それをちょちょいと引っ張ってきてパワーシリンダーをくっつけてちょいちょいと親分好みにすれば
ほら、シビリアンアストレイ親分カスタムの出来上がりだ
カイはBザク、ギリアムはドムなイメージ
いや、なんとなくだけど
教導団来たということは
寺田も出る可能性があるわけか
親分にはパワーシリンダー(手足)&追加装甲装備のゲイツで行って欲しいかな…
竜巻兄さんにはラゴウ辺り
竜巻兄さんにはガイアとかどうよ
宇宙用のカオス、水中用のアビスと比べ陸戦用のガイアはフレームにかかる負担が段違いに高いため試験用機体が制作されたって感じで
本物との違いは、あくまでもフレームにかかる負担を計測するための機体だから変形後のグリフォンビームブレイドは搭載されていないとかで
ラゴウよりも虎バクゥにしようぜ!!
単純なパワーはラゴウも超えるぞ!!
333 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/25(日) 18:50:27 ID:zf1xHieY
誰かアポロン閣下のことを思い出してあげてください
アポロンは特別なカスタム機じゃなくて、普通の指揮官機が似合う気がする。
Bザクなんかが似合うと思うね。
ただ、色を黒にすると……ディアッカになるんだよな。
誰か無職の事も思い出してあげてください
無職にこそ自由だと言ってみる。
だって自由ってよく蹴るじゃんwww
トウマはパイロットよりも整備士なキャラじゃね?
普段は気さくな整備士だが、有事には大雷鳳を駆る!!
みたいな感じで……
博打、撃墜され王とその相棒は?
オリジナル主人公最強って、やっぱりフォルカかな
逆に考えるんだ
彼にこそストライクフリーダム(ラクシズに強奪前で装甲&ドラグーン増設前)が相応しいと
そう考えるんだ
ストライクフリーダムのVLが叩き出す超パワーを
百パーセント以上の効率で打撃力に変換し、その上でなお自壊しない(以下略
というわけで。
あいつ操作系がDMLシステムじゃないと操縦出来ないから駄目じゃね?
じゃあDMLシステムを増設すればヨロシ
つネロスガンダム
もしくはガンダムヘブンズソード
345 :
93:2007/03/27(火) 20:58:55 ID:???
このスレって、キャラの設定変更OK?
本編の同一人物とは、かけ離れた設定の人間が出てくるかも知れないのだが……
キャラクターの設定変更は種系SSのお家芸だからいいのでは?
シュウ・シラカワが話のネタにも出てきてないのが意外っつーか不思議
あからさまな黒幕キャラだから絡み難いのジャマイカ?
ここで歴代オリキャラ最強の、修羅王フォルカ・アルバーグ登場
>>349 最近アーディガン一家に追い抜かれた気がしないでもないぜ
アホセルがいるのに、ラミアやジョッシュが出てこないのに違和感を感じる俺はロボゲ版萌えスレ住人。
>>350 単独ならフォルカの右に出る奴はいないだろ
何せ、奴の乗るヤルダバオトは特別なシステムも動力も一切無いんだぜ
ヤルダバオトの能力は唯一つ、フォルカの力をそのまま反映させるってだけだからな
生身では間違いなく最強の男だ
そして修羅王の拳は次元の壁をも吹っ飛ばす
やはりフォルカ最強だな
減所から帰ってきたらバトロワやるわ
356 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 02:26:15 ID:tdypIOm6
イルムがジュデッカ仕留めてたな、格好ヨスwww
357 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 02:59:43 ID:b7MMMO15
DisRXバロスwww
和田なんぞスペック・ネタ共々足元にも及ばないなwwwww
いい意味で期待を裏切ってくれたな。てっきりイングラムをSRXで、レビをコスモノヴァで倒して終わりと思った。
ってかコスモノヴァの演出が一番凄かったな。さすがグリリバ大先生。
359 :
93:2007/03/31(土) 02:35:36 ID:???
明後日辺り第二話投下します。
いぶし銀と竜巻登場……
これだけでは微妙なので、キラダガーの設定でも……
ダガー(キラ機)
キラ・ヤマトが傭兵として暮らすための商売道具
外見は基本的に105ダガーなのだが、中身のほうは、ゲイツやシグーのパーツ、
果ては少数量産された量産型Gのパーツまで使っている(基本的に連合初期のMSはザフト製MSの完コピのため)
そして半年に渡る傭兵見習い(モドキ)生活の中で、様々な改良、修理が施されている。
主な変更点、
腰部にウェポンラックの追加
バイタル部のラミネート装甲の排除
ビームライフルの他に重突撃銃、対装甲ナイフを標準装備
センサーの強化
この他にも様々なギミックが盛り込まれていますが、それは本編で語ることににします。
とりあえず、ムチャな必殺技やドラグーンとかじゃないです。
基本的にこのSS内でのキラは泥臭い戦い方をします。
本編の様な高性能モビルスーツで弾薬を気にせずボカスカ撃つなんてコトはありません
某スレの馬鹿ピンク様程ではありませんが、キラ自身にかなりの補正がかかっています。
>93氏
おお、期待して待ってるよ。
トロンベの機体が気になる…うーん、実にトロンベ
ディバインウォーズを見てスパロボをやってみたくなったのだが
六月の新作からやっても話が分かるだろうか?
ジュデッカを倒す時の連携マジかっこよかった
だいたいOGでわかるぜ。
ただイングラムと久保の関係はサルファ、イングラムと仮面の男の関係はスーパーヒーロー作戦をやらないと…
あとマサキとシュウも魔装機神LOEやらないとわかりにくいかも…
ただアニメほどはサイバスターだけ大暴れはしないから安心してくれ。
スパヒロのイングラムは結構熱血してたよな……
いや、ほら主役だし…
>>363 スーパーヒーロー作戦か…調べたがガンダム系しか知らないんだが………
魔装機神LOEってスーファミ!?もう壊れて動かない………
サルファがなんだか分からなかった…
>ただアニメほどはサイバスターだけ大暴れはしないから安心してくれ。
マジで!?サイバスターの三大技(勝手に命名)はかなりハマったのに
いや他にもTリンクナッコゥとかゼンガー、SRXも俺のハートをブレイクしたが
>>366 サイフラッシュがバレリオンを一気に打ち落とせる程は強くないけど、
(あんなに強かったらバランスブレイカーになっちまう)
サイバスター自体は全体の中でも強い部類にはいるし、たぶんOGSでもサイバスターの演出はかなり凝ってると思われる。
理由はこのスレにも名前が上がったグリリバことスパロボスーパーバイザー緑川光がマサキの声やってるから。
彼の一言で、αシリーズのゼロカスタムの演出が凄まじく手の込んだものになった。
370 :
93:2007/04/03(火) 00:57:20 ID:???
只今から投下開始!!
371 :
93:2007/04/03(火) 01:00:33 ID:???
広い演習所の片隅で、二人の男が竹刀を構えて対峙している。
背の低い方の少年は、ジリジリと間合いを詰めつつ相手の隙を窺う……
対する男は未だ一歩も動かずに、竹刀を構えたままじっと青年を見据えている。
と、
「はぁっ!!」
掛け声と共に男の間合いに踏み込むと、少年は一気に男の頭上に竹刀を振り下ろした
が、男はそれよりも早く青年に対し面を叩き込み、少年はその場に倒れこむ。
その間一秒にも満たない、まさに神業である。
「浅い…もっと打ち込んで来い」
少年を見下ろす男、ゼンガーは静かに、だが力強くそう言った。
第二話
宇宙に回る砂時計の群れ、コーディネーターの国家『プラント』
そのうちの一つ、軍事工業コロニーのアーモリーワンでは、新型戦艦・ミネルバのお披露目が明日に迫っていた……
「それで、例の三機の状態は?」
「まだシステム上のトラブルが解決していないようです、なにしろあの三機は実戦を想定したタイプの可変機ですから……」
「デリケートなのはこちらも承知しているわ、いざとなったら突っ立たせるだけでも良いから今日の午後までには搬入を完了させるように伝えておきなさい。」
そのミネルバの艦長であるタリア・グラディスは予想以上の作業の滞りに頭を悩ませていた。
MSだけではない、人材の不足、予想外のトラブル、そして例のオーブの代表の突然の訪問と、問題は山積みだ。
「とにかく、三機については以上。で、残る『インパルス』だけど……」
「ハードウェアは概ね準備完了しています。後は『シルエット』の調整だけですので、デモンストレーションに問題はないかと思います」
「後はあの偏屈集団のGOサインを待つだけね……」
「はぁ、教導隊には既にスケジュールを送信しておきました。おそらく大丈夫かと……」
副官のアーサーは彼女の不機嫌な表情に対し尻すぼみな答え方をする。
「まぁ良いわ、一応ヨウランに拾わせましょう。今頃は彼、動けなくなっているでしょうから」
艦の外部を映すモニターに向けタリアは皮肉交じりにそう呟いた……
372 :
93:2007/04/03(火) 01:02:23 ID:???
同プラント、演習エリア
上半身裸のまま、シンは演習場で大の字になったまま、ぼーっと空を見上げている。
雲の上にはうっすらと、テント状にすぼんだ天井が見える……
「運動後には、適度な糖分とクエン酸が必要だ」
ウェーブのかかった金髪の男が、こちらに近づいてきた。
片手には琥珀色の液体の詰まったタッパーを持っている……
「教官……」
「レモンの蜂蜜漬けだ。食べるといい」
上半身だけ起き上がると、タッパーを空け蜂蜜に染まったレモンを口にする。
程よい酸っぱさと、運動後特有の強い甘みが口いっぱいに広がる。少し疲れが引いた気がした。
「……ありがとうございます」
「その顔をみると作った甲斐があったというものだ」
息を吹き返したようなシンの顔にレーツェルも苦笑しながら例を返す。
実際、ゼンガーの地獄の訓練をここまで耐え切っているのは、ひとえにこの訓練後の至福の一時を味わうためと言っても過言では無い。
これが無ければ、シンはとっくの昔にこのコロニーから逃亡していただろう……逃げ切れるかはともかく。
「ゼンガーとの稽古も、今日で一段落か。明日の式典が終われば……」
「はい、慣熟訓練が終了したら、月軌道でのパトロールです」
「そうだったな」
373 :
93:2007/04/03(火) 01:03:52 ID:???
灰色のコンクリートに直に胡坐をかくシンはレーツェルを見上げる。
こうしてみると彼の大きさが良くわかる、ゼンガーとほぼ同等の身長だ。
「こうして短期間だがゼンガーに師事したわけだが。シン、君はゼンガーをどういった人間だと感じたかね?」
「そうですね……初めのうちは『何考えてんだコイツ?』って思っていましたけど、要は不器用なんですね、あの人。」
「彼だけではない。我らもまた戦う事でしか自分を見出せない人間だ。だからこそ、こうやって君達に戦う意味や、生き残る術を教える事が出来る」
苦笑するシンに対し、レーツェルも釣られて笑みを漏らす
「それにしても、いきなり竹刀を持ち出してきて、『打ち込んで来い!!』は無かったですよ……」
「フッ、わが友の強引さは今に始まったことではないさ……彼のかつての部下など、入隊直後に実戦演習をさせられた程だ。」
「ムチャクチャすね……お?」
冷や汗をかきつつ、シンはこちら歩いてくる人影を見つけた。どうやら同僚のメカニックのヨウラン・ケントだ。
「どうやら艦長が催促しているようだな……行くといい。」
「明日の進宙式には出席しますよね?」
「もちろんだ」
「じゃあ、今日はありがとうございました!!」
シンはレーツェルに一礼すると、更衣室に駆け出していった。
374 :
93:2007/04/03(火) 01:05:03 ID:???
同時刻……
「君たちと出会ってから、どれくらいかね?」
眼下に広がる町を見下ろす男、現プラント議長、ギルバート・デュランダルは降下を続けるエレベーターの向かい側の壁に背中を預けている男に尋ねる。
「一年と六ヶ月ほどです」
整った顔立ちだが、影のような雰囲気を持つその男は静かに答えた。
今エレベーター内は彼ら二人だけしか居ない。普段なら異例のことである。しかし、デュランダルには、そうまでする理由と彼らに対する信頼があった。
「そんなになるのか……あの日以来、君達には世話になりっぱなしだな」
デュランダルは苦笑すると手元の資料に目を向けた。
「さて、当面の問題の彼らのことだが……」
「『どちらの』、ですか?」
「もちろんオーブのことさ」
現在、彼等はお忍びで来訪したオーブ代表との会談に臨むことになっていた。
三年前の大戦時、国を焼かれたオーブは国外に脱出した人間が数多く存在した。その中には優秀な科学者や技術者なども含まれている。
彼らのもたらす多大な技術を中立の根底に持つオーブは、なんとしても取り戻さなくてはならないものである。
事実、彼らの中には、オーブへの帰還を求めても受理されない人間も多い。
代表自ら単身乗り込んでくるあたりから、その必死さが窺えるだろう。
「返してもかまわないのだがね、何か見返りが欲しいものだが……」
「……中立同盟を結ぶつもりですか?」
「いや、あそこは未だ連合の目が厳しい、下手に触れば三年前の二の舞だ」
そう、一歩間違えれば、前大戦の再来にもなりかねないのだ。
そうなれば、連合とプラント、どちらに傾いてもオーブという地は戦火に包まれる。
食糧自給の一部を彼等に頼るプラントとしても、それはご勘弁願いたい。
オーブにとっても、プラントにとっても今のままの関係を続けたいわけだ。
「しかし、見返りもなしに彼らを引き渡すのは良好とはいえません」
そう答える男に対し、デュランダルは口元を歪め
「なぁギリアム、私からも何かお返しをするべきだと思うのだが?」
「まさか!?議長!!」
同時にエレベーターが開く
エレベーターから出てきたデュランダルは勝ち誇った顔のままオーブの代表の待つホールへと進んでく。
しばしあっけにとられたままの男は先を歩く議長に気がつくと、早足で彼に付いていった。
続く……
375 :
93:2007/04/03(火) 01:06:07 ID:???
豪雨の中、二機のMS中を舞う……
片方は濃紺と白に塗り分けられたMS、
損傷がひどく、装甲表面は既にボロボロである。しかしその機体から発するオーラからは、強い意志と、信念が見て取れる。
少なくとも、諦めは微塵も感じない。
もう片方は純白に黒いラインの入った見たことも無いMS……
だが、戦場でその機体を見た者は口をそろえてこう言うだろう
「あれは『フリーダム』だ」と……
白い機体がダガーの上を取り、正面の全砲塔を向け一斉に放つ。
ダガーは七色の死の閃光を巧みにかわし、反撃を試みるが、相手は驚異の運動性でビームかわす。
一進一退の攻防が続く……
「くそっ!!きりが無い」
ダガーのパイロット、キラは悪態をつく
「いい加減落ちろよ『旧型』!!貴様はもう用済みなんだよ!!」」
白い機体から自分と同じ声がする。
「ふざけるな!!自分の価値は……自分で決める!!」
ダガーは突如ビームライフルを白いフリーダムに投げつけはるが、腕に装着したシールドで弾かれてしまった。
「あっけない……もう観念したのか?」
白い機体の主は勝利を確信する。
『この機体』に有効な敵の武装は先程のビームライフルのみである。
ビームサーベルは既にエネルギー切れ、あとはけん制にもならない突撃銃と装甲ナイフだけだ。
376 :
93:2007/04/03(火) 01:06:56 ID:???
そんなわけ……無いだろッ!!」
紺のダガーは突撃銃を撃った………先程のビームライフルに。
あたりに強烈なエネルギーが放射される。終始優位に立っていた白い機体だが、避けようも無い攻撃に、シールドを構えることしか出来ない。
「うおおおおおおっ!!!!」
「なにぃっ!!」
強烈な光の中からシールドを構えたダガーが突っ込んでくる!!
一瞬の隙を突かれた白い機体は避けきれない。
「いくら装甲が強固だろうが、この熱エネルギーまでは防ぎきれまい!!」
ダガーは腰にマウントしてあるアーマーシュナイダーを相手の頭部に突きつける
「これだけの火器だ!!FCSもさぞデリケートだろう!!」
「キサマァァァァァ!!!!」
役に立たなくなったシールドを捨て、もう片方のアーマーシュナイダーも取り出し、コクピットに突きつける
「おわりだぁぁぁぁ!!」
「まだだぁぁぁぁっ!!」
フリーダムは全火力をやたらめったらに撃ち、ひるんだ隙にダガーと距離を取る
ダガーと同じ位に満身創痍となったフリーダムは、空中に浮ぶのも精一杯のようだ。
「よくその旧式に機体でこの『S・フリーダム』を追い詰めたものだ……」
しかし、ダガーのほうも、地に立っているのがやっとという感じだ。
「勝負は預ける!!せいぜい『その商品』大事にするんだな!!」
空域を離脱するその機体を悔しげに見つつ、相方に通信を入れる。
「キラ、無事だったか!!」
「ええ、何とか……イルムさん、その子の容態は?」
「軽い脳震盪だ。そのうちめを覚ますだろう。しかし何だって……」
「イルムさん」
「ん、どうした?」
「一度、オーブに帰りましょう。何か嫌な予感がするんです……」
コクピットの亀裂から外が見える……雨は未だ止みそうにないようだった……
「また、戦争が始まるのか……」
キラは一人そう呟いた。
377 :
93:2007/04/03(火) 01:11:40 ID:???
投下完了……
シン編の戦闘は三話辺りで。
ODEは側近キャラ
ちなみにキラと戦った相手はまだ秘密……
オリキャラ出しちまったよぉぉぉぉorz
ごめんなさい
GJ。
キラいいキャラしてるな。
GJ!
ここのキラは素直に応援したくなる。
和田に乗ってるのはカナードだよなあ…ヤバ、謎が謎を呼んできた。これからのてんかにwktk
GJ!
あの濃厚なオッサン達に鍛え上げられたシンなら精神的にもキラやハゲに負けないと俺は信じるぜ!
382 :
93:2007/04/05(木) 13:51:05 ID:???
>>378-381 サンクス
三話から本格的な戦闘になる予定……
所で自分の文章の書き方で
「こうすりゃ読みやすいんじゃね?」
とか
「こうしときゃあ良かったんジャマイカ?」
とか無い?
あれば直してみたいと
キャラの心理描写とか、動きが本格化するのはこれからだろうから
まだ特に「こうしたら?」というのが具体的には分からないけど、
地の分に「!」とかは使わないで淡々と書いていった方が故人的にはいいかな、と思うよ。
5月の国試が終わったら少し何かを書こうかな…
385 :
93:2007/04/05(木) 23:35:09 ID:???
タスク編はどうなったの?
387 :
93:2007/04/08(日) 08:32:41 ID:???
三話の次くらいから続ける。
待ってる人スマソ、
保守
>>387 焦らなくていいさ。面白いSSが読めればそれでいい
390 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/13(金) 00:33:17 ID:iyEebweD
391 :
93:2007/04/14(土) 00:55:49 ID:???
明後日辺りに三話を投下する予定、
が、書いてる途中で
ナチュラルとコーディネーターが対立を深める地球圏。しかし、そこから遠く離れた木星圏では、人知れず侵略者と戦う戦士がいた………
「ディバイン・クルセイダーズ」
彼ら「DC」は異星人の技術、「EOT」を駆使した超兵器を駆使し、圧倒的な戦力を持つ侵略者との絶望的な戦いを繰り広げていた……
奇しくもCE.70、異星人の侵攻が収束したこの年、地球圏ではナチュラルとコーディネーターの軋轢は限界を超え、遂に武力行使という最悪の展開に陥ってしまう。
地球圏への一時的な帰還を願うDCはどのような行動に出るのか?
というネタを思い付いた。
誰か続きヨロ。自分は本編のSS書いてくるノシ
392 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/16(月) 23:36:06 ID:wVHLPYtp
世界観を合わせるとすると個人的には種とスパロボって食い合わせがかなり悪いと思うんだよなぁ…
ナチュラルとかコーディネーターとか言ってる暇ねーだろーと
いや、全くそうは思わん
スパロボだって、外宇宙からの侵略者に対して一致団結して立ち向かうなんて無いじゃん
異星勢力に「俺らが襲ってきてるのに同じ星の人間で争ってるなんて、こいつらマジでアホすぎw」とかよく言われてるし
それらの内輪もめや諍いの中からでも外の脅威や交渉に対応し
スーパーロボットたちが熱く鮮やかに活躍するってのがスパロボじゃん
元ネタにしたアニメも一方的な喧嘩って作品はあんまねえしなあ
ていうか80年とかの古い作品の方でも恐ろしく複雑な作品はあるし
ラピエサージュとヴァイサーガって全長はどのくらい違うんだかわかる人いる?
確かラピエサージュが22メートル位
ヴァイサーガは正確には知らんが他の二機共38メートル前後だから恐らくその位かと
サンクス!!
398 :
93:2007/04/21(土) 23:58:01 ID:???
大分遅れましたが第三話の前編
アーモリーワン、軍需エリア
「……い…う、……表!……代表!!」
誰かが自分を呼んでいる……
「う……」
「気がつきましたか!?」
朦朧としていた視界がはっきりとしてくる……どうやら意識を失っていたようだ。自分を見下ろす補佐官は安心した表情を見せる。
「……アレックスか……」
「ご無事で?」
「……見ればわかるだろう」
彼の言葉に答えると、ふらつく頭を抑えながら立ち上がるとあたりを見渡した……
瓦礫と黒煙、そして炎に包まれ、所々から人々のうめき声が聞こえてくる……
その光景に一年前の事件を思い出し背中の古傷が痛んだが、あえてそれを無視し今現在の状況を整理する。
確か自分達はデュランダル議長と共にこのコロニーの軍事エリアを見学しに行く途中、突然の爆発に巻き込まれた……ここまでは覚えていれば大丈夫だ。
「それで、議長は?」
「車が見当たりません……おそらくどこかに避難したものかと思いますが……」
もしくは車と一緒にあの世逝きか……
アレックスの報告に心の中で皮肉を付け加える。
と、黒煙の先に巨大な船体が見える……
「ここに居てもらちが明かん、とりあえずあの戦艦まで行くと……」
「代表!!」
突如、アレックスが自分の手を引き寄せ、抱きかかえる。
さきほどまで自らが居た場所が吹き飛び、炎と瓦礫に包まれた。
もし、気付くのが一秒でも遅れていたら、即刻あの世行きだったろう……
しかし、彼らが驚愕したのは、その先にあるものだった。
身長は18メートル程だろうか?シャープなフォルムに各部に取り付けられた武装、頭部に取り付けられた独特のツインアンテナ、意匠は違うが蒼、緑、黒の三体が少なくとも確認できる……
自分はその巨人の名前を知っていた。忘れたくても一生忘れないだろうその名は
「ガン…ダム……」
オーブ代表、カガリ・ユラ・アスハは呟く様にその名前を口にした。
399 :
93:2007/04/22(日) 00:00:55 ID:???
第三話
「駄目です!!緊急停止シグナル、受け付けません!!」
「くそっ!!第三警備小隊、通信途絶。一体なんだってんだ!!」
「落ち着きなさい!!ともかく、今何が起きてるのか的確な情報を集めなさい」
艦長であるタリアは半ばパニック状態のクルー達を何とか纏め上げると、管制オペレーターに指示を飛ばす。だが、
「司令部、音信途絶!!おそらく……」
既にこのプラント内に施設された臨時の司令部は制圧されてしまったらしい……援軍は期待できないということだ。
「状況はどうなっている」
「議長!?」
ブリッジ後部のエレベータの扉が開き、デュランダルが数人の部下と共に乗り込んでくる。
突然の乗艦に、クルーも驚きを隠せない。
「緊急事態故、艦長の許可無く乗船させてもらった。それで、状況は?」
デュランダルはタリアに説明すると、報告を促した
「奪取されたのは第二世代型試作機、ガイア・カオス・アビスの三機のようです。今から14分前に、格納されていた倉庫に何者かが侵入したとの報告が入ったそうです。直後に……」
「三機が起動したという訳か……しかし、あの三機のOSは調整途中だという報告だったが?」
「問題箇所は変形パターンのデータのみで、通常行動については何の問題もないそうです」
「式典には間に合わなくても、戦闘には問題なし、というわけか……」
デュランダルはしばし考え込むように黙り込むと、自らの隣に立つ男に耳打ちする。男は頷くとブリッジから退出していき、それを見計らってデュランダルはタリア達に向き直る。
「ともかく、一刻も早くあの三機を止めなくては……」
「俺が行きます!!」
突如、ブリッジの正面モニターに少年の顔が映し出される。その表情を読んだタリアは彼の進言の内容を把握した。
「シン!!『インパルス』はまだ未調整よ、仮に出たとしても『シルエット』の誘導プログラムは未完成なのよ?」
「その件ならあと三分でケリが着く」
モニターから新たな顔が浮かび上がる。
「ファインシュメッカー教官!?」
「説明は後ほど。艦長、シンを先に出撃させていただきたい。今は少しでも早く、一機でも多くの機体が必要だ」
クルーに動揺が走る。なにしろシミュレーションでは何百回と繰り返したが、ぶっつけ本番、しかも実戦で『アレ』をやるのは
(危険過ぎるわね……)
進言は却下だ。タリアはレーツェルの進言を拒否しようと……
400 :
93:2007/04/22(日) 00:02:42 ID:???
「シン、やれるかね?」
デュランダルが口を開いた。
「はい」
シンは静かに、そして力強く答えた……
「議長!?危険です!!まだ『アレ』は稼動テストもしていないのですよ?」
「大丈夫だよタリア、彼らを信じたまえ」
警告するタリアを見返しつつデュランダルは不敵に笑みを漏らす。まるで、万事上手くいくと知っているような表情だ。
どうやらこれ以上の議論は意味を成さない様だ。タリアは観念してシンに向き直る
「許可する以上、撃墜は許されません。必ず帰還しなさい!!」
「……了解!!」
「全クルーに告ぐ!!これより本艦は『インパルス』を機動させる!!総員所定の配置に付け!!」
「「「「「了解!!」」」」」
ブリッジ内の照明が赤に変わり艦内にブザーが鳴り響き、クルーの怒号が響く
「コア・スプレンダー、チェスト・レッグ、オールグリーン!!」
「中央ハッチ開放、カタパルト、展開!!」
「進路クリアー!!機体射出十秒後、艦砲による援護を行います。シン……がんばって!!」
管制オペレーターが激励する
「任せろ!!レイやルナ達と合流する前にカタをつけてやる。シン・アスカ、行きます!!」
401 :
93:2007/04/22(日) 00:05:44 ID:???
前編投下終了……
相変わらず文才無さ杉だが、もうちょい頑張って続けてみる
GJ!
文才なんて最初からなくても、書き続けるうちにスタイルが自然とできてくるかはガンガレ
文才なんか関係ない。
大切なのは熱いストーリーと書き切る根性さ。
乙!
ひとまずトロンベ達は待機か、あいつらがどんな機体にのるかwktk
赤く染まった爪と巨大な鋼の爪が交差して、互いの機体のエネルギーがぶつかりあう。
地の底、大地の揺りかごの最深部で赤い瞳の男の駆る蒼き機体ヴァイサーガと、紫の瞳の男が駆るアシュセイバーカスタムラピエサージュの決戦が繰り広げられていた。
「そうやってお前達はてめえの都合で暴れ回って関係ない人達まで傷付けていく!俺はそんな奴らを絶対認めない!」
シンの魂の叫びが大地の中で響き渡り、キラの精神を圧迫する。
「僕達は戦いが嫌なんだ!それなのにラクスの邪魔をするなんて許せないじゃないか!」
「いい加減に自分で考えて行動しろ!この人形野郎!」
「ち、違う!?僕は人形なんかじゃない!あぁぁぁぁぁぁぁ…」
その時、キラの脳裏に赤い髪の少女の姿が浮かぶ。そして優しい表情で彼を受け入れようとする少女の下へキラは足を向けた。
だが、次の瞬間、どこからともなく現れたピンク色の鎖がキラの身体に巻き付いた。
余りの鎖はより太い物へと姿を換え、彼の脳内を貫いていく。
そしてピンク色の鎖はキラの脳内をえぐりながら、彼の心を蝕んでいった。
(やめろぉぉぉ!もう僕に関わるなぁぁぁ…)
シンの言葉が切っ掛けキラに一瞬の隙を造る。そしてシンがヴァイサーガの刄を引き抜いた。
「奥義、光刃閃!」
その刹那、神速の一撃が光ともに揺りかごを駆け抜け、鞘に刃を閉じるのに呼応してか、
ラピエサージュに大きな亀裂が入り爆発が起こった。
だが、爆発の彼方から巨大の機体が姿を表す。
「あ、あれは」
つづくかも
ヴァイサーガ派の俺にとってはマジかっけえw
シンは剣主体の機体が似合うなあ
爆煙の中から現れたのは上半身を薔薇に包まれた女体を模しているものの、
下半身にはおびただしい数の触手がうねっているまがまがしい機体であった。
「な、何なんだよありゃ…」
シンがあっけに取られているとその中から、彼の世界では広く知られた声が発せられ、大地の揺りかごに響き渡る。
「まさかキラが敗れるとは思いませんでしたわ…ですが私に従わない兵士に用はありません。
これからはこのアウルゲルミルと彼らが私の剣となり世界を守護するのです」
ピンク色の髪の女の新しい玉座となったアウルゲルミルの背後には大量のベルゲルミルが膝まずき、
その中には全く同じ顔をしたパイロットがいる。
「私はこれからこのアウルゲルミルとキラ達とともに世界の争いを止め、人々が自由に生きる平和な世界を作ります。
ですからその世界を脅かすクロガネの皆さんにはここでそこにいる感情を持ってしまった欠陥品とともに
永遠の眠りについていただきます」
するとベルゲルミル各機は一斉にラピエサージュにマシンナリーライフルを撃ち込み、
ラピエサージュは炎の中に消え落ちていった。
「「何!?」」
ヴァイサーガのシンとクロガネのテツヤが同時に驚きの声を発していた。
「それではごきげんよう」
「ど、どういうことだラクス・クライン!?こ、これは?」
シンが問いを発する前にアースクレイドルに震動が走り、崩壊が始まる。
そしてアウルゲルミルとベルゲルミルは空間転移でどこかへと姿を消していた。
「各機、早くクロガネに戻れ!艦首回転衝角で地上に脱出する!」
クロガネからテツヤの指示が伝わり、シンは炎に包まれたラピエサージュを見ながらヴァイサーガをクロガネへ向ける。
彼の戦いはまだ終わらなかったのである。
408 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 20:32:30 ID:qbhtxmrH
あ
過疎?ってか人いる?
人
( 0w0 )
/H\
( 0M0 )
\./
( <;:V:> )
〔o〕
( 0H0 )
412 :
93:2007/05/03(木) 02:13:51 ID:???
久々に来てみて違う職人が来ててビックリ&GJ!!
ついでにSSの続きを投下する
413 :
93:2007/05/03(木) 02:14:46 ID:???
三機『G』の周りには炎と黒煙……それと『MSだったもの』が当たり一面に転がっている。どれも焼け焦げ、切れ裂かれ、吹き飛ばされ、何とか原型を留めている物は数えるほどしかない。
「『グール』より『ファントム』、全ターゲットの強奪に成功。『ガイア』・『カオス』・『アビス』の三機とも目立ったダメージは無い」
三機の『G』の一つ、『カオス』のパイロットはモニター越しに映る惨状に見向きもせずに淡々と作戦の進行状況を報告していくと、一秒もしないうちに返答が帰ってきた。
「こちら『ファントム』。OKスティング、よくやった……と言いたい所だがさっさと退散したほうが良さそうだ。慣らしは程々にして帰って来い」
「チッ……思ったより早いな」
「ま、敵さんもそう能無しって云う訳じゃないからな、早めに戻って来いよ」
スティングと呼ばれたパイロットは短く了解の意を表すと、二機の僚機のパイロットを呼びだす。
「……聞いてんだろ、お前ら撤収だ!!」
「なんだよ!!もう少し遊んで行こうぜ!?」
先程までの『慣らし』で最も暴れていた両肩と胴体に多数の砲門をつけた青い機体、『アビス』のパイロットから不満そうな声が漏れる。
「文句を言うなアウル、俺たちの任務を忘れたのか!?」
「『ザフトの新型MS三機を奪取、不可能ならば破壊せよ』だろ?わかってるさ、けどどうせネオと俺たちは……」
「アウル」
「……わかってるさ。でもステラだってまだ遊び足りないよな?」
アビスのパイロット、アウルは黒い機体のパイロットに話を向けた。
しかし、黒いMSの主は問い掛けを聞いていないのか、二キロ程先の宇宙港を見たまま微動だにしない。
「……何か来る」
「「!!」」
突如として発したその言葉に、二人は同時にレーダーを見る
「数は三機、全部航空機かよ!?たいした事無いじゃん」
「ここ周辺はあらかた破壊し尽くした……あれがラストか!?」
「じゃさ、アイツで打ち止めってワケ?」
アウルが不満そうな声を漏らす。
「何か引っかかるが……まぁいいあれを打ち落とせば終わりだ」
レティクルが小型戦闘機を捕らえた、後はトリガーを引いて……
直後、アビスが横殴りに吹き飛ばされた
414 :
93:2007/05/03(木) 02:15:45 ID:???
第三話 後編
「シン、シルエット未装着のインパルスであの三機を相手にするのは分が悪い。到着するまではくれぐれも無理はするな」
「わかってます。無茶をするつもりはありません…っと!!」
レーツェルからの通信の直後、ロックオン警報が鳴り響き、モニターの三機がこちらにライフルを向ける。
シンは慌てて回避行動に移り機体をロールさせてビームの射線から逃れる
「出たら真っ先に狙われると思ったけど、これじゃあドッキングできないぞ!!」
「……そうか、ならば援護してやろう」
「え!?」
音声のみの通信が割り込んでくる
直後、三機の中の一機、アビスが横殴りに吹き飛ばされた
射線軸を追い、モニターから探すが、区域に戦闘可能な機体は見当たらない……
シンは驚きと疑問に駆られ通信を返す
「一体どうやって……アンタ、一体誰なんだ?」
「そんなことはどうでもいい、敵は体制を崩したぞ。チャンスじゃないのか?」
確かにチャンスは今しかない。先程までの疑問を隅に追いやりシンは決断し、行動に移す、
コアスプレンダーを中心に、チェストフライヤーが前方、チェストフライヤーが後方にドッキングしパーツを展開させ、人型のMSへと合体する。『インパルス』の完成である。
「人の家の庭で散々派手にやってくれたな!!また戦争がしたいのかよ?あんた達は!!」
雄叫びと共にインパルスを着地させると、ブーストを吹かし一番近いターゲット、ガイアに肉薄する。
懐に入ると共に腰のウェポンベイからビームダガーを抜き放ち一気に切り上げる。が、ガイアは紙一重で後退して間合いから離れると、お返しとばかりにビームライフルを放つ。
「くッ、間合いが遠い!!」
シンは機体をステップさせてビームを回避させると、腰からビームガンを抜き取り三点射、
相手がシールドを構えたスキを突いて一気に間合いを詰め、逆手に構えたビームの刃を振るう。
ガイアはシールドを構えたまま体当たりをかまし、インパルスを吹き飛ばすが、背面と脚部のスラスターを駆使してバランスを立て直された。
415 :
93:2007/05/03(木) 02:16:30 ID:???
「このっ、ちょこまかと!!」
ステラは人間の如く立ち回る相手に苛立ちを隠せない
先程までのMSだったら、自分の機体を捕捉させられる前に一撃で葬ってこれた。
しかしこいつは違う。機体性能が近いのもあるかもしれない……がそれだけではない。
こちらのアクションが起こる前に行動を起こす、まるで自分の一歩先を読まれているような動きをするのだ
「私が……私がこんなっ!!」
「ステラ、下がれ!!」
「スティング!!」
「フォーメーションを立て直すぞ!!いかに奴らが手強くても三対二、数の面ではこちらが有利だ。アウル!!」
「見つけた!!三時の方向、あの狙撃機はボクにやらせろよっ!!」
「任せる、俺とステラはあの合体野郎だ。……撤退前にこいつ等を片付けねぇと面倒になる。ここで決めるぞ!!」
「わかった」
カオスがガイアの後方に付き、アビスは別行動を取るようだ。恐らく先程の狙撃機の位置を割り出したのだろう、先程のパイロットから通信が来た
「敵が二手に分かれた様だ、そちらは二機、やれるか?」
「問題ない、二機だろうと三機だろうと俺が全部倒してやる!!」
その言葉を聴いた男の声から苦笑が漏れる
「威勢が良いな……まぁいい、そちらは任せた」
「アンタは平気なのか?」
「まかせろ、そちらの邪魔をするつもりも無い」
……この『ラーズ』に対して砲撃戦を挑む意味を教えてやる……
続く
416 :
93:2007/05/03(木) 02:38:55 ID:???
投下終了……
最後の方とか駆け足でやっちゃったから誤字とかあるかも試練が……
これだけじゃなんなので
インパルス
第二世代型(セカンドステージ)MS第一ロット最初期に考案され四番目に完成した、
換装式マルチロールタイプのMSである(この場合、クロスコンバットから要塞戦までという意味)
この回に登場したのは『シルエット』と呼ばれる換装パーツを装着していない、いわば素体の様な物
である。
しかし、だからといってこの状態での戦闘を考慮されていない訳でもなく、
至近距離での格闘戦や、市街地などの密集した地域などでの作戦では、シルエット未装着時の特出した
瞬発力も相まって、素体でも他のセカンドシリーズにも劣らないスペックを有する機体である
武装・胸部CIWS×1、対装甲ナイフ×2、ビームダガー×1、350mmビームガン×1
パイロット、シン・アスカ(17)
空が大好き野郎キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
バッカ、ちげーよパピヨンだよ!
オバカだなぁ、ドゥエート・ラングラフだよ
いやいや、改造魂魄のKON様だwww
つまり一護VSコンかwww
422 :
93:2007/05/06(日) 03:18:55 ID:???
今気づいたんだが、種世界のエネルギー事情ってトンでもないな。
核分裂で和田みたいな出力が出るんだったら、核融合だとどんだけの出力になるんだ?
スパロボ世界のエネルギー事情の方が遥かにとんでもないと思う。
オカルトがエネルギー源になっているロボだってあるじゃないか。
424 :
93:2007/05/06(日) 03:36:08 ID:???
いや、エネルギーの変換効率の話なんだが、
とりあえず種世界の変換技術は異常、なんせジンなんか燃料電池と太陽光発電で
起動してるからな
個人的にはガーリオンは燃料電池で動いてるイメージなんだが……
何かスマートな感じじゃん、アレ
まあ確かに、フリーダム辺りは核動力の細かい数値が出てしまうと
使っているエネルギー>作っているエネルギーになってしまいそうな気がする。
個人的には太陽光発電パネルを展開したまま動いている戦艦とかモビルスーツが
劇中に無いのが不思議ではある。どうせ位置がばれているからエネルギーが欲しい、
という場面だってあるだろうに。
426 :
93:2007/05/06(日) 03:46:51 ID:???
ジンとシグーとかゲイツはあのトサカみたいなのがパネルなんジャマイカ?
身も蓋もない言い方すると負債がホモと萌の片手間にテキトーに作った設定を細かく交渉しても意味ないような…
いや、核融合>核分裂とか太陽発電は効率悪い、とか決め付けても仕方なかろう。
フィクション世界はどこかでリアル世界と違うわけで、その世界では太陽発電とかが効率よく行える技術
が存在してるとか、超巨大なエネルギーを蓄えられる電池が存在してるとかの事情があるかもしれない。
太陽発電+電池ならエルガイムも太陽の使者鉄人28号もそうだけど、だから弱いに違いないって意見は
聞いた事がない。スパロボ世界のソーラーパネルはエヴァだろうとゲッターだろうと10分もあれば
エネルギーが0から満タンになる素敵装置だしね。
種MSは使ってる技術が○○だから××の方が強いに違いないって考察はもともとその辺考え始めると
終らないスパロボ系スレではやめといた方が無難だと思う。
最高でも核分裂どまりの種MSがUCMSにかなうわけがねえよw →核融合どまりのUCMSが縮退炉
積んでるスモーにかなうわけねえよw →でもガソリンエンジンのウォーカーマシンと良い勝負になる現実
そもそもスパロボ世界じゃ、UCやWの量産機よりダガーの方が強い設定だからw
スパロボじゃなんでも好き勝手に設定かえるからな・・・・・。使徒のATフィールド
初登場イベントだとダメージあたえられないのに後半はMSのマシンガンでも貫通するからな。
ATフィールドはでかいエネルギーならぶち抜けます、って庵野が回答してああなったんだから、
外部からけちつけても仕方ない。
第4次F完結編で、弐号機をラルのビームサーベル一閃で落とされた時は呆然とした
そして、しばらくして「流石、青い巨星」と納得してしまった俺がいる
俺はαでレズンに初号機を落とされた…
ダメージ4000以上で無効化だったな
装甲改造しないと敵からの反撃で余裕で貫通されていた
しかもHP4000ほどだったから貫通されたらほとんど即撃墜
第四次で大変だった記憶がある
イデオンもよく暴走させてたよ
スパロボだとエヴァが使えるか否かがプレイヤーごとに大きく違うと思う
438 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/08(火) 01:50:59 ID:K4R8G33H
Fと間違えたんじゃない?
>>427 別に負債が作ったわけじゃねーだろ
SFガジェットは森田
CEの歴史は吉野が作った
440 :
434:2007/05/08(火) 22:33:43 ID:???
ごめん、第四次とF&F完を同時期にやってたから混じってしまった
主人公の名前と性格が一緒なのに顔が違う事にショックを覚えた記憶が一番強いんだよな、これが
442 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/10(木) 22:39:09 ID:71tdUdok
443 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 21:31:13 ID:HSHMoZbK
今日、我が家に今年初のベルグバウが現れた
クォヴレーがこの世界に来たと言うのか!
「ディス・アストラナガン」じゃなきゃダメか・・・
445 :
443:2007/05/12(土) 22:52:06 ID:???
まだ子ベルグバウだったからチラシブレード雲曜の太刀で因果地平の彼方へ送り込んだ
黒いGのことか?
正解だ
スマソ、肯定だ、の間違いだ
ベルグバウが種世界に来たSSなら外部であったなぁ
始まってすぐに止まったけどね
「久保にラクシズみたいな事やらせんな!」とか「またシンが噛ませですか…」とか叩かれまくって
理想郷の無印種に迷い込んだのは悪くなかったと思うけど止まってるからなぁ・・・
>>451 アレ面白いけど、遺作と痔に久保と同じα世界の二人の精神が憑依してそうなのがなw
物分りよすぎるだろw
スパロボはOG,第二次α、第三次αくらいしか触った事が無いんだが、こういう俺が
SSを書いても大丈夫だろうか?
公定だ。むしろ断る理由なんてない。
漆黒の宇宙。無限に広がる虚無の片隅に、眩い光が浮かび上がった。遠くで
輝く星々を押し退けたそれは、ゆっくりと形を成していく。
地球に住まう人々なら、迷わずその名を示すだろう。大型の魚類『鯨』であると。
だが、次に現れた特徴を前にして、どれほどの人間が前言を撤回せずにいられる
だろうか? 宇宙に悠然と広がったのは、一対の巨大な翼。
『本部、本部、応答願います! ポイントB−3付近にて白い……光を確認! 地球連合軍の
兵器かどうかは定かでありません! 羽を持った、鯨に見えます!』
哨戒行動に出ていた1機のジンが、それを捉えていた。
『本部、応答願います! 本部……本……!?』
一筋の光が弾かれたようにジンへと伸びた。回避する間も無く、光を浴びたジンが
動きを止めた。爆発も熱も発する事無く、そのまま宇宙を漂い始める。
羽付きの鯨は泳ぐように一回転し、唐突に掻き消えた。ジンとそのパイロットは
数時間後に無事回収されたが、パイロットはその時の記憶を失っており、全ての記録は
手動で削除されていた。ザフト総司令部は、新兵に起こりがちなトラブルとして本件を処理し、
当の新兵にはごく軽微な懲罰を課すのみに留まった。
「ちぇ……覚えてもいないことで怒られるなんてなぁ」
当事者である新兵が、文句を垂れ流しつつ戦闘シミュレーターの記録を整理する。癖の強い
青紫がかった髪をくしゃりと掻き乱し、何度か瞬きして画面を覗き込んだ。
「大体こんなの機械で出来るだろ、機械で……」
「おい!」
すぐ背後から掛かった声に、新兵は飛び上がって振り向き、敬礼した。
「は、はいっ!!」
「しっかり頼むぞ、アラド!」
銀髪のイザーク=ジュールに笑み混じりで言われ、アラド=バランガは力無く
頷いた。くたびれた緑色のザフト制服が哀愁を誘う。
最初の歪みに、気付いた者はいなかった。
456 :
455:2007/05/13(日) 21:53:46 ID:???
あ、失礼。とりあえずこれだけ。予告編って事で
おk wktkしながらまってるお
おや、アラドは時空を超えてきた訳ではないのかな?
それはそうと続き待ってるよノシ
此処のSSは読んでて面白いものもあるが
安易に ラクシズ=絶対悪 → ( ゚∀゚)o彡゚ 殲滅!殲滅! にしようとしていないか?
別にそういう考えを否定するつもりは無いが、書き手皆がそれだと方向性が似たり寄ったりになってしまうんだよ
原作改変だけじゃなくてその後の話もSSにしてくれると嬉しい
そんな訳でチラシの裏だ
そうかな?
ラクシズ絶対悪路線を行ったSSは案外少ないぞ。
たぶん風景画と0083、ファイナルくらい。
0083はヘイトだ、と叩かれて最後の最後でひよったし。
他のSSは単にラクシズが嫌いじゃないかヲチスレの同人SS痛が叩き出すからかわからんが案外絶対悪路線は行ってない。
ラクシズ絶対悪路線を行くとなると敵が自分の都合だけでなくラクシズ厨の荒らしや同人SS痛も加わるから完走は容易じゃない。
そもそも、ラクシズを絶対悪にすると、それ嫁と何が違うの?ってことになるしな。
あと、問題になるのはパワーバランスか?
5倍の速さで加速するメビウスとか、
天使の羽を持つガンダムに乗るNTなコーディネーターが、6つのジェネシスを所持していて、
更にジェネシスは、例え撃ったとしても地球のバン=アレン帯が電磁波を防ぐので、綺麗な兵器ですっ
とかいうのは勘弁してほしい……。
クロスだと、片方の圧倒的な蹂躙を望んでる人もいるみたいだけどね。
絶対悪VSそれ以外、という構図はストーリーにおける王道の1つだよ。
負債がやらかしたのはどちらか一方を絶対悪にしたことじゃなく、
筋の通らない輩を絶対正義にして、その他全ての全否定。両者は似てるが違う。
>>461 一方的蹂躙というが、ラクシズヘイトなSSでもほとんどのSSが
ラクシズの戦力をかなり強く設定して味方陣営は結構苦労してるよ。
なんたって敵は最高のコーディネーター様なんだし。
ファイナルなんてすごかったなw
和田の上位機種のスーフリに、スーフリがジェネシスのエネルギーを吸収したエンデュアリングスーフリガンダム…
ファイナル作者の発想は凄いwww
インパルスガンダムの歌がツボだったな
466 :
455:2007/05/14(月) 23:21:22 ID:???
ザフトの新兵アラド=バランガは記憶喪失である。半年前、何処の所属かも解らない
パイロットスーツを着たまま、アプリリウス・ワン付近を漂流していた所をザフトに回収されたのだ。
自身の名前しか思い出せなかった彼はコーディネイターでも無かったのだが、どういうわけか量産が
始まったばかりの人型兵器『モビルスーツ』に異常なほどの適応力を示し、済し崩し的に
ザフトへ入隊となった。連合との緊張状態にあった上、階級や命令系統といった概念が薄いザフトでは
然程問題無く受け入れられ、訓練期間を2ヶ月と大幅に短縮され正規入隊となった。
近接戦、特に重斬刀を使った格闘戦に秀で、その為に赤服のイザーク=ジュールに目をつけられて
以来、ニコル=アマルフィ、ディアッカ=エルスマン、アスラン=ザラの3人と行動を共にしていた。
C.E.70年2月14日、彼らはユニウスセブンの警備に就いていた。
『どうだディアッカ、動きはあるか?』
ナスカ級を後方に控えさせ、4機のジンが砂時計の前で陣形を組んでいる。彼らのモノアイは遥か前方、
有視界外で待機するドレイク級2隻、ネルソン級1隻の連合軍艦隊へ向けられていた。
『無いねぇ。メビウスも出して来ない。戦う気は無いんじゃない?』
『チッ、レーダーぎりぎりとウロチョロと!』
『攻めてきてくれない方が有難いですよ、イザーク。大体、向こうの方が数はずっと多い
ですし、勝てっこないですもの』
『ばっ……何を言うニコル! ザフトの存在意義を打ち崩すような……』
ニコルのおっとりした声に反発するイザーク。
『どんな理屈をこねたって、戦争は数ですよ。今はクライン議長もザラ委員長もコペルニクスのテロで負傷され、重体なんです。プラント内の独立派が鳴りを潜めている今、和平
を結び直せるかも知れないんですから、戦いは無い方が良いんですよ』
『数、数と! 忘れたか! このジンはメビウス5機分の……』
「それ、多分連合軍向けのウソですよ」
夕食のハンバーグに想いを馳せていたアラドは、イザークの口上をのほほんと遮った。
「メビウスの運動性能も悪くないですし。せいぜい2対3じゃないですかね?」
『……ッ!! あ、アスランはどうしたぁ!! 機体の故障はまだ直らんのか!』
アラドの事を多少なりとも認めているのか、反論の代わりに癇癪を爆発させるイザーク。
『このMSは、ブルーコスモスのテロからプラントを守る為の力です。だから僕は、ジン
に乗って戦える事を誇りに思っているんです』
ニコルの言葉にディアッカは肩を竦め、アラドは笑顔で何度か頷いた。
467 :
455:2007/05/14(月) 23:23:10 ID:???
「核攻撃!? 私達は平和を守る為の軍隊じゃないんですか!?」
ドレイク級の格納庫内部で、ゼオラ=シュバイツァーは上官に食って掛かった。激しい身振りで
揺れる胸に、メビウスを整備するメカニックの1人が釘付けとなる。
「いや……実際の作戦じゃないぜ? ブルーコスモスの連中がうるさく言ってるだけで」
詰め寄られた当の上官、ムウ=ラ=フラガは目のやり場に困ったので、さし当たってじっと見つめた。
「農業実験コロニーに核を撃ち込んで汚染させれば、兵站に大打撃を与えられるって事さ」
「仮定だとしても、どうしてもう一方のドレイク級には核弾頭が積まれているんです!?
あそこには、20万人以上が住んでいて……」
「その情報そのものが怪しいんだっての」
コーディネイター嫌いの同僚が吐き捨てるように言って、ゼオラは其方へ向き直った。
目の保養を奪われたフラガがゼオラの死角で肩を落とす。
「農場なんだぜ? このご時世に……無人化されてるに決まってるだろ」
「民間シャトルが行き来しているのは、あなただって見たでしょう!」
「偽装した輸送船じゃないっていう保証だってないだろ! それにな、農業用の施設は、
生化学兵器の精製装置に転用できる! そんな物は、どっちみち放置できない!」
睨み合う2人にフラガが割って入った。
「そこまでだ。とにかく……核弾頭を積んでる事は事実だが、核攻撃なんて有り得ん。
連合とプラントが戦ったって、どっちにも何にも得は無いんだからな」
2月11日に地球連合からプラントに宣戦布告したとはいえ、これは半ば地球側の世論に
引きずられてのパフォーマンスだった。今まで起こった様々な摩擦によって、大衆のコーディネイターに
対する不満は最高潮に達している。とはいえ、実際に戦争を望んでいるのかといえばそうでもない。
幸か不幸か、2月5日に発生したコペルニクスでのテロ事件ではプラント側理事国代表、国連首脳陣、
そしてプラント議長シーゲル=クラインと国防委員長パトリック=ザラが等しく負傷し、
独立問題は事実上先送りとなっている。
「フン、今はMSが4機に戦艦1隻。叩き潰そうと思えば、何時だって出来るものを」
「坊主、俺達は地球連合軍だ。言ってみりゃ正義の味方……正義の味方には、辛抱強さが
必要なんだぜ」
フラガの軽口を聞いても、ゼオラの表情は晴れない。僚艦に積まれた核弾頭の事も
あるが、もっと別の何かが彼女の胸に引っ掛かっていた。
何か大切な事を、忘れている気がする。
最大望遠されたモニターに写るジン部隊を見る。胸騒ぎが酷くなった。
468 :
455:2007/05/14(月) 23:24:31 ID:???
とりあえず此処まで。設定は大幅に変えてるので拙そうなら言ってほしい。
ジンとメビウスの戦力差を1:5から、2:3に変えた理由が分からない。
ガンダムの二次で、なんでそんなことを?
スパロボのメビウスはストライクより強いからじゃないかと思ったり。
471 :
455:2007/05/15(火) 08:17:59 ID:???
ああ、数を増やして考えると、ジン10機でメビウス15機相手に有利に戦えるんで、
「この比率でも十分強力じゃないかMS」と思い直したんだ。1:5(1:3)は、
余りにファンタジーだから。
地球連合とザフトに人数差と、
MS中心の話だって事を思い出そうぜ・・・・・・。
473 :
455:2007/05/15(火) 13:54:20 ID:???
>>472 心配性だな。ちゃんと覚えてるから安心してくれ。少なくとも数が同じなら
まずMSが勝つ。動きに柔軟性があるし装甲も厚いからな。
……アレ? クロスキャラによる虐殺ショーは駄目って事は知ってたんだが、
ひょっとしてザフトと連合のパワーバランスも同じにしないと駄目なのか?
もしそうなら、ちょっと続き書くのは止めといた方が良いな。
ちょっと教えてくれ。SS書きは喋らない方が良いって事は知ってるが、基本は
訊いておかないと。場合によっては調整もしくは中止する。
>>473 ジンとメビウスが同数って状況は基本的にありえないだろ
連合とザフトの物量差を甘く見ないでくれ
そもそも、ジンとメビウスの戦力比が3:2なら、
物量で十二分に覆せるし連合が態々MS開発する必要無くね?
475 :
455:2007/05/15(火) 14:58:22 ID:???
>>474 …………OK解った。スパロボから持ってきて良いのはあくまでキャラのみで、
ロボットとか技術とか勢力とか設定は駄目なのか?
他のSSでグルンガストとかSRXとか出てたので、てっきりアリかと思ったんだ。
もしそうなら、ゼロから作り直さないといけないな。考えるよ……
>>475 待て、それはつまりザフト側にスパロボの各種超技術及びロボットが来るって事か?
477 :
455:2007/05/15(火) 15:53:24 ID:???
>>476 そう。ていうか平行世界のゼ=バルマリィ帝国(サンプル!サンプル!)が絡む。
プラントと連合だと国力差があり過ぎて戦争どころじゃないので、プラントも
何処で終わらせるか、どう手を打つかだけを考えているってのが今の状況だけど。
スパロボ側の技術はCEに対して圧倒的過ぎてまともな戦争にならんと思うのだが
一種の技術的奇襲って奴だよな
マイナーなネタで恐縮だが、ARIELのエリアル対降下兵並に相手にならないような気がするんだ
結局の所職人の匙加減なんですけどさ
それはそれで面白そうではあるので頑張ってください
まぁ、そこはそれ匙加減で。
もともとサイバスターだって本来のスペックで再現すると真ゲッターが足元にも及ばないらしい品!
種世界につりあう程度になったOGユニットでもなんの問題もなし。
スパロボの敵でCE世界がまともに戦えそうなのは
Dr.ヘルとティターンズと邪魔大王国とネオ・ジオンぐらい?
>>480 待て。いいたい事は分からないでもないがそれは「スパロボキャラ」ではなくてそれぞれ
マジンガーZとZガンダムと鋼鉄ジーグとガンダムZZの敵役だぞ
元世界基準で考えないと絶対に荒れる
つかスパロボで考えたら、種MSは他ガンダムのMS以上の高性能機ですよ
何せ、サーペントとかトーラスとかソルテッカマンとか揃ってる部隊でも、「ダガーをまわしてもらえない二線級の部隊」らしいから
484 :
93:2007/05/17(木) 14:20:18 ID:???
一応あの世界の最新鋭量産型だからな……
ソルテッカマンはともかくサーペントなんかは武装以外のスペックで負けてるんじゃないか?
>>483 サルファの時は単にブルコスの息のかかった部隊ってだけで機体パラメータは別に高くなかった
味方があまり強化できない一週目はダガー部隊はいいカモだったw
散々既出だろうけど、サルファのときはバクゥやディンの方が厄介だった。
精神コマンド使えばそれ程でもないんだけど。
バッフクランよりゴーストやバクゥの方が相対的には手こずったからなぁ<サルファ
宇宙の脅威と砂漠の虎を比較するカガリがそんなにおかしく見えなかったり。
一局面で見たらそうかも知れないけど全体を見たら明らかにry
>>485 まあサルファの時だと位置づけが違うからね
サルファでは、連邦の主力は銀河中心殴り込み艦隊に回されていたから、
ザフトの相手してたのは空気読めないブルコスを中心とした二軍的存在の連中に過ぎなかったという、なかなかヒドスな設定だったw
>>489 ただ、その空気読めないブルコスの魔の手から逃がす手段が、ほぼ無補給での銀河中心殴り込みってのもなかなかのヒドスかと
491 :
93:2007/05/21(月) 02:40:19 ID:???
SS、投下して良い?答えは聞いてない!!
落ち着け……
集中しろ……
敵の動きを読め……
右腕がぶれた、ビームガン狙いか!!
その一瞬の思考の後、右腕に装備したガイアのビームライフルから閃光が迸る。インパルスは上体を反らしビームを回避する、直後に敵機後方からミサイル!!
すぐさま間合いを取ると胸部のバルカン砲で迎撃するが、一瞬の隙を突きガイアが突進、スラスターによりスピードの増したタックルを胴体部に食らったインパルスは衝撃に耐え切れずに吹き飛ばされた
「ぐはぁっ!!」
凄まじい衝撃とGに揺さぶられ意識がふき飛ばされそうになる……が何とか堪え体勢を立て直すとビームガンでけん制、機体を物陰に潜ませると、ふらつく視界の中各部のダメージチェックを行う
「エネルギー残量残り30パーセント」
流石に強い、幾ら不意を突かれたといえ守備隊を壊滅させただけのことはある、
しかも相手は三機、素性不明の助っ人がアビスを引き受けてくれたが、それでも残った二機をこの状態で相手にするのは、『部が悪い』を通り越して『無謀』の域だ
「やっぱり『シルエット』が無いと……」
瞬間、敵の接近を告げるアラームが鳴り響く。すかさずレーダーをチェック、気を抜き過ぎだ!!
シンは自分を叱咤する……
「敵は……上か!!」
咄嗟にスラスターを駆使し機体をスライドさせると、先程まで潜んでいた場所にビームサーベルを構えたガイアが着地した
「マズいっ!!」
インパルスはビームガンを構えるようとしたが、ガイアは既にこちらへのロックを完了していた。
コクピットハッチにライフルの銃口を向けている……どうやらパイロットだけを焼き殺して、機体は持ち帰りたいらしい、
「畜生……ここまでかよ……」
シンは恐怖と悔しさの入り混じった目でその銃口を見つめていた……
…なによ、もう諦めるわけ?アンタらしくも無い…
通信機から聞き覚えのある声が聞こえた
直後に、多数のミサイルがガイアに向かって放たれ、ガイアがインパルスから飛び退っていった
「苦戦しているようだな、シン、手を貸すか?」
インパルスの頭上を飛び越えて、白と赤のMSがガイアとカオスの前に立ちはだかる。シンはその機体の主たちをよく知っていた、いや、わからないはずが無い!!
「レイ!! ルナ!!来てくれたのか!!」
仲間たちの援軍にシンは思わず声を上げる
492 :
93:2007/05/21(月) 02:41:26 ID:???
「あたりまえでしょ?あの程度の攻撃であたしが死ぬはず無いでしょ?」
ルナマリアが強気に答える
「その割にはシンが劣勢になっていた時にはかなり慌てていたがな」
「あ、あれは同僚としての心配よ!!」
「フッ……そういうことにして置くか」
レイの補足に、ルナマリアがあわてて取り繕っている
「くっ…ははっ……」
シンはいつものやり取りに思わず苦笑を漏らす。
と、その声に気が付いたように、ルナマリアの『ザク・ウォーリア』がシンのほうを向いた
「あっ、そうそう。シン、例の『あれ』の準備が完了しているから、準備宜しくだって」
そう伝えるとガイアとカオスの二機に向き直り背中に装着したビーム砲を展開し腰だめに構える
「ドッキング中は俺達が援護する、気楽に行け」
「わかった!!二人とも頼むぞ!!」
シンがインパルスを後退させるのを確認すると、それぞれ手に持った火器を迫り来る二機のG型に向けた
これから何が起きるのか、どうやら敵も感づき始めたようだ……目の前のザクより奥に下がったインパルスに攻撃を集中させたいらしい
「悪いがそうはいかん……」
レイは静かに呟くと背部に背負ったランチャー安全ロックをはずす。
「来るぞ、ルナマリア!!」
「悪いけど、ここは通行止めよ!!」
レイとルナマリアは
シンはレーダーに目を通す、接触まであと5・4・3・2・1……今!!
「いくぞ!!」
スラスターと緊急用ブースターを一気に吹かし、後方から来る飛行機の様なユニット、『シルエット』と高度を合わせ、背部から発するガイドビーコンを飛行形態の『シルエット』にむけ照射、レーザーを受けた『シルエット』は形を変えMSのバックパックのような姿となる。
そのまま一気にドッキング……成功!!
VPSアーマーが再展開、白い外装が赤く染め上がりエネルギー残量を示すパワーゲージがレッドからグリーンへ、
兵装チェック……対艦刀を選択、
背中から20メートルはあろうかという巨大な鉄の塊を両手で構え、戦線に復帰するべくインパルスはその推力を全開にして跳んだ
「どうやら、成功のようだな、特殊な才能も無しにマニュアルで合体させるとは……少佐達が目を付ける訳だ」
紅く染まったインパルスが巨大な剣を手に猛然と飛ぶ姿が映るモニターを見たユウキ・ジュグナンは、誰にともなく呟いた
「さて、此方も手早く済ませるとしよう」
目の前の蒼いMSは、その装甲の特性故に外見に目立ったダメージが見受けられないが、装甲を付けられない関節などを集中して狙った為、動作に若干のブレが見てとれる。いくら装甲が良かろうと動きを止めればこちらの勝ちだ
…運が良ければ三時の紅茶に間に合うかもしれん
493 :
93:2007/05/21(月) 02:46:03 ID:???
「くそっ、何なんだよコイツ!!」
アウルの駆る『アビス』は砲撃戦と水中戦に特化した重戦闘MSであるが機動性も並の機体を凌駕するポテンシャルを秘めている。そのアビスが目の前の
『戦車のようなMS』というより『立ち上がった戦車』に一発の砲弾も当てられないのだ。
特出した機動性を持つわけでもなく、此方のFCSのエラーでもない
……ただ攻撃が『当たらない』のだ、
「ちょこまかとっ!!」
アビスの肩のリニアキャノンが連続で火を噴く、『戦車モドキ』は足についたクローラーで滑るように避ける
確実に当たると踏んで放った一撃も、スラスターと慣性を駆使して射線をずらされる……
まるで自分の頭の中を読まれているような錯覚を受けるほどの動きの正確さに、アウルはさらに苛立ちを募らせる
「このっ、何でっ、当たらないんだっ!!」
その焦りが隙を生む……そしてその隙を見逃す程の甘さを『戦車モドキ』のパイロットは持ち合わせていなかった
「フォールディング・ソリッドカノン展開……」
一気に距離を詰めると、肩の砲身を展開、至近距離からリニア弾を叩き込んだ!!
いくら衝撃に対しての圧倒的な防御を誇るVPSアーマーでも至近距離からの大質量を高速で受ければたまったものではない。機体の腹部、高出力ビーム砲の発射口を潰され、機体のあらゆる箇所から警告が出る
「アウル、聞こえるか?撤退だ!!これ以上はもたない」
スティングの切羽詰った声が聞こえる。朦朧とする意識の中、アウルはコロニーの外壁にその砲身を向けた……
「戦車モドキ……次は……僕が、この手で……」
トリガーを引く、アウルの意識は暗闇に引き込まれていった
494 :
93:2007/05/21(月) 02:51:23 ID:???
投下終了
戦闘の描写が……
GJ!
パピヨン!パピヨン!パピヨン!パピヨン!
第1話?「鎮魂歌そして前奏曲」
「もうやめろ、過去に囚われたまま戦うなんてもうやめるんだ!」
無限の正義という名を冠した赤い機体のパイロットが、
運命の名を冠する血の涙を流したような表情を持つ機体のパイロットに呼びかける。
「都合のいい事をぬかすな!所詮あんたはキラとかいうやつ以外を認めないだけだろ!」
自軍を裏切り―正確には表返っただけなのだが―敵に回ったかつての上官の、あまりにありきたりな言葉に困惑を浮かべ、
その彼を否定しながらもデスティニーのパイロット、シン・アスカはオーブという自分の生まれ育った国が討たれること自体は望んでいるとはいえなかった。
数度斬り結んだ後、デスティニーの主要兵装の1つ、アロンダイトの刃が再び無限の正義により斬り落とされ、
シンは自機を後方へと一旦下がらせる。
残りの武装は両手のパルマフィオキーナとビームライフル、フラッシュエッジに背中のビーム砲であるが、
その中でも最も破壊力があろう背部長射程ビーム砲の近距離からの攻撃ですら、無限の正義のシールドは抜けなかった。
シン・アスカにとって、アスラン・ザラや彼の至上の親友キラ・ヤマトと関わるとロクなことがなかった。
キラ・ヤマトには最愛の家族を殺され、守ると約束した者を余計な介入により殺され、さらにキラ・ヤマトとの戦闘では
まず起こることなどないエネルギー不足が起こった。
アスラン・ザラとの戦いでは連合のデストロイを豆腐のように斬り裂くアロンダイトを2度も斬り落とされた。
自分が疫病神に取り付かれているか、はたまたアスラン・ザラやキラ・ヤマトが敗れないように何かが仕組まれているのかはわからないが、
残りの武装で、かつての祖国の軍勢に躊躇なく圧倒的力を振るい、戦神のような活躍をするアスラン・ザラの
インフィニット・ジャスティスを落とせるとはシンには到底思えなかった。
(こうなったら…)
1つの決意を固めてシンはデスティニーを鎮魂歌の名を持つ場所へと向かわせた。
「デスティニーが下がるだと!?一体何を考えている、シン…だが今は…」
アスランはレクイエムの方へと後退していくデスティニーを確認すると、自分もそれを破壊すべくデスティニーを負っていく。
そしてレクイエム内部に侵入し、オーブを焼き尽くすべくエネルギーをチャージする兵器を破壊するため
背部のファトゥムを射出せんとしたときであった。
大きな警告音と共にセンサーが背後から急速接近してくる物体を捉える。
次の瞬間、インフィニット・ジャスティスはレクイエムの中心へと背後に機体に押し込まれ始めた。
「シン!?どういうつもりだ!?」
突如として姿を現してジャスティスの後ろから羽交い絞めにし、レクイエムの中心へと押し込むデスティニーの主に向けてアスランは問うが、
そこに返ってきたのは予想外の返答であった。
「オーブが焼かれないで欲しいってのはあんたの言う通りだよ。こればっかりは否定しようがない…」
「だったらその手を離せ!お前も俺と一緒にキラの下に来い!」
「………」
「シン!」
「だがオーブを討たせたくないからといってあんた達が正しいとは夢にも思わない!
あんた達の子供じみた理屈で世界を好き放題させるつもりもない!」
「どういうことだ!」
「キラ・ヤマトの野郎はきっとレイが倒してくれる、そう俺は信じてる。だからアンタは俺が倒す。この命に代えても!」
「自爆するつもりか!?」
「オーブを焼かせないで、同時にアンタ達を倒せるほど俺は運命の女神とやらには愛されてないからな」
「やめろ、シン!キラは…キラは正しいんだ!」
「…今行くよ、ステラ…」
「キラァァァァァァ!!!!!!」
次の瞬間、デスティニーとジャスティス、そしてレクイエムの爆発が起こり、辺りを光が包み込んだ。
その光は崩れ落ちたメサイアから脱出したストライクフリーダム、そしてその母艦エターナルをも包み込み、
光が消えたときに残っていたアークエンジェルのブリッジは、メサイア・レクイエム陥落の朗報と共に
フリーダム、ジャスティス、エターナルという造物主の至上の愛を受けた存在の反応消失という信じ難い事態に騒然となっていた。
同じ頃、全く別の世界でも1つの戦いの最終決戦が終わりを告げようとしていた。
「お前は…」
「手を貸そう、枷を解くために。だが最後の審判者を屠るためにはお前達の意志の力が必要だ」
「俺達の意思…」
「…唱えよ、テトラクテュス・グラマトン」
「テトラクテュス・グラマトン…」
スーパーロボットXタイプ、通称SRXのパイロットであるリュウセイ・ダテが、
アナザー・タイムダイバーの導きに従い言葉を唱える。
するとR−GUNリヴァーレ、ジュデッカとの戦いで大きく傷ついたSRXの頭部の奥にある、
R−1のデュアル・アイが眩いエメラルドの輝きを発する。
そしてディスの銃神と融合することにより、その力を宿した両足・両腕、そして悪魔の如き翼をSRXは身に纏い力と取り戻した。
「エンジンの出力が…」
見たこともない数値を示すエンジン出力にライディース・F・ブランシュタインが、
「これは…まさか…」
信じ難い事態の発生にゴッツォの意思に囚われたイングラムが驚きの声を上げる。
しかし、そのような驚きを余所にDisの銃神と融合したSRX、
DiSRXと呼ばれる機体の胸部が開き、インフィニティ・シリンダーが回転を始める。
「やるぞ、ライ!アヤ!」
「ああ!」「ええ!」
「「「うおおぉぉぉぉ!!!」」」
そして胸部に収束した凄まじいまでのエネルギーが最後の審判者を貫き、連邦軍の一斉砲撃が続いた後、
最後の審判者が最後を迎え、Disの銃神の力もSRXの下から去っていき、
ゴッツォの枷に支配されていたかつての上官の言葉がSRXチームの面々へと伝えられる。
それを見届けたクォヴレー・ゴードンが再び数多の世界へと旅立つべく、ゲートを開こうとしたとき、
アストラナガン、ディス・アストラナガンという異世界の機体の訪問、
平行世界においてベーオウルブズに追われた者達が行なった「転移」などにより弱まっていた異世界との壁が一部崩壊し、
世界はC・Eと呼ばれる異なる世界の一部の軍勢をも受け入れてしまうこととなってしまった。
「うあああぁぁぁ…」
予想外のエネルギーの奔流にクォヴレーも巻き込まれ、そして取り込まれていく。
これにより地球は「影」、「かつての」と呼ばれる者達、C・E世界の者達、
そして観察者達との戦いに巻き込まれていくことになるとはまだ誰も思ってはいなかった。
頭部・両手・両足を失いボロボロになったデスティニーとそれに乗っていたシン・アスカがクロガネに救出され、
何かを予知したギリアム・イェーガーの発案により
エルザム・フォン・ブランシュタイン、ゼンガー・ゾンボルトに託されたのはこの少し後であった。
うぉい、新作ktkr!しかもスパロボはアニメの世界かよwww
運がよければ3時の、ってやっぱり紅茶かよwwwwww
501 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/24(木) 09:21:00 ID:e5t96K2f
502 :
93:2007/05/26(土) 00:59:49 ID:???
さっきOGSのPVを見たんだが
ラーズ肩張り過ぎだな……
保守ついでに熟練カウンセラー、ジョシュア・ラドクリフ(18)の登場SSを期待してみる。
助手(と親父と愚妹)だけならワープ使わなくても普通に居ても問題なさそうな境遇だし。
ジュール隊やレジスタンスとかと知り合いだったりとか妄想。
ユニウスセブン落下の時に地球が消えるイベントをやるんだな。
そしてジョッシュがいじけるギュネイにかけた名台詞の対象はやはりシンだろうか。
ルナマリアとかがアスランの話題で盛り上がっててイラついてるシンに
「信頼できる仲間で友人だと思っている。それじゃいけないか?」と。
しかし、武装レジスタンスと言えば、種世界じゃ南米のアストレイ組ぐらいしか
思いつかないな。
ジョッシュの唯一の欠点は機体がダサい事ぐらいだな
レジスタンスというと、新シャアではピンク帝国プラントとその植民地オーブと戦うレジスタンス、というのを創造しちまう
CEでマンボウやトーテムポールは非現実的すぎるから後継機はナシか?
エール繋がりでEダガーカスタムとかどうじゃろ。
マンボウもミーティアも大差ないと思うが。
動力にオーバーテクノロジー使ってるだけでも、電池や核分裂では不可能な
装備が使えると思うしね。
>>508 そーじゃなくてアレで地上を飛んで切り払ったりするあたり。まあ宇宙専用ってことにすれば多少はマシか。
んでブレードビットは普通にドラグーンの一種ってことにすればCEの技術でも作れるか?
デカまった割に武装が少ないけど、そこは適当に追加するか新型炉が大半を占めるとかで誤魔化せば。
……フォルテギガスは駄目なのか?
だって、悪役顔だし。
流石にあのデザインと武装はガンダムに出すにはスーパーロボット過ぎやしないか。
機体名は仏語やラテン語で、武装は英語。種と逆やね。
513 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 01:15:13 ID:+GeJK0q3
JとかWの主人公ならそのままCEの登場人物として扱えん?
統夜→学校にガンダムが落ちてきました
カルヴィナ→MAのパイロット
カズマ→ジャンク屋(16歳)もしくはサーペントテール(17歳) みたいに
カズマはあまりに馴染みすぎだからな
リ・ホームの連中やサーペントテールに混じって会話してても全く違和感ありません
何そのシェルブリット
つか、JとWの種改編の出来が良すぎるからな。
JオリとWオリと種本編とアストレイ系まぜるとJとW混ぜて他の作品抜いただけって
ことになりそうな気がする。
JとWを混ぜてしまうと、バンプレオリジナルや種本編とは全く関係が無いのに、
ブレードから真空管ハゲ“だけ”がゲスト出演して来そうだから困る。
あれはブレード知らないと、絶対種のキャラだと思ってしまうよなw
コルベットの種との親和性の高さは異常
え、コルベットってブレードキャラだったのか
素で気づかんかったわ
確かにコルベットとオーガンに出てきた軍の偉い人(名前忘れたが)は妙に馴染んでたな……
ロゼ婆さんとガレントの二人
アストレイのキャラってプレイ中ずっと思ってたな・・・・
Wって間違い易いキャラ多すぎるんだよな。
それだけクロスオーバーがうまく行っているってことさ。
ゴライオンとダイナミック勢以外はここ10年ぐらいの作品だから
絵柄的にもあんまり違和感ないしね。
525 :
93:2007/06/05(火) 23:41:24 ID:???
久しぶりのガンドロSEED
待ってた人はスンマセン
「止めろ坊主!!そいつにはステラが乗ってるんだぞ」
「なんだって!?」
目の前のMS『デストロイ』でベルリンを蹂躙しているのは自分が救った少女だというのか!!
敵指揮官、ネオの言葉にシンは衝撃と共に怒りを覚えた……
「なんでステラを戦場になんか戻したんだ!!」「『研究所』の奴ら、ステラの記憶をフォーマットしやがったんだ!!
俺やお前、仲間の事なんかも消しちまいやがったんだよ!!」
ネオの声は怒りに震えていた。彼との約束を守れなかったこと、ステラを守りきれなかったこと、そして何もできずに此処にいる自分が許せなかったのだ
「どうすれば……どうすればいい……」
こうしている間にも『デストロイ』は市街を蹂躙していく。早く止めなければ…しかしどうやって?思考のループに陥るシン
「坊主……ステラを……解放してやってくれ。あいつはこれ以上罪を重ねる事を望んじゃいない」
その一言にシンの感情は爆発した
「そんな事……出来るわけない!!!」
ステラは初めて自分の手で救った少女だ。それを自分の手で殺めるというのか?
「シン…時間がない、決めろ」
レイが通信を入れる
526 :
93:2007/06/05(火) 23:46:40 ID:???
並のMSではあの機体を止める事すら難しい
もし止めたとして、どうやってステラを救うのか?
彼女は自分に対する記憶を殆ど消されているのだ
「くそっ……」
悔しさを滲ませながらシンは呟く。
と、レーダーに反応があのに気づく。
『それ』を見たシンは事態が最悪の状態に陥った事を理解した。
「シン、レーダーを確認しろ!!『奴だ』!!」
直後にレイから通信が入る
「今確認した!!」
白き躯に蒼き翼のシルエット……そのMSは連合、ザフト両軍の機体を無力化しつつデストロイに迫る!!
混乱しつつある戦場……これではステラを救うどころかフリーダムの無差別攻撃を避けるのが精一杯だ
ネオもレイも味方のフォローに入れる状態ではない。
「もっと…俺に力があれば!!」
シンは己の無力さを噛み締める。もっと力があれば、ステラや死んでいった仲間たちを助けられたのに
「俺に…力があれば!!」
「何の為に?」
突如として女性の声の通信が割り込んできた。シンの応答を待たずに声の主が続ける
「力を持つ者には、それ相応の覚悟が必要…貴方にその覚悟があって?」
「俺は……」デストロイとフリーダムは未だ激しい攻防を繰り広げている、
シンの心は決まっていた
「……ステラは、あの子は、俺が始めて救えた子なんだ。恨まれてもいい、忘れられていてもいい、俺は……俺はもう一度あの子を助けてやりたいんだ!!」
誰とも知らぬ者に対し、シンは己の感情を吐き出した。
誰でもいい、力をくれる者が居るならば命をくれてやっても構わなかった……
「そう……」
シンの切なる叫びの後、声の主は満足そうに呟くと一言も声を発さなかった。
一時の静寂
しかし、辺りに響く地響きがそれを打ち破った。
突如として地表を突き破り、巨大な『何か』が出現する……
全長は、70メートル程だろうか?紅き躯に巨大な鋏……まるで少年漫画のヒーローの駆るロボットの様な外観しかし、これは現実に存在している……
あまりに常識を逸脱している状況に、連合、ザフトそしてフリーダムも攻撃を止め、その尋常ならざる光景に、我を忘れれている
「よう!!シン、最近どうだ?」
またもやシンに通信が入る。此方は知っている声だ
「あ…アンタ確か、手品師の……」
「おっ!覚えてた?嬉しいねェ!!」
場の空気を読めていない様な発言に、シンのテンションはガタ落ちだ
527 :
93:2007/06/05(火) 23:49:52 ID:???
なんなんだ?
呆れるシンだが、目の前の巨人を見直して、現実を再確認する
「ま、まさかこの機体……」
「ああ、コイツはの名は『ジガンスクード』世界最大の機動兵器だ!!」
「ジガン…スクード……」
シンは巨人を見上げる。MSという巨人から見てもコイツは規格外だだ……
「力が欲しいんだろ?」
その男の声は先程とはうって変わって、真剣な声色だ
「どーやら、ちょいとばかり修羅場みたいだしな……もういっちょかき混ぜてやって、ドサクサ紛れにあのデカブツからお目当てを頂戴しますとすっか!!」
その言葉と同時に紅い巨人は黒いい巨人に向かっていった……
続く……(多分)
俺の嫁が来た
いや、ガンドロは俺の嫁
バーローなLキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!!!
レオナの台詞には、あのハゲと違って重みがあるなwww
532 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 15:43:24 ID:owD0/xPS
そげキング期待AGE
天使を思わせるその機体は優雅に大空を舞い、戯れるように眼前の障害物を撃ち落として行った。
後方には白亜の巨体を持つ大天使が、海上で黒煙を上げる女神を見下ろしている。
そこから飛び立った紅い獅子は中立を謳い、それを耳にした赤い瞳を宿す少年は猛り狂う。
それは突然の出来事。
空の一部が大きく歪む。
走る一瞬の閃光。
「くっ…貴様だけは…ベーオウルフ…!!」
戦場は混迷を極めていた。
「ここは……転移は成功、したのか?」
ぼやけた感覚を振り払うように頭を左右に振った。
まだ少し意識は混濁しているようだがその内に戻る。
そう考えてアクセル・アルマーは状況を把握するべくモニターに眼を向けた。
「パーソナルトルーパー?戦闘が行われている!?」
モニターが映す見慣れない機動兵器による戦闘。
一瞬の戸惑い。
「くくっ…」
直後に洩れる薄笑い。
「そんなに戦争が好きか?」
望んだ世界とは違う世界への転移。
確証は無いが確信は有った。
元の世界に戻る手段は今の自分には無い。
仲間の存在も宿敵の存在も確認出来ない。
覚醒していく意識の中で導き出された解答。
機首は向けられた。
眼下の戦場へ。
「やめろ、キラ!」
正規軍同士の戦闘に突如介入して来た、かつての仲間達。
無差別に攻撃を続ける親友の姿に愕然とした。
互いの悔恨を乗り越え解り合えたはずだった。
それは自分だけの思い込みだったのか?
アスラン・ザラは混迷の中で友の駆る自由の翼を追い求めていた。
走る閃光。
計器が示す異常。
鳴り響く警告の音色。
「何だ!?何が起こって…」
上空より向かって来るは碧い巨人。
巨人の両掌が光を燈す。
光が膨んで瞬く。
光は粒子となって放たれた。
「攻撃を…くぅっ!」
光の粒子が自信の駆る機体を貫こうと迫る。
それを咄嗟にシールドを構え、凌いだ。
周囲では反応仕切れなかった機体、防ぎ切れなかった機体が爆散する。
新作2つ(?)キタ!!!!
マスタッシュマンVS和田淫邪が来るのか!?
ただベーオウルフと聞くと某逆襲スレの運命Uを思い出したヤシ挙手ノシ
「どこの誰なのかは判らないけど…!」
正体不明の機動兵器。
無差別に加えられる攻撃。
端から見れば自身と同様の行為に見える。
違うのは明確な殺意。
「これ以上はやらせない!」
光の刃を引き抜き、加速する自由の翼。
キラ・ヤマトは特徴的な髭を持つ巨人を正面に捉えた。
これまでと同様、相手の戦闘能力だけを奪う攻撃。
すれ違い様に繰り出される斬撃は巨人の手足を切り裂く…はずだった。
「そんな…攻撃が通じないなんて!?」
手応えは有った。
操縦にミスは無い。
結果だけが予想外だった。
それが一瞬の、しかし致命的な判断の遅れを生む。
巨人の右拳が白い輝きを宿し、眼前に迫っていた。
538 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 02:05:36 ID:/Pukt9Gw
ノシ
ノシ
(´Д`)ノシ
541 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/10(日) 23:29:56 ID:XHbZDU97
衝撃が貫いた。
下半身を根こそぎ持っていかれたような感覚。
サブカメラがソレの正体を教えてくれた。
真紅の機体。
それが戦闘機へと姿を変え、至近距離からの砲撃を浴びせたのだ。
「腰から下は動かんか…ふざけた真似を!」
半ば特攻にも見えるその様に苛立ちを覚えた。
振り上げたままの右拳を真紅の機体に叩き込む。
続け様に左腕を回転、加速のついた一撃を翼を持った機体へと放った。
「この勝負、やはりオレ達に分が悪過ぎるな…」
墜ちていく赤と白の機影を横目に呟く。
正常に作動したジャミング装置に頼り、彼は異世界の戦場を後にした。
どれがどれと繋がってるのかよくわかんないから読む気がしない
SS投下するときは頼むからコテ付けてくれ・・・
>>533-535、
>>537、
>>541 が同一の新作じゃねーの。現状では93氏以外はほぼ単発か。
それより同一キャラでもゲームによって微妙に差があるから、どれから出したのか教えてほしいぞ。
全部プレイしてるわけじゃないし。
>>532 わがままな奴だな、お膳立てしてもらわないと読む気がでないなんて。
わがままも何も
SSは普通コテつけたりタイトルつけたりするもんだろ
確かにSSの量が増え始めてきたしな……
俺はあんまり気にならないが、気になる人はなるんじゃないか?
つけたほうがわかりやすいのは間違いないわな
複数の人が書いてくれるようになると、混ざって混乱したりするしね。
ついでにお願いなんだが、長くなるようならトリップもつけて欲しい。
この板のSSスレでは流行ってくると成りすまして荒らす奴とか出てくるから。
549 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 16:26:08 ID:R9XwVk/D
OGS発売まであと6日だが、このスレの住人的には買いなのか?
もちろん買うがゲームはゲーム、SSはSSだからこのスレ的にどうとかは気にしない。
R組とロア次第ではクロスオーバーしやすくなるのかな。
OG2の方は1話からいきなりR組が出るらしいな
wktkすぎる
1の方からやるのが常道なんだろうが、いきなり2からやってしまいそうだ
そうか、連ザでのシンのタイムスリップぶりはこっそり時流エンジンに換装されてたからか。
>>553 1からやっても引き継ぐのは資金だけで、特殊なパーツや機体入手条件に関わったりはしないって寺田が言ってたよ
だから好きな方からやるぞなもし
556 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 13:19:51 ID:vLlyoGsW
「クソったれ!」
ぼやきながら俺は照準スコープを覗き込んだ
砂塵を巻き上げ進行して来る連邦軍部隊が視界に入った
機体の背部から長身の砲が展開される
それはゆっくりと前方へ向けて固定された
俺はターゲットに狙いを定めトリガーを引絞る
反動と共に砲弾は放たれた
爆発音
一瞬の間をおいて着弾が確認された
「無謀な賭けだったんだよ…やっぱりさ」
俺は隊長の言葉に心底同意していた
直撃を受けたはずの黒い戦艦は黒煙を降り払い、尚も飛行を続けている
防御フィールドでも張っているのか?
この機体が持つ最大火力による攻撃の結果がコレだぜ?
仕方無い
『人形』共と連携して足止めを狙うか
正直気に入らないが、他に方法も無いしな?
大地のゆりかごが閉じるまでの我慢さ…
えーと、どの辺が種?
>>557 「人形」のくだりか?
といっても、ヤザンスレでヤザンが、コーディネーターを人形と呼んでいたくらいだが。
いくら厨でも他スレのSSのネタ持ってきてクロスオーバーでござい、なんてこと……
するかも。
OG発売記念
連合め死ねぇ!イージスブリーカー!!
シン「薙ぎ払え!星とともに奴をっ!!」
星「ごと」奴を! だな
シン「斬艦刀一文字切り!!」
ステラ「まさにトロンベ」
ニダ「むしろダイシンガーじゃないのか?」
ラクス「あら? 大いなるシンガー、つまりわたくしのことですわね?」
ミーア「もう歌ってないですよね……」
サイバスターとグルンガストの格好よさに吐血した
>>565 シンとステラが某X運命で竜巻斬艦刀やってたキガス
今OGsの37話だが
ダイトロンベのシュツルム・アングリフがカッコ良すぎる
あとタイトルwww
>>567 一瞬某スレのLが出張してきたかとオモタw
キラ「まさか、NJCの情報を連合に渡して戦況を悪化させたのも…」
クルーゼ「それも私だ」
本物のライダーであるシンにこそ、究極ゲシュペンストキックを使ってもらいたい
【追悼】ああ…必殺ゲシュペンストパンチ……【真面目で優しい熱血漢 】
>>573 しかし奴にキック技は無(r
まあ変身前はブレイクダンスしながら蹴りまくってるけど
今更だがヴィンちゃんにとっては種の世界は理想的だよな。
普通にラクシズと手を組みそうだから困る
適当に煽って唆すだけで永遠の闘争が。
種世界の人間は煽り耐性が低いというか、無いからな。
とうとうコンパクト3組が据え置き参戦したことについてどう思いますかお前ら
俺?最高だった…
kwsk!!
おまけのOG2.5にフォルカ達が出てくるって奴だな
>>583 こうして動いてるの見ると……
すごく……北斗です……
OGSの影響を受けて、スパロボキャラが種・種死の世界に来たらではなく、
種・種死のキャラがスパロボの世界に来たらのSSを妄想してしまった。
スレ違いだけどね。
いや、どっちでもいいと思うぞ
ただでさえ過疎ってんだし
突如として現れた蒼い羽根を持つ機体に撃たれ、ビームの奔流はビームコートを破って左手マシンキャノンをもっていかれた
残された武器は右腕ステークと肩部クレイモア、そして頭部のヒートホーン
幸いにも相手は武器……主に目立つステークの部分しか狙ってこない。まだ隠し武装には気が付いていないのだろう
ふざけている、武装を狙って無力化使用と言う腹だろうがふざけた戦い方だ、本当にふざけている
「なら、俺の切るカードは…俺の切り札は」
目の前の紅い機体の動きが変わった
「もう武器が無いって言うのに何故そんな!」
スラスターを狙おうにもあの機体は前面には姿勢制御用のスラスターは殆ど見られないかわりに後部に集中的に配置されている大型のスラスター
恐らく突撃能力を大幅に上げた機体なのだろう、破壊したマシン砲と時代遅れな杭打ち器。一瞬で懐に飛び込んでの一撃必殺を狙うだなんてふざけてる
戦いを止める為に、その右手の杭打ち器は奪い去る! ビームライフルを向けようとした。そこでとんでもない物を見た。
右手を肩で体で隠して突撃をかけてきたのだ。確かに体で隠せば武器は撃てない、だが撃墜を目標としている者にとっては格好の餌だろう
だがあの機体はあえてそうしている! つまり僕が武器や四肢しか狙えない事に気が付いている! 武器を狙う事を諦めて脚を狙う 一撃
「弾かれた!?」
ハイマットモードで後退しながら撃つ、撃つ、撃つ、 面白いほどに紅い機体に着弾するビーム。 だがその一撃一撃は装甲に当たると同時に霧散する
シールドに使用されているビームコーティング技術を全装甲に施しているのか!?ライフルは効かない、ならばとライフルを腰にマウントしてレールキャノンと高出力ビームキャノンを迫り出させて狙う
そして、『ハイマットフルバースト』 実弾と高出力ビームの四肢狙撃、これで足を押さえられるだろう だが
「効いていない!?PS装甲なのか?!」
ビームはかわされ、逃げ場を塞ぐ為に撃ったレールキャノンは装甲に弾かれた
紅い敵機は目前、最後の手としてビームサーベルを抜き放って擦違い様に切り裂く!
そこで思いがけないものを見た
紅い機体の両肩が開く、その中には無数に並ぶ何かの発射口
危険を感じ反射的にシールドを前面に掲げる
瞬間、衝撃
無数の大口径ベアリング弾を撃ちつけられて激しく揺すられる。まさかあんな所にそんな武器を隠しているだなんて!
盾の覗き窓から眼前を見やると紅い機体は目前に、かわせない!盾で相手の体当たりを止める!!そうして盾を突き出した
突き出された盾に全力の体当たりを食らわせた
流石に全速力のこの一撃は効いただろう、だがまだこれで終わりじゃない!
ヒートホーンを使い、下から上に切り裂く! 赤熱化した角が盾を赤く溶かして切断する
そのままもう一度体当たり、そして
「これが俺の切り札だ」
どのような装甲も撃ち貫くのみ!
脇腹に添えられたステークの六連撃、これで破れぬ装甲は無し!
絡み合うように地表に落ちる紅い機体と蒼い羽根の機体
最後に立ち上がったのは―――
熱血、必中、鉄壁、直撃ィィィィッ!
プレステ装甲無効wwwwww
やっぱり対フリーダムにはアルトだなぁ
多少の損害をものともせず突っ込めるしPS装甲?なにそれ?って装備満載だからな
クレイモアぶち込んだらすごい勢いでフェイズシフトダウンしそうだよな
いや、フリーダムの無限動力でダウンするのかは知らんが
>>592 あくまでも発電した電力をバッテリーに貯めて利用しているので、
バッテリーに蓄電してある電力が切れればアウトらしいです。
むしろ核分裂炉ごと撃ち抜きそうな勢いw
キョウスケ「な、何でこんなに脆いんだ!?」
あー、でもビデオでのキョウスケの戦い方だと組みうちに持ち込んだ上で装甲のないところに
ステーク打ち込みそうな気もする。
キョウスケって操縦技術に優れているのが特性なんだから、あんまり力任せはやらない
イメージ。
アルトアイゼンにはフリーダムにとっては最悪の武装、面制圧のクレイモアがあるからな
>>542 亀だけど。
すぱろぐ大戦でまとめてるようです・・・・・こうへー手を出しすぎだ・・・。
598 :
597:2007/07/09(月) 17:15:46 ID:???
やばい、誤爆だw
>>597 お前の言わんとするところが今ッ!魂で理解できたッ!
SSにエキドナを出せば良いんだね
シンがテストパイロット繋がりでATXチームor新旧共同体とか
転移の際巻き込まれてシャドゥミラー一行と行動を共にするとか色々ネタは浮かぶんだが文章に出来ねぇ……orz
特にシャドゥミラールートだとオウカ姉&スクールメンバー、Wシリーズとの絡みとか色々出来そうなんだけどな
601 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 13:08:15 ID:nJxxmYk0
ギリアムが転移して、種世界の戦闘を見る。
「こんな世界は有り得ない」
グランゾンの力をもってすればストライクフリーダムなど(ry
シンはEXのシュウの章でシュウの一味になってても違和感なさそうではあるな
シンは他作品の、敵味方、どちらのキャラと居てもあまり違和感無いのは確か
それこそよっぽどの外道とか、ショッカーみたいな徹頭徹尾悪の集団でない限りは
シャドウミラーには入る気ないだろうな
戦争によって生まれる犠牲ってやつにトラウマ持ってるからな
>>605 流れ弾飛んできて気がついたら両親の死体と妹の生手首、だもんな・・・
小さな視聴者を考慮してなかったら血が滴ってて、シンは吐いてると思う
キラはバルマーに洗脳済みですか?
キラは味方キャラを殺す役だな。
SRXを破壊してアヤが死亡したりとか。
あと自由にアースクレイドルを破壊されてブチ切れるゼンガーとかな。
>>608 ニルファのゼンガールートの第1話目にして噛ませ犬的にぶった切られそうですね。
そうならなかったとしても、中盤あたりでろくでもない死に方しそうですが・・・・・・。
>>605 確かにシンが、シャドウミラーの主張に組する事は無いと思う。
『戦いで得られる物と失われる物は等価では無い』という事を、身を持って知ってる訳だし。
ただシンも結局のところ、『より良き世界を築くためには無辜の民衆を犠牲にするのも止むを得ない』って結論を出してるからなあ。
50メートルの特機がモビルスーツを蹂躙する
……アルト、ソウルゲイン並みにシュールだな
>>610 まあ種死時のオーブ国民を「無辜の民衆」と言っていいかどうかは疑問が残るが
テロ支援ローグネーションのアスハ政権を支持率99%で支えてるんだからw
>>610 いや、シンの主張は「戦争の無い世界より良い世界なんてあるわけがない!」だから
人類の進化の為なら戦争しても良いなんて、まるっきり正反対の主張だし、認められるわけがない
つかラクシズの主張が丸っきりシャドウミラーと同じなのにビビるわ…
序盤はヴィンちゃん達が口八丁手八丁で騙していて話がWナンバー達と触れ合う内に疑惑を持ち始めスクールメンバー等との絡みで確信に代わり……
とか出来ると思うんだがなあ
シンって基本単純だし見ず知らずの世界だと特に……ね
スパロボ勢が居る世界でキラがブライトさんとかに鉄拳制裁うけて
改心したあとに、種世界の自分と入れ替わって「これはひでぇwwww」と思うとか。
そういうのがいいなw熱血シンジ君ばりに別人になるが。
しかしスパロボ世界になれてると、種世界じゃ頼りになる仲間がいねぇだろうなぁ。
サルファのラスト、αナンバーズが戻って来た地球は新暦ではなく
CEの地球でしたってネタなら出来るなそれ
>>616 しかしそれだと頼りになる仲間がいるから
「もう一人の自分」を冷静に見れると思う
>>617 なるほど
スパロボ世界キラが一人で種世界に行くのが条件か
キツいなw
久保あたりが来てくれれば地獄に仏だが
>>618 キラはスパロボによって性格が全然違うものになるんだよなぁ。
どのキラが来るのかで、かなり話が違う事になりそうだ。
Jのキラは「クルーゼェェェェッ!」と叫ぶくらいの熱血漢になってたけど、
Wのキラは最終決戦でも「グチャゴチャ言ってんじゃねぇ!」と一刀両断にされてたからなぁ。
でも、WのキラはSEED主要人物みんな助かるルートだとトラウマ抱えていないよ。
精神的にまともかも。
全員助かるルートだと、むしろ精神的ダメージが一番デカいのはディアッカw
サルファではマダオ、コナン、アニキに完全否定されていてワロタwww
最初から種とかを盛り込んだ版権スパロボ的なSSなら書ける
が、それはスレ違いなのでネタに困るな
3αキラ
Jキラ
Wキラ
もういっそ全員呼んでテラカオスな状態にすれば…
>>623 そのあたりは拡大解釈や類推解釈OKでいいよ
OGSのヴァイサーガの格好よさが半端ない…
ラーズも悪くはないがヴァイサーガは他と比べて頭一つ抜きん出ているぜ!
個人的にはアースゲインとヴァイローズが大好きだが、友人に言っても通じなくて困るぜ!
CE世界で武機覇拳流も面白いかなあ・・・非常識で
修羅の方々がCE世界に来たら…ラクシズとは相容れないだろうなw
やってることはほぼ変わりないのに?
ラクシズは自分達以外の勢力の武力を認めないから修羅同士の争いにもケチをつけるんじゃない?
平和を歌いつつ意に沿わぬ者を悪として討ち無辜の民を戦渦に巻き込む
しかも被害者面でのさばる
自ら望んで戦う修羅よりもよほど修羅だよな、ラクシズ
意識せずに闘争を呼び込むってどんだけ血塗られてるんだよw
そりゃ作り手の頭の中がパーだからな
なんて平和主義だよ!おい!
OGSのキャラ辞典によるとマシンナリーチルドレンのアンサズの性格は狡猾で残忍らしい。
なるほど、アラドをなぶり殺そうとして痛ぶってたら
ゼオラの記憶を換気させた上にTBSの返り討ちにあい辺りが
狡猾で残忍なんだろうな、と思ってコーヒー吹いたwwwww
確かに迂闊で残念だw
ウルズも負けず劣らずだと思うが。
親分をなめ過ぎだ・・・・・・。
>>636 OG2までまだ行ってないが、相変わらずマシンナリーチルドレン最高の能力を見せる事無く一刀両断されたのか?
はっきり言ってスレ違いだけど、スパロボで無双出ないかなぁ。
無双じゃないけどA.C.Eがあるじゃない
スパロボで無双となると等身どうするかがな
ガンダムとマジンガーぐらいならともかく
ダンバイン系列とガンバスターとかなると差が凄まじいからなぁ
いや、A.C.Eのあーゆー「避けて当てる」みたいなシューティングのノリじゃなくて、
無双の「一騎当千」みたいなノリがほしいわけで。
例えば親分と竜巻兄貴がプフェールトモードで戦場を駆け巡ったり、
アルトがクレイモアで前方の敵集団をなぎ払ったり、
ヴァイスやファルケンが連射して敵を浮かし続けたり、
ビルガーがクラッシャーで敵を鋏んで振り回して別の敵に投げつけたり、
究極!!ゲシュペンストキックで地面に着弾した衝撃波で吹っ飛ばしたり、
とまあそんなノリ。
>>641 つ SRX
>>640 アルト対ソウルゲインのムービー見て機体のサイズ違いすぎるじゃんと思ったな。
あのサイズ差ですらリンチに見えたからABとガンバスターだったら…
>>636 あの場面の親分の、ドモンばりの告白(?)シーンワロスwww
>>627 スーパーアースゲインの厨性能に心底惚れこんだ記憶が
>>644 そしてかませのウルズ
まぁある意味で相応な位置なのかもしれんが
Rでマスター生き返ったけど・・・・・・って、あれはゲッターあってこその芸当か。
許せるか引きこもり親父ィィーーーーーーーーーーーーッッ!!!!!!
さすが親分、修羅に混ざってても違和感ねえ・・・
っつーかコレでラミア復活させんかったら暴動モノになりかねんよーな……
フィオナもだ!
…まあ多分、アホセルやオウカ姉も含めて別の時間軸として出てきそうな気がする
今回はEXベースか?
ラ・ギアスの代わりに違う異世界に行くと
あまりの予想外、ア・ゼルスに旅立ちます
もう銀河の外でアル・イー・クイスとバトってりゃいいよ……
今度のラスボスはケイサルかペルフェクティオか……
個人的には超神ゼアス希望だが
んー、OG2.5は分からんけど、OGとOG2から考えるとOG3はナシム・ガンエデン、
OG4はAI1、OG5はケイサル・エフェスと据え置きのラスボスが来るんじゃ?
あと、これが当たってたらOG3でDが来そうだ。
据え置きのラスボスっつーと・・・
ヴァルシオン、デュラクシール、ヴォルクルス、ネオグランゾン、アル=イー=クイス、ズフィルード辺り?
色々抜けてっかも
第一話 DC新生
地球連合が中立国家オーブに突きつけた戦端を開く時刻をわずかに残したその時、オブザーバーとして連合艦隊旗艦に悠々と座す金髪の男は、自分こそがこの一方的なゲームの支配者であると信じて疑わぬ声で、攻撃の開始を命じた。
こちらから突きつけた時刻を前にしての、不意をついての先制攻撃だ。
戦場での騙し討ち、背信、裏切りなど当たり前であると知る艦隊の提督も、楽しむように命じる男には少なからず反発を覚えていたが、このムルタ・アズラエルという男に逆らえぬ事は知っていた。
コーディネイターの殲滅を本気で臨む狂信者。ブルーコスモスの盟主。地球連合に多大な影響力を持つビジネス界の麒麟児。
三十路になったばかりとは思えぬ二十代の端正な顔に、残酷な遊戯を前にした子供の笑みを浮かべるアズラエルの表情は、しかし各艦艇から射出されたミサイル群が、オーブ本島オノゴロ島からさかしまに奔った青と赤とが螺旋を描く雷にひとつ残らず撃墜された瞬間であった。
優雅に足を組み座っていた席から立ち上がり、自分の目の前で起きた事が信じられずに凝然と目を開く。
それは艦橋にいる、いや、この仕組まれたオーブという生贄を食らい尽くす現代の魔女狩りに参戦した者たちすべての思いであった。
「! 高エネルギー反応を確認。先程の光の発信源を特定しました。映像、来ます!」
一人の女性オペレーターの挙げた、悲鳴に似た声に、誰もが正面モニターを見つめる。
「なんだ、あれは? なんなんだよ、あれは!? MSなのか!?」
誰よりも早くアズラエルが理解できないと叫びを挙げた。今、彼らの目の前に映し出されたのは。
鮮血に濡れたような、禍々しく、装甲の全てが鋭く研ぎ澄まれた刃の様で――
装甲の所々に施された金の細工は、ソレがまるで鮮血に染められた魔界の王の威厳を表しているかの様で――
手にした巨大な銀の刃は、死神の振るう鎌よりも鋭く、今にもモニター越しに自分の首を刈り取られそうで――
モビルスーツの優に倍はあろうかという巨体は、緑に光る瞳でこちらを見つめているようで――。
誰も彼もが、その姿に圧倒されていた。ただその姿に、心が打ちのめされていた。
戦場において有り得ざる静寂。誰もがトリガーを引くのを忘れ、攻撃を命じる事を恐れた。その報復が、紛れもなく自分達の命によって購われると理解できたから。
「これはっ、強力な電波が、こちらに割り込んできます。あの機体からです!」
「なんだと!?」
『地球連合艦隊に告げる』
地の底から響くかの様な声。その声に滲む覚悟、決意、信念。その重厚さに、アズラエルは我知らず冷や汗をしとどに流し、濡れた金髪が不快な感触で彼の頬に張り付く。
『ただちに軍を引き、オーブ領海から撤回せよ』
「何をふざけた事を! 分っているのか、この物量差をどう、覆すと言うんだ!!」
聞こえてなどいない相手に、アズラエルは唾を飛ばして叫ぶ。モニターの向こう、逆立てた青みを帯びた黒髪と猛々しさを印象付ける美髯。
意志の強さをなによりもあらわすのはその瞳だ。その眼光を前にすればなまなかな決意や虚栄などたちどころに剥がされてしまう。
厳しく引き締められた一文字の唇は、アズラエルの事など気に止める風も無く、強い意志と精神力に支えられた圧倒的な威厳と支配力を併せ持った声で告げる。
『さもなくば、このヴァルシオンと、我ら新生オーブ“ディバイン・クルセイダース”が、お前達を物言わぬ骸へと変えるだろう』
「ディバイン・クルセイダース? 聖十字、軍? ばかな、オーブ内部でクーデターでもあったというのか?」
『私、ビアン・ゾルダークはここに宣言する! ここに、旧体制たるオーブ首長連合を解体し、新たな秩序、新たな力を持つ新生オーブ“ディバイン・クルセイダース”の結成を!
腐敗を押し進め、地上に秩序では無く愚かな内部抗争ばかりを覆す地球連合にも、連合国家だけでなく、中立国家さえもニュートロンジャマーという最悪に巻き込み、多くの人々を苦しめ、同胞たるコーディネイターさえも苦しめるプラントにも属さぬ、力が、存在が我らである!
だが、我らは無用な混乱と破壊を望むものではない。これ以上の尊き人命の損失と、母なる地球、そして静寂なる宇宙をかき乱し、疲弊させる戦乱の終結を望むものである。
このような時機にのかような宣言、我らを新たな混乱をもたらすものとして忌避し、また恐れるのも無理はない事だろう。
しかし、我らが求めるのはただ、飢える事無く、凍える事無く、戦火に怯える事無く明日を過ごせる未来である!
我々に賛同する者達よ、己れの胸にある正義を恥じるな! 義憤を燻らせるな! 我々は、正義を行う為に悪を成す。幸福な明日を子供達に残す為に破壊を行うだろう。死を生むだろう。その罪は許されるものではない。
己が命の付きる時まで背負わねばならぬ十字架だ。それを恐れぬ者たちを、私は勇者と呼ぼう!
故に、今このオーブの大地に立つ勇者たちを恐れぬならば、かかってくるがいい。代償は自分達の命と知った上で尚、その理不尽な暴力、謂われなき暴力の腕を振り上げるのを止めぬというのならば、我らは一切の容赦をせん』
「これは、世界中にこの映像が流されています! 世界規模の電波ジャックです!?」
「なんだと! ふざけるな。おい、今すぐあのふざけた男を黙らせろ! こんな、こんなふざけた事があってたまるか!!」
「MSを出せ。全艦隊に通達、これより……」
「愚かな」
今まで屠ってきた勇者たちの血で自らを染め上げた真紅の魔王の如くオーブ海岸に立つ、『究極ロボ』ヴァルシオンのコクピットの中、ビアンは分かっていた答えを、しかしほんのわずかばかり、悲しげに呟いた。
ヴァルシオンに一歩を踏み出させ、迫る地球連合の艦隊の相手をせんとした時、モニターの一つが新たに灯り、長い黒髪と妖しいまでの赤い唇が目を引く美女が映し出される。
「総帥が直接手を出すまでも無い。我らに任されよ」
「ミナか」
「ソキウス達には迎撃に当たらされる。総帥はそこで見ていてほしい。貴方が望んだこと、我らが望んだこと、我らの理想の始まりを」
「……好きにするがいい」
次々と上陸する地球連合の上陸艇や輸送機が、大量の連合製MS『ストライクダガー』。抵抗らしい抵抗も無く、あの真紅のロボットからの攻撃も無いため、連合のMS達はなんの犠牲も無くオーブへと上陸していった。
数々の戦場を渡り歩いた一部のベテランたちだけが感じ取っていた。あのロボの出現以来、オーブに立ち込める死の気配を。それが現れるのが自分達の目の前であり、もう、すぐそこまで迫っている事に、気付いてもいた。どうしようもない事も。
「美しく舞え。我らDCの門出に相応しく」
次々と上陸するストライクダガーの群れのまっただ中に、超上空から高速で迫る物体があった。NJの影響でお粗末な機能しか発揮しないレーダーがようやく反応を示した時は、やはり、取り返しのつかぬだけの時間が過ぎていた。
それを見た連合兵たちは、あのヴァルシオンという異形のMS(?)を見た時と同じか、それ以上の驚きに脳裏を白く染め上げた。
なぜならそれは――女性だったからである。いや、正確に言うならば、生身の女性の顔とシルエットを持った、人型の機動兵器、なのだろう。多分。
排熱機構を兼ねる人工毛髪は闇夜の漆黒を孕んだ絹糸の様――
漆黒の装甲は確かに胸部で膨らみ、腰はくびれのラインを描き――
その顔は、まぎれもなくビアンに連絡を入れた妖艶な美女ロンド・ミナ・サハクそのものだった。
背の堕天使の様なウィングから、青いスラスターの噴射光を雪の結晶の様に零しながらストライクダガーのど真ん中に降り立つや、驚くべき事にそのミナの姿をしたロボットは、嘲りさえ交えた笑みを浮かべた。
「我が化身ヴァルシオンシリーズ三号機、ヴァルシオーネ・ミナの初陣の相手に選ばれた栄誉を、死後の世界で誇るがいい。受けよ、サイコブラスター!」
コクピットの中、ミナの叫びと共にそのミナロボットの全身から漆黒の光が嵐の如く吹き荒れて、周囲のストライクダガーを巻き込み、無慈悲な死神の吐息が作り出したかのように、その四肢を、胴を砕き平等に撃墜してゆく。
遠く、海岸線に産まれる無数の爆発が、すべて自軍のもののみと知ったアズラエルは凍てついた表情を浮かべる事しかできなかった。
なんだ、これは?
バカな、馬鹿な、ばかな、バカナ、馬鹿ナ、ばかナ!!
「……つらを出せ、あいつらを出せえ!! さっさとこの茶番劇を終わらせろ! ふざけるなふざけるなふざけるな」
「! 確かに、それしかないか。あいつらを出せ!」
「む? 連合め、早くもカードを切ってきたか」
サイコブラスターの効果範囲の外にいたストライクダガーを、ハイパービームキャノンとディバインアームで次々と屠っていたミナが、彼方から迫る三つの光点に気付いた。
「情報では、連合の作った強化兵が乗っているはず。イレブン・ソキウスとセブン・ソキウスが逃走した理由たちか。因果な事だ」
黒い機体を伝説に語られるハーピーの様に変形させたレイダー。
青い機体から突き出た二本の突撃槍の様な砲身と全身に備えた火器が目を引くカラミティ。
傘を被ったような格好に、鈍く光る超振動の鎌を持ったフォビドゥン。
それを操るのは連合や人体操作技術と生物工学の粋で造り上げた、ナチュラルでありながらコーディネイターを凌駕する強化人間、クロト、オルガ、シャニの三人だ。
「なに、あいつ? 生意気」
「はん、おれが跡形も無くぶっ壊してやる」
「るっせんだよオルガ。人の機体のうえでごちゃごちゃいうんじゃねえ!」
気だるげなシャニに続き、破壊への衝動を隠さぬオルガと、オルガのカラミティに乗られた不機嫌なクロトが、ヴァルシオーネ・ミナを前にして罵り合う。
ミナはあくまで優雅に泰然と、腕さえ組んで待っていた。
663 :
660:2007/07/20(金) 02:05:44 ID:???
すいません、調子に乗りすぎました。中途半端ですがここまで。とりあえず二時間くらいでこれを書くのが自分の限界であります。
リアルタイムきたーGJっすー
ミナシオーネは武装を見るに、外見だけミナになってる感じかな?
一個気になったのは、ヴァルシオンはMSの倍じゃきかないはず
あのロボヲタが57m550tにこだわったから
それにしてもこのミナ様、ノリノリである。
このあときれいなテンザンが「ゲーム感覚で人殺しをしようなんて許せないっての、ホ!」って
出てきたら最高だな。
GJ!
ヴァルシオンって、CEMSで勝てる相手じゃねぇ〜。
ビアンだけでなくマイヤーも来てたら面白いんだが、駄目だよなぁ。ヴァルシオンとビアンでこの有り様だし。
>>665 テンザン的にはむしろ、「殺し好きの雑魚キャラなんざ、噛ませ犬くらいにしか
使えないっての!」じゃないの?
>>666 連合内部に密かに浸透しているシャドウミラー、とかでバランスとれそうじゃないか?
GJ! つか幾ら自分の乗機とはいえ、自分そっくりの見た目でしかもヴァルシオーネ・ミナとか、
自分の名前つけるとか、大丈夫なのかミナ様!俺は良いぞ、もっとやれ!
これはアズラエルも、右手が攻撃兵装で左手が防御兵装、両膝ドリルなプロトタイプデストロイを
発進させるしかないね。
GJ!
まさかビアンとはね
CEの技術じゃヴァルシオンの歪曲F貫けないよ。
それこそジェネシスかレクイエムか核くらいじゃないか?
オーブがDCに・・・
シンがビアンに絶対の忠誠を誓いそうだな
GJ!
クーデターで国家乗っ取るって……どんだけ前から準備してたんだろう?
やっぱりアスハは粛清されたのか?
>>658 OG3でD来たら、ラスボスはガンエデンよりペルフェクティオじゃね?
ボスとしての格を比べたらペルフェクティオの方が上だと思うんだが……。
674 :
658:2007/07/20(金) 18:26:58 ID:???
たしかDだと地球消えるらしいですからね。
そこらへんがガンエデン目覚める要因ではないかと。
ペルフェクティオはOG2のウィンデルポジションで。
サイコブラスター搭載と言うことはもしビアン博士がいたら、じゃなくて転移物か。
しかし愛娘へのプレゼントと同型機を送るか……二人の関係が妖しいぜw
そらビアン総帥とウズミじゃ力とカリスマが違いすぎるwww
>>674 Dもニルファも両方やった身としてはむしろガンエデンのほうがヴィンデルポジのほうがしっくりくるんよ。
ペルフェクティオは末端にも関わらず(バサラたちの歌ですぐ解除されたとはいえ)味方全員恐怖で動けなくした存在なんだから。
まぁ、これ以上はスレ違いだな。
>>659 バランシュナイルが(ry
F完じゃ中ボスだけどw
ペルさんはクトゥルーで言うところのアザリンみたいなもんだからね。
完全に覚醒したら宇宙が滅ぶ。
まあどういう事が起きて破滅するのかまではしっかりと書かれてなかったがね
自分が考察関係のスレで一番好きだったのは
「宇宙よりデカイから出てくると宇宙がつぶれる」説
まぁ、どんな存在であれ、あのプロトデビルンですら恐怖する存在だからな。
完全に殺しきれてないラスボスってペルフェクティオだけじゃないか?
第二話 DCの戦士達
「いただきい!」
「こら、てめえ、オルガア、抜け駆けするんじゃねえ!」
射程内にヴァルシオーネを収めたオルガが、カラミティに胸部のスキュラを発射させようとした時、それが現れた。
「ああん!?」
「なにあれ?」
超音速で迫るそれは鋼の妖精と呼ぶべきであったか。突如レーダーに映り、瞬く間に距離を詰めた三機のMSが放ったミサイル群を回避する為に、カラミティの射線はずれ、ミナの前方、海面にスキュラの光を放つにとどまった。
超高熱の火線に焙られ蒸発した海水が、陽光にきらめく白の霧となってヴァルシーネ・ミナ=ミナシオーネに、霧の衣となって漂う。
海の底から白霧を纏って現れた美しき海魔の如きミナシオーネを守るようにして、ソレらは三機の悪意のまえに立ちはだかった。
「なんだあれ? ふざけてんのか!?」
それは、ヴァルシオーネほどではないにしろ、デザイン的に見て明らかに女体のシルエット、それも年端もいかぬ少女のものを再現した機体であった。華奢な四肢にスカートの様な腰の装甲、後頭部には縦ロールの巻紙の様な用途不明のものがある。
それが、カラミティ・レイダー・フォビドゥンと同じく三機。
ある日突然、眠りについていたビアンの脳裏に閃いた機体全高15.4メートル、重量28.3トンのMSの常識を覆す軽量機体『DCMBF−007フェアリオン』である。
――その夢の中で、なぜか彼の部下だったフィリオという青年と、中年の有能な科学者は、二人揃ってアイドルソングを熱唱し、かるくビアンがめまいを起こすほどにノリノリで踊っていた。
その翌朝、ビアンは、よく知っているつもりでも人間には理解し難い趣味があるものだと、改めて痛感した。
超音速の妖精――開発者たちの間でそう呼ばれている特殊な趣味の機体フェアリオンはそれぞれ、黒、白、灰に染められている。黒にはT、白にはX、灰には]のナンバーが振られている。
「御無事ですか、ミナ様?」
「大事ない。機体の調子はどうだ。ワン、ファイブ、トゥエルブ」
ミナの労う声に、ソキウスと呼ばれたフェアリオンのパイロット達は首を縦に振って肯定した。
床についた病人の白い肌と、色素の薄い水色の髪、どこか感情と意志が欠如した瞳。まだ少年としか呼べぬ年頃の、若者たちであった。三人が三人とも同じ顔。三つ子、だろうか?
しかし、全員が全員とも、レースとフリルとリボンの神に祝福されたかの様なドレスとヘッドドレスを身に着けた女装姿なのだが、誰もそれを気にしていない。
フェアリオンに乗る時の絶対装備だと、ミナに言われたのを忠実に守っているのである。
そんな彼らはかつて連合が求めたナチュラルに絶対服従の戦闘用コーディネイター『ソキウス』シリーズの三人である。
ソキウス達は、ナチュラルでもコーディネイターに対抗できる強化人間すなわち、今、オーブを襲う三機のMSのパイロット達だ――の完成により、廃棄が決定されたソキウス達を独自のルートで、ミナ達は手に入れていた。
今はここにいないミナの半身ギナの元にも、三人のソキウス達が戦力として連合から与えられているだろう。違うのは、今ミナとビアンの前にいるソキウス達は自らの意思でDCに所属するソキウスである事だ。
薬物によって精神を破壊される予定だった彼ら三人のソキウスを、連合とのパイプをまだ維持していたミナが、ビアンの頼みでいくらかの代償を払って彼らを傘下に収めたのだ。
ナチュラルの為だけに生きる事を徹底的に、それこそ遺伝子操作のレベルで命じられたソキウス達は、ナチュラルの為に戦えない事を嘆き、また、ナチュラルであるビアンに救われた事を感謝していた。
連合に捨てられ、ナチュラルの為に働けなくなったソキウス達は代償行為としてか、ビアンに無償の協力を惜しまぬ事を告げた。
だが、ビアンの答えは――『人形は要らぬ』。この一言のみ。その場にいたミナとギナは、ビアンはあくまでソキウス達に人間である事を求めたのだと理解し、ビアンの言葉に困惑するソキウス達に、
ビアンの意を汲んで答えを与えず、彼らが自分達で考え、自分達の望みを正しく理解し、それを叶える為の意志を持つ事を待った。
彼らソキウスは、そして『人間』となったのだ。
今この場に立つだけでも、ソキウス達には苦痛の様なものを感じているかもしれない。彼らが敵対しようとしているのは紛れもなく、彼らの存在意義であり、奉仕すべき存在『ナチュラル』達なのだから。
「無理はするな、トゥエルブ。ナチュラルの相手はお前達にとってはつらいものに違いあるまい」
「いいえ、ミナ様。今ここに立つ事も僕たちの意思です」
「たとえナチュラルの敵になる事になっても、それはナチュラルの社会に貢献し、後の幸福につながることならば、必要な事だと僕たちは結論しました」
「ですから、例え遺伝子が僕たちの行為を拒絶しても、僕たちはソキウスの名を誇りに、ナチュラルの為に生きます。ソキウスという名を与えられ、それを誇る『人間』として」
「良い答えだ」
モニターに映る三人のソキウス達の意思と言葉に、ミナは優しく笑みを浮かべ頷いた。
ミナの言う通り、ナチュラルへの全存在を持っての奉仕を刻印されたソキウス達は、ナチュラルへの負の感情や敵意、マイナス的な思考をするだけで悪寒が体を駆け巡り、それ以上の思考を許さぬ苦痛が襲い掛かる。
調整された遺伝子が、ソキウス達を作り上げたナチュラルの予想を超えた効果を発揮し、ソキウス達を苦しめるのだ。
だが、それに屈服せず、痛みを恐れず、遺伝子が命じるからでは無く、己れの意志でソキウス達は今この戦場に立っているのだ。その姿は、美しく、雄々しい。誰が彼らの意志を笑う事が出来ようか。
「彼らの相手は僕たちが。ミナ様は上陸する連合の相手を」
「よかろう。任せるぞ、お前達。ビアン総帥、全軍に出撃命令を」
「うむ。ビアン・ゾルダークとディバイン・クルセイダーズの名の下に集いし勇者よ! 鬨の声を挙げよ! これより我ら修羅に入る! 仏と会えば仏を斬り、神と会えば神を斬る!
一刀必殺、一射撃滅、乾坤の一擲を振え! 信念を弾丸に込めよ、覚悟を持って引き金を引け、全霊の一撃を撃ち放て! 全軍、出撃!!」
ビアンの号令一下、オノゴロ島の各所で待機していたそれらの心臓に火が灯され、鋼の四肢に雷の血液が行き渡る。
Gと呼ばれる連合のMSと同じツインアイの機体。機体背部に、ビアン・ゾルダークがもたらした超技術の一つ、重力制御・慣性質量分離機能を有した高効率反動推進装置「テスラ・ドライブ」を超小型化したものを搭載し、
また従来の大型ジェットエンジンを搭載したモジュールユニットが組み込まれ、ザフトのディン、連合のスカイグラスパーを凌駕する機動性、運動性、加速性能……総合的にも頭一つ飛び抜けた空戦能力を持つDCMBF−004 M−LION(エムリオン)だ。
元々開発されていたオーブ独自のMS“M1”にビアンのアイディアが加えられ再設計されたリファインMSである。テスラ・ドライブというそれまでの常識を凌駕する推進機関がもたらす規格外の加速エネルギーは、エムリオンを彗星の如く飛び立たせる。
ディバイン・クルセイダーズの戦の狼煙が、上げられたのだ。
同時に、ソキウス達と対峙していたカラミティ、フォビドゥン、レイダー達も動きを見せる。彼らの場合、単に状況の停滞に我慢がならなかっただけだろう。自制が利かぬほどに高められた戦闘への意欲と破壊衝動が、彼らを突き動かしてやまぬ。
「邪魔するんならぶっ壊す!」
「そらそらそらあ、滅殺!」
「ああああああ!!」
協力する気は欠片も無い三人の、奇妙な事にタイミングは同じ攻撃に、三機のフェアリオンは散開し、後頭部に四つ存在する高出力ビームキャノン『ロールキャノン』の照準をカラミティ達に向ける。
「ぐっ」
例え強化人間とはいえ、相手はナチュラル。その事実が、ソキウス達の体内に悲鳴を上げさせる。どうしようもないほどの嘔吐感、震えるほどの苦痛、早鐘の様に脳に鳴り響くヤメロという声。
この戦いの前、ビアンの言葉の真意を求めるソキウス達は、三人で語り合った。
「……結論が出た。今現在、もっともナチュラルを脅かし、その社会に深刻な脅威を与えているのは」
彼らに与えられた抑制機能が、それ以上の言葉を紡ぐ事を許さぬと、憤怒の叫びをあげている。どくんと心臓が跳ね上がり、食道の奥、胃の腑から込み上げるものがある。
ワン・ソキウスはそれをこらえ、同胞たるファイブとトゥエルブに告げた。答えを出してはならぬ答えを、出してしまった苦行者の様だった。それは、彼らの同胞、イレブン・ソキウスとセブン・ソキウスも辿る道。
「……ナチュラルを導く、ナチュラルの指導者たち」
「そう、その通りだ。ファイブ、トゥエルブ、君達といる事で、僕は僕の考えをより客観的に理解し、整理出来た。……僕たちに与えられた命題『ナチュラルの為に生きる事』。
誰かの為に生きる事――僕たちの場合はナチュラルという人類種全体だけれど――、それ自体は客観的に見て悪徳では無い筈だ」
「ああ、その通りだ。それは普遍的に善性として扱われてきた」
「では、ナチュラルではない人類、コーディネイターについてだ。現在コーディネイターの住むプラントと民間軍事組織ザフトとナチュラルはおおよそ全体的に戦争状態にある。では、ナチュラルに危害を加えない、
また、ナチュラルの社会に貢献する仕事についているコーディネイターはどうだろうか? 彼らは排除すべき対象だろうか?」
「いいや、ナチュラルの為に生きる事は、彼らを害するものを排除する事に繋がるが、コーディネイターという人類すべてがナチュラルにとって害悪なわけではない。彼らの技術や発見がナチュラルの社会にもたらした貢献も、無視できるものではない」
「ならば、ナチュラルの為に役立つコーディネイターは存在すべきだ」
「そうだね。それなら、僕らの存在も許される筈だ」
心なしか、感情を写す動きを忘れたようなソキウス達の顔に、喜び、あるいは安堵の色が浮かんだ。人形と作られたにせよ、存在を許されるという事は、誰しも喜びに繋がる。
過去への回想は、唐突に晴れた。ロールキャノンのトリガーを引く事を躊躇うワン・ソキウスのフェアリオンを、レイダーの破砕球『ミョルニル』が襲い、とっさにワン・ソキウスはフェアリオンに回避行動を取らせる。
「ちい、はずれか! 次は当てる! 必っっ殺あああつ!!」
レイダーの、人間でいう口の部位に、青い光が灯り、高出力のビーム『ツォーン』が放たれる。コントロールスティックをワン・ソキウスが操作するのが間に合ったのは、それよりも間二髪ほど。
ファイブ・ソキウス、トゥエルブ・ソキウスそれぞれから通信が入り、彼らは互いに、自ずから口を開く。
「やはり、ナチュラルに抗う事は途方も無く苦しく、そして辛いことだ」
「ああ。その通りだ。たとえ彼らが僕らを捨て、忌み嫌い、今また破壊しようとしていても、僕らはナチュラルが、人間に、逆らえない」
「そうだろうか? 僕らは逆らえないから、ナチュラルの為に尽くすのだろうか?」
「……いいや、違う。僕たちソキウスは、ナチュラルに逆らえないから従うのではない。僕らは」
「人間を愛するが故に、ナチュラルの為に尽くす」
「そうだ。僕らはナチュラルを愛している。ひいては、コーディネイターを含めた、人類を。ナチュラルよ、たとえあなた達に捨てられ、忌み嫌われ、忘れられても、僕たちソキウスはあなた達の為に生きる。
僕達も人間であるが為に、いつまでもあなた達の良き隣人でありたいから。僕らも、あなた達の仲間でありたいから」
「ならば、ワン、ファイブ。今僕たちが感じている痛みは愛する者の為の痛みだ」
「肯定だ、トゥエルブ。愛ゆえの痛みならば、僕たちはいくらでも耐えよう。それは僕達にとって存在の証明であり、また喜びでもあるのだから」
「だから、ナチュラルよ。今僕たちは、貴方達の為に、貴方達に銃を向ける」
三機のフェアリオンの雰囲気の変化、というのもおかしいが、対峙するシャニ達は明確な場の空気の変化を悟った。
「トリガーを引くたびに僕らは祈る」
「ナチュラルに、いいや、人類に」
「幸多からん事を」
反撃を開始したソキウス達の様子に、ミナは安堵の息をついた。
「どうやら、彼らも自分達のアストレイ――王道では無い道――を見つけたようだな。ならば、私は私の役目を果たそう」
ミナシオーネのテスラ・ドライブの推力を前方に向け、今新たに上陸しようとするストライクダガーの編隊へと、ミナは恐れる事無く挑みかかった。
ザフトとの決戦を予感し、簡易生産型としてロールアウトしたストライクダガーとはいえ、携帯ビーム兵器を持つストライクダガーの総合性能はザフトのジンを上回る。
旧オーブのM1ならばストライクダガーも数が同等なら互角以上に戦えるだけの性能を持っていたし、その改良発展型であるエムリオンならば多少の数の不利は補える。
だが、それでも数の不利は否めない。ビアンの駆るヴァルシオンならば単機でもこの戦場のパワーバランスをいとも容易くひっくり返すだろうが、この戦場だけを買っても意味がない。その次の戦いを見据えた上で戦わねばなるまい。
元々国力の低いオーブを母体とするDCだ。あらゆる手は打ってあるが、つまるところ生産能力はザフトにさえ劣る。質は他の追随を許さぬが、物量においては、とくに連合と比した場合巨人と蟻ほどの差がある。
それを覆す為の隠し札として、ヴァルシオンは申し分ないだろう。あの、CEの常識を覆すとてつもない性能。それが完全に発揮されればたったの一機。そう、ヴァルシオン単体でこの戦争の戦局が変化する。
今、この戦いは全世界に中継されDCの存在を誇示している。可能ならば、ヴァルシオンという札は伏せたままでおきたい。
「第二曲の相手はお前たちか?」
妖しくコクピットで笑むミナと等しい笑みを浮かべたミナシオーネは、ストライクダガー達の浴びせる光の雨を一陣の矢と化して駆け抜け、その背のウィング内部に収納されていた凶器を晒す。
「心行くまで堪能するがよい。吸精の刃、マガノイクタチを」
鋼の翼に埋もれていた黒光りする金属の湾曲した刃がせりだし、ミナシオーネを中心に黒い光の渦が生まれる。それはサイコブラスターとは逆に、周囲からミナシオーネへ向かって逆に渦巻いてゆく。
マガノイクタチ――効果範囲内の対象から強制的にエネルギーを放出させ、それを我がものとする。本来ならギナとミナの専用機ゴールドフレーム天に搭載されているオーブ驚異のテクノロジーの粋だ。
「バッテリー機では所詮、この程度か」
究極的な不殺兵器もあるマガノイクタチが吸収したエネルギーのゲージを見て、ミナは淡白な感想をあでやかな唇に乗せる。
ばくん、と音を立ててマガノイクタチを収納し、ミナは倒れ伏したストライクダガーに目もくれず、新たな敵の群れへと駆けた。オーブを守護する女神は我であると、その姿が語っている。
サイコブラスターの発射、その後マガノイクタチで残る敵からエネルギーを補充、そしてまたサイコブラスターの発射。条件付きではあるが、マガノイクタチとサイコブラスターを搭載したミナシオーネならではの最大の武器、無限サイコブラスターコンボであった。
今はまだ未完成のマガノイクタチと、消費の大きいサイコブラスターでは釣り合いが取れていないが、将来的には決して不可能ではない。
「ふっ。やはり、私の相手が務まるのは、ギナとビアンだけだな」
幸運にもエムリオン達の迎撃をくぐり抜け、不幸にもヴァルシオンに近づいた三機のストライクダガーは、目の前の敵総大将の駆る異形の巨大MSに、
心理的な圧迫感を覚えながら、紛れもない手柄を前にして、恐怖心を乗り越えた。いや、乗り越えてしまった。
「怯むな、敵は一機だ!」
小隊長の掛け声と共に、ヴァルシオンに集中するバズーカや、ビームライフルの光条。それは弾が切れるまで、エネルギーが切れるまで飽きる事無く続いた。
それの途切れる時、それは自分達の死が訪れる時間なのだと、おのずと彼らの生物としての本能が悟っていた。
ああ、火器のすべて撃ち尽くし、立ち込める爆煙の向こう、そこには、やはり、無傷の真紅の魔王がいた。
「どうした、それで終わりか? それでは」
ずん、と世界を揺るがせる巨人の様にヴァルシオンの足が大地を踏みしめる。
おのずと、煙が自らの意思で究極のスーパーロボットへの畏怖を表すかの様に割れてゆく。
「このヴァルシオンに傷一つつける事も、この私を倒し、我らDCの理想を打ち破る事も出来ん」
その声に怯えたのか、その姿に怯えたのか、一機のストライクダガーがバズーカを捨てて背のビームサーベルを抜き放ち、無謀にもヴァルシオンに斬りかかる。
「無謀は勇気では無い。蛮勇でさえない」
スラスターを全開にして迫るストライクダガーの胴を、神速で振われたヴァルシオンのディバインアームが切り裂いた。熱したナイフでバターを裂く、いや、鉄骨を斬鉄剣で斬ったかの如き滑らかな断面を晒し、
切り離された上半身が彼方で音を立てて転び、わずかな間をおいて爆発。ヴァルシオンを黒煙とオレンジの炎で彩る。
「言った筈だ、一切の容赦をせん、とな」
ヴァルシオンに搭載されたテスラ・ドライブがフルドライブ状態へ一瞬で加速し、残るストライクダガーの片割れの眼前に立つ。
(でかい、MSの倍、いや三倍はある!?)
「さらばだ」
振り下ろされたディバインアームの銀の刃は、ストライクダガーを、きれいに正中線をなぞって両断する。呆気に捕らわれる最後のストライクダガーのパイロットは、此方に向けて上げられるヴァルシオンの左手に気付いた。
「ひっ!?」
「クロスマッシャー、発射!」
ヴァルシオンの左手を覆う装甲の中にある砲口から、あのミサイル群を吹き飛ばした赤と青が螺旋を描く光を放ち、対ビームコーティングが施されたシールドをモノともせずストライクダガーを消滅させた。
その胸に去来する思いは何なのか、ビアンは、今一度ヴァルシオンに眼前の戦争へと目を向けさせた。
また一つ、また一つと生まれては消えゆく爆発の光を見つめながら、ビアンがコクピット内の通信機を操作し、とある待機中の小隊につなげる。
「皆の様子はどうだ。テンザン」
やや小太りで、眼付の悪い男が、ビアンの目の前に映し出される。DCの最精鋭部隊『ラストバタリオン』きってのトップエース、テンザン・ナカジマ一尉だ。
「ホ、こりゃビアン総帥。大丈夫ですよ、全員肝が据わってますからね。ま、一人はしょうがないっすけど。なんなら、挨拶の一つでもしときますか?」
DC総帥にしてオーブ政権転覆の立役者であるビアンを相手に、尊大とも言える態度のテンザンだが、その実力はだれもが認めるし、あれでそれなりの人格者なのだ。
あちらのテンザンとは中身が別人だと、ビアンのみが思う。テンザンがコンソールを操作すると、新たに四つのウィンドウがヴァルシオンのモニターに映し出される。
薄緑の髪を逆立てた、落ち着いた雰囲気の少年
「スティング、どうだ? 機体は申し分ないか?」
「ええ、こいつはおれとの相性も抜群です。任せてください、ビアン総帥」
青い髪に、子供っぽい光を宿した眼の少年。
「アウル、あまり、油断をするな。お前は少し視界が狭くなる癖がある」
「なんだよ、テンザン隊長だけじゃなくて、おやじまで説教かよ! やる気削いでどーすんのさ」
金色の髪に、どこか危うい雰囲気と儚さが滲む少女。
「ステラ、テンザンやスティングの言う事をちゃんと守るのだぞ?」
「うん。ステラ、隊長とスティングの言う事聞く。ステラ、良い子? お父さん」
「うむ。あまり危険な事はするな」
「うん」
ステラと呼ばれた少女は、ビアンの浮かべた淡い笑みに、花の蕾も綻ぶ可憐な笑みを浮かべて答えた。
この三人は、先のシャニやオルガ、クロトの次の世代の強化人間達だ。ソキウスに関連し、連合が影で行っていた人体実験の数々を調査したDC諜報部が、その存在と、研究員と実験対象達の反乱計画を知る事となった。
それを影から、闇の中の影から、というべき暗闘で援護し、エクステンデッドと呼ばれた実験体と研究員たちを、DCは受け入れていた。
冷徹な現実主義者と純真といさ言えるロマンティストという両面を併せ持つビアンは、彼らの研究成果を活かす、という選択肢は放棄し、いまはエクステンデッドの被検体とされた少年、少女達の治療をさせている。
これには、彼の脳細胞に刻まれていた旧DC副総帥アードラー・コッホの非人道的な実験という名の悪魔の所業のデータがあった事も幸いした。
順調に快方に向かって行くエクステンデッド達の中で、とくにビアンに懐いたのがステラだった。
折にふれて、様子を見に来ては、話し相手になっていたビアンに対して、父性への渇望か、いつからともなくお父さんと呼び、それに便乗してアウルもまたビアンをおやじと呼んでいる。
スティングは遠慮してか、総帥と呼んでいるが、本心は果たしてどうなのか。
そんな、狂的な知的探究心と欲望の被害者たる彼らを戦場に立たせる事は、ビアンのみならずDC内部の良識ある者たちや、軍人たちから反対の声が挙がった。
それを制したのはロンド・ミナ・サハクだった。それまで己れの意志というものを尊重される事も、表出する自由も無かったステラ達が自分達の意思で願った事、それを大事にすべきではないか、と。
そしてまた、ステラ達が強力な戦力となるのもまた事実であった。なにより、ステラ達が自らビアンの役に立ちたいと願うほどに、ステラ達とビアンの間には、ビアンが思う以上に強い絆が結ばれていたのだ。
「ステラ、大丈夫。みんな守る。お父さんも、隊長も、スティングもアウルも、ミナお姉ちゃんも、シンも」
「え!?」
シンと名前を呼ばれて、驚いた声を挙げた最後の一人、黒い髪に赤い瞳の少年だ。年はアウルやステラとそう変わらない。まだ十代、それも半ばほどだ。
「へへ、守るだってよ、シン。良かったなあ」
と皮肉っぽく笑うテンザンに、シンはいかにも素直な少年といった表情で、照れながら怒った。なかなか器用だ。
「そ、そんな事無いですよ! ステラに守られるんじゃなくて、おれがステラを守って見せますよ!」
「ホ、ムキになっちゃってまあ。良かったなあ、ステラ、シンが守ってくれるってよ」
「あ、いや、その今のは」
「シン」
「ええ、なな、何!?」
「ありがとう」
ビアンに向けたのとそう遜色の無い無邪気さに好意を乗せた可愛らしい笑みで、本心からステラはシンにありがとう、と告げる。
その笑顔があまりに可愛くて、思わずモニター越しと分っていてもギュッと抱きしめたくて、シンは顔を真っ赤にして俯いた。
「シン?」
「ぎゃははは、青春だねえ。若いってのはいいですねえ総帥」
「お前とてまだ21だろう」
「藪蛇か。おっと、そろそろ出撃のようですな。それじゃ、総帥、おれ以外のやつらの武運でも祈っててくださいや」
「うむ。シン」
「は、はい!」
「今は生き残る事だけを考えろ。それが、お前の家族を、お前がいなくなるという悲しみから守る事が出来る」
「……はい!」
「よっしゃ、それじゃあ、ナカジマ小隊、準備はいいかあ! テンザン・ナカジマ、DCMBF−005 バレルエムリオン。暴れてくるぜえ!」
「スティング・オークレー、DCMBF−006 ガームリオン出るぞ!」
「アウル・ニーダ、DCMBF−004C シーエムリオン、 行くぜ!」
「ステラ・ルーシェ、 DCMBF−004L ランドリオン、行ってきます」
ぐっと力強くコントロールスティックを握りしめ、刹那の時だけ、少年は目を瞑る。これから、目の当たりにする、戦争というなの人類の業を前にして、緊張するなと言う方が、無理であろう。
つぶった瞼の裏に、ステラの微笑みが浮かんだ。ビアンの言葉がリフレインした。
「シン・アスカ、DCMBF−004F エムリオン、行きます!」
シン・アスカ14歳。戦場に立つにはあまりに早く、死を知るにもまた早い少年は、戦場へと向かい、飛んだ。
ビアンとミナは……妖しい関係にすべきなのでしょうか?
弾数性の癖にッ>サイコブラスター
きれいなテンザンにPP、それにシンまで出ますかこの時点で!?ヤングメンどもめ。
それなりの理由がないとあんな機体作りも送りもしないと思いますよ?>ミナシオーネ
>>688 妖しい関係にしなくても、強い信頼関係があるってことをしめせばいいんじゃない?
あと、GJ! ヴァルシオンの暴れっぷりやシンたちの成長にも期待してる。
綺麗なテンザンとソキウスゴスロリオン吹いた
ゴスは三人娘も乗せられてそうだなぁ…主に士気UPの為だけに
あと此処のシンは後々凄い事に成るんだろうなぁと思ったり……主に親莫迦総帥とミナ様の特訓と言う名の地獄の扱きで
それにシンの特性ってグルンガストにピッタリだから・・・出るのか?
VSeed版超闘士
GJっすー……って適当に言ったミナシオーネなんて略称が採用された!?
まあ、娘のワガママ並みの説得力がないとあんな趣味的な機体は造らんでしょうなあ
久しぶりに覗いてみたらビアン総帥きたぁああああああああああああGJでっす
シンにはダイゼンガーも似合う気がする
ステラにはアウセンダイザーか?
しかし散々既出だけど、歪曲F貫けるのがいないな
キラもいるだろうけど、きかないの分かっててフルバーストした前例あるからなぁ
アスランは俺の偏見だがCDドラマのイングラムとリュウセイみたいにバリア突破のための礎にはなりそうもないしなぁ
ザフト裏切ってDCにいそうな気がするが
第2次Gで歴戦のガンダムパイロット達がヴァルシオンに落とされまくった悪夢が甦る…
大体、カミーユのΖをあっさり鹵獲するような化け物に叶うわけがないっすよ。
GJ!
ゴスロリ女装ソキウスとか、ミナ様最高!
フィリオ、夢の中とは言え何してる、つーか総帥も何で造ってんすか!
エクステンデッド三人は、分かるがシン一体何が?最後はやっぱり、超闘士か?いや最強の楯と言う選択も、楽しみだ。お兄さんしてるテンザンに違和感。
グランゾンの間接攻撃無効はインチキにもほどがある。
EXのデュラクシール、マップ兵器無効だったけなぁ。お付きの奴は、ビーム無効ガンダム勢を鍛えてたから泣きたくなったね。
だれもギナシオンとは言わないので俺が言ってみる
ギナシオーネ…
>>693 いやいや、シンとステラにはビルガーとファルケンで。
いやステラも何だかんだで接近戦のが得意だし、ここはやはり参式超闘士に二人乗りで。
宇宙空間に多くのデブリが浮かぶ宙域で一際大きなコロニーが存在していた。
コロニーはかつての人々の生活圏であった賑わいは見る陰もなく、周りに浮かぶ宇宙にゴミと大差がなかった。だが発電機能は未だに生
きているのか、ガラス張りの窓から部分的に漏れ出る電光が人の居ない宇宙の故郷を寂しく強調していた。
そのコロニーのある区画、薄暗く点る電灯が通路を淡く照らす中で音が響いた。
既に大部分の稼動を停止したコロニーで生きている機能は空気を作り出す生命維持装置と僅かな電力のみ。音はカツン、カツンと間を空
けて一定の音を響かせ、部屋へと近付くたび次第に音が大きくなっていく。もし、このコロニーに人が居れば気付いただろう、それが足音
だという事に。
そして、一つの部屋の前で彼が止まる。同時に先程まで響いてた音も止んで一瞬の静寂を生む。彼は懐の潜ませている銃と腰のホルダー
にある小銃を確認すると躊躇うこともなくその部屋へと入った。
そこは通路と違い電気が通ってないのか完全ば闇で、中は通路から照らす僅かな光でしか様子を伺えない。だが、彼は気にすることもな
く奥へと進む。目を凝らして部屋を見回すと彼は少しだが部屋の全容を把握できた。
電気が通らず使われなくなった電子機器、亀裂の入った大きなモニター、デスクに置きっぱなしにされたコーヒーカップ、そして何かの
研究をしていたのかファイルや手書きのメモなどが残っていた。
主がいなくなった部屋、捨てられたコロニー、忘れられた思い出、その様に彼は哂った。くだらないと哂った。込み上げる哄笑が止めら
れずに声を上げそうになり、ある物が目に入った。デスクの隅に置かれたメモリーディスク。それはこの世界の規格にどこか似ていて何か
が決定的に違った。
今まで彼が見てきたどの規格とも当てはまらない。本来ならば目に止めるほどの事ではない、単に自分が知らないだけだと無視すること
が出来る。が、彼にはそれがおかしいと興味を持ってしまった。
それが、自身にとっての花の蜜であるように。
それが、自分にとっての転機であるように。
彼はデスクへと近付いて、ゆっくりと手に取ろうとして、
「やはり、それを得るか」
背後から突然、声が響いた。
彼は慌てはしなかった。逆にその声を聞いた瞬間に今までの疑問が氷解した。故に彼が選ぶのはこの場での争いではなく、この声の主と
の対面であると決断した。咄嗟に銃を握ろうとした手を収めて彼は後ろへと振り向く。
彼の視線の先には通路を背にして人影が立っていた。しかし、どういう仕掛けかは分からないが人影を鮮明に見ようとすると逆に靄がか
かったように見えなくなる。彼はこの場で正体を知るのは無駄だと判断し、その意図を探ることにした。
「二つ質問がある」
彼は影の動作を漏らすことなく観察しながら言葉を紡ぐ。
「一つ目は何故私をこの場に呼んだ? 二つ目はどうして私だった?」
冷静だった声は険しさを帯びていき、視線は意識しなくても厳しくなっていく。それを自覚しながらも彼にはそれを止める術を持っては
いなかった。
しかし、影は彼の質問にはすぐには答えなかった。それどころかまるで彼に絡み付かせるように視線を注いでいる。静寂は一瞬にも永遠
にも似た感覚。一生続くかとも思われたが影は彼への視線を逸らした。
「一つはお前が相応しいか判断する為、二つはお前の望みは実に純粋であり醜悪だからだ」
「なんだ、と」
その答えに彼は動揺する。質問の答えにではない、彼の心の奥底で望むたった一つの願望を影は突く。
「そう。この世界、宇宙に絶望を抱いているお前は素晴らしい。だがそれだけではお前の望みは叶えられない……」
影は彼へと一歩、また一歩と足を進める。
「故に、その為の力をやろう。そしていずれ来る未来を教えよう」
彼は抗えない。まるで蛇に睨まれた蛙。そしてそれが悪魔との契約だと分かっていても彼にとって影の誘惑は耐え難いものだった。
「選べ。そうすればお前はお前の望むものが見れるだろう」
気付けばいつの間にか影は彼の目の前に居た。手を伸ばせば届く距離、しかし逃げようと思えば逃げれることも可能だ。それでも彼は動
けなかった。
そして、彼が選ぶ選択は――――
デブリの宙域から離れて一機のシャトルが宇宙空間を飛んでいる。
奇妙なのはそれは明らかに民間のものではない軍用のシャトルだ。そのシャトルのコクピット、自律AIに自動操縦モードに切り換えシ
ートに背中を預ける男が居た。
男はどこか気だるげに自身の顔に手を当てて天井を見つめている。その横では無重力の空間でふわふわと顔の半分を隠すほどの仮面が浮
いており、小さなカプセルと瓶が散乱していた。
「……ん、ふっ……う」
目に留まるほどの綺麗な金紗の髪が乱れ、口は半開きになって荒く不規則に空気を求めている。だがそれも長くは続かず、男は2、3回
ほどゆっくり深く息を吐いて身体に力を籠めた。数回ほど手を握って確かめると男はようやく自身の為に息を吐く。
しかし、それもすぐに別の感情によって入れ替わる。自身の不完全を哀れな哂い、自嘲という笑みを。
「クッ、ハハハッ……厄介な身体だな、全く」
吐き捨てる言葉には世界を呪わんばかりのものがあった。それは例外なく自分自身すらもだ。男は傍に浮いている仮面を手に取ると自分
の顔に付け始める。そしてシートから背中を離すと脱ぎ散らかした上着のポケットからある物を取り出す。
「あの男の言を間に受けるわけではないが……」
手に握っているのは二時間前に渡されたメモリーディスク。そこには地球圏には存在しない技術と情報が記録されていたのは既に確認し
た。あの邂逅が男にとっての運命の分岐であった事は確かであり、世界の行く末を決めるものでもある事を。
「フッ……ハハハハ、クッハッハハハハハハ―――!!!」
それが自身の手で為しえるという事実に男は笑った。それは誰かを呪い続けて生きてきた男にとって、初めて自分の為に笑う喜びの哄笑
だった。
数ヵ月後。緊張状態にあったプラントと地球連合の均衡は崩れた。
その背景には多くのコーディネイターが住まう農業プラントに地球連合軍が核攻撃を仕掛けた事にある。これによりプラントも自衛の為
に武装蜂起、連合と泥沼の戦争状態に陥ることになる。
ただ一つ、連合側の核攻撃隊の中には所属不明の未確認の機体が混じっていた事が後に多くの騒乱を巻き起こす事に誰も気付かずに……。
ビアン総帥が関わってそうなのは零式と壱式位だよな…
ゴスロリオンの零も有るけど技術は段階を経て進歩してこそだからそんな感じに乗り換えて行って欲しい俺が居る
オーブは物資に乏しいからそれ関係の話も有ると居いなぁ
投下終了。やっぱり難しいな
>>706 最後の最後に割り込んじゃってごめん
そして続きに期待
>>697 ビーム無効なのだが何故かヴェスバーだけは効いような記憶がありますな
シンとステラには参式あたりでもいいんでは
あれなら二人乗りだし
710 :
660:2007/07/21(土) 22:13:16 ID:???
こんばんわ、ビアンSEEDお世話になっています。後々の話ですが、スパロボお決まりの後継機乗換イベントにおいて、
ステラとシンは何に乗るべきか?
@ズィーガーリオン×ジガンスクード(敢えてステラがジガンで)
Aダイゼンガー×アウセンザイター
Bヴァルシオン×ヴァルシオーネ
Cグルンガスト二人乗り
Dグルンガスト×ヒュッケバイン
Eビルドビルガー×ビルドファルケン
Fアカツキ(マ改造)×GF天(マ改造)
Gアルトアイゼン×ヴァイスリッター
Hソウルゲイン×アンジュルグ
だったら、どれがいいでしょうか?
あろ、ギナの機体はギナシオンかギナシオーネか。こちらはすぐに出ます。
>>710 2番を強く激しく希望
勿論ダイゼンガーは武装フル解放で
>>710 本当ならガスト×穴馬かステラのスタイルに合ってるビルガーで行って欲しいけど
うーむ、此処は敢えて7で!
若者よ!存分にイチャイチャしろ!って事で4番!
8番も気になるが。
ステラにジガンってのはいいアイディアだな、と思う。
ただズィーガーリオンは念動力ないと単なるガーリオンに等しいからシンには向かない気がする。
あとシンとステラは連携の息がぴったりとかってイメージないからアルト&ヴァイスとかビルガー&ファルケンってのも何か違和感がある。
んでアカツキをマ改造したらたぶんX運命のパクリとか言われる気がする。
シンの場合は剣撃機ならヴァイサーガ、ダブルGなら大雷凰がいいんじゃないかと………
4で参式に二人乗りで獅子王刀で斬りまくる?
シンはどんな機体でも乗りこなせる適応力が売りなのでタイプチェンジできるヒュッケバインMk−IIIか
エクサランスがいいんじゃないかと。
あと大親分と穴馬に乗るのはX運命になるんで辞めた方がいいと思います。
I番クストウェル。
リアル系、近接戦闘型、二人乗り。
Fアカツキ(マ改造)×GF天(マ改造)
単純に乗換えよりもスパロボテクノロジーで魔改造されたCEMSが見たい。
4番の変化球で、MXのオリジナル機とかどうよ?まぁビアンは何ら絡んでないけどさ。
F、ただし
アカツキ(アインスト)×GF天(アインスト)
ビルガーとファルケンが良いなぁ
>716
なんかシンが、ホ!が口癖なデブオタに見えてきたんだが。
あいつはああ見えて砲撃支援用の機体でドックファイトをかますような
腕前だからなあ。
旧来よりのファンとしてはDは外せねえ。
壱式とか008とかの型番抜きのテスラ研製的なグルンとヒュッケだ。
>>725 4次主人公のパパからの誕生日プレゼントだな!?
64好きな俺としてはスイームルグSとかアースゲイン&ヴァイローズとかほすぃ
やはり合体だろ。アルテリオンとベガリオンで。
728 :
727:2007/07/22(日) 03:24:37 ID:???
書き込んでからシンは格闘重視なのに気付いたが、
魔改造した格闘型ハイペリオンもそれはそれでいいかもしれん。
ヴァイサーガとアシュセイバーとかがいいなぁ
とりあえずシンには剣持ち機体に乗って欲しい
みんなラフトクランズ(アルヴァン機)とグランティードドラコデウスを忘れてるぞ
設定に無理がありすぎるがな
カガリ「きら、そろそろラクスを助けに行かないとやばいんじゃないのか?」
キラ「真打はおいしいところを持っていくってね、真の主人公のこの僕がいくにはまだはやいんだよ」
シン (´・ω・`)ショボーン
レイ「どうしたシン、いきなり落ち込んで」
シン「気にするな、俺はきに、きに、きにするわぁああああああああああ」
ウワアアアアアアアアアアアアアン( つ□T)
レイ「シンそれ俺のセリフ!じゃなくて、待て!」
732 :
731:2007/07/22(日) 04:15:36 ID:???
うわ、盛大に誤爆した。
すまん首吊って火あぶりにされてくる
Iのメカギルギルガン
ヴァイサーガ(シン)とアンジュルグ(ステラ)で
欲を言えば更にアシュセイヴァー(スティング)ラーズアングリフ(アウル)も
ギナはソウルゲインがいいんじゃね?
第三話 聖十字に捧ぐ飛鳥という名の生贄
「シン、機体のバランスを保て、編隊が崩れてんぞ!」
「は、はい! くそ、緊張してんのか、おれは」
武装を強化したFタイプのエムリオンに搭乗したシンは、今自分が戦場に立っているという現実に、浮足立つような感覚に襲われていた。
自分が今戦争の兵器を操り、命の奪い合いのまっただ中にいる。冗談じみた状況だと思った。
だが、それはシンの選んだ道だった。
シン・アスカはオーブ首長連合国オノゴロ島に両親と妹と暮らす14歳の少年である。中立を謳うオーブで育ち、テレビのモニター越しに見る戦争の風景は、どこか現実感の無い、遠い世界の出来事だと思っていた。
それはシンばかりでなくオーブ国民の大多数がそうであった。彼らが信頼し、依存するアスハ家の族長ウズミが、オーブに戦火が降りかかる事の無いよう守ってくれると、過度に信じ込んでいたのかもしれない。
だが、彼らの知らぬ所でオーブは変わりつつあった。いつからか、99パーセントという非常識極まるアスハ家への国民の支持率は低下し、
街の至る所、職場、校舎、酒場、レストラン、喫茶店、街角で、現在のオーブの中立政策に対する意見が交わされるようになり、国民の意識が外へ向けられ始めたのだ。
それは時折テレビに映るアスハ家以外の氏族たちの政治的見解や議論が活発に放映され、なによりもオーブが無関係ではいられぬ事が度々、あらゆるメディアで主張された事もあるだろう。形骸化していた上院下院もその機能を取り戻しつつあった。
それでもやはり、ウズミ・ナラ・アスハへの支持は根強く、オーブの安寧には一見何の変化も無いように思われた。
その水面下で、極秘開発されていたM1が、ある異邦人の男の指導の下、設計から見直され、オーブ本土での戦闘のみならず、あらゆる局地・戦場での戦闘を想定したバリエーション機が開発、
OSにも抜本的な変化が加えられ、現在ザフト・連合で開発された如何なるOSよりも優れたモノが順次搭載されていった。
資金は多少、技術は多量に、しかし物資はないオーブにおいて、MSの数を確保する事、また希少な人材の損失を少しでも減らす為にさまざまな策が立案された。採用されなかったものもあるが。
例を挙げれば、現在オーブもといディバイン・クルセイダーズの主戦力たるエムリオンは、既に生産ラインが確保されていたM1をほぼそのまま流用している。簡単に言えば、M1本体に、リオンシリーズを換装パーツとして装備させているのだ。
リオン、シーリオン、ランドリオン、コスモリオンの4種と武装強化タイプのFや機動性強化タイプのVなどもそれぞれに存在する。要するにM1にリオンの上半身を被せた様なもので、
リオン部分が被弾してもパージする事で、本体であるM1部分で戦闘の続行は可能だ。
もともと対異星人用に高性能と優れたコストパフォーマンスを両立したリオンとM1の組み合わせは大量生産にも向いていた。
更に、OS開発の遅れと中立政策から実戦経験に乏しいオーブ軍のパイロットの生存率を上げるべく、エムリオンのコクピット・ブロックなどにはPS装甲が採用され、
同時に大量生産を前提にした簡易Eフィールド発生機構が搭載され、二,三発程度ならビーム兵器に耐える事が出来る。
加えて、飛行機能をゆうするMSは極めて少なく、陸戦タイプがほとんどの連合、ザフトに対して有利な戦いを行えるのも、エムリオンの長所だ。
五氏族の内、サハク家とセイラン家が、密かに下級氏族や他の五氏族と、ビアンを交えた会談を積極的に持ち、軍部にもその勢力が浸透し、親DC派の人間は確かに増えて行った。
そして、連合がオーブへマスドライバーの接収を命じ、オーブ政府からなんの返答も得られなかった日、水面下で着々と進められていたクーデターは実行に移され、ついにDCが蜂起し、オーブ政権は転覆する事となった。
オノゴロ島におけるビアン自身の宣言まで、如何なる情報機関も知る事無く。
既に深く地中に根を張った巨木の様にオーブの政治と軍事に根を張っていた、ビアンを擁する現体制への反対勢力は、極めて静寂に、極めて迅速に、ウズミ政権の主要人物達を拘束し、軍部を掌握、ほぼ無血でオーブを手に入れる事となった。
現在国民へは、拘束されたウズミとビアンの側についたウナト・セイランを始め、ウズミの実弟ホムラらが、ビアン・ゾルダーク指揮下のもと、アスハ政権の瓦解とDCの目的・思想が、今この混迷する戦争の時代、オーブにとって必要不可欠、必要悪である事を説明している。
実質的にオーブの政権は、ウズミの知らぬ所ではるか前にビアンのものへと変わっていたのだ。
ビアン自身が持っていた『科学者が持ってはならない素質』――いわば『英雄』としての素質、カリスマ、不動の精神力、ゆるぎなき意志、明晰な頭脳……。かつて反連邦の勢力を一つにまとめ上げた政治力・英雄的カリスマは、オーブにおいても遺憾無く発揮されたのだ。
それを活かす時代に産まれた事は、果たして、ビアンにとって幸か不幸であったか。
言える事は一つ。ビアン・ゾルダークは、己れの意志で決め、歩んだ道を決して後悔の心で振り返る事はない、という事だ。彼が来た道を振り返る時は、その為に犠牲にした者達の命を振り返り、未来への思いへと変える時だろう。
そしてシンは、蜂起以前に密かにDCが行っていた民間に埋もれている逸材の発掘を目指したバーニングMSというゲームで極めて優秀な成績をおさめ(独特のクセがだいぶ強いが)、蜂起より前にDCのスカウトを受けた。
スカウト自体はあくまでシンの意志を尊重するものだったが、シンにとっては悪い冗談の様な話だった。だが、何より驚いたのはスカウトを行ったのがビアン・ゾルダークであり、シンはビアンと顔見知りだったのだ。
アスカ家の近くに越してきたらしいのが、このビアン・ゾルダークという壮年の男だった。モルゲンレーテの技術者らしいこの人とは時折挨拶を交わす中だったが、バーニングMSに熱中するシンに何かとアドバイスをくれ、妹のマユもその内ビアンに懐いた事もあって、
シンはビアンの大人だなあ、と子供心にも思う雰囲気と人格に、いつしか尊敬の念さえ抱いていた。
唖然とするシンを前に、ビアンは一瞬浮かんだ苦渋を飲み込んで、今オーブが置かれている状況を懇切丁寧に話し、DCという軍事結社の結成とオーブ政権転覆を期して雌伏の時を過ごしているという事、すでにオーブを守るための力を蓄えていること。
そして、シンにパイロットとして類希なる素質があり、それをオーブ達の為に役立てて欲しい、とビアンは語った。もっとも、シンの14歳というプラントでさえ成人と認められない年齢を考慮し、次代のオーブの守り手となってもらいたい、というものだった。
むろん、シンにそんな事を言われて即答する事も、理解する事も出来る筈がない。それはビアンにとっても了承していた事だったので、その日シンは家に戻り、一日ぼーっとして過ごした。
スカウトを受け、他言無用とまた、見えない形ではあるが監視を着けさせてもらう、と告げられてから数日、シンは決意を胸に、自分からビアンへ連絡した。
答えはまだ先でも良いが、と言うビアンに、シンは答えた。
「戦争をするなんて、おれにはとても実感が湧かないけど、でも、父さんや母さん、マユが危険な目にあうなんて、おれには耐えられない。家族を守るためなら、戦えるかもしれない。ビアンおじさん、本当に、オーブは、戦争に巻き込まれるんですか?」
「そうだ。残念ながら頑是ない事実だ。連合はマスドライバーを有するこのオーブを見逃す事はあるまい。かといって連合に与すれば、ザフトはオーブを敵と見なすだろう。彼らのこれまでの行動を考えれば、
国民にコーディネイターを抱え、希少な条約締結の場としても利用できる中立国であろうとも、彼らは容赦すまい。
また、ザフトに与しても同じだ。連合が、ブルーコスモスの意が浸透した彼らが許しはしないだろう。オーブが理想を貫く道は極めて少ない。
一つ、あくまで中立を貫き、連合に焼かれるか
二つ、連合かザフトか、どちらかに身を寄せ、庇護という名の支配を受けるか
三つ、自らの力を持って、押し寄せる敵を打ち破り国を焼かれる事無くその理念を貫くか。
ウズミが選ぶのは三つ目の道に限りなく近い一つ目の道だ。あの男が類希な政治家である事は事実だ。このような戦いの時代でなければ、あの男のもとでオーブは今まで通り、そして今まで以上に繁栄しただろう。
だが、時代が悪かった。あの男の信念へ殉じる姿勢は確かに、ある種敬意を払うに値する。だが、あやつはそれを自国の民にも求める。理念を守り、
それを実現する為に命を賭ける事を厭わぬゆえに、それを他者も強要する。シンよ、オーブに逃げ場はない!」
「……ビアンおじさんは、ウズミ様とは違う、三つ目の道を選ぶんですか?」
「それは違う、シン。私は中立を貫く道を選びはしない」
「え?」
「シン。所詮私の語る理想も、ウズミが語る理念も、他者に押し付けるエゴ以外の何物でもない。己に課すのみならず他者にそれを求める以上、
私もウズミもなんら変わらぬエゴイストだ。多くの人々を己の信ずる道に巻き込み、苦しめる“悪”だ」
「ビアンおじさん……」
「シン、私が選ぶのは第四の道だ。私はオーブに戦う事を求める。この戦争と混乱と憎悪の時代に、自らの意思で戦う事を。平和の国に住む人々に、『戦う』という行為を。
シン、私はオーブ国民のみならずこの世界のすべての人々に、何のために戦うのか、なぜ戦うという道を選んだのか、それを問う。
シン、私はオーブを試練とする。人々すべてを巻き込む劇的な試練へと。新たな時代を築く為の、流血と破壊と死を必要とする試練にする」
「……」
シンには、ビアンの言う事が半分ほども理解できてはいなかった。ただ、ビアンの語る言葉には、彼の真実が込められ、そこには人間らしい感情が込められていた。
祈りの様な希望。胸の張り裂けそうな悲しみ。退かず揺るがぬ不退転の決意。この世界と人類という存在への、根底的な愛。深い、優しさ。
シンは、ビアンという男に魅了されつつあった。
「シンよ。お前は家族の為になら戦えるかもしれないと言ったな? だが、私が巻き起こし、また今世界にはびこる戦争という名の病に身をさらせば、お前はお前と同じ想いで戦う者達と銃火を交えねばならん。
シン、お前はお前の大切な者の為に、他者の命を、未来を、思いを奪い拒絶し、断つ事が出来るか?」
「それ、は」
シンの脳裏には、今朝ニュースで見たヘリオポリス崩壊の報道が浮かんでいた。オーブ所有の工業コロニーが、ザフトと連合の戦闘によって崩壊したというのだ。平和の国と皮肉と羨望を交えて呼ばれるオーブのコロニーが破壊された!
ニュースでは詳しい事は語られなかったが、シンにとっては本物の雷に打たれたかのような、ショッキングな話だった。ビアンの話が、唐突に現実味を帯びてきたのは、皮肉な話だった。
喋りすぎたな、ビアンは思っていた以上にシンに多くを話し、問いかけた自分に小さく驚いていた。
ひょっとしたら、新西暦において、自分の前に辿り着いた彼らと同じ『何か』をこの少年から感じ取ったのだろうか。まだあまりに幼く、まだあまりに小さなこの少年に。
「すまんな、シン。少し喋りすぎたようだ。今日の返事はまた考えなおすと良い。もう、夜も遅い。今日は泊ってゆけ。ご両親には私から連絡を入れる、お前も声は聞かせておけ」
「あ、はい」
「そういえば、お前には言っていなかったが後で四人ほど来る。私の家族と客人だ。後で紹介しよう」
「は、はい」
バカみたいに同じ返事しかできない事が、少しだけ、シンには悔しかった。
それから、ビアン手ずから淹れてくれたお茶と買い置きの茶菓子をつまみながら、世間話で時間をつぶした。気を利かせてくれたのか、
ビアンはシンが行った事も無い、想像もした事の無い外国の話を聞かせてくれて、年頃の少年ならではの好奇心を発揮したシンは、先程までの暗澹たる思いを払拭して聞き入った。
日が沈み、薄い紫色の闇が舞い降り始めたころ、ビアン邸の前でエレカが停まる音がした。ビアンの言っていた家族と客人だろう。
先程の話とあいまって、また緊張しきったシンに、苦笑いを見せてから、ビアンは玄関に向かった。
「うわ、なんか変に緊張してきた」
内心心臓ばくばくのシンは、そうして、ステラと初めて出会った。玄関の方からにぎやかさが聞こえてきて――。
「うえい?」
「あ、あの、初めまして」
「ああ、誰だよ、こいつ?」
「お客さんですか、ビアン総……博士?」
「ああ、シン・アスカだ。お前達と年も近い、仲良くな」
きょとんとした顔をする、薄い水色のワンピースの、びっくりするくらい可愛い女の子、あからさまに不信そうな顔をする、
胸元があらわなタンクトップにジャケットを羽織った青い髪の男の子、何かビアンの名前を言い直した、金太郎みたいな上着の緑色の髪の年長の少年、それに
「これは珍しい。ビアンに客人とはな。しかも、このような」
見惚れる長身に滝の様に流れ落ちる黒髪の美女。
「『アドバンスド・チルドレン』だ」
「ほう? では、シン、といったか。この少年もDCに?」
「いや、それはシン次第だ」
「ふむ、まあよい。シンと言ったな。私はロンド・ミナだ。お前達も挨拶せよ」
「うん、ステラ」
「あ、ああ、うん、ステラ、ステラだね」
「アウルだ。あんたが、おやじの言ってたやつか。後でゲームでもしようぜ!」
「スティングだ。少し騒がしいが、まあゆっくりしていってくれ」
「うん。おれ、シン・アスカ。よろしく」
子供達が笑顔で話し合う様子を。少し離れたソファに腰かけたビアンとミナが穏やかな顔で見つめていた。慈父と慈母の眼差しであった。
「ああしていると、ステラ達がエクステンデッドだったなどとは思えぬな」
「うむ。だが、あの子らに刻まれた非道の業はいまだ消えてはおらん、それを利用しようとする我らも、さして連合と変わるまいがな」
「卑屈と謙遜、自嘲、どれにしてもお前には似合わぬよ」
「ふ、かもしれんな」
「しかし、よいのか? 我らの事を話しても? いささか軽率であろう?」
「私にも分らん。だが、私はシンに何かを感じたのかも知れん。常識では測れぬ、規格外の何かを。あんな年端も行かぬ少年にな」
その日、シンはビアン邸で穏やかな時間を過ごし、シャワーを浴びていたステラと生まれたままの姿でばったり遭遇して、スティングとアウルからラッキースケベの称号を得る事となった。
シンが、ステラ達がエクステンデッドと呼ばれる連合の犠牲者たちである事を知ったのは、それから間もなくの事だった。ヘリオポリスの光景、ステラ達の事情、ビアン・ゾルダークという男、外の世界とオーブの関係……。
それまでのシンにとっての世界を覆すいくつもの要因は、シンの中の世界観を大きく変え、そしてビアンの家の扉を、改めて誓った決意を胸に叩く事となった。
本来なら、数年後、次代のオーブの守り手としてビアンが想定したシンであったが、MSに対する異常なまでの高い適応性を見せ、周囲が驚くほどの速度でエムリオンを乗りこなして見せてしまった。
それは、ヘリオポリス崩壊の原因となったアークエンジェル級に乗っているというストライクのパイロットに勝るとも劣らぬ素質であると、後にモルゲンレーテの技術者にして、M1の設計、OS開発及びエムリオンシリーズの主任エリカ・シモンズはビアンに報告している。
今はまだステラやスティングには及ばぬものの、実戦を経ればその実力は瞬く間に開花してゆくだろう事は明らかだった。
そして、いまビアンの言った通りの未来が現実に襲い掛かり、シンは止める周囲の声を振り払い、エムリオンのコクピットにいる。
「シン、お前はおれ達の援護に徹しろ。初陣なんだ敵を落そうなんて考えるな。生き残ることだけ考えりゃいい」
「そーそー、僕らと違って普通に暮らしてたんだからさ。こーいうのは、僕らに任しときなって」
「スティング、アウル。でもそれじゃあ」
モニター越しにシンを気遣うスティングとアウルに、シンは、しかし自分だけが、という思いから素直にうなずく事が出来ない。
「シン、隊長命令だ。おれらの援護に徹してろっての」
「大丈夫。ステラ達、皆負けない。シン、だから必ず生き残って」
「……分かった。でも、おれはおれの出来る事を精一杯するよ」
「ホ! それで良いっての。よーしお前らあ、いいくぜええ!」
エムリオンの右腕を巨大な銃身に変え、機体全体にテスラ・ドライブドット・アレイの不可視の長砲身を備え、機体構造自体も比較的シンプルで、M1との換装システムで接近戦もこなすのがこのバレルエムリオンだ。
エムリオン同様量産向きだが、性能も高水準を維持している。
エムリオンに比べれば鈍重なバレルエムリオンの右腕の、ツインアームレールガンを乱射し、一見狙いの付けられていない超音速の弾丸は、しかし恐るべき精度で次々とストライクダガーや航空機を撃ち落として行く。
「おらおらおらおらおら、オーブを焼こうなんざ、百万年はええんだよおぉお!」
「相変わらずすげーのな。テンザン隊長」
「アウル、ステラ、おれ達も行くぞ」
「あいよ!」
「うん」
スティングはM1をベースに、ガーリオンの技術を転用し、指揮管制機・エース用に開発されたガームリオンを駆り、手にした71式ビームライフル改の狙いを定め、上陸艇や次々と吐き出されるストライクダガーへ襲い掛かる。
水中戦用のシーエムリオンで、味方イージス艦の援護にアウルは向かい、次いで水中戦に対応するMSを持たぬ連合の艦隊に、獰猛な鋼の鮫として襲い掛かる。
スティックリムーバーによる破格の走破性と、通常のエムリオンよりも大型のレールガンとミサイルコンテナを搭載したランドエムリオンを駆るステラは、既に上陸したストライクダガー達へ向かい、襲い掛かる。
これらエクステンデッドと呼ばれた少年少女達が駆るオーブのMS達に技量・性能共に劣る連合のMSは効果的な反撃を行う事ができず、彼らに対抗でき、また凌駕しうるカラミティ、レイダー、フォビドゥンとそのパイロット達である強化人間達は、
自分達と同等かそれ以上の腕を持つソキウス達の駆るフェアリオンを相手に完全に封じ込められていた。
四人の状況を確認した、シンは、ごくりと大きな音を立てて唾を飲み込み、意を決した。シンの乗るエムリオン・タイプFは通常のものと違い、シンの適性に合わせて接近戦に特化した装備を持っている。
ビームライフル、ビームサーベル、イーゲルシュテルンといったM1の装備と、リオンのマシンキャノン、ホーミングミサイル、レールガンに加えて、実体剣アサルトブレードに、M1の左腕にはプラズマ・ステークが追加され、
搭載されたOSにも接近戦用のモーション・データが多く記録されていた。
どちらかというと(いわなくても)、援護向きの機体では無かった。テスラ・ドライブの噴射光を噴霧の様に零して、シンのエムリオンは、ステラの援護に向かい駆けた。
「当たれえええ!!」
これが当たれば人が死ぬ――頭のどこかで囁く自分の声を無視して、シンはトリガーを引いた。
740 :
660:2007/07/22(日) 13:39:03 ID:???
結構、自分でもむちゃくちゃだなあ、と思いつついろいろ設定をいじっています。
こうした方が良いんじゃない? ここは変じゃない? という指摘・助言お待ちしております。
さすがビアン博士だ!
GJ! やっぱり随分前から裏で活動してたんだな。
ところでAAメンバーはどうなったんだろうか?
GJ!
流石ビアン博士、人格者だなぁ
えーと、機体に関してですがシンのタイプF、武装が過積載過ぎな気がします
機動性命である近接機体は武装持ちすぎると持ち味殺す事になっちゃいますんで…
ステークとアサルトブレード、レールガン有るならいっそビームサーベルとライフルは削った方が良いかと
リオンシリーズを追加装甲として着込んでいるならM1のバックパックも換装で無くなってるでしょうしね
PS.称号ラキスケを得たシーンでミナ様と遭遇したら…何て考えた俺は破廉恥な男かも知れん・・・
セイラン家やエリカまで引き込んでるのか、確かに科学者の枠には留まれん才能だ。
>>743 気にするな俺も同じだ。ミナ様の場合、慌てず騒がず、「一緒に入るか?」と妖艶に微笑みかけそうだなと思った、俺を罰して下さい。
>>742 クルー拘束してその後何事もなかったようにスルー。MSに対しても同様にスルー。
『必要悪』という概念自体分からん連中なぞそんな扱いでOKだろうし、
射撃時に無駄なモーションが入ったり一度停止したりするOSや
核分裂で動くNJC搭載した自由なんかもヴァルシオンと比べれば雑魚・・・・・・とまではいかんが、
わざわざ少しだけ強いが使いにくいMSなんぞ使わんだろ。
総帥の何時もの思考パターンから考えると、「悪」である自分を止めてくれる存在は残してると思うんだが。
その候補がAAしかないのが種世界の困ったところ。
シンもとりこんじゃったから、他に候補がいないし。
>>746 確かに、でもアストレイやスタゲから引っ張り出せば何とかならないか?
ビアンがいる時点でCEのMSより遥かに高出力な核融合ジェネレータつかえるんだよな。
コストは上がるがさらに高出力のプラズマジェネレータもあるし
核融合ジェネレータのの時点でNJC搭載核分裂のフリーダムなんて超えてるはず
こういうのは設計図だけ有ってもしょうがないからなあ……
技術的に数段遅れたCEでは設計図に書かれた部品を創れても技術の積み重ねから始めなきゃならないから手間取るだろうし
何よりビアンが持ってるデータは新暦のだからM1にそのまま載せられない訳で。
今のエムリオンは先行型M1の改造機だろうから再設計済みのM1が揃うまでは従来型のバッテリーだと思う
大体テスラドライブの完成、量産に力を入れて居ただろうしね
>>746 人材としてはアストレイ組しかいないような気がするが、いくらロウや劾でも、彼らだけじゃあまりに多勢に無勢だな
アラスカ基地、地球連合軍最高司令部が存在するこの基地の一室に最重要人物のみが使用するVIPルームと呼ばれる場所がある。その
存在を知っている者は極少数であり、そこに入るにはある一つの“資格”を持っていなければならない。
部屋の中には豪奢に部屋を照らすシャンデリア、財の限りを尽くした絵画と美術品、これを人々が見れば本当に軍施設なのかと首を傾げ
るところだが、その部屋に居るのは数人の軍服を纏った連合軍人であり全員が司令部に籍を置く者ばかり。
互いに向かい合ったソファーに座って話し合っているが、彼等の話題は一つの事柄に集約されている。話題に上るのは彼等にとっての共
通の悩みの種であるコーディネイターと呼ばれる存在だ。
「しかし奴らには困ったものだな。ユニウスセブンを破壊してもまだ息巻いているぞ」
「仕方ありませんよ、奴らにとっては重要な場所だったみたいですからな」
「なに、我らに非はない。然るべき処置をすると伝えておいたのに無視をした奴らが悪いのだ」
「所詮は化け物。どれほど力を増そうとも精神が未熟ではな」
口々と上るのは侮蔑と嘲笑。彼等にとってコーディネイターと呼ばれる存在は害悪でしかなく存在することすら許されない遺伝子細工の
化け物でしかない。
次第に熱を帯びていく彼等の会話は止める術もなく、そこにあるのは常軌を逸した憎悪だけだ。そして会話が最高潮に達そうとした時に
扉を開けて二人の男が入ってきた。彼等は先に入ってきた手前の灰色のスーツを着た男を見るとすぐさま立ち上がり敬礼をする。スーツの
男は気にした様子もなく手を上げて応えると、もう一人の男を連れて誰も座っていない上座のソファーに腰をかけた。
「ああ、皆さんも座ってください。まずは青き清浄なる世界のために祝いましょう」
スーツの男が嘲りを混ぜて笑うと軍人達は手を胸に当てて口々に『青き清浄なる世界のために』と呟く。それが終わると彼等はまたソフ
ァーへと腰を掛けた。
「それで状況はどうですか? 聞いたところによると『世界樹』に配備している艦隊の出撃が遅れてるそうじゃないですか」
スーツの男は先程の表情とは一転して手前の軍人に厳しい視線を送った。睨まれた軍人は二回りも歳の離れた若い彼の言葉に萎縮しなが
らもたどたどしい口調で答える。
「申し訳ありません、アズラエル理事。なにぶん南アメリカ合衆国がプラントの勧告に支持する様子で……」
アズラエル、そう呼ばれた男は大きく手を振って溜め息を吐く。
「はあ、今、重要なのはプラントでしょう? ナチュラルが一致団結して宇宙の化け物を駆除をするというのが理想的なストーリー。それ
がなんです、これからという時に路傍の小石に躓いてる場合じゃあないでしょ」
「で、ですが、南アメリカにはパナマが」
「その為に貴方がたに兵器を渡してるんですよ? 従わないなら力ずくで従えさせればいいだけの話しじゃない」
アズラエルの言葉に全員に動揺が走る。それも当然だ。パナマ宇宙港には数少ないマスドライバー施設があり、地球連合軍にとっても連
合宇宙基地への生命線でもある。
それを攻める、という事は一番問題なのがマスドライバーへの被害だ。もし南アメリカ合衆国がやけになってマスドライバーの破壊とい
う選択肢を取ってしまえば地球連合軍にとっては大打撃を与え、更にはプラントがその隙を突いてくる可能性もある。だからこそこの件に
ついては慎重に為らざる得ないのだ。それが容易いものでもないのはアズラエルとて理解している筈だが、それでも彼は手に入れろと言う。
当然のように部屋は静かになる。だがそれを破ったのは連合軍人達ではなくアズラエルの後ろで今まで沈黙を保っていた男だった。
「理事、南アメリカ合衆国侵攻の件は私に任せてもらえるか?」
それに驚いたのはアズラエルではなかった。周りに居た軍人達はアズラエルの付き添いだと思っていたのだがその言葉でそれが間違いだ
と気付いた。いや、本来ならば此処に居ることをアズラエルに許された時点でそれに気付かなければならなかった。
アズラエルは顎に手を当てて少し考える素振りを見せるとすぐに決断した。
「……そうですね。貴方達には技術を提供してもらった恩がありますし……それにこの目でそちらの『力』を見たいですしね。お願いでき
ますか?」
「ああ、連合の準備が整えばいつでも出撃は可能だ」
トントン拍子に進んでいく会話に流石の軍人達も困惑の表情を見せた。それに気付いたアズラエルは男と視線を交わして男が頷くのを見
ると、軍人達に向き直して嬉しげに笑顔を見せる。
「彼が我々にASRSの提供をしてくれたヴィンデル・マウザー、僕たちにとっての福音ですよ」
おお、と軍人達の感嘆の息が漏れる。先程までの疑惑の視線とは打って変わって軍人達は自分達に勝利をもたらした男の存在に一切疑問
を持たなくなった。彼等にとって重要なのは頭上に浮かぶ忌々しい砂時計であり、ヴィンデルという男の正体ではない。例え疑いを持った
としても確かめる事が出来るわけがないのをアズラエルとヴィンデルの二人は知っているのだから。
「それでは明後日までには大西洋連合は南アメリカ合衆国に侵攻するようにお願いしますよ。その後は予定通りにパナマとあの国を併合さ
せた後はうるさい大洋州連合の奴らを黙らせておいてください」
「了解です」
そうして話はアズラエルの下に締め括られて終わりを迎えた。アズラエルがゆっくりと立ち上がると軍人達は最初と同じように立ち上が
って手を胸に当てて謳うようにこう呟いた。
「「「青き清浄なる世界の為に」」」
アラスカでの会議から数時間経った後、ヴィンデルはアズラエルより一足早くに乗ってきた輸送機へと戻っていた。
そして客室には戻らずにそのまま通信室へと足を運ぶと電気も付けずにコンソロールを弄った。暫くすると備え付けられた大きなモニタ
ーに淡く光を放った後に女性の顔を映した。
「レモンか。こちらの準備は無事に完了した」
ヴィンデルは通信が繋がったのを確認すると早々に結果だけを端的に告げる。レモンもヴィンデルのそういう所を理解している為にわざ
わざ会議の内容を聞くつもりはなかった。後はそれに合わせるだけなのだがレモンは僅かに表情を曇らせた。
『それはご苦労様。でもこっちは少し難航してるわね』
それほど重要なのか声にはいつもの軽さが見られなかった。何か問題でも起きたかとヴィンデルは此処に来る前までの出来事を思い出す
が見当がつかない。何故なら“この世界”に来た時点で問題は多すぎたのだ。今更何が起ころうとも不思議ではない。そう結論すると彼は
モニターへと向き直した。
「何か問題でも起きたか?」
『この件に関しては問題ないわよ? 連合軍に合わせていつでも出撃が可能よ』
「では問題は」
『そ、問題はこっちの問題。ASRSに関してはアズラエルのお坊ちゃんが用意してくれた施設と資材のお陰で少ないけれどなんとかなっ
たし、材質に関しては似たようなものがあるからそれで大丈夫ね。問題は量産ラインの進捗状況』
最後の言葉を聞いてヴィンデルは眉を顰めて唇を引き締めた。これは彼等にとって最重要の問題でもある。これが遅れればせっかく準備
をした意味がない。
「どれくらいかかる?」
『遅くて五年はかかるわね』
「遅い。半年……いや、一年でなんとかしろ」
ヴィンデルの焦りにレモンは淡々に返すがこのまま彼女のペースに付き合うわけにはいかない。状況は既に動いており彼も今更止めるつ
もりもない。当然の効率を上げるようヴィンデルは要求した。だが、レモンはヴィンデルの焦りを諌めるようゆっくりとした口調で諭す。
『ちょっと待ちなさいな。遅くても、って言ったでしょ? 少し性能は劣るけれどここの技術とこっちの技術を合わせれば問題ないわよ』
「ではそれを行なえ」
『バカね、連合には人型機動兵器のデータ自体ないじゃない。いくら私たちが持っていてもPTや特機、Type30や34そのものを量
産するには足りないものがあるし時間も掛かる』
勿体付けるように言うレモンの言葉にヴィンデルはさっさと言えと憤慨しそうになったが、ふと、ある事に思い至った。ヴィンデルの表
情にその美しい顔をに微笑みを混ぜて彼女は頷く。
『ええ、あるでしょう? 宇宙に浮かぶ砂時計に住んでる人たちが開発しているものが』
「モビルスーツか……」
『そういう事。こっちの技術を完全に再現させるよりはオリジナリティがあって良いとは思うけど?』
レモンの言葉は正しい。少なくとも彼等が目指す理想の過程で生まれたものには相応しい。
数で勝る地球連合軍は自分達の勝ちは揺るがないと思っているだろうがそれは間違いだ。その為に地球連合に敵対する者は戦う術を持っ
ている。それがこの戦争を容易くは終わらない事を示しているのだから。だがそれは彼等が望むシナリオでもある。
「出来るのか?」
『潜入している部下が情報を送ってくれてるし、抜けているところはこっちで補えれば一年以内で出来るわよ』
「ではそれで行なえ。無論、同時に此方の量産も抜かりなくな」
レモンはええ、と頷いて二人の会話も用件が済んだので終わろうとした時、レモンが寂しさが篭った声で呟いた。
『アクセルの事だけど……』
その名前を聞くとヴィンデルは目を細めた。それは此処に来てヴィンデルが目的以外に見せた感情。レモンが続きを言わずの押し黙ると
代わりにヴィンデルが口を開く。
「仕方あるまい。そもそも此処に来たことがイレギュラーなのだ。奴が“この世界”に来ていないのならば我々とは別の場所に飛ばされた
か」
『次元の狭間に飲まれて消えたかのどちらか、ね』
続けたレモンの声に力はない。彼女にとってその名前は大切なものであると言うように。しかし、ヴィンデルは彼女の感傷に構わずに冷
徹に告げる。
「我々が望んだことだ。それは奴とて覚悟はしていた筈だ」
覚悟、それがどれほどのものかレモンも口にしたヴィンデルも理解している。自身が望み、そして肯定したものを今更否定するつもりも
彼女にもない。奪い奪われは世界の真理だ。
『そうね……でも慣れないものよ』
だが、それでも彼女は痛みだけは慣れないと思う。同時に都合がいいわね、と自分を自嘲した。
「それを乗り越えてこそ人という種が進化し続ける。話しは終わりだ、切るぞ」
『ええ、じゃあまたね』
話しはそれで終わり。すぐに軍人としての顔を取り戻した二人は惜しむことなく簡単に通信を切った。
そして、モニターの光がなくなり暗くなる部屋の天井をヴィンデルは見上げる。
二つの眼光は天井ではなくこれから起きる事の未来を見るかのように遠い場所を見つめていた。
>>704からの続きで終わり。
ちょっと前振りが長いのは細かくやりたかったので短いです
第三・五話 ラッキースケベ、それもある意味才能
「ああ、また負けた!」
「ごめんねえ、強くってさあ!」
ビアン邸のリビングで、勝ち誇るアウルと悔しげなシンの叫びと、画面の中で爆散する巨大ロボットの姿があった。家庭匡体用のバーニングMSに、アウルやスティング達と興じているところだった。
大会では優勝候補の常連だったシンも、強化人間たるスティングやアウル達には一歩譲っている。
「これで、シンは1勝9敗だな。どうしたシン? こいつは得意なんだろう」
「もう一回! もう一回だけ! よーし、今度はゴンバトラーX」
「同じだって。じゃあ、おれはゲッダーワイバーン」
「負けず嫌いだな、シンは。ま、嫌いじゃないぜ? おれはジャイアント・ロボットBF」
モビルスーツのモの字も無いが、これは、開発・発案に携わったビアンの趣味がもろに反映されただけである。ソファに深く腰をおろして、真剣に3人のプレイを見ている貴方ですよ。ビアン総帥。
「ふむ。シンは接近戦にこだわりすぎるな。もっとも化ければスペシャリストへ変わるが。では、次は私もやろう」
「げ、おやじが!?」
「ビアンおじさん、そんなに強いのか? アウル?」
分り易く『げっ』と言ったアウルに、シンは訝しげに聞く。アウルは、シンが驚くほど真剣な目で語り始めた。
「強いってもんじゃないぜ? 鬼だぜ、鬼。おれがゲッダーカイザー、スティングがジェネシック・ガオガイザープラスゴルディオンブレイカー、ステラがグレートヴァンバスター使っても、おやじのぼん太くん相手に相討ちが関の山だった位だぜ?」
「いい!? どれも最強クラスの隠し機体じゃないか? それなのに、最小ユニットのぼん太くんで互角!? ……ビアンおじさんて人間か?」
「……多分」
微妙に空いた間が、アウルの心境を如実に語っていた。
「お、珍しいな、ビアン博士がコンパチブルキング使うなんて」
「少し本気を出そうかと思ってな」
シンは、ビアンのニヤリ、という笑みに、あ、この人本気だ、と悟った。意外と子供っぽいところのある人の様であった。
「あ〜〜、なんだよあれ。おれとアウルとスティングの三人がかりでノーダメージって。なんか一生勝てる気がしないなあ」
ぶつくさ言いながら、シンは廊下の奥にあるバスルームに向かって歩いていた。バーニングMSで、ビアンの容赦ない鬼プレイヤーぶりに、泣きたくなるほどボコボコにされた後だ。あまりに圧倒的な負けに、むしろ清々しい位だ。
極めて近く限りなく遠い世界では、トップクラスのニュータイプが乗ったモビルスーツをスーパーロボットでろ獲する化け物相手なのだから仕方ないかもしれないが。
気分転換を兼ねて風呂を借りようと、とぼとぼ歩きバスルームの前に辿り着いたシンはm扉の向こうから聞こえてくる足音に気付くのが遅れた。
ガラっと音を立てて引かれるドア。引き戸だ。
ザ・ワールド!! 時よ止まれ!!
「……」
「シン?」
シンは……世界の全てを忘れ、視覚・嗅覚・聴覚・触覚・思考の全てを眼前の存在に集中させていた。
ああ、純金から極上の職人によって細く紡ぎ出され、一本一本を繊細な作業で磨き上げたような金色の髪は透明な雫に濡れて、誰にも踏みしめられていない新雪の煌めきと細やかさを持った肌に張り付き、かすかに桃色に色づいた白肌に輝いている。
つぶらで大きな瞳の中では星でも煌めいていそうで、純粋無垢な瞳で見つめてくる。固まるシンが、その瞳の中に映っていた。
あんなに華奢で、乱暴に扱ったらすぐに壊れてしまいそうな、整い過ぎて神の手からなったような均整のとれた体なのに、その胸には蜜をたっぷりと孕んだ水蜜桃が二つ重々しく、しかし若さゆえの張りと弾力に恵まれて、ステラが呼吸する度にかすかに揺れ動く。
蜂みたいに大胆なくびれを描く腰は、思わず心配になってしまうほど細くしなやかなのに、胸に揺れる女性の象徴ときゅっと吊り上がり、肉が付き過ぎず、女の脂がのりすぎていない尻をつないでいる。
暖められた水の雫に祝福された天上世界から間違って生まれ落ちてしまった天女か天使か。シンの目の前で、生まれたままの姿を惜しげも無く晒している。
きょとんとした表情をどう取るかは、人それぞれだ。
「ごごごごご、ごめん、ステラ! ふ、ふく服早く着て!」
ぎゃあああ、と自分でも良く分からない悲鳴を胸の中で挙げて、シンは光の速さで顔を真っ赤に染め上げ、両手を前に突き出してステラに早く服を着てくれー! ああ、でもやっぱりそのままでー! と内心葛藤しながら叫んだ。
だがしかし、視線はばっちりステラの裸身を網膜に焼き付けている。
「? シン、顔真っ赤。ステラ、服忘れちゃったの。だから、これから取りに行こうと思って」
「ああ、そそ、そっか。それじゃあ、おれが……。ってそれもだめか!? ……そ、そうだ! ミナさん、ミナさんなら」
「私がどうかしたか?」
聞こえてきた救いの女神の声に、シンは背後を振り返ろうとし、声の出所が背後ではない事に気づいた。ついでに言えば、救いの女神とは関わらない。悪戯好きな妖精の上王かもしれぬ。
ぎぎぎ、と錆びついた機械の音を再現して、シンはステラの背の奥、檜の大風呂にゆるりと漬かるミナを見た。
シンは知らなかった。自分達がゲームに熱中している間、ステラがミナに
「ミナお姉ちゃん、一緒にお風呂はいろ」
と誘い
「分かった」
とミナがまんざらでもなさそうに答えていた事を。
「ななななな、なんでミナさんがステラと一緒にお風呂入ってんですか!?」
もうわけが分からない、と脳細胞が異常な活性化をし、背後で桃色の種が虹色の花弁を裂かせているシンは、目を血走らせてミナに問い質した。
対してミナは、あくまで悠然と落ち着いた様子で答える。
「ステラは一人では髪を洗えぬのだ」
「へ?」
「えへへへ。シャンプーの泡がね、目に入って痛いの」
ああそう、シャンプーハット使ったら? とはいえずに心の中にそっとしまったシンは、恥ずかしそうに体を縮こまらせて、(湯気で)潤んだ瞳で自分を上目づかで見上げるステラに、思わずいろんなものが暴走しそうになり、また血管がブチブチと切れかけて、死にかけた。
「ところで、シン。いつまでステラの裸を見ているつもりだ? それに、お前の視界の中には私もいるのだが?」
「!?」
ミナのどこか、甘い香りで誘い込む食虫花の様な心地よく危険な響きを孕んだ声が耳朶を打ち、シンは思春期の少年ならではの想像力豊かな妄想世界から帰還し、妄想を凌駕する現実に、死んでまた生き返ってまた死んだ。
無邪気な、見つめられるシンの方が悲鳴を上げしまいそうな無垢な瞳のステラの、みずみずしさと少女から大人へと変わりつつある女肉の、眩いまでの可憐さと艶やかさが入り混じった肢体。
そしてその奥には、大人が5,6人は入れそうな大きな湯船につかり、ステラと同じかそれ以上に豊潤な蜜をたっぷりと溜めた白い水蜜桃が、上半分の肉のラインを白濁の湯から晒している。
星明りの無い闇夜に妖しさを混ぜたような黒い髪は湯の中に垂らされてゆらゆらと揺れ、ミナの冬の雪も黒ずんで見える肌に、魔性の者が伸ばした影の手の様にどこか淫靡に貼りついている。
その先に淡く色づいているであろう肉粒が、かろうじて覗かぬ湯面から覗く半球には、温められ流された汗と湯気の造る水の雫が珠を結び、照明に煌いては揺れ落ちる。
紅を落としてもなお艶然と赤い唇をからかう形に変えて、ミナはシンの瞳を見つめている。
シンは陸に上げられた俎上の魚の様に、ぱくぱく口を開口させて、息をする事さえ忘れた。
道端に咲き、その可憐さと儚さで見る人に笑みを浮かばせる花の様なステラ。
太陽の下よりも闇夜に燦然と輝く月の光を浴びて咲く月下美人の様なミナ。
対照的な、しかし、その魅力という点では負けず劣らずの共演に、シンの脳細胞は完全に停止していた。そうしていれば今目の前の光景が続きそうな気がしたからかもしれない。まあ。それ位の下心は仕方ない。
シンの様子に満足したように新たな微笑みを浮かべて、ミナがぱしゃんと湯を打つ。白魚の手が生んだ響きに、シンはかろうじて正気を取り戻した。
「すすすす、すいません。すぐに出て、でて、出ていきます!」
「まあ、待てシン。そうだ、ステラ。シンに洗ってもらったらどうだ? たまにはそういうのもいいのではないか? どうだシン。いっそのこと一緒に浸かっていかぬか?」
「シンに?」
これまたキョトンとした顔でステラは背後のミナを振り返り、それまで視界に入らなかったステラの尻肉としなやかな背のラインを見て、シンは沸騰したと思っていた脳が更に沸騰するのをはっきりと感じ取った。体温が100度くらい行ってそうだ。
ステラは少しばかり黙りこみ、シンを振り返って満面の笑みを浮かべた。
いやな予感、いや、だいぶ違う予感が……。
「シン、一緒にはいろ」
「s★♪$&%dp!?」
ぎゅっと、ステラの湯に温められ火照った柔らかい手が、シンの手を握りしめ、この細腕のどこに、と思わせる力でシンをぐいぐいと風呂場に引っ張り込もうとする。
シンの中の何かが、なんとかこれを堪えた。こらえない方が男としては幸せだったろう。だが同時にここで負けるのは男が廃るのも確かだった。ああ、なんとも悩ましい矛盾。
「だだだだだ、ダメだってステラ!? おお、女の子は、男の子とは一緒にお風呂に入らないんだって!?」
「そうなの? ミナお姉ちゃん」
「概ねはな。だが、好き合った者なら構うまい。つまり、シンはステラが好きではないという事だ」
「ちょ、何言って!」
「そうなの? シン、ステラ嫌い?……ごめんなさい」
先程まで可憐に咲いていた花が唐突に萎んで枯れてしまった。シンは、人生最大レベルで慌てた。欲望と興奮と葛藤と苦悩に湧く脳みそをフル回転させ、状況を打開すべく、指向の海にダイブする。
――結論。無理。ホ! そんな経験も知識もあるわきゃないっての。
なんだよ、この眼付の悪い奴は!?
シンの脳みそは時空を超えた。
あ、と小さな声をシンは挙げた。ステラの手が、弱弱しくシンの手を離したのだ。
「まま、待ってステラ」
「なに?」
「お、おれは、ステラの事は嫌いじゃないよ。むしろ好きというか、とても守ってあげたいというか、一緒にいると胸がドキドキすると言いますか裸を見せつけられるともうたまらないと言いますか夜は眠れそうにないと言いますか」
「? ミナお姉ちゃん、シン、何言っているの?」
やれやれ、とミナは溜息をつき湯の雫を纏う髪をかきあげて、言った。
「つまり、ステラの事は好きだ、という事だ」
「本当?」
「ほほ、本当」
「シン!」
「ス、ステラさん!?」
シンの名前を嬉しそうに呼び、ステラは……大きく腕を広げてシンの首を掻き抱き、そのまだ少女の年齢でありながら豊かに実り育った二つの女肉をこれでもかと押しつけてきた。
完全に不意をつかれたシンは、ステラを支えきれずに後ろ向けに倒れてごちん、と頭を打った。
意識が遠のく。
「シン?」
不思議そうなステラの声が、かすかに聞こえた。気絶しそうになるシンを、譲はン氏を起こしたステラの瞳が覗きこみ、シンのぼやける視界にはステラの釣り鐘の様なむーねーの先で淡く色づく……まあ、なんだ。あれが入り、ついつい更に視線はステラの体を堪能してしまった。
(ステラって、はえて、な……)
「ふふふ、お前達は実に愉快だな」
ミナの背筋が妖しい電流にぞくりとする様な声が、最後に聞こえた。
かくて、現場に駆け付け、着替え終えたミナとステラから、事情を聞いたアウルとスティングに、シンはラッキースケベの称号を与えられる事となった。
なお、シンの『もっこり』を見て、アウルとスティングが負けた、と呟いたのは、どうでもいい話だった。男にとっては尊厳にかかわりかねないけれど。
書いちゃったのよ、よよよんよん、書いちゃったのよ、よよよよんよん。これなら18禁じゃないですよね?
そしてシャドウミラー介入物GJです。う〜んこれからどうなるのか。ザフト側にも何かプラスαがあるのか、楽しみにしています。
両氏ともGJ!
>>758 もはやラッキーで許されるレベルじゃねぇぞ!
ともあれ
>>710にはシンがヒュッケMkV、ステラがR-SWORDとして
単体運用も可能に魔改造されたボクサーを推しておく。
い、色んな意味で凄い事に……兎に角GJ!
シンは色々からかわれるんだろうなぁ
ミナ様の産まれたままの姿も見ちゃった時点で…
お二人ともGJ!
シンめ、何てうらやましい奴!しかしギナに特訓と言う名の拷問を受けそうなのは、気のせいだろうか?
シャドウミラー介入っすか?アクセルの行方が気になるな。
御二人ともGJ!です
アクセル行方不明と聞いてアホセルを連想したオレは間違いなくアクセル厨
そしてシンがギナ様に訓練と称してボコボコにされる姿を幻視してしまった
多分このあとアウルとスティングにシンはフルボコされる
両者ともGJです、ミナ様とステラの裸(´Д`*)ハァハァ
シンはいっぺん生身で計都羅睺剣・暗剣殺受けて来い
フォルカがマユを攫って、激怒したシンと戦うという電波を受信した
もちろん最初は勝負にならないが、修行と戦いを繰り返していき、最後はコウタvsフォルカを彷彿とさせる対決になる
つまりシンの機体はデスティニーカイザー?
アインスケSEEDマダー?
…フフフ…ハイマット・フルバースト!
デッド・エンド・ニートっ!!
第四話 シン・アスカ
「うおおおおおーーー!!」
それは恐怖を糊塗する為の雄たけびだったか、迷いを振り切る為の雄たけびであったか。エムリオンのコクピットの中、シンの咆哮は猛々しく響いた。
聞く者がいたら、それは自分の弱さを知るが故に、自分を強く見せる為の、獣の吠える声の様だと思うだろう。
シンは、ステラの駆る鋼の獣ランドエムリオンと銃火を交える五機編成のストライクダガーのうち、最も近い一機に襲い掛かった。オノゴロ島の海岸線沿いを少しだけ踏み入り、道路と木立がならぶ場所だ。
これといって障害物があるわけでもない。砂地と道路と海岸で段差がある事くらいか。
エムリオンの握る71式ビームライフル改から、金色の光が立て続けに放たれるが、わずかにそれたビームはストライクダガーの周囲を削っただけだった。
ストライクダガーが反撃に57ミリビームライフルを放ち、シンは体の血が一気に冷えるのを感じながら、エムリオンを左右に大きく動かしてかわす。
「くそ、機体が重い!? 装備を詰め込み過ぎたのか!」
初めての実戦に緊張したシンが、テンザンやスティングの忠告を耳に入れられず、あれやこれやと心配しすぎて、エムリオンに装備を過剰積載してしまい、バランサーの調整が合わなかったのだ。
かわしたは良いものの、姿勢を取り戻すのに手間取り、ストライクダガーの撃つビームが機体を掠め、展開されたEFがそれを弾く。
「今の、バリアが無かったら! 死んでたまるか!?」
上昇し、そこから背部のリオン・ユニットのサブアームに搭載されているレールガンと、右手のビームライフルを我武者羅に撃ち続ける。だが、冷静さと機体バランスを欠いた照準は、虚しくストライクダガーの周囲の大地を削るだけだ。
新たなストライクダガーがエムリオンに照準を定めて、ビームライフルのトリガーを引く。
「シン!」
それまで四機のストライクダガーを相手にしていたステラのランドエムリオンが、右手の大型レールガンでそのストライクダガーの上半身を吹き飛ばし、背中のミサイルコンテナから小型のミサイルを一斉に発射し、周囲のストライクダガーを牽制する。
スティックリムーバーが凶暴な唸りと共に大地を削って駆け、駆け抜けざまにストライクダガーの胴を、M1部分の左腕に握ったアーマーシュナイダーで貫く。
戦場以外のステラからは考えられぬ、戦闘の為に生まれたかの如き効率よく敵を倒す事にたけた動きだった。
残るストライクダガーは3機。
「ステラ、ごめん」
「ううん。シン、気をつけてね?」
打算の無いステラの気遣う声が、シンの心に悔しさを生んだ。
「おれだって、おれが、ステラを守るんだって、そう決めたんだ!」
テスラ・ドライブに唸りを挙げさせてシンは右旋回しながら、ビームライフルとレールガンを先程よりは血の気の引いた頭で照準を着けて、トリガーを引き絞る。
対ABコーティングの施された赤い盾がエムリオンのビームを弾くが、代わりに超音速で迫る小さな弾丸がストライクダガーを構えた盾ごと機体を吹き飛ばし、もんどりうたせる。
「やった!」
喝采を挙げるシンに、警告を促す音が、釘を刺した。
「今度は、航空機か」
連合の戦闘機が2機、ストライクダガーの支援にか、こちらに向かってきている。空ならばこのエムリオンの出番だ。でも、シンがこの場を離れれば、ステラは一機で三機のMSを相手にしなければならなくなる。
迷いを持つシンに、ステラがはっきりと告げた。
「シン、空をお願い。MSは、ステラがやっつける」
「ステラ……。分かった。すぐにやっつけてくるから」
「うん」
「バランスが悪いってんなら元に戻せばいいんだろう!」
ステラと二手に分かれ、コクピットの中で言うや否や、シンはエムリオンに装備をいくつか外させる。
エネルギーを消費するビームサーベル、それにビームライフルも要らない! 相手のMSが持っているのはABCシールドだ。それならリオンのレールガンの方が効果的だ。
「それから、後は……ええい、出たとこ勝負だ!」
迫りくる連合のスカイグラスパーに向かって、次々と装備をパージしながら、シンの気迫が宿ったエムリオンは鉛色の疾風となる。
機体から次々とパーツを落としながら向かってくるMSに、スカイグラスパーのパイロット達は故障か? と首を捻ったが、
エムリオン胸部と頭部のイーゲルシュテルン、マシンキャノンのマズルファイアを視認すると同時に機体を散開させ、敵を改めて認識した。
「ギナさんとミナさんとビアンおじさんの地獄の特訓をこなしてきたんだ! おれだってええ!」
自分で言っていてちょっぴり涙が出てきた。正面のスカイグラスパーのビーム砲を、機体をわずかにずらしてかわし、反撃とばかりに背部コンテナからミサイルを発射し、そちらに気を取られたスカイグラスパーの一機に、レールガンの照準を合わせ
「もらった!」
そして、シンは、戦いの興奮に浮かされた脳裏に殺人の二文字を浮かばせる事無くトリガーを引いた。青空の下に咲く花火は、黒い煙と金属の破片をばらまき、長く尾を引いて爆音を轟かせた。
「もうひとつ!」
撃ち尽くしたミサイルコンテナのパージと同時に、機体重量の変化を即座に読み取ってOSに反映させる。本来MSの操縦の片手間にできる芸当ではないが、シンが先ほど言った様な最終地獄な特訓の成果が、シンの潜在能力を引き出していた。
並のパイロットを凌駕する類希なる才能を。それが戦いの中で活かされる事は、きっと悲しい事に違いないだろう。
何度もバレルロールを重ね、そのGにも耐えきったシンが、スカイグラスパーの背後を取った。おそらく熟練のパイロットが乗っているだろうスカイグラスパー相手に、シンは勝利を確信して、レールガンを発射した。
スカイグラスパー二機を撃墜し、冷めやらぬ興奮に浮かされたシンが、ステラの安否に思い至り、地上のランドエムリオンを探し求め
「!」
ストライクダガー三機分のスクラップと、新たに現れたストライクダガーの撃ったグレネードランチャーの爆炎に飲み込まれる、ランドエムリオンの姿が目に焼きついた。
「ス、テ、ラ? ……ステラーーーー!!!」
はにかむように笑うステラの顔が浮かんだ。柔らかくて小さな手の感触を思った。シン、と名前を呼ぶ声が、脳裏に響いた。
「お前、お前―――!! 何してんだよ!?」
ランドエムリオンにグレネードランチャーを撃ち込んだストライクダガーに、シンのエムリオンは飢えた猛禽の凶暴さで襲いかかった。沸騰しそうなほど血が滾っているのに、頭の一部が凍ってしまった様に冷静な自分がいた。
地上に激突するかの様な勢いでエムリオンを疾走させ、レールガンを立て続けに打ち込む。ストライクダガーのABシールドが弾かれ、体勢を崩したその右腕に二発、三発と撃ち込んでもぎ取る。
着弾の衝撃と機体のダメージに倒れ込むストライクダガーのコクピット目掛けてさらにもう一発! 思考を憎悪に煮えさせたシンは、躊躇わなかった。だが、トリガーを引くのにあとわずかな力が加えられるその瞬間に、警告音が鳴り響く。
「もう一機か!」
咄嗟に反応したシンの能力は瞠目に値したが、迫るビームはEFと衝突し、その衝撃に少なからずコクピットが揺れる。
「ぐ、くそ!」
地獄の特訓の成果とコーディネイターという出自の恩恵があるとはいえ、まだ十四歳の心と精神は知らず疲弊し、しばし、荒い息を着いてしまう。
勢いづいたストライクダガーは、EFを突破すべく更にビームライフルを連射してくる。
「調子に、乗るなああーーー!!」
シンの中で、何かが芽吹いた。それは、まだようやく萌芽する程度ではあったが、シンに劇的な変化をもたらす。
すべての神経が剥き出しになったような鋭敏な感覚。機体のあらゆるメカニズムの駆動音。パイロットスーツ越しにも分るコクピットの中の空気の流れ。どこまでも澄み切ったクリアな視界に思考。敵パイロットの息遣いさえも感じ取れる気がした。
「ステラを、ステラを撃った奴なんかにーーーーー!!」
ストライクダガーめがけて突貫するエムリオン。敵連合パイロットは少なからず驚いた。こちらの射線に飛び込むようにして向かってくる敵など滅多にいない、というより自身を晒すその姿は自殺志願者の様なものではないか。
降り続けるビームの雨をシンはかわすかわすかわす。見る見るうちにモニターの中のストライクダガーが近づき
「はああ!」
空手だったM1部分の右腕が、アサルトブレードを引き抜き、モーション・データの中から現在の状況でもっともパイロットの望む剣撃データを一瞬で選択する。
ストライクダガーの右肘を、左から右に流れた白刃が切り落とし、返す刃がその頭部を縦に割った。さらにM1で蹴りを一発くれてから、地面にあおむけに倒れたストライクダガーに、アサルトブレードの切っ先を突きつけた。
ストライクダガーの機体から飛沫を上げるオイルが、シンのエムリオンを粘っこい黒で濡らしていった。
と、敗北を悟った連合のパイロットは、素早くコクピットハッチを開いて、両手を上に向けて姿を見せた。ヘルメットをかぶっていて分からないが、その表情は一体何だろうか? 恐怖? 諦め? 媚? それとも無表情か?
一瞬、生身の人間を目撃したことで、シンの中の殺意が揺らいだ。
「! でも、あんたたちは、ステラを」
アサルトブレードの切っ先が振り上げられ、太陽の光に金色に染まる。
「シン!」
それを、もう二度と聞けなくなったと思っていた少女の声が、止めてくれた。
「ステラ!?」
「シン、だめ。降伏した相手は傷つけちゃいけない決まり」
「あ、ああ、うん。でも、ステラが無事でよかった。おれ、撃墜されたのかと」
「Eフィールドがあったから」
エムリオンのカメラはほとんど無傷のランドエムリオンを収めた。どうやらEフィールドの球状の力場にそって流れた爆発のけむりを、初陣の興奮で血の気が昇っていたシンが誤認してしまったらしい。
「シン、一回補給に戻ろう。バッテリーと弾薬、減ってきちゃった」
現在DCの使用するMSは容量と効率を上げた改良型のバッテリーを用いている。ビアンは核融合ジェネレーターや、プラズマ・リアクター、プラズマ・ジェネレーターといったCE世界の技術の数段上を行く動力機関の技術を齎したが、
あいにくと技術的な格差により、20メートルサイズの人型機動兵器に搭載できるほどの、小型・高性能エンジンの開発は難航している。
それでも、連合のGATシリーズのストライクに採用された、ストライカーパックシステムを一部参考にして開発されたエムリオンには、
M1とリオン部分にそれぞれ別個にバッテリーを搭載しているため、ジンやストライクダガーなどに比べ大幅に稼働時間が長い。
テスラ・ドライブやEフィールド、PS装甲の装備が可能となったのも、コストはMS二機以下ながら、実質二機分の出力を誇るエムリオンならばこそなのだ。
それに、現在開発されている後期生産型のエムリオンには新型の高出力エンジンの搭載が予定されているし、順次先行量産したエムリオンも動力を変える計画はある。それだけの資金と物資の確保が、DCにとっては頭痛の種ではあるが。
自分のエムリオンもさんざん、パーツを外し、我武者羅に撃ちまくってレールガンの弾数が心もとない事を確認し、シンはステラの意見に賛同する。
放り投げたビームサーベルやビームライフルを拾っていたシンが、投降したストライクダガーの扱いに思い至り、すこし首を捻った。
「あ、降伏した相手は?」
「……エムリオンの手に乗せて連れてく?」
そうするか、とシンは納得して、外部スピーカーに音声をつないで連合のパイロットに伝える。パイロットは年端も行かぬシンの声に驚いたようだが、忌々しげにコーディネイターか、と呟いていた。幸い、シンには聞こえなかったが。
GJ!
ああ、やっぱりシンは、総帥とロンド姉弟にみっちり仕込まれたんですな。
ステラの為に、種割れかええいラブラブしよって。
シン若いなぁ。強がりぶりとか気負いっぷりとか取り乱しぶりとか。
第五話 オノゴロ島決着
「歪曲フィールド出力64パーセント、テスラ・ドライブ出力安定、グラビコン・システム誤差0・034パーセント、『クロスマッシャー』出力79パーセント、『メガ・グラビトンウェーブ』連続照射
最大300秒、エネルギーの再充填には120秒かかるか……やはり机上のデータとは違うものが出るな」
ヴァルシオンの中で、機体のコンディションに目を通し、ビアンが呟く。今ビアンの駆るヴァルシオンは、本来のスペックを完全に発揮する事が出来ない。
新西暦の世界、アイドネウス島でのハガネ隊との決戦――怒涛の一斉攻撃に歪曲フィールドを破られ、最後は風の魔装機神サイバスターのアカシックバスターによって大破したヴァルシオンを、
可能な限り『再現』『修復』したのがこのヴァルシオンであり、それは『改良』ではないのだ。かといって、デチューンというわけでもないが。
装甲の大部分は、通電して相転移を行い、実体弾や熱に対する高い耐性をもつPS装甲と、熱を吸収拡散してビームに対する高い耐性を持つラミネート装甲、
幾重にも重ねた複合合金の装甲で代用している。装甲自体は、改良と言ってよいかもしれない。
ヴァルシオンの動力は、異星からもたらされた超技術・EOTから解析したものは可能限り修復したが、かろうじてビアンの意を満たす数値を出すにとどまる。補助としてCEの大容量バッテリーや、艦艇用の動力でカバーしている。
なお、地球の技術で解析・応用できるようになったEOTは、元EOTという扱いを受ける。
将来的には超闘士グルンガストに搭載されているプラズマ・リアクターや零式の宇宙航行艦用の核融合ジェネレーター、プラズマ・ジェネレーターなどへ順次交換し、本来のスペックを取り戻す予定
……ではあるのだが、新西暦とCEとの技術的な格差から、その見通しは見通せぬ闇の中である。
総合的に見て、現在のヴァルシオンVerCEの性能はフルスペックの75パーセントと言ったところか。
デトネイター・オーガンが地球製オーガンに変わるよりはマシだが、それでも目下CEのあらゆるMSを上回る超絶の存在である事は変わらない。
とりあえず、一週間で1パーセント取り戻す、をスローガンに、ビアンは夜なべしている。もちろん、それ以上に優先すべき事もあるが。
「戦況はおおむね優勢か。ミナめ、まさしく軍神の働きだな。連合のGも、ソキウス達が押さえ、海岸線から先に食い込んだMSはわずか、か。だが、やはり初陣とあっては上手く行かぬ者もいるか」
元々要塞化されていたオノゴロ島には多数の砲台が設置され、更にビアンとヴァルシオンがもたらしたEOTを元としたステルス・シェードやNJをモノともせぬ大型レーダーが配備され、
連合の動きをほとんど丸裸同然で把握し、適切に防衛戦力を動かし、連動させている。
だがオーブ兵の多くは初陣であり、訓練ではあり得なかった出来事が次々と起こる実戦に、少なからず混乱を示す者もおり、沿岸防衛線のいくつかはくいこまれていた。
防衛部隊が押されている個所を素早く把握したミナがミナシオーネの高機動性と、マガノイクタチとサイコブラスターの凶悪コンボで一気に覆す事を繰り返し、戦線を常にDC側が有利な状況にしている。
また、一度は撃墜されたかの様に見えたエムリオンも、EFによる保護と、リオン部分のパージにより、M1として戦線に復帰している。撃墜したはずのMSが復活してくる様子に、
オーブ同様MS対MSの実戦経験に乏しい連合側も手を焼いていた。
ましてや空をスカイグラスパー以上に支配するエムリオンに対してストライクダガーは短時間の滑空とジャンプが限界なのだ。
陸戦タイプであったパーソナルトルーパーの天敵がアーマードモジュールであったのと、同じ図式が当てはまっていた。
といってもM1部分だけになると、リオンを追加装甲として装備しているため、本来装備するはずだったフライトユニットが無く、地上戦しかできなくなってしまう。
従来のMSよりも装甲を犠牲にして軽量化し、運動性を高めたM1は、熟練のパイロットが乗ればこそその真価を発揮しただろうが、あいにくと旧オーブのパイロット達の錬度はいささかよろしくない。
そもそも、OSの開発に手間取り、ろくにMSも動かせないようなパイロットが大多数だったというのに、敵の攻撃はかわせば装甲が薄かろうと問題ない、というコンセプトのM1は初心者パイロット向きではなかった。
多少被弾しても、戦闘が続行でき、パイロットの生命を守れる機体の方が良い、という意見も元々あったのだ。
そういう意味もあり、エムリオンには量産型MSとしては破格の防御能力が与えられている。その分、コストは割高だが。
連合のストライクダガー達は、ごく一部を除いて沿岸上で進行を停滞させていた。下手に足を止めれば的となり、DCが展開しているリニアガン・タンクやミサイル車両からの砲撃に晒され、
かといって足元に気をやれば、上空からエムリオンの砲火が襲い掛かる。
ミナとギナ、サハク派の将校たち、加えてDCで培った経験からビアンが徹底的に軍部を締め上げたDC側は、幸い指揮系統の混乱や暴走も少なく、国防本部からの指示に従い、効果的に連合を迎撃していると言えるか。
元々、MSの運用は別として長年中立国家として国是を貫いてきたオーブは、非常時に備えて軍の訓練や演習を重ね、MSという一面をのぞいた錬度は悪くはなかった。
元々のオーブという国の底力と、ビアン・ゾルダークというイレギュラーの歯車が音を立てて噛みあった時、物量差を覆しうる質を有する事に、DCは成功したのだ。
国防本部に連絡をいれ、ビアンは新たな指示を出す。
「トダカ一佐、キラーホエールを出せ。連合の艦隊を強襲させろ」
オノゴロ島最深部の地下に移転された国防本部を経由し、灰色の髪をした、気骨のある軍人といった風体のトダカと呼ばれた男がヴァルシオンのモニターに映る。
元はアスハ派の優秀な軍人であったが、オーブ防衛のために、あえてDCに所属している。
故あれば、アスハ派に寝返る――いや、戻ってもおかしくはない男だが、民間人を守るという軍人の有り方とオーブへの思いは本物と感じ取ったビアンが、目を掛けて艦隊を預けている。
あるいは、アスハ家がオーブに返り咲いた時は敵となるか。それはそれでビアンの意を満たす事だろう。トダカの部下には、同じくアスハ派の軍人ばかりが集められており、DC内部でもこれを危険視する者と、
危険人物を一か所に集めて監視しているのだ、と見る意見に分かれている。ビアンの真意を知るものは、やはり、DCにも少ない。
モニターの向こうでトダカは敬礼をし、即座に返答する。その様子には、DCやアスハといった派閥の差はなく、オーブを守るという一点に身を捧ぐ男の姿があるのみだった。
「了解、キラーホエール艦隊浮上。地球連合艦隊に仕掛けるぞ!」
かつて新西暦においてDCの電撃戦のかなめとなった潜水母艦が、息を潜めていた海の底から急速に浮上し、オノゴロ島攻略に戦力を割いて手薄になった連合艦隊に襲い掛かる。
もっとも、キラーホエールの名前こそついでいるものの、本来のキラーホエール級とは別物で、ステルス・シェードによる秘匿性、機動性や、機動兵器の格納・整備システムを可能な限りCEの既製品に手を加えて改良した。
という程度のもので、MSの運用母艦としての一面が強い。
キラーホエールの浮上と同時に、他のオーブの島々や近海に潜んでいたDC艦隊も動きを見せて、連合艦隊の横腹を突いてみせる。
オノゴロ島の海上戦力の大多数を割いておいた伏せ札の一つだ。
中には旧オーブ艦隊旗艦の大型空母タケミカズチと一世代前の空母タケミナカタの姿もあり、タケミカズチにはオノゴロ島防衛戦において艦隊の指揮を任されたトダカが乗船している。
「エムリオン、シーエムリオン隊出撃! 目標、地球連合艦隊」
カタパルトデッキから、次々とエムリオンが飛び立ち、海中の三隻のキラーホエール級からも魚雷と、極めて感知されにくい電磁推進機関を搭載した12機のシーエムリオンと11機のエムリオンが出撃し、
アウルのシーエムリオン一機に手を焼いていた連合艦隊に更なる打撃を与えるべく襲い掛かった。
量産型である水中用MSディープフォビドゥンやフォビドゥン・ブルーが配備されていればこのような事も無かっただろうが、あいにくと連合の艦隊には水中用のMSは配備されてはいなかった。
「馬鹿な、この距離まで何の反応も無く接近していたのか!?」
虎の子であるストライクダガーは水中戦に対応しておらず、また、航空機も水中戦用の爆雷などの装備に換装する猶予を与えず、シーエムリオン隊はスーパーキャビテーティング魚雷――水中を音速で泳ぐ最新の魚雷を叩きこむ。
揺れる艦内で、アズラエルは思い通りに行かぬ状況に苛立ちを募らせて歯を食いしばっていた。沸騰する感情を理性が抑えつけ、この戦いの利害を考え続ける。
オーブの保有するマスドライバー『カグヤ』とモルゲンレーテの工廠、軍事技術、各種生産施設、カラミティ、レイダー、フォビドゥンと強化人間達のデータ、得られるもので目ぼしいのはこれだ。
対して、現在の被害は――。
「第7小隊、第28小隊応答なし! 第09小隊、第12小隊、第4中隊から救援要請! 駆逐艦『アーロン』、『スペイカー』撃沈、MSの被撃墜数60機を超えています!?」
オペレーターから次々と入る報告は、連合の各司令の顔から血の気を引かせていった。
このMSの被撃墜数の内、半分近くはミナとミナシオーネによるものだ。
「ばかな。たかが一国の島国が、それもクーデター直後の軍隊で、これだけの数を相手に持ち堪えるどころか、互角以上に戦うなど」
「『ジスモンダ』『サマリア』航行不能、戦線から離脱します。ああっ!? 空母『レスリー・カーター』沈みます! 敵水中MSおよび飛行MSの迎撃、追いつきません!」
「有り得ん!」
対空砲火をモノともせずエムリオン隊は次々とレールガンやミサイル、オプション装備であるメガビームライフルやハイパービームキャノンの雨を連合艦隊に降り注がせ、火の球を金属の船体の全身に生ませては海の藻屑へと変えてゆく。
「結構、うちらって強いじゃん」
一人、シーエムリオンのコクピットの中、アウルは味方の予想以上の奮戦に機嫌よく呟いた。とはいえ、数で劣る現実は厳しい。今この戦いを勝っても次、その次、そのまた次と攻め込まれれば、物量で劣るDCの敗北は色濃いものとなる。
そのために望ましいのは、連合がDCに手を出すデメリットを重視し、彼らにとって本来倒すべき敵であるザフトに目を向けるよう仕向ける事だろう。
「ま、おれのやる事は変わんないけどね」
海面から飛び出し、ジェットエンジンとテスラ・ドライブにより短時間での飛行が可能なシーエムリオンの特性を活かし、駆逐艦や戦艦の甲板に飛び乗って艦橋にレールガンを叩きこみ、一撃で戦闘能力を奪って行く。
「おやじもきつい道選ぶよなあ。付き合うおれらも変わんないバカだけどさ!」
スクランブル発進しようとしていたスカイグラスパーにミサイルを一発撃ちこみ、次いで発進しようとしていた数機と船体を爆発の中にまきこみ、次の大物を狙ってアウルは幼いとさえいる顔に凶暴な笑みを浮かべた。
と、アウルはモニターの片隅に、シーエムリオン以外のMSを見かけ興味を惹かれた。エムリオンの母体であるM1に酷似した機体に、水中用の装備を着けた機体だ。
「ああ、あれがブルーフレームか。M1の大元だってミナさんが言ってたっけ」
それは、ヘリオポリスで極秘に開発されていた五機のオーブ製MSのうちの一機プロト02、ブルーフレームだった(五機製造されていたが、4号機と5号機はパーツ状態だったため、ヘリオポリス崩壊時に失われている)。
たしか、今では今次大戦でも屈指の実力を持つ傭兵部隊サーペントテールのリーダー、叢雲劾というコーディネイターが乗っているはずだ。
劾の駆るブルーフレームの流れるような動き、無駄の無い操縦にアウルは素直に感心した。
「へえ、おれでも勝てるか分んないな。ソキウス達の兄弟を倒したって話もあったっけ」
この戦いが一時の決着を迎えたら声をかけてみよう、そんな風に考えながら、アウルは駆逐艦の船底に魚雷を撃ちこんだ。
一方で、BFのパイロットである叢雲劾も、DC軍の保有するMSと、政権転覆直後であるというのに、むしろ旧オーブ軍以上の統制を見せるDCに内心舌を巻いていた。
やや癖のかかった黒髪と常に外さぬ色の入ったメガネを賭けた端正ながらも逞しさ、強さを感じさせる顔に、わずかながら賞賛の色が浮かぶ。
「大したものだな。ディバイン・クルセイダーズ。これで国力と人員の数が伴っていたら、ザフト・連合を一度に相手出来たかも知れん」
珍しく戦闘中にもかかわらず、余計な事を呟いた劾だったがそれも無理からん事だったろう。
彼の周囲ではキラーホエールや各DC輸送艦から出撃したシーエムリオンが放火を集中させて次々と連合の艦艇を沈め、海上でもエムリオン隊が獅子奮迅の活躍を見せている。
エムリオン隊によって対空火器や戦闘機を壊滅させられた連合の艦隊に、タケミカズチとタケミナカタから発進した爆撃機が500キロ、1トンクラスの爆弾をばらまき、痛打を浴びせている。
それはまるで開戦初期のザフトと連合の戦いの様子を再現しているかの様だった。
「……頃合いか」
「ビアン? 前線に出るつもりか」
ヴァルシオンに搭載されたテスラ・ドライブに火が灯り、再生された主動力の唸りがより低く大きなものへと変わる。それを察したのか、それとも戦況の報告を兼ねての連絡だったのか、ミナの美貌がウィンドウの中に現れる。
「うむ。兵ばかりに任せてはおけまい。それにこのヴァルシオンの調子も見ておきたいのでな」
「自ら先頭に立つ総大将か。古今例がないわけではないが、万に一つ、いや億兆に一つの可能性が無いとも限らぬ」
「その時はその時だ。私が倒れた時の事も、十分に考えただろう?」
ビアンの問いに沈黙するミナは、小さく、しかし深い溜息を紙縒りの様に細く吐きだした。逆らえないと分っている溜息だった。
「ならば私も付き合おう。しかしヴァルシオンの力を見せつけてしまっては、切り札が一つなくなるのではないか?」
「いや、それを見た上での反応こそが我らが求めるものだろう。それに、確認の意味もある」
「確認?」
「この世界に私以外の異分子がいるかどうか、のな」
「……その可能性もやはりあるか」
「そうだ。このヴァルシオンの存在を知るもの、あるいは異分子であると分るもの。彼らがどのような反応を見せるか、世界にどう関わっているのか、それを確認する為でもある。……行くぞ」
全重量550トン、MSの約十倍の重量が重力のくびきから解き放たれ、翼無き真紅の魔王が、今、美しき夜闇の女神を傍らに従え、そして目に見えぬ死神の群れを率いて連合艦隊へと襲い掛かった。
「あの巨大MSが動きました!」
「! データ収集を怠らないでください。あの機体、とんでも無い秘密がありそうですからねえ?」
最初の頃の動揺を欠片も残さず払拭したアズラエルが、ついに動きを見せたヴァルシオンに目を輝かせて、モニター越しに粘着質の眼光を注ぐ。
どうしても欲しいおもちゃを目の前にして、大人の狡猾さと無邪気さを同居させたおぞましささえ感じられる笑みが、その唇に浮かんでいた。
「MS隊を呼び戻せ! 各砲座、あの赤い機体に集中させろ!」
次々と、たった一機の機動兵器を破壊するには過剰な火力がヴァルシオンに殺到し、それをビアンは巧みな操縦でかわして見せる。
本来ヴァルシオンの機動性はあまり良いとはいえない。元々人型機動兵器としては重量のバランスが悪く、火力と装甲を追求したコンセプトのもとで開発された機体なのだ。
だが、そのヴァルシオンでビアンは殺到する75ミリAP弾や、ミサイルを次々とかわし、あるいはディバインアームで切り裂くという離れ業さえやってのける。
娘リューネに課した特殊訓練を自身にも課した成果と天賦の才能が、ビアンに常軌を逸した機動兵器の操縦テクニックと年齢からすれば考えられぬ能力を誇る強靭な肉体を与えていた。
なお、リューネが受けた特殊訓練と同様のものがシンにも課せられ、そこにミナとギナのロンド姉弟も加わり、特訓という名のジュデッカな最終地獄が繰り広げられたのは、言うまでも無い。
その訓練の内容は、リシュウ・トウゴウが、インスペクターに乗っ取られたテスラ・ライヒ研究所脱出の際に、弾丸を刀で弾いて、これくらいはリューネのお嬢ちゃんでも朝飯前〜〜と言っていた事実から類推していただきたい。
そんな超人的な芸当ができるようになる特訓なのだ。
甲板に出たストライクダガーの数機がビームライフルやバズーカをヴァルシオンめがけて殺到させ、あえてビアンはそれを受けた。
コンソールパネルが明滅しヴァルシオンの展開している空間歪曲フィールドが作動している事を告げる。
100パーセントのフル出力展開はできないが、MS程度の携帯火器になら十分な防壁となるようだ。
「無駄だ。だが、それを止める事は出来まい。恐怖故にな。恐怖を乗り越える勇気、信念、覚悟。ただ力だけではない。それらがなければ私は倒せん」
輸送艦の甲板に向けてヴァルシオンを加速、激突する寸前で急制動を掛け、襲い掛かる殺人的なGに顔色一つ変えず、甲板上にいたストライクダガー達をデバィンアームの一薙ぎでまとめて二機の胴体を横一文字に両断する。
切断面から火花を散らすストライクダガーを置き去りに、ヴァルシオンは飛ぶ。現在CEのMSはほぼバッテリー式であるため、撃墜されても推進剤などに引火しなければ爆発することは稀だ。
ただ、ヴァルシオンに屠られたストライクダガーはその稀な例であったらしく、盛大に爆発し、輸送艦を巻き込んで大きな炎の花弁を開いていた。
「クロスマッシャー!!」
死と同義の言葉がビアンの口から放たれる都度、赤と青の二重螺旋は連合の各艦艇に突き刺さり、艦橋や竜骨をぶち抜いて沈めてゆく。予備として温存されていたストライクダガーも、母艦の轟沈によって活躍の場を与えられる事無く骸を晒していた。
背後を伏せられていたDC艦隊とMSに、正面からは馬鹿げた戦闘能力を誇る巨大MSに強襲される連合艦隊は、もはや混乱の坩堝と化していた。
指揮系統は混乱・混雑の体現となり、上陸したMS隊もDCMS隊の前に苦戦を強いられるわ、後方からの支援は期待できない。
まともかつ適切な指示は届かず小隊単位で独自に戦闘を行っていたが、DC製OSを搭載したエムリオンは性能ともども連合のMSよりも優れていたし、DC軍の中にはコーディネイターもそれなりの数がいた。
コーディネイターと各エムリオンやガームリオン、バレルエムリオンらとの組み合わせは凶悪な威力を発揮してストライクダガーを撃墜していった。
DCはコーディネイターとナチュラルの共存をオーブと変わる事無く謳っていた為、オーブ国内のコーディネイター達にとっては、オーブの政権が変わっても母国を守るために兵器に乗る事を、躊躇う理由とはならなかったのだ。
「……これは、馬鹿にならない損害ですね。しかし、あいつらも存外役に立たない。結局一機も撃墜出来てないじゃないですか?」
期待していたシャニやクロトらが、開発者は何を考えているんだと疑いたくなるような珍妙なMSを相手に完全に封じ込められ、おまけにバッテリーと薬物が切れて、ちょうど帰艦したところだった。
強化人間達を相手に互角以上の戦いを繰り広げたのが、破棄されたはずのソキウス達であると知ったなら、アズラエルの不機嫌はさらに天井知らずに上がっただろう。
アズラエルの視界の中で、また一隻の巡洋艦が黒い煙を挙げて沈んで行く。何百年かしたらきれいなサンゴ礁の苗床になるかもしれない、とアズラエルは現実逃避している自分に気付いた。
商人としての自分が、目も当てられない現状に発狂しそうな事をアズラエルは認めるしかなかった。
さらにここにきて、常軌を逸した光景が繰り広げられる事となった。
テスラ・ドライブをフルドライブさせ、襲い掛かる殺人的なGを問題にせず真正面から連合艦隊に突撃したヴァルシオンが、周囲の友軍に下がるよう伝え、ミナのミナシオーネもある程度の距離を取った時――
「メガ・グラビトンウェーブ!!」
天地震わせるが如きビアンの叫び声と共に、ヴァルシオンを中心に漆黒の風が荒れ狂う超重力の嵐が巻き起こり、あろうことか駆逐艦や巡洋艦、イージス艦が空中に巻き上げられたのだ。
「な!?」
「気象兵器、いや重力操作だと?」
流石に平静をとりつくろっていたアズラエルも、ヴァルシオンの脅威の武装に目を見開いて凝視する。重力を用いての兵器など、CEには存在していないのだから。
連合艦隊の艦橋で、ストライクダガーのコクピットの中で、オノゴロ島の戦いが中継されるモニターの向こうで、CEの常識を覆すヴァルシオンは高らかに己の存在を歌い上げた。圧倒的な破壊をもって。
四方から吹き荒れる超重力の風に、ストライクダガーは四肢をもぎ取られ次々と爆発して四散し、巻き上げられた艦艇の中では乗員達が壁や床、機材と衝突して次々と落命し、耐えきれぬ船体が軋みを挙げてひしゃげ爆発し、海面に叩きつけられては次々と海の藻屑となっていく。
超重力の、圧倒的なまでの暴力が過ぎ去ったあとには破壊しつくされたMSと、かろうじて原形をとどめる艦艇の屍が無残に海面に漂っていた。
しばし、戦場の全てを静寂が支配したが、やがて連合艦隊旗艦から撤退を告げる信号弾が打ち上げられ、オノゴロ島に迫っていた各艦隊、MS、航空部隊は速やかに撤収していった。
「追撃はせずとも良いのか?」
ヴァルシオンの傍らに寄り添ったミナシオーネからの通信に、ビアンは静かに答えた。
「良い。それよりもこちらの被害の確認と部隊の再編成を急がせねばなるまい。連合がこのまま退くかどうか……」
「分かった。それと、ギナ達も間もなくこちらに到着するそうだ。ヴィクトリア攻略作戦に表向きだけでも従事する理由も無くなったしな。それと土産があるそうだ」
「ほう?」
「さて、とりあえずは一段落、か。兵達に労いの言葉をかけてやるのも総帥の仕事だろう?」
「そうなるな」
ビアンは夕暮れに染まる空と海を見つめながら、世界の行く末と失われた命を思い、しばし、黙想した。ミナも、ビアンの雰囲気を感じ取ったのか、何も言わず、ただ、彼の好きにさせた。
オノゴロ島から離れたある島の孤児院で、マルキオ導師という元宗教家が面倒を見ている子供達が、遠くから聞こえる戦火に怯え、涙をためる子供達を宥めすかす一人の女性がいた。
切りそろえられた艶やかな黒い髪、眼尻がややつり上がった気の強そうな瞳、今は子供達を安心させるために笑みを浮かべる淡い桜色の唇――。
「怖いよう、お姉ちゃん」
怖いよ、いつまでこうしていればいいの、せわしなく子供達が上げる声に、女性はあくまで穏やかな笑みで頭をなでたり、抱きしめて落ち着かせる。宗教画に描かれる聖母にも劣らぬ慈愛に満ちていた。
「大丈夫よ。ここにいれば怖いものはここには怖いわ。さあ、男の子でしょう? 涙をふきなさい。ほら、アンナなんかぐっすり眠ってる。ハンスはお兄ちゃんなんだから」
「うん、分かった。ぼく泣かないよ、オウカお姉ちゃん」
「いい子ね。ハンス」
オウカと呼ばれた女性は、遠くオノゴロ島で繰り広げられる戦いを思う度、脳裏に走るノイズにかすかに柳眉を顰めた。MSに酷似した、しかしどこか違う鋼の巨人たちが戦う風景。覚えの無い少年少女たちの顔と声――。
「ラ……ト? ア、ラ、ド、ゼオ……ラ?」
自分の名前しか覚えの無いオウカの脳裏に浮かぶ、三人の少年と少女。その度に胸に去来する暖かな感情と悲しみに、オウカはどうすれば良いのか分からない感情をもてあます。
ただ、今は、弟や妹の様に愛しい子供達を少しでも安心させてあげたかった。
もう書き込みしても良いんだろうか…割り込みになってたら御免
いやはや、ヴァルシオンはやっぱ強いなー、これで75%の性能しかないと盟主王が知ったら発狂しちゃうんじゃないだろうか
ギナの手土産…エド?
そしてオウカ姉さん登場、今後の活躍に期待です
GJ!
な、75%!?これで?ビアンが本気じゃない事、考えるとマジでCE側に勝ち目ねぇ〜。
ギナは、何を仕入れたんだ?もしや、ビアンと同じ……。
オウカ姉さん登場!さて、俺の嫁はどんな活躍を見せてくれるかな?wktkして待つ!
782 :
660:2007/07/26(木) 14:49:42 ID:???
正直に言います。ヴァルシオンの性能はやりすぎました。下方に修正してゆきます。
ところでずっと気になっていたんですが、盟主王はありですかね?
膝にドリルで右手と左手で攻撃兵装と防御兵装を併せ持っていたり、2000万馬力だったりするのは?
CEでMSの生産台数とか具体的にわかる方いらっしゃいますか? いまいち詳細が分からなくて。シャドウミラーに参加した機動兵器の数が496機、
ゼータのグリプス戦役の時に総数4000機くらい、とか第四次のハマーンさまのノイエDCの機動兵器の数が1500機とかは分かるのに、SEEDはわからんのです。
そろそろAA側の事も説明せねば。ときどきオウカ姉さんみたいにひょっこりOGキャラが出たりする予定です。
それでは、助言・忠告・指摘よろしくお願いします。ありがとうございました。
>>782 話のシリアスさを維持できるなら全然OKだと思う
Aだとシャドウミラーはゲシュペンストmk−IIだけで2096機で実際にたどり着いたのは502機だったな。
GJ!
しかしオウカがマルキオのトコにいるなんて、なんだか心配なんだぜ?
つ オウカ姉様は被洗脳キャラ
いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!
オウカ姉様が桃色汚物のキチガイ電波の新たな犠牲に……orz
ゲイムシステムを信じろ!
最近このスレも賑わってきたな……夏休み効果か?
>>786 だからだよ!
オウカ姉さま逃げてーーーっ!
電波が来るーーーー!
少年の名前でハンス・ヴィーパーを思い出した俺はU.U.N.されて来ますね
いやOG2でのオウカ姉様の中の人は
ピンク洗脳三連星の中の人でもあったな
× OG2
○ OGS
OG2の時は俺の脳内では姉様の声は大原さやかの声で再生されてた
ヒルダだったんだ……
よく思い出してみると確かに似ているな
第六話 宇宙に蒔かれた種
連合のオーブ侵攻より数日前――。
父ウズミに呼びだされたカガリは何の説明も無くマスドライバー『カグヤ』の施設まで連れていかれた。
そこには、アークエンジェルのクルー達やアスハ派の軍人たちの姿もあった。皆が、一様に神妙な顔をしてウズミの言葉を待っていた。
「お父様?」
「カガリ、お前はこれから宇宙へ行くのだ」
「宇宙へ?」
「そうだ。詳しく説明する時間がないが、もう間もなくオーブは崩壊する。ブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルと、ビアン・ゾルダークによって!」
「ビアンが?」
「そうだ。カガリよ、お前は私にとって残された希望だ。アークエンジェルのラミアス艦長や、キラ・ヤマトと共に行け。そうすれば、お前は決して一人ではない。お前には、兄弟がいる」
ウズミはそっと懐から取り出した一葉の写真を取り出し、カガリの手に握らせた。そこに写る二人の赤子を愛しげに抱く母親。そして、その裏に書かれた二つの名前に、カガリは表情を固め、背後のキラを振り返った。
「ラミアス艦長、キサカ、それに、キラ・ヤマト。至らぬ娘だが、よろしく頼む」
深く頭を下げるウズミに、名前を呼ばれた三人は、静かに頷いて答える。
「お父様、お父様はどうなさるのですか?」
「さてな。だが、オーブが破滅の道を歩まぬよう、私なりに残された時間で全力を尽くすつもりだ。ビアンも決して武力のみを良しとするだけの男ではない。恐ろしいまでの知謀と行動力を併せ持った男だ。この世界に何を齎すか、私にも予想が着かぬ」
「ウズミ様」
「すまぬな。諸君らに重荷を背負わせる事となってしまった」
「ウズミ様、ビアン・ゾルダークが間もなくこちらに到着するとの事です!」
ウズミの護衛らしき黒服が携帯端末から入った連絡に血相を変える。
「はやいな。いや、奴のこれまでの行動を考えれば、むしろ遅いか。カグヤの用意はどうか?」
「はっ、何時でも使用可能です」
「お父様、お父様!?」
「行くのだ。カガリ。お前達は種なのだ。蒔かれた種が芽吹いた時、そこに咲く花の名が希望である事を信じているぞ。……後は頼むぞ、キサカ」
クサナギの船体の中へと、暴れるカガリを抑えて、キサカが連れてゆく。最後にウズミを振り返ったキサカが、今生の別れを察してか無言で敬礼をした。
カガリは、ただお父様、お父様と叫び続けていた。
「カガリ、お前の父で、幸せであったよ」
限りない慈しみを込めた瞳で、ウズミは血の繋がらぬ、しかし心から愛した娘を見送った。
アークエンジェルとクサナギが無事大気圏を離脱する様子を見守るウズミの背に、やがてある男の声が掛けられた。
「種は蒔かれたようだな」
「……それもお前の仕組んだことか? ビアン」
「それを選んだのはお前達の意志だ。敷かれた道であろうともそこを行く意志が己のものである限り、その者達は決して人形ではない」
「知ったような事を言う」
「私も以前、同じ事をしたのでな。ウズミよ、間もなく地球連合がオーブへと攻め入ってくる。オーブは私が一時的に預からせてもらおう」
「一時的、か。他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない、我らオーブの理念を曲げるか、ビアン!」
「如何にオーブという国の国是である理念といえども国民を巻き込み、国という体裁を保つだけのものになり下がっては意味があるまい。
国に人が集うのではない。人がいるからこそ国という存在、理念は必要とされる。民を犠牲にする理念など、支配者のエゴ以外のなにものでもあるまい」
ウズミの傍らに立つ長身の美女の名を、ウズミは忌々しげに呼んだ。
「ロンド・ミナ・サハク! サハク家の野望が叶うというわけか?」
「かつての我らならば、そのように息巻いたかも知れん。だが、今となってはそのような気にはなれぬ。
なにより、今はわが愛すべきオーブの民を守る事こそ第一。その為には理念を曲げる事は厭わぬ。ウズミよ、このたびの地球連合の動き、オーブの中立政策が招いたものだ」
「それだけの自信、この国を守る為の力はある、という事か。ザフトと手を組むつもりか?」
「そうなる可能性は否定せぬ。だが、今はまだ、だ。このたびの戦いは我らの力で戦い抜く。他国の力を借りぬという意味では、お前が国民を犠牲にしてまで守ろうとする理念に沿うものだぞ?」
皮肉そのもののミナの言葉に、ウズミは険しい表情で睨み返すばかり。政治の裏舞台で生きた曲者や並の政治家ならばたちまち息を呑む迫力に満ちていたが、ビアンとミナが相手では通用しない。
「ナチュラルとコーディネイター、地球連合とプラントの二極化するこの時代の中で、中立を貫くオーブという国の存在が、どう言う意義を持つか、分からぬのか!」
「それはお前とおまえに賛同する者達だけでいい。民にそれを選ばせずに強要しては、独裁以外の何物でもあるまい。
その結果国を焼かれ、かけがえの無いものを失った民に、お前は何と言う? もっとも、我らも似たようなものだが」
「……あくまで、戦うという事か。この国をどうするつもりなのだ? ビアン・ゾルダークよ」
「それはこれからのオーブを見ていれば分る。ウズミよ、出会いが違えば友と呼んだかも知れぬ男よ。お前にはこの国を見届けてもらう。
お前の望む理念が形作ったこの国がどうなるか、それをその理念という名の曇り硝子で覆った眼で見つめよ」
ミナが手を挙げて合図し、ビアンに与したオーブ軍人たちが、ウズミを拘束したのは地球連合がオーブに理不尽な要求を突きつける数日前の事だった。
そして、6月15日。オーブ上空から離れたとある宙域では
「馬鹿な、オーブが?」
「ディバイン・クルセイダーズ、軍事結社ってとこかねえ? 冗談、にしてはやりすぎでしょ?」
オーブ上空、地球を離れ、宇宙の暗黒に浮かぶ4隻の戦艦があった。イズモ級2番艦クサナギと元地球連合所属の特装鑑アークエンジェル。
それにオーブ宇宙軍で使われている地球連合の250メートル級戦艦『メズ』と拿捕したザフトのローラシア級『ゴズ』が一隻ずつ。
先のザフトによる地球連合本部アラスカ基地攻略作戦オペレーション・スピットブレイクに際し、味方の犠牲をいとわぬ地球連合のサイクロプスの自爆による大規模破壊によって、地球連合上層部への不信を高め、
離反したアークエンジェルは、その行き先を平和の国オーブへと向けていた。
しかし、そのオーブに到着し補給作業を受けた矢先に、ウズミからアークエンジェルは退去を命じられた。しかもウズミの娘であるカガリとクサナギ、エムリオンといったMSと共に宇宙へ、だ。
それは地球連合のオーブ侵攻を知り、うすうすビアンが行っていたオーブ政権転覆の動きを、類希な政治家として培った経験から感じ取ったウズミが行った、彼にとっての希望を残す為の策だった。
父ウズミを置いて行く事に駄々をこねるカガリを宥めすかし、実子では無い事、そして兄弟がいる事を告げて、ウズミは信頼できる部下達と共にカガリとアークエンジェルを宇宙へと上げていたのだ。
そして、今、アークエンジェルとクサナギのメインディスプレイには、ビアン・ゾルダークによるDCの蜂起とオノゴロ島における圧倒的な戦力差の戦いが映し出されていた。
「あのビアンておっさん、かなりのやり手だってのはオーブの現状を見ればわかるが、何者だ?」
アークエンジェル艦橋に集まった、主要メンバーの一人、エンディミオンの鷹の異名をとるエースパイロット、ムウ・ラ・フラガが、優男風の顔をさて困った、といった表情にしてカガリに問う。
モニター越しには公私ともにカガリのサポートを行うキサカの姿もあった。
オーブの軍服に身を包んだカガリは、意外に力強い表情で首を横に振った。肩にかかる程度で切られた金髪に自己主張の激しい瞳の少女だ。
「詳しい事は私にも分らない。とても優秀な技術者としてお父様やオーブの首長達とよく議論を交わしていた。政治や軍事、MS関連の技術と知識を驚くほど持っている男だった。
ただ、前からオーブの中立政策が近いうちに終わりを迎えるとしきりに訴えていた」
「それがこうじてクーデターを起こしたと?」
アークエンジェルの艦長マリュー・ラミアスが、まさか、と顔で語りながら重ねて問う。元々は技術畑出身ながらも、コーディネイターを凌駕する野戦能力を有し、素人がほとんどだったアークエンジェルで激戦をくぐり抜けた女傑だ。
「以前から、周到に用意を重ねていたらしく、お父様が気付いた時にはオーブの政治も軍事も奴が掌握していて、DCの決起を悟ったお父様は地球連合の侵攻を前に、なんとか私達とこのアークエンジェルを逃がしたんだと思う」
「そう……」
「それで、僕たちはこれからどうするんですか?」
この場に居合わせた少年――キラ・ヤマトがマリューやムウ、キサカらに口を開いた。
元はヘリオポリスの学生だったのだが、ザフトがヘリオポリスを襲い秘密裏に開発されていたGを強奪した際に、残されたストライクのパイロットとなってアークエンジェルで戦い続けた少年だ。
一時、オーブでのザフト軍との戦闘でMIA、生死不明の扱いを受けたもののとあるジャンク屋によって命を救われ、オーブに住む、各国に影響力を持つマルキオ導師によってしばらくプラント最高評議会議長シーゲル・クライン邸へ運ばれ、
シーゲルの娘ラクスの世話になりながら療養していた。
だが、それもプラントの国防委員長パトリック・ザラがパナマを目標としていたオペレーション・スピットブレイクをアラスカ攻略のものへと直前で変更したことで終わりを告げる。
議会の議員達にさえ伏せられていたスピットブレイクの目標変更は三日ほどザフトの動きを止め、その間に、キラはラクス・クラインからザフトが開発した核動力で動くMSフリーダムを預けられ、
一路、アークエンジェルがいるアラスカへと向かったのだった。
アラスカでの死闘を終え、またオーブからも脱出したアークエンジェル一行には、実の所明確な目標が無い。
とりあえず、目下ブルーコスモスの私兵と化しつつある大西洋連邦が盟主的な立場にある地球連合に身を寄せるつもりはなく、またザフトに協力するつもりもない。
「どこにも止まる木の枝が無い鳥だからな。おれ達は」
「出来るなら、オーブの宇宙ステーションであるアメノミハシラに寄りたい所なんだが、あそこはサハク家の管轄で、今はDC宇宙軍の拠点になっているし……」
『とりあえず、身を隠す為に都合の良い場所がある。L4にある廃棄されたコロニー・メンデルだ』
ムウの無理に余裕を持っている振りをした台詞に、カガリが呟き、モニター越しにクサナギの艦長を務めるキサカが、一つの提案をして、アークエンジェルにデータを送りながら説明を始めた。
「メンデルか。確か昔バイオハザードを起こした所じゃなかったか?」
端正な眉をややしかめるムウに、キサカが答えを提示する。
『すでにX線照射で徹底的に除菌されているからな。当座の間身を隠すには問題ないだろう』
「食糧や生活用品の備蓄は、一年分はあるけど、弾薬や整備部品の補充は難しいわね」
オーブ脱出の際にウズミの手配で積載可能な限界まで両戦艦に積み込んであるとはいえ、孤軍での補給もままならぬ状況は、精神的な重圧にも関わってくる。
『ジャンク屋ギルドを通じてある程度補給の確保は出来ている。まずは腰を落ち着けてからだな』
「そう、ね。カガリさん。後は、オーブがどうなるか、ね?」
「……。ビアン・ゾルダーク、お前は、何がしたいんだ?」
眦を吊り上げ、唇を噛み締めて、カガリはじっとモニター越しに繰り広げられるオーブと地球連合の戦いを見ていた。
その言葉には、阻止しようと思えばいつでも阻止できたにもかかわらず、わざと自分達を見逃したとしか思えぬビアンの行動を知るが故だった。
最新機のエムリオンが可能な限り搭載されたクサナギ、限界まで積載された物資、さらにDCで開発中の技術のデータなどなど……。まるで自分達に力を与える為に整えられたような戦力。
そして、あの、DCによってある程度修復された謎の機体。カガリはその名を知らぬが、それはかつてラピエサージュという名で呼ばれていた。
後にビアンが、バカに刃物を持たせてはいけないとナイスミドルな顔一杯に後悔の表情を浮かべる事になるかどうかは、まだ分からない。
今自分達がこうしている事さえ、ビアンの掌で踊っているようでカガリは言いしれぬ不安を、今すぐにでもオーブへ戻りたいという思いと共に、その胸の内に抱くのだった。
そして、やがてモニターの向こうで見せつけられたヴァルシオンの圧倒的な力を目の当たりにし、皆が驚きの仮面を被り、地球連合の艦隊とMSを瞬く間に葬っていくヴァルシオンやミナシオーネの姿に、ただ呆然とした。ミナシオーネが画面に映った時は特に。
オノゴロ島、国防本部――。
ビアンを始めとしたDC首脳部が一堂に会し、地球連合の次の攻勢に対し合議を重ねていた。
本来の歴史においてオーブは一日半で陥落し、地球連合の前に屈服しているのだが、少なくとも現在においては連合の圧倒的な戦力を相手に互角以上に戦い、翌日に陥落という事態は避けられそうだ。
「潜水艦隊および洋上艦隊の被害は以上です。特にミナ副総帥とナカジマ小隊の戦果は目覚ましいものがあり、友軍への支援も多大で被害は最少です。また、オノゴロ島の諸施設への被害も極めて軽微。戦闘の続行に問題はありません」
DC所属のトダカが極力感情を排して今回の戦闘の結果を報告する。円形のテーブルに座し、中央のディスプレイには立体モニターに各種のデータが表示されている。
「エムリオンの第三次生産ラインも稼働しています。今回の損失分のリオン・パーツや機体、装備の補充も問題ありません。鹵獲したストライクダガーの機体やOSの解析ももう間もなく完了します。データを反映させるのには少し時間がかかるかと思いますが、
OSの解析が完了すれば、MS戦もより効率的に行えるはずです」
エリカ・シモンズが、戦闘中に鹵獲した8機のストライクダガーの解析完了分のデータを表示させる。もともと政治的取引である程度のデータを入手していたものに、今回の戦闘で得られたデータを重ねたモノだ。
ついでにいえば、ヴァルシオンの大暴れで母艦を失い、バッテリー切れを起こした物や、海中に沈んだ輸送艦、揚陸艇からもまだ無傷の機体や、簡単な修理で使い物になる機体が見つかっている。
「ストライクダガーに搭載されているOSはキラ・ヤマトの協力で完成したオーブのOSとは違い、連合が独自に完成させたもののようです。ある程度の行動をパターン化させ、ナチュラルでも複雑な操縦を必要としない分運用が簡便。
ただしその分複雑かつ精密な行動を行うのには多少不向きと言えるでしょうが、これはパイロットの技量にもよります。機体の方ですが、これはストライクの簡易量産型と言えます。生産性と整備性を両立した機体で、
ナチュラルでも簡単に運用できることを前提にしたものでしょう。ビーム兵器の携行とシールドの装備でザフトのジンを攻守ともども上回る機体です」
「幸い、エムリオンは互角以上に戦えているようです」
これは別の閣僚の発言だ。目の醒めるような青い瞳に、三つ編みにして垂らされた純金の様な金髪。貴族的な高貴ささえ湛える美貌。過去に負った戦傷が原因で右目は失明しており、今は黒い布地の眼帯が当てられている。
DC所属のコーディネイター、ローレンス三佐だ。階級こそ三佐だが、極めて有能な戦術・戦略家であり、コーディネイターにしては珍しくナチュラルへの偏見を持たない好人物でもある。
おまけにMSパイロットとしても超一流で、かつて叢雲劾がオーブでMSパイロットの訓練を行った時に居合わせれば、劾がOS以前の問題と評したオーブパイロットへの評価も変わっていただろう。
ローレンスがDCに参加したのはDCの思想に共鳴した事もあるが、オーブ国内のコーディネイターへの信頼を維持する意味も含めてであり、ローレンスは己の持てる全力以上のものを出し尽くすつもりでDCに籍を置いていた。
「陸戦タイプのMS相手ならば元々有利に戦える事は予想されていましたが、おおむねその通りです。搭載したエネルギー・フィールドとPS装甲によるサバイバリティ性も高く、パイロットの損失も予想以下です」
ローレンスの言葉にエリカが追従し、ビアンも重々しく頷き同意する。
「ですが、連合のMSがビーム兵器を標準装備しているように、ザフトでもビーム兵器を持った新型MSの配備が行われているという情報を鑑みれば、PS装甲の装備はラミネート装甲に見直すか、Eフィールドの強化を検討した方が良いかもしれません。
幸い、連合のMSにはPS装甲は装備されていないため、レールガンなどの実体弾兵器でも有効です。すでに民間にも大量に出回っているザフト製の武装の利用も可能でしょう」
「後期生産予定のエムリオンの装備の見直しだな。では、次に、スペースノア級の進捗状況はどうか?」
エリカとは別の技術者が立ち上がり、モニターにスペースノア級のデータを表示させた。全長550メートル前後の、万能戦闘母艦スペースノア。
完成すれば連合のアークエンジェル級をも凌駕する移動要塞と呼ぶ他ない超弩級の艦船であり、ビアンがもたらしたEOTと超技術、CEの艦船製造技術の粋を凝らして、DCのフラグシップ的な存在として目下地下ドックで建造中である。
オーブにはアスハ家が予算を不正使用して建設した地下ドックがいくつか存在する。DCはそれをフルに活用しているわけだ。
アスハ家の不正使用した国家予算の額は、セイランとサハクの若者たちのこめかみに青筋が浮かぶほどだった。
「一番艦タマハガネ、二番艦アカハガネ共に基本船体構造の工程はほぼ終了しています。タマハガネの方は基本武装の取り付けも80パーセントが終了しております。アカハガネは船体が76パーセントまで完成。
しかし、武装の取り付けは38パーセントほど。また両艦とも艦首モジュールの完成はいましばらく時間がかかるかと」
「ふむ。やはり艦首モジュールの開発は遅れるか?」
ビアンの問いに、開発責任者は神妙にうなずく。ビアン相手でも媚びる様子はない。相手がだれであろうとだめなものはだめとはっきり言う性格らしい。
「はい。タマハガネ搭載予定の超圧縮重力場『レムリア・インパクト』、超冷却機構『ハイパー・ボリア・ゼロドライブ』、超空間歪曲機構『アトランティス・ストライク』は、
当分目処が立ちません。また特殊推進機関、壱番『クリティアス』弐番『ティマイオス』も若干予定工期より遅れています。
アカハガネ搭載の艦首モジュール、超広域光波防御帯『エルダー・サイン』、多目的攻撃砲『シリウス・アロー』、超弩級液体金属実体剣『艦式斬艦刀』も、数カ月単位で完成は遅れるでしょう。
やはり、これらの技術と資材の確保が急務になるかと。モジュールの数をそろえるよりも数を絞って開発を進めるべきでしょう。
なによりもスペースノア級一隻のコストが、大きなネックとなっています。小官の個人的見解でありますが、MSなどの通常戦力の生産を優先された方がよろしいかと存じます。
過ぎた事とは重々承知ではありますが、開発する側の人間として、意見せずにはおれませんでした」
「いや、そう言った意見も貴重だ。タマハガネとアカハガネにはすでに完成しているカタパルトモジュール『ムゲンシンボ』を搭載する方向で建造を進め、乗員達にも訓練を怠る事の無いよう伝えるように」
プランだけならまだ山の様にあるDCなのだが、いかんせんそれを形にする物資がないし、技術的にも実現不可なものが少なくない。
なによりそれらのプランはあまりに現状の技術を上回るオーバーテクノロジーを山ほど使うものが多く、絵に書いた餅の様なものだった。
現在開発中の新型もかなりの数が検討されているが、実際にロールアウトまでこじつけられるのはその内の数割が関の山だろう。
特に動力機関であるプラズマ・ジェネレーターの開発の難航が問題だし、プラズマ・ジェネレーターよりも出力的には劣る核融合ジェネレーターとて、まだ、未完の為心臓の無い鋼の骸が累々と並ぶ事になる。
国力に乏しいDCとしては実際に使用する機動兵器の種類は可能な限り搾り、無駄な生産と開発は省きたい。その一方でワンオフ機の開発には惜しみない予算が宛がわれてもいる。
革新的な質による量の打破は、おおむね追いつめられた国家が行う手段なのだが、それがDCにも当てはまるのは頑是ない事実だった。
新西暦ではDCの蜂起に呼応して相当数の連邦軍が味方についたが、CE世界においてはそうも行かないだろうし、とにもかくにも今は連合の攻勢を凌ぎきらなければならない。
「連合の艦隊の動きはどうか?」
「現在は戦力の立て直しに一時的に後退しています。総帥のヴァルシオンの戦闘能力に、かなり慎重になっているようですね」
これは苦笑を交えたローレンスの台詞だ。彼自身、DCの開発する新型兵器のスペックには目を見張っていたが、あの究極ロボの戦闘を目の当たりにするのは初めてだった。
それまでの自分の中の機動兵器の概念をあっさり覆されて、苦く笑うしかないのだった。
といってもメガ・グラビトンウェーブの照射後、ヴァルシオンのエネルギーゲージはレッドゾーンにまで届き、マップ兵器として調整し直したメガ・グラビトンウェーブの使用は、長い時間の戦闘には向いていない事が判明している。
ヴァルシオンの残り25パーセントの不足部分は、このような出力不足からくる戦闘時間の短さと、CE技術と新西暦技術との混成によるOSの不具合だ。性能そのものが25パーセント分不足しているというわけでもない。
「おそらくハワイからの援軍を待って次の攻勢につなげる事になるでしょう。なにしろ連合側のMSの損失は確認できているだけでも93機、駆逐艦11隻、巡洋艦7隻、戦艦3隻、正規空母1隻、その他輸送艦や揚陸艦も20隻を失っています。
これに修理不可の機体も加わるでしょう。ヴィクトリアのマスドライバーが確保された以上、カグヤの確保にどの程度の犠牲が許容されるかが、連合にとっても我々にとっても鍵となります」
「戦力の立て直しと指揮系統の再編、かなり無理を通しても連合側の再度侵攻まで時間はあると見てよいかと」
その間に可能な限り戦力の補充と強化、また各国への根回しと、DCの存在に呼応する勢力への呼びかけ、またザフトとの同盟はありか否か等など。もともと論議されていた議題ではあるが、今一度煮詰め直さねばなるまい。
他に、一つDCにとっては吉報があった。ヴィクトリア攻略作戦に従事していたロンド・ギナ・サハクが、手土産と共にオーブに帰還したからだ。
元々ヴィクトリア攻略作戦への参加と引き換えにオーブ解放作戦の中止を求めていたのだが、連合側というかアズラエルはこれらの作戦を並行して行い、あわよくばヴィクトリアとカグヤの二つのマスドライバーを手中に収める気でいたようだ。
それを察知したギナは、ヴィクトリア攻略を早々と切り上げて、高速輸送艇に手土産を積み込んでさっさとDCへと戻ってきたわけだ。
無論、帰路の途中で何度か交戦したようだが、死者が一人も出ていないあたり、ギナの有能さが伺える。
ビアンを挟んでミナとは反対側に座し、ユウナ・ロマ・セイランやトダカ、ローレンスらと共にこの会合に席を落ち着けている。
「一つ良いか? エドワード・ハレルソンとフォー、シックス、サーティーン・ソキウス達は私の直属として使わせてもらうぞ」
ギナのいう手土産とは、名前が上げられた四人のパイロットとその乗機の事だった。
切り裂きエドの異名がヴィクトリア攻防戦で決定的になった南米出身のエース、エドワード・ハレルソンと現在三機しか存在していないソードカラミティ。
薬物で精神を破壊された三人のソキウスと、ソードカラミティ、レイダー制式仕様、フォビドゥン・ブルー。
他にもついでに強奪したストライクダガーと23機しか生産されていない105ダガー、フォルテストラという追加装甲を纏ったデュエルダガーが一機ずつ。生憎とこれらダガー系にはパイロットがいないが、DC側から募ればいい。
ストライクダガーはともかく、105ダガーやデュエルダガーといった高級機はそうそう手には入らないし、それぞれがコストに見合う高性能機であったし、DC技術陣にとっても新鮮な素材だ。
「時にビアン、私のギナシオンの進捗状況はどうだ?」
名前から察せるように、ギナ専用のヴァルシオンの事である。もっとも一からCE側の技術で開発しているもので、ヴァルシオンのデチューン機である事は否めない。
それでもヴァルシオンVerCEと同様にPS装甲とラミネート装甲、超抗力装甲をはじめ強化セラミック素材の使用、先頃実用かに成功したTGCジョイント(重力制御によって慣性質量をコントロールし、各関節への負担を軽減する技術)による各関節への負担減、
50メートルサイズの機動兵器になら積み込めるデッドコピーしたプラズマ・ジェネレーター、超高性能・小型テスラ・ドライブを搭載した破格の高性能機であり、サハク家の肝いりで開発中だ。
いわばCE技術によるヴァルシオンのレプリカというべきか。
かなりの予算を食う金食い虫だが、これはギナがサハク家からかなりの額を出させていて、DC全体の予算はさほど割いてはいない。
「基本フレームと外装の取り付けは終わった。後はプラズマ・ジェネレーターの調整と専用OS、武装の搭載だな。ミラージュコロイドやマガノイクタチ、ローエングリンは後回しにしている」
「ふむ。ではいましばし天(アマツ)で戦場を駆けるとしよう。そういえば、面白い機体が見つかったそうだが?」
「ウズミ様も中立を謳う割に物騒な事をしているよね。アカツキ、でしたっけ?」
独特の髪形をした薄い紫色の髪形の青年が口を開いた。やや線の細いお坊ちゃんと言った感じか。一応、カガリの婚約者であるセイラン家の子息ユウナである。
呆れた体のユウナにエリカが、やや委縮した様子で説明を始める。ウズミからの命で開発に携わっていたのだ。
「はい。ビームを反射する特殊装甲ヤタノカガミを搭載し、防御面では破格の性能を誇るMSです。いわば、オーブの理念をあらわすMSでした。ただ、費用はM1の20機分ですが」
「20機ねえ? まあ、パイロットはもともとそんな数がいたわけではないけど、流石にコスト高すぎでしょう? 機体そのものは出来てるんだっけね。誰か乗りたいパイロットはいるのかな?
そう言えば、人工知能の開発は進んでいるのかい? 人材不足のDCとしては一日も早く完成してもらわないとね」
「予定の88パーセントと言った所です。今回の戦闘で多くのデータが手に入りましたから、TC−OS(戦術的動作思考型OS)の併用で、まもなく実戦に耐え得るものが出来上がります」
「次の侵攻までに間に合えばよいがな。ユウナ、ロゴスはどう動いている?」
ビアンの言葉に、ユウナは肩を竦めた。
「まだまだ様子見ですね。ウチにも連絡を取り次いできましたが、のらりくらりとかわしておきましたよ。プラント破壊されちゃ骨折り損のくたびれ儲けという歴々も少なからずいますから、アズラエル氏の牽制程度に役立てばいい、そう思っているのでしょう。
僕達をなめている間に搾れるだけ搾りとっておきます。アスハ家の隠し資産や、ロゴスからの投資で、資金面で言えばまだ余裕はあります。しかし、ビアン総帥の素性についてしきりに知りたがっていましたよ?」
からかうようなユウナの言葉に、ビアンはふっと小さく笑うきり。いくら調べたところでオーブ以前のビアンの経歴が分る筈もないと知っているのは、この場でもロンド姉弟やユウナなど極一部の人間だけなのだから。
「そうか。しかし連合が動きを見せるまでただ黙って待っているのも時が惜しい」
「では、こちらから仕掛けるので?」
「守るばかりとは行くまい。我らの理想は自国の安寧のみを求めるものではないのだからな」
「現状、動かせるのは足の速いキラーホエール級と輸送機位でしょう。ストーク級空中母艦はまだ三隻しかありませんし、エムリオンによる一撃離脱戦法が妥当となるかと」
ローレンスの言葉に、ビアンが一つ加えた。
「それにタマハガネの運用も試験的に行う」
「シミュレーションは積んでおりますが、実戦への投入は時期尚早では?」
「その程度の事がこなせなくてはスペースノア級の名が泣く。艦首モジュールにはムゲンシンボを装備。ISA(Integrated Synchronizing Attack=空母の役割を果たす機動戦艦と、そこに搭載された人型機動兵器による電撃戦)戦術の実例として動いてもらおう」
「タマハガネに乗艦する部隊の選抜は?」
「それには……」
ストライクダガーを五機入手しました。
105ダガーを入手しました。
デュエルダガーを入手しました。
ソードカラミティを二機入手しました。
レイダー制式仕様を入手しました。
フォビドゥン・ブルーを入手しました。
ゴールドフレーム天を入手しました。
ロンド・ギナ・サハクが仲間になりました。
エドワード・ハレルソンが仲間になりました。
フォー・ソキウスが仲間になりました。
シックス・ソキウスが仲間になりました。
サーティーン・ソキウスが仲間になりました。
乗り換え……する?
総帥……CEに来る前に無限螺旋に巻き込まれませんでした?w
GJ。なんつーか凄え密度。感服するわ。
DCもカツカツながらとりあえず防衛は問題なく成功しそうな雰囲気。
しかしゴリラに愚行フラグ立つ。自重せよ。
ちょwwwwデモンベインとリベルレギスがおるw
唯でさえ凶悪な戦艦がさらに凶悪になってるぞw
何だか艦首その他モジュールが合体して魔を断つ刃に成りそうで吹いた
しかもひっそり参式斬艦刀混ざってるし
そしてやっぱり洗脳っぽい姉さんに涙…
>>808 乾物ババアと老害ジジイがいないんだから大丈夫だって。
とりあえずストライクダガーは倉庫行き決定だなw
>>809 世界の災厄のほとんどの元凶にして、基地外カルト宗教団体ラクソ真理教の教祖ラクソがいる
あー。ところで、ロゴスって種終了後に成立したんじゃなかったっけ?
この部分も歴史が変わってるんなら、問題ないけど。
それはそれとして、オウカ姉さまはピンク電波に巻き込まれなさそうで一安心。
そして鹵獲戦艦2杯分も支援者が残ってるアスハ家の意外な人望のよさに驚愕。
sage
GJ!
三隻同盟が、ヒリュウポジか……大丈夫だろうか?
ギナは、エドとソキウス三人、MS多数お持ち帰り。よし!エドの関係から、白鯨に乱れ桜、狂犬を芋づる式にゲットだ!
ユウナ、馬鹿じゃないようだ。
オウカ姉さんは、洗脳されてたら、シンに弟属性を手に入れさせ、説得するんだ!或いは、ユウナに愛を囁かせるとか……。
>>813 いや、それは無いだろ
議長が本編で「古より戦争を裏で操ってきた〜」とか言ってるし
そもそもオーブが二年で復興できたのもセイラン経由によるロゴスの援助があったからで、そんな財力を持つ組織が終戦直後に成立したとは考えにくい
やっぱ総帥自身が乗ってるんだからヴァルシオンは鬼強い方がいいお。
GJ!
スペースノア級がなんかヤバイ装備してるw
入手したMSはあれだ、バザーで売り払って代わりに強化パーツを(ry
本文にマップ兵器とかゲーム用語出されると萎えるから広域破壊兵器とかにしてくれ
>>819 いやマップ兵器はOG世界の公式な軍事用語なんだ。
Mass Amplitude Preemptive-strike Weapon(大量広域先制攻撃兵器)を略してMAPWで、
通称としてマップ(MAP)兵器と呼ばれてる。
そもそもMAPWはMass Amplitude Preemptive-strike Weapon(大量広域先制攻撃兵器)の略語
ってこじ付けがOGでされました。
あくまでマップ兵器じゃなくてMAPWってことで。
>>821 違うぞ。
この設定は2001年5月23日発売のスーパーロボット大戦オリジナルストーリーD−2で登場している。
そもそもMAPWはMass Amplitude Preemptive-strike Weapon(大量広域先制攻撃兵器)の略語
ってこじ付けが2001年5月23日発売のスーパーロボット大戦オリジナルストーリーD−2でされました。
しかしエムリオンや技術をクサナギに乗せちまったのはマズすぎるな、
ラクスに渡って大変な惨事(無差別テロとか)になるぞ。
だからバカに刃物ならぬキチガイに刃物、なのさ…
ラクシズが無茶で阿呆な理由で武力放棄してクーデター起こす前に手を打たねば…
ラクシズの連中はその場の思いつきで行動するから危険極まりない。
だが、ビアン総帥率いるDCの技術の進歩スピードを考えたら…
ラクシズ側にエムリオンの技術があっても、余裕でDCが鎮圧出来るんじゃないか?
>オーブにはアスハ家が予算を不正使用して建設した地下ドックがいくつか存在する。DCはそれをフルに活用しているわけだ。
>アスハ家の不正使用した国家予算の額は、セイランとサハクの若者たちのこめかみに青筋が浮かぶほどだった。
オーブはとことん酷い国だと実感できる。これ知ったときビアン総帥もブチ切れたんだろうな。
>>828 ラクシズの資金力と鉄砲玉の数を舐めたらアカン
「戦いは数だよ兄貴!」
>>830 盗品ばかりのラクシズにDCに並ぶような資金力なんてないだろ。
それにその資金力(マルキオとジャンク屋)を潰せばいいだけ、ビアン総帥なら容易いこと。
ジャンク屋は悪く言えばゴキブリだから逆に苦労するんじゃね?
ただ連合やプラントの黙認あってのことだけどさw
833 :
828:2007/07/27(金) 22:34:17 ID:???
>>830 >「戦いは数だよ兄貴!」
確かに、戦いは数かもしれないが…
ヴァルシオーネのサイコブラスターみたいな高性能MAPをDC機体に搭載させてしまえば…
ラクシズ側の鉄砲玉が多くても、サイコブラスターで雑魚は確実に破壊出来るから大丈夫じゃないか?
>>830 あいつら数は全然ないだろ。MSもパイロットもキラ・アスラン頼み。
ラクシズに数があるなんて妄想もいいとこ。
ラクシズは 集中力とSP回復(大)もってそう
まあ、このまま強まったDCが押し切ってねじ切って終わり、だといささか
面白くないので、ラクシズ側にもテコ入れがあるんじゃないだろうか。
某帝国監察軍とか某平行世界の反乱軍とか。
前者は才能だけでMS戦闘までこなすキラに興味がありそうだし(改良方法とかで
盛り上がるんじゃねえか)、後者はその、やる事は比較的似通ってると思うし。
種死見る限りな。
影鏡?<平行世界の反乱軍
もうアズラエルと組んでるけど?
ゼゼーナンぐらいなら桃色洗脳波でなんとかなるんじゃないかと思ったり。
あれはただの俗物だから。
ただ影鏡の主張も半分くらいは説得力あるんだよね。
外部からの危機がてんこ盛りのスパロボ世界でそれに対抗するために常に争って競い合ってる世界ってのは、
スパロボ的には肯定できない過激な手段だけどあながち間違ってはいない。
種世界は人類以外の驚異は無いしラクシズの言う自由よりさっさと平和にしてやってくださいって感じだけど。
主義主張はパッと見にてるけど背景を考えたら全然違うな、ラクシズとシャドウミラー
いや、ラクシズの主張は誰もが自分のことを自分で決められる世界が大事。
それに反対する奴は武力でぶっ潰す、ってだけでしょ?
主義は正しいような気もするが、手段が大間違い。
影鏡とは全然違うと思うが。
種死は敵が意味不明破綻なプラン押し付け
これが強制力がない提案なら別だが
民間人大虐殺やろうとしたり・・
まぁ主人公正当化のために無理やり敵を狂わせたんだろうが
全勢力が基地外としか思えん。基地外水を飲んだんじゃねーの
あ・・・一応主人公シンだったなw
すっかり忘れてしまった
>>841 民間人大虐殺って、レクイエムオーブにぶち混んだってどんだけ民間人に被害でるかわからんじゃん
しかも国が導入するとかいうけど、
強制力があろうがなかろうがあんな大がかりな制度を1日2日で導入できるわけないんだから
他の外交手段や議論もなくいきなり武力戦争ふっかけるラクシズが最低最悪なことは変わらないよ。
それに大虐殺って言うならベルリン大虐殺の指揮官やってた宗男をまずどうにかしろよ…
まぁ極めて実に今更ながらな話だけどさ…
というか、ラクシズがプラントに攻め込んだときプラントはレクイエムぶち込まれた直後じゃん。
しかも、ラクシズどう見てもジブリ逃がすのに協力してたようにしか見えんしな。レクイエムにしたってジブリが撃ったときはノータッチだし。
>>844 だからぁ全部破綻してるってことさ・・
常識的に考えて人死にまくるだろ。
ラクスもゴミに決まってるし皆ゲロよりゲロくさいってことだ
シンも最後までファビョッテルだけ。全てにおいてがっかりした
種死の出来だったな。今更だが
>>838 ゼゼーナン程の小物オーラを持ってすれば桃色電波を無効化するなど容易い。
>>845 自由>>>>平和な考えだから、レクイエムでプラントが幾つ吹っ飛ぼうがラクスは
気にしてなかったんじゃない?自分が安全な場所にいたし。で、一回撃ってあたりが
出た後で現れ、強い力には更に強い力で、を体現し自らのスタンスを世界中に示した。
私達は好きにやる。お前達も好きにやれ。ただし、私達の機嫌を損ねない範囲で。
ぶっちゃけいつ最終戦争が起こるか分からないラクス支配後の「自由」な世界より、
ヴィンちゃんの理想とする調律された闘争の世界の方がまだマシに見えるんだよな…
ラクスが支配して自由なんてものがあるとは思えんしな。
所詮ラクスにとって都合にいい自由なんだろうし。
>>848 (自分達の)自由>>>(世界)平和
ってことだろ?
本来的に平和あっての自由なんだけどなwww
自由という概念自体、平和というものの上に発展してきたものなのに。
茸堕は東大で何を学んだんだか…
いい大学でた≠まともな人材
まぁ、わかりきった話だがな。
第7話 幕間
人殺し、人殺し……。お前は人殺しだ……。
光の全てが飲み込まれてしまうような暗闇から、連合のパイロットスーツを着た骸骨達が、何度も繰り返し囁きながら迫ってくる。煤に汚れた骨が剥き出しの手が、自分の首を絞め……。
「うわああ!?」
べっとりと体に張り付くいやな汗で全身を濡らして、シンはベッドからはね起きた。額から流れた汗が目に入り、かすかな痛みが意識を覚醒させる。
「そっか。おれ、戦場に出たんだっけ……」
シンの撃墜スコアはスカイグラスパー2、ストライクダガー4、一度の実戦で既にエースの条件を満たす結果を残している。
それだけの数の人を殺めた、あるいは殺めかけたという現実が、シンの精神に重くのしかかっていた。初陣の兵がよく発症する戦場神経症の、二歩手前、と言ったところか。
ベッドのわきに置いてある水差しを取り、コップ一杯に注いだ水をガブ飲みした。
「……気持ち悪い。シャワー浴びよう……」
初日の戦闘を終えたシン達ナカジマ小隊は、現在モルゲンレーテの工廠で待機している。
幸い、小隊員全員の機体の損傷は軽微で、負傷者も無い。特にテンザンとシーエムリオンで洋上の連合艦隊を攻撃していたアウルの戦果は凄まじく、味方から喝采を浴びていた。
この二人だけで20機を超すMSを撃墜し、アウルが撃沈した艦艇は3隻に昇る。スコアで言えば間違いなくDCのトップエースだ。マップ兵器を持つミナシオーネとヴァルシオンは別として。
それから、あてがわれた個室から出て、自分の愛機となっているエムリオンの所へと足を向けた。メンテナンスベッドに横たわるエムリオン達をなんとはなしに見て行く。
溶接や指示の怒鳴り声が響く工場で、つなぎを着た整備員がせわしなく動き回り、エムリオンやバレルエムリオンの整備に勤しんでいる。
少しでも完璧に修理し、パイロット達が生きて帰って来れるように。それが彼らの戦争なのだから。
「生き残れたんだな。おれ」
ぽつりと呟き、シンはその場を後にした。モルゲンレーテ社屋内にあるリラクゼーションルームで、ドリンクサーバーからオレンジジュースを選んで口を着けていたシンに、ステラやアウル、スティングらエクステンデットが通りかかった。
「よう、シン。もう調子はいいのか?」
機体から降りるなり、吐いたシンを気遣って、スティングが明るく声をかける。もともと戦闘用に調整されていたエクステンデットの三人の中で、スティングが最も人間らしい情緒を残しているから、シンの精神状態をよく理解していた。
「シン、平気?」
「う、うん。大丈夫さ。ステラ達は何してたの?」
「体の調子を見てもらってたんだよ。おやじのおかげで大分ましになったけど、時々調整しないといけないからさ。おれらって」
やや不満げに言うアウルが、シン同様サーバーからドリンクを取って近くのソファに腰かけた。
三人のうち、アウルとステラは殺人に対する禁忌がほとんどない。かろうじて常識は持っているが、とくにステラは戦闘となると凶暴性や破壊衝動が発露し、とかく暴走しがちだ。
ただ、ビアンやミナらと接触している時間が長く、治療の甲斐もあってか、先の戦いでシンを止めたように理性的な判断ができるようになり、一般的な常識や情緒も学んでいる。
「シン。そんな気にすんなって、戦争なんだからさ。向こうだってこっちを殺す気で来てるんだぜ? だったら殺される覚悟だってあるさ。だから気にしないのが一番」
「……そうなんだろうけどな。しばらくは無理かもしれない」
「まあ、人殺しに慣れるってのも気持ちの良いもんじゃないだろうさ。シンが今感じている気持ちは、忘れない方がいい。アウルの言う事も一理あるけどな」
「スティング。うん、少し苦しくて重たいけど、そうするよ」
「シン」
いくらか気分は晴れたが、それでも暗いものは拭えないシンを慰めるように、ステラがそっとその傍に座り、シンの頭を赤子を抱くように優しく抱きしめた。
シンがラッキースケベの称号を得た例の事件の時は、手加減なしのフルボッコな目にあわせたアウルとスティングも、今回ばかりは見逃すつもりらしく、黙ってステラの胸に顔を埋めるシンを、肩を竦めて見守っていた。
あいにくと警戒は続いているため、街に出る事も、オノゴロ島から離れる事も出来ないシン達だが、幸いモルゲンレーテやDC基地内には兵士達のストレスを緩和する事を目的とした娯楽施設もあり、シン達はそこで時間を潰した。
DC基地内、地下ドックの一つで、ビアンはある機体を見上げていた。
他にもいくつか存在する開発中の機体のなかの、ただ一機を見ていた。
これを見事乗りこなせる事が出来るだろうか、あの少年は。彼の身にこれから降り注ぐ数々の試練は、シンにいくつもの心の傷を造り、命の危機に晒すだろう。
なんと罪なことだろう――。
「若者を死地へと向かわせ、その為の道を敷くか。ふふ、私の業かな、これは」
「護送任務、ですか?」
「ああ。まだオーブだったときに保護しといたザフト兵を近くの基地まで連れて、置いて行って帰ってくるってだけだ。シン、お前護衛としてついてけ」
「おれだけですか?」
「スティング達は調整中だからな。無理させらんねえんだよ。おれは警戒待機だし、DCに余計な戦力なんざねえからな」
(じゃあ、おれが余計な戦力?))
シンが携帯ゲーム片手にテンザンからザフト兵の護送任務を伝えられたのは、翌朝の事だった。連合からの通達があった時に開放するなり返還しておけばよかったのだが、政権転覆のいざこざと連合との戦闘で収監したままになっていたそうだ。
「じゃまあ、エムリオンに乗って行ってこい」
「……適当過ぎません?」
「良い意味での適当だ」
だめだこりゃ、とシンは折れた。テンザンはどうにも尊敬を抱くのには向かぬ上司であった。
いまいちサイズの合わないDCの軍服を、着ているというよりは着せられている感じで、シンは自分のエムリオンが置かれているモルゲンレーテの工廠に向かい、ガンルームでパイロットスーツに着替える。なんとかシンの体格にもあう特注だ。
向かう先はオーブ領海に最寄りの小規模なザフトの補給基地だ。そこに10人ほどのザフト兵を連れていけばいいそうだ。
MSの輸送も出来る輸送機にエムリオンを積み込み、到着まで自分が出撃する必要がないといいなあ、などと思う。すぐさま出撃できるように格納庫から出る事はないが、緊張を強いられる待機状態だ。
「そういえばザフトの捕虜ってどんな連中なんだろう」
まだオーブだった時に、領海付近でアークエンジェルとザフトの戦闘が行われてニュースに流れたのを見た事はあったが、直接ザフト兵を見た事はない。もちろん同じ人間なのだろうけど、なんとなくテレビの向こうの存在めいて、はっきりとしたイメージが湧かない。
といっても格納庫で待機しているシンには、今回のザフトに返す捕虜と接点など持ちようがないのだが。
「そう言えば、あの赤いエムリオンて誰のだろう?」
エムリオンのコクピットから出て、キャットウォークに腰かけてぼんやりそんな事を考えた。エムリオンはパイロットの精神的重圧――ストレス緩和を目的にコクピットの空間が広く取られ、私物を置くスペースもある。シンの場合は漫画やお菓子などを積んでおいた。
中には着替えや化粧品を持ち込んでいる女性パイロットまでいるという話だ。実情はどうあれ、これはDCはパイロットの数が少なく必然的に一人一人の出撃回数が増え、疲労が積み重なる事を想定し、
少しでも疲労とストレスを緩和し長時間の戦闘と短期間での連続戦闘において、パイロット達の負担を減らす為の措置である。
最大三機までMSを搭載できる輸送機の格納庫の中を改めて見回したシンの眼に、シンのタイプFとは別の真っ赤なエムリオンが鎮座している。機体の各所にし制御バーニアやアポジモーターが増設された運動性強化型のタイプVだろうか。
「どうした、シン・アスカ。捕虜の様子でも気になるのか?」
「え、えっとローレンス三佐」
「ふ、私の名前を覚えたのか。感心な事だ。テンザンの部下だから、もっと野放図な野生児かと思ったがな」
淡い笑みを浮かべて、金色の三つ編みの顔を揺らしてシンに声をかけてきたのは、DC幹部の一人ローレンス・シュミット三佐だった。本来ならこの様な瑣末な任務に関わる人物では無い。
それ位はシンにも分るので、多少訝しむ表情になる。
「私がここにいるのがおかしいか?」
「そんな事は……。あの、赤いエムリオンは三佐のですか?」
「そうだ。一応私もMS乗りでな。それと、私がここにいるのは少し、ザフトと話をする事になったのだよ」
シンが口を開くより早くローレンスが不意を突くように言った言葉に、その意味を考えて、シンが驚きに目を見張る。
「それって、ザフトと?」
「いや、挨拶と窓口造りだな。まだ大きな話には行かないし、少し伝言を頼まれてね。それと今回の傷病兵返還は人道的な観点に基づくものだ。
連合の通告があった時にはザフトから援軍を出すという魂胆の見えた、それでもうれしい話はあったから、そのお礼の意味も兼ねているかな?」
「あの、なんでおれにそんな話を?」
「総帥が目をかけている少年というのが一つ。大人の世界は奇麗事だけでは済まないという実例を示すので二つ。そんな話を聞かされた君が、どう判断するのかが三つ。そんな所だ。
シン・アスカ。できれば君の出番がないと良いな。この任務」
「はあ。ローレンス三佐、ザフト兵ってどんな連中なんですか? 変な質問かもしれませんけど、プラントのコーディネイターってどんな人たちなのか気になって。おれもコーディネイターです。
オーブはナチュラルとコーディネイターの共存を謳ってたからプラントや他の国とは違う環境なんでしょう? 同じコーディネイターでも所属する国が違うだけで、そんなナチュラルを憎むもんなんですか?」
「……君も、知っているだろう? オーブでもコーディネイターに対する差別がないわけでは無い事を」
「それは」
オーブはコーディネイターとナチュラルの共存を謳う。それは紛れもない事実であり、政策にもそれは反映されている。だが、やはり人は己より優れたモノに嫉妬し、排斥しようとするのもまた事実。
ナチュラルがコーディネイターを嫌い、吐く言葉の一つに『あいつらは生まれた時からずるをしているんだ』というものがある。
これは特に幼年期の子供達で言われる言葉で、いまはDCに所属しているエリカ・シモンズも幼いころに言われた言葉だ。そしてコーディネイターの子供達はコーディネイターであるが故に、
その優れた頭脳から投げかけられる言葉が真実である事を認め、なにも反論する事が出来ない。
人は感情で動く生き物だ。理念や論理、道徳を謳っても限度はある。人の心に完全な戒めを敷く事は出来ない。シンも、多少不愉快な思いをした経験がないわけではない。
「そりゃあ、すこしは。でもよその国に比べたらマシなんじゃないですか? それに自分で言うのもなんですけど子供同士の悪口です」
「そうだな。それで済むならいいが、プラントの連中の場合それが武力行使に出るほどひどかったという事さ。プラント理事国に自分達の仕事の成果を絞りとられ、
人間として最低限の権利を要求しても認められず弾圧され、独立を目指して行動すれば同胞のいたプラントを核の炎で焼き尽くされた……。
“血のバレンタイン”。ユニウスセブンの破壊は、やはり決定打だったな。
自分の家族が戦争には何のかかわりもないのに、理不尽な殺され方をすれば、いやがおうにも人は怒り、憎悪を募らせる。それを押しとどめる理性や、『何か』がなければな。
極端かついやな例えですまないが、君のご家族に、そうたとえば、オーブに連合が核を打ちこんだとしたら、君はどうする?」
「……連合を、絶対に許さないと思います」
「その気持ちが、ナチュラル全体に向けられているのがザフト兵さ」
「……」
「半分くらいはな」
「じゃあ、残り半分は?」
「至って人間的な理由だ。自分の家族や祖国を守りたい、謂われなき暴力から戦う力の無い人を守りたい、自分が戦って、少しでも早く戦争を終わらせて、平和な世界を……。
誰かの為、守りたい人の為に戦う。それが残り半分の連中だろう」
「それは、誰だってそうなんじゃあ?」
「戦争をする理由なんて大抵似通っているものだよ。なぜなら戦争をするのは何時だって人間なのだから」
「それでいうと、ナチュラルもコーディネイターも変わらないっていうのがローレンス三佐の考えなんですか?」
「根の所はそう変わらんだろうさ。話が長くなったが、要するにザフト兵も私達も連合の兵も突き詰めれば五十歩百歩の範疇におさまる。それだけだ」
「でも、それでも戦争をするんですね。人間は」
「人間だからな」
ローレンスは軽くシンの肩を叩いて、格納庫を後にした。悩めるシンを見守る様に一度だけ振り返ったが、うつむいてローレンスの言う事を自分なりに解釈しようとしているシンは、それに気付かないままだった。
ジンが6機ほど配備された小規模な基地に、シンを乗せた輸送機は到着した。一応、付近に近付いた段階で不測の事態に備えて、シンはエムリオンで輸送機の護衛についている。
前回の反省を活かし、ビームライフルとビームサーベルは置いてきて、ミサイルコンテナの代わりに追加バッテリーとブースターを背負っている。
機動性はグンと増したが、並のパイロットでは扱えないじゃじゃ馬の仕様になってしまった。
そこは、ロンド姉弟とビアン直々に扱かれて天性のセンスを開花させつつあるシンが、きっちりと手綱を握っていた。おそらくジンなら4機位は相手にしても引けは取らないだろう。
「あれがザフトの基地か。補給用の小規模な基地だって話だけど。大丈夫かな?」
輸送機が無事着陸するのを見届けてから、シンもエムリオンを滑走路の近くに着陸させ、ぐるりと周囲を見渡す。
「ん?」
すると、ジンとは別になにか格納庫に別の機体があるのが見えた。赤い装甲の、シャープな機体だ。背に何か大きい装備を背負っている。
「ザフトの新型? にしても無防備過ぎないか? せめてシートで隠すとか、完全に引っこめるとかすればいいのに」
とりあえず映像の記録は残しておくか、とカメラをいじっている時に、ローレンスから通信が入る。
『シン』
「あ、三佐」
『私はこれから傷病兵を引き渡してくる。君はそのまま待機だ。大丈夫だとは思うが、油断するなよ。我々にとっても彼らにとってもお互い、これからどうなるか分からない相手だからな』
「はい」
そっか、そうだよな、と気を引き締め直したシンは、いささか気負いすぎた表情で周囲のジンやザフト兵をモニター越しに睨みだした。ま、良くも悪くも単純だ。
シンの意気込みに反してローレンスと基地司令との間では、傷病兵の引き取りはスムーズに行われた。お互い腹に一物あってもおかしくはないのだが、
まだプラント本国がDCにどのような反応をするか明確な方針を決めていないし、こうも目と鼻の先にある武装集団を下手に刺激したくないのだ。
DC側にしても、連合とザフトを一度に相手をする体力と戦力と資金と人材と、と挙げればきりがないほど不足しているものがあるのだ。
「旧オーブが保護していた傷病兵を無事お返しできて幸いです」
凛々しい眼差しを受けて、黒服の基地司令は重々しく頷いて答えた。どことなく敬意めいたものが浮かんでいる。
「確かに。しかし南アメリカ合衆国の最高のコーディネイターと謳われた“ヘル・ファイター(地獄の戦士)”ローレンス・シュミットが、オーブに潜伏していたとは」
「古い通り名です。今の自分はディバイン・クルセイダーズのローレンス・シュミット三佐ですので」
「いや、失礼。同胞としては噂に名高い貴方が、味方でない事が残念でならない」
ローレンスは曖昧な、しかし好もしい笑みを浮かべて司令室を辞した。滞りなく傷病兵の変換がすみ、彼の肩の荷も下りたと言ったところか。
「さて、もう一つの肩の荷を下ろすとするか」
基地の食堂で、わかめうどんにトッピングとしてわかめの天ぷらを追加したわかめ天うどんを食べていたアスラン・ザラは、自分の前に座った相手の着衣が見慣れないものであると気付き、名人の書いたような秀麗な眉を寄せた。
「失礼、ここは空いているかな?」
「構いませんが、貴方は?」
「ディバイン・クルセイダーズ、ローレンス・シュミット三佐。本日は旧オーブで保護していた貴官らの同胞を返しにお邪魔させてもらってね」
「DCの!」
がた、と音を立てて椅子から立ち上がるアスランを、ローレンスは隻眼で押さえた。あくまで敵意の浮かばぬ瞳だった。
「せっかちだな。先程言ったとおり傷ついた君らの同胞を返しに来ただけさ。誓って言うが、彼らに暴行など加えてはいないし、尋問もしていない。立場は違っても同じコーディネイターとして、世間話位はしたがね」
落ちつき払ったローレンスの言葉と物腰に、どうやら嘘は、少なくとも嘘を吐く理由はないと判断したアスランは、態度を軟化させる。
「そうでしたか。しかし、まだ我々ザフト、ひいてはプラントとDCの間には明確な条約もなにも無く、それ以前の問題では? それがこうして食堂まで入ってきて良いので?」
「はは、気真面目だな。君は。別に君らの新型兵器を覗いたわけじゃないんだ。そう気色ばまなくてもいいだろう? 何、少し君への伝言を頼まれていてね」
「おれに?」
「ああ。『自由は禁忌のガラス筒へ。ガラス筒はかつて人の根幹を覗いた場所』。洒落た伝言だろう?」
「何を……。自由? まさか!」
「さあ? 私はメッセンジャーボーイでね。では、アスラン・ザラ君。戦場以外のどこかでまた会えると良いな」
自由が示すものに思い至り、立ち上がるアスランを置いてけぼりにして、ローレンスはそそくさと食堂の出入口まで動いていた。いつの間にか、という他ない早業だ。
「ああ、それと。君の新型、もう少し隠そうとしたらどうだね? 輸送機から丸見えだったよ」
軽く片手を挙げて別れのあいさつにして、ローレンスはアスランの目の前から姿を消した。
「フリーダム……。キラ、か。しかし、誰がその事を?」
このままローレンスを追いかければ問い詰める事も出来たのに、なぜか、アスランはそうはしなかった。理由は自分にも分らない。
「だが、簡単に信じていいものかどうか。禁忌のガラス筒……何を暗示している?」
ローレンスの残した言葉に迷いを覚えながら、アスランは新たな乗機であるジャスティスの所へと足を向けていた。ロールアウトしたばかりで色々と調整を細かくしなければならず、また動力源の関係上、そうそう簡単に基地の整備員に手を出させるわけにもいかない。
基地のフロアを歩いていたアスランに、二度と聞く事の出来ない筈の声が聞こえて、アスランはそれまでの思考を完全に停止させた。だって、この声は……。
「アスラン!」
「ニコル!?」
少女とも見間違う線の細い顔に、翡翠の様な色の髪をしたアスランより年下の少年が、反対側の通路からアスランの所に小走りに近づいてくる。アスランと同じザフトレッド
――アカデミーにおいて卒業成績上位十名にのみ着用が許される赤服を着ていることからして、可愛らしい外見にそぐわぬ実力の持ち主らしい。
額や腕に包帯を巻き、頬や首筋にガーゼが当てられているが、体を動かすのに支障はないようだ。
「お久しぶりです、アスラン。こんな所で会えるなんて思いませんでしたよ!」
「それはこっちの台詞だ! だってニコルはあの時」
それはアスラン率いるザラ隊が、足付きと呼ばれてたアークエンジェルとオーブ近海で死闘を繰り広げ戦いの事だ。
キラ・ヤマトの駆るストライク一機に、アスラン達四機のG兵器は劣勢になり、遂にはなかばアスランを庇う形でニコルは乗機であるブリッツと共に倒されたはずだった。
「どうも運が良かったみたいです。かろうじてストライクの対艦刀はコクピットを外れていて、後はセーフティーシャッターのお陰としか言いようがありません。
それと、オーブの迅速な対応です。ブリッツをサルベージする為だったらしいですけどね」
「そうなのか。あの状況でよく助かったな。でも、なによりニコルが生きていてくれてうれしいよ」
思わず熱くなる目頭を押さえてしまったアスランに、ニコルは微笑みかける。
「確かに、十中八九は死んでしまう状況でしたから仕方ありませんけれど。でも、アスランはいま一人なんですか? イザークやディアッカは別の隊ですか?」
「あ、ああ、そうだな。積もる話もある。今から時間はあるか?」
「ええ。別の基地のシャトルに行く予定なんですが、近くのオーブ、今はディバイン・クルセイダーズと連合が戦闘していますから、下手に動けないそうです。それでしばらく時間はありますよ」
「そうか、おれもこの基地に来て間もないが、ここのコーヒーは美味いぞ」
「アスランがそう言うなら」
「ニコルが生きていると知ったら、君の父上も母上も、なによりも喜ぶだろう」
「死んだ息子が、実は生きていた、ですからね」
自分で言っておいてなんだが、ニコルも苦笑を浮かべる。思いがけぬ再会に、アスランはしばし陰鬱になっていた気
持ちを忘れ、遅くまでニコルと話しこんだ。ただ、ニコルがアスランと別れた後、こう呟いたのを聞き取る事は出来なかった。
「アスラン、ナチュラルとコーディネイターの構図は、地球とプラントと等しいわけではないようです。僕たちプラントのコーディネイターは、地球のコーディネイターに憎まれている。
僕達はコーディネイターの為に戦っているつもりでも、本当は全然違った。アスラン、僕はいろいろな事を知りました。貴方は、この戦争で何を知りましたか? 何かが変わりましたか?」
アスランの知らないニコルが、寂しげに、そう呟いたのを。
「シン」
「あ、はい」
「引き渡しは無事済んだ。帰るぞ」
「もうですか? なにもトラブルはなかったんですね」
「お約束も、必ずというわけではないらしい」
「お約束?」
「気にしなくていいさ」
要は、こういう場面では敵の来襲やら裏切りやらなんやらが起きるのが、軍人として生きたローレンスの経験則であるらしかった。既に輸送機に戻ったローレンスに、シンは撮影しておいた機体の映像をまわして知っているかどうか聞いてみた。
「三佐、この機体なんですけど、心当たりありますか?」
「ふむ。これはおそらくジャスティスだな。オーブに寄港していたアークエンジェルに積まれていたフリーダムの兄弟機だろう」
「じゃあ、ザフトの最新型なんですね。その割にはおおざっぱな扱いでしたけど」
「まだこの基地に来たばかりなのかもしれんな。本来ならこんな場所にあっていい機体ではあるまい。さしずめ、奪われたフリーダムを追ってきたと言った所かな」
「最新型って大変なんだなあ」
(お前の乗ってるエムリオンも最新型なんだが)
現在DCの主力であるエムリオンには、OS、バッテリーともに最高基準のものが使われているし、特に推進機関であるテスラ・ドライブなぞはこの世界の技術ですらないのだから、他の勢力からすれば垂涎の品なのだ。
フリーダムとジャスティスもまた別の意味で世界に影響を及ぼす代物だけれど。
まあ、ローレンスも大人なのでそこまで突っ込む気にはなれず、黙って輸送機のシートに腰かけ、次の連合との戦闘がいつ頃かと、しばし残った左目を閉じて考えにふけった。
(しかし、シン。どうしてDCの私がザフトの最新鋭の機体の事を知っているとか、そういう疑問は持たないのか?)
ローレンスは素直すぎるシンの将来が軽く心配になった。なんというか、良いように言いくるめられて利用されそうな気がするのだ。DCに所属している今も、大して変わらないかもしれないが。
なお、ローレンスがジャスティスについて知っているのは大した事情があるわけではない。基本的にザフトの情報関係のセキュリティは目が粗いザルみたいな部分がある。
プラントもザフトも、国家として軍事組織としても未成熟なのだから無理もないかもしれないが、それでも民間人の情報屋に基地のメインコンピューターをハッキングされたりする位だから、やはり少し情けない。
今回、DCに興味をもったその民間人の情報屋ケナフ・ルキーニ経由でDCにザフトの最新鋭機についての情報を伝えてきたのだ。最もフリーダムに関してはアークエンジェルがオーブに寄港した際に骨の髄、もといフレームの髄まで調べ尽くしてある。
そんな風に人の好い心配に耽っていたローレンスだが、慌てだした輸送機のパイロット達の様子に、緊急事態を察して顔を軍人のそれにする。
「連合か? まさかザフトじゃあるまい」
「はい。連合の戦闘機が三機編成でこちらに向かってきます。どうやら偵察部隊に引っかかったようです」
「シンに用意をさせろ。いざという時は私も出る」
「了解」
輸送機からの連絡に、高カロリービスケット・カシス抹茶味をぽりぽり齧っていたシンは、慌てて手元に置いておいたボカリスウェットで飲みくだす。ごくんと音を立ててから、急いでヘルメットをかぶり、エムリオンの機体ステータスのチェックと同時にOSを立ち上げる。
「これが三佐の言ってたお約束か? 面倒だな!」
輸送機の後部ハッチから飛び出したエムリオンのモニターに、高速で迫りくるスカイグラスパー一機とスピアヘッド二機の計三機が映る。
『シン。手間取ると続々と連合の連中がやってきかねん。速攻で片付けろ。もちろんこちらの護衛も忘れるな』
「そんな、無茶言われても」
『やれと言われたらやるのが軍人だ。任せるぞ』
「あ、三佐! 自分だってMS持ってきてるくせに!? ええい、こうなりゃ出たとこ勝負だ」
前回よりは軽い機体を、シンは多少の違和感と共に空中に踊り出させてレールガンの照準を引き絞る。
「戦闘機ならイーゲルシュテルンとマシンキャノンの方がいいかもしれないけど。まずは輸送機から引きはがさなきゃ」
リオン・パーツ右腕部分のレールガンが立て続けに三射し、スカイグラスパー達が散開してそれを回避する。左に旋回したスピアヘッドに狙いを着けて一気にエムリオンを加速させる。
MSサイズながらもテスラ・ドライブによって戦闘機を上回る空戦能力を有するエムリオンは、シンの芽を咲かせ始めた素質によって性能を引き出され、あっという間にスピアヘッドの背後を取る。
「よし!」
トリガーを引き絞る一瞬、スピアヘッドが右旋回でロックオンから外れる。それに合わせシンもエムリオンを動かし、頭部のイーゲルシュテルンの75ミリ弾をばらまいた。
ザフトのMSジンの武器の一つである重突撃銃とわずか一ミリしか違わない口径だ。数を当てればジンさえも撃墜出来る。ましてや航空機ではひとたまりもない。
「当たれば落ちるのに!」
巧みな操縦でスピアヘッドが背後からのイーゲルシュテルンをかわし続ける。
『シン、輸送機から離れているぞ!』
「あ!?」
慌ててこちらに戻ってくるシンのエムリオンを苦笑と共に見つめるローレンスに慌てる輸送機のパイロットの声が聞こえた。「三佐、落ち着いてないで出てください! シンくん一人ならともかく本機を守りながらでは彼も実力が出せないでしょう!」
「分るかね? 彼は素質に恵まれ努力を怠らず、腕もいいが、まだまだ視界が狭く経験が足りない」
「喋ってないでさっさと出撃してください!」
「それもそうだな」
どうも危機感の基準が人よりずれているらしいローレンスが、ようやく重い腰を挙げて格納庫に向かった。
「ええい、当たれええ!!」
レールガンとイーゲルシュテルンでスピアヘッドの逃げ道をふさぎ、一気に加速してあろうことかすれ違いざまにアサルトブレードを叩きつける。戦闘機との空中戦では滅多にお目にかかれないであろう超接近戦であった。
「よし、一つ。ってそんな場合じゃない!?」
シンがスピアヘッドを落す間にスカイグラスパーと残るスピアヘッドが輸送機に取りつき、ビーム砲やミサイルを撃ち込もうとしている。
「やばい!」
間に合うか、脳内で誰何する己の声より早くレールガンがスピアヘッドをとらえる。だが、その瞬間にスカイグラスパーのビーム砲が輸送機をとらえるだろう。逆もまたしかり。
(それでも撃たないよりは!)
シンがトリガーを引くのと同時に、スピアヘッドとスカイグラスパーがそろって爆発した。
「え?」
「一対一に固執しがちだな。これからのDCの戦いでは一対多の戦い方を覚えねば辛いぞ」
シンのエムリオンと向かい合うようにして、赤いエムリオンがレールガンの銃口を、さきほどまでスカイグラスパーの存在した空間に向けていた。
「ローレンス三佐? 遅いですよ! 何やってるんですか!!」
「助けられてそれかね? まあビアン総帥が気にかけるのもわかる気がするな。君は危なっかしい」
器用に赤いエムリオンが肩をすくめる様子に、シンはなんて無駄な技量の高さ何だと軽く呆れた。しかし自分がさんざん苦労した相手をたったの一撃で沈めて見せた実力は認めている。にしてもDCでの自分の上司にはこういう癖のある連中しかいないのだろうか。
ミナといい、ギナといい、テンザンといい、目の前のローレンスといい。
「さて、シン。そろそろ我らDCの防空圏内だ。基地に戻るまでが任務だ。気は抜くなよ」
「……分りましたよ」
ローレンスのザフト基地への傷病者返還から時を置かずして、アスラン・ザラのジャスティスが宇宙へと上がったのだが、それが何を意味するのか、シンには分からぬことであり、また知るよしも無かった。
861 :
660:2007/07/29(日) 01:38:27 ID:???
ローレンス・シュミットは外見と名前だけとある小説から拝借しました。知らない方がほとんどだと思います。
シンはちょこちょこ乗り換えるので、最終機体にたどり着くまで一回か二回は乗り換える予定です。
現在シンの機体はヴァイサーガが三票で一位ですね。それでは、ご助言、忠告、指摘お待ちしております。
総帥はしばらく出番へりそうです……。
862 :
660:2007/07/29(日) 01:43:33 ID:???
続けてすいません。またマップ兵器って単語出してすいません。気をつけていたつもりだったのに。
GJ!
初めて投下に居合わせたがこの興奮感は堪らないww
シンがシンらしくてサイコーっす
ニコル生存も乙です! 秘かに好きなキャラだったから嬉しい
アスランまとも化フラグが立ったか?
個人的な感想としてはちょっと地の文でキャラやMSなどの動きや表情描写を多くしてもらいたいな
というところですが、完璧に私情なので無視してもらって構いません
そして、シンの機体はヴァイサーガに一票
Aで一番好きな機体ですし、シンには格闘系のイメージがあるので
DC系と言う事もあってガーリオンのカスタム機で
個人的に、シンの機体はグルンガストが良いかと。
更に個人的な意見を言うと、計都羅睺剣の代わりに、
>弩級液体金属実体剣『艦式斬艦刀』
を元に作った斬艦刀を持たせてくれれば最高ですw
ヴァイサーガとかの影鏡製の機体は正直DCじゃ無理なんじゃねぇかな。
そもそもビアン生存中に接触すらしてないわけだし……。
初代αでは主人公機だったのに、続編が続くにつれ前座・脇役機に転落していったヒュッケバインシリーズに愛の一票を。
(どこかで聞いたような話だ)
シンの乗ったヒュッケボクサーがソード形態に変形して、ステラが大型機(デストロイ)つながりでダブルGシリーズにのって合体攻撃を振るうってのはどうだろう。
ヒュッケが良いなぁ
皮肉なことにガンダム顔だから世界観的にもおかしくないし
ブラックホールエンジンはヴァルシオンの技術の応用って感じだし
個人的に、シンの機体は“無明”のように近接格闘戦に特化したガーリオンのカスタム機を希望かな。
ヴァイサーガなどの『向こう側』で作られた機体や、ヒュッケバインMk-3などのトロニウムエンジン採用機は無理かと思う。
前者は
>>866が言う様にビアンが生存中にシャドウミラーと接触していないため知っているはずが無いし、後者はトロニウムがまず存在しない。
ビアンSEED氏GJです
で、機体ですが
ステラにビルトビルガー
シンにビルトファルケン(シシオウブレード装備)もなかなかおつなものなんじゃないかと
かなり、少数派な意見だと思うけどね
シンはインパルスで3種のシルエット使いこなしてたし、遠距離もなかなかだとおもうんだ
あれ、OG2でも赤いビルトファルケンで近接しかけた某人の顔がうかんだのはなぜ?
シンにはシシオウブレード使う機体も面白そうだ。
なんとなく思ったんだがシシオウブレードって材質なんだろう?
動力源とか別でもいいからエール・シュヴァリアーを……
バーストレイヴの動きっぷりに惚れた人間としては。
シンには初代ヒュッケバイン(エンジン普通)を格闘戦仕様にしたのが似合うと思う
運命とヒュッケバインって見た目は結構似てるし…
GJ!
シンにはヒュッケMkV、ステラはR-SWORDを引き続きおしてくぜ。
動力は……適当な謎エンジンに換装してなんとかするってことでw
あ、あとボカリスウェットとか飲ますのはやめて欲しい。なんかマップ兵器以上に萎える。
凸=ワカメってクロス物のデフォなのかw
なぁ、時系列的におかしい機体を嬉しそうに提示するのって空しくならね?
>>875 元はネタスレのデフォルトだったが、それをクロススレが小計したんだと思う。
878 :
マロン名無しさん:2007/07/29(日) 16:27:20 ID:CSKnVCLP
いや、ステラと熱愛合体でアイビスの専用機(名前を忘れました)
はどうでしょうか!!
ヒュッケ人気あるなぁ。ガンダム顔だし。羅候剣持たすか?
やはりシンには剣が似合う
そして達人のごとき居合いとかじゃなくそこらへんのチンピラの様に腰だめに構えて突貫がいい
というわけでヴァイサーガに一票
つーかレモン+原型機が無いっつーダブルパンチで作れねーよ
EG、VR系列はテスラライヒだっつってたからレモン関係なくね?
いやまあ、作れないって点には完全に同意だが
パイロットの生体エネルギーを抽出とかトンでも過ぎて実用化する頃には戦争終わってる/(^o^)\
EGとかはテスラ研とはいえ向こう側でしかも異星人達との戦後に作られた物っぽいけど
>>883 ラクスの傍らにはそれも私だの人がいれば大丈夫だよ。
>>885 キラが大量生産されそうなんで勘弁してください。
サイバスターの模造機とかは無理だろうか?
模造するのは外見だけで中身は劣化ヴァルシオンとかになりそうだが
>>886 それ、オリジナルキラがどん底から這い上がるフラグじゃね?
どっちかというと、ロボットヲタの総帥なら版権スパロボの模造品を作りそうな気がしたり。
乙です シンに必要な良き師匠であり、上司だなぁ。
しかしローレンス・シュミットて。なんて、エイリアンシリーズ。
>>889 ヴァルシオンが高さ57m重量550tだっけか?www
テラコンバトラーVwwwww
まあ娘にお願いされてヴァルシオーネなんか作っちゃう人だしなwww
かつての部下はゴスロリオン作るしwww
しかもここでは自分で作っちゃったしw
おしいな、ビアン総帥の出身が第○次シリーズかαシリーズだったらCEコンVとかCEマジンガーとか見れたんだが。
第八話 MXの遺産
モルゲンレーテ社内の一室。擬似人格を持たせたコンピューター達と戦闘用人工知能の開発について論議を交わしていたエリカ・シモンズは、ようやく作業の一区切りを迎えて溜息をついた。
DCの蜂起の準備から、なにかと徹夜が多く、子供と夫の顔もあまり見る事ができずにいる。ゆるくウェーブした茶色の髪を纏めていたゴム紐をほどき、一児の母とは思えぬ美貌に翳る疲労を和らげるために、熱いコーヒーを淹れて飲もうと立ち上がる。
その鼻先に、湯気を立てるコーヒーが差し出された。武骨な手が握ると、どことなくプラスチックのカップもおもちゃじみて見える。
「ありがとう。アルベロ三佐」
「根を詰めるのもほどほどにな。シモンズ主任」
たたき上げの軍人、そんな評価が似合いの四十代から五十代の間ほどの男がいつの間にか、研究室に入室していた。鋭い針のように生え揃った顎髭に、リラックスしている様に見えても常に警戒を忘れぬ歴戦の経験が培った洞察力と胆力を併せ持った鋭い瞳。
DCの軍服を押し上げる筋肉の鎧は弛まぬ訓練のたまものだろう。下手な素人が殴りつければ逆にその手足が折れてしまいそうだ。それがDC所属のアルベロ・エスト三佐だ。
この男の詳しい素姓は不明だが、ビアンと同じ何かを、エリカはこの男に感じていた。言葉にできるほど明確ではないが、なにか、違和感の様なもの。目の前の男は本当はいるべきではないような、いるはずがないような。
顎鬚を太く節くれだった指でいじりながら、アルベロがエリカの目の前のコンピューターに目を向けた。
「どうだ、人工知能の開発は? あいつは役に立っているのか」
「ええ、とても。彼、彼女かしら? のおかげで随分と楽が出来たわ、それにとても刺激的なデータもたくさんね」
「否定はせんがな。役に立っているならそれでかまわん」
そう言って、機嫌がいいのか悪いのか分らない顔で自分の分のカップを手に取る。
「あら? ブラックじゃないの?」
「あれは胃を悪くする」
中身はカフェオレだった。一口すすってから、少し疲れの見えるエリカにまた口を開いた。
「せっかくの人工知能だが、それを積み込む機体があればよいがな。DCにはそれほど余裕がないだろう」
「鹵獲したストライクダガーやジンに積んで試験的に運用してデータを集めるのよ。それから人員の疲労が激しい部隊に配備して、前線の兵士の疲労を和らげるのが主な運用法かしらね」
「あくまで戦争の核は人間ということか。だが。わざわざ戦場に出す必要があるのか? 量子コンピューターのおかげで画面上のデータだけで十分な試験データが得られるのだろう?」
アルベロの言う通り、CE世界においてMSだけでなく大抵の機械機器の実用データをコンピューターの仮想世界におけるシミュレーションからのデータだけで、実用に匹敵する情報が得られる。
つまり、仮想から現実と等しい情報が得られ、わざわざ実物で試用する必要がないのだ。アルベロが初めてそれを聞いた時は、鼻で笑い飛ばしたが。実戦のすべてを、いくら高度に発達した量子コンピューターといえども把握しきれるものか、という思い故にだ。
だから、エリカが実用試験をすると言ったのにはいささか虚を突かれた。アルベロとは違いブラックのコーヒーを口に含んだエリカは、こっちこそ意外という顔で返事をする。
「あら、三佐ならコンピューターの中だけのデータで実用化するなんて言ったら、笑い飛ばすと思っていたんだけど? 技術者として長いことやっているとね、
やっぱり画面の上だけですべてが把握できるわけがないって分るものなのよ。現実に起きる事象の全てを把握するのには、到底人間には無理。なら、人間が作り出したものにだってできやしない。そうでしょう?」
「ふん、その通りだがな」
そういってカップを煽って残りを一気に飲み干し、コンピューターの画面になぜか話しかけた。
「AI1、お前がこんな風に役に立つとはな。結局兵器である事は変わらぬが」
擬似人格コンピューター達とは違う、最初からアルベロが持っていた人工知能が、今この研究室で擬似人格コンピューター達と共同で戦闘用の人工知能をエリカや他のスタッフらとともに開発を行っている。
「AI1に対する貴方の態度って、なんだか『お父さん』みたいね?」
「つまらん冗談だ。こいつの学習に一役買ったのは否定せんがな」
からかうエリカに、表情を変える事無く言い返して、アルベロは少し苦々しそうな顔をした。コンピューターを子供のように扱っていると言われてもどう反応してよいやら、と言った所だろう。
「それで、ここに来た用件はなに? まさか、本当にAI1の様子を見に来ただけ?」
「外れだ。ビアンに少し頼まれごとをされてな。ついでにAI1も連れて行け、だそうだ」
「総帥が? あの人の事だからなにか考えがあるんでしょうね。分ったわ、アイちゃんを直ぐ携帯端末に移すから、少しだけ待っていて」
「……待て」
「何?」
「アイちゃんとは何だ? AI1の事か?」
「そうよ。AI1だから、アイちゃん。可愛いでしょ?」
「……」
絶句するアルベロを、楽しげに見つめながらAI1をアタッシュケースほどの端末に移して、アルベロに手渡す。AI1が必要という事はかなり厳しい戦いに赴くと言う事だろう。
だが、MSが出現してから一年と経っていないというのに、機動兵器の扱いに長年関ったかのごとく熟練した技量を持つアルベロとAI1のコンビはDCでも上位五人に入るMSパイロットだ。よほどの事がない限りは無事に戻ってくるだろう。
残り四人は、評価する側の人によりけりだ。
「しばらくAI1を持って行くぞ」
「パパの所に戻るんですもの。止められないわよ」
これ以上言っても無駄だな、と判断したアルベロは厳めしい顔を拵えたままエリカの研究室を後にした。右手に提げたAI1に視線を向け、それまでとは別の意味で鋭い光を宿す。
「ヒューゴ達とけじめをつけ、お前も兵器としての敗北を学び、これで終わりかと思えばまた戦乱の終わらぬこの世界に来ていたが。運命とやらか、それともラ・ムーの星の力か。……あるいはお前の意思か、AI1? 生きたいというお前の」
AI1は答えない。アルベロも答えを求めての問いでは無い。自分自身で確認するかの様な口調だった。どのような理由にせよ、生きて今この場に立っているのは事実であり、
ビアン・ゾルダークの意思に共鳴してDCに籍を置いているのは紛れもなくアルベロの意志なのだから。
廊下を進む中、こちらに来てからの懸案事項を思い出し、アルベロは苦虫を纏めて百匹も噛み潰したような表情を浮かべた。
「おれとお前はこうしてここにいる。では、メディウス・ロクスとエルデ・ミッテはどうなったのだ?」
アルベロ・エストが愛娘(?)AI1を引き取っていた頃、オーブ本島にある司令室では、
ビアンがモニター越しに宇宙のアメノミハシラに駐留するDC宇宙軍総司令と余人を挟まぬ会話をしていた。
ビアンよりもいくらか年を取った、それでも精強な印象の金髪の男性だ。
DC宇宙軍の紫を主とした軍服に身を包み、丁寧に整えられたあごひげを蓄えている。威厳と気品と知性を兼ね備えた稀有な人物だと、見るだけで分る。
『アメノミハシラの周囲は流石に慌ただしくなったが、今の所問題はない。ビクトリアのマスドライバーが戦闘で損傷し、再建に一月はかかると言うからな。
宇宙に戦力を打ち上げるのもそう容易くはないという事だろう』
「だが、その分カグヤの価値が高まるという事だ。もっとも連合も新たにマスドライバーを建造しているという情報が入っている。宇宙への侵攻がわずかに遅れたと言うだけだろう」
DC総帥のビアンと対等の関係なのか、歯に衣を着せず、言うべき事を互いに言い合っている。
『イズモ級とネルソン級、ローラシア級、それにアガメムノン級、サルベージした艦やジャンク屋を通じて手に入れた艦が多いが、コスモエムリオンの配備で戦力は整っている。連合とザフト、
どちらが来てもやすやすとこのアメノミハシラを明け渡すような真似はせぬ。お前は安心して地上に専念しろ。ビアン』
「ふふ、あいも変わらず頼もしい男だ。しかし、私だけでなくお前までこの世界に来ているとは、な。これも宿縁か。マイヤーよ」
『それはこちらも同じだ、我が友よ。だがこの世界には宇宙からの脅威こそないが母星である地球とそこからわずかにはなれた人々との間であまりのも悲しくあまりに愚かな戦いが繰り広げられている』
「そうだな。故に我らはまた同じ道を選んだ。“選んでしまった”のかもしれんがな」
わずかに自嘲を含めるビアンに、マイヤーはあえて声をかけなかった。人類を鍛えるための悪。それが結果として人類の為になろうとも、その過程で流される血と命と果たして釣り合うものかどうか。
いかに超人的な精神力を持つビアンとマイヤーといえど罪の意識は拭えない。己の行為を罪、悪と認識できるが故に、彼らの元に人が集まるのかも知れぬが。
『……宇宙ではいまだザフトが優勢だ。地上ではアラスカとパナマ、ビクトリアが連合のものになり、ザフトの地上兵力は疲弊している。このタイミングでDCがザフトの側につけば、大洋州連合とジブラルタル基地の前線基地の役割を持たされるだろうな』
「見返りは地上戦力の援護と、アメノミハシラへの援軍、と言ったところか」
自分達の感情を押し殺し、二人は立場に伴う責任、義務を果たす為の会話を交わす。彼らの肩に負ったものは、常人ではとても背負いきれぬ重さと意味を持っている。自分達個人の感情は時に殺さねばならない。
『だが、お互いに食料供給や資源が不足している者同士。通商破壊や海上封鎖をされれば干上がるのは目に見えている。大洋州連合やアフリカ共同体以外にも味方が欲しいな』
「うむ。ザフトのパトリック・ザラ、連合の背後に控えるブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエル。そろいもそろって過激派同士が組織の頂点に立ったものだ。まだ火ぶたは切って落とされてはいないが、場合によっては種のレベルで殲滅戦を行いかねぬ」
『極端すぎるが、それが現実か。しかも決して実現する可能性が低くはない』
そこで、ビアンがそれまでとやや違うニュアンスを含んでマイヤーに一つの質問を投げかけた。
「時にマイヤー。宇宙に蒔かれた種はどうなった?」
『アークエンジェルか。今はコロニー・メンデルで息を潜ませておるようだ。近く、ザフトの例の、新型が所在を求めて宇宙をうろついているのが目撃された』
「そうか。ではそやつにアークエンジェルの居場所を伝えておいてくれ」
『ほう。この世界においてのヒリュウ、ハガネか?』
「候補ではある。その意思も持ち合わせてはいるとは思う。あくまでもこれから次第だな」
『未来次第か。そればかりは神成らぬ身には分からぬ』
「だが、未来を築くのは何時でも人だ」
『時代を造るのもな。では、ビアン、次の定時連絡まで互いの無事を祈るぞ』
「お前こそな」
通信を終え、暗黒をはめ込んだモニターから目を離し、ビアンは椅子から立ち上がって各部署・部隊からひっきりなしに連絡が入る司令室を見渡した。かつての新西暦でもこれに近いものを見た。
自分達こそが世界を守ると意気込む若者たち。連邦に対する反旗を翻す手段としてDCを選んだ者たち。戦いの利権を望みDCに与した者達。そのすべてはビアンがDCを結成したが故に集った者たちだった。
今、ビアンの目の前にいる者達もまた、このCE世界におけるDCの蜂起に集った者たちだ。彼らを巻き込み、自らの運命がどう流転するか考え、すぐさま首を横に振り否定した。
「運命を決めるのも、その道を歩むのもすべては人であり、その意志だ。どのような結末であろうとも、それは私の選んだ道。ならば臆する事など無い、か」
ふっと一つ笑った後のビアンには、いつもと同じ力強く、厳かな雰囲気が戻っていた。まだ、戦いは始まったばかりであった。
アルベロ・エストが仲間になりました。
AI1が仲間になりました。
マイヤー・V・ブランシュタインが仲間になりました。
ガームリオン・カスタムを入手しました。
マハトを入手しました・
ゲッタードラゴンのデータを入手しました。
マジンガーZのデータを入手しました。
グレートマジンガーのデータを入手しました。
グレンダイザーのデータを入手しました。
ライディーンのデータを入手しました。
ラーゼフォンのデータを入手しました。
ゼオライマーのデータを入手しました。
エヴァンゲリオンのデータを入手しました。
エステバリスのデータを入手しました。
各ガンダムのデータを入手しました。
ダイモスのデータを入手しました。
電童のデータを入手しました。
バイカンフーのデータを入手しました。
ツェントル・プロジェクトのデータを入手しました。
ビアン・ゾルダークのロボットヲタ魂に火が点き、炎へと燃えあがりました。
冗談です。
ガームリオン・カスタム以下は冗談なのであんまり本気にしないでくださいね。しかし、DCはむさいおっさんが増えています。華がないですね。華が。
DCの戦力ばっかり強化されていますが、三隻同盟もテコ入れして強化しますよー!
しかし、ローレンス・シュミットが分かる人がいるとは思わなかった。シュミットのモデルは赤い彗星のシャアなので、中の人つながりで種世界に出しちまおうと思いました。中身は別人ですけれど。
GJ!
でもこれからあのキチガイ電波テロリストどもがのさばりだすのかと思うと…orz
おお、GJっすー
>ゼオライマーのデータを入手しました。
クルーゼ冥王化フラグキター(棒読み)
GJです
アークエンジェル組がハガネ・ヒリュウのポジションですか。
正直彼らにあのポジションは無理だろうだなと思ってしまいますよ。
ぶっちゃけ後ろ盾がほぼ皆無に近いからな。
ジャンクギルドぐらいか?AAに味方する物好きは
物好きで思い出したがロウはビアンと気が合いそうだな。どっちも技術者だし。
案外斬艦刀を作ってるのってロウだったりして
GJ!
スパロボキャラの出演条件は死亡キャラであることでシリーズは問わないってところかな?
AAのテコ入れに加入するのはこの条件だと影鏡とかミッテ先生とかアギラか?
ヒリュウポジなのに悪役の巣窟になる三隻同盟もいいな。
死亡女性キャラでDCに入りそうなキャラオウカ姉さま以外にいたっけ?
種と比べるとスパロボにはかっこいい大人が多いな。
命懸けで生き様を示したりと、種にはそんな大人いなかったからなぁ
GJ!
マイヤーとアルベロも来てるのか!DCの人材の多さに絶句する。
基本、死んだ奴が来るなら、はっ!?ククルも可能性があるな!
カガリ達、今のままじゃDCには勝てないよなぁ。
ウォーダン=ユミルとかラズロ=ファーエデンとかレギ=メロウズとかもだ!!
三隻同盟は元のままで十分じゃね?
あれ以上あいつらが調子こいたら碌なことにならん。
ここでいうハガネ・ヒリュウポジってのは、あくまでDCが単独で突っ走りすぎた時に敵対して止める役割ってだけで、
=主人公側陣営、ってわけじゃないでしょ
キャラ的にも、戦い方的にもラクシズには異星人の幹部クラスの機体がよく似合うし、
だからこそ地球製機体で頑張るシン達を応援できる
>>909 どっしり構えて大火力で撃ちまくる連中だからな<ラクシズ
個人的にはゼ=バルマリィ帝国を付けて欲しい。三次αとかOGで帝国の機体が
何種類か出たし、あのデザイン好きなんだよね。ともあれ、どうなろうと作者氏、
期待させて頂きます。
動機の面から考えると、ラクシズ理論に賛同しちゃうような頭の弱い子か
逆に内部から行動を誘導して戦力を利用しようとする頭の回る奴か
DCに遺恨か何かがあるか、の三つくらいか?
ラクシズはほとんどの勢力に利用されて、使えなくなったら切り捨てられる立場が一番しっくりくるような気がするが
残っている敵勢力を考えると、連合か、「一族」につくのが自然に見えるかも。
ブルコスみたいに裏から影響を与えるか、表に出ずに操るかで。
「一族」は定期的に戦争起こして人口の間引きを行っているみたいだから、
シャドウミラーとくっつきやすいかも。
三隻同盟はダイテツ艦長辺りのしっかりとした大人に良い方向に導いてもらいたいな。
種死時点ならともかく種時点ならまだ連中も改善の余地があるだろうしさ。
自由のフルバの時にみんな棒立ちなのは、やはりラースエイレムの効果?
エキドナとアクセルなんかはDCに行っても違和感無いかも
あとトロイエ隊はミハシラかな?
じゃあ、ラクシズは
クライン派をかき集めて生身で放射性物質の掘削作業とか
燃えカスなのでウラン239を捨てたり
愛と正義と自由の鉄拳を振るったり
核炉心からのスーパーパワーで正義のミュータントに変身すればいいんだね!
>ゼオライマーのデータを入手しました。
マサキの人格プログラムが隠しプログラムとして入ってて、搭乗者をマサキのコピーとして
洗脳したりしたら楽しいことになりそうなんだがw
ウルトラマンモチーフにした、シン専用DGG4号機マダー?
DGG4号機はコンパチカイザー修理用パーツとして使われたそうです
正直、さっさとプラズマジェネレーターを完成させてから…
連合とプラントに、DCが使う核融合炉よりも低性能の核融合炉のデータを渡して…
人類の試練の駒にしたら良いとも思う俺って異端なのかな……
……ディス・アストラナガンが来そうな予感
総帥は武器データまでは渡さないからね。
あくまで「自分達の力で」ビアンと言う試練に打ち勝てるものでなければ、
自分を倒す資格はないって考えてると思う。
ところで、サルファやWの時のデータを考えると三隻同盟だけで、つーか、
自由+流星と正義+流星だけでDCに勝てそうな気がしたり。
アストナージがいないとフル改造が(ry
>>924 できるわけねーだろ、頭がいかれてるのか?
OGバランスを舐めすぎ、特にOG2なんてなあ…
まああくまで「ゲーム」のスペックでなおかつ弾薬、エネルギー、精神無限ならな。
>>927 アホか、別ゲームでバランスが全く違うのにそのまま比べるなんてありえないだろ。
あげくに無限だなんて気が狂ったか?
夏だねぇ
930 :
927:2007/07/30(月) 20:42:55 ID:???
924とは別人なんだがな。
無限云々はそのぐらいしねーと無理なんじゃねーの?って言いたかっただけだ。
お前等、荒しはスルーしろよ…
ってか弾薬・EN・精神無限ならボスボロットだけで勝てるだろ。
覚醒使える奴と組ませて無限行動するだけだもんな
サルファじゃファイヤーボンバー活用してできたんじゃなかったっけ?
だって種世界ってもともと補給の話とか整備の話とかでないじゃん。
インパルスの予備パーツは腐る程あるのに、セイバーは「新品持ってきた方が早い」んだもんな。
最前線で戦い続ける艦に予備パーツを供給しなかったのかよ?
補充兵もアビーだけっぽいし……
理由は簡単
話を作る人間が何一つ補給とか整備について知らない素人だから
整備の人間が友人って設定なのに、殆ど出てこないんだもんな
それは修理すると時間がかかるから新品持ってくる方が現実的ってだけじゃないの?
大戦中のアメリカとかソ連も修理に時間がかかるときは新品を持ってきてたはず。
まあ、新品を持って来るのも補給なんだがね
バラバラにされた上に海面に叩きつけられてりゃ確かにセイバーは
新品持ってきたほうが早いだろうが、絶対整備のこと考えてなさそうだよな
ザクの予備パーツまでないってのがそもそもおかしいし
つーか予備パーツいっぱいあるなら人数分のコアスプレンダーをだな
根本的な所で破綻してるな……
話せば話すほど破綻っぷりがあらゆる箇所で明らかになるのが種死クオリティwww
>>941 コアスプレンダーは高価なんだとよ。
それでも2桁台は生産されてるんだがな。
高価って・・・
何のための汎用性で戦闘中にパーツ交換できるシステムなんだか・・・
軍備が限られたあの世界なら真っ先に量産すべき機体だと思うんだ
「合体することでMSにもなれる」戦闘機がコアスプレンダー。
MSじゃないからMS保有台数には数えませんよーって監査の目を掻い潜る為の代物なんだ
使いこなせるパイロットがいない……
>>946 しかしその戦闘機自体が高価で繊細すぎて量産できなかったとさ。
あれか!
変形時に切り離されて母艦に自動で戻るミサイル
あれに金かかったんだな
あれが使い捨てじゃない……技術の使いどころをまちがってねえか?
インパルスは合体システムのせいで精密になりすぎて整備に時間と人手がかかkりすぎるし。
第九話 クライウルブズ
連合艦隊が増援部隊との合流の為、動きを見せずに日々が過ぎ、訓練と哨戒任務に明け暮れていたシン達は、ある日朝五時に叩き起こされた。
いまだベッドから引きずりだした時から変わらぬ寝ぼけ眼のステラを引きずりながら歩いているスティング達と一緒に、指定された地下ドックに向かっていった。
ちなみに寝ぼけたままのステラはアウルとスティングが着替えさせた。ラッキースケベであるシンはなんとも言えないもどかしい気持ちのまま、ステラの着替えが終わるまで部屋の外で待たされる事となった。
そんなわけで、DCの装飾がやや華美な軍服をそれぞれ着崩したスティングとアウルが二人してステラの両腕を掴んでずるずると引きずっている。
スティングも普段なら鋭い刃の軌跡のような瞳を歪めて困った顔でむにゃむにゃ言っているステラを引きずっている。ずりずりずりずり。
ぽやぽやとか、そんな言葉が似合う柔和な顔立ちをさらに緩めたステラは、もうしばらく起きそうにない。秋のリンゴの様に赤らんだ頬に煌く金髪が幾本か輝き、ステラ自身が輝きを放っているかの様にシンには見えた。
呆れたようなスティングとは正反対に、ぶつぶつ文句を言っているアウルに、シンが今回の呼び出しの理由を聞いてみた。
「何だろうな? おれ達に呼び出しって?」
「別に命令違反とかしてないし……。テンザン隊長がなんかやったのかな?」
「だ〜〜れがなんかやっただってえええ? ああ? アウルうう〜〜」
「ぎゃあ!? てて、テンザン隊長! いつの間に」
何時の間にか気配を感じさせずに、四人の背後に立っていたテンザンが、ぬめっとした声でアウルの耳元で囁いた。不意を完全に突かれたステラ以外の三人が驚いて背後を振り返る。
DCの軍服に身を包んだテンザンが、朝っぱらから糖分過剰摂が日課なのか、チョコバー片手にそこに立っていた。相変わらず目つきが悪い。
「人のいない所で陰口ぬかす奴は視聴者に嫌われてその内死ぬキャラだぜえ?」
「いや、つい、口を滑らせたっていうか。ほら、隊長は何か聞いてないんすか?」
流石に慌てたアウルが、唇を引くつかせて言い訳を展開する。テンザンは目つきを更に鋭くしてアウルに顔を近づけて、ふん、と鼻を一つ鳴らして済ませた。そこまで短気でもないらしい。
「話題逸らしたな、アウル。まあ良いけどよ。おれも詳しい事は聞いてねえ。どーせ、きっつい任務が下るんだろうぜ? ビアン総帥の性格からして守るだけじゃねえだろうからな」
起きろステラ、とステラの華奢な肩を揺さぶって、テンザンは先頭に立ってズカズカと歩いて行った。シン達は互いを見つめあって、その後を付いて行く。横暴な所があるものの、実力と意外な面倒見の良さは評価している。
エレベーターをいくつか乗継ぎ、その間も起きないステラに辟易しながら、シン達はDCの一部の幹部しか知らない隠しドックへとたどり着いた。
意図的にか照明が落とされ、足元を見るのもおぼつかない。かなり大型の艦船を建造・修理できる規模のドックの様で、暗闇の中でも広大な空間である事が肌で感じられる。
カツン、と軍靴の立てる足音が何重にも重なり、ドックの中に響き渡る。
「ここは? 地下ドックみたいだけど」
「秘密の地下ドックてかあ? 正義のスーパーロボットでもあるんじゃねえのか」
冗談まじりで笑うテンザンの声が広い空間に木霊した時、ようやく周囲の照明が灯されて、この地下ドックの主をシン達の瞳に映し出した。
上下対称の、流線型の銀色の船体を持った戦艦。全長は600メートルを超すだろう。いくつもアンテナや砲塔が突き出し、一目で知れる重厚な造りは目の前の戦艦が傷つくなど想像する事もできない。
その船体には53・3ミリ艦首魚雷発射管8門。406mm連装衝撃砲7基。150mm連装砲6基。88mm対空レーザー機関砲無数。VLSホーミングミサイルランチャー16基。他にもいくつものMSや戦闘機用のカタパルトを備えている。
ザフト、連合、オーブ、その他世界各国のどこにも存在しない型の戦艦だ。
「なんだ、これ」
「すっげー。記録で見たアークエンジェルよりも大きいな!」
「うーん、なあに?」
「これは、噂のスペースノア級?」
「ホ! 良いじゃねえか。こいつはいい戦艦だぜ。こいつに乗れって事かよ」
シンをはじめ、目を覚ましたステラもアウルもスティングも一様に目の前の戦艦の威容に目を丸くして見惚れた。味方なら頼もしく、敵ならばいやになるほど厄介な相手になりそうな戦艦だ。
そうしているとシン達が入ってきたのとは違う方向から、赤を基調としたロングコートを纏った逞しい体つきの壮年の、青みを帯びた黒髪の男――ビアンが姿を見せた。
「そういう事だ」
「ビアンおじさ……じゃなくて総帥?」
ビアンのほか、まっすぐに流れる漆黒の長髪に、貴族的な雰囲気のするマント姿でともすれば冷たい印象を受ける切れ長の瞳のロンド・ギナ・サハクとロンド・ミナ・サハク、
それに見慣れない褐色の肌に額に傷のある男、逞しい体つきに熊みたいな顎髭のアルベロ・エスト、あとはシンも顔と名前だけは知っているソキウス達が3人いる。
「これはスペースノア級万能戦闘母艦壱番艦タマハガネだ」
「お父さん!」
ビアンの顔を見て目を覚ましたらしく、ステラがにぱっと笑みを浮かべる。ビアンも淡く笑みを浮かべて、傍らのスペースノア級を指し示しながら、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「お前達ナカジマ小隊にはこのスペースノア級万能戦闘母艦壱番艦タマハガネに乗ってもらい、地球連合の増援艦隊を強襲してもらう」
「単艦でですか!?」
流石にスティングが驚きの声を挙げる。単艦で豊富な戦力を抱える地球連合の艦隊に殴り込もうなど、正気の沙汰とは思えない。というか無理である。無茶を通り越して無理なのである。
「連合のアークエンジェルの真似事ってか? ヒャハ、馬鹿らしくっていいねえ! 連合の連中も群がってくるだろうぜ?」
余裕なのか戦闘狂の気でもあるのか、テンザンは愉快そうに笑っている。もっとも他のメンツはそう言った性癖はないので、自分達に命じられる任務の過酷さを想像している。
「お前達の他に、今回に限ってギナとギナの直属の部隊を同行させる。ナカジマ小隊はアルベロの部隊としてタマハガネに乗ってもらう」
いつもの貴族風の黒マントはおったギナが、ビアンの傍らまで歩み、尊大な眼差しでシン達の顔を一人ずつ見てゆく。
シンにとってはミナの生まれたままの姿を見た一件の後に行われた地獄を思い出す苦手な相手だった。
「光栄に思うがいい。ディバイン・クルセイダーズ初の特殊任務部隊『クライウルブズ』の一員となるのだからな」
「クライウルブズ……」
オーブっぽくない名前だなあ、とシンが思ったのは内緒である。言ったら何をされるか分かったものじゃない。とはいえなんとなく格好いい名前だし、嫌いじゃない。
ずいとアルベロが一歩前に出て、よく通る低い声で自分の名前を告げる。
「おれがアルベロ・エストだ。クライウルブズのMS隊の隊長を務める。ギナとソキウス達は今回の作戦後別行動になるがな」
既にAI1はアルベロの乗機であるガームリオン・カスタムに積んであるから手ぶらだ。如何にも軍人らしいアルベロの容姿はいささかシンを緊張させた。
良くも悪くも普通の軍人とは違う面々が周りには多い。
寝起きの頭で状況を把握しようとしていたステラが、自分なりに結論を出して目の前のギナを見上げて聞いた。190センチはあるギナ相手だから、首の傾斜もかなりだ。
「ギナお兄ちゃんと一緒に戦えばいいの? それとそこのおじさんと一緒に?」
「そうだ。お前達の他に彼らにも同行してもらう。顔と名前くらいは覚えておけ」
ギナが手招きして、見知らぬ男とソキウス達がシン達の前に並んだ。丸っこい瞳に人懐っこい光の、親しみやすそうな男だった。額の傷が玉に傷かもしれないが。年は二十代半ばくらいか。
「おいおい雑な紹介だなあ。おれはエドワード・ハレルソン! 元連合の人間だが、そこの旦那に説得されてな。あんたらDCに協力させてもらうぜ。あ、階級は中尉、こっちの言い方じゃあ二尉な?」
「フォー・ソキウスです」
「シックス・ソキウスです」
「サーティーン・ソキウスです」
エドワードに続いて感情を感じさせぬ機械的な口調のソキウス達が、まるっきり同じ個性の無い台詞を吐いた。DCに所属しているワン、ファイブ、トゥエルブ達もあまり感情を表に出す事はないが、
彼らと比べてもあまりにも人間味が希薄なソキウス達だった。
血の気の薄い白い肌も、感情と意志の光が灯っていない瞳も、人間の姿をした人形のようだ。人間を前にしているとは思えない気分になって、シンはうすら寒い感触に襲われた。
だから、というわけではないようだが、ギナが新たなソキウス達について口を開いた。
「お前達も知っていようが、ソキウスとはかつて連合が作り出した服従遺伝子を強化された戦闘用コーディネイターだ。ワンやファイブ達は自我を確立させたが、彼らは精神を薬物で破壊され、戦闘行為以外はほぼ受動的で、自ら何かをするという事はほとんどない。
ビクトリアで連合が寄越した戦力だったのだが、ついでに私に同行してもらった」
自分達のいわば前身であると知ったアウルとスティングが、あからさまに不愉快そうな顔をする。自分達もビアン達に助けられなければ、目の前のソキウス達と同じ目にあっていたかもしれないのだ。
「……」
ソキウス達はじっと黙って立ち尽くしている。その様子にいらついたのか、テンザンがギナにこう、聞いた。
「ソキウス達の実力は知ってるがよお、ギナ副総帥。相手はナチュラルだぜえ? 服従遺伝子のあるそいつらには辛い相手だ。ここに残してった方がいいんじゃねえかよ?」
「連合が攻めてくれば同じ事だ。ソキウス等にはタマハガネの護衛を任せる。不殺ならば、ソキウス等も戦えるからな」
「ていうことは、タマハガネ1隻と、MSが11機? ……それで大丈夫なんですか?」
流石に不安そうなシンだ。先日の戦いで目の辺りにした連合の大戦力は恐怖に近い感情と共に脳裏に焼き付いている。
「ほかにもキラーホエールと高速輸送艇が何機か動くが、今回の作戦における我らDCのMSの総数は30に届くまい。臆するのも無理はないがな、シン。
我ら残らず一騎当千とまでは行かぬが一騎当五か当十の腕はある。四、五倍程度の戦力なら問題はない。そもそも洋上での戦いでは連合のストライクダガーは動く砲台程度の事しかできん」
本当かなあ? と首を捻るシンだが確かにテンザンやミナ(ギナも腕前は変わらないと思うので)の撃墜スコアを見れば言う通りなので、やや不安は残るものの納得した。
「出撃は五時間後。お前達の機体は積み込んである。残りの時間で艦に慣れておけ。それと艦長とも顔を通しておくように」
言うや否やギナはすたすたと渡された橋を通ってタマハガネの中に消えて行ってしまい、ソキウス達もそれに追従する。後に残されたエドが、陽気な仕草で肩を竦めて、それに続いた。
アルベロもシン達の顔を一通り見回す。
「若いな。……だが、戦場ではそんな事は関係ない。新兵は初陣で死ぬのがほとんどだ。今ここにいるお前達はその稀な例外だ。だが次の戦場、そのまた次の戦場でも自分達が生き残れる保証はない。生き残りたければおれの指示に従え。
おれは任務の達成とお前達を生かす為に指揮を執る。任務の達成と生き残る事、これを常に頭に入れておけ、いいな?」
言葉は厳しく、しかしどこか優しいアルベロの言葉に、シン達は黙って頷いた。アルベロの言葉に聞き入るシン達に、ビアンが険しい表情のまま激励の言葉を掛けある。
「お前達には厳しい試練であろうが、必ずや成し遂げると信じている。頼んだぞ。シン、ステラ、アウル、スティング、テンザン」
「はい!」
「まあ、おやじの頼みなら聞くっきゃないよねえ? 任せといてよ」
「頑張ってくるね、お父さん」
「全力を尽くします。ビアン総帥」
子供らの頼もしい返事に、ビアンは目元をわずかに緩めた。頼もしく感じているのだろう。それから、やれやれと首を振っているテンザンに向き直る。
「面倒をかけるな。テンザン」
「まったくだぜ。子守まで仕事のうちとは知らなかったし。ま、その分給料はもらうけどよ」
「フフ、口の割によく面倒を見ているようだがな」
「……しかし、結構な数の戦力が抜けちまいますが、大丈夫なんで?」
テンザン自身も不安に感じていたのか、オノゴロ島防衛に方策はあるのだろうか? 虎の子のタマハガネにキラーホエール、加えてDCの誇るエース達がごっそりと抜けてしまうのだ。
元々DCの保有するMSはあまり多くない。オーブ規模の国家としては破格の戦力だし、ヴァルシオンやミナシオーネ、フェアリオンといった規格外の超戦力もあるが、決して無敵の兵器では無い。
戦闘を重ねれば弾薬は消費するし、機体も摩耗する。立て続けの戦闘はパイロットを披露させ、普段ならしないようなミスを誘引する。
連合が総力をつぎこめばビアンのヴァルシオンとて骸を晒す事になるだろう。もっとも、連合もそれ相応の被害を受けるだろうが。
「今のまま再攻撃を仕掛ける事はあるまい。うまく増援を叩けばかなりの期間、攻撃は遅れるだろう。それにオノゴロ島には私とミナ、ワン達ソキウスも残る。戦力の大部分はこちらだ。
お前達強襲部隊の成果次第では、これからの戦いが大きく動くきっかけにはなる。ささやかな贈り物だが、これまで政治的取引や購入した連合・ザフトのMSも積ませておいた。
好きな時に使え。お前とシンの機動兵器への適応性があれば、多少の操縦系統の違いは問題になるまい」
「期待ばっか寄せられてもねえ? まあ、やれるだけやりますわ」
ヒラヒラ手を振りながら、テンザンはシン達を引き連れてタマハガネへと乗り込んでいった。
「ヒヨッコ共は確かに預かったぞ、ビアン。おれ達が戻ってくる場所をなくしてくれるなよ?」
「ふ、任せておけ」
不敵に笑い、最後にタマハガネへ乗船するアルベロの背中を見届けてから、ビアンは踵を返した。
果たしてシン達が、かつてビアンとDCを打ち破ったハガネ隊と成り得るか否か。もっともそれが味方となると、意味が違ってくるのだが。
そして、今一つ。宇宙にまかれたウズミの希望の種。それらがどう芽吹くのか。
キラ・ヤマトとカガリ・ユラ・アスハ――この世界で提唱されたSEED論。救世主の種を持つ者たち。スーパーコーディネイター。ニュートロンジャマーキャンセラー、核動力MS、不沈艦アークエンジェル。
それらのピースに加えてビアンが与えた、ビアンにとってもイレギュラーであるあの機体『ASK―G03Cラピエサージュ』。この世界には、自分以外のエトランゼが存在する。
彼らは、この世界で何を思うのか。ビアンの起こした行動に対しどう応じるのか。この世界に何を望んでいるのか。彼らがこの世界に何を巻き起こすのか――。
それが鉄と血に濡れた道に思えて、ビアンは暗澹たる思いにとらわれるのだった。
「だが、絶望の闇に世界が覆われても、人の意思が歩む事を止めぬ限り、希望という名の光が必ず輝く」
ビアンにとっての希望。未来を切り開く子ら――シン、スティング、アウル、ステラ。今は闘う道しか彼らに歩ませる事は出来ぬが、何時か、世界に平穏が訪れる日を築く為に――
「今は悪鬼羅刹となるを厭わぬ」
グーンを入手しました。
ゾノを入手しました。
ディンを入手しました。
バクゥを入手しました。
タマハガネを入手しました。
やっぱりオウカ姉様は被洗脳キャラでしょうか?
死んだキャラが来る法則だとジジィやババァも・・・
GJw
オウカ姉様は、洗脳をされずに後で仲間になる+取り戻したラピエサージュに乗ってシン達と一緒に戦って欲しいですw
ジジイやババアは、エクステンデッドを実験体扱いするから居たとしても仲間になるのかな?
オウカ姉様は本編の方で散々洗脳されたんでこっちでは味方キャラで使ってください。
仲間にならないと知ったときの絶望はもう嫌だ。
960 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/31(火) 01:18:16 ID:5AMVI63u
個人としてはグラキエースにも出てきて欲しいかな?もちジョシュアと一緒に。んで幸せになってもらいたいが。
さて、シンにはガーリオン・カスタム“無形”(だっけ?)がいいかな?アルトやビルトビをとも思ったけど、あれって格闘特化の機体でもシンのスタイルとずれてる思うし。
それ以外だとグルンガスト参式とか剣を持った機体だよなぁ
無明な
散々言われてるシャドウミラー機体不可能説だけど
ラピエサージュ内のデータとか残ってないかな
ラピエサージュ、一応アシュセイバーを元に作られてる が
今はラクシズ逝き、どう見てもラクソが量産しそう
一応渡す前にデータ解析ぐらいはしてると思うし
アシュは量産に向いてるから使われそうだけど
ヴァイサーガやソウルゲインみたいな特機は乗り手を選ぶだろうからなあ
クライウルブズktkr!
個人的に、一番格好良いと思う部隊名だったなあ
そういえばシンの中の人がケルベルスなゲームとかあったよな…
GJ!
オウカ姉さんは、アルベロやギナにお持ち帰りされるなり、シン達に説得されるなり、エドやユウナに口説かれるなりで味方になるなら悲しいが洗脳されても我慢する!
シンがヴァイサーガでtueeeeeeeeeeee!!じゃ凄く萎える。
別にリオン系で十分だろ? 破損してもすぐ補修できるんだし。
種にあるまじき濃いキャラ勢ぞろいにおらわくわくしてきたぞ!
>>967 安心しろ。OGsやOG2はともかく、Aのヴァイサーガ主役機のうちの一機って役割にすぎん。
下手したら、主役機のなかで一番使いづらい気体だ。
新スパのリュウセイとか来ないかなぁ
オウカ姉様はやっぱ、洗脳→敵対→救出(この過程は何でも可)→共闘の流れが
私的ベスト。
そしてラクシズのテコ入れが気になる。敵は手強いほど良いからって所で気付いたが、
連合軍にシャドウミラーがいるんなら、敵はもう充分か?ツヴァイザーゲインとか
CE基準で評価したらえらい事になるし。
連合に影鏡って別の作品だろ。
>>968 ヴァイサーガだってOG2でもそんなにバランスブレイカーな強さはなかった気がするけど…
>>970 遊び半分でラクシズに参加して綺麗なテンザンに撃墜されるんだなw
おちゃいなちゃ〜い
やだやだ、もっと強い敵出して〜
新スパのリュウセイはほんとひでぇなwwOGテンザンがマシに見えるw
新スパやると車輪付きMSが大嫌いになるから困る
>>977 MSのくせに接近戦挑んでくるから
鉄壁かけたスーパーロボットのいいカモになるけどな
あの頃の鉄壁スーパーは雑魚の攻撃はほとんど攻撃力10に抑えられた
新リュウセイ参戦
↓
きれいなテンザンと戦闘中に論破される
↓
何度か戦う
↓
きれいなリュウセイ誕生
ウィンキー製は増援のタイミングがいやらしいんだよな……
新スパのリュウセイに用はありません。
ラトマイライとくっ付いたリュウセイが居たら私の所に来なさい!
>>980 そうか?最近のスパロボのほうがむりやりなイベント増援のせいでEターンに迂闊に敵を落とせなくなってるぞ。
>>955 オウカ姉はシン達との相性良いだろうし覚醒後は味方になって欲しいかな
下手したら暴走状態でもスクールの面々と被らせてより暴走するかも知れないが・・・
あとCEで素のヴァイサーガとか出すよりはエキドナ等と接触してデータ取得→参式斬艦刀等、
他の武装に合せて再設計してCE版ヴァイサーガ建造とかのがらしいと思う
985 :
93:2007/08/01(水) 02:47:27 ID:???
「申し訳ありません、三機とも取り逃がしてしまいました」
「それについては、此方側の警戒の甘さが原因なのだ。パイロットである君だけが負うではない。
既に周辺から追撃部隊が出ている、後は彼らに任せて一度帰還したまえ」
申し訳なさそうに頭を下げる青年に対し、フォローを入れると通信を切る。
「彼には厄介な役を押し付けてしまったかな?」
部屋の隅のソファーに座るデュランダルは、デスクに座ったレーツェルに訪ねた。
「新兵のフォローは兵士が必ず通らなければならない道だ。それに先程に彼に言った通り、此度の事態は我等の危機管理能力に問題があったのだ。
彼もそれを理解しているだろう」
そう、全ての問題はザフト全軍の危機管理の無さにある。辺境とはいえ、このアーモリーワンはプラント圏内、しかも軍事基地まで存在しているコロニーだ。
そのコロニーにあろうことか襲撃まで受け、しかも最新のMSまで強奪されたのだ。油断のしすぎも良いところである。
「民兵上がりの自衛組織とはいえ、これは少々深刻だな……ところで諸君」
思考を中断させ、部屋を見渡す、ここはデュランダルと教導隊が会議を行なう『部屋』である。
厳密には『部屋』ではないのだが、この場所は教導隊とザフトでもデュランダル他数名しか存在を知らない密談にはもってこいの場なのだ。
「シン・アスカのインパルス、及び僚機のザクはミネルバに帰還した。既に修理とデータの処理および解析を開始している……」
部屋の中央で腕を組んで立っているゼンガーは無表情のまま現在の彼らの状況を端的に報告した。
「これで、『インパルス』システムのシルエット換装機能は完成に近い状態。ということかね?
「左様……」
デュランダルの問いにゼンガーは静かに頷いた。
「次は先程保護したオーブの使者の件だが、こちらに面会を求めている。」
壁に寄りかかったままの長い紫の髪の男が続けて口を開いた。
「恐らく、先程の事件についても情報を求めてくるだろう。恐らく例の事件との関連性も」
「『オーブ議事堂爆破事件』か……」
レーツェルは静かに呟いた。
「そうだ。あの事件でオーブは多くの人的被害を被った、ただでさえ親連合派の力が強くなりつつあったところにテロ事件、
中立を守りたい代表としては此度の会談をなんとしても成功させたいのだろう」
現在のオーブの状況は実に不安定なものになってきている。
先の大戦により疲弊したかの国は戦後、連合による干渉を強く受けていた。そのため、オーブ政府内の親連合派の影響が強くなっているのである。
「そして現在における最大の問題は……」
「三機の強奪された『G』型だな。もうそろそろ追撃隊から報告が上がるはずだが……」
デュランダルの声は突如室内に入ってきた男によって中断された。
「カイ少佐……」
「おいおい、今の俺は『少佐』じゃないぞ。それより、まずいことになった」
入室してきた日系の中年らしき男、カイ・キタムラはデュランダルの方に向き直すと手にしたレポートらしき紙を読み上げた。
「追撃隊が敵部隊と接触、交戦……全滅した模様です」
986 :
93:2007/08/01(水) 02:48:59 ID:???
すまん、誤爆した。次スレの方だ
そろそろ、埋め
友よ、いまこそスレを埋めるとき!
990 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 19:14:15 ID:L50Zx8sR
応!
991 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 21:06:17 ID:vml7yjsD
刃馬一体!!
ツイーン
埋めろダイゼンガー!武神の如く!!
埋め尽くせ!スレごと奴をッ!!
最新作のOGって面白いんかな?
埋める
スレを駆け抜けろ、トロンベ!その名の如く!
刮目せよ!これぞ我らの奥義!
斬艦刀・一騎刀閃
1001 :
1001:
゚・ *:.。. * ゚
+゚
。 .:゚* + このスレッドは1000を超えました。
゚ 新しいスレッドを立ててくださいです。。。
゚ /ヾー、
r!: : `、ヽ
l:l::..: :.|i: 〉
ヾ;::::..:lシ′ 新シャア専用板@2ちゃんねる
`ー┘
http://anime.2ch.net/shar/