どうなると思いますか?
吉良はJOJOの吉良吉影のことです。
糞スレ立てんなチョン
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
吉良「私の『平穏』を、返してもらおうか…………?」
ドッゴォォォォォン! キラ・ヤマト、リタイア!!
キラたちとは関係ない所で、人知れず変態殺人を犯し続ける
ラクスに目を付ける
ラクス死亡
世界が平和になる
終了
デッドマン吉良なら要人暗殺を依頼されるんじゃね
8 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 13:27:34 ID:aPXHETiw
『おむかえ』が来たというわけだよ 君は寿命なんだ
依頼人によると最も喜んでいる時に恥をかかせて むかえに行くようにという条件だった
再び新聞に載れるな
依頼人の名前?そんな事 君は知らなくていい……
殿!殿中でござる!!殿中でござる!
殿「電柱がどうした?!」
「ここはどこだ?」
確か私は「振り返ってはいけない小道」で“連れて逝かれた”はずだったのだが、目の前の奇妙な光景を見たらここが本当に“そこ”なのか疑わしくなる。
自分が殺したあの少女の言葉通り、ここには平穏などないのかもしれない。
20mほどもある人型の機械が色々な法則を無視して戦っている様を見れば誰だってそう思うだろう。
「さて、これからどうしようか」
わたしの名前は「吉良吉影」。
いつ…なぜ、わたしが死んだのかは、どうしても思い出せない。
ひとつだけ言えることは、自分は決して天国へは
行けないだろうという実感があるだけだ。
これからどうするのか? それもわからない……
ただ…永遠に時が続くというのなら……
「仕事」を「生きがい」にしておけば、「幸福」になれるかもしれない…
13 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 17:46:04 ID:ZrK2f8E6
あの世界に幽霊が見える奴がいるのだろうか
死んだ後の世界が種なんですよ、実は(監督流アドリヴ
15 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/12(月) 19:46:23 ID:tbowF8eT
>9
吉良上野介は名君と誉れ高い好人物
浅野は池沼
吉良じゃなくてプッチを種死世界に乱入させたらDプランにどんな反応をするんだろうか
Dプランとプッチ神父の考え方は少し違うような
Dプランの未来を知るの意味は遺伝子を調べる事で最も適した未来を作る事に対して
プッチ神父の未来を知るの意味はこれから起こる事に対して覚悟できるようにするって意味だし
19 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 16:22:54 ID:VUghWDch
逆に考えるんだもし種・種死キャラがジョジョ世界に来たらどうなるかと考えるんだ
キラを1999年の杜王町に
21 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 18:52:31 ID:aZZRpzQ+
ボマーに気をつけろよ
虹村形兆か写真のおやじに矢で射抜かれてスタンド使いに覚醒
杜王町のスタンド使いだから、力自体はそんなに強いスタンドじゃない気がする
問題は何人目のキラが来たかだな
__...,. - ...,.r__ i' _
/ i'´ / ,.ィ `フ' `ー ´ `i
i i' フ ,r' / ,i'./ ./ / i i `i 、
,. - 、_ノ )ヽ l l/ l, l ,i' l } `i
/ ,r ,. -─ i、ヽ、l l.i i`、 ,i' ,r' } ヽ
V ,〉´,r'´ `ヽ `、i i. ヽ i } ! l _ ノ / ノ / ,!l
、. ,{ l ,. 、 ヽ ヽ‐-、 i'./r,.‐',ニ´... イ,.. - 、 ' ./ i l.i
_ヽニノ ノ ,i. ーミ i i i.l { /,. ‐'ニア_´,.、 i. i ' /,i i
‐- イ r ´ ,r "'´ニン彡-‐ }ノ i ///
,ゝl.ノ ,...、 ,.' ` r' r' r _. ',i'
l l. ''ヽヽ i l (_ r´r_
| l r .._ヽヽ. ) ` t:_,.r=-、〉
l l. ヽ.l ゚ンミ`! __ ... _‐._´ヽ 二..,.r ^)''
ゝl ` ̄´ '"',ニ._´ `` /イ /
l / ヽゝ゚ンヽ /rノ /
l / ` ´ / ,i'
. l i r ′ /
! .__ `- " ,rr ´
i `ー 、 ,i' /.l`i わたしは連ザUもやるし、戦場の絆もやるがね。
. }、 ` - .._ ` // l.l l
i i _. - ´ l i. l
. ,i ヽ、 _. - ´ / i、
/ __ ` ´ ,i' ヽ
/ .l /,ィ_,ー^i / `!
l' /o ,、,! i / ,. - ''ヽ
l. 〉々ン _ i / / ヽ、
} ` ' ,.- ´ i / / \
御曹司かとオモタ
 ̄ ` ニ_−- ,,_ \ 、
__,,... -―――‐ニ=-:、:::`ヽヽ、丶
,. -‐''"____;;;::::-‐::::::::::::::::::::::::::::::::`::::ヾ:',
‐'"´ ̄ ̄ ,.- '"´.::::::: .: :: :: : : : : ::::::::::::::::::::::::ヽ
,.-'´.: . . .: . .: .: : .:::..::::::::::::::::::::::::::::::::::',
/::::/: .: ..: .::.:::: .:::::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', 僕
/::; ィ:::::: .:: .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l は
/::/ /::/:::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::;::::::::::::::::::::::', 種
/'´ /:/j::::::::::::l::::l、:::l::::l:::::::::::::::::l;:::トハ::lヽi::::::::::::::::::::', 世
/:/ l::::l:::::::::;:::l_ヽト、ト、:::::::::::::lヾT''リ〒l::::::::::::::::::::l 界
〃 l:::::!:::::::::ヽirT_フ〒\:、:::::l ゞ‐'‐ l/l::::::::::::l}::! の
/ .! ::;l::::::::::::', ‐''" ̄ ,`ヽ::', j:::::::::::::l:;:l 神
l ::ハ :::::::::::ヽ 、 `` j:/:::::::::l::l` と
_,、 .l.::! .l ::::l:::::::トヽ .. /´!;:::::::::!リ な
. /゙} .// l l:l ';:::ハ::::::ヽ '´_ ̄` /'/::/l/-‐ ┐ る
/ /.//. /. /゙} .l:l ';:l ヽ、l';:丶、 , '´ ,.イ:/ |
/ 〃/ ,' ./ .,' リ rヘ‐くヾ`';:lハ`ヽ ___ ∠ -ァ'´ ノ′ .|
r-、/ ./ / / / ./ i 丶、<`_~ ̄__,,..-‐' |
ヽ l / / y' / l ` − T { , - ┴―- __
`l / / '´ / l 'l l ,.- ''´
{ ', ,. - へ_ l l / _ -
∨ ̄i l , ‐7´ ヽ、 ヽヽ,,.. -‐'´ __ -‐ _
. ', : : ', 「 └ __  ̄ ̄ 「 , - _ -‐'" `ヽ
. ', : : :', ∨ ̄_,`−-、 ヽ l / /
}: : : :', 〈 r'"/ ,ヘl l / /
rゝー ┴--ヘ/ _∠ ', ', ! / /
. i ',ト、___} ', ', l / /
l  ̄`!l ヽ/ ̄丶、 l { {
l l,ヽ / 丶、 ', ',
', l ``ヽ、/ ヽ、 ', ',
キラはバオーに寄生されています
28 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/14(水) 15:51:14 ID:53eWAx9M
バルバルバルバル
>>27 無印種から運命までの3年間は世界中にバオーが伝染して
世界中の人々の脳が食い荒らされて正常な判断力を失う為に
欠かせない期間だったのさ。
バオーなら生身でMSと戦えそう
31 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 16:40:18 ID:V2fNzmTi
投下してもOK?
おk
33 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 17:30:55 ID:atBWxejV
こんなスレにもSS職人がいたのか
例えば、こういう場面を想像してくれ。
君は今、エジプトでタクシーに乗っている。
人を追っているのだが、渋滞に巻き込まれて動けない。
ふと横を見ると、広い歩道がある。
十分に自動車が走れる幅だ。
君が生まれた時代には、馬車しかなかったかもしれないが、
この自動車というものは、燃える水で動き、馬の何百倍もパワーがある。
人がたくさん歩いているが、問題なく走れるだろう。
そこで君は、運転席の上院議員に こう言うはずだ。
「歩道が空いているではないか! やれ!」 と。
もう分かったな。君が頂点なのだ。君が法律なのだ。
「問題ない、やれ!」
35 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 23:58:26 ID:DcxTxNIC
ジョジョ二部にシンかキラがやってきたら
ワムウにぶつかって死亡だろ
キラ「なんでメリケンの事わかったんだこのやろう!」
シンかキラが波紋を習得する
このスレ名を見て「キラークイーンガンダム」なる物を想像した人は既にガノタ脳です
40 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 13:45:08 ID:riflT2QW
キラ「何で腹ピームのことがわかったんだこのやろう」
ジョジョ世界ではスタープラチナ、ザ・ワールドあたりが最強候補だろうけど
どちらもガンダム相手じゃ無力だよな。
ロードローラー落とされてピンチになるスタープラチナが、PS装甲を破れるとは思えない。
キラークイーンはどうか。
触れたものを爆弾に変えるという能力。
もちろんあの程度の爆発ではガンダムには全く効かないだろうが
ガンダム自体を爆弾にしちゃえば簡単に爆破できてしまう。
メイド・イン・ヘヴン→時間を進めてMSを急速に老朽化
クリーム→ガオン
ザ・サン→スタンド太陽を直接ぶつける
ストレングス→ボロいボートを巨大貨物船に変えるんだから戦艦を乗っ取れば
ヴァニラアイスならMSだろうが戦艦だろうが楽勝だろ
プラネットウェイブスの呼び寄せた隕石でMSを破壊できるかどうか
ジャンピン・ジャック・フラッシュはむりぽそう
ダイバーダウンで終了
どんなメカも鉄分を自在に操るメタリカには敵いませんよ。
魔術師の赤→炎を自在に操れるからコクピットの中を燃やしてMSを戦闘不能に
バステト女神→パイロットを磁石にしてMSのコンピューターを破壊
ハイプリエステス→MSと同化
法王の緑→身体を紐状に変えMS内部に侵入しエメラルドスプラッシュ
スタープラチナでもコクピットに接近できれば装甲無視して中身を殴る事が出来るしな
近距離の銃弾に反応できるから時止めとカイロ戦の機動力があればビームもかわせるな。
ミサイルとか爆発する武装はDIOじゃないと難しそうだけど。
それに逃げに入られたら追いつく術がない。
ビーチボーイ(覚醒ペッシ時)なら一撃で勝てそうな気がする
ジョジョ世界ほど鉄分濃くなさそうだからドッピオ殺った時と同じ調子でメタリカ使ったら割と虐殺できそう
「やめろォォォォォ!」
死のわしづかみ――それが今の吉良吉影の状況である。
何処かに引きずり込もうとする無数の腕に必死に抵抗するが、無情にも一ミリたりとも体は動かない。
「私はッ!平穏に生きたかっただけなのだッ!離せェェェ!!」
腕の主たちの存在は定かではないが、吉良は声をかすらせながら叫んだ――
しかし、叫びは真っ暗な深淵に飲み込まれ、反響することはなかった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
見渡す限り広がる水平線に、潮の香り高い風。
太陽は西に傾いて空を朱に染め上げ、警笛が辺り一面に鳴り続けている――
窓が写し出すその光景は、写実主義画家の珠玉の作品さながらであった。
「ここは……?」
それを、吉良は呆然としたまま眺めている。
瞬きを忘れてしまうほど、窓という一枚の絵画を凝視していた。
飽きるまで眺め、太陽が山に向かって沈み、夜の帳が架った頃――吉良はようやく我を取り戻した。
まず自分がベッドに横たわっていたことに気付く。
シーツは清潔そのもので、少し潔癖な吉良に安らぎを与えるに足るものであった。
そして着衣に目を遣ると、何故か青いチェックのパジャマで、着ていたスーツはどこかに消えていた。
体を起こして周りへ注意を向けると、ここがどこかの屋敷の一室であることが予測できた。
何故なら、高級そうな家具類が部屋にしつらえてあり、ここが病室の類であるとは思えなかったからだ。
「フフフ……。フハハハハハハッ!やったッ!私は終わってはいなかったッ!」
状況把握に努めた後、吉良は控え目な狂喜乱舞にうち震える。
生存――それは、吉良を歓喜せしめるのに十分な理由であった。
「フフフ……。神に感謝しなくてはな……」
――その時だった。
ドゴォォォッ!! という屋敷を揺るがす轟音が吉良の耳に入った。
「な、なんの音だッ!?これは……爆発なのか?」
普段、耳慣れた音が巨大化したかのようである。
ガシャァァァン! 次の瞬間、素晴らしい画を写していた窓が崩壊したのだ。
「キラークイーン!!」
破片をキラークイーンで跳ね除ける――!
まるで熱血漫画の吹き出しのようになった窓は痛々しいが、構わず壊れた窓から外を見渡した。
影だ。無数の黒い影だ。
その光景に、吉良は僅かにゾッとした。
映画でしか見たことのないような特殊部隊が、こちらに忍び寄ってきているのだ。
(どうやら、この屋敷の主は要人らしいな。
……私には関係のないことだが)
窓に残った棘をキラークイーンで駆除し、吉良は窓から外に出た。
潮風が心地よい。ああ、自分は本当に生きているのだと再確認し、ウットリとして新鮮な空気を胸一杯に吸い込んだ。
これから平穏な日々が待っていると思うと、初めて女を手に掛けた時のように胸が高鳴った。
「住人が逃げるぞ!一人も逃がすな!」
影の一つが吉良を指差す。そして、その影は二つ、三つとなって吉良の元へやって来たのだった。
「フゥゥゥ……。君達、私はこの屋敷の者ではなくてね。関係ないんだ。
だから構わないでくれないか」
「我々の姿を見たお前を逃がすことは出来んな」
「ヤレヤレ……」
ぎらん、っと吉良の瞳が鈍く光った。
その光は真っ暗で、特殊部隊の隊員たちを戦慄させた。
「……こ、こいつ何者だ!?」
「こ、殺せ!」
隊員たちはその目から、ある光景を連想する。
――昆虫を殺す、子供の姿を。
ドンッ という控え目な三つの爆破音と共に三人の隊員は灰塵となって消えた。
「な、何が起こった!?」
遠巻きでそれを見ていた残りの影は、パジャマ姿の男の所業に目を白黒させた。
――人が一瞬で消えたのだから、無理はない。
「ヤレヤレ……。見てしまったか。ならば、君達も消さなくてはな。平穏な日々のために」
固まっていた影はみるみるうちに消えていった――小さな爆破音と共に。
全てが砂浜の一部になったとき、吉良は屋敷が騒がしいのに気付いた。
乾いた音が飛び交うことから、銃撃戦を繰り広げているのを予測した。
「他にもいたのか。……仲間が失踪したことを知れば、私に害が及ぶやもしれんな。
念のため消しておくか。……スーツも欲しいしな」
吉良は踵を返して屋敷へ向かって歩み始めた。
これからの自分の行動への罪悪感や、嫌悪感はなかった。
単なる作業――吉良吉影を倫理の鎖で縛ることは出来ない。
――完
どうしてもクロスオーバーできません。本当にありがとうございました
シンが1938年のアメリカ・ニューヨークに来たら
58 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 22:22:09 ID:7EcHdAJ2
白人警官にボコられてジョセフに助けられるんだな
時期が合わなくて(ry
シンが1877年のオウガーストリートにいたら
1887年の間違いじゃね?
シン「復讐とは自分の運命に決着をつけるためにある――ッ」
65 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 19:50:07 ID:HJ9EMIB3
種キャラがジョジョ世界に来たら……
どんなスタンドを発現すると思う?
67 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 21:43:53 ID:sh4rylxV
>>64 それどっかジョジョ調のネタ画像であったなw
ラクスにサバイバー
ルナマリアにマンハッタントランスファー
痔「ザ・グゥレイトフルデッドォ!」
とりあえず3部のオランウータンをエターナルに送り込めば最強だと思うんだ。
カーズ様が宇宙鯨になってCE世界にたどり着くとか・・・
質問を質問で返すなと四六時中きれないといかんようになりそうだ
種勢がディアボロにも勝てなさそうな気がするのはなぜなんだろう。
77 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 16:37:34 ID:G2U9tJee
ディアボロはなんだかんだ言っても最強だからな
ジョジョ世界敵キャラ選抜チームVSラクシズ種持ち・名有り戦闘要員チーム
なんだろうこの勝負が見えている感じは。
79 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 18:24:48 ID:70DGhh8t
SS職人さんマダー?
吉良は手にハァハァしないと禁断症状が出るのにあの世界でやってけるのか?
遺伝子を弄って好きな外見の子供を作れる世界なんだから
手がキレイな子もいるだろう、それらを求めて爆殺しまくるんじゃね?
まず職探しか
あの世界で目立たずに平穏に暮らせる職探しって大変そうだなw
遮蔽物、遮蔽物…
今遮蔽物を求めて全力疾走している私はごく平凡な会社員
強いて違うところをあげるとしたら殺人衝動と手首を愛好する性癖があるくらいか──
名前は吉良吉影。どうやら大昔に殺した女の霊に復讐されておかしな世界に迷い込んだらしい…
倉庫の立ち並ぶ見慣れない場所で目がさめてふと見ると頭上を巨大な機械が舞っていた
…馬鹿げた夢だ。そう思っているとその機械は突然私が見ている前で、倉庫に向かって発砲しだしたのだ──
よく分からないがこのままでは死ぬ──状況の変化もわからないまま私は遮蔽物を求め駆け出した
吉良タネテクニック
84 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 20:03:10 ID:tqYSaVGD
石仮面編とコラボできる猛者はいない?
何を?
他のジョジョキャラ使っちゃだめかな?
吉良は無理がありすぎるから
>>86 例えば、こういう場面を想像してくれ。
君は今、エジプトでタクシーに乗っている。
人を追っているのだが、渋滞に巻き込まれて動けない。
ふと横を見ると、広い歩道がある。
十分に自動車が走れる幅だ。
君が生まれた時代には、馬車しかなかったかもしれないが、
この自動車というものは、燃える水で動き、馬の何百倍もパワーがある。
人がたくさん歩いているが、問題なく走れるだろう。
そこで君は、運転席の上院議員に こう言うはずだ。
「歩道が空いているではないか! やれ!」 と。
もう分かったな。君が頂点なのだ。君が法律なのだ。
「問題ない、やれ!」
曲がり角の幽霊ズに捕獲→キラークイーン砕かれて、次に魂をぶっ壊されるってとこで最後の力でバイツァどかん
→目が覚めるとそこは異世界で変な犬型ロボとかが破壊活動してました→やべぇこのままじゃ死ぬ
→逃げてるうちにこのビームは着色料を使用しておりますな趣味の悪い色の虹色光線が目の前に
→間一髪誰かに物陰に引きずり込まれて命拾い、相手は赤い目の妙な餓鬼でした
→妙な餓鬼「お迎えにあがりました!前大戦87機撃墜のエースパイロット、吉良隊長をお迎えできて光栄であります!」
→(゚д゚) ハァ?→妙な餓鬼「直にミネルバの発進準備が完了します。それまで足止めを。自分もお供いたします!」
→何言ってんのこいつ病気じゃねーのと思いながらふと自分の格好をみると妙な餓鬼と同じ様な趣味の悪い赤い制服に時代がかった士官用の黒コートを着ていました
→(゚д゚)
>>86 大丈夫だこんな俺よりお前なら上手くやれる
90 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/22(木) 19:53:15 ID:kUt7bLyI
保守
91 :
86:2007/02/22(木) 22:02:53 ID:???
投下してもおk?
おk
93 :
86:2007/02/22(木) 22:18:19 ID:???
Prologue
ジャン・P・ポルナレフは穏やかだった。
『亀』の中での生活は悠々自適で、自分の肉体が消滅したことも忘れさせてくれた。
「しかし、暇だねェ。もう本は読み飽きたし」
だが、平穏も度が過ぎれば退屈と化すのだ。
亀の中で出来ることと言えば読書かテレビぐらいしかないのである。
毎日の生活が流石に食傷気味で、ポルナレフは変化を望んでいた。
(あの時はよかった……)
振り返るは10年以上前――DIOを打倒すべく向かったカイロまでの旅――失ったものは大きかった。
しかし、非常に充実していたのだ。
苦しさの中にも毎日の生きる糧、すなわち活力のようなものがあの旅にはあった。
だが、今はどうだろうか。
なるほど確かにあの旅にあった苦渋はないが、毎日は怠惰に満ち、
時間を潰す日々――!
(潮時かな……)
この生活から離れる時が来た、とポルナレフは実感する。
元々、しばらくいるつもりでしかなかったため、名残惜しさはない。
「……アブドゥル、イギー、花京院……シェリー。もうすぐ行くぜ。
亀さんよォ。世話になったな。オルボォワール(さよならだ)!」
そうして、ポルナレフは放たれた。
亀から、この生活から、そしてこの世界から――!
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
94 :
86:2007/02/22(木) 22:19:38 ID:???
太陽の光が目に染みる。
見渡す限りの花畑、新鮮な空気、子供たちの喧騒――
(ここは天国なのだろうか)
――しかし、ポルナレフの予測はあっさり裏切られた。
『アプリリウス平和記念公園』と銘打たれた看板が視界にあったのだ。
「天国じゃねェーよなぁ……。アブドゥルたちも居ねェし……。
まぁ『仏教』の『輪廻』って奴か!儲けた儲けた」
ポルナレフは不可解な現象をそれで片付けてしまった。
これが彼の美徳であり、欠点でもあるのだが。
「それにしても腹が減ったな」
ポルナレフの興味は食欲に移った。
しかし、全身を隈無く探すもコイン一枚どころか金目のものや身分証すらなく、
ポルナレフは途方に暮れたのだった。
「飯はまだいいッ!
それより……の、野宿かよォー!ハンサムガイが虫と格闘しながら寝るなんてスマートじゃねェェ!!」
しばらくベンチに腰掛け思索を練ると、
『働いて旅費を稼ぎ、フランスの自宅に帰る』という方針に落ち着いたのだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
95 :
86:2007/02/22(木) 22:21:08 ID:???
その晩は泣く泣く野宿をし、翌朝、ポルナレフは職を探し始めた。
しかし、身分証も持もない男を誰が雇うのだろうか。
「チクショォー!俺の故郷じゃ身分証を見せろなんて言われたことねェーぜ!
都会って冷たいのね……グスン」
窮地に陥ったポルナレフは市役所に向かった。
身分証の発効を試みようとしたのである。
しかし、事件は発効待ちの時に起きた。
「まだかなまだかな〜♪」
「お巡りさんッ!あいつですッ!不法入国者ですッ!」
「このトンチキがァァ!!」
「ゲェェェ!?」
――そう。ポルナレフは市民権を持っていなかったのだ。
警官らに追い回され、ポルナレフはやっとの思いで撒くことに成功した。
しかし、状況は好転しなかった。
「腹は減ったし……住む所はないし……」
木枯らし吹く街をさまよいながら一人ごちる。
そして、むしろさっき捕まった方がよかったのではないかという疑念に駆られた。
前科は付くが、確実にフランスに帰ることが出来るのだ――強制送還という形で。
96 :
86:2007/02/22(木) 22:22:04 ID:???
(議事堂の前で一人デモ活動でもしてやるか?)
端から見ると滑稽かつ壮大な計画を立てている時だった。
「ブヘェッ!」
急転直下の闇がポルナレフを覆ったのだ。
「広告か……」
チラシが木枯らしに舞ってポルナレフの顔面を覆ったのである。
丸めて捨てよう、もしくは鼻でもかんでしまおうと思ったが――
『あなたの活力、素敵です
ザフト軍』
「これは!?」
ポルナレフはチラシに目を奪われた。
――それは、運命のチラシだったのだ。
To be continued
>>96 YES!
YES!
YES!
GOOD JOB!!
ポルポル君キタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!☆
燃え尽きるほどGJ!!
>「このトンチキがァァ!!」
種世界の人もジョジョ風になってる
ジョジョを見るとポルナレフって並のコーディネーターより動体視力が優れてそう
どういう訳か、わけあって十年近く修業したそうだから。シェリーが殺される7年前から。
ベッドの上の『悪魔』が見えてなかったからスタンドの視力って訳でもなさそうだし。
っていうかスタンドの動体視力と反射神経(神…経?まあいいや)の関係で
常人と近距離パワー型スタンド使いの間には半端ないっつか越えられない壁がある
その中でもトップクラスのスタープラチナ、正確精密でなおかつ速いって事はそれだけで武器なんですよ。
ちなみにスタンド同士なら水中で会話とかも余裕です
軌道が読めるとはいえ光の速さで移動する「ハングドマン」を斬るって相当すごいな
吉良は片手にフリーズ喰らいながらact3のラッシュを片手で捌いて圧倒する人間だからな…
棒立ちのMSなんて七面鳥撃ちじゃん
反応が高いからといって操縦がうまいとは限らない
反射神経よくてスポーツ万能な機械音痴なんてざらにいる
つーかせっかくスタンドとか個性あるんだからJOJOキャラにはそれを生かす活躍して欲しい
歩兵とか
>>106 いや、むしろスタンドのモビルトレースシステムをだなぁ……
108 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 22:48:01 ID:8Krz0k6I
種キャラがジョジョ世界にくるSSマダー?
>>106 歩兵だとクロスオーバーポイントが無い気がする
オペレーショントロイだな
メカに詳しい奴が極端に少ないからな
「御多分に漏れず」玩具に詳しい花京院ならハイエロファントにMS取り憑かせて遠隔操作できるだろうが
スタンド使いの中で人並みにメカを扱えそうな奴と言えば吉良とフーゴくらいか?
トリウが今冬発売から発売未定になってるのは涙がでてきた(;ω:)
やべへんなこと書いてたトロイね
トリウってなにさ
カツランの新発明メカじゃね?
トリウをフリウと読んだのは俺だけでいい
種MSって作中で車運転してた奴なら訓練すれば操縦でk(ry
ハーミットパープルを忘れてもらっては困る
ムーディー・ブルースで飛行機を操縦したように、アバッキオならMSの操縦だって楽勝だろ
でもあれ、前に乗ってたパイロットの動きをリプレイして手動で微調整だからなあ……
書いててMSVキャラが乗ったMSあたりを借りればいいような気がしてきたんだが
承太郎「なぁに、戦場の絆は知ってる……
あとは動かしながら覚えるぜ」
私の名前は吉良吉影…33歳、独身。
生きるうえでのモットーは勝ち負けにこだわったり、トラブルや敵を抱え込んだりせずに「心の平穏を保って生きること」
生まれつき人を殺さずにはいられない業を持ち、そのことから幾らか厄介な出来事にも巻き込まれはしたが、
それも生まれ持った自分の顔と名前を捨て去る代償と引き換えにそれら全てを過去のものにすることが出来た。
全く別の人間として生きることに対する問題は少なからず存在はしたが、細やかな気配りと、大胆な行動力で対処していけば
以前と変わりの無い平穏な生活を手に入れることができるはずだった。
そのはずだった。それなのに…くそ…
「一体どこだ、ここは」
奇妙に人間に酷似した姿の機械と、それが放つ趣味の悪い色の光があちこちを飛び交い、それに当たった物が派手な音とともに盛大に吹き飛ぶ
精神の平衡を疑うようなそんな光景が辺りかまわず繰り広げられる中、見慣れない建物の立ち並ぶ道路の中央で
その男、吉良吉影は呻く様にその言葉を口にした
また一棟、今度はずいぶんと近くに立っていた建物が光に貫かれ、空気を入れすぎた風船のように膨らむと
次の瞬間には派手な爆発音を上げ、開口部から妙な形に変形した金属の塊と炎を吐き出した。
炎によって急激に熱せられた空気が頬を打つ。肌を焦がすようなその感覚は、極めて素っ気無く、簡潔に真実を伝えていた
残念ながら現在繰り広げられている危狂い沙汰の光景が現実の、それも自分に極めて密接な関係を持つモノである事
そして早急に何らかの手段を講じなければ、恐らく自分は何ら事態を把握することも無くこの世とのつながりを絶たれるであろう事
それらを精神に衝撃を受けた人間特有のとりとめも無い頭の中で反芻し、その意味を何とか理解する。
思わず口に運びかけた指を意思の力で元の位置に戻すと、何か得体の知れない理不尽なものに対する罵りに近い呻き声を上げ
さしあたっては自分の身を守ってくれる場所を探すために、当ても無く駆け出すことを選択した。
122 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 15:00:41 ID:OGs/0buJ
7巻 42頁 エルメェス
「復讐」なんかをして、失った姉が戻るわけではないと
知ったフウな事を言う者もいるだろう。
許すことが大切なんだという者もいる。
だが、
自分の肉親をドブに捨てられて、その事を無理矢理忘れて
生活するなんて人生は、あたしはまっぴらごめんだし…
あたしはその覚悟をして来た!!
「復讐」とは、自分の運命への決着をつけるためにあるッ!
SSktkr
続きあれば期待
124 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/25(日) 23:57:27 ID:OnWYC+SJ
良スレ?
(あらすじ)
先行研究のブーステッドマンを元にしたエクステンデッド研究をしているラボの視察に来たジブリール。
案内され終わって応接室に戻ってみたらさあ大変。
可愛いモフぬこが器用にもドア(レバー式)を開けてどこかへお散歩に。
こいつは一大事だと警備員一人と所長をお供させ、監視カメラの記録を頼りにぬこを探して裏庭までやって来たのだった……
裏庭、と言ってもそれは入り口から見て建物の裏側にあるからそう呼んでいるだけで別に薄暗く湿っているわけでもない。
雑草が伸びているとか敷地の建物でない部分の中でも面積が狭いとか、そういった他の要素においてなら十分に『裏庭』であると言えたが。
「あのー所長、今無線で脱走した識別番号4E0625も裏庭にいる可能性があるので留意をとの連絡が」
「ああいるよ4E0625。しかも猫ちゃんと一緒」
「あの子供……お腹でモフモフとはなかなかやるな」
建物の陰から裏庭を覗く彼らの視線の先には、日なたで寝転がって猫をモフモフする黒髪の少年の姿があった。
猫を誘う時の指の動きと舌打ちを何回か繰り返すと、ジブリールの愛猫はあっさりと飼い主の下へと駆けて行った。
そしてそれを追いかけて、少年――識別番号4E0625もまた彼ら三人のいる方向へと走ってくる。
『あ、猫!どこ行くんだよ!――うわっ!離せよ!離せったら!』
「よーしよし、お帰りなー。いい子だなー」
「こら、大人しくしろ!――所長、識別番号4E0625を押さえました!」
猫につられて駆けてきた少年を警備員が押さえ込み、所長に向かって確認報告を叫ぶ。
それをちらりと横目で見やるとジブリールは、安堵の息を吐く所長に向き直った。
「所長、このラボは他と同様に識別番号と個人名の併用では?」
「ええ、そうなのですが……この4E0625は如何せん言葉が通じないのですよ。
数字の認識等はある程度は可能なようですが」
「ふむ……ところでさっきこの少年が話していた言語だが、猫好きの知人の蘊蓄で聞かされた旧世紀の南欧系言語に近いようでね。
名前ぐらいは聞き出せるかもしれん。やってみても構わないかね?」
「え、えぇ!?あ、いえ勿論ご自由にどうぞ!」
彼の突然の言葉に狼狽しながらも、所長が半ば反射的に首を縦に振るのを確認すると、
ジブリールは猫を抱いたまましゃがんで少年に声をかけた。
『名前、教えてくれ』
『あんたイタリア語わかるのか!?』
『ゆっくり、ほんの少し。私、ジブリール。ロード・ジブリール。この猫、私の猫』
かろうじて覚えている単語を並べながら、片言でしかない発音で語りかける。
その程度でも慣れた言語が通じる相手が見つかったことが嬉しかったのだろう。
少年は表情を輝かせると、一気にまくし立て始めた。
だがネイティブスピーカーが方言を主体に早口で話す速度にはさすがについていけず、
ジブリールは掴んだ猫の前足を一本、挙手の要領で挙げた。
に゛ゃー。
「んー、ごめんなー。はい、離したですよー。『ゆっくり、はっきり話せ。名前は?』」
『ナランチャ。ナランチャ・ギルガ』
死後種世界に飛ばされたナランチャがファントムペイン関係に拾われて
・スタゲに出てきた少年兵みたいになる
または
・エクステンデッド化して(ФдФ)デストローイ
とか妄想してみたので入り口。
デッドマンズQの吉良みたいに名前以外は何も覚えてないしスタンドもない状態だとか思ったりもします。
ああーナランチャの能力ならG世界にも合うかな
猫の喧嘩ですけど、ニャーニャーなんて声出さないよ
喧嘩時の声は
「マーオ」
これを互いが連呼し合う
交互にやりとりしていくにつれてどんどん伸びる&後部が高音になっていく
こんな感じ
ジブぬこ「マーオ」
猫草ぬこ「マーオ」
ジブぬこ「マーーオ」
猫草ぬこ「マーオ」
ジブぬこ「マーーーオ!」
猫草ぬこ「マーーオ!」
ジブぬこ「マーーーーーーーーオ!!!!!!」
猫草ぬこ「マーーーーーーーオ!!!!!」
ぬこ仮面「Fight!!」
ジブぬこ&猫草ぬこ「ギャフベロハギャベバブジョハバ」
129 :
128:2007/02/26(月) 10:01:50 ID:???
すまん間違えた
ぬこ仮面のところをキラークイーンに脳内修正しといてくれ
130 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/26(月) 19:09:45 ID:IAaMztPo
____
,,. イ゙ ̄、゙ `'´`ヽ、
/, '、 `ヽ `、' , ' ヽ
/ , ', ' 、ヽ, `、 ' , ' ∧
|、ヽヽ, ' ,' ,、 ,' ,' !
|、ヽヽ, ' , ' 、゙ 、 ゙、 ヽ,'|
∨,' , ' , ' ,、 、ヽ、__, ン´ ̄`ヽ
. -‐`,、_ _`_゙__ ゙,// /.:;;}'''',::' ノ
( , --、ヽ、 ____/,∠ヽ,;; ヘ:.:/
ヽ,'`,'U '、 ̄; _, イ_-__,, ソイ l´
` ーャ‐、-ty、'^ ''´_マン'´ , ' /
丶' ̄´,..、 : r'!;´
丶 、_.. , l_
少 、-=‐- ィ' ズヽ,
,_,/ ,ヘ ヽ¨ ´ /,、-‐、<,´-‐ヽァ‐、,、
_, -‐< |l `ヽ/_>‐、 ̄´/>ー' ̄ ノ /ヽ ̄`ー-、
,,-一'´ ̄ `ヽ , ヘヽ、 ` r'´`´Y / _____ `ヽ_
/ ヽ/ `ヽ /`ヽ ヽ/゙7 丶、,'、ソ ,一 / ヽ,/ // ̄ ̄ 7/ ノ `i
ヽ /ヽ ,--'二「l\, ' `ヽ| _/-、,`、 `ヽ/`ヽ// / ̄/ //ヽ/ / |
| ヽ// Τ二l | ,.-iァ,、 l // , ' ,\ | // o ̄ // /`ヽ/゙ヽ/
l/{rzl「] | 二| |/ ノ゚,ゝ| /, 'ヽ ヽ. '、,' ,l l // / ̄/.// `ヽ / ヽ/
ヽ V''「] | 二|,彡ノ斤 | | 'ヽ ヽ ヽ, '/ / 〈 ̄`丶t -一、 / 〈
丿 ∨'T| l]l]l"{ ,ィ 、,っ l | ,' ,' l / ◎ \7 \ -‐ 冫
)´ソ ∀┼ ─+ヽ ヽ',ヌ! |ヽ , ' { l ,-‐、 \rー、 ,ヘヽ `<
」 /丶:苴苴|_ .ル´,ヽ ト-\, 'ヽ ,〈 | / Qノ ,イ _ノ 、 ヽ! :| `ーl
/ / , 〉丶 /`lヘ } ヽ l、ヽ,' ゙|´/ /´ ,、 ‐ _,i /`◎ _/ ,.、 |
| l´ァ / |/ヽ | i'l ∨ _ _ ヽ,// / //ヽ ノ/ `´/、,..\ヽ、
/ 冫 ヽ l _}イ ,ヘ ヽ、U// / /ヽ { { /`l /l ー{,- ニ ´ゥx, ` l
八`ヽ`'´_ .ィ l r 、l '´ l !_l_}____ ヘ/ / | l/゙/| _| |ヘート、i ’_〉 `~/l
/.ナ ´ヽ,、 ノ l ヽ ヽ _,l」._/ーチ─‐ォ ̄ー7=キニ/ / } // ,イ `ヾ:__// l
ム〈_〉_ 〈 _〉´ / ,{ } / __/ / / {_ | 7 /`l / | _ | ヽ、 」
/´,、 r‐'、_,ィー,.{´二 ̄ ̄_><二 7 ̄ ̄7 ̄|´ { |/ ̄ヽ ̄〈 ∨\`´l
| //i (_)_ノ ー'`/ー─ニ二__ _/ ' ,-v-、 ̄/ー ヽ/` lヽ ヽ、ヽ> < | ヽ.
l { ' l (⌒/ //l 、_,.'´ | / ̄/大 大ー|─---== " 丶 | ∧ l ∧
/∧ ヽ-、} /´ | 丿/ / ,-‐,ヽ '´ / } } 、 ∨ ∨ 〉
∨ `丶、 l '`ーヘV /|´ 〆 // __| / / , ' -) ヽ> < /
\ _ベヽ \:____// / /,r´ /\ / ,- ' __,) ∧_/
丿d o l _ / / ̄´:.:.〈 { |_/ ̄` ̄ヽ) ̄´ヽ-‐'´  ̄´
/o _e ーc `ー‐,f二ー、 ̄ ̄´'::.:. ノ ノ^ー゙ ,‐、,冫 __ ,! / 〈
{_ _ _ 。-‐´’ ,,' ̄.:.:.:.:.:. ,-‐(_,´ \ ,.ゞ 'rォ 'リ / >ヽ
| aーo‐ ´'ー-一'、,;:.. /' _ノ / `ーヘヽ、 \ __ゝ/ ∧
ノノdー ____ // ̄_ _ム'∠__'´ _`'__,ト--'´/ < ヘ
( (,ー c´‐└‐─‐‐ _〉〉─‐┘}{└‐─‐┘}{└‐─‐┘/' ∨ |
ヽ ̄>  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`´/  ̄´` ̄ ̄,二/゙二二Tl '´ > < l
∨ \a O <´ ,. '´ ̄ |l Q l| ∧ ∧ 人 l
ジョジョとのクロスオーバーは珍しいな
132 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/27(火) 19:39:11 ID:nTeGC6co
保守
ノミYゝ ミ\
/ミ;三ミ|ミへノノ'ミノ
lミノ _ノ ヽ、`_ \
/レo゚((●)) ((●))゚o \ ほんとは平穏な生活を送りたいんだお・・
| ヽ (__人__)' / |
\ | `⌒´ | /
ノミYゝ ミ\
/ミ;三ミ|ミへノノ'ミノ
lミノ _ノ ヽ、`_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ でも綺麗な女の人の手を取るのが好きだから殺人で警察に追われちゃうお・・
| ヽ (__人__)' / |
\ | `⌒´ | /
ノミYゝ ミ\
/ミ⌒ミ|ミへ⌒'ミノ
lミノ(◎) (◎)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ だからスタンドで証拠無くすお!
| ヽ |r┬-| / |
\ | `ー'´ | /
134 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/27(火) 21:27:16 ID:pd3tVKOl
λλ∧λ
λ):::::)::::::::::(
|:::::::::::::::::::::::::::λ
||:::::::<===O=)
|::ノ( _ノ ::::\
| ⌒(( ●)(●)
.| (__人__) /⌒l ドグチアアア ┌┬┬┬┐
| ` ⌒´ノ |`'''| ―――┴┴┴┴┴―――――、
/ ⌒ヽ } | | ノミYゝ ミ\ ・ /.  ̄ ̄ ̄//. ̄ ̄| || ̄ ̄ ̄||| ̄ ||
/ へ \ }__/ / ′・ /ミ;三ミ|ミへノノ'ミノ /. ∧// ∧ ∧| || ||| ||
/ / | ノ ノ ●=)) ((=●[/____(゚_//[ ].゚Д゚,,) ||___||| ||
( _ ノ | \´ _ / (__人__)’,∴'||_. * _|_| ̄ ̄ ∪|.|. |ヽ. _||
| \_,, -‐ ''"  ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ/ .lO|o―o|O゜.|二二 杜|.|王 中央病院 ||
.| __ ノ | ∈口∋ ̄_l__l⌒l_|_____|_l⌒l_||
ヽ _,, -‐ ''" ̄ヽ、 ̄ `ー'´ __/ ̄ ̄`ー' ̄ `ー' `ー' `ー'
\ , '´ / ./
\ ( / |
\ \ / |
コーヒー噴いたw
136 :
通常の名無しさんの3倍:2007/02/28(水) 00:30:59 ID:Xvyrqu5C
吉良氏
室町時代は「御所(将軍家)が絶えれば吉良が継ぐ」と謳われた、足利一門の中でも筆頭を務める名家。
足利直系の血が絶えれば、吉良一門から将軍が出る事になっていた。
江戸時代は高家として幕府に使え、高家筆頭として扱われ老中も輩出した。
C.E.においてもその血は受け継がれ、ラクス・クラインに使え彼女の権力簒奪と粛清の実行者となった。
またこのラクス・クラインの情夫でもあった。
プラント内に巨大な花が咲くわけだな?
139 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 22:43:50 ID:LfxKvCg3
サンドマン死亡age
140 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/06(火) 13:08:57 ID:UDut7BYA
ネタバレ乙
141 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 11:31:12 ID:mSGupgth
サンドマンならモビルスーツも生身で壊せるな
グランナイツの諸君…合神せよ!
143 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/08(木) 00:03:14 ID:mSGupgth
とりあえず種死キャラのスタンド能力でも考えようか
144 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/08(木) 00:04:04 ID:wBA+CN96
キラ上野介、(ニコルとミゲルとハイネの)仇討ちに参った!
145 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/08(木) 02:43:59 ID:yB8gngcy
>>143 キラはきっと相手の思考を止める能力
ラクスは相手を洗脳する能力だな
カズィはヨーヨーマッだけが友達
いつもの様にいそしむキラとフレイ→その最中に時の加速開始→新記録達成へ
フレイ「すご〜い!初めて五分も持った!」
スタゲに出てきたスローターダガーのどっちかだかに吉良が乗ってたらいいなとか妄想してしまった
150 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 16:19:14 ID:4YtXq8Xi
キラはともかくラクスは絶対丈助の髪型を笑うよな?
そうすりゃ当然、丈助はキレルよな?
種キャラがジョジョ四部の世界に来たら・・・C.E.世界が救われる
152 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/15(木) 10:19:31 ID:5Xxb7Csp
ほす
ミーアがラクスの乳をサザエみたいと笑ったから粛正されたのだよ
154 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/17(土) 06:25:41 ID:mbvAsLaR
ジョジョに保守
「チンタラしてますとそのジェリドみたいな髪型刈り上げますわよ」
「てめー 今 なんつった?」
156 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 15:10:38 ID:QlRUKD3n
保守
シアーハートアタックならギリギリMSを壊せそうな希ガス。
シアーハートはそもそも、
MSの肩じゃなくてパイロットの肩に乗って
「コッチヲミロ〜〜!!」じゃないだろうか。
159 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/24(土) 02:52:24 ID:7HIE8nOL
バッドカンパニー、猫草、パープルヘイズ、プロシュート兄貴、ホワイトアルバム辺りは
種世界じゃあまり強くない悪寒。
まあさすがに猫草はなw
テロすることが前提ならパープルヘイズ、プロシュート兄貴辺りは結構使えるんじゃないか?
ホアイトアルバムはやりようによっては無敵かも?みんな止まるし。
162 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/24(土) 23:12:50 ID:3OOQJxh/
当然この台詞は入るよな
「質問を質問で返すな―――――っ!!」
「疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」
まあ、ラクスは疑問文には疑問文で答えろと教わったんだろうな
もしくは
ラクス様「聞いているのはこっちだこのクサレチンポがァァァアアア!!」(メキャダバア!!!)
次回、「田中理恵脱走」。
人気声優の座、守り抜け!田中理恵!!
ラクス「はーいキラ!甘いの3つあげますよ〜♪しっかりキャッチしてくださいね〜♪」
キラ「フンッフンッ(頭を上下させてる)」
ラクス「いきますよ〜♪ソイヤァ!!!!(三個同時投げ)」
キラ「パクパクパク!」
166 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/27(火) 00:06:32 ID:NIx3TH8k
☆age
ほしゅ
168 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 19:00:59 ID:o48ejQ+Y
スレタイで損してるよな
>このスレ
170 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/30(金) 22:00:19 ID:MQSmnnFp
そしてキラは………考えるのをやめた。
セレーネ「おっと会話がなりたたねぇアホがひとり登場〜
疑問文に対し疑問文で答えるとテスト0点なの知ってたか?マヌケ」
931 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2007/03/30(金) 21:59:07 ID:???
パクリとか何ふざけたことほざいてんだ?
同じガンダムシリーズなんだからパクリではないだろが
わかったか
m9(^Д^)プギャー
173 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 02:57:07 ID:R7zIhZGB
トニオさんならファントムペインを健康にできる。
176 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 21:56:58 ID:C3hK8W4H
しかしアレだな、末期状態のステラなんかにあの料理食わせたら
本体よりデカいアカの山ができそうだw
こんなスレあったのか…
スレタイ見て吉良上野介の方を連想したのは絶対俺だけじゃない
吉良上野介だと現実と変わらん展開なような
気違いに恨みを買ってその気違いの部下に殺されると
「このジョルノ・ジョバーナには世界を平和にするという夢がある」
ジョルノ、ファントムペインに入隊。
「兵器を売るために戦争を起こすようなロゴスを消し去るには、
自らロゴスにならなくっちゃあいけないって事さ」
ジョルノはその知性と大胆な行動によって、着々とのし上がって行く。
ジブリールを自殺に見せかけて暗殺し、戦争における権限を強いものとしたジョルノは、
デュランダル議長と和睦を結ぶ。
ジブリールの失敗の後始末をした功績として、ロゴスの盟主の座につくジョルノ。
もはやジョルノを止められる者はロゴスにはいない。そして、ジョルノの最後の敵となるのは……
「生き残るのは、この世の『真実』だけだ。『真実』から出た『誠の行動』は……
決して滅びはしない……ネオは死んだ……しかし彼の行動や意志は滅んでいない。
彼がこの『レクイエムガンダム』をぼくに手渡してくれたんだ。
そしておまえの行動が真実から出たものなのか……それともうわっ面だけの偽善から出たものなのか?
それはこれからわかる。あんたははたして滅びずにいられるのかな? キラ・ヤマト」
SSマダー
タワー・オブ・グレーでラクスの舌を引きちぎる
185 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/04(水) 01:55:39 ID:Ouqz00Bz
だが断る
MS戦とスタンドの相性がかなり悪い件について
ジョジョキャラ風種死キャラ
188 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/07(土) 00:37:28 ID:uxf9jDVq
保守
どれキラくんの記憶を見てみるかな…
なになに
『時々、新作の主人公など自分より弱い者をイジめると胸がスっととして気分がいい』
『カガリをアスランからムリヤリ奪ってやりたいが、自分たちは兄弟だからできない』
『よくタマキンが汗でムレその位置を戦闘中になおす時、撃墜されやしないかとスリルがあって最高だ』
最低な男だな……こんなヤツをマンガに描いても読者に好かれるハズがない。
おまえは使えんな…
詫びろ!詫助!
保守ッ!
どれザラくんの記憶を見てみるかな…
なになに
『時々、ホーク姉妹で丼するなどカガリに隠れて浮気をすると胸がスっととして気分がいい』
『キラタソにムリヤリハアハアしてやりたいが、放送時間中のホモ行為は番組が終了しかねないためできない』
『よくキラとラクスをいいわけに裏切りを楽しんでいるが、嫁脚本の為だけじゃないことが視聴者にバレないか
とスリルがあって最高だ』
最低な男だな……こんなヤツをマンガに描いても読者に好かれるハズがない。
おまえは使えんな…
194 :
193:2007/04/15(日) 22:40:22 ID:???
>>190さん
勝手に使いまわしてスマソ。
お詫びついでにもうひとつ・・・。
どれエルスマンくんの記憶を見てみるかな…
なになに
『エイプリルフールに、イザークのおきゃっぱは実はズラだと吹いて回ったら、ジュール隊の中で結構評判が良
く気持ちがいい』
『ニコルの墓参りに行く度に「千の風になって」を歌いだしたくなるが、さすがに不謹慎なのでできない』
『実は地球やAAを相手にした作戦のたびにミリアリアにハアハアしている自分を妄想しているが、その瞬間に
限ってTV映りして、視聴者にバレないかとスリルがあって最高だ』
小迂闊で残念な男だな……こんなヤツをマンガに描いても読者に好かれるハズがない。
おまえは使えんな…
JOJO Destiny BATTLE MOVEMENT
ステアウェイトゥヘヴン
その日、世界は狂った。「天 国 へ の 階 段 」は繋がり、時間は加速
した。魂は時間の果てへと連れて行かれ、新しい世界へと転生した。人々は未
来を“体験し”て“還ってきた”。自分が誰と出会うのか、いつ死ぬのか、な
ぜ死ぬのか、戦争はいつ起こるのか、火山はいつ噴火するのか、その全てを知
って“還って”きた。天国を目指す狂った神父によってすべては成された。
だが、“還ってこれなかった者”もいた。すでに死んだ者、神父に殺されたもの、
そして、“忌まわしき”ジョースターの生き残り。彼らは凄まじい輪廻の加速
へと巻き込まれ、そして、恐らくは彼らを忌む神父の無意識が発現し、輪廻の
輪からそのすさまじい加速とともにはじき出された。そのはじき出された者の
中に、嘗ての歴戦の勇者にして、今は緩やかに死期を待つだけにすぎなかった
一人の呆けた老兵がいたのだった。彼の魂は、その残り少ない寿命のせいか、
とても軽かったらしい。輪廻の輪からはじき出された後に、遠く離れた別の輪
廻まで吹き飛ばされてしまうほどに。
第一話「新生」
「ホーラ、何か言えよ、このトンチキがぁ」
「わークセー、こいつオーブクセー!」
「ぶっ殺しちゃえよ!有り金いただいてさぁ!」
明らかにチンピラという感じの四人組が床に這いつくばった一人の少年をサッ
カーボールのように蹴っている。少年は必死に抗おうとしてはいるがいかんせ
ん多勢に無勢だ。
「ああーん!なんだよその反抗的な目はよーぉ!」
「アカデミーのやつだからってチョーしこいてんじゃねーぞこのオーブやろーが!」
「まったくだぜ、このチビグソがぁ!おらぁ!」
何とか立ち上がろうとする所を足で押さえつけられる。それでも顔をだけは上
げて、袋叩きにされていた少年はその特徴的な赤い瞳で相手を睨みつける。す
ると、相手は逆上してさらに暴力は激化した。
CE71、プラント本国。“コーディネータ”、遺伝子操作を受けた新人類で
構成されるこの宇宙に浮かぶ島国にも犯罪は存在する。いくら、彼らが自分た
ちの事を新人類と呼び、“ナチュラ”とは違って進化したのだ、理想の国家を
作り上げたのだと言っても、本質的にはやはり彼らは“人間”だ。犯罪は依然
として無くならず、政府には汚職だってある。今、赤い瞳の少年を袋叩きにし
ているような、弱者をいたぶることでしか快感を得られないような何処にでも
いるチンピラの典型のような連中だっている。
(クソッ、クソオオオオオオオオオ)
悔しい。こんな連中にいいようにされるなど。これでは何のためにアカデミー
に入ったかわからない。オーブ生まれの少年、シン=アスカは胸の中でそう叫んだ。
プラントには、オーブからの、特にコーディネーターの移住者は多い。先の大戦で、
地球では数少ないコーディネータが安全に暮らせる国のはずだったオーブが、
ブルーコスモス――――過激なナチュラ至上主義――――の蔓延する大西洋連
邦に攻め落とされたのだ。戦火と、迫りくるであろう迫害と虐殺の嵐から逃れ
るために、多くのオーブ在住のコーディネーターがプラントへと渡った。シン
はその経緯こそ他人と違うものの、そうしたオーブ移民の一人だった。オーブ
移民は、地球暮らしだったとはいえ基本的にはただのコーディネーターである。
プラントでの生活にも、徐々に溶け込んでいった。だが、彼らを快く思わない
連中もいる。ナチュラを異常蔑視する、ザラ派――――プラントにおける云わ
ば“右派”――――などは、地球に住んでナチュラと少しでも共存していた彼
らを裏切り者と思ってることも多かった。無論、今、繁華街から少し離れた路
地裏でシンを袋叩きにしているチンピラどもは、ただ自分たちの下卑た欲求を
満たすために、それを口実にしているだけなのだが・・・
「ひゃっーはっはっはっ!ヘ ド ぶ ち ま け な!」
連中の暴力はどんどんエスカレートする。シンが、その胸の中で悔しさをかみ
しめていたちょうどその時・・・・・
ガン ガン ガン ガン
「「「「「!」」」」」
突然甲高い金属音が路地裏にこだまする。シンを含めた全員が音のした方向を見る。するとそこには・・
「ノックして、も〜しもし!」
背の高い革ジャンを着たグラサンの怪しい男が立っていた。
「なぁんだぁテメーは!」
チンピラ四人組にでおそらくリーダー格だと思われる男がドスのきいた声でそ
う叫ぶ。だが、その声を全く気にすることなく怪しい闖入者は・・
「うぉっほん、うぉっほん!えーと、なんだ・・・・・」
ワザとらしく咳払いまでして、
「あのー君たち。ひょっとしてその子を袋にしてるのか・・・・・」
だなんて言った。
「あーだからどうだってんだよー」
「テメーも仲間に入れてほしいのかよウヒヒ!」
「こっちがおこんねぇ内にはやく消えやがれ、このトンチキがぁ!」
男の見当はずれな言い分にチンピラどもがいきり立つ。
「おう、兄ちゃんよぉ!悪いことはいわねえから、さっさと消えな!」
リーダー格の男が、サングラスの闖入者に無造作に近づいて行って、メンチを
切る。しまには、鼻をほじって鼻くそを男の顔に詰りつける。
「いちおう聞いとく、こんなことをするのに何の意味があるんだ?」
顔に鼻くそなすりつけられたにも関わらず、男は眉ひとつ動かさずにそう言う。
「あぁん!意 味 な ん て ねーー!!スカッとするからしてるだけなんだよ、このボケー!!聖書にもあるぜ、右の頬にハナクソつけられたら左の頬にも・・・・・・」
「図 に 乗 る ん じ ゃ あ な い、 こ の パ ー プ リ ン が っ!」
それはいきなりだった。突然怒りを爆発させた男のフックがチンピラの鼻柱に
きまる。盛大に鼻血を吹きだしてチンピラは悶絶した。
「「「てっ、てめええええええええええええ」」」
リーダが突然ぶちのめされ一瞬唖然とするも、すぐに逆上して襲い掛かってくる。しかし、
「ドラアアアアアアアアア!」
「「タ、タコス!」」
男のハイキック二連撃で瞬く間に沈黙するチンピラ二人。
「こ、こいつっ!」
最後に残った男が上着から何か取りだそうとするが・・・・
「おい、三下・・・メリケンを探してるなら上着のポケットには無いぜ。ズ ボ ン のポ ケ ッ ト の 中 だ!」
「へっ!・・・うぁあ・・てめっ・・・」
「お前の次のセリフは『なんで、メリケンのこと分ったんだこの野郎っ』と言う!」
「なんで、メリケンのこと分ったんだこの野郎っ!ハッ!」
「そして、さらに次のセリフは『だからどうしたってんだよこの野郎!』だっ!」
「なんで、メリケンのこと分ったんだこの野郎っ!」
男のメリケンパンチが炸裂する!
「ひゃははははは、でかい口たたいた割にはたいしたことな・・・」
「おい、三下!てめぇが殴ってんのは俺じゃあねえぜ!てめぇが殴ったのは・・・」
「セ・・・ッ・・・・コ・・・・・し・・ど・・・い」
「て め ぇ の 兄 貴 分 だ!」
「チョコ兄貴!」
「す き ア リ!」
「ヤッダバアアアアアアアアアアアアア!」
最後の男の顔面に男のストレートが炸裂する。凄まじい叫び声をあげながら、最後の男は吹っ飛んで行った。
「おい・・・・立てるか?」
男が手を差し伸べてくる。それに対してシン=アスカは・・・
「・・・っく!」
思 い っ き り そ の 手 を 振 り 払 っ た。
「・・・・」
思わずきょとんとする革ジャン男。
「立つくらい自分でできる。それに、アンタがわざわざ助けに入らなくたって、
アンな連中!余計な御世話だよ!」
口から出た血を拭いながらシンは立ち上がる。男の強さに、一瞬唖然としてし
まったシンだったが、それでもすぐにいつもの調子に戻る。助けてくれたのは
本当は嬉しいが、生来の負けず嫌いに加え、自分への不甲斐無さが、逆にこの
男に噴出してしまう。
「やれやれだ・・・・こんなときくらい感謝したらどーだ・・シン=アスカ」
「!・・・なっ・・」
「次のオマエのセリフは『何でおれの名前を!』だっ!」
「何でおれの名前を!・・・・ハッ!」
「有名だぜ・・・・教官にやたら噛みつくシン=アスカの話はなぁ、アカデミー
の中ではよぉ・・・・」
「“アカデミーの中”・・・・?」
シンは男のその言葉に反応する。
「おいおい・・・・・・自分の同期生の顔ぐらい覚えとけって・・・」
そう言って男はサングラスを外す。ハンサムだが、どことなくユーモアを感じ
させる顔がそこにあった。
「ジョゼフ=ジョースターだ。ジョジョって呼んでくれ!」
こうして男たちは出会った。「運命」に翻弄された少年と、運命の一族の血をひく男が。
TO BE CONTINUED
やっちまった・・・・・なんかジョゼフの口調が変かも・・・・・
>「お前の次のセリフは『なんで、メリケンのこと分ったんだこの野郎っ』と言う!」
>「なんで、メリケンのこと分ったんだこの野郎っ!ハッ!」
>「そして、さらに次のセリフは『だからどうしたってんだよこの野郎!』だっ!」
>「なんで、メリケンのこと分ったんだこの野郎っ!」
なにやってんだ・・・おれ orz
二回目の「なんで・・・」を「だから・・・・」に脳内変換しておいてください。
>>199 続きを楽しみにしてます。
ナチュラルがナチュラなのは、パラレルワールドであるということを示す要素、
そう考えていいのでしょうか?
(^p^)
露伴「ヘブンズドアァァーッ!」
露伴「吉良はヤマト家の養子になり、エースパイロットとして活躍する…と」
スレタイ見て鰤の吉良イヅルかと思った。
と言っても、漏れと同じことを考えた人は少数だろうけど。
>>204 露伴先生があんなへぼ作品作るわけねぇだろうが
このスカタンがぁぁぁぁぁぁぁっ!!
>>205 はじめからキラつながりでジョジョネタサイトないかなと探して見つけた自分はさらに少数だろう。
>>206 ならばっ
露伴「ヘブンズドアァァァッ!」
露伴「ふむふむ、オーブに恨みを持つ主人公…この主人公という文字は消しておこう」
『してやられた』…ってわけか……コンテナ内の『人形を動かした事』もバレた…
『元から居た住人じゃない事』もバレた……『口に出せない立場の人間』って事もバレた……
…どうやらただの避難民のフリをしてこの艦に居るわけにもいかないらしい
保守
210 :
通常の名無しさんの3倍:2007/04/25(水) 22:14:55 ID:g4+G7sV/
保守
JOJO Destiny BATTLE MOVEMENT の作者様、もし見ていたら次回作の投稿予定をお知らせください。
保守
第二話「マジックを見に行こう!」
シン=アスカは一人で繁華街を歩いていた。せっかの非番で街に遊びに出られ
るというのに、生憎他の友人達はみな何らかの仕事か用事が入っていたために
一人で出かけざるを得なかった。少々残念だ。
「・・・・」
買い物袋を床に置いて、壁に背をつけて一休みする。ふと、いつもポケットに
はいっているピンク色の携帯を取り出してみる。
「・・・・」
“コレ”に“依存”することも少なくなった。自分も変わったもんだ。なんと
なくそう思う。“アイツ”に会ってからだっただろうか。
「・・・・」
確かに自分は変わった。いい意味でも悪い意味でも。少なくとも親友と呼べる
人間が少なくとも二人はいる。なんだかんだ言っても、結局は“一人”だった
昔の自分とは大違いだ。ただ、その二人にさらに一人加えて“四バカ”などと
呼ばれるようにはなってしまったのだが。
「あーら!不思議!コインはきえてしまいましたぁ!」
「「「ヒュー!いいぞー!」」」
どこからか、どことなく聞き覚えのある声と、複数の人間の歓声が聞こえてく
る。シンが声のする方向を見ると・・・
「何やってんだ・・・・アイツ・・・・」
見覚えのある、いやありすぎる男がそこにいた。なにやらタキシードのような
ものを着こんで、頭にはシルクハット、そしてなぜかサングラスをかけている。
身長はかなり高く、体つきもがっちりしている。顔立ちはどことなくひょうき
んさを醸し出している。
「さーて、お次はトランプマジックでございまーす!」
今度は何やら男は手をパンっと叩くと、そこから大量のトランプが出てくる。
まわり集まっている老若男女からおおーっと歓声が上がった。
「・・・・・ハァ・・・・」
溜息をつきながら手にしていた携帯をポケットにしまって、シンは男の方へ近づいて行った。
「はーい!本日はここまでです!またのお越しを!」
タイキードの男が一礼すると、周りから拍手が上がる。そして、地面に置かれ
たシルクハットにコインが投げ込まれた。人々は徐々に去っていく。
「さーてぇとぉ・・・・・何か用か、シン?」
「何やってんだよ・・・ジョゼフ・・・・」
観客に交じってずっとマジックを眺めていたシン=アスカは、タキシードの男、
ジョゼフ=ジョースターに言った。
「てぇか・・・・軍はアルバイト禁止だろ・・・・」
「いいんだよー、ばれなきゃよー。それより・・・・・・」
ジョゼフはズイッとシンの目の前に突き出す。
「・・・・・何だよ、この手は・・・・」
「はぁ?シン、お前頭脳が間抜けか? 見 物 料 に 決 ま っ て ん だ ろ う 。」
「!・・金 取 る の か よ ! 」
「決まってんだろ・・・ほら!」
「あほっ!そんなもんはらえるかぁ、このイモー!」
「イモはお前だ!さっさと・・ん?」
ジョゼフの視線が突然シンの後ろに行く。つられてシンも振り向くとそこには
「・・・・・・・・・・」
金髪のかわいらしい少女がいた。その子がじっとこっちを見ている。たしか、
観客の一人だったはずだ。
「お嬢さん、どうかしたかい?今日のはもう終わりなんだけど・・・・」
「(ジイッッッッッッッッ!)
「いや、だから今日は・・・・・」
「(ジイッッッッッッッッッッッッッ!)」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
「わかったよ・・・おまけで少しやってあげますよ・・・」
上目使いにこちらを見てく少女についにジョゼフは根負けした。そういって、
しまっていた小道具をまた出してくる。
「さて、始めますかね・・」
「満足した?」
「・・・・・うん・・・・」
さっきの時にはやらなかったマジックを一通りやってみせたあと、ジョゼフは
言った。それに対し、少女は茫洋とほほ笑むと、小さくうなづき返す。
(かわいいいなぁ・・・・)
シンは少女に見とれていた。外見年齢より幼い印象の少女だが、それがかえっ
て彼女の魅力になっている。顔立ちもきれいだ。
「さーて、今日はもう終わりだ。お嬢さんもどこか別のところで・・・・」
ジョゼフがそういったその時だった。ふと、何かに気がついたように少女があ
たりを見渡す。
「どうしたんだい、お嬢さん?」
「・・・・ここ・・・・どこ?」
「へっ?」「はぁ?」
シンとジョゼフがまの抜けた声を出す。少女はどこかポワンとした表情であた
りをきょろきょろ見ている。それを見て、二人は顔を見合わせて・・
「ひょっとして・・・・・」
「「迷子かぁっ!」」
TO BE CONTINUED
GJ!
なんか、マジックをやってるジョセフを容易に想像出来たし、
それを眺めてる少女…たぶん、ステラだろうけど、
それも想像出来たw
それにしても迷子はワロタw
×ジョゼフ
○ジョセフ
GJ!!
>“四バカ”
シン、ジョゼフ、ヴィーノ、ヨウランか。レイはバカって感じじゃないし。
>>217 パラレルワールドだから名前を変えてるんじゃないか?
スレ初の二話目乙
GJ
ガンダムSEED・BIZARRE
プロローグ・風の出会い
のどかな日差しが照らす河原。周囲には草木が茂り、ハイキングでもするにはピッタリの場所。そこに、美しさに欠ける音が響いていた。
「うおげぇぇぇぇぇ」
地面に手をつき青い顔で、胃の中のものを茂みに吐き捨てる一人の男がいた。紫の髪と、長いもみあげが特徴的な若者。名を、ユウナ・ロマ・セイラン。オーブ連合首長国を代表する、五大首長家のひとつ、セイラン家の跡取りである。
「くそ、もう少しうまい運転ができないのか……」
ようやく胃の中のものを出し終えて、愚痴を言う気力くらいはできたようだ。
運転手に恨み言を言いながらも、心身に力を込めて立ち上がる。早くトラックに戻らなくてはならない。大事な荷物を運ばなくては……。
そう考えたところで、彼は視界に人影を認めた。さっきまでは気持ち悪すぎて気づかなかったが、大きめの木によりかかって眠っている男がいた。顔立ちも服装も悪くないが、際立っていいというわけでもない。どこにでもいる普通の男だ。
(休みとってピクニックか何かか? いい気なもんだね)
セイランはそう思って、すぐにトラックに戻ろうとしたが、そのとき、更にもうひとつのものに気づいてしまった。
(あ、あれは?)
眠れる男は、それを優しく握っていた。眠りながらも壊れ物のようにそぉっと握っていた。ユウナにとっても、よく見ることのあるその物体。
「えっ……!?……!!……ああっ!?」
それは、『人間の手』だった。手首から切り取られ、赤黒い断面を見せる、一本の手だった。
「う、うわあああああああああっ!!」
思わず、ユウナは叫んでしまった。その叫びが起こす結果は、当然、ただひとつ。
「……む」
男の目覚め。
男は、ユウナを見つめた。そしてうんうんと頷き、『手』を上着の内ポケットにしまう。
「こいつはしまった……あまりに気持ちよかったんで、ついつい気が緩んでいた」
あまりにも自然にそう言うと、座ったまま、
「……私の名は吉良吉影」
「な、なんだって?」
ユウナは、自分の婚約者の弟の名と同じ姓を持つ男に、困惑の声を出す。
「年齢は34歳。1年前、戦争難民の帰還にまぎれてオーブに来た。結婚はしていない。
仕事は『トミノデパート』の会社員で、毎日遅くとも夜8時には帰宅する。タバコは吸わない。酒はたしなむ程度。
夜11時には床につき必ず8時間は睡眠をとるようにしている……寝る前にあたたかいミルクを飲み、20分ほどのストレッチで体をほぐしてから床につくと、ほとんど朝まで熟睡さ……
赤ん坊のように疲労やストレスを残さずに朝目を覚ませるんだ……健康診断でも異常なしと言われたよ」
羨ましくなるほど健康的な生活を聞かされ、ユウナはますます混乱する。
「だ、だからどうしたっ」
「わたしは常に『心の平穏』を願って生きてる人間ということを説明しているのだよ。勝ち負けにこだわったり、頭を抱えるような『トラブル』とか夜も眠れないといった『敵』をつくらない。
というのがわたしの社会に対する姿勢であり、それが自分の幸福だということを知っている……もっとも闘ったとしてもわたしは誰にも負けんがね」
男、吉良吉影はすっくと立ち上がると、ユウナに対し笑みさえ浮かべて言った。
「心の平穏のため……君には死んでもらわなくてはいけない」
「ひっ、ひいいいいっ!!!」
ユウナは男に背を向け、全力で逃げた。そんなユウナを、吉影は追いかけることもなく、立っていた。だがそれは、何もしなかったというわけではなかった。
「あ、ユウナ様。車酔いは大丈夫ですか?」
ユウナの姿を認めた運転手は、暢気にそう言った。対するユウナの言葉は、
「出せ!!」
の一言だった。
「え、ど、どうかしたんですか?」
「いいから出せ!! 全速力でだ!!」
運転手はわけもわからず、鬼気迫るユウナに促され、アクセルを踏んだ。
トラックが走り去ると同時に、吉影が道路に上がってきた。走り去るトラックを見つめ、やはり追おうとせず、悠然としていた。ちらりと左手を見て呟く。
「どこまで逃げられるかな? 我が『第二の爆弾』から」
(あれはなんだなんだなんだ!!)
ユウナはいまだに混乱と恐怖の極地にいた。あの男の目。自分を本当に殺そうとしている目。それでもまったく罪悪感や殺す覚悟といった、力を宿さない目。あの男に追いつかれたら、殺される。ごみを片付けるようにあっさりと。
「あれ、ヒッチハイクですよ? 手ぇ振ってます」
運転手の暢気な言葉が非常に気に障った。
「知るかそんなの!! 無視して行けぇっ!!」
ゴオオオォォッ
音を立てて走り去るトラックを見送り、ヒッチハイカーは肩を落とした。
だがすぐ気を取り直し、次の車が来ないかとトラックの来た方を見て、彼は顔色を変えた。
彼は高速で走る『それ』見た。そして、『それ』が自分の前を通り過ぎるのを見送り、直感的に悟った。
『それ』がトラックを追っているのだということを。
そして十秒と経たぬうちに、巨大な爆発音が響き渡った。
「な、何が起こった?」
横転したトラックの助手席で、ユウナは呻いた。奇跡的にかすり傷程度ですんだようだ。
運転席を見ると、運転手も無事らしかった。意識は失っているが、呼吸はある。オーブのトラックの高い耐久力に感謝すべきだろう。
「くっ、あ、あいつの仕業か?」
トラックの下で何かが爆発したようだった。その衝撃でトラックは横倒しに倒れたらしい。
ユウナが外に出て調べると、どうやらトラックのエンジン部分で爆発が起こったらしい。トラックに積まれたコンテナにも亀裂が入り、荷物が半分飛び出ていた。荷物自体に損傷はなさそうだ。
「って、いまは荷物なんてどうでもいい!」
これがあの吉良吉影の仕業だとしたら、まだ終わりではないだろう。
ユウナの考えを裏付けるかのように、新たな爆発が起こった。今度はさっきまでユウナがいた、トラックの中で火柱が立った。ユウナの目の前で、気を失っていた運転手の体がバラバラになって空中に投げ出された。
人間の残骸がベチャベチャと湿った音を立てて道路のアスファルトに落ちる。
「ひ、ひいいいいぃぃぃっ!!」
降ってくる人間の死体を避けながら、ユウナは悟ってしまった。
次が自分の番であることを。
「う、うああああああっ!!」
自分で、それが断末魔だとわかっていて、なお叫ばずにはいられなかった。だが、実際はそれがユウナの断末魔となることはなかった。
何かを殴ったような鈍い音が響き、そして、ユウナから10メートルは離れた地点で爆発が起こった。
「え……?」
そこでようやく、ユウナは自分の側に一人の男が立っているのに気づいた。吉良吉影ではない。
耳まで覆う、角の生えた妙な帽子を被っている。均整の取れた、たくましい肉体の持ち主だ。顔立ちも男らしく、ユウナは少しコンプレックスを刺激された。なぜか爪先立ちをしており、本来よりも背が高く見える。
「事情はよくわからないが……君は『スタンド』に襲われているようだ……」
男が、ユウナの耳元に口を寄せてボソボソと言った。息が生暖かかった。
「ものは相談だが……俺を雇わないか? 命を助ける代わりに……」
男の正体はさっぱりわからなかったが、ユウナはたとえそれが藁であってもすがりたい状況であったし、男は藁よりは頼りになりそうであった。ユウナはガクガクと何度も頷いた。
「よし……契約成立だ。俺の名は……」
男は言葉を切って考え込み、そして言った。
「ウェザー・リポートだ」
それが、青嵐、青葉を吹き渡る、爽やかな初夏の風の姓を持つ男、ユウナ・ロマ・セイランと、風と共に在った、名を捨てた男、ウェザー・リポートの出会いであった。
TO BE CONTINUED
はじめて小説を投稿しました。
好評なら最後まで続けられるよう、がんばってみます。
>>226 ウェザーーーーーーー!!!
あんた最高だぁ、待ってたぜぇ。
ユウナ好きのオレにはたまらんですたい。
つーかウェザーは余裕でMSくらい倒せそうだよなww
どうでもいいがウェザーの頭って帽子なのだろうか?
自分は髪型だと思い込んでたのだが
GJ
続きか楽しみ
好評のようなので、続きを投下します。
「さて、今の状況について説明しよう」
ウェザー・リポートと名乗った男は、やはり耳元で言う。癖なのかどうか知らないが、男色の趣味のないユウナにはあまり気分のいいものではない。
「今、君が受けているのはスタンド攻撃だ」
「ス、スタンド?」
「簡単に言えば、超能力だ」
「はあ?」
超能力。よりにもよって超能力。そりゃいきなり爆発が起きるのは不思議だが、超能力なんてあまりにも馬鹿馬鹿しすぎる。
「信じられないのはわかるが事実だ……目に見えない守護霊のようなものがいて、それが者を動かしたり、様々な能力を使ったりする。それがスタンドという超能力だ」
「……ああ、納得いかないけど、こんな状況だ。ひとまず信じる。それで、どうすりゃいいんだ?」
ユウナはウェザーの真面目な口調に、少しは信じてやる気になった。
「スタンドは一人につき一能力が原則……敵の能力は『爆弾』のようだな」
そう言うウェザーの目には、こちらに向かってくる小型の戦車のようなスタンドが見えた。髑髏の顔を持ち、キャタピラを動かして迫ってくる。
「コッチヲ見ロ〜〜〜」
戦車はそう言いながら、飛び掛ってきた。
「ウェザー・リポート!!」
ウェザーは自らのスタンドを出し、その拳で戦車を弾き飛ばす。彼自身の名と同名のスタンド。何本も角を生やした人型のスタンド、『ウェザー・リポート』。
「突進して爆発する……それがこいつの能力らしい。俺のスタンドでなら、防げる」
「じゃ、じゃあもう安心なんだな?」
「いや……それはまだ早い。この単純な動き。このスタンドはどうやら『遠隔自動操縦』らしい」
ユウナはまた理解できない言葉が出たことに眉をひそめた。それを見てウェザーは説明する。
「遠隔自動操縦とは、スタンド使いが操らなくても自動的に行動するスタンドのことだ。普通、スタンドはスタンド使いの本体から、離れれば離れるほど力が弱くなるが、こいつはそうではない。
しかも、任務を達成するまで決して行動をやめない……このまま防御しているだけでは、いずれ俺の方が先に力尽きる」
「じゃ、じゃあどうするんだよ!」
「落ち着け……手はある」
ウェザーの泰然とした様子に、ユウナはだんだん騒ぐのが馬鹿らしくなってきた。まず話を聞いてみることにした。
「まず、遠隔自動操縦は複雑な動きはできない。今のように突進して爆発するとか、単純なことだけだ」
また襲ってきた爆弾戦車をウェザーは払いのけながら話す。
「そして、こいつはどうやって俺たちを攻撃対象と判断しているのか。その条件がわかれば、こいつの動きを制限することもできる。君は……」
「あ、僕はユウナ・ロマ・セイランだ」
「ではユウナ。君はどのように攻撃された?」
「一度目は、トラックに乗っているところでエンジンを吹っ飛ばされて、二度目は気絶した運転手が殺されて、で、三度目が僕を狙ってきたらしい……」
「なるほど……だとすれば、まず君自身に確固たる目印があるわけではないな。運転手を殺す理由はないのだから。臭いや見た目ではない。そして動きや音でもない。運転手は気絶していたのだから。だとしたら……」
ウェザーは道路の脇の林を見つめ。
「ウェザー・リポート!!」
自らのスタンド能力、『天候を操る力』によって、一条の雷を放った。雷は一本の木に当たり、木を燃やす。炎が燃え上がると同時に、戦車がユウナたちから、燃える木の方に向きを変えた。
「やはり、こいつの攻撃対象は熱だ。温度を攻撃している。最初はエンジンの熱、次に手近にいた運転手の体温、そしてユウナの体温という順番に攻撃していたというわけだ」
木が爆破される。ウェザーはすぐさま別の木にも火を放ち、戦車の気をそらした。
「さて、戦車の動きはこれでコントロールできる。ユウナ、このスタンド使いに心当たりはあるか?」
「あ、ある。さっき人殺しに会った。間違いなくそいつだ」
「殺人鬼か……場所はどこだ? 遠隔自動操縦のスタンドは本体を叩くのが一番いい」
「会った場所はここから1キロくらいだと思う」
「遠いな。そいつが車に乗っていたら、かなり逃げられている」
ウェザーの声に焦燥が混じる。そのときユウナに思いついたことがあった。
「あれが、使えるぞ!」
彼は、トラックに積んでいたコンテナを指差した。
「動かせるのか?」
「飛ぶくらいなら」
ユウナとウェザーは、『荷物』の中にいた。亀裂の入ったコンテナに入り込み、荷物に乗ったのだ。
「エンジンをかけると、その熱をあの戦車が追いかけてくるだろう。空を飛んで全速力で敵のいるだろう場所に行くぞ」
「了解!」
ユウナの声は弾んでいた。こんな状況だというのに、恐怖はあまり感じなかった。さっきまではあれほど恐怖に打ち震えていたというのに。
(やはりこの男か)
この男が、幾度もの苦しみと戦いを乗り越えてきた戦士だということは、感覚でわかっていた。
今までに会った軍人たちの誰よりも、戦士としての風格は上だと感じた。この得体の知れない敵も、彼がいれば乗り切れると、自然に信じることができた。
「ユウナ・ロマ・セイラン、『コテツ』、出撃ぃっ!!」
ユウナの掛け声と共に、コンテナを破り、一体のMS(モビルスーツ)が空を飛んだ。試験的に基地に配備される予定だったオーブ軍の新型MS、『コテツ』。
機動性に重きをおいたムラサメに対し、PS装甲を装備し、耐久力を重視した機体だ。それでも速度はアストレイを上回る。
コテツは空中で戦闘機型に変形すると、目的地へと発進した。
のんびり自動車に乗っていた吉良吉影は、空を飛んでくるMSの音に気づいた。
「MS……あんなものがなぜここに……そういえば、さっきのトラックは軍用の……もしや」
吉影は自動車を止め、林に入り、身を隠した。
コテツは一分とかからずに目的地に到着した。MS型に戻り、空から林を見下ろす。
「あれを見ろ……自動車だ。時間と場所から考えて、あの自動車が怪しい」
「けど停車している……きっと隠れたんだ。どうやって探すんだ?」
「探すまでもない」
「どういう意味だよ」
「標的であるユウナ・ロマ・セイランが生きているとわかれば、向こうから接触してくるだろう。完璧なとどめを刺すために」
「そ、それって囮になれってことか!? 冗談じゃないぞ!!」
「だがそうでもせねば……」
ウェザーの顔色が変わる。
「ど、どうしたんだ?」
「戦車が追いついてきた……予想以上に速い」
「コッチヲ見ロ〜〜」
地上より100メートルの高さを、自動追尾爆弾『シアーハートアタック』は飛行していた。スタンドである以上、重力なんてものは関係ない。
そして、彼は周囲で最大の高温を放射する熱源、コテツへと突進した。
その様子をウェザー・リポートで確認したウェザーは、すぐに防御に向かわせようとした。だがその時、予期せぬ衝撃が彼らを襲った。視界を光が満たし、光が過ぎ去った後は、粉塵が撒き散らされた。
突如コテツの右足が爆発したのだ。爆音を響かせ、PS装甲が粉微塵になる。
「なああっ!?」
「爆発!? だが戦車はまだ……」
戦車はまだ百メートルは離れている。にもかかわらず、コテツの右足が跡形もなく破壊されていた。
「ど、どうなってんだよ!?」
ユウナが叫ぶが、ウェザーにもわからない。敵にはまだ解明していない能力があるのか?
ウェザーが思案する間に、更なる爆音が響き渡った。
「ま、またぁっ!!」
今度は左手が破壊された。
「……今、見えたのは……そうか」
「な、なんかわかったのか!?」
「ライフル弾だ。ウェザー・リポートの目に、地上から飛んでくる弾丸が見えた」
「ライフルぅ? そんなんでMSを破壊するほどの爆発が起こせるわけないだろ!
ましてコテツの装甲は、ミサイル数十発にも耐えるPS装甲なんだぞ!」
「PS装甲とかいうのはよくわからんが……それも能力ということだろうな。ライフルの弾丸と接触した物体を爆破させる能力……。同じ『爆弾』の能力とはいえ、二つも能力を持つとは……これはまずいな」
ウェザーが苦い顔になる。
「ライフル弾と戦車、一度には防げん」
『シアーハートアタック』の破壊力は人間を吹き飛ばせるという程度。PS装甲は破れないだろう。だが飛行に使うバーニアの噴射口に入り込まれたら、墜落は必至。
異なる方向から飛んでくる攻撃を、ウェザー・リポート一体で防ぐことは困難だ。雷で起こせる火よりも、コテツのエンジン熱量の方が大きいから誘導もできない。
またもライフル弾が飛んできた。だが拳で弾けば爆発する。そこでウェザー・リポートは周囲に雲のようなものを作り出した。
ライフル弾はその雲に突っ込むと、軌道を変え、あさっての方向に飛んでいく。空気の層をつくり、その抵抗でライフル弾を跳ね飛ばしたのだ。これは2メートルという近距離から撃たれた弾丸の軌道もそらせられる。
だが、ライフル弾を防いだのも束の間、
「いかん! 戦車がもう10メートルの距離まで近づいてきている!!」
ウェザーが叫んだちょうど一秒後、爆音が空気を揺るがした。
TO BE CONTINUED
>>230 帽子か髪か……15巻の過去話を見ると髪のようなのですが、最初に帽子だと思えたので、私にはどうしても髪だとは思えません。オフィシャルがどうであれ、ガンダムSEED・BIZARREでは帽子ということでやります。
アニメは種死しか見てないので、古本屋で買った小説版、ウィキペディアやファンサイトの用語辞典、他のクロスオーバーSSなどで世界観を調べてやっています。
用語や設定の間違いなんかあったら教えてください。
スタンド同士の直接対決になったら、やっぱウェザーが有利かな。
キラークイーン本体の戦闘能力はさほど高くないし。
車の進行を止めるほどの集中豪雨起こせるほどの能力だしなww
実際、ウェザーの能力は反則って言っても過言ではないよな。
どう考えても種の世界で吉良が平穏に暮らせるとは思えんwww
フレイやラクスに関わり嫌でも闘争の人生送りそうだな
ところで吉良の顔はキラヤマトなんだよね?
>>242 キラが吉良の顔になるべきじゃね?
んでフレイとサイが美那子さんと彼氏、と
狂うぜは帽子と髪が一体化しとけ
輪廻の輪を使えばどんな作品世界でも馴染めるジョジョキャラ恐るべしw
戦闘潮流の人の続きはまだですか?
246 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/12(土) 01:09:36 ID:TKSWeDfv
個人的にはノンビリとチャリに乗ってる女性の手首愛好家に笑ったw
ところで皆、コイツを忘れてるぜ・・・GJ!!
投下します。
ウェザー・リポートの視界に、地上に輝く爆発と、その爆発へと向かう『戦車』が見えた。
「今のは……ユウナ、お前が?」
ウェザーは若干驚きを浮かべ、震える青年を見る。
「は、はは、僕には見えないけど、その戦車ってやつは熱に向かうんだろ? 自然破壊しちゃったけどさ」
彼の手に握られたレバーは、コテツが現在持つ唯一の武装、高エネルギービーム砲を放っていた。林の一部を焼き払い、コテツのエンジンや飛行バーニアよりも熱い熱を発生させたのだ。距離は現在地からおよそ800メートル先、往復には多少時間がかかるだろう。
「よくやったぞユウナ……ライフル弾の射線からして、奴の位置はだいたいわかった。ビーム砲は撃てるか? ここから爆撃すれば簡単に倒せるが」
「もう無理だ……これ以上はエネルギーがもたない」
戦闘を想定していなかったため、もともとエネルギーは少なめなうえ、エネルギーを食うPS装甲を使っていることを考えれば、一発撃てただけ上出来だ。
「では降りるぞ。あの戦車が戻る前に片をつけたい」
「シアーハートアタックは防がれたか……私の位置も大体わかっているようだ。敵にもスタンド使いがいるな……」
吉良吉影は冷たい眼差しをコテツに向けながら呟く。
「猫草がいれば、もっと簡単に仕留められたのだが……まあいい」
手には数発のライフル弾。もしものときのために日ごろから準備しているものだ。
「この吉良吉影の望む『植物のように平穏な生活』は……誰にも邪魔はさせない」
左手右足を失ったコテツが、やや乱暴に林に着地した。コテツの左足を曲げ、三角座りをさせる。
「敵は木の陰から俺たちを攻撃してくるはずだ……あのライフル弾は、おそらくライフルから撃ち出されたものではない。
人型のスタンドの手から投げ放たれたものだ。空気抵抗の少ないライフル弾、パワーや精密動作性の高いスタンドなら、70メートル先のネズミを撃ち抜くことも可能だろう。
こんなデカイMSに当てることなどたやすい。つまり……ライフルなんて邪魔な荷物を持たず、身軽に動いて、物陰に隠れられるってことだ」
ウェザーは冷静に分析する。
「だが、パワーの大きなスタンドは大抵、本体から遠く離れることはできない……
ライフル弾が飛んできた方向に必ず本体がいるはずだ……」
ウェザー・リポートをコテツの頭上に配置し、周囲を見張る。敵の動き、呼吸のひとつも逃さない。
「次に攻撃してきたら……攻撃のきた方向に、ウェザー・リポートの雷をくれてやる」
雷ならば、こちらに弾丸が当たるよりも早く、敵を撃つことができる。相手はこちらが雷を使えることは知らない。次に攻撃してきたときが相手の最後だ。
「攻撃してきたら、私の位置がわかる……そこを攻撃する。そう考えているな」
吉良吉影は、
「だが、甘い」
ライフル弾を発射した。
「ば、馬鹿なっ!!」
思わずウェザーは叫んだ。
弾丸は林から飛んではこなかった。コテツの左足元から飛んできたのである。それも、コテツ自体を狙わず、ウェザー・リポートを目がけて。
(なぜあんな所からっ! いや、それよりも今はこのライフル弾をっ!)
完全に予想外の方向から放たれたライフル弾は、もはやかわしきれない距離まで迫ってきている。ウェザー・リポートは、周囲に空気の層を作り、弾丸の軌道を変えようとする。しかしその時、
「……点火」
ズゴォォォォォンッ!!
ライフル弾が爆発した。
「っ!!」
ウェザー・リポートが爆風に吹き飛ばされ、本体にもダメージが及ぶ。スタンドが傷つけば、本体であるスタンド使いも傷つくのだ。ウェザーの全身に傷ができ、血が吹き出る。
「ウ、ウェザー!!」
ユウナが悲鳴をあげる。
「あいつめ……ライフル弾に接触したものを爆破させるだけでなく……ライフル弾そのものも爆破させることも、できるのか……このスタンド……『破壊』に関しては……圧倒的に、強い……」
ウェザーは傷ついた体をコクピットの壁にもたれさせる。
「くそぉぉぉぉっ!!」
ユウナは叫んで、ただ一つ残った右腕を吉影に叩きつける。
「キラークイーン!」
しかし、MSの拳打など、音速の銃弾も指でつまみ受けるスタンドのスピードの前には、スっトロいものでしかない。一瞬にして爆破させられ、吉影には何の影響も与えられなかった。
吉良吉影は、ダルマ同然となったコテツの前にたたずんだ。
「うまくいったようだな……」
吉良は満足げに言った。
彼の側に人影が立っていた。たくましい男性の肉体に、頭は猫と髑髏を融合させたような不気味で凶悪な面相。吉良吉影のスタンド、『キラークイーン』。
その能力は『爆弾』。その指先で触れたものはどんなものでも『爆弾』にできる。爆弾そのものを爆破させたり、爆弾は無傷のままに爆弾に触れたものを爆破させたり、自由自在。
ものの強度に関係なく内側から粉々にでき、爆破した痕跡すら残さない。左手からは熱に反応して自動的に攻撃する爆弾戦車『シアーハートアタック』を撃ち出すこともできる。
まさに万能の爆弾スタンド。そして、もうひとつ。キラークイーンの起こす爆弾は周囲になんの影響もあたえないことができる。すなわち、音の無い爆発も起こせるのだ。
吉良吉影は、音の無い爆発で地面を吹き飛ばして穴をつくり、気づかれぬようにコテツの足元までの地下通路を掘ったのだ。
そしてウェザーの不意を突き攻撃した。当たれば完璧に爆発させられたが、たとえ当たらなくてもライフル弾そのものを爆破させられればダメージは与えられる。
「スタンド使いは倒した……あとは……」
吉影はライフル弾を放ち、コクピットを爆破した。しかし、この爆発では破壊されるのはコクピットのみで、中にいる人間に影響はない。
爆煙が晴れると、ぐったりと壁にもたれるウェザーと、銃を構えるユウナの姿があった。
「油断はしない……冷静に慎重に……このライフル弾で仕留める。『ジョー・モンタナ』の投げるタッチダウンパスのように確実にだ」
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
TO BE CONTINUED
『序章・風の出会い』は次で終了の予定です。
>>242 うちの吉良の顔は設定上、オリジナルの吉良です。キラヤマトでも川尻浩作でもありません。
>>246 GJいただき恐縮ですが、チャリではなく自動車です。確かに自転車の方が面白かったな……。
GJッ!
激しい喜びはいらない・・・その代わり深い絶望もない。
植物のように続きを待つことこそ私の目標・・・。
255 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/16(水) 22:14:57 ID:KlpOC4Bf
保守
投下します。
「そっちの男がスタンド使いか。君は……どうやって、彼と出会ったんだ? まだ他にもスタンド使いがいるのか?」
吉影はユウナの銃など意に介さず、質問をした。
「お、お前、いったい何なんだよ。なんで、こんなことするんだ……」
ユウナが震えながら言うと、
「質問を質問で返すなあーっ!! 疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか?」
「ひいっ、ぐ、偶然だよ! さっきたまたま会ったんだっ!!」
指を突きつけて怒鳴る吉影に、ユウナは思わず答える。
「ふーむ……スタンド使いとスタンド使いは引かれあう……か。まあいい、ここで始末すればすむことだ」
その言葉を合図にしたかのように、ユウナは無我夢中で引き金を引いた。しかし、弾丸はすべてキラークイーンによって弾かれ、ある弾丸は林の奥に消え、ある弾丸は吉影の足元に落ち、一発として命中しなかった。
やがて弾も切れ、引き金を引いてもカチャカチャと音が鳴るだけになる。
「あ、ああ……ゆ、許して……」
ユウナの震える唇から言葉が漏れる。
「許して? 私は別に君が憎くてこんな真似をしているわけじゃない。『趣味』だよ。若く手の美しい女を殺さずにはいられない、持って生まれた『サガ』なんだ……」
吉影はライフル弾を構えた。ウェザーはスタンドを見せておらず、攻撃の気配はない。ウェザーにはわかっていた。たとえ雷であれ、風であれ、傷ついたこの体の反応速度では、相手より速く攻撃することはできないと。
「だから『前向き』に『趣味』を楽しんで生きようとしている。それだけさ……そのために君が邪魔なだけなんだ」
吉良吉影には殺気や殺意もなかった。これから確実に害虫を殺せるという、すっきりとした安堵感に満ちていた。
「これで終わりだっ! キラークイーン!!」
爆弾と化したライフル弾が放たれようとしたとき、
ベチャンッ!!
吉影の手に、一匹のアマガエルが落ちてきて、潰れた。
「………?」
吉影は自分の手にひしゃげ、張り付いた蛙をまじまじと見て、次に頭上に目をやる。
「なっ、なにぃっ!?」
吉影は驚愕した。空から、何百匹もの蛙が落ちてきたのだ。
「う、うわああああ!?」
理解不能の状況に、とりあえずキラークイーンで降りかかる蛙を跳ねのける。
「こ、これは貴様の能力かっ!」
吉影がウェザーに向かって叫んだ。
結論から言うと……この事態を引き起こしたのはウェザーである。
この現象を詳しく説明することははぶくが……少し話をしてみよう。
1859年2月9日 、イギリスのウェールズ地方グラモガンシャーの山奥材木置き場で働いていたジョン・レーウィスが、
屋根を激しく打った音にビックリして外に出てみると何千というイワシが屋根の上や地面の上ではねており、それを拾って焼いて食べたという。
1973年9月24日の『ザ・タイムス』紙には南フランス・ブリニョル村に幾万ものヒキガエルが降ったと報道している。
1947年11月20日アメリカ・フロリダ州タラハシー、1971年9月27日フロリダ州オカラなど、1887年から1974年までの間にアメリカ・フロリダ州だけで50例以上の魚・蛙・蛇・羊の群れが空から降ってきたとの報告があり……
原因はトルネード…竜巻説が有力とされている。
「……よくやったぞユウナ……これで終わる。この戦い……俺たちの勝ち、だ……」
ウェザーは、小さな声で、だがはっきりと、そう言った。
「ふざけるな! こんな蛙がなんだというのだ!!」
一瞬混乱したが、たかが小動物の群れが落ちてきた程度で、どうなるというのだ。
吉良吉影が、体にぺしぺしと当たって潰れる蛙を無視してウェザーに狙いをつけたとき、
ズザッ
彼の足元に一際重い、落下音がした。
「……こっ、これはっ!」
そのとき、吉良吉影は相手の狙いを理解した。彼の足元に落下したもの、それは、
「コッチ見ロ〜〜」
爆弾戦車『シアーハートアタック』。
「蛙は、ただの目くらまし、本命はそいつだ。ユウナには、そいつを運ぶまでの、時間稼ぎと、そして……『仕掛け』の準備を、してもらった」
仕掛け。それはすぐにわかった。吉良吉影の足元にあるもの。さっき吉影が弾き飛ばした、ユウナの撃った弾丸。それは、火薬の熱を帯び、その場で最も高い熱源となっていた。
「シ、シアーハートアタック解じ――」
ドッギャアアアアアアアン!!
解除は間に合わず、シアーハートアタックは爆発した。
吉良吉影の体は軽々と空中に舞い上がり、やがて落下に転じて、大地に叩きつけられる。その体は焼き焦げと、大小の傷が無数に刻み付けられていた。中には体を貫通している傷も少なくない。左足は半ばからちぎれ、右足もズタズタになっていた。
「こ、こんな、馬鹿な……この吉良吉影に、こんなヒドイことが……」
これだけ傷ついても、まだ意識を失わずに殺人鬼が呟く。
「いつだって……運命は、私に味方するはずだ……いつだって命が運ばれてくるはず……ハッ」
起き上がろうとする吉影は、背後に気配を感じた。ウェザー・リポート。それが拳を振り上げている。
「お前の命を助ける……『運命』など」
「キラークイーン!!」
キラークイーンがウェザー・リポートに触れようとする。しかし、それより早く、ウェザー・リポートがキラークイーンの腕を殴り折った。
「うああああああっ!!」
「俺が見てきた『正義の心』に比べればちっぽけな力だ……確かに存在する……『心』に比べれば」
それでも這いずって逃げようとする吉良吉影に、ウェザーは容赦なく追撃を仕掛ける。肉体の損傷度はいまや吉良の方が酷い。
何より、正面から立ち向かう精神力が吉良には欠けていた。精神力はスタンド力。スタンドのスペックが高くとも、精神力の弱いものは勝てない。
「彼女に代わって……叫ばせてもらう!!」
ウェザー・リポートが風をつくる。風圧により、パンチ力をアップさせるために。
「うああああああ!!」
吉影の絶望の声に答えるように、ウェザー・リポートは拳を繰り出した。
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァッ!!!!!」
ドッバアアアアァァァァァンッ!!
吉良の体が、ウェザー・リポートのラッシュによって吹っ飛ばされる。
「こ、こんな……せ、せっかく、『生き返った』のに……またこんな……」
ドバシィィィィッ!!
吉良の体は木にぶち当たり、木に亀裂を入れるほどの衝撃を与えて、ようやく静止した。
一度だけ全身を激しく痙攣させ、口を数度開閉させると、糸が切れたかのように前のめりに倒れた。暗黒の魂を持った殺人鬼はうつ伏せに倒れ、そして二度と起き上がることはなかった。
「お。終わったのか……?」
ユウナはおずおずと言った。このあまりに常軌を逸した状況が、収まったことが容易には信じられないのだろう。
「ああ……奴の呼吸はもう完全に止まっているのが『分かる』。奴は死んだ」
「そ、そうか! やったな!」
「ああ……ユウナの協力のおかげだ……助かったぜ」
ユウナは照れくさげに頭を掻いた。超能力などを差し引いても、偉大な戦士に違いない男の助けとなり、褒められたことに、自分でも驚くほどの喜びを感じていた。
「ところで……報酬の件だが……」
ウェザーが切り出す。
「お、おお、いくらでも言ってくれ!」
雇用契約を交わしたことを思い出し、ユウナは胸を張って答えた。
「とりあえず救援を呼んでくれ……もう指一本ほども動かせそうにない」
ウェザーはそう言い、コクピットに座り込むと、今度こそ完全にぐったりと気絶した。
吉良吉影『キラークイーン』――完全敗北…死亡
ユウナ・ロマ・セイラン――生還。この後、父、ウナト・エマ・セイランに連絡。正気を疑われるも、3時間かけて説得し、信じさせることに成功する。
ウェザー・リポート――ユウナの呼んだヘリに乗せられて病院へ。5時間後に目を覚ます。ウナトと交渉後、オーブ軍に入隊。一尉となり、ユウナの護衛を勤める。
オーブ政府公式記録――トラックの事故、運転手の死、森林の火災、MSの破壊などは、テロリストの襲撃があったということになっている。
TO BE CONTINUED
ガンダムSEED・BIZARRE『序章・風の出会い』、終了です。
次回は本編、アーモリーワン襲撃から始める予定です。
GJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGJGジョォォォォォブ!
続いてくれるのかッ!?
マジでGJッ!!!
投下行きます。
ガンダムSEED・BIZARRE
PHASE 01・『引かれあう者たち』
「スタンド使い……か。とんでもないねまったく」
ユウナ・ロマ・セイランは優雅に紅茶を口に含みながら言った。
そこはセイラン家の私邸。豪勢な屋敷でくつろぎながら、ユウナは目の前に座る彼の話を聞いていた。
ウェザー・リポート。常軌を逸した能力『スタンド』を持つ男。
彼の話によると、スタンドとは精神エネルギーが生み出す、能力者の分身であるらしい。
その分身の姿は多様で、人間に近いものもあれば、動物や機械のようなものもあるという。力が強いものがいれば弱いものもいる。動きの速いものもいれば遅いものもいる。千差万別だという。
また、それぞれが固有の能力を持っている。ウェザー・リポートは『天候を操る能力』を持ち、彼の昔の仲間には、『体を糸状にほつれさせる能力者』や、『物質の内部に潜り込める能力者』、『一つの物質を二つに増やせる能力者』といった者たちがいたという。
それほどに違うスタンド同士だが、共通点もある。スタンドはスタンドでしか傷つけられない、スタンドはスタンド使いにしか見えない、スタンドが傷つけば本体も傷つく、逆もまた然り、スタンドは本体から離れるほど力を落とす、スタンドは一人一能力である、などだ。
「まあ、一般人じゃ太刀打ちできないのは確かだねぇ」
自分を襲ってきた吉良吉影の力。『爆弾』ですべてを吹き飛ばす能力。PS装甲を使ったMSすら簡単に爆破したあの力、うまく使えば、あの『フリーダム』ですら倒せるだろう。
そしてこのウェザーは、そんな化け物に勝利したのだ。彼はいったい何者なのだろう。
「君は昔のことはあまり話さないね。お仲間のことにしたって、能力について話しただけだしさ」
「……すまない」
ウェザーはそう謝罪したが、話すことはできないという想いは変わらなかった。
「そう、まあ無理強いはしないよ」
素性を知らすことのできないような人間を雇うなど、愚かとしかいいようのないことだが、ユウナは目の前の男を自然に信じることができた。大体、見知らぬ人間がスタンドに追われているのを、わざわざ助けるような人間が悪い奴のはずもない。
「ところで……仲間がいたってことは、他にもいるのかい? スタンド使いが」
それだけは聞いておきたかった。戦いが、一変するかもしれない情報なのだから。
「……おそらくは」
ウェザーはそう答えた。
「俺の仲間が今どうしているのか、生きているのか死んでいるのかもわからない。だが、この前の男のように、俺の仲間以外にもスタンド使いはいるだろうし…・・・いずれ現れるだろう。新手のスタンド使いが」
ウェザーは断言した。
「そう言い切る理由は?」
「『スタンド使いは引かれあう』……磁石のように。そういうルールだ」
それは理屈にもなっていなかったが、超能力に理屈云々を言うのも妙な話だ。ユウナはウェザーの言葉を受け止め、覚悟することにした。いつか来る、スタンド使いとの出会いを。願わくば、それが味方であってほしかった。
サイド・ザフト
「ガム、噛むかい?」
時はコズミック・イラ73年10月2日、場所は工業用プラント、アーモリーワン。
オーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハの護衛としてアーモリーワンにやってきたアスラン・ザラ――現在名、アレックス・ディノ――に声をかけたのは、プラントの最高評議会議長、ギルバート・デュランダルの護衛の一人である、ザフト軍人だった。
赤服を着ているところから、トップエリートであるようだが、あまりそういった感じがしない。歳は20代後半。背は高く、肉体は鋼のように鍛え上げられている。顔立ちも悪くない。
いわゆる美形ではないが、男らしく、愛嬌のある顔だ。だが髪型が変わっていた。銀色の髪を、歴史資料でしか見られなくなった昔のミュージシャンのように逆立たせているのだ。
「あ、いえ、お構いなく」
アスランは男の差し出したガムを押しとどめた。
「いやあ、あんたの護衛対象は可愛くてうらやましいぜ。俺の護衛対象はあの通りのおっさんだろ? 男じゃあ身分違いの恋とかも期待できねえ」
最後の台詞にドキリとしたが、男の様子には揶揄した雰囲気はない。あくまで軽いおしゃべりにすぎないようだ。
「代表と議長に対し、随分な言いようですね……ええと」
「ポルナレフ……名乗らしていただこう。ジャン・ピエール……」
頬に左手を当て、男は名乗った。
「ポルナレフ」
バン!!
TO BE CONTINUED
はじめてしまった……この調子だと1年かけても終わりそうにないな。しかしやってしまったものは仕方がないので書きます。
ウェザーはしばらく出ません。ザフト、およびファントムペインにもジョジョキャラを登場させます。今のところザフトにポルナレフを含めて二人、ファントムペインに三人の予定です。
あとJOJO運命の作家さん、あれ読んでこのSSを書く気になったので、また投下してほしいです。
ではまた来週。
「『第一のGJッ』!」
GJっ!
今度はポルポル君か!
君、渋いねぇ…実に渋い!
GJッ!
ブラボー おお!ブラボー
ザフトの方はポルナレフですか。
シンに、先人としての仇討ちのアドバイスとか期待してしまう。
保守した
276 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/20(日) 17:24:23 ID:sLOGT8XN
おお
すげえ 種の世界でスタンドか
でもパイロット不要じゃんw
ガンダムSEED・BIZARRE 『PHASE 01・引かれあう者たち』
デュランダル議長に誘われ、工廠へと向かうアスランに、気取った様子で名乗りをあげた議長の護衛の一人、ポルナレフ。彼に、アスランは言った。
「私はアレックス・ディノです……ともあれ、雇用主をそういうふうに言うのは感心しませんね」
「生真面目だねぇ。将来剥げちまうぜ?」
気にしていることを、とアスランは内心憮然とするが、この自然体で馴れ馴れしく、失礼な男に、悪感情を抱きはしなかった。彼の気安く明るい笑みを見ていると、そんな気は失せる。
「いいんだよ俺は。雇われる条件が『敬語つかわなくてもいい』なんだからよ」
敬語とかいう以前の無礼さだとアスランは思えたが、口にはしなかった。それよりも、
「雇われる条件って……スカウトされたということですか?」
「フフフ、俺の剣さばきは控え目に言っても超一流だからな。議長じきじきにスカウトされたというわけよ」
ということは、彼は訓練所の教官なのだろうか。アスランもナイフの訓練を受けた記憶はあるが剣というのは……。
「その顔はあれだ。剣なんて時代遅れでダサい、つーかキモいとか考えてる顔だな」
「いえ、そこまでは……」
しかし、実際、このご時世、剣を使う戦いなどないだろう。
「機会があれば見せてやるよ。剣は何よりも強く、しかもカッコイイ!ってとこをな」
親指を立てながらニヤリと笑ってポルナレフが言った時、彼らはMSの格納庫が立ち並ぶ工廠に着いた。
「だからこそオーブも軍備は整えていらっしゃるのでしょう?」
デュランダル議長の涼やかな声がアスランの耳に届く。議長は、カガリに工廠の案内をしながら話を進めていた。
「まったくあの狸め。お嬢ちゃんを苛めて楽しんでやがるなぁ」
確かに、カガリは明らかにデュランダル議長に言い負かされていた。
「あれだ。ようするにお嬢ちゃんは、膨れ上がった力が暴走することを恐れているわけだ」
「……まあそういうことです」
オーブの表立った要求は、かつての戦いで流出したオーブの技術と人的資源の、軍事利用の停止である。そしてその裏には、大西洋連邦の言いがかりに近い恫喝がある。
だが、このポルナレフはその更に奥にある、カガリの恐れを的確に読み取っている。アスランはこの男が見かけより遥かに鋭敏であることを悟った。
「大きすぎる力は抑えきれずに暴走するのが人の世の常。それがわかっていてなお力を求めるのもまた人の世の常。しょうがねえっちゃ、しょうがねえことなのかもしれんがよぉ」
「しょうがないとは……思いたくないのですが」
アスランは思わず素直な言葉を口にしていた。
「なら思わなきゃいいだろ」
「え?」
「無理なことでも、結果がわかっていても、人様から認められなくても、それでも譲れないことはあるもんさ」
砕けた言葉づかいの中に、アスランは目の前の男の人生の深さを垣間見たような気がした。
「せいぜいがんばりな。俺はそういうめんどくさいことは嫌いだけどよ」
明るく人懐っこい笑みを浮かべて言う。言葉は乱暴だが、声には暖かな励ましがこもっていた。
「ええ、頑張りますよ」
アスランはやはり生真面目に答えた。
「だが! 強すぎる力はまた争いを呼ぶ!」
「いいえ、姫。争いがなくならぬから、力が必要なのです」
カガリの苛烈で切実な叫びと、デュランダル議長の穏やかでいて、譲る気のない言葉が応酬された直後、警報が鳴り響いた。
「何だ?」
格納庫の内側から光線が放たれた。轟音と爆発が生まれ、破壊された格納庫から、三体の巨大な影が現れた。だがその意味を認識する前に、格納庫の破片がカガリたちのいる場所に降り注ぐ。
「カガリ!!」
アスランはカガリの上に覆いかぶさるが、瓦礫の多さと大きさから見て、このままでは二人とも助からないことは明らかだった。とはいえ移動する時間もない。
(こんなところで!)
アスランが絶望したとき、
「ハァッ!!」
ポルナレフがその場にいる者たちの壁になるように、降り注ぐ瓦礫の前に立ち、気合の声をあげた。同時に、瓦礫が次々と砕け、ポルナレフの体に到達する前に地面に落ちていく。あまりにも不自然な光景だった。まるで目に見えない何かが瓦礫を破壊しているかのようだった。
「大丈夫かい? 議長! アスハ代表! それと生真面目な兄ちゃんよ?」
「ああ、ありがとうポルナレフ」
議長はポルナレフの声に答えると、
「姫をシェルターへ!」
議長の言葉に兵士の一人が応え、カガリを案内する。アスランは衝撃に打たれているカガリを促し、兵士の後を追った。ちらりとポルナレフを見ると、彼は頼もしい笑みを浮かべ、
「縁があったらまた会おうや」
そう言って手を振り、周囲に指示をとばす議長の横に立った。
見るものが見れば気づいただろう。ポルナレフの側に、鋭利なる剣を構え、中世風の甲冑をまとった銀色の騎士が立っていたことに。
レイ・ザ・バレルは己のMSを求めて格納庫に走っていた。なんといってもこの場にはデュランダル議長が――ギルがいるのである。
たとえこの状況が、『予測』のついていたことであるといえど、『不測』の事態は常にありうる。あの、ポルナレフが護衛についているのだから滅多なことは起こらないとは思うが……。
(取り急ぎ、奴らとの戦闘を開始し、注意をこちらに向けなければ)
そして、格納庫が視界に入ったとき、その格納庫に一条の光線が命中した。格納庫が爆発し、中にあったMSが倒れ、瓦礫の下敷きになる。レイ自身が瓦礫の下敷きにならなかった事は幸運だったが、この瓦礫を取り除き、MSに乗るのは骨である。
(とにかく人手がなくては……)
人を呼ぼうと、レイが周囲を見回した時、
「人を呼ぶ必要はないぜ……むしろ呼んでもらっちゃ困る」
落ち着いた声がレイの耳に入った。その声の主である男を、レイは知っていた。
まとう服はザフトの『赤』。矢印状の耳飾をつけ、髪を円筒状に固め、後ろ髪を一本の三つ編みにして背中に垂らした、精悍なその男のことを。
そして、その男の『能力』も。
「俺のスタンドが出せなくなるからなぁ」
そう言って、男は右腕を頭上に掲げると、
「全隊ィィィィ一斉射撃用意ィィィィ」
その腕を振り下ろした。
「撃てェェェェッ!!!」
その号令の直後、大きな瓦礫の一つが砕けて吹き飛んだ。次から次へと、瓦礫が吹き飛んでいく。もし、その衝撃を人間が受けたら、粉々の肉片にされてしまうだろう。
ものの十数秒で、レイと、そしてその男の専用MSから瓦礫が取り除かれた。
「行くぞ。遅れるなよォォ、レイ」
男はこの緊急事態にも落ち着き払った態度であった。その態度は彼の強い精神の表れである。赤服を着たその男は、レイと同じ立場にありながら、『指揮官』然とした雰囲気を持っていた。
実際、彼は一つの『中隊』の指揮官なのだ。
「どこのどいつか知らんが……」
彼は暴れまわる三機のMS……カオス、アビス、ガイアを見つめ、宣言した。
「この虹村形兆が、必ず殺すと予告しよう」
TO BE CONTINUED
ひとまずポルナレフとアスランは仲良くさせようとしましたが、うまくできたかどうか。
ポルナレフは結構難しい。3部の明るく愉快な雰囲気を持ちながら、5部の落ち着いた部分もある、若輩を導く大人キャラにしたいところです。
あと、アスランの目には瓦礫は砕けたように見えましたが、実際は切り刻んだのです。
そしてもう一人のザフトキャラ、虹村形兆の登場です。永遠の命を持ってしまった父親に安らかな死を与えることに人生をかけた男。短命の宿命を負ったレイと絡めてみたいと思っています。
>>274 私もシンとポルナレフは絡めたいと思っています。
次回はサイド・ファントムペインを予定しています。
吉良の『生き返った』って言葉がwktkするな
また死んだのか吉良www
GJゥゥゥゥッ!
今度は形兆兄貴ですか!
どこまで俺を喜ばせれば気がすむ!
どこまで続く?どこまで続くかァァッ?
最後の最後まで見届けたいと思います。
バッドカンパニーktkr!
ファントムペイン側にも超期待
宇宙一回転させて他の作品に殴りこみ
ジョジョの連中はどこにいてもぶっとんだ奴らだな
くらえ!! 連日投下だッ!!
サイド・ファントムペイン
アスラン・ザラがポルナレフと対面していた時、赤い髪の少女、ルナマリア・ホークはちょっとしたトラブルに襲われていた。
非番を楽しむため、式典準備で忙しい工廠を後に、同僚と共に街に出たはいいものの、計算外のことが二つあった。
一つは、同僚のシン・アスカ、ヨウラン・ケントとはぐれてしまったこと。
もう一つは、
「なあ、彼女ぉ、いいだろ?」
「楽しいとこ連れてくからさぁ」
「心配ないよ。こう見えても俺たち純愛タイプだからさぁ」
「そうともよ!!」
コーディネィターとは思えない頭の悪い口説き文句でしつこく迫ってくる4人の男たちだった。どいつもこいつも、お世辞にも顔がいいとはいえない。遺伝子操作の限界というやつだろうか。
ルナマリアはため息をつき、
「悪いけど友人を探してるから」
そう言ってその場を去ろうとしたが、
「じゃあ、俺たちも一緒に探してやるぜ」
「おお! それがいい、そうしよう!!」
「賛成!!」
「決まりだな。じゃあ行こうぜ」
強引に話を進め、肩に手など回してくる。生理的嫌悪感を覚え、いっそ拳にものを言わせようかと、ザフトで鍛えた腕を振りかぶろうとしたとき、
「ちょっとすまない。もし多忙でなければ……ひとつ、ちょっとした質問に答えてくれるとありがたいんだが」
そんな声がかけられた。
「「「「あ?」」」」
声をかけたのは20代の青年だった。スマートな体型で、身長は180センチ弱。鍵穴のような模様のついた白いスーツを着て、腕や胸に巨大なジッパーをつけているという、奇抜なファッションをしている。
髪はおかっぱのように綺麗に切りそろえられ、トップで編み込み、縞模様のヘアピンをつけているという凝り様だ。容貌は端麗で、女性的とすらいえる。
「なんだこのオカマ野郎」
「質問だぁ? 見てわかんねえのかタコ。こちとら暇じゃねえんだ」
「失せろ。いじめるぞコラ」
「引っ込んでな!!」
ナンパ男たちが険悪な目で睨むが、その青年は顔色一つ変えなかった。
「今、人を探しているんだ。三人の子供なんだが……」
「失せろっつてんだろうがぁ!!」
言葉の途中でナンパ男の一人が殴りかかる。だが拳が相手の顔面に届く前に、ナンパ男はいきなりすっ転んだ。
「ああ? どうしたよペイジ」
仲間がペイジと呼ばれた男の顔を見ると、彼は白目を向いて気を失っていた。
「え? おいどうしたんだよ!?」
「て、てめえの仕業か!」
「年上だからって余裕かましてんじゃねえぞッ!!」
ナンパ男の一人がナイフを取り出した。
「俺はボーンナム。人呼んで『切り裂きボン』。その綺麗な顔を切り刻んでやろうかぁ?」
「『切り裂きエド』の真似かそいつは……俺は人探しをしているんだと言っているんだが」
ナイフにもびくつく様子のない青年に、ボーンナムはいっそう怒りをこみ上げさせた。
「このダボがぁっ!!」
ボーンナムは激しく切りかかったが、青年はボーンナムの腕を取ると、あっさりとひねり上げて関節を極め、ナイフを取り上げてしまった。
「ああっ、ボーンナムぅぅ」
「くそっ、二人で一度に飛び掛るぞジョーンズ!!」
「おうよプラント!!」
二人がそう言っている間に、青年はもがくボーンナムに当身をくらわせて気絶させる。
「もういい、しゃべるな。話が噛み合わねぇ……あー、そこのお嬢さん、君は話を聞いてくれるかな?」
青年がルナマリアに話しかけたと同時に、ジョーンズとプラントが一度にとびかかる。しかし、
「あびゃ!!」「のぺ!!」
一体どうやったのかわからなかったが、二人は同時にぶっ飛ばされ、キュウとのびてしまった。
「うわあ」
ルナマリアは思わず声を出した。
まったく息も切らさずに四人の男を叩き伏せた青年に、ルナマリアは見惚れてしまう。すると、青年がルナマリアに目を向けた。
「とりあえず煩い奴らは黙らせたが、よかったかい?」
「あ、は、はい!! ありがとうございました!!」
「いや、話しやすい状況をつくっただけさ。それで、さっきも言ったが人を探しているんだ……人数は三人、少年二人と少女一人。年齢は君と同じくらい。大抵は三人一緒に行動している。服装は上物。
短い緑色の髪の鋭い目をした少年、水色の髪で少女のような顔立ちの少年、金色の髪のぼうっとした感じの少女。三人とも顔立ちはいい。知らないかい?」
流れるように説明する青年に、ルナマリアは記憶を掘り返すが、そのような3人組を見た記憶はなかった。
「すいませんけど、見てないです……」
「そうか、いや、すまない時間をとらせてしまったね」
「いえそんな!! あ、そうだ。何なら私も一緒に探しましょうか? 助けてくれたお礼に」
ルナマリアは目ざとく提案したが、
「いや、それには及ばない。気持ちだけ受け取っておくよ。どうもありがとう(ディ・モールト・グラッツェ)」
それだけ言うと、青年は静かに手を振って去っていった。
「……お、大人ぁ〜、やっぱり男は年上よねぇ」
ルナマリアは頬をいくらか染めて、うっとりと青年の後姿を見つめていた。
数十分後、ルナマリアと別れた青年は、目的の人物たちを探し当てていた。
「……ごめんなさい」
しょぼくれた金髪の美少女、ステラ・ルーシェ。
「ステラが道に迷ったのが悪いんだぜ?」
水色の髪のかわいらしい顔の少年、アウル・ニーダ。
「お前だってゲームセンターで動かなかったくせに」
鋭い目の少年、スティング・オークレー。
「あ、お、お前だってやってたじゃないか!!」
「お前がもう一回もう一回ってうるさいからだろうが」
誰が信じるだろうか。この三人がコーディネィターを超えた戦闘能力を持つ、強化人間(エクステンデッド)であることを。
3人を前に、青年はため息をついた。
「まあ仕事の前だから説教している暇もないが……各自反省するように」
鋭い視線を3人に向けて言う。その威圧感は三人をして怯ませるに十分であった。肉体的には自分たちより劣るはずの彼を前に、三人は共通した思いを抱く。
『勝てる気がしない』
それは能力や才能、まして遺伝子などではない。もっと決定的な何かの差を感じるのだ。
「あの二人も待っているだろうし、そろそろ行くぞ。用意はいいな」
青年は言った。
「ああ」
「いつでもOKだぜ!」
「……(コクリ)」
三人のやる気を確認し、青年――ブローノ・ブチャラティは高らかに宣言した。
「では、任務を開始する!!」
ドン!!
To Be Continued……
というわけで、ファントムペインの一人は男の中の男、ブチャラティです。
最初はジョルノの予定でした。
>>181の嘘予告は実は私の投下したものだったりします。しかし、設定上ジョルノは出せなくなったので、彼ということになりました。理由についてはおいおい書きます。
もう二人は次回に出します。
あと、
>>280の形兆描写
>髪を円筒状に固め、
『筒』はおかしいので『円柱』ということにしといてください。
書き溜めた分がなくなったので、続きはしばらくお待ちを。
アリーヴェデルチ!!
GJ!!!ブチャラティが来たぁああああ!!!!
ブチャラティはリーダー向きだよな
かこいいぜ。
熱い!なんて熱い宇宙なんだァァァァァァッ!GJ!
ブチャラティィィィィィッ!!
なんて熱い男が敵に回ったんだ!
>>ディ・モールト・グラッツェ
これを見てメローネだと思ったのはオレだけではあるまい。
ブチャラティも言ってるよ、飛行機パクった時に>ディ・モールト・グラッツェ
それはそうとGJ!
MSVネタやチンピラの名前に吹いたww
そして『二人』と合流したブチャラティとステラたち三人は、軍事工廠の敷地内へ潜入した。目的地の位置、敷地内の構造は事前に調べてある。
入り口のゲートは通らなかった。ステラたちにはどうなっているのかわからなかったが、ブチャラティに手を引かれるままに『壁』に向かって進むと、いつの間にか壁をすり抜けて敷地内に入っているのだ。
ステラたちには見えないが、それがブチャラティのスタンド『スティッキー・フィンガーズ』の能力ということだった。
成人男性のシルエット。頭の上半分は、中世の騎士の兜のようなもので覆われ、首や手の甲、ベルトにジッパーの金具をつけている。その能力は『殴ったものにジッパーを貼り付ける』というもの。壁にジッパーを貼り付け、開けば壁の向こう側への抜け穴をつくることができる。
また、向こう側まで突き抜けずに、内部に空間をつくって中に物を入れることもできるし、物体をバラバラに解体してしまうこともできる。スタンドの中でも上位に位置するスピードと破壊力を持った、強力なスタンドだ。
だが、ステラたちがブチャラティに畏怖と信頼を向けるのは、そんな能力を持っているからではない。もっと暖かく大きなものを、彼が持っているからだ。
「できるだけ人のいない道を通るんだ。いいな」
「任せといてくれよ」
敷地内に入っている以上、ゲートで許可を受けて入った者と見なされているはずだが、用心に越したことはない。ブチャラティの命令に、『二人』の内の一人である『彼』は答えた。
腕を露出させたタンクトップ、黒ズボン、腰には格子模様の布を巻きつけている。
19歳という実年齢にもかかわらず、ステラたちと同い年にも見える童顔の『彼』――名は『ナランチャ・ギルガ』――ネオ指揮下のファントムペインであるステラたちとは違い、ブチャラティ直属の部下である。
スタンドは『エアロ・スミス』。小さなプロペラ戦闘機という姿だが、機銃と爆弾を装備しており、自動車くらいあっという間に廃車にできる破壊力がある。だが今重要なのは戦闘力ではなくもう一つの能力だ。
「こっちから行くのが、一番人と会わずに目的地まで行けるぜ」
ナランチャの顔の前に、四角いモニターがある。それは、『二酸化炭素』を探知するレーダーの画面だ。黒い画面に映る、光る点。これが二酸化炭素、すなわち『人間の吐く息』を表している。範囲はおよそ半径100メートル。潜入、索敵にはうってつけの能力だ。
ナランチャの案内で、ブチャラティ一行は目的の格納庫の前に着いた。
「中には三十人くらいはいるッスよぉ〜」
ナランチャが報告する。
「三十人……そのくらいなら問題ない」
ブチャラティはそう言うと、自分自身の胴体にジッパーを貼り付けた。ジッパーを開くと、胴体から二丁の機関銃が出てきた。次にナランチャの腹にジッパーをつけ、中から拳銃とナイフを取り出す。
「これって気持ち悪いんだよな〜〜」
ナランチャが嫌そーな顔で呻く。そんなことは気にせず、ステラたちは各々が得意な武器を手にとっていく。ブチャラティ、ナランチャ、そしてもう『一人』は武器を持たない。必要ないのだ。
三人が武装を完了させたのを確認し、ブチャラティは格納庫の壁に、
「『スティッキー・フィンガーズ』!」
特大のジッパーを貼り付けた。
格納庫の中には、ナランチャの言ったとおり、三十人近いザフト軍人の姿があった。
ブチャラティが合奏を指揮するコンダクターのように腕を振ると同時に、六人は一斉に攻撃を開始した。
スティングの機関銃が兵士をなぎ倒す。アウルは側転をしながら遊ぶように銃弾をばらまく。ステラはナイフで兵士を切り裂きながら、もう一方の手にした銃で別の兵士を撃つ。
「ボラボラボラボラボラボラ!!」
ナランチャのエアロ・スミスが、ステラたちを狙おうとした兵士を打ち倒した。
ブチャラティたちのチームの任務はファントムペインの援護である。従って、戦闘は基本的にステラたちの役目だ。
けれど、ブチャラティは作戦に対し、『できるだけ人を殺さない』という注文をつけていた。甚だしい偽善ではある。作戦の性質上、殺さないなんてできるわけはないし、死ななくても障害が残る可能性はある。
仮にも軍に勤める以上、相手も戦死は覚悟しているだろう。だが戦時下でない今、これは大義名分のないただの強奪である。自己の利益のために他者を踏みにじることは、彼の最も嫌悪する所業であった。だが命令に逆らえない以上、せめて被害は最小限に抑えたかった。
しかし何より一番の理由は、単純に『仲間』に罪を犯させたくないという、私的感情だったのだが。
ともあれ、ステラたちもナランチャも命令どおり、兵士たちの足を狙い、頭部、心臓部への攻撃はさけているようだった。
すぐにすみそうだと思ったとき、ステラが一人の兵士に蹴り飛ばされた。
「ステラッ!」
スティングが叫ぶ。
ステラを倒した赤い服のザフト兵は、彼女が手放したナイフをつかみ、アウルに向かった。
「『銃は剣よりも強し!』なんてふざけたことをぬかす奴がいたが、もちろんそんなことはねえ」
ザフトであるというのにナチュラルで、髪をおったてたあのおかしな教官はそう言っていた。
彼はナチュラルが大嫌いであり、当然その教官、ジャン・ピエール・ポルナレフも大嫌いだった。ポルナレフと、彼からインパルスの正式パイロットの座を奪ったシン・アスカの仲がいいことを知り、ますます嫌いになった。
しかも更に腹立たしいことに、白兵戦においてもMS戦においても、彼はポルナレフに勝ったことはなかった。
一度は罠をしかけて事故死に見せかけ殺そうとまでしたが、いつものおちゃらけた態度に似合わぬ勘のよさで、罠を見抜かれてしまった。その時、ポルナレフは彼に対しこう言ったのだ。
「こんなくだらねえ真似をする限り、お前は一生俺には勝てねえ」
ポルナレフは彼を告発することはなかった。それがまた、彼のプライドをひどく傷つけた。
ここまでされた以上、もはや『手段を選ばず』などできない。正々堂々、正面から、誰が見ても完全にポルナレフを打ち負かしたといえるような勝利でなければ、このプライドは癒せない!
それから、彼はポルナレフの技術を必死で盗み、修練をこなしていった。インパルスパイロットになるという野望もかすむほどに、彼はただポルナレフだけを見て、己を鍛えていった。
やがて彼は正式にアビスのパイロットになったが、まだポルナレフを越えられたとは思っていない。
だから、
「こんなところで終わってはいられん……!!」
マーレ・ストロードは、敵から奪ったナイフを構え、水色の髪の少年へと足を進めた。
To Be Continued
思いのほか早く書けたので投下します。
>>299 MSVのキャラは好きなんでこっちも含めて書こうと思います。アストレイの設定は本編よりSFチックでスケールでかいよなぁ。
今回登場のマーレ・ストロード、種死アストレイ本編であまりにいいとこなかったんで少しは強くしてやりました。まあ負けちゃうんですけどね。
『二人』のうちの一人はナランチャでした。残りの一人は次回です。今日中に投下したいと思います。
GJです。書くの速いッスね。
GJ!
ファントムペインサイドは19歳になったナランチャまできましたか……
この二人で年齢が本編の+2なら次はまさか22歳になったカリメロがベレッタぶっ放したりとか…9mmオートハァハァ
あ、でも死んだ時21歳になってたらしいし23歳?
どうにかできたので、投下します。
アウルは向かってくる男、マーレ・ストロードに対し銃弾を放った。だが、マーレは怯むことなく、アウルへと歩み続ける。弾丸は彼に当たることなく、後方へとすっとんでいった。
「な!!」
アウルは焦っていた。ステラが倒されたことに。相手が怯まなかったことに。その焦りが、彼の狙いを甘いものにしてしまった。落ち着いて心を決めなければ、命中させることはできない。
「剣に限らず、重要なのは間合いだ……剣の間合いでならば、剣の方が銃よりも強い」
そして、気がついたときには、アウルはマーレの間合いに取り込まれてしまっていた。
「くッ!」
アウルは銃を捨てポケットから小型ナイフを抜き、応戦する。
「呼吸を整えろ。呼吸を乱すものは恐怖。恐怖を克服したとき、呼吸は規則正しく乱れない。どんな攻撃にも冷静に対応できる。それが『境地』というものだ」
マーレは呟き、『俺もそんな境地にはほど遠いけどな』、そう言って笑っていた大嫌いな男の顔を脳裏に浮かべる。
マーレのナイフがアウルのナイフを弾き飛ばす。無意識のうちに彼は呟く。ポルナレフの技量を盗もうとするうちに憶えてしまった彼の言葉を。
「剣とは戦いの道、覚悟の道だ。数グラムの銃弾では感じ取れない、命と死の重さをその手に感じろ」
マーレのナイフが、
「そして、それでもなお、己の道を切り開け」
奔った。
ビュンッ!!
ナイフは空を切った。
「………」
マーレの目に、アウルを引っ張って動かした『男』の姿が映る。いつの間に近づいてきていたのか、わからなかった。そのことにプライドが傷つけられる。
「次は貴様か」
マーレの問いに『男』は答えず、手振りでアウルを促し、アウルはその場を離れた。そして『男』はマーレを見る。
「よい剣だ……」
『男』の言葉にマーレは内心驚いた。『男』はナイフではなく、『剣』と言った。それは手の内を読まれているということ。
「ただのナイフ使いではない……その若さでそれほどの『剣の道』を歩むとは……『良き師』にめぐり合ったと見える」
(良き師だと? あいつが?)
マーレは知った風なことを言う、『男』の言葉にいらついたが、なぜか否定の言葉を出せなかった。
『男』は、悠然とマーレを見据えた。ただならぬ眼光であった。どこにでも売られている素っ気無いシャツとズボンを着ており、大柄で逞しい筋肉をしている。侵入者の中では飛びぬけて年長で、50歳くらいと思われた。
逆立てた髪が、あの教官を思い起こさせてマーレの気に触る。
「行くぞ」
『男』はそれだけ言うと、マーレへと近づいていく。その歩みは不思議に軽やかで、『男』の体が幾重にもぶれているように見えた。
近づく『男』を睨むマーレは、自分の呼吸が荒れていることに気がついた。
(恐怖しているのか? 俺が?)
「そんなわけあるか……」
マーレは呼吸を整える。
『男』が床を蹴って跳んだ。そしてマーレに向けて両足をそろえて突き出し、蹴りの体勢で突き進んだ。その動きはマーレには奇妙にゆっくりと見えた。
「こんなノロい蹴りでッ!!」
マーレはその足をつかみ、ナイフを突き立ててやろうとした。だが、
バアシィッ!!
「なっ!?」
足をつかもうとした瞬間、『男』はいきなり両足を大きく開いた。つかもうとしていた左手は、肘を伸ばされて『男』の右足に押さえられ、ナイフを構えていた右手も『男』の左足に絡めとられ、同様に伸ばされ、押さえられている。
マーレは、両腕を『男』の両足によって開かれ、『男』を頭上で持ち上げている状態になっていた。どう力を入れられているのか、腕は極められて動かすことができない。
「ううっ!!」
今までにない状況に、マーレの呼吸が乱れた。
「精進せい、若いの」
『男』が笑みを浮かべた。それは敵のものであるというのに暖かで、どことなく、あの大嫌いな教官に似ているように思えた。
悔しかった。この敗北に、悔しさがないことが。堂々と戦った結果としての敗北に、清々しさすら感じたことが、変わってしまった自分が、どうにも悔しかった。
(くそ、ジャン・ピエール・ポルナレフ。認めてやる。貴様の勝ちだ)
もはや勝負の次元ではない。たとえ剣の腕でポルナレフを越えたとしても、それによって感じるのは、復讐心でも嗜虐心でもないだろう。その時、自分はきっと、あの教官に感謝してしまう。そのことに気がついてしまった。
「稲妻空烈刃(サンダースプリットアタック)!!」
掛け声と共に、『男』の両手から手刀が放たれ、マーレの首筋を襲う。マーレは思わず頭を後方にそらして逃げようとするが、逃げ切れるものではない。
(くそ、やっぱりナチュラルなんか、大嫌いだ……)
マーレは首に衝撃を感じると同時に、意識を刈り取られてその場に倒れた。
その時にはすでに、格納庫内のザフト兵は全員床に倒れていた。
「見事だ。ダイアーさん」
ブチャラティは、その『男』――『ダイアー』に賞賛を送った。もしもこの襲撃がファントムペインの三人だけで行われていたら、あるいはあの凄腕のザフトレッドに倒され、失敗していたかもしれない。
ダイアーはこの六人の中でも随一の戦闘能力を持っている。中でも、相手の心理を的確に読み取り、蹴りを敵にあえて受け止めさせるようにしむけることで極める『稲妻空烈刃(サンダースプリットアタック)』は強力な必殺技だ。
「邪魔すんなよおっさん。あそこから俺の逆転劇が始まったとこだってのにさぁ」
アウルが拗ねた表情で文句を言う。実際は勝てなかったことをアウル自身わかっているのだが、そうそう礼を言えるほど素直な性格ではないのだ。
「いや何、若い才能に出会って血が騒いだのでな。しゃしゃり出てしまった。すまんな」
ダイアーは鷹揚に笑って謝る。
「ステラは大丈夫かよ?」
「平気」
ナランチャの問いに、マーレに蹴られたステラが答える。
「おーい、のんびりおしゃべりしている場合かよ?」
スティングに言われ、ブチャラティは頷いた。
「よし、では三人ともすぐに乗り込め!」
ブチャラティの言葉に、ステラたちは弾かれたように行動を起こす。
一分と経たぬうちに、三機のMSは動きだした。こうして、後の大戦の引き金は引かれたのだ。
「くそッ、何でこんなことに!」
『コア・スプレンダー』で現場に急行するシン・アスカは、思わず悪態をついた。
新型MSが三機とも奪われるだって? 冗談みたいな悪夢だ。しかも、あの格納庫にはマーレ・ストロードがいたのだ。いけすかない先輩だが、戦闘やMS操縦の腕前には一目おいていた。特に剣においてはシンより一つも二つも上だった。
ポルナレフ教官がシンにだけもらしたことがある。
『あいつもなかなかいい目をするようになったよ。俺を越える日も近いかもな』
その言葉には、まだまだ越えられてはいないという余裕もあったが、いつかは越えられるだろうという悔しさと、期待と、喜びがにじんでいた。
正直、それを聞いたシンはマーレに嫉妬を抱いた。そして、そのマーレが生死不明という状況に、シンは複雑な心境だった。だが、間違いなく言えることが一つあった。それは、
「あいつら、絶対に逃がさないッ!!」
ということだった。
そしてシンは現場に到着すると、カオスに押されるザクに援護射撃した後、『コア・スプレンダー』と『ユニット』を合体させ、新型MS『インパルス』に変えて、暴れまわる三機の前に降り立った。
「何でこんなこと……」
シンは叫ぶ。怒りを、言葉と瞳に込めて。
「また戦争がしたいのか!? あんたたちはッ!!」
To Be Continued……
というわけで、『PHASE 01・引かれあう者たち』のラストです。ない脳みそをしぼって考えましたが、少しはマーレをかっこよくできたでしょうか? というか、アニメ本編に出ないこいつの知名度はどのくらいなんでしょう?
最後の一人はダイアーさんでした。本編で不遇だった分、贔屓にしたいキャラです。服装が違うのは、さすがにあんな鎧じみたものを着せるのは、コズミック・イラ的にどうかと思ったので変えました。
ポルナレフの師匠っぷりはどうだったでしょう? それが気がかりです。
>>305 今回はストーリーが決まっていたので早くできました。ネタに詰まってからが厳しくなるでしょうね。書けるうちに書いとこうということで、早めに仕上げました。疲れました。
>>306 アバッキオもいずれ出しますよー。基本的にジョジョキャラの年齢は、本編の年齢+2です。吉良のころにはそこまで考えていなかったので、吉良は+1の34歳になってますが。ポルナレフは精神的には5部で38歳以上、肉体的には3部なので26歳です。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦終結のすぐ後に、ジョジョキャラがこの世界に現れたという設定です。しかしコズミック・イラ、平和が破れるの早すぎ。
やられた・・・まさかチョップの人が出てくるとは思いもよらなかったッ・・・!GJ!
>>313 GJ!
ここでダイアーさんをチョイスしてくるとは……
GJ!まさかあのダイアーさんが出現するとは!!
この世界は宇宙一回転後の展開なんだろうか?
意外!それはダイアーだった!!
マジGJッ!
マーレは大好きな愛するべきヘタレ…もとい、キャラでしたので、
こういう扱いは大歓迎。
このマーレなら、復讐リストならぬ、ライバルリストをつけてそうだ。
ガシャンの人キタ-√レv(゚∀゚)w√レ-!!
キャラチョイスがなんだか多彩になってきてる!?
マーレも見せ場がもらえて、ご祝儀のGJ
「アホが!」も「ガシャン」もしないダイアーさん初めてみた。超GJ!
ダイアーさん?
えっ・・・ダイアーさんッッ!?
マーレ「くやしい…でも(清々しさを)感じちゃう!ビクビクッ」
そうだよな・・・ジョジョはスタンド使いだけじゃないもんな。
スッゲェーうれしいっすよぉー。
しかもジョジョで1番好きな形兆いるし、ヤバすぎだぜ
GoooooooodJob!
ダイアーさんが来るとはマジで予想外だ…
BIZARRE の方もGJだけど、戦闘潮流の方の続きも気になるもれがいる
キラのもとにプロシュート兄ぃをやって、キラを更生させて欲しい。
>>325 えー、プロシュート兄貴はAAには行きません。それにキララクはイッちゃっててなんぼだと思ってます。まともにしちゃうと個性が弱くなって困る。
というわけでネタバレ、BIZARREの敵はキララクです。
それと一応のルール。
1.登場するジョジョキャラは基本的に本編で死んだ者である。
2.ジョースター一族、ツェペリ一族は登場しない。
3.吉良以外のボスキャラは出ない。
これに沿って進めます。
兄貴でないのかぁ・・・・・・orz
キラが兄貴におでこっつん+説教されて、兄貴の覚悟を「言葉」ではなく「心」で理解して、
ラクスの呪縛を振り切ったり・・・とかを妄想していたのです。
ウェザーが「お前は自分が悪だとは気づいていない 最もどす黒い悪だ」
とか言いそうだから困る
しかし、実際プロシュート兄貴がAAに行ったら……
ある夜、オーブ領内に侵入した集団があった。彼らの目的はただ一つ。
『一人の少女の抹殺』
だが、その目的は予想外の人物によって阻止されることになる。
「な、なんだ、銃が重い……」
「呼吸が……苦しい……目も、よく見えない……」
黒装束をまとった彼らは気づいていまい。その服の下の肌は急速に水気を失い、髪は色素を失っていることに。
そして、十数発の弾丸が放たれ、コーディネーターの精鋭部隊は枯れ木のように脆く、死に絶えた……。
『ガンダムSEED・GRATEFUL DEAD』
「な、何も殺すことないでしょう!!」
キラはその男、プロシュートに叫んだ。確かに、あの襲撃の夜、助けを彼に頼んだのはキラだが、何も皆殺しにするなんて、そう思った。
「馬鹿か。殺せるうちに殺さない手はない。奴らを逃がして、また襲ってきたらどうする? お前だけならまだしも、ガキどもまで巻き添えにするかもしれねえんだぜ?」
「うっ……」
もともとキラは語彙量がある方ではない。漠然といけないと思うことをいけないと言っただけで、正論で切り返されるとそれ以上言うことができない。せいぜい質問を質問でかえし、相手を煙に巻くだけだ。
彼、プロシュートはキラが海を散歩していたときに見つけた男だ。全身に傷を負い、意識を失っていた。使い物にならなくなった四肢の一部は今は機械になっている。
なぜそんな傷を負ったのかは話してくれないが、ただ身にまとう気迫が、彼を普通の人間ではないと思わせていた。
マリューやバルトフェルドは警戒したが、肝心のキラやラクスはそういうことにはこだわらない(この際美点とはいえない)ので、プロシュートは孤児院で生活を共にしていた。
「お前たちには義理がある……命を救ってもらった義理、居場所を与えてもらった義理……だからお前を、ラクスを、マリューを、バルトフェルドを、全員を、守ってやる……だがそれはあくまで俺のやり方でだ。俺のやり方、生き方まで指図される気はない」
プロシュートは淡々とそう言った。
こんな感じ?
ガンダムSEED・BIZARREの方が書けなくなるので、書きたいとおっしゃる方がいたら書いてみてください。BIZARREの方に兄貴が出る可能性は否定しませんが。予定は未定。
ただ、プロシュート兄貴は男の中の男であると同時に、目的のためには無関係の乗客を皆殺しにするほど冷酷な、生粋のギャングでもあるわけで、実際キラと会ったら、更正はさせないでしょう。
オーブ政権をクーデターで奪ったり、『甘やかすのはキラのためにならねえ』とラクスを暗殺し、すべてが落着した後で、ラクス殺しを自白し、『キラ、俺をどうするか、てめえが選べ』と選択を迫るとか……
まあ、そこまでキラに義理立てするのも不自然でしょうが。
ということでこの辺で。
BIZARRE 2話はたぶん来週になります。
ってことはカーズ様は出ないのか
ユニウスの破片と一緒にカーズ様、地上に再び光臨
来週とは言ったものの、プロシュート兄貴編を書き捨て状態にしてしまったのが申し訳ない。
おわびを込めて書けた分だけ投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 02・戦闘激流』
「思ったよりも反応が早いな」
ブチャラティは苦い表情を浮かべた。
今、ブチャラティ、ナランチャ、ダイアーの三人は、ステラのガイアに乗り込んでいる。ブチャラティが操縦席の後ろの壁にジッパーを貼り付け、そこに生まれた空間に入っているのだ。
「しかもかなりの腕だ」
ブチャラティはガイアのコクピットから、前に立ちふさがるインパルスを見据えて言った。
「くうう〜〜ッ!!」
ステラが唸る。彼女は今までにこのような強敵と戦った経験がない。彼女たちファントムペインには圧倒的に敗北が足りない。ゆえに、予想外の敵に対し、冷静さを失いやすい。
「あのザクたちもやるな……」
インパルスが現れる前に、すでに戦っていた、二体のブレイズザクファントムの動きを見て呟く。白いザクがアビスを、通常より暗い緑のザクがカオスを相手にしていた。アウルは白いザクと互角に戦えているようだが、スティングは暗緑色のザクに押されている。
(総合的に見て、こちらが不利だ。これほどのパイロットが揃っていたとは……。この白いMSもステラを上回っている。動きに若干のためらいが見えるのは、この機体を取り戻したがっているからだろう)
おかげでまだ制圧はされていないが、このままではまずい。
そうしているうちに、人工の大地に衝撃が走った。ネオが港口を破壊したのだ。
〈ブチャラティ! 今の〉
「ああ、限界だ」
ブチャラティはアウルに答える。だが、このままでは離脱もままならない。
「なあブチャラティ、もう一体来たぜ!!」
ナランチャが叫んだ。確かに、赤いザクがこちらに迫っている。手には巨大なビームライフルを持ち、こちらに銃口を向けている。
「次から次へと……」
ブチャラティは思わずため息をつく。当初の計画では、MSを奪ったらさっさと逃げる予定だった。追撃を防ぐために工廠を破壊する案も出たが、すべてを壊しきれるほど機体のエネルギーも続くとは思えないため、余計な手間をかけずに逃げることにしていた。
だが、実際は逃がしてすらもらえない。
「3対4か。ジンならともかく、新型ザクとなるとさすがにまずいな」
ブチャラティは判断を下した。
「『スティッキー・フィンガーズ』!!」
スタンドの拳がコクピットの側面を殴り、ジッパーで壁に外まで続く穴を開けた。
「『ダイアー』、外に出て、適当なMSに乗って援護してくれ」
いつもはダイアーを『さん』づけで呼ぶブチャラティが呼び捨てにした。それはチームリーダーとしての命令ということ。命令を受けたダイアーと、側で聞いていたナランチャがさすがに豆鉄砲を食らった鳩のような顔になる。だが、ダイアーはすぐに不敵な表情を浮かべて頷き、
「任せておけ」
そう言って、機外に躍り出た。
シンは一瞬、目がおかしくなったかと思った。ガイアのコクピットから、大の大人がすり抜けて出てきたように見えたのだ。そのあとすぐにガイアが飛び掛ってきたので、確認の暇はなかったが、気のせいということで片付けた。
だがシンの見たものは気のせいでも幻でもない。ダイアーはコクピットから10メートル以上も下の大地に向けて飛び降りていた。時々、ガイアに接触して、ブレーキをかけつつ、数秒で地面にたどりついた。もし少しでも遅かったらガイアに跳ね飛ばされていたかもしれない。
「さてと」
ダイアーは、コクピットから見下ろした中で、一番傷のなさそうなMSに向かって走った。
「それは俺が乗るはずだった機体だ……返してもらうぞ」
カオスの正式パイロットとなるはずだった男、虹村形兆は呟くと、ザクファントムを操り、ビームトマホークでカオスに切りかかる。
「こ、この野郎、速いうえに、なんて正確に動きやがる!!」
スティングは悲鳴に近い声をあげた。
形兆は『計算しつくされた』といえる動きで、カオスを追い詰めていった。スティングがどう攻めようとも、予測済みとばかりに防ぎきり、的確に最も隙のある部分を見抜いて攻撃してくる。いや、見抜いているのではなく、意図的に隙をつくりだしているのだ。
どこを攻撃されたら、どのように守るか、その守りによってどのような隙ができるか、それを完全に計算している。
「こ、この『几帳面バカ』がぁ!!」
やや意味不明な罵声をとばすスティングだったが、このままではいつか守りきれない隙を生み、仕留められてしまうだろう。
少しずつ相手の陣形を崩して、決定的な一手を打ち込む詰め将棋のように!!
「うおおおおぉぉぉッ!!」
スティングは吠えて、ビームクロウを振るう。だが、
ドッゴォォォォン!!
そのビームクロウが粉々に吹き飛んだ。M1500オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲による攻撃だ。見れば、新手の赤いザクがこちらに砲口を向けていた。
「ザ、ザフトがぁッ!!」
スティングは叫んだが、これが決定的な隙であることは自覚していた。
「予告どおり殺す!!」
形兆は、トマホークをカオスのコクピットめがけて振り下ろしそうとした。しかし、今度は彼が不意をくらうことになる。
一体のザクウォーリアが、形兆のザクファントムにタックルをくらわしたのだ。
「何ィッ!?」
形兆は吹っ飛んだものの、体勢を整えて倒れこむのは回避する。
「貴様も敵か!」
四人目の敵を相手に、形兆は怒りの叫びをぶつけた。
「ザフト兵よ!! このダイアーがお前の相手だ!!」
ザクを奪取したダイアーは、戦意を漲らせて、戦闘へと向かった。
〈スティング!! そちらはダイアーに任せて、ステラの援護を頼む!!〉
「……くそっ!!」
悔しさに歯噛みしながらも、ブチャラティの命令を受け、スティングはその場を離れた。ブチャラティの任務はファントムペインの援護であるが、ネオから臨時の命令権を与えられており、スティングが逆らうことはできない。
もっとも、スティングは簡単に命令を聞くほど扱いやすいタイプではない。それを従わせるのは、ブチャラティ個人の力あってのことだ。
スティングはガイアの援護に向かう。途中、クローを破壊した忌々しい赤ザクが立ちふさがったが、ビームサーベルでビーム砲を持つ腕を切り落としてやった。そのザクは離脱していったようだが構ってはいられない。
ガイアに対し、完全に意識を向け切っているインパルスの背後に、サーベルをくらわそうとした。だが、また別のザクが現れ、突進してくる。
(さっき鬱陶しかった奴か!!)
片腕を切り落としてやったのに、まだ向かってくるとは。サーベルで斬るのは間に合わないので、カオスの胸からビームを発射し、ザクを撃つ。ザクはシールドで防いだものの衝撃は殺しきれずかなりの距離を吹き飛ばされた。
やがて格納庫の壁に激突して止まった後、戦場を離脱していった。
しかし、このザクのおかげでインパルスへの攻撃が遅れ、接近を気づかれてしまった。インパルスは振り向きながらレーザー対艦刀を振るい、カオスを襲う。カオスはスラスターを噴かして、後方に跳んで避ける。
「なるほど、いい反応するじゃねえの」
スティングは呻いた。
(くそぉ!! さっきの几帳面バカといいコイツといい、それにブチャラティにダイアーに……強い奴がなんでこんなにいやがるんだ!!)
To Be Continued……
>>327 いやAAに行かないといっただけで、まだ出さないとは……ストーリー的に難しいからはっきりと出すとは言えませんが。
>>328 むう、言わせられなくなってしまった。
>>331 カーズ様、DIO様、ボスは出せません。彼らを出したらキララクどころじゃなくなります。
これからもどんどんジョジョキャラは出す予定です。
今のところ一番扱いに悩んでいるのは……重ちーをどうしよう……。
おぉ…重ちーでるのか、実は第四部屈指の実力を持つ男(吉良じゃなきゃ倒しきれんよハーヴェスト)
つかいどころが難しそうですが頑張ってください
340 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/25(金) 21:01:53 ID:08UWxomN
重ちーはジャンク屋になれば大成功するよな
重ちーはバッドカンパニーなら楽勝じゃないか?
似たようなもんだしな
吉良の爪の設定ってひょっとして北欧神話から来てるのかなぁと思った
犯珍(笑)
爪がたまるとラグナロクがおきるんだっけ
ああ、ナグルファーの話か
確かにそれっぽいな
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 02・戦闘激流』
その頃、アーモリーワンの外の宇宙空間でも戦闘が繰り広げられていた。
「出てこないな」
そう言ったのはネオ・ロアノーク。『白仮面』の二つ名を持ち、組織の指揮官の中ではベスト3に入るとも言われている。その二つ名どおり、白い仮面を被り、目と鼻を隠している。かつての戦いで受けた傷を隠すためという話だが、彼の経歴を詳しく知る者はいない。
「失敗ですかね?」
副官のリーの言葉に、ネオは考え込む。確かに時間には遅れている。この戦艦『ガーティ・ルー』の性能は高いが、相手は軍事工廠だ。時間がかかれば物量に攻め落とされる。今は港口を破壊し、兵器が外に出られないようにしているが、いずれ復旧するだろう。
そうなる前に離脱せねばならない。
「しかし……『彼ら』が失敗するなど、そうそう考えられないがな……」
ネオは、作戦実行者、六人の顔を思い出しながら言う。
スティング、アウル、ステラの三人の実力はよく知っている。付き合いは二年に満たないが、どんな作戦も共にこなしてきた。彼らはファントムペインの中でも屈指の実力者だろう。
地球各地で起こる、軍隊と民間の軋轢の解決、軍の風紀維持、独立運動グループへの対抗……治安を乱すものに対して、民であれ軍であれ、区別なく警告し、調査し、交渉し、粛清する権利を持った特殊部隊。
治安維持特別部隊『スリーピング・スレイヴ』
それは、最初は余裕をもって迎えられた。軍の風紀を正すなどというのは、軍によって被害を受ける民間の不満を和らげるための方便だろうと思ったのだ。
やがて、ブチャラティたちが、本気で軍の乱れを解決しようとしていることを知ると、余裕は嘲笑に変わった。二十歳になったばかりの若造の率いる部隊に何ができるものかと。
半年も経たぬうちに、嘲笑は焦燥に変わった。スリーピング・スレイヴは予想外の実力と公平さで、問題を解決していったのだ。何人もの軍人を営倉や裁判所に送り出しながら。
中にはMSまで使い、彼らを『不慮の事故死』させようとした部隊もあったらしいが、ことごとく失敗に終わっている。一方的に暴力をふるわず、交渉からはいるブチャラティたちの態度は、民間の運動グループに歓迎された。
ブチャラティは運動グループに対して、及び腰でも、居丈高でもない、公正な態度で交渉を行い、多くの場合は血を流すことなくことを治めた。
もちろん血を流すことがないわけではなかったが、そのとき流れる血は、相手側の血の方が圧倒的に多かった。
そうするうちに、ブローノ・ブチャラティとスリーピング・スレイヴの勇名は強大なものになった。『民衆の味方』『軍規の調整者』として。
それが今、ブチャラティはスリーピング・スレイヴから離れ、ファントムペインのした働きとして、MSの強奪などという汚れ仕事に手を貸している。その理由については詳しく知らない。
大きくなりすぎたスリーピング・スレイヴの名声と実力を、軍上層部が恐れ、力の分断を図ったのだろうと、ネオは睨んでいる。
理由はともかく、ネオにとって彼らが指揮下に入ったのは、歓迎すべきことだった。
あの三人の子供たちが……前よりも生きていられるようになったのだから。
ブチャラティは上層部とかけあい、ファントムペインの『ゆりかご』――失敗、挫折の記憶を取り去り、ストレスのない精神状態で戦えるようにする装置――を取り払った。
『挫折を克服できないような脆弱な精神など、生き残れるものではない!』
ブチャラティはそう言い放った。
そして、薬物投与すらやめさせた。ネオは、薬物投与をしなければ正常な状態を維持できないと言った。だが、ブチャラティの部下である男、ダイアーが、ステラたちの体に触れると、ダイアーの手から光が放たれ、ステラたちの肉体を癒してしまったのだ。
ネオや部下の学者たちは仰天したが、ダイアーの能力については機密事項ゆえに、詳しくは話せないということだった(ただ〈波紋〉という名称らしい)。
それからは教育のやり直しだった。嫌な記憶を消さない状態での訓練。敗北の記憶を引きずったままの訓練。当初、ステラたちは目に見えて力を落としていった。だが、今は力を持ち直し、全盛期の力に戻っている。これからもその力は上昇していくことだろう。
ブチャラティの方針が正しかったということだ。
ブチャラティもダイアーも、人に教えるのがうまく、優れた教師であった。ナランチャは、ステラたちにとって初めての友人となった。特にやんちゃなアウルとは気があったらしく、共にイタズラを繰り返している。
そうして、以前よりも感情豊かになった三人を見て、ネオは胸に痛みを覚えた。
それは、三人を変えたブチャラティたちへの嫉妬と……今まで三人に何もできないでいた自分への不甲斐無さだった。そのとき、ネオは気づいた。自分がステラたちをこれほどに大切に思っていたことを。
MS奪取作戦の二週間前、ネオはブチャラティに礼を言った。ステラたちを人間にしてくれたことを。だが、ブチャラティはこう答えた。
『俺は、本当に機械として扱われ、感情をなくしてしまったファントムペインを何人か見たことがある』
ネオはピンと来た。それは、今までのスリーピング・スレイヴの戦いの中で、遭遇したのだろう。敵として。
『だが、ステラたちは感情を失っていなかった。それは、周りに彼らを人として扱っていた者がいたからだ』
ブチャラティはまっすぐな目でネオの目――仮面の奥の目を見つめ、言った。
『あんたはいい人だ……あんた自身が思っているよりも』
その言葉をネオは思い出しながら、席から立ち上がっていた。
「出撃して時間を稼ぐ。艦を頼むぞ」
そう言うと、ネオは自らの機体に向かった。あの六人を帰ってこさせるために。
数分後には、ネオは宇宙空間を飛んでいた。
ネオ専用機、TS−MA4F〈エグザス〉。鋭い流線型のMA(モビルアーマー)である。ビームを放つユニット四基を飛ばして、四方から同時攻撃するビームガンバレルを搭載した、強力な機体だ。
ネオは呟く。
それは、どこかの詩か小説の一節だったか、どこぞの芸術家の文句だったか。
「『人は皆、運命の奴隷……運命は変えられず、運命のままに生き、苦難の道を歩みて……そして死ぬ』」
ネオの放った攻撃が、一瞬で二体の敵MSを破壊する。
「『されどその苦難には……意味があるのかもしれない。どこかの誰かに希望として伝わっていくような……何か大いなる意味となる始まりなのかもしれない……』」
今、自分の行いは何かの始まりとなるのか?
「『無事を祈ってはやれないが……彼らが〈眠れる奴隷〉であることを祈ろう……目覚めることで……』」
彼らとは、俺のことも指すだろうか?
「『意味のあることを切り開いていく……〈眠れる奴隷〉であることを……』」
ネオは切に祈った。自分が、あの哀しい運命を背負う三人の子供たちにとっての、あの尊敬できる男たちにとっての、〈眠れる奴隷〉であることを。そうであるのなら、苦難の道などいくらでも歩んでやろう。
To Be Continued……
今回、ブチャラティの現状について書きました。
>>340 いいなそれ。ジャンク屋でいくか。
大雑把な今後の展開の予定を書いてるんですが、まだ40話くらい書かなきゃいけなくなりそう。気が遠くなる……。
この前投下したルールやネタバレもどんどん変更されていくし(キララクなんか特に)。前途多難。
それはさておき、ブチャラティに『切り裂きエド』『乱れ桜』のような二つ名をつけたいと思います。
なんかいい二つ名があったら、アイデアを出してみてください。よろしくおねがいします。
>>348と
>>349の間に、抜けた文がありました。
『 そして、もう三人。彼らの力はもはやネオの考えが及ばない世界である。その所属はファントムペインではない。ネオがファントムペイン隊長の地位についたのと同時期につくられた特殊部隊。 』
354 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 15:28:16 ID:hwlMbr+2
だがちょっと待ってほしい
種のMSは何時の間にMFになったんだろうか?
不思議ですてにー
波紋SUGEEEEEEE
ネオがいい人になってる!変態仮面のくせに!
おかっぱつええええええええええ
あとスウェン思い出してちょっと切なくなった(´・ω・`)
>>355 別にダイアーさんも形兆もモビルファイターになったわけではありません。
普通に血みどろになるまで練習して、普通に強くなったというだけです。
オーブが焼かれた時、一般人だったシンや、ナチュラルのロウ・ギュールが凄腕パイロットになっているのだから、不可能なことではないでしょう。
形兆兄貴は、モンスターマシンに乗ってもびびってみみっちい運転をする、能力と根性のないウスラボケではないので精神的に問題なし。
また複数スタンド、バッドカンパニーを同時に操ることで空間認識能力を磨いていることから、全方位攻撃のできるカオスの正式パイロットとなったという設定。
ダイアーさんはMSの運転に耐えうる肉体、反射神経、精神力はすでに備えています。
あとは練習次第と思われます。バリー・ホーが拳法家で、それを生かしたMS運転を行っているというので、肉体能力もMSに生かせると考え、ダイアーさんもMSに乗せました。
納得していただけたら幸いです。
gj!
359 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 23:51:04 ID:uc9mRjI2
シン>コーディ
ロウ>ハチのサポート
バリー>吉良様謹製OS
カオス>コーディーOS
やっぱ無理。('A`)
Q:ヤクザがF-22を操縦できますか?
A:絶対無理
361 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 23:56:51 ID:jDeC2qFI
はいはい、キラ厨キラ厨
クルーゼ&レイ(ナチュラル)が、コーディーOSを使いこなしているのだ
やってできんことはない
362 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 00:11:28 ID:3L9yHa0m
信念さえあれば人間に不可能はない!
人間は成長するのだ!してみせるッ!
逆に考えるんだ。種世界の蛙人類は凶暴な割りに知力や身体能力が退化しているのだと。
>納得していただけたら幸いです。
車を運転できるかも怪しい19世紀の人間がMSを操るなんて幾らなんでも冒険しすぎ。負債以上の超補正だぜオイ。
ジョジョキャラはあくまでも能力勝負。MSを操縦するなんてゲテモノにはなってほしくなかったんだがなぁ。あんた本当にファンか?
MSに乗ってちゃスタンド能力も波紋もまともに使えんだろ。近距離型スタンドの射程外じゃないか。
それともMS越しで能力が使えるのか?それをやっちゃファンを名乗る資格はないぞ。
名前だけを借りたオリキャラなんぞつまらんぞ。まともなジョジョキャラ出せないの?
普通に考えて扱い方のわからんメカに乗って操れると思うか?どこのKIRA様だよ。
現実に当てはめれば戦闘機をいきなり操縦しようとするものだ。ハリウッド映画の見すぎじゃないか?
動かせずにサイ見たく扱けるか、案山子にしかならんとおもうがねぇ。
ちなみにシンもバリーも操縦訓練をつんだ腕をもつし軍人だ、ロウはジャンク屋家業で下積がある。
というか、あんたの言い草バリーを虚仮にしてないか?
コアなジョジョヲタが噛みつきまくってて笑ってしまった。
乗り物に乗るのに時代とかそんなに関係あるのか?
そりゃ原人とかネアンデルタール人とかは無理だろうけど。
車を運転したことないんだろうなこの猿はw
>>366
>>357 俺が君にいうべきことはただのひとつだ
「かまわん、やれ」
>>357 いいんだよ なぜならばジョジョキャラは種のこーディねーたー以上にとんでもない連中なんだからなっ!!
不老不死やら宇宙一回りさせたりする世界の連中にいまさらに何をって感じだな・・・。
あとダイアーさんが何気に渋い活躍だGJ。
普通に考えて扱い方のわからんメカに乗って操れると思うか?
扱いの分からんスタンド能力を覚醒してあっさり使いこなす連中だらけだけどな
ジョジョの世界は
やれやれだぜ
ジョジョオタなら、この一語ですべてに説明がつく事は
承知のはずなんだがな
つ『凄み』
また名前を借りたオリキャラモドキか・・・・・・・やれやれだぜ。
>>370 乗って離陸させるくらいなら
ジョセフが若いときにやってたような記憶が。
別にアムロやキラみたく初めてで乗りこなしたって訳でもないだろう
MS乗るのがそんなに騒ぐようなことかぁ?
訓練すりゃ19世紀人でも問題ねーと思うぜ
波紋で馬が操れるんだからMS飛ばすくらい造作もないことだろう。
複雑さのケタが違う。
訓練すればMSにも乗れるだろ ジョジョキャラは
もともと知能は高い上 学習能力が超人的だ。
おまけに己の信念と哲学を持つから種キャラよりも精神的にもタフ
こんなメンバーが強くないほうがおかしい。
つかさ、作者氏が「普通に訓練しただけ」って言ってるじゃないか。
動かせるようになるまで、ひたすら訓練しただけの話だろ。
「出来ない」と決めつけたら、何も出来ませんよ?
種世界には始めから「無理」と決めつける奴が多すぎると思う。
>訓練すればMSにも乗れるだろ ジョジョキャラは
>もともと知能は高い上 学習能力が超人的だ。
おいおい総サンタナ化かよ。それとも赤石つけた石仮面でも被ったのか?
そういう脅威の万能な敵相手に知恵と勇気で対抗するのがジョジョのジョジョたる所以なんだけどなぁ。
バッド・カンパニーは自立型だから空間認識関係ないんだが・・・
MSに載せてどうするんだろう。スタンド使いの意味がないような・・・・・
>納得していただけたら幸いです。
押し付けがましい俺設定・・・三人目氏かな・・・これは
一レスにまとめたまえ
形兆についてはバッドカンパニーを使って操縦してるとすると面白いかもなw
まあそこらへんは設定的には「議長が根回ししてナチュラル用OSのっけてた」で済むところだけどw
読んでる感じだと、どうせ議長はスタンドの存在を知ってて
スタンド使いを集めてるっていうような話だろうしね。
まあ柳田理科雄ではなく長谷川裕一を目指して設定の可能性を模索する方が
建設的なんじゃないかな。
設定厨のおかげで終わったなこりゃ。
>おいおい総サンタナ化かよ
別に訓練時間は一週間ですみたいな即席訓練ってわけでもなかろうに、
どうしてジョジョキャラ如き幾ら訓練しようがMS動かせるわけねーだろ、
見たいな反応になっているんだ?
批判はいいや 嫌なら見なければいいだけのこと。
まじめに議論するものでもないしな。
単に荒らしが来てるだけなので、変な事言ってる奴は放置推奨。
サンタナだったら操縦してるところを見れば一回で乗りこなせるんじゃね?
こいつの頭の中ではこの百年の間に人類の知能が飛躍的にあがった事になってるんだろうな。
三人目とか言い出す時点で騙るに落ちとる
おなじみのスレ潰し工作員か゛禿鷹みたいに集まってきたんだろ
ジョジョ厨の何が痛いかってちょっとでもけなされたらすぐにファビョるところなんだよな。
加えてキモい妄想を垂れ流すからますます手に負えない。
結局信者叩きですか^^
設定設定うるせーなぁ
別にいいじゃないか、おもしろいんだし
確かに度が過ぎる設定無視は萎えるが設定に固執して縛られるのも同レベルで萎える
嫌なら種だろージョジョだろーが原作だけ見てろよ
392 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 13:40:01 ID:Lp5K/bPN
そういえば自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が世界的に増えているという事実も多少気になるところだが
結局のところ人間賛歌が書けていればおkですがなにか
体感ゲームやゴーカートじゃあるまいし、実際特殊車両重機を動かしてみろ。難いぞ。
>>394 まだやってんすか?wwwおハヨーっすwwwww
>>394 二年間訓練しても動かせないほど難しいのか?
397 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 22:08:21 ID:EZwm2Tgb
そもそも、コーディOSの欠点は、オート化された動作が少ないために
操作が煩雑で動作のタイムラグが大きいというもの
彼らの反応速度なら十分対応可能
一例
シルバーチャリオッツには、視力が無い
アブドゥル戦でのコイン刺しに、光速で動くハングドマンを斬ったのも
『純粋に』ポルナレフ自身の動体視力と技量
ブチャラティの二つ名といえばやっぱり「眠れる奴隷」だろ
399 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 02:28:11 ID:L+AhaqXy
fs
今見つけた
ヤバイ、このSSマジすげぇ
>>352 >キララク
あんた種房か。
名前だけ借りたオリキャラ晒してなにがジョジョのキャラだ。ジョジョ調の台詞を喋らせてればいいってモンじゃないぞ。
嫁の同人ウニメのカエル面眺めて一人でオなってろ。
>>389 ならこのスレに来るなよ。種信者。
>>393 安い人形劇がそう見えるなら幸せだなあんた。
名前だけ借りたオリキャラと言えるだけの根拠は?
こいつらの論で行けば、原作者の制作物以外全部オリキャラ。
言っても無駄無駄。
原作のセリフ、行動から、逸脱しすぎてもいないし、ジョジョキャラの反応、運動力考えればでき無くない。
基本的知識の根幹から違う、というレベルの発展は遂げてないから。
第1、教本だって存在するんだから、初めてMSに乗った人間のように、試行錯誤する必要性0だし。
バカはお前だ。
参考になるかわからんが、俺でも2ヶ月で特殊車両免許取れたし。
MSの操縦が航空機よりも難しいかどうかで話は変わる。
種死のMSのOSが1stガンダムのレベルまでいってれば、素人でも動かすくらいは出来るんじゃないだろうか。
カイ・シデンが大型トラックの免許を持ってるからという理由でガンキャノンのパイロットやらされてたし。
ジョジョキャラはモビルスーツ操縦して戦うよりも
潜入工作とかスパイ戦に適正ありまくりな気がするけどな。
特殊部隊タイプなんだし種キャラとは別行動とる方がいいだろ。
>>405 世界でトップクラスのナチュラルのクローンであるラウやレイが、トップエースやザフトレッドになれる位にはMS操縦は難しいはず。
あと、ほとんどナチュラルと変わらないイランジャが、血の滲むような訓練すれば動かせるくらいの難易度でもある。
コーディはナチュより反応速度や処理能力や身体の耐久力が強い設定があるので、そこらへんが常人より上だったり、訓練次第では動かせるかと。
(ぶっちゃけ訓練してない学生のキラが動かせるので、必要なのは反応速度と処理速度と速度に耐える耐久力だけと言う気も)
単に場を荒らしたいだけじゃねえの。
その理論当てはめたら殆どのクロスとパロディは
オリキャラだらけになるし
つまりこーゆーことッスか?
「俺たちは、荒らしにいっぱいくわされた!」……
投下マダー?
変なのが暴れたせいで投下されなくなったらどうしよう
2,3,4,7部既読で他の部は先の楽しみにとっとこうと思ってたんだけど
がぜん5部が読みたくなってきた
作者氏続き楽しみにしてます
これだけ議論が巻き起こるってのは注目されてる証だぜ
おれも毎日巡回してるしナー
>>415 残念だが、議論が巻き起こってるんじゃなくて、荒らしが一匹わいてるだけだ。
いろいろと議論が巻き起こったようだが、少なくても話は面白いし、
俺も無駄に『○○は××だから駄目』というのは好まない。
そういう完全忠実系の縛りで書くとなると、
創意工夫が凄く大変で頻繁に投稿するのが難しくなるわけで。
一度、そういう縛りを張った奴を小ネタでもいいからやってみればわかる。
普通にスタンドバトルを考えるだけでもしんどいのに、
異世界の設定を混ぜた上に、通をうならせる痛恨のバトルを書こうとか考えた場合、
その作業の難題、複雑さをたとえるなら…。
『本体の痛恨の一撃で、スタンドを月まで吹っ飛ばす』
『四次元の知恵の輪を一日で解く』
そのぐらいの無理難題だ。
ましてや、BIZARRE氏の投稿ペースで出来るなら、
こんなところでくすぶってないで、とっととプロデビューでもしてこいってぐらいだ。
…まあ、それだけ大変なんだよね。
いちゃもん好きでも黙ってGJを投稿しちゃうような内容っていうのはね。
次回の投稿を辛抱強くお待ちしております。
ここまで支持されるとは嬉しいやらプレッシャーやら。投下します。
ダイアーが、『スリーピング・スレイヴ』に入隊したのは、ほんの一年前……ファントムペインの援護という任務を命じられる直前であった。
それ以前の彼はユーラシアの、中くらい程度の規模の町に住む一般人であった。
彼がどのようにしてその町を訪れたかは、ダイアー自身にもわからない。気がつけば町の外れに倒れていたのだ。
ダイアーは、邪悪の化身のごとき男に戦いを挑み、戦いと呼べるような行いをすることすらできずに、瞬殺された。最後に一矢を報いるのが精一杯だった。
あの後、どうなったかについて、ダイアーはあまり心配していなかった。あそこには、尊敬する師匠や、自分よりよほど優秀な弟弟子、そして親友が鍛え上げた勇気ある青年がいた。彼ら全員が敗れることなど考えられない。
それより困惑したのは自分の現状についてだった。自分は確かに死んだはずなのに、なぜこうして生きているのか。死後の世界か、生まれ変わりという奴か、答えは出なかったが、時間が経ったことで一つわかったことがあった。
自分には体があって、腹が減る、ということだ。
ここがどこであれ、ものを食べずにはいられないということは理解できた。ダイアーは町中を歩き回って職を探した。
途中、見たこともない建物や乗り物を目にしたが、不可思議なものは波紋や石仮面で慣れている。驚きはしたが、割とすぐに慣れることができた。何より人間はかつての世界と大した変わりはない。一月もしないうちに、ダイアーはこの世界に馴染んでいった。
ダイアーは無事、町唯一の建設会社に雇ってもらうことができた。力仕事の得意なダイアーは大いに働き、たちまち仲間からの信用を得ることができた。
会社自慢の作業用に改造したMS(社長がジャンク屋の友人から安く買い取ったプロトジン)の扱いも覚え、そのうちにMSで曲芸をさせられるほどの腕になった。
この世界に現れてから一年間、ダイアーは平和に穏やかに暮らしていた。
だがある日、事態は一変した。町の近くにある、連合軍事基地の指揮官が交代したのだ。今までは、町と基地は一定の距離置きつつ、平穏な関係を保ってきたのだが、指揮官交代と共に軍規は乱れ、軍人の犯罪が目に見えて多くなった。
難癖をつけては暴行をなし、金も払わず商品を持っていく。人々の不満は日に日に高まっていった。
そしてある日、七歳の少女が酔っ払った軍人により射殺されたことで、人々の軍隊への不満が爆発した。町中で軍人に対する攻撃が巻き起こり、軍はこれに対抗し、結果、町は紛争状態となった。その紛争の中にはダイアーもいた。
殺された少女は、仕事仲間の一人娘であり、ダイアーにもよく懐いていた。
ダイアーは素手で何人もの軍人を倒したが、多勢に無勢。彼一人が無敵であっても、他の人々は訓練を受けた軍人に取り押さえられていった。
三日後、軍は孤軍奮闘を続けるダイアーの前に、捕らえた人々を人質として晒し、投降を呼びかけた。
これまでかと、ダイアーが諦めようとしたとき、現れた男がいた。
その男は、一枚の書類を軍の指揮官に渡した。それを見た指揮官は、顔を真っ赤にして男を怒鳴りつけた。だが、男の鋭い眼光を目にして黙り込むと、今度は高圧的ながらも言い訳を始めた。
『これは、一方的に町人たちにのみ問題があることであり、自分たちは自衛のために攻撃を行っただけ』だと。
だが、その男が調査を始めると、指揮官の不正が次々と明るみに出た。資金の横領、犯罪組織からのワイロ、そしてもちろん、町人たちへの不当な行為のすべてが。
まるで『過去に指揮官が何をしたのか』をその目で見ているかのように、次々と証拠があがり、コンピュータのパスワードすらあっさりと解かれてしまった。
指揮官は刑務所に送られ、軍人たちも不正を行ったものは罰を受け、町人たちは解放された。
ダイアーが後にその男、ブチャラティに礼を言いにいくと、
『あなたはたった一人で軍と渡り合ったそうだが……その力、俺に貸してくれないか?』
ブチャラティはそのように言った。
『俺は力を求めている……もうこんな、軍によって弱い者が苦しむようなことが起こらないように、こんなことをさせないだけの力が必要なんだ』
その真摯な態度に、ダイアーは感銘を受けた。その態度に、正義を抱いて生きた、親友の姿を見た。親友の愛弟子の姿を見た。もう一度、もう一度戦おうという、想いが芽生えた。ダイアーは自らの能力をすべて明かし、ブチャラティの指揮下に入ることを誓った。
ダイアーは会社の仲間に別れを告げ、盛大な送別会の後、ブチャラティの部隊に入った。軍における戦闘法、高度なMSの操縦法、武器や機械の使用法を一年かけて学びながら、大尉という地位についたのだった。
作者様キター!!
超GJ!!
そしてタフなダイアーさんがww
カオス、ガイア、アビスがバーニアを噴かして飛んでいくのを確認する。それを追い、白いMSと白いザクも飛んでいった。
(とりあえず離脱する機会は作れたが……この目の前の相手をどうするかな?)
ダイアーはビームトマホークを構える暗緑色のザクを注意深く見つめた。
軍歴一年のダイアー。彼のMS操縦技術はかろうじて一流といえなくもない、という程度のレベルだ。精神的には脆いステラたち相手なら、ペースを崩し、本来の力を発揮させずに倒すことができる。
しかし、目の前の相手は間違いなく修羅場の経験がある、精神的にも強い、格上の相手だ。分が悪い。それでも戦わなければ生き残れない。
(ブチャラティ大佐も中々酷な命令をしてくれる)
内心苦笑すれどもブチャラティを恨む気持ちは微塵もなく、ダイアーは思い切って攻撃に出た。
まずはゆっくりとザクを動かす。生身で行う時のような、狙いを定めさせないような流水の動きではない。単に鈍い動きだ。だが、それが相手に疑心暗鬼を生む。
「……妙にのろいな」
形兆は呟く。相手の動きは、いらつくほどに遅いものだった。
「何か狙っているのか……」
彼はMMI−M633ビーム突撃銃で狙いをつけ、
「ならこうしたらどうする?」
銃撃を行った。ただし、それは相手を撃ったのではない。
「ぬっ!!」
相手のすぐ横にある、半壊した格納庫を撃ったものだった。そして、格納庫の中には大量の武器や、爆薬が収納されていた。それをビームで撃てばどうなるか。答えは一つ。
ズッグワァァァァァァァンッ!!
「うおお!!」
(まさか、自分たちのものを破壊するとは!!)
いかに半壊していたとはいえ、思い切った行為である。
「あるいは……逃げ遅れた奴が生きて下敷きになっていたかもしれんが〜〜、それは逃げ損ねて足を引っ張る奴が悪いィィ〜〜」
形兆が呟く前で、ダイアーの乗るザクは、爆風に襲われた。それに対し、ダイアーは反射的に回避を行う。だがそれは、ダイアーの意図しない行動であり、すなわち策や狙いを含まない動きであった。
「くらえい!!」
形兆は無防備となったザクにトマホークで切りかかる。だがそこで、ダイアーは形兆の思惑を超えた動きをした。
ブオン
スラスターを噴かして飛び上がったダイアーのザクは、形兆のザクのトマホークを握る右手に左足を、左肩に右足を置き、踏みしめた。
「なにィ〜〜!!」
それが拳や蹴りなら避けられた。
それがビームなら防げた。
だが、乗っかってくるなんて予想できようものか。
ダイアーは更にビームトマホークを取り出すと、
「かかったなアホが!!」
形兆のザクの頭めがけて振り下ろした。たとえ相手がどんな攻撃をしてこようと、ダイアーはこの攻撃を行うと決めていたのだ。不意打ち、奇襲を受けても、最終的に行うことにかわりはなかった。
建設会社で働いていたとき、一発芸として鍛えた『稲妻MS空烈刃』。正攻法で勝てる相手ではない以上、邪道で攻めるしかない!! 邪道はうまくはまればどんな強敵にも勝てるが、見切られればそれまでである諸刃の剣。
ダイアーの剣は見事、敵を切り裂くかに見えた。
だが、ここで虹村形兆は、彼がザフトのエリートであることを示す行動をとった。
普通ならッ!! バランスを崩し、倒れこまないように踏ん張るだろう。だが、虹村形兆は、
『逆に思いっ切り倒れ込んだ!!』
「ぬおっ!?」
形兆は、仰向けに倒れこむと同時にスラスターを噴かし、スライディングの格好で滑り、ダイアー機の下敷きにならぬように移動した。これがMSではなく生身であれば、スライディングの推進力が足りず、ダイアーの機敏で精密な動きから逃れることはできなかっただろう。
形兆は、安全な場所まで滑ると、素早く起き上がりダイアー機に対しビーム突撃銃を撃つ。だがその動きを予測していたダイアーは一瞬早く盾をかざしていた。
「ちっ、なんておかしな動きをしやがる」
形兆が唸った。
「なんという判断力と操縦技術。あの局面でこうも見事に危機を脱するとは」
ダイアーが感心したように言った。
二体のザクが共にビームトマホークを構えた状態で向かい合う。
「こいつは危険な相手だ……ちと用心せねばなぁ〜〜」
「危険な相手と思ってくれていればいいが……これ以上の戦闘はきつい」
ダイアーはこのまま死ぬことも覚悟したが、最初の奇抜な攻撃が功を奏し、形兆は用心して近づかずに動きを止めた。
二体のザクは、こう着状態に入った。だがそのこう着もそう長くはなかった。数分後、形兆機の左腕から黒煙が吹き出た。もともと爆発の影響で弱っていた部分を、ダイアーのザクに踏みつけられたため、完全に故障したのだ。
「ちいっ!!」
形兆はそれを認めると、すぐさま引いた。引き時を見誤るほど、彼は愚劣な男ではない。対するダイアーは形兆を追わなかった。窮鼠に噛まれてはたまらないし、宇宙に逃げる時間の方が貴重だったからだ。
こうして、二人の男の戦いは、あっけない幕切れを迎えた。
だが、ありきたりではあるが、確かな事実として……本当の戦いは始まったばかりであった。
To Be Continued……
ダイアーさんにはやはり「かかったなアホが!」をやってもらわないと。ということで今回の話です。MS戦闘シーンは難しい。
話がどんどん長くなっていくのはどうしたものか。もっと短めにしたいと思うのだけど。
批判はいつかくると思っていました。というか、ユウナがオリジナルMSを操縦したり、マーレが剣の達人になったりしたときも戦々恐々してました。
「これは幻覚だ!! 私たちはホワイトスネイクに溶かされていたッ!!」というわけにもいかないし、「かまわん、やれ」という方もいるので、このままやります。
>>412 露伴先生のようにどんどん書けるわけではないのです。そう急かさないで。だんだん難しい場面になるし、いろいろ忙しいこともあって、SSの投下も遅れそうです。
他にも作家さんがいれば心強いのだけど。戦闘潮流の方、復活をお待ちしています。
乙!!
露伴先生は週休2日で書き上げてたそうで
週刊ペースとはちと違うので気にせずに投下を。
GJ! そして……アバッキオ、キターーーーー!?
高潔軍人ダイアーさんキター
やはり「かかったなアホが!!」 がないとね。
あと形兆は軍人が似合いすぎだぜ。
稲妻MS空烈刃ワロスwwwwwwwww
アバッキオキタワァ(n'∀')η゚*。:*!!ちょっと泣きそうになったりなんかしてないぞ!
そして大尉と大佐で吹いたwあまりにエロイ人もとい偉い人でwww
だがそれ以上にMSでかかったなアホがwwwwwwwwwwwwwwwwww
GJ!
流石作者氏だ!
必須イベントは外さないぜ!!
SSは痛い人間しか見ない。
これは本当でした。
元々は曰く痛い人間と同類だったが荒らしと言われて逆上し痛い事を言い出す人間
昔承太郎が種死の主人公だったらというスレがあってな……
あのスレってどうなったの?
436 :
通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 22:24:13 ID:KC+HhzhP
職人さんがいなくなってdat落ちだっけ?
実はその途中のSSを今だに持ってる男が一人いてな…。
なんつーか、ダイアーとかこれ別人…キャラを再現できんのなら単行本読み返してこいよ。
なんでも電波でいいわけすりゃいいってもんでもないだろ。
今読んだ
マーレがいいな
本編中での運命は変わらないものの印象深いキャラになっている
ほんのちょっとの出番のキャラにも物語があるのがいい
>>440 ばっちぃので、それにさわっちゃいけません。
なんつーか、いつかのコーヒースレのようになりそうで怖いな
荒らしなのにSSはきっちり読んでるツンデレ加減
ツンツンデレデレツンデレレ
438 ξ*゚听)ξ<『べ、別にあんたのSSなんか読んでないんだからっ!』
SS批判してる時がツン
SS読んでる時がデレ
荒らしにもちゃんと読ませるほど面白いということか
ダイアーつかシュトロハイムっぽい
東部戦線で戦死したシェトロハイムは登場するに違いない
>>438 MSに乗ってる時点で、すごく!!似てるッ!でも違うッ!な人だと思っておるよ。
そうした方が気が楽だ。君もそうすると良い。
承太郎とQ太郎みたいな関係だろ
>>450 ドイツ製サイバネ体を失いMSボディに脳みそ移植するシュトロハイムを幻視した
シェトロハイムは一番種世界に移植しやすいキャラかもしれんな
>>454 スーパースキュラ重ビーム砲だァァーーーーーーッ!
ロゴスのォォォ技術力はァァァ世界一ィィィィィィィ!!
『サバイバー』の能力解説のコマみたいに脳全体移植されて
>>457を叫ぶシュトロハイムもちろんMSであのポーズしてる
459 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/02(土) 19:54:00 ID:LXX0wPff
また犯珍か(笑)
シュトロハイムをOSとしてインストールした自律型MS、
【ザク・シュトロハイム】がザフトの新兵器でFA。
ザフトのォー技術力はァーー宇宙一ィィィィ!!!
シュトロハイムはどっちかというとソーラシステムのOSだよな。
463 :
221:2007/06/02(土) 23:29:25 ID:???
投下します。
「形兆機、敵に奪われたザクと対峙し、動きを止めました」
赤い髪をツインテールにしたオペレーター、メイリン・ホークからの報告を聞き、ミネルバ艦長である女性、タリア・グラディスは思案にふける。
「あの形兆と互角の腕だというの……? シンやレイもてこずっているようだし……一体何者かしら……」
シン、レイ、形兆、彼ら三人はいずれも指折りのパイロットだ。いかにこちらが手加減しているとはいえ、あの三人相手にここまでねばっている以上、敵も只者ではありえない。
「もしこのまま逃げられでもしたら……」
「バタバタ首が飛ぶわね、上層部の」
アーサーの呟きに、グラディスが適当な調子で答える。アーサーは情けない面相でうなだれた。さきほどここに来たデュランダル議長もため息をつく。
「何、気にすんなよアーサー、お前の首は飛ばないって」
そう言ってバンバンとアーサーの背中を叩く男がいた。ジャン・ピエール・ポルナレフ、デュランダル議長の護衛として、ここに来た一人だ。カラカラとした笑顔が似合う、よい人物ではあるのだが、『ようこそ来訪者』と歓迎はできないタリアだった。
指揮系統に影響が出る可能性のあるデュランダル議長とは別に、この男はタリアの苦手とする存在だ。彼の開けっぴろげな雰囲気が苦手であるし、セクハラまがいのことも多々ある。人柄はいいので嫌いではないが、相性のいいタイプではない。
「しっかし、シンの奴大丈夫かねぇ」
ポルナレフが呟くのが聞こえる。
「あいつは、昔の俺によく似てる……つまりあれだ……ドジ踏みやすいんだよな」
妙に説得力を感じ、タリアは無性に不安になった。
アスランは呆れていた。戦場を離れながら垣間見た、二体のMSの戦闘に。
「どういう連中なんだ……?」
MSを強奪した連中や、それを相手にしていた者たちもかなりの腕前だったが、あんな曲芸紛いのことをMSで行うなど。
「技術よりも発想力の問題だなあれは……」
アスランは何となくため息をつく。
「アスラン……」
カガリがアスランに話しかけた。その頭には、赤黒く固まった血がへばりついている。さきほど、ザクでインパルスをかばった結果、相手から攻撃を受けた衝撃で頭に怪我をしていたのだ。大したことはないように見えるが、なにぶん頭の怪我だ。用心するに越したことはない。
(早く手当てを受けさせなければ)
アスランはドックの方に足を向ける。あの人はこちらに向かったはずだ。
「デュランダル議長に会おう。このゴタゴタで身元を保証してくれるのはあの人だけだ」
カガリが頷くのを確認し、アスランはザフトの新造艦『ミネルバ』へ向かった。
カオスのビーム砲一斉射撃が、轟音を響かせ、コロニーに大穴を開ける。大穴からコロニー内の空気が急速に流れ出ていく。
「よし! 逃げるぞ!!」
スティングの声が、シン、レイと戦うステラ、アウルのもとに届く。
『オッケーだぜステラ、ブチャラティ、ついでにナランチャ!!』
「俺はついでか!?」
アウルの急かす声がガイアに伝わる。
「くうっ!!」
白い新型MSがガイアにビーム砲を放つ。相手はさきほど装備を換装し、接近戦型から起動戦型になっていた。
(相手と戦場に相性のいいタイプに変身できるMSか……考えたものだな)
ジャンケンで言えば、相手がグーだとすれば、パーになって戦えるということである。だが感心している場合ではない。
「ステラ、一瞬でもいいから隙をつくれ。そうすれば脱出できる」
ブチャラティはそう命令した。だが、
「こいつはっ! こいつだけはっ!!」
むきになったステラは戦いをやめようとしない。
「ステラっ!!」
ブチャラティはさすがに焦る。こうなると、ステラに言うことを聞かせられるのはネオくらいだ。
ガイアは苛烈に攻撃するが、正確さに欠けた攻撃はことごとく防がれる。そうしていると、焦りを帯びたアウルの声がコクピットに届いた。
『やめろこのバカっ!! 死ぬ気かよ!!』
「っ!! アウルっ!!」
『あっ、やべっ!!』
ブチャラティは叱責し、アウルは口を押さえた。だが飛び出した言葉は戻らない。
「……死ぬ? 死、ぬ? 私……死ぬ?」
ステラはすでにかかっていた。
ガイアの動きが止まる。ステラが動きを止めたからだ。その好期を逃す相手ではない。白いMSがビームサーベルで切りかかる
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!」
ステラの絶叫がコクピット内に響いた。だが、叫んだだけではよけられない。
「『スティッキー・フィンガーズ』!!」
ブチャラティのスタンドが操縦桿を操作し、攻撃をかわす。人間を超えた動きを可能とするスタンドは、機敏にガイアを動かし、白いMSの攻撃をかわす。白いMSは追撃を行おうとした。
だがその時、一条のビームが白いMSを襲った。白いMSはスラスターを操って、ビームをかわし、ガイアと距離をとる。
「ダイアーのおっさんだ!」
ナランチャが歓声をあげる。ビームを撃ったのは、ダイアーの乗ったザクだった。
『どうにか逃げ延びてきたぞ』
「よくやってくれた。先に外に出といてくれ」
ダイアーはブチャラティの言葉に頷くと、穴へと向かっていった。
「危なかったぜ……」
ナランチャが呟き、安堵の息を吐く。
『わ、悪い、ステラ、ブチャラティ……』
「俺にも謝れってーの」
ブロックワード。ステラたち、エクステンデッドに刷り込まれた暗示。恐怖を引き起こして動きを止めるためのスイッチ。ステラの場合、『死』という言葉によって、精神をかき乱される。
ダイアーの波紋、ブチャラティやネオの教育でも、心に刻み込まれたブロックワードを消すことはできなかった。
(いつか……彼女が『死』から解放されることはあるのだろうか)
救われて欲しいと思う。だが、今のブチャラティには、そのことを考えている余裕はなかった。
「とにかく脱出の隙はできたわけだ」
ブチャラティの言うとおり、二体の敵MSは動きを止め、様子を伺っている。距離からして、うまくすれば逃げ切れるだろう。すでにスティングとダイアーは外に出ている。
「アウル、援護してくれ。外に出る!!」
少しは落ち着いたといえ、まだ操縦するまでには至らないステラに代わり、ブチャラティが操縦する。ビームを乱射して、簡単には追えないよう二機のMSを足止めしつつ、宇宙へと向かった。
「くっそォッ!! ここまできてッ!!」
シンは、撃墜ではなく追跡阻止を目的としたビームの猛撃に遭い、むざむざと足止めさせられていた。このままでは逃げられてしまう。
「こんなんじゃ教官やマーレに、合わす顔がないじゃないかっ!!」
シンは盾でビームを弾きつつ、半ば強引に敵を追って、宇宙空間に飛び出した。
「インパルスが宇宙に!!」
アーサーが嘆きの声をあげる。
「ああ、やーっぱ頭に血が上ったな」
ポルナレフはうんうんと頷く。
そんな男どものやかましい反応と、のんきな反応に苛立ちながら、タリアはある決断を思いついていた。
「形兆機、ミネルバに到着しました」
メイリンから、故障で退却を余儀なくされた形兆機が、ミネルバに入ったという報告がなされる。そしてレイのザクがシンを追って宇宙に出たのを見て、決断を実行に移した。
状況はもはや手詰まり。ここで思い切った一手を打つしかない。
「これより、ミネルバを発進させます!!」
To Be Continued……
469 :
221:2007/06/02(土) 23:41:43 ID:???
『PHASE 02・戦闘激流』終了です。
呼び名がないのも不便と思い、最初に投稿したときの番号『221』をつけときました。
まだ話の大筋は種運命本編と変わってません。今回はステラたちの、薬物の副作用は癒せても、ブロックワードの解除はまだできていないというところを書いておきました。あと久しぶりのポルナレフを。
>>398 『眠れる奴隷』
ブチャラティの二つ名、考えてくださりありがとうございます。ただ、まだ一つしか投下されていないので、もう少し、原作で言えばユニウスセブン落下辺りを書き終わるまで、募集を続けようかと思います。
なぜかシュトロハイムさん大人気。私もあの人は好きですが。
>>450 ジョージ・グレンが脳みそだけで生きていること考えると、できそうだなそれ……。
次回、『PHASE 03・スターダスト・ウォーリアーズ』をお待ちください。
超GJ!!
そういやクロスボーンのコミックスかなんかでアムロの脳味噌出てきたな
>>469 乙
せっかくなので、トリップも付けましょう。
GJ!!
そしてシェトロハイムの登場にwktkさせてもらうとするww
473 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/03(日) 14:44:56 ID:eFIa9yTt
そういえば自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が世界的に増えているという事実も多少気になるところだが
いい加減シュトロハイムをシェトロハイムと誤読してる連中は改めろ
10月からはもし吉良が西暦に来たらになるのか・・・
変わらないな
吉良が西暦2307年にタイムスリップしたら
477 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/04(月) 01:35:51 ID:qyCTnmBW
また珍ヲタか(笑)
支援ついでに投下してみる
まぁかなり軽めで
C.E.70
色々とありヘリオポリスが襲撃されオーブ製MSがザフトに4機奪われた
そして残りの1機に我らがキラ様が乗り込んだ
ちなみに魔乳こと連合技術士官マリューラミアスは既にシートの後ろに突っ立っている
「何ですかこのOSは?」
とか言いつつ戦闘中であるにも関わらずOSを弄り出すキラ
敵MS目の前にいますよー
ちなみにここヘリオポリス内の学生である彼が乗り込んでいるMSの名はストライカーパックを付けていないけどストライク
通称生スト
連合がオーブのモルゲンレートに(ryなMSだが現在OSが不完全で棒立ち状態に近い
この巨人に向い合う巨人ジンのパイロットが
「な、何だ?あのMSは?実弾が効かないだとッ!?」
などと言いってリアクションは取ってくれたものの長い間取り続けてくれる訳もなくマシンガンを撃ち始める
「だ、大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。フェイズシフト装甲は電圧が(ryで実弾や実体剣は効きませんから…」
衝撃の割には結構余裕ぶちかましているキラに不信感を覚えるマリュー
「ほら、まだエネルギーだって」
キラがトントンと指差すパネルを見ると対してテスト用の為ほとんど入ってないハズなのにMAXに近いグリーンゾーン
おかしいな?と見続けているとエネルギーがみるみる減って行く
「キラ君?」
「何ですか?あとちょっとなんですけど」
「…エネルギー切れるわよ?」
「え?」
生ストのエネルギーが切れフェイズシフトにより染色されていた機体が灰色になり右肩が被弾し煙を上げる
つかMAXから0まですぐ落ちるゲージ画面なんていらないだろ
常考
479 :
前半2:2007/06/04(月) 06:47:39 ID:???
そしてコックピットに銃口を突き付けられ両手を上げさせられる
「そこのMSのパイロットッ!!さっさとそこから降りろッ!!」
接触回線により通信が入る
「くそぉ…これじゃ手も足も出ない…」
「体当たりもできないわね…」
「OSは出来たんですが間に合わなくてスイマセン
今回は嫁補正がないらしくて…」
「あぁ、なら仕方ないわね」
何だか緊張感がないが絶体絶命の状況である
諦めかけていたキラはふとレーダーにMS台の熱源反応があるのを見つけた
今までなかった点が突如現れ点滅する
そしてそれがこちらへ向かっているのである
「マリューさん」
「何?死ぬ前に私とイケナイ事でもしたいの?」
「いえ、それは全くどうでもいいんですがまだ死なないかも知れませんよ?」
480 :
後半:2007/06/04(月) 06:50:34 ID:???
「さっさとしろッ!!」
ジンのパイロットであるミゲルが叫んだ瞬間彼の機体の右足が緑の細いビームに貫かれ吹き飛ぶ
ビームってのは収束されてるから破壊力がある訳なのでやたら太い種世界はよくわからんね
まぁ置いておく
「な・・に?」
そのまま仰向けに倒れたジンの上を通り抜けストライクの横に降り立つ鋼鉄の巨人
そしてソレはストライクを持ち上げると少し離れた建物の影に降ろした
顔や体はストライクに似ているものの首の辺りから動力パイプのようなものが何本も肩に刺さっておりあちこちにハート型のマークが描かれている
そしてMSを軽々持ち上げるパワー
Gに関わっていたマリューも知らないMSだ
「おぉーい!!そこのパイロット聞こえるっスかァ?」
息をつく間もなく隣りから通信が入る
「識別信号はオーブ…多分仲間よ!!」
「わかりました!!こ、こちらキラ・ヤ「じゃなくて地球連合軍所属マリュー・ラミアス大尉です」
「こっちはSPW財団のテストパイロット東方仗助っス。
動けるっスか?とりあえず援護するっス」
何とかストライクを立ち上がらせるもエネルギー残量は少ない事を伝える
「まぁとりあえずアイツを倒さないといけないよなァ〜」
「手加減してればいい気になりやがって…」
ようやく立ち上がったミゲルはバーニアを吹かす
「このナチュラルがぁぁぁッ!!」
コーディがナチュラルを軽視すると言うご多分に漏れずミゲルは重艦刀を突き出し怒り任せに突撃してくる
「キラ君!!クロスカウンターよ」
「無理です、仗助さん?」
「任せな!!真っ向勝負とは面白いっスね!!持っててくれ」
「えぇ!?」
ストライクにビームライフルを投げ渡し仗助は操縦法を切り換える
481 :
後半2:2007/06/04(月) 06:53:09 ID:???
腕が2本じゃ間に合わないほどの早さで設定を終え首の動力パイプからエネルギーが送られ右手がだんだん赤く光り始める
続いて背中の他に腰とふくらはぎの辺りからブースターが展開され一斉に点火
「ドラァ!!」
凄まじい加速によりジンに向かう
そして2機が重なった
「ビーム膜で右手を覆ってからの拳による打撃…非常識だわ…」
先ほどの交戦のデータを見ながらマリューは唸る
「とりあえず僕の頭に乗っけてる胸が重いです…非常識です…」
動けなくなったストライクを隠してあるという母艦に運んでもらいながらキラは溜め息をつく
「ところで仗助さん」
「ん?なんだ?」
「その機体なんて言うんですか」
「そうだな…ダイヤモンドガンダム…かな?」
wwwwwwwwwwww
ちょwwwwwwww
名前wwwww
どうにか書けたので投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE:03 スターダスト・ウォーリアーズ』
「で、お前さん、誰を殺したいんだ?」
それが一年前、ポルナレフがシンに剣を教えた初日に放った一言だった。後に聞いた話によると『目を見てピンときた』とのことらしい。
狼狽するシンに対し、彼は更に言葉を続けた。
「『先人』としてアドバイスだ。復讐をするのはいいが……人生を楽しむことも忘れちゃいけねえぜ?」
そう言って、その後何度も見ることになる笑みを始めて浮かべたのだった。
ポルナレフは自分からそれ以上のことは訊かなかったが、気がつけばシンは自分の胸のうちを彼に話していた。泥のように重く沈殿したその想いを、吐き出したいと思っていたことに、シンはそのとき気がついた。
オーブが理念に固執した挙句に起こった戦争。目の前で殺された家族。流れ弾を落としたフリーダム。ちぎれた妹の腕。理不尽に攻め込んだ連合軍。焼かれた故郷。
「オーブが、アスハが、中立を固持したせいで、俺の家族は……」
シンの話を聞き終わると、ポルナレフは自分のことを話した。
「俺の妹は、ある男によって辱められて殺された。俺は必ず復讐を果たすと誓った。妹の魂の尊厳とやすらぎは、仇の死によって償わせなければ取り戻せない。しかるべき報いを与えてやるとッ!」
「……仇は、とったんですか?」
シンは、おそるおそると聞いた。
「針串刺しの刑にしてやったよ。後は、閻魔様任せさ。だがね……」
ポルナレフは続けた。
「つい、最近のことだ。友人を失った。ブルーコスモスのテロでな。俺が『こっち』に来てからずっと親身に世話してくれた大切な友人だった」
シンは、『こっち』というのが『プラント』のことだと思った。大戦時、プラント側についたナチュラルだと聞いていたからだ。
「今また……俺は復讐へ向かおうとしている。幸いというか、仇はテロリストだ。犯罪者として指名手配されてもいる。議長も、情報があればすぐに伝えてくれると約束してくれたよ」
その目には力があった。絶対に仇を見つけ、この手で討つという『漆黒の殺意』があった。
「けどな……お前はどうだ? お前の仇は誰だ? 何だ? オーブか? 連合か? フリーダムか? その仇をどうする? 死んだ者たちのためにどうしてやればいい? 俺の場合は、仇がはっきりしていた。絶対的な悪がいた。何をすべきかもわかっていた。今もそうだ。
だが、お前の場合はもうちょっと複雑だぜ?」
それは、そうだ。自分には復讐心がある。怒りがある。憎しみがある。だが、何に対して?
理念を守って民を見捨てたオーブか?
理不尽に攻め込み、国を焼いた連合か?
家族のいる上空で戦闘をしたフリーダムか?
「俺が憎んでいるのは……弱者の命を奪う、理不尽な運命の、すべてです」
顔を今にも泣き出しそうにくしゃくしゃにしながら出した、その言葉がシンの答えだった。シン自身、今、改めて考えて気づいた、真の仇だった。
「運命、か。どぎつい敵だなそりゃ。俺のとは比べ物にならねえ」
ポルナレフはそう言って、手に顎を乗せる。
「運命は、変えようがないからこその運命だ。もしどうにかするとしたら……」
「するとしたら?」
答えが返ってくるとは思わなかったので、シンは若干驚きつつ訊ねた。
「超えるしかねえな」
「超える?」
ポルナレフはああ、と頷き、
「運命は変えることはできない。変えられるくらいなら運命とは言わねえよな。だがそれでも、恐れずに立ち向かい、突き進んでいけるのなら……超えることはできる。
運命に破れ死ぬとしても、その立ち向かった勇気は受け継がれて、誰かの希望となり、運命に立ち向かう者を増やしていくさ。たとえ負けるとわかっていても、なお運命に立ち向かえる、強い精神を持った、運命の恐怖を超えた奴らを」
「運命を、超える……運命と、立ち向かう……」
「そういう奴らを俺は知っている。彼らは死の運命を恐れなかった。奴らは、たとえ死ぬとしても、自分の正しいと信じる道を貫いた。運命に堂々と立ち向かっていったんだ」
それは、神の名を持つ吸血鬼と戦った者たち。悪魔の名を持つギャングのボスと戦った者たち。
思い出に浸りそうだったポルナレフは、シンが深く考えているのを見ると、真剣な顔から一転、からかうような顔になり。
「まあ、少しは楽に考えることだな。思いつめてばかりじゃ壊れちまうぜ?」
ポルナレフはシンの髪の毛を乱暴にかき回して言った。
「ちょっ、やめてくださいよっ!」
「ははっ! ……だがなシン」
ポルナレフは今までで最も真剣な顔になった。
「失ったものばかりを見すぎて、今あるものまで失うようなことだけには、なるなよ」
シンはハッとして、頷いた。そんな月並みなことすら、頭になかった自分がどこまでも阿呆に思え、赤面する。
「さてっ!! じゃあちょいと遊びにいくかッ!! いい店知ってんだ。行くぜ!!」
「へ?」
真面目な顔から一転、急に鼻の下を伸ばし気味にして、シンの腕をとるポルナレフに、シンは頭の働きがついていかない。
「なんだぁ? 恥ずかしがるなよ。まあちょいと早いかもしれねえが、こういうのは経験しておくだけ損にはならんぜ。復讐のためにその1! 復讐は復讐として人生は楽しむこと!!」
「え、ちょ、ちょっと待ってぇぇぇ!?」
その後、シンの経験したことについて、彼は黙秘を保っている。
ともあれこれが、シン・アスカとジャン・ピエール・ポルナレフの出会いであり、交友の始まりであった。
To Be Continued……
ポルナレフの凄いところは、妹を殺され、他に家族もなく、復讐に青春を捧げるという、3部主人公グループの中で一番悲惨な過去を背負っているのに、明るく元気にムードメイカーをしているという点だと思います。
シンはポルナレフの影響で、過去より現在を優先し、過去にこだわりすぎなくなりましたが、忘れたわけではありません。
ただ、多少は丸くなりました。
それと言いそびれていましたが、この小説でジョジョキャラが登場するのは、『宇宙一巡』とはまた違った原因によるものです。その設定明かしは、フリーダム登場の後くらいにやる予定です。
ただその設定ではSBRのキャラが登場できないので、SBRのキャラを出す場合は、遺体の力で別世界に復活、スタンド使いのいる種世界に引かれて現れた。ということにしようかと思っています。(リンゴォVSアスランを画策中。ようこそ男の世界へ……)
490 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 01:03:56 ID:wqGqn3tE
また珍カス(笑)の公開オナニーか(笑)
GJ ポルポル何教えてんのよw
リアルタイム遭遇でドキドキ。GJ!
GJ!!
そういえばリンゴォのマンダムはMS戦だと強力無比な能力だなww
>>490 ハゲド。ジョジョ厨と種厨が嫌われる理由が分かった。
これはひどい自演
ってか、
つコーディ用OSでナチュラルの凡人並みの素質と資質と才能しかないのに強くなったイライジャ
うん、設定くらい見ようね?
努力なめんな。
っていうかさ
コーディの反射神経と反応速度があったらコーディじゃなくてもMS乗れるから
乱れ桜の人とか、蘊奥の人とか。
逆に言うなら、戦闘行動じゃなければナチュラルでも普通にMSに乗れるよん
戦闘するならド素人とか戦闘するにはナチュ用OSじゃなきゃ無理だけどね。
後、OSさえダウンロードすればナチュラルは普通にMS扱える。
>戦闘行動じゃなければナチュラルでも普通にMSに乗れるよん
そういえば種の第1話と第2話序盤でストライクを動かしてたのはマリューさんだったけど、
彼女は事前にシミュレーターかなんかで練習してたんだろうか
ひょっとしたら彼女には艦長よりもパイロットの才能の方があったのかも
少なくとも艦長よりも陸戦隊員の方が向いてたからね。その可能性は大いにある。
・・・相対的にそれだけ作戦指揮官に向いてないってことだけどさ。
艦長よりもパイロットよりも陸戦隊員よりも
マリューはMS開発に向いているんですよ皆忘れてるみたいだけど!!
そういえば技術士官だったねあの人
その場での階級が偉かったから艦長になったんだっけ?マリューさん
もし艦長で無ければ、人情味溢れる整備班長として、ナタルと他の隊員との緩衝役になったり、
開発技術者としてストライクの稼働率が上がったり、万一白兵戦になっても先陣を切って戦ってくれる凄い人にw
……変わりにブリッチクルーに仕官が自分しか居なくなって、ナタルがストレスでやられそうですがw
マリューが艦長になったのは邪神両澤の陰謀
技術士官は実戦関係では二階級下の扱いうけるつーに何故か一番偉い事になってるし。
乳揺れの為だからしょうがない。
投下するッ。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE:03 スターダスト・ウォーリアーズ』
「この船、発進するのか?」
カガリは前を行く赤い髪の少女に訊ねた。だが、彼女が答えることはなかった。
アスランとカガリは、ミネルバに入艦していた。しかし、侵入者に新型MSを強奪されたザフトは、当然のことながら見知らぬ客人に厳しい態度を示した。二人は周囲を兵士によって取り囲まれ、監視を受けながら議長のもとへ案内されている。居心地は悪いが仕方がない。
しかし、アスランはどうにも気になって仕方ない人物がいた。彼の背後を歩くザフトレッド。鋭い眼光で、油断なくこちらを見つめている。だが、他のザフト兵と違い、ピリピリした警戒感はなく、余裕が感じられた。いつでも殺せるという余裕が。
(確か……形兆と呼ばれていたようだが……危険だ……議長に早く会いたいものだ)
アスランは緊張で喉が渇いていくのを感じていた。
タリア・グラディスの命令により、新造艦ミネルバは宇宙空間に突入していた。
『ボギーワン』と命名された敵艦を討つために。
「インパルスとザクは交戦中です!」
メイリンの言葉と同時に、画像が開く。
そこには、インパルスとザクの二体に対し、互角に戦う一体のMAの姿があった。周囲にはポッドから発射されるビームが散乱している。
「面倒だなあいつは。よほどスピードと先読みをうまくしねえと壊せないぜ」
ポルナレフは顎に手をやりながら言う。だがそれほど心配そうではない。
「けどシンの奴なら……時間は多少食うだろうが、落とせなくはないだろうな」
そう言ったとき、ちょうど二基のポッドがインパルスとザクによって、一基ずつほぼ同時に破壊された。ポルナレフはヒュウと口笛を吹く。
「やりましたよ!」
ミネルバ副長、アーサー・トラインがはしゃぐ。
「そうはいっても、二体ともエネルギーは大して残っていないはず……帰還命令を!」
タリアの命令はすぐ実行された。
――――――――――――――――――――――――
「おっと、やばいな」
ネオはミネルバの艦影を見つけて、すぐさま離脱する。白い新型MSを奪えなかったのは残念だが、奪った三機と実行者六人は、無事帰還できたのだから大戦果というところだろう。
――――――――――――――――――――――――
「シン、帰還命令だ」
「わかってる……けどあと一歩だってのに……」
シン、レイも渋々ながらミネルバへと帰還した。あと一歩、それは事実かもしれないが、その一歩が踏み出せなかったのも、また事実。それがわかっていても、シンはその帰還命令に不服を感じていた。
三人の戦士は、それぞれ自分の巣への帰路についた。
ガーティ・ルーに帰還したネオを、すでに戻ってきていたブチャラティが待っていた。他の五人の姿はない。ネオとしては、野郎の顔よりは、対象外年齢でも可愛いステラの顔に出迎えて欲しかったのだが。
そんなネオの内心は知らず、あるいは知らぬふりをして、ブチャラティは言った。
「任務は果たしたぜ」
「ああ」
二人はたったそれだけ言葉をかわすと、次の行動へと移行した。ネオはリーにアイ・コンタクトを取る。
「かなり足の速い艦のようです。厄介ですぞ」
堅物だが気の利く副官は、ネオの意図を読み取ってそう答えた。ブチャラティは口を出さない。艦の運用は彼の領分ではないのだ。しかし、彼を邪魔に思う人間はここにはいない。
何をせずとも、いるだけで心の支えになる人間が稀にいるが、ブチャラティはそう人間だった。
「なぁに、お客様にかっこ悪いところは見せられない。逃げ切って見せるさ」
ネオは危機的状況を軽くあしらうと、艦員への命令を下し始めた。
「よっ、惜しかったな」
そう言って陽気にシンを出迎えたのは彼の教官、ジャン・ピエール・ポルナレフだった。
(よりによって一番会いたくない人に……)
出迎えにくるだろうと予想はしていたが、実際会うと、更に自分の失敗が恥ずかしくなってくる。こっぱずかしいのではっきり言ってやったことは一度もないが、今、目の前にいる男は、多分、シンが最も尊敬している男なのだ。
だが、そんなシンの内心も知らぬ顔で、ポルナレフはどこか芝居がかった態度で話しかける。
「ったくよぉ。手加減して捕獲するなんて器用じゃないだろお前はよぉ。いつもの反抗期少年らしく、命令無視して手足の2,3本ぶったぎっときゃよかったってのによ〜」
やれやれしかたねーなー、とばかりに目を瞑って首を振り、『がっかり』の意を表すポルナレフ。
「つ、次は勝ちますよ!!」
シンは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「次ねえ。次がありゃいいけどね。今なら俺も出撃できるし、キミの出番はあるかねぇ〜」
ニタニタと意地の悪い笑みを浮かべるポルナレフ。本当にこの人は笑みの表情が豊かだと変に感心しながらも、シンは不貞腐れた顔になる。
「ああそれと……マーレの奴、生きてるそうだぜ」
あっさり言われて、一瞬、理解が遅れる。
「MSの発進に巻き込まれて怪我はしたらしいが……命に別状はないとよ。憎まれっ子は世にはばかるもんだよなぁ」
それだけ言うと、シンの肩を叩き、
「ま、お前はあるかもしれねえ出番を待って休んでろ」
そうして、今度はレイを出迎えに行った。
下手な慰めより、からかうことで、気を落ち込ませないようにしてくれたのだろう。考えすぎかもしれないが、シンはポルナレフの態度をそう解釈し、彼の言うとおり、少し休みをとることにした。
次の戦いに備えて。
To Be Continued……
シン、レイVSネオ戦は原作とあまり変わらないので短めに。シンが少し強くなった分、ポッドを一つ落とせた描写をつけました。
マリューさん、確かに技術方面で活躍させるのも手ですね……考えておこう。
それにしても、荒らしがくるたびに情報やネタが手に入っている。これを作品に生かせば……グフフフ、得したなぁ。
露伴先生ですか、あなたはw
ポルナレフの言い草がいかにも彼らしい。
>今なら俺も出撃できるし、キミの出番はあるかねぇ〜
ポルナレフには是非グフを駆ってほしいものだ、もちろん銀色で。
>>511 あんた、素晴らしい作家精神を持ってるなw
その黄金の精神で続きを書いてくれると信じて待ちますよ!
ミスがありました。
>>508で『周囲にはポッドから発射されるビーム』と書きましたが、このポッドというのはビームガンバレルです。
また、ネオは白い仮面を被っていると書きましたが、実際見てみたら灰色でした。別の仮面のキャラクターと思い違いをしていたようです。
地の文にも書いてしまっているため、サウンドマンのような後付け設定をつくるのも無理そうなので、次からネオの二つ名は単に『仮面』とします。
この際、オリジナル設定の二つ名をなくしてしまってもいいのですが、いましめとして残しておくことにします。
どうもすいませんでした。
515 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 19:00:00 ID:q7N5+ucc
_,,-ー----.、
<" "l
'; ,、、__ソ^`7, i、 吉良吉影はわしが育てた
';'_ _ _ リ キラ・ヤマトはわしが育て直す
,--ーート ・〉. ・` rー-、_
/ ハ (_,ヽ ノ | `ー、_
/ / l `ニニ´/ | l
/ Y L |ヽ‐一↑ ,> ィ |
/ |ヽ |,バ | 7 / |
/ .イ| | |rA,| / / / |
/ / | | |gca| | / /| )
/ / / | .|aAi| | / // l
レー-、_ / ̄`__-、__,l Aec.| | / /( |
fク´"''ノ_V `\ノノavkj ̄レ ノ ノ ノ
/ ,、 i \ \_,ニコ∠、,≦ ,イ
ヽ iリ \ ア´ ) ヽ へ-i,
ヽミ;l\ \ ,-'"`ーー- '→/r-ーー
\l
516 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/06(水) 19:01:29 ID:q7N5+ucc
, ´` ヽ
、' ,.、、,.、 ';
ゝ > 、 `; ;
Yヘ| -≧y ,_!ソ
ー y、ュヾ/ なんか違うんだよなぁ
,--ーー ゝ T三ゝ/ー-、_
/ /i/ l`'ー  ̄イ | `ー、_
/ / llヽ/ ̄/ | l
/ Y L |,) ∧ノ↑ ,> ィ |
/ |ヽ |,バ | 7 / |
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レー-、_ / ̄`__-、__,l Aec.| | / /( |
fク´"''ノ_V `\ノノavkj ̄レ ノ ノ ノ
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ヽ iリ \ ア´ ) ヽ へ-i,
ヽミ;l\ \ ,-'"`ーー- '→/r-ーー
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短めですが、投下します。
ミネルバに激震が走る。敵艦から予備の推進装置を叩きつけられたのだ。
アスランとカガリを案内した後、レクルームにいた形兆はその激震にも眉をひそめただけだった。周囲の人間が慌てる中、平然と紙コップに入ったコーヒーをすする。
(さっきの……オーブ代表とかの護衛をしていた男……代表はアスランと呼んだが……)
このミネルバが戦闘に出ると知ったとき、焦って思わず言ってしまったというふうだった。もし、あいつが噂のアスランだとすれば、イメージとは随分違う。
英雄というから、空条承太郎のようなクールで気迫のある、見た目からして油断のできない戦士像を思い浮かべていたのだが。
そう考えているうちに放送が入り、ボギーワン追撃が開始されたことが報告された。
「逃げられたのか」
形兆は紙コップをゴミ箱に放り投げる。軌道からして、入りそうになかった紙コップは空中で跳ねとび、軌道を修正されてゴミ箱に収まった。紙コップには、小さな銃弾の跡から薄い煙が昇っていた。
「おいおい、随分とものぐさじゃねえか」
形兆に声がかけられる。形兆は声の方向を向きもせず、無視することにした。
「無視してんじゃねーよ」
不機嫌な声だったが、やはり無視した。
声の主はポルナレフだった。
「シンとレイ、帰ってんぞ。ねぎらいでもしてやったらどうだ?」
ポルナレフはそう言うが、形兆は断固として無視した。周囲がピリピリと帯電したような空気になっていき、レクルームから人が逃げ始める。
形兆はポルナレフのことが嫌いだった。性格が合わないと言うのも充分な理由だが、彼らの場合、過去がその関係を更に悪化させていた。
かつて、DIOという男がいた。邪悪の化身、悪の救世主、闇の神話。絶対的な力とカリスマを持ち、100年以上の時を生きた不死身の吸血鬼であった。
その目的は『世界の支配』。どこのチープな子供番組の悪役かと言いたくなるような野望だが、DIOは本気だったし、最悪なことに、それだけの力も有していた。
虹村形兆の父親は、そのDIOの部下であった。だが、信用されてはいなかった。そして、DIOは信用できない部下にある仕掛けをしていた。
『肉の芽』。DIOの細胞からつくられたそれは、人間の脳に食い込み、その人間を洗脳し、必要とあらば脳を侵して殺してしまう。だが、それならば形兆の父親も、まだ救われたかもしれない。しかし、形兆の父親の運命は更に過酷で悲劇的なものだった。
形兆がまだ8歳の小学生のとき、それは起こった。父親の顔が崩れ、次第に『人間じゃなくなっていった』のだ。
肉の芽の暴走。DIOの死により、肉の芽が制御を失い、体から取れるでも、脳を破壊するでもなく、宿主の肉体と一体化してしまったのだ。DIOの不死の細胞と一体化した形兆の父親は、もう死ぬことはできなくなった。
理性も失い、我が子の顔もわからなくなり、生きているだけの肉塊となり、永遠に無為に生き続けるのだ。
そして、そのDIOに死を与え、父親の絶望を生んだのは、このポルナレフを含めた、ジョースター一行であった。それがたとえ正義によって行われたことであろうとも。
しかも、調べによれば、ポルナレフも肉の芽を植えつけられていたのだ。しかし彼は承太郎によって肉の芽を除去された。この運命の違いはなんなのか?
それらのことが、形兆に複雑な憎しみを抱かせていた。理不尽な恨みとは形兆も自覚していたが、その恨みを消し去らなければいけない理由は特に思いつかなかった。過去がなくても好きになれそうもない男である。気にせず嫌うことにしていた。
ポルナレフも形兆の敵意には気づいていたが、『どうしても仲良くなれない奴はいるものだ』と、深く気にはしなかった。
ただ、性格上無視できず、突っかかっていってしまうことが多く、その度に酷く険悪な空気を振りまき、時に毒舌を吐きあい、時にはなぜか周囲のものが壊れるという奇妙な現象を起こし、クルーを恐れさせていた。
幸いというべきか、このときは舌戦も、破壊現象も起きず、ポルナレフはリクルームを出て行った。
形兆はコーヒーをおかわりした。
To Be Continued……
ポルナレフと形兆の関係について、です。ポルナレフは形兆の父親については知りませんし、多分、これからも知ることはありません。形兆がそれを望むとは思えないし。
シルバーチャリ乙ッ!!
そして形兆バッドカンパニーフル活用ww
ではずっと険悪ムードなのか・・・・・だがそれがいい!
GJ! 早い更新がうれしいぜっ!
不器用なんだよね…形兆って。
何でもきちっと物事を片付けるだけに、
融通が利かない事があるんだよね。
それだけに信念は絶対折れない男ではあるが、
一度間違うと手がつけれない…ゆえに行動は慎重な男である。
間違いは間違いであっても、最後までそれを通すのが形兆。
だが、俺達は知ってる。そんな融通が利かない男であっても、
感情で出来の悪い弟を助ける熱い部分もあるという事を。
この時代。C.E.でもそれが見られるかもしれない。
そんなことを考えると涙とテラワクが止まりません…。
525 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/08(金) 20:33:25 ID:W38JibAB
うft
投下!!
アスランとカガリは、デュランダル議長によってミネルバを案内されていた。議長がザフト施設を案内するのは、アーモリーワンに続いて二度目だが、今度は更に機密度が高い。議長がミネルバの見物を進めたときの、苦虫を噛み潰したようなタリアの顔をアスランは思い出す。
(実際、こんなことは普通ありえない。彼は何を狙っている?)
形兆といた時とは違う緊張が、アスランを襲う。まったく毛根によろしくない。アスランの思いをよそに、議長は案内を進めてく。そこに、
「お、また会ったな、生真面目な兄ちゃん」
明るい声が響いた。
「ポルナレフさん……」
アスランは見知った顔を見て、少し心が落ち着いた。
「あなたは確か、アーモリーワンで私たちを守ってくれた方だな?」
カガリが言う。
「いやいや礼には及びません」
ポルナレフは得意げに返答した。
「ポルナレフ、今、ミネルバを代表にご覧いただいているところだ」
「ほほう、そいつはさぞ、グラディス艦長が機嫌を悪くされたでしょうな」
「はは、まあね。君も同行したまえ。君のように不真面目な男がいると、代表の緊張も和らぐだろう」
「よりにもよってあなたに言われると傷つきますな。まあ、腹黒狸から姫を守るは騎士の務めというものですからな」
ポルナレフはイタズラっぽく言って、同行することに頷いた。アスランとカガリは、遠慮のない物言いをする議長とポルナレフの、上司と部下らしからぬ態度に、改めて驚いていた。
シン・アスカは苛立ちのため、あまり休むことができなかった。
この艦にあのアスハの人間が乗っている。自分の家族の、死の責任を担うものの一つである、アスハの人間が!
ルナマリアが言うには、そのアスハの護衛を行っているのは、あの前大戦の英雄アスラン・ザラであり、自分を助けたザクは彼の操縦していたものだったらしい。しかし、そのことはシンの関心を引かなかった。
英雄がアスハの護衛をしていることは不思議だったが、特に理由が知りたいわけでもない。アスハのことは別として、会ったら助けてもらった礼の一つも言っておくとしよう。
ルナマリアはアスランのことを話し終わると、町で会ったカッコいい男性とやらについて話し出し、あの騒ぎに巻き込まれていないだろうかと心配していた。その話に適当に相槌をうっていると、エレベータが開いたのに気づいた。
そして、そこから出てきたのはデュランダル議長と、ポルナレフ教官と、レイと、苛立ちの原因となっている人物だった。
―――――――――――――――――――――
「力など持つべきではないのだと?」
「そもそもなぜ必要なのだ!? そんなものが今更!」
シンは、カガリの言葉を聴くうちにどんどん怒りのボルテージを上げていった。
(力が必要ないだって? いいや、必要なんだ。守るためには、力が必要だったのに!!)
ポルナレフはシンに言った。運命に立ち向かうことで、運命を超えられると。
では、アスハは運命を超えたのか? 連合に焼かれるという運命がわかっていても、理念を貫くために立ち向かい、運命を超えたのか?
シンはそうは思わない。なぜなら、国民には自分の運命を選ぶ自由は与えられなかったのだから。アスハが勝手に運命を選び、国民に自らの運命を押し付けたのだ。
「我々は誓ったはずだ! もう悲劇は繰り返さない! 互いに手を取って歩む道を選ぶと!」
(そんな奇麗事を!! 悲劇を選んだのは、押し付けたのは、アスハじゃないか!!)
シンが思わず怒声を口走りそうになったとき、
ゴンッ!!
重い音が響いた。見れば、ポルナレフが壁に拳を押し付けてた。さきほどの音は、壁を殴りつけた音だろう。感情をはじけさせていたカガリや、冷静に応じていたデュランダル、カガリを押しとどめようとしていたアスランも、呆気にとられてポルナレフを見る。
「もうやめましょうや。こんなところでややこしい政治の話はするもんじゃない」
彼の顔には表情は浮かんでいなかったが、どこか哀しみや苛立ちが含まれているように思えた。
「ましてや……ついさっき同僚を殺された者たちのいる前で、議論なんかするもんじゃねえ」
カガリがハッと息を呑んだ。そして、格納庫で作業をするクルーたちの反応を見回す。クルーたちは、困惑、呆然、苛立ち、様々な表情をしていたが、その中に一人、強い怒りの目でこちらを見ていた者がいた。赤い瞳と黒い髪をした、ザフトレッドの少年。
「……っ!」
その怒気に、カガリが怯んだ時、『ボギーワン』発見の報が届いた。
にわかに周囲は動き始め、その少年はモビルスーツデッキから飛び出していった。
「あ……」
カガリはその背中を引き止めたく思ったが、引き止めてどうしたいのか、自分でもわからなかった。
「それじゃ俺も行きますか」
ポルナレフはさきの雰囲気が嘘のように元気よく言った。
「代表、俺は思ったことを考えずに言っただけなんで、気にせんでください」
カガリはそう言われたが、とうてい気にしないなんてことはできない。他者のことを考えない、自分の浅はかさを思い知らされたのだから。
「思いのほかじゃじゃ馬じゃねえか。お前がしっかりしとかねえと大変だぜ?」
アスランの耳元でそっと囁く。ただの随員に言う台詞ではなかった。実は自分たちの関係が感づかれているのかと、アスランは唾を飲み込んだ。
「じゃ、ちょいとぶった切ってきますよ」
最後に議長に敬礼すると、ポルナレフは飛んで行った。横にいたレイも、『失礼します』と言い、ポルナレフの後に続く。カガリとアスランは、複雑な顔でそれを見送った。
To Be Continued……
アスランやカガリはそんなに酷い目にあわせないつもりです。(腕がちぎれる程度なら酷い目というほどじゃありませんよね? ジョジョ的に)死んだり悪役にまわったりはしないでしょう。目立った活躍ができるかどうかはまだ考え中。
ではまた来週。
超GJ!!
ジョジョ規準だと腕の一本や二本で酷いなどといいませんよ
投下もせずに文句垂れるだけの荒らしは無視するが吉
GJ ア〜ンド 乙!!
ポルポルかっこいいよポルポルw
あれ?おかしいな、ポルナレフが普段からかっこいいなんて
GJです
シルバーチャリ乙!
まだオナニー続けてたのかよ
GJ!
初めて読んだけど面白い!続き楽しみにしていますよ!
スタンド使いがモビルスーツ操縦とは、近距離パワー型ならかなり速く操縦できそう
来ないだろうがミスタがいたらビームライフルの軌道が変わるのだろうか。
セックスピストルズにできるのはあくまで実弾の操作だからなあ……
着弾率はミスタそのものの射撃能力に因るところが多いわけだから、ルナマリアとは逆の意味ですごい戦績になるだろうな
そこはピストルズの成長率の高さでカバーさ
酷い目というのは、それこそ死亡シーンの連続放送(ry
…と、レクイレムネタはさておき、
ポルポル君はあいかわらずいい役やってますね。
次回はMS戦のようですけど、技量的にはスーパーエースとまでは難しいっぽい。
スタンドの鍛錬だって、たしか8年(6年だった気もするが)も積んでから復讐の旅へ出るぐらい
念入りに準備してた人ですからね…。
まあ、能力が『剣の達人』とシンプルでオードソックスでありながら、
特殊な絡め技がないので、技量アップに時間を費やしたい気持ちはわかりますが。
(その結果、剣飛ばしや鎧を外すキャスト・オフを会得したのでしょうが)
その1/4しか年月が経ってないとなると、
細かい動作よりも戦術の立ち回りの経験で勝つしかないだろうな…。
…でも、OSにチャリオの動きを入れてると見ている俺。
装甲を吹っ飛ばしての軽量化(すでに前任者はいるし)や、
ビームを飛ばせるビームサーベル(UC系列MSでも出来た)などの特殊なカスタムに期待しますw
スタンドの鍛錬をしてから復讐の旅にでたわけではないんだぜ
応援ありがとうございます。かっこいいポルナレフが受け入れられてよかったと、胸を撫で下ろしています。投下するたびにキャラが違うと言われたらどうしようとドキドキしていますので。
続きはもう少し待ってください。
>>540 なかなか厳しいご期待。
スーパーエースは最初に種割れしたシンくらいのレベルと考えていいのでしょうか?
時間の差はジャンプキャラらしく、無茶な特訓や執念、凄み、実戦経験で補えるとも思いますが、強くしすぎないように心がけます。
SBRのようにだんだん成長していく過程をかけたら最高なんですが……。
>>装甲を吹っ飛ばしての軽量化(すでに前任者はいるし)や、
>>ビームを飛ばせるビームサーベル(UC系列MSでも出来た)などの特殊なカスタム
何というMSなのか、いつ使われたのか、詳しいことを教えてください。
装甲を吹っ飛ばしての方は、デュエルが最終話でやってたとか(視聴してたはずだが全然覚えてない)
ビームが撃てるビームサーベルを装備してるMSはUCだとZZ、CEの方はちょっと分かんない…
>>544 それ確かデュエルで正解のはず<装甲吹っ飛ばし
爆発してオキャッパ死んだなーと思ったら、実は爆発したのは一瞬でパージされたアサルトシュラウドで、すっぴんデュエルは無事というオチ
「ルナメリア・ホーク、ザク、出るわよ!」
「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」
「虹村形兆、ザク、出撃!」
三人のザフトレッドが、各々の機体に乗って出撃した。その後を二体のゲイツRが続く。ボギーワンはレーダーに映る光点を見るに、宇宙に漂うゴミの集積地帯、デブリベルトにいる。
「あんまり成績よくないんだけどね。デブリ戦……」
ルナマリアが呟き、シンが油断しないようにと注意する。形兆はずっと無言だ。彼がシンやルナマリアと話すことはほとんどない。レイのように無口なのではなく、こちらと付き合う気がこれっぽっちもないのだ。
(せめてポルナレフさんだったらな)
と、ルナマリアは思う。女好きなところが苦手だが、少なくともこの重苦しい空気を背負った男よりはマシだ。シンも、形兆のことは苦手にしている。というより、彼を得意な人間などミネルバにはいないだろう。
だが、MS操縦の腕は確かだ。訓練で勝ったことは一度もない。一瞬にして状況を把握し、戦場のすべてを利用しつくし、敵を倒す計画を立てて、そのとおりに実行する。その判断力は、まさに神業だ。
「おかしい」
そのとき、突然形兆が口を開いた。シンもルナマリアも驚き、言葉を失う。
「これだけ近づいているのに反応なしだと……?」
形兆は、ボギーワンの位置に眉をひそめる。確かに、距離一五〇〇にして、何も行動をしないというのはおかしい。相手が気づいていないはずが……
「……罠ッ! 本命はミネルバか!」
形兆が叫び、急ぎミネルバに報告しようとする。だが、そのとき攻撃は開始された。
形兆が事態に気づいた頃とほぼ同じ頃、グラディス艦長、アスランも、敵の狙いに気づいていた。だが、気づいた時にはもう遅い。
「ボギーワン、ロスト!!」
「熱紋四! カオス、ガイア、アビスが現れました!!」
「ボギーワン、確認! 距離、五〇〇!!」
次々と、降りかかる悪い報告に、タリアは唇を噛む。
ボギーワンは、エンジンを切ってなりをひそめ、代わりに偽のデータを出す囮を発射していたのだ。戦力の一部が囮を追いかけていった隙に、本陣であるミネルバを潰すという作戦だったのだ。そして、我々はそれに完全に乗せられてしまった……!
更に三体のMSがミネルバに向かっているという報告が入る。ボギーワンからもミサイルが発射された。
タリアは指示をとばし、ミサイルを迎撃する。ミサイル爆発の衝撃にミネルバが揺れた。
「メイリン! シンたちを呼び戻して! レイとポルナレフも出撃を!!」
タリアの命令が響いた。
――――――――――――――――――――――
「戻れったって!! くそぉっ!!」
ガイアの攻撃を銃撃でけん制しながら、シンが叫ぶ。シンたちの前に現れた四機。カオス、ガイア、アビス、ダガーL。それらは、二体のゲイツRをあっという間に撃墜し、デブリの漂う空間を、縦横無尽に飛び交った。
「この、このぉっ!!」
ルナマリアが砲撃するが、彼女の前を飛ぶダガーLには当たらない。
「ダガーLでどうしてこんな動きがっ!!」
ザクよりスペック的には下のはずのダガーLを撃ち落せない苛立ちに、ルナマリアが思わず言葉を吐いた。
だが、実際はダガーLがことさら速いわけでも、操縦が彼女より遥かにうまいということでもない。ただ、こちらの次の攻撃がわかっているかのように動き、攻撃の狙いをことごとく外してくるのだ。
――――――――――――――――――――――
『おっさん、そんな旧型で大丈夫か?』
ダガーLのパイロットに、アウルから通信が入る。
「なに、慣れないザクなどより、よほどやりやすい」
ダガーLのパイロット、ダイアーは答えた。
彼は相手の立場に身を置き、その動きを予測することで、ルナマリアの攻撃を完全にいなしていた。それは、かつて親友ウィル・アントニオ・ツェペリと共に受けた戦いの教え。
(戦いの思考その1、敵の立場で考えよ!)
そして、
(戦いの思考その2、恐怖を我が物としろ。その時、呼吸は乱れない!)
彼は波紋戦士として、どんな場所でも平常心で戦えるように訓練を受けていた。それは柱の男たちとの戦闘を想定した修行であった。
落ちたら助からない高度に張られた、一本のロープの上での戦闘。敷き詰められた針の山で、針先に乗りながらの戦闘。そういった特殊条件下で戦うことに慣れたダイアーは、この宇宙空間においても精神が乱れることはない。それが、彼の最大の武器であった。
「まあ、今回の本命はこちらではないし、MSでの戦闘も私の本領ではない。せいぜい、足止めに専念するとしよう」
言いつつ、赤いザクを銃撃する。しかし、かすめる程度で直撃した弾はなかった。
(やはり飛び道具も向いてないな。やはり私には、無骨な肉弾戦が合っている)
ダイアーはそう思うが、それでも経験不足のルナマリアにとっては手強い相手であり、彼女はこの戦場において、仲間のフォローをする暇を与えられなかった。
形兆もまたカオスと戦っていた。だが、この時のカオスは、前回の様に形兆のザクと正面きって戦おうとはしなかった。接近して攻撃しては、すぐに離脱する。これを繰り返し、時にビームによる長距離攻撃を浴びせ掛ける。
「ふん、最初にやりあったときは、血の昇りやすい猪武者かと思ったが、反省する頭と、成長する精神を持ってはいるようだな」
少し感心してやりながらも、形兆は余裕を崩さない。
その形兆の背後に浮かぶ、壊れたステーションの内部から壁を貫通して、MA化したガイアが襲いかかった。だが、その突然の攻撃にも形兆はすぐさま対応し、シールドで防御し、受け流す。ガイアはまたデブリの陰に隠れていった。
「ふん、まあ予想内の攻撃だな」
かつて『予想外の攻撃』によって敗北を味わった形兆であるが、予想の範囲内である以上は、多少の不意打ちは軽くしのげる。もっとも、その優れた判断力を持ってすれば、予想外の攻撃であっても大抵はなんとかできるのだが。
形兆のスタンド、『極悪中隊(バッド・カンパニー)』は、十分の一サイズの歩兵60名、戦車7台、戦闘ヘリ『アパッチ』4機によって構成された、スタンド軍隊。一体一体の力は弱いが、一斉に攻撃させれば恐ろしく強力なスタンド。
このスタンドを、彼は完璧に操れる。それは、彼の強い精神力と、戦闘技能の表れであった。
スタンド使いとしての戦いで磨かれた戦闘能力は並みではない。素早く状況を把握し、周囲のすべてを利用し、自分と相手の射程距離を測り、能力を分析し、敵の隙を見逃さない。それができなければ、生き残れはしなかった。
実戦経験のないシンたちとは違う。修羅場を潜り抜けてきた卓越した戦士なのだ。
「それでも、こうも足止めに徹されると、囲みを破るのは難しいな」
形兆は口を歪めて不機嫌になるが、シンやルナマリアと違い、ミネルバのことを心配し、焦りを覚えることはなかった。『この世界』に、彼の心配の対象となるものはないのだ。
「くそったれ、まだ敵わねえのか」
スティングが悔しげにうめく。今の自分の実力では、あの暗緑色のザクの余裕は崩せない。今は、仲間と協力して足止めをすることくらいしかできない。
(だが、いつか、いつか絶対……!)
現状の非力をかみ締め、成長を目指すその精神。それこそが、ゆりかごにくるまれた柔な精神では育ちえない、真の強さであった。
――――――――――――――――――――――
「ミネルバに……戻らなくちゃいけないんだ!! どけぇっ!!」
シンが吼えるが、アビスのビームによって進路を塞がれ、デブリの陰に潜んでいたガイアに側面から襲撃される。ガイアのパイロットたちよりもシンの方が腕は上だが、楽に振り切れるほどの差ではない。
シンたちが、ミネルバの救援に駆けつけるのは、なかなか難しそうだった。
To Be Continued……
以上です。次回はポルナレフのMS戦を投下する予定です。
ところでちょっと意見を聞きたいことがあるのですが……
以前話題になった、MSのボディを持ったシュトロハイム閣下、本当にやってもいい?
毎度GJであります
お礼としての情報提供を
装甲を吹き飛ばしての軽量化はデュエルガンダムアサルトシュラウド以外に
そのデータを用いて造られたロングダガーフォルテストラ、デュエルダガーフォルテストラ、
ジンアサルト、そしてロウ・ギュールが火星の技術を盛り込んで造った
レッドフレームMJも持っている機能であります
剣針発射については似たような例としてハイペリオンガンダムが
ビームマシンガンに装着されたビームナイフを射出して敵機に打ち込むという
芸当をしていました
>>552 GJ
>以前話題になった、MSのボディを持ったシュトロハイム閣下、本当にやってもいい?
その昔、氏んだガルマの脳髄をバイオコンピュータとしてゾックに移植した
「ロボゾック」って安永航一郎の漫画があってだな(ry
>>552 良いと思いますが、日常の会話に出てこないのは悲しいな。
>>552 GJチャリ乙
ナチ式敬礼するMSとかになりそうでなんか面白そうだからいいと思います<シュトロ閣下搭載MS
本編で視聴者が( ゚д゚)ポカーンとなった
「壊された小惑星に埋められたミネルバ」
「廃棄コロニーの壁を疾走するガイア」
がどうなるかをwktkさせてもらいますw
>>556 廃材疾走は勘弁してやれw
小惑星に埋められるのは、無重力を無視したシーンなのはわかるが、
廃材の上を走るのは、絵的には面白いからな。
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
俺なら、廃材の上を滑るようにブーストダッシュするとかするけどな。
…他にも案があるが、職人さんが困るのでこの辺で。
>>552 そんな訳で職人さんGJ!
シュトロMSに期待してます!
>>552 むしろ、首の後ろにケーブルでもくっ付けて操縦とかどうだろうwww
そうすれば日常会話にシュトロハイムも出せるし<シュトロMS
それはそうとGJ!!
OKのようなのでシュトロハイム専用オリジナルMSを考えてみます。結局シュトロハイムを大きくしたようなものになると思いますが。
また、もともとジョジョキャラをMSに乗せたのは、種キャラと絡ませやすくするためですから、MSボディと人間サイズボディは交換可能にしようと思います。人間サイズのボディもなければ絡ませにくくなって本末転倒ですので。
>>556 >>557 ご期待のところまことに申し訳ありませんが、他の展開が思いつかない事と、ストーリーを早く先に進めたい、という理由で、あの場面は小説版の『岩が降り積もったのではなく、突き刺さって固定された』というフォローそのままにしようと思います。
できれば明日にでも投下します。
>>559 リウタソがそんなフォローをしてたとは……
いやマジに恐れ入ったよ
交換可となると…8とジョージ・グレンの中間みたいなのしか想像できねえ。
予想を裏切ってくれるのを期待してるぜ(・∀・)
MSボディか。
中の人の安全性を気にしなくてもいいから、とてつもない加速度と機動性になりそう。
コクピット周辺のスペースも空くから変わりに電子戦装備積んだり、バッテリーの大型化も出来るし。
実は最強候補なんじゃね?
>>561 何せパワーはサンタナを基準にしてるからね。DIOだって殴り殺せる。
>>560 プレッ、プレッ、プレッシャアーーーッ
ともあれ投下。
ミネルバは、敵のミサイルによって爆裂した小惑星の破片をくらい、身動きがとれない状況に追い込まれていた。上に飛べばもろに攻撃をくらう。右舷スラスターにダメージを受け、左には動けない。右は岩肌。
前方には爆裂にはじかれ、小惑星に突き刺さって固定された巨岩。そして後方には敵の艦。まさに八方塞。
タリアは、ミネルバを守るためにMSの発進を命令した。その命令によってレイの白いブレイズザクファントムと、ポルナレフの乗るブレイズザクウォーリアが出撃した。
敵はエグザス一機、ダガーL二体、そしてダガーLの次世代MSであるウィンダムが一体だ。
「グフは、時間がなくて積み込めませんでしたが……ザクで大丈夫ですか?」
ポルナレフは、銀色に塗られたグフイグナイテッドを専用機としていたが、アーモリーワンの混乱の中で、ミネルバに積み込むことはできなかった。
「舐めちゃいけねえぜ青二才」
ポルナレフはレイに答えると同時に、突撃した。真っ直ぐ敵のダガーLに切りかかる。ダガーLはビームを撃って応戦するが、その射線を読んだポルナレフにことごとくかわされていく。あっという間に肉薄し、すれ違い様にトマホークでダガーLを切り倒した。
すぐにもう一体のダガーLに狙いをつけ、突進する。二秒後、そのダガーLも、同じ運命を迎えた。
ものの十秒足らずで、二体のダガーLが宇宙の藻屑と消えた。
「グフもザクも同じなんだよ!! 問題はパイロットの腕よ、腕ぇ!!」
ポルナレフは高らかに言うと、次はウィンダムに向けて切りかかった。だが、ウィンダムは予想外に速い動きで、その攻撃を防いだ。
「おっ!?」
ポルナレフの口から驚きの声が出る。
ウィンダムはシールドで攻撃をはじくと、ポルナレフのザクを押し返し、ビームを浴びせてきた。それは当然のごとく避けるポルナレフだが、その反応速度に並みならぬものを感じた。
「へえ、ほんのちょっとはやる奴もいるんじゃねえか」
ポルナレフが軽口をたたいて移動しようとする。だが、ウィンダムはビームを放って進路を塞ぐと、ポルナレフほどでないにしても相当な速さで、ポルナレフのザクに肉薄し、ビームサーベルで切り付ける。
(こっちの弱点をわかってやがるなこいつ!!)
実のところ、ポルナレフの操縦技術は際立って高くはない。それゆえに、彼は速さで勝負する。他のパイロットが衝突などを恐れて出さないような速度で動いて突撃し、相手に対処の隙を与えずに勝負をつける。その速度は、シンやレイ、マーレでも捉えきれない。
普通なら軌道を読まれて撃墜されそうなものだが、そんな攻撃すら、射線を読み取って避けることができる。それは、彼の人間離れした動体視力と反応速度の賜物だ。
だがそれゆえに、繊細な操縦技術を要求される、正面から取っ組み合うような戦いは苦手である。剣の修行でつちかった見切りの技術と速度で、操縦技術をおぎなうが、それも凄腕の相手には長くは持つまい。
そして、この相手は凄腕であった。しかも、優勢に立ってなお油断も隙もなく、そこにつけこむことを許さない。
(レイの助けは期待できそうもねえ……やばいかな。悔しいが、MS戦は形兆の奴の方がうまいんだよなぁ)
ポルナレフは、MAと戦うレイのザクをチラリと見ながら思った。形兆は、ポルナレフよりもMSでの実戦経験が豊富である。
『この世界』に訪れたのは、ポルナレフと同じ2年前のはずだが、形兆は早くから議長と出会い、部下となってMS訓練を受け、テロリストなどとの実戦も経験している。
ポルナレフも早いうちからMS操縦を覚えたが、戦闘訓練を始めたのは形兆よりも遅い。生身での戦闘経験と執念で、並みのコーディネィターより遥かに速く腕を上げたが、それでもまだ形兆には及ばない。
成長の余地はまだまだあるが、実戦では今のポテンシャルがすべてなのだ。
(やっぱりグフの方がよかったなぁ)
ポルナレフは早くも前言を撤回し、この状況を切り抜ける方法を考えていた。
「凄まじい動きだ……あれほどの動きをして、恐怖のひとすじほども感じてはいない。この精神力と才能……ミスタを思い出すな。だが今ならまだ俺の方が上だ」
ブローノ・ブチャラティはウィンダムを操縦し、ザクに対し、ビームサーベルを振るいつづけた。より正確に言えば、ウィンダムを操縦しているのは、彼のスタンド『スティッキー・フィンガーズ』である。その動きは人間を凌駕していた。
ブチャラティ自身のMS操縦経験は長くないが、『スリーピング・スレイヴ』の隊長として、実戦に身を置いて身につけた操縦技術は、すでに高いものであった。それは、MSにおける実戦経験の乏しいポルナレフとの、大きな差となっていた。
実戦で磨いた操縦技術と、スティッキー・フィンガーズの速度、この二つによって、ブチャラティは完全にポルナレフを上回っていた。それでもブチャラティは油断しない。油断したら必ずそれを見逃さず、起死回生を狙う相手であると、直感的に悟ったのだ。
ザクはさきほどのようにバーニアを噴かせ、高速移動で逃げようとする。
「させん!」
ブチャラティもさきほどのように、ザクの進路を塞ぐためにビームを撃った。
そのビームは動きを止めれば当たらないはずのものだったが……そのザクはあえて動きを止めなかった!!
空気のない宇宙空間に、爆発音のない爆発が輝いた。
「なにぃ!?」
ザクの右腕がビームによって破壊、切断された。そして、本体と切り離された右腕と、その右手に握られたビームトマホークが回転しながらブチャラティのウィンダムを襲う。ザクがビーム命中の瞬間、腕を振るったためだ。
「くっ!」
ブチャラティはそれを回避した。そしてその動きがタイムラグとなり、ザクはウィンダムの間合いの外に飛んでいってしまった。
「なんて真似を!」
奇策をくらい、ブチャラティは歯噛みする。
(ビームトマホークがこちらに飛んできたのは計算された結果などではない。狙いはあったのだろうが、それが成功したのは奇跡だ。だがその奇跡は、奴の覚悟があったからこそ生まれた奇跡!!)
―――――――――――――――――――――――
(どうにか逃げられたか。だが次に捕まったらおしまいだ。レイの奴を手伝ってMAを沈めてから二人で戦った方がいいな)
ポルナレフはそう決めると、すぐさまエグザスと戦うレイの方へ向かった。
―――――――――――――――――――――――
(ああいう覚悟を決めた奴は、実戦を積めば積むほど成長する! ここで潰しておかなければ必ず危険な敵となる!)
ブチャラティはポルナレフを追った。
だがそのとき、岩塊に行く手を封じられたミネルバが、突如爆発した。
『!?』
その場にいた全員が驚愕する。爆発によって砕け散った小惑星の欠片を避けながら、彼らは目の前で起こった事態を分析する。
ミネルバから陽電子砲『タンホイザー』が放たれ、ボギーワンをかすめていった後で、彼らは状況を悟る。ミネルバは小惑星に向かって砲撃し、その爆発力で吹き飛ばされることで、行き詰った状態を脱出したのだ。
「こんな思い切った真似ができる者が他にもいるのか……」
ブチャラティは、さきのザクと共に、この脱出劇を書いた者に賞賛と畏怖の念を抱いた。
「これまでだな。今は……」
案の定、すぐにネオから引き上げの命令が下される。ブチャラティはできればもう、このような手強い敵と戦わなければいいと思っていた。無論、戦うとあれば、毅然と迎え撃つだけのことだが。
ミネルバ、ボギーワンことガーティ・ルー、双方から、MSに向けて帰還命令が出される。ミネルバは満身創痍のためガーティ・ルーを追うことはできなくなり、ガーティ・ルーもミネルバを相手にする余裕は尽き果てた。
こうして、ミネルバとガーティ・ルーの戦いは、MS強奪に成功したガーティ・ルーの、勝ち逃げというかたちで幕を下ろしたのだった。
To Be Continued……
これで第3話『スターダスト・ウォーリアーズ』完!!
第4話『灰燼を望む者』に続きます。
GJ!
今回は、ザクウォーリアーでしたが、
本チャンのグフイグが楽しみです!
しかし、近戦パワー型はスピードと精密動作が高いと、
MS戦の操作を任せたら、相当ヤバイスピードになるよなぁ…
しかし、さすがはポルポル君。
実戦の経験値が高いから、思い切った行動がビシッと決まるよなぁ…。
…ブチャラティも凄い事やりそうだよなぁ…。
シンのオープンゲット技に習って、ジッパーを開いて上下分解とか…。
>ポルナレフは、銀色に塗られたグフイグナイテッドを専用機としていたが
リクエストが通ったぜ!
毎度乙ー
スティッキー・フィンガーズ使ってウィンダム操縦してるブチャラティにきなこ吹いたw
572 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/14(木) 01:46:33 ID:Dfw3iT3H
だがちょっと待って欲しい。
この作者からは危険なにおいがする。
私達はアジアの一員そして地球市民として、誠意のある謝罪を求めなければならない。
さっがーれ
574 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/15(金) 00:09:40 ID:l2r49ATK
ポルポルくんはシルバーチャリオツで操縦はしないんでしょうか?
5部ラストで失ったままCEに転生したのか?
>>574 この小説のポルナレフは、5部の記憶を持っていますが、銀の戦車も使えます。
>>279でアスラン、カガリ、議長たちを助けるのに使ってます。
MSの操縦をさせない深い理由はありません。甲冑着た騎士がMSの操縦するのはさすがに変だなぁとか、個人的にイメージがしっくりこなかっただけです。
では投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE:04 灰燼を望む者』
二体のMSが向かい合っていた。両方ともにブレイズザクウォーリア、高い機動力を持ったザフト軍の機体である。
片側はジャン・ピエール・ポルナレフ。今のザフトレッド。歴戦の勇者であり、この世界の英雄になりうる器。
そしてもう片側は、アレックス・ディノこと、アスラン・ザラ。かつてのザフトレッド。前大戦の英雄であり、今は表舞台の外に生きる男。
二人が対峙していたのは、何時間か、あるいは一瞬か、それは意味のないことである。意味のあることは、対峙が終わるときに行なわれることであるからだ。そして、意味のあることは、行なわれた。
何がきっかけとなったのか、二体のザクはまったく同時に動き、互いに相手との距離を縮め、その影を重ね合わせた。
そして影同士が離れていき、一呼吸の時間が経過した後、一体のザクが爆発した。
ポルナレフのザクだった。
「だぁぁあぁーーーーっ!! また負けたぁっ!!」
ポルナレフがMS戦シミュレーションマシンから飛び出して喚いた。
たまたま朝早く起きたアスランとポルナレフは、たまたま廊下で出会った。話すうちにいつの間にかアスランはマシンに引きずり込まれて、ポルナレフの訓練につき合わされていた。さきの戦闘で強敵に出会い、より腕を磨く必要性を感じたらしい。
その相手にアスランを選ぶ辺り、彼もアスランの正体を知っているらしいが、いい訓練相手が見つかったと単純に喜んでいるだけのようだ。
「これで三戦三勝……まだやりますか?」
アスランが得意げに言う。いつもはもっと遠慮と慎みのある彼であるが、まったく己を飾ろうとしないポルナレフと接していると、そういうものが馬鹿らしくなってくるのである。
「やらいでか! と言いたいとこだが、もう朝飯の時間なんでな。続きは後だ」
結局やるのかと思いながらも、アスランはポルナレフの動きがやるたびによくなっているのを感じていた。彼は天性の戦士であると実感できる成長速度だった。
(不思議だな。戦いも、自分の武力も、あれだけ嫌悪していたのに、彼との戦いではそれを感じない)
それはおそらく、彼が自分の力に罪悪感を持たないためだ。彼は自分のように、戦うことを悩みはしないだろう。それは、彼が戦闘狂だからでも、戦いの結果に対する想像力がないからでもない。
彼は覚悟しているのだ。どのような結果となろうとも、それを受け止める覚悟を。自分の意思で、自分の運命を生きる覚悟を。その覚悟の輝きが、アスランの心を穏やかにしているのだろう。
『無理なことでも、結果がわかっていても、人様から認められなくても、それでも譲れないことはあるもんさ』
かつて彼が言った言葉。彼はその言葉どおり、譲れないことのため、覚悟を持って生きているのだろう。
ひるがえって自分はどうだ? 力を捨てた現状は、本当に自分の意思で選んだ運命か? 覚悟を決めて生きているのか? 覚悟しているというのならなぜ、ミネルバが沈みかけたときに力を望んだ?
(俺は、弱い)
戦闘能力とかMS操縦の技術とか、そんな些細なことではなく、精神において、目の前で敗北を悔しがる男に遠く及ばない。それは、ブローノ・ブチャラティに、三人のエクステンデッドたちが抱いたものと、似た想いであった。
ポルナレフと分かれ、そろそろ起きてくるだろうカガリのところへ行こうと歩いていると、ある人物に出会った。
忘れもしない、黒髪のザフトレッド。赤い眼に怒りをたぎらせカガリを睨んでいた、シン・アスカであった。
彼はアスランに気づくと、微妙な表情をつくり、
「あ……おはようございます……」
少しモゴモゴとした調子でそう言った。
「あ、ああ、おはよう」
アスランも返事をした。
しばし沈黙が流れたが、やがてシンの方から口を開いた。
「あの……アーモリーワンで、ザクに乗ってたの、あなたですよね?」
「え、ああ、そうだが」
「あの時、インパルス……あの白いMSに乗ってたの俺だったんで……助けてくれてありがとうございました。それに、ミネルバも、あなたの提案で助かったて聞いたし……それも……」
ミネルバに帰還した後、シンは、「もうかっこよかったんだから!!」と、はしゃぐメイリンからアスランの活躍を聞かされ、
(この時、ポルナレフが、「しかし俺ほどの渋みや含蓄はないだろう?」とメイリンに言い、「ああはいはい」と軽く流され、「そうやってあしらわれるのは一番哀しいぞ……」と落ち込むという、コントがあった)
会ったらアーモリーワンでのことを含めて礼を言わなければと思っていたのだ。
しゃっきりしないながらも、感謝の意を伝えるシンにアスランは、
「ああ、いや、こっちも他人事じゃなかったし、俺一人の力で助かったわけでもない。まあ、お互い様さ」
微笑を浮かべてそう言った。しかし、
「ところで……君は、デッキから代表を睨んでいたが……なぜだ?」
この機会に、アスランは最も気になっていたことを問いただした。
すると、シンの気配が急激に変化し、あのときの怒りの眼ほどではないが、強い苛立ちを含んだ視線をアスランに向け、はき捨てた。
「あんたに関係ないだろ?」
「いいや、関係はある。俺は代表の護衛だ」
引くことのないアスランに、シンは視線をそむけ、
「俺は、オーブが嫌いだ。言うことはそれだけだ」
そう言って、アスランの脇を通り抜け、去っていった。
「……オーブが嫌い、か」
彼の真意はアスランにはわからない。わからないが……重い理由であることは確かだった。
アスランは、その理由を知ることは簡単にはいかないだろうと思っていたが、図らずも、その理由はその日のうちに知ることになった。
「ユニウスセブンが!?」
シンは思わず声をあげた。大戦の引き金となった悲劇の地、ユニウスセブンが地球に落下してきているというのだ。100年単位で安定した軌道を保ち、宇宙に浮かんでいるはずだったものが。
あれが地球に落ちたらどうなる? 恐竜が絶滅したのは、10キロ以上の隕石が地球に衝突したからだという説がある。それと同規模のプラントが衝突するのだ。結果は考えるまでもない。
「そんなものどうするのよ?」
ルナマリアが言う。
「砕くしかない」
周囲が黙り込む中、レイがあっさりと答えた。
「軌道を変えるのはもう手遅れだ。となれば破壊するしかない」
「で、でも。デカイぜぇ、あれ!?」
ヨウランが思わず声をあげる。シンはむしろ、楽だと思った。危ないならばぶっ壊す。実に豪快で単純明快な解決策だ。あの教官なら喜んで乗り出すだろう。自分も同じだ。
オーブや地球連合には憎しみもあるが、地球に生きている人々のほとんどは、そんな憎しみとは関係がない。助けてやりたいと思う。この理不尽な運命から。
「ほぼ半分に割れてるっていっても、最長部は8キロは……」
「だが衝突すれば、地球は壊滅する」
レイの淡々とした言葉は、淡々としているがゆえの重みがあり、その場の誰もが言葉をなくし、深刻な表情で沈黙した。最初から人の輪を外れ、黙って缶コーヒーを飲む形兆だけは、その言葉を聴いても鼻を鳴らして動じなかったが。
「んー…でも、ま、それもしょうがないっちゃ、しょうがないか? 不可抗力だろ? 変なゴタゴタがなくなってむしろ楽になるかも……」
ヨウランが、雰囲気に耐えかねてそう言った。良識に欠けていると言われれば、認めるしかない言葉であったが、彼が本気でないのは皆わかっていた。しかしさすがに言いすぎだろうと思い、軽くたしなめようかとシンが思っていると、
「よくそんなことが言えるなッ! お前たちはッ!!」
シンが宇宙で、最も嫌いな声が響き渡った。
To Be Continued……
以上です。
GJ一番乗り!!
gj2ゲト?
投下乙!
カガリよお・・・こないだポルに言われた事もう忘れたのか・・・
うろ覚えで言うのもなんだが、こないだって言うほど時間経ってないんじゃなかった?
いや、代表としてはアレな台詞だが、自分の国にコロニーが落ちて、
国民も知人も国土も無くなる可能性の有る身としては正常な台詞だと思うぞ。
TV版で島国で近くに落ちただけで軽く全滅出来る立地条件で、被害が少なかったのが奇跡と思えるほどなんだし。
この時カガリは私人じゃなくて公人としてミネルバに乗船してるんじゃなかった?
私人としての発言にしか見えないのが問題。
出た言葉は仕方ないけど、それについて公人として何か言うならまだしも私人として突き抜けている。
TV版での被害の軽微っぷりはなんか引っかかるが。
投下します。
カガリ・ユラ・アスハ、オーブを代表する権力の持ち主。その彼女が怒りもあらわにレクルームに踏み込んできた。
「しょうがないだと!? 案外ラクだと!? どれだけの人間が死ぬことになるのか! 本当にわかって言ってるのか、お前たちはッ!!」
カガリの怒声が響き渡る。だが、その言葉は聴く者の胸には響かない。今のは仲間内での戯言だ。それを他人に本気で説教されれば、誰だってうんざりする。
とはいえ、彼女が今回の出来事における被害者であることは皆わかっていた。だから誰も文句は言わずにいたが、反抗的な空気はわかるものだ。カガリにももちろんわかったし、それが彼女を更に怒らせた。
「やはりそういう考えなのか、お前たちザフトは!?」
シンの目つきが変わる。鬱陶しそうな苛立ちを含んだ瞳が、明確な怒りの色に。
「あれだけの戦争をして、あれだけの思いをして……! やっとデュランダル議長の施政のもとで、変わったんじゃなかったのか!?」
激昂するカガリを、アスランが止めようとしたとき、
ゴンッ!!
前にもあったようなタイミングで音が響いた。シンが思い切りテーブルを叩いた音だ。メイリンが、テーブルを心配げに見つめた。壊れでもしたかと思ったようだ。
「うっさいよあんた」
シンは、『あの時』と同じ怒りを込めて、カガリを睨んだ。
「ヨウランも無神経なこと言ったかもしれないけどさ、そこまで言われるようなことじゃないだろ!」
「シン、言葉に気をつけろ」
シンの台詞に、レイが言う。真面目なレイらしいとシンは思うが、怒りは収まらない。
「あんたさ、ポルナレフ教官に言われて学んでないのかよ? 時と場所をわきまえるってことをさ。そんな頭でも務まるなら、代表も楽な仕事だよな。オーブならその程度でもいいのかもしれないけどね」
「こ、このっ!」
「いいかげんにしろカガリっ!!」
アスランがシンにつかみかかりかねないカガリを止める。
「せっかくだから教えてやるよ。俺は昔、オーブに住んでいた。俺の家族はアスハのせいで死んだんだ」
その憎悪に満ちた言葉に、周囲の全員が凍りつく。ただ形兆だけが、珍しく興味の色を瞳に浮かべて、耳を傾けていた。
「アスハが、理念を守るために国民を見捨てたおかげでね! 国民も救えずに英雄気取りなんて笑わせる!! 正義のため? 未来のため? そのためなら、今生きている命は、犠牲になって当然なのかよ!?
苦渋の決断だろうが、責任をとって自爆しようが、そんなの、死んだ人間にはなんの意味もないんだ!!」
オーブの理念。他国を侵略せず、他国を侵略されず、他国の争いに介入しない。国民も国土も護れなかったその理念を、今もオーブは使っている。その理念のために犠牲になった命があるというのに、それをかえりみもせずに。
その無反省こそが、シンには最も許せない。
「だから俺はオーブもアスハも嫌いだし、許さない。けど、オーブやアスハ関係なしに、あんたは嫌いだ」
シンはカガリに対して、足を踏み出し、一歩一歩近づいていく。
「ボギーワンとやりあう前の格納庫で、あんだけ偉そうに『力を持つな』と非難しといて、自分たちの身が危険になればその『力』に助けを求め、また非難。何様だよ。それに『やはりそういう考えなのか』だって?」
シンはとことんカガリを軽蔑した視線で眺め、
「手を取り合って歩むなんて言っといて、こっちを信じていないのは、そっちの方じゃないか」
「ッ!!」
シンは、うつむくカガリから興味をなくしたように視線をそらす。
「ガーガー言われなくても、ユニウスセブンは何とかするさ。邪魔をしないで黙って見てろよ」
そう言い捨てて、シンはカガリを押しのけて、レクルームを出て行った。結局、カガリは何も言えなかった。
アスランは地獄のように落ち込むカガリに、声をかけられなかった。
カガリは泣くこともできずにどんよりと暗い空気を漂わせながら、青ざめたを通り越して真っ白になった顔色で、フラフラと通路を歩くカガリ。さながらゾンビだ。一体どうすればいいのか。
アスランにも、シンに対する言葉は思い浮かばない。ウズミ・ナラ・アスハは確かに戦争を避けるための治世を行った、少なくともそれを目指していた。だが、結局はその治世の基盤となる理念のためにオーブは焼かれた。それはどうしようもない事実。
「おいおいどうしたよ、やけに暗いっつーか、なんつーか」
その通路の向こう側から、紙袋を抱えたポルナレフが歩いてきた。
「あ、ポルナレフさん」
「前から思ってたけど、『さん』はいらねーよ。敬語もいらね。お前は俺の部下じゃねえんだしよ」
気さくにそう言うが、カガリを見て顔をひきつらせる。
(何があったんだよこれ……)
(いやその……)
さすがにアスランは言葉を濁す。とりあえずポルナレフは、
「あー、代表、お一つどうすか」
紙袋から、紙に包まれた丸いものを取り出した。匂いからすると食べ物らしい。ポルナレフが紙を剥くと、四段はある巨大なハンバーガーが湯気をあげていた。
「まあ……ひとつ食ってください。何か知りませんが、気が落ち込んだらとりあえず食うことです」
カガリはハンバーガーを受け取ったが、沈んだ表情で見つめるばかりで食べようとはしない。自分自身に絶望したカガリには、慰めの言葉も届かない。
どうしたものかと顔を見合わせるアスランとポルナレフだったが、そのとき、思いもよらぬ人物が、偶然現れた。
「おやこいつは、見たくもない面が一つに、粉々に破壊してやりたい顔面が一つか」
実に嫌そうな口調で言い放つ、一人の男。
「ふん、ポルナレフ。貴様のことは嫌いだが、一つアドバイスをしてやる。その女に、情けをかけてやる価値はない」
虹村形兆。レクルームでシンの怒りを眺めていた彼が、そこにいた。彼はカガリを唾でも吐き掛けそうな表情を向けて言った。
「そいつはな、今しがた、お前のお気に入りのシン・アスカに、こっぴどく負けたところなんだよ」
ビクリと、カガリの肩が震えた。
「ま、詳細はシンの小僧から聴けばいいが……政治家の癖に素人の非難になんの反論もできず、敗北した後は落ち込み自虐するばかりで、周囲のお人よしどもに甘えるだけ。そしてそれが当然と思っている最悪な女。そいつはそういう、まったく人間のクズなんだよ」
さきのシンと同じように、カガリに近寄りながら形兆は言う。嫌悪や苛立ちを見せることは多々ある彼だが、こうもはっきり『軽蔑』の意を表すことは珍しい。彼にとって、カガリは今にも歯を全部へし折ってしまいたいほど嫌いなタイプであった。
「俺は、人間は成長してこそ生きる価値があると思っている……逆に言えば、成長する気もなく自分の惨めさにひたって酔って、周囲の足を引っ張るだけの無能は……生きる価値も資格もないと思っているよ!」
カガリのことを見たくもないとばかりに顔を背け、形兆は去っていった。
「カガリ……」
形兆の姿が見えなくなった後、何を言っていいかわからないまま、アスランがカガリに話しかける。すると、
バクゥッ!!
カガリがハンバーガーにかぶりついた。その双眸から、涙がボロボロと流れ出る。
「くそっ、くそぉっ……」
ガツガツとハンバーガーを食らうカガリには、しかしもう、さきほどまでの暗さはなかった。その様は、食らうことで力をつけ、まだ見ぬ明日への活力を得る獣のようだった。
「アスラン」
「……なんだい?」
「私は、私はこんなままでは、終わらないぞ。こんな、惨めで、愚かで、腐った人間のままでは、終わらないぞ……!!」
一度目の憎悪がカガリを自分自身への絶望に突き落とし、二度目の罵倒がカガリの自分自身への怒りに火を点けた。その怒りはカガリの感情を叩き起こし、再起と成長を、アスランとカガリ自身に誓わせた。
アスランは、カガリの熱い想いに、ただ頷きだけで応えた。それで充分であった。
カガリはハンバーガーを食べ終わると、ポルナレフに、
「ご馳走になった。この借りは必ず返す」
「気にせんでいいすよ、こんくらい」
「いいや、命と同じくらいの借りだ。必ず、報いてみせる」
さきほどとは別人のように凛々しい顔で、ポルナレフに言うと、アスランと共に、割り当てられた自室へと向かった。
アスランはカガリを見つめながら思った。
(カガリは覚悟を決めた……俺も早く決めなくてはならない)
ポルナレフは二人を見送りながら思った。
(ときには太陽より北風が必要、か。形兆の野郎にそんな気はなかったろうが、まあここは感謝、だな)
彼らがそうしている間にも、ユニウスセブンは地球へと近づいていた。確実な破滅を伴いながら。
To Be Continued……
成長しなければ、栄光はつかめねえ……!
カガリ、成長の兆しの巻、でした。
この続きはまだまったく書いていないので、今しばらくお待ちください。
ディモールトディモールト!
いい!!すごく良いぞ!!いいSSだ!!
このSSに出てきている、MSに乗るスタンド使いはイメージだとパイロットスーツ
着てなさそう。
>>595てかポルナレフや形兆はヘルメット頭入らないと思われ
特注のヘルメットだろ?www
シャーマンキングの木刀の竜のヘルメットみたいな。
GJ…おお!GJッ!
実にナイスな形兆にポルポル君…カガリも今日ばかりは輝いてるぜ!
シンも+アルファの怒りがよーく伝わってきたぞー!
後はアスラン。お前次第だな。
光るのは凸だけっていうのは無しにしてもらおうかと。
さて、今日という日を忘れなければ、あの結婚式はどうなるか実に楽しみになってきた。
横取り主人公と電波ヒロインはどうなるんだ!?
それはさておいても、この後の破砕作業に何が起きるか…注目なり。
なんか、テロの一掃&地球へダイブ!だけで終わらない予感…!
>横取り主人公と電波ヒロインはどうなるんだ!?
何故かこの二人のところには、ラバーソールとかチョコラータみたいな悪党が居たりしてw
キラがアヌビス持ってるとか。
レロレロ花京院がいるとかじゃね?
投下します。今回は短めです。次回の投下は長めにしようと思います。
白髪で顔色の悪い男が一人、忌々しげに窓から客人の帰宅を眺めていた。彼の名はロード・ジブリール。反コーディネイター組織、『ブルーコスモス』の盟主であり、『ファントムペイン』を支配下におく男である。
「あのおいぼれどもは呑気に笑いおって……今があの人外どもを一匹残らず駆逐できるチャンスだというのに!!」
吐き捨てながら、今頃宇宙にいるはずの部下の顔を思い出す。ユニウスセブン落下についての調査を命じておいた、ネオ・ロアノークと……ブローノ・ブチャラティ。
ネオ・ロアノークについては問題ない。癖のある男だが、反抗しても無意味であることを理解している。だがブチャラティの方は……
「油断ならんな」
ジブリールがブチャラティに出会ったのは、ジブリールがブルーコスモスの建て直しを半ば成功させ、次代の盟主の座が見えてきた頃のことだ。ブチャラティは、軍のテロリストグループ壊滅作戦に協力した一般人として、彼の前に姿を現した。
ブチャラティは、他の二人の仲間と共にジブリールの下に就きたいと言い、その能力『スタンド』の秘密を明かした。ジブリールは腰が砕けるほど驚愕したが、一度受け入れると、ブチャラティたちは強力なカードとなるかもしれないと考えた。
そこで彼らの力を試すため、危険な任務を遂行するための部隊を急造した。お目付け役かつ、ブチャラティたちの軍事訓練を行う教官一人と、三十人足らずの隊員で構成された部隊『スリーピングスレイヴ』。
奴隷のように扱き使われるために存在する特殊部隊は、多大な成果をあげた。
『平和の敵よ心せよ、眠れる奴隷が目を覚ます』
いつしかスリーピングスレイヴは、そのような警句が生まれるほどに、軍の横暴に苦しむ人々からの支持を得た存在となっていた。
その手腕、その知力、そして人望。部隊に割り当てられた兵士たちは、残らずブチャラティに心酔している。彼と関わった誠実な軍人や民衆のほとんどが、ブチャラティに好意的感情を示している。
それは全体から見ればごく少ない支持であったが、確かに存在していた。
隊の名称である『眠れる奴隷』が、ブチャラティを意味する二つ名となった頃、ジブリールは彼の力を完全に認め、そして……恐れた。
ブチャラティにネオの援護をさせ、スリーピングスレイヴと引き離したが、それでも安心はできない。
(奴の望みはなんだ……?)
ブチャラティには何か野望がある。それはわかっているが、ただの富や名声、地位や権力ではなさそうだ。それが何なのかがわからない。
「くそっ」
忌々しい。ブチャラティも、その仲間たちも、コーディネイターどもとはまた違った意味で忌々しい。その忌々しさが、何からくるものなのかはわからない。ブチャラティが見つめるものと、関係があるという気がするのだが。
「まあいい……奴の野望も力も、すべてこの私の掌中で使い潰してやるまでだ」
ジブリールは、それまでの思考を振り払い、自分に言い聞かせるように呟いた。
「ユニウスセブンが落下した後は、コーディネイターとの戦争だ。それにブチャラティを投入すればいい……奴も、ギルバート・デュランダルも、私に害をなす者は互いに噛み合って死ねばいい」
だが、ジブリールは知らない。この世界を狙う者が他にいることを。ユニウスセブンの全貌も、ロゴスの存在も、デュランダルの真意をも知る者が、静かに機会を待っているということを。
To Be Continued……
かなり短いですが、以上です。
>>595 一応スーツは着ています。髪型については……ヘルメットかぶった後でも髪型が乱れない未来の整髪料使っているとか、MS降りてから大急ぎで髪を整えるとか……?
>>598 アスランについてはまたそのうちに。ただ話を作っていくうちに、キラやラクスがあまり悪役じゃなくなってきた。敵役ではあるのだけど、ヤッダバァァァァされたりはなさそうです。そういう展開を期待していたらすいません。誰か他の方が書いてくれることを祈ってください。
>>599 まあなんだ……貴方、ギャングのボスの人格をあわせ持っていたりしますか?
GJ。狙ってるのはアイツか?それともあの方か!?
DIOキタコレ
もちろん、宇宙の果てから究極カーズ様 轟・臨! ですよね
落ち着いて!!
ボスキャラは登場しないと言ったはずです。あの方々を書ききる自信はさすがにありません。特にカーズ様なんてもうジェネシスでも使わないと倒せませんよ。
そっちは未来の作家さんに期待するとして、ジョジョ原作ではいいとこなかった奴が黒幕として登場します。カリスマもパワーも乏しい奴が、悪知恵と情報を使ってのし上がろうとするという感じです。
キャラ予想はしてもいいけど、名前出す程度で、設定まで鋭く洞察するのは勘弁してほしいです。
それではアリーヴェデルチ。
音石明
吉良のオヤジかホル・ホースだな
逆襲のヌケサク
アレッシー…はさすがに無いか
また素晴らしくwktkを煽ってくれましたな!GJ!
考えついたキャラがネタ的にオイシイ奴ばっかりで困る件
ココナッツのスジの人とか最小のマギー!の人とかオフィシャル変態のメロンとか某アナスイとか
リゾット
カリスマもパワーも乏しく悪知恵が働く奴が結構いるが、それに情報が加わると全然予想が付かない。
誰だろ?
オインゴ・ボインゴか?
でも、ボインゴのスタンドは殆ど意味が無いからな。
強いて言えばオインゴが使えるくらいか……
陰険で心を読めるダービー弟かもよ
YESとNOだけじゃ、ちとキツイな。
ドラゴンズ・ドリームのケンゾーはどうだろう?
取り立て人マリリン・マンソン
個人的にあの取り立てが無駄に怖いだけです、はい
何かアーサー辺りが「プルルルル」とか言ってそうだな
「とぅおるるるる」じゃないのは仕様ですか?
細部が甘いかもしれませんが、ある程度書けたので投下します。
……そのパイロットは、何も見はしなかった。何も聴かなかった。敵機の姿とか、ビームの光とか、そんな前触れも感じることのないまま、
ボッ!!
死を迎えた。
顔から飛び出て無重力空間を漂う目玉が、血の舞う空間と、パイロットの無惨な躯を映していた。
――――――――――――――――――
ユニウスセブン落下阻止作戦……それは、意外な方向へ動いていた。
先行し、メテオブレイカーによってユニウスセブンを砕こうとしていた、ジュール隊――前大戦で大きな功績をあげたイザーク・ジュールを隊長とする部隊――が、ジンを操る謎の一団と戦闘になったのである。
「くそおッ! なんなんだこいつらはッ!!」
イザークが吠える。その端正な顔立ちに似合わぬ猛々しい声に、しかし答えを返すものはなかった。わかっていることは、こいつらがユニウスセブンの破壊を邪魔しようとしていること。そしておそらくは、こいつらこそが、このユニウスセブン落下を引き起こしたのだろう。
「メテオブレイカーを守れッ!!」
イザークが命令するまでもなく、彼の部下たちは敵のジンから、メテオブレイカーを守るためにゲイツR四機でその周囲を囲んでいた。
だが、そのうちの一機がいきなり動きを狂わせた。ガクガクと痙攣を見せたかと思うと、次第に高度を下げ、ユニウスセブンに墜落し、爆発してしまう。
「なっ、どうしたんだよ!!」
その異常事態に副官のディアッカ・エルスマンが声をあげる。
ジンが残る三機に迫り、刀を振り上げた。狙われた一機は、応戦しようと構えをとる……直前に動きを止めた。
「どうしたぁッ!! 戦わんかバカモノォッ!!」
イザークが叫ぶが、その言葉はパイロットに届かない。
なぜなら、そのパイロットの顔はすでに右半分を破壊され、無重力化で球体となった鮮血と脳漿がコクピット内を漂っていたからである。
次の瞬間、すでに主の失われたMSが破壊された。
「ユニウスセブンにてジュール隊がアンノウンと交戦中!」
「イザーク……?」
旧友の名を耳にし、アスランが反応する。彼もまた、このユニウスセブンの破壊に手を貸すことになったのだ。カガリには話してある。その時の表情からするに、気を使わせてしまったようだった。
(まだ戦う覚悟が決まったわけでもない……が、黙ってみているというのも)
アスランは葛藤を抱えながらも、戦場に意識を向けた。
「さらにボギーワン確認!」
アスランは次々ともたらされる情報に顔をしかめる。だが、このままここにいても始まらない。とにかく現場に急行しなければ。
「アスラン・ザラ、出る!」
一機のブレイズザクウォーリアが、宇宙へと飛び出した。
―――――――――――――――――――――――
「あれ落とそうとしてるの、ザフトだと思うかい?」
ネオ・ロアノークがユニウスセブン上の戦闘を眺めながら、傍らのブチャラティに尋ねた。
「違うだろう」
「なぜそう思う?」
ブチャラティは分析する。
「彼らはそこまで愚かではない。こんな大儀も宣戦布告もない攻撃を行えば、地球はもちろん、プラントからも少なくない怒りの声があがるだろう。地球にもコーディネイターがいないわけじゃないし、同族殺しまで犯してしまう。
そんなバカな真似はするのは、よほど視野狭窄に陥った凶徒か……恐ろしく悪辣な策略家のどちらかくらいだろう」
ネオは頷いた。
「俺もそう思う……やはりこれはテロリストの仕業ということになるかな?」
「俺が前に相手にしたテロリストの中にも、これくらいのことを計画していた奴らはいたしな。おそらく間違いないだろう」
ブチャラティは『この世界』での経験を思い返して語る。
「まあそうは言っても、もう少し調べないとな。頼めるか?」
「ああ、俺たちはお前たちのサポートが任務だ」
ブチャラティはそう応え、ダイアーとともにMSに乗り込み、ユニウスセブンを目指して発進した。
「俺だけ留守番かよ……」
「ナランチャ、MS操縦、ド下手なんだからしょーがねーじゃん」
そしてアウルと喧嘩するナランチャと、隣でババ抜きをするステラとスティングが残された。
こうして……ユニウスセブンにザフト、ファントムペイン、謎のジン部隊の三つの勢力が、ユニウスセブンに出揃うことになった。
「なーんか、おかしいぜ? なんか妙だ……」
仲間と共にユニウスセブンに到着したポルナレフは呟いた。今、ユニウスセブンが真っ二つに砕かれたところだ。そしてまた更に半分に砕かれる。そして今、ポルナレフの前で動こうとしているメテオブレイカーによって更に砕かれることになるだろう。
その成功を見ながらも、ポルナレフは嫌な感覚を拭えなかった。
「もっと早くに砕けていてもよかったと思うんだがな……」
ポルナレフの見たところ、ジュール隊の腕はかなりのものだ。特に隊長にイザークと、副官のディアッカは、ポルナレフ相手に全勝中のアスランにも匹敵する。シンやアスランも活躍しているし、ポルナレフ自身、さきほどジンを一体切り伏せたところだ。
ボギーワンやそこから発進したMSも、黙ってこっちの様子をうかがい、手伝いはしないが、邪魔もしてこないから、敵は謎のジン部隊だけだ。
確かにこのジン部隊は強敵ではあるが、これだけの戦力でかかって、ここまで時間がかかるほどの相手とは思えない。しかし実際にはジュール隊は多くの隊員を失い、大幅に時間をロスしてしまった。このままでは、ユニウスセブンを完全に破壊しきることは難しいだろう。
そのとき、ポルナレフは見た。目の前でメテオブレイカーを設置しようとしたゲイツRが一機、急に動かなくなったのを。他のゲイツRがその奇妙さに気づき、連絡を取るが応答がないようだ。
「……ッ!!」
猛烈な悪寒。そして次の瞬間、
バズンッ!! ブッシュウウウウウゥゥゥ!!
「なぁっ!?」
ポルナレフの左腕が……突然、『ちぎれ飛んだ』。
「うおおおォッ!?」
ポルナレフはいきなりの激痛と消失感に叫びをあげてしまう。
「ぬ、うう、こ、これは」
ポルナレフは血の吹き出る切断面の上部を握り締め、少しでも血を止めようとする。
(こいつは……スタンド能力!!)
それ以外に考えられない。こっちがこうまで苦戦していたのは、スタンドによって次々と味方が殺されていたからだったのだ!!
(この宇宙空間でMSのコクピットを攻撃できるってことは、とびっきりの遠距離操作型だぜ……)
ユニウスセブンの大きさから考えれば、キロ単位の射程距離が必要だ。射程距離Aは間違いない。
『ファハハハハハハハ!!』
脂汗を浮かべるポルナレフに、いきなり耳障りな哄笑が届いた。
『理解できねえだろうな〜、な〜んで腕が吹っ飛んだかよ〜〜、かわいそうだから、早いトコ、ぶっ殺してやるよぉ!!』
邪悪な声の主はポルナレフへと襲い掛かった。だが、声の主は知らない。ポルナレフには、腕が吹っ飛んだのがなぜか理解しているし……声の主の姿も見えているということを。
「『シルバー・チャリオッツ』!!」
銀の甲冑をまとう騎士の姿をしたスタンド、銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)。その暗示はタロットにおける『戦車』。侵略と勝利を意味する。手にした剣による斬撃は、幾人もの強敵を切り裂いていた。
そして、今また、光をも切り裂くポルナレフの技能が、一体の敵を貫いた。
『ギャアアアアアッ!?』
ポルナレフを襲うとした『敵』は、チャリオッツの剣先に貫かれ、もだえ苦しんでいた。その姿は気持ちの悪い大きな『クワガタムシ』のようだった。
「ギャアアアアアッ!?」
ポルナレフが敵スタンドを貫いたと同時に、ユニウスセブンの地表にそっと隠れていたMAの中で、一人の老人が叫びをあげた。
彼の名はグレーフライ。使うスタンドはタロットでいう『塔のカード』。破壊、災厄、旅の中止を暗示する『灰の塔(タワー・オブ・グレー)』。
大きなクワガタムシの姿をしたこのスタンドは、10センチの距離から10丁の銃で撃ったとしても余裕でかわすことができるスピードと、長大な射程距離を誇っている。力は弱いが、スピードにものをいわせた突進力は、人体程度たやすくバラバラにできる。
牙の生えた口から伸びる触手『塔針(タワーニードル)』で、人間の舌をひきちぎるのが大好きな、根っからの悪党スタンドだ。
弱点は精密動作性の低さだ。標的が隠れていた場合、探し出すのが非常に苦手である。それゆえに隠れた目撃者がいてもまとめて皆殺しにできる飛行機事故や列車事故ばかり起こし、DIOの命令でジョースター一行を襲撃したときも、逃げ隠れできない機中で行った。
結局その弱点ゆえに、座席に隠されたハイエロファントの結界に気づけず、『向こうの世界』では殺されてしまったが。
こちらの世界でも彼のやることは変わらなかった。人を殺し、金品を強奪する。あるいは依頼をもらって人を殺す。それだけだ。
ある日、彼は依頼を持ちかけられた。
『このユニウスセブンの破壊を阻止せよ。ある程度割れるのはいいが、地球にまったく被害を与えなくしてしまうことだけは阻止せよ』
それが、そいつの依頼であった。グレーフライにとっては他人が何人死のうが何兆人死のうが知ったことではない。その後もその依頼者と組んでいれば、うまい汁を吸えそうだという予感もあり、依頼を引き受けた。
そして依頼者から渡された、この自動操縦システム付きMAでユニウスセブンに隠れ、レーダーでMSの位置を確認しながら、メテオクラッシャーを設置しようとするジュール隊MSのコクピットに、タワー・オブ・グレーを送り込み殺害していったのである。
いちいち殺した人間の数など憶えていないが、そこらで戦っているジン達の誰よりもたくさん殺したはずだ。楽な仕事であったはずだ。大金を手に入れるのはあと一歩だったはずだ。
だがまさか、スタンド使いがMSに乗っているなんて思いもよらなかった!!
「てめー、知ってるぜ。ジョースターさん達を飛行機で襲った『タワー・オブ・グレー』っつースタンドだな? お前も『この世界』に来ていたのか」
ポルナレフは冷酷なほどに醒めた声で言う。いつもの明るく温厚な彼とは思えないその表情は、敵に対しては非情を貫く戦士のものだった。
「確か、舌をひきちぎるのが趣味なサイコ野郎だったよな。それじゃ俺はお前の……」
チャリオッツの剣が一瞬にしてタワー・オブ・グレーより引き抜かれ、
「そこ以外を切り刻む」
次の一瞬でその体を十個以上の肉片にまで解体した。
同時にMA内のグレーフライも、クワガタムシの形をしたアザのある舌を残して、体中ズタズタになり、その息をひきとった。
「ふう……これで後は、まともな戦闘と破砕作業ができるだろう……それにしても、ここは早くミネルバに戻らなきゃな……」
ポルナレフは痛みに耐えながら、連絡用回線を開いた。
ミネルバはポルナレフからの通信に、初めは疑問を、次に驚愕をもって迎えた。
「な、何があったというの!?」
タリアが狼狽を隠すこともできず、叫ぶ。
自然な反応だろう。片腕を失くした男と、その片腕が血と共に、コクピット内を浮かんでいるのを見れば、そうそう平静ではいられまい。
「……まあ、見てのとおりなんだが……議長」
ポルナレフがさすがに驚愕を顔に浮かべる男に目を向け、
「スタンド使いがいたぜ」
そう報告した。タリアにもカガリにも、議長を除いた誰もがその意味を理解できなかったが、議長は大いに納得したらしく、重々しく頷いた。
「倒したのかね?」
「俺を誰だと思っているんで? けどまあ、こんな様だから、もうこれ以上は戦えねえよ。いったん、帰艦する許可をもらいたい」
タリアは意味がわからなかったが、このまま放置しているわけにもいかないと、許可を出した。そしてポルナレフとの通信がいったん途切れると、議長の顔を見て、
「議長、オーブ代表、ポルナレフが帰艦したら、彼と共にボルテールにお移りいただけますか? ミネルバはこれより、大気圏に突入しながら艦首砲によってユニウスセブンの破砕を行いたいと思います」
その言葉にクルー達がどよめくが、タリアは毅然としていた。
「タリア、しかし……」
「私はこれでも運の強い女です。お任せください」
「……わかった。ポルナレフも早くよい医者に見せねばならない。残念だが、ミネルバの医療設備だけではあれの治療は無理だろう」
議長のその言葉に、タリアは顔を曇らせる。ポルナレフのあの怪我、おそらく、あれはもう治るまい。何があったのか知らないが、切断面が潰れていて、よほど設備が整っていなければつなげられまい。腕をつなげられるような設備のある場所へ行くには、時間がかかりすぎる。
だが議長はそんなタリアの考えを読み取ったように微笑み、
「心配ない。私には『当て』がある」
不思議なほど自信たっぷりに言う議長に、タリアは首を傾げかけたが、異論を唱えはしなかった。タリアはこれからの作業に向けて、指示を出す。
議長はカガリに手を差し出し、ボルテールへエスコートしようとたが、カガリは静かに首を振った。
「私は残る……アスランを待たなくてはいけないし……それに、『彼』ともう一度会わなければいけないから」
そう言う彼女の意志がダイヤモンドのように砕けないことを察し、デュランダルはそれ以上の説得はせず、ただ無事を祈る言葉を口にした。
・ジャン・ピエール・ポルナレフ『銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)』……左腕切断により戦線離脱、帰艦。再起『可能』?
・グレーフライ『灰の塔(タワー・オブ・グレー)』……舌以外を切り刻まれて死亡、再起不能(リタイア)
・ユニウスセブン破砕作業……続行
To Be Continued……
以上です。
もう少し恐怖感や緊迫感や迫力を出せないものか。やはりSSは難しい。
これで第4話『灰燼を望む者』終了です。今回のタイトルは、『灰燼』と『灰の塔』をかけていました。次回は第5話『今落ちてきたばかりの空の下で』の予定です。
>>609で書いた黒幕のパワーが乏しいというのは、正面から殴りあった場合に乏しいという意味で、スタンド能力自体は相当なものです。
ミス発見。
>>626に『ユニウスセブンにザフト、ファントムペイン、謎のジン部隊の三つの勢力が、ユニウスセブンに出揃うことになった。』
ユニウスセブンを二度も書いてしまった。
GJ!
>グレーフライ『灰の塔(タワー・オブ・グレー)』
おまえかーーー!!!www
いや、こいつだけではないはず。
黒幕が居るはずだ。
>>632 GJ!!
次回はスリーピングスレイヴ名物、アバ茶を出す男がでるのか?
オナニー乙
気持ちいいじゃないか、オナニー
_ _∩
( ゚∀゚)彡 カリメロ!カリメロ!
⊂彡
_ _∩
( ゚∀゚)彡 アバ茶!アバ茶!
⊂彡
ヴェルサス
オナニーはいいものだ。
とりあえずポルナレフ治療可能?となると誰かの能力になるのだろうか…
死亡キャラで味方陣営の治療能力持ちとなると、FFかッ!
FF好きだから違っててもどっかで出てくるといいなwktk
シュトロハイムじゃないかな、多分。
FFじゃ腕は繋げないだろうし。
643 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 20:01:03 ID:zlCS/3wa
トニオさんじゃね?
一応、永久歯の虫歯の後から新しい歯を生やすこともできるんだし。
形だけでも医者に繋がせた後で、トニオさんの料理で「ES細胞を云々」で垢がぽろぽろ。
もとのように繋がっていてポルポルがグー、チョキ、パーと
トニオさん死なすなw
645 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/20(水) 20:43:48 ID:zlCS/3wa
どうせ第6部の時の加速でふっとぶんだから死んだ、死んでいないはあまり関係なくね?
一番いいのは仗助だが……ジョースターとツェッペリは出ないんですよね。
予想の斜め上を行く敵スタンドに、少なからず驚愕を覚えました。
ああ、たしかにこいつならば最低限のMS操作さえ出来れば、
隠れて暗殺殺しできるよなぁ…と思ったり。
パイロットが消失してたから、てっきり空間消滅系スタンドとか思った俺が甘かった。
『ガオォン』系スタンド、相当に強いからまだ早いとか思った俺が愚かだった。
この人員選出能力はたしかな力だ!
誇っていいぞぉ…これは素晴らしい能力だよ!
さて、今度は治療タイプの予想か…。
腕の治療となると…。
クレイジー・ダイヤモンド……東方仗助
ゴールド・エクスペリエンス……ジョルノ・ジョバァーナ
ストーン・フリー……空条徐倫
スティッキィ・フィンガーズ……ブローノ・ブチャラティ
フー・ファイターズ……F・F
パール・ジャム……トニオ・トラサルディー
メタリカ……リゾット・ネエロ
クリーム・スターター……ホット・パンツ
オー! ロンサム・ミー……マウンテン・ティム
ダイバー・ダウン……ナルシソ・アナスイ
番外……ジョナサン・ジョースター、ジョセフ・ジョースター(波紋で治療)、
チョコラータ(医師)、ボヘミアン・ラプソディー……ウンガロ(ブラックジャックなどの最強医師の召還が可能)
死んでない人とか主人公、ボス。はては7部キャラもいるが、
こんな感じ。
大穴はスピードワゴン財団とドイツ軍の人々(w
スト様忘れんな
>>642 SPW財団は?ジョセフの義手作ったし。つーか、このSS、ジョジョ作中で死んだ人しか出ないんだよな?>スタンド使い
649 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 14:23:34 ID:Wh9UDyBW
ぐlk
650 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/21(木) 17:56:19 ID:xgENsuPZ
エステシンデレラはどうだろう?
予測も議論も確かに楽しいが、あんまageないようにしような
シンデレラは確かに作中で全身整形はしたが、一度ちぎれたのをくっつけるとなると……?
メタリカで縫い付けるのとか有り?
フーゴがホチキスでくっつけてくれるんじゃね?
治療じゃねーけどw
鋭い予想が次々と来やがるが、投下が追いつかねえ。それでもせめて書けた分だけ投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE:05 今落ちてきたばかりの空の下で』
ミネルバから帰還信号が打ち上げられた。シンは、いまだ完全に砕けきっていないユニウスセブンの残骸を見て、歯を食いしばり悔しがった。これでは地球の被害がゼロというわけにはいかないだろう。あの馬鹿女にきっぱり宣言したっていうのにこの有様か。
ミネルバが大気圏に突入しつつ破砕作業を行うというので、それに期待するしかない。メテオブレイカーも使い尽くしたし、もはや自分達に手はない。
ルナマリア達はすでに帰還している。ボギーワンもだ。彼らが邪魔しなかったのは幸運だった。結局様子をうかがうに留まり、今はどこかへ消えてしまっている。
残るは自分と形兆、アスランだけだ。ポルナレフが負傷したというのが気になったが、彼が死ぬことなど想像もつかない。それに、自分は彼が真に『普通ではない人間』であることも知っている。
ふと隣を見ると、アスランのザクがいた。今回、彼の力をこの眼で見たが、やはり強い。ポルナレフがその腕を認めていたこともあり、興味はあったが予想以上だった。彼ほどの腕を持つ男がなぜあの馬鹿女の護衛をしているのだろう。役不足ではないか?
そんなことを思っていると、新たな影が三つ、レーダーに映った。
「これは、ジン!!」
さっきまでずっと作業の邪魔をしていた連中の生き残りだ! 今度はミネルバを襲うつもりか!
シンはすぐさま迎撃体勢をとった。
『我が娘のこの墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ!』
シンに襲い掛かるそのジンから、そのような通信が送られた。
「なん、だって?」
シンはその言葉の意味がわからぬまま、反射的に敵MSを切り裂き、破壊した。
もう二体のジンが、形兆とアスランに襲い掛かる。
『ここで無惨に散った命の嘆き忘れ、撃った者らと、なぜ偽りの世界で笑うか、貴様らはぁッ!!』
その怨嗟は、シン達やミネルバのクルー全員に届いた。
「こ、こいつらは、復讐のために……!?」
アーサーの愕然とした声が、タリアの耳に届く。彼女また、一瞬ではあるが、呆然とその声に心奪われた。
『なぜ気づかぬか! われらコーディネイターにとって、パトリック・ザラがとった道こそが、唯一正しきものとぉッ!!』
カガリは、その言葉に身を震わせる。彼女の恋人が、その言葉でどれほど傷つくかを知るがゆえに。
「なるほどな。確かにお前たちには復讐する権利がある。それは認めるよ」
形兆が、静かな声で言った。その響きは優しくさえあり、彼のことを知るものを驚かせる。だが、次の言葉はこうだった。
「だがくたばれ!! クサレ脳みそがッ!!」
そう言い放つと同時に、ジンはビームをまともに受けて爆発四散する。形兆は彼らの言い分を認め、反論すらせず、力を持ってそれをはねつけたのだ。言葉も正義も、力の前には無意味だと嘲笑うかのように。
確固たる自分を生きる形兆は、彼らの言葉に同情もしないし、心を揺るがせもしない。だが、多くの者はそうではない。特にアスランは、彼の父の遺志を継ぐ者との出会いに、大きく動揺してしまった。それが隙を生み、ジンの刃でザクの右腕を切り裂かれる。
更なる追撃を浴びせられようとしたザクを、救ったものがいた。
それはシンのインパルスだった。
「お前たちの気持ちはわかる……わかるけど……」
よくわかる。自分だって、少しでも運命が違えば、彼らの一員としてここにいたかもしれない。憎悪もある。怒りもある。けれど、
レイやルナマリアの顔が浮かぶ。ヴィーノやヨウランの顔が浮かぶ。タリアやメイリンの顔が浮かぶ。ポルナレフやマーレの顔が浮かぶ。
「だからこそ、見過ごせるかぁぁぁぁああぁっ!!」
彼らの一員となるには、彼らを認めるには、自分は幸福すぎる。守るべきものが、大切なものが、多すぎる。彼らのように、手段を選ばない道を行くことはできない。
だから、止める。正義のためではない。ただ、目の前にいる哀しい自分の可能性を、見ていられなかったがために。
『我らのこの想い……今度こそナチュラルどもにィィィッ!!』
それが相手の最後の言葉だった。一瞬にして、インパルスはジンを砕き、ジンのパイロットの人生を終わらせた。その後は何も言うことなく、シン達はミネルバに帰還した。
To Be Continued……
今回は少々あっさりとしているかもしれませんが、時間がないので勘弁してください。というか一人でやるのは結構きつい。誰か別のSS投下する人いませんか?
まあそれはそれとして、アバッキオの卵の殻のような帽子って、正式名称があるんですかね?
GJ一番乗り!!
鯖エラーで中途半端にしか読めない(´;ω;`)
>>657 私も未確認ですが、ジョジョ顎でヘアバンド構造の帽子だと語られたとか……
5部ゲーポスター(カプンコの公式で確認可)のアバッキオを見ると確かにそれっぽいですよ
>>657 GJです。
>別のSS投下する方いませんか?
>>329くらいの長さの短編であれば、書けるのですが、長編ですと厳しいです。
コンセプトは「ジョルノVSキラ&ラクス〜覚悟とは何か〜」くらいで考えてます。
こんなのでよければ投下しますよ。
ktkr
>>660 ディ・モールト良いぞッ!
ぜひお願いします。
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【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚18人目】 [漫画サロン]
>>663 人気だなwww(俺も見てるが)
どうでもいいが、アスランとブチャラティって声優同じなんだよな…
>>664 いやアスランとブチャは中の人違うよ
アスラン=石田、ブチャ=櫻井
ジョルノの声はロランの人で、昔出たCDブックでのブ男がガトー
格ゲーかCDブックかOVAかは忘れたけど、ジョセフがウズミのはず
アバッキオの中の人はスパロボに出てるらしいけど詳しくは知らない
他にも共通して出てる人いたっけ?
>>665今確認した。マジダorz
千葉一伸(キサカと格ゲー版DIO)
野島健児(ユウナと一部ゲーDIO少年)
中井和哉(マルキオ導師と一部ゲージョナサン少年)
とかそうだな(すべてWikipedia)
アバッキオの声は∀のハリーの人
えーと……変な赤いグラサンの人だっけ?<∀のハリー
ファントムブラッドのディオはヒイロ・ユイ、少年期はユウナ
ジョナサンはウッディとワイアット
スピードワゴンはロウ・ギュール
劇場版のジョナサンはスウェンの親父の声
夜も遅いですが、投下します。
ミネルバが大気圏に突入しながら、ユニウスセブンを少しでも砕こうと奮闘している頃、すでに地球には兆しが現れていた。
夜の空に星が降る。願いを叶える流れ星でなく、破滅と絶滅をもたらす災害として。それを眺める二つの視線があった。
「すげえことになったな……」
そう呟いたのは、二十代前半の背の高い男だった。金髪は胸まで届く長さで、頭頂部には卵の殻のような形の帽子を被っている。顔つきは険しいが美形で、鋭い眼光の持ち主だ。
彼の名はレオーネ・アバッキオ。23歳。治安維持部隊『スリーピングスレイヴ』副隊長。階級、少佐。
「どれだけの被害になるだろうか……」
苦々しい表情で呟いたのは、長い黒髪を一本にまとめ、耳の下、首筋から背中にかけて桜の花の刺青を施した美女だ。確か30歳近いはずだが、その容姿にも実力にも衰えはまったく見られない。
彼女はレナ・イメリア。その名も高き『乱れ桜』。軍人としてはアバッキオたちより遥かに経験豊富であり、彼らの指導教官でもある。
「ナランチャはどうしているだろうか」
「騒いだり喧嘩したりで周りに迷惑かけてるだろうぜ」
別任務を命じられた仲間のことを思うレナに、アバッキオは答えた。
「ダイアーはどうしているだろうか」
「ナランチャに説教たれてるだろうよ」
岩のように頑健な男の面と、彼にかました可愛い悪戯を思い出しながら答える。
「そうか……そ、それと……」
レナの口調が急に不明瞭になる。
「……ブブ、ブチャラティは……どうして、いるだ、ろうか……」
「…………元気なんじゃねえの?」
アバッキオはげんなりと白けた眼で、レナの赤く染まった顔を見つめた。
まあ別段、他人の『それ』をどうこういう気はないし、多少、年は離れているが、ブチャラティはいい男で、レナはいい女だ。反対する気も邪魔する気もない。本人たち次第だ。
(けどよ……腐ったラブコメだきゃあ勘弁してほしいぜ……)
今のところブチャラティがレナの感情に気づいてはいないようだ。人の悲しみには酷く敏感なくせに、乙女心というやつにはかなり鈍感なのだ。実のところデリカシーもない。
(ジッパーのトイレつくって解決したと心底から思う奴だからな……)
ため息しかでない思考を振り捨て、アバッキオは今後のことを考える。この世界は大きな混乱に飲み込まれることだろう。だが、自分たちにとって、これはチャンスとなるかもしれない。
混乱の渦は黙っていれば飲み込まれて押しつぶされるが、渡りきることができれば勝者として君臨できる。この事件は、かつて、ポルポが死んだときのような転機と見るべきだ。
(となれば戦力があるにこしたことはない。『あいつ』に連絡を取っておくか……)
アバッキオがそう考えていると、
「うぐぐ……」
うめき声があがった。
「うるせえ」
アバッキオは側に転がっている、縛られ、猿轡をされてうつ伏せになり、顔面を腫らしている男に蹴りをいれた。
「もうじき、お前らを運ぶ特別のお車が到着する……ありがたく思って黙って待ってろ」
それだけ言うと、アバッキオはまた夜空を眺める。レナも同じようにした。
二人の周囲では、たった十分前に壊滅したばかりの武装盗賊団の団員、三〇人が、全員傷つき、うめき声をあげていた。
―――――――――――――――――――――――
一人の軍人がバスルームで髭を剃っていた。彼は人からは粗野な方だと思われているが、清潔には気を使う人間であった。精神の乱れは外面の乱れから始まると考え、常にきちっと身だしなみを整えていた。
そこに電子音が響いた。緊急連絡の合図だ。男は髭剃りを一旦中止し、モニターのスイッチを押す。
「閣下!! ユニウスセブンの落下が始まりました!!」
相当慌てた様子の、まだ若い兵士が映った。
「うろたえるな。連合軍人はうろたえない」
静かに、だが力強い声で、男は若い兵士に言った。鋼色に輝く奇妙なコルセットを左眼部につけている姿は異相であるが、それもまた、男の威厳を高めていた。
兵士は落ち着いたその声に赤面して、身を正した。
「言われるまでもない、そろそろであることは知っていた……被害状況は?」
「まだ確認はされておりませんが、赤道を中心に、かなりの被害がでている模様です」
男は部下の返答に頷き、
「いつでも出動できるようにしてあるな?」
「はっ、ご命令どおり!!」
「ならば要請があるまで身を休めておけ。俺の経験上……救援というのは戦闘より遥かに労力を必要とする任務だからな。もっともここからじゃ遠い……まず要請はないだろうが」
そして若い兵士は敬礼をして、その場を離れた。
男は一人呟く。
「戦いが……始まるかもしれんな」
それは、ただの予感であったが、それが予言となるには、さほど時間はかからなかった。
――――――――――――――――――――――――
道には人が溢れていた。最低限のものだけを手に、シェルターに非難する人々だ。
だが、その人の群れの中に、無情にもひとかけらの岩塊が投げ込まれようとしていた。成人男性十人分という程度の体積だが、逃げ隠れする余裕のない人々にとっては脅威だ。衝突によって巻き起こる爆風と破片だけでも相当な被害になるだろう。
人々がそれに気づき、悲鳴をあげる。だが、そんなものに落下物を止める力はない。そのままであれば、何十人という死傷者が出ることは避けられなかった。だが、
ゴウッ!!
突如、赤い炎が巻き起こり、その落下物を飲み込んだ。ほんの一瞬にして落下物は焼き砕かれ、灰となって地表に届くことなく、空中でその形を失った。
その場の誰もが唖然として言葉もなく、立ちすくむ中、一人の男が落ち着いた足取りでシェルターを目指していた。黒い肌をした頑丈そうな肉体の持ち主。顔立ちはまあブ男の部類に入るのだろうが、身にまとう自信と確固たる意思が、彼を醜さから遠ざけていた。
その後ろから一匹の白黒模様の犬がテクテクと歩いていく。どこか生意気そうで、その瞳には確固たる知性の色がうかがえた。
この一人と一匹に目を留めた人間は誰もいなかった。
To Be Continued……
一つ投下し忘れました。
「なんとねえ。こんなことになるなんて」
ユウナ・ロマ・セイランは椅子にどっかりと座り込み、疲れた顔で嘆いた。彼の背後に立つ男、ウェザーリポートは、相変わらず冷静な面持ちでいる。
「避難状況は?」
「それは問題ないよ。この国もいろいろ災難にあってるからね。用心は欠かしていない。シェルターもちゃんと準備してある」
やや投げやりにそう答える。さっきまで対策に追われていたところなのだから無理もない。
「こんなときにカガリは留守だし……間の悪い」
「心配はしていなのか?」
「あまり死にそうにないからね彼女は」
婚約者に対する言葉としては薄情であるが、それが彼の本音である。
「……前から思っていたが、君はカガリ嬢のことを女性として愛しているわけではないのか?」
ウェザーはどこかいつもと違う、熱を帯びた声で言った。そのことにユウナは目を丸くしながら答えた。
「ああ……まあ政略結婚だからね。見た目は悪くないと思うけど、ああいう勝気な娘は趣味じゃないよ」
ユウナはもっとおしとやかで優しく、男をたてる女性が好みだ。
「そうか……」
ウェザーはそれ以上何も言わなかったが、不満の色ははっきりとしていた。
ユウナも、この結婚がユウナとカガリ、双方にとってよいものではないことはわかっていた。ユウナはカガリを嫌いではないが、女性としては愛していない。カガリには他に想い人がいる。だが、セイラン家にとってこの婚約は非常に重要なことなのだ。
(アスハの威光がなければ……所詮セイランは何もできないのさ)
仕方が無いこと。そう思いながらもユウナは、自分の意思のない結婚をする自分が情けなかった。少し前まで、こんなことを思いはしなかったのだが。
自分の意思によって生きる、この男と出会う前までは。
「これからどうなっちゃうのかねえ……」
何もかもに対して、ユウナはそう呟いた。
オーブは今、新たなる試練の時を迎えようとしていた。
―――――――――――――――――――――
四人の男が部屋の真ん中に立っていた。その周囲には、無数の躯がさらされている。彼らはこの辺りでは恐れられる組織であったが、今や誰一人として生き残りはない。全員皆殺し。
「楽な仕事だったよなぁ」
「張り合いがねえ」
「お前はしょうがねーなぁ、楽にこしたことはねえだろぉぉ〜?」
三人の男が楽しそうに話す。足元の死体も意に介さない。
それらの死体はどれも奇妙なものだった。首を鋭く切り裂かれて死んでいるものはまだましである。あるものは身体を正方形にえぐられて死に、あるものは百歳にも見える老人であるにも関わらず、若者らしい格好をし、首の骨などをへし折られて死んでいた。
どうやってか、身体を『内側』から切り刻まれて死んでいるものすらいた。
「……次の仕事は、こんな田舎ギャングじゃない……気を抜くな」
三人の前を歩く男が、振り向いて言った。
「わかってるって。で、次の仕事場はどこだったっけ?」
右腕にパソコンを抱えた男が言った。前を行く男が答える。
『オーブ』、と。
To Be Continued……
>うろたえるな。連合軍人はうろたえない
キターーーーーーーーーーーーーーー!!
一番乗りGJ!!
以上です。
風呂敷を広げまくってしまった……けどブ男は出したかったのです。彼の次の出番はほとんど考えていませんが、活躍できるように祈っていてください。
レナに関しては、ブチャラティチームに、もう少し種キャラが欲しかったので出しました。彼女たちも次の出番は未定です。
他の奴らに関してはある程度考えてあります。ではまた次回。
なんか豪華なことになってる!GJ!
ちょっと気になったんだけど、レナ教官の背中のはは彫り物じゃなくて傷跡だか痣だかだったような?
そんな設定を以前ダムAで読んだような……まあいいか。
メローネのスタンドも真面目に暗殺やる分にはマトモな脅威なんだなと思い出させてもらったよ。
ディ・モールト・グラッツェ!
真夜中の乙
そしてアバッキオ相変わらずアバ茶出してんのか?www
GJ!!
ブチャラティがフラグを立てている!!ブ男と犬にサイボーグ、さらには暗殺チームだとぉ!!
今回は前回にもまして楽しかったです。
内側から切り刻む殺し方をしたのは誰なんだ?
ペッシ?
682 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/24(日) 12:17:25 ID:6YIizW7D
リゾットのメタリカ。
ディ・モールト・グラッツェ!
最後の4人はリゾット、プロシュート兄貴、ペッシ、メローネでいいんですか?
>>683 リゾット、プロシュート兄貴、ホルマジオ、メローネ
兄貴ィィィィィィッ!!!
ギアッチョが居ない分、まだマシかもな。
プロシュートの兄貴やリゾットもヤバイがw
ギアッチョが出てこないのは個人的にさびしいな・・・
あの強烈なキャラクターだから書きやすいとも思うし・・・
原作中で死亡したスタンド使いって意味では条件は満たしてるけど、兄貴出す時には能力的に出せないもんなあ。ギアッチョ。
別働隊ってことでならイルーゾォ・ペッシ・ギアッチョがスリーマンセルで暴れてくれるかもしれんが。
>>688 確かにそうだ。けどそうなると原作中でもギアッチョとは常に別行動でなきゃ
使い物にならなかったってことだな・・・>>兄貴
690 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 11:23:06 ID:0pSVDPyd
/__.))ノヽ
.|ミ.l _ ._ i.)
(^'ミ/.´・ .〈・ リ
.しi r、_) | みんなわしが育てた
| `ニニ' /
ノ `ー―i´
/ ̄ '  ̄ヽ
/ ,ィ -っ、 ヽ
| / 、__う人 ・,.y i
| /  ̄ | |
ヽ、__ノ | |
| 。 | /
| ヽ、_ _,ノ 丿
| (U) |
| / ヽ |
>>689 普通の冷凍庫で作るような氷で緩和できるんだから、ギアッチョが能力発動させたら老化しなくなっちゃうんじゃね?
そしてイルーゾォとセットなら誰でもずっと俺のターン状態な件
692 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/25(月) 17:23:05 ID:L0EjmthI
>688
>689
むしろ、プロシュートと組むときにこそ必要なんじゃないのかギアッチョ?
仲間まで老化したら困るだろうし。
つ【ホワイトアルバムの精密動作性・Eクラス】
原作の「ケツから先っちょまで」は、標的がどこにいるか分からんから全部巻き添えにしただけ。
普通に暗殺するなら、グレフルの直触りで急速老化すればいい。
しかしホワイトアルバムで周りの空気全部を冷やされたら肝心の標的まで老化しなくなる。
投下します。
ミネルバは海の上にいた。空は暗く曇り、見渡す限り灰色の海がたゆたっている。甲板に出たクルーたちは、初めて間近に見た『海』に対し、目を輝かせている者もいるようだ。
「アスラン」
そんな中、物思いに沈んでいるアスランにカガリが言った。
「あのジンのパイロットたちの言葉は聴いていた」
ハッとした表情でカガリを見るアスランに、真剣な顔で、
「お前が、責任を感じる必要はない。哀しむなとは言えないけど、自分を責めるのはやめてくれ。お前は何も悪くなんかない。誰かがお前を責めたりしたら、私がぶん殴ってやる」
アスランは儚げに微笑んだ。吹っ切ったとは言えないが、少なくともカガリの思いはわかってくれたようだ。カガリはそんなアスランに微笑みを返すと、甲板にいる人全員に聞こえる声をあげた。
「ミネルバのクルー諸君……! オーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハは、諸君らの命がけの行動に、敬意を表する!」
強く、心の篭った感謝の言葉を口にし、深く頭を下げる。クルー達は、一国の最高権力者に感謝されることに戸惑いながらも、無論悪い気はせず、カガリの言葉を受け入れた。
ただ一人、シン・アスカを除いて。不機嫌そうにこちらを睨む彼に、しかしカガリは怯まず、向かっていった。
「!」
シンは驚きの表情を浮かべる。カガリは一歩一歩、シンの立つ場所へ近づいていく。そして、彼の前に立つと、
「シン・アスカ」
かつてシンが見たときとは比べ物にならない、意志を持った瞳が、シンを見つめた。
「謝罪をしても、ただ私の自己満足になってしまうだろうから……することはできない。けれど……誓わせてほしい」
シンはそのとき、確かにカガリの存在に呑まれていた。
「オーブが君の故郷であることを、誇りにできる国にしてみせる。命に代えても」
今度は、シンが何も言えなかった。人とは、これほど短期間に変わるものなのだろうか。今のシンは、彼女に敵う気がしなかった。否定も肯定もできず、また離れていくカガリの後姿を、ただ黙って見つめることしかできなかった。
それはカガリが甘えを捨てた証。自分の弱さを認めたうえで、死線を歩むことを決めた証。
そしてアスランは、今の彼女に自分が必要なのだろうかと、考えていた。
プラント最高権力者、デュランダル議長はモニターを眺めていた。そこにはこの事件で被害をこうむった地点が映されていた。
「ローマ、上海、ケベック……」
デュランダルは地名を一つ一つ呟く。
デュランダルの隣には、デスクの上にあるクリスタル細工の駒を並べたチェスボードがあり、それを挟み、二人の人間が座っていた。
一人は桃色の髪の少女、もう一人は銀の髪をおったてた男性。余裕の微笑みを見せる少女に、男はひきつった顔で脂汗を流している。やがて、男の『左手』が動き、ポーンが動かされた。
「死者の数もまだまだ増えるだろうと言うのだから……痛ましいことだ」
デュランダルは哀惜を込めて呟く。
「うわあああ、そ、その手待ったぁぁぁ!!」
「だーめ、もう三度目なんだから」
「これからだな……本当に大変なのは……」
デュランダルは窓の外を眺めながら呟く。
「く、くううう、頼む、もう一度だけ……」
「さっきも同じこと言ったじゃない」
「…………」
デュランダルはちょっとだけ寂しくなった。
ジブリールは手に入れた最高のカードをロゴスのメンバーにさらし、自分のプランを押し通すことに成功していた。
「ファントムペインを使って正解だったな。またブチャラティたちも使うとするか……」
ネオが送ってきた、ユニウスセブンを落とそうとするジンの映像を見つめて言う。
コーディネイターによって引き起こされたこの大災害。これを利用して、必ずあの化け物どもをこの宇宙から排除してやる。
「君たちにも働いてもらうよ」
ジブリールは背後を振り向いて言った。彼の目に数人の影が映る。その全員が『力』を持っていた。
スタンド能力を知った後、ジブリールは他の誰にも、自分の上にいるロゴスにも秘密にし、自分だけの切り札とした。そして、何を考えているのかわからないブチャラティとは別に、『彼ら』を見つけて私兵としたのだ。
一癖も二癖もある奴ぞろいだが、ブチャラティよりは扱いやすい。少なくとも彼らはそれぞれ、明確な報酬を要求してきたのだから。
彼らを使い、自分は勝利者となる。
「青き清浄なる世界のために……」
To Be Continued……
カガリがやたら漢らしくなってきましたが、アスランをどうやったらつりあわせられるかってのが問題です。最低限、キラから卒業させないと。あとジブリールの私兵の具体的な人数は決めてません。これから使えそうなキャラクターがSBRに出てきたらここに入れるかも。
>>678 少なくともウィキペディアには痣だと書いてありました。ご指摘ありがとうございます。
>>687 おや? 出さないなどと誰が言いましたか(笑)? と、調子にのってやろうしていたら、
>>688に先に言われてしまいました。
最後に情報を求めたいのですが、コズミック・イラでの通信状況はどうなってるのでしょう? Nジャマーで電波が阻害されているといいますが、携帯電話のような手軽な通信装置はあるのでしょうか?
GJ!
GJ!
つ【マユの携帯】
Nジャマーで使い物にならないけどな、あの携帯も。
暗殺チームだけじゃないってことなのか?
それとも暗殺チームの雇い主は別口で、ジブリの私兵は新手のスタンド使いか?
wktkが止まらない…GJ!
そもそもNジャマーが電波を阻害できる仕組みがようわからん…
テレビは見れてたみたいだし、戦闘中の通信もできてたような気が…?
>>698 基本的に前地球規模でのケーブル通信網を二年間で必死こいて敷設してる
そのほかはレーザー通信で軌道上の衛星と直接通信するのもアリだが
コレは物理的な話上が晴れて無いと駄目だし、
衛星なだけに軌道上を回ってたりして一日一回しか繋がらないとかざらにある。
704 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/26(火) 12:45:45 ID:O8099G7c
はぁ?意味わかんねーんすけど
ちょっと聞きたいんだが、運命時にNJって地球上にまだあるの?
普通は回収とか破壊とかするよな
地中深く打ち込まれている
大戦復興に手を取られてて回収作業が遅延しているとかじゃね?
カンボジアの地雷と一緒
カンボジアの地雷は先進国が困らないからスルーだけど、NJの場合
地球規模なんだから何とかしそうな気が
それはそうとこの世界に電波神父は来てるんだろうか?来てたら誰も勝てないんじゃね?
電波神父なんて出したらオープが蝸牛だらけになるぞ
NJはザフトでも把握しきれないほど地上にぶち込んだようで、
連合も見つけては回収、破壊はしてるようだが、
まだまだ全部を掃除しきれてないようです。
ただ、ここで連合の腐った部分が露出していて、
地元の人間を使ったりしてるようなんですが、
かなり酷い扱いをしてる地域が多数ある模様。
それで作業が遅れてるところ多数…というのが、
種死のNJ現状だと思われます。
アストレイのあれは
単に全滅一歩手前のエイプリールフールど真ん中の戦争中でしかもMS量産もされてなくてマジ貧窮してて
使えるものは何でも使えモードに入ってたからじゃねーの?
MS量産からレイスタ生産後は、わざわざ地元の人間を使わなくてもNJ発掘おKだからね
基地建設はよくわからんが、あれは隠密に建設せにゃならんってのもあったので
MSって索敵容易なもんは使いたくなかったのかもしれない
NJの回収・機能停止は本来ならばザフトがやるべきことだぞ。
戦争が終ってるのなら民間への保障もしないといけない。
……地球規模での保障か……ザフトの財政は破綻するなw
種死世代なら軍事技術の民間転用ってことで、Nジャマーキャンセラー使える……のか?
一時停戦の形になった(多分)前大戦からは二年しか経ってないけど。
713 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/28(木) 01:47:38 ID:EHFKEZ9q
『ガンダムSEED・BIZARRE』はジョースターとツェッペリの人間はでないんでしたっけ?
主人公・ボス格の人物が出ないはず。
情報ありがとうございました。
投下します。
アスランは悩んでいた。父の負の遺産として動いた、あのジンのパイロットたちのことももちろんだが、より個人的なことでも悩んでいた。
「もうすぐオーブだな」
カガリがそう呟く。
アスランの悩みとは彼女だった。日に日に強くなっていくように見える彼女と、悩むことしかできない自分。その差に、彼は苦しめられていた。
「ああ……」
生返事を返し、アスランはカガリを見つめる。
だがそこで、アスランは気づいた。彼女の握られた右手が震えていることに。
「カガリ……?」
アスランが呼びかけると、カガリはハッとして右手を抑えた。彼女は気まずげな表情を顔に浮かべ、
「はは、ばれたみたい、だな」
よく見れば、カガリの全身が、わずかではあるが震えていた。
「怖いんだ。シンにはああ言ったけど、私なんかに本当にできるのかって思うと、怖くて怖くて仕方がないんだ」
今まで、甘ったれていた頃には気づきもしなかった、重圧、責任感。それが一挙にカガリを襲っていた。だからこそ、彼女はシンに誓ったのだ。あえて背水の陣に立つことで、不退転の覚悟を持つために。
「カガリっ」
「駄目だアスラン!」
手を差し伸べようとするアスランを、カガリは止めた。
「今はまだ駄目だ。今、お前に頼ったら、頼るを通り越して甘えてしまう……また腐った私に戻ってしまう……」
荒い息をつきながら、それでも無理矢理、笑顔を作り、
「今は、見守っていてくれ。もう少し、もう少しだけ、一人でやらせてほしいんだ」
アスランは、自分の愚かさを知った。そう簡単に、強くなれるわけがないではないか。彼女はまだ弱い。だが必死で強くなろうと、あがいている。今の今まで、そのことにも気づけなかった。
(今の俺じゃ、駄目だ)
アスランは今までにも増して痛切に、そう思った。
(父の呪縛に囚われている程度の俺じゃ、駄目なんだ! 強くありたい! ポルナレフ達と、同じくらいに強く!!)
「カガリ!」
オーブに帰還したカガリを、婚約者ユウナ・ロマ・セイランが出迎えた。彼女を抱きしめようとするユウナを、しかしカガリは冷静に押しとどめる。
「落ち着けユウナ。私は無事だ」
勢いをかわされたユウナは、ポカンとした表情になる。
(あれ、なんかいつもと雰囲気が違うな?)
いぶかしむユウナをよそに、彼の父、ウナト・エマ・セイランが進み出て、カガリに無事を祝う言葉を、タリアたちに感謝とねぎらいの言葉をかける。
「代表、まずは行政府の方へ。ご帰国そうそう申し訳ありませんが、ご報告が多くございます……」
カガリは頷いて歩き出した。ユウナが彼女の肩に手をまわそうとしたが、自然な動作でその手をかわす。
「休んでおいてくれアレックス。忙しくなるだろうから今のうちに」
アスランにそう声をかけると、カガリは行政府へと向かう。
(隙がなくなっている……? どうしたっていうんだ?)
ユウナはふたたび呆然としながらも、カガリについて行政府へ向かった。
アスランはふと、ユウナの後ろについて歩く男と目が合った。確か、ウェザーという名で、ついこの間オーブ軍に入ったばかりだというが……。
(ポルナレフや形兆と同じ空気をまとっている……覚悟を持った、戦士の空気を……)
すいません、今回はこれだけです。今回はちょっとネタにつまっています。投下が遅れ気味になるかもしれません。次回で第5話は終わりの予定です。
>>710 基地建設のあれは、普通に雇っていれば問題なかったんでしょうか? 戦争や軍事のことはわかりませんが。
>>713 はいそうです。
軍事基地の建設と言う専門的なことをそこらの現地人に無理やりやらせるって(ry
工兵隊の存在(ry
221氏、毎度乙であります。
>現地人徴用で基地建設
半世紀以上前のことについてのプロデューサーの思想的な何かもありそうだとエスパー
そこらの道路工事だって専門職じゃないとできん。
>>720 やはりその辺りは変えたほうがいいのか。考えておきます。
現地人徴用について他の意見がある人がいましたら、お聞かせください。
>>660 すげえ楽しみにして待っています。
>>721>>722 軍隊というとどうしても前線基地設営とかの技術も必要になるから
古代ローマなんかだと「土木技術専門校」的な側面も持ってたぐらいなのにな。
まぁジョースター卿的に逆に考えれば
異常なほど土木技術・建設技術に携わる民間人が沢山いた地域なんだろう、きっとw
725 :
660:2007/06/29(金) 12:05:34 ID:???
なんかすげぇ楽しみにされてるのに、俺って奴はorz
ジョルノの考え方はともかく、キラやラクスがしてる「覚悟」は何なんだってことがまず悩みの種。
後は、ジョルノとキラ&ラクスをいつどこで対談(?)させるかというのもあります。
孤児院か、ディオキアか、ベルリンか…。
必ず投下しますんで、今しばらくお待ちを。
726 :
通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 18:40:24 ID:Z3sfITrd
>725
期待してます♪
そーいやキラが最終回で「覚悟はある!」って議長に大見得切ってたような記憶がうっすらと
あれって何の覚悟?
好意的に解釈すると『自由を守るために戦う覚悟』と思われ
まあ、逆に考えると『自由のために平和を犠牲にする覚悟』だがなww
愛するラクスによる独裁を維持する為に彼女の反対者を粛清し続ける覚悟
730 :
660:2007/07/01(日) 13:46:54 ID:???
ようやく出来上がったんで、投下します。
ブランクが長すぎたせいでグダグダですが。
「お疲れ様でした、キラ」
「ありがとう、ラクス。でも……悲しいね。ラクスが狙われるなんて」
「しかたがありませんわ。私を敵視する方は未だにいらっしゃるのですから。」
つい先程、ラクスたちはコーディネーターによる特殊部隊による襲撃を受けた。
彼らは最新鋭機アッシュを駆り出してまで、たった一人の少女を始末しようとした。
だが、それも復活したキラとフリーダムによって阻まれた。
「そんなことより、キラ。あの戦い方はなんだい?」
「ジョルノ…。どういうこと?」
ラクスと話していたキラは不審気な目を金髪の少年・ジョルノに向けた。
「コクピットを外して武器やスラスターばかりを狙って撃ち抜く戦い方のことさ。なんであんなめんどくさい事してるんだ?」
「それは…」
「僕だったら迷わずコクピットを狙って撃ち抜いちゃうけどな。追っ手の数は少ないにこしたことはないし」
ジョルノは先程の戦闘でキラが行った「不殺」を不思議に思っていた。
MS戦のような高速戦闘においてコックピットを狙わず、武器や手足、スラスターなどを狙うのは非効率的である。
相手を撃墜せず、無力化すると言うが、そんなことをしている間に自分が落とされてはら元も子もない。
第一、そんな無駄なことをするくらいならとっとと撃墜してしまうべきだ、と考えていた。
だから、ジョルノは「コックピットを狙って撃ち抜く」と発言したのだ。
だが、キラはジョルノのその言葉に過剰とも思えるほど反応した。
「でも!そんなことしたら、また憎しみの連鎖が広がって……また世界は大変な事になっちゃう!」
「その通りです。2年前、私たちはそれを止めるため、剣を取りました。そして、キラの戦い方はその象徴なのです」
キラとラクスが二人掛かりで反論したが、ジョルノは眉を顰めるだけだった。
732 :
660:2007/07/01(日) 13:59:21 ID:???
本当は
「あの人たちは失敗したら始末される『覚悟』を持って僕たちを襲って来た。君は中途半端に倒した事でその『覚悟』を踏みにじったんですよ……」
みたいな所から覚悟合戦に持っていこうとしたんですが、変に冗長になる可能性が大でしたので、バッサリ切りました。
そのため、テーマにするつもりだった「覚悟とはなにか?」については何も書けず、結局書けたのは不殺を訝るジョルノだけ。
楽しみにされた方、申し訳ないです。
それではこれで一名無しに戻らせて頂きます。
いや、そもそも起承転結の「起」しか書かれてないので
文章に意味が感じられないんだが…
これ続き書けるんじゃないか?
乙!
けど短い。もっと書いて欲しい。
VSっていうか全然戦ってないし。覚悟合戦でもいいから続き書くべきじゃない?
もしくは「不可解なキラの覚悟」とかにタイトル変えるとか。
660氏も投下されたので、私も投下するとします。カガリやオーブにどういう道を行かせればいいのか悩んだのですが、完璧な答えは出ないので、思い切って先に進むことにします。
「大西洋連邦との新しい同盟条約だって? この非常時に何を悠長な」
カガリはその報告を聞くと、目を鋭く吊り上げながら言った。
「非常時だからこそですよ、代表。被災地への援助、救援を円滑に行うために、国同士の結びつきを強める必要があるのです」
首長の一人であるタツキ・マシマが説明する。
「ではなぜ、その中にプラントが含まれていない? 現状で最も頼りにできるはプラントだろうに」
そう切り返すカガリに、ユウナはやはり、以前の彼女と違うことを確信していた。アーモリーワンに行く前の彼女であれば、感情的に叫び散らしていただろうに、ここまで冷静にあることができるとは。
「それは……こういうことです」
ウナトは、カガリの変化を知ってか知らずか、モニターに画像を映した。
「……!!」
さすがにこれには、カガリも絶句する。モニターに映し出されたのは、ユニウスセブンを落とそうとするジンの姿。すなわち、この災害がコーディネイターによって引き起こされたものであるという証明。
「我ら……つまり地球に住むものたちはみな、すでにこれを知っております」
「……どこからの情報だ?」
叫びをあげそうになるのをグッと飲み込み、カガリが問う。
「大西洋連邦からの情報です」
「……これはあくまで一部のテロリストによるものだ。デュランダル議長も、ミネルバクルーも、ユニウスセブン破砕に尽力してくれた」
無駄とは思ったが、反論を投げかける。
「それはわかっています……しかし、それですむ問題ではありませぬ」
カガリの弁は正論であれど、人の心に届くかどうかは別問題である。それは、カガリが絶望と共に知ったことだ。
この災害に対する絶望から身を守るために、感情のはけ口が必要なのだ。そして、人々がそのはけ口をコーディネイターへの憎悪に求めることを、どうやって止められよう。だが、この場合問題なのは、その人々を利用しようとする者がいるということだ。
「……つまり、大西洋連邦は地球国家すべてを使ってプラントを叩くつもりなんだな?」
「……おそらくそういうことになりますな」
「断ったら? 私が、プラントが無実であることを訴えたら?」
カガリはこの目で、ユニウスセブン落下を引き起こしたテロリストと、それを阻止しようとしたザフトが、別のものであることを確認している。そのことを証言すれば?
「再び、国は焼かれるでしょう。悪しきプラントに同調し、虚偽の証言を行う敵性国家として」
そうなるだろう。それくらいやる。大西洋連邦という暴君は。
「……よくわかった」
カガリは、諦めたように入った。
「では」
ウナトがしてやったりという笑みをかすかに浮かべた。だが、カガリは堂々と胸を張り、
「条約は結ばない」
断言した。
「なっ!?」
ウナトの笑みは驚愕に摩り替わる。
「こんな、我が国にとって不利益なだけの条約を結べるものか。ましてや、地球を救った彼らに対し、恩を仇で返せるものか。人としてそこまで誇りのない真似がどうしてできる」
「し、しかし、今は誇りよりも、国に生きる民の命を優先すべきです!!」
ウナトは慌てる。周囲に並ぶ首長たちも焦ったように、事態を見つめている。
「そう、そうだな」
大西洋連邦に国を焼かれるわけにはいかない。シンのような人間を再び生み出すわけにはいかない。
大西洋連邦に同調するわけにはいかない。この国を、民の誇りとなる国にしてみせると、誓ったのだから。
自らの決定が、幾万の命を左右する。その重圧を背負いながらも、カガリは口を開く。
「だが今は、別の道を探れ。本当にどうしようもなくなるまで、諦めてはならない」
(どうしようもなくなっても、手はある。一つだけ)
あの、自由の大天使の力を借りれば、大西洋連邦とも戦える。だがそれは、核の禁忌を犯す諸刃の剣。そして何より、弟を死地に送るということ。願わくば、それは避けたい。
だが逆に言えば、戦うこと自体にはもはや忌避感はなかった。守るための力を、彼女は受け入れたのだ。
「国は焼かない……誇りは守る。両方やらなくちゃいけないのが、政治家のつらいところだな。覚悟はいいか? 私はできてる」
そしてカガリは首長たちを挑むように見つめる。今までにはなかった、静かな気迫と覚悟を持って。
(こ、これはウズミ様……いや、それをも超える『凄み』だ。何があったというのだ……?)
その時にはすでに、その場にいる全員が、彼女の変貌を感じ取っていた。
その日の夜、アスランはキラ達のいるアスハ家の別邸を訪れ、晩餐を共にしていた。キラとこれからどうしたらいいのか、車内で話したが、答えは見えなかった。
キラは、そもそも戦いを起こさないことを、無言で主張した。だがどうすれば戦わずにすむのか……誰もが、戦いたがっているというのに。
「ヘイ兄ちゃん。そうしけた面すんなよ」
ビールを片手にそう言ったのは、大き目の帽子を被り、顔に大きな傷をつけた青年だった。彼はアスランとも顔見知りの男で、何でも屋、請負屋、便利屋などと呼ばれる仕事をしている。
かつてある豪華客船ジャックの事件に巻き込まれた時、その場にいたキラ達と共に、その事件の解決を行ったという。
それ以来、キラやラクスと親交を持ち、その関係でモルゲンレーテ社からも様々な仕事を頼まれ、そのすべてをうまくこなしてきた有能な仕事人『二人組み』だ。今日は、長らく使っていなかった別邸の整備に来てもらっていたらしい。
「ま、こんなご時世だけどよ、だからこそ気合いれなきゃよ」
そう言う彼に、アスランはポルナレフを思い出す。この陽気さと逞しさは通じるものがある。
「そうだど。食わなきゃ力が出ないど!!」
子供たちと争うようにして、おかずをつまむ少年が言う。彼は便利屋の片割れである。まだ16歳だったはずだ。背の低い、太めの体型で、髪の毛を何本もの角状に固めた、奇妙な髪型をしている。
「二人の言うとおりですわアスラン」
「おいしいよ。このロールキャベツ」
キラとラクスも同調する。
彼らの満面の笑顔に押されて、アスランもつられて微笑む。少しだけ、癒された気がした。
・その日のアスハ家別邸の客人
【アスハのボディーガード】
・アレックス・ディノこと、アスラン・ザラ
【便利屋二人】
・『お節介焼き』のロバート・E・D・スピードワゴン
・矢安宮重清(やんぐうしげきよ)、通称「重ちー」
To Be Continued……
またキャラを増やしてしまいました。さすがにまずいかとも思いましたが、どうせSS書くならやれるだけやっちまえと思い、出すことにしました。
活躍の場もある程度考えています。AAには乗せないつもりです。キャラが増える分、暗殺チームの個々の出番は削られることになりそうです。
『敵のことすら思いやる紳士の精神』をキラが勘違いする描写とか書ければなと思ったり。キラやラクスは本当何考えてるのかわからんので、できるかどうかわかりませんが、頑張ってみます。
これで第5話も終了。次回は第6話『地球と風と火』。宇宙人も看守も登場しませんのであしからず。
しまった! ロバート・E・O・スピードワゴンだった!
GJ!
ハーヴェストは確かに便利だw
GJの乙!
あれ…目から熱い汁が…
……カガリ、成長したかと思ったけどそんなこと無かったんだな。
>あの、自由の大天使の力を借りれば、大西洋連邦とも戦える。
前大戦時にもこいつ等は居たんだけどね……
まあ、人間いきなり成長するなんて虫の良い話は無いか。
何の経験も積んでいない小娘がいきなり凄腕の政治家になんてなれんよな、普通。
それでもアニメ本編と比べるとなんかえらい違いに見えるこの不思議
荒木節マジック?
アニメ本編では政治的には本当に何もしてなかったからな
平時は政治はまるっきりユウナとかに任せて戦争になればアカツキに乗って味方を鼓舞してただけだし
でもこっちでは一応議会ではっきりとした意見を出してる
その違いじゃね?
第6話『地球と風と火』投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 06・地球と風と火』
カガリはその朝、アスランと共に慰霊碑の前に立っていた。海を望む高台に据えられた、カガリの父や友、あの日、命を落とした者たちのための慰霊碑。
昨日の会議では結局、戦争が始まらないための努力を最重要とし、同盟を結ぶかどうかは、先送りとなった。今日もカガリはまた駆けずり回って働かなければならない。
だがその前にここに来ておきたかった。感傷にすぎないが、再び戦争が起きようとしていることを、先人にわびるために。
「……戦争は、避けられそうか?」
アスランの問いに、カガリは首を横に振る。
「結局、戦争への流れを止めるほど、私には力がない……非力なこの身が恨めしい。政治家として足りないものだらけだ私は。しかも、ほんの少し前まで、非力であることすら、気づいていなかった……」
カガリは己の不甲斐無さに、下唇を噛み締める。
そこに、予期せぬ人物が二人、登場した。
「仲がいいことだね、お二人さん」
ユウナ・ロマ・セイランと、その護衛ウェザー・リポートだった。
「首長たちの意見は分裂気味だよ。君が啖呵をきってくれたおかげで」
ユウナはやれやれという風に首を振る。もともと今の首長たちの多くは、自分の意見などない日和見主義者だ。前回の会議でカガリの雰囲気に呑まれて、宗旨替えを考えているらしい。
支援
「いつの間にそんなに雄雄しくなったんだい? 前もそりゃあ女らしくはなかったけど、なんかあと一歩で兄貴と呼びたくなる貫禄じゃないか」
そう言うユウナも、以前と違っているのではないかと、アスランは感じた。前はこんな冗談じみたことは言わず、ただ気障ったらしい言葉と行動で、こちらを苛つかせたものだ。しかし今の彼は自然で、演技的なものがないように思えた。
「私だって変わるさ。少しは」
「ふうん……ま、今のところは君の意見どおり、戦争がそもそも起きないように、僕も父上も努力しているよ。地球の被害をなんとかすることが優先されることで、プラントと角突き合わせている場合じゃないって、各国を説得してる。
並行して軍備の調整や市民の避難経路確保も行ってるよ」
「そいつはありがたいが……やはり戦いは避けられないだろうな」
「残念ながらここまでくると、惰性がついて止まりそうにないね。連邦に味方すればプラントと、連邦に味方しなければ連邦と、戦うことになるだろう。僕らはプラント側の勝利は薄いと考えて、やはり連邦に味方する方がいい考えているけど」
どの道を行こうが被害は出る。なら最終的に勝てそうな方をとるというのがセイラン派の意見だ。
「どうかな。オーブがプラントに味方すれば、戦況も変わるかも知れない」
大西洋連邦に不満を抱いている国は多い。オーブが従わなければ、そういった国も勇気付けられ、連邦の言いなりになることに反抗するかもしれない。
「確かにありえなくはないさ。けどプラントに味方する方が、総合的に見ればリスクは大きいと思うね僕は。とにかく一番の問題は最初の一撃さ。オーブが同盟条約を蹴れば、見せしめのために即刻、大兵力が投入されるだろう。
そうなれば、いくらオーブの軍事力でも耐えられない。今オーブにいるミネルバに協力してもらって、やっと五分ってとこかな」
「フリーダムを使ったら?」
その言葉に、ユウナは目を見開く。
「……あるのかい?」
「ある」
ユウナは髪の毛を掻き毟って、
「うーん、それならまあ……連邦もそんなものがあるなんて思っていないし……士気の向上も期待できる。最初の一撃をしのげば、再攻撃までにプラントと連携を組むこともできるだろうし……にしても」
ユウナはいったん考えを中断して、小気味よさそうに微笑み、
「君にも、戦う気はあるんだねぇ。どんな理由があろうと、馬鹿みたいに戦争反対を唱えるかと思っていたんだよ実は」
「以前の私ならそうしただろうな。そりゃ今だって戦争は反対さ。だが、守るためには戦うべきだ。けど……」
そこでカガリは慰霊碑を見つめ、
「お父様の選んだ道を否定するのは、つらい……お父様は、国と民を愛していた……それなのに、それを間違いだというのは……」
カガリは今になっても、父の志を否定する気にはなれなかった。それは政治家としてではなく、娘として父に対する想いだった。
アスランも彼女に共感し顔をうつむかせた。彼もまた、父の道を否定し憎みながらも、父を嫌うことはできない人間であったから。
そこに、今まで口を開かなかった者が、声を出した。
「誰もが誰かを愛し、誰かのためを思って行動したとしても、結果として最悪になることはある……どのような結果になったとしても、ウズミ・ナラ・アスハが良い人間であったこと、否定はしない」
カガリはウェザーを見つめる。その表情はいつもの無表情だったが、瞳の奥に哀しみが潜んでいるのを、カガリは見た。アスランも見ただろう。そしてユウナも。
「だが、親と同じ道を子が歩まなければならない、などという義務はない。君たちは、君たちなりにやればいい」
ウェザーの言葉には確かな労わりがあった。カガリもアスランも驚きと共に彼を見つめる。ユウナの私兵とも言える立場の彼が、自分たちにそのような言葉をかけるなどとは、思っていなかったのだ。
(俺は俺、か……)
特にアスランは、偶然であれ心の重荷を一つ、軽くしてくれた彼に、感謝せずにはいられなかった。
「ウェザー、そういえば君はこの件に関して、意見してなかったな……君はどう思う?」
ユウナのその言葉にも、カガリたちは驚かされる。ユウナの言葉は、ウェザーへの信頼を示している。それも部下に対するものではなく、より親しみと敬意の込められたものだ。
ユウナがこのような態度を見せるこの男は、一体何者なのだろう。
「俺は政治などわからん……だが、結果を求めるあまりに過程をないがしろにすることは、『目的の為には手段を選ばない』という思考に繋がり、果てには善い事を行なっているつもりで、気づかぬうちに悪を行なってしまうことになりかねない……。
それは悪よりも更に悪い、最もドス黒い悪だ……。そのことだけは、心にとめておいてほしい……」
「それは……大儀のない連邦との条約に乗るなってことかい?」
ユウナはウェザーの言葉を、頭で噛み砕きながら問い返す。
「正直、反対ではある……だが、君がそれを選んだとしても、それも一つの決断だし、理もある。文句は言うまい。俺は俺の仕事をするだけだ」
そういう物言いをされるのは、単純に否定されるより受け取る側は困る。カガリやアスランにしても、ウェザーの真摯な願いに考えさせられるものがあった。
しかし、彼らに考えている時間は与えられなかった。
「う……?」
カガリが急に顔をしかめた。
「? どうしたカガリ?」
アスランが言う。
「いや……何か……」
そこまで口にした後、
「うげえええええええぇっ!?」
およそ女性らしくない声をあげてカガリが吐き出したのは、十数枚の鋭利な剃刀だった。
「「「っ!!?」」」
アスラン、ユウナ、ウェザーは、そろってその光景に絶句する。
「な、なんだこれは……」
カガリは口から血を垂らしながら、自らが吐き出した金属の塊を見つめ、呆然と呟く。口内に酷い痛みを感じることから、切り裂かれていることが自覚できた。傷口は内側だとわかっていても、無意識のうちに右手は口を抑えた。すると、
プツ、プツプツプツプツプツッ!!
「う、うあああああっ!?」
右手の甲から、今度は二十本以上の針が飛び出してきた。甲の血管を貫き、血がドクドクと流れ出す。
「カ、カガリィィィッ!?」
ユウナが混乱の叫びをあげる。
「なんだこれはっ!」
わけがわからないながらも、アスランはカガリをかばうように両腕で抱え込む。
「これは……こんな真似はスタンド能力としか考えられん……だが、スタンドの姿も見せずに金属の剃刀や針を、一体どうやって体内に入れたというのだ?」
ウェザーは周囲を見回し、敵の姿を探す。だが、身を隠すような場所は無いにも関わらず、発見はできない。
「一体……どうやって……」
「ふん……思ったよりも人が多いが……カガリ・ユラ・アスハだけを殺す事は可能だ……」
その暗殺者は、カガリたちから10メートルと離れていない距離の場所にいた。
「殺り方はすでに……できている」
『地球』上に存在する最多の物質を味方にした、暗殺者リゾット・ネエロは、自分にだけ聞こえる小さな声で呟いた。
To Be Continued……
以上です。
アスランが議長に丸め込まれる前に、ウェザーに言わせました。最初は形兆と、困った父親を持つもの同士で話しをさせようかと思いましたが、形兆は話そうとしないだろうなということで見送りました。
>>746 すいません。これはカガリがどうこうではなく、あの状況でどうすればいいのか、私が考え付かなかっただけです。どっちに味方しても国は焼けそうですし……。
高度な政治手腕を描けそうになかったので、不完全でも話を進めることにしました。馬鹿の一つ覚えのように、戦いをやめろというような人間ではなくしたつもりですが……。
ひさしぶりのスタンド戦闘です。暗殺チームでは一番好きな奴なんで、張り切って書くつもりです。
ではまた次回。
GJJJJJJ
最もドス黒い悪北wwwwww
そしてリゾット、凄いタイミングで着たな!
カガリオワタ。
カァガリィィィィィ!
蛙だ!蛙を食べるんだ!
ウェザー自身もかなり強いんだが、強敵に当たり過ぎでカワイソス(´ω`)
黄色い血液ktkr!!!!リゾットは時空系以外では最強だと俺は信じてる。
つか暗殺チームのスタンドはだいたいが強すぎ
能力だけ見たら「最強」がほとんど
…カガリが生き残れるか心配になってきたよ
逆に考えるんだ。
「カガリなら死んでもいいや」と考えるんだ。
(´・ω・)カガリソス
764 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/04(水) 19:51:34 ID:WKnZgFU6
/__.))ノヽ
.|ミ.l _ ._ i.)
(^'ミ/.´・ .〈・ リ
.しi r、_) | わしが手塩にかけて育てたカガリを殺すとは何事や
| `ニニ' /
ノ `ー―i´
/ ̄ '  ̄ヽ
/ ,ィ -っ、 ヽ
| / 、__う人 ・,.y i
| /  ̄ | |
ヽ、__ノ | |
| 。 | /
| ヽ、_ _,ノ 丿
| (U) |
| / ヽ |
765 :
マロン名無しさん:2007/07/04(水) 22:52:10 ID:tDAMVgOu
>>761 激しく同意!! 暗殺チーム全員が一挙に襲ってきたら、ジョルノたちは確実
に全滅していたと思います。彼らが負けたのは「結果的に」戦力の小出しと
いうミスなってしまったことだけです。仮にメタリカがレクイエム化したら、
もうレクイエムパワーを使わなくてもマグニート状態のようになり、無敵に
近いかも・・・。
>>765 激しく同意、まあ漫画的にその展開は無理だろうがな・・・orz
投下乙!
リゾット一人か・・・ウェザーもいるし、凸(白兵戦ネ甲)の援護もある
・・・リゾットやばいかも。せめてギアッチョあたりつれてりゃ良いのに
投下します。
ウェザーは観察する。大きな慰霊碑が置かれた、そこそこの広さの高台。前方は階段、隠れるような場所はない。しかし、どこにも人の姿はない。それを確認すると、ウェザーはすぐさま自らのスタンドを現した。
「『ウェザー・リポート』!!」
ウェザー・リポートは体を分散させ、雲のようになって、周囲の空間に満ちた。それは、空気の動きを感知するレーダーの働きをする。呼吸による空気の乱れさえ感じ取れる。だがそれを行った直後、
ザグザグッ!!
ウェザーの右足から、十本以上のメスが飛び出した。
「ぐ、ああっ!?」
だが、そのとき空気はまったく揺らがなかった。
(彼女のときと一緒だ……スタンドも、他の何も、俺に近寄っていないし、触れていない。なのに、どうやってこんなことができる?)
ウェザーは崩れそうになる足を踏ん張り、前を見据えた。かつて神父に足を切断されたときに比べれば、どうってことない。心配するアスランの声に応えると、
「……どこにいるのかは、わかった」
ウェザー・リポートは、階段の上にある、一つの呼吸を感じていた。
「目には見えないが、確かにいる。次は、こっちが攻める番だ……」
一方、リゾットも多少の驚愕を覚えていた。
(まさか、スタンド使いとはな……俺たちチーム以外のスタンド使いと直接会うのは、『こっち』じゃ初めてだ)
噂では、自分たち以外にも妙な能力を持つ者がいると聞き、予想はしていたが、こうして戦うことになるのは初めてだった。
(奴のスタンド……体を気化させて空間に広がったが……とりあえず、そのこと自体は攻撃とは違うようだ。ダメージがないからな。とすれば、索敵か。なら、もう俺の位置はわかっていると見ていい。次は攻撃してくる……)
先制攻撃をしかけてダメージを与えたが、相手の目は死んでいない。こちらの能力への疑問はあるが、恐怖の欠片もない闘志に満ちた表情だ。
(厳しそうだな)
リゾットのスタンドは『メタリカ』。リゾットの体内に群生するスタンド。能力は磁力。スタンド能力であるため、本来の磁力とは違うかもしれないが、磁力と考えていいだろう。
磁力によって鉄分を自由自在に操ることができる。鉄分は『地球』上どこにでもある。地表に、空気中に、水中に、生物の体内にも存在する。地表に出る金属の中でも最も多い物質なのだ。それを手も触れずにコントロールできる。
生物の体内にある鉄分を、剃刀や針に変えて、体内から相手を傷つけたり、体に鉄分を付着させることで、光の屈折などで蜃気楼のように模様を描き、風景に溶け込んだりできる。
鉄を操れる距離は、10メートルから5メートル。鉄に近ければ近いほど、自由に操れる。
リゾットはより強力な攻撃を行うために、階段を上り始めた。
「一体……どういうことだ?」
アスランは半ば呆然として呟いた。自分の恋人の体から、突然凶器が湧き出て傷ついたのだ。わけのわからないことこの上ない。その呟きは答えを期待したものではなかったが、
「多分、スタンド攻撃だ」
意外にも答えが返ってきた。
アスランは回答者である、ユウナを見つめた。
「スタンド能力……まあ、超能力と考えてくれればいい。その能力は物体を触れただけで爆発させたり、気象をコントロールしたり、能力によっていろいろなことができるらしい。
そして、それは科学や常識では計ることはできない。それを認識し、対抗することができるのは、同じスタンド使いのみ」
その説明を聞いて、アスランはユウナを「いかれているのか? この状況で」という目で見たが、ユウナの表情に嘘偽りがないことは感じ取れた。
「到底信じられないが……そういうものがあるとして……俺たちはどうすればいいんだ?」
切羽詰った状況で、敬語を使うことも忘れているアスランに、ユウナは断言する。
「どうしようもない。ウェザーに任せるしかない」
「ウェザーに?」
アスランは自分たち三人の前に立つユウナの護衛に視線を送る。その時、ウェザーの右足からメスが噴き出た。
「ぐ、ああっ!?」
「大丈夫か!!」
アスランは思わずそう言ったが、我ながら馬鹿な台詞だと思った。大丈夫なわけないだろうに。
「大丈夫だ……この程度」
ウェザーはそう言い、
「……どこにいるのかは、わかった。目には見えないが、確かにいる。次は、こっちが攻める番だ……」
そして、虚空を睨んだ。実際には虚空ではなく、その方向に何者かがいるのだろう。アスランにはまったくわからなかったが。
「ウェザーもスタンド使いだ。彼しか敵を倒せない」
「……俺たちにできることはないのか?」
「……ない」
吉良吉影のときは、ユウナもMSの操縦などで役立てたが、この状況ではまったく役に立てない。銃を撃とうが、弾丸を弾けるスタンド使いなど珍しくもないらしいし、大体、どこに本体がいるのかすらわからない。
だから、自分にできることなどない。それは役割の違いであって、魚が空を飛べないことを悔しがる必要がないように、政治家である自分が戦士として戦えないことを恥じる必要はないはずであった。
だが、『男』としてはまた別である。ユウナは何もできない自分に、内心強い悔しさを抱いていた。それをアスランに見せてやる気はないから、表面上は冷静にしていたけれど。
――――――――――――――――――――――――
ウェザーは、相手の居場所がわかった時点で攻撃方法を決めていた。
(雷を放つ! 吉良のときは失敗したが、今は相手の場所もわかっている!)
その考え方は間違っていない。強力で形のない雷から本体をガードできるスタンドは、そう多くはない。雷はガードをすり抜けて向こう側にいる本体にダメージを与えることができる。
ウェザーの誤算は、相手がその『多くない』の部類に入るスタンド使いであったことだけだった。
「『ウェザー・リポート』ォォッ!!」
ウェザーの言葉と同時に、一条の雷が、目に見えぬ暗殺者に向けて伸びていく。
だが、
「……『メタリカ』ッ!!」
雷撃は、暗殺者に当たる前に急に方向を変え、リゾットとはかけ離れた方向へ飛んでいってしまった。
規制入った?
光速で飛んでくる雷を認識し対抗策を放つ、そこに痺れる憧れるっ!
途中で連投規制になりました。
続きを投下します。
(馬鹿なッ! ウェザー・リポートの雷が外れた!?)
雷の原理はこうだ。雲を形成する細かい氷の粒が擦れあうことで静電気が発生し、雲の上層に正の電荷が蓄積され、下層に負の電荷が蓄積される。この二つの電荷のバランスが崩れるときに起こる放電現象が雷である。
そして電荷を持った粒子、すなわち荷電粒子は磁力線の周囲にまとわりつく性質がある。つまり磁力を使えば、荷電粒子の動きをコントロールできるわけだ。
リゾットはメタリカの磁力によって荷電粒子を動かすことで、雷をはじいたのである。
これはともすれば、荷電粒子を使ったビーム砲すらはね返す可能性を秘めいているが、今はそのことは関係ない。
「そしてくらえ、メタリカッ!!」
ザガッ!!
ウェザーの左足を、さっきよりも更に多くのメスが突き破った。ウェザーはもはや立つこともできず、その場に膝をついてしまった。
「ウェザーっ!!」
今度はユウナが叫んだ。そして、今度はウェザーもすぐに大丈夫とは言えなかった。
相当なダメージを負ってしまった。機動力である足を奪われたのは痛い。
(雷が効かないとは……)
最も破壊力のある『天気』を封じられ、ウェザーはほぞを噛む。
ウェザーの能力は無意識の部分が大きい。かつて自殺しようとしたときも、無意識にスタンドが彼を守ったし、ヘビー・ウェザーも絶望と怒りが生んだ無意識の能力だ。
もともと天気は複雑なものであるため、考えて作れはしない。こういう天気を作ろうと思えば、スタンドが自動的にそれを作ってくれるのである。従って精密に動かすことは難しい。
嵐などの強力な天気を生み出せば、周囲を巻き込んでしまう。傷ついたカガリを巻き込むようなことはできない。
強すぎる能力。それが、ウェザーの弱点であった。
To Be Continued……
以上です。
ウェザー・リポート、破壊力A,持続力A,スピードB,射程距離C,成長性A、されど精密動作性E……。
ウェザーが負けっぱなしなのは相手と状況が悪いからです。アブドゥルさんと同じ、強すぎて動かしづらいキャラですから、このような扱いになりました。
>>荷電粒子は磁力線の周囲にまとわりつく性質がある
ウィキペディアの知識ですので正確かどうかわかりません。間違っていてもご容赦を。
GJ!
避雷針作ったかと思ってたらすごい使い方してるなリーダー
まさかメタリカでビームコーティングとは……
一本とられました
改めてこいつ凄く恐ろしいスタンドだな
といいか、ウェザーもメタリカも半端じゃない能力。
敵も味方もなく能力を使えば、被害はさらに尋常じゃない罠。
…さて、どう戦う?ウェザー。
まじめにちと厳しい状況だが…打開策はあるかどうか…?
時速60kmでふ(ry
GJ!!
まあ、ウェザーリポートは気象兵器みたいなもんですからな。
単体の敵を狙い撃つってのは無理があるでしょうね。
その点で言えばアブドゥルさんはかなり万能ですね。
ウェザーも回りを考えなくていいのなら、大抵のスタンドに対抗・圧倒できるのですが……
逆にメタリカは線の攻撃。
直線状にいれば問答無用で攻撃でき、防御はほぼ不可能という洒落にならんスタンド。
大勢を相手にするようなことは難しいですけど、暗殺という事を考えればこれほど相応しい能力は無いでしょう。
防御不可能という点を考えればイルーゾォと同じくらいヤバイかも。
兄貴辺りと組めば死角はなくなりますし。
マンミラの持続力がスペック上低いのを除けば、イルーゾォと組んだら兄貴やリーダーどころかマンモーニだってほぼ無敵状態だよな…
メタリカの場合、内側からの殺傷を防ぐ手段はないし本体を無力化する以外策はないので、単体でも最強のうちの一つに入る。
本体が変なところで迂闊だから蜂の巣にされちゃったけど
マンミラの鏡の世界から、ビーチボーイの糸だけ出してフィッシュ!!かなり強い。
MSは許可しない!
凸が脱パパモーニでなんか気合い入りまくった顔になり、種無印運命双方で見せたアクロバティック戦闘
だったら多分笑い死ぬ
788 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/07(土) 11:45:14 ID:sUuhLXli
ちy
>>787 あたらずといえども、というところですかね。
まあアスランも少しは目立ってもらわないと。もう少しお待ちください。
少し投下します。
(こいつの能力は、何なのだ……?)
ウェザーは朦朧とする頭で考える。
スタンドは一人一能力。それがルール。
ならばこの相手の能力は一体?
人間の体内に触れもせずに剃刀や針やメスを埋め込み、姿を消し、雷をはじく。これほど多岐にわたる能力が、たった一つのものであるとしたら、それはいかなる能力なのか。
(それにしても……これほどにきついものか? この傷は)
ズタズタになった両足を見て、そう思う。
かつて、初めて徐倫と行動を共にしたときも、神父と戦ったときも、これ以上の傷を負ったが、もっと意識はしっかりしていたはずだ。だが今は眩暈すらする。単純な出血多量からくるものにしては……おかしい。
(何か……何かヒントはないか……)
そのとき、一羽の小鳥が舞い降りた。何をしたわけでもない。たまたまその小鳥はウェザーと暗殺者の間を抜けて飛び、
ザズッ!!
空中で首を切り飛ばされて死んだ。
「……?」
ウェザーはその光景をポカンとした表情で見ていた。
(なぜ、小鳥なんかを攻撃した?)
その意味を考える前に、彼の左腕から剃刀が飛び出した。
「う、ううっ……」
叫ぶほどの気力もなく、ウェザーは呻き、ついに上半身まで完全に倒れこんだ。だが、左手を見た瞬間、疑問は氷解した。
カガリは石碑のすぐ前に座り込んでいた。
ウェザーはカガリたちから見て右斜め前方1メートルほど離れたところに倒れていた。
ユウナはウェザーの側で彼の様子を見ていた。
そしてアスランはカガリの側に立ち、苦々しい表情で周囲を睨んでいた。
ウェザーが倒れたのを見て、アスランは歯を食いしばる。ユウナの言うことが確かならば、もはや希望はない。だがそれでも諦めきれず、拳銃を手に取る。もっとも、そんなものが通用するはずはない。
アスランの身体能力はかなり高い。某漫画家にはさすがに及ばずとも、コーディネイターの中ではトップクラス。だが、敵の位置がわからない以上は、それも無意味だ。
さっきから救援を呼ぼうともしているが、通信も届かない。Nジャマーの効果があるとはいえ、近距離なら届くはずだが、どうやら何らかの妨害があるようだ。
(俺には、何もできないのか?)
かつて、父を止めようとしてできなかったように、今もまた、無力なままで終わるのか?
過去と同じことを繰り返すのか? 過去に縛られたままに。
「ウェザー!!」
ユウナはウェザーのもとに駆け寄り、名を呼んでいた。
「ユ…ウナ……」
「ウェザー!! 生きてたか!!」
反応したことに顔を輝かせるユウナに、
「……ユウナ……見ろ……」
ウェザーは、血に塗れた左腕をユウナの前に突き出した。
「うわ、ちょ、グロいよそれ!!」
思わず、ユウナは身をのけぞらす。だがウェザーは淡々と、
「見ろ……血の色が、変だ……」
ユウナはそう言われて、やっと気づいた。本来赤くあるはずの血が、妙に黄色っぽいというか、澱んでいるというか、とにかく気持ち悪い色になっている。
「それに……この腕時計……」
ウェザーは次に、自分の左手首にはめたアナログ式の腕時計を見せる。しかしその針は止まっており、ピクリとも動いていない。
「いつの間にか、壊れていた……多分、通信で助けを呼ぶことも……できないだろう……」
「ど、どういうことだ?」
「磁力……だ。相手は、磁力を操るスタンド使いだ……」
―――――――――――――――――――――
リゾットはすでに階段を上り終えていた。カガリまでの距離は、5メートルもない。
(スタンド使いの方は動きを止め、スタンドも消えた……だが死んではいない。相当に消耗しているだろうが、死んではいない……戦線復帰される前に、カガリ・ユラ・アスハを始末しておくか)
リゾットは狙いを定めた。
ユウナはウェザーからすべて聞いて、呆然と呟いた。
「そんな……それってほとんど無敵じゃないか……」
敵の能力の正体が『磁力』であること。
血の中の鉄分を磁力で操って剃刀などをつくっていること。
時計や通信機が壊れたのは磁力の影響であること。
雷を磁力によってはじいたこと。
磁力は本体を中心に発生し、本体に近いものから影響を受けること。
そして……鉄分が体から無くなれば、人は酸素を吸収できず、黄色い血となって死に至ること。
「磁力なんて、かわすことも防ぐこともできやしない。しかも、姿を隠す能力まではわからないんだろ? こちらからろくに攻撃もできないんじゃ、どうしようもない!」
ユウナの切迫した声に、ウェザーも頷き、
「ああ……敵もすでに移動しているようだしな……もう一度索敵しようとすれば、容赦なく殺られるだろう……」
次に攻撃をくらったら、ウェザーの命はあるまい。傷はなんとかなっても、鉄分の欠如が致命的となる。
「だが諦めるんじゃあないユウナ……この世に無敵など存在しない……何か方法は……あるはずだ……」
To Be Continued……
とりあえずここまで。
796 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 10:56:03 ID:A7ffIYEO
はぁ?意味わかんねーんすけど
GJ!!
ユウナ、考えるんだ!
それがこの場面でのお前の仕事だ!
乙@@@
∞( ・∀・)
ワクワクテカテカ
799 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/10(火) 00:28:43 ID:e+StzIOn
そういえば自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が世界的に増えているという事実も、多少気になるところだが
すいません。どうも手持ちのコンピュータでインターネットができません。「2ちゃんの壷」というのをダウンロードして、使ってみたんですが、それで設定をおかしくしてしまったようです。
慣れないことはするもんじゃない・・・・・・。ということで、投下は頻繁にはできません。機会があったら投下しますが。
では投下します。
「ガアアアァァアァァッ!!」
カガリが一際大きな叫びをあげた。アスランは、その理由をすぐに悟った。
彼女の首の皮膚が、不自然に膨れていた。しかも徐々に動いている。その特徴的な形は誰が見ても、何が入っているのかは明らか!!
「『ハサミ』だとぉぉぉ!!」
どうってことのない日用品であるハサミも、皮膚一枚下に入っていて、しかも勝手に動くとなれば立派な殺人道具。
ハサミは徐々に開いて、カガリの首を切断する体勢に入った。
「させるかッ!!」
アスランは閉じようとするハサミを手で押さえると、思い切って皮膚を引きちぎり、ハサミを抜き取った。大きな傷ができ、血が噴き出て二人の服を汚す。その血は、ウェザーのものと同じ、黄色だった。
「ヤブゥアアアアアアア!!」
カガリは激痛のあまり、奇妙な絶叫をあげる。
「カガリッ!! くそぉっ!!」
だがその一大事に、ユウナは『しめた』と考えていた。別にカガリが苦しみ、死にそうなことを嬉しがっているわけではない。敵の場所を探るチャンスであるということだ。
ユウナの視線は、ウェザーの足から飛び出したメスに向けられていた。地に落ちている何十本ものメスや針は、かすかにであるが蠢いていた。そしてその動きには規則性が見える。
(この動きは敵の放つ磁力の影響! 敵が攻撃するとき磁力を放っているのなら、金属は必ず敵の磁力に引き付けられる!! その動きを観察すれば、敵の位置がわかるはずっ!)
それがユウナの考えた、索敵方法だった。敵の動きさえわかれば、攻撃のチャンスができる!!
だが、ユウナが敵の位置を知るよりも前に、
ボロッ、ボロッ、ボロッ……
「な、何ぃっ!?」
メスが、剃刀が、針が、そしてアスランの手の中にあるハサミまでも、崩れて消えていく。ユウナの目論見と共に。
「やはり……探っていたようだな。俺の位置を……」
リゾットは、ユウナの驚愕の表情を見つめて呟く。
「あの男のメスを見る表情……自信と希望があった。それは俺の能力を見破ったから……それなら、俺の場所を探る方法も、思いつくだろう……」
だが、それも彼の予想の内。
「俺のスタンドの磁力で作ったものだ……元の状態に戻すことも……たやすい」
リゾットは、再び恐怖に染まったユウナの顔と、黄色い血に塗れたカガリとを眺めながら、また一つ、歩みを進めた。
(何を狙っていたのかわからないが……ユウナは失敗したのか)
アスランはユウナの様子から察して、また一つ、希望の芽が摘まれたことを知る。カガリをかばうように彼女の肩を抱く。
「何か、何か手はないのか……!?」
必死で考えるが、焦れば焦るほど考えがまとまらない。頭をハツカネズミよりも空回りさせているアスランに、
「アスラン……ユウナと……ウェザーを連れて……逃げろ……」
カガリが、ヒューヒューと掠れた息をしながら言った。
「「なっ!」」
彼女の言葉に、アスランも、そしてユウナも驚いた。
「敵の狙いは……私のようだ。せめて、お前たちだけでも……」
「馬鹿を言うなカガリッ!!」
アスランが悲痛な声をあげる。だがカガリは静かに首を振り、
「ユウナを、こんなところで死なせるわけには、いかない……彼の、政治力は、これからのオーブに必要だ……ウェザーの、能力とやらも……そしてアスラン……お前の力もだ……一番の役立たず一人ですむのなら……安いものだろう?」
カガリはカガリなりに公平に見定め、そして選択したのだ。この選択に、アスランは逆らえるだろうか?
アスランがカガリの願いと自分の想いとの板ばさみにあっているとき、
「アレックス……いやアスラン」
いつの間にか立ち上がっていたユウナが、彼を呼んだ。
「な、なんだ?」
今までにない、静かで強い口調に、アスランは虚を突かれた気分でユウナを見る。
「……僕さ、これから『死ぬかもしれない』からさぁ、そんときは父さんによろしく言っといてくれる?」
「……なんだって?」
アスランは意味がわからず問いただす。
「僕、育ちいいからさぁ、打たれ弱いんだよねぇ〜」
やれやれという顔で、ユウナは左手首を口元に運ぶと、
ガブチィィィィィッ!!
一気に噛み切った。
「え?」
アスランもカガリも、ポカンとしてその光景を見る。
ブッシュウウウウウゥウゥゥ!!
皮膚と血管が破れ、鮮血が勢いよく噴出した。
「何やってるんだぁぁぁぁっ!?」
アスランが動揺して叫ぶが、ユウナはちょっと顔をしかめただけで、落ち着いていた。
「うっさいな……黙って見てろよ」
そのときのユウナは、怒りに満ちていた。
(カガリ……!! 随分、僕をなめてくれるじゃないか!!)
(アスランには説得しながら、僕にはしようとしないということは……僕が死にかけた女性を置いて逃げるような人間だと、思っているってことだよな?)
カガリを置いていくことのみを気にするアスランも、同じように考えているのだろう。良く思われていると思ってはいなかったが、ここまでの侮辱には我慢ならない。
(そんな風に思われたままでいられるものか!! 思い知らせてやる!!)
そして考え付いたのがこれだった。
敵の能力が『磁力』である以上、目標の前に磁力に反応するものがあれば、それに影響を与えないわけにはいかない。
ユウナたちの身につける金属製品に影響がないところを見ると、どうやら敵の磁力は生物の体の鉄分にのみ、大きな効果をもたらすようにできるらしい。
砂鉄にまで影響を与えれば、砂鉄の動きで位置がばれてしまうから、そうならないために能力を調整しているのだろう。だが、生物に含まれる鉄分であれば、おかまいなしであるようだ。
「小鳥の首を落としたようにね……」
やがて、ユウナの血が床に溜まっていく。カガリを囲むようにして。
「この血の池はレーダーだ。敵がカガリを狙って磁力を使えば、カガリに力が及ぶ前に、この池に引っかかる!!」
そして言葉どおり、赤い血の池に乱れが起こり、湧き出るように針が突き出した。次々と針が飛び出していく。無数の針は血の池を割る一筋の道となる。あとは、さきほどのように消される前に攻撃しなくてはならない。
「この針の道の先に敵がいる。後は任した」
ユウナは青ざめた顔で、アスランにニヤリと笑みを投げ、バタリと仰向けに倒れる。
「ユウナっ!!」
カガリが悲鳴をあげる。しかしアスランは、もうユウナを見はしなかった。そっとカガリから手を離し、静かに立ち上がる。
「……わかったよユウナ」
今のアスランの脳裏に、父の姿はない。あるのはユウナが切り開き、示した『道』のみ。迷いはなく、自問もなく、焦りも怒りもなく、ただすっきりとした戦意がその顔にあった。
過去の亡霊は消え、今存在する、未来への道のみが見えていた。
「あんたの覚悟が、心で理解できた!!」
そう言い放ち、アスランの目に『火』が宿る。
「その覚悟に! 答えよう!」
アスランは、針の道の先に銃口を向けた。迷いの無い力強さで。
銃を構えた途端、アスランの体から、針が突き出す。腕から、足から、顔から、口から、腹から。だが、アスランは髪の毛一筋ほどの震えもなく、
正確に引き金を三度引いた。
銃口から三度、『火』が噴いた。
見えはせずとも銃弾が何かに当たる音がして、目に見えぬものを吹っ飛ばしたことが実感できた。一呼吸遅れて、何かが地面に叩きつけられる音がする。
「やったようだね……」
ユウナの声がする。血は止まっているようだ。実はアスランやカガリの血も止まっている。ウェザーが雲を創り、傷に包帯のように巻きつけているのである。
「まったく、大胆な真似をしたものだな……」
アスランが呆れた声を出す。だがそこには、見直したという想いも確かにあった。
目的を達成したユウナはフッと笑って、言ってやった。
「……かっこつけたかったんだよ。君らの前で」
To Be Continued……
以上です。カガリは力も頭脳も際立ったものがないから、どうも見せ場をつくりづらいです。いずれ……とは思っているんですが。
ではまた次回、できるだけ早く投下したいものです。
まさかリゾットがこんなに序盤で・・・
GJでした!!
早くも傷だらけな4人・・・傷の跡が痛々しそうだな
この先が心配だ
GJ!!
まとめマダー?
まとめが欲しいと思ったなら(ry
ユウナの男っぷりにGJを!
まさか、老ジョセフがやった透明の赤ちゃん索敵方法を
こういう形にしてメタリカ索敵方法に改良するとは。
……が、JOJOでは『再起不能』、『死亡』の文字が出るまで、
何が起きるかわからないのが掟!
これでようやく互角といったところか…。
勝負は…次で決まる!
次回の両陣営の『決着』!期待します!
脱パパモーニの兆しが見えた凸乙保守
813 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 02:19:55 ID:KTCF/NbR
保守
(´;ω;`)リゾット・・・あんな奴に・・・
短めですが、投下します。
(く、しまった……)
リゾットは自らの身体に開いた、弾痕を見てそう思う。皮膚一枚下に自分の体内にある鉄分で防御壁をつくり、威力は弱めたものの、衝撃はかなりのものだ。体が痺れている。
(奴らの連携に、はまった……)
自分の居場所をつきとめたユウナ。
ユウナに応えて、攻撃を受けてもひるまず銃を撃ったアスラン。
そして……リゾットが身を翻し、銃の射線から逃げる事を防いだ、ウェザー・リポート。
アスランはメタリカによる攻撃に動揺しなかったといえど、体の動作は一瞬遅れた。その一瞬の隙に、弾丸をかわすことはできたはずだった。だが、それは『風』によって阻まれた。
突如、一瞬吹き荒れ、リゾットの体を包んだ風が、彼の動きを封じたのだ。
「おのれ……」
リゾットは、口から血を垂らしながらも立ち上がろうとする。そこに、
「リゾット……」
自分のすぐ『下』から声がした。聞き覚えのある声だった。
視線を地面に向けると、そこには『顔』があった。人間離れをした奇妙な怪物の顔。
「ベイビィ・フェイス……?」
それは、リゾットの仲間の一人、メローネのスタンド、ベイビィ・フェイスであった。その能力は、自分や他の生物の体を物質に作り変えてしまうこと。今、ベイビィ・フェイスの体は高台をつくる鉱物と同化しているのだ。
「なんのようだ……」
ベイビィ・フェイスは血液を元に創り出される遠隔自動操縦スタンド。血液の主を自動的に追いかける。そして、このベイビィ・フェイスはリゾットの血液を元に創られている。だからリゾットがどこにいても追跡し、連絡を届けることができる。
「メローネからの伝言だ……『この依頼はキャンセルだ』」
「……何?」
「暗殺の依頼をした奴らが口封じのために……俺らを襲撃してきやがった……ディ・モールトなめてくれたもんだ。まあ、そいつらは既に『ぶち割って』ある。依頼主の裏切りがあった以上、この仕事はなしだ」
リゾットはなるほどと頷く。この暗殺を依頼してきたのは、ブルーコスモスの過激派だ。彼らの動機に興味はないが、どうやら親プラント派のカガリを殺し、その罪をコーディネイターになすりつけ、大西洋連邦との同盟を進めようとしたらしい。
「で、どうする? 随分やられているみたいだが……やはり標的をブチ殺して帰るか?」
「いや……俺たちを裏切った依頼主に、報復をする方が先決だ」
裏家業の自分たちにとって、面子は命よりも大事だ。裏切ったからには、それ相応の報いは受けてもらう。襲撃した奴ら以外の依頼主にもだ。
どんな形にせよ、カガリを殺す事は裏切られてなお依頼を続行することになり、よろしくない。だが何より……
(あのスタンド使い……まだ何かありそうだ)
あのスタンド使いが見せたのは『雷』、『風』、それに奴らの傷口に巻きついているのは……『雲』か。おそらく、『天候』を生み出すのが奴の能力。幅の広い能力と見える。まだまだいろいろとできることはあるだろう。
(あえて手負いの獣に挑む事もあるまい)
そしてリゾットは、ベイビィ・フェイスの能力で物質となり、ベイビィ・フェイスに運ばれてその場を去った。
その後、通信機能が回復し、アスランの呼んだ助けによって四人は病院に運ばれた。
後日、この暗殺事件の犯人はブルーコスモスの一グループであったことが判明した。グループは全員死体で見つかった。彼らが死んだ理由は、仲間割れがあったという結論がつけられた。
それよりも重要なのは、彼らの本拠地に残されたデータから、彼らグループが大西洋連邦との同盟を求めてカガリ暗殺を目論んだということがわかったことだ。
国民からの信望厚いカガリ暗殺を企んだブルーコスモス、そして彼らが味方する大西洋連邦へのオーブ国民の反発心は強くなった。しかも、親連邦派であるユウナまで巻き込まれたのだ。目的のためなら味方であっても害するそのやり口。
そんな奴らとの同盟を組むと言い出せる状況ではもはやない。
カガリやユウナの意思に関わり無く、オーブは反連邦へと傾いていった。
To Be Continued……
以上です。
リゾットとの戦闘は痛み分け。オーブが連邦を敵にまわす流れをつくって、第6話『地球と風と火』終了です。次回は第7話(タイトル未定)を始めます。
GJ!
さすがにあっさりリタイアとは行かなかったか
再戦に期待
毎度投下乙!
もうこれはうひょーと言わざるを得ないうひょー
GJ
この流れいいねぇ
では投下します。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 07:狭間の時間』
SIDE:アスラン
「それじゃあよろしく。しっかり頼むよ」
ユウナ・ロマ・セイランがそう言った相手はアスラン・ザラ。一般的に言えば、恋敵と呼べる男である。もっとも、ユウナにしてみればカガリと結婚する意思はないし、落ち着いたら婚約破棄をしようとも考えていた。
もともとセイラン家の力を強めるのが主目的の結婚だ。すべてが終わった後なら、もうセイラン家はアスハ家の力など必要のない存在となっているだろう。もっとも、すべてが終わった後、オーブという国が残っているかどうか怪しいものだが。
「ああ……」
アスランの顔は暗い。カガリのことが心配なのだろう。
カガリ・ユラ・アスハは、あの暗殺事件の後、昏睡状態になってしまった。一番の重傷であったのだから無理もない。命に別状はないらしいので、もう数日もすれば意識も回復する見込みだというが……。
「そんなことじゃ困るな。君はプラントへの使者なんだ。しっかりしてくれ」
ユウナの言うとおり、アスランの任務はプラントとの、より細かく言えば、デュランダル評議長との交渉である。今の国家情勢では、連邦との同盟などすれば、国民が暴動を起こしかねない。である以上、まだ戦争が始まらないうちにプラントとの絆を強くしておかねばならない。
そこでアスランが送られることとなったのだ。プラント出身であり、かつての大戦の英雄であり、アーモリーワンの一件でデュランダルとの関係を持った彼が。
「カガリが倒れて、フリーダムの詳細がわからない今、プラントとの繋がりは必須なんだからねぇ」
カガリが切り札として突き出したフリーダム。しかし、カガリが意識不明の今、フリーダムがどこにあるのかもわからない。アスランもフリーダムがあることは、ついこの間まで知らなかったらしい。
(もともと思いつき程度で修理してあったんだろうなぁ)
ユウナは思う。以前のカガリを考えるに、フリーダムを直したことに深い意味があったとは思えない。災害時にロウソクを準備しておくような、軽い考えで隠しておいたのだろう。
そもそもフリーダムを扱えそうなパイロットなど、このアスランかキラ・ヤマトくらいだろうに、その片割れに知らせないのはどういうことだ。
(キラ・ヤマトなら知っているのかもしれないが……彼とは親しくないしな)
どうアプローチをかけたものか。しかも彼の側にはあのラクス・クラインがいる。なぜだか知らないが、彼女は強烈なカリスマの持ち主で、多くの部下を隠し持っているらしい。下手に関わりを持てば、ただでさえ逼迫した状況が、更にややこしくかき混ぜられかねない。
(あの二人とは、あまり関わりたくないな)
ユウナの政治家としての勘はそう判断した。あとフリーダムの行方を知っていそうなのはモルゲンレーテ社くらいだ。そちらの方にはすでに探りを入れている。そろそろ反応が出そうなものだが。
だが今はどこにあるのかもわからないフリーダムより、プラントとの友好関係の方が大事である。
「わかっています。必ず、議長からは良い返事をいただいてきます」
「おいおい、そんな堅苦しい言い方しなくていいよ今更。死線をくぐった仲じゃあないか」
その言葉にアスランは苦笑し、
「……変わったものだな、あんたも」
「君らに負けてはいられないからね」
そう言って笑うユウナに、アスランは安堵する。『君ら』という言葉から、彼がカガリをライバルとして見ており、恋慕の情はないと確信できたからだ。
(そうでなければ手強い恋敵になるところだった)
実際、アスランの人生で最大の敵となっていたかもしれない。しかしそうでない以上、今のユウナはアスランにとって尊敬すら覚える好ましい男であり、強い覚悟によって父の呪縛を断ち切る後押しをしてくれた恩人でもあった。
ユウナの命を振り絞った覚悟は、パトリック・ザラによる迷いなど吹き飛ばすほどの苛烈さであった。
その覚悟を感じ取り、オーブを、大切なものを守るために動き、戦うという覚悟を決めたアスランに、過去の亡霊が立ち入る隙はない。今のアスランは父の存在を受け入れていた。そして受け入れた上で、己の道を歩もうとしていた。
―――――――――――――――――――――
そうしてアスランを見送ったユウナのもとに、ウェザーが現れた。カガリに次いで重傷だったというのに、今はすっかり元気なものである。
「モルゲンレーテからの使者とやらが来た。フリーダムの件だと思うが」
「了解。あ、ミネルバの方は?」
「まだ完璧ではないが、大方修理できたそうだ。艦長と交渉が続いているが、非常時には協力してくれるだろう」
ウェザーの応えにユウナは頷き、歩を進めた。やるべきことは山とあるのだ。
SIDE:スリーピング・スレイヴ
そこは薄汚れた廃屋。主を失った小さなビルの一室に、三人の男がいた。
「で? 俺たちこれからどうするんだよ」
ナランチャは窓の側に立つブチャラティに尋ねた。
「俺たちが命じられたのはオーブへの潜入と潜伏、現状の調査だ」
「何をどう調べろとも言われていないのだろう?」
ダイアーの言葉にブチャラティは頷く。
「大方、自由な時間をとれないように、適当に任務を与えているだけだろう。スパイなんてもう何人も送り込まれている。今更俺たちが調査するまでもないはずだからな」
ブチャラティは、上司であるジブリールの顔を思い浮かべながら言った。
ガーティ・ルーは、ユニウスセブン落下の後に地球に降りた。ネオたちの援護という任務を終えた彼らに、次に与えられた任務が、オーブの調査である。
ユニウスセブン落下のドサクサに紛れて入り込み、この廃屋に潜んでいるが、これ以上有益なことができるとも思えない。いかんせん、準備不足だ。
「一応、調査は適当にやっておく。お前たち二人は町の見物でもして息抜きしていてくれ」
「マジすか!? さっすがブチャラティ! 話せるぜ!!」
「いいのか?」
対照的な反応をする二人の部下に、
「構わない。どうせまたすぐに危険な任務がまわってくるんだ。今のうちに楽しんでおいてもらいたい」
かくして、三人の不法入国者が町に放たれた。
To Be Continued……
第7話『狭間の時間』、でした。
アスラン、とりあえずパパモーニ脱却。しかし次には更に厚く高いキラモーニの壁が……。
ここでフリーダム出すのは困るので、カガリには寝てもらいました。
この第7話では、オーブ限定で今までの登場キャラ一人一人を出します。ナランチャとか全然出番ないのでこの辺で動かさないと。
フリーダム隠し持っていたり、アカツキ隠し持っていたり、オーブの内情はどうなってんだか。小説版(種運命1巻294p)には、オーブの主権は国民に委譲されたが、国家元首はアスハ家の世襲制のままだと書かれていました。どういうこっちゃ。
828 :
通常の名無しさんの3倍:2007/07/18(水) 19:48:19 ID:WqIuiHcA
投下乙!
リゾットについでブチャチームか。オーブは災難だな
>>827 何分、嫁の都合で右左よれてはねじれてるからな。
ただ、二年の歳月で連合に占拠状態から、
再び国家として再建してるっていう事実。
そこらへんを考えると、ユウナの手腕は神レベルの政治力だw
まあ、裏でミナというサハク家の人間が動いてたのだろうが…。
投下乙!!
この調子だと結婚式がなさそうだが…キラ・ラクスはどうでるんだ?w
まあ、結婚しなくていいならカガリなんかとは結婚したくねえよなww
すまない。
俺、美人だけどどこか汗臭い感じのするカガリちゃんなら是非嫁に欲しいや。
アホの子だけど、言い聞かせれば分かってくれる…よなぁ?
何かにつけ失敗する度、言葉責めでいじめた後、優しく慰めてあげるんだ。
どこにでもいる、毒にも薬にもならない手合いの人間じゃね?<カガリ
公人同士の結婚で相手がどちらでもない上に甘ちゃんなのは困りそうだ。
原作本編の描写を見る分には
アホの子具合
ナランチャ>>>カガリで、自身の戦場での機転も不等号が同じように見える。
容量405KBだけど、もうすぐ次スレの時期?
キラモーニから脱する事ができたSSは三つぐらいしかないので険しい道ですが頑張ってください
SSでキレイなキラを見ると吃驚するな 確かにw
投下します。
SIDE:ブチャラティ
「ブチャラティ元気ぃ?」
「ようブチャラティ」
「昼飯かいブチャラティ?」
町に出たブチャラティは、とある飯屋にいた。潜入してから数日、飯はいつもここでとっている。常連客とはすでに親しくなっていた。人とすぐに打ち解けられるのは、ブチャラティの才能の一つである。
今日も店外席に座り、ピザを齧りながら客の話に耳を傾けていた。ほとんどが他愛もない話だが、時としてダイヤモンドより貴重な情報が飛び込んでくることもあるので馬鹿にできない。
「姫様はまだお目が覚めないそうだ」
「セイラン家がますます好き勝手しやがる……」
「連邦の奴らと組むなんて言い出してみろ。殴りこんでやる」
どうも彼らは軒並みセイラン家の人間が嫌いらしい。この2年足らずでオーブを復興させたのはセイラン家であるはずだが、彼らに言わせると、『ウズミ様が死んだとき、真っ先に逃げ出した臆病者』、『繁栄のために大西洋連邦に尻尾を振っている犬』であるそうだ。
ブチャラティからしてみれば、不当に過ぎる評価であると思えるのだが、凝り固まった価値観を変えることは容易なものではない。あえてその辺りは曖昧に頷くにとどめておいた。
(これは、オーブが連邦と組むことはなさそうだな……)
町の噂話にしても、流れるニュースにしても、反連邦に染まっている。たとえ政府が連邦と組んでも、軍や民衆はその判断に応じることはないだろう。
(戦場になる前にとっとと出て行った方がいいだろう……)
滞在期間は決められているが、場合によってはより早く出るべきだろう。連邦やプラントの情勢を考えると、今日明日に戦争が始まったとしてもおかしくはない。
いや、オーブの元首が重傷を負ったという事件で他国が動揺して足並みが乱れなければ、もっと早くに戦争を始めていただろう。
そして、この国が戦場になることもまた、おかしくないのである。
(命令違反を咎められても、無駄な戦闘に巻き込まれるよりましだ)
ブチャラティが今後の大まかな予定を考えていると、
「ああ!!」
大きな声が彼に向けて放たれた。ブチャラティが振り向くとそこには、赤毛の少女が立っていた。彼はその少女に見覚えがあった。
「君は、確かアーモリー・ワンで……」
「あ! 憶えていてくれたんですか!」
ブチャラティは名前も知らなかったが、その少女、ルナマリア・ホークは嬉しそうに微笑んだ。
―――――――――――――――――――――
ルナマリアはご機嫌であった。ミネルバの上陸許可が出てから、この辺りの主要な観光スポットは回り終え、適当に街をブラブラしていたら、あの日助けてくれたヒーローのごとき男性と再会できたのだから。
「まさかこんなところで会うなんて! あれ、でも本当になんでオーブに?」
「……ビジネスさ。機密事項があるんで、あまり詳しくは話せないが」
まったく説明になってはいなかったが、ブチャラティがまったくうろたえず、冷静に堂々と答えたためか、ルナマリアはそれで納得したようだった。実のところ、そこの辺りはさほど気にしていなかったというのもあるが。
「おいブチャラティ! その娘は彼女かい!?」
「可愛いじゃないか! 羨ましい!!」
「そ、そんな、彼女がいたなんて……」
周囲が囃し立てる。女性の中にはショックを隠せない者もいた。そんな彼らに、ブチャラティはやや顔をしかめた。
「そんなんじゃない……ちょっと縁があっただけで、名前だって知らない」
「あ、私、ルナマリア・ホークといいます!! あなたは?」
女性特有の押しの強さに、流石のブチャラティもたじろぎ、
「ブローノ・ブチャラティだ……」
と答えた。
「そうですか、あのとき探していた人たちは見つかったんですね。アーモリー・ワン、あんなになってしまいましたけど、怪我はなかったですか?」
ブチャラティとルナマリアは同じ席に座って話していた。ブチャラティには、彼女と話す必要性はなかったのだが、ルナマリアの強い希望と、
周囲の「照れるな照れるな」「俺たちのことはいいから彼女を大事にしなくちゃ」「後は若いもんに任せて」といった勘違いしたうながしによってこういう形になってしまった。
「いや、被害の中心にはいなかったし、すぐに非難できたから何も問題はなかった」
「よかったぁ。私もいろいろあったけど、怪我もなくこうして元気でいます。お互い運が強いですね」
ルナマリアは笑顔で言う。しかし、
「元気?」
突如、ブチャラティの視線が射抜くような鋭さを帯びた。そして、すっと右腕を伸ばし、ルナマリアの左頬にかかる髪を、軽く掬い上げる。
「え、ええ!?」
突然の行為に、ルナマリアは目を白黒させる。だがブチャラティはかまわず、髪に隠れていた肌を見て、
「これは嘘をついている……汗と肌だ」
静かな口調でそう言った。
「な、なんですかいきなり?」
「君は嘘をついている……君は元気だと言ったが……本当にそうか?」
深く……差し込むような視線がルナマリアに浴びせられる。
「な、何言ってるんですか……私は、全然なんとも……」
言いつくろおうとしたが、彼の目を見ているうちに、ルナマリアは腹の底から込みあがってくるものを感じた。
「うっ、ぐぅっ、ふ、うええぇぇぇぇぇえんん」
気がついたときには、ルナマリアはただ涙を零し、嗚咽を漏らし、子供のように泣きじゃくっていた。無意識のうちに、髪を掬い上げた彼の手を握り締め、その温もりにすがるように、泣きじゃくっていた。
それは、誰もが気づかなかった彼女の弱さ。
彼女自身、気づいていなかった苦しみ。
同胞を失った悲しみ。
戦いと死の恐怖。
仇も討てない自分の不甲斐無さ。
いくら軍人として教育を受けたとはいえ、実戦経験などない少女が、覚悟する間も与えられずにいきなり殺戮の場に投げ出されたのだ。
彼女にはシンほどの闘志もなく、レイほどの冷徹さもない。戦う内は無我夢中で気がつかなくても、精神は着実に痛めつけられ、音のない悲鳴をあげる。
それがこの、誰よりも人の悲しさを知る優しさを持った男によって見抜かれ、ここにさらけ出されたのだった。
ブチャラティは、彼女が何を仕事とする人間なのかは知らない。そもそも仕事についているのかどうかも知らない。少なくとも、軍人であるとはまったく思っていなかった。未熟な彼女からは、軍人特有の殺伐とした気配を感じられなかったから。
ただ、彼女があの混乱の中で苦しんだということはよくわかった。その混乱を生んだものである自分が彼女を助けようとするなど、馬鹿馬鹿しいまでの偽善だとわかっているが、それでも見過ごすことができないのが、ブチャラティという人間であった。
「少しは楽になったかい?」
ルナマリアが泣き疲れて涙を止めた頃合に、ブチャラティは訊いた。
「ぐすっ、ふすっ、ふぁい……」
やや鼻の詰まった声で彼女は答える。
「す、すいません……こんな、急に泣き出したりなんかしてしまって……」
次第に感情が落ち着いてきたらしく、恥ずかしそうに顔をうつむかせた。
「いや……気にしないでいい。俺は君とは他人も同然だし、名前だって今知ったばかりだ。君のことなど何も知らないし、何をしてやることもできない。それでも手を握るくらいはできるから、そうしたまでのことだ」
迷惑を感じるどころか、助けになれないことを歯がゆくさえ思っている彼の態度に、ルナマリアは感動を覚えたが、同時に自分が彼の右手を両手で握り締めていることに気づき、泣いた後という以外の理由で、顔を真っ赤にした。
「し、ししし、失礼しました!! わ、私はこの辺で、そ、その、ありがとうございました!!」
羞恥のあまりにパニック状態に陥ったルナマリアはいきなり立ち上がると、逃げるようにその場を去っていった。
ブチャラティはやや呆然と少女の後姿を見送った後、苦笑を浮かべた。
「まあ、少しは元気になれたかな」
―――――――――――――――――――――
「はあっ、はあっ、はあっ」
ルナマリアは荒い息をつき、足を止めた。
「うう〜〜、恥ずかしい、恥ずかしいよう」
思い出すと顔から火が出そうだ。まさか人前であんなに泣くことになろうとは。しかも少し憧れを抱いていた男性の前で。
「ああ〜〜、飛びてェ〜〜ッ!!」
顔を抑えながら呟く彼女であったが、その胸の内にはもう一つ別の想いが宿っていた。
彼はなぜ、手を握ってくれたのだろう? 今日名前を知ったばかりの小娘なんかのために。
(彼はマジになって私を心配してくれた。彼には何の得もないのに……彼の手の感触を思い出すと、勇気がわいてくる)
ルナマリアは一つの確信を抱いていた。この想いがある限り、これからの戦いを乗り越えることができると。
SIDE:ユウナ
ユウナ・ロマ・セイランが対面したモルゲンレーテの使者は、快活な笑みの似合いそうな生命力に溢れた男性であった。粗野な雰囲気ではあるが、教養がないわけではないだろう。その目に宿る深みからは、見た目以上の経験を感じさせる。
(油断ならないな……)
ユウナはそう判断した。隣のウェザーも、似たような判断をしたらしく、物腰に適度な緊張が感じられる。
「じゃあ話を聞こうか。えーと、確か前にも会わなかったかい? 僕と話したことはないが、カガリやアレックスを訪ねていた……なんという名前だったかな」
「ああ、よく憶えていますな」
男は手にした帽子を胸に当てて一礼した。
「スピードワゴン…ロバート・E・O・スピードワゴンと申します。以後、お見知りおきを……」
To Be Continued……
以上です。
ブチャラティにルナフラグを立ち上げました。どういうことになるかは未定。アスラン女難は面白いとは思いますが、鬱陶しいので無しの方向で。
次回、スピードワゴンは単なる使者なので、大した活躍はない予定です。
まだ半分もキャラが出ていません。この7話は長くなりそうです。
>>833 カガリとナランチャは喧嘩しながらもいいコンビになりそうだなぁと思いました。でもラクスに「ド低能がァーッ!!」をかますフーゴの方がもっと見たい。
>>834 私も知りたいので教えてください。
GJ乙!
舐めたかと思ってブルっちまったwww
gj!
俺も舐めたかと思ったww
>>843 投下乙!
そういやさ、前にスピードワゴン出てきた時に聞きそびれたんだけど、何でスピードワゴンだけ若返ってんの?
>>846 ジョジョキャラが種世界に復活したとき(復活理由はそのうち書くつもりです)に、この頃の自分でありたいと強く思った姿になって復活したためです。
ポルナレフは車椅子状態になる前でありたかったから3部の肉体に戻っており、スピードワゴンはジョナサンと冒険をした頃の姿に、
シュトロハイムはドイツの科学力でつくられた肉体に、グレーフライは花京院にズタズタにされる前の姿に、それぞれ戻っているわけです。
話を作りやすいように考えた設定ですので、あまり突っ込まれると矛盾点は出ると思われますが、そういうことです。
まあ、1部、2部キャラも多くいるけど、
それでも3部以降のスタンド使いキャラが圧倒的に多い訳だし、
幽霊が死んだ時の姿を維持したり、若い時の姿で出てきたりするように、
その人の精神力(正確には具現化力ともいうべきか?)次第で、
蘇った時の姿、年齢にばらつきがあるのは面白い設定かと。
どっちかというと『魂の年齢』が若いから、若い姿で種世界で復活。
…っていうのが面白いかな?
人間、外見の割には年寄りみたいな性格だったり、
外見よりも若い性格、行き過ぎると餓鬼そのものって奴もいる。
ゆえに『魂の年齢』が死亡した時の姿より違う奴もいる。
…って事でどうかなと。
DIOの台詞を思い出すんだ・・・過程や方法などどうでもいい結果だけを見ればいいんだ。
つまり面白ければ、問題が無い。
単に作者が「「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーッ!!」っての使いたかったのが理由だったりして。
とすると、それを言う相手は誰なのか・・・ってラクシズしかいねーよな
投下します。
「スピードワゴンね……憶えておくよ。それで、モルゲンレーテはなんて言ってきたんだい?」
場を支配するため、わざと偉そうに訊いたユウナに、スピードワゴンは答えた。
「モルゲンレーテはフリーダムのことは『知らない』、とのことです」
「……へえ、そりゃ面白い返答だね」
ユウナの目が鋭くなり、ウェザーも協力するように殺気を放出する。
「フリーダムを『知らない』? 猫の手ほどの戦力も借りたいこの状況でそう言うのかい?」
知らないはずはない。カガリがフリーダムを回収、修理、保管するにはモルゲンレーテの力なくしてできるはずはないのだ。
「私を脅しても仕方ありませんよ。私はただの使者にすぎません」
スピードワゴンのふてぶてしい態度が気に障る。
「ああわかってる。で、他に言うことは? なけりゃ強制捜査に踏み切るけど?」
「まあ慌てずに……モルゲンレーテにはフリーダムを知らないとしか言えない理由があるんです。その一つは、セイラン家を信用できないということらしいですな」
「……それ、そんなにはっきり言ってきたのかモルゲンレーテは」
「いいえ、もっと綺麗に包装してありましたけどね、わかりやすい方がよろしいでしょう?」
ユウナはため息をついた。この男、思っていたより遥かに面の皮が厚いようだ。
「……まあいい。それから?」
「国家元首が昏睡状態であちらさんも焦ってるわけですな。何せモノがモノです。核の軍事利用を禁止するユニウス条約を破った、核エンジン及びニュートロンジャマーキャンセラー搭載機。元首の庇護下になけりゃ、犯罪者として処罰されるわけで」
「なるほど。けどさっき、一つはって言ったね? 他にあるのかい?」
「もう一つは、フリーダムはモルゲンレーテだけのものではない……遠まわしに言えば、さる桃色髪のお方が関わっているそうで」
「あ〜〜」
ユウナはなんだか凄く納得してしまった。
「私もその辺よく知らないのですが、もともとあの方が持ってきたもんということで、所有権はあの方にあるとかで……モルゲンレーテの独断では決められないのだとか」
確かフリーダムはザフトからあのピンクが盗んでキラ・ヤマトに渡したものだったと聞く。とすれば、本当の所有権はザフトにあるはずでは……とユウナは考えたが、今は話を続けてもらうことにした。
「だが、だからって知らぬ存ぜぬを通せると思っているわけではないよね?」
ここまではっきりと言うからには、何かあるに違いない。
「それはもちろん。で、私に一任されたわけですよ。あなたが信頼できる人間かどうか、見極めるという役目をね」
「……なんだって?」
ユウナはきょとんとしてスピードワゴンをまじまじと見つめた。
「もし私が、あなたを信頼できない人物と見たら、モルゲンレーテはフリーダムについて関知していないと、合理的な説明をし、納得していただく予定でした。あるいは、こちらがつかんでいるセイラン家のスキャンダルを見せ、脅すつもりでした」
ユウナは内心ギクリとする。セイラン家は確かに真っ当な政治を行ってはいない。2年にしてオーブを復興させるために使ったやり口は、決して奇麗事ではないのだ。賄賂から脅迫まで、あらゆる手を使った。
それを公表されたら、セイラン家は非常にヤバイ。
緊張するユウナに、しかしスピードワゴンは暖かな声で言った。
「しかしながら、こうして見るに、貴方は信頼できそうな御仁だ。以前見かけた時とは大違いですな」
「な……!!」
面と向かって言われ、ユウナの顔が赤くなる。隣でウェザーが無言で頷いていた。
「う、な、いや……そ、そうかい、信頼するのは勝手だけどね」
少しばかり無意味な声を出した後、気を落ち着かせてぶっきらぼうに言う。しかし顔はまだ赤かった。
「私は、悪い人間ばかりの環境で生活していましたからね、悪党ってのは匂いでわかるんですよ」
スピードワゴンは、ユウナの悪ぶった態度も平然と受け流す。
「匂い、だって?」
「ええ、こいつには少々自信がありまして」
スピードワゴンが『向こうの世界』で成功できた鍵は、信頼できる者とできない者を嗅ぎ分ける力であった。
だが、一度だけ、それも致命的な失敗があった。かつての戦友の裏切りを嗅ぎ取れなかったあの失敗。あの時、あの男は、確かに清廉潔白な友であったはずなのだ。それが遺跡の中に辿り着いた時には、己の欲望のために無関係の人間までも殺す悪鬼に変貌してしまった。
あの日から彼は戒めている。人が、善から悪に転じる速さは、光の速さをも上回るということを。
……今回はなんとなく大丈夫な気がしているが。
「まあいいさ。それで信頼したらどうするんだい?」
スピードワゴンの暗い過去も知らず、ユウナは急かした。
「ある場所に、貴方を案内します」
「ある場所?」
スピードワゴンはポケットから折り畳まれた地図を出し、バサバサと広げて、
「ここです」
と、一点を指差した。そこには、『アカツキ島』と書かれていた。
―――――――――――――――――――――
スピードワゴンの案内を受け、ユウナとウェザーはアカツキ島の地下深くに来ていた。こんな場所があるとは知らなかったが、今更驚く気にもならない。
「やたら深く潜るねぇ」
「それだけ機密事項ということです」
ユウナたちにはわからなかったが、ここまで潜る途中にも地下施設があり、そこにはあの『アークエンジェル』もあったりした。今回用意された通路は、そういった別の地下施設とはぶつからず、一直線に目的の場所に行く通路であった。
「……着きました。ここです」
スピードワゴンが指差した先にはパネルがあり、そこには、
『この扉、開かれる日の来ぬことを、切に願う』
そう刻まれていた。
「……なんだいこれ?」
「ま、ちょいと待ってください」
スピードワゴンが何やら操作すると、壁が、いや、壁のように見えた扉が、音をたてて開いていく。
「モルゲンレーテも桃色の方ともめたくないので、フリーダムは渡せない……代わりにこいつを、とのことで」
「この中に、何があるって言うんだ?」
ユウナの問いに、スピードワゴンはなぜか微妙に引きつった顔をした。疑問に思いつつも、ユウナとウェザーはその部屋に足を踏み入れる。
そして部屋の電源が入れられた。
「うわっ」
ユウナが部屋中を照らす光の眩しさに声をあげる。
「……なんだこれは」
ウェザーの方はまぶしさに目を細めながらも、そこにある物を確認したらしかった。ユウナが目を開けると、そこには、
「なぁ……!?」
黄金に光り輝く、MSが立っていた。
「これ……ガンダム?」
ユウナの呟きのとおり、二つの目に、角のようなアンテナはガンダムに酷似している。
「アカツキ、という名前だそうです。前回の戦争では未完成だったのを、モルゲンレーテが完成させたものだそうで」
二人が困惑していると、どこからか『声』が聞こえてきた。
『カガリよ……』
ユウナはその声に聞き覚えがあった。
『もしお前が力を欲する日、来たれば、その希求に応えて、私はこれを贈ろう』
「この声、ウズミおじさん!?」
驚くユウナの耳に、『声』はただただ流れ続ける。
『教えられなかったことは多くある』
「わ、わかってたんなら、もう少し政治家としての教育をさせといてくれれば……」
『私はただ一つ、これのみを贈る』
「こんなの作る金があったら、オーブ復興に必要なものいろいろ残せただろ?」
『護るための剣、いま必要ならば、これを取れ!』
「ていうか、あんた兵器開発はしてないんじゃなかったのかよ!」
『どうか、幸せに生きよ。カガリ……』
それで『声』は終了した。
「……ウズミおじさん」
ユウナの呟きは、父からの娘への愛に対する感動などは一切なかった。ただ、『聞くんじゃなかった……』という脱力感があった。
「なあユウナ……」
「……なんだいウェザー」
あまり聞きたくなかったが、ユウナはウェザーの言葉をうながした。
「この前、俺はアスハ首長に、『ウズミ・ナラ・アスハが良い人間であったこと、否定はしない』と言ったが……」
「うん……」
「ウズミ・ナラ・アスハは悪くはないにしても……馬鹿だったのではないか……?」
「……そうかも」
好きではなかったが、それなりに尊敬していた人物であった。しかしこれはちょっとひどいのではないか。
大体、兵器なんて技術が進歩すればすぐに時代遅れになる。それなのにこんなもの残してどうしろというのか。これが十年後であったら間違いなく無用の長物になっていたはずだ。
ウズミの死後も開発をやめなかった奴らはそれに気づいていたのか、いなかったのか、どっちにしても馬鹿馬鹿しい。
「あー、まあ、お気持ちはお察しします」
スピードワゴンが困った顔で頬を掻いている。
「慰めないでくれ……なんかもー無かったことにしたいくらいなんだ」
「そうは言いますが、これも戦力にはなりますよ? ミラーコーティング装甲はビームを反射する優れものですし、運動性能も現在の最新鋭機体にも劣らぬほど優れてます」
ユウナはうなだれながらも、このMSの運用方法を考えていた。認めたくはないが、これを使えば単純な軍や民衆は
「この事態に備えていたなんてさすがウズミ様! セイラン家なんぞにはできないことを平然とやってのける! そこにシビれる、あこがれるゥ!!」
と喜び、士気を上げるだろう。
戦力としてもフリーダムに並ぶ、いや、ユニウス条約違反とかの負い目がない分、フリーダムよりいいかもしれない。だが、
「使いたくないなぁ……」
「うーむ……」
「いや、ホント気持ちはわかりますがねぇ……」
三人は、無駄なまでに光り輝くMSを眺めながら、同時に深いため息をついた。
To Be Continued……
以上です。
アカツキ出しました。ウェザーは乗りません。
>>834 引き続き、情報をお待ちします。
朝も早くからGJ!アカツキはユウナ所持になったか、これで本編のバランスが多少は
>>使いたくないなぁ……
激ワロスwww
でもウェザーじゃないとすると誰だろう
GJ!
しかし国営企業がこの様とは、オーブ終わりすぎだろ。
読者とユウナの台詞のシンクロ率はかなり高いとみたw
フリーダムに比べれば扱いやすいし、国難でカガリに渡す条件は揃ってるとし言え
こーゆー渡し方はどーよネルゲンレーテ社w
862 :
861:2007/07/23(月) 18:07:28 ID:???
っと、書き忘れましたがGJです。
>>858 GJ
キラモーニからの脱出というと
現在進行中、もしくは完結済みだと
外部に移転したX運命か・・・他は何だっけ?
乙
彼の突っ込みと、使いたくないというボヤキには激しく同意だな
>>863 同じく外部だが、流離うも脱出してる(むしろキラがアスランを亡き者にしようとしてる)
あとWキャラスレで二つとジュール隊スレにあります。
ただキラモーニから脱したと言っても、ほとんどがキラからどうしようも無いほど手痛く裏切られ、信頼が憎悪に裏返っただけでキラに対するコンプレックスを完全に解消させたSSはみたことがありません(強いて言うならW運命ぐらい)
正に針の山としか言えない程の苦難の道ですが頑張ってください
情報ありがとうございました。
検索してそれらしいものを見つけ、ざっと読んでみました。しかしこれほどまでいかなくてはキラモーニ脱却にならないとなると、流石にきつい……。
今週忙しいので続きはもう少し待ってください。
逆に考えるんだ
もうヘブンズドアーかホワイトスネイクをキラに使っちゃいないよ!
「書き換えて」しまおうぜ!
>>869-870 まて、書き換えるためには記憶を読まないといけないだろうし
そうすると正気度が減ってくよーな。
戦場では良くある事だと言えなくは無いですが。
露伴なら嫌いつつも面白がって「本当に殺せない」「マジで戦争を止める」とか書き込みそう。
しかし、能力で強制してると逆に可笑しくなりそうだなぁ…。
よし。ここは逆の発想で行こう。
どうしようもないキラモーニだからこそ、
キラモーニで無くなるようにするんだ。
厳密には完全解消とは言わないかもしれないが、
その気持ちがキラと距離を置く事につながれば、
解消は解消だと俺は思う。
…これがすげー難しいだろうけど、下手な説得よりはイケると思う俺がいる。
だって、解消に成功したSSが少ないぐらいキラ依存が酷いんだから、
その恐ろしいパワーを逆利用できれば、出来そうな気がするんだ。
アスランがキラを思うこと、ヴァニラ・アイスがDIO様を思うが如し。
キラモーニについては書きながら考えます。
一応書けたので投下。
SIDE:レイ
他のミネルバ・クルーが上陸許可を得て、思い思いに楽しんでいるとき、レイ・ザ・バレルは一人黙々と射撃練習をしていた。実際、射撃場にはもう一人いるのだが、会話も何もないので一人と同じである。
そのもう一人の名は虹村形兆。この艦において誰よりも孤高を貫く男。そして、ギルバート・デュランダルの真意を知る人間。
レイは思い起こす。彼がこの世界に現れた、いや、『復活』した日のことを。
形兆はレイとデュランダルが二人だけで部屋にいたとき、突如天井近くの空間から現れた。空間がぐにゃりと飴細工のように曲がったかと思うと、歪みは次第に何かの形となっていき、やがて色と輪郭が生まれ、人間の姿となって床に落ちて来た。
受身をとることもできず、床に激突して痛みにうめきながらも立ち上がった男こそ、虹村形兆であった。
さすがに驚愕しながらも、デュランダルはそれを表に出さずに押し殺し、形兆に声をかけた。レイはいつでも形兆を銃で撃てるように身構えていた。
「君は……何者かな?」
「何者……といわれても困るが、俺の名は虹村形兆だ」
話が通じることがわかると、デュランダルは彼から話を聞いた。後から考えれば拘束するなりした方がよかったのかもしれないが、現れ方からして普通ではなかったため、その辺りの判断をつけられなかった。
デュランダルと形兆は情報の交換をしあった後、双方難しい顔で黙り込んだ。
「スタンド能力? 吸血鬼DIO? 一度死んだ?」
「コズミック・イラ? プラント? コーディネイター?」
とても信じられない……双方にそんな思いが滲み出ていた。
「よかったら……君の言うスタンド能力とやらを、わかる形で示してくれないか?」
デュランダルは普通の人間には見えないというスタンドの力を表してくれるよう頼んだ。
形兆は頷くと、部屋の隅の花瓶を指差し、
「あれ壊していいか?」
「あ、ああ、それほど高価なものではないが」
「撃てぇぇ!!」
バリィィィンッ
花瓶に無数の穴が開き、その衝撃で粉々に砕け、床に散らばる。
「………!!」
レイもデュランダルも言葉が出なかった。理性では何かのトリックという疑いは捨てきれないが、心情では、すでに形兆の存在を認めていた。この男が真実のみを口にしているのだということを。
「さて、今度はあんたが証拠を示す番だなぁぁ」
デュランダルは形兆の要求に応じた。応じるのは容易かった。MSやコロニーを見せてやるだけでよかった。形兆もさきほどのレイたちと同じく、疑いを残しながらも、半ば以上信じるという思いになったようだった。
存在を認めた以上、デュランダルは彼の能力を自らの計画に取り込むことを考えた。形兆の能力は有益であり、敵に回せば脅威となりうる。目に見えず、検査にも引っかからない。証拠も残らない。暗殺にこれほど適した能力もない。
デュランダルはデスティニー・プラン…人類社会を遺伝子に基づき、管理する計画のことは隠したまま、戸籍や生活の面倒を見る代わりにザフトに入り、力となってほしいと交渉した。それに対する形兆の答えはこうだった。
「……俺は失敗者であり、敗北者だ。人生を奉げた目的を、ついに果たせないままに死んだ。目的がもはや達成できない以上、俺の人生は始まることはない。俺の生は既に終わっている……
だが、生きることをやめることもできない。安易な死など、許されるべきじゃぁない。残してきたもののことを思えば……俺だけ楽になることはできない。生き場が得られるのなら、この取引に応じよう」
その時の顔を見て、レイとデュランダルは、なぜこうも形兆の奇想天外な言い分を信じられたのかわかった気がした。
彼はどこか似ているのだ。かつて地球を滅ぼそうとした彼らの友に。自分の人生を持ち得ないその絶望が。
こうして形兆はザフトに入った。
デュランダルは形兆に軍人としての能力は期待していなかったが、彼は見る見るうちにコーディネイターにも勝る成長を遂げていった。
しかしそれは形兆に力を高めること以外にやることがなかったためだ。他の兵士が休みを取り、遊ぶ間にも、形兆は訓練をした。訓練しかしなかった。
「生きる理由もないが、無能な奴に殺されたくもないんでな」
生に絶望しながらも、死ぬことを拒絶する。そんな強さを、あるいは歪みを抱えながら、彼は確実に力をつけていった。
デスティニー・プランの真実を告げたときも、形兆は平然としていた。
「くだらん計画だとは思うが、別に反対はしない。その計画が受け入れられるかどうかは結局民衆の意思にかかっているのだしな。民衆が自ら自由意志を放棄するならそれは仕方ない。
反発するならそれもいい。その意思を貫き通せず、敗れるとしても、それはそいつらが弱かったというだけの話だ」
彼は常に冷然とし、善悪より強弱を重要視し、他人にほとんど関心を持たず、それはレイやデュランダルに対しても同じだった。レイがクローンであることも、デュランダルが計画を立てた理由も知ろうとしなかった。
自分には人生を彩る何者もあってはならないというように。
レイはかつて訊いた。死んだ後、人はどうなるのかと。長く生きられない彼にとって、これは無視しえない問題であった。
「よく憶えてはいないな。生き返ったばかりの時は憶えていたと思うが、夢から覚めた後のように忘れてしまった。ただ億泰と会って、あいつにどこへ行くのか訊いて……」
億泰というのが誰かは知らなかったが、そのときの彼の表情は、レイが初めて見るものであった。懐かしさと、寂しさと、愛しさと、誇らしさの篭った、微笑みであった。だがすぐに恥じるように微笑みを消すと、いつもの仏頂面になり、
「話は終わりだ。一つ言えることは、死後の世界なんて期待するなということだ。こちらの世界にも霊魂が実在するという保証はない」
彼はその頃、レイがクローンだとは知らずとも、長くは生きられない体だとは知っていたようだ。それでも遠慮容赦をしないところが彼らしい。
レイは形兆を信頼しているわけではない。好きなように利用することのできない危険要素とも考えている。デュランダルの邪魔となる時は、撃つ覚悟を決めている。だが、できればそうしたくはなかった。信頼していないといえ、嫌っているわけでもなかったから。
レイにとってもう一人の自分であり、兄のような、父のような存在。生きる事に絶望を抱いた彼、ラウ・ル・クルーゼを思わせるこの男のことを。
そのくせにレイともラウともまったく逆の存在であるかのように、強く誇り高く生きる彼のことを。
そして彼ら二人は、今日も一度として話すことなく、訓練で一日を終えるのだった。
To Be Continued……
以上です。
自ら父を殺すことに人生を奉げた形兆。
創造者に人生を奪われたラウとレイ。
経緯はまったく逆なれど、共に自分の人生を持たないものであるということから書いてみました。
シンとポルナレフ、レイと形兆、ルナマリアとブチャラティのセットができたわけです。
GJ ア〜ンド 乙!!
>>アスランがキラを思うこと、ヴァニラ・アイスがDIO様を思うが如し。
なんか格好よく言ってますけど、それ理屈で説明できないってことじゃww
理屈を超越したDIO様を崇拝するヴァニラは分かるが、キラを崇拝するアスランの説明にはなってないwww
とってもとってもと〜っても乙!
スクアーロのために命を捨てたティッツァとも違う感じだしなあ>キラモーニアスラン
何故かユウナは二次創作だとかっこよく書かれることが多い不思議。
このSSではトダカやアマギ等、オーブ軍人との絡みも期待できそうだ。
…出るんだろうか、トダカ。
ユウナがかっこよく書かれるのって、原作本編がアレだからじゃないか?
正確には、原作の最後がアレだからだろうなー
ガガリにまっとうに意見を言った上に、後でフォローもする真っ当な人だったのに…… orz
嫁補正の被害者の象徴の一人だからだろうな。
最後までデュランダルのようにファビョったりしてないのもでかい。
視聴者からするとそれなりに真っ当な行動をしてるのに悪の権化扱いされるキャラとしては
種死の代表格と言えるだろう。
ファビョる前にぶっつぶされたとも言える気もするが…ファビョる可能性あったのか?ユウナ
多分なかったと思うけど
ユウナは種シリーズ有数の良心だ
投下します。
SIDE:アーサー
オーブのとあるバーに、二人の男が並んで座っていた。
一人は逞しい大柄の男性で、もう一人はどことなく頼りなげな男性であった。
大柄の男の名はダイアー、もう一人の男の名はアーサーといった。
「うう……僕だって、僕だって一生懸命やってるんだ……艦長ひどいや……」
アーサーは真っ赤な顔で涙を滝のように流していた。飲む前は悩みなんか無さそうな、お気楽な男なのに、カクテルをコップ一杯飲んだだけでこの有様である。ここ三日、同じことを繰り返している。
「そう酒ばかり飲んでは体に障るぞ。これでも胃に入れろ。静脈注射してもいいようなとびきりのスープだ」
ダイアーは呆れ交じりに忠告し、スープを奢ってやる。宇宙船乗りにとっては縁起の悪すぎる料理であるが、アーサーは泣きながらそれを受け取った。
「人の情けが身にしみるぅ……」
それから一時間もしないうちに、アーサーは寝こけてしまった。いつものことだ。
そして、
「ちーっす」
「副長、お邪魔してませんか〜?」
「あー、やっぱり」
店の入り口から三人の声が聞こえる。少年二人と少女一人。確か名前は、ヨウラン、ヴィーノ、メイリンだったか。アーサーの職場に勤めているらしく、いつも酔いつぶれたアーサーを迎えに来る。上司としての面目はまるでないが、ある意味、愛されているのだろう。
「ほら、起きてくれよ副長」
「財布出して、お勘定払わなきゃ」
「むにゃ……」
「あ、ダイアーさん。今日もまたうちの副長がご迷惑を」
メイリンがペコリと頭を下げ、ダイアーは苦笑を浮かべる。そしてカクテル代が払われると、まだ半分眠っているアーサーを少年二人が肩に担いで運んでいく。
ダイアーはそっと波紋を流し、アーサーの身体機能を上げ、アルコールの分解を助けてやった。これで明日は二日酔いなどにならずにすむだろう。
「ほらしっかりしてくださいよ……」
「う〜、いつもすまないねぇ……」
「それは言わない約束でしょ……」
そんな声が次第に遠ざかっていくのを聞きながら、ダイアーは一人飲み直しを始めるのだった。
SIDE:シン
シン・アスカは、かつての戦争で犠牲になった人々を弔う、慰霊碑があるという場所へ向かっていた。彼の家族も弔われている場所に。
「ここは……変わったな」
慰霊碑は、シンの家族が死んだ場所の近くにあり、行くまでに流れ弾を受けた場所も通ることになった。そこも今は芝生の生えた公園になっている。シンは両親の亡骸と、ちぎれた妹の腕を思い起こし、怒りと憎しみがぶり返させる。その激情を押さえ込み、
(オーブは……これからどうなるんだ……)
現在と未来に目を向ける。オーブは反連邦、親プラントに傾いていることは知っている。それはプラントに身を置くシンにとっては歓迎すべきことだ。だがオーブがまた戦争に巻き込まれる以上、喜ぶ気にはなれない。
(しかも、今回は政府じゃなく、国民がそれを望んでいる……それに対し、オーブ政府はどうするつもりだろう……)
昏睡状態にあるカガリに対しての感情は複雑だ。嫌いな相手であったが、最後に見せた毅然とした態度を思うと、ざまあみろという気にはなれない。
「あれだけのこと言ったんだ。こんなことで死ぬなよな」
嫌いなことは変わらない。憎しみも鈍らない。だが、同時に何かを期待している部分も確かにあるのだ。
思い煩いながら慰霊碑の前に着くと、そこには先客がいた。
黒い髪をした男が、肩越しに振り返りこちらを見ていた。シンは同い年くらいかと思ったが、実際はシンより年上であった。彼の名は、ナランチャ・ギルガといった。
「……よぉ」
彼はシンにそう話しかけた。
「お前、これ何か知ってる? この国に来たの初めてなんだけど、適当にぶらついてたら意味ありげなものがあったからさぁ」
「あ……慰霊碑です。二年前の、戦争の……」
「戦争……」
シンの言葉に相手はちょっと気まずげな表情をつくる。
「あー、お供え物持ってくるべきだったか?」
「いえ……お気持ちだけで充分です」
口調はやや乱暴だが悪い人物ではなさそうだと、シンは判断した。
そこに、足音が近づいてくる。シンが振り向くと、褐色の髪をした、穏やかそうな男がいた。シンより少し年上のようだ。
「よぉ、なあ、これ慰霊碑なんだってよ。知ってたか?」
「ああ……知ってるよ。来るのは初めてだけど」
ナランチャに答え、褐色の髪の男は哀しげな顔をする。
「海の水を被っちゃったみたいだね……花が枯れちゃうな……」
ユニウスセブン落下によって引き起こされた高波が、この辺り一帯に被害を与えたのだろう。周囲の花も芝生も生気がなかった。
「いくら綺麗に花が咲いても、吹き飛ばされるんだ。人の手で……」
シンは気がつけば呟いていた。
戦争によって、多くの命が失われた。その悲しみが癒えぬうちに、あるいは、癒えぬからこそか、人はまた戦いを起こそうとしている。憎悪と殺戮は、人の業なのか。永遠に終わることのない運命なのか。
戦う覚悟はすでにしているとはいえ、その愚かさに、シンは怒りと哀しみを抱いた。
「君は………」
褐色の髪の男――キラ・ヤマトは、シンの慟哭にも似た言葉を受け、沈痛な面持ちになったが、言葉が見つからないでいた。
そしてナランチャは、
「あー、花吹き飛ばすような奴がいるんなら、俺がやっつけてやってもいいぜ?」
いまいち話がわかってなかった。
「それは駄目だよ。暴力を振るえば、それは憎しみを呼び、新たな争いを生む。許すことが大事なんだ」
キラは幼い子供に言い聞かせるように言う。だが、
「争いが起こったら勝てばいいんだろ? 花をいじめるような奴に俺が負けるわけねえって」
「いや……そうじゃなくて」
キラは困った顔になるが、ナランチャは言葉を続けた。
「それによー、ここの花を吹き飛ばすってことはよー、ここで慰霊されてる人たちや、慰霊している人たちの想いを侮辱するってことだろ?
そんな奴を許すわけにはいかねーよ。侮辱するという行為に対しては、殺人すらも許される……言うこととやってることの違う蛸野郎の台詞だが、結構正しいと思うぜ」
シンはドキリとした。花という比喩に気づかなかった男が、実はことの本質を突いていたからだ。
戦いは起こる。命、心、誇り、金銭、権力、地位、家族、恋人、宗教、信念、自由、正義……それぞれの人間が、譲れない大事なものを持つ限り。そして何もかもを譲ることを許せるのなら、それはもう人間ではない。
ユニウスセブンを落としたコーディネイターたちも、カガリを暗殺しようとしたブルーコスモスたちも、譲れぬものがあったには違いない。
「どんなことがあっても、殺人が許されるわけはない!」
キラがその声に若干の怒りをにじませる。
「別に許されなくてもかまわねえさ。地獄に落ちても別にいい。けど、生きている者として、死んだ者の想いは受け継がなきゃいけねえ。その想いが侮辱されたことを、見過ごすことだけはできねえぜ」
ナランチャは、かつてアバッキオが命と引き換えに、自分たちに道を示してくれたときのことを思い出しながら言い切った。
険悪な雰囲気になる二人に、シンが割って入る。
「待ってくれ。花を吹き飛ばした奴は、俺が片をつけるから。あんたは気にしないでくれ」
「え? そうか? 手伝ってもいいぜ?」
「いや……これは、俺が受け継いだ想いだから……」
二年前ここで死んだオーブの民。その想いは、同じ民である自分が受け継がなくてはならない。
「ふーん……じゃ、俺の出る幕はないな」
ナランチャは素直にそう言うと、
「じゃあな。次来るときがあったらお供え持ってくっから」
その場を立ち去っていった。
残されたシンとキラは目を合わせたが、互いに何も言わなかった。ただ、どちら胸にも今の彼の言葉が刺さっているのがわかった。
人はなぜ戦うのか。戦いをなくすことができないのか。その問いの難解さが、改めて思い知らされたのだ。
そして二人は無言のまま、どちらともなく違う方向へと歩き出した。
その日、大西洋連邦はついにプラントを敵性国家と定め、戦争へと向かっていた。
戦争と戦争の狭間の時間は、この日に終わったのである。
To Be Continued……
汝の敵を許せ。だが、その名を決して忘れるな。――ジョン・F・ケネディ
そう簡単に許しあえるわけはない、ということを考えて書いてみました。アーサーについては酔いつぶれて部下に世話されてるアーサーを書きたくなっただけです。
第7話『狭間の時間』終了。次回は第8話『泥を見る者』を予定しています。
221 ◆KtKsDuZC0Q氏GJ!!
次はいよいよ神父のお出ましか!?
WSかMIHのどっちになるんだろう?
>>892 投下乙〜。↓こういうのもあるな。
敵には強敵、大敵、小敵、弱敵、若敵の五つがある。このうち、強敵とは比類ないほど勇猛な大将に率いられ、その配下もまた同様であるものをいう。
この強敵のうち、幾つかの国を持ち、武名高く、欠けたるところがない者を名将という。
そして名将の中には、攻め滅ぼすべき者――破敵、従えるべき者――随敵の二つがある。
『甲陽軍艦』
神父はこないんじゃなかったっけ
たしかこの話に出演するジョジョキャラの条件として、ジョジョ本編で死亡済、ジョースター、ツェペリ一族及び吉良を除く各部のボスはでないっていうのがあった
ワムウやエシディシはありってことだな。
毎度乙!
本当にもうナランチャって子は…
でも正論ですらないきれいごとよりはマシな気がするな、ポルポの理屈は
黒幕クル━━━(゚∀゚)━━━!!!?
そろそろ次スレの準備の季節ですね
携帯からって立てられたっけ?
900 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/01(水) 00:14:24 ID:OBMl+7x5
まだ早い
恐ろしいことにこの密度でまだ1スレ目なんだよな……
次スレのスレタイどうする?
吉良は退場しちゃったし、「ジョジョキャラが種世界に来たら」はどうだろうか
>>900 確か500KBか512KB超えたら書き込めないから、AAスレや長編スレは大体450KB前後で次スレ立ててる
次のSS投下は次スレにするべき?
まだ大丈夫だと思う。
来るなら着てください!
それじゃ行きます。
ガンダムSEED・BIZARRE
『PHASE 08:泥を見る者』
アスラン・ザラがプラントについた頃、もはやプラントと連合国の戦いは避けられないものとなっていた。
すでに死亡が確認されたテロリストの引渡し、賠償金、武装解除、現政権の解体、連合理事国の最高評議会監視員派遣……これらの要求が受け入れられなければ武力をもって排除する。それが連合からのプラントへの要求。
つまり、最初からまともな交渉をする気がないのだ。欲しいものは戦争の口実……いや、プラントの滅びのみ。
プラントとしては喧嘩を買うしか選択肢はない。かくして戦争は始まる。誰かの望みのままに。
プラント前面に配置された軍事ステーションから、戦艦、MS隊が発進していく。その中には、前大戦の英雄にして、ユニウスセブン破壊にも尽力したジュール隊もいた。
対して連合軍は、月面アルザッヘル基地の部隊を主力とした艦隊を差し向けた。その数はザフトのそれをしのぐ。
二つの軍団は、プラント付近の宙域にて激突した。
「くっ、なんだこいつらはっ!!」
ザフト軍の主力の一つ、ジュール隊隊長、イザーク・ジュールは叫んだ。
敵が予想以上に強いのだ。技量そのものは並みと変わらない。イザークやディアッカの優れたMS操縦技術を持ってすればたやすく落とせる。だが、その戦意があまりに高い。
落としても落としても怯むことなく、後から後からかかってくるうえに、恐怖や焦燥による乱れも見せない。
「このままじゃ、やばいぜ!」
ディアッカが言う。いくら彼らが精鋭とはいえ、数は連合軍が遥かに優位。質の差でなんとか防衛線をもたせているものの、このままでは質の差を勢いで崩されかねない。
ザフトレッドにして特務隊FAITH(フェイス)であるハイネ・ヴェステンフルスも、現状の危険さを感じていた。
「うおおおお!!」
ビーム突撃銃が放たれ、敵戦艦が爆散する。だがそれも敵の士気を下げることはない。むしろ奮い立つように三機のウィンダムが、ハイネの乗るオレンジ色のブレイズザクファントムを取り囲む。
対してハイネは激流のような動きを見せた。一機を撃ち落として囲みに穴をつくり、左右から振り下ろされたビームサーベルをかわす。そして残り二機も正確な射撃によって撃墜した。その間、三秒弱。その戦闘技術、状況判断力、まさにエースの手腕。
だがエースなればこそ、こんな個人プレイで戦局を動かせないことはわかっていた。
「何か起死回生の手はないのか……!?」
並大抵のことは陽気に笑い飛ばしてきた彼も、この状況はやばいと思わざるをえなかった。
「中々にやるな……」
突如、ハイネの機体に通信が入る。だがその識別コードは友軍のものではない!
「!!」
身を翻せば、そこには一体のMSが泰然と存在していた。
宇宙空間の闇に溶けるような全体的に黒い色調。
頭部には二本の角と二つの目。右目は円形で、左目より大きい。
丸みを帯びた四肢は、普通のMSよりも人間のものに近い。
(見たことのないMS……連合の新型か!?)
ハイネが思案していると、そのMSの背後からザフトのゲイツが襲いかかった。だが、
「フゥンッ!!」
そのMSは恐ろしく俊敏な動きで身を躍らせ、右腕を振るい、瞬く間にゲイツを破壊してしまった。友軍機が破壊されたことに対する怒りよりも、その戦闘能力にハイネは驚きを感じた。
「貴様、ザフトの中でも名のあるパイロットと見た。相手をしてもらうぞ」
MSの右腕から、三日月状のビームの刃が噴き出していた。『リスキニハーデン』と名付けられた装備。かつてこの漆黒のMSの所有者が戦った、強敵の武器を模したものである。
「へっ……ご挨拶してから戦いとはまた呑気だな」
「ふっ、こういうのはな、余裕というのだぁぁぁ!!」
そうしているうちに、周囲に連合軍のMSが集まってくる。
「閣下!!」
ハイネはその内の一機から出た通信を傍受した。
「お前たち、俺はこいつの相手をする。雑魚どもは任せる。俺の戦いの邪魔にならんようにしろ!」
「なっ、しかし……」
「こいつの相手ができるような者は俺しかおらん! そして倒すことができる者もだ! 心配せずにお前たちはお前たちで手柄を立てろ!!」
「……了解(ヤー)!」
「了解!」「了解!」「了解!」「了解!」「了解!」「了解!」「了解!」
そして周囲の連合軍MSは、全機一斉に片腕を斜め上に真っ直ぐ突き出した体勢をとる。漆黒のMSは肘から指先までを上げて応えた。それは異様であったが、壮観でもあった。
『勝利万歳(ジーク・ハイル)!!!』
一斉にその言葉を叫ぶと、MSは散っていき、ザフトMSとの戦闘を再開した。
「では……始めようか」
ハイネは少し呆気に取られていたが、相手の言葉に気を取り直す。
「……変な奴だなあんた。でも、嫌いじゃないぜ」
そう言いながらハイネは理解していた。目の前にいるMSの主こそが、この連合軍の猛攻を支える指揮官であると。ならばこの男を倒せば、連合軍は士気を下げて瓦解する。
「これだけの舞台だ。名を名乗らなきゃな。俺は特務隊フェイス……ハイネ・ヴェステンフルス!!」
「ほう、ドイツ系か……俺は連合軍少将、ルドル・フォン・シュトロハイム!!」
To Be Continued……
シュトロハイムキター!!
GJ!!
以上です。
ついにオリジナルMSが出てしまいました。ビーム刃やMSとしての基本機能以外は、まんまシュトロハイムと考えてください。
前回の静脈注射してもよさそうなスープ、わかる人いましたか?
ではまた次回。
>>911 わからない香具師はいませんよww
ネウロのドーピングコンソメスープですなw
宇宙空間でジークハイルするMS部隊に吹いたw
GJです
リスキニハーデンって、ちょ、バオーw
乙を表する!
隊員全員で右手も挙げましょうッ!
バオーktkrwww
シュトロハイムは最初言われてた通り脳みそだけで搭乗?
916 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 12:09:50 ID:cINY9i5x
ふむ、泥ということはオアシスでいいんでしょうか?
しぇっこさん現る!!
ラクス陣営に、時止の承太郎やレクイエムのジョルノが付くのだけはやめて欲しい
キラアスの和田正義と組み合わせれば凶悪過ぎ
( ゚д゚)?
形兆もポルナレフも普通にMSパイロットしてるだけ…
序章のウェザー対吉良の頃が一番良かったな…
花京院のような遠隔操縦型がこの先活躍すればと
宇宙戦中に敵MSを操って停止させたり、同士討ちさせたりする
スタンドならではのMS戦を見せて欲しい>KtKsDuZC0Q
>>917は夏休み中にこのスレを偶然見つけた厨房っぽいな(w
>>920 MS戦だとその二人の能力はあってないようなもんだからな
MS戦でイン・ア・サイレントウェイって強くね?
>静脈注射してもよさそうなスープ
確か『ヴァージニアによろしく』でしたっけ?
できれば船長と航宙士出してやってくださいw
>>914 『リスキニハーデン』は最初、『輝彩滑刀』を元に『シャイニングブレイド』や『プリズムブレイド』を考えていましたがピンとこなかったのでバオーから名をとりました。
>>917 承太郎やジョルノは出ませんし、ラクス陣営にも行きませんよ。ええ、承太郎やジョルノ『は』。
>>920 スタンド使いならではのMS戦というのは、スタンドを利用したMS同士の対戦でしょうか。吉良のようにスタンドでMSと戦うということでしょうか。
遠隔操作系はタワー・オブ・グレーで一度やりましたので、下手にやると二番煎じになるので難しいです。全然できないこともないですが期待に沿えるかどうか……。
まだまだ続きますので、お暇なら読んでやって下さい。
>>924 正解です。
船長出したら一気にサイコスリラーに早変わり
GJ!!シュトロハイムの階級が高いw
MSに乗って戦う将官なんてこいつ以外絶対いないな。
だからこそ士気がめちゃくちゃ高いのだろうけど。
ナチス出のシュトロはザフトだろうと思ったが
連合国軍的な地球側に付くか、意外な
誰がラクス陣営につくのかね
スポーツマックスとか?
930 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 23:06:23 ID:b8JOwgq+
次スレとまとめサイトマダー
魔術師の赤
やっぱ携帯からじゃあ立てられねえか…
スレタイと
>>1も作ってみたんだが、改良とスレ立てよろしく
もしもジョジョキャラがCE世界に来たら
ここは『ジョジョの奇妙な冒険』と種・種死のクロスオーバーパロディスレです。
現在、221◆KtKsDuZC0Q氏による『ガンダムSEED・BIZARRE』連載中。
同時にまとめサイト募集中です。
>>932 221◆KtKsDuZC0Q氏の作品が連載中であることはわざわざ書かないでもいいと思います。
また、以前ジョジョキャラがガンダムに乗っていることで荒らしがあったので、そこらを断り書きしておくのはどうでしょうか。
935 :
932:2007/08/04(土) 10:26:33 ID:???
>>929 ジョジョキャラはたいてい知能が高いので戦争が起きた原因を無視して目の前で戦ってる兵をフルボッコすれば平和になるとか言うラクス思想には染まらないと思う
思想でなく「キラの力に服従・利用」か「ピンクマネーで雇われ」系統でラクス陣営の味方に付きそう
とすると・・・ディオの手下のスタンド使い連中かな・・・意外に死んでないんだよね(再起不能にはなっても)タワーオブグレーは既出だし
はっきり作中で死んでるのって J・ガイル エンヤ婆・・・あ、いいのが居た
ペットショップ 鳥繋がりで
投下します。
(シュトロハイム……こいつが例の)
ハイネはその名に聞き覚えがあった。
連合軍に所属する、唯一のサイボーグソルジャー。たった一人の機械化兵成功作。それが彼であった。その肉体は首から下これ全身機械だというが、プラントのものは信じていない。そんな技術力がナチュラルにあるとは思われないからだ。
ただの宣伝用の客寄せパンダ(偽)だと思っていた。その高い階級も実の無いものだと思っていた。だが、この相手はそんなものではない。ハイネはそれを肌で理解した。
先に仕掛けたのはハイネであった。まずは突撃銃を放ち、様子見をする。対してシュトロハイムはハイネの射撃に対して、一瞬早く行動をとった。ビームは撃たれる前に目標を失い、虚空に消えていく。
(やっぱとんでもない速さだ!)
ハイネは確認しながらも信じられない思いであった。あれほどの反応速度、コーディネイターにもそうそうできるものではない。
対するシュトロハイムは、次は自分の番だとばかりに攻撃を仕掛けた。右腕のビーム刃が振るわれる。ハイネはザクの装甲に薄く傷跡をつけられながらもそれを避けた。そしてビームトマホークを握り、応戦する。
双方、高速で飛びまわりながら幾度も斬撃を振るうが、どちらも攻撃が当たることは無い。やがてハイネがシュトロハイムの背に回りこむことに成功する。
(よしッ! こいつの速度は相当なものだが、装甲は薄い!! 一撃食らわせれば落とせる!!)
機動力と防御力は両立が難しい。この新型MSも例外ではないようだ。
だがそのMSは、またしてもハイネを驚かせた。
「甘いぞ小童ぁ!!」
MSの右腕が背後へギャルルルルンと曲がる。それは人間の間接では構造的にできない動きであった。
「ぬあっ!!」
ビームトマホークがビーム刃に斬り飛ばされる。ハイネは武器を一つ失った。
「なんて変な動きしやがる!?」
「連合の科学力はァァァ!! 世界一ィィィィ!! できんことはないィィィ!!」
ビシィィィッと効果音がせんばかりに背筋を伸ばし、片腕を突き出すポーズをとった。
そのとき、ハイネのザクに通信が入る。死角となっていた極軌道から核攻撃隊がプラントに向かっているというのだ。
「じゃあ、こいつは囮だというのか!?」
これほどの戦闘力と、覇気と、部下からの支持を得た男が、囮……!?
それは容易には納得できない報告であった。
「ふっ、どうやらばれたようだな。さあどうする!?」
報告を聞いたイザークたちがこの宙域を飛び出していく。だがハイネはそこを動かなかった。たとえ核攻撃を防げたとしても、この男がいる限り、プラントの危機は変わらないと思ったからだ。
「核はイザークに任せる……あんたは、俺が止めるッ!!」
「よかろう、来いッ!!」
「くらえッ!!」
ハイネはブレイズウィザードのミサイルポッドを解放する。放たれたAGM138ファイヤビー誘導ミサイルの群れは、シュトロハイムのMSに殺到する。通常以下の装甲しか有さない漆黒のMSにとっては脅威に値する。
「ブァカ者がァアアッ!!」
だがシュトロハイムは哄笑さえ放った。頭の後ろで両腕を組むポーズをとり、MSの腹部を開く。そこから現れたのは銃口であった。
「くらえ! ビームガトリング砲だ!!」
無数のエネルギー弾は、襲い掛かるミサイル群を撃ち落していく。
(うわっ、そんなもんまで!!)
ハイネは驚きを通り越して呆れた。
(考え方としてはイザークが使ってるスラッシュウィザードに近いな。近接格闘専用のMSか。高い速度と機動力、軽量の薄い装甲、高出力のビーム刃、牽制用の飛び道具、よくできてるぜ)
ハイネはビームガトリング砲の射程から身をかわしながら、シールドからビームトマホークを取り出す。
(隙がなけりゃ、つくるまでだっ!)
「こんのォォッ!!」
ビームトマホークが投擲される。トマホークは回転しながら弧を描き、漆黒のMSへ向かう。
(さあ防いでみな!)
ハイネはビーム突撃銃を構えた。正面からミサイル、後ろからトマホーク、右からビーム、三方向同時攻撃。一つでもかわせなければ撃墜は免れない。
「甘いわぁぁっ!!」
だがシュトロハイムはミサイルをガトリング砲で撃ち落とすことを続けたまま、背後に目を向け、右腕をひねって、トマホークが飛んでくる方向に拳を向けた。
だが掴み取るにせよ、払い落とすにせよ、トマホークに意識を向けていては、ビームにまでは対処できまい。そう思ったハイネに、シュトロハイムはまたしても予想外の動きを見せた。
MSの右拳が『飛んだ』。
それと同時にMSはハイネのザクに顔を向け、
右目を『光らせた』。
同時にコクピット内に振動が走り、ハイネは、ザクの腹部が閃光に貫かれたのを悟った。それは、敵MSの右目から発射された高出力ビーム砲であった。
ミサイル群はビームガトリング砲で破壊しつくされ、トマホークは『拳』によって弾き飛ばされていた。
三方向同時攻撃は、三方向同時攻撃によって防がれた。
シュトロハイムの行動が少しでも遅かったなら、片手を失う事を恐れていたら、勝者はハイネとなっていただろう。だが、シュトロハイムは九割以上ハイネの勝利に傾いた天秤を、その決断力と行動力で覆したのだ。
(やめりゃあよかった。こんな猛者に戦いふっかけんのはよぉ)
だが、ハイネの表情に後悔はなかった。軍人として、このような結果は覚悟していたし、そう悪い最期とも思っていなかった。
「見事だった。ハイネ・ヴェステンフルス。敵といえど、私はお前のような勇者に敬意を表す!」
シュトロハイムの声が聞こえる。くだらない血みどろの騎士道、殺し合いを飾る偽善であると彼の理性的な部分は告げていたが、そうでない部分は別のことを告げており、ハイネはそちらの方を口にした。
「あんたもな。ルドル・フォン・シュトロハイム」
その言葉を言い終えられたことを、ハイネは運命とかそこら辺の何かに感謝した。やがてザクは爆炎をあげて砕け散り、ハイネという男の存在もまた、この世から消えていった。
その命を送るかのように、宇宙の闇を眩い光が閃いた。それは、核兵器によってプラントを狙った連合部隊『クルセイダーズ』の敗北の光であった。
「撤退命令だと?」
本部から届いた通信に、シュトロハイムは憮然として呟いた。核攻撃部隊『クルセイダーズ』は敵の新兵器により全滅したとのことだ。
「まったく我々を囮に使っておいてこの体たらくか」
「どうしますか?」
部下の言葉は、クルセイダーズを止めるためにザフト部隊が戦力を分散させた今、このまま戦い続ければ、プラントを攻略できるかもしれないと考えてのことだ。だがシュトロハイムは、
「命令とあれば軍人として従わざるをえん。それに残りエネルギーも微妙な量だ。ここは見逃してやろう」
ハイネとの戦いがなければ、引こうとはしなかったかもしれない。だが、MSの力を出し切らせる強敵との戦いと勝利に満足していた彼は、すがすがしい気分で全軍に命令を飛ばし、撤退を開始した。結果としてハイネの善戦がプラントを救ったのだ。
しんがりをつとめたシュトロハイムは、戦場で散っていった戦士たちに敵味方の区別なく敬意を表して敬礼し、月面基地へと降りていった。
後に『フォックスノット・ノベンバー』と呼ばれる戦いは、こうして終わったのである。
To Be Continued……
以上です。
ハイネ死す。
一戦目にして全装備を放出しました。ロケットパンチは出すか出さないか悩みましたが、結局出すことに。地球では重力や空気抵抗があるから使えそうにないし、手を無くすと戦力が格段に下がるので、今回こっきりになると思います。
>>936 グレーフライのようにはっきり死んだと描かれていなくても、これは普通死んだだろうというのも出すかと思います。
GJ!
なんという戦闘シーン!
ハイネいきなり死す
だがその戦いは決して無駄ではなかった…
ジョジョキャラ、SEEDキャラ双方の意地と覚悟が見えたGJな戦いでした。
あーん西川様が(ry
いつもながらGJ!
スレ立て規制食らってない人はいないのか…希望は…ないのか…
じゃあせっかくだから俺が立てようとしてみるぜ!
947 :
946:2007/08/05(日) 19:03:43 ID:???
gj
>>947 シンプル・オブ・ベスト!
渋いねぇ…あんた、渋いよ!
敬意を表して敬礼のGJを!!
950 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 01:58:46 ID:JEgHEIOZ
ところで残り50レスをどうやって埋める?
だな
職人さんが降臨なされるのを待つか
雑談考察で埋めるか
そこは職人さんまかせという事で
953 :
通常の名無しさんの3倍:2007/08/06(月) 10:20:24 ID:uLyg1ti9
キラ・ヤマトの助! (ニコルとラスティとシンの家族の)仇討ちに参った!!
SSは新しいスレの方に投下します。
シュトロハイムは書いていて楽しいです。
イザークに、「俺はこれでも誇り高き連合軍人! お前らコーディネイターとは根性が違うのだ。この腰抜けめがッ! 祖国のためなら足の二本や三本かんたんにやるやるくれてわーッ!!」と怒鳴りつけるシーンとかが浮かびます。
>>955 >>やるやるくれてわーッ
て、なんだ……? なんでこんな間違いしたかまったくわからん。
>>くれてやるわーッ
です。
シュトロハイムによって連合軍人に前向きな考えがもたらされた事は、
いかなるチートにも勝る連合の勝利への道のような……
勝てないのがおかしい物量差だったんだ、精神力が加われば最強にもなるさ
オ…オレ……このスレ埋めるよ…
完璧に終わらせて新しいスレに移るのも結構いいかもな…
1000取りもしてえ!
サウンドマンを登場させてもらおう!
ええい!!
シーザーはまだか!?
ガンダムSEED・BIZARREにはツェペリ一族は出さないそうだからなぁ……。
新たな職人さんが現れるのを待つとしよう。
でも花京院は出るよな?
?
!
梅!
運命
>>731を読んで埋めネタにジョルノとキラの問答書いてみたけどむりぽ
電波出てる台詞とか書けない\(^o^)/オワタ
ume
上の奴はSS避難所ね
ume
gaundam
gjsa
ume
ume
ume
ume
yme
ume
fafnir in the azure
umerunone
983 :
968:2007/08/13(月) 16:17:56 ID:???
埋め用ネタ投下。
984 :
968:2007/08/13(月) 16:20:54 ID:???
ラクスの命を狙ってか、突如として襲ってきた謎の部隊を、封印から解かれたフリーダムで撃退したキラ。
愛機から降りた彼を待っていたのは、キラ達同様にマルキオの孤児院で世話になっている青年、ジョルノの非難そのものの眼と言葉だった。
「――キラ、どうしてあんな戦い方をしたんだい?」
「……『どうして』ってどういう意味?ジョルノ」
「そのままの意味だよ――それにしても、君といいラクスといい質問に質問で――いや、今はそれよりも、だ」
ラクスと同質のようで正反対の、他者を従える者としての視線がキラを更に厳しく見据える。
「MSの武器やマニピュレータ、頭部を破壊すれば確かに敵はその時は戦闘不能になるだろう。でも彼らはまだ再起『可』能なんだ。
自分は手を汚さないという一時の自己満足の為に、敵が新たな武器を手にして再び襲撃する危険性を放置するのは無駄ですらない愚行だ」
「でも、そうして殺し合って、憎しみの連鎖を止めないままで本当に満足なの?争い続ける方が君の嫌いな『無駄』なんじゃないの?」
どこか茫洋としたスミレ色の瞳が必死になって訴える『不殺』を、かつて生身で死闘を繰り広げた青年は冷たく切り捨てた。
985 :
968:2007/08/13(月) 16:23:43 ID:???
「争い続けることは確かに無駄だよ。けれども、キラ。そのことと君の自己満足でしかない『不殺』は異なる問題だ」
「……何が違うの?殺し合うことがいけないことなら、殺さないようにすればいいじゃないか」
穏やかな彼にしては珍しく苛立ちを隠せないキラの言葉に、常に冷静であるはずのジョルノもまた感情的になりつつあった。
「さっきも言っただろう?死ななかった敵が再び立ち上がってくることなんて、十分すぎるくらいに有り得るんだ。
そうなればそれこそ無駄な争いを続けることになる――君が守ろうとするものを無用な危険に晒すことにもだ」
「でも、僕はみんなを守れる!敵を殺さずに倒すことだってできる!それのどこがいけないのさ!?」
「ただ力を持つだけで強くなれる者などいない、覚悟があって初めて力と強さに意味が生まれる。キラ、君にはその覚悟がない」
「あるよ……覚悟ならある!ぼくは戦い続ける!」
叫び続けるキラの声は悲痛なものよりも寧ろ、幼子のかんしゃくに近いものを感じさせた。
強大な力を持ち、それを振るいながらも泣き喚くことしか知らず、より強大な者に唯々諾々と従うだけの幼子。
986 :
968:2007/08/13(月) 16:26:38 ID:???
その泣き声の中、ジョルノは感情が熱されながらも意識が冷たく醒めていく様子を明確に感じ取っていた。
「――ぼく自身は」
考え方の根幹から違う相手には何を言ったところで、虚しく響くだけだろう。
だが、言葉を伝えることはできる。
「ぼく自身は、『覚悟』とは犠牲の精神ではなく、暗闇の荒野に進むべき道を切り拓くことだと信じている」
それでも尚、伝える言葉ですら届かないのなら、それもまたただ響くだけの音にすぎない。
「そんな……想いだけで、そんなっ」
「ああ、これはあくまでぼくの意見だよ。君がどうするかは君の自由だ――だが、覚悟を『想い』と言うなら、君は『力』しか持っていないんじゃないのかい?
そうだとするならば、キラ。君は君が大好きなラクスの求めるような『力』と『想い』の二つではなく『力』しか持たないことになる……
『力』を振るうに値する覚悟がないのだから」
朝焼けに染まる海を見ながらジョルノが得た答えは、嗚咽の混じった意味のない切れ切れの繰り言だった。
987 :
968:2007/08/13(月) 17:02:07 ID:???
なんかやたら時間が空いたけど以上です。
埋まれ埋まれー
まあようは殺せるときにきっちりやっとかんと後が怖いということだよね
ume