【HATE】ヘイトSS書きまくろうぜ2【憎悪】

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いつから彼は変わってしまったんだろう。
ミーアは朦朧とした頭で思った。
実際原因は彼女にとってわかりきった事のはずだったが、こうして
アスランに暴行を受けている時、いつもミーアは自問する。

今アスランは左手でミーアの顎を掴み、酒臭い息を浴びせている。
私室で酒をあおっていた彼に呼ばれ連れ込まれたのだ。断れば余計
に酷い乱暴を働くので、ミーアは逆らう事ができない。
「呆けた面してるなぁ。まだ目ぇ醒めてないのかあ?」
そう言ったアスランが空いた右手に握っている割れたウイスキーの
ボトルと額から垂れてきた血を見て、ミーアはあれで自分が殴られ
意識が飛んでいたのだと気づく。
「は、アぅラン……」
顎をがっしりと押さえられているせいで呼びかけがおかしな発音に
なったのを聞いたアスランが剥き出した歯の根をぴくぴくさせる。
これでも笑っているのだ。そして腐肉を捩じ曲げた様な笑みのまま
濁った目玉をぎょろりとさせ視線でミーアを舐め回す。
ミーアはあちこちが破られ、血とウイスキーが滲む無様な姿である。
「はッ、へ、へへへ、へひひッふ!うぼぉええぇえぶうッ」
「ひぃい!いやあああぁあああッ!」
笑いながらアスランが吐瀉した汚物を身体に浴び、ミーアが金切り声
を上げる。アスランは最後の一滴まで浴びせかけると、
「げぇげひッ、うおえッ、ぐふ……汚ねえッ!離れろよこの汚物女!」
そうわめいてミーアの頬を拳で殴った。床に倒れたミーアに馬乗りに
なると、アスランは更に顔面や身体へ拳を叩きつける。
1152/6:2007/01/27(土) 00:07:14 ID:???

ガゴッ、ゴキ、ドズッ、と乱打される度、身をよじって逃げようと
するが抵抗も空しく、愛らしい顔が見る見るうちに赤く腫れていく。
「ぐひ、おご!がは、あふらんやめぇ、ぇえぐう!」
「生意気なんだよ汚物女の癖してぇえぇ!俺の事見下してるんだろ!
ばれてないと思ってるのが大間違いなんだよッ!!」
アスランは叫ぶとミーアの髪を握り、毟るように勢い良く引っ張った。
「う、ぎぅうぅっ!痛、ぁあぁッ……」
「何なんだよこのふざけた髪は?処女のま○こみたいな色しやがって、
本当は豚の糞みたいにどす黒いんだろう!?見せてみろよ豚ぁあ!」
「うぐ、やめ……やめてぇ、アスラ……」
スカートが引き千切られて、白い下着に覆われた下半身が露になると
アスランの手がぴたりと止まる。
「はぁ……はぁ、う、ぐぅうぅ、ぐふぅぅうッ……うッ、ふうッ」
アスランはミーアの下着を剥ぎ取ろうとはせず、ガタガタ震えながら
両手を自分の股間に伸ばして擦っていた。ミーアの下半身を凝視する
目は怯えた小動物のように矮小で、行為と相まって卑しさが滲み出て
いる光景だった。
ミーアは止めない。こうしてアスランが一人行為に耽っている間だけ
暴行を受けずに済む。女の肌に触れる事を恐怖するアスランは未だに
童貞で、興奮はしても幾分慣れた現在でさえ最後の部分を見る事すら
出来ない。
昔はアスランに恋焦がれていたミーアだったが、今となってはその方
が良いと感じていた。膨れ上がった顔と大きな痣が幾つも出来た身体
の痛みに耐え、アスランの気を逸らさぬよう嗚咽も堪えている。
1163/6:2007/01/27(土) 00:08:30 ID:???

だが扉を開けて部屋に入って来た人物の姿を見ると、小さく驚きの声
を漏らした。その人物はゆっくりと歩いてアスランの背後にまで辿り
着いたが、指を滑らす動きに没頭するアスランは一向に気づかない。
「ふ、う!うぅッ!!……ッ!」
アスランが手を止め、大きく身体を痙攣させるのを待ち、たっぷりと
息を吸ってから背後の人物はアスランを怒鳴りつけた。
「この裏切り者!!」
「!カ、カガリッ?!」
アスランが振り向くと、カガリが目を吊り上げ、憤りに満ちた表情で
立っていた。私室には誰も勝手に出入りさせないようにしているが、
カガリは構うことなく入室した。それを咎めもせず、おどおどとした
様子でアスランはカガリを見る。
「プ、プラントに来てたんだぁ……へ、へへ元気してたかい?」
カガリの目に嫉妬や怒りはない。こもっているのは侮蔑と嫌悪だった。
塵芥が人の形を成したが如きこの人物を、昔自分は愛していたのだと
いう事実だけを恥として憤っているのだ。
「もう誇りなんて微塵も残ってないんだな。一週間前はまだまともに
見えたが、オーブで私にあれ程面倒をかけておきながら、恥の上塗り
までするのか。評判になってるんだぞ!アスラン=ザラが私の警護を
していた事も、情けない姿を晒している事もな!」
アスランは座り込んだまま無言で手を服の裾になすりつけていた。
カガリはミーアの方を一瞥もせずに、アスランを罵倒する。
「私を裏切るだけじゃなくオーブも裏切って……さすが大量殺戮者の
息子は違うな!人殺しだけで飽き足らず裏切りも得意なのか!」
1174/6:2007/01/27(土) 00:09:28 ID:???

その言葉を受けて、ぽつりとアスランが呟く。
「カガリに……言われたくなッおごおッ!」
「誰が大量殺戮者の子だあぁああ!!裏切り者のお前が!国家元首に
意見するッ!なんて!許される事じゃあッ!ないんだぞぉおお!!」
「げぶ!!ぐべげびい!!ぎぶぅ!ごごがばあ!!ごげえええ!!
やめれッやめべぇッ!ぢぬぅぶぶぶ!!」
アスランが言葉を終える前にカガリは飛び掛り、アスランを一方的に
連打した。カガリの拳がコーディネイターの硬い頭蓋にぶつかって、
振動し鈍い音を鳴らす。青く血管を浮かせたこめかみ、血走った眼。
はあはあと荒い息を吐き出して鬼の形相でカガリは腕を振り上げる。
酒も入っているアスランはすぐに立っていられなくなり、カガリは
左手でアスランの首根っこを掴んで持ち上げている。
「カァガリィイイッ!!が!!ぐぶ、様ぁああああぁ!!やめでッ
許じでぐでぇぎひッごあぶげあ!!」
「黙れッ黙れ黙れ黙れ黙れッ!!お父様はオーブの獅子だオーブは
中立なんだあの時はそうするしかなかったんだ!!お父様を汚すな
お父様の判断は正しかったッ!!至高の理念を守る為国民が死んで
何が悪いんだあああああぁああああ!!」
「げ、……!!……!…………!!……ぎらぁ…………」
ぐったりとしたアスランが最後に発した言葉に、身支度をしていた
ミーアは動きを止め、回想する。
半年前の墓参りの日を。
1185/6:2007/01/27(土) 00:11:00 ID:???

デスティニーガンダムに撃墜されて死亡したキラ・ヤマトの墓は、
すぐにラクス・クラインが手配したという。死亡確定を信じないAAの
人間にも混乱を恐れ教えていない墓地の在り処を、アスランは探り出し
訪れた。キラの死亡を偶然知り、共に行きたいとせがんだミーアの
申し出は最初断られたが、弔いの気持ちを素直に出すと誰にも言わ
ないという条件付でようやく同行を許可された。

墓前に供えようと持ってきた花束を取り落とし、アスランが呆然と
墓石を見る。
二つの墓石が並んでいた。
記された名は左から『キラ・ヤマト』『キラ・ヤマト』。
奇妙な事にアスランが知る誕生年月日と一致するのは左の墓石で、
死亡年月日が同じなのは右の墓石である。
他人のものだと思うには生没年以外の特徴――墓石の材質や墓碑銘の
文体や内容等が何から何まで一致しており、しかも周りに他の墓は
無い。声を上げて不思議がるミーアの横でアスランは目を見開き、
顔面の筋肉を痙攣させ膝をぶるぶると震わせていた。
と、そこで気配も無く背後から声がかかる。
「見つけてしまわれたのですね、アスラン」
アスランが振り返った先には、悲しげな微笑を浮かべたラクスがいた。
「キラがいなくて寂しいのですね。大丈夫、すぐにまた完成致します
から、元気をお出しになって?」
1196/6:2007/01/27(土) 00:12:38 ID:???

「な、ひ、君は何を……言ってるんだ、ラクス」
引き攣った声で問うアスランに、ラクスは慈愛の満ちた表情で答える。
「心配なさらないでアスラン。三人、四人目と回を重ねても、キラの
立派なあそこは変わりなくアスランにぴったりですから。わたくしが
保障致します」
アスランの股間に濡れ染みが広がってゆく――

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アスランの私室から廊下に出たミーアは思う。アスランが連絡や面会を
拒否し始め、乱行の評判が立つようになってラクスとアスランは疎遠に
なった。ミーアもラクスが恐ろしくなって、結局アスランの近くにいる
ようになった。二人は郊外に居を移し、世間の情報は殆ど入ってこない。
しかし、それでもたまの来客から噂を聞くことがある。キラ・ヤマトと
ラクス・クラインの活躍の噂を。