もしも、CCAアムロが種・種死の世界にいたら6

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64998 ◆TSElPlu4zM

 ストライクと肩を並べ、甲板上で待機態勢に入っているνガンダムは、片膝を着きながらも左手に抱えるアグニは、常に戦場へと向けられていた。
 そのνガンダムのコックピットにスピーカーを通じて、ナタルの声が響いた。
 
「――アムロ大尉。第八艦隊司令、ハルバートン准将からの通信が入ります」
「俺にか!?」

 アムロは突然の事に驚き、声を上げた。
 キラに通達が行っていたのにも関わらず、アムロにそれが無かったのは理由があった。
 ナタルとハルバートンの遣り取りを耳にした、一部のブリッジ要員が、アムロを何者なのかと疑問に持った事が原因だった。
 ナタルは、その事を含めて、ブリッジでの一部始終の内容こそ謝罪を兼ねて謝罪を口にする。

「はい。連絡が送れて申し訳ありません。提督は、一言お礼が言いたいそうです。それからですが、提督はνガンダムがモルゲンレーテの物だと思っておいでです」
「どう言う事だ?モルゲンレーテ……ストライクを作ったメーカーだったな?」
「そうです。オーブの国営企業です」
「……そうか」

 ナタルから齎される情報に、アムロは頷きながらも、頭の中でどうすれば良いのかと考えを巡らす。
 そうしていると、ナタルが頼り無い声で謝罪の言葉を口にする。

「……私に今、出来るのはそこまででした。申し訳ありません……」
「いや、いい。良くやってくれた。感謝している」
「……ありがとうございます」

 アムロの言葉を聞いたナタルの声は、申し訳なさを含んだ様に弱々しい物だった。
 しかし、ここまで来てしまったのだから、アムロに取っては引き返す事は出来ない。覚悟を決めた様にアムロは呟く。

「ここから先は、俺次第と言う事だな……」
「……はい。そうなります……。あ、ストライクとの通信が終わったようです。……それでは、お繋ぎします」
「分かった、繋いでくれ」

 ナタルの言葉を聞いたアムロは頷くとヘルメットを取り、少しの間、目を瞑る。
 この話しの内容次第で、自分がどうしなければならないか、決まる可能性が高い。
 アムロは、どうするかを考えながら、ハルバートンからの回線が入るのを待つのだった。