【ドキドキ】新人職人がSSを書いてみる【ハラハラ】
投下乙です
ちょ、なんか、ルナマリアがシンとツートップですかw
あまりに男前すぎて惚れそうデス
ちと無粋な突っ込みですが、アスランが何故こんなに準備よく対核装備を作ったのか疑問に思ってのに違和感が、
本土を1回焼かれて、1回滅ぼされかけて、1回戦線基地を壊滅させられたら対核装備作っても不自然ではないカト
ブララグ路線で^^;
「なんなんだあの機体は」
「案ずるなアーサー、あのようなデカ物の機動力は相場が決まっている。タンホイザー起動せよ!目標!敵巨大モビルアーマー!」
先程のタリアの艦内への激励によって、味方の士気は相当上がっている。油断した敵を混乱させればわずかに勝機も見えてくるだろう
だが腐っても正規軍だ。混乱も長くは続くまい。ほんの数分の間で勝負を決めなければならない。
「タンホイザー発射!ザフトの力を見せ付けてやれ!」
轟音と共に激しい光を放ち、極太の光線が巨大MAへと照射された。
だが、次の瞬間目に入ったのは「アルテミスの傘」を彷彿とさせる光のシールドに守られ何事もなかったかのように存在している巨大な化け物の姿だった。
これには皆驚きを隠せなかった。なにを隠そうタリアも数秒意識が飛んでいたくらいだ。ここで士気を落とせば死は免れない。タリアの中で何かが覚醒した
「シン!蝿共はこちらがおびき寄せる!お前はその化け物をなんとかしろ!ルナマリアは戦艦を落とせ!」
「了解した」
「つってもよ、こいつらに取りつかれたらいくらミネルヴァでも『蜜蜂に覆われたスズメバチ』だぜ?」
「心配ない、レイが守ってくれる。お前も気を付けろ、ウィンダムが斬り込んでくるぞ。接近戦に備えろ」
ルナマリアは口をひんまげて笑みを浮かべると、言った。
「望むところだぜ。ヒートホークでコックピットを裂いてやる。」
サーベルを抜き切り掛かってくるウィンダムをケルベロスで貫ぬくとルナマリアは艦隊に向かった。
シンもすれ違いざまにウィンダムを斬るとアンノウンモビルアーマーにビームを撃った。
ミネルヴァには正面艦隊からの大量のミサイルと両側面からは数十機のウィンダムが耐えず飛びかっている。
CIUSや対空ミサイルでも一向にウィンダムの数は減らず苦戦が続き、さらに落とし損じたミサイルの被弾が徐々に船体ダメージの限界に近づいていた。
レイが必死にウィンダムを狙うが、自分が落とされないだけで精一杯だ。勝負は艦隊をどれだけ早く落とせるかにかかっていた。
タリアは遠くの戦艦が一つ煙を上げて爆沈しているのを見た。ルナマリアはよくやってくれたようだ。あちらを飛んでいるウィンダムの数ももはや数機だ。
このままうまくやってくれれば本艦を攻めているウィンダムもあちらの援護に回らざるを得ないだろう。
シンは一刻も早くミネルヴァの援護に向かいたいのだが、例のモビルアーマーがそうはさせてくれず、機体のバッテリーを浪費するだけしかできなかった
ビームは弾かれ、バルカンも大したダメージにはならず、ならば機動力を生かしてサーベルを突き立てるしかないのだが、弱点もわからず、その見た目の割に素早い動きに取りつくことを許されない
その上数多の砲に狙われ、正面からは巨大なクローが待ち構えている。
ギャンブルになるが、シンはサーベルを抜き横から突進した。何もしなければどの道ミネルバは落ちる。
だが巨大MAは恐るべき速度で正面を向きクローでインパルスを掴んだ。クローは熱を帯びているらしく、ヴァリアブルフェイズシフト(VPS)装甲の電力消費に負荷をかけ、ついにフェイドシフトダウンを招きインパルスの足部分を粉砕した。
もしコックピットやメインスラスターをやられていたら一溜まりもなかっただろう。
「メイリン、デュートリオンビームとレッグフレイヤーを!」
デュートリオンビームにより電力が回復しVPS装甲が元に戻った。絶好の機会を逃した巨大MAは背を向け棒立ちになっているインパルスに全ての砲を放つ。
インパルスは背中を盾で守りレッグフレイヤーを切り離し上昇、巨大MAのメインカメラはこじんまりと爆散した煙の中から腰から上だけで突進してくるインパルスの姿を写した。
ここでの混乱とインパルスの特性を知り得なかったことがモビルアーマー側の敗因であろう。クローで掴むにも掴みやすい足部分は既になく、胴体を掴みに行くとクローは空を切った。
パイロットは豆鉄砲を食らった鳩のようであっただろう。なにせ胴とビームサーベルを構えた上半身が自ずから別れ、そのまま慣性の法則に従い正面を貫いたのだからな
巨大MAはフォースシルエットごと海上で爆煙を上げ、これがミネルヴァの反撃の狼煙となった。
ミネルヴァを囲んでいたウィンダムはとうとう艦隊の援護に向かった。シンはソードシルエットも射出してもらい換装し、向かってくるウィンダムを二機切り落とした。
換装を援護したのはレイとミネルヴァだった。援護しおわると戦艦をに集中放火を浴びせた。
艦隊ではすでに初期の七割にその数を減らしていた。
「よう今日のMVP。退屈してたぜ」
ソードインパルスに乗って艦上に表れたシンにルナマリアが言った。
「なら朗報だ、あれを見ろ。」
「五十機近くいたウィンダムの最後の十数機か。退屈凌ぎにはちょうどいい!まとめてかかってやるぜ!」
疲れているのかいい間違いをしているが気にせずにシンは対艦刀を構えた。シンとルナマリアを中心に十数機のウィンダムが周りを囲む。
集中放火を受ければ一溜まりもないが、敵は味方や艦に当たるのを恐れて慎重にしか飛び道具を撃てないのだ。だがこちらは関係なく撃ち放題だ。
向こうは飛び道具を封じるためビームサーベルを抜きシールドを構え突撃してきた。だが盾をも切り裂く対艦刀と大出力ビーム相手に艦上での白兵戦では勝負は見えている。
シンは切り掛かってくるウィンダムを両手に持った剣を乱暴に振り回し一網打尽にした。リーチの差と機動力の差だ。もちろんパイロット差が一番大きい。
ルナマリアはケルベロスを斬られたのは想定外だったようだが、ヒートホークを縦横無尽に振り回し周りの敵を切り刻み、逃げ出した敵に投げ付けコックピットに直撃させた。
「おいシン、片方よこせ!いくらあたいでも丸腰じゃやられる」
背中合わせになるとルナマリアのザクはエクスカリバーを握り正眼に構えた。 敵はあと四機。ルナマリア側に二機、シン側に二機だ。両者の動きが止まり静寂が訪れる。
シン側の一機が後ろを向き飛んだ。それを腰に付けたビームライフルで打ち落とすと残りの三機も一斉に動きだす。
シンとルナマリアはそれぞれのコックピットを的確にビーム刄で払い爆発を見届けるとようやく一呼吸置いた。
静寂を乱したのは艦の機銃だった。不快な音を立てながらこちらに撃ちかける機銃にシンとルナマリアは虚ろな目を向けるとビーム刄を同時にブリッジに振り落とした。
崩れ落ちるブリッジから見えた鉄屑以外の何かを見て、シンは家族の最後をフラッシュバックした。
自分は今、あの時の悲しみを他の沢山の人間に味あわせているのではないのかと罪悪感を感じたが、シンは破壊衝動を押さえることはできなかった。
最初は人を殺すことを躊躇していたが、戦闘になると家族を失ったことの堪え難い苦痛と怒りが今でも込み上げ、容赦なく敵を殺してしまうのだ。
だが俺は軍人でモビルスーツのパイロットで、何も問題はないはずだ。そう、何も問題はないはずなのだ。
>>459 感想どもです
そうですね、たしかにザフトは核で痛い思いをしているので対策の研究はしているのは自然ですね^^;
アスランのまぬけさというか深読みのしすぎですね
僕がまぬけなのは僕なんだけどね^^;
かなり破綻シナリオで文章もひどいですが、がんばって徐々にうまくなりたいです
ブララグ路線……タリアがフライフェイスになるのか?w
職人さん乙。
あと CIWS な。 Close In Weapon System
1/
「――アーサー、もういいわ。コンディションイエロウに移行」
ボギーワンの去った宙域、戦闘後のブリッジで艦長であるタリアは静かに戦闘の終決を告げた。
「バート、トレイスは出来ている? ボギーワンとの距離は?」
「距離は約4000、離れつつありますが、まだ追えます」
この宙域での捕捉は不可能――索敵手であるバートの返答にタリアが吐いた小さなため息は、
静寂を取り戻した橋の電子音に混じってクルーの心情すべてを代弁した。
沈思黙考――すぐに決断を下したタリアは背後のデュランダルに振り返る。
「――議長、私はこのままボギーワンを追撃するべきだと考えています」
自国の首長を戦艦に乗せたまま戦闘状態を継続しても良い物か、言葉と視線とで訊いた。
試すようなタリアの視線を穏やかに受け止めると、デュランダルは笑みを浮かべながら返す。
「勿論私も賛成だとも、グラディス艦長。セカンドシリーズと言う火種、放置すればどれ程の大火となって
プラントを焼くことになるか、それを考えるのが怖い……」
自分の事は気にするなと言うデュランダルに、タリアはザフト式の敬礼を送り敬意を表する。
「……ところで、ブリッジは元に戻さないのかね?」
照明が落とされたままの艦橋を見渡して、デュランダルは聞いた。
「ええ、議長。敵が何をこの宙域に何を残しているか分かったものではありませんから、
遮蔽したままにしておきます。出入りは多少不自由になりますが――」
宇宙空間で点にしか見えない敵艦を窓から目視出来ても仕方がないし、僅か数百グラムの物体でも
秒速数キロで艦橋に侵入すれば内部を修復不可能なまでに破壊しつくすことが出来る。
『全艦に通達、本艦はこれより更なるボギーワンの追撃に入る――』
ミネルバ全体に、アーサーの通達が響いた。ミネルバが巡航加速を始めたGがクルー全員に伝わる。
「以降は何かあるまでイエロウを維持します。MSの整備を急がせて、クルーは交代で休憩をとって。
――議長もしばらく艦長室でお休みください、直に追いつけるというわけではないでしょうから」
タリアは非常用の出口を指し示した。アーサーが先導してデュランダルを案内する。
艦橋から生活エリアへと続く通路は直通のエレベーターが正副予備の三つあるが、
今は一つ――デュランダルが入ってきたものがシャッターによって塞がれている。
2/2
「このミネルバの足を以てしても追いつけないと言うのかね?」
「敵もかなりの高速艦だというのが一つですが、それよりもMSカタパルトの構造が問題ですね、
かなり早目にボギーワンは加速をはじめていましたから――」
抵抗の無い宇宙空間では加速力と加速を継続した時間の掛け算で速度が決定される。
加速力では新型艦のミネルバに軍配が上がるが、ボギーワンは後部に着艦用のゲートを持っていた。
「つまりボギーワンは加速しながら、本艦は減速しながら搭載機を回収したというわけです。
同じだけ加速してもこの差が効いていますから、接触は数時間後となります」
メイリンとアーサーが気を利かせてデータをディスプレイに表示した。
ディスプレイの中に針金状のボギーワンと付近の宙域図、互いの艦の簡単な性能諸元が
映し出される。航法コンピューターが割り出した接触までの時間が下部に表示されており、
残り一万秒程度のデジタル表示が目まぐるしく動きつつ、刻一刻とゼロに近づいている。
「敵はこういった作戦を進めるための特殊な艦だった、ということか。……ミネルバにはそういった
後部カタパルトデッキを取り付けることはできなかったのかね?」
「後方にスラスターを集中して機動力を高めたことと、インパルスの発進システムが予想より
スペースを取ったためにオミットされました」
ミネルバの中核ともいえる発進システムおよびセカンドシリーズへの送電システムであるが、
詩作艦としての意味合いが強いために艦の性能を犠牲にしている部分が少なからず存在する。
「いや、参考になったよグラディス艦長。君はいい教師になることが出来るだろうね」
複雑な表情でタリアが何かを返そうとしたとき、艦橋のモニターが点った。ランプは赤服以上の
士官が緊急の連絡を求めていることを示している。メイリンに向かってタリアが肯き、ディスプレイに
ルナマリア=ホークの顔が映し出される。
「いや、此処は黄忠殿を見習いて驕兵の策を採ろうと思いまする」
勘助はパッと平伏し、二将軍に告げる。それに倣い三士官も平伏する。キラも恐る恐る平伏し様子を伺う。
「ほう……驕兵の策か!ザフトの木端共は自信過剰故に、簡単にかかるであろうな!」
驕兵の策!それはわざと負け続ける事に寄り敵の侮りを作り、敵が油断した所わ破竹の勢いで攻めたてる黄忠がお家芸の驚異の戦法!
「それだけでは足りんぞ!手薄な敵艦を狙いて打撃を与える!これぞ我等が戦なり!」
厳顔は髭を扱きながら大喝する。
「おお!流石は断頭将軍と言われた厳顔殿!勘助は未熟であり申した!」
「然らば、ゆるゆると退きつつ敵を引き付けるぞ!フラガよ!お主はメビウスにて戦場を迂回し敵艦を討てい!不可能を可能とするお主の妙技、特と天下に示せ!」
黄忠はムウに指示を出す。
「ハッ!委細承知!任せて貰いましょう!……やべぇ、ノリが移っちまったか?」
ぼやきつつムウは出陣の支度をすべくブリッジを後にする。
「ストライクはどうするんですか?」
マリューは疑問を投げつける。パイロットは一応キラ・ヤマトであるが、兵法を知らぬ彼に任せるのは少しばかり荷が重いと思ったからだ。
「若いものに任せるならば、この黄忠が自ら乗り込むわい!」
「いや、ここは俺が乗り込みまする!ザフトには隻眼の借りが有りますゆえ、是非に!」
「待たれい!この厳顔がザフト連中に連合には忠義の者がおると教えてやりましょうぞ!」
三人が火花を散らさんばかりの視殺戦を繰り広げる!すると──!
「僕が乗ります!僕がパイロットです!」
キラが声高らかに名乗りを挙げる!
「だまらっしゃい!」
「若輩者はすっこんでおれ!」
「戦は小僧の遊びでは無いわ!」
三人は各々にキラを睨み大喝する。しかし!
「僕で無ければストライクを動かせません!僕がやります!」
キラは毅然と言い放ち、三人の視線を跳ね返す!
「良くぞ言うたキラ・ヤマト!見事なり!」
「若輩ながらも意気や良し!」
「お主のその姿……若かりし頃のわしらを思い出すわい!」
「「「さあ行けい!雛鳥が羽ばたき鳳凰になる姿、しかと見せて貰おうぞ!」」」
三人はキラを口々に称える。
キラはその豹変振りに戸惑いながらもブリッジを後にする。
「ものども、急がずにゆるゆると退くぞ!焦りは禁物ぞ!」
「急げは敵は乗じてくるぞ!」
「余裕を持って退くんじゃ!」
勘・黄・厳の三人の声がブリッジに響く。「後方より接近する熱源4!MSです」
オペレーターが慌ただしく敵の襲来を知らせる。
「いや、更に前方より熱源1!……MSじゃない?巨大兵器です!」
新たなる敵の襲来にブリッジは混乱し始める。
「巨大兵器だと?……B・F団か!?」
勘助は焦りの混じった声を挙げる。
「ウェーハハハ!この南蛮王・孟獲が孔明様に賜りし巨大兵器モクギュウで宇宙の塵にしてくれるわ!」
野蛮な高笑いが宇宙に響く。そう!あれは孔明が発明せしモクギュウ!
矢玉や刀を通さず水に強いTK(トウコウ)装甲に身を包み、超兵器レンドを装備したB・F団の秘密兵器!
更にパイロットは素手で猛獣を引き裂く剛の者、南蛮王・孟獲!
前に孟獲、後ろにザフトが誇る猛将クルーゼが率いる精鋭部隊赤備え!
絶体絶命の危機に陥ったAA、どうなってしまうのか?
疾風怒涛の次回を待て!
――第4機動艦隊旗艦『クサナギW』艦橋――
艦橋は、敵戦力を捕捉した為に慌しくなっていますが、
唯一、司令の周りだけが不気味な静けさが漂っています……
その司令の方はと言うと、敵を捕捉すると逆に落ち着いて、
私とはしゃいでいたノリが一切無くなっていました……
我が第4機動艦隊は、その戦力差を生かしながら、凹陣に陣形を取り、
拠点衛星基地『ヘーリオス』から出撃した敵先遣隊を囲むような体勢で、第一級戦速で進軍を続けます。
「――敵軍、有効射程範囲内まで後、30秒!!」
先程、司令に気分をほぐして頂きましたが、やっぱ緊張します……
ううっ……段々と近づいてきますぅー。
「――当たり前だろうが。遠ざかってどうするよ?」
と司令は薄笑いしながら、私の突込みを見事にいなしてくれますわ。
……もっと優しい言葉をかけてくれてもいいんじゃないの?
「いいから――モニターから目を離すな」
――はいです。
そう言いながらも私は、着実に副官の任を果たしているのでした。
「――射程、イエローゾーンに入りました!」
敵部隊が有効射程範囲内に入り、私は司令に注意を促します……でも
「……」
無言だよ!おい!
「司令……!」
と、もう一度叫ぼうとしたその時、司令の眼光が、一瞬鋭くなりました!
すして戦況判断用シュミレーション・モニターから目を離さずに、凝視しながら、
「――まだ撃つな……各分艦隊指揮官には、
俺の合図と共に主砲一斉発射をするように厳命しろ」
と、とんでもない事を仰りやがります!
「ええっ!だってもう射程範囲内ですよ!」
「いいから」
「う……りょ、了解!」
司令のあまりの迫力に何も言えずに私は、そのまま指示通りに、
各艦隊指揮官に三重のプロテクトを掛けた、暗号電文を送ります。
暗号が各分艦隊旗艦に伝達された事を確認し、司令に報告しようとした矢先に――
青い閃光が<クサナギW>を包みます!バリヤーシステムが発動したのでした……
敵側が砲撃を仕掛けてきたのです!みぎゃー!
そして、更に敵側のビームが通過し、艦橋内が一瞬、明るくなる!
――ひょえぇぇ!!私は指揮コンソールの側で片膝を付いている、司令の横顔を見ます。
その光景にも、ビクともしない司令の様子に安堵の息が漏れました……
喉がカラカラに渇きますが、安堵の息が出た事とによって、私にも何とか周りを見る余裕が生まれてきました、
ビームの閃光が、バリヤーに触れて、艦橋の外で点滅しますがなけなしの勇気を振り絞ります!!はい!
そして、私は、自分の席のコンソールを叩き、戦況判断をしようとし、
戦況判断用イメージ・シュミレーション・システムへのデータリンクへと切り替えます。
これは、対艦隊用の戦況を簡易化の表示にすることが出来、全体の戦況の推移が分かると言う
システムの一つです。ハードウェアの進化の賜物ですね……
見ると、戦況判断用シュミレーション・モニター表示には単純にCG化された敵部隊の無秩序な塊と、
凹の艦列に整然と並んだこちらの艦隊の様子がわかります……一方的に向うが撃って来ますが……
むむむッ……!どうやら、敵側は、統制が取れた行動ではありませんね……?
と、いっぱしの艦隊指揮官みたいな感想をします……
どうやら、最初の敵側の一撃を防御に徹した為に、私達の艦隊には然程の被害が出てないみたいですが……
私は、防御力の高いバリヤー・システムを積んだ戦闘艦艇を前方に配備し、被害を少なくし、
その隙間から、長距離砲装備の巡洋艦を並べて一斉射撃をする事で出鼻を挫くと、そう思っていたのですが……
……ですが、そんなもん、無視してガンガンと攻め進んでますよ!この人は……
そうこう言っている内に、敵の一部の戦力が突出し始めました……
司令は、そのタイミングを見計らったかのように、
「よし――全艦撃て!!」
「――了解!主砲斉射ぁぁ!!」
と司令の声と同時に、私のやけっぱちの声が艦橋に響きます!
司令の攻撃指揮が艦隊全体へと響き渡った次の瞬間に、艦橋メインモニターにコンピューターのCG表示された、
凹型の艦隊並列から一斉に攻撃が、開始されます……
ついでに言うと、『クサナギW』の船体前部の艦橋に装備されている大型ビーム砲が唸り声を上げています!連続照射10秒!
そして、周りの艦船からも、一斉にビームの砲撃が飛び交っていきます!うわっ、すげっ!
司令が指示したピンポイントを狙った正確な一斉砲撃は、
敵先頭の集団を一気に崩し削り取って、崩壊させてしまいましたです。はい。
――すっごぉぉー!
シモンズ主任もその様子を見ながら……
「――お見事……!」
と賞賛します……後で聞いたところによると、絶妙なタイミングとポイントを狙った砲撃だったそうです。
司令はその状況を見ながら、敵の先頭集団に穴が空いたことを確認すると、
「よし――第3分艦隊を四時方向に向けろ!それと、第2分艦隊は『モビルアーマー』戦隊を発進準備を――
制空権の確保をしなければな――」
司令は、刻一刻と変わる戦況の状況を読みつつ、指揮シートに片膝を付いて指揮を取っています。
「――こちらは、敵の三倍の兵力差がある――有効に使わんとな……」
モニターから目を離さずに、こちらに向って司令をそう言います……
==========================
――戦闘開始、同時刻。
――ザフト遠征軍 ディアッカ・エルスマン部隊臨時軍事基地・『ミカサ』衛星基地――
「――なんだとっ!本当かそれは!?」
基地司令室にいる俺の副官のバートが、困惑した顔で俺に報告する。
激怒している今の俺には、そこまで頭が回らないのだ。
『――はっ!残念ながら本当の事です。たった今、拠点衛星基地『へーリオス』から
緊急通信が入りました!オーブ軍と激烈な戦闘に突入したとの事。至急、来援を請う!と……』
「……馬鹿な!!」
『――いかがいたしましょうか?』
「――クッ!混成部隊がここに至って仇となったか……」
俺は大きく卓を叩く。オーブ側の新戦力に対して、こちらがどう動くか検討中の会議に入っていたときの事だ。
そこへ、副官のバートからの緊急事態が起きたと連絡が入ったのだ。
拠点衛星基地『へーリオス』に配備していた俺の部隊戦力の一部が激発して、
オーブ軍との苛烈な戦闘への戦端を開いたというのだ。クソっ!
恐らくは、『クライン派』に取り入りたい旧ザラ一派ないし、旧デュランダル派閥に属していた将兵が、
前回の大勝に味を占めて、ここで更にそれなりの武勲を手土産に『ラクス側』へと転向しておきたかったのであろう。
だが、俺としては無謀としか言いようが無い。確かに前回は大勝したが、それはあくまで敵の寝入った隙を突いた奇襲に過ぎないのだ。
しかも、前回は、相手に睡眠薬を飲ませた上に両手両足を縛ったままで、金属バットで殴りかかったようなものなのだった。
今回も上手くいくなど、痴人の妄想に過ぎん……!!
各拠点に散った戦力を即時、後退させて緊急に再集結させようとした矢先の事である。
俺の怒りと失望は当然のことであろう。統一性を欠けた、予備戦力である混成部隊の欠点が露出したようだ。
――それとも、サイ・アーガイルが誘ったのだろうか?
「……喰えん男だからな――」
苦々しく呟く。どちらにしても、今から救援に向かうにしろ、絶対数の兵力が足りない……
敵はこちらの3倍以上の総兵力を此処へとぶつけようとしているのだ……
……やはり前述通りに逃げ支度をしっかりしつつ、拠点『へーリオス』配備の兵力を即時撤退させるしかないか……
「――勝ってはいけない勝負に勝ったようなものだな……」
何の事はない。そういう事だ……
========================
―第4機動艦隊旗艦『クサナギW』艦橋――
敵先遣隊の一部に楔を打ち込んだ私達は、そのまま一気に追撃に出ようとしましたが、
敵戦力は即座に後退を始め、そのまま拠点衛星基地『ヘリオース』に戻ると思いきや、
一気に転進し、鮮やかな撤退をしてしまいました。
追撃をするようにと、他の分艦隊指揮官が要請しますが、司令は先に拠点の奪還を命じました。
そして、司令の指揮の下で揚陸部隊が『へーリオス』へと派遣したのでした。
今、私のコンソールにその揚陸部隊の通信が入りました。
「司令!揚陸部隊より連絡です!拠点衛星基地『へーリオス』の奪回に成功したの事です!」
「よし。順調、順調――」
司令は鷹揚に私の報告に頷いてくる。
ここで私は、司令に聞いてみることにしました。
「さっすが、司令!!……でも何故、敵はここの拠点を直ぐに放棄したんでしょうか……?」
と、かなりの太鼓持ちになりながらも、質問をしてみましたのです。はい。
司令は、と言うと、やや憂鬱そうな態度ですが、私にきちんと説明をしてくれました。
「――うん。一つ目は先ず、こちらが敵戦力を凌駕する戦力を集め進軍したことだな。
――戦略レベルで先ず第一の勝因を整えた事にある。用兵上の基本戦略である相手より多数の兵数で戦う事。これを我々はクリアしていた」
――ふむふむ。
これで、敵側の心理圧迫を見事に成し遂げた、と。
「――次に、敵に退路を絶たれるという恐れを与えた事だ――。私が、予め足の速い高速艦艇で構成した第10分艦隊の兵力を、
戦闘前に敵拠点だった『へーリオス』の後背へと回したことは、知っているだろう?」
「――はい」
「これによって、敵は退路を絶たれる前にと、即座に撤退を開始し始めたのさ……それと」
「それと?」
「……奴さん恐らく、俺の鋭鋒をかわす為に、予め拠点放棄と撤退命令が出していたんだろうな。
――肝心の指揮官のエルスマンは、『ミカサ』衛星基地を本拠地にしていた筈だ。
今回の戦闘に顔を出していないしな。あいつが直接現場に居たら、もう少しやっかいな事になっていたかもしれん」
「ほぅー」
「感心するほどのものでもないさ……それにな、」
と司令は言葉をここで区切ると、
「私よりも――本国が、地球連合強国の支配宙域対応への防衛に、航宙戦力の大半を割かれている中で、
これだけの戦力を集めてみた、代表府のスタッフ達の力量の方を褒めるんだね……」
と、それは今回の戦闘と直接関係の無いことなのでは?と私が思う事を述べてくれやがりました。
「?――それは、どういうことでしょうか?」
「――私は、まだロンド・ミナ達が都合した神輿に乗っているだけさ。今のところはね……」
「――今のところは?」
???良く分りませんが、司令は不可思議な事を私におっしゃりますです。はい。
更に突っ込むと。
「――状況は、常に移ろい易いものなんだよ……」
「よく意味がわかりませんけど……」
「――君は若いからな……」
と、苦笑されました。何です?それは?私が子供と司令は言いたいのでしょうか?
そこで、私のコンソールにレーザー通信が入ったと報告が来ます。
「――あ!司令!『へーリオス』を奪回した事によって、第3機動艦隊旗艦『クサナギV』との通信が回復したようです」
「おっ!ようやく繋がったのか?」
「はい!」
こいつは朗報だと言う事で、司令は明るい声で応じてくれました。第3艦隊が健在だと言う事が確認できたのです。
シモンズ主任も、第3艦隊との通信が回復した事でやや、安堵していました。
「――余程、手酷くやられたらしいわね。確か第3艦隊の司令はソキウスだったと思うんだけど……」
私は、シモンズ主任の感想を背後で聞きつつ、コンソールを弄りながら、通信プロテクトを解除してゆきます。
よし!と
「司令――通信が繋がります!」
「よし、こちらに回せ――」
「はい、了解しました!」
>>続く
多少トラブルもあったが俺はミネルヴァと合流しタリア艦長と先のことについて話し合った。
クルーや他のパイロットとはアーモリーワンの件から知り合っていたのですぐに馴染むことができた。だがオーブに恨みがあるというシン・アスカとうまくやっていくのは難しいだろう。
それから何日かするとミネルヴァは再び連合の攻撃を受けた。敵の中にはアーモリーワンで奪取されたカオスとアビスも含まれていた。
こちらには数隻ザフト艦がいるがどの程度当てになるやら。
カオスとアビスにさえ注意していれば負けることはないだろう。本気をだせば俺一人でもあの二機は落とせるのだが、まずは連合、ザフト両陣営の機体のデータと戦闘のデータを取らなければならない
もちろんカオスとアビスの分もだ。だから俺は様々な攻撃を織り交ぜ倒さない程度に立ち回りながら映像を収集していた。
ぱっと見確認したところ全体的に、量産機もそうでない機体も武装やエンジン出力の規模が向上している。
先の大戦で苦戦したレイダー、フォビドゥン、カラミティクラスのものはザラであるし、初期GATシリーズ並みのものが量産機でも当たり前になっている。
ジンやダガー相手にはフリーダムは圧倒的に立ち回れていたが、今回はそういうわけにも行かないだろう。また、ビームを跳ね返す装備を連合が開発したという話も聞いた。
こちらも分析のしがいがあるというものだ。
遠い幼い日の思い出。
昔、私がまだあどけない少女だった頃、戦争が起きた。
TVは海の向こう、宇宙の彼方での戦争の被害を生々しく伝えていた。
人はこんなにも残酷になれるのか、と幼心に漠然とした恐怖を感じたが、兄が「守ってくれる」と言ってくれたので、脅える事は無かった。
ある日、TVが私の住んでいる街が戦場になるらしいと言う緊急放送を流した。
今考えると、それは余りにも遅く、腹立だしい事であるが、当時の私は学校が休みになる事を無邪気に喜んでいた。
簡単に手荷物をまとめ、大切な携帯電話を持ち、家族と避難を始めたが、時既に遅く、街は戦場に化していた。
遠くで聞こえる爆音、閃光。そして余波による衝撃。
走り、逃げる。幼い私はどうしても遅く、皆の足手まといになる。しかし、兄は私の事を気遣って、私の手を引いてくれた。
そして、ふとした弾みで私は携帯電話を崖したに落としてしまい、私は愚かにも立ち止まりむずがってしまった。
それを見かねた兄が携帯電話を取りに行ってくれた。
──そして、間近での閃光、爆音。私の運命を砕く一撃。
私は激しい衝撃で吹き飛ばされ、意識を手放してしまった。
気付いて空を見上げると、空は眼が痛くなる程青く、綺麗な色をしたロボットが鮮やかな軌跡を描いていた。
視線を下に移すと、真っ赤な業火が燃えたぎり、その中には無惨な姿になった父と母がいた。
嫌な音、嫌な臭い、嫌な風景。
でも何故か悲しく無かった。多分、運命と同じく心を砕かれてしまったからだろう。
私は逃げもせず、恐れもせず、悲しみもせずに、ただひたすらに青すぎる空を見上げていた。
──砕かれた運命の欠片を拾い集めることもせずに。
──to be continued──
昔某スレで投下してそのままの作品を再構成して投下。短編になると思う。
マユスレか?
だったらマユスレに投下してくれよ・・・あっち過疎ってんだからさぁ
>>481 投下してたのはマユスレじゃないんだが。
移動してみるわ。誘導サンクス
タイトルからするとエス種っぽいな
どう見てもエス種だな。少年がマユでマユから見た戦争と時代が語られる訳か。
つーか兄さん芸風広いよ。
>>482 兄さん追い出すなよ……。
お三方GJ!
>>482 お前は何をわがまま言ってるんだ?決めるのは作者さんだろ。
ここはガンガン書いてもらうためのスレなんだし。
>>282 心機一転して一から頑張ろうとしてる職人さんの出鼻をくじくな。
職人方GJ!新人スレにはもったいない!
同感。適切なスレを紹介するのは正しいけれど、ここで投下したい
職人をたたき出すのはちょっとまずかろう。
戦史は本編において泥舟だった艦船が主役なんだなあ、冷静に考
えればフリーダムのロックオンシステムとか戦艦に搭載するほうが
現実的だよなあ、砲門多いし、搭載コンピュータの規模は大きいし。
crossGRは……お、俺には凄まじすぎてついていけん。だがノリはGJ!
k.wはミネルバ三人組がヒルダ達を連想してしまった。
そして45氏、薀蓄が冴え渡ってうらやましい。知識があると作品に
そえる良いスパイスになると思うので、今ぐらいの混ぜ方で丁度良く
感じます。レイが次に怒るのはいつだろうと楽しみにしてる。
なんか最近「言い方」ってものをまるで考えないレスが多くなってきたように思う…
理想郷とかからの流入だろうね……。
>>480氏
……頑張って、としか言えない。
球場に吹き荒れる風は、何を運び去っていくのか?
仲間との友情、愛、それは青春。
少年、少女は白球にどのような想いを懸けるのか?
地球とプラントとの平和の象徴として、「野球」の試合が開かれることに。
じゃじゃんと登場!「SEEDのA」 次週より連載開始。
>>491 それは違うと思うぞ。cross GRと同じ職人だし。
第一話「議長の宣言」
C.E.73。
プラントと連合の戦いが激化する中、プラント最高評議会ギルバート・デュランダルは一つの宣言を世界に発信した。
果て無き憎しみの連鎖に終止符を打つその計画に、全世界(あのロゴスですら)賛同を示した。
「これにより争いが止まることを切に願います」
「これは……マリューさん、カガリをオーブへ」
「デュランダル、何を考えているかは知らないが、いいだろう。乗ってやろうじゃないか。奴らを呼び戻せ」
「父さん、これはチャンスだよ。これでカガリにいいところを見せれば、ふふふ」
「シン、野球は得意か?」
「ああ、任せろよ!」
それぞれの思惑を胸に秘め、ここオーブに両陣営の猛者が集う。
――第4機動艦隊旗艦『クサナギW』艦橋――
私は、高出力レーザー通信のリンクを確認すると、
司令が立っている指揮シート前の正面メインモニターへと、回しました。
ついでに、言うと副官の特権で私のコンソールモニターからもモニターリンクができるんですね。
そうこうしている内に、モニターの正面には、司令官軍服をまとった司令と年が同じ位の男の人が映りました.
モニターに映ったのは、顔が整った、細身でやや灰掛かった髪の色をした方です。
ちょっと無個性ですが、中々のハンサムな方ですね――
確か、第3艦隊の司令官であるソキウス司令は、サハク首席補佐官の直属の部下だったと記憶していますが……
それと、アーガイル司令とも親しかったと噂は聞いていました。
画面に映ったソキウス司令は、惚れ惚れするような丁寧な敬礼をしながら、
『――こちら第3機動艦隊旗艦<クサナギV>です――貴艦隊の援軍を心より感謝致します……』
そう言いいます。
肝心の司令の方はといえば、親しげな様子でモニター画面に向って、
「――遅くなってすまんな、『ミスタ・ソキウス』――」
と、ソキウス司令とは、逆にフランクな態度で臨んでますね……
もうちょっと威厳を出した方が良いのでは……?と私は思います。
『……?』
ほらっ!画面向うのソキウス司令も戸惑っていますよ!もう!
「久しぶりだな」
そんな、私のヤキモキした気分を無視するかのように、司令は不躾に言葉を続けます。
ソキウス司令の方は、その無個性なハンサム顔に驚きの表情を浮かべ、
『おお―――サイ・アーガイル?』
と改めて、確認するかのように司令の名をフルネームで仰りますです、はい。
「――ああ、貴公程の男がここまで追い込まれたところを見れば、
やはり、開戦序盤の『ラクス軍』の侵攻はよっぽど厳しかったらしいな?」
と、司令は労いの言葉をかけますが、ソキウス司令と言うと怖いほど真面目?な顔で、
別の事を仰るから怖い。
『――ようやく重い腰をあげたのですか、貴方は?』
と、そして、いきなり司令を詰り出しましたよ、この人。
そして、司令の方はと言うとその愚痴には、全く意を介さずに場違いの世間話のように、
「――人間てぇのは、昔のしがらみて奴から、なかなか逃れられないみたいだな。
まったく、一度でも宮仕えに足を突っ込んだ、我が身の迂闊さと不幸を呪うばかりだよ……」
と、何か、詰りには愚痴で返すかのように、
親しげにソキウス司令に受け答えてますね――この人も。
それを聞いていたソキウス司令の方はと言うと……、
『―――不幸?』
ソキウス司令は秀麗な顔に驚きの表情を浮かべながら、大袈裟に肩をすくめました。
そして、
『――何を仰っているんですか?――貴方は5年前に、私達『アマノミハシラ』の人間に、
『オーブ』の全てを無理に、押し付けて野へと下って行ったのですよ――?』
と、等々と司令に文句を言い始めました。
『……お陰で私やロンド様を始めとした『アマノミハシラ組』の連中は、えらい苦労をさせられましたよ――
こちらの方が、逆に貴方を恨みたいくらいなんですから……』
と、溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、澄ました顔でソキウス司令の愚痴が続きます……
この人もこう言う人だったんですね……流石、司令の友人……
「むむ……」
『――やっと、そのツケが今になって貴方に回ってきたんです――』
さしもの司令も、ソキウス司令の猛攻にタジタジのようですね。
言いたい事を言って、鬱憤が晴れたのか、ソキウス司令はやや言葉を和らげて、
さしもの司令も、ソキウス司令の猛攻にタジタジのようですね。
言いたい事を言って鬱憤が晴れたのか、ソキウス司令はやや表情を和らげて、
『それに――貴方が戻ってこなければ、『クサナギU』と共に散ったソガ司令や
第2艦隊の多くの同志達も浮かばれない……そうでしょう、サイ・アーガイル――? 』
「……再会そうそう、お説教かい?……耳が痛いね」
『まだ、言い足らないくらいですよ』
ソキウス司令の愚痴に、司令も苦笑しながらも、そう受け答えました。
そして、司令は、
「……参ったね。ところで、そちらの具合は?」
と肝心な事を聞いてきます。第3艦隊の無事は確認できましたが、情勢がまだ不明なのです。
ソキウス司令はそれを聞かれると、真面目な態度の戻り、
『――最悪です。およそ、4割の戦闘艦艇が撃破され、残りの艦艇も戦闘可能艦隻が約5割、
残り1割は、戦闘不能の上にろくに艦隊編成も満足に出来ない状態です――』
「……そちらの、見通しは?」
『――現在の戦況では、攻勢に出られずに、密集隊形による防御戦闘がやっとの事ですので、
このままの戦闘推移が、続けば遠からずこちらは壊滅するでしょう――』
それを聞いて司令の目が険しくなる、やはり思っていた以上に戦況が悪化していたのです。
ソキウス司令の方の話を聞いて、私も焦ってきます……
ここでこちらが、『へーリオス』の奪還い手間取っていたら、第3艦隊はどうなっていたのか……
私は、改めて、司令の横顔を見つめます。その司令は、恐ろしいくらい淡々とした口調で、
「――こちらが奪還した『へーリオス』に続いて、拠点衛星基地『ポラリス』を奪回すれば、
敵の第3艦隊への攻撃も止むだろう。――それまでなんとか」
と振り絞るような声で、ソキウス司令に懇願しました……
ソキウス司令の方も、その司令の心情を理解したのか、
『――わかりました。何とか持ちこたえて見せましょう。では――』
と、冷静に仰ると、丁寧にこちらへと一礼して通信を切りました――
何だかんだ言ってもソキウス司令はアーガイル司令を信頼しているんですね……ちょっと感動。
そして、私の方はといえば、
「通信切れました――司令?」
と、いかが致しましょうか?と司令の指示を仰ぎます。
「――よし、ここには最低の守備要員を残して、全艦隊を、拠点衛星基地『ポラリス』へと向けて進撃するぞ――」
司令は、即時決断しました。
私もそれには、全面的に賛成です!
「了解!全艦に通達します!」
「ここは、時間との勝負になる。速攻でゆく」
「はい、司令!!」
私は、守備人員の選抜と、全艦に出撃体制を整えるように通達しました。
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”こうして、サイ・アーガイルに率いられた『オーブ軍』は、
見違えるような見事な戦いを見せつけ、連敗を重ねていた頃の無様さは無くなっていったのだった……”
”そして、緒戦の大敗北をはね返し、敵を圧倒するかのように勢いに乗った『オーブ軍』は、
『ラクス軍』に占領されていた、拠点衛星基地『へーリオス』の奪還に成功し、
これによって『ヘリオポリスU』の失陥以来、沈滞していた『オーブ軍』の士気は一気に高まったのだ……”
”だが、その勝利の立役者でもある『第4機動艦隊』総司令サイ・アーガイルは冷静だったという”
”その理由として、これは現段階であくまで自分はお飾りに過ぎず、
当時、総合作戦本部長であった『ロンド・ミナ・サハク』等、代表府スタッフ達が十分に整えた戦力の運用を持ってすれば、
勝利して当然だったと彼自身が考えていたからであろう――”
”何より、この段階では『サイ・アーガイルが指揮する限り負けない』、
という信念を部下に植え付けることが最も重要な事であったからである。
”――いずれにしても、この戦いが『ラクス軍』の一方的な優勢から『オーブ軍』が、
巻き返しを図るきっかけとなってゆくのであった”
『C・E80年代』戦史評論より
>>続く
GJ!
いよいよサイの晴れ舞台が始まったな。
ただ『アマノミハシラ』じゃなくて『アメノミハシラ』ですよ。
相変わらず良いと思います。
ただ、これはおいらがちょっと引っかかっただけで、
他の方々は気にしない部分だとは思うのですが、
前回のサイの戦闘指揮中の格好が某魔術師の異名
を持つ提督を思い出させる感じなのは狙いなのかな〜?と
まとめサイト勝手に作ってるけどいい?
携帯用だけど…。
こちらでははじめまして。
08小隊スレで投下していた者です。
機動戦士ガンダムSEED ラスト・リゾートinC.E.(以下LRCE)
今から投下します。
プロローグ(1/4)「邂逅」
意識が途切れる前。認識できていたことは、そう多くない。
傍らに居る彼女の温かみ。
アプサラスIIIに決定的な損傷を与えたこと。
最後に強い衝撃を受けて彼女の上に覆い被さり……シロー・アマダの意識は途絶えた。
「ああもう、どうしてこうなるんだよ!」
この日ユウナ・ロマ・セイランが公道を外れ、山中をドライブしていたのは全くの偶然
だった。車内には彼一人だけ。気ままな旅といえば聞こえはいいが、些か寂しくもある。
留学先の大学は夏期休暇中で、早々に課題を済ませた彼には特にやることも無い。本当なら
友人たちと同様に帰郷すればよかったのだが、世界の情勢がそれを許さなかった。ユニウス7
への核攻撃、エイプリルフール・クライシス、世界樹戦役……ザフトと連合の全面戦争は
あらゆる地域に飛び火しており、このためつい先日にユウナは留学先から出ないよう父の
ウナトに厳命されていた。夏期休暇になれば暖かいオーブに帰れるしカガリにも会える、と
楽しみにしていたユウナにとっては不満だったが身の安全には代えられない。
どうせなら国許では出来ないことをしよう。
そう考えての一人旅としゃれ込んだのだが三日目にしてさすがに飽きが来ていた。元々
賑やかしの性分があるユウナだ、いかにスカンジナビア王国の自然が観光資源の一つである
ほど豊かとはいえ限界がある。
とにかく誰かと喋りたい。
その一心で町への近道を探したところナビゲータがあるルートを示した。それは山間部を
抜けて小さな町へ行くルートで、細い道の連続になるがほんの二時間ほどでたどり着けると
あり、渡りに船、とばかりにユウナは広い道を外れて脇道へ入ったのだった。
結果を言えばこれが大失敗で、ナビのデータが古かったのかもう三時間以上も山中を彷徨っていた。
熱くなった頭を冷やすために道端に車を止めて外に出る。
整備された道があるということは、ここがどこかに通じているという事でもあるがこの
数時間、まったく他の車に行き会わない事実がユウナの不安を増大させていた。これで行き
止まりとかだったら笑い話にもならない。
それでもボンネットに腰掛けスカンジナビアの短い夏の空気を胸一杯に吸い込むと、気分も
落ち着いてくる。特に意味もなく周りを眺めつつひとりごちた。
「とにかくあと一時間走ってみて――?」
ユウナが言葉を切ったのは人の声がしたのもあるが奇妙なものが視界の隅に映ったからだ。
木々の向こう。
カーキ色の何かは大きな人型に見え、ユウナは茫然と呟くほかなかった。
「まさかあれは……モビルスーツ?」
(2/4)
「ジンじゃない、ザフトの新型か?」
ふらふらと何かに魅入られたように近付くユウナ。
遠目には人の姿に見えたそのMSは、近付くにつれて大きく損壊している事が分かった。
左腕は無く足もひしゃげてまともに歩けるようには到底見えない。
何より、胸部装甲が無くコクピットがむき出しになっている。
声はそのコクピットから聞こえてくるのだった。
無意識にユウナは上着の隠しをまさぐった。手応えはない。
そこでやっと銃は車のサイドボードに放り込んだままなことを思い出す。
護身用に、と持ち歩いている小口径の拳銃だったが今から車に取りに戻るのは怖かった。
背中を見せれば、パイロットに見つかって撃たれるのではないか
――そんな妄想が頭をもたげたからだ。
「……女?」
進むことも下がることもできずに立ち尽くしてしまったユウナの耳に聞こえたのは、必死に
誰かの名前を呼ぶ美しい女性の声だった。
その声に込められた切実な色に誘われ、ユウナは恐る恐るコクピットに近付いていった。
コクピットにはユウナより少々年上の男女が居り、女の方はアイナ・サハリンと名乗った。
男はシロー・アマダというらしい。
アイナは目の覚めるような美人だが、男が目覚めないのだとユウナに訴える様子が明らかに
恋人のそれであったので早々に興味が無くなった。
それでも、ユウナも男である。
美人のお願いに応えるのに吝かではないが、この場合状況が特殊すぎた。
MSといえばザフト。ザフトといえばコーディネイターであり、プラントだ。
普通に考えればこの二人はコーディネイターのはずである。しかしユウナはプラントと
スカンジナビアが交戦状態に入ったなどとは聞いた事がなかった。
留学中とはいえセイラン家はオーブの有力家系のひとつ、嫡子のユウナにもコネや人脈の
一つや二つはあり、また情報収集を怠ったつもりはない。
無論極秘だったり電撃作戦だったりという可能性もあるが、いまスカンジナビアを攻めて
プラントに何か利があるとは思えなかった。
ひょっとしたら自分を引っ掛ける罠なのかも。その可能性を一瞬考えてすぐにまさか、と
否定する。
今日この場に自分が居るのは単なる偶然にすぎない。
もし詐欺だとしたらあまりにも不確実すぎる。まだテレビのバラエティだと言われた方が
納得できる。
しかし故郷のオーブでよくある悪趣味なバラエティのように看板を持ったタレントが彼の
前に現れたりする気配は一向に無い。
それに加えて、目の前のMSは充分以上に現実の戦場の匂いがした。
……無論彼自身は戦場に出たことなどないから単なる勘でしかないのだが。
(ま、いいか。もしペテン師か何かならそうと分かった後で放り出せばいいだろ)
何よりその方がはるかに面白そうだし。
そう楽観的に考えてユウナは休暇中ずっとオフにしておくつもりだった携帯電話の電源を
入れた。