もしカミーユが種・種死の世界に来たら2

このエントリーをはてなブックマークに追加
1通常の名無しさんの3倍
新シャアでZガンダムについて語るならここでよろしく
現在SS連載中!

・投下が来たら支援は読感・編集の邪魔になるからやめよう
・気に食わないレスに噛み付かない、噛み付く前に天体観測を
・他のスレに迷惑をかけないようにしよう

前スレ もしカミーユが種・種死の世界に来たら
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1159433004/

まとめサイト http://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage

荒し、粘着すると無駄死にするだけだって、何でわからないんだ!!
分かるはずだ、こういう奴は透明あぼーんしなきゃいけないって、みんなには分かるはずだ!
2カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:21:16 ID:???
>>1
新スレ乙です

今回投下しようと思っていたところは確かに区切りが悪いので、予定変更して大幅に投下量を増やそうと思います。
20レス近くいきなり消費する事になるかもしれないですけど、お付き合い下さい……↓
3カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:23:15 ID:???
航行を続けるミネルバは地中海に浮かぶクレタ島沖を航行していた。しかし、ここで連合・
オーブの同盟軍が第二ラウンドを仕掛けてきたのだ。
ダーダネルスの時のように無数のMSが空母より飛び立つ。
タンホイザーを失ってはいるが、ミネルバもそれを迎え撃つ為に戦闘態勢をとる。
アスランをはじめとするMS隊も出撃の準備に取り掛かった。
それぞれにとって運命の会戦が幕を開ける……
 
 
MSデッキでそれぞれが準備を進める中、カミーユは又もあの不快感を感じていた。
そんな時、シンからの直通回線が回ってくる。
 
『カミーユ……』
「シン?珍しいな、お前から話し掛けてくるなんて。それも直接」
『いや…その…これなら他の奴に聞かれる事は無いと思って……
そ、それで…今まで悪かったな…疑ってばっかで……』
「どうしたんだ?今更……」
『あの、俺…カミーユがあんな経験してたなんて知らなかったから……』
「気にするなよ、そんな事。話さなかった俺が悪いんだから」
『そ、それにさ…あの時気を利かせてくれて助かったよ。ホント、感謝してる!』
「フフ……」
『な、何がおかしいんだよ……』
 
照れながら感謝を述べるシンがカミーユには良い意味で可笑しかった。たどたどしいしゃべり
方は、きっと慣れてないからだろう。
しかし、そんなシンも本来はこのように素直に気持ちを表せる普通の男の子なのだろうと
カミーユは思った。それが戦争に身を置く事であのような刺々しい性格になったんだよな、
とパネルを操作しながら考えていた。
 
「シン、それより気をつけろよ。奴ら、また出て来るつもりでいるぞ」
『奴ら……?まさか……!』
「ああ……」
 
カミ−ユの感じ取っていた気配はアークエンジェルだった。
それを知ったシンはレバーを握る手に力が入る。
 
『アイツが…また……』
「シン、お前も奴に私怨があるみたいだが、今回は俺に任せてもらえないか?悪いようには
しないつもりだ」
『……カミーユ、それでもあんたにアイツを譲る事は出来ない……アイツを討つ事が俺の
復讐でもあるんだ……』
「シン……?」
 
そう言うとシンは一方的に回線を切ってしまった。
4カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:25:03 ID:???
豹変するシンの顔つきに不安を覚えながらもカミーユは準備を進める。シンの瞳に渦巻く私怨
の炎は簡単に消せそうに無かった。
その時、ハッチの外からノックをする音が聞こえる。
 
「おい、カミーユ。ちょっといいか?」
 
粗暴そうな声はマッドの声だった。
カミーユはハッチを開く。
 
「何です?もう時間無いですよ」
「ああ、悪いな。でも、あれを見てくれ」
 
マッドがデッキの壁に立て掛けてある一丁の大型ランチャーを指差した。
 
「あれは…メガランチャー!?」
「そうだ、以前お前に聞いてたあれを暇がある時に造ってみたんだ。お前が居ない間に勝手
にテストさせてもらったから実戦でも十分使える筈なんだが、時間が足りなくてお前にテスト
してもらう事が出来なかった。一応結果は出てるから使ってみてくれ」
「ほ、本当に大丈夫なんですか!?」
「なーに言ってんだ、俺の腕を信じろって!ちゃんと小型のジェネレーターも乗っけてある。
だから、心配すんな」
「でも…僕の世界の武器ですよ!?」
「ザフト、脅威の技術力ってな!テストで結果は出てるって言ったろ?」
「わ、分かりました…ありがとうございます!」
「おう、死ぬなよ!」
 
マッドはそれだけ言うと離れていったが、カミーユに一抹の不安はあった。マッドの腕を信用
してないわけではないが、まさか異世界の武器を造り上げるとは思ってもみなかった。
しかし、せっかくのマッドの厚意を無碍に扱うわけにもいかず、カミーユはハイパーメガラン
チャーで出撃することにした。
  
「何もこんな時に出してこなくてもいいのに……なるようになるか……?」
 
発進が行われていく中、カミーユはZガンダムをカタパルトへ向かわせた。
5カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:27:01 ID:???
アスランに次いで出撃したシンは、今回はブラストシルエットで出ていた。
毎回毎回の多数部隊相手では、基本兵装のみのフォースシルエットよりも砲撃兵装に特化し
たブラストシルエットの方が効率が良いと今更ながらに思ったからだ。
 
「こいつら、いつもいつも数で押してきて!それだけで落とされるかよ!」
 
シンは咆哮を上げ、殆どの敵をケルベロスの一撃で仕留めて行く。遠距離からの射撃では分
が悪いと悟った何機かがビームサーベルを抜いて向かってきたが、シンはその接近を許す前
に撃ち落していた。
 
「どんどん来い!アイツが来るまでにお前等全員叩き落してやる!」
 
フリーダム打倒に燃えるシンは次の相手…カオスへと向かって行った。
 
『またてめえか!』
「お前なんかに時間は掛けられんからな!速攻で落としてやる!」
『出来るもんなら落としてみやがれ!』
 
機動兵装ポッドの攻撃は牽制でしかないだろう。カオスの手に持ったビームライフルがインパ
ルスの動きを確かめるように撃ってこないのが証拠だった。
シンは機動兵装ポッドの攻撃をかわし、背部のケルベロスで応戦する。
 
「さっさと掛って来いよ!そんなんじゃ何時まで経ったって俺を落とす事は出来ないぜ!」
『なら大人しくこいつの的になれよ!』
「そっちこそ!」
 
お互い口の悪さは攻撃的だが、その動きは意外なほど消極的であった。
シンはフリーダムに備えて、スティングは確実に落としたいという欲があり、中々決定打に
繋がるようなミスは犯さない。
二人は相性が悪いのか、磁石の同じ極の様に相反するだけだった。
 
 
その頃出撃したカミーユは最初の敵と遭遇していた。相手はウインダム二機とムラサメだ。
ウインダム二機の方は連携が取れているようだが、ムラサメの方は違う所属だからかやや
孤立した動きを見せている。
カミーユはまず厄介なウインダムの方から相手にすることにした。
 
「本当に使えるのか……?」
 
未だ不安のあるカミーユであったが、マッドを信じてトリガーを引く。
すると、ハイパーメガランチャーの砲身から普通のビームライフルとは比較にならないほどの
ビームが迸った。
試射感覚で放ったビームの為にウインダムにはかわされてしまったが、ハイパーメガラン
チャーは予定通りの性能を発揮したのだ。
6カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:28:58 ID:???
「凄い、本当に使える……!」
 
カミーユは予想外の結果に驚きつつもウェイブライダーを上昇させる。
 
「今度は当てる!」
 
十分高度を確保した所でカミーユは変形を解き、二撃目を放つ。予め動きを予測した所へ
放たれたビームはウインダムを直撃し、カミーユは定石通りに一撃離脱を図る。
しかし、それを許さないかのように突撃してきたムラサメが横から邪魔を入れる。カミーユが
それを回避して離脱が遅れた分、もう一機のウインダムに接近する時間を与えてしまった。
 
「しまった!?」
 
サーベルを振り下ろすウインダムを間近に据えながら、カミーユはハイパーメガランチャーの
もう一つの機能が実装されている事を願ってモードを切り替える。
 
「たのむ!」
 
祈るようにカミーユは大剣の様に構えたハイパーメガランチャーをウインダムに振り下ろした。
ハイパーメガランチャーの銃口からビームが伸び、それがサーベル状に固定される。そのま
ま勢い良くウインダムに切り込み、真っ二つに切り裂いて今度こそ離脱をする。
 
「銃剣も使えるようになってる…凄いな……」
 
銃剣も再現されていた事に、カミーユは驚く。尤も、それが無ければカミーユは致命傷を受け
ていたわけだが、マッドの技術力に舌を巻いた。
 
「よし…いけるぞ!」
 
仕上げとばかりにカミーユはムラサメに仕掛ける。得物が大きい為いつもより動きは鈍かった
が、それでもカミーユはムラサメを難なく落とす。
当面の敵を倒したカミーユはふと気付く。
 
(……早いな……)
 
アークエンジェルの気配がもうすぐそこまで迫っているのを感じた。
7カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:31:48 ID:???
(フフフ…今回もカガリは来るのかねぇ……)
 
タケミカヅチのブリッジに居るユウナは黙って戦況を見つめていた。
 
(ま、この様子はどこかで見ていると思うけど、出てこざるを得ない演出をするのが僕の役目
かな)
「艦長、あれをミネルバに使いたまえ」
「はっ」
 
タケミカヅチから無数のミサイルが発射される。
その様子はミネルバのブリッジからも見えていた。
 
「ミサイル多数接近!弾道は真っ直ぐこちらへ向かっています!」
「対空砲火!ミサイルを叩き落しなさい!」
 
襲い来るミサイルがミネルバの機銃によって次々と落とされていく。が、そのミサイルはそれ
だけでは終わらなかった。機銃によって撃ち落されたと思われたミサイルの破片がそのまま
拡散し、降り注いできたのだ。
 
「えっ……きゃああぁぁぁぁっ!」
 
降り注ぐ弾丸を甲板に陣取っていたレイは何とか致命傷を避けて回避するものの、不意を突
かれたルナマリアはモロにその弾丸を浴びてしまった。
 
「おねぇちゃんっ!?」
「ルナっ!?」
 
メイリンとレイが叫ぶ。ミネルバは装甲を派手にやられ、あちこちから煙を上げていた。
 
「被害状況知らせ!」
「おねぇちゃん!」
「メイリン!」
「はっ…あ……」
「もうっ!アーサー!」
「はっ!メイリンちょっと代わりなさい!」
 
姉の思わぬ負傷にメイリンは気が動転していた。軍属であるがまだ年端も行かない少女に
この現実は辛かったのだ。
それを見かねてアーサーが代わりに計器の前に座り、火器管制のチェンがミネルバの状況
を告げる。
 
「船体チェック!…損傷は軽微です!第一装甲に穴を開けられた程度です!ただ、火器の
殆どが沈黙させられています!」
「ルナマリアは!?」
8カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:33:11 ID:???
メイリンに代わったアーサーが応える。
 
「……応答がありません!」
「そ、そんな……!」
「落ち着きなさい、メイリン!まだ死んだわけじゃないでしょう!レイに回収させて!」
「あ、もう終わってるみたいです!」
 
近くに居たレイは中破したルナマリア機を即座にミネルバの中に放り込んでいた。
 
「メイリン…アーサーに任せて行ってあげなさい」
「で…ですが……」
「ここは私が何とかするから行ってきなさい!」
「はっ、はい!申し訳ありませんっ!」
 
メイリンは今にも泣きそうな顔で急いでブリッジを飛び出していった。
 
「バート、後続は?」
「ありません!」
「前線の様子はどうか?」
「問題ありません、健闘しています!」
「了解。マリク、ミネルバ微速後退!現位置からやや退いて前線を援護!」
「はっ、ミネルバ微速後退します!」
「アーサーはパイロット達に通達!」
「了解です!」
 
機銃の殆どが使えなくなったミネルバは後退を始める。
致命傷は避けられたとは言え、ダメージを負ってしまったレイも甲板の上でそれに従う。
 
 
オーブの志を理解しているオーブ兵のババは戦場に身を置きながらも迷っていた。
前回カガリが出てきた事でその迷いは一層膨らんだのだ。
 
(私は…本当にこんな事をしていていいのだろうか……)
 
黒煙を上げるミネルバを見つめて、ババは苦悩する。
オーブという国は徹底的な中立国家であり、どの様な理由があろうともどちらかの陣営に
付くことなくやってきていて、二年前にもそれを実証していた。
結果的に国を焼く事になってしまったが、その志までは灰になることなく今日まで続いてきた
のだ。
 
(しかし、今のオーブはどうだ……?)
 
あれ程拒んできた戦争参加をあっさりと取り決め、軍隊を大西洋連合に提供し、挙句の果て
に今は圧倒的な物量でザフトの軍艦を追い詰めている始末である。
9カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:35:20 ID:???
(…これの何処に正義があるのだ……オーブの理念はどうなってしまったのだ……我々は何
の為に軍に入り、戦っているのだ…何の為に……)
 
悩めるババの耳に聞き覚えのある声が聞こえてくる。それは少年のような…しかし女の声で
ある。まだ穢れを知らないその声は信念のこもったはっきりとした口調で戦場に響き渡る。
 
『今すぐに戦闘を停止しろ!』
 
ババはその言葉を待っていた。
その声の主が戦いを止めるよう呼びかけるのを救いとして待っていた。
 
「カガリ様!」
 
ババはモニター越しにカガリのストライク・ルージュを見つける。
肩のアーマーに刻まれた獅子のエンブレムが今にもその雄々しい雄たけびをあげんとばかり
に感じられた。
ババは黙ってその言葉に耳を傾ける。
 
 
「何度言えば分かる!?オーブの軍隊は戦争をする為にあるんじゃない!理念を違えた力は
オーブの力じゃない!」
 
横にフリーダムを従え、カガリは戦場全体に呼びかける。
またもや現れたアークエンジェルに、戦場は再びその動きを止める。
 
「こうして争いをする事がオーブのする事じゃない!オーブの元首たるこの私、カガリ=ユラ=
アスハが言うのだ!戦闘を停止して今すぐオーブへ戻れ!」
 
(カガリ…君はまたそれかい?分からない子だねぇ……)
 
ユウナはカガリに不快感を示した。
仮にもカガリが去った後、オーブを支えてきたのは彼であった。それがここに来て同じ事を
繰り返すカガリがユウナには許せなかった。
 
(カガリ…キラ…お前達の言う事も分かるが今は……)
 
再び姿を現したアークエンジェルに向け、アスランはセイバーを向かわせる。
なんとかこの場から引き上げさせようとする為にアスランは全速力で向かう。
 
同じ頃、アスラン同様アークエンジェルを確認したシンとカミーユも其処へ向かっていた。
シンは復讐を…カミーユはそれを諌める為に光の尾を空に引いて行く。
10カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:37:34 ID:???
それぞれがアークエンジェルの下へ向かった頃、一人思うババは決意する。
 
『全オーブ軍に告ぐ!これ以上の戦いはオーブという国自体の危機であると判断する!』
 
突然流れる全周波による無線に全員が驚く。
ババは続けた。
 
『オーブ軍の諸君はもう分かっている事と思う!この戦いが既にオーブのもので無いと言う
事を!』
 
いきなりの事に戦場は静けさを浮かべる。その言葉の一つ一つにババの想いが込められて
いた。
 
『あのカガリ様は本物である!オーブ国家元首であらせられるカガリ様の停戦命令は聞かね
ばならぬ!しかし我々は連合との同盟を結んでいる!これを違えるわけにもいかない!
だから……これが最後だ!』
 
ババはムラサメをMAに変形させて最大限にバーニアを蒸かしてミネルバへと進路を取った。
 
「えっ……!?」
 
急な接近にタリアは反応出来ない。
操舵のマリクもただ呆然とするしか出来なかった。
 
「チィ…!」

甲板のレイがそれに弾幕を浴びせたが、ババは被弾しても怯まなかった。
 
「オーブという国はぁぁぁぁぁ!」
 
ババの悲鳴という魂の鼓動が木霊した時、ムラサメはミネルバの横っ腹にその身を飛び込ま
せた。
 
「くうぅぅっ!」
「ぐあぁっ!?」
 
ミネルバの船体がまるで地震が起こったかのように揺れる。計器は乱れ、危険を告げる警報
がけたたましく鳴り響く。
  
「チ、チェン!被害状況は!?」
「は、はい!…ど、どてっぱらをやられたようです、機関が安定しません!これ以上は……」
「もたないの!?」
「次が来れば……!」
「くっ…何てことを…自爆攻撃なんて……!」
11カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:39:53 ID:???
「あ…ああぁぁぁぁぁ……」
 
ババの特攻をその目で見たカガリはただ泣き叫んでいた。
オーブ軍はその壮絶なババの散り際を見て戦闘をようやく停止する。
 
(さて、どうするカガリ?君を信じてまた一人その命を失った……君はそれに応える事が出来
るのかい?)
 
見つめるユウナを余所に、連合側はこれをチャンスと見てミネルバへ一斉攻撃を仕掛ける。
水中から忍び寄ったアビスが止めを刺そうとミネルバの眼前から飛び出した。
 
「はんっ!これで終わりだな、ミネルバ!」
 
しかし、その刹那、狙い済まされた強力なビームがアビスの胴を撃ち貫く。ミネルバの危機を
察知したカミーユが戻ってきていて、ハイパーメガランチャーの一撃を放ったのだ。
コックピットを貫かれたアウルは自分に何が起こったのかを知る事無くその命を散らせた。
 
「アウル!?」
 
連合艦に陣取るネオはそれを目撃して叫ぶ。しかし、仮面に隠されたその表情は読み取れな
かった。
 
「……」
 
ステラと同じ存在と知りながらカミーユは止めを刺した。
結局こんな方法しか取れない自分に苛立つ。その苛立ちをぶつける為にカミーユはミネルバ
に襲い来るウインダムの群れへ向かっていった。
 
しかしその時、別方向からビームが飛んでくる。
それを事も無げにかわすカミーユだったが、その不快感から誰がそのビームを放ったかは
分かっていた。
 
「あのフリーダムって奴!」
 
カミーユはウインダムの相手でフリーダムを相手にする余裕が無い。
しかし、フリーダムはその狙いをウインダムへ向け、一斉射撃を行う。乱射されたそれは適当
では無く、ウインダムを爆散させる事無く戦闘能力だけを奪っていく。
 
「ぐぅおっ!?」
 
その中にまたもやシンに戦いをすっぽかされてしまったカオスがドサクサ紛れに混ざってい
た。今度は何とか自力で飛行できる能力が残っていたらしく、煙を噴く機体をフラフラさせな
がら母艦に戻って行った。
 
「アイツはまた……!」
 
その行為にカミーユは憤りを示す。
12カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:43:25 ID:???
シンはフリーダムがアークエンジェルより離れたのを見てルージュに接近していた。彼にとって
フリーダムと同じ位許せない相手…それがカガリであった。
 
「お前が何でまたこんな所に出て来たぁぁぁ!」
 
ルージュに砲撃するシン。対するカガリはそれを辛うじてかわしているに過ぎなかった。
 
『お…お前の声…あの時の』
「覚えていてくれたかよ!そうだ、アスハに裏切られたシン=アスカだ!」
『そ、それは……な、何故攻撃する!?私は戦いを止めたかっただけだ!』
「都合のいい言い訳を!オーブだけだろ、あんたの考えてる事は!」
『そ、そんな事は無い!オーブの理念によって…』
「そのオーブの理念で殺された人の事を忘れてんだろっ!?」
『……っ!?』
 
アークエンジェルの援護射撃も空しく、カガリは徐々に追い込まれていった。
 
「!?」
 
しかし、シンが捉えたと思った瞬間、フリーダムが神速の如き速さでカガリを援護しにやって
来る。後一歩のところで好機を逃したシンは怒りのあまり思惟を覚醒させる。
 
「あんたはぁ!また俺の邪魔をするのかぁぁぁっ!」
 
弾け飛ぶシンの意識がかつて無い集中力を生み出す。それはキラにとっても想定外で、シン
の攻撃に一瞬怯む。
シンはそのまま機体をフリーダムの真下へ滑り込ませて攻撃する。
 
「下に……!?なら!」
 
それを回避とシールドで何とか防いだキラはシン同様に覚醒し、一撃必殺の下にビームサー
ベルで突撃する。…今までのシンには避けられない攻撃だった。
しかし、シンはその攻撃に目を見開き、キラの動きを見切った上で回避した。
空を切り裂くフリーダムのビームサーベルはそのまま勢い良く海面に振り下ろされ、その接触
と同時に巨大な水しぶきを上げた。
その水しぶきのせいで視界を一瞬奪われたキラはインパルスが空中へ逃れたと思い、空へ
向けてビームライフルをかざす。
13カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:47:08 ID:???
「!?いない……!」
 
水しぶきが収まってきて視界が徐々に晴れてきた頃、インパルスの姿は空には無かった。
 
「俺はここだぁぁぁっ!」
 
水しぶきに包まれるように姿を隠していたインパルスがフリーダムの側面から姿を現す。
シンは明後日の方向にライフルを構えるフリーダムにケルベロスの一撃を見舞った。
 
「くぅっ!」
 
それでも世界最高のパイロットはその攻撃をギリギリで回避する。しかし、キラはインパルス
のパイロットが最早自分より格下ではないことを実感する。

場の混乱を見たカガリはアークエンジェルへ避難した。
それを確認したキラはアークエンジェルの後退に掛かる時間を稼ぐ為に囮作戦に切り替える。
インパルスの攻撃を回避する事に専念し、必要以上に仕掛けないようにしてやり過ごそうと
した。
 
「ちょろちょろとぉっ!」
 
かつて無い動きを見せるシンは、カガリが退いた事も見えずにフリーダムの事しか見ていな
かった。そのガムシャラな動きにインパルスはエネルギー切れの警告音を鳴らす。
 
「エネルギー切れ!?何でこんな時に…!」
 
いつもよりエネルギー使用量の多いブラスト装備で出ていたシンはエネルギーを使いすぎて
いた。ただでさえカオスやウインダムを葬るのにエネルギーを使っていたのに、フリーダム
相手にキレたシンはその事に全く気付いていなかった。
 
『シン、ここは退け!』
「カミーユ!…くそぉっ!」
  
やっと追いついたカミーユがシンに警告する。
シンの方もエネルギー切れではどうしようもない事は分かっていた故に、一度ミネルバに
戻ってデュートリオンビームで回復をしようと戻っていった。
14カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:49:31 ID:???
「あれは!?アスランの言っていたカミーユって人が乗っている……」
 
キラにとって最も気を付けなければならない相手がやって来た。
この相手ばかりには誤魔化すような戦法は通じない。キラはそう思って全力で相手をする
決意をする。
フリーダムは一斉に全火器を前面に集中させ、フルバーストアタックの態勢に入った。
それに気付いたカミーユはウェイブライダーからハイパーメガランチャーを切り離し、機動性
を確保する。
その直後、フリーダムからビームの雨がウェイブライダーに向けて放たれた。
しかし、構わずにカミーユはウェイブライダーを突っ込ませる。
 
「そんな直線的な攻撃に当たるかよっ!」
 
もの凄いビームの雨の中を、Ζガンダムはすり抜けるように最短の過程でフリーダムに
接近する。
カミーユはフリーダムの倍以上もあるサイコガンダムのメガ粒子砲の雨も潜り抜けてきた
猛者だ。いくら正確な射撃とは言え、それに当たるほどカミーユは間抜けではない。
接近戦レンジにΖガンダムが到達するとカミーユは変形を解き、Ζガンダムにビームサーベ
ルを抜かせる。キラもそれを予測していたのか、すかさずビームサーベルをフリーダムに抜か
せる。
前回に続き、またもや接近戦であった。

「お前がこれ以上邪魔をするなら、俺はここでお前を落とす!それが嫌なら二度と俺達の前
に姿を現すな!」
『それはあなたの勝手でしょう!?僕達には僕達の理由があるんだ!』
「それがこんな迷惑を掛けてする事かよ!?人の命を吸ってまでやる事なのかよ!?」
『人の命が掛かってるからこそやるんだ、僕達は!』
 
キラはΖガンダムのビームサーベルを切り払い、シールドでΖガンダムを突き飛ばした。
バランスを崩されたΖガンダムへフリーダムのバラエーナが襲い掛かるが、カミーユは器用
にアポジモーターで姿勢制御を行い、ウェイブライダーで離脱した。
 
『あなた達が無駄な戦いをしているから僕達はそれを止める為に戦っているんじゃないか!
それがどうして分からないんだ!?』
 
再びフリーダムがフルバーストアタックの姿勢に入る。
 
「都合のいい言い訳を!」
 
フリーダムからビームの嵐がΖガンダムに注がれるが、当たった事の無い攻撃に当たる
わけも無くその攻撃をサラリとかわし、再び格闘戦へと持ち込む。
 
「お前にとって戦争を止めるには戦う事が全てか!?戦いで戦争を終わらせる事が全てじゃ
ないだろう!」
『あなたの言う事も分かるけど…じゃあどうすればいいんだ!?』
「自分で考えろ!」
『そうやって誤魔化すんですか、あなたは!』
「お前が考えてないだけだろ!」
15カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:52:17 ID:???
最早ただの罵り合いである。
互いの主張が噛み合わないままビームサーベルによるチャンバラが続く。実力が拮抗した
二人の戦いは永遠に続くものかと思われた。
しかし、それを止めたのは紅い機体に乗った人物だった。

「キラァァァー!」
「アスラン!?」
 
セイバーがフリーダムにビームサーベルで躍りかかる。
 
「アスラン!無理はするな!」
 
しかし、そんなカミーユの忠告も空しく、無謀にもアスランはフリーダムに追い込みを掛ける。
 
「キラ、聞こえているだろう!お前のせいでまた余計な犠牲が増えた!こんな事をするのが
オーブの為になるのか!?」
『それは…アスラン!』
「お前のやっている事はただ悪戯に戦場を混乱させるだけだと言っただろう!
…それなのに……!」
『それは…それは分かってる!』
「分かってないからこうして戦争に介入してくるんだろ!?」
『でも…でも……カガリは今泣いているんだ!こうなる事が悲しくて、今泣いているんだ!
君がそれを一番分かってあげなくちゃいけないんだろ!?』

「アスラン!そいつの戯言に惑わされるな!」
 
脇で会話を聞いていたカミーユは必死にアスランに呼びかける。
しかし、当のアスランには分かっていた。
戦争中に一人の女の主張が理由になるわけが無い…例えそれがどんなに素晴らしい事
でも、このような介入方法しか知らない連中の言い分を聞くわけにはいかなかった。

「……キラ…それで俺が引くと思っているのか?」
『アスラン!?』
「これは戦争なんだ!一介の所属不明勢力の言い分なんて聞けるわけ無いだろ!?」
『じゃあ、アスランはカガリの事はどうでもいいの!?戦争だから仕方ないって…それで
カガリの目指そうとしている物を否定するの!?』
「そうじゃないキラ!カガリにはもっと違うやり方で戦争を止めて欲しいんだ…戦い以外の
方法で!だから今はそれをしようとしないお前達を…俺は討つ!」
『アスラン…なら僕も君を討つ!カガリを守る為に!』
 
お互いは再び敵と味方に分かれた。それは二年前の再現…しかし、相討ちで終わった前回
の戦いとは結果が違っていた。二人の戦いはフリーダムの一方的な勝利という形であっけな
く幕を閉じる事になる。
16カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/21(土) 01:54:21 ID:???
フリーダムのメインカメラが瞬き、両手にビームサーベルを掴む。
そして、左腕に握らせたビームサーベルで切りかかってくるセイバーの右腕を弾き切り、右の
ビームサーベルで左足を切り落とした。そのまま返す刃で頭部を吹き飛ばし、腹に蹴りを食ら
わせて突き飛ばす。
その衝撃でアスランは気を失い、フリーダムは止めを刺しに掛かる。
 
「やめろぉぉー!」
 
カミーユの叫びも空しく、フリーダムはセイバーの腹を突き刺して硬直する。
キラの一撃はセイバーの致命傷を避けていた為爆発は起こらなかったが、カミーユからは
コックピットを串刺しにされたようにしか見えなかった。
 
「そ…そんな……アス…ラン……?」
 
アスランの死に動けないカミーユはフリーダムがセイバーを突き刺したまま暫く動かなかった
のに何も出来なかった。
やがてフリーダムはセイバーを突き放して飛び去って行き、そのすぐ後にシンが戻ってきた。
 
『カミーユ!あいつは…フリーダムは何処だ!?』
「シン……」
『逃げられちゃったのかよ!?』
「アスランが…死んだ……」
『えっ……?』
 
シンが海面へ目を向けると、其処には破壊されたセイバーの残骸が空しく浮かんでいた。
 
『ア…アスランが死んだって…どういうことだよ……?』
「……」 

戦場には既にミネルバしか残されていなかった。
戦力の大半をフリーダムに無力化された連合は退き、既に停戦をしていたオーブのMSは
何処かへ消えていき、タケミカヅチも何処かへと戻っていった。
戦場に残った虚無感がこの戦いの意味を表していた……
                                             〜つづく〜
17通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:56:37 ID:???
>>カミーユ氏
乙。今から読んでくるー
18通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:57:28 ID:???
え?アスラン死亡。。。。?
とにかくGj
19通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:58:20 ID:???
GJです
アスランはここで一時退場か…
話が大きく動き出してきたな
20通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:59:10 ID:???
今も今でも誰かの優しいGJより・・・・凸退場かよ!?だったら大筋がかなり変わりそうだな。
21通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:59:41 ID:???
初めてリアルタイムで遭遇した…
GJ!…でも、アスラン…え、これ…死亡?
22通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:02:58 ID:???
GJです。

読んでたら「どうして、そうも簡単に人を殺せるんだ!!」のセリフが頭に浮かんできました。

今後の展開に期待してます
23通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:03:56 ID:???
でもカミーユは議長の遺伝子で全て管理する世の中という政治を聞いたら
それでもザフトにいるのかな?この辺がマジで気になる
24通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:05:12 ID:???
GJです
凸がやられた時
カミーユがハイパー化するかと思いました
まだお預けみたいですね
25通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:11:49 ID:???
投下乙。

アスランが九死に一生を得ても、なんか酷いことになってそう。
なにしろセイバーは海面に落下してる

仮にキラが拉致していったのでもなければ(これはこれで酷いことだが)
26通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:12:13 ID:???
GJです
でもカミーユのキャラ作りがマジでうまいですね
原作のカミーユでも同じような行動や言葉を吐くだろうなってマジで思える
27通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:21:36 ID:???
SS読みながら脳内ボイスが再生できるし、>>26の言うとおりだね
28通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:26:48 ID:???
あああ、もう!なんでここ最近よい作者さんが増えてるんだ!
とにかくもう、GJ!!!
29通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:35:18 ID:???
アスランがキラにまともな反論下せてる・・・

にしても誰もニダの死を話してないなw
アスラン死亡(?)に比べて話題性は低いし、本編でもこの回やられてたが・・・
30通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 02:36:59 ID:???
GJ!
Ζなだけあって人の命が吸われて行くな
31通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 06:20:05 ID:???
素晴らしい。
この手のSSスレだと、ほとんど場合キラは必要以上に性格が改変されて
異常にまぬけだったりヘタレだったりするけど、TV版のキラそのものでありながら
きっちりと駄目さ加減が描かれてる。
32通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 12:13:30 ID:???
GJ!!
33通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 12:31:36 ID:???
GJ!!ア、アスラーン!!!!!!!!!!!!!!
34通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 13:40:54 ID:???
ちょwww待たんかキラ公wwww
カガリのためと称して凸ガチ殺してどうするんじゃwww
帰還したあとでどの面下げてなんという気なんだ…?
35通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 13:49:56 ID:???
>カミーユからはコックピットを串刺しにされたようにしか見えなかった。

カミーユからそう見えただけで、実際はぎりぎり避けてると解釈したけど。
36通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 13:57:00 ID:???
やはり、Zのように皆殺し状態になるのだろうか?

生き残るのが、アーサーやアビーとかのブリッジクルーのみとか言う状態にw
37通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 13:57:37 ID:???
>>35
コックピットの至近距離にビームサーベルを刺されたうえに、
穴の空いたコックピットで海中に沈んでいるわけだが。
38通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 14:01:52 ID:???
>フリーダムがセイバーを突き刺したまま暫く動かなかった

この間にアスラン回収してたとか
39通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 14:03:13 ID:???
本編もみじん切りでピンピンしてたから、一縷の望みを賭けてみる、ここの凸はまだ先を見たい。
しかし、エマさんも死に、ヘンケンも死にロベルトもアポリーも逝く、これもまたZクオリティなのか
40通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 14:04:25 ID:???
セイバーはコックピットが移動するMSだったんだよ!
・・冗談だが
41通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 14:24:47 ID:???
>>38説で、ミネルバ勢はアスラン死んだと思うわけだ
と言うかこのアスランだとこうでもしないとミネルバから離れそうにないし
42通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 14:34:42 ID:???
そのあとAAで洗脳かい
43通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 14:36:43 ID:???
培養かも知れぬ
44通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 14:42:23 ID:???
死んでしまっても肉片があればいいってか
45通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:08:31 ID:???
軟禁して洗脳して味方につけようと、
それなんてオウム真理教?
46通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:11:20 ID:???
カミーユがこの世界でどういう行動に最後は出るのかが気になるな
ニュータイプの概念である人は分かり合えるというのをプラントと地球に訴えていくのか
でもそれにはカミーユ一人だと難しいしな…
47通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:12:40 ID:???
無傷じゃないだろうしどうなるか。
48通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:14:47 ID:???
最後に力を発動させて全世界の人々に訴える
その力の余波でΖと共にU.C.へ帰還
ただし力を使い果たして廃人化→TV版ラスト
49通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:16:27 ID:???
>>48
なんか小説版Zのラストみたいだね
小説版は最後はイデ発動もどきの後に死んだけど…
50通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:23:08 ID:???
実はこの世界はシロッコが死ぬ間際にカミーユを連れて行こうと作った怨念だったとか
51通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:31:39 ID:???
最後に力を発動させて全世界の人々に訴える
その力の余波でΖと共にU.C.へ帰還
そんで最後にZZ最終話の復活したカミーユに繋がるという感じでは?
でもこれじゃあZZの時にZがあるのがネックだな…
52通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:50:07 ID:???
カミーユともあろうものが凸の死を感じ取れなかったのか?
53通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:51:09 ID:???
>>48
いくらなんでも廃人化しすぎww
普通にZZのEDにもってたらいいじゃんw
54通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 15:55:40 ID:???
>>52
凸がまだ死んでないからじゃないか?
レコアの時も死んだと思ったし
最高のNTでも超能力者じゃないから全てが
わかるわけじゃないだろうし
55通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:03:36 ID:???
>>54
実際に人の死を感じ取ったNTは居たぞ。

あれ? あれってCCAアムロだったけかな?
そういうのが居た記憶はあるんだが誰だか覚えてないorz
56通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:21:22 ID:???
>>55
カミーユは人の死を一番感知してるよ。
毒ガスで死んだコロニー住民がカミーユの中に全て入ってきたりとか
コロニーレザーで潰された市民の断末魔を感知したりとか
ただ今回は凸が死んでないからそれを感じれなかったということだと思う
57通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:21:53 ID:???
>>55
いや感じ取れるNTは多いけど、それでも全ての死を把握できるわけじゃないということだろ
58通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:24:48 ID:???
ニュータイプだからなんでも理解できるわけじゃないからね
アムロもNTだから未来がみえるわけじゃないと言ってるし
ただカミーユのNT能力は最も超能力ぽかったのは事実だけど
59通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:26:48 ID:???
定義こそ違うがXのティファは初期は死人の断末魔を全て受け止めたりしてたな
60通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:31:24 ID:???
カミーユが崩壊した理由はそこでもあるからね
あまりにもNT能力高すぎて戦場の負の念や死んだ人間の断末魔を
モロに拾ってしまうから精神的にも疲労して最後はシロッコの断末魔まで
もらっちゃったからね…
本来戦う人種じゃないNTが戦場にいたらこうなるという典型的なパターンだし
新訳だとそういう負のプレッシャーを感じても受け流すことを覚えたから
崩壊せずにすんだけど
61通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:33:40 ID:???
あべしっ!ひでぶっ!たわばっ!とめった!いってれぼ!
62通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:36:48 ID:???
今日の投下が待ち遠しい
63通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:37:56 ID:???
おまいら急かすな
SS書いたことある人なら分かると思うけど、有る意味嫌な上司からくるストレスと同等だぞw
64通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 16:41:51 ID:???
>>63
すまん…
65通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 17:50:56 ID:???
まぁマターリ待とうぜ!!
66通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 17:56:04 ID:???
>>60
TV版カミーユは暗黒面に落ちたアナキン
新訳版カミーユはジェダイになれたアナキン
67通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 18:09:17 ID:???
>>66
キャラがあまり被ってないから違和感あるぞ
68通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 18:48:17 ID:???
>>67
カミーユとアナキンって結構似てると思うんだが
両者とも潜在的には最高NT能力(フォース)を持つが
その素養を制御できず暗黒面というとこは
性格も短気で女に引きづられるとこもちょっと似てるし
69通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 18:58:09 ID:???
>>68
カミーユとアナキンは能力の設定とかは似てるけど
キャラはカミーユ+カツの自制心のなさ=アナキンという感じだね
まぁカミーユも初期や女絡みになるとそういうとこはあるけど
70通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 19:03:47 ID:???
クワトロ=オビワンか?
シロッコ=パルラティン
71通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 19:03:48 ID:???
まあなんだ某ライダーのTさんも死んだと思ってたら最終的には生きてたし
72通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 20:35:38 ID:???
ヤハリソウイウコトカ
73通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 21:34:27 ID:???
キンケドゥなんてコックピット近くを刺された上大気圏降下したんだ。きっと無事だよ
74通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 22:28:23 ID:???
おまいら大切なことを忘れてないか?
作者さんは『プロ(嫌なアクセントで)』じゃねえ
75通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 22:44:40 ID:???
種死の監督と脚本はプロフェッショナルだってみんな知ってたか?
76通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 22:55:27 ID:???
嘘だろJOJO!!
77通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:05:31 ID:???
>>75 に対し、コレを貼れと言われたような気がした
   、ミ川川川彡                 ,ィr彡'";;;;;;;;;;;;;;;
  ミ       彡              ,.ィi彡',.=从i、;;;;;;;;;;;;
 三  ギ  そ  三            ,ィ/イ,r'" .i!li,il i、ミ',:;;;;
 三.  ャ  れ  三    ,. -‐==- 、, /!li/'/   l'' l', ',ヾ,ヽ;
 三  グ  は  三  ,,__-=ニ三三ニヾヽl!/,_ ,_i 、,,.ィ'=-、_ヾヾ
 三  で       三,. ‐ニ三=,==‐ ''' `‐゛j,ェツ''''ー=5r‐ォ、, ヽ
 三.   言  ひ  三  .,,__/      . ,' ン′    ̄
 三   っ  ょ  三   /           i l,
 三.  て   っ  三  ノ ..::.:... ,_  i    !  `´'      J
 三   る  と  三  iェァメ`'7rェ、,ー'    i }エ=、
  三   の   し  三 ノ "'    ̄     ! '';;;;;;;
  三   か  て  三. iヽ,_ン     J   l
  三  !?    三  !し=、 ヽ         i         ,.
   彡      ミ   ! "'' `'′      ヽ、,,__,,..,_ィ,..r,',",
    彡川川川ミ.   l        _, ,   | ` ー、≡=,ン _,,,
              ヽ、 _,,,,,ィニ三"'"  ,,.'ヘ rー‐ ''''''"
                `, i'''ニ'" ,. -‐'"   `/
               ヽ !  i´       /
               ノレ'ー'!      / O
さて・・・カミーユに修正喰らってくる
78通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:16:05 ID:???
>>77
「嘘だと言ってよバーニィ!!!」でも良かったんじゃね?








スマン、板違いだ。 ウェブライダーで特攻して来る
79通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:21:27 ID:???
>>77
いや、いいんじゃない?
凸が死んだ…
さて
キラがそれを逆恨みしてジェリ○のようにストーカーするのか

それとも、カガリが離反するのか

あるいはセーフティーヘアー使ってしまい頭髪がまるで無くなった凸禿が
毛髪の敵を討つために逆襲するのか、なんにせよ楽しみで

すまん、コロニーレーザーの中の乱戦にボールで突撃してくる
80通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:30:28 ID:???
アスランの呪いで、ラクシズに所属する全ての構成員は頭髪が無条件に抜けていくと言う・・・

嫌過ぎるな、この呪い。
81通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:31:47 ID:???
だがヅラが死んだ後のラクシズがどうなるのか、はかなり見たい。
今までにない展開堕科。
82通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:33:59 ID:???
「やっちゃいけなかったんだよ!」とか「僕は取り返しの付かない事をしてしまった……」な展開になると思うとwktk。
83通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:44:04 ID:???
ラクスの泣いてもいいのですよ人は泣けるのですからで立ち直るぞ、嫁なら3話は潰せるな
84通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:45:48 ID:???
で、カミーユと決闘という訳か…

でもそこにジェリドが(ry
85通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:47:00 ID:???
カミーユはラクスのバカをみてどう思うのかね?
86通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:53:22 ID:???
生かしてはおけない。
87通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:54:24 ID:???
シロッコ以上に切れるだろうな
88通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:55:04 ID:???
「ラクスのバカ」はやめてください

せめて「知的障害者ラクソ」にしてください
89通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:55:15 ID:???
さりとてカミーユの性格からして戦闘に立って戦ってるわけでもない女を殺せるとも思えん
90通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 23:55:17 ID:???
ある意味ハマーンと同じで、戦争で漁夫の利を狙ってるようなもんだからカミーユの最も嫌うタイプだと思う。
91通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:00:50 ID:???
シロッコに突っ込んだ時と同じ台詞ででマルキオに突っ込んでいくことに
1ペリカ
92通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:13:39 ID:???
「殺せる!僕はもうお前を殺せる!僕は本当の憎しみを知ってしまった!!」
93通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:18:15 ID:???
マルキオが赤魔道士レゾの用に、死荷際に眼を見開いて断末魔を上げるのが眼に浮かぶぞ。
94通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:24:30 ID:???
TV以外見てないんだが
マルキオは結局何がしたいの?
95通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:28:05 ID:???
それは俺も知りたい、あのSeed教はなんなんだろう。
96通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:28:53 ID:???
世界を混乱させるのが目的。

混乱してないとSEED意味ないし。
97通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:29:02 ID:???
>>94
それ種キャラ全てじゃね?
議長以外はみんな信念がないし
98通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:40:24 ID:???
>>83
四話だろ?

凸死亡(一話)→キラ落ち込む(下手な心理描写でうじうじ。これで一話)→ピンク電波で再洗脳(これで一話)→総集編
99通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:41:02 ID:???
  キラ→ラクスの操り人形。主体性無し
 ラクス→電波のお姫様。平和と言う言葉に捕われすぎ。
 カガリ→極端な理想主義。戦略性皆無。
アスラン→自分の正義の為と大層な事を言うが、傍から見れば只の蝙蝠野郎。

とりあえず四人は同人アニメだとこんな感じだと思う。
議長以外に、ある程度信念があったのはユウナくらいかな?
100通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:45:01 ID:???
ユウナは信念とかは否定するタイプじゃないか?信念ならミナ様のほうがしっくり来る
101通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:46:39 ID:???
そのラクスの教祖がマルキオ
ジャンク屋を作ったのもおそらくラクスの援護のためなんじゃないの?

アレだなシード教=アメリカキリスト教右派
102通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:46:48 ID:???
議長のも信念と言うより学者としてのエゴ貫いただけにも思える
103通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:48:24 ID:???
コーディの誕生とエヴィデンス01の発見で宗教の権威が失墜したんで、マルキオはそれに変わるSEED教を開いたと聞いた事がある。
104通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 00:56:23 ID:???
>>85
お前だ! いつもいつも脇で見ているだけで人を洗脳して!!
分るまい! 戦争を宗教にしているラクスにはこのオレの体を通して出ている力が。

これぐらいは直接言って欲しい
あいつは作中直接叩かれるって事がなかったからな
105カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 01:04:15 ID:???
クレタ島沖での戦いはミネルバに大きなダメージを負わせた。
ミネルバは船体を見事にやられ、ルナマリアは負傷、そしてアスランの戦死……何とか回収
できたセイバーのコックピットには損傷が無かったが、そこにアスランの姿は無かった。
残されていたのはバイザーの割れたヘルメットのみであった。
状況を考えればそのまま海へ投げ出されたのだろうが、周囲を探索してみても見つから
ない。例え発見できても、生きている確率は絶望的に低いだろうというのが大方の見解
だった。
 
「……」
「カミーユ…あんた、何で助けなかったんだよ…何で……」
「シン……」
「唯一アイツと互角に渡り合えるあんたが付いていながら、どうしてあの人を死なせたん
だ!?これじゃあルナが……!」
「っ……」
 
アスランの死に動揺するシンは激しくカミーユに詰め寄り、珍しく目に涙を浮かべていた。
あれだけアスランに敵意を見せていたシンの思わぬ動揺ぶりにカミーユは戸惑う。
共に戦ってきた仲間の戦死に、カミーユの精神は再び揺らぎ始める……
 
「何であの人を死なせたっ!?」
「よせ、シン。」
 
少し遠くから聞こえてきた声に、二人は振り向く。
医者に車椅子を押されてハイネがデッキにやって来た。
 
「戦場での死に責任は無い。それでもあるとすれば自分にあるんだ。カミーユを責めた所で
アイツは戻ってきやしない」
「でも…それじゃあ、余りにも……!」
「戦争をしていればいつかこんな日が来る。それがアスランにとって…」
「何だよそれ!?そんなんで納得しろって言うのか、あんたらはそれで納得できるって言う
のか!?俺は納得できない…だってそうだろ!?今まで一緒に戦ってきた仲間なんだぞ、
もっと他に感じる事があるだろ!」
「そんな事はお前に言われなくとも分かってる!」
 
激昂するシンにハイネは大声で言い返す。普段軽口しか叩かないハイネの剣幕にシンは
押される。
106カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 01:06:21 ID:???
「俺だって信じたくないさ!だって俺はアイツの上司だぞ、先輩だぞ!」
「ハ…ハイネ……」
「それなのに俺はその場に出る事が出来なかった!ああ、悔しいさ!自分より先に部下が
死んじまったんだからな!」
 
限りある動きでハイネは無念を表現する。ハイネの口から悔しさが紡がれる。
 
「全く…無様だぜ俺は……!フェイスだなんて気取って見せたところで仲間の一人すら
守れない……!」
「……」
「俺な…言ったんだよ、アスランに……何があってもこの艦に戻って来いって…皆仲間だか
らって……アイツ、必ず戻るって約束したんだぜ?なのに……」
 
ここまで話すとハイネは言葉に詰まる。
シンはそこで初めて気付いた。
アスランの死が誰にも納得できていない事、でもこのままじゃ戦えない事……頭で分かって
いても心で理解できない事もある。
それでも何か理由を付けて気持ちを誤魔化さないと先に進めないのだ。
 
「……カミーユ…ゴメン……」
 
カミーユの方へ向き、驚くほど素直に謝罪の言葉がシンの口から出て来る。
ここ最近色々思い悩んでいたシンは素直に感情を表現する事の重要性に少しづつ気付いて
いた。しかし……
 
「シン…俺は……」
「頼む、今の話は聞かなかった事にしてくれ!俺が…悪かったから……カミーユだって納得
しちゃいないってこと分かったから……!」
「でも…俺はお前の言う通り、アスランを見殺しにしたんだ……」
「分かってるから、俺…あんたのせいじゃないって分かってるから!だからそんなに思い
つめないでくれ!」
 
苦しい表情を浮かべるカミーユが今にも消えてしまいそうにシンには見えた。
儚げなカミーユの存在感が消えてしまわないようにシンがカミーユを励ます。
 
「……」
 
その時、湧き上がるシンの感情はこれまで尖っていたその性格から余りにもかけ離れている
事にカミーユは気付いた。それは人間として良い方向への転換、素直な気持ちを伝えられる
ようになった証拠である。
しかし、それがシンに限っては表裏一体の諸刃の剣にも成り得る。
107カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 01:08:53 ID:???
人より過敏な神経を持つシンにとってそれが何よりも危険な事であった。
過敏な神経を持つということはそれだけ脆いという事も示している。シンの激しい気性は、
それを隠すために、あたかもハリネズミの如く尖っていたせいだったかもしれない。
しかし、その棘が削ぎ落とされつつある今、無防備なシンの心は晒されすぎていた。
脆い心は触れられれば壊れる。感受性が人一倍強いカミーユとシンは似ているのだ。
 
「シン、分かったからお前は休養を取るんだ。俺なら大丈夫だ…仲間を失うのはこれが初め
てじゃない」
「あ…あんた……?」
 
シンはステラの事で精神的に弱っている。そして初めての仲間の死にその心は今にも崩れ
てしまいそうな危うさを持っていた。
カミーユは自分が何の為に再び戦いに身を置くようになったかを思い出す。シンが以前の
自分と同じ道を辿らないようにする為にも、笑顔を作る。
 
「シン、ハイネ…戻ろう。あの連中をこのままで済ますつもりは無い」
「ああ、奴らにはそれなりの報いを受けてもらおうか」
「ハイネ、カミーユ……」
 
覇気を取り戻した二人にシンはホッとする。
いつの間にか二人を頼りにしている事にシンはまだ気付いていなかったが、その心には確実
に彼らに対する仲間意識が芽生えていた。
 
 
 
暗闇の中、妙にちらつく光のような点がルナマリアの意識を突付く。
まどろむ意識はそれが何なのかは認識出来なかったが、それが自分に目覚めを促している
事だけは分かった。はやし立てられる様に意識を覚醒させていくルナマリアは、医務室の
ベッドの上で目を覚ます。
 
「う…うぅ…ん……」
「お姉ちゃん!」
 
最初に目に入ってきたのは妹のメイリンの泣いている顔であった。まだ霞む視界に目を細め
ながら周囲を見渡す。白い部屋がやけに眩しく感じられた。
 
「ここは…あたし……?」
「よかった…本当に良かった!」
「メイリン…どうして泣いているの……?…………!?あ、あたし!」
 
徐々にはっきりとしてくる意識が自分に何が起こったのかを思い起こさせる。ルナマリアは
雨のような弾丸をまともに受け、そのまま今まで意識を失っていたのだ。
108カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 01:10:17 ID:???
「本当、良かったねお姉ちゃん……私、お姉ちゃんまで死んじゃうのかと思った……」
「はっはっは、大げさだな、メイリンは?あれしきではルナマリアは死にやしないさ」
「でも先生、お姉ちゃん凄い出血だったじゃないですか!?」
「そりゃあそうだがね?思ったより傷は深くなかったんだよ。得したって事だな」
「もう、そんな風に言わないで下さい!」
 
安堵感に包まれているからか、メイリンも元気を取り戻し医者と口論をしている。
しかし、ルナマリアはメイリンが口にした言葉に引っかかっていた。
 
「メイリン…助かったのは良かったけど、あたし"まで"ってどういう…」
「あ……!」
 
和やかな場の空気が一気に凍りつく。
それが尋常でない事はルナマリアにもすぐに分かった。
メイリンがルナマリアを気にしつつもおずおずと口を開く。
 
「あ…あのね…お姉ちゃん、落ち着いて聞いてね……?その……アスランさんの事なんだ
けど……」
「ど…どういう……?」
「……戦死だって……アスランさん……」
「せ…戦死!?そんな…嘘でしょメイリン!?」
「こんな事、嘘つけないよ……だって、シートには誰も乗ってなかったて…ヘルメットだけが
残ってたって……MSデッキでそう話してるのを聞いたんだから…」
「ゆ…行方不明なだけじゃ……」
「見つからないのよ…何処にも……それに、海に落ちてたとしても助かってなんかは……」
「そんな……」
 
アスランの死がルナマリアには信じられなかった。
前大戦の英雄、ザフトのエースだった男がこのような戦いで命を落としたのだ。
特に彼に好意を抱いていたルナマリアにとってショックは大きかった。
 
「誰が……」
 
余りの事に呆然としたルナマリアは、悲しい事の筈なのに涙が出てこなかった……
109カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 01:12:25 ID:???
ミネルバのクルーに死んだと思われていたアスランは、見覚えのある一室で目を覚ます。
そこは約二年ぶりの部屋であった。
 
「……ここは、アークエンジェル…?」
 
誰も居ない病室に寝かされていたアスランは、懐かしい風景にゆっくりと周りを見渡す。
 
「俺は…どうしてここに……?」
 
体を起こして記憶を呼び起こそうとする。
その時病室のドアが開き、人が入ってくる。
 
「あ、よかったアスラン。目を覚ましたんだね」
「キラ……!」
 
入ってきたのはキラだった。相変わらずの優しい笑みでアスランに声を掛ける。
 
「どう、もう大丈夫かな?大した怪我も無いと思うけど…」
「何故俺はここに居る?俺は……」
「ゴメン、アスラン。僕が君を連れてきたから…」
「お前が…?そうか、あの時……!」
 
前回の戦闘でフリーダムがセイバーを切り刻んだ時、キラはコックピットハッチが開いて
しまったセイバーからアスランを連れ出していたのだ。
フリーダムが少しの間硬直していたのはその時間があったからだった。
 
「俺をここに連れてきてどういうつもりだ、キラ!」
「勝手な事をしたとは分かってる。でも、これ以上アスランとは戦いたくなかったから……」
「全然分かってない!こんな事しても戦争は止められないぞ!」
「…このまま戦争が続けばまた僕はアスランを殺そうとしなければならなくなるかも知れない。
……もう…嫌なんだ、そんなの……」
「それはお前だけの都合だ。個人的感情で俺だけザフトから奪っても意味が無いだろう!」
「アスラン……でもカガリだって居るんだぞ?その方が君にとってもいい事じゃないか?だか
ら僕は…」
「それが傲慢だというんだ!どうしたんだ、キラ?昔のお前はそんな風じゃなかった……」
「昔の…僕……?」
 
アスランとキラは黙ってしまった。
110カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 01:14:57 ID:???
かけがえの無い友情だと思っていた。
しかし、今この時はお互いの主張は噛み合わず、気まずい空気だけを場にもたらす。
それはどちらかが変わってしまったからだろうか、それともどちらも変わってしまったからだろ
うか、はたまた最初に感じた友情が偽りの物であったのか……その答えを出すにはお互い
に余りにも立場が違う上に、戦争の結果の出ていないこの時期に求めても出る筈の無い
問いであった。
 
アスランが切り出す。
 
「俺はミネルバへ帰る。ここには居られない」
「待って、アスラン!君が戻った所で戦争が止められるわけじゃないだろう!?」
「結果を求めすぎだな、お前は……焦りすぎなんだ。まぁ、そう考えればいきなり乱入してきた
お前達のやり方にも納得できるかな……」
 
そう言って少し笑うと、アスランは部屋を出て行こうとする。
 
「アスランは戦争を早く止めさせたいとは思わないの?」
「物事には順序がある。それを無視したお前達のやり方では到底無理な話だ」
「でも、それじゃあカガリが余りにも…」
「カガリには生きていて貰いたい。生きて成すべき事がある。その時の為にも俺はその土台
をしっかり固めておくという仕事がある。だから今はミネルバに戻る。今の俺にはあそこが俺
の帰るべき艦なんだ」
 
アスランは部屋の出口へと歩みを進める。
その時、部屋の外から声が聞こえてきた。
 
「ちょっと待った、それは出来ない相談だな」
 
扉から浅黒い肌をした長身の男が入ってくる。
顔には左目から頬に掛けて大きな傷を遺している。短髪の黒髪にオーブの制服が似合わな
い出で立ちだった。
その男はかつてのザフトのエース、砂漠の虎の二つ名を持つアンドリュー=バルトフェルド
だった。ラクスと共に宇宙へ上がっていたが、報告の為に一時帰還していたのだ。
111カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 01:17:51 ID:???
「無粋な事と思ったが聞かせて貰った。だが、お前さんはミネルバには帰せない。因って、
戦争が終わるまではここに居てもらうぞ?」
「…どういうことです?」
「お前さんがあちらに居るとなるとキラの動きが鈍くなる。我々としても動きにくいし、それでは
困るのさ」
「ふざけた事を……!」
「どう思ってもらっても構わんよ?ただ……」
 
言いかけてバルトフェルドはアスランの胸ぐらを掴む。
 
「うっ……!」
「こっちも本気なんだよ。貴様はそれをわかってやらなくちゃならんだろう?」
 
急に凄みを利かせたかと思うと即座に掴んでいたアスランの胸倉を離す。
 
「悪いようにはしないつもりだ。お前はおとなしくここに居ればいい」
「アスラン……」
 
二人がアスランを見つめる。ようやく自分の立場に気付いたアスランは観念したように言葉を
紡ぎだす。
 
「俺はお前達の手伝いは絶対にしない……!」
「結構だ。…久しぶりのアークエンジェルだろう?艦内の行動にそう制限はつけないから
ゆっくり観て回れ。そうそう、温泉、なんてのもあるぞ?」
「本当にゴメン、アスラン。こんな風にするつもりじゃなかったんだけど……」
 
そう告げると二人は部屋から出て行った。
 
「いいの、カガリ?」
「今の私にはアイツに合わせる顔が無い。だから…いいんだ……私がもっと成長して、オーブ
の首長に相応しい人間になれるまではアイツとは無闇に顔を合わせない」
「いい覚悟だ、お嬢ちゃん。その決意、忘れてくれるなよ?どうせ俺はこの後すぐに宇宙に
戻らねばならん。ダコスタ君だけでは心許無いからねぇ」
 
部屋の外で待っていたカガリに二人が声を掛ける。辛そうな表情を見せながらもカガリは
気丈に振舞った。
 
そのドアの向こう側ではアスランが拳を握り締めていた。怒りに駆られているのか、ぶるぶる
と震えている。
 
「キラの奴…自分でこうなるようにしておいて何を勝手なことを……!」
 
部屋に残されたアスランは自分の置かれた状況に不満を漏らして悪態をつく。
戦争を終わらせたいと思いながらもそれを果たせるのは今のアークエンジェルでは無理だと
アスランは思っていた。しかし、幽閉に近い状態でアークエンジェルに連れてこられたアスラン
は何も出来ないのが現実であった……
                                            〜つづく〜
112通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:19:22 ID:???
GJ!あまりハイペースだと疲れるからゆっくりでいいぞー。
いつもお疲れ様です。

113通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:19:38 ID:???
GJ!!
アスランが一段と強くなった気がする
114通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:19:47 ID:???
GJ!!
ひでえなぁAA連中…腐ってやがる
大の大人が…
115通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:19:51 ID:???
GJ
自分勝手が半端じゃないな
116通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:20:00 ID:???
GJ!
凸哀れ、実質的な監禁じゃないか!
117通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:20:05 ID:???
GJ!
キラは本当に自分理論しか展開できないな
118通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:20:05 ID:???
gj!!
119通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:20:54 ID:???
やはり連れ去られてたか
120通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:21:53 ID:???
今回もGJです!
いや、キラよ…お前らがやってることは戦争をとめる、ではなく、戦闘をとめる(実際は悪化させる)なんだが
しかし戦闘中にハッチから連れ出すって…それは神業すぎるだろ(w
虎も勝手なこというなぁ、わかってやったからこそとめようとしてるんだろうに
そしてハイネとアスラン、約束を忘れずにいる彼らの姿が格好いいです
今のところ約束が悪影響を及ぼしているようには見えませんが…はてさて
つかアスラン、脱走は簡単にできるんじゃないか?
はやくしないと教祖(ラクス)様がやってきて洗脳されてしまうぞー
121通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:23:59 ID:???
誰だリアルタイムでwiki更新したやつ
はえぇよw
カミーユ氏GJ!
122通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:24:24 ID:???
投下乙だっ!

ああ、やっぱり拉致られてました……
こんな形で退場させられたアスランがカワイソス。

さて、キラがいつの戦いでアスランを保護(こっちから見ると拉致だが)したことを口を滑らせる、
もしくは虎が人質を取ってることを宣言するか……
123通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:24:29 ID:???
フリーダム撃墜→ついルージュで出てしまうアスラン→シン&カミーユに見つかる
→「裏切ったのか!アスラン!」

こういう流れと予想
124通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:24:35 ID:???
これでカガリさえ否定できるようになったらもう凸は蝙蝠から卒業できるぞ
125通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:26:40 ID:???
カガリがどんなにアスランの要望に応えられる決意をしても、結局はキラクスが裏から操るわけだしなぁ
126通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:31:54 ID:???
GJ!!このまま凸はヘタレに逆戻りなのか!?
127通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:34:38 ID:???
職人さんGJです!!
AA組みも必死だという描写があるだけで、そんなに批判を言う気も意外と起きないな
アニメだとなんか遊んでるみたいでムカついたがw
128通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:35:22 ID:???
GJです
凸はこの場面こそ得意の脱走をするべきだよな
カミーユならたぶん凸が生きてることは感知できるはずだから
凸の援護もできるだろうし
129通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:35:24 ID:???
ここらでノイマンさんに一言二言頂きたいなwwww
130通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:35:49 ID:???
>>123
むしろ種死でのAAにいたラクスの二の舞を虎がやると予想
そう、、、キラのピンチにアスランを人質にするのだ!!!
131通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:41:12 ID:???
そしてナタルさんばりにアスランは叫ぶんだな。
「撃てーーー!!シン・アスカーーー」と。
132通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:41:15 ID:???
>>カミーユ氏
wiki見て思ったんだけど、他作品は第○話『題名』ってあるのにカミーユ氏のには無いよね。
時間的余裕があればだけど、今までの話に題名つけてくれるとうれしいかも。
今回もGJ!
133通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:41:34 ID:???
AA組みがやってることってアメリカとイラクが戦争で戦闘してるのに
横から意味不明な大儀振りかざして日本が両軍を無差別に攻撃することだよな
これってやっぱおかしい行為だとなんで負債は気が付かないの?
134通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:42:04 ID:???
だからデス種というか負債が叩かれてるのだよ。
135通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:43:14 ID:???
AA組って、ヤクザでFA?
136通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:44:47 ID:???
>>135
ヤクザな軍隊だわな…
てかオーブという国もおかしい
なんで今頃国家元首が世襲制なのかが意味不明
137通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:45:29 ID:???
GJです。しかし…ったくーここといいコーヒーといい…
『いい虎は死んだ虎だけだ』っていう格言を思わず思いついちゃったよ。
138通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:47:11 ID:???
今でも世襲制で王族の力の強い国は結構あるけど、オーブは立地的にポッとで過ぎな様な。
139通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:47:26 ID:???
GJ
流石腐っても砂漠の虎、軍人としては当然な行動だな
140通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:47:38 ID:4JrMrQwb
なんだろうシロッコやヤザンとかジェリドにも俺は彼らなりの正義や信念があるから
と感じてムカツクことはなかったけど
AA組にはマジでイライラする。てか大人がちゃんと大人をやれてないよな種って
キラとラクスとカガリは普通一度は周りの大人に修正されるべきだろ
141通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:49:10 ID:???
周りにいる大人が魔乳に虎にマルキオほかじゃあねえ…
142通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:50:38 ID:???
バンダイさんここの小説をOVAで映像化してください
絶対売れるから
143通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:51:19 ID:???
ルージュinカガリ&アスラン再び、愛の逃避行なったらいいな。でもZだからな何がおきるか
わからんな。セイバーの搭乗記録を調べればアスランが生きてることわかりそうなものだけど
それもとれないほどばらばらにされたのか。
144通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:52:57 ID:???
>>143
まあそれはカミーユが得意のNT感知レーダーで次くらいに感知するよ
ヤツの人探し感知は凄いし
145通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:53:52 ID:???
確かに種って、若者を見守る大人キャラっていないよな。
歴代ガンダムはそういったキャラが脇を固めることで、若者が自由に動けるのに。

例えば1stならマチルダさん、Zならクワトロ、Vならマーベットさん、Xならジャミルみたいに。

そういったキャラが死んだり、乗り越えたりすることで人間的に成長していくのにさ。
それでも無印種序盤はムウっていう兄貴がいたけど、種死は全滅気味。
バルドフェルドは完全ラクスの下僕だもんなあ。
146通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:56:57 ID:???
>>145
そうだね
キラなんか殴られもせずに育ったから
おかしくなったわけで
大体18のガキに命令される大人という種の構造は明らかにおかしい
なんだよキラ様って…
147通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:59:14 ID:???
>>143
いや…お互いの責任や義務考えたらそりゃダメでしょ。
仮にやるとしたらその足でカガリをオーブに引き渡すくらいの事しなけりゃ…

って、現状でそうするとカガリの扱いはどうなるんだっけ?
成長するつもりとは言ってるが、今AAに居続けてるんじゃ
正直まず見込みはないけんど…
148通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 01:59:21 ID:???
AA組は連合なりザフトなりにちゃんと付いて
内部から戦争を起させないようにすべきなんだよな筋としては
それでもダメだから軍事行動にでるならまだわかるが
149通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:03:11 ID:???
GJです
いやーいい小説ですな
カミーユの存在がいい意味で他のキャラの成長や戦う意味を見つけることを促してる
ある意味これって人と人が繋がっていくという本当のNT論ぽく感じた
時間はかかるけどそうやって繋がっていけたら分かり合えていくだろうし
150通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:10:47 ID:???
キラ&虎UZEEE

今29話あたりか?
となると次にAAと顔を合わせるのは32話のデストロイ戦かな
151通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:15:00 ID:???
ステラをなんとか救ってやりてーな
カミーユがいればできそうだけど…
152通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:17:01 ID:???
>>148
敢えて寄り合い所帯の連合に付いて内部から切り崩し図るのが一番なんだよな。
本当に戦争を止めたいのならば。
中立、中立とお題目の様に叫んで、外から訴えても響かないのに。

153通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:20:54 ID:???
Xスレと一緒に読んでるんだけど、大人ってのは大事だよね。
SEEDのデュランダル、Xのジャミル・テクス、Zで言うとブライトやヘンケンかな。
原作で尊敬できるというか頼れる大人がいないのはSEEDだけだから、子供の反乱劇にしか見えなかったなぁ
154通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:22:48 ID:???
>>151
ロザミィの時のカミーユ気取りでステラを撃ち殺そうとするキラの字の姿が目に…
155通常の名無しさんの三倍:2006/10/22(日) 02:22:55 ID:???
むしろ、カミーユには手が滑ったとばかりにフリーダムを破壊して貰いたい。
そして、ステラも救う…
156通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:29:47 ID:???
>>153
まあΖではウォンさんやエマとかもカミーユが増長してるときは修正してるからね
ZZはそういうのがなかったから残念だったが…
157通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:32:04 ID:???
>>154
あの時はロザミィとアーガマを救うにはあれしかなかったからな…
あの後にカミーユは自分の無力を痛感してる描写もちゃんとあるから
カミーユが悪いとは思えなかった
158通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:34:40 ID:???
>>155
もうハイパー化してマジで金縛りでもなんでもして
キラ倒してやって欲しいよ
159通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:37:18 ID:???
ロザミィ倒した後はカミーユがNTにできるのは人殺しぐらいかなみたいな発言の時、こいつ
精神ダメージ大丈夫なのかと危惧したもんだったが、さいごは・・・
160通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:38:17 ID:???
>>152
AA組は連合についてザフトと共同でロゴスを一緒に撃つとこまではいけてたら
うまく戦争を終らせることができたと思うけどね
161通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:40:53 ID:???
>>156
スレ違いだが、ZZはたれはあれでよかった、と思う。
あいつらは、そもそも生きていくこと自体に必死になっいて、
しかも生きていくのに「大人」を頼ることができない環境にいて、一面で大人びてる。いわば
大人びた思考と子供の無邪気さが同居した、カミーユを裏返しにした奴に思えるんだ。
だから、カミーユに必要だったものとジュドーに必要だったものは=じゃなくて、
たぶんZZのガキどもに必要なのは、よき父としてのブライトさんみたいな大人。
カミーユに必要なのは、厳しき父としてのブライトさんやウォンさんみたいな大人なんじゃないかと。
162通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:40:56 ID:???
>>159
カミーユにはロザミアの最後の見つけたお兄ちゃんとかまで感じて聞こえてるだろうから
かなり精神的に参ってると思うよ。ある意味もう一人のフォウを救うどころか殺さないと
いけなかったわけだし…ある意味あそこが崩壊の一番のターニングポイントだったと思う。
163通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:42:23 ID:???
そろそろラクシズがヘイトヘイトと騒ぎだしてもおかしくないからみんな注意しようぜ?
164ブライト:2006/10/22(日) 03:08:01 ID:vUhroEmb
おれはまだ二十代だ。おっさんと一緒にするな。
165通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 03:25:07 ID:gbtKun2s
まず髪型、服装がダサい。3流雑魚脇役扱い、NTだかなんだか知らんが、崩れた建物の下敷きになってさようならだな
166通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 04:07:04 ID:???
ブライト・ノア
イングランド系人種で地球連邦所属
以下、テレビ出演時の年齢と階級、及び所属
1st:18〜19歳、准尉(士官学校生)→少尉(戦時任官?)→大尉(ジャブローで任官)
Z:26〜27歳、中佐→大佐(エゥーゴ参加時)
ZZ:27歳、大佐(エゥーゴ所属)→大佐(エゥーゴ、連邦に吸収)
CCA:32歳、大佐(地球連邦軍独立新興部隊「ロンド・ベル」の旗艦ラー・カイラムの艦長)
閃ハサ:44歳、大佐→退役(准将への昇進が内定していた)→レストラン経営?(詳細不明)
167通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 07:36:58 ID:???
ハイネはガイアで復活しないかな
168通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 08:07:05 ID:???
>>148
ラクスはあれだけ市民の支持と派閥持ってんだから普通に政権入りできるのになあ。
169通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 08:33:09 ID:???
>>156
ウォンさんも嫌味な上司系のキャラだったが、子供に遠慮するなとジュースをあげたり
実際に現場に出て作業したりと人間臭いところがちゃんとあったよな。

ユウナもほんとは種死初期は結構現実的な考えをするキャラに描かれていたのに、
負債が上手く立ちまわせることができなかったせいか、あんなのになちゃったし。
170通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 08:45:29 ID:???
死んだと思っていたが
拉致られたか…某超大国よりも世界をわかってないやつらだなホント
いい意味で予想の斜め上を行った展開、続き楽しみです

In C.E氏 GJです
171通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 09:14:57 ID:???
>>133
凄くわかりやすい例えだな。
けど、正確に言うならオーブが連合の同盟国だから、アメリカと日本が連合組んで、
イランとの交戦の最中に前総理大臣を中心とする”反戦派”が乱入して両軍を
攻撃するような感じか。
より最悪だな。
172通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 09:21:37 ID:???
>>133
負債は日本がそれをやるのを夢見てんじゃない?
極右の阿房よりも行っちゃってんなそれ

そんなことやるのって先の戦争で支那の連中がやっていた
"革命外交"って分からんのか?負債は支那にでも亡命しないのかね?

話がそれすぎた…吊ってくる
173通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 09:52:05 ID:???
竹田の影響も多分にあるんじゃねぇ?(コードギアスの評判を聞きつつ)
174通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 13:06:07 ID:???
>>171
軍に所属していないAA組はただの国際犯罪者だな。
175通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 13:43:47 ID:???
ぶっちゃけテロと戦争の区別がついてないのだろうな。

戦争>ルールに基づいた限定的な殺し合い
テロ>ルールの無い恐喝目的の殺戮

戦争はルールがあるからこそ、降伏やら投降という戦闘停止手段や一般人を巻き込まなくてすむという一面があるのだが、
テロはそういうのがないからテロリストが目的達成するかテロリストを全滅させるしか戦闘停止手段が無いというワケ。
ベトナム戦争は空爆とかで一般人もまとめて攻撃してるやんという人もいるだろうけど、アレの場合は国際法違反であるゲリラ戦を相手がつかっているため合法だったりする。
176カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/22(日) 14:24:06 ID:???
上の方で題名が欲しいと仰る方がいらしたので、即興で考えてみました。

第一話「ファースト・コンタクト」
第二話「異質なモノ」
第三話「異端者の見た世界」
第四話「開かれた戦端」
第五話「シンの焦り」
第六話「新たな仲間」
第七話「怒りのシン」
第八話「抱える想い」
第九話「窮するアスラン」
第十話「出会いが呼ぶモノ」
第十一話「戦う意味」
第十二話「危機のミネルバ」
第十三話「天使の暴挙」
第十四話「融和する心」
第十五話「告白」
第十六話「移ろう気持ち」
第十七話「命を吸う戦い」
第十八話「戦い終わって……」

元々題名を全く考えていなかったので、内容にそぐわないかも知れませんが、一応それぞれの話の中で個人的に注目してもらいたい部分を表してみたつもりです。
177通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 14:30:07 ID:???
>>176
おお・・・・・・・GJ!
178通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 14:30:28 ID:???
戦争回避のための活動努力を全くしてこなかったのに、
自分が危険に晒されたら武力行使で始まった戦争を止めようなんて
考えるキラやラクスの思考が分からん。
179通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 15:09:41 ID:???
GJです
いよいよデストロイに乗ったステラの話に近づいてきたな
カミーユや思念のフォウ、ロザミィがでて哀しみそうだあの現状を見たら
180通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 15:36:41 ID:???
>>175
きみもね
181通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 16:36:30 ID:???
「何をするんだキラ!」
「このままAAまで連れて行く」
「ふざけるな、オレはテロリストの船になんか行かない!」
「君は僕らの仲間なんだ、一緒にカガリを守るべきなんだ!」

あれ、なにやらデジャヴを感じるな
182通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 16:41:01 ID:???
前の"そのとき"とはまるで大違いだがな
183通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 17:49:31 ID:???
>>163
今日の被災地はWスレですた…御愁傷様というかウィルスウゼーというか…
184通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 18:25:18 ID:???
ここまでそういった連中の荒らしがひどいならいっぺん
"裁判形式でラクシズを裁くスレ"
なんてのを立てたほうがいいのかもな

原告・検事:2ちゃんねらー(反ラクシズ派)

被告:ラクシズ・オーブ・負債

弁護士:2チャンねらー(ヘイト連中)

裁判官:…いない えwwww?

すまんヘンなこといった…吊ってくる
185通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 20:00:44 ID:???
>>183
ラクシズ厨等々による荒らし被害報告スレでも作るか?
186通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 20:35:37 ID:???
そういうの、あった方がいいんだろうけど自演と嵐のるつぼになりそうなのがな…
187通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 20:45:07 ID:???
荒らし、煽りをURL示した上でコピペして報告、懸賞できないかな?
188通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 22:34:10 ID:???
昔、オーブ最高裁判所というスレがあってだな……
189通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 22:52:36 ID:RZO5Kwmx
>>187
お前は一体何を懸賞するつもりだ
190通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 03:24:53 ID:???
連中ときたら散々自演やグロAAや中傷で荒らしまくっといて
それでいて常に自分らの方が被害者でござい、ってツラしくさるからなあ…
ホントラクシズまんまの嫌らしい思考回路だよ。
191通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 03:55:29 ID:???
>>184

裁判官: ひろゆき で。
192通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 04:46:49 ID:???
なんかカミーユがえらいまともな人に見えるんだが…









種世界オソロシス
193通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 09:35:33 ID:???
Xキャラだとシャギアやオルバですらまだマシに見えるからなw
194通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 10:36:56 ID:???
>>192
というかΖちゃんと見てるなら
カミーユのキャラはぶれてないと感じるはずだが?
後半は妙に悟ってるし
195通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 16:39:56 ID:???
>>192は1話だけを見たんじゃないか?と考えるんだ
196通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 16:47:00 ID:???
Z見ずに2chの書き込みから勝手にイメージしてるんでしょ
197カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:21:03 ID:???
第十九話「ステラの命」

ミネルバからアスランが居なくなってしまった事はクルーに多大な精神的ダメージを与えた。
いたたまれない気持ちのカミーユ、シン、ハイネに、ショックの余り茫然自失のルナマリア。
とてもではないが、今は戦える状況では無かった。
そんな時、シンに更に追い討ちを掛ける出来事が起こる。
 
「ステラ!」
 
医務室へ飛び込んできたのはシンだ。
シンがステラに目をやると、そこに居るステラは顔が痩せこけ、肌の色は青白い。いかにも
死にそうな表情をしていた。
 
「どうしてステラがこんなになってしまったんです!?」
 
シンが医者に詰め寄る。
 
「こ、この子はエクステンデッドだ。強化された体に効く薬なんぞ私達は持っていない……」
「じゃあ、その薬を作ってくれよ!あんた医者だろ!?」
「…残念だが、それは出来ない。エクステンデッドに関する資料も圧倒的に不足しているんだ。
やはり彼女を本国に送って研究しないと……」
「そんな!?それじゃあステラを実験動物みたいにしろって言うのかよ!?」
「いや…それは……」
「そんな事、俺は絶対に許さない!」
 
シンは医者を睨みつける。その目は憎悪にも似た鋭い目だった。
 
「そんな目で私を睨んでも無駄だ。私にはどうする事も出来ん。
……だが…連合にある技術ならあるいは……」
「ステラを…連合に返す……?」
「それが、この子が生き長らえるのに一番手っ取り早い方法かも知れん。特に今は急を要す
る状況なだけにそれが最良の選択かもな……上がどう言うかは知らないがね」
「……俺が説得して見せます……」
 
そう言ってシンが医務室を出ようとした時、ステラが一時的に意識を取り戻す。
 
「シ…ン……」
「ステラ!」
 
慌ててステラの下へ駆け寄るシン。
 
「シ…ン…ステラ……守る…って……」
「ステラ、大丈夫だから!絶対に俺が君を治して見せるから!」
「う…うん……ステ…ラ…シン…を……信じる……」
 
やっとの思いで口にした言葉だったのだろう。ステラはそこまでしゃべると再び目を閉じてし
まった。
198カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:23:08 ID:???
「上に直訴するなら早くした方がいい。私も何とか延命を試みてみるが、それもいつまで持つ
のか分からん。医者としてこの子をこのまま死なせたくないのが本音でもあるからね」
「は、はいっ!」
 
シンは駆け出し、艦長室へと向かっていった。
 
 
「シン、そんなに慌てて何処へ行くのだ?」
「艦長室!」
「艦長室?何があったのだ?」
「ステラが死にそうなんだ!だからステラを連合に返還して貰える様に艦長に頼むんだ!」
「彼女は連合の人質だぞ?」
「そんな事関係ない!俺はステラに死んで欲しくないだけだ!」
 
シンの真っ直ぐな返答にレイは少し笑みを浮かべる。
 
「分かった。俺も行こう」
「レイ!?」
「気にするな。お前はお前のやりたい事をしろ。俺はそれを手伝うだけだ」
「……すまない、レイ……」
 
二人はタリアの居る艦長室へと入室する。
 
「艦長、お願いがあります!」
「…どうしたの、シン?そんなに急いで…」
 
ノックも無しに突然入室してきて藪から棒に大声を出すシンに、タリアは目を丸くして困惑す
る。
 
「ステラを連合に返還する許可を下さい!」
「私からもお願いします」
「二人とも…どうしたの?」
 
シンとレイの言葉に戸惑うタリア。唐突な事に疑問を感じざるを得なかった。
 
「ステラが死にそうなんです!だから、一刻も早く連合に……!」
「それは出来ないわ。上の方から本国へ輸送の話が来ているもの」
「そんな……」
「残念だけど命令よ。従いなさい」
 
タリアの言葉がシンに突き刺さる。
しかし、シンは諦め切れなかった…諦めるわけには行かなかった。
199カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:26:23 ID:???
「俺はそんな命令聞けません!本国へ送るなんて…ステラを見殺しにするようなものです!」
「あなた、軍人でしょう?軍人に個人のわがままは許されないわ」
「ステラを見殺しにする事が軍人なら、俺は軍人で無くたっていい!」
「待て、シン」
 
ヒートアップするシンを抑えるようにレイが前に出る。
 
「艦長、私もシンに賛成です。彼女の命を救う為にも連合に返す許可を頂きたいのです」
「無駄よ。責任者である私からは命令を無視する事は出来ません」
「…それでいいのでしょうか?死に瀕している人間を前にして命令を優先させる事が本当に
正しい事でしょうか?」
「レイ……」
「私はそうは思いません。人の命が人の言葉より軽いなんて事は無いと思います。戦争が人
の命の犠牲の上に成り立つ事は仕方の無い事と思います。ですが、今救える命を救う事が
軍の正しい意義ではないのでしょうか」
「……」
「彼女がこのままでは死んでしまうという事は事実です。それでも艦長は彼女の命を犠牲に
してまで軍の命令を優先させますか?人の命の灯火を命令という人の言葉でかき消します
か?」
 
レイの言葉にタリアは考え込んでしまう。タリアにしてみればレイの言葉は責任者としての
自分を否定されたような気分だった。
 
「艦長、お願いします!早くしないとステラが死んじゃうんです!」
 
シンの必死な言葉にタリアは昔の事を思い出す。
かつて自分が新しい命を欲しがった事、そのせいで一人の男を傷つけてしまった事。
あの時の選択の答えが未だ燻り続けている事が、タリアに決心を鈍らせている理由だった。
それでもあの選択が本当に良かった事なのか、またもや命の選択を突きつけられている
タリアは過去と同じ選択をする決意をする。
その裏で、またもや過去の男を傷つけてしまう事に、申し訳なく感じていた。
200カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:29:01 ID:???
「……わかりました、許可をします。ただし、この事は私とあなた達、そして医務室の先生
以外には決して口外しない事」
「か、艦長!」
「その後の責任についても私に一任させてもらいます」
「えっ……?」
「当然でしょ?クルーの責任は艦長である私の責任でもあります」
「でも、艦長そんな事では……」
「あなたが言い出したことでしょ、もっとハッキリしなさい。……何とかする自信はあるわ」
「は、はい!ありがとうございます!」
 
シンは深くお辞儀をし、艦長室を急いで出て行った。
 
「タリア艦長……」
「いいのよ、レイ。あの人の事は分かってるわ」
「……」
 
艦長室に残されたギルバート=デュランダルという繋がりのある二人はこれ以上何も語ら
なかった……


その日の深夜、シンは医務室よりステラを連れ出す。
 
「本当にいいのかね?君はこの子の事を……」
「……いいんです、ステラが死んじゃうよりは、この方が……」
 
退出間際、医者が問い掛けた質問にシンは視線を落としてそう応えた。
それでも、辛そうなその表情に医者は続ける。
 
「だが、その子にとっては君の方がいいのではないのかな?連合に返したところで、もしかし
たら彼等はその子をまた兵器として使うかもしれない……」
「俺が頼みます」
「そんな口約束を守るような連中とは私には思えない。何故なら少女を戦いの道具にする
奴等だ。ナチュラルとはそういうものだよ」
「……」
「もし、その子と戦場で再開してしまったら…その時はどうするのだね?」
「……行きます……」
 
医者の質問に答えず、シンは眠るステラを背負って医務室を退室する。
その背中を見つめ、医者は深い溜息をついた。自分には外傷を癒す知識はあっても、少年の
心の傷を癒す術を知らない。
 
「医学も無力だな……」
 
小さく呟いて椅子に腰を下ろす。そして、それまでのステラのカルテを眺めて片手で頭を抱え
る。もう一つ深い溜息をついた。
201カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:31:13 ID:???
「これと…拾ってきた資料で私にできるだろうか……」
 
引き出しの中から取り出したのは以前連合の研究所から回収したエクステンデッドの資料の
コピー。それを見つめ、先程のシンの表情を思い出す。
 
「……やってみるか……」
 
無駄になる可能性が高いと分かっていながらも、何かをしなければ収まりがつかないという
気持ちになっていた。医者としての使命感か、それとも人としての純粋な気持ちなのかは
分からないが、シンに少しでも協力したいという気持ちになっていた。
その日から、医務室の明かりは連日深夜まで灯り続けることになる……


一方、レイの協力もあり、何とか監視の目を掻い潜ってステラを車まで運び込めたシンであっ
たが、そこから先が難しかった。夜間とはいえ、ゲートには見張りが居る。
そこを通過する為に考えを巡らせていた所、交渉に当ったレイが見張りを抱き込む事に成功
した。
基本的に外出は許可されない時間である為、適当な理由では抜ける事は出来ない。では
何故抱き込めたかというと、なんとレイは自分の身銭で賄賂を握らせていたのだ。
 
「レイ…いいのか、お前の金だろ?」
「気にするな、俺には余り必要ない。それよりもお前が彼女を無事に返せるかどうかの方が
重要だ、しくじるなよ」
「すまない、帰ったらちゃんと返したいけど…」
「俺は悪趣味だが貧乏人から金をせびるほどでは無い。心配するな」
「ちぇっ、言ってくれるぜ」
「フッ、気をつけていけよ」
「ああ、行って来る」
 
シンはガイアのデータベースにあった情報を元に、連合の陣営に向けて車を走らせた。
 
 
「…あれか。向こうもこちらをキャッチしている筈だな」
 
ある程度の距離をおいて車を止める。そして、括り付けてある白旗を確認する。
 
「白旗は…見えてるよな……?」

一瞬不安になったが、シンは発見した連合艦に向けて無線を送る。
 
「連合艦艦長に告ぐ、こちらはザフトパイロットのシン=アスカ。以前の戦闘で捕虜にした人
物を返還しに来た。従ってそちらの責任者一人を今から指定するポイントまでよこしてくれ」
 
シンはその場より少し離れた場所を連合艦に指定した。
202カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:33:17 ID:???
「尚、その人物の生命活動が非常に危険な状況にある故、早急に決断を下されたし。以上だ」
 
一方的に通信を切ると、シンは指定した場所に移動をした。
連合がこの話を信じるかどうかは分からないが、ネオという人物は何故かやって来るだろうと
思った。ステラがうわ言で呟いていたその男に嫉妬したからかなのかハッキリしないが、シン
は確信に近い思い込みでネオを信じた。
勿論ステラを戦わせている事を許しはしないが、ステラの命はその男に懸かっているのだ。
これで彼女を見捨てるような事があれば、連合の全ての人間を調べてでもネオに復讐して
やろうと決意していた。

そんな風にして考えを巡らせていると、一機のウインダムがこちらへやって来た。
コックピットからは奇妙な仮面を被った男が降りてくる。
 
「シン=アスカ君だね?私があの艦の責任者、ネオ=ロアノークだ」
「こちらの一方的な願いを聞いて貰えて感謝している」
「それで…捕虜、というのは……?」
「この子だ」
 
シンは気を失っているステラを車の中から担ぎ出す。
 
「ステラ…!生きていたのか……」
「そうだ。けど…ステラが死にそうなんだ…だからあんた達の技術でステラを助けてくれ!」
「コーディネイターがナチュラルの技術を当てにするとはな……流石にプラントにはこの子を
救える技術は無いか」
「頼めるんだろ?」
「当然だ。私としてもこの子に死なれては寝覚めが悪い」
 
シンはステラをネオに引き渡す。
 
「一つ、あんたに個人的に約束をして欲しい事があるんだが……一方的だってのは分かって
るけど…」
「……内容によるな。言ってみろ」
「…ステラをこれ以上戦いに巻き込まないで欲しいんだ。この子は戦いが出来るような子じゃ
ない……」
「……何故それを私に?」
「ステラが苦しんでる時、いつもあんたの名前を呼んでいたんだ」
「私の名前を?」
「…きっとあんたに助けて欲しかったんだと思う。ステラに戦いをさせた事は正直気に入らない
けど、あんたならこの約束を守ってくれると思ったんだ」
「そうか……わかった、約束しよう」
 
そう言うとネオはステラを連れて戻って行った。
 
「ステラに優しさを……」
 
残ったシンは飛び去っていくウインダムが見えなくなるまでずっと空を見つめていた……
203通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 18:33:26 ID:fHVm8SX5
リアルキタ
204カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:35:06 ID:???
シンが基地へ戻って来ると其処にはカミーユが待ち構えていた。暗くてその表情はうかがい
知る事は出来ないが、取り敢えず車から降りる。
 
「ドライブだよ」
 
シンは突発的に適当な理由を述べる。暗くても全てを見透かされるようなカミーユの視線を
警戒しての事だった。
 
「どうにも最近落ち着かなかったからな、夜風を切ってストレスを解消させてただけさ」
 
聞かれてもいないのにシンは先を話す。カミーユの過去を知ったとは言え、シンにとって
カミーユはまだ得体の知れない奇妙さを醸し出す人物だったからだ。
 
「結構気持ちよかったぜ、あんたも行って来たらどうだ?気分転換…」
「ステラを連合に返したのか?」
 
シンの口が止まる。
ミネルバの中でもほんの一握りの人間しか知らない事実を何故カミーユが知っているのか
驚愕だった。
 
「いや……」
「隠しても分かる。彼女の息苦しい感覚が遠くなっていったからな」
「はぁ!?」
 
訳の分からない事を口にするカミーユにシンは思わず素っ頓狂な声をあげた。

以前から気にはなっていた。
カミーユが発する不思議な感覚と言葉、そしてピンチの時にはいつも駆けつけるカミーユの姿
があった。まるで人間がもつ第六感のような閃きで察知したとしか思えない確率で……
今回もそうである。カミーユはステラの事を何でも分かっているような嗅覚でここに現れたの
だ。
 
「あ…あんたは一体何なんだ!?いつも訳の分からない事を口走って……どうしてステラが
居なくなったのが分かるんだ!?」
 
シンはカミーユの不気味さに余裕を無くしていた。ニュータイプの事を知らないシンには、
カミーユは幽霊のように見えていたのかもしれない。
205カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:37:07 ID:???
「説明しろよ!でないと…あんたと一緒に戦う事は出来ない!」
「そ、それは……」
 
カミーユは一旦躊躇う。シンにニュータイプの事を話しても果たして意味が通じるか分からな
かったからだ。
しかし、話さなければシンは納得しないだろうし、適当な説明で納得させる自信も無かった為、
仕方なくカミーユは真相を話すことにする。
 
「それは!?」
「…それは俺がニュータイプだからさ……」
「はぁ!?」
 
ニュータイプという謎の単語にシンはまたも素っ頓狂な声を上げる。
 
「何だよそれ?説明になってんのかよ?」
「まぁ…一応は……」
「その言葉…一体何なんだ?ちゃんと俺に分かるように説明してくれよ!」
「俺も詳しい事は知らない。受け売りでいいなら」
「言えよ」
「分かった。…でも、分からなくても納得しろよ。こっちだって上手く言えるかどうかは分からな
いんだから」
 
カミーユは一呼吸置いて話し始めた。
 
「ニュータイプと言うのは俺の世界での言葉で、人類の革新だって言われている」
「革新……?」
「ああ、具体的には宇宙に出ることによってそこに適応しようとして得た新しい人間の可能性
といったところらしいけど…」
「じゃ、じゃあ、あんたがその新しい人類だって言うのか?」
「そんな大それたモノじゃないけど、この世界で言うコーディネイターみたいなものと考えて
くれて構わないかもしれないな」
「俺たちみたいな……?じゃあ、やっぱりあんたにも病気に対する抵抗が強かったりするの
か?」
「いや、ニュータイプは自然発生するのが普通なんだ。だから、俺の検査をミネルバでした時
はナチュラルだって結果が出ただろ?」
「あ…そうか……。でも、あんたは軽々とコーディネイター以上の操縦技術を持っているじゃ
ないか?」
206カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:39:52 ID:???
「それはどうなのか分からないけど、一応それにもそれなりの理由があるみたいなんだ」
「何だよ?」
「ニュータイプの能力ってのは、主に人と人とが誤解無く分かり合う事で、その副産物として
普通の人よりも少しだけ勘が良くなるらしい。それがMSで戦っていく上で有利に働いていた
んだろうな」
「そっか……カミーユにそんな秘密があったのか……」
「秘密って程大きな力じゃないけど、たまには便利な事もある。俺が彼女を感じられたのは
その力がもたらす感覚にある。それで彼女がここから居なくなった事が分かったのさ」
「成る程……それがあの時言ってた"プレッシャー"とかって言葉に繋がるんだな?」
「ああ、息苦しい感覚の事を俺はそう呼んでいる」
 
一つ一つ思い出すようにカミーユは語った。
シンにとって分からない話では無かった。人間の脳は未だその能力のほんの一握りしか引き
出せていないことは知っていた。その中の一つを解放させたと思われる人間が居てもおかし
くはないと思った。
 
「随分な説明だな。カミーユらしくない言い草だ」
「そりゃあ当然だろ?ほとんど受け売りみたいな物なんだから…」
「でも、分からなくない話だ……いや、違うな…?何て言うか、その……」
「無理して分かろうとしなくていい。形だけ納得してくれれば」
「そうじゃないんだ。そうじゃなくて…俺、その話結構いい事だと思うんだ。そのニュータイプ
ってのが本当ならさ、敵とだって分かり合えるかもしれないんだろ?だったら喧嘩だって無く
なるかもしれないし、そうなればさ、戦争だって無くなるかも知れないじゃないか?素敵な事
だろ!」
「……実際そう上手くいくもんじゃないけどな。ニュータイプといっても戦争の道具にされるの
が現実だったし……」
「それでもカミーユには力があるじゃないか?その力があれば、戦争を終わらせる事だって
出来るさ!」
「……力を持っていたって出来ない事は山ほどある……俺は助けなきゃいけない人を助けら
れなかったんだ……」
「あ……」
 
すぐにシンはこの間話した二人の女性の事を言っているんだろうと直感した。不用意な自分
の一言を反省する。
そんなシンに気付いたのか、カミーユの方は気を取り直して表情を変える。笑っていたが、
シンにはそれが無理やりの笑顔に見えた。
207カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/23(月) 18:41:06 ID:???
「でも、そのシンの感じ方はきっといいことなんだと思う。その気持ちを忘れなければステラも
救えるし、もしかしたらお前が戦争を終わらせる事になるかも知れない」
「お…俺が戦争を……?」
 
急に大きくなる話にシンは考えを巡らせる。
戦争によって様々なものを失ってきた自分が戦争を終わらせる……これほどシンにとって
やり甲斐のある目標はない。
何となく自分に目標が出来たみたいで、シンは急にやる気が沸いてきたような気がした。
 
「どうだ?」
「ああ……ステラを助けて戦争を終わらせる。それが俺の運命だと信じることにする」
「そうか…なら、俺はお前を全力でバックアップする。だから、その運命に負けるなよ」
「ああ……!」
 
自らに使命を課したシンは秘められた可能性を開花させる事になる。それは彼の最後に見せ
る力に成り得る革新であろう。
しかし、運命はそれを試すかのようにシンを激動の渦に巻き込もうとしていた……
                                          〜つづく〜
208通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 18:44:04 ID:???
GJ!
209通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 18:44:50 ID:???
さあ、シンはステラを救う事が出来るのだろうか
また同じ過ちを繰り返してしまうのか

GJです。
210通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 18:48:41 ID:???
GJ

なんか…シンとカミーユのわだかまりがなくなったのはいいんだが少し不安だな
最悪キリマンジャロでのクワトロ・アムロのポジションに今カミーユはいるわけだし…
211通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 18:59:12 ID:???
さてこれからあのエゴイズムの塊であるテロリストのクズどもがどう出るか?
そしてその描写の前後に湧いてくるであろうラクシズ厨の荒らしによって、
スレがどうなるのか?アムロスレのように嵐と職人叩きで溢れるのか、これからが大事だぜ。
212通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 19:15:22 ID:???
てかもうラクシズ出さないでいいんじゃね?
213通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 19:32:43 ID:???
でもステラに生存フラグが立ったな
214通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 19:35:39 ID:???
職人さんGJ!
次はシンとカミーユの友情コンボでキラ撃墜か!?

>>212
まぁ確かに本編でもラクシズが出てきたあたりからつまんなくなったからね・・・。
215463:2006/10/23(月) 19:46:03 ID:???
GJ!

>>214
本編みてても
「こいつら一体何しに来たの?誰か呼んだか?」
だからな。
216通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 20:01:30 ID:???
連合には小物なジブしか敵キャラいねーからなあ。
217通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 20:16:25 ID:???
つまらないも何も、素人にまともな展開を求めるのがそもそもの間違いだwww
218通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 20:27:25 ID:???
ちょっと聞いていい?
今、wikiに最新のを登録しようとしてるんだが「よみがなの形式に誤があります」
と出る。あそこはどうやって入力すればいい?なんどやってもエラーが出る……
219通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 20:36:36 ID:???
平仮名か半角英字だけだったと思う
一例として ぜーた で登録できる
220通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 20:38:32 ID:???
既に登録されてるから大丈夫だったか
221通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 21:36:19 ID:???
GJです。
ついにNT論の説明を種世界でやったか
NT能力で理解しあえても分かり合えないときもあるというのが
カミーユとハマーンの邂逅の例だからな…
これを見たときNT論の限界を感じたな。人が本当にわかりあうには
精神的に理解し合うだけじゃダメなんだというか
まあだからこそ今までのNT論だけで行き詰った時に体感や触れ合いがNTとしてもっと大事だ
という新訳Zでの新しいNT論になるもんな。
222通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 21:41:54 ID:???
そりゃ相手を理解したからといって自分が変わるわけないからな。
223通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 21:57:01 ID:???
>>221
そういうとこに辿り着けたからカミーユは御大曰く究極的ニュータイプなんだろうな
224通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 22:00:04 ID:???
>>つまらないも何も、素人にまともな展開を求めるのがそもそもの間違いだwww
ちょっと待て!ココや他のスレの職人の方々も「素人」な人が
圧倒的多数なんジャマイカ?
225通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 22:01:17 ID:???
>>224
俺それ嫁の事だと思ってたんだが…
226通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 22:05:50 ID:???
>>224
>>217だが、>>225の言うとおり、あの書き込みの「素人」が示しているのは
仮にも金をもらってガンダム製作に携わりながら、
やることは素人の足元にも及ばない無能脚本家のことだ。
227224:2006/10/23(月) 22:27:13 ID:???
我ながら今更だが、先の発言は言葉が足りてないと思った。
つまりアレは「「素人未満」と呼称するのが適当ではないのか?」
と、言いたかったんだ。
あわせて >225のツッコミにも感謝する
228226:2006/10/23(月) 22:34:18 ID:???
>>227
俺も誤解を招く発言だったようだ。すまない。
229通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 23:03:06 ID:???
どうでもいいことかも知れんが
タリアが責任負うといっている…デストロイの後どうなるんだ

GJです 続き楽しみです
230通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 23:09:47 ID:???
GJ!
ミネルバの軍医先生の努力が無駄にならない事を切に願う。
うまくすればマッドに次ぐ真っ当な大人キャラたりえるかも…?)
また恐らくベルリン戦自体は避けられないんだろうけど何とかフォローを。
231通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 23:16:48 ID:zcpfJrYE
お互いを完全に感じあうと言うことは
お互いの考えを完全に知ってしまうことで
おまいは違う!!って感じあったら決裂だもんな
人の心を通じ合わせてもその心が全て受け入れられるわけがないからNTも行き詰るわけか
232通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 23:37:41 ID:D7NUJoOr
ストレスの為に3日で禿げるか酸素欠乏症
233通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 23:44:08 ID:???
で、なんでガンガンageてるわけよ
234通常の名無しさんの3倍:2006/10/23(月) 23:51:24 ID:???
>>203,>>231-232
痛くもない腹探られたくはないでしょ?sageてね。
235通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 00:00:39 ID:???
sageにチェック入れてなかったな
悪かった
236通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 00:49:59 ID:???
TVで、あと一歩の所でステラ殺しゃがったキラはいわばジェリドの剽窃。
キリマンジャロと同じ光景を繰り返させてたまるかと一矢報いてくれカミーユ…!
237通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 01:04:07 ID:???
キラはカミーユが食い止めてくれるだろう。
238通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 01:14:54 ID:???
ここまで嫌われるラクシズ、キラもスゲーな。
負債もよくこんなに憎まれる敵役を作れたもんだな。ある意味才能。
239通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 05:47:22 ID:???
奴らが真っ当に敵役として描かれていれば、ここまで嫌われもしなかったんジャマイカ
240通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 06:34:43 ID:???
なんたってやつらが全てにおいて正しくなるよう後付けやら改変やらしまくってるからな。
241通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 07:54:44 ID:???
>>239
漏れもそう思う
平和を求めちゃいるんだがその手段の果てに平和の敵に成り果てた
苦悩者といった書き方でもすれば愛嬌もそれなりに沸いたんだがな
これ以前のガンダムシーリーズの敵キャラみたいに
242通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 11:15:59 ID:???
カテ公か……
243通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 17:11:19 ID:???
「こんな話(種死)おかしいですよ!カテジナさん!!」

おっと、ここまで来るとスレ違いかな?
ウォンさんに修正喰らってくる
244カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 18:24:46 ID:???
第二十話「悲しい再会」

ドイツの首都ベルリンはその日、雪吹雪く大荒れの天気だった。まだ昼間なのに、今にも
迫ってきそうな雪雲のせいで薄暗く感じる。
この日の天気はこれから起こる出来事の前兆だったのか、それとも事を起こす者が発した
気合がこの天気を呼んだのか…それは余りにも唐突で、余りにも凶暴な出来事だった。
ベルリンの街にロシア方面から暴虐の限りを尽くしてきた破壊の化身が舞い降りる……
 
その破壊の化身は無差別に攻撃を開始する。
防衛に出た守備隊の攻撃はかすり傷一つ付けられずに無効化され、反撃で放たれたビーム
は隙間の無いほどの数で守備隊を焼き払う。そして発射されたミサイルは数えるのも憚れる
程の数で建物を次々と破壊していく。
その圧倒的力の前に、ベルリンの街は成す術なく炎に包まれていった。
 
破壊の化身は巨体を進める。
その中で操っている人物、それはステラ=ルーシェだった。
 
「凄いな、このデストロイは…名前どおりの性能を発揮しているという事か」
 
デストロイと呼ばれた破壊の化身に随伴するように付いて来るウインダムにはネオが
乗っていた。
 
「ステラ、こいつらは皆お前を苦しめる敵だ。ここで奴らを排除しなければお前が苦しむ事に
なるぞ」
『ネオも……?』
「そうだ、ステラが苦しめば私も苦しい。だから、こいつらを生かしておくわけにはいかない
んだ」
『うん、分かった!』
「ステラはいい子だな?」
 
(ふん…調整は上手く行ったという事か……)
 
言葉とは裏腹に、ネオの口元は不満気だった。いくら上からの命令とはいえ、本来フェミニス
トである自分が、このような形で少女を戦争に利用している現実に幾分か腹が立っていた。
 
「あんた達、消えちゃえぇぇ!」
 
雄叫びを上げるステラと同調するかのように、デストロイからこれまで以上の砲撃が放たれ
る。それは一瞬にしてベルリンの街並みを火の中に巻き込んで行く。
巻き上がる煙はデストロイの邪悪なオーラであるかのようだった。その中からモノアイを光ら
せて浮かび上がるデストロイのシルエットは、正に悪魔そのものであった。
既に守備隊は役に立つ事も無く大半を無力化され、ベルリンの街はただ滅びを待つのみで
あった。
しかし、人々が最早これまで、と思ったその時、デストロイの動きを邪魔するように数発の
ビームが注がれる。
245カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 18:26:44 ID:???
「もうやめろぉぉ!こんな破壊を繰り返して何になるって言うんだ!?」
 
やって来たのはフリーダムと、前回の戦闘後アークエンジェルに合流していた数機のムラサメ
だった。ムラサメは綺麗にフォーメーションを組み、その他のウインダムやスティングのカオス
の相手に取り掛かる。
フリーダムはそのままデストロイの破壊を阻止するべく砲撃を繰り返す。
 
「これもステラの邪魔をする……!?ステラやネオをいじめる奴は消えちゃえぇ!」
 
ステラは周囲をうろちょろとするフリーダムに狙いを絞る。無数の攻撃がフリーダムを襲い、
それをかわすも流石のキラも中々反撃を行うまでに至らない。
手数の多さではフリーダムをも圧倒するデストロイの攻撃は、たった一機で相手にするには
無理があった。
 
「くっ…何て攻撃だ!近づくどころかビームの一発も撃てやしないなんて……!」
 
圧倒的物量の砲撃を前に、フリーダムは何とか回避しながら隙を見てビームライフルを撃つ
だけに留まっていた。しかし、その攻撃もデストロイのバリアに弾かれて決定的打撃を与える
事はおろか、砲門の一つも潰せない状態であった。
だが、そんなデストロイも戦闘が長引けば消耗する。その時が訪れればキラの勝利は確定
的なのだが、それではベルリンの街はただの瓦礫の荒野になってしまう。
被害を最小限に食い止めるには時間が足りないのだ。キラは焦った。
 
「何とか…何とか出来ないのか!?」
 
必死に方法を模索している中、キラの下にアークエンジェルからの通信が入る。
キラ達と再会した折にそのままアークエンジェルに乗り込む事になったミリアリアからだった。
 
『キラ、ミネルバがこちらへ向かっているわ』
「えっ…!?」
『ザフトがどう出るか分からないけど油断しないでね!』
「ザフトが来る……どう出る!?」
 
そこに先行して発進していたインパルスとΖガンダムが辿り着く。
そこにそびえる様に敢然と立ちはだかるデストロイの異形に二人は息を呑む。
 
「こ…こんなでかいのが動くのか……!?」
 
シンはその余りのもの存在感に圧倒されそうになる。
 
「サイコ…ガンダム……!?」
 
カミーユは黒くそびえる様に立つマシンに、かつての悪魔を重ね合わせる。
246カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 18:28:54 ID:???
「乗っているのは…まさか……」
 
「こんな風に街を焼くなんて……!何考えてんだぁぁ!」
 
綺麗だったであろうベルリンの街並みが見る影も無い現実に、シンは怒りを爆発させる。
フリーダムを相手にしていてインパルスの存在に気付いていないデストロイに、シンはビーム
ライフルを連射する。
的が大きい分動きも鈍い為にシンの攻撃は全弾命中したが、バリアによって弾かれたビーム
が無規則に反射して余計にベルリンの街を破壊してしまった。
 
「バリア持ち!?…ならさぁ!」
 
シンはインパルスにビームサーベルを抜かせ、デストロイに吶喊する。フリーダム以外の
攻撃に気付いたデストロイがインパルスの方へ向き直る。
 
「またちょろちょろとぉ!こいつも消えちゃえぇ!」
 
気持ちが高揚しているのか、ステラは普段絶対に見せないような形相で叫ぶ。
デストロイからは冗談としか思えないような無数の攻撃がインパルスに向けて放たれた。
 
「こんなものぉぉぉ!」
 
そんな状況の中でも、シンの気合がインパルスの限界を引き出し、嵐の様な弾幕をすり抜け
てキラでさえ近付けなかったデストロイに肉迫する。
 
「一撃で仕留めてやる!」
 
目の前まで迫ったシンはビームサーベルを振りかぶったが、それをデストロイに振り下ろす
前に一発のビームがそれを邪魔した。
 
「やらせんよ!」
 
ネオのウインダムが続けてインパルスにビームを放ち、デストロイから引き離す。
 
「貴様っ!」
 
シンはウインダムを睨みつける。しかし、その間にもデストロイは破壊行動を続ける。
その行為を放っておくわけにはいかなかった。
インパルスはウインダムの攻撃に怯まずに再びデストロイに向かう。
 
「ちっ……!やらせんと言っている!」
 
「行かせるかよ!」
 
それを追撃する形でインパルスを追おうとしたが、その前にカミーユのΖガンダムが立ちはだ
かる。
247カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 18:31:12 ID:???
「お前の相手は俺だ!」
 
カミーユはシンの邪魔をさせない為にネオのウインダムに攻撃を仕掛ける。
 
「こいつか!?」
 
ネオはその正確な射撃を紙一重でかわしてΖガンダムへ迫る。自由落下とバーニアで空中
戦を戦うΖガンダムには接近戦が一番有効的であると判断したからだ。
 
『お前、カミーユ=ビダンってんだろ!?』
「!?」
 
接近を許したカミーユはビームライフルを銃剣にして対応する。と、同時に接触回線から敵の
パイロットの声が聞こえてくる。
 
『聞いてるぜぇ!?お前が異世界から来た異邦人だってな!』
「だから何だ!」
『この世界に関係ないお前が何故戦う!?関係ないお前は即座に手を引くべきだ!』
「ステラを戦いに駆り立てる貴様の言う事が聞けるか!」
『何!?』
 
Ζガンダムはウインダムのビームサーベルを弾き、そのままビームライフルでその右腕を
撃ち壊す。
 
「うおっ!?」
 
衝撃でコントロールを失ったネオのウインダムであったが、そこは熟練したパイロットの腕で
持ち直す。
 
「こいつもフリーダム同様、段違いか!…複数相手ではきついな…こいつだけでも……!」
 
無理をしないネオはカミーユを引きつける様に誘導していく。
 
「アイツ…誘っているのか?」
 
ネオの動きから引っ掛けであるということは分かっていたが、カミーユは敢えてその動きに
釣られる様について行った。
ネオは、囮になることでステラの敵を少しでも減らそうとしていた。
248カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 18:32:47 ID:???
デストロイには相変わらず遠距離から攻撃を繰り返すフリーダムと、接近戦で仕留めようと
接近するタイミングを図るインパルスが居た。
しかし、デストロイにとっては相手が二機に増えようとも、全方位に攻撃が可能な為に関係
ないことであった。
 
「フリーダムの奴は何しているんだ!?ビームは効かないってのに!」
 
「インパルスはどうするつもりなんだ!?接近なんて出来っこないのに!」
 
お互いに動きを把握していない為、何をしても無駄になる。決定打がお互いに撃てないまま
ベルリンの街は荒廃を続けていく。
見るも無残な姿に変えられたベルリンの光景に、シンは唾を飲む。
 
「くっ…もうこれ以上は待てない!行くぞっ!」
 
痺れを切らせたシンが先程のようにデストロイに突っ込む。すると、案の定デストロイは
ビームとミサイルの弾幕を張る。
 
「インパルス!?死にに行くつもりか!?」
 
キラはシンの正気の沙汰とは思えない突撃を見て驚く。
それでもキラはシンを援護する為、フルバーストアタックでミサイルだけでも撃ち落す。
 
「今度こそ貰ったぞ、悪魔めぇ!」

インパルスがそこをすり抜けて、今度こそデストロイにビームサーベルを振り下ろそうとする。
しかし…
 
『駄目だシン!ステラだぞっ!』
「は…!?」 

通信機から聞こえてきたカミーユの声にシンは愕然とする。
ネオに引っ張られるように離れていったカミーユだったが、その並外れた勘で逆にネオを
デストロイの方へ向かう様にライフルを撃っていたのだ。
 
「ほ…本当なのか…カミーユ!?」
『間違いない、彼女のものだ!』
 
「んっ!」
 
動きが止まる目の前のインパルスにステラは照準を合わせる。
249カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 18:35:04 ID:???
「うわっ!?」
 
その時、フリーダムがインパルスを蹴りで突き飛ばした。その反動でフリーダムもデストロイの
目の前から離脱する。
何も居なくなった空を収束されたビームが通過した。
これが直撃していれば間違いなくインパルスは蒸発していただろう。
 
「インパルスのパイロット!死にたいのか!?」
 
キラはデストロイの目前まで詰め寄りながらも動きを止めたインパルスに苛立ちをぶつける。
千載一遇のチャンスだったかも知れないからだ。
吹っ飛ばされたシンも姿勢制御を行ってバランスを保とうとしたが、追い討ちでネオのウイン
ダムが襲い掛かってくる。
 
『この…まで…済まさ…よ!』
「声っ!?」
 
振り下ろされるビームサーベルをかわした瞬間、微かにシンの耳に聞こえた音声、それは
ネオの声であった。
 
「あいつ…約束破ってよく出て来れたな!?」
 
怒りに駆られるままにネオを攻撃しようとしたが、ステラがそれを邪魔してくる。
 
「ネオをいじめる奴、消えろっ!」
 
「ステラ…何でさ!?」
 
ステラの攻撃にシンは戸惑う。
 
 
「あの動き……そんなまさか!?」
 
苦しむシンを余所に、キラはウインダムの動きに既視感を覚えていた。
死んだ筈の男の動き…キラは急にそれを確かめたくなり、ネオのウインダムにターゲットを
絞る。
 
「誰なんだ、あなたは!?ムウさんじゃないの!?」
 
前大戦末期、陽電子砲の直撃を受けて死亡した筈の男が、何故今敵として姿を見せるのか
キラには理解できなかった。
250カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 18:36:53 ID:???
「ちっ!またスペシャルな奴のお出ましか!」
 
フリーダムを前にネオは仮面の下から汗を流す。圧倒的な存在感を前に、ネオは背筋が凍り
つく思いがした。損傷したままのウインダムではやられる…そう感じたネオの予想はあっけな
く現実のものとなる。
 
何とかフリーダムを振り切ろうと牽制で誤魔化しながら後退を続けるネオであったが、フリーダ
ム相手にそんな子供だましが通用する筈もなかった。
飛び切りの加速でウインダムとの間合いをあっという間に詰められ、高速の切込みでウインダ
ムの四肢はバラバラにされる。
羽をもがれた蝶のようになったウインダムはそのまま地面に叩きつけられ、その衝撃で開い
てしまったコックピットハッチからネオは投げ出されてしまった。
飛び出た勢いで地面に体を強打したネオは仮面が外れ、そのまま気を失う。
 
「やっぱり…ムウさん……」
 
長い金髪と顔に付いた傷…キラの知っているムウ=ラ=フラガとは少し見た目が違っている
が、その顔はまさしくムウ=ラ=フラガその人であった。
 
「マリューさん、ムウさんです!回収を!」
 
キラはアークエンジェルにそう伝えると、再びデストロイの下へ向かっていった。
                                             〜つづく〜
251通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 18:38:03 ID:???
GJ!
>前大戦末期、陽電子砲の直撃を受けて死亡した筈の男が、何故今敵として姿を見せるのか
>キラには理解できなかった。
俺はお前の行動自体がt理解不可能だ。
252通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 18:38:46 ID:???
乙!
そして初リアルタイムな俺
253通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 18:44:04 ID:???
乙!そして職人さんGJ!
254通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 18:46:07 ID:???


刮目して次回を待て!ってね


ネオが酷い目に遭ってる件。カワイソス
つーか、重傷も確実だなこりゃ。
シンやカミーユにボコされたなら自業自得でカワイソスとは言えないんだが……
255通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 18:48:33 ID:???
GJ!
ステラを救えるのかが気になる所だ・・・
サイコガンダムとデストロイって本当に似てるな
256通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 18:49:54 ID:???
GJ!
前大戦末期、ジェネシスの爆発に巻き込まれて大破した筈のフリーダムが、何故今敵として姿を見せるのか
ザフト兵には理解できなかった。
257通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 18:55:34 ID:???
GJ!!
テロリスト君がなんか好き勝手言ってるが頑張れシン!
次こそシンとカミーユの友情コンボが発動すると信じてますw
258通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:02:30 ID:???
キラもカミーユの影響を受けて改心してくれればいいんだが・・・
職人乙
259通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:08:30 ID:???
>>258
アスランがフリーダムパクってキラを拉致り返すくらいしないと無理そうだな。

ところでネオはいつカミーユの事知ったんだ?
ステラがそこまで詳しく知ってるとは思えんし・・・
260通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:18:02 ID:???
GJ
しかしキラはまた拉致るのかよwww
261通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:19:08 ID:???
>>258
新約カミーユだったらできただろうが、旧約カミーユじゃまた精神が壊れる
262通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:23:48 ID:???
ステラが死ねば本編準拠、生きたのならばオリジナル展開、作者の腕の見せ所、変なの沸かなきゃいいが
263通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:29:41 ID:???
カミーユ氏GJです

>>262
それは作者さんも迷ってる段階なのではなかろうか
でも俺は最後はどっちになっても作者さんが選択した展開を応援するよ
そりゃあステラをなんとか救ってあげたいけどね
シンのためにもカミーユのためにも
264通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:36:22 ID:???
カミーユのハイパー化がみたい…
265通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:42:05 ID:???
この外道め、・・・Zガンダムだからなあ、命を吸ってこそのバイオセンサーなんて考えてしまう俺も外道
266通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:44:23 ID:???
>>261
君、カミーユの精神が壊れた理由を知ってて言ってるの?
267通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:54:34 ID:???
>>265
ハイパー化だけなら命を吸わんでもできるよ
ただシロッコ戦のやつは無理だが
まあフォウやロザミア、エマを筆頭に
今までに吸った貯蓄があるから問題ないよ
268通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 19:59:20 ID:???
AM カミーユというキャラクターが非常に感情移入しにくかったですよね。
    アムロ、フォウとかの人気が比較的高いということも、逆にいえば彼らを
    通すとカミーユが見えてきたからだと思うんです。
    まずカミーユの設定のねらいを聞かせてください

富野 カミーユというのはパート2ものを作っていく上での基本なんです
    最初からわかんないキャラであれ以上にはならないキャラだったんです。
    その意味でかなり予定どうりです。現実にはみんなわけわからないとこで
    ゴチャゴチャやってるよねということ。そのキャラをずーと引きずるしかなかった
    ようするに人の限界っていうのはこんなもんだよ。
    いくらカミーユのNT能力が最も凄くても人間なんてそんなもんです。
    だからカミーユは気が触れるしかないんです
    ここは一歩も踏み外してないし、こういうふうにしか作れなかった

AM  NTは戦争を終結させる能力はないですよね
 
富野 そう、はなっからないんです。

AM  そのあたりがあまりにリアルすぎて悲しみのカタルシスばかりが強かったようですが。

富野  それもなかったんじゃないかな事実ばかりがダダダってきちゃうと
     悲しんでいられないですよ、ていうとこまでやってるつもりだし。
     カタルシスがあるわけがない


カミーユが壊れた原因の富野インタビュー
269通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 20:01:50 ID:???
カミーユはNT能力を超えて念動力でジオの動きを止めて勝利する
新しい力を持った若者が新旧の強大な力を合わせ持った強大な力を持つシロッコに
思いの強さだけで勝利してしまう。それはあまりにも現実的ではない
またラストカミーユが命を捨てて得た力だとしても死が描かれ続けてたΖでは
ファンタジーになってしまう
現実認知のテーマにするにはカミーユは精神崩壊しなければならない
カミーユはそのための犠牲であり天使なのだ
全富野仕事集より

自我を開放し他人の意思を共有することは
けして幸福ではない。人はそこまで他人の介入に耐えれない
それでもカミーユはNTの才能を先鋭化させ続け
死者の魂とまで感応し、自分の精神に取り込んでいってしまう
無制限に他者を取り込んでいけば、必然的に自我の枠組みは軋み、揺らぎ、崩壊する
人はNTであることに耐えられない
カミーユ・ビダンはNTとして正しく能力を拡大していったため崩壊した
Ζヒストリカ11号
270通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 20:26:02 ID:???
>>266
既にキリマンジャロあたりから予兆はあったし、
サイコMKIIあたりから急激におかしくなってきてた。

エマさんとの会話中にメットのバイザー上げるとこなんぞ完全に逝ってたな。
最後シロッコに連れて行かれなくても、戦争神経症になってたのは間違いない。

観念の世界にどっぷり使ってたうえに鬱エピで連打されたTVに対して、
新約は鬱エピが少ない上に精神の土台としての身体性がしっかりしてた感じだから、
>>261のように感じるのも不自然ではないと思う。
俺はキラごときではカミーユを破壊できるほどのストレスには足りんと思うが、
それでも単独のストレスでああなったのではなくて、
TV版のカミーユには元々そうなる資質があったっぽいし。
271通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 20:35:33 ID:???
>俺はキラごときではカミーユを破壊できるほどのストレスには足りんと思うが、
しかし、空気読まないキラがステラを殺してくれちゃうと、フォウの件と重なって
またもやピンチに・・・・・
まぁ、ココではシンとの強力なタッグで防いでくれると信じている!!
272通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:02:47 ID:???
>>270
まあカミーユ自身の繊細さだけでなくNT能力の過剰肥大が
その繊細さをさらに脆くさせたんだとは思う。
NT能力ってある意味、感受性の強さとも言えるし
273通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:04:13 ID:???
俺はどうにかしてステラのことを知ったキラが今回はみのがすという展開を望んでいるんだが…。
キラも種の時は普通にいい奴だったしステラのことを知れば攻撃を止めるはず…。
274通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:09:50 ID:???
ここでカミーユのテレパシー演出ですよ
ステラを助けるために全MS隊、全艦隊攻撃中止を呼びかけ
シンを説得に集中させる
275通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:10:58 ID:???
ステラ…可哀想だが…直撃させる!じゃねーの?
276通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:13:02 ID:???
カミーユ氏乙です。1つ相談があるのだけれど、改行しないで載せてくれないかな?

例)
ビームライフルを放った

(ウィキ)
ビームライフルを
放った

ウィキ登録時にカミーユ氏の改行が反映されるとあんな感じになってしまうので、出来れば改行無しでお願いしたい。
277通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:18:15 ID:???
>>276
でもカミーユ氏は俺たちに読みやすいように改行してくれてるわけで
wikiに関してはwikiの編集する人の仕事になってくるのではなかろうか?
278通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:27:08 ID:???
>>268-269
ずっとシロッコの怨念が崩壊の直接の原因と思ってたけど
富野の意見はあくまでカミーユのNT能力の高さ故の代償ということだったのね
ならシロッコの怨念描写いれなければもっとうまく伝わったはずなのにな
279通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:30:40 ID:???
>>273
今のキラが何人目田と思ってる?
280通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:32:47 ID:???
>>278
シロッコの呪いはとどめの一撃だな
281通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:34:17 ID:???
考えたらキラってオルガ達やステラ達がブーステッドマンとエクステンデッドという、
戦うためだけに薬物や記憶操作で作られた強化人間だってこと知らねーままなんだよな。
282カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/24(火) 21:34:35 ID:???
>>276
確かにwikiではヘンテコな改行になってしまいますが、ここで改行無しでやってしまうと前スレの一番最初の投下を見ていただければ分かると思いますが、何故か更にヘンテコな改行になってしまうんです。
なので、wikiの方は読みにくいかもしれないですけど、原因がよく分からないので勘弁して下さいorz
一応メモ帳からのコピペで基本的に投下していますが、どういう理屈であのようなヘンテコな改行になってしまうのか……
283通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:36:37 ID:???
>>278
新訳では受けとめ方を変えて体感があるから
NT能力が過剰肥大してもその力を受けとめてる
シロッコの怨念の光を弾いてる理由もそれ
284通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:39:12 ID:???
>>281
そもそもラクス様御一行は敵にも戦う理由があるって事を理解してないだろ
285通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:42:37 ID:???
>>284
ラクス達といえど相手にも戦う理由があるって事ぐらい理解しているはず!
まあ、その相手の理由を絶対悪だと考えてるけどな。
286通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:43:56 ID:???
>>279
確かにキラも行動とか考え方が変になったけど人間らしい心は残してるはず…
287通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:44:41 ID:???
>>282
どうしても気になるって奴はwiki掲載後に編集するだろうから無問題
気にしなくていいとオモ
288通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:45:48 ID:???
>>285
戦ってもいいのですとか言い出した時点でもう善とか悪とかいう次元を超越してる
289通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:54:21 ID:???
ジ・Oの呪いでカミーユは廃人になったんだっけ?
290通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:56:58 ID:???
291通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:57:46 ID:???
>>289
シロッコじゃなくてジ・Oかよ!!
292通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 21:59:57 ID:???
MS魂がいるんだよきっと
293通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 22:24:34 ID:???
>>282
了解ー。今後ともがんばってください。
294通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 23:37:57 ID:???
>>286
人間らしい心って、ラクソが敵とみなした相手を、相手が戦う理由も、立場も、
挙げ句、自分が戦う理由さえ考えるのをやめて相手を皆殺し又は達磨にして他の奴に殺させる心のこと?
295通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 23:49:45 ID:???
いやいや
ラクスが敵と見なした相手の事情など考えもせず、ただ自分の手を汚すのがいやなのを『不殺』の二文字で正当化し、真っ当な戦士達を見下す心かと
296通常の名無しさんの3倍:2006/10/24(火) 23:56:26 ID:???
>>295
メサイアの中でミーティアフルバーストかましたり、ミーティアサーベルで戦艦ぶったぎった時点で、
不殺はやめてる。今は単なるラクソの殺人マシン。
297通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 00:28:32 ID:???
>>294-295
おれとしては何人目とかいうネタをマジで抜いてエルを助けようとした時の心がまだあると信じたいんだよ…
298通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 00:36:16 ID:???
……エル?

あぁ、折り紙の……
一瞬デスノートのLのことかと思った
299通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 00:41:13 ID:???
>>297
そんなものはフレイを切り捨てた時点であってはならない
300通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 08:16:51 ID:???
>>296
つうか種の時点で戦艦ぶった切ってるし。
キラは不殺が信念だと語ったことないからな。
301通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 08:40:59 ID:???
あくまでも「なるべく」殺したくないだけだろ
302通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 11:34:54 ID:9iJgI+NU
282の職人さん期待して投稿待ってます。
303通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 11:56:27 ID:???
なぜか定着しているキラの不殺


304通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 15:16:50 ID:???
それなくしちゃうとキャラが立たなくなるからなあ
305通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 15:19:26 ID:???
カミーユのスーパーハイパー化まだ?
306通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 17:19:28 ID:???
スーパーハイパーってお前、風間君みたいな奴だな
307カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:19:50 ID:???
第二十一話「命、懸けて」

「ステラ、止めてくれ!君はこんな事しちゃいけないんだ!」
 
デストロイを相手にしているシンとカミーユ。シンは必死の思いでステラに呼び掛けていた。
 
「くそっ…どうすればいい……!?」
《カミーユ……》
「フォウ……?」
 
一方のカミーユもデストロイの火線に手を拱いている状態であった。そんなカミーユの頭の中
にフォウの声が響いた。
 
「フォウ…僕はどうしたらいい……これではまた!」
《彼が動くわ……》 
「彼…シン!?」
 
その時、インパルスがデストロイの正面に位置取り、シンはコックピットハッチを開ける。顔を
ハッキリと見せるためだろうか、ヘルメットを脱いでコックピットから放り投げた。
 
「見えるかステラ!シンだ!」
 
「なっ…何をしてんだシン!?無茶だ、そんなの!」
 
シンの仰天の行動にカミーユは慌てる。もし一発でもコックピット周辺にダメージを受けたら、
シンは即死ものである。
 
「思い出すんだ、シン=アスカを!」
 
インパルスはそのままデストロイに近づいて行く。インパルスがしつこく近づいてくる事を煩わ
しく感じたステラは今度こそ撃ち落してやろうと照準を合わせようとする。
 
「うるさい奴!落ち…きゃっ!」
 
ステラがデストロイビーム発射ボタンを押そうとした瞬間、Ζガンダムから放たれたグレネード
ランチャーの衝撃がステラを襲う。
 
「こんのぉ…何でいつもステラの事いじめるの!?」
 
仕掛けてくる様子のないインパルスを狙いから外し、ステラはΖガンダムにターゲットを移す。
 
「何で邪魔するんだ、カミーユ!」
『お前が死んだら終わりだ!ステラを止める奴が居なくなっちゃうんだぞ!』
「俺は死なない!それが運命だろっ!」
『分かるもんか、そんな事決まっちゃいない!けど……!』
308カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:22:25 ID:???
カミーユはΖガンダムをウェイブライダーに変形させて進路をデストロイに向ける。
 
「俺が突破口を作るからお前はその隙にステラを助け出せ!」
《あたしがカミーユを死なせないから!》
 
フォウの魂が淡い光となってΖガンダムを包む。
小細工は無し、カミーユは一直線にデストロイへウェイブライダーを加速させる。ばら撒かれ
た迎撃のミサイルが所々に被弾してもカミーユはウェイブライダーを止めなかった。少しは
貰って見せなければ直ぐに飽きられてしまうからだ。
シンがデストロイに接触しない限り囮は成立しない。
 
「まだだろっ!」
《Ζガンダムはこんな物じゃ落ちないんだから!》
 
フォウとは違う女性の声が聞こえてくる。フォウと同様にカミーユの中に息づくロザミィも同じ
想いだったのだろう。
 
「ロザミィも!」
 
「死ぬつもりか、カミーユっ!?」
《お兄ちゃんは死なないわ!》 
「誰だ!?」
 
シンの頭にもロザミィが語りかける。未だ尚、肥大化を続けるカミーユのニュータイプ能力が
引き起こす超常現象、それがシンにも作用する。
一瞬気を取られたが、すぐに気を取り直してシンはデストロイの方を見た。
ステラがカミーユに気を取られている間、インパルスに向けた攻撃は止んでいる。しかも、
デストロイから放たれる砲撃の何発かは不思議なフィールドに弾かれる様にΖガンダムを
すり抜けていった。
しかし、それでも防ぎきれなかった砲撃は少しずつΖガンダムを破壊していく。早くしなけれ
ばステラを救い出すどころかカミーユさえ危ない。
シンは歯を食いしばる。カミーユが作り出した好機、これを逃すわけには行かなかった。
 
「くっ…無駄にはしないからな!」
《そう…君はそれでいい……あの子はあなたに助けられたがっている》 
「分かってる!」
 
最早チャンスはこれっきり、シンにはそれが分かっていた。謎の声が頭に響こうとも、既に
それはシンにとって問題ではなかった。
ステラを救い出す事、それが今のシンにとって唯一無二の目的だった。
フォウやロザミィの声を気にせずにシンは最大加速でデストロイに取り付く。
シンが取り付いた所…そこは偶然にもデストロイのコックピットの側であった。
309カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:24:08 ID:???
「後は…お前次第だぞ、シン……」
 
それを確認したカミーユはボロボロになった機体を反転させてデストロイから離脱する。最早、
自力で飛行できるのがやっとの状態だった。
 
「何……?」
 
インパルスが取り付いた衝撃に気付いたステラはモニターで何が起こったのか確認する。
すると、そこにはモニターに大きなインパルスの画像が映し出された。
余計な物が取り付いたと思ったステラは自らダメージを受ける事を覚悟してインパルスを
排除しようとする。
しかし、映し出された画面にふと目をとめる。何処かで見た事がある様な人間が映っていた。
 
「……?」
『ステラ!ハッチを開けてくれ、話したいんだ!』
 
接触回線からこれまた聞き覚えのあるような声が聞こえてくる。ステラの記憶の奥底に
引っかかる物があった。
 
「あんた…誰……?何でステラの事知ってるの……?」
『ステラ!?シンだよ、君を守るって言ったじゃないか!?』
「シン……ステラ守る……?」
 
閉ざされたステラの記憶の扉が少しずつ開かれていく。それは暗闇に包まれていたステラの
記憶を眩い光で照らす。
 
 
たった一つ思い出せた海岸の記憶……シンとの思い出。
あの日、溺れていた自分をシンが救ってくれた。
それはステラが一番怖がっている死の恐怖から救ってくれたという事。
その後シンはステラと約束してくれた。
ステラを守るという事は、ステラを死の恐怖から遠ざけてくれるという事。
 
シンはステラにとって無くてはならない人……?
 
 
「シン…?」
 
「ステラ!」
 
ステラはデストロイのハッチを開いて直にシンの姿を確認する。
シンはインパルスのコックピットから出て、やっと姿を確認できたステラの下へ急ぐ。
310カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:25:39 ID:???
「ステラ、一緒に行こう!」
 
シンはスーツの手袋を外してコックピットの入り口でステラに手を差し伸べる。
しかし、ステラは戸惑っていた。
 
「駄目…ステラ行けない……ネオが居るもの……」
「そんなの……」
 
シンはハッとしてネオのウインダムがいないか後ろを振り返る。
しかし、其処にはのしかかる様な重い雲とつらつらと舞い落ちる雪が見えるだけだった。
ステラにとってネオがどの様な存在かは知らないが、その大きさだけは分かっていた。
だが、カミーユが作ってくれたこの機会を逃さない為にも、シンはここで退くわけにはいかな
かった。
 
「ネオはそんなに大事?」
「うん…ネオはステラにとても優しくしてくれるし大事にしてくれるの……」
 
ステラは俯き、申し訳なさそうにシンに告げる。しかし、シンはそんなステラの言葉に首を横に
振り、優しく微笑んで語り掛ける。
 
「違うよステラ、ネオは優しくなんか無い。本当にステラの事を大事にしてくれているのなら、
ステラをこんなのに乗せて戦わせるものか」
「そうなの……?」
「そうだよ」
 
ステラにとってシンの言葉は心地よかった。スティングやネオのものとも違う、ステラを一番
理解してくれる人…ステラにはそう思えた。
ステラはゆっくりとシンの手に震える手を伸ばす……
311カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:27:19 ID:???
(どうしたんだ…インパルスとあいつは?さっきから微動だにしない……)
 
ムウをアークエンジェルに任せ、デストロイの下へ戻ってきていたキラは先程からピタリと動き
を止めた二機を見て不思議に思っていた。
 
(でも、今なら……)
 
この状況を好機と踏んだキラはフリーダムにビームサーベルを握らせる。一気にケリを付ける
ために勝負を仕掛けようとしていた。
 
「再び暴れだしてからでは遅いんだ……仕方が無いんだ……!」
 
自らに言い訳するように独り言を呟き、スロットルのレバーを固く握り締めた。
 
「っ!?」
 
しかし、キラが加速を掛けようとしたその瞬間、背後からの大きな衝撃が彼を襲う。
 
「な、何だ!?後ろに何か居る!?」
 
取り付いたのは最後の力を振り絞ったΖガンダムだった。
 
『待ってくれ!もう少しだけ時間を…!』
「あなた…そんな損傷で無茶すると……!」
《カミーユの言う事を聞けっ!》
「女性の声…!?」
 
カミーユが聞かせるフォウの声にキラは得体の知れない恐怖を覚える。
しかし、そんな事を気にしてられないキラはΖガンダムを振りほどこうとフリーダムをよじらせ
た。
 
「クッ……!ここで放してたまるかよ……!」
 
それでも激しく抵抗するフリーダムに対して、カミーユがそれを許さない。
 
『あと少しなんだ…あと少しで……』
「待ってたらまた破壊が始まるでしょう!」
《そんなこと無い!お兄ちゃん達に任せればいいのよ!》
「さっきから何なんだ!?」
312カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:29:51 ID:???
二人の女性の声が聞こえた。
その声がやけに女性的で、それがキラを余計に苛立たせる。
二年前、キラに初めて女性を教えてくれたフレイが何かを言いたそうに目の前から消えて
いった場面がフラッシュバックする。そのフレイを思い出させる謎の声がキラを責めている
ようで、罪の意識と共にキラに苦しみを与えている様に感じていた。
その感じ方がキラを意固地にさせる。
 
「時間がないんだ!」
 
カミーユのΖガンダムは四肢こそ残っているものの、フライング・アーマーは片方外れて装甲
も所々に穴が開いていた。生き残っているカメラもごく僅かであった。
それでも執念を見せるΖガンダムに対し、キラは強攻策に出る。ビームライフルを空いている
左手に持たせ、思いっきり後ろに回してΖガンダムの左腕を撃ち壊した。
 
「なっ……!」
「もう…これ以上待てないんだ……」
 
《何故破滅に向かおうとするの!?》
《どうしてお兄ちゃんの言う事を聞かないの!?》
 
しがみ付いていた左腕をもぎ取られ、右肘で腹を殴られたΖガンダムはフリーダムから剥が
される。
 
(フォウ……ロザミィ……また、繰り返されるのか……?)
 
フリーダムから振り落とされたΖガンダムはそのまま地面に叩きつけられ、カミーユの意識は
そこで闇に閉ざされる……
 
 
「カミーユ……?」
 
ステラとシンが手を繋ごうとしたその瞬間、シンはカミーユの声が聞こえたような気がした。
 
「あっ!?」
 
同時にステラがシンの背後から猛スピードで迫るフリーダムに気付く。
 
「ダメェェェェっ!」
《もう私達のような存在は十分だ!》
《あっち行っちゃえぇ!》
 
ステラの意思に同調するようにカミーユという器を越え始めたフォウとロザミィも叫ぶ。
ステラにはフリーダムが自分とシンの命を刈り取る死神のように見えた。その余りにもの禍々
しさにステラは絶叫を上げ、デストロイのビームの発射ボタンを押す為に慌ててコックピットに
戻ろうとする。
フリーダムの刃がすぐ其処まで迫っていた。
313カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:32:15 ID:???
しかし、フリーダムのビームサーベルがデストロイに届く事は無かった。
 
「お前のやりそうな事なんか、お見通しなんだよっ!」
 
ステラがフリーダムに気付くと同時に、フォウとロザミィの声が微かに聞こえたシンは素早く
インパルスに戻り、その身をデストロイの盾にしていた。
インパルスはシールドと一緒に左腕をもぎ取られたが、頭から突っ込んできたフリーダムに
胸部のチェーンガンを叩き込む。
 
「はあああぁぁあぁぁぁあぁ!」
 
無限のフェイズシフトを持つフリーダムの装甲を傷つける事は出来なかったが、シンの執念の
篭った連射攻撃はフリーダムのメインカメラを破壊する。
 
「モ、モニターが!?」
 
コックピットの中で正面のモニターが音を立てて映らなくなる。
 
《不幸を呼ぶ奴、帰れ!》
「くっ……!」
 
キラは仕方なしにフリーダムを離脱させる。
そして、そのままアークエンジェルに戻って行った……
 
 
フリーダムの撤退を確認したシンは再びデストロイに向き直り、コックピットの入り口まで
ステラを迎えに来た。
そこでは、座席に座ってボタンに手を添えたままステラは瞬き一つせずに固まっていた。
 
「ステラ、今度こそ一緒に行こう!」
「……」
「ステラ……?」
 
微動だにしないステラをシンは心配したが、ステラの目には涙が溜まっていた。
シンは優しく微笑んでステラに告げる。
 
「言ったろ?俺がステラの事守るって。……だからステラはもう怯える必要は無いんだよ」
 
瞬間、ステラの目から涙が溢れ出す。
シンこそ本当に自分を守ってくれる人、悪魔から救ってくれる人、ステラに本当の安らぎを
もたらしてくれる人であると、その時初めて理解した。
314カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/25(水) 18:34:45 ID:???
降り続いていた雪はいつの間にか止み、雲の合間から光が漏れてくる。
手を伸ばすシンの背後からデストロイのコックピットに光が差し込み、逆光になったシンの
表情がうまく見えない。
しかし、ステラにはシンが笑って待っていてくれる事が分かっていた。
それがシンの、優しさを自分にもたらしてくれる安らぎの人である事を理解していたからだ。
 
ステラは今度は手袋を外し、再びゆっくりと手を差し伸べる。
自然と先程までの震えは止まっていた。
理由はよく分からないが、その手を取ってしまったらもう二度とネオの下には戻れないと
分かっていた。
しかし、不安は無かった。それが分かっていようとも、シンの下へ行くのを拒む理由が無い。
更に言えば、ステラはネオよりシンの方が心地よいという選択をしたのだ。
 
シンとステラの手が触れ、ゆっくりとお互いを掴む。
その瞬間、ステラは初めてシンの生の温もりを知った。それはステラの思っていた通りの感触
で、記憶の闇が全て振り払われるかのようであった。
 
「シン……」
「ステラ……」
 
ポツリとお互いの名前を呼び、ステラはデストロイのコックピットから出る。それが今までの
ステラ=ルーシェとのお別れの瞬間だった。
 
二人はインパルスのコックピットへ移るが、一人用の機体に二人は狭すぎた。
 
「ステラ、二人じゃ狭いから、ミネルバに戻るまではこれで我慢してくれよ?」
「シン?」
 
キョトンとするステラを、シンが抱っこするようにインパルスに乗り込む。何とか乗り込む事が
出来たものの、スペースが全く無い状態で二人は密着する形になる。
 
「ステラ、苦しくないか?」
「大丈夫…」
 
シンはハッチを閉め、ミネルバへインパルスを向かわせる。
正直、ステラは若干の息苦しさを感じていたが、シンと密着していられる安心の実感が
息苦しさを上回っていた。
シンと一緒に居れる安心感と疲れからか、ミネルバへ戻るほんの数分の間にもステラは
久しぶりに感じる深い眠りを味わっていた……
                                            〜つづく〜
315通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 18:42:27 ID:???
書き込ませてもらう!
GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!GJ!
>不幸を呼ぶヤツ
テラワロス!
316通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 18:43:01 ID:???
GJ!!
オリジナル展開キター
317通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 18:57:02 ID:???
GJです
感動しました
カミーユのハイパー化すげー
さすが最高のNT能力
できればエマやレコア、カツ、サラ、ライラの霊魂も出たらもっと感動した
318通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:00:55 ID:???
もう種の映画化はこれでいいよ
マジで脚本シナリオはカミーユ氏
319通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:01:57 ID:???
職人さんGJです!!
いやー3日前くらいから友情コンボ言いまくってましたが大満足です!!
フォウとロザミィの必死さが良いですね!カミーユもよくガンガッタ!


キラは破壊以外の道も探すように努力してください><
320通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:02:55 ID:???
GJGJ!
帰ってきて泣き言ぬかすだろうキラに思いっきり説教してやれアスラン。

……しかし……思えば18話の時点でさえ全く姿を見せず動向も示されないラクスが気になる。
普通この手の改変物の場合、特に描写のない人はほぼ原作どおりの行動してるんだろうと
考えがちだが、なにしろラクスだけに不気味だ、とにかく不気味だ。
321通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:07:27 ID:???
カミーユはシンを導くとかじゃなく
あくまで友として同じような境遇を持った人間ゆえに同士となってるのがいいよね
シンがそれに影響されて凄く成長してるのが見えるから
原作ではウザイし成長しないバカだと思ったけど
この小説だとちゃんと成長してるのがわかるから好感が持てる
322通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:09:23 ID:???
GJですた。
ついに究極ニュータイプのカミーユの力の片鱗が見えましたね
ある意味原作以上にカミーユの行動に共感してしまった
323通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:10:46 ID:???
イイ!
しかしZはボロボロだし心身ともに消耗してこっちでもカミーユがヨガの眠り(違)を
余儀なくされそうな心配が。
324通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:12:17 ID:???
もしここでキラがステラ殺してたら
カミーユはマジでイデ発動起して
AA組を皆殺しだったろうな…
325通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:17:10 ID:???
あんな凄いNT能力を出したからカミーユが心配だ
また崩壊してなければいいけど…
ただ今回はシンたちという仲間がちゃんといるから
カミーユは一人じゃないから大丈夫だと思いたい
職人さんGJでした
326通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:19:49 ID:???
GJったらGJ
カミーユ満身創痍でよくやってくれた
327通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:20:58 ID:???
でもハイパー化してバリアー張ったのになんでΖはボロボロなんだろ
バリアー張ってたら完璧に防げそうだけどな
328通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:43:32 ID:???
予め言っておく
この後にニートの、仕方ない動きだしたら云々のあたりにケチを付けだす奴が出てくる可能性が高い。
現に0083やアムロスレでは出てきた。
そいつらはケチをつけてスレを荒らすのが目的だから、
今後の円滑な投下を望むなら、ストーリーが完結するまでおかしい云々は控えないか?
おかしい云々でアムロスレや0083スレは荒れ果てて投下がなくなったし、同じ悲劇は見たくないんだ
329通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 19:57:38 ID:???
>>327
一撃でMSや街を消滅させる威力のデストロイの火力だから
カミーユのオーラバリアーでも限界があったんだろ
普通なら1発くらっただけで消滅なのにそれを何十発も受けてるわけだし
330通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:03:45 ID:???
>>325
だからちょっとは上のスレ読めや、カス
331330:2006/10/25(水) 20:05:19 ID:???
スレ→レス
332通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:06:04 ID:???
>>330
>>325はおかしいことは言ってないだろ
いきなり喧嘩腰はやめようや
333通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:06:57 ID:???
>>328
禿同

>>329
スパロボじゃないんだからさw
334通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:08:20 ID:???
>>332
ハイパー化したせいで精神崩壊したんじゃないいて上の方で何度も言ってあるんだが。
335通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:10:11 ID:???
よっしゃあ!!シン&カミーユGJ!!
そして・・・キラ・・・・・・・・・

不幸を撒き散らす奴m9(^Д^)プギャー
336通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:11:09 ID:???
>>334
ハイパー化したせいも少しはあるだろ
富野がカミーユのNT能力が人間の限界を超えて拡大しすぎてると言ってるわけだから
それも要因の一つだとは俺も思うぞ
確かにハイパー化だけじゃないのも解るが
それにいきなりそんなカスとか喧嘩口調もどうなんだろうか?
337通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:13:10 ID:???
>>328
だな。
キラ厨とラクシズ厨のせいで職人が消えたしな。
338通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:13:18 ID:???
まあまあ君たち、牛乳でも飲んで落ち着け。

           ⊂⊃
 ( ( (   ,へヘ
  ) ) )  /〃⌒⌒ヽ さすが、最高のコーディネイターね
 ( ( (  〈〈 ノノ^ リ))                 
┌───┐|ヽ||*´∀`||  从/                                  (リ从ルミ フ、フレイ〜!!
│      ├ (つ旦と)──┐=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~ 旦(ヽ(´Д`;wミヽ
├───┤ `u―u' .   │−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~⊂ミw;´Д`)川 ,  ,  , 
│      ├──────┘=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~−=≡旦~   /ミヽ)ヽ)彡ζζγζζ
└───┘        W\                                (    !  旦旦旦旦旦旦旦
─────               ドドドドドド
339通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:13:30 ID:???
ヒント:空気を乱そうとするラクシズの罠
340通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:15:43 ID:???
またハイパー化の話か。
昨日したばっかなのに…
341通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:19:16 ID:???
カミーユの崩壊の原因は
多くの死者の悲しみを感じすぎて精神的に疲労してるのに
NT能力が高まりすぎて
ハイパー化して他者を自分に取り込んでしまい最後にはシロッコの悪意まで吸収したから。
新訳ではそういうストレスを受け流せてるから力に潰されない
はいこの話おしまい
342通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:26:37 ID:???
職人さんGJです!!
ラクシズ厨もうぜぇがイタいアンチもうぜぇな。
343通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:29:00 ID:???
てかラクシズとかそんなこと気にする必要ないよ…
そういうこと言うから寄ってきそうな感じもするし
スルーができてれば問題なし
344通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:31:06 ID:???
職人さんも気にしないで下さいね
345通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:33:12 ID:???
職人さんGJ!
カミーユはハイパー化しなくたって何とかしてくれるさ!
ってかここでキラがステラを殺してたら対ヤザン戦の如くごんぶとビームサーベルをぶんまわしてるだろうなぁw
シンとカミーユがお互いを支えあえる友人になれることを祈ってるぜ!
346通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:51:13 ID:???
GJ
アニメにしたら映えるだろうなこれ。
はだかのおんなのひとたちがとびまわるんだよこのかい。
それでこどもたちはきまずいおもいをするんだ。

しかしクライマックスどうすんのかが読めないな〜
347通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:52:36 ID:???
Z直せるのか?
348通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 20:54:56 ID:???
職人さんGJ!
キラをどうするのか凄いハラハラしたw
ステラが無事シンの元にいってくれてほっとしてるけど
投薬とかどうなるのかが心配だ…

この戦闘でデストロイによる死者は相当なもんだろうと思うがカミーユは大丈夫だろうか
349通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:13:26 ID:???
>>348
カミーユは大丈夫だと思うよ
この世界にきてカミーユもまたシンを通して成長が見れるし
精神的にもNT的にも更に成長できてると思う。
だんだん新訳カミーユぽくなってるし
350通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:15:13 ID:???
遅ればせながら・・・GJだ!!!

今回の感想を一言で表せばこれしかない。
よかったな、シン・ステラ。

それに比べて、
>そのフレイを思い出させる謎の声がキラを責めているようで、罪の意識と共にキラに苦しみを与えている様に感じていた
死ねばいいのに・・・
と言うか罪の意識を感じているなら償えよ。
逆切れするな!
カミーユも羽交い絞めになんかしてないで、後ろからコクピットを突けばいいのに。
まあ。次の機会があるさ。

ん!?でもこの流れだと、しばらくカミーユは冬眠に入るかな?

次回もwktkしてお待ちしております。
351通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:21:42 ID:???
お疲れ様 GJでした・・
見事に歴史が変わりましたが これからが大変な気もします。

今回はキラがまだ人間に見えました 過去を引きずってる所とか
今回の結果を見て彼が何を思うのか・・今後の展開期待しています。
352通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:28:17 ID:???
GJ

ステラに関しては医師の人が何とかしてくれる、と信じたい
353通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:38:04 ID:???
GJ!

このSSでは脇役の活躍もあって良いですね マッドや軍医さん 後アーサーまでがちゃんと大人に書かれてて とても良いです。
続きを楽しみにしています。
354通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:44:58 ID:???
「安心したよキラ!あんたまだ人間だ!新人類でも異星人でもない、
だたの心の捻じ曲がった人間だ!」
355通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 21:54:07 ID:???
>>354
長谷川はかんべんしてくれ…
356通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:02:15 ID:zAxIc1yh
Zこっちにはない合金でできてるから修理できないじゃん
357通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:06:05 ID:???
何処へ行っても嫌われ者のキラだけど、ここのキラは必要以上に改悪されてもなければ
変に美化されてるわけでもなく、TVそのまんまって感じでいいな。

いやキラがいいって意味じゃなく、作者の描き方に好感もてるって意味でね。
358通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:06:28 ID:???
>>356
上げるのは控えようぜ
359通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:07:18 ID:???
ごめん
360通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:07:20 ID:???
>>356
いやいや、ハイメガランチャー作っちまってるんだし(普通に考えてミノフスキー物理学を理解しないと作れるとは思えん・・・)、
ガンダリウム合金だってきっと『ザフト脅威の技術力』で・・・
361通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:10:08 ID:???
フレーム構造には大きなダメージは無かったという事で、
装甲だけPS化ってあたりでいいんじゃね?
核融合炉なら出力的には余裕あるだろうし。
362通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:10:37 ID:???
>>359
ドンマイドンマイ
次から気をつければ問題ないよ
363通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:12:37 ID:???
>>361
PS化は反対だな…
あくまでΖは宇宙世紀での仕様のまま戦うというのが
この小説では描かれてるから
Ζの修理ができればそれでいいかなと思う。
それに宇宙に上がればΖも本領発揮だろうし
364通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:14:01 ID:???
前スレ埋めないか?
365通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:14:04 ID:???
>>360
ミノフスキー物理学じゃなくて種世界の技術で作ったんじゃないのか?
366通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:15:38 ID:???
>>364
容量オーバーでもう書き込めないよ前スレは
367通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:17:15 ID:???
まあ細かいこと言い出したら
ミノフスキー粒子が種世界はないから
Ζは最初から動かないはずだし
普通に修理できるでいいだろ
368通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:30:23 ID:???
別にカンダリウムΓじゃなくてもザフトの『レアメタル合金』でいいんじゃないか?
369通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:30:57 ID:???
でも見たことのない素材うんぬんって話もあったから簡単にガンダリウム精製したりはできないだろ
まあザクとかみたいな普通の装甲にするならそれはそれでいいけど
370通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:34:40 ID:???
>>364
かわいいやつだぜ
371通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:35:29 ID:???
CEではミノ粉無いんだから弾切れになったらビームライフルは使えなくなるんじゃないのか?
372通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:44:34 ID:???
>>371
そういうこと
だからそういうの気にしだすと話が作れなくなると思うから
あんま気にせんほうがよろし
373通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:47:27 ID:???
エネルギーに関しては本編で特に触れてないからいいけど、
装甲は>>369のような描写があったからなぁ
まあその辺は作者さん次第だけど
374通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:50:14 ID:???
>>373
まああんまり揚足取りみたのはやめようや
作者さんがのびのび書ければそれでいいんだし
公式のガンダムじゃないんだしガチガチに設定を気にしないでもいいでしょ
375通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 22:53:00 ID:???
亀だがInC.E氏GJ
今回はフォウとロザミィが主役?のような話だったな
続き楽しみにしてます
376通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 23:18:47 ID:ojRSH3VF
本当にのレスはアンチが多いね。テレビのキラの実態との乖離が激し。
377通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:00:24 ID:???
さぁおまいら>>328が言った通りになってきましたよw
>>376みた瞬間、麦茶拭いたわwww
378通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:03:01 ID:???
>>376
何?フレイのことを思い出すあたりが
フレイのことなんか微塵も思い出さずただラクソの命令どおり殺戮を繰り広げる同人アニメと違うって?
379通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:04:32 ID:???
おまいら相手にすんな
380通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:04:54 ID:???
乙ですGJ!
しかしクロス物増えたね。こんだけ素人(失礼)が良い物作れるのに、なんで商売にしている人間がアレなんだか・・


381通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:09:25 ID:???
これだけクロスで楽しめるのは0083の職人のおかげなんだよな…
DQNだったけどあいつの功績と作品は認める…
382通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:11:13 ID:???
>>380
つ 商売にしてる奴が素人の足元にも及んでない
383通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:11:57 ID:???
セフセフ!!
384通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:16:51 ID:???
嫁はリアル素人でしょ
385通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:24:10 ID:???
>>360
UCのジェネレータって基本的に核融合炉だよな。
メガランチャーのジェネレータを代用できるものが作れるんだったら、
バッテリー駆動型MSなんかなくなるぞ。
この展開は無理がありすぎる気が・・・
386通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:26:17 ID:???
>>385
深く突っ込まない

クロスなんてそんなもんだ
387通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:26:49 ID:???
>>385
ヒント:
つZが出てきてる時点で同人アヌメと名高いTV版から乖離している
388通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:29:14 ID:???
メガランチャーに関しては、バッテリー式のレプリカだと思ってる。
つまり、弾数式のEパックの様な感じのやつ。
それでも種世界だと革新的だけど、まだ納得できるから。
389通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:30:00 ID:???
>>328の予言的中し杉田w
ラクシズ厨がほいほい釣れてるww
390通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:31:33 ID:???
今日のスレ荒らしは細かな設定にイチャモンをつけてスレを荒らしたいようです
391通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:31:56 ID:???
修正!!(保守)
392通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:32:23 ID:???
>>328
おまい…ニュータイプか?
393通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:35:03 ID:???
てかもうちゃんとスルーしようぜ
相手するからおかしくなるんだし
394通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:38:42 ID:???
というか>>328が荒らしを呼び込んだというのもあると思う。
395通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:38:50 ID:???
>>385っぽい奴の今後の荒らし方予想

1、こんな設定あり得ないニダ!ストーリー無茶苦茶ニダ!
2、こんな話、無茶苦茶ニダ!ヘイトニダ!結局嫁と同じニダ!ヘイトヘイト!
3、こんな糞スレ荒らされて当然ニダ!糞スレが荒らされるのが2ちゃんだから荒らしてもいいのですニダ!
396通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:39:36 ID:???
もう荒らしの話はやめようや
中身の話がしたいし
397通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:40:47 ID:???
>>394
煽り乙w
398通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:41:21 ID:???
今更ながらGJです
カミーユの種世界初のハイパー化よかったです
作者さんは風邪に気をつけてください
399通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:42:43 ID:???
>>397
いや煽りじゃなくてさ
荒らしがどうこととか言って相手してる時点でダメだと思うんだ
断固無視が一番いいと思うし。
煽りみたいにみえたんなら謝るよ
400通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:48:17 ID:???
>>399
そうか、いや、こちらこそすまなかった。
個人的には過去の惨劇を示しただけでも>>328にはそれなりの価値(?)があると思うので、つい、な。
401通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:56:02 ID:???
>>400
いえいえ
俺の書き方もやっぱり悪かったと思うよ
すいませんでした
402通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:57:45 ID:???
ストライクの頃のキラは人間臭さが好きだったんだけどね。

フリーダム登場後のアニメのキラはラクスに洗脳されていいように使われている。しかも思考が人間じゃない。

ここのキラは原作のアニメより人間っぽくていい味が出てる。キラはうざいが人間らしさが残ってて安心した。作者は本当にGJだ。

「お人好しで騙されやすい。」

某幼なじみが言った台詞だが、ラクスにとっては洗脳しやすいカモだったわけだ、ラクスと出会ったのがキラにとって最大の不幸だったじゃないのかと。
403通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 00:58:16 ID:???
スルーこそが荒らしへの一番の非難って事だね
わざわざ付き合って、こっちまで品位を貶めるこたーない
404通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 01:07:49 ID:???
>>402
なるほど、ラクソから切り離しているうちにジョジョに人間らしさが
戻ってきつつあって、回復・更生しつつあるのが今のキラか。
しかしその幼なじみ、お人好しで騙されやすいとは名言だなwwww
405通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 01:12:55 ID:???
の、割には死んだ知り合いのことをどんどん思い出さなくなってるし、
情が薄いようにも取れる。
406通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 01:19:23 ID:???
これもカミーユのハイパー化で、フォウやロザミィの声が聞けたからじゃないのかな?

結果として意固地になってしまったが、人間らしさが戻ってきたのもたしかだと思う。
407通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 01:41:52 ID:???
キラって死種だと情より理ばかり優先するようになって人間臭いとこがなくなったから
カミーユの力って理より情からくる力だからそういうのが響いたんじゃないか?
まあキラもラクスとカガリのことに関しては情丸出しだが
この矛盾がキラの行動に説得力をなくしてるとこなんだと俺は思う
408通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 01:52:20 ID:???
このステラが生き残りシンと解りあえたということが
終戦への糸口になるんだと思う。
コーディネータ、ナチュラルの隔たりをなくす象徴となっていくというか
その両者を繋ぐのが究極のニュータイプであるカミーユ・ビダンかなと予想
409通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 02:02:22 ID:???
>>407
いや、むしろラクソや無責任な姉の情や意のために、
自分というものすら持たずに戦場で好き勝手暴れる、という理を
貫徹している、と思うんだ。
410通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 02:08:39 ID:???
>>409
なるほど…
それだとマジで自分がないヤツだな
カミーユって良くも悪くも純粋すぎて情の塊のようなキャラだから
そういうのがキラにも影響すればなと俺は思う。
そうすれば人同士の調和が見えてくる一歩になるだろうし
411通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 02:12:11 ID:???
キャラって人間味がないと共感できなくなるからね
412通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 02:18:36 ID:???
乗り遅れた・・・
いつもカミーユ氏乙です
413通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 08:41:45 ID:???
>>385
バスターの砲もジェネレータ装備だぜ。
414通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 15:12:00 ID:???
            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{|
          N| "゚'` {"゚`lリ     カンニングさせてくれたら
             ト.i   ,__''_  !       あたしの菊門あげるから
          /i/ l\ ー .イ|、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |
__f゙// ̄ ̄     _ -'     |_____ ,. -  ̄ \____|
  | |  -  ̄   /   |     _ | ̄ ̄ ̄ ̄ /       \  ̄|
___`\ __ /    _l - ̄  l___ /   , /     ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄    |    _ 二 =〒  ̄  } ̄ /     l |      ! ̄ ̄|
_______l       -ヾ ̄  l/         l|       |___|
415通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 15:13:01 ID:???
gbk
janeめ!janeめ!
416カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:26:06 ID:???
第二十二話「想い巡る人々」

ベルリンでの戦闘を終え、インパルスが半壊状態のΖガンダムをぶら下げてミネルバへと
戻って来た。
 
「かぁーったく、セイバーの修理だけでも大変だってのにΖまでこの有様かよ…」
 
落胆するマッドの脇から若い整備士達が慌ててΖガンダムに駆け寄る。見た目ほど酷い
損傷ではないが、所々に開いた穴が痛々しかった。
 
インパルスのコックピットハッチが開く。
 
「んぉ……?」
 
シンが眠っているステラを抱いたまま降りてくる。
 
「ほぉ、女を連れ戻してきたのか。やるようになったじゃねぇか」
 
いつもとは顔つきの違うシンを見てマッドは感心する。シンの成長を見て取れた事に満足そう
に笑顔を浮かべた。
 
「おい、ラッキースケベ。お前も男になったなぁ?力ずくで女を掻っ攫ってくるなんてよ」
「ちょっ…!何すかラッキースケベって、俺はラッキーかも知れないですけどスケベではない
ですよ!」
 
ラッキースケベ…カミーユを拾う前、アーモリーワンの混乱の最中にヨウランがシンに与えた称
号だ。それが整備士連中に伝わり、シンをからかう時に用いられるのがラッキースケベだった。
しかも、偶然にもその時の"事"の相手もステラだった。
 
「へっ!そんな格好で女抱いて出てきてスケベじゃねぇ訳ねーだろ?健康でよろしいなぁ?
男はやっぱそうでなくちゃな!」
「何勝手に変な想像して訳分かんない事言ってんですか!?」
 
下品なマッドの言い草にシンは顔を赤らめて必死に言い訳をする。
しかし、一度思い込んだら止まらないマッドの暴走は止まる事を知らない。更にシンが汗を
かく様な事を言って困らせる。
 
「あぁ、もう!こんなことしてる場合じゃないんです!ステラを早く先生に見せなきゃ…
マッドさんもカミーユの事見てやんなくていいんですか!?」
「おっと、そうだったな……純情少年をからかってる場合じゃなかった」
 
マッドはΖガンダムの方に視線を向け、シンはステラを医務室へ連れて行った。
 
「くそったれ、これを直さなきゃなんねぇと考えると気が滅入るぜ…」
 
丁度コックピットから引きずり出されるカミーユの姿が見えた。バイザーが割れていて顔に
細かい擦り傷が出来ている。
417通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 18:27:38 ID:???
次スレはヤザン、アクシズと統一してね
418カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:28:14 ID:???
「さて…どうすっかなぁ……?」
 
腰に手を当てて頭を人差し指で掻いたマッドは困ったように呟いた……
 
 
 
シンがステラを連れて戻った数時間後、ステラの一応の検査結果が出る。それを聞く為、先に
タリアへの報告を済ませ、医務室の前で待っていたシンは医者に呼ばれていた。
 
「先生、ステラは……」
「ふむ…シン、君に結果を伝えよう。非常に悔しいものだがね……」
 
医者は神妙な面持ちで人差し指で頭を掻き、カルテを片手にシンに語る。
 
「そんな…それじゃあステラは……!」
「ああ、いや済まない。悔しいのは私の個人的感情でね、今のところ彼女に命の危険性は無
い」
「えっ……?」
 
医者の意外な言葉にシンは驚きの表情を浮かべる。ある程度覚悟していたシンは、ステラが
救われた事に安心をするが、疑問は残っていた。
 
「ど、どうしてステラは助かったんですか?やっぱり連合の…」
「そうかも知れないし、そうじゃないかも知れない」
「は…どういう事なんですか?」
「うぅん…今の彼女は精神的に凄く落ち着いているんだよ。それがどういう理屈か、同時に
彼女の生命活動をも安定させているんだ。検査している最中も一向に目を覚ます気配は
無かったんだからね」
「それは疲れて眠ってるからじゃ……」
「違う違う、瞳孔の検査をしようと目に光を当てたんだがね?それがぐっすり眠っちゃってて、
全然起きやしない。普通、麻酔が掛ってなきゃ目を覚ますよ」
「それって、やばくないですか……?」
「それがな、不思議な事に本当にただ眠っているだけなんだよ。余程疲れていたか、安心し
ていたかなんだろうなぁ……、まぁ、病は気からとはよく言ったものだが、案外彼女の精神的
な不安定さはそんな所にあったんじゃないかな?」
「そ、そうなんですか?」
「医学的に説明できないというのは屈辱的だが…君の存在が大きいんだろうな。検査中にも
気持ちよさそうな顔で君の名前を呼んでいたよ」
「あは…いやぁ……」
419カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:30:35 ID:???
前はネオの名前を呼んでいたステラが、今は自分の名前を呼んで居てくれる事にシンは
思いっきり照れる。
 
「はは…青春だなぁ?いいな、君たちは若くて。私ももう一度君たちぐらいの年齢に戻りたく
なってきたよ」
 
医者はカルテを机に置いて足を組む。
 
「ただ、一つだけ気を付けて貰いたい事がある。彼女の命は君の存在に懸かっているという
事だ。君が万が一彼女を裏切るような事があれば、その時は彼女が死ぬ時だ。それを肝に
銘じておいて貰いたい。不安や脅迫観念は彼女にとっては猛毒だ」
「大丈夫です、先生。俺は絶対にステラを裏切ったりなんかはしません。必ずあの子に普通の
生活をさせて見せますよ」
「ま、信頼関係には心配はなさそうだがね……私が気にしているのは君が戦争で命を落とす
事だ。あのアスラン=ザラの事もある、ステラの為にもくれぐれも死に急ぐような真似はしない
でくれよ?」
「はい…約束します!」
「それと…だ。彼女の体に再強化処理を受けた形跡も見られる。恐らく副作用は出るだろう
から、薬の服用は怠らないでくれよ?」
「そんな薬があったんですか?」
「抑制剤みたいなものだが、作ってみたんだよ。以前の彼女のデータを参考にしてな」
「す、凄いじゃないですか!戦艦でそんな事が可能なんて……」
「別段連合のエクステンデッド技術が優れているわけじゃない。こんなもの、優秀なコーディネ
イタードクターである私にとっては朝飯前さ」
「でも…それって俺がステラを連れてくる事を前提にしてなきゃ…」
「ん…まぁそれはな……ただの私の趣味だよ。なんてったって私は優秀なコーディネイター
ドクターだからね、いくら連合の技術でも、私に出来ない事など有ってはならないのだよ!」
 
そう言って医者が笑う。本当はあの時のシンの必死さに心を動かされ、睡眠時間を削って
までして治療薬精製の研究をしていたのだ。故に、うっすらと目の下に隈が出来ていた。
ステラのことで胸が一杯のシンはそんな事にも気付かないほど鈍感になっていた。
 
「これを投与すれば、長い時間は掛かるだろうが徐々に体の構成物質も普通に戻っていく
だろう。自然と彼女の体が普通に馴染めるまでの間だ、辛抱させてくれ」
「それがあればステラは普通に戻れるんですね?」
「理論的にはな」
「分かりました、俺、頑張ります!」
 
医者はシンの返事を聞いて一つ大きく息を吐く。
420カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:32:08 ID:???
「取り敢えずは以上だ。まぁ、医学に携わる身として、精神論に頼らざるを得ないなんて事は
非常に残念ではあるがね……」
「たまにはそういう事があってもいいじゃないですか、医学だって万能じゃないんでしょ?」
「そうだな…シン……。君もすぐに休んだ方がいい、疲れているだろう?ステラが目を覚ました
らすぐに呼んであげるから、今は自分の部屋でゆっくりと眠りなさい」
「はい、よろしくお願いします!」
 
元気に返事をしてシンは医務室を後にした。
 
 
医務室の外でこっそり会話の内容を聞いていたルナマリアはシンに見つからないように陰に
隠れる。
アスランが居なくなってからというものの、ルナマリアは元気をなくしていた。
それで何とか気合を取り戻そうとシンに会いに来たのだが、彼はステラの事で頭が一杯だと
いう事が分かり、どうにも会い辛かった。
ルナマリアはシンに慰めの言葉を掛けて欲しかった。
 
「ルナ、こんな所で何をしている?」
「えっ!?」
 
背後から忍び寄るように話し掛けて来たのはレイだった。急に話し掛けられたルナマリアは
突然の事に驚きを隠せない。
 
「いや…別に……」
「そうか、ならいい」
 
そっけない態度でレイはその場から去ろうとする。しかし、それを引き止めるようにルナマリア
が咄嗟に質問を投げかけた。
 
「あのさ…レイ、あんたあの子の事どう思う?」
「あの子…ステラの事か?」
「え…ええ……」
「何故そのような事を俺に聞くのだ?シンの方がよく知っているのではないか?」
「ま、まぁそうなんだけどね…レイの意見も聞いてみたくて……」
 
しどろもどろのルナマリアに疑問を感じたが、レイは取り敢えず自分の思う事を話す事にした。
 
「いいのではないか?彼女が居る事でシンも実力以上の力を発揮できる。それに彼女を救え
た事は我々にしても大きなプラス要因だと思うが……?」
「そう……」
421カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:33:56 ID:???
「彼女がこちらに来たという事は連合からの賛同者がやって来た事を意味する。それはこれ
から戦っていく上で大事な事だ」
「賛同者って言っても、一人だけじゃない?しかも、あんな何も分かってないような子が来た
所で大した意味は無いでしょ?」
「彼女がどうであろうと問題は無い。重要なのは連合から離れてこちら側に来たという事実だ。
その事実が、クルーのモチベーションを上げるな」
「あの子の本国移送は?」
「タリア艦長が何とかしてくれるだろう。それは問題ではないな」
「……」
 
レイのステラに対する肯定的な見方にルナマリアは黙り込む。
 
「どうしたのだ、ルナ?お前はシンに焼き餅を焼いているのか?」
「そ…そんなんじゃないわよ!何であたしが……!」
「ならもう少し素直に喜んだらどうだ?確かに失ったものも多いが、戦場で一人の命を救えて
尚且つこちらに引き込めたのだ、これ程大きな収穫は無いだろう」
「あたしは……」
 
困惑したようにルナマリアは俯く。アスランの事でのショックがまだ抜け切っていなかった。
 
「アスランが死んだのに何であの子が生きてるのか分からないわ……。あの子は敵だったの
に助かって、味方だったアスランが死ぬなんて…間違ってるとしか思えない……
あたしには納得できない……」
 
絞るように話すルナマリアは悔しさを滲ませる。アスランが居なくなってステラが生きていると
いう現実に憎しみを覚えていた。
 
「あの子が死ぬ運命だったらアスランは生きていたかもしれないのに……」
「ルナ、それは本気で言っているのか?」
 
言葉を返すレイの声にルナマリアは顔を上げる。
 
「そんな風に思っているのならお前にザフトに居る資格は無い。さっさとこの艦から降りろ」
「レ…レイ……!?」
「アスランの戦死は誰のせいでもない、彼自信の責任だ。それをシンやカミーユが死ぬ思いで
助け出したステラに責任を擦り付ける様な思考の持ち主とは一緒に戦えない。出て行け」
 
レイは表情一つ変えず、そうルナマリアに厳しく言いつけると足早にその場を去っていった。
 
「あたし…は……」
 
ルナマリアはその場で泣くしかなかった……
422カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:36:01 ID:???
キラはアークエンジェルに戻ると、すぐさまマードックに修理をお願いし、そのまま一目散に
甲板に向かった。
頭の中ではまだ謎の女性の声が響いているように感じていた。
 
(フレイ……)
 
甲板へ出ると、風が強くキラを吹き付けた。それが未だ聞こえているような女性の声を掻き
消してくれる事を期待する。
キラはヘルメットを脱ぎ、髪を掻き毟る。何とかしてベルリンでの奇妙な体験を忘れたかった。
 
「僕は…君に笑って欲しかっただけなのに……」
 
ベルリンでの声の主がフレイでない事は分かっていた。しかし、キラの記憶を刺激したその
声は、キラにフレイの記憶を鮮明すぎるほどに蘇らせてしまっていた。
 
第二次ヤキンドゥーエ戦役…その最終局面で、フレイはラウ=ル=クルーゼの操るプロヴィ
デンスのドラグーンが放った一撃で身を焼かれて散っていった。
キラとフレイは様々な蟠りや複雑な関係にあったが、最後、フレイはキラに対して素直に気持
ちを表せるようになっていた。
しかし、当のキラ本人にはそれを伝えることが出来なかった。途中で進む道が分かたれてし
まったからだ。
故に、キラはフレイが自分を憎んでいた事しか知らない。本来なら素直に笑い合える関係に
なれたはずが、運命の悪戯は二人にそうなる事を拒んだ。
分かり合えないまま永遠に別れた二人。生きているキラは死人に会えない限り、一生その
心の傷を抱えて生きていかなければならない。
その傷の痛みを少しでも和らげてくれたのが、もしかしたらラクス=クラインだったのかも知れ
ない。
 
「キラ……」
「……」
 
聞こえてきたのはカガリの声。MSデッキでキラを迎えていたが、キラはそれに気付く事は
無かった。カガリは、それを心配してキラを追いかけてきていた。
 
「どうした、キラ?元気ないじゃないか」
「ごめん…一人にさせて欲しいんだ……」
 
声が震えている。顔を外に向けたままカガリに顔を見せまいとしていた。
423カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:38:33 ID:???
「ベルリンの化け物の事は気にするな。あの後、化け物は完全に沈黙した」
「……」
「だから、いいじゃないか…」
 
キラに向かって歩を進め、そっと肩に手を掛けようとしたその瞬間、キラが唐突に振り向いた。
 
「そんな事じゃないんだ!」
「お…お前……」
 
振り向いたキラは泣いていた。まるで、かつてカガリが危なっかしいと評した頃のように、英雄
の面影を全く感じさせない表情で泣いていた。
 
近頃のキラは以前に比べて全く泣かなくなった。昔は、少しでも自分に行詰ると、直ぐに一人
で思い悩んで涙していたが、最近は何かを悟ったかの様に殆ど辛い表情も見せなくなった。
それがここに来て急に昔の彼に戻った。カガリは、泣かなくなったキラを強くなったと思って
いたが、本当は何も変わっていなかったのである。
ただ、無理して他人に気を遣わせまいと、そして、前大戦に関わった身として、超然たる態度
を繕っていただけに過ぎなかった。
 
フレイを思い出し、余裕の無くなったキラは思わず本当の姿をさらけ出してしまったのだ。
 
「私は…相談に乗れないのか……?」
「……」
 
キラは黙って首を縦に振る。カガリに相談した所で気が晴れるとは思えなかった。
この苦しみを分かってくれる人…それはラクスしか居ないと思っていた。
 
「…カガリには分からないよ……」
「私はお前の姉上だぞ」
「双子だって話だから…僕の方がお兄さんかも知れないだろ……」
「いいや、お前は私の弟だ。紛れもなくな」
「……」
「こんな情けない顔をする男が、私の兄のわけないだろ?どう考えても強い私の方が姉だ」
「カガリだって……」
「ふん…私だったら何があってもお前みたいに挫けたりなどしないぞ。お前は昔のままだ、
弱虫だ」
「何で…そこまで言えるの……?」
 
柵に体を預けていたキラが体を起こしてカガリの方に体を向けた。
 
「僕が何を悩んでいるのか知らないくせに、何でそんな風に言えるの!?
僕はフレイの事が…」
 
言いかけてキラは慌てて視線を背ける。カガリの無神経に思える言葉に、思わず口に出して
しまった。
カガリは何となく納得したような表情をしている。
424カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:41:16 ID:???
「フレイ=アルスターか……まだ、引き摺ってたんだな……」
「一生忘れられないよ……」
 
バツの悪そうにしながらも、キラは諦めたように言う。
 
「フレイのことなら、私に言ってくれても良かったじゃないか?私だって彼女を知らないわけ
じゃないんだし……」
「フレイは…フレイは僕が傷つけてしまった人だから……」
「……」
「本当は笑って欲しくて…お父さんを亡くしてから辛そうにしてたから……だから、僕が彼女の
支えになってあげられるのなら、僕は何でもしようと思った……」
「だから、私にも話せないって事か?」
「……カガリはフレイの事、良く知らないでしょ……?」
「でも、お前の事は良く知っているぞ。お前は臆病で弱虫で、泣き虫だ」
「……」
「そして、それ故に誰よりも優しくなれる奴だ。今まで無理してたんだろ?少しは肩の力を抜け
よ」
「カガリ……」
 
俯いていた顔を上げる。カガリの顔を見た。
その顔は、涙の跡が残っている。
 
「ほら、男ならみんなの前ではそんな女みたいな顔をするな。笑われるぞ?」
 
そう言ってカガリはポケットからハンカチを取り出してキラに差し出す。
キラは黙ってそれを受け取って頬についた違和感を拭き取る。
 
「私はお前の姉上なんだからな、いつでも私に頼ってもいいんだぞ」
「ありがとう…カガリもね……」
「姉が弟に弱みを見せてどうする?私はお前に頼るようなことはしない!」
「え……?でも、それってずるくない?僕の秘密はカガリに知れても、カガリの秘密は僕には
知れないって事でしょ?」
「……お前、案外スケベな奴だな?」
「え!?」
「レディーの秘密を知りたいなんて…しかも姉の!この事をラクスに言ったらどうなるんだろう
なぁ?」
「ひ…卑怯だよカガリ!僕だけ損しろっていうことでしょ!?横暴だよ!」
「へへん!姉の私に楯突こうなんて百年早いんだよ!」
 
カガリは高笑いをして去っていった。
425カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/26(木) 18:43:34 ID:???
「カガリ…結局弱っている僕に仕返しがしたかっただけなんじゃないの?」
 
甲板に残ったキラはカガリを誘拐した時の事を思い出していた。
あの時、キラはカガリに厳しい言葉を浴びせ、自分に従わせた。その事を悔しく思ったカガリ
が、この機会に仕返しをしてきたと考える事もできる。カガリの負けず嫌いの性格を考えれば
十分想定の範囲内である。
しかし、キラには本当の所は分かっていた。
きっと、カガリは純粋に自分の事を心配してくれていたのだろう。また、彼女がそういう性格で
あるということも分かっていた。カガリは困っている人を見かけたら黙っていることが出来ない
典型的な人情派タイプである。
 
「ありがとう…カガリ……」
 
カガリの気持ちに触れ、キラは少しだけ元気を取り戻した。
                                              〜つづく〜
426通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 18:48:03 ID:???
GJ!!
427通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 18:48:57 ID:???
乙GJ!
428通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 19:06:52 ID:???
GJ!


ルナ ・(ノД`)・
429通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 19:08:47 ID:???
GJ!
カミーユの安否が気になるなぁ。
あと、ここのキラは救われてほしいかも。
‥‥出番ナシのラクスが不気味だ。
430通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 19:11:47 ID:???
GJ!
こういうキラの方が人間味があって好きだな
ステラ生存ルートかなりいいね!心から良かったと思える。安易に殺せば良いってもんじゃないな!
それにしてもカミーユはどうなったんだろう?まさか精神崩壊??
431通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 19:49:51 ID:???
なんだかレイがとてもカッコヨス
432通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 19:51:08 ID:???
キラが女たちのところへ戻るんだ!になるんだろうか
433通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 19:55:50 ID:???
ルナの気持ちもわからんではないが、レイにとってはステラに対して行なわれた事が
他人事に思えなかったが故のきつい物言いなんだろうな。後で何らかのフォローがあると良いけど。
カミーユin73氏のキラは原作通り空気読めないヤツでは有るんだが、嫌いではないな。
さて、カミーユの容態はどうなんだろう?

しかしミネルバのドクター、ミハイル=コーストなんじゃないかと勘繰ってしまいそうだw
434通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 20:42:15 ID:???
GJ!
うーむ、今回のキラとカガリの会話はいかにも「きょうだい」な感じでよかったです
しかしああいう役目は本来ラクスだよなぁ
いまだに姿を現さないあたり、何かがあるんじゃないかと勘ぐってしまう(w
まあ、ラクスが出張っていたら普通にキラ再洗脳の図しか浮かばないんだが

ルナ、アスランのいない今一人で損な役回りを背負ってるかも…
シンはステラのことで手一杯だし、カミーユは重体(?)、レイは厳しく、アスランは死亡(拉致)と同僚は軒並みルナにかまえない状態だもんなー
ここはメイリンやマッドの出番かな?
435通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 20:56:15 ID:???
>>433
ミハイルだったらミネルバはとっくに落ちてるよw
436通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:02:53 ID:???
種で全然成長しなかった主人公のキラがここでようやく成長の兆しを見せたな・・・
こんなキラなら種死で主人公の一人扱いされても、あまり叩かれなかっただろうに
437通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:10:23 ID:???
ネオはどうなった?
438通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:14:51 ID:???
キラとカガリに和んだのは俺だけではない筈だ!

>>437
AAに回収されたような
439通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:21:57 ID:???
やっぱり全ての元凶はあの桃色汚物なんだな、って感じた。
今のニート、いやキラは苦しんで苦しんで苦しみながらもカガリという姉の支えを受けて
自分で考え自分の足で歩こうとしているように見える。

それを洗脳電波で阻害、洗脳していたのが、ラクソなわけなんだろうな。

悲劇のNTカミーユ対極悪卑劣テロリストラクソの対決が楽しみだ
440通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:25:56 ID:???
軍医先生GJ!
……ところでこの方、同人アニメでは台詞ありましたっけね、
あとどんなキャラデザだったか思い出せな…
441通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:44:19 ID:???
GJ!!

氏のルナマリアはラクシズに奔りそうでちと不安
442通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:47:15 ID:???
GJ!
シンもキラもいいのだが、今回は軍医がカッコよかったぜ
443通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 21:59:11 ID:???
カガリがお姉ちゃんしているのが新鮮
444通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 22:06:49 ID:???
元々スペックの高いコーディは(病気になり難いので)医療面でナチュに劣る

ソースは思い出せないが、こんな設定があったような、なかったような
445通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 22:13:50 ID:???
GJ!!軍医テラカッコヨス、カガリとキラの話も良かった。

これからラクスが何をやらかすのか、少し怖いな。
アスラン超ガンガレおまえしかテロを止められる人物はいない。
446通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 22:45:28 ID:???
>「こんなもの、優秀なコーディネ イタードクターである私にとっては朝飯前さ」
こんな素敵なセリフを吐いてくれたドクターに乾杯!!
447通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 22:50:12 ID:???
実は鎬紅葉
448通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 23:10:38 ID:???
>>417の言ってるアクシズスレってなんだ?

…はなしがそれた…
とにかくGJ!!InC.E氏のキラは人くさくていいです
最近 ◆XdXnStWCJQ 氏の投下無いけどなんか有ったんだろうか?
449通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 23:19:58 ID:???
>>448
Zのクロスオーバーが多いから統合したしたいんだってw

職人が来ないスレはクソスレで、機能してるスレは統合と、どの口聞いて言えるのやら。
450通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 23:26:07 ID:???
スレの進行具合がそれぞれ違うから、統合はそう容易じゃないよ。
451通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 23:43:06 ID:???
スルー汁
452通常の名無しさんの3倍:2006/10/26(木) 23:50:04 ID:???
軍医の名前がないなんて・・・
だけど医者としての評価はXスレと同じくらい高いんだよねぇ・・・
GJ!!
453通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 01:43:21 ID:???
軍医GJ!
カミーユの容態が気になるな・・・
454通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 01:52:10 ID:???
こういう名前の出ないキャラが好きな俺
足なんて飾りの人とか
455通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 02:04:03 ID:???
足なんて飾りの人はガンダム史上最も有名なモブキャラだよね。
456通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 02:09:01 ID:???
足なんて飾りの人は、はにゃーん様のマンガで
「すいません、やっぱ足あった方がすごいです」みたいなこと言ってなかたっけ?
457通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 02:16:07 ID:???
そうなのか!?そいつあ、知らなかった。
ただ、ジオングについては一撃離脱戦法の方が強そうだからアレでよかったのかも。
458通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 02:31:16 ID:???
軍医の名前が、ハサンだったら笑えるのにw
459通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 02:42:00 ID:???
>>457
実はこっそりパーフェクトジオングが出てきて、
その時の整備担当が「足なんか飾りです」の人だったんだYo!!

やるな!北爪!
460通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 08:32:18 ID:???
GNに載ってる話のジオングはゲルググ作った人とギャン作った人の合作で、
足は偉い人をごまかす為のダミーってことになってたなぁ・・・
正直正史にしてもいいくらいだと思う。
461通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 11:38:42 ID:???
>>449-451
儲の痛さここに極まれり。結局自分が楽しめれば他はどうなろうが知った事じゃないんだね^^
462通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 12:09:53 ID:???
荒らし乙w
463通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 12:11:59 ID:???
>>461
なあに? 同じようなレス各地のスレで同時期にやって
一人で自演マルチしてんのがバレバレだよw?
464カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:00:02 ID:???
第二十三話「聞こえる鼓動」

シンが眠りに就いてどのくらいの時間が経ったのだろう、誰かの声が彼の意識を小突く様に
刺激する。
 
(何…だよ……?)
 
久しぶりに解放されたような気分で気持ちよく眠っていたシンであったが、しつこく呼び掛け
られる声に仕方なく目を開こうとする。
 
「お〜い、シン。そろそろ起きないとお前の晩飯食っちまうぞぉ?」
 
横になっているシンの耳元でハイネが囁く様に告げる。
 
(晩飯……?)
 
ハッキリしない意識の中、"晩飯"という言葉にシンは反応する。
先程医者に言われたとおり、部屋に戻ってそのまま寝てしまったシンはお腹が空いている事
に気付く。ここで晩飯を食べられてしまうと、正直洒落にならない。
慌ててシンは体を起こす。
 
「晩飯っ!」
「うおっ!?」
 
突然起きるシンにハイネは体を仰け反らせる。
 
「きゅ、急に起きるな!何処かにぶつけてまた体を痛めたらどうしてくれるんだ!?」
「ハイネ……?い、いくらハイネの言う事でも今日ばかりは飯を渡さないからな!」
「じょ、冗談だって…呼んでもお前が中々起きないからちょっと意地悪な事言ってみただけ
だって」
 
身構えたシンのもの凄い剣幕にハイネはたじろぐ。
 
「え…そうなんだ……?」
「何が"そうなんだ"だよ。俺はセンセに頼まれた事をお前に伝えに来ただけだぜぇ?」
「先生から頼まれた事…?」
「お前のお姫様が目を覚ましたってよ」
「!?」
 
ハイネにそう言われると、シンは上着も着ないまま自室を飛び出して行った。
ハイネはその勢いに体を倒されそうになったが、療養中に磨いた松葉杖のテクニックを駆使
して華麗に態勢を整える。
 
「おっとっと…ったく、夢中になれる事はいい事だけどね…苦労してここまでやって来た俺に
一言お礼があってもいいんじゃないかな?…リハビリの一環なんだけど……」
 
困ったように笑うハイネは松葉杖を突いて医務室へ戻って行った。
465カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:01:30 ID:???
 
「ステラァ!」
 
上半身シャツのまま全速力で駆けてきたシンは勢い良く医務室の扉を開ける。
 
「ん…来たか……って、シン、何て格好をしているのかね?ザフトのエリートがだらしない…」
「先生、ステラは!?」
「奥の部屋だよ、早く顔を見せてやってくれ。我々では手におえないんだよ」
「は?」
 
落ち着いて耳を澄ませてみると奥の部屋の方から騒がしい声が聞こえる。よく聞いてみると
女の子の声だった。
 
(い、一体何が……!)
 
急いで奥の部屋に踏み込んでみると、シンの名前を叫びながら暴れるステラを助手が懸命に
押さえている姿が目に入った。
 
「これは……」
「おお、シン、やっと来たか!早くこの子を何とかしてくれ!」
「シン!」
 
助手の押さえつけを振り切ったステラがシンに抱きついてくる。
 
「シン〜」
「ふぅ、助かった…」
「どうしたんすか?」
 
ステラの頭を撫でながらシンが訊ねる。
 
「どうしたもこうしたもないよ。この子が目を覚ますといきなり『シンは何処!?』って暴れだして
ね…それを諌めるのに四苦八苦してたんだよ!?」
「あ…それはどうもすんません…迷惑掛けちゃったみたいで……」
「君も疲れてただろうから今回は仕方ないけどね?これからはもっと早く来てくれよ」
 
そう言うと助手は疲れた顔で部屋を出て行った。
 
「シン、何処行ってた?」
「ゴメン、少し眠ってたんだよ」
 
「良かったな、シン」
 
ステラを慰めていると後ろから声がした。
466カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:03:50 ID:???
「カミーユ!」
「これで俺も少しは安心できるかな?」
 
ベッドから半身を起こしたカミーユが微笑んで二人を見ていた。
 
「あの…ありがとうな、カミーユ。俺…あんたが居なかったらきっとステラを助ける事なんて
出来なかった」
「ステラを救い出せたのは紛れも無くお前の力だ、そこは自信持っていい。俺はそれを少し
手伝っただけさ」
「でも…そのせいでカミーユもΖも……」
「気にするな、俺の方は大丈夫さ。Ζもいつか直る」
 
病室のカミーユはとても弱々しく見えた。病人というものはとりわけ弱々しく見えるのは当たり
前の事だが、カミーユに限っては何か特別な物を感じた。
 
本来、この世界に来る事が無ければカミーユはもっと酷い状態で長い期間療養生活を送る
筈だった。それが何の因果かこの世界に来る事になったカミーユは本来より早く回復をする。
しかし、それは無理に精神を安定させているに過ぎず、再び精神が崩壊してしまうリスクは
併せ持ったままだった。
ステラとの戦いでその力の一端を解放したカミーユは不安定だった。それが、シンにカミーユ
がとりわけ弱々しく見える原因であった。
 
「カミーユ、聞いていいかな…?」
「何だ?」
「あの時の声の事なんだけど……」
「声…?」
「女の人の声が聞こえたんだ…二人……、それって」
「…聞こえていたのか」
「前に言ってたカミーユが助けたかった人?」
「そうだ…と思う」
 
カミーユは深呼吸する。
 
「フォウとロザミィ…ステラと同じ様に戦いを強要された強化人間だ。彼女達もステラを戦いの
呪縛から解き放ってあげたかったんだろう。自分達の様な存在の悲劇はもう十分だって……」
「その人達、カミーユの事が好きだったんだな…何となくそれが分かったよ。
……今でも声は聞こえるのか?」
「いつでも声が聞こえるって訳じゃないんだ…でもその存在は感じることが出来る」
「ならさ、お礼、言っといてくれよ。あんた達のおかげでステラを助ける事が出来たって……。
俺、あの声に感謝してんだ!」
「分かった、伝えておくよ」
 
いつまた聞こえるか分からないが、シンの気持ちを汲んでカミーユは承諾する。
467カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:05:39 ID:???
「シン…誰?」
 
ステラがシンの陰に隠れるようにカミーユを指差す。
 
「え…カミーユだよ。ステラを助ける為に俺に力を貸してくれたんだ」
「シンの友達?」
「あ……」
 
カミーユに仲間意識は芽生えてきていたが、友達というとなると気恥ずかしい気持ちになる。
ルナマリアやレイ、整備士のヨウランやヴィーノ辺りならハッキリそう言う事が出来るのだが、
カミーユやハイネ等、少し年上の相手には些か気を遣ってしまう。
 
「違う?」
「いや…その……」
 
シンはカミーユに目を遣ると、シンの困った顔を楽しんでいるのか、カミーユは目を細めていた。
 
「カ、カミーユ…?」
「一緒に戦う仲間なんだから、友達だろ?」
「そ、そう!友達というよりは仲間だよ…ってあれ?」
 
よく分からない事を口走るシンの会話の内容は合っていない。そんなシンにカミーユは苦笑す
る。
 
「仲間であり、友達…だろ?」
「と、言うわけ!分かった、ステラ?」
「カミーユ、シンと友達?」
「そう!」
 
ステラは納得したようなしないような複雑な気分だったが、取り敢えずカミーユがシンの友達
であるということは理解した。でも、それが分かっただけでもいいか、と思った。
 
「怪我の方はどの位で治りそうなんだ?」
 
シンがカミーユに訊ねる。
 
「たいした事は無い、明日には部屋に戻れそうだし…フォウやロザミィが守ってくれたかな?」
「なら良かった」
 
シンがカミーユに手を差し出した。
 
「ん?」
「カミーユ、握手しようぜ。何か俺、そんな気分なんだ」
「ふっ、変わったな、お前」
 
カミーユとシンは握手を交わす。
468カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:07:01 ID:???
「シン、ステラも握手」
「んぁ?」
 
その間にステラが割り込んできた。
 
「あんまり見せ付けてくれるなよ?続きは余所でやってくれ」
「寂しいんだ?」
「当たり前だろ?この世界じゃ俺は一人身だ、寂しくもなるさ」
「恋人は?居たんだろ?」
 
シンは何故かそう思った。
 
「恋人かどうかは分かんないけどガールフレンドなら居たよ」
「どんな人さ?」
「そうだな…上手く言えないけど、口うるさい世話焼き上手な子かな?」
「ルナみたいな子?」
「どうかな…でも、うるさい所は似てるかも?」
「ははっ、なら大変だ!」
「まぁな」
「シン、握手は?」
 
ステラがシンの袖を引っ張る。
 
「あ、あぁ…じゃ、カミーユ、俺達行くから」
「ああ」
 
シンとステラは部屋を出て行った。
カミーユは窓を開く。
  
《頑張った甲斐、あったね……》
 
「フォウ…?……そうだな」
 
風に乗ってフォウの声が聞こえてきたような気がした。
その声にカミーユは満足そうに返事を返した……
 
シンが部屋に戻ると、レイが机のパソコンに向かってキーボードを忙しく叩いていた。
 
「レイ…?何してんだ?」
「ん…シンか。奴の研究だ」
「奴?」
「ああ、フリーダムだ」
 
画面にはフリーダムとの交戦の記録が映されている。様々なデータや動画等、フリーダム攻略
の手掛かりになりそうなものが一通り揃っていた。
469カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:08:31 ID:???
「!?…シン…怖い……」
 
後ろからレイのパソコンを覗き見たステラが拒否反応を示す。
ビームサーベルを持ったフリーダムが吶喊してくるのを見たステラにとって、フリーダムの映像
は精神的に苦手な物だった。
 
「シン、ステラを誰かに見ていて貰え。唯一こいつとまともに戦えていたカミーユが動けない今、
こいつに勝つのはお前しか居ない。お前の協力が必要だ」
「分かった、少し待っていてくれ。…ステラ、おいで」
 
シンはステラを連れて部屋を出る。
 
(えっと…ルナなら面倒見てくれるかな?)
 
シンの頭の中に自然とルナマリアが候補に上がる。ルナマリアは妹もいるし、色々と面倒見が
良さそうだと思ったからだ。
特に今は乗機が無い上、メイリンに比べてする事も少ない筈である。
シンとステラはルナマリアの部屋の前にやって来た。
 
「おい、ルナ、いるか?」
 
しかし、シンの呼びかけに返事は無かった。
 
「…居ないのか?」
 
不審に思ったシンは、勝手と知りつつも扉を開けてしまう。
 
「ちょ…ちょっと、何考えてんのよ、女の子の部屋に勝手に入ってくるなんて!?」
 
部屋の中は暗く、開いた扉から通路の明かりが部屋の中を照らし出す。すると、僅かな光を
灯しただけの部屋からルナマリアがもの凄い剣幕でシンを怒鳴りつけて来た。
 
「え…居るなら返事位しろよ!無視なんかして…」
「あたしの勝手じゃない!今はちょっと手が離せないのよ!」
「言い訳はもっと上手くしろよ。どうせ暇なんだろ、こんなに部屋を暗くしてさ?」
「うるさいわね!お願いだからほっといてよ!」
「何だよ、ステラの事見ていてもらおうと思ったのに…別の人に頼むかな!」
「えぇ、そうしてくれると有難いわ!その子の顔なんて見たくも無いもの!」
「え…どうして……?」
470カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:10:08 ID:???
シンとルナマリアのやり取りをステラは呆気に取られたような顔で眺めている。
ステラを拒否するルナマリアがシンには理解出来なかった。
ルナマリアの態度に最初は威勢良く突っかかっていたが、いつもの様子と違う事に気付いて
シンは戸惑う。
 
「どうでもいいでしょ、あたし…その子の事嫌いなの!」
「納得できないな、訳を言えよ!」
「どうでもいいって言ってるでしょ!?そんな事、面と向かって言えるわけ無いじゃない!
いいからどっか行ってよ!」
「あぁそうかい、勝手にしろよ!」
「するわよ!」
「行こう、ステラ!」
 
シンはステラの手を引いてルナマリアの部屋から去って行った。
扉を閉め、再び暗くなった部屋でルナマリアはベッドの中に潜り込む。
 
「レイもシンも…勘弁してよ……!」
 
頭からシーツをかぶり、その中でルナマリアは泣いていた。
 
 
「シン、顔怖い…」
「ん……」
 
ステラに指摘されたが、ルナマリアの態度に腹を立てたシンは複雑な表情をする。
 
「ごめん、シン…ステラのせいでシン辛い……」
「ステラ……」
 
シンとルナマリアの会話から、自分の事が原因で二人が喧嘩したんだという事をステラは
分かっていた。
 
「ステラのせいじゃないさ。ルナ、ちょっと機嫌が悪かったけど、自分のMSが無いから活躍
できなくて苛ついてたんだよ…きっと……」
「……」
 
シンは自信が無いのか、言葉の最後の方が尻つぼみに声が小さくなっていった。
適当な予測でステラを慰めようとしたが、ステラの表情は曇ったままだった。
 
「う〜ん…しょうがない、メイリンに頼んでみるか。少しなら時間あるだろ」
 
シンは気を取り直すように話す。
しかし、内心ではルナマリアの態度が気になっていた。
 
(全く…どうしたんだよルナの奴?…あ〜あ、俺もカミーユの言う様なニュータイプになれれば
なぁ……)
 
理解できないルナマリアの態度に、シンは神頼みの様に心で呟いていた。
471カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:13:21 ID:???
「ふぅ、どっこらせっと」
 
リハビリから戻ったハイネはどっかりと、ベッドに腰掛ける。隣のベッドで体を起こして雑誌を
読んでいたカミーユがそんなハイネの様子に眉間に皺を寄せる。
 
「何か爺くさいぞ…」
「ん、そうか?」
 
他愛の無い会話を交わす。
 
「カミーユ、大した事無かったんだって?」
「あぁ、まぁ……」
「それは良かった、シン一人じゃ不安だったからな」
「どういう事だ?」
「あいつ、ステラを救出出来たはいいが大分弛んでるからな。このままだとまずい事になりそ
うだ」
「確かにアイツにとってステラを助け出す事は大きな目標だったからな…無理の無い話だけ
ど……」
「けど、戦争はそんな個人的な理由は許しちゃくれないぜ?ザフトもこれからいよいよ本格的
に動き出そうって話になっている。エースのアイツがしっかりして欲しい所だが…」
「それも難しいか……?」
「そう、だからお前の怪我が大した事無くて良かったよ」
「でも、MSが無い……」
 
カミーユのΖガンダムは未だ修理の目処がついていない。こちらで賄える資材が圧倒的に
不足しているのだ。
特にこの世界では精製不可能なガンダリウムはΖガンダムの装甲に欠かせない重要な
資源である。穴だらけのΖガンダムで戦闘を行うのは自殺行為に等しい。
 
「人づてに聞いたんだけど、俺のΖ、コックピット周りが駄目になったって聞いたから……」
「それがな、リハビリついでにMSデッキに顔出してみたんだが、どうも掘り出し物が見つかった
みたいだぜ?」
「掘り出し物って言ったって、この世界の物資じゃ意味無いだろ?」
「それがどうやらお前の世界からのお客さんみたいだぜ!」
「えっ……!?」
 
ハイネの意外な発言にカミーユは目を見開く。
自分の世界からの来訪者、それが何なのかは見当もつかないが、カミーユは不思議な期待
感を抱いた。
 
「そ、それ…どんなのが…!?」
「さあな…遠目だったからよく見えなかったが、何か全体的に赤かったなぁ?聞いた話に拠る
と素材にお前のΖと同じ物が使われてるって言ってたからな。多分MSだと思うぜ」
「MS…!?パイロットは!?」
「パイロットが出てきたなんて話は聞かないから、居なかったんじゃないか?」
(赤い…MS……!) 
472カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:15:47 ID:???
赤いMS…リックディアス、マラサイ、ガルバルディβ…思い当たるMSはいくつかあるが、それ
のどれとも違うような気がした。
赤という色はカミーユの知るある人物の特別な色である。その印象がカミーユにかつて無い
胸騒ぎを起こさせる。
 
「ん…?何だよ、嬉しくないのか、難しい顔して?…お前のMSが直るかも知れないんだぞ?」
「……もっと詳しい事は分からないのか?」
「ああ、まぁ…ついでにチラッと見に行っただけだからな。明日、自分で行って確認してみろよ。
すぐに修理に取り掛かれる様子でも無かったしな」
 
(何だ…この感じ……誰かが呼んでいる気がする……!)
 
ミネルバが偶然にも見つけ出した謎のMS…それはカミーユのΖガンダムに新たな鼓動を
授ける礎となる物だった。
 
 
「この子をあたしに?少しならいいわよ」
 
メイリンの下を訪れていたシンは、ステラの面倒をメイリンに頼んでいた。
 
「サンキュ、用事が済んだらすぐ迎えに来るから、頼んだぜ。……ステラ、メイリンと一緒に
待っててくれよ」
「シンがそう言うなら、ステラ待ってる」
 
シンがステラの頭に軽く手を載せる。
 
「でも、何であたしに頼むの?お姉ちゃんの方が適任だと思うけど…」
「……ルナ、断ったんだよ」
「えっ?」
「何か知らないけど、怒鳴られてさ…いつものあいつじゃ無かったな……訳分かんないけど」
 
シンは不貞腐れた様に言葉を洩らす。
 
「そうなんだ……。お姉ちゃん、アスランさんの事でまだショック引きずってるみたいなの。だか
ら、あまり悪く思わないでね?今、お姉ちゃんいっぱいいっぱいで苦しんでると思うから……」
「そっか…ルナはアスランのことを……」
「優しくしてあげてね?お姉ちゃん、誰かに慰めて欲しいと思うの……、あたしじゃ出来そうに
無いから…」
「ああ…分かったよ……」
 
ステラをメイリンに預け、シンはレイの下へ戻って行った。
 
(そっか…ルナ、アスランのこと好きだったみたいだしな……迂闊だったな、俺……)
 
シンはステラのことばかり気にする自分の浅はかさを反省した。自分がルナマリアと同じ立場
であったら、多分同じ様な気持ちになっていただろう。
ステラをもしあの時救えていなかったら…そう考えると自分が浮かれていた事に気付いた。
473カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:17:34 ID:???
 
「戻ったか、遅かったな?」
 
シンが扉を開けて部屋に入って来る。
 
「ああ、ちょっとね……」
「まぁいい。始めるぞ」
 
レイはパソコンを開き、キーボードを叩く。
シンはそれを脇から覗き込み、対フリーダムの研究が始まった……
 
 
 
翌日、自室に戻る許可が出たカミーユはMSデッキに顔を出していた。昨日ハイネが言ってい
た謎のMSを探す。
 
「おう、カミーユじゃねぇか、もう出歩いて大丈夫なんか?」
 
汗と油まみれのマッドがカミーユを見つけ、話しかけてきた。肩にかけたタオルで滴る汗を拭
う。
 
「ええ、御陰様で……」
 
挨拶もそこそこに、カミーユは辺りをキョロキョロと見回す。
 
「ぁん?何探してんだ?」
「いえ…昨日ハイネから掘り出し物が見つかったって聞いたものですから、どんな物かと
思って……」
「ああ、それなら丁度俺が今弄ってた奴だ。ほれ、あれだよ」
 
マッドが親指で自分の後ろにある残骸を指差す。
 
「あ…あれですか!?」
「そうだぜ?」
 
カミーユが見つけた残骸は四肢や頭部の形は判別できるものの、Ζガンダムよりも酷い状態
でデッキの床に放置されていた。
確かに見た目は赤い装甲のような物が目に入るが、それは余りにも酷い状態で、本当に役
に立つのかどうかすら分からない程だった。
 
「そういや、あれはお前のMSと同じ様な技術で出来てるんだったな。お前、あれが何なのか
分かるか?」
 
マッドが訊ねているのにも拘らず、カミーユはその赤いMSらしき物体に近づいていった。
474カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:20:26 ID:???
そのMSは赤を基調としたカラーリングで塗装されており、頭部カメラはモノアイ形式で、どうや
ら其処にコックピットがあったらしい。すぐ脇には焦げ目のついた脱出ポッドが転がっていた。
全体的なフォルムは重装甲な感じで、腹部にはメガ粒子砲の砲門らしきものが見受けられる。
 
「何だこのMS…エゥーゴの物でもティターンズの物でもない……」
 
ふとカミーユが装甲に付いた焦げ跡に隠れているマーキングを見つけた。
 
「これは…"C"?こっちにも……これは!?」
 
カミーユが見つけたのは"C"の文字であるが、それは若干装飾されたような物で、それに
乗っていたパイロットのパーソナルマークである事は分かった。
しかし、それが誰の物であるかまでは判断を保留したが、問題は別の所にあったもう一つの
マーキングであった。
 
「アクシズの……ジオン…!?」
 
スタイリッシュな印象を与えるマークであったが、その形の系統は明らかにジオンのそれと
わかるデザインだった。
カミーユの心臓の鼓動が加速する……
 
「カミーユ、分かるか?」
 
後ろからマッドが話しかけてくる。カミーユは吸い込まれるようにそのMSを見つめていた。
 
「いえ、僕はこんなMSは知りません…ただ……」
「ただ?」
「これは僕の世界のMSに違いありません…」
「そうか……」
 
マッドは携帯灰皿を取り出し、煙草に火を点けた。
 
「ふぅ……因果なもんだよな、丁度お前のMSをどうしようかと悩んでる時にこんなお宝が見つ
かるなんてよ……」
「Ζ、直るんですか?」
「やるしかねぇだろ?だから直るんだよ」
 
マッドは大きく煙を吐き出した。
 
「こいつをバラしてΖの修理に当てる。代えのコックピットも生きてるみたいだし、くたびれた
駆動系もこいつの物を組み込む、装甲は再利用……修理というより大改装だな、骨が折れ
るぜ」
「僕も手伝います」
「助かるな、俺達だけじゃ無理だからな……。実は何処から手をつけようか悩んでたんだ」
475カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:25:03 ID:???
(誰の物かは知らないけれど……)
 
心で呟くカミーユは、その内容とは裏腹にそれが誰が乗っていたMSかは既に見当は付いて
いた。
しかし、その事実を認めてしまうと、自分が元の世界でやってきた事が否定されてしまうような
気がして、敢えて気付いてない様に思い込ませようと自分に言い聞かせた。
そんな風に考えを廻らせながら、何と無しにカミーユはコックピットに入り込む。
 
(これ…普通と違う……!)
 
そのコックピットはΖガンダムの物とは若干仕様が異なっていた。操縦桿レバーのグリップが
丸くなっているのだ。
今までのは普通のレバー状のグリップで握って使うものであったが、これはどちらかと言うと
手を置いて使うといった感じだ。
しかし、カミーユの感じた違和感は別の所にあった。
 
(感覚が研ぎ澄まされて広がっていく感じだ……サイコミュ的な何かが使われているのか?)
 
簡易サイコミュのバイオセンサーとはまた違った不思議なサイコミュの感覚に、カミーユは懐か
しい気持ちになっていた。そのコックピットのフレームに組み込まれた"サイコ・フレーム"が
それを感じさせていたのだ。
それはカミーユの時代から更に五年後の技術であった。
 
(この感じ…やっぱりあの人なのか……?)
 
浸っているカミーユはパネルを起動させる。すると、そこに立ち上げ画面が映し出された。
 
「アナハイム…MSN-004サザビー?……ネオ・ジオン……!?」
「なんだぁそりゃ?分かんねー単語だなぁ?」
 
入り口からマッドが覗き込む。
 
「お前、説明できるか?」
「ええ、一応は…このMSの名前はサザビーです。で、それを造ったのがアナハイムっていう
企業で…」
「ネオ・ジオンってのは?」
「多分国か組織の名前だと思います。ジオン共和国ってのがあったから……」
「ふーん……わりぃ、よくわかんねーや。考えてみりゃどうでもいい事だよな」
「……」
 
マッドに肩透かしを喰らいながらカミーユはパネルを操作する。ネオ・ジオンという単語に
引っ掛かっていたが、そんな事はカミーユに分かるはずも無かった。
こうしてΖガンダムの修理は始まった。
                                              〜つづく〜
476通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:29:24 ID:???
サザビーだと!?ここでサザビーが来るとは……!!
今後どう転ぶか皆目不明になったが、GJだけは忘れないぜ!!
477通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:29:38 ID:???
GJ!!

まさかZの修理の為に、サザビーを持ってくるとは思わなかった。
サザビーのサイコフレームとコクピットを利用してZのパワーアップも図るとはやられたぜ。
478通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:32:43 ID:???
やべぇ、読み進んでいくうちに異邦人のMSと聞いて百式を思い浮かべたがまさかサザビーだなんて・・・。
479カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:39:55 ID:???
ちょっとだけ補足させてもらいます。
以下、ラストへ繋がるネタバレも若干含むので、見たくない人はNGワードに"赤い人"を入れてください。
480カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/27(金) 18:49:41 ID:???
サザビーを持ってきましたが、それで赤い人がCE世界にでしゃばって来る事はありません。
あくまで目的はサイコフレームとサザビーのコックピットが欲しかっただけです。
ぶっちゃけ、その為だけにΖガンダムを壊しました。
なので、Ζガンダムの性能自体は反応性が若干上がる位で、極端なパワーアップはしない方向性になります。

これだけ言うだけでも、ニュータイプの多いこのスレの住人の皆さんにはラストでどのような展開になるか分かってしまうかもしれませんが、赤い人に関して誤解を招く気もしないでもないので、これだけは補足として付け加えさせてもらいます。
481通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:51:43 ID:???
なるほど。 ラストであれと似た感じになる訳ね。
482通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:56:38 ID:???
カミーユ&サイコフレームは多くの人が妄想する究極の組み合わせだからな
楽しみにしてます
483通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 18:59:40 ID:???
アムロとアクシズにはさまれて半分潰れたはずな上に、サザビー本体からかなり離れたとこまで持ってかれたはずなんだが。脱出ポッド。
まあこれは言わないお約束だな。
484通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:15:24 ID:???
サザビーが何故CEにあるのかをちゃんと考えてるのかな…
485通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:16:06 ID:???
サザビーの腹部にある拡散メガ粒子砲はなんらかの形で生かしてくれると嬉しいけど・・・
486通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:22:21 ID:???
てか、サザビーの装甲をどうやってZに移植するんだろ。
下手に移植するとZが可変できないだろうし。
コックピットを移植するっていっても、全く規格が違うから大幅に加工しなければならないだろうし。

CEの技術では到底無理な気が。
ましてやミネルバの設備では不可能な。

無理してまでサザビーを持ってくる必要性がわからない。
487通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:42:59 ID:???
持ってきたかったから持ってきただけだし、二次創作だから気にせず読めばいいじゃん
SS書いたこと有る人なら分かると思うけど、作品内用に対して設定ぐだぐだ言われるとやる気失せるよ。
多種多様の作品書く人ならガンオタ並の知識仕入れる訳ないし。
488通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:43:54 ID:???
それではどこぞのアニメと変わらんがな
489通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:46:37 ID:???
全然違う
向こうはごく一部のアホが手持ちの素晴らしい設定を矛盾させて、
それだけでなくキャラ崩した挙句に作品崩壊させてる

こっちは二次創作で端から設定より先に物語ありき
まず前提の土台が違うんだお
490通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:48:51 ID:???
GJ!
>Ζガンダムの性能自体は反応性が若干上がる位で、極端なパワーアップはしない方向性になります。
どう考えても、無敵になりそうです。
おそらく武装などは、付け足さないのでしょうが、この世界では其れでも充分ですよ!
・・・赤い人のと組み合せるなんて、作者氏は神だな!

ラストも大体分かったのでかなり安心して見れます。
カミーユよ!人の「光」をCEに見せるのだ!
491通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:50:03 ID:???
>手持ちの素晴らしい設定

パクリ設定乙w
492通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:51:33 ID:???
ヒント:
過去のガンダムからパクったのは設定ではなく演出や機体(ry
493通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:54:09 ID:Xj7h/0hp
487の言うとおりだな二次創作なんだしそこまで過敏にならなくても
良いと思うし、楽しく読めればOK!!
494通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:54:18 ID:???
>過去のガンダムからパクったのは設定ではなく演出や機体(ry

種の設定もパクリなわけだが。
パクリと言うよりは再利用したと言った方がいいかも。

種厨の最後の頼み綱である“設定は良かった”を潰してしまいサーセンww
495通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:55:54 ID:???
あのアホの負債は本当に後付で設定とキャラクターを矛盾させて
強引に崩してストーリーをメタクソに動かして全部ゴミクズにしやがって本当に死んだ方がいいと思う
496通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:57:42 ID:???
二次創作がパクリなのでよくないという意見や、好きなものつなぎ合わせて悦に浸ってるんじゃない
などの意見も多少賛同するが、知ってるか?あるアニメ監督の夫妻は1話3000万円の制作費
をかけ、100話以上放送して、その収益で家まで建てたんだぜ。いろんなSS作者をみてみろ、
無償で仕事や学校の無いときに、叩かれやすい2chで一生懸命投下してるんだぜ。感謝しつつ
静かに見守ろうでないか、気に入らなきゃスルーか読むのをやめる、気に入ったらGJする。
ってことで作者GJ、話も無事中盤過ぎたのでこのまま終盤、クライマックス、最終回まで頑張って
497通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 19:58:29 ID:???
よし、矛先が負債に向いたw
498通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 20:02:56 ID:???
どっちでもいいよおまいら
問題は今これが面白いって事さ
GJっス!!
499通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 21:07:05 ID:???
サイコフレーム・・・。

ああそうか。逆シャアラストの(ry
500通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 21:18:35 ID:???
むしろサザビーを直したら・・・・なんてねw
501通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 21:32:57 ID:???
>>500
技術の高いほうを直すのは無理だろう

ましてボロボロだが動かせんこともないZとパワーダウンしたサザビーだぞw
502通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 21:56:39 ID:???
職人さん書きたいように書かせてやろうよ
503通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 22:03:44 ID:???
ヒント:>>328

荒らしやアンチには叩く材料さえあればそれで足りてしまう件について。
故にスルー推奨。
504通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 22:15:53 ID:???
GJです
カミーユがサイコフレーム搭載機に乗ったら
マジでイデ発動みたいなNT能力になるんじゃないか?
ハイパー化とかとんでもなさそう…
505通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 22:25:21 ID:???
>>504
ジェネシスとかレクイエムはバリアーで弾きそうだよなw
506通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 22:30:04 ID:???
>>486
普通に装甲はガンダリウムだけ溶かしてΖの機体修理に使うだけでしょ
あくまでΖにサイコフレームのコックピットを搭載するだけだし
507通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 22:44:30 ID:???
>>506
そんなこと考えなくても ザフト脅威の技術力 だけで片付く問題だね
今日1話から初めて読んだ。テンポが良くて面白いな。
面白ければなにをしてもいいんだよ〜
508通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 22:58:01 ID:???
GJ
最高NTにサイコフレームこりゃあ凄い現象がおきるぞ
作者さんはあんまり設定とか深く考えず
自分の思うとおりにやっちゃってください
超常現象もカミーユなら完全に納得できるし
509通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:18:57 ID:???
そうそう。
面白いなら
「気にするな。俺は気にしない」
だからカミーユ氏、
がんがれ、そしていつも乙華麗です!
510通常の名無しさんの3倍:2006/10/27(金) 23:57:35 ID:???
軍医に続いてエイブスが
「こんなもの、優秀なコーディネイターメカマンである俺にとっちゃ朝飯前さ」
と、言ってくれるに違いない!!

ゴメンナサイ、俺の妄想です。石を投げないで・・・
511カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/28(土) 00:26:18 ID:???
応援レス多数ありがとうございます。

これまでも綱渡り的な展開だらけでしたが、今回は正直これまでで一番展開的に賭けの要素が大きかったです。

種死はミネルバ組の回は楽しんで観れましたし、AA側の回でも自分ならこういう解釈を加えるのになぁ、と別の意味で楽しんで観てました。
AA側は無印種でやりつくした感があったので、ある程度は仕方ないかな、とも思いましたけど。
それでもキラは最初は「折檻してやる」って思ってましたけど、それでは個人的に面白味が薄いと思ったので、未だにフレイを引き摺っているという設定を加えて本編とはちょっと違うふいんき(ryにしてみました。
…なってるといいなぁ……そしてあともう一人もなるといいなぁ……

で、本題なんですけど、サザビーとΖは同じアナハイム製作という点と、Ζの時代ではコックピット兼脱出ポッドは規格が統一されていると記憶していたのですがどうなんですかね?
CCA観た限りでは冒頭やラストのサザビーのコックピットはハンブラビやリックディアスの物と殆ど同じ様にみえたんですけど。
場合によってはちょっとですけど描写の違いが生まれてくるのでお聞ききしたいのですが。
コックピットの損傷についてはモニターが死んでても計算は出来てたみたいなので生きていると思ってました。
コックピットと本体が別の場所にあったことについては見逃してくださいデス……
あと、装甲については>>506氏の仰るとおりに溶かして再利用という事にしようと思っています。
その他もデータベースからの情報の引き出しと、都合のいいマッドさんの腕で何とかなるという事でご勘弁を。
この辺りの描写は知識足りてない自分では細かい描写が出来ないので、かなり適当な感じになってしまう事を先にお詫びしておきます。

最後に、長々と自分勝手な語りになってしまった事をお詫びします。これからは控えますのでご容赦を。
お粗末さまでした……
512通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:37:03 ID:???
コクピットは基本的に規格化されてるけど、Ζの場合は可変機構との兼ね合いで専用構造になってる
具体的に言うと一般的なMSは球形でコクピット自体が脱出ポッドを兼ねてるけど、
Ζの場合はその機構が無く卵型だったりする

まあこの突っ込みは無視しちゃって下さいな
何よりも面白さが優先でいいと思います
513通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:51:30 ID:???
別にコックピットまるまる移植するんじゃなくて
Ζのコックピットとリニアシートをベースにアームレイカーの技術と
サイコフレームの構造を移植するだけでいいとは思うけどね
ザフトの技術人ならそれくら研究すればすぐできると思うし
あくまでベースはΖのコックピットとリニアシートでいいと思う。
アームレイカーもまあ疲労から指が外れやすいというデメリットあるから
別に導入しなきゃしないでもいいし
514カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/28(土) 00:52:48 ID:???
>>512
なるほど、そうだったんですか。
解説ありがとうございます。


おのれ、MGΖ(Ve.1.0)の取説め……なぜ「専用のリニアシート」としか説明が無いのだ……orz
515通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:56:15 ID:???
>>514
まああんまり考えないで>>513さんが言ってるように
Ζのコックピットにサザビーのサイコフレームの技術を導入するくらいでいいんじゃないですかね?
516通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:56:51 ID:???
νとの戦闘データとか残ってるのかなぁ。
517カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/28(土) 00:57:25 ID:???
おっとリロードミス……
>>513
その方法で行こうと思います。ありがとうございました。
518通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 00:59:43 ID:???
>>513
アームレイカーはそのデメリットがあったから
F91以降は普及しなかったんだよな
まあ∀では採用されてたけど
519通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 01:02:29 ID:???
>>516
戦闘記録が残ってなくても
サイコフレームからシャアとアムロの戦いとシャアの本音を
カミーユなら感じ取りそうだよね
520通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 01:05:41 ID:???
カミーユにサイコフレーム
常時ハイパー化してそうだw
521通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 01:09:23 ID:???
ってかZのカラーリングはかわったりするんですか?
522通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 01:11:54 ID:???
>>521
そのまんまじゃないか
あくまで穴があいたとこの補修でしかないし
523通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 01:53:47 ID:???
>>521
ハイパー化したらカラーリング変化、それなんてG(ry
524通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 02:41:19 ID:???
サザビーって装甲にサイコフレームが埋め込まれてたはずだが、それも溶かしちまうのかい。
525通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 02:43:04 ID:???
>>524
装甲自体に配線や伝達物質を埋め込むのはもっと後、F−91あたりから。
サザビーは骨格だと思われ
526通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 02:49:44 ID:???
MCA構造だな<装甲に内部機構の役割を持たせる。
ムーバフル・フレームだと、機体の性能を追求につれ大型するデメリット開発された。
527通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 03:19:05 ID:???
>>524
サザビーは>>525が言ってるように全身のフレームにサイコフレーム内蔵しただけ
装甲はまったく関係ない
528通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 04:05:43 ID:???
>>520
まあサイコフレームがあれば精神的な負担はたなり軽くなるから
今よりはハイパー化しても負担は減るはず
それに増幅力とかの性能も段違いだからマジでヤバイ現象が起こるな
529通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 10:42:31 ID:???
サイフレは限りなくOTに近い微NTでも負担なしにファンネルが使えるからな。
カミーユが使ったら洒落にならんだろう。
530通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:09:06 ID:???
>>519
そしたらイヤだろうなぁカミーユ。

結局最期の最期まで理解し会えずいがみあってたんだから。>アムロとシャア
531通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:11:57 ID:???
理解はしてたんでない?最後に、ララァは私の〜
で、理解はしても手を取り合えないNT同士の典型的な悲劇なのか・・・
532通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:15:42 ID:???
>>529
嫌な略称だな。こっちが元祖ではあるんだがww>>サイフレ
533通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:18:17 ID:???
>>531
富野が言うには
アムロとシャアはカミーユと比べたら
学習できてないからOTらしいよ
http://char.2log.net/archives/blog1064.html
これ読むと解るように
アムロとシャアというのはララァの死から前へ進めなくなったんだと思う。
そんだけララァの死はでかかったんだと思うね
534通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:24:56 ID:???
ただカミーユがサイコフレーム機に乗ると
カミーユはただでさえ感知能力が高すぎるのに
サイコフレームの増幅力によって凄まじい情報量が入ってきて
クエスみたいな状態になることもあるとは思う。
535通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:36:31 ID:???
>>520
「ふざけるな!!たかが要塞ひとつ、Zガンダムで押し出してやる!!」
こうですか!?わかりませnwwwwwwってなったら総帥役は議長とジブどっち?
声で議長だろうけど。イカン脱線しすぎorz

まさか、サザビーを持って来るとは・・・やっぱり「情けないMS」のリ・ガズィ
じゃダメなんだなwww

流石にファンネルは付かないよな・・・そもそもフライングアーマー背負ってる
Zにファンネルコンテナは・・・そうだ!ヤクト・ドーガみたく使い捨てなら
肩アーマーとかシールドに追加装備ってことで!?どっちにしても贅沢な使い方
だが。
536通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:37:34 ID:???
>>535
そこでシルエットフライヤー改造ですよ
537通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:44:54 ID:???
〜猿でもわかるスパ厨の特徴〜

@やたらファンネルを持ち上げる
538通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:52:30 ID:???
>>537
その根拠は?
539通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 11:53:10 ID:???
>>537
逆に考えるんだ
UC比較ではなく、CE比較でドラグーン以上のファンネルを語っているから持ち上げられているんだと
そう考えるんだ
540通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:02:13 ID:???
やたらハイパー化ハイパー化言う奴の方がスパ厨っぽい
541通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:05:18 ID:???
最後はストフリ相手にウェイブライダーで突撃ラブハートなんだろうか
542通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:19:09 ID:???
ジ・Oとか、キュベレイとか、サイコガンダム&mk-Uとかのカミーユと関連のある機体の方がよかったんでは?
赤い機体と聞いて、レッドウォーリアを思ったのは俺だけか?
543通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:20:42 ID:???
俺は最初バウかと思った
544通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:25:36 ID:???
俺は最初アムロ仕様のゼータプラスA1型だとか言うのだと思った
545通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:27:56 ID:???
アレは色的にハイネが横取りしそうなんだがw
546通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:32:30 ID:???
赤と言えばハミングバードってのもアリか
547通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:34:42 ID:???
素直にレッドゼータとやらかと予想してた
ので、いい意味で度肝を抜かれた
548通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:45:42 ID:???
だから作者も言ってるが、最古枠使いたかっただけなんだから
サザビーかν持ってくるしかなかったわけでしょ
549通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:47:35 ID:???
別にそれはいいと思う
ただ俺らがいい意味で予想外されてWKTKしてるってだけの事だしwww
550通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:50:50 ID:???
>>538
ファンネルだけは戦闘シーンON
551通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:51:54 ID:???
俺らの予想の上を行ってサザビーだったわけだが、
もっと斜め上でナイチンゲールってのもアリだったかも
552通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 12:57:28 ID:???
>>551
いや、どのみち溶かして再利用なわけだしw
553通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 13:08:48 ID:???
てっきりフライングアーマーかリガズィくらいと思ってたな
554通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 13:10:54 ID:???
デケェ、、、まったくスケールがデケェぜwww!!
555通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 13:28:49 ID:???
実はサザビーはザフト本国で徹底的にリバースエンジニアリングを施され、その情報によって
最新量産機ギラドーガ○○○○○○がミネルバに配備されるのだった。・・・なんてな
556通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 13:31:18 ID:???
…サザビーからデータ抜き取って漏洩してラクシズがギラドーガやα・アジール量産するという悪夢の電波を
受信したんだが…まさかな…
557通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 13:31:26 ID:???
レイはヤクトで
558通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:07:41 ID:???
ハイパー化なんて言葉ガンダムに出てきたっけ?
コンバインになら出てきたけど・・・
559通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:10:09 ID:???
それなんて農家?
560通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:10:19 ID:???
本編じゃ言ってないね
ダンバインのハイパー化にならって俗にハイパー化と呼ばれてるだけ
個人的にはでかくならないとハイパー化じゃないと思ってるので、
どっちかと言えばオーラバトラー化だろうと言いたいが
561通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:20:52 ID:???
なあ、ギラ・ドーガの話題出てきたところで聞きたいんだが、
俺は何度見てもCEザクはUCザクよりもギラ・ドーガに似てると思うんだ。
俺がおかしいのか?
562通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:22:37 ID:???
うん、おかしい
563通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:36:10 ID:GObFzdB6
>>561
まあ、出渕ザク系の顔だからな
ポケ戦のザクUFZのヘルメット頭仕様とか
564通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:37:35 ID:???
鋭角的な感じがギラドーガ的なんだが、色彩の明るさからザクっぽさのが強いかな
565通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 15:38:39 ID:???
ageちまった…
ちょっくらビームサーベル白羽取ってくる…
566通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 16:36:34 ID:???
保守
567通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 17:13:47 ID:???
ハイパー化に関してはフィルムブックやニュータイプ100%で書かれてる
568通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 17:43:30 ID:???
>>561
脚部は高機動型ザ(ry
569通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 17:43:50 ID:???
しかしあれだな
Z近辺のMSは面白いな、互換性とかワクワクするぜ
570通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 07:29:19 ID:???
次のキラ達との戦闘は34話のエンジェルダウン作戦か
ステラが助かったとはいえシンもキラへの憎しみも忘れてないだろうし、カミーユのZもパワーうp
・・・・キラやばくね?
571通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 09:18:55 ID:???
>>570
何を今更
572通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 10:15:30 ID:???
てか、一緒に来たMSがパワーアップって、ここが始めて?
573通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 10:31:17 ID:???
エンジェルダウンに乗じて軟禁されていた凸がミネルバに合流しようと脱走を始める、なんて展開があればいいが。
574通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 11:05:00 ID:???
>>573
ん?じゃあアスランはメイリンの代わりに誰を拉致ってくるんだ?
575通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 11:12:29 ID:???
>>574
ムネオ
576通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 11:13:35 ID:???
流れぶった切るが、まとめwikiで◆XdXnStWCJQ氏と◆x/lz6TqR1w氏が名前混同されてるのは既出?
577通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 12:53:00 ID:???
作者一覧
◆x/lz6TqR1w氏
カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w氏

これかw全然気付かんかった
578通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 17:05:57 ID:???
無印種だと、カミーユはどう動くだろう?
579通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 08:33:20 ID:???
>>575
おいおい、X運命よりも戦力比がとんでもないことになる悪寒がするぞ
>>578
誰か書いてくれる人いないかな…
580通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 14:43:31 ID:???
>>579
それで仲良く入院かw
581通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 16:29:14 ID:???
>>574
魔乳
582通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 16:31:45 ID:???
無難な所でミリィ
583通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 16:46:14 ID:???
>>575
賛成〜実現しなかったOPの意味深3人の絡みを!!
って言うかシンに、ぬっ殺されそうだが…
584通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 17:22:43 ID:???
アスランなんだからキラしか(ry
585834:2006/10/30(月) 17:32:03 ID:???
コズン・グラハムと同じような運命をたどりそうな悪寒
586カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:10:34 ID:???
第二十四話「姿を見せた敵」

対フリーダムの研究をしていたシン達はラウンジに向かっていた。艦内放送でクルーはラウン
ジに召集されたからだ。
ラウンジに辿り着くと、既にそこはクルーで一杯で、皆の視線は大画面のモニターに集中して
いた。もうすぐギルバート=デュランダルによる政見放送が始まるらしいのだ
 
「シン…何が始まる?」
「シッ、ステラ静かにして」
「始まるぞ」
 
何事かと訊ねるステラを嗜めると、レイが合図する。モニターの画面が乱れたかと思うと、直ぐ
に正常に戻った。そして、そこにはギルバート=デュランダルが映し出される。
 
『全世界の皆様、プラント最高評議会議長のギルバート=デュランダルであります。テレビを
御覧の皆様には突然の無礼をお詫び申し上げたい。しかし、私はどうしても皆様にお伝えせ
ねばならぬ事があるのです』
 
「レイ、議長は何の為にこんな事を……?」
「聞いていれば分かる」
 
『こちらの映像を御覧になって下さい。これは連合が行った破壊活動を我が軍の兵士が撮影
した記録映像であります』
 
「デストロイ……!?」
 
モニターにはベルリンでの戦いの様子が映し出されていた。
デストロイと戦うインパルスとΖガンダム…しかし、其処にはなぜかフリーダムの姿は映され
ていなかった。
 
『これ程の破壊行為が何故必要だったのでしょう?我々プラントは彼らと戦争状態にあります
が、彼らは自らの優位を確立する為に一般市民を巻き添えにして街を次々と壊滅させたので
す!勿論我々もそれを食い止める為に応戦致しましたが、力が及びませんでした……。
しかし、問題はそれだけではないのです!』
 
映像が切り替わり、再びデュランダルが映る。
 
『彼等がなぜここまで出来るのか、それは彼等の背後にそれを支える組織が存在するから
です!』
 
何処かに存在する場所で、その男は片手に持ったワインを震わせていた。
目の前には大量のモニター群、それらに全てデュランダルが映されている。
587カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:12:18 ID:???
『その組織は物資を地球軍に融通し、己の利益の為だけに愚かな戦争を長引かせていたの
です!』
 
男は画面に映るデュランダルを見て立ち上がった。
膝に抱いていた猫が滑る様に飛び降りる。
 
『彼らはかつてのブルーコスモスを母体とした組織…名を"ロゴス"と言います』
 
画面にロゴスのメンバーの顔写真が映し出される。
その中には男の写真も含まれていた。
 
『この戦争は、彼等ロゴスによって引き起こされたのです!彼等が居る限り、この戦争は終わ
りません』
 
「な…何を言うか!?……おのれぇ…ギルバート=デュランダルめ……!」
 
その男、ロゴスの盟主ロード=ジブリールは闇に隠れた自らの組織を表に公表された事に
怒りを顕わにしていた。
同時に複数のモニターから他のメンバーが不安そうにジブリールを頼ってくる。
デュランダルの言葉に浮かべていた焦りの表情を隠し、努めて冷静な振りをする。
 
「…大丈夫ですよ、まだ負けたわけではありませんからな。こちらにはまだ切り札もあります。
心配は必要ありません」
 
メンバーを落ち着かせて通信を切ったが、放送を続けるデュランダルに対してジブリールは
厳しい視線を投げかける。
 
(このままでは済まさんぞ……!)
 
ジブリールは唇を噛み締め、演説を続けるデュランダルを尻目にその部屋を後にした……
 
 
『…………そして、戦争を終わらせる為に、今こそロゴスを討つべきです!我々プラントは、
ロゴスを打倒し、戦争を終わらせる事を宣言します!』
 
ミネルバのラウンジでは拍手が巻き起こる。開戦してからこのかた、鍔迫り合いの様な戦闘
しか繰り返されていなかったからだ。
それがここに来てついに戦争の終結の目処が立つ。兵士達の士気は向上していた。
588カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:16:31 ID:???
「カミーユ、議長は本気だな」
「ああ…しかし、それだけで終わるとは思えない。自らのエゴで戦争を食い物にしている連中
はロゴスって奴等だけじゃ無い筈だ」
「では、お前はどうすれば戦争が終わると思う?お前の言うエゴ剥き出しの奴等を全て滅ぼす
か?」
「そんなつもりじゃない……」
「なら、お前は誰となら戦いたい?誰を討つ事が正義と信じる?」
「…ハイネ、本当に倒さなきゃいけないのは地球の重さと大きさを想像できない人達だと思う
んだ。それは人の想いを無視する人間がすることで、人を家畜にする……そんな連中がステ
ラのような存在を生み出しているんだ……」
「そうかもしれないがな…その地球の重さと大きさを想像できない人をどうやって見分ける?
お前の言うことも分かるが、議長の言うことも一つの道だ。お前は今はザフトで、そのMSの
パイロットなんだぞ?理想も結構だが、責任は果たしてくれよ」
「…分かってる」
 
煮え切らないカミーユをハイネが諭すように話しかけた。
 
「レイ……」
「シン、議長の言うことは正しい。お前は議長の言うとおりにすればいい。そして、お前が戦争
を終わらせるんだ」
「俺が……」
 
シンはレイの言葉に勇気付けられる気がした。
レイのデュランダルに対する忠誠心は本物である。その言葉がシンを鼓舞する。
 
デュランダルの演説も終わり、ラウンジから人が散っていく中、タリアがシンに声を掛けてきた。
 
「シン、ちょっといいかしら?」
「か、艦長?…何でしょうか?」
「ええ……ここではなんだし、艦長室へ来なさい」
「は、はぁ……」
 
タリアと共に艦長室へ向かうシンにステラが付いて来る。
 
「あなたはいいのよ、私はシンに話があるんだから」
「ステラもシンと行く!」
「あ、あの…艦長、駄目ですかね?」
「……あんまり甘やかす物では無くってよ?今回は認めるけど、これからはそうはいかないわ」
「あ、ありがとうございます!」
 
呆れたようにタリアは渋々許可する。正直ステラのこの馴れ馴れしさは好きになれないが、
それでシンがやる気を出してくれるのなら仕方ないか、と思い我慢する。
三人は艦長室にやって来た。
 
「それで、話って何です?」
「その子の事よ」
「えっ……!?」
589カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:19:35 ID:???
(まさか、ステラを本国の研究所送りにするって話なのか……!?)
 
艦長からステラの事で話があるという事は、余程重要な話なのだろう。きっと何か嫌な事を
言われるに違いない…シンはそう思った。
 
「艦長、俺は絶対に反対ですからね!」
「それじゃ困るのよ。私も責任者としての立場があるわけだし」
「そんな事言われても俺は納得しません!」
「あなた、上司に向かってよくもそんな事が言えるわね?」
「だって、そんなのあんまりじゃないですか!?今更ステラと離れるなんて……!」
「……」
「俺はステラと離れたく無いんです!」
 
敢然と言い切るシンにタリアは頭を抱えて溜息をつく。
どう見ても唯の子供にしか見えなかった。
 
「はぁ……あなたのスケベっぷりにも困った物ね…ラッキースケベ君?そんなに一緒に居たい
のかしら?」
「スケベって……!?俺はステラを研究所送りにしたくないだけですっ!」
 
シンの言葉にタリアは目を丸くした。
 
(な…何を言ってるのかしら、この子……?)
 
よく分からないシンの言い分にタリアはキョトンとしていたが、直ぐにその意味を理解する。
ステラは側でシンを不思議そうに眺めていた。
 
「それは誤解よ。私はこの子の部屋割りの事を言っているのよ?」
「は……!?」
「年頃の男女が一緒の部屋で昼夜を共にするのは問題でしょ?そもそもレイと一緒の部屋の
貴方がこのまま過ごせるわけ無いでしょ?この子に言ってもどうせ聞きやしないんだし、あなた
からステラを説得してもらおうと思っていたのよ」
「あ…俺はてっきり前に言ってたステラの研究所送りの事だと思って……」
「全く、私がその事でどれだけ苦労したと思っているの?冗談じゃないわよ!」
 
タリアは思い出したように声を荒げる。
 
「そもそも貴方が無茶するから私が苦労する羽目になる!そこの所を分かってるの!?」
(やばい…艦長の目が据わってる……!)
 
タリアは以前のステラ移送と返還の件で、シンの知らない所で本国と色々交渉していたのだ。
最終的にデュランダルの判断で移送は取り止めになり、無断で返還した事も不問に処された
が、その際にデュランダルに付け込まれる隙を与えてしまった事をタリアは後悔していた。
そうなってしまった事はタリアの失敗である。それがタリアを苛つかせていた。
590カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:22:21 ID:???
「これから先もステラと居たいのなら、そこの所はしっかりなさい!いいわね!」
「は、はいっ!了解です、失礼しますっ!」
 
触らぬ神に崇り無し…タリアの機嫌がこれ以上悪くなる前にシンは慌てて敬礼をし、逃げるよ
うに艦長室を退室した。
 
「…っとにあのガキんちょは!」
 
相当苛付いているのか、タリアはデスクを蹴り上げ、悪態をつく。シンののろ気た顔が癇に
障ったのだろう。
 
「…あの子の査定、下げてやろうかしら……?」
 
理不尽な減俸をしてやろうと、タリアは目を光らせる。しかし、直ぐに思い直して首を横に振る。
 
「はぁ〜……、問題児ばかりだと、苦労するわね……」
 
今度は諦めたように溜息をつく。そして、そのままデスクに突っ伏して目を閉じてしまう。
 
(でも……)
 
ステラの件での不問が許されたとき、デュランダルはタリアに対して個人的な条件を提示して
きた。その条件が不可解で、タリアを不安にさせる。
 
(呼んだら必ず来いって、どういう意味かしら……?)
 
心の声とは裏腹に、タリアの頭の中ではその意味するところは何となく理解していた。
恐らくは過去の出来事の清算……デュランダルを傷つけてしまった事に対する自分へのあて
つけであろう事は揺ぎ無い事実だった。
しかし、今更そんな事を言い出してきたデュランダルに対する疑問は当然のように浮かんでく
る。
 
(あの人も子供なのかしらね……)
 
先程のシンを思い出し、タリアは頭の中を白くさせる。
疲れる事をこれ以上考えたく無かった。
 
その頃タリアから逃げ延びた二人は通路を歩いていた。
シンはステラに部屋割りの説得をする。
 
「ステラ、俺と部屋を分けなくちゃいけなくなったんだ」
「ステラ、シンと一緒がいい」
「寝る時以外は一緒に居れるからさ、な?」
「寝る時も一緒がいい!」
「困ったな……」
591カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:24:13 ID:???
シンは頭を掻いて困った顔をする。確かに、ステラはシンにとって妹の様な存在ではあるが、
一緒の部屋で過ごすのは問題がある。
タリアも懸念している通り、これはミネルバ内の風紀の問題であった。
 
「どうしようか……?」
「どうしたの、シン?」
 
シンが悩んでいると、メイリンが通りかかった。
 
「メイリン…?それがさ……」
 
シンはメイリンに事情を説明する。
 
「……そっか、そりゃ問題だよね…シンってスケベなんでしょ?」
 
メイリンの衝撃発言にシンは顔を赤くして慌てて手を振る。傍から見ればかなり挙動不審な
動きだった。

「ス…だっ…って、違うって!誰だよそんな事言いふらしてるの!?」
「皆知ってたわよ、言わなかっただけで」
「はぁ…!?なんだそれ!?じゃあどうして今更になって皆俺の事スケベって…」
「その子連れて出て来た時、何かえっちぃ格好してたって評判だったのよ?だから皆それで
確信持ったんじゃないかなぁ?」
「じょ、冗談じゃない!あれはコックピットが狭かったからああなっただけで…!」
「シン、スケベ」
 
ステラが横から割り込むように声を出す。
 
「……!」
「…だって。ステラ本人が言ってるんだから」
「ス、ステラ…俺の事そんな風に見ていたのか……」
 
シンはガックリうな垂れて肩を落とす。ステラにそう思われていた事が余程ショックだったのだ
ろう。しかし、当の本人は…
 
「スケベって…何?」
「「……」」
 
ステラは意味がよく分かって居なかった。その天然振りに二人は言葉を失う。
 
「メイリン…こんなとこで何話してるの…?」
「あ、お姉ちゃん……」
592カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:27:17 ID:???
そこへ通りかかったルナマリアが話しかけてきた。その表情は以前のような活気に満ちた顔
ではなく、良く眠れていないのか若干やつれていた。一気に空気が重くなる。
 
「いや、それがね…?」
 
メイリンは気を遣う様に言葉を選ぼうとしている。しかし、それを遮るようにルナマリアが先に
口を開いた。
 
「あ、そうそう。あたし、あの部屋から出ることにしたから…」
「えっ!?」
「アスランが居なくなって部屋余ってるでしょ?だから其処に移ろうかと思っているの」
「あ……」
 
メイリンは言葉が見つからない。ルナマリアの言う事を黙って聞いているしか出来なかった。
 
「だからその子をメイリンの部屋に住まわせればいいじゃない…あたしは一人になりたいから」
(お姉ちゃん…聞いてたんじゃない……)
 
メイリンは苦い表情を浮かべて困惑している。
それを気にしてないかのようにルナマリアは地に足付かない足取りでフラフラと歩き出した。
 
「待てよルナ。余裕無いのは分かるけど、もう少しメイリンに優しくしてやれよ」
 
それを制止するかのようにシンがルナマリアに言葉を投げかける。その声に反応してか、
ルナマリアは歩みを止めた。
 
「あんたに言われたくないわよ…!その子が助かって幸せ一杯のあんたにはあたしの気持ち
が分からないでしょう?」
「そりゃあ…否定できないけどさ……でもそれでメイリンに冷たく当たるってのは違わないか?
メイリン、ルナのこと凄く心配してるんだぞ?」
「……」
 
シンの言葉にルナマリアは沈黙する。後姿の為、その表情はうかがい知る事は出来ない。
 
「いいの、シン…今は……」
 
メイリンの声にならない声を聞いて居た堪れなくなったのか、ルナマリアは早足でその場を
去って行った。
593カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:35:26 ID:???
残された三人に気まずい空気が立ち込める。
 
「シン…気持ちは有難いけど、今のお姉ちゃんにあんな事言うのは酷いよ……」
「…けど、やっぱり違うと思うんだ。俺だってアスランがああなってしまった事はショックだった
から、ルナが相当傷ついてるのは分かってる。でもそれを理由にして八つ当たり紛いの事す
るのってどうかと思うんだ」
「そうかな…あれで気が晴れるならそのままにしてやった方があたしはいいと思うけど……」
「それじゃ駄目なんだよ。誰かを憎む気持ちだけじゃ気晴らしにもなれやしないんだ。先にも
進めやしない…その事が俺にも少しずつ分かってきたんだ。俺もちょっと前まではルナと同じ
様な気持ちだったからさ……、本音を言えばオーブを許す事は出来ないけど…そんな事よりも
もっと大事な目的が見つかりそうなんだ」
 
シンの決意にも似た話にメイリンは感心する。
表情を見て、今までのシンに対する評価が変わったような気がした。
 
「シン…何だか変わったね?前までの荒っぽいだけのシンが嘘みたい。成長したよ」
「別にそんなんじゃないけどさ、戦っていく中でそう感じれるようになっただけかも……」
「頑張ってる証拠じゃない?」
「何かさ、ステラみたいな事があってから考えが少し変わった気がするんだ」
 
シンはステラを見て微笑む。気付いたステラも返すように微笑んだ。
 
「そっか…シンもそうやって苦しい中で頑張ってるんだね。…あたしも負けてらんない!」
「メイリン……?」
「ステラの事、あたしに任せて!そんでもって絶対お姉ちゃんを元気にして見せるんだから!」
「あ…ありがと……」
 
いきなりテンションの上がるメイリンにシンは少し圧倒された。
メイリンは力こぶしを作るポーズで気合が漲った表情をしている。
 
「ステラ、寝る時になったらあたしの部屋においで、ベッドの用意しておくから」
「シンも一緒の方がいい…」
「それだとシン、ステラのせいで艦長に怒られちゃうよ?」
「う……わかった…でも、起きてる時はシンと一緒」
「うん!」
 
ステラを説得する事に成功する。
メイリンは成果に満足そうにしながら通路を闊歩していった。
 
 
594カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:37:56 ID:???
それまでの連戦続きが嘘だったかのような静かな時間。
デュランダルの演説、ルナマリアの異変、そして戦えないΖガンダム……問題はあれど、今は
まだミネルバは平和と呼べる空間を形成していた。
しかし、その直後に新たな司令が下る。
それは今や因縁になりつつあるアークエンジェルの討伐命令、通称"エンジェルダウン"への
作戦参加要請だった。
ステラの件でデュランダルに対する借りが出来ていたタリアはその命令には逆らえない。
アークエンジェルと戦うメインの戦力はミネルバのみ。それまでの誘導は他の部隊が手伝って
くれるとは言え、ほぼ単艦による最強の相手との戦いが幕を上げようとしていた……
                                             〜つづく〜
595通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 18:39:36 ID:???
GJ!
596カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:39:58 ID:???
ちょっと聞きたいんですけど、ミネルバって人が直接入り込んで使えるような機銃座ってあるんですかね?
597通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 18:50:54 ID:???
>>596
全部、コンピュータ制御のCIWSだったと思われ。(その他主砲なども、
598通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 18:53:21 ID:???
細かいがブルコスの母体がロゴスなんじゃなかった?
まぁブルーコスは環境保護団体が母体という種の時の設定無視だが
599カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:54:51 ID:???
>>597
と、いうことはベン=ウッダーよろしくMSに果敢に機銃を撃ちつけることは出来ないわけですか。
サンクスです
600カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 18:57:19 ID:???
>>598
ナ、ナンダッテー(ry

……脳内補完お願いします。完全に勘違いしてた……orz
601カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/30(月) 19:02:55 ID:???
度々すみません、議長の台詞で

『彼らはかつてのブルーコスモスを母体とした組織…名を"ロゴス"と言います』
             ↓
『彼らはかつてのブルーコスモスの母体となった組織…名を"ロゴス"と言います』
 
という風に修正させてくださいorz
602通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 19:13:36 ID:???
>>601
イ`
あの辺急な設定変更とかで色々と書き直さなきゃいけない頃があったからな・・・
シンの家族撃ったのが何時の間にか辛味になってたりとかね
603通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 19:23:44 ID:???
負債のラクシズ用語のための設定捏造は今に始まったことじゃない
604通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 20:55:05 ID:OB1QbcEW
職人さんGJ!!次の投稿に期待大!!
605通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 21:09:14 ID:???
ルナマリアとカミーユができるなこりゃあ
606通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 21:11:52 ID:???
ルナマリアはラクシズに走ると予想する
607通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 22:25:47 ID:???
凸次第じゃね?
608通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 22:32:59 ID:???
ようやくシンが復讐だけのジェリドもどきから脱することができたな
原作ではこれがないから可哀想だった
609通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 22:39:52 ID:???
シンメイフラグが立ったのは気のせいですかな?
610通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 22:52:21 ID:???
>>609
おいおい、此処でカプの話はご遠慮願いますぜ。
611通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 23:25:16 ID:???
GJ!!

しかしなんかカミーユ in C.E.氏のカミーユの言動ってなんかかなり新訳っぽいな
612通常の名無しさんの3倍:2006/10/30(月) 23:27:57 ID:???
旧約から新約に移行していくカミーユなのかもね
613通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 00:37:19 ID:???
>>611
同世代と仲間意識が芽生えたことで
カミーユも健やかに成長してるんでしょ
人間的にもニュータイプとしても
614通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 00:56:26 ID:???
GJ!!
でも、カミーユの「地球の重さ〜」の件は、種には関係が無いと思う…
615通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 01:14:14 ID:???
いわゆる地球圏の汚染については種ではまったく触れられないからな
環境よりも人命が失われる事を、戦争の悲劇として扱ってたから

そういう意味じゃクワトロ大尉はブルコスの思想を指示するだろうか?
616通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 01:20:25 ID:???
どうかなぁ、ブルコスには本編では過激派しか出てないから彼らだけ見たらティターンズと何ら変わらんと言いそう。
マジで環境保護が目的の穏健派があったらまだわからんが。
617通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 01:40:57 ID:???
>>615
地球の重さと大きさを想像できないというのは
環境保護とかエコとかそういうことでなく
地球という命を生み出す星は選民思想や一部の人間が
支配してどうこうできるもんじゃないという意味だと思うぞ



618通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 01:53:17 ID:???
シロッコ…天才による支配
シャア…ニュータイプによる統治
ハマーン…ザビ家による支配
要は三人とも選民思想を持ってるわけで

これに対するカミーユのカウンターが
地球の重さと大きさを想像できない人間
=地球や人間を自分がコントロールできると考えてる選民思想を持ってる人間
こそ排除しなければならないというのがカミーユの主張
619通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 02:20:29 ID:???
カミーユがラクスに戦場で会ったらニュータイプ能力を通してラクスの知られざる過去が明らかに・・・・
620通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 02:22:08 ID:???
その際のBGMはかの有名な

ランランララランランラン ランランラララン
ランラン ランララランランラン ララララランランラン

でひとつ
621通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 02:27:26 ID:???
>>618
あの劇場跡での論争って実はシャアハマーンシロッコの思想って
根本的には一緒だからな
TV版だとカミーユもシャア寄りで4人とも同族嫌悪みたいになってたけど
新訳だとカミーユがシャアも含めて否定してる図式になってる
622通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 02:27:39 ID:???
>>619
ハマーンの時より酷いことになりそうw
623通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 11:15:28 ID:???
>>617-618
ああそういう意味なのね。なんかカミーユの主張が噛み合ってないと思ってたけどその説明で納得できた
624通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 16:08:43 ID:???
TV版でもNTになって皆解り合えたらイイけど戦争(・A・)イクナイ!!
で両方否定はしてるんだけどね
625通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 16:51:46 ID:???
コーヒーヲチスレ2
http://ex9.2ch.net/test/read.cgi/net/1162247034/


よかったら来てね。一緒にコーヒースレをぶっ潰そうぜ!
626通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 16:56:06 ID:???
マルチコピペ氏ね
627カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 17:58:29 ID:???
第二十五話「氷の決戦」

その本国からの命令は運命であったのかもしれない。
北の凍りついた大地でミネルバとアークエンジェル、二つの艦が激突する。
 
現在アークエンジェルはザフトの部隊によってミネルバの方向へと誘導を掛けられていた。
一旦オーブへと帰還しようと目論んでいたアークエンジェルは何とか追撃を振り切ろうと躍起に
なって逃げ回っていた。それを庇いながら敵を退けるフリーダムの姿も確認されている。
 
出撃前のシンはコックピットの中で入念にフリーダムのデータを見つめていた。
情報に拠れば現在出撃しているアークエンジェルのMSはフリーダム一機のみ。ベルリンで
見かけられたムラサメの部隊はどういう訳か姿を現していない。
それはアークエンジェルの余裕なのかもしれないが、シンにとっては好都合であった。
こちらもどの道シン一人しか出られないのなら、自分とフリーダムの純粋な一騎討ちも同然で
ある。
因縁あるフリーダムとの決戦が、シンにとってこれ以上無い舞台に仕上がった事が気持ちを
奮い立たせた。
 
「いいな、シン。奴がシミュレーション通りの動きしかしないのなら、分はお前にある」
「当てが外れたらどうする?」
「お前は議長が選んだインパルスのパイロットだ、センスを発揮すれば勝機はある」
「よし……!」
 
シンの目つきが変わる。
MSデッキにはルナマリア以外のパイロットとステラも見送りに来ていた。
 
「シン、何処行く?」
「シンは敵をやっつけに行くのさ。ステラや俺達を守る為にな」
「ステラも行く!」
「駄目さ。シンは一人で倒したがっている」
「何で…?」
「さぁ…ステラにかっこいいとこ見せたいからだろ?」
 
ステラの不安をかき消すようにハイネが和ませる。
 
「シン、負けるなよ。ステラの為にも……」
 
出撃前で少し緊張気味のシンの下へカミーユもやってきて激励の言葉を掛ける。
フリーダムとの浅からぬ因縁がある事は何となく感付いていた。
628カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:01:15 ID:???
「ああ…でも、結局カミーユのΖは間に合わなかったんだな……」
「済まない、マッドさんも言ってたけど、ミネルバの中だけじゃどうにもな……」
「いや…気にするなよ、俺がここでフリーダムを落として見せるからさ。カミーユの仇も討って
やるさ」
「気負うなよ?お前はステラのために生きて帰ってくればいいんだからな」
「俺はそんなに頼りないかよ?」
 
不貞腐れ顔でシンがカミーユの言葉に突っかかる。カミーユの方も、シンの腕を侮っている
わけではないが、フリーダム相手にシンが頑張りすぎてしまう事を懸念していた。
折角ステラを救出する事が出来たのだから、シンには絶対に生きていて欲しかった。
 
「よし、シン。最終確認だ、奴はコックピットは狙わない。それを逆手にとってやるんだ」
「了解」
「よし…俺達の研究の成果を見せてやれ」
「ああ!」
 
ミネルバに追撃隊からの報告が入る。予定地点に到達したミネルバはカタパルトハッチを解
放する。全ての準備が整い、インパルスはカタパルトへ向かう。
決戦の瞬間に向け、シンには全てがスローに見えた。長く感じられた発進準備を終え、シンは
その時を待つ。
 
鼓動が早くなる……
二年前、オーブでフリーダムを見た時からシンの全てが変わった。自分たちを戦火に巻き込
み家族を殺したも同然のアスハ家を恨みもしたし、そこで戦うフリーダムの姿に憎しみを抱い
たりもした。
その事がきっかけでプラントへと渡ってザフトとなったシンは一時復讐を力に変えて生きてき
ていた。
しかし、それから戦争が始まり、様々な体験を重ねてきた今、シンはただの怒り猛るだけの
兵士ではなくなっていた。
自ら目的意識を持ち、それに向かって進もうとする彼は確実に強くなっていた。
シンの目覚めは既に始まっているのだ。
 
目の前の信号が次々と青に変わっていく。発進OKのメイリンの声が聞こえた。
ついに決戦の時。
 
「シン=アスカ、インパルス行きます!」
 
今までスローだった刻がいつもの様に動き出す。
カタパルトの重圧を感じて、シンは決戦の空へ飛び立って行く。
629カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:03:25 ID:???

時間はその少し前、追われるアークエンジェルは不思議な予感を抱いていた。先程まで激し
かったザフトの攻撃が急に緩くなったからだ。
 
「どういうこと……?見逃してくれるって事なのかしら?」
「どうでしょうかね、連中が諦めたとは思えませんが……」
 
ラミアスの疑問に冷静に答えたのはノイマンだ。
 
「このまますんなりと行かせてくれれば助かるんだけど…キラ君は?」
「警戒しつつ先行しています……待ってください!」
 
ミリアリアが突然声を上げる。事態に展開があったのだろう。
 
「キラから入電…前方にミネルバを確認したそうです!」
「ミネルバ…そういう事だったのね……!堪えどころよ、皆気を引き締めて!今度の相手は
今までの比ではないわよ!」
 
クルーの顔色が変わる。生半可な相手ではないことをこれまでの経験から知っていたからだ。
 
「艦長、そのミネルバから通信が入っています!」
「えっ!?」
 
虚を突かれた事態にラミアスは慌てる。
 
かつてミネルバがユニウスセブン破砕作戦によって地球に降り、オーブに入港していた頃、
ラミアスはオーブで整備士の仕事をしていた。その時のミネルバの整備に彼女は参加してい
て、その折にタリアと面識していたのだ。
故に、アークエンジェルの艦長がラミアスであるという事をタリアは知らなくても、ラミアスの方
はミネルバの艦長がタリアであるという事は知っていたのだ。
そのタリアからの通信にラミアスは内心動揺しながらも気丈に振舞う。
 
「……正面モニターに繋いで頂戴」
「はいっ」
 
正面の大画面モニターにタリアの顔が映し出される。タリアの方もラミアスの顔を確認している
筈である。
 
『こちらはミネルバ艦長タリア=グラディスです。
……やっぱりあなただったのね…マリア=ベルネスさん』
「知ってたの?」
『民間人の振りしてても分かったわよ…あなたも有名人ですものね、マリュー=ラミアスさん』
「……それで、御用は?」
 
タリアの言葉に乗せられないようにラミアスは冷静に訊ねる。
630カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:04:54 ID:???
『こちらの要求は…貴艦の無条件降伏です』
「……!」
 
タリアの要求にマリューは眉を顰める。
しかし、同時にミネルバのブリッジでも動揺が走っていた。
本国からの命令はアークエンジェルの掃討である。それがここに来てタリアが無条件降伏
要求を言い渡したのだ。
アーサーに至っては口を大きく開けてしまっている。
 
『返事は即答でお願いします。もし、これが受け入れられない場合は我々が全力を以って
貴艦を排除します』
「……残念ですけど、その要求を受けるわけには行きません」
『ならば、ここで沈んでもらう事になりますが、よろしいですか?』
「それも出来ないわ…私達はここで立ち止まる訳には行かないのですから!」
『……了解しました』
 
タリアがそう言うとミネルバからの通信が途切れた。
 
「総員戦闘開始!ミネルバを突破してここからオーブへの進路を確保します!」
 
マリューが気合を込めて全クルーに通達する。
ミネルバとアークエンジェル、因縁がぶつかり合う。
 
 
「アークエンジェル…上手く逃げられるの……?…来た!」
 
フリーダムのコックピットの中で警戒を告げる電子音が鳴る。キラはヘルメットのバイザーを
下ろし、操縦桿を固く握り締めた。
これまでの雪山だらけの地形とは違う開かれた氷の大地、その彼方からやってくるミネルバ
から、最早見慣れたお馴染みのMSがフリーダムに向かって飛んでくる。
シンのインパルスだ。
 
「三度目…もとい、四度目の正直だ!今度こそ落とさせてもらう!」
 
気合漲るシン。
それを迎え撃つキラ。
両者の力はこの短期間で互角になりつつあった。
 
631カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:07:39 ID:???
MSデッキでは、カミーユ、ハイネ、そしてレイがメカニック達の手伝いをしていた。今回の決戦
に挑むに当って、インパルスの要望は全て受け入れるつもりで臨んでいたからだ。
普段は広く感じられるMSデッキも、何組かのインパルスの予備パーツやライフル、シールドが
所狭しと並んでいる。
そんな中で乗機が無いからといってサボっているわけには行かない。シン一人だけに任せて
は置けないのだ。
 
「さて、シンは本当にあのフリーダムに勝てると思うか?」
 
当然の疑問をハイネはレイにぶつける。いくら予備パーツを揃えようとも、相手は今も最強を
誇るフリーダムである。
 
「さあな…一応対策はいくつか立ててあるが、それがシンの勝利に結びつく可能性は限りなく
低い」
「なっ!?お前……出撃前の会話は何だったんだよ!」
「これから死地に向かおうとする人間にネガティブな事を言えると思うか?激励しなければなら
ぬ場面だっただろう」
「そうだがよ……」
「大丈夫だハイネ。シンの気合は十分だ」
「何?」
 
突然発するカミーユの言葉にハイネは意表を突かれた。いや、そんなものではなかったかも
しれない。
カミーユの言葉は意味が通じない。出撃前の会話から気合の充実を知っていようが、それが
フリーダムに勝てる保障に繋がらないのだ。
それの何が大丈夫なのか、ハイネは頭を捻るばかりである。
 
「どうしてそう思う?」
「そりゃあ、気合が入っている方が勝つさ。その意味でシンは相手に負けていない」
「負けてない?」
「ん……」
 
カミーユは話していてハイネの顔つきが変わってきていることに気付いた。自然と口にする
言葉が観念的になりすぎていて、ニュータイプの事を話していないハイネにはカミーユの言葉
はチンプンカンプンだったであろう。
慌ててカミーユは取り繕うように話し始める。
 
「いや…この戦い、俺達はアークエンジェルとフリーダムの討伐が目的だけど、相手は逃げる
事が目的だろ?だから、フリーダムは先ず母艦の離脱を考えなきゃいけないはずだ」
「それが?」
「シンにとって因縁持ちのフリーダムが相手だ。嫌でもテンションが上がるシンに比べて、
ネガティブな目的のために戦うフリーダムのパイロットの気合は劣っているかな…って事なん
だけど……」
「成る程な……分からない話じゃないけど、カミーユ、お前はフリーダムを甘く見ているな?」
「どういうことだ?」
「相手は筋金入りの化け物だって事さ。気合でひっくり返せるほど楽な戦いじゃないぜ……」
632カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:10:15 ID:???
ハイネは視線を落とす。初めてフリーダムと戦った時の事を思い出していた。
ダーダネルス海峡での戦いで、ミネルバでの初陣となるハイネはフリーダムと遭遇していた。
その時、ハイネは何も出来ずにあっさりと戦線離脱させられたのだ。
そして、その時の傷は未だ癒えておらず、療養生活を送るという屈辱的な生活を強いられて
いる。フリーダムの姿を思い浮かべると、その時の傷が再び痛み出してきた気がした。
 
「ハイネ……」
「すまんな、けどよ…俺は確かにアイツが怖かったんだよ……隠し事が出来ないお前だけに
言うがよ」
 
MSデッキには小さなモニターでシンの戦いを観戦出来るようになっていた。その小さな画面の
中で、シンは素晴らしい戦いを見せている。
 
「シン…アイツ……」
「大丈夫だハイネ…シンが負けるはずが無いさ、ステラが待っているんだから……」

最初のミサイルの雨を凌いだミネルバとアークエンジェルは対峙する。それはまるでお互いを
ライバルとして認め合っているようだった。
 
 
「今の所狙い通り!」
 
フリーダムと交戦中のシンは戦いを有利に進めていた。レイとの研究の成果が出ていたのだ。
回避運動のクセを見抜かれたような、そんな狙い済まされたインパルスの動きを見てキラは
考えていた。
 
「インパルス…今までとは違う!こっちのパターンを見切られているの!?」
 
キラの狙いはアークエンジェルの脱出である。
無益な戦闘が嫌いなキラにしてみれば、その時間を稼ぐだけで十分であったが、このまま続け
ていれば例えアークエンジェルが脱出できたとしても自分が離脱し損ねる可能性が浮上してき
た。
ほとんどインパルスに対して攻撃していなかったキラは腹を括ってついに本格的に仕掛ける。
 
「それなら、動けなくさせてもらうまでだ!」
 
フリーダムはビームライフルを連射する。それは正確にインパルスの四肢を狙っていた。
 
「来たっ!」
 
心理的に考えれば、ある程度有利に戦いを進めていたシンに対して、そろそろフリーダムの
パイロットが焦れてくるであろう事は予測できる事だった。その瞬間が今で、シンは見事に
インパルスを操り、ビームをかわしていく。
633カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:13:09 ID:???
「その位分かってる!これから!」
 
しかし、予想外だったのはその後だった。フリーダムは更にバラエーナとレールガンを放つ。
 
「まだ来る……!けどなぁ!」
 
予想外の連続攻撃には流石にシンは対応しきれない。しかし、シンの瞳は輝きを増す。
こういうのを直感というのだろうか、とんでもない方法でやり過ごそうと思っていた。
 
「フェイズシフト削ったって動けるんだよ!」
 
シンは敢えてレールガンに突っ込み、ビームのバラエーナをやり過ごした。
コックピットに衝撃が伝わり、エネルギーが急激に減ったがそんな事はお構いなしだった。
 
「近くにミネルバがある!デュートリオンビームがある限り、核エンジンなんて関係ないんだ
よ!」
 
「レールガンに自分から当たりに行ってビームをかわしたのか!?MSが持ってもパイロットが
持たないんじゃないか!?」
 
捨て身にも取れるシンの戦法にキラは驚愕する。シンの動きはスマートなキラの動きとは
対照的であった。
恐らく二人は対照的なセンスを持ったパイロット達なのだろう。シンが考えつくアイディアは
キラには考えつかず、キラが思いつくアイディアはシンには思いつかないだろう。
しかし、そんなちぐはぐな二人の戦いだからこそ、激しい勝負が繰り広げられる。
 
「こちらも仕掛ける!」
 
本格的に戦いが始まった事を感じたシンはシールドを構えさせ、ビームライフルを連射する。
フリーダムはそれをいつもの如くひらりとかわす。
そんな余裕を見せ付けるフリーダムの動きに、シンは屈辱感を覚える。
 
「ちっ!当たらないなら接近戦だ!近くに寄れば当たる!」
 
ビームライフルによる攻撃が無意味な事と知ったシンはそれを投げ捨てさせ、ビームサーベル
を構える。射撃に重点を置いたフリーダムには撃ち合いよりも接近戦の方が戦う上で有利に
運べると判断していたからだ。
試合ではないので、相手の嫌がることはどんどんやる。それが研究中にレイに言われた言葉
だった。
 
「また近づこうとして!?デストロイの時も何でこいつは!」
 
デストロイと戦った折に、しつこく接近戦を仕掛けようとするインパルスを見ていたキラは苛付く。
シンの強引な間合いの詰め方をキラは苦手としていたからだ。
華麗に戦うキラとしては、シンの泥臭い戦いは相性が悪いと感じたのだろう。
634カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:16:00 ID:???
「突撃っ!かわせるか!?」
 
「簡単に近付けると思わないで!」
 
仕掛けるインパルスと逃げるフリーダム。本来の力量差ならば、立場は全く逆のはずである
が、目的の違いからこのような形になっている。
カミーユがハイネに告げたとおり、モチベーションの差が両者の立場を逆転させていたのだ。
 
「機動性でも劣る…!?小賢しいな!」
 
「諦めが悪い!?」
 
しかし、いくら立場が逆転しようとも、操縦技術や性能の差までもが逆転するわけではない。
シンはしつこく喰らいついていかなければならないのだ。
急旋回からの加速でインパルスを引き離しにかかるキラだったが、シンはそれにワンテンポ
遅れようとも泥臭くフリーダムに追いすがる。引き離されてフリーダム得意の遠距離の射撃戦
に持ち込まれたら勝負が決まってしまうからだ。
 
「逃げるばかりで仕掛けてこない……?馬鹿にしてんのか!」
 
「アークエンジェルは……?まだミネルバに捕まってる!?」
 
この瞬間、モチベーションの差が初めて顕著になる。テンションを上げ続けるシンとは逆に
アークエンジェルを気にするキラに隙が生まれる。
これまで自分に匹敵するパイロットに殆ど出会ったことの無いキラは未だシンの実力を心の
何処かで侮っていた。
この戦いに懸けるシンはそんなキラの一瞬の集中力の欠如を見逃さない。
 
「この一瞬!ここしかない!」
 
インパルスがフリーダムとの間合いを一瞬にして接近戦レンジまで詰める。キラがそれに
気付いた時、既にインパルスは目前に迫っていた。
 
「しまった!?近付かれて……!」
 
シンは接近の加速で得た慣性を利用してビームサーベルを振り下ろす。フリーダムはそれを
シールドで受け止める。
 
「ここからが本番だ!覚悟しろ!」
『くっ!』
 
意気揚々とするシンであったが、調子に乗っている隙にキラに意表を突かれてしまう。
フリーダムはインパルスのビームサーベルを力任せにシールドで弾き、ビームサーベルを
構える。接近戦であろうともインパルスをいなすだけの自信があったからだ。
 
「なっ…こいつ、このっ!」
635カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:18:07 ID:???
出力の違いからか、あっさり得意の接近戦でいなされてしまったシンは頭に血が昇ってしまう。
ビームサーベルを弾かれたインパルスはまわし蹴りを放つ。
 
「この程度!」
 
しかし、超反応でフリーダムはインパルスの足をビームサーベルで切り飛ばした。

 
「これで終わりだと思わないでよね!」
 
生意気なシンの声が聞こえたキラは少しだけカチンときた。子供のような声の持ち主に邪魔さ
れているかと思うと、戦いを止める事を目的にしてきた自分としては腹立たしい気持ちになる。
 
「子供の我侭に付き合っていられるかぁ!」
 
フリーダムは続けて腕を切ろうとビームサーベルを振り下ろす。しかし、インパルスはそれを
シールドで何とか防いだ。
 
『防いだ!?』
「誰が子供だ!?子供はあんただろ!」
 
聞こえたキラの声に反応して、シンは思いっきり大声でキラに怒鳴ってやった。
その声に、キラの耳は一瞬遠くなる。予想外に大きな声だった。
 
「その声が子供だってのに……!」
 
声の大きさに怯んだフリーダムを、インパルスはチェーンガンの弾幕を浴びせて引き離す。
 
「ふぅ、危機一髪!ミネルバ、レッグフライヤー射出と同時にデュートリオンビーム!」
 
インパルスは更にフリーダムから距離を取る。フリーダムの方もそれを無理に追い掛ける事
はしなかった。
 
「よし……!」
 
それを確認したシンはインパルスに背中を向けさせて急いでミネルバに向かわせる。
インパルスは脚部パーツを切り離し、スペアのレッグフライヤーとドッキングしてデュートリオン
ビームでエネルギーを回復させる。
フリーダムとの第二ラウンドの開始である。
 
「このままここを突破出来ると思うなよ!」
 
「え…まだやるのか!?」
636カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:20:06 ID:???
てっきりキラはインパルスがミネルバに戻るのかと思った。しかし、結果は損傷を直してエネル
ギーを回復させる時間を与えただけに過ぎなかった。
 
「今度こそ、あんたの最後だ!」
 
「このままじゃ……」
 
呆れるキラにシンは再び挑みかかる。
 
 
その頃ミネルバのMSデッキではクルーが慌ただしく駆け回っていた。
シンからの要請が何時あっても良いようにマッドが指示を出す。
 
「分かってんな、スペアを優先的に回せ!ブラストとソードの準備も怠るなよ!」
 
カタパルト付近にはインパルスのパーツが所狭しと並んでいる。全てを使い切るつもりで臨ん
でいた。
 
「親方、シールドとライフルの要請です!」
「聞く前に出せ!」
 
一刻を争う作業にマッドも怒鳴り声を上げる。ヴィーノは急いでカタパルトから予備を発進させ
る。
 
「勝てよ…エース!」
 
マッドは祈るように呟く。
 
「シンの要請に応えてパーツの供給と言ったって、結構大変なんだな!」
 
一人カタパルトの先を眺めていたマッドの後ろからハイネが話しかける。
その声にマッドは振り返った。
 
「当たり前ですぜ、隊長さん!全てが順番どおりに行くとは限りませんからね!」
「一気に二つ以上注文があるとテンパるな。やっぱ俺はパイロットの方が向いてるぜ」
「そりゃあそうでしょう!隊長さんはそっちに才能を振り分けてあるんですから。それで我々の
仕事も平然とこなされても、我々が路頭に迷います!」
「だが、レイのような例外もいるもんだよな……」
 
ハイネが視線を移すと、レイが黙々と作業しているのが目に入った。その手つきは何となく
こなれている様にも見える。
637カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:21:59 ID:???
「あれは特別ですよ、士官学校はかなり成績良かったみたいですからね。満遍なく才能を
持っている証拠です」
「マッド、それは暗に俺に才能が無いっていってんのか?」
「とんでもない、レイは才能はあっても隊を纏める力はありません。ハイネ隊長だけですよ、
このミネルバのパイロットを纏められるのは」
「…ま、お世辞として受け取っておこうか」
「本気ですよ」
 
アークエンジェルに対しているミネルバは常に揺れている。しかし、その中でもインパルスも
援護しなければならないミネルバのMSデッキは、一瞬も気が抜けない状況であった。
少しでも手を抜いてシンからの要請に間に合わなければ、それはシンの敗北を意味し、作戦
の失敗、更には最悪シンの戦死に繋がってしまう。
それは避けなければならない。
カミーユはその中で、必死に作業を続けていた。
 
「ヨウラン!ライフルの予備はもう無いのか!?」
「ありますよ!ありますけどね、先にレッグを運んでください!」
「チェストは!?」
「先にレッグです!チェストはもう用意されてます!」
「済まない!」
 
言って直ぐにレッグフライヤーの下へ向かう。
すると、そこへ向かうまでに誰かの手が服の裾を引っ張っているのに気付いた。
 
「ん…ステラ!?」
「カミーユ、ステラもやる!」
 
振り向くと、メイリンとの相部屋に戻したはずのステラが居た。顔にはやる気に満ちた強さが
滲み出ていた。
 
「どうして…君はこんな所に来なくていい!」
「駄目、シンが戦っているもの!ステラも一緒に皆と!」
 
ステラには、今シンが必死になって戦っている事が分かるのだろう。その表情にはそれが
顕著に現れているようにカミーユには感じられた。
638カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/10/31(火) 18:23:14 ID:???
「あんれ、ステラ!何してんのこんな所で!?」
 
カミーユを手伝いに戻ってきたヨウランがステラの存在に気付いて驚きの声を上げる。
 
「カミーユさん、何でこんなとこにステラがいるんです?」
「いや、何か手伝うって……」
「えぇ!?無理無理!女の子にはデッキ仕事は出来ないよ!」
「できる!」
「無理だね!」
 
ステラの強情な表情に釣られて、ヨウランの方も強情になる。
 
「ヨウラン、やらせてやってくれないか?俺が面倒見るから……」
「えっ…でも、足手纏いになるだけですよ?」
「シンを思う気持ちは本当だ。ステラにも手伝わせてやってくれ」
「ん…まぁ、そういう事なら……」
 
ヨウランはカミーユの言葉を聞いて気付く。ステラはシンの事だけを想って行動しているのだろ
うと。そして、その事を少しだけ羨ましく思った。
 
「シンの幸せ者め……」
「え?」
「カミーユさん、言い出したからには貴方がしっかりステラの面倒を見てくださいね!
俺達デッキ班がしっかりしなきゃシンが負けちまうんですから!」
「ああ、ありがとう!」
 
ヨウランは不貞腐れた様子で次の作業に取り掛かった。
 
「よし、ステラ。きついかも知れないけど、シンの為だ、頑張るんだぞ!」
「うん!」
 
ステラは眉を吊り上げ、口を真一文字に結んでカミーユの言葉に返事をした。
                                             〜つづく〜
639通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 18:25:55 ID:???
GJ!
640通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 18:27:57 ID:???
GJ!
種死がいつのまにか熱血アニメに!こんな展開こそ望んでいた!!
641通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 18:35:20 ID:???
GJ!!
キラ厨じゃないがキラが強く書かれているのがいいな
他のとこじゃ単なるマヌケキャラだし
642通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 18:59:22 ID:???
良くも悪くも富野っぽい戦闘時の会話がツボだったw GJ!

しかし裏方も『戦場』なんだよな、当たり前だが
643通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 19:25:58 ID:???
うわー、インパルスがVガンダムっぽい。

GJ。
644通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 19:30:35 ID:???
GJ

>>642
ごめん、どこが富野節なんだw?
盲目すぎw

てか、早くキラ死ね。氏ねじゃなくて死ね。
645通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 20:04:27 ID:???
>>644
お肌のふれあい回線で低俗に感情をぶつけ合う辺りだろたぶん
富野節まで行かないけど富野っぽいというか種らしくない必死な感じ
646通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 20:16:13 ID:???
>「子供の我侭に付き合っていられるかぁ!」

ちょwwwCCAのアムロのセリフw
647通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 20:38:16 ID:???
いいねいいね。
ちゃんとキラっぽくて、そういうのが負ける所こそ見たいだ。
本日完結の某スレにキラは全然キラじゃなかったからな。
648通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 20:39:14 ID:???
訂正
見たいだ→見たいんだ
某スレに→某スレの
649通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 20:41:29 ID:???
他の職人さんを引き合いに出して、人を批評するのは最低だと思うぞ。
650通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 20:48:54 ID:???
>>644
>>645が言ってるように戦闘中罵り合いながらの戦闘がそれっぽいと思ったんだ

確かに富野節までは言い過ぎたか…
651通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 21:01:26 ID:???
>>647
某スレってどこ?
652通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 21:01:31 ID:???
仮にも自分を含め仲間の命かかってる戦いで、相手を子供のわがままと評するキラがある意味すげえ
どんだけ自分を上においているんだコイツは…
心のどこか、ではなく絶対公然とシン(というか自分以外のパイロット)を見下してるよ
だからこそ今回のシンや前のカミーユみたいな互角以上レベル相手と戦うとてんぱるんだろうが
つーかキラにいわれたくない台詞第一位を言われてしまったシン乙

健気なステラがまた戦闘のシリアスさをひきたてていてGJです
あの戦闘域で一番真面目じゃないのはキラだよなぁ絶対
653通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 21:41:36 ID:???
時代で言うとゼータの一つ前のスレのことか
654通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 21:53:37 ID:???
>>647
その、キラっぽいか否かで荒れ始めたんだろうが
あのときのキラは、総集編の「許せないじゃない」などというふざけたこと抜かしたカスそっくりだ
655通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 22:15:57 ID:???
GJ!
やべー、テンション上がりっぱなしで次が待ちきれねえ
656通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 22:30:28 ID:???
GJです
熱い話だった
657通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 01:08:17 ID:???
新作乙
にしても「子供のわがまま」って・・そのことばそっくりそのままリボンでもつけて返したいぜ
658通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 01:33:12 ID:???
659カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:05:45 ID:???
第二十六話「吹き荒れる衝撃」

シンと対するキラはしつこく仕掛けてくるインパルスに対して徐々に攻撃の手数を増やして
いっていた。
 
「インパルス…動きが良くなってきている!?」
 
シンはビームライフルを左手に持たせ、右手のビームサーベルで仕留めようとしている。
ビームライフルは近付く為の牽制用である。ただ突っ込むだけでは中々接近を許してもらえな
い事が分かったからだ。
フリーダムの攻撃をシールドで防ぎながら先程よりも効率良く接近していく。
 
「アイツの攻撃に慣れてきた!俺は"ヤキンのフリーダム"と互角に戦える!」
 
今まで隠れていたシンの才能が、キラを相手にする事で急速に開花していた。
元々完成されていたキラとは違い、テンションによってその力の発揮が左右されるシンは、
かつて無い興奮に操縦の腕もどんどん鋭さを増していっていた。
自信漲るシンはついに自分の力でフリーダムに接近する事に成功する。
 
『へっ!この勝負、俺が貰ったな!』
 
インパルスのビームサーベルの刃をシールドで受け止め、接触回線からシンの声が聞こえ
てくる。
 
「調子に乗ってぇ!そう簡単に行くものか!」
 
手加減していたわけではないが、キラはいよいよ本気になる。キラの思惟が弾け、瞳から光
が失われる。目の前のインパルスだけに集中しだした証拠である。
 
フリーダムはバラエーナでインパルスの上半身に狙いを定める。それに感づいたインパルス
は慌てて前かがみになってビームをやり過ごそうとする。
しかしそれはキラのフェイクで、前かがみになったインパルスの腹を膝で蹴り上げる。
 
「なっ!?てめぇ!」
 
虚を突かれたシンは急いで姿勢をコントロールするが、直後、フリーダムがビームサーベルを
構えて眼前に現れたのだ。
 
「君とずっと戦っているわけにはいかない、僕も負けるわけには行かないんだ……!
だから、これまでにさせてもらう!」
 
フリーダムが二本のビームサーベルを平行に構えてインパルスの肩口にかけて同時に振り
下ろす。
660カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:08:15 ID:???
「何勝手に終わらせようとしてんだ、あんたはあぁぁぁぁ!」
 
絶体絶命の状況に、シンも思惟が弾ける。キラと同じく瞳から光が消え、その眼差しは振り
下ろされる二本の刃に集中していた。
完全に決まるかと思われたフリーダムの一撃は、インパルスの限界を超えた動きでシールド
とビームサーベルによって防がれた。
 
「何それ!?そんなのアリなの!?」
 
自信たっぷりに仕掛けたキラはその事実に落胆する。
アークエンジェルを逃がす為の時間稼ぎのつもりであったが、時間が掛かりすぎていた。
ミネルバが想像以上に健闘している結果でもあった。
 
「腕が動かせない!?無理したからか!?」
 
無茶な動きを強いられたインパルスの肩関節は悲鳴を上げ、駆動系がショートしていた。
それと同時にキラはインパルスに対してビームサーベルに更に負荷を掛ける。
 
「こ…このままじゃ……!」
 
シンの危惧が現実になる。インパルスの両腕は、その負荷に耐え切れずに根元からぽっきり
ともげ落ちてしまったのである。
 
「し…しまった!」
『これで終わりだ!』
 
続けてフリーダムはビームサーベルを左右から交差させるようにインパルスの両足を切り落と
しに掛かる。
 
「くぉっ!根性見せろ、インパルス!」
 
しかしシンはインパルスの脚部を折りたたませてバーニアを蒸かし、それすらもキラの想像を
凌駕する動きでかわしてみせる。
 
『何!?』
「デッキ、上出せ!」
 
通信でシンはミネルバに要請を出した。緊急を要する為、指示も適当になってしまう。
そのままシンはミネルバへと進路を取る。
 
「まだスペアがあるの!?…でも、これ以上は!」
 
しかし、それに追撃を掛ける形でキラが猛スピードで追いすがる。
 
「何だアイツ!?今度は追い掛けて来やがった!?」
661カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:10:19 ID:???
早く換装しようとミネルバ付近まで何とかやってきたシンであったが、すぐ其処に迫るフリーダ
ムをいなしながらの換装は不都合であった。腕を失っている分AMBACが不十分な為、満足い
く回避運動が出来ない。
 
「ここで止めを!」
 
まともに動けないインパルスにキラが襲い掛かる。
フリーダムの凶刃がインパルスに襲い掛かろうとしたその瞬間……
 
「うわっ!?」
 
ミネルバの方向から機関銃がフリーダムに放たれ、命中した。
 
『あ、当っちまった……シ、シン!今だ、早くしろぉ!』
「チェン!」
 
耳に聞こえてきたのは火器管制のチェンの声。フリーダムに当ててしまった事に驚いているの
か、少し声が震えていた。
 
『ミネルバも…黙らせなきゃアークエンジェルが行けない……』
「!?」
 
キラの声がシンの耳に届いた。インパルスはまだ換装の途中である。
 
「な、何をするつもりだ、フリーダム!?」
『先にミネルバを……』
 
それだけは許せなかった。ステラや大切な仲間のいるミネルバに仕掛けようとするフリーダム
が許せなかった。
 
「止めろ!あんたは、俺だけを相手にしていればいいだろ!皆には手を出すな!」
『それは君の都合だろ!』
 
フリーダムがミネルバにビームライフルを向ける。
 
「間に合わな……」
 
インパルスはやっと換装を終えてシールドを構え、ビームライフルを引き抜いた所だった。
しかし、位置関係はフリーダムの方がミネルバに近い位置に存在し、インパルスはそこから
フリーダムを狙おうにも、下手すれば外したビームがミネルバに誤射してしまうだろう。
絶望がシンを支配する。
662カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:12:29 ID:???
「……あれは?」
 
瞬間、ふと気付くとモニターの端っこに誤って射出されたシールドが見えた。MSデッキに居る
ステラが、必死の余り間違ってシールドも出してしまったのだ。
それを見たとき、シンの頭の中で一瞬にして対処法が見つかる。
 
(このプログラムは無い!マニュアルでやるしか……)
 
迷っている時間など無かった。どの道これが失敗しようがやらなければ同じ結果なのだ。
成功させるしか道は残されていない。
 
「いけぇ!」
 
気合と共に発した言葉。それと同時にインパルスは飛んでくるシールドに向かってビームを放
つ。そして、シールドに放たれたビームは弾かれ、兆弾となってフリーダムを真下から狙う。
 
「何だって!?」
 
キラがそれに気付いて驚いた時には既に遅かった。インパルスから放たれてシールドに弾か
れたビームの兆弾は、フリーダムのビームライフルを破壊したのだ。
 
「何て奴……!」
 
キラはフリーダムをミネルバから撤退させるしかない。視線は既に強敵インパルスを見つめて
いた。既に換装を終え、再び戦闘態勢が整っている。
 
「そうだ!あんたの相手はこの俺…シン=アスカだろ!」
 
本当はフリーダムに直撃させるはずだった。しかし、初めて繰り出す攻撃を、シンは完璧に
することが出来なかった。
そして、シンは見ていた。兆弾がフリーダムを全く意識していなかったであろう方向から襲った
とき、微かにフリーダムは動いたのだ。
絶対に反応できない位置から僅かにフリーダムは回避運動を見せ、兆弾の直撃を避けてい
たのだ。
結果として、一番の武器であるビームライフルを破壊されたが、その動きは常識を遥かに
超越したものである事は間違いなかった。
地味な動きであったが、それがシンに与えたインパクトは巨大であった。
663カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:15:02 ID:???
一方、MSデッキでは喝采が起こっていた。シンのインパルスが繰り出した攻撃が、明らかに
フリーダムを慌てさせているのが分かったからだ。
 
「やるなぁ、シンの奴!まさかあんな針の穴に糸を通すような神業をやってのけるなんてな!」
 
ハイネは興奮して大声を上げる。
 
「カミーユ、シン、大丈夫?」
「ん…?あぁ、大丈夫さ。シンは勝つさ」
「そうだよね、シン、きっと勝ってステラの所に戻ってくるよね?」
「ああ、大丈夫さ…きっと……」
 
本当は勝手な事をしたステラを叱咤するべきなのだろうが、結果的に良い方向に向かったの
で咎めるのは止した。ここでステラを叱咤しても、彼女を不安にさせるだけでマイナスの要素
の方が大きいだろうとも思った。
その一方で、カミーユはシンが少しずつ疲れ始めている事を感じていた。ミネルバの近くにまで
寄ってきたことでその感覚を少しだけ感じる事が出来たのだ。
そして、対するキラの疲労度も感じていた。
それ故、カミーユは一抹の不安を残しつつも、ステラに大丈夫だと声を掛けた。
 
「ハイネ君!君はまだこんな所にいて!」
 
突然怒鳴ってMSデッキにやって来たのは医者だった。
 
「げっ、センセ!?」
「出撃の見送りを終えたら医務室に戻る約束だっただろう!散々探し回って来てみれば……
よりによって一番ハードなところで無茶をして!」
「は?どういうことです、隊長さん?」
「君かね、マッド君?ハイネ君を無理やりこんな所で労働させて、まだこんな事出来る状態じゃ
ないんだよ!?」
「ちょっと待ってくれよ、マッドは関係ないんだ。俺が勝手にアイツのためになるかと思って
手伝ったんだ。だから、怒るなら俺だけでいい」
「やっぱり……どうせそんな事じゃないかと思ったよ。直ぐに戻りなさい、早く怪我を治したい
ならね」
 
医者はそれだけ言うとMSデッキから出て行った。
 
「へ……?」
 
ハイネはその様子にポカンとする。余りにもあっさりと引き下がった医者の行動が意外だった
からだ。
 
「どういう事だ、センセは?」
「別にここに居てもいいって仰ってくれてんですよ、あの人は。その代わりどうなっても知らない
ぞ、っていう警告付ですがね」
「判断は俺に任せるって事か……素直じゃないね、センセも」
「隊長さんの熱意が伝わったんでしょう。後で謝っといてくださいよ?」
「分かってるよ……」
664カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:17:33 ID:???
ハイネは困ったように、しかし何故か少しだけ嬉しそうに医者が出て行った出口を見つめてい
た。
 
本当はハイネの熱意が伝わっただけではなかった。
ハイネがシンの為になると思っていた事が一番の理由だったのだろう。医者はシンに何故か
頑張って欲しかった。
 
(彼は人を惹き付ける何かがあるのかもな……)
 
医務室へ戻る傍ら、医者はシンに人の気持ちが集まっている事に気付いていた。
それは自分とて例外ではない事を本人は知っている。
しかし、それがカミーユと出会ってからという事はまだ誰も知らない事だった。

インパルスはフリーダムに的を絞らせないように不規則にフェイントを混ぜながら接近していく。
フリーダムにビームライフルが無い今、先程までよりも接近が容易になったことは明らかで
あった。
フリーダムに射撃武器はまだ四門残ってはいるが、そのどれも固定兵装なため、角度の自由
が利かない。その為、シンは接近する際にフリーダムの正面にさえ気をつけていれば良かった。
更にはこれでシンが得意な接近レンジでの戦闘を強いられる事をフリーダムが余儀なくされて
いた。兆弾に拠る奇襲は失敗に終わったが、成果は十分に出ていた事は確かだった。
 
『あんたもこれまでだな!今までの屈辱、まとめて返してやるッ!』
「何だって!?」
 
接近戦を強いられるキラにシンの声が聞こえて来る。
 
『忘れたとは言わせないぞ!アスラン=ザラの無念、思い知れ!』
「アスラン……!?」
 
シンの勢いは増すばかりである。キラはその勢いを殺すだけの気合は持っていなかった。
それでも乗機のパワーに勝るフリーダムは何とかインパルスのビームサ−ベルを受け止める。
 
「勘違いだ!アスランは生きている!」
『嘘をつくな!カミーユがハッキリ見たといっているんだ!』
「誤解だ、僕はアスランを殺してなんか居ない!アークエンジェルに居るんだ!」
『テロリストの言う事を聞けるかぁ!』
665カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:19:16 ID:???
「アスラン…お前、何でこんな所に居る?」
「カガリか……」
 
アークエンジェルの或る一室、そこでアスランは一人で椅子に腰掛けていた。
 
「キラが戦ってんだぞ!?アークエンジェルを逃がす為に!それを見もしないでお前はこんな
所で何をしているんだ!?」
「……」
 
怒れるカガリに対し、アスランは冷静な表情で何も応えなかった。
 
「お前等友達だろう!?それなのに命懸けて戦ってるキラに対して何にも思わないのか!?」
「……」
「何とか言えよ!」
 
詰め寄るカガリからアスランは目を逸らす。今のカガリをアスランは相手にしたくなかった。
しかし、今のこの状況なら、カガリを利用してミネルバへ戻る事も可能だろう。
 
(だが…俺は長くここに居すぎたのか……?)
 
心の中で呟く。
脱走しようと思えば出来る状況に今はある。クルーはミネルバを相手にしなければならないし、
キラはフリーダムで出撃中である。
しかし、それをする気になれないのは、昔馴染みの顔ぶれの中に長居しすぎたせいであろう。
アスランはすっかり牙を折られていた。
ミネルバに戻りたいと思いながらも、カガリのことも心配だったアスランは口も利きたくなかった
くせに語り掛けてしまう。
 
「悪いけどカガリ、俺は自由にしてていいという条件でこの艦に残ったんだ。ここで何していよう
が俺の勝手なんだ」
「お前…それ本気なのか!?」
「……ああ」
「見損なったぞ…そんな冷たい奴だとは思わなかった……あの時泣いてたのは嘘だったのか
よ!」
 
二年前、アスランとキラは本気で殺し合いをした事があった。
その時、お互いの安否を知る事無く、キラはラクスに、アスランはカガリにそれぞれ助けられた。
キラを殺してしまったと思い込んでいたアスランはそこで後悔の念に駆られ、カガリの前で涙を
見せていた。
666カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:22:20 ID:???
「こうやってアークエンジェルが存在しているのも、今戦っているキラのおかげなだぞ!
そうでなければ、もっとたくさんの人が死んでいたかもしれない!」
「……逆じゃないのか、カガリ」
「なっ……!?どういうことだ!」
「お前達が色々な戦闘に介入して来てくれたおかげで、余計な混乱を引き起こしている。
言うなれば、お前達が行動を起こさなければ今頃こんな事にはなってなかった筈だ」
「だが、それではオーブは利用されるだけだ!それで良いのか!?」
「カガリ…二言目には"オーブ"だな……何も変わっていない」
「話を逸らすな!」
「ならカガリ、もしオーブが大西洋連合と同盟を結ばなかったらどうしていたんだ?
それでもお前は今のように行動を起こしていたと言えるか?」
「そ、それは……私はオーブの国家元首だ、国を守ることを第一に考える!」
「と、言う事はアークエンジェルは行動を起こさなかったという事だな?」
「そうだ、他国の争いに中立国が介入するなんて筋違いだろ!何よりオーブの理念から外れ
る」
「そう…これは俺達プラントと連合の戦争なんだ。そこに中立を装って介入してくるお前達は
俺達ザフトにしてみれば筋違いなんだ。はっきり言ってしまえば迷惑でしかない」
「迷惑……私達が……?」
「そもそもお前達がやっていることは既にオーブの理念から外れているじゃないか?
アークエンジェルも、よりによってフリーダムなんか持ち出して…矛盾だらけじゃないか……」
「……!?」
 
カガリは言葉を失う。アスランの言葉は、これまで自分たちがやって来た事を否定されたような
ものだったからだ。
オーブの為にと思ってやってきた事が結果として他に迷惑を掛けていた事にアークエンジェル
の面々は気付いていなかった。自分たちが正義であると、言葉には出さないまでも心の中で
思っていたからだ。
だから誰かに恨まれてるとは思わなかったし、アスランはきっと自分達に賛同してくれるだろう
と勝手に思い込んでいた。
しかし現実はまるで逆で、アスランの口からその事を思い知らされる事になる。
 
「私達が…間違っているというのか……!?」
「オーブの事を気に掛けての行動だということは分かっている。だから間違っているとまでは
言わないが、やり方が利口ではない」
 
ショックを受けるカガリが気になったのか、アスランは思わず優しい口調で話してしまう。
本当はもっと厳しく言ってやるつもりだった。
しかし、それでもカガリはアスランの言葉の重さを感じ取ったのか、手を薙いで怒鳴る。
 
「じゃあどうしろと!」
「前にキラにも言ったが、カガリは政治家だろう?戦いだけが能じゃない筈だ。戦い以外の
方法を見つければいい。それなら俺だって言われるまでも無く協力する」
「……」
667カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:24:51 ID:???
カガリは再び黙り込んでしまう。
艦内に居ても外から激しい戦闘の騒音が聞こえてくる。こうしている間にもキラとシンは激しい
戦いを繰り広げていた。
 
(やっぱりカガリには俺がついていないと駄目なのか……?)
 
アスランにしては珍しく思い上がった考えをする。
しかし、好きな相手に必要とされるのは嬉しい事で、現にアスランはカガリにとってそういう
存在である事を自分の事ながら確信していた。
こうしてお互いの距離を離してみて改めて眺めてみるとよく分かる。カガリと離れていた時間
は無駄ではなかったんだと思った。
 
少しの間二人は沈黙していたが、やがてカガリが話を切り出す。
 
「……お前の言いたい事は何となく分かった。けど、今はキラを応援してやってくれ……
ここで負けてしまったらそれこそ全てが終わってしまう。私達はまだ死ねないんだ……」
「キラが負ける事は無いだろう?」
「いや、相当苦戦しているらしい……」
 
キラも自分にとって大切な友人である。今は少しすれ違ってしまっているが、その思いは変わ
ることは無いと思っていた。
だからこそ、そんなカガリの言葉にアスランは驚愕の表情を浮かべる。
 
「何!?ミネルバにはインパルスしか残っていないはずだろう!?それでキラほどのパイロット
が何故…」
「それは分からない……。けどこのままじゃ勝負の行方が分からないんだ。
だからお願いだアスラン…一人で見ていると不安なんだ…!」
 
懇願するカガリにアスランは眉間に皺を寄せて少しだけ考慮する。長いとも短いとも取れる
時間の中でアスランは答えを出す。
 
「……俺はミネルバのパイロットだ。応援は出来ないけど見るだけなら……」
「ありがとう、アスラン…それだけでも十分だ……」
 
カガリに対して厳しい言い方をしたアスランであったが、心の内では揺れていた。
それはザフトとしての使命感と、旧知の仲間との絆の間にアスランが立たされているからで
ある。今の所どっちつかずなアスランはその板ばさみにもがいていた。
優柔不断なアスランらしいと言えばそれまでであるが……
668カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:26:16 ID:???
二人は外の戦闘が見られる場所までやってきた。其処からはフリーダムとインパルスの戦闘
が見えた。
 
「シン……!」
 
アスランは信じられないといった表情でその成り行きを見つめた。
最初はまるで歯が立たなかったシンが、この短期間で自分ですら太刀打ち出来なかったキラ
のフリーダムと互角に戦えるようになっていた事に驚いていた。
そして、その事に少しだけシンに嫉妬する自分の気持ちがあることを知った。
そんなアスランの見つめる先で勢いに乗るシンはフリーダムを徐々に追い詰めていく。
 
 
戦闘が佳境に入る頃、シンとキラはお互いに一歩も引かずに戦っていた。
これまでキラは全力で相手を殺さないように戦っていた。全力には違いないが、相手を殺せ
ない分手加減をして戦っていたと言ってもいいかもしれない。
しかし、状況は既にそんな事をしている余裕も無い展開になりつつある。
持てる力を100%解放し、強敵のインパルスを完膚なきまでに倒すしか道は残されていない。
 
「ここまで追い詰められるなんて…僕の驕りだって言うの……!?」
 
キラは苦虫を噛み潰したように唸りをあげる。ふと気が付けば、明らかに自分が押されている
事が分かったからだ。
 
「勝てる…俺はフリーダムに勝てるぞ……!」
 
一方のシンはフリーダムを攻め立てていてそう感じていた。
 
(父さん…母さん…マユ……けじめとしてフリーダムは落とすからな!)
 
シンは亡くした家族に思いを馳せつつビームサーベルでフリーダムに襲い掛かる。
しかし、自信が慢心に変わっていたシンは余りにも無防備な形でフリーダムに仕掛けてしまう。
それを見逃すほどキラの操るフリーダムは甘くない相手だった。
 
「隙だらけぇ!」
 
思いっきり振り上げられたビームサーベルを構えるインパルスに、がら空きとなった胴体の
コックピット部分に、最小の動作でフリーダムは水平斬で切り掛かる。
初めて見せるフリーダムの動きに、シンは背筋が凍りつく感覚を味わう。
 
「え……!?」
 
瞬間、シンはやられたと悟った。この状況からでは回避は出来ない…完全にシンの敗北であ
る。
669カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:30:23 ID:???
そして自らの命もこれまでだと思った。
 
しかしその時、咄嗟であったのか無意識であったかのは分からないが、シンは上下の分離
操作を行う。その結果、見事に上下に分かれたインパルスはフリーダムの必殺の一撃をまた
しても回避する。振り抜かれたフリーダムのビームサーベルが空を切り、インパルスは直ぐに
ドッキングをした。
 
「何て奴!これもかわすなんて……!」
 
キラは思わぬインパルスの回避技に舌を巻く。本気を出し、完全に決まったと思った一撃を
かわされた事にショックを受けていた。
 
「あ…危なかった……!少しでも油断したら一環の終わりって訳か!」
 
一方のシンにしてみればこの回避はマグレ同然である。本人が殆ど意識しないで行った事で
あるからだ。
気が緩みかけていたシンは大きく息を吐き出し、今の出来事をきっかけにもう一度気を引き
締めなおす。
 
「それにしてもアイツ、何の躊躇もなしにコックピットを狙ってきやがったな……!
それだけ追い詰められてるって事か!」
 
シンの予想は当たっていた。
実際キラに余裕は無い。本気を出したキラがなりふり構わずインパルスのコックピットを狙った
のは、焦りが生じてきているせいでもあった。
 
シンにとってこのキラの攻撃をかわせたことは大きな意味があった。
一つはキラに精神的ダメージを与えられた事、そして二つ目に予備のパーツが既に尽きかけ
ているという事である。これまで何度腕や脚を切られようともスペアがあったからここまで戦え
たのだ。
言ってしまえば単身での戦闘ではフリーダムに勝つ事はおろか、今頃は既に戦闘不能に
なっていてもおかしくないのである。
キラとの戦いに対応してきているとは言え、総合的に見てみればまだキラとフリーダムの方が
力は上である。
その意味で言えばこのシンのウルトラ回避は優位性を逆転させる意味でも大きかった。
 
「あと少し…あと少しでフリーダムに勝てる……踏ん張りどころ……!」
 
シンはかつて無いほど疲弊していた。
一体の敵を相手にこれ程長い時間戦っていた事は無いし、何より相手は最高のMSとパイロット
である。何度フリーダムの攻撃に肝を冷やされ、紙一重に戦ってきただろうか。
シンの体は熱気を放ち、パイロットスーツの下のじわりとした感触がハッキリと認識できる。
バイザー越しの顔には大粒の汗が滝のように流れていて、息遣いもやや荒い。
水分が徐々に失われて渇きが意識を浸食しようとも、追い詰められたフリーダムを目の前に
据えているシンは大いなる達成感を目指し、邪気を振り払う。
もうシンには目の前のフリーダムしか見えていない、所謂"ハイ"の状態にになっていた。
670カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:32:44 ID:???
対するキラも疲れていた。
かつてこれ程までに粘り強く、しつこく立ち向かってきた相手は居ただろうか。
軍人として本格的に鍛えた事の無いキラはシン以上に疲労感を感じていた。
シンはザフトで鍛えられただけあって疲労にある程度の耐性はあるが、キラにはそれが経験
として十分には備わっていない。言うなればキラはシンよりも貧弱なのである。
二年間休んでいたキラと二年間鍛えていたシン、その差は顕著になるほど大きい。
そのキラの精神力が今正に切れようとしていた。
 
(目が霞む……頭が白くなる……!)
 
キラの集中力が落ちてくる。フリーダムをコントロールしているのも最早培われた技術が勝手
に行っている物であった。
傍から見れば何でも無いような微妙なスキルの低下。普通の相手ならそれでも楽勝でいなせ
るレベルである。
しかし、形勢が不利である上、シンにモチベーションで劣るキラにとっては致命的であった。
シンはその微妙な変化に気付かずともついに動きでキラを凌駕する。
 
「今度こそ貰ったぞ、フリーダムゥッ!」
『なっ……!?』
 
シンの渾身の一撃がフリーダムの右腕を切り飛ばす。
思っても見なかった展開に、キラの顔から血の気が引いて行く。
反撃する気合を削がれたキラは一旦その場から退くしかなく、バーニアを最大限に蒸かして
急いで海上の方に向かう。
 
「くっそぉ……!」
 
「ここまで来たんだ、今更逃がすかよ!」
 
しかし、シンがフリーダムに最後の力を振り絞って追撃を掛ける。今シンを突き動かしているの
は気合だけだったが、それだけで十分だった。
 
「ミネルバァ!エクスカリバーをっ!」
 
「お前等聞こえたなぁ!?エクスカリバーを出せ!止めだぞ!」
 
デッキでマッドが大声で叫ぶ。整備士達も疲弊していたが、マッドの言葉にもう一度活力を
取り戻し、最後の仕事に取り掛かる。
 
「ブリッジ、カウントを!」
 
即座にエクスカリバーをカタパルトに設置し終わり、ヨウランが叫ぶ。
 
「構うな、出せ!」
「はっ、はいっ!」
 
マッドの命令に大急ぎでエクスカリバーが射出される。
671カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:34:18 ID:???
その様子はアークエンジェルの面々にも見えていた。
 
「あれは!?」
「インパルスの兵器です!」
「落とせないの!?」
「無理です!ミネルバの相手で手一杯であんな小さな移動する目標を撃ち落す事など不可能
です!」
「そんな…キラ君……アークエンジェルをフリーダムに向けて!」
「間に合いませんよ!」
「でも…いいから行きなさい!」
 
ラミアスの激怒に慌ててノイマンはアークエンジェルの進路を洋上のフリーダムの下へ向かわ
せる。ラミアスの気持ちとしては、ただ黙って見ている事等出来なかった。
 
「あれは…インパルスのソード装備!」
「アスラン!」
「キラが……負ける……!?」
「そ…そんな事って……!?」
 
アークエンジェルではブリッジもアスラン達も目の前の光景が信じられなかった。
百戦錬磨のキラが追い詰められ、今正に落とされようとしている。
 
「キラァァァァァァ!」
 
アスランは声が裏返るほどの声量で叫ぶ。
 
アスランが叫ぶのも空しく、インパルスはエクスカリバーを構え、フリーダムに向けて突進する。
バーニアが焼き切れるほどの負荷を掛け、その身の全てを預けて加速する。
 
「これでぇ…とどめぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「くぅっ!?」
 
咆哮と共に突っ込んで来るインパルスにキラは最後の抵抗を試みる。
遺された四門の固定武器を全て放ったが、混乱気味のキラの射撃ではインパルスの飾りや
片足を吹き飛ばす位しか効果が無かった。
 
「うおおおぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 
シンの全てを懸けた突撃がキラの眼前に迫る。
キラはアスランのイージスと死闘を繰り広げた時以来の体の芯が凍る感覚を久しぶりに味わう。
ここまで来てしまうと、流石のキラにも最早何をする事も出来ない。
そして――――
672カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:36:12 ID:???
「…………」
 
インパルスの大型剣"エクスカリバー"がフリーダムの腹部を貫く。
その瞬間、全ての時が止まったかのような感覚が全体を包む。
 
「は…艦長、アークエンジェルが!」
「逃げるつもり……?タンホイザー!」
「起動完了しています、命令を!」
「良くやったわ、アーサー!目標アークエンジェル、撃ぇぇぇ!」

フリーダムに向かうアークエンジェルに気付いたタリアは、慌ててタンホイザーを発射させる。
そして、潜行しようとしていたアークエンジェルに着弾するかと思われた一撃は巨大な水飛沫
と光を放ち、付近にいたインパルスとフリーダムをも包み込む。
  
「シーン!」
 
ステラがシンの名を呼ぶ。激しい爆炎と共におびただしいまでの煙が立ち昇り、彼がどうなった
かは確認できない。
 
「メイリン、どうなって!?」
「やってますが確認取れません…!」
「アークエンジェルは!?」
「それも……」
「待つしかないでしょう!」
 
慌てるタリアにアーサーが珍しく冷静に対応する。
 
爆炎が立ち昇っている間、ミネルバは行動を起こせなかった。状況が確認できるまでは動けな
い。それぞれが重たい時間を過ごす。
 
「ねえカミーユ、シンは?シンは大丈夫?」
「ステラ…大丈夫さ、きっと……シンは君を置いてどこかに行ったりはしないはずだ」
 
不安げに語りかけてくるステラは精神的に不安定になりかけていた。それを感じ取ったカミーユ
が何とか安心させようと気遣って言葉を掛ける。
カミーユにもアークエンジェルとミネルバの人々の想いが錯綜する空間ではシン個人の安否は
分からなかった。
673カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:38:04 ID:???
インパルスとフリーダムが光に包まれて数十秒後、長く感じられたもどかしい時間が終わりに
近付く。やっと二機の居た近辺の視界が晴れていき、その中から一機のシルエットが浮かび
上がってくる。
 
「どっちなの……!?」
 
タリアが其処に残る勝者に関心を寄せる。
 
「……あ、艦長見てください、あれ!」
「アーサー?」
「ほら、丁度今煙が晴れた所!あれ…」
「インパルス!」
 
皆が固唾を呑んで見守る中、その中から出てきたのはフェイズシフトの切れたボロボロの
インパルスだった。シンはステラの呼びかけに見事応えて見せたのだ。
 
「やった、シンが!カミーユ、シンが勝った!」
「ああ、シンは凄いな、ステラ!」
 
MSデッキで成り行きを見つめていたカミーユとステラはその現実に喜ぶ。
 
「やったぜマッド!シンの奴、ほんとに"ヤキンのフリーダム"を倒しやがったぜ!」
「た…隊長さん!あんた、怪我人なんだからそんなに暴れないで下さいよ!」
「これが落ち着いていられるかってんだ!新たなザフトの英雄誕生の瞬間をこの目で見てん
だぜ?」
「ったく…気持ちは分かりますがね?」
 
マッドははしゃぐハイネに手を焼いているようだ。本当は一緒に叫びたい所だが、いい大人の
自分は怪我を心配してハイネを諌めるのが役目であろう事を承知していた。
 
「うっははぁ!やったなぁ、レイ!シンの奴、フリーダムを狩りやがったぜ!」
「そうだな」
「何だよ、もっと喜べよ、作戦参謀!お前の知識が無かったら、頭の悪いシンじゃあ絶対に
勝てなかったんだぜ?」
 
一方でヨウランとヴィーノはレイと一緒に盛り上がろうとしていた。
しかし、レイはいつもと変わらずに冷静な顔つきをしていた。その顔は、嬉しいのかどうかを
窺い知る事ができない。何となく一人だけ浮いた印象を受ける表情だった。
 
「シン……!」
「ヤ…ヤキンのフリーダムを…やったのか……!?」
「ふぅ……」
 
ブリッジではメイリンは目に涙を浮かべ、アーサーは放心、タリアは椅子に深く腰を埋めた。
アークエンジェルも、仕留めたかどうかまでは分からないが、一先ず仕事を終えた安心感から
か、ブリッジはやや気の抜けた空気になっていた。
674カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:39:34 ID:???
少しして、タリアが口を開く。
 
「……進路転進、本艦はインパルス回収後、この空域を離脱します。マリク……」
「えぇっ…アークエンジェルは!?まだ撃沈の確認は……」
 
タリアの命令にブリッジクルーは驚く。
フリーダムはインパルスに貫かれる所を見ていたが、タンホイザーで狙撃したアークエンジェル
の存在がどうなったのかが分からない。
それなのに撤収を掛けるタリアの意図がアーサーには分からなかった。
 
「シンを失うわけには行かないわ。インパルスは動けそうに無いもの」
「しかし……」
「後続は来ている筈よ。それに、フリーダムを落とした英雄を失って笑い者になりたくは無いわ。
従いなさい」
「は…はっ……」
 
腑に落ちない顔をしていたが、アーサーはおとなしくタリアの命令を聞く。
 
「さようなら…マリュー=ラミアス艦長……」
 
脇のモニターに映る、海に浮かぶアークエンジェルの破片を見つめて、タリアは小さく呟いた。
 
 
海の上で佇むインパルスのコックピットの中、シンは目の前の現状を把握できずに呆然として
いた。
 
「やった…のか……?」
 
ヘルメットを脱ぎ捨て、流れ落ちる汗を拭う。コンソールに目をやるとエネルギーが尽きかけて
いた。
 
「本当に…これで終わりなのか?……いや、終わるわけが無い!急いでデュートリオンビーム
を……!」
 
半信半疑のシンはフリーダムを落とした事が信じられず、次に備えて慌ててミネルバに戻ろうと
するが、インパルスの自由が利かない。
675カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/01(水) 18:41:06 ID:???
「くそっ!動け、インパルス!早くしないと奴が……!」
 
焦るシン。しかし、その時ミネルバのメイリンから通信が入る。
 
『シン!』
「メイリン!艦長に頼んでミネルバを近くまでよこしてくれ!デュートリオンビームを!」
『その心配なら要らないのよ、今ミネルバが迎えに行くから!』
「何言ってんだ!そんな悠長なこと言ってる場合じゃないだろ!
フリーダムがまだ出て来るかも知れないんだぞ!」
『シンこそ何言ってるのよ?フリーダムはあなたが落としたんじゃない?』
「えっ……?」
 
メイリンの言葉にシンは困惑する。
 
「どうしたのメイリン?シンに何かあったの?」
「いえ、それが…気が動転しているらしく……」
「全く…困った子ね、うちのエースは……」
 
タリアは呆れたような笑っているような顔をする。まるで自分の子供に対して言っているかの
ようであった。
 
『メイリン、どうしてフリーダムがもう出てこないと分かるんだ!?』
「レーダー見てみなさいよ。反応、消えてるでしょ?」
 
「レーダー……?」
 
シンはコンソールパネルを弄ってレーダーを呼び出す。熱源、質量など色々と試したが、
そこに登録されていたフリーダムの反応は無かった。
 
「本当に…俺が……」
 
未だに信じられないといった表情でシンは固まってしまう。
実感が沸かない中、シンは動けなくなったインパルスのコックピットの中でミネルバが迎えに
来るのをじっと待っていた……
                                               〜つづく〜
676通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 18:43:58 ID:???
ウルトラGJ!!
しかしアスランは駄目だなw
やっぱ次は敵かな(ノ∀`)
677通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 18:47:42 ID:???
リアルタイムktkr
超GJ!個人的に今回のMVPはチェン
アニメじゃ顔の区別もつかない奴がよくやった。
しかしアスラン、ふらついてんなあ…
678通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 18:47:55 ID:???
親父と一緒に死んでてもよかったようなキャラですからw
679通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 19:04:09 ID:???
俺たちの知っているアスラン・ザラはセイバー撃墜の時に死んだ
アレは(何人目だか分からないが)クローン
680通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 19:19:57 ID:???
GJ!!
あの種死がこんな友情溢れる熱血物になるなんて誰が予想できただろうか!!
感動したよマジで職人さんGJ!!
681通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 19:29:31 ID:???
GJ!
ボスのキラに対してミネルバクルー全体で打ち勝ったって感じがいい。
アニメだと、レイが参謀役として手伝った以外はシン一人で戦ってた感だったからなあ。
アスランに関しては不安要素もあるけど、まだ揺れてる状態なので更正の機会もあるかも。
682通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 19:36:26 ID:???
GJGJGJ!
しかし…つまりは周囲に影響されやすすぎると言うことなのか…>アスラン
カミーユやハイネとともに在ったころは頼もしくなったように見えてたのに…

ところで、ハイテンションな戦闘のためか微妙に普段と違う言葉遣いも
散見されなくもなかったような気がするが、ここにかじりついて粘着荒らしに
走る手合いもやって来かねないから要注意だ。
最近都合の悪い事が重なったせいで凶暴化する恐れがあるからな…
683通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:00:12 ID:???
あ、熱い…なんなの? この熱さは……


GJ!!!!!
684通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:11:39 ID:???
いやぁ熱い話だったぜ!GJ!

さぁみんな、そろそろ桃色汚物を教祖とあがめるテロリスト予備軍のラクシズ厨が湧くかもしれん。
荒らしはスルーを心に刻もう。
685通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:14:58 ID:???
そんな餌でこの俺が(クマー
686通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:22:01 ID:???
なるほどNGに入れればいいのか
687通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:42:10 ID:???
こ ん な 戦 い 、 こ ん な 宿 敵 、 こ ん な 展 開 を 待 っ て い た !
お疲れ様です。
688通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:46:12 ID:???
この展開ではキラも「戦っていいか迷ってたから負けた」などという言い訳はできまい
689通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:53:50 ID:???
兎にも角も、GJ!
腹部への攻撃、水蒸気共に駄作と同じ展開だから、ここでアークエンジェルとキラが逝く事はないだろうが、
実際ここで殺してもいい気がする位、ミネルバクルーは頑張った!
レイのクールさが素敵だ
ん?俺、日本語でおkだぞ・・・興奮ハァハァ
690通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:54:01 ID:???
流石にコックピット狙っといてそれは無いよ
691通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 20:56:24 ID:???
>>688
「最初から全力で殺す気で戦ったら勝てた」という言い訳が
692通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 21:02:45 ID:???
>>690
同人アニメもコックピット狙いながら本気じゃないと言い訳するクズなニートがいた件
693通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 21:32:18 ID:???
まあ流石に言い訳はせんだろキラも
ここのキラは、というかラクシズの面々はマトモになれそうな可能性もある。今回もアスランとの対話でカガリ更生フラグが立ったかもしれんし
694通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 21:48:09 ID:???
>>693
まだ、最大の元凶、パンドラの箱から溢れ出たありとあらゆる災厄と不幸の象徴の桃色汚物がいるからなぁ…
きっとカミーユさんがおっそろしいほどブチ切れそうだが、
キラ更生の最大の障害がこの物語で未だに息を潜めていることが最大の懸念材料だ。
アスランにしてもカガリにしても、更生の兆しが見えてきた(アスランはやや不安になってきつつあるが)が、
キラを更生させるならあのピンクをどうにかしないと…
695通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 22:06:01 ID:???
って言うか、未だにラクスが姿を現さないあたりが不気味でしょうがない
696通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 22:12:43 ID:???
同人アニメでのろくでなしぶりと違って、ここではそれなり毅然とした態度で
そこそこ信頼も得ていただけに、もし万一これでラクシズに走ったら
ミネルバ隊からの失望と憎悪はただじゃすまないと思うのだが…大丈夫か凸?
697通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 22:15:30 ID:???
ルナマリアに後ろから刺されて痔エンドというのもある意味面白いと思うんだが
698通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 22:40:17 ID:???
やはりアスランは、ただのホモだったか
ラクスが出てきたら一発で落ちるよ、こいつ…
699通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 22:59:30 ID:???
それにしてもまとめサイトの更新はいつも仕事が早いな
700通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 23:02:40 ID:???
凸は今少し錯乱しているだけです、その証拠にキラのピンチだからって出撃しようとか思わなかったでしょ?
強靭な精神力で持ち直してラクシズを中から崩してくれます
701通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 23:13:24 ID:???
そういうアスランが見たいにはやまやまだが、そうすろパワーバランスがなぁ・・・
ただでさえカミーユの存在とハイネ生存で崩れぎみだし
ムネオを早目に参戦させてスティングもAAに呼ぶか?
702通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 23:44:21 ID:???
いいかげんアスランも最初から自分がAA側からハブられてた事に気付けば成長できるのにね
703通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 23:44:35 ID:???
>>688
「驕っていたから負けた」ともいいそうだな
何気に主人公っぽい台詞ではあるが、キラの場合は言葉そのまんまの傲慢さだからなー
つーか自分が死に瀕すればあっさり捨てられる信念なんか持つなよ…

しかし今回は皆が熱い中、空気読めてなさすぎなカガリと
いくらなんでもお前優柔不断がすぎやしないか?なアスランに腹が立って仕方がない
ラクシズ四天王は相変わらず身近にいる人以外の立場や志向に思いをはせるってことをしないなー
まだ姿を見せてないラクスもふくめて
704通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 23:55:59 ID:???
アスランが不安だな・・・ 
次で道を踏み外したらそれこそヘタレの殿堂だな・・・・
705通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:02:18 ID:???
キラの不殺は信念なんかじゃないだろ
できれば殺したくないってだけ
706通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:03:48 ID:???
信念だかなんだか知らんが言い訳に使うようなら高が知れるな
707通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:03:56 ID:???
実際に種でも連合の戦艦とかやってるしな。
708通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:10:35 ID:???
>>705
まあ偽善にしかみえないんだよな
戦争アニメであれをやられると
なんか説得力がなくなる
709通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:13:01 ID:???
偽善とは思わんが阿呆だなとは思う
710通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:13:48 ID:???
キラもラクスも嫁の超脚本の被害者だからな・・・。

初期のキラはそれなりに良かったなと思う。
711通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:15:27 ID:???
無印のオーブ脱出戦までは良かった
「キラは」な
話はグダグダだったけど
712通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:19:59 ID:???
ラクソは嫁のメアリースーだろ
713通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:29:43 ID:???
福田が嫁に対して求めているものを具現化したのがラクスだろ
714通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 00:31:56 ID:???
嫁の自己投影じゃね?
福田はもうちょっとまともだと思いたい
715通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 01:04:04 ID:???
福田は自己投影はしてないんじゃね?
一応はプロなんだし、嫁と違って
ただ嫁を起用したり、思いつきで後先考えずプロットを変更してみたり
空気読まずに暴走し続けるだけだよ
716通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 01:21:58 ID:???
暴走して話をまとめられない時点でプロと名乗れるのか…?

御大はきっちりとまとめてたがな
まあ、虫プロ伝説の人物だから当然か…コンテ1,000枚切りだっけ?

それと比べるオレがどうかしてた
717通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 01:43:44 ID:???
お禿様は本気でバケモノだからな
監督(予算とスケジュールを守る)、演出(斧谷稔)、作詞(井荻隣)、小説、コンテ速描き
( ゜д ゜)
718通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 09:24:39 ID:???
……リアルニュータイプですか?
719通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 09:31:12 ID:???
ニュータイプよりは、この場合コーディネイターじゃないか?
720通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 14:56:29 ID:???
二言目には、理念、理念だなw
カガリはXスレの様に殺しておいたほうがマシな気がする
721通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 15:55:22 ID:???
亡霊の鎖から解き放たないと駄目だろカガリは
カミーユさん出番ですよ!!
722通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 16:24:48 ID:???
アスランがハウメアの石をカガリの目の前で海にでも捨てれば良いのさ
723カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:16:01 ID:???
第二十七話「復活」

フリーダムとの死闘に勝利し、ミネルバに回収されたインパルスがMSデッキに運び込まれて
くる。クレーンによって床に降ろされ、コックピットの中のシンにもその衝撃が伝わる。
多分運び終わったのだろう、シンはハッチを開く。
 
「……?」
 
外から大勢の声が聞こえてきた。
 
「歌……?」
 
それはプラントの国歌であった。
シンは感覚が鈍くなった体をゆっくりと動かして外に出る。
 
「!?」
 
そこにはミネルバのクルーの殆ど全員と言って良い位のメンバーが集っていた。
皆シンを迎えに来たのだ。
この合唱も、インパルスが運ばれてきて興奮を抑え切れなくなったハイネが歌い始めたもの
が徐々に広がって行って大合唱になったのだ。
 
「み、みんな……」
 
キョトンとするシンにクルー達が口々に賛辞を述べる。シンはインパルスから降りる。
 
「シンー!」
 
真っ先に駆け寄ってきたのはステラである。体当たりする様にシンに抱きついてきた。
しかし、フリーダムとの戦いで疲れ果てていたシンはその勢いに耐えられずに押し倒されてし
まう。
 
「シン、良かった…良かったぁ!」
「…ただいま、ステラ」
 
シンは少し笑って押し倒されたままステラの頭を撫でた。シンの耳にその様子を囃し立てる声
が聞こえてくる。指笛の音がやけに気持ちよく感じられた。
その心地よさをシンは目を閉じて堪能する。
 
思えば今回、自分一人の力ではフリーダムに勝つことなど出来なかっただろう。
ピンチを救ってくれたブリッジのチェンは、自分の迂闊な行動の尻拭いをしてくれた事に感謝
しなければならないだろう。
そしてMSデッキの整備士達やそれを手伝った同僚のパイロット達は自分のわがままな要求
に見事に応えてくれて、何度もパーツを届けて貰った。
他にもミネルバがアークエンジェルを引き付けていてくれたおかげで余計な邪魔が入らずに
フリーダムとの一騎討ちに専念できた。
皆が自分をサポートしてくれたおかげでフリーダムを打ち倒す事が出来たのだ。
724カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:18:23 ID:???
ここに来てようやくシンはフリーダムを倒したという実感を得る。
シンはこれまで感じたことの無い達成感を感じていた。
 
(……ねむ……)
 
ステラに押し倒されたまま、何時しかシンは眠りに落ちる。緊張が解け、安心感を得た事が
疲労と重なり、シンを深い眠りに誘ったのだ。
この後シンには記憶が無い。今はただ本能が体を休めていた。


シンが眠る間にミネルバはジブラルタル基地へと入港していた。これまでの戦いで傷ついた
船体の修理や、補給を受ける為である。
 
フリーダムを倒し、ミネルバに戻ってきてそのままMSデッキで眠ってしまったシンの記憶が次
に繋がったのは自室のベッドの上だった。明かりの無い暗闇の中で天井を見つめる。
そこでシンはふと自分の手に何かが触れているのを感じる。
 
「ステラ……」
 
シンのベッドの脇でシンに手を添えて眠りこけているステラが居た。
シンが体を起こすと、ステラは寝ぼけ眼でシンが目を覚ました事に気付く。
 
「シン……」
「ずっと居てくれたんだ?」
「うん…でもゴメン、ステラ途中で寝ちゃった……」
「気にすることなんて無いよ。ステラが居てくれたおかげでぐっすり眠る事が出来たんだから」
「シン、優しい……」
 
笑顔を浮かべるステラを見て、シンは微笑ましい気持ちになった。この笑顔を見るためなら
どんなに辛い事でも頑張れる気がした。
シンにとって家族を失って以来初めて手に入れた大切な守りたい物、それがステラであった。
 
「シン、何処行く?」
「ん?」
 
シンは起き上がり、制服を着た。
 
「飯だよ。寝たらお腹空いちゃったんだ。ステラも行く?」
「行くっ!」
 
二人は並んで食堂へ向かっていった。
725カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:19:31 ID:???
 
「おっ、ヒーロー見参じゃないか!」
 
食堂に辿り着くと、シンの登場にその場が盛り上がる。まるでお祭りの様な雰囲気だ。
 
「おーい!シン、こっち来いよ!あ、こいつの飯、大盛りでな!」
 
ハイネがシンを手招きする。二人はハイネの席に近付いていくが、その途中にも皆がシンに
話しかけてくる。これ程人気を集めた事が無かったシンは慣れない事に顔を赤らめた。
 
「シン、風邪?」
 
ステラが不思議そうにシンの顔を覗き込む。
 
「違うって」
 
シンは照れくさそうに答える。
 
「おう、やっと来たか。どうだ、ヒーローになった感想は?」
「どうもこうも…痒い感じ……」
「ははっ!そういうとこ、まだまだだな!」
「茶化さないでくれよ……あれっ?」
 
シンはハイネに違和感を感じた。
 
「ハイネ、松葉杖は…?」
「ん、気付いたか?」
「ああ、もう大丈夫なのか?」
「まぁな、もう直ぐギプスも外せる。大した役にも立たずに撃墜されちまったが、復活したら
ガンガン活躍してやるから楽しみにしてろよ」
「いや…無茶すんなよ、頼むから」
「お、シン!偉くなったもんだなぁ、隊長でフェイスでもある俺にそんな口が聞けるなんて!」
 
スープを口に運ぼうとしたシンにハイネがヘッドロックを掛ける。
 
「ちょ、ハイネ!」
「許さんぜ、俺はぁ?」
 
歯を見せてシンを揺さぶるとシンはスープを零してしまう。
 
「あーあ、制服汚しちまって…」
「だっ…誰のせいだと……!」
「お前が偉そうにするからいけないんだろ?」
「気を遣われるのが嫌だって言ったくせに…!」
 
シンはハイネには敵わないな、と思った。
ステラが零したスープを布巾で拭いてくれた。シンはそれに礼を述べる。
726カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:21:17 ID:???
「シンか、もういいのか?」
「レイ!」
 
食べ終わった食器を抱えてレイがシンに話しかけてきた。
 
「ふっ、その様子だと良く眠れたようだな。ステラのおかげか?」
「な、何言ってんだよレイ!?」
 
シンが慌てふためく。
 
「レイ…お前そういうのキャラじゃないだろ……」
「シンを弄るのにはもってこいだからな。息抜きにさせてもらっている」
「……悪趣味だな」
 
レイの淡々とした答えにハイネは苦笑いをした。
 
「そうだ、レイ、お前にお礼言ってなかったな。ありがとうな、お前の研究のおかげでフリーダム
を倒す事が出来た」
「あれはお前の実力だ。あの研究も最後には殆ど意味を成してなかった」
「いや、でも最初の方は凄い役に立っていたさ!ホント、ありがとうな!」
「……」
 
レイは無言のまま去って行ってしまった。
その様子にシンはキョトンとしてしまう。
 
「どうしたんだアイツ…何か気に障るようなこと言ったか…?」
「さぁな……?」
 
三人は微妙な空気になりながらも黙々と食事を続けた。
 
「そう言えばルナとカミーユは?」
「ルナマリアは相変わらず部屋に篭ってる。いい加減アイツにも立ち直ってもらわなくてはいけ
ないんだがな……このままでは給料泥棒だ。除隊されてもおかしくないだろ」
「そっか……カミーユは?」
「アイツは今、マッドとジブラルタル基地の工廠施設に出向いている」
「施設に?」
「そ、Ζの修理に掛っきりだよ。ミネルバで出来る事にも限りがあるからな。
設備が充実しているジブラルタル基地の工廠施設の方が都合がいいだろ?」
「へぇ…Ζ直るのか……」
「あ、そうそう!それより聞けよ!修理と言えばな、セイバーの方ももう直ぐ直るらしいんだよ!
それが俺の次の乗機になってな、いやぁ、これで俺も"G"のパイロットだぜ!そんでな………」
 
興奮して話すハイネであったが、シンにはアスランの死で苦しむルナマリアのことが気に
かかっていた。
727カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:23:32 ID:???
(ん…アスラン……?)
 
シンはフリーダムと戦っていた時の事を思い出す。
 
《僕はアスランを殺してなんか居ない!アークエンジェルに居るんだ!》
 
フリーダムのパイロットが言った事が気に掛かる。シンはこの事をルナマリアに伝えるかどうか
考えていた。
 
(確証は無いけど…あいつの言っていた事も…なぁ……?)
「おい、聞いてんのかよ?」
「えっ?」
「何だよ、聞いて無かったのかよ?ま、フリーダム落としてグフの仇を討ってくれたからいいけ
どさ……もうちょっと俺の話にも関心持てよ」
「ご、ごめん。でも…結局アークエンジェルはどうなったんだ?」
「ん……まぁ、それがな……」
 
ハイネは表情を落として俯く。どうやらまだ終わっていないらしい。
 
「撃沈の確認は出来ていない。いや…それどころかどうも逃げられちまったみたいなんだ」
「逃げた……」
「ああ。後続は出たんだが、付近の海域では撃沈の証拠を掴む事が出来なかったらしい……
だから、そう考えると……」
「まだアークエンジェルは存在している……」
「そういう事だ」
 
悔しさ半分と安心が半分の一番複雑な気持ちになる。もし、キラの言っていた事が真実である
ならば撃沈されなくて良かったし、嘘をつかれていたならばはらわたが煮えくり返る気持ちで
ある。
しかし、ルナマリアの事を考えるとキラの言葉は本当であって欲しい。
反面、そうであった場合はやっぱり悔しい。以前に彼にアスランを拉致されていた事になるか
らだ。
 
(なら、ルナには話しておくか……?)
 
シンはそう思った。
今の不安定なルナマリアがそれを聞いてどのような行動に出るのかは分からないが、彼女を
このままにしておく事もできない。士官学校時代からの付き合いでもある。
シンにしても、ルナマリアには立ち直ってもらいたいと思うのが本音である。
アスランの生存、それをルナマリアに伝えておこうと思った。
728カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:25:56 ID:???
一方、ジブラルタル基地の工廠施設では、カミーユとマッドが居た。
 
「ジブラルタルの工廠とは言え、この短期間でよくここまで修復できたなぁ……」
 
完全に組み上がってはいないが、殆ど修復を終えたΖガンダムを見上げてマッドは感嘆の声
を出す。
いくら設備が充実しているとは言え、異世界のMSをこれ程簡単に修理できてしまった事に
自分の事ながら関心してしまった。しかし、それでもかなりの苦労を強いられた。
 
「これも俺の才能か?我ながら恐ろしい才能だぜ……!」
「え……?」
「な〜んつってな!いや、お前さんが手伝ってくれたお陰だよ。いくら俺でもデータベースの
雀の涙ほどの情報だけでここまで出来るとは思わねぇよ」
「いえ、マッドさんは凄いですよ。僕は専門的な事はそんなに詳しくは無いですから」
「いや、お前さんは結構才能あると思うぜ?素人ならこんなスムーズに行きゃしねぇ。半畜の
ヨウランやヴィーノも見習って欲しいもんだぜ」
「言い過ぎですよ」
 
確かにカミーユにはそっちの才能も持っていたのかもしれない。このΖガンダムも、元々は
アナハイムのΖ計画のプロトタイプに、カミーユが遊びでガンダムMk-Uのムーバブルフレーム
にリックディアスのガンダリウムγとフライングアーマーを付け足したアイディアを採用して完成
されたものなのだ。
しっかりとした知識と経験を身に付ければ、もしかしたらパイロットよりも技術職の方が適正は
高かったのかもしれない。
しかし、今はそんな仮定は意味は無く、カミーユはMSパイロットである。
 
「さて…後はコックピットだがよ……?」
「どうします?あの時は組み込むって言ってましたけど、Ζのは特別ですからね……」
「そうだな……ちと面倒だが、ベースはΖのコックピットのまんまで、このサザビーって奴の
部品を組み込むってのはどうだ?」
「そうですね……難しいかもしれないですけど、それが確実だと思います」
「データベースを見てて思ったんだが、こいつには色々と面白そうなもんが乗っかってっから
よ、そいつもついでに組み込んじゃおうぜ!」
「大変ですよ?」
「分かってるよ。…だがな、こうも興味引く物がてんこ盛りだとよ、技術屋としての血が滾るん
だよ!」
「そ…そうですか……」
729カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:27:56 ID:???
瞳の奥に炎を上げているような血走った目でマッドが身震いする。何日も悪戦苦闘して疲れ
ているせいか、妙なハイテンションになっていた。
そして、おもむろにサザビーのコックピットに入り込んでコンソールパネルを立ち上げた。
 
「見てみろや、この"サイコフレーム"とかって代物!何の為にこんなもん乗っけてんのか知ら
ねぇが、フレーム材質に練りこまれてるミクロサイズのコンピューターチップだなんて鼻血もの
だぜ!こんなの、今のザフト…いや、どこの勢力だって考えらんねぇ代物だ!
それに、このコントロールレバーだって面白ぇ!こいつも移植すんぞ!」
「わ…分かりましたからそんなにコックピットの中で暴れないで下さいよ!」
「うるせぇ!何か…燃・え・て・き・たぁ〜!」
(駄目だこの人……完全に逝ってる……)
 
一人無尽蔵に燃えるマッドの様子に、脇で困惑するカミーユは溜息をついた。
ここまではっちゃけてしまうと、それを抑えるだけで余計な怪我を被ってしまいかねない。
カミーユは黙っているしかなかった。
 
「んお?」
 
その時、マッドの肘が不意にスイッチを押し、一部のモニターが生き返る。
そして……
 
「うおっ!?何だぁ、こりゃあ!?」
 
突然驚愕の声を上げるマッド。その様子に驚いてカミーユがコックピットの中に顔を入れる。
 
「どうしたんですか、マッドさん!」
「こいつぁ……」
「え…これは!」
 
いくつかのモニターはまだ映っていないが、復旧したモニターには不鮮明ながらも相対する
MSの姿が映し出された。
 
「戦闘記録…か?残ってたのかよ」
「これ…やっぱりあの人が……」
「ん?」
「は……ガンダム!」
 
生き返った一部のモニターに一瞬映ったMSの残像。その頭部を見てカミーユが声をを上げる。
730カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:29:40 ID:???
「がんだむ……?お前のΖと同じ奴か?」
「いえ、違いますけど、僕の世界ではインパルスみたいなヘッドタイプのMSはガンダムって
呼ばれてるんです」
「へぇ……で、やっぱり知らねぇんだろ?」
「そりゃあ、勿論です。知ってたらこのサザビーだって知ってるはずです」
 
そこに映ったのは紛れもなくガンダムだった。特徴的なΖガンダムの頭部とは違い、正統派
のそのルックスは、ガンダムであると認識するには十分であった。
 
「……成る程な。違う世界でもMSには何となく似てるところもあるもんだな?」
「僕も最初は驚きましたけど……」
「うむ……」
 
何となく歯切れの悪い会話。二人とも見辛い映像に見入っていた。
 
「……スゲェな、こいつら……。お前さんもスゲェとは思ったけど、こいつ等のやってる事も同じ
位スゲェぜ……」
「僕なんかよりもずっとか上ですよ、この動きは……」
「そうなんか?お前さんの世界には五万とこんな奴等がひしめき合ってんのか?」
「まさか……こんな動きができるのはほんの一握りだけですよ。そして、この二人はその中で
もトップクラスの実力です」
「パイロット知ってんのか!?」
「あ…いえ、もしかしたらの話です……」
 
危うく認めそうになってしまった。
もしも、サザビーに乗っていた人物がカミーユの思っている通りの人物なら、どう考えても自分
の居た時代よりも先の時代の物であろうMSに乗って戦っている事が許せなかった。
それは即ち、最終決戦での自分の言葉を無視された事に繋がるからだ。
カミーユはその人物に世界の未来を託した。それ故に、何故未だにMSに乗り続けるのか、
それを決して認めたくなかった。
 
(でも…ガンダムのパイロットは多分アムロさん……)
 
尋常ではない動きを見せる白いMS。その動きは、カミーユの知る限りサザビーに乗っていた
かもしれない人物の永遠のライバルである男しかいない。
そのことから総合的に考えると、やはりサザビーのパイロットの推測は同じ結果に行き着いて
しまう。
カミーユはこれ以上考えるのを止めた。
731カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:30:59 ID:???
戦闘記録の映像は、何発目かの相対する白いMSの拳が迫ってきた所で途切れた。
マッドは大きく息を吐き、コックピットの中から出る。
 
「ふぅ…スゲェもん見た……何か知んねぇが、どっと疲れちまったぜ……」
「僕もです……」
 
マッドとは違う意味でカミーユは疲れていた。認めたくない想いが必死に葛藤を繰り返した
結果だった。
 
「戦闘記録見るだけでこんなに疲れるもんだとは思わなかったな……」
「……やりましょう」
「ん?いや、けどよ……お前さん、顔色悪ぃぞ?」
「大丈夫です。早く済ませましょう」
「大丈夫なら……けど、無理だったら言えよ?パイロットに無理させて寝込まれたら、後で
叱られんのは俺なんだからな?」
「はい」
 
平静を装ってはいたが、カミーユは内心で苛立っていた。しかし、それを早く忘れようと、今は
作業に精を出す。汗を流せば、苛立ちも流れると思った。
そうして、Ζガンダムの改修作業の最終段階に二人は取り掛かった。
 
その頃、世界中ではデュランダルの演説に立ち上がった民衆がロゴスの屋敷を襲撃していた。
その襲撃により、大半のロゴスメンバーが逮捕される事となった……
 
 
732カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:32:02 ID:???
数日後、シンはルナマリアの部屋を訪れていた。フリーダムのパイロットが言っていたアスラン
の事を伝える為だ。
 
「……何よ、笑いに来たの?」
「アスランの事で話がある」
「今更!」
 
ルナマリアはシンから目線を外す。
 
「いいから聞けよ、もしかしたらアスランは生きているかも知れないんだぞ?」
「えっ!?」
 
僅かな希望が残っているかもしれない事にルナマリアは期待してしまう。
興奮が抑えきれずにシンに掴み掛かる。
 
「ど、どういう事なの!?」
「お、落ち着けよ、本当かどうか分からないんだけどフリーダムのパイロットが言ってたんだ」
「何て言ってたの!?」
「アスランはアークエンジェルに居るって……でも俺、アイツの言う事が信じられないから無視
してたけど…」
「アーク…エンジェルに……?」
 
ルナマリアは急いで部屋を出ようとしたが、シンが腕を掴んでそれを制した。
 
「放してよ!」
「どこ行くって言うんだよ!?」
「アスランの所に決まってるじゃない!アークエンジェルよ!」
「当てが無いだろ!?」
「アスランはきっと捕まってるのよ!そうでなきゃ戻ってくるはずだもの!」
「冷静になれって!まだ本当かどうか分からないって言っただろ!?」
「それを確かめに行くって言ってるのよ!」
 
暴れるルナマリアと格闘するシン。
そこにメイリンが通りかかる。
 
「お姉ちゃん、シン!?何してるの!?」
「メイリン!ルナを押さえるのを手伝ってくれ!アークエンジェルに行くって聞かないんだ!」
「えっ、どういうこと!?」
 
ルナマリアは観念したのか、二人掛で押さえつけてやっと静かになる。
シンはメイリンに事情を説明した。
733カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:34:21 ID:???
「お姉ちゃん、いくらなんでも無茶だよ……。撃沈してないとは言え、何処に行ったのか分かん
ないんだよ?」
「……世界中捜せば見つかるかもしれないでしょ……?」
「それこそ無茶だよ…第一、軍の仕事はどうするの?」
「……辞めるわ。それであたしはアークエンジェルに行く!」
「ど…どうしてそうなるの!?お姉ちゃんおかしいよ!」
「おかしくないわよ!あたしはそう決めたの!」
「足も無いのに!」
「歩いて行くわよ!」
 
メイリンの言葉にルナマリアは我を忘れたように声を張り上げる。
それを脇で聞いていたシンが会話に割り込んでくる。
 
「ルナ、戦争が終わってからでもいいじゃないか?もうすぐ終わるんだからさ…」
「だからあんたには関係ないでしょ!」
「お姉ちゃん!」
 
その時メイリンの平手打ちがルナマリアの頬を叩く。その鈍い痛覚にルナマリアは呆然とした。
 
「……」
「あ……ゴメン、お姉ちゃん……」
 
メイリンは打った手を摩りながら謝罪する。
 
「でも…シンだって心配してくれてるのにそんなの無いよ……」
「……」
 
メイリンはその場から走り去っていってしまう。
残されたシンもルナマリアも空気を重く感じていた。
 
「ねぇ…シン……あたし、どうしてメイリンに叩かれたのかしら……?」
 
手でメイリンに叩かれた頬を押さえてルナマリアがシンに訊ねる。
 
「分かんないかよ?ルナの事、一番心配してくれてるからだろ?」
「メイリンが…あたしの事を心配……?」
「そうさ…ルナはメイリンにとってかけがえの無いお姉さんだろ?だからルナに元気出して
貰おうと…頑張って欲しくて叩いたんじゃないか」
「……」
 
姉のはずの自分が妹に心配されている事にルナマリアは情けなくなった。
本当は自分の方がしっかりしなければならないのに、妹のメイリンに不安を与えてしまってい
た事を悔やんでいた。
加えて、シンの立場を考えると自分が駄々を捏ねていた事に気付いた。
シンにはもう肉親となる人間は存在しないのである。自分にはメイリンという妹の存在がある
が、シンにも居た筈の妹は既にこの世には居ない。
734カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:37:06 ID:???
「あたし……」
 
ルナマリアはその場で泣き出してしまう。慰めるようにシンがルナマリアの肩に手を置く。
 
「気負うなよ、アークエンジェルだって沈んだわけじゃないんだ。フリーダムは落としたけど、
あの馬鹿元首が乗っている限り、奴等、懲りもせずにどっかの戦場にやって来る筈だ。
その時に確かめればいいじゃないか?当ても無く捜すより建設的だと思うぜ。
皆にも呼び掛けてみるからさ、もうアークエンジェルに行くなんて事言うなよ?」
「…うん……」
 
ルナマリアは涙声でシンに返事を返す。あの時、ルナマリアはこんな風にシンに慰めて欲し
かったのだろう。
少しだけルナマリアはシンに笑顔を見せた。
 
「これからはもっと戦いが厳しくなるだろうからな、ルナにも手伝って貰わなくちゃ」
「あたしも戦っていいの?アスラン追いかけるために辞めるって言ったのよ?」
「当然だろ?こっちは猫の手も借りたいほどなんだから」
「ねこぉ!?」
 
シンの言葉にルナマリアは俯いていた顔を上げる。
 
「あたしが猫だって言うの!?」
「い、言ってないだろ?幻聴でも聞こえたんじゃない?」
 
シンは笑って誤魔化すが、ルナマリアは引き下がらない。
余程癇に障ったのだろう。
 
「言ったわよ、確かに!」
「そんなにむきになるなよ、大した事じゃあるまいし」
「気にするわよ!あたしだってね、赤服なのよ!プライドあるんだから!」
「あれ?そうだっけ、忘れてた」
「……見れば分かるでしょ……!」
 
怒りに打ち震えるルナマリア。シンは身の危険を察知し、足早にその場を退散しようとする。
しかし、その前に肩を掴まれ、シンは体を硬直させてしまう。
 
(言い過ぎたぁ……!?)
 
シンは自らの不覚を認め、覚悟を決めた。毛穴から気持ちの悪い汗が滲み出て来る。
735カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/02(木) 18:37:57 ID:???
ルナマリアは以前マッドに言われた事を思い出す。
シンは化ける…その言葉の意味を今理解した。
ステラを救出した事で、これ程までに前向きに変わったシンに少しだけ申し訳ない気持ちにな
る。ステラを憎んだことは間違いだったのだ。
妹を亡くしたシンにとって、ステラの存在は自分のメイリンに当る存在と同じ位大切なものなん
だろうと理解した。
ルナマリアはそんなシンを見て、自分も変わる事を望んだ。
 
(アスランを助け出せれば、あたしも……!)
 
その日、食堂に姿を見せたシンの顔には、目の周りに大きな青あざが出来ていた。その詳細
を気にして何人かがシンに訊ねたが、その真相を決して話そうとはしなかったと言う……
                                                〜つづく〜
736通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 18:43:37 ID:???
GJ!!ルナ、死亡フラグ全快だな。
737通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 18:44:18 ID:???

恋する乙女は恐ろしい…けどそんだけルナ色ボケだったか?
シンもヅラが脱走するだろうとか言って欲しいものだがw無理だけど
738通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 18:47:27 ID:???
GJ
ルナマリア、アスラン次第じゃ敵に回るかもしれないなあ
739通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 18:50:40 ID:???
GOODJOB!!

でも、個人的にはルナよりカミーユ黒化フラグの方がキニナル
740通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 18:53:39 ID:???
GJ
アスラン…拉致監禁、双子の姉弟に篭絡される?
ルナマリア…アスラン一直線
レイ…なんかおかしい
ハイネ…病み上がり、死亡フラグ復活気味
カミーユ…サザビーの記録見て動揺中

…がんばれシン、ミネルバの未来は君にかかっている!!
741通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 18:59:35 ID:???
シンよ…
「いや、でも最初の方は凄い役に立っていたさ!
最初の方はいらないだろうw
742通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 19:17:52 ID:???
>>736
むしろアスランに会いに行く行かない、あるいはミネルバに戻す戻さないの
すったもんだでメイリンの方が巻き添えくらいそうな心配が。
743通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 19:33:48 ID:???
GJ!
こんな明るくて目立ってるシンを観たのは始めてだよ!
744通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 19:53:46 ID:???
次の戦いはヘブンズベース?
そこからはハイネもガンダムパイロットとして活躍できるんだな。
745通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 20:24:31 ID:???
GJ!!
しかしデータベースみりゃ未来のだって位すぐわかんじゃね?
どこかしらにUC0093とかでてくるだろ
746通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 20:51:35 ID:???
元の世界に戻ったら、シャア怒られるんだろうな
747通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 20:54:03 ID:???
しかしクワトロさんには身に覚えのない事だw
748通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 21:01:47 ID:???
原作におけるメイリンとルナの立場が入れ替わりつつあるのかな?
ただ、原作のメイリンと違ってルナは今回のことで家族がいるということを認識したからなぁ
問答無用で男に走った原作メイリンとルナは違うと信じたい…
つーか結局はアスランさえしっかりしてればいいだけの話なんだが
前回の戦闘で脱走してればそれで全部解決してたしな、実際
749通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 23:14:12 ID:???
アスランに関わる女は
みんなろくでもないな
750通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 00:20:36 ID:???
>>746
戻った時代次第では既に行方不明だがな>クワトロ

CCAでカミーユ参戦って流れにはなるかもだが
751通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 00:22:49 ID:???
そうするとタイムパラドクスが起こりうるぞ
サザビーのデータでCCAの情報を得てしまったわけだから
752通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 00:37:08 ID:???
GJです
カミーユがシャアとアムロの戦闘記録みたか…
カミーユにはサイコフレームに残ってるシャアの波動を感じとり
シャアの本音やなんで涙を流すほど隕石を落としたかったかを感じ取って欲しいな
753通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 00:42:48 ID:???
>>752
http://www.youtube.com/watch?v=NXzAdk9v61c&NR
これは新訳Ζのせいでこれは黒歴史になったが
カミーユの崩壊もシャアの隕石落しの切っ掛けでもあるみたいに
バンダイには解釈されてるしな

http://www.youtube.com/watch?v=M72LJ5axjhc
これはΖVSジオのムービー
754通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 03:49:37 ID:???
Gj

レイのあの感じはシンの役に立てて嬉しい事と自分の手でキラを討ちたかった憎悪が葛藤してるんだろうな
755通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 12:25:41 ID:???
>>753
PS版Zのエンディングだっけ?
あんまり意識して見た事がなかったんだが、クワトロがカミーユにかけてた期待って相当なものだったんだろうか…
756通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 14:38:31 ID:???
>>755
TV版とか小説読めばわかるけど
シャアはカミーユに対してララァを見たり
NTのあり様を説いたり
カミーユに対してNTの理想や希望というものは見てたとは思う
新訳では少し違うけど
757通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 14:45:23 ID:???
でもラストどうなるのかな?
TV版Zのラスト→死種世界に召喚される→?
カミーユは元の世界には戻るんだろうけどどの時代に戻るのかが気になる
案外グリプス戦役の最終決戦前に戻って種世界で学習したことが
健やかカミーユに繋がって新訳Zのラストに繋がるのかな
TV版ラストの崩壊→種世界→元の世界に戻るグリプス最終決戦→新訳Zのラスト
という流れというか
758通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 16:13:54 ID:???
新訳ZからCCAには繋がるってお禿様は公言してる。
また、1st劇場三作+新訳Z三作+CCAの7部作とも言ってる。

ZZは黒歴史ww
759通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 16:20:48 ID:???
>>758
お前みたいな極端なZ厨はかなりウザイんだが。
ZZが好きな人間もいるんだよ。
いちいち、他作品を落しめるようなこと言う時点でお前は豚と同じだ。
760通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 16:29:03 ID:???
>>758
7部作ってのは禿が言ってたんだぞw

悔しかったら禿に劇場版つくってもらえwwwww
761通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 16:50:58 ID:???
>>758
禿が言っていようが豚が言っていようが
それをソースにして他者を貶めるお前の人格そのものが最低だって言ってんだよカス
762通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 16:52:32 ID:???
というか釣りだろ
吊られんなよ
763通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 16:53:25 ID:???
>>761
お前もスルーを覚えろよ
荒らしを相手するやつも荒らしと同罪なんだし
764通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:05:02 ID:???
>>758は荒らしではないだろ。
ただの馬鹿なガキってだけだ。
いくら馬鹿でも荒らし扱いはあんまりだ。
765通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:27:03 ID:???
>>761
俺がいつおまえを馬鹿にした?
新訳ZとTV版ZZは繋がってないって事で黒歴史って言っただけだぞ。
ZZの存在を否定したわけじゃねーぞ。

>他者を貶めるお前の人格そのものが最低
その理論なら、勝手に俺を貶めるお前の人格も(ry


766通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:38:08 ID:???
お前ら待てよ! そんなことするから、スレが潰れちゃうんだろ!
767通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:42:56 ID:???
>>765
761は単なる凡愚だから相手にするな。
768通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:44:56 ID:???
>>761みたいな阿呆なんかほっといてSS楽しもう。
769通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:46:24 ID:???
確かに>>761の方が荒らしだなw
てか、ラクシズ厨か?
770通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:48:32 ID:???
ラクシズ厨のなりすまし煽りが来る前に落ち着こう。
クロスオーバースレが荒れて喜ぶのは連中だけだという事を思い出そう。
771通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:52:05 ID:ixlzBOgF
>>767
は?>>761の言ってることは正論だろ。
ZもZZも両方好きな奴だっているんだ。
772通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:54:58 ID:???
ていうか、こんなつまらん事でもめてて楽しいか?お前ら
773通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:57:00 ID:???
>>761>>771もラクシズ厨のなりすましなのでスルー推奨
774通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:57:33 ID:???
>>771
落ち着け
荒らしの自演に惑わされるな
あくまでスルーだ
775通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 17:59:28 ID:???
>>774
>>771は上げてるし、自演でしょう。構わない方が良いです。
776カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:00:10 ID:???
ここで空気読めない俺が流れをぶった切って投下↓
777通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 18:01:07 ID:???
>>771
多分>>761と同一人物だろうから言っておく。
俺がいつおまえを貶めた?

これ以上やったらこっちも荒らしにされそうだし、このスレに迷惑がかかるのでやめます。
スレ汚しスマン
778通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 18:01:40 ID:???
>>767ー769
ラクシズ厨新手の荒らし乙wwww
779通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 18:04:06 ID:???
>>775
スマソ、携帯からで下げ忘れたorz
780カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:04:45 ID:???
第二十八話「新たな鼓動」

(フリーダムはシンによって落とされた……キラ=ヤマトはあれで死んだだろう)
 
シンとジブラルタル基地の通路を歩きながら、レイは考えを廻らせていた。
 
(俺の存在は…キラ=ヤマトを倒し、ラウの仇を討つ事……それ以外には?)
 
レイの頭の中が虚無に支配されていく。
目的となる男は隣の男によって先を越されてしまった。そうなると、レイの存在意義は無く
なってしまったかのようにすら思えてしまう。
 
(ギル…何故インパルスのパイロットは俺ではないのですか?俺なら、もっと早くにアイツを
倒せていた……)
 
シンに対する複雑な感情が表に出そうになる。それではいかんと、レイは必死に心を落ち
着かせて表情に出さないように努める。
 
(俺はギルにとって一体何なのですか?俺はシンよりも劣りますか?)
「やあ、二人とも。よく来てくれた」
 
歩いていると、目の前に見知った黒髪の長髪の男が親しみを込めた言葉で二人を迎える。
ギルバート=デュランダルだ。
 
「二人とも、久しぶりだな?ディオキア以来かな?」
 
とてもプラントの最高責任者とは思えない屈託の無い表情で歩みながら話すデュランダル。
その表情に、レイの気持ちが晴れていく。
 
(キラ=ヤマトなど既に関係ないではないか…俺はギルの為に、ギルの望む世界のために
使命を全うさせればいいじゃないか?何をそんなに迷う必要があったのだ、シンもその為に
戦ってくれているじゃないか)
「ついてきてくれ」
 
レイが一人で自己完結していると、デュランダルは挨拶もそこそこに二人を別の場所へ案内
していく。
それについていく二人。そして格納庫の更に奥、隠されるように収容されていた二体のMSの
前でデュランダルは二人に振り向く。
781カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:07:14 ID:???
「君達にこの新型のMS、"デスティニー"と"レジェンド"を託す。有効に使ってくれ給え」
 
証明に照らされたその二体は、鈍い銀色に輝く。それは今現在のザフトの技術力が結集され
た最先端のMSだった。
 
「これを俺…自分達に……!?」
「緊張しなくていい。君達の活躍は私も聞き及んでいる。特にシン=アスカ、君はフリーダム
を撃墜したそうじゃないか?本当に良くやってくれたよ、これは褒美だと思ってもらっていい」
「そんな…自分がフリーダムに勝てたのも他の皆のおかげです。レイにも手伝って貰いまし
た」
 
シンはデュランダルに褒められて照れる。
 
「レイも、良くやってくれたな」
「いえ、私は命令に従っただけです」
 
シンは改めて自分に与えられたデスティニーを眺める。
 
(強そうだ……)
 
"運命"の名を冠した機体はシンに御あつらえ向きであった。このデスティニーでシンは自らの
運命を切り開く。
 
「あの…アスランの事なんですが……」
「…彼の事は聞いている。優秀な兵士を失ったな…実に残念に思っているよ。彼には不幸が
訪れたとしか言い様が無いだろう」
「あの、そうではなくて……」
「いや、それが彼の運命であったのかも知れんな。とにかく彼の死を無駄にしない為にも、
君は頑張ってくれたまえ」
「アスランは生きているかもしれないんです」
「ん?生きている?」
「はい、議長」
「そうか…彼は生きているのか……良かったじゃないか」
「まだはっきりとはしてないんですけど……」
 
シンの言葉にレイは驚いていた。よもや、今更になってそのような事実を知る事になるとは
思わなかったからだ。
 
「シン、何処でその事を知った?」
「フリーダムのパイロットが言ってたんだ。アークエンジェルに居るって……」
「アークエンジェル……?」
 
レイは神妙な面持ちでデュランダルと目を合わせた。
782カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:09:41 ID:???
「もしそれが事実なら、アスランはアークエンジェルより助け出さなければならないな」
 
デュランダルは一呼吸置いてシンに向き直る。
 
「フ…よりによってアークエンジェルか。彼も因果なものだな、またアークエンジェルとはね。
それにしても、君が本当にフリーダムに勝てるとは……命令を出しておいてなんだが、正直
嬉しい誤算だったよ。彼に勝てる人物がいるとはね……」
「議長、それは我々が捨て駒であったという事でしょうか?」
 
シンに向けられた言葉をレイが問い返す。
 
「白状すればそうなるな…君達が失敗した場合の為に後続の部隊も用意してあった。
要らぬ心配であったようだがね?」
「しかし、アークエンジェルは取り逃しました。何故すぐに後続を出さなかったのですか?」
「本当はあの場でアークエンジェルを沈めたかったが…気が変わった、といった所かな?
尤も、アスラン=ザラがあの艦に居るかもしれないのだから、あそこで彼もろとも沈めて
しまっては彼も浮かばれないだろう。結果的には焦る必要は無かったわけだな」
 
含みのあるデュランダルの言い分にシンは引っ掛かる。
自分達が捨て駒であった事は軍人である限り問題無い事であるが、あそこでアークエンジェル
を見逃す理由が無いのだ。
 
「気が変わった、というのはどういう事でしょうか?理由を聞かせて貰えないですか?」
「…確信は無いが、一つ思い立った事がある。……今はまだ何も言えないがね。
これで納得して貰えないだろうか?」
「はあ……」
「議長、その思い立った事を教えて頂きたいのですが…?」
 
レイが会話に割り込んでくる。
 
「残念ながらそれは言えない。私の頭の中ではまだ推測の域を出ていないんだ。
それが何処かから洩れて軍内で噂になるのを私は避けたい…分かってもらえないかな?」
「いえ、過ぎた発言でした。申し訳ありません」
「…君達の活躍に期待しているよ」
 
そう告げるとデュランダルはその場を去って行った。
783カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:11:37 ID:???
「なぁレイ、アスランの事、どうなるかな?」
「議長も仰っていた通り、助け出すに決まっているだろう?お前はどうするつもりだったのだ?」
「いや、俺だって同じさ……ただ、何か議長にアスランが生きてるかもしれないって言った時、
複雑な顔してなかったか?」
「気のせいだ」
「そうかなぁ……?」
「シン、俺達軍人は言われた事を遂行していればいい。そういう事は余り深く考えるな」
「あ…あぁ……」
 
シンはレイの言葉に釈然としないながらも、今は目の前に見えてきた終戦へ向けて進んで
行こうと思った。
 
「シン、早速慣らしをするぞ。次の作戦までに錬度を上げておく必要がある」
「分かった」
 
二人はそれぞれ新MSに乗り込み、慣熟飛行に出て行った。
 
 
一方、Ζガンダムが運ばれた工廠では何とかコックピットの修復作業を終え、最後の調整が
行われていた。
しかし、この調整が意外と手こずる作業であった。改修されてから一度カミーユが乗り込んで
テストしてみた所、反応性の違いからバランスが悪くなっていたのだ。
しかし、それでも何度かバランス調整を繰り返し、やっと形になったΖガンダムは再び鼓動を
取り戻す。
 
「これなら行けます」
「分かるのか?」
 
コックピットに座り、軽くマニピュレーターや腕を動かして感覚を確かめるカミーユは手ごたえ
を感じる。
そして、サイコフレームがカミーユのニュータイプ能力を拡大していくのが分かる。
Ζガンダムの動きが体に馴染むその感覚は調整が上手くいった証拠だろう。
 
「全然違いますね、今までよりもシャープな感じです」
「シャープ?本格的に動かしてもいねぇのに何言ってんだよ?」
「…慣らし、行って来ますね。ここの人に適当に許可取っといてください」
「ん?」
 
マッドが驚くより早くコックピットを閉め、カミーユはテスト飛行に出た。
 
「お…おい、コラ!面倒押し付けやがって!……ったく、少しは休めってんだ」
 
意気揚々と飛び立っていくΖガンダムを見つめ、マッドは煙草を取り出して一服を始めた。
784カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:13:25 ID:???
 
(反応速度が上がっている…あの"サザビー"って機体、やっぱりニュータイプ用の機体だった
のか……?)
 
ウェイブライダーによる飛行テストからMSへの変形テストを行う。
その余りにもの違和感の無さに、カミーユは爽快さを感じていた。
 
(今まで出来なかったような微妙な動きが出来るようになっている…このコントロールアーム
のせいでもあると思うけど……)
 
一挙手一投足が全てカミーユの思い通りになる。それまでのΖガンダムの操縦性とは一線を
画す滑らかさだ。
 
「……?」
 
そこに見慣れないMS二機がカミーユの視界に入ってくる。
模擬戦を開始したシンのデスティニーとレイのレジェンドだ。
 
「ん……待てレイ!あれ、カミーユのΖじゃないか?」
『む…?』
 
二人は視線をΖガンダムの方へと向ける。
 
「やっぱりそうだ!直ってたのか……!」
 
ホッとした表情でシンはΖガンダムを見つめる。ステラ救出の際に壊れてしまった事に、彼も
少なからず責任を感じていたからだ。
そうやってシンが感傷に浸っている所にレイが提案を持ちかけてくる。
 
『シン、カミーユにも訓練に参加してもらおう。このレジェンドで彼に何処まで通じるか試してみ
たい』
「えっ…けど、カミーユは訓練の許可貰ってないんじゃ……」
『分かっている、少し待て。その間、お前はカミーユを説得してくれ』
「あ、あぁ……」
 
シンはデスティニーの回線からカミーユに呼びかける。
 
『カミーユ、聞こえるか?シン=アスカだ』
「シン…?それがお前の新型のMSか?…とするとあっちはレイの……」
『ああ、デスティニーとレジェンドってんだ』
「デスティニーとレジェンド…運命と伝説か……」
『Ζも直ったんだろ?』
「ああ、まだ慣らし中だけどな」
『…ならさ、実は頼みがあるんだ。俺達の訓練に付き合ってくれないか?』
「訓練…?許可は取ってあるのか?」
『いや、それがさ…レイが今取り合ってるみたいなんだけど……』
785カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:14:27 ID:???
シンはレジェンドのレイに回線を繋ぎなおす。
 
「レイ、話はついたのか?」
『今終わった所だ。議長に直接基地の人間に口を利いてもらった。そっちはどうなのだ?』
「ちょっと待ってくれ、もう一回聞くから」
 
再びΖガンダムに回線を繋ぐ。
 
『許可、取れたってさ』
「取れたって…どうやって……?」
『さぁ、議長に口利いてもらったって言ってたけど……』
「議長に?レイはそんなに議長と親しかったのか?」
『みたいだな』
「みたいだなって…」
『で、付き合って貰えるのか?』
「許可が出たんなら…付き合うよ」
『そうか!』
 
シンはレイにOKサインを出す。
すると、レイがカミーユに通信を繋げて来た。
 
『済まない、カミーユ。どうしてもカミーユと手合わせをしてみたかった』
「構わないが、どうするんだ?三機では難しいだろう?」
『シンとのコンビネーションを試したい。二対一でやりたい』
「二対一!?それはフェアじゃないな?」
『いや、これはカミーユだからこそ出来る事だと思う。他のパイロットでは訓練にならない』
「評価してくれるのは有難いが、手加減はしてくれよ?」
『カミーユが手を抜いてくれるならな……』
 
レイはカミーユの事を高く評価していた。Ζガンダムで空中戦という不利な条件の中で成果
を残してきた事がその理由だった。
一同は模擬戦専用の装備を整える為、一旦引き返す。
シンとレイは、その模擬戦でカミーユを敵に回した時の強さを体験する事になる。
786カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:16:14 ID:???
 
 
ザフトの包囲網から命からがら逃げ延びたアークエンジェルはオーブへの道程を旅していた。
そこの医務室でシンに撃墜されたキラは目を覚ます。
 
「キラ…!」
 
最初に彼を呼んだのはカガリだった。
カガリはフリーダムが撃墜された後、キラを捜してストライク・ルージュで捜索に出ていたのだ。
 
「カガリ…僕は……?」
 
キラはハッキリしない記憶を刺激する。思い出したくない光景が蘇ってきた。
 
「そうか、僕はインパルスに……」
「気にするな、生きていただけで儲かりものだ!」
 
カガリはキラを元気付けるように話し掛ける。
アスランはそれを脇で黙って見ていた。
 
「ホント、お前がやられた時はビックリしたぞ?まさかお前が負けるなんて思ってもみなかった
からな!」
「そうかな?彼は強かった…と思う……」
「気にするな、次に会った時に勝てればいいさ」
「勝てればいいんだけど……」
 
キラは自身を失くしていた。相手は自分のフリーダムよりも劣る性能のMSでありながら、自分
の常識を超えた力を示していた。それがキラに与えたショックは大きかった。
そんな意気消沈しているキラをカガリが慰める。
脇で眺めていたアスランはそれを歯痒く感じ、キラに問いかけた。
 
「キラ、お前に慢心があったんじゃないか?そうでなければいくら何でもお前が負けるはずが
無い」
「慢心?そんなつもりは……」
「無かったとは言い切れないだろう?」
「……」
「アスラン!」
「カガリは黙っていろ。キラが何故負けたか…それをハッキリしておく必要はあるだろ?」
787カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:18:28 ID:???
アスランにとっては黙っていられなかった。変に励ますよりは、いっその事少々厳しい事を
言ってやらなければならないと感じていた。カガリの慰めはその場凌ぎで、キラの為にはなら
ないと思っていた。
そんなアスランの言葉を聞いて、少し考えてからキラは口を開いた。
 
「確かにアスランの言う通りかもしれない……。僕はあのインパルスのパイロットを心の何処
かで甘く見ていたのかもしれない……」
「……」
「だからあの時…僕の攻撃が上手く行かず逆に追い詰められた時、僕は恐怖を感じたんだ。
……それが慢心で無かったとは言えない……」
「そう思えたのなら、お前はまだ強くなれるかもな……敗北から学ぶものは多い」
「そんな自信は無いよ……。きっと、再び彼に出会ったとしても、その時はもう僕は彼に勝て
ないかもしれない……それだけ、あの戦いは必死だったのを覚えているから……」
「そんな事は無いさ、お前は今まで勝ちすぎていた。俺だってお前に苦汁を舐めさせられたん
だ」
「そうじゃない…僕は弱いから、負けたら二度と立ち直れなくなってしまうかもしれないって
予感がしてたんだ。だから、傷つかないようにするには勝つしかなかったんだ……」
「キラ、お前は……」
 
アスランの手を取り、カガリは一緒に退室する。気が沈んでいるキラには休息が必要だと
判断したからだ。
医務室を出た後、カガリは落ち込んでいた。
 
「私がもっとしっかりしていればキラを戦争に巻き込むことも無かったのかもしれない……!」
「カガリ……」
「ユウナ達に実権を握られて…それを止めようとしても何も出来ず……!このままじゃ私は
国家元首失格だ!お父様に合わせる顔が無い……!」
「そうかもしれないが、これから取り戻せばいいじゃないか?」
 
悔しさに身を震わせるカガリをアスランが取り繕うように言う。
しかし、カガリの後悔の念はもっと深かった。
788カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:20:24 ID:???
「これからでは遅い人も居る…あのシン=アスカって奴もそうだ!私は、その人達に何もして
あげられなかった!」
「……」
「今のままでは私は唯の負け犬だ…お父様から受け継いだ遺志を無駄にしているだけだ!」
「カ、カガリ…そんなに自分を責めるな!」
「……違う、今になって目が覚めたんだ。これは自らを戒めるのと同時に決意表明だ。
アスラン、お前に聞いて欲しい!」
「カガリ…!」
「私がする事は戦場で戦いを食い止める事ではない。戦いは何も生み出さない…それを私が
実践してたのでは話にならない事に私はようやく気付いたんだ。だから、オーブの国家元首と
して相応しい方法で戦いを止める。それが私が本当に為すべき事だ!」
 
カガリの目に力強い光が灯る。アスランはそれを見て、今までの迷走していたカガリとは違う
事に安心した。
 
「オーブへ戻ったら先ずはユウナ達を引き摺り下ろすぞ。アスラン、手伝ってくれるよな?」
「勿論だ。…しかし、彼は一筋縄では行かないぞ、大丈夫か、カガリ?」
「承知の上だ。ユウナごときに手こずるようでは私にお父様の跡を継ぐ資格など無い」
「何か考えがあるのか?」
「……こ、これから考える!」
 
たった今カガリの事を見直したアスランであったが、すぐに見解を改める。
行き当たりばったりな所は何も変わっては居ない。しかし、思い立ったが吉日を形にしたよう
な性格こそがカガリの持ち味でもあった。
 
(それをサポートするのが、俺の役目なんだな……)
 
アスランは感慨深げに通路を闊歩するカガリを見つめていた……
 
 
 
「シン、合わせろ!」
 
「合わせろったって…うわぁっ!」
 
カミーユと模擬戦を開始して既に一時間が経過していた。
ここまではΖガンダムを撃墜する事はおろか、カミーユにシールドを四、五回使わせる事しか
出来ていなかった。
コンビネーションを合わせるにしても、Ζガンダムの反応が早すぎてタイミングが全く合ってい
なかった。加えて機体の習熟度の差もある。
789カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:22:09 ID:???
『どうする、レイ?このままじゃ練習にもなりゃしないぜ」
「…一旦休憩にしよう。もう一度確認が必要だ」
『分かった……カミーユ、一旦休憩しよう!』
 
シンがカミーユに呼びかけ、三人は一旦MSから降りる。
 
「カミーユ、何がフェアじゃないだよ?十分じゃないか!」
「手加減してくれてたんだろ?」
「冗談じゃない!」
「レイは?」
「パワーのある機体は慣れなくてな…カミーユが手加減してくれると有難いんだが」
「レイまでそんな事を言う……手加減出来ればしているさ」
 
そう言ってカミーユは笑う。シンとレイの力は確実に増していた。
 
「シン、作戦会議だ。もう一度確認をするぞ」
「確認ったって…これ以上は難しいだろ?」
「それでもやらなければ、議長の期待に応えられないぞ」
「…わかったよ……」
 
シンとレイはカミーユに作戦を悟られないようにその場を少し離れる。
カミーユはその場に腰を下ろし、この異世界に迷い込んでからの事を思い返した。
 
この世界で初めに出会ったのはシン=アスカである。
最初に彼を見た時、彼の凶暴なまでの性格がカミーユを悩ませた。
当時、シンはカミーユを名前で呼ぶ事は決してなかった。カミーユからの違和感を感じ取った
シンの警戒心が、カミーユを決して認めようとしなかったからだ。
しかし、そんな彼も次第にカミーユを受け入れて行く。
ステラをきっかけにカミーユの告白を聞いたシンは、自分と似た様な境遇のカミーユに親しみ
を抱いた。それは話したカミーユにとっても同じ事で、二人はステラを救うという目的を共有す
る意識を持ち始めた。その事はベルリンでのデストロイ戦で顕著となる。
シンはステラの為に自分を犠牲にする事を厭わず、カミーユはそんなシンの願いを成就させる
為に捨て身の突撃を敢行し、フリーダムに落とされた。
フォウやロザミィを失ったカミーユにとって、ステラを救うという事は自らに救済を求める事に
他ならない。
そうしてステラを救出し、シンは取り込まれそうになった闇から這い出る。
唯一の懸念であったフリーダムを撃墜して過去の鎖を断ち切り、シンはこれから望む未来を
生きる為に歩き出す。
 
(僕はシンと出会うためにこの世界に来たのか?)
 
今までどの様な理由で異世界に飛ばされたのか見当もつかないで居たが、ふとそんな考えが
カミーユの頭の中を過ぎる。
 
「よし、いいな?お前がかく乱するんだ」
「わかった……待たせたな、カミーユ。続きをやろう」
 
シンとレイの作戦会議が終わったらしく、三人は再びMSに乗り込み、訓練を再開する。
790カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:24:08 ID:???
 
「さて、どう出る?」
 
コックピットの中で神経を尖らせながらカミーユは二人の動きを警戒していた。
 
「先ずは俺からだ!」
 
シンのデスティニーが背中にある特徴的なバーニアスラスターから光の粒子を撒きながら
高速で接近してくる。
 
「単独で来た!?レイは!」
 
レイはシンの動きに合わせるように大きく迂回しながら様子を窺っているようであった。
 
「余所見とはいい度胸!これまでとは違うぜ!」
 
微かに残像を残しながらデスティニーはフェイントを織り交ぜながらΖガンダムに接近する。
 
「早い…!だが!」
 
ウェイブライダーで高速離脱を試みるカミーユ。しかし、向かった先にはレイが待ち構えている。
カミーユは変形を解き、訓練用のライフルでレジェンドを進行方向からどかせる。
レイはあっさりと退いたものの、動きを止めたΖガンダムにデスティニーが追いついてきた。
 
「後ろから!?」
 
「貰ったぁぁ!」
 
デスティニーは大剣アロンダイトを模した得物でΖガンダムに襲い掛かる。
カミーユはそれをシールドでいなして回避するが、デスティニーはΖガンダムの周りを囲む
ように高速で飛び交う。流石のカミーユもこれを狙撃する事は出来ず、ウェイブライダーで一旦
離脱をする。
 
「!?」
 
しかし、そこに又してもレイのレジェンドがΖガンダムの行く手を阻む。
 
「また居る!?いくら最新鋭でもウェイブライダーの加速に追いつける筈が無いのに……」
 
狙いを定めてくるレジェンドに、又しても動きを止めざるを得ない状況になるカミーユ。
同じ様にデスティニーが後ろから追いついてくる。
デスティニーがΖガンダム周りを囲うように飛び回り、レジェンドが動けないΖガンダムを
狙撃してくる。
791カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:26:34 ID:???
「さっきまでと何が違う…!?」
 
カミーユがウェイブライダーに変形して、デスティニーの隙を突いて離脱しようとした時、レイの
レジェンドがこちらの動きに合わせるように移動するのが見えた。
カミーユはそれを気にしつつも離脱しようとするが、その時、ある事に気付いた。
 
「そうか!そういう事なのか!?」
 
デスティニーの一人包囲から逃れたカミーユを待っていたのは当然の如くレジェンドである。
 
「良くやるよ、こっちの動きが誘導されていたなんて……!」
 
カミーユは構わずにレジェンドに突っ込む。
 
「むっ…カミーユ、気付いたか……?」
 
レジェンドは最新鋭機とは言え、純粋な高速移動形態であるウェイブライダーに追いつくだけ
の加速力は持ち合わせていない。それは機動性に優れているデスティニーにとっても同じ事
である。
しかし、現在随一であると思われるデスティニーの機動性を生かしたかく乱戦法でΖガンダム
の離脱方向を限定させてしまえば、後はレイがその先で待ち伏せしていれば良いわけである。
目の前に敵が現れれば大抵のパイロットは動きを一瞬止めてしまう。そうなれば作戦は成功
である。
機動性のあるデスティニーがそれに追いついて、又同じ事の繰り返しである。
これは二人が仕掛けた無限ループの罠であった。
 
『シン、お前も仕掛けろ!突破するつもりだぞ!』
「えっ!?逃げられちゃうのか!?」
 
シンは言われたとおりに訓練用ライフルを撃つ。しかし、カミーユにそれが通用するはずも無く
アポジモーターの一蒸かしで簡単に回避する。
レイもウェイブライダーの前に陣取り、行く手を遮ろうとしたが、目の前に迫ったΖガンダムが
直前で変形を解く。
真正面の至近距離で鉢合わせになる形になり、レイは慌ててライフルを撃とうとした。
だが、それよりも早くΖガンダムが上から回りこむように背後を取り、レジェンドの背中から
訓練用ライフルを命中させる。
 
「ぐぅっ…!」
 
「ああっ!レイがやられた!?」
 
追いあげるシンであったが、Ζガンダムがレジェンドの陰に隠れて一瞬見失う。
 
「シン、動け!止まるんじゃない!」
 
レイが必死に叫ぶが、動きを止めてしまったデスティニーにΖガンダムが不意打ちする形で
訓練用ライフルを撃ってくる。
792カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:27:42 ID:???
「なんのっ!」
 
シンは辛くもこれを回避するが、飛び出したウェブライダーがデスティニーに向かってくる。
 
「デスティニーの動きについてこれるもんか!」
 
シンは再びデスティニーで高速移動を開始する。光の粒子と残像が重なり、デスティニーの
動きをより早く見せる。
これにはカミーユも打つ手が無い。殺気を感じ取るのがやっとであった。
 
「はしっこいな、何処から狙って来る……?」
 
Ζガンダムが変形を解き、デスティニーの動きを警戒しながら訓練用ライフルを適当に撃つ。
 
(よし…カミーユにはこちらが見えていない……!)
 
シンがそう確信すると、模擬アロンダイトを構えて機を窺う。
 
レイはその様子を見ていて、違和感を感じていた。
何かがおかしい…シンが優位に見えるが、レイにはそうは思えなかった。
 
(何を企んでいる、カミーユ……そうか!?)
 
シンがΖガンダムの背後を取った時、シンはついに仕掛ける。
 
「貰ったぞ、カミーユっ!」
 
「止せシン!誘いに乗るな!」
 
レイが忠告した時には既に遅く、この時を待っていたと言わんばかりに振り向いたΖガンダム
がデスティニーに照準をつける。
 
「接近戦を仕掛けたのがお前の敗因だ!」
 
カミーユは突っ込んで来るデスティニーに容赦なく訓練用ライフルを放つ。勝利を確信して
仕掛けたシンにこれがかわせる筈も無く、あっけなく直撃を受ける。
結局カミーユの勝利という形で模擬戦は終了する事となった。
 
793カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:30:27 ID:???
ジブラルタル基地に戻った後、シンとレイは反省会を開いていた。
 
「シン、何故接近戦を仕掛けた?カミーユの反応の良さはお前も知っているだろう?
あそこは狙撃をするべきだった」
「カミーユはこっちに気付いてないと思ったんだよ、俺は行けると思ったんだ」
 
不貞腐れてシンは応えた。
 
「良く考えてみろ、あの時カミーユが何の考えもなしにライフルを撃つと思うか?あれはお前を
誘っていたんだ」
「見えていたのか?」
「そこまでは分からん。だが、仕掛けてくる瞬間は見えていたんだろう。そこに馬鹿正直に
突っ込んできた誰かさんが直撃を貰ったというわけだ」
「……悪かったな、レイこそ先に落とされてたけど」
 
せめてもの反撃のつもりでシンは厭味を利かせる。
 
「……俺達はまだ強くなる必要がある、という事だ」
「何だよそれ?」
 
先にスタスタと帰って行くレイ。呆れた様にシンもそれに続いていった。
 
(ん……?)
 
歩き出した途端、シンは足元に違和感を覚える。力が上手く入らないような気がした。
しかし、普通に歩く分には支障は無く、気のせいだと思うことにする。
 
「絞られたか、坊主?」
 
帰り際、シンにマッドが話しかけてきた。
 
「何なんですか、あれ?前よりも格段にパワーアップしてませんか?」
「はぁ?反応は早くなってる筈だが…それでも前とそれ程変わってる筈無えんだけどなぁ、
基本的にパーツ組み上げただけだから」
「そんなはず無いですよ!
セッティングを大気圏内用に特化させたりしたんじゃないんですか?」
「馬鹿を言うんじゃねぇ、あれは元々空間戦闘用にセッティングされてたんだぞ。大気圏内で
はいくらセッティングを合わせようとも汎用のデスティニー以上の性能は出ないはずなんだ」
「Ζだって汎用MSの筈でしょ?」
「そうだがな、汎用可変MSとしてはセイバーとどっこいどっこいの性能しか無え筈なんだよなぁ
……自力飛行も出来ないし、空中戦は余り想定して無いようだしなぁ」
「それって…宇宙に出たらもっと凄いって事ッすか!?」
「ん…そう…なるな……?」
794カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:33:20 ID:???
シンは愕然とする。
あのフリーダムに勝利した事がシンに自信をつけさせていたが、それでも制限つきのカミーユ
に二人で掛かって勝てなかった事がシンにとって屈辱だった。
 
「お前の場合、やたらと接近戦を仕掛けようとするのが悪い癖だ。得意かなんだか知らねぇが、
カミーユにとってはやりやすかったんだろうぜ」
「接近戦でフリーダムを落としたのに……」
「そりゃあ相手がお前のスタイルを知らなかっただけだろ?勝手知ったる相手ってのはな、
そういうところを突いて来るもんなんだよ」
「そっか…俺もルナのヘタクソな射撃を笑えないな……」
「そうへこむなよ、カミーユはΖに慣れちゃいるが、お前とレイは全く扱えちゃいない状態だった
んだからよ。それに、これはあくまでこっちの手の内を知ってる奴限定の話なんだ」
「そうなんですけどね」
 
シンがMSデッキを後にした後、Ζガンダムからカミーユが降りてくる。
少し寂しそうなシンの背中を見て小さく息をついた。
今回は自分が勝ったが、シンの成長は著しいものがあった。タイマンであるならば暫くは負け
ない自信があったが、レイとのコンビネーションで来られると直ぐに自分は負けてしまうだろう
な、と感じていた。
 
「やっと戻ったか、この我侭小僧め」
 
煙草を銜えて腕を組んだマッドが豪快な笑顔でカミーユを迎える。
 
「何です、それ?」
「面倒な事は俺に押し付けて自分だけ楽しい事をしようってんだから、堪ったもんじゃねぇな」
「訓練の何処が楽しいんです?戦争する為に鍛えてるんですよ、楽しいわけないじゃないです
か……!」
「嘘だな、顔、にやけてるぞ」
「え……?」
 
冷静な表情を作っていたつもりだった。しかし、確かに一見してみれば普段と変わらない表情
をしているように見えるカミーユであったが、年の功を見せるマッドにしてみればそんな些細な
表情の違いを見分けるのは容易い事だった。
 
「そんなんで俺の目を誤魔化せると思うなよ?こちとら技術屋だ、細かい部分の違いは直ぐに
分かっちまうんだよ」
「敵いませんね、マッドさんには」
「そうだ。例えば、口の端が微妙に釣り上がっている。これは先程までにやけていたクセが
抜けきってねぇ証拠だ」
 
マッドが銜えていた煙草を指にはさみ、それをカミーユの口元に向けて指し示した。
その行為に、カミーユは露骨に嫌そうな顔をする。
 
「分かりましたよ。分かりましたから、煙を僕に向けるの止めて下さい」
「おっと、おこちゃまには刺激が強すぎたか?」
795カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/03(金) 18:36:56 ID:???
肩眉を吊り上げ、口元に笑みを浮かべる。嫌がるカミーユを見て楽しんでいるようだった。
 
「でよ、カミーユ。サザビーの残りの奴はどうする?」
「どうするって…スペアとして保管できないんですか?」
「いや、それはそうするんだがよ……本国の連中がこれを欲しがらねぇわけがねぇわけだ。
それでも、Ζの為だって言えばミネルバに残しておくことは出来んだけどよ、データは最悪
送らにゃあならねぇかもしんねぇ。そうなったらどうする?」
 
Ζガンダムに比べ、サザビーはこの世界に於いてかなりのオーパーツである。Ζガンダムは
珍しいには違いないが、この世界の現段階の技術レベルとはそう大きな違いは無い。しかし、
サザビーのようなレアな素材は別である。その技術をプラントの研究員が欲しがらないわけが
ない。
マッドは、それが与える影響を懸念していた。
 
「データですか……出来ればそれは避けたいと思います。この世界に余り影響を与えたくあり
ませんから……」
「ま、そう言うと思ったぜ。そりゃあ、俺にとっても魅力的なんだがよ、そういうとこ、考えてねぇ
わけでもないんだ」
「じゃあ、どうするつもりなんです?Ζの修理が終わった今、いつその命令が来てもおかしく
ないですよ」
「……データを全て消しちまうことはできねぇか?」
「それは出来ますけど…本当にそれで誤魔化せるんですか?」
「心配すんな、伊達に歳食ってるわけじゃねぇぜ。……よし、そうときたらバックアップしてた
奴も消すしかねぇな、名残惜しいがよ」
 
話が纏まった所でカミーユは自室へと戻って行った。データの消去はマッドに任せ、やっと
Ζガンダムの復活にこぎつけたカミーユは久しぶりにゆっくり休みたかった。
 
その日の夜遅く、一人パソコンのモニターと睨めっこをしたまま固まっているマッドの姿を、
他の整備士達は目撃していた。何事かと思って眺めていたが、やがてマッドはエンターキー
がめり込むのではないかと思えるほどの力で押す。
そして、マッドは普段の彼からは想像できない面持ちでMSデッキを後にしていった。
その目には、うっすらと涙が浮かんでいたという……
 
その後、ザフトはロゴスの拠点、ヘブンズベース攻略作戦を行う事になる。
ミネルバも主力としてその作戦に参加する事となる。
デュランダルの望む舞台が整いつつあった……
                                            〜つづく〜
796通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 18:39:41 ID:???
GJ!!うわぁ…アスランどーなんだ?
797通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 18:44:30 ID:???
GJ!!アスランぐだぐだだな。
自分の信念とか無いのか?
798通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 18:47:24 ID:???
GJ!今回は長めッスね。
運命と伝説をもっても勝てないZと・・・・・ストフリとミーティアを用意しても勝てないな、キラよ。
799通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 19:03:01 ID:???
GJ!
アスランもういいや。
スルースルー。

カミーユ強すぎるぜ。
この辺がUCとCEの最たる違いかな。
UCはエース機とかは、パイロットの能力を最大限に発揮させる事が、目的の一つに入ってるからな。
CEじゃパイロットの事は、生存性も含めて殆ど考えられてないし。
どちらもシリーズ二作目なのに、何でこうも違うかな。

マッド・・・あんた漢や・・・GOD JOOB!
この作品で一番の漢かもな。
800通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 19:09:42 ID:???
カガリ成長の兆しに期待!

マッドは…漢だな、ホント……
801通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 19:09:53 ID:slC0EyjX
レイ&シン「カミーユ強すぎワロタwwwwwww。」
802通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 19:11:40 ID:???
ごめんあげちまった・・・・
803通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 19:32:45 ID:???
GJなのに心配な要素の方が続出してるのはどうしたものか。

アスラン…おどれは…いや、もういい…
シン…古式ゆかしい黄金のお約束・悪性脳腫瘍とかじゃないだろうな…
マッド…その涙はホントに名残おしさだけなのか?
ナニカ見てはならないものを見ちまったなんて事は…?
804通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 19:50:43 ID:???
アスランいい加減毒されすぎ…もう戻れないなきっと
カミーユつよすぎ…Sフリーダム+隠者でも倒せそうな勢いだな
職人さんGJ 続き楽しみにしています

マッドさんあの"奇跡"でもみたのか??
805771:2006/11/03(金) 19:54:39 ID:???
>>777
俺は761ではないが、黒歴史云々の辺りがZZが好きな人間には不愉快に聞こえる。
あの場面で7部作とかの話をしても、わざわざZZが黒歴史などとわざわざ言う必要はなかったろ。
そうやって他作品を蔑む発言をするのが、嫁とともに、あの桃色汚物やゴキブリニートを
マンセーするテロリスト予備軍の豚と同じだってことだ。
806通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:05:15 ID:???
原作者に見捨てられた作品なんてどうでもいいじゃん
もっと前向きに生きていこうぜ!!
807通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:08:53 ID:???
>>805
せっかく職人さんが流れをぶった切ってくれたのに…
ラクシズ厨はきえろ
808通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:10:19 ID:???
>>805
しつけーよ
だからZZ厨とジュドー厨は旧板で嫌われるんだよ
809通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:12:46 ID:???
>>805
空気嫁
810通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:15:35 ID:???
>>805のどこがラクシズ厨だよ。
>>807>>808の方がわざわざ煽ってるラクシズ厨に見える。
811通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:16:49 ID:???
>>805>>810はマジ空気嫁
812通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:17:38 ID:???
もうこの話はやめないか?
スレが荒れるだけだぜ?
813通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:19:00 ID:???
カフェインよりはるかに民度の低いスレだな
ZZ擁護したら即荒らしか。ラクソと同レベルの思考じゃんw
814通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:19:47 ID:???
>>813
だからもうやめろって
815通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:21:05 ID:???
なんだここはカミーユ最強厨の巣でつか









とアムロ最強厨の俺が言ってみるテスト
816通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:21:48 ID:???
もうアスランはMS戦なくていいんじゃないか?
817通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:25:46 ID:???
ZZ厨は自重しろ
818通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:26:53 ID:???
お前ら厨厨言ってる暇があるならアストナージ崇拝してろ
819通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:27:12 ID:???
シャアが地球を潰したくなった気持ちが今理解できたわ
820通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:39:23 ID:???
消えろよ粘着は
821通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 20:51:53 ID:???
いまさらながらGJです。 次はヘブンズベース戦でしょうか カミーユは強いですが シンも確実に成長してますね

アスランは・・優先順位間違ってないか? って思いました。
相変わらず他人を見下すような物言いのカガリは微妙ですが 自分を省みられるだけ まだマシになりつつあるのかもしれませんね・・続き楽しみにしています。
822通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 21:07:43 ID:???
亀ながらGJ!
しかしカミーユ安定して強杉な気が
ヤツはもうちょい強さにムラのあるタイプだと思うが
823通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 21:39:02 ID:???
確かにカミーユはムラッケは多いわな
でもNT能力は最強だから切れたら無敵だが
824通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:09:40 ID:???
>作者さん
いつもながらGJです!

>今後の展開
アスランの転向は・・・まあ、ミネルバ対AAの構造を維持するなら、シンレイカミーユハイネに対してキラネオだけでは戦力不足だから、しょうがないかな?
メイリンを人質に取ったわけでもないし、「大義ある裏切り者」の役割を全うしてくれることを祈るのみだ。
825通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:19:50 ID:???
しかし・・・アスランがAAに付くならキララクの行為の正当性を立証する必要が
あるんじゃないか?
カガリはいくらか考えを改めそうな感じだから、いっそカガアスだけでキララクと
「袂を分かつ」くらいな事になっても面白いかも知れん
826通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:24:00 ID:???
それにはユウナの言い分も認められる程の度量がないと無理っぽい。
政権転覆にリンチなんて手段は以ての外
827通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:27:14 ID:???
カガリがユウナ達を納得させる方法か…
828通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:35:16 ID:???
カガリがオーブの元首でなければならないって決まりなどキラ達が勝手に作った決まり事でしかない訳だし
ユウナの肩を持っても良いんじゃなかろうか、凸は
829通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:58:34 ID:???
>827
それは、意外と簡単じゃないかな?

ユウナの主張は、連合に攻められないために、連合と同盟するというものだった。
だから、連合にその軍事力がなくなるか、逆に「ザフトと同盟しないとザフトに攻められる」状況になれば、正当性を失う。
同盟破棄は国際的信義を損ねるかもしれないが、『オーブの理念』の放棄も似たようなものだ。

ユウナがロゴスと繋がっているならユウナによる政策変換は無理かもしれないが・・・それならそれでカガリの出番になる。
オーブとロゴスが一蓮托生でもなければ、オーブ対プラントの戦争は避けられるはずだ。少なくとも、外交が成功すれば。
830通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:58:54 ID:???
凸の場合カガリの肩を持つ、というかカガリの支えになることが前提だと思うんで、
奴の役回りはむしろ現オーブ政府とカガリに折り合いを付けさせることジャマイカ?
831通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 22:59:12 ID:???
レイが黒化してる。大丈夫か、オイ
832通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:03:29 ID:???
>>829
どうやって成功を?
833通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:14:16 ID:???
キラ再登場してもカミーユの足元にも及ばないという見方が大勢を占めてるみたいだけど、
意外と強敵として復活する可能性もあるような気がしてきた。

今までは自由に性能と自分の能力(反射神経、操縦技術)だけで勝てたから、
努力するって事が無かった。
そこで
・まずは体力作り
・NT能力での先読みは出来ない代わりに、古今東西のMS戦のデータを
 シミュレートして、あらゆる事態を想定し、瞬時に最も有効な手段を取る
 ようにする
・そして和田でMSもパワーアップ
これくらいやえばカミーユと釣り合うようにならんかね?
仮にもCE最強のパイロット(と言う事になってる)なんだし

ただ、そうすると今度はシンの立場が・・・
834通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:20:59 ID:???
>832
それは作者さんに期待かな?
カガリ政権オーブとプラントの対立原因は、連合と同盟したという過去の行きがかりと、ラクス暗殺未遂と替え玉による不信感だけのはず。
ロゴスとDPとラクスの野望を考えなけば、誠意と信頼と外交戦術の問題だと思うんだけど・・・
835通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:23:42 ID:???
カガリが外交…
836通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:25:56 ID:???
言いたいことはわかるけど、汚名挽回もとい汚名返上のチャンスということで。
837通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:26:51 ID:???
理念お馬鹿さんが高度な政治の駆け引きをすぐに出来るようになるものだろうか・・・
838通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:27:06 ID:???
それを補佐するためになら協力してやろうって凸は言っているんだよ!!
まずさし当たってはセイランに協調する方向にカガリを誘導するのだ、
不可能を可能にしろ、凸!!
839通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:30:32 ID:???
アスランにはハイネとの漢の約束を守ってほしいな・・・私的には。
今ならシンとだってスキル・漢の友情が発動するかもしれないのに!
840通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:32:23 ID:???
つーかカガリやアスランがいくら考えても無駄なんじゃね?
カガリの考えを聞いたとたん、じゃあ武力制圧しましょうっていいそうなピンクがいますよ?
まだでてきてないけど
ま、カガリがいくら平和的に政権奪取を考えても、ラクシズとオーブ軍人が平和的にやるとはとても思えんし
841通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:34:49 ID:???
>>834
順序が逆では?
ユウナを納得させるには、まずプラントが同盟を結んでくれるという確約を
カガリが取り付けてくる必要あるんじゃないのか。
842通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:34:52 ID:???
>>838
凸「無理無理無理!」
843通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:36:18 ID:???
おー、今回もGJです
しかしアスラン…ハイネとの約束はどーした
最終的にミネルバに戻ってくればザフトやシン達にどれだけ迷惑かけてもいいと思ってるんじゃないだろうな…?
というかすでに迷惑掛け捲ってるが
このSEEDという作品において、キラという戦力を復活させるということがどれだけやばいことなのか一番理解してるのはコイツだろうに…
あのまま欝モードにさせとけば、ラクスが出張らん限りキラはリタイヤ
ミネルバの今後がかなり楽になるだろうということは火を見るよりも明らかだろうに

しかしラクスは一体何をやってるんだ?
キラが欝になってるこーいう時こそ出番じゃないのだろうか
844通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:37:51 ID:???
>>835
多分それがもっともカガリを成長したと見せるべき描写だろう

無論そんな姿を想像できない俺には無理な話だが
845通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:40:50 ID:???
>>835
最初の議長との会談みたいにケンカ腰か二言目には理念か最悪暴力沙汰になる、しか浮かばん
846通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:45:18 ID:???
言い出しっぺのカガリが交渉せにゃならんからなあ。
847通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:45:44 ID:???
最近、そんなカガリを見ることが少ないからなぁ、、、、
離翼は今週も更新されてないし
848通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 23:46:36 ID:???
>843
原隊復帰できない状況で、敵を自軍の害にならない方向へ誘導している・・・そう考えれば納得はいくんだけどね。

>しかしラクスは一体何をやってるんだ?
プラントでクーデターを起こして議長に就任、黒い三廉逝とディアイザを従えてラスボス化・・・だったり。
849通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 00:05:28 ID:???
正直ラクスだけは理解出来ないよなあ・・人間にすら見えない アスランやカガリはヘタレやロクデナシながらもまだ人間だし。
850通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 00:25:54 ID:???
>>848
フレイスレのラクスがそんな感じ
851通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 00:56:09 ID:???
ぶっちゃけユウナって種世界でも珍しいまともな政治家じゃないか?
本編では狂人の理論と絶望的な暴力で追い落としたが、ここのカガリはどうだかね
852通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 00:56:09 ID:???
過激派に誘拐されたかと思いきや、その犯人にかぶれてあちこちに出没しては
デムパな奇行を繰り返して世間を騒がせ失笑を買い、しかも自覚がない…

以前に指摘した人もあるかもしれないが、TV種死と、ここの少なくとも
現時点のカガリはパトリシア・ハーストそのものなのだな。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88

だいたい現状でどのツラ下げて帰国してすぐ国家元首として振舞うというのか。
自分の出奔と乱入でどれだけオーブに迷惑と人的物的損害を与えたことか。
政治的に何かぬかすのは、何年後になるかは知らんけどそっちの法的道義的責任を
償ってからだろうに。凸もまずそこを指摘すべきじゃないのか?
853通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 01:07:35 ID:???
>>850
同人アニメでも似たようなもんだべ
854通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 01:37:13 ID:???
>>851
ユウナがまともな政治家なら、オーブの外交は
連合とオーブとの軍事均衡の中で、もっと有利に進めたと考える。
ジブリとの距離も、もっと上手くとるだろうし、
あれは負債が『ダメ権力者』として憎まれ役を描こうとしたのが、
単に中途半端にしかキャラ立てれなかっただけと思われ。
855通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 01:51:46 ID:???
実際はラクシズのが憎まれてるから面白いな。
世間の常識、永田町の非常識ならぬ
負債の常識、世間の非常識かwww
856通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 16:53:09 ID:EeoAOF+9
このレスみてると、アンチの常識、世間の非常識と言うのが相応しい! と思うぞ。
857通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 16:55:27 ID:???
何に対してのアンチ?
858通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 18:09:43 ID:???
ゴキブリに構うな。
859通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 18:54:24 ID:???
知障ラクシズは精神病院へ帰れ
860通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 21:51:53 ID:???
お前らも煽るなよ
861通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:43:26 ID:???
異世界から何々って、なんか意味があるの……?。馬鹿馬鹿しくならない。
862通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:44:52 ID:???
意味なんかいらねえ
面白ければそれでいい
863通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:47:57 ID:???
どうせなら新キャラを出すとかさ既存のキャラを生かす為に、新しいシナリオを考えるとさ。
864通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:48:34 ID:???
>>861
おまえウイングマンバカにしたろ?
865通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:53:05 ID:???
ところで新説Zでヤザンが最後脱出したはずだけどCCAじゃ何してんだ?
866通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:59:15 ID:???
田舎に帰りました
867通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:59:59 ID:???
ギュネイに撃墜でもされたんじゃね
868通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 01:01:10 ID:???
いまだに姿を現さないラクス…
不安だ
869通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 01:12:33 ID:???
ヤーサンやってる
870通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 01:14:17 ID:???
ギラ・ドーガを駆ってカイと戦うんだよな
871通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 01:15:53 ID:???
>>870
ジオンに寝返るのかよw
872通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 01:16:50 ID:???
>>861>>863
やりたきゃ自分でよそでやってろ。でなけりゃ死ね。
873通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 02:12:41 ID:???
>>1氏はこないのかな?
874通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 07:14:53 ID:???
普通は有り得ないし、既存のキャラを生かし切れていないんだよ。生かし切れないのだったら、さっさと殺してしまえば良い。U.CのMSとパイロットの技量は、U.EのMSとパイロットの技量頼も数倍が上なんだろう。
だったら、スエズ基地とモスクワをさっさと占領しちゃいなよ。俺ならグダグタと本編通りに描かないで、そっちの展開に持っていくけど。
875通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 07:23:04 ID:???
いかんいかん、うっかりパクっとイクとこだったぜ
876通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 07:23:10 ID:???
■ギャザー・スタイムという概念の導入
(注:ギャザー・スタイムとは、ニュータイプという概念を一歩進めたもの。
他者との共鳴だけでなく、精神的に他者と完全な一致を見ることを表現しようとしていたようだ。
この概念は、結局「Z」では採用されず、わずかにZのバイオセンサーに名残をとどめる。)
しかし、人と同化すると言うことが、人の能力の拡大であるとは思えないという反論に対して、
どのように対処するのか?
他者をとり込む技術的な解決策がどこにあるのか?
とり込まれた側の主権というものがどのようになるのか?
主権論で言えば、肉体を持った人であるからこそ、任意の認識を具有する事ができるのであって、
そうでない人の存在というものは、偏向したものとして存在するわけであって、
反物質的でありすぎるという懸念を解消する事はできないのではないのか?
死を待たなければ、ギャザー・スタイムが完決しないとなったとき、
故意に殺人を犯すというプロセスが産まれ出よう。
劇的でいいのだが、そこにのみ焦点を合わせるという訳にはいかない。
大体、ギャザー・スタイムの概念の至る処は、愛なんだ、
という結論さえも用意する事ができるわけで、それでは"ヤマト"と同じでしかない。
この前提を回避する方法というものが、設定されなければ、
ゼーター・ガンダムの意味はないわけだ。
84.3.12
■ゼーター・ガンダム=逆襲のシャア=
これを置いた時のゼーター・ガンダムはどうなる。
これが第二のニュータイプ論。ギャザースタイムになるのだろうが、
この為には、もう少し時間が必要な気がする。
手をつなぎあう人の共感論なのだから。
現実と照らし合わせた場合のシリアスなアピールがどの部分にあるのか?
ドラマナイズしてゆく場合の、共感はどこにあるのか?
なにが、一般受けするものなのか、という原点の模索は、注意深くされなければならない。
しかし、ここまで吐き出した時に、俺はどこに行くのかという不安がある。
大丈夫だという安心感は、所詮自慰なのだから…。
84.5.21

ΖLDBOX富野メモより
初期案Ζのカミーユでやる予定だったNTを超える覚醒のギャザースタイム
をこの小説でやっちゃってくださう
877通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 08:43:52 ID:???
>>876
これ以上強くなってどうするw
878通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 08:57:35 ID:???
>>876
おい、たしかギャザースタイムも最後は精神崩壊ENDだったじゃねーかw
しかも初期原案Zだとシロッコがもろにコーディネーターなジョージグレンなんだぜ?
879通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 09:18:39 ID:???
>>878
そうそう初期案シロッコは覚醒シャアもボコボコの
近代医学が生み出した超人間で
それを倒せるのが覚醒したカミーユの捨て身だからな…
880通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 09:20:18 ID:???
>>876
終盤のカミーユの中に死者が一体化してるのは
ギャザースタイムという初期案からきてるのね
881通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 09:27:59 ID:???
ラストはギャザースタイム発動でUC世紀へ帰還
882通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 11:22:22 ID:???
今の富野のNT論で言うと、ギャザー・スタイムはちょっと違うよな。
883通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 11:25:10 ID:???
>>882
確かにギャザースタイムはある意味イデ発動みたいなもんだから肉体否定になるわけで
今の富野のNT論の精神論、肉体論は等価のものであるというNT論の結論からみれば
方向性は変わってるわな
884通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 11:51:45 ID:???
素地にはA・C・クラークの著作も入っているのか?
885通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 12:05:32 ID:???
>>884
富野は結構昔のSF小説とかは影響されてるとは思う
886通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 12:12:53 ID:???
肉体と精神は一緒に宿ってこそ生きるのであって、別個に存在してはどちらも生きないのが俺の主観なんだがね。
887通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 12:21:16 ID:???
>>886
富野はやっとそれに気づいたから
新訳のカミーユで肉体の大切さも説いたとは思うね
肉体と精神の両方の繋がりがあってこそ真のNTというか
888通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 15:45:00 ID:???
889通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 15:56:06 ID:???
>>888
ちょwww川原泉wwww元ネタ知ってる奴いるのかwww
890通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 16:15:56 ID:???
891通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 16:19:32 ID:???
初めてみた
続きが気になる…ッ!!
892通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 16:25:49 ID:???
いっ、犬だ! あの犬を追うのだ!
893通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 18:59:43 ID:???
でもなあ、旧説も含めてZのあのラストには違和感を感じるんだよな。自己の意志を具現化出来るのは解るとして、他人(しかも死んだ人間)の意志を具現化すると言うのは……。まだ、Zが大破しながらもジオを撃墜ならよかったのだが。
894通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 19:04:17 ID:???
>>893
ZのNT描写にはどうしても根底に上に書いてるギャザースタイムの能力があるから
NT描写がある意味ZZよりオカルト、超能力的なのに抵抗ある人がいるのもわかるけど
ラストのハイパー化がないとΖというかカミーユじゃないとも思えるんだよな
895通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 19:10:09 ID:???
死者と一番精神的に繋がることができたカミーユが
精神世界から肉体世界に帰ってくることに
新訳ΖのNT論はテーマになってるんだと思う
896通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 20:52:44 ID:???
こだわり過ぎているのかも知れないが、あのカミ−ユの人間離れしたハイパー化が原因で、ZZの前半がコメディーになってしまった一面は否定出来ない。それ故に、こだわってしまう。
897通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 21:08:38 ID:???
>>896
人間離れした力のツケを一応崩壊でみせたんだけどね
新訳では体感でカバーしたが
898通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 21:22:16 ID:???
う〜〜〜〜〜〜んだな。
899通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 21:46:37 ID:???
>>896
まあまあ、いずれ星の鼓動〜CCA間の話も何らかの形でオフィシャルに
後付けされるだろうから(禿が直接やらなくても磐梯&日登が放っとく訳がない)
そん時にはそれなりの描写になんでしょ。
900通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 21:54:36 ID:???
>>893
NT論自体が人と人が繋がるというのがテーマだから
どうしても人の想いが力になるというのは
富野作品は毎回やってることだからな
Ζは一番それが強調されてるけどね
901通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:04:30 ID:???
>>900
キラ・ラクスなどはまるでNT論と逆のようなことしている
気がするのはオレの気のせいかな?
902通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:16:22 ID:???
まぁ、作った本人が自信たっぷりに語ってるしな

>>今回の基本はですね、言葉で解決できなきゃダメということです。
これは「ファースト」のニュータイプに対するアンチテーゼなんですけれど、
人と人とが心で分かり合えるなんていうのは嘘なんですよ。何もしないで分かりあえるわけないというのがあるんです。
人間は言葉の動物なんですよ。話し合ってお互いの価値観の違いを認めることが、
全ての争いの停止に繋がると思うんです。言葉でぶつかり合えないと、後はどちらかが滅ぶまで殺しあうしかない。
どんな問題でも言葉で解決するしかないというのが、「SEED」で一番出した部分ですね。
ですから、キラとアスランが和解したように、全ては話し合いで解決していく物語になっているんですよ
903通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:19:46 ID:???
あれ、種も種死も何か話し合いで解決したことなんてあったっけ?
904通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:22:09 ID:???
そもそも話し合ったか?
905通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:23:25 ID:???
>>902って何?まさか種か種死のこと言ってるわけじゃないだろ……?
906通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:25:44 ID:???
あったのはお互いに対する生理的嫌悪感。
907通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:48:42 ID:???
一方的にポエムを語ることが話し合いで解決するってこととは知らなかったよ…
908通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 22:49:29 ID:???
全てを暴力で解決したじゃん
909通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 23:17:26 ID:???
何で彼らは話合おうとしなかったんだろう??
今、久々に銀英伝観てるんだけどラスソはヤンを見習えよと思う。
ラクシズとオーブは民主主義を完全スルーしてるよなwww
910通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 23:21:36 ID:???
お前ド・ヴィリエにヤンを見習えっつっても無駄だろ。
つまりそういうこと。
911通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 23:30:44 ID:???
>>910
なるほど!すばらしい例えですねwww
言われてみればあの2人には共通点が大量にあるwww
912通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 23:46:36 ID:???
そもそも製作陣が一方的な語りかけを話し合いと勘違いしているような
カミーユとラクシズはどうあっても相容れそうも無いような気がしてきた
913通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 01:44:43 ID:???
>>912
せっかく新訳ベースで精神的に健全でいられたのに、ラクスと不毛な蒟蒻問答を
強いられた結果ブチ切れてTV最終二話分モードに逆戻り…なんてなったらやだな…
914通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 09:41:22 ID:???
ラストのシンの台詞
  「人は一つに繋がれるって誰かが言ってたけど俺は信じる、そうだろカミーユ…」
   
  「お別れを言ったんだ、もう一人の俺に…」

915通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 22:57:55 ID:???
ここのとこ職人様の投下が無いが
自分ひょっとして荒らしてしまったのか…
916通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 23:34:36 ID:???
まだ3日しかたってないじゃん。
917通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 23:36:45 ID:???
遠まわしな催促っぽいぞ
負担になるようなことは言うなよ
918基地外ウッソ厨 ◆4xgtnf/enY :2006/11/07(火) 11:56:31 ID:???
ニア氏ね
919通常の名無しさんの3倍:2006/11/07(火) 12:02:30 ID:???
久しぶりに野球部を見た

旧シャアに帰れw
920通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 14:08:08 ID:???
種・種死は『話し合いで解決する世界』を描いたのではなく、
『話し合わない者同士ばっかだと、こーなっちゃうぞお!』
『ニュータイプみたく、共感なんて無理無理〜』
『良い子のみんな!やっぱ、話し合いは大切だよねっ!』

って反面教師がテーマって理解すればOK?
921通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 15:15:38 ID:???
> 『話し合わない者同士ばっかだと、こーなっちゃうぞお!』
> 『ニュータイプみたく、共感なんて無理無理〜』
> 『良い子のみんな!やっぱ、話し合いは大切だよねっ!』

『自分の主張ばっかしてると、こーなっちゃうぞお』
『相手を理解しようという姿勢がないと、分析だけじゃダメダメ〜』
『良い子のみんな、やっぱ、相手への共感は大切だねっ!』

言わんとすることはわかるが、シンパシーをわかりやすく書いたら、
どんどんオカルトやニューサイエンスっぽく流れていったUCに対して、
言葉の大切さを描こうとしたら『言ったもん勝ち』にしかならなかったCEって感じか?

言葉の大切さを描こうとしたんじゃなくて、
『言葉を交わさずともわかり合えたら』という思いに対するアンチテーゼっつうか、
あてつけで選んだテーマにしか見えない罠
しかも『言葉を交わさず……』自体とっくの昔に言い出した本人が、
『それは願望っつうか幻想に過ぎません』と否定してるし。
922カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:24:19 ID:???
第二十九話「ヘブンズベースは燃えて」

この戦争を影から煽ってきたロゴスの拠点、ヘブンズベースにはデストロイが五機も配備され
ている。巨体故に局地戦での運用は難しいが、拠点制圧、防衛には効果的な兵器だ。
かつてカミーユとシン、キラがステラの乗ったデストロイを相手に戦ったが、圧倒的な防御力と
凶暴な物量攻撃に手を焼いたのは記憶に新しい。
戦線に復帰するハイネ、そして新たなMSを得たとは言え、苦戦は必至であった。
 
ザフトの軍隊がヘブンズベースの前に艦隊を展開する。
施設内に立て篭もるロゴスのメンバーに最後通告を言い渡していた。
 
そして、ミネルバのMSデッキでは出撃の準備が整えられていく。ロゴスのメンバーは降伏しな
いだろうというのが大方の見解だったからだ。
 
「あたしも今回からはインパルス!いつまでもミネルバの砲台の代わりなんてしてられないわ!」
 
ルナマリアが意気込む。メイリンとシンに諭されてようやくショックから立ち直っていた。
己を見つめ、周りの存在に気付いた彼女は一先ず落ち着きを取り戻す。
 
「レイ、あたしはミネルバを降りないわよ、いいわね?」
「好きにすればいい。今回の作戦、猫の手も借りたいほどだからな」
「あんたもあたしを猫扱いするの?冗談じゃないわよ!」
 
厭味を込めて言い放つレイにルナマリアが憤慨する。
 
「ふ…悔しかったら実績を残してみるんだな」
 
挑発するかのように言い捨てて去っていくレイに、ルナマリアは小癪に思っていた。
レイも自分と同じくクレタ島沖の戦闘以来の実戦のはずである。
 
「何よ!レイだって久しぶりのクセにさ」
 
思い出したように愚痴を零すルナマリア。それをステラと一緒に見ていたシンが繕うように
話しかけてきた。
 
「気にするなよルナ、あいつなりの励まし方なんだろうぜ?」
「…まさか、あんたじゃないでしょうね?レイがあんな冗談言うわけ無いわ!」
「ち、違うって!」
「どうかしらねぇ?」
923カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:26:33 ID:???
訝しげに見上げるようにシンに迫るルナマリア。シンはその表情に慄いて後ずさりする。
ジブラルタル基地での出来事が頭の中に残っていた。
 
「あんた、ステラの前だからってちょっと調子に乗ってんじゃないの?」
「関係あるかよ!」
「フン!何さ、スケベ!」
「うるさい、アホ毛!」
 
額に青筋を浮かべる二人。肩が震え、いつもの調子で口喧嘩を始める。
 
「シンとルナ…喧嘩ばっか…?」
「ん?」
 
脇で眺めていたステラが呆然と呟く。その様子にハイネが気付いた。
 
「それは違うな。あれはな、"喧嘩するほど仲が良い"ってやつだ。ああ見えて二人は仲が
良いんだよ」
「そうなの?」
「嫌いな奴とは話もしたくなかったりするだろ?つまり、そういう事!」
「……良く分かんない」
「ま、つまりは喧嘩してるうちはまだ仲が良いって事さ」
「う…ん、ステラ、シンと仲良し…シン、ルナと仲良し…じゃあ、ルナもステラと仲良し?」
 
ステラが掌を広げて指を折り曲げて呟く。その台詞の内容にその行為は意味があるのか、
とハイネは思ったが、ステラの口から出た言葉にハッとする。
 
「それそれ、そういうのいいね!じゃ、俺は?」
「ハイネ、シンと仲良し?」
「勿論!」
「じゃ、ステラとも仲良し!」
 
ステラの感性は、幼いながらも年を取る毎に自分達が忘れていっている感情なんだとハイネ
は思う。軍隊という殺伐とした中に、このような感性を持った少女が居るという事は異常なこと
ではあるが、前向きに捉えればそんな中に癒しをもたらしてくれていると考えることもできる。
そんな考えを、ハイネはステラを利用しているような気がして少し申し訳ない気持ちになった
が、細かい事だと切り捨てる事にした。
こういう事は気にしだしたらキリがない事をハイネは知っている。
 
そんな風にしてハイネとステラが話している間にもシンとルナマリアの口喧嘩はヒートアップし
ていた。そこへ堪らなくなったハイネが仲裁に入る。
 
「おい、お前等!出撃前に緊張をほぐすのも良いが、戦闘配備前だぞ!少しは落ち着け!」
「「それはこいつが!」」
 
二人同時に意見する。ハイネはいがみ合う二人に半ば呆れるしかなかった。
924カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:28:49 ID:???
「…そうかそうか、二人ともそんなに俺の修正が受けたいか……?
入院中は余り体を動かせなかったからな、ストレスが溜まっていたんだ。それを発散させてく
れるなんて二人は優しいなぁ?」
 
指を鳴らすハイネの顔は明らかに引きつっていた。長い前髪が片目を覆い隠す。その奥で、
ハイネの本性が光ったように見えた。
それを見たシンとルナマリアは急におとなしくなる。二人は至らない自分を反省した。
 
「ルナもステラと仲良し。頑張ってね」
 
ハイネに叱咤され、整備士と打ち合わせに入ったルナマリアに、ステラが屈託の無い笑顔で
激励の言葉を掛ける。
 
「ステラ……」
 
一度はステラの存在に憎しみを抱いたりもしたが、そんな蟠りも今のルナマリアには残ってい
ない。
しかし、純粋にルナマリアを気遣ってくれるステラに対して申し訳ない気持ちはあった。
 
「ありがとうね、ステラ……あと、ゴメンね……?」
「うん?」
 
謝るルナマリアにステラはその意味を理解できずに首を傾げる。
しかし、ルナマリアの表情には不思議と晴れやかな感情が出ていて、ステラは気に留めない。
離れた場所でその様子を見ていたレイは少し口元を緩め、しかし直ぐに引き締めなおして
カミーユの元へ向かう。
 
「カミーユ、ハイネからの指示を伝えるぞ。今回カミーユはルナと共に俺たちの援護に廻ってく
れ」
 
整備士と打ち合わせに入っていたカミーユはレイから伝えられる指令に目を丸くした。
 
「ハイネが前に出るのか?」
「そうらしい。前線での指揮を執る事になる」
「大丈夫か、復帰していきなりなんて……?」
「前を俺とシンで固めて隊長のハイネに指揮を任せる。ハイネが出過ぎなければ大丈夫だ。
カミーユはルナを見てやってくれ」
「レイも今回が復帰戦だろ?大丈夫か?」
「訓練はしていた。それに、ヘタクソだったレジェンドの扱いも、カミーユにしごかれてからは
格段に上手くなったと自負している。今なら、カミーユにだって勝てるさ」
「お前が言うと怖いな…妙な説得力を感じるよ」
925カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:30:41 ID:???
ジブラルタル基地での模擬戦、カミーユが圧倒したとはいえ、その時はシンもレイも新しい機体
をまともに扱えていなかった。本来であるならば、どう考えてもデスティニーとレジェンドの二機
を相手にΖガンダムで圧勝できるはずが無いのだ。
しかし、カミーユの方は扱いなれているΖガンダムであり、シンとレイは処女飛行もいいところ
の状態であった。
条件が違っていたならば、カミーユはやられていただろうな、と感慨深く思う。
二人は確実に強くなっている。
 
「頼むぞ、まだルナは万全とは言えない。カミーユが居れば安心だからな」
 
そうカミーユに告げると、レイはレジェンドのコックピットに戻って行った。
 
「聞く子ならな……」
 
レイにそうは言われても、基本的にカミーユ自身が感情的な為、ルナマリアを制する事が出来
るかどうかの自信が無かった。グリプス戦役の時分にも、カツ=コバヤシやファ=ユイリィの暴
走を食い止められなかった事が多々あった。
 
「上手く行くかどうかは……」
 
多少の不安を残してカミーユは呟く。カミーユ自身は誰かの面倒を見るという器では決して無
い。それは、本人も承知している根本的な性格である。
彼は基本的に自分の事で精一杯だったからだ。故に、経験として面倒を見るということには
慣れていない。
 
「分からないけど……」
 
気持ちを落ち着かせる。今回は戦場で感情的になり過ぎないように配慮しなければならない。
それはルナマリアの生死に関わってくるからだ。
 
各々が時を過ごす中、ザフトに拠る降伏勧告は続けられていた。
しかし、状況は刻一刻と開戦へと向かっていた。 

926カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:33:27 ID:???
ヘブンズベースに立て篭もるロゴスのメンバーは防衛態勢に自信を持ち、ザフトの勧告を無視
し続けた。埒があかない展開に業を煮やすザフト側であったが、ロゴス側は問答無用で攻撃
を仕掛けてきた。
これにより、奇襲を受ける形になったザフトであったが、これを機に一気に状況の打開を目指
すザフトは遂に攻撃開始の合図を出す。開戦である。
 
「ハイネ=ヴェステンフルス、セイバー出るぞ!」
 
最初に勢い良く飛び出して行ったのは肩部のアーマーをオレンジに塗装したセイバー。
塗装した部分だけフェイズシフトが展開されないが、そこはハイネの拘りだった。
"ハイネと言えばオレンジ"が彼のポリシーだった。
 
「シン=アスカ、デスティニー行きます!」
「レイ=ザ=バレル、レジェンド行くぞ!」
 
続けてデスティニーとレジェンドが出撃し、セイバーと三機の編隊を組む。
これが前線で活躍するミネルバの主力となる。
 
「カミーユ=ビダン、Ζガンダム行きます!」
「ルナマリア=ホーク、コアスプレンダー行くわよ!」
 
その後に前線の三機の援護とミネルバの防衛を担当するΖガンダムとインパルスが射出さ
れる。
いつもは前線で戦っていたΖガンダムが今回後方に廻る事となったのは、ミネルバのMSの
中で唯一自力飛行が困難であるという理由からだ。加えてインパルスに乗り換えたとは言え、
不安の拭いきれないルナマリアの面倒を見るという目的もある。
フォースシルエット装備で出撃したルナマリアにとっては、前線を抜けて来たウインダムや
ダガーLが復帰戦のリハビリ相手になる。
 
「凄い、インパルス…ザクとはパワーが違うわ!」
 
復帰戦とは言え、インパルスの性能に引っ張られるようにルナマリアの調子は上向きになる。
新型のデスティニーやレジェンドに性能で劣るものの、一般量産機であるウインダムや
ダガーL相手には十分な性能を有する。
 
「あんた達はお呼びじゃ無いのよ!」
 
空戦に特化したフォースインパルスでちらほら現れるウインダムやダガーLにルナマリアが
仕掛ける。
射撃が苦手なルナマリアはシンと同じく、接近戦を主軸に戦う。シンと違う所は射撃を接近戦
の為のきっかけにしか使えない所だ。
ルナマリアと違って射撃が別段苦手という訳ではないシンは、接近戦が得意でも展開によって
は射撃で切り抜ける事もある。
だが、ルナマリアは接近戦しか出来ないのだ。
全く当たらないというわけではないが、接近戦で片を付ける方が効率が良いのだ。
927カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:36:20 ID:???
襲い来るウインダムは機動性を生かした高速接近で切り刻み、ミネルバに向かおうとする者
にはビームライフルで足を止めて接近戦を仕掛ける。
これだけで殆どの敵は何とかなったが、近付いてこない敵にはルナマリアの弱点がモロに
浮き出る事になる。
 
「遠くから撃ってばっかで…卑怯者!こっち来なさいよ!」
 
焦れるルナマリアにはビームを避けながら逃げる相手に追い着けるほどの技量は持っていな
かった。苛立ちの募るルナマリアは無謀な突撃を敢行してしまう。
 
「イライラするなぁ…もうっ!」
 
ウインダムが直線的に突っ込んで来るインパルスに対して格好のカモを見つけたように
ビームライフルを構える。しかし同時に、思いもしない横方向からの強力なビームに、横っ腹
を撃ち貫かれてしまう。
 
「えっ!?」
 
突然撃墜されたウインダムにルナマリアは呆然とした。普通のビームライフルの射程外からの
攻撃であった。
 
『何でもかんでも突っ込むな!隙が生まれてるぞ!』
「カ、カミーユ……!?」
 
通信からカミーユの叱咤が聞こえる。
モニター画面に微かに映った景色には、ハイパーメガランチャーを下に吊り下げるようにして
ウェイブライダーが旋回していた。
 
(あんな遠くから狙撃したの…!?)
 
そうこうしている内にΖガンダムは次のターゲットに、明らかに相手の射程外と思われる場所
からウインダムを狙い撃ちして撃墜した。
 
「あんな事が出来るなんて……!」
 
ルナマリアは驚いているが、別段不思議な事ではない。Ζガンダムのハイパーメガランチャー
は長距離狙撃用の武器でもあるからだ。寧ろ接近されてしまってはその長さが仇になって
うまく立ち回れない事もある。
カミーユが長距離から狙撃をするのは至極当たり前の事なのだ。
しかし、射撃の苦手なルナマリアにしてみればカミーユの業はこの世ならざるものに見えたの
かもしれない。
 
『近付いてこない敵はこちらに任せて貰っていい。ルナマリアはミネルバに取り付こうとしてい
る敵を!』
「りょ、了解!」
928カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:38:25 ID:???
通信を続けながらもカミーユはウインダムを狙撃していく。
MS形態で狙いを絞って狙撃し、撃った後はすぐさまMAに変形して高度を確保しつつ次の相手
に向かって行く。
 
「あたしにあんな事は出来ないわね…やれる事をするしかない!」
 
若干の悔しさを押し殺してルナマリアは次のターゲットに仕掛ける。
接近戦が上手く行っている事が自信に繋がっていたが、同時に油断も徐々に生じていた。
 
 
一方、前線で活躍している三人は順調に敵の防衛線を破りつつあった。
デスティニーが機動性でかく乱し、レジェンドがその合間を縫って狙撃する。
セイバーはやや下がった位置で指示を出しつつ一撃離脱戦法を取っていた。
 
「敵はラインを引く様に陣取っている!何処か一点でもその壁に穴を開けるんだよ!」
 
ハイネがシンやレイ、他のザフトパイロット達に指示を出す。
 
『とは言っても…敵の数は尋常ではありません!』
「数ならこちらも負けていないだろう!気持ちで負けるな!」
 
一機のグフのパイロットがハイネに近付いて弱音を洩らす。
 
『ですが、自分はまだ死にたくありません!』
「まだ始まったばっかだろ!軍人が何ほざいてんだ!?攻撃しなきゃ終わらんだろうが、戦争
は!この戦いに掛かってんだぞ!」
『家族が居るんですっ!こんな戦いに自分が駆り出されるなんて思わなかったんですよ!』
「グフは俺が乗ってた機体なんだぞ!俺の誇りを汚す気か!?」
 
愚図るグフのパイロットにハイネは苛立ちを募らせる。そのパイロットの気持ちも分からない
でもないが、ハイネにしてみれば元は同じグフのパイロットであったばかりにその態度が許せ
なかった。
 
『そ、そんなの関係ないじゃないですか!?自分のは唯の量産機なんです、貴方の様な高性
能機じゃないんですよ!腕にも自信があるわけじゃないんです!』
「逃げたいのか?だが、今逃げ出せば敵前逃亡だぞ!それで良いのか!」
『ひ、卑怯ですよそんなの!自分は死にたくないだけなんです、見逃してくださいよ!』
「フェイスの俺に違反犯せってのか?甘えてんじゃねぇ!」
『自分に死ねと仰る!』
「言ってないだろ!何だよそれ、死ぬと決まったわけでもあるまいし…気持ちが死んだら死ぬ
んだよ!だから自分は死なないと思い込んどけ!そうすれば生き延びられる!」
『あんな大軍を見てそんな気持ちになんかなれませんよ!』
「じゃあ、どうすればいいんだよ!?」
 
煮え切らないグフのパイロットの言葉にハイネは痺れを切らす。いつまでも相手にしていられ
る状況ではない。
929カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:40:49 ID:???
『保障が欲しいんです、死なない保障が!』
「保障ぉ……!?」
 
怪訝な顔でグフのパイロットの言葉に首を傾げたその時、一筋の巨大なビームが二機の間を
掠める。それは、彼方からのビームで、減衰していても直撃していれば間違いなく消されてい
たであろう程の強力なものだった。
 
『ひ、ひぃっ!』
「あ…あれは……!」
 
敵の防衛ラインの裏側に巨大なシルエットが浮かび上がる。
 
「シン!」
『レイ、分かってる!』
 
最前線で戦いを続けるシンとレイにもその存在を確認していた。二人はその相手をするために
機体を向かわせる。
 
「1、2、3……デストロイが三機……よくもまぁ!」
『あ…あぁ……!も、もう駄目だ、助からないんだ!』
「五月蝿い、黙ってろ!」
『どうしようも無いじゃないですか…あんなのが三機ですよ!?勝てっこ無いじゃないですか!
あぁ…自分はここで死ぬんだ……』
「だから黙ってろって言っている!俺の修正を受けたいのか、お前は!?
…そんなに死にたく無いんなら俺の側を離れるな!」
『えっ……?』
「俺が保障してやる!お前はここでは死なないんだよ!」
『あ……有難うございます!』
「分かったら死ぬ気で動け!止まった時の安全性までは保障出来んからな!」
『は…!了解です!』
 
自分を根拠にして安心させる方法は余り好きではなかったが、それでもしつこいグフの
パイロットに安心を与えるにはこうするしか方法が見つからなかった。
何とか気弱なグフのパイロットをその気にさせ、ハイネは再び戦場を駆ける。
随伴するようにグフが後につき、シンやレイの援護に向かって行った。
 
 
「こんなの三機も揃えるなんて……俺を怒らせたい様だな!」
 
シンは薄くなった防衛線を抜け、そびえる山のように威圧するデストロイに向かって行く。
シンにとってステラが部品のように乗せられていたこのデストロイは不愉快な代物であった。
 
「ロゴスにこれ程の戦力が残っていたとはな……だが、これでは資源の無駄遣いだ」
 
一方のレイは三機のデストロイを見下す様に冷静に見ていた。
その余裕も以前のインパルスとデストロイの戦闘データから、この様な事態に備えて対策を
用意してあったからだ。
930カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:43:01 ID:???
「デストロイの弱点は機動性の無さと小回りの効かなさ、そして……」
 
レジェンドは独楽鼠の様な細かい動作でデストロイの砲撃をすり抜け、接近する。
レイのテクニックは、この短期間でシンをも上回るほどの成長を見せていた。カミーユとの模擬
戦によって刺激されたレイの可能性が芽吹いたのだ。
 
「足元が極端に弱い事…つまり、接近されたら終わりだという事だ!」
 
レジェンドがデストロイの足元に潜り込み、ビームサーベルで左脚を薙ぎ切る。
バランスを崩されたデストロイは片脚で自重を支える事が出来ず、その場に仰向けに倒れる。
 
「貰った!」
 
そこに遅れて抜けて来たハイネのセイバーがデストロイのコックピットをビームサーベルで貫い
て止めを刺した。グフもそれについて来ていた。
 
「先ずは一機だな、レイ!」
『ハイネ、セイバーではデストロイは無理だ。ここは俺とシンで切り抜けるからハイネは後ろで
統率を執ってくれ』
「俺を足手まといにするつもりか?偉くなったもんだよ、お前も!」
 
気にせずにレイは次のデストロイに向けて飛び立って行く。
ハイネは不満そうにセイバーを移動させる。
 
『す…凄いんですね、ミネルバのパイロットって……あんな簡単にこんな大きなMSを倒してし
まうなんて……』
「その隊長をやってる俺が一番凄いんだぜ、安心しただろ?」
『は、はい!』
 
調子に乗るハイネであったが、自分がシンやレイよりもパイロットとして優れているとは思って
居なかった。
隊長であるとは言え、長きに渡って戦線を離脱していた間に彼等がどんどん実力をつけて
いった事は分かっている。
それでもこうして粋がっているのは、このグフのパイロットに、より大きな安心を与えてあげる
為であった。
実力で劣ってはいても、隊を纏める力はハイネにしか無い事は自分の事ながらも承知してい
る事である。ミネルバのMS隊の隊長はハイネでなくてはならないのだ。
 
「よし、俺の部下がここを突破するから俺達は戻るぞ。後方の部隊の指揮を執らねばならん!」
『了解です!』
 
グフのパイロットはハイネに対して、フェイスとしてだけでなく、人間としても信頼を寄せつつ
あった。
 
931カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:48:43 ID:???
その頃、シンは二機のデストロイの集中砲火に遭っていた。ビームの鮮やかな光とミサイルの
生物の様な煙が合わさって空間を隙間無く埋める。
 
「まだ近づけない……!」
 
二機のデストロイから距離を取ってシンは機を窺う。
 
「良くこれだけの量を無駄撃ち出来るな…まだ切れないのか?」
 
シンが狙うのは攻撃が止む一瞬…それも二機同時にである。
デストロイのパイロットがデスティニーを狙い撃ちしようとして照準を合わせる為に手を止めた
その瞬間、デスティニーは鬼の首を取る勢いで突撃を敢行する事になる。
しかし、中々どうしてか一向に手数を緩める気配が見受けられない。シンは焦れる気持ちを
抑えて辛抱強く二機のデストロイの攻撃を避け続ける。
 
「まさか読まれてる!?」
 
そう勘繰った瞬間であった。デストロイの攻撃の手数が明らかに少なくなり、狙いを絞ってき
ていた。
そして遂に、打ち合わせたように二機の視線がデスティニーに集中し、まるでスコールが突然
止むかのごとく一瞬だけ攻撃が途切れる。
 
「待ってたぜ、この時を!」
 
シンの目が据わり、デスティニーが背部から光を散らしながら鬼のようなスピードで片方の
デストロイに急接近する。背中のアロンダイトでデストロイを居合いで真ん中から縦に切り伏
せ、もう片方にフラッシュエッジを投げつけて片脚を切離す。
アロンダイトで切られたデストロイはザクロの様にパックリと割れ、脚を切られた方はレイが
相手したデストロイと同じように自重で倒れる。
シンはデスティニーを上昇させてデストロイの爆発をやり過ごし、こちらへ向かって来たウイン
ダムやダガーLを左肩の背部にマウントされた高エネルギー長射程ビーム砲でまとめて叩き
落す。
そして邪魔者を一掃した後、倒れて錯乱するままにミサイルを撃ち放つデストロイのコックピット
部分にパルマフィオキーナを叩き込んだ。掌底からのビームがゼロ距離から放たれ、デストロ
イは爆音と共にコックピット部分から煙を上げる。
 
この時、シンはこれらのデストロイにステラと同じ様な境遇の者が乗っているとは考えなかった。
シンにとってはこの戦闘に出てくる敵は、戦争を長引かせようとしている敵以外の何者でも
なかったのだ。
それ故、これらの敵にシンは容赦をしない。
この戦闘に勝利する事で世界が平和になる事を信じて疑わないシンは、目的を焦るあまりに
デストロイのパイロットを務める人間の悲劇を忘れていた。
ステラに限らず、エクステンデッドは悲劇の存在なのだ。
932カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:55:08 ID:???
「二機撃破!レイ!」
『こちらも一機仕留めた。これで厄介な奴は排除できたことになるな』
「よし、このまま行くぞ!」
 
合流して来たレジェンドと共に中枢への進路を確保する為、デスティニーは煙濃い戦場を切り
裂いて飛ぶ。
 
 
ヘブンズベースの司令室ではジブリールをはじめとするロゴスのメンバーが集結していた。
戦場の状況が混乱の様相を呈してきた事がメンバーを不安にさせている。
 
「どうするのだジブリール、このままではいずれコーディネイター共に攻め込まれる事になるぞ」
「早くもデストロイが三機も潰されたそうじゃないか?ここへ奴等がやって来るのも時間の問
題だぞ?」
 
口々に盟主であるジブリールにいちゃもんをつける。
耳が痛いであろうその言葉にも、ジブリールは呆れたような顔をして聞いていた。
 
「何を心配なさっているのです、皆様方?この基地は万全ですよ。コーディネイター共に敗れ
る確率等1%も有りはしないんです、もっと堂々と構えていればいいんですよ」
「しかしな…これだけやられていれば不安にもなる。せめて何か打開策でもあれば安心でき
るのだが…」
「有りますよ?勿論、私も無策でこのような状況になりはしないなどと考える愚か者では有り
ませんからな」
「本当かね?して、どのような……」
 
訊ねられたジブリールは顎を少し引いて喉の奥でククッと笑ってみせる。
その余裕の表情でメンバーの期待感を煽る。
 
「何…至極単純な事ですよ。攻められる前に攻め落とせって…ね?こちらが先に敵の頭を潰
してしまえば良いんですよ。それでこの戦いは我々の勝利です」
 
ジブリールの案に皆がざわつく。どの様な奇策を案じているかと思えば、子供でも思いつく程
単純な事だったからだ。
 
「そ、その通りなんだがな?事はそれ程単純な事では無かろう?」
「そうじゃ、攻め落とす前に奴等がこちらに来てしまったらどうするつもりじゃ?

現に今、押されているではないか」
「お年寄りが心配性なのは昔からの常ですからな、これだけでは不安に思うのも無理は無い。
ですが安心して頂きたい、その辺も抜かりなくちゃんと準備してありますよ」
「ほ、本当かね!?ならその準備とやらも聞かせてもらいたいものだ」
「それは出来ませんよ。自陣の真っ只中とは言え、何処から情報が洩れるか分かったもので
はありませんからな。相手は我々を遥かに凌ぐ化物共です。これは分かる時が来るまで秘密
にさせてもらいますよ」
「し、信用して良いのだな?」
「勿論です。私が今までにあなた方を裏切った事などありますか?」
「ム……分かった、信用しよう……」
933カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 17:58:10 ID:???
ロゴスメンバーが一応の納得を見せ、再び戦場の状況を映すモニターに目を移す横で、
ジブリールは眉間に皺を寄せて歯噛みしていた。
 
(デュランダルめ…この借りは高くついたぞ!すぐに倍の利子をつけてお前に返してやる…!)
 
今までの余裕の上辺は脱ぎ捨て、デュランダルへの敵対心を顕わにする。
ジブリールにとってこの戦闘の結果は分かりきったものであった。後はどの様にして脱出を
図るか…それだけがジブリールの懸念する所であった。
 
 
デスティニーとレジェンドに防衛ラインを突破され、布陣を崩された連合側は乱れるままに攻撃
を仕掛けて来た。
ミネルバにも押し寄せるようにウインダムやダガーLの大軍が襲い掛かってくる。
そんな状況に格闘戦主体のルナマリアは苦戦を強いられていた。
 
「この数…ヘブンズベースを守る気は無いの!?」
 
流れるようにインパルスを操り、1・2・3と一撃の下にビームサーベルで敵を切り落として行く。
 
「あの先で何が……くっ!?」
 
ヘブンズベースの中心部のある方向を見つめたルナマリアに、後ろからのビームがインパルス
の脇を掠める。ルナマリアは背筋が凍る想いを味わったが、それを押し殺して攻撃してきた
ダガーLをビームサーベルで切り落す。
 
「油断大敵!敵も焦っているようね!」
 
気を引き締める台詞とは裏腹に、心の内では今のがどれほど危険な事であったのかを認識
出来ていない。
と、その時又も背後から爆発音が聞こえた。ルナマリアが振り返ると、インパルスを狙ってい
たウインダムを友軍のバビが撃ち落してくれたのだ。
 
『動きが止ってるぞ!しっかりしろ、ザフトレッド!』
「す、すみません!」
 
ベテランのパイロットを思わせる低い声でバビのパイロットがルナマリアに檄を飛ばす。
それに応えるようにルナマリアは再び機動性を生かした格闘戦を仕掛けていく。
しかし、本来自陣を固めていた大量の防衛部隊がザフト軍側に流れ込んできた事によって、
逆にザフト軍側が包囲されるような形になりつつあった。
次々と沸くように現れる敵に、接近戦主体のルナマリアでは今までの様に上手く捌けない。
状況は一転して不利になりつつあった。
 
「息苦しい戦場…いままでが嘘みたい!」
934カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:01:07 ID:???
出来るだけ正面に敵を据える為に、ルナマリアは敵を誘導するように引きつける。
中には艦隊の方向へ向かう敵も居たが、それは他の友軍に任せるとして、後ろからついて
来た敵に振り返る。
大体四、五機程度だろうか、ルナマリアは動きを止めたインパルスに一斉にビームライフルを
放つ敵軍に対してシールドを構えて突っ込む。
 
「こんなものぉ!」
 
敵の放ったビームは運良く全弾シールドで防げたが、一度に多数の負荷を掛けられたシール
ドは弾ける様に割れてしまう。目の前の敵以外にもまだ多数の敵が残っている中で、ルナマ
リアはシールドの耐久力を過信しすぎていた。
 
「嘘っ!?」
 
躊躇う余裕は無い状況。そのままインパルスを流れるままに操り、並ぶようにしている複数の
敵を流れ作業の工程をこなして行く様に切り落して行く。
その場は何とかなったものの、シールドを失ったインパルスにはビームを防ぐ手段は残されて
いない。スペアを出して貰おうにもミネルバとは少し距離が離れてしまっている筈である。
次の敵がインパルスにターゲットを絞る中、ルナマリアは自らの油断が招いたピンチを迎えて
いた。
 
「私にかわせるかしら……!」
 
浮き足立つインパルスに気付いてか、ダガーLの編隊が向かって来る。シールドの無い状況
でこの数を相手にする事は不可能であった。
シールドを失った事の不覚を認め、腹を括るしか選択肢は残されていない。
 
(結局あたしはもうアスランには会えないのかなぁ……)
 
覚悟を決た瞬間、突然目の前のダガーLの群れがタンホイザーの光の中に消えていった。
 
「タンホイザー…え…嘘ッ!?ミネルバはもっと後方に居るはずじゃ……!」
『お姉ちゃん、危なかったでしょ!?』
「メイリン!何でミネルバがこんな前に……!?」
『カミーユさんが教えてくれたのよ!』
「カミーユが……?」
『インパルスのシールド、出たよ!ちゃんと受け取ってね!』
 
ミネルバからインパルスのシールドが射出される。ルナマリアの命綱とも言えるそれを丁寧に
受け取り、Ζガンダムを捜す。
 
「カミーユ…どうしてあたしがピンチなの分かったのかしら……居た!」
 
ルナマリアがミネルバの北東に目をやると、そこに単機で奮戦するΖガンダムの姿が見えた。
周囲をウインダムに囲まれ、ほぼ360度からの攻撃を受けている。
935カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:03:06 ID:???
「何あれ!?孤立しちゃってるじゃない!他の機体はどうしたのよ!?」
 
慌てて友軍を探したが、どこの部隊も押し寄せてきた敵を相手にする事で手一杯の状態だった。
 
「って、他を当てにしてる場合じゃない!あたしが行かなきゃ!」
 
気を取り直し、ルナマリアはΖガンダムの下へ全速力で向かって行った。
 
 
「後ろ…下…!」
 
コックピットの中でそう呟きながら、アームレイカーを捏ねる様に細かく操作しながらカミーユは
敵の攻撃を最小限の動きで回避していく。
 
「次は右の二機と上に移動した……ん…?ルナマリア、間に合ったか!」
 
ウェイブライダーで回避し続けながらも、インパルスがこちらへ向かっている事がカミーユに
イメージとして伝わってくる。サイコフレームがカミーユの思惟を拡大し、戦場の人間の感情を
より敏感に察知する。
サザビーの部品を組み込んだことにより、Ζガンダムの反応速度は格段に鋭くなっていた。
 
「囲まれて…何処か一つでも穴が空けば……!」
 
ウェイブライダーのままで、この包囲された状況から突破するのは難しい。
相手が素人なら問題無く切り抜けられるのだが、敵も慣れているらしく、タイミングの取れた
連携でカミーユに逃げる隙を与えない。
 
「こいつら、ベテランパイロットか!」
 
カミーユの予測は当たっていた。
現在Ζガンダムを包囲しているウインダムは八機である。その八機は同じチームの所属で
あった。
このパイロット達は、これまでのミネルバの戦闘データからカミーユのΖガンダムが一番厄介
な相手であると分析し、戦場で見つけた時には真っ先にΖガンダムを落とそうと画策していた
のだ。
そしてΖガンダムを見つけ、ベテラン特有の老獪さで包囲して逃げ道を塞ぎ、カミーユを追い
詰めていた。
しかし、そこまでは上手く事を運べたが、問題はそこからであった。いくら連携でΖガンダムを
囲い込み、死角からの攻撃を何度繰り返そうとも掠りもしないのだ。
この八機のウインダムチームはこれまでこの戦法で何度と無く敵を葬ってきた。
それなのに、このΖガンダムに限っては手を出そうが足を出そうが全く手に負えないのである。
彼らは根競べには自信があったが、ここまで鮮やかにかわされ続けると流石に焦りの表情を
浮かべる。カミーユに攻撃させる隙は与えていないが、時間が掛かりすぎていた。
936カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:05:12 ID:???
「カミーユ!」
 
ルナマリアのインパルスがその場に乱入して来る。
Ζガンダムに気を取られていたウインダムチームはその接近に気付かず、一機を撃墜されて
しまう。
 
「カミーユに気を取られて…迂闊すぎるのよ!」
 
ルナマリアが口にする"迂闊"という言葉は相手に対してだけでなく、自分に対しても戒めの
意味を含んでいた。自分の不注意のせいで周りに迷惑を掛けた事がルナマリアの気持ちを
引き締めていた。ここは戦場である。
 
「インパルス!ルナマリアが来たか!……取り敢えず抜けられたけど……」
『カミーユ、無事よね!?』
「ああ、助かった!ルナマリアは前に出たミネルバを守れ!こいつらは俺がやる!」
『何で!?二機で掛かった方が良いじゃない!』
「母艦を落とされたら終わりだろう!いいから戻れ!」
『……分かったわよ』
 
ルナマリアは不満そうにインパルスをミネルバへ向ける。
 
カミーユがルナマリアをミネルバに戻したのには理由があった。
このウインダムチームは、不意を突かれて一機が撃墜されたものの、本来はルナマリアが
苦手とする射撃戦に特化した集団だった。
カミーユはその連携の取れた集中砲火を体感して本質を見抜いていたが、今来たばかりの
ルナマリアには体感も無ければ実感も無い。それ故、もしルナマリアがこの場に残れば、彼女
を庇いながらの戦いになってしまうだろうと予測していた。
それはカミーユにとって都合が悪かった。
 
仲間を一人失ったウインダムチームは怒りの感情をカミーユにぶつけてくる。
二、三機がインパルスを追いかけようと離脱を試みたが、Ζガンダムのビームライフルがその
進路を邪魔する。
その行為に彼らは憤激し、七機でたった一機のΖガンダムに挑みかかる。
 
「自分勝手な!仲間を落とされて悔しいのは貴方達だけじゃないんですよ!」
 
ウインダムのパイロット達から伝わってくるプレッシャーにカミーユは反論する。
独りよがりに感情を叩きつけてくる相手にカミーユは不愉快になっていた。
ウインダムが再びΖガンダムを囲うように展開を始める。しかし、先程までの洗練された連携
は影を潜め、為すがままに雑な動きをする。
 
「感情に任せて動くから当たっちゃうんでしょう!」
 
気持ちに収集がつかない酷く散漫な動きを見せるウインダムチームに、カミーユは容赦なく
ビームライフルを当てて行く。
あべこべな攻撃をするウインダムは最早Ζガンダムを落とす事しか頭に無く、ビームライフル
をイージーに連射するだけで一機、二機と簡単に落ちていく。
937カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:08:04 ID:???
「動かなきゃ当たるのは当然なのに…復讐しか頭に無いから!」
 
頭に血が上った残りの五機の内の二機がビームサーベル片手に接近戦を仕掛けてこようと
する。
残りの三機は役割分担のため中距離からの射撃を繰り返すが、接近してきた二機の内の
一機はあっさりとΖガンダムのビームライフルの餌食になり、もう片方は、冷静さを欠いて
タイミングの狂った味方のビームライフルの誤射に当たり、下に落ちていった。
 
「言わんこっちゃ無い!冷静になれなくて戦場で生き延びられるものか!」
 
敵とは言え、味方の攻撃に当たって沈むという最悪のパターンを目の当たりにしたカミーユは
苦虫を噛み潰したように顔を歪める。
誤射してしまったウインダムは怒り狂ったようにビームサーベルを抜き放ち、高度維持の為に
ウェイブライダーに変形したΖガンダムを追いかける。
しかし、純粋な高速移動形態のウェイブライダーに人型のMSが追い着ける筈も無く、位置的
に不利な真上のポジションを取られてしまう。
太陽を背負ったΖガンダムからグレネードランチャーが放たれ、光に目が眩むウインダムの
パイロットはその軌道を見る事無く撃墜される。
八機居たウインダムチームも既に残り二機にまで減ってしまった。
 
「もう良いでしょう!死にたくなければ帰って下さいよ!」
 
一人叫ぶカミーユの願いも空しく、残りの二機のウインダムは覚悟を決めたのか、無謀にも
Ζガンダムに挑んで来る。
 
「何でそうやって無駄に命を散らすんだ!?そんな事しても誰かが悲しむだけだって言うのに!」
 
それまで相手の感情をぶつけられてきたカミーユだったが、今度は逆に自分の感情を発散さ
せる。その感情の高まりとニュータイプ能力がサイコフレームを刺激し、薄いエメラルドグリーン
の光をコックピット部分から微かに吐き出す。
サイコフレームの光はウインダムのパイロット達に通じはしたが、ニュータイプではない彼らに
は唯の不愉快な感覚としか捉えられず、逆に神経を逆なでしてしまう。
怒りに駆られる二機のウインダムはΖガンダムに対して特攻を敢行する。
 
「いくらなんでも無謀すぎる!それじゃ無駄死にです!」
 
いくら装甲の丈夫なΖガンダムでも、変形機構を有する設計の為に構造上は脆い部分もある。
その為、このまま特攻を受ければΖガンダムは大破してしまう。
それ故、カミーユは止む無く特攻してくるウインダム二機をビームライフルで撃ち落す。
 
「戦争は…生き残る事こそが勝利でしょう……!死んでしまった人を思う気持ちは分かるけど、
進んで会いに行く事はないでしょうが……」
 
各部隊の奮戦が押し寄せて来た連合軍を押し返し、戦況は再びザフト側有利に傾いてきた。
炎を上げ、煙を噴きながら落ちていくMSの残骸…その中で敵の生の感情を浴びたカミーユは
一抹の空虚感を感じていた。
938カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:09:49 ID:???
 
ヘブンズベースの中枢を目指すデスティニーとレジェンド。
後方での味方の頑張りが功を奏し、予想してたよりも遥かに簡単に進んでいた。
 
「敵の抵抗が弱くなった……諦めたというのか?」
 
レジェンドのコックピットでレイは、安易な状況に言葉を漏らす。
 
『レイ、後どの位だ!?』
「もう直ぐ其処のはずだ。シン、それにしても余りにも静か過ぎないか?」
『そうか?』
「考えすぎか…カミーユやルナが頑張っているおかげか……?」
 
そうこうしている内にヘブンズゲートの中枢部分が見えてくる。敵地の中枢の割には敵の抵抗
が全く見当たらない。
 
「後はあそこに居るロゴスの連中を捕らえるだけだが……」
 
レイがそう呟いた瞬間だった。モニターのレーダーに反応が映り、警戒を告げるブザーが鳴る。
 
『レイ!』
「分かっている、どうやら隠し玉のデストロイはここで俺達を待ち伏せしていたみたいだな」
『出し惜しみしてたって事か!』
「シン、お前は左側の方をやれ、俺はもう片方をやる」
『了解だ!』
 
シンは操縦桿を握る手に力を込める。
 
「その程度で俺を止められるものか!」
 
一気に全速力をかけてデストロイに接近しようとするシン。しかし、相手もそれが分かっている
らしく、容易に接近させない為に厚い弾幕を張る。
 
「小賢しいんだよ!」
 
アロンダイトを構え、残像を残しつつシンはデストロイに少しづつ近づいていく。だが、腕に長物
を持たせたままの高速回避は難しく、近付いては引き離されるを繰り返していた。
 
「こいつ、邪魔をするなぁ!」
 
思わずシンは回線を開き、デストロイのパイロットに聞こえるように叫ぶ。
シンは一方的に話しかけたつもりであったが、思わぬことにデストロイから返事が返ってくる。
 
『その声、聞き覚えがあるぜ!その新型、お前かぁ!』
「何っ!?」
939カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:12:38 ID:???
通信回線から聞こえてきた声に、シンは意表を突かれる。意外な返信に一瞬怯んだシンは
安全圏まで一旦引き返さざるを得なかった。
だが、シンの方にも聞こえてきた声に覚えがあった。
 
「お前…カオスの……!」
『へっ、覚えていてくれたかよ!今度は逃げるなよ!』
 
お互いに名前こそ知らないが、ダーダネルス海峡とクレタ島沖の二回に渡って交戦した事が
あった。
ダーダネルス海峡の時は突如現れたフリーダムにシンが引っ張られた為に中途半端な形で
の幕引きになったが、交戦中に相手を罵りあった間柄なだけに二人共お互いが印象に残って
いた。その次にクレタ島沖で戦った時も中途半端な状態で一方的にカオスが脱落していった。
その後、スティングはベルリンでの戦闘の際にアークエンジェルのムラサメ隊にカオスを撃墜
されたが、奇跡的に助かり、ロゴスに回収されていたのだ。
 
「誰が逃げたって……!」
『お前だろうが、チキン野郎!』
 
シンの頭の中で何かが切れた音がした。今更この程度で切れたりはしない筈だが、スティング
の声がやけに癇に障った。やはりシンとは相性が悪いのだろう。
 
「刻んでバラバラにしてやる!」
『出来るもんならやって見やがれ、チキン野郎がぁ!』
 
スティングのデストロイの両腕が外れ、機動砲台シュトゥルムファウストが襲い掛かってくる。
重力下でどの様な理屈かは分からないが、それは生き物のようにうごめいてデスティニーに
襲い掛かる。加えて本体からの弾幕が厄介だった。
 
「こいつ!」
『ははは!うぜぇんだよ、落ちちまいなぁ!』
 
動きの鈍いデストロイの基本は接近させない事である。スティングは其処の所を良く弁えてい
た。
一方のシンはデストロイに近付く事が至上命題となる事は前例の通りである。いくら新型の
高級機であろうとも、遠距離からの攻撃に絶大な防御力を誇るデストロイには接近戦での
攻撃が必須である。
故に今のところはスティングに有利な展開であった。
 
『おらおら、避けてばっかじゃ俺を刻む事なんて出来ないぜ!?それとも、やっぱチキン野郎は
逃げる事しか能が無いのかよ!?』
「言わせておけばぁ……!」
 
スティングの挑発に、シンは冷静さを失いつつあった。
落ち着いて物事を捉えさえすれば、今のシンにデストロイは苦戦するほどの相手では無い。
動きでかく乱して、効かないまでも遠くから色々試してみればいつかは自ずと相手が隙を見せ
る筈なのだ。
しかし、アロンダイトで切り伏せる事しか頭に無いシンはなかなか攻略する糸口が見えてこない。
940カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:15:44 ID:???
『黙って楽になれや!コックピットを狙って一思いに殺してやるってんだよぉ!』
「お前なんかにやられるかよ!」
『遠慮するなよ、おらっ!』
 
スティングはデスティニーの周りを囲むようにミサイルとビームを放つ。そして、逃げ道を塞がれ
たデスティニーにシュトゥルムファウストが近付いてきてシンの居るコックピット部分に狙いを定める。
 
「!?」
『終わりだなぁ!?』
 
目の前に迫るシュトゥルムファウストの五本の指からビームが放たれる。しかし、シンは間一髪
のところでビームシールドを展開し、その攻撃を防いだ。
 
『洒落たモノ持ってんじゃねぇか!?そんなの捨てて楽になれってよぉ!』
「ふざけんな!お前の言い成りになんかなってたまるかぁ!」
 
シンは角度を変えて再度コックピット部分を狙って来るシュトゥルムファウストを気にして横に
逃げる。
 
『甘いんだよ!』
 
しかし、逃げた所でデストロイの弾幕に遭い、動きを遅らされた所にシュトゥルムファウストが
追いすがって来る。
 
「くそっ…さっさとアイツを倒したい所だけど、先ずはこの厄介な腕を何とかしなくちゃ……!」
 
シンの考えが纏まる前にシュトゥルムファウストがデスティニーの背後に狙いをつける。
警告のアラームが鳴り響いた。
 
「しまった!?」
『貰ったぜ!十字砲火を喰らえ!』
 
更に横方向からももう片方のシュトゥルムファウストが狙いを定めている。どちらに逃げようとも
回避は困難だった。
 
『余計な事考えるんじゃねぇぞ!?そらっ、景気良く逝けぇ!』
「まだまだぁ!」
 
デストロイ本体の砲門からも一斉に攻撃が放たれる。
同時にその瞬間シンの思惟が弾け、覚醒状態に入った。
シンはフラッシュエッジを取り出し、横方向のシュトゥルムファウストに投げつけて破壊する。
しかし、デストロイからの攻撃とシュトゥルムファウストからのビームが尚もデスティニーを襲う。
スティングは勝利を確信していた。
941カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:17:33 ID:???
『もう遅い!』
「デスティニーは…遅くないっ!」
 
シンの気合一閃、背部スラスターから羽のように光が飛び散り、デスティニーは残像を残して
その場から消える。
 
『な、何だと!?』
 
何も存在しない空をミサイルとビームが空しく通り過ぎ、スティングは一瞬デスティニーを見失ったが、直ぐにその姿を確認することになる。
 
『しょ、正面だと!?こんな近くに!』
 
スティングが気付いた時には既にデスティニーはデストロイの正面に陣取り、攻撃の姿勢に入っていた。アロンダイトを大きく構える。
 
「約束通り刻んでやるぅっ!」
 
デスティニーがアロンダイトを振り下ろそうとした瞬間、後方からのアラームが鳴ってシンはハッとする。
デストロイのシュトゥルムファウストがデスティニーの背後を狙っていたのだ。
 
「くっ!」
 
デスティニーはそれを間一髪でかわすが、高エネルギー砲を破壊されてしまう。
 
『ぐおっ!?テメェ!』
 
デスティニーに攻撃を避けられたスティングは、高エネルギー砲を貫通したシュトゥルムファウ
ストの攻撃を自分で受けてしまう。バリアが張ってあるとはいえ、ビームの光と破壊された
デスティニーの高エネルギー砲の破片や煙がスティングの視界を奪う。
 
『なぁっ!?どうなっている、レーダー!……傾いているだとぉ!?』
 
スティングが気付いた時には既に手遅れであった。デスティニーがアロンダイトでデストロイの
脚部を切断し、崩れるようにデストロイは巨体を傾けていく。
 
『チッ!』
 
それでもスティングは最後まで諦めずにシュトゥルムファウストを操作してデスティニーを攻撃
しようとするが、そんなささやかな抵抗もシンはあっさり切り落す。
 
「でぇぇぇえぇぇぃっ!」
 
シンの気合と共にアロンダイトを構えたデスティニーが動けないデストロイに突撃する。
 
『くそっ!動け、動けよこいつぅ!』
 
スティングは必死になって操縦桿を動かすが、デストロイの自重に負けて言う事を聞かない。
デスティニーが直ぐ其処に迫っていた。
942カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:19:42 ID:???
『チクショウ!俺はまだこんな事では……アウルゥ、ステラァ!』
「!?」
 
スティングの無意識から出た言葉にシンは一瞬動揺する。しかし、デスティニーの加速の勢いはそのまま殺されず、デストロイに止めを刺す。
爆発を逃れる為、シンはデスティニーを離脱させた。
 
「アウル…?ステラって……」
『シン、片はついたのか?』
 
同じ頃、もう片方のデストロイを倒したレイがシンに訊ねてくる。
 
「アイツ…ステラの何だって?」
『聞こえているのか、シン?』
「あ…レイ……?」
『どうした、呆けて?デストロイは倒したんだな?』
「あ…あぁ……」
『様子がおかしいぞ、シン。何があった?』
「別に…何も……」
『ならしっかりしろ、ここももう直ぐ味方の部隊がやって来る。後の事は任せて俺達は戻るぞ』
「了解…」
 
レイはシンの様子に釈然としないまでも、後方の味方部隊にヘブンズベースの中枢への道が開けた事を報告する。
 
「……そうです、デストロイは全て撃破しました。後の事は任せてしまってよろしいですね?
……了解です、これから帰還します……はい、お疲れさ…」
『なぁ……?』
「ん?」
 
シンがレイに突然話し掛け、レイは察して素早く通信を切る。必要事項は伝え終えた後だったので問題は無かった。
 
『あのさ……』
「何だ、はっきりしろ」
『…今回出てきたデストロイの中にもステラと同じ様な人が乗っていたのかな……?』
「……さぁな」
『もしそうだとしたら、俺……』
「ロゴスがやった事だ、俺達には分からん事だ。だが、この戦争がどちらの勝利で終わったとしても彼等には辛い未来しか待っていなかっただろう」
『そう…そうなのか?じゃあ俺達がやっている事って…』
「誰でもお前とステラの様には行かないものだ。それでも犠牲を払ってでも俺達は戦争を終わらせなければならない……プラントで待っていてくれる人々の為にもな……」
『それは…分かっているけど……皆が幸せになれる優しい世界って無理なのか?俺の考えている事って無駄な事なのか?』
「……その答えは俺には分からない。だが、今の俺達にはそんな余裕も無い事は確かだ。……今回の戦闘で全てが終わる、今後の世界がどうなるかは議長のさじ加減一つだ」
『……』
943カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:22:35 ID:???
ここまで時間が進んでしまった以上、シンは自分の出来る事は無い事に気付く。
レイの言葉にシンは沈黙を続けた。
 
(ここまで来た……後はギル次第か…間に合ったのか?)
 
レイはこれまでに無いほど安堵していた。開戦してからこのかた、いつ戦争が終わるかとヤキモキしていたが、思っていたよりも早く終結しそうな雰囲気にレイは深く息をつく。
 
(ギルの望む世界を、俺は生きられるのか…ラウ?)
《それこそ…君次第ではないのかね……?》
 
レイの耳にクルーゼの声が聞こえた気がした……
 
 
その頃、部隊を突破されたヘブンズベースの中枢司令室は混乱の只中にあった。
乱戦に移行して指揮系統は混乱し、伝えられる報告は各部隊の敗北の通信のみである。
ロゴスのメンバーは焦っていた。
 
「どうした、まだあやつらを撃破できんのか!?」
「ぜ、前面部隊が全滅しているぞ、デストロイはもう居らぬのか!?」
「このままでは敗北は必至ではないか!?」
 
傍目から見ればもう連合側に勝機は残っていない事は一目瞭然であるのにも拘らず、ロゴスのメンバーは必死になって抗戦を訴える。
 
「くぅぅ…!こうなったのも全てジブリールのせいではないか!?さっさと切り札とやらを出させろ!」
「そ、それが……」
「ん?そう言えばあやつめは何処へ行ったのじゃ?先程まで其処に居たはずじゃが……?」
「ジブリール様は先程この基地から脱出なさいました」
「なな…何だと!?」
 
一人のオペレーターの言葉にロゴスのメンバーは驚愕する。
ジブリールは他のメンバーを見捨てて既にヘブンズベースを後にしていたのだ。
 
「何故それを言わなかった!?」
「く、口止めをされていましたので……」
 
掴みかかったオペレーターの胸ポケットが分厚い手帳をしまっている様に不自然に膨らんでいる。
 
「あやつめ…我らを見捨てたというのか……!?」
「最初からこうするつもりで……謀りおったのか……!」
 
愕然としてロゴスのメンバーは膝をつく。ジブリールの真意に気付き、全身から力が抜けていく。
彼らに最早抵抗する力は残されていなかった。
944カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:25:20 ID:???
「ふふふふふ……ロゴスは私さえ残っていれば良いのだよ…血気盛んな御老人達にはここらで退場してもらいましょうか……」
 
移動する機内でジブリールは聞こえない相手に向けて言葉を放つ。
 
(さて、デュランダルよ、私を怒らせたことを後悔するのだな……!
その砂時計を宇宙の塵に変えてやる…!)
 
ジブリールの危険な計画が動き始めていた……
 
 
ヘブンズベースの中枢への道が開けたことにより、ヘブンズベースの攻防戦はザフト軍の勝利に終わる。司令室に残っていたロゴスのメンバーは抵抗する事無くザフトに拘束された。
 
「おう、お疲れさん!お前も生き残れたじゃないか!」
『あ、有難うございます!ハイネ隊長のお陰です!』
 
戦闘が終了し、ハイネとグフのパイロットも無事に乗り切れたことを称え合う。
 
「違うな、生き残れたのはお前の実力だ。俺はお前の背中を押してやったに過ぎん」
『いえ、ハイネ隊長が居なければ自分は死んでいました……本当は自分、今回の戦闘に生き残れたら軍を辞めようかと考えていたのですが、もう少し頑張ってみようと思います!
今回の事で自分に少しだけ自信が持てたんです!』
「そうか、それは良かったが、家族は良いのか?」
『気がかりなのは確かですけど、自分はもっと頑張ってみたいのです!逃げ帰ってきたなどと家族に笑われたくはありませんから!』
「そっか…なら、頑張って生き延びろよ!また何処かの戦場で会おうぜ!」
『ハイ!その時は自分もハイネ隊長と肩を並べて戦えるように精進します!』
 
グフのパイロットはハイネに別れを告げ、原隊へと戻って行った。
 
『カミーユ、お疲れ!』
 
ルナマリアのインパルスがΖガンダムに近付いてくる。複数相手に接近戦主体で攻めていたのにも拘らず、その外見はとてもそうには見えないほど傷が目立っていなかった。
 
「ああ、お疲れ」
『カミーユには借りが出来ちゃったわね?』
「その借りがもっと増えないように気をつけてくれよ?」
『それは…気をつけるけど、もうこんな大規模な戦闘は無いわよ、ロゴスの拠点を攻め落としたんだもの。何か別の方法で返さなくちゃね』
「別にいいよ、返さなくても……アスランに合いに行くんだろ?なら早い方がいい、気にする事無く捜してこいよ」
『うん…ありがとうね、カミーユ……』
945カミーユ In C.E. 73 ◆x/lz6TqR1w :2006/11/08(水) 18:27:25 ID:???
そこへ前線から戻ってきたシンとレイが合流する。
デスティニーは高エネルギー砲を損傷していたが、レジェンドはほぼ無傷だった。
いくら高性能機とはいえ、全面戦闘でこれだけの状態で戻るのは驚異的である。
ルナマリアは素直にレイの技術に感心する。
 
「レイ…前線で戦っててよくも無傷で済んだわね?」
『防衛ラインを抜けてしまえばそう大した事無かったからな。寧ろそちらの方が大変だったのではないか?大分混戦になったと聞いたが』
「まぁね。カミーユとかに助けてもらわなかったら危なかったけど」
『それはそうだろう。その為のカミーユだ。それでもダメージをあまり受けていない様だし、ルナもそこそこ役に立ったみたいだしな、良くやったといっておこう』
「ちょ…あんた、何様のつもり!?カミーユを残したのはあたしのお守りをさせる為だったって言うの!?」
『口が滑ったな……聞き流してくれ』
 
モニターの向こう側でレイが手で口元を押さえる。しかし、目は明らかに笑っていた。
 
「聞いちゃったわよ!ワザとでしょ、レイ!」
『…疲れたな、先に戻ってるぞ』
「ちょっと、待ちなさいよ!」
 
レジェンドとインパルスが駆け足で戻っていく。カミーユとシンは置いてけぼりにされてしまった。
 
「あの二人、あんなに仲良かったっけ?」
『お、俺に聞くなよ!』
「でもいいな、ああやって喧嘩する相手がいるってのは……」
『またホームシックか?意外と繊細なんだな、カミーユって。もっと乱暴な性格かと思ってた』
「お前が言うか?」
 
二人は笑った。
 
カミーユとシン…地球育ちだからという理由でエリートぶったティターンズに対する純粋な怒りで戦っていたカミーユと、自分たち一般人を戦争に巻き込んだオーブに対する怒りで戦ってきたシン。
それぞれ戦っていく内にその対象は変わっていったが、根底にあるものは対象に対する怒りである。
戦争に対する怒り、戦争をする人への怒り、戦争を煽る者への怒り…様々あれど、両者の荒ぶる魂はそれらを許さない。
 
…このヘブンズベース攻略戦により、戦局は大きくその図式を変える。
ロゴスのメンバーの大半を欠いた連合は大きく力を消耗し、その影は薄くなる。
事態はジブリールを巡り、思わぬ展開へともつれ込んでいく……
                                               〜つづく〜
946通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:29:36 ID:???
GJ!!!!
947通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:30:07 ID:???
GJ!!
初のリアルタイムで堪能させていただきました。
948通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:32:58 ID:???
GJ!!
ハァハァしながら読んでしまった。カミーユ相変わらずの猛者っぷりで見事。
本来はただの顔つきザコ扱いだったスティングも、結末は変わらなくても
運命シンを苦しめる戦いが出来て報われただろう。
949通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:35:42 ID:???
途中でハイパーメガランチャーがビームライフルに変わってたけど
これはランチャーを放棄してライフルをミネルバから受け取ったってことだよな
とにかく(2度目になるが)GJ!!!
950通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:35:49 ID:???
GJ!
でも八機がかりとはいえウィンダムでカミーユを
抑えられるプロが居たのは驚いた。キラだったらやばいかもしれん。
本編でも折角フォビドゥンブルーとか出たんだからこういう描写でもあればな・・・
951通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:49:04 ID:???
GJ!!
お疲れさまです!!
スティングが、ちゃんと存在感有って良かった。
952通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:51:24 ID:???
GJです。
953通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:51:30 ID:oz0sDrib
ハイネが………本編で報われなかったハイネが………GJ!
954通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 18:51:34 ID:???
GJ!
>重力下でどの様な理屈かは分からないが
こっ、これは!?
955通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 19:00:15 ID:???
>>949
両方装備して出撃もできるだろ
956通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 19:01:28 ID:???
GJ
でもカミーユから放たれるオーラはやっぱりピンクがいいなと思った…
すんません
957通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 19:13:58 ID:???
もしカミーユが種・種死の世界に来たら3
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1162980787/l50
ちょっと速いけど次スレ立てておきました
958通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 19:22:37 ID:???
GJ!
すげえ、あのガンダム落ちながら戦ってやがる
959通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 20:46:29 ID:???
GJ
960通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 20:57:37 ID:???
文字制限が出てどうもうまくWIKIの登録が出来ないので、途中からの分をUPしておきます。

http://www.774.cc:8000/upload-micro/src/up1158.zip.html
DLKey:zgundam
961通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 21:33:37 ID:???
ルナマリアが、初陣の頃のファ・ユイリィみたいな感じになってるな。
(あの頃のファはもっとヘボだけどさ)
962通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 21:49:25 ID:???
ルナマリアとカミーユ
なんかいいな
この二人初めて絡んだような気もする
963通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 22:02:17 ID:???
GJ!

>>958
はいめがほうをくらえ!
964通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 22:15:57 ID:???
GJ!
>>958
うおっ!まぶしっ!
965通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 22:40:25 ID:???
GJ!
青く眠る水の星に〜
966通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:05:03 ID:???
そっと〜口付けして〜
967通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:18:41 ID:???
命の灯を〜灯す
968通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:19:39 ID:???
ひーとーよ〜
969通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:26:33 ID:???
時という
970通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:28:42 ID:???
白い翼のエレガントなヨロシク仮面マン
971通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:46:57 ID:???
時とゆう銀色の〜
972通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:55:31 ID:???
さざ波は
大空の唇ーに生まーれーたー吐息ーねー
973通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:56:55 ID:???
さざ波は大空の〜唇〜に〜生まれた吐息ね〜
974通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:57:47 ID:???
輪唱か
975通常の名無しさんの3倍:2006/11/08(水) 23:58:33 ID:???
こーこーろにー埋もれた〜優しさの星たちーが
976通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:04:29 ID:PVdZnF3Y
炎あげ〜呼び合う〜
977通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:05:00 ID:???
ほーのーお上げー呼び合うー
978通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:07:07 ID:???
波間さすらう難破船のように〜
979通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:07:09 ID:???
いい加減五月蝿いよ貴様ら
980通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:26:36 ID:???
テテン♪テ♪テ♪テ♪テ♪テン♪
981通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:31:53 ID:???
テテン♪
982通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:41:44 ID:zjveG4Zy
>>981
980だけど…
折角!!美味しいトコを次に回して上げたのに〜
テテン♪て…
思わず噴いた!!
とりあえず埋め
983981:2006/11/09(木) 01:03:11 ID:???
>>982
ぬう、すまぬ。
つか、スマンが今もわかってない。
てっきり
もう♪な♪か♪な♪い♪で〜♪
と思ってたんだが。
984通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:10:08 ID:???
もう 泣かないで 今 あなたを探している 人がいる から
985通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:12:10 ID:???
お前に会いたいよと
986通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:12:34 ID:???
お〜まえに会いたいん〜だと〜♪
987通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:13:15 ID:???
から〜
988通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:41:04 ID:???
しまった。コーラス遅れてる…orz

愛は多分誰かのため
そっと
捧げられた永遠い祈りなのね
989通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:42:12 ID:???
人はひとりではいられない
淋しさの星座からこぼれた花片だからね
990通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:43:19 ID:???
あなたが祈るたび宇宙(おおぞら)に帆があがる
優しさにひかれて
蒼い眠りを解かれた美しい星よ
991通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:44:15 ID:???
もう泣かないで
いまあなたを探してる人がいるから
お前に逢いたいよと
992通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:44:41 ID:???
人はひとりではいられない
寂しさの星座からこぼれた花びらだからね
993通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:45:06 ID:???
もう泣かないで
いまあなたを探してる人がいるから
お前に逢いたいよと
994通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:50:17 ID:???
>>983
間奏です…
分かりずらかったね!!
ゴメンm(__)m
995通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:50:42 ID:???
もう泣かないで
いまあなたを探してる人がいるから(から〜)
996通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 01:54:34 ID:???
お前に逢いたいよと

>>994
いやこちらこそスマンあの後やっと気づいた
997996:2006/11/09(木) 02:20:29 ID:???
綺麗にまとまらんかった
俺のせいだろうかスマソ
ちょっとグリプス2とジェネシス撃ち合ってる宙域突入してくる
998通常の名無しさんの3倍