アークエンジェルの格納庫には、そこそこの人数のクルーが集まっていた。
クルーの目の前には、アムロとキラが回収してきた、明らかにザフト製と分かる脱出ポットが置かれていた。
マードックが脱出ポットの外側にあるパネルを弄くっている。
「開けますぜ?」
マードックが言うと、強制開放スイッチを押す。すると、空気が抜ける音と共にハッチが開いてゆく。
「ハロ、ハロー、ハロ、ラクス、ハロ」
「……はぁ?」
「――ハロ!?」
ピンク色の丸いロボットが、プカプカと浮かびながら出てきた事に、緊張の面持ちだった者達は一気に気が抜け、訳の分からない顔をした。
アムロだけは驚きながら、丸いロボット、ハロの名前を口に出していた。
ハロは、呼ばれたのかと勘違いしたのか、アムロの方へとやって来て、その手にスッポリと収まる。サイズや色、口調などは全く違うが、過去にアムロが自作した工作ロボット、ハロその物だった。
全員の視線がハロに注がれていたが、おもむろに視線が脱出ポットの方へと向けられた。
「ありがとう。御苦労様です」
今度は淡いピンク色の長い髪を長いスカートをなびかせた、年頃はキラと同じくらいの愛くるしい少女がハロと同じようにプカプカと浮かび、脱出ポットから出てきたのだった。