「ううん、違うよ。
お医者様は何も教えてくれないで、検査を繰り返すだけだったから、マユが自分で調べたの」
そう言って、手をキーボードの上で動かす動作を見せたマユに、レイはかすかに目を見開く。
病院のデータバンクに侵入でもして、自分の治療情報でも盗み見たのだろうか?
早熟なコーディネーターだけに行為自体には不思議はないが、それを平然と言ってのけるマユが、自らも突然の死と隣りあわせで生きているレイには、酷く不思議だった。
マユの告白の、その余りの内容に呆然とするホーク姉妹、なぜか慌てる事無く、マユとレイとを見守っているシン……そんな三人を尻目に、レイは言葉を連ねる。
「マユ……君は本当にそれを理解しているのか?
いつ死ぬか判らない、そう言われているんだぞ!?」
そして、そんなレイの問いかけに、マユは微笑んだ。
酷く可憐な、花の様な、笑み。
「いつ死ぬか判らないのは、どこの誰でも同じじゃない?
マユは、死の可能性に怯えて生きるより、死ぬまでに何が出来るかの方が大事かな?」
そう言ったマユの言葉は酷く陳腐な内容だったけれど、しかしレイは何故かその言葉に、強い説得力を感じていた。
生死の境を乗り越えたものの迫力とでも言おうか?
陳腐な言葉に力を与えるだけの迫力が、マユの微笑には宿っている。
『特に……あの眼差し』
あれは、悲しむ事をやめ、怯えるのをやめ、歩き出す事を誓った者の物だ――レイは、理由も無くそう感じ、シンへと視線を移した。
「……シン、お前の妹はすばらしい女性だな。
お前がアレだけ拘っていたのもよくわかる」
心からの感嘆をこめ、そう告げるレイに、まずルナマリアが硬直から解き放たれる。
「……え、それって、もしかしてロリコン宣言?」
そう言いながら、護る様にマユを抱きしめたルナマリアに、メイリンもまた目を丸くした。
「え、レイさんって、もしかして『そう』なんですか?」
レイの数少ない女友達である姉の、余りに説得力ある仕草に飲み込まれ、そんな事を口走る。
「違うッ!」
そして、メイリンは珍しくも声を荒げて反論するレイに、心のどこかで同室のチアキが悲しむな……とか思った。
……というわけで、第一話終了、かな。
なんか、シンが妙に泣き虫になってしまっているのは何故なのか……。
うん、普通に先が楽しみになってきたよ
無名世界観とか関係無く
シンの運命の再構築ネタ的なものは新シャア板だけでも数多あるが、このスレでもやってくれてマジで嬉しい。
やっぱこの男には、HEROになれる可能性がある。
俺の中のアルファシステム世界観は式神の城2ぐらいで終わってるが、
(というか追いかけてるのを忘れてる間に気が付いたらあっという間に置いてけぼり)
なんのかんの言って結局俺はあの世界が好きだったんだなぁ。
ぜひ最後まで見届けたい。
超人設定、A、あっちゃん、谷口
VS
変態設定、ソックスファルコン、サムライ、ブラック
靴下の愛があれば希望号、平穏号を相手にしても無傷で勝利しそうなのは何故?
次スレ立つんならSS書いてみようかな…
是非やってくれ
無論今からでもOKだ
>>905 亀だがGJ!
ルナメイの勘違いと、その裏にあるシリアスのギャップがイイ
SSまだかな?
全く関係ないが、宣伝。
迫る硝煙。
迫る銃声。
迫る息遣い。
迫る異形。
「これは……ッ!? うわぁぁーーーッ!!」
少年、シン・アスカはそこにいた。確かに、凛然と、儚げに、しかし確実に、そこにいた。
高機動幻想 ガンパレード・マーチ 〜迷いし少年〜 (仮)
近日公開予定!あくまで予定!
世界観とかはぶっちゃけ詳しく知らないぜぇい!
うは
楽しみに待っちゃうぜ
これはシンが第5世界に行くのか?
ぱっと見そう判断してもらってかまいません。どっかで10代が第五世界に行くと第六世代になるとか見たので速水たちと共に入学の予定かな?
初期の頃はインパルス(もしくはデスティニー)と一緒に移動させるつもりだったんですが(一応物質変換辺りの知識は分かってるんですが)インパルス(もしくはデスティニー)と一緒だとどうなるのか…てことでシン単身かもしれません。
ちなみに自分は学業の方が忙しくて執筆ペースは遅い方かもです…
職人さんが増えてくれれば今より少しのんびり書けるかなとか思わないでもないし、大歓迎っすね。
まあ、今ものんびり書いてますけど。
>>915 まあ、確かにそうですね。
クーラのヤオトハックの影響下だから、下手すると中型幻獣になったりしますし。
或いは、ディスティニーのデータと混じって、田島のごとく超人化するとか……。
第二話 トロネゲのハゲネと鎧の娘
アプリリウスセントラルホテル。
気のいい仲間達と別れて、辿り着いた『マユの付き添いの人』との合流地点は、そんなどこにでも有りそうな大層な名前の、中の上から上の下くらいのランクのホテルだった。
とは言え、その成り立ちと立地条件、鎖国同然の状況から宿泊施設に乏しいプラントの事情、調整者特有の無意味に高いプライド等の事情が相俟って、このランクのホテルでも、シン自身の財力ではとても利用できない程度の値段と格式は持っている。
「ハァ……」
シンは、そんな建物の中に制服のまま足を踏み入れると、まずは疲れた息を長々と吐き出した。
このホテルの利用者は、別のコロニーから商用で訪れている者が多く、若向けのバッグを肩に担いだ未だ学生と思しき二人連れの姿は否応無く目立つ。
その片割れが疲れた様子で肩を落としていれば、それは尚更……時折、好奇の視線が二人の上で止まったが、シンはそんな事が全く気にならないほどに疲れ果てていた。
「……お兄ちゃん、お疲れ様」
マユのそんな労いに微かな癒しを感じながら、シンは手近に合ったソファーへとどっかりと腰を下ろす。
騙すと言う事に、こんなにエネルギーが必要だとは思わなかった。
膨らみ続ける罪悪感と、演ずるのに費やし続ける集中力……そして、下手な姿を見せたら『彼女』に見放されるのではないかと言う、不安。
シンは本来楽しいはずのやり取りで蓄積した疲れと、胸にこもった黒々としたものを溜息に乗せ吐き出しながら、マユのふりを続ける『彼女』へと疲れた笑顔を見せる。
「その言葉はまだ早いよ。
今日はまだ、あと一人会わなきゃならない人が残っているんだろ」
そう自らも兄の演技を続けるシンに、『彼女』は華やかな笑顔を返した。
シンの視線を否応無く引き寄せる、謎めいた少女……『彼女』本人が六割、マユ四割といった風合いの笑みは、或いは、記憶の中の美化された『妹』より魅力的だったかもしれない。
「それなら大丈夫だよ」
そして『彼女』は、マユの表情でシンにそう言うと、耳元に口を寄せこう続けた。
「……これから合う人は、私の部下だから……」
いかにも内緒話らしく、あざといほど可愛らしく言ってのけたマユの、しかしその声音は妹のものではありえず……シンは耳元を擽るその声に背筋をぞくりと震わせる。
驚いて『彼女』の顔を覗き込むようにしたシンを、マユは見返してにっこり微笑んだ。
「だから大丈夫だよ、お兄ちゃん」
役者が違う所では無い。
明らかに遊ばれている現状に、シンは初めて憮然とした顔を作ると、
「それで、その待ち合わせの相手は何処にいるんだ?」
自分からソファーに座った事は棚に上げ、そう『彼女』に問うた。
「ん、もう来ているよ、ほら」
そう言ってマユが視線を向けた先には、喪服めいた黒いスーツを着た、どこか陰のある女性が手持ち無沙汰に立っている。
年の頃は、三十そこそこと言ったところだろうか?
紫色の髪に、目元の泣き黒子が印象的な美人は、マユの視線に気付いたように二人に歩み寄ると、シンに向かって笑顔で右手を差し出した。
「シン・アスカさんですね?
私は、スカンジナビア中央放送のディレクターで、プリシラ・レインと言います」
そう、どこか懐かしそうな視線で話しかけるプリシラと名乗る女に、シンは半ば気圧されながらもその手を握り返す。
「シン・アスカです。
その、妹の付き添いの方と聞いていたのですが?」
スカンジナビア王国は地上の数少ない親プラント国家、コーディネーター受け入れ国家のひとつであり、また、自称中立国同士、オーヴとも浅からぬ繋がりがあった。
それに、昨晩の彼女の説明を加味して考えると、あの戦いの直後のオーヴを取材し、昏倒するマユの姿を放映して、彼女が生き延びる切欠を作ったと言う放送局が、
彼女の属するスカンジナビア中央放送なのだろうと推測出来る。
だが、それが何故、マユの部下なのか?
地上にいたマユの肉体を借りて(この時点でもう信じられないのだが)プラントに乗り込み、士官学校のエリートを篭絡し様としている以上、
彼女たちが地球よりの勢力である事は疑うべくもないが、プラントを毛嫌いする者の筆頭たるブルーコスモスの行状を考えると、中立国のジャーナリストを懐柔して何かを行うというのは、あまりに迂遠過ぎる様に思えた。
そんな疑問を飲み下しつつ、なれぬ敬語を駆使して尋ねるシンに、プリシラは初々しいものを見るような、そんな微笑を浮かべる。
「はい。
ですが、その辺りは食事が終わってからにしましょう。
……その、金銭的なお話もありますし……」
プリシラは、シンの疑問にそう答えると、二人に付いてくるよう身振りで促して歩き始めた。
ロビー奥のエレベータに乗り、上階へ移動……二人が連れて行かれたのは、ホテル最上階の展望レストラン。
どうやら、前もって予約を入れていたらしく、プリシラが入り口のボーイに声を掛けるや否や、ちぐはぐな三人組は、即座に且つ極めて丁重に、奥まった席の一つへと通された。
「では、兄妹の再会と、その健やかなる前途を祈って」
そして、そう食前酒で乾杯した後、三人に出されたのは、いかにも高そうなコースメニュー。
士官学校のテーブルマナーの授業を思い返しながら悪戦苦闘するシンと、そんな彼を眺めながら、極々自然に食べるマユとプリシラ……そんな光景が暫く続き、色々と不釣合いな食事の終わりに、シンが満足よりも安堵を覚えた頃、食後のお茶を前にして、プリシラが口を開いた。
「では、そろそろお話を始めましょうか?」
これからはビジネスの時間と言う事だろうか?
表情を引き締めそう言うプリシラに、シンもまた表情を引き締める。
「私は、先の大戦における連合のオーヴ侵攻の直後、スカンジナビア中央放送の取材で、オーヴ入りしました。
スカンジナビア同様、中立政策を採っていたオーヴの失敗と連合の侵攻、その結果……そう言った事をテーマにしたドキュメンタリ−番組を制作するためです。
その最後の部分、オーヴに刻まれた爪痕のパートで、私が象徴的に用いたのがマユさんでした。
片手を失い、昏睡を続ける身元不明のコーディネーターの少女。
オーヴの財政は破綻しており、肉親の見つからない彼女の治療はいつ打ち切られるか判らない。 首脳陣を軒並み失った上にその後継者は遁走、
国民の生活を支える施設の多くが破壊されているオーヴの現況に准えて紹介されたマユさんの姿は、スカンジナビアで大きな話題になり、オーヴ支援に多くの募金が集まる結果となりました。
こちらが、その中でも特に、マユさんにと集まった金品の目録です」
そう前置きしてプリシラがさし出した書類を受け取り、シンは軽い頭痛を覚えた。
書類の上には、見たことの無い数字が踊っている。
少なくとも、個人に集まる募金額じゃない――そう、シンは思った。
「マユさんが身元不明だった為、こちらの金品の管理は、スカンジナビアの信頼できるNGOが行う事になり、事後承諾になりますが、集まった物資は既にオーヴ復興の為に使用されています。
それで、問題は残る募金についてなのですが、マユさんが意識を取り戻し、その保護者が判明した時点で、こちらの募金は、プラントで成人されているシンさんの管理すべきものになりました」
そして、そう淡々と述べるプリシラに、シンは思わずハァ……と間抜け面で口を開く。
これは、本物のマユの為に集められたお金であって、シンが一存で使ってしまえるものではなかったし、それに、そう簡単に個人が消費しきれるような金額でもなかった。
困ったシンは、ちらりマユへと視線を送り……
「お兄ちゃんの好きな様ににしてくれていいよ」
そう答える彼女に、どうすべきか頭を抱えた。
『彼女』とプリシラは仲間なのだと言う。
ならば、これは試験なのだろうか?
だが、そうだとすると、どうするのが最善なのだろう?
だが、幾ら考えてもわからず、結局シンは、自分の心の欲するままに行動する事を決めた。
「俺にも、多少は蓄えもありますし、兄妹二人で生きて行く位なら何とかなります。
ですから、こちらのお金は、前大戦の復興支援を行っている機関へ寄付する事にします」
そして、今日一日、慣れぬ演技に苦しんでいたシンは、奇妙に晴れ晴れとした心でプリシラにそう告げる。
「では、こちらにサインを……。
僭越ですが、こちらで書類を用意させていただきました」
そう言って差し出された数枚の書類を受け取ると、シンはその内容に軽く目を通した。
取りあえず、不審な内容は見当たらない。
だがシンは、書類にサインするのを躊躇ってプリシラの顔を見た。
「……寄付先のNGOの活動内容や地域が判らないので、今この時点ではサインが出来ません。
詳しい友人と話をして決めようと思いますので、こちらの書類は数日預からせていただけますか?」
これも試験なのかもしれない――そう言う思いが頭のどこかに残っていたシンは、書類を手にしたまま、プリシラにそう尋ねる。
こういった額の書かれた書類に気軽にサインをするには、自分はあまりに世間知らずだ。
猪突猛進、考える前に動く傾向が強いシンにも、その程度の自覚はある。
「はい、こちらには一週間程滞在する予定ですので、それまでに決めていただければ……」
そんなシンを、プリシラは少し意外そうな顔で見ると、自分の携帯端末を取り出してそのアドレスを告げた。
シンは、そのアドレスを似合わぬピンクの携帯に記憶させると、書類を自分のバッグに入れる。
その後は、プリシラからマユの身体状況や入院の経緯等についての表面的な話がなされ、この場はお開きとなった。
「久しぶりの兄妹再会で積もる話もあるでしょうから、ツインの部屋を手配しておきました」
プリシラは、そう言ってシンに二人の部屋の鍵を手渡し、自分の部屋へと立ち去る。
これから、本当の話がある、そう言うことだろう。
厳しい顔でそれを眺めたシンの、隣でただマユは楽しそうに笑っていた。
今回はこれで終わりっす。
取りあえず、
朝のレイとの一幕までがプロローグ。
前回分までが第一話。
第二話は、マユ達とのホテルの一夜(をい)が終わるまでの予定。
今回からタイトルを付けましたが、プロローグと第一話のそれはまだ決めてなかったり……。
>>916 デスティニーをそのままで出したいなら
MSは複数の世界の技術で造った兵器という設定にして
物理移動(WTGを使った移動方法)を使えばいい
物理移動で世界移動した複数の世界の技術を使った物は、変換されないって設定がある
これによって希望号も姿を変えずに来てるよ
>>922 GJ!
コテ消し忘れくらいなんだ!気にするな、俺は気にしない。
なるほど…しかし、インパルスかデスティニー、どちらにするかな…
デスティニーは強すぎるし、インパルスは換装等もあるし、何よりも紙装甲でいてビーム兵器じゃ幻獣真っ青な気も…
どうしたものか…やはり一番輝いていたインパルを送り込もう。被弾なんてさせなければいいんだ。無理だろうけど。じゃあインパルの製作に士翼号のデータを流用していたってことにして再生させるか、BALLSをつけるか…うーむ。
難しい。ですが今月中には投下できそうです。
遅れましたが、職人様、GJです。本気(本気と書いてマジと読む)面白いです。
シンは速水と滝川、大介の仲良しグループに入れたほうがいいかも。
速水の黒さにビビり、滝川と共にエースを目指し、大介に嫌味を言われるシンが見てみたい。
ムム…それはいいですね。候補の中に入れておきましょう(しかし大介の性格がまだ奥底までは分からない…資料見直すか)
インパルスのエネルギーが切れかけたら全速力で補給車にデュートリオンビームを照射してもらうところ想像したらやばいですな。たまらん。
原さんにしてみればシンは壬生屋の男バージョンなんだろうな。
ちょっwシンを嗜める原さんが浮かんだジャマイカww
原さんにからかわれ、遠坂と布団を干し、中村と岩田の策略によりソックスハンターにされかけ、ののちゃんと仲良くなりすぎてロリコン説が流れるシン
赤目が原因で共生派に仲間と思われ近付かれるシン
そしてくつしたのゆめに引き寄せられ世界移動してくるレジェンドガンダム
おなじく靴下を求め青森からやってきた絢爛舞踏にして夢狩人ソックスレジェンド
意外とシンはガンパレに絡ませやすいキャラだな。
ところでそろそろ新しいスレ作らないのか?
936でFA
なにが
ガンパレ風にシンのイベントを考えるとどんな感じになると思う?
938 :
通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 00:09:26 ID:PUlbU/l9
最初の方はデレなしの森さんみたいになりそうだな。
てことは幻獣に家族を奪われたって設定か。
すまね。サゲ忘れた
戦闘中のイベントはガチだな。
941 :
???:2007/03/10(土) 13:30:48 ID:???
榊ガンパレ新刊でてた。
942
っ[山口防衛戦]
945 :
???:2007/03/10(土) 23:24:49 ID:???
まだ続きも書くらしい。
946
まとめサイトってあったっけ?
ないんじゃねぇの?
じゃあガンダムクロスオーバー倉庫にでも保管する?俺アカウント持ってねぇけど
950get!
保守
952