〇決定事項〇
ヤキンドゥーエでラウが生きのこってた
〜予定〜
クルーゼが議長のコネで素性を隠してミネルバ隊
アスランはそのまま議長に呼ばれることなくAAに
キラ・アスランの乗機はM1アストレイorムラサメ
主人公はシン←(これ重要)
糞スレ2個も立てるなよ
削除依頼だしとけよカス
5 :
383:2006/07/28(金) 14:46:56 ID:???
前スレが512KB超えたので、新スレ立ててみました。
イザークは、蕗子さまをやるには年をとりすぎでした。一応社会人だし。
スペエディの話を読むと、結構強烈なようで。
「理想の王子様」「理想のお姫様」を金が取れるように表現するのは、プロでも難しいことです。
アマチュアなら好きなだけ、メアリー・スーを書いてていいわけですが。
前から思ってたんだけどあのSS確かにそれなりにすごいのかもしれんけど
作者のお前さんが出てくるから何か萎える。構ってちゃんの目立ちたがり屋さん?
スレ2個も立てるなよ
7 :
383:2006/07/28(金) 14:50:38 ID:???
もう自殺します
8 :
383:2006/07/28(金) 14:55:10 ID:???
こっちのスレは削除してください
>>6 向こうを立てたのは別人です。
余計な事をして本当にすいません。
あちらは削除依頼出してきました。
新スレ乙
ハイネは合流しないのか
隠者とストフリは一体誰が乗ってるんだろう
オリジナル展開楽しみです
新スレ+続き乙
カップ麺の湯気が目にしみるぜ・・・
アニメではギャグでしかなかったミアコンがばっちりギャグになってないのに感動した!
イザークが種時代のキラのようだw一体どこへ行くのかイザーク頑張れイザーク。
タリアが女でありすぎるのがいい
383氏版でもやっぱ子供は放置なのね・・・手に入れたという表現もなにやらひっかかる。
ハイネの祖父母はベルリン在住設定に激しい波乱の予感が!
>しかし彼がプラントの最高評議会議長になるとき、妻として横に立つのは、メイリン・ホ
>ークなどではなくラクス・クラインが正しい運命だと思った。
どうみても脱走+女難フラグです
イザークなんか刺されちまえ!
━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
いやもうまじGJ。
意識はしないことだけど、やっぱり「食べる」と言う表現は親近感が沸くよな。
スレッガーさんのハンバーガーとかコウのニンジンとか。
種本編だと自販のジュースぐらいしか記憶に無い…。
ジョジョの荒木先生が文庫のあとがきで書いてたんだが
食事は文化の違いを表すには最適なんだと
だから第3部では新しい国に入る度に意図して食事のシーンを入れてるらしい
383氏のSS読んでなんとなく思った
383も移動する度に食事のシーンを入れてるよな
メイリンの事は愛人ポジションだから好きなのか…?不信のときを思い出してしまったw
…本当にどこ行くんだイザークよ。
「よくも妹を弄んでくれたわね」
ルナマリアにMSごとボコられる遺作を想像してしまったんですが
落とされキャラ好きとしては383氏のSS読んでると
あまりにも健やかで正しい赤服3人よりもイザークの迷走に愛しさを感じてしまうw
うむ、面白い。
しかし383氏がしゃべりすぎるのは確かによくない
例えばXスレがあれだけの伸びをしているにも関わらず、ほとんど荒れてないのは、
あそこの職人さんがほとんどしゃべらないこともある
荒れの元は作らない方がいいと思うよ
よそのスレと比較することのほうが、よほどあらしを呼ぶと思うんだが、おっさん?
まぁまぁ
続きマツ
GJ!!
イザークすんごい嫌われキャラだなw
これからどうなるんだろうか…
なんか、更に悪な展開しか想像できないよ
職人が喋っても別にいいと思うけどな
本人も好き嫌いである程度荒れようが気にしない人っぽいし
『君は職人なんだから作品だけを載せればいいんだよ』そう言われて
嬉しい奴いるの?
あとがきくらい目を瞑ってやれよ。
24 :
通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 15:21:53 ID:H82mL9zu
相変わらず838氏GJです
食に関する知識はすごく深くて感心します
ぶっちゃけどんな料理か想像つかな(ry
なぜ838氏が小説以外で喋ると不快になる人がいるんだ?
単行本の表紙の内側で毎回作者が一言書くようなもんじゃないか
何故監督夫妻がインタビューで喋ると不快になる人がいたんだ?
・「Gは逃げ」に代表される同業者への批評
・イラク派兵等の社会問題に対する浅薄な知識をひけらかす
・「あれは恋愛感情じゃない」「あの時○○はこう思っていた」等、
アニメで表現できなかったことを作品外で言い訳する
あのシーン書くのは大変だった、みたいな「あとがき」なら普通の奴は文句いわねーよ
2chで
>>5の「プロ論」みたいな偉そうなこと言うから鼻につく
作者が自分の作品に酔うなとは言わないが、それを公開するようじゃオワリ
まあ何だ、自己弁護乙
>>25 >まあ何だ、自己弁護乙
この一言ですべての説得力が消えうせた
というか後書きを含めて一つの作品だろ
新作投下感謝であります!383氏乙!
つか食事シーンの度に自分の知らない単語が出てきてorz
そしてハイネ、こっちでも死亡フラグの匂いがorz
ところでイザークの「ナチュラル<コーディ」という考え方は
前大戦でかなり薄まってきていたのでは?
この小説は「クルーゼが生き残った」事以外にも
色々と史実が変わっているのでしょうか?
前スレ66の保管庫を更新しようとしたけど、
このページは編集ができないようロックされているか、特定の編集メンバー、またはウィキの管理者のみがアクセスできるページです。
ロックされている場合で、あなたがウィキの管理者の場合は、ページの[変更]メニューで、まずはページのロックをはずしてから編集ください。
とか言われた。
作った人、まだここ見てたら誰でも更新できるようにしてくれ
遺作のナチュラル否定は後半では殆どなかったもんな
でも383氏の遺作のこれからの成長にwktk宇宙に出た時の遺作にwktk
>>30 希望がなさそうなら自分で他にまとめを作るとk(ry
>ところでイザークの「ナチュラル<コーディ」という考え方は
>前大戦でかなり薄まってきていたのでは?
表立って否定しなくなったというだけで
薄まった、肯定したといえる要素が全く無いのが現実・・・何せ描写が無い
蔑視以降のイザークのナチュへの感情が不明だし、ナチュとの交流も無いので
あの価値観は一体どうなったのか?は個々の受け取り方に任せるしかない・・・まさに負債
838氏がぶちかましてくれた今回のイザークのナチュ蔑視発言はさすがに衝撃的だったが
ボアズだのの核戦争に直接関わったイザークの感情としては無理もないような気がする
元々蔑視方面だったコーディが、目の前でナチュの核によって仲間を焼き殺されてるのに
そういう感情が強まりこそすれ薄まりはしないんじゃなかろうか
ラクス様の為なら数分前までの仲間を平然と撃ち殺す奴だぞという突っ込みは無しな
イザークのナチュ蔑視は、383氏の話では母親がらみも大きいんじゃないかと。
頑張ってユニウス7破砕作業した→犯人はコーディ?(ジンを見て)→武器の横流ししたのが母親
→母親刑務所、自分は左遷
母親大事な感情が、「母上は悪くない、悪いのは最初にユニウス7に核攻撃したナチュ」という心理
を呼ぶのはヘンなことじゃない。32氏の意見もあるし、色々複合的に考えて、少なくともイザークが
ナチュに平等意識を持っている必要は383氏の話の中ではないよな。
元々コーディの中でもエリート意識が強い(これは種の初期設定)なんだし、メイリンとの関係見てると、
イザーク、心が壊れかけてる?
メイリンに愛想尽かされたら終わりだな。
主人公補正もかかりそうにないポジだしそうかもな
ラクスが蜂起したら、TVでのアスランのようにザフトから脱走しそうだ。
しかもメイリンを故意に巻き添えの盾にして…
この調子でいくとレイの乗ってたセイバーをイザークが乗り継ぎそうだな
インパルスは原作通りにルナマリアに乗せそうだし
>>36 正直いくらなんでもそこまで堕ちるとは思いたくないが、
ルナマリアへの意趣返しフラグもあるので可能性ゼロとの断言もしかねるところだな。
脱走フラグは揃ってるけどな
いまだにラクスに拘ってるしミネルバ内じゃ立場悪すぎだし
ここは一発逆転狙いでクーデターだろやっぱ
最期は
「イザーク、銃を撃ち合うだけが戦争ではない、と言ったはずだがね?
君は何と戦うかを見誤った。私と戦う道を選べばどうなるか… 分かっていると思ったが」
「アレッシィ隊長…!? あなたはまさか……ッ!!」
なーんて展開とか激燃ゑる。
メイリンに刺されてアボン
「ぼくのかんがえたイザークのさいご」スレになりつつある件について
イザークの不穏な状況よりも
メイリンの方の感情が不鮮明なのが気になる。
始まりはエリートマンセーだったが今では本気の恋なのだろうか?
そんなことよりあんま先の方について言うのやめようぜ
作者様も書きにくくなるだろうし
45 :
383:2006/08/03(木) 05:22:11 ID:???
プラントのザフト軍本部、いざ本土決戦となれば、万単位の将兵が寝起きすることも想
定されている建物である。なので、ビルの高さは四階以内、あちこちに中庭、緑地帯が設
けられており、缶詰状態が続いても、リラックスできる環境が作られている。
ただ迷宮ともいえる建物であるから、誰もがすべてを知っているわけではない。ここ、
情報部第一分室も一般兵からは何をやっているのかさっぱりわからない部署だし、一切情
報も流していなかった。
その室長、クレオパトラ・イッサリオティスは戦艦エターナルから入った報告に読みふ
けっていた。エターナルはストライクフリーダム、インフィニットジャスティスをミーテ
ィア付きで運用する強力な武力を擁する戦艦だ。実戦に投入されてまだ一週間、まだ大物
とは当たっていないが、ザフトの宇宙戦略の切り札ともいえる艦である。−−というのは、
表向きの広報が喋る情報。情報部にとってこの艦が重要なのは、乗組員全員が『デスティ
ニープラン』で適性を検査されて配置されたことだ。プラントでは出生時に遺伝子検査を
して国に届けるし、ザフト入隊時には遺伝子検査での本人確認とアカデミー出身者はその
成績や教官からの論評、適性テストが行われる。それをもとにエターナルに必要とされる
人材をザフト内部から探し出した。なので遺伝子と性格的な適性が高いが、その仕事に経
験がない人間もある程度ピックアップされた。本来なら戦時下なのでそういう人材ははじ
くものだが、今回はテストケースということで、ストレスに強いタイプの人間はこれまで
と違う職種であっても配属された。そういう事情もあって、出港までに訓練に時間をかけ
たが、予想より早い時間でクルーの練度は上がっていた。この人事のからくりは、艦長で
すら知らない。モルモットに情報を与える研究者はいないだろう。
ここは、デュランダル議長の命を受けて、デスティニープランの実現に向けての問題点
を探るための部署なのだ。現在心理学系の者ははエターナルの観察、遺伝学系のものはデ
スティニープランの可能性を遺伝子のどの段階まで認めるべきか研究し、政治向きのもの
はプラン導入後の世界の混乱とそれを収めるための方策についてデータを集め、シミュレ
ーションを繰り返している。
エターナルの艦長はじめ乗組員に、いわゆる『エリート』が少ないことに疑問を持って
いる軍人はかなりいる。モビルスーツパイロットの中には、「どうして自分があの二機の
どちらかのパイロットに選ばれないんだ!!」と人事部にねじ込んだものもいると聞く。
そういうことをする性格が、『失格』の理由だと気付かない人間が、プラントには多す
ぎる。
彼女は長方形の薄い鏡を出して、自分の顔と髪型をチェックした。
コーディネーター一代目で、遺伝子改造熱が最高潮に達したC.E30年代に生まれた彼女
は、ユーラシアのギリシャ地方の大富豪である父親の夢の子供だった。
歴史マニアだった父親は、ギリシャ系のエジプト古代王朝最後の女王クレオパトラ七世
を、自分の娘として生み出そうとしたのだ。彼女はミイラも残っていないので、プトレマ
イオス朝からローマ帝国期にかけて作られたギリシャ系の人間のミイラを収集し、とれる
だけの遺伝子をとって解析し、現在のギリシャ人、スラブ系やトルコ系と混血する前の古
代ギリシャ人の特徴を選び取った。そしてコーディネーターとしての病気や重力に強い体、
できるだけ優秀な頭脳と運動能力、一番大事な美貌−−特に大き目の鷲鼻−−を与えられ
て彼女は生まれてきた。
46 :
383:2006/08/03(木) 05:24:56 ID:???
コーディネーターの子供を、自分のアクセサリーにする親、そのものが彼女の父だった。
反発して自分がコーディネーターであることを呪い、ブルーコスモス思想に染まるものも、
「他人より優れた自分」に満足してナチュラルの親を見下すようになるものもいる。彼女
は冷静で観察力に優れた性格だったので、親の夢と現実の自分をきちんと分けて考えるこ
とができた。地球で心理学と統計学の博士号を取り、二十歳のときに将来を見越してプラ
ントに移住した。コーディネーターブームで生まれた一世たちがたくさんプラントに移住
していて、二世のための教育機関の充実が行われていたし、彼女と専門分野がかぶるコー
ディネーターは多くなかったので、簡単にアカデミーポストを手に入れることができた。
彼女は自分への余裕を持つ、コーディネーターとしては珍しいタイプだった。だから父親
から離れた今、大きなアーモンド形の目にリキッドのアイラインを上下に太く引いて、長
い睫を強調するマスカラ、孔雀石を砕いて作った古代のアイシャドーを思わせる色のアイ
シャドーをアイホールにべったりと塗り、さすがに鬘ではないが、前髪ぱっつんのおかっ
ぱにしている。親に作られた自分の名前とイメージで、遊んでいると言えるだろう。
それから恋愛もし、事実婚で二人の子供を産んで育てていた彼女が今ザフトで白服を着
ているのは、一本の論文ともいえない、研究室のサイトに載せたレポートが原因だった。『プラントのコーディネーター二世にみる両親の呼称について』。
ジャンルが近いこともあって、彼女の友人知人には精神科医がたくさんいた。病気をし
にくい肉体を持つコーディネーターにとっては、体が直接壊れた時の外科、整形外科、脳
外科などの外科系、産婦人科、あとは宇宙で暮らすストレスに関して精神科医が多く必要
であった。その精神科医たちから、子供の発達が他の子より一日でも遅れていれば精神科
に駆け込む親がけっこういるので、勉強して小児精神科と看板を変えたら、患者が殺到し
たという話を聞いた。他の精神科医も「うちの子は学校で一番がとれないんです。なにか
精神的な原因があるのでしょうか?」と尋ねてくる親には事欠かないと言っていた。自分
がナチュラルと一緒の学校で一番の成績をとっていたことと、コーディネーターだけの学
校で一番をとることは違うと理解していないのだ。実際に小児うつ病と診断を下して、親
の子供への接し方を考えさせるケースも多いそうだ。そして話を聞くうちに、そういう親
子は絶対に、ファーザー、マザー(お父様、父上、お母様、母上)という呼称を使ってお
り、ダッド、マム(お父さん、お母さん)という例は聴いたことがないということを知り、
調べてみようと思ったのだ。
地球のデータでは、C.E60年のものでプラント理事国三国のものがあった。一番歴史の
ない大西洋連邦でファーザー、マザー派は1%、ユーラシアで1.5%、礼儀に厳しい東アジ
アで2.5%だった。
彼女はファーザー、マザーで育ったが、それは自分の家が数百年続く資産家の家系、い
わゆる名門だからだと知っていた。
そしてプラントの子供を持つコーディネーター一世の出自を調べてみると、95%が中
の上、4%がクレオパトラの属する上流の下、そして1%が子供にありったけの金をかけ
たのだろう中の中だった。
いくつかの学校に協力をえて、10歳以下のコーディネーター二世の両親に対する呼称を
調査したところ、驚くべき結果が出た。全体の65%がファーザー、マザー派だったのだ。
その65%の両親のほとんどは、自分が親をダッド、マムと呼んで育ったのに、スノッブ
ぶってファーザー、マザーと呼ばせている計算になる。
地球のナチュラルの学者が書いた本でも、ナチュラルの親が優れたデザインベイビー、
コーディネーターを持つための経緯や、子供の成長と親子関係のねじれを研究したものは
数多い。コーディネーター技術は、大まかに言ってアッパーミドルクラスの人間が、子供
をさらに優れた知力体力で成り上がらせようという野心に利用されていた。本当の上流階
級−−旧王家や世界的な資産家−−は、遺伝子をいじるなどせず、自然のままの血筋、家
族の特徴を愛する。コーディネーターが有能ならば、ナチュラルより高給で雇えばいいの
だからという考えだ。
47 :
383:2006/08/03(木) 05:28:38 ID:???
ただ中には変わり者もいる。大西洋連合にグレートブリテン及び北部アイルランド王国
が併合された時に退位した、大英帝国最後の王の従兄弟で、息子をコーディネーターにし
た人物がいる。彼はプラントに移住して子供もいるので、インタビューすることができた。
職業はデパートのフロアマネージャー、二人の子供は上は新聞記者、下はザフトの緑服だ
という。そして大事なことは、彼、ウィンザー氏自身はファーザー、マザーで育ったが、
子供たちにはダッド、マムと呼ばれているということだった。
そういうことを綴った文章が、たまたまデュランダル議長の目に留まり、彼の考える未
来社会『デスティニープラン』(この呼称で、彼にコピーライターの適性がないのが明ら
かだ)を実現に移すためのチームの責任者として、大学から引き抜かれたのだ。
プラントにはびこるエリート至上主義、よい遺伝子とよい育ちに固執する風潮を突き崩
すには、遺伝子的に向いている職業に向けての勉強をさせ、できるだけ適性のある、スト
レスを感じない職業に就かせるというのは悪い案ではない。最高評議会議長クラインがそ
の愛娘を長年の盟友であるザラの息子と婚約させた時に出来上がった、似非上流社会の存
在は、その二人がテロリストとなって生まれ故郷を捨て去り、同胞を殺した時に潰えたか
にみえる。シーゲル・クラインはコーディネーターとナチュラルの融和を説きながら、一
人としてナチュラルの友人を持たなかったし、やもめの自分、未婚の娘の配偶者にナチュ
ラルをとは考えもしなかったのだろう。
そして前大戦の議員の子息の赤服だけで構成されたクルーゼ隊、早々に戦死した人間を
除き、彼らの末路は『自分は常に正しい判断をくだせるエリート』という思い込みによる
ものが呼んだとしか思えない。ただその坊ちゃん部隊が一般兵士に嫌がらせを受けたとい
う話も出てこないのが、プラントの異常なところだ。クレオパトラにしてみれば、エリー
ト意識が服を着たような子供の面倒を見なければいけなかった大人たちは可哀相だし、そ
のお坊ちゃん達を上手く調教できなかった(親の圧力で調教が許されなかった?)クルー
ゼ隊長は、プラントを守ってヤキンで凄絶な戦死を遂げたというのに。
しかし自分が上流になりたいという、成り上がり願望の強い人間は、プラントにははい
て捨てるほどいるのだった。プラントが人間社会の辺境であることを住民が素直に認めな
い限り、そういう人間が減ることはないだろうと彼女は思った。
48 :
383:2006/08/03(木) 05:34:13 ID:???
「オーブからの返答が変わりました。『オーブの守りを考えると、先日のカーペンタリア
攻防戦での被害で戦力が減ったオーブ軍を太平洋から一艦でも戦力をだすことは辛いが、
同盟国の大西洋連合のためなら、インド洋艦隊にオーブからの艦船を派遣することはでき
るが、地中海は遠すぎて無理だ』ということです」
ゴンザレス補佐官の報告に、コープランド大統領は頷いた。
オーブにもっと戦力を供出させようというのは、ブルーコスモスの案なのだが、それは
どう見てもオーブが同盟国であるからというより、コーディネーターの国内居住の権利を
認めている国だからとしか思えない。政治はいじめではない。同盟を結んだからには誠意
を見せると、先日のカーペンタリア戦でオーブ艦隊が奮戦し、戦死者も多く出た。もしザ
フトがオーブを連邦の同盟国で、モルゲンレーテで作った武器を世界中にばら撒くことに
よってザフトに被害をもたらしているなどと理由をつけてオーブを攻めることになったら、
大西洋連邦は同盟国の義務としてオーブを守らなければならないのに、ナチュラルとコー
ディネーターというふたつのポイントでしかものを見ないブルーコスモスは、そういう政
治を理解しない。しかしこの国で、圧倒的にブルーコスモス思想に人気がある以上、ブル
ーコスモスに反対することは大統領の椅子から追われることなのだ。
コープランドは執務室の机の上で、ひじをついてため息を吐いた。
「まあ、オーブの国家元首カガリ・ユラ・アスハは世間知らずの娘だが、夫のユウナ・ロ
マ・セイランとその父のウナト・エマ・セイランは少しずつ譲歩して、落としどころを見
つけるつもりなのだろうな」
「はい。セイラン氏は長年駐大西洋連邦大使を勤めてらしたので、この国の事情に明るい
し、人脈もおありのようで。そして息子のユウナ氏は、高校から大学院まで大西洋連邦育
ち。イェール大学ではスカル&ボーンズのメンバーだったそうですから」
地方で神童と言われて育ち、アイビーリーグでもオールAの優等生で通して弁護士になり、
そこから政治家へと順風満帆な人生を送ってきたコープランドだが、妻を通じて繋がって
いるロゴスをはじめとする特権階級とはまだなじめない。しかしユウナ・ロマ・セイラン
はオーブという国を守るために知恵を絞る政治家であっても、ボーンズマンとして、この
国の特権階級に個人的な同胞としての繋がりを持っているということだ。
しかし7億人の国民の支持を得るには『自由と平等』という題目が一番大事だった。
49 :
383:2006/08/03(木) 05:35:59 ID:???
「マルキオ導師、よくいらっしゃいました」
彼の盲いた体を案じて、杖の上に温かい手が乗せられた。会うのは初めてだが、何年も
連絡を取り合ってきた、ウィーンの支部のアペレス師に迎えられた。部屋にはマルキオ導
師来維を聞いて駆けつけた信者たちの熱気が満ちていた。彼を支持する人には、裕福なイ
ンテリが多い。
ブレイク・ザ・ワールドで島が津波に呑まれたので、引き取っていた孤児たちはアスハ
家に頼み、彼本人は一番思想的に乱れている西ユーラシアを回っているのだ。
マルキオは右手を上げて祝福し、信者に応える。
「我々人類はデミウルゴスに作られた罪深い存在です。それは肉体も、霊魂もです。しか
しSEEDを持つものが生まれてきています。彼らは人類をデミウルゴスの檻から解き放つ進
化の可能性を秘めています。人類がささいなことで争い、肉欲にとらわれたデミウルゴス
に支配された時代はもう終わります。SEEDを持つものたちが、増えていけば、罪人とされ
てきたゴイムでさえ救われるのです。皆さん、戦乱の続く世の中ですが、そのあとの未来
を信じましょう」
彼の言葉に感激したすすり泣きが、部屋のあちこちから聞こえた。
50 :
383:2006/08/03(木) 05:38:45 ID:???
ただ中には変わり者もいる。大西洋連合にグレートブリテン及び北部アイルランド王国
が併合された時に退位した、大英帝国最後の王の従兄弟で、息子をコーディネーターにし
た人物がいる。彼はプラントに移住して子供もいるので、インタビューすることができた。
職業はデパートのフロアマネージャー、二人の子供は上は新聞記者、下はザフトの緑服だ
という。そして大事なことは、彼、ウィンザー氏自身はファーザー、マザーで育ったが、
子供たちにはダッド、マムと呼ばれているということだった。
そういうことを綴った文章が、たまたまデュランダル議長の目に留まり、彼の考える未
来社会『デスティニープラン』(この呼称で、彼にコピーライターの適性がないのが明ら
かだ)を実現に移すためのチームの責任者として、大学から引き抜かれたのだ。
プラントにはびこるエリート至上主義、よい遺伝子とよい育ちに固執する風潮を突き崩
すには、遺伝子的に向いている職業に向けての勉強をさせ、できるだけ適性のある、スト
レスを感じない職業に就かせるというのは悪い案ではない。最高評議会議長クラインがそ
の愛娘を長年の盟友であるザラの息子と婚約させた時に出来上がった、似非上流社会の存
在は、その二人がテロリストとなって生まれ故郷を捨て去り、同胞を殺した時に潰えたか
にみえる。シーゲル・クラインはコーディネーターとナチュラルの融和を説きながら、一
人としてナチュラルの友人を持たなかったし、やもめの自分、未婚の娘の配偶者にナチュ
ラルをとは考えもしなかったのだろう。
そして前大戦の議員の子息の赤服だけで構成されたクルーゼ隊、早々に戦死した人間を
除き、彼らの末路は『自分は常に正しい判断をくだせるエリート』という思い込みによる
ものが呼んだとしか思えない。ただその坊ちゃん部隊が一般兵士に嫌がらせを受けたとい
う話も出てこないのが、プラントの異常なところだ。クレオパトラにしてみれば、エリー
ト意識が服を着たような子供の面倒を見なければいけなかった大人たちは可哀相だし、そ
のお坊ちゃん達を上手く調教できなかった(親の圧力で調教が許されなかった?)クルー
ゼ隊長は、プラントを守ってヤキンで凄絶な戦死を遂げたというのに。
しかし自分が上流になりたいという、成り上がり願望の強い人間は、プラントにははい
て捨てるほどいるのだった。プラントが人間社会の辺境であることを住民が素直に認めな
い限り、そういう人間が減ることはないだろうと彼女は思った。
51 :
383:2006/08/03(木) 05:55:52 ID:???
エラーがでたので重複投稿してしまった50は、無視してください。
独断と偏見に満ちたプラントと地球世界(これは事実なので、どんどん言ってください)です。
プラントって、先進国のナチュラルから見ると、一種のディストピアだし。北米もヨーロッパも
カルトの巣窟ですか。
マルキオ導師の思想は、キリスト教異端マルキオン派を参考にしました。ただ、グノーシス思想が
コーディネーターに受けるとはあまり思えないんだけど。
乙です!
インターミッション的な回でしたね、次のステージに向けての準備期間ということでしょうか。
エターナルがこういう風に話に絡むのは少々驚きました。
今回は氏のデスティニープラン観がよく解りましたが、もう少し内容を端折っても良かったかもしれませんね。
あと、「連邦」ではなく、「連合」ですよい(ケアレスミス?)。
> ジャンルが近いこともあって、彼女の友人知人には精神科医がたくさん
>いた。病気をしにくい肉体を持つコーディネーターにとっては、体が直接
>壊れた時の外科、整形外科、脳外科などの外科系、産婦人科、あとは宇宙
>で暮らすストレスに関して精神科医が多く必要であった。
さり気に内科医がいない辺りきちんとコーディネーターの設定考えてらっしゃいますねえ・・・こういう細かい配慮があるのは流石です。
デスティニープラン、ブルーコスモス、SEED教……3つの思想がこれからどう動くのか、これから楽しみです。
53 :
sage:2006/08/03(木) 09:56:49 ID:2JoPzwEl
>>53 クルーゼの綴りはcluezeだよ、たしか
いやまあ関係ないっちゃないんだが
>>54 どうでもいいことだが
正しい綴りは klueze だよ、CじゃなくてKな
56 :
53:2006/08/03(木) 18:08:50 ID:yty/fXRJ
わーいちゃんと調べてからにすればよかったーうろ覚えってよくないねー('A`)
ごめむなさい orz
お鍋はCなんだけどねw
とうとう運命計画がきたか…頭がパンクしそうだw
前大戦の時に不在だった(=後付存在)というユウナの空白をさらりと活用
強国という設定にも関わらず空気だった大西洋連邦と大統領もしっかり活用
コーディならではの医学の分野が発展など細かい所でナチュとの異質さをアピール
マルキオ教きたー!ぶっちゃけ実際のマルキオもそんな感じだからあまり違和感が無いw
もう最高だぜ大好きだ!
そしてさりげなく各勢力に魅惑的なお姉様が多い383氏版デス種マンセー
>>52 よく地球連合とごっちゃになるけど
あの世界での米=大西洋連邦で間違いない……筈
59 :
52:2006/08/03(木) 20:55:14 ID:???
>>58 Wikiで確認しましたところ、確かに
・全体としては「地球連合」
・大西洋、ユーラシアなどの構成国は「連邦」
でしたね。失礼をばorz
さて、これだけ色々と魅力的なキャラが出始めていて気になるのは…やはりオリキャラをどの程度まで活躍させるかというところかな。
あんまりオリキャラ増えすぎると種作品でなくなってしまうし。
あとはシンか、最近遺作と凸のおかげで影薄いしw
本編では運命計画(議長側)に付いたシンだけど、種持ちだからSEED教とも関わりが出来るな。
出番もあるし(凸は出番少しな割にインパクト残しちゃうがw)主人公っぽいぞ!
この小説読んでると種も種死もキャラはそれなりに良かった
だが使い方を間違えてるよ嫁。と思う
脇キャラに愛がない
嫁にはアスキラマンセーしかなかった
62 :
383:2006/08/04(金) 16:05:53 ID:???
>>53 保管庫作成、お疲れ様です。
改行は秀丸で改行を入れて、2chに貼り付けてるんですが、その時点で、半角とか句読点の関係で、少しずれが
出ているようです。また私自身、原稿では場面転換は2lアキでやってます。貼り付けるときに、できるだけひとつの書き込み
に二つの場面が入らないようにしてるだけですので、場面転換の空白、歓迎です。
ただ、ひとつお願いしていいでしょうか。小説ですので、地の文で段落が変わったところは一字下げでお頼みします。
63 :
53:2006/08/04(金) 17:28:42 ID:+7xqubBU
>>383氏
保管庫の了承ありがとうございます
場面転換は書き込みと同時だろうなとは思っていたので勝手に空白にしたのですが当たっていてよかったです。
一文字下げについてですが元の文が手元にないので修正ができま…せん…!
次回からは気をつけます…!
どなたか前スレのログ持ってませんかね?
そうすれば一字下げの修正できるので…。
あと文字の大きさなど希望あったらどんどん言ってください。修正します。
いつもフォントサイズ3って使った事ないんで内心ザクグフゲルググなんですが(゜Д゜;)
66 :
53:2006/08/04(金) 23:20:11 ID:Ee1IsIBS
>>64 ありがとうございます!
現在始めてのDATファイルと格闘中 (⊃Д`)ミニクイ・・・
そういえば始めの頃プロローグだけ書いてくれた人もいたので
それも載せたいんですがいいですかね?
68 :
383:2006/08/05(土) 05:13:20 ID:???
>>66 段落字サゲ作業、ありがとうございます。最終的に直れば問題ないので、あわてて作業なさらなくて
結構ですよ。あなたはあなたがこのスレが好きという理由で保管庫を始められたのだと思います。大事なのは
その気持ちですから、お暇があるときに直して下さい。
69 :
53:2006/08/05(土) 12:21:11 ID:gDBqWbKZ
>>67 あーそんな便利なソフトがあるとは知らず…
保管庫なんぞ初めてなんで皆さん色々よろしくです orz
>>383 ありがとうございます。
とりあえず5回目ぐらいまでは直したんですがあんな感じでいいんでしょうか?
あとは折を見て直していきたいと思います。
このスレというか383氏の文が大好きなので、
自分のペースで、楽しんで書いていただきたいです。
英国王室の血筋のウィンザーさんの子供のザフトの緑服って、アビー? だとしたら、メイリンがミネルバを降りる伏線かね。
72 :
383:2006/08/07(月) 04:12:45 ID:???
シンは黒海沿いの道を、バイクで駆け抜けていた。爽やかな海風がパーカーに孕んで直
接体験する速度の快感を彼に伝える。モビルスーツは宇宙空間でなら加速を続ける限り速
度は増していくが、メーターの数字で見えるだけだ。
ミネルバは修理のためにしばらくこのディオキア基地に停泊するので、乗員には順々に
休暇が与えられる。隊長が作った休暇日程によると、シンが初日だった。なので、朝食の
あとレイ、ルナマリアといったん艦に戻って、休暇申請を出して、私服に着替えて、その
間にバイクのレンタルの手続きもして、出てきたのだ。ディオキアの街は、ザフトの駐留
を歓迎しているようで、軍服の者も、休みで私服の者も、市民から親しげに扱われていた。
連合軍から離反したなら、ザフトがいれば本格的な戦力があるということだからというこ
とがわかるだけ、シンは世の中が分かるようになっていた。ガルナハンでは、自分たち街
の人間の力でこれから街を守るのだと言っていた。その厳しさ――精神的にも物質的にも
―ーに触れたことは大きかった。
街を軽く走っていると、ヴィーノとヨウランがカフェでお茶しているところに出くわし、
ちょっと喋った。メイリンを誘ったが断られたのが、ヴィーノはショックらしい。メイリ
ンは誰の目から見てもわかるほどイザークに接近しているし、イザークもそれを受け入れ
ている。アカデミーの頃から、『仲間』としてしか扱われてなかったし、諦めて他の女の
子を視界に入れたほうがいいと、ヨウランとシンは言うのだが、ヴィーノはやっぱりメイ
リンが好きだというのだった。まあ、そういう恋愛の悩みはシンにはよくわからない。好
感の持てる女の子とそうでない女の子がいるのは確かだが、『恋』となるとまだ未経験だ。
小説や映画のように、一目惚れというものが世の中にあって、いつか自分もそういう経験
をするんだろうかと考えることはあるが、それよりは好意を感じた女の子と色んなところ
にデートに行って、お互いのことをよく知り合って好きになって恋人同士になるというほ
うが現実的だ。ただ今、戦争をしている軍人のシンに、そういう地道な恋愛はありえない
ことだったが。
ディオキアは黒海沿いのリゾート地なので、しばらくバイクを走らせていると、岩場の
向こうに砂浜が見えた。少し海辺で遊ぼうと思って出てきたシンの、目的地だ。
その前の海に突き出た岬に、白いものがひらひらしているのが見えた。
何?と思ったがよく見ると、白いドレスを着た女の子が舞い踊っているのだ。その様子
が遠目にも楽しそうで、嬉しそうで、シンはバイクを止めて、彼女に見入った。金髪で、
靴を脱いで裸足で踊っている。よほど楽しいのだろう。軽やかな動きは妖精を想像させた。
あの崖の上の岩場なら、結構な風が吹いているだろうに。
そんなことを考えながら、海に目をやった隙に、ばっしゃーーーんとすごい落下音がし
た。
「いない! 落ちた!? まさか」
岩場に目をやると、踊っていた白いドレスの少女の姿はない。
シンはバイクを置いて、その岬の根本へ向かって岩場を歩き出した。
少女のいた辺りから海を見下ろすと、ばしゃばしゃと白い泡を立てながら、もがいてい
る金髪が見える。
「泳げないのかよっ!」
73 :
383:2006/08/07(月) 04:13:49 ID:???
シンはパーカーを脱ぎ捨てると、躊躇せず飛び込んだ。海辺育ちのおかげで、水泳は得
意だ。そして着衣水泳の難しさも知っていた。あんなひらひらしたスカートが付いている
ドレスで泳げないナチュラルの少女が海に落ちたら、溺れるまでそう時間はかからない。
もがいたところで、足にスカートが巻きついて動きが取れなくなってしまうのだ。
久々の着水の痛みのあと、浮き上がったシンは少女の下に泳ぎ着いた。しかし彼女はす
でに沈みかかっており、シンも潜水して、彼女の体を抱きとめた。ただ少女はパニックに
陥っているのか、無茶苦茶に手足を動かすものだから、コーディネーターの中でも運動能
力に優れた彼であっても、海面に浮き上がるのは一苦労だった。
「ぷはぁ」
けれど少女は暴れ続け、精神の安定を欠いて今自分がどういう状態にあるのか、まるで
わかっていないのだろう。シンに全身で抵抗を示し、頬をみごとに引っかかれた。
「落ち着けって! 大人しくすれば、絶対助けるから!!」
声を掛けても効果がないので、シンはこれ以上体力を奪われては困ると、いったん少女
を放して、彼女の下にもぐりこみ、胴体をしっかり下から掴んで固定した。
海に浮いている格好になった少女は手足をばたばた動かすのを止めた。たぶん状況が理
解できたのだろう。
シンは彼女を引っ張ってなんとか浅瀬までたどり着いた。とりあえずこれで死ぬことは
ないだろうと安心する。少女を引っ張り上げたところで、さすがに疲れて、岩の上に座り
込んだ。
「何してんだ! 死ぬ気か!?」
疲れから、つい語調がきつくなる。
「泳げもしないのに、あんなところで遊んでて、危ないってわかんなかったのかよ」
少女の呆然とした顔に、いまさら恐怖の色が浮かぶのにシンは気付いた。
(なんだ、鈍いんだよ、まったく)
と思っているうちに、少女は体をがくがくさせ
「あ……イヤ……しぬの、イヤ……」
呟きながら、急にスイッチが入ったロボットのように立ち上がった。
「いやぁ!!」
叫びながら、岩場をシンから逃げるように走り出す。しかし体力を消耗しているから、
しばらく行ってよろけ、でもまた逃げ出す。
放っておいてはまた泳げないのに、波に足をとられて海に入りかねない。
「待てって! 今度海に落ちたら、ホントに死ぬぞ」
「いやぁぁ! シヌの、こわい……」
「だから、海に入ったらだめだって」
この少女はおそらく知的障害者だ。シンと同じくらいの年恰好だが、ナチュラルとして
普通の発達を遂げているようには思えない。ようやく抱きとめたら、泣き叫び始めた。
「シヌのぉ、撃たれたら、死ぬの!」
この子は、おそらく前大戦で家族か友人が殺されるところを見てしまったにちがいない。
それがいまでも、彼女の精神を支配していて、『死』を異常に恐れるのだ。
ただ暴れ止まないので、彼女の肘がシンの頬に入った。すごい力だ。体力は消耗してい
るはずなのに。
そしてシンから逃げるように、浅瀬を這っていく。
「大丈夫だ、君は死なない! 俺が付いてるから」
あのとき、もし自分でなくマユが生き残っていたら? まだ幼く家族みんなに可愛がら
れていたから、ちょっと生意気でわがままなところもあった少女が、心の傷を負わずに生
き延びられたとは思わない。シンにしても、アカデミーのカウンセラーから、『時間と君
の成長が心の傷を癒すから、自分が可哀相だと思ったときは、思い切り泣くなり、遊ぶな
りするといい』と言われてここまできたのだ。
74 :
383:2006/08/07(月) 04:14:58 ID:???
シンは少女の体を後ろから抱きすくめた。優しさを込めて。
「心配要らない。君は、俺が守るから……」
こう言ったものの、右手がまちがって彼女の胸乳を掴んでしまい、シンはどぎまぎした。
でもやっとこちらの言葉に耳を傾けてくれた少女だ。しばらくはそのままで、少しでも理
解したかった。
少女の体から、すこしずつ力が抜けていくのがわかる。シンも力を抜いて、今度は正面
からウエストを抱いて、話しかける。
「ごめんな、俺が悪かったよ。ホント……もう大丈夫だから」
少女の印象的な菫色の瞳から、じわじわと涙があふれる。泳げないのに海に落ちて、何
より恐れているらしい『死にそうな目』にあったのだ。どんなに怖かっただろう。
「俺が、守るから、心配しないでいいよ」
シンは平和に暮らしている民間人を守るために軍人になったことを、今一度思い出した。
ネビュラ勲章より、このナチュラルの、おそらく知的障害を持った少女の笑顔を守ること
の方が、シンにとっては栄誉なのだ。
「まも……る」
少女が呟く。
「ああ、俺が守るから。ほら、もう浅瀬だろ」
「守る……」
言葉の意味を噛み締めるように、可愛い声で何度も言い、少女は両手でシンの手を取っ
た。少女にしては案外鍛えられた手だ。女の子の手は、もっと柔らかいものと思っていた
のだが。
二人はようやっと岸辺に上がった。少女は寒いのか、体を震わせている。シンは濡れた
ハンカチを絞って彼女の髪を拭いてやり、岩場で切ったらしい足の傷を見つけて、そこを
ハンカチで縛ってとりあえずの止血をした。少女はされるがままで、今のところ一方的な
信頼をシンに寄せているようだった。
頼られるからには、成果を出さなければ彼が軍人になった意味がない。
「でもどうすりゃいいんだ」
小声で呟いて周囲を見渡す。岩伝いに浜まで出られる道はない。泳いでその岩でふさが
れた区間を越えるにしても、この少女は泳げない。岩場の奥には波でうがたれた洞窟があ
った。そこで救助を待つしかない。
シンは首からさげた認識票とエマージェンシー用の小型発信機を取り出し、発信機を折
った。これで電源が入り、自分の位置をミネルバの管制に知らせてくれる。
シンは少女を促して洞窟に入った。
洞窟の中は真っ暗だったが、入り口からわずかに差し込む光とシンのコーディネーター
ゆえの夜目で、奥にあった乾いた流木を見つけることができた。その流木で火を起こすの
は、ザフトのアカデミーの「地球でのサバイバル」という授業で習った。
火を起こし、濡れた服を乾かすために脱いだときに、シンはびっくりした。異性と一緒
なのでシンはズボンは穿いたままだったが、少女は何のためらいもなくドレスを脱ぎ、さ
っき胸を触った時にわかったようにノーブラで、パンツ一枚になったのだ。ただそれに羞
恥心を覚えている様子はない。そう、この子は体は思春期の少女だが、中身は幼稚園の子
供とそうかわらないのだと、シンは自分に言い聞かせた。
「君は、この街の子? 自分の名前はわかる?」
背中合わせで暖を取りながら訊く。
「名前、ステラ。街、しらない」
「そっか、俺はシン」
75 :
383:2006/08/07(月) 04:17:02 ID:???
死を異常に恐怖するステラには、自分が軍人であると告げるのは今の状況を壊すだけだ
と思ったのだ。
「じゃ、いつもはだれといっしょなの? お父さん、お母さんは?」
「いっしょ、ネオ、スティング、アウル。お父さん、お母さん、知らない」
両親がいないということには、思ったよりクールだった。前大戦の孤児ではなく、それ
以前になにかあったのだろうか。まあ、あまり踏み込むのもよくない。ただでさえシンは
この少女の無垢な心と菫色の瞳に魅了されているのだから。守らなければならない、そう
シンが心に描いていた像がそのまま顕れたかのように。
ただ、気になることもある。我ながらすけべだと思うが、さっき掴んでしまったステラ
の胸の感触に覚えがあるのだ。それはすべてが始まった日、アーモリーワンで最後の買い
物を済ませてミネルバに戻ろうとしていた時にぶつかった少女。運悪く彼女の右乳房を握
ってしまった。その感触が同じだと思える。そしてそのときの少女も金髪で白いドレスを
着ていた。
「ステラ、アーモリーワンって、知ってる?」
「あーもりーわん??」
「うん、宇宙のコロニー」
「宇宙。真っ暗……お月様、でこぼこ。大きな青い星、知ってる」
「うん、そうだね、よく知ってるね」
これだけでは、ステラが実際に宇宙に出た経験があるか、わからない。子供レベルでも
持っているイメージだ。
「俺は、その宇宙から来たんだ。生まれ育ちは地球だけど、コーディネーターだからね」
シンの声は少し寂しげだった。いまのところデラシネ生活というのも大きい。
しかしステラは、ぴっと体を硬くした。
「コーディネーター、きらい」
これまでステラが喋った言葉の中で、一番意思を感じさせる言葉だった。このあたりは
今は親ザフト――というより反大西洋連邦――に傾いているが、もともとプラント理事国
である。コーディネーター嫌いの教育を受けていたとしても、おかしなことではない。
ただこれは理性が告げることで、実のところ、シンの心は傷ついていた。
でもステラは逃げない。これだけで今は十分だと自分に言い聞かせた。
お互いの背中のぬくもりを感じる距離にいるのだから。
こうして二人で火を見ているだけで、幸せな気分になれる。人類の祖先がアフリカから
出て世界に散っていった時、彼らには発達した言語はなかったがお互いの表情を読んだり
空気を感じたりすることには、今の自分たちより長けていたに違いないとシンは思った。
「……もうすぐ助けが来るから、安心して、ステラ」
「うん」
ステラは立ち上がると、乾かしている彼女のドレスのポケットを探った。そして白い手
をシンに差し出す。そこには艶々とした桜貝が乗っていた。
「シン、あげる」
さっきはコーディネーター嫌いと言ったが、そう強い感情ではないのか、ひとつの感情
を長時間持っていられないのか。まあわからないが、壁は消えた。コーディネーター嫌い
の彼女が、あの日アーモリーワンにいたはずもない。
「ありがとう」
シンの掌に、ステラの白い指が大事そうに桜貝をのせる。彼も子供のころ、家の近くの
ビーチで沢山貝を拾って遊んだ。死んだマユも貝拾いが好きで、特に桜貝は好きだった。
南洋のオーブにはもっと大きくて派手な色合いの貝が一杯あったが、「わたしはこれが一
番好き。だって可愛いじゃない」といっていたおしゃまな妹。思い出して、シンの目が潤
む。
76 :
383:2006/08/07(月) 04:18:29 ID:???
「シン、泣いてる?」
ステラはパンツ一枚のハダカのまま、シンの横に座って彼の首を抱いてくれた。
どれくらいそうしていただろう。シンは人肌のぬくもりに癒されるという経験と、ちょ
っと目を横にそらすとほとんど裸の女の子がいてという、16歳の少年にはなかなか辛い経
験をした。
エンジン音に気がついたのは、シンが早かった。
「助けが来たよ、ステラ。まだ乾いてないけど、服を着て」
この意味はわかったようで、ステラは乾きかけのドレスを着た。シンも半乾きのシャツ
に袖を通す。
「待ってて、ステラ」
洞窟の外に駆け出していくシンに、ステラは頷いた。
「休暇中にエマージェンシーなんて、なにやってるのよ、あんたは」
ルナマリアの説教が飛んでくる。
「大体、なんでこんなところで遭難してるの? 泳ぎ、得意でしょ」
「遭難したわけじゃなくて、海に落ちた泳げない女の子を助けたんだよ。とにかく、ゴム
ボート出して、ルナマリア」
洞窟の中に戻って、火の始末をし、ステラの手を握って導く。強い光にステラはまぶし
そうに目をしかめたが、救護用の毛布を受け取ると嬉しそうに体に巻きつけた。
ゴムボートに乗って上陸できる岸辺に上がると、道路にはザフトのジープが待機してい
た。
船から下りたルナマリアが訊く
「その子、ディオキアの街の子?」
「わからない。知的障害があるみたいで、両親はいないらしい。わかってるのは、名前が
ステラっていうことだけ」
「じゃ、基地に連れて行って、詳しく身元を調べるしかないわね。あんた、その頬の引っ
かき傷、何? まさか、あの女の子にいやらしいことしようとしたんじゃないでしょうね」
「そんなこと。助ける時にもみ合いになって、たまたま、怪我したんだ」
「……いちおう、信用はするけどね」
ルナマリアにしても、シンが弱者に暴力、それも性的暴力をふるうような人間でないと
知っている。彼は自分より立場が上の人間になら、不満があればなんでもぶつけるが、弱
者は守られるべきだという堅い信念の持ち主だ。
人命救助はいいことだが、身元のわからないナチュラルを基地に連れ帰るのはルナマリ
アにしては本意ではない。ただ地元民に好かれるザフトのイメージは大切にしないといけ
ない。
「とにかく、基地に帰って調べましょう」
ルナマリアはこう言ってから、毛布にくるまったままのステラに声を掛けた。
「あなたの保護者は私たちがみつけるから、安心して」
ステラはにこりと微笑をルナマリアに向けた。
77 :
383:2006/08/07(月) 04:20:42 ID:???
スティングとアウルは必死で海沿いの道を何往復もし、ステラを探していた。
先日の作戦で黒海上空を通り、そのあとここからしばらく離れた連合軍の基地に入った。
そこでネオとドクターたちが話し合いをしたようで、ネオとスティングたち三人、あとは
研究員二人がディオキア近くの別荘で静養することになったのだ。基地と戦場の往復は、
思ったより彼らのストレスとなっていたようだ。地球の自然を見て、心も体もリフレッシ
ュした彼らは、今朝ネオが所要で出かけたので、三人で外に飛び出したのだ。
こんなことは、もちろん初めてだ。街に出ることはあるが、ネオかドクターの誰かがつ
いてくる。ネオと一緒だと楽しい気分になれるが、ドクターとだと、監視されていていや
な感じだ。ステラは海さえ見てれば幸せな子だから、海岸においておいて、二人はドライ
ブを楽しみ、彼女を引き上げようと思ったら、海岸にいないのだ。
「あんの、バカァ」
アウルが言う。バカは三人の間でのステラの代名詞だ。しかし自分たち三人が、ファン
トムペインの中で特別な人間であることは知っている。ドクターやメカニックたちは仲間
ではないのだ。ロドニアの研究所から一緒の三人だけが、能力と記憶を共有できる間柄な
のだから。
車を走らせるスティングは、三人の兄貴分として、ステラにもしものことがあったらネ
オはどう思うだろうと考えると、体が震える。ネオは彼らの親代わりだが、上官でもある。
「あいつ、間違って海にドボンとか……」
「黙ってろ!」
ネオの命令に従って行動して、成果を挙げて褒められることが、彼らの幸福なのだ。そ
の仲間のステラが、戦いでなくこんなところで、彼女が一番恐れている『死』を迎えたな
ぞ、考えたくもない。
ステラは生きている。
そのとき、すれ違った軍用車両から声がした。ステラの声だ。スティングはあわてて車
を止めた。相手もステラの声に反応したようで、停車した。下りてきたのはミニスカートの
赤服のザフト兵と、毛布にくるまったステラを抱くようにしている少年だった。
「スティング! アウル!」
まろびながら、ステラが駆け寄ってくる。抱きとめてやりながら、「どうしたんだよ、
一体」と訊いた。答えたのは平服の赤い目――つまりコーディネーター――の少年だった。
「海に落ちたんです。彼女、泳げないみたいで、溺れかけてて、なんとか助けました。で
もファーストネーム以外わからなくて、困ってたんです」
この少年はザフトの広報テレビで見覚えがある。あの、インパルスのパイロットだ。
だが、こちらのことは何も知らず、ただの事故にあった民間人として考えているようだ。
だったら、こちらも避暑に来た観光客で通すまでだ。
「そうですか。それは御迷惑をおかけしました。本当にありがとうございます」
スティングがどこか冷ややかな口調で言ったとき、もう一台の車がやってきて、急停車
した。ツーシーターの紺色のカブリオレ、ネオの車だ。
長身の彼が車から降りてくるより早く、ステラが「ネオ!」と叫んで駆け寄った。
シンはステラが一緒にいる人で一番最初に名前をあげた「ネオ」とは彼かと、感心して
見た。金髪碧眼の非常に整った容姿の青年だ。またプラント育ちは天然素材を見たことも
ないので服の素材のよしあしなぞわからないのがほとんどだが、地球で裕福に暮らしてい
たシンからは、この男が着ているポロシャツは海島綿でチノパンは番手の非常に細い糸で
光沢が出るように織られていること、そして足元のローファーはリザードであること、つ
まりこのネオという青年は非常に裕福な暮らしをしているのが見て取れた。
78 :
383:2006/08/07(月) 04:21:40 ID:???
一方のルナマリアは、新しく現れた青年が、映画俳優かモデルかという美青年なのにび
っくりしていた。地球の映画はプラント時代から見ていたし、地球に降りてきてからは、
こちらのファッション雑誌を買っては、皆でハイファッション雑誌の服の造形的な美しさ
とそれを着こなすモデルの美しさについて話をしている。そうしたらいきなり、雑誌のセ
レブ特集に出てきそうなハンサムが登場したのだ。特例を除いては、ナチュラルの容姿は
コーディネーターより劣ると思っていたルナマリアにとって、こんな田舎町でその特例に
遭遇しようとは思ってもみないことだった。
「うちのステラを助けていただいて、ありがとうございます。ザフトの皆さん」
「あ、あの、あなたはステラのお兄さんなんですか?」
四人、誰をとっても似ていないので、シンは聞いてみた。
「彼ら三人は、前の戦争でいろいろあって、私が引き取りました。ネオ・リンデマンとい
います。今日は本当にありがとうございました」
「いえ、当然のことをしただけです、な、ステラ」
ステラはにっこりと笑って「シン」と言った。
「ありがとうございました。家につれて帰ります。まだ体が濡れているようですし」
「そうですね。はやく風呂に入って、着替えたほうがいいと思います」
スティングとアウルは、こいつはコーディネーターのエースパイロットなのに、なんで
こうも普通にいいひとみたいなんだと、苛立っていた。ユニウス7を落として、罪のない
ナチュラルを何億人も殺したくせに。
「シン、帰るわよ」
ミニスカートの赤服が声をかける。
ネオも声を掛けた。
「帰るぞ。ステラは私の車に乗るか?」
「うん!!」
満面の笑みを浮かべて、ステラは言った。それでも、シンがザフトのジープに乗り込も
うとすると、「シン、行っちゃう?」と訊いた。
「うん。お互い、自分の居場所に帰らなくちゃ。でも、また会いたいな、ステラに」
「ステラも」
なんかメロドラマっぽいのが不愉快で、ルナマリアは声を上げた。
「行くわよ、シン」
車が動き始める。しかしシンは小さくなるステラを見ながら、「ステラ、また会えるよ、
ていうか、俺、会いに行くから」と叫びながら、もらった桜貝を握り締めていた。
基地に戻りながらルナマリアは、あの青年、レイが大人になったらあんな感じだろうと
いう顔だったと思い当たった。淡いブロンド、地中海色の瞳まで同じだ。プラントでコー
ディネーターはナチュラルより優れているという教育を受けてきたルナマリアなので、コ
ーディネーターの中でも抜きん出た美貌と言われるレイとただのナチュラルが似ていると
いうのは、どうもおさまりが悪い。そのあたりプラントの教育は本末転倒で、ナチュラル
の美形の遺伝子を解析して、それに似せてデザインした容姿を持ったコーディネーターが
多く生まれたわけで、確率的には少なくとも、ナチュラルにコーディネーター以上の美形
がいるのは当たり前のことであった。
車の中で、疲れているのにステラはぽつぽつとシンのことを話した。ネオは当然、あの
少年がインパルスのパイロットだと、ひと目で見て取った。ある程度ストレス解消のため
に自由にさせてもよいという言葉に警戒心を弱めて、三人だけで外出させてしまったあの
研究員は配置換えだ。それよりまず、別荘に帰ったら、さっきネオが使ったVTOLで基地に
この子たちを連れ帰って、黒海での療養など最初からなかったのだと記憶操作するのが先
決だった。
GJです。し、しかし知的障害って…ハッキリ連呼されてますな(汗
強化した時にうっかり言語野やっちゃいました☆ミとかなのかなー
それかサヴァン?
383氏の設定にwktk
つーか初めてだよな
383氏のSSが本編と大筋で変わらないの
あのシーンは本編でも普通に良いと思ったシンステ厨の俺ガイル
うんでもまあGJ
ルナとファントムペインに面識が生じたり、FP側がシンルナをザフトであると
認識している事でまた色々と新展開がありそうだな。
(記憶を消すとは言っても何かしら影響は残るだろうし)
これはまさかアウルとルナのラブラブフラグが立ったのか!?
クルーゼやレイより先にネオに会ってる事になるな<シンルナ
どう絡んでいくのか楽しみだ。
クルーゼは戦闘中に一応会ってるから髪の毛を採集したんジャマイカ
GJ!
アウルニダ!アビス行くよ!!
スティングオクレ! カオス発進する!!
キムジョンイル!!テポドン逝くわよ!!
ラー・カイラム!アクシズを押すんだよ!
92 :
383:2006/08/10(木) 21:57:06 ID:???
政治で決まったことに、軍人は従うしかない。戦いを始めるときも、止める時も。そし
て戦略的意味より政治的な意味合いが強い作戦であっても、それが最終的に勝利に結びつ
くと考えるから、軍人なのだ。
ネオ・ノアロークはそんな当たり前なことを考える自分に、心が弱くなったかなと嘲う。
エクステンディッドの父親代わりという役割は、思ったより負担なようだ。
さきほどあの三人を寝かしつけるのに、少し手間取った。
スティングとアウルは、自分たちが勝手に別荘から出てしまったせいでザフトの軍人と
顔を合わす破目になり、休暇が取りやめになったと彼らなりの頭で理解している。
しかしステラは、戦闘時は普通に知性が働くものの、日常では子供並みである。ネオや
研究者たちにとっては、他の二人より彼女のほうが理想の戦闘人間に近いと見る向きもあ
る。ただ世俗的な知恵が一切ないのも、どうしたものやら。
さきほどメンテナンスベッドに入るとき、ステラは足に巻かれたハンカチを医療班がと
るのに、激しい嫌悪を示した。ナチュラルに暴力をふるってはならないと教育されている
ので、本気で暴れたわけではなかったが、彼女の幼い判断力の許す限り反抗した。おそら
く海で足を切った彼女に、あのインパルスのパイロットが応急手当として巻いたものだろ
う。
『いやぁ!』
と泣き喚くステラを、甘言で寝かしつけた。あんなハンカチのことは、目が覚めれば忘
れているはずだ。
研究員に聞いたところ、かなり深く感情に入り込んだ体験をしたようだ。ただ、処女で
あることに変わりはないという報告もある。短期記憶なので、少々深い思いでも消すのは
難しくないだろう。しかし男女の別なく育成されてきたエクステンディッドの三人、期待
通り異性への羞恥心も性欲も持たないように成長し、薬物で管理されてきたのだが、もし
かすると、女性のステラが一番早く性欲――異性への興味と所有欲――に目覚めてしまっ
たのかもしれない。薬物のため、彼女には生理はないのだが、それでも人間の本能は止め
られなかったということか。
ある意味、ネオはナチュラルの人としての強さを感じる。疫病、飢饉、戦争、そういっ
た災厄を乗り越えて、人類は人口を増やし、繁栄してきたのだから。
生殖機能を断たれたコーディネーター部隊の二人は、ヒトモドキ相手に性欲をはらした
いという連中に玩具にされているが、それで精神的にひどく落ち込んだりはしていない。
自分の穢れたコーディネーターの体でナチュラルを慰められるのは幸いという、考えを持
っている。
エクステンディッドの三人のためには、彼らの戦闘能力を高めるための性の解消法が必
要だろう。ネオは研究者にそれの研究を命じるとともに、黒海の別荘で三人を逃がした二
人の研究者を本国送りにする命令を出した。
93 :
383:2006/08/10(木) 21:57:53 ID:???
シンはミネルバに帰って、ステラからもらった桜貝を厨房からもらってきた瓶に入れて、
マユの携帯の隣に置いた。大事なものがひとつ増えた。
彼女にまた会うと言ったものの、ステラはフルネームを自分から告げられるような状態
ではなかった。保護者だという青年――ルナマリアだけでなくシンも、レイが大人になっ
たらあんな感じの顔立ちになるのだろうかと思った――のネオ・リンデマンという名前だ
けだ。苗字がスラブ系ではないし、非常に裕福そうな身なりだったので、このあたりに別
荘を持っているもっと西のほうのユーラシア人だろうと推測する。
でもあそこで彼女のアドレスを聞くなんていうのは、いくら休暇とはいえ軍人として正
しくない。彼女を助けたのは一個人、人間としての責務を果たしただけであって、助けた
ことに付けこむなんて、軍人としても人としてもしてはいけない非紳士的行為だ。
もし彼女が自分の運命の相手なら、またどこかで会うことがあるかもしれない。ロマン
ティストを通り越して妄想だと思うが。
それに、アーモリーワンでぶつかった少女と着ていたドレスの色、髪の色と胸の感触が
同じなのも、どうにもシンには気になった。
連合軍の黒海艦隊がディオキアに接近している。
この報はただちに、基地の全軍に伝えられた。上層部だけが情報を握ってぎりぎりまで
協議するというのは、基本的にザフトのやり方ではない。
なのでミネルバの兵士たちも、自分のできる範囲での準備をして、あとは上官の命令を
待つ形になる。ミネルバ自体はまだ修理が完全に済んではいないので、出港できない。モ
ビルスーツ隊を出すことと、艦船での防衛ラインが崩れたときに陽電子砲の固定砲台とし
ての役目がせいぜいだ。ただミネルバのモビルスーツ隊は少数精鋭の部隊――白服の平パ
イロットがいるくらいだ――として知られていたし、特にインパルスの実績は、地球で戦
うザフトのモビルスーツのなかで頭ひとつ秀でていた。また本来宇宙用の兵器である陽電
子砲をそなえている艦もディオキアには、ミネルバだけだった。
キタムラ基地司令官が総指揮をとるのは当たり前として、基地のモビルスーツ隊隊長を
差し置いてアレッシィがモビルスーツ隊の指揮を取ることになったのは、カーペンタリア
の時と同じだった。彼は白服のフェイスでカーペンタリアから実績を挙げているし、なに
よりディオキア基地の人間にとっては、デュランダル議長と長時間密談していた人物だと
いうのが大きかった。それを科学者上がりの議長の、軍事的な片腕であるという意味合い
にとった者が多かったのだ。
市街地に被害を出さないよう、艦隊をある程度前方に配置し、潜水艦は更にその前で索
敵に当たる、モビルスーツ隊は前線の艦隊を守るものと基地を守るものに分ける。単純だ
が、ディオキア基地にはなにか秘密兵器があるわけではない。先日の議長訪問の際、新型
のグフイグナイテッドが5機、配備された程度だ。ただ本来宇宙戦をメインとするザフト
の主力モビルスーツは大気圏内では飛行できないザクであり、地球には飛行タイプのバビ
が配備されているとはいえ、逆に大気圏内をメインと考え飛行タイプのウィンダムを大量
に揃える連合軍と、どうしても戦力差がでてしまう。もともと人口で大西洋連邦とだけで
も、30倍近い差があるのだ。
ミネルバでは所属のモビルスーツのうち、飛行能力のあるシンのインパルス、レイのセ
イバー、アレッシィ隊長のバビが前線へ、ルナマリアとイザークのザクはミネルバの甲板
上への配置と決まった。とはいえ隊長はモビルスーツ部隊の指揮官でもあるので、実戦の
真ん中には位置せず、前線と基地の間で前後を見つつ指令を出すこととなっていた。
この街を守らなければ、シンはそう思う。ステラと出会った街、そしていま街の人がザ
フトに寄せてくれている好意を失くすことがあってはならない。ミネルバのエースパイロ
ットとして、基地だけでなく街まで守らなければ、責務を果たしたとはいえない、そう心
に刻んだ。
94 :
383:2006/08/10(木) 21:58:44 ID:???
「シン・アスカ、コアスプレンダー、発進します!」
メイリンの管制に応えて、シンは戦いの場に身を躍らせた。
空中戦なので、フォースシルエットを選択し、フォースインパルスに合体する。
敵艦隊は空母一隻、駆逐艦、巡洋艦、それに先日戦った空中空母がいた。
(あれには強奪されたセカンドシリーズと裏切り者のアスラン・ザラの乗っている船)
そう思う間もなく、黒い染みが甲板から飛び降り、海辺に着水した。
モビルアーマー形態のガイアだ。そのまままっすぐ黒海沿いの道路を走り、ディオキア
の街に近づいていく。
(できるだけ近づいて基地に攻撃しようというのか?)
シンはこう思ったが、アレッシィは違う考えを持ったようだ。
『シン・アスカ、ガイアを止めろ。敵はおそらく、ガイアで市街地に被害を出し、住民に
連合に逆らったことの罰を与えるつもりだ。ディオキア基地を本気で落とすつもりなら、
もっと大きな兵力を投入するはずだ』
「えっ!? はい! ガイアの市街地への侵入を阻止します、隊長」
この、できるだけ理由をはっきりさせて命令をくれる隊長が、シンにはありがたかった。
彼は納得すれば、民間人の命を盾にするような卑劣な行為でない限りどんな任務でもする
心積りはあるのだ。
インパルスが急行した時には、ガイアは街の入り口までかなり近づいていた。絶対に街
中で戦うわけにはいかない。人間の10倍の大きさの金属の巨人同士が戦えば、市街地にど
れほどの被害を与えるか。そして、流れ弾一発でも、どういう惨事を呼ぶか、シンは身に
しみて知っていた。
(マユ、父さん、母さん、俺はディオキアの町を守ってみせる!)
ガイアとは一緒に慣熟飛行の訓練を宇宙で積んだ。相手のパイロットより、自分のほう
が敵の機体特性をよく知っている。なにより素早い動きと速度、今のモビルアーマー形態
でスピードを生かして抜き去られるわけにはいかない。
シンはビームサーベルを抜いて、ガイアに対した。
道をふさがれたガイアは、獣のように鋭く隙をうかがってくる。横は山、下は海である。
ガイアのパイロットは海を選択した。岩場を駆け抜け、インパルスを出し抜こうとする。
しかしフォースシルエットのインパルスの飛翔力は、ガイアを上回っていた。岩場でシン
がビームサーベルで切りかかると、相手はモビルスーツに変形し、やはりビームサーベル
で応対した。お互いのビームがすれ違う中で、必殺を狙い、戦う。
空での主役はセイバーと新配備のグフイグナイテッド、敵対する相手はやはりアシーネ
イージスとカオスの機動力とウィンダムの数だ。新型のグフイグナイテッドは接近戦が得
意で、空中でも器用にスレイヤーウィップを使い、敵を感電させて、その隙にビームで落
とす作戦を取っていた。
グフのパイロットは腕利き揃いなので、その力は連合軍を驚かせるに十分だった。
「あの新型は強いな。アシーネイージスにあたらせろ。機体性能はあちらのほうが出力面
などで上のようだが、腕ならザラ少尉が上のはずだ」
ネオはブリッジで指示を出した。
エルドリッジ少佐は命令に従いながら、少々不満げな目を彼に向けた。
「今回我々ファントムペインが出撃したのは、確かに政治的なことだ。ある程度はギブア
ンドテイクの原則にのっとらないと、こちらが将来痛い目を見る可能性がある。それに、
いいテストだろう。ザフトの新型機は」
「わかっています」
95 :
383:2006/08/10(木) 21:59:31 ID:???
母艦からの指示を受けたアスランは、バビの群れからなんとか離れ、一機の新型にビー
ムを打ち込んだ。運動性の高さは予想以上で、軽くよけたあと、猛スピードで接近してく
る。相手が感電を狙ってくるのはわかっているので、ビームサーベルは持たないほうがい
い。モビルアーマーに変形して、スキュラで仕留める作戦を取ることにした。スキュラは
強力だが、相手もそれは知っているし、簡単に直撃を食らう腕ではないだろう。
カオスはセイバー相手につばぜり合いをしていた。この二機は基本の設計思想に共通点
があるので、互いに相手の狙いが理解できる傾向があり、数度戦っているが決着は付いて
いない。
アレッシィがグフをあと二機、アシーネイージスに向かわせる。囲んで落とせ、という
命令だ。性能の勝るグフ三機で倒せないようなら、アスラン・ザラはパイロットとして連
合軍で完全に頭ひとつ抜けた存在ということになる。
艦隊戦は互角だったが、連合軍の艦からの意図的な誤射があって、ディオキアの街に着
弾があった。街に被害を出すわけにいかないので、ザフト軍は艦隊を動かし、街への防御
を固めた。
イザークとルナマリアは、ミネルバの甲板上で待機していた。上空のモビルスーツ隊の
働きで、一次防衛戦を抜ける敵はほとんどいない。それも控えているアレッシィ隊長がこ
ともなげに撃ち落していた。
ただイザークは、裏切り者のアスラン・ザラが新型のグフ三機相手に互角の戦いをして
いるのが気になってしょうがない。自分がグフを受領していれば、あんなイージスの改良
型くらい、すぐに落とすことができるのにと歯噛みする。
戦闘はどちらが有利ということもなく、膠着状態が続いていた。
シンはガイアを足止めして、少しずつ街から遠くに追い返していた。
レイはカオスのポッドに直撃を与えて、バランスをとりにくくさせていた。
海ではアビスがザフトの水中用モビルスーツに対し、有利な戦いをしていたが、潜水艦
に近づくことはできても、その先の艦隊までは遠かった。
タニスは死んだスティーヴンの分もと、ウィンダムの性能の限界まで頑張って、憎いコ
ーディネーターを殺していた。
アスランは、彼はグフが三機ともいい腕をしているが、連携はまだ上手いわけではない
のに気がついた。一機ずつ離すために、エネルギーの無駄だがスキュラを撃ちまくり、相
手を分断することに成功した。そして彼の集中力が高まり、あの、すべてが手に取るよう
にわかる状態が訪れた。
スキュラは敵の隙ともいえない隙をとらえた。コクピットを打ち抜かれたグフが海に落
ちる。残る二機も同様にして、撃墜された。
ザフトのモビルスーツ隊に戦慄が走った。三機を撃墜するのに要した時間は、10秒もな
かっただろう。一瞬、敵機の動きがよくなったと思ったら、新型三機が海の藻屑と消えて
いた。裏切り者とはいえ、アスラン・ザラは前大戦で最新鋭機ジャスティスに乗ったエー
スパイロットなのだ。
『ひるむな。イージス改の性能はバビと変わらん。かなりスキュラを撃ったから、エネル
ギーも消費している。多数で攻撃を仕掛けて動き回らせるだけでも、VPS装甲が落ちるま
でそう時間はかからん』
冷静にアレッシィがザフト兵を鼓舞した。
96 :
383:2006/08/10(木) 22:00:24 ID:???
しかし頭に血が上ってしまったパイロットもいる。イザークは、ミネルバの管制に、グ
ゥルを出すよう命令した。
「できません。それは隊長に止められていますから」
メイリンの声には、いくらあなたの頼みでも、という感情が混じっていた。
「頼む、メイリン、空に上がらないと、アスランを倒すことはできない。俺はここでザフ
トのモビルスーツが落とされていくのを見るのは、もうイヤなんだ!」
血を吐くような叫びだった。イザークから裏切り者のアスラン・ザラを殺すために地球
勤務を希望したと何度も聞かされているメイリンには、彼が戦いたい気持ちが痛いほどわ
かった。しかし命令を受けているし、前シンが言っていたように、飛行を得意とするタイ
プのモビルスーツに、グゥルに乗ったザクが敵うとも思えなかった。
「だめです」
「お願いだ、メイリン。俺に戦わせてくれ!! あ、愛しているから!」
メイリンの頭がショートした。何度もイザークと体を重ねたが、彼は、好きだとは言っ
ても愛してると言ってくれたことはなかったのだ。
自分はバカな女だ、そう思いながら、メイリンは無言でグゥルの射出シークエンスをは
じめた。気がついてイザークのザクが飛び乗るか、それともタイミングを逃して虚しくグ
ゥルだけが飛んでいくか。彼女はイザークの言葉に賭けで答えた。
「来た!」
イザークはザクをジャンプさせ、二年ぶりにグゥルに乗り、空へ飛び出した。
「グゥル!?」
アーサーが驚きの叫びを上げた。
グラディス艦長が、鋭い声をメイリンに向けた。
「あれは使用禁止だと、命令を受けているでしょう。イザークを呼び戻しなさい」
普段なら上官の命令を素直に聞くメイリンが、モニターを見詰めたまま、手を動かすそ
ぶりを見せないので、タリアは自ら通信機を取った。
「イザーク・ジュール、あなたはメイリン・ホークとともに重大な命令違反を犯していま
す。即刻ミネルバに戻りなさい」
しかし返答はなかった。
基地から飛んでくる円盤に乗ったモビルスーツに最初に気が付いたのは、敵のカオスだ
った。
「何だよ、ありゃあ。ザクが空飛ぶなんて、人をバカにしてんのか!」
そしてアレッシィはミネルバから連絡を受け、確認の後、イザークに無線で呼びかけた。
「イザーク・ジュール、何をしている。命令違反だ、戻れ、死にたいのか?」
当然、返事はなかった。
イザークは空を飛んで、自分が刻一刻と憎い裏切り者、魂をナチュラルに売った男、そ
して何より、アカデミーでの主席を自分から奪った男に近づいているのが嬉しかった。
オルトロスの照準をアシーネイージスに定め、発射した。よけられてしまったが、これ
で敵は自分に気付いたはずだ。
近づいてきたウィンダムにミサイルを叩き込む。
(いける!)
空戦での手ごたえをイザークは感じた。
97 :
383:2006/08/10(木) 22:01:44 ID:???
敵のビームやミサイルを、グゥルの操縦とその上でザクの姿勢を変えることでしのいだ。
もう少しでアスラン・ザラと直接交戦できるところまできたが、そこにカオスのビーム
が襲い掛かる。なんとかよけたものの、グゥルは大きくバランスを崩した。しかしそれが
逆に幸いして、第二射の射線から逃れる結果となった。
レイはアレッシィ隊長に無線で指示を請う。
「イザーク・ジュールを援護して、ミネルバに戻らせるべきでしょうか?」
「必要はない。お前はイージス改の相手を。あれに防衛ラインを突破されると面倒だ」
「了解しました」
実際アシーネイージスの前面が薄くなっている。レイはセイバーをそちらに向けた。
そんな会話のことは露知らず、イザークは邪魔なカオスに向かってオルトロスを打ち続
ける。VPS装甲相手に、ミサイルは効かないからだ。だが空中戦を得意とするカオスに、
いかにイザークの腕がよくても、グゥルとザクで対等に戦えるはずもない。
ザクの左腕が吹き飛んだ。
もう逃げられる状況ではないし、そんな気はイザークにはかけらもなかった。
ただカオスめがけてオルトロスを発射するだけだ。
命中をとったのは、カオスだった。
ザクのコクピットをビームが直撃した。
(は、はは……うえ)
イザークの脳裏に浮かんだのは、美しく優しく賢い母親の面影であった。
シンはガイアと海岸で取っ組み合っていた。間合いを取るとガイアはモビルアーマーに
形態を変えてしまう。そうなるとガイアのスピードとインパルスの飛行能力の勝負になり、
タイミング次第で市街地を敵の射程に入れてしまう可能性が出る。
(最初から相手がガイアだとわかっていれば、ソードシルエットにしたものを)
とはいえ今は換装している時間の余裕がない。ビームサーベルで戦っているが、相手パ
イロットよりシンの方が、剣を使う腕は上のようだ。戦っているうちに大きく崖が突き出
た岩場まで来た。先日、ステラと出会った場所だ。そう思ったシンに、一瞬隙ができた。
ガイアは四足に変形し、背中の火力をインパルスに向けてくる。
何とか飛び上がって避けたが、ビームは岩場を破壊し、シンとステラが短い時を過ごし
た洞窟がふさがれた。
「この野郎ォ!!」
大切な思い出の地を壊されて、シンは怒った。
ガイアはそんなことには関係なく、背中のブレードを広げ、勢いをつけて飛び掛ってく
る。あのブレードに刃が付いていることを、シンは知っていた。インパルスの腰をかがめ
てビームサーベルを突き上げ、ガイアのスピードを逆に利用してブレードを切断した。
そしてまた、街を背にサーベルを構える。飛び掛ってはまた同じことになるとガイアの
パイロットも考えたのか、少し様子見という雰囲気だ。
シンは自分から打ってかかってガイアを撃破することも考えたが、とにかくインパルス
が抜かれれば、街までなんの防衛のための武器もないので、少し頭を冷やして判断した。
牽制を続けようと。
98 :
383:2006/08/10(木) 22:02:32 ID:???
そうしたら、いきなりカオスが飛んできた。
(まずい! 2対1じゃ)
舌打ちしたが、カオスはガイアを抱えるとそのまま飛び去った。
(撤退、したのか、敵は?)
ずっとガイアとディオキアの町のことしか考えていなかったので、戦況を見る余裕はな
かった。
敵の艦隊は順次回頭をはじめていた。
そしてシンにとってショックなのは、ディオキアの街の何箇所かから煙が上がっている
ことであった。ガイアは防げたけれども、艦艇からの流れ弾を防ぐことはできなかったと
いう現実。できるだけ死者が少ないといい、そして家族と死に別れた子供がいなければい
いと己の無力さを噛み締めながら、シンは祈った。
ミネルバに帰還したシンは、
「ルナマリア、メイリンが倒れて医務室に運ばれたって」
というヴィーノの声にびっくりした。戻ってくる時に見たミネルバには、新しい故障箇
所はなかったのに。
「えっ!? ホント?」
「マジだよ」
「失礼します、隊長」
ルナマリアはザフトでなければ許されないだろう無礼さでアレッシィに声だけかけると、
エレベーターに向かって走り出していた。
「メイリン、だいじょうぶかな。それよりイザークは?」
虫の好かない奴だが、なぜ彼のザクがないのか気にかかる。
レイが落ち着いた声で答えた。
「戦死した」
「? だって、ミネルバもルナマリアも無傷なのに、どうしてイザークだけ」
「事情はわからんが、イザークは命令違反を犯してグゥルに乗って空戦に出て、カオスに
撃墜された」
淡々と自分の知っていることだけを、レイは語る。
シンは驚いて何も言えなかった。
そこに伝令からメモを受け取ったアレッシィ隊長から声がかかり、二人は彼の前で敬礼
した。
「敵艦隊は引き上げた。二人は三時間休憩ののち、通常業務に戻るように。それから、残
念なニュースだ。連合軍はディオキアだけでなく、ガルナハンの火力プラントにも攻撃を
しかけ、地元レジスタンスから奪還した。そしてガルナハンの街を破壊したということだ」
「そ、そんな!? 嘘ですよね、隊長。嘘だと言ってください!」
半日しか一緒にいなかったが、自分たちの街と自由、財産を守るために戦っていた誇り
高いレジスタンスたち。コニールはまだ子供だ。それに羊の丸焼きを振舞ってもらった時
に広場にいた子供たち、彼らがいま、砲撃を受け瓦礫の下に埋もれているというのか。
「マハムール基地からの情報だ。大西洋連邦のテレビ局のニュースで流すだろう。『コー
ディネーターと組んで地球軍に抵抗した街を制圧した』と」
いつもと変わらぬ隊長の冷静で皮肉まじりの声、シンは希望を打ち砕かれて、床を叩き
ながら涙を流した。
99 :
383:2006/08/10(木) 22:05:07 ID:???
鈴置洋孝さんが亡くなられました。
氏が演じられたたくさんの役柄で、一番好きなキャラは日向小次郎です。
芸達者ぶりに舌を巻いたのは内海課長。そしてブライトさんはガヲタの私にとって
空気のような存在です。
御冥福をお祈りします。
。・゚・(ノД`)・゚・。イザーク
凸と戦う前にオクレ兄さんにやられるとは…
意外すぎるイザークの結末だが都合の良いドラマなんてありゃしない現実の壁は冷たいってか
本人が満足そうなのがせめてもの救いか・・・メイリンの今後が怖いような
キラ、アスラン、カガリ、イザークら旧キャラが中心だった
苦悩・挫折・喪失描写だが満を持してシンにきた!
だがこれからもっともっと重苦しい直接的なものがくると思うと・・・
鈴置氏のこともあって読んでて憂鬱になってくる
なにはともあれGJです
383氏乙。今日は旧シャア全体が葬儀会場のようだな…
イザーク、コニール両名にも黙祷。コニールは本編ラストでのザフトへの信頼が凄く印象に残っている、が…
シンより先にメイリンの喪失描写が来そうかな?あーそれよりも自責描写のほうか…?
GJ!!
イザーク(&こっそり、ブライト艦長)に黙祷。
読んでて、イザークにグフがあれば(結果は一緒?)、と思った。
まあ、ザフト上層部は彼の死を望んでたんだから仕方ないか。
メイリンは絶望の後にはきっと希望がある(イザークにモーション掛けた理由)。
気になるのは、イザークの唯一の友。
親友の仕組まれた死に、なにを思うか?
しか〜し!一番気になるのは、メイリン退場(決定)により立つ、フラグ!!
〇〇оーさん、きーたー!!
――一部妄想が含まれています――
仕組まれた死とは違うだろう
独断専行、作戦無視の結果だ
言い方は悪いが自業自得だな
えええええーっ!
いやー、ああいう過去を認識しつつもああいう性格な以上、コーディネイターの
歪んだ性格の代表だなぁ……「これを改心させる(普通の種ファンが認識している
らしいイザーク像)のは無理だろ」と思ってたんですが、まさかここで死ぬとは。
……かといって、これで実は生きてる&改心という種的展開は嫌ですが。
………でも、コニールは実は…という期待はしちゃダメなんだろうなぁ、がくっ。
とりあえず、メイリンは本編と似たような性格なんだろう、自業自得というか。
自分もSS投下してもよろしいですか?383氏とは違った流れの話になると思うんですが
皆さんが良ければ今日書きます。
別にお伺い立てることじゃねえと思うんだが
お待ちしていますよ
大歓迎wktk
とりあえずageとくか。
期待してるから逃げんなよ
豚切りすまん。383氏、戦闘苦手ってたけど、上手くなった。
もしかして、これまで手抜いてた?
>>103 普通ならこういう場合メイリンの中にイザークの忘れ形見が…とかありそうな所だが、
383氏のドライな筆致ではそう甘いことにはなりそうもない…か?
あるいはコニールもまた同じく…?
下世話な話だが、任務中なら避妊はしてるんじゃ無いだろうか
昨日発見して、一気読みしちゃいましたよ
いやあ、面白かった
しかし、これをTV放映されてたら途中で視聴が苦しくなって逃げ出す自信があるw
厳しい内容だこと
小説ならではだなあ
迷走し通しだったイザークにはいつか状況の変化が来るんだろうと予想していたが
反逆もなければ好転もなく何の変化もなく
どうしようもない状態のまま1人満足気に死んでしまうとは思いもしなかった!
やってくれる!
しかし暴走して周りに迷惑かけまくって1人満足気に死ぬってまるでクルーゼのようだw
おーい、イザーク……
き、きつかった……ショックだ
しかし368氏にはこのドライな姿勢を貫いて欲しい
でもショックだった、すまん、そう書き込まずにはいられんくらいにちと、ダメージをばw
でもこのまま続けてくれ〜面白い
しかしショック(ry
目を覚ますとそこは自分の知らない病室だった。頭が朦朧としている、自分が起きているのか
寝ているのかも分からないそして何より視界も悪い、そして・・・手足も動かない、手も足も
脳からの命令に対して反応を拒絶している様な常態だった。指先は動く、目を覚ましてから
大分時間が経っていた、体はまだいう事を聞かなかったが頭の中は段々とクリアーになってきた。
「ここは・・・・どこだ・・・・?」
その時、病室のドアが開き誰かが入って来た。その男は杖を突きながら部屋の中央までゆっくり
歩いてくると不意に口を開いた。
「おや?やっと・・・目を覚まされまたのですね。待っていなさい、今人を呼んであげましょう」
男は目を閉じながらそう言い、目を閉じながらも正確に備え付けのインターホン受話器を取り
人を呼んでいた。男が受話器を元に戻ししばらくすると部屋に人が入って来た。その男は
走って来たのか、息を切らせていた。
「ま、まさか本当に目を覚ますなんて・・・・た、隊長〜!早く!」
その男が来ていたのは忘れもしないあのザフトの一般兵の軍服であった、何故ザフトが・・・・?
その次の瞬間、忘れもしないあの男が部屋へ入って来た。
「慌て過ぎだぞ、ダコスタ君。・・・・・・よぉ〜少年、ようやくお目覚めかね?
目覚めのコーヒーはいかがかな?」
砂漠の虎、アンドリュー・バルトフェルトであった。そう、自分がアフリカで殺したはずの。
「バルト・・フェルト・・さん・・・?な・・んで・・?」
「ま、話せば長くなるんだが・・・それよりまずはお前に言わなければならん
事がある、お前には少し酷な話なんだが・・・」
その時、盲目の男が二人の会話に割って入った。
「バルトフェルド隊長、彼はまだ目覚めたばかりです。いきなりでは彼も困惑してしまいます。
・・・それよりも・・キラ・ヤマト」
盲目の男はキラに向かってそう言い、閉じた目でキラを見つめた。正確には見えては無いなはずだが
心の底を見つめられる様な感じをキラは感じていた。そして同時に今彼が言おうとしている事が
とても深刻であろうという事もキラは察していた。
「キラ・ヤマト、戦争は終わりました・・。形骸的にはザフトの勝利という形で・・・・
もう2年も前の話ですが・・。アナタは2年間も眠っていたのです。アナタは傷つき私の庭で倒れていた
回復も絶望的な傷で・・・しかしアナタは再びこの世に舞い戻って来た。なので一つずつ、お話ししましょう
何があったのか順を追って。」
時は遡る事2年前
CE71年9月27日、後に「第二次ヤキンドゥーエ攻防戦」と呼ばれるであろうザフトと連合、
一年半にもおよぶこの戦争の終着点にして人類史上最悪の悪夢。すでに昨日の戦闘において
地球軍は核攻撃をプラント本国へ対して行いザフト軍の迎撃も空しく、フェブラリウス市、
マティウス市を壊滅させられ多くの罪無き一般市民の犠牲を出していた。対するザフト軍も
大量破壊兵器ジェネシスによって地球軍の総戦力の40%を葬り去るという虐殺劇が繰り広げられていた。
しかしその様な状況でも、地球軍ザフト双方の者がこの戦いで勝利を掴み、戦争を終わらせ
その先にあるであろう平和な世界、個人により差はあれど皆、願う先は同じであった。だがそんな中
ただ一人全く別の事を考えていた者が居た。彼は高まる気持ちを押さえつついつもの冷静な自分を
仮面越しに装うと着慣れぬパイロットスーツも身に纏いMSに乗り込んだ。その途中整備兵が何かを
言っていたが彼は適当に返事をするとコクピットの内部を一通り見回した、シグーやゲイツなどとは
違うザフト最新鋭のMS、天帝の名を冠する機体を駆るその男だけはこれから起こるであろう
人類最大の悲劇を頭の中で思い描いていた。それは壮大なオーケストラの様だった。
「ラウ・ル・クルーゼだ!プロヴィデンス!出るぞ!!」
CE73 一日目
キラはまだベッドに横たわっていた、ラクス・クラインはこの数日で色々とキラの身の回りの
世話をしてくれた。彼女とはアークエンジェルに居た頃に面識があったが、あの時よりも随分
大人になったと言う印象を受けた。キラ・ヤマトが目を覚ましてからすでに一週間の時間が
経過していた。キラは驚くほどの回復の早さを見せ3日目には自力で歩けるほどに回復していた
それには主治医も驚きを隠せない様子でキラは普通のコーディネーターの身体能力を遥かに凌ぐ
突然変異だとまで言い出す始末であったが、しかし誰しもがその話に対してはあまり驚きを見せ
なかった、軍属でもない普通の学生がここまでやってこれたのだ、むしろ普通の者であった方が
おかしい。しかしキラ自身そんな事はどうでも良かった、自分が人とは少し違うという事は
自分でも前々からかすかに思っていた事だったからだ。
ラクスの話によれば今キラはオーブに居た。しかしオーブは連合の侵攻に対し成す統べなく国を
焼かれウズミは死去。カガリ率いる少数の者だけが生き延び国外へ脱出した。そしてラクス・クラインが
クライン派を率い急進派のザラ派に対し決起を起こしたと言う。バルトフェルドやアスランもそれに
加わり前大戦において戦いを止めるべく奮戦したというがまだ詳しい内容までは聞いていなかった。
ラクスとの会話の大半はたわいも無い話だった。しかしそれはキラにとって今もっとも楽しいひと時で
あった。アークエンジェルのクルーは皆元気にしているらしく、フレイやサイに早く会いたいと心の中で
再開を楽しみにしていた。しかしその話になるたび、ラクスは作り笑いをしている様な印象を受けた。
時は再びCE71年9月27日
クルーゼが戦線へ参加すると同時に、さらに追い討ちをかけるかの如くジェネシス第二射が
行われ地球軍の増援部隊と共に月のプトレマイオス基地を壊滅させた。元より数の面では圧倒的に
ザフトに勝っていた地球軍だったがここへ来て前線補給基地と増援を同時に叩かれ一気に形成が
逆転し、窮地に立たされたかに見えたがドゥーリットル旗下の核ミサイル攻撃部隊「ピースメーカー隊」
とアークエンジェル級二番艦ドミニオンは以前健在であった。また各戦線では残存勢力が部隊を
再編成し、散発的にヤキンドゥーエへ攻撃を仕掛けていた。その様子をブルーコスモスの盟主
ムルタ・アズラエルはドミニオンの艦首から眺めていた。彼の胸の内は腸が煮えたぎる想いで
あったが、ここは冷静に判断しなければ今戦闘の敗北どころか全てのナチュラルを滅ぼされかねない。
彼は自慢の頭脳をフル回転させ思考を張り巡らせていた。ここでアプリリウスを撃つのは容易い
しかしそれではまたジェネシスを撃たれ、双方共倒れが関の山だ。それではいけない。
我々は勝たねばならない、彼のこれまで勝ち続けてきた人生、その中で引き分けなどはそもそも
あり得なかった。
「ドゥーリットルへ打電しろ、核攻撃隊発進準備!目標は・・・・・あの野蛮な兵器だ!
カラミティ、フォビドゥン、レイダー発進! 核攻撃隊を援護しろ!」
これでいい・・・これでいいはずだ・・・・。アズラエルは自分にそう言い聞かせると
ドミニオンから発進した3機がザフトのMSを次々に薙ぎ払っていく様を見つめていた。
クルーゼはヤキンドゥーエへまとわり付こうとする連合のMSを圧倒的な強さで各個撃破して
いたがジェネシスの様子が気になりこの宙域を後にした、彼からすれば第一に守るべきは
ジェネシス、人類を飽くなき戦いの連鎖へと引き込む為の最後の扉だった。ジェネシスへ
辿り着いたクルーゼは防衛部隊のMS隊隊長へ告げた。
「分かっているとは思うが、次に奴らが狙ってくるのは間違い無くジェネシスだ。私も
コイツの防衛に専念したいのだが如何せん戦力不足だ、そこでこちらから先にヤツ等の
核攻撃隊を叩く。MSを数機貸してはくれんかね?一時的に壁は弱くなるが核の脅威が
消えれば後は烏合の衆、キミ等の仕事も幾分か楽になるとは思うがね?」
「了解しましたクルーゼ隊長!ではゲイツを二個小隊出しましょう
ハーネンフースの小隊は出れるか?」
防衛部隊長が呼び出すとシホ・ハーネンフースの指揮官用ゲイツが部隊を率いてその場に
現れた。シホは元々クルーゼ隊の隊員クルーゼが特務隊へ配置転換され彼女とはそれ以来
顔を合わせてはいなかった。
「お久しぶりです隊長、ではお供します。ハーネンフース隊、続け!」
クルーゼのプロヴィデンスはゲイツを率いると地球軍主力艦隊の方角へと向かい飛び立った。
しばらくすると連合の主力MSストライクダガーが多数護衛している艦隊へと出くわした。
その奥にはアガメムノン級宇宙戦艦ドゥーリットルと黒い足つきドミニオン。戦場が混戦して
いる事も相成り、地球軍艦隊は彼らにまだ気が付いてはいなかった。クルーゼはニヤリと笑った。
「どうやら当たりの様だな、MS隊散開!各機敵MS、戦艦を撃破しろ!
核ミサイルを所持しているMAを優先的に叩け撃破の際は慎重にな」
そう言い放つとクルーゼのプロヴィデンスは地球軍艦隊へ急接近し、ドラグーンを展開、
一瞬の内にストライクダガー5機を鉄クズに変えた。地球軍艦隊は突然の事で何が起きたか
分からず後方のダガーの前面防衛へ回そうとしたがそれも後の祭り、プロヴィデンスに
艦隊の中核まで進入され何処からともないドラグーンの全方面攻撃とプロヴィデンスの高火力に
よりMSと艦隊を次々に失っていった。クルーゼが艦隊内部で大暴れしている様を少し距離を置いて
シホは見ていた、彼女の隊はクルーゼが討ち漏らしたMSやMAなどを始末していたがあまりの
クルーゼの獅子奮迅ぶりに圧巻していた。しかし次の瞬間、隣のゲイツが突然爆発した。
何かと見るとそこには連合の新型MSカラミティーがビームライフルの銃口をこちらへ向けている
光景だった。彼女はとっさにカラミティーの攻撃をシールドで防御したが火力、機動力
共にゲイツよりも上で、僚機のゲイツが瞬く間にもう一機落とされた。
「防御に徹すればやられる、各機散開!目標をアンノウン一機に絞れ!」
シホはそう指示を出すとカラミティーに対して攻撃を開始した。
CE73 2日目
キラは病室のベッドに腰掛、窓から外の景色を眺めていた。昨日はマルキオから二年前の
クライン派の決起の話を聞き少し困惑していたキラだったが、一晩眠り少し気持ちは
落ち着いていた。自分が寝ていた間に皆戦い傷ついて居た事を思うととてもやるせない
気持ちになった。その時病室のドアをノックする音が聞こえた
「空いてますよ?どうぞ?」
ドアが開き、部屋へ入って来たのはアスランとカガリだった。二人とは既に先日感動の
再会を果たしていた。もっともキラの方はアスランを殺そうとしたという負い目もあり
またアスランもキラを、そしてキラの友トールを殺してしまい、しかもキラは奇跡的に
目覚めたとはいえ植物人間へと変えてしまう所だあったという負い目もあり、お互いに
最初はギクシャクしていた二人だったがカガリが何とか上手く割って入り何とか二人の
仲も以前の、月の幼年学校の頃の二人へと戻りつつあった。唐突にカガリが口を開く。
「大丈夫か?お前?その・・・昨日は一度に色々いっぺんに聞いて混乱してるだろ?
でも気にするなよ済んでしまった事は変えられないからな、うん、これからの事を考えよう」
カガリは2年前よりも大人になったという印象を受けた、いや、カガリだけでなく
アスランもそうだった。ラクスもそうであったし、皆成長していて、まるで自分だけ取り残された
様な感じであった。そう一人考えていた折、アスランが口を開いた。
「キラ、急な話ですまないが、俺とカガリは明日にでもプラントへ行く事になった。
非公式に、一応は会談という名目だが・・・
まぁそういう訳で、俺たちは少し留守にする。後の事はバルトフェルド隊長に頼んであるからお前は
ゆっくりしていてくれ」
キラは何故アスランとカガリがプラントへ行くのか問いただそうとしたが
そこへ再びカガリが割って入った。
「あ〜聞きたい事とか沢山あるんだろ?でもまた後から順を追って説明してやる
私達が帰ってくるまでバルトフェルドのコーヒーでも飲んで待ってろ。いいな?」
「うぅん、大丈夫だよカガリ、僕は待ってるよ。帰ってきたら、また色々教えてね、それまで
バルトフェルドさんのコーヒーでも飲んで待ってるよ・・・・あんまり美味しくないけど・・」
「私もそう思うぞ!あいつ、コーヒーにはこだわってるくせに酷い舌もってるよな!」
カガリの言葉で三人はどっと笑った。キラも目覚めてからこんなに笑ったのは初めてだった。
分からない事はまだ多かったがそれでもこうして笑える事がキラにはひと時の幸せに感じた。
しかしそれは長くは続かなかった、アスランとカガリは次の瞬間に表情が凍りつき部屋は静寂へと
包まれた、バルトフェルドがお盆にコーヒーカップを4つ乗せドアの前に立っていたのだった。
CE71 ヤキンドゥーエ
クルーゼはピースメーカー隊搭載艦とその護衛艦隊をほぼ全滅させ残すは数隻という
所まで迫っていた。旗艦のアガメムノン級を手にかけようとしたその時フォビドゥンが後方
から大鋸で切りかかって来た。プロヴィデンスはすかさず反転し、鎌をシールドで受け止め
フォビドゥンの胴体へ蹴りを入れた。蹴りの勢いでフォビドゥンとかなりの距離を取った
プロヴィデンスはフォビドゥンに向けてビームライフルを放ったがフォビドゥンは素早く
Gパンツァーを展開させビームライフルを拡散させた。その不思議な性能のシールドに
クルーゼは一瞬呆気に取られたが次の瞬間、背後から飛来した鉄球の直撃の衝撃が襲った。
並みの者ならその衝撃で脳震盪を起こすのだろうが、クルーゼは何事も無かったかの様に
鉄球の飛んできた方向へ振り向き様ビームライフルを見舞った。鉄球の持ち主レイダーは
プロヴィデンスの攻撃を回避すると変形しそのまま飛来してきた。
「フン、連合の新型か・・・アズラエル、また大層な玩具を作ったものだ、しかし相手が悪かったな・・」
クルーゼはそう言い放つとプロヴィデンスのドラグーンを展開しレイダーとフォビドゥンを攻撃した。
レイダーは飛行形態だったので攻撃の全てを回避したが、フォビドゥンは全方位からの攻撃に対する
回避運動が少し遅れGパンツァーを展開し攻撃を防いだ。プロヴィデンスはすかさずフォビドゥンに
急接近し前面へ展開中のGパンツァーの左片方をシールド内蔵大型ビームサーベルで切り払った。
バランスを崩したフォビドゥンへ対しドラグーンの集中砲火が襲った、Gパンツァーを切り取られた
左半身へ数初被弾するとフォビドゥンは爆発した。そこへドラグーンをかいくぐったレイダーが
鉄球を再度プロヴィデンスへ投げつけた。しかしプロヴィデンスは自分の前衛にドラグーンで
ビームの網を作るとそこに当たった鉄球は爆発し、次の瞬間ドラグーンは銃口をレイダーへ
向け一斉に火を放った。角度的にも回避は不可能で、レイダーはドラグーンの攻撃を全身に
浴び爆発した。プロヴィデンスはそのまま前方のドゥーリットルの艦首をビームサーベルで抉り
取るように切り落とし艦本体をドラグーンで蜂の巣にした。核への誘爆は無く、ドゥーリットルは
そのまま小刻みに爆発し、崩壊した。全艦隊をたった一人で全滅させたクルーゼは最後に残った
ドミニオンを見つめた。バリアントで迎撃はしてくるもののもはや戦艦一隻でプロヴィデンスに
敵うはずなどは無い事など彼には手に取る様に分かった。
「今頃アズラエルはどんな面をしているのだろうな?さぞ間の抜けた表情をしているのだろう。
見てみたい気もするが・・・・、貴様にはまだまだ働いて貰わねばなら無い。
それはまたの機会にしておいてやるよ」
彼はボソリとそう言い放つと、ドラグーンでドミニオンのゴットフリート発射管とバリアントを
潰し180度向きを変えると元来た空域、ジェネシスの方へと飛び去った。その途中、連れて来た
ハーネンフース隊とカラミティーが交戦しているのを発見した。隊と言っても残っているのは
シホの一機で、しかも片腕と武装を破壊され逃げ惑うばかりの姿であった。プロヴィデンスは
カラミティーに急接近し両肩の砲台と頭部を切り落とした。そしてシホの機体の背中を掴むと
そのままジェネシスの方へと飛び立った。カラミティーのパイロット、オルガ・サブナックは
一瞬の事で何が起きたかも分からず飛び去っていくプロヴィデンスの背中をただ唖然と見ていた。
CE73 三日目
バルトフェルドはキラの病室に居た、しかし今日は珍しくいつもは淹れて来るコーヒーを今日は
持参していなかった。代わりにコップに入った水道水が二つ、テーブルの上に置かれていた。
「それで、今日は何から話してやろうか?水の味はどうだ?美味いだろう?」
キラはコップの水道水を一瞥すると
「あ、あれは・・・・カガリが・・・。その・・・すいません・・・。
バルトフェルドはそれを聞くと大笑いした。
「こんなのはジョークに決まってるだろう?僕はこうみえても代表・・・・
カガリよりもより大人だよ?」
言いかけてバルトフェルドは一瞬しまったという顔になったが
キラはカガリが何の代表なのかと問いただした。
「アスハ代表っていうのが今のカガリの肩書きだ、あいつは今、オーブの首相なんだ。
ま、これは代表から口止めされてたんだがな。自分から話すって・・。本当は昨日
話したかったんだろうが、急にプラントとコンタクトが取れたらしくてな。何でも
前から会談を希望してたデュランダル議長が明日なら都合が付くのですぐに来てくれとの
事でな、帰ってきてからゆっくり話したかったんだろうな。お前知らないフリして聞いてやれ」
「わ・・・分かりました。でもカガリが代表だなんて・・・」
「あのおてんば娘が国の代表だなんて俺だって信じられんさ、だが二年前にパナディーヤで
初めてお前達と会った時に何となく、感じたがな。いい目をしていた、お前も、カガリも」
そう言うとバルトフェルドは不味そうにコップの水を飲んだ。しかしそこまで聞いていて
キラは黙り込んだ。ラクスから聞いていたが自分はこの人の大切な人を奪っているのだ。
「バルトフェルドさん・・・・アナタには僕を討つ理由がある・・・。」
キラは唐突にそう言い出した、バルトフェルドはそれを聞くとキョトンとした顔になり
「コーヒーの悪口の件なら俺は(もう)怒ってないが?」
「そうじゃありません!・・・その・・・アイシャさんの・・・」
バルトフェルドの表情が一瞬変わったのをキラは見逃さなかった、しかしそれは一瞬の事で
次の瞬間には彼は いつもの表情に戻っていた。
「戦争だったんだ、理由なんて誰にでもあるし・・・誰にも無い・・・そういう事にしておこう・・。」
バルトフェルドは笑いながらそう言った
「今日は俺達がクライン派として決起を起こした時の事を話してやろう」
キラはバルトフェルドが語り始めた様子を見て思った、この話は二度としないでおこう。
だが、それは一生忘れず背負い続けて行こうと。奪った命の重さを忘れずに、そう思った。
バルトフェルドの話によれば、ラクス達クライン派は決起の準備をかなり以前から綿密に
計画していた様で、バルトフェルドがそれに加わった時には既に計画は最終段階に入って
いたらしい。彼らは新造艦エターナルを奪取し、ザフトの包囲網を何とか突破、その後
オーブを脱出したカガリ達、オーブ残存軍と合流した、オーブとクライン派の接触に関しては
アスランが一役買っていた様で、ジャスティス受領後、自分が何の為に戦っているのかを
探していたアスランは偶然、地球軍のオーブ侵攻へ出くわし、気が付いたらカガリの脱出へ力を
貸していたらしい。そこまで聞いていたキラは話の中にアークエンジェルが出てこない事に
気が付いた。当然バルトフェルドもそろそろキラがそれに気が付く頃だろうと思い
今日の話の内容を変えた。
「ま、ここまでは良かったんだ。こちらの戦力も揃い、急進派の勢いもこれで止められるだろう
そうすれば連合との対話による終戦もまんざら在り得ない話でもない。そう思っていた矢先だった・・。
一人の男によって全ては崩された・・、ヤツの狂気の前に。」
CE71 ヤキンドゥーエ
核攻撃隊を全滅させ、これで残る脅威はクライン派のみとなった。しかし昨日の連合の核ミサイル
迎撃時には姿を見せていたクライン派の面々だったが、今日はまだ少なくとも彼の前には姿を
見せていなかった。しかしクルーゼには分かっていた、このまま大人しく指をくわえて世界の
滅び行く様を見ている連中では無い事を。恐らく仕掛けてくるとすればジェネシス、ザラ議長に
歯向かったクライン派の面々はもやはザフトには居られない。ならばあわよくばジェネシス
ヤキンの双方を討ち、政権転覆を狙うのが関の山だと彼は踏んでいた。実際、彼からすればザラ議長が
この先どうなろうとどうでも良かった、クルーゼからすればパトリック・ザラは既に用済み
ヤキンごとクライン派に消されようとも一向に構わなかったのだが、ジェネシスだけはやらせる
やらせるわけにはいかなかった。あれだけは何としても守り通す。
しかしジェネシスまでの帰路、クルーゼがクライン派と出くわす事は無かった。彼はそのまま
ジェネシス防衛ラインに待機していた空母ゴンドワナへと進路を取った。自分一人でクライン派
全員を血祭りに上げる自信はあったが向こうにはアスランのジャスティスが居る。あれとやりあうと
なるとやはり他へは手が回らなくなる可能性がある、ゴンドワナのカタパルトに着艦するとシホの
ゲイツを格納庫へ届け司令室へ待機している機体とパイロットをクライン派狩りの為に少し
貸してくれと申し出た。待機中であった部隊へ対しクルーゼの指揮下へ入る指示を得て
ゲイツ6機、シグー3機、ジン6機の計15機を率いてクルーゼはゴンドワナを後にした。一行は
ザフトのジェネシス防衛圏外へと出た、すでに地球軍はその戦力の大半を疲弊しておりこの数時間
目立った反撃は見られなかった。そんな中、漆黒の宇宙空間では一際目立つピンクの戦艦を発見した。
それはエターナルとクサナギそしてクライン派へ寝返ったのだろうナスカ級、3隻であった。
「ほう、なかなかの大部隊じゃないか・・・、さて、では始めようかね?
最後の時間稼ぎを、各機散開!」
CE73 四日目
アスランとカガリがプラントへ向かってから今日で2日、明日にはプラント最高評議会議長
ギルバート・デュランダルとの会談予定であった。今日はラクスがキラの話し相手に来ていた
毎日誰かが代わる代わる自分の話し相手に来てくれる事にキラは感謝もしていたが同時に
申し訳ない気持ちにもなっていた。だが一人で居るよりは誰かと話している方が自分は気分が
楽であった。昨日バルトフェルドの話によればかつてのアスランの上官、ラウ・ル・クルーゼに
よって地球軍側にNジャマーキャンセラーの情報がもたらされ、地球軍は核によりザフト
前線基地ボアスを核攻撃したとの事だった。それにより対談による和平へ傾きかけていたザフト
軍内部に再び急進派支持の声が高まり和平推進派のクライン派は急進派のトップであり
最高評議会議長でもあったパトリック・ザラから逆賊とされ関係議員は全員拘束処刑されラクスの
父シーゲルもラクスを庇い殺害された。だがそれはキラからすれば別世界の話でありしかも
キラからすれば面識も無いクルーゼという人物に対してはさほど興味が沸かなかった。それよりも
アークエンジェルの面々に早く会いたいという想いの方が強かった、特にフレイに。
だが同時にキラは薄々と気が付いていた、皆がその話題にはあえて触れないでおこうとしている事を。
「ねぇラクス、アークエンジェルのみんなは今はどうしてるの?」
突然の問いかけにラクスは一瞬と惑った。
「キラ・・・アークエンジェルは・・・」
「みんな、アークエンジェルの話になると話を逸らそうとするでしょ?…なんで?」
「そうですわね、そろそろお話ししなければなりませんね、キラ、落ち着いて聞いてください
アークエンジェルは・・・」
CE71 ヤキンドゥーエ
クルーゼはプロヴィデンスのブースターを急加速させクライン派艦隊へ取り付くと、シールド
内蔵のビームサーベルを振りかざし、それを先頭に航行中のナスカ級の艦首目掛けて振り下ろした。
ナスカ級の艦首は跡形も無く粉砕した。プロヴィデンスはそれと同時にドラグーンを展開し艦隊
護衛の為に外へ居たM1アストレイ3機を一瞬で葬り、さらにビームライフルで右舷のナスカ級の
艦首を撃ち抜いた。この一瞬の奇襲によりクライン派艦隊は一時騒然としたが、しんがりの
エターナルからジャスティスが急発進し、プロヴィデンスへビームブーメランを投げ放った。
プロヴィデンスはビームサーベルでブーメランを切り落としたが、そこで一瞬の隙を作った
ジャスティスは両腰部のビームサーベルを連結させプロヴィデンスへ切りかかった。シールドで
ジャスティスの攻撃を防いだプロヴィデンスはそのまま急後退し、ジャスティスとの距離を
置きジャスティスに対しドラグーンによる弾幕を張りつつビームライフルを乱射した。凄まじい
ビームの応酬がジャスティスを襲うが、それらを正確に素早く回避すると背部のファトゥム00を
切り離し、その目標をプロヴィデンス本体へと定め変則的な動きでビームを放った。プロヴィデンスは
それらを回避し、2機は遠隔操作兵器をメインにした高度な戦いを繰り広げていた。そうしている
間に、ザフト軍はプロヴィデンスへ続き艦隊内部へ纏わりつきそれをM1アストレイが迎撃していた。
「やるようになったな、アスラン!」
「やはり、隊長でしたか・・・・」
「さて、キミが信じて戦うその想いとやらが私の信念に勝るか否か
ここいらでハッキリさせようじゃないか!」
「我々の目標はジェネシスです!ザフトを倒したい訳では無いんです!
どいてくださいクルーゼ隊長!」
「ならば直の事キミ等にこれ以上先へ進んで貰っては困るな、私はジェネシスを守りたいだけだ
ザフトなど幾らでも倒してくれて構わんよ。」
「何?」
「ジェネシスによって地を焼かれた連合はまた新たに核兵器を使いプラントを襲うだろう。
そして砂時計が一つ無くなり、その報復としてプラントはまた地球を焼く。この連鎖が未来永劫
続けられるのだよ!殺戮のキャッチボールだ!愉快とは思わんかね?」
「たっ・・隊長!!本気でおっしゃってるんですか!?そんな常軌を逸した事を!」
「逸脱しているのは貴様等の方だ!分からんかねアスラン
何故私が今までザフトの為に戦って来たのかを!
全てはこの時の為!人類をあるべき争いの連鎖へと導く為だ!」
その時、プロヴィデンスのコクピット内にアラートが鳴り響いた。クルーゼは8時の方向
からのビーム攻撃とすぐに判断し右へ回避したが、奇しくもファトゥム00の変則的な
飛行ルートと重なりプロヴィデンスの右腕部へファトゥム00が勢い良く衝突した。この遇奇の
衝突によりプロヴィデンスの右腕は完全に故障し操作不能となった。油断した訳では無いが
偶然の事故は戦場には付きもの、しかし原因を作った輩を生かして返す訳にはいかなかった。
クルーゼは攻撃のあった方向を確認した。そこにはあろう事かあのストライクが居た。
「アスラン・ザラ!!お前は早くジェネシスへ向かえ!こいつは俺が抑える!!」
「バルトフェルド隊長!?・・・ありがとうございます!」
ジャスティスはドラグーンを全弾回避するとそのままこの空域離脱し、全速力でジェネシスの
方角へと飛び去って行った。プロヴィデンスはジャスティス追おうとしたがそこへストライクが
両手にビームサーベルを携え二刀流で切りかかって来た。右腕部が操作不能となり完全に
無防備な右側からの攻撃にプロヴィデンスは一瞬遅れを取り、機体を急旋回させ左腕のシールドで
左のビームサーベルを防御したが、実はその攻撃は布石でありストライクはプロヴィデンスから
では完全に死角となっている右のビームサーベルで本命の一撃をドラグーン本体へ食らわせた。
ドラグーン本体はサーベルの攻撃で完全に破壊され爆発した。
「チィッ!!この死に損ないの裏切り者がァァァ!!」
プロヴィデンスはストライクを蹴り飛ばすとシールド内蔵のビーム砲でストライクの右脚部を
撃破しさらに急接近し頭部の真上からビームサーベルを振り下ろした、ストライクはギリギリ
それを回避しコクピットへの直撃は避けたものの右肩部ごと右腕を切り落とされた。クルーゼは
ストライクに構っている暇など無かったので、そこで急速反転させその場を後にしアスランを追った。
しかし当のジャスティスの姿はもう見えず、その進攻経路にはジェネシス防衛部隊のMSの
残骸が所々に朽ち果てていた。直もアスランを追っていたクルーゼの耳にヤキンの自爆
シークエンスが作動したとの通信が入った。ザラ議長の身に何かあればそうなる仕組みになっていた。
ヤキンが自爆すればジェネシスは発射される。後はジェネシスを破壊される前にアスランを始末
するだけが。そう考えていた所へ地球軍の艦隊がドミニオンを筆頭に再編成され
プラント本国を目指し航行している光景を目にした。
CE73 五日目
キラはこの日はショックで寝込んでいた。昨日ラクスから聞かされた話があまりにもショック
だったからだ。ラクスから聞かされた話によれば、キラのストライクを失ったアークエンジェル
一行はその後アラスカ地球軍本部まで辿り着く事が出来たのだがオペレーションスピットブレイクの
目標変更に伴い、地球軍は基地を放棄、サイクロプスを暴走させ、残された防衛隊と共にザフト
攻撃隊を壊滅させた。アークエンジェルは公式にはMIA、だが生存の可能性は絶望的であり
アラスカに捜索隊を派遣したが生存者は皆無だった。キラは自分が友を守ることが出来なかった
その自分の無力さ、不甲斐無さを呪った。アスランを敵に回し多くのザフト兵を殺し、それでも
守ることが出来なかったアークエンジェル。しかもそれはもう二年前の話自分の知らない所で戦争は
終わり、自分は結局何も守る事は出来なかった。気を使っての事か今日はキラの部屋へまだ誰も
訪れてはいなかった。キラは気分を紛らわせる為にテレビをつけた、見たい番組など、そもそも
どんな番組が放送しているかも彼は知らなかったのだが、部屋の静けさに彼は耐えれなかった。
画面を見るとニュースがやっていた、そこではザフトの基地が襲撃され多くの被害を出ししかも
ザフトの新型試作MSが3機盗まれたという報道がされていた。それを見ていたキラは不意にヘリオポリスを
思い出すした、画面に映っている破壊された建物やMSなどを見てキラは、あの時アークエンジェルと
ストライクに自分が出会わなかったら・・・・・そんな想像をしていた。
CE71 ヤキン・ドゥーエ
ジェネシスへ向かい進路をとっていたプロヴィデンスは急にその場で動きを止めた。ここまで来て
地球軍艦隊、そしてドミニオン。クルーゼは久しぶりに自分の詰めの甘さに腹が立った、やはり
アズラエルはあの場で討っておくべきだったと。核ミサイルの有無は判別しようが無かったが
かなりの数の艦隊であった。核無しだろうと防衛体制の手薄なプラントを全滅させるなど容易いだろう
そう感じ取った。クルーゼは肉眼でも確認できるジェネシス、そして地球軍艦隊を交互に一瞥した。
そしてプロヴィデンスは方向を反転するとそのまま地球軍艦隊へと進路をとった。
彼は思い出したのだ、プラントにはデュランダルやレイが居るという事に。
「フッ、私は・・・・何をしているのだろうな・・・・」
一人そう呟いたが、クルーゼは何故か自分でも分からずに口元には笑みを浮かべていた。
本当に自分でも分からなかった、何故ジェネシス防衛を断念してまで地球軍艦隊迎撃を取ったのか
やっと待ち望んだ最後の扉であるジェネシスを諦めてまで、だが気分も悪くは無かった。クルーゼは
初めてだったからだ、利害関係抜きに何かを守るために戦うという事を選択したのは。本日三度目の
対艦特攻だったが、既にドラグーンも無く、右腕も操作不能の状態しかし地球軍艦隊は戦艦20隻余りで
編成された今までに無いかなりの数であった、だがそれでも彼の気持ちは高ぶっていた。艦隊は
プロヴィデンスに気付き迎撃体制を取っていた、ミサイル、艦砲が飛び交いMSが次々に発進していた。
プロヴィデンスは艦隊からの迎撃を綺麗に全弾回避すると、最初の一隻目の艦首をビームサーベルで
切り裂いた。その瞬間、宇宙の闇を明るく照らす光をジェネシスの方角から確認した。アスランが
ジャスティスをジェネシス内部で核爆発させたのだった。十分な時間も与えたのでアスラン自身も脱出
出来たのだろう。クルーゼはそう考えると目の前のダガーのコクピットをビームサーベルで突き刺し
それごと盾にしながらネルソン級へ向かって投げつけた。どこまでやれるかは分からない
もしかするとここで死ぬかもしれない。だが彼はそれでも良かった。それは最後の最後で
何か本当に大切なモノを見つけることが出来た様な気がしたからだった。
CE73
キラは海岸に立ち海を眺めていた、自分はこれから何をすべきかを考えていたのだ。考えても
出る答えでは無い。しかし彼は多くの物を一瞬で失い過ぎた、守るべきもの、そして時間。
自分で何かを考えて行動するというのは誰かに何かを言われ行動すればいいという事よりも遥かに
難しい事だとキラは改めて実感していた。だがキラの内にはある想いがあった、ここには
守りたい人たちが居る、守れなかった人たちの分まで守ってみせると。具体的にそれを
どうするかは分からなかったが、だが死んだ者達は皆それを願っている、そう信じこれからも
戦い続けよう、キラはそう決心した。
この数日後、ユニウスセブンはテロリストにより地球へ向け落とされる。後にブレイク・ザ・ワールド
と呼ばれる悲劇が起ころうとは、この時はまだ誰も知る由は無かった。 続く
なんだか知らないがとても良作の予感
蝶GJ
苦悩するキラがまともな主人公をやってくれそうな予感
同じく兆GJ
136 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 15:47:42 ID:/PoEUQcP
すげぇ!!!!!
こんなクルーゼがイカシテル種がマジで見たかった
丁GJ!続編光臨キボン!クルーゼはどう種死に出てくるのか楽しみにしてるよ
キラが目立ちすぎて、種死キャラが目立たない悪寒
とにかくGJ!!
こっちの書き直しは旧キャラメインなのかな?
どちらも先が気になるがとりあえずGJ
内容はおもしろかったが、読みにくい。長編で段落の変更がわかりにくいとか、台詞がかたまってるのは辛い。
383氏のSSでは埋もれたキラをこちらでは盛り上げてるね。
一人に取り上げられるキャラの数にはやはり限界があると思うし、
これはこれでバランスがとれてるんじゃないかな。
ただ、
>主人公はシン←(これ重要)
これだけは忘れないで欲しいw
お、新しい職人さんが来たのか。383氏とはまた違った切り口で面白い。
一気にかなりの文章を投下できるのは凄いね。プロローグから期待を掻き立てられていまからwktkですよw
あえて言うならもう少し改行を行ってくれると嬉しいかな?
クルーゼが限りなく良い人っぽく覚醒してるのが最も衝撃でかいw
F+でレイの前に現れた偽物臭いあの笑顔を思い出した。
もしキラと出会う事があればフレイの件もなく洗脳も無いキラと変にわかりあえそうな予感。
ディアッカは展開的にAAと共に消滅なんだろうなと思うが
イザークの行方とフリーダムのパイロットが気になるところだ。
圧倒的武力も洗脳も不殺も無いキラの今後が楽しみ。
何よりシンがどう関わってくるのかwktk
それにしても随所での戦闘シーンが光ってるなあ・・・嫁がほんの少しでも見習ってくれたら・・・
今からシンたちも登場かな
楽しみにしてますGJ!
両方とも種シリーズへの反感からか無意味に人殺しすぎって印象がある
禿も大量虐殺はしてるんだけど、もっと意味のある死に方させてるような
383氏だったらイザークはコーディネーターのプライドを守って死んで欲しかった
107氏のはAAクルーが全滅したのかが明確じゃないけど、サイクロプスであぼ〜んだなんて無意味すぎる
業があったり、役割だとか、目的のために死ぬなら納得できるんだけどね
名無しのその他大勢や、名有りでもいいかげんなペース配分のせいで
描き切れなかったキャラをゴミみたいにコロコロ捨てたり殺したりして、
そんな中でもラクシズ一党だけはどんなに攻撃受けても無傷で無敵、などと
でたらめやってきたのがTV種二作じゃなかったのか?
夫妻補正がなけりゃ死ぬときは死ぬんですよ。
いわずもがな
殺し方を問題にしてるんちゃうの
劇的な死だの都合のいい復活や生還だのなんてそうそうありゃしない、
という一般論がアンチテーゼになっちゃう所が種シリーズの種シリーズたる由縁…
早い話見てる側としては面白きゃいいよ
107氏は期待してたより随分書けるみたいだし
383氏とは違う面白さ見せてくれそう
人の死に逐一意味があるわけがない。
何もしないで交通事故で死ぬ事だってあるし、テーブルの角に頭ぶつけて
死ぬ事だってある。
メリットのある死に方ばっかりされたら逆に萎えると思うしな。
とりあえず107氏によるキラの傍にいる奴らはカガリとマルキオを除いて
つい先日までのAAとキラの敵対勢力なわけだが
AAはあぼんしたんだよというこいつらの言葉をあっさり信じたあげく
こいつらを守ろう!AAもそれを望んでいるはずだ!
という結論に至ったキラの思考回路が理解できない
AAあぼんは不明瞭だと言われているのに彼らのことはあっさり諦めて
大して知りもしないが優しくしてくれた連中の為に戦う気満々など変に好戦的なのも謎だ
もしや本当に洗脳されているのではと疑心暗鬼が・・・
いわゆるアンチフィルターなんだろうなとは思うんだが
戦場に『特権的な死』だけを求められても、職人さんも困るでしょう。あと、383氏のイザークって、
コーディネーターのプライドに凝り固まって死んだのでは?
死にかたにも格ってものがあるだろ
主人公並みの扱いでカツのように死ぬのはあっさりしすぎ
本編のイザークに取り立てて思い入れがあるわけじゃないが、
キャラの立て方にしろ死に方にしろ確かにちょっと気の毒な扱いに思えたな
というのが正直な感想
まあ、どんな感想でもSSのキャラに否定的なものを言えばキャラ厨認定か・・・
だけどあのイザークの性格じゃ突っ込むだろ。
突っ込んだらあんな風に死ぬのは目に見えている。
仮に大人しく砲台に徹してたらそれこそイザークを『殺す』ことに
なるんじゃないか?
SSスレにいる奴は大体何らかのキャラ厨だろ
原作に思い入れがなければ二次創作なんて見ないんじゃないか?
あと最近の流れを見て思ったことだが
>主人公はシン←(これ重要)
テンプレのこれ、はっきり言っていらないだろ
それぞれの作者が自由に連載するというスタイルで定着しつつある
現在のこのスレで、スレタイであるクルーゼ生存という条件以外を
作者に強要するのは不毛だと思う
個人的には、107氏にかなり期待してる
だからこそ、107氏には書きたいものを自由に書いてほしい
>>154 アスランに情けを掛けられてザクは破壊、イザークは生存
イザークはくちゅじょくにまみれながらCIC勤務ってのがいいな
牙を折られ、罪を背負いながら生きていくほうがふさわしい
そしてメイリンにも捨てられ、しかしアスランのようにコーディネーターを捨てられず
クルーゼが望むような駒にしやすいキャラクターだと思うが
戦場での死が劇的なものだけなはずが無い
気が付いたら戦闘後に帰還していない、て描写な物も腐るほどある
ていうか前にも遺作厨が湧いたことあったよな
それと
>>152 言っちゃ悪いが所詮遺作は脇でしかないんだし、自分が気に入らないのなら見なければいいだけじゃないのか?
>>155 >あと最近の流れを見て思ったことだが
>主人公はシン←(これ重要)
>テンプレのこれ、はっきり言っていらないだろ
自分は必要だと思う。もう一度スレタイを読み返してほしい。「クルーゼ生存で種死書き直そうぜ」だよ。
それならクルーゼ生存と同じくらい、シンが主人公っていうの、大切じゃないの?
書き手さんだって、スレタイと1を読んだ上で参加してるんだから、今回の107氏の投下分にシンが出てない
けど、本人はちゃんとシン主人公で話を用意していると考えるのが自然だろう。
書きたいものを自由に書いてほしい、というのがあなたのスタンスなら、こういう縛りのあるSSスレは読まないほうがいいのでは?
>所詮遺作は脇でしかない
真理だなw
ただ脇にしては登場から退場寸前までのイザークは
あらゆる描写に妙に力が入ってたから(シンより濃厚だったw
遺作厨でなくとも感情移入してしまったor行く末が気になってた人がいてもおかしくない
それがあっさり退場したので肩透かしをくらったような気分になってるんじゃなかろうか
常にシビアな世界観を構築する383氏らしいといえば実にらしい
戦場で私情剥き出して突っ走った軍人Aの当然の結果という現実的教訓というか
個々のキャラに夢も希望も奇跡的お涙頂戴ご都合ドラマもないがそれでこそ383氏世界!
>アスランはそのまま議長に呼ばれることなくAAに
>キラ・アスランの乗機はM1アストレイorムラサメ
もう一人の職人だってテンプレの↑守ってないじゃん
たぶん1はシン厨だったんだろうけど
>>160 良く見ろ。あくまで 〜予定〜 だ。
物事はそうそう頭の中で引いた図面通りにはいかぬものさ。
だからクルーゼが生きてれば他は何でもいいんじゃないの
163 :
保管庫 ◆2vwOpjTCPQ :2006/08/14(月) 12:45:47 ID:JE0s4XvT
新たな職人107氏、乙です!
こっちはキラがメインになるんでしょうかね?
自分はとにかくクルーゼが生きていればおkだと思います
>>107氏
氏の作品も保管庫に入れてよろしいでしょうか?
実際の無印種の後半以降のように、最強無敵ロボをもらった上全ての行いが
肯定賛美されるだけで自省する事一切なし、という正直人格形成には最悪の
スポイルまっしぐらな経験をしてない分、少しは人間らしい行動取るかも、
とか思いもしたが、
>>150のようなこれまたもっとも見方もあるんだから
難しいやね。
L4のプラント、アーモリーワン、新型のザフトMS製造工場が連なる
プラントの軍事工廠。当然機密性の高い軍事情報もこのコロニー内には
多く存在する故に内部外部共に常時、警備網はかなりのものだった。
しかし今日に限って言えば警備の数はいつもの三倍にされていた。
明日は新型艦「ミネルバ」の進宙式の為だ。この一大行事はメディアを
通し大々的に報道され、ミネルバやその新型搭載機などもその存在を
一般人の目に晒させていた、この行為は地球軍側を刺激すると初めは
懸念されたが、新最高評議会議長ギルバート・デュランダルはそれが
争いの抑止になるとし、あえてその様な形を取った。戦時とは違い
平和な世界での新型兵器の発表、それは見るものから見れば自らを
守る為の盾に見えるだろう、事実そうだ。だが地球に住む物達からすれば
その盾は剣に見えるだろう。自分達を殺し奪い平和を脅かす剣。
そんな物を放って置く訳にはいかないというブルーコスモスは、自らの私軍
第81独立機動群ファントムペインを内密にアーモリーワンへと派遣していた。
物語はそこから始まる。
「報告ではこちらのエリアにはナスカ級2〜3隻だったはずだが?」
「明日は進宙式ということで警備の数は3倍程度と聞いていたのですが・・
まさかこれほどの大部隊とは・・。
ミラージュコロイド搭載艦「ガーディー・ルー」のブリッジにて二人の男が
アーモリーワン防衛空域に展開中のザフトの部隊を眺めながら会話をして
いた。ミラージュコロイドの軍事転用は表向きにはユニウスセブン条約に
よってザフト連合の両軍共に禁止としていた。それにより艦隊クラスの
質量のものがミラージュコロイドを展開し接近してくるなど戦争を経験して
いないザフトのアーモリーワン防衛隊は想像もしなかった、それにより
ガーディー・ルーは何の苦労も無くアーモリー・ワンのザフト防衛圏内まで
接近する事が出来た。だが問題はここからであり、一番手薄であったはずの
エリアから進入したは良いが防衛部隊の数は通常の4倍確認出来た。その数
ナスカ級8隻。搭載MSはゆうに50機は下らないだろう。ガーディール艦長
イアン・リーは作戦の中止を申し立てた、こちらは戦艦一隻、搭載MSは
10機に満たない。戦力に差がありすぎる上に今作戦においての予想敵戦力は
現時点で展開中のザフト防衛隊の1/3と踏んでいた為に作戦内容自体変更が
必要であり、成功率は格段に低下するというのが理由であった。しかし
彼の上官、今作戦の責任者であるネオ・ロアノーク大佐はそれをあっさり
却下した。一般兵のそれとは違う黒い制服を身に纏い、いつも素顔を
隠す為につけている頭部上半分を覆う仮面。リーはこの男との仕事は
初めてだったのだが噂は良く聞いていた。任務成功率100%と。
ネオはフッと笑うとこう言った。
「既にスティング達は潜入完了している。今更その程度の理由での
作戦中止は我々には許されんのだよ。それに、そう心配するな
所詮あんなものは数だけの烏合の衆だ」
「えぇ、確かにその通りなのですが・・。しかしこの戦力差は如何とも
し難いのでは・・?」
「オルガ達の奇襲で半分潰す、それにスティング達が帰ってくれば残りも
片付けてくれるさ。それでも足りんと言うなら私が出る。貴様は艦の舵だけ
握っていれば良いのだよ」
ネオはそう言うと、その場を後にした。彼はそのままブリッジを出て
士官用へあてがわれた自室へ戻ると、部屋の中央のデスクの椅子へ腰掛けた。
デスクの引き出しを開け取り出したのはカプセル状の薬が入ったケースだった。
彼はそこからカプセル状の薬を数錠取り出すとデスクの上に予め置いて
あった水の入ったポッドを取り、薬を飲み、ポッドからコップへ注いだ水で
それを胃へと流し込んだ。コップの水を全て飲み干し、空のコップを
空中に浮かせたまま人差し指で触るとコップは空中でクルクルゆっくりと
回りだした。右手が少し痙攣している、以前は稀な事だったがここ最近は
頻繁に起こる。作戦前だけは勘弁して欲しいものだと彼は思った。しばらく
宙で回るコップを眺めていた彼は、デスクに備え付けてあった通信機器で
ブリッジへ通信を入れた。
「そろそろ時間だな、総員第一戦闘配備だ。オルガのカラミティー、ダークダガー
小隊は出撃準備をさせパイロットはコクピット内で待機、私のエグザスもすぐ
出れる様にしておけ、コロニー内部が賑やかになったら・・作戦開始だ」
それだけ言うと彼は通信を切り、痙攣する右腕を左手で握り締めた。
シン・アスカは最新鋭艦ミネルバの進宙式を明日に控え、その前日の今日は
久しぶりの休日という事で、アカデミー時代からの友でもあり、今は同じ
ミネルバクルーという同僚でもあるヨウラン・ケントと共に市街地へ買い物へ
出かけていた。彼はミネルバ搭載機「ZGMF-X56Sインパルス」のパイロット
高い競争率の中若干17歳にして勝ち取ったインパルスパイロットという称号
ひとえに彼の才能とも言われたが、その陰ではデュランダル議長が根回しした
という噂も実しやかに流れていた。前大戦を経験していない新兵が最新鋭MSの
パイロットとなれば何処からとも無くそういった噂は流れるものだが、当の
本人からすれば個人的に面識も無いデュランダル議長がそんな事をするはずも
無いとさほどに気はしなかった。シンは先の大戦でオーブに住んでいたが地球軍の
オーブ侵攻により戦火へ巻き込まれ、家族も彼を除いて皆死んでいた。
単身プラントへ移り住んだ彼はその後、アカデミーへ進学、凄まじい地球軍への
憎しみから群を抜く才を発揮し、卒業時には優秀成績者上位5名のみが着る事の
許される「赤服」を与えられ、配属先は最新鋭艦ミネルバと正にエリート街道
まっしぐらと言った所だった。
シンは買い物を終え、ミネルバの自室へ帰るとヨウランと別れ自室へと戻った。
自室と言っても二人部屋でルームメイトは彼のアカデミー時からの親友
レイ・ザ・バレル、身寄りの無かったシンからすればアカデミー時の友は
何にも代えられないかけがえの無い正に宝物であった。特にレイとは同じ
パイロット同士、しかもレイも身寄りが無く、シンはそこへも親近感を
感じていた。成績面ではいつもシンと競っていたので良き友であり良き
ライバルであった。ただ難点は口数が少ないというだけで。二人で居る時は
いつもシンばかりが喋っていてレイはただ聞いているといった感じだった。
だが今はレイは居ない、今日は明日のミネルバ進宙式の為にアーモリー
ワンへ訪れていたデュランダル議長の護衛の任に就いていた。今日はもう
帰って来ないだろう。シンは先ほど町で買ってきた買い物袋の中身を空けた。
日用品から雑誌類など艦内生活に明け暮れぬ様に事前に計画を立てしっかり
買い揃えてきた物品の数々をベッドの上へ並べ揃えた、その中で一際目立つ
雑誌を取るとシンはそれを徐に取りページを開いた、パラパラとページを
捲ると裸体を晒した女性が様々なポーズをとっていた。俗にいう成人雑誌だが
この手の物は軍からは支給されない、当然と言えば当然だ。なので皆
こうして非番時に町に繰り出しその手の店で自分の欲望をぶつけるものを
物色していた。シンは2冊買ったが、ヨウランは5冊ほど購入してた。どうやら
同僚のヴィーノの分も購入していたらしい。シンはベッドの上の邪魔な物を
乱雑にまとめ机の上に置くと。ベッドへ寝っ転がり雑誌を開いた。同室の
レイが帰って来ない今しか自慰などは出来ない、コートを脱ぎ、ズボンも
脱ぐとそれは部屋の隅へ放り投げ段々と興奮してきたシンは完全に臨戦態勢へと
移行した。フト、先ほど町ですれ違い様にぶつかった少女の事を思い出した。
自分と同じ位の娘だったのだがぶつかった弾みで胸をさわってしまい
それを見ていたヨウランからラッキースケベという不名誉なアダ名を
つけられてしまったシンだったが、ここへ来てその事を思い出し、シンは
さらに興奮していた。以前に一度自慰行為中に任務中のレイが突然部屋へ
入って来て為に男として一番見られたく無い所を同僚、しかも親友に見られて
しまったのだがレイはそれを見るや否や。
「・・・気にするな、俺は気にしない。俺に構わず続けてくれ」
と、だけ言い残し自分のベッドへ入るとそのまま眠りに就いてしまった。
流石のシンもそれからはレイが居る時にはなるべく行為を避けていた。
だがそのレイも今は居ない。その時、ベッドから何が床に落ちた。
シンは気になりベッドから落ちた物に目をやるとそれは死んだ妹の形見の
携帯電話だった。シンはそれを取ると仰向けになり携帯電話を宙にかざした。
所々に傷が目立つ、それはシンがこの二年間ずっと肌身離さず持っていた
証拠だった。一気に熱が冷めもう自慰などする気も起きなくなったシンは
雑誌を枕の下へしまうと、折りたたみ式の携帯電話を開き死んだ妹の留守電の
声を聞いてみた。彼はそれを聞き終えると、携帯電話に話しかけた。
「やっとここまで来れたよマユ。俺、今エースパイロットって言われてるんだぜ。
それに明日は俺のインパルスとミネルバがテレビに出るんだ。凄いだろ?
見てて・・くれよ・・・・・」
シンの目からは何故か涙がこぼれそうになった。それは上に行けば行くたびに
それを死んだ家族に見せることが叶わ無いもどかしさからだった。
「お前も馬鹿をやれよ、馬鹿をさ」
スティング・オークレーは潜入任務の為に訪れていたここアーモリーワンで
共に任務に就いていたステラ・ルーシェが街中で突然踊り出したのを見て
いたアウル・ニーだへそう言った。一応この中では隊長格のスティングは
同じ年齢ながらこの二人よりはしっかりしていた。だがアウルはともかく
ステラは頭のネジが数本抜けている様な感じの少女で、時折こういった
不可解な行動をとる。たまにアウルも同調してステラと不可解な行動を取る
事もあったのだがその後始末はいつもスティングが行っていた。なので
彼からすればこんな事は日常茶飯事、慣れっこであった。彼らの今回の任務は
新型機の強奪だった。エクステンデッドであった彼らは身体能力は並みの
コーディーネーターを軽く凌ぐ。だが本来この作戦は指揮官のネオ・ロアノーク
も彼らと共にコロニー内部への潜入に同行する予定であった。しかしその
作戦内容は上からは猛反対され急きょこの三人での行動となった。却下の
原因は聞かされなかったが、ムルタ・アズラエルはこれまで例外無くネオと
ザフト軍の接触を断固許可しなかった。つまりいつもの事だった。ただ今回は
作戦の内容が内容なのでネオには多少の不安は残っていた。三人だけの
単独任務は以前にも数回行っていた。だが今回は潜入任務、しかも作戦内容は
民間人を装い基地内部の一般人への公開地区まで潜入、そこから内通者の力を
借りレベル4である新型機の格納庫まで潜入するというとても困難かつデリケートな
内容であった。
スティングはザフトの内通者からレベル4のカードキーと自動小銃を受け
取ると銃弾を装填し、そのまま一気に格納庫まで駆け抜けた。ステラだけは
ナイフ戦が得意という事でマチェットを装備している、三人とも武器を手に
したとたんに目の色が変わった。スティングはいつもながら冷静であったが
いつもは大人しいステラも、少し子供っぽい所のあるアウルも戦う為に
生まれそう教育されてきた言わば彼ら自身が兵器だった。3人は格納庫内へ
突入するとその手際は見事なもので目に付く警備兵、整備兵、障害となる者は
構わず射殺した。アラートがけたたましく鳴り響き、それを聞きつけて来た
増援の警備兵も倒し、スティングはそれぞれ前もって奪取する事の決められて
いた機体を確認し、乗り込こみOSを書き換えを開始した。見るとステラは既に
機体へ乗り込みOS書き換え作業を開始していた。だがスティングはアウルが
登場予定の機体がまだ音沙汰無しという事に気が付き彼を探した。アウルは
丁度スティングの機体の足元に倒れ水色の髪が血に染まっていた、スティングは
機体から飛び出すと十数メートルの高さから難無く着地しアウルの元へ駆け寄った。
「アウル!おい!起きろアウル!!敵が来るぞ!」
だがスティングの悲痛な叫びも空しく、アウルは頭を撃たれ脳漿が飛び
出ている状態で既に息絶えていた。倒れていた位置的にアウルはスティングを
援護していて撃たれたのだろうスティングはアウルを担ぐとそのまま機体へ
乗り込んだ。アウルの遺体をシートの脇に置きOSの書き換えを始めた。その
手際も見事なもので普通は数時間と掛かるだろう作業を数分で終了させ、MSを
起動させた。彼らは戦友が死のうとも悲しんでいる暇など無いのだ。ステラの
カオスと武装をチェックし、PS装甲を展開しスティングの乗るカオスは
ビームライフルを格納庫の扉へ撃ち込んだ。
アスランはオーブ連合首長国代表として内密にこの地を訪問していた
カガリ・ユラ・アスハの護衛の任に就いていた。アスランは今は素性を
変え名前もアレックス・ディノと改名していた。今回はザフトの基地内と
いう事もあり目立たぬ様サングラスを着用していた。アスランはカガリが
デュランダル議長と口論気味になりそうになっている所を何度かなだめ
実質護衛と同時に保護者の変わりも務めていた。今回の会談は急きょ
決定した事で目覚めたばかりのキラの事を内心気にかけていたが、この任は
自分で無ければ無理だ。そう思いアスランはカガリに同行した、事実その通り
であった。アスランのいう事だけはカガリは素直に受け入れた、それはこの
二人が身分を越えた恋愛関係にあったからというのもあったが、それ以前に
二人はお互いを信頼し合い、分かり合っているからと双方思っていた。
しかし基地内というのがカガリを刺激した、せめてまともな場所を設けて
くれればもう少し穏やかな話し合いも出来ただろうに。アスランはそう思った。
父に代わり議長の座へ就いたデュランダルが何を考えこの場所を選んだのか
アスランは考えていた。
その時だった突然轟音が鳴り響き、強風と砂埃が辺りを襲った。アスランは
とっさにカガリを庇い伏せると、何が起きたのかと辺りを見回した。そこで
アスランが見たものは、格納庫の壁を破り姿を現した2機のMS、カオスと
ガイアだった。カオスとガイアは素早く二手に別れ、ガイアは警備の為に
巡回していたザフトのMSを、カオスはこれから出撃してくるであろうMSと
格納庫を各個撃破していった。式典用ジンや抵抗力の無い施設は攻撃せず
自分達の障害と成り得る物だけ破壊しているその様子を見たアスランは
これがかなりの手錬による予め綿密に計画された行動だと即座に感じ取った。
それは二年前に自分も全く同じ作戦に参加していたからだった。突然アスラン
達の背後の倉庫が爆発した。爆風でアスランとカガリは吹き飛ばされ地面に
叩きつけられた。見るとカオスが目の前に立っていた。ここら一帯の
格納庫にもMSが格納されているのだろう。アスランはカガリの手を取り
走り出した。とにかく安全な場所へカガリを、そう考えていた矢先また
倉庫が爆発し二人は爆風に巻き込まれた。このまま逃げても爆発に巻き
込まれて死ぬと感じたアスランは爆破された倉庫の中のジンのコクピット
部分がまだ生きている事に気付きとっさに賭けに出た。ジンに乗り込む。
生身で走って逃げるよりも生存率は高いだろうと直感的な行動での
コクピットを開くとカガリを押し込め自分も飛び込んだ。次の瞬間、辺り
一帯はカオスのミサイル攻撃により火の海と化した。ジンに乗り込んで
いなければ黒こげだっただろう。カオスは抵抗の可能性のあるMSは全て破壊
している、なのでこの中破したジンは攻撃される事は無いだろう。アスランは
カガリを見た。突然の事で少し困惑気味ではあったが、カガリも幾多もの
修羅場を駆け抜けてきている。この程度の事で泣き喚く様な女では無かった。
アスランはカガリの頭部を見た。少し出血している。コクピット内部に何か
応急処置の出来る様な物があればと思い救急キッドを探しているとカガリが
「これ位、私は大丈夫だ。あんまり心配するな。それより、あれは一体・・」
「俺にも分からない、だがこれはデュランダル議長やカガリを狙ったものじゃ無く
あのMSの奪取が目的だろうな」
冷静な二人だったが実は不安はあった、MSといえども所詮はジン、カオスが
ばら撒いているミサイルの直撃を食らえばひとたまりも無いだろう。
カガリはアスランの手を握りしめ、アスランはカガリの手を握るとそのまま
カガリを抱き寄せた。
「さて、どうやら始まった様だな。先発はカラミティだ、オルガは手当たり
次第敵艦を潰せ、続いてダークダガー隊発進!予定よりも多い分は私が潰して
来てやるよ。後は任せる、発進に邪魔な左舷のナスカは潰しておいてくれたまえ」
ネオはそう言うと艦の指揮権限をリーへ託し、ブリッジを後にした。格納庫の
エグザスへ乗り込むと既に最後のダークダガーが発進した後であった。
「ネオ・ロアノークだ。エグザス、出るぞ!」
ネオはそう言い放つとMAエグザスで発進した。腕の痙攣は先ほどから
治まりつつある、これならば操縦への影響も無いだろう。ネオはそう考え
ながらガーディー・ルー左舷に居たナスカ二隻がゴットフリートにより
見るも無残な姿に変えられているのを確認した。
「フン、リーは一応言われた事くらいは出来る男という事か、ダークダガー
隊は9時方向のナスカ2隻へ当たれ!MSも出て来ている、気を抜くなよ。
オルガは私について来い!」
各機へ指示を伝達すると、エグザスはガンバレルを展開し、艦隊迎撃の
為に出撃してきたゲイツRを蜂の巣にした。
オルガ・サブナックはカラミティーの高火力を利用しナスカ級戦艦を次々に
撃沈していった。既に旧型の機体だが性能面では量産機に劣らない事を証明する
かの様に出撃から2分足らずで既に3隻のナスカ級を撃沈させていた。ネオから
通信が入る。
「残りはダークダガーの連中へ任せ、我々はコロニー内部へ進攻する、
コロニーの隔壁へ穴を開けてくれ」
「あん?戦艦は潰したけどよぉ、生き延びたMS結構居るぜ?
あいつ等だけでいいのかよ?」
ネオが見るとダークダガーが一機、ゲイツRに撃墜され爆発していた。
そのゲイツRをエグザスはリニアガンで撃ち抜いた。
「確かに奴らだけでは少し心許ないな、では先にキミ一人で内部へ潜入し
スティング達を連れ帰れ。私も後から向かう」
「あぁ!?俺はあいつらのおもりかよ・・」
「これは命令だオルガ、さっさと行け。疫病神の如く内部で一通り暴れ
コロニーごと宇宙の塵と変えてやりたまえ、だがスティング達は撃つなよ?」
「チッ!しっかたねーな!!分かったよ!でもよアンタは来なくていいぜ!
俺が一人で全部ぶっ潰して、ガキ共はしっかり連れて帰るからよ!」
そう言うとカラミティーは胸部のスキュラと肩部のシュラーク、左右両腕
武装を一斉にコロニー隔壁へ打ち込んだ。着弾地点が爆発し大きな穴が開き
内部の気圧が勢い良くコロニー外へと流れ込んでいた。カラミティーは
エグザスと別れるとそのままコロニー内部へと侵入して行った。
シン・アスカはパイロットスーツへ着替えるとそのままミネルバの
MS格納庫へ向かった。コロニーのしかも自軍の基地内部においての突然の
敵襲ということで対応が遅れたザフト軍だったが、ようやく迎撃体制も
整いつつあった。シンは発進準備の完了したコアスプレンダーへ乗り込むと
CICへの通信回線を開いた。
「状況は!?」
「敵はガイアにカオスの2機、乗ってるのはアンノウン戦力っていうことで
今お姉ちゃん達が食い止めてるけど・・奇襲で戦況混乱してて防衛体制は
整って無いから気をつけて」
CICにはシンのアカデミーの同期メイリン・ホークが居た。彼女の姉
ルナマリア・ホークもまたアカデミーではシンと同期のミネルバ所属パイロット
だった。
「ガイアとカオス!?どういうことだよ!?とりあえず出るぞ!」
「あ、それと艦長からコロニー内だから最初はソードで出てくれって
状況に対応してシルエットは射出するから」
「了解だ!シン・アスカ!コアスプレンダー行きます!」
コアスプレンダーがミネルバから発進すると続いて射出されたチェストフライヤー
レッグフライヤーと合体し、最後にソードシルエットを換装し一瞬の内に
3機の航空機はMSへと形を変えた。インパルスは空中で左右背部に搭載された
二対の対艦刀エクスカリバーを装備すると、そのままそれを近くに居たガイアへ
対して振り下ろしがてら地面に着地した。ガイアはとっさに回避し、ビーム
サーベルを身構えた。インパルスのシンは叫んだ。
「また戦争がしたいのか!アンタ達はぁ!!」
スティングは機体奪取からすでに10分も時間が経過し、ザフト側も段々と
体勢を建て直しつつあると感じていた。事実先ほどから反撃してくるMSが
増えた。ここは敵地のど真ん中なので時間が経過すればするほど自分達は
不利になって行くのだがそれでもその多くは実弾兵装主体のジンやシグー
カオスからすれば取るに足らない相手であった。しかし、先ほどから
中距離攻撃を仕掛けてくるこの見慣れぬ白いMS、新型のザクファントム。
このMSにスティングは苦戦していた。白いザクはコロニーの損傷を考えてか
あまり派手に攻撃してくる事は無かったが、それでもこちらの攻撃を上手く
回避し、立ち回っていた。この一機の相手をしている間に他の敵MSは次々と
出てくる。白いザクの狙いは時間稼ぎなのだろうと踏んだスティングは逆に
今なら敵は大した追撃も出来ないだろうと考え、そろそろ脱出の準備に取り
掛かった。ステラのガイアへ一瞬目をやると彼女もまた見慣れぬMS、しかも
自分達の奪取したGタイプのMSと交戦していた。このままではまずい。
そう判断したスティングはエネルギー残量の関係から多用を避けていた
機動兵装ポッドを展開するとそれを白いザクへ向かって放った。ドラグーンを
思わせるその兵装は量子通信でコントロールされておりエネルギー消費が
著しく激しいのだがスティングには手段を選んでいる暇などは無かった。
コイツを落として脱出する。だが白いザクの機動性能は想像以上に良く
ポッドの放つミサイルやビーム砲を難無く回避し、本体であるカオスに
直も攻撃を加えてきた。それを見たスティングは焦りを感じた、ただ強いと。
その時、突然上空が爆発しコロニーの壁に穴が開き中の空気が外へ勢い良く
流れ出た。そこからは出てきたのはスティング達も見慣れた機体カラミティーだった。
オルガは二機が苦戦しているのを見るや否や辺り構わず全身に搭載された
火器の数々を乱射した。エネルギー残量を考えながら戦っているスティング
達とは違い、オルガはエネルギー残量たっぷりのカラミティーでとりあえずは
起き上がって来るだろう敵MSを攻撃しながら降下した。最初にカオスの苦戦
していた白いザクを攻撃すると、カオスに近づき白いザクに弾幕を
張りつつ話しかけた。
「こいつぁ・・・スティングか?」
「あぁ、援護ワリィな。アウルがやられた。もう一機はそんままにしてある。
俺のもステラのもエネルギーの残りが少ねぇ、先に脱出するから援護してくれ」
「アウルが!?チッ!分かった、とりあえずあの邪魔な白いのだ!
援護すっから仕留めろ!ついでにアウルの後始末もな!」
オルガはそう言うと、カラミティーの火器を一斉放火した。白いザクは大破した
倉庫の陰に隠れ、ビームライフルのマグチェンジを行うおうとした所、横から
カオスに回り込まれビームライフルを撃ちぬかれた。被弾したビームライフルを
捨てると即座に白いザクは腰部の手榴弾をカオスに投げつけカオスを迎撃したが
白いザクが飛び道具を失い追撃能力も失ったと判断し、カオスとカラミティーは
その場を後にした、カオスは迎撃してくるゲイツR二機を難無く撃破するとカオスの
元あった格納庫後まで戻り、アビスへビームライフルを2発撃ち込んだ。ビーム
ライフルを至近距離から受けたアビスは小規模に爆発した。だがカオスも無理な
戦闘が祟りエネルギー残量が危険値まで達していた。スティングはアビスがまだ
中破程度だったにも関わらずこの場を後に上空へ飛び立った。
ステラ・ルーシェは今だかつて自分がここまで苦戦した経験を味わった事は
無かった。危険な任務は数多くこなしてきた彼女だったがMS同士のタイマン
勝負でここまで自分の思うように相手を倒せないのはこれが初めてだった。
訓練だろうが実戦だろうが相手を完膚なきまでに叩きのめしネオにそれを
褒めてもらう事が彼女の生きがいであり全てだった。スティングやアウルが
相手の時は負けることもしばしばあったがそれは彼女の体調が悪かったり
ギリギリの判定負けと言った所で、事実上は操縦能力だけ見ればその二人にも
ステラは勝っていた。だがここへ来て思わぬ敵と遭遇した。コンディションも
完璧な上、ネオからは今で一番大切は作戦と言われていた、それだけに彼女の
焦りも募り、攻撃などにも多々雑さが見られるようになった。しかし相手の
インパルスはそんな事もお構い無しに攻撃してくる、実際危ない場面も幾つか
あった。ステラはエネルギー残量へ目をやると残りにあまり余裕が無いという
事に気が付いた。それでも構わずステラは残りエネルギーに構わず派手に攻撃
し続けた。彼女は半泣きになっていた。それは悔しさと思い通りに行かぬ
腹立たしさからだった。ステラはビームライフルを乱射するが、インパルスは
攻撃を全て回避し、隙を見計らっては対艦刀による一撃を食らわせて来た。
ステラはその攻撃を防御するのがやっとであり、すでにシールドの熱量と
疲弊率は限界に達しようとしていた。そこへ思わぬ方向からインパルスへ向けて
ビーム攻撃が放たれた。インパルスはあっさり回避したがその分ガイアとの
距離を必要以上に空けてしまった。その間へオルガのカラミティーが割って
入った。カラミティーは先ほどの白いザクへ行ったのと同様に弾幕を張り
インパルスの動きを止めた。
「オイ!オイ!オイ!オイ!何やってんだよテメー!こんなんに手間
取ってんじゃねーよ!」
「う、うるさい!!あいつは・・あいつはぁぁ!!」
ガイアはインパルスに対してビームライフルを乱射した。二機からの
集中砲火に脅威を感じたインパルスはそのまま崩壊した建物の陰に隠れた。
「スティングはとっくに脱出しちまったぞ!残ってんのはお前と俺だけだ!
あいつは飛び道具もねーみたいだし、さっさとずらかろうぜ!」
「黙れ!」
ガイアはカラミティーを押しのけるとビームサーベルを抜き接近戦の構えに
入った。ステラが熱くなるとそれを普通に止めるのはあのネオですら困難だった。
だがそんな時の為にエクステンデッドには予めその予防策が組み込まれていた。
誰でもその暴走を簡単に止める事が出来る魔法の言葉。
「オメー死ぬぞ・・」
オルガの何気ないその一言にガイアは動きをピタリと止めた、そして次の瞬間。
何を言っているのか判別不能なステラの叫びがガイアのコクピット内部にこだました。
直も泣きながら叫び声をあげ、ガイアはビームサーベルを投げ捨てるとそのまま
上空へと飛び立った。その様子を見ていたオルガは、ヤレヤレと思い。追撃の
構えを見せていたインパルスを中距離から迎撃しつつ自分も上空へ飛び立った。
アーモリーワン防衛部隊を全滅させたネオ・ロアノークのエグザスは
スティング達の帰還を待ち、カラミティーの開けたコロニーの壁の亀裂の
前で待機していた。自分も内部に突入する事も考えたがガーディールー
搭載機のダークダガーは予想外の防衛隊の奮戦もあってか結局2機しか
生き残らず、補給の為に帰還させていた。ネオもここまで使えない者達とは
思ってもいなかったのでここではこれ以上使う気は無かった。なので
母艦を守る為にもこの場を離れることが出来ずにいた、しかし予定より
4分ほど遅れている。敵地においての単独任務は1分1秒が命取りになる
ここへ来てネオはスティング達の全滅も視野に入れての行動も頭の中で
描いていた。だがそれも杞憂に終わり、隔壁の亀裂からカオスが顔を
覗かせた。一瞬ネオは身構えたが、通信によりそれがスティングと
分かるとカオスへ話しかけた。
「遅かったなスティング、死んだかと思ったぞ?キミだけかね?アウルと
ステラは?オルガはどうした?」
「アウルは死んだ!ステラとオルガはもうじき来ると思うが・・この任務が
何で俺達3人だけなんだよ!聞いてたよりも敵の数は多いし!もっと
バックアップがあればアウルも死なずに済んだ!オイ!聞いてんのかネオ!」
「アウルが・・・?そうか、アウルの死体とアビスはどうした?」
「アウルの死体はここだよ、機体は一応ぶっ壊して来たが状況とエネルギーが
こっちもヤバかった。完全には破壊できてねェ・・・・」
「分かった、報告は後ほど聞く。キミは早く帰還したまえ」
それを聞くとカオスはガーディールーへ向け帰還して行った。その数十秒後に
ガイアとカラミティーが隔壁から姿を現した。ガイアはカラミティーと共に
現れた為にすぐにステラと判別できた。だがガイアの様子がおかしい。
「オルガ遅かったな、それに、ブロックワードを使ったのか?」
「あぁ、しかたねーだろ!?こいつ無茶苦茶暴れやがるから、それより
追っ手が来るぜ!大体は殺って来たが手ごわいのが二機居てこいつらも
ボロボロだった」
「二機だけなら私がここで一旦食い止めてやるよ、ステラを連れ帰還し
再度戻って来い。共にその二機を叩き、この空域を離脱する」
カラミティーがそれに頷きガイアを連れ、この場を後にしたその時、ネオの
脳裏に電撃が走った。ネオは一瞬それが何なのか分からなかった、初めての
味わう感じだったが、懐かしい様な感じもした。次の瞬間、亀裂から白い
ザクファントムが勢い良く飛び出して来た。ネオは亀裂から出てきた所を
狙い撃ちにしてやろうと考えていたが、脳裏に走った電撃のせいもあり。
その反応に僅かの遅れた。白いザクはジン用のマシンガンと背部にバズーカを
装備しており、マシンガンで攻撃してきた。エグザスはそれらを自慢の
高機動で回避すると即座にガンバレルを展開した。距離的にも回避不能
まずは一機と思った時、再び脳裏に電撃が走った。そして次の瞬間
白いザクはガンバレルの全方位攻撃を全弾回避した。その動きは今までに
見た事も無い動きで、実際にガンバレルの全方位攻撃を全て回避したのは
この白いザクが初めてだった。だがそれよりもネオが気になったのはこの
脳裏に走る電撃、これは何だ?それにこれは、何か懐かしいそんな事を
考えていた矢先。白いザクは弾の切れたマシンガンを捨てトマホークで
切りかかってきた、ギリギリでそれを回避するがその時またしても脳裏に
電撃が、その時白いザクも同時に動きが止まった。ネオは思った。この
電撃は、ヤツと共鳴しているのか?と。そして白いザクから通信が入った
全回線で開かれたその通信はエグザスのコクピット内にも届いた。
「ラ・・ウ・・?ラウ・・なのか?俺だ!レイだ!ラウ!ラウなんだろ!?」
ネオは驚愕した、白いザクのパイロットは自分と全く同じ声だったからだ。
>>163 自分の物などで良ければお願いします。
>>150>>164 あまり物語内容に関しての事はネタバレに繋がるので
自分としては言いたく無いのですが、キラの件に関して
だけ言えばそこまで考えていないと言うのが本音です。
ヤキン戦でキラとクルーゼをぶつけてしまうとフレイの件
そしてキラは自分の手に負えない者は不殺解除という理由
から自分としましてはキラがクルーゼを生かして返すとは
思えずキラの昏睡状態は二人の接触を避けクルーゼ生存ルート
という抜け道を作る為の苦作と思って戴いて結構です。
ですがキラという人物は劇中では少なくとも対イージス戦までは
AAを守る為に戦っており、自ら好んで相手を倒し、また敵視するなどの
意志はあまり見られなかったと自分では思いました。またキラは元々
そこまで意志の強い人間ではなくどちらかと言えば流され易い
気弱な普通の16歳の少年として描きました。なので一度戦った相手とはいえ
知らない所で人に優しくされれば誰でも相手に対しては好意は沸くと
思います。生きる目的を失ったキラがとりあえず見つけた生きる目的と
考えていただければ幸いです。そして前回はあくまで大まかなあらすじの
視点をキラに設定したというだけで、キラをこれからは物語の中心と
して描いていく気はありません。あくまで本編に沿った流れプラスアルファ
そこへキラがシャシャらないという流れで行きたいです。
予定事項のクルーゼミネルバ入りだけ物語に盛り込めなかった事を
お詫びします。その他の項目は今後とも厳守していくつもりなので
今後も読んで戴ければ嬉しく思います。
最後に感想を言って戴いた皆さん、本当にありがとうございました。
ですが自分が意見を言うのは今回限りとさせて頂きます。
みなさんのご意見ご感想等にはありがたく目を通させていただきますが。
これ以降は自分は返信致しませんので悪しからずお願いします。
リアタイで始めて見た
いかん脳汁が
GJだお
GJ!
アウル脳汁アボーン
はっ、アビス…
とりあえずシンは16歳だ
ネオ=クルーゼで洗脳されている、盟主王&オルガが生存
なんだなんだこの個人的に理想的すぎる設定は!
旧式で頑張るカラミティオルガがえらく格好いいのに感動だ!
相変わらず戦闘シーンが燃える!大変にGJ!!
レイの名言?がよりによってシンのオナニーで使われるとは思わなかったwww
普通に面白いよGJ
二日続けてご苦労様
続き楽しみにしてます。
キラに関しては俺もそう思うから
107氏の書くキラが今度どう絡んでくるかも楽しみにしてるよ
キャラ多いけど大丈夫かなw
がんばってください
188 :
383:2006/08/15(火) 03:38:39 ID:???
「報告書は読ませてもらった。今のところ、エターナルは順調といって差し支えない、と
いうことだね」
念を押すように、デュランダルはクレオパトラ・イッサリオティスに言った。報告書は
メールでもらっていたが、たまには直接会って、顔をつき合わせて話すことが大事だと、
彼は考えている。心理学の専門家の彼女は、彼の表情から沢山の情報を読み取って行くだ
ろう。
「はい。艦の人間関係、運用と戦果、満足のいく結果です。ただ彼らは『選ばれた』メン
バーですから、デスティニープランをプラント全体、ひいては人類世界全体に敷衍するに
は、ほんの小さな箱庭の実験例に過ぎません。人間には、他人より楽をしていい暮らしを
したがる傾向があり、実際5%ほどはそれを実行できる悪知恵があるのですから」
「蜂や蟻なら、さぼる個体はいても、食料が回ってくれば満足するのだがね。古の神話に
ある知恵の実を食べたことが、人間の不幸かもしれない。ただ、このままでは人類は滅び
る。ナチュラルとコーディネーターの戦いに終止符を打って、戦争のない世界を作らない
と。君に数字の話をするのは野暮だが、前大戦、プラントが使ったニュートロンジャマー
の影響で約5億人が死んだ。今度のユニウス7落下では今のところ3億人。天候不順によ
る飢饉や、粉塵による地球寒冷化を考えると、よほど上手く人類社会が運営されて、食料
とエネルギーの配分が行われなければ、死者は更に増える。プラント人には地球のナチュ
ラルが何億人死のうが、それは彼らがユニウス7に核攻撃を仕掛けたからだと主張する者
が多い。しかしプラントの食料自給率は32%。残りは莫大なエネルギーを使って地球から
輸入しているというのに」
イッサリオティスは大きな黒い目を、ゆっくり瞬いた。
「その代償として、プラントは工業製品を地球に輸出しています。今は戦争で自国兵器の
ために工場はフル回転しています。しかし戦争が終わって、旧プラント理事国との関係が
正常化して輸出の再開がない限り、大洋州や南アメリカとの貿易だけでは、発展は望めま
せん」
デュランダルは首肯した。
「プラント、工場という名を持ち、労働人口の50%が工場労働者のこの国で、貿易相手を
殲滅しようという思想が絶えないのは困ったものだ」
「匿名――といっても、皆信じていないでしょうけど――のアンケートでは、地球のナチ
ュラルの絶滅を望む国民が10%います。本音は、もっと上になるでしょう」
「そしてアーモリーワンの襲撃事件の手引きをした者たちは、ブルーコスモス思想の影響
を受けていた。彼らが嵌った理由は、コンプレックスだ」
「労働者の国で、学者が賢人政治を行うのが理想とされていることが、まず間違っていま
すからね」
「おいおい、ではわたしは議長失格だ。……でも、君が正しい。ナチュラルより優れた能
力を持って生まれてきたコーディネーターだが、その能力もナチュラルと一緒でこそ引き
立つ。プラントでは誰もが博士号を持っている。しかし、その個々の能力と宇宙の鉱物資
源があって、この工業立国はなりたっている。研究職に就く学者から議員を選ぶコンピュ
ータのプログラムが、間違っているのだよ」
「でも議長はそれを正そうとしておられる」
彼女は確かめるようにゆっくり口にした。
「正さなければならない、だよ、クレオパトラ。このプラントにはびこるエリート主義を
叩き壊さなければ、我々に未来はない」
189 :
383:2006/08/15(火) 03:40:17 ID:???
「しかしミネルバで運用予定のモビルスーツ二機は、最初からパイロットを想定して設計
されていますね。それはエリート主義ではないのですか?」
「ミネルバは、君も乗員名簿や履歴を見ただろうが、エターナルとは別の実験艦なんだよ。
ある意味、人間の可能性の限界に挑む実験、かな」
デュランダルの口元がほころぶ。セカンドシリーズのパイロット二名は、彼じきじきの
指名なのだ。そして今また彼らに与えられる最新型の核動力モビルスーツが建造中だ。
「いくら議長が優秀でも、二つの実験を戦場の実地で行うのは、観察力の分散になりかね
ませんね
「だからエターナルには君が、ミネルバには別の人物が付いていてくれる」
ニノ・ディ・アレッシィというフェイスのことだろう。クレオパトラは話題を戻した。
「プラントでは誰もがエリートになりたがる、自分の子供をエリートにしたがりますから
ね。自分が優秀な遺伝子を持っていると信じている人ばかりで」
「だから、優秀な遺伝子は勉強ができること、運動ができることだけではないと認めさせ
なければならない。多くの遺伝子が影響しあって、向いている職業をいくつか選び出し、
親がそれを理解して子供を育てる世界が必要だ。大体プラントでは、職業によってたいし
て収入が変わるわけではない。私の給料と工場長の給料が同じ程度だ」
デュランダルは遠い目を天井に向けた。
「私はコーディネーター二世として生まれ非常に頭がよくて、博士号をとったのは14歳だ
った。そして遺伝子研究のメッカだったメンデルに研究職を得た時は、天にも昇る気持ち
だったよ。しかしあそこは――人体実験に何の抵抗も持たない人間でないと、やってはい
けない場所だった。最初はあった倫理観に歯止めが利かなくなる。人間とは弱いものだと、
あそこで学んだ」
「ならば、最初のコーディネーター、ジョージ・グレンを作り出した科学者たちは、一体
どれだけの受精卵を、胎児を犠牲にしたのでしょうね」
「先ほどの古い神話の言葉で言うなら、原罪をコーディネーターはナチュラルより多く負
っているということだ」
「第二世代コーディネーターは子供が非常にできにくく、そして人口の供給源だった地球
ではコーディネートが禁止されている。この人間世界の辺境に住む、偏屈なコーディネー
ター達も、戦争が終われば、自分たちの足場が崩れかけていることに気付くのでしょうね」
190 :
383:2006/08/15(火) 03:41:03 ID:???
ブリッジで倒れたメイリン・ホークはすぐに医務室に運ばれた。
ミネルバの医務室には外科が専門の医師と、臨床心理士と看護士の資格を持つ女性が勤
務している。
一通りの検査が終わる頃に、メイリンは目を覚ました。
目の前に姉のルナマリアの大きな青い目が見える。
「……お姉ちゃん」
「よかった。もう、倒れたって聞いて心配して飛んできたんだから」
パイロットスーツ姿の姉を見るに、それは本当だろう。同じ船に姉がいてくれて、こん
なに嬉しいと思ったことはない。
「先生、メイリン、貧血かなんかですか? ダイエットしようかとか言ってたし」
「いや、緊張が過ぎたようだ」
メイリンは医者の言葉で、あの瞬間を思い出す。
彼女が射出したグゥルに乗った青いザクが爆散するのを。
賭けに負けたのだ、彼女は。
そう思うと、じわりと涙があふれた。母親が失脚して自分も左遷された元エリートのイ
ザーク・ジュール。ミネルバに最後までなじもうとしなかった彼だが、メイリンには優し
かった。女性に優しくするように教育を受けたのだろうし、やはり寂しかったのもあるだ
ろう。ただいまは、もっとおしゃべりしたかったという気持ちと、彼の最後の言葉、愛し
てるだけがぐるぐる頭の中を回っていた。ウソが下手なイザーク。
「えっ? 基地の病院へ、ですか」
「念のために、もっとちゃんとした検査をしておいたほうがいい。経過を書いた書類を作
るから、そしたらヴァレンチーナが病院まで連れて行く。なに、夕食までにはミネルバに
戻れる」
ドクターの声が聞こえた。とにかく仕事から抜けられるだけでも、今の彼女には嬉しいことだった。
191 :
383:2006/08/15(火) 03:41:51 ID:???
「なあ、レイ、いいか?」
「かまわない」
部屋に戻ったシンはベッドに腰掛けると、顔面を右手で覆った。スタンバイルームでニ
ュースを見てから帰ってきたのだ。
「ガルナハンの街、あんな、ホントに瓦礫の山になっちゃてさ。それをカメラが舐めるよ
うに映してて、生きてる人はいないのかと思った。そうしたらキャスターが怪我した三つ
くらいの子供を抱き上げて、『奇跡的に生き残った子供です』って。あの子も、あの日、
広場にいたんだろうか。俺たちと一緒に羊の骨をかじってたんだろうか?」
「おそらくあの子は、ガルナハンの子供じゃない。近くの街から買ってきた子供だろう」
「買ってきた?」
「あのニュースを見た大西洋連邦の善男善女は、コーディネーターなんかと組んで戦った
ばかりに攻撃された街を哀れみ、あの奇跡的に生き残った子供を養子として引き取りたい
と、テレビ局に連絡するだろう。そうすると里親希望が何万人から寄せられましたという
のが、またニュースになる」
レイは冷静だが少々沈痛な色の混じった声で語った。
「そんな!? 子供を使ったヤラセじゃないか!!」
「だがあのあたりはお世辞にも豊かな土地ではない。アースダラーがもらえて、子供は世
界一豊かな大西洋連邦のいい家庭に引き取られて裕福に育つ。魅力を感じる親もいるだろう」
シンは絶句した。ガルナハンは火力プラントがあるので豊かだったといってはいたが、
彼の目からするとみすぼらしい街だったし、他に産業があるようでもなかった。周囲の街
はさらに貧しいのだろう。マスコミは話題取りのためなら何でもする。また軍隊も、広報
のために努力と金を惜しまない。それで死ぬ兵士が少なくなればよいのだ。そして世の中
には子供を売る親がいることも、地球育ちの彼は知っていた。
ただプラント生まれのレイにそんな発想があったのに驚く。プラントは税金は高いが、
そのかわり子供を育てるのに必要な教育費は一切国から出る。ゼロ歳児保育もあるので、
出産した母親が三日で普通に働くこともできる。
「……確かに、そう、かもな」
力なく言う。
「俺さ、今日一番ショックだったのがガルナハンのことで、次がメイリンが倒れたってこ
とで、イザークが戦死したのがその下なんだ。ガルナハンのことで、コニールとか彼女の
お父さんとか、レジスタンスの人たちとか思い出しちゃって。もうそれで心にぽっかり穴
が開いた感じでさ。イザークは、ガイアと戦っててぜんぜん見てなかったんで、実感がな
いんだ。同じ隊の仲間が戦死したら、どんなに悲しくて寂しくて怖いだろうって思ってた
のに」
「それは俺もかわらない。イザークとは個人的な会話を交わしたことがなかったから、や
はり実感がない。多分次の出撃で青いスラッシュザクファントムがハンガーにないのを見
るまで、実感は湧かないだろう」
「あっ……」
もうミネルバのモビルスーツデッキに、あの青いスラッシュザクファントムが戻ること
はないのだ。それは意地悪げな青い瞳で睨まれることが、永遠にないという証だった。
シンは、初めて戦友のために涙を流した。
「お前は優しいな」
頭の上から聞こえたレイの声が、湿っていたようなのはシンの気のせいだっただろうか。
192 :
383:2006/08/15(火) 03:42:45 ID:???
「アレッシィ隊長、グゥルは使うなというあなたの命令に背いたメイリン・ホークの処罰
について、どうお考えですか?」
艦長室でタリアが尋ねる。
彼の表情はサングラスに隠されていて見えないが、さして重要なことだと考えていない
らしいのはわかった。
「確かにその命令は私がだしたが、艦長、あなたも追認して、恒久的な命令としてメイリ
ン・ホークを縛っていた。ですからなにも私はフェイス権限を使って彼女の処罰を決めよ
うとは思わない。規則にのっとって、艦長権限の処罰をし、報告書を人事部にだせば問題ないでしょう」
責任を取るつもりはさらさらない、ということだ。彼は部下の戦死の報告書を書き、上
層部は扱い辛い軍人が消えてさっぱりするというところか。イザークの母親のエザリア・
ジュールがザフトの艦隊司令官ブラウニング提督と不倫関係にあるのは有名な話だった。
タリアはブラウニングのセクシーな禿頭といつもにこやかな笑みをたたえたハンサムな顔
を思い出した。彼は宇宙でさぞかしすっきりした気分を味わっているだろうと思うと、許
しがたい犯罪者だが、エザリア・ジュールが少し哀れになった。イザークの死を本気で悼
むのは、彼女をはじめ数人であろうから。タリアにしても、戦艦を指揮する資格を持った
白服の平パイロットがいなくなったことで、安心した部分があるのだ。副長のアーサーも、
おそらく同じ気分だろう。
「ええ、そうですね。では私の方で処理します」
「では、失礼」
イザークがいようといまいと立場が不変の男は、軽い足取りで艦長室を出て行った。
タリアはできるだけ軽い処分の参考になる規則と判例を探す前に、メールをチェックし
た。これは仕事を始める前の癖だ。新着メールの中に基地の病院の医師から『メイリン・
ホークの件』というのがあって、慌ててそれを開いた。
「ミネルバオペレーター、メイリン・ホークの診察結果。彼女は妊娠四週間目に入ったと
ころであり、これから一ヶ月は絶対過敏期であり、早期流産の可能性も高い。また彼女と
相手であるイザーク・ジュールの遺伝子の相性は、妊娠出産に至る可能性はけして高いも
のではなく、まだ胎嚢も確認されていない。早期に彼女を戦艦から降ろし、基地で様子を
見ることを医師として要求する」
メイリンとイザークが。15歳で成人するプラントでは早婚が多い。そして若いうちに子
供を産んでしまおうというのが、女性の考えの主流だ。そしてコーディネーター第二世代
は子供ができにくいため、子供を望む女性ほど早くから相手を探して活動する。
それはわかる。しかしここは戦場だ。妊娠する可能性がある相手と避妊せずにセックス
するなど、いくらプラントの出世率が落ちているとはいえ、言語道断だ。
タリアが険しい顔になったとき、電話がなった。
「グラディスです」
『医務室のヴァレンチーナ・コストナーです、艦長。現在メイリン・ホークの付き添いで
病院にいます。彼女は、流産しました。医師たちは遺伝子異常による流産と判断して、分
裂中の受精卵の遺伝子検査を要求しています。父親のイザーク・ジュールが死んでいるの
で、艦長から上司のアレッシィ隊長にその旨、お伝えいただけませんでしょうか』
193 :
383:2006/08/15(火) 03:43:46 ID:???
「それで、この遠征案を明日の首長会に提出するから、よく読んでおいてね」
ユウナは妻のカガリに書類を手渡した。本来なら行政府で行うべきことだが、今日は二
人とも忙し過ぎた。結局夕食のあとに、コーヒーを飲みながら残った仕事をすることにな
る。
「スエズまで空母まで出して遠征か。いくら同盟国とはいえ、人遣いが荒い奴らだ」
「オーブの守りが薄くならないよう、連合軍の南太平洋艦隊はカーペンタリアとの間に艦
隊を置くという交換条件は交わした。北の東アジアへの警戒はいつも通りってことで」
オーブ艦隊の総司令官として、ユウナが従軍することになっている。オーブ代表の夫を
出すということは、外交のひとつのカードだった。
「実は、子供のころ船酔いしたんで外海に出るのは不安だけど。オーブの軍人は優秀だから、うまく取り繕ってくれるだろう
「オーブの男が、船酔いなんて情けないことを言うな!」
カガリが夫を怒鳴りつける。
「そんなこといわれても、三半規管の問題だろう。まあ、なんと言ってもオーブが前大戦
から二年でここまで復興したのは大西洋連邦の資本が大きいし」
ユウナは妻のマチョイズムに辟易して、話をそらした。
「……それを出されると、何も言いようがないな。戦争が終わった時、オーブにはマスド
ライバーもモルゲンレーテもなくなっていた」
「そこに君が仲間のテロリストたちを連れて帰ってきたんだから、大西洋連邦に併合され
なかっただけで、運がいいと思っておくれよ」
二年前、三隻同盟で戦ったことを言われると、カガリはしゅんとする。自分たちの思い
が間違っていたと考えたことはない。ただ社会のルールでは許されないのだと、今はわか
っている。
「二年前ボクは大西洋連邦の大学院にいて、オーブのことについては学部の頃からいろい
ろ言われたよ。知ってるかい? ほとんどの外国人学生は『オーブ連合首長国』ではアス
ハ家が独裁政治をしている、国民に人権はない、コーディネーターを地球に住まわせてや
るという餌で釣って無理矢理国営企業のモルゲンレーテで働かせて、兵器を製造している
と思っているんだ」
「なんだ、それは! 人の国をまるで野蛮人の国のように言って!」
カガリ・ユラ・アスハは金色の瞳に怒りをみなぎらせた。彼女の敬愛して止まない父ウ
ズミは、断じて独裁者ではなかった。確かに共和国に比べると、議会より首長会の力が強
い。しかし議会の代表も首長会に参加しているのだ。
「世襲で政治権力を継ぐのは、国民の権利を侵害するものだ。こういう考えが今の世界の
99.9%なんだよ、カガリ。あの内戦続きで二年と持った大統領がいない南アフリカ統一機
構からの留学生ですら、民主国家の自国のほうが、政体としてオーブより優れているとい
つもボクに言ったものさ」
もう一カ国スカンジナビア王国も世襲制だが、ここは立憲君主制を取っていて、国王は
儀式を行うのが仕事で、政治の中身には一切タッチしない。
「それじゃ、平和より内戦のほうがいいというのか? 政治家は国民を平和に暮らさせる
ために、手を尽くすべきじゃないのか?」
「だから、オーブの事情を経済、司法、政治、色々説明したさ。学生時代で何百人に話し
たか。そのおかげでボクもいい勉強をしたけどね。小国が生きていくひとつの方法だと理
解してくれる友人もいたし、どうしても政治権力の世襲は許せないという友人もいたけど
ね」
194 :
383:2006/08/15(火) 03:45:26 ID:???
そういういろんな人の意見というのを、カガリは聴いたことがない。オーブで育ち、高
校しか出ていない。父の急死があって、影響力の強いアスハ家の人間だからという理由で
代表の座につかされたのだ。ただ世間知らずのじゃじゃ馬お姫さまでいたのは、いま思え
ば自分の責任を意識していなかったからだ。首長会に名を連ねる家系の長男で態度は軽い
が頭のいいユウナと子供のころに婚約させられたのは、父にカガリを後継者にする心積も
りがあったからに違いない。
「だからいま、新しい政党ができたね。『オーブ民主党』、もちろん党の目標はオーブの
共和国化」
「でも、オーブは首長会がメインで動いているから、なんでも素早く動くことができる。
こんどの復興だって、とにかくモルゲンレーテを復活させて外資を稼がないといけなかっ
たし」
カガリはあの時の目の回るような忙しさを思い出した。まあ彼女は話を聞いて代表とし
ての勉強をして、オーブ中の島に慰問に行くのが仕事だったが。
「若い弁護士や学生が主体だね。アークエンジェルのクルーもいる。サイ・アーガイル、
知ってる?」
「多分、けど、そいつ、恩知らずじゃないか。アークエンジェルのクルーを大西洋連邦に
引き渡さないために、オーブは手を尽くした。結局ラミアス艦長が自分たち士官の命令で
脱走しただけと強弁して、なんとかそれが受け入れられたけど……」
アフリカからアークエンジェルとともに行動した時に会っているはずだが、どうも記憶
にない。
「その『恩知らず』っていうのがが世襲で権力を受け継いだ人間の感性なんだよ、わかる?
社交ではお姫さまに、政治では雌獅子であれ」
「あ、ああ。政治に私情は禁物だったな」
でも、思いは消えない。カガリが三隻同盟の一員だったから、アークエンジェルの下士
官以下とエターナルのクルーはオーブ国籍をもらって、この地で暮らせるというのに。
「彼は元々オーブ人、ヘリオポリスの工業カレッジでキラ・ヤマトと友達だったようだ。
ただ彼の婚約者のフレイ・アルスターがキラと関係を結んで彼女と破局したようだから、
たぶんもう付き合いはないだろうね」
「わかった、あの眼鏡の温厚そうなヤツか」
きちんとした育ちの優等生らしい少年だった。いまはもう、立派な青年だろう。アーク
エンジェルに乗ってカガリとともに戦ったいたオーブ人の青年が、オーブの首長制に反対
しているというのは、やはりカガリを不愉快にさせるのだった。
195 :
383:2006/08/15(火) 03:49:52 ID:???
107氏、歓迎です。とても面白かったし、特に戦闘シーンは秀逸だと思います。
同じスレの先輩として、ひとつだけアドバイスさせてください。
感想でも「読みにくい」「もっと改行を」と書いてらしたかたがいらっしゃいましたが、実際、
リーダビリティに欠けます。文章は書けているので、体裁の問題なのが惜しいと思います。
・改行(段落)を増やす
最大で10行、できれば5行程度で改行(段落変え)を。過去に起こったことなどの説明
は、できるだけ段落を増やし、一文も短くしたほうが読みやすいです。また地の文でな
く台詞で(説明役と突っ込みを入れる聞き役)話をさせると、読者の頭に入りやすくな
ります。戦闘シーンではスピード感やパイロットの気合を示すために、一行での改行も
効果的です。
あなたは基礎的な文章力はおありなので、お好きな日本人作家のエンタメ小説を30Pくら
い、内容より形式にこだわって読んでみれば要領をつかまれる方だと思います(翻訳物は、
関係代名詞をつないでいく文法上どうしても一文が長くなりますので、避けてください)。
あなたも書き始めは改行のことを随分と指摘されたものねw
383氏もGJ!
やはりというか予想以上にシビアな流れだ…一粒種流産だし。
シンは思いっきり打ちのめされてるし。ガルナハンの事、現地で協力したコニールの事、戦いで散った鼻持ちなら無い同僚の事。
これらの悲しみをシンがどう乗り越えるか、続きが非常に楽しみです。
あとレイもクールさの中に見え隠れする心情がいいね。この二人はいい友人なんだなと実感できる。
薄っぺらくて負債の歪んだアニメとは違い濃いな・・・。
両者とも次も期待してます。
GJ!!薄っぺらい話じゃないよなぁほんと
383氏の作品内ではどのキャラもキャラ立ちまくってるな
思わぬ所でサイの名が出てきてちょっと嬉しい
相変わらず383氏のSSは読み手を惹き付けるものがあるな。
シンの打ちのめされる様がすごくよく描写できているし。
せめて最後には彼に救いを…と思わずにいられない
(つーかこう書くとシン厨っぽいかな)
ところで、やはりというかなんというか、シンと絡むキャラで
一番ピックアップされているのがレイとステラだな。
二人とも共通して他人の都合で産みだされ、弄ばれている。
383氏のシンは彼らを背後で弄ぶ者達にどう戦っていくのかな。
できればこの二人にも幸があればいいとおもう。
待ってましたクレオパトラお姉様きたわあ
意外なところでサイもきたー!!
反コーディではなくオーブで反首長制という立場できたか
そのうち反首長派として政治の舞台で出番があるんだろうか?
乙!
が、どんな分娩方か知らないが、出産3日目で普通に働くのは
新生児がどうのというより母体が無理だろう。
こういうの見るとさ
やっぱ上手い人ってのはいるもんなんだなぁって思えるな
このスレもそうだし、旧フレイスレ、マユスレ、学園スレ、エロパロ板
凄いよなぁ・・・
そういえば、107氏のSSで、盟主王が生きてるって事はナタルとフレイも生きてるんだろうか
生きてるんだろうな
ドミニオンも撃沈されていないんだろう
クロトやシャニも生きてるかな?
クロトとシャニは冒頭でクルーゼに殺られてたな
ちゃっかり死んだアウル(´;ω;`)ウッ
〉〉203 欧米じゃ出産翌日に退院が普通。CEの医療、コーディネーターの強靱な肉体があれば、産後三日で働くことは可能なのでは。
>欧米じゃ出産翌日に退院が普通。
それが普通と言うのは初耳だけど、新生児はどうしているんだろう?
受け入れ態勢の整った家庭に帰るならいいだろうが、そうでない家は気の毒だな
日本なら入院中に受けるはずの様々な処置、会陰切開や裂けてしまった傷の抜糸や、子宮内の検査、
場合によっては子宮内の洗浄や諸々の検診なども、回復しきらない身体で通院して受けるのか…
ああでもそうだな
アスランのイージス自爆くらったキラを救命、更に何の後遺症も残さず回復させることができる
CE医療とコーディネーター設定があればOKだよな
まぁ、ヨーロッパはよく知らないが、アメリカでは普通分娩の場合、翌日退院だな。
入院費用がすごく高いから。帝王切開でもせいぜい長くて5日とのこと。
日本が至れり尽くせりなだけらしい。
↑あ、もちろん、これは「アメリカの女性はタフである」とか、
「無痛分娩だから体力消耗しない」とか、「医療費が高いので、
出来ることは全部自宅でやる」という事情があるようですが。
だから、「おととい生まれたばかりの赤ちゃんを連れて
スーパーに買い物に来ているお母さん」とかいるらしい。
話題がスレ違いどころか板違いになりつつある件について
やっぱり先祖代々肉を喰らい続けてきた狩猟民族と
農耕民族とは体のつくりが違うのかと
>>211を見て思った。
コレもスレ違いだなw
話を種に戻すと、人工子宮ってコーディネートした通りの赤ん坊を育てるためじゃなく、切迫や前置胎盤の胎児を母体から出して育てるために必要なんじゃないか?
やっぱ種世界の人間は狂ってる。クルーゼは正しかった。
狂ーゼは狂ってはいなかった・・・・
すまん、出来心だ
>>215 嫌いじゃないぞ。
コーディネーターの生活とか感覚とかは欧米寄りっぽい。後、人口が少ない(増えないが正しいのか)からあんま休まれても困るんじゃないかな?
アウル・・・いつもいつも憎まれ口ばっかり叩いてたってのにオクレなんか庇いやがって・・・
これはアビスインパルスが出る伏線とみていいんですね!?(゚Д゚)
俺はアビスにキラと睨んだ
ネオ=クルーゼということは……
クルーゼがウインダムに乗ったり暁に乗ったりするのか?
>>220 明け透けなのは2chじゃ珍しいからな
それにしても383氏の書くプラントはディストピアなのかユートピアなのか・・・
>383氏
氏が、もし本気で107氏のために助言してあげたいと思うなら
もう少し言葉を選んだ方がよろしいのではないでしょうか。
>感想でも「読みにくい」「もっと改行を」と書いてらしたかたがいらっしゃいましたが、実際、
>リーダビリティに欠けます
こんなこと、わざわざ書かなくてもあなたの助言に差し障りはないように思われますが…。
当の107氏がどう受け取るかは知らんが
見方によっては
>>195は相手を肯定してるように見せかけて叩く
お局様の新人イビリのように見えなくもないw
自分みたいな文章作りの素人にはよくわからんが
アドバイスがもし的確なんだとしたら、言葉と文の問題なんだろうから
惜しいと思うよ
職人も読者もえらそうなのは、このスレのお家芸だからな。
>>383氏よ
苦しゅうない、乙でおじゃる
これからもそのようなクオリティを維持してくれると、マロも嬉しいのでおじゃる
>>107氏よ
貴公のSS、期待しておるぞ
ふぁっふぁっふぁ!
読者・・・・プ
それこそ見る人間によるんだろうよ
アドバイスがきっぱり断言してるのを見ると小説のリーダビリティ(読みやすさ)に対する配慮は相当基礎的なことなのかもしれん
>>228 基本かどうかじゃなくて言い方が問題なんじゃないの?
>>229 自演なのかどうかしらないけど、正直似たような感想を持った俺がいる
自演とか言い出したらおまえ383氏の名無し潜伏だってキリがないから不毛だからやめれ
なんか空気悪いスレだな
これこそ見る人間によるって奴かw
疑ってりゃきりないなw
まぁそれだけこのスレ覗く人も増えてきたってことジャマイカ?
SSスレにゃこの手の荒れ模様はつきもんだろ
ウザー
こういうのを力説する奴って決って改行に無神経
それがデフォの板から湧いてきたんだろうが
適当な文節で改行してくれた方が読みやすい。
大体他の職人にリーダビリティ云々イケダカに説きながら
当の本人は改行を注意された時に、なんか開き直ってなかったか?
ステラ…火病…こわい。
イケダカ
イケダカ
イケダカ
イケダカ
イケダカ
イケダカ
イケダカ
イケダカ
イケダカ
イケダカ
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラゲラのゲラ
>>238 朝から随分楽しそうだね!よかったね!げらのげら〜〜♪
240 :
通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 10:07:44 ID:dvbIcbLq
241 :
239:2006/08/19(土) 11:59:57 ID:???
>>240 私は
>>239以外書いていません。
やな感じだなあと思ってつい嫌味を書き込んでしまったこと、
とても後悔しています。
自分で自分を汚してしまった気分です。
いい加減スレタイ読んでください
全くだ
静かに職人さんを待とうぜ
前もこんぐらい荒れてたしどーせ投下されるだろ
取りあえずこんな状況のスレを上げてる糞は荒らしだから以降スルー
383が自演して107潰そうととしてるだけにしか見えない俺がいる
その逆にも見える俺が居る
過敏にならずに華麗にスルーしようぜ
細かいことで騒ぐなんてみっともない
↑ブキミ星人が何か言ってるよ?
何はともあれ
383氏のものも107氏のものも今後の展開が大変に楽しみなので
人格だの改行云々は今はどうでもいい
内容さえ面白ければ他はどうでもいい
内容も作り手の人格もゴミ以下だった種に比べれば遙かに可愛いもの
お二人にはひたすら我が道を突っ走ってもらいたい
職人さんお二方のSSをそれぞれ完結まで拝見したいと思う。
住人から見たら職人さんは職人さんで、
それ以上でも以下でないって言うと失礼か?
でも好みはあってもその辺りは平等だと思うので、
あまり相手を見下したりしないでほしい。
うむ。まぁ、この雰囲気も作品投下されたら消えると思うので、
お二人には頑張って欲しいものだ
ここの職人さんは、他のSSスレとか見たり、参考にしたりしてるのかな?
某スレの職人さんなんか、はっきり他スレのSSを参考にしてるとか言ってたけど
383は
257 :
383:2006/08/20(日) 02:27:03 ID:???
「久しぶりですわね、キラ」
キラは恋人のラクス・クラインを部屋に招きいれた。オーブ軍を退役してからしばらく
は母親が部屋の外においてくれる食事をすこしだけ食べて、引きこもっていた。ありがた
いことに何もいわないでくれた両親のおかげで、今では二週間に一回母親に付き添っても
らって心療内科に通えるようになった。大学に復学するのは、あと半年は様子を見たほう
がいいと言われている。
そしてラクスと会うのは、何ヶ月ぶりだろう。彼女がアフリカから帰ってきたときには、
キラは入隊していたので、随分久しぶりだ。
鮮やかなピンクの髪と整った顔、可愛らしい声。
「ああ、君はトリィみたいだね」
遠くに行ってしまった友人がくれた、子供時代の幸せの詰まった鳥形ロボットの名前が
ふっと口をついてでた。ラクスも彼の気持ちに乗って、
「あなたはハロのように、大事なお友達ですわ」
と答えた。ただそのロボットを作ってくれた共通の友人の名前はやはり出なかった。
戦争が始まってしまって、世界を回って歌っていたラクスはオーブに留まらざるをえな
い。彼女の歌が売れていなかったのは、キラも知っている。人口が激減したとはいえ、地
球40億のナチュラルのなかには、彼女より上手で魅力的に歌を歌い上げるディーヴァは沢
山いるし、アイドル歌手として『ピンクの髪のお嬢さんテロリスト』は、あまり受けなか
った。
でも、彼女は歌いたいし、沢山の人に歌を聞いてもらいたいのだろう。今のキラには、
ラクスのまっすぐな目線は少々辛いものがあった。でも、やっと会う決意をしたのだ、両
親以外の人間と。
「……カガリはけっこうまめにメールをくれる。忙しいのに。半分はノロケだけどね」
「アスハのお屋敷にわたくしとバルトフェルトさんはお世話になってますけど、カガリさ
んがめったに戻られないと、マーナさんはお怒りですわ」
ラクスがくすりと笑う。
「そりゃ忙しいし、セイランのお義母さんは礼儀作法に厳しいけど、役には立ってるって
書いてた」
カガリの野放図なところは魅力的だったが、一国の元首があれではまずいのはキラにも
わかる。そして彼女は、表と裏を使い分ける大人になろうとしているようだ。オーブのた
めにはいいことだが、双子の姉が先に一人でどんどん大人になってしまうのは、彼に不安
を与える。でもカガリからのメール五通に一回くらいしか返信しなくても、自分たちの絆
は揺らがないと思う。
ラクスは外がまだ明るいのに、キラがカーテンを閉めていることについて、何も言わな
かった。キラはあれ以来、明るいところも暗いところも嫌いだった。睡眠障害があるので
寝る時間は不規則。昼ならカーテンを閉めて、夜なら小さく電気をつけて睡眠薬を飲む。
10分に一回ずつ目を覚ました時期もあった。今は一度入眠すれば三時間くらい眠れるよう
になった。
「バルトフェルトさんやダコスタさんは元気?」
反逆の罪で、故郷のプラントから追放された人たちを思い出す。
「ええ、バルトフェルトさんはカガリさんの口利きもあって、大学の講師になられました
わ。ダコスタさんは以前と変わらず、銀行にお勤めですわ」
「バルトフェルトさん、君のマネージャー、やめたの?」
「だって、コーヒー豆を買うお金にも足りないんですもの、わたくしが払えるお給料」
258 :
383:2006/08/20(日) 02:27:53 ID:???
こういう辛いことを平気で言えるラクスの強さが、キラにはまぶしい。
彼女は国家予算レベルの賠償金を背負っている。個人で返済するのは彼女が世界的な歌
手になっても無理な金額なので、つまり絶対にプラントに足を踏み入れるな、という意味
に等しい。あのあとラクスのプラント内の協力者は逮捕されて、裁判で死刑になった軍人、
終身刑を受けた民間人もいると聞く。フリーダムもエターナルも盗品だったのだ。キラは
自分がラクスからもらったと思い込んでいたが、子供だったしプラントから逃れて地球に
戻る手段も必要だった。
(僕は……連合の脱走兵で、ザフトのモビルスーツの窃盗犯で、連合とザフトに対するテ
ロリストで、オーブ軍を戦時なのに元首に頼み込んで退役させてもらった男なんだな)
地球ではコーディネーター嫌いでない人も、ラクスのことを国家の軍事機密を盗んでテ
ロをするなんて倫理観のない怖ろしい少女と考えている人は多い。コーディネーター嫌い
の人になると、ラクスの行為はコーディネーターが善悪の区別、国家への忠誠心すら理解
できない『欠陥品』であることの証明だという。
確かに、自分とラクスは似合いかもしれないと思った。
彼女は、いつもキラを理解しようとしてくれる。それが常に正しいとは限らないが、気
持ちが嬉しいのは事実だ。
「ねえ、ラクス。セックスしないか?」
外が明るいとかは関係ない。キラの気持ちと性欲の問題だった。カーペンタリアで死に
掛けてから、一度も感じなかった欲望を、ラクスに感じる。
「キラは、そうしたいのですか?」
まっすぐに彼女は見詰め返してくる。
「うん」
「なぜですの?」
さらに聞き返され、キラはつい目線を外した。
「肉体を求めていらっしゃるなら、お断りしますわ」
思ってもないきっぱりした拒絶だった。まだ関係を持ったことはなかったが、断られる
ことはありえないだけの深い感情を持ち合っていると信じていたのに。
「性欲の果てに何が残るのでしょうか。わたくしも、キラも考えるべきだと思います。で
は、失礼しますわ」
ふわりっと白い足とサンダルを翻して、ラクスはキラの部屋を出て行った。
呆然としたキラは、しばらく自失して何も考えられなかった。これまでもそれとなく誘
いをかけたことはあるが、ラクスは気付かないようだったので、はっきりと口にしたのだ。
年齢的にも、お互い何の問題もない。コーディネーター一世と二世だから子供ができる確
率はそこそこあるが、そんなのは避妊すればいいだけだ。
『性欲の果てに何が残る?』、快感時々子供じゃないかと思う。そして気だるく疲れた
空気。キラはその感覚が好きなほうだった。だから大学にも何人かセックスフレンドがい
る。ラクスに振られたのが許せなくて、彼女達に連絡を取ってと考えたが、自分は大学休
学中だ。もう彼女らのメモリからはデリートされた男だろう。キラにしても今の今まで彼
女達のことを思い出しもしなかったのだから。
キラはすっくと立ち上がると、財布を持って部屋を出た。
カリダが
「あら、コンビニ?」
と声を掛けてきた。実際キラが一人で出かけるのは、近所のコンビニに雑誌を買いに行
くときくらいだった
「ナンパ」
ばたんとドアを閉めながら、キラは答えた。
259 :
383:2006/08/20(日) 02:28:40 ID:???
繁華街に出るのは何ヶ月ぶりだろうか。南国オーブであっても、季節が変わっているの
は空気でわかる。
こちらが一人なので、一人のちょっと容姿のいい女の子に声をかけていったのだが、全
員に「これから待ち合わせだから」と断られた。嘘をついた子もいただろう。大学でのナ
ンパ率は高かっただけに、場所が違うからと思っても、少々傷ついた。
通りをかえてナンパを続けていたら、キュートな雰囲気の外巻きの髪をした少女が目に
付いた。後ろからで顔がわからないので賭けだが、「こんにちは」と肩を叩きながら声を
掛けてみる。
明らかなナンパに不愉快そうに振り返った少女、キラのよく知っている少女だった。
「キラ、キラ・ヤマトじゃない」
「ミリアリア・ハウ……」
驚いてキラは彼女の方から手をはずした。しばらく会ってなかったとはいえ、ヘリオポ
リスの工業カレッジ、アークエンジェルで一緒だったのに、後姿でまったく気がつかなか
った。彼女は最後に会った時より大人っぽくはなっていたが、まだ少女の面影を残してい
た。
「髪の毛、伸ばしてるの?」
ミリアリアの言葉にキラはびっくりした。そしてウィンドゥに映る自分の姿を真面目に
見詰める。
髪が野放図に伸び、Tシャツとジーンズの着こなしがだらしない。お世辞にもすっきり
としてかっこいいとは言えない姿だ。
「い、いや。ちょっと切りに行けなくて」
「そう。顔色もよくないわよ。なんかむくんでる感じ」
ずばずばという彼女の存在自体がうざったくなる。
「いや、ちょっとね。もう帰るよ。君はデート?」
「ううん、サイたちの話を聞きに行くの」
「そう」
「オーブの民主化について。それじゃあね、キラ」
すたすたとミリアリアは去っていった。
取り残されたキラは、力なく俯き、家路に着いた。さっきまで感じていた性欲は、かな
たに去ってしまったようだ。
家で新聞の夕刊の見出しを見ると『オーブ艦隊、スエズに向け出発』と見出しが躍って
いた。
彼は無言で部屋に入ると、パジャマに着替え、精神安定剤と睡眠薬を通常の二倍飲んで
寝逃げした。
260 :
383:2006/08/20(日) 02:29:50 ID:???
シンとルナマリアは、久々に夕食を一緒にとっていた。といってもミネルバの食堂だか
ら、ざわついたところだが。
地球に来てから、食糧事情がいいので、主計官も腕のふるいがいがあるらしく、美味し
い料理が続いている。今日は黒海の魚をローズマリー風味でグリルしたものがメインだ。
シンはいま、ぐんぐん背が伸びているように思っていた。ただ同室のレイも同様なので、
ルナマリアとの身長差が広がっていくのが実感できて嬉しい。
だが先日の戦闘でディオキアの街に37人の死者がでたと聞いて以来、シンの気持ちは
はっきりと下がっていた。街にとってこの基地は、今日の食事に代表されるように、いろ
んな意味でのお得意様だから、表向きは友好関係が続くだろう。だがディオキアには、ザ
フトはいざというときに民間人を守れない軍隊だと思った人が生まれたのだ。それを思う
とやりきれない気分になる。
問題はそれだけではない。
「で、メイリンの具合はどうなんだ?」
「抑うつ状態。私は家族だから一日十分面会できるけど、上官や同僚は禁止。私が彼女の
部屋にいる間、ずっと医師がついてるし。当然鋏とかとがったものは禁止。ヘアブラシも
持たせちゃだめだっていうから、私が行って、髪を梳いてるの」
あのおしゃれなメイリンがお転婆の姉に髪を梳いてもらってるなんて、シンには想像も
できなかった。
「そんなに大変なんだ」
「うん。先生が言うには、流産のショックが大きいみたい。第二世代コーディネーターで
流産した女性がうつになる確率は、第一世代コーディネーターの5倍なんだって」
「――俺たち、そんなに弱いんだ」
「妊娠できる相手との子供を流産したら、それはやっぱり辛いと思うのよね」
さすがにルナマリアも沈痛な面持ちで言う。
「だからメイリンは、プラントに帰れる状態になったらプラントの実家に帰すのがいいだ
ろうって、退役して」
この戦時下で病気退役を医者が勧めるのだから、それに従うのがメイリンのためだろう。
「新しいオペレーターも来たしな。メイリンは御両親のところでゆっくり体と心の傷を癒
してほしいな」
あのアカデミー時代から聞きなれた可愛らしい声が聞けなくなるのは残念だったが、前
線には十全に戦える人材だけが必要なのだ。
「そういえば、ルナ、メイリンの代わりにその、子供の遺伝子分析に了承のサインをした
んだっけ」
「メイリンが望んでいるかどうかはわからないけど、わたしたち第二世代全体の問題だか
ら。ただ結果はメイリンにも私にも伝えられない。メイリンが回復して、知ることを担当
医が許したときだけ、わかることよ」
「そっか。おとといイザークの遺品がプラントに返されたけど、結婚してるわけでも事実
婚の届出を出してるわけでもないから、メイリン、なにももらえないんだよな」
妹のちぎれた手と落とした携帯電話以外の家族の遺品は、一切まとめて家ごと売ってし
まったシンだ。家に帰って両親の形見になるものを持って来るべきだったのだろうが、あ
のときは家族四人で幸せに暮らしていた家に一分でも戻るのが怖ろしくてならなかったの
だ。
イザークの遺品は、刑務所に入っている母親の元に行く。彼女の独房が、息子の遺品を
収納できる大きさかその自由があるかすら、シンは知らないし知りたいとも思わなかった。
二人は魚を食べ終え、デザートのカッテージチーズを使ったチーズケーキに移っていた。
「あ、美味しい」
「うん、地球の食べ物はやっぱり美味しい」
261 :
383:2006/08/20(日) 02:31:52 ID:???
横に座ったルナマリアが、少し睨むような目で見る。
「シンは、プラントより地球が好きなの?」
「オーブは大嫌いだ。連合も嫌いだし、あ、プラントに友好的な国は好きだ」
「ホント、現金なんだから」
笑いながら彼女は少しシンのほうに腰をずらした。ひっつきそうになって、シンはどぎ
まぎする。
「いいだろ。前線の兵士ってのは、食べて戦って」
「女と寝る?でしょ」
よく寝るのが仕事だと言おうとしたシンのあとを、ルナマリアが奪った。確かにそうい
うのは伝統的にあるし、コーディネーター第二世代は相性が合わないと子供ができないの
で、逆に子供ができない男女同士ならフリーセックスをするグループもある。だがアカデ
ミーのときから、そういう連中とは一線を画してきたのがミネルバに配属になった六人組
だったのに。
シンはルナマリアの青い瞳をじっと見詰めた。やっぱりいい友人だ。
「メイリンに先に体験されたからって、自分を安売りするなよ。メイリンは、俺にはわか
んないけど、あのイザークが好きだったみたいだし。ルナと俺は、友達だろ」
女性に恥をかかせたかもと思いながら、シンは席を立った。
今日は少々気にかかることがあって、そのせいで彼女にきつく当たってしまったのかも
しれない。
思うところあって、今日、アレッシィ隊長に面会を申し込んだ。忙しそうに基地とミネ
ルバを往復している隊長だが、簡単に時間をとってくれた。隊長室でのやり取りを思い出す。
「隊長にお願いがあってまいりました。過日アーモリーワンで、セカンドシリーズのモビ
ルスーツ三機が連合軍に強奪されたおりの、ハンガーの警備記録映像をぜひ見せていただ
きたいと思います。なにとぞ御配慮お願いします」
こう頼んだのだ。アーモリーワンでミネルバに乗り込む直前、金髪の少女とぶつかった。
そして先日ディオキアで休暇をもらった時、ステラと出会った。ステラは宇宙を知ってい
るようだった。アーモリーワンは知らないといっていたが、彼女の知性には少々問題があ
るみたいだったし、シンが掴んだ胸乳の感触があの時の少女とステラ、同じだったのだ。
確かに女性の胸を掴んだ経験はその二回しかない。しかしその二回が同じ感触で、金髪の
少女というだけで、疑う理由にはなった。
あのハンガーのパトロールヴィデオは極秘事項であり、一兵士のシンが閲覧できるもの
ではない。フェイスのアレッシィ隊長は見る権限があるだろうし、頼めばもしかして見せ
てもらえるかもと思って、願いこんだのだ。
当然理由を聞かれたので、シンは休暇中のステラとの出会いまで、くどくどしいほど説
明した。話を冷静に聞いていた隊長だが、ステラを引き取りに来た金髪の青年の話をした
ところあたりで、なにやら興味を覚えたように思われた。
「わかった、いいだろう。夕方の、君がオフに入る時間までには問題の映像を見られるよ
うに手続きしておく。有効期限は、ディオキア時間の24時まで」
「ありがとうございます!」
「あと、これはこちらからの命令なのだが、明後日から三日間、君とレイ・ザ・バレルに
ユーラシア軍のニュルンベルグ基地に出張してもらいたい。まあ、休暇と思ってくれてか
まわん」
「は? ユーラシア軍の基地に、休暇、ですか??」
シンは驚きに目を丸くして聞きなおしてしまった。
262 :
383:2006/08/20(日) 02:32:40 ID:???
「西ユーラシア軍とは実質的に協力関係にある。君達を受け入れる基地にも、ザフトの兵
士が常駐している、ということだ」
「あ、はい」
先日議長が地球に来た折、ユーラシアの首脳と会談を持ったであろうことはシンにして
もわかる。そのときになにか、好きな言葉ではないが裏取引があったということを隊長は
ほのめかしているのだとろうか。
とにかく考えるのはあとにして、シンは隊長室を出た。
夕食から帰ると隊長からメールが入っていて、問題の映像を見るためのパスワードが添
えられていた。シンはこわごわパスワードを打ち込むと、アーモリーワンでのカオス、ア
ビス、ガイア強奪事件の起こったハンガーの固定カメラがディスプレイ上に映し出され始
めた。
シンは画面を最大に拡大した。固定カメラなので、侵入者の動きにあわせてズームや移
動はしない作りだ。侵入して来たのは三人の若い男女。女性は白いドレスに金髪だ。シン
の胸が高まった。そして後の二人の風体も、先日ステラを引き渡した少年達と似て見えた。
先入観でものを見てはいけないと己に言い聞かせ、続きを見守る。彼らの銃やナイフで倒
されていくザフトの兵士たち。アカデミーで白兵戦が得意だったシンの目から見ても、コ
ーディネーターに混じって一段抜けている。隊長が言っていた『連合のエクステンディッ
ド』とは、こういう意味か。ナチュラルの骨格や筋肉を薬で強化された存在だと聞いたが、
これほどまでの動きをするとは知らなかった。そして金髪に白いドレスの少女がガイアに
飛び乗る。シンはドットが乱れてただの点になるくらい拡大した。少女の目は、菫色に思
われた。
(……ステ…ラ?)
なんど否定しようと思っても、あのナイフを持ってザフト兵の首を切り裂いてガイアを
強奪したのは、ステラだ。あのドレス、体型、髪の毛、瞳の色、そして顔立ち。ステラが
連合の人間、それもエクステンディッドだなんて。
あの可愛くて、もう十分成熟している体なのに精神的には子供で、海が好きで、死ぬの
が怖いステラ。彼女がガイアのパイロット? しかしそれならどうしてディオキア基地の
攻防戦で、二人の思い出の洞窟を兵器で破壊できたのだろう。
自分よりステラのほうが兵士としてプロだからだ、そう思いいたって、シンは目が潤ん
でいるのに気付いた。ステラの年齢で戦いに出るのは珍しいことではない。でも、彼は平
和に優しく微笑んでいるステラが好きで、怖ろしいことから守ったあげたいと思うのだ。
家族を失って以来、戦争で民間人を犠牲にしてはいけないと思ってこれまでやってきたが、
彼が幸せを祈ったガルナハンの街の人々は攻め滅ぼされ、具体的に守りたいと渇望した少
女は、どう見ても敵の兵士だった。
シンは有効期限がくる24時まで、飽かずその映像を繰り返し見て、涙を流した。
263 :
383:2006/08/20(日) 02:38:37 ID:???
ラクス、板につかないお嬢さま言葉w、ピンクの髪とファッションセンス、いかにもフェイクって感じが割と好きです。
他スレのSSは普通に読者として読んでます。面白い、上手いなどのプラス評価をしたものは続けて読む、
マイナス評価をつけたものは読まないって感じです。
GJ!
プラントでの性への価値観ってどうなってるんでしょうね。
娯楽がなければ、SEXにはしるってのも分からないことはないんですが
娯楽施設などは一応有るみたいですし、どうせ子供が出来ないから体を重ねると言うのは
ちょっと理解しがたい物があります。でも議長があれですからねぇ
キター!!
序盤、エクステンデットのG強奪の描写が無いと思ってたら、ここでこういう形で来るとは。
そしてシンとレイは西ユーラシアで何する為に出張するんだろう…なんか怖い。
いつも更新楽しみにしてます。
オーブ民主党が少しずつ支持者を増やしてるのが示唆されてますな。
今後の鍵の一つになりますかどうか?
あと、一度ここのキラとXスレのキラを入れ替えてみたい気が。
GJ!!!!
キラのへタレ具合にワロタwwww
と同時に何故か同情の念を覚えた
GJ!重い話だ、でもこういう話結構好きだ
キラが人間臭くて好きだ
GJだお!
今後のキラにwktk
今後のキラの性欲にwktk
GJ! キラがちょっと笑えるww
>>266 あっちのキラは、嫁補正ついてるから、漢化したアスラン、シンに勝ててるんだぞ?
GJ!
久々キラだ!ありのままのキラってかんじで良いな。
こういうの見てしまうと彼にも何か一皮剥けて欲しいと思っちゃうんだよね
あとカガリのろけるんだw
ユウナとは本当におしどり夫婦なんだなあ…微笑ましい。
シンは本当に生きた、等身大の少年なんだな。
哀しいことがあっても簡単にダークサイドに落ちたりしないで
身の回りの人を気遣って、食事もして、自分に何ができるか模索してて
キラと対照を為してるね。
パイプカットした狂戦士アスランとも別の対照関係があって、
383氏は本当に人物配置のセンスが秀逸だな。
エクステンデッドとガイアの事シンが知ったってことは
再会の形も変わりそうだし、アレッシィもネオに思うところがありそうで
期待は尽きないよ
これからもがんばってください
ちょっと今回の383氏の小説の感想じゃないんだけど。
383氏のアスランって、ファントムペインに入るとき去勢したよね。
そのあと彼が出てくると、男性から「玉がうずく」「チンコが痛い」みたいな
感想が入ってるけど、男性にとって
・金玉がなくなって生殖能力がなくなったこと
・竿がなくなってセックスできなくなったこと
どっちがショックなの? 女なもんで想像がつかない。卵巣や子宮の病気で
子供が産めない体になるのは20代でもあるので、けっこう身近なんだよ。
女に振られるキラと振るシンの対比、面白かったです。
>>273 ありがたい事に両方ついているので、実際の所は判りませんが
正直、両方とも同じぐらいにショックだと思いますね。
プラス、男にとって、一番敏感な部分の話であり、
「自尊心を持った男」である自己の象徴でもあるので、
精神と肉体の両方が、痛いんですよ。
273さんも、もし扱う事があったなら、乱暴に
しないで下さいね。
性器の露出は関係あるのかな?女性の場合子宮は体内だけど男性の場合、露出してて見える場所にあるし。
勿論男女関係無く、去勢みたいな事はショックだろうが。
体は大切にな…。
ひとつ提案なんだが。
「このスレにおける種本編の扱いについて」
383氏はヤキンでクルーゼが生きてたということ以外、いじってない(イザークの性格のことで文句付けられてたけど、
あれは解釈の範囲内だろ)。種が終わったあとの二年間から、独自の解釈で種死に続けてる。
107氏はヤキンの戦いを書いて、生き残る人をクルーゼだけじゃなくしてる。あと気になるのはキラを二年間眠らせていた
という、種本編の大幅改変をしてる。
クルーゼが種死で生きていればなんでもいいという意見もあるだろうが、このままいくと、種の最初から書き直す人が出てきても
「種を大きく改変した前例があるから」ということになってしまう。
107氏のSSはもう始まっているので、思うように書いてもらうとして、どの時点から改変していいのか、ルールを決めといたほうが
いいと思うんだ。
個人的には、ヤキンドゥーエの戦いを書き直して自分の解釈で進めるのはあり。それ以前の種本編には手を出さないのがいいと思う。
>>273 男としては、やっぱり外についてて、いつも存在を意識してるものがなくなるってのは、考えたくないよ。
職人が増えすぎて困るってわけでもないし締め付け緩くてもいいんじゃないか?
まあクルーゼ生存させるには、ヤキン・ドゥーエの戦いをいじるのは
デフォじゃないか?
スレタイで解釈するなら、種運命の世界を背景にクルーゼが生きている
というのが条件だな。
作者さんの記名がキッチリしてれば区別もつくしね。
しいて御両所に注文つけるとすれば、それぞれメインタイトルを決めて頂ければ
更にわかりやすくなるかも…ってくらいですかね。
273です。
ありがとうございました。外性器だってのが大事なんですね。
女性で言うなら、病気じゃないのに乳房と卵巣の切除を受けるようなものですか。
たしかにそれは怖いです。これから玉と竿は大事に扱います。
>>276 「個人的にはヤキンでクルーゼが生き残っていた」という条件にこだわりたいです。
(他の改変はなし、ってこと)
そのほうがこのスレで書こうかと思う人が知恵の絞り外があると思うし。
他の旧キャラをいろいろいじって出したい人は、このスレでなく、種死のSS総合スレ
に行ったほうがいいと思います。原理主義っぽいけど、自分はこういう意見だな。
最初はSSスレじゃなくて、設定妄想スレだったし。
確かに、ifものはifが少ないほうが面白いと思う。
つーか、意味があると思う。
なんだかまた更に107氏が投下しにくくなるような流れになっている気がするが
気にせずに投下してもらえると嬉しい
職人さんそれぞれに話や人物のイメージはあるだろうし、受け手はそれを見ることを楽しみに待ってるから
ifが増えるのはよくないって意見は自分もわかる。
だからifを増やした職人さんは、そういう意見があるとわかった上で、納得させる作品を
書いてくれればおKなんじゃないか。結局最終的には、作品の出来不出来なんだから。
286 :
284:2006/08/22(火) 00:42:16 ID:??? BE:54117937-2BP(0)
>>285 基本的には「規制を設ける派」。
ただ107氏はすでに書いているので、問題ないと思ってる。
新規にこのスレで書こうかと思う職人さんには、ifはクルーゼ生存
だけにしてほしいな。
284じゃない人間が口を挟むけど
ある程度規制を設けておいて、
職人さんが、それでも自分の表現したい話に必要だと考えるんだったら改変あり、
その代わり読み手を納得させてくれっていうのと
規制無しではやっぱり違う。
自分はある程度の規制は必要だと思うよ。
でも107氏は今頭の中にある話を変える必要は無いとも思う…
288 :
287:2006/08/22(火) 00:43:52 ID:???
リロ忘れた…スマソorz
初心者でよくわからず申し訳ないのですが、ifというのは
キャラクターの生き死にに関ることのみを指すのですか?
>>291 単語の意味は知っています。
今規制を設けようとしていることは、生き死にだけでなく、
所属や相関図的なifも含ん出いると思っていいのかな。
>>292 種の改変に関しての規制が必要かどうかの話なんだから、種終了時点での
所属や相関図はクルーゼが生きてるってこと以外は最低限変えないでおこうという意見が
出ていると読めるが。
そのあと種死が始まるまで二年間あるから、そこで色々変えてしまうのは、職人の好き好きでは?
クルーゼが生きている状態でスタート(ほとんど設定は種運命のまま)して
段々オリジナル要素(オリキャラ・オリMSなど)突っ込んで別物になった場合は
どうすればいいの?
>>294 そのために
>>1があるんだろ。
個人的には、種死でクルーゼが生きている、主人公はシン(つまりミネルバクルーをないがしろにしない)、このふたつを守れば、
オリジナルのキャラやメカがでてきても、所詮脇役だ(種の改変には規制が必要派)。オリジナルの主人公で書きたい人は、
個人サイトを作るとか、受け入れてくれる投稿サイトを探せばいいだけの話だ。
こーいう変な議論してる時点で規制なんて必要ないと思う
余りにも作者が増えて内容が目に余るなら別だけど
議論も無駄じゃねーな。俺が107氏のSSに感じていた違和感の理由がわかったから。
アウルが死んでカワイソスだったわけだが、そう思った理由のひとつに、
種本編で死んだオルガが生きてんのにどーしてアウルが死ななきゃならんわけ?というのがあることに気付いた。
そういう疑問を抱えてる読者を納得させるものを107氏にはかいてほしいね。
まだ1話だか2話だかしか連載してないってのに何を言い出すのやら
これからそういうのが始まってくんだろ?
そういう文句だの注文だのを言うのはもう少ししてからにすべきだと思うんだが
規制とは違うけど、本編と大幅に話を変えるか変えないかを先に職人さんが発言するとかは?(注意事項みたく)
本編と大幅に話を変えないと
シン敗北ENDで終わっちゃうな
種死を書きなおすスレだから、どれだけ変えるかは、1を参考にして、職人次第だろ。
ただ今のままだと、クルーゼさえ生きてりゃラクシズ全滅、地球の半分はジェネシスで
壊滅という設定で話をはじめてもいいことになるからなあ。
別にそういう設定でもかまわんが
規制が好きならKQを自己申告させたら?
・KQ表示について(the one for anyoneより引用)
KQは原作からの乖離指数のことを意味します。当掲示板での造語ですが、著しい設定改変作品に関しては慎重にご考慮お願い致します。KQは下記五段階とします。
1 原作準拠・アフターなど
2 キャラクターにズレ有
3 原作設定にズレ有
4 著しく設定改変
5 原型を留めない
ぶっちゃけ読めないと感じたら個人でNG入れときゃ済む話だと思うがね
作者さんはコテなりトリなりつけてるわけだし
俺みたいな何でも読む悪食には下手な規制で作者が出る可能性が減る方が辛い
まだ生まれて間もないスレだからなぁ
まずは、作者さんや住民が増えてくれることの方が大事だと思う
読み手が書き手に注文付け出すとスレは廃れる
断言してもいい、書き手は読み手の都合のいい道具じゃないからな
まあ書き手は厚意というか好奇心で作品かいてるからな。
変ないちゃもんで気持ちそがれたら書きたくはないだろうし。
>>306 それは真理なのかもしれない。
けどこのスレは書き手が書き手に注文つけているように見えるがw
自分的には
>>303氏の意見に禿げるほど同意。
文句言う奴は自分で納得できるのかけば?
何もできないくせに偉そうなのがここの住人
「ホントにこんな出張でいいのかなあ?」
車を走らせながら、シンはレイに話しかけた。
隊長から命じられたユーラシアのニュルンベルグ基地への3泊4日の出張。彼が『休暇
のようなものだ』と言っていた通りだった。
基地に着いたら、ユーラシア軍の基地司令と駐留しているザフトの隊長に迎えられた。
西ユーラシアの基地では、このようにザフトを受け入れている基地が半数を超えるという。
だからこそ連合軍、実質的には大西洋連邦軍に狙われると思い、二人は緊張して基地に着
いたのだが、彼らやその部下はごく普通で特に緊迫した地帯に駐留しているとは見えなか
った。
彼らがラダーから降りて、基地関係者に敬礼した時は、やはり「まだ若いじゃないか」
という声が聞こえた。プラントの成人が15歳。ユーラシアの成人が17歳である。16歳で成
長期の真っ只中にあるシンとレイは、地球の人間から見れば、まだ一人前というにはすこ
し幼いのだ。
「レイ・ザ・バレルであります」
「シン・アスカです」
挨拶した二人を、基地司令のホフマン大佐とザフトの黒服のモル隊長は、にこやかに迎
えた。
隊長から指示されていた通り、インパルスとセイバーのマニュアルを渡す。そしてレイ
が代表して言った。
「これは我々が帰還するまでお預けします。規約通りの取り扱いをお願いいたします」
すでに宇宙では、セカンドシリーズより高性能のモビルスーツが稼動している。政治的
な判断で、インパルスとセイバーのデータをユーラシアに渡すことになったのだろう。デ
ータを渡したとしても、無重力下でしか鋳造できない金属を使った部分が多い二機の完全
なコピーを作ることは出来ないし、またナチュラル用のOSでは、のんびりと動く程度だろ
う。コーディネーター用のOSとエクステンディッド――シンの胸が痛んだ――をパイロッ
トにすれば、戦力になるだろうが。
上部の政治取引で、ザフトの技術を実物を見せて提供するということだろうから、シン
たちにはなにもいう権利はなかった。ただ見返りにプラントが何をもらうのかは気になっ
たが、それは一兵士の権限を越えたものだった。
ハンガーでの挨拶のあと、バイエル隊長の部屋に通され、この基地での身分証明書を受
領し、施設の説明を受けた。
「明日は休暇届けを君達の隊長から受け取っているので、このあたりを観光して回るとい
い。ニュルンブルグやフランクフルトには、見所も沢山ある。地球の文明を支えたヨーロ
ッパの歴史を見るのは勉強になる」
「……はい」
「了解しました」
ここまで露骨にお客さん扱いされるとは思っていなかったので、部屋でパイロットスー
ツを脱いで汗を拭いたりパウダーを中にはたいたりという作業をしながら、シンは不愉快
さをあらわした。
「俺たちじゃなくて、モビルスーツさえありゃいいって感じ。運転手じゃなくて、戦闘用
モビルスーツのパイロットなのにさ」
「実際そうなのだろう。こうまではっきり示されるとは思わなかったのは同感だが。とに
かく、明日は丸一日、休日で車もついて来るそうだ」
「それ、基地にいると邪魔ってことだろ」
312 :
383:2006/08/23(水) 17:04:22 ID:???
「確かにな。でも地球の先進地域で休暇があるとは思わなかった。このあたりはガルナハ
ンやディオキアよりずっと反大西洋連邦勢力が強いからな。隊長が言っていたが、西ユー
ラシアは思想的にも軍事的にもカオスな地帯なんだ。西ユーラシアと同じだけの文明の歴
史を持つのは東アジアだけだし、あそこはプラント理事国としての権利には貪欲だったが、
戦争に金を遣う気はないとみえるしな」
「それでも、人口と経済力で、大西洋連邦に対抗できるってか」
シンにしてみれば自分のルーツの国なのだが、東アジアの動かなさは、一介の兵士から
見ても不気味だ。人口の多さから、食料危機や気象の変化を鑑みてあえて動かないのだろ
うといわれているが。
「で、明日、どこに行く? ニュルンベルグの街? それともすこし遠出するか?」
シンの問いかけに、レイは真面目に考えて答えた。
「バイロイトに行きたいんだが。音楽祭のチケットは手に入らないが、リストとワーグナ
ーの墓に詣でたい」
「バイロイト? 近くだっけ」
シンはコンピュータのマップを見る。電車だとペクニッツから支線だが、車で行けば近
いものだ。
「レイ、オペラも好きなんだ」
「目的はやはり、リストの最期の地を訪れたいということだがな。ワーグナーだと『トリ
スタンとイゾルデ』が好きだ。愛の二重唱はいい。でも。器楽曲のほうが好きなのが事実
だ」
シンはワーグナーといったら、タンホイザー序曲くらいしか知らなかった。
プラントでオペラが上演されたことはない。空気も重力もただではない宇宙に住む環境
を作り上げるのは、大変な作業であり、オペラのような大掛かりな舞台芸術を実現するほ
どの国力はない。好事家はディスクで地球の公演を見ているのだ。プラントの原型が出来
たのがC.E44年、まだ30年もたっていないし、独立してからたったの二年だ。それなりの
娯楽施設はあるが、地球の何百年の歴史のある音楽や絵画とは比べ物にならない。そして、
エヴィデンス01の存在による宗教への信頼の崩壊もあって、何かを信じてそのために作ら
れる芸術作品がなくなったのも、プラントに本格的な芸術が根付かない理由のひとつだっ
た。
「そうだよな。レイ、モーツァルトとか、チェンバロ曲とか、好きだよな」
お互い邪魔にならないようにしてても、好きな音楽の傾向はわかる。シンにとっては、
無口で表情を動かさないレイが、音を楽しむために生まれて、才能は天に届くほどあった
のに、一度も人生で上手く立ち回れなかったモーツァルトが好きなのは意外だったし、軽
快なスカルラッティのチェンバロ曲を愛好しているのも、やはり意外だった。
「で、道はこれでよし」
翌朝朝食を摂りながら、打ち合わせをする。ここは旧ドイツなので、朝食はコーヒーと
ブレッチェン、バター、ジャム、チーズやハム、レバーペースト。それに各種のジュース
とサラダだった。
シンは他の人のまねをして、ブレッチェンの真ん中にテーブルナイフを差し込んで回し、
上下二枚に切り分けた。それにバターやジャムを塗ったりして食べるのがこの地方風らし
い。レイも同じく、この基地になじんだ風をして見せるのだが、テーブルにガイドブック
を広げているのと、ザフトの赤服のおかげで誰から見てもよそ者だった。この基地に駐留
しているザフト兵に赤服はいなかったので、「あれがプラントのエリートという奴か
」
「二人ともきれいな顔した子供だな」「モビルスーツ見た? すんげーの、計器類の数と
かさ。ナチュラル用OSじゃ絶対動かないよ、あれ」というような囁きが聞こえてくる。
シンが昔両親に連れられてヨーロッパ旅行に来たのは、10歳の時だった。だから「可愛
いお坊ちゃん」といわれても平気だったが、もう成人だし、かなりむかつく。
「雑音は気にするなよ、シン。俺たちの評価がザフトの赤服全体の評価になることを忘れ
るな」
冷静なレイは、シンの顔に出る感情を読むのはお手の物だった。レイのほうが「あの金
髪、女の子じゃねーの」などといわれて、不愉快な思いをしているはずだ。
食事を終えた二人は部屋に引き取り、私服に気がえた。
「レイ、日焼け止め、忘れてる」
「ああ、すまん」
プラントでは紫外線の量がコントロールされているので、真皮に害を与えるような量は
降り注がない。しかし地球では、破壊されかけたオゾン層を通して、人体に有害な紫外線
が強烈に差し込む。
オーブ育ちのシンにとって、日焼け止めをまめに塗りなおすのは物心ついた時からの習
慣だった。ガンになりやすい遺伝子を除去したコーディネーターに、一番発生率の高いガ
ンは皮膚ガンだ。だからレイのようなコーカソイド系のピンクっぽい肌の人間は、まめに
日焼け止めを塗らなければ、ガンにかかるリスクを自ら増やしていることになる。
そんな事情で地球に来て以来、仲間たちに口うるさく日焼け止めと言って回っている。 ただレイは、一度言われたことは忘れない性格なのに、なぜだかこの日焼け止めに関し
てだけは鈍感な部分があった。
とにかく二人は基地を出発した。夏の終わりなので、日差しはまだ厳しいが、そう暑く
はない。ドライブは快適で、丁度昼前にバイロイトに到着し、観光の前に昼食を摂ると決
め、レイが行きたがっているリストやワーグナーの墓がある住宅街と駅を挟んで反対側の
繁華街のレストランに入った。
席に案内される時、自分の赤い目を驚いたように見られたのにシンは気付いたが、平静
を保った。昔家族旅行で来たときには、茶色いコンタクトレンズをつけた。今の西ユーラ
シアではもうそういうことをする必要はないし、したくない。瞳が赤いのも、髪が黒いの
と同じ、シン・アスカの個性なのだから。
このあたりでよく食べられるらしい鹿のステーキと地元産の赤のグラスワインを注文し
た。鹿肉は思ったより臭みがなく、脂肪分も少ないが、ねっとりと絡みつくような濃い味
がした。
腹ごしらえをして、中心部にある辺境伯劇場の立派さに舌を巻き、車で祝祭歌劇場にむ
かった。駅からなだらかな坂を上ると、赤レンガ造りの建物が見えてくる。
「この道を劇場に詣でるワグネリアンたちにとって、車で行くのは邪道で、ドレスにハイ
ヒールでも、坂を自分の足で登って巡礼するべきだと言われている」
「そうすると、より感動するって?」
地球育ちのシンは、この音楽祭のチケットを入手するには数年待たなければならないこ
とを知っていた。
丘の上の駐車場に車を止める。今日は公演がある日だが、劇場の外側は見ることが出来
た。花壇にきれいに花が植えられ、いかにも特別な劇場な雰囲気をかもし出している。一
年に一ヵ月半、ワーグナーのオペラを上演するためだけの劇場なのだから、近代資本主義
から外れた建物といえるだろう。
劇場の前には、『チケット求む』『タンホイザーのチケットを今日のパルジファルと交
換してください』と書いた紙を持った人たちがたくさん立っていた。
「大変だなあ」
二人は墓地へと向かった。
この街にはワーグナーとリストの墓以外に胸像もあって、どれも観光名所である。だい
たい劇場近くの住宅街には、ワーグナーのオペラにちなんだ名前が付けられた通りがたく
さんある。タンホイザーシュトラッセ、ローエングリンシュトラッセという風に。それが
今では兵器の名前になっているのだ。確かに戦いを取り上げた作品が多いワーグナーだが、
レイは音楽に対する不敬を感じた。
超絶技巧のピアニスト、美男子のプレイボーイ、そして晩年は僧職に入ったリストは、
娘のコジマがワーグナーの夫人となったこともあり、このバイロイトで生涯を閉じた。
彼の墓は小さな白い堂のなかに、簡素な墓石がおかれていた。
ファンが捧げたのだろう真新しい花束がいくつかあった。
シンはなんとなく神妙な気分になったが、C.E以前の習慣である墓と対峙するのにすこ
し恐怖心があった。戦争で沢山の人を殺してきた彼が死体を恐れるというのも変な話だが、
墓石の下に棺があって、そのなかに白骨となった骸骨があると思うとぞっとする。
現在では格別宗教にこだわりがあるごく少数の人以外、墓は作らない。火葬にして散骨
が普通だ。プラントでは死体はコンポストで処理して土に返す。その土は遺族が受け取る
権利を持つが、農業プラントを持つようになった今では、その堆肥にしてくれと国に寄付
するのが一般的だ。宇宙にあるプラントでは、有機物を含んだ土は貴重なのだ。そして戦
争で死んだ人間だけが特別に、墓というかネームプレートをプラントの土の上に得ること
が出来る。限りある土地で生きているプラント人にとって、死者のために場所を裂くとい
うのは、いかに彼らが独立を望みそのために戦った兵士を大事にしているかの証だった。
レイが神妙に頭をたれたので、シンもそれに倣う。リストの曲は『愛の夢』くらいしか
知らなかったが。
堂を出て、レイにリストのどの曲がすきなのか訊いてみる。
「すごく短い曲だが、『ワグナーの”エルザの夢”』だな」
「それって、編曲?」
「ああ。『ローエングリン』のヒロイン、エルザが自分を救いにくる騎士を夢に見た部分
をリストがピアノ曲に編曲したものだ」
「自分を助けに来る騎士、かあ……」
シンはローエングリンの話の筋を知らなかったが、ついステラと自分にあてはめてしま
った。彼女は連合軍のエクステンディッドと言われる特殊な兵士、そして自分はザフトの
兵士、敵同士だということはアーモリーワンの映像で納得したが、彼女を連合軍から解放
して自分のものにしたいという欲望が沸き起こったのだ。もともと彼は所有欲は強いと、
自他共に認めるタイプだ。初めて裸を見て、体と対照的に弱弱しい精神を持った少女を守
りたい、さらには自分のものにしたいと思うのは自然な成り行きだった。
しかし彼は、エルザを助けに来た白鳥の騎士ローエングリンが最終的には彼女から去る
というオペラの結末を知らなかった。
坂を下って、ワーグナーの屋敷だったヴァーンフリート荘に行く。ここにはワーグナー
と妻コジマの墓があって、二人は花に囲まれた墓石の前で、黙祷した。
入館料を払って中に入ると、屋根の高い二階まで吹き抜けの建物だった。
その吹き抜けの一階部分はホールになっており、小コンサートなどに使われたと説明書
きがついていた。
二階に上がって、部屋を見ていく。19世紀の立派な調度品が揃っていて立派だが、展示
してある手紙や資料がドイツ語なので、シンにはさっぱりわからなかった。
「レイ、ドイツ語、読めるのか?」
「英語以外にドイツ語とイタリア語は読める」
「すご。俺は英語と日本語だけだよ」
たいていの国で共通語の英語と地元の言葉が使われている。旧世紀には5000を超える言
語があったが、現在では1000を切っている。地球では失われていく言語を残そうという運
動が盛んだが、話者が数千人単位の言語は、戦争で彼らが住む地に被害が出て難民になっ
たり、食糧難で食料を求めて集団がばらけるだけで、簡単に消えていくのだった。
「音楽用語はイタリア語が多い、作曲家や演奏家にはドイツ人が多い。音楽好きなら、自
然に覚える」
二階をひとまわりして、また一階の広間に戻った。シンはベートーベン、リスト、ワー
グナーとコジマの胸像に目を引かれて近づいたが、レイは羨ましそうにグランドピアノを
見詰めていた。
そのとき、沢山いる観光客のざわめきが止んだ。
なんだろうと思ってシンが振り返ると、白いクラシックな服を着た黒髪の男が杖をつい
て入ってきたところだった。
目が見えない人だとさとり、彼がこちらに来るようなら、邪魔にならないようにしなけ
ればと思った。その人物は静かになったホールを閉じた眼で見渡すような仕草をすると、
杖を使いながらまっすぐに歩き、シンの近くに立った。そして、顔をシンに向ける。
もしかして見えてるんじゃないかと疑ったが、眼窩の周囲の筋肉が発達していないので、
目蓋を開け閉めする習慣がないのだとわかった。
「君」
豊かな声で話しかけられ、
「俺、ですか?」
と問い返した。
現地人との接触を気にしたのか、レイがピアノの脇からシンのそばにやってきた。
「そうだ、君だ。君はSEEDを持っているのだね。人類の未来を担うものだ」
「はぁ?」
新興宗教の教祖かなにかだろうか。
「ぜひ今晩祝祭劇場で上演される『パルジファル』を聞きなさい。お友達も一緒に」
彼が身振りで指示すると、そばについていた男が、チケットを二枚取り出した。そして
盲目の男はまごつくシンにそれを押し付けた。
「必ず、だ。君の運命が開かれる。また会いましょう」
そう言って、男は去っていった。
呆然とする二人を尻目に、周囲から
「マルキオ導師さまみずから、チケットをお渡しになるなんて」
「君たち、今日は4時開演だから、早めに用意をしなさい」
こんな声が掛けられる。あの盲目の男は有名人だったようだ。
「これ、何時に終わるんですか?」
押し付けられたチケットを見ながら、シンは訊いた。
「11時ごろよ。三幕物ですからね」
「外出許可って、何時までもらってたっけ」
「7時」
「じゃ、見れないな。もったいないけど」
「いけません、せっかくのマルキオ導師のお誘いです。外出許可って、学校の寮ですか?
わたくしがかわりに連絡してさしあげます」
権高そうな老婦人に言われた。
「い、いえ、軍人なんで、基地です」
「それならユーラシア軍の将軍に話をつけてやろう」
その婦人の夫らしき男性が言う。
「君達の名前は? 所属は?」
「ニュルンベルグ基地に出張中のザフト所属、シン・アスカとレイ・ザ・バレル」
勢いに押されてついつい答えてしまった。
男性はその場で携帯電話で本当に話をつけてしまった。
「さて、君達の休暇は明日の12時までに伸びた。ホテルを紹介してあげるから、そこで貸
し衣装を頼みなさい」
「…………」
なにか、あっという間に妙なことに巻き込まれたような気がした。
317 :
383:2006/08/23(水) 17:15:02 ID:???
303誌のKQ、いいですね。
自己申告で、3です。4かもしれないけど、本人は3のつもりですな。
>>301みたいな設定なら、はちゃめちゃで面白いものができそう。
でも基礎の出来てない人が描いたシュールレアリズムやキュビズムみたいになりかねないか。
絵にしろSSにしろ私は下手なものは苦手、というのは事実です。見ないし、読まないしね。
乙です!
遂にSEEDの宗教がキタ!
お前のSSは偉そうに言うほど面白くないよ
それと何でお前に対するマンセーレスはほとんどがお前の自演に見えるの?
GJ!!
夏が終われば荒らしも去るさ。
あとがきには、名前欄にあとがきと入れてくれたら有り難い。
それで幾分か荒れなくなるんじゃないか。
>君の運命が開かれる。
果たしてこれはどういう意味か…。
383氏はひどい人だ・・・
読んでて腹が減って仕方ない
マルキオ導師との接触きたー!
洗脳もどきだの宗教勧誘だのとかなりえぐい展開の予感だ
383氏のシンはそれなりに意志は強いようだから心配ないと思うが
何の影響もなければそれはそれでつまらないかもなというジレンマw
導師が他のSEED因子持ちのキラアスラクカガの現状をどう思っているのか気になる
うん、今回も面白かったし、小説は素晴らしいと思うけど・・・
正直、職人さんはもう少し謙虚にするか、言葉を選んで欲しいよ
せめて上から見るような言い方はやめてほしいなぁ・・・(´・ω・`)
えーっと、つまりアレか?
新シャアで一番上手いSS職人連れてきて、意見させればいいのか?
・・・Xスレか?
それもそれで383氏のキャラって感じはするがな
SSのあちこちにも皮肉屋なとこが出てるし
383氏がロボトミーしたら383氏じゃないと思うぜ
>>329 あれはスーパーロボット大戦だから
ガンダムSSでは無いと思う、個人的に
333 :
331:2006/08/23(水) 23:31:11 ID:???
>>332 名無しの読者の一人だよ
そういう感想を持つものもいるということさ
>>330 皮肉なら作品内で存分に言えばいい
>絵にしろSSにしろ私は下手なものは苦手、というのは事実です。見ないし、読まないしね。
これなんか皮肉でも何でもないし
当たり前のことをわざわざ口に出していう人間にはセンスを疑ってしまうな
気にする人は気にするんだろうが、別にオレは高慢チキだろうが、ド〇ュンだろうが、SSが面白けりゃそれでいいよ。
SSの面白さと、職人さんの品行方正さの両方を求めるほど、傲慢にゃなれん。
ま、あくまでも個人的意見。
だから名前欄に(ry
何でお前に対するマンセーレスはほとんどがお前の自演に見えるの?
・私は職人といわれるのは、嫌いです。
・さらに「職人は謙虚であれ」というこの板の風潮は、大嫌いです。
・私が書いているものは、二次創作小説であり、SSと言われるものに含まれるようですが、そう分類されるのを好みません。
・SSといわれるものでは、小説の形式を守っているもの以外、読みません。
ためしに他の形式のものを読んでみましたが、10行読むと頭痛がします。特に、地の文と台詞の間に一行アキを入れる
書き手さんの 心理が知りたいです。台詞を効果的に見せるためなら、小説には成立したテクニックがあるのに。
とりあえず中学校の国語の教科書を読み返してもらいたいものです。
・義務教育中の書き手さんは、国語の勉強、頑張ってください。
作家の言うことは、うそが一杯混じってます。でないと小説、後書きやエッセイなんて、成立しません。
では、次の投下までごきげんよう。
逆に383氏煽ってんのが0083スレ荒らしてるヤツと同じに見えてしょうがない俺
あそこも作者が叩かれて結局荒らししかいないスレになっちゃったからかな…
まぁ、あそこはだんだんクオリティだけが下がってったせいもあるだろうが
ちとウザいかもしれんが作品も作者も個人的に気に入っている者として言うならば、だ
プロであれアマであれ、文章を扱うことに関してある程度自信を持っている人間っていうのは
誰かしら他者を見下しがち…というか優越に浸りやすく自分の秤で全てを見てしまうことが多くみられる
もちろんソコには自分なりの理屈や常識的な視点に基づいた上での評価、対応などがあるんだろうが
自分の秤で自身より下だと格付けされた相手に対して、そういった自身のプライド故に善意であれ助言であれ
「上から物を見ている」言い方をすることが非常に多い。そして端から見る人はそれを「傲慢だ」と言う
物書きってのはそういう人間だけじゃあないが、俺はそういった人種と交流が多かった時期の事を思うと
相対的にプライドの高い人間が多いのも確かだ
というよりも現実に他者から支持されるようなものを生み出せるのだからそれは誇っていいことだと思う
それがこんな掲示板の片隅で日々投下されるだけのSSであっても、だ
自分の作ったものにプライドを持てないヤツは同人作家にすらなれん
ただ、そのプライドの方向性を見誤ってしまってただの器の小さい野郎になっちまうのは
いくらなんでも損しすぎじゃあないかとね?
俺はどっちかっつーと斜に構えた物言いされても手叩いて笑える人間だけどさ
叩きたがり屋はそれ見ろと叩くと思う。そしてきっと383氏はそれの全てに反発するだろう
けどその反骨精神の全てが383氏を粗末な物にしていくだろう
そしていつかはその作品まで周囲から貶められるだろう。どんなに面白くても
俺はそれを危惧してならない。実際にSSスレじゃこんなケースもたまにあるからこそ
383氏よ
あんたの世界が小っちゃくないのは目に見えてわかる
創作にあたってしっかり自己否定ができる人間であることもわかる
だからといってあらゆるケースで他人からの否定の声が価値の無いものではないのだと
分りきった事を今更の様に言わせてもらいたい
あんたの作品がここの住人全てに愛されて惜しまれながら終焉を迎えられるようにと
さて、荒らしに反応してどうでもいいクソ長文垂れ流しちまったよ
無駄に行数消費した分荒らしよかタチ悪ぃな('A`)
・私は職人といわれるのは、嫌いです。
・さらに「職人は謙虚であれ」というこの板の風潮は、大嫌いです。
・私が書いているものは、二次創作小説であり、SSと言われるものに含まれるようですが、そう分類されるのを好みません。
・SSといわれるものでは、小説の形式を守っているもの以外、読みません。
ためしに他の形式のものを読んでみましたが、10行読むと頭痛がします。特に、地の文と台詞の間に一行アキを入れる
書き手さんの 心理が知りたいです。台詞を効果的に見せるためなら、小説には成立したテクニックがあるのに。
とりあえず中学校の国語の教科書を読み返してもらいたいものです。
・義務教育中の書き手さんは、国語の勉強、頑張ってください。
作家の言うことは、うそが一杯混じってます。でないと小説、後書きやエッセイなんて、成立しません。
では、次の投下までごきげんよう。
>>338 お話の主旨は理解したつもりです。
しかしそれを現段階でストレートにおっしゃるのは損です。
383氏は真っ直ぐでプライドの高い方なのでしょう。
ですが今はぐっと堪えて損得勘定をするべき時ではないでしょうか。
もう少し時間が立つことで383氏の支持者も増えると思います。
自分が通したい意見でしたら、より効果的な時に発言なさるべきだと思います。
今の不安定な空気の中では、受けなくても良い抵抗を受けることになってしまいます。
シンとレイが穏やかな時間を過ごすことができてよかったです。
正反対のふたりが静かに深める友情につい微笑を浮かべつつ拝読しました。
しかし急展開ですね。
シンとマルキオ導師はゆっくり話をする機会はあるんでしょうか。
とりあえずレイがコンサート聴けそうでなんか嬉しいです。
GJですた!!
>>338 なんでそう頭だけでかんがえるんだ?
そんなのじゃ、疲れるばかりじゃないか!
相互理解?
「私を理解しろ!」にしか見えんw
なんだかなあ、383氏が、氏の書くイザークに重なるよ…。
別にいいんじゃない?職人が謙虚である必要はないし。
>>345 謙虚である必要は無いが、だからって挑発してどーすんだと
> とりあえず中学校の国語の教科書を読み返してもらいたいものです。
こんなこと書いて一体、何がしてーの? スレを自分で荒らしたいのかよ。
383氏からは・・・何だろう
凄く富野監督のオーラが出てる
383氏がこの板のスレッドで二次創作小説?を書く意義って何?
個サイト作ってくれたら喜んで通うよ!
そこなら383氏のパーソナルスペースだからいい小説書いて、気に入らない風潮に毒づいて
自分より下手だと思うほかの作家さんを見下して小ばかにしてもいいと思う。
ここと同様、荒れるかもしれないけど。でも383氏がそうしたいならすればいいと思う。
個サイトなら。
スレは、職人さんだけのものじゃない。
穿った見方をするなら、「107はアウルが嫌いだったから最初に殺したに違いない!!!1」
と言い出すキャラ厨が出てきても不思議ではない品。
誰だって書きたい事を書けるんだ、他人の書き込みに干渉しようなんて不毛。
83もそうだったが…書くと決めたらそうするだろう。実質阻まれることなんてないのだから。
小説以外でも語るという意思があるなら、やはり時折語り続けるだろう。
止めることなんて不可能なのだから作者の語りが嫌な人間は退避するより手は無い。
383は大抵名乗ってることだし、NG指定でも何でもすればいいじゃまいか。
351 :
349:2006/08/24(木) 13:18:45 ID:???
100レス近くぶっ飛んだ亀レスにアンカー付け忘れで意味不明になってしまった。
忘れてくれ。
383氏は確かに自分の書き方にプライドを持っている。それが高慢に見える人もいるだろう。
が、「地の文とセリフの間に一行入れる人の心理が知りたい」とは言っても
「地の文とセリフの間に一行入れる奴は認めない」と「否定」に走らない辺り良心を感じるのだが。
…まあこれは富野や押井のような天才は大体キチガイと紙一重である、という先入観に基づいているかも試練がw
>>349 無理があるだろ。もうやめろって…みじめにならないか?
まぁ何だ…このふいんきを脱するためにもここらで107の続きキボンヌ
383の方もSSは興味深く読ませてもらってるが
>>352 何が?
…まさか、383擁護は全部本人の自演だと本気で思ってる方ですか?w
匿名掲示板でプロを気取ることに何の意味があるんだ?
383は言いたい放題のくせに暗に叩かないでくれとかチキンなことを言っていたし
富野と比べるのは失礼だよ。
本人の言動でスレが荒れたり叩かれたりするのは自業自得
まあ確信犯(誤用)の本人より擁護する奴が馬鹿なわけだが
…と、荒らしを正当化する0083スレ潰しの犯人君であった。
0083スレのことは知らんが383は釣り好きな奴だ。
>>351のような「俺は本物がわかってる」つもりの
信者の頓珍漢な擁護レスを見てニヤニヤ笑ってるタイプだな
>>351 いや、完全に否定してるようにしか感じないよ。
大体自分だってこんなとこでSSを投稿してるのが
関の山の癖して、一体何様なんだといわれても仕方ない。
要するに383は身の程をしれっつーことだ
もううんざり。
383氏には、発言のたびにスレが荒れる事実を認識して頂きたい。
こんなところで持論のごり押しをして何になる。
>・義務教育中の書き手さんは、国語の勉強、頑張ってください。
これを見る限り、ご本人は義務教育は終了されている年齢なのだろうから
以降、383氏には大人の対応を期待させていただく。
107さんまだかな……
・私は職人といわれるのは、嫌いです。
・さらに「職人は謙虚であれ」というこの板の風潮は、大嫌いです。
・私が書いているものは、二次創作小説であり、SSと言われるものに含まれるようですが、そう分類されるのを好みません。
・SSといわれるものでは、小説の形式を守っているもの以外、読みません。
ためしに他の形式のものを読んでみましたが、10行読むと頭痛がします。特に、地の文と台詞の間に一行アキを入れる
書き手さんの 心理が知りたいです。台詞を効果的に見せるためなら、小説には成立したテクニックがあるのに。
とりあえず中学校の国語の教科書を読み返してもらいたいものです。
・義務教育中の書き手さんは、国語の勉強、頑張ってください。
作家の言うことは、うそが一杯混じってます。でないと小説、後書きやエッセイなんて、成立しません。
では、次の投下までごきげんようまんこ。
こりゃひでぇ・・・職人本人がXスレを叩いてる
いや、そりゃ嫌いは嫌いで構わないし、
あれだけ人気のあるスレだからアンチが多いのもわかるけど、
そんなこと言うもんじゃないよ・・・(´・ω・`)
別に、383氏が、自分がX運命氏よりはるか上の物書きだと思うのはぜんぜん構わないけどさ・・・
なるほど、自分が見下してる奴が自分より人気があるのが気に入らないんだな。
107氏もマンセーレスついた上に、指摘されることはあっても自分と違って叩かれたりしなかったしな。
それが悔しかったのか。
精神年齢低すぎw
383氏の一行目と二行目は超賛同するな
他はドコを重んじるかの好みだからなんとも言えない
X運命氏って誰?
>>365 >>ためしに他の形式のものを読んでみましたが、10行読むと頭痛がします。特に、地の文と台詞の間に一行アキを入れる
>>書き手さんの 心理が知りたいです。台詞を効果的に見せるためなら、小説には成立したテクニックがあるのに。
>>とりあえず中学校の国語の教科書を読み返してもらいたいものです。
383氏がこうやって叩いた人
X運命で検索してかかったからざっと見てきたけど確かに見づらいな
謎のインデントと改行で・・・
内容は面白そうだったよ
職人は謙虚であれとは思わないけど、見下すことはあって欲しくないと思う。
作品の補足を読むのが凄く好きなのだけど、作者の人柄を気にしてしまう自分は
作品を純粋に楽しめないほど作者の顔が出過ぎるのがちょっと困る。
文章書きとして自分が書いていることを十分にアピールしたいかもしれないけど
申し訳ないがあとがきの際には「あとがき」って文字を入れて頂けないでしょうか。
NGワードに指定して読まないようにさせて頂きたい。
だめならまとめサイトに上がるまで待つことで何とかします。
好きだからこそ氏のそういう側面を見たくないんだ。
つか、そんなにX運命が気に入らないんなら、あっちでSS書けばよくね?
で、向こうの住人にどっちが素晴らしいか判定してもらえよ
少なくとも、ここで他スレに対して吠えんでくれ・・・('A`)
このスレは痛い職人が痛すぎるんで
たま〜にいる善良な住人さんがまぶしく見えるなw
今は107氏に期待
今までの流れを見ると
>>329で新シャア板でいちばん上手い職人がXスレと言われたんで
むきになって否定しているってことか?
383がやりたいのは人間性をボロクソ叩かれても作品だけは支持される俺様カコイイ!だろ?
だから良識派の住人がやんわり注意しても、アンチがどれだけ叩いても態度を改めることはないと思うよ。
Xスレと戦争になってここのスレが潰されでもしない限りは。
痛い住人も夏が終わったら静かになるかな…
なんか誤解されてるかもしれんがX運命イマイチと言ったのは一読者、つまり俺で383氏では無いぞ?
これも自演とか言い出すならもう何も言わないが…
感想なんて人それぞれなんだし、いちいち噛み付いても意味無いと思うぞ
>>374 >>ためしに他の形式のものを読んでみましたが、10行読むと頭痛がします。特に、地の文と台詞の間に一行アキを入れる
>>書き手さんの 心理が知りたいです。台詞を効果的に見せるためなら、小説には成立したテクニックがあるのに。
>>とりあえず中学校の国語の教科書を読み返してもらいたいものです。
いや、この文のことな
主だったSSスレで、地の文とセリフ一行を空けているのはX運命しかいないわけで・・・
383氏は、X運命氏へ遠まわしに中学校の国語の教科書嫁と言ってるわけな
ど う で も い い
面白い話が読めればそれで充分、後は何も要らんよ
一行空け多用するPP戦記とか隻腕のがコイツより面白いから道化にしか見えんw
>>372 うん、俺もそう思う
そういった意味で383氏の歯に衣着せぬ言い方はけっこ好きだったんだけど
今の現状はまるでちょっとした料理人がファーストフード店でコーヒーすすりながら
ジャンクフードを貶してるような、いわゆる場違いな人になってきてるんだよな
場違いでもどーでもいいよ
いちいち拘る奴らがわけわかんね
俺は383氏の小説好きだ
別に、職人さんが常に舞台裏という必要はないんだから、383氏もコメント出してもいいじゃん
なんで、住人がこんなに反応してるのか分からん
>>380 それは383のSSが本人が偉そうに言うほど面白く無いからだと思うが?
つまらんとは言わんがはっきり言ってそこまで面白くない
でも、スレの滞りない進行を望む住人だったら、
荒れる原因になるような事は言わない、例え正論でも空気を読んで、
控えるべき時には控えるのができたほうが良いと思う。
俺は383氏のSSが本当に好きだよ。新シャアで一番好きだ。
でもここは氏の個人サイトじゃないんだ。
謙虚である必要は勿論無い。
でもここが公共の掲示板である以上、氏の肩書きは一人の「発言者」「記事投稿者」以上のものになることはない。
ようするに住人は平等だってことです。
氏に、外から荒しを呼び込みやすいような空気を作って、
スレの穏便な進行を妨げる権利は無いと思うんだ。
ほんとに383氏のファンなんだよ。結末までここで楽しみたいんだ。
・調子こいてるヤツには重箱の隅を突付くかのようにケチをつけたがるおこちゃまがいる
・そんなヤツらのせいでスレが荒れるのを好まない良識派がでしゃばる
・結果スレ違いな議論が始まってそれに書き手が強気で答えてまたそれに荒らしがつっかかる
・だんだん書き手の態度にも問題があるんじゃないかと良識派がでしゃばる
・荒れてきたから荒らしも大喜び
・その現状に飽きれてスルー能力のあるヤツも「なんで過剰反応するの?」と言い出す
↑今ここ
で?あなたは?
いつまでも粘着してさ…そういうの、下らないんだからッ!
大人しく投下を待つのが一番だ。続きも気になるしな。
もしかしてインパとセイバーは現地軍に渡るのか?
>>383 その都合のいい認識は改めた方がいい。
きちんと地に足をつけて現実を見ないと進歩ないよ。
>>387 あの…それって383氏じゃなくて
>>383の俺のカキコだろうか
荒れてる現状の根源はともかく住民総出でそういうサイクル作ってんだから
藻前らモチツケよって、ママーリしようぜって
できるだけ遠まわしにオブラートに包もうとしただけのつもりなんだが
あのさあ、作者に謙虚になれっていうなら、読者も謙虚になれよ
なにこの「読者は好きなだけ作品や作者を批判していい
作者が読者についてとやかくいうのは許されない」みたいな態度
普通に作品読んで、普通に作品についての感想カキコすりゃいいじゃない
お金を取るってんなら、
>>383氏の言う事は最もだと思う。
だが、お金を一切取ってない、こういう匿名掲示板での投稿では、難しいところだと思う
確かに読み辛いのは困るけど、こう・・・改行殆ど無し、とか誤字脱字が余りにも多い、とか
そういうのよりも、お話の面白さの方が優先されるんだと思う。
だってさ、そのSSを読むのは素人さんばっかりなんだから、ガッチガチにしなくても、文体なんて誤魔化せてれば良いんじゃないかな?
>>386 そうだな…俺も本当は素直に続きをwktkしたいんだ…
ソコでマルキオじゃなくてインパセイバーにすっとぶお前のこと…嫌いじゃないぜ
っつーか機体を引渡しする意味も理由もないだろ?
機体のデータ引渡しってちゃんと
>>311にも書いてるよ
俺は383氏が書く教祖マルキオがシンとどう絡んでいくつもりなのかだけが気がかりだよ
シンは今自身を支える「守る対象」が揺らいでるから宗教とかにはコロっと騙されそうで(´□`;)
マルキオ次第じゃもしかしたら今後、本編ではあり得なかったシンとラクスの邂逅も出てきそうだな
シンラクが来るなら是非ともシンにラクスの偽善者ぶりをぶった切ってもらいたいもんだがw
名前のある者の発言は無い者の発言の三倍目立つという事をまず理解して頂きたい。
名無ししか出来ないお前等にはそこんとこ分からんだろうけど。
いいたんだか
何か勘違いしていないか?
>>388 >荒れてる現状の根源はともかく
スレに毒を撒き散らすその根源になんとかしてほしくて皆苦言を呈しているんじゃないのか?
荒らしというが、見た者を不愉快にさせる383氏の発言が、
不愉快な思いをした人たちに叩かれているだけだろう。
>>389 >「読者は好きなだけ作品や作者を批判していい
>作者が読者についてとやかくいうのは許されない」
誰もそんな態度はとってはいないだろう。
ただ、「作者が、他の作者について見下すような物言いをするのはやめて欲しい」という
意見は複数あったように思う。
383氏の態度や発言は、私の知っている限りのどの板、どのスレでも
同じような反応が出るように思われるが。
否定的な感想はキャラ厨の発言もしくはいちゃもんとしか受け止めることができず、
自身の価値観に固執してその板で通常使用されている呼称すら認められず、
同じ理由で更には他の職人の創作さえも認めることができないというのなら、
冷静に考えて、掲示板への作品発表は383氏には不向きなのではないかと思う。
それでも敢えて個人のサイトではなくこのスレに投下を続けられるのなら、
せめてご自分の発言で周囲の不快指数を上げるのは避けていただきたい。
2ちゃんには好き好んで相手に不快感を与える者がごく普通に存在するが、
383氏も、そんな輩が人間的にまっとうだとはお思いではないはずだ。
>>392で書き込まれている、
>名前のある者の発言は無い者の発言の三倍目立つという事
を、是非383氏にもご認識頂き、ご発言頂けたら、心からありがたく思う。
で、だ
言い足りない人もいるかもしれんがここまで来たらループしてくると思うしそろそろこの話題切んねぇ?
っつーかどんだけ叩かれても咎められても現状で本人に改善の意思が見られないなら
俺らで言い合ってても不毛だろ
383氏がイタイ子で正直黙って欲しいのは十人十色の意見ながら皆思ってんだから
>>395が現段階の最後通告ってことにしといてやってくれ。俺はそろそろ飽きてきた
なんだ、スレのびてるが投下じゃないのか。つまらん。
>>396でいきなり総意を決めてるあたりが巧妙なループ阻止だな
クルーゼが微笑んでそうな憎しみの連鎖ですね^^
383はどMの変態で叩かれると欲情する変態だからもう喜ばすの止めようぜ。
>>399 憎しみなんてない。
人を楽しませ、また続きを期待させるSS…ではなかったな二次創作小説を書ける、
もっと健全な形でスレを盛り上げることができる人物なのに、と
惜しまれるだけだ。
むしろ383氏って
自分に批判的な人間よりも、賞賛や擁護を煙たがりそう。
比べちゃ失礼とはいってたがやっぱり富野気質ナンジャネーノ?
383の話題もう止めろ
お前等がスレの空気悪くしてるんだよカス名無しども
カス未満の名無しがなんか言ってますね^^
インパとセイバーのデータが提供されたってことはユーラシア軍が話しに絡んでくるのかな?
インパ&セイバーの発展機とか出てきたりするのだろうか
それならアレだ、セカンドステージのデータを盗用した大西洋連合軍の新型とかも欲しいな
本編だとなんでガイア・カオス・アビスを強奪したのかサッパリ判らんかったが、強奪三機を元にした新型が新たな強敵として立ちはだかったりしてくれるととても嬉しい
あぁ、発展機ってのはすごくアリだな
種、種死かけてダガーくらいしか目に見えて試作機のデータが役に立ったようなヤツはいなかったし
こっちじゃアシーネイージスは出てるけど、本編じゃせっかくの最新鋭機がレギュラーメンバーと一緒に使い捨てにされてたよなぁ
種死の強奪はほんと戦争の火種とミネルバの受難のためにとって付けたようにしか見えなかったし…
ここいらで強奪三機の流れを汲んだのがファントムペインのタニスの専用機にってことになったら激熱だぜ!
うーん、ユーラシアは種でもアルテミスでストライクのデータを欲しがってたし
なにかと大西洋連邦を出しぬきたいのもあるんじゃないだろうか
そこいらは上の人間同士で行ったなにかしらの交渉の材料でしかないと言えばそれまでだけど
にしてもシルエットシステムと高機動可変MSか…
シルエットシステムは戦艦に対応させることも含めてコストがツライだろうし
可変はムラサメがあるし…なんか旨みがなさげに見えるなぁ
出来るとしても出力とかOSとかもっと基本的な技術面の底上げとか程度じゃないだろうか
でも外装とかそういった金属は重力圏じゃ作れないとかも言ってたし
ナチュラルじゃセカンドシリーズを上回るMSにしてもパイロットが付いて行けないとかも言ってたし
あんま今回の機体データの提供に関しては深読みしなくてもいいかもしれん
「まぁ、できるだけ表面上は仲良くしましょうね」って言うためだけのシビアな取引だったんじゃないだろうか
>>406 ガイアダガーの事も思い出してあげてください
383氏の発言は、福田監督の
「んで、ジャスティスは、ほら、ウルトラマンとかあるじゃない。それとかぶるから普通避けるよね、でもこっちは
天下のガンダムだよ、お前らが避けて通れ、ってな感じだな。」
と同じ匂いがしますね。
これが正しい小説の書き方だ、という自身を持つのは素晴らしい事ですが、
だからといって他者を蔑んだり見下したりする発言をするのは避けるべきです。
残念ですが、貴方の作品投下以外の発言をする度にスレが荒れているのは事実です。
この事実をどう受け止めるか、そしてどう立ち回ればいいのか。
それを考えるのが大人の対応ではないでしょうか。
流れに逆らって長文で掘り返す410も大人の対応じゃねえな
荒らしだろ?放っておくのが一番さ
仮にセカンドステージ発展機が出るとしたら、デュートリオンシステム対応機になるんじゃないかな
…それ以外に旨みが無いと言えなくも無いが
>>412 デュートリ以外に可変機能含めた旨みを考えてみよう。
・カオスからはペルグランデより進んだドラグーンシステム
(ムラサメにしてやられてるので空中での機動性はそこまで上には見えない)
・ガイアからは新型四脚MSの制御プログラム
(バクゥでのキャタピラを只の脚にしたのは?あの細脚でどうやって機体を支えてるか?等)
・アビスからは水中での高機動性
(ヴァーテックスよりいいだろうしなあ、明らかに)
というところだろうか。
まあ、MSでの限界から段々MAにシフトしていくんじゃないだろうかね<ナチュ側戦力
そして俺のレスも段々と板違いになってる気分(苦笑)
>>412 荒らしっていうか、やっぱりまだ与えられた火種が燻ってる人はいてもしょうがないと思うよ
あの流れを時間差で見てまだ喋っていなかったって人もいるだろうし
でもそれに関しては充分発言されたし、できればグっと堪えてほしい
でなきゃいつまでたってもその話題から離れられない。それはあまりスレの為には好ましくないと思うんだ
俺は普通に導師とシンの会話が気になる
続きが読みたい
日焼け止めに無関心なレイに心が痛んだ
417 :
416:2006/08/26(土) 15:58:35 ID:???
あ、決して叩きとか、そういうのじゃないんだ
レイは恐らく自分の寿命に関して知っているんだろうな、
だから、今更発癌性を抑えるためのUVカットになんて関心ないんだろうな、
と思って、そんな宿命を背負っているレイが痛々しかったんだ
何か流れ的に誤解されるのが心配で…
連投スマソ
日焼け止めをしないのに肌が白いレイが憎いお
手入れしても肌にはシミが…(´・ω・`)
日焼け止めのせいだとしても、オーブ育ちのシンが真っ白なのは
どういう事だろう、と本放送時ずーっと疑問に思っていました。
よっぽど高性能な日焼け止めなんだろうか……こまめなシンというのも
なかなか本編からは想像つかないものでしたが。
こちらのシンは、面倒見が良くて仲間思いで良いですね。
>>417の通りのことを思って、レイが幸せになれる道がないものか、
泣きたい思いに駆られましたが。
age
クローンゆえの寿命については何やら動きがありそうな複線は張ってあるけどね
アレッシィがネオを追い回してるのはレイの寿命を延ばすためだぞ
一人そういう人がいるだけでもちょびっと救われるよ…
>>422 追い回すという表現に何故かワロタwww
>>422 まぁそうなんだが、今描かれてる方法はどう見ても……うーん。
とりあえず、そのままで延命出来る方法はないのかなぁ、と。
レイの日焼け止めを忘れるのは何かのフラグなんだろうか?(この小説内だと、どちらかと言えばちゃんと記憶してそうなタイプなんで)
後、体がネオになるとストレートから金髪ワカメ頭に。
>>425 >>417 レイが日焼け止めに関心がない理由。
プラントじゃ、死人はコンポストで堆肥なのか。まあ、UC含めコロニーじゃそれが一番有用だと
思ってたけど。
確かに今の世界でも、死体や遺骨に日本人は異常な執着を持つから、抵抗を感じるんだろうな。
基本的に経典の民とヒンズー教徒、チベット仏教とはbodyに興味ないし。東アジア特有か。
427 :
383:2006/08/27(日) 12:28:03 ID:???
383氏のSSがあるから俺は生きていける
そーいやラウもムネオもワカメなのにレイはサラサラなんだな
なんかラウより寿命短いみたいのに関係あるんだろうか>遺伝子的な問題で
…(゚Д゚
ってことはアフロぐらいやっちゃえばレイの寿命もぐんと延びるってことか!?(゚Д゚;
>>428 髪質は遺伝的なもんだろ
コーディネイトしたのか…?
>>428 >>428 若いからお洒落に気を使ってるんだよ
毎日トリートメントは欠かせません
多分シンは無頓着だな
同じ遺伝子のクローンでも発現する形質が全く同じとは限らないらしい
>>431 そういえば身長差があった。
しかしコーディネーターは十代とは言え小柄だった気がする<本編
背丈が美的感覚に含まれなくなったのかね。
レイ「俺はクローンだからな、こうしないと長く生きられないんだ」
シン「ちょwwwおまwwwwアフロwwwww」
レイ「ストレートヘアはダメらしい、アレッシィ隊長が言っていた」
ラウ「ほう、すごいな…まるでジミ・ヘンドリクスかロッキーのアポロの様だ」
シン「テロメア関係ないだろ!!隊長もそんなタチの悪い冗談言っていいと思ってんですか!!」
ラウ「これが人の夢!人の望み!!人の業!!! 人が数多持つ予言nぶべら!!」
シン「あんたって人はぁあああああ!!!!」
ラウ「ちょ…まっ…レイ…ボスケテ…」
レイ「…気に……するな…俺は気に…しな…うっ…ぁぁ…あああああ!!」
(永遠にお待ちください)
こうですか!わかりません!!
ワフロレイwwww
>>429 同じくクローンで遺伝子に欠陥がある二人だが
ワカメよりはサラサラの方がこう、儚げでより生い先も短くなさそうじゃない?って意味でさw
つーかマジでアフロにしやがったwww
物理的にいじっても意味ないって気づいていてもすがりたかったんだろうなレイよ…
レイ・ザ・アフロ
>>433 GJすぎる。今日からおまいのあだ名はアフロくんだ
俺は今、モーレツに感動している
このスレでおそらく初めてのギャグに笑いが止まらんwww
誰か絵にしてくれ頼む。
アフロキャラでもカッコ良くなるのはイデオンで証明済み
慣れれば平気だ!ワカメよりマシな筈。
そうだな、レイがアフロなったって、声がビルギットになったって
君は君じゃないか!
(´д`)
さてそろそろ落ち着こうぜ
皆飢えてるんだよ
383氏マダー?107氏マダー?
まねぇ…383氏の話ではこういうネタはまずありえないだろうしw
ヘビーかつシビアな作風だからな
そこにしびれるあこがれるぅッ!!てなもんだ
なまっちろい病的な優男系で肌の露出なんざ口元だけだったあのクルーゼが
アレッシィとなってから色黒テカテカマッチョなノースリーブイタ公風味になったという外見設定は
レイのアフロよりよほど強烈なネタだと思うぞ!
はいはいわろ(ry
449 :
383:2006/08/29(火) 00:17:03 ID:???
アスラン・ザラ少尉はアポイントメントを取っておいた時間きっかりに、ネオ・ノアロ
ーク大佐の部屋をノックした。
「アスラン・ザラ少尉です。入室の許可をお願いします」
以前より音は高くなったが、ぴりっと引き締まった声だった。
「入りたまえ」
落ち着いた声に答えて、ドアが開いた。入室して大佐の前で敬礼する。規律を守ること
に喜びを感じるようになった。軍人とは本来、そういうものでなければ、国を、国民を守
れない。階級のない適当なザフトにいた時代は、遠い昔のように思われた。
「君からの上申書は読んだ」
こう話す上官は、淡い金髪といい、声音といい、ザフトのころの上官を髣髴とさせるも
のがある。ただこうして素顔で、汚らわしいコーディネーターの自分を部下として認めて
くれるノアローク大佐は、立派な『軍人』だと思う。ラウ・ル・クルーゼ隊長は、彼の父
親のパトリック・ザラと親しかったために、政治的な思惑でアスランを贔屓したのだ。
「ありがとうございます」
叩き殺されてもかまわないつもりで書いた上申書だった。冷静でハンサムな上司がどう
評価したのか気にはなるが、とにかく口をぎゅっと結んだ。
「君の、アシーネイージスとヴァーチャー少尉のウィンダムについて、OSのヴァージョン
アップなりなんらかの手段で、戦闘力を高めてほしいという要望はよくわかった」
アスランは目礼で答えた。
「エルドリッジ少佐からも同様の意見が出ていて、方向性を考えていたところだ。」
少佐の指揮下、まだアゴストも元気に生きていて、必死にパナマ攻略戦に参加した日の
ことが思い出される。彼女は自分たちを見ていてくれたのだ。汚れた遺伝子を持つコーデ
ィネーターであっても、部下として。
「OSのヴァージョンアップは可能だ。鹵獲したザフト機から入手したデータがある。それ
を君達の機体用にカスタマイズする。あと、先日の戦いで君達の反応速度が機体性能を上
回ることがたびたびあった。OSだけでは心もとない。いったん本国に戻らなければならな
いが、部品にマグネットコーティングをかける技術が開発された。ただしまだ、部品にコ
ーティングをかけて動きがよくなったという段階だ。モビルスーツ一機の部品すべてにか
けたとして、理論値では6%機動性が増すということだ」
「大佐、もし自分に選択権が1%でもあるようでしたら、自分は是非にとお願いいたしま
す」
「よろしい。君の意見は理解した。あとは技術部と相談して決める」
「了解しました、サー」
心を込めた敬礼をして、アスランは大佐の部屋から下がった。
部屋に戻って、深呼吸する。大佐や少佐が自分たちのことをここまで考えてくれている
とは、思わなかった。所帯の小さなファントムペインにとって、パイロットは一騎当千で
あるべきであり、そのための訓練や装備には資金をかけることは厭わないとは、入隊前か
ら聞いていた。そして本拠地のエリア81も、最新設備が揃った基地だった。
指揮官として駒と武器は出来るだけ大切にする、という姿勢なのだろう。自分は前大戦
での実戦経験を認められて連合軍のコーディネーター用に作られていた機体を受領するこ
とができた。以前の愛機の発展形であるアシーネイージスはいい機体だし、使いやすい。
しかしザフトの最新モビルスーツに乗ったトップガンたちを打ち落とすには、機体性能が
足りない。ザフトはこれからも、最新鋭のモビルスーツを投入してくるだろう。工場、を
国の名前にしただけあって、重工業は一番の得意分野だし、技術的にぎりぎりのモビルス
ーツを設計したとしても、それを可能にする冶金技術、製造技術、さらにその性能を十全
に発揮できるパイロットもいるのだから。
450 :
383:2006/08/29(火) 00:17:51 ID:???
こうして一人で部屋にいると、死んだアゴストのことが思い出される。彼は入隊時に、
戦死時は私物はすべて処分してほしい旨の誓約書を書いていたので――これはアスランも
同じくだ――部屋にはなにものこってないし、処分場へ送られる遺品を、タニスが悲しそ
うに見送っていた。仲がよかったし、思い出のよすがに、本音は何かほしかったのだろう。
でもそんなことはおくびにもださない彼女は、尊敬できる。アスランはここに来て、『尊
敬するに足るコーディネーター』に初めて出会った。
彼の父親のパトリック・ザラはプラント建設の功労者の一人だし、最終的にはプラント
議長も勤めた。父親がプラントの皆のためを考えて行動する政治家だというのは、子供の
ころのアスランの胸を熱くさせたものだ。しかし、プラントで教えられていたC.E.史は欺
瞞に満ちていた。父は反コーディネーターのテロにあって、息子の安全を願い、中立都市
の月面コペルニクスに留学させた。しかしコペルニクスの幼年学校では、父親の命令で、
現代史を選択することは許されなかった。ナチュラルの偏見に影響を受けてはいけない、
と。AD史とBC史を選択して、人類の歴史を学んだ彼だったが、歴史の中からひとつ学んだ
ことがある。
自分がテロの脅威に晒されているからといって、子供を国外に逃す政治家は小物である、
ということだ。第二次世界大戦中、王位継承者の王女たちをカナダに疎開させてはという
側近の声を、英国の王と王妃は聞き入れなかった。王位継承者は危険があっても国から逃
げることは許されない、という理由で。もちろんただの政治家と王族が違うのはわかって
いる。ただ、気高い気持ちをもてるかどうかの問題だと思った。
プラントのザフトアカデミーで初めて現代史を学んだアスランは、コーディネーターが
こんなにもナチュラルに虐げられてきたのかと知って、涙した。
そして訓練を終え実戦配備、いろいろあったものの、幼馴染のキラや元婚約者のラクス、
まぶしいナチュラルのカガリと協力して、犯罪行為は犯したが、地球を焼くという最悪の
事態は避けることが出来た。
戦争後オーブに亡命、カガリが手を尽くしてくれたが、アークエンジェルの士官たちは
本国送還ののち軍事裁判で処刑された。プラント人のラクスやアスランは、ラクスがすべ
ての責任を負うといい、また不穏分子を追い出したい独立したばかりのプラント政府の意
向もあって、ラクスが莫大な賠償金を負う以外は全員がプラント入国禁止となっただけだ
った。
オーブで初めてナチュラルの目から見た現代史や、できるだけ中立であろういうスタン
スで書かれた現代史を読んで、アスランは仰天した。
父親のパトリックが生まれたC.E.22年には、コーディネーター技術は違法であった。
これはプラントの現代史の教科書には書かれていない。C.E.55年にトリノ議定書が発効
されるまで、ジョージ・グレンの遺伝子公開以来、地球でのコーディネイトは合法だと習
っていた。祖父母の話をしたことがない父親、ザラという珍しい苗字。大西洋連邦の出身
だとしか知らなかった。あぶないデータベースまで入り込んでわかったことだが、いわゆ
る裏社会の家系だったようだ。調べてみると、違法時代に生まれたコーディネーターの三
分の一はアンダーグラウンドにルーツがある。祖父母の話を聴いたことがないのも、父親
が高貴な精神的素質を持っていなかったのにも得心が行った。
451 :
383:2006/08/29(火) 00:18:37 ID:???
そして一番辛かったのは、プラントはユニウス条約締結まで、自治を許された『植民地』
にすぎず、プラント理事国の人間からは、宇宙で働く猿とまで言われていたということ。
そのくせプラント議会では『対ナチュラル強硬派』『ナチュラルとの融和派』が対立して
いたのだから、しょせん宇宙の田舎者、プライドの高いバカな少数民族でしかなかったと
いうのに、それに気付かず自分たちは地球と対等だと思い込んで。
ザフトのアカデミーでは、コーディネーターはナチュラルより優れた人種だと教えられ
たし、プラント政府は『自治』の単語をできるだけ抜かしていた。
あの戦争、結果としては独立戦争だったわけだが、兵士のどれだけがそう認識していた
か。自治政府をえただけで、一国になったように思いこんでいたプラント人は多いだろう。
そして地球にも勝てると錯覚した、彼の父のように。
地球に来ていろんなことを知って、アスランはプラントが嫌いになり、そのぶん自分と
交流を持ってくれるナチュラルが好きになった。
優れた子供を持てば得になると考えられて生まれたが、実は穢れた遺伝子に他ならない
初期のコーディネーターたち。そのあとに生まれた者にしても、親のエゴで遺伝子をいじ
られるとは、人権無視もはなはだしいではないか。だからタニスがコーディネイトされた
金髪碧眼を嫌って髪を染め、カラーコンタクトレンズをつけているという気持ちはよくわ
かる。アスランも藍色の髪をさっぱりスキンヘッドにした。
そういう歪んだ存在を生むから、コーディネーターは不要なのだ。彼らの宇宙の工場が
なくても地球のナチュラルは生きていける。コーディネーターがナチュラルの人口を減ら
すという暴挙があった。戦争がなければ、地球ではナチュラルによるスローライフが可能
なのだ。しかしプラントのコーディネーターには地球からの食料が不可欠だ。親プラント
国家にしろ、ユニウス7落下の影響で自国の食糧生産が悪くなれば、プラントへの輸出を
控えるだろう。
戦争であの砂時計ごと一掃されるか、砂時計の中で飢え死にするか、コーディネーター
の運命は二つに一つしかないのだ。
最後のコーディネーターとなった自分が殺される時のことを考えると、アスランは甘い
陶酔を感じずにはいられなかった。
「議長が先日ユーラシアに行らしたおかげで、デスティニーの『光の翼』の技術が完璧な
ものになりました。アルテミスの傘以来、ユーラシアの得意な分野でしたから」
工廠の責任者でプラント最高評議会議員でもあるキョウコ・イノウエが、デュランダル
を見上げて言った。彼と同じく最高評議会軍事委員長のオーソン・ホワイトは、現在の戦
況と新戦力の仕上がり具合を見に、ここを訪れたのだ。
三人はハンガーで未完成ながらも立ち上がった二機のモビルスーツを見たあと、小さな
会議室へ向かった。代用品のコーヒーが供される。プラントでは本物のコーヒーは嗜好品
であり、それにお金をかけたい人が飲むものと考えられ、議長だ議員だという高い地位に
あるからといって、高価な飲み物が出されることはない。
「ホワイト委員長、戦況について説明を」
「宇宙では月軌道とL5、プラントを守るための戦線を張っています。エターナルが月軌
道に配備され、二日前に敵艦隊と交戦しましたが、ストライクフリーダム、インフィニッ
トジャスティスの活躍もあって、ほぼ壊滅させました。人的資源の少ないプラントにとっ
て、条約違反であろうとあの二機とミーティアは必要な兵器です」
理論物理学が専攻で、本来こういう形而下の話は得意ではないだろうが、ホワイトは黒
い顔に冷静な表情をたたえて続けた。
452 :
383:2006/08/29(火) 00:19:23 ID:???
「地球軍はアークエンジェルとともに、陽電子リフレクターを展開するモビルアーマーを
投入しています。これに取り付かれて大破された艦艇が10を超えました。退避が完全には
間に合わないことも多く、数百人の人的被害がでています」
人口が少ないプラントにとって、前線で戦える熟練兵を失うのは、艦を失うより辛い。
国を挙げて艦艇やモビルスーツを作っているので、物資の補給は――食糧は除いて――い
まのところ心配はない。戦争に落としどころをつけるのは、物資の補給が続く間でなけれ
ば。三人は口に出さずとも理解していた。
理想は月から地球の国の基地を撤廃させることだ。最低守らなければならないのは、独
立国家としてのプラント。そしてデュランダルにはさらに野心的な計画もあったが。
「地上では、大西洋連邦のヘヴンズベース基地に動きがありそうだという情報です。アイ
スランドは島ごと要塞化されていますので、ザフトがいずれあそこを落としにかかると見ているのでしょうし、正しい判断です」
「講和に持っていく条件として、戦争の始まりがテロでプラント人が地球人を三億人以上
死なせたことにある以上、地球と宇宙の両方でザフトが大きな勝利をえて、相手の世論に
厭戦気分をおこさせなければならないだろうな」
「議長の仰るとおりだと思います。強硬論は好きませんが、一番有利な立場につくり、そ
の時に一歩地球軍に譲った講和条約を結ぶしか、プラントが生き残る道はないでしょう」
「そうですね。兵器はまだ作れますが、地球からの食料輸入ラインを打ち切られたら、わ
たしたちは飢え死にするしかありません」
「ただそれを理解せずに、ナチュラルを滅ぼせという強硬派も根強いのが困りものだが」 デュランダル含め三人とも、穏健派である。彼は軍事関係の要職に強硬派をつけるよう
な馬鹿な人事はしなかった。しかし軍の中には、強硬派の割合が多いのも事実だった。
空気が重くなったからか、イノウエが話題を替える。
「議長のユーラシア土産のモビルスーツの完成予定図ですが」
空中のディスプレイに、黒っぽいモビルスーツが浮かび上がる。
背中の巨大な円形の砲台とがっちりした足が目立つ。
「計算によりますと、高さは38メートルほどだろうということです」
「通常のモビルスーツの二倍以上か!?」
「大きいな。そしてこの足を見るに、地上運用が可能なのだろうな」
「1Gでこの大きさのモビルスーツを動かすとは。やはり、核動力か」
ホワイトが唸った。
「予想される火力を考えると、おそらくは。宇宙ではミーティア付きのストライクフリー
ダム、インフィニットジャスティスと互角の力を持ちそうです。地上では、接近戦が多く
なりますから、小回りの利くデスティニーやレジェンドのほうが有利です」
「問題は、この機体を連合に量産させないこと、そして宇宙に上げさせないこと、か」
デュランダルの意見に二人は首肯した。
453 :
383:2006/08/29(火) 00:19:29 ID:???
そして一番辛かったのは、プラントはユニウス条約締結まで、自治を許された『植民地』
にすぎず、プラント理事国の人間からは、宇宙で働く猿とまで言われていたということ。
そのくせプラント議会では『対ナチュラル強硬派』『ナチュラルとの融和派』が対立して
いたのだから、しょせん宇宙の田舎者、プライドの高いバカな少数民族でしかなかったと
いうのに、それに気付かず自分たちは地球と対等だと思い込んで。
ザフトのアカデミーでは、コーディネーターはナチュラルより優れた人種だと教えられ
たし、プラント政府は『自治』の単語をできるだけ抜かしていた。
あの戦争、結果としては独立戦争だったわけだが、兵士のどれだけがそう認識していた
か。自治政府をえただけで、一国になったように思いこんでいたプラント人は多いだろう。
そして地球にも勝てると錯覚した、彼の父のように。
地球に来ていろんなことを知って、アスランはプラントが嫌いになり、そのぶん自分と
交流を持ってくれるナチュラルが好きになった。
優れた子供を持てば得になると考えられて生まれたが、実は穢れた遺伝子に他ならない
初期のコーディネーターたち。そのあとに生まれた者にしても、親のエゴで遺伝子をいじ
られるとは、人権無視もはなはだしいではないか。だからタニスがコーディネイトされた
金髪碧眼を嫌って髪を染め、カラーコンタクトレンズをつけているという気持ちはよくわ
かる。アスランも藍色の髪をさっぱりスキンヘッドにした。
そういう歪んだ存在を生むから、コーディネーターは不要なのだ。彼らの宇宙の工場が
なくても地球のナチュラルは生きていける。コーディネーターがナチュラルの人口を減ら
すという暴挙があった。戦争がなければ、地球ではナチュラルによるスローライフが可能
なのだ。しかしプラントのコーディネーターには地球からの食料が不可欠だ。親プラント
国家にしろ、ユニウス7落下の影響で自国の食糧生産が悪くなれば、プラントへの輸出を
控えるだろう。
戦争であの砂時計ごと一掃されるか、砂時計の中で飢え死にするか、コーディネーター
の運命は二つに一つしかないのだ。
最後のコーディネーターとなった自分が殺される時のことを考えると、アスランは甘い
陶酔を感じずにはいられなかった。
「議長が先日ユーラシアに行らしたおかげで、デスティニーの『光の翼』の技術が完璧な
ものになりました。アルテミスの傘以来、ユーラシアの得意な分野でしたから」
工廠の責任者でプラント最高評議会議員でもあるキョウコ・イノウエが、デュランダル
を見上げて言った。彼と同じく最高評議会軍事委員長のオーソン・ホワイトは、現在の戦
況と新戦力の仕上がり具合を見に、ここを訪れたのだ。
三人はハンガーで未完成ながらも立ち上がった二機のモビルスーツを見たあと、小さな
会議室へ向かった。代用品のコーヒーが供される。プラントでは本物のコーヒーは嗜好品
であり、それにお金をかけたい人が飲むものと考えられ、議長だ議員だという高い地位に
あるからといって、高価な飲み物が出されることはない。
「ホワイト委員長、戦況について説明を」
「宇宙では月軌道とL5、プラントを守るための戦線を張っています。エターナルが月軌
道に配備され、二日前に敵艦隊と交戦しましたが、ストライクフリーダム、インフィニッ
トジャスティスの活躍もあって、ほぼ壊滅させました。人的資源の少ないプラントにとっ
て、条約違反であろうとあの二機とミーティアは必要な兵器です」
理論物理学が専攻で、本来こういう形而下の話は得意ではないだろうが、ホワイトは黒
い顔に冷静な表情をたたえて続けた。
454 :
383:2006/08/29(火) 00:20:12 ID:???
ルナマリア・ホークは、上機嫌とはいえなかった。
妹のメイリンは流産のあとの抑うつ状態で入院したままだったし、同僚のパイロット二
人は出張に出てしまった。仲良しの整備士ヨウランとヴィーノとはおしゃべりするが、ヴ
ィーノはメイリンに純愛だった分だけショックを受けているし、相棒が元気がないと口の
悪いヨウランも静かになる。こうなってくると気分屋でうるさかく喋り倒したりしんねり
むっつり黙り込んだりのシン、人の話は聞くけれど自分の話はしないレイだって懐かしく
なってくる。それに、なんといっても艦内のゴシップを探してくるのは性格的にも職務的
にもメイリンが得意だった。彼女が入院してから、ルナマリアは自分がミネルバのごく一
部しか直接知らないし関わっていないことに気付いた。それは一介の兵士として当たり前
のことなのだが、メイリンが甘えたような声で自慢げに噂話を披露するのを思い出すと、
一日も早くおしゃべりでちょっと軽率な妹に戻ってほしいと願うのだった。
そんなことを考えているうちに、スタンバイ時間が終わった。いまミネルバにモビルス
ーツパイロットは隊長を含めて二人しかいない。基地に入港しているので、シンとレイが
いなくてもスタンバイスケジュールに変更なしと言われたので、いつものように勤務して
いる。
彼女が部屋を出ようかと考えた時、アレッシィ隊長が入ってきた。ノースリーブの改造
軍服からにょきっと出たマッチョな褐色の腕に最初はびっくりしてハードゲイだと思い込
んだものだが、シンとレイは無事だし、優秀で公平な人柄を知ってからは尊敬している。
ただ疑問なのは、このまま季節が地球の冬になっても、ノースリーブで通すのかというこ
とだ。
「隊長、お先に失礼します」
「ルナマリア・ホーク、出港までまだ時間があるし、インパルスかセイバーのシミュレー
ターを試してみてはどうかな。セカンドシリーズは扱いにくい機体だが、君はこなせる段
階に来ていると思う」
これは、褒められた、と思っていいのだ。戦争が起こる前、ミネルバ配属が決まった時
インパルスのシミュレーターを試したが、シンにくらべて半分ほどしか思ったように機体
を動かせず悔しかった。でもザクで実戦の経験を積んだし、何より生き残ってきた。
「はい、ありがとうございます、隊長。インパルスのシミュレーターに取り組ませていた
だきます」
我ながら現金だと思うほど、元気な声が出た。
そしてそれを見て隊長が唇の端で笑ったいるのがわかった。
455 :
383:2006/08/29(火) 00:21:15 ID:???
アスラン・ザラ少尉はアポイントメントを取っておいた時間きっかりに、ネオ・ノアロ
ーク大佐の部屋をノックした。
「アスラン・ザラ少尉です。入室の許可をお願いします」
以前より音は高くなったが、ぴりっと引き締まった声だった。
「入りたまえ」
落ち着いた声に答えて、ドアが開いた。入室して大佐の前で敬礼する。規律を守ること
に喜びを感じるようになった。軍人とは本来、そういうものでなければ、国を、国民を守
れない。階級のない適当なザフトにいた時代は、遠い昔のように思われた。
「君からの上申書は読んだ」
こう話す上官は、淡い金髪といい、声音といい、ザフトのころの上官を髣髴とさせるも
のがある。ただこうして素顔で、汚らわしいコーディネーターの自分を部下として認めて
くれるノアローク大佐は、立派な『軍人』だと思う。ラウ・ル・クルーゼ隊長は、彼の父
親のパトリック・ザラと親しかったために、政治的な思惑でアスランを贔屓したのだ。
「ありがとうございます」
叩き殺されてもかまわないつもりで書いた上申書だった。冷静でハンサムな上司がどう
評価したのか気にはなるが、とにかく口をぎゅっと結んだ。
「君の、アシーネイージスとヴァーチャー少尉のウィンダムについて、OSのヴァージョン
アップなりなんらかの手段で、戦闘力を高めてほしいという要望はよくわかった」
アスランは目礼で答えた。
「エルドリッジ少佐からも同様の意見が出ていて、方向性を考えていたところだ。」
少佐の指揮下、まだアゴストも元気に生きていて、必死にパナマ攻略戦に参加した日の
ことが思い出される。彼女は自分たちを見ていてくれたのだ。汚れた遺伝子を持つコーデ
ィネーターであっても、部下として。
「OSのヴァージョンアップは可能だ。鹵獲したザフト機から入手したデータがある。それ
を君達の機体用にカスタマイズする。あと、先日の戦いで君達の反応速度が機体性能を上
回ることがたびたびあった。OSだけでは心もとない。いったん本国に戻らなければならな
いが、部品にマグネットコーティングをかける技術が開発された。ただしまだ、部品にコ
ーティングをかけて動きがよくなったという段階だ。モビルスーツ一機の部品すべてにか
けたとして、理論値では6%機動性が増すということだ」
「大佐、もし自分に選択権が1%でもあるようでしたら、自分は是非にとお願いいたしま
す」
「よろしい。君の意見は理解した。あとは技術部と相談して決める」
「了解しました、サー」
心を込めた敬礼をして、アスランは大佐の部屋から下がった。
部屋に戻って、深呼吸する。大佐や少佐が自分たちのことをここまで考えてくれている
とは、思わなかった。所帯の小さなファントムペインにとって、パイロットは一騎当千で
あるべきであり、そのための訓練や装備には資金をかけることは厭わないとは、入隊前か
ら聞いていた。そして本拠地のエリア81も、最新設備が揃った基地だった。
指揮官として駒と武器は出来るだけ大切にする、という姿勢なのだろう。自分は前大戦
での実戦経験を認められて連合軍のコーディネーター用に作られていた機体を受領するこ
とができた。以前の愛機の発展形であるアシーネイージスはいい機体だし、使いやすい。
しかしザフトの最新モビルスーツに乗ったトップガンたちを打ち落とすには、機体性能が
足りない。ザフトはこれからも、最新鋭のモビルスーツを投入してくるだろう。工場、を
国の名前にしただけあって、重工業は一番の得意分野だし、技術的にぎりぎりのモビルス
ーツを設計したとしても、それを可能にする冶金技術、製造技術、さらにその性能を十全
に発揮できるパイロットもいるのだから。
456 :
383:2006/08/29(火) 00:22:22 ID:???
一方のルナマリアは、新しく現れた青年が、映画俳優かモデルかという美青年なのにび
っくりしていた。地球の映画はプラント時代から見ていたし、地球に降りてきてからは、
こちらのファッション雑誌を買っては、皆でハイファッション雑誌の服の造形的な美しさ
とそれを着こなすモデルの美しさについて話をしている。そうしたらいきなり、雑誌のセ
レブ特集に出てきそうなハンサムが登場したのだ。特例を除いては、ナチュラルの容姿は
コーディネーターより劣ると思っていたルナマリアにとって、こんな田舎町でその特例に
遭遇しようとは思ってもみないことだった。
「うちのステラを助けていただいて、ありがとうございます。ザフトの皆さん」
「あ、あの、あなたはステラのお兄さんなんですか?」
四人、誰をとっても似ていないので、シンは聞いてみた。
「彼ら三人は、前の戦争でいろいろあって、私が引き取りました。ネオ・リンデマンとい
います。今日は本当にありがとうございました」
「いえ、当然のことをしただけです、な、ステラ」
ステラはにっこりと笑って「シン」と言った。
「ありがとうございました。家につれて帰ります。まだ体が濡れているようですし」
「そうですね。はやく風呂に入って、着替えたほうがいいと思います」
スティングとアウルは、こいつはコーディネーターのエースパイロットなのに、なんで
こうも普通にいいひとみたいなんだと、苛立っていた。ユニウス7を落として、罪のない
ナチュラルを何億人も殺したくせに。
「シン、帰るわよ」
ミニスカートの赤服が声をかける。
ネオも声を掛けた。
「帰るぞ。ステラは私の車に乗るか?」
「うん!!」
満面の笑みを浮かべて、ステラは言った。それでも、シンがザフトのジープに乗り込も
うとすると、「シン、行っちゃう?」と訊いた。
「うん。お互い、自分の居場所に帰らなくちゃ。でも、また会いたいな、ステラに」
「ステラも」
なんかメロドラマっぽいのが不愉快で、ルナマリアは声を上げた。
「行くわよ、シン」
車が動き始める。しかしシンは小さくなるステラを見ながら、「ステラ、また会えるよ、
ていうか、俺、会いに行くから」と叫びながら、もらった桜貝を握り締めていた。
基地に戻りながらルナマリアは、あの青年、レイが大人になったらあんな感じだろうと
いう顔だったと思い当たった。淡いブロンド、地中海色の瞳まで同じだ。プラントでコー
ディネーターはナチュラルより優れているという教育を受けてきたルナマリアなので、コ
ーディネーターの中でも抜きん出た美貌と言われるレイとただのナチュラルが似ていると
いうのは、どうもおさまりが悪い。そのあたりプラントの教育は本末転倒で、ナチュラル
の美形の遺伝子を解析して、それに似せてデザインした容姿を持ったコーディネーターが
多く生まれたわけで、確率的には少なくとも、ナチュラルにコーディネーター以上の美形
がいるのは当たり前のことであった。
457 :
383:2006/08/29(火) 00:23:25 ID:???
「オーブからの返答が変わりました。『オーブの守りを考えると、先日のカーペンタリア
攻防戦での被害で戦力が減ったオーブ軍を太平洋から一艦でも戦力をだすことは辛いが、
同盟国の大西洋連合のためなら、インド洋艦隊にオーブからの艦船を派遣することはでき
るが、地中海は遠すぎて無理だ』ということです」
ゴンザレス補佐官の報告に、コープランド大統領は頷いた。
オーブにもっと戦力を供出させようというのは、ブルーコスモスの案なのだが、それは
どう見てもオーブが同盟国であるからというより、コーディネーターの国内居住の権利を
認めている国だからとしか思えない。政治はいじめではない。同盟を結んだからには誠意
を見せると、先日のカーペンタリア戦でオーブ艦隊が奮戦し、戦死者も多く出た。もしザ
フトがオーブを連邦の同盟国で、モルゲンレーテで作った武器を世界中にばら撒くことに
よってザフトに被害をもたらしているなどと理由をつけてオーブを攻めることになったら、
大西洋連邦は同盟国の義務としてオーブを守らなければならないのに、ナチュラルとコー
ディネーターというふたつのポイントでしかものを見ないブルーコスモスは、そういう政
治を理解しない。しかしこの国で、圧倒的にブルーコスモス思想に人気がある以上、ブル
ーコスモスに反対することは大統領の椅子から追われることなのだ。
コープランドは執務室の机の上で、ひじをついてため息を吐いた。
「まあ、オーブの国家元首カガリ・ユラ・アスハは世間知らずの娘だが、夫のユウナ・ロ
マ・セイランとその父のウナト・エマ・セイランは少しずつ譲歩して、落としどころを見
つけるつもりなのだろうな」
「はい。セイラン氏は長年駐大西洋連邦大使を勤めてらしたので、この国の事情に明るい
し、人脈もおありのようで。そして息子のユウナ氏は、高校から大学院まで大西洋連邦育
ち。イェール大学ではスカル&ボーンズのメンバーだったそうですから」
地方で神童と言われて育ち、アイビーリーグでもオールAの優等生で通して弁護士になり、
そこから政治家へと順風満帆な人生を送ってきたコープランドだが、妻を通じて繋がって
いるロゴスをはじめとする特権階級とはまだなじめない。しかしユウナ・ロマ・セイラン
はオーブという国を守るために知恵を絞る政治家であっても、ボーンズマンとして、この
国の特権階級に個人的な同胞としての繋がりを持っているということだ。
しかし7億人の国民の支持を得るには『自由と平等』という題目が一番大事だった。
C.E.73年の最高評議会議員をさがしてみたんですが、Wikiには71年のしか載ってなくて、
そこからひとり、使わせてもらいました。とりあえず名前くらい考えてあげてほしいものです。
結構設定マニアなんで(メカのぞく)。これからパルジファルのスコアを本の山の中から探し出さないと。
うぉっ、マダーって言った矢先に投下キタ!Σ
なんかごちゃごちゃ混じってるけどw
思ってたよりユーラシアとの取引で収穫あったんだなぁ
ここいらで運命とデストロイの伏線出てきたのが個人的にGJでしたわ
そしてアレッシィがまっとうな上司すぎて忘れかけてた変態な外見描写に思わずニヤケたw
ハードゲイ
キタ―――(゚∀゚)―――!!
マグネットコーティングはちょっと変だな
本国に戻る必要があるなら新型のバッテリーのほうが無難
オーブから巻き上げたパワーエクステンダーを搭載とか
それと運動性は上がるが機動性は上がらない
設定スレ見るとC.E.のMSにはU.C.で言うバイオコンピューターが標準装備なようだね
そのへんもコーディネータ特化型に換装してもいいかも
えー、CE73の評議会議員の設定は、竹書房の本に載ってますな。
逆に言うと、この本でしか見かけた覚えがないというか……
DVDは買ってないから、もし封入されてるライナーノーツに載ってたとしても
知らないし。
継続は、ルイーズ、アリー、オーソン、パーネル。
新規は……
男:ジョージ・アダマン、エドアルド・リー、アラン・クラーゼク、
リカルド・オルフ、タカオ・シュライバー
女:ノイ・カザエフスキー、クリスタ・オーベルク
タカオは国防委員長ですが、後の役職は不明。出身市も全員不明。
……種死はいかにやる気がない設定か、わかろうかというもの。
自分もメカ除く設定考察好きなので、種が無駄に細かいのと比べた時の落差が悲しい。
まぁ、デュランダルはフェブラリウス市出身ではないかとあたりをつけてますが。
アスランの、自分だけは正しい道をわかってるって性格、
ブルコスで差別受けてもかわんないんだ。カルトに染まって一層キモイ。
チン○取るわスキンヘッドだわ、自分が最後のコーディネーターになって最後死ぬ(予定)に陶酔するわで。
凸もネタになりそうなのにならないのは、やっぱ書き方か?
465 :
383:2006/08/29(火) 11:37:02 ID:???
すみません。455以降は入力ミスです。なぜだかはわかりませんが、容量の無駄遣い、申し訳ありません。
>>461 アドバイスありがとうございます。調べてみます。
>>462 評議員設定ありがとうございます。オーソンは生き残り組ということで、一安心。
実際種死は設定やキャラ数が少ないですよね。議長のシーンなんて、全部妄想と回想。
まあもう製作者側が、種シリーズのテーマは「キララクマンセー」と打ち出したみたいなので、なんかすっきりしました。
>>461 ……よし、そこでそんなデタラメ拾ってきた貴様
UCが100年代でようやく完成させたバイオコンピュータ様がたかがCE風情に使いこなせるわけが無いだろが!!
大体出来てたらナチュラルとスーパーコーディネイター間のメリットが完全に無意味化しますよ、と
>>466 ・2話でのキラの「書き換え」は以下の通り。
「キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定……、
チッ! なら疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結!
ニューラルリンケージ・ネットワーク、再構築! メタ運動野パラメータ更新!
フィードフォワード制御再起動、伝達関数! コリオリ偏差修正!
運動ルーチン接続! システム、オンライン! ブートストラップ起動!」
・28話でのキラのM1アストレイのOSの修正点は以下の通り
「新しい量子サブルーチンを構築して、シナプス融合の代謝速度を40%向上させ、
一般的なナチュラルの神経接合に適合するよう、イオンポンプの分子構造を書き換えました。」
脳とリンクさせてることは間違いないと思うけど
>>467 素人には一見そう見えるように思えるが実は違うのは種のお家芸
・2話でのキラの「書き換え」は実は以下の通りの意味。↓
「あれは人型機械制御の研究をしているカトウゼミというバックグラウンドをあらかじめだしとくための
リアルの人型制御プログラミングを下敷きにしたセリフにすぎない。
ちなみにキラ第二話のセリフから、ガンダムOSをキラがどんな改良したのか調べてみると以下のとおりになる。
『キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイントおよびCPGを再設定……チッ!』
→キャリブレーション=システム内の全反応の観測の意味
コレを入れつつ、ロボット動作の基本であるらしい
1.ゼロ・モーメント・ポイント(Zero Moment Point=ZMP):ここでは重力・慣性力その他路面情報等の
常時二足歩行のために必要な情報を抽出するシステムのこと
2.CPG(Central Pattern Generator=セントラル・パターン・ジェネレーター):中枢動作パターン発生システムプログラム。
上記を元に、常時二足歩行のために必要な運動係数を確立し、同時にリズム演算するシステム
を試験的に同時に再設定してみて。
……(結果が返ってくると)反応低いシステムである事を見抜く(←この時点でキラはOSの不備点をすべて理解してるとしか考えられん)
『なら擬似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結!』
→機体表面の擬似皮質内の分子レベルで存在するイオン状ポンプにOSの制御モジュールプログラムをまず直結する。
キラのお家芸である、例のデバックなしでいきなりの無茶苦茶プログラムミングの真骨頂
『ニューラルリンケージネットワーク再構築……。』
→機体内にはりめぐらされた擬似神経系命令伝達ネットワークを効率化して再構築しているらしい。
『メタ運動野のパラメータ更新。フィードフォワード制御再起動。』
→機体の大まかな上位運動体系『メタ運動野』を効率的にパラメータ(数値)を更新。
改良したフィードフォワード制御(=予測演算である程度機体の動作を先読みして装填しておく先行予測プログラム)を再起動、OK。
『伝達関数! コリオリ偏差修正!運動ルーチン接続。』
→ネットワーク内全伝達関数を修正、高効率化! 運動バランス野のコリオリ力対応プログラム修正!
修正プログラムを修正機体ネットワークを通してメインコンピュータ内運動ルーチンと接続。
『システムオンライン。ブートストラップ起動。』
→OSの全システムを修正終了して、再起動し改造OSを再起動する。
こうなる。
プログラマーとしてはある意味異常な物、先に全体の青写真が頭の中にあって、
それを随時更新しながらリアルに入力して構築するようなもので、デバックすらしてないような無茶ではある」
(種のMSがボールに勝てるわけねえだろスレ、39-201以降のバイコン論議参照
なお、原文は85から抜き出し)
>>468 「新しい量子サブルーチンを構築して、シナプス融合の代謝速度を40%向上させ、
一般的なナチュラルの神経接合に適合するよう、イオンポンプの分子構造を書き換えました。」
これは?
>>468続き
んで、コレを受けて
・28話でのキラのM1アストレイのOSの修正点を見てみると
「新しい量子サブルーチンを構築してシナプス融合の代謝速度を40%向上させ」
量子コンピュータの『ニューラルリンケージネットワーク』を
「新しい量子サブルーチン」……主要の戦闘データを反映したオートルーチン操作への改良されていたナチュ用OSのプログラム的な無駄を省き
速度を40%向上させたという意味
「一般的なナチュラルの神経接合に適合するよう、イオンポンプの分子構造を書き換えました」
一般的なナチュラルの脳の神経接合速度=反応速度に適合するように
ある程度普遍性を持った安定性重視のイオンポンプ対応速度に分子構造を書き換えました
こういう感じの意味になるわけ。
バイコンとはまったく関係ない。
UC知らない種厨にいくら言ったってムダッすよ
厨の人にはそれが何だか分からんのです
いやわかるだろ?
俺も昔は種厨だったがここ見てUCの信頼性の積み重ねを肌で理解したもの
いやUC見ただけじゃここまでわかんねーだろ、普通に考えて
だいたいそんな糞スレ風のスレタイのところでそんなまともな話がされてるなんて思いもしない
>>471 そこの56と58は結構突っ込みどころ満載だぞ
バイコンそのものはサイコミュ、バイオセンサーの欠点だった
常人では起動不可能なところと常用による海馬へのダメージ
なんかを無くし量産型への搭載を可能にしたシステム
つまりどういう事出来るんだバイコンでは
そして種MSには本当にバイコン搭載されているのか
何も知らない俺にもわかりやすく説明ヨロ
>>476 考えただけで撃つ、避ける、なんかを勝手にしてくれるシステム
しっかりセッティングできればだけど
バイコンは凄いコンピュータであり、マンマシーンインターフェイスです
中にバイオセンサーやサイコミュやサイコフレームが組み込まれており
これを凄い中枢演算装置が適切に制御統合します
また従来のサイコミュは機体への一方通行でしたがこれを双方向型にすることで
機体からのデータをモニター無しに受け取ったり逆に操縦システム無しに操縦する事が出来ます
つまりオールドな凡人ナチュラルでも
センサー系の感知情報をサイコミュ通じて感覚的に脳内投影したり機体の現在情報を精密に理解したり、
また、逆の理屈でNTやコーディを超える反応速度でのMSの操作操縦が可能になるわけです
バイコンは、事機動力という点ではコーディに劣るけど
それ以外はコーディ以上の知覚反応判断反射能力を凡人のオールドなナチュラルが持ちえるシステムってことですか?
なんてーか、ゼロシステム以上みたいな気がするんですけど、、、
そもそもゼロはバイコン……っつーか過去のNT能力をインスパイアしたシステムですぜ?
誰だよ知ったかでバイオコンピューターとか言った香具師は
また荒れ気味じゃねーか
はいはい、わかったわかった
アスランのばかさ加減にうんざりした。
イザークと言いキラと言いアスランと言い383氏は見ていてやりきれなくなるような奴を描くのが際立ってうまいな。
それしか書けない
>>484 ハイハイ、漢が見たけりゃヤザンスレなりXスレなり言って来いよ
それだけ書けりゃ十分だと思う
俺は暑い漢より、救い用のない鬱な奴等が好きだ
>>485 383さんいい加減に名無し潜伏止めろよ
489 :
486:2006/08/29(火) 16:13:22 ID:???
>>487 いや、どっちにもそれぞれのよさがあり
それは比べられない
大体、両方とも上手く書ける書き手がいなければ
種のように糞化するという点では変わらん
383氏乙!新型機の名前がちらほらと上がりはじめてメカ好きには堪らなくなって来ましたw
やっぱデストロイって重力下で使う機体じゃないよね…
383氏、後書きの文字ありがとうございます。
今の状態ならNGワード指定しなくても大丈夫みたいです。
これからも楽しみにしています。がんばって下さい!
種ではキャラクターの好物とか設定があるのに、種死じゃなかったり
シン、レイ、議長以外の新キャラは過去が全くわからなかったりと
設定の練り込み不足は自分もいつも気になる部分です。
連合vsZ.A.F.T.で、こちらのようなクルーゼとレイの共演が専用台詞つきであります。
クルーゼが生きていたらこんなやりとりもあったのかと大変興味深いです。
>>490 それも、バッテリーwww ロゴス脅威の科学力だな。
>>491 デストロイって、バッテリーだったのか……
てっきり艦船と同じ動力かと……
あれ?
種の艦船の動力って、なんだったっけ?
2亜24y44g64
え、人力じゃないの??
お前なに言ってんだよ
アルカリ電池なめんなよ
オキシドライトはどうですか?
単3リチウムもありまっせ
ザフト:アルカリ〜オキシライド
オーブ:マンガン〜アルカリ
連合 :輪ゴム〜マンガン
つまりこういうことか!!
動力が輪ゴムってどこの夏休みの自由研究だよ連合ww
500ゲットしたら383氏の肛門に俺のチムポをぶちこむ!!!!!
383氏早く逃げて
早く逃げて383氏
アスランにとって尊敬するに足るコーディネータではなかったニコルカワイソス
503 :
383:2006/09/01(金) 05:07:36 ID:???
ひぃぃぃぃいいいい!!!痛い!!!
>>500のチンポでかすぎるぅ!!!痛いぃぃぃいいいいい!!!
383氏ノリノリだな
偽者だろ
まあもう休みも終わりだし、変なのは消えるはずさ
いや、本人だろwww
おいおい、そんなポークビーンズみたいなもん突っ込まれたくらいで大げさなやつだなぁ
尻の穴の小さい野郎だ
いや、あくまで383氏じゃなくて
>>503がな
383氏、トリップ付けた方がいいんじゃないかな
ぶっちゃけ本物は良くも悪くも名無しとは違うオーラが出てるから一発で解ると思うw
とりあえず
>>511みたいに無理矢理にでも本人にしたがるヤツらもいるわけだし
ここは偽者工作できないように名前にトリつけていただけないだろうか?
トリップの付け方がわからないなんてこたないだろうし
俺もあ〜やっちゃったなと思ったけどなw
やばいなー
究極的なまでにどうでもいい
383氏はトリ無しの方が潜伏し易いからつけないと思う。
自演誤爆してもトリ無いから偽者乙で済ませれる。
そろそろ相手にされていないことに気付いた方がいいな
一人で煽るのも飽きただろう?
あとの二つは知らんけど少なくとも一人じゃないよ
ま、これも極地的にどうでもいいことだよねw
ハイハイ携帯乙漫喫乙
書き手も読み手も気分悪くなるようなことは止めませんか?
383氏にはこのスレに作品投稿させてやってるんだから読んでくれてる俺らに
感謝するべき。なのに横柄な態度。少しくらい荒らしたくなる気持ちも分かるよ。
>>520 タイミング悪っwww
あっ、良いのか・・・・・?
お前らカッカしすぎ
もうちょっとママーリしようぜ
とりあえずコレ置いときますね
つ【アレッシィ印のプロテイン】
この遅さならいえる
アレッシーと聞いて、最初に思い浮かんだのは
「偉いねぇ〜」
新作マダー?
526 :
383:2006/09/05(火) 17:32:03 ID:???
プラントのザフト軍本部、いざ本土決戦となれば、万単位の将兵が寝起きすることも想
定されている建物である。なので、ビルの高さは四階以内、あちこちに中庭、緑地帯が設
けられており、缶詰状態が続いても、リラックスできる環境が作られている。
ただ迷宮ともいえる建物であるから、誰もがすべてを知っているわけではない。ここ、
情報部第一分室も一般兵からは何をやっているのかさっぱりわからない部署だし、一切情
報も流していなかった。
その室長、クレオパトラ・イッサリオティスは戦艦エターナルから入った報告に読みふ
けっていた。エターナルはストライクフリーダム、インフィニットジャスティスをミーテ
ィア付きで運用する強力な武力を擁する戦艦だ。実戦に投入されてまだ一週間、まだ大物
とは当たっていないが、ザフトの宇宙戦略の切り札ともいえる艦である。−−というのは、
表向きの広報が喋る情報。情報部にとってこの艦が重要なのは、乗組員全員が『デスティ
ニープラン』で適性を検査されて配置されたことだ。プラントでは出生時に遺伝子検査を
して国に届けるし、ザフト入隊時には遺伝子検査での本人確認とアカデミー出身者はその
成績や教官からの論評、適性テストが行われる。それをもとにエターナルに必要とされる
人材をザフト内部から探し出した。なので遺伝子と性格的な適性が高いが、その仕事に経
験がない人間もある程度ピックアップされた。本来なら戦時下なのでそういう人材ははじ
くものだが、今回はテストケースということで、ストレスに強いタイプの人間はこれまで
と違う職種であっても配属された。そういう事情もあって、出港までに訓練に時間をかけ
たが、予想より早い時間でクルーの練度は上がっていた。この人事のからくりは、艦長で
すら知らない。モルモットに情報を与える研究者はいないだろう。
ここは、デュランダル議長の命を受けて、デスティニープランの実現に向けての問題点
を探るための部署なのだ。現在心理学系の者ははエターナルの観察、遺伝学系のものはデ
スティニープランの可能性を遺伝子のどの段階まで認めるべきか研究し、政治向きのもの
はプラン導入後の世界の混乱とそれを収めるための方策についてデータを集め、シミュレ
ーションを繰り返している。
エターナルの艦長はじめ乗組員に、いわゆる『エリート』が少ないことに疑問を持って
いる軍人はかなりいる。モビルスーツパイロットの中には、「どうして自分があの二機の
どちらかのパイロットに選ばれないんだ!!」と人事部にねじ込んだものもいると聞く。
そういうことをする性格が、『失格』の理由だと気付かない人間が、プラントには多す
ぎる。
彼女は長方形の薄い鏡を出して、自分の顔と髪型をチェックした。
コーディネーター一代目で、遺伝子改造熱が最高潮に達したC.E30年代に生まれた彼女
は、ユーラシアのギリシャ地方の大富豪である父親の夢の子供だった。
歴史マニアだった父親は、ギリシャ系のエジプト古代王朝最後の女王クレオパトラ七世
を、自分の娘として生み出そうとしたのだ。彼女はミイラも残っていないので、プトレマ
イオス朝からローマ帝国期にかけて作られたギリシャ系の人間のミイラを収集し、とれる
だけの遺伝子をとって解析し、現在のギリシャ人、スラブ系やトルコ系と混血する前の古
代ギリシャ人の特徴を選び取った。そしてコーディネーターとしての病気や重力に強い体、
できるだけ優秀な頭脳と運動能力、一番大事な美貌−−特に大き目の鷲鼻−−を与えられ
て彼女は生まれてきた。
527 :
383:2006/09/05(火) 17:33:27 ID:???
コーディネーターの子供を、自分のアクセサリーにする親、そのものが彼女の父だった。
反発して自分がコーディネーターであることを呪い、ブルーコスモス思想に染まるものも、
「他人より優れた自分」に満足してナチュラルの親を見下すようになるものもいる。彼女
は冷静で観察力に優れた性格だったので、親の夢と現実の自分をきちんと分けて考えるこ
とができた。地球で心理学と統計学の博士号を取り、二十歳のときに将来を見越してプラ
ントに移住した。コーディネーターブームで生まれた一世たちがたくさんプラントに移住
していて、二世のための教育機関の充実が行われていたし、彼女と専門分野がかぶるコー
ディネーターは多くなかったので、簡単にアカデミーポストを手に入れることができた。
彼女は自分への余裕を持つ、コーディネーターとしては珍しいタイプだった。だから父親
から離れた今、大きなアーモンド形の目にリキッドのアイラインを上下に太く引いて、長
い睫を強調するマスカラ、孔雀石を砕いて作った古代のアイシャドーを思わせる色のアイ
シャドーをアイホールにべったりと塗り、さすがに鬘ではないが、前髪ぱっつんのおかっ
ぱにしている。親に作られた自分の名前とイメージで、遊んでいると言えるだろう。
それから恋愛もし、事実婚で二人の子供を産んで育てていた彼女が今ザフトで白服を着
ているのは、一本の論文ともいえない、研究室のサイトに載せたレポートが原因だった。『プラントのコーディネーター二世にみる両親の呼称について』。
ジャンルが近いこともあって、彼女の友人知人には精神科医がたくさんいた。病気をし
にくい肉体を持つコーディネーターにとっては、体が直接壊れた時の外科、整形外科、脳
外科などの外科系、産婦人科、あとは宇宙で暮らすストレスに関して精神科医が多く必要
であった。その精神科医たちから、子供の発達が他の子より一日でも遅れていれば精神科
に駆け込む親がけっこういるので、勉強して小児精神科と看板を変えたら、患者が殺到し
たという話を聞いた。他の精神科医も「うちの子は学校で一番がとれないんです。なにか
精神的な原因があるのでしょうか?」と尋ねてくる親には事欠かないと言っていた。自分
がナチュラルと一緒の学校で一番の成績をとっていたことと、コーディネーターだけの学
校で一番をとることは違うと理解していないのだ。実際に小児うつ病と診断を下して、親
の子供への接し方を考えさせるケースも多いそうだ。そして話を聞くうちに、そういう親
子は絶対に、ファーザー、マザー(お父様、父上、お母様、母上)という呼称を使ってお
り、ダッド、マム(お父さん、お母さん)という例は聴いたことがないということを知り、
調べてみようと思ったのだ。
地球のデータでは、C.E60年のものでプラント理事国三国のものがあった。一番歴史の
ない大西洋連邦でファーザー、マザー派は1%、ユーラシアで1.5%、礼儀に厳しい東アジ
アで2.5%だった。
彼女はファーザー、マザーで育ったが、それは自分の家が数百年続く資産家の家系、い
わゆる名門だからだと知っていた。
そしてプラントの子供を持つコーディネーター一世の出自を調べてみると、95%が中
の上、4%がクレオパトラの属する上流の下、そして1%が子供にありったけの金をかけ
たのだろう中の中だった。
いくつかの学校に協力をえて、10歳以下のコーディネーター二世の両親に対する呼称を
調査したところ、驚くべき結果が出た。全体の65%がファーザー、マザー派だったのだ。
その65%の両親のほとんどは、自分が親をダッド、マムと呼んで育ったのに、スノッブ
ぶってファーザー、マザーと呼ばせている計算になる。
地球のナチュラルの学者が書いた本でも、ナチュラルの親が優れたデザインベイビー、
コーディネーターを持つための経緯や、子供の成長と親子関係のねじれを研究したものは
数多い。コーディネーター技術は、大まかに言ってアッパーミドルクラスの人間が、子供
をさらに優れた知力体力で成り上がらせようという野心に利用されていた。本当の上流階
級−−旧王家や世界的な資産家−−は、遺伝子をいじるなどせず、自然のままの血筋、家
族の特徴を愛する。コーディネーターが有能ならば、ナチュラルより高給で雇えばいいの
だからという考えだ。
528 :
383:2006/09/05(火) 17:36:13 ID:???
ただ中には変わり者もいる。大西洋連合にグレートブリテン及び北部アイルランド王国
が併合された時に退位した、大英帝国最後の王の従兄弟で、息子をコーディネーターにし
た人物がいる。彼はプラントに移住して子供もいるので、インタビューすることができた。
職業はデパートのフロアマネージャー、二人の子供は上は新聞記者、下はザフトの緑服だ
という。そして大事なことは、彼、ウィンザー氏自身はファーザー、マザーで育ったが、
子供たちにはダッド、マムと呼ばれているということだった。
そういうことを綴った文章が、たまたまデュランダル議長の目に留まり、彼の考える未
来社会『デスティニープラン』(この呼称で、彼にコピーライターの適性がないのが明ら
かだ)を実現に移すためのチームの責任者として、大学から引き抜かれたのだ。
プラントにはびこるエリート至上主義、よい遺伝子とよい育ちに固執する風潮を突き崩
すには、遺伝子的に向いている職業に向けての勉強をさせ、できるだけ適性のある、スト
レスを感じない職業に就かせるというのは悪い案ではない。最高評議会議長クラインがそ
の愛娘を長年の盟友であるザラの息子と婚約させた時に出来上がった、似非上流社会の存
在は、その二人がテロリストとなって生まれ故郷を捨て去り、同胞を殺した時に潰えたか
にみえる。シーゲル・クラインはコーディネーターとナチュラルの融和を説きながら、一
人としてナチュラルの友人を持たなかったし、やもめの自分、未婚の娘の配偶者にナチュ
ラルをとは考えもしなかったのだろう。
そして前大戦の議員の子息の赤服だけで構成されたクルーゼ隊、早々に戦死した人間を
除き、彼らの末路は『自分は常に正しい判断をくだせるエリート』という思い込みによる
ものが呼んだとしか思えない。ただその坊ちゃん部隊が一般兵士に嫌がらせを受けたとい
う話も出てこないのが、プラントの異常なところだ。クレオパトラにしてみれば、エリー
ト意識が服を着たような子供の面倒を見なければいけなかった大人たちは可哀相だし、そ
のお坊ちゃん達を上手く調教できなかった(親の圧力で調教が許されなかった?)クルー
ゼ隊長は、プラントを守ってヤキンで凄絶な戦死を遂げたというのに。
しかし自分が上流になりたいという、成り上がり願望の強い人間は、プラントにははい
て捨てるほどいるのだった。プラントが人間社会の辺境であることを住民が素直に認めな
い限り、そういう人間が減ることはないだろうと彼女は思った。
529 :
383:2006/09/05(火) 17:38:24 ID:???
「オーブからの返答が変わりました。『オーブの守りを考えると、先日のカーペンタリア
攻防戦での被害で戦力が減ったオーブ軍を太平洋から一艦でも戦力をだすことは辛いが、
同盟国の大西洋連合のためなら、インド洋艦隊にオーブからの艦船を派遣することはでき
るが、地中海は遠すぎて無理だ』ということです」
ゴンザレス補佐官の報告に、コープランド大統領は頷いた。
オーブにもっと戦力を供出させようというのは、ブルーコスモスの案なのだが、それは
どう見てもオーブが同盟国であるからというより、コーディネーターの国内居住の権利を
認めている国だからとしか思えない。政治はいじめではない。同盟を結んだからには誠意
を見せると、先日のカーペンタリア戦でオーブ艦隊が奮戦し、戦死者も多く出た。もしザ
フトがオーブを連邦の同盟国で、モルゲンレーテで作った武器を世界中にばら撒くことに
よってザフトに被害をもたらしているなどと理由をつけてオーブを攻めることになったら、
大西洋連邦は同盟国の義務としてオーブを守らなければならないのに、ナチュラルとコー
ディネーターというふたつのポイントでしかものを見ないプルーコスモスは、そういう政
治を理解しない。しかしこの国で、圧倒的にブルーコスモス思想に人気がある以上、ブル
ーコスモスに反対することは大統領の椅子から追われることなのだ。
コープランドは執務室の机の上で、ひじをついてため息を吐いた。
「まあ、オーブの国家元首カガリ・ユラ・アスハは世間知らずの娘だが、夫のユウナ・ロ
マ・セイランとその父のウナト・エマ・セイランは少しずつ譲歩して、落としどころを見
つけるつもりなのだろうな」
「はい。セイラン氏は長年駐大西洋連邦大使を勤めてらしたので、この国の事情に明るい
し、人脈もおありのようで。そして息子のユウナ氏は、高校から大学院まで大西洋連邦育
ち。イェール大学ではスカル&ボーンズのメンバーだったそうですから」
地方で神童と言われて育ち、アイビーリーグでもオールAの優等生で通して弁護士になり、
そこから政治家へと順風満帆な人生を送ってきたコープランドだが、妻を通じて繋がって
いるロゴスをはじめとする特権階級とはまだなじめない。しかしユウナ・ロマ・セイラン
はオーブという国を守るために知恵を絞る政治家であっても、ボーンズマンとして、この
国の特権階級に個人的な同胞としての繋がりを持っているということだ。
しかし700億人の国民の支持を得るには『自由と平等』という題目が一番大事だった。
530 :
383:2006/09/05(火) 17:39:13 ID:???
「マルキオ導師、よくいらっしゃいました」
彼の盲いた体を案じて、杖の上に温かい手が乗せられた。会うのは初めてだが、何年も
連絡を取り合ってきた、ウィーンの支部のアペレス師に迎えられた。部屋にはマルキオ導
師来維を聞いて駆けつけた信者たちの熱気が満ちていた。彼を支持する人には、裕福なイ
ンテリが多い。
ブレイク・ザ・ワールドで島が津波に呑まれたので、引き取っていた孤児たちはアスハ
家に頼み、彼本人は一番思想的に乱れている西ユーラシアを回っているのだ。
マルキオは右手を上げて祝福し、信者に応える。
「我々人類はデミウルゴスに作られた罪深い存在です。それは肉体も、霊魂もです。しか
しSEEDを持つものが生まれてきています。彼らは人類をデミウルゴスの檻から解き放つ進
化の可能性を秘めています。人類がささいなことで争い、肉欲にとらわれたデミウルゴス
に支配された時代はもう終わります。SEEDを持つものたちが、増えていけば、罪人とされ
てきたゴでさえ救われるのです。皆さん、戦乱の続く世の中ですが、そのあとの未来
を信じましょう」
彼の言葉に感激したすすり泣きが、部屋のあちこちから聞こえた。
ただ中には変わり者もいる。大西洋連合にグレートブリテン及び北部アイルランド王国
が併合された時に退位した、大英帝国最後の王の従兄弟で、息子をコーディネーターにし
た人物がいる。彼はプラントに移住して子供もいるので、インタビューすることができた。
職業はデパートのフロアマネージャー、二人の子供は上は新聞記者、下はザフトの緑服だ
という。そして大事なことは、彼、ウィンザー氏自身はファーザー、マザーで育ったが、
子供たちにはダッド、マムと呼ばれているということだった。
? ? ? ? ?
またまじっちゃったみたいだけどとりあえず乙。
荒しの類いじゃね
スルー推奨?
全部前に投下されてる分だね
何かミスっちゃったか、はたまた
>>533の指摘の通りか
とりあえず乙、…かな?
酉付ければよかったのにな
ここ最近だけじゃなく随分前から言われていたことなのに
もしや、、バンク?
無限旋律によって始まった前奏曲、オーケストラピットの見えない構造の祝祭劇場では
、一気に観客を舞台神聖祝典劇パルジファルの世界に引き込むことができる。
1800人収容の小さな劇場、そしてほぼすべての客が『信者』という状況なのだ。だから
英語が世界共通語となった現在、少し名の知られた劇場には席毎にオペラの言語を英語訳
したものが出るディスプレイが備え付けられているが、ここにはそんなものはない。二昔
前のドイツ語で書かれた台本は、ドイツ語がわかる人間にも難解である。たとえば21世紀
の日本人が歌舞伎を初見で、台詞の内容を聞き取るのが不可能に近いように。
紹介されたホテルでパルジファルのリブレットを借りたシンは、自分がコーディネータ
ーだったことに感謝した。とりあえず5時間近いオペラの台詞を、英語であらかた覚える
のに一時間程度ですんだのだから。ただキリスト教に素養のないシンには、物語の筋はわ
かったが、意味するところはほとんどわからなかった。
幕が開いて、担架で運ばれてくる漁夫王の名前がアンフォルタス。シンはセイバーのビ
ーム砲の名前の由来をこれで知った。ただ、女性の色香に惑わされて、聖人になろうとた
くらみ自ら去勢した男クリングゾールが奪った聖槍によって性器を傷つけられ痛みに苦し
む男性というのは、攻撃用の兵器の名前としては不適当だと思った。
そして白鳥を射落として、無邪気に登場するタイトルロールのパルジファル。彼がこの
時点で自分の名前も覚えていないというのは、台本を読んで知っていた。
母親の名前しか覚えていない主人公、ヘルデンテナーという英雄の声を持つ歌手が演じ
るというのは、レイから聞いた。朗々として美しいが、馬鹿に聞こえる。これが歌での演
技というものなのだろう。
そしてアンフォルタスに傷を負わせる原因となった女性、クンドリがパルジファルの母
親の死を告げる。
聖杯城の騎士グルネマンツはこの愚かな若者を『聖なる愚者』かもと思い、城へ伴う。
城での正餐式、モンサルヴァートの聖杯城の先王ティトレルに促され、正餐を傷に苦し
みながら行うアンフォルタス。しかし覆いを取った聖杯の輝きは、漁夫王の傷に痛みを与
えるだけであった。これは、聖槍で傷つけられた癒えない怪我を持つアンフォルタスには、
聖杯の奇跡の力が逆に苦痛なのだろうと、シンは理解した。特に宗教教育は受けていない
が、聖なるものと穢れたものの対立くらいは昔の小説も少しは読んだので知っている。
そしてその儀式とアンフォルタスの苦しみになんの感情も抱かないパルジファルが、聖杯
城を追い出されて、一幕が終わった。
この作品では、拍手をしてはいけないと作者のワーグナーが書き残しているから、それ
に従うものだとレイに聞いていたので、幕が下がると、他の人に従って席を立った。
祝祭劇場の幕間は一時間あり、そのあいだ、いったんはすべての観客を外に出す。
なのでシンとレイは連れ立って、劇場の向かいのカフェに入った。男性はタキシード、
女性はロングドレス。いま戦争をしているとは思えない優雅な風景だ。年配の富裕層がメ
インだが、学生と思しきシンたちと同年代の者もいる。ホテルの手配でタキシードが借り
られてよかったと思いながら、二人はセルフサービスのカフェで四角いりんごのケーキに
泡立てた生クリームをつけたものとコーヒーを注文して、席に座った。
シンが山ほど生クリームをとったのは、貸し衣装を着てみたとき、レイよりベルトの穴
がひとつ細いところで丁度だったからだ。身長は同じだし、肩幅や胸幅、腰周りもかわら
なかった。
体を大きくしたいという目的でたっぷりとった生クリームだが、美味しさに舌を巻く。
旧ドイツ地方では、脂肪分の高い生クリームに沢山の空気を入れて泡立てる機械が昔から
普及しており、こくがあるが爽やかな口解けの生クリームと果物主体のケーキを組み合わ
せるのが常であった。
それに舌鼓を打ちながら、シンは一幕の疑問点をレイに問う。
「なんかさあ、出てくる登場人物、みんな自分勝手じゃないか? そういうふうに設定さ
れてるパルジファルはわかるんだけど、クンドリとかグルネマンツ。クンドリはキリスト
が処刑されるときに嘲笑った女ってことらしいけど、その女がいったんは聖杯王を誘惑し
ながら、いまは彼の傷を治そうとするとか、何でかパルジファルの母親が死んだことを知
ってるとか。グルネマンツは勝手にパルジファルに期待して、一回期待はずれなら追い出
すし」
「俺たちにはご都合主義に見えるが、キリスト教が世界を支配していた時代の物語だから、
聖杯と聖槍にははかりしれない価値があったということだろう。ただ、初演の時代からこ
の作品は『異端の匂いがする』といわれている。この舞台を見て、正当なキリスト教の教
義と思うのは間違っているだろうな」
「なんか、難しいな」
シンはそう呟いて、ケーキを食べた。
すると隣の中年の上品そうな夫婦が話しかけてきた。
「言葉の一つ一つの解釈をするより、我々は舞台と音楽が一体となった世界に身を投げ出
して、何を感じるかが大事ですよ」
「若い方は、難しく考えがちですからね。バイロイトは初めてのようですし、素直にお楽
しみなさいな。これだけの歌手と演奏家、指揮者が揃うのは、ここだけなんですから」
優しく微笑まれる。両親を亡くしているシンは、年上の男女に弱いところがある。
「何を感じるか、ですか」
「ええ。芸術鑑賞の基本です。そのあとに理論、そして最後はやはり感性です」
レイは我が意を得たというように頷き、シンはどうしても考えを捨てられなくて、ぎこ
ちない表情で受け取った。
「次の幕までの15分ごとに、ファンファーレが鳴るから、行ってみるといい」
紳士がシンとレイの空になった皿を見て言う。
「ファンファーレの時に塔から写真を撮ってますよ。明日の朝、写真屋に行けば、買うこ
とが出来て、よい記念になります。バイロイト名物ですね」
「ありがとうございます」
レイもこれは知らなかったようで、礼を言った。
このあと二人は庭園を散歩して時計台に行ったが、シンのコーディネーターの証である
赤い目にあからさまな反応をする人はいなかった。念のため、さすがに銃はNGだが、紙製
のナイフを二人とも携帯している。使い捨てで、一本で二人の人間の頚動脈を切り裂ける
武器だ。
ニュルンベルグの基地では、「あの赤い目で見えてるのかね」という陰口も聞こえたも
のだ。あの基地ではユーラシアの軍人とザフトの軍人が表向きはうまくやっているように
見えた。レイは二人はそこに入り込んだ『最新鋭機に乗った、ユーラシアではまだ未成年
のザフトの赤服』だから、自分たちがいないほうがナチュラル、コーディネーター両方に
とって平和なのだろうと言う。シンはオーブでも感じていた区別という名の差別を思い出
して、厭な気分になった。プラントで憧れられるザフトの赤服になったら、それを否定、
畏怖する社会もある。
でも時計台でファンファーレが幕間残り15分の時に三回鳴って、15分ごとに一回ずつ増
えるのだと周囲から聞いたら、それだけでお祭り気分になれた。
二人の席は平土間の真ん中前列5番目という、非常にいい席だったので、ぎりぎりに劇
場に入ったら、同じ列の人が座らずに立って真ん中の観客が来るのを待っていた。シンと
レイはありがとうございますと言いながら、席にたどり着いた。近代的な劇場なら、避難
などの関係で真ん中に通路があるのだが、ここにはそんなものはなかった。真ん中の席の
人は、早く席について、他人に迷惑をかけないようにする。それがマナーなのだ。
二幕ではいわゆる悪役のクリングゾルが登場する。聖杯の騎士として勤めたものの、純
潔を自分の意思で守りきれないと思い、自宮したもののそれでは聖杯に受け入れられず、
魔法の城を作った男だ。
彼はパルジファルを花の乙女達――彼女らが性欲と官能のシンボルであるのは、シンに
もわかっていた――の園に導く。きれいな歌声としなを作った演技で、ステラを思い出し
てしまった。彼女はきれいな声を持っていたが、男に媚びることは知らなかった。シンに
胸乳を見られても平気な、純情を通り越して世話の必要な少女だと思った。でも、彼女は
ガイアのパイロットだ。アーモリーワンでザフトの兵士の喉笛をナイフで掻き切り、モビ
ルスーツを強奪した。そして、兵士としてはシンと会った洞窟を破壊するのに、なんのた
めらいも覚えない。隊長が彼女らは連邦の強化人間だろうと言っていたが、兵士として精
神的にステラに劣っているというのは、シンにとって辛い考えだった。
さっきの夫婦のアドバイスに従って、音楽と舞台だけ、なにも考えないように努めた
シンには絶対音感があって0.1ヘルツの音の狂いが、不快感をもたらす。子供のころバ
イオリンを習ったときについたものだ。手先が器用で筋力も強いコーディネーターは、子
供でもバイオリンの弦をきっちりと押さえることは簡単だったし、絶対音感で常に正確な
音を出すことが出来た。しかしシンにはどうも楽しくなくて、3年ほどで止めてしまった。
妹のマユのピアノはシンよりはましだったと思うが、やはり小手先の技術が目立っていた。
そのあとは正確な音階とリズムの打ち込み音楽しか受け付けなくなって、生の楽器の音の
狂いや揺らぎを楽しめるようになったのは、そう、プラントに移民してからだ。
プラントに行って、ナチュラルが作り上げてきた音楽文化の価値を知ったシンから見る
と、プラント育ちなのにちゃんと感情を込めて――普段は冷静なのに――曲を解釈してピ
アノを弾くレイは、『音楽の才能がある』のだと思った。
音と舞台に集中すると、魔法の園の乙女達の声が、パルジファルに伸びる色とりどりの
絃に見える。そして、クンドリの声! これで乙女達の誘惑の絃が地に落ちた。
クンドリの話を聞いて、罪の意識に目覚めていくパルジファルはさっきまでは白く光っ
て見えたのに、青白く見えてくる。死んだ母親の彼への愛について、クンドリが歌ってい
る。それを聞くパルジファルは、なにも過去を覚えておらず、聖なる白鳥を射落とすこと
に罪を感じず糾弾されて初めて己の罪を知ったときよりずっと、はかなく見えた。
あのときは持っていた弓矢を叩き折って、罪を認めたがこのあとは単純なものではなか
った。
クンドリから告げられる両親の運命、ヘルツェライデ(心の悩み)という母親の名前。
その母の名前以外に記憶がないことで、いっそう苦悩するパルジファル。クンドリは、そ
の青白く崩折れたパルジファルに、これが母親の接吻だといって迫った。
シンにはパルジファルの青白いからだが、クンドリの赤い絃で絡め取られているように
見えた。
次の瞬間、ぱーんとクンドリの赤い絃が跳ね除けられ、パルジファルの体が輝いた。そ
して一幕のアンフォルタスを思い出し、己がなすべきだった仕事に思い当たる。自分の少
年ゆえの愚かしく荒々しい行いゆえに、聖杯城での自分の役目が理解できなかったと、パ
ルジファルはクンドリに抱かれながら続ける。接吻されたことにより、肉体的にクンドリ
を引き離す。
クンドリの思いはパルジファルに向かっているのに、彼は彼女を拒否し、しかし互いに
己の思うところを歌いあう。舞台の上で、わからないドイツ語でせめぎあっているのだが、
シンには自分の目の前で歌われ、語られているかのように、十二分に感情が伝わってきた。
親のいない、記憶もない少年、でもクンドリにとっては自分が救われるために大事な存在
なのだ。シンはそういう女のエゴに、本能的な拒否感を覚えた。
クンドリは救済を求めるが、パルジファルにアンフォルタスへの道は教えない。そして
聖槍を使って彼を傷つけたのは、クリングゾルだと言う。
責任を他人に押し付けるクンドリに向かって、パルジファルが「消えうせよ! 穢れた
女」と朗々と声を上げたとき、クンドリの赤い絃がすべて消えゆくのを、、シンは見た。
しかし「すべての道に呪いを掛ける」という彼女の言葉は戒めとなってパルジファルを
縛る。城壁に、様子を見ていたクリングゾルが現れる。
彼は聖槍をパルジファルに投げるが、槍は彼の頭上で静止し、それをつかむ。そして聖
槍でクンドリに「戒め」、という名の呪いを掛けるのであった。
もう最終チクルスで、二幕が終わった時には暗くなっている刻限だった。二人は行きか
う女性の中に毛皮を羽織っている人を見て、とことんここはプラントとは異世界だと思う
のだった。
二人はまたカフェに入って、今度はカレーソーセージのサンドウィッチとコーヒーを頼
んだ。このホットドッグは、パンは10センチほどの固いパンなのに、ソーセージは30セ
ンチほどもあるというしろものだ。
レイはシンの目つきが普通ではないのに気付いたが、音楽に圧倒されているのかと思い、
何も言わなかった。狭い劇場、見えないオーケストラピットから聞こえてくる音楽、そし
て幅は狭いが無限の奥行きを持つかのような舞台に次々と登場してくる歌手達。
このバイロイトでの演出は新演出だと議論を呼ぶものだが、パルジファルはあまり演出
家にとって腕の揮いどころのない作品だ。抽象的で演出家が象徴したいものをあらわすの
が、よいとされている。舞台神聖祝典劇なので、俗な部分は排除されるべきなのだ。
そんなことを考えていたレイに、声が掛けられた。
「無事に劇場にこられて、よかった。私も力添えした甲斐があったというものだ」
昼間ヴァーンフリートであった紳士だった。
「ありがとうございます。ホテルまで紹介していただいて、おかげさまでこの音楽祭に参
加することが出来ました」
自分たちの休暇を電話一本で伸ばす相手だ。レイは、自分が丁重にでればその優れた容
姿からいい印象を相手に与えることは知っていた。
シンも相手がわかったらしく、しかし心無い声で言った。
「ありがとうございます」
トランス状態というのだろうか、入り込んでいるままだ。レイとしては、よほどのこと
がない限り休暇が終わるまではそのままにしておいてやるつもりだった。彼は音楽好きで、
クラシックに関してはシンよりずっと沢山の音楽を聴いてきたし、自分で演奏もしてきた。
しかしこういう音楽的陶酔というのは、経験など関係なしに、ある意味選ばれたものを狙
い撃ちするのだ。
レイは、今日のチケットをくれた盲目のマルキオ導師なる人物、そして居心地のいいガ
ストホッフを紹介してくれた隣の夫婦、どちらも信用できないと思っていた。
とはいえ一階がレストランになっているそのガストホッフでは、あらかじめ頼めば瓜坊
の半身をローストしたものが食べられるということなので、予約してきた二人だ。
三幕を聞き終えて、宿に帰って食事を摂って、ゆっくり寝て明日基地に帰るまで、シン
に対する責任は自分にあると、ギルバートとの約束とは全然別の友情という理由でレイは
心に誓った。
「あなたたちは、純潔で美しい、聖杯城のお小姓にふさわしい方たちのようですね。いま
は騎士になるための修行を積んでいらっしゃる」
「自分たちは、実際戦場に出ている兵士です。ユーラシアではまだ成人扱いされませんが、
プラントでは大人です。結婚も出来ます」
レイは丁寧に、しかしはっきりと答えた。確かに自分たちは美しい少年だから、『小姓
のようだ』という褒め方は、特にこの場ではおかしくない。けれど演じられているのは宗
教劇、そして招待主はSEEDがどうとか言っていた宗教家らしき盲目の男、その男と近しい
らしい有力者の夫婦。
「そう、プラントでは15歳で成人だそうだね」
「ユーラシアでは17歳だそうですが。我々は16歳です」
「戦争で地球に来てらっしゃる。つまらないことですわ、戦争なんて。人の心の平和をも
っと大事にしなければ、世界は滅びてしまいます」
この意見には同意できた。宗教を盲信して旧時代には沢山の戦争があったが、心の支え
にもなるのはわかる。プラントでは宗教というのは滅んだ遺物だ。その唯物的な姿勢が、
コーディネーターの弱点で、とにかく価値が一元的で優れた者にこだわる。優れた遺伝子
と適性のある遺伝子は違うのだが。自分たちの赤服も、アカデミーを優秀な成績で卒業し
た優良な遺伝子と能力の持ち主だという宣伝だ。とにかくコーディネーターはそういう区
別をつけるのが好きなのだ。
「早く戦争が終わるようにと、我々も思っています」
「ええ。わたくしの従兄弟の息子にプラントに移民してるのがおります。……地球の有名
大学で博士号をとっているのに、工場労働者だとか。プラントって、そういうところです
の?」
「二十歳以上の95%は博士号の所有者ですし、労働人口の50%が工場労働者です。その高い
技術力が、プラントの産業のみならずその根幹となるコロニーを支えています。宇宙では
空気も重力も、ただでは手に入らないのです」
レイは答えながら、地球とプラントは、互いの社会の違いについて知らなすぎると改め
て思った。
隠者の庵、そこにいるのは老齢になったグルネマンツであった。
彼は庵の外に倒れている女性を見つけ、介抱する。それはクンドリであった。
シンの目には衣装が違うこともあるが、クンドリを取り巻いていた華やかな色彩が消え
て、かわりに地味ながら優しく見えた。
そこに森から、真っ黒な鎧に身を包み、槍を持ち、兜の面頬を下ろして顔を隠した男が
姿を見せた。台本を読んでいなくても、これがパルジファルだとわかった。鎧の中から、浩々と輝いている。
グルネマンツが彼に、聖金曜日だから武器を持っていてはいけないと告げ、頭をたれて
聞いていたパルジファルは地面に槍を突き刺し、己の武装を解いて黙祷した。
そしてクンドリとグルネマンツは、彼が白鳥を打ち落とした愚かな若者であることを知
る。
放浪生活により迷いと苦しみの道を通ってきたパルジファルは、己の持つ高貴に輝く聖槍が、聖杯に属することを宣言する。
歌を聴いているだけで、どういう苦労があったか見えたし、声に知性を感じる。作り物
の槍がぱっと輝いてシンの目には映った。アンフォルタスのところに行かなければと、使
命を自覚した聖なる愚者パルジファルの目覚めに、グルネマンツは聖杯城の現状を告げる。
彼が聖槍を持って戻ってきたことにより、聖杯の儀式が復活するのだと。
クンドリはパルジファルの足を洗い、グルネマンツは彼の頭に水をふりかけた。
これが特別な行為であるのが、パルジファルの足と頭が一段と輝きを増したことでシン
にもわかった。福音書を一読したことのある人なら、新しいメシアの登場と理解しただろ
う。
聖別されたパルジファルは、ひざまずくクンドリに洗礼を授けた。泣きじゃくるクンド
リから新しい、柔らかさと慈愛に満ちた涙が落ちたと、シンは思った。
隠者の庵も、その周囲の森も、聖金曜日の祝福に、明るく生き生きとして見えた。
グルネマンツに聖杯騎士のマントを着せられたパリジファルは、聖槍を持って聖杯城へ
向かう。
殿堂では聖杯の厨子、先王ティトレルの棺、そして病気のアンフォルタスがそろい、し
かしもう望むのは死だけと、アンフォルタスは父の遺体に歌い掛ける。
照明自体暗くなったが、舞台から漂ってくる雰囲気が陰気で息が詰まった。
そこにパルジファルがやってきて、すっと前に出て聖槍でアンフォルタスの脇腹にふれ
た。傷を治せるのは、その傷を作った武器だけと言いながら。
アンフォルタスは歓喜し、それをグルネマンツが支える。
聖槍を持ったパルジファルは祭壇で、小姓から聖杯を取り、ひざまずいて祈りを捧げた。
舞台にいる人が全員、小姓や騎士達まで、神聖な光に包まれ、特にパルジファルと聖杯、
聖槍はまぶしいほどにシンには思えた。
救済の奇跡が歌われ、キリストを嘲った罪で死ぬことを許されなくなった女クンドリが、
静かに事切れた。
幕が下り、拍手なしで粛々と観客が劇場をあとにする。
作者ワーグナーが『パルジファル』上演に当たって決めたことだが、このバイロイト祝
祭劇場においても、拍手をするマナー知らずがいるのが普通だということを、さすがのレイ
も知らなかった。
トリップつけました。
ホントはトリップなしで書いてたら、他の人が勝手に続きを書いちゃたりなんて、2ちゃん
らしいことがおこるんじゃないかとわくわくしてたんですが、コピペは容量の無駄。
パルジファル、私は好きですが、現代音楽、キリスト教に興味のない方にはお勧めできない
作品ですな。ちなみに彼はローエングリンの父親です。兵器として息子に劣るとは、カワイソス。
GJ!
お待ちしておりました。朝からGJです!
>ホントはトリップなしで書いてたら〜
荒らしが多くて心配していたのですが、383氏はへこたれないんだなぁ〜
と、妙に安心しましたw
GJ!!!
朝から来たかいがありました
朝からGJですっ!
レイは自分が容姿端麗だと自覚してるのかぁ…
タキシード着たレイはさぞかし見目麗しかっただろうな
モンゴロイドとコーカソイドでは骨格とかだいぶ違いそうだけど、それ抜きに胴囲を気にするシンが微笑ましかった
シンはオペラを聞いていたら、種割れしたって状況?
純粋に、続きが楽しみです。
サンライズに文化教養ネタを求める事自体無理だと
わかってる(せいぜいケバブにはヨーグルトかチリかレベル)けど、
こういう情景を描いてもらうと、ああ、本来こうあるべきだなと痛感します。
今後もぜひ、深く、緩やかに、ご執筆下さい。
純粋に、続きが楽しみです。
サンライズに文化教養ネタを求める事自体無理だと
わかってる(せいぜいケバブにはヨーグルトかチリかレベル)けど、
こういう情景を描いてもらうと、ああ、本来こうあるべきだなと痛感します。
今後もぜひ、深く、緩やかに、ご執筆下さい。
自動保守装置乙
383氏乙。
…いやー、正直自分には何が何やらw
383氏は本当、色々な所に造詣が深いなと。
この戯曲の内容、マルキオ派と何かしらの関係があるのかね?
>ホントはトリップなしで書いてたら、他の人が勝手に続きを書いちゃたりなんて、2ちゃん
>らしいことがおこるんじゃないかとわくわくしてたんですが
へんな理由w
誰かが勝手に続きを書くとしても酉に関係なく書くことでしょう
なりすまして続きを書く奴が出てくるってことだろ?
まともに三次創作する奴は勝手に書かないと思うが
つか、文体や設定の緻密さで無理だと思う>勝手に続きを書く
設定じゃなくて描写ね
>>556 つまり安易に真似できるレベルではないと言うことで
これは種死版「世界の車窓から」か?
そのセリフをそっくりそのままお前に返す
ああいう客観性ゼロの奴が狂った様にスレを荒らしてゆくんだろうな…
↑ああ誤爆です
マンセーしてるの半分は383の自演だから桶だよ
スーパーハッカー乙
クラシックとか民族音楽を大音量で聴きながら読むと良いですね、ここの小説。
一曲聞き終わる前に1更新分読み終わるがなw
age
自演って虚しい
わかっててなぜする
自演って楽しい
自演って厳しい
もう誤爆は許されないw
(*^▽^*)
マンセーしてるの半分は383の自演だから桶だよ
573 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 17:33:41 ID:iWfdUqEX
wwwwwwww
最近ここに限らずSS系のスレが荒らされてるな
夏休みはもう終わりなんだがなぁ…まあスルーが一番だよ
383氏はどMだから叩かれると喜ぶよ?
レイの胴回りがシンより太いのって何か秘密あるのかな
アレッシィ印のプロテインを愛用してるのかな
首から下が妙に貫禄のあるレイを想像してしまった。
手を後ろで組んでたり。
ヒント
つクローンは成長が早い
よく日焼け止め塗り忘れてるからどんどんアレッシイに似てくるんだな>プロテイン
>>579 別にそんなことはないだろ。ラウの成長(身長)は、確かに早かったが。
レイはシンと同じ程度の年齢のはず(10年前に5歳程度だった)だし、
同じ身長でも体格の差は、普通に人種の差だろうに。
……でも、体格の差と言っても、1kgしか体重は違わないからなぁ。
あ、ここのレイはもしかすると別設定かもしれんが。
>>580 某FLASHみたく悩むレイに後ろからラウが
「君の姿はボクに似ている〜♪」って迫ってくるの想像して吹いたじゃねぇかw
バレちゃったら困るじゃないか<二人はクローン
片方がトンデモ外見なお陰で大丈夫だけど。
部下にゲイ呼ばわりされてまでレイの体面や将来に気を遣って
変態イタリア人に扮するアレッシィの愛情に全米が泣いた
383氏設定だと顔はしわくちゃじゃないようだし、仮面も同じ理由だったのか?
まあ仮面もエセイタリア人扮装も気遣い以上に趣味疑惑が高いのもご愛敬か
42 名無しさん@ピンキー sage 2006/09/12(火) 08:01:18 ID:vZKo2PiF
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1154065326/ 問題となっているスレは他板のもので、ルール破りは承知
原作アヌメのかっこよい(位置づけだった)準主人公は竿も玉も去勢で
>スキンヘッドだわ、
>自分が最後のコーディネーターになって最後死ぬ(予定)に陶酔するわで。
でこのSS少し読み始めて作者の文化教養政治ネタにちょと「ほー」と感心する。
でも、半ばまで読んでなんというか「?」となる。
なんと言うかその知識ちゃんと咀嚼してるか?っつう…。
↑こいつ何とか汁。
……どこから持ってきたんだよ、それ。
>>586 種アニメでだって、クルーゼは老化してないぞ。
老化して顔がとかいう設定にしたのは、あの角川小説の独断。
でも俺としてはクルーゼ仮面の下が美形って言うよりは
皺を深く刻んだ鬼のような形相の老人である方が良かったな>角川小説
種にはそういうキャラが足りないと思ってたところにあの描写は説得力を伴ってシビレた。
ラスボスまで美形は正直食傷。やっぱ敵はバケモノでないと。
しかし、どう見ても仮面の下は美形だっただろうが。
フルフェイスヘルメットかぶっていたというならともかく、
目元しか隠れてない状態で、顔も腕も綺麗なもんだったのに、
いきなり皺だらけの手、目元に深い皺がといわれても、納得いくわけないだろ。
っていうか、じゃ、シャアが不細工でも良いのか? ゼクスは?
仮面の下は美形というのは、お約束で良いんだよ。
>>591 っPS実写ガンダム
まあ冗談はさておき、シンとレイは1歳違うし、レイのほうがシンより体が出来たんじゃね?
>>591 >しかし、どう見ても仮面の下は美形だっただろうが
顔は初回放送時には出てない。総集編だかスペシャルだかで初めて出たから
順序で言えば小説のほうが先。この辺もアニメの方と連携取れてないのがバレバレって話かw
>目元しか隠れてない状態で、顔も腕も綺麗なもんだったのに、
>いきなり皺だらけの手、目元に深い皺がといわれても、納得いくわけないだろ
自分が納得いかないからって他人もそうだと思わないでいただきたい。
「薬のおかげで老化は大分抑えられるが、完全には抑えられない」という描写として
部分的な症状の発露は効果的。シャアと同じく必要に迫られて仮面装備してることになる品。
(アル・ダ・フラガとクルーゼはクローンの癖に輪郭全然違ったから隠す必要は無い)
>っていうか、じゃ、シャアが不細工でも良いのか? ゼクスは?
>仮面の下は美形というのは、お約束で良いんだよ。
そいつらは別に過去の人だからそれでいいが、そうしたお約束があったからこそ
逆に「仮面の下は美形」というキャラに飽きたと小生は申しているのですよ。
お約束を打破する醜い顔だからこそ新鮮だった。
ピンキーてことは得ろ羽ロか?
至る所で嫌われてるなw
>>587 貼ったの自分ですけど。
作者さんの幅広い知識は関心するんですが、なんか2ch的表層的
知識しか持ってないような気がするんですよ。
特徴といえば長所になるかもしれないんですが傲慢な雰囲気が
ぷんぷんする作品なんすよね。
ね、作者さん、短大卒か文学部卒ぐらいっしょ。と思うのです。
>>593 だから、その見解もお前さんのものであって、否定的に書かれたからといって
かみつくようなもんじゃないだろ。
まぁ、自分がかみつくようなレスしちまったがな。
醜い顔なんて、種のファンの殆どを占める女子は想像してない&望んでいない
=受け入れられないものだから、種死できちんと美形顔を出したんだろ。
>>596 ????
あのー……
>>590では文頭にわざわざ「俺としては」つけたり文末を自己完結の形にして
「個人の意見である」ことを示しているんですが。
そこへ
>>591が噛み付いてきたから事実の提示+自分の意見に対する誤解を解くための説明を
>>593でやってるわけで。俺がどの辺で噛み付いてるって?
荒れそうな言い方だが、相手さんが一方的に噛み付いてきてるだけに感じるよ。
商業的には醜面よか美形の方が受ける、ってのは正しいけどね。
気に入らない話を年齢制限板まで行って貼り付けか・・・
痛い作者にはアンチも含め痛い読み手がつくって本当だなw
>自分が納得いかないからって他人もそうだと思わないでいただきたい。
この表現に、「かみつかれた」と思ったんだよ。
別に、おまえさんに強要するつもりで言った訳じゃなく、自分が納得いかないと
書いたつもりだったんだ。
だが、よく見ると「自分が納得いかない」と読み取れるものではなくて、
相手を否定する勢いで自分がかみついてるから……まぁ、そのな。
あと、バケモノという言い方にカチンときたんだ。
すまんが、その表現でかなり嫌な気分になってしまったので。
(ここのクルーゼは、微妙にぶっ飛んでるが角川小説の彼とは違うし)
とりあえず、クルーゼを完全に悪役に描いている小説版が大嫌いな人間と、
クルーゼは完全悪だと思うからこそ小説版が好きだという人間は、
相容れない存在なんだろう。
>>598 小説形式どうのと作者さんが意見してたから、職人スレで質問しただけ
21禁でみんな馬鹿にしてるかもしれんが、あの板の職人のほうが
知識も技量も上。みんな真剣にエロってるんだお
あ、言い忘れたが、自分が嫌いなのは容姿の描写はともかくとして、
(あの時点では完全悪としてああいう描写をされてもしょうがない)
レイとデュランダルという、深い関わりのある人物が出てきたにも関わらず、
無印と同じ所か、それ以上に輪を掛けてクルーゼを貶め続けた作者が
嫌になったので、結果的に種の小説も否定派になったというだけ。
種だけの作品としてみたら、あの完全悪描写でも皺だらけでも当然だと
受け止めただろうな。
女だがキャラのツラなんぞ皺だらけだろうが美形だろうがどっちでも良い。
私にとっての問題はネオだ。本編のムネオが激しくアレだったせいで
未だに383氏の冷徹で有能で美形なネオに対し違和感が消えんw
これはムネオじゃないネオなんだと自分に必死に言い聞かせながら読んでいるよ。
ところで、そろそろ燃えるMS戦闘が恋しくなってきませんか?
クルーゼは黒でなくグレーと認識してる人にとってリウ版は辛かろうな。
腹が立つ気持ちもわからんでもないが、よりによって特別w精魂込めて書いたフラガ関係によって
リウ版は 公 式 に黒歴史であることが確定したんだし、それでおkとしておこうぜ!
デス種でも議長&タリア関係で黒歴史だし、必死にラクシズマンセーしてるのに本当報われないなリウは。
どうでもいいことだがクルーゼ素顔暴露は皺よりも凄惨な眼光の方が印象深かったなあ。
あれを越える目力にはとうとうデス種でもお目に掛かれなかった・・・シンも結構きてたんだが。
静かに燃える激情を孕んだ目を平井が描けると知って驚いたものだw
あんな目をしていた男がここではテカテカお肌のイタリアンだと思うと感慨深い。
文化描写もいいがやっぱガンダムといえばMS同士の戦闘だし確かに恋しくなってきたなー
そこでシンVSアスランですよ
種死本編でのインパVS自由を超える死闘を繰り広げてくれるはず
>>600 だったらなんでわざわざ劣った文章読みにこっちに来るん?って話だな。
それから最近、エロは表に出れない文化だって事を忘れて声がでかい、
「自称俺クリエーター」なエロ書きがやたら多いな。
話が変わってきてるので、これ以上言わんが。
>>605 叩きに持って行きたい人だと思われ。触らぬが吉。
いろいろ言われて、あの383氏が大人の対応をとってくれたんだ
俺達住人も、リアルお子ちゃまもいるかもしれんが、
ここはひとつ大人の対応をしていこうぜ
>>606 別に叩きたいわけではないよ、好きな部類のSSだし。
383氏の作品は小説というレベルまで到達してないよ、
この作者さんの定義によると。
初めに結構いいじゃないかと読んだおいらと
後半だれて「はいはい中二病的偏った知識ひけらかしSSね」と
読んだおいらどちらがちゃんと氏の作品を理解しようとしていたんか
と聞きたくなったわけだ。
どちらにしても飛ばさず読めたので、楽しませてもらったと感謝してるけど
>初めに結構いいじゃないかと読んだおいらと
後半だれて「はいはい中二病的偏った知識ひけらかしSSね」と
読んだおいらどちらがちゃんと氏の作品を理解しようとしていたんか
と聞きたくなったわけだ。
どっちもちゃんと理解しようとしてます。
はい終了。
そんなこと周りに聞いたってわかる訳ねえだろ阿呆
>>609 理解より、2chで聞いてきた知識を接木したような知識ひけらかしSS
という感想持たない?
>>611 609ではないが
確かに、「自分の得た豊富な知識を作品の中に盛り込んだ」と言う印象を自分も受ける。
知識ひけらかし(?)についてはそれ以上のものも、それ以下のものも感じない。
だが、その知識を得るためにしてきただろう努力は認めたいし、
何より、383氏はまだ若そうだ。
盛り込むものが醸されていくのはまだまだ更にこれからなのだと期待したい。
>>612 >豊富な知識 ……?
作品見る限り豊富ではないと思う
>>613 へえー
俺も素直にいろんな事知ってるんだなあと思ってたけどなー
どの辺りでそう思ったのかきいてみたい
まだ本編で言えば前半部分しか行ってないと思うけどこれからどうなるかを最後まで見てみたい。
特にシンレイコンビが面白いし。
自分も614と同じだな
氏の小説を読んでいるといろんな情景が浮かぶ
日々更新が待ち遠しい
まぁ、芸術関係の描写については、自分が好きだからこそレイに言わせているんだろうなー
と思ったけど、キャラに合ってないわけじゃないのでよかった。
これをもし、例えばキラに言わせてたら「ありえねー」という気持ちになってしまっただろうけど。
ただ、興味がないことについては目が滑るという人も多いと思うので、最近それが続いてる為に
いらだってしまってる人がいるのかな。
自分は、シンとレイがこれからどうなるか、MS戦とは別の部分での駆け引きがすごく面白いので、
楽しみにしている。
>>614 >>48のallA→straightA
いや全然たいした事ないけど。
その他宗教、唯物論についての用語とか??と思うところもあったんですが
おいらの解釈が間違っているという可能性も高い
やっぱ中二病臭いな。
知ってることを全部書いちゃってるのが痛い、痛いよママン。
620 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 02:18:30 ID:ZOi7czsl
>>617 >おいらの解釈が間違っているという可能性も高い
そう思うならどうしてSSの内容に文句つけるようなこと書くの?
間違ってるなら間違ってるとちゃんと指摘すればいいじゃない。
アゲチャッタ…orz
>>620 文句つけてないお。楽しませてもらったと素直に言ってるじゃん
この作者さんの作品世界の中では正しいわけだし
こうやっておいら達が踊っているのも、作者さんのニヤニヤの燃料になっていいと思うよ
>>622 あなたは別人なのかもしれないけれど
>中二病的偏った知識ひけらかしSS
こういうこと言う人が楽しんでるとは思えない。
人それぞれいろんな楽しみ方があるからね
でも、他人を貶めて愉悦感に浸る辺りは383氏といっしょだねw
類は友を呼ぶんだねwww
>>598 けだし名言
625 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 02:59:55 ID:a8JHWgmO
ラウ・ル・クルーゼ?
ああ、スタート直後にフリーダムのビームライフル・バラエーナ 連続撃ち
相手が空中に浮いた時に覚醒
地上に降りる瞬間にマルチロックオンビームで倒せる
つか、知識とか教養ってのは言葉の端々ににじみ出る程度なのが一番いい
俺こんなことも知ってるぜ、ってひけらかすのは臭くて読めねえよ・・・
>>626 >臭くて
どう表現すればいいか思案してたけど、それそれ。ぴったり
教養も2ch的教養がイパーイ
だから383は名無しに潜伏してるんだからいちいち口論するなよ
>627
なるほど。確かに臭い。
「ゲロ以下の匂いがプンプンするぜッ」
ってのはこういうときに使うのだな
低脳アンチどもが火病ってて臭い
こうですか?
>>630 お前の臭いはゲロ以下だけどな383
相当な悪臭放ってるよ?くせぇ・・・・
素晴らしい、
>>598の引用した言葉が形になったような流れだ。
伸びてるから投下があったのかと思ったら…口ゲンカかよ、下らねぇ
どんな電波を受信したのかは知らんが勝手に相手にレッテル貼りをして、思い込みで貶めるのは感心しないな
いちいち文句付けてるやつは何がしたいのかサッパリ判らんよ
>>630 低脳って言葉、383が使いそうだな
>>544な厚かましい発想もよくできるなー。
おまえの書いたSSをなりすましで続き書く奴なんて出るかよ
低偏差値ががんがって政治文化教養を2chで勉強して発表したようなSSに。
ばかがうつるww
クマー
まあアラシはほっといてマターリ雑談でもしましょうや。
レイはあれだけ近くにいてアレッシィのこと本当に気付いてないんだろうか?
どんなに外見を変えてもキュピーンで見破れそうな気もするが・・・
ホント、なんでこんなスレになっちゃったんだろ。
107氏にも、帰ってきて欲しい。続きが読みたいよ。
原稿用紙に書いてるわけじゃないんだから、日本語さえまともなら俺的にはノープロブレムなのになあ。
そこんとこだけは383氏を怨みたくなるよ。
おいらも107氏は好きだーー!シホが出てくるからwwなんだが
正直wktkしてしまうからなんだな
>>636 んだなー、SSを待とうSSを。
キュピーンは敵対しあってないと無理なんだろうかね。
レイVSアレッシィのような展開にならないと…って、なるんかな。
まあ、これからどんどんストーリーにオリジナル色が強くなるだろうし
(383氏もその辺で悩んでるんだろうかな)
どうなるかはワカランが…
>>639 SSと言ったら383が怒り狂うよ、小説書いてるつもりだからww
oil 63.75!!!
助けてください、大佐ァーッ!持ちこたえられません!!
ラマダン明けたらシリア開戦!!がんがれっ!!
スマソ、ゴバークつかこんな低レベルSS搭載スレに誤爆するとは・・まじで樹海逝きか
>>642 あなたのような無礼な人間は、逝くならささっと逝ってほしい
レイがアレッシィに似てくるのも気になるし
あとアレッシィが冬になってもノースリーブ透すかどうかだな
ムキムキの褐色腕にサブイボ立ってるし風邪ひくし危険がいっぱいだな
>>643 ひどいお。ちょとまぢでやばい
…タマちゃんが縮こまって今引き出してるぐらいガクブルなのに (⊃д`)
>>644 カミーユ的383ないい方だお(⊃д`)ひどいお
なんでもいいからさっさと逝け
アレッシィもそうだけどクレオパトラもけったいな外見だし
議長と三人並んだらさぞ濃いだろう
>>650 わかった!383の世界は北斗の拳かジョジョなのか!
もっともらしげな2ch教養もネタとして見ればいい!
(Skull and Bones、Bayreuther Festspieleなど)
>>599 なんか荒れた流れで押し出されかけてるが一応最後に弁明+侘び。
俺が醜面クルーゼの方が好きなのは、闇の深さがより引き立つと思ったからだが
別に「絶対悪」やら「真っ黒」と思っていたわけではない。
「人類のエゴで生み出され、世界に絶望し、その世界の破壊を目指した男」が
ヤツのポジションだと思っている。しかし「単なる可哀想な人」ではなく「世界への復讐者」に
昇華したところにこそ吹っ切れた悪のカタルシスがあり、俺はそれが最大の魅力だと感じる人種ということ。
107氏を批判するわけじゃないが「いい人」の側面なんて見せるクルーゼはクルーゼじゃないとも思っている。
キリスト教的な絶対悪ではないが、善は全て捨ててきた呪詛の結晶。化け物と言ったのは
人の手で造られた人間以上の存在(欠陥はあったが)を指したと思ってほしい。
つまるところキラとクルーゼの戦いは光陰の対極に分かれた化け物同士の戦いと捉えている。
その対比として、美形の(そういう設定らしい)キラと相対するクルーゼには
真逆の存在であって欲しかった。リウが見事に突いてくれたツボさw
言葉足らずで誤解を招いたようで申し訳ない。
煽るつもりでもなかったし、クルーゼがクトゥルフ系クリーチャーの同類というつもりも無かった。
>>652 >107氏を批判するわけじゃないが
ねぇねぇ、おまえ383だろ
>>653 他の板では稚拙ながらSSの何本かも書いてるが、俺はオペラやら歌劇に興味を持ったことはないし
「バイロイト?なにそれ? ダイアウトの親戚?」とか頭ひねる人ですから。
今書いてるのが終わった時にまだこのスレが残ってるようなら何か書きたいと思ってる。
>>654 「吹っ切れた悪のカタルシス」「呪詛の結晶」
種時点において、自分にとってのクルーゼもまさにそれ!
でも、そういうクルーゼに強く惹かれながらも、
そのあまりに惨い宿命に涙したのもまた事実…。
もし万が一、あの戦火の中で生き残っていたら、今度は違う方向に吹っ切れて
彼の虚無を、ほんのわずかでも埋める何かに巡り会ってほしいと願った。
が、それはそれw
>>654氏が書かれるとしたら、戦後のクルーゼはどんなふうになっているのか?
今から物凄く楽しみで、物凄くワクワクしている。
是非、書いて欲しい!楽しみにしています!
656 :
655:2006/09/13(水) 14:47:24 ID:???
>戦後のクルーゼ・・・ヤキン戦の後のことです。
スマソ
>>639 敵対しなくても互いに感じ取れるんじゃない?
初期の頃にそんな描写があったような気が…
なんかヤナ流れになってるな
659 :
通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 23:34:30 ID:5xQMK3lI
>>652>>654>>655 この辺り383自演か。別人ならこんな援護レスキモい
107氏は文章つたないかもしれんが、登場人物の心理描写が細やかで
読み手を作者の世界へ引き付ける。
今後期待できるというなら、DQN383よりおおいに期待できる
ねぇねぇ383、おまえ処女だろ
383オマンコは、臭くて白カビが生えているだろうけど
熱ーく固ーいチンポを突き立ててもらって、ぐちゃぐちゃに掻き回されれば
383の知ってるつもりになっている偏った世界や知識が少しは広がると思うよ
荒れた流れよもう一度!
まで読んだ。
っていうか、652は383の書くクルーゼとは別な形のクルーゼが好きだって
書いてるんだが、もし同一人物だとしたら好みと書くのとは別なのかね?
自分は、思い切り角川小説とは違う立場で考察して、そのキャラ像を元に
クルーゼを見直したら、世界が滅んでしまえという感情とレイやデュランダル
との友情は両立出来たから、その線でとらえてるんだがな。
別に、クルーゼをかわいそうな人としてとらえてるわけでもないぞ。
(キラやフラガに哀れな男と蔑まれたのはすげー嫌だ>角川小説)
つまり、種のクルーゼだけが正しい、種死で出てきた友人がいるような
クルーゼなんてクルーゼじゃない!というのは、ムネオを認めない
ムウファンみたいなものなんだろうが、そうじゃないファンもいるんだから、
共存の為には、言葉に気をつけよう…
ごめんごめん383の自演かと思っちゃった
でも383て処女だと思うよ
短小でもいいからチンコ突きたててもらって、処女膜ぶち破って
もらったほうがいいとおいらは心底心配してるよ
>>657 実はもうアレッシィの正体に気付いてるかもな
でもアレッシィは気付かれないようにイタリア男に扮する
夏休みも過ぎたのに相変わらず…というか酷くなってるな。投下が無くてイライラしてる奴と、前の発言掘り起こして荒らしたい奴ばっか
それっぽい奴を2、3他スレで見かけた。一人称とか口調とか、
同一人物だと思うんだが…マルチかな。
おいらも職人してるから、面白いSSで紹介されたSSスレ回っていて
ちょと気になったから質問しただけ。何でも叩き扱いしてほしくないお。
それに職人、控え室ぐらいしか書き込みしてないよ
いい加減、スレタイ読んだらどうですか?
>>664 正体に気付いているとしたらスゲー複雑だろうな
生きてて嬉しい反面、姿が腕出し改造白服の色黒筋肉イタリアンじゃあな
いや、レイなら気にしない か?無印の時点で変態仮面だったし
必死に調べたことを、上手く纏めたSSですね
ネットで検索かけて、一ページ目だったら、バレル確立たかいから、
10ページ目位に出てくるサイトの文をアレンジしたのですか?
身についてない知識を無理矢理混ぜ込んだみたいな駄文だな
つか、ガンダムでも種でも種デスでもねえ。
>>669>>670 あーそんな感じです。
ネットで出てくる話題、知識ばっかですね。
学者が一生かけて書いて学生に「買って〜買ってくれたら優あげるからおながい」
的紙媒体な教科書読んでないな、とエロパロ板住人のおいらは思うのです。
流れとは関係なくてスマンが、
必死にエロパロ推してるやつは何が言いたいんだ?
エロ書きなのを素で誇ってるのはキモイと思う人間もいるんだが
伸びてるから投下かと思ったら、また粘着嵐かよ
>>669-671の自演がウザ過ぎ、ここまで来ると気違いじみてるな
383氏の投下が待ち遠しい
こいつは他所のスレまで行って毒吐いてる真性だぜ
ここに隔離して住人がスルーを極めるのが板にとっては平和かもな……
むしろ鳥でも付けてくれんかね
>>661 >後ろ四行
だから態々「と思っている」まで付けてるわけで。
押し付けがましいヤツは否定されてしかるべきと思うけど
個人の意見を封殺することは誰にも出来ない。
あのさ、今荒らしてるやつ、少し前にエロパロ板の控え室でここさらして
袋叩きになってたヤツだぞ。最後はとうとう住人にNG入れられてスルーされたみたいだけどさ
構わんのが一番いいぞ?
追加
ついでに、荒らし依頼までやってた。相手にされてなかったけどさ
もしも真相が知りたければ、エロパロの控え室まで見に行って、ニヤニヤしてくるがヨロシ
>袋叩きになってたヤツだぞ
やっぱりねw
383氏の降臨待ち
>>676 652か?
「思ってる」を入れれば何書いてもいいって訳じゃないし、
そもそも発端の書き込みで非常に嫌な気分になったことも
指してたんだがな、言葉に気をつけてくれというのは。
後でフォローを入れられようが、嫌な気分になったのには変わりない。
しかも、なんでまたレス付けるんだよ。
種のクルーゼだけが好きという奴、友人描写を否定する奴は世間に
かなりの数いるようだから、個人を特定した書き込みじゃないんだが。
(新シャア内に限っても、複数の意見として見かけたから書いてる)
どう読めば、言論封殺の提案まがいと曲解出来るんだ。
その態度は自分で押しつけがましいと思わないのか……結局、
自分が言われっぱなしで終わるのが嫌なだけだろ、と解釈するぞ。
……つまり、この書き込みに「そんなことはない」とレスされてもな。
>>682 悪いが、最後の三行が言論封殺の提案以外のなにかには見えない。
「言葉に気をつけよう」は同意するが。
・・・なんだかさぁ、肝心の作品投下がないからいらいらしてる奴が
多いのか?
ごちゃごちゃ言ってるが、絡んでいるように見えるのはどちらかを
アンケートでもとってみれば、どーせなら?
というより、ここは議論スレでも何でもないだろ?
だね、ここはあくまでクルーゼが生きてたらInCE73スレ
内容に関わらない雑談やらは雑談スレで行って欲しいな
普通に一人荒してる奴がいるだけだと思う
悪いがたまに俺が必死になってる奴に便乗してるから最低2人だ
コレは酷いなw
他人を叩きたいだけの奴に同調する人間なんていないってことだな。
ワグネリアンが怒り狂うようなSSですね
ワグネリアンはこんなところ見ません。
見ても鼻で笑うだけでしょう。
>>693 >見ても鼻で笑うだけでしょう。
一見自スレを貶めるようで、実は強烈自意識高の383だな
本で読んだことを全部書けばいいってもんじゃねーだろ
知ったか臭い
>>692-695 はん、遠征荒し依頼に総スカン喰らって、しかもそれを晒された大間抜けか。
普通の神経じゃもうとても出て来れない所だけど、恥知らずは気楽なもんだな。
もう放っておけ。
コイツの記憶は80分しかもたない(苦笑)
「ボケないための本」を買って来たかと思ったら
次の日も同じ本を買ってくるようなタイプだ
というより恨み言だけ忘れない辺り抜けてる野猿程度。
もうちょっと野性味が残ってれば痛い目にあった事くらいは覚えるのに。
もはや誰が誰のこと言っているのかわからない件
袋叩き君が383氏を罵っているのか
はたまたその逆かw
普通に続きが読みたい
ここと、某語りスレは住人かぶってるかねぇ…?
普通に続きが読みたい。
本当に続きが読みたいよ
>>696-
>>703 383の自演か383程度のおつむしか持たない方々ですかね
感想を述べただけでどうして叩きと思うかね
また職人として叩きとしか受け取れないのであれば、物書きとしては
失格でしょう。あー職人という言い方嫌いでしたっけ
>>704 仲間が出来なかったからってひがむなよw
必死ですね
707 :
706:2006/09/17(日) 02:04:15 ID:???
あ、704がね
>>704 根性の曲がった383の煽りに負けずこれからも頑張って下さい
人間どこまで下衆になれるのかというサンプルみたいなもんだな
この粘着自演荒らしは。
まあ味方してくれると思い込んで泣きついた先でも無視されて、
絶望に打ち震えて涙をこらえながら戻ってきたのかもしれんのだから、
そう邪険に扱わなくてもよかろw
この粘着荒らしが嫌われてるのは自業自得だろ。
邪険に扱うどころか摘み出してちょうど良いくらいだ罠。
実際にはシカトくれるくらいしか対処法がないゴミな訳だが。
続きが読みたい…
>>712 この粘着も粘着アンチもどっちもSS潰しの自演と考えれば。
スルースルー。
>>713 だな。
信じて待つのみ
むしろ383氏はこういう展開にニラニラするタイプだと言って見るテスト
スレが荒れて喜ぶ書き手はいない
そういうことを言い出さすヤツは無理やり煙を立たせようとしているように思えるな
383マダー?
それともオペラの解説書読むのに忙しいのかな?
丸パクりは恥ずかしいからな、うまくぼかしてコピるんだぞ>383
383氏叩いてる奴は一人じゃない希ガス
叩きを煽ってる粘着は一人
キラとラクスのやりとり読んでて感じたんだが
もしかして彼女は非処女なんだろうか?
ここの住人は文章理解力が著しく低いから仕方ない
ワグナーは好きだが、
英雄の死や天国の崩壊炎上とかバッドエンドな匂いがプンプン。
案外とそういう伏線なのかもなぁ
もしそういう結末だったら種からかけてラウの一人勝ちだなw
>>724 >>258にキラとラクスは「まだ関係を持ったことがない」と書かれてたよ
種時代のラクスがキラと出会う前に凸にヤられていないのなら、処女だと思う
383が処女だから、登場人物全員みんな性体験ないよ
てか383は男だろ
383は腐女子DQNですよ
383のマンコシャワーで綺麗にしてあげたい
女性だったらそこまで描写出来ないと思うものがあるが、
男性だったら、個人的にはさらに嬉しいなと思うことがある。
性別の詮索はしなくていいよ。
>>733 >女性だったらそこまで描写出来ない
なにを?
383のスッパイ匂いのするオマンコに硬くて太ましいおチンポいれてあげたいお
今3回分くらいまとめて読んだ。GJ!続きが気になるよ。
アレッシィって自分の過去をどうやって消化して
どんな未来を望んでるのか、見えそうで見えない人ですね。
個人的には、レイを守りたいという気持ちが軸にあってほしいところだけど
キーマンとしての本領がどのへんで強く出るのか楽しみ。
オペラは今後の暗示を多分に含んでそうでガクブル
そういやローエングリンの騎士のくだりでも不穏な事をおっしゃっていた…
あと久々にアスランの心境があったけど、
要するにこいつのって壮大な言い訳なんだなーとオモタ
「親がくだらない人間だったし、まわりもバカばっかりで、だいたい世の中がおかしいから
自分は人生無駄にしてきた。
でも今はいろいろ勉強して道を見つけたんだ!人類救済のために頑張ってるよ!」
という宗教にハマったニートみたいな頭の中してて、
本当はただ自分と向かい合いたくないだけで で、そこまでするの!? っていうのが
トチ狂ってて非常に面白いです。
383氏の作風の中でも、ろくでなし小物キャラの醸し出す独特のアジは秀逸ですね。
しかしちょっと「まともすぎ」なシンと、異常すぎなアスランとでライバル関係成立するのかね…
なんかアスランもイザークみたくいきなりゴミクズのようにあぼんさせる気なんじゃないかと思えてきた。
シンと真正面からぶつかる人材いないんかー
いろいろと期待が膨らむばっかりです。がんばってください。
>>735 >そこまでするの!?
そういや誰も指摘しないから黙ってたけど
この前読み返したらタニスと一緒に凸も肉便器やってる記述に気付いて
なんかダメージを喰らった・・・
早くあぼんさせてもらいなさい
>>736 テラワロスwwww
こいつは懲りるということを知らんのかwww
>誰も指摘しないから
>肉便器
いや本人が楽しそうだからいいかなーと思って
アスラン凄すぎだよな、真面目な性格が災いして(と、自分は思っている)極端な方向に走っちゃったというのが
密かにアスランのプロパガンダ放送のセリフが好き。過激すぎるけど。
本気で続き読みたい
今夜あたり投稿の悪寒
749 :
偽383:2006/09/18(月) 23:28:23 ID:4tuToata
「ドゥリットル隊任務完遂」
「プラント首都・アプリリウス沈没。その破壊に伴い、他番地…計5沈没確認」
「プラント未確認大質量兵器…じ、自爆です…」
旧世紀のレーダーを思わせる量子干渉波モニターのプラントを現す
点滅が一つ、又一つと消えていく。
当然、真空のおいては完全に音波は遮断されているのだが、その奏でる
悲鳴、悲嘆、悲痛、その全てを確かに聞いたような気がした、彼、ラウ・ル・クルーゼ
には。
「ふ…ふ…は…っ」
声帯が震え、目頭が熱くなる。
自身、喜んでいるのか悲しんでいるのか分らない、ただただ感情の昂ぶりがあった。
しかし、確かに彼は泣いていた。
泣きながら、蒼く照らされる地球の黎明の夜明けを宇宙(そら)から見下ろしていた。
「……残存する…ての…臨…政府……全面…降…を…言……します…勝者の…慈
悲…に……現…戦闘は…止…」
プラントの意志決定機関、そう呼べるものの名残が木霊す中。
ガンダムシードディスティニー異伝
上げるほどの作品を書いてから出直して来い
751 :
偽383:2006/09/18(月) 23:31:47 ID:4tuToata
それで?」
さんざめく陽光の中、彼、ムルタ・アズラエル・大西洋連邦大統領は如何に高い酒
を不味そうに、退屈そうに飲むかに、自分自身がどのように教育されて来たかを示す
かのように、顔をしかめ、モニターに目を向ける。
「…ご休暇中の非礼をお許し下さい。たった今、国防総省のサザーランド次官より
A級として……」
五月蝿そうに手を振り「余計な事は良いから。用件用件」と。
「は。先ほど再建されましたプラント植民地首府番地アーモリー1において、前大戦
の折のわが軍の特殊部隊…」
「だから…君ね。あー、生体CPUね…ふーん」
自らの端末を叩き、アズラエルは忙しげに目を走らせる。
「要…は。前大戦でお情けで生き残らせた飼い殺しのペットがまた、牙を向く準備
あり…ってどこでしょ」
そう事も無げに告げると、モニターの中の主席秘書官は眉根を顰める。
「はい。わが軍の前大戦の功労者、そのMSの互換変形機を開発中との事です。
尚、次世代MSも開発中の事…ご多忙中、大変お耳汚しではありますが」
「あーぁ、君も無粋だねえ。うんうん、分った分った」
と、一方的に通告し、モニターの電源スイッチをオフにする。
涼やかな風が吹き、波打ち際の音と軽い酒気が彼を眠りに誘おうとする頃、再度
の呼び出し音が鳴り響いた。
その呼び出し音が意味するものを悟り、アズラエルは舌打ちを何度か繰り返しな
がら、そのモニターの主電源をオンにする。
752 :
偽383:2006/09/18(月) 23:33:23 ID:4tuToata
ここではない何処か。
アズラエルが休暇中のハワイ諸島より地球を半周した場所。
そこには幾多のモニターが照らし出す中、眉目は整った、それでいてやや神経質
そうな男が、腹立ちげに自身の猫を椅子の上より払う。
「…大統領お久方ぶりです」
「まったく、僕は休暇中だよ…? うん、まあ、聞くよジブリール。それで僕の立場
は? 大統領? 軍産複合体常任理事?」
ジブリールと呼ばれた男は、軽く頬を歪め、酒を呷る。
「後随意に。これはブルーコスモスからの要請です」
モニターの向こうでアズラエルが逆に顔を顰める番であった。
ふん、ざまあみろ。
聞こえないよう、ジブリールはそう毒づきながらも「そうご無体な話ではありません
よ、閣下」
「どうだかね。ロゴスもロゴスだよ。こうして僕が此処まで出向いてるのも、あのじじい
どものお陰なんだよ、全く」
そのロゴスにいる自分の父親の事も含めてじじいと呼んでいるのか、ふとジブリール
は聞きたくなった。
真面目に書くのならその名前欄やめたら?
383潰しか
がんばれ
どこから読めばいいんだ?
偽つーか三次創作だよな?
756 :
くまさん:2006/09/19(火) 00:43:26 ID:???
「ところでタリア。メトセラの子という旧世紀の小説を読んだ事はあるかね」
こういう場でこういう事を言う。
これがこの人らしく、変わってないとタリアは情事の後の物憂い頭で想う。
「ええ。ライブラリでなら。どうかしたの…?」
前大戦の折、プラントの首脳部がほぼ壊滅する中、その手に持つ武力とは裏腹
に、温和な政治体制で、今は大西洋連邦の直轄植民地と成り果てたプラントの
名ばかりの最高評議会を指示運営する彼、ギルバード・デュランダル議長は
皮肉げに笑みを浮かべ「いやね、我々は長命になり病を得なくなり、果たして
幸福になったのか否か。そしてナチュラルの隷属下…」と、そこでタリアの
憎憎しげな表情に気付き、微苦笑する。
「そう、隷属…下だ。どのようにして種のアイデンティティを保つのか…心配
されてね」
「誰に?」
ベットサイドのナイトランプをつけ、身に何も身につけないまま、ギルバード
は立ち上がり、バーサイドテーブルより酒精をグラスに注ぐ。
そして今度こそ嘲笑する笑みを浮かべながら「オーブの姫、にだよタリア」と
続けた。
そうして昨日の会見とその後の混乱を回想する。
「こちらへいらっしゃいます」
如歳ない態度のプラント行政官に比べ、彼女カガリ・ユラ・アスハは予期せぬ
緊張を覚えていた。
国際秩序的な立場、公の立場としては彼女はプラントの議長など目では無いが、
こうも大人の世界、儀礼というものを見せ付けれられると緊張もする、それが
人間では無いか、カガリはそう思った。
そんなカガリの後ろに控えているオーブ・セイラン家の息のかかった官僚達は
ただ、カガリがミスを犯さないよう、穏便に事を終らせるよう、それだけを
ウナトやユウナに仰せつかって来たのであろう事に疑いは無い。
最近つとに感じる感情が、孤立のそれであった。
「…ユウナの奴とアズラエル大統領の会見、上手く行っているだろうな。精々、
大人の外交、という奴をしたらいいさ、私を厄介者払いしてな」
だから感情に任せてこうも言ってしまう
否定も肯定もせず、ただ官僚は頷く。
「そうでは無いでしょう、カガリ様。プラント植民地、大西洋連邦、そのどちら
も私たちオーブにとって大切な外交相手。ご自重下さい」
確かに理屈ではそうである。
ただ、カガリの気持ちはプラント植民地という格下の扱いやすい相手を押し付け
られたという苦い想いもある。
無償に…彼、アレックスに会いたくなり、一つ吐息した。
そうして始まった会見はあっという間に熟練の政治家であるギルバードの一方的
な弁論大会の様相を見せていた。
大西洋連邦よりおおせつかった公務である、アーモリー1においての大量破壊兵器の
製造疑惑など、どこ吹く風である。
「しかし…。大…いや、我がオーブ諜報局の報告によると、この番地へのここ何ヶ月
かの物資運搬は…」
「はい。何分今の我々は病院船も同じ。迷いもすれば難破もする。今はそういう状況
なのですよ…姫」
役者のように整った眉目を顰め、ギルバードは嘆息する。
「…確かに、今はプラントの再建が第一。我々もそれだけを考え、今は…再建の
途上です。姫もご覧になったでしょう…あの惨劇を」
確かに知っていた。
知りながら止められなかった自身の虚しさで身を何度身を焼いた事か。
血のヴァレンタイン、再び
そう呼ばれた前大戦の終局。
確かに彼女、カガリ・ユラ・アスハはその目、その耳でプラントが焼け、人々が
死んでいくのをこの目で見た。
俯く彼女を寧ろ心配そうに見守るギルバードを他所に、カガリは思わずうめいた。
「……それでは、貴国の…コーディネーター、いや人間としての…主体が失われて
しまうでは無いか…」
ギルバードとて、大切な大西洋連邦の中の有力加盟国の令嬢を痛めつける趣味も
実益も無い。
ただ、このように寧ろ、コーディネーターのように嘆く彼女が不思議であった。
くまさん・・・・・ねぇ・・。
お前は名前のセンスが最高だ!これからも期待してる
はちみつくまさん
761 :
くまさん:2006/09/19(火) 01:47:55 ID:???
そろそろ時間だな。
緩やかな艦隊運動を取らせていたので、時間的なタイムラグも僅かだった。
何より、プラント植民地・自衛軍…こういう意気だけは高く、しかし練度
が低い相手は戦えば戦うほどこちらが疲弊する、彼、ネオ・ロアノークは
そう考える。
指揮卓に座するリー艦長に耳打ちする。
「今回はプラントに対する牽制故、彼らは出さんぞ…」
リーは少しだけ意外そうに、首を傾げる。
それを制するかのように、ネオは続ける。
「…ようは程よく戦い程よく負けろ…という上からのお達しでな。艦長、
すまないな」
ようやく得心したようにリーは頷く。
「は。私も軍人です。やるからには…全力を尽くしますが」
そういうリーの実直さが寧ろ、ネオは不快に思う。
「艦長はそれで良いさ。まずはダークダガー隊出撃させろ」
そうして始まったプラント植民地自衛軍と大西洋連邦プトレマイオス基地
所属プラント視察隊ガディ・ルーとの間に戦闘が始まる。
全天モニターに映し出されるそれは、プラントが全天の6割を占め、抵抗も
寧ろ散発的であった。
ギルバート・デュランダル、やるな。
ネオはそう判断する。
闇雲に自衛権を行使するのは今のプラントには許されない、しかし制宙権
を無抵抗のまま奪われる事も出来ない。
プラントにとってはぎりぎりの選択であったろうそれは、条約機構の更に
上部機関…ロゴスに取っては、その選択すらも考慮のうちではあった。
762 :
くまさん:2006/09/19(火) 01:49:36 ID:???
戦闘は一進一退、寧ろ数では完全にガディ・ルー帰属の艦載機及びMSで
は押されていた。
そろそろ頃合か…ネオは退去の命を出そうとしたその時「大佐。秘匿回線
での通信です」とリーは感情を押し殺した表情で告げる。
「分った。部屋で取る」
それだけを言い、彼はブリッジを離れた。
今回は長い作戦になりそうだ…ネオは思わず息を漏らした。
「ふ…茶番も過ぎるな、アズラエルめ」
アーモリー1に置かれた議長府、その最上階からの展望は全てを見下ろす
圧景であった、ただしプラント内においては。
やや暗めに落された議長府最上階におかれた執務室では、ギルバードが
執務机(コンソール)に座し、その彼に背中を向け、窓に佇むその男、ラ
ウ・ル・クルーゼは笑っている。
お互いに背を向けながら、クルーゼとギルバードは楽しげに笑っていた。
「茶番を分らぬ君でも無いさ。我々プラントとロゴスは既に共存関係に
ある…君の望むとおりにね、ラウ」
軽く首を振りながらクルーゼは言う。
「…序曲は始まった。協力に感謝するよ、ギルバード、いや…ここは彼に
習ってギルと言うべきかな」
肩を竦めながらギルバートは止めてくれと言うように、首を振った。
「いや、彼は良くやってくれているよ。…正にラウ、君の写し子だ」
クルーゼはギルバードに振り返りながら「レイは、な。さて、行くとするか」
「やはりギル、君自身がタクトを振るうつもりかね…」
ギリバードの肩に手を乗せながら、クルーゼは再度笑った。
「人類が歴史の終着点…やはり…な」
クルーゼが執務室を去った後、ギルバードは誰に言うでもなく呟いた。
「全てはエピデンスワンに捧げる、か…いや、それは本音では無かろう、ラウ」
新職人か?とりあえず今後にwktk
続き読みてえええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!
383氏の降臨はまだかのう
見限られちゃったのかな?
続きを楽しみにしてる人、多いと思うんだけどなぁ
自分はここの小説が二次物では一番好きだよ
383の信者が107氏を無視していますね
すごく恥知らず
エロパロ板の自称職人さんキタ━━━━━━━━━━━━━!!!!!
そして帰れ。
107は383の厭味に潰されたようなもん
メトセラって言葉が出たとき某小説を思い出した
ト○ブラ?
>くまさん
とりあえず
「ガディ・ルー」→「ガーディ・ルー」
「ギルバード」→「ギルバート」
な。
ついでに文頭のスペース入れてみてはいかが?強制はしないけどね。
クルーゼ「もしここで今から私と撃ち合いになるとしたなら…だ…アスランは私に勝てない
キラくんなら可能性はある、だから君が後ろに下がれ
会話をするのは『フリーダム』とだけだ
もう少しだけ話をしてやろうか?
キラくんにはいざと言う時俺を殺しにかかる『漆黒の意志』が心の中にある…
だが君はそうではない…そう言う『性』
だから下がれ それが理由だ
君は私が攻撃したらそれに『対応』しようとしている
それが心体にこびりついている
『才能』えはすぐれたものがあるのかもしれないが
こべりついた『正当なる防衛』では私を殺す事は決して出来ない
受身の対応者はここでは必要なし」
そうか・・・こ べ り ついちゃったのか・・・・・・
ベトベトだな
778 :
保管庫 ◆2vwOpjTCPQ :2006/09/24(日) 17:07:49 ID:KIYlJz4d
>>774 揚げ足を取るようですがガーティ・ルーですよ
くまさんのSSも収納しちゃっていいんでしょうか?これ?
383死ね
ܷܷܷܷܵܶܵܶܵܶܵܶ
>>775 クルーゼ「ようこそ……男の世界へ………」
JOJOスレ(その脚本に触れる事は死を意味するッ!)に来たのかと一瞬勘違いしちまったじゃねーかッ!!
信じて待つのみ
待つ
読みたい読みたい
786 :
くまさん:2006/10/02(月) 03:45:49 ID:???
「上との話がついた。俺が出る」
「はあ、大佐がでありますか」
リーは半ば呆れていたのだろう、露骨に肩をすくめ、ご自由にという
言葉を態度で示した。
ネオはこの男のこういう部分は嫌いでは無かった。
ネオはリーの耳元に囁き尋ねる。
「…現在の状況は。簡潔にな」
リーはまた少しだけ眉を顰めつつ「一進一退と言った所ですか、こう言っては
失言ではありますが…」と言葉を紡ぎ、そして躊躇した。
「ここだけだ。言ってみろ」
ネオは唇を陽性に歪め、先を促す。
「…茶番ですな、実の所」
ネオはリーの肩を叩き「そういうものさ」と言い残し、ブリッジを出た。
しかし上の思惑は何であれ、現場で実際に自分自身と相手の命をやり取りし
ている兵士達はお互いに死闘を繰り広げていた。
ダークダガーが、そしてジン、ゲイツが次々と爆散し、宇宙(そら)に輝く恒星が
作り出した全てのものを、その恒星を作り出す元となる原子群へと還って行く。
ガーディ・ルーの艦橋に突然、アンノウンの反応点が現れたのは、ネオが出撃
してから瞬時を得ない間であった。
「大佐。気をつけて下さい。アンノウンの反応が一機プラントより現れました。こ
れはもしかすると…」
りーの言葉を側面のモニタで流し見しながら、ネオは計器の調整に余念が無い。
「ああ。分っているさ…。どうやら奴のお出ましだな。…生きていたか……あいつも」
ネオが騎乗する機体は本来、生体CPU或いはブーステッドマンと言った方が正しい
そんな連中の占有物であったわけだが、今回ネオが彼ら三人の出撃を押さえている
以上、どの機体をも彼は選び上座出来る身分ではあった。
そうして選んだ機体、カオスは高機動の性能を有し、ネオにはそれだけがカオスを
選んだ条件であった。
突然、宇宙の暗黒を切り裂く、閃光が走った。
ネオの周りに待機していたメビウス改やダークダガーは一瞬にして、爆煙と共に、
消えていく。
ネオは彼の先天的な勘の良さと、並みの兵士を凌駕する操縦を持って、その閃光
を回避する。
そうして、彼、ラウ・ル・クルーゼの機体、前大戦の折に使われたプロヴィデンスの
技術系統を引き継ぐもの、レジェンドガンダム…ザフトの全技術と持てる資源の全て
を費やして製作した機体は、プラントの外延部がが恒星の光を反射する際の残光に
照らされ、その機体自身が笑っているかのようなシルエットを写す。
787 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 06:53:39 ID:qdOXTNWZ
sssssssssssss
投下乙
うーん
くまさんの話よーわからんな
なんでだろ
干
791 :
通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 07:13:13 ID:cumQ4XjW
まだあったのかこのスレw
保守
☆
職人帰還祈願
墜ちろ、蚊トンボ!
保守
昔々、「落ちない君」というぬいぐるみがありましてな
そのぬいぐるみは空を飛ぶことができ
海を潜ることもでき
383氏の帰還を祈願
hosyu
クルーゼの部下全員仮面
ネオは通信の声についての自分の中での疑問が一瞬頭の中をよぎった。
この声の意味するものは?ラウとは?誰かの名前?白いザクのパイロットの
狙いは何だ?
思考時間は数秒にも満たなかった、ネオは通信を切断すると白いザクへ対し
攻撃を再開する。
こちらの動揺を誘っているとも思えない、もっとも本気でそれを狙って
いるならもっと効率的な手はいくらでもありそうだったが、ここは敵陣の
ど真ん中、考えている余裕は無い、そして考えた所で結論が出るはずも無い。
ネオのエグザスは十分に白いザクとの距離を取ると再びガンバレルを展開
4つのガンバレルは白いザクへ向け展開した。
先ほどの攻撃から白いザクに対してガンバレルは決定打にならないという
判断をしたネオはここで作戦を変える、4つのガンバレルで一基づつ
コンマ数秒の時間差で攻撃を仕掛け白いザクの回避ルートを予め予想し
そこへエグザス本体のビームサーベルで切りつけるというものだった。
ガンバレルも何基か落とされるだろうが今のネオには手段を選んでいる余裕は無い。
レイはエグザスに向かい叫び続けた、ラウという名を。
しかし無情にもエグザスは通信回線を閉ざしてしまい、ついにこちらからの
呼びかけには応じる気配も見せず中断していた戦闘を再開し始めた。
レイ自身にも何故あの紫色のMAに二年前死んだとされているラウが乗っている
という事が分かったのか分からなかったが、それは分かったでは無く感じた
からと言った方がいいのかもしれない、戦闘中にも関わらずレイはその事に
気を取られていた、当然反応速度も鈍る。
ガンバレルが一基自分の後方で銃口を光らせている事に気が付くまで僅かに
遅れを取った。
コクピット内のアラートと同時か僅かにそれより早く回避運動を取ったが
ガンバレルの放ったビームはザクの背部に装着していたバズーカに命中
装填されていたバズーカの弾頭が爆発しザクはバランスを崩した、幸い
ウィザードシステムは無事であり機動に支障はなかったもののバランスを
失い体勢を崩したところへ二つ目のガンバレルが白いザクを襲う。
とっさにブースターをフルスロットルで噴射し攻撃を免れたがそこへさらに
3つ目のガンバレルの待ってましたとばかりにビームの応酬、さすがに
ザクも回避しきれず上半身をシールドでガードした。
急所への被弾は免れたが右脚部へ被弾、右脚を失いさらに4つ目が自分の真横
三時の方向へ突然現れた。
ガンバレルの放った一撃目をシールドでガードすると二発目より一瞬早く
シールド内部から取り出したビームトマホークで目の前のガンバレルを一刀両断する。
真っ二つにされたガンバレルは爆音と共に暗い宇宙を照らす、その刹那、エグザス
本体がビームサーベルを構えこちらへ突撃してきた。
元々ガンバレルの時間差攻撃はザクへ致命傷を与える為のモノでは無く
ザクをこの空間へ誘導させる為のものであった、並の相手であればこの作戦で
死角から襲い来るエグザスのビームサーベルを回避する事は不可能だっただろう
現にネオも勝利を確信していた。
その時、またネオの脳裏に電撃が走る、そして同時にレイにも。
レイは脳裏に走った電撃により間一髪エグザスの存在に気が付くと、すばやく
緊急回避した。照準をザクのコクピットへ設定していたエグザスのビームサーベルは
突然のザクの回避に反応出来ず、ザクの左碗部を根元から叩ききるという結果に終わった。
ネオは手の内を全て見せてしまい、ガンバレルも一機失ったこの状態での勝利は
難しいと考え、そのまま方向転換するとガーディー・ルーへと進路を変え帰還して行った。
レイは背を向けて逃げ去っていくエグザスを見つめ安堵のため息を漏らした。
色々な事が頭の中で渦巻いている、レイにはもはやエグザスを追撃する余裕も無かった。
初めての実戦、機体も中破させてしまい、あの脳裏に走る電撃が無ければ恐らく死んで
いただろう、そしてラウ生きていたという事、確証は無いが間違い無い、あれはラウだ。
生きていた、ラウが・・・・。嬉しさの反面、例え様の無い悲しみでレイの頭の中は
いっぱいであった。
少し遅れてコロニーの亀裂から装備を換装したインパルスが現れ、通信が入る。
「おい!レイ!大丈夫か!?生きてるか!?」
アスランとカガリは大破したジンのコクピットから出てくると辺りの
惨状を目の当たりにし驚愕した。黒煙と瓦礫、大破したMS、そして死体。
MS戦闘に巻き込まれた人間の死体は原型を留める事は無い、それが無数に
散乱している光景に、元軍人のアスランも吐き気を覚えた。生存者は
恐らく居ないだろう、居たとしてもとても助かるとは思えない。
アスランはカガリの手を引き、辺りをなるべく見ないようにザフトの
残存部隊を探した。
強奪部隊は外に母艦を待機させていた様で、コロニー上部に穴を開け
奪われたMS2機と援軍の一機はそこから脱出していったのをアスラン達も
ジンのコクピットから確認していた。
「アスラン・・・・あの加勢に来た緑色のMS・・・・」
「ああ、2年前に地球軍がオーブに進攻してきた時に居た三機の内一機だ・・」
アスランとカガリはこれが地球軍の仕業だという事に薄々気が付いていた。
そもそも並の海賊が連合のワンオフ機、しかも強化人間用の機体を持ち
合わせている訳が無い。
しかし確証は無い、ここで地球軍の名前を出せばそれこそ混乱は大きくなる
あくまでこの事は二人の秘密にしておこうという事で二人は納得した。
新造艦ミネルバのドッグ方面は攻撃されておらず、強奪された二機を
取り返す為の討伐部隊のMSがミネルバの前へ集結していた。
もっともこの軍港とはいえ休戦下のアーモリーワンに配備されたMSは
大半がジンやザウートなどの旧型の防衛用であり、また式典の為の非武装
ジンなども多く見受けられた。
敵も巧妙であり、後に自分達を追ってくるだろう能力の在るゲイツやザク
などの主力機の格納庫を重点的に破壊していった様で、討伐部隊といっても
十数機のゲイツとザク、そしてそのパイロット達がミネルバの前へ集合し
ブリーフィングを受けていた。
アスランはミネルバの最大搭載機数は知りえなかったが、全機搭載できる
とは思えない、恐らく腕の良い者から連れて行くのだろうと思った。
「アスラン、ボケッとするな!ほら、議長達を探すんだろ?」
カガリに即されアスランも議長を探し始めた、道行く負傷した兵士に尋ねても
皆それどころでは無かったらしく議長の安否を知る者は居なかったが、
黒服の三人組が何やら神妙そうなそうな顔つきで話し込んでいるのを見かけ
問いただしてみると、議長は強奪された二機のMSの奪還作戦の陣頭指揮を
取るという事でミネルバに乗り込んでいるという。
アスランとカガリはミネルバを見上げた、強奪を免れたアビスと必要物資を搬入
している所だった。
ブリーフィングを終え、選別されたパイロット達だけがミネルバへ乗り込んでいく
赤服も何人か混じっていた。
その中で赤服でミニスカートの女性をアスランは見つけ、ふと思った。
あんな赤も居るんだな、デュランダル議長の元、ザフトも変わったのか・・・。
「おい!このバカ!スケベ!見惚れるなよ!」
「・・・・・そういうつもりじゃ無かったんだが・・・」
アスランは自分ももしザフトに居たのならミネルバに乗り込みMSを追う羽目に
なるのだろうと思った。果てなく続く争いが嫌で、父の駒になっている自分が
嫌で脱走した、あの討伐部隊も恐らくは大半が実戦経験も無いルーキーだろう。
そんな時に自分が居たなら、そんな事もふと考えてみた。しかしやはり
自分にここは場違いだ・・・。
「帰ろう、オーブへ。会談は一時お預けだ」
ネオはガーディー・ルーへの帰路、先ほどの白いザクの事を考えていた
やはり何か引っかかる、考えれば考えるほどそれが頭の中でループする。
無意味な事だな・・・・。
ネオはそう割り切るとガーディー・ルーへ通信を入れた。
「私だ、追っ手は振り切ったが機体に損傷アリ。整備班を待機させておけ
そしてミラージュコロイド解除、エンジン点火。撤退準備だ」
「大佐、ご無事でしたか。オークレー達が出せとうるさいのですが・・・」
「・・・・・私が帰還するまでそのまま待機させておけ」
「了解しました、右舷カタパルトへ着艦願います」
ネオはミラージュコロイドを解除させたガーディー・ルーを発見すると
言われた通り右カタパルトへエグザスを着艦させた。
整備班が慌しくエグザスの元へ集まってくる、ネオはエグザスから降りると
そのままブリッジへ向かった。
ブリッジでは艦長のリーとスティングが何やら口論となっていた。
「だから大佐が戻って来られるまで・・・・あ、大佐ご苦労様です。
お怪我はございませんか?」
「・・・一体何事かね?」
ネオがそう問いかけるとスティングがいきなり詰め寄って来た。
「アウルの仇を討たせろよ!補給も済んでデータも取ったんだろ!?
ならいいじゃねーか!俺があいつ等皆殺しにしてきてやっからよぉ!」
「落ち着けスティング・・・・、この艦はこの空域より離脱する。ここで出しては
この場へ置いて行く事になるぞ?」
ネオはやれやれという表情で艦の発進命令を出した。
「おいネオ!!」
「冷静になれスティング、ヤツらはいずれこの艦とあの二機を追ってくる
君等はいずれ嫌でも奴等と戦わねばならなくなる。急ぐことは無いさ。
私の機もすぐには修理が終わらんだろうしな」
「ネオもやられたのかよ・・!?」
「そうだ、ヤツ等も必死さ、それにかなりの手練も居る。油断してかかっては
次に命を落とすのはキミかもしれんよ?私は君までも失いたくは無い、今は
休息を取っておきたまえ、休める内にな」
ネオの言葉に渋々同意するとスティングは医療スタッフに連れ添われ
その場を後にした、それと入れ違いに次はオルガがブリッジに入って来た。
オルガはそう言い残すとブリッジを後にした。
仇討ちなどに興味が無い様な素振りを見せたオルガも実の所はそうでは無かった。
先の大戦の功績によりオルガは特例中の特例としてブーステッドマンでありながら
市民権を獲得し「軍の備品」から「兵士」へと昇格した。
階級も二階級特進の大尉となり、彼の生命の維持に必要なグリフェプタンも
定期的に配給されている。
この采配は軍上層部の下したものであり、強化人間の成功例として武勲を立てれば
人間になれるというものであり、強化人間の戦闘意欲を掻き立てる役割を期待しての
事であった。
しかしオルガは自分が教えた強化人間達が一人また一人と戦場で散っていく毎日に
少し嫌気がさしていた。
キリが無いと、教えても教えても死にやがる・・・。
やはり自分が前線で戦うのが一番手っ取り早い、アウルも自分の教え子だったが
あっさり死んだ、筋はいい方だと思ったが見込み違いだった様だとオルガは思った。
「ま、仇は討ってやっからよ、後は任せて安心して眠れや」
漆黒の宇宙を廊下の窓から見つめながらオルガは言った。
ネオは自室へ戻ると、机の上の通信機の回線を開いた。
発進先は今作戦の最高責任者、ブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエル。
リアルタイムで動画も送信できる優れものだが、相手が相手だ
あえて動画モードをオフにし、メッセージオンリーの状態に設定する。
「遅かったじゃないですか、それで一応報告聞いてるんですけどね
一人やられたって本当?」
「報告します、アウル・ニーダ少尉が戦死、彼の強奪予定機であった
アビスも強奪失敗、オークレー少尉が大破させたとの事ですが完全破壊には
至らなかったとの事。ニーダ少尉の死体は回収済み、以上です」
「あなたも随分ヤキがまわっちゃったんじゃないですか?まあいいでしょう
それでスティングは無事なんですか?怪我とかは?」
「オークレー少尉につきましては何ら問題はありませんが・・・?何か?」
「いえ、何とも無いならいいんです。こっちの話ですから。それで結果的に
回収出来たのは二機だけですか」
「今作戦は今までの任務とは桁違いな難易度でしたので全滅も視野に入れて
立案されたとお聞きしましたが?もっともそうならなかっただけマシでしたがね」
「そうなら無いようにする為にアナタがついていたのでしょう?しかし過ぎた
事を言っても仕方ありませんね。ザフトに我々の痕跡を残さなかっただけで
良しとしましょう。では後は敵の追撃を振り切りそのままダイダロスへ帰還し
そこで次の指示を受けて下さい」
「一つよろしいですかな?」
「何です?」
>>809(台詞が抜けました)
「ガキの御守も大変だなぁ」
「・・・君は違うのかね?」
「ふっ、それより聞いたぜネオ、被弾したんだってな。どこのどいつよ?」
「新型機の白いザクファントム、機体だけでなくパイロットも優秀だ、色々な意味でな」
「あれか、オレもコロニーの中でやりあったけどよ、しぶとくてウザかったぜ」
「まぁその他にも色々とあったのだが・・・まあいいさ、それで君も仇討ち希望かね?」
「冗談よせよ、どーせあいつらが追ってきたらやりあう羽目になるんだろ?」
「分かっているな、流石はラボの戦術士官殿といった所だな」
「フッ、教官やってるより戦場で暴れる方が性にあってるけどな」
「また時期に戦闘となる、君も今の内に休息をとっておきたまえ」
「りょーかい」
>>809の最後からの続き
「先ほど話題に上がったオークレー少尉の事ですが、彼のブロックワードは
まだ私は知らない、他のスタッフも誰一人としてね。彼には必要無かったので
今まで知る必要も無かったが、今回の事で少し反抗してきましてね、なので
この機会に教えて戴きたい」
「そうですか、しかし生憎私も知らないんですよ、今度聞いておきますね
しかしそんなモノを使わずとも何とかするのがあなたの仕事でしょう?」
「そうですな・・・・。」
「ではご武運をお祈りしていますよ」
アズラエルは言いたい事を言い終わると一方的に回線を遮断した。
スティングのブロックワード・・・。
その話題が出てからのアズラエルは少し様子がおかしかった。
「知っていて隠すのはそれが私に言えないこと故か?アズラエル」
ネオはブリッジへ通信を入れた。
「そろそろ敵の追撃部隊が発進してくる頃だろう、足回りが自慢の新型艦
追い付かれるのは時間の問題だ、奴等が援軍と合流する前に叩く。
各員第二戦闘配備から第一へ切り上げ、全パイロットはブリーフィング
ルームへ待機させろ」
「了解しました、ではデブリ帯にてミラージュコロイドを展開し待機します」
ネオはブリッジへの通信を切ると次に医務室へ通信を入れた。
「ステラは落ち着いたか?」
「ええ、今は何とか。出しますか?」
「いや、まだいい。直前まで休ませてやれ、スティングは?」
「こちらは問題ありません、すぐにでも出れます」
「そうか・・・・・君はスティングのブロックワードを知っているかね?」
「いえ、自分は知らされておりません。しかしスティングだけはブロック
ワードが二つあると聞きました。二つ同時に言わなければ発動しないとか・・」
ネオはそれを聞いて少し変だと思った、何故スティングだけが二つ?
本来エクステンデッドの暴走を止める為にブロックワードは存在する。
しかも身近な言葉で、それが二つもあっては少々ややこしい、しかも言葉の
内容は不明、これは何かあるな、とネオは思った。
「ではスティングだけは準備が出来次第ブリーフィングルームへ来させろ
ステラは命令あるまで現状維持、以上だ」
「了解しました」
医務室への通信を切ると次は格納庫へ通信を入れる、色々と忙しい。
「機体の各整備状況はどうだ?」
「カラミティー、ダークダガー2機は整備完了、損傷部位無し、いつでも出れます。
ガイア整備完了、カオスは複合兵装部のミサイルの規格調整中、両機識別コードを
味方のものに書き換えている段階で、後数十分にて完了します、エグザスはガンバレル
部の損傷が修復不可能です」
「ガンバレル3基では威力も半減だ、予備に持ってきたダークダガーがあったな?
それを私専用のOSに書き換え、いつでも出れる様にさせておきてくれたまえ」
「了解、すぐに仕上げます」
ネオは通信を切ると座っていた椅子に深くもたれ掛かった、一通りの命令はした。
後は各部署の者が上手くやってくれるだろう、それまで少し休もう。
ネオは被っていた仮面を取り、それを机の上に置くと、静かに目を閉じた。
インパルスに抱えられ、レイのザクファントムはミネルバへ着艦した。
右脚部を失い、単騎では着艦不可能な為、インパルスが支えながら
何とか格納庫へ辿り着いた。
レイの機体の損傷度を見て整備班の顔色が変わる、早速大仕事だと。
そして格納庫にて各々自分の機体を調整していたパイロット達もまた
顔色が変わった。
赤服の中でも腕の良いと評判のレイのザクが酷い損傷を受けている
ということで無理も無い反応だった。
整備隊長マッド・エイブスの叫び声が格納庫内をこだまする。
「よし!ファントムの修理にかかる、脚部と腕部で二手に分かれろ
残りはその他の損傷部位だ。残りはアビスの修理、かかれ!」
レイがコクピットを出るとシンとルナマリアが駆け寄ってきた。
二人とも心配そうな面持ちだったが、レイは心配をかけて
済まないとだけ言うとその場を後にした。
しかし流石にこのままにしておくわけにはいかないので二人は
レイの後を追う、レイは自室へ戻ろうとしていた。
ルナマリアは男部屋に入るのに少し気が引けたのでシンに任せ
自分は自室へ戻った。
シンが部屋に入るとレイは自分の机のノートパソコンで
何やら熱心に調べものをしている。
少し覗いてみると調べている内容はザフト軍人の登録名簿の様だ
名前が見えた、ラウ・ル・クルーゼ、前大戦時の英雄、面識は
無いがシンも名前くらいは知っている、恐らくザフト内部で
知らない者は居ないだろう、しかし彼にはいささか不名誉な噂も
付きまとっている、真偽の程は定かでは無いが。
レイはようやくシンが後ろから覗き見ている事に気が付くと
パソコンを閉じた。
「覗き見か?あまりいい趣味ではないな」
「あ?ああ、見てたのは悪かったけどさ、何調べてたんだ?」
「何でも無い。気にするな。それより何か用か?」
レイのいつも通りのふてぶてしい態度に呆れながらも安心した
シンは自分のベッドに横になった。
「みんな心配してたんだぜ、あんなにボコボコにやられてさ」
「実戦では何が起こるか分からない、俺もいい勉強になった。
心配はありがたいが、無用だ。それよりもまたすぐ出撃命令が下る
今の内に仮眠を取っておけ」
「分かってるよ、レイが大丈夫そうだってルナに報告してくる」
そう言うとシンは部屋を出て行った、レイは再びパソコンを開き
ラウ・ル・クルーゼの項目の一番最後へ目をやった。
「CE71 9月26日 ヤキンドゥーエ防衛戦にて戦死」
そこには確かにそう書かれている、しかしあれは確かにラウだった。
間違うはずも無い、彼はもう一人の自分なのだから。
この事をデュランダルへ報告するか?しかし確証は無い、信じて
貰えない事も無いとは思うが・・・。
確たる証拠が掴めてからでも遅くは無い、次の接触でその真偽を
見分ける、偽かあるいは本人か。そう結論付けるとパソコンの電源を
切り、ベッドに横になった。
シンはルナマリアの部屋へ行ってみたがインターホンを鳴らしても
応答が無い。
留守だと判断し、次はルナマリアの行きそうな食堂を覗いてみる
案の定彼女はそこでコーヒーを飲んでいた。
「あ、シン。どうだったレイ?」
「いや、相変わらずいつも通り、別に特に変わった所は無かったよ」
「あれだけやられて死にそうになったっていうのに神経図太いわね」
シンはふとレイがラウ・ル・クルーゼの事を必死に調べていた事を
思い出した。
そして同時に何故戦闘直後に、しかもいつもは注意深いレイが
シンが後ろに居る事も気付か無いほど熱心になっていたのか気になった。
「・・・・・・いてるの?」
「え?」
「ちょっと聞いてるのシン?」
「ああ、ごめん。考え事してた・・・で、何?」
ルナマリアは少しむっとした表情でもう一度同じ事を言った。
「レイが戦ったのはガイア?カオス?それともあの緑の機体?私の機体は
瓦礫に埋もれててあの時迎撃に出れなかったけど、レイがあんなにやられちゃう
なんて正直ちょっと戦いたく無いわね・・・って言ったのよ!」
「あ、そう言えば聞くの忘れてた・・・。でもガイアもカオスも残りの
エネルギーがそんなに無かったはずだし、タイマン勝負であの長距離支援機に
レイが負けるはずも無いと思うんだけど、まだ他に強いヤツが居るって事か」
シンが何気なく言った一言でルナマリアはテーブルにうな垂れた。
「あの3機の他にまだ居るの!?ちょっと冗談でしょ!?鬱だわ〜・・・」
「でもレイはこの後も出る気マンマンみたいだったし、俺のインパルスと
レイが組めばどんなやつでも負ける気はしないね。援軍も来るって話だしさ」
「・・・・ちょっと・・・・私の事、忘れてない・・・?」
ミネルバブリッジでは敵艦の索敵が続いていた、まだ進水式も済んでおらず
初の実戦配備というルーキーも多く、また今回はギルバート・デュランダル
最高議長も艦に同席ということもあり、ブリッジ内部には緊張した空気が
立ち込めていた。
ザフト最新鋭艦のミネルバは足の速さはナスカ級も上回り、敵艦、コード名
ボギー1へ追いつくのも時間の問題と思われたが、肝心のボギー1がロスト
してしまった為、現在CIC総出で索敵作業に当っていた。
「皆、そんなに緊張しないでくれ。私は居ないものと思ってくれて構わんよ」
デュランダルはこの重い空気を何とかする為に言葉を発したが、それも
焼け石に水、「議長閣下」の手前いつも通り何事も無いかの様に振舞うのは
無理である、ただ一人を除いて。
「議長、索敵には今しばらく時間がかかると思われます、それまで自室で
休まれた方が良いかと」
艦長のタリア・グラディスが議長の言葉に呼応し、そう問いかけた。
「私はやはりここに居ては邪魔の様だね、では一足先に失礼しよう。
皆、疲れているだろうががんばってくれたまえ」
「激励のお言葉感謝します、では誰かを付き添わせましょう」
「いや、結構だ。皆忙しいだろう、それに自分で行けるさ、何か進展が
あればその時はまた教えてくれ」
そう言うとデュランダルはブリッジを後にした、皆に余計な緊張感を
与えないが為の配慮だった。
「アーサー、あなたも少し休んでおきなさい。次戦闘になればいつ休めるか
分からないわ」
「そうですね、しかし長引きますかね?」
「分からないわ、でも、あの艦、ボギー1はどうやらただの海賊じゃ無さそう
って事は確かよ。油断すればやられるわ、いくらこっちが最新鋭艦でもね」
「そうですね、レイも派手にやられてましたからね」
「報告は受けたの?」
「ええ、通信がありました。アンノウンMA一機と交戦したと」
「何でそれを早く言わないの!まあいいわ、でも一機でレイのザクをあんなに
するなんて、しかもMA・・・。これでただの海賊なら恐ろしい時代ね」
副官のアーサーとタリアが話していると格納庫の整備主任マット・エイブス
から通信が入った。
「ファントムの損傷なんですが、思ったより時間が掛かりそうですね。次の戦闘に
間に合わない恐れがあるので、レイには別の機体を使ってもらう方が良いかと」
「分かったわ、予備の機体は何機あるの?」
「一応カオスとガイアを取り返した時の考えて2機分スペースを空け、後は
積めるだけ積んで来ましたが、ほとんどがパーツ取りと考えていたのですぐに
使えそうなのは・・・・ゲイツRが二機ですね」
「仕方ないわね、じゃあレイに調整させて頂戴、それからアビスの整備状況は?」
「こっちはもっと時間がかかりそうですね、整備士の人数も部品も揃っていますので
後2〜3日で完了するとは思いますが・・・」
「分かったわ、それならアビスの修理を最優先でお願い、パイロットは決まり次第
また言うわ」
「分かりました」
通信をきると、今まで黙っていたアーサーが再びタリアへ話しかけてきた。
「そういえばアビス、積み込んでましたね。でもテストパイロットのマーレ・ストロード
も負傷してますし、誰を乗せるんです?」
「現状ではレイか、ルナマリアね・・。もっとも修理が完了するまで作戦が
長引けばという前提だけど」
「この作戦、どれだけ時間が掛かるんでしょう?」
「そんな事私に言われたって分からないわよ、でも長引けば長引くほど敵を
見失い易くなるわ、だからなるべく早く終わらせるに越したこと無いのだけど・・・」
「大佐、ミネルバを補足しました、距離400、こちらへ進路を取ってる模様」
自室で仮眠を取っていたネオの元に通信が入る、椅子に腰掛けたまま寝ていた
ネオはその声で目を覚ました。
「やはりこちらへ来たか、ミネルバの艦長は優秀な様だな。では各員
ブリーフィングルームへ集合してくれたまえ私もすぐに向かう」
ネオは椅子から立ち上がると、机の上に置いてあった仮面を被り自室を出る
その足でブリーフィングルームへ向かうと、既に全員がパイロットスーツを
身にまとい、いつでも出撃完了といった様子だった。
「さて、全員揃ったようだな、では作戦を話そうか」
ネオの作戦はこうだった、ガイアとカオスがまずミネルバ本体へ攻撃を仕掛け
囮となり、その隙にガーディー・ルーがミラージュコロイドを展開したまま
ミネルバ後部へ回り込み攻撃、さらにそこからカラミティーとダークダガーを
発進させ止めを討つというものだった。
その作戦を聞いたスティングは早速ネオへ食いかかった。
「俺は囮かよ!俺に討たせろよあの艦を!」
「作戦に反論とは、らしくないなスティング、機会があれば沈めてくれて構わんよ
囮と言っても君達の戦果にも十分期待している」
「へっ、どーだか。けどよ、いいって言うなら沈めてやるぜ、ステラ行くぞ!」
「うん、あいつら・・みんな殺す」
スティングもステラもアウルの敵討ちというだけあり士気は高かった。
パイロット達は格納庫行きのエレベーターへ乗り込んだ。
二人からアウルの記憶を消さなかったのはやはり正解だったとネオは思った。
「で、ネオはいつ出るんだよ?」
まだその場に居たオルガがネオへ問いただした。
「機があれば、恐らく君と一緒に最後の仕上げで出るとは思うが、戦場は
生き物だ、何が起こるか分からん。私は待機要員と考えてくれたまえ」
「そうかい、じゃあ期待しないで考えとくぜ」
オルガは笑いながらそう言うと格納庫へ向かうエレベーターへ乗り込んだ。
全員がいなくなったブリーフィングルームでネオは窓の外を見た。
考えているのはあの白いザクの事だ、奴とはいずれ何処かでケリを
つけなければならない。その為にネオは待機要員を買って出た、奴が現れれば
いつでも出れるように。
カタパルトが開きフェイズシフトを展開していない灰色のガイアとカオスが
出撃していくのが見える、それを確認すると自分も格納庫へ向かうエレベーターへと
乗り込んだ。
「距離400、グリーンブラボーにデブリ帯、このコースですと・・・約20分後に接触します」
通信管制のメイリンがタリアへ報告した。
「艦長〜デブリなんかに入っては危険です、議長も乗艦していらっしゃる事ですし
ここは迂回がベストかと・・・」
「・・・いえ、このままデブリの中に入って頂戴、敵が隠れているとすれば格好の隠れ蓑だわ」
「しかし艦長〜・・・・デブリなんかに隠れるなんて正気の沙汰とは思えませんよ〜」
「元々敵は正気じゃ無いわ、何をやってくるか想像もつかない連中よ、デブリに隠れてる
可能性は十分あるわ、すぐに出れるMSは?」
「インパルス、ルナマリア機はいつでも出れるそうです、それからレイのゲイツは微調整に
少し時間が掛かるとの事です、その他のMSは全員出撃準備完了」
「ならパイロット全員、パイロットスーツに着替え、すぐブリッジへ集めて頂戴」
タリアの命令により館内放送がかけられ、ミネルバ艦内のパイロットがブリッジへ
集結した。
召集されたからには戦闘が近い、皆レイのザクの件もあり緊張しきっていた。
パイロットはミネルバ専属のシン、ルナマリア、レイを含め10名、しかしその
ほとんどが実戦経験乏しいルーキーであったが、その中で唯一の実践経験者が居た。
シホ・ハーネンフース、前大戦の生き残りであり、小隊ながらも隊を率いた経験も
あるという実力の持ち主、彼女だけが混合部隊内でただ一人赤服だった。
「あなたがどうやらこの艦内では一番の古参パイロットの様ね?」
「どうやらその様ですね・・・・私の隊の隊長はアーモリーで戦死しましたので」
「では暫定処置ですが、今後はあなたが隊長という事で討伐部隊をまとめて頂戴」
「・・・・・・分かりました。それで、作戦の方は?」
スクリーンに今のミネルバの航行状況が映し出されると、全員がそれを見つめた。
「この艦は現進路を取ると十数分後にデブリ帯へと突入するわ、そこで
ボギー1を索敵してもらいたいの、もちろんボギー1が潜んでいるという根拠は
何も無いけど、敵が潜伏している可能性は大いにあるわ、各員気を引き締めて
当たる様に、ハーネンフース隊長は先発、僚機を3機付け4機1チームで索敵。
残りの3機は別名あるまで艦内で待機、シン、レイ、ルナマリアは3機1チームで
別方向の索敵、以上よ」
作戦内容を確認するとパイロット達は格納庫へ向かって行った。
シホはザクウォーリャーへ乗り込むと、まず自分が発進し、続いて僚機のザク
1機、ゲイツ2機が発進して行く。
続いてシンのインパルス、ルナマリアのザクウォーリャー、レイのゲイツRも
順番に発進する、インパルス等3機はシホ達が向かったルートの正反対を目指し
進行していた。
「ルナは確かデブリ戦の成績悪かったよな?」
「・・・・・そうね、何ならカバーしてくれる?」
「別にいいけど、あんま無理すんなよ、レイは機体の調子どうだ?」
「悪くは無い、だがやはりザクには劣る、あまりいつも通りの働きは
期待しないでくれ」
3人はお互いに声を掛け合うとデブリに注意しながら索敵を開始した。
レイはさほどでは無かったが、実の所シンとルナマリアは内心酷く
緊張していた、訓練では古参パイロットに引けを取らない実力の二人だが
友軍の陣地外、しかもどこに敵が潜んでいるか分からないという状況下の
実戦はこれが初めてであり、緊張しない方がどうかしているという話だった。
「ミネルバからあんまり離れすぎると帰れなくなっちまう、距離だけは
十分注意しておこうぜ、ルナ、レイ、何か見つけたか?」
「・・・・・何も無いわ、岩ばっかり・・・」
「こちらもだ、やはりある程度散開した方が良いのかもしれないな」
散開、つまりは単独行動、その言葉にシンとルナマリアは難色を示した。
ただでさえ危険なデブリ帯、そこを単独でなどと・・・・。
「いや、散開はマズイだろ、はぐれたりしたらそれこそデブリの仲間入りだぜ?」
「そ、そうよ、シンの言う通りよ・・・それに散らばったら見つけた時に
かえって危険よ」
「しかしこう固まっていると狙い撃ちにされ一撃で3機ともやられる
可能性もある、やはりここは・・・・」
その時三人の後方が一瞬明るくなり、その刹那、轟音が鳴り響いた。
「何?!爆発?ミネルバの方からよ!!」
「あれはMSの爆発だ!クソっ!やっぱり艦長の言う通り潜んでやがった!」
3機は方向転換すると爆発のあった方向へ向おうとしたまさにその瞬間だった。
レイの脳裏に電撃が走る、エグザスと戦った時に何度も感じたあの不思議な
感覚、それはあのパイロットが近くに居るという事を示していた。
しかし回りは岩しか確認出来ない・・・・、戦艦はおろかMSもMAの陰すら見当たらない。
一体どこに・・・・・?レイのゲイツは動きを止めると辺りを見回した。
「レイ!!何やってるんだよ!ミネルバへ!」
「分かっている・・・しかし・・・・・この辺りにボギー1が居る・・・」
「え?何か見つけたの?」
レイはルナマリアの質問に何と答えていいか分からず、一瞬間を置き答えた。
「ああ、だが近くへ行ってみなければ分からない、二人は先に行け、俺も確認が
済み次第すぐに合流する」
「一人じゃ危険よ、私も行くわ」
「いや、ミネルバが心配だ、確認だけなら俺一人でいい、お前達は早くミネルバへ向かえ!」
「分かったよ!でも無理すんなよ!危なくなったらすぐ逃げろ!ルナ急ぐぞ!」
インパルスと赤いザクウォーリャーはそう言うと、爆発のあった方向へ
急いで向かって行った。
それを見送り、二機の姿が視界から消えた所でレイは呟いた。
「ラウ・・・・居るんだろう?」
お待ちしていました
長い事書き溜めしてたんだね
乙です
ザクウォーリャー乙!
保守したかいがあったってもんだ
107氏乙GJ
しかし結構まだ住人が残ってたんだね
オクレ兄さんのブロックワード気になる
ゆっくりで良いからまた投稿よろ
AGE
GJ続きキボン
GJGJGJ!
レイが主役に見えてくる
wktkしながら続き待ってます
ageつつ寝るノシ
この調子で383氏も戻ってきてくれれば良いが・・・
>ザクウォーリャー
うおおおおおおりゃあああああああ!!!
ザクエビフリャー
ガイアとカオス、元々は陸と空から母艦であるミネルバと連携を
取るという運用方を考えられていた機体、誰もこの二機がミネルバを
攻撃するなどという事態は今まで想像していなかっただろう。
しかしガイアとカオスは今ミネルバを攻撃している、デブリに隠れ
ミネルバの索敵範囲ギリギリまで近づき、その後二手に散開
左右両面からそれぞれ持てる火力を最大限に活かし攻める。
アウルの事で少し頭に血が上っていたスティングもそれは通常の
状態での話であり、今までもそうであったようにいざ戦闘モードに
切り替わると彼は至って冷静で、ミネルバの目を正面に
引き付けるという陽動作戦を忠実に実行していた、スティングの
ブロックワード要らずはその優秀さから来ている。
もっとも今のスティングにはこの攻撃を陽動で終わらせる気は
さらさら無かった、まず事前のステラとの打ち合わせ通り、迎撃に
出ようとしてくるMSがカタパルトから発進しようとする所を
狙い打つ、どんなMSであろうがその時は木偶だ、普通に戦おうが
負ける事は無いだろうが、うるさい蝿は早くに落とす、戦場の鉄則である。
ミネルバのカタパルトの発進口から顔を覗かせたゲイツRをビーム
ライフルで綺麗に撃ち落す、1機、2機、これで終わりか?
「あの白いやつは?ガーディー・ルーを探しに行ったか?
なら・・・・留守の内に沈めてやるぜ!!」
ミネルバの反対側へ目をやると、ガイアも1機落とした様だった。
一方のミネルバは突然の二機の奇襲に迎撃が間に合わず、カオスは
目に付くミサイル発射管やCIWSを手当たり次第潰す、だがミネルバも
黙ってはおらず、即座に2連装高エネルギー収束火線砲トリスタンで
艦に取り付こうとするカオスとガイアを迎撃しつつも、ミネルバ最大の
特徴であるブリッジ遮蔽システムを起動させる、これでとりあえず
頭は隠せる、すぐに撃沈される事は無いだろう。
しかしトリスタンも所詮は対艦砲であり、戦艦よりも小型で動きの
早いMSに当たる事は無く、ガイアとカオスは難無くそれらを回避し
CIWSの射程範囲外の中距離からミネルバの装甲を削っていった。
ステラはミネルバへ対しビームライフルを乱射したが、その装甲は
予想外に厚く、またカオスに比べ武装が貧弱なガイアはミネルバが
完全に迎撃モードに入ってしまった今、中距離からでは決定打を
与える事が難しくなり、内心かなりイライラしていた。
カオスのスティングへ通信を繋ぐ。
「あれに近づいて、ビームサーベルで攻撃するから援護して!スティング!」
「分かったぜ、だが外に散歩に行った奴らがそろそろ戻ってくる!
油断すんな!んじゃ、行くぞ!!」
カオスはガイアと合流すると、MA形態へ瞬時に変形し、ガイアを覆い隠す
様な感じで前へ立ち、持てる火器を一斉放火した。
それに反応しトリスタンの銃口と宇宙用ミサイル「ナイトハルト」が
6発カオスへ標準を定め向かって来る、MSへ変形し胸部CIWSでミサイルを
全て撃ち落すと爆音と共に一瞬辺りは光に包まれた。
「今だ!行けステラ!!」
スティングの掛け声と同時に、カオスの後ろへ控えていたガイアが
ミネルバへ特攻をかける、火線をカオスに集中させていたミネルバは
ガイアを捕らえきれず、ガイアはミネルバの表面へ取り付くと四足
MS形態へ変形し、背部のグリフォンビームブレイドを展開、ミネルバの
装甲やCIWSを無差別に斬りつけながらブリッジを目指し高速移動した。
MSも無い今のミネルバは懐に入られては迎撃する能力は無く、ガイアに
なされるがままの状態になっていた。
「フン、素人どもが・・・そのまま沈め!」
ガイアがミネルバへ取り付いた事を確認したスティングはそう言い放つと
再び中距離からのガイアの支援兼ミネルバの装甲削りを開始した。
その時、カオスのコクピット内部でアラート音が鳴り響く、カオスは
後方からのビーム攻撃を間一髪回避すると、振り向きざま自分を
攻撃してきた者へ対しビームライフルを見舞う。
カオスの一撃を回避したMSは見覚えがある、自分たちと同じセカンド
シリーズの一機、インパルスだった。
一方その頃、レイは岩ばかりのデブリ帯を見つめながら目を閉じ、見えない
物を感じ取ろうとしていた、目には見えなくともそこには何かが居る
そう、彼が。
レイは再び脳裏に電撃を感じる、そこか!!
ゲイツは腰部のレールガンを乱射した、当たった所で対したダメージには
ならない、しかし・・・。
ゲイツの撃った無数のレールガンの一撃が岩も何も無いはずの空間で
破裂した、まるで何かに当たったかの様に。
ゲイツはその空間へ対してビームライフルとレールガンを撃ち込み
それらの弾が破裂する場所を特定しつつ、距離を算出、それをミネルバへ
報告がてらデータを送信、通信回線を開き呼びかける。
「応答せよミネルバ、こちらはレイ・ザ・バレル、聞こえるか?ミネルバ」
「ハイ、聞こえます、どうしたのレイ?」
通信に出たのはオペレーターのメイリンだった。
「ボギー1はミラージュコロイドを搭載、展開している。恐らくミネルバの
後方へ回り込む気だろうが意図は掴めない、十分に警戒してくれ」
「了解しました、レイは大丈夫なの?」
「俺もすぐにそちらに合流・・・・、は出来無い、すなまい、回線を切る」
「えっ?レイ一体どうし・・・」
レイはメイリンとの会話中にまたも脳裏に走る電撃を感じた、一方的に
回線を切るとそこにボギー1が居るのだろう空間を凝視する。
そこでは暗闇の中で何かが光っていた、宇宙空間に小さい穴が開いてる
不思議な光景、そこからMSが一機発進してきた。
暗闇では見にくい塗装の黒い機体ダークダガーL、エグザスでは無い
しかしレイにはそれに誰が乗ってるのかがすぐに分かった。
「また君か!厄介な奴だよ君は!」
「・・・・ラウっ!!」
ダークダガーは背部に装着された大型の低反動砲で弾幕を張りつつ
距離を段々と縮めてようとした、低反動砲を受けたデブリが一撃で
次々に破裂しその威力を物語っていたが、ゲイツはそれらを一つ一つ
綺麗に交し、ダークダガーを見失わないよう、あくまで回避主体で
の行動を取っている。
しかし目の前で粉砕されたデブリがレイの目を曇らせる、一瞬
ロックが外れダークダガーをロストした。
目視で探すが、岩の破片ばかりで肝心のダークダガーはどこにも
居ない、どこだ・・・?
しかしレイには秘密兵器がある、自分だけが持ち、彼にだけ有効な
索敵能力が。
レイは脳裏に電撃を感じる、感じた方向を見るとそこにはデブリの
陰に隠れているダークダガーの無反動砲の砲身が見えた、レイは
意を決してビームライフルをそこへ放つ、3発撃つとデブリごと
大爆発を起こした。
やったか・・・?俺が、この手で・・・ラウを・・・。
しかし間を置いてまた脳裏に電撃を感じる。
違う!フェイクだ!!
振り返ると自分のすぐ後ろでビームサーベルを両手に持った
ダークダガーがそれを振り下ろそうとしていた。
左からの攻撃をシールドで防ぐが、右からの攻撃に一瞬反応が
遅れ、ゲイツのビームライフルを一刀両断されてしまう。
ゲイツはライフルを捨て、盾に内蔵されたビームサーベルを
展開すると横なぎに反撃、ダークダガーはひらりとそれを
回避するとデブリの陰に隠れた。
ダークダガーの背部には無反動砲が無かった、撒き餌に使ったの
だろう、やはりラウだ・・・・一筋縄では行かない。
ゲイツはダークダガーを追いかける、ここで勝てるかどうかは
分からない、勝つ?そもそも何故自分はこんな所で戦ってる?
勝って何になる?いや、自分は勝ちたいのだ、あの人に。
昔自分が幼い頃ラウに遊んでもらった記憶が蘇る、いろいろな
事をしたが一度も本気のラウに勝てた事は無かった、だから
今度こそは!
ゲイツはデブリの陰から辺りの様子を伺った、当然ダークダガーの
影はどこにも無い。
先ほどは脳裏に走る電撃をラウに逆に利用された、ビームライフルも
無くなり、状況は圧倒的に不利だ、だが逆にそれを利用する。
ゲイツは無防備のまま、デブリの影から出た、そして何も無い
宇宙空間でシールドを構える事無く両手を下げた状態、はたから
見れば撃って下さいと言わんばかりの抜け殻の様な状態だ。
そのゲイツの姿をデブリの陰から見ていたネオは表情を変える。
何を考えている?何か策があるのか?いや、だが・・・・・・。
ネオはとりあえずゲイツのコクピットへ標準を定めた、ここは
ちょうど奴の死角、しかし・・・やはり何かが変だ・・・・。
ネオは何か違和感の様なものを感じていた、何かを自分は
見落としている。
奴はすぐ目の前、こちらには背を向けている、無防備、飛び道具は無し。
この状況で何かがあるか?奴が私を殺せるだろう要素が・・。
「まあいい、奴を殺る前にすべき事がある」
ネオはそれを思い出すとガーディー・ルーへの回線を開いた。
インパルスはカオスへ目標を定めると、ビームライフルを連射しつつ
距離を詰めようと接近した、カオスはインパルスの攻撃一発、一発を
丁寧にシールドでガードしつつ、こちらへ接近してくるインパルスへ
対してビームライフルで迎撃、それと同時に機動兵装ポッドを展開した。
ポッドは近づいてくるインパスルへ纏わり付き、2方向からビーム突撃砲で
攻撃、インパルスはそれを回避しつつ、カオス本体を攻撃し続けた。
ポッドに構っていると負ける、それはシンがカオスとの幾度にも及ぶ
演習で悟った事である。
しかしそれでも機動兵装ポッドは脅威には違いなく、カオス本体含め
3方向からの同時攻撃に対し防戦一方となりつつあった。
だがシンはカオスの性能については現段階で少なくともスティングより
熟知していた、ドラグーンシステムは燃費が悪い、この使用頻度ならば
そろそろエネルギーも心もとなくなってくるだろう、そうすれば自ずと
飛び道具は全て使えなくなり、残りはビームサーベルによる格闘
それならばインパルスに分がある、それにそろそろ・・・・。
スティングはエネルギー計へ目をやった、残量がやばい、ここらで
いい加減にけりをつけるか、そう思っていた矢先、またも別方向からの
ビーム攻撃、今度はアラートが鳴ったと同時に回避し、攻撃の発信源を
見ると赤いザクがこちらへオルトロス高エネルギー長射程ビーム砲
を構えていた。
機動力の違いからインパルスに遅れをとったルナマリアのザクだったが
ようやく追いついた、オルトロスをもう一発カオスへ発射する。
威力の高いオルトロスをまともに食らえばMSなどひとたまりも無い
カオスは回避する、スティングはエネルギー計に再び目をやると
エネルギー残量が2割を切っていた、起動兵装ポッドの継続使用が
難しくなったので、カオスはポッドを呼び戻す。
そこへ待っていたとばかりにインパルスがカオスへ急接近しビームサーベルで
斬りつける、カオスはシールドでそれを防ぎ、自分もビームサーベルを
抜くとインパルスへ対して反撃に出た、しかしインパルスはカオスの
反撃に対して急に距離を置きカオスの間合いの外へ後退する、そこへ
ガナーザクからのオルトロスによる狙撃の横槍、回避しきれずシールドで
防御するもあまりの威力に左腕のシールドが吹き飛んだ。
そこへ再びインパルスが襲い来る、かろうじてそれを回避するもインパルスと
ザクにこの連携を保たれると落されるのも時間の問題だろう、スティングは
ここらが限界かと思った。
ミネルバの方へ目をやると、ガイアも戻ってきた別働隊のザクと交戦していた
濃い青色のザクが一機でガイアと渡り合っている、ミネルバのパイロットは
バケモノ揃いか?
他にも数機ゲイツとザクが確認できた、状況的にも明らかに不利と感じ
ステラへ通信を入れる。
「おい!そろそろ撤収すんぞ!その青い奴振り切れ!」
「こいつ・・全然落ちない!スティング・・!!」
「ここで俺らまでやられるたら誰がアウルの敵討つんだよ!撤退だ!」
「・・・・・うん、分かった・・」
ガイアはビームトマホークで斬りつけてきた青いザクへカウンターで
蹴りを入れ、反転するとその隙を付き、そのまま背を向け逃げ去る
様にその場を離れ、カオスの元へ向かう、インパルスとザクの二機から
同時攻撃を受けているカオスを援護する為だ。
まずザクの獲物を狙い撃つ、ガイアはザクの真横からビームライフルを
数発連射した、ルナマリアは突然の横からの攻撃へ対処しきれず
ガイアの放ったビームライフルはオルトロスを撃ち抜いた。
インパルスは突然のガイアの奇襲に一瞬気を取られる、その隙を見逃さず
カオスは胸部と頭部のCIWSをインパルスへ向け一斉に撃ち放つ、PS装甲で
あるインパルス本体へのダメージは無かったが、右手のビームライフルへ
被弾し、インパルスのビームライフルが爆発する、飛び道具を奪い追撃の
脅威を取り払うとカオスとガイアは共に宇宙の彼方へ消えていった。
「逃がしちゃったわね、カオス。少し癖があるけどいい動きだわ・・・・
やっぱり訓練みたいにはいかないわね」
「ああ・・・・・だけどルナも俺もミネルバもこうして無事だった
訳だし、今回はそれで良しとしようぜ」
「でも、どうする?追いかける?」
「いや、武器無いし、一旦ミネルバへ引こう、この周辺にボギー1が
居る事は確定したんだし」
「そうね、そういえばレイ、戻って来ないわね・・・」
すぐに戻ると言ったはずのレイが戻ってこないと言う事はボギー1と
接触したか、あるいは敵と遭遇し、戦闘になっている可能性が高い。
しかしレイが今現在居るだろう位置とガイア、カオスが撤退していった
方向は明らかに違う、そうすると道に迷ったか、敵と戦闘になっているかの
どちらかだ、どちらにしても放ってはおけない。
シンとルナマリアの機体はお互いに残りエネルギーも半分程度だったが
ここで補給などしていて手遅れになれば元も子もない。
一応ミネルバへその旨を報告するとレイが居るだろう、自分達が元来た
道を引き返して行った。
おっつー
新たな職人きてたのか〜
新たな職人じゃないよ
華麗に復活したのさ!
保守
☆
保守
ほ
し
ゅ
続きまだ〜?
クルーゼ「私はようやく登り始めたばかりだからね。この果てしなく遠い種死坂を……」
未 完
続き待ち保守
GJ!
新しい職人さんキター!
ラウとレイの戦いもいいが、オルガがイルーー!?
オルガいいよ、オルガ!
383氏の最後の投下から、もう三ヶ月も経つのか……
続きをずっと待ってたけど、そろそろ潮時かな
実は続き気になってるんだよね。
いや、俺は諦めんぞ。
だな
、ー'´ \ /''⌒ヽ-─‐- 、
> , ! ゝ ,、.___, \
≧ , ,ィ/ハヽ\ | 「 ./ \ |
.1 イ/./ ! lvヾ,.ゞ、 ! |./ ヽ |
_レ「゙f.:jヽ ーT'f.:j'7`h r|´゙>n-、ヽ-rj='^vヽ
{t|!v ̄" } ` ̄ !リ :|r| ー "j `ー ′ h゙リ
ヾl ヾ_ /' ヾ! ヾ v イ‐'
ト ヾー-' ` /.| ト.、 ー― , ' |
| :\ /,' ト、_ ∧∧∧ ⊥:`ヽ. __ / ,' |
,、.._ノ :: `ー ' /,.イ < > / ̄\ :: , '/ ̄\
ヘ< _:: _,. イ/ | < な あ >
< い き > イ , ,ィ ハ i 、 . |
/ , ,ィ ハ i、 、 ! < ! ら > .| ,ィ/l/ l/ uハlヽトiヽ. |
/イ ,ィ/l/ |/ リuヽlヽト、 | < め > .|/゙>r;ヘ '-‐ァr;j<`K
イ /r >r;ヘj=:r‐=r;<ヽ| < > ry ┴ 〉 └'‐ |rリ
r、H ┴'rj h ‘┴ }'|ト、 ∨∨∨ |t|. ヾi丶 u レ'
!t|| `ー-‐ベ!` ` ー-‐' ルリ ヾl __, /|
ヾl. ヾ u/‐' ト、 ___ イ ト、
ト、 ー―― u,イl. | ::\ / ; / \
,.| : \ - / ; ト、 ./〈 :: ` ー ' ,'/ 「
-‐''7 {' :: ` ー ' ,; ゝ l` \:: / |
/ \ :: , '/ :| ,.へ、 /´\ |
あきらめろ!
やだw
その決定に、反逆する!
ホス
あきらめ、ない・る?
読みたい読みたい
俺は107 ◆qpBl.gJsqo 氏の作品を読みたい。
865 :
383:2006/12/18(月) 13:44:37 ID:???
tori wasureta.
ima Finland. sigoto owattasi ryokou de asondano de
mata tuzuki kakuyo.
tabun tosiake.
キター?
おk
お年玉に期待してるよ。
フィンランドかー。寒そうだ…
保守
保守
保守
狂うぜ
ここのことだったのかよ>フィンランド
常識的に考えてネタだろw
874 :
sage:2006/12/31(日) 10:18:19 ID:UHSZuxTp
保守
みんな年があけたよ
保守
まとめサイトどこー?
正月終了保守!
保守
捕手
881 :
通常の名無しさんの3倍:2007/01/08(月) 14:16:54 ID:cUynRTjJ
hosyu
このSSもまとめ作ったらいいんじゃね?
続き読みたい
劇場を出て、坂道を下ろうとした二人のまえに、あの目が不自由と思われるマルキオ導師
という男とそのお付らしき者たちが現れた。
男性は皆黒いタキシード姿のなか、白い服は夜目にも眩しかったが、彼をこの場の異端
者と見る人はいなかった。この盲目の男性に礼をして散っていく紳士淑女たち。レイはいつ
もよりさらに用心深く勤めようとし、シンはまだ音楽と舞台の魅力に心を奪われていたよ
うだが、自分の身を守るだけの警戒心は取り戻したと見えた。
「君達が今夜の『パルジファル』を聞いてくれたことは、嬉しい。これから私なりの解釈を
話すので、ぜひ来てもらいたいと思う」
レイの頭の中では非常信号が鳴り響いたが、周囲を自分たちより背の高い男たちに囲ま
れた。シンがちょっと呆けていても、この程度の囲みを抜けるのは彼にとって雑作もないこ
とだった。
「あれって、禁欲しろ。女と寝るなって解釈なんですか?」
シンが口に出した言葉に、マルキオは微笑を浮かべた。
「そういう一面的な解釈は若さの特権だが、立場に応じて、求められるものは違うのだよ。
それを話すための会なのだから」
基本的に権威というものを嫌うシンが、あまり警戒した様子もなく男に口を聞いたのに
まずレイは驚き、さらに大人しくマルキオ導師の周囲の人間に取り込まれたのにはびっく
りした。自分たちは訓練を受けた軍人なのに、これは簡単すぎる。
「そこの少年、人を疑ってかかるのは、あなたの生まれ育ちから当たり前のことかもしれ
ない。でもそれだけで人生は開けませんよ。その証拠に、あなたはこのお友達を――私に
は見えないけれど、とてもきれいな赤い目をしているそうですね――大事に思っている。
それは人が理解しあえるという証左です」
レイは一瞬目を見開いたが、盲目の勘が鋭い山師が自分をだましてペースに乗せようと
していると思うことにした。影響力があるのはわかったが、この男はいまの地球にいくら
もいるカルト宗教の教祖らしい。『パルジファル』について話すということは、キリスト教
異端の流れを汲んでいるので、西ユーラシアで受け入れられているのだろうと推測した。
レイの兄ということになっている人物は軍人だったが、彼が人文系の思想に通じていたので、
普通のプラント人よりはそちらに知識がある。
歩いていくうちに、一行はヴァーンフリートにつき、一階の広間に通された。
最前列にシンとレイは座らされた。その場に集まった数十人の紳士淑女がそれを当然と
受け入れているのが、レイには気に障った。シンは音楽を聞いていたとき変わらない濡れた
瞳のままだ。シンがあの盲目の山師の興味を惹き、そのことを信奉者たちは受け入れている。
休暇を伸ばす手配をした夫婦は彼らのすぐ近くにいるが、本来ならザフト兵士の十代の少
年などとは、口も利かない階級の人間だろう。
シンは隣のレイがいろいろ気を回していることに気付いていた。さっきから妙に感覚が
鋭くなっている彼には、舞台の歌手の歌に込めた感情が色になって見えたように、この場
の人たちの考えていることもなんとなく察しが付いたし、それが間違っていないという確
信があった。たまに戦場で経験する、360度インパルスの周囲が見えていて、敵の動きが
手に取るようにわかるときの感覚に近い。その感覚のおかげで生き残ってきたし、エース
と呼ばれている。だがあのマルキオ導師という男は、他の人間に比べて読めない。そうい
うことで、彼の考えを聞きにやってきたのだ。もちろん、身の危険があるようなら、この
場の人間を殴り倒して逃げる決意はある。ただ周囲に人がいすぎて、レイにその気持ちを
伝えられなかった。
「さて」
杖をついたマルキオ導師の一言に、衣擦れの音ひとつ聞こえなくなった。
「今夜はお集まりくださってありがとうございます。わたしも遠い太平洋から出てきまして、
素晴らしい音楽を楽しみまた考えることができました」
一言で場を支配する声に、レイもこのマルキオ導師という男がひとかどのカリスマを持
った人物だと得心した。
『パルジファル』について、クラシックファンとして持っているべき知識はあるが、宗
教家の解釈というのは、本当はレイにとっても知的好奇心がくすぐられることである。
「パルジファルは聖なる愚か者といわれます。穢れも罪も知らぬゆえに、白鳥を射落とし
て傲然として恥じるところがない。他人から責められても、意味がわからない。我々人間
の生まれたままの姿です。デミウルゴスに作られたまま、無知ゆえに平気で罪を犯します」
レイはデミウルゴスという言葉に聞き覚えがあった。確かグノーシス主義の創世神だ。「そして彼は、聖杯にも興味を持ちません。これもまた、赤子と同じだからです。今夜は
プラントからの方がおいでですのでお聞きしますが、あなた方は、聖杯の儀式を見て何か
感じられましたか?」
見えない目が自分たちに向いている。レイがちらりとシンを見やると、彼は口を開いていた。
「俺は、ただ、きれいだなと思って、それだけです」
続く沈黙はレイを促すためなのだろう。
「――俺は『パルジファル』の話を知っていますが、プラント育ちでキリスト教にうとい
ので、聖杯が聖なるものということが最初は実感できませんでした」
彼らの答えはマルキオにとってよい答のようだった
「何が正しくて、何が邪悪か。それもすべて教育なのです。親や社会から教えられて、人
間は育っていきます。パルジファルは母親の名前以外の社会的知識がすっぽり抜け落ちた
青年として登場します。ですから聖杯の儀式を目の当たりにしても、具体的な反応を示すこ
とができません。彼はもう一度、大人の体で人生をやり直さなくてはならなくなります」
聖杯城から追い出されての話だとは、すぐにわかった。シンが尋ねた肉欲について、こ
の男はどう語るのだろう。
「パルジファルはクンドリや花の乙女たちに誘惑されますが、彼よりクンドリたち、クリ
ングゾルの手下の者達について、考えなければなりません。クリングゾルは聖杯城の騎士
でありながら純潔を守りがたく、自ら去勢して欲望を断ったもののそれでは禁欲とは認め
られず、城から追放された男です。そしてクンドリはイエスが十字架にかかる際の道行き
で彼を嘲ったために、死なないという呪いを受けた女。私は以前キリスト教を信じていま
したが、今は違います。イエスは人であって、神の子ではありません。しかし預言者とし
て特別な人間だったのだと思います。モーセやムハンマドと同じく。彼の血を受けた聖杯
には彼の霊性が宿り、彼の体を貫いた槍も同じです。しかし神はたとえデミウルゴスであ
っても、できあがった世界に直接干渉するほど矮小な存在ではありません。もちろん、皆
さんも御存知の通り、至高神は霊体をお作りになっただけで、そのひとつがデミウルゴス
です」
グノーシス派と、レイは確信した。
「なぜクリングゾルが聖杯城から追放されたか。生殖のためにしか許されない肉の快楽、
そしてそれさえも禁じられた聖杯城の騎士でありながら、己の邪心を克服するより自宮を
えらび、それで聖杯に受け入れられなくなったからです。そしてクンドリや花の乙女達を
使って、聖杯城の騎士たちを堕落させる。自分が浅はかな知恵から堕落したので、他人の
足を引っ張ろうという、非常に下品な行いです」
レイは禁欲的なほうであったし、シンもそちらでは品行が正しい。欲望のために自ら性器
を切り取るという行為は想像できなかった。我慢すればいいことではないかと思うのだ。
エルクおいしゅうございました。
トナカイおぴしゅうございました。
ざりがにおいしゅうございました。
ちょっとまだこの話の続きを書く時間が取れないので、書いてあった文だけ
投下します。退屈な部分ですが、これがおわると、話はシンステに入ります。
おかえりなさいまし!待っててよかった…
おかえりなさい、お待ちしていました。
こちらのお話をもう二度と読めないと思うと苦しくて、
スレが少し伸びたのを確認してはため息をつく日々を送ってました。
種世界の設定的に、こういう部分にスポットを当てる二次創作が
あっても良いはずだと思うのですが、自分のつたない探索能力では
そういった話を発見することが難しく、なので本当にこちらの話は
ツボをついています。
現代の現実世界では、コーディネイター化を行う人間が多数いるで
あろう地域……先進諸国の大半は、キリスト教文化圏です。
けれども、プラントには宗教がないらしい……そんなことがありうるのか?
第一世代たちが何故、宗教を信じない状況になったのか。
現代日本に住んでいると、宗教ということを余り意識しない為に、
なんとなくこの設定を流してしまいがちなのですが、そういったことを
考慮したお話を読めるのは嬉しいです。
ガンダムの二次創作というカテゴリでも、色々な方向性があります。
自分にとっては、このような社会環境系の違いを突き詰めていく話が
「読みたい」と思う話ですので、無理のないように続けていってほしいです。
おお帰ってきたのか
また楽しみにまってるよ
キリストを預言者の一人としてるのがイスラム教で
キリストが神の三位の一つとするのがキリスト教だったっけか?
>>893 ニケア宗教会議以降から現在までのキリスト教ではね
ごく初期はキリスト教でも預言者扱い
あるいは聖書の「神の子」という記述を字義通りにとって神の子扱い
俺は○キオはグノーシスではなく、
東洋思想(それも神秘系ではなく哲学系)に傾倒した清教徒というイメージがあったけどね。
ピューリタン的禁欲的清貧生活を、
いかにして発展する科学とテクノロジーに背を向けず実践するか、みたいな。
まあそこらへんは原典たる種に対して個人が受ける印象に過ぎず、
このSSにどうこう言うもんじゃないが。
それよりも、なんか延々オードブルを食わされてる気分。
衒学趣味は嫌いではないが、
もうそろそろシンとレイの心の変化にずばっと話をもっていってもらいたいと。
いまんとこ変化のための素材を並べられてる段階だかんなぁ。
俺はマルキオって服装が派手だから、怪しい奴としか思ってなかったや。
SSで滅多に見ないけど、キララクのお助けマン的なところが、ラクシズ好きからも嫌いからも敬遠されるのかな。
とにかく一人の宗教家としてのマルキオの出番があるのは、GJ
待っていた俺も勝ち組!!!
gj
マルキオは視力を取り戻したら赤眼の魔王に
マルキオの元ネタがマルキオン派だとすると、グノーシスかそれに
近い思想の主というのは、製作の狙い通りなのかね。
小説版4巻の序盤にマルキオ導師が提唱するSEED教のことが書いてあった
早い話がマルキオの思想は世紀末救世主伝説ってヤツ?
マルキオ曰くSEEDを持つ者こそが新人類
コーディはきたるべきそいつらの時代を迎えるための繋ぎ的存在である、と記憶している
デス種ではその教えが真理であると証明されて種世界DEADEND
ナチュラルもコーディネイターもヒトは皆同胞であり
同じ木から出来た果実であるとか言ってたな
糞が帰ってきやがったか
死ね
ってか何でageなの
(゚Д゚)
wktkしながら保守
保守
遺作が成長して再登場、凸と宿命の一騎打ち…ないかw
続きが読めて嬉しい
9・1・3 enter
「Standing by」
草加「変身!」
「Complete」
ho
syu
続き待ち保守
スウェン達は出るのか?
名前だけは出てたよ>スウェン
保守
あえて言おう、カソであると!!!
honntodana///
madakonnnanoattannda
保守
hosyu
ho
umeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
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