リ*´∀`)<うわぁ…ミリィの中すごくグゥレイトゥ!
深夜に糞スレ立てるな
朝ならいいのかって話だ
こんなにすぐに反応返すなら、痔スレでレスすればいいのに
二人の時間 2
シャワーを浴びながらディアッカはこの隙にミリアリアは部屋を出ていくだろうと考えていた。気が付けば部屋の外はすでに静かになり彼女が部屋を出ることをためらう必要は無かったはずだった。
彼女を抱きたい気持ちが本気でないわけでは無かったが無理強いをするつもりは更々なかった。
ミリアリアが並べ立てる可愛い言い訳を切り捨てながら本音はからかう気持ちが大部分を占めていた。
だから今はまだそこまでは出来ないとミリアリアが思うのであればまた待つつもりだった。再び会って、想いを確認しあうことができたのだから待つことは苦痛ではなかった。
シャワーを浴び終えて、部屋にまだミリアリアが居ることに彼は正直驚いていた。
そして何も言わないままに入れ替わるようにシャワーを浴びるミリアリアにさらに驚いた。
流れる水音が聞こえるまでにも、そしてその音がやんでからもの長い沈黙の時間にも彼女の戸惑いを感じ取ることが出来た。
ミリアリアが服を着て出て来たのならその気持ちに沿ってやるつもりだった。
彼女の砦を無理にこじ開ける必要はない。自ら開くのを待つ、いつまででも待ってみせる。
しかしミリアリアはバスタオルを体に巻いただけの姿で現れ、着ていた衣服をロッカーにしまった。
それが彼女の答えであるとわかってディアッカは体が熱くなっていくのを感じた。
「シャワーで溺れてるのかと思った」
その興奮を気取られねぬようにいつものような斜に構えた態度を取り繕ってそれだけようやく言えた。
白く浮き上がる肩にバスタオルの下から覗く細い素足に目を奪われた。
それでも努めて平静を装いゆっくりと手を差し出すと静かに「おいで」と呟いた。
その言葉にミリアリアが息を飲んだのがわかった。
顔を背けたままなかなか一歩を踏み出そうとしない彼女をディアッカは静かに辛抱強く待った。真っ直ぐにミリアリアを見つめながら。
無理強いはしない。したくない。
きっかけは与える。だが最後は彼女自らの意志でそう望んでくれなければだめなのだ。
逃げ道を用意しているようでいて結果、全ての逃げ道をふさいで追いつめようとしている。姑息で卑怯な男だと自覚していた。
それでも無理矢理押し倒されたから抱かれたのだと言い訳を許す愚行はするまいと思っていた。
そしてその思惑通り張りつめて重い空気を最初に揺らしたのはミリアリアだった。
ディアッカに向けて素足の一歩を戸惑いながらも踏み出し、差し出した手にそっと左手を重ねられた。
その小さな細い手を大きな男の手がゆっくりと握りしめた。
掴んだこの手はもう二度と離さない。そう意志が込められた力強さで。
座ったままミリアリアの腰に左手をまわし握りしめた手を軽く引くとなんの抵抗もなく彼女はディアッカの腕の中に落ちてきた。
そのまま片腕で腰を抱え上げ膝の上に横抱きにした。素直に膝の上に収まったが酷く緊張して体を硬くしているのがわかった。相変わらず胸元のバスタオルを手が白くなるほどに握りしめている。
ディアッカは握りしめたままの細い手を自分の背中へと持っていき巻き付かせるようにしてから離した。そして離した自分の手をそのまま彼女の背中から、首筋へと滑らせ頭を肩へもたせかけてから耳元で低く囁いた。
「もう逃げらんないぞ?」
「うん、もう諦めた」
ディアッカがらしからぬ真剣さで言った言葉に対してミリアリアの返事はとても軽かった。
「なんだそりゃ」
ディアッカは思わず笑ってしまう。
「だって、諦めろって言ったのアンタでしょう」
恥ずかしさを誤魔化すように口を尖らせて言うミリアリアの言葉にそういえばそうだったと思い出しまた笑った。
ミリアリアはディカッカの首筋に一度頬を擦りつけるようにしてから離れると俯き加減な上目使いで恥ずかしそうに彼を見つめた。
ディアッカはそんなミリアリアを覗き込むように顔を寄せると軽く唇を触れさせた。
一度離れた唇はまた引き合うように触れあい段々と深く交わっていく。
ミリアリアが薄く開けた唇の隙間にディアッカの熱い舌が差し込まれる。歯列を割って柔らかな舌を探し当て絡め取るように求めていく。
ミリアリアもそれに応えるように自らの舌を動かした。お互いを吸いつくすかのように激しく口づけながら二人はベッドへと倒れ込んだ。
ディアッカの背中へとまわっていたミリアリアの手が押し返すように彼の肩を掴む。
「ふ……、はぁっ…」
苦しげな息づかいと唾液の混ざり合う音だけが部屋の中に響いた。ディアッカはミリアリアの額にかかる湿った髪を掻き上げながら顔を上向かせさらに深く舌をからませる。
ミリアリアは息苦しさに身を捩りながら舌先から痺れていく様な感覚を覚え緊張に冷たくなっていた体も段々と熱を帯びていった。緊張に竦む全身から力が抜けていく。
貪る唇の隙間から洩れるミリアリアの吐息が苦しさからくるだけの物ではない甘さが混じり始めた事を感じてディアッカは彼女の背中にまわしていた手を滑らせ脇腹へと持っていった。
バスタオルの上からのその手の動きにさえ敏感に反応しびくびくと震える体。
ディアッカはその体を覆い隠すバスタオルを掴み剥がそうと引っ張った。
だがそれはバスタオルにしっかりと握り混まれた手によって阻まれた。解れていく全身の中で唯一そこだけがまだ緊張を保っていた。
「いい加減手ぇ、離せ」
ディアッカは唇を離すとうつろになった海の色に濡れた瞳を覗き込みながらその手をそっと解いた。
そのままその手を彼女の頭上へ持っていき髪を撫でていた手でベッドへと押さえつける。
惚けていたミリアリアがディアッカのその素早い動きにはっとして小さく叫んだ。
「あ、明かり消してっ」
ミリアリアは慌てて訴えたがその言葉は聞き入れられることもなく素早くバスタオルが引かれると彼女の白くふくよかな胸がディアッカの目の前に晒された。
「やっ…」
彼女が自由の利く左腕で隠そうとする動きを素早く制しその手も頭上へと持っていくと右手と重ねて押さえつける。
隠す物のない素肌は薄紅に上気し荒い息に上下しながらディアッカを魅了する。その膨らみを下からすくい上げるように優しく揉みしだくとミリアリアの体がびくりと大きく震えた。恥ずかしさに顔を背けた頬にキスを落としてから
ディアッカの唇は首筋へと滑り徐々に下へと降りていく。
透き通る肌は白磁のようになめらかで甘い芳香を漂わす。それに酔いながら鎖骨を唇ではむようにして時折きつく吸い上げ赤い痕を残していった。
「貧弱な体でごめんね」
ミリアリアが恥ずかしさに耐えかねたように顔を背けたまま震える声で呟いた。
「とんでもない。すごく、きれいだ」
ディアッカは紫黒に染まる目を細めミリアリアを見下ろして言った。そしてその胸の先端をいきなり口に含む。
「!…ああっ」
細い体が弾かれたように仰け反る。そのまま掌で包み込みながら舌先で先端を転がすとそれはみるみるうちに硬く立ち上がっていく。
ディアッカによって与えられる刺激にミリアリアは時折ベッドから背中を浮き上がらせ耐えるように唇を噛む。
彼に触れられる場所から広がる痺れにも似た感覚は一カ所に集まりミリアリアは下腹部に締め付けられるような熱を感じていた。恥ずかしい気持ちとは裏腹にその熱は潤みとなってミリアリアの中心から溢れていった。
体を隠す気力をすでになくしたミリアリアの手は解放され自分の意志と関係なく洩れる喘ぎ声を必死に抑えようと口元に添えられていた。
ディアッカは自分の手に程良く収まる膨らみを掌で大きく撫で、時に形が変わるほど握りしめる。立ち上がった乳首を舐め上げながら軽く歯を立てると甲高い声をあげながら体が大きく跳ね上がる。その全てを愉しんでいた。
掌と唇と舌で彼女の胸を弄びながらディアッカの右手は脇腹から太股へと伸びていく。その途中、腰で触れたショーツの感触に胸の谷間を滑るディアッカの口元からくすりと笑みが洩れた。
「何で下だけ履いてんの」
肌にかかる熱い息に体をびくびくと震わせながら
「…恥ずかし、かった…ら」
とぎれとぎれの掠れた声でミリアリアが答えた。
素肌にバスタオル1枚でシャワーから出てきたかと思えば実はその下にショーツを身につけていた。彼女が思い切った行動の影で見せた恥じらいがいじらしく愛おしかった。そんな想いからディアッカの愛撫にいっそう熱が
込められていった。
二人の時間 3
ディアッカに翻弄されミリアリアの中心に集まる熱は今、その熱で全身を融かす程に広がっているのに彼は胸に触れた時の性急さとは違いなかなかその核心に触れようとはしなかった。
内腿を掌で大きく撫でられもう少しで熱く濡れた場所に届くかという距離まで来ると遠のいていく。何度もそんなことを繰り返されミリアリアは焦らされている感覚にたまらず膝を摺り合わせ身を捩った。
触れて欲しいと思いながら恥ずかしさにそうは言えずそれでも無意識に腰を浮かせ褐色の肌へとすり寄らせる。
彼女のそんな様子にディアッカは気が付いていた。わざとそうすることでミリアリアを、自分自身を煽っていた。
赤い痕を散らしながら胸の辺りで彷徨っていた生暖かくぬめる舌は脇から腹、へそへと白い肌を濡らしながら滑り降りていった。
ミリアリアは内心密かな期待を持って肌を伝う暖かく湿った舌の動きを意識の中で追っていた。ところがその甘美な舌はその場所を飛び越えて遠のいてしまった。気持ちのどこかで落胆しながらそれを隠して目を閉じて
ホッとしたように大きく息をついた。覆い被さっていた体はミリアリアからそのまま離れてしまった。それまで触れ合って熱をわけあっていた場所に肌寒さを感じてしまう。
ミリアリアは不意に左足の先を持ち上げられその親指が濡れた暖かいものに包まれる感触に震えた。驚きに目を見開いてそちらに視線を向けると赤く濡れた舌を指の間に這わせて自分を見降ろすディアッカの淫靡な
獣の瞳があった。
その瞳に灼かれるような錯覚を覚えながら逸らすことが出来なかった。
―――自分を惑わす美しい獣。
捕らわれた自分はもう逃げられない。―――
ディアッカは彼女が見ていることを意識しながら足の指を一本ずつゆっくりと口に含み丁寧に舐め上げる。わざと音をたてながら。
ミリアリアの背筋にじりじりと迫り上がってくるものがあった。直接的ではないがじわりじわりと全身に広がっていく甘い疼き。それは快感。
「はあ、…あっ、ん…んんっ!」
両手で口を覆ってわななく唇を必死に抑える。それでも洩れる声は止められなかった。
足の指だけでなく甲やその裏までも執拗に舐め上げられそのたびに這い上げってくる感覚に堪えるように唇を噛んだ。ミリアリアは足先がこんなにも感じるとは思いもしていなかった。くすぐられるのとはまた違う感覚。
指の間をねっとりとした舌が這うたびに足の裏を舌先で軽く撫でられるたびに体が跳ね、声が漏れる。
堪らず足を引いて逃げようともがくが力強い手に足首をしっかりと捉えられていてそれは叶わなかった。
「我慢しなくっていいって」
ディアッカが目を細めて嗤う。
暴れて乱れるミリアリアの脚の付け根に覗く淡いピンクのショーツが溢れる潤みに濡れ茶色の薄い茂みを透かしてみせていた。
恥ずかしさから身につけたショーツだったがそんな姿がかえって男の劣情を誘うのだとミリアリアはわかっていなかった。
ディアッカは掴んでいた足首を脇へやるとそれとは反対の手をミリアリアの右脚の内股へ持っていき押し広げるようにしながら自分の身をその間へと滑り込ませた。
ミリアリアの思考を蕩かす妖艶な笑顔を向けてから屈み込み、ショーツの上から彼女の秘唇に唇を寄せ舌先でそこをなぞる。
待ち望んでいた場所へと与えられた刺激にミリアリアの体は大きく跳ね感電するような強い快感が全身を走った。だが待ち望んでいた場所へ触れるものが彼の唇であることがわかると逃げるように腰を引いた。
朦朧とする意識の片隅にまだ羞恥心の欠片が残されていた。
「やぁあっ、だめ、、そんなとこ…」
「シャワー浴びただろ。ボディシャンプーの匂いしかしないって」
ディアッカは愉悦を含む低い声で言った。
「そこでしゃべらないで…ぇ!」
吹きかかる熱い息づかいを敏感な場所に感じてミリアリアの全身に悪寒にも似た震えが走った。
ミリアリアは脚の間に揺れる金糸の髪に手を伸ばしそれを押しやろうとした。
恥ずかしくてたまらない気持ちでやめさせたいと思うのにそんな意志とは関係なく手は快感を求めて引き寄せるように動いた。
ディアッカはミリアリアの布の上からでもわかる程に固く膨れあがった突起を舌先で擦り上げた。
「いや、…は……あああああっ」
それまで触れることを焦らされ続けながらもすっかり溶けきっていた場所にいきなり強い刺激を受けたミリアリアは悲鳴のような声を発して大きく全身を仰け反らせてからぐったりと脱力した。
全身で荒い息を吐く両脚からぐっしょりと濡れたショーツが引き抜かれた。
ショーツからあふれシーツまで濡らしていた秘所に触れる部屋の空気は冷たく感じられて軽く身震いする。だがそれもつかの間で力が入らず合わせることも出来ないまま小刻みに震えていた膝を割り再びディアッカがそこに顔を埋めていく。
柔らかい襞の間を弄ぶかのように絡むねっとりとした舌は止めどなく溢れる滴りを味わうように舐め摂っていく。一度絶頂を味わい放心していたミリアリアは治まりかけていた熱をまた急速に呼び覚まされていった。
もうミリアリアは堪えることも忘れて言葉にならない喘ぎ声を上げ続けていた。体の下でくしゃくしゃになったバスタオルを縋るように握りしめる。だがそれは縋るにはあまりにも頼りなさすぎて自分の手の甲を噛んで波のように押し寄せる苦痛にも近い快感に堪えていた。
ディアッカは襞を音を立てて啜りあげながら滴りを溢れさすその中心に指を沈めていった。すでに充分に柔らかくなっているそこは易々とそれを受け入れ、きつく締め上げている。内壁を探るように指を捻り動かすとある一点を擦り上げた瞬間
それまでより激しく腰が浮き鋭い声が響いた。指を増やしわざと淫猥な音を立ててそこを責め立てるとミリアリアがあられもない声を上げて体を反り返えさせ悶える。そして肩を浮かせて上半身を捻ると枕に顔を押しつけくぐもった喘ぎ声をもらし続けた。
脚を閉じて逃れようともがく腰はディアッカの頭を挟んだままでそうすることも出来ず腿の付け根を逞しい腕にがっちりと抱えられて逃げることも出来ず何度も大きく震えた。
ミリアリアはその執拗な愛撫に再び登り詰めようとしていた。その様子をみてとったディアッカは指で彼女の感じる部分を擦り上げながらその入口で赤く誘うように勃ちあがった突起を口に含み吸い上げた。
敏感な場所へと同時に受けた責めにひとたまりもなくそれは訪れた。
枕に顔を押しつけたままミリアリアはあっけなく2度目の絶頂を味わったのだった。
ディアッカがひくひくと痙攣を起こすミリアリアの中から指を引き抜くとどろりと熱い滴りが溢れシーツに大きな染みを作った。ディアッカは脱力して弛緩する両脚の間からゆっくりと抜け出た。
枕に顔をうつぶせてディアッカに背を向け喘ぐ息を整える汗ばむ背筋にディアッカの手が滑った。彼の腰に巻かれていたバスタオルはいつの間にか取り払われ背中から腕をまわされて抱きしめられると
ミリアリアの腿にディアッカの熱く猛った肉塊が当たった。
胸をまさぐりながら肩に唇を落とすディアッカの頭に腕をまわし振りむくと見つめる紫黒の瞳と視線がかち合った。
ミリアリアはうっすらと涙の浮かんだ蒼海の瞳で見つめ返しながら小さく呟いた。
「ディアッカ…きて…ディアッカと、ひとつになりたい」
濡れた声でそう言われてディアッカの欲情に収まることのない火がついた。その言葉に応えるように艶やかな笑みを浮かべる。
激しく貪るように唇を重ね合いながらディアッカがミリアリアの片脚を抱え上げた。ディアッカは背後からミリアリアの秘唇に自身をあてがうと一気に腰を突き上げた。
「ひぅ、……ああっ!」
体の中心を鋭い刃に貫かれたような衝撃に堪えながらミリアリアはそれを受け止めた。
2度の絶頂で解れていた柔らかな襞は侵入したディアッカをきつく締め上げながら蠢いた。
ディアッカは狭く暖かな空間に包まれた喜悦だけで達してしまいたくなる衝動に必死に堪えた。最初の波を乗り越えると大きく息を吐いてから
「繋がっちゃったよ?」
とわざとおどけたような口調でミリアリアの耳朶を甘噛みして囁いた。
「…ばか」
そして恥ずかしそうに顔を顰めて返ってきた言葉を聞きながらゆっくりと腰を揺らし始めた。
「あっ」
ミリアリアの喉奥から再び甘い声が漏れ始めた。
ミリアリアの甘い嬌声を聞きながら横向きで寝そべる彼女の左足を抱えて最奥まで届くように腰を打ち付ける。抱えた脚のふくらはぎにも舌を這わせて痕を残す。ディアッカが
与える全ての刺激を快感として受け止めるミリアリアの意識は朦朧として定かでなくなっていた。
部屋の中に聞こえるのはディアッカの呻くような息づかいとミリアリアの喘ぐ声、そしてお互いの体を繋ぐ湿った音だけだった。
自分を感じて蕩けるミリアリアの表情を見たいと思ったディアッカはシーツの上で反り返る脚を持ち上げ抱えていた脚との間に腰を収めると、細いくびれを抱え上げて仰向けにした。
「ディ、アッカぁ…」
ミリアリアが焦点の霞む潤んだ瞳で何かを求めるように宙に手を彷徨わす。ディアッカはその手を取ると掌を合わせ指を絡めてからベッドへと押しつけた。そして細い体に
覆い被さりながらなおも激しく突き上げていくと自分の限界が近づいていくのを感じた。
「ミリ…も、限界っ」
「私もまたイっ…、あ、ああっ」
ミリアリアが叫んだ瞬間、体が大きく弓なりに反り返り彼女の内壁が激しく収縮してディアッカを締め上げた。抗うことなくその悦楽に身を委ねると小さな呻き声と共に彼は彼女の中に勢いよく精を放った。
最奥に叩きつけるような衝撃を感じたミリアリアはそれまでとは違う激しい絶頂感の中、頭の中が真っ白になっていきその絶頂感のまま意識を手放した。
ディアッカは自身をどくどくと脈打たせながらミリアリアの中にその情炎の全てを吐き出させてからゆっくりと引き抜いた。
そしてすでに意識を無くしぐったりと横たわる彼女の胸に顔を埋めるように倒れ込んだ。
ミリアリアは頬を撫でる暖かい指先の感触に意識を取り戻した。
ゆっくりと瞼を持ち上げると柔らかな笑みで自分を覗き込むディアッカの顔があった。
寄り添う体は1枚の毛布に包まれ触れる肌から感じる温度は心地よかった。
情事の余韻を体に残しながらも思考の戻ったミリアリアは恥ずかしさに毛布を引き上げ隠れるように潜りこんだ。
「ミリィ、顔見せて」
くつくつと笑いながらディアッカが囁く。
毛布越しにもその魅惑的な声はミリアリアの耳をくすぐる。
「だって、どんな顔していいかわからない」
「どんな顔だっていいから」
言われて仕方なく毛布から真っ赤になった顔を覗かせる。それも半分だけ。
「私がディアッカの部屋にいるの多分もうみんな知ってるよね。明日から私どんな顔してブリッジにあがればいいんだろう」
「こういうのもバレバレ?」
言いながらちゅっと音を立てて額に唇をおとす。
「もうっ!真面目にいってるのに」
眉間にしわを寄せて怒るミリアリアに余裕綽々で口角だけを持ち上げた笑顔を向ける。
「普通にしてれば何も言われないんじゃん?」
言われてミリアリアは普通ってどんなふうよ?と思いながらブリッジクルーの面々に向けられるであろう視線を想像して途方にくれた。
ディアッカは毛布に包まれた華奢な体を抱きしめながらどんなことがあっても掴んだ手は二度と離さない。
どんな状況でも生きてミリアリアの元に帰りこの甘美な二人の時間を何度でも過ごすのだと心に誓った―――。
彼女の主張、彼の主義
by 匿名希望
「ちょ・・・っと、付けなさいよ」
「えーなんで? 生の方が気持ちイイでしょ?」
「そうじゃなく・・・って、マナーでしょ!」
「そうだっけ。まぁ病気うつされたら困るし、お前以外のヤツの時はしてるよ?」
「だ・・・ったら、あたしの時もちゃんと・・・んっ!」
「ン。ちゃんと・・・なに? ミリィ」
「やだ、ちゃんと、して・・・よ」
「これ以上ないくらいちゃんとシてるじゃん。それとももっとシてイイの?」
なら我慢しないけど。
「サイテー」
「サイコー、の間違いじゃなくて?」
「ホントに最低。・・・なんで付けないのよ」
「だから何で付けなきゃいけないんだよ。俺もお前も病気持ってないんだし」
「そういう問題じゃなくて! ・・・できちゃったらどうするのよ」
「は?」
「だからっ、コーディネイターの自然分娩率が低いのは知ってるけど、私はナチュラルだし全然可能性がないってわけじゃないんだし、それに・・・アンタは困るんじゃないの?」
「なんで?」
「ッ! ほんっとうにサイテー!」
「拗ねんなよ」
「拗ねてるんじゃなくて怒ってるのよ!」
「じゃあ怒んなよ。体位に気を付ければ臨月までできんだし。ま、母体に危険がないかだけは初期に確認するけど。問題なければプラントな」
「は?」
「あ、それともいっぺんゴム付の感覚試しておく?」
ディアッカの背中は綺麗だ。
軍人だから小さな傷痕が多少からずはあるが、それを補う程の肌理の細かさや筋肉の流れといった評価をすれば最高級だと思う。
普通の女ならばこの綺麗な背に爪を立てるのを躊躇ってしまうに違いないし、実際ディアッカの背に爪の痕を見た験しは無い。
だが、ディアッカは背中だけは素晴らしい、と言い切ってあげてもいいが、やはりどうして背中を見たか、と言うツッコミは耐えられないので誰にも言えない話だ。
向けられた背を十二分に見物しながら肺の奥底に惨めたらしく残っていた熱の残滓を吐き出す。
はあ、と思いの他大きな音になったソレだったが、ディアッカは反応するコト無く、背を向けたまま───電話をしていた。
「そりゃプラチナのほうが似合うだろ?ああ、髪にあってる。想像するだけでスゲーソソラレル。うん、そう」
常の皮肉っぽい色合いの薄い笑い声と、軽い内容の会話と、甘やかすような口調から、相手は女だ、と予想する。
否、確信してる、だ。
恐らく今夜の予約なのだろうと想像しただけで、げんなりとした溜息が零れ落ちた。
日の光が燦然と降り注ぐ部屋の中、私は一体ナニをしているんだか。
心の中では物足りなくて、ミリアリアはもう一度はあ、と息を吐き出し、身動ぐと、脚にぬるりと冷たい感触があたった。
思わず動きを止めてしまったのを、ディアッカは電話中だというのに気付いたらしい。
にやり、と意地の悪い笑みを送ってきた。
ホントにヒトの嫌がるコトをさせたらディアッカは天下一だ。
否、天下どころか宇宙一なのかもしれない。
奥歯をギリギリ言わせながら、ミリアリアはシーツを身体に巻きつけた。
何度か息を吸う行為で荒れた心を落ち着かせる。
己がバカだったのも、考えなしだったのも、ミリアリアは既にわかっている。
『後悔先に立たず』
それでも一刻も早く、ミリアリアは精神を落ち着かせたかった。
まずは虚しさを増徴させるしかない、淫らな記録であるシーツを洗いたかった。
まだ日は高い。
天気は快晴。
空気も乾いている。
急いで洗えば今夜は洗い立てのシーツで眠る事が出来る。
───ひとりでゆっくりと。
一瞬だけ心を掠めた暗い感情は見なかったコトにするに限る。
休日の昼間らしからぬ空気を纏う部屋の換気をして、起きてシーツを洗おう。
二人の体液の残滓を洗い流してしまおう。
全て、洗い流してしまえばいい。
何度でも洗い流してしまえばいい。
そうやって一人で立ち上がってきたのだから。
ミリアリアは己に言い聞かせた。
ディアッカという男が女が常に数人待機していないと駄目なタイプだと気付くのは早かったが、その時はすでに守るべき一線を越えてしまっていた。
言い切ってしまえば、済し崩しの関係だ。
ディアッカにしてみたら少々毛色の変わった彼女の一人、に過ぎなくて。
色んなコトで疲れていたミリアリアには、ディアッカが伸ばしてきた手を払いのける気力も足りなかったし、受け止める度量もなかった。
かといって、ディアッカの温もりや強さが心地よかったから、と開き直ってこの関係に胸を張れるほど横着でもなかった。
ただ、これからどうしていいかわからない。
だから流されてしまうのかもしれない─── 心の奥底に澱む暗い感情を無視しながら。
ニヤニヤと薄い笑みを浮かべながら電話するディアッカが腹だたしい。口を出したら負けだ、とはわかっていたから、ミリアリアは無言でシーツを身体に巻きつけ直した。
ところどころに感じる冷たい感触は不快でしかなくて、眉を顰めながら、バスルームに移動しようとしたトキだ。
ぐい、と動きを邪魔された。
電話中のディアッカがミリアリアを巻きつけたシーツを捉えていた。
『離しなさいよ!』
口の形だけで抗議すると、ディアッカはやはり口の形だけで『電話中』と答えた。
奥歯が今度はぎり、と大きく音を立てた。
『は・な・せ!』
ぐい、とディアッカの掴んだシーツの端を引っ張るのに、ディアッカは平然と引き返す ───電話をしながら。
「そうそう、んじゃ今度また行こうぜ。あの店のカルパッチョ、好きだろ?」
うわ。美味そうなモノ食べてやがるわね…!
自慢じゃないがディアッカにそんな美味しそうなモノを奢って貰ったコト無いわよ? ───奢られたくもないけどね!!
そんな感情がミリアリアの表情に表れてたらしく、ディアッカはますます面白いとばかりに眉を上下に器用に動かした。
うわ、うわ。ますますムカツク!
ミリアリアは怒りに任せて、脚を上げた。
ディアッカの予想外の動きだったソレは、見事にディアッカの背に当たるコトとなり、ミリアリアはディアッカを蹴る事に成功していた。
ふふふん、と鼻で笑い返すと、ディアッカも脚で参戦し出す。
『電話に集中しなさいよ!カノジョが不安がるでしょー?!』
『だったら邪魔するなよなぁ』
『最初に邪魔したのはアンタ!』
『ちょっとした悪戯じゃんか』
『しないでよ!悪戯なんか!』
『ミリアリアは容赦がないなぁ』
『充分容赦してるわよ!』
『だって蹴るか?エッチの後でオンナのするコトじゃねぇっての』
ディアッカとの口の形だけでの無音の口論の中、ディアッカの電話から零れ聞こえるオンナの甘えた声が小憎たらしいというのに、ディアッカの発言は少々無神経過ぎて。
ミリアリアは思わず怒鳴っていた。
「エッチした後に違うオンナに電話する男に言われたくないわよー!」
あ、と思ったトキには、ディアッカの電話相手のぎゃんぎゃんと騒ぐ声が聞こえていて。
ディアッカはそれを宥めるコトなく、面白そうにニヤニヤ笑い出していて。
あああ、ますます失敗したかもしれない。
ミリアリアは急いでバスルームに駆け込もうとするが、ディアッカに背後から捕まえられてしまった。
ディアッカは煩い電話の電源を切ると、床に放り投げ、そして言った。
「ねぇねぇ。ソレってじぇらしー?」
「可愛らしく聞かないの!第一ジェラシーじゃなくってマナー!」
「へー。エッチした後に違うオンナに電話するトキのマナーねぇ─── そんな行為にマナーなんてあったんだー」
ディアッカの面白がる口調にミリアリアはイライラしながら怒鳴り返していた。
「わかってるならしないでよ!」
「うん。ミリアリアがじぇらしーだって認めてくれたらね」
ディアッカは無邪気な笑みでそう答えて。
ミリアリアは数度口を開け閉めしたが、暫し悩んだ後、大きな溜息をつきながら言った。
「じぇらしーと認めたら、アンタはどーするの?」
「ミリアリア一本で済ませます」
なんなら神に誓うよ?
軽い口調で。
でも、視線は真剣で。
「私に誓えばそれでいい」
ミリアリアの呟きに、ディアッカはキスで答えた。
「けど、蹴るのは色気無さ過ぎ」
ディアッカの減らず口の方が色気が無い気がする。
荒れた息の中、ミリアリアは捻くれた唇をキスするコトで黙らせようとするのに、ディアッカのいやらしいソレは動きを止めない。
「ま、ミリアリアがいるからいいけどね」
今夜泊めてね、と耳元で囁かれたが、嫌だとは答えるコトは出来なかった ───荒い息遣いのせいで。
ディアッカの楽しそうな笑みが悔しくて、とりあえず鳩尾を蹴ってみた。
ディアッカはただただ、笑い続けて───行為を続けた。
再びシーツを濡らしながら、ああ、今日中に洗うのは無理だな、と甘く啼きながら思い。
ディアッカの背に爪を立てた。
朝になって、ディアッカの傷付いた背を見て、どう思うのだろう。
やはり綺麗と思うのだろうか。
綺麗と思う以上に何かを思うのだろうか。
ただ。
もぅ他の誰にも見せないんだから、まぁいいや、とミリアリアは思った。
ぱちり、と目を開く。
柔らかなルームランプの明かりに包まれた部屋の全ての音を確認する。
空調のモーター音。
窓の外のクラクション。
遠くに響く、街の喧騒。
あとは隣で眠っている女の寝息のみ、だ。
暫し身動きせず様子を伺うが、女の眠りは深く、起きる様子も無い。
ゆっくりと身体中に力を込め、女の頭の下になっていた左腕の手を動かす。
ぐーぱーと何度か握り返すが、女は意識を取り戻すコトは無かったので、右手を差し込み、そっと痺れが少し残る左腕を引き抜いた。
女が眠ったままなのを確認すると、そのままベッドから降りる。
よっこらせ、と軽く伸びをしてからしゃがみこみ、脱ぎ散らかしたままの服を集めた。
途中、女の下着を発見する。
細かで精巧な華やかな花に似たレースのソレ。
コレを見て、脱がしたくてたまんなくならずに済む野郎はいねえよなー、と推察し、実際脱がすときは最高に興奮すんだよなーと納得する。
軽く歯で咥えながら、そのまま自分の服を着込む。
さて、と机に放置したままだったカードキーを手にし、部屋を去る前に眠りこけてる女の顔を覗く。
朝一で恐らく癇癪混じりの抗議の連絡が入るだろうけど、次回の予定を立ててさえすれば機嫌は容易に直るに違いない。
ふと悪戯心を起こし、女の寝顔に顔を近づけ、咥えたままの下着を女の顔の真横に落とす。
起きたらどんな反応するのかな、と思うと、面白そうでそのまま朝まで居ようかとも思ったが、時計を覗くと既に日付が変わって数時間は経っていて。
やっぱり眠りたいよな、とそのまま部屋を後にした。
予想通り、歩いて20分程で到着した部屋の窓は真っ暗で。
ドアを捻ったが、当たり前だが鍵がしっかり掛かっていた。
だから『いつもどおり』勝手にハッキングで暗証番号を解除し、部屋へお邪魔する。
勝手知ったる部屋なので、明かりを付ける必要は無い。
ワンルームの部屋だが、ベッドには奥まった場所に小さな仕切りがある先で、ひょい、と覗くとカーテンの隙間から漏れる月明かりで青く染まった世界の中、ミリアリアの寝顔が見えた。
いつもどおり、熟睡してる癖で小さく丸まっているらしく、小さな塊のソレ。
そのままその場で全部の服を脱ぎ、コートだけ仕切りの上に放り投げる。
変なトコで真面目なミリアリアは皺になる置き方をすると説教するのだ ───自分のコートで無いのに、だ。
バスルームに移動すると、軽くシャワーを浴び、今まで一緒に居た女の匂いを取る。
怒られるにしても怒られる要素は少しでも減らしておこう、と思う自分の殊勝な心がけはミリアリアには通じてないんだよな、と嘯き、掛かったままのバスタオルで水気を取る。
柔らかな肌触りのソレはオレが上げた───というか、買って返せと迫られて買ってあげたブツではあるが、また買い直せと怒られるんだろうか、とふと思った。
暫しタオルを片手に考えるが、まあもぉ拭いちゃったし〜と腰に巻き、ミリアリアの眠るベッドに近付く。
ミリアリアは眠っている。
薄闇の中、丸くなって、くぅくぅと寝息を立てて眠っている。
平穏な眠り。
安心しきった寝顔だった。
ぼんやりと見てると、眠気が襲ってくる。
ベッドに上がり、毛布を捲ると、ミリアリアの横に滑り込む。
ミリアリアは安眠を邪魔されたとばかりに少し身動ぎをしたが、その動きを利用して、ミリアリアを抱き込む形にする。
ミリアリアは抵抗するコト無く、小さく「うー」と呻いたが、そのままくぅくぅと眠っていて。
オレはふわあ、と欠伸をして目を閉じた。
脚を動かすと、ミリアリアの脚が絡まってきた。
あ、こいつってばまた靴下履いて寝てやんの。
冷え性だからって色気が無ぇなぁ…。
そんなコトを思いながら、オレは眠りに落ちた。
深い眠りを得る為に。
朝。
予想通り、ミリアリアの怒声で目が覚めた。
「何でまた勝手にヒトんちに上がりこんでるのよぉ!!」
ぎゃんぎゃんと喚く声が寝惚呆けた脳内に響くなぁと思いながら、欠伸をしつつ
「だって眠たかったんだもん」
と返事をしたら
「眠たかったら自分ちのマンションで寝なさいよ!」
と頬を思いっきり抓られた。
「らってほれんひほおいひ、ひりはりあろほはりろほーがよくれれるひ」
(だってオレんち遠いし、ミリアリアの隣のほうが良く寝れるし)
抓られながらの返事に、ミリアリアは厭そうに顔を歪めて、手を離した。
「昨夜は誰と一緒だったの?」
「秘書課のコ───あー…容赦無いよ?ミリアリア」
「ケイト?」
「───だったかな?金髪の方。イテテ」
「そっちはスージー!アンタねぇ、エッチした相手のコの名前位覚えておきなさいよ!!」
「エッチしてるトキは覚えてるからいいじゃんかよー。ねぇ、腫れてねぇ?」
「そーゆー問題じゃないし、腫れるのは自業自得!!」
ばすん、と枕を投げつけられた。
勿論余裕で避けられたが、甘んじて受けておく。
「───はぁ、アンタと同レベルで考えちゃイケナイのよね…」
ミリアリアはがっくりしながら言うと、そのまま立ち上がり、寝起きで爆発した髪を恥ずかしそうに押さえながらバスルームに向かった。
脚にはゆるゆるの靴下を履いていて、やっぱ色気がねぇなぁと思いながら身体を起こす。
「宿賃代わりに朝食を作りましょうか?」
「フレンチトースト。ロイヤルミルクティー付き」
「へぇへぇ」
腰にタオルを巻いた状態で立ち上がると、ミリアリアは「───そのタオル、お気に入りだったのに」と小さく呟いていたが、無視しておいた。
「イイカゲン、ウチに来るの止めない?」
ミリアリアは粉砂糖まみれのフレンチトーストを口に運びながら言った。
「イイカゲンもなにも、ソッチも諦めたら?」
オレはロイヤルミルクティーを口に運びながら返事する。
オレはコーヒー派なんだけど、ミリアリアが紅茶派だ。
だが、自宅でロイヤルミルクティーは滅多に飲まないらしい。
ミリアリア曰く「入れる手順が面倒」らしい。そのせいか、こーやってオレが朝食を作るトキはロイヤルミルクティーを指定される。
精神的苦痛の代償だ、と以前冷たく言われたが、回を重ねる事にオレの入れ方がプロ並になってきたのが、ムカツクらしいが、美味しそうに飲んでいる。
「まずカノジョの隣で眠れる様になりなさいよ」
「出来るようになりたいねぇ」
オレの答えに、ミリアリアははあ、と大きな溜息を付いた。
オレは女が切れたコトの無いタイプだけど、実はその数え切れないカノジョ達と朝まで一緒に居たコトがない。
子どもの頃からのクセで、隣に誰かが寝ていると寝れないタイプらしい。
勿論、同衾でなければ寝れるのだが、エッチした後に隣のベッドに行けと言う程、オレもいい面の皮はしてなくて。
大抵は途中で帰るか、寝れずにまんじりと起き続けて寝不足になるかのどちらかだった。
いつもどおり、勝手にお邪魔した部屋はしんとしていて。
いつもどおり、薄闇の中、ミリアリアは熟睡していた。
平穏な眠り。
安心しきった寝顔。
やっぱりミリアリアを見てると眠くなるなぁ、と思いながら、オレは手にした荷物をベッドの下に広げて、ミリアリアの布団を捲った。
こそこそと作業をしながら、朝が楽しみだ、と思った。
朝。
いつもどおり、ミリアリアの怒声で目が覚めて。
いつもどおり、ひとしきり怒られた。
「あ、昨日はキチンと名前を覚えてきてるよ。ケイトのほう」
「───自慢にならないわよ!!」
ばすん、と投げつけられた枕を顔で受け止め、バスルームに向かうミリアリアの後姿を目で追う。
数分後に聞こえるであろうミリアリアの
「このペディキュアはナニよー!」
という絶叫を楽しみにしながら。
Desire to exclusively
どうしてこんなことになっているのだろうと半ば朦朧となった意識の片隅で思う。
(いくら休日とはいえ、こんな日の高いうちから…)
夜ともなれば全ての光を防ぐ遮光性のカーテンも陽光が相手であればその全てを遮ることは出来ない。
明かりを消していても目が慣れてしまえば充分な明るさを保つ室内で一糸まとわぬ姿で組み伏せられる自分。
相手がコーディネーターであればさぞや全てがハッキリと見えるであろう。以前は夜であってもかたくなに暗闇での行為しか許さなかったミリアリアだが
今は流されるままにその快楽に浸る。羞恥心を忘れたわけではなかったがずいぶんと慣らされてしまったと内心、嘆息した。
珍しく二人の連休が重なった初日、ディアッカの巧みな誘導に乗せられて昼間からベッドへと連れ込まれてしまっていた。全身を這い回る柔らかな唇と
大きな手に何度達せられてしまったかわからない。
それでもまだ侵入してこようとしない彼の執拗な愛撫に混濁しながらもどこか冷静な自分を捨てきれないミリアリアは呟いた。
「ね…ディアッカ、今日は買い物に行かないと…」
「明日も休みなんだし今日はいいだろ」
いいながら胸を彷徨い啄むことをやめない唇につい甘い吐息が漏れる。
「ふ…でもッ」
続く言葉はディアッカの唇の中に紛れて消えた。
口腔をかき回すようにうねる舌に翻弄されて微かに残された思考もぼやけてくる。
体を滑るディアッカの手がミリアリアの官能を呼び覚まし蕩けさせた。
ミリアリアの中心に己を突き立てながら細い躰を揺すり、甘い匂いに陶然としていると突然リビングルームに響き渡るビジーフォンのコール音が聞こえた。
その音に恍惚の表情を浮かべていたミリアリアが我に返る。
ディアッカが小さく舌打ちをした。
「電話、出ないと…」
「ほっとけばいい」
か細く訴える言葉を制してまた意識をこちらに集中させようと繋がる腰を引くが彼女も強情だった。
「あん…ダメ、だってこのコール音、友達の誰かよ」
「大した用事じゃないって」
そう言って唇を塞ごうとするがそれは熱く火照る掌によって遮られた。
いつまでも鳴り続けるしつこいコール音にディアッカは留守番状態に設定しておかなかったことを後悔した。
掌まで熱く火照る程の熱に浮かされながらもそこから抜け出そうとする肢体にまだ満足を得ていない彼は未練たっぷりだった。
これからというときに電話をかけてきたヤツにも情事の真っ最中でありながらそれに応えようとするミリアリアにも恨み言しか出てこなかった。
だがいつまで経っても通じない電話に痺れをきらしたのか、しつこかったコール音もじき鳴りやんだ。
「もう、切れちゃったじゃない」
睨みつける彼女は先ほどまでの艶やかな声では無くなっていた。
中途半端に放り出された形のディアッカはやるせない憤りと熱とをどう解放しようかと唸った。
するとまたリビングにコール音が響いた。
無粋に響くデジタル音にディアッカの何かが切れた。
「いいよ、ミリィ電話に出ろよ」
そう言うと彼女の露わな上半身に放り出されたままのブラウスを直に羽織らせた。
戸惑うミリアリアを無視してボタンを留めると自分もTシャツだけを着てベッドから立ち上がる。
唖然と見上げる彼女を抱え上げると寝室をでてリビングの壁際に向かう。そこにはコール音を鳴らし続けるビジーフォンがあった。
「…なに?」
訝しむ彼女をその前に立たせると片足を抱え上げいきなり後ろから突き上げた。
「………ッ!何するの」
心はそれを受け入れていなくとも先ほどまで散々弄られていた躰はやすやすとディアッカを受け入れた。
苦悶に歪む彼女を無視して通話ボタンに手を伸ばす。それは映像を伴って通話するためのボタンだった。
ディアッカのしようとしていることを理解してミリアリアの顔は青ざめ悲鳴の様な声を上げた。
「ディアッカ!」
『二人とも、いるんなら早く出ろよ』
ディスプレイの向こうでカガリが憤慨した表情で口を尖らせていた。
「悪かったよ、二人でテラスに出てたから気が付くのが遅れたんだ」
ミリアリアの背後でディアッカが平然と言ってのけた。
それを信じられない思いで見つめているとこともあろうに彼は繋がったままの腰を軽く揺らした。
「………!」
声をあげるわけにもいかずミリアリアは顔を顰めた。羞恥のためか見る見るその顔が赤く染まっていく。
青くなったり赤くなったりと変化するその表情を見つめてニヤリと薄く笑い、カガリに向かって問いかける。
「で、何の用なわけ?」
『明日の約束のことなんだが、時間が早くなっても構わないだろうか?』
「何でさ?」
『夕方から簡素だが食事会に出席しなきゃならなくなった』
「ふ〜ん、だったら無理して会わなくてもいいんじゃん?」
翌日の予定が無くなればまたミリアリアと二人きりのゆっくりとした休日を過ごすことが出来る。かえって好都合だとディアッカは考えた。
『そんなことしたら次に会えるのがいつになるかわからないじゃないか!』
忙しい身のカガリは親しい友人と集まるプライベートな時間を捻出するのにどれだけ苦労したかを切々と訴えた。
そんなカガリの声はミリアリアの耳に届いてはいたが内容は少しも理解できずただの音としてすり抜けていった。
多分カガリからはカメラの前で背後からディアッカが自分を抱きしめながら話をしているようにしか見えないはずだ。
頭ではわかっていても恥ずかしさが消えるわけではない。
しっかりと腰にまわされた腕は逃れることを許さず、ミリアリアは泣きそうになりながらその仕打ちに耐えていた。
「わかったよ、話がくどいぞお前」
いつまでも続く勢いのカガリの愚痴に辟易してディアッカがそれをさえぎった。
「ミリィはどう?」
言葉の意味とは違う淫猥さを込めて赤く染まる耳元で囁く。
顔を歪めて俯いたまま応えることの出来ないミリアリアの躰にびりっと電気が走ったような感覚が襲う。
脚を抱え上げていた手の指先が軽く彼女の敏感な部分をひと撫でした。
唇を噛んでそれに堪えているとカガリの心配そうな声が耳に届いた。
『ミリアリア、顔が赤いぞ。熱でもあるんじゃないのか?』
ディアッカは何のフォローもしてくれずただ口元にいやらしい笑みを浮かべて見ているだけだった。
「う、ん。大丈夫。ちょっと、疲れてるだけだから」
毎晩ディアッカの欲望に付き合わされている身としてはそれはあながち嘘ではない。
『じゃあ、明日は無理かな…』
カガリが残念そうにそう言うのを見て慌てて否定する。
「ううん、大丈夫。一晩寝れば…っ」
必死になって平静を装い言葉を紡いでいると今度は軽く下から突き上げられた。
思わず甘い声が漏れそうになる。
もうこれ以上は堪えられないと眼で訴えるとディアッカが相好を崩した。
「明日の時間はそっちに任せるよ、決まったらまた連絡してくれ。ミリィもそれでいいよな?」
言われてミリアリアは無言でこくこくと頷いた。
それを見て取ったカガリが『わかった、また後で』と言うとディスプレイは小さな光の消失点とともに沈黙した。
静かになったリビングにミリアリアの抗議の声が響いた。
「ディアッカ、酷いっ」
「その割に感じてたじゃん。通話中ミリィがすっげ締め付けてくるから俺もやばかった」
「嘘っ!」
「自分で気が付いてないの?下見てみろよ」
そう言われて足下をみるとフローリングの床に小さな水たまりができていた。
「それ、全部ミリィのだよ」
ミリアリアは恥ずかしさに全身の血が沸騰するような思いで絶句した。
「今度、ベッドの中で他に気を散らすようなことしたら、許さないよ?」
声はとても艶やかで甘く耳に響くのに、見つめる瞳は怒りを秘めた色に染まっていた。
返事を待たず唇を塞がれてそのままリビングでミリアリアは意識を飛ばすまでディアッカの激情を受け止め続けたのだった。
703 名前:ブラウニー2/13[sage] 投稿日:2005/03/29(火) 19:59:09 ID:Z0kre4Wv
まぁそれは、ミリアリアも多少、ディアッカを大目に見ざるを得なかった。大使の仕事は
恐ろしく忙しいらしく、ディアッカの帰りはいつも遅かった。大使ともなればパーティなどに
出るのも仕事のひとつだが、彼が酒の匂いをさせて帰って来たことはあまりない。寧ろ仕立ての
いい高価なスーツをドロドロにして帰ってくることが度々あり、何度かそれで叱り飛ばして
しまった。ディアッカが、戦争で被害が多かった地域を飛び回り、特にプラントの攻撃で
破壊された街の復興や戦争遺児の救済に明け暮れていることを知ったのは、同居し始めて
3カ月も経った頃ようやく、だった。それもディアッカ本人の口からでなく秘書から聞いた
ことでミリアリアの怒りはさらに爆発したが、疲れて帰ってきてそのままベッドに倒れ込み、
ものも言わずに泥のように寝こけている彼を見ると、もう何も言えなかった。
こんなにエロ本ばっかり買ってるくせに、大使としては案外有能なのかしらね、とミリアリアは
溜息をついた。軍隊で鍛えられたディアッカがあんなに消耗するほどの激務では、並の人間には
耐えられそうもない。ディアッカの言う「適任」も嘘ではないのかもしれなかった。
ミリアリアは棚からコーヒー豆を取りだした。今日はサービスして、豆から挽いちゃおう。
手順は、砂漠の虎仕込みなので完璧だ。もっともアンドリュー・バルトフェルドの入れる
コーヒーは通過ぎて、普通の人間にはなかなか受け入れ難い。ミリアリアのは、それほど通と
いうわけではないが、適度に一般受けする味になっていた。ディアッカは彼女のいれるコーヒーが
一番美味いと言ってくれる。コーヒー豆を挽くガリガリと言う音と、香ばしい香りが台所に
立ちこめる。
704 名前:ブラウニー3/13[sage] 投稿日:2005/03/29(火) 20:00:20 ID:Z0kre4Wv
挽き終わった豆をサイフォンにセットして、ミリアリアは額の汗を拭った。次はトースト、と
振り返って、彼女は目の前に立っている上半身裸の男に漸く気づいて悲鳴をあげた。
「きゃあっ!」
ディアッカは、驚かれても悪びれることもなくきょとんとしてカウンターの向こうに立って
いた。腰にはバスタオルを巻き、髪の毛から滴る雫を肩にかけたタオルで拭っている。どう
見てもシャワーを浴びた直後のようだった。
「そ、そんな格好でキッチンうろつかないでよっ!」
ミリアリアは真っ赤になってディアッカに背を向けた。裸なんか見慣れてるくせに、女って
どうしていつまでもこうなんだろうな、とディアッカは内心思った。
「おはよ。朝食、何?」
「ええ?! は、ハムとトマトのオープンホットサンド、スクランブルエッグ添えとグリーン
サラダ、タマネギと豆のコンソメスープ! あとコーヒー!!」
「豆から挽いたんだ……いい匂いだな」
「いいから早く服着てよ!」
「ああ、換えの下着忘れたんだっけ」
じゃあバスタオルの下は何も履いてないのか、と言いたくなってミリアリアは口を噤んだ。
このパターンは過去何度かあった気がする。これを回避するには……と彼女が考えている間に、
ディアッカがキッチンの中に入って来て、ミリアリアを抱えあげた。
「ちょっと、何すんの!」
「セックスすんの」
当たり前のように返されて、ミリアリアは全身の力が抜けて行くのを感じた。
「じょーだんじゃないわよ! こんな朝っぱらから……」
「だって夜は疲れててできねーんだもーん」
705 名前:ブラウニー4/13[sage] 投稿日:2005/03/29(火) 20:01:47 ID:Z0kre4Wv
ミリアリアをお姫さま抱っこしたまま、ディアッカは彼女を寝室に運び込んだ。階段を
上るのが面倒くさい、というディアッカの主張に従って、大使の公邸は土地を贅沢に使った
天井の高い平屋になっている。当然寝室もキッチンと同じ1階にあるので、抵抗する間もなく、
ミリアリアはベッドの上に投げ出された。
「ちょっと、ディアッ……んっ……」
文句を言われる前に、ディアッカは自らの唇でミリアリアの口を封じた。抵抗しようと
しても、すでに腕力ではどうにもならないほど差がついている。長年の付き合いで、どこを
どう刺激すればミリアリアが抵抗する気を無くすのかもよくわかっていた。エプロンの紐を
後ろでほどき、薄いセーターの下から手を差し入れてブラジャーの上から乳房を包み込むと、
恐ろしいほどに逆らう力が弱まった。後は彼の指先で、ミリアリアの躰はどんどんほどかれて
いく。
「あ、ぁん……やぁ……」
口では嫌がっても、躰はそうはいかない。ディアッカの躰を押し返そうとしていた両手すらも、
逆にしがみつくように彼の肩を掴んでいる。ブラジャーのホックを外し、乳房に両手で直接
触れると、吐息とともに甘い声が漏れた。
「……っ、あぁ……あ、あぁ、ん……」
「そんなに誘わなくったって、ちゃんとしてやるってば」
誘ってなんかいない、と言いたかったが、もう躰が熱くなり始めていた。ディアッカの仕事が
忙しいので、一緒に住んでいると言ってもそうそう関係を結んでいるわけではない。会話すらも
できないほど時間が合わないときもある。自分も本当は、して欲しかったのかもしれない、と
思って、ミリアリアは赤くなった。だいたい、シャワーの後に襲うなんて卑怯すぎる。いつも
オールバックにしている髪が額に垂れ下がって、何だか……色っぽい……。
ディアッカはいつの間にかミリアリアの後ろに回り、スカートをたくし上げてパンストを
下ろしにかかっていた。片手で服を脱がせながらも、もう片手で胸を揉みしだいてくる。
うなじにもキスの雨を降り注がれて、ミリアリアはベッドの端を必死で掴んだ。乳房を捉えて
離さないディアッカの手を振りほどこうと手を重ねるが、力が入らず、自分から押しつける
ような形になってしまう。
「あ……っ、あぁ……っ、あああぁ……ぁんっ」
「あいかわらず色気のないエプロンなんだな」
唇が耳たぶに触れるくらいの距離で、わざと囁かれて、ミリアリアは気が遠くなるような
感じがした。至近距離で声を聞かせられると、彼女は弱い。もう逆らえないのだ、と思うと、
悔しくて涙がこぼれた。
「ミリアリア……本当に、嫌なの?」
涙を見て少々動揺したのか、ディアッカが訊ねてくる。ここで嫌だと言えば形成逆転、
無理強いできる彼ではないのに、もうそれはできない。ミリアリアは弱々しく首を横に振った。
「イヤじゃないから……はやく……お願い……」
自分から首を後ろに捻って、キスを求める。優しいキスを繰り返しながら、ディアッカは
あっという間に婚約者を裸にした。そのまま、斜め後ろから左手で乳房を、右手を秘所に
差し込んだ。
「ああっ……!」
いきなり核心を突かれて、ミリアリアの躰は硬直した。
「はやくして欲しいんだろ? 確かに時間ないしな……」
さっき触れられたばかりなのに、もう濡れ始めている。逃げたくてうつ伏せになろうと
する躰を押さえつけるようにして、半身の状態で愛撫は続けられた。入り口の周辺を丹念に
揉み解され、こぼれ始めた蜜を全体に塗り付けられる。閉じていた両足の間に、後ろから
ディアッカの足が差し込まれ、足を開かせられていく。両足を絡ませるうちにも入り口は
開き始め、熱い雫がシーツを濡らした。
「ああっ、イヤ……!」
当然次は指が差し込まれるものと思っていたのに、違う愛撫を与えられてミリアリアは
声をあげた。ディアッカは愛液をほとばしらせる入り口をほっといて、その前にある秘突に
攻撃を集中させた。器用な指で揉まれ、捻られ、つつかれて、小さな突起はたちまち姿を現し、
全身に疼きを立ち昇らせて行く……。
「いや……そこは、もう……あああっ! あああ、あ……ぁああんっ……」
どうしようもないほど挑発されて、躰はもう言うことをきかなくなっていた。突然放り
出された入り口の花びらはひくひくと痙攣し、はやく感じさせて欲しいと次から次に蜜を
滴らせる。それなのにディアッカの愛撫は執拗に胸と秘突に繰り返されて、なかなか他の
場所に来てはくれないのだ。
「ああっ……そこばっかり、いじられると・・あぁんっ、あああぁんっ」
「ん……? どうなっちゃうって?」
「あぁぁ……! おかしくなっちゃ、う……うゥン、ああァ……」
「こんなに悦んでるのに?」
「やぁ……もう……ああぁ……っ、ディアッカ……あああ……」
快感が長すぎて、本当に気を失いそうだった。ミリアリアの嬌声が力無く途切れて
いくのが合図だったかのように、ディアッカはいったん躰を放した。今度はミリアリアの
両足を肩に抱えあげ、高く持ち上げて、股間に顔を埋めてくる。
「あぁ……! あ、あっ……やっ、そこはもう……っ、ああっ!」
今度こそ中心部分を愛撫されると思ったのに、ディアッカの舌はまた蕾に向けられた。
もうそこはいい、と全身が叫んでいるのに止めてくれない。ミリアリアは上半身を激しく
左右に捻った。何をしても抜け出せないこの猛りをどうすればいいのか。
「あっ……! ああっ、お願い、もう……どうにか……し、てぇ……あぅっ」
最後のプライドもかなぐり捨てて哀願するミリアリアの望みに、ディアッカはやっと
応えることにしたようだった。長い指を2本同時に差し込み、待って待って熟れきった
内部を弄び始める。
「あああぁ……! あ! あ!……くぅん……っ、は、あああっ!」
求めていた刺激をようやく得られて、ミリアリアの躰が悦んだ。愛液はどんどんこぼれ
落ち、自ら快感を高めるように腰をくねらせる。しかしそれでは全然足りなかった。もっと
奥まで、強く、激しい快感が欲しい。今どんな格好で、どんな恥ずかしいことをされて
いようと構わない。最早自分のものですらないこの躰の高鳴りをはやく鎮めて欲しかった。
「こんなんじゃ全然足りないみたいだな。どうする?」
どうするって、何を今更、と抗議したかったが、今のミリアリアにできることは、嬌声の
合間に首を振ることくらいだった。
「くぅ……あ、あン……うっ……ううぅん……」
ゆっくりと指が抜かれ、痺れるような感覚が走った。しどけなくて、もう力の入らなく
なった指先が、シーツを徒にかき回す。激しく息をつきながら、抑えきれない疼きに躰を
震わせるミリアリアを、ディアッカはしばらく上から見下ろしていた。肩に乗せていた両足を
下ろし、片側に揃えさせて、彼は斜め後ろからミリアリアが欲しがっているものを与えた。
「くあ……っ! あああ、あ……っ!!」
待ちわびていたはずなのに、じらされ過ぎたのか、ミリアリアは悲鳴をあげた。内壁が
ぴくぴくと痙攣し、捉えたものをさらに内側に誘い入れようと蠢いている。久しぶりの
快感に彼女自身が驚いているようだった。
「くはっ……ん、んんっ……くぅ……ああぅっ……! あああぅっ!」
感じているのか苦しんでいるのかわからない声が絶え間なく漏れる。喉の奥が痛かった。
もう充分感じているのに、ディアッカの指がまた秘突に触れてくる。腫れ上がるほど刺激を
受けたそこは、また敏感に反応してしまう。
「あぁん、もう、やめ……あああ……ぁ、ぁ、あっ……はゥ……ン」
感じすぎるから止めて欲しいのに、声だけは甘えてしまう。これじゃちっとも止めて
欲しそうじゃない……ミリアリアの閉じた目から、また涙がこぼれた。
ディアッカの空いている左手が、掌に重ねられてきた。指を絡ませ、しっかりと握る。
それしか頼るものがないかのように。
「今、楽にしてやるから」
ディアッカの逞しい腰が動き始めた。ベッドの軋む音が、やけに遠くでした。
「ああぁあァァ……ッ! ああァッ……ああ……あああァ……ン!」
絶頂が近くなってようやく、ディアッカがミリアリアの胸にキスの雨を降らせてくる。
唇で乳首を捉えられ、まだ与えられていなかった快感があったのかと、躰がもう一度跳ね
上がる。もう全てがディアッカの思い通りに狂わされ、逆上せ、翻弄されて蹂躙される。
何をされてももういい、はやく、はやく、終わらせて……。
乳首と、秘突と、秘所の三カ所に同時に加えられる刺激がよりいっそう強くなり、
ミリアリアは自分の意識を手放した。
「あぁあああッ……アアッ、あああぁぁんっ! ああっ、ああぁあ……んっ……!」
意識が高く昇っていく。そのまま、墜ちる。落下して、砕ける。
そこから先は、何も覚えていなかった。自分の躰の中で、何か熱いものが弾けたこと
以外は。
+++酔+++
--------------------------------------------------------------------------------
変わった夜着を貰った、とディアッカが持って帰ってきたのがそもそもの発端だ。
だから断じて私のせいじゃない、とミリアリアは思った。
酔っ払ったのも、脱がしやすい前あわせな服なのも、全部ディアッカのせいなのだ。
桃色に染まった爪が、つとディアッカの頬を引っかく。よほど深く眠り込んでいるのか、ディアッカは目を覚まさない。
ミリアリアはそれが面白いのか、ぺたぺたとディアッカの顔や身体を触り始めた。
普段の彼女なら絶対にやらない事だ。
ディアッカという男の危険性を、彼女は誰より身に染みて理解しているのだから。
しかし今のミリアリアは『普通の状態』ではなかった。
とろんとゆるんだ瞳から、相当酔っているのが分かる。
普段着慣れない浴衣はどんどん形くずれを起こし、胸元もかなりはだけて、すでにかなり緩んだ帯だけでもっているような状態だ。
自分がどれだけ危険な格好をしているのか、ミリアリアの酔った頭は全く理解していなかった。
「ディアッカ、起きないの? 起きないなら脱がすよ?」
ディアッカの顔を両手で挟んで覗き込む……しかし、反応はない。
にんまりと笑みを浮かべたミリアリアは、まず肩から脱がしにかかった。
浴衣なのだから帯をほどけばあっさり終わるのだが、彼女は明らかに楽しんで脱がそうとしていた。
両肩の袖が落ちると、ディアッカの肩から胸があらわになる。
うすく筋肉の張った胸板は彼女の目から見ても十分に観賞に値する。
酔っ払い特有のくずれた笑顔を浮かべてディアッカの身体に触れていたミリアリアは、ふと違和感を感じた。
今、ミリアリアはディアッカの両足の上に乗っかっている。
その背中に、熱を感じるのはどういうわけだろう?
そっと視線を右に走らせると、ディアッカの左手がミリアリアの腰を抱いていた。
それからゆっくりと正面にあるはずの寝顔に目を向ける。
……ミリアリアの酔いは、一気に醒めた。
不思議な光を宿す紫の瞳がミリアリアを見つめていた。
ディアッカは目の前で硬直しているミリアリアを上から下までじっくり眺める。
そして自分の格好を確認して、ミリアリアの瞳を真正面から見つめた。
「あのえっとこれはそのほんの冗談で」
困った笑顔で慌てて取り繕うミリアリア。顔色は完全に青ざめている。
「……ミリィは冗談で人の服を脱がすわけ?」
「ええと、その」
ディアッカの膝に座った体勢では全く説得力はない。
ディアッカは問答無用でミリアリアを抱き寄せた。
驚いて抵抗するミリアリアを押さえ込み、耳元で囁く。
「その姿で、俺に我慢しろって?」
その声が、笑いを含んでいたように聞こえたのは……多分、気のせいではない。
ディアッカの手がミリアリアの浴衣の袷(あわせ)にかかった。
駄目、というミリアリアの呟きを聞こえないふりをする。
ちょうどディアッカと同じように両肩の袖が落ちて、ミリアリアの白い上半身が現れた。
ディアッカはそのなめらかな肌にそっと触れ、やわらかな身体をぎゅうっと抱きしめる。
ミリアリアの唇から「ひゃ……」と変な声が漏れた。
顔を覗きこむと何でもないというように首を横に振る。
そんな筈はないだろうと、ディアッカはミリアリアの背中をすっと撫で上げた。
途端に「ひぅ!」と声をあげてミリアリアは身をすくませる。
ミリアリアは背中が弱い。イイ反応、とディアッカは密かにほくそ笑んだ。
汗で僅かに湿り気を帯びた右の手指がミリアリアの背中を這い、左の掌は双丘のひとつをゆっくりと弄ぶ。
血の色を浮かび上がらせた首から胸元へ、しるしを刻みつけながら唇が移動する。
胸の頂にたどりつきつよく吸い上げると、ミリアリアの体が大きく震えた。
「あ、んっ……」
ミリアリアはディアッカの肩をつかんで向こうに押しやろうとしたが、背中に回された手で身体を固定されていてうまくいかない。
「ディアッカ、謝るから……謝るからもう、許して!」
「許す……何を?」
ディアッカの大きな掌がミリアリアの腿に触れた。
びくっと身体を強張らせたミリアリアが、すがるような目でディアッカを見る。しかし彼は取り合わない。
「望んでるのはお前のほうだろ?」
言うとディアッカは強引にミリアリアの唇を奪い、そのまま彼女を押し倒した。
体勢が逆転する。キスから解放されて空気を求めて呼吸していたミリアリアは、しばらくしてからそのことにやっと気付いた。
「や、ディアッカ……っ!」
ミリアリアはじたばたと暴れるが、どう頑張っても彼の力には敵わない。
酔っていたとはいえ、ディアッカにちょっかいを出したことを心の底から後悔した。
同時に今の状態がそれほど嫌でもないと感じている自分に戸惑う。
「ん、ふ……はぁ……」
そしてもう一度深いキスを受けると、そんな戸惑いさえもどこかに行ってしまった。
ミリアリアの抵抗が緩慢になる。
緩やかな愛撫を続けていたディアッカは、壊れものを扱うかのように注意深く、ミリアリアの中心に触れた。
布の上からでも、そこがしっとりと濡れているのが分かる。
ディアッカは邪魔な布を引き裂いてしまいたい衝動にかられたが、そんな事をしては後で何を言われるか。
慎重に脱がせて、ディアッカは現れた秘部の柔らかな肉に指を埋めさせ、動かし始めた。
「ふぁ、は、ぁあんっ……」
新たな快楽に、ミリアリアはすぐに反応した。
じわじわと攻められて、白い肌に玉のような汗が浮く。
間断なく与えられるものに震える身体を抑えるためか、手は力をこめて浴衣を握りしめている。
唇からは、甘い吐息と喘ぎが零れ落ちる。
脚の間から溢れる蜜も留まることを知らないようだ。
「ミリアリア……」
イヤイヤをするように首を振ったミリアリアが、ディアッカの両腕をつかんだ。
潤んだ瞳がディアッカを見た。
愛撫の手を止めたディアッカは、再びミリアリアに口付ける。
今度は強引でなく、深いものでもなく、ただ優しい口付け。
額に、瞼に、目元に、頬に、そしてもう一度、唇に。
……唇が離れて、ミリアリアはディアッカの首に腕を絡ませた。
頬を染めて何事かを呟くミリアリアにディアッカは頷く。
そして、ゆっくりと腰を落とした。
「は、あああ、あぁッ……んッ!!」
すでに用を成していない浴衣が、二人が動くたびに衣擦れの音を立てる。
絡み合う二人が、幾重にも音を重ねる。
「ゃあ……ディア……っ」
ディアッカが腰を動かすたびに、吐息混じりの砂糖菓子のように甘い声が耳をくすぐる。
身体の奥深くにディアッカを受け入れたミリアリアは、異物感と快楽に耐えようと、ディアッカの首にまわした腕に必死で力をこめる。
強く背中に爪を立てられて、ディアッカは僅かに眉を寄せた。
しかし彼女が感じている証だと思うと、口元に隠し切れない笑みが浮かんでしまう。
もっと感じて、とディアッカは動きを少し早めて、内部を抉るように突いた。
ミリアリアは必死でディアッカにしがみ付きながら、無意識に腰を擦り付けてくる。
あんまり可愛い仕草に、ディアッカは思わず乱暴に動きそうになるのをどうにか自制する。
「あっ、あ」
ひくんとミリアリアの身体が痙攣し、彼自身をつつむ肉壁が蠕動した。
達しようとするミリアリアの身体をつよく抱きしめて、深く彼女を突き上げる。
「ひぃあ、ぁ…ッ!」
「ミリアリア……っ」
「ディ、アッカ…っ、は、あっ、あぅ、あああああ!!」
動きを止めたディアッカにミリアリアの足が絡みつき、強く腰を押しつけてくる。
彼の全てを搾り取ろうとするかのような締め付けにディアッカは耐え抜いた。
やがて痙攣が止み、ミリアリアの身体がくたりと脱力する。
薄く目を開けて微笑むミリアリアに微笑を返し、ディアッカはもう一度腰を打ち付け、低くうめいて自身も精を吐き出した。
けだるい余韻とともに目覚めたミリアリアは、隣で幸せそうに笑っているディアッカの頬を思いっきり抓りあげた。いたたた、と言う声も妙に嬉しそうである。ミリアリアの方から誘うことは滅多にないからだ。
酔っていたとはいえ、不覚。二度と酔っ払いにはならないと決意する。
しかし今のミリアリアには、それ以上に気になることがあった。
「浴衣……せっかく貰ったのに、しわが寄っちゃってぐしゃぐしゃ……」
「誰のせいだろうな」
「誰のせいよ?」
「誘ったのはミリィだし?」
「アンタがあのまま寝てれば何事もなく終わったのよー!」
そんなもん無理に決まってます。
にへらと笑み崩れた顔を戻しもせず、ディアッカは愛しい恋人の理不尽な怒りを受け止め続けた。
■ 安定剤
「ミリアリア。あとどれくらい?」
すれ違い様に腕を掴むディアッカに、彼女はあからさまに困ったような表情を顔に浮かべた。
「……あと二十分くらいかな」
ミリアリアは手に雑多な書類を抱えていた。
恐らくラミアス艦長にでも頼まれて、書類運びでもしているのだろう。
「じゃあ、それ運んだら休憩?」
手に抱えている書類に視線を当てながら重ねて訊ねる彼に、ミリアリアは曖昧な態度で返事した。
「多分ね……」
その返事で満足したのか。ディアッカは書類からミリアリアに視線を戻すと、片眉を上げながら意味ありげに笑った。
「待ってる」
ディアッカはそれだけを口にすると、あとは何事もなかったかのように歩き出した。
もうミリアリアを振り返りもしない。恐らく断られるとは微塵も想っていないのだ。
彼女は彼の背を見つめたまま、小さな溜息を零した。
「……まったく。勝手なんだから……」
けれど、彼女もまた断る気はまったくなかった。
ミリアリアがディアッカの部屋を訪れたのは、廊下ですれ違ってから三十分後のことだ。
彼女の気配を察してか、ディアッカは彼女が来訪のコールを鳴らす前にドアロックを解いた。
「遅い……」
拗ねたような口調と菫色の瞳が彼女の来訪を心から待ちかねていたことを物語っている。
僅かながら文句を呟くディアッカを見返したミリアリアは、少しばかり呆れたような仕草で肩を竦めた。
「そんなこと言われたって仕事だったんだもの、仕方ないでしょ。私、真っ直ぐここに来たのよ」
ディアッカは口を尖らせながらも、きっちりドアロックをかけ直してからミリアリアに向き直った。
「……わかってる」
そう呟いた彼は、それを証明するべく来訪者の身体を優しく抱き寄せる。
「少し汗の匂いがする……」
彼女の細い首筋に顔を寄せて耳許で甘く囁いた。
「急いで来たんだ?」
揶揄するような彼の美声は、ミリアリアの過敏な神経を焦らすように擽る。息を吹きかけられてる所為もあるが、鼓膜を震わせる彼の声は彼女の心までも痺れさせていた。
「だって……」
今度は彼女が拗ねたように答を返す。
「ディアッカの休憩時間、あと1時間もないでしょ……?」
何処か恥じらう素振りで確認してくるミリアリアに、彼は微笑いかけた。
「ん。そう……あと五十分だけ……」
そのまま傍にあった彼女の耳朶に、ディアッカは舌を這わせる。
「そうだ。こんなことを喋ってる場合じゃないな」
そう囁いた彼は、ミリアリアの華奢な身体を両腕で抱き締め、詰めていた息を吐き出すミリアリアの唇に軽く口付けた。
「ディアッカ……」
腕の中に大人しく収まり、躊躇うことなく口付けを受けるミリアリアは、恋人の名前を呟く。
その声に誘われたディアッカは少し嬉しげに頬を緩めて、彼女の細い顎に指をかけた。
名前を呼び合うのももどかしく、彼は薄く開かれた唇を優しく塞ぐ。
軽く何度か重ね合わせた二人は、傍にあったベッドに縺れ合うように倒れ込んだ。
隊員達に与えられる僅かな休憩時間を使って、二人は時折睦み合っていた。
大抵は互いのスケジュールを確認したディアッカがミリアリアを誘う。それでも最初の内は、ミリアリアも思いつく限りの理由を用いて断っていたのだ。それが、いつしかディアッカの熱意に彼女は負けてしまった。
初めてが、二度目になり、二度目が三度目になると、もう断る気さえ起こらない。
今では彼の目を見るだけで、何を求められているのか、彼女はわかるようにさえなってしまった。
ディアッカの根気強さも敗因の一つには違いない。けれど二人だけで寄り添う時間は、何処までも平行線を辿る戦争で疲弊していたミリアリアの心を確実に癒していたのだ。
身体と言葉と心が、彼を求める。
肌を重ねることは今の彼女にとっては、最早自然な行為となっていた。
「ディアッカ……」
ミリアリアはシーツを握り締めながら、ゆっくりと押し寄せてくる快楽の波を堪えていた。
華奢な身体が、ディアッカによって教えられた覚えたての快感を求めている。
艦内の簡易ベッドは決して広くはなかった。その狭いスペースに二人は横たわり、着ていた物をすべてベッドの下に脱ぎ捨てていた。
「ん、ぅん……っ。は、ん……っ」
奥底から湧き水のように溢れ出そうとしている快感を堪えようと、ミリアリアは両手で口を塞ぐ。その透き間から、堪えきれなかった嬌声が零れ、ディアッカの耳を擽った。
その度に執拗に胸を揉み上げ指で尖端を転がす彼に、彼女は焦ったような声音で問いかける。
「ちょ、ちょっと、ディアッカ……。な、何でそこばっかり……するの?」
「んー?」
ディアッカは面白そうに目を細めながら、茶目っ気たっぷりに応えた。
「だって気持ちいいでしょ、ここ」
言いながら、彼はミリアリアの豊かな胸を揉みしだく。
「ミリィはここが弱いよな。それに、ここも」
ディアッカはそう言うと、ミリアリアの泉に指を埋めた。
「ゃ…ん、ディアッカ……っ」
不意に突き入れられた彼女は、背筋を撓らせベッドに身を沈める。
「ほらな」
直ぐに反応を返すミリアリアに、ディアッカは意地悪く笑った。
「まだ指しか入れてないのに、もうこんなに濡らして……。そんなに気持ちいい?」
ミリアリアの耳許で彼はわざと囁く。
「そんなに良いなら、舐めてあげようか。ん、ミリィ?」
艶やかな甘い声音で秘め事を囁かれ、指で入口を掻き回されたミリアリアは身体をひたすら竦めた。
「ぃや、……っん、っん……っ」
水音を立てながら出し入れされる指の動きに、ミリアリアは堪らず声をあげる。
その嬌声に誘われるようにディアッカは身を起こすと、返答も待たずに彼女の太股に片手を差し入れた。
指を飲み込んでいる彼女の秘部を目の前に晒す。
「狭いから、足をぶつけるなよ?」
揶揄するように囁き、彼は躊躇うことなく泉へと顔を埋めた。
敏感な部分に舌を差し入れられ柔らかな花弁を嬲られたミリアリアは、焦ったように腿に力を入れる。
その動きを片手で押さえ、ディアッカはさらに舐る。
「ん。ミリィのここ、熱い……」
音を立てながら刺激し、微笑いながら唇を濡らしているディアッカの姿に、ミリアリアは何も考えられなくなる。頭の芯まで麻痺してしまいそうだ。
舌と指が交互に突き入れられる。内壁を擦りながら勝手な動きを繰り返すディアッカの指にも翻弄され、彼女は息を乱しながら小さく呻いた。
「……ぅんっ、あっ…ん……も、ダメぇっ……」
切羽詰まった言葉と一緒に、ミリアリアの身体が強張る。その瞬間ディアッカの指を締め付けたそこは、内部から溢れた愛液によってシーツまで濡らしていた。
それを見たディアッカが嬉しそうに呟く。
「ホント、敏感だな。そんなに気持ちよかったの?」
揶揄するというよりは楽しんでいるような表情を浮かべて、彼は蹲っていた場所から身体を起こした。
ミリアリアの顔を覗き込むように肌を重ね、今の返事をそのまま待つ。
「なぁ、教えて?」
小首を傾げながら訊ねる顔は、悔しいことにひどく可愛かった。
「わかってるクセに、訊くんだから……」
顔を真っ赤に染めて、ミリアリアは拗ねる。
「わかってること、訊かないでよね……」
そう応えると、明確な答を避ける為に彼の唇を唇で塞いだ。
無理矢理強いたはずの口付けが、すぐにも息を溶けこませて逆に引きずり込まれる。
(……もう!何でディアッカってば、こんなにキスが巧いのよ〜っ!)
戸惑いも迸る怒りも一瞬のことで、熱情を秘めた口付けは一度弛緩した身体をあっさり陥落させた。
舌を搦めながら強く吸い上げられると、ミリアリアは褐色の背に手を回してしがみつく。
ディアッカは彼女の足をゆっくりと割り開き、その間に腰を進める。口付けを一旦止めた彼は僅かに乱れた息を整えながら、艶を掃いたミリアリアの顔を優しく見つめた。
「入れるよ」
言葉と同時に熱い塊が濡れた秘部に押し当てられる。
慣れた身体はその先を望んで、迎え入れる為に極自然に力を抜いた。
切っ先がゆっくりと奥へと入り込んでくる。
熱を持ち、強い脈動と共に存在を主張する彼の楔は、焦れったいくらいの速度でミリアリアの中を突き進んでいた。
「……あ、……はっ、ん……っ」
瞼をきつく閉じて、全身でディアッカを感じる。
最奥まで収められた楔は、孕んだ熱ごとミリアリアの内壁に締め付けられていた。
「ん。ミリィの中、きつい……。気持ちいい……」
嬉しげに囁き、荒い息を吐き出し続けるミリアリアの唇に彼は優しくキスを落とす。
「ずっとこうしていたいけど、時間もないし……。動いていいか?」
その言葉に涙ぐみながら、ミリアリアは怒ったように言葉を返した。
「だから、訊かないでってばっ。ディアッカは……いつだって好きにして……良いんだから……」
尻蕾になっていく言葉は恐らく羞恥心に遮られたのだろう。
それを証明するかのように、彼女の顔は真っ赤に染まっていた。
「ミリィって可愛い」
ディアッカは微笑う。
「じゃ、お言葉に甘えて」
もう一度軽く口付けを落とすと、彼はミリアリアの足を二の腕にかけ抱えた。
「好きにしちゃうよ」
それだけ言い置くと、突き入れていた楔を一気に引き戻し、激しい律動を開始した。
粘着質の音が止まらない。
クールな容姿とは裏腹に、彼の情愛は誰よりも激しい。
それをミリアリアは一身に受け止めていた。
「ぃやっ、ディア、…カっ……んっ、んっ、んっ、!」
貫かれる度に、ミリアリアの背筋に熱い衝撃が奔り抜ける。
背に回した彼女の指がしがみつくように爪を立てた為に褐色の肌を傷つけた。
それでも、動きがやむことはない。
涙を零し、身をくねらせる艶めかしい肢体に、彼は魅了されていた。
「ミリィ……っ」
限界を感じたディアッカは、ギリギリまで引き抜きその勢いのまま一気に彼女に突き立てる。
与えられた衝撃に自然と上体を反らして受け止めたミリアリアは、体内に熱い迸りを感じて短い嬌声をあげた。
「あっーーーーーッ!」
腰を揺さぶり残らず吐き出される熱情に、全身が満たされる。
ミリアリアは、今にも失いそうな意識を辛うじて引き留めた。
「ミリアリア……大丈夫か?」
枕に顔を埋め、肩で息をしているミリアリアを気遣い、ディアッカは火照った頬に優しいキスを落とした。
啄むように繰り返し、漸く息を整えたミリアリアが顔を向けると、露わになった唇に柔らかく口付けた。
「ディアッカ……。ダメ。もう時間……」
放っておくとまたその気になりかねない彼を、ミリアリアは気怠げな仕草で制止する。
「んー……。わかった……」
ケジメのない行動を嫌うミリアリアの気性に配慮して、ディアッカは早々に身を起こした。
ベッドの下に脱ぎ散らかした服を、ミリアリアの分まできちんと拾い集める。
「ミリアリア。身体がツライなら、このままここで寝てて良いよ」
とりあえず服を渡すが、彼女はベッドに身を横たわらせたままディアッカの申し出を断った。
「シャワー浴びたいし。少ししたら戻る……」
その言葉に、ディアッカは見た目もあからさまにがっくりと肩を落とす。
「ちぇ。戻ってきたら、もう一回出来るかと思ったのに……」
とんでもないことを口にする男である。
ミリアリアは溜息をつきながら、ディアッカの頬に手を伸ばした。
「バカ」
困ったように微笑いながら引き寄せると、彼女はそっとディアッカの額に口付けた。
ミリアリアからの口付けに彼はすっかり頬を緩ませている。
「もう。ディアッカったら、そんなにやけた顔しながら仕事しないでよね」
「だって、こうしていられるのって、すっごい嬉しいじゃん」
ディアッカは腕を伸ばして彼女の華奢な身体を一度強く抱き締めると、壊れ物を置くようにそっとベッドに横たわらせた。
「名残惜しいけど、とりあえず行ってくる。また、あとで」
「うん」
最後に交わす別れ際のキスには親愛の情が込められていた。
ディアッカは服を着ると、ドアの所で一瞬振り向き、ベッドで微笑うミリアリアに軽く手を振ってから出ていった。
ドアの閉まる音共に、部屋には静寂が訪れた。
激しい荒淫がまるで嘘のような静けさである。
彼がいるのといないのとでは、まるで室内の空気まで変わってしまったようだ。
「ディアッカ……」
ミリアリアは枕に顔を埋めながら呟いた。
身体に残された熱情が、身体までも切なくさせる。
たった一人でいる淋しさに、ミリアリアは残された温もりを求めてシーツに埋もれた。
■ 続・Reconciliation <ディアッカSS・ミリアリア編>
煌々とした灯りに晒されている室内で、ミリアリアはディアッカに抱き締められていた。
藻掻いても暴れても彼女の拘束が緩むことはなく、体力だけが急速に消費されていく。
空調の音が微かにミリアリアの耳朶を震わせていた。
二人の影はいつまでも一つに重なっている。
彼の自室に踏み込んだ時点で、ミリアリアは四方への逃げ場を失い、退路を断たれていた。
「ちょ、ちょっと、ディアッカっ。放してよーっ!」
懸命に藻掻きながら、ミリアリアは抗議の声をあげ続ける。
「私、こんなことをしに来たんじゃないのよっ!まだ仕事中なんだからっ!」
「でも、俺は休憩中だし?」
関係ないと言わんばかりに、ディアッカは唇をミリアリアの首筋に寄せる。
それを何とか避けようと顔を背けながら、彼女は尚も言い募った。
「あんたが休憩中でも、私は違うんだってばっ。もう〜っ!」
胸に触れようとする手の甲を、まるで蚊を叩き落とすかのように彼女はピシピシと叩く。
「それに、あんたの髪濡れてるじゃないっ!冷たいってばっ!」
「ン?ああ、そっかー…」
これにはディアッカも一瞬動きを止めた。
「なんか頭が重いと想ったんだ。そうだ、まだ濡れてたんだっけ……」
のんびりと応えながら額に張り付いている金色の髪を少しばかり鬱陶しそうに見つめる彼に、微かな突破口を見出したミリアリアはさらに畳みかけるように先を続けた。
「そうよっ。濡れてるのっ。だから、私が拭いてあげるっ。ね、ディアッカ?」
ミリアリアも必死である。
とにかくこの腕から逃れなければ、行き着く先は目に見えていた。
この部屋には当然彼が毎日使用するベッドが置かれているのだ。
そして、それは目の前にある。
硬い笑顔を浮かべながら自分を見上げている彼女に、ディアッカはほんの数秒口を閉じた。
「本当に拭いてくれるの?逃げようとしてるんじゃなくて?」
(してるに決まってるじゃないっ!)なんて本音は辛うじて飲み込む。
ミリアリアは、藻掻いていた身体を鎮めながら訥々と言葉を口にした。
「ちゃんと拭いてあげるから。だから、ね?放して?」
(本気かなぁ〜?)とミリアリアに対する不審気な思いをありありと表情に浮かべる彼との間に微妙な駆け引きが続くが、やがてディアッカは束縛していた腕を解いた。
「じゃ、頼もうかな」
そう言って、首周りに引っかけてあった白いタオルをミリアリアに渡す。
だが、腕は放したものの、扉に背を向けることで彼は彼女の退路はしっかりと断っていた。
(……す、隙がない……)
目の前の何処か嘘くさい笑みと直ぐ傍なのにひどく遠くに感じる扉を交互に見つめながら、ミリアリアは溜息をつく。
(とりあえずディアッカの意識を逸らさないと……)
脳内で目まぐるしく作戦を練りながら、彼女はタオルを掴んだまま手首を軽く上下に振った。
「ディアッカ。ちょっと屈んで?」
「ん?ああ、届かないか」
タオルを広げ、彼の頭に腕を伸ばしたミリアリアの言葉に、ディアッカは小首を傾げる。
「ちょっと待って。こっちに来て、ミリィ」
不意にディアッカに腕を掴まれたミリアリアは、一瞬にして身体を硬直させた。
何故なら、彼に促された場所は彼のベッドだったからである。
「ディアッカ!?」
「ん?」
焦って声を荒げるが、彼の方は声をあげたミリアリアを不思議そうに見返している。
見返しながら先にベッドに腰かけると、ディアッカは正面に立っていた彼女の腰を引き寄せた。
「何、焦ってンの?拭いてくれるんでしょ?」
「え。う、うん……。拭いてあげるわよ……」
「じゃ、頼むよ」
そう言って大人しく頭を下に向けて、ミリアリアの前に差し出す。
ベッドに腰かけた為に出来た身長差は、立ったままよりも作業を遣りやすくしていた。
(……何よ。随分と素直じゃない……)
ミリアリアは彼の意図がわからないまま小首を傾げるが、それでも静かに頭を垂れている金色の髪に手を触れた。濡れている所為か、しなやかで柔らかな髪が掌にも心地良い。
「ディアッカの髪って、もっと硬いのかと想ってた……」
タオルで優しく拭きながら、指先に金糸を絡める。
くるんと巻き付き、離せばしゅるんと解ける髪が面白くて、ミリアリアは髪先を弄びながら彼の髪を拭いた。
「遊ぶなって」
目を閉じたままミリアリアに頭を預けているディアッカは、苦笑を浮かべながら優しく抗議する。
「別にいつも見てるものじゃん。なのに、そんなに面白い?」
「見てるのと触るのとじゃ、違うの」
「そう?」
「うん」
ミリアリアは表情を軟らかくしながら、ディアッカの髪を撫でた。
その動きを、ディアッカは黙ったまま受け止める。
タオルドライでそこそこに乾かされた髪は、やがてクセを取り戻していった。
「ふふ、ディアッカだ……」
まだ湿気を含んでいる前髪を柔らかく後ろに流すと、見慣れた表情が掌の先から戻ってきた。
その変化が面白くて、ミリアリアは微笑う。
「髪型だけで、そんなに印象違うかな?」
ミリアリアの明るい表情につられながらディアッカが訊ねると、彼女は小さく頷いた。
「うん。違うわよ。やっぱり前髪あげてる方が、ディアッカらしいわ」
「それって、いつもの髪型が似合ってるってこと?褒めてるの?」
「そ。褒めてるの」
同じ言葉を繰り返してはにかむミリアリアにディアッカは表情を穏やかに崩すと、目の前に立っているミリアリアの腰に再び手を回して引き寄せた。
密着するように抱き寄せたまま、ディアッカは彼女を見上げる。
「ミリィ。本当に時間ない?」
「え?」
撫でるように金髪に触れていた手の動きをとめて、ミリアリアがディアッカを見返す。
「何で?」
「この体勢で、その理由を訊く訳?」
言いながら、ディアッカは腰に回していた片手を身体の線に沿って下ろしていった。
スカートの裾から手を忍ばせて、太股をゆっくり撫で上げれば、ミリアリアの表情が強張る。
「ディアッカっ!」
慌ててスカートの上から動き回る手を押さえるが、指先は楽しげに肌を擽り続けていた。
「ちょっとやめてよ。もう仕事に戻らないと……」
「仕事、そんなに忙しいの?」
「忙しいわよ。いつだって、この艦は人手が足りないもの」
「じゃあ、あとで手伝ってあげるからさ。その前に……」
言うが早いか、ディアッカはミリアリアの制止を振り切って、下着の上から秘部を擦りあげた。
「きゃ……っ!」
ミリアリアから短い声があがるのも構わず、指先で花弁を弄りながら時折摘むと、髪を拭いていたミリアリアの両手がずれてディアッカの両肩に置かれる。
「やだっ、もう……。やめ、……ぁん……」
上半身を両腕で辛うじて支えながらも、彼女の両足は刺激を敏感に受け止めて震えていた。
「イヤじゃないでしょ」
ディアッカは微笑う。
「下着が濡れてきてるよ?」
揶揄するように囁かれ、ミリアリアは彼の指から逃れようと爪先を立てる。
その瞬間を待っていたかのように、ディアッカは指を抜くと、ミリアリアの腰に腕を回して足を払い、身体を反転させた。
ふわっとした浮遊感とともに暗転した視界に、ミリアリアは目眩を起こす。
(え……何?)
身体に起きたことを理解出来ずに目を丸くした時には既に遅く、背中に柔らかな衝撃を受けた。
気付けば身体をベッドに横たえられ、目の前ではディアッカが笑っている。
「これ以上下着濡らしちゃうとマズイから、脱ごうね、ミリィ」
爽やかな笑顔と正反対にひどく卑猥な言葉を口にしながら、ディアッカの手は素早く行動をしている。
彼女が何かを言い返そうと身を起こし掛けた時には、下ろされた下着がスカートごと足首から引き抜かれようとしていた。
上半身と違って何も身につけていない自らの下肢を視界に収め、ミリアリアの顔が瞬時に火を噴く。
「やだっ、ちょっとっ、何してるのよっ!」
「え?上も脱ぎたい?」
楽しげに訊ねるディアッカに、ミリアリアはぶんぶんと首を振って否定した。
「脱ぎたくないっ!」
「おや。下だけで誘うなんて、ミリアリアさんってば大胆」
「ち、違う〜っ!」
「どう違うって?」
ディアッカは微笑いながら、彼女の下肢に指を這わせた。
その動きに慌てたミリアリアは、手の先を妨害しようと膝を合わせて硬く閉じる。
行く先を塞がれたディアッカはさらに楽しげに唇を歪めると、巧みに手を迂回させて秘部に触れた。
「ひゃ、ぅん……っ!」
後ろから回された指で秘部を突かれて、ミリアリアの身体が過剰に反応する。
「素直になった方がいいと想うけど?」
耳許で囁きながら、指先で花弁を弄り時折突くように先端を埋もれさせると、途端に彼女の呼吸が乱れた。
内側から溢れてくる蜜に構うことなく、出し入れを繰り返せば、ミリアリアの膝頭がガクガクと震える。
「や、ぁ……だ、……ぁんっ!」
埋もれさせた指を奥で曲げれば、甘い嬌声もまた繰り返された。
「ほら。足の力を抜けって。もっと良くしてあげるから」
「ダメだってば……っ!」
荒い息とともに拒絶するが、弄られる度に少しずつ力が奪われていく。
膝の力が緩んだところで、ディアッカは膝裏に手を回して彼女の狭間を割り開いた。
少しだけ力を入れて腰を浮かせると、秘部が彼の眼前で露わになる。
紅く綻んだその部分をちょっとの間見つめていたディアッカは、不意に唇を寄せた。
ピチャ。
濡れた舌から漏れる水音がミリアリアの羞恥心を煽る。
「ひ、ゃ……っ、やだ、……ディ、アッカぁ……っ」
「イヤ?どうして……?」
舌で秘核を転がしながら、楽しげに微笑う。
「ミリィの何処も嫌がってるようには見えないけどなぁ」
太股を持ち上げ、下から膝裏へと舌を這わしながら、ディアッカは揶揄する。
「もしかして、俺が欲しいの?」
言いながら微笑う。
「ああ、そっか。そうなんだ、ミリィ。もう俺が欲しいんだ?」
言い返す言葉も見つからないほど快感に混乱している頭を力無く左右に振ってみるが、当の本人はすっかりその気になっていた。
「じゃあ、ちょっと早いけど挿れてあげる」
ディアッカは掴んでいた華奢な両足を二の腕に滑らせると、片手でファスナーを下ろして己を引き出す。
彼自身はすっかり準備が出来ていたらしい。
張り詰めていたそれを掴んでミリアリアの秘部に押し当て、ディアッカは周囲に散っていた蜜を楔に擦りつけた。
「力抜いてて」
頬に優しく口付けながら、楔を一気に突き入れる。
「あ……っ!」
短い悲鳴をあげながら瞬間反り返った身体を腕に抱き締めたディアッカは、そのまま奥まで貫いた。
硬く張りつめた楔に、ミリアリアの内壁が絡みついてくるのを快く感じながら、大きく息を吐き出す。
ミリアリアもまた体内にいるディアッカを感じながら、瞬間詰めた息を吐きだした。
呼吸を僅かに整えるのを待ってから、ディアッカは彼女の耳許で優しく囁く。
「ミリアリア。動くから、俺にしがみついてな」
「ぅん……」
素直に腕を回し、繋がった身体を預けたミリアリアはそのまま硬くを目を閉じた。
「行くぜ?」
腕に抱き締めた身体に言葉を紡ぐと、ゆっくりと動き出す。
引き留めるように絡みつく内壁を擦りあげながらの律動は、ミリアリアの背筋に快美感を幾たびも奔らせた。
突き上げる行為は、本人達の希望通り次第に加速していく。
淫猥な粘着質の音が静かな室内に響いていた。
「ん、はぁ、ぁ、ぁ、っ……っ!」
ディアッカの耳朶に、途切れることのない嬌声が艶やかに纏い付く。
互いの下半身に愛液が伝い落ち、それはシーツに幾つもの染みを作った。
「ディアッカぁ……っ!」
大粒の涙を零しながら快感に咽び泣くミリアリアの姿に、下肢の熱が一点に集中していくのを感じて、ディアッカは回していた腕により強く力を込めた。
理性を壊して互いを求める。
「も……、限界……」
ディアッカは呟き一際彼女の体内を強く突き上げると、低い呻き声とともに大量の熱で彼女の裡を熱く埋め尽くした。
「……ぁん、んーーーーっ!」
夥しい熱量に感極まって、ミリアリアも身体を硬直させる。
ディアッカに絡みついた瞬間、二人の下肢はさらにしとどに濡れていた。
緊張を解いたミリアリアの腕がふっと緩むのを感じて、ディアッカは彼女の背中に腕を回して優しく抱き留める。そのまま寝かせるようにベッドに横たわらせた。
「ミリアリア……」
快感に満たされた身体を持て余し、少しばかり意識を朦朧としている彼女の名前を呟きながら優しいキスを唇に落とす。そのキスを何度か受け止めている内に正気に戻ったミリアリアは、大きな息を零しながら怒りをちらつかせた。
「……仕事中だって言ったのに……」
頬を膨らませて可愛い文句を呟くミリアリアに、ディアッカは頬を緩める。
「だから直ぐ終わらせてあげたじゃん?」
「何処がよぉ……」
「えー。服、全部脱がせてないし」
言いながら、ディアッカは何処か楽しげな様子でミリアリアの身体を舐め回すように見つめる。
それが一点に彼の視線が止まると、その視線を追ったミリアリアもまたその一点を凝視する羽目に陥った。
二人はまだ繋がっている。その場所は濡れたままで、ひどく淫らな光景として二人の目を射ていた。
「ち、ちょっと、そんなトコ見ないでよ〜っ!」
「見るなって言われても、まだ繋がってるし……」
ニヤニヤと笑うディアッカに、ミリアリアは顔を真っ赤に染めて抗議する。
「抜いてっ!」
「えー。勿体ない……」
「勿体なくないわよっ!もう満足したでしょっ!離れてっ!」
「満足なんてしてないよ。もっと抱きた……」
その先は乾いた音に遮られた。
「ミリィ……。一日に二度も殴るなよ……」
ぶたれて紅くなった頬をさすりながら、ディアッカが情けない表情を顔に浮かべる。
「あんたが分からず屋だからじゃない。自業自得よっ!」
怒りを隠すこともせず、ミリアリアは手厳しい態度で臨む。
「だから早くっ。私の上から退いてよっ!」
「退きたいなら、自分で動けばいいじゃん?」
「……え?わ、私が?」
ディアッカの言葉に、意外にもミリアリアは顔面を強張らせた。
その表情に弱点を見出したディアッカは再び余裕を取り戻す。
「だからさ。自分で俺を抜けばいいでしょ?俺、邪魔しないよ?」
にっこりと微笑いながら、さぁどうぞと言わんばかりな態度に出たディアッカに、ミリアリアは暫く絶句していたが、やがて小さな声が彼女の喉の奥から洩れた。
「ディアッカのバカぁ……」
ポロリ。
ポロリ。
ポロポロリ。
それを見た瞬間に、今度はディアッカの顔が激しく強張る。
「わっ!わーーーっ!泣くなよ、ミリィ!こんなことくらいでっ!」
「泣くわよぉ。バカぁ。ディアッカの意地悪ぅ。ディアッカの変態ぃぃぃ」
「変態は違うだろ、変態はっ!」
焦って抗議してみるが、ミリアリアの涙は止まらない。
「……っひく、もー、あんたなんて、キライよぉ……イジワルばっかりするん…だも…」
「あーもーっ。わかった!もう意地悪しないから、泣くなって!」
ミリアリアの涙にあっさりと白旗を掲げたディアッカは、身体を起こして直ぐ様元の形に戻っていた楔を引き抜いた。抜かれる瞬間の感触に一瞬身を竦めたミリアリアだったが、涙はまだ零れ落ちている。
「ほら。離れたんだから、もう泣くなよ。なぁ、ミリィ。謝るからさぁ……」
ディアッカは困り果てた様子でミリアリアの頬に手を添えると、昂ぶった感情を宥めようと触れるだけのキスを繰り返した。
キスを受けながら、ミリアリアは小さな声で毒づく。
「ディアッカのバカ」
「うん」
「ディアッカの意地悪」
「うん」
「ディアッカの変態」
「だから、それは違うって」
微笑いながらディアッカは、文句ばかりを吐き出す可愛い唇を柔らかく塞いだ。
「ん……」
ミリアリアは抵抗もせずに甘い吐息を隙間から零す。
「ん、……ふっ……ん……」
舌を絡めながらも情欲を決して煽らない穏やかな口付けを強かに重ねられて、ゆっくりとミリアリアは落ち着きを取り戻した。
ディアッカが頃合いを見計らって唇を解放すると、彼女は拗ねた瞳で彼のスミレ色の瞳を見つめていた。
「私、もう仕事に戻るからね」
「わかってるって」
「手伝ってくれるのよね?」
「あ……やっぱり覚えてた?」
悪戯っぽく微笑うディアッカの鼻先を指で軽く弾くと、ミリアリアはベッドから起きあがった。
「絶対扱き使ってやるんだからっ」
ぶつぶつと文句を呟きながら服を身につけていくミリアリアに、ディアッカは楽しげに肩を竦める。
「それはそれは……覚悟しておきましょうか」
そう言う彼を振り向いて、ミリアリアはビシッと人差し指で彼を指差した。
「ディアッカ。絶対逃がさないからねっ!」
堂々と言い放つミリアリアに、ディアッカは一瞬目を丸くする。
そして、そのまま破顔した。
『逃がさない』
その言葉は勿論仕事のことを指していたが、彼女に惚れ込んでいるディアッカにはひどく甘い宣言に聞こえた。
「了解」
彼は嬉しげに応える。
「ずっと捕まえてて良いよ、ミリィ」
あまりにも嬉しそうに応えるディアッカに、今度はミリアリアの方が困惑する。
(な、何で、こんなに悦ぶのよ〜っ!?)
率先して身支度を整えているディアッカを見つめながら、また余計な言葉を口にしてしまったのだろうかとミリアリアは焦る。
けれど、好きな女と一緒にいられる幸せを噛み締めている男は、冷や汗を流す彼女の様子にまったく気づきもしなかった。
スレタイパクリじゃん
ウザ
何だこの腐女子臭漂うスレ
どこからコピペしまくってんだ?
そりゃ同人サイトじゃないの
てめえらのおかげで死ぬほど迷惑してんだよ
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エロパロ板に帰れよ
生々しいスレタイだなw
age