もしもキラがファントムペインだったら part2

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1通常の名無しさんの3倍
1.連合・ザフト・ラクシズの戦力バランスが崩れない。 
 (戦闘に緊迫感をもてる。) 
2.キラ不在のため,AA組が余裕こけない。 
 (苦戦の悲壮感を漂わせることで、「単なるテロリスト」と思われなくなる。) 
3.定期的にミネルバ・AAに死人を出せる。 
 (相手がキラじゃしょーがない。) 
など。


前スレ 
もしもキラがファントムペインだったら 
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1133166254/ 

まとめサイト 
http://www.geocities.jp/seedphantompein/index.html 
2通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 16:04:12 ID:???
とりあえず2。
3通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 16:07:27 ID:???
>>1

3げっと
4通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 16:15:57 ID:???
>>1
乙鰈、 よんサマげと
5通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 18:14:04 ID:???
乙!5ジラ松井
6通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 18:54:42 ID:???

神カモン
7通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 20:39:45 ID:???
2スレ目突入やッほぉぉぉぉぉぉぉぉっっっいっっっ!!
>>1乙!
8通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 21:13:46 ID:???
>>1
9通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 22:02:14 ID:???
>>1乙カレーのユウナ様
10通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 23:14:15 ID:???
            >>1 乙。
             V                 _ .,_
         ,.-''"´ ̄ ` ''‐ 、          , :''"´ ´ `'',        ,. --- ..,,_         _..,, _..,,_
        /::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ'、        {'、   __  l      ,.-''      ヽ        /    `ヽ
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        ゙!:::r!::::::ヽゞ'  、l:lリ `         ヾr‐  ノ|     フ ーr ェァ7‐''ヒケ/,.ィ ゞ、  'ヘ_ l ,'  、ノ '、
        ';l:ヾ;:::::::::'、  イ:ll            _>r''"  !`',、_  . `ァ, ',   ;::. /イ !f´    _フヽ ',T´_ヽl
         >lヽlヾヾー 'ユゝ        _ -''´ l !  _l  !  `ー 、`'7 >、‐::‐ ィ´'イ´   ,.-''´ ゝ、Y /`l |`ヽ
         ス  j  」   '、       f´   l' ト ´ ! /    _,.ィ''´ ̄j `''' ´ !`''ーr-、{_ 、  /メ、ヽl !  l
      _,.-''´r'' /、 「     `''‐..,,_   ',   ||  ! l   r''´ |   !   _l   /   `ヾ´/'、/`゙ヽ ヽ}
     f´    ヽ l  !    r、   `   l 、l   ! l、...,,,l l -イ、   'l   l` ´ l  /   ,. ヘl´:::::::/::::::::ノ  ',
    くニ{}    ヾ! /    ェ''    ,;ヽ } ヾ  l !:::::::l !  ','、   l   !   l  /  /__l___/:::::::/ハ  ',
    ヽrロ、_  Y´     ロ   、;'ヽ /  ',  l !:::::::l|  l '、 ,ィ''ー- ゝr、/ /  /_..,,,_ ヽ\::::::/ス l  ',
      ! ゙l−-ニlー ――- 、l   l`´ 、  /  ', l::::::::!/   l ヽ ゞ{f-r-‐/::/ `¨''ヾ''"´  ヽ、}ヽ、メ,∧l '、  ',
     ,'  !ニニ 7ニ ニ ニ_ l   ! ! ‐ ヲヽ_  Y:::::::::l    !| ',   l  Ti`丶 、_ }     ヾ:::l:トメ、l l l !  !
.     l  ! ⊂ロつ     / !   l ヽ/ イトヽ  ト、::::;!   l '、 ハ-、`ニニ並ニニゝ、_    ,ィ:::!:l ハ !l l ll  /
.    /  !∩ |   ,、  /  ! ,  ',. く__/ `!   /__`_',  ,'  ', ヾ ! l  | ̄j_   lヽ、`ーf´:::l::l ! ! l ! ! l_ノ
    !   !lロニlー- イfr− l  γ   ヽ  ヽ  !  l_,.⊥.,ヽ l    lf   f'"´    ', >エ´:::::::::::::!| ! |  l
    /   f┴-、'、ニ_TT  ̄l   l   |  ヽ   ,'`゙''-r'" ', '、    jヽ   `f¨´!    ∨ ヽ:::::::::::::l| l| |
11ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:19:39 ID:???
レッドゾーンへと近付いていくエネルギーゲージを見ながら、『キラ』は焦りを覚える。
「くそっ、追い込まれている…!」
自分に迫る赤いMSはかつてないほどの強敵であった。
白いザクのような正体不明の強さではない。ただ、純粋なまでの“強さ”。
機体性能も然ることながら、パイロットの操縦技術が半端ではないほどに優れている。
「何か手は…!?」
状況を打破する何かを考える『キラ』の視界に、ウィンダムの一団が映った。

「―――!!」
一瞬だけ迷ったが、すぐに『キラ』は覚悟を決め、その中へとストライクを向かわせる。
―――乱戦の中にもつれ込ませれば、あるいは!
一対一を続けても、今のままでは――恐らくは――負けてしまう。
ならば、ウィンダムというイレギュラーな要素のある戦域に場所を移せば、
相手に打ち勝つことも可能に………いや、そこまでいかなくとも、
撤退くらいは―――そう考えての行動だった。
だが、その願いは果たされなかった。

空を飛び交うウィンダムと合流しようとしたストライクを、地上から放たれたビームが阻んだ。
「ッ!?」
突然の攻撃に虚を突かれ、『キラ』は思わずストライクの動きを止めてしまった。
その僅かな隙を赤いMSは見逃さず、ビームサーベルを振り下ろして襲い掛かってくる。
「いけな―――」
いけない―――そう思った時には遅かった。
サーベルを何とか盾で防いだものの、咄嗟のことで体勢が整えることは叶わず
敵の勢いに押されて、そのまま地上へ機体ごと弾かれてしまう。
同時に、衝撃によって盾は左腕から剥ぎ取られ、彼方へと落下していった。

「こ…いつ……ッ!!」
最早ウィンダムとの合流は叶わないと、『キラ』は落下に身を任せながら機体の
姿勢を立て直し、相手の更なる攻撃が来るよりも先に、地上すれすれへと降下して後退をする。
「しかし、誰があの攻撃を…!?」
地上からの攻撃が無ければ自分が望むフィールドに戦いの場を
移せたのに、あの一撃でその作戦は崩されてしまった。
12ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:21:22 ID:???


『キラ』は怒りと焦りと共に、対空攻撃が放たれたと思しき地点を睨みつける。
そこには、建設途中の基地を背にし、空中のウィンダムを堕とそうと
必死にライフルを連射する白い機体の姿があった。
「白い新型機…? 一体、何を…―――!?」
意識を別のところへ向けた瞬間、凄まじい機動力で迫ってきていた
赤いMSが、背後から斬りかかってきた。

「………っ!!」
反射的に操縦桿を思いっきり切り返す。身体にかかる急激なGを歯を食い縛って堪えながら、
『キラ』はストライクを急旋回させ、振り下ろされた光刃を躱す。そして、すかさず機体を翻し、
頭部バルカンで敵機を牽制してから、再び敵からの後退を始めた。
―――いい加減、しつこいんだよ!
『キラ』は心の中で毒づいた。
こちらの部隊の大部分は撤退しているのに、こうまでも執拗に追いかけてくるとは。
自分達のように敵部隊殲滅の命が下っているならまだしも、
ただの防衛戦にここまでしてくるなど、敵パイロットはどんな奴だ?
その上、あの白いセカンドシリーズに至っては―――

『キラ』はもう一度、白いMSの方へと視線を向ける。
先程と同様、必死に戦っている機体の姿が目に映った。
「―――あの馬鹿が!」
今度は、言葉に出して毒づいた。
あのMSが行っていることはすぐに理解出来た。
それは行為だけをとってみれば、誰もが奴を“英雄”として讃えることであろう。
だが、終わるまでの過程で、そして、終わった後の結果には間違いなく―――
「大佐のお膳立てを壊す気か…!?」
出来ることなら、今すぐにでもあそこでマスターベーション以下の
自己満足に浸っている白いMSを排除したい。
しかし、後ろの赤いMSがそれを邪魔する最大の障害となる。

「だったら、もう………」
『キラ』は覚悟を決めた。
バッテリーも残り僅かで、今のままではどうせやられてしまう。
他からの要因を戦闘に加えられないというなら、己の技量の
限界を以って赤いMSに挑むしかない。
『キラ』は大きく息を吐くと、背後に迫る赤い機体の動きにだけ意識を集中させる。
「―――ここだ!」
そして、その時が来たことを感じ取ると、一か八かの反撃の一手に出た。
13ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:25:51 ID:???


地表すれすれを飛び、追撃の舞台を海上へと移したところで、
アスランはようやくストライクを再び射程内に捉えた。
「この一撃で決めるッ!」
アスランは気迫を込めて叫んだ。
もう躊躇は無い―――いや、もしかしたら今も心のどこかにあるかもしれない
それは、この一撃吹っ切らせてもらう!
アスランが決意の剣を振るおうとしたその時、不意に目の前のストライクが体勢を崩した。
そして次の瞬間、背面ユニットのスラスターから蒼い炎が噴いたかと思うと、
体勢を崩したことによって僅かに下方へと向けられていた
スラスターからの噴射は、海の水を大量に巻き上げる。
だが、アスランは目の前に出来た水の壁に怯むことなく突っ込んだ。

―――小賢しい!
そんな目眩ましにしかならない程度の障害で、自分を止められるとでも思ったか!
水の壁を突き破ると、アスランは手にしていたサーベルで横一閃に斬った。
「―――何だと!?」
絶対的な自信と共に繰り出した攻撃の先には、何も居ない空間だけが存在した。
―――馬鹿な、ストライクは何処に!?
疑問と同時に、冷たい感覚がアスランの身体を包み込む。
「クッ…!」
頭の中からストライクがどう動いたのかなどという疑問は瞬時に消え、
アスランはその感覚に突き動かされるようにセイバーを操縦する。
戦士としての本能が導くまま、サーベルを持つ腕の振りを止めず、そのまま
腕の勢いに流されるようにセイバーを反転させ、頭上へ向けてサーベルを斬り払った。



水の壁を突き破り、眼下を駆け抜けていく赤いMSを前にして、
『キラ』は自らの作戦が上手くいったことを確信した。
エールストライカーのスラスターを全開で噴いて海水を巻き上げ、同時に自らの
機体も浮き上がらせ、ストライクの脚部を振り上げることで見事な宙返りを決める。
水の壁によって視界を妨げられた敵は、ストライクの動きに気付かず、何も居なくなった
場所に突っ込み、無防備な背中を自分の前に晒すことになる。
並のパイロットなら、視界を一瞬でも塞がれれば行動に躊躇いを覚えるが、なまじ腕に
自信のある者なら、僅かな間の死角など気にすることなく、止まらずに動き続ける。
―――それが命取りになるとも知らずに。
14ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:26:58 ID:???
「もらったぁ!」
『キラ』は最後の一撃となるビームサーベルを、赤いMSの背中へと振り下ろそうとした。
しかし、今度は『キラ』が予想だにしない現実に驚愕する番となった。
何も居ない空間を薙ぎ払った赤いMSのサーベルは、勢いそのままに止まることなく動き続ける。
それは光跡で半円を描き、まるでこちらの動きを読んでいたかのように、今まさに赤いMSを
斬りつけようとしていたストライクのサーベルを、機体に届く寸前で受け止めた。

―――まずい!!
こちらの攻撃が読まれたのか、それとも相手の技量が自分の想定の
遥か上だったのか、兎にも角にも攻撃は防がれてしまった。
だが、それに対する戸惑いよりも、『キラ』は次に起こるべきことを
予想して背筋が寒くなった。
「この体勢は………ッ!!」
二振りのビームサーベルが激しい光を放ちながら拮抗状態を作り出したのも束の間、
先の鍔迫り合いの時と同様、赤いMSのサーベルがこちらのサーベルを
徐々に押し返し始め、やがて力任せにストライクのサーベルは振り払われた。

「!!」
そして、腕を払われ再びがら空きとなったストライクの懐に向けて、
敵が背中の二門のビーム砲を脇に構えるのが『キラ』の目に映る。
左の砲は問題ない。射角からしてストライクの左腕を持っていかれることになるが、
大破までには到らない。しかし、右の砲は―――
「コックピットに…当たる!?」
ストライクの中心―――自分が乗るコックピットへと向けられていた。
『キラ』は息を呑む。
心の奥底から死への恐怖が這い上がってくるのが感じ取れた。
だが―――

「まだだッ!!」
『キラ』は震える身体を怒鳴ることで抑えつけると、
目にも止まらぬ速さでストライクを操縦する。
―――間に合え!
ストライクもそんな『キラ』の気持ちを汲むように、凄まじいスピードで動く。
右腰部から飛び出したアサルトナイフ“アーマーシュナイダー”を
空いていた左腕で掴むと同時に、それを敵機に向かって投擲した。
「いけええぇぇぇッ!!」
放たれたナイフは、敵MSが構える右の砲門に吸い込まれるように向かっていった。
15ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:28:58 ID:???


「これで終わりだ!」
絶体絶命の危機から一転し、ストライクを討つ絶好の機会を得たアスランが、
戦いを終える引き金を引こうとした瞬間、目の前のMSは素早く動いた。
「―――なっ」
相手が何をしたのか理解した時には、もう遅かった。
次の瞬間にはストライク、セイバーの両機が爆発を起こして吹き飛ばされた。
「くっ…ッ―――!!」
予期せぬ衝撃に成す術もなく、セイバーは海面へと叩きつけられた。

落下の振動に耐えながら、アスランは今起こったことを信じ難い気持ちで思い返していた。
あの時、右の砲から放たれたビームはストライクの左腕の付け根を貫き、敵MSを吹き飛ばした。
だが、コックピットを貫くビームを放つ筈だった左の砲は、
ビームを放つどころか、逆に爆発を起こした。
理由は分かっている―――が、理解が追いつかない。
「予備ナイフで砲門を塞ぐなどと…」

ストライクはこちらがビーム砲を構えるや否や、ナイフを投げつけ砲門を詰まらせた。
そのために行き場を喪ったビームのエネルギーは、砲の内部で爆発を起こした。
考えるだけなら誰にでも可能なことだ。しかし―――
「それを実行するなど…」
―――どんなパイロットがストライクに乗っているのだ!?
アスランは今まで感じたことの無い畏怖の念を抱きつつ、敵の出方を窺った。
16ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:29:49 ID:???


「ッ……やったか…?」
爆発によって機体を襲った衝撃が収まるなり、『キラ』は素早く周囲を見回した。
目論見通り、敵のビーム砲を破壊し、九死に一生を得たことまでは分かったが、
あの爆発で敵がどうなったのかまでは確認できなかった。
危険な状況を乗り切ったとはいえ代償は小さくなく、今のストライクの状態を
考えれば危険なことには変わりない。
可能ならば、戦いはここまでとしてもらいたい―――
「―――居た!」
少し離れた場所に、鮮やかな赤い色を見つけた。
先程の爆発は敵に予想以上のダメージを与えたのか、赤いMSは立っているのも
ギリギリで、今にも崩れ落ちそうになる機体を支えるのが精一杯な様子だ。

―――どうする?
弱体化しているMSを前にして、『キラ』は思案をめぐらす。
「………ちぃっ!」
強敵を倒せる絶好の機会に気を迷わせたが、『キラ』は撤退することを決めた。
「バッテリーが… 武器も…」
エネルギー残量はJ・P・ジョーンズに帰る分ほどしか残っておらず、武装の方も
確実なダメージを与えられそうなのは、ビームサーベル一本だけとなっていた。
幾ら、敵が弱っていようとこれだけでは赤いMS相手には心許ない。
そして―――

「くそぉ…っ!」
遠くに何かが燃える炎と煙が見えると、『キラ』は唇を噛んだ。
赤いMSだけでなく、あの白いMSも止めることは叶わなかった。
「この借りはいずれ………!!」
耐え難い敗北感を胸に、『キラ』は仲間達が居る艦へと飛び去った。
17ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:32:05 ID:???


「撤退した…?」
戦場をあとにするストライクを見て、アスランは安堵すると共に自身への怒りが込み上げてきた。
―――情けない。
ストライクを堕とすチャンスは幾らでもあった。だが、自らの甘さがそれを見逃してしまった。
“戦士”へと戻ることを決めたにも関わらず、この体たらく―――
「次は必ず………!」
アスランは彼方へと飛んでいったストライクを睨みつけながら、
次こそはその黒い機体を討つことを心に誓った。

<―――おい、セイバーのパイロット、無事か?>
暫くすると、上空にバビが現れ、セイバーの隣へと降り立った。
「あ、ああ。大丈夫だ、ミネルバには自分で―――」
<無理だ、外から見るとわかる。ほら、しっかり掴まってな>
バビはセイバーの肩を担ぐようにして空へと舞い上がる。
「すまない…」
相手の気遣いに礼を言うと、アスランは激戦の中で忘れていたことを思い出した。
「そうだ! ミネルバは、艦隊の方はどうなった!?」
<………すまん、半分くらいがやられた>
バビのパイロットは悔しそうな口調で答える。

<潜水艦の連中は全滅だ。アビスにやられて、護衛艦も一隻沈められた。
 バビ隊も黒いMSに結構堕とされて… 申し訳ない、アンタが
 敵の大半を抑えてくれていたのに、艦の方を俺らが守りきれなくて…>
「いや、そんな…」
それだけの損害を与えたストライクを堕とし損ねてしまった自分に、謝罪される資格などない。
それに敵はアーモリーワンの時の連中だ。その程度の損害で済んで
良し――容易に納得は出来ないが――とするべきところだろう。
その時、突然、黒煙がモニターを覆った。

「何だ?」
アスランは地上へと目をやる。
そこには燃え盛る炎と、立ち昇る煙の中、悠然と立ち尽くすインパルスの姿があった。
<…尤も、俺らが死に物狂いで戦っていた時に、一人で遊んでたヤツも居るみたいだけどな>
インパルスに気付いたバビのパイロットが憎々しげに言った。
アスランも、インパルスがここに留まり敵と応戦していたのを戦闘中に確認していた。

シンが何の意味もなく無駄な戦いを行うようなパイロットだとは思っていないが、
彼が言うように、インパルスが他の戦闘へと加わっていれば、
今回の戦いで受けた被害は違うものになっていたのも事実だ。
「シン…」
ならば、例えどんな理由があろうとも、シンのこの行為に対して処罰を与えなければならない。
そして、それは自分の仕事だ。
アスランは気落ちしていた心が、更に底へと向かっていくのを感じて、疲れたように溜息を吐いた。
18ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:34:50 ID:???


破壊され尽くした基地の中、シンは呆然と目の前の風景を見ていた。
インパルスの足下では、かつて父であり夫であったであろう
“肉塊”を抱き、慟哭している母子が居る。
―――守りきれなかった。
自分の不甲斐無さへの怒りから、シンはコックピットの壁に拳を叩き付けた。
周囲の敵は全滅させていた。だが、そこに到るまでにこんなにも被害を出してしまった。
「力を手に入れても、俺は何も出来ないのかよ…!」
シンは顔を俯け、叩き付けた拳を力の限り握り締めた。

<………ッ!>
ふと、何かがシンの耳に入った。
顔を上げ、モニターに目をやる。そこには一人の少年が立っていた。
<………!!>
少年は何かを叫ぶと、手にした石をこちらに向かって投げつけた。
「っ!………何を!?」
シンは少年の意図が分からず、とりあえず外の音を拾えるようにコンソールを操作する。
操作が終了すると同時に、少年の叫びがコックピット内に響いた。

   <―――この人殺し!>

「………え?」
予期せぬ言葉に、シンは自分の耳を疑う。
少年は再び石を投げつけると、もう一度大きな声で叫んだ。
<人殺し! お前らザフトが来たせいで、父ちゃんは戦争に巻き込まれて死んだんだ!>
それは幻聴ではなかった。少年の言葉ははっきりと聞き取れた。
「俺の、せい…?」
―――俺は、連合からここの住人を救おうとしただけなのに?

戸惑うシンに、少年の怒りの声が届く。
<宇宙へ帰れよ! コーディネイター!!>
少年は足下の石を拾い、こちらに投げようと振りかぶる。
だが、後ろからやってきた母親らしき人物が、必死にそれを押し留める。
母親の目は、恐怖の眼差しでこちらを見ている。
少年は抱き締められても尚、怒りに燃える瞳でこちらを睨み、
石を投げようと母親の腕の中でもがいている。
二人の目には見覚えがあった。
恐怖と怒りが宿る瞳。それは、かつての自分のそれと同じものだった。
19ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:36:23 ID:???

追い撃ちをかけるように、ミネルバに戻ったシンを待っていたのは、アスランの平手打ちだった。
「自分だけで勝手な判断をするな!」
殴られた頬の痛みを感じながら、シンは言い返す。
「殴りたいのなら別に構いやしませんけどね! けど、俺は間違ったことはしてませんよ!」
シンは先の戦いを思い返した。
「あそこの基地で無理矢理働かせられていた人たちは、あれで解放されたんだ!」
―――そう、俺のしたことは間違ってはいない! 悪いのは連合軍だ!

シンは絶対の自信と共にアスランを睨みつけた。
「無理矢理働かせられていた………? 民間人が、あそこには居たのか…?」
しかし、アスランはそんなシンの視線を介することなく、静かに聞き返す。
「ええ! でも、俺があの基地をぶっ壊したからもう―――」
ゴツッと鈍い音が響いた。
ぐるりと視界が回転したことで、シンは自分がアスランに拳で殴られたことに気付いた。
そのまま床に倒れ込むと、すぐさま襟元を掴まれ無理矢理立たされる。
「力を持つ者なら、その力を自覚しろ!」
アスランが鋭い目でシンを見据え言葉を続けた。

   「戦争はヒーローごっこじゃない!」
20ANOTHER PHASE-06 「英雄(人殺し)」:2006/06/06(火) 23:39:19 ID:???


   「戦場に居るのは、人殺しだけだ」

「あん?」
『キラ』の呟きに、スティングが振り向く。
「何か言ったか?」
「いや、別に何でもないよ」
『キラ』は答えた。
先程の戦いでの白いMSのことを考えていたら、自分でも気付かない内に口を開いていたらしい。
呆けていた自分に微苦笑しながら、『キラ』はもう一度白いMSのことを思い返す。

あの時、あの機体は何の関係もない民間人を守るために戦っていた。
あんな場所で戦えば、その守るべき人々を砲火に巻き込むことになるのに。
弱き人々を背に必死で戦うなど、そんなものは戦っている本人だけが
満足出来て、守られる人々にすれば余計なお世話に過ぎない。
例え、それが後に自分達の束縛からの解放へと繋がったとしても。
「…馬鹿なやつだ」
『キラ』は再び呟いた。
守る対象を自分の目の届く範囲に置いておきたいという気持ちは理解出来る。
だが、あの状況でそれをやっては不必要な犠牲を強いることになっただろう。

結果として、何かを守ることが出来たとしても、戦場に出た戦士が出来ることは唯一つ。
「人を殺すことだけだ」
しかし、そんな白いMSには思うものがもう一つあった。
それは己が正義だと信じて戦っていたこと。戦って守れるものがあると信じて戦っていたこと。
今の自分には存在し得ない理由で戦っていた白いMSが、『キラ』には羨ましく思えた。

『キラ』は唐突に思い出した。
―――そういえば、自分はあの白い新型に突進した時、何を考えた?
「あの時、自分は誰かの名前を―――」
そこまで思い出し、『キラ』はかぶりを振った。
―――やめよう。
白いMSの行動に中てられたところで、自分が自分であることには変わり無い。
所詮、自分は人を殺すことでしか何かを得られない、ただそれだけの存在でしかないのだから。
「『KILLER』か…」
そう自分の名を呟き自嘲する『キラ』の瞳には、微かな悲哀が宿っていた。
21通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 23:42:47 ID:???
乙&GJ!
22通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 23:48:20 ID:???
GJです。
2重3重に繰り広げられる攻防戦に大興奮です
23通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 23:54:16 ID:???
新スレ早々キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
放送時は「遊んでた癖になに言ってんの?」なヒーローごっこ発言も、アスランがキチンと戦ったり
戦闘での被害を描写するだけで、ちゃんと説得力を帯びるんだなー…。
あと、アーマーシュナイダーテラ燃エス。
24通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 23:54:37 ID:???
GODJOB!!ネ申!!

やっぱり面白いよネ申…!ぜひFINALまで書き上げて下さい!
25通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:09:32 ID:???
GJ!名もなき兵たちもしっかり描写されてていい感じです。
26通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 00:29:46 ID:???
ネ申GJ!!!
キラvsアスラン、マジ燃えた!!
27通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 01:12:38 ID:???
>>25と同じくバビパイロットの感情の吐露がよかったです
28通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 01:22:38 ID:???
神、乙!!GJすぎるだろ、コレ!!
キラ対アスラン、めっちゃ堪能させてもらいましたw
キラもアスランも皮肉なくカッコいいと言えるのがすごい!
29通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 01:30:31 ID:???
こりゃ・・・本物の名作だ・・・
この話がここまで重厚な話になるなんて・・・
神、あんたGJ過ぎる!!マジで種の監督になってくれ!いやマジで!w
次回も楽しみにしてます!神GJ!!


遅ばせながら>>1乙w
30通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 03:44:35 ID:???
>>1
 ( ゚Д゚)っ  乙ならあるぜ
  ( つ 2/

  ( 。_。)っ
  ( つ 2/

  (゚д゚ )っ
  ( つ 2/

  ( ゚д゚)っ
  ( つ 2/

  ( ゚д゚ )っ
  ( つ 2/
31通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 14:30:30 ID:???
>>1

神GJ!超GJ!
なんども読みかえしてしまったよ
32通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 18:10:40 ID:???
>>18-19
「この人殺し!」→絶対の自信を持って言い放つシン、
の流れにちょっと違和感。
現実に傷つきながらちゃんと成長する少年であって欲しいと
個人的には思う。

しかし息もつかせぬMS戦に燃えた。GJ!
33通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 20:19:57 ID:???
>>32
今はそれを認められなくて覆い隠してるだけなんじゃないか?
否定をただ素直に受け入れられないのは、少年らしいといえば少年らしい感じもするし。

まあそう焦らずに続きを待とうじゃないか。
34通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 21:16:00 ID:???
神!!映像で見たい。゜(´Д`)゜。
まとめサイトで改めて見たが>>1のアドレス間違えてない?携帯だからか?
35通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 21:22:34 ID:???
361:2006/06/07(水) 22:20:26 ID:???
>>34
あらら、本当だ。すまんかた。
PCだが前スレのテンプレ丸コピだったもんで。

つーことで検索に引っかかるように。

まとめサイト
http://www.geocities.jp/seedphantompein/index.html
37通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 23:22:29 ID:tFvC6q2K
>>17
シャアだ!!
シャアがいる!!
38通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 23:25:59 ID:???
いやあ、凄かった、乙です
やっぱりこういうのは名前のあるキャラよりも、名無しの一般キャラが言ってこそ説得力がある
客観的な意見になりえるんだよな、、
39通常の名無しさんの3倍:2006/06/08(木) 17:16:05 ID:???
>>37
ルナ「アスランをやったの!?」
キラ「邪気が来たか!」
40通常の名無しさんの3倍:2006/06/08(木) 23:56:48 ID:???
>>38
それ思った。
神はそういう名無しキャラやミラーとかメインじゃないキャラの使い方がほんと上手いよなぁ。
そのおかげで物語りにより幅が出てるように思える・・・まぁ、素人な意見だけどw
ともかく神禿しくGJ!!ってことですよ!w
41通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 14:28:47 ID:???
>>37>>39
あ…あー!
気づかんかったorz
42通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 20:17:32 ID:???
>>35>>36 ありがとう♪
43通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 17:55:33 ID:???
ほしゅ
44通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 20:48:36 ID:???
あげますよ
45通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 22:25:11 ID:???
>>37
そうか!
なんか見たことあると思ったらシャアだったか
46通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 01:57:20 ID:???
携帯からすみません
前スレの頭から読ませて頂いてます
>>1&>>another phase&>>まとめサイトの方!激しくGJ!
>>1
貴方様がこのスレを建てて下さったお陰でまた神の作品が拝見できます!ありがとうございます!そしてお疲れ様です!

>>another phase様
毎回毎回貴方様の文章力には舌を巻きます。勝手ながら今後のご活躍に激しく期待を寄せさせて頂きます!月並みですが頑張ってラストまで行って下さい!本当に楽しみに待ってます!
バビのパイロットはCCAのシャアですか(笑)
本当にお疲れ様です!

>>まとめサイトを運営して下さってる方
毎回神が御降臨なさる度に貴方様のサイトの更新を心待ちにしています。わざわざ携帯用にも作って頂いて、携帯しか持っていない自分としては読み易く、非常に助かります。ありがとうございます。
更新頑張って下さい。お疲れ様です!



携帯から長文失礼しました。
47通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 10:09:25 ID:???
>>46
半年ロムったほうがいいような気がする
48通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 13:46:48 ID:???
>>46は初心者でないなら2chに向いてないな
自分宛に書かれたものなら荒しにも律儀にレスを返しそうだ。
49通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 19:28:05 ID:???
やっぱり、ある程度の殺伐さって大切だよな。と思った。

冷たい言い方だが、>>46は半年ROMることをオススメする。
50インペラー(・∀・)インペラー:2006/06/11(日) 21:57:06 ID:???
そしてここで俺が空気読まず言ってみる。



(・∀・)ROMルッテナニ?
51通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 22:03:52 ID:???
>>46はたしかに半年ロムった方がいいかもしれん。
が、おまい嫌いじゃないw
52通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 22:17:06 ID:???
ちょwwwwww
種好きの知人から「半年ROMれって何?」とかいうメールが来たぞwwwwwwww
犯人はオマエらかwwww
53通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 22:22:52 ID:???
落ち着け、とりあえずスレの空気を元に戻すんだ!

黒ストライク萌えミラーたんハァハァ
黒ストライク萌えミラーたんハァハァ
黒ストライク萌えミラーたんハァハァ…

あれ?
54通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 00:06:18 ID:???
あれ?じゃねーよヴォケがwww
55ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/12(月) 00:14:25 ID:???
出航時より付き添いの数を減らしたグレイの巨艦が、ゆっくりとペルシャ湾を進んでいく。
ミネルバは目的地であるマハムールに置かれたザフトのスエズ方面司令本部に
入港しようとしていた。同刻、格納庫内では各MSのチェック作業に追われていた。

「でも、いいよなぁ、軍本部のヤツらー! ラクス・クラインのライブ、俺も見たかったぁー!」
「けど、だいぶ歌の感じ変わったよな、彼女。
 俺、前々から今みたいな方が良いんじゃないかって思ってたんだけどさぁ」
―――さて、どうしたものかな?
アスランは手の方を留守にして口ばかりを働かせている整備士二人を前にして考えた。
「それに今度、衣装もなんかバリバリっ!」
「そーそー! そしたらさ、胸、結構あんのな! あの衣装のポスター、俺、絶対に欲―――」
「セイバーの整備ログは?」
いつまで経っても終わりそうにない二人の様子に、アスランは痺れを切らして背後から声を掛けた。

「あっ………あ、あ、コレですッ」
一人が慌ててモニターにデータを表示させる。
手元のチェックボードと照らし合わせると、どうやらやるべきことはやっていたようなので、
アスランは二人に先程までのことは何も言わず、「ありがとう」とだけ告げその場を離れようとした。
「―――ん?」
ふと、何処からか見られているような気がして、何気なしにそちらに目を向ける。
すると、慌てて仏頂面を作って目を逸らす赤い瞳の少年の姿が見えた。
「シン?」
彼の様子が気になり、そちらに向かおうとするが、再び聞こえてきた会話にアスランは足を止めた。

「婚約者だもんなぁ………いいよなぁ…」
「ちぇっ、ケーブルの二、三本でも抜いてやろうか、セイバー…」
―――やれやれ。
「聞こえてるぞ、二人共。さっきのも全部!」
まずはこちらの注意が先だと、アスランは二人に背を向けたまま口を開いた。
「いっ!?」
「すっ…す、すいませーん!」
平身低頭する二人に苦笑しながら視線をシンの方へと戻すが、そこに彼の姿はもう無かった。
56ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/12(月) 00:18:06 ID:???
そんな中、ミネルバは入港を果たしたのか、今までとは違う揺れが
足下から伝わり、同時に艦内アナウンスが響いた。
<入港完了。各員速やかに点検、チェック作業を開始のこと。
 以降、別命あるまで艦内待機。ザラ隊長はブリッジへ>
色々と話したいことがあったが、呼び出しとあっては仕方ない。
アスランはシンのことは後回しにして、艦橋へと向かうためエレベータに乗った。

昇っていくエレベータの中で、アスランは整備士たちが言った言葉を呟いた。
「婚約者…か」
オーブから国家元首をさらってアークエンジェルが出航したと聞いたが、ならばラクスも――無論、
整備士たちが言うラクスではなく本物の――それに同行したのだろう。別にそのことは構わない。
ただ、彼らが向かった先、そして目的が分からないことには、どうしても不安を覚えてしまう。
そして―――
「カガリ………」
彼女は今、何をしているのか。
アスランは何処に居るとも知れない、かつての仲間達と愛しい者へ想いを馳せた。



スカンジナビアの海の底に、アークエンジェルはその白い巨体を隠していた。
<このデモによる死傷者の数は、すでに千人にのぼり、赤道連合政府は―――>
<大西洋連邦大統領の声明を受け、昨日、南アフリカ共同体の―――>
<この声明に対し、プラント最高議長ギルバート・デュランダルは―――>
艦橋のモニターに、海上のブイに取り付けられたアンテナが拾ってくる、
現在の世界情勢を伝えるニュースが流れている。
「毎日毎日、気の滅入るニュースばかりだねぇ…」
コーヒーカップを片手にそれを見ていたアンドリュー・バルトフェルトがやれやれと息をついた。

「なんかこう…もっと気分が明るくなるようなニュースはないもんかね」
「水族館で白海豚の赤ちゃんが生まれた…とか、そういう話?」
艦長席に座っていたマリュー・ラミアスが茶化すように言った。
「明るいニュース………というにはアレですけど…」
二人の後ろで話を聞いていたダリダ・ロー・ラパ・チャンドラII世が手元のコンソールを操作する。
「こんなのがオーブで流れてますが」
モニターの映像が凄惨な場面から切り替わり、一人の男を映し出した。
57ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/12(月) 00:19:35 ID:???
<妻を…カガリを、返して下さいっ!>
「ごほっ!」
その映像を見たカガリが、飲んでいたコーヒーを噴き出した。
映し出されたのはユウナだった。カメラの前に座った彼は涙ながらに語り始める。
<我がオーブに対し何か思うところがあるのなら、対話の場を持とう!
 だが、何も言わずにこんな卑劣な―――>
「なに、オーブの国内放送?」
操舵席のアーノルド・ノイマンが聞くと、チャンドラが頷いた。
画面の中でユウナは、カガリ誘拐というテロ行為を批難すると
同時に、『妻』の身を案じる良き夫を演じていた。

「白々しいことを…」
カガリはその映像から目を背けた。
自分が居なくなったことを誰よりも喜んでいるのは自分達だろうに。
更に、それを己の悲劇として国民に訴え、同情と共にセイラン家が主導となる
現政権の支持率上昇を狙っているのが見て取れる。
尤も、ここまで演技過剰なものを見せられても、情けない男という
イメージが植え付けられ逆効果になるような気がするが。
「そんなことより、連合とプラントとの戦闘の方はどうなっているんだ?」
耳に入ってくるユウナの声に耐え切れず、カガリはモニターに流れる映像を切り替えた。

<これはあくまでも、積極的自衛権の行使だということを忘れないで―――>
続いて映し出されたのは、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの姿だった。
「ほぉ、珍しいことに今日は議長のお出ましか」
バルトフェルトが意外そうに言った。
ここ暫くの間のプラントでの放送は、『ラクス・クライン』による慰問ライブばかりを流していた。
但し、それはこの場に居る者なら誰もが知っている、“偽者”のラクスによるものだが。
「流石にあれだけ働かせられて、疲れてしまったかね?」
ニヤニヤしながらバルトフェルトが、上部座席に座っているラクスに聞いてみる。

「さあ? ただ、わたくしは“此処に”居ますので」
そう冷ややかに答えるラクスに、隣のチャンドラがぎくりとしたように身を引く。
「でも…」
皆の冗談に笑っていたマリューが、仕切りなおすように口を開いた。
「こういうところだけを見ていれば、悪い人ではないのよね」
視線の先は、なおも戦いの無意味さを訴えるデュランダルへと向けられている。
「実際、良い指導者だと思う、議長は」
カガリも複雑そうな顔で言う。
「………というか、思っていた。ラクス暗殺の件と、偽者の存在を知るまでは」
58ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/12(月) 00:21:06 ID:???
「アスラン君もそう思っていたからこそ、プラントへ行ったのでしょう?」
そう言うマリューにカガリは頷き返す。
「だったら、彼が戻ってくれば色々と分かることもあるんでしょうけど…」
映像がデュランダルの声明から、各地の戦いのものへと変わる。
「地球の混乱ばかりが目に付くけど、向こうも向こうで大変みたいだから…」
モニターにはアーモリーワン、ユニウスセブン、そして
プラントを背景にした本土決戦の時の映像が映し出されていた。

「しかし…」
カメラが一機のMSを捉えると、感慨深い声でカガリが言った。
「新型機の強奪騒ぎに、こんな姿のMSの戦いを見せられると、
 二年前を再現するようで嫌な気持ちになるな…」
映し出されていたのは、黒いストライクの鬼神の如き戦いぶりだった。
ここに居る者たちにとって二年前の戦いとは、ヘリオポリスでのGATシリーズの
強奪に始まり、唯一奪われずに済んだストライクと共に戦った凄惨な過去のこととなる。
そのことを思い返してのカガリの言葉だった。

「確かに…な」
と、バルトフェルト。
「でも、あの時みたいな殲滅戦にはさせないわ…
 それが、生き残った私たちの仕事だから」
ストライクという言葉が思い出させた、今は亡き戦友たちへの
郷愁を胸に、マリューはそう締め括った。

ふと、視線を感じてバルトフェルトは後ろを振り返った。
そこには、呆けたようなラクスの顔があった。
感じていた視線は、自分を通り越してモニターに映った黒いストライクだけに注がれている。
―――またか。
バルトフェルトは思った。
どうもここ最近のラクスの様子はおかしい。暗殺されそうになれば精神的に参ってしまって
当然かと思っていたが、よくよく考えると様子が変になったのはその少し前からだった気がする。
ラクスに倣って黒いストライクを見つめれば何か分かるかと思って、
バルトフェルトも再びモニターへと目を移す。
だが、黒いMSは何の答えも返してはくれなかった。

そうしてバルトフェルトはモニターに目を向けていたせいで気付くことはなかった。
ラクスの口が「キラ」と小さく開いたことを。
59ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/12(月) 00:25:34 ID:???


J・P・ジョーンズ艦橋で、軍艦に似つかわしくない華やかな声が響いた。
<勇敢なるザフト軍兵士の皆さぁーん! 平和のため、わたくしたちも頑張りまぁす!>
「………イイねぇ」
敵情視察という名目のもと、わざわざ衛星を介して拾ったプラントの放送を
見ていたネオは、しみじみといった様子で呟いた。
「何がです?」
ネオの隣に居た『キラ』が聞く。
「何…って、お前。そりゃあ―――」
ネオは艦橋に取り付けられたモニターを指さす。
<皆さんもお気をつけてぇーっ!>
モニターの中では、少女が笑いながら手を振っていた。

「この女のコだよ」
「………?」
言ってる意味が分からず、『キラ』は首を傾げる。
「分かんない? お前、考えてもみろよ… こんなカワイイ娘がこんな露出の高い格好で
 『頑張ってー!』だよ? 幾らでも頑張って戦おうって気になるってもんじゃないか」
「………そうですか?」
「そうだよ。比べて俺らには紫色した唇のおっさんが『コーディネイターは皆殺しだ!』とか
 言うだけでさぁ… あんなのとこれとじゃ、戦いに赴く時のモチベーションが違ってくるだろうが」

「はぁ…」
ネオが言わんとしていることは分からないでもないが、
『キラ』はいまいちそれに共感出来ず、適当な相槌を打つ。
もう一度モニターに目を向けるが、どうもその気持ちは理解出来ない。
それどころか、画面の中の少女を見ていると、何か違和感のようなものを覚え、
奇妙な不快さが胸の内に湧いてくる。

「…まぁ、ちょっと若過ぎる気はするけどな。やっぱ、こうエロい格好するならもうちょっと歳が―――」
『キラ』の沈黙を別の意味に捉えたのか、ネオは個人的な好みを語り始めた。
「いや、そういうことじゃなくて…」
「二人共、イイんすか、そんなこと言ってて」
そんな二人の様子を笑いながら見ていたミラーが会話に加わってくる。
「ウチには、もうステラっつー可愛い娘が居るのに、浮気なんてしたら二人の兄貴に怒られますよ」
「おっと、そういやそうだな。身内だけでも十分だったか」
「いや、だからそういうことを言ってるんじゃなくて―――」
60ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/12(月) 00:26:53 ID:???
「うぉっほん!」
人の話を聞かずに話を続けようとするネオとミラーを止めたのは、
J・P・ジョーンズ艦長の怒気のこもった咳払いだった。
「…敵情の方はお分かりになられましたか、ロアノーク大佐?」
「え、あ、うん。もう…大丈夫、かな」
艦長の態度に、少し羽目を外しすぎていたことに気付き、ネオは申し訳なさそうに答える。
「でしたら、他のことに取り掛かられては? 連絡によると、そろそろ補給物資が
 届くらしいので、そちらの方を見てもらえると助かるのですが…」
「じゃ、じゃあ、そっちの方を見てこようかな…?」
そう言うと、ネオは苦笑しながら艦橋から出て行った。
『キラ』とミラーもやれやれと顔を見合わせて、それに続いた。


格納庫に着くと、丁度、補給物資が運び込まれるところだった。
「ん、何、あれ…?」
『キラ』はその中の一つに、シーツで覆われた中途半端な大きさの何かを見つける。
「あん、どれどれ………おっ、俺の新しい搭乗機だな、ありゃ」
『キラ』の言葉にミラーが答える。
「新しい搭乗機?」
「ああ!」
ミラーはいそいそとそれの元に向かい、無事に置かれるや否や、被さっていたシーツを剥がした。

「え………戦闘機?」
中から出て来たのは、黒い戦闘機だった。
「そうだ、FX-550“スカイグラスパー”。ストライクの支援用戦闘機さ」
「………へえ、懐かしいな」
そう言ったのは、スカイグラスパーを見ていたネオだった。
「大佐も乗ったことがあるんですか?」
「えっ、ああ………いや、乗ったことはないけど、俺も昔は戦闘機乗りだったからな」
ミラーの質問に、ネオは何故か戸惑ったように答える。

「と、ところでコレって、こんな色だったっけ?」
それを誤魔化すようにネオは言葉を続けた。
「いや、元々は違う色でしたけど、ファントムペインで使うから、ウチら用の
 カラーに…って、兵站の連中に無理言って、黒く塗り直してもらったんですよ。
 連中、なかなか良い仕事してますよね」
ミラーは黒光りする機体を満足そうに眺める。
「ねえ…ちょっと、待ってよ!」
それまで黙っていた『キラ』が口を開いた。
61ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/12(月) 00:28:02 ID:???
「戦闘機って………ミラーは次からこんなもので戦闘に出るつもりなの!?」
「こんなものって、お前…」
ネオがその言い方は無いだろという感じで言う。
「しょうがねえじゃん。俺のウィンダムは前の戦いで赤いのに
 やられちゃったんだから、他の―――」
「だったら、新しいMSを補充すればいいじゃないか!」
『キラ』は納得いかずに叫ぶ。

「あのな、『キラ』…」
ミラーは肩を竦め、諭すように喋り始めた。
「戦闘機はそう馬鹿にしたものじゃないんだぜ。空間戦闘なら兎も角、
 大気圏内においてならまだまだやれる。グゥルに乗ったMSや、ディン辺りが相手なら、
 パイロットの腕もあってこっちの方が上になるからよ」
「パイロットの腕」の辺りで、ミラーは自信有り気にニヤリと笑う。
「け、けど、旧世代のMSが相手なら上でも、例の白いのや赤い新型が相手だったら…」
「MSに乗ったところで、俺に奴等の相手は無理さ。あの新型たちをやれるのはお前だけだ、相棒」
そう言って、ミラーは『キラ』の胸を軽く叩く。

「そして、俺はコイツと共にお前の援護をするってわけさ」
ミラーは傍らのスカイグラスパーを見上げた。
「ま、そういわけだ」
ネオが『キラ』の肩に手を置く。
「お前の心配する気持ちも分かるが、少しくらい仲間を信用しろ。なっ?」
「大佐…」
気持ちは嬉しいが、簡単には納得出来ないといった心情が浮かぶ瞳で『キラ』はネオを見た。

「ロアノーク大佐ぁ! ちょっといいですかぁ!?」
遠くからネオを呼ぶ声が聞こえる。見ると整備兵がこちらに向かって手を振っていた。
「おう! 今、行く!」
ネオは『キラ』の方に向き直り、念押しをする。
「どちらにしても、もう代替を用意するのは無理だ。
 納得がいかなくてもこれで行くしかない。分かったな?」
ネオはそう告げると、整備兵の元へと向かって行った。
62通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 00:28:52 ID:???
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
63通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 00:34:01 ID:???
GJ!!!
64通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 00:34:45 ID:???
ネ申よ、待ってました!
トールが思い出されますな。・・・いいやつだった・・・

忙しい中、今週もありがとう!!
65通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 01:06:10 ID:???
神GJ!

>>64
だがこのままだとミラーは確実に死ぬな。昔話もやるみたいだし。
いいキャラなのにな…
66通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 01:06:32 ID:???
今回も面白かった!流石です!


しかしスカイグラスパーとは……まさかミラーがやられた時にトラウマがフラッシュバック………
先読みし過ぎか……
67通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 01:50:05 ID:???
GJ!なんだが…ミラーさんの死亡フラグが立ったようにしか見えないorz
ザフト側はハイネがいるし…2年前の再現になるのかな…
68通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 02:42:49 ID:???
いや、、、確実にミラーは死ぬな、、でも死ぬと頭では分っていても、もしかしたら?
と言う気持ちにもなり、死んだら死んだ、あーあ死んだのか、と言う言葉じゃなく
純粋にクソ、何で死んじまったんだ、と言う気持ちにもなれそうだ、、

いわゆる死亡フラグ、お約束パターン、だけど、いつも使われるのは、しっかりと使えば
何度使っても、いい演出になるからだよな、、
69通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 03:31:33 ID:???
さよならミラー
70通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 05:28:53 ID:gUqkH2z8
神がミラーを守ってくれるさ
71通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 06:37:21 ID:???
ミラー追悼式典会場はここでいいですか…




神最高、おもしろすぎ
次が気になる。死種初期のワクワク感を思い出す
72通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 08:52:51 ID:???
>>55-61
うおーーーー!!神光臨ですね!!つーかミラーとロアノーク大佐(あえて正式な
名前で呼びたいくらいこっちのネオはカッコいい上官)GJ!!

・・・・・・でも、なんだおうこの胸が締め付けられるような気持ち・・・
頼むから皆、死ぬなよ・・・と祈っとこう(m−−m
73通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 09:47:22 ID:???
GJ!!

>いや、そういうことじゃなくて…
>いや、だからそういうことを言ってるんじゃなくて―――
にワラタのはおいらだけっすか?
74通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 13:21:26 ID:???
洗脳されてるハズなのに
洗脳されてないハズ(多分)の死種本編のキラより人間味があるというか
キラらしいというか愛着がわくのは気のせいですか
75通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 18:19:03 ID:???
おれの見たかったキラとアスランがいる・・・。
76通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 19:44:25 ID:???
神スゴス!GJ
この感じ、なんか確かに兄貴だよなw
スカイグラスパーでイヤンな予感…ミラー…

>>74
いやぶっちゃけ、ここのキラのが人間味ある、てか心情理解できる
と、キラ&自由マンセーしてた俺も悔し紛れに呟いてみる
77通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 22:26:24 ID:???
>「MSに乗ったところで、俺に奴等の相手は無理さ。あの新型たちをやれるのはお前だけだ、相棒」


ミラーのスカイグラスパーは右主翼だけが赤く塗装されてる気がする…
78通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 23:24:46 ID:???
流石ネ申

>「分かんない? お前、考えてもみろよ… こんなカワイイ娘がこんな露出の高い格好で
> 『頑張ってー!』だよ? 幾らでも頑張って戦おうって気になるってもんじゃないか」
>「………そうですか?」
>「そうだよ。比べて俺らには紫色した唇のおっさんが『コーディネイターは皆殺しだ!』とか
> 言うだけでさぁ… あんなのとこれとじゃ、戦いに赴く時のモチベーションが違ってくるだろうが」

ここPCの前で思いっきり吹いたんだが・・・

もう一人一人のキャラが生き生きと目前で動いているように感じるよ
79通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 01:20:54 ID:???
神GJ!
戦の間のつかの間の休息、もしくは嵐の前の静けさか今回の話はホっとした感じですね。
でもそういう空気がまるでその場にいるように感じました。
W杯日本惨敗でまるで運命の剣が腹に突き刺さったようなショック受けたけど、とても癒されました・・・
・・・神マジでありがとう・・・

しかしミラー・・・とうとうフラグ立っちまった・・・orz
死ぬなよミラー・・・orz
80通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 14:16:36 ID:???
ネ申GJ
和んだ!ありがとう
81通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 15:55:56 ID:???
神GJ!さすがは新世界のネ申w
すばらしい。
82通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 18:27:08 ID:???
83通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 23:47:47 ID:???
ミラーがアスランにころされてキラが記憶少し取り戻すに10g
84通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 02:50:10 ID:???
ミラーはミラーマンとなって復活します
85通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 09:14:11 ID:???
MIRROR=鏡

という点が伏線に100達磨
86通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 17:15:57 ID:RO+4ERrL
まとめサイトのバナーを作ってみた
http://turibori.net/sup/300k/src/up1981.jpg
87通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 18:06:01 ID:???
スカイグラスパーキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
88通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 13:23:49 ID:???
>>86
タイトルは日本語よりも、もっと厨臭い感じの奴を希望。

起動戦士
ガンダムSDESTINY
'Killer' the Phantom Pain ←小さめ

こんな感じの
89通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 16:14:27 ID:???
>>88 ちょっと改造してみました。
http://turibori.net/sup/300k/src/up1982.jpg
9088:2006/06/15(木) 16:31:36 ID:???
>>89
冗談のつもりだったのに
誰か突っ込んでくれると思ったのに


激しくGJ
91通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 17:22:18 ID:???
かっこいいな!
GJ!
92通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 19:30:43 ID:???
>>89
グゥレイト!


文法的な間違いを指摘したいが、やめとこう。
93通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 00:59:04 ID:???
『キラ』・イン・ザ・ファントム・ペイン
~~~~~
だって言いたいのか?


まさしくその通りorz
94通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 19:26:28 ID:???
HAHAHA
95通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 00:46:13 ID:???
保守
96通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 01:09:42 ID:???
保守
97通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 11:52:17 ID:???
ホセ
98通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 22:10:43 ID:???
メンドーサ
99通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 22:19:55 ID:???
>>97
>>98
明日のジョーかw
100通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 08:12:55 ID:???
フカーツ記念カキコ!(b^ー°)
101通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 08:20:33 ID:3jYKcRjD
またすぐ落ちる希ガス
102通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 18:20:40 ID:???
それじゃああげます
103通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 18:00:32 ID:???
さげます
104ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 22:56:24 ID:???
「………………」
「………………」
その場に残された『キラ』とミラーを沈黙が包み込む。
先に耐えられなくなったのはミラーの方だった。
「………あのさぁ、相談もしないで勝手に俺が戦闘支援やりますってことになって、
 思うことはイロイロあるだろうけど、大佐だって認めてんだから、いい加減、機嫌を―――」
「えっ、あ、いや、そうじゃないよ」
黙り込むのをやめて、『キラ』が顔を上げた。

「そうじゃなくて………前から聞こうと思ってたんだけどさ」
「ん?」
「何でミラーは僕…いや、ステラたちも含めて、僕たちにそんな気を遣ってくれるの?」
「………は?」
以前から疑問に思っていたことだった。
ファントムペインに所属している者たちは、部隊員として求められる能力の高さゆえにか、
ナチュラルとコーディネイター、もしくはエクステンデットなどの差異など気にしない者ばかり
――研究所など、ブルーコスモスの息がかかった所からやってきた連中は別――だが、
その中でもミラーの態度は顕著だった。

「まるで、僕らが普通のナチュラルみたいに接してくれるのはどうして…?」
「どうして…って、言われても…」
ミラーは首を傾げながら答える。
「同じ“人間”同士を、ナチュラルだのコーディネイターだのって分けるのって変だろ?」
「え………」
当たり前のように言うミラーに、『キラ』は目を見開く。
「けど、そうだな… そうお前が感じるのは、『彼女』のことが理由かな…」
そう言って、ミラーは語り始めた。



俺さ、昔はオーブに住んでたんだ。
…そう、ナチュラルとコーディネイターが混在する国のオーブ。
まぁ、一緒に住んでるって言ったって、コーディネイターの比率は………忘れたが、そう多いもんじゃない。
学校のクラスに一人いるかいないかってくらいなもんだ。俺はその“居る”側の人間だったんだ。
ウチの近所に住んでたコがコーディネイターで、歳が同じなものだから、物心つく頃には毎日のように
一緒に遊んでた。その内に、相手がコーディネイターで自分がナチュラルってことを知ったんだが…
何つーかなぁ… ガキの頃から付き合いがあったせいかな。かけっこで『彼女』に勝てないのも、
テストの点で『彼女』に負けるのも、当たり前のこととして受け止めて、ナチュラルとか
コーディネイターってことはあまり気にしなかったんだ。ナチュラル同士でも、
運動とか勉強とかで勝てない相手ってのは居るもんだしな。

   けど、世の中はそんな奴ばかりじゃなかった。
105ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 23:00:58 ID:???
大きくなるにつれて、ナチュラルとコーディネイターとの違いってことを理解するようになっていったよ。
っつっても、俺が『彼女』に対してどうこう思うとか、そんな話じゃない。
知ってるか? オーブには旧世紀の頃から、“IJIME”っていう異分子を隔離する文化があってな。
特にガキ共の間じゃ、C.E.の時代になった現在も当然のように行われる
因習でな、それの対象に『彼女』が選ばれてしまったんだ。
…理由は下らないことさ。
『彼女』が誰よりも頭が良くて、誰よりも運動が出来るコーディネイターだった…っていう、
それだけのことだからな。

で、具体的に何されたかっていうと… ここら辺は思い出すだけで腹が立ってくるんだが…
奴ら、テストの成績や、運動能力じゃ勝てないからって、影でこそこそと『彼女』に嫌がらせをしてきてな。
教科書は切り裂かれ、ノートには落書きをされ、靴が無くなってるなんて日常茶飯事。
トイレに入ったら上から水掛けられた…なんてこともあったけな。
その頃は、よく『彼女』の泣き顔を見てたよ…
当然っちゃあ当然だ。
コーディネイターだからって、頭や体の出来が良くても、“心”までも強く出来るもんじゃないからな。
それに『彼女』は優しかったしな…
嫌がらせをしている連中よりも遥かに強いんだから、連中の誰かの腕でも捻り上げて、
「やめてよね」って、力尽くでどうにかすれば良かったのに、ただ耐えるだけで…
俺はそんな『彼女』を見るのが嫌で、周りのことなんか気にせず、今まで通り『彼女』に接していたよ。

その内に、奴らも気付いたわけだ。
幾ら嫌がらせをしても、なかなか『彼女』はめげない。どうしてか?
それは俺という存在が『彼女』の支えになっているから。
だったら簡単だ。その支えを無くしてしまえばいい。
…下らない真似している馬鹿共にしては賢くてな、こうして俺も“IJIME”の対象になったわけだ。
けど、嫌がらせを受けたくらいで、俺は引くつもりはなかった。
当たり前だ。他の奴らに文句付けられるような悪いことは、何もしてなかったからな。

そんなことが暫く続いたある日、俺はクラスの奴らに呼び出しを受けた。
無視しても良かったが、俺が何かされている間は『彼女』が何かされていることはないし、
呼び出しを放っておいた結果、『彼女』に何か余計な真似されても困るから、仕方なく
呼び出された公園に出向いた。そこで待っていたのは、クラスの大将であるゴウダ君以下、
その右腕ホネカワ君にパシリのノビ君など、クラスの男子の大半。
分かりきってはいたが、用件を尋ねるとゴウダ君はこう言った。
「あのコーディネイターの女を無視しろ。じゃないとブチのめすぞ」ってな。
俺が「ごめん。俺、死んだ婆ちゃんに、でっかく“G”なんて書かれたセンス悪いシャツ着ているヤツの
言うことなんて聞くなって言われて…」とか言い返すと、ゴウダ君の拳が飛んできて大乱闘の開始。

…っつっても、多勢に無勢で、俺はあっという間にゴウダ君に組み伏せられることになった。
ゴウダ君は俺に跨りながらもう一度言った。
「これからあのコーディネイターは無視すると誓え。じゃないともっとぶん殴るぞ」って。
そこで俺は唾でも吐いて拒んでやろう…と思ったんだが、殴られて鼻血は出てるわ、
服はボロボロにされてるわで流石に参っちまった。この場は適当なことを言って誤魔化して、
明日からはここに居る連中を一人ずつぶっ飛ばしてやるって心に決めて、俺は仕方なく口を開いた。

   「これからは『彼女』のことは無視します」
106ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 23:03:22 ID:???
…ってね。
今、思うと…
今じゃないと分からないことだったとは思うが、人間には絶対に引いちゃいけない時が、
例え偽りだろうと何だろうと逃げ出しちゃいけない時ってのがあるんだよな。
俺にとってのそれは、この時だったんだ。
俺が出任せを口にすると、そこに居た連中は皆笑い始めた。
別に面白いことは言ってないと思って戸惑っていると、腹の上のゴウダ君が
俺の後ろを指差した。何だろうと思って目を向けると…

   そこには『彼女』が居たんだ。

ご苦労なことだよな。
俺の言葉を聞かせるために、わざわざタイミングを見計らって『彼女』も呼び出してたんだ。
『彼女』の呆然とした表情を見てから、その後のことは覚えていない。
気が付くと、彼女の部屋の前で、扉越しに一生懸命謝っている俺が居たよ。
あれは違うんだって言い訳していると、涙声で分かってるからって彼女は言ってくれた。
実際、理解してくれてはいたと思う。
俺の言葉が本心じゃなかったことも、仕方なくそんな言葉を言ってしまったことも。
でも、自分が原因で俺が傷ついたことが… そして、偽りだったとしても、俺が拒絶の言葉を口にしたのは
『彼女』にとって耐え難い事実だったんだろうな。
翌日から『彼女』は学校に来なくなり、暫くするとプラントへ留学していった。

別れ際にもらった手紙には、「ごめんね」って書かれてたよ。
…謝るのは俺の方なのにな。
その時だったかな、軍人になろうと決心したのは。
大事な人を守れる力を手にしようってね。
まぁ、そこで短絡的に軍人を選んだのが、何とも頭の悪い子供らしさに溢れているというか…
オーブの国防軍には入ろうと思わなかった。あれはあれで立派な軍隊だと思っているが
「他国へ侵略せず・他国の侵略を許さず・他国の侵略に介入しない」っていう理念が気に入らなくてな。
要はオーブさえ良ければ、他はどうなってもいいって話だろ。
俺が守りたいのはオーブではなく、もっと違うものだったから、連合軍入りを決めたんだ。
お陰で、親からは勘当されたも同然になったけどな。

それから成長して軍学校に入り、真面目に勉強、訓練をして、無事に卒業。
そして、任官を果たしたんだが…
部隊に着任するまで僅かだけど休暇があったんでな、『彼女』に会いに行こうと思ったんだ。
あの時は何も出来ない弱い俺だったけど、こうして強くなることが出来ました、強くなろうと
努力しましたって報告をしにな。もしかしたら、昔の嫌な過去のせいで
会ってくれないかも…とか考えたが、会えても会えなくても『彼女』と向き合わないと
俺的に気持ちのケリがつけられないから、心を決めて『彼女』の元に向かうことにしたんだ。
107ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 23:05:50 ID:???


「それから…?」
続きが気になり、『キラ』は先を促す。
だが、ミラーは複雑な笑みを浮かべるだけで何も言わなかった。
「ミラー…?」
「………結局、会えなかった」
複雑な表情のまま、ミラーはぼそりと呟き、言葉を続けた。
「『彼女』に会いに行くために買った航宙券の日付は2月14日で、
 行き先は………ユニウスセブンだったんだ」
「―――えっ?」
それって―――
『キラ』が嫌な想像を頭に浮かべるよりも先に、ミラーが答えた。
「『彼女』は、“血のバレンタイン”で、命を堕としたんだ」

再び沈黙が二人を包み込んだ。
「………これがさ」
その沈黙を破ったのは、またもミラーだった。
「これが何かの物語でさ、俺がそれの主人公だったりしたなら、『彼女』は何らかの理由で難を逃れ、
 ユニウスセブンを破壊された怒りでザフトに入隊。そして戦場で俺と再会………みたいなことに
 なったんだろうけど、不幸中の幸い…とは違うわな。犠牲者リストの中には
 『彼女』の名前もしっかりと載っていたよ」
「ミラー…」
『キラ』は何を言っていいのか分からず、言葉に詰まる。
「お前が俺を優しいとかって感じたりするのは、これが原因かな。
 自分ではもう償うことが出来ない過ちを、二度と繰り返さないようにしているつもりなだけだが、
 もしかしたら、そうすることで赦されようとしている自己欺瞞がどこかにあるのかもしれん…」
そう言って、ミラーは自嘲した。

「けど、理由が何であれ、お前が変に遠慮したりすることはないんだぜ?」
ミラーの複雑な笑みが、いつもの笑みへと戻っていく。
「大体な、俺は尻穴に興味あるような変態じゃないんだから、わざわざ野郎相手に
 優しくなんてしねーよ。気を遣ってやる相手は可愛い女のコ限定だ、俺は!」
照れ隠しのためか、ミラーは『キラ』の背中をばんばんと叩いた。
「ちょっ…いたッ、痛いよ、ミラー」
「ん…? ああ、ワリぃ」
ミラーは叩くのをやめると、話はこれで終わりというように言った。
「でも、そういうことだから、お前も下らないこと気にするなよな。
 仲間やダチと付き合うのに、そんなこと気にするヤツはいないんだから」
108ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 23:06:51 ID:???
「―――あ、いたいた。おーい!」
突然、背後から声が掛けられた。
振り向くとバスケットボールを持ったアウルが居た。
「ちょっとバスケやるから付き合えよ」
「ああ? お前、アビスの整備はいいのか?」
スカイグラスパーに乗り込もうとしていたミラーがアウルに聞く。
「別に必要ねーから。ミラーや『キラ』と違って、前の戦いで
 MSをぶっ壊すような間抜けなマネしてないし」
アウルが二人に向かってにやりと笑う。
「………おいおい、喧嘩売ってますか、アウル君?」
その一言を聞いて顔を引きつらせたミラーがアウルからボールを奪う。

「いいだろう。その態度をバスケで改めさせてやろうじゃないか」
「へっ、返り討ちにしてやるよ!」
アウルも挑むような目でミラーを睨む。
「よし、じゃあ行くぞ、『キラ』」
「えっ、あ、いや…僕はまだストライクの整備が…」
「あんな恥ずかしい話を俺にさせた罰だ。そんなもん後回しにして付き合え」
ミラーは『キラ』の腕を取ると、有無を言わせずそのまま引っ張っていく。

「なになに、恥ずかしい話って?」
耳聡く聞きつけたアウルがこちらを向く。
「別に何でもねーよ」
「何でもなくねーだろ。いいから何の話か聞かせろよ」
答えないことで興味が増したのか、アウルは更に食いついてくる。
「あー、お前らがバスケで勝ったら教えてやるよ」
仕方ないといった様子で、ミラーは言った。
「よーし、覚えてろよ、その言葉!」
「はいはい…」

―――そうだよね。
『キラ』は二人の様子を見ながら思った。
ミラーは過去のこともあって、自分はナチュラルもコーディネイターも気にせず生きていると言った。
確かにそうなのかもしれない。でも、そんなことはどうでもいい。
理由が何であれ、こうして“仲間”同士が普通に付き合っていければ、それだけで十分なのだから。

胸の内に暖かなものを感じながら、『キラ』は二人の後を歩いていった。
109ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 23:13:05 ID:???


ミネルバの甲板で、シンは独り夕焼けに染まった岸壁を眺めていた。
だが、目の前の光景は頭の中に入らず、考えているのは違うことだった。
シンが何となく頬に手を当てた。
背後の扉が開いたのは、頬にずきりと鈍い痛みが走るのとほぼ同時だった。
「どうしたんだ、一人でこんなところで?」
現れたのは、脳裏に浮かんでいた人物、アスランその人だった。
「べつに…どうも…」
アンタに殴られた時のことを考えていましたとはいえず、シンは言葉を濁す。

「貴方こそいいんですか? 色々と忙しいんでしょ、フェイスは?
 こんなところでサボっていても、よろしいんでありますか?」
「………本当に突っかかるような言い方しか出来ないヤツだな、君は」
言い掛かりをつけるようなシンの物言いに、アスランはあきれた口調で答えた。
「そんなに気に入らないか? 俺が復隊した事も、君を殴ったことも」
「別に…どうってことはありませんけどね! でも、殴られて嬉しい奴なんて居ませんよ!」

喋っている内に、段々と感情が込み上げてきて、シンは声を荒げて言い放つ。
「大体、この間までオーブでアスハの護衛なんてやってた人が、いきなり戻ってきてフェイスだ
 上官だなんて言われたって、それで「はいそうですか」って従えるもんか!
 やってること、目茶苦茶じゃないですか、あなたは!」
言い切ると、また殴られるかもしれないと思った。
だが、放った言葉は紛れも無くシンの本心であった。

「………それは、そうだろうな。認めるよ」
思いがけない返答だった。アスランは手すりに寄りかかり言葉を続ける。
「確かに君から見れば、俺のやっていることなんかは目茶苦茶だろう」
自分の意見をあっさりと認められてしまい、シンは逆に戸惑う。
「…だから、俺の言うことは聞けない。気に喰わないと………そういうことか?」
「あ、いや…」
戸惑うシンに、アスランは畳み掛けるように言う。
「自分だけは正しくて、自分が気に入らない、認められないものは
 全て、間違いとでも言う気か、君は?」

「そんなことは…ッ!」
―――自分はそこまで傲慢ではない!
シンはかっとなって言い返した。
アスランはそんなシンを正面から見据える。
「なら、あのインド洋での戦闘のことは? 今でもあれは間違いじゃなかったと思っているのか?」
その問いに、シンの中であの時のことが蘇る。
少年の叫び、母親の脅えるような視線がシンを責め立てるてくる。
だが―――
「―――はい」
シンは答える。間違っていないと思った。
あの時、彼らを守れたのは自分だけだったのだ。
例え、犠牲が出てしまっても、自分が戦わなければ彼らは…
110ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 23:14:29 ID:???
アスランは目を背け、再びシンに問い掛ける。
「オーブのオノゴロで………家族を亡くしたと言ったな、君は」
「『殺された』って言ったんです………アスハに」
シンは反抗的に言い返す。
「どうして、そう思う?」
アスランは背けた視線をシンへと戻した。そこには先程まではなかった感情が宿っている。
「どうしてって………だって、そうじゃないですか!
 国民を守りきる力も無いくせに、理念だの何だのを主張して、勝てない相手に喧嘩を売って!
 それのせいで俺の家族は…っ!」
頭の中にマユを腕だけにしたMSの姿が、激情と共によぎる。

「じゃあ、この前の君の戦闘は何だ?」
「―――えっ」
シンは息を呑む。
「守りきる力も無いくせに、自分の考えだけで戦って、それのせいで多くの人々を犠牲にした…」
アスランの言葉が、胸に一つ一つ突き刺さっていく。
「君の言うオーブの戦いと、この前の君自身の戦いとでは、何が違うんだ?」
「そ、それは…っ」
言い返すことが出来ない。確かに事実だけを挙げられると、
自分の戦いは――憎むべき――オーブのそれと何ら変わりがないように見える。

「だ、だったらあなたは、あの人たちはあのまま連合の支配下に
 居たままの方が良かったっとでも言うんですか!?」
「オーブはそう思わなかったから、あの時、連合と戦う道を選んだんだ」
その言葉にシンの心が猛った。
「そのためになら、俺の家族が犠牲になっても良かったとでも、アンタは言うのかッ!?」
「―――その言葉を、君は連合に従属させられていたあの人たちに言えるのか?」
アスランは静かに言い返した。
「ッ!!」
胸が言葉に締め付けられ、今まで以上に痛み出す。

―――言えるわけがない。
理不尽な暴力に巻き込まれ、何も出来ないまま全てを喪うことの辛さは、誰よりも自分が知っている。
そして、その哀しみは、どんな理由があろうと、救済があろうと癒えることは―――
「………すまない、意地が悪かったな」
心が不安で覆われていくシンに、アスランはぼそりと言った。
「…え」
「分かっているさ。君があの人たちを傷つけたかったわけじゃなく、救いたかったことは」
何かを思い出すように、彼方を見ながらアスランは語り続ける。

「二年前のオーブも同じだ。君たちを犠牲にしたかったわけじゃない。君たちも含めて、
 守りたいものがあっただけなんだ。………俺が言っても、言い訳にしかならないけどな」
アスランはシンに向かって頭を下げた。
「えっ、ちょっ、何を…」
「君たちを守れなかったのは、あの時、オーブで戦った俺たちの責任だ。済まなかった」
111ANOTHER PHASE-07 「Reason」:2006/06/20(火) 23:15:18 ID:???
「あ………」
言われて気付いた。確かにそうだ。
アスラン・ザラはオーブ攻防戦より三隻同盟に参加した“自分の家族を守れなった者たちの一人”だ。
だが――まだ短い時間ではあるが――彼と共に居て分かったことがある。
それはアスラン自身が言うように、二年前の戦いで彼らは決して自分の家族を殺したかったわけではない。
そんな人間ではないことは、一目見れば分かることだ。
二年前、彼らはただ自分たちを“守りきれなかっただけ”に過ぎない。
しかし、それが犠牲になった者たちにとって、何の慰めに―――

今まで自分が考えてきたことの全てが否定され、様々なことが絡みついて
混乱するシンを他所に、アスランは頭を下げたまま続けた。
「そんな俺が言うのもおこがましいとは思う。だが、聞いてくれ。
 例え、どんな正しい理由があろうとも、そこに“力”があるだけで多くの人々を巻き込むことになる。
 俺たちMSパイロットは、そのことを常に自覚していなければならない」
アスランは顔を上げて、シンをまっすぐな視線を注ぐ。
「俺たちはまたすぐに戦場に戻る。その時にそのことを忘れ、闇雲に力を振るえば、
 また多くの人たちを傷つけることになる。そうならないよう―――」

「そんなことはっ…分かってます!」
不安に駆られ、シンは怒鳴り返した。
オーブと自分が同じだのと、アスランの言った言葉を思い返すと腸が煮えくり返るような思いになる。
だが、それと同時に何か大切なことを自分に伝えようとしていることも感じ取れる。
「………なら、いいさ」
怒りと戸惑いの二つの感情がせめぎ合っているシンに、アスランはあっさりと言った。
「それさえ分かっていれば、確かに君は優秀なパイロットだ」
シンは思いもよらなかった言葉に目を見開く。
アスランはそんなシンの態度に微笑を浮かべ言葉を続けた。
「次の作戦の成功の鍵はお前のインパルスだ。頼んだぞ、“エース”」

そう言うと、呆然とするシンを置いてアスランはドアへと向かっていく。
が、途中で足を止め、背中を向けたまま言った。
「最後に先輩からの忠告だ。君の能力には期待しているが、それだけの人間にはなるなよ」
「は?」
何が言いたいのか分からず、シンは思わず問い返す。
「俺みたいな、戦うこと以外、何も出来ない人間には…な」
それだけを言い残し、アスランは去っていった。

「何が言いたかったんだよ、あの人…」
結局、アスランが何を言いたかったのか、シンには分からなかった。
だが、言葉では言い表せない何かが、胸の内に刻み込まれた気もする。
「それが何か、分かる日が来るのかな…?」
シンの呟きは、夕焼けの空に吸い込まれていき、誰も答えてくれなかった。

ふと気付くと、先日、アスランに殴られた頬の痛みは、いつの間にか消えていた。
シンはもう一度殴られた頬をさすり、夕焼けに染まった岸壁を眺めた。
112通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:26:44 ID:???
GJ!!!!!

つーかミナモトシズカさんは?
113通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:31:08 ID:???
いじめられてた子かもよwと言うかネ申GJ!!寝る前に良いものみれたぁw
114通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:31:15 ID:???
GJ!

>>112
きっと「彼女」がそうだったんだよ
115通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:46:51 ID:???
いや、素晴らしい。
ミラーさん、良い人や。
アスランもちゃんとシンと「会話」してるし。
まさに、GJ!

で、チラシの裏。
いや、しがない兵隊さんだし、種々の大人の事情はあるんだろうが……。
ミラーさん、あんた、なんでブルコスのファントムペインなんかにいるんだよ〜!! orz
116通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:56:10 ID:???
神GJ!
よい話でその上レベルまで高くて涙出そうやわ。

…ていうかこれ間違いなく死亡フラグですねミラー…Orz
マジでええやつだったのにオマイさん
ハイネに撃墜⇒ブチキレ『キラ』によるハイネ惨殺⇒アスランゴラァモード
って感じがビンビンに…
そのときは間違いなくここは追悼スレと化す…
117通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:58:31 ID:???
何でドラエモン?
急に興ざめしたよ。

アスランとシンの絡みのみはいいんだが。
118通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:59:40 ID:???
じゃあ>>117がいい名前を考えて来い
119通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 00:00:36 ID:???
神降臨GJ!!

>>117
そこは笑って流してやれ
120通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 01:00:05 ID:???
艦上の会話シーン…同じに見えて全然違うし。
シンの若さと、アスランの不器用さがすごく伝わってくる。GJ!

つかジャイアン鬼だな
121通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 01:05:47 ID:???
GJ!!


122通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 02:32:48 ID:???
あえてミラー=デキスギ君説を立ててみるテスツ
123通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 07:18:10 ID:???
神!今回も乙!
キラだけでなく「キラがファントムペインにいた場合の種デス全体」を書けているのが素晴らしい。
ミラーがすごい好きだ。勝手にラスティに似たような感じで脳内再生してるんだが、
神の中でミラーの容姿って決まってるんだろうか?
まあなんにせよGJです。
124通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 10:54:21 ID:???
GJ!!
FP側だけじゃなくてミネルバ側もちゃんと書いてくれてウレシイです。
キラもアスランもシンもちゃんと「会話」「対話」してるし。
いいな〜コレ放映しようよ。嫁の脚本じゃなくてさ。
125通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 13:50:10 ID:???
Phantom Painな
126通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 16:18:34 ID:???
急に廻されてきたスカグラに過去話…これなんて死亡フラグ?((((;゚Д゚))))
とりあえずイ`、ミラー!
127通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 16:53:14 ID:???
神なできなのは疑いようがない・・・。

・・・が、ドラえもんネタはどうかと思う・・・。
128通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 17:34:50 ID:???
おー新しいの来てた、、まあ本人さんが自分でダメだって言ってるからねー
しいて言うなら、ユニウスセブンの辺りだけでもかなりインパクトがあるから
ドラえもん云々の辺りは大幅カットでもよかったんじゃないですかね?
正直に言うと体験自体はよく使われる話ですし、長々と騙るよりは要点をさくっと言ってくれてもよかったです

アスランとシンのカラミはよかったな、、てか本編がダメすぎて、、アスランの存在意義が全くなかったからな、、

何はともあれGJです、これからも頑張ってください、ネタはほどほどにw
129通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 18:35:40 ID:???
ドラえもんは重要ww
いやいや、別のキャラでも確かに良かったんだけどわかりやすさ重視の方向で。

あと
「好きだった子がユニウス7で死んじゃってさ…」
よりも
「好きだった子を一度でも裏切った自分が許せなかった。でも、俺が謝ろうと思ったときには
 彼女は永遠に手が届かないところに行ってしまった。だから…俺はまだこんなところで戦っている」
の方が生き生きとした描写になると思われ。何でもまとめろって風潮は好かんなあ
130通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 19:01:07 ID:???
>>連中の誰かの腕でも捻り上げて、「やめてよね」
にワロタwwwそれどこのキラヤマトですか、ネ申wwww
ネタについては賛否両論だけど、まあオーブは和名多いからなー…
自分は別にドラえもんでもいいんじゃね?と思う。

しみじみ読むとネ申の散りばめてる本編のあれこれが面白くてしかたないw
なにはともあれ乙!次回も楽しみにしてるよ。
131通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 20:23:03 ID:???
実質ネ申ひとりにスレの存在意義がかかってるわけで。
お忙しい中、一銭の利益にもスキルうpにも関連しない娯楽に
情熱を投下してくれて、俺ら見てるだけだもんな。
そりゃ、毎回諸手をあげてマンセーするのもどっかの負債思考でイヤだけどw

神よ、今回もありがとう。
新話でもリベンジ改稿版でものんびりまってますから、
焦らず気楽にやって下さい。お体に気をつけて。
132通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 20:33:44 ID:???
むしろドラえもんで神が俺の唯一神になった
133通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 21:31:55 ID:???
ここでデキスギ君女性説を提唱するッ・・・!
134通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 22:10:50 ID:???
ドラえもんネタはてっきりオーブ流の「太郎君」みたいな
適当な名前の代表選手のようなものだと思ってたが…
135通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 22:27:59 ID:???
>>133
ちがうちがう、出来杉は不死身の女装ショタっ子だよ

……あれ?
136通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 22:40:55 ID:???
ドラえもんネタはミラーなりのジョークと解釈。
『キラ』がこの先いつか敵側に捕まった時の予防線込みで。
137通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 23:47:12 ID:???
>>135
某作品かw
ならゴウダ君は女だなwww
138通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 13:52:43 ID:???
なぜ…ミラーはPPに…血バレは明らかにブルコスが…

でもネ申だから気にしない
139通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 16:08:06 ID:???
保守
140通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 17:22:08 ID:???
あげ
141通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 19:07:35 ID:???
>>115
>>138
血バレが起きる前に地球軍に入ってるじゃん>ミラー
あとシンとアスランの会話はジエッジ風になっててヨカタ
142通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 20:05:29 ID:???
>>138
こっちの血バレには連合に少しは正当性があったんじゃね?
農業プラントに偽装して兵器作ってたとか(こんなことする理由がないけど)
143通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 21:42:50 ID:???
プラントの食糧の自給にダメージを与えるという意味はあるな。
144通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 00:45:23 ID:???
大量虐殺に正当な理由なんてあってたまるか
145通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 01:02:22 ID:???
>>142
>正当性
実はプラントで遺伝子改良された以外の農産物が全滅するウィルスの生産とかもくろんで核で打ち込まれた、だったりして……
146通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 02:38:07 ID:???
>>144
つ「鳥インフルエンザで養鶏場のニワトリさんたち大量処分」
147通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 03:09:30 ID:???
一部の軍人が暴走して撃ったんだっけ?
でも確かアレが起きたときは宣戦布告の後だから
あれも軍事行動の一つに入るんじゃ・・・
148通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 04:41:50 ID:???
ブルコスの将校が秘密裏にMA空母のルーズベルトに核ミサイルを搭載していた。
んであとはMAに乗せて発射であぼーん
149通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 07:03:44 ID:???
連合側では情報操作が行われてるってのは…流石に無いか。
前大戦の終戦調印もユニウスセブンで行われた筈だったしな。
150通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 10:59:18 ID:???
>>144
地球に対するNJ投下による死亡者数や被害者、被害額は血バレなんぞ比べもんにならんだろ。
151通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 15:45:48 ID:???
NJって一個で地球全部を蔽えるほど効果範囲広いんだっけ?
なんかどこかでそんな話を聞いたことがある気がするんだが
152通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 15:52:38 ID:???
ウィキペディアだと3基で地球全土を覆うって書いてあるな
153通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 20:15:04 ID:???
とりあえず種の設定がかなりいい加減なことはわかった
154通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 23:08:02 ID:???
血バレがプラントのジサクジエンだったら面白かった
利点なんぞ無いが
155通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 23:12:33 ID:???
クルーゼの謀略でよかったんじゃね。
156通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 23:49:13 ID:???
そんな設定のSSをいくつか読んだことあるな
157通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 23:49:15 ID:???
>>154
ナチュラル絶滅をたくらむコーディ過激派(裏ブルコスみたいなの)が共存派を粛清しようとした、とか?
158通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 23:53:54 ID:???
確かにパトリックが奥さん殺されて怒り狂ったな。
159通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 07:25:02 ID:???
奥さん思いのいい人だな。議長は
160通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 21:04:07 ID:???
しかし、公私混同は否めない。
161通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 23:09:14 ID:???
当時は議長じゃないだろ
162通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 00:41:12 ID:qS43pxaf
委員長だったよな
163通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 12:03:59 ID:???
いや、wiki見たが パトリックと奥さんの間は冷め切っていたらしい。
もとからナチュ殲滅とかの考えの持ち主で、血バレはナチュを滅ぼすのにいい機会としか考えなかったらしい
むしろ、血バレで影響受けたのはアスラン。
164通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 17:38:57 ID:???
>>163
wikiは当てにならん。
アスランは赤の他人とか書いてるがプラントでテロに合い
危機感を抱いたパトはアスランの身分を隠して月に留学させたり
情勢が悪化したからアスランをプラントに呼び戻したり息子の身を案じていたりする。
あとパト急進的なタカ派に変わり、茂と対立しだしたのは血バレ以降と設定にあったし。
165通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 20:02:25 ID:???
>>163
>パトリックと奥さんの間は冷め切っていたらしい。
そんな設定ねえよ。
166通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 20:03:27 ID:???
>>164
部屋に奥さんとアスランの写真も飾ってたしな
167通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 21:58:48 ID:???
結論
議長はツンデレ
168163:2006/06/27(火) 22:33:03 ID:???
うお!wikiって当てにならんのか。
スマソ

そっか。パトはツンデレだったのか…俺的にもそっちの方がいいな
169通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 22:54:20 ID:???
憶測で申し訳ないが
アスランを月にやったのは奥さんと二人きりの時間を増やしたかったためじゃないだろうか?
種終盤の親子の確執をみると
妻>>>>>>アスラン
というかんじがするんだが。
170通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 23:20:03 ID:???
>>169
奥さんも一緒に月にやってるのにか
171通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 23:48:12 ID:???
浮気相手を家に呼ぶためだったりしてw
172通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 01:07:32 ID:???
まあ最後の方で机から落ちて割れた写真とか
クルーゼに撃ってもいいか聞かれた時動揺してるのを見る限り
アスランのこともそれなりに気にかけてたんじゃね?
173通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 01:50:48 ID:???
アスランとレノアはパトが身を案じて月に住まわせて
パトはディセンベルの代表だが、最高評議会の仕事でアプリリウス。
プラントに戻ってからレノアはユニウスセブンで研究していて血バレで死亡。
アスランが好きだったロールキャベツはレノアが研究して作ったやつ。
まぁアスランの初恋はカリダみたいだからカリダが作ったから好きだったらしいみたいだけど。
パトは戦争の気運が高まってきたのを心配してプラントに戻って来いと
レノアとアスランにずっと言い続けたりしているいい親父。
カリダもレノアと親友でよく相談してたし
コーディの親ってことでプラントに行きたかったみたいだが
ハルマがオーブいくべってことでヘリポに移住。
174通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:10:52 ID:???
カリダってキラの義母だよな?
175通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 02:44:00 ID:???
育ての親→養父母
婚姻相手の親→義理の父母

キラの場合におけるヤマト夫妻は養父母。
つまりカリダはキラの「養母」と言うべし。
176通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 05:55:36 ID:???
ハルマと仕手は、あの情勢化でプラントに行けば必然と戦争に巻き込まれる可能性は極めて高い。
それに、ハルマもキラの出生の秘密を知っているはずだからプラントを選べず、アスランの親父が鷹派だった事も、ハルマがヘリオポリスを選んだ理由の一つだろう。
177通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 14:39:21 ID:???
とりあえず種シリーズで自分の子供や伴侶に愛情が無かったのは
アル・ダ・フラガ(ムウパパ)ぐらいじゃないですかね(除くアストレイ)
ザラ夫妻もヤマト夫妻も愛情はあったと思いますよ。
ザラパパは落ちてガラスが割れた写真立て、デスクに置きなおしてるし。
178通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 14:50:02 ID:???
パトが急進派の急先鋒となったのは血バレ以降。
ハルマがオーブを選んだ理由はプラントよりもナチュ・コーディが共存していたから。
ただオーブ本国だとカガリと接触する可能性もあり、
ウズミには会わないと言っていたから資源衛星だったヘリオポリスに移住。
オーブが中立宣言を行ったのはヤマト一家が移住した後。
あの情勢下はテロなどが月面で起こってただけでプラントはまだ比較的安全。
カリダは>>173が言ってるようにプラントに行きたかったみたいだし
あの当時だとナチュでもパスさえあれば普通にプラントに入国できてた時代。
血バレ以降一気に会戦へと突き進んだ。まぁ血バレ以降もパスあればプラントに入国できるけどな。
179通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 14:52:22 ID:???
パトリックも最初はシーゲルと同じ目的で突き進んでたやつだし
最初からあんなデストローイじゃないし。
180通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 15:10:20 ID:???
カリダはキラのおばさん
181通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 16:52:59 ID:???
>>177
ユーレンもそうじゃない?
まあ愛情が行き過ぎて最高の〜にしたのかもしれないが。
182通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 19:31:44 ID:???
>>181
ヴィアが子どもに愛情注いでたのは分かるんだが、ユーレンは判断が難しいな
なんとなく、『最高のコーディネイター』がほしくて、そのために息子を利用したようにも取れる
183通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 19:56:54 ID:???
>>182
息子を『最高のコーディネイター』にするのが目的だったんじゃないかと思う。
失敗作を山ほど作ったけど、生き残ってんのはカナードだけだし。
184通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 20:36:02 ID:???
>>183
息子が成功する保証もなかったわけだが
確かキラが成功したのって、偶然の産物じゃなかったっけ?
だからそれ以降、最高のコーディネイターは存在しないわけだろ
まぁ、研究者の死亡もあるのかもしれないが
185通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 20:38:08 ID:???
>>168
wikiは設定とかを元に書いてるからある程度は信用できるが
適当なことも書いてるからソースとしては信用度0

例えば、エザリアがザラ派No.2になれるのはパトの愛人だからとか書いてた。
186通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 20:44:02 ID:???
>>158
パトリック最高萌え
187通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 20:50:22 ID:???
パトリックは種最萌えキャラ
188通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 21:29:33 ID:???
>>184
親父のセリフだと研究はほとんど完成してたっぽくないか?
ほぼ確実に成功すると分かってたから自分の子供で実験したんだろ。
189ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/06/28(水) 23:05:53 ID:???
『キラ』は修復の終わったストライクのコックピットである作業をしていた。
凄まじいスピードでキーボード上を踊っていた『キラ』の指が止まる。
「ふぅ」
プログラムを打ち込んで、そっと息をつくと、そのままエラーがないかを確認する。
「………よし」
モニターに走らせたプログラムを見る限り、エラーは見当たらない。
あとは実際にこのプログラムをシステム上だけではなく、機体全てで行った時に
どうなるかだが、それは開けてのお楽しみといったところか。

尤も、上手くいかなかった時は、自分の撃墜に直結しかねないと思うと、
楽しみなどとはとても言えないが。
予定していた作業を終えて、シートに背中をもたれ掛けると、
開け放しにしておいたコックピットに、誰かの顔が覗かれた。
「何してんだ?」
ミラーだった。暇そうな表情をした同僚が、コックピット内を覗き込んでくる。

「ん? ああ、ちょっとストライクのパワーアップをね」
殊更に隠すことではないので、『キラ』は素直に教えた。
「ぱわーあっぷ?」
ミラーはコックピットから顔を出して、周りをぐるりと見回す。
「………別にドリルは付いてないようだが?」
「システム周りに手を加えたんだ」
「ボケてんだから突っ込めよ」
ミラーの切なげな声を無視して、『キラ』は説明を続ける。

「パイロットの操縦に対する機体の反応速度の上昇と、
 出力の増加を行うプログラムを組み込んだんだ」
「反応速度の上昇?」
どういうことだとミラーは首を傾げる。
「うん。パイロットの操縦と、それを機体が実行に移すまでのタイムラグを縮める設定を
 施したんだ。この前の戦闘でやり合った赤い機体は、カオスとかのデータを見る限り、
 恐らくは白い新型もだけど、速度では完全にストライクを上回っていた。それに
 対応するための、せめてもの手段に…ってね」
「う…ん? よく分からんが、100M走じゃ負けるけど、反復横跳びなら勝てる…みたいな感じか?」
「まぁ、そんな感じ…かな。目的地に辿り着く競争なら負けるけど、
 屈んだり振り向いたりの動作なら、こちらの方が俊敏に動けるってことだよ」
190ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/06/28(水) 23:07:43 ID:???
「じゃあ、出力の増加っていうのは?」
ミラーはもう一つの処理についても質問をする。
「うん。この前の戦闘で、ザフトのエース機にストライクは速度だけでなく、パワーでも
 劣ってたから、それに負けないよう、相手と同等の力を出せるように出力値を上昇させたんだ」
「あー、そういや戦闘記録を見たら、サーベルの斬り合いになったら、
 あっさりと押し負けてたもんなぁ、ストライク」
なるほどといった風にミラーは頷く。

「あれ? でもそれならよ、そんな強化が出来たんなら、最初っからそうしておけば―――」
「勿論、機体強化にはそれなりの代償を払う必要があるからね」
『キラ』は苦笑を浮かべて答えた。
「反応速度、及びに出力の増加は、駆動系や関節部は当然のこと、機関部への
 負担も大幅に増やすことになる。俊敏に動けても関節部の磨耗は著しいものになるし、
 出力の増加で敵と力の比べあい…例えば、サーベルで鍔迫り合いしても、
 そのまま共倒れになるより先にこっちの機体フレームにガタが来る。
 その上、バッテリーの喰い方が酷くなるから、プログラム実行時の
 ストライクの稼動時間はとんでもなく少なくなってね…」

『キラ』はやれやれと肩を竦めた。
「ソフトウェアに対して、ハードウェアの方が追いついてないんだ。
 だからといって敵と同じLVのMSはないからね。与えられたものでやり繰りする他ないよ」
「それで…勝てるのか、連中に?」
実際に戦ってミネルバの力を思い知らされているミラーは、不安げな表情になる。

その気持ちは『キラ』にも分かった。
少しくらい小細工を施したところで、ザフトの新型機相手ではストライクの不利に変わりは無い。
しかし、あの敵と渡り合えるのは自分しか居ない現状では
「…何とかやってみるさ」
そう答える以外、『キラ』には何も出来なかった。
191ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/06/28(水) 23:08:41 ID:???
<―――『キラ』、聞こえるか?>
突然、通信機から声が響いた。
『キラ』はコックピットのモニターに通信相手を映し出す。
「大佐?」
モニターに映し出されたのは、上官である仮面の将校だった。
<作業中、すまんな。今、軍本部から連絡があってな………ガルナハンが、堕とされた>
「ガルナハンが!? あそこには結構な設備があるって話じゃ…」
一緒に聞いていたミラーが驚きの声を上げる。

そんなミラーをよそに『キラ』は淡々と口を開く。
「………ミネルバの仕業ですね?」
<…御名答>
画面の中のネオは『キラ』の問いに頷いた。
<どうして分かった?>
「いや、陽電子砲の網を潜り抜けられるような技量を持つパイロットは、
 あの赤い新型くらいしか思いつかなかったんで」
さらりと答える『キラ』に、ネオは苦笑いする。

<俺も最初に聞いた時は同じ事を思ったが、残念ながら陽電子砲を堕としたのはヤツじゃない。
 合体する白い新型………確か、名前はインパルスだったけな? そいつの仕業だ>
「白い新型………アレが?」
予想だにしなかった答えに『キラ』が驚きを露わにする。
<ああ、基地が陥落する前に持ち出したデータに、映像で残されていたから間違いない>
やれやれという風にネオは頭を振る。
<そんな強敵を追わなきゃならん任務に就かされている身としちゃ、
 頭の痛くなる話でなぁ…>
「その気持ちは分からなくもありませんが… で、用件はそれだけじゃないんでしょ?」
仕方ないといった感じで、ネオと同様に苦笑を浮かべた『キラ』は先を促す。
<ああ、ガルナハンのこともあって、ミネルバ絡みで簡単な任務が一つ届いてな―――>

ネオから告げられた内容を聞いて、『キラ』は確かに簡単だなと思った。
新しい任務は戦闘ではなく、ディオキアに向かったというミネルバを、
自身たちの眼で確認するというものだった。
192通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 23:10:10 ID:???
リアルタイム乙。
うむ、メカ話に任務、正に新章突入って感じだな。今から続きを期待しておくぜ。
193通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 23:28:28 ID:???
神Gjm(__)mイヤーこれで、AAに近付いてきたね
194通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 23:49:31 ID:???
神GJ!
しかしほんとミラーはステキキャラですねw
パワーアップでドリルとは…そういえばCE世界にドリル持ちいたっけ?
まあプラモの制約による新型投入より旧型を限界まで酷使する姿に燃え
こんなキラだったら全然違う話だったんだろうな種ってやつぁ…
195通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 23:56:59 ID:???
>>194
ロウ専用キメラにドリルがくっ付いてる。
196通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 23:57:49 ID:???
GJっす

>>194
ドリルはロウ専用キメラについてた希ガス。ものすごいマイナーだけど
197通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 00:05:59 ID:???
かぶった…すまん
あとはオリジナル仕様のドムトルーパーもたしか持ってた
198通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 00:18:00 ID:???
>>188
俺の聴いた話じゃ、失敗が続いたために最後の書けとして自身の子どもに手を出した
あの時点では成功の保証はなく、だからこそヴィアも涙ながらに反対していた
幸運にもキラは成功したものの、それは偶然の産物で、実用化できる成功ではなかった

ってことだったんだが・・・デマだったのかね
199通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 00:29:56 ID:???
GJでした!
>>198
少なくとも最初は自分たちの子供を使うつもりはなかったと思った。
クローンも失敗して資金援助は完璧になくなっただろうからそれであってそうな気がする。
200188:2006/06/29(木) 00:48:19 ID:???
>>198
いや、俺も確信があって言ってるわけじゃない。
ただ、無印45話で
ヒビキ「私の子だ。最高の技術で最高のコーディネーターとするんだ」
このセリフから成功することを確信してるのかなと思っただけ。
混乱させてスマソ
今見てみたらヒビキ焦り気味だな。
201通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 01:01:33 ID:???
>>198-199
ユーレンは最初は設計通りに子供を生み出そうとしていたみたいだが
途中からクルーゼが言うように他者より上にの感覚で自分の子供を
最高の技術で最高のコーディにしたがっていたから
最後の賭けじゃなくそれなりの確証があったと思われる。
最初は双子だったからカガリまでスーパーコーディにしようとしたみたいだが
ヴィアに対する罪滅ぼしと愛情からカガリの受精卵だけヴィアの体内に戻した。

完全なクローニングには失敗したが資金援助は続いてた可能性が高いが
CE46にクローンを依頼され、CE68にバイオハザードでGARMR&Dが倒産するまで
続いてることからアルだけがスポンサーじゃないだろう。
まぁぶっちゃけクルーゼが幼少の頃に殺してしまったし
アルがクローニングに失敗したかどうかわからんと思われる。
202通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 01:08:44 ID:???
お前ら設定議論のしすぎはスレ寿命にかかわるぞ
203通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 02:02:42 ID:???
gjですた、こういうやりくりしてる感がほしかったよなあ、、そんな要素が微塵もない本編に絶望です

ここは神が自分の好きなように、面白く、壮大に、ネタは少々で作っていくって感じ?
ではでは、またです
204通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 08:50:54 ID:???
俺はネタも好きだ。むしろミラーが好きだ。
キラとのコンビも和む。本編でもキラには兄弟や恋人や前戦の仲間とかでなく、普通の友達としてつきあってくれる奴いればよかったのにな。
            

つまりは神、GJ。
205通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 10:44:38 ID:???
ディオキアでキラとミリアリアの再会絡みは有る?のだろうが?。
206通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 17:46:38 ID:???
シン、アスランとの絡みにも期待
でもアスランはキラが操縦してるってわかったらまたうだうだしそうだ
207通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 00:47:11 ID:???
うだうだ悩んでこそアスランだよ。はなから割り切るなんてアスランらしくないじゃないか
208通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 01:39:33 ID:???
俺の中では
黒いストライク→ストライクノワールになりつつある
209通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 21:57:30 ID:???
ミリアリアとはディオキア基地での偽ラクス(ミーア)のライブコンサートで基地のフェンスで、アスランとは迷子に為ったステラを見付けた時にを期待。
210通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 23:23:51 ID:???
あげ
211通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 00:23:57 ID:???
ノワールストライカーはエースパイロットへ配布ってか?
212通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 11:20:37 ID:???
ミラーのノワールグラスパーが活躍するんですね?
213通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 13:51:30 ID:???
エールからIWSPへの空中換装がみたい。
214通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 17:24:08 ID:???
エールは時代遅れの型落ち機で現在はジェットが主流だけど。

まぁそこであえてエールを持ってくるのも燃えるがな!
215通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 17:25:31 ID:???
キラ「くそっ!エネルギーがもうもたない」
ミラー「キラ!新型のストライカー持ってきたぜ。その名もノワールストライカーだ!換装するぞ」
キラ「わかったよ」

換装後

キラ「もうお前たちの好きにはさせない!ノワールストライク、キラ・ヤマトいきます!」
216通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 06:50:41 ID:???
シン「そんな、レーザー誘導無しで」
ハイネ「くそ、なんて奴だ」
217通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 20:37:48 ID:???
キラ「ノワールストライカーにはこんな使い方もあるんだ!」
218通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 13:31:39 ID:???
神待ちあげ
219通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 01:58:53 ID:???
>>215
細かいことだが、『キラ』だ。
だが、燃エス
220通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 02:37:49 ID:???
(´-`).。oO(ストライクノワールって何?・・・なんて訊けない)
221通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 03:09:37 ID:d8hz7vmc
外伝のスターゲイザーに出てくるMS
なんてことは死んでも教えない。
222通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 08:38:27 ID:???
>>215-217

いや、あえて「ノワールストライク」というのが燃えるな。キラらしいというか、
しかし、無印29話の時にスカグラから「ボルト・アウト」みたいな描写があったから

「レーザーで誘導しなくても、超電磁で代用が効くんだぜ!マニュアル野郎が!!」
と啖呵きるミラーの勇姿が浮かんだのですがwww
223通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 12:26:25 ID:???
換装してもフェイズシフトの色は変わらないのかな?
224通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 22:51:49 ID:???
基本的には変わらん筈。
まぁこっちのストライクも黒いけど
225通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 12:02:09 ID:???
ストライクノワールってアンカーついてるんだよな
226通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 14:15:48 ID:???
ほしゅ
227通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 14:21:58 ID:???
hosu
228ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/09(日) 23:32:46 ID:???
それを目の当たりにしたミリアリア・ハウが、最初に覚えたのは違和感だった。
<みなさぁーん! ラクス・クラインでーす!>
フェンスの向こう側――ディオキアのザフト軍基地――に、
MSの手に乗った『ラクス・クライン』が空から降り立つ。
プラントきっての歌姫を迎える歓喜の声に手を振りながら、
『ラクス』はザクの手の上の特設ステージで歌い始めた。

―――やっぱり、おかしい。
歌と歓声と拍手に沸き上がる慰問コンサートを目にして、ミリアリアは再度そう思った。
先の大戦の後、ジャーナリストなったミリアリアは、その職務を果たすべく
ディオキアを訪れていた。目的は、ディオキアに慰問で立ち寄った
『ラクス・クライン』の姿をフィルムに収めること。
ブレイク・ザ・ワールドと呼ばれるユニウスセブンの一件にて、プラントと地球で
再び戦端が開かれた今、さかんに活動している『ラクス』は、かつての戦いの
功績もあってジャーナリストならずとも注目を集める存在であった。
そして、そこにミリアリアが覚える違和感があった。

大戦を終えオーブに亡命していたラクス・クラインが、
世界の危機に際して表舞台へと還って来る。分からない話ではない。
分からなくはないのだが―――
「何かが…違う?」
二年前の彼女を実際に知っている身には、今、目の前に居る
『ラクス・クライン』から受ける印象は随分と変わったような気がする。
そう、まるで別人のように―――

その違和感が何かを確かめるべく、ミリアリアがもっと『ラクス』の姿が
見える場所に移ろうとした時だった。
「きゃっ」
「うわっ」
視線を基地内に向けたまま後ろ向きで歩いたせいで、
ミリアリアは他の観客とぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさいっ」
ぶつかった相手の方を向いて、慌てて謝る。

「…ってーなぁ!」
が、ぶつかった相手――端正な顔立ちをした少年だったが、
それに似つかわしくない汚い言葉で――は尻餅をついたまま文句を口にする。
「謝って済むくらいなら、戦争なんてもんはいらね―――」
「おい、アウル」
怒りを露わにしようとする少年を、傍らにいたもう一人の少年が止めに入った。
「んだよッ、スティング!」
「いい加減にしろ。もう時間だ」
スティングと呼ばれた少年は、少し離れた場所に停まっている車を顎で指す。
それを見たアウルという少年は「ちっ」と舌打ちをして、車の方へ向かっていった。
229ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/09(日) 23:34:15 ID:???
「すいません、礼儀のなってないヤツで…」
その様子を見届けると、スティングという少年は慇懃に頭を下げた。
「い、いえ…私の方こそ………」
ぶつかった少年とは正反対の丁寧な態度に、
再びミリアリアは慌てふためき、同じ様に頭を下げる。
「いや、アイツもこちらも余所見をしていましたから… 兎も角、すいませんでした」

少年はもう一度頭を下げると、仲間の少年の後に続いて車の方へと歩いていった。
「………ふぅ」
―――いけない、いけない。
取材対象に夢中になって、周りを疎かにしているようじゃ駄目だわ。
ミリアリアは頭を軽くこずくと、荷物を抱え直した。
そして、少年たちが行った方をちらりと見て、
別の場所へ移ろうとした時、それは聴こえてきた。

「―――何かあったの?」
「………?」
先程の少年たちが居る車の方から聴こえてきた声に、
ミリアリアは僅かな引っ掛かりを覚える。
「別にッ、何でもねーよ、『キラ』!」
―――えっ!?
続いて聴こえてきたアウルという少年の不機嫌そうな声に、ミリアリアは思わず振り向いた。
まさか、そんな筈は―――そう思いながらも、記憶の中から蘇ってきた声と、
『キラ』という単語、その二つがミリアリアを惹きつけた。

だが、振り向いた時には、少年たちの車が走り去っていくところだった。
「待って!」
無駄だと思いつつもそう叫び、同時に首からぶら下げていたカメラを構えシャッターを切る。
ミリアリアは車が見えなくなると、ゆっくりカメラから顔を上げた。
「今のは………」
ほんの一瞬のことだったので、今のを上手く写真に収められたかどうかは自信が無い。
しかし、ファインダー越しに覗いた運転席の人物は―――
「………キラ…なの?」

かけがえのない、そして二度と会うことのない―――そう思っていた友人、キラ・ヤマトの姿だった。
230ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/09(日) 23:35:10 ID:???


「やれやれだな」
コンサートの喧騒が届かなくなった辺りで、助手席のスティングは吐き捨てるように言った。
「ホント………なぁんか楽しそうじゃん、ザフト」
後部座席のアウルが背を仰け反らせながら応じる。
「………………」
車を運転している『キラ』は、二人の会話に言葉を挟まなかった。
ミネルバがディオキアに入港しているという情報を確かめるために、わざわざ
ここまで赴いたが、頭の中は目的のミネルバよりも、あそこで見た人物のことで埋め尽くされていた。

―――ラクス・クライン。
心の中でそっと呟く。
その名は“知識”として知っている。かつての戦争の終結に力を尽くしたプラントの歌姫。
しかし、その名にはそれ以外の何かがあるように、心の一部が訴えかけてきている気がする。
だが、先程、空からMSに乗って降り立った少女には、心が訴えかけてくるようなものは
感じられなかった。そして、そのことを深く考えていると、行き着く先は先日、
オーブの砂浜で見かけた―――

「―――おいっ、『キラ』!」
突然、助手席のスティングが身を乗り出してハンドルを切る。
いつの間にか車線をはみ出していた車は、僅かな差で対向車を躱して
元の車線へと戻っていく。クラクションを鳴らす対向車が遠ざかっていくと、
スティングは怒鳴り声を上げる。
「何処を見てるんだ、この馬鹿ッ!」
「ご、ごめん… ちょっと考え事をしてて…」
「考え事だぁ?」
スティングが怒りの入り混じった視線で、胡散臭そうに見つめてくる。

「はん、どうせこの前の戦いでボロ負けしたことでも考えてたんだろ」
そんなやり取りを見て、後ろのアウルが楽しそうに口を挟んできた。
「チッ、冗談じゃないぜ…」
下らない悩みが原因で、他人の事故に巻き込まれるなどご免だなどと、
スティングはぶつぶつと不満げに呟く。

全くだ―――『キラ』は心の中で自嘲しながら思った。
ミネルバを見に行ったのに、別の事柄に心を囚われるなどどうかしている。
何故なら、そんな余裕が今の自分たちにあるわけがないのだから。
『キラ』は先程まで考えていたことを胸の内から消し去り、きっと前を見据えた。

ミネルバがそこに居る。
それは新たな戦いが間近に迫っている事実を、『キラ』たちに告げていた。
231通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 23:54:11 ID:Txfk3ebr
?きたー
232通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 23:59:34 ID:???
お疲れ様です、いつも楽しみにしています。
233通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 00:06:47 ID:???
キラとミリアリアとの接触キター!!
乙です!!
234通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 00:22:05 ID:???
GJっす!
たまんねっす!!!
235通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 00:27:01 ID:???
時間ない中乙かれさま!
次楽しみにしてる
236通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 01:31:36 ID:???
超乙でさぁー
237通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 02:05:45 ID:???
…なんでこれが正規の種死じゃないんだろう?
…なんでこれが色鮮やかに脳内で動画再生されるんだろう?

神Gj!

…そういやここも昔はSSS程度の投稿がちらほらあったよな…
やはり神の後光の前に皆自主規制か…
神テラスゴス…
238通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 03:08:10 ID:???
W´∀`)GJすぎてブラウザがみえませんです!!!!
おれも脳内でカラー再生されてるwwwwww
239通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 03:30:32 ID:???
GJです!!

それにしても、すごい鮮明に脳内再生されるからどこかで見たことあるような錯覚に陥るんだが…
次回も楽しみにしてます
240通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 17:05:44 ID:???
まとめサイトトップ用の画像を作ってみた
http://turibori.net/sup/300k/src/up2123.jpg
241通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 17:09:16 ID:???
>>240
グロ乙
242通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 19:03:23 ID:???
神GJ!
相変わらず凄い面白い・・・神スゴス・・・

>>237
俺の中じゃもはやコレが正規の種死・・・いや種運命になってるw
243通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 19:10:33 ID:???
>>240
お前、相変わらず下手糞だな、せめて人物の切り抜きぐらい満足に出来るようにしてから貼れよ・・・
244通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 20:13:20 ID:???
>>243
下手糞なんて・・・
         .。::+。゚:゜゚。・::。.        .。::・。゚:゜゚。*::。.
      .。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。   。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウワ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
  。+゜:*゜:・゜。:+゜                   ゜+:。゜・:゜+:゜*。
.:*::+。゜・:+::*                        *::+:・゜。+::*:.
245通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 21:11:57 ID:???
>>244
生`
246通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 21:15:27 ID:???
GJ! です。
これが正規なら、絶望しないですんだのに・・・
247通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 23:04:06 ID:???
きてたー
ネ申乙
248通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 07:10:07 ID:???
神GJ!!

ミリアリア出てきて、新展開の予感…
期待です。
249通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 13:19:43 ID:tB+03jA5
ちょいとあげますぜ
250欲を言わせて:2006/07/11(火) 16:57:24 ID:???
貰えば、キラが単身デュランダル議長の部屋に忍び込んで、デュランダル議長と一対一で対峙しているところに、オーブとロゴスの関係を知りたいシンがデュランダル議長担当警備兵が倒れているのを見たシンが、部屋に突進して発見したキラと格闘戦になる。
↑のを期待したいです。
251通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 18:01:01 ID:???
>>250
日本語でおk
252通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 18:06:57 ID:???
>>250
例えば、キラが単身デュランダル議長の部屋に忍び込み、一対一で対峙してるところを、
オーブとロゴスの関係を知りたくて部屋に来たが議長の護衛が殺されていて、
急いで部屋に突入しその場で発見したキラと殺し合いになる
                       といった展開を期待しています。

っていう意味でおk?
253通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 18:07:55 ID:???
>>250
例えば、キラが単身デュランダル議長の部屋に忍び込み、一対一で対峙してるところを、
オーブとロゴスの関係を知りたくて部屋に来たシンが議長の護衛が殺されているところを発見し、
急いで部屋に突入しその場で発見したキラと殺し合いになる
                       といった展開を期待しています。

っていう意味でおk?
254通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 21:16:25 ID:???
GJだ
神の話は、続きはどーなんの!?
ってワクワク感がたまんねぇ
255通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 21:20:24 ID:???
ちょっとおまいら聞いてくれよ。
ちと知人とこに出す一発種死のSS書こうとストーリーを思い出していたんだが、
どうしてもユニウスセブンから黒ストライクが消えないというか、嫁同人Verが思い出せないんだ。
レビューサイトとか見てもなんかいまいち信じられないというか…
オレはどうしてしまったんだろう。
256通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 21:57:20 ID:???
あれだ、種死には黒ストライクは出てこないぞ。黒ストライクは種運命の主役機だから
257通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 00:59:25 ID:???
ストライク!!!!


ってのが好きだった。
いや、微妙にスレ違いぽいが…
258通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 01:10:50 ID:???
今更だが、毎回毎回ガチで面白いのが凄いな。

『キラ』と種キャラのニアミス楽しみにしてるんだが、今回のは特にドキドキしたw

保守以外ROMに徹してたのに思わず書き込んでしまった…
次回にwktkしつつ、またROMに戻ります

今回も神マジGJ!!!!
259通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 13:51:58 ID:???
保守
260キラルナ:2006/07/13(木) 20:45:45 ID:???
キラとルナ、或いはメイリン、ヴィノ、ヨウランと言ったミネルバクルーとの絡み合いも見たいですね。
261通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 20:48:50 ID:???
まぁ、ストーリー的にはいらないがな
262通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 21:11:20 ID:???
>260
某スレ住人の生き残りか?
263通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 04:14:55 ID:???
キラとルナが一言会話すれば勝ち組みたいな
涙ぐましいスレがどっかにあったな(放映中)
264キラルナ(実況中):2006/07/14(金) 06:28:08 ID:???
『キラ』「は〜あ、ステラは何処にいるんだ?。スティングとアウルの二人からも未だ、見付かった連絡がないしな〜」
ルナ「あのー、誰かお探しですか?」
『キラ』「…え、あ、…実は迷子になった妹を捜していまして」
ルナ「…どんな子ですか?。写真か何かありませんか?」
『キラ』「……、実はこんな子でして、どこかで見掛けませんでしたか?」
ルナ「あら、中々、可愛いらしい妹さんですね!。でも見ませんでしたわ」
『キラ』「ハ〜ア、そうでしたか。解りました!。どうも申し訳ありませんでした」
ルナ「いいえ、あ、そうだわ私、今日一日中暇なので宜しければ妹さん捜しをお手伝いをさせて下さい」
『キラ』「あ、でも」
ルナ「気にしないで下さい。私が、好きで決めた事ですから」
『キラ』「……解りました!。それでは御協力をお願いします」
ルナ「(ニッコリ)はい(フフン、私がその気になれば男の一人や二人、引っ掛ける事が出来るんだから)」
『キラ』「ん?、今、何かおっしゃいました?」
ルナ「いいえ(結構この人地獄耳だわ)」
『キラ』「…じゃあ、この車<オープンカ>の助手席に乗って下さい」
ルナ「はい」

ヨウ「あれ、あそこにいるのはルナじゃないのか」
ヴィ「本当だ」
メイ「…お姉ちゃん」
265通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 09:15:08 ID:???
ルナやメイリンはともかく、なんで敵の艦の整備士と?需要あるのがびっくりだ
266通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 22:55:18 ID:???
さげ
267通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 23:05:23 ID:2Yzp01s+
あげ
268通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 12:31:07 ID:???
神を待とうぜ。保守
269通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 09:29:52 ID:???
神待ち。保守
270ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/17(月) 22:44:11 ID:???
「済まない、待たせてしまったかな?」
「いえ、自分も今来たところです」
部屋に現れたデュランダルにレイはそう答えた。
グラディス艦長を始め、ミネルバのMSパイロットたちと会食した後、
レイは彼らとは別に一人でデュランダルの部屋を訪れていた。
「アスラン・ザラの様子はどうでしたか?」
部屋を訪れた用件の前に、レイは気になっていたことを尋ねた。
デュランダルは先程までラクス・クライン――の偽者――と共に、アスランと会っていた。
「予想通りだったよ。彼はアークエンジェルの行方は知らないそうだ」

「それは事実でしょうか?」
「ああ、間違いないだろう。嘘偽りを口に出来るような器用な人間じゃないよ、彼は」
デュランダルは微苦笑を浮かべながら、封書を取り出した。
「…議長、それは?」
「君にここに来てもらった理由だよ」
レイはデュランダルに「渡すものがある」と言われ部屋を訪れていた。
一体それに何が―――そう考えるレイに、デュランダルは封書を手渡す。
「中を見てくれたまえ」
レイは封書の中身を取り出した。

「これは…」
中から出てきたのは紙の束だった。一番上には
「イアン・リー…?」
連合の軍服を着た男の写真と、氏名、生年月日といった詳細なデータが記載されている。
「ボギーワンの…正式な名称はガーティ・ルーだったかな。その部隊員のデータリストだよ」
「あの強奪部隊のデータリスト…? それが一体…」
「見てくれれば分かるよ」
言われるままにレイはデータに目を落とす。

「ところで、ミネルバの方はどうかな? ………ああ、それを見たままでいい」
顔を上げて答えようとするレイを制して、デュランダルは質問をする。
「議長のお考え通りの成果を上げていると思われます」
言葉に甘え、レイはデータを見ながら質問に答えた。
「インパルスにセイバーの働きに因るものが大きいのかな?」
「はい、シン・アスカ、アスラン・ザラの両名は見事な働きを見せています」
「ほう…?」
その発言にデュランダルは興味深そうに耳を傾けた。
271ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/17(月) 22:45:30 ID:???
「特にシン・アスカの成長は目覚しいものです。
 流石は議長自らがインパルスのパイロットにしただけのことはあるかと。 
 しかし、アスラン・ザラの方は………戦果自体は赫々たるものがありますが、
 二年間のブランクのためか、戦闘中に僅かな躊躇いが見えるような気も…」
レイは今までのアスランの戦闘記録を思い返しながら言った。
彼の今までの戦闘には、コックピットを射抜けるところで躊躇するような、敵を堕とす
確実な機会を、あえて見逃しているようにさえ見られる部分が多々あった。
「しかし、シンは勿論、アスランの働きも確かです。問題があるようには…?」

「実はだね、そのアスランとシンに、今、君が見ているデータと深い関わりがあってね」
「え―――」
デュランダルの言葉が気になり、レイは思わず彼の方を見ようとした―――が、
その時、目に入ってきたものに動きを止められた。
「な…ッ!?」
捲られていく紙の束から現れた一枚の書類。
そこにはレイの『息子』の姿があった。
「問題はその次だ」
だが、デュランダルは注目すべき点はそこではないと、先を促す。
レイは心を動揺させたまま、デュランダルに言われた通りに紙を捲る。

「―――!?」
最後に現れた書類には、声を発することさえ忘れてしまった。
かつて『自分自身』が命を賭し、地獄への道連れにした筈の『兄弟』がそこに記されてた。
「ギ、ギル………これは…?」
レイはもう一人の『自分』が殺した仇敵たちの存在に頭が混乱させられ、
いつの間にか口調が素の状態へと戻っていた。
「見ての通り………君の『親類』だよ」
デュランダルはフッと笑う。
「君の動揺も理解出来るつもりだが、問題は彼ら………いや、
 あのスーパーコーディネイターがミネルバの前に立ちはだかるということだ」
呆然としているレイに諭すように、デュランダルは言葉を続けた。

「今のままなら計画通り、ミネルバが新たなる英雄となるのに何の支障もない。
 …が、彼が敵となるなら話は別だ。その戦闘力も然ることながら、
 存在自体が厄介な人間だからな、彼は。シン・アスカが家族を喪った要因であり、
 アスラン・ザラのかつての戦友。そんな者が対峙する敵だと分かった時、
 彼らの働きに何らかの悪影響が出ないとも限らない」
デュランダルは困ったものだと呟き、レイの眼を覗き込むようにして言った。
「そこでだ。君にこのデータを預けることにした。
 彼の存在…『キラ・ヤマト』のことをあの二人に教えるか否かは
 現場の判断で決めてもらいたい。何も言わずに戦わせるのも良し、
 彼のことを教えて上手く扇動しても良し。君の好きなようにして構わない」

そして、最後にプラント最高議長はこう話を締め括った。
「…無論、君自身の手で、人の欲望から成るその螺旋に、終止符を討つのも…ね」
272ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/17(月) 22:48:40 ID:???


『キラ』は一人、ディオキアの街を歩いていた。
軍港にミネルバが入っていることを上に伝えると、
翌日――つまり今日は――自由に行動していいと返信がきた。
恐らくは、敵の居場所が分かったのなら、すぐそこに迫った戦いへの英気を
養えとでもいう軍上層部のありがたくも迷惑な温情だろう。
あのミネルバの連中を相手にするには、一日やそこらの休日を
もらったくらいではとても足りないというのに。

「けど、どうしたものかな…」
だからといって折角の休日に閉じこもるのも何なので、こうして街を出歩いているのだが、
ステラたちは別行動を取っており――多少、心配ではあったが、スティングが
ついているなら問題を起こしたりしないだろう――特に何かしたいことも見付からなかった。
「いっそのこと、一人でこのまま何処か遠くへ―――」
―――行ってしまおうか?
空を眺めながら、そんなことを考える。が、すぐにやめた。

研究所で仕込まれた様々な技能を駆使すれば、
痕跡を残さずに街から姿を消すことも出来よう。
だが、逃げる場所などどこにも存在しない。
地球上の全てにブルーコスモスのネットワークは敷かれており、その網から
姿を隠し続けるのは不可能で、裏切り者であると同時に敵であるコーディネイターとして、
一生、連中から追われることになる生活など送りたくもない。
監視の目が恐いのなら宇宙のプラントにでも逃げ込めばいいが、
この二年間に自分が犯した罪は、彼の地を同胞たちの住まう場所から
自分を恨み憎む者ばかりが住む土地へと変えてしまったので、逃亡先には成り得ない。

―――結局は、現状のままブルーコスモスの忠実な狗として
生きていく他に道はないということか。
そんないつもの結論が出た時だった。前方から数名の男女………というか、
赤毛の少女に複数の男がまとわりつくようにして騒ぎながら歩いてくるのが見えた。
「―――っ!!」
「…ッ……!」
よくは聞き取れないが、雰囲気から察するに
赤毛の少女が男たちに絡まれているように窺える。
「やれやれ…」
こんな場面に出くわしてしまったのだからしょうがない。
「女の子には優しく」という男として当然の心構え――と、上官二人に教わったもの――を
実践すべく、『キラ』は赤毛の少女の方へと近付いていった。
273ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/17(月) 22:54:39 ID:???


―――今日は厄日だわ。
それがルナマリア・ホークの偽らざる気持ちだった。
ミネルバがディオキアに入港し、久し振りに地へと足をつけられ、それがラクス・クラインの
慰安コンサートに重なるという幸運に遭遇し、更にはプラント最高評議会議長
ギルバート・デュランダルとの会食という、ザフト軍人ならずともプラントで生活する者なら
誰もが夢のように思ってしまう素敵な一日を過ごしたその翌日は、最低のものとなっていた。

まずは朝っぱらから憧れていた歌姫と尊敬すべき上官の生々しい一面を見せられ、
それだけでも十分にショックだったのに、追い討ちをかけられる様にアスランからは
空気を読めていない言葉をかけられ、極めつけは、そんなことで折角の休日を
台無しにしたまま終わらせるのも何だからと、一人寂しく街に出向いてみれば
「―――暇ならさぁ、俺らと一緒に遊ばない?」
こうしてナンパ男共に声をかけられる始末。

「ったく、ホンッとロクでもない…っ」
いらついた心の赴くままに言葉を漏らすが、まとわりついてくる男たちには聞こえなかったようで、
なおも自分たちと遊ばないことがどれほど勿体無いことかと懸命に訴えかけてきている。
私用で出掛けて揉め事は起こしたくないと、湧き上がってくる怒りを必死に抑え付けていたが
こうも絡んでくるというのなら、そろそろ実力行使に出てこの馬鹿男たちを排除してもいいだろう。
「―――いい加減に…ッ!」
そう怒鳴りつけようとした時だった。

「ごめん、遅れちゃった?」
「―――は?」
突然、別の方向から声をかけられた。
見ると、自分と同年代の青年が不自然そうな笑みを浮かべて立っていた。
ナンパ男たちも呆然と見ているから、連中の知り合いではないだろう。
「渋滞に巻き込まれちゃってさ… 遅刻のお詫びにお昼は僕が奢るよ」
そう言って青年はルナマリアの手を取って歩き出そうとする。
「えっ、あの、ちょっと…」
まさかこれって―――そうルナマリアが疑問を浮かべるのと同時に、
ナンパ男たちが青年の肩に手を置いた。
274ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/17(月) 22:56:10 ID:???


「おいおい、兄ちゃん。それはベタ過ぎるってもんじゃないか?」
「な、何が…?」
青年はどきりとしたような表情で男たちを振り返る。
「今時、そんな方法で女に声かけるヤツは居ないぜ?」
男たちはにやにやとしながら言った。
―――やっぱり、そうよねぇ?
ルナマリアも心の中でこっそり同意する。
恐らく青年は、ナンパ男たちの下から自分を助けようとこんな真似をしているのだろうが
幾ら何でもこんな少女マンガくらいでもなければお目にかかれないやり方で
どうにかしようなど、間が抜けているとしか言いようが無い。
まぁ、少なくともこのナンパ男たちのアプローチに比べれば、何億倍もマシではあるが。

「変に出しゃばったりすると怪我するぜ? ここらで引っ込んでおかないと―――」
しかし、同意したのは青年のやり方についてだけで、
この頭の悪そうな連中についていく気などは更々無い。
「アンタたち、ふざけるのも…ッ!!」
男の手が青年の襟元へと伸びる。
それを掴もうとルナマリアが手を伸ばすが、その手よりも早く青年の手が男の手首を掴んだ。
「…おっ?」
予想だにしなかったことに、男がきょとんとした顔になる。
青年はそんな相手に向かって静かに言った。

「やめてよね」
「―――ッ!!」
瞬間、男の顔が苦痛に歪み出した。
青年が掴む男の手首からは、微かにではあるが何かを押し潰すかのような音が聞こえてくる。
やがて男が膝をつき、周りの連中も異常な事態に気付いて
困惑の表情を浮かばせると、青年は掴んでいた手をパッと離した。
「分かってくれたかな? じゃあ、行こうか」
そう言ってにっこりと笑い、再びルナマリアの手を取った。
男の手首を掴んだ時を思い出し、ルナマリアは身体をビクッと緊張させたが、
相手は自分の手を柔らかく包み込むように握っていた。

そうして二人はナンパ男たちを背にし、街中へと歩いていった。
275通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 23:01:20 ID:/yjxQo/+
神キターーー!!!!!GJ!!
276通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 23:15:00 ID:T6oFuvPS
今作はここまでか?
なんにしてもGJ!
早く続きが読みたい…
277通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 23:26:52 ID:???
「やめてよね」に吹いた。
さすがキラさん
278通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:01:37 ID:???
神キタコレ
279通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:03:25 ID:???
神キタコレ!
キラとルナに何のつながりが・・・と思ったら、そうか、赤毛か・・・今まで思いつかなかった俺アホス
280通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:41:41 ID:???
GJ!!!!!!!
281通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 02:26:37 ID:???
神キター!!

GJ!!!
282通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 02:49:09 ID:???
やめてよねキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
こういう日常風味パートもいいもんだなあ。
283通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 08:23:35 ID:???
キラルナキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
やめてよねキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!

キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
284通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 09:06:09 ID:???
キラルナキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
やめてよねキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!なんてレスやめてよね
285通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 09:25:28 ID:???
キラに惚れそうだ
キラルナにはまりそうだ
286キラルナスレ住人:2006/07/18(火) 11:06:56 ID:???
俺達は…勝った!!
287通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 12:40:57 ID:???
真剣に読みました!、GJ過ぎるぜ神!!!
288キラルナ:2006/07/18(火) 13:18:46 ID:???
GJGJ!!!!!。
289キラルナ:2006/07/18(火) 13:33:22 ID:???
キラルナデート中にミリィとバッティング!な〜んて事にならなければ良いのだけれど…。

あ、嵐の前触れの予感。
290通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 13:48:16 ID:???
ちょwww本当にキラルナwwwwwwwww
291通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 16:32:05 ID:???
ダメ死ではラストの数分しか接点なかったキラルナキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!
しかし赤毛・・・その手があったか・・・神GJ杉w
てかほんとGJ杉だよ神・・・

「やめてよね」は素で吹いたwww
292通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 17:15:02 ID:jLCY7hIC
ここでルナをコーディだから殺すんだよな
僕は殺したくなんてないのにー ってな感じで
293sage:2006/07/18(火) 17:16:17 ID:jLCY7hIC
sageれてなかったスマン
294通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 18:02:28 ID:???
この時点じゃルナがコーディだってことはキラにはわからんだろ
295通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 18:45:56 ID:???
キラルナ厨、嬉しいのはわかったからモチツケ
296通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 18:45:58 ID:???
>>294
あの髪は普通じゃないだろ
297キラルナ:2006/07/18(火) 18:47:31 ID:???
イッケーェ!。一気に『月の女神・ベルリン』編に突入じゃーあ!。
「そんな、うそよ、キラ貴方が黒いストライクのパイロット、黒い死神の正体だなんて」
「うそじゃないよルナ。黒いストライクのパイロットは僕だよ!」
「いやーあ、嘘だと言ってキラー」
ルナマリアは信じたくはなかった。全市が燃え上がるベルリンの惨状の片棒を担いだ男が、自分の身を抱いた愛しき男キラだとはルナマリアは信じたくはなかった。


ちょっと暴走をしてしまいました。
ごめんなさい。
298通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 18:53:13 ID:???
3.定期的にミネルバ・AAに死人を出せる。
 (相手がキラじゃしょーがない。)
299通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 18:54:18 ID:???
         _、_
      .(;^ω^)\
      | \ / \√|    
      ( ヽ√| ` ̄
      ノ>ノ  ̄
      レレ   ((

さすがの俺でもそれは引くわ
300通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 23:49:25 ID:???
続きを読む為に必要な事は何かな?
…、そうだね!
プロテインだね!
301通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 19:07:45 ID:???
なんか変な流れになってきたが…
神に期待だw
302通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 23:06:25 ID:???
このスレにもカプ厨いたんだな
303通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 23:13:11 ID:???
とりあえずZみたいに人が死にまくるんだよな
304通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 00:24:20 ID:???
>>303
それが戦争というものです
意図したもの、そうでないものも含め、人が死なない戦争など今まで一度たりとも起こってきませんでした
305戦争の本性:2006/07/21(金) 00:43:48 ID:???
10億人と20億人が殺し合いをして、双方共に10億人ずつが死にました。さあ勝ったのはどちらでしょう。
306通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 03:13:11 ID:???
うーんとぉ……
10−10=0で20−10=10だからぁ……


はい!先生!!勝ったのは最初に20億人いたほうだと思います!!!
307通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 11:38:52 ID:9X43+UMY
は〜い!どっちも負けだと思いま〜す
308通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 12:40:48 ID:???
でも実際戦争って、人を殺すより死なない程度に怪我させてしばらく戦えないようにした方が余計にダメージを与えられるんだよね
治療費も兵士一人を生産する費用も、馬鹿にはならないから
309通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 15:05:03 ID:???
>>308
その考えによりできた兵器が「対人地雷」・・・
310通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 22:40:00 ID:8qQn8QmN
しかし今はそれを撤去する物が必要
311通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 22:40:44 ID:FhA6HxKF
という事はキラ様はそれが目的で不殺を・・・。
312通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:23:34 ID:???
ageんなよ
313通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 14:09:00 ID:???
>>308
後、怪我したことででる後遺症の恐怖による士気の低下も目的のひとつ
314通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 01:24:22 ID:???
神乙!
315通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:42:33 ID:???
>>311
ただしMS戦の場合、たいていの場合中のパイロットは負傷しないという現実
316通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 10:12:15 ID:???
しかし、エアー漏れで中のパイロットは酸素欠乏症になる罠
317通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 21:14:47 ID:???
機体が大破し、海に墜落して脱出後に人食い鮫に襲われて、食い殺される事もあるでしょうね。
318通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 21:29:44 ID:???
そもそも海に落ちたら水圧で脱出できなくなる罠
319通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 21:40:20 ID:???
そういや、達磨にされた本編アスランはどうやって帰還したんだ?
320通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 21:52:05 ID:???
ジエッジではインパルスに回収されてたが…
321通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 22:11:52 ID:???
早ければ明日あたり降臨の予感
322通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 12:53:39 ID:???
↑の発言は当たるのかwktk
323通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 20:52:11 ID:???
>>315
スーパーロボットのはずのダンガイオー(三体合体のほう)なんて
終盤、吹っ飛ばされただけで流血、自分の技で流血してたのにな。
324通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 12:11:42 ID:???
>>321
残念だったな
これでも飲んで元気出せ

つ‘まずい’プロテイン
325通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 19:56:15 ID:???
おお振り厨乙
326通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 22:51:08 ID:???
なんか下痢で一週間も寝込みそう。
327通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 23:58:07 ID:???
まー、
気長に待とうぜ
328通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 00:41:00 ID:???
ユニバース!!
329通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 10:07:30 ID:???
>>321
つ「三馬鹿が飲んでたアレ」
330通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 10:52:34 ID:???
諸君らが期待した>>321の予言ははずれた!何故だ!?









坊やだからさ…(  ̄ー ̄)o旦
331通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 11:21:23 ID:???
忙しいんだろうな…まぁまたーり待ってる
332通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 21:06:07 ID:???
>>329
αグリュプタンだっけ?
333通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 22:03:57 ID:???
>>332

つγ-グリフェプタン
334通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 23:14:55 ID:???
γ−グリフェプたん(;´Д`)ハァハァ
335通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 23:18:27 ID:???
ヤク中乙w
336ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/28(金) 01:34:47 ID:???
「あの、そろそろ手を離してくれません?」
「へっ?」
すぐ隣から声をかけられ『キラ』はハッとなる。
見ると、男たちに絡まれていた赤毛の少女が憮然とした表情で自身の手と、
それを握り締めている『キラ』の手に視線を送っていた。

「あっ………ち、違っ…じゃなくて、ごめん!」
見知らぬ少女と手を繋いでいるという構図に気付き、『キラ』は慌てて手を離した。
あのやり方で男たちの元から目の前の少女を連れ出すには必要なことだったとはいえ、
見ず知らずの人と手を繋ぐという行為に気まずさを覚え、『キラ』が言い訳をしようと
考え込んでいると、少女が口を開いた。
「それとも、さっきの連中と一緒でナンパ目的か何かなんですか?」
「えっ…?」
「悪いですけど、私、そういうのに興味ありませんから!」

―――何ともまぁ…
『キラ』は少女の予想だにしなかった対応に呆然とする。
別に礼を言われたりするのを目的に助けたわけでもなかったが、逆に文句を
言われるとは思いもよらなかった。変な連中に絡まれていた気が立っているのは分かるが、
まさかこんなことを言われようとは。最初に目についた赤い髪が印象深く、
そこから『彼女』のことを思い出してしまったが、まさかこういう時の気の強さまで似ているとは―――
「―――って、何をにやにやしてるんです!?」
「うわっ」
目の前に顔を突き出し、少女が怒鳴り声を上げた。

「やっぱりロクでもないことを目当てに…」
「い、いやっ…今のは違くて、その…」
「違うって言ったって、実際、変な風に笑ってたじゃないですか!」
徐々に少女の眉の形が危険なものへと変わっていく。
「君が…その、知っている人に似ていたから…」
そう、自分はこの少女が誰かに似ていると思った。
怒鳴られた勢いに掻き消されてしまったが、確かにその誰かを頭に思い浮かべていた。
337ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/28(金) 01:38:27 ID:???
『キラ』はその誰かが誰なのかをはっきりさせようとした―――かったが、
眼前の少女がそれを許してくれなかった。
「『知ってる人に似ている』? やだ、何そのベタな女を誘う時の台詞!」
赤毛の少女は、先程までの鬱憤を晴らすかのような勢いで言葉をぶつけてくる。
「そういうのじゃなくて、本当に知っている人に似てたんだって!」
多分と『キラ』は心の中で付け加えながら、
少しだけこのやり取りが楽しくなってきているのを感じていた。
戦場のことなど何も知らない子供のように、暴力ではなく言葉で人と触れ合う。
たったそれだけのことが、この世界に存在する全てのものよりも
素晴らしいことのように思えてしまう。

そんなことを思った影響だろうか?
「―――そんなに言うんだったら、ちょっと、本当に付き合ってくれない?」
などと言ってしまったのは。
「………へ?」
目の前の少女は目を丸くして『キラ』を見つめていた。



一応は助けてくれた相手であり、本当にお昼を奢ってくれるらしく、仮に相手が
良からぬことを考えていても、コーディネイターの、しかも軍属である自分なら
どうとでも対処のしようがあると考え、思わず誘いに乗ってしまったが―――
「―――じゃあ君は、その先輩に振られて、独りで街を歩いてたんだ」
「べっ、別に振られたわけじゃないわよ!」
やはり誘いに乗ったのは―――いや、そもそも一人で
街に出掛けたのが失敗だったのかもしれない。
ルナマリアは今日何度目になるか分からない溜息をついた。

ナンパ男たちに絡まれたところを助けてくれた男に誘われ、
どうせやることもないからと男について行くことに決めた。
そこまでは問題なかったが、会話の切っ掛けにと、どんな経緯であんな場面に
至ったかを話し始めたら、いつの間にか随分と詳しい内容までも口にしてしまったらしい。
「けど、そういうことじゃないの? それとなく誘いをかけたのに、
 けんもほろろに断られたんでしょ?」
自分が道化っぽいことになってるところまで話してしまったことに、
後悔の念を覚えるルナマリアに青年の容赦ない言葉が降りかかる。

「た、確かにそうだけどッ、鈍い人だから単に気付かなかっただけじゃないかもしれないじゃない!」
まぁ、どうせ再び会うことはないだろう―――ルナマリアはそう考え、
このある種の恥辱プレイも今だけと思い、青年相手にその話を続けることにした。
「ちょっとでも気のあるコに誘われたら、普通の男は断らないけどなぁ…」
しかし、即座に心折れるような言葉が返ってくる。
「ふ、普通の男じゃないのかも…」
「えぇ、“あっち”系の人だったりしたらもっと駄目だと思うけど」
「ぐっ…」
338ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/28(金) 01:42:47 ID:???
もっともなことばかりの青年の言葉に、ルナマリアは反論の余地がなくなっていく。
「ま、そもそも相手が彼女持ちじゃ仕方ないんじゃない?」
そして、止めの一言が告げられた。
「………やっぱり、そうなの…かな」
「ん?」
今までムキになって言い返していたのに、それまでとは違う反応を示されたのが意外だったのか、
青年はからかいの表情を消してルナマリアの顔を正面に見据える。
「こん…恋人の居る人に、何かを想うのって、駄目…なのかな?」
「………………別にいいんじゃない?」

「え…」
ルナマリアが沈んでいた顔を上げると、そこには先程までとは違って、
目を細めて優しげな顔をした青年が居た。
「こうだから諦めなきゃいけない、ああだから妥協しなければならない…
 …なんてことはしなくても」
そう言って青年は空を見上げた。
「…何か、実感こもってるね」
「まあ、こう見えても色々と悩みがあって…ね」
青年は微苦笑を見せる。
何となく、そのどことなく寂しさな笑みがかもす雰囲気が、
アスラン・ザラのそれと似ていると、ルナマリアは思った。

その後は話題を替え、他愛も無いことを話していたら、いつの間にか夕暮れ時になっていた。
「―――って、もうこんな時間!? そろそろ戻らなきゃっ」
何気なく見た腕時計に印された時刻に、ルナマリアが驚きの声を上げた。
何だかんだで青年との時間は、自分にとって
時が経つのも忘れるくらい楽しいものとなっていたらしい。
「じゃあ、お開きにしようか」
青年もポケットから携帯電話を取り出し、時間を見る。

「うん、ちょっと名残惜しいけど… 色々とありがと! 楽しかったわ」
「別に大したことはしてないし、こっちも楽しかったら礼はいいよ」
ルナマリアの言葉に青年は笑顔で応じる。
「それじゃあ…私、こっちだから―――」
「ちょっと待って」
歩いていた方向とは違う方向に行こうとするルナマリアを青年は呼び止める。
「なに?」
「君の携帯にカメラ機能ってついてる?」
手にしていた自身の携帯電話を見て、青年が言う。
339ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/28(金) 01:44:48 ID:???
「そりゃあ、それくらいの機能はついてるけど…」
「ちょっと、カメラ機能の状態にしてくれない?」
ルナマリアは言われた通りに携帯をカメラ機能の状態にし、
青年が貸してと手を広げているのでそこに渡すと―――

   カシャリ。

「あっ」
青年がルナマリアの肩を抱き寄せたかと思うと、瞬時にシャッターを下ろした。
「これで良し」
そして、すぐに青年は身体を離す。
「ちょっ…何するのよ!?」
「デートの記念にツーショット写真を………っていうのは冗談で、
 ちょっとさっきの君の話を思い出してね」
「?」
何のことか分からず、ルナマリアは首を傾げる。

「気になる先輩が居るって話。戻ったらその写真を見せてみたら?
 『街でナンパされちゃいました』って」
「ええっ!」
ルナマリアはおどけた顔の自分と、微笑を浮かべる青年が映った画像に目を落とす。
―――これをアスランに見せる?
「だっ……そんなことしたら、余計に…ッ!」
「そうかな?」
頭を横に振って否定するルナマリアに、青年は言い聞かせるようにして言葉を続ける。
「僕の先輩が言ってたんだけど、今まで自分に付きまとってたコが、
 急に違う人になびいたりすると、それまで何とも想ってなかったそのコが
 急に気になりだしたりするんだってさ」
「別に、今まで彼に付きまとっていたりは…」
していないと、ルナマリアがごにょごにょ呟く様子を見て、青年は肩をすくめる。
340ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/28(金) 01:46:40 ID:???
「まぁ、使う、使わないは君に任せるよ。
 ただ、ちょっとこういう『普通』のことがしてみたくてさ」
そう言う青年の顔には、再び少しだけ哀しみが彩られた笑みが浮かんでいた。
「それじゃあ、僕はこっちだから」
青年は手を上げて、ルナマリアに背を向けた。
「ま、待って!」
儚げな笑顔が気になり、ルナマリアは思わず青年を呼び止める。
青年は顔だけこちらを振り向いたが、肝心のかける言葉が思いつかない。
何か言うべきことは―――

「あっ…そういえば、あなたの名前は?」
色々と話した――自分の所属などには関係しないことばかりだったが――のに、
互いの名前は聞いていないことをルナマリアは思い出した。
「………『キラ』って、仲間は呼ぶよ」
青年は少し間を置いて答えた。
「君は?」
「私は…皆には『ルナ』って呼ばれてるわ」
「そう………それじゃ『ルナ』、今日は楽しかったよ」
『キラ』は体ごと振り返り、手を差し出す。
「私もよ、『キラ』」
ルナマリアはその差し出された手を握る。

「それじゃあ、今度こそ…」
「うん…」
二人は同時に手を離し、互いの背を向き合わせた。
「じゃあね、『キラ』。余計なお節介も程々にね」
「さよなら、『ルナ』。君も今度からは変な男たちに引っ掛からないように」
ルナマリアと『キラ』は互いの笑い声をそれぞれの背に受け、
自分たちの居場所へと帰っていった。

   帰る先が、同じ“戦場”であることも知らずに―――
341ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/28(金) 01:52:16 ID:???


「…急な休みも悪くないかな」
街中で偶然出会った少女と別れて暫くしてから、『キラ』は呟いた。
変な成り行きによる出会いだったが、久し振りに心から楽しめた時間を過ごした気がする。
自分がそこら辺に存在しているただの十代のような気持ちが味わえたのは、
所詮は幻想に過ぎないと分かっていても心地良いものだった。
そんな感傷のせいか、自分の居場所に戻りたくないことを示すように、
心なしゆったりとした歩みで帰路についていると携帯電話が鳴り出した。

「もしもし?」
<『キラ』か!?>
「スティング?」
電話の向こうの相手はスティングだった。
「どうしたの?」
<どうしたって………そうだ! お前のところにステラは居るか!?>
スティングは慌てた様子で聞いてくる。

「いや、居ないけど………というか、ステラはスティングたちと一緒じゃないの?」
<それが… 海が見たいって言うから、ステラを海岸に一人にしておいたら…>
「まさか…居なくなったの!? ッ…どうしてステラを一人に!?」
口を濁すスティングに『キラ』は怒鳴った。
<今までなら、海を見ていればじっとしていたから、大丈夫だと思って…
 俺だってこんなことになるとは…ッ!!>
スティングも負けじと怒鳴り返してくる。

「くっ… 兎に角、僕も探す! 最後にステラが居た場所は!?」
彼らだけにしたことを後悔しながらも、今はステラを探すのが
先決だと『キラ』はスティングに場所を問い質す。
「―――分かった、すぐいく! スティングたちも探しておいてくれ!」
それだけ告げると『キラ』は電話を切って駆け出した。
スティングたちに文句――の一つや二つでは納まらないが――を
言ってやりたいところだが、それよりもステラの行方の方が心配だ。
まずはステラを見つけ出すことが先―――

「―――うわっ」
「うおっ」
どすんと肩に衝撃が走る。考えながら走っていたせいだろう。
前から歩いてくる人に気付かず、思いっきり肩をぶつけてしまった。
「す、すいません!」
一応は謝ってから、『キラ』は再び走り出そうとした―――が、
その肩を後ろから掴まれた。
「あの、今は急いでいるので………ッ!?」
面倒くさいと思いながら、後ろを振り向くとそこには見た顔があった。
342ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/07/28(金) 01:53:21 ID:???
「よお、兄ちゃん。探したぜぇ」
昼間『ルナ』に絡んでいた男たち―――に更に数名の男を加えた集団がそこに居た。
風体から察するに、あまり品の良さそうな連中ではない。
こんな集団が考えそうなことといえば―――
「お前、そんなしょぼいヤツにやられたのかよぉ」
新たに加わった面子の一人が『キラ』の肩を掴んでいる男にからかう様に言った。
「五月蝿えぞ!」
肩を掴んだ男は相手に怒鳴り返してから、『キラ』に語りかけてきた。

「兄ちゃん、昼は世話になったなぁ。ちょっと“お礼”がしたいんだが、付き合ってくれるか?」
言葉と共に掴まれた肩に痛みが走る。
『キラ』は相手たちを見回し、やっぱりかと心の中で溜息をつく。
―――意趣返しか。
衆目の前で恥をかかされたことを不快に思い、
こうやって仲間を集めて復讐にやってきたらしい。
「なぁに、時間は大して取らねえからよ。ちょっと来いよ」
それだけ告げると、男は『キラ』の肩を掴んだまま歩き出した。
仲間たちもそれを囲むようにして歩き始める。

「………………」
―――結局はこれか。
もう一度、『キラ』は心の中で溜息をついた。
急な休みを予期せぬ出会いで楽しく過ごせたと思ったら、最後の最後でこれだ。
ステラが居なくなり、頭の悪い連中には絡まれる。
所詮、自分のような人間にはそんな不幸だけがお似合いということか。

   ―――だったら、それに相応しい行動を取るまでだ。

「………別に付き合うのは構わないけど、用事があるからさっさと済まさせてもらうよ」
ステラが居なくなったのは問題だが、こいつらに関しては
連中も言うように大したことではない。それどころか、戦場に戻る前に
緩みかけた気持ちを引き締める準備運動にさせてもらおう。
なに、こんな連中が相手なら痛めつけても、痛めつけ過ぎたとしても、
誰も気にすることはないだろう。

「はん!」
仲間達に囲まれて強気になっているのか、男は『キラ』の言葉を鼻で笑った。
それのせいで男は気付かなかった。『キラ』の表情がさっきまでの
“ただの十代の若者”のそれから、冷たく暗い戦意を瞳に灯した
誰からも恐れられる“戦士”としてのものに変わっていたことを。
343通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 01:53:58 ID:ww2diaqN
うわぁ。リアル。
344通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 01:59:18 ID:???
乙です。
いや、マジで次が楽しみでしょうがない
本編見てる時の倍くらい続きが気になる
345通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 02:00:15 ID:???
画像を見た禿のリアクションが気になる…
346通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 02:03:47 ID:???
すげぇ
職人さん乙!
347通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 02:05:07 ID:???
神GJ!
キャラが生きている…動画再生音声付で種の補完ができるなんて…

しかしルナとの絡みは…この写真のためだったか!!
アスラン悩みモード発動キター!
ミリアリアにも写真とられてるからAAにも画像行くし…
うわ、ますます楽しみだよ…
だからどうしてこれが本編じゃないんだ…
先が読めるようで読めないのがたまんねえ…
予想を裏切り期待を裏切らないってやつだぁ

なんでプロの作品のクセにアマ以下(ry
348通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 02:07:54 ID:???
神GJ!
見てもいないシーンばかりなのに、
脳内で構成されていく・・・。
349通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 02:15:22 ID:???
このスレのROM数は異常
350通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 02:17:02 ID:???
・・・お前ら実は種好きなんだろ?
351通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 02:26:31 ID:???
神GJ!!!!
「キラ」と「ルナ」か…なかなかおもしろいペアでした。
次回も期待して、待ってます
352通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 03:12:58 ID:???
>>350
「ガンダムだから」というだけでダラダラ見ていたのを後悔していた
このスレを見るまではな!
353通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 03:18:15 ID:???
>>352
じゃあなんでこのスレを開いたんだ?
キャラクターに魅力でも感じてパロディが見たくなったのか?
354通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 03:36:55 ID:???
料理人が考えなしに適当にぶち込んだせいで、出来上がったものは産業廃棄物になったけど、
元の素材は悪くないからな。
まともに使えばそれなりに旨くなる。
355通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 03:41:37 ID:???
産業廃棄物 ( ゚д゚ )ウマー
356通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 04:42:05 ID:???
本編の裏でキラルナがこんな面白い展開になるとは…
作者氏GJ!
357通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 05:41:19 ID:???
写真を見たデコスケがどんな反応を示すのか…。
あー、気になる。
358通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 06:38:34 ID:wrpuOMOC
みぃー上げた空 悲しみの♪
359通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 06:39:14 ID:???
( ゚д゚ )
360通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 11:10:26 ID:???
写真はルナがどのタイミングで凸に見せるのか・・・だな
361通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 12:51:27 ID:???
恒例の『キラのお持ち帰り』はないのだろうか?。
362通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 14:01:29 ID:???
神GJ!
なるほど写真か・・・これでアスランにってことっすね。
しかし、戦闘もないのにこんなに面白くするなんてなぁ・・・もし神が本編の脚本だったなら・・・
では次回も楽しみにしています、神GJ!!
363キラルナスレ住人:2006/07/28(金) 20:29:10 ID:???
ついに俺達の時代がキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
364通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 20:59:41 ID:???
>>363
別にカップリング小説って訳じゃないし。

騒ぐんなら帰ってくれ。
365通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 21:08:11 ID:???
まあまあ。あからさまなカプじゃなくても、ちょっとした関わりにカプを見出すからこそ萌えるわけだし。

だが騒ぐのは勘弁してくれな。とりあえずキラルナスレでどうぞ。
366通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 21:43:45 ID:???
こんな状態で終わるわけがない
きっとキラがルナを殺すはずだ
367通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 01:08:09 ID:???
>>366
んで遺品ということでルナの携帯を見たアスランが驚くわけか。
368通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 01:18:21 ID:???
キラとルナがステラとシンみたいになったりして
まぁルナの技量じゃ厳しいと思うが・・・
369通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 05:50:46 ID:???
神GJです!!

この何とも言えない感覚はなんだろう…
次回も楽しみにしてます!
370通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 16:08:44 ID:???
素直にオモシロイGJ
371もしかしたら:2006/07/29(土) 21:38:57 ID:???
ルナに戦死フラグが建ったのだろうか?……。
372通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 22:02:02 ID:???
>>371
とりあえずsageれ
373通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 00:25:59 ID:???
ルナ追悼age
374通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 07:53:07 ID:???
シンを?庇ってルナマリアが戦死して。んで、メイリンのフレイ様化が始まる。
「シンは死ぬの、戦って戦って死ぬの。でなきゃ赦さないんたがら」
375通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 13:58:46 ID:???
髪の毛をツインからポニーにしてかww
376通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 14:56:35 ID:???
お前ら…神が本気にするからその辺にしとけwww
377通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 16:27:55 ID:???
そして写メを見たメイリンがキラに惚れるわけですね
378通常の名無しさんの8倍:2006/07/30(日) 16:29:32 ID:???
そして写メを見たメイリンがキラに掘られるわけですね
379通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 17:03:12 ID:???
そしてキラが「あれ?知ってる人よりも少し胸が小さい・・・」と言うんだなw
380通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 19:40:50 ID:???
むしろない。
381通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 19:50:00 ID:???
いや これはあるあるwww
382通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 19:55:25 ID:???
キラはフェラして貰いたい時はやっぱ「やってよね」かな
383通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 20:19:47 ID:???
>>378
掘られるってことはうしpan! pan! pan!
384通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 20:47:45 ID:???
続きを期待しながらホシュ
385通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 22:39:02 ID:???
スクール水着のメイリンがプールの中で、キラに後ろから@◇◎されてる所がみたい。
386通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 15:36:03 ID:???
禿同
387通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:18:28 ID:???
とりあえず、ルナマリアの為に、お経を唱える準備でもして置くか。
388通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:36:30 ID:???
この展開だと
キラの言うとおりにルナがためしにアスランに写真を見せてみたら、アスランのほうは
キラに反応するって感じになるのかね
389通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:36:59 ID:???
でもさあ、劇場版ではキララクが破局していてキラルナになったらどうする。
390通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:41:08 ID:???
キラルナ厨はいい加減巣に帰れ
391通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:43:19 ID:???
種全般に言える事だが恋愛絡めすぎなんだよな、
もっと殺伐としろ
392通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:46:57 ID:???
>>391
まぁ、商業でやる分には恋愛を求めてる層もいるわけだからそこは大目に見てやれ
ただ、ここに今住み着いてるやつは過剰反応しすぎ
393通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 18:49:11 ID:???
スレが進んでると思ってwktkしながら見たら荒れ模様かよ('A`)
神に注文すると書きにくくなるからやめとけと思うがな。
394通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 19:47:47 ID:???
まあ住み分けってのは大事だ。
キラルナとか恋愛ネタを話したいなら、然るべきとこで言え、と。
395通常の名無しさんの3倍:2006/08/01(火) 20:23:30 ID:???
便乗して荒らそうとしてるだけだけじゃん
396通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 01:27:29 ID:???
キラがいろいろな女とやりまくればそれでいい。
397通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 01:29:19 ID:???
キラフレのような荒んだ恋愛話は、戦場ぽくってよいと思う。
398通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 20:02:48 ID:???
戦場の様に娯楽のないところだと、セクロス位しか楽しみがないんじゃねえの?
後は常に興奮状態が続いているとするなら、むしろ当然のことなのかもな、恋愛はしらねーけど
399通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 22:00:02 ID:???
関係ないが、人間八百長になってはいけないぞ。これ格言だね
400通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 22:31:24 ID:???
>>399
30分前までT豚S見てたな
401通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 22:35:09 ID:???
>>400
そういったかんじだ、奴は井の中の蛙だ
402通常の名無しさんの3倍:2006/08/03(木) 05:07:50 ID:4vzGvy/y
おまえらはやくねろよ
403通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 00:49:40 ID:HsM+XFkx
ねました
404通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 00:50:24 ID:HsM+XFkx
おきました
405通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 02:33:38 ID:???
見つけたぜ 子猫ちゃん
406通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 02:40:22 ID:???
おまいさんら別の意味で殺伐としすぎw
407通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 04:19:33 ID:???
プレゼントを落とすなよ
408通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 12:19:16 ID:???
滅ぶ!。
409通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 19:16:25 ID:???
八百長(やおなが)という名前の八百屋を何かの漫画で見た記憶がある
410通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 20:05:21 ID:???
漫画じゃかなりの店舗数を誇る老舗の八百屋ですよ。
>八百長
411通常の名無しさんの3倍:2006/08/05(土) 18:05:26 ID:???
保守
412通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 16:02:29 ID:???
保守
413通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 11:06:33 ID:???
ほす
414通常の名無しさんの3倍:2006/08/07(月) 17:22:25 ID:???
神待ち
415通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 11:24:40 ID:???
保守
416通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 12:28:38 ID:???
神よ、カムバッーーーーーーーーーーーーーーーーーーク。
417通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 16:19:09 ID:???
ここは耐える時期だ・・・
まだ10日しかたっていない!!
418通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 19:24:23 ID:PWwvn1FD
こういう場合には、耐えるんだ!!
419通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 20:31:52 ID:???
夏だしsageだ保守しようぜ
420通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 21:52:06 ID:???
嫌だ!。もう禁断症状に堪えられない!。神よ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ォ。ヤクを投下してくれーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーエ!。
421通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 22:01:23 ID:???
ブーステッドマンがちらほら居るみたいですね
422通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 22:01:55 ID:???

( ´・ω・)    お茶をどうぞ…
( つ旦O
と_)_)  旦旦旦旦旦旦旦
423通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 22:37:10 ID:???
貴様らもちつけ
一日で10スレも進めるな
424通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 22:38:07 ID:???
ではお茶を御馳走になりました御礼に、お経を唱える事としましょう。
(^_^)、m(__)m
ナンミョウホウレン
(-.-)
チーン。
425通常の名無しさんの3倍:2006/08/08(火) 23:51:14 ID:???
>>423

そんなこと言ってたらXスレはどうな(ry
426通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 00:00:02 ID:???
>>425
一日に200もレスがつくような化け物SSスレを例に出すなw
427通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 03:20:08 ID:???
あそこは投下も早ぇしな。
書いてるのはどんな暇じn・・・おっと、言い過ぎたか。読者には謝る。
まぁ神たちの日常なんて知る由も無い。名無しは保守りつつ静かに待っていればいいのさ
428通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 03:22:57 ID:???
フッ・・・


グハッ・・・
429通常の名無しさんの3倍:2006/08/09(水) 23:30:33 ID:???
あげますよ…
430夏だから:2006/08/09(水) 23:31:13 ID:???
スレ潰しに、四谷怪談でも書き込むか〜〜〜〜〜ア。
431通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 07:36:20 ID:???
あれ?スレスピード上がってる様な・・・俺もその一人か・・・
432通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 00:19:05 ID:FRriXacd
神待ち
433通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 11:52:45 ID:???
ミラーカッコヨス保守
434通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 12:31:32 ID:???
週末ですよ期待保守
435通常の名無しさんの3倍:2006/08/11(金) 13:26:32 ID:???
保守
436ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 01:07:37 ID:???
遭難信号を発してからどれだけ経っただろうか。
シンの耳が波以外の音を拾った。立ち上がって洞窟の外に出ると、
エンジン音と分かる大きな音と共に眩しい光が射し込まれた。
「休暇中にエマージェンシーとは………やる時はホント、派手にやってくれる奴だな、君は」
「隊長!」
洞窟入り口の手前に停まった船の先端に、アスラン・ザラが立っていた。
「何でこんなところで遭難するんだ?」
「それは…」
アスランの問いに、シンはそっと後ろを振り返る。
そこには先程助けた少女、ステラ・ルーシェが居た。

昨日のデュランダルの話を反芻し憤りを覚えながら、シンが基地から借りたバイクで
海岸線を走っていると、彼女が崖から海に落ちるのを目撃した。
そして、溺れるステラを慌てて助けたまでは良かったのだが―――
「けど、崖の上に登るのが無理っぽくて…」
「ディオキアの子か?」
そう聞くアスランの視線から身を隠すように、ステラはシンの背中で縮こまる。
「いえ、それがちょっとはっきりしなくて…」
そんなステラの様子を見ながら、シンは口を濁した。

「多分、戦争で被災して…その、色々と恐い目に遭ったんじゃないかと…」
ステラとの会話を通じて――確信はないが――シンはそのように察した。
戦争で心に傷を負った人の話などは、軍に居れば幾らでも聞く機会があった。
「そうか…」
アスランもそれだけで分かったらしい。
それ以上は何も言わずにシンとステラを船上へと引き上げた。

「しかし、名前しか分からないとなると、基地に連れていってそこで身元の照会をするしか…」
アスランはステラの方を窺うように見る。その時、船の上に誰かの叫び声が届いた。
「………ステラぁ━━━ッ!!」
それに反応して、ステラは勢いよく声の方へと向きなおった。
シンも同じ方向に目をやると、そこには小さな人影が二つあった。
「スティング! アウル!」
「ここからでは無理だな」
ステラの歓声が人影に向かっていることを確かめ、アスランは崖を見上げながら言った。
「一旦、基地に戻って引き返しかないか………急ごう」
437ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 01:12:14 ID:???


ステラという少女を車に乗せ、海岸沿いの道を走っていると一台の車と擦れ違った。
「っ!? スティング!!」
同時にステラが喜びの声を上げる。
「ステラ!?」
ステラが車を降りて駆け出すと同時に、擦れ違った対向車からも少年が降りてきた。
ステラはそのまま躊躇うことなく、相手に抱きついた。
「お前っ、今まで何処に…!?」
車からもう一人、少年が降りてきてステラを怒鳴りつけた。

「海に落ちたんです」
ステラに続いて少年たちの元に近付いたシンが説明する。
「俺、丁度その時そばに居て………でも良かった。ステラのこと、色々と分からなくて…」
「そうですか。それはすいませんでした、ありがとうございます」
『スティング』と呼ばれた少年が頭を下げる。
―――どうやら問題は解決したな。
思ったよりも簡単に少女の身元が分かり、心の内でほっと溜息をつきながら
アスランもシンに続いて少年たちの元へ向かう。

「ザフトの方々には、本当に色々とお世話になって…」
「―――!?」
ふいに身体に緊張が走った。
瞬間、アスランは戦士としての習性からか、周囲に意識を張り巡らす。
そして、すぐに気付いた。
―――彼らの視線だと…?
ステラの身内の少年二人――特に『アウル』と言われていた少年――から、
敵意のこもった眼で睨まれていることに。

一体どうして―――と、アスランは思わなかった。
ガルナハンのようにザフトの協力によって連合の支配から逃れた土地の人間なら兎も角、
ディオキアのようにザフトの基地があっても、直接、戦場となっていない場所の人間なら
軍人というだけで嫌悪感を示す者も居るだろう。ましてや、このステラという少女の
身内なら、軍人に何らかの恨み言があったとしてもおかしくはない。
「いえっ、そんなっ!」
しかし、シンはそんな視線に気付くこともなく、素直に感謝を受けていた。
438ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 01:13:24 ID:???
「…けど、本当に良かったね、ステラ。お兄さん達と会えて」
「うんっ」
シンの言葉にステラは嬉しそうに顔を頷かせる。
だが、何かに気付いたように周りを見回しだした。

   「あれ、そういえば『キラ』は?」

―――え…!?
車に戻ろうとしていたアスランの足が思わず止まった。
「今、こっちに向かっているよ」
スティングが安心させるようにステラの頭を撫でる。
「『キラ』…?」
「自分たちの身内ですよ」
シンの言葉にスティングが答えた。

「………そう、だよな」
アスランは自分を納得させるように呟いた。
当たり前だ。“あいつ”がこんな所に居るはずがない。
何故なら自分の親友だったあいつは、もうこの世には居ないのだから―――
二年前に“終わってしまったこと”を、未だに吹っ切れていない
自分に苦笑しつつ、アスランはシンに呼びかける。
「行くぞ、シン。いいか?」

「シン………行っちゃうの?」
その言葉にシンよりも先にステラが反応した。
「え? ………ああ、ごめんね」
シンは困ったように言葉を継ぐ。
「でも…また会えるから、きっと…」
「ん………」
ステラは寂しそうに俯く。シンも名残惜しそうな顔をして車に乗り込んだ。
「では」
アスランは二人の少年に頭を下げ、自身も車に乗り込んだ。
車が走り出すと、ステラはそれを追い始めた。

「ごめんね、ステラ! でもきっと、ホントまた会える………っていうか、会いに行くから!」
シンは車上から身を乗り出し、ステラの姿が見えなくなるまでずっと叫んでいた。
「………………」
そんなシンを、アスランは何も言わず、ただじっと眺めていた。
周囲の人間は彼の戦闘能力ばかりを評価するが、
シンという少年の本質にあるのはこのような優しさなのだろう。
優しいからこそ、大事なものを全て喪い、軍人の道を選んだことで
何かが歪んでしまい、あれだけの力が発揮出来るようになってしまったのだ。
439ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 01:14:41 ID:???
「オーブを守れなかった俺達のせいか…」
ミネルバ艦上でシンと交わした会話を思い出し、アスランは呟いた。
「…何か仰いましたか?」
隣の運転席の兵士が口を開く。
「いや、何でもない。それより対向車が来るぞ、気をつけろ」
前方に見える光を指差し、アスランは運転手に注意した。

―――考えても仕方ないこと、だな。
今の自分に出来るのは、戦うことで戦いを早く終わらせることだけ。
過去を悔やんでも、歴史に刻まれた事実を変えることなど出来ないのだから。
そう結論付けたところで、反対車線を走る車と擦れ違った。
「ッ!? ―――車を止めろ!」
アスランの叫びに運転手は急ブレーキを踏んだ。

「―ってぇ!! ………何ですか、もう!?」
急に停まったことでバランスを崩し、前部座席に頭をぶつけたシンが
恨めしそうな声を漏らす。しかし、アスランはそんな声は聞こえないかのように、
ただ対向車が走り去った方向を凝視していた。
「…隊長?」
「………えっ? あ…ああ、済まない、ちょっと…な」
アスランはシンの声と運転手の視線にようやく気付いた。
「いや、何でもない。車を出してくれ」
「はぁ…」
前を向いて座り直したアスランを見て、運転手は首を傾げながら再び車を走らせ始めた。

「どうしたんですか?」
「………何でもない、ちょっと疲れていただけらしい」
シンの問いにアスランはそう答える。
「疲れていたって…」
「本当に何でもないんだ」
―――そう、何でもない。
アスランは今、目にしたものを思い返しながら言った。
ほんの一瞬だったし、ライトの光で目が眩んだだけに過ぎない。
今日は朝から妙に疲れる日だったから、幻覚でも見たのだろう。
何故ならば、そんなことがあるわけはないのだから。

今の対向車に乗っていた人物が、“キラ・ヤマト”であることなどは…
440通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 01:24:37 ID:???
神乙。これであと4分は戦える。
441通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 01:46:11 ID:???
神タン乙っす
442通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 02:07:55 ID:???
>440
短いなオイw

俺はこれであと2時間戦えますありがとう神
443ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 02:09:11 ID:???
疲れているんだと思い、早々に休もうと考えていたアスランは、
ミネルバに戻るなり配属されたばかりのハイネ・ヴェステンフルスに掴まった。
「艦の案内してくんない?」
「は?」
突然の申し出にアスランはぽかんと口を開く。
「いやさぁ、さっき艦の連中に同じこと頼んだんだけど、皆に断られちゃってさぁ。
 どうも、この胸の徽章がいけないらしくてな」
ハイネは胸に輝くフェイスの徽章を指差す。

「はぁ…」
「じゃあ、同じ徽章持つ奴なら大丈夫って思ったんだけど… どう?」
「どうって言われても…」
アスランは困って頬を掻いた。
「俺はもう休もうと思っていて…」
「いや、すぐに済むからさ」
ハイネは顔の前で手を合わせる。

「すぐに済むような広さでもないんですけど…」
「そこはお前の案内の腕の見せ所だろ? そんなわけでヨロシク頼む」
「ヨロシクって………ちょっ、腕を引っ張らないで下さいよ!」
アスランはハイネの手を振り払う。
「おっと、そうだった。案内人のお前が先導しなきゃな」
「ったく………少しだけですよ?」
にこやかに笑うハイネの顔を見ては断ることも出来ず、
アスランは艦内の案内をすることを決めた。


「ところでお前って周りから『隊長』って呼ばしてんの?」
艦内の大半を案内し終え、最後となるレクリエーションルームに入る前にハイネは言った。
「え?」
「いや、案内してくれってパイロットの………ルナマリア、だったか?
 彼女に言ったら『隊長』に頼んでくれって言われてさぁ」
「ええ、まぁ…」
アスランは首肯する。
「駄目だぞ、それは」
ハイネは言いながらレクルームの扉を開く。
444ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 02:10:06 ID:???
同時に中に居た連中がフェイスの姿に気付き、一斉に敬礼をした。
「………こんな風に余計な溝が出来るからさ」
ハイネは肩を竦めてみせた。
「あれ、隊長も…?」
中に居たシンがアスランの姿に気付く。
ハイネに続いてアスランも室内に入ると、ホーク姉妹を中心に
シンや整備士コンビが居るのが見えた。

「何してんの?」
先に入ったハイネが訊ねる。
「えっと、ルナが街で………じゃなくて、ここに居るルナマリア・ホークが本日―――」
「おいおい、そんな堅苦しい言葉遣いはいらんよ」
ハイネが苦笑する。
「えっ…?」
「たった今アスランにも言おうとしたけど、俺達ザフトはみんな同格だろう?
 緑も赤もフェイスも関係なくさ」
そこに居る全員を見回し、ハイネは言葉を続ける。
「俺らには階級なんてものは無いんだから、皆、同じ扱いでいいんだよ。な?」

そんなことを言われても―――といった様子で、シンたちは顔を見合わせる。
「まぁ、いい。追々分かっていってもらうさ。で、ルナマリアが今日…何?」
ハイネはシンに視線を向ける。
「あっ、はい………その、ルナが街に出掛けたら、何かナンパされたとか…」
「ちょっと、シン!」
ルナマリアが立ち上がりシンの口を塞ぐ。
「…へえ、何だか面白そうな話じゃない?」
その先は?と目を輝かせて、ハイネは他の者たちに目を向ける。

「それでお姉ちゃんと記念写真を撮ったとかで、この携帯にその画像が…」
「メイリン!!」
ルナマリアはメイリンが手にした携帯電話を取ろうとするが、
それよりも先に電話はハイネの手に納まった。
「ほお、なかなかイイ男じゃないの」
ハイネはひゅーと口笛を吹いた。
「いや、その、これはそういうのとは違くて、あの、えっと―――」
顔を真っ赤にしながらルナマリアはハイネに説明し出した。
ハイネもルナマリアに携帯を返して、頷きながらその説明を聞き始めた。
445ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 02:10:59 ID:???
「ふぅ…」
そんな二人を見て、アスランはそっと溜息をつく。
どうやらこれで本当に今日の仕事は終わってくれたらしい。
時折、窺うような視線でこちらを見てくるルナマリアが気にならなくも無いが、
彼女が朝に見せた機嫌の悪さは上手く解消されたようだし、
ハイネの方もシン達に任せていれば大丈夫だろう。
そう思って部屋を出ようとするアスランの目に、
ルナマリアが持っていた携帯の画面が映った。
「―――だから、この人は…『キラ』はナンパとかじゃなくて…」
そして同時に、ルナマリアの言葉が耳に届く。

アスランは踵を返し、ルナマリアとハイネの間に割って入った。
「隊長?」
きょとんとするルナマリアの手首を掴み、携帯の画面を自分側に向けさせる。
「きゃっ」
「ルナマリア、今、何て言った?」
驚きの声を上げるルナマリアを無視して、アスランは問い掛けた。
「…え? あの、ナンパとかじゃなくて―――」

「それじゃない」
「え………『キラ』はナンパされた私を―――」
「何処だ?」
「は?」
「その男と出会ったのは何処だと聞いている!」
険しい顔をしたままアスランはルナマリアを問い詰める。
「えっ、あの………ディオキアの駅のすぐ近くの大通り―――きゃあっ!」
場所を聞くや否や、アスランはルナマリアの手を離し、すぐさま外へ駆け出していった。
446ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 02:13:00 ID:???


「何だありゃあ…?」
「………さあ?」
そんなアスランの様子を見て、ヨウラン・ケントとヴィーノ・デュプレは
互いに不思議そうな表情を浮かべた。
「何、君ってアスランの彼女か何か?」
アスランが出て行った扉を見ながら、ハイネがルナマリアに言った。
「い、いいえっ! ち、違いますよぉ!」
その質問に何故かルナマリアは頭を不必要なまでに大きく横に振る。

「違う…? ふむ、そうなら今の態度も分かるんだが…」
ハイネは「お前は何か知っている?」と今度はシンに視線を向ける。
「いえ、俺も…」
何となく、ステラを家族の元に返した後のアスランのことを思い出したが、
シンはそのことは言わずに否定した。
「………ま、戻ってきた後で聞いてみりゃイイか」
そう言って頷くハイネから、シンはルナマリアの携帯に目を移した。

「………なに?」
視線に気付いたルナマリアが聞いてくる。
「いや、別に… ただ、その写真の人をどこかで見た気がしてさ…」
「えっ、お前の知り合い?」
ヨウランとヴィーノが同時にこちらを振り向く。
「そうじゃないんだけど…」
シンは腕組みして考え込む。
「う〜ん、どこだったかなぁ…?」
だが、首を傾げるシンの疑問に答えてくれる者は居なかった。
447ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 02:16:42 ID:???


基地からバイクを借りて走り出すと同時に、空から雨が降り出してきた。
だが、アスランは気にせず街の方に向かってバイクを走らせ続ける。
―――くそッ!
行く手を遮るかのように降り注ぐ雨に、アスランは胸中で悪態を吐く。
しかし、それ以上に今日一日に起こったことが胸の中で渦巻いていた。
「あいつが…こんなところに…ッ!」
そう思っている筈なのに、何かに急かされるように
ルナマリアが言っていた場所に、一刻も早く着こうと走っている。
自身の心の矛盾に気付きながらも、アスランはスピードを緩めることすらなく走り続けた。

ルナマリアから聞いた場所は、夜遅くだというのにやたらと明るかった。
「何だ…?」
顔についた雨を手で拭い、目をこらしてそこを見ると、
パトカーによる光だということに気付いた。
「地元警察が…? ―――すいません!」
妙な胸騒ぎを覚えながら、アスランは警官らしき男に声をかけた。
男は振り向き、迷惑そうに顔をしかめるがアスランが着ている服が
ザフトの赤服であることに気付くと、ぎょっと驚きに目を剥いた。

「ここで何か事件でも―――」
「―――赤服のお出ましとは、やはりアナタ方の誰かの仕業ですかな?」
アスランの言葉は男の言葉に遮られた。
「はぁ…?」
男の言葉にアスランも目を見開いた。
「確かにアナタのような者に出張られては、この事件も有耶無耶にする他ありませんが、
 幾らあのようなチンピラたちであっても、ディオキアの住人を傷つけられては―――」
「あの、ちょっと待って下さい」
今度はアスランが男の言葉を遮った。
448ANOTHER PHASE-08 「さまよう眸」:2006/08/12(土) 02:17:55 ID:???
「一体、それは何のことです?」
「何のことって………此処で起きた傷害事件の―――」
「傷害事件!? どういうことですかッ?」
アスランの心の内の不安が大きくなる。
「どういうことも何も………アナタはそれの後始末に此処に―――」
「俺はここに人を探しに来ただけで、事件のことは何も…ッ!」
男は隣にいた者――恐らくは同僚の警官――と顔を見合わせ、一言、二言声を交わす。
「…まぁ、いいでしょう。その言葉を信じて、とりあえず事件のことを説明させていただきます。
 もしかしたらアナタ方に関係していることかもしれませんしね」

男はこほんと咳払いをし、一旦、間をおいてから再び口を開いた。
「数時間前にここで“コーディネイター”による傷害事件が起きました」
「ッ!?」
“コーディネイター”―――その言葉にアスランの心臓は鷲掴みされた。
「尤も、それは被害者たちの証言が事実ならばの話ですが…」
ちらりとアスランの顔を窺うように、一瞬だけ視線をこちらに向けて男は説明を続けた。
「被害者たちは今日の昼頃、この近辺で少女に声をかけたが――まぁ、
 ナンパというやつですな――、それを通りかかった男に…それが今回の事件の
 犯人らしいですが、そいつに邪魔されまして―――」

男の説明は続くが、アスランの耳にその声は段々と入らなくなっていった。
「―――で、それを逆恨みにして、仲間を集めてその男に暴行を
 加えようとしたらしいのですが、たった一人の相手に返り討ちにあったらしくてですね―――」
―――二年前より少しだけ成長した顔、『キラ』、“コーディネイター”………
「被害者共はここらでも有名な悪ガキなので、証言に信憑性はないのですが、
 あの酷い有様の現場を見る限り、あれだけのことを、しかも複数を相手にして
 出来るのは、やはりコーディネイターでないかと思われるわけで―――」
アスランの耳に男の声は、もう完全に聞こえなくなっていた。

『キラ』という名前は、世の中に幾らでも居よう。
ディオキアくらいの街なら、ザフト基地所属ではないコーディネイターだって住んでいておかしくない。
世の中には自分そっくりの人間が三人は居ると聞く。
しかし、その三つが重なる人物など、世界を探しても見付かるのだろうか?

   「キラ………お前なのか………?」

アスランは天を仰いだ。
だが、空からは降り注ぐ雨以外は何も返ってくることは無かった。
449通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 02:23:57 ID:???
神乙!
しかしここで止められると続きが・・・続きが気になるっ!
450通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 02:32:13 ID:???
ちょっとは動揺してやれよ、凸!
451通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 03:07:22 ID:???
ネ申乙でした!続きが気になる!
452通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 03:49:41 ID:???
不覚にも(-_-)zzz寝てしまった。
453通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 03:50:18 ID:???
神キター!乙であります!
そしてニアミスもキター!
454通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 06:58:19 ID:???
見事にキラのことしか頭にねえな、凸w
455通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 10:35:00 ID:???
次回がすげー気になるなwwww
TUEEEEキラと迷い凸なら地獄絵図か?wwww
456通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 12:11:56 ID:???
神乙でした!
ついにニアミス・・・そしていよいよアスラン悩みモード突入かw
てか今後どうなるんだよぉ・・・楽しみです!神乙!
457通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 13:25:05 ID:???
やっべーオラわくわくしてきたぞ!
458通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 14:47:32 ID:???
神乙です!

次はいよいよ戦場にAA乱入か…
虎とカガリだけじゃAA落ちそうw
459通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 15:23:42 ID:???
虎「落とされちゃうぞ」
460通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 17:06:19 ID:???
AAに新キャラ(カガリの新恋人?)が出てきそうな予感が。
461通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 17:20:30 ID:???
キラ発覚までの流れがGJすぎる。
作者氏乙です
待った甲斐がありました

これで強いアスランも見納めと思うとちょっと(´・ω・`)ショボーン
462通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 17:31:48 ID:???
イイヨーイイヨー盛り上がってキタよー
神激しく乙です。
暑いでしょうが夏バテに気を付けてがんばって下さい
(・ω・)
463通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 19:18:53 ID:???
神乙
なんていうか・・・ここ神は本物の神だ・・・
描写、構成がすげえ巧い
続き超ワクテカで待ってます
464通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 19:28:26 ID:DS2S5Wkt
これが本編ならry
465通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 19:29:30 ID:???
ごめん上げちまったorz
466通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 20:19:35 ID:???
メイリンのフレイ様化の臭いがぷんぷん。
467通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 20:55:19 ID:???
有明から、神乙!
携帯からだがよいもの見た
これでまた俺は戦える
ていうかつづきが気になって仕方ない
もしこれが放映されていたなら一週間wktkしっぱなしだぜ
体に気を付けて頑張ってください、神GJ!
468通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 23:31:44 ID:???
まとめサイトにアクセスできないんですけど…。
もしかして消えてる?
469通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 23:36:06 ID:???
470ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/12(土) 23:38:52 ID:???
J・P・ジョーンズの船首に立ち、『キラ』とネオとミラーの三人は、
水平線の向こうからやってくる艦影に視線を注いでいた。
「オーブ艦隊の御到着かな?」
ネオが隣の『キラ』を見る。
「みたいです。空母が一に護衛艦が………六。連絡通りですね」
目を凝らして見ていた『キラ』が頷く。

「うーん、連中を使って黒海を取り戻せ…か。
 分かっちゃいたけど、結構な大仕事になりそうだねぇ…」
ネオはうんざりといった感じで愚痴をこぼした。
「………………」
ミラーは黙って艦影を見つめていた。
「そういや、お前はオーブ出身だったっけ。
 …やっぱり、何か思うところがあったりする?」
「えっ?」
ネオに言葉を振られ、ミラーははっとした表情をする。

「あっ…いや、別にそんなことはないですけど… 何と言うか、その…
 連合の我儘に付き合わされるオーブの奴等も、とんだ災難だなぁ…って」
「まあな」
上層部批判にも取れそうなミラーの言葉を、ネオはあっさりと認める。
「けど、現場作業する俺達がどうこう言っても仕方ないことさ。
 俺達は出来ることをやる、それだけだ」
「そう、ですね…」

「…ま、彼らに悪いけどな」
そう言ってネオは再びオーブ艦隊の方に目を移した。
やがて、艦隊は姿をはっきりさせ、旗艦“タケミカズチ”もその存在を露わにする。
「さて…と。あちらさんに挨拶しに行きましょうかね」
ネオは面倒臭そうに口を開く。
「噂の“オーブの若き指導者”とやらを御拝顔させていただきますか」
その口調には、どこか人を小馬鹿にするような響きがあった。
471ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/12(土) 23:43:17 ID:???


黒海を進むミネルバの甲板で、アスランはじっと海を眺めていた。
綺麗な景観は心を洗ってくれるというが、目の前に広がる
美しい光景をもってしても、アスランの暗い気持ちを晴らしてはくれなかった。
「どうして………」
先程、タリアから伝えられた言葉がアスランの中で蘇る。

   『連合の増援部隊はオーブ軍よ』

「くそ…ッ!」
思わず拳を手すりに叩きつけた。
分かっていたことだった。覚悟していた筈だった。
ザフトに戻るということは、“こういうことになる”かもしれないということを。
にも関わらず、アスランの内には迷いが生じている。
「この手で俺は討てるのか………」
―――オーブという国を?
アスランは躊躇いを振り払うように、拳を握り締める。
しかし、微かに震えるその拳が、心の動揺を示していた。

「オーブに居たのか? 大戦の後、ずっと」
突然の声に我に返り、アスランは後ろに振り向く。
いつの間にやってきたのか、ハイネが景色を見ながら近付いてきていた。
「いい国らしいよなァ、あそこは」
「ええ………そうですね」
そのことを身をもって知っているのに、その国へと刃を向けねばならない。
胸に痛みを覚えながら、アスランは答えた。

ハイネはアスランを前に見据えて言った。
「戦いたくないか―――オーブとは?」
「ッ!!」
心の葛藤を言い当てられ、アスランはハッと彼に目を向ける。
苦言を呈するつもりかと思ったが、ハイネの表情には静かな笑みだけがあった。
アスランは少しだけ間をおいて、正直に答える。
「………はい」
ハイネは再び視線を海へと戻す。
472ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/12(土) 23:44:57 ID:???
「割り切れよ」
「え?」
表情から笑みを消して、ハイネはもう一度繰り返した。
「割り切れよ。今は戦争で、俺らは軍人なんだからさ…」
「………………」
ハイネの言うことは分かる。
軍人である以上、国のために戦わなくてならないわけであり、
個人的に戦いたくない相手だからと、戦場から逃げ出すことなど許されない。
だが、それでも―――

「………ま、簡単に割り切れるもんじゃないよなァ」
ハイネはそんなアスランの様子をフッと笑った。
「俺も自分勝手な願いでここに配属されてきてるしな。
 “戦いたくない”、“戦いたい”なんてもんは誰にでもあるってことさ」
「“戦いたい”…?」
目の前に居る男から受ける印象とは真逆の言葉を聞かされ、アスランは戸惑う。
「議長の命令っていうのもあったが、俺は例の強奪部隊を追って、ミネルバにやってきたんだ」
「強奪部隊を追って…?」
ハイネは空を見上げて口を開く。
「連中のエース機であるストライクへの復讐… それが理由さ」

“ストライク”。友が乗っていた機体の名に、アスランは先日のことを、
キラの姿をした幻影―――と断定も出来ない
謎の人物との微かな邂逅のことを思い出させられた。
「尤も、俺の理由ならこの場合、大丈夫だけど… 問題はお前だ、アスラン」
ハイネの言葉に思考は中断させられる。
「やりたくないお前の気持ちは分かるつもりだ。
 けどな、迷いながら戦ったら………死ぬぞ?」
厳しさといたわりが混じった視線を向けながら、ハイネはきっぱりと言った。

アスランはその心遣いに感謝しながら、彼を安心させるために強く頷いた。
「はい………」
しかし、実際に戦場に立った時にどう動くかは、自分自身にも分からなかった。
473通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 23:52:01 ID:???
神乙!!

>>469
ありがと
474通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 23:52:22 ID:???
ネ申キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

貴重なお盆休みにありがとう!
475通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 23:52:28 ID:???
神乙。これであと18分は戦える。
476通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 23:59:23 ID:???
うひょおおおおお続きが気になる!!!!
神、GJ!!!!
477通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 10:41:16 ID:???
この後は
AA乱入
ハイネシボン
があるのは確実だが……





ハイネーーッ(ノД`゜)。
478通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 10:51:05 ID:???
ハイネとミラー・・・ニコルとトールの役目を果たす事になるのか?コイツは楽しみだ。神乙
479通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 13:40:10 ID:???
ハイネのセリフが本編よりも重いよ・・・
ハイネイキロ・・・ミラーもイキロ・・・

神今回も乙でした、次回も楽しみに待っています。
480通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 15:53:15 ID:???
アスランは今回もシールドでスカイグラスパー潰すんですかね?
481アスラン ◆YwcdRJBrvo :2006/08/13(日) 16:49:53 ID:???
キラが俺の黒マラをしゃぶるシーンはまだですか
482通常の名無しさんの3倍:2006/08/13(日) 19:23:22 ID:???
世間には「一黒二赤三紫という言葉があってだね…
483通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 00:00:47 ID:dVH2BZyX
ほしゅ
484通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 02:39:15 ID:???
神乙!!!!
485通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 13:26:11 ID:???
おおうっ!!神キテター!!!
脇キャラ、イイ味でてますね
次も正座でwktk
486通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 19:28:20 ID:???
神(*´Д`*)ハァハァ
487メイリンのフレイ様化を希望!。:2006/08/14(月) 22:39:17 ID:???
メイ「シンは死ぬの、戦って、戦って死ぬの!。出なきゃ、赦さないんだから。キャハハハハハハハハ」
488通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 23:38:27 ID:???
髪解いてそれやったら本家と見分けがつかんw
489通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 11:55:47 ID:???
大丈夫だ。まず初心者の見分け方は胸から見るのをお勧めする。
490通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 12:24:31 ID:???
フレイ様に祟られるぞw
491通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 12:42:01 ID:???
シンは女難を経験しなかったから主人公に馴れなかったのです!。
492通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 13:01:37 ID:???
シンは何故(?_?)主人公に馴れなかったのか?その秘密を説き明かす????。
1:童貞喪失

2:処女破り

3:婚約者泥棒

4:MS強奪

5:巨乳の上官がいない

6:脱走・漂流

7:周囲にお姫様が零


まあこんな所でしょう。
493通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 13:29:59 ID:???
>>492
UCアナザー外伝を含めた全シリーズで、これを満たす主人公がいたら教えてくれ
494いるじゃない:2006/08/15(火) 15:18:11 ID:???
キラが!。

姉カガリはオーブ連合首長国の国家元首。

恋人ラクスはプラント最大軍閥勢力の長。

フレイは大西洋連邦きっての名家の令嬢。

キラは処女のフレイを相手に童貞喪失と処女破り。

ラクスと一緒にフリーダムの強奪。

漂流後にAAのクルーと丸ごと一緒に脱走(正確には唆し?)。

巨乳の上官はAAの艦長マリュー・ラミアス

婚約者(フレイ、ラクス、カガリ)泥棒は三度。

順番はバラバラだけど条件は満たしている。

ついでに、キラはカガリからは秘密軍事基地とラクスからはSフリーダムをプレゼントされている。
495通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 17:29:44 ID:???
>>492
5は満たしているんじゃね?
キシr・・・もといいタリア艦長
496通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 18:37:39 ID:???
キシリ・・・もといタリア艦長はキョヌー?
天下の魔乳艦長に敵う者はおらんのじゃまいか?
497通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 10:08:44 ID:???
確かに全裸オープニングとかやってる魔乳にはかなわないが
それでもキシリ・・・もといタリア艦長は巨乳のほう
乳ゆれとか派手な演出が少ない方で・・・
5はギリギリたぶんおk
498通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 02:57:30 ID:???
凸の満たし具合を考えると
フレイ様の要素の重要性が分かるはず。
中の人繋がりで考えるとステラ駄目すぎ
ハイネを殺ったぐらいしか見せ場が無い。
つまり演出駄目すぎという周知の事実に・・・。
監督と演出同じなのになぜこうも駄目になってしまったのか
499通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 09:49:41 ID:???
まあ、フレイ様は
あの時間帯で初めてセックルをしてBPOに訴えられたお方だからな
ステラと比べ物にならないのは当然なのかもな・・・
500通常の名無しさんの3倍:2006/08/17(木) 20:34:58 ID:???
>>498
地球に降りて以降、あの出番の少なさ。
見せ場以前の問題だよ…
501通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 21:35:57 ID:???
神待ち保守
502通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 22:04:31 ID:???
キラメイ保守
503通常の名無しさんの3倍:2006/08/18(金) 23:54:38 ID:???
赤毛なら手当たり次第かよキラw
504『テラへ』のパクリ:2006/08/19(土) 01:04:16 ID:???
「ラクス・クラインの裏切り者」
「ッ………」
「トオニイ!、ラクスを責めるのはやめないか」
「だって、ママが死んだのはこの女のせいだ」
「トオニイ!」
「トオニイ、何時言えば分かる!。ママがメイリンが死んだのはラクスのせいじゃない」
「パパ、本当の事を言ってあげようか、パパが本当に好きな女性はママじゃなくこの女だったんだ」
「……………!」
「パパの裏切り者!」
「トオニイ、やめなさい。パパを責めるのは」
「お婆ちゃんまで、これじゃあママが可哀相だ」
トオニイは踵を返して母親メイリンが眠る遺体安置所を飛び出した。
505通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 21:28:18 ID:cozV//Kq
あげ
506通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:21:07 ID:Kx/AcaHl
age
507通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 00:22:40 ID:???
神様頑張って下さいー
でもヘタレなアスランはイヤだなぁ
508通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 02:47:54 ID:???
へたれこそアスラン・ザラと言ってみる
509通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 10:09:17 ID:???
キラ「僕は、……ヘタレアスランを見たいんだ〜あ」
510通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 10:30:27 ID:???
キラ鷹姉妹保守。
キラをミネルバ破壊の為ににシャアのジャブロー潜入ばりにザフト軍への潜入工作でルナマリアと鉢合わせの展開はどうだろう。
「君は」「貴方は」
「お姉ちゃん、危ない」
「メイリン、逃げて」
「まいったな、こうなったらツインテルの女の子を連れて帰るか」
「逃がすかー。黒いストライク」
「待ってシン。メイリンが捕われの身になってあの機体にいるの」
「なんだって!?」
「シン、ルナ。何故二人ともあの黒いストライクを撃ち漏らした」
「だけどレイ」
「だけど。なんだシン」
「止せレイ。今更、二人を責めても時間は戻らない」「ですが、アスラン」

CM風でした。
511通常の名無しさんの3倍:2006/08/20(日) 19:57:53 ID:???
連ザ2にノワールktkr
512通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 07:23:47 ID:???
マジ?
カプコン仕事早いな
513通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 14:37:34 ID:???
スタゲ2話にステラ、スティング、ネオが出てたな。

たださりげなくスウェン、ステラに向かって酷いこと言ってたな。
それにシャムスは3人を見て『なんだありゃ!?』とか…

関係ないけどスティングとスウェンが一緒に写ってるシーンを見てみると、スティングのほうが少し高いみたいだな。
514通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 14:39:35 ID:???
>>513は、身長のことね。
515通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 14:40:04 ID:???
>>513
ステラの台詞について悔しく
516通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 14:42:26 ID:???
>>513

ttp://www.geocities.jp/greatseedgundam16/STARGAZER.PNG
あ、これの左下だな。
スウェンとスティング
517通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 14:45:19 ID:???
>>516
ごめん、右下だったorz
518通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 14:51:06 ID:???
>>515
スウェンはステラに向かって冷めた目で
『エクステンデットのなれの果て』『長くはないな』とか言ってた。

まぁ…後者は間違っちゃいないけどな。
519通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 22:29:07 ID:???
このスレはじめてきたが
ミラーがいるのが良い!
520通常の名無しさんの3倍:2006/08/21(月) 23:04:01 ID:???
ミラーファンクラブに入りたい
521通常の名無しさんの3倍:2006/08/22(火) 13:16:48 ID:???
キャリブレーションを取りつつゼロポーメントポイントおよび
CPGを再設定、ナラキジ皮質の分子イオンポイントに制御モジュールを
直結、ニューラルリンケージネットワーク再構築、メタウンドエーパラ
メーターを更新、フィードコマンド制御再起動、伝達完成、これより偏
差修正、運動ルーチン接続、システムオンライン、ムートストラップ機
522通常の名無しさんの3倍:2006/08/22(火) 14:04:25 ID:???
ゼロポーメントポイント→ゼロモーメントポイント
ナラキジ皮質→なら擬似皮質
メタウンドエーパラメーター→メタ運動野パラメーター
伝達完成→伝達関数
これより偏差→コリオリ偏差
ムートストラップ機動→ブートストラップ起動
523正解:2006/08/22(火) 15:57:15 ID:???
キャリブレーション取りつつ、ゼロ・モーメント・ポイント及びCPGを再設定……、 チッ!
なら疑似皮質の分子イオンポンプに制御モジュール直結。ニューラルリンケージ・ネットワーク、再構築。メタ運動野パラメータ更新。フィードフォワード制御再起動。伝達関数。コリオリ偏差修正。運動ルーチン接続。システム、オンライン。ブートストラップ起動!
524523:2006/08/22(火) 15:59:41 ID:???
あ、自分もちょっとミスってる
525通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 01:43:43 ID:xbeNkLKJ
なんでストフリ動かすときニューラルなんたらと
イオンなんたらだけいじったんだ…
台詞がかっこよさげだから言っただけか?
526通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 01:50:55 ID:???
OSがキラが乗ってた自由と同じヤツだったんじゃないか?
で、和田は性能上がってるから前のOS設定の使えないとこだけいじったとか
527通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 02:10:59 ID:???
和田は
CPG設定完了、ニューラルリンケージ、イオン濃度正常、メタ運動野パラメータ更新、原子炉臨界、パワーフロー正常。

共通しているのは前者3つ、そして「原子炉」と言及しているのがポイントかね。相変わらず謎の新エンジンだし
あ、エンジンも運命伝説のパクリでした、って言ってたっけ?
528通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 02:11:45 ID:???
キラ「うわあ。デストロイって大きいなあ〜」
529アスラン ◆YwcdRJBrvo :2006/08/23(水) 07:18:18 ID:???
キラとデストロイのコックピットでランデブー
530通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 11:22:13 ID:???
ここのキラとアスランが生身で殺しあったらどっちが勝つかな?
531通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 15:26:57 ID:???
キラのお持ち帰り(ーー;)がない。
532通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 17:19:00 ID:???
真面目に語るスレへでも行ってこいや
533通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 18:41:29 ID:???
>>532
あそこはアンチの巣窟
534通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 15:57:38 ID:???
神待ち保守
535通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 08:31:58 ID:DJMcrHkS
妄想。セイバーだるま事件は、黒ストのキラやと、だるまどころか瞬殺。AAは戦力は、虎サメとルージュだけだから、どうやって両軍に、割って入るのか?別にケチを、付ける訳では無く。神がどう料理されるかが楽しみで仕方ない
536通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 10:41:46 ID:???
そこでムラサメトリオがフリーダムトリオとして登場するんですよ。
537通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 14:20:30 ID:???
いかにして凸を殺さないかだな
ルナとの絡みや前回の話が鍵かな
538通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 14:25:18 ID:DJMcrHkS
フリーダムは、AAにあるなら、大穴でラクスが乗るとか?・・・・・・・・・ミリアリアやらカガリとアスランの会話って、キラが生存ってなるにして。それを聞いたルナは、どうなるか?やべぇ、興奮してきた
539通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 16:17:30 ID:???
いつの間にか、キラの穴埋めの為にフリーダムを1ダースも生産し、ムラサメトリオを始めキクチ、カノウと言ったパイロットも確保してたりして。
540通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 16:53:45 ID:???
だったら量産型って事で劣化版フリーダムは?
ゲイツRにガンダム顔みたいな感じで。

541通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 18:21:16 ID:???
PS装甲ではなくラミネート装甲フリーダムで。
542通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 20:18:28 ID:???
>>541
ラミネートは熱を分散してダメージ下げるシステムだから、
MSぐらいの大きさだったら、腕とか足にビームライフル当たっただけで溶けちゃうよ。
543通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 23:29:51 ID:???
>>542
弱っ!ラミネートフリーダム、弱っ!
544通常の名無しさんの3倍:2006/08/25(金) 23:41:38 ID:???
やっぱりPS装甲フリーダムの大量量産しかないな。ついでに、AA級2隻を建艦してそれぞれに18機ずつのせればドムは必要ないだろう。
545通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 00:53:01 ID:???
>>542
逆に考えるんだ融けないぐらいの大きさを確保するんだ!

参考:大天使
546通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 01:38:58 ID:???
そうかっ!
AA級戦艦10席くらいで戦場に乱入すればいいんだな?

ところでフリーダムがミネルバの陽電子砲を破壊したけど、
あれって別にフリーダムである理由とかないんだよな?
レーダーに引っかからない機体だとかっていうカンダニウムみたいな設定もないわけだし。
てことはある程度の火力のある飛行MSを上空に一機おいとけば、簡単に戦艦沈めることができるな。
撃たれる前に気づかれなかったってことは正確にブリッジを狙う時間もあるだろう。
547通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 04:48:46 ID:???
AA級15隻、ストライクU270機、フリーダム30機で地球軍スエズ基地、ザフトジブラルタル基地を殲滅すれば正しく大乱入!。
548通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 10:53:50 ID:???
虐殺もいいとこだぞww
549通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 12:50:18 ID:???
「アラアラ、争いの火種は基から絶たなくては駄目ですわ」
550通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 13:35:47 ID:???
ピンク様流石!
551通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 14:06:51 ID:???
「でも一つ一つ、潰して回るのも面倒ね」
「あらそれでしたらマリューさん。エリカ・シモンズさんに頼んでありましたあれを使いましょう」
「ヤタノカガミ装甲を使った反射衛星ビーム砲ね」
「はい。あれでしたら楽ですわ」
「ちょっと待て二人共、私はそんな話しは聞いていないぞ」
「いやまあなんだね、こういう話しは内密にしていた方がよいのでね」
「そういう問題ではないだろう」
「ではカガリさんは反対なのですね」
「当たり前だ!」
「それもこれもカガリさん(=キラ)の為ですわ」
「何が、私のためだ。他の艦長や皆も私と同様に反対のはずだ」
「(ニッコリ)では皆さんのお考えは」
「……………………」
「(キョロキョロ)そこでなんで皆で沈黙する!」
「コホン、んまあだな。味方の被害とと言うか苦労は最小限に、喧嘩相手と言うか」
「敵には最大の被害をとそういいたいのだろう」
「うんまあ御名答だな」
「名答じゃない!。私の政治信条はそういう考えを否定する所から始まっているのを知っているだろう」
「ではカガリさんは反対なのですね」
「当たり前だ。と言うか兎に角で何度も同じ事をいわせるな」
552ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/26(土) 22:56:02 ID:???
軍人という職に就きながら、いつも戦場を目前に控えた作戦会議には
暗澹たる気持ちになっていたが、今回のそれは最たるものとなっていた。
「流石はオーブ軍の最高司令官殿ですな、ユウナ様」
「いやなに、大したことではありませんよ」
戦略パネルを前に得意気に自身の戦術論を語るユウナと、それを愛想の良い口調で
持ち上げるだけの連合軍士官の後ろで、オーブ軍一佐のトダカは溜息をそっとついた。

タケミカヅチの艦橋では、連合軍側の司令官を招いての作戦会議が開かれていた。
「敵には噂のミネルバが居るということですが………ま、作戦次第でどうとでも出来るでしょう」
尤も会議とは名ばかりで、内容はユウナの持論だけが飛び交っている。
連合側の参加者であるネオ・ロアノークという大佐は、
ユウナの発言に一つ一つ頷くだけで、自分の意見は述べたりはしていなかった。
「逆に奴等の要となるミネルバさえ堕としてしまえば、敵は総崩れになりますよ」

「頼もしいお話です」
ネオは仮面の下に薄い笑みを浮かべて言う。
「では、先陣はオーブの方々に。
 左右のどちらかに誘っていただき、我々はその側面を突くということで」
「ああ! そうですね、それが美しい!」
ネオの案にユウナが勢い込んで断を下した。
―――成程な。
これが目的だったかとトダカは気付いた。
553ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/26(土) 22:57:29 ID:???
何とかもおだてれば木に登るということだろうか。
オーブ側から最も損害を被ることになる先陣の役を請け負うとの言葉を
引き出すために、ユウナの意見を全て肯定し、彼を調子に乗らせたということだろう。
まぁ、予測はしていたことだ。
連合の無理強いによって派兵させられた時点で、
辛い役目を負うことになるのは分かりきっていた。
自らの意思で戦おうと、連合の思惑で敵の矢面に立たされることになろうと、
するべきことに変わりは無い。トダカはそう考えて自らを慰めた。

だが、その時になって必ず犠牲になる部下たちのことを思うと、
胸に痛みを覚えずにはいられなかった。
「海峡を抜ければ、すぐに会敵することになると思いますが、よろしくお願いしますよ」
「ええ、お任せ下さい。我がオーブ軍の力、とくとご覧に入れましょう!」
そして、ネオの言葉に得意満面の顔で答えるユウナに、
トダカはもう何度目になるか分からない溜息を再びついた。

「それは楽しみですな。しかし、オーブの方々だけに任せるのは、
 我々としても心苦しい。つきましては―――」
言いながらネオは一歩、横へずれる。
「―――戦術アドバイザーとして、この者をタケミカヅチに置かせてもらいたいのですが…?」
―――連合兵を乗せろだと?
ネオの提案にトダカは顔を上げる。
そこにはネオと同じ黒い連合軍服を着た若い兵が立っていた。
554ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/26(土) 23:00:13 ID:???


J・P・ジョーンズに戻ったネオをミラーが出迎えた。
「お疲れ様でした」
「おう」
軽く答えるとネオはそのまま格納庫に向かう。ミラーも後に続いた。
「ザフトの動きは?」
「予想通りこちらに向かってきています」

「数は?」
「ミネルバとそれに随行する艦が三つ…
 MS数の差は、ウチとでは3対1というところですね」
「3対1… オーブ軍の練度とミネルバ以外の敵の質次第だが…微妙だな。
 やはり今回の肝となるのはオーブの働きかな?」
ネオはやれやれと呟いた。
「どうでした、あちらさんの対応は?」
「色々と言いたそうな顔をしていた連中も居たが、
 馬鹿殿…じゃなくて、若殿様が先陣を請け負うって約束してくれたよ。
 噂のセイラン家の若君は随分と付き合いやすそうな人間らしい」

ネオは出撃の準備をする整備兵を見ながら、自嘲の笑いを浮かべる。
「まぁ、上の無茶な命令に付き合わされる兵たちには悪いが、あの敵を堕とすのに
 彼らの力は不可欠だからな。恨まれることになろうと、使えるものは使わせてもらうさ」
「そうですか…」
ミラーは表情を翳らせる。
「で、『キラ』の方は…?」
しかし、それも一瞬のことで、すぐにいつもの表情に戻っていた。

「あっちの艦に置いてきたよ。ストライクも向こうに置いてきてるが
 オーブ軍の見張りって役目を与えてるから、お前の頼み通り、
 そう簡単には出撃しない筈だ」
ネオはミラーの方に顔を向ける。
「だが、敵のエース機を堕とすにはどうしても『キラ』の力が必要になる。
 序盤戦は兎も角、戦いがある程度進んだら、
 何と言われても『キラ』に出てもらうことになるぞ」
「まぁ、それは…そうでしょうね」
ミラーは神妙な顔をして頷いた。
555ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/26(土) 23:01:14 ID:???
「しかし、どうしてまたそんなことを…?」
疑問に思っていたことをネオはミラーに質問した。
少し前にネオは、『キラ』に戦いを控えさせてくれとミラーから頼まれていた。
今回は状況的にそれを――若干ではあるが――許容出来るし、戦端を開く場に
部下を置きたくないという気持ちがネオにないわけでもないので、
ミラーの頼みを聞き入れたが、今までされたこともなかった依頼だったので、
どうしても気になるところではあった。
「………アイツ、オーブから戻ってきてから、ちょっと変でしょ」
ミラーはぽつりぽつりと喋り出した。

「何て言うか、気がつくとぼーっとしているっつーか、虚無的な雰囲気があって…」
「………………」
それにはネオも覚えがあった。
オーブ滞在時に上の連中からの命令で、セイラン家を嗅ぎ回っている連中を“始末”した後、
確かに『キラ』はそれまでとは違った雰囲気をまとっていた。あの手の“仕事”は
ファントムペイン配属前の研究所に居た頃にはよくやらされていたという話だが、
だからといって十代の青年が自らの手を汚して平気でいられる筈もない。
「前回の戦いの最中にはそういうのも無かったけど、次もそうとは限らないから…」

「なるほどな…」
―――不安定な気持ちの仲間を戦わせたくない…か。
分からないでもない気がする。
戦場に居ると、時として自身の命よりも死線を共にした仲間の命の方を大事に想うことがある。
そう、かつての自分もそうして―――
「…ッ!!」
ネオが過去に想いを馳せた瞬間、頭の中に何かが駆け抜けた。
―――今のは一体…?
556ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/08/26(土) 23:03:02 ID:???
「………大佐?」
今、垣間見えた何かを、もう一度思い出そうとしているネオにミラーが声をかける。
「あっ…ああ……… いや、何でもない」
だが、幾ら考えても先程見えたものは蘇りはせず、ネオは諦めたように頭を振った。
「しかし、人の心配もいいが、自分のことも少しは考えておけよ」
ミラーから窺うような視線が注がれていることに気付き、
それから逃れるようにネオはそんなことを言った。

「大丈夫ですよ。俺、故郷に帰りを待っている恋人とか居ませんから」
「は?」
言ってる意味が分からず、ネオは思わずぽかんと口を開けて聞き返す。
「ほら、よく映画とかであるじゃないですか。
 『俺、故郷に帰ったらこいつと結婚するんだ』…とか言って、
 写真入りペンダントを仲間に見せて、次の戦いであっさりと死んじゃうヤツが。
 俺にはそういうのがないから、他のヤツの心配しているくらいじゃ死にやしませんよ」
「………………」
「あの、無言で居られるのは… せめて突っ込みの一つくらいは…」
そう言ってミラーは明後日の方角に目線をやって、恥ずかしそうに頬を指でかく。

「………確かに、そんな下らんことを考えていられるなら大丈夫そうだな」
「いや、だから、そんな真面目っぽく言われても…」
ミラーの言葉は無視して、ネオは海の彼方へと目をやる。
「まぁ、仲間の心配するにしても、自分の心配するにしても、
 ミネルバさえ堕とせば、そういう心配が少しは軽減されるわけだ」
ミラーもネオに倣って水平線の向こうに目を向けた。
「次でミネルバとの付き合いも終わりにしたいものだな…」
「そうですね…」
敵がやってくる方角を見つめながら、二人は呟いた。
557通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 23:09:07 ID:???
神GJそして乙
リアルタイムは初めてだ
558通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 23:11:22 ID:???
ちっ、二番目か
神乙華麗
559通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 23:13:57 ID:???
三番目ゲトー!
今回もGJ!ミラーの死亡フラグネタワラタ。
560通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 23:37:31 ID:???
ミラー!!!
むしろ君の台詞は目の前の人が(ry
561通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 23:45:06 ID:???
おつんです
562通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 00:18:04 ID:???
らめえええ乙なのおおおひぎぃ
563通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 00:38:41 ID:???
めっちゃ乙!!
あぁ・・・神よ・・・ミラーに死亡フラグの回避という祝福を!!
564通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 00:42:29 ID:???
神乙
しばらくの間でも毎日書いて頂ける事は我々にはありがたい。
次も期待しています。
565通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 01:51:08 ID:ZDaDGVNu
いや、それよりキラやろ!まさか、トダカの所におるなんてよ。あの二人は、顔見知りやろ?やばいなぁ。ワクワクしてきた。
566通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 07:09:52 ID:???
>>565
二年前は短期の滞在だったし、トダカさんの階級も低かっただろうから
面識なかったかもしれん
567通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 07:42:34 ID:???
もしかしてフリーダムのパイロットはカガリの追っ掛けのアグニス?。
568通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 10:24:58 ID:???
この話のネオはいい上官だなぁと
つくづく思う
569通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 12:28:42 ID:???
>>566
だな
戦いのときも、オーブに残った人だし
570通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 22:05:27 ID:???
フリーダムのパイロットが誰なのか非常にきにかかる!。
571通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 22:16:30 ID:???
ん〜、まずフリーダム出すのかな?
ストフリは出すの簡単そうだけど……
572通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 23:11:33 ID:???
そろそろ神の投下が…ワクワク
573通常の名無しさんの3倍:2006/08/27(日) 23:33:27 ID:???
毎日投下って訳じゃないだろ
574通常の名無しさんの3倍:2006/08/28(月) 00:04:39 ID:???
次のタイトルが逆「蒼天の剣(予定)」ってことは、
フリーダムが出てくる可能性は高そう。

んで、「逆」ってとこが気になる。
あー早く読みたいなぁ。
575通常の名無しさんの3倍:2006/08/28(月) 22:22:56 ID:???
保守
576通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 21:06:46 ID:???
ちょいとageますね
577通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 22:15:55 ID:???
AAではなくオーブ艦隊に自由がある→パイロット不在または何かのアクシデントで『キラ』が今回借りる
…これじゃ逆にはならんか
…レンタル代がミラー死亡フラグでないことを祈る
578通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 23:01:43 ID:???
神シナリオだと自由って前大戦で消えてなくなったんじゃなかったっけ?
579通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 00:15:27 ID:???
>>578
機体は大破
キラは死亡
って設定じゃなかった?
580通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 00:20:08 ID:???
機体だけ残ってた。ってなってるな。
581通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 05:07:23 ID:???
トダカが『キラ』ストライクの為に、IWSP装備をオーブから取り寄せるのもありだと思う。

ZGMF-X10Aフリーダムは極秘に生産され虎、イケヤ、ゴウ、ニシザワ、キクチ、カノウの6人が使用の展開なら面白いかも?。
582通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 16:56:08 ID:???
>>581
いつかのように虎以外オリキャラとか
鷹さんは死者多数なので、サトザキとかマツザカとかカワゴエとかオガサワラとかイソベとか。
583通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 17:08:26 ID:???
自由量産とか普通にしらけるだろ。
どうせキラしか使えないだろうし。
ていうか無理やり自由出さなくてもいいと思う。
そのままストライク串刺しとか。凸グフみたくコックピットギリギリで。
デストロイ前で記憶戻してAAに行ってればいいし。
フトフリは、自由を修理・パワーアップさせたものとすれば無問題、かな?
後はオーブでストフリ授与→オーブ戦・隠者はドムと共に降下、もしくは凸もモルゲンレーテで授与
・・・ボツかorz
584通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 20:49:30 ID:???
残念ながら^^;
585通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 22:58:06 ID:???
現時点でのフリーダムのパイロット候補はガイ、カナード、アグニスの三人が揚げられるが?。
586通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 23:04:05 ID:???
つサイ
587通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 23:19:19 ID:???
キラのストライクに自由の装備に擬似したストライカーパックを付けて暴れ回る…妄想スマン
588通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 02:31:10 ID:???
age
589通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 06:49:09 ID:???
或は、アカツキと言う手もある。

最初からアマギとソガをアスハ派にして、アマギから報告でキラの生存を知ったソガとエリカの二人が、次世代型試作MSアカツキを急遽タケミカヅチに空輸する。
590通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 13:31:22 ID:???
フリーダムは誰のためにつくられた知ってるか?キ ラ じ ゃ な い ぞ
591通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 13:36:09 ID:???
>>590
イザークとか言うなよ?
592sage:2006/08/31(木) 15:52:23 ID:MEOILgLm
>>591
えっ?イザークじゃないの?
593通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 15:55:39 ID:???
都市伝説みたいなもんだよな
594通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 16:00:02 ID:???
ジャスティスはアスランを最初っから予定。フリーダムは予定者が決まってなかった。
アスランと同じフェイスの人間かザラ派No.2のエザリアの息子のイザークが
選ばれていたのではないかと思われる。と書かれている。
簡単に言えばフリーダムがザフトにあった時はパイロットは未定。
595通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 16:12:19 ID:???
次スレから改名
つもしもうをこがファントム・ペインだったら
596通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 16:55:22 ID:xJNZHofC
シャムス「衛星からのデータが必要なんだ。時間がない!すぐ転送してくれ!」
スティング「キラ!何をしているんだ?」
キラ「僕が今やらなければならないこと(命令無視&独断行動)をしてるだけです!」
ネオ「キラ!クビだ」


そうなること請け合い。
597通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 17:03:42 ID:Vqsf5HF6
執筆の邪魔になるような推測ばっかしてないで俺と一緒に宿題してよーぜW
598通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 23:14:38 ID:???
>>597
同意
神が来るまで静かにして欲しいね
っと失礼。
599通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 16:04:50 ID:???
神待ち保守
600通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 17:35:22 ID:lx9Ze1Vs
慎ましく600ゲット。神って一人なんですか?なんか、色んな人が話しを書いてみるのも、面白くないですか
601通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 18:00:28 ID:???
>>600
荒れる
602通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 19:25:45 ID:???
いや、内容によると思う
603通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 23:12:30 ID:lx9Ze1Vs
600ですが、荒れますか。思いつきで軽はずみな言動で申し訳無い。
604通常の名無しさんの3倍:2006/09/01(金) 23:47:26 ID:???
>>600>>603
とりあえずsageてくれ
605ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:28:53 ID:???
「ようし、始めようか。“ダルタノスの暁作戦”開始!」
指揮官席のユウナが気取った口調で言い放った。
「………………」
「………………」
「………は?」
艦橋に居た者全てが訳の分からないという表情を浮かべ、
アマギ一尉がそれを代表するように戸惑いの声を上げた。
「何だ、知らないの?」
ユウナはそれらの表情を見て、わざとらしい呆れ顔を作る。

「ゼウスとエレクトラの子で―――」
「―――ギリシャ神話ですね、この海峡の由来の」
ユウナに先んじて『キラ』が口を開いた。
「それが一体、何か?」
「………あ、ああ。今回の作戦名に丁度いいんじゃないかと…」
得意気に説明しようとしたところに水を注されたせいか、ユウナは不満そうな顔をした。
「そうですね」
『キラ』は気にすることなく、素っ気無く答えた。
だが、心の中では、名前だけで勝てるなら
誰も苦労しないだろうが…と、いらつきを覚えていた。

「オーブがちゃんと働くよう、しっかり見張っとけ」というネオの指示は理解出来る。
今回の戦いの焦点はオーブ軍が、いかにザフトの戦力を“削れる”かにあるため、
旗艦タケミカヅチに居残り、プレッシャーを与えるという役割が重要なことは
承知しているが、こうも能天気な人間と戦場を共にするのは何とも形容し難い
嫌悪感を覚える。これならMSに乗って最前線で戦っている方が―――
そこまで考えて、『キラ』は軽く頭を振った。
馬鹿馬鹿しい。自分はそんな『KILLER』という名に相応しい人間ではない。
そう心の内で先程の考えを否定した。

「MS隊、発進用意!」
ユウナの発言が醸し出した雰囲気を拭うように、トダカが指示を下した。
「MS隊、発進開始。第一、第二、第四小隊、発進せよ!」
副官のアマギがそれに続く。
「―――目標、敵主力艦ミネルバ!」
そして命令の締め括りをユウナの言葉が飾った。
「!?」
「えっ…?」
「ユウナ様!」
『キラ』、トダカ、アマギの三者が同時にユウナへと目をやる。
606ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:30:43 ID:???
「ん、何?」
他の者より一段高い指揮官席からユウナが見下ろしてくる。
「目標がミネルバとは…?」
代表するようにトダカが質問する。
「やだなァ、さっきの会議を聞いてなかったのかい?」
ユウナは他の者が何も分かっていないことを憐れむように首を振る。
「ミネルバは敵の要だ。あれさえ堕とせば全てに片が着く。
 なら目標がミネルバになるのは当然じゃないか」

「敵MSを無視して、いきなり艦を狙うなど…ッ」
「―――無謀です」
『キラ』がトダカの言葉に続いた。
「………何だって?」
ユウナが視線の先をトダカから『キラ』へと向ける。
「いきなり艦を狙うのは無謀だと言いました。以前、ミネルバと戦闘した時、
 敵MS群を抜けて、艦への攻撃が出来た者は居ませんでした」
自分を除いては―――と、心の中で付け加える。

「フッ、それは君達の力量の無さゆえにだヨ。
 ボクたちオーブ軍兵士をそこらの雑兵と同じにされては困る」
ユウナは一笑に付した。
「まぁ、見ていれば分かるヨ」
「………………」
―――さて、どうしたものかな。
『キラ』はちらりとトダカたちの様子を窺う。

彼らが何か意見するようなら、それに乗じてユウナを黙らせるところだが―――
「―――ッ」
トダカたちは何かに堪えるような表情を浮かべるだけで、口を開こうとはしていなかった。
言わないのか、言えないのか、どちらかは分からないが―――
「………分かりました」
『キラ』はゆっくりと頷いた。

トダカたちが何も言わないということは、言ったところで無駄ということなのだろう。
それならそれで、最初に痛い目を見てもらうのも一つの手段だ。
敵の力を目の当たりにすれば、この司令官殿でも少しくらいは
現実というものが分かってくれる筈だ。
ただ、その代償が致命的な負債とならないことが前提の話だが…
―――見張り役を務めるのも、そう長い時間じゃないな。
『キラ』はそんな予感を胸に抱いた。
607ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:32:48 ID:???


「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」
発進時のGが身体をシートに押し付ける。水平線の上に群れなす黒点を
見ながら、シンはコアスプレンダーに続くパーツとの合体をこなした。
アスランのセイバーが右舷ハッチから飛び出してくる。
<………行くぞ>
「………了解!」
僅かな沈黙の後にアスランからの通信を受け、インパルスとセイバーは二機並んで
徐々に近付いてくる“アストレイ”と“ムラサメ”の編隊に向かう。

「クソッ、どうして…こんな…ッ!!」
ハッキリと見えてきた機体を前に、シンの心がざわめき出す。
この二年間、戦争を憎み、連合を憎み、そしてオーブを憎むことで自分は生きてきた。
その仇の全てが今、目の前に存在している。相手を打ち倒すのに、何の遠慮もいらない筈だ。
だが、最後の最後で指にかかったトリガーを引き絞るのに躊躇いを覚えてしまう。
アスランは言った。

―――君たちを犠牲にしたかったわけじゃない。君たちも含めて、守りたいものがあっただけなんだ。

今ならその言葉の意味が少しは分かる。
戦いが果てしなく続くのを止めるために、あの時、オーブは連合軍と戦う道を選んだということが。
しかし、全てを守りきることは叶わず、両親とマユは犠牲になってしまった。
それを赦すことは出来ないだろう。そう、死ぬまで、決して。
だが、その犠牲の意味を汲むことは出来る―――そう考えていた。
「なのに…!」

しかし、今のオーブは連合の属国と化し、目先のことだけを考え、こうして自分に銃を向けている。
あの時、多くのものを犠牲にしてまで守った理念を、あっさりと棄てて。
その理念は、二年前、国を焼いてまで守ろうとしていたものではなかったのか?
こんなにも簡単に棄ててもいい理念だというなら、両親は、そしてマユの犠牲は―――
「―――無駄死にだったと言うのかよおぉぉッ!!」
怒りがシンの心を覆い尽くした。
激情に流されるまま、銃の引き金を引く。

ライフルの銃口から光が迸り、向かって来ていたアストレイを貫いた。
少しの間を置き、炎が噴き上がる。空に咲いた爆炎の華を潜り抜けながら、シンは叫んだ。
「くっそおおおぉぉぉッ!!」
何に対しての叫びなのか、自分でも分からない。
だが、シンは叫びと共に銃を撃ち続けた。
銃口の先を、かつて自分が住み、そして好きだったオーブという名の“敵”に向けて。
608ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:35:50 ID:???


アスランもまた戸惑いを覚えていた。
モニターの中には“LOCK ON”の文字が浮かび、それが示す先にはムラサメの機影がある。
だが、トリガーにかかった指には力が入らず、ただ敵の攻撃を
躱すのが精一杯で、ムラサメは自分の後ろへと駆け抜けていく。
「くっ…!」
機体を反転させ、再び照準の中にムラサメを捉える。
しかし、自分のものとは思えないほどに身体は動かず、指は微動だにしなかった。

<―――馬鹿野郎ッ!>
突然、アスランの耳に怒号が届いた。
視界の隅を鮮やかなオレンジ色が霞める。
それはムラサメの方へと向かうと、光刃を抜き放ち、瞬く間に機体を真っ二つにした。
ハイネが乗るMS、“グフイグナイテッド”だった。
<―――言った筈だぜ、『割り切れ』ってな!>
再びアスランの元に声が届く。
<まだ迷いがあるっていうなら、引っ込んでな!
 そんなヤツは戦場には邪魔なだけだからな>

「ハイネ…」
<ッ!? ―――来るぞ!>
ハイネの言葉にアスランは機体を反応させる。
機体を翻してモニターに映ったのは、かつて肩を並べて戦ったこともある
アストレイの姿だった。その後ろにはムラサメも続いている。
『割り切れ』―――ハイネはそう言った。
『迷いがお前を殺す』―――そうとも言っていた。
アストレイがビームライフルを撃ってくる。
「………それしか、ないのか………」
アスランは唇を強く噛み、トリガーにかかる指にゆっくりと力を込めた。
609ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:39:17 ID:???


「グフ、敵機撃破! 続いてインパルスが―――」
メイリンの報告がミネルバ艦橋に景気良く響き渡る。
「艦長、これはいけますよ!」
「ええ…」
アーサーの言葉にタリアは適当に相槌を打つ。
「敵MSの数を聞いた時はどうなるかと思いましたが、アスランやシンも然ることながら、
 ハイネが凄い! いい動きをしていますよ、グフは!」
「そうね…」
確かにアーサーの言う通り、今のところは全て上手くいっているだろう。

突出した能力を持つ機体――とパイロット――なら、下手に他のMSと連携を
取らせるより、単機の方がいい働きをするだろうと考え、インパルスとセイバーには
二機だけで敵陣に切り込ませた。例の強奪機も相手にいるせいか、
想像以上とまではいかないが、両機共、一定の戦果を上げている。
新たに配属されたフェイスのハイネには、他のMSと共にミネルバなど、
艦の防衛の指揮にあたらせる。彼の指揮が良いのか、それとも敵が単純な攻めを
見せているためか、現在まで完全に敵の攻撃を封じ込めている。
―――だが、油断は出来ない。
それがタリアの偽らざる心だった。

オーブ軍の攻め方の単調さが気になる上、黒いストライクや
赤紫色をしたウィンダムといった、敵エースの姿が見えない。
それらの不確定要素が存在している内は、どこかの能天気な副長のように
気を抜くつもりなど更々ない。
しかし―――
「取舵三十! タンホイザーの射線軸を取る!」
煩わしい連中が居ないというのは、絶好の好機でもある。

「ええっ!?」
アーサーが驚いて振り向くが、構わずに指示を続ける。
「海峡を塞がない位置に来たら薙ぎ払う! 敵の主力を叩くわよ!」
「は、はい!」
―――優勢に立っていられる内に、勝負を一気に畳み掛けさせてもらう!
タリアは眼前の敵を真っ直ぐに睨み付けた。
610ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:42:53 ID:???


「何をしている!? 敵の数は我々より遥かに劣っているんだぞ!」
ユウナが口から泡を飛ばして怒鳴っている。
恐らくはミネルバに傷一つ負わせられず、それどころか逆に自軍のみが
害を被っている事実が、自分の思い描いていた予想とあまりに違っていたため、
癇癪を起こしているのだろう。
だが、トダカにしてみれば想定内の出来事だった。

自軍の兵士の錬度を疑うべきもないが、それは正しく運用された時に限る。
敵の防衛線を無視するような戦い方を強いられては、
いくら優れた兵士でもその実力を発揮しようもない。
ましてや、敵は一機で戦艦六隻も沈めたあのインパルスを擁するミネルバなのだ。
その力は推して知るべきだろう。
そう考え、トダカがユウナに新たな作戦を進言しようとした時だった。

「一佐、タケミカヅチの移動を」
ユウナの騒ぎ声には耳も貸さず、ただ黙々とレーダー図を見ていた黒服の兵士が口を開いた。
「なに?」
トダカはそちらの方を振り向く。
声の主は、戦術アドバイザーという触れ込みで、
名も名乗らずに艦に乗り込んできた若い連合兵だった。
「ミネルバが狙っています。回避行動を」
連合兵は繰り返した。

「ミネルバが攻撃だと? 何故、そんなことが君に分かる!?」
不愉快さをぶつける相手を連合兵へと替えて、ユウナが怒鳴った。
「レーダーを見ていれば分かります。恐らくは陽電子砲で片をつけるつもりなのでしょう」
連合兵は怒鳴り声も何処吹く風といった様子で、淡々と答えた。
確かにミネルバの動きは、間に何も入らないようにしながら、
艦の正面をタケミカヅチに向けようとしているように見受けられる。
こちらのMSの動きを抑えている内に、母艦を堕とそうつもりだろうか。

「すいませんが作戦を変更してもらいます。MS部隊はミネルバではなく、敵MSの
 撃破を優先。敵との能力差を考慮し、常に複数編成で敵と対峙するよう指示を」
「なっ…!」
更に続く連合兵の言葉にユウナは顔を真っ赤にさせた。
「どうして君にそんな指示を出されなきゃならない! この艦の司令官はボクだぞ!?」
「分かっています………が、僕も“上”の方からアドバイザーというお役目を
 命じられている以上、むざむざとこの艦を堕とさせるわけにはいきませんので」
「ぐっ…!」
“上”―――即ち、連合軍上層部を強調した連合兵の言葉に、ユウナは沈黙を強いられた。
611ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:46:13 ID:???
「だが、どうする? MSにMSの相手をさせるだけでは戦いには勝てん」
ユウナに代わってトダカが口を開いた。
「対艦戦である以上、敵艦………特にミネルバを堕とさずして、我々の勝利は…」
これまでの戦闘データを調べると、ミネルバのエース機は母艦からの
エネルギー供給によって半永久的に戦場に居ることが可能らしい。
となるとミネルバを堕とすことには、決定的な戦果ということだけではない、
それ以上の意味が生じてくる。

「それは我々、ファントムペインの仕事です」
「………何?」
予想だにしなかった返答に驚くトダカを無視して、連合兵は通信士へ指示を出した。
「通信士、J・P・ジョーンズに打電………『ストライク、発進する』と!」



グゥルに乗ったMSの間を抜けて、ムラサメがこちらに向かってくる。
だが、攻撃を受けたのか飛ぶのもやっとといった状態で、機体からは幾筋もの煙が
上がるのが見えた。ガナーウィザードを装備させたレイのザクは、
オルトロスの砲火でそれを容赦なく撃ち堕とした。
「………チッ」
敵を撃墜したにも関わらず、口から不満げな舌打ちが漏れた。
理由は分かっている。

―――ヤツは、何処だ?
レイは敵陣の到るところに視線を走らせる。
しかし、その中に自分の宿敵とも言える、黒いMSの姿を発見することは叶わなかった。
<熱紋確認! 二時の方向から…アストレイ三機接近!>
スピーカーから響く声に従い、近付いてきていたMSに牽制の砲撃を喰らわす。
攻撃は当たらなかったものの、敵の一機が回避先を誤ってこちらの防衛線の中に
飛び込み、オレンジ色のMSによって斬り堕とされるのが見えた。
612ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:47:36 ID:???
「何故、来ない…?」
今度は胸の内ではなく、口を開いて呟いた。
ムラサメやアストレイだけで、こちらのMS部隊を抜けてミネルバに攻撃を仕掛けるのは
不可能だろう。可能性があるとすれば強奪された機体くらいだが、カオスはオーブ艦隊上空で
インパルスやセイバーとやり合っている。ならば援護に回されるのは黒いストライク――
――の筈だが、その機影はどこにも見当たらない。
この戦場にヤツが居るのは確かだ。身体の感覚がそれを教えてくる。
しかし、その存在が下からゆっくりと昇って来るのが感じられるだけで、ストライクの姿は―――

そこでレイは気付いた。
「―――下から…?」
今、自分は何気なくヤツの存在が“下から昇ってくる”と感じた。
だが、眼下には黒海の蒼い海が広がっているだけだ。
顔を上げて、彼方のインパルスやセイバーの方を見やる。
先程まで、海中から跳ね上がるようにして攻撃を仕掛けていたアビスの姿が、
いつの間にかどこにも見当たらなくなっている。

―――まさかッ!?
自分の想像に背筋を凍らせるのと同時に、ミネルバが回頭し艦首が開き始める。
「よせ、ミネルバッ!!」
レイは叫び声を上げながら、オルトロスの砲口を海へと向ける。
自分の想像が外れることを祈りながら。
だが、身体を包み込む感覚が、それを否定していた。
613ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:49:03 ID:???


セイバーのコックピット内にアラートが響き、
手元のコンソールにミネルバからの通信が映し出された。
「―――陽電子砲を撃つ、だと…ッ!?」
タンホイザーを起動。射線軸にいるMSは至急下がられたし――
――通信にはそう記されていた。
アスランは後方を振り返る。

そこには巨大で凶悪な砲口を覗かせるミネルバの姿があった。
「オーブ艦を薙ぎ払う気か…!?」
ここで戦局の趨勢を決めるつもりなのか。
確かに陽電子砲が放たれれば、今回の戦いはザフト側の勝利となることだろう。
そして、それは同時にオーブの人間が多数死ぬことも意味している。

   『やめろ、ミネルバ!!』

アスランは思わずそう叫ぼうとした。だが、それよりも早くスピーカーから声が上がる。
<―――よせ、ミネルバッ!!>
誰かの制止の声を無視し、ミネルバの艦首砲が白い閃光を迸らせる―――その時だった。
「何…ッ!?」

   海を割って、地の底から這い出た黒い刃が、女神の首を貫いた。

次の瞬間、ミネルバの先端が大爆発を起こした。
炎と煙を噴き上げ、ミネルバは海へと着水していく。
アスランはたった今、目にしたものに思い返した。
ミネルバが艦首砲を撃とうとした瞬間に現れたもの、それは―――

爆発の瞬間、空へと難を逃れたレイのザクが、
再びミネルバ甲板へと降りながらオルトロスを撃つ。
赤い光条はミネルバが上げる煙の中から、一機のMSを炙り出した。
海水を滴らせながら、その機体はミネルバとの間合いを取る。
アスランはその機影を目にして声を荒らげた。

   「ストライク………ッ!!」

ビームライフルを掲げた黒いMSの姿が、そこにはあった。
614ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:52:20 ID:???


白いザクの攻撃を躱しながら、『キラ』はミネルバの損傷具合に注意を向ける。
―――陽電子砲のみ大破か。
『キラ』は敵の被害状況に不満を覚えた。
ミネルバが陽電子砲を撃つ準備を始めたのを、逆に好機と捉え、空戦仕様の
エールストライクをあえて海中に潜らせに、アビスの牽引の元、敵の懐まで入り込み、
反撃の一撃を喰らわす―――それが狙いだった。
そして、ある程度の成果は上げた。

だが、あの時、本当ならライフルは二発撃つつもりだった。
一射目はミネルバの艦首砲を、二射目はミネルバ艦橋を撃ち抜く予定で。
しかし―――
「いつも、いつも…君という奴は…ッ!」
『キラ』はミネルバ甲板の白いザクを睨みつけた。
一射目がミネルバの艦首を貫いた後、二射目を撃とうとライフルを構えるストライクに
誰よりも早く自分の存在に気付いた白いザクがビームを放ってきた。

お陰で敵に止めを刺す予定だった二射目は撃てず、
逆にこうして敵の攻撃を躱しながら、間合いを取る羽目になっている。
―――けれど機会の全てが喪われたわけじゃない。
十分な間合いを取ると、すぐ傍の海中に沈むアビスに呼びかけた。
「アウル! 敵は浮き足立っている。ここがチャンスだ、ミネルバを沈めるぞ!」

<うっせーよ、『キラ』! 一番の獲物はぼくがもらうからな!>
タクシー代わりに使われたことに気分を害したのか、
アウルは不貞腐れた様子で通信を返してくる。
『キラ』は思わず苦笑を漏らす。
「じゃあ、ミネルバは任せるよ。兎に角、これで彼らとの戦いも終わりにする。行くぞ!」
<おう!>

その応答を皮切りに、ストライクは空から、アビスは海中からミネルバへと向かう。
ミネルバの突然の被弾に驚いていた敵MSも、徐々に落ち着きを取り戻し、
何機かはこちらへと向かってくる。先陣を切るのは、見たことがないオレンジ色のMSだ。
こちらの動きに合わせ、盾から巨大な剣を抜き放つ。
「何者か知らないが………通らせてもらう!!」
『キラ』もまた敵に合わせ、武器をライフルからビームサーベルへと持ち替える。
そうして、二機が互いの剣を振り上げた時だった。
615ANOTHER PHASE-09 「Rough Edge」:2006/09/02(土) 02:54:01 ID:???
「―――なッ!?」
突如として、空から両機の間をビームが駆け抜けた。
『キラ』もオレンジ色のMSも旋回し、慌ててそれを躱す。
「新手…!?」
戸惑いながら『キラ』は上空を振り仰いだ。
「―――ッ!!」
目に入ってきたものに、『キラ』は息を呑む。
そこには太陽を背にして降り立つ淡い紅色をしたMSが―――
そして、太陽そのものを覆い隠すようにして舞い降りる、白い輝きを持った艦が、そこに居た。

<私はオーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ!>
MSから全周波で通信が発せられた。
<オーブ軍、直ちに戦闘を停止せよ!>
オーブ軍がはたと動きを止める。
ザフトもまた突然現れた艦に困惑してか、行動を止めていた。

『キラ』は呆然とそれらを眺め、再び上空へと視線を戻す。
「あれは―――」
己でも気付かない内に『キラ』は呟いていた。
「―――アークエンジェル…」
美しく雄大な白亜の艦―――初めて見る“筈の”その艦に、
『キラ』は不思議な郷愁を覚えていた。
616通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 02:55:37 ID:???
神GJ!
617通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 02:56:31 ID:???
神乙
618通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 03:03:28 ID:???
初のリアル遭遇キタコレ
神よ今日の恵みもGJ!!

アスランのヘタレ属性がばっちり出てきたよ…もうカコイイ姿は望めんなorz
619通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 03:39:11 ID:???
神GJ!
待っていました!!今回も最高!
そうか、下からか。
なんでこんな単純なことに気づかない俺…上の反対は下だよね、そりゃ
海の色形容詩は普通青だから問題ないもんなぁ…

そういえば今回ネオとミラーはどこにいるんでしょ?ステラも
ウィンダムってたしかストライカーパック装備できるからスカグラは意外と重要なポジに今でもいると思いたい…
死亡フラグ? なにそれおいしいの?
ミラー…生`
620通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 03:40:04 ID:???
GJ!
面白いッス!
621通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 05:42:53 ID:???
GJ!
ミラーは終戦まで生き残ってくれると妄想してる。
0083のキースぐらいのポジションじゃないかな。
これで仮に死んでも・・・盛り上がるからいいか。
ひでぇなおれ
622通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 07:23:56 ID:???
正に、真逆的発想ですな。
ミラーの生存は題名が題名だから難しいな。
623通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 12:45:21 ID:???
GJ!!
読んでいて寒気がするくらいに良かったです!
各キャラの葛藤とか、テレビでは見られなかったガナーザクファントムのレイ機がっ!
624通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 13:19:24 ID:???
すげーよ、神展開だよこれ。
「下」からの狙撃にレイとの対決、そして大天使との遭遇・・・
脳汁出まくった!w
神、今回も超GJです!
625通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 13:51:17 ID:???
神GJ
626通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 14:52:53 ID:???
GJ!!!
下から攻撃かよ!!!
627通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 15:49:01 ID:???
神GJ! Σd
違いねえ、確かに逆だ
628通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 18:41:11 ID:???
しかし今週も種死は面白いな
やっぱ無印から脚本変えたのが正解だっな。キャラも生きてるし
歴代シリーズの中でもトップクラスの作品だよ

629通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 23:30:18 ID:???
鳥肌たった…いやマジで
神、最高っす!
630通常の名無しさんの3倍:2006/09/02(土) 23:58:02 ID:???
遅ればせながら、GJ!
本当に毎回感激しています
これからも無理をなさらず御自身の都合が良いペースで続きを書いて下さい
保守しながら待ってます!
631前スレ275:2006/09/03(日) 01:50:25 ID:???
毎度毎度、誤字やら脱字やらはあるけど
今回はあまりに酷いことをやっていたので修正。
>>612

>そこでレイは気付いた。

から>>613の最後

>ビームライフルを掲げた黒いMSの姿が、そこにはあった。

までを以下(次レス)の文に置き換えておいて下さい。
説明するとこの部分の描写は

ストライク、アビスと共に海中から登場
→ アビスを踏み台にしてからミネルバに攻撃 → 艦首砲破壊
→ 更に攻撃しようとするがレイのザクに阻まれる

となります。
自分の間抜けっぷりと表現力の無さを露呈することになるので
こんな真似はしたくなかったのですが、あまりにも出来が酷かったので…
632改変部 1/2:2006/09/03(日) 01:51:38 ID:???
そこでレイは気付いた。
「―――下から…?」
今、自分は何気なくヤツの存在が“下から昇ってくる”と感じた。
だが、眼下には黒海の蒼い海が広がっているだけだ。
ふと、視線を上げ彼方のインパルスやセイバーの方を見やる。
先程まで、海中から跳ね上がるようにして攻撃を仕掛けていたアビスの姿が、
いつの間にかどこにも見当たらなくなっている。

―――まさかッ!?
自分の想像に背筋を凍らせるのと同時に、ミネルバが回頭し艦首が開き始める。
「よせ、ミネルバッ!!」
レイは叫び声を上げながら、オルトロスの砲口を海へと向けた。
自分の想像が外れることを祈りながら。
だが、身体を包み込む感覚がそれを否定し、
直後に立ち上った水柱が想像の肯定を示した。



セイバーのコックピット内にアラートが響き、
手元のコンソールにミネルバからの通信が映し出された。
「―――陽電子砲を撃つ、だと…ッ!?」
“タンホイザーを起動。射線軸にいるMSは至急下がられたし”――
――通信にはそう記されていた。
アスランは後方を振り返る。

そこには巨大で凶悪な砲口を覗かせるミネルバの姿があった。
「オーブ艦を薙ぎ払う気か…!?」
ここで戦局の趨勢を決めるつもりなのか。
確かに陽電子砲が放たれれば、今回の戦いはザフト側の勝利となることだろう。
そして、それは同時にオーブの人間が多数死ぬことも意味している。

   『やめろ、ミネルバ!!』
633改変部 2/2:2006/09/03(日) 01:54:24 ID:???
アスランは思わずそう叫ぼうとした。だが、それよりも早くスピーカーから声が上がる。
<―――よせ、ミネルバッ!!>
誰かの制止の声を無視し、ミネルバの艦首砲が白い閃光を迸らせる―――その時だった。
「何…ッ!?」

   黒い亡霊が凶刃を手に、海を割り地の底から這い上がってきた。

突然、海面から水柱が立ち上ると、その中から二機のMSが飛び出してきた。
一機は水中戦に特化したアビス、そしてもう一機は―――
「ストライク………ッ!!」

アビスの背に張り付いていた黒いストライクは、空に飛び出るや否や、アビスを足蹴にして
加速をし、ミネルバへとライフルの銃口を向ける。そこから光が迸った次の瞬間、
ミネルバの先端が大爆発を起こした。爆発の瞬間、飛び上がって空へと難を逃れた
レイのザクが、オルトロスの砲撃をストライクへ放ち、追い撃ちをかけようとしていた
敵機の行動を妨害する。ストライクは水を滴らせながら攻撃を躱し、
ミネルバとの間合いを取る。炎と煙を噴き上げ、海へと着水していくミネルバを横目に、
アスランは戸惑いと共にストライクを見やった。
634通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 02:55:41 ID:???
GJGJ
635通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 04:13:34 ID:???
だれか編集してください
636通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 09:23:39 ID:???
>>612>>613を編集してみたけど・・・あってるかはわからんw

「何故、来ない…?」
今度は胸の内ではなく、口を開いて呟いた。
ムラサメやアストレイだけで、こちらのMS部隊を抜けてミネルバに攻撃を仕掛けるのは
不可能だろう。可能性があるとすれば強奪された機体くらいだが、カオスはオーブ艦隊上空で
インパルスやセイバーとやり合っている。ならば援護に回されるのは黒いストライク――
――の筈だが、その機影はどこにも見当たらない。
この戦場にヤツが居るのは確かだ。身体の感覚がそれを教えてくる。
しかし、その存在が下からゆっくりと昇って来るのが感じられるだけで、ストライクの姿は―――
そこでレイは気付いた。
「―――下から…?」
今、自分は何気なくヤツの存在が“下から昇ってくる”と感じた。
だが、眼下には黒海の蒼い海が広がっているだけだ。
ふと、視線を上げ彼方のインパルスやセイバーの方を見やる。
先程まで、海中から跳ね上がるようにして攻撃を仕掛けていたアビスの姿が、
いつの間にかどこにも見当たらなくなっている。

―――まさかッ!?
自分の想像に背筋を凍らせるのと同時に、ミネルバが回頭し艦首が開き始める。
「よせ、ミネルバッ!!」
レイは叫び声を上げながら、オルトロスの砲口を海へと向けた。
自分の想像が外れることを祈りながら。
だが、身体を包み込む感覚がそれを否定し、
直後に立ち上った水柱が想像の肯定を示した。

637通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 09:26:52 ID:???
セイバーのコックピット内にアラートが響き、
手元のコンソールにミネルバからの通信が映し出された。
「―――陽電子砲を撃つ、だと…ッ!?」
“タンホイザーを起動。射線軸にいるMSは至急下がられたし”――
――通信にはそう記されていた。
アスランは後方を振り返る。

そこには巨大で凶悪な砲口を覗かせるミネルバの姿があった。
「オーブ艦を薙ぎ払う気か…!?」
ここで戦局の趨勢を決めるつもりなのか。
確かに陽電子砲が放たれれば、今回の戦いはザフト側の勝利となることだろう。
そして、それは同時にオーブの人間が多数死ぬことも意味している。

   『やめろ、ミネルバ!!』

アスランは思わずそう叫ぼうとした。だが、それよりも早くスピーカーから声が上がる。
<―――よせ、ミネルバッ!!>
誰かの制止の声を無視し、ミネルバの艦首砲が白い閃光を迸らせる―――その時だった。
「何…ッ!?」

突然、海面から水柱が立ち上ると、その中から二機のMSが飛び出してきた。
一機は水中戦に特化したアビス、そしてもう一機は―――
「ストライク………ッ!!」

アビスの背に張り付いていた黒いストライクは、空に飛び出るや否や、アビスを足蹴にして
加速をし、ミネルバへとライフルの銃口を向ける。そこから光が迸った次の瞬間、
ミネルバの先端が大爆発を起こした。爆発の瞬間、飛び上がって空へと難を逃れた
レイのザクが、オルトロスの砲撃をストライクへ放ち、追い撃ちをかけようとしていた
敵機の行動を妨害する。ストライクは水を滴らせながら攻撃を躱し、
ミネルバとの間合いを取る。炎と煙を噴き上げ、海へと着水していくミネルバを横目に、
アスランは戸惑いと共にストライクを見やった。

ビームライフルを掲げた黒いMSの姿が、そこにはあった





っていうかもしや>>612>>632>>613>>632にすればいいだけか?w
638通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 19:44:31 ID:???
神GJGJ。
最高っす
639通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 20:45:53 ID:???
保守
640通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 19:56:00 ID:???
保守、でなんであげてんの?
641通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 21:06:12 ID:???
クルーゼ隊長のスレってどうなんのかな?
642通常の名無しさんの3倍:2006/09/04(月) 23:06:06 ID:???
「キラ」vs地母神に分身を捧げたアスランvs死ぬ運命をねじ伏せるシン
でガチりあい。
643通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 00:28:20 ID:???
>>641-642
スレ違い
消えろ
644通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 13:17:43 ID:EIPhBkTx
吉良がファントムだったらさ、ラクスは誰と一緒にいるのかな?
645通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 14:26:20 ID:???
>>644
虎とか魔乳とかデショ
646通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 14:59:53 ID:???
アスランとのカプはないな
647通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 09:40:30 ID:???
神乙!
648通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 21:43:58 ID:???
ママー!!
今日は神様来てくれるかなぁ?
(゜∀゜*)wktk
649通常の名無しさんの3倍:2006/09/06(水) 23:31:10 ID:???
いい子にしてたら凶刃を手に、海を割り地の底から這い上がってくるから、いい子にしてるんだよ
650ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/06(水) 23:54:05 ID:???
「現在、訳あって国許を離れてはいるが、このウズミ・ナラ・アスハの子、
 カガリ・ユラ・アスハがオーブ連合首長国代表首長であることに変わりはない!」
カガリはストライクルージュのコクピットからオーブ艦隊を見下ろした。
目に映るのは先程までの戦いの跡。
国のためを想って結んだ同盟の結果がそこには広がっていた。
撃墜されたムラサメやアストレイの残骸が、痛みとなってカガリの胸を刺す。
しかし、その痛みに涙を流すのは後回しだ。今は―――

「その名において命ずる!」
―――この無益な戦闘を止めるのが先だ!
カガリは叫んだ。
虫がいい話だとは分かっている。それでも訴えかけないわけにはいかない。
「―――オーブ軍は、その理念にそぐわぬこの戦闘をただちに停止し、軍を退け!」
オーブ軍だけではなく、連合、そしてザフトへも、カガリは毅然と言い放った。

一度は自分自身が選択した道だった。
だが、かつての仲間たちの手により世界へと連れ去られ、
自分の選択したことの行く末が見えた今だからこそ言わなくてはならない。
―――こんな戦いをオーブが………いや、オーブだけの問題ではない。
どの国も、誰もが戦うばかりの世界に居てはいけないのだ!



<オーブ軍、直ちに戦闘を停止せよ!>
「何を、言って………」
シンは空から舞い降りた機体と艦を戸惑いながら見詰める。
<カガリ・ユラ・アスハがオーブ連合首長国代表首長であることに―――>
―――オーブ連合首長国代表首長…?
そんなヤツが“今更”何をしにここに―――と、シンが疑問に思うよりも先に、
カガリの声が全周波で発せられた。
<―――理念にそぐわぬこの戦闘をただちに停止し、軍を退け!>

「ッ!?」
シンは息を呑んだ。
軍を退け―――そう、アスハは言ったのか?
自分が下した決断が、ここにオーブ軍を呼び込んだくせに、今更になって?
ここに居るオーブの兵士たちを死なせたくないと、救おうと思って、戦いをやめろとぬかしたのか?
「二年前は………」
同じ様に自分たちの決めたことで、多くの国民を犠牲にした。
その時は、救わなかったのに。

   父さんも母さんも、そしてマユも見殺しにしたくせに。

「―――………ふ、ざけるなあああぁぁぁッ!!」
目の前が怒りで真っ赤に染まる。
シンはインパルスを上空へと舞い上がらせた。
怒りの炎が灯った赤い瞳に、淡紅色のMSと天使気取りの巨艦を映しながら。
651ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/06(水) 23:56:37 ID:???


ネオもまた、J・P・ジョーンズの艦橋から驚愕と共に上空を見上げていた。
「アーク、エンジェル………」
あの艦がオーブの代表首長を連れさらって、何処かに消えたという話は聞いていた。
しかし、それがどうしてここに―――と、一瞬、考えかけたが、答えはすぐに浮かんできた。
あそこに居る者たちなら………“彼女”なら、この戦場に赴くことだろうと。
ただ、誰も犠牲にしたくない―――その一念だけで。

「だが、あれだけでは…」
戦艦一隻にMS一機…いや、まだ他の機体も
搭載されているのかもしれんが、それでも無謀過ぎる。
―――もうあそこには俺もキラも居ないというのに!
ネオの心に不安がよぎった時、それを証明するかのようにMSが動いた。
「インパルス…?」
動き始めた白いMS、インパルスの向かう先には
ストライクルージュとアークエンジェルがあった。
駄目だッ―――そう思った時には通信機を手にしていた。

「―――キラッ!!」
“今、この艦を守れるのは俺とお前だけなんだぜ”―――かつて少年に放った言葉と
同じ意味を込めて、ネオは通信機に向かって叫んだ。
いや、後方の艦に居る自分のことを考慮すれば、今、彼女たちを救えるのは―――
「お前とストライクで―――」
あの艦を守ってくれ―――と言うよりも先に黒いストライクは動き始めた。
―――頼むぞ………キラ!
祈るような気持ちでストライクを見つめると、自身もまたMSに乗るため艦橋を後にしようとする。

その時になって、ネオは艦橋の人員から困惑の眼差しを向けられていることに気付いた。
―――何だ、今のは?
そして、今、自分が取っていた行動にハッとなる。
何故、俺は『キラ』をあの艦の元に向かわせた?
インパルスが何を思ったかは分からないが、その意図が読めない所属不明の艦をどうしようと
自分たちが知ったことではない筈だ。その結果を見てから行動すればいいだけの話だ。
―――なのに、どうして?
ネオが幾ら考えても、自分がしたことへの答えは浮かんでこなかった。
652ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/07(木) 00:00:36 ID:???


<オーブ軍…! 聞こえないのか!?>
カガリはなおも呼び掛けるが、オーブ軍には何の動きも見られない。
―――やっぱり、駄目なのか?
マリュー・ラミアスは焦りながら考えた。
カガリの想いを、そしてかつて自分たちがしたことを再び行うため、
こうして戦場に舞い戻ってきたが、オーブ軍に期待していた動きは見られない。
<ただちに戦闘の停止を―――>
カガリの懸命な叫びだけが、戦場に空しく響き渡る。

「―――MS接近!」
「何っ!?」
その時、索敵要員の声が上がった。
「これは………ザフト機、インパルスです!」
<オーブ軍、私の声が分からない―――なッ!?>
機体名が告げられるのと同時に、下方からビームがカガリのストライクルージュを襲う。
「カガリさんッ!!」
ストライクルージュはシールドを構え、かろうじて攻撃を防いだ。

―――まさか、ザフト側から攻撃を受けるとは!?
万事上手くいくとは微塵にも思っていなかったが、
予想だにしなかった陣営からの攻撃にマリューは唇を噛んだ。
迂闊だった―――いや、考えられないことではなかった。
ラクス暗殺疑惑がプラント側にある以上、自分たちを亡き者にしたい連中が、
あのミネルバに居てもおかしくは…
―――いや、今はそんなことを考えている場合ではない!

「バルトフェルド隊長!」
<おう!>
艦内の通話機に呼びかけると、ムラサメのコクピットで待機中だった
バルトフェルドから即座に返事が寄越された。
<今、発進する―――アンドリュー・バルトフェルド、“ムラサメ”、行くぞ!>
黄色にカラーリングされたムラサメがアークエンジェルから射出される。
だが、その間にインパルスはアークエンジェルの目前まで迫ってきていた。
653通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 00:01:36 ID:???
リアルタイム遭遇キタコレw神GJ。激しく感謝します。m(__)m
654ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/07(木) 00:02:15 ID:???
<よせ! 私たちに攻撃の意思は―――>
カガリの言葉を無視し、インパルスは猛然と突っ込んでくる。
<やめろ、インパルスッ―――シンッ!>
インパルスはそのままストライクルージュにシールドごと体当たりをかました。
<うわあああぁぁぁ!!>
ストライクルージュは成す術もなく、後方へと吹き飛ばされる。
<チィ…ッ!>
バルトフェルドのムラサメがインパルスに攻撃を仕掛ける。

しかし、インパルスはそれを軽やかに躱し、再びストライクルージュへと向かっていく。
「マズい! 援護を―――っ!?」
カガリを助けようとした時には、インパルスはストライクルージュの腕を掴んでいた。
―――あれでは攻撃したら、ルージュにまで被害が…!
マリューの背筋に冷たいものが走る。
<―――綺麗事ばかりぬかすなああぁぁッ!!>
突然、ノイズ混じりの怒声が艦橋に響き渡った。
―――誰の声…?
ストライクルージュとの接触を介して、インパルスのパイロットの言葉が届いて…?
<うおおおぉぉぉ━━━ッ!!>
その声と共に、インパルスはストライクルージュをアークエンジェルへと投げつけた。

ぶつかるかと思ったが、ストライクルージュは艦橋ぎりぎりの所で制動を取り戻す。
だが、ほっとしたのも束の間だった。
「―――ッ!!」
正面の艦橋窓に、ビームライフルを構えようとするインパルスの姿があった。
艦橋に居る者全員がそれを目にし、空気が凍りつく。
―――これで、終わり…?
二年前と同じく、この戦いを何とかしようと、何とか出来ると思い、
戦場に還って来たというのに、こんなにあっさりと終わってしまうのか?
インパルスの銃口が、真っ直ぐこちらを向く。
その時―――
655ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/07(木) 00:04:03 ID:???
<やめろおおおぉぉぉ━━━っ!!>
艦橋に声が轟くのと同時に、黒い弾丸が赤い光を煌かせて下からインパルスを襲う。
「ッ!!」
黒いそれと白いMSが擦れ違った刹那、ライフルを持ったインパルスの腕が宙に舞った。
マリュー同様、インパルスも何が起こったのか理解出来ず、頭部を上空へと向けた。
次の瞬間、黒い身体を翻し、天から舞い降りてきた何かが、インパルスのその頭部を蹴り飛ばした。
「な……に……!?」
それはアークエンジェルに迫った脅威を排除すると、
あたかもこの艦を守るようにザフト、オーブ、連合全ての前に立ち塞がった。

その背にマリューは既視感を覚える。
いや、既視感ではない。これはかつて見た光景だ。
二年前、この艦を守るために戦ったMSの背についた大きな翼は、今も目に焼き付いている。
あのMSと唯一違うのは、機体の色だけだが―――
「どうして、このMSが…?」
マリューは自分たちの前に立つ、黒いストライクの姿を呆然と見詰めた。
その疑問に答えるかのように、先程、艦橋に届いた声が再び飛び込んできた。

<―――下がって、アークエンジェル…!>
クルーは一様に息を呑む。マリューは驚きに大きく目を見開いた。
「そんな…」
聞き慣れた声に操舵席のノイマンは唖然となる。
「まさか…」
ありえない現実を前にし、チャンドラもまた驚愕に口を大きく開ける。
だが、その声は紛れもなく“彼”のものであった。

「キ…ラ………?」
そして、ラクスは震える声でその名を口にした。
656通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 00:04:20 ID:???
一番乗り?
神GJ!
続きが気になって仕方ないよこの締め
657通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 00:17:44 ID:???
かっこよすぎる…
658通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 00:31:11 ID:???
キラとアークエンジェル組の接触キターーーー!!!
さすがだよ神!!!
かっこよすぎる・・・
659通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 00:33:30 ID:???
普通にしびれる…
そしてまた続きが気になる日々に…
なんにしてもGJ!
660通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 02:35:50 ID:???
つーかAA連中がやる事は一緒なのか
661通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 03:00:01 ID:???
助けた後どぅすんだょ…。。。
662通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 03:28:23 ID:???
答えは簡単でしょう。
インパルスは関節事にバラバラに刻まれて達磨にされます。


え?。
663通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 08:55:34 ID:???
うおぉGod Job(グッドなんてもんじゃねーよコレ)!!!!
やっとリアルタイムに追いついた記念。
664通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 10:09:15 ID:???
グニュニュニュ…ズボッ!(切り飛ばしたインパルスの腕が元通り生える)
キラ「そういやおめぇ、再生できるんだったな。」
シン「そういう事だ。ピッコロのようにな。」
665通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 10:25:44 ID:???
うぉぉぉ!神おt…
じゃなかった、神様ありがとぅ。
ママー僕いい子してたょ(*^∀^*)
666通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 12:25:24 ID:???
ここでノイマンの名前を見ることになろうとは…
667通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 12:34:42 ID:???
>>666
それを言うならチャンドラもだw
668通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 14:20:17 ID:???
ヤバイ・・・素でゾっとしたw
何て言う脳汁出まくりな展開なんだよ!
神、今回もGJGJですよコノヤロー!w
669通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 14:42:18 ID:???
>>661
どうすんだろ…

>>664
既視感www流行ってるのか?
670通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 16:19:48 ID:???
失望
671通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 16:24:16 ID:???
問題はここからどうなるかだね
wktkしつつ待たせてもらいます
672通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 16:47:18 ID:???
AAにはスカイグラスパーがもう逸機あるからエール→ノワール→IWSPの三段戦法を期待したい。
673通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 18:22:19 ID:???
いつもはロムなんだが今日は書き込む!
神好きだあああああああ
674通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 19:53:44 ID:???
>>669
種Wスレのやつなら俺が書いた
675通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 20:50:47 ID:???
小説書いてる人が見てたら、二コルの顔かいて
676通常の名無しさんの3倍:2006/09/07(木) 21:39:13 ID:???

  ・Д・
677通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 02:59:36 ID:???
神乙。質が高いぜ!

そういえば
『キラ』→キラ
になってるな
678通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 06:03:56 ID:???
狂戦士10回読んだ。
脳内映像はフルカラー、ドルビーサラウンド音声付き、エンディングまで流れてるよ。
この映像に既視感を覚える、いや、これは去年テレビで見た映像・・・ん?
携帯用まとめサイトの英雄(人殺し)18が中身抜けてました。メンテよろしくおねがいします。
679通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 10:15:58 ID:???
・・・・・・・ねぇ、これって進むとオーブ&キララクマンセーになるの?
680通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 13:10:03 ID:???
>679
進んでけば分かるんだし、俺はなっても別にかまわないな
負債みたいに理由もなしにマンセーにはならないと思うし
おれはどっちかというと、戦闘のところが楽しみだから
681通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 13:17:23 ID:???
>>679
本編そのままのキララクマンセー出来る人は
ルサンチマンに駆られてこんな大作を
投下したりしない
682通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 14:53:12 ID:???
>>680
俺も戦闘のとこ凄い楽しみだ。
誰か映像化してくれんかなぁ、って本気で思うよw
683通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 18:58:19 ID:???
>>679
安心しろ。
かっちりしっかり理由を付けてオーブとかカガリを善玉にして、大成功したSSも結構あるから。
684通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 19:52:15 ID:???
本編が本編だけに、ちょっと優遇されるとマンセーと言うのがでてくるからな。
まあ大切なのは683の言うとおり理由だな。
685通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 20:02:47 ID:???
ここの神ならどんな展開でも納得出来る良作を書いてくれるよ
信じて待つだけだよ
686通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 21:37:56 ID:???
あんまり神にプレッシャーかけるなw
俺は神が書く小説のファンだからどんな展開になろうと
楽しむだけ。神マンセー
とりあえず次の投下までいい子で待ってる
687通常の名無しさんの3倍:2006/09/08(金) 21:53:55 ID:???
同一人物だよね?
688まとめサイト:2006/09/08(金) 21:57:43 ID:???
>>678 殿
うお、指摘されるまで分かりませんでした…(汗
大変失礼しました…orz
689通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 00:28:51 ID:???
>>688
いつも乙!
690通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 02:04:17 ID:???
神乙!

ただ、今回は…急に大天使護りだすのもどうよ?って感じも確かにあった。

まー、俺にアンチラクシズの毛が少々あるせいかもしれんが
691通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 02:29:53 ID:???
記憶が残ってるなら守りに行くだろ普通。キラなら。問題はこの戦闘の後だ。
キラと『キラ』の境界線で揺れ動く、自分の行動の理由を求めて苦悩する様が今から脳裏に浮かんでくるぜ。
692通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 02:48:56 ID:???
残念でならない
693通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 02:50:50 ID:???
ラクシズアンチのSSなんぞここ以外のスレ行けば腐るほどあるんだから
よそいったほうがお互いのためだと思わんか?
694通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 10:32:57 ID:???
ラクシズアンチに走ってほしいわけじゃないけど
ちょっと唐突な感じは否めないな
695通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 11:07:24 ID:???
文句言う奴は読むなよ
今んとこ神一人だけでこのスレ成り立ってるのに。
アンチラクシズにしたけりゃ自分で書きゃいいだろ
このスレの主旨から外れない程度のやつで
696通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 11:23:26 ID:???
守りに行こうとしたのは、体が勝手に動いたのだと思う。『キラ』たけでなくネオもAAを守ろうと動いたし。多分本能で動いたのだと思う。スレ汚しすみませんm(__)m後、神・まとめサイトの方々乙であります
697通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 14:59:05 ID:???
最近本当にグダグダ文句言うやつが増えたな。
今は神の中の種死を見せてもらってんだから自分の好みを押し付けんな。
698通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 16:44:06 ID:???
そもそも完全なラクシズアンチがキラが表題にあるスレに来ることが間違い。
住み分けはキッチリしましょう。
699通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 16:48:52 ID:???
>>697の言う通りだね
ここはそう云うスレであり続けて欲しい
700通常の名無しさんの3倍 :2006/09/09(土) 17:35:33 ID:???
読者が印象持ったらその意見を言うぐらい当然だと思うがねぇ?
別にアンチ云々じゃなくてキラの行動が唐突な感は否めんね。
701通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 17:42:54 ID:???
批評を言うだけで終わればいいがその後には荒れたりするからなんとも…
702通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 17:45:03 ID:???
>>700
しかしキラがそういった行動に出なかったら、AAは今回シンの手にかかってあっさり沈められていたかも知れんぞ?
それはそれで面白かったかも知れんが、物語としての寿命は減衰する事間違い無し。
703通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 17:46:30 ID:???
ただのアンチラクスやアンチキラのSSが読みたいなら
Revival読んでたらいいと思われ。
ラクシズを絶対悪としないといいながらモロアンチ視点で書いてる。
まぁラクシズなんて使ってる時点でもうあれだけど。
704通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:16:45 ID:???
>>703
アンチ云々じゃないと言っているのにそんなレスを付ける感性、素敵だね。
>>701-702という手本があるのに。
705通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:21:00 ID:???
ラクシズってなんや??

神様乙彼。。。めっさオモロいっす
706通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:24:24 ID:???
>>704
>>703>>700宛てのレスだと勝手に思い込んでる君の感性、素敵だね。
707通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:26:57 ID:???
>>706
すぐ上じゃないならわざわざ掘り返したってことかな?
うわぁ、素敵だね。荒らし?
708通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:27:49 ID:???
>>704
>>703がどのレスに宛てたのかわからんのに素敵な感性だな
709通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:28:07 ID:???
>>703-704
>>706-707
荒らしの自演乙。さっさと失せろ。
710通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:28:38 ID:???
>>707
必死だな( ´,_ゝ`)
711通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:35:08 ID:???
少しはスルースキルを身につけろ、お前ら。
荒らしにレスするやつも荒らしって習わなかったのか?
712通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:36:12 ID:???
じゃあお前も荒らしだな
713通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:39:27 ID:???
>>711
言い負かされたと知るや今度は無理矢理黙らせるんですか?
必死な>>704さん?
714通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:39:30 ID:???
勝手に勘違いした>>704がファビョったみたいだな
俺も荒らし認定されるのかね
715通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:41:31 ID:???
 アーヒャヒャヒャ
lヽ
l l〃⌒⌒ヽ.               /巛 》ヽ, 
l_」(((((`')),)              ヾノ"~^ヽ,^ 殺伐としたスレに
‖ vb ゚∀゚ノレ.              リ*´∀`)  俺様グゥレイトに登場
⊂    つ  ≡≡≡≡≡≡≡  ⊂    つ    
 人  Y    ======    人  Y"~     
 し(_)                 し (_)
716通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:47:26 ID:???
荒れすぎ。
もう全部>>704の自演でいいよ。それで終わり
717通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:54:19 ID:???
>>716
俺は>>708だが、なんで>>704扱いされなきゃいけないんだ?ふざけるな
718通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 18:58:48 ID:???
>>717
荒れたのに関係あるから、もう俺もお前も全員同罪で終わりだ。誰が>>704かなんてもう訳分からないし。
というわけで>>718まで>>704の自演でした。以下スルー
719通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 20:25:05 ID:???
うわぁ…なにこの流れ


や め て よ ね w
720通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 20:39:18 ID:???
ところでキラの黒ストライク、
フリーダムは×としても、やはりそろそろ新機体に乗り換えてほしいかも。

黒ストライクはパイロット性能でシンのインパルスは圧倒できるけど
機体性能の上回るアスランのセイバーには以前の対峙では順当に押されてる感じだったし。
それに連合のシナリオ的には『キラ』と共に完全な捨て駒扱いで、
いつだったかの囮作戦で本当ならとっくの昔に宇宙の塵になってた筈の機体。

あぁ、でも連合的にはいつ死んでもいいキラに回せる新機体は今の連合には無いのか・・・・。
「意外にしぶとい」とか思われてそうだ。
721通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 20:40:04 ID:???
>>719
煽るなよ・・・
722通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 21:09:06 ID:???
>720
稼働時間短くなったり、機体への負荷は増えてるが
今の黒ストライクは性能がアップしているぞ
機体変えるにしても、他のやつらが機体を乗り換えた後だろう
723通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 21:25:15 ID:???
>>720
新機体が強くなるっていうガンダムシリーズの常識を覆して、
弱い機体で連携して相打ち→修理するくらいなら新機体で

って流れもおもしろそう
724通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 22:31:40 ID:???
分かったぞ!

ノワールに乗り換えればうわなにをくぁwせdrftgyふじこlp
725通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 23:01:28 ID:???
高機動型ウィンダム先行量産試作機

ええ、MSV好きの古参ガノタですが何か?
726通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 23:49:58 ID:???
うわぁぁぁぁん!
ママーこんな雰囲気じゃ神様来ないよ〜
ここは神様の物語に個人の感想を
言う所じゃないょ!
僕と一緒にいい子してよ〜ょ(^∀^)
喧嘩はだめだょ☆
727通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 01:49:13 ID:???
>>726
うんうん♪
いい子だからもうそれ以上蒸し返しちゃあダメよ(´∀`)σ)´Д`)
728通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 04:43:14 ID:???
(´∀`)σ==≡≡≡三三三三⊃)´Д`)
729通常の名無しさんの3倍 :2006/09/10(日) 09:14:26 ID:???
スタゲしだいではノワールに乗りかえってのも面白いかも。
730通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 12:55:54 ID:???
>>727
は〜い
731通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 13:17:17 ID:???
ちょいとあげますぜィ
732通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 14:49:34 ID:???
そこでストライクMk-Vの登場ですよ

ちなみにMk-Xは有線式ドラグーン
搭載しています。
733通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 16:04:25 ID:???
で、その武者守虎郁魔悪参が異世界でサタンストライクと騎士ストライクになるのか?
734通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 16:24:19 ID:???
思ったんだが、せっかく連合に居るんだから、フォビドゥンストライカーとかは
どうだろう?
あの背中の甲羅をストライカーパックにしたとか、ソードストライカーパック
をソードカラミティの装備に変えてソードインパルスとガチらせたりしたら面白い
と思うのだが。
735通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 17:50:08 ID:???
>>734
連合にキラが居るってだけで楽しい妄想が広がるね〜。

さてこの後AAは二年前と同じく、またキラのお陰で命拾いするんだろうけど
それからキラはどうなるのかなー?
この物語のキラには最後まで黒の似合うダークヒーローでいてほしいんだけど。
もっと血生臭さがUPすれば尚嬉し。
AAにはそう易々と帰れないぐらいに。

期待してますぜ、神(・∀・)
736通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 18:10:36 ID:???
だから神に余計なプレッシャーかけるなと
神には神のコンセプトがあるんだから
737通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 18:37:00 ID:???
まとめサイトのタイトルを見る限りだと、『キラ』は
記憶を取り戻してAA側に戻るんだろうね。
そうなると、乗り換えるとしたらやっぱストフリか。

過程の話がどう描かれていくか楽しみ。
738通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 18:52:38 ID:???
逆にラクシズマンセー物はどこで読めるの?
739通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 19:17:22 ID:???
完全にAAと決別して、ロゴスの作った超最強・ミニデストローイなストフリで暴れまわる
ってのもアリかな、と妄想。
740通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 19:36:12 ID:???
おまいら、妄想とかでスレを消費するな
チラシの裏で十分だろ
741通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 20:59:23 ID:???
ストライクノワールに乗り換えじゃなくてノワールストライカーが配備ってのは?
ミラーが運搬
742通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 21:14:11 ID:???
デストロイの色は黒!。
743通常の名無しさんの3倍:2006/09/10(日) 21:49:17 ID:???
そういえば、10月にMGで発売されるストライクがダークトーンらしいな。
なんでも、ノワールが改修受ける前のストライク2という設定という、うわさだが。
744通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 06:25:28 ID:???
順当に
ゲルズゲーあたりどうだ?
ネオとミラーと一緒にザムザザーでもいいが。
745通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 09:53:49 ID:???
確かキラってイアンが余計な報告したせいで上層部から疑われてなかったっけ?
そんで忠誠心を確かめるためにこの戦いに参加させたのにAA助けちゃったりしたから、
まあ始末はされないだろうけど新しいMSなんて貰えないんじゃないかな。
746通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 11:11:30 ID:???
>>745
今はイアンいないんだし、報告書をネオが改ざんするんじゃね?
747通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 11:54:03 ID:???
いい加減、雑談とかで
スレ消費するな。
話したいならよそ行って来たら?
748通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 14:15:22 ID:???
は?
749通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 15:52:51 ID:???
          ____   
       / \  /\ キリッ
.     / (ー)  (ー)\      
    /   ⌒(__人__)⌒ \    
    |      |r┬-|    |    いい加減、雑談とかで スレ消費するな。
     \     `ー'´   / 話したいならよそ行って来たら?
    ノ            \
  /´               ヽ              
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.    
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))


          ____
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o      ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\   /⌒)⌒)⌒)
| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //  他所ってどこだおwwwwwwwww
| :::::::::::(⌒)    | |  |   /  ゝ  :::::::::::/    いつからここは雑談禁止になったんだおwwwwww
|     ノ     | |  |   \  /  )  /
ヽ    /     `ー'´      ヽ /    /     バ
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l  バ   ン
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、    ン
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
750通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 17:37:32 ID:tBLI2xGJ
確かにここは雑談スレではないからな、無駄話をするなら他に行ってほしいと思う
751通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 18:12:22 ID:???
>>750
煽るんじゃねぇよ、スルーしろカスが
752通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 18:29:23 ID:???
>>745
上官命令だし
753通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 19:22:21 ID:???
イアンばかん
754通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 21:36:40 ID:z3ivLEPp
こんなスレは俺が討つんだ!
今日、ここでッ!!
お前らが居るから世界は!
755通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 21:38:56 ID:???
てすと
756通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 22:11:01 ID:???
まあ神の次の投下があるまで、
ここはしばらく保守モードに入りたまい、おまいら。
・・・静かにな。
757通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 22:54:54 ID:???
了解する?
758通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 23:48:19 ID:???
了解した。保守モードに移行する
759通常の名無しさんの3倍:2006/09/12(火) 01:05:07 ID:HXKG6tok
アナルとマンコの違いって何?
760通常の名無しさんの3倍:2006/09/12(火) 05:36:46 ID:KjWkcdxX
ここの神様を迎え入れるために雑談禁止て。
いつから神様とやらの専用になったんだよw
神社のお籠りのつもりかw
761通常の名無しさんの3倍:2006/09/12(火) 10:05:22 ID:???
ふと思ったのだがこのスレの3馬鹿ちゃんずは
相変わらず更衣室は一緒なのだろうか?
「ステラは女の子なんだから」ってあせって言うキラとか思い浮かんじゃった
762通常の名無しさんの3倍:2006/09/12(火) 20:54:17 ID:???
レス増えてて久しぶりに来てみたら…orz
保守。
763通常の名無しさんの3倍:2006/09/13(水) 13:19:28 ID:Ttqk8ZZl
何か同じ食材でも扱いでここまで味が、違うものかと感心するわ
764通常の名無しさんの3倍::2006/09/13(水) 20:02:21 ID:???
愛エプみたいなもんか・・・。
765通常の名無しさんの3倍:2006/09/14(木) 13:50:50 ID:???
言いえて妙・・・
766通常の名無しさんの3倍:2006/09/14(木) 22:07:33 ID:???
安置厨御苦労様

   ∧,,∧
   ミ,, ゚Д゚ 彡ー-- mm
  / 、      ン6UUU}
 く く  嬉 ノ~~'
  ヽ l^^^つ \
   /`ヽ―`  ―ー----、、       从从 -------
  (  ー   ⌒        ̄~~ ̄ ̄ア   / ,,ノ ''"´´` 彡
  \   へ |´`^´` ̄ ̄`` ヽ_ノ^´   /  ,ミ        ヽ
     ̄   し     ∧/|_ .;".;  i ,ミ         |
         __      /      | ミシ   / ,, ,, \!    
        〈〈〈〈 ヽ    >     (6ミシ   ;:;;:;:;アンチ )|     ☆
         〈⊃  }    ∧/|_   し::  :::;;::;;::ノ ⌒ノ    ./;"☆.;": .
          |   |         /   ミ:::ヽ    ヽ(o o)ヽ   ∧ / 、    ∧,,∧
          !   !         >   ヽ:::::〆     ヾ;:ヾ◎ < >r―--―‐ミ ゚Д ゚,,彡_
     ∧,,∧ /  /          ,,・_. ヽ::::::\::;  ___ノ    ∨ Lェ -――‐-、   ェ 、  ヽ
   ミ,, ゚Д゚ 彡 /          ・ ¨ _ノ::::::: :::::: ``/     ∵           \憎 {_,,ノ
    /    ./            //\/ ̄ ̄ヽ                    ヽ   ヽ
    / 喜 /            //////へ \', ・,  ‘              ソ   )
  ( |    |            ///80//   \ \                 /   ハ

       __∧/|_    -----ノノ      -----ノノ    ------ノノ
      〈〈〈〈 ヽ   /  / ,,ノ"´`彡   /,,ノ ''"´´`彡, /,,ノ''"´´` 彡
       〈⊃  }   >/  ,ミ    ヽ  / ,ミ       //  ,ミ      |
        |   |/|_  | ミシ/ ,, ,, \! / ミシ / ,, ,,\ // ミシ:;:;:;;;), \ /
        __  /  (6ミシ/:;;:;:;アンチ1)| 6ミシ;;アンチ2×)/ (6ミシ;:;アンチ3 )/ |
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767通常の名無しさんの3倍:2006/09/15(金) 17:28:09 ID:???
保守
768通常の名無しさんの3倍:2006/09/15(金) 22:05:16 ID:???
あげますぜィ
769通常の名無しさんの3倍:2006/09/16(土) 21:15:46 ID:???
保守。
770通常の名無しさんの3倍:2006/09/17(日) 01:59:14 ID:???
遅ればせながら神GJ、久しぶりに来て見たらだいぶ進んでたから楽しみ倍増です
しかし、あれですねえ、過程は変わっていても、ストーリー上の結果が同じだと違和感がありますな
最近は無理やり、と言ってはアレですが、記憶のフラッシュバックが多くなって来てますし
まだ途中のようなのでこれ以上はあれですが、今後もワクテカしながらまってます、頑張ってください
771通常の名無しさんの3倍:2006/09/17(日) 13:46:50 ID:6LHcjz4t
釘さし
772通常の名無しさんの3倍:2006/09/17(日) 20:27:45 ID:???
馬刺し
773通常の名無しさんの3倍:2006/09/18(月) 01:18:21 ID:???
クジラの刺身は旨かった
774通常の名無しさんの3倍:2006/09/19(火) 01:34:08 ID:???
宇宙クジラ保守☆
775通常の名無しさんの3倍:2006/09/19(火) 22:30:15 ID:???
>>770
ボンボン版の種死読んだ?
あれは本編と同じ内容なのに違和感なく楽しめるぞ
776ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:19:31 ID:???
「戦闘をただちに停止し、軍を退け」―――そう紅色のストライクのパイロットは叫んだ。
何を言っているのか理解出来ない。それが『キラ』の気持ちだった。
自分自身を代価に、命のやりとりをする戦場で、選りに選って「戦いをやめろ」だと?
銃弾のみが何かを訴えかけることが出来る戦場で、今更、言葉などが伝わるとでも?
そんな戯言が戦っている者たちの耳に届くとでも、本気で思っているのか?
だとしたらあのパイロットはあのパイロットは馬鹿だ。○違いと言ってもいい。
『キラ』は心からそう思った。なのに―――

「下がって、アークエンジェル…!」
気がつけば、アークエンジェルを守るようにストライクを動かしていた。
インパルスが動きに心がざわつき、ネオの――何故か懐かしい響きのある――声に
後押しされるようにして思わず動いてしまったが、『キラ』自身、そんな行動を取ったのか分からなかった。
この闖入者共がどうなろうと知ったことではない。自分は考えているはずなのに―――
「どうして…っ」

この艦と共に自分が居ないことに、違和感を覚えるのか?
紅いストライクが危険に晒されることに、不安を覚えたのか?
アークエンジェルと守らなければならないと、心のどこかが訴えかけてくるのか?
「くそ…っ」
自分自身が分からず、『キラ』は呻いた。
僅かな間を置いて、下方からこちらに向かってビームが浴びせられ始めた。
見ると、インパルスの動きに同調してか、はたまた自分がインパルスに襲い掛かったためか
ザフト機がこちらに向かって攻撃を仕掛けてきていた。

「………ちぃッ」
『キラ』は思考を瞬時に切り替え、眼下からの攻撃に備える。
―――悩んでいる暇など、今はない!
まずはハッキリと敵と認識されている連中を撃つまでだ。後ろの連中のことはそれからでいい。
アークエンジェルに放たれたバビの複相ビーム砲をシールドで防ぎ、『キラ』はライフルで応射する。
大体、少し考えてみれば大したことではない―――『キラ』はちらりと背後を見やる。

記憶を喪い、ブルーコスモスの言われるがままに、人殺しの道具として仕立て上げられた不条理を思えば、
理由も分からぬまま戦艦一隻を守ることな、どどうってことはない。
通常任務の他に、少しばかり面倒な事柄が加えられただけの話だ。
だったら、不可解な感情というあやふやなものに身を委ねるのも構わない。
「アークエンジェルを………やらせはしないッ!」
『キラ』は操縦桿を強く握り直し、ザフトのMS群の中に斬り込んでいった。
777ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:21:52 ID:???


<ストライク…及び、不明艦搭載機ムラサメ、攻撃を開始しました!>
<………仕方ないわね。所属不明艦を…アークエンジェルを敵と認識!>
<うぇえ!?>
通信機からミネルバ艦橋の混乱が聞こえてくる。
<以降、連合、オーブ両軍と共に、アークエンジェルを敵勢力として対応する!>
<りょ…了解!>
しかし、レイの耳には艦橋でのやり取りなど届かず、その視線を頭上の黒い機体へと向けていた。

「キラ…ヤマト…!!」
―――どこまでも忌々しい奴め…!
オーブ艦隊に致命的なダメージを与えるのを邪魔したかと思えば、
インパルスによるアークエンジェルへの攻撃を阻止する。
連合軍の走狗の分際で、あの化け物は何度、自分たちの邪魔をすれば気が済むのか。
「だが、それはそれで…」
―――この手で奴を殺す愉しみが増えるというものだ。
レイは照準スコープを覗き込みながら考える。

先日、デュランダルによって得た、ストライクのパイロット――キラ・ヤマト――の情報は
誰のも教えていなかった。卓越した技量を持つフリーダムのパイロットが敵―――などと
同僚に教えたところで、無用な不安感を植え付けるだけになることは分かりきっていたからだ。
但し、シン・アスカ、アスラン・ザラの両名には違った反応が見込まれた。
自分の家族を皆殺しにしたフリーダムのパイロットが敵と知れば、シンの戦意向上に
繋がるとも考えたが、アスランに何かを吹き込まれ、何らかの効果が得られそうな中、
仇の存在を知ることはマイナス作用を与えかねないと思われ、実際、フリーダムの
存在無くしてもシンがアークエンジェルに襲い掛かったところを見れば、
彼には情報など無用だったと言える。

アスラン・ザラに至っては論外だ。
未だに戦闘に躊躇が見られ、旧大戦時のデータから予測された戦果に届いていないあの男に
敵に旧友が居るなどと教えたところで、碌な結果が得られるとは思えない。
そもそもレイの中には、彼らにキラを討たせようなどという気は更々無かった。
「奴を殺すのは…この俺だ」
議長に見込まれたエース二人であろうと、その役目を譲る気はない。
自分自身に背負わされた業、命にすら成れず散っていった数多の兄弟たち…
奴の存在によって生み出された不幸を思えば、自分にだけが奴を討つ資格がある。

レイは照準の中を飛び回る黒い機体を睨みつける。
「この混乱の中なら………チャンスは幾らでもある!」
憎しみに燃える心を抑えつけ、その時をレイは静かに、
但しストライクから照準を外さずに待ち続けた。
778ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:26:14 ID:???


「ったく、ごちゃごちゃしくさりやがって…ッ!」
ヘルメットをかぶると同時に、ミラーはスカイグラスパーへと乗り込んだ。
光が点る計器パネルをざっと確認し、この新たな愛機の発進が可能なことを確認する。
「ソードストライカー、装備確認………良し! 整備兵、下がっとけ!」
格納庫に居た連中に指示を出し、スカイグラスパーのエンジンに火を入れる。
<おい、出撃命令はまだ出てないぞ!>
慌てた声と共に、通信モニターに艦橋のネオの顔が映し出される。

「分かってますよ! まずは状況を見極めてからって言うんでしょ」
言いながらミラーはスカイグラスパーの発進手順を一つ一つ進めていく。
「でも、どっかの馬鹿が飛び出しちまったのを、放って置くわけにもいかないでしょうが!」
ミラーは開放されたハッチから見える、幾つもの火線に視線を向けた。
「大丈夫、まずは様子見しますよ。早々にあの中に飛び込んだりしません!」
<本当だな…? なら…―――>
何か言おうとするネオとの交信をこちらから切る。
カタパルト脇の整備兵が発進OKの合図を出すと同時に、ミラーは操縦桿を思いっきり引いた。
「スカイグラスパー、出るぞ!」
発進時のGを全身に受けながら、ミラーが乗る黒い戦闘機は蒼い空へと飛び出していった。

   その先に何が待つかも知らぬままに。



「ザフト軍、攻撃を再開しました!」
「第五小隊を第一、第二小隊の援護に回せ! “クラミツハ”のM1部隊は―――」
「連合軍機、敵新型MSと交戦に入りました!」
「そっちはどうでもいい! それよりも―――」
タケミカヅチ艦橋は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていた。
しかし、ユウナはその喧騒の中には加わらず、一人じっと上空に目を向けていた。
779ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:27:23 ID:???
―――何なんだよ、これは!?
様々なことが立て続けに起きて、頭が混乱しなからも、唯一つ、
怒りという感情だけがユウナの中ではっきりしていた。自分の鮮やかな戦術は
無能な兵共のせいで上手く立ち行かず、小生意気な連合兵が偉そうに進言してきたかと思えば、
実際、奴が言った通りのことが起きそうになり、危うく撃沈というところをあろうことか
その連合兵に救われ、極め付けはアスハの小娘とアークエンジェルの登場だ。

何もかも全てお膳立てして、名実共にオーブの最高権力者となる筈だったのが一転し、
花嫁をさらわれる道化を演じさせただけでは飽き足らず、今度は人の司令官としての
輝かしい戦場デビューに泥を塗ろうというのか、あの連中は!
考えていくにつれ、怒りは破壊衝動へと変容していき、ユウナには自分のするべきことが見えてきた。
「攻撃目標変更………目標を、しょ、所属不明艦、及びMSに!」
「な…っ!?」
トダカが信じ難いといった表情を浮かべる。

「ユウナ様、あれはアークエンジェルですよ!?」
アマギに至っては怒りを露わにした顔で詰め寄ろうとしてくる。
「ア、アークエンジェルなどという艦は、我がオーブには存在しない!
 だったら、討つのに何の躊躇もいらない筈だろ!? ましてや、あの艦の
 周りには今、ザフト機が飛び回って、堕とすのには絶好の機会じゃないか!」
「しかし、あのお声はカガリ様の―――」
艦橋員たちは尚も食い下がろうとする。

「不明艦から出て来たMSなど、偽者に決まっているだろう!!」
カガリ“だからこそ”撃つんだよ―――という言葉を飲み込み、更に続ける。
「お、夫なんだぞ、ボクは! だ、だから分かるんだ、あ、あれが偽者だって!
 早く偽者と、あの疫病神の艦を撃て!!」
「ユウナ様!」
その言葉に我慢できなくなったのか、トダカまでも憤激する。

「でなけりゃ、こっちが連合軍に撃たれる!」
その言葉に周囲の者たち全てがハッと顔色を変えた。
「今更、ハイやめますと撤退して済む問題じゃないだろォ!
 あんなわけの分からないことをぬかす連中がオーブと関係あってはいけないんだよ!」
連合に従属する形で援軍としてやってきて、何の成果も上げられぬまま帰路につける筈が無い。
ましてや、同じオーブの者がその援軍要請に異を唱えるなど、以ての外だ。
自分の望みを正当化するための理由付けだけに過ぎなかったが、オーブと連合との関係を
口にしたのはこの場面において有効に働いたようだった。
780ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:28:49 ID:???
「あ、あの不明艦の傍には連合のストライクが居ます。容易に攻撃は…」
連合のことを持ち出すのなら、これで攻撃の中止を―――そんな意図でか、トダカが口を開く。
「あれだけ自身有り気に出撃したんだ! 避けるなり防御するなり、彼なら勝手にやってくれるよ!」
―――あそこに黒いストライクが居ることも、攻撃を仕掛ける理由の一つだよ!
ユウナは有無言わさぬ口調で答える。
小生意気なカガリに、厄介者のアークエンジェル。そこにたかが薄汚い人殺しの分際で
このボクに偉そうな口を利いたあの連合兵が加わるというなら申し分ない。

「さっさと攻撃を開始しろ!」
その言葉にトダカは暫し苦渋に満ちた顔を俯けた。
やおらに顔を上げると、静かに、だがはっきりとした声で命令を下す。
「ミサイル照準………所属不明艦及び、不明MS…っ!」
「撃てえええぇぇぇ!」
その後を継いで、ユウナが号令をかけた。
オーブ艦隊から一斉にミサイルが発射された。
ミサイルが放物線を描いてアークエンジェルへと向かっていく最中、トダカは通信機に向かって叫んでいた。

   「ストライク! ミサイルが来るぞ!!」



   <ストライク! ミサイルが来るぞ!!>

「なっ!?」
通信が届くと同時に、コクピット内にアラートが響き渡る。
見るとオーブ艦隊からこちらに向けて、無数のミサイルが放たれていた。
「正気か、ユウナ・ロマ・セイラン!?」
背後のMSのパイロットはカガリ・ユラ・アスハと名乗った。
アスハいえば、確かセイランの嫁になる者だった筈だ。
そんな人物が居るというのに、何の躊躇も無く―――

「―――撃つというのか、あなた達は!」
『キラ』はストライクを操り、ミサイルを撃ち落としていく。
一つ撃ち抜く毎に、爆発で周囲のミサイルをも落としていくが、爆煙を潜り抜けたミサイルが迫ってくる。
―――この機体では手数が足りない!
ふいにそんな考えが『キラ』の頭に浮かんだ。
ストライク以外のMSに乗ったことなどないのにどうして―――そう考える暇を
与えることなく、ミサイルが目前にまで来ていた。
781ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:34:20 ID:???
「う、おおぉぉッ!」
『キラ』は覚悟を決め、ミサイルの前にストライクを割り込ませる。
次の瞬間、モニターは真っ赤な炎に覆われ、凄まじい衝撃がコクピット内を襲った。
「くぅ…ッ!?」
アークエンジェルに届こうとしていたミサイル群の、
予想以上の破壊力に『キラ』は歯を食い縛って耐える。
だが―――

「―――PS装甲は伊達じゃない!」
予想以上であっても、許容範囲を超えるほどのものではない。
バッテリーは大きく喰われてしまったものの、機体そのものへの損傷は
皆無であり、戦闘の継続は可能のはず。そう判断した『キラ』は、ミサイル攻撃で
吹き飛ばされたストライクの制御を取り戻そうとする。
その時、ぞくりと背筋に冷たいものを感じた。

   <<死ね! キラ・ヤマト!!>>

戦場で幾度となく聞いた謎の声。
それを再び身体で感じた時には、一条の光線がエールストライカーを貫いていた。
「な…っ!?」
推力の大半を賄うエールストライカーが破壊され、ストライクは錐揉み状態になって落下していく。
世界が回って映るモニターの片隅に、『キラ』は長大な砲身を構えた白いザクを見つけた。
―――やはり、アイツか!
ミサイルを喰らって生じた僅かな隙に、タイミング良く攻撃してこれる相手など
あの白いザク以外に居ないとは思ったが、まさかこんな長距離砲撃を当ててくるとは―――

「―――ッ、そんなことよりストライクの姿勢制御を…!」
敵の技量を呪うのは後回しだ。まずはこの状況からの脱出を―――そう考え、
機体の立て直しを図るコクピットの『キラ』を影が覆う。
「な、に…?」
いつの間に接近されていたのか、頭上には太陽を遮って
ビームソードを振りかざしたオレンジ色のMSの姿があった。
―――いけない、回避を…いや、防御か…!?
対応策を講じる『キラ』を嘲笑うかのように、オレンジ色のMSは手にした剣を振り下ろした。

<………させるかぁぁぁ━━━!!>
刹那、耳を劈く叫び声と共に、目の前のMSに銃撃が浴びせられ、
その機体が後方へと吹き飛ばされる。
そして、ストライクと敵MSとの開いた間合いに、黒い戦闘機が駆け抜けていった。
<何やってんだよ、この間抜け!>
「ミラー!?」
通信機から聞こえた声は、スカイグラスパーに乗ったミラーのものだった。
「な、何、そんな戦闘機で、こんなところに来てるんだよ!?」
782ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:35:32 ID:???
<ああ? 助けてもらった最初の一声がそれかぁ?>
MSが飛び交う中、一世代遅れの、しかも戦闘機に乗っているとは思えない、
動揺を微塵も感じさせない口調でミラーは答える。
<俺だって来たくなかったけど、どっかの誰かさんにストライカーパックが必要になったらしくてな…
 ほら、さっさと換装させちまうぞ。ここは危なっかしくてしょうがねえ…>
言葉とは裏腹に、ミラーは周囲の敵MSをビームで牽制し、
換装が可能な位置にスカイグラスパーを移動させる。
<折角の贈り物を落とすなよ?>

―――そうだ、まずは換装しなければ!
口ではああ言っているものの、ミラーが危険を承知でここに来たのは
自分が原因であることは間違いない。そんな彼のことだ。
やることを済まさなければ、決して艦に戻ったりはしてくれないだろう。
<“ソード”、射出するぞ!>
「了解!」
『キラ』はエールパックを棄て、ストライカーパック射出に備えた。


視界には片腕のままカオス、アビスの両機と戦うインパルスの姿や
ハイネの乗るグフを退けた黒いストライクとスカイグラスパーの姿が映っている。
だが、アスランは何も出来ず、ただ呆然とそれらを眺めていた。
「カガリ… どうして…?」
アークエンジェルの闖入は、彼の理解の範疇に収まる出来事ではなかった。
そもそもカガリが連合との条約を承認したからオーブ軍が派遣されてきたというのに、
それを今更「撤退しろ」などと言い出すのはどういうことなのだ?
そして、それよりも分からないのは―――

「何故、あのストライクがアークエンジェルを…?」
―――守ったのかが分からない。
連合軍に所属するあのMSが何故、カガリたちを守る必要があるのだ?
黒いストライクの意図が分からないアスランの中で、ふいに先日のディオキアでのことが思い出された。
「………馬鹿なッ!」
アスランは自分の中に湧き上がってきた想像を一瞬で否定した。
―――あるわけがない!
ディオキアに『キラ』という男が居て、キラによく似た男が居たのは――恐らくは――事実だ。
コーディネイターが居て事件を起こしたのも間違いないだろう。
だが、それがキラであって、ましてやあの黒いMSに乗っているなどありえない!
783ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/20(水) 01:36:39 ID:???
<アスラン! 何をしている!?>
突然開いた通信回線に、アスランはハッとなる。
「ハイネ…?」
<ぼぉっとしてんじゃねえ! アイツらに換装させるな!>
見れば、スカイグラスパーから新たなる装備が射出されていた。
<フェイズシフトが落ちている今がチャンスだ! ストライクを殺るぞ!>
「…あ、ああ!」
ハイネの勢いに流され、アスランは思わず頷いてしまった。

<行くぞ!>
グフと共に、今まさにストライカーパックを装備しようとするストライクに迫る。
だが、換装の邪魔はさせないと言わんばかりに、スカイグラスパーが
機体を切り返し、こちらに攻撃を仕掛けてきた。
<チッ… 邪魔だよ、お前!>
ハイネのグフはセイバーとの間を縫うようにして飛ぶスカイグラスパーの動きに合わせ、
手首の四連装ビームガンを向ける。大半は虚空を貫くだけだったが、黒い戦闘機を
追うようにして放たれたビームの弾丸はその翼に着弾することには成功した。

<良ぉし! こっちは俺がやる! アスラン、お前はストライクを―――>
堕とせ―――ハイネが言うよりも先に、その意を汲み取り、アスランはストライクへとライフルの銃口を向けた。
スカイグラスパーの援護によって、ストライクの換装は既に終わっていたが、PS装甲といえども
ビーム攻撃までは防げない。ましてや、今は敵が背をこちらに向けた絶好の機会である。
ダメージを負ったスカイグラスパーが妨害に来る事も無いだろう。
あとはこの指の引き金を引くだけで、あの強敵を堕とすことが出来る。
なのに―――

「…っ!」
アスランは躊躇を覚え、指を動かすことは出来なかった。
敵だと思っていても、アークエンジェルを救ったその姿に、在りし日の友の姿が彷彿されて―――
<アスランっ!!>
「!!」
ハイネの声に後押しされるように、アスランはトリガーを引いた。
待ってくれ―――と思った時には、既に銃口から光が迸っていた。
それは決定的な撃墜のチャンスから、ほんの僅か、一瞬だけ遅れての攻撃だった。

   しかし、その一瞬だけで十分だった。

「―――何だと!?」
今まさに光の矢がストライクに届こうとしていた瞬間、黒い物体が割って入ってきた。
煙を吐きながら飛んできた“それ”は、ビームから自らの身を挺してストライクを守った。
刹那の出来事ではあったが、アスランの眼は全てを捉えていた。

   ストライクを守ったのが、スカイグラスパーであったことを。
784通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 01:44:18 ID:???
GJ!やはりミラーはここで……だったか……
ところで、素のストライクでも錐もみ落下なのにソードなんか着けて重量が増せば海中に落ちるような気が。
785通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 01:46:33 ID:???
神GJ!次のストライクの活躍がすごい楽しみだ
786通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 01:59:56 ID:???
GJ!けど目欄でいらんこと書かん方がいいぞ。
負債を処理とか。言いたい事はわかるけど。
787通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 02:00:24 ID:???
ミラァァァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!!
788通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 02:07:05 ID:???
俺の睡眠時間を削るとはいい度胸だ>神

GJ
789通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 03:18:35 ID:???
まだ死んだと決まったわけじゃない、一縷の望みに掛ける。

神GJ
790通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 03:20:53 ID:???
ミラー=トール
791通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 03:25:15 ID:???
ミラー氏に、敬礼!
792通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 03:53:10 ID:???
生きててくれよ、頼むから……
793通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 05:33:16 ID:???
題名は『狂戦士』だから…………。
794名無しさん@お腹いっぱい。::2006/09/20(水) 05:52:29 ID:???
スカグラじゃ貫かれてダメージが後ろに・・・。

神GJ!!
795通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 06:51:25 ID:???
アムロがいたwww

そしてミラぁぁあああ゚+。:.゚(つД`)゚.:。+゚
まだ信じてるけど…!


神GJ!!!!!
796通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 07:36:04 ID:???
ミラー、ソードストライカーをありがとう(;_;)

神GJ!
797通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 07:44:33 ID:???
トール。:.゚(つД`)゚.:。
798通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 08:18:09 ID:???
>>797で気づいた
これ思いっきり凸やらミリのトラウマに触れる展開w

でも神GJ!!!
799通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 09:38:07 ID:???
・・・・・・・・ハイネ=ニコ・・・・・・げふんげふん
800通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 11:30:43 ID:???
神GJだぉ
801通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 11:59:15 ID:???
ミラーが・・・ミラーがぁぁぁ!!!
死ぬな、ミラー・・・

神GJ!
802通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 12:27:43 ID:???
GJでつ

ミラー「よう、無事か?そいつは良かった。俺の事は気にすんな。機体は使い捨てさ。そうだろ、相棒?じゃ、きちんと拾ってくれよ!」
⇒ベイルアウト
てなって欲しす…
803通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 15:00:31 ID:???
しばらく、ミラー追悼特集になりそう。
・・・・・・はぁ、いいやつって長生きできないもんだね。ホント。
804通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 15:13:27 ID:???
>>799
でも前回と逆パターンだな
先に凸がやる形になるわけだから

本当に上手いな、神は
805?:2006/09/20(水) 16:13:15 ID:O6ieKSYJ
次はバーサーカーになるのか?
806通常の名無しさんの3倍:2006/09/20(水) 22:12:45 ID:???
ミラー 漢だぜ

ナムナム
807戦死者予想?。:2006/09/20(水) 22:36:12 ID:???
ミラー→MSパビ全滅?→ハイネ?(ルナ?)→ルナ?(ハイネ?)→アウル?とくるか?。

或は、
メイリン「シンは死ぬの。戦って戦って、『キラ』を殺す日まで戦ってからシンは死ぬの!。出なきゃ赦さないんだから。キャハハハハハハ」
くるか?。
808通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 00:12:23 ID:???
神GJ!

…ミラー。:.゚(つД`)゚.:。
809通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 00:55:14 ID:???
遅ればせながら、神GJ!!

またまた鳥肌が立ったぜ!
810通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 01:14:27 ID:???
そのうちミラーマンになって帰ってくるさ…:.゚(つД`)゚.:。
811通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 01:15:27 ID:???
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                     ノ |__|ワ
812通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 01:23:36 ID:???
神GJ!

ミラァァァァアァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!

↓より次回投下までミラー追憶スレで
813通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 02:51:07 ID:???
神乙&GJ

いろいろ書きたいが脳内妄想にとどめて

次回をwktkして待っておく(・ω・)
814通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 17:44:10 ID:???
ミラーの次に?、戦死をするのがハイネではなくシンを庇う形でルナ(対艦刀でルナの身体が真っ二つ!)が戦死すれば結構面白いかも。
815通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 20:07:52 ID:???
ミラーに敬礼しつつレイとキラに燃えた。
神、いつも乙です
次回も楽しみにしてます
816通常の名無しさんの3倍:2006/09/21(木) 23:49:17 ID:???
ミラー…
惜しいけど神乙であります…
817通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 00:36:22 ID:???
神乙


希望展開うざいな
そんなもん書いたって神が書きにくくなるだけで
なんのプラスにもならないのに
818通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 01:40:30 ID:???
それだけ新しい読者が増えたという事なのだろう。
ま、なんのプラスにもならないというのは、俺も禿しく同意なので。
うっかり自分でやってしまわないよう、それは胆に銘じておく事にする。

神、今回もGJ!
819通常の名無しさんの3倍:2006/09/22(金) 02:31:07 ID:???
まぁトー、…ミラーが良すぎたってのはあるしな。
ともあれ今回もGJ!
820通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 01:17:29 ID:???
保守
821通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 00:07:48 ID:???
なるほど、敢えてソードストライカーを選んだのはその為か…。
ガクガクブルブル
822ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/24(日) 00:59:08 ID:???
痛みは一瞬だけだった。
光と共に左半身に激痛が駆け抜けたと思ったら、何も感じられなくなる。
そういう刻を迎えるのは当然、初めてのことだったが、生物としての本能なのか何となく理解した。
―――ああ、こりゃ死んだな。
薄れていく意識の中、ミラーは思った。
ストライクと敵の間に割り込み、翼辺りで攻撃を上手く防ぐつもりだったが、
あのオレンジ色のMSに喰らった攻撃が余計だったらしい。
機体のコントロールが利かなくなり、あろうことかコクピットでビームを防ぐことになってしまった。

―――でもまぁ、イイかぁ…
ミラーはにやりと口を歪める。
未練は山ほどあるが、後悔はなかった。二年前の戦いで、自分の心は既に死んでいた。
そんな自分が、仲間を庇って死ねるというのなら上等だろう。
過去の記憶がミラーの脳裏に浮かんでくる。

幼い頃、少女と一緒に過ごした記憶。軍学校時代、友人達と訓練に明け暮れた日々。
そして、自分の中で何かが壊れた“血のバレンタイン”の日。
自分が信じていた組織が、自分の守ろうとしていたものの象徴を殺し、戦争は始まった。
軍を抜けようと考えなくも無かったが、それはしなかった。
戦争開始早々に除隊など、軍学校で出来た仲間たちを裏切るような気がしたからだ。
そして勿論、彼女の仇を討とうと、連合に弓引く真似をしようなどとは思わなかった。
彼女を殺したのはブルーコスモスであって、連合軍ではない。
大体、ナチュラルの自分には、コーディネイターのために戦う場所はどこにもなかった。

それから幾度と無く死線を潜り抜け、戦端が開かれてから数ヶ月経った頃、何となく思った。
この戦いが終わったら――連合が勝とうとザフトが勝とうと――オーブに還ろう、と。
かつては気に入らなかったオーブの中立主義も、守ろうとしたものを喪った身には
相応しいもののように思えた。連合軍入りに反対し、自分がオーブを発つ時に見送りに
来なかった父とも、数年経った今なら話が出来るようになっているだろう。
それも叶わぬこととなったのは、その少し後のことだった。

戦争は激化の一途を辿り、戦火は広がり続け、それはオーブも
例外ではなく、彼の国も巻き込まれていった。
マスドライバーを有したがために、オーブは連合に目を付けられたのだ。
だが、理念とやらを貫いたが故に、オーブは連合と戦闘状態に陥り―――そして負けた。
ビクトリアの侵攻作戦に参加していた自分は、戦いが終わると
すぐに休暇願いを出し、受領されるや否やオーブへと向かった。
久方ぶりに戻った故郷で待っていたのは、両親の訃報だった。
823ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/24(日) 01:00:19 ID:???
連合との戦いの最中、避難途中に流れ弾に当たり、
父母共々、生前の姿を残さずに死んでしまったらしい。
悲劇はそれだけでは済まなかった。
両親の死が連合に因るものだったら、自分が所属する組織を、そして自分自身を呪えば良かった。
しかし、彼らが死んだのは連合軍の攻撃ではなく、彼らを守る筈だった
オーブ軍からの流れ弾のせいだった。

守ろうとした少女は自分が信じたものに殺され、たった二人の家族は還るべき故郷によって殺された。
そこで気付いた。

   もう自分には何も残されてはいないということを。

それからどうやって過ごしたか、あまり覚えてはいない。
もう死んでも構わないと思いながら戦っていたら、いつの間にか戦争は終わっていた。
その際の、命を厭わない戦い方が認められたのか、階級が上がり、
パイロットとしての腕も評価されるようになっていた。
そして、気がつくと第81独立機動群という新設部隊の一員とされていた。

通称ファントムペインと言われるその部隊は、ブルーコスモス直属のものとやらで、
仮面の指揮官にブルコス思考に憑り付かれた艦長、コーディネイターを憎む同僚パイロットに
戦うこと以外は何も知らない子供達と、今の自分にはお似合いの実に糞ったれな部隊だった。
ブルーコスモスの直属―――という部分に引っ掛かりを覚えなくも無かったが、
死人同然の自分にはどうでもいいことだと思い、命令の通りに動くだけで
それ以外のことは何もしなかった。

部隊に着任してから数ヶ月経った頃だろうか、新たなパイロットが増員されることになった。
聞くところによると、そいつはどこからか拾われてきて、ブルーコスモスに
いい様に使われているコーディネイターとのことだった。
何故だろうか。
不思議と興味が湧き、その新しいパイロットが赴任してきて早々に声を掛けてみた。
『よぉ、アンタが新しいパイロットかい?』
相手が振り向く。

   そこにあったのは、泣きそうな表情を隠した少年の寂しげな顔だった。
824ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/24(日) 01:01:23 ID:???
瞬間、強烈な既視感に襲われた。
少年の顔に重なるのは幼い少女の哀しげな笑み。
周りの誰よりも賢く、誰よりも強かったのに、己の存在が間違いのように感じていた少女。
かつて自分が守ろうとしていた少女と、その少年は同じに視えた。

ふと、自分が軍人になった理由を思い出した。
少年が少女と同じコーディネイターだったせいだろうか?
その不幸な境遇に憐憫の情を覚えたためか?
それとも、少女の身代わりに見立て、自己満足に浸ろうとどこかで考えたからか?

   何となく、この少年を、守ってやろうと思った。

―――だから、これで、いい。
いつも泣きそうな顔をしていた友人が、無事で居れば、それで十分だ。
ミラーは満足感を覚えながら、そう思った。
<………ミラァ━━━ッ!!>
通信機器は生きていたのか、頭に思い浮かべた相手の声が聴こえてくる。
口調から、ミラーは相手が初めて会った時のような気弱な顔をしていることを察した。

―――ったく…
あの馬鹿。気にすることなんてないのに、何て声を出しやがる。
でもまぁ、そうだな。アイツは頭イイ癖にどこか馬鹿なところがあるから、
ちゃんと今の俺の気持ちを伝えてやらなきゃ、また自分のせいで誰か死んだと悔やんだりするのだろう。
―――しょうがねえなぁ…
ミラーは口を開く。

「へ、へへ………」
どうやら喋ることは出来るらしい。
―――じゃあ、今の気持ちを伝えてやるとするか。
だが、いざとなるとなかなかに難しいことだと気付く。
何より、のんびりと喋っていられる時間は、あと僅かも無いらしい。
―――まぁ、こういうときは一言でいいのかな…
ミラーは最後の言葉を、ゆっくりと紡ぎ出した。
825ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/24(日) 01:03:37 ID:???


何が起きたのか分からなかった。
ストライクの換装を済ませようとした瞬間、敵に背後を取られた。
攻撃されたら確実に堕とされる、絶対的な状況だった。
そして敵のライフルからビームが放たれ自分は―――何事もなく換装に成功した。
だが、後方を映したモニターは全てを捉えていた。
自分の代わりに攻撃を喰らったスカイグラスパーの姿を。

『キラ』は適当な陸地を見つけ、無事、陸地へとストライクを着地をさせる。
そのまま即座に後ろを振り向く。
そこには煙を立てながらふらふらと飛ぶ黒い戦闘機があった。
「ミラァ━━━ッ!!」
『キラ』は自分を守ってくれた戦友の名を叫ぶ。
―――直撃じゃなかった筈だ!
一瞬だけだったが、ビームはコクピットを掠めただけだったのは見えていた。
“あの時”とは違う。今ならまだミラーを助けることも―――

<へ、へへ………>
友の声が『キラ』の耳に届く。
―――ミラー!
やはり彼は生きていた。
脱出したところを回収し、すぐさま艦へと戻れば―――そう考え、
『キラ』はストライクをスカイグラスパーの元へと向かわせようとした。
しかし―――

   <…お、まえは…生き、ろよ………キ―――>

ミラーが言い終えるよりも先に、スカイグラスパーは爆発した。
「ミラアアアァァァ━━━ッ!!」
爆発の閃光が『キラ』の見開いた瞳に、友の最期を焼き付ける。
空に散っていくスカイグラスパーの破片を見ながら、得体の知れぬ感情が胸に渦巻いていく。
826ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/09/24(日) 01:05:50 ID:???
   『よぉ、アンタが新しいパイロットかい?』

脳裏に過ぎるのは友の言葉。

   『なに、『KILLER』? …物騒な名前だな。もっと簡単に『キラ』でイイんじゃねえの?』

コーディネイターの自分に何の隔たりもなく接してくれた。

   『無事なら無事でさっさと戻って来いってんだ!』

自分の身を犠牲にしてでも守りたい人だった。

   『…お、まえは…生き、ろよ………キ―――』

なのに、自分のせいで彼が殺されて―――

   “いいや、違うな”

―――ッ!?
心の奥底から何者かの声が聞こえてくる。
“貴様のせいで彼が死んだ? 断じて否だ!”
―――ミラーを殺したのは、ザフト…?
『キラ』は聞こえてくる声に問い返す。
“ザフトが殺した? それも否だ!”
―――だったら、どうしてミラーは死んだ…?
“君が原因となり、ザフトが直接、手を下した”
返ってきた言葉に、『キラ』の思考は凍りついた。

“そして、両者に共通するものは唯一つ”
―――コーディネイター…?
“その通りだよ、『KILLER』”
心の内の声がゆっくりと形を成していく。
“仇が何か分かったろう? じゃあ、貴様はこれからどうすればいい?”
―――僕は………
『キラ』は俯いていた顔をゆっくり上げていく。
視線の先に捉えたのは、赤いMSの姿だった。

「コーディネイターを………殺す」
“そうだ”
人型となった心の内の何かが、その紫色をした唇を愉しげに開いた。

   “コーディネイターは皆殺しにしろ!”

「━━━━━━!!」
心の内のジブリールの声に合わせ、『キラ』は声無き慟哭を上げる。
それは殺戮劇の開幕を知らせる、黒い獣の叫びだった。
827通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 01:10:17 ID:???
ミラーーー!!!
お前は本当に・・・!!


そして本編よりずっと黒いジブリール・・・

神GJ!!
828通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 01:25:38 ID:???
この展開にゾクゾクする自分がいる!。
829通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 01:25:50 ID:???
ミラー(;_;)マジ死に際まで全てがカッコイイ。
次回のキラは怖そうだよ。それと、いつもGJであります神m(__)m
830通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 01:28:39 ID:???
ミラーアッー!!
831通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 01:33:55 ID:???
読みながらマジ泣きしちまったぜコンチキショー・・・・





でも、ありがとう
832通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 01:39:43 ID:???
ジブリールの洗脳、スゴスw
神、GJっす!!!
833通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 02:55:58 ID:???
ゾクゥっとくるねぇ。
ミラー。漢の散り様、見せてもらいました。


キラ、おっそろしくなりそうだねぇ……
834通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 03:14:00 ID:lGD/7MFw
ミラー万の死に際オナニー文だけだったか残念
835通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 03:21:39 ID:???
キラをここまで、洗脳するジブリール恐るべし!。でもここまでキラを洗脳するならオーブからIWSPをもぎ取り、ビームサーベル固定装備の新型ストライクをキラの為に、造って上げて下さいジブリール!。
836通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 11:22:47 ID:???
二年前の再現に見えてじつはキラとアスランの立ち位置が逆なのな
まあアスランは黒いストライク=キラとは断定してないけど
このパターンで行くとぶちきれたキラにハイネあたりがやられるのか?
そして「キィィィラァァァッ!」「アァァァスゥゥゥラァァァンッ!」

うーん・・・先が凄まじく気になるところで止まるなぁ
837通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 11:47:15 ID:???
神、GJ!!!
また美味しい所で切るその心意気が憎いっす
838通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 12:07:24 ID:???
ミラァァァァ!
貴様は俺の…

神GJ! そして、さよなら、ミラー…おまえのことは忘れない
たった一人のオリキャラにここまで入れ込むなんて…神テラスゴス
本当にキャラが生き生き動いています。なんでコレが本編じゃ(ry
839通常の名無しさんの3倍:2006/09/24(日) 13:28:23 ID:???
ミラーの死に様に背筋がゾクっときた・・・
そしてこの展開・・・神、あんたすげぇよ!w
マジ神GJ!

そして、ミラー・・・GJ・・・゚+。:.゚(つД`)゚.:。+゚
840通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 02:11:02 ID:???
嘘だよな?
ほら?セーフティーシャッターとかあるじゃないか!
…テレビのダメな種死には。

…ミラー・゚+。:.゚(つД`)゚.:。+゚
神、マジでGJ。そっか、バーサーカーか…
841神GJ:2006/09/25(月) 02:18:41 ID:???
次回、黒い死神がついに目覚める…。
死神の刃は手当たり次第に首をはね、屍の山を築き上げる。
止まらない断末魔に終止符ドを打つべく、女神の赤い剣が振り下ろされる!
842通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 02:19:59 ID:???
うぉw
一文字消し忘れ…_| ̄|○
843通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 05:06:55 ID:???
余計なことするな
844通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 06:41:00 ID:???
>>841
死ね。消えろ
845通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 08:59:02 ID:ESF/yJdn
無粋な話しだな。座して待つべし
846通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 09:09:29 ID:???
>841
勝手に予告は良くないですよ。ギャグ物ならともかく。
847通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 15:03:50 ID:???
展開要望はしないこと、正直見てて痛い。
848通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 16:03:04 ID:???
>>841
お前、なんなの?
849834:2006/09/25(月) 17:06:19 ID:???
>>841
俺がおもいっきりスルーされてて、みんなお前に食いついててわらった
850通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 19:57:57 ID:???
出しゃばる者はロクな目に会わない。
2ちゃんねるの基本です。
851通常の名無しさんの3倍:2006/09/25(月) 22:11:21 ID:???
>>841の人気に嫉妬

ある意味GJ!
852810:2006/09/25(月) 23:35:34 ID:???
>>849
貴様、俺のネタをパクッたな?
853通常の名無しさんの3倍:2006/09/26(火) 00:19:51 ID:???
何はともあれ冷静に保守。
854通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 01:53:25 ID:???
保守。
855通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 07:09:40 ID:???
キラメイ・アストレイキャラ保守。
856通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 17:00:20 ID:???
アストレイキャラは出ない気がするけどね
857通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 18:55:55 ID:???
これが本編だったら腐女子界はMIRROR×KILLERで盛り上がってただろうに

まあ、俺はアビーたん萌えだけどな
858通常の名無しさんの3倍:2006/09/27(水) 19:22:45 ID:???
期待保守
さて次はキラVSアスランかな??
859通常の名無しさんの3倍:2006/09/28(木) 23:13:11 ID:???
ほしゆ
860通常の名無しさんの3倍:2006/09/29(金) 16:46:19 ID:???
キラメイ保守
861834:2006/09/29(金) 23:31:50 ID:???
>>852
そこかよw変換めんどくて万になってしまったが確実にパクったさ
ってか本名ミラーマンじゃなかたか?
862通常の名無しさんの3倍:2006/09/30(土) 23:06:06 ID:Y20tkCAh
863通常の名無しさんの3倍:2006/10/01(日) 21:50:56 ID:???
今日もキラメイ保守
864通常の名無しさんの3倍:2006/10/01(日) 22:39:17 ID:???
保守
ついでになんだが、まとめサイト消されてないか?
865通常の名無しさんの3倍:2006/10/01(日) 22:49:09 ID:???
携帯の方は無事ですぜ
866通常の名無しさんの3倍:2006/10/01(日) 22:53:26 ID:???
テンプレのは一番最後に半角スペース入ってるから直接は飛べんぞ
867通常の名無しさんの3倍:2006/10/01(日) 23:15:49 ID:???
今確認したが普通に行けないか?
868通常の名無しさんの3倍:2006/10/02(月) 00:25:41 ID:???
見れない!
869通常の名無しさんの3倍:2006/10/02(月) 02:35:36 ID:???
>>868
「%C2%A0」ってとこ消したら見れたよ
870通常の名無しさんの3倍:2006/10/02(月) 03:12:57 ID:6iez9cFM
ほしゅ
871通常の名無しさんの3倍:2006/10/02(月) 03:14:04 ID:6iez9cFM
ほしゅ
872868:2006/10/02(月) 08:21:46 ID:???
>>869
ありがとう
873通常の名無しさんの3倍:2006/10/02(月) 16:25:03 ID:???
日本語:黒
中国語(ピンイン:)hei
英語:black
フランス語:noir
イタリア語:nero
ドイツ語:Schwarz
スペイン語:negro
アラビア語:aswad
ギリシア語:mavros(ΜΑΥΡΟΣ)
ロシア語:chernui(черныи)
874通常の名無しさんの3倍:2006/10/03(火) 01:32:57 ID:???
期待しつつ、普通に保守。
875通常の名無しさんの3倍:2006/10/03(火) 21:57:30 ID:???
>>873
統一性をもたせるならノワールよりもネロだった訳だな
876通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 01:25:34 ID:???
「ストライク・ネロ」……






馬鹿にしてんのかwwwwwwwwww

って感じだなw
877通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 05:54:22 ID:???
ストライクネロ・・・・・・・カオス

そんな鈴村相手に無様に飛び掛って17分割された無様な死徒はしらんね
878通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 10:42:30 ID:???
またはユウナに17分割か・・・。
879通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 11:34:15 ID:???
>>875
あれ、ルージュって仏語じゃなかったっけ?
880通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 11:38:36 ID:???
>>879
ルージュは仏語でおk
881879:2006/10/04(水) 13:52:21 ID:???
じゃ、ノワールで良かったんじゃないの?
882通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 16:30:58 ID:???
>>881
そうみたいだなw
正直>>875の意味がわからなかった

ちなみにイタ語でいくと「ストライク・ロッソ」だな。
ルージュもどうかと思ったがロッソはないなwww
なんかいかついwwww
883通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 17:35:31 ID:???
だがガンダムの額の数字はイタリア語だったりする
884通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 18:35:27 ID:???
>>882
ヴェルデとブルは伊太利亜語なんだな。
緑と青。
885通常の名無しさんの3倍:2006/10/05(木) 06:56:42 ID:???
で、緑と青をフランス語にすると、ヴェルドverdeとブルbleuになるわけだ
886通常の名無しさんの3倍:2006/10/05(木) 18:44:50 ID:???
保守
887通常の名無しさんの3倍:2006/10/05(木) 20:01:03 ID:???
888通常の名無しさんの3倍:2006/10/05(木) 20:02:00 ID:???
>>885
あんまかわんないなww

間違って途中で送信した(´・ω・`)
889ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/06(金) 01:12:31 ID:???
シートの横からプログラム入力用キーボードを引き出し、凄まじい速度で叩き始める。
目の端で周囲のザフト機の動きを捉えながら、先日、完成させたばかりの
プログラムをモニターに表示させた。

   BERSERKER SYSTEM
       STAND BY

「―――システム、起動…」
『キラ』は迷うことなく起動コマンドを打ち込んだ。

   BERSERKER SYSTEM
       START UP

「…攻撃対象、ザフト軍全MS…」
コンソールのバッテリーゲージが全て赤色に変わる。
ストライクのカメラアイは鈍く光り、機体から漏れる機関部からの音は獣の唸り声のようなものへと変化した。
「…これより敵を…」
背面パックに付けられた巨大な剣を抜き、レーザー刃を煌かせる。
対艦刀“ドラゴンスレイヤー”―――XM404“グランドスラム”を素体として、
“シュベルトゲベール”のレーザー刃機能を付加された、“竜殺し”の名を冠した剣をストライクは構えた。
「………殲滅する!」
その言葉と共に、『キラ』の中で何かが弾けた。



「チャンスだ! あの黒いのを殺るぞ!」
グゥルに乗ったザクのパイロットが、僚機に呼び掛ける。
この任務を言い渡され、実際にあの音に聞こえた黒いストライクが出て来た時は
どうなることかと思ったが、流石はそのストライクすらをも抑え続けてきたミネルバの連中だ。
あっという間に敵のフライトユニットを破壊してくれた。となれば、
グゥルに乗っている自分にも、ストライクを堕とせる芽が出てきたというものだ。
―――このまま空から攻撃を仕掛ければ…!
「俺に続いて攻撃を―――…ッ!?」
890ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/06(金) 01:14:15 ID:???
傍らのMSに攻撃のタイミングを伝えようとした時、ストライクが動きを見せた。
右手を左肩に伸ばして何かを掴み、それを放り投げた。
「………あ?」
敵が敵だけに何をしてくるのかと慌てたが、ストライクが放り投げた
何か――形状から察するに投擲武器――は自分たちの方ではなく、明後日の方に飛んでいった。
「ハッ、どこを狙ってやがる!」
ザクのパイロットは僅かな動揺から平静さを取り戻し、改めてライフルを構えようとした。
しかし―――

「―――なにィ!?」
モニターの映像がぶれたかと思うと同時に、突如として乗機が下方へと落下していく。
その瞬間、回転する光刃が股下を通り、ストライクの下に戻っていくのが見えた。
「ッ! ブーメランだと!?」
気付いた時には遅かった。

ストライクが使用したのはビーム刃のブーメランで、見当違いの方向に投げられたと
思われたそれは、大きく弧を描き自分のグゥルを破壊したのだ。
しかも―――
<うおぉ…ッ!>
自分のだけでなく、傍にいたMSのグゥルまでをも。
通信機から聞こえてくる声と、背後に見える自機と同じ様に
落下しているゲイツRが、その事実を教えていた。

体勢を整え無事に着地すると、ストライクが巨大な剣を構え直すのが見えた。
―――チィッ! だが、まだ…ッ!
地の利が喪われただけに過ぎない。近接戦仕様のストライクなら幾らでも戦いようがある。
要は相手を近付けさせずにこちらが攻撃をすれば―――そう考え、
ライフルの照準をストライクに合わせようとした。
「ッ……速っ…!?」
スコープの中でロックをする暇を与えずに、ストライクは駆け出した。
敵のデータとは違う速度に驚き、パイロットは思わず、照準も定まらないライフルのトリガーを引く。
だが、ストライクはその攻撃を難なく躱し、あっという間に自機との距離を詰めてきた。
891ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/06(金) 01:16:23 ID:???
「くそぉッ!」
予想だにしなかった展開になり、パイロットは焦りと共に攻撃を続ける。
その内の一撃が、幸運にもストライクが射線上にいる時に放たれた。
「やっ―――」
やった―――パイロットはそう思った。しかし、ビームが当たったと思われたその瞬間、
ストライクの姿がモニターから消え去り、ビームは何もない空間を駆け抜けていく。

―――奴はどこにいった!?
パイロットは驚きで目を見開く。そして見た。
ストライクが大きく脚を踏み出すことで身を屈め、その動きに合わせて手にしていた巨大な剣が
振るわれる様を。地面に当たった剣先は大地を削りながら、吸い込まれるようにして
コクピットを薙いでいく。それがザクのパイロットが目にした最後の光景だった。

その光景に、ザクと共にグゥルから落とされたゲイツRのパイロットは、
これまで感じたこともないほどの畏怖の念を抱いた。
確実に当たると思われた攻撃を躱しただけでも驚愕に値することなのに、その後の一撃が
また理解を超えていた。目にも止まらぬ剣撃でザクのコクピットを薙いだと思ったら、
次の瞬間にはザクの上半身が無くなっていた。何が起きたか分かったのは、僅かな間の後、
空からザクの上半身が降ってきてからだった。

―――吹き、飛ばした…だと!?
余りにも強力な斬撃は、機体を刻むだけでは飽き足らず、
力任せにMSの半身を空に舞い上がらせたというのか?
「馬鹿なッ!?」
まるで漫画のような現実に、思わずパイロットは叫んだ。
その恐怖を振り払うように、ザクの下半身の先に見えるストライクにライフルを向けようとする。
しかし―――

「―――何だとォ!?」
先程のザクの時と同様、照準に捉えるよりも先にストライクは動き出した。
ストライクの動きを追いかけるロックオンスコープよりも早く
敵は動き、こちらに猛然とした勢いで迫ってくる。
892ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/06(金) 01:17:34 ID:???
「うぁ…う、うわ……あああぁぁぁ!!」
脅えた声を上げていることにも気付かず、パイロットは懸命にストライクを照準に捉えようとする。
やがて黒い機影にスコープの中の丸い印が重なり、ロックオンしたことを示す赤い色へと変わる。
―――今だ!
パイロットは引き金に指をかけた―――が、時は既に遅かった。
ストライクはゲイツRを自分の間合いに捉え、ゲイツRの攻撃よりも先に剣を振り下ろした。
ゲイツRのパイロットは、ロックオン出来た喜びだけを胸に、搭乗機ごと真っ二つにされた。

「このナチュラルがァ━━━ッ!」
別のザクがストライクの背中に向けて走り出した。
当初はグゥルに乗ったまま戦うつもりだったが、ザクが一刀の下に斬り“飛ばされた”のを目にすると、
頭に血が昇り、気が付けばグゥルを降り、ビームトマホークを抜いて敵の元へと駆け出していた。
―――たかがナチュラルの分際で!
プラントに未だ強く残っているナチュラルを自分たちより遥かに劣る生物と見なす風潮を、
二年前の戦争を経験してもなお抱き続けているこのザクのパイロットにとって、
愚鈍なナチュラル共が、優良種たるコーディネイターを傷付けるのは決して許されない行為であった。

ゲイツRを両断することで無防備な背中を晒すストライクの背中に向けて、トマホークを振り上げる。
「死ねええぇぇッ!!」
だが、怒りの斧を振るうよりも早く、横からの衝撃がザクを襲った。
攻撃の途中で防御も回避も出来ず、ザクは成す術も無いまま地面に倒れた。
「が、は…ッ!」
倒された勢いでザクのパイロットは頭をコンソールに打ち付け、痛みに呻き声を漏らす。
そして、今、一瞬だけ見えたものに驚きと困惑を覚えた。

―――MSが後ろ回し蹴り…!?
攻撃の瞬間、目の前の機体がふっと揺らめいたと思ったら、自機は吹き飛ばされていた。
倒れゆくザクのカメラが捉えたのは、片脚を支点に回転するストライクが脚を戻していく姿だった。
「クソッ…背中に眼でも付いてんのかよ!」
かつてないほどの屈辱を感じながら、パイロットはザクを起き上がらせようと操縦をする。
しかし、上半身を起こしたところを、近付いてきたストライクに脚で踏み付けられた。

「ちょっ…待っ…!」
ストライクが逆手に剣を持ち、コクピット前に突きつける姿がモニターに映り、
パイロットは救いを求めて叫び声を上げる。だが、当然のことながら、そんな願いを
相手が聞き入れる筈も無く、モニターに映っていた剣はコクピットの外壁を突き破り、
そのままザクの機体を貫いた。
893通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 01:53:48 ID:???
神GJ!

ストライクテラカッコヨス
本編だと空気・いらない子・出番のない子 だったソードがこんなにかっこよく…
894通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 02:06:19 ID:???
ストライクゥゥゥ!!!!
神GJっす!
895通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 02:25:21 ID:???
グランドスラムって平井デザインのアレか・・・
ともかくGJ。やっぱソードが活躍してこそ種だよな!
896通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 02:28:29 ID:???
近接熱いよ近接
ソードは良いよな…ネ申GJ!
897通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 03:01:57 ID:???
神ktkr

ストライクカッコヨス
898通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 09:19:50 ID:???
ありがとう・・・神(;_;)
ソードの活躍が見られて自分は嬉しいです!w
899通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 09:42:58 ID:???
なんか555のアクセルフォーム思い出した。
ひと時のドーピングとか。GJ!
900通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 12:52:53 ID:???
ストライクになら抱かれてもいい
901通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 13:02:19 ID:???
でもストライク男には抱かれたくない
902通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 13:29:17 ID:???
>>901
だまれホームラン女
903通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 13:56:50 ID:AOUKpDpQ
ストライクカッコ良杉!
この動きを映像で見てみたいよほんと。
神毎回GJ過ぎるよ、もう!w

そしてキラの相変わらずの足癖の悪さにもGJw
904通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 14:18:11 ID:???
>>901>>902
仕事中なのに吹いちゃったじゃないか
905通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 19:08:06 ID:???
次の話しも深夜になるのだろう。
906通常の名無しさんの3倍:2006/10/06(金) 20:47:46 ID:???
すげーよ神
アドレナリン止まらねえw
907通常の名無しさんの3倍:2006/10/07(土) 01:17:04 ID:???
なんか話しぶっ飛び過ぎてる気が…


神ありがとう
908通常の名無しさんの3倍:2006/10/07(土) 16:58:36 ID:???
回し蹴りに激しく燃えた!!!!
909通常の名無しさんの3倍:2006/10/07(土) 21:25:37 ID:???
目が赤くなるって
蒼い死神か……








テラカッコヨス(´Д`)
910通常の名無しさんの3倍:2006/10/08(日) 00:09:07 ID:???
保守だお( ^ω^)
911通常の名無しさんの3倍:2006/10/08(日) 00:23:26 ID:???
神は死んだ
                      俺
912通常の名無しさんの3倍:2006/10/08(日) 00:25:16 ID:j723oBKK
ほす
913通常の名無しさんの3倍:2006/10/08(日) 23:50:49 ID:???
神マチ保守
914 ◆2qtR.zo0Uw :2006/10/09(月) 15:34:43 ID:???

英語:レッドred
フランス語:ルージュrouge
イタリア語:ロッソrosso (rossa)
ドイツ語:ロートrot
ギリシア語:コキノスΚΟΚΚΙΝΟΣ
ロシア語:クラスヌィкрасный
スペイン語:ロホrojo


英語:ブルーblue
フランス語:ブルーbleu
イタリア語:ブルblu
ドイツ語:ブラウblau
オランダ語:ブラウblauw
ギリシア語:ブレΜΠΛΕ
ロシア語:スィニсинь
スペイン語:アスルazul


英語:グリーンgreen
フランス語:ヴェルvert (ヴェルトverte)
イタリア語:ヴェルデverde
ドイツ語:グリューンglun
オランダ語:グロエンgroen
ギリシア語:プラシノスΠΡΑΣΙΝΟΣ
ロシア語:ズィェリェヌィзеленый
スペイン語:ベルデverde
915 ◆2qtR.zo0Uw :2006/10/09(月) 15:36:00 ID:???

英語:ホワイトwhite
フランス語:ブランblanc (ブランシュblanche)
イタリア語:ビアンコbianco (bianca)
ドイツ語:ヴァイスweiss
オランダ語:ウィットwit
ギリシア語:アスプロスΑΣΠΡΟΣ
ロシア語:ビェリズナбелизна
スペイン語:ブランコblanco


英語:イェロゥyellow
フランス語:ジョーヌjaune
イタリア語:ジャッロgiallo (gialla)
ドイツ語:Gelbゲルプ
オランダ語:ゲールgeel
ギリシア語:キトリノスΚΙΤΡΙΝΟΣ
ロシア語:ジェルトゥィжелтый
スペイン語:アマリジョamarillo

やってない言語もあるから発音があやふやなものもある。
916ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:07:35 ID:???
<ぎゃあああぁぁぁ━━━っ!!>
対艦刀を突き刺したザクから、醜い声が聞こえてくる。
―――剣はコクピットを掠めただけで、パイロットからは逸れていたか。
「…チッ」
『キラ』は敵を仕留め損ねた自身へのいらつきから舌打ちをした。
<た、助け…て……くれぇ………>
パイロットは生きているらしく、救いを求める声が伝わってくる。
その声に『キラ』は不快さを覚えた。

―――何をぬかしているんだ、コイツは?
たった今、こちらを殺そうと攻撃を仕掛けてきたくせに、
一転、自分が殺されそうになったら「助けてくれ」だと?
そんな都合のいい話があるとでも思っているのか、コイツは?
それとも、こっちが似たような状況に陥り、「助けて」と言ったら助けてくれるとでも言うのか?
「―――そんなわけないんだろ?」
『キラ』は頭に浮かんだ疑問に答え、対艦刀の柄を握るストライクの手首をくるっと捻らせた。
脅えた声の代わりに、ぐちゃりと何かが潰れる音が対艦刀を通じて聞こえてきた。

―――これで三機目…
『キラ』は意識を完全に沈黙した眼下のMSから周囲へと移し、敵の攻撃に備える。
鋭利な刃物のように研ぎ澄まされた戦士としての感覚は、危機が迫っていることを身体に伝えてきた。
「ク…ッ」
感覚の導くまま『キラ』は、ザクに対艦刀を突き刺したままストライクを横に跳ばす。
遅れて今まで居た場所にミサイルが着弾した。ミサイルが放たれた方向にはバビが見える。
『キラ』はバビを睨みつける―――が、すぐにその視線をバビから背後へと移した。

背後にはストライクを待ち受けていたかのように、ザクがビームトマホークを手に立っていた。
そして、それを横一閃に薙ぎ払う。
―――いい連携だ!
バビが攻撃して、ザクの目の前へと追い込む。
並のMSだったら、もしくは並のパイロットだったのなら否応無く撃破されていただろう。
「だけどッ!」
『キラ』はザクの存在に気付くや否や、即座に敵の意図を察知しストライクを屈ませた。
ビームトマホークがストライクの頭上を紙一重の差で薙いでいく。

―――相手が悪かったな。
あらゆる点に負荷をかけてまで高めたストライクの運動性は、『キラ』の尋常ならざる
MS操縦技能をこれまでにないほどの速度で反映し、まるでパイロットとMSが
一体化しているかのような反応の速さを見せた。
「今の僕とストライクに、その程度の攻撃は通用しない!」
『キラ』は屈むと同時に、腰部のアサルトナイフをストライクの右手に握らせ、
左の操縦桿を前に、右の操縦桿を後ろに引き、フットペダルを踏み込んだ。
それに合わせストライクは身を捻らせながら膝を伸ばし始め、
手に握られたナイフの先が真っ直ぐザクのコクピットに向かっていく。
917ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:08:39 ID:???
―――アーマーシュナイダーではMSの破壊は難しい。
所詮はサブウェポン。ストライカーパックの主戦用の武装に比べたら、力不足は否めない。
だが、それも使い方次第だ。MSを破壊出来なくても、パイロットを殺すだけなら―――
「―――容易いことだ!!」
アサルトナイフがコクピットの装甲を突き破り、中のパイロットを肉塊へと変えた。
今度は一撃で敵パイロットを引き裂けたことに少しだけ満足感を覚え、『キラ』は次の行動へと移る。

前方からゲイツRが迫ってくるのが見えると、ザクのコクピットからアサルトナイフを引き抜き、
赤黒いモノが滴るそれを、そのままゲイツRに向かって投げつける。
増大された膂力から放たれたナイフは、弾丸に勝るとも劣らないスピードで、
ザフト製MSの特徴である単眼のカメラアイに突き刺さった。
「迂闊に近付き過ぎなんだよ!」
メインカメラからサブカメラへと切り替わる僅かな隙を狙い、『キラ』は駆け出した。
肩のビームブーメランを剣の代わりとして構え、ゲイツRと擦れ違い様にそのコクピットを切り裂いた。

崩れ落ちるゲイツRを背に、ブーメランを肩に納め、墓標のようにザクに刺さっている対艦刀を手に取る。
―――射程距離が限られるのが、ソード形態の弱点だな。
対艦刀に再びレーザー刃を灯しながら『キラ』は考える。
「けど…」
『キラ』は頭上を睨み付け、ストライクのバーニアを全開にして空へと飛び上がる。
「―――そっちから近付いてくるなら話は別だ!」
『キラ』の見据える先にはミサイルを放ったバビの機影があった。

バビの迎撃を軽やかに躱し、ストライクは敵との距離を詰めていく。
エールストライカーと違いソードストライカーは空戦能力を持たない。
とはいえ、ある程度の高さまでならジャンプすることも可能な上、出力が上昇した
今のストライクならば、空からのこのこ地上に降りてきたMSを―――
―――斬ることだって…ッ!!
バビを対艦刀の間合いに捉えると、『キラ』は力任せに長刀を振るった。
黒い刀身に赤いレーザーを輝かせる剣は、紙を切るようにバビを真っ二つにした。

「だから、言ったんだ………迂闊に近付くな、と」
二つになったMSが落下していくのを尻目に『キラ』は呟いた。
―――…ッ!?
ふいに首筋にざわついた感じを覚える。
戦士としての嗅覚がそれを危険と認識し、『キラ』は感じるがままに対艦刀を袈裟に構える。
一瞬の後、どこからともなく現れた剣に斬り掛かられ、対艦刀との間に激しい火花を散らした。
「こいつ…ッ!」
空戦能力を持たないストライクは、相手と対峙することも叶わず、敵の剣に地上へと押し戻される。
体勢を整え、無事に陸へと降りた『キラ』は空に浮かぶ敵へと視線を向けた。
「ようやくお出ましか…ッ!」
そこにはビームソードを手にしたオレンジ色と、その背後に隠れるように浮かぶ赤いMSがいた。
918ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:11:46 ID:???


「MS隊は母艦の防衛及び、オーブ軍機の迎撃に就け!」
眼下のストライクを望みながら、ハイネは僚機に指示を出す。
「アスラン、お前はストライクを空中から狙え!」
<えっ…ハイネ!?>
「チャンスを見逃すんじゃねえぞ!」
それだけ言うと、ハイネは機首をストライクに向けて急発進した。

―――この時を待っていた!
怒りに染まったハイネの心の中に仄暗い歓喜の感情が芽生える。
フェイスであることもザフトの軍人であることも頭からは消え去り、唯一人の復讐者として
ストライクに襲い掛かった。降下の勢いも加えた放った斬撃はストライクに
バックステップで躱される。しかし、ハイネは僅かな間も置かずに追い縋り、更なる一撃を加えた。
流石にストライクもこれは躱せず、長刀を以ってその一撃を防ぐ。
火花を散らしながらの鍔迫り合いは、今度は地の利がないグフが力負けして弾き返される。
すかさずストライクは追撃をかけようとしたが、吹き飛ばされながらも放たれた
手首の四連装ビームガンがそれを阻んだ。

「簡単に殺れると思うなよォ!!」
叫びながらハイネは再びストライクに斬り掛かる。
迎え撃とうと対艦刀を構えるストライクを前に、ハイネは宇宙での苦い記憶を思い出していた。
ユニウスセブン落下直後の本土決戦。そこでハイネは部下たちと出撃し、ストライクと戦った。
銃を誰かに向ける以上、自身も誰かに銃を向けられる覚悟は出来ていた。
だが、戦場を無視して、罪無き民衆に核を放とうとした連中に殺される謂れなどはなかった。
しかし、戦いの結果は自分一人だけが辛うじて生き残っただけで、仲間たちは皆、殺されてしまった。

「あの日以来、お前を思い出さない日はなかった!」
ストライクの攻撃を捌き、反撃にスレイヤーウィップを喰らわす。
―――そして、この日が来た!
フェイスの徽章を剥奪されても仕方ない無様な結果になりながらも、デュランダル議長は
変わらぬ信頼を寄せてくれ、新型機と共にこの憎き相手を倒す機会までも与えてくれた。
もう仲間たちの仇を討つためだけではない。議長の恩に報いるためにも―――

「お前を堕とすッ!!」
ストライクが横薙ぎに払った凶刃を、身を沈めて紙一重のところで躱し、
お返しにとビームソードを横一閃に振るう。ストライクは後ろに身を逸らすことでそれを避けるが、
ハイネはそこにビームガンの弾を叩き込んだ。左腕に装備された小型のシールドを構えるが、
攻撃を防ぎ切れずストライクは後方に吹き飛ばされた。
「ザクとは違うんだよ、ザクとはァッ!」

宇宙でストライクと対峙した時は、機体性能及び、特殊兵装の前に破れさってしまったが、
ザクを遥かに上回るこのグフイグナイテッドならば―――
ハイネは勢い込んで更なる攻撃を仕掛けようとした。
だが、ストライクは背後に倒れそうなところを寸前で耐え、それだけでなく
無理な体勢から長刀を振るい、こちらの動きを牽制してくる。
「チッ………そう簡単にはいかねえか!」
ストライクの斬撃を回避しながら、ハイネはビームソードを構えた。
919ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:14:36 ID:???


<アスラン、俺の後ろにつけ!>
上空から遠巻きに黒と橙の戦いを見ていたアスランに、ハイネから通信が入る。
<目ぇ見開いて、よく見てろよ!>
その言葉が告げられると、ハイネのグフはストライクに迫り、剣と剣の超接近戦を再開させた。
並外れた技量によって操られる二機のMSの、まるで剣舞と見間違えるような戦いに、
アスランは――ハイネに言われるまでもなく――驚きで目を見開く。
しかし―――

「チャンスを狙えと言われても…」
あんな長刀を振り回しているにも関わらずストライクに隙は見えず、
加えてハイネ機が肉薄しているせいで、ストライクだけを狙うのもままならない。
「だが、これなら…―――っ!?」
自分が口にしようとしたことに気付き、アスランはハッとなる。
―――今、俺はホッとしたのか…?
ストライクを攻撃出来ないこと、即ちストライクを自らの手で堕とさなくて済む事実に…?

「やめろッ!!」
アスランは声に出してそれを否定する。
―――割り切るんだ、アスラン・ザラ!
姿形に惑わされるな! ディオキアでのことは忘れろ! そして思い出せ!

   その躊躇が二年前、大事な仲間の命を奪ったことを!!

唇を強く噛み、迷いを振り切ろうとする。
<―――今だ、アスランッ!!>
だが、アスランが心を決めるより先にハイネの声が聞こえてきた。

「ッ!?」
見ればストライクの一撃がグフの手に握られていたビームソードを弾き飛ばしていた。
そしてストライクはそのまま大きく振り被る。
「ハイネェーッ!」
アスランは思わず叫んだ。
しかし、そんな心配をよそに、ハイネのグフはストライクの行動が分かっていたかのように、
剣を弾かれるや否や後方に向かって大きく跳んだ。

<撃てえぇーッ!!>
ハイネのグフが退いたことで、セイバーとストライクの間に障害がなくなり、完璧な射線がとれた。
<俺たちの勝ちだ、ストライクッ!!>
ハイネの声が後押しとなり、アスランはプラズマ収束ビーム砲をストライクに向けて放つ。
胸の内に微かな後悔を感じながら。

   そして、本当の意味での後悔を、すぐに知ることとなった。
920ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:19:11 ID:???


ミラーが撃墜されることになった原因である二機のMSを前にして、
『キラ』の内は憤怒に燃える心とは別に、氷のように冷たい殺意が形成されていた。
その冷たい意思が『キラ』に促すものは唯一つ。
―――お前たちは僕の手で完全に討つ!
ただ殺すだけではない。肉体のみならず精神までをも殺してみせる。
そうやって自らを血に塗れさせ人殺しの罪を背負うことが、ミラーに出来る唯一の贖罪だ。

「うああぁぁあッ!」
憎悪を込めて対艦刀を振るうと、切り結ぶこともなく敵の剣を弾き飛ばした―――が、
『キラ』はその光景に違和感を覚える。
―――剣をわざと…“弾き飛ばさせた”?
今までの斬り合いで、ストライクの性能が敵機を凌駕――向こうも相当の性能を
有していたが――していたことには気付いていた。しかし、何の抵抗も感じることなく、
敵の剣を弾き飛ばせるほどの性能差は感じられなかった。
『キラ』は頭に浮かんだ疑念を元に、瞬時に周囲に意識を張り巡らせる。

―――なるほど…
研ぎ澄まされた感覚は、一瞬の間に赤いMSの位置も、眼前の敵が後方に
跳ぼうとしているのも全てを捉えた。そして、敵の思惑がどうあるかも『キラ』に気付かせた。
「―――だったら」
ストライクが対艦刀を大きく振り被る。
「望み通りにやってやる!!」
―――だけど、死ぬのはお前たちだ!!
『キラ』は酷薄な笑みを顔に浮かべた。



ビームソードをわざと弾き飛ばせ、ストライクがここぞとばかりに
長刀を振り被るの目にして、ハイネは叫んだ。
「撃てえぇーッ!!」
同時に後方に向かって大きく跳ぶ。自分という遮蔽物がなくなり、
ストライクがその身を戦場に晒す。そこを狙ってセイバーが撃てば―――
「俺たちの勝ちだ、ストライクッ!!」
ハイネは確信を込めた言った。
しかし、目の前で信じられないことが起きた。

ストライクは頭上に掲げた長刀を右手だけで振り下ろした。
空を切る筈だったその一撃は、振り下ろされる途中で手から放され、回転しながらこちらに向かってくる。
長刀は左脚に当たり、グフは体勢を崩した。更にほぼ同時にロケットアンカーが左肩に打ち込まれる。
「なにィ!?」
見れば、ストライクの左腕の盾だと思っていた装備からアンカーが放たれていた。
ストライクはそれのワイヤーを掴み、力任せに引っ張り上げる。
921ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:21:29 ID:???
「うぉ…おおぉぉおおお…!!」
その動きに合わせ、ハイネのグフは空へと舞い上がる。
―――コイツ、こちらの手を読んだ上で、逆に利用したのか!?
ストライクの動き、そして今、自機が居る場所がストライクとセイバーを結ぶ線の
間であることから、ハイネはそう推察する。それが真実であることを示すように、
スピーカーからセイバーのパイロットの声が聞こえてきた。
<ハ…ハイネェェッ!?>
そのアスランの悲痛な声が、ハイネ・ヴェステンフルスの聞く最後の言葉となった。



ビームを放った瞬間、オレンジ色の物体がそこに割り込んできた。
―――なに?
一瞬だけ理解が追いつかなかったが、すぐさまそれまでのストライクの動きと繋がり、
何が起きたのか、そして何が起きるのかをアスランは察した。
「ハ…ハイネェェッ!?」
叫び声を上げたところでビームは止まらず、ストライクによって盾代わりにされたグフの機体を真っ直ぐに貫く。
永遠とも思えたその一瞬の後、ハイネが乗るグフは紅蓮の炎を吹き上げて爆散した。

「―――あああぁぁぁ━━━ッ!!」
アスランはもう一度叫んだ。
割り切れよ―――数時間前に聞いた、いずれ友と呼べる間柄になれたかもしれない男の声を思い出す。
瞬きも出来ないまま、アスランは“自分が殺してしまった”ハイネだった爆煙を見送る。
狂いだしそうな衝動を抑え込みながら、アスランは視線を煙の奥へと向けた。
そこには二年前、ニコルが殺された時と同じ様に、ストライクの姿があった。



「次は、お前の番だ…!」
粉塵と化したオレンジ色のMSの後ろに浮かぶ赤いMSを見ながら『キラ』は言った。
―――ミラーが死んだ間接的原因となった相手には、味方に殺されるという絶望をくれてやった。
直接の原因となったお前は、仲間を殺したという悔恨を胸に、あの世へと送ってやる!
「さぁ、来い! ミネルバのエース!!」
『キラ』は猛る心のままに叫んだ。

しかし、その意に反するようにコクピット内に警告音が鳴り響く。
“狂戦士”―――そう名付けた過ぎた力の代償として、バッテリーは全て狂える戦士に喰われていき、
PS装甲は無効になりストライクは黒色から灰色へと戻り、対艦刀のレーザー刃も消失する。
―――知ったことか!
ミラーを殺したアイツを討たずして、戦いを終えることなど出来る筈もない。
『キラ』はバッテリー切れには構わず、赤いMSを睨みつけた。
922通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 01:26:01 ID:???
GJ b
923ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:26:13 ID:???
突然、二機のMSの間に横槍が入った。
カオスが舞い降りてきたかと思うと、そのままストライクを抱えて再び空へと舞い上がる。
「何をする、スティング!」
苛立った声で『キラ』は自分を抱えるMSのパイロットに呼びかける。
<馬鹿野郎! 撤退信号が出てるのに気付いてねえのか!?>
「撤退信号…?」
『キラ』はスティングに言われて、J・P・ジョーンズから信号弾が打ち上げられていることに気付く。

「だから何だって言うんだ!」
だが、『キラ』は納得出来ずに怒りをぶちまける。
「戻れ、スティング! あの赤いMSを僕に堕とさせろ!!」
<五月蝿え! 黙ってねえと海に叩き落すぞ!>
幾ら怒鳴ったところでスティングは聞く耳を持たず、『キラ』はそのまま艦へと戻されていく。
その瞳には自分たちを呆然と見送る、赤いMSが映っていた。


「邪魔だ、そこを退けぇッ!」
格納庫に出向いたネオを迎えたのは、今まで聞いたことのない『キラ』の声だった。
「あいつ…」
剣呑なものを感じ、ネオは声の元へと向かう。
「おい、やめろ!」
「落ち着けよ、『キラ』…!」
整備兵たちの輪の中を覗き込むと、そこにはMSに乗り込もうとしている『キラ』と、
それを必死で抑え付けているスティングとアウルの姿があった。
「『キラ』ぁ…」
傍らではステラが目に涙を溜めて『キラ』を見つめている。

「この騒ぎは何です?」
そこにエクステンデットの調整を担当している研究員がやって来た。
いつものように戦闘後のデータ収集や、戦闘中、何らかの悪影響を受けてないか様子を見に来たのだろう。
「おい、アレを貸せ」
ネオは思いついたように言った。
「はい?」
「アレだ、万が一の時の麻酔薬を寄越せ」
924ANOTHER PHASE-10 「狂戦士」:2006/10/10(火) 01:27:02 ID:???


かつて別のエクステンデットが戦闘テスト後も暴れ続け、多くの被害を出した事があってから
研究員にはエクステンデットを大人しくさせるための薬を、持たされるようになっていた。
「あ、ああ…でも彼らに異常は見られな―――」
「スティングたちじゃない、『キラ』に使うんだ」
ネオは研究員の手から、拳銃の銃身を短くしたような形をした注射器を取ると『キラ』に近付いていく。

「離せって言って………大佐?」
自分に気付き、『キラ』の動きが一瞬止まる。
その隙を狙い、ネオは『キラ』の首筋に注射器を押し当てた。
「―――が…ッ!」
びくりと大きく身体を震わせると、『キラ』は頭を力なく垂らした。
「ふぅ…」
あまりの効力と即効性に、多少不安を覚えなくもないが、ネオはほっと息をついた。

「もういい、後は俺が面倒を見る」
『キラ』を抑えていた二人に言い、続いて周囲にも指示を出す。
「どうした、まだ作戦中だぞ。さっさと作業に戻れ!」
ネオはもう一度スティングたち、そしてステラを見やり頷く。
三人は先程の研究員の後に続き、メンテナンスルームへと向かっていった。

「お前も…今は休め」
そう声をかけてから、ネオは『キラ』を担いだ。
自身も部下を喪った事実を哀しみながら、ゆっくりと歩き出す。
「………てやる……」
「ん…?」
ふいに耳元に何かが聞こえてきた。
そちらの方を向くと、気を失っている『キラ』の唇が動いていることに気付いた。

「……して…る…」
再び聞こえてきた声に、ネオは耳を口元へと近付ける。
そしてネオは聞いた。

   「…必ず……殺して…やる……」

「『キラ』…」
友を喪った男の哀しく、凄惨な言葉の前に、ネオは何も出来ず、ただ立ち尽くすだけだった。
925通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 01:32:18 ID:???
GJ
926通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 01:40:42 ID:???
神GJ
927通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 01:52:25 ID:???
神GJ!
キラカッコヨス。

マジでこんな種死が見たかった。
キラが強すぎでもこんな設定ならなんとかなったのにね。
まあ面白いのは職人さんの腕のおかげだけど。
928通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 02:01:25 ID:???
うあ…キラカッコよすぎ……

うん!!これだよ、コレ!!!
あの馬鹿げた戦闘能力で、友を討たれた殺意のままに暴れまくるキラテラカッコヨス。

神、マジでGJ!!!!!
サイコーにGJ!!!!!!
929通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 02:24:42 ID:???
見事な戦闘バランスだよな。きちんとエネルギー切れしてるし
リスク上げて戦闘力アップだし。キラカッコよすぎだし
本編はリスクなしで無敵な上、キラは感情の無い操り人形だからな
930通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 02:31:34 ID:???
神GJ
931通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 07:52:29 ID:???
神よGJ!!キラだけでなく他の者達も感情剥き出しの所が凄く良いです。種死はなんか足りないと思っていたけど、それがなんなのかわかりましたm(__)m
932通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 11:26:32 ID:???
キラ怖ぇ……
でもカッコヨス。
933通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 12:50:04 ID:o8Kvs3uY
キラコワカッコヨス!
しかしこりゃ凄い・・・間違いなく神戦闘じゃないか・・・
神、もはやGJでは足りないくらいにGJ!!!
934通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 12:52:48 ID:???
あちゃー、sage忘れてた、スマンorz
935通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 14:17:14 ID:???
あれ、俺キラ嫌いなはずだったのに…
936通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 14:28:41 ID:???
こんなキラ初めて見た…そしてハイネ、やっぱり天国へ…。
今回も戦闘描写が凄い良い…。
何んだろうこの満足感とワクワク感…これが燃えですか?。
毎回本当にGJ過ぎます神!!!
937通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 20:55:14 ID:???
SEED初期のキラが好きで、SEED後期以降は大嫌いになったのだが、
何でなのかようやくハッキリ分かった。
感情が表に出てるかどうかなんだな。

やっぱり内情モロ出しは良い。熱いし。
938通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 21:11:29 ID:???
SEED初期=キラ
SEED後期以降=人形(ラクスの彼氏=嫁の理想の男に洗脳)
コレだからしょうがない
939通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 21:47:51 ID:???
キラ強ぇぇぇぇ!!
そしてハイネも強ぇぇぇぇ!!
キラがダークヒーローっぽくてカッコヨス
940通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 11:14:47 ID:???
この状態でステラ達が死んだらどうなるんだべ
941通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 14:05:32 ID:???
デストロイに乗ってジェノサイド開始
942通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 14:07:16 ID:???
悪魔の化身スーパーサイヤ人キラ・ヤマトの誕生。
943通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 14:09:27 ID:???
種死って連合側にエース用高性能MSって無いよなぁ
944通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 14:56:16 ID:???
デストロイの機体色は黒褐色だよな……。
945通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 15:09:15 ID:???
キラとアスランの因縁再びか・・・ひたすらスルーされるシンカワイソス
まあここは種死SSでもキラ主人公と銘打ってあるから問題ないか
946通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 16:00:12 ID:???
連合はレイダーの後継機の開発に失敗したのかな?。
947通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 16:44:00 ID:???
うぉぉぉぉ…
 ネ 申 …!

凸どうなるのか気になるよ凸
鬱どころじゃなくね?
下手すると凸じゃなく凹になっちゃうんじゃね?
そして例えキラが記憶を取り戻しても、いや取り戻してすべてが判明してこそ埋められない溝がまた、一つ…!
これはもう種の「戦争だからしょうがないよね」は無理だろ!?
うわーうわーめっちゃこれからの展開が楽しみや
どこに行き着くんだこの話は?
そしてキラルナはあるのか!?

ネ申の物語、最後まで見届けさせてもらいますぜ!
948通常の名無しさんの3倍:2006/10/11(水) 16:53:06 ID:???
>>945
シン主役のSSなんて他に腐るほどあるやん
949通常の名無しさんの3倍:2006/10/12(木) 02:43:20 ID:???
このあとのキラVS凸もすごくなると思うが、あとの話でキラVSシンもとんでもないアドレナリン噴出な展開になるのだろう
何はともあれ今は労うのが先決だ

超GJ!
950通常の名無しさんの3倍:2006/10/12(木) 22:28:33 ID:???
ハイネは種割れしそうな勢いだったのになぁ
(つд`)

なにはともあれGJ!
951通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 01:45:02 ID:???
ハイネ…。確かにザクとの違い、見せてもらったぞ…
952通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 14:55:25 ID:???
こんなに燃えたロケットアンカーは初めてだ
953通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 15:02:30 ID:???
このキラが搭乗して格闘戦するデストロイとか凄いだろうな
954通常の名無しさんの3倍:2006/10/13(金) 19:44:31 ID:???
まさに破壊神>キラin破壊
955通常の名無しさんの3倍:2006/10/14(土) 22:41:59 ID:???
破壊シン?
956通常の名無しさんの3倍:2006/10/15(日) 18:18:19 ID:???
山田くーん>>955の座布団全部持ってって!!
957通常の名無しさんの3倍:2006/10/15(日) 19:11:04 ID:???
次スレはまだ早いかな?
958通常の名無しさんの3倍:2006/10/15(日) 22:11:47 ID:???
容量的には問題なし
ペース的には・・・もう1回ぐらいなら大丈夫か?
>>970に到達したら立てといたほうが良いな
959240:2006/10/16(月) 20:15:22 ID:???
今更ですが、>>243がひどい事を言ったのでもう作りません。
960通常の名無しさんの3倍:2006/10/16(月) 21:35:41 ID:???
>>959
さよかノシ
961通常の名無しさんの3倍:2006/10/17(火) 13:57:25 ID:???
>>959
いりません
962通常の名無しさんの3倍:2006/10/17(火) 22:46:58 ID:???
保守
963通常の名無しさんの3倍:2006/10/17(火) 23:36:23 ID:???
保守
964通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 13:51:43 ID:xtN/ykFw
すまない。もしもディアッカがファントムペインだったらと妄想して苦笑した
965通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 13:55:18 ID:???
>>964
シャムスでがまんしろw
966通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 14:13:34 ID:y+dEtvzL
967通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 08:51:20 ID:xu1jJOJd
>>965

無知でスマソ。シャムスって何ぞや?
968通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 08:54:03 ID:???
スタゲでヴェルデ乗ってる人
969通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 09:42:18 ID:???
埋め
970通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 09:55:15 ID:s5OdgK6u
続きまだ〜?w 保守
971通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 16:20:54 ID:???
>>970次スレよろ
972通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 16:36:18 ID:???
>>975>>980次スレよろ!
973通常の名無しさんの3倍:2006/10/19(木) 16:46:19 ID:???
今過去の話読み直してきた、ミリアリアの写真がどう生かされるのか楽しみだ
974通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 07:28:08 ID:pcv8DO8f
ほす
975通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 13:13:17 ID:???
職人様へ

残りスレ数から投下を待機されているのであれば
次スレ立てますが、まだ時間がかかるのなら
次スレは>>990で立てようと思い保守
976前スレ275:2006/10/20(金) 22:03:38 ID:???
PHASE-10も終わりスレの残りもちょっとだったので
キリが良いと思い次スレになったらPHASE-11を投下しようと待ってました。
書くペースは例のよってまちまちなのでPHASE-11全部を
すぐに投下というわけにはいきませんがちょっとずつは書いているので
続きを望むという方が居られるなら新スレを立ててもらえればと…
977通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 22:19:04 ID:???
>>976
黒和田カッケー!
978通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 23:40:37 ID:???
んじゃ立てて来るわ

>>1をいじるだけしかやれんが
979通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 23:43:48 ID:???
敗北orz

もしもキラがファントムペインだったら part3

1.連合・ザフト・ラクシズの戦力バランスが崩れない。
 (戦闘に緊迫感をもてる。)
2.キラ不在のため,AA組が余裕こけない。
 (苦戦の悲壮感を漂わせることで、「単なるテロリスト」と思われなくなる。)
3.定期的にミネルバ・AAに死人を出せる。
 (相手がキラじゃしょーがない。)
など。


前スレ
もしもキラがファントムペインだったら part2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1149577069/

過去スレ
もしもキラがファントムペインだったら
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1133166254/

まとめサイト
http://www.geocities.jp/seedphantompein/index.html
980通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 23:48:39 ID:???
立ててくる
981通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 23:50:59 ID:???
982通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 00:09:34 ID:???
乙です
そして梅
983通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 00:15:24 ID:???
潜行
984通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 00:16:16 ID:???
鵜め梅産め
985通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:07:12 ID:???

986通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:12:18 ID:???
梅支援
987通常の名無しさんの3倍:2006/10/21(土) 01:27:21 ID:???
埋め
988通常の名無しさんの3倍
うめるんですか?