【緑】ラクスたんの歌声84曲目♪【萌ゆる】

このエントリーをはてなブックマークに追加
159通常の名無しさんの3倍
彼女の蒼い瞳が細められた。
「そして、あなたが決めることでもないわね」
「君は、自分のしたことがわかってるの?君はラクスのふりをして皆を騙したんだよ?間違ったことをしたんだよ?」
「あら、問題のすりかえ?いま話してたのはそのことと関係ないんじゃないのかしら?」
でもまぁいいわ答えてあげる、と彼女は壁に背中をもたせかけて見下ろすように僕を見た。

「確かにあたしのしたことは悪いことよ、みんなを騙したこともわかってる。でもあなたたちに謝りたいとは思わない、あなたたちの許しはいらないの」
彼女はその蒼い瞳で突き放すように宣言した。

「……な、どうして」
「あたしが謝りたいのはプラントのみんなにだけ、あなたたちじゃないの」
お前ではない。

「君のせいで僕たちは、ラクスは」
「なにかを失ったと?親しいだれかを?」
嘲るような口調。
とおくを見つめる、彼女の眼差し。
アスランがふとしたときに僕たちを見るその眼差しとおなじだ。

「ラクスは命を狙われた、恐らくは議長の指図じゃないの?「それはあなたの推測でしかないでしょう?証拠はあるの?」
問い返される。

「議長以外にだれがラクスを狙うっていうの?」
「どうしてラクス様がだれにも狙われないと思えるの?」
彼女におどけた口調で返される。
でも、その眼は恐ろしく透き通った真摯なもので威圧された。

「なにいって…」
「プラントを、同胞を撃っておきながら望まれた責務を果たすこともなく、恐らくはそのために罪を問われることもなかったのに、安穏なオーブへ
愛するあなたといたいがために逃げた彼女を恨まない者がいるとどうして考えられるの?」

「ちがう!彼女は平和のために戦ったんだよ、どうしてだれがそれを責めるっていうの!」

「―――あなた方の目指す平和のために殺された人たちはどうなるの?彼らにも彼らの目指す平和があったのよ?
あなた、平和を目指して戦ってるのは、守りたいものがあるのは自分たちだけで特別だとでも思ってたの?まさかねぇ、まさかそんな馬鹿じゃないわよね?」

彼女は身を乗り出し、口唇からは堰を切ったように言葉が流れ出す。