シンメイに萌えるスレ

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1通常の名無しさんの3倍
勝手に萌えてろ
2通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 23:46:36 ID:???
/゙、  ,,.:- 、i._        ,;' ,.、i ヽ、  i ヘ   >>1つもいいところを持っていってすまないな。みんな。
  ゙、/´   ``ヽ、   ;:'/ _ヘ  ゙、 .i  ゙;,    カムヒアー ダイターン >>3
  ,〃/゙``ヽ、,,_   ``ー''ィ' ./ ヽr、  ゙、i   ;;   >>4の為人の為、メガノイドの野望を打ち砕くダイターン3!
 .il ゙'"´、、,,、,,__  ̄´7ノ ,lィ。、ヾ-lr l  /   ,;'    日輪の輝きを恐れないならかかってこい!
. il   く´ (。P)ヾ~´  〈ゝ-''´:.. l :l /   ,;'    >>5うせい獣アンヘルム! ダイターンに敵うと思うな!
l il  ..:.:  ̄ ̄ "´,,.::-キ- 、  l / /   ,;'    >>6敵鋼人の名前は伊達じゃないのさ。
.l il        /   ゙、j  \!' :i'   _,;''     心理トリックなど無用だ! コマンダー ウェ>>7
.:l``iー- 、    / (    .)  i、\_,,;;::'' 、..___   僕は・・・い>>8だ!!
_,l .:i、  ``一'   ⌒.Y'"  ./ ヽ  ー--、     ダイタン>>9で 敵の足を止める!
   :i \   r==ニニ'-7  /   ゝ、ニ=-ソ    >>10-1000 メガノイドはエゴの塊だ! 必ず倒す!ドン=ザウサー!
    i゙:.-`、._ `-一''''ニソ  /     ゞ´  ヽ
ヽ  i :. :...``   ̄   .,イiヽ    r'
3通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 23:48:58 ID:???
また立てたのかよ…

グゥレイト!
4通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 23:49:55 ID:???
我ながら立てる時間を待ちがったと思う
5通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 00:06:25 ID:???
もうあきらめろよ…
6通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 00:18:16 ID:???
だが断る
7通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 10:52:34 ID:WQm7Wf9z
あげ
8通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 13:19:37 ID:???
職人!職人!
9通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 13:54:03 ID:???
メイリンはシンのものに触れてみる

シンも自分以外に触れられたことがない為、羞恥心で顔が真っ赤になっていた

メイリン「シンいくよ?」
シン「メ、メイリン…俺、自分でしかしたことないから…」
メイリン「私も初めてだから…痛かったら言ってね?」

メイリンはできるだけ優しく指を動かす

シン「あ…あぁ……イイよ……メイリン……」
メイリン「そ、そお?じゃあ裏側も…」
シン「……!うわぁ!」
メイリン「だ、大丈夫?」
シン「う、うん…気持ち良すぎて……」

シンは裏側が弱いらしく気持ち良さそうな顔している

シン「メイリンそろそろ……」
メイリン「うんいいよ…」


ごろん

メイリン「はい、顔の向き変えて」
シン「うん」

シンはメイリンの膝に顔の向きを乗せ変えて反対の耳を差し出す

シン「人にやってもらうのって気持ちいいな…」
メイリン「シンってばほんと耳かきの後ろが弱いよね〜」
シン「だってあのへんなホワホワな毛が耳の中かきまわすんだからしょうがないだろ〜」
メイリン「気持ち良すぎるのも考えものだね」
シン「でもメイリンの膝枕の方が気持ちいいよ」
メイリン「………バカ」


終わり^ω^#
10通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 13:58:08 ID:???
>>9
GJ激萌え
これからもどんどん作って下さい
AAも欲しいな
11通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 20:26:32 ID:???
おいちょっと待て
この組み合わせでもシンがMかよwww
12通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 20:54:46 ID:EsMPFtkh
凸より納得できるからいいや
13通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 20:57:25 ID:???
和解シーンを妄想すればよくね?
多分またシンが泣くだろうけど。w
14通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 21:07:38 ID:???
>>9
乙乙!!
神じゃ!神が後輪なされたぞ!
15通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 23:44:21 ID:9PhS9ABj
あげ
16通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 12:44:15 ID:shdc/o50
懲りずにあげ
17通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 13:51:22 ID:???
何か懐かしいな

放送中期はルナはアスランに夢中だったし、メイリンはシンかレイと
くっつくと思ってたよ
18通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 17:47:43 ID:???
職人かむばーーーーーっく!
19通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 21:17:11 ID:nnSBeqYg
上げーーーー
20通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 21:27:31 ID:???
微妙に面白いのを見つけたので貼りw
http://www.hcn.zaq.ne.jp/kunikuni/draft_horse/miya_6.htm
21通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 22:02:12 ID:???
すごい偶然
22通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 23:03:01 ID:???
いや、これは デ ス テ ィ ニ ー !!
23通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 02:21:32 ID:???
声だけシンメイ

ttp://www.wowow.co.jp/anime/tokko/
申道蘭丸 鈴村健一
六条さくら 折笠冨美子
申道沙也 神田朱未
鈴鹿紅葉 植田佳奈
伊吹涼子 夏樹リオ
國樹田薫 高木渉
村正将吾 土田大
24通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 04:21:38 ID:???
メイリン「え、じゃあシンてばあれからザラ隊長と全然口聞いてないの?」
ルナ「そうなのよ………………」

お姉ちゃんは何やら言っているようだ

ルナ「……どーせシンの負けで」
メイリン「そうかな?」
ルナ「え?じゃあシンがザラ隊長に勝つと思ってるの?」
メイリン「シンだって頑張ってるもん、シンがいなかったら絶対私たち死んでたんだよ?」
ルナ「ま〜…そうだけど」
メイリン「……お姉ちゃんは二機しか落としてないじゃない」
ルナ「ん?なんか言った?」
メイリン「な〜んにも!」

シャワーを浴びたらシンに会いに行こう

シャワーを終え格納庫に行ってみるがシンの姿はない、いないのかなぁ……

アスラン「君!え〜と…」
メイリン「メイリンです、メイリン・ホーク」
アスラン「あぁ、すまない。え、と…メイリン、シンがどこにいるか知らないか?」

メイリン「いえ、私も探してるんですけど…ここにはいないみたいですね」
アスラン「そうか、すまない」

ザラ隊長もシンを探しているみたいだったがすぐに機体の方に戻っていった
シンはどこにいるのかな?

シン「………ふん」
メイリン「?」

今扉にシンの姿が見えたような気がして扉に向かった

25通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 04:37:29 ID:???
メイリン「シン?」

着いた先には誰もいない

メイリン「あれ〜?」
レイ「……何をしている」

現れたのは目的の人物ではないが彼の行方を知っていそうな人物だった

メイリン「ねぇレイ、シン知らない?」
レイ「……さぁな」

レイも知らないならどこにいったのだろう

レイ「…………そういえば外にいくとか行っていたぞ」

外…甲板は数箇所あるがしらみ潰しに探していけば会えるかな…

レイ「……じゃあな」
メイリン「あ、ありがとね〜レイ」

甲板を周る…周る…が

メイリン「一番遠いとこで疲れちゃった…」

最後の甲板まで歩いたので結構な距離を歩いた

アスラン「………でなけりゃただの馬鹿だがな」
シン「………!」

どうやらザラ隊長の方が先にシンを見つけたようだ

アスラン「…っと!シンなら…」
メイリン「はい、ここですよね!失礼しますっ」

ザラ隊長に挨拶し、シンのところへ向かう

アスラン「(若いっていいな…)」

メイリン「シ〜ン!」
シン「………なんか用?」
メイリン「うん!ご飯一緒に食べよ!」
シン「いいよ、俺は」
メイリン「どうしたの?ザラ隊長となんかあったの?」
26通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 05:08:03 ID:???
シン「うるさいな!そんなに食いたきゃザラ隊長一緒に食えばいいだろっ!!」
メイリン「……………」
シン「あ…!いや、ごめん。言い過ぎた……」
メイリン「…………バカ!」
シン「待って!メイリン!!」
メイリン「離して!離してよ!いいもん!ザラ隊長と一緒に食べるから!!」
シン「駄目だ!!」
メイリン「!?」

突然大きな声を出すシンに少々驚いてしまった

シン「あ…」
メイリン「何が駄目なの?」
シン「う……」

顔を真っ赤にし、うつむいてしまった

メイリン「ねぇ?何が駄目なの?」
シン「いや…だから………」
メイリン「ちゃんと言ってくれるまでここから動かない」
シン「ぅ…あぅ………」
メイリン「(ちょっとイジメすぎたかなぁ…)ねぇシ…」

ねぇシン…と言おうとした言葉は最後まで発することはできなかった

なぜなら

私は

シンに

メイリン「ん〜!?んっ…んんっ」
シン「んっんっ、ん!」

キス…されてしまったから……………
27通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 05:29:44 ID:???
シン「んっ、ぷぅあ!」
メイリン「んっ…ふぅ……ぁ…」

シン「これが俺の気持ち……伝わった…かな?」
メイリン「な、なな、なななな!!!」
シン「メイリン?」
メイリン「何するのいきなり〜!!?私、私……初めてだったんだからぁ!!」

そう、さっきのが私のファーストキス……だった

メイリン「責任とってよ〜!!」
シン「いや、俺も初めてだったし……」
メイリン「男のファーストキスと女の子のファーストキスは全っ然違うの!!!」

シン「俺とじゃ嫌だった?」
メイリン「そんなこと……ないけど」
シン「…………責任はとるから」
メイリン「え……?」
シン「ご飯食べにいこっか!」
メイリン「きゃっ!ちょっとシン!!」

小さい声だったけど聞こえちゃった……
シンの気持ちが…






おまけ


ルナ「あらシンにメイリン、今日の夕食はキスの天ぷらと…」
シンメイ「「キ、キス!?」」
レイ「ふむ、舌のザラつきが絶妙だ」
シンメイ「「し、舌!?」」
アスラン「レイは牛タンを選らんだのか、俺は天ぷらだが」
レイ「そちらも熱々で美味しそうですね、シンとメイリンもそう思わないか?」
シン「あ、あぁ…」
メイリン「そうだね
28通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 08:58:50 ID:???
なに、この少女漫画的展開






だが、それもいい
29通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 10:47:20 ID:???
乙乙
30通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 16:54:35 ID:???
あげてみる
31通常の名無しさんの3倍:2006/03/20(月) 19:21:48 ID:???
>>24-27
GJすぎるぜ最高
あとはAA職人さんがいれば完璧なんだが
32通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 00:38:21 ID:???
GJ
いつもシンメイスレはネタなく終るから
期待しなく覗いたら萌えネタが(*´Д`)
また暇があれば書いて下さい
33通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 10:07:14 ID:???
職人最高!!
34北朝鮮 沿岸 シンVS雑魚:2006/03/21(火) 13:35:02 ID:???
   ヽ  /         rr.、_ L_`ー- ,,,,_      |  {j
.   }_/        ///::::Ti7‐r;二ニ__ ┘      |  /
    `ヽ      〈〈〈:::::::Kl (_ノl::l |:::l ̄`丶、_     | /  _ -――- ,,_
        }        `ヽ丶、ヽ ̄`l/ |:/   ヽ i::l `7-、」/- '´        `丶、
      ゝ、       丶ヽ`   /′   , j/ /:/ / \              `ゝ、
     /  `丶、      丶ヽ   ,r‐ ---┐ /l/ /    \         /
      /-r― iTヽ 丶、    ヽヽ /  ̄ ̄∨_,.'__/      ヽ、        / /
  -‐''"~`ヽ // 丶、ヽ丶、   丶丶、_  /ヽ  ヽ      / \      └二∠そんなもの!!
       丶、  | ` ‐ニ丶    `−- '   ヽ__」‐- 、   {   i‐-、     _
         \|   ||ヽ         , ', -‐ハ   ヽ  ヽ  丶 ヽ_ - '"
           `ヽ、   || ヽ       , ', '  / ヽ  ヽ  ヽ   ヽ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                        r‐r-、  ,/≡≡==-
                         ,「;|ミュトタ/    ≡≡==-
                      llLl-‐ji(=)     r、≡≡==-
             「| ̄``i!コ=l`「 !´イ=コ、-─‐ュ| ヽ緊急回避!!
             `i   レ' ̄ ゝ--'´ ̄/|    /,!  i≡≡==-
              ト、ri 」‐- r─ュ-‐ / |   .//|  l≡≡==-
             ,イ   jゝ、 ij─〈! ≡ヽ ,ゝ‐r' ' i:| (Q≡≡==-
             lノニニiコ /ト-!ー゙iト--‐'T´ `i  l.|   !≡≡==-
             |゚  ゚ |! /イ=〉-〉'==イ`ヽ トニ;カ|:.   |≡≡==-
             |。 。,!!'|  V _//   .| ,!,! |  ゚li 、  |≡≡==-
             `トタ  .|   l i l     |// |  。l |!/|≡≡==-
            ,ィVゝ ,/.|   | l,!    ,!〈リ ゝ─カ/,':::|≡≡==-
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         /ll //,,.-''"^ノ ;; ""   l|||ll   〈 
       /; ///  ∠.イ /    l||l   ||l
     / lll /lll /;;; __,,,,,.._l,.イ /    l||  |
    / ////」〉  _ニ二‐-` / / /lll|     |||
     |/V/lll/ /..  、ヽ吻>/ / ∠_   ll|| |
    / lll// ":      / ./ ./,r'' l      |ちぃ、回避されたか!?
  __,,ノll /| ヽ__、     ∠. / /_ムノl||   lll | 
 ≧/ / lll| ==、  U // / | | |ト、    ト、 いや、待て
    ̄| | ll、⌒     ∠∠..|/ / /| ||l||ll  | ヽ何故オレはヘリに乗っている!?
    |/ ll ~i''--r-―'''" ̄   //l | || |   | l、 
    /lll / ll|//|     / /ハ|ll| ||llll|  | llll ヽ何故ここで戦闘している!!?
   |  ll/ / ./  !   /  /  | | ト、| | |l |、 ヽ l|\
   /lll / ll/| |\"' ∠_    | ;| |lll| ||| || ヽ` \||ll \←ヘリのコックッピット
35北朝鮮 沿岸 シンVS雑魚:2006/03/21(火) 13:36:25 ID:???
もの凄い勢いで誤爆した・・・
やっぱブラウザの出しっぱなしはいけない。
この事はは忘れてくれ。

マジでスマソ
36通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 00:23:08 ID:UDcpTxNX
保守
37通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 21:07:00 ID:UDcpTxNX
保守
38通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 23:53:45 ID:aTaXGvRz
保守
39通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 13:58:55 ID:Pg7pm+d2
保守
40通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 09:20:55 ID:RBJzkAtI
保守
41通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 14:14:35 ID:???
ネタこない
42通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 18:43:19 ID:VcyVrosX
ほす
43通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 17:30:37 ID:???
シンにステラ以外の女を近づけないで下さい。
44通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 20:05:06 ID:B87QyfKg
保守
45通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 20:24:36 ID:???
シンメイは同級生で仲間って感じの距離感がいい
ていうかミネルバのアカデミー同期組の仲間ってすごく
ほのぼのしてていい感じ
萌えというか和む
46通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 23:44:32 ID:GLRTa9H9
前スレが落ちたのが悔しかった!だからオレはほす
47通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 16:20:35 ID:???
カプ厨はこの世から消えろ
48通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 21:44:39 ID:???
保守
49通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 22:43:18 ID:x/3tSLbd
廃れたスレでオレは、ただひたすらに保守を続ける。
保守の先に何があるかは分からない。何もないのかも知れない。
保守カキコが続く駄スレになるだけなのかも知れない。

落ちという未来を先延ばしにする無駄な抵抗。

それでもオレは保守を続ける。このスレは大切なスレだから。
スレの為にオレは今日も保守を続ける。明日も明後日も。
職人が来るまでオレの保守は続く。
50通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 23:09:10 ID:???
           /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::. ::::::::\ヽ:ヽ,
          /::::::   .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.. :::::::::::ヽ.ヽ'、
         /;;;::,;; ,; ,;; ,; ; ,;;; .::::::::::::::::::::::::::::: .. :::..:::::::::::ヽ. \
        〃;;;;;;;;;;;; ; ,;;; ,;; ;; .:::::::::::::,.、:::::::::::. :: ::: ::::::::::::::、ヽ, `
       /{;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,;;;;;;;;;; :::::::::::::/ `l::::、:::. :. :::::::::::::::::::ヾ`ヽ
        l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::l::::::::/:/:::::/   l::::l::::l:::::. :::::::::::::::::::l:ヽ
        l;;;;;;;;:::::::::::::/!::::升!l::::::l    l::ハ::!:::::::::l:::::::::::::::::ト::l
        /ィ;;;;;::::::::::::/≧メミト,l::::l     j::!-iト;::::::ノ::::::::::::::::::|l:!   >>49さん、ありがとな!
.       /'´!;;;;;::::::::::::K{r‐'::::!`l:::!    _,l:!__ ヾ;/`!::: .: : ::l:::l.i′
         l;;;;:::: : :::::l `ー‐'` l::!    ´llヾニ='`イ:: .: .:::ハ::!
.        从!::::. :.:::トヽ    ヾl:::: l   l    /:::..:::/ i:!
        ′'ヽlト;::::ヽ          ;     ,.イ:/!::/   ′
            トヽ:トゝ    r‐=≡=ァ   ,.イ/ l/!ー 、
           rヽ`ヾ、ヽ   ヽ、__,.'  ,. '´ ' ′、ヽ   ̄` − 、
        ,.-‐'´  l  lヾi_`ヽ、   ‐  ,.ィ !_     l l       ヽ
     ,.-‐'´     ! fr!lヽ.  `ー‐‐'/-' ∧    〃        l
   ,. '´        ヽ ヾ ll `ー -−'´  / }  _/         〃
51通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 23:13:26 ID:???
               /..::;-‐         〉 :        ヽ:.ヽ
             _∠;;-‐''''''''''''‐- 、   { .:::         :、. ',
              /  '´          |::::.         :i';::l
          , '              、 丶:::::.         :l.}:|
         j/ .    .:         ヽ i::::::. .       ::l.リ
         ,'′ :: :   .::: :: .: .:  .:    l |::::::::. :.      ::|
         { :::. ::: :..  :::: :: .:;ィ:::: .::::::  :: l |:::::::::: ::.     ::;'
         iト、::::、:.:::::...:::|::::/ |/}::::::  .: l.| |- 、::::::::.    :::;'  保守してくれた皆さん
          \:ト、::::、::ト/イフテ/::::: .::/: /l| . |__ .ヽ::::::.   . :;' ありがとうございます
            ` `ヾソ  `7/::::::: イ:; ' / ::ト. ) ノ:::::::::  :: {
              /.::: _//イ//イ:: .   :ヽ, '::::::::::::  :::. {
             弋‐;‐;-ゝヽ   /::::: .: lVイハ:::::::::  :::: l
                iト、ヽ\`ヽヽ ノイ::: .;i:: /- '´/イ::::::  :::::: ',
              !i ヽヽ   ヽヽ/::::/jノ    /::::::::  ::::::::. ',
              ヽ ヽ    /:/    /j:::::::: . ::::::::::l!|
               ヽ ヽ  /イ  , -‐ ´ /:::::::::: .::::::::;:::iリ
                } ,.ヘ  ,、ト./   /::::::::::::..:::::::::j}/
               /レ´ノ_ゝ'´ .l´   , ':::::::;ィ:::::::::::;::::/メ
              / ̄ 「     |   ,':; -''´ノ:::::; イ:ノ/ ヽ
             ,'    |      |   l/ ∠ - '´ .ノ′   ヽ
               j     |     .||  ,   ̄         ヽ
               /   |     .|| /             /
           , '     j       { {/              {
52通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 16:40:10 ID:???
      (( シンステ再開!!
   〃´   `ヽ r"`⌒)ヽ
   i ( (( ))ノ( 人ノ')  )
   W*´∀`)')('(゚∀゚*ノ从
    と´   /   ヽ  `つ
    (_/´J    し´ヽ_) 
53通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 18:18:25 ID:???
保守
54通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 22:45:43 ID:???
保守
55通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 22:52:45 ID:D0SenOb4
ほすを続ける。
56通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 15:39:42 ID:???
アスメイ鉄板
57通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 16:30:35 ID:???
58通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 20:24:22 ID:/Sod1qRx
保守
59通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 00:15:12 ID:???
このスレ素敵

保守
60通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 17:31:41 ID:???
保守
61通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 02:13:41 ID:???
保守
62通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 14:30:05 ID:???
保守
63通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 21:47:40 ID:???
保守
64通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 01:22:05 ID:???
保守
65通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 22:23:21 ID:???
保守
66通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 01:16:25 ID:???
保守最高
67通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 11:21:48 ID:V310/RD1
保守
出撃から帰って来たシンはパイロットスーツの中が汗で気持ち悪くなっていた為上だけでも脱いでしまおうと、腰まで脱いで袖の部分を前に持って来て結んだ。
本当なら下のインナーも脱いでしまいたかったのだが、それはルナマリアが嫌がるので我慢する。
「貧弱な体なんて見せないでよ」というのがルナマリアの言であるのだが、シンは当然自分の体を貧弱だとは思っていない。バランスが取れてるだけだ。
それでもシンとて露出狂という訳でもないので此処は大人しく言う事を聞いている。
そしてこれから整備のヴィーノに調整個所を報告に行こうとした所でメイリンと会った。
「何してるんだよ、メイリン」
「戦闘も終わったし、緊張して体がちがちになっちゃったからちょっとお散歩。ちゃんと許可は下りてるんだからね」
しかし此処は格納庫で、散歩に来るような場所ではない。
メイリンはヨウランやヴィーノと仲が良いので彼ら目当てに此処まで来たのかもしれない。
「あんまり邪魔すんなよな」
「邪魔なんてしてないよぉ」
自然と同じ方向に歩き始めた所で、シンはメイリンの右手に持っている飲み物に目が止まった。
「それ何?」
「清涼飲料水。グレープフルーツ味だよ。最近のあたしのお気に入り♪」
「へぇ・・・」
そういえば自分も喉が渇いているなぁとぼんやり思うと自然とその手が伸びていた。
「あっ」
と、メイリンが小さく声を上げた時にはそれはシンの手の中にあり。
ストローに口をつけて飲んでいた。
ごくごくと最近少し目立って来た喉仏が大きく上下する。
此処まで気持ち良く飲んで貰えるのであれば飲み物としては大きくその役割を果たした事だろう。
しかしそれはシンの飲み物ではなくて、メイリンの飲み物だ。
美味しかったと、シンが上機嫌にメイリンの手にボトルを戻すと、メイリンは盛大に膨れていた。
「もう!飲めないじゃない!」
「何で!まだ残ってるだろ!」
確かに沢山飲んだのだからかなり減ってしまったが、全部は飲んでいない。
ちゃんと残したのに飲めないなんて意味がわからない。
しかし一方メイリンは、真っ赤になって返されたボトルのストローの口の部分が濡れているのが気になって仕方ない。

間接キスになる事気付いてないのかなぁ!?

シンが戦闘後で喉が渇いているのは分かる。それは仕方ないと思う。
しかしそれとは違った所でちょっとした気遣いなりして欲しいのだ。
せめてストローの口の部分は拭ってから飲んで、拭ってから返すとか。
更に腹が立つのが、シンはこれを間接キスだと思っていないところだ。

どうしてあたしばっかり気にしてるのかな!

「もういい!全部上げる!」
「いーっだっ」とシンに向かって顔を顰めると、メイリンはシンに飲み物を押し付けるようにして渡した後そのまま格納庫の出口に向かっていった。
「何だよ」
さっぱり分からないとシンもまた眉を吊り上げながら渡された飲み物を飲み干す。
その後「訳分かんないよな」と、ヴィーノとヨウランに同意を求めた所、二人は盛大に溜息を吐いてからメイリンに同情し、「新しいの買ってとにかく謝って来い」と、格納庫から追い出すのだった。

<終>
69通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 18:19:02 ID:V310/RD1
GJ!
70通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 18:35:23 ID:???
恵みの雨だ
71通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 22:43:41 ID:???
保守の甲斐あったね!!
72通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 23:15:30 ID:???
神キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
73通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 23:23:33 ID:???
シンメイアカデミー話みたい
74鬼ジュール(こんなもんですか?):2006/04/07(金) 10:48:11 ID:???
「あー。腹減ったぁ・・・・」
「今日のナイフの訓練でシンは特別しごかれたもんね」
「あいつぜってぇ潰す。いつか潰す」

今直ぐと言わずいつかと言ってしまう辺り自信が無いのか、それとも逆に先の見通しが出来ているのか。
どちらにしろ今すぐというのは無理なので頑張りなさいねぇと、ルナマリアは社交辞令程度に答えると、食堂の中を見渡した。

「あ、メイリンが丁度発券機の所に居る♪」
「ラッキー」

発券機の前に並んでいる妹の姿を素早く見つける事が出来たのはやはり姉妹だからか。
シンはルナマリアの言葉と視線で発券機の前を見ると確かにメイリンの姿が見える。
これで並ばなくても済むと二人はメイリンの元に向かうと、丁度メイリンが発券機の前に立った所でシンとルナマリアが隣に立った。

「あ、お姉ちゃん、シン。今日は遅かったんだねぇ。・・そっか、今日火曜日か。お疲れ様ー」

のんびりとした気性は妹だからか。
割とてきぱきと素早く動くルナマリアに対し、メイリンはどこかマイペースだ。
言いながらカードを発券機に差し込むと、「後で返すから」と、ルナマリアがAランチのボタンを押した。
続いて「俺も」と、シンもまたAランチのボタンを押した。

「あー!Aランチ終わっちゃったぁ!」
「もう、後ろの人が待ってるでしょ。Bだって悪くないんだからそれにしちゃいなさい」

と、勝手にルナマリアはBランチのボタンを押すとメイリンの手にチケットを握らせ、カードも出して渡すと、後ろの人に譲るように腕を引っ張った。

「お姉ちゃ―――ん。あたしのと換えてよぉ!あたしが並んでたんだからぁ!」
「嫌ぁーよ。いっつもデスクのあんたと違って、あたしは沢山運動して疲れてるんだからしっかり食べたいんだもん」

大股でがしがしと歩いていくルナマリアの後ろをちょこちょことした小走りでメイリンが付いて行く。
まるきりタイプの違う姉妹だが、それでも傍から見ている分には仲が良い。
しかしこの姉妹は力関係がしっかりと出来ているのかメイリンのしつこいおねだりもルナマリアは聞く耳を持たない。
シンは自分も持っているAランチのチケットを見て、目の前の姉妹の争いを見る。

自分の所の兄妹はどうだっただろうかとシンは思い出して、案外妹には弱かった自分に苦笑する。

そうだった。
妹も甘ったれで、直ぐに人の物にも興味を持っておねだりをして来た。
母親に「シンはお兄ちゃんでしょ」と、軽く窘められて頬を膨らませながら妹のおねだりを聞いていた。
75鬼ジュール(一応アカデミーです):2006/04/07(金) 10:49:12 ID:???

蘇った懐かしい思い出にシンはふっと表情を和らげるとメイリンの隣まで移動し、その手からBランチのチケットを取ると、自分のAランチのチケットを握らせた。
驚いたメイリンにシンはぶっきらぼうに眉を寄せた。
換えたのは良かったが、その理由を聞かれると困る。

「Bランチの方が食べたくなったんだよ」

それでも尋ねられるのは困るので自分から先に口を開くとルナマリアも追い越してカウンターに向かった。
「もう、シンってばメイリンのお願いなんてまともに聞く必要ないのに」
と、ルナマリアが溜息混じりに言ったのを背中で聞いたがシンはそれも聞こえない振りをした。

その後、後から合流したレイに向かってメイリンは姉の暴挙を告げ口すると、レイは困ったようにルナマリアを見るが彼女は一向に気にした風も無くAランチを食べているので、レイはメイリンに自分の分のデザートを上げていた。

それを顎で示して「シンも見たでしょ?あの子はちゃっかりしてるんだから今度からはあんまり甘やかしちゃ駄目よ」と、忠告をしてくれたものだが・・・・。

なんだかそれも愛嬌がある証拠なので許せるような気がするとシンは一人こっそりと思った。


<終>
76通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 11:50:14 ID:Q1M0g7KY
保守
77通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 11:53:34 ID:???
>>74,75

GJ!!やっとこのスレにも光が・・・
78通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 19:37:05 ID:???
GJです
79通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 00:40:03 ID:???
GJ!
職人さん、サンクス!!
80通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 09:22:55 ID:???
シンメイアカデミーいい!

アカデミーに入り一月程経つと、新入生歓迎肝試し大会というのが行われる。
これは上級生が初めは度胸試しと言って主に男子生徒に無理難題を言い渡していたのだが、余りにも度が過ぎて来た為初めは目を瞑っていてくれていた教官も禁止にしたのだ。
それに代わって行われるようになったのがこの肝試し大会で、やはり花があった方がいいだろうと女の子まで参加させられる事になった。
これもまた教官達には寮内で行うのだったら節度のある行動の範囲内で許可するという暗黙の了解を勝ち取っていて、その現場は今は使っていない古い寮だったりする。
現場の強度などは事前に上級生が確認しているので危険な事は無いのだが、何せ毎年肝試しに使っているという現場であれば、次第に変な落書きやら前年の名残のような物まであったりして何気に夜中は怖かったりする。
そして度胸試し時代の名残もまた残っていて男女二人でペアを組み、男子生徒は何があろうと絶対に後退してはならないというルールがあり、更にはゴールまで女生徒を背負って行く事となっている。
そして最終目的地点の壁に貼られた紙に自分の所属と名前を記入し、「自分が一番怖い物」を書く(これも男子生徒に限る)
後日、これを見て上級生が数人にターゲットを絞ってその怖い物を実行するという事になっているのだが。(敢えて数人に絞るのは、皆が嘘を書かない為である)

「なんだか女の子の参加意義がわからない企画よね。だって、これって女の子は重石扱いで、男の子が後退しないかどうかの監視係じゃない」

と、ルナマリアはばっさりとこの企画について言ってのけた。

「じゃあルナはターゲットにされたいのか?」
「冗談。そんなのはもっと嫌よ。そもそも参加しなくてもいいんじゃないのかって話よ」
「お姉ちゃん怖がりだもんね」
「煩い。あんたもでしょ」

今日がその肝試し当日で、今立っているのがその使われていない寮の前だったりする。
気温の調整がされている筈のコロニーでも夜はなんとなく寒い。
暖を求めて擦り寄ってくるメイリンをキッとルナマリアは睨むとメイリンは頬を膨らませた。
入学して知り合ったのだが、シンはルナマリアの気取らない所が楽で仲良くなったので、案外怖がりだという事に驚いた。
怖いものなどなさそうなのだが。

「でも、あたしはちょっと楽しみかも」

そして怖がりそうなメイリンの方がくすくす笑いながら声を弾ませる。
これにもまた意外だとシンは思う。

「それより自分の体重が男の子に知られる方が恐怖だよ〜」
「大丈夫よ。正確な数字が知られる訳じゃなし。相手の男の子に変な顔されても『これも訓練でしょ』って言っちゃえばいいのよ」
「お姉ちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!まるであたしの体重が凄くあるみたいに言わないでよぉぉぉ!」

最初の姉を呼ぶのは絶叫で。後の言葉は声を顰めて言ったメイリンにルナマリアは「だって、今すぐあんた体重3キロ落とせる?無理でしょ?」と軽く流してしまい、それを聞いたシンはただ聞かなかった振りをした。
女の子の体重に興味を示してはならないのだという事は昔から知っているから。

それでも組み合わせを決める為の数字が書かれた紙を引き、同じ番号の女の子を探していた時。

「あ。シンが25番だ」

と、メイリンがシンと同じく「25」と書かれた紙を見せながら近寄って来たのを見た時、正直さっきの体重の話を思い出して気まずくなった。
それはメイリンも同じだったのか、なんとなく出発時間まで会話が続かなくて。

そこでシンはそういえばメイリンとは二人きりで話した事がない事に気付いた。
82鬼ジュール(片想いですらない):2006/04/08(土) 19:27:12 ID:???

出発というその時まで会話らしい会話はなく、何のフォローを入れられないままだったので、当然メイリンはシンの背に乗る事を少し躊躇った。

「大丈夫だから。えっと・・・そんな心配する事無いと思うし」

と、先走って気遣う自分の姿にシンは少し気恥ずかしくなって。
言っている事が余りフォローになっていない事にも気付かず、シンはメイリンの前に背を向けてしゃがみ込んだ。

「ご、ごめんね?」

メイリンも一応先に謝ってからシンの背に乗ると手をシンの肩に置いた。
シンは思ったよりも断然軽いその体に、楽に立ち上がってメイリンの膝裏に手を回した。
気にする事無いと言った方がいいのか、もう体重については触れない方がいいのか。
どちらが女の子にとっていい選択なのかシンにはわからず黙っていると、自分の手の甲に顎を乗せたメイリンがシンの顔を覗き込んだ。

「・・・重い?」

やはり気になっていたらしい。
いや、シンが立ち上がっても何も言わない事に対して少し怖くなったのだ。
「そんなに重いかな?」という意味で。
恐々と聞いてくるメイリンの運命の審判の時を待つような重苦しさにシンは思わず吹き出す。

「いや、全然。これならゴールまで走れるよ」

と、その場で軽く走ってみせると、メイリンは上体が後ろに反ってしまいそうで慌ててシンの首に腕を回した。

「もぉ。突然走らないでよぉ」
「ごめんごめん」

びっくりしたぁと、驚くメイリンがおかしくてシンは笑った。

「じゃ、行くか」
「後退しようとしたら首締めるからね」
「おーこわ」

シンとメイリンはこれから肝試しに行くというのにくすくすと笑いながら出発した。




<終>
83通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 20:21:30 ID:???
GJ!
84通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 20:41:05 ID:???
肝試しは王道ですな。

GJです
85通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 11:49:26 ID:???
保守
86通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 13:03:05 ID:OH4KYijZ
守ることは他人のために保守をすること
守り続けることは決して保守を忘れないこと
87通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 13:07:11 ID:???
アスメイの方がいい
88通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 13:11:56 ID:???
ならアスメイスレにいけばいい
ここは超マイナーなカプスレなんだぜ
89通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 14:23:23 ID:???
メイリンにアスラン以外の男を近づけないで下さい
90通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 20:48:57 ID:???
保守
91通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 23:56:57 ID:OH4KYijZ
期待あげ
92通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 01:03:37 ID:???
またアスメイ厨の特攻か
93通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 13:14:30 ID:???
おまいら解析やってみろwwwww
94通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 21:03:28 ID:???
保守
95鬼ジュール(アカデミー):2006/04/11(火) 11:08:28 ID:???
「なんだかシンとメイリンが喧嘩してるのって小動物がじゃれ合ってるように見えるな」

と、目の前のシンとメイリンの様子を観察していたヨウランが苦笑した。
シンが珍しくテスト前だからと過去に出された課題を復習していた所、隣にやって来たメイリンがそのノートを覗き込んで間違いを指摘した。
それから何となく流れでシンに教えていたメイリンは、次第に熱くなり「違うの!」「そうじゃなくって」と、身を乗り出して教えて行く内にシンが頬を膨らませ、言い争いになっていた。
妙にお節介な所はホーク家の血筋なのか。
「折角あたしの専門分野だったから教えてあげてるのに」
「誰も教えてくれなんて頼んでないだろ!」
「それで間違った事覚えていいの!?それでMSのパイロットになんてなれないよ!」
「なんだと!この―――――!メイリンの阿呆!」
「シンの馬鹿!」
次第に言い争いのレベルが低下して行っているのだが、本人達だけは大真面目だ。
ヨウランも、その隣に座っていたヴィーノも「今日もいい天気だね」と、シンとメイリンの言い争いを聞きながらのんびり空を眺めてみる。
プラントの空はいつだって澄み渡っていて綺麗だ。
しかし、プラントの気候は機械で調整されていて「お天気ニュース」は緊急事態でも起きない限り100%当たる。

「あ、そういえば今日は16時位に雨が降りそうだったんだよな」
「えっ!嘘っ!」

何気なく言っただけだったのだが、しっかりメイリンは聞いていたらしい。
シンと喧嘩していた手を止め、発言者であるヨウランを見た。
そしてメイリンの驚きようからいって傘を用意していなかったのだろう。
メイリンの大きな瞳に見つめられてヨウランは空を見上げていた視線をメイリンに戻すと、頷いて笑った。
「忘れたんだ?」
「あーん。結構教室から寮まで遠いのにぃ!」
「残念。今日は俺達実習があるから遅いんだよな。一緒の時間だったら送っていってあげるんだけど」
苦笑するヴィーノに、メイリンは「えー。実習入ってるの?」と、気落ちして言う。
少しは当てにしていたらしい。
そしてアカデミーの施設はザフト軍並にあり、敷地は広大でアカデミーの敷地内に寮はあるといっても結構な距離がある。傘無しでは歩けないだろう。
シンは突然喧嘩の相手を失って話に参加するタイミングすら失っていたのだが、困った様子のメイリンに小さく溜息を吐いた。
「仕方ないな。俺はいつも通りだから送ってってやるよ。情報処理棟だろ?」
「え?いいの?」
「ただし、此処までやって」
差出した端末の画面を見せながら憤然と言ってのけると、メイリンが再び眉を吊り上げた。
「これシンの課題でしょう!あたしがやってどうするのよ!」
「出来るんだったらメイリンがやればいいだろ!」
「どうしてそんなに偉そうに言うのよ!自分の課題なのに!」

折角今まで根気強く(?)教えていたのにその好意を無駄にするのかと叫ぶメイリンに、一問でも多く逃げたいシンは嫌そうに眉を寄せる。

なんだからぶらぶな恋人同士のじゃれ合いを見ているような気がしてきたヨウランとヴィーノは、目の前の二人の様子を察して再び空を見上げた。


空でも見ていないとこっちの方が恥ずかしくなりそうだった。


<終>
96通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 18:54:24 ID:???
可愛いすぎる
97通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 21:19:05 ID:???
GJ!シンメイもいけるかも・・・
98通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 02:05:14 ID:???
GJ!!
99鬼ジュール:2006/04/12(水) 18:20:36 ID:???

「あたしも一度でいいからMSに乗ってみたいなぁ」
「アンタの運動神経じゃ無理無理」

アカデミーのパイロットコースの訓練用MS格納庫にやって来たメイリンが羨ましそうに呟いた。
今日は寮で夕食を取らずに外で食べようとなった為にアカデミー内のオープンカフェで待ち合わせをしていたのだが、シンが訓練中に派手にMSを壊した為に現在その修理をする事になり、待ち切れずに格納庫までやって来たのだ。
ルナマリアとメイリンはすっかり私服に着替えてシンのMSの調整が終わるのを待っている。
シンとレイはコックピットで修理個所の確認をして、何にも関係のないヨウランとヴィーノを巻き込んで修理を手伝って貰っているという現状だ。

「あ、シンの調整の手抜き個所はっけーん」
「お前よくこんな変な繋ぎ方でMS動かそうとか考えたよ・・・」

パイロットコースの生徒は一人一台MSが与えられる。
それを自分の使い易いように調整し、整備も余程の損傷でない限り自分でやらなくてはならない。
その為、変な配線にしていれば、見る者が見たら簡単に下手なパイロットがいじったのだとばれてしまう。

「うるせー。それで今日まで動いてたんだよ!」
「は!?お前これいつやったの!?」

MSの左腕の配線を見ながらヨウランが悲鳴のような声を上げるとシンは中空を見つめて「・・・・2ヶ月位前?」と、曖昧に答える。

「分かった。左腕使うの苦手なんだろ。右に比べたら磨耗が少ないし、でも外郭は結構叩き直してるからそれも左腕を無視して戦ってると」
「『これだから新米の操縦はなっちゃねぇんだ!』ってうちの教官なら5回は叫んでるな」

整備コースのヨウランとヴィーノが生真面目を装って「怖い怖い」と、声を揃えていうと、「煩い!さっさとしないと夕食食えないだろ!」と、シンが手袋を投げつける。
「もうこっちは終わってるんだよ。俺達は次のシンの指示待ち」
「俺達にしてみればこれは修理個所じゃなくて間違い探しみたいなもんだもんなぁ」
「はいはいはいはいはいはいはいはい!ありがとうございましたぁ!」
「まぁ、確かにシンは左の使い方が鈍いな。苦手でもいいが、敵に弱点だと教えているのと同じだ。大変かもしれないが、左も右と同じように動かさないとな」
レイの言葉にシンは俯いて「へーい」と、うんざりと答える。
本来なら一人で修理しなければならない所を皆に手伝って貰っているのだから、余り言い返せない。

そんな楽しそうな男達の様子を見ながらメイリンはぽつりと呟いた。

「ねぇ、お姉ちゃん。・・・・シンって本当にっていうか、無事にパイロットになれるの?」

メイリンの呟きに、ルナマリアは直ぐには何も言い返せず、暫く唸った後重々しく口を開いた。

「さぁ?・・・でも射撃はあたしより上手いわよ?」

お姉ちゃんの射撃の腕は壊滅的だって知ってるよ?

とはメイリンも言えず、「そっか」と、小さく返した。

大変そうだが、しかし楽しそうに整備を終えた男達がシャワーを浴びて着替えてくると
更衣室に向かうのをメイリンもルナマリアも待っているだけで疲れたように見送ると、先にコックピットからワイヤーを下ろして降りたレイの次にコックピットから降りようとしたシンが、ふとメイリンを呼んだ。
100鬼ジュール:2006/04/12(水) 18:22:07 ID:???

「なーにー?」
「コックピット、乗せてやるよ」
「ホント?」
「もぅ、シンー!そんな事してたらもっと出発が遅くなるでしょ!」
「えー。お姉ちゃん、ちょっとだけ!」

隣のメイリンが祈るように姉を見上げる。
メイリンのおねだりがしつこいのは分かっているルナマリアは、後々の事を考えて溜息と共に了承した。
ショートパンツを穿いていたメイリンは、ぱたぱたと走ってワイヤーを掴むとシンに合図を送って上げて貰う。

「下見るなよ!」
「なんでぇ?」
「怖いから」

正確には慣れない者が下を見て眩暈でも起こして手を離さない為なのだが、そんな説明は面倒なので省く。
上まで到達したメイリンに、ハッチの上に乗るように促してすぐにシンもメイリンの手を取ろうと手を伸ばす。
そして高さはあるが手摺りが全くない状態はメイリンに思いの外恐怖を呼んだのか、シンの手の引くままにコックピットの中に入る。

「うわ・・・コックピットの中って・・・・狭くて・・・・臭いっ!」
「今日だって訓練きつかったんだから汗ぐらいかくだろ!」
「お姉ちゃーん!シンが臭い!」
「男の子がフローラルな匂い漂わせて汗掻いてる方が気味悪いでしょ!男は臭いもんなの!」
「ルナも変な事言うな!」

長時間厳しい訓練を受けた後、シャワーも浴びなかった男が二人たった今までいたのだ。臭くない筈がない。
ルナマリアの訓練用MSも以前は男が使っていたのか、与えられた時からそれなりに臭かった。
しかしそれもパイロットになる為には致し方なく、最近ではすっかり慣れてしまったのだ。
それを今更妹に「臭い臭い」とはルナマリアだって言われたくは無かった。
だったら慣れた自分は何なのか。

それよりもルナマリアの目には、匂いから逃れようとすしてコックピットから身を乗り出すメイリンを間違って落ちないようにメイリンの後ろに立ち、コックピットの入り口に手を着いているシンの二人の姿の方が少し恥ずかしい。


半泣きで叫び声を上げる女の子を守るように覆い被さる男の子の様子は・・・・なんだか別の、卑猥な想像を掻き立てる絵に、ルナマリアは小さく咳払いをした。


まだ二人はそういう男女の機微など何も分からない子犬なのだ。
わんこだ。
おまけにこんな事は二人にとっては何てことない日常だ。
「そんな恥ずかしい事やめなさい!」と、声を掛けようものなら「どこが恥ずかしかったのか」と、二人で質問攻めにするような自覚なしっぷりなのだ。
変な事は言わないほうが自分の為だとルナマリアが仕方なく「もう降りてきなさい!」と、声をあげると、メイリンが「はーい」と、答えた。

そこでシンが先にハッチの上に立ち、メイリンを引き上げようとした所ハッチに足を掛けたメイリンがその足を滑らせた。
靴の底が少し滑りやすい素材だったらしい。
101鬼ジュール:2006/04/12(水) 18:23:00 ID:???

「きゃぁぁぁぁぁ!」
「メイリン!」

後ろに大きく背を反らせたメイリンがそのまま後ろに倒れて行く。
それを追いかけてシンはメイリンを抱き寄せるが間に合わなくてシンもまたコックピットに飛び込むようにして突っ込んでしまう。

「ちょ・・・!メイリン!シン!大丈夫!!?」

メイリンがシートに背中をぶつけたのに覆い被さるようにシンも倒れて。
一気に二人の距離が縮まった事に気付いたシンは、メイリンの体の細さにぎょっとしたのだが足先をハッチの上に残したままだったので上手く起き上がれず。
よくよく見ればメイリンの肩に顎を乗せている状態に心底困ってなるべくメイリンに息をかけないように気遣いながら声をかける。

「メイリン。ちょっと体浮かすから取り敢えず抜け出して」
「う、うん」

シンのどきどきがメイリンにも移ったのか、上擦ったメイリンの声が「女の子」だった事にまた更にシンが胸を高鳴らせる。
シンが腕立て伏せをするようにシートに両手を着いて隙間を作るとそこからメイリンは抜け出してシンが立ち上がるのを手伝う。

「大丈夫!?」

まだ下で叫んでいるルナマリアにメイリンが顔を出して「頭打ったけど大丈夫!」と、声を掛けるとシンが立ち上がるのを手伝う。
今度こそメイリンはワイヤーに掴まって下に下りると、心配そうに寄って来たルナマリアに「あ、ふくらはぎが青くなってる」と、指摘されて続いて降りて来たシンを睨んだ。

「シンのばーか!」
「メイリンの運動オンチ!」

いつものように互いに悪口を言い合っていたのだが。



互いに、何故か胸がどきどきしていた。



<終>
102通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 19:00:48 ID:???
職人さんがまた来た!GJ!!
103通常の名無しさんの3倍:2006/04/12(水) 23:37:59 ID:???
シンメイアカデミー本当に有りそう。かなり良いです!!
104鬼ジュール(またベタな話をひとつ):2006/04/13(木) 15:20:43 ID:???

「あれ?メイリンは?」
「今日の課題は量が多いからって資料室に篭ってるみたいよ。メールが来てた。だから夕食はちょっと遅めに摂るみたいよ」

ルナアマリアが携帯のメールを見せると、シンは「ふーん」と、軽く返す。
アカデミーの寮は当然男子寮、女子寮と別れているのだが、食堂は男子寮と女子寮の中間にあり、建物としては繋がっている。
その為シン達はいつも一緒に食事を摂っていたのだが、いつも見る顔が一つ足りないのは気になる。

メイリンのような情報処理コースの人間は、シン達のように体力的な授業は殆ど無いが、代わりに膨大な量の情報を取り扱う。
端末が3台程あれば楽に仕事が出来るのだが、それを1台でどうにかしろという授業などもあるらしい。
手入力での速さ、音声入力での速さなども徹底的に叩き込まれているらしく、同室のルナマリアはいつもはのんびりとした話し方の妹がぶつぶつと姉に気を遣った小さな声で恐ろしい程の早口言葉を駆使して
異様な速さでキーを叩いている姿を見た時にはメイリンが何かに取りつかれたのではないかと心配になった事もあるらしい。
それでもどうしても課題の量が多くなると、少しでも楽がしたくて資料室の端末と自分の端末の2台を使って処理する事もある。
今日も2台使わなければ終わりそうにないのだろう。
シンの感覚で言えば、情報処理コースの課題をするよりも20km走って来いと言われた方が楽なので、メイリンが毎日ただ端末と睨み合ってデータを処理する感覚はいまいち分からない。

「じゃあ夕食どうするんだ?」
「希望は聞いてる。メイリンったら好き嫌い多いんだもの」

自分が食べ終わるまでに来なかったら部屋まで持って帰るわ。というルナマリアに、シンは「ふぅん」と返したものだったが、食事を乗せたトレイを持って席に着こうとした時、「ちょっと迎えに行って来る」と、食堂を出て行った。

「あれで好き同士って訳でもないんだから不思議だよなぁ・・・・」

シンの後ろに並んでいたヨウランが着席しながら呟く。
ルナマリアはシンの後姿を見送りながら「無自覚なだけかもよ」と、顎をつんと反らせて言い放つ。

そのちょっとした空気の変化にヨウランとヴィーノは互いの顔を見合わせた。

三角関係?

実は、まるで自分の行為よりもシンの行為の方が兄弟らしいような気がして、それに対してのちょっとした嫉妬のようなものだったのだが、そんなちょっとした感情など男二人に判断出来るものでもなく。
すっかりヨウランとヴィーノの中では「三角関係」という言葉がインプットされてしまった。




資料室の中は普通に本も沢山並べられているので独特な匂いがする。
アカデミーの生徒なら誰でも利用出来るようになってはいるが、本の資料はどれも貴重品ばかりだ。
その中をシンは通り抜け、メイリンが居そうな端末の集まる場所に行く。
そしてメイリンは角が好きなので角を探せば簡単に・・・・見つかる。

もう殆ど人が居ないように感じるのだが、その中でまだ頑張っているのはメイリンが鈍臭いせいなのか。
少し脅かそうとそっと背後に近付いて背中をつんっと突付く。
と、反応が無い。
思わず顔を覗き込むと、静かに眠っていた。
105鬼ジュール:2006/04/13(木) 15:22:24 ID:???

これは終わる筈が無い。

画面を覗き込むと、「保存完了しました」というメッセージ。
無理に起こすのがいいのか、少し待った方がいいのか。
少し考えてシンは自分の上着を脱いでメイリンの背にかけてからその隣に座った。
二人掛けのソファなのでシンも楽に座れた。
と、その途端にメイリンの肩が落ち、上着もずり落ちる。目覚めるかと思ったのだが、メイリンはそのまま眠っていた。
シンはメイリンの肩からずり落ちた自分の上着を掛け直し、もう落ちないようにそのまま押さえておく。
それからなんとなく起こすタイミングを逃してしまい、気持ちよさそうに寝ているメイリンを見ていると自分もまたうつらうつらしてしまう。
今日も授業はハードな物ばかりですっかり疲れが溜まっていた。

メイリンの肩が落ち、今度はぐらりと体が揺れた。
それをぼんやりとした頭で何となく引き寄せて。

意識が再びはっきりした時には司書の先生が気まずそうにシンを揺り起こしていた。

「そういう事はこういう場所では控えるように」

という言葉の意味が分からない。
「はい?」
と、寝惚けた頭で返事をすると、司書の先生の視線が下に降りた。
その視線を追って自分も視線を下ろすと自分がメイリンを抱き寄せるような形になって、自分は壁に背中を預けていて。

「う、うわっ!」

しかし、こんな大声を近くで出しても全く目覚めないメイリンに、シンは突き放す事も出来ず、しかしこのまま抱き締めて置く事も恥ずかしくて、ただただ動転して「誤解です!」と、叫んで怒られて、またも先生に謝り倒した。


全てが終わって司書の先生が去った後にメイリンが目覚めた時にはその柔らかそうな頬を摘んで伸ばそうかと思ったものだが、疲れてそんな気力も無いとぐったりとしていた。
「あれ?どうしてシンがいるの?」
「・・・・どうしてだろうな、ホントに」
「シンの・・・上着?」
「そうだな」
なんだか自分の眠っている間に何か色々あったらしい。
メイリンはなんとなくそれだけを察して、何があったのかという事件を探ろうとしたのだが、結局何も想像出来なくて「えっと、ありがとう?」と、疑問に思いながら上着を返した。
106鬼ジュール:2006/04/13(木) 15:23:16 ID:???

それから保存が終わって課題も終了していたと笑ったメイリンは、片付けをして元気に寮に帰っていく。
メイリンの歩調に合わせながら隣を歩くシンは、元気というか・・・・本当に疲れてしまった。
自分がどれだけ恥ずかしい想いをしたのかなど全くわからないメイリンの明るい声が少し恨めしい。

「決めた。今日は俺メイリンのデザート貰う」
「何で!?」
「迎えに来てやったんだからそれくらい正当報酬だろ!」
「迎えに来ただけでデザートっていうのは高い!」
「じゃあどれくらいだったらデザートと釣り合うんだよ」

そう言われると特に基準のなかったメイリンは首を傾げる。

「・・・おぶって食堂まで連れて行ってくれたらデザートあげる」
「よし、じゃあ決まり。今日のデザートチョコレートケーキだったんだ」
「え!?嘘!やだやだ!じゃあちゃんと歩いて帰る!」
「それは却下な」

メイリンの前に立ち、後ろ手にメイリンの腕を掴むとその場にしゃがみ込む。
そして自分の肩の前にメイリンの腕を引き寄せると背中に当たった膝を強引に抱え込んで立ち上がった。

「やだー!チョコケーキ食べたいー!」
「残念でした!」
「馬鹿〜!走らないでよぉ!」

夕方の時間、柔らかなオレンジの光の差す中、周りに誰もいない事をいい事にメイリンを背負って走るシンの姿を食堂の窓から見つけたルナマリア達は・・・・。


「うわ。恥ずかしいバカップルがいる」


と、思わず唸るように呟いていた。



<終>
107通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 17:33:59 ID:???
⊂⌒~⊃。Д。)⊃ …萌えますた
108通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 18:52:48 ID:???
それが37話で見事に裏切られるとはwwwww
109通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 19:49:21 ID:???
GJです!!シンメイ図書館かわいい
110通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 22:21:09 ID:???
鬼ジュール氏GJ!これからも頑張って下さい。
111通常の名無しさんの3倍:2006/04/14(金) 09:02:49 ID:???
シンメイいいね
メイリンはシンをお子様とか思って恋愛対象ではなさそうだこど…
でもシンが男らしいとこ見せてメイリンが意識しだすとかいい
メイリンの憧れはレイでそれに嫉妬してシンが焼きもち焼くのもいい
112鬼ジュール(ありがちな風景):2006/04/14(金) 19:26:44 ID:???

「俺ってさ、最近筋力付いて来たと思わない?」

何のきっかけだったか、突然ヴィーノがそう言って立ち上がった。
そして皆に見せびらかすように腕まくりをして力こぶを作ると、確かに細い腕にぷっくりとこぶが出来ている。

まだ成長期前の少年はまず身長も伸びる前だ。
その為筋肉もつきにくい。
それでも毎日重いパーツを持って移動などしていると少しずつでも着実に筋肉はついているのだろう。
「本当だぁ」と、声を上げたメイリンは「触っていい?
」と、興味津々にヴィーノの力こぶに恐々といった感で触れる。
そして指先で触れた瞬間「うわぁ!なんか固いよ!?ちょっとパパのと同じかも」と、声を上げる。

「パパの方がヴィーノよりも凄いでしょ!」
「そうなんだけど、でも触った感じはちょっとそうだよ?」
「フレッド教官の腕なんて丸太みたいに太いんだから、それに比べたらヴィーノの腕なんて小枝と一緒よ」
「うわっ。ひっで。これでもメイリン位だったら軽々持てるって」

憤慨したヴィーノが目の前のメイリンに「ちょっと膝曲げて」と、告げられると膝の下に腕を通して抱き上げる。

「きゃぁぁ!ちょっと!ちょっと待って!」

突然訪れた浮遊感にメイリンは慌ててヴィーノの首に腕を回す。
それでもいつもよりも視界が高く、自分の体を支えるのが体の下の二本の腕だけなのだ。
それもメイリンの目から見ても細身のヴィーノが支えているのかと思うと少し怖い。

「降ろしてぇ!」
「だぁい丈夫だって!メイリン軽いし」

その一言にヴィーノに自分の全体重を預けているのだと気付いたメイリンが更に足をばたばたを動かして暴れた。
男の子に自分の体重を知られると思うとこれは嫌だ。

「駄目!もういいでしょ!もう降ろして!」
「ちょっ!暴れた方が危なっ!」

足元をふらつかせ慌てるヴィーノに、それまであまり楽しそうではなかったシンが徐に立ち上がるとヴィーノの目の前まで移動する。

「ちょっと貸して」

と、まるでメイリンを荷物のように言ったシンに、彼も自分の力自慢がしたいのかな?程度にしか思わなかったヴィーノが「はい」と、メイリンをシンに受け渡す。
途中メイリンがヴィーノからシンに首に回す手を移す瞬間だけぐらりとバランスを崩しかけたが、それ以外は危なげなく抱き上げる。
それからシンは考え事をするように中空を見つめながら
何度もメイリンの体を抱え直す。
そして徐に口を開くと、生真面目にメイリンに尋ねた。
113鬼ジュール(ありがちな風景):2006/04/14(金) 19:27:46 ID:???

「体重43sくらい?」
「!シンの馬鹿〜〜!!最低!」
「うわっ!危ないだろ!」
「大っ嫌い!!!」
「あ、図星?って、殴んな!痛っ!」

その直後、ふらついた足で自分の足を踏んでしまったシンが背を反らしてまず尻餅をついてからメイリンの体に押されて背中まで地面についてしまった。
メイリンはシンの体を下敷きにした為そこまでの衝撃はなかったが、全くなかった訳でもない。
シンが変な事を言うから悪いのだと、まだ体の上に乗ったままメイリンはめそめそと泣き始め、シンは何とか上半身は起こして「ごめん」と、抱き締めて謝罪するが、これから当分、口を利いて貰えないという事態に陥ってしまった。



<続くかもしれない>
114通常の名無しさんの3倍:2006/04/14(金) 20:24:08 ID:SyF3u+im
乙カレェェェェェェェェ!!続き!続き!
115通常の名無しさんの3倍:2006/04/14(金) 21:56:10 ID:???
GJ!続き待ってます
116通常の名無しさんの3倍:2006/04/14(金) 22:13:11 ID:???
シンメイ職人さんGJです!
117通常の名無しさんの3倍:2006/04/15(土) 19:40:19 ID:???
シンメイもいいけどアカデミー仲間なんかいい
和む

メイリンを泣かせてしまってからというもの、メイリンはシンを避けるようになった。
「拗ねたら長いわよ、あの子」
と、授業中ルナマリアが教官に目を向けたままシンに忠告した。
「了〜解」
メイリンが産まれた時からの付き合いであるルナマリアに言われてはその通りなのだろう。
ちょっとヴィーノにしがみ付いて高い声を上げているメイリンの姿が余り楽しくなくて黙らせようと思っただけなのだが。
いつものように怒るなり、「オープンカフェのケーキセットで手を打ってあげる」と、条件付きでも言ってくれればそれに応じた対応を取ったのに。
何も言わずに避けられるとは考えていなかった。
「やっぱ体重はまずかったのかな」
「どうせ前に身体データ見てて言ったんでしょ。メイリンあれから1キロ増えたって言ってたのよ、あの日」
「それってタイミング悪かったって事?」
「最悪ね」
成長期なんだから体重が1キロ増えたからってどうって事ないのに、どうして気にするのかしらと、ルナマリアは口の中で小さくぶつぶつと呟いている。
シンもそれには激しく同意なのだが、それはメイリンには当てはまらなかったという事だ。
妹も確か体重に敏感だったように思う。
自分もすぐムキになるからという理由で体重を教えてみろとからかった事もあった。
しかしそれが通用していたのは兄妹という関係だったからか。

「シン、次当たるぞ」
「あ、うん」

ルナマリアとは反対側に座っていたレイの忠告に慌てて授業に集中する。
それでもどうしてもメイリンの事を完全に忘れ切れないでいた。



そして、結局どうすればいいのか分からないまま授業終了後、情報処理棟の前になんとなく足を運んでいた。
メイリンの居る所は何処なのだろうかと何気なく見上げても結局はどこだか分からない。
どうするべきなのか悩み、そして情報処理棟の前で赤い制服で歩いているのは少し目立つと恥ずかしく思った時。

「あ」

と、小さい声がして、その声はシンに届く。
耳覚えのある声に、シンが振り返って確認すると、そこに目的のメイリンの姿があった。
しかし二人の間には20mは離れていただろうか。
もっと近付いて謝ろうと足を前に踏み出した瞬間、メイリンが踵を返して情報処理棟の中に戻って行った。

「ちょ、メイリン!!」

あらん限りの声を張り上げて呼ぶがそれで立ち止まって貰える筈も無く。
何故か此処で逃してなるものかとシンは追って情報処理棟の中に走っていった。

これから意味の分からない追いかけごっこが始まる。


<また続くかもしれない>
119通常の名無しさんの3倍:2006/04/15(土) 20:38:40 ID:???
GJ!!拗ねメイリン良いです

情報処理棟の内部など知らないシンは、中に入った瞬間からメイリンの姿を見失う。
しかしメイリンのヒールの高いブーツで走っていれば高くて間隔の短い音の方向はすぐにわかる。

「メイリン!」

ヒールの高い女の子に足の速さで負ける筈がない。
シンはメイリンが逃げる足音だけを頼りに走り出した。
しかしメイリンも男の子を相手に走るということで、回転の速い頭をフルに動かして逃げ道を確保している。
足音が乱反射しやすい場所、曲がり角が多い場所と、シンの方向感覚を狂わせ、そしてなるべくスピードを出させない道を選んでいく。
シンはこれに対して一瞬腹を立てたものだが、どうしてもメイリンにはシンに劣るものがある。
持久力だ。
毎日走りこんでいるシンとは確実に差があるそれに、シンは焦る事をやめた。
このままでメイリンが逃げ切れる筈がない。
案の定、メイリンはどこかの教室に逃げ込んだのか、ぴたりと足音が止んだ。
それでもメイリンの息は相当上がっている筈である。
呼吸の音を捕えようと耳を澄ませ、教室の一つ一つを確認する。
何故ここまでムキになっているのだろうかと自分でも思うのだが、もう此処まで来たのなら後には引けなかった。
メイリンの事なら小細工の一つや二つしているかと思ったが、やはり時間がなかったのかある教室の前の画面に「利用者あり」のランプが点滅している。
他の教室をざっと見てみても、使用中のランプは点いていないので扉を開く。
すると、中は一見誰もいなさそうである。
他の人が居たとしてももう授業終了後の時間であれば特に問題はないかと思っていたのだが、誰もいないように見えるという事はメイリンは此処にいるという事だ。

探そうかと思ったが、また逃げられても困るので入り口に立ったままドアだけ閉めてメイリンに話し掛ける。

「メイリン。あのさ、この間は悪かった」

そこで言葉を一度切るが何も返事はない。
これだけで許してくれるなら最初から逃げてもないかとシンは続けて口を開く。

「俺にとってはそんなに気にするような事じゃないって思って言ったんだ。ちょっとその場で盛り上がるような事を言ったつもりで。メイリンがそんなに気にしてるなんて思ってなくて。でもよくよく考えたら確かに失礼だよな。ホント、ゴメン」

此処まで言ってシンは恐る恐る教室の中を見渡した。
許してくれるなら姿を見せてくれるのかと思っていたのだが、それはシンの甘い考えのようだった。
まだ許してくれないのかなと困ったシンは、他に何を謝ればいいのかがわからない。
もう言える事は言った。
それでも怒っているのならまだ何を怒っているのかを教えて貰わなければ。

「あのさ、やっぱこんな一人で勝手に言ってても謝ってる気しないから、探すぞ」

がしがしと髪の毛を荒く掻き混ぜ、溜息を吐いて歩き出す。
教卓の中にはおらず、机の中かと、一列一列探し出す。

そして教室の真ん中辺りの机の壁際にメイリンが潜っているのを見つけた。
小さく丸まって俯いている。
相変わらず隅が好きなんだなとシンは苦笑すると、斜め前に膝を折ると「見つけた」と、腕を取って机の中から引っ張り出した。
シンの目の前にぺったりと座り込んで。それでも俯いたままのメイリンに拒絶されているようで少し悲しくなる。

「あのさ・・・顔、上げないか?」

シンの言葉にもメイリンはぴくりとも反応しない。
どうしたのかと顔を覗き込んでみると泣いているから。
思わず抱き締める。
どうしてかは分からないけど。


そしてそんなシンに、腕の中のメイリンは涙ながらに肩を震わせて小さく呟いた。


「・・・どうしてあたしこんなに逃げてるのぉ・・・・!?」
「そりゃこっちのセリフだよ」


思わず脱力してしまった。


<次で終わりそうな模様>
122通常の名無しさんの3倍:2006/04/16(日) 19:49:06 ID:???
GJ!
123通常の名無しさんの3倍:2006/04/16(日) 20:00:25 ID:???
萌えましたー
続き待ってます
124通常の名無しさんの3倍:2006/04/16(日) 22:30:34 ID:???
このシンメイかなりお似合い
職人さんGJです!!
125通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 08:44:22 ID:???
シンメイほす
126鬼ジュール(やっと終了):2006/04/17(月) 13:26:06 ID:???

「あの・・ちょっとよれてるけど」

何度か手を拭いた時に使用した為皺が出来ているが、それをまた少し広げて折り直し、未使用の部分を表に持って来て差し出す。
一度抱き寄せてしまったら放すタイミングも何となく失ってその場に尻を着くと、両足でメイリンの体を挟むように前に出した。
本当に今日も疲れているのだ。
少しでも体を休めようとメイリンがハンカチを受け取ると、顎は俯いているメイリンの肩に乗せて目を閉じる。
ふんわりと花の香りがして香水だろうかと推測する。
姉よりもませている部分のあるメイリンだからつけていても違和感は感じないが、早いような気はする。
何でそんなめかし込むんだろうと考えて、好きな人でもいるのかなと思いつく。
その瞬間メイリンの背に回して握っていた手を強くした。

「シンの・・・馬鹿っ」
「・・・うん。ゴメン」
「シンの・・・阿呆っ」
「・・・うん」
「シンの・・・根性悪」
「何だよ、ソレ」

口を尖らせるとメイリンもまたシンの制服の胸に顔を押し付けた。
益々近付いた距離にシンもまた手を握り直して縮まった距離が離れないようにする。
此処でまたムキになっては喧嘩しそうでゆっくり息を吐くと、きゅっと眉を寄せる。

「あのさ、今度奢る。だからもう泣き止まないか?」
「・・・アカデミーの中のカフェだったらヤダ」

未だ肩を震わせながらもしっかりと主張するメイリンに「本当にちゃっかりしてるよ」と、溜息を吐く。
しかし、交渉?に応じてくれたところを見ると、許してくれるつもりはあるようだ。
見通しが立った事に安堵して、少々の出費には目を瞑る。
物で釣ったとルナマリアに知られては「だからシンはメイリンに甘いのよ」と、直ぐに切り返されそうだが、それでもこれが手っ取り早いのだと、想像の中だというのに早速言い訳する。

「あー。じゃあ今度遊園地のフリーパス奢る。それでOK?」
「食事付?」
「付き」
「ならいいよ」

腕の中でくすくすと笑う声が聞こえてシンもわざと聞こえるように溜息を吐く。
そこで思いついて意地悪に微笑むと、シンはメイリンの耳元に唇を寄せた。

「で、驕りだからって沢山食べて太ると」
「シン!」

てしっと、胸を平手で叩かれる。
距離も近くて腕も満足に動かせない状態なので全く勢いもなければ痛くもない。
声を上げて笑えば益々メイリンはムキになって叩いて来るのだが、これもまた全然痛くない。
127鬼ジュール(やっと終了):2006/04/17(月) 13:27:02 ID:???
すっかりメイリンが元気になったのを見てシンは立ち上がる。
それを見上げるメイリンを見下ろして手を伸ばすとその手を取ったのを確かめて立ち上がるように促す。

「ハンカチ、洗って返すね」
「いいよ、んなの」
「明日には返すから」

今度はメイリンに引っ張られるような形で教室から出る。
走っている時には気にならなかったが、赤い制服を着ているシンはこの情報処理棟では酷く目立つ。
色んな人にじろじろ見られているのだが、メイリンは気付かないのかずっと手を繋いだままで少し落ち着かない。

そして食堂に行く前に一度部屋に戻るというメイリンが、女子寮の方に向かっていく。
それを少しだけ見送ってから食堂に向かおうと思っていた時、メイリンがもう一度だけ振り返った。


「今度出掛ける時にはデートなんだから、変な格好は禁止だからね!」
「何だよ、それ!俺がいつ!」
「シンのばーか!」
「メイリン!」


爪先を上げて踵で体の方向を変えると、メイリンは走って寮の中に入っていった。

「何がデートだよ・・・。何が・・・・って・・・・。・・・ちょ、メイリン!?」

頬を膨らませて不満一杯のシンは食堂に向かいながらメイリンの言葉を思い出す。
聞いた瞬間には「変な格好禁止」が引っかかったものだが、今はそんな言葉はどうでも良かったのだと漸く気付く。

デート。
・・・デート。
・・・・・・デート!?

いやいや、そんな深い意味は無い筈なんだと、もう一度メイリンを振り返ったが、もう寮の中に入ってしまってその姿を追い駆ける事が出来ない。
暫し呆然とした後、ぷるぷると頭を懸命に振ってから食堂まで何故か全力疾走で走っていった。


体温が急上昇していそうだった。



<終>
128通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 19:02:52 ID:???
デート!!二人で可愛い服きてパフェたべてそ
129通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 23:44:04 ID:???
GJです!シンもメイリンもかわいいです

デートってさ、普通二人きりとかじゃないか?
いや、これもある意味デートと言えばデートなんだけどっ・・・・!


「どうしたの?シン」
「五月蝿い、ルナ」
「何よ、心配してあげたのに」
「そりゃどうも」

「きゃー♪レイ♪次あれ乗ろう♪」
「構わない」

不貞腐れたシンの隣でルナマリアが「レイと一緒だからって元気ねぇ、メイリン」と、暢気に笑う。
先日メイリンに「デート」と言われて浮かれていたのも束の間、食堂で「今度の休みに遊園地に行かない?」と、皆を誘ったメイリンにシンはそれまでの期待が打ち砕かれた。
そこで集まったのがシン、メイリン、ルナマリア、レイというメンバーで、此処まではシンも「仕方ない」と、思っていたのだが。

現地に着いてからというもの、メイリンはレイにべったりだ。
自分がメイリンの分は奢っているのに・・・と、思うと恨めしく思うのだが、自分がメイリンに失礼な事を言ったからこそ奢る羽目になっただけで、メイリンがどんな風に楽しもうとそれはメイリンの勝手なのだが。

しかしそれでも普通はもうちょっと気を遣うもんじゃないのか!?

と、イライラしていると、妹に代わってお相手しますとばかりにルナマリアがシンの隣で笑っている。
「だから、あの子はちゃっかりしてるんだって言ってるでしょう?」
と、開口一番に言われた時にはそれだけでかなりめげそうになったのだが、「俺は今日はただの出資者だから」と、強がって言ってみると「まぁ、無理しちゃって」と、笑われた。

そりゃ無理もする!
此処で強がらなくて何処で強がるって言うんだよ!

かなり前から服装にも気を遣って、余り気張ってないように見えてしかしいつもよりもだらしなく見えない服にして、メイリンに「変な格好」と言われないように気を配ったというのに。
それが全部空回りかと思うとこの怒りを一体誰にぶつければいいものか。
目の前のメイリンは先程からレイと手を繋いでいる。
お化け屋敷から出た時からこの状態だ。
入った時には4人で入ったのだが、あれは失敗だったと今でも思っている。
シンが思っていたよりも怖かったのだ。
自分が思いの外大声を出してしまったというのはシンにとってはマイナスで、叫ぶメイリンの隣で「大した事ない」と、メイリンの手を取ってすたすたと歩いていくレイの姿には正直「負けた」と思ったのもまた悔しい。


「でも、このままでいいのぉ?シン。これで帰ったらレイの株は急上昇で、シンの株は大暴落よ?」
「煩い。メイリンにどう思われようと俺には関係ない」
「あぁら。あたし『メイリンがどう思うか』なんて言って無いわよ?」

ぎんっと音がしそうな勢いでシンがルナマリアを見ると楽しげに舌をぺろりと出していた。
確かに、ルナマリア自身の中でのシンとレイの評価だったとも取れる言い方だった。
引っ掛かった自分の愚かさにシンは溜息を吐くと正直に愚痴ってみる。
131鬼ジュール:2006/04/18(火) 17:29:37 ID:???

「やっぱメイリンはレイが好きなのかな」
「さぁ。違うんじゃない?」
「何で。見る限り恋人同士だぞ、とっくに」
「馬鹿ねぇ、アンタって。女心が全く分かんないんだから」

メイリンってば時々振り返ってるの知らないの?

続いて聞こえたルナマリアの声に、シンは瞬きを繰り返した。

「は!?」
「だからお馬鹿さんなのよ、アンタって。このままだと本当に大暴落よ」

「いってらっしゃい」とばかりに背中を押されてシンは急に喉が渇いて来た。
今までやる気のなかった気持ちが一気に復活する。
なんて声を掛ければいいだろうかと考えて・・・・。
そんな事知るかと駆け出した。

「メイリン、絶叫マシン行くぞ!」
「へぇ!?え?え?ヤダヤダ!怖いよ!」
「へっへー。大した事ないって!」

走った勢いでメイリンの手を取ると引っ張る。
反射的にレイと繋いでいた手を放してメイリンはシンに引っ張られるまま後を付いて行く。
立ち止まらない所をみると、嫌だと言いながら完全に拒絶するつもりはないようだ。
つまらないと思っていた心が一気に晴れて。

意地悪なメイリンには意地悪で返してやろうと企むのだった。


<終>
132通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 20:02:53 ID:???
シン!女心がわからん奴だな
次回もしや やばそうな展開か
133通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 06:33:39 ID:???
テラモエスwwwww続き楽しみにしてるぜ!
134通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 19:33:25 ID:???
シンメイの会話良いです!お似合いのお子様カプ
135通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 22:24:54 ID:???
何このスレw

どこの少女マンガだよw









だがそれがいい
136通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 17:26:39 ID:???
期待保守

「シンのばーか!大っ嫌い!!!」
「まさかジェットコースターで腰抜かすとか思わないだろ!」
「怖いって言ったよ!」

ジェットコースターを降りた所にあるベンチでシンとメイリンは喧嘩になっていた。
とは言ってもメイリンは腰が抜けて動けず、ベンチに座る事も満足に出来ないのでシンはジェットコースターの降り口からベンチまで横抱きに抱き上げて、ベンチの上で横になった彼女に膝枕をしてあげているというのに口だけ元気だ。

「シンの太腿硬いし!」
「そりゃぁ悪ぅございました!」

少しは可哀想かな?という思いはあるのだが、饒舌なだけに売り言葉に買い言葉、喧々轟々と言い争ってしまう。
シンもまた背凭れに肘を乗せて踏ん反り返っていると、全く可愛げが無い。
降り口までやって来たルナマリアがシンを見て開口一番「大暴落」と、呟いた時には思わず睨み付けてしまった。
自分だって楽しむ為に遊園地に居るのだから好きに遊んでいいじゃないかと思う。
メイリンのお守りに来た訳ではない。

「もう喧嘩はお終い。何か飲み物欲しい?」
「アップルジュース」
「ならあたし買って来るから。シンもいる?」

メイリンの顔を覗き込み、「ジェットコースター位で腰抜かすなんて情けないわねぇ」と笑いながら尋ねると、メイリンは少し頬を膨らませて返す。
ルナマリアがシンを見ると、少し考えてから「俺が買いに行くよ。ルナ、代わって」と、メイリンの頭と肩の下に手を添えて少し浮かせる。
仕方ないわね、と、ルナマリアはシンと場所を交代すると「あたしはレモンスカッシュがいいな」と、シンの背中に訴え、それに軽く手を上げて応えた。

「レイ、行くぞ」
「あぁ」

ちょっとレイに確認したい事があった。
男同士の作戦会議のようなものだ。
レイは一体今日は誰目当てなのだろうか。それはとても気になる所だった。

138鬼ジュール:2006/04/20(木) 19:20:10 ID:???


「それにしても良く乗ったわね、ジェットコースター。昔からあれだけは乗らなかったじゃない」
「あたしだって乗るつもり無かったよぉ。シンが無理に引っ張って行くのが悪いんだから」

ぐったりとした様子の妹の前髪を右分けにしたり、左分けにしたり、左右のツインテールを三つ編みにしたりと髪を弄りながら笑うとメイリンは盛大に溜息を吐いた。
自分の髪は短くても気にしないが、妹が髪を切るのは好きじゃないルナマリアは、時々妹の髪を好きなように弄る。
メイリンも髪を弄られるのは嫌いではないので、気持ちよさそうに目を閉じてシンに対する愚痴を呟く。
「あたしとだったら絶対乗ろうとしないのに、その心境の変化は何なのかしらね」
「何にもないよぉ。お姉ちゃんは嫌って言ったら諦めてくれるけど、シンは手を放してくれないんだもん」
ほんのりと頬を染め、そっぽを向いたメイリンに、ルナマリアは「あらそう?」と、思わせぶりに言ってみる。
何処か疑った姉の声にメイリンはそっとルナマリアを見上げる。
しかしルナマリアはそんなメイリンの視線に気付いては居たが何も言わなかった。
その余裕な様子に何か不安な物を感じたメイリンはそれまで強気だった表情を一変させ、上目遣いにルナマリアを見上げた。

「お姉ちゃんは・・。お姉ちゃんだってシンは子供だなぁって思うでしょう?」
「そうね。思うわよ」
「ほらぁ」
「でも此処遊園地だし、いいんじゃない?」

あたしは羨ましいわよ?あそこまで遊園地で楽しめるのって。

ルナマリアの言葉にメイリンは眉を寄せた。
イマイチ姉の言葉の意味が分からない。
遊園地は楽しい物だと思うのだが。

「あんたも思いっきり楽しんでるみたいだし。今の内よ?遊園地で思い切り遊びたいなんて思えるのは」
「なんだかお姉ちゃんっばお婆ちゃんみたい」
「ナニヨ。お婆ちゃんはないんじゃない?アンタ達よりあたしの方が大人って事。で、アンタ達がまだまだまだまだお子様って事」

人差し指の腹でメイリンの眉間の皺を押すと、メイリンは嫌そうに更に眉根を寄せ、その懸命な様子にルナマリアはくすくすと笑った。


139鬼ジュール:2006/04/20(木) 19:22:12 ID:???

一方、男同士で売店の自動販売機の前に立ったシンとレイは、互いの顔を見る事無く会議を・・・行おうとしていた。
勿論この会議を開きたいのはシン一人で、レイはいつもと変わりの無い様子で清涼飲料水を購入していて、シンはその隣で先にルナマリアの分のレモンスカッシュを購入していた。
本当ならば炭酸飲料であるレモンスカッシュは後に購入した方がいいのだろうが、これは勿論先にレイの両手を塞いでしまおうという作戦だ。
計画的犯行?だ。
そこまで考えているシンなのだが、イマイチメイリンへの想いには自覚が薄い。
ちょっとした独占欲みたいなのだろうと本人は考えているようなのだが、どうしてメイリンにだけ独占欲が働くのかは深くは考えた事は無い。
しかし、レイが今回遊園地にやって来た理由は非常に気になる。
いつも休日は家に帰るか部屋で本を読んでいるかなのだが、そのレイが遊園地に付いて来たのか。
それに理由があるとしたらやはりメンバーではないのかと考えて当然だろう。
今回の発案者はメイリンであるから、やはりメイリンなのだろうかと推測してしまう。

取り敢えず二人きりになれたのでその確認がし易い状況にあるのだが、いざ尋ねようとしても何と言って尋ねればいいのかわからない。

「あ、あのさ」
「何だ?」

簡潔な返事がまた余裕を見せられているようで大いに戸惑う。

いや、特に俺には本命とか、狙ってるとかなくて、ただ単にレイはどうして今日遊園地に来たのかというのだけは気になって・・・・・。

と、勝手に頭の中で言い訳が渦巻く。
一度は声を掛けたものの続ける言葉が浮かばなくてシンは時間を稼ぐように自分の飲み物を買う。
後はメイリンのアップルジュースだけだというその時になってレイがプラントの天井を見上げた。
結局は有耶無耶になってしまった状況を打破しようとシンは何気なくレイの様子を伺い見る。

「今日はいつもよりも明るいな・・・」

ぽつりと呟かれた言葉にシンはつられてプラントの天井を見上げる。
地球の空を見慣れているシンにはプラントの天井はいつでも同じように見える。
「そうか?俺には分かんないけど」
シンの返事にレイは2、3度瞬きをすると、シンを振り返った。
視線を感じてシンもまたレイを見る。

「天気じゃなくて・・・・メイリンの事だ」

突然出て来た名前に、不意を突かれたシンはその場に軽く硬直した。
そのシンの変化にレイは気付いたのか、気付かなかったのか、「二人が待ってる」と、声を掛けて先に歩き出した。
シンもまた取り出し口からアップルジュースを取り出すとレイの背中を追いかけた。

どうして特に話題にもしていないのにメイリンの名前が出たんだろうかと思うと僅かに顔が引き攣った。


・・・・・胸が、ざわざわと鳴った。


<終>
140通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 20:52:03 ID:???
GJ!
141通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 21:03:33 ID:???
誰が目当てなんだろ、とか青春を感じてしまった・・
142通常の名無しさんの3倍:2006/04/21(金) 09:18:10 ID:S9EmjJyz
GJ!ここんとこ鬼ジュールさんの事ばかり考えてる
143通常の名無しさんの3倍:2006/04/21(金) 09:30:39 ID:???
鬼ジュールさんのストーカー発見
ルナマリアにとって一つ下に当たるシンとメイリンとヴィーノはとってもお子様だ。
実は5歳児位では無いかと思う位仔犬のようにきゃんきゃんきゃんきゃん吠えては走り回る。
去年自分はあんな風に走り回っていただろうかと考えると絶対にそうではなかった。
「いいなぁ・・・俺も遊園地行きたかったなぁ」
「仕方ないだろ。課題があったんだから」
オープンテラスのテーブルの上に、心底残念そうなヴィーノが突っ伏していた。
その隣でグラスの中のアイスコーヒーを飲みながらヨウランが苦笑する。
そんな二人の前に座っていたルナマリアが「また今度ね」と、額に氷しか入っていないグラスを押し当てた。
と、その時、ヴィーノ達の背後からメイリンがやって来た。
「あ、ヴィーノ発見♪」と、楽しげに駆けて来たメイリンは、手に持っていた鞄から何やら取り出す。

「はい、犬耳♪お土産だよ〜♪」
「へ?」

すっぽりと犬耳のついたカチューシャをヴィーノの頭にはめると、真正面から見る事になったルナマリアは目を軽く見開いて「あら、似合うじゃない」と、感想を漏らした。
メイリンはそのままヴィーノの背中に圧し掛かったまま顔を覗き込んでその出来に満足した微笑を見せる。
「似合う似合う!」
「本当?」
「可愛いよ♪」
「えへへー」
犬耳カチューシャ付けて喜ぶような男の子はヴィーノ位しか居ないわよと、こっそりルナマリアは思いつつも人懐っこいわんこの微笑みを見せるヴィーノに茶々を入れる事無く微笑み返す。
それよりも自分の妹が男の子の背中にぺったり張り付いている姿はどうかと思う。
もういい加減離れなさいと、声を掛けようかと思った所でシンがやって来ているのを確認した。
なにやら強張った表情で肩を強張らせて「のっしのっし」と、やって来る。

嫌な予感。

そう思った時にはシンがメイリンの背後に立って彼女の背中に圧し掛かっていた。
「はい!?」
何も言わずに突然重さが掛かった事に驚いたメイリンが左肩に置かれた顔を見て、シンだったのかと安堵する。
「もー。シンってば、突然乗っかって来たら驚くよぉ」
「別に」
ルナマリアの目の前に突如作られたトーテムポールに軽く溜息を吐くと「暑苦しいからもう止めなさい」と、ヴィーノの鼻を抓む。
続いてやって来たレイが、このトーテムポールがどうして作られたのか分からず自分も参加した方がいいのだろうかとじっと様子を見ている。
案外シンが体重を掛けているのか、一番下のヴィーノが苦しそうな表情を見せている。
テーブルに着いた顎が特に痛いのだろう。
しかし苦しそうな表情の中でヴィーノがメイリンを目だけで見上げた。

「苦しい〜。でも・・・・・メイリンって・・・・胸大きくなった?」

瞬間。

ヨウランは飲んでいたアイスコーヒーを噴出しそうになってそれを堪え、むせた。
ヴィーノの上に乗っていたメイリンは「ヴィーノの馬鹿ぁ!」と、真っ赤になって叫び、シンがメイリンを下にしたままヴィーノの首に手を回して絞めていた。レイは良く分からず、その場に立ち尽くしていて。

ルナマリアは「本当にわんこばっかりなんだから」と、小さく呟いた。

<終>
145通常の名無しさんの3倍:2006/04/22(土) 13:38:59 ID:???
職人さんGJ!!
146通常の名無しさんの3倍:2006/04/22(土) 21:34:20 ID:???
だが37話で崩れ去るのは確定している
147通常の名無しさんの3倍:2006/04/22(土) 22:15:14 ID:???
>>146
それはアニメでの話。
ここは異次元だから無問題。
148通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 01:02:30 ID:???
シンメイ可愛いなw
こういう日常生活SSが好きなんだよな
「えー。メイリンはこういう子が好みなの?」
「あ、お姉ちゃん。お姉ちゃんはどの子が好みのタイプ?」

突然ヴィーノとメイリンの会話が耳に入り、シンはルナマリアと同じタイミングで顔を上げた。
此処は学食で食べる事にも集中していたし、周りが煩かったのもあってヴィーノとメイリンの会話は全く耳に入っていなかった。
見ると十代の女の子向けの雑誌を指差しながらメイリンはルナマリアに見せている。
シンの隣にはレイがいて、更にその隣のヴィーノの目の前にメイリンは座っている。
隣同士で雑誌を見ているのではその内容はわからないが、シンの耳には「好みのタイプ」という言葉が引っかかっていた。

男?

女の子向けの雑誌など殆ど見た事のないシンには、メイリンが持っている雑誌の内容が想像つきもしない。
しかし、「どの子が好みのタイプ」と言ったなら大抵は俳優なり、モデルだったりするだろう。
どうしてこういう時だけ席が離れているんだろうかと少し恨めしく思いながら聞き耳を立てる事にする。

「えー。メイリンってばこういう子が好きなの?趣味悪ーい」

趣味が悪いのか?

「だってぇ。こう目が大きいのって可愛くない?」

目が大きいのがタイプ?

「こいつに比べたら俺の方が可愛いよ」

ヴィーノの方が可愛い?

「あたしはこっちの知的な感じの子が好きだな。スマートだし」
「うん、そっちも格好いいなぁって思うんだけど、やっぱり格好いい子より可愛い子の方がよくない?ちょっとぷくぷくっとした方が可愛くない?」

格好いいよりも可愛い派?
そしてちょいデブ派?

先日の遊園地でメイリンがやけにレイにべったりだったのを思い出す。
レイはどちらかというと可愛いというよりも格好良いと評価されそうな外見だ。
という事はメイリンにとってレイは好みのタイプでは無いのだろうか。
少なくともレイはちょいデブではない。

「あーん。でもお姉ちゃんにそう言われちゃうとそっちの知的な子もいいなぁ!」

優柔不断!?
というかどっちでもいいのか!?

段々メイリンの好みが分からなくなって来たシンは、食事をする手が数段遅くなりながら懸命に考えを巡らせる。
メイリンがどんな男の子が好みなのかは非常に気になるところだ。
しかし、もしシンの考えている事が理解出来る者が居て、タイミングよくどうして?と、尋ねられれば「単なる好奇心だよ」と、ぶっきらぼうに答えていた事だろう。
未だシンのこのもやもやとした感情は結論に辿り着く事無く迷走している。
というよりもシン自身がこの感情を迷路の中に突き落とした感があるのだが。
150鬼ジュール:2006/04/23(日) 13:04:53 ID:???

「でもやっぱりこっちの子の方が好きかなぁ?ほら、ちょっとシンに似てない?ふてぶてしそうな所とか」
「えー。でもそれだったら躾しても言う事聞きそうに無いわよー」

躾?

ルナマリアは何卑猥な事を大声で言っているんだろうかと、シンは思わず顔を上げるとルナマリアとメイリンと目が合った。

「やっぱり似てるよぉ!この犬〜♪」

は?犬?!

「でもこの犬よりか俺の方が絶対に愛嬌があるって」
「ならうちで飼われてみる?ヴィーノ。うちのママが大喜びしそうだわ」
「あぁ!確かにママがヴィーノみたいな男の子欲しいって言ってた!」
「わんわん♪」

きゃらきゃらと笑う姉妹と、その前で手を握って舌を出して吠えるヴィーノの姿にシンは心底馬鹿らしくなって徐に立ち上がった。

「早く食わなきゃ午後の授業始まるぞ」

ぱこんっと食事の乗ったトレイでヴィーノの頭を叩くと不機嫌に歩き去っていく。

「何か不機嫌じゃなかった?シン」
「さぁ?あたしには分かんなーい」
「きっと俺のわんこ姿に嫉妬したんだよ」
『まっさかー』
「ひでっ」

再び声を揃えてきゃらきゃらと笑う姉妹に同時に突っ込まれたヴィーノが、オーバーアクションで驚く姿を肩越しになんとなく見て、シンは「ふんっ」と、鼻を鳴らした。

何だかまともに話を聞いてた自分が酷く馬鹿らしく感じていた。


「って、俺に似た犬は趣味悪いのか・・・・?」


それとも俺も?


今更になってそれだけが気になったのだが、それを確かめるタイミングはとっくに逸していた。



<終>
151通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 13:49:19 ID:???
>>146
そこをなんとかするのがこのスレッドでしょうよ
152通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 14:55:46 ID:???
シンテラモエスw
153通常の名無しさんの3倍:2006/04/24(月) 08:59:07 ID:???
シンメイスレなのに結構もってるな
これは落とさせないぞ保守
154通常の名無しさんの3倍:2006/04/25(火) 19:12:51 ID:vBVv5wDh
本編でもいい感じだったよシンメイ

・三人を呼ぶメイリン「シン!お姉ちゃん!レイ!」。←姉越え
・アスランに敬礼するため手荷物をメイリンに押し付けるシン。←カプみたい
・隣に座って普通にランチを食べてる二人。←ルナの隣空いてるのに
 etc....
155検死官 ◆Mjk4PcAe16 :2006/04/25(火) 19:13:29 ID:???
ヴィッッヴィッッヴィッッヴィッッヴィッッ
156通常の名無しさんの3倍:2006/04/25(火) 19:27:25 ID:vBVv5wDh
ヴィーノ
157通常の名無しさんの3倍:2006/04/25(火) 20:43:24 ID:???
--------------------糞スレ終了---------------------------

あんな豚と引っ付くのいくらツンでも気の毒杉www
158通常の名無しさんの3倍:2006/04/25(火) 20:50:33 ID:vBVv5wDh
うそっ!?終了!?やだやだやだーーーーーーーーーーーー!!!
159元シンメイSS書き:2006/04/25(火) 21:33:27 ID:???
あれ? いつのまにか、またできてたのか・・・。
160通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 16:32:24 ID:5y2Bbg72
いいから早く書いてうPれかす
161通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 16:45:06 ID:???
ツンデレ乙
162通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 17:01:07 ID:zS0ncfBm
    ,.、;',,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,.`丶.
    /,;;;;;;;;;;;;;:、- ‐ ' ''= 、;;,.ヽ
.   ,',;;;;;;;;;;;i'"         ヽ;,.'、
  {,;;;;;;;;;;;;{  _,,;;;;,、    ,,;,、;,.',
  _l,;;;;;;;;;厂 〃 .__、` ,r' ゙゙`'};;,.j
. { トヽ;;;;;!   '´ ̄ ` { '=ッ{;<      !   .  , ,      .
. ヽ.ゞさ;;}      ,.r'_ ,..)、  !;,.!  ヽ、_,人_,ノ、_,从,人.ィj、ノv1
  ヽニY    ,.r' _`;^´!  ,';/    )
    ヾ:、    ヾ= 三;〉 /'′ ‐=、´  守りたい世界があるんだー!
    ノ,;:::\   ` ー" , '      )
 ,.、-',;;;{ ヾ:ヽ、 __ ,∠、      , '⌒r‐v'ヽィ'⌒Yソ、ト、!yヘ!
',,;;;{ {;;;;;;ヽ     }::〈;;;;;;;;l iヽ、      ´ i   '   ´  `
,;;;;;ヽ、ヽ;;;;\  ,r'::::ノ;;;;;;j j;;;;,.`ヽ、

163通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 09:42:51 ID:???
保守しますよ
164通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 21:19:02 ID:???

           ∧/|_    .// ̄ ̄ ̄ヽ
        __    /    .| |>>157        `,
        〈〈〈〈 ヽ   >   .| !    , / \、
        〈⊃  }       i~ヽ   * ☆(  ミ_
         |   |       ( 6   `ー '(:: ) -´"´´(_H ̄)
          !   !    、   .|   /"ヽエェェγづ ∴.'  ̄  
     ∧ ∧|/  /    ,,・   |    ヽニニニソ ∵・∵      スイマセンデシタ
    ,(,# ゚Д゚ ) /  , ',∴ ・ _/●  `ー/ ¨  ;  ∴.'   
    /   /   、・∵ '/  \/ ̄ ̄⌒ヽ
   /    /      / /         |  ノ
  ( |    {        /        / ̄/
貴様のような奴は女の穴以下じゃ喰らえッ!
165通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 19:12:20 ID:???
保守
166通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 21:10:51 ID:dwuS7U2w
メアド、鬼ジュールにしようかな・・・
167通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 16:50:35 ID:???
やめなされ〜〜w
どんだけ好きやねん
168通常の名無しさんの3倍:2006/05/01(月) 09:26:33 ID:???
保守
169通常の名無しさんの3倍:2006/05/02(火) 21:03:24 ID:???
保守
170通常の名無しさんの3倍:2006/05/03(水) 18:18:04 ID:???
保守だあああああ!
171通常の名無しさんの3倍:2006/05/04(木) 02:34:29 ID:F6XkBN7I
鬼さん好きだああああ!
172通常の名無しさんの3倍:2006/05/05(金) 23:30:12 ID:???
保守
173通常の名無しさんの3倍:2006/05/06(土) 09:14:33 ID:???
い〜ま〜は〜じま〜り〜のき〜みへ〜
174通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 22:46:12 ID:???
シンメイ保守
175通常の名無しさんの3倍:2006/05/08(月) 09:17:02 ID:???
保守
176通常の名無しさんの3倍:2006/05/09(火) 00:00:06 ID:???
保守
177通常の名無しさんの3倍:2006/05/10(水) 16:19:56 ID:???
保守
178通常の名無しさんの3倍:2006/05/11(木) 00:40:33 ID:???
職人さん来ないな
鬼ジュール氏はほかスレに夢中
179通常の名無しさんの3倍:2006/05/11(木) 07:39:48 ID:???
職人の噂大好きね
180通常の名無しさんの3倍:2006/05/12(金) 17:09:25 ID:PHwMVz5+
保守
181通常の名無しさんの3倍:2006/05/13(土) 21:31:43 ID:???
保守
182通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 03:49:36 ID:z8ncXgS2
鬼さんこちら手の鳴るほうへ
183通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 22:05:47 ID:VlMIHT6v
ほしゅ
184通常の名無しさんの3倍:2006/05/15(月) 08:30:18 ID:???
保守
185通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 03:48:26 ID:???
言いたくはないが
外部から職人が来てくれるのを待つだけになったスレの末路は…
186鬼ジュール:2006/05/16(火) 19:25:35 ID:???
「やっぱり格好いいって言ったらレイかなぁ」

教室に遊びに来たメイリンが、教室内を見渡して一人納得したように頷いた。
メイリンの目の前にはルナマリアが腰掛けていて、その隣にシンが座っていた。

「やっぱりそうなるわよねぇ」

流石姉妹というべきか、ルナマリアは机に頬杖を付いて同意する。
何が基準で「やっぱり」なのかシンにはさっぱり分からない。
女にとって男の格好良さは何処で決まっているのかシンにはイマイチ分からないで居た。

「ふぅん」

特に興味の無いような素振りを見せて目の前の端末を弄っていると、メイリンが視界の端で瞬きを繰り返した。
そして徐にシンの顔を覗き込むと、「拗ねてるの?」と、尋ねて来る。
途端頬に朱が走り、シンは慌てて顔を上げた。

「何で!?」
「・・えっと、自分の名前が出なかったから」
「・・ちがっ・・!・・・自惚れるのも大概にしろよな!」
「へ?何であたしが?」

天然か!

シンは顔を顰めて何だか墓穴を掘った気分になる。
隣のルナマリアも半眼になり、呆れたように口も半開きになる。
そんなルナマリアを横目で睨みながら返事に困っていると、レイがシンの隣に腰掛けて端末を開く。
まさか自分が話題に出ていたとは思っていないのだろう。
これ以上此処でこの話をしているのは複雑な心境なのでシンは口を閉ざすと、そんなシンの心境など分かっていないメイリンがレイの目の前に移動して先程シンにしたように顔を覗き込んだ。

「今ね、レイが一番格好いいなぁって話をしてたの」

瞬間、聞いたシンがイライラとした。

俺はそんな話してない。

レイが一瞬シンに視線を向けて来たのに気付かない振りをして。
じっと黙っているとレイはメイリンに視線を向けた。
何となく、それもむかついたのだが、何も言わなかった。

「・・・・そうか」

他に感想無いのかよ。

端末を弄りながら唇を尖らせ眉根を寄せる。
それでもシンは何も言わなかった。
此処まで来たら意地だ。
187鬼ジュール(お久しぶりです):2006/05/16(火) 19:28:43 ID:???

メイリンはレイの言葉に満足したのかツインテールの髪を弾ませて「うん♪」と頷く。
ほんのりと頬を染めた愛嬌のある表情は、男女関係無く見た物は幸せになれる事だろう。
無防備にそんな表情を見せるメイリンに、シンはついに我慢ならなくなった。
そんなにレイがいいと思うなら、ずっと一緒にいればいいだろ。と、言いたくなって。


まるでヤキモチ妬いてるみたいじゃないか。


そう思うと悔しくてそれも言えなかった。
ただ、もう手元の端末の情報なんて目に入らなくなって。

「もう授業始まるだろ。帰れよ」

端末を閉じてメイリンを睨んだ。
睨まれた方のメイリンはどうしてシンが不機嫌なのかが分からない。
シンの凄みのある深紅の眸に息を呑み、「う、うん。それじゃあ帰るね」と、ひらひらと小さく手を振って帰っていった。


「今のはマイナスポイントね」
「煩い」
「人の妹脅しておいてそれは無いでしょ」


脅してなんか・・・・。


そう思いながら、少し顔を青褪めさせたメイリンの顔が離れなくて。
後で弁解の言葉の一つでも言おうかなと思ってしまうのだった。

<終>
188通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 20:44:47 ID:???
GJGJGJ
189通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 21:32:40 ID:???
鬼さんGJ!
190通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 21:45:19 ID:???
シン、どれだけHard To Sayなんだ
191通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 23:28:46 ID:???
シン可愛いやんwレイはかっこいいな相変わらず
192通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 10:03:51 ID:kaFzTIur
待ってましたよ鬼さん!GJ!!
193通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 06:41:38 ID:???
保守
194通常の名無しさんの3倍:2006/05/19(金) 17:35:36 ID:wRvSAWva
age
195通常の名無しさんの3倍:2006/05/20(土) 07:47:51 ID:???
ほしゅ
196通常の名無しさんの3倍:2006/05/23(火) 12:36:21 ID:???
こんなところで俺はーーっ!
メイリンとのラブラブ生活をあきらめねーー
197通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 04:10:39 ID:???
【シンステ】ステラ厨vsルナ厨【シンルナ】ラウンド2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1148397425/
198通常の名無しさんの3倍:2006/05/26(金) 08:59:37 ID:???
シンメイがいいんだよ!
199通常の名無しさんの3倍:2006/05/26(金) 17:47:54 ID:???
シンメイ最高
200通常の名無しさんの3倍:2006/05/27(土) 01:56:24 ID:???
200
201通常の名無しさんの3倍:2006/05/28(日) 02:40:26 ID:???
保守
202通常の名無しさんの3倍:2006/05/28(日) 11:57:06 ID:???
保守
203通常の名無しさんの3倍:2006/05/30(火) 19:48:28 ID:???
永遠にシンメイ
204通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 09:01:18 ID:???
保守
205通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 20:32:07 ID:???
保守
206鬼を愛する人:2006/06/04(日) 05:24:18 ID:???
「やっと終わった〜〜〜〜〜!」
チャイムと共に背伸びをするシン
「今回はシンもがんばったもんな」
ヴィーノがシンの肩に手を置いてそう言った

今日は約一週間の試験期間の最終日
そして今最後の試験が終わったのである

「そうだよ、毎晩メイリン先生のタイマン授業はきつかったぜ〜」
ポコッ、シンは誰かに頭を小突かれた
振り返ると頬を少し膨らませたメイリンが立っていた
「その言い方ひどくなーい?シンが教えてって言うから行ってあげてたのに!」
「ゴメンゴメン;でも毎晩来いとは言ってなかっただろ」
メイリンは少し顔を赤らめ
「シンみたいなバカはあれくらいやらなきゃダメなの!」
「!、誰がバカだって!」
「シンのバカ!」

「はいは〜いストップストップw」
興奮する二人の間にヨウランが割って入った
ぷいっと反対を向くシンにあっかんべーするメイリン
そんな二人を呆れたように見ながらヨウランが言った
「みんなよく頑張ったよな、って事で今日は俺の部屋でパァーッと打ち上げでもやりますか♪」
「いいねいいねー★」「やったー♪」
とノリノリのヴィーノとメイリン

メイリンは教室を出ようとするレイの方を見て
「レイも来るでしょ打ち上げ☆」
レイは立ち止まり軽くこちらを向いて
「すまない、今日は議長と食事に行く約束がある」
と言って行ってしまった
「ちぇー」
メイリンは少しつまらなそうな顔をしたがすぐに振り返り笑顔で言った
「シンは来るよね♪」
シンは考えるように
「今日はルナに飯誘われてんだけど・・・」
「いいじゃない私たちも行きましょ★」
そう言いながらルナマリアが教室に入ってきた

「よし決定!んじゃ4人とも8時に俺の部屋集合な★ヴィーノ酒買いに行くぞ」

こうしてシン、ヴィーノ、ヨウラン、ルナマリア、メイリンの5人は
今夜ヨウランの部屋で打ち上げをすることになった
207鬼を愛する人:2006/06/04(日) 05:29:52 ID:???
部屋に戻ったシンはだるそうにベッドにダイブした
試験で今までにない手ごたえを感じたのが嬉しくてにやけている
「これもメイリンのおかげだ」
心の中でそう呟くと最近毎晩夜遅くまで勉強していた疲れが溜まっていたのかそのまま眠ってしまった

シンが次に目を覚ました時には部屋はもう真っ暗だった
ゆっくりと起き上がり部屋の明かりをつけ時計をみた
「10時か・・・・・・・・・・・・・・やべっ;」
シンは無造作にフリスクを口に放り込みヨウランの部屋へ向かった

インターホンも鳴らさず部屋に入るとそこにはテーブルを囲み酒を片手にはしゃぐ3人と床で眠っているヴィーノがいた
「おせーよシン!」
「なにしてたのよシン!」
「シーーーン♪」
メイリンが飛びついてきた
このメンバーで飲んだことは今まで何回かあり
メイリンが酔うとシンに甘えてくるのはいつものことなので
適当に頭をポンポンっとしてヨウランとルナマリアを方を見た
ヨウラン、ルナマリアは顔こそ赤いもののあまり酔っていないようだ
この2人は結構強い

「悪い悪い最近寝不足だったから部屋で寝ちゃってた;」
「まったく・・・いいからこっち座りなさいよ」
ルナマリアが手招きする
シンは寝ているヴィーノをどかしてテーブルに着いた
ヴィーノは酒が弱く、酔うといつも寝てしまうのだがさすがに今日は早すぎる
シンが不思議そうにヴィーノを見ながら言った
「こいつ・・・」
するとヨウランが
「ああ、ゲームで一気飲みしすぎたんだよ」
シンが聞き返す
「ゲームって?」
ヨウランはニヤリとして言った
「王様ゲーム☆」
「!」
シンは目を見開いた
「王様ゲームって、あの1番と2番がキスするとか言う王様ゲーム!?」
「そ」
「お、お前ら・・・;」
シンは3人を渋い眼差しで見た
「っていっても一気とかシッペとかしかしてないけどね☆」
ルナマリアがそういうとシンは一瞬ほっとした態度をとった
208鬼を愛する人:2006/06/04(日) 05:41:36 ID:???
「ねー、シンもしよーよ♪」
メイリンがシンの腕をブラブラしながら言う
「よし、じゃあゲーム再開!」
ルナマリアが4本の割り箸を目の前に突き出して言った
「ちょ、俺まだ酒も飲んでな・・・」
シンが言おうとしたがヨウランメイリンの箸を取る素早い動きにあ然とした
しかたなく自分も箸を取る
(1番か)
他3人は自分の持っている箸をみてニヤニヤしている

「「「王様だーれだ!」」」

「はーい★」
ヨウランだ

「うっしっし、どーしよっかなー♪」
不敵な笑みを浮かべている

「1番と〜、3番が〜」

シンは自分の番号が呼ばれドキっとした
あまり酒が強くないので一気とかはイヤだなーと思っていた
するとメイリンが手を上げて言った
「王様!シンも来たことだしそろそろ恥ずかしいの行っちゃおーよ☆」
ルナマリアも続けて言う
「さんせー★」
ヨウランもその気になって
「よーーーーし!」
シンは「シンも来たことだし」に突っ込もうとしたが
ヨウランは王様なので1番はルナかメイリンのどちらかということに気づき
それならいいか//と思い指令を待った

「1番と3番が〜」

「「「ゴクリ」」」

「キス!」
209鬼を愛する人:2006/06/04(日) 05:46:03 ID:???
「キャー//」
とはしゃぐルナマリア

「ほんとにー?//」
と不安そうなメイリン

シンは無言で目が泳いでいる

「1番だれー♪」
ヨウランが言うとシンが無言のまま手を上げた

「3番はー?♪」
シンは今にも心臓飛び出そうだった
ファーストキスの相手が今決まろうとしているのだから
しかも2人とも今まで彼氏がいたなんて話は聞いたことが無い
きっと向こうもファーストキスだと思うと緊張せずにはいれなかった

「3番だれ?」
もう一度ヨウランが聞くと3番は顔を赤らめ手を上げた

「はい・・・//」
メイリンだ

はしゃぐルナマリアとヨウラン
顔を赤くして恥ずかしそうなシンとメイリン

シンはメイリンに向かって緊張をごまかすように言った
「メイリンが「恥ずかしいの」とか言うからだぞ;」

メイリンは上目遣いで言い返す
「まさかキスって言うと思ってなかったんだもん//」

そうしてもじもじする二人を見てヨウランルナマリアが言う
「「王様の命令は、絶対!」」

「わかってるってば//」
シンはその言葉で本当にキスするんだと再認識した
そして覚悟を決めたシンが皆にばれないようにこっそり唇を舐めたその時

「どこにすればいいの?」
メイリンがヨウランに聞いた
(はぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!)
シンは心の中で叫んだ
(キスって言ったら口と口だろ!!!ちくしょーーーー!!!)
(!待てよ、ヨウランの事だ、どうせ口って言うに決まってる!へへ☆)
210鬼を愛する人:2006/06/04(日) 05:50:30 ID:???
「おーまーかせ、おーまーかせ」
沸き起こるおまかせコール
(あんたって人はぁ〜〜〜〜〜!!!)

その時シンの胸を指でつつきながらメイリンはたずねた
「シンどこがいい?」
「え、お、俺はどこでも;」
「・・・・じゃあシンがして、ハイ」
そう言うとメイリンはこちらを向いて目をつぶった
シンは戻っていた顔色をまた赤くした

鳴り止まないおまかせコール
(どーする)
(メイリンはほっぺとかおでこにすると思ってるんだろうな〜)
(でもこっちを向いてるってことは口でいいのか?)
(いや口なんかにしたら引くよな〜)
(ファーストキスが俺とかいやだろうな〜)
(てかこいつカワイイ!//)
(やっぱ口にしたい!)
「ど、どこでもいいのか?;」
メイリンは目を閉じたままうなづく
「うん//」

☆シュパーン☆
シン種割れ
「メイリン・・・」
シンは呟き左手はメイリンの首、右手は顎にそえて、そっと顔を近づける
そして・・・

「!!!」

メイリンは閉じていた目を開いた
ヨウランルナマリアは思わず「わあ!」と声を上げた
しかしシンは気にすることなくキスを続ける
しかもただ唇をあてるだけではなくゆっくり動かしてるではないか

そんな事は命令していないと思いながらも見入るヨウラン
その時ヨウランは確かに聞いた「メイリンずるい・・」と呟くルナマリアの声を・・・

そしてとうとうシンが舌をメイリンの口の中に忍ばせたその時
半泣き状態のメイリンは思わずシンの胸をグーでタップした
そこで我に返ったシンはすぐにメイリンから顔を離した
「ご、ごめん!//」

メイリンは涙目で
「ううん・・・//」
211鬼を愛する人:2006/06/04(日) 05:53:16 ID:???
しばしの静寂

「いやー、グッジョブグッジョブ!;」
ヨウランが突破口を開いた
「いやー2人ともすごかったな〜、なんか今日はおなかいっぱいだ;眠いしそろそろお開きにするかな;」
「ヨウラン寝てていいわよ」
「へ?」
「メイリン、シン、まだやるわよね王様ゲーム☆」
メイリンは笑顔になってゲーム前のようにシンにしがみつきながら
「やる//」
シンは不思議そうな顔をして
「いいけど、3人でやって楽しいのか?」
「楽しいの!//」
ルナマリアは少し赤くなって言った
ヨウランは呆れたように笑いながらシンの部屋で寝ると言って部屋を後にした

こうして3人の王様ゲームは朝まで続いたとか続いてないとか
真実を知っているのは、終始寝たふりをしてうす目で見ていたヴィーノだけである
212鬼を愛する人:2006/06/04(日) 05:56:55 ID:???
初めて書いたので見苦しい点が多々あると思います
すいません
いつか鬼ジュールさんのように上手になりたいです
―― アカデミー女子寮

メイリンは自室のモニターでテレビを観ていた。
今丁度はまっているドラマがあるのだ。
同室のルナマリアは来週のテストがヤバイからと言って寮の学習室に篭っている。
メイリンも来週テストが控えているのだが、勉強は取り敢えずこのドラマは観る事にして、終わったら頑張るつもりだ。
何せ今日は中々くっつかず、ヤキモキしていた二人が漸く両思いになってキスまでしてしまう回なのだ。
先週の予告を観てからどれだけこの時を待ちわびた事か。
ベッドの上で大き目のクッションを抱えてじっと食い入るようにメイリンはドラマを観ていた。
と、その時。

ビ――――――。

部屋のブザーが鳴った。
気になるところなのに!と、思ったが、ルナマリアが帰って来たのかもしれない。
仕方なく扉のロックを外しに行くと、扉の向こうに現れたのはシンだった。

男子寮と女子寮の人間の行き来は22時まで許されている。
その為21時を過ぎた所である今、シンが現れても問題は無い。
まさかシンが現れると思っていなかったメイリンは突然の事にテレビの事も忘れて瞬きをした。

「ど、どうしたの?」

すぐに自分の格好が部屋着である事に恥ずかしくなったのだが、シンは自分も部屋着という楽な格好の為一向に気にした様子を見せなかった。

「ルナのデータ借りようと思って。先週の授業のデータ俺消しちゃって。今日はレイ外泊日だしルナなら持ってるかと思って」
「お姉ちゃん今学習室にいるんだよ。機体構造の何とかが分かんないからって」
「それだよ!俺が借りたかったの!うわー。使ってるんだ、今」
「パイロットは大変だねぇ。もう一時間もしないで戻って来るから、部屋で待ってる?」
「・・・・・データ無いと何も出来ないし、待ってる」

シンは暫く考えた後、頷いて中に入る。
と、ここでCMが終わり、本編が始まった事に気付いてメイリンはシンを招き入れる事も忘れて部屋に戻る。

「何観てたんだ?」
「静かに!今日いい所なんだから!」

カーペットに座り込み手元にクッションを引き寄せて語調強く言うと、シンはそれ以上は言わずにメイリンのベッドに腰掛けると他にする事も無いので一緒に観る。
ハラハラドキドキする展開にメイリンは思わずクッションを抱き締め、主人公になりきっているのか、テレビで主人公の女の子が衝撃を受ける度にメイリンもまた体を動かす。
テレビを観る視界にメイリンの頭が見えるシンとしては、どちらかというとメイリンの動きの方が気になって仕方ない。
そして面白い。
どうしてそんなに感情移入が出来るのかシンにはさっぱり理解が出来ないのだが、メイリンにとっては夢中になれるらしい。

「あっ。あ――――――!駄目だよ!そこで帰ったら擦れ違っちゃうよ!」
214鬼ジュール:2006/06/04(日) 12:20:24 ID:???

おまけに何か叫んでいる。
メイリンとしては、男の子に恋愛ドラマを観ている姿を見られるのが恥ずかしくて、その恥ずかしさを誤魔化す為に声を上げたりしているのだが、メイリンとドラマを観た事のないシンにはそのメイリンの恥ずかしさは通じない。
と、メイリンは此処に来て今日はラブシーンがある日だと言うことを思い出した。
そんな恥ずかしいシーンを男の子と二人で観るのは抵抗がある。

「シンはもう見ちゃ駄目」
「はぁ?」
「だって、毎週観てなかったんでしょ?」
「でも此処まで来たら気になるだろ」
「だってだって!今日は・・・・・」
「今日は?」

ラブシーンがあるなんて言えない!!!

真っ赤になってメイリンは言いたくても言えない気持ちに、どうすればいいのか混乱する。
再びCMに入り、メイリンはシンを振り返ると抱き締めていたクッションで殴る。
突然攻撃されたシンは何が起こったのか分からず、しかしメイリンの顔が異常に真っ赤なのでメイリンのクッションを掴んで攻撃を止めさせるとずいっと顔を近付けた。

「熱があるんじゃないのか?」
「な、無いよぉ!」
「首まで赤いぞ?」

額に手を置いたシンの手が、自分の物とも姉の物とも違って大きくて少しごつごつしているのに緊張する。
掌を当てただけでは分からないのか、シンが眉を寄せて悩んだ後、今度は手の甲をメイリンの額に当てて首を傾げるとメイリンは益々恥ずかしくなった。

「ほら、やっぱ熱いって」
「熱くないもん!今日はちょっとドラマでラブシーンがあるから・・・・!」

思わず勢いで言ってしまったメイリンに、シンは何の関係があるのだろうかと疑問の表情を見せる。
口に出してしまった方のメイリンは恥ずかしさに消えたくなる。

「・・・・・興奮してるとか?」
「馬鹿―――――!」

信じられない!女の子にそんな事言うなんて!

メイリンはシンの肩を思い切り跳ね飛ばすと、CMが終わった事に気付いて再びテレビに向き直った。
しかし後ろのシンの事が気になってドラマの内容がしっかりと頭に入らない。
それでも画面の中で漸く主人公の男女が巡り合い、抱き締め合う頃にはメイリンは再びシンの存在を忘れて自分も主人公になりきって、クッションを抱き締めてしまう。
そしてキスをする・・・・と、いう所で。

「キス位でなぁ」
215鬼ジュール:2006/06/04(日) 12:21:33 ID:???

と、背後のシンが妙に冷めた声で呟き、メイリンもまた急に現実に引き戻されてしまう。
折角相手役の格好いい男性とのキスシーンに夢を馳せようと思っていた所を邪魔されたのだ。
キスシーンで来週に続く流れになっていたのか、エンディングロールが流れ始めると、メイリンは後ろのシンを涙目で睨み付けた。

「シンの馬鹿!あたし毎週楽しみにしてたのに!此処まで来るのに大変だったんだから!」
「でもキスひとつで此処まで伸ばす必要は無かっただろ」
「キスなんてした事無い癖に!」
「・・・・・!キス位簡単に出来るだろ!」

女の子にとっては大事な行為を簡単に出来ると言われてメイリンは更に腹が立った。
思わずベッドの上に上がり、シンと膝を突き合わせるようにして向かい合うとベッドカバーを手で叩いた。

「じゃあシンは女の子にどうやってキスするのよ!やってみてよ!」
「は!?何で!」
「キス位って言っちゃうなら出来るんでしょ!」

それとも口だけなの!?

怒りに任せて自分が何を言っているのか冷静に分析出来ていないらしい。
メイリン本人のイメージの中では「キスまでの流れやシチュエーションを説明してみろ」という意味で言っているのだが、その言葉を受け取るシンとしては言葉そのままに「今此処で自分相手にしてみろ」と、言っているのだと解釈してしまう。
当然メイリンの言葉の方が間違えているのだが、メイリン自身がそれに気付かない。
シンは女の子に「口だけなの?」と言われて腹が立ち、勢いに任せてメイリンを抱き寄せる。
此処に来て漸く自分の過ちに気付いたメイリンは突然のシチュエーションに逃げるようにシンの肩に手を置き突っ撥ねる。

「やだ!そうじゃなくて!」
「メイリンが言ったんだろ!逃げるなよ!」

「やだやだ!あたしファーストキスまだだもん!」

この一言にシンも固まる。
女の子はファーストキスはシチュエーションやら大事にするのだと以前ヨウランに説明された事がある。
その時は聞き流していた言葉だが、腕の中のメイリンが涙を目に浮かべて必死に抵抗するのを見て改めて実感してしまう。
しかし此処で止めるのは男としてどうなんだ?という思いもあり、顔は近付けないまでもメイリンを抱き寄せた手を放すかは悩んでいた。

「ただいまー。もぅ終わんなかったぁ」

扉が開く音がしてルナマリアの声が聴こえる。
此処できっかけを得たシンはメイリンを抱き寄せた手を放すと徐に立ち上がってルナマリアの元に向かう。

「あれ?シン来てたんだ。もう時間よ?」
「分かってる。機体構造概論の先週の授業データ貸して。レイ、今日外泊日だから居ないんだ」
「いいケド。本当にデータ拾って集めただけだからまとめてないわよ?」
「いい。それ位自分でする」
216鬼ジュール:2006/06/04(日) 12:23:35 ID:???
データディスクを受け取るとシンはそのままドアに向かう。
ルナマリアはなんとなくその後姿を見送っていたのだが。
「お邪魔しちゃった?」
シンの顔が真っ赤になっていたのが気になって背中に声を掛けるとシンの背中がピクリ、と、揺れた。
図星かなと、ルナマリアが口元に笑みを浮かべたが、次にシンが寄越した言葉にそれ以上の何かを想像させられる。

「助かった。メイリンに謝っといて。ゴメンって」
「ちょっ!シン!アンタ何したのよ!」

しかし、シンはその言葉には応えず外に出ると一気に走って男子寮に戻る。
ルナマリアは慌てて部屋に入ると、メイリンは自分のベッドの中に入ろうという所だった。

「メイリン!?シンに何かされたの!?」
「・・・・されてない」
「だって今、シンがアンタに『ゴメン』って言っといてって!」
「・・・・・・・ドラマ観てるの邪魔されたから。それじゃないのかな。もう寝るね」

おやすみ。

メイリンはルナマリアに背を向けるように横になると、ルナマリアは小さく「何かあったら絶対に相談しなさいよ?」と、言い聞かせるように呟いてから机に戻る。
メイリンはベッドの中で自分を抱き締めた。
男の子の中ではシンは細身の方だが、メイリンよりも大きくて、がっしりとしていて。
突き飛ばしたら直ぐに離れられると思っていた体はメイリンの力ではピクリともしなかった。
背中に回された手の圧力がまだ掛かっているように熱い。
頬に掛かり、耳を擽る吐息がくすぐったくて体中が火照ってしまった。

そして、近くで見ると吸い込まれそうな深紅の瞳が頭から離れなくて、もっと見て居たかったと思ってしまう。

胸がドキドキして収まらない。
シンも立派な男の子だと思い知らされて恥ずかしくなる。

思い返すと、もっと抱き締められたかったかもしれない。
安心させられる腕の強さに身を任せたかったかもしれない。
キス、されても良かったかも・・・・・しれない。

そう思い立った瞬間、メイリンは自分の考えに唐突に何かにぶつかった。


あたし、シンの事好きになっちゃったかもしれない。


メイリンは結局シンに抱き締められた手を忘れる事が出来ず、夜明け近くまで眠る事が出来なかった。


<終>
217鬼を愛する人:2006/06/04(日) 12:53:49 ID:???
GJGJ!やっぱり鬼さんは最高っすね!
胸キュンってなるし読みやすい!
自分の下手さが恥ずかしいorz
218通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 14:35:35 ID:???
そんなうざい二人はここへどうぞ。

http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1148044496/
219通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 22:13:04 ID:???
久しぶりに来てみたら………とっても良かったです!
220鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:12:37 ID:???
下手だし内容も微妙ですが一応投下します
221鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:14:08 ID:???
季節は真夏
ギラギラ照りつける太陽の下、午前の訓練を終えて汗だくになったシンが一人で歩いていた
訓練中教官に反抗したため居残りで罰を受けさされていたのだ

「くそっあの野郎、限度ってもんがあるだろ」
かなりきつい罰だったようだ、ぶつぶつと愚痴をこぼしながら歩いている
「それにしても熱い〜〜〜」
今日は特別暑い、常人なら日射病で倒れてもおかしくない暑さだ
「早く部屋にかえらないいと・・・」
そうつぶやくと少し早歩きになった

ふと横を見ると女子寮があった、ということは男子寮までは少し距離がある
シンは迷わず女子寮に入っていった

向かった先はもっとも仲の良い女友達であるホーク姉妹の部屋だ
ブザーを鳴らす
ビ――――――。

すぐに扉は開いた
ひんやりとした空気と共に出てきたのはメイリン
「シン・・・どうしたの?一人?」
「入るぞ」
「ちょ;」
シンはメイリンをどかして中に入った
そしてルナマリアのベッドにうつ伏せに身を投げた

「あ〜疲れた〜〜〜〜〜涼し〜〜〜〜〜〜」

それを見てメイリンはゆっくりと自分のベットに歩みより腰掛けた
「そんな汚い格好で寝てたらお姉ちゃんに怒られるよ〜」
「ルナは?」
「とっくに帰ってきて今シャワー浴びてるよ、シン今まで訓練してたの?」
「そーだよ、バカな教官にバカって言ったら特別訓練してくれたんだ」
「も〜また〜?いいかげん教官にまですぐキレるのやめなよ〜」
「バカにバカって言って何が悪いんだよ」
「・・・・・バカ」
「いいから何か飲み物無い?ノーリーズンとか」
「?」
「あ〜コーラコーラ」
「ノーリーズンって;はいはい」
そう言うとメイリンはキッチンへ向かった
222鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:18:16 ID:???
シンはゴロンと仰向けになった
「さーて昼から何するかなー」
そう呟いた瞬間、驚いたように自分の名前を呼ぶ声が聞こえた
「シン!」

「ん?」
シンが声のする方に首を動かして見るとバスタオル一枚を体に巻いたルナマリアが立っていた
シンは刺激的なルナマリアの姿を見てあたふたした
「ル、ルナ;」
しかしルナマリアは気にした様子も無くその格好のままこちらに早足で近づいてくる
「あんたそんな汚い格好で人のベッドに寝てんじゃないわよ!」
そう言いながらベッドまで来ると強引に腕をつかんでシンの体を起こす
「わ、わかったよ;」
シンはゆっくりベッドから降り、近くの椅子に座った
ルナはベッドを眺めなている
「まったくもう、またシーツ洗わなきゃ・・・」
「・・・ってかルナ、お前そのかっこ;」
「え?」
ルナマリアは首を曲げて自分の姿を見て赤面した
シンが汚い格好で自分のベッドに寝てる事に気をとられ、自分が今バスタオル一枚だと言う事を忘れていた
しかもシンを強引に起こそうとしたため少しはだけており、かなりきわどい姿になっていた

「え;あっ;・・・スケベ!見るな!」
慌ててきわどい部分のタオルを押さえる
シンはため息をつきながらに後ろを向く
ルナマリアは足早にバスルームの方へ消えた

「だから怒られるって言ったじゃん〜」
ルナマリアと入れ違うように氷の入ったコーラを2つ持ったメイリンがやってきた
「うん;」
メイリンは片方のコップをシンに差し出す
「はい」
「サンキュ♪」
シンはコップを受け取り、ゴクゴクゴクゴクフー、一気飲み

メイリンはルナマリアのベッドに座ってコーラを飲みながらシンの方を向いた
「シンもシャワー浴びてきたら?汗いっぱいかいてるみたいだし気持ち悪いでしょ?」
「え・・・うん、そうだな」
「どうせお昼ご飯もまだでしょ?お腹へってる?」
「うん、ペコペコ」
「あたし達もまだなの、シンが出てくるまでに作っとくから一緒に食べよ、何食べたい?」
「なんでもいいよメイリンが作るものなら」
「え//」
メイリンは意外な言葉にドキッとした

「あーでも麺類がいいかな・・・」
「・・・じゃあシンの好きなミートソーススパゲッティにするね☆」
そう言うとメイリンは嬉しそうにキッチンへ向かった
223鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:21:20 ID:???
「もういいわよ、入ってきたら」
メイリンと入れ違いに服を着たルナマリアがやってきた
「あ、ああ」
シンは立ち上がりバスルームの方へ歩き出した
そしてルナマリアとすれ違おうとしたところでルナマリアに声をかけられた
「シン・・・」
「ん?」
シンは立ち止まった
「さっき、あの、見えて・・なかったよね?//」
「何が?」
「だからさっきバスタオルで・・・//」
「ああ;大丈夫何も見えてなかったよ」
「そっか」
ルナマリアはホッと胸をなでおろした

「でもルナも女だなーって思ったよ」
「え//、ちょ、それどーゆう意味よ!?//」
「シャワー浴びてくる」
「ちょっとシンってば!//」
シンはルナマリアを無視してバスルームに消えた


シンはホーク姉妹の部屋にはよく来るのだがバスルームに足を踏み入れるのは今日が初めてだった
ルナマリアがさっきまで入っていたので脱衣所は石鹸の香りが充満していた
シンはついルナマリアのシャワーシーンを想像してしまった
自分で想像して自分で赤面している
シンは気を紛らわすかのように乱暴に服を脱ぎ捨てて中に入った
そこにはメイク落しや洗顔料など自分のバスルームには無いものが色々とあった
本当は興味深深なのだがまた余計な想像をしてしまうかもしれないので
とりあえずシャンプーを手に取り手早く頭を洗った
リンスはせずに、体を洗おうと体を洗う用らしきスポンジを手にとり陰毛チェックを行った
これであの姉妹は体を・・・などと想像をしながら何とか体を洗い終えた
脱衣所に出たシンは体を拭いて着替えが無いことに気づいた
汚れまみれの服をもう一度着てはシャワーを浴びた意味が無くなるので仕方なく腰にバスタオルを巻いて部屋に戻った


部屋ではもうスパゲッティを盛り付けてシンを待っている2人がいた
「早かったね。ってシンその格好//」
「ちょっとやだ//」
二人ともシンの姿に恥ずかしがるものの目線はそらさない、ルナマリアは少しにやけている
224鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:22:11 ID:???
「しょーがないだろ着替え無いんだから」
「でもずっとそのままでいるわけにはいかないでしょ」
「そりゃそうだけど・・・」
「困ったね;」
「何か服貸してあげたいけど私達のじゃサイズがねー;」
「あ、お姉ちゃんぶかぶかのTシャツとジャージ持ってなかった?」
「あったっけ?ちょっと探してみる」
ルナマリアは立ち上がりクローゼットへ向かった

ガサゴソ、ガサゴソ
「・・・あった!」

確かにルナマリアにしては大きいTシャツとジャージだ
「あれならシンも着れるね」

「はい」
「サンキュ」
ルナマリアに手渡されシンはその場でTシャツを着てバスタオルの下からジャージを履いた

「丁度じゃない!」
「うん、ぴったし!」
「よし、んじゃもう飯食っていい?さっきからいい匂いしすぎなんだよこれ」
そう言いながらシンはテーブルについた
メイリンは嬉しそうに言い返す
「どうぞ♪」

「いただきまーす」
よっぽどお腹を空かしていたのだろういつも以上にがっつくシン
そんなシンを見て二人は顔を見合わせて笑った
しかしメイリンはあんまりガツガツ食べるシンを見て「もうちょっと味わってよ」と言おうとしたが
「やっぱメイリンのミートソースは最高だな」
と言われ言うのをやめた
「ホントに?♪」
「うん、うまいよ」
「へへ〜♪」

そしてあっという間に完食
「ごちそーさま、うまかった〜」
メイリンは嬉しそうに
「またいつでも食べに来ていいからね☆」
「うん」

そう言うとシンは自分の食器を持って立ち上がろうとしたがメイリンがそれを止めた
「いいよシン、置いといて、あたしがするから」
メイリンとルナマリアは少し驚いた
今までシンが自分で食器を洗ったことなんてなかったからだ
225鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:23:48 ID:???
「めずらしいわね、どうしたの?」
「いや、たまにはこれくらいしないと、と思って・・・ほら俺いつもお前達に世話になってばっかだろ?俺はお前達に何もしてやってないのに・・・」
「「シン・・・」」
二人はシンがそんなふうに思ってくれてた事に驚き、そして喜んだ

「だからこれくらいはやらせてくれよ」
そう言うとシンは再び自分の食器を持って立ち上がった
今度は二人とも止めない
「じゃあお願い」
メイリンがそう言うとシンは少し微笑んでキッチンに向かった
そして流し台に食器を置くと戻ってきてメイリンのベッドに横になりテレビをつけた

((あ、運ぶだけなんだ;))
二人は、洗わないんかい!っと心の中で突っ込みつつやっぱりシンはシンだなと思った


そうしてる間にメイリンとルナマリアも食べ終えた
「メイリン、洗い物は私がするからあなたは休んでなさい」
「うん、ありがと」

メイリンは洗い物をルナマリアにまかせ、シンが横になっている自分のベッドの上に座って一緒にテレビを見だした
するとシンが、自分の足元の方にいるメイリンの方をチラッと見て上半身を起こした
「あ、ごめん、メイリン横になりたいのか?」
「ううん、座っとく、食べてすぐ横になったらブタになっちゃうもん」
「そっか」
シンは鼻で笑いながら体の向きを変え、頭をメイリンの膝の上に置いて横になった

「なあ、お前ら昼から何するんだ?」
今日の訓練は朝までで昼からは休みになっている
メイリンは下を向き膝枕しているシンの顔を見て答える

「お姉ちゃんは買い物行くって言ってたけど」
「メイリンは?」
「私は、どーしよっかなー、シンは?」
「レイは勉強するって言うしヨウランやヴィーノは釣りに行くって言ってたし暇なんだよ」
「そっか、シンも釣り行ってくれば?」
「いいよ、もう行ってると思うし、今日はあんまり動きたくない」
「とか言って釣り苦手なんじゃないの〜♪」
「あ!?」

そう言うとシンは飛びおきてメイリンの前に立ち両手をいっぱいに広げた
「俺はこんなでかい魚を釣ったことがあるんだぞ!」
「本当に〜?」
「本当だ!ヴィーノ達に聞いてみろよ!」
「わかったよ;ごめんね、ほらおいで」
そう言いながらメイリンは自分の膝を両手で軽くパンパンっと叩いた
シンは少しすねたような表情で横になり再び膝枕をしてもらった
226鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:26:43 ID:???
「怒ってるの?」
「別に」
メイリンはシンの頭を触る
「も〜、すぐすねるんだから」
「別にすねてない」
「しょうがないな〜今日はあたしが一緒に居てあげるよ♪」
「・・・うん」
「なにその返事ー、もう膝枕してあげないよ〜」
メイリンがシンの頭をどかそうとした
「ちょ;」
シンはメイリンの腰と太ももをつかんで抵抗した
それを見てメイリンは笑ってどかすのをやめた
「フフ、ほんとシンって膝枕好きだよねー」
「メイリンこそするの好きだろ」
「だってシン子犬みたいでかわいいんだもん」
「な//」
「だらしないしすぐ怒るし手のかかる子だけど、なんかほっとけないのよね、私もお姉ちゃんも」
「へー//」


「さてと」
その声と共に洗い物を終えたルナマリアが部屋もどってきた
出かける用意をしている
「あ、お姉ちゃんもう行くの?」
「うん、メイリンとシンは?一緒に行く?」
「ううん、私はいいや」
「俺も」
「そう、じゃあ行ってくるね」
「気をつけてね」
「うん、じゃあねシン」
「うん、ナンパとかについて行くなよ」
「はいはい、いってきまーす」
ルナマリアは部屋を後にした


メイリンはシンを見下ろす
「さあ私達は何しよーか?」
「う〜ん、あ、そういえば今日ってメイリンの好きなドラマがある日じゃなかった?あれ見よう」
「うん、でもあれは夜だよ?そんな時間までいるの?」
「だめならいいけど」
「全然ダメじゃないよ;でも夜ご飯の材料が足りないと思うの」
「んじゃ後で買いにいこーぜ」
「バイクで?☆」
「うん」
「んじゃそのままどっか行こうよ川とか海とか♪」
「うん、後でな」
「うん♪」
でもこのまま部屋でごろごろするのも悪くないと思う二人だった
227鬼を愛する人:2006/06/05(月) 15:31:09 ID:???
――――――――――終わり―――――――――――
228通常の名無しさんの3倍:2006/06/05(月) 17:04:01 ID:???
GJ
でもなんか、シンがあまりにも無神経過ぎじゃね?
229通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 01:12:46 ID:???
鬼を愛する人さんよかったです
メイリンがシンを宥めるところが萌えますた
GJ
230通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 08:37:53 ID:???
GJとしかいいようがないよ
231通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 11:09:31 ID:???
保守
232通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 23:22:16 ID:???
保守
233通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 00:00:28 ID:???
保守
234鬼を愛する人:2006/06/12(月) 00:16:28 ID:OBWvLEP9
みんなも書きませんか?フタリデカクノハチョットサビシイヨ・・・
235通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 00:56:23 ID:???
ですよね・・・描きたいけどかけない・・・
シチュとか台詞とか思いつかない
236通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 07:11:46 ID:???
保守するぜい
237通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 01:07:04 ID:???
保守
238通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 18:24:31 ID:???
守ってみせる
239通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 07:06:37 ID:???
支援保守
240通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 10:26:08 ID:???
保守

「あ、そうだ。この間はありがとうね、レイ。メイリンすっごく喜んでたから」

先程までの授業の話が終わったかと思うと、突然ルナマリアがそう切り出した。
シンは何の事やらわからず、ルナマリアを見て、それからレイに視線を移した。

「メイリンがどうかしたのか?」
「あの子この間の12日が誕生日だったのよ。で、レイがケーキとプレゼント寮まで持って来てくれたのよ。あの日は直ぐにレイ帰っちゃったし、それからテストだったでしょ?お礼言うの忘れてて」
「門限の一時間前に思い出したから渡すのも10時ギリギリだったんだ。渡して直ぐに帰ったんだが・・・。そうか、喜んでいたならそれでいい」
「本当にごめんね、今日になって。メイリンからは誕生日にお礼言っといてって言われてたのに」
「いや、俺もテストで忘れていた。気にしなくていい」

すっかり会話に取り残された感のあるシンだったが、会話が一段落ついてから気づいた。

「は?メイリン・・・誕生日だったのか?」
「そうよ。あんたより先に15歳になりました」

これで立派な成人です。
シンより先に大人になっちゃったの。

ルナマリア自身の事ではないのに、まるで自分の事のようにシンに対して威張ってみせる。
シンもそれには直ぐに気付いて「なんだよ」と、横目でルナマリアを睨んだ。

いや、此処で喧嘩をしても仕方が無い。

「俺知らなかったんだけど」
「知らなかったんじゃなくて忘れてたんでしょ?現にレイはプレゼントくれたんだもん。シンだけ聞いてないなんてないでしょ」
「それでも・・・・!」
「別に最近テストがあったし、忘れてたからって怒ってないわよ。ヨウランとヴィーノからも誕生日プレゼント貰ってたし、一人位忘れてても・・・」

そんなに忘れた忘れたと連呼しなくてもいいのに・・・と、シンは思わずじっとりとルナマリアを再び睨む。
そしてすぐに「それどころじゃない」と、慌てて眉間の皺を解す。
もう誕生日を過ぎてしまった事はどうにもならない。

プレゼント・・・と、思ったが、今日も課題が沢山出ていて外出する時間の余裕が無い。
それでは今度の休みの日に・・・と、考えてすぐに「そうしたらもっと遅れるよな」と、考え直す。
プラントに上がってそのまま飛び込むようにアカデミーに入ったシンの荷物は少なく、殆ど何も無い。
プレゼントになりそうな物など当然ある筈もなく、シンは頭を捻った。
242鬼ジュール(スミマセン):2006/06/19(月) 22:53:59 ID:???


「あーあ。あの子、シンからは何も貰ってないのよねぇ」
「ルナ煩い」
「口では何も言ってないけど、欲しがってるかもよ?」
「・・・・・・・・・そうかな?」
「多分ね」


追い打ちのようにルナマリアから催促の声を聞いてしまうと、つい本当にメイリンから強請られているような気がしてくる。
しかし何かを買いに行くような時間は無い。

それから放課後になるまでシンはずっと唸っていた。





―― 放課後 情報処理棟

メイリンは授業を終え、端末を鞄に仕舞っている所で廊下から駆けて来る足音が聞こえた。
その大股で走る音に何とはなしに耳を傾けていると突然自分のいる教室の扉が開かれた。
流石に通り過ぎると思っていただけに反射的に扉に目を向けると、何故かそこにシンの姿があった。


「シン?どうしたの?」
「ちょっと・・・・来いよ」
「何かあったの?」
「いいから!」

メイリンはシンに促されるまま慌てて鞄を締めるとぱたぱたとシンの元に向かう。
シンはメイリンが近付いて来ると直ぐに歩き出した。

「もう、ちょっとは待ってくれたっていいでしょう!」
「俺も忙しいんだよ!」

だったら用件を言ってからでもいいと思うー。

メイリンがそうぶつぶつ言うのを背中で聞きながらシンは唇を噛み締めた。

もう誕生日を一週間過ぎているというのに今更「誕生日おめでとう」なんて間の抜けた事は言えない。
しかし何もあげないと言うのも嫌だし、これが誕生日プレゼントだと気付かれないのも腹が立つ。

243鬼ジュール:2006/06/19(月) 22:55:57 ID:???


「パーラーで何か奢ってやる」
「どうしたの?突然」


だから、それはメイリンが誕生日だから!

と、思っても口にする事が出来ず、ずんずんとシンは歩いていく。
そしてパーラーに到着すると、メイリンは奢って貰う分には何の不満もないのか、普通にケーキセットを注文した。
シンはアイスコーヒーを注文して会計を済ませると外で二人で座る。

メイリンは苺のショートケーキを口に頬張ると幸せそうな笑顔を見せる。
女ってどうしてケーキが好きなんだろうと思うが、シン自身も嫌いじゃない。
いや、それでもメイリンのように蕩けそうな笑顔は見せたりはしない。

「ん〜幸せ!」
「・・・メイリンの幸せは間単に手に入っていいな」
「なによぉ!美味しいもの食べたらそれだけで幸せなんだよ?」

はいっ。

メイリンはフォークで少し大きめに取ったケーキをシンの前に突き出す。

「な、何だよ!」
「食べてみてよ、美味しいから」
「知ってるよ!」
「知ってるなら食べた方が幸せでしょ!」

だから、それは誕生日プレゼントのつもりな訳で・・・!
それに今食べたらそれは間接キスな訳で・・・・!

一人真っ赤になって慌てるシンに、メイリンは首を傾げて更にフォークを突き出す。
口元が緩みそうになるのを必死に堪えてシンは「仕方ない」という風を精一杯装ってぱくり。と、食べた。

「幸せ?」
「・・・・・・ちょっとだけ」
「良かったね」

だから、誕生日プレゼントのつもりなんだから俺が幸せになってどうする。

シンは己とメイリンに突っ込みを入れて、しかしどういう表情を見せればいいのかそれだけがひたすら困って憮然とした表情でケーキを飲み下す。
そしてメイリンがケーキを食べ終え、紅茶を飲んでいるのをシンは空になったカップを指先で弄りながら待っている。
と、そこでメイリンはカップに口を付けたまま上目遣いにシンを見ると、特に紅茶も飲まずに口を開いた。
244鬼ジュール:2006/06/19(月) 22:57:08 ID:???

「ありがとうね」
「んあ?」
「違った?これ誕生日プレゼントじゃないの?」

いつ気付いたんだろうとカップを弄る手が止まると、メイリンは紅茶を飲む。
そしてメイリンがカップから口を離すタイミングで「どうして?」と、尋ねると、メイリンは楽しそうにくすくすと笑った。

「他にシンが奢ってくれる理由が見つからなかったんだもん」
「・・・・・・・一週間も経ったから」
「でも、お祝いしてくれてありがとう」

これであたしも結婚出来るんだよねぇ♪

楽しそうに笑うメイリンの姿にシンは胸が痛くなった。
自分はまだ、大人じゃないから。
結婚なんて、出来ないから。

それだけでシンにはメイリンを好きでいる資格が無いと言われているようで気に食わない。

「悪かったな、俺は子供で」
「なによぉ。そんな事言ってないでしょ?」

これ以上言い争っているとそのまま喧嘩になりそうだったので、遮るようにシンは立ち上がった。
そしてメイリンを見下ろすと、「とにかく、誕生日おめでとう」と、不貞腐れるように言い放つとそのまま走っていった。

「ちょっと、シン!?」

後ろでメイリンの叫び声が聞こえたが、シンは振り返ろうとは思わなかった。


「・・・・・・・メイリンの馬鹿」


先に大人になってしまうなんて。


凄く、自分の誕生日まで待ち遠しくなってしまった。



<終>
245通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 23:20:38 ID:???
乙です!シンが子供っぽくていいw
246通常の名無しさんの3倍:2006/06/19(月) 23:27:39 ID:???
ちょwwwwメイリン萌えるwwww

GJ!
247通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 15:40:52 ID:???
鬼ジュール氏のお陰でどんどんシンメイにはまって行く…
248通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 22:21:08 ID:???
シン萌え
男の子の心理だな
249通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 17:48:00 ID:???
保守
250通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 14:14:50 ID:???
ほす
251通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 08:53:12 ID:???
鬼氏の作品結構読んだけどシンメイが一番好きかな
252鬼ジュール(保守がてら):2006/06/27(火) 21:45:02 ID:???
今シンはルナマリアとメイリンの部屋に遊びに来ていた。
とは言っても今部屋の主はメイリンしか居らず、ルナマリアはじゃんけんに負けてレイと共におやつの買出しに出ていた。
どんな話の流れだったかは忘れたが、門限までの時間ルナマリアとメイリンの部屋でのんびりしようとなったのだ。
明日は祝日で課題も少ない。
休日前の互いの寮の行き来は0時まで許可されている。
寮内に酒類は持ち込み禁止となっているが、少しだけなら多目に見て貰える事もある。
「お姉ちゃんお酒買ってこなきゃいいけど」と、メイリンは小さ呟いたがシンはそれには「どっちでもいいんじゃないのか?ルナはザルだし」とさして気にせず応える。

最初は二人きりのお留守番で他愛のない話をしていたが、話題が無くなると一気に室内は静かになる。
姉妹のベッドの間の絨毯に小さなテーブルを出して向き合っていた二人だったが、やる事も無い。
無理に話題を探さなくてはならないような関係でもないから静かにルナマリア達の帰りを待っていたのだが、次第にシンは眠気が襲って来た。
今日の授業は体術系の物ばかりだったのでとにかく疲れたのだ。
こっくりこっくりとゆっくりと船を漕ぎ始めるとそれに気付いたメイリンが顔を上げた。

「シン?」
「・・・・・・・ぁ?」
「眠いの?」
「・・・・・・・・・・ぃゃ・・」

言葉は否定しているが、反応の速度や強さは全く無い。
困ったメイリンは「ベッドで寝る?」と、もう一度聞いたがそれも否定された。
いつもこういう集まりの時には大抵真っ先にメイリンが眠くなり、シンが世話を焼く役割だった。
そしてメイリンは人に世話を焼いて貰う事はあっても人の世話を焼いた事は殆ど無い。
とにかく根っからの「妹」なのだ。
そういう訳で目の前でシンが船を漕いでいても一体どうすれば良いのか分からずおろおろとしていると、シンの頭がかくんっと突然大きく下がった。

「危ない!」

シンの頭がテーブルの角にぶつかりそう!

咄嗟にメイリンは両手を伸ばすと、シンの頭を受け止め、そして手の甲がテーブルの角に激しく当たった。
くっと顔を顰めたが、当然シンが頭をテーブルの角にぶつけて怪我をするよりずっといい。
と、同時にシンも鈍い音に反応して一気に覚醒する。

「は!?メイリン!?」
「いったぁぁぁぁい」

シンが目覚めた事で安心して痛みを訴えるとシンは直ぐに状況を理解してメイリンの両手を取って引き寄せた。

手の甲に綺麗にテーブルの角の形に真っ直ぐと伸びた赤い痕が見える。

「やっ」
「あ、痛い?」
「凄く痛い」
「悪い。俺も止められなくて」

どうすればいいだろうと、取り敢えず擦ろうとするが、僅かに触られるのも痛いようである。
253鬼ジュール:2006/06/27(火) 21:46:30 ID:???

「そうだよぅ。ベッドで寝る?って聞いたのにシンってば・・・・」
「仕方ないだろ、そんなつもりは無かったんだけど止まらなかったんだから」
「あ、やだ!動かさないで、痛いんだから!」
「ご、ごめん!」
「こんなの初めてだよぅ」

手の甲が両手揃って蚯蚓腫れするなんて。

半泣きになったメイリンがふぅふぅと手の甲に息を吹きかける。
二人の間にテーブルがある為、メイリンは膝を着いて前屈みになっていて体勢が苦しそうだった。
これで今は手が痺れてほんの少しも動かしたくないというのであればシンは仕方なく提案する。

「メイリン、もうちょっとこっちに来いよ。そのままだと辛いだろ?」
「やだぁ。動くと振動で痛くなるもん」
「大丈夫だって。こういうのって最初だけだし。ちゃんと俺が手、繋いでるから」

シンの好意はわかっているメイリンは渋々頷くと、小さく「意地悪して手を離さないでね」と約束してからメイリンはシンの隣に移動した。

「ほら、大丈夫だったろ?」
「・・・・・うん」
「本当にごめんな、メイリン」

もう一度謝ると、メイリンは恥ずかしそうに「いいよ」と、笑った。

そうして手の甲の痺れが取れた所でシンがメイリンの手の甲を撫でていると、遠慮がちに部屋の扉が開かれた。

「・・・・・ただいまぁ」

心なしか、ルナマリアの声が控え目なのはどうしてなのだろうか。
しかし待っていた人の声にメイリンは「おかえり〜!」と、大きく声を掛け、シンは「遅いぞ」と、不満を零した。
短い廊下を通りルナマリアとレイが室内に入ると、何故かシンとメイリンが手を握り合っていた。
254鬼ジュール:2006/06/27(火) 21:47:50 ID:???


「・・・・・・・ナニ、してたの?」
「シンがテーブルの角に頭ぶつけそうになったから手を伸ばしたらあたしが手を打っちゃって・・・」
「動かしたら痛いって言うから」

だからこんな事になってるんだと二人で説明すると、ルナマリアの後ろに立っていたレイが「ほら、やっぱり」と、小さく呟いた。

「やっぱりって?」

何の事なのだろうかとメイリンが首を傾げると、レイが呆れたように「ルナが二人が部屋でセ・・・・」と此処まで言った所でルナマリアが絶叫してレイの言葉を遮った。

「何でもないから!ほら!おやつ沢山買って来たわよ!!お酒も一人一本だけならあるし!」

こっそり二人きりの室内を外の通信機から声だけ拾って聞いて、一人で勝手に勘違いしていたとは知られたくなくてルナマリアは精一杯誤魔化した。
無自覚とはいえ、二人で上手い具合に怪しいとも取れる会話をしていたのが悪いと、それから自棄になったように一人豪快にルナマリアは酒を飲み干した。

そして手が動かせない事を理由にメイリンはシンに甲斐甲斐しく世話をさせ、ご満悦だった。



<終>
255通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 22:10:55 ID:???
GJ!やっぱシンメイ萌える
メイリンでも痛そうだ
256通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 22:55:42 ID:???
シンメイいいっすね!GJです!
257通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 23:16:00 ID:???
あげ
258通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 09:16:38 ID:???
うお、たしかに台詞だけ繋ぐと、怪しい内容になる・・・w
259通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 15:33:50 ID:???
保守します
260通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 22:01:18 ID:???
保守
261通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 02:03:50 ID:???
シン「ヤらせろ!」
メイリン「えっ・・うん」
262通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 02:11:10 ID:???
やりたいんです、やらせてください

って感じwシンの場合
263通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 00:41:59 ID:???
シンメイほーしゅ
264鬼ジュール:2006/07/05(水) 08:19:54 ID:???
シン「あ、あのさ・・・」
メイリン「なに?どうしたの?」
シン「(ヤらせて欲しいんだけど!←心の叫び)」
メイリン「?どうしたの?顔真っ赤だよ?熱があるの?」
シン「あ、いや、だから!」
メイリン「熱が出ると朦朧として発言が怪しくなるんだってお姉ちゃん言ってたよ!」
シン「いや、だから、そうじゃなくて・・・・!」
メイリン「ほら、もう寝なくっちゃ!体温計と食事と薬あとで持って行くから、部屋で大人しく寝てて待っててね!」

パタパタパタパタ・・・・・(メイリン走り去る)


シン「・・・・部屋で待ってたらチャンス来るのかよ・・・・?」



とか?
265通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 08:15:01 ID:???
またいいものが来ましたね、GJ!
266通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 17:07:16 ID:???
267通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 09:00:01 ID:???
シンやらせてください、とかいったら殴られそう
268通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 09:19:28 ID:???
あげあげ
269豚リン氏ね:2006/07/10(月) 11:50:18 ID:???
豚マリア&豚リンを殺すスレ
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1152200703/
270豚マリア惨めwww:2006/07/10(月) 14:59:18 ID:???
360 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2006/07/10(月) 13:04:30 ID:jwYOIkA1
〜13:00

1位 355票 真紅@ローゼンメイデン トロイメント
2位 191票 塚本天満@スクールランブルシリーズ
3位 186票 ナツキ・クルーガー@舞-乙HiME
4位 162票 市川まゆら@極上生徒会
5位 148票 メディア@ぱにぽにだっしゅ!
6位 138票 レヴィ@BLACK LAGOON
7位 127票 カミュ@うたわれるもの
8位 102票 ミルロ@ふしぎ星の☆ふたご姫シリーズ
8位 102票 カガリ・ユラ・アスハ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
10位 100票 ルナマリア・ホーク@機動戦士ガンダムSEED DESTINY ←負け犬m9(^Д^)プギャーーーッ
271ざまぁみろ尻軽性悪豚マリアwww:2006/07/10(月) 16:26:17 ID:???
532:名無しさん@お腹いっぱい。 :2006/07/10(月) 16:07:22 ID:jwYOIkA1 [sage]
8位 127票 ミルロ@ふしぎ星の☆ふたご姫シリーズ
9位 126票 カガリ・ユラ・アスハ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
10位 124票 来栖柚子@ぱにぽにだっしゅ!
10位 124票 ルナマリア・ホーク@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
↑負け犬9(^Д^)プギャーーーッ
272鬼ジュール(かなり短いですが):2006/07/10(月) 19:33:34 ID:???
その日、ルナマリアとメイリンの部屋では怖い話大会が行われていた。
怖い話が大嫌いなメイリンはこれに大反対したのだが、怖がる人間が居れば余計に驚かせたいと誰もが思うものである。
嫌がるメイリンをルナマリアが宥めすかし、「抱き枕だと思ってシンに抱きついても良いから」と、シンを隣に置いた。
シンとしては「何で俺が抱き枕なんだ」と、一応文句は言ったものの余り強く言い過ぎて「じゃあ別の人に」と、言われるのも嫌だったので大人しくメイリンの隣に座っている。
そして部屋の灯りは落とされ、テーブルの上にアロマキャンドルを2つ置いて怖い話が始まる。

こういう語りにおいて話上手なのがヨウランとルナマリアだった。
この二人は怖がるメイリンの反応を見ながら声の強弱をつけて話を盛り上げている為、メイリンは必死に何でもない様子を見せて耐える。
シンとしては本当に抱き付いてきても良いんだけどと思うのだが、いずれ順番が回ってくればシンも話さなければならない。
その時を警戒してメイリンはシンも敵だとばかりに決して触れようとしなかった。

というか、シンとしても少しルナマリアとヨウランの話は怖い。
一応キャンドルの灯りがある為顔色でばれては居ないが、シンの方こそメイリンを抱き締めたい所である。

そして次にヴィーノが話し出すというその時、一度彼は俯いたかと思うと次の瞬間に顔を上げ、その顔には少し怖いお面が着けられていた。
怖い話をするという事で急遽どこかしらか借りて来た物なのだが、そのヴィーノの隣に座っていたメイリンが、お面だと判断するよりも先に絶叫を上げ、シンに抱き付いた。
シンもこれには驚いてメイリンを引き寄せて抱き締める。

「えへへ〜。驚いた?」
「もぅヴィーノ〜〜〜!!!」

メイリンが半泣きになりながら声を上げると、シンの腕から離れてぽかぽかとヴィーノの肩を叩く。
痛くは無いのだろう。
ヴィーノはメイリンの手を受け止めながら楽しそうに笑って「ごめんごめん」と、軽く謝っていた。

それが何となく気に食わなくて。

ヴィーノが話し終え、メイリンは怖い話は知らないと言ってパスし、シンは話を簡単に終えると、思い切って自分の方からメイリンを抱き締めた。
メイリンが突然の事にシンを振り仰いだが、それには応えずただずっと、震えるメイリンの手を握り、体を抱き締めていた。
一巡し、最後にトリでルナマリアがもう一本だけ話した時、最後の最後で隣のヨウランがルナマリアとタイミングを合わせて突然アロマキャンドルの火を消すと、他の皆が大絶叫した。
(当然、メイリンの叫び声が一番大きかった)

そして灯りが点いた時、メイリンがシンを押し倒すように上に乗り、シンはメイリンのささやかな胸によって息が出来ずにもがいていた。
その変な構図に皆が笑い転げ、気付いて起き上がったメイリンは真っ赤になって必死に言い訳をし、「お姉ちゃんが怖い話するのが悪いんだから」と、終いにはルナマリアのせいにして泣きながら怒っていた。

シンは少しだけ幸せな気分になれたので、膨れたような態度は見せながらも何も言わなかった。


<終>
273通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 22:04:30 ID:???
職人さん乙!
274通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 01:22:51 ID:???
>ささやかな胸
ちょw鬼さんww

そういえばこんな書き込みが

>メイリンにジュースと買い物袋を押し付けて敬礼するとこは削らず残して欲しい
>姉妹に睨まれながら襟元を正すシン

シンメイ派の皆さんはどう思いますか?
275通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 09:27:34 ID:???
もちろん消して欲しくないw

鬼さんいつもGJ!
276通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 21:10:30 ID:???
鬼ジュールさん乙です!
277通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 02:48:05 ID:???
アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound19
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1152624233/

予選08組 7月12日(水)
投票時間は01:00:00〜23:00:59です。

<<ステラ・ルーシェ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>

<<ベルトーチカ・イルマ@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION>>
<<ステファニー・ルオ@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION>>
<<キッカ・コバヤシ@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION>>
278通常の名無しさんの3倍:2006/07/12(水) 16:27:43 ID:???
728 (子) ◆U07733UhFQ sage New! 2006/07/10(月) 23:05:26 ID:/ASXj+nE
有効コードがある票の順位
1位 774票 真紅@ローゼンメイデン トロイメント
2位 452票 ナツキ・クルーガー@舞-乙HiME
3位 418票 塚本天満@スクールランブルシリーズ
4位 393票 市川まゆら@極上生徒会
5位 354票 メディア@ぱにぽにだっしゅ!
6位 313票 カミュ@うたわれるもの
7位 290票 ミルロ@ふしぎ星の☆ふたご姫シリーズ
8位 284票 レヴィ@BLACK LAGOON
==本戦進出ライン==
9位 270票 ルナマリア・ホーク@機動戦士ガンダムSEED DESTINY

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  ,   /:::::/::::::::::::::.... ::::::::::::;;;:::::::::::::::::::::::::::::\ー―--\
 j{  ,':::::::::::::.. . :::::::::::::::::::ヽ`丶、:::::::::、:::::::::::::`ヽ、
 l:', {::::::::::......::::::::::::::::、::ヽ、::::ヽ  `ヽ::::ヽ::::::::::::ヾ、`
 l::ヽ.'、:: . ::::::::::::::::::::::ヾヽl \::ヽ "´\:ヽ:::::ト、::::`ヽ、
 ヽ::::``:. :::.::::::::::\‐-、::ヽ ̄`ヽ:ヽ  =彡、i、:::\``ー-`-
  `゙ゝ:::::::::::::::ヽ、__\'`ヽi ,ィ  ヽ:',` 、   ヽ、:::ヽ        
.   }::::::::::::::::::::::::`ヽ、=='´   ``  !     } ``‐ヽ  すごいじゃない、ルナ!流石だよ!
.   ';:::::::::::::::::::::::::::、_二=-      _..'‐  ハ        もう少しで本戦行きだったね!
.    ';::::::::::::::::::::::::::::ヽ、      '´ -‐ ∧::'、   
.    ';::::::::::{ヽ:::::::::::::::::丶、           {、:l`゙`
      l::;i:::::;ヽ_';、:::::::::::::ヽ、ヽ、   _ .... ヘ{゙`      
     }八:::{ヽ::i!::::::::::::::::、_`< ̄     {     建前

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    ノィ::::::::::::::::::::l:::::. ::::: .::: ::::::::::::: .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    ''´//l:::::::::::::::::l:::::::.:::::: .:::::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    〃. !::::::::::::::;;l::::::::::::::.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: (ぷっ、本戦進出できねーでやんのw
    /'  l:::::::::::::/_l::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::l::::::;イ::::::::,イ::::::::;::::::::::::::::::::::::         さすがヘタレクイーンだぜw)
        l::;イ::;i::{ /l;イ:::::::::;::::::::::;i::::l、:::::::/l::::/ l::::::/|:::/l::;イ::/::::::::::::::
        i/ l/ l::'、/(|::::::::::::;:::::::ハ:lrl::::/ミl::/`l::::/  l::::l_l/_lイ:::::::;イ::::::
          l::::/;、!;l:::::::::::;::/! リ-l:/―i/ ,'::/  /i::/ ' /:::::;:/ |::::/
         i:/ !l;`l:::::::::::リ::',   ′ l' /:/   '、l/  /::::::/リ l:/
          ´ r'',1:';::::::::::::::::'、     /'´   / /:::;i::∧  '′
         // lハ::::::::i;::::ト;',    、__.._'´, 1::::::/l/',イ
           / /    ';:::::ハ::l`ヽ、   `‐ ニ '∠_ ヽ/'/./
        / r'     rハ/  ヾ   `ヽ、  /l ヽヽ// ∧
     _,,..-ヘ ヽ    l {          ̄   /'//{. / `゙'''ー-   本音
279通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 00:29:56 ID:???
hosyu
280通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 00:29:25 ID:???
ネタ町
281通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 20:16:17 ID:fY/41eyv
age
282通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 00:28:54 ID:???
数ヶ月ぶりに来たらまだこのスレが残ってた
感動hosyu
283通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 00:33:09 ID:???
605 (子) ◆U07733UhFQ sage New! 2006/07/20(木) 23:04:41 ID:NhdpbOVp
速報
有効コードがある票の順位
1位 556票 シズル・ヴィオーラ@舞-乙HiME
2位 544票 古手梨花@ひぐらしのなく頃に
3位 485票 鴇羽舞衣@舞-乙HiME
4位 414票 アリサ・バニングス@魔法少女リリカルなのはA's
5位 382票 日向夏美@ケロロ軍曹
6位 354票 メイリン・ホーク@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
7位 327票 裏葉@AIR IN SUMMER
8位 322票 天羽梨穂子@ウィッチブレイド
==本戦進出ライン==
9位 313票 守凪了子@ZEGAPAIN
10位 305票 ハマーン・カーン@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION
11位 304票 アネモネ@交響詩篇エウレカセブン
12位 295票 ファイン@ふしぎ星の☆ふたご姫シリーズ
13位 284票 月島きらり@きらりん☆レボリューション
14位 230票 リニス@魔法少女リリカルなのはA's
15位 220票 ちせ@最終兵器彼女 Another love song
16位 198票 メリッサ・マオ@フルメタル・パニック!The Second Raid
17位 193票 イリーナ・ウッズ@舞-乙HiME
18位 187票 姫百合珊瑚@ToHeart2
19位 178票 香田あかり@女子高生 GIRL'S-HIGH
20位 173票 ソフィー@ふしぎ星の☆ふたご姫シリーズ

健気で優しくて美しく頼りになるメイリン様>>>>>>>>>>>尻軽豚マリア池沼ブステラ電波ラクソ無能カゴリ

確定
284通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 14:15:50 ID:???
>>283
なりきりマルチうぜー
バレバレなんだからいい加減にしろよ
285通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 15:41:32 ID:???
他キャラなんかどうだっていいよ、メイリンの可愛さは異常、メイリン最強
286通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 18:25:10 ID:???
メイリンもえだおね
287通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 08:23:01 ID:AWYyi7fW
メイリンに中田氏したいお
288通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 11:17:39 ID:???
シン「メイリンのまんこは俺の物」
289通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 15:46:28 ID:???
メイリンにご奉仕されたい
290通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:33:00 ID:???
576:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/07/23(日) 20:07:22 ID:wqcDES8/ [sage]

1.ラクス
2.ハマーン
3.セイラ
4.カガリ
5.ルナマリア
6.メイリン
7.エマ
8.アイナ
9.ステラ
10.ララァ

人気急上昇のメイリン様>>>>>>>>>>>>>人気急降下の尻軽豚姉
291通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 00:29:43 ID:???
保守
292通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 00:19:39 ID:???
保守
293通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 02:43:13 ID:???
>>290
>5.ルナマリア
>6.メイリン

それならこれはいったいどういうことだろうか?
294通常の名無しさんの3倍:2006/07/29(土) 07:02:16 ID:???
アニメ最萌トーナメント2006投票コード発行所
http://banana236.maido3.com/~bs5114/a06/
アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound65
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1154082050/


2次予選5組 7月30日(日)
投票時間は01:00:00〜23:00:59です。
<<エマ・シーン@機動戦士Zガンダム A NEW TRANSLATION>>

<<ステラ・ルーシェ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
<<カガリ・ユラ・アスハ@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
<<ルナマリア・ホーク@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
295鬼ジュール(お久しぶりです):2006/07/30(日) 16:57:57 ID:???

「今日アプリリウスの天候管理システムに不具合が出たんだって」
「それで今日こんなに蒸し暑いのかよ」

今日は休みの前日という事で、皆で門限まで一緒にルナマリアとメイリンの部屋で勉強をしてしまおうという話になった。
今日はヨウランとヴィーノもいるので買出しを3人にしようかという話が出たのだが、メイリンが負けた時点でシンだけがお供となった。
何か故意的なものをひしひしと感じると思うシンだったが、「嫌ならもう一人付けようか?」と言われたらそれはそれで嫌なので何も文句は言わずに付いて行く。
その途中でこの天候管理システムの異常の話だ。
いつもよりも蒸し暑い感覚にシンはうんざりしながら手で扇ぐが涼しさなど一切感じられない。
メイリンもつられてキャミソールの胸元を摘んで風を送ろうとしてシンが胸の前に手を翳して止めた。

「なに?」
「なにじゃないだろ。外でやるなよ」

中、見えたらどうするんだよ。

広い敷地内で周囲に誰も人影はない。
なのでメイリンの胸元を見る者は誰もいない。
きょろきょろとメイリンも視線を辺りに向けたが人の姿が無いのでシンに向かってへらりと笑う。

「誰もいないよ?」

俺がいるだろ!

どうやらメイリンの中ではシンはカウントされていないらしい。
その言葉にシンは明らかにむっとした表情で自分を指差すと、メイリンは「あぁ」と、笑った。

「だって、シンの身長だったら見えないでしょ?」

現在14歳のシンはまだ成長期前でメイリンと殆ど身長が変わらない。
そして今ヒールを履いて歩いているとほんの少しシンよりも背が高くなっている。
シンに見える筈がないと思っているメイリンにむっとして「それでも!」と、少し声を荒げて言った。

「メイリンのぺったんこなんか見ても誰も喜ばないけどな!見せられた方は迷惑だ!」

この言葉にはメイリンの方がカチンとくる。
それというのもメイリンは少し周囲の女の子とは違って胸の発育が遅かった。
最近になって漸く膨らんで来た胸はまだまだ将来有望であるが、それを現時点でぺったんこだと言われたくはない。

「酷い!」

叫んだ後頬を膨らませるメイリンにシンもムキになって眉尻を吊り上げた。
酷いも何もない。
メイリンの事を考えて言っているのに。
296鬼ジュール:2006/07/30(日) 16:59:16 ID:???

「とにかく!暑いからって変な事するな!」
「変な事じゃないもん!」
「いいから!」

がっちりとメイリンの手を握り締めて引っ張るようにシンは足早にアカデミーの出入り口の近くにあるコンビニにさっさと向かう事に決めた。

そしてコンビニに到着すると、中を軽く確認して先に入ろうとしたメイリンを引き止める。

「何?」

もう余り気にしてないメイリンは不思議そうに首を傾げると、シンは自分の上着を脱いでメイリンに掛けた。

「着てろよ」
「えー。暑いよ」
「店の中は涼しいだろ!」

渋々といった感じでメイリンが袖を通すと再び手を引いて店内に入る。
急に当たった冷気にぞくりとすると、メイリンが「上着返そうか?」と、小さく尋ねて来たが、こんなものはすぐに慣れると「いぃ。ちゃんと着とけよ」と、突っ撥ねた。
ぴりぴりと鳥肌が暫く立っていたが、気にせず買い物をしているとメイリンが中段の棚からお菓子を取る。
腰を折ったまま振り返り、シンに甘えるように上目遣いに見る。

「買っていい?」
「いいけ・・・・」

いいけど。

たった4文字の言葉を言おうとして途中で止まった。
前屈みのメイリンのキャミソールの隙間から中が見える。
これで胸がもう少し大きければその膨らみによってもう少し隠れるものなのだろうが。

臍まで見える。

素通りだ。

胸は当然ブラジャーをしているのでその中までは見えないが、ブラジャーとキャミソールの間は隙間が出来て中が見える。
完全な不意打ちにシンは急激に耳まで真っ赤にさせると繋いでいた手を放してメイリンに着せた自分の上着の前を合わせた。
297鬼ジュール:2006/07/30(日) 17:00:04 ID:???

メイリンは最初は驚いたものの、シンの真っ赤な顔に気付いて慌てて「ボタン留めるね?」と確認する。
シンは頷くと手を放し周囲に目を遣ると、運良く気付いた者はいないようだ。
ほっとしてメイリンを振り返るとメイリンは一番上のボタンだけ留めていた。
それだけで全然見えなくなるのでメイリンの不注意を目で咎めるとメイリンも肩を竦めて「ありがとう」と、小さく呟いた。

それから買い物を済ませ、メイリンはシンに上着を返そうとしたが、シンがそれを拒否した。

「寮まで着てろよ!」
「はぁぁぁい」

来る時には反論したメイリンだったが、実際危なかった事を考えると素直にシンの言葉に従った。

そして部屋に戻った時にはうっかり上着の事を忘れていた為、メイリンがシンの上着を着ているのか皆に追及されたが、シンもメイリンも決してその理由は言えず。

この事は二人きりの秘密となった。


<終>
298通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 20:42:20 ID:???
GJ!GJ!グッジョォォォブ!
299通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 22:43:01 ID:???
萌えたw
シンメイ14才か、かわいいな
300通常の名無しさんの3倍:2006/07/30(日) 23:37:17 ID:???
久しぶりにいいものが見れますた
301通常の名無しさんの3倍:2006/07/31(月) 11:40:51 ID:???
鬼ジュュュュュユル!好きだぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!お前が欲しいぃぃぃぃぃぃぃぃ!
302通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 04:39:47 ID:???
保守
303通常の名無しさんの3倍:2006/08/02(水) 13:46:00 ID:???
あげ
304鬼ジュール:2006/08/04(金) 02:20:25 ID:???

カーン、カーン。
  ピピ―――――――――!

何かを打ち付ける音や、怒鳴り声、警告を発する笛の音が響いていた。

メイリンはMS格納庫の独特な雰囲気が好きだ。
少し緊張感を持ったその空間は特別な場所のような気がして自分まで緊張してしまう。
肌にぴりぴりと感じる皆の緊張感にメイリンはいつもそっとこの中に入る。

なるべく皆の邪魔にならないようにと注意して入るのだが、メイリンは気配を消すという事が苦手なので大抵直ぐに誰かに見つかってしまう。
いつもはルナマリアに見つかる事が多いのだが、今日はレイに見つかった。

「どうしたんだ?」

話し掛けられてメイリンはいつものように照れ臭そうに振り返ると「見学」と、軽く答える。
メイリンが時々MS格納庫に来ているのはレイも知っていたし、食堂で話題にも出ていたのでいつもの事かと納得したが、場所が少し危ないのでレイはざっと辺りを見回し安全な場所を見つけると「向こうに行こう」と、メイリンの背に手を添えて促すと移動する。

下にいると上から何か落ちて来るかもしれないと2階に上がると二人で並んで下の様子を見る。

「今度から二階から来るといい。そうすれば教官に見つかっても叱られる事は無いだろう」
「うん、ありがとう」
「それともルナマリアに用事があったのか?」

だったら用件を聞こうかと言ってくれるレイにメイリンは首を左右に振った。
なんとなく見学に来ただけなので特に用事はないのだ。
だから邪魔をするつもりもないのでそれはいいと断ると、話題が無くて二人で並んで下を見下ろす。
レイが無言なのはいつもの事なので気にしない。そしてメイリンが特に話題を振らなくともレイが気にしないのも知っているのでメイリンもまた気にしなかった。

「あ、シンだ」

と、たまたまメイリンの視界に上着を脱ぎ、腰に巻きつけて半袖のインナー一枚で走るシンの姿を発見した。
気付くかな?と、手を小さく振ってみたが、まっ直ぐに前を見ているシンにはメイリンの姿は映らなかった。
そのまま見ていると、シンは二人の女の子の前で立ち止まり、彼女らを手伝って何か作業を始めた。
シンの両側に女の子が立ち、シンに体を摺り寄せるようにしている姿にメイリンはむっとする。

「何してるのかな・・・」

少し身を乗り出して見るが、MSの前に立っているので何をしているのかはよく分からない。
メイリンの言葉にレイも同じようにシンの方を見て思い当たる事を言ってみる。

「ケーブルが抜けないのかもしれないな。マメに点検していないと接続ケーブルが硬くなって女の力では抜けなくなる。だから手伝っているんだろう」
「ふーん」
305鬼ジュール:2006/08/04(金) 02:22:23 ID:???

メイリンの声が硬くなった事にレイも気付いたのか、フォローをするように言ったがその効果があったかどうかは正直不明だった。
メイリンがシンの事をどう思っているのか正直レイにもハッキリとは分からなかったが、独占欲のようなものがあるのは確かだ。
現に今もメイリンの頬は膨れている。

シンは楽しそうに少し笑いながら、そして浮かれているようにも見える表情で作業を進めている。
そして両側の女の子もシンを誉めそやしているのか、時々きゃぁきゃぁと軽やかな声が聞こえる。
メイリンは思わず手摺を強く握り込んだ時。

ぐにょり。

嫌な感触が手から伝わり、慌てて手摺から手を離して見ると、何かのオイルがぺっとりとメイリンの指先に付いていた。
慌てて手摺に付いた胸の辺りも確認すると、制服にもぺったりとオイルがくっついていた。


「やだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


声を上げるとレイがメイリンの掌と制服を覗き込み、「ちょっと待ってろ」と、言い残すとその場を離れて一階に下りる。
一体どうすればいいのかと途方に暮れているとすぐにレイは戻って来て汚れのないタオルに何やら液体を落とすとメイリンの手首を取り、押し当てる。
入念に拭い取り、「後できちんと手を洗え」と、忠告すると、今度は制服の汚れた辺りを摘んでタオルを押し当てる。
そして暫く待っている間、「これで今すぐ帰って普通に洗濯すれば綺麗に落ちる」と説明すると、時間を見てタオルを外し慌てるメイリンに帰るように勧める。

「送って行けないんだが・・・」
「ううん。いいの。自業自得だから」
「悪いな」
「こっちこそごめんね。ありがとう」

そう言ってメイリンはぱたぱたと格納庫を出て行こうとする。
その時最後に一度だけシンに視線を向けると未だ女の子を両側にはべらせた(メイリン視点)シンがメイリンを見上げていて、目が合った。

なんだか凄く気に食わない。

浮かれている女の子の姿が視界に入るとメイリンは思い切り顔を顰めて舌を出した。
それにむっとした表情のシンがお返しとばかりに顔を顰めて拳を前に突き出した。
306鬼ジュール:2006/08/04(金) 02:23:56 ID:???

レイがもう一度一階に降りた時、シンは手伝いの場から離れてレイに近付いた。

「レイ。今メイリン何しに来てたんだ?」
「見学だそうだ」

それから自分の持ち場に帰ろうとするレイの後ろを付いて行き、更に尋ねる。

「さっき何か叫んでたけど」
「あぁ、手摺にオイルが付着していて手と制服に付いたんだ。応急で落としたから直ぐに選択するように勧めた」
「何処に?」

どうしてそこまで拘るのだろうかとレイは立ち止まってシンを振り返ると、目が合った事に気まずさを感じたのか、シンは視線を逸らす。

「胸の辺りだが、何か?」
「あ・・・・いや・・・・」

歯切れの悪い返答に、更に言葉があるのかレイは待ったが、続く言葉がみつからないのか、シンはうろうろと視線を彷徨わせるだけだ。
結局は続く言葉が無いのだろうと判断したレイは、徐に口を開いた。

「触れてはいない」
「え?」
「そう言えばいいのか?」

そう言うと、シンの返事はどうでもいいのか、自分の持ち場へと再びレイは歩き出した。
シンはその背中を見送って、先程メイリンが叫び声を上げた時に誰より先にメイリンを見つけてその姿に軽くショックを受けていた事を思い出す。

下から見上げると、レイがメイリンの胸に顔を埋めているように見えたから。
もやもやがずしん・・・と、シンの心を重くした。

それがどういう感情なのかシンには判別出来なくて。
ただ、メイリンにレイが触れたのかが異様に気になっている気持ちは否めなくて。


ガン!


右の踵を強く床に叩き付けた。





<終>
307通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 07:24:49 ID:???
二人とも独占欲ツヨス
308通常の名無しさんの3倍:2006/08/04(金) 09:37:55 ID:???
イイヨイイヨー シンメイ テラモエス
309通常の名無しさんの3倍:2006/08/06(日) 02:05:53 ID:???
310通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 00:27:15 ID:???
保守
311通常の名無しさんの3倍:2006/08/10(木) 01:20:09 ID:???
                                ̄ `丶、   、
                          _,... -―――- 、ヽヽ ノ}
                      , -ニ-‐;;='''" ̄ ̄`::::::::`゙:::'::<_
                      ´  ,.-''". .: ..::::::::::::::::..::.. .. ::::::: ::::\
                      /::::::....::::::::::::、:::::::::::::::::.. :::...::::.. .. .\
                      /:::::::::::::::::::::::::::∧::::::::::::::::::::::::::::::::::::..::::、ヽヽ
               _,. -‐ ' ' "-/::: .: : .::l:l::::::l:::/ ';:::::ト、:::::i::::/:::::::::::::::::::::',``
           _,.-'',,,,__     /ィ: . .: .:::::l:l:::::l';:{   !::l;ニ}ノjイ::::: : : ::::::::l;::::ヽ
          ,.'-‐'  ::.    .. ´/:{::::: .:i::::iリヽi_';l  '!:l{_ノ_ノ`}::: .:.: ...:::::::ト}:::ト!
         /         :::: .!:/';:::::::';:::',イノj_ ヽ  !:l ̄ ̄イ::::/::::::::::::l':::::!!
        /     ::r´`ヽ:: :::::l'  ';i::l::ヽ::',':::::::::' ノ':::::::::::ノ‐イ:::::/::::::::::::ト;ll
    _,. -‐'/      :::{    }::::::::/:::: :::゙;:l;:::::`;ヽ、 `..      j:/l::::::::lヽ:l l
       / /.::l    :::::ヽ /l.:::/_}/l/l/`lヽ::l;ヽ  '' ニ ̄   " '|/l:::!
       l/{ :::{   :::::::::\ // f r'';;//l::ヾヽト丶、      /_ -l/コ!/
       { l::::l l ::::::::\---    ゞ--' /:::/ ::::::`` `r‐r'',二    ヽー- ,,__
        ヽl lヽ ::‐‐"´r'''''   """/_,.'  :::::::::::::\ヘ l.l l /レ  -'´   ` ー- ,,_
      __      lヽ,:::::ヽ_,.. ` , -、 ''''"./ / .:::::::::::::::::l ̄ `!l ! l/-''´           `ヽ
 r'.','.'/''/ ,.''- ,    /.,.‐l"''‐''" . ` ′//./ .:::;ハ::: :::::::::l / ̄ヽ  - .. , __     ,.-‐'''´/
 ,. -ゝ-´ハ__r_l_  {/l l/ :::/_____'__‐_´‐l.:/ .:/ ヽ::',:::::::l    /  ..-、-..  ヽ  /  ___/
/ . -''""" ,. -''  /:/:..::::/         {:/ .:/   ヽ:',::::::ヽ    r丶' l ゝ }r-、 / r´  l
|    _,../  ‐--''"'::::_,-'"   ''''‐-、 ...{ l:::{_    """'''''丶  ヽ ヽ-ハ.ト、 .r丶    l
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.|   l      /" /   l           ヽ          l‐--lヽ_  `   l  `/
 |   l       /   /      .、  _,. -‐-- 、 .     l‐--! /     /   l
 |   l     l.``',フ''`      , ' ⊂二....    ヽl     l   /     /l   l
  |   l     _,.r´   ......   ,'    .;:./      l     l  /     /  l  l
  |    ヽ  .(_,.-.' ___:::::::::::...  .::r‐‐‐´_/      l     l /      /  il/
  |    ヽ/  (_.´-,.'.::::::::::..  :::r."_'_''// _,.イ   l     l/     /   {
   |    ヽ   ‐-..´::::...   ::"'‐-_-,‐__/ ヽ  l    /     /   /
    |       /,..-‐l            __..-ハ l    /     /  ,.‐'l
    ヽ     /  `'.'‐.-_```''‐´''''''''''''''´´''' - lヽヽ   l      /  /;;;;;ヽ
     \___,-'{    /l l´ \               l  、ヽ       /  /;;;;,.‐'',
         ヽ  / l l   ヽ        ,. -‐  丶.\   /   /,.‐'  {
          l/  l  l   丶     ,.-'" l      \ヽ‐'_,. -‐'´     ヽ
             l  l   `----‐ ´   \     ``´          ヽ
             l   l             \                ヽ
             l   l               \               ヽ
312通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 03:51:53 ID:???
                        ,.-''::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾrゝ
                     ,.-;:´/、 ::::::::::::::::::::::::::::::r、::::::::ヽ
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                     /;;;;;;;;:::l; r!/rj:::::::::ヽハトl:::::::::::::::::::ヽ
                     //;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;:::l
                     ´!;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::;;::;;;;;;;;;;;;;;;;;j`
                     l;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
                     j;;l;;;;;;;;;;ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{,,,.._
                     /1;;ハ;;;;;;;;;;ヾ'、;;、;;;;;;;;;;:=;
                     lリ  !;;;;;;;;、;',_、_,.=;:'"´
             ヽl_  __        l::ハ::l `::ハl ヽl
            r´  ̄ `''‐.      l´ リ l   {
           /-‐'´ ̄`'‐-l_ヽ            l
      /l  / ...... .:  ''‐-`'‐ .            ヽ            l
     _{ l, '´    ''    .   \ヽ.           lヽ.        ヽl
   /⌒ヽ.       /ヽ:::ヽ :::l::ハヽ_            ヽ ヽ.           |
  /.::::.    l:..     l {  ヽハ\l::}´l/ ヽ.          ヽ          l
 l ハ::::.    |:  :::..:::::....:\ヽ  ´rカ}::ヽ   :\         \        |
 | {::::::.  :: | l:::::..::::ハヽミ、   ´/lハl   l:::::::l  _        |          |
 l ヽ:::::..  :::| ハ::.. ハヽゞカ´   ' l ̄l く二ゝ-''´ ヽ       |       |
   ヽ::::::. :: :|:::::ヽ.,_.ヽ_´__    r7/l`'‐‐‐´´ -‐-- .....l,,      l         ト、
    ヽ::::::::::lヽ、:lヽ: ̄ヽ,. -、___,.../           ヽ      |       | \
`''‐- ._ ヽ:::::::ヽr‐‐-ヽ'.´  ヽ______           ...:::.::l      |       |   l
    `''‐ヽ:::::::l     ヽ‐'´ l  |       ....::::::::  ヽ‐ .,.../入      /|    |
       ヽ:/     /‐ヽ.  ハ  |             ヽ‐-/ ヽ     l |    |
        { ___ / r、 \ヽl ヽ   .:;;.              |       ´ |、    |
         |ヽ  //. ::l  .. \l:::|      ..::         ヽ|        l `' .._ |
         | ヽ/ / ヽ:l  :::l.......ヽ |:::::::::::..              |       /     ヽ|
‐‐、..      |l  /   :::l::: /::::::::::::ヽ|`ヽ.,            |       |       |
    `''‐- .   |l / .   l `'‐ ._:::::::::::::ヽ  `' .,             |       l   _,. -|
313通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 12:22:09 ID:???
変態ツン
314通常の名無しさんの3倍:2006/08/12(土) 14:08:54 ID:???
もの凄くリアリティあるなw
315鬼ジュール:2006/08/14(月) 17:43:00 ID:???
その日メイリンは前日の課題が遅くまで掛かったせいか、昼食の最中からこっくりこっくりと舟を漕いでいた。
何も知らずに隣に座っていたシンは、メイリンが物凄く眠そうなのに気付いて時々声を掛けていたのだが、
最初はきちんと返って来た応えも次第に曖昧な物となり、「うぅ〜ん」と、返事なのか、唸り声なのか判断がつかない声になっていった。

ちゃりーん。

とうとう右手に持っていたフォークを落とし、こてりとシンに凭れ掛かる。

「うわっ!メイリン!?」

眠そうだと思っていてもまさか本当に寝るとは思っていなかったシンは、フォークが落ちた音に反応して振り返り、続いて肩に掛かった重さに驚いて声を上げる。
メイリンの隣に座っていたルナマリアが落ちたフォークを拾い、紙ナフキンで先を包んでトレイに戻すと「寝るかご飯食べるかどっちかにすればいいのに」と、苦笑しながらメイリンの顔を覗き込んだ。

「ご飯も半分は食べてるし、このまま寝かせてあげて。お昼が終わる時間になったら起こしましょ」

シンの膝貸して上げて。

一時メイリンの体を抱き寄せ、シンが言われるままに椅子を引くとルナマリアからメイリンの体を受け取り自分の膝に乗せる。
少しテーブルから離れてしまった為食べ難いが、文句も言えない。
メイリンはすやすやと気持ちよさそうに眠ってしまっているのだから。

「よく飯食いながら寝れるよ」

代わりに誰にともなく一人零すとルナマリアが思い出すように中空を見上げた。

「そういえば昔からなのよね」
「何が?」
「どんなに極限状態に陥ってもご飯だけはしっかりと食べて、眠くなったらご飯の途中でも寝ちゃうの」

親と喧嘩して気まずくなっても必ずご飯は一緒に取る。
そのご飯の最中に泣いた疲れが出れば直ぐに眠ってしまう。

「・・・・・・・子供だ」
「子供なのよ、まだまだ」

呆れて呟いたが、ルナマリアは案外楽しげに笑う。
そういう時彼女は「姉」の顔を見せるから、それがまるで自分と同じようでシンは少しくすぐったくなる。
ルナマリアの顔も立てて今日は仕方ないかとそのまま食事を摂る事にした。

そして食後の雑談の最中もメイリンはずっと眠り続けたままだった。
時々体勢が辛いのか、身動ぎするメイリンが落ちないか気を遣い、光が差し込むと眩しくて目覚めないように何気ない仕草で光を遮断する。
太腿が流石に痛くなってきたかもしれないと思っているとルナマリアが「代わろうか?」と、声を掛けてくれたが・・・・・・・・・・・それは何となく断った。
寝ているせいか案外重くてルナマリアには大変そうだと思ったからだと後から言い訳をしたが、ルナマリアは「ふぅん」と意味深に笑ってそれ以上は追求しなかった。
316鬼ジュール:2006/08/14(月) 17:44:21 ID:???

もうそろそろ昼食の時間も終わるという頃、皆が一人・・・一人・・・と、席を立ち、次の授業に向かう。
ルナマリアも立ち上がり、メイリンの分と、シンの分のトレイも片付けに行くと、「もう起こしたら?」と、苦笑した。
流石にシンも次の授業の準備があるのでこれ以上はゆっくりもしていられない。
しかし、起こすのもなんだか可哀想なので「あぁ」と、一度は返事をしたが、どうしようか悩む。

「先に行っちゃうわよ?」
「あぁ、・・・・うん。先に行っててくれ」
「シン?」
「送ってくわ」

メイリンの上体を起こして立ち上がると自分が座っていた椅子を思い切り引いて場所を確保する。
そしてずっと動かせなかった太腿を軽く解すとメイリンを抱える。
どうやらぎりぎりまで寝かせてやるつもりのシンに、ルナマリアは呆れ返って苦笑した。

「シンってばメイリンに甘いんだから」
「それ、メイリンには言うなよ」

照れ隠しに念押しするが、そんなのは怖く無いとルナマリアは笑いながら彼女もまた教室に戻っていく。
その後姿を暫く見送ってからシンは早足で情報処理棟へ向かった。



メイリンが始業のチャイムで目覚めた時、何故か自分の教室に居た事にまず首を傾げた。
その前の記憶が全然ない。
しかし、友人が授業中にメールを何通も寄越して来て、「さっきの赤の男の子誰なの?」と、しきりに聞いて来た。
何の事だろうかとメイリンは不思議に思いながらその男の子の特徴を聞くとどうやらシンのようで。
更に状況を聞くと寝ているメイリンを席に座らせて周囲の友人に少し頬を染めながら「ぎりぎりまで寝かせてやってくれないか?」と、言い含め、早々に帰っていったらしい。
友人に言わせるとそのシンの様子が可愛くて格好よかったらしく、「紹介して♪」と、メールに書いて寄越して来たのだが、自分が寝ている間にそんな事があったのかと思うと恥ずかしくて授業どころではなくなってしまった。

その夜、夕食も終えて部屋に戻っていたシンの部屋にメイリンは赴き、怒っていいのやら、感謝すればいいのか分からず暫く二人でお見合いのように何もいわずに見詰め合っていたというのはまた別の話である。



<終>
317通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 20:38:02 ID:???
鬼さん待ってました!GJ
318通常の名無しさんの3倍:2006/08/14(月) 23:23:09 ID:???
今日初めて来たけど、お気に入りに決定。
319通常の名無しさんの3倍:2006/08/15(火) 01:06:22 ID:???
アニメ最萌トーナメント2006公式サイト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/
アニメ最萌トーナメント2006投票コード発行所
http://banana236.maido3.com/~bs5114/a06/

投票リスト
http://saimoe2006.hp.infoseek.co.jp/a.txt
アニメ最萌トーナメント2006 投票スレRound95
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/vote/1155217604/

Cブロック 8月3日(木) 第1試合
投票時間は01:00:00〜23:00:59です。

<<メイリン・ホーク@機動戦士ガンダムSEED DESTINY>>
320通常の名無しさんの3倍:2006/08/16(水) 18:47:29 ID:???
この微妙な距離感がたまらんGJ!
321通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 12:48:27 ID:???
             _,,.. -‐''''''''''''`::\ト.       _,.....__
       __.. -‐''" .: .: ::::::::::::::::: :::,=ニ``:::::::'v,.r''"´:::::::::::::ヽ '丶.-‐,イ、
         ̄フ´: . .:  . . : :::::::..〃::::::::::::::}::,ゝ''"::::::::::::::::...:::::::::ヽ-.;;;、ヽ
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      /´l:::::::::::::::::::l::::::l:::l;:::::l:::::l:::::::::::::l|:::::::::::!:::::::!:::::{ `'"ヽ:::):::::::::l
       l:::::::::::::::、:::l!:::/!:八:::l!:: !::::::::::::||:::::::::::ト、{_ト、ゝ   ノ;;l:::ノ:::l::::!  
       |:/l::::::::::::i、l|/ァ!:| ';::ll l::::::::::::l;;!::::::::ミ_ {- '}    イll/:::イ::ノ:::j
       l' l:::i:::;:::ヽ  ̄l:l  lV _.!::::::::::!;;!:::::::ヽ  ̄;;;    ヒ}ノ.::/!/ !/  
    _,,.-‐ ̄ 'l:::ト;l!::;::ヽ. l'  '...__ 'l:::::::::ト;;;;::::::::::ゝ     、 `゙!::!::::::',
   ,r     , ヘl lll八::l`ゝ,、 ´‐  l:::::::::!ハ::::::ト`    r''7 ノ:::::!:::::::',
   「;;;ヽ、.:._/、,,,,,..,´  ヽ;,:.:.:.`'''''´ !:::::::::ヽ_ヽ;;:l 丶、_"/ハ::::ハ::::::::',
   ',、、;;ヽ/    ヽ.‐-  ;.-‐‐--',:ト:::::::::::', "'ヽリr'''ヽ   ,l'ヾ!ハ:::::::::'.,
    ',ヽ'ヽ;;;、     |  ヽ人      }iヽ:::::::ハ !r//f/"""丶- ノ l }::::::::!:}
    ',==-l;;ヽ    l   l  \! __ノ_ '、:/'"""ハ    ,..   `、 !:::::ハヽ.
     ',ヽ/;;;;;!    ト-‐l> ヽ l:::::::;::,.:::::リ   /::',  /::::::""''ヽ  !/ !
     ト/;;;;;,'     ', ノ==-/ l:::::::/::::::/`i,r /::::::', /::::::::::::::::::::ヽl.、
      !;;;;,'.      ',ノヽ/  /:::::/::::::::j  l lr::::::::',/::::::::,ト :::::::::::::::!ヽ.
      l;;;,':.:.     /   ,./::::::/::::::::::l  j ', ',:::::::::_lrヘ丶!:::::::::::::::l ヽ.
      、;;,'..:.:    /,イ´:::::::::::::::/::::::::ノ  /   l l:::::/ ! ヽ 丶:::::::::::::!-丶
      'v'!.:.:.:   /´/:::::、:::::::::::/`−''´  /   ノ j∨ |   l, 丶ヽ:::::::::l
      ,'.:.:.:.:.:.:   /'"``丶、::/      _ノ // ノ  |  ll  ', l::::::::l
      ヽ:.:.:.:.:.:. ,'      ゝ      -'  ,.イ |  l   '   /::::::::::l
322通常の名無しさんの3倍:2006/08/19(土) 12:49:30 ID:???
    ,.-;'´      ,.               /
.  /;:'´,.-''" ̄ ̄ ̄`''‐-、_          /         ,ヽ- ‐‐ ‐‐-- .,
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`}:::l'1:ヽ    /                    /    !/ ,.-‐''´//   l:!.     |:::::::l::ヽ
.'' |`l/',`ヽ/                 /l     /            l      l:::::::::!l::::l
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       _,. . - ‐ r´ `''.‐ .,  ‐-.,_ `',_, '            ,./       /   !
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                } /   'ヽ、   ヽ;` ' ヽ        / /      /
              !'       ' 、  ヽ,  ',      /  /      /
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_ ,,,..... --‐‐‐ '' " /''"         `'',    ',   ', /      /
         ,. -'"              ',   ', , '/      /
323通常の名無しさんの3倍:2006/08/22(火) 04:41:18 ID:???
保守
324通常の名無しさんの3倍:2006/08/22(火) 08:32:12 ID:???
保守
何か投下した方がいいかな……
325通常の名無しさんの3倍:2006/08/23(水) 18:31:14 ID:???
投下できるのならぜひお願いしますw
326通常の名無しさんの3倍:2006/08/24(木) 03:05:56 ID:???
分かった。頑張って何か書いてみるよ……
期待だけはくれぐれもしないでくれ
327通常の名無しさんの3倍:2006/08/26(土) 15:30:07 ID:???
よろしく!
328通常の名無しさんの3倍:2006/08/29(火) 01:14:16 ID:???
329通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 00:28:16 ID:417eKI5R
保守age
330鬼ジュール:2006/08/30(水) 04:19:23 ID:???

「メイリン!おい、メイリン!」
「・・駄目そうだな」

ゆさゆさとメイリンの肩を揺するが、シンのベッドを占拠したメイリンは目覚める気配を見せなかった。
今日は休みの前日であった為いつもよりも門限は遅い訳で、メイリンはテスト明けという事で少々浮かれていて。
シンとレイの部屋でルナマリアと4人で最初は騒いでいたのだが、ルナマリアが最初に眠いからと戦線離脱した。
メイリンはその時はまだ元気だったのでルナマリアと帰るという事はなく、更に騒いでいたのだが、30分もしないうちにシンのベッドに上がるとそのまま眠ってしまったのだ。
シンもレイもその時は特に気にせず寝かせようという事で放っておいたのだが、いよいよ門限が近付いて来るとそうも行かず起こそうとする。


しかし、起きない。


直ぐに起こせるだろうと思っていたのが甘かった。
何度声を掛けても起きず、肩を揺すっても起きない。
柔らかそうな頬を抓ってみようかと提案してみたが、それはレイに止められた。
後で喧嘩になった時に面倒な事になりそうだというのが理由だったので、シンはそれを否定出来なかったのだ。
何とか声を掛けたり、体を揺するだけで起きないかと試してみたが目覚める様子は一向に見せなくて、門限ばかりが近づいて来る。
後10分で門限というその時、とうとうシンはメイリンを起こすのを諦めた。

「最終手段だ」
「どうするつもりだ?」
「もう此処で寝かそう」
「見つかれば俺達も罰が来る訳だが?」
「ルナに言って向こうは寝込んでるとか言って誤魔化して貰えば何とかなるだろ」

アカデミーの寮での門限確認は各自部屋のドアに並んで立ち、持ち回りの当番がそれを一部屋毎に確認する。
この時病気の者がいれば無理に部屋の前に立つ必要はなく、当番が部屋の中を覗いて本人を確認出来ればそれで許可される。
この当番が下級生、又は融通の利く同級生であれば誤魔化しも利く筈だ。
そしてシンとレイが揃って部屋の外に立っていれば部屋の中を確認される事はない。
早速シンはルナマリアに内線を入れるとルナマリアは最初は何とかメイリンを起せないのかと言ったが、どうにも無理だと説明すると、門限まで5分を切った時点で彼女も諦めたようだ。
何とか誤魔化すからシン達も絶対にばれるような事にならないようにと念を押して通信を終えた。

大変なのはルナマリアの方であるので、シンとレイは取り敢えずもしかして中を見られた時の為に誤魔化せるようにシーツをメイリンの頭まで被せて、シーツの膨らみをクッションを入れる等してカモフラージュすると何事も無かったかのように部屋の前で点呼を受けた。
終えると直ぐにルナマリアに内線を入れると、ルナマリアは安堵した様子で応えた。

『もう緊張したわよ!丁度内線入れてくれたからそれを理由に追い出せたから良かったけど。内線入れてくれなかったらばれてたかも』
「それは明日にでもメイリンに文句言ってくれ」
『分かってる。とにかく今日はメイリンの事任せたから。変な事するんじゃないわよ』
「ナンダヨ。変な事って」
『まぁ、レイも一緒だから安心だけど』

俺はそんなに信用が無いのかとむっとした表情を見せると、ルナマリアは軽く笑いながら誤魔化した。

『あ、じゃああたしももう寝るけど』
「あぁ」
『寮の壁薄いから隣に丸聞こえなんだって』
「ルナ!」

手を出すなと言ったり、挑発するような事を言ったり、一体何なんだとシンは憤慨するとルナマリアは今度こそ逃げるように内線を終了した。

「で、シンは何処で寝るんだ?」
「どうしようかな」

何処でもいいんだけどと、シンはカモフラージュにシーツに入れたクッションを一つ取り出して床に置いた。

座って寝るか、横になって寝るか。

明日休日だからどっちでもいいんだけど、と、シンは一度床に腰を下ろした。



「俺は一緒は嫌だからな」
「俺も嫌だから安心しろ」



レイの無情とも言える言葉に、シンは期待して無いとげんなりして応えた。




<続>
332通常の名無しさんの3倍:2006/08/30(水) 11:02:41 ID:???
うひょ 待ってました!
333通常の名無しさんの3倍:2006/08/31(木) 22:25:01 ID:0wxj4cAw
保守の必要ありと判断したであります。
334通常の名無しさんの3倍:2006/09/03(日) 00:08:28 ID:???
ほしゅ
335鬼ジュール(331続き):2006/09/04(月) 21:50:27 ID:???

メイリンは夢を見ていた。
どういう夢なのかと言われたらそれは上手く説明が出来ないのだが、シンがいて、話をしていた。
何の話なのか、夢を見ているメイリンにはよく聴こえなかったが、テストの話をしているように感じる。
メイリンはその夢の中で主人公のようで、そして傍観者でもある。
シンは楽しげで、メイリンもまた楽しそうである。

そして不意にシンが真面目な顔になったかと思うとメイリンの手を取り、抱き寄せた。

急激に体温が上がって・・・・。

「きゃぁぁ!」

叫び声を上げて目覚めたと思った瞬間、目の前にシンが居て、メイリンに覆い被さるようにして口を覆っていた。
夢と現実の差が直ぐには分からなかったが、先程まで見ていた夢では昼間のように明るくて、今は真っ暗でシンの顔もはっきりとは見えなかった違いに直ぐに気付く。
シンに口を塞がれ上手く叫べないメイリンは、シンが懸命に空いた手で口元に人差し指を当てて静かにするように伝える。
先程のが夢であった事を自覚し、叫ぶのを止めるとシンはほっとした表情を見せてメイリンの口を塞いだ手を放し、床に座る。
何が起きているのかとメイリンも体を起こしてみると、部屋の感じが違う。
というか、どうして部屋は真っ暗で、自分は寝ていたのか。

「シン・・・?」
「今の状況を簡単に言うとだな。門限過ぎてもメイリンは男子寮にいて、明日の門限まで隠れてなきゃいけないんだよ」
「・・・・・・どうしてそんな事になってるの?」
「しつこく起こしたんだけどメイリンが起きなかったからだよ」

ルナ怒ってるからな。

シンの言葉にメイリンもとんでもない事になっているのだと自覚してシーツをぎゅっと握り締める。

「・・・・・ごめんね」
「もういいよ。点呼は乗り切ったし、後は騒がなければばれないし」

シンはメイリンの方を見上げず、目の前のレイのベッドをぼんやりと見つめる。
真っ暗だからなのか、こんなシチュエーションでベッドの上のメイリンを見上げるのは何処か心臓に悪そうだった。

メイリンの絶叫が飛び出た時にレイが起きたような気がしたのだが、気のせいだったのか。

今はぴくりとも動かずに寝ている。

「で、シンは何処で寝てるの?」
「んあ?」
「だから、シンは何処で寝てるの?」

寮の壁が薄いことはメイリンも承知しているのか、それとも寝ているレイに気を遣ってか。
声を顰めたメイリンはシンの顔を確認しようと身を僅かに乗り出して尋ねると、シンはいつまでも視線を外して居れないかとメイリンを見上げる。
336鬼ジュール:2006/09/04(月) 21:51:55 ID:???

「ココ」

床を指して言うと、メイリンはベッドの下に目を移し、枕代わりのクッションと替えのシーツを見つける。
本当に先程までそこで寝ていたような形跡に申し訳なさそうにシンに視線を戻す。

「あたし下で寝ようか?」
「いいよ。明日休みだし」
「でもあたしも沢山寝たし」

ちょっと今直ぐには眠れないと思うし。

メイリンの言葉にシンもすっかり目が覚めてしまった感があるので条件は同じだと「いいよ」と、もう一度繰り返した。
するとメイリンはそれでも申し訳なさがあるのか、「んー」と小さく唸り思案する。
そして暫く続いた「んー」と、いう唸り声が途絶えた時、メイリンが壁際に移動した。

「・・・一緒に寝る?」
「はっ!?」
「だって、床は痛いよ。広さ的にはちょっと狭いけど二人寝れない事はないし」

それはどういう発言なんだろうかとシンは慌てふためきながらメイリンを振り返る。
しかし、そこに恥ずかしさのような物はなく、真剣に話しているメイリンの姿があり、シンが感じているような男女の微妙な空気がそこにはない。
要するに、大真面目にこの提案をしてきてるのだ。
シンの寝床を確保する為に。

馬鹿だ馬鹿だと散々言って来たけど、此処まで来たら大馬鹿だ。

「・・・・あのさ。危機感とかって無いのかよ」
「危機感?・・・・シンが、あたしに?」

思わず自分からメイリンに警告をしてみると、メイリンは察してシンを見る。


「シンはそのつもり無いでしょ?」


決め付けで来たよ。


それはイコール「メイリンにもそのつもりは無い」という事で。
男にも見られていないという事で。

まぁ、そんな所だよなと、シンは軽く溜息を吐く。
337鬼ジュール:2006/09/04(月) 21:53:34 ID:???

隣にレイが居るのだ。
妙に意識する筈が無い。

「まぁ、そうだけど」

微妙な嘘をメイリンに気付かれなければいいがとシンは僅かに口を尖らせて言うと、やはり気付かなかったメイリンが壁際に寝る。
本気らしいとメイリンを振り返ったシンが思わず息を呑んだ。

やばい。
非常に緊張してきた。

やっぱりやめよう。
床で寝よう。

「早く寝るよ?」

ポンポン。

隣のスペースを叩いて催促されたのを見て、シンはもう一度息を呑んで硬直し、思いっきり顔を顰めてから立ち上がった。


もう、知るか。


「蹴飛ばすなよ」
「しないよ」

くすくす笑うメイリンの姿を見ないように隣に横になり、天井を見上げる。
流石にメイリンと同じシーツの中に入る勇気が無かったシンは、床に置いていたシーツを引っ張り上げてそれを被る。

隣に誰か居て眠るのは凄く久し振りだ。

「昔、妹と一緒に寝たな。・・・ホラー映画観た後とか一人で寝れなくて」
「あたし今でも時々お姉ちゃんとベッドくっつけて寝るよ」

やっぱりホラー映画観た後とか。
沢山話したい事がある時とか。

「メイリンが先に寝るんだろ」
「当たり。で、怒られたりするの。先に寝たって」

膨れるメイリンにシンもひっそりと笑う。
簡単にその様子が想像出来る。
横を向いてメイリンの顔を確認すると、メイリンもまたシンを見る。
338鬼ジュール:2006/09/04(月) 21:54:58 ID:???

共に目が合ったと可笑しくて目を細めて笑うと、妙に意識していたシンは馬鹿みたいだと緊張が解れる。

妹と寝てる時と一緒だと思えばいい。

親に「いつまで起きているのか」と、怒られないように声を落として話すのと一緒だと思えばいい。

少しやはり意識してしまうが、そこは気力でカバーしろとシンは拳を作りながらメイリンと内緒話をし続けた。



翌日。


「・・・・・・・・起こすべきなのか?」


レイが翌日目覚めた時、隣のベッドにはシンとメイリンが仲良く寝ていた。
それもシンがメイリンの体を抱き寄せているのに軽く驚いたのだが、シンの方のシーツをめくってみると上下着ているので何も無かったのだろうと思う。
(メイリンの方は捲らなかったが、キャミソールの肩紐が見えたので服は着ているようだ)

第一何かあったら自分が目覚めている筈だ。
メイリンが叫んだ時点で目覚めた時には何も無かったので安心したのだが。

それから何があったのだろうかとレイは困惑し、そしてシンがまず目覚めるまでレイはじっと二人を見下ろしていた。


<終>
339通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 01:25:34 ID:???
グゥレイトGJだぜ
340通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 10:09:18 ID:???
やっぱりシンメイはいいね
341通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 19:28:45 ID:???
やっぱレイはボケキャラ(締めキャラ)に限るw
342通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 20:25:46 ID:???
鬼さんいつも乙!
343通常の名無しさんの3倍:2006/09/05(火) 23:44:47 ID:???
やべぇ、シンがメイリン抱き寄せて寝てるとこ想像すると萌える。
やっぱこういうときって、メイリンは髪おろしてるのかね?
そのあたりの描写もあると、さらにGJ。
344通常の名無しさんの3倍:2006/09/09(土) 03:00:42 ID:???
保守
345通常の名無しさんの3倍:2006/09/11(月) 20:34:21 ID:???
保守
346通常の名無しさんの3倍:2006/09/12(火) 23:27:53 ID:???
age
347通常の名無しさんの3倍:2006/09/16(土) 03:27:27 ID:???
保守
348通常の名無しさんの3倍:2006/09/19(火) 02:12:49 ID:???
保守
349通常の名無しさんの3倍:2006/09/23(土) 17:12:58 ID:???
保守
350通常の名無しさんの3倍:2006/09/26(火) 01:03:42 ID:???
hosyu
351通常の名無しさんの3倍:2006/09/28(木) 00:31:01 ID:???
保守
352通常の名無しさんの3倍:2006/09/30(土) 11:27:10 ID:???
保守
353通常の名無しさんの3倍:2006/10/01(日) 02:07:51 ID:???
ここ見始めてシンメイにハマった
354通常の名無しさんの3倍:2006/10/01(日) 08:47:56 ID:???
俺も俺もノシ
355通常の名無しさんの3倍:2006/10/04(水) 00:58:15 ID:???
age
356通常の名無しさんの3倍:2006/10/05(木) 16:58:08 ID:???
そろそろ保守
357通常の名無しさんの3倍:2006/10/09(月) 03:03:03 ID:???
保守
358通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 04:46:41 ID:???
シンメイ最高
359通常の名無しさんの3倍:2006/10/10(火) 11:52:36 ID:???
シンメイ必要
360通常の名無しさんの3倍:2006/10/12(木) 18:35:27 ID:???
保守
361通常の名無しさんの3倍:2006/10/15(日) 02:53:02 ID:???
362通常の名無しさんの3倍:2006/10/18(水) 02:17:25 ID:???
ほす
363通常の名無しさんの3倍:2006/10/20(金) 16:43:23 ID:???
保守
364通常の名無しさんの3倍:2006/10/22(日) 02:06:32 ID:???
age
365通常の名無しさんの3倍:2006/10/25(水) 03:10:14 ID:???
          ((
  ,r"`⌒)ヽ 〃´  `ヽ
 (  人ノ') )( (( )) ). i
 从(*゚∀゚ノ人(´∀`*W     おやステシン〜
366通常の名無しさんの3倍:2006/10/28(土) 13:39:03 ID:???
もう誰も書き込まないのね・・・
367通常の名無しさんの3倍:2006/10/29(日) 23:02:57 ID:???
神を待とう
368通常の名無しさんの3倍:2006/10/31(火) 07:06:36 ID:???
エロいのでよければ俺が書いてみようか?







いやスレチかな、ここ萌えスレだし
369通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 00:37:34 ID:???
>>368
俺は全然構わないぜ!書いちゃえよ
370通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 18:11:13 ID:???
>>368
かいちゃえよ。どうせ過疎ってるんだし
371通常の名無しさんの3倍:2006/11/01(水) 23:57:41 ID:YgpRAXss
>>369>>370
わかった。近々投下してみる
372通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 01:50:35 ID:???
やっべ下げ忘れてるスマソ
373通常の名無しさんの3倍:2006/11/02(木) 18:13:33 ID:???
wktk待ち
374通常の名無しさんの3倍:2006/11/03(金) 19:22:50 ID:???
ほしょ……いやほしゅ
375鬼ジュール(随分とお久し振りです):2006/11/04(土) 04:36:31 ID:???


「んあー。もう疲れた。もう午後なんて知るか!」

シンは午前中の訓練のきつさに愚痴を言い、食堂のテーブルに突っ伏していた。

「午後は座学だけなんだし、頑張りなさいよ」
「・・・それの方がきついだろ。俺絶対に寝る」

ルナマリアが気にした素振りも見せずにハンバーグ定食を食べている。
因みに彼女もレイもシンと同じ授業を受けた筈なのだが、激しく疲れているのはシン一人だけのようだった。

「・・・・そんなにきつかったの?」

シン達の授業の内容を知らないメイリンが小首を傾げて尋ねる。
因みに彼女の今日の昼食はクリームソースのパスタにデザートのセットだった。
やはりパイロットコースの方が体力を使う分、昼食の量は多いらしい。

「シンは違うの。また教官に楯突いて、罰として40kgの砂袋抱えてグラウンド20周してたの」
「ふぇぇ・・・・」
「余計な事言うな!」

それで実はさっきまでトイレで吐いていたというのは秘密だ。
だから食欲も無く、シンは短い昼食時間だというのに食べ物も買わずに机に突っ伏していた。

「ご飯は食べないの?」
「・・・・イラナイ」

食べたら絶対今すぐ戻す。

どんなに美味しく口に入れても戻す時はそんな事一切思わないのであれば口に入れたくない。

メイリンの心配は少し嬉しかったが、だからと言ってその一言で食事をしようという暴挙には出なかった。

「でも多分夕方お腹鳴るよ?」
「・・・・あー。そん時は我慢する」

腹の音が鳴っても知るもんか。

かなり自棄になって応えると、メイリンは自分のデザートに目を向けた。
クリームソースのパスタの左上にちょこんと置かれた焼きプリン。

正面で突っ伏しているシンは本当に辛そうで眉間に皺を寄せて唸っている。

メイリンも眉間に皺を寄せた。
それを見つけたルナマリアにはメイリンの考えている事は簡単に分かる。
そんなお節介は見せなくてもいいと口を開こうとしたが、メイリンが口を開いた方が先だった。
376鬼ジュール(全く萌え無しです):2006/11/04(土) 04:38:13 ID:???

「・・・・じゃ、じゃあ。あたしのプリン上げる。これなら休憩時間で食べられるから。お腹にも優しいし」

表情を見れば「自分が食べたかった」と、書いているのだが、シンは突っ伏したままで、メイリンを見上げる気力すらなかったので気付かなかった。

「いいよ。適当にやってれば腹も減らないと思うし」

投げ遣りな言葉にルナマリアが顔を顰めて注意しようとしたが、メイリンはその焼きプリンをシンの目の前に置いた。

「いいの。あげる。・・・・あたし、今日パスタの気分だったけど焼きプリンの気分じゃなかったんだ」

乾いた声がそれを嘘だと主張しているが、疲れ切ったシンはそれに気付かなかった。
そんな無理をしているメイリンとシンの顔を見比べたルナマリアはメイリンの意思を尊重したのか何も言わなかった。

メイリンはそれから急いで昼食を終えると「予習するからもう戻るね」と、席を立った。
その途端、ルナマリアがナイフとフォークを置いて隣のシンの頭を叩いた。

「痛っ。なんだよ、ルナ」
「シンってばサイテー」

顔を上げるとルナマリアが軽蔑の眼差しでシンを見下ろしている。
何があったんだろうかとルナマリアの前に座っているレイに視線を遣ると、レイはそれまでのを知らなかった様子を見せていたのにシンをちらりと見ると口を開いた。

「今のは最低だな」
「え!?ナンデ!?」
「サイテー」

繰り返しルナマリアにも言われ、シンはただ慌てた。
そして焼きプリンを見て。

「・・・・・もしかしてメイリンの好物?」

指でさして尋ねる。
それにルナマリアは「割と」と、短く応えると「これだから気遣いのない男って嫌よね」と、遠回しにシンに文句を言った。

いつもであればメイリンを追い駆けて謝るところなのだろうが、今走ればまたトイレに駆け込まなくてはならないだろう事を考えるとそれは出来なかった。

シンは再びテーブルに突っ伏し。


「・・・・確かに最低かも」


唸るように呟き、そして夕食前にでもメイリンに謝りに行こうと思ったのだった。


<終>
377通常の名無しさんの3倍:2006/11/04(土) 09:26:08 ID:???
鬼ジュールさんキタァァァァァァ!
ううう、長らく保守してた甲斐があった。
378通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 00:11:53 ID:???
グレート乙!!
379通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 01:17:32 ID:???
GJ
プリン食いたくなった
380通常の名無しさんの3倍:2006/11/05(日) 08:36:49 ID:???
鬼さん!
お久しぶりです
GJ
381鬼ジュール <375・376の続き>:2006/11/05(日) 22:41:22 ID:???

シンは午後の授業を眠気と戦い、合間の休憩時間にメイリンから貰った焼きプリンを食べた。
実はその前の授業中、これは食べずに返すべきかとも思ったのだが、「それなら学食の安いのではなく、もうちょっと高いのを買って返したら?」というルナマリアの言葉に負け、学食の焼きプリンはありがたく食べてしまった。
そして次の授業は少しうとうととして、放課後には直ぐに寮に帰り1時間程眠った。

もう直ぐで食事という時間に目覚め、寮の食堂に向かうといつものメンバーが集まってもう食事を取っていた。

「今日の晩飯なんだっけ?」
「まだ寝惚けてるの?」
「あー・・・んー・・・ちょっと」

眠い目を擦り丁度メイリンの隣が空いているのを確認してから食事を取りに行くと(今日はカレーライスだった)何気ない様子を見せてちゃっかりと座る。

「あ・・・あの・・・」
「ん?」

メイリンは昼間の出来事が無かったかのように首を傾げて返事をすると、シンは言葉に迷ったが口を開いた。

「焼きプリン、休憩時間に食べた。・・・サンキュ」
「あぁ、そうなんだ。美味しかった?」
「・・・・あぁ・・・うん」

実は睡眠欲と食欲で味は殆ど分からなかったとは言えない。
若干視線を彷徨わせて言うが、メイリンはその挙動不審な様子には気付かなかったのか、笑顔で答えた。

「それなら良かった」

お腹空いてたら集中出来ないもんね。

「・・・食欲ばかりか睡眠欲も出しゃばって殆ど授業を聞いていませんでした」なんて言えない。

決して、言えない。

「あぁ、うん」

と、微妙な返事を返してシンも苦笑した。

本当はこの時メイリンにプリンを買う約束をしようかと思ったのだが、カレーライスを目の前にしたメイリンは食欲を取ったようだった。

何となく切り出せなかったシンは、食後、皆がそれぞれ部屋に戻る時にメイリンの肩に手を置く。

「どうしたの?」
「あ・・・買い物行くんだけど、付いて来ないか?」

こんな誘い方では変だろうかとシンは言った後に後悔したが言ってしまったものは無かった事には出来ない。
メイリンは考える素振りを見せると、「お財布持ってないから門の所で待ってて」と、にっこり笑ってぱたぱたと走っていった。
382鬼ジュール:2006/11/05(日) 22:42:35 ID:???


門の前で待つ事約7分。
ちょっと遅れたと息を切らせて走って来たメイリンにシンは何も言わずに歩き出す。
いつもはこんな風に誘わないので怪しく思ってないだろうかと勝手にシンは気にしていたのだが、メイリンはそれについてシンに何かを尋ねようとはしなかった。
メイリンは日頃勉強などで頭を使っているせいか、日常では殆ど何も考えていない。
考え始めると深く考える癖があるようで、自分からなるべく考えないようにしている。
それを知らないシンは一人悶々と考え、道中特に話題も無かった。

そうして近くのコンビニに立ち寄り、真っ先にデザート売り場を目指す。
メイリンは新発売コーナーで足を止め、自分が知らないお菓子が売り出されていないかチェックする。

困った。

プリンって結構種類がある。
それぞれ特徴的で、焼きプリンだけでも3種類、普通のプリンも合わせれば8種類もあった。
焼きプリンと言えば一つしかないのではないかと思っていた自分が甘かった。

ちらり。

メイリンを見る。
一つ商品を取り、買おうか悩んでいる。

買うからには喜ばれたい。
適当に自分が選ぶのも手ではあるが、折角一緒に来ているのだからメイリンが選ぶのがベストなのだ。
シンはもう一度プリンの棚に視線を遣ってからメイリンを振り返ると覚悟を決めてメイリンの元に寄っていった。

「どっちが美味しいかなぁ?」
「あ?」

近付くと真っ先にメイリンから聞かれた。
見るとチョコレートで悩んでいるらしい。
ホワイトチョコか、ミルクチョコ。
好みで買えばいいんじゃないかと思ったが、メイリンはシンに質問をしておきながら彼の意見を参考にするつもりは無いらしい。
結局はすぐに一人で「どうしよう〜」と悩んでいる様子にシンは眉を寄せたが、一応言ってみる。

「俺はミルクチョコの方が好きだな」
「そっかぁ。じゃあ今日はミルク買おうかな」

参考にされた。

それにも少し驚き、シンはこの調子で声を掛ける事にする。

「なぁ、ちょっとこっち」
「ん?」
383鬼ジュール:2006/11/05(日) 22:43:28 ID:???

ミルクチョコを取り、シンの後ろを付いていく。

「今日貰ったから・・・」

それ以上の言葉を言えず、視線をプリンに誘うとメイリンも察したのかへらりと笑った。

「もしかして、買ってくれるの?」
「あぁ・・・・ついでだし」

いや、これが目的で来たんだけど。

それは恥ずかしくて言えない。
メイリンはそれで自分が誘われたのだと今納得したのだろう。
益々笑みを深くされるのが恥ずかしかったが、納得されて安堵もする。

「じゃあ・・・・どうしようかなぁ。焼きプリンも好きだけどミルクプリンも好きなんだ♪」

プリンは全部好き♪

「一つな」
「分かってるよー」

そんなに欲張りじゃないもん。

「あ、でも」

そう言った瞬間、右腕を掴まれた。
どきっと胸が跳ね上がる。
何気ない所作でするりとメイリンの左手が絡められ、視線が右を向く。

「あっちのクレープも美味しそう♪そう思わない?」
「・・・クレープでもいいけど」

それより、この腕は何のつもりで組んで来てるんだ?
周りから見たら恋人同士に見えてたりしないか?

そんな風に自意識過剰になっているのはじぶんだけだろうかとシンはワザと憮然とした表情を見せながら内心では汗を掻きそうだとどきどきしていた。

「あーん、どっちにしよう!」
「・・・幸せそうだな」

女は買い物が好きというが、物を買うのが好きなんじゃなくて「これから買うかもしれない」と思って商品をチョイスし、迷うのが好きなんじゃないかとぼんやり思う。
そうでなければ「どっちかは買えない」というのに、楽しそうにしている意味が分からない。
384鬼ジュール:2006/11/05(日) 22:44:27 ID:???
「やっぱりプリンにする!焼きプリン♪」
「はいはい」

それから更に3種類のうちどれにするかで散々つき合わされ、結局商品の謳い文句「表面こんがり、中はとっろとろ☆」に心惹かれてその焼きプリンを買う事に決めた。

焼きプリンを買うのはついでだと言ってしまった手前、他にも何か買わなければ疑われるとシンはスポーツドリンクを一つ取り、レジに持って行く時メイリンを振り返り、手を突き出した。

「何?」
「それも。時間が勿体無い」

散々メイリンが迷ったのに付き合っておきながら無骨に言う。
メイリンのミルクチョコを強引に取ると一緒にレジに出した。
何気ない素振りで遣ったつもりだが、違和感は無かっただろうかとそれだけが気になって、顔が赤くなりそうだった。


帰り道。


「お財布要らなかったな」

と、からりと笑うメイリンにシンは僅かに肩を竦めるだけで何も言わなかった。
これがシンに出来る精一杯の恰好付けで、精一杯の照れ隠しだ。
口を開くとボロが出そうで怖い。

別れ際、シンは自分のスポーツドリンクだけ取ると残りをメイリンに渡す。

「あの・・・・今日は悪かったよ。俺本当にあの時気分が悪くて」
「いいよ。役に立ったなら」

そうでしょう?

確認するように尋ねられると、それがまるでそれ以上の言い訳が必要ないと言われているようにも感じた。

そして同時に笑ってくれるメイリンに敵わないと、シンは唇を噛んだが、結局は笑顔を見せた。

「あぁ、助かった」
「良かった」

次には「それじゃあ、おやすみ」と、言い合ったのだが、中々二人とも離れがたいのか踵を返さないので、共に笑い、掛け声と同時に一緒に背を向け、それぞれの寮に戻った。

途中振り返ったらメイリンの背を見る事が出来たかもしれないと思ったが、もし振り返ってその時メイリンも振り返っていて視線が合ったらどうしようと思うと振り返れなかった。

しかし、完全に振り返っても見えないと分かる場所に辿りつくまで、シンの神経は背中に集中していた。

もし、メイリンが振り返った時に見られる背中が、だらしなくは見られたくはなかったから。


<終>
385通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 02:23:54 ID:???
この威力はやばいぜ・・・
GJと言わせてもらう!
386通常の名無しさんの3倍:2006/11/06(月) 18:05:55 ID:???
グゥレイト乙!!
387通常の名無しさんの3倍:2006/11/09(木) 00:09:16 ID:???
鬼ジュール氏乙!
そして保守
388通常の名無しさんの3倍:2006/11/13(月) 01:19:08 ID:???
保守
389通常の名無しさんの3倍:2006/11/16(木) 02:12:30 ID:???
保守
390通常の名無しさんの3倍:2006/11/17(金) 15:37:26 ID:???
ttp://ranobe.com/up/src/up149898.jpg
シンメイじゃなくて姉妹だけど
391通常の名無しさんの3倍:2006/11/18(土) 05:00:02 ID:???
【シンルナ厨】
シンとルナが幼馴染みのような関係と捏造→会話が全然ありません。キャラクターを本編以上に変更して妄想し周りに押しつける
シンがルナを睨んでたのは、アスランに嫉妬したかららしい→オーブ厨のアスランに言い寄る雌豚が憎たらしかっただけ
ステラを可哀想とかいえば確実に、そうでなくてもシンルナ批判すればシンステ厨→カプ厨と決めつけ同列の勝負に持ち込む
シンルナには期待してる人が多い→2年間一緒にいながら、壁がありすぎて印象が標準。
                      ルナはシン見下しすぎ、シンはステラに初めて固執。同僚以上の関係を望まない人>>>>シンルナ厨
シンルナは真実の愛に〜→例えそうなっても負債ともどもお前らが異常なだけです。キラフレと同じと思うなよ
セックル大好き→本当に大好き。エロネタスレだけよく伸びる
ルナがメインヒロイン→シンはどうでもいい。シンにくっつけてルナを正ヒロインと決めつけたいだけの厨多い。シンはマジどうでもいい

大体の
シン厨の反応→豚は寄ってくるな
ルナ厨の反応→シンなんてキチガイにくっつけるな!ルナの人気gフィギュアの売り上げg

一般の反応
・カプどうでもいい
・なんでここでキスしてるの?ドン引き。ロゴスのせいって・・・(゚Д゚)
・ステラじゃなかったっけ?死んでも思い続ける方が、フレイ忘れたキラよりマシだしシンぽい
・そもそもこの2人でカプ的なイメージがないから付いていけない

シンルナ厨の中の思い描く一般の反応
ステラが死んでるし、シンルナ描写来て人気どんどんうp

結果
サーチとやらのシンルナ厨サイトすら増えず(元々人気が他の妄想カプより弱すぎる、支持はほぼ2chのみ)、アンチや(゚Д゚)ハァ?な感想ブログ多発
AAが正義ぶってテロ正当化し、軍人見下す展開のがシンルナなんかやってる新キャラよりマシと感じてしまう
392通常の名無しさんの3倍:2006/11/18(土) 05:18:35 ID:???

      __)
    r´  `ヽ        〃Y"⌒`Y"ヽ
  、;,リ ノノ人,,)、!lノ从,   ( ((((`´))) ) 
 .ノ从゙ε;'(;:)')三;"∴ (⌒ ̄)从゚ヮ ゚#ノl.( 何、私と私の彼を殺そうとした男と!
  ´;"ヾ;づ/`≡ ≡"i´ ´  ̄.ヽ   と)
   ・ ヽ、_;⊃つ        `Y 人
                   ~(,,(_)

|  |      〃Y"⌒`Y"ヽ
| __)     ( ((((`´))) ) -__
r´  `ヽ   )从゚ヮ ゚#ノl.(  ─_____ ___
,リ ノ 从ノ    (ミ_(⌒\ ヽ _ ___
ノ从(≡ ̄ ̄ ̄ ̄三\ ⌒ノ ノ)     付き合ってんのよ!
|(つWつ  ̄ ̄\  ⌒彡)   ノ =_   この尻軽女!
| \つ-つ    \,__,ノ ノ
|  | )       / / ≡=
|  |       / ノ      ____
|  |        /ノ _─ (´⌒(´
|  |        ミ/= (´⌒(´⌒;;

          ヽヽ\ヽ
〃Y"⌒`Y"ヽ.   !il |li!i li|!|l
( ((((`´)))   |      |  _/_ 〃
)从 ゚ ヮ゚ノl.(    |      |   / / ツ
   (〇===○==|      | __)
   くんヘ ゝ .   |    从 |  `ヽ
   (_//     . `ー-Σ  て 人,,)
              ノ从゙ε;'ノリ
                  /
あんたなんかもう姉妹じゃないわ!!


         __)              〃Y"⌒`Y"ヽ
    ;从人;r´  `ヽ(´⌒(;・"⌒`)    ( ((((`´))) )
   从人从Oリ ノノ人,,)。从;'人;(´⌒;`);;⌒)从゚ヮ ゚#ノl.( 炎にあぶられ苦しみながら氏ね!
 人;゙人;゙;゚;;ノ从;;)゚゚Д(:;ノリ 从从;从人;⌒`)  (    )
 从从人;゚;从从;从从;゚;ノ 从ノ/从;゙;゚;ノ;;    | | |           
;;);;;),,;)(::::):::,从从;从人从;';;人(::::):::)      (_(__)     
393通常の名無しさんの3倍:2006/11/19(日) 22:53:03 ID:???
保守
394通常の名無しさんの3倍:2006/11/23(木) 01:02:44 ID:???
ほしゅ
395通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 03:10:23 ID:???
保守
396通常の名無しさんの3倍:2006/11/26(日) 15:35:11 ID:???
落ちそう
397通常の名無しさんの3倍:2006/11/28(火) 21:37:36 ID:???
保守です
398通常の名無しさんの3倍:2006/12/01(金) 02:23:27 ID:???
ねたぁ〜
399通常の名無しさんの3倍:2006/12/04(月) 01:51:29 ID:???
ほす
400通常の名無しさんの3倍:2006/12/06(水) 00:39:53 ID:???
hosyu
401通常の名無しさんの3倍:2006/12/08(金) 01:23:41 ID:???
ほす
402通常の名無しさんの3倍:2006/12/12(火) 06:33:29 ID:???
ほす
403通常の名無しさんの3倍:2006/12/15(金) 14:46:04 ID:???
あげ
404通常の名無しさんの3倍:2006/12/18(月) 00:48:07 ID:???
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1161506162/l50

人気皆無でアンチ激多だだから盛り上がるはずなのに
なぜか盛り上がらない。アンチさん、豚を殴りまくろうぜ
405通常の名無しさんの3倍:2006/12/19(火) 02:40:55 ID:???
hosyu
406通常の名無しさんの3倍:2006/12/20(水) 23:47:35 ID:???
PHASE-12「血に染まる海」でシンが初種割れした時の話



シンはオーブの砲撃に気をとられ、ザムザザーにインパルスの足をもぎ取られ吹っ飛ばされる、パワーも底をついた

メ「シン!」

落下するインパルス

シ「こんなことで…、こんなことで俺は!」

種割れするシン
再浮上するインパルス

シ「ミネルバ、メイリン、デュートリオンビームを!それからレッグフライヤー、ソードシルエットを射出準備!」
メ「シン…」
シ「早く!やれるな!」
メ「は、はい!」
タ「指示に従って!」

メ「デュートリオンビーム照射!」


それからシンの凄まじい活躍によりミネルバは危機を免れた


ミネルバに戻ったシンはクルーにその活躍を称えられた

ロッカールームを出たシンはルナマリアと共に廊下を歩いていた
ルナマリア「お疲れ様、ゆっくり休みなさいよスーパーエース☆」
シン「うん」
ルナマリアは自室の方へと歩いて行った
シンも自室へと歩き始めた
407通常の名無しさんの3倍:2006/12/20(水) 23:49:17 ID:???

メ「シン!」
シ「メイリン」
駆け寄るメイリン
メ「大丈夫?」
シ「うん」
メ「よかった、ほんと心配したよ〜」
ぺたん
メイリンは脱力してその場に座りこんだ
シ「メ、メイリン?」
メ「シンのあんなピンチも、あんな指示も初めてだったから、あたしびっくりしちゃて…」
鼻で笑うシン
シ「自分でもびっくりしてるんだ、あんな戦い方ができた事」
メイリンはシンを見上げた
メ「そうなの?」
シンは頷き、手を伸ばした
メイリンがその手をとり立ち上がる
メ「でもほんとすごかったよ、頼れるエースって感じ」
シ「ほんとかよ」
呆れたように笑いながら自室の方へ歩き出すシン
メ「ほんとに!かっこよかったよシン♪」
シ「そんなおだてなくても守ってやるよ、ミネルバもメイリンも」
メ「シン…〃」
背中を見送るメイリン


メ「お世辞じゃないもん…」
408通常の名無しさんの3倍:2006/12/21(木) 09:05:07 ID:???
久々に書き込みキター!GJ!
409通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 03:14:55 ID:???
「いい加減にしろよな!あの教官・・・」
また始まった・・・という表情でメイリンは軽くため息をつく。二人は食堂に向かって歩いていた。
「だいたい、あの教官、俺よりMSの操縦下手だろ!?」
毎度毎度、シンは教官に反抗しては、罰当番を食らうのだ。食堂に向かうまでの道で、メイリンがシンの愚痴を聞くことは二人の日課になっていた。
最近、恋人同士になった二人。
アカデミに入って少し経ったころから、メイリンはシンにほのかな恋心を抱いていたのだ。なんで好きになったかは分からない。
最初は、ただ単純に姉が連れてきた友達であったのだ。しかしいつからか、あの真紅の瞳を見ると
胸が熱くなって・・・ああ、自分はシンがすきなんだ。そう気づいたのである。
しかし、少し引っ込み思案な気があるメイリンが告白に踏み切ったのは、ほんと最近のことであった。
シンもメイリンのことは、割と好きだったので、二人は恋人同士になったのだ。
「うーん・・・あたしもあの罰の量はないと思うけどー・・・」
そりゃ確かにシンは教官よりMSの操縦で秀でている面はあると思う、だが・・・シンはあまりにも子供すぎるのである。
本来、授業はお昼前には終わる予定だった。しかし反抗した罰として追加で授業を受けていたシンは、結局2時過ぎまで解放されなかった。
「ねぇ、お昼食べにいこっ!」
でもあたしはシンの思い、苦しみを知ってるから・・・。オーブで家族を失った苦しみ。なにかにつけて人に反抗するのは
そうすることで何かから自分を守っているような・・・そんな気がする。ときおり見せる
遠くを見る表情がそれを物語っている。シンの苦しみを癒してあげたい。そう思う・・・だから
「ん、ああ・・・そうだな!」
笑顔を取り戻してくれるシン。
こんなありふれた日常のささやかな幸せでいい。
シンにはずっと笑っていてほしいから・・・
「じゃあ今日はシンのおごりねっ!」
「今日はじゃなくて今日もだろがっ!」
ずっと自分はシンのそばにいるのだ。





すみません、かなり下手ですが・・・いつか上手になります・・・。
まぁ、誰も見てないよね・・・。

410通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 03:53:10 ID:???
GJ
記念に俺も何か書くよ
卒論そっちのけでw
411通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 04:29:35 ID:???
今日はクリスマス。
シンは自分の部屋で一人ごろごろしながら雑誌を読んでいた。
ヨウランたちはアカデミーの生徒会主催のパーティーに行ったらしい。
シンも誘われたのだが、カップルもシングルも集うパーティーに
男集団で行くのは何だか気恥ずかしく、断ってしまった。
最もヨウランたちは
「そんなノンキなこと言ってる余裕は俺たちにはねえんだよ、
人(女)の集まるとこには行って出会いを求めないと。
気取ってるといつまで経っても独り者だぜ!?」
となりふり構っていなかったのだが。

「しかしよく考えたら一人じゃさすがに暇だなー…」
シンが暇を持て余し、体面のために誘いを断ったことを後悔していると、
部屋に備え付けられている内線が鳴った。発信元はルナの部屋のようだ。
「もしもし?何か用か?」
受話器の向こうにいるのがルナだと決めてかかっていたシンは、
帰ってきた声に少し驚いた。
「シン、今ヒマ?ヒマしてるよね、どうしようもなく。」
声の主はメイリンだ。
「何で決めつけてんだよ。ていうか、お前パーティー行ってないの?」
「当たり前じゃん、どうせアカデミーの生徒しか来ないし、
おまけにカップルのイチャイチャするところまで見せつけられるんだよ?
わざわざイヤな思いしに出ていきたくなんかないもん。」
「ふーん。」
「でさ、そうは言ってもヒマだからさ、これからお姉ちゃんと一緒に遊ぶんだ。
だからシンもおいでよ。」
「いや、だからオレはまだヒマだとも言ってな…」
「じゃ待ってるから。早く来てね〜」
ガシャッ。
「……」
電話を使った会話であったのは確かですが、
こんなに一方的な会話があるんでしょうか。
姉さん、これはコミュニケーションと呼べるのでしょうか。
そんなくだらないことを考えたシンだったが、
ヒマを持て余した身にはありがたい誘いであったのも事実だった。
「しょうがない、行くか…」
シンは自分の部屋を出て、ルナマリアの部屋へ向かった。
412通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 05:02:40 ID:???
ルナマリアの部屋の前に着いたシンが呼び鈴をならすと、
中からメイリンの声が返ってきた。
「はーい。カギ開いてるよ〜」
シンは姉とはいえ他人の部屋を我が物のように扱うメイリンに苦笑しつつ、
中に入った。
「すごいくつろぎっぷりだな。家主はどうしたんだ?」
「お姉ちゃんならお菓子と飲み物買い出しに行ったよ。」

うん、おかしいな。「おいメイリン、年功序列って言葉知ってるか?
これは古きよき時代からある言葉でな」
「シンってたまにジジくさいこと言うよね〜」
「なっ、お前…」
「ゲームで私が勝ったの。シン、弱肉強食って言葉知ってる?」
知ってるさ、知ってはいるがそれは10代のうら若き乙女が
口にする言葉では…
「お姉ちゃんもうちょっと時間かかるみたいだからさ、
シンもゲームしようよ」
「いいけど買い出しはもう必要ないんだろ?」
「うん。じゃあね〜…負けた方は勝った方の言うことを1つ聞く!
なんかゲームにありがちな展開だよね、コレ!」
お前は一体どんなゲームをやってるんだ…
「オッケー。で、何のゲームで勝負するんだ?」
「ん〜とね〜…私が最近ハマってるゲーム、連ザ2!」
「なんだそれ?」
「んー、ロボットゲーム??」
「いや、俺が聞いてるんだけど。
ていうか、それってそっちが有利過ぎないか?
俺それやったことないぞ?」
「でもロボットゲームだよ?パイロット志望のシンが、
オペレーター志望のあたしになんか負けないよね?」

カチン。

「当たり前だ。俺はゲーム得意だし、
メイリンなんかに負けるかよ。」

この時点で既に戦いは始まっていたことに、
純情なシンはまだ気づいていなかった。
413通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 05:27:51 ID:???
ゲームの電源を入れ、対戦モードを始める。
「シン初めてでよく分かんないだろうから、
シンプルに1対1にするね。機体とキャラクター選んで。」
「なんかいっぱいあってよく分かんねーな。
デフォルトのやつでいいや。」
「インパルスか。なかなかいい選択だね。
しかもそのキャラクターなんかシンに似てない?」
「そうか?」
「じゃああたしはグフでも使おっかな。
パイロットは…あたしとおんなじ赤い髪の女の子にしよっと。
ショートなのがちょっと違うけど。
どっちかっていうとお姉ちゃんに似てるかな?」
「いいのか?なんかオレの方が強そうだぞ?」
「いいのいいの。ハンデみたいなもんだよ」

ムカッ。

「俺は手ぇ抜かないからな!」

そして試合が始まった……


「……ちくしょう……なんでこんなヤツに……」

結果はシンのボロ負けに終わった。
「シンもまだまだ修行が足りないみたいだね〜」

反論したいのはやまやまだが言葉が見つからない。
まさかここまで強いとは。想定の範囲外である。

こちらの攻撃はことごとくかわされる。
向こうが遠距離からバラまく弾に痺れを切らして
前に出たところを、ムチのようなものではたかれた。
着地の際のスキもムチで引き寄せられ、
剣で切り裂かれた。
メイリンの言う、自分に似たキャラクターが
悲鳴を上げながら爆散するのを見るのは、
本物のMS操縦でも味わったことのない屈辱であった。

「あたしはパイロット志望じゃないけどさ、
お姉ちゃんやシンから訓練の話聞くと自分も
乗ってみたくなるんだよね〜。でも、
本物はムリだからこのゲームやってたんだ。
そしたらこんなに上手くなっちゃってー。」

別のゲームにするんだったと後悔するも、
時すでに遅し。挑発に負けた時点でシンの負けは
確定していたのであった。
414通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 05:55:14 ID:???
「さ〜て、お楽しみの罰ゲームです、
なんにしよっかな〜」
「ぐ……」
姉を負かしてパシリに使う恐ろしい子である、
一体何をさせられるのか…
シンの不安ゲージはMAXを指していた。

「って言っても、実はこのゲームで勝負するって決めた時点で
勝つの分かってたから、罰も決めてたんだよね〜」
まあ、恐ろしい子!
シンは踊らされているだけだったというの!?

「え〜っとね〜…」
「なんだよ、早く言えよ!」
シンはゲージを振り切りそうな程の不安を
かろうじて抑えながら悪魔の下すお告げを待った。

「…シンは、今度の新年会パーティーに私と一緒に行くこと!!」
「……へ?」
「毎回パーティー出ないで引きこもってるのも
シャクだからさ、たまには出てやろう、ってコト」
「じゃあ今日行けばよかったじゃんか」
「一人じゃ行きにくいでしょ!だからシンも行くの!」

それはみんなにカップルってアピールすることに
なるんじゃないのか、と突っ込もうとしたシンだったが
顔を赤くしているお姫さまを怒らせてしまうと厄介だ、
となんとか口を噤んだのだった。


なぜかその後しばらくメイリンは上機嫌だったそうな。

ちなみに、そのさらに後、メイリンはあのゲームのプラント大会に出場して優勝し、
「赤い悪魔」と称されたいそう恐れられたそうですが、
それはまた、別の話…



ルナ「あれ、私の出番は?部屋だけ?」
415通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 05:57:02 ID:???
おしまい。
携帯からなんで読みにくかったらごめんね。
416通常の名無しさんの3倍:2006/12/25(月) 19:50:44 ID:???
おお! なんか久しぶりに活気が!
連ザII+の影響か?w
417アカデミでの話。part1:2006/12/25(月) 22:32:32 ID:???
「シン、一緒に食堂いこっ!」
「ん、ああ。それにしても今日の授業眠かったなー。あ、メイリンも一緒にいこうぜ」
「ううん、あたしはいいよ。まだ課題残ってるの。」
「そっか、がんばれよ。じゃ、また後でな!」
仲良しそうに、二人で並んで食堂に行くシンとルナマリア。
ばいばーいとヒラヒラ手をふってみる。
その背中を見送りながら、はぁっとため息をつくメイリン。
「いいよなー・・・お姉ちゃんは。」
メイリンは、一人ベンチに座ってサンドイッチを食べていた。
先ほど言った、課題が残っているというのは、嘘である。
本当はシンと一緒に食堂で食べたかったのだが、姉のルナマリアが先にシンを誘ってしまったため
自分の好きな人が、自分の姉と二人きりで食事してる光景なんて見たくないし、
好きな人と姉と自分で三人で食事にいくのもなんとなく嫌だった。
だから適当なうそをいって、二人と別れたのだ。
「あたしに足りないものって、何なのかなー・・・」
明るくて、社交的な姉。いつも自分はその影に隠れて・・・。姉みたいになりたいけど、なれない。
でも、やっぱこのままじゃだめだ。
「よし、決めた。」
メイリンはすくっと立ち上がり、自分の部屋に向かった。
その目は、女の目になっていた。
418アカデミでの話。part2:2006/12/25(月) 22:34:56 ID:???
「シン、いる?」
静寂を破った声の主はメイリンだった。
「メイリンか。どうしたんだよ?こんな時間に・・・」
当然、寝泊りする場所は、男子寮と女子寮にわかれている。
食堂を通じて建物的につながっているとはいえ、現在時計の針は23時を回っている。
門限は、22時なのだ。こんな時間に男子寮にきて、見つかりでもしたらどうするつもりなのだろうか。
「・・・」
ドアの向こうからは、返事がない。
「とにかく、入れよ。そこに突っ立ってると、見つかっちまうぞ。」
ドアを開けてあげると、私服姿のメイリンがいた。
一瞬だけ躊躇したようだったが、シンに促され、メイリンは部屋にはいった。

「こんな時間にごめんね、シン。迷惑・・・だったよね?」
「いや、別にそれはいいんだけどさ。ところで、何か飲むか?」
「ううん、いらない。ありがと」
この会話を最後に部屋は沈黙が支配していた。
そうして、かれこれ10分くらいは経っただろう。
沈黙に耐えかねて、シンは口を開いた。
「それで、どうしたんだよ?ほんとに・・・。」
さっきからうつむいたまま顔を上げようとしないメイリンに、シンが困惑気味にたずねる。
正直に言って、シンにはメイリンがこの時間に、つまり見つかればまずいことになる
この時間帯に、自分の部屋を訪ねてくる理由が分からなかった。
悩み事があるのなら、姉のルナマリアに相談すればよさそうだし、そうでなくてもこの時間帯に来ることはないだろう。
シンには、全く状況がつかめてなかった。
「ねぇ、シン・・・」
今にも消えそうな、か細い声で、メイリンは言葉をつむぐ。
「シンは、お姉ちゃんのこと、好きなの・・・?」
「え?何でそんなことを・・・?」
全く予期していなかった質問に、シンは狼狽する。
さらにわけが分からなくなった。なんでメイリンはそんなことを俺に聞くんだ?
「突然そんなこと聞かれてもなあ・・・」
苦々しく言い、視線を宙に泳がせるシン。
「お願いっ・・・シン、答えて!」
突然強くなった語気に、シンはびくっとして、メイリンを見る。


すみません、やっぱり上手に書けません・・・。




419通常の名無しさんの3倍:2006/12/26(火) 03:12:46 ID:???
久しぶりに来てみたら…
皆さんGJです!
420アカデミでの話。part3:2006/12/26(火) 21:51:41 ID:???
メイリンは目に涙を堪え、こちらを見つめている。
シンはどきりとして、視線をはずす。
彼は、激しく混乱していた。
どうしてメイリンが俺にそんなことを聞いてくるんだ?
それに、こんな遅くに・・・
ルナの差し金か?いや、ルナの性格からして、そんな回りくどいことはするまい。
では、なぜ・・・?
答えは既に出ているも同然であった。だがそれを認めるのには、時間がかかるのだ。
「わけわかんないよ、突然そんなこと聞かれて、すぐ答えられるわけないだろ?」
冷静を装って、言葉を押し出す。
「それに、部屋にいないことがばれたらうるさく言われるし。今日はもう帰れよ。な?」
ちょっとかわいそうな気もするが仕方あるまい。だって、そんなことを突然聞かれても・・・
正直困る。それに、部屋にいないことがばれたら、まずいことになるのは事実である。
メイリンは、黙っている。
「また明日、ゆっくり話そうぜ。俺も眠たいしさ。ルナも心配してるだろうし。」
これで大丈夫・・・。心の中で安堵しかけていたシン。だが返答は思いがけないものだった。
「大丈夫。お姉ちゃんにはちゃんと話してあるから。それに、あたしの部屋に見回りが来ても、お姉ちゃんがうまくやってくれるってさ。」
シンは絶句した。なぜそこまでする必要があるんだ。それに、ルナも協力していると言うことだ。規則にうるさいルナが?
一体なぜ・・・そんな益のない言葉だけが、シンの脳裏に浮かぶ。
やはり混乱するシン。メイリンは、さらに言葉を続ける。
「やっぱり、混乱するよね、こんな時間にあたし一人で来て。」
メイリンは少し悲しげに言う。
しかし、すぐに表情は変わった。
「あたし、シンのことが・・・」
シンが、その次に出てくるであろう言葉を覚悟した瞬間、
コンコン、というドアをノックする音がそれを遮った。シンの注意がドアに向く。
メイリンも、びくっとしてドアのほうを見る。
「シン・アスカ、いるか?」
声の主は教官だ。
まずい・・・どうする!?
もしもこの光景を教官に見られたら・・・。
あらぬ疑いをかけられてしまうだろう。
焦るシン。メイリンは、申し訳なさそうにこちらを見ている。
「シン・アスカ!いないのか?」
教官のドアノックが続く。
仕方がない・・・
「はい、すぐ出ます!!」
そう叫ぶのと同時に、メイリンの手を引いて、ベッドの方に向かう。
メイリンが不安げにこちらを見ている。
メイリンに、小声で告げる。
「少しの間、ここに隠れてろ!」
メイリンは、頬を赤らめて、こくりとうなずく。
メイリンに毛布をかぶせる。
男のベッドに突然寝かせられて、いい気分はしないだろう。
だがなりふり構っていられる状況ではない。
メイリンをベッドに隠す作業を終えたのを確認し、シンは
ドアに駆けていき、扉を開けた。
421通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 10:54:56 ID:???
いいよいいよいいよ〜
422通常の名無しさんの3倍:2006/12/27(水) 17:28:41 ID:???
>>420
続きキボンヌ
423アカデミでの話。part4:2006/12/27(水) 20:42:54 ID:???
「何なんです?こんな時間に・・・。」
シンは不機嫌そうにたずねる。
教官はシンの表情など気にしないで答える。
「メイリン・ホークを見なかったか?」
シンは思わずどきりとした。
メイリンなら・・・いる。俺のベッドの上に。
「あ、いえっ、自分は見ていません。メイリンがどうかしたんですか?」
平常を装って答える。
「ルナマリア・ホークから連絡があってな、部屋にいないらしいのだ。」
「え?」
シンは思わず目を丸くした。
なぜなら、さっきメイリンはルナに承諾済みだと言ったからだ。またわけわかんなくなったきた・・・。
「なんだ?どうした。」
教官が不思議そうに尋ねてくる。
「いえ、なんでもありません」
混乱しつつ答えるシン。
「そうか、ではよろしい。早朝の訓練に遅れないようにな。」
そういい残して、教官は部屋を去っていった。
教官の足音が完全に聞こえなくなっても、シンの心臓は激しく脈を打っていた。
シンは大きくため息をついていった。
「・・・もういいぞ。でてきても」
424アカデミでの話。part4-2:2006/12/27(水) 21:59:36 ID:???
その声に反応して、おずおずと毛布から顔を出すメイリン。
「ほんとごめんね、シン・・・」
すまなそうな顔をするメイリン。シンはまた大きくため息をついて言う
「ルナにちゃんと話したっての、あれうそだったんだな。」
シンは少し冷ややかに告げる。
「だって・・・このこと、お姉ちゃんには言えないもん・・・。」
「え?なんでだよ?」
泣きそうな顔になるメイリン。でもわからないものはわからないのだ。
メイリンは、今にも消えいりそうな声で、事実を告げる。
「お姉ちゃんも、シンのこと好きだから・・・。」
「え・・・?」
シンは殴られたような衝撃を受けた。
ルナが俺のことを好き?いや、待てよ。「お姉ちゃんも・・・」ってことは・・・
「だから、お姉ちゃんには相談できなかったの。お姉ちゃん、優しいから。」
今度はシンが黙る番になってしまった。
頭の中で考えがまとまらない。
シンのなかで、ホーク姉妹という認識は、恋人とか、そういうものとは無関係であった。
ルナは、女友達って感じだったし、
メイリンは妹みたいな、そんな感じだった。
さらに言葉を紡ぐメイリン。
「もう、シンもわかってくれたよね?どうして、あたしが来たか。」
またシンは黙るしかなかった。
そりゃここまでくれば、どんな鈍感なやつでも察することはできるだろう。
つまり・・・そういうことだ。
答えがわかっても、どうしようもないのだ。
どうすることもできず、シンはその場で硬直していた。



すみません、やっぱり上手に書けません・・・。part5あたりで決着をつけようかなと
考えてます。


425通常の名無しさんの3倍:2006/12/28(木) 02:42:02 ID:???
GJ!こりゃイイ
426アカデミでの話。part5(完結):2006/12/28(木) 13:46:28 ID:???
「突然こんな時間にごめんね、シン。今日はもう帰るね。」
そう告げると、メイリンは扉に向かって歩き出す。
・・・このままでいいのか?
シンの心の中で思いが交錯する。
メイリンの思いを知ったとき、混乱と同時に、何か別の気持ちがはいってきた。
その思いに目を背けるのか?
考えるうちにも、メイリンはこの部屋から出て行こうとしている。
「おやすみ、シン・・・。」
一瞬、こちらを振りい向いたメイリンの顔が見えた。






427アカデミでの話。part5−2(完結):2006/12/28(木) 13:47:49 ID:???
やっぱりだめだ!
「待てよ、メイリン」
「え?」
メイリンが立ち止まる。
「別に、俺はまだ何も言ってないだろ。」
そう、メイリンの思いを知ったとき、
確かに自分は幸福を感じたのではないのか?
「俺だって、メイリンのこと・・・」
「・・・何?」
肝心の二文字が出てこない。
でも、今更引き下がるなんてことは・・・できない。
「だから・・・その・・・」
口ごもるシンを、メイリンは黙って見つめている。
「だーー、もう!」
シンはメイリンを強引に抱き寄せた。
メイリンが一瞬ひるんだように見えたが気にせず、強く抱きしめる。
温かく、やわらかい体。
抱擁の後、シンが身を離すと、メイリンと目が合った。
自分がやったことを思い出し、シンは真っ赤になる。
熱がおさまり、我に返ったシン。
「ご、ごめん、俺・・・。」
「びっくりしたよ・・・もう。」
照れくさそうな顔のメイリン。
「明日、教官に怒られちゃうな」
「えへへ、シンの部屋にいましたって言っちゃおうかな」
「お、おいメイリン・・・」
「冗談だよ、シン」
いたずらっぽく笑いながら、メイリンは言う。
「じゃあ、今日はもう帰るから。おやすみ、シン」
「ああ、また明日な。」
メイリンの足音が聞こえなくなって、シンはふぅーと息を吐き出した。
今でも、自分がやったことを思い起こすと、顔から火が出そうだった。

<終>

すみません、これで完結です。
428通常の名無しさんの3倍:2006/12/28(木) 15:43:58 ID:???
GJ

アニメによくありがちな
その後の二人とか期待してもよかですか
429通常の名無しさんの3倍:2006/12/28(木) 18:32:23 ID:???
GJ!
「びっくりしたよ・・・もう。」
430アカデミでの話。を書いた人。:2006/12/28(木) 18:54:59 ID:???
その後の二人ですか・・・。今日から冬休みなんで、考えてみますね。
431アカデミでの話。の後日談。:2006/12/28(木) 19:10:43 ID:???
「シン・アスカ、インパルス、いきます!」
「がんばってね、シン」
「了解!」
威勢よく飛び出していく彼を見送るメイリン。インパルスの機影がどんどん遠ざかっていく。
二人はアカデミを卒業し、新造艦ミネルバに配属された。
当然メイリンはオペレーターとして、シンはパイロットとして、だ。
メイリンに告白された夜から、二人は付き合いだした。
今では周りからも公認されたカップルである。
「がんばってね、シン」
メイリンは一人、小さくつぶやく。
アカデミのころと比べると、(当然のことだが)シンの腕は格段に上がっている。
それでも、愛する人が戦場に出向いて心配しない人はいないだろう。
あの一本の光の矢に貫かれたら、愛する人は死んでしまうのだ。
それは自分も一緒のことであるが。
シンはよく、「メイリンは俺が守る。」と言ってくれる。
その気負いがうれしくもあり、苦しくもある。
まるでそれが強迫観念と化しているような気がして・・・。
「メイリン、ソードシルエットを!」
「は、はい!」
はじかれたように答えるメイリン。
ほどなく、戦闘は終わった。

考えるつもりでしたが、下書き感覚で書いていたら、案外すらすらといったので、投稿します。



432アカデミでの話。の後日談。part2:2006/12/28(木) 19:45:45 ID:???
「インパルス、帰投してください。」
「了解!」
画面に移ったシンの顔を見て、メイリンはほっとした気分になる。
シンの顔が見たくて、格納庫へと急ぐメイリン。
「・・・たの?なんか急にスーパーエース級じゃない!」
シンを褒め称える姉を声が聞こえる。
ぱたぱたと駆けて行くメイリン。
シン達もメイリンに気づいた様子である。
「シン・・・よかったよ・・・。」
思わずシンに抱きついてしまう。なぜなら、常識では考えられない物量差
での戦いだったからだ。
よかった・・・と安心するメイリン。
「彼氏の心配するのはいいけど、あたしとレイは心配しないわけ?」
ルナマリアが会話に割ってはいる。
「え、そういうわけじゃ・・・」
怒っているのかと思ったら、ルナマリアはニヤッとして言った。
「ま・・・あとは仲良くやってください、お二人さん」
とたんにシンとメイリンは、顔が真っ赤になる。
「ちょ、ちょっとそんなんじゃないってば!」
真っ赤な顔で否定するメイリン。
「あ、そ?じゃあレイ、邪魔者は早く消えましょう」
「だからぁ、お姉ちゃん!」
必死になって否定するメイリン。
すれ違いざまに、ルナマリアはメイリンの耳元でつぶやく。
「頑張りなさいよ!」
そういい残し、ルナマリアはレイを連れて通路の向こうに消えた。
もうっと二人が消えたあとをにらむメイリン。
シンに向き直ると、とたんに涙があふれだした。
「お、おいどうしたんだよ?メイリン」
シンは慌てて言う。
「・・・って、だって・・・」
嗚咽を漏らすメイリン。
そんなメイリンを、シンはやさしく抱き寄せて言った。
「大丈夫だって。言ったろ?メイリンは俺が守るって。」

<終>
後日談完結です。ラストがちょっと微妙ですかね?うーん・・・上手になりたい。
433通常の名無しさんの3倍:2006/12/29(金) 00:03:58 ID:???
ぐっじょぉぉぉぶ!
私も投下していいですか?
434通常の名無しさんの3倍:2006/12/29(金) 00:48:14 ID:???
めっちゃGJです!!!!
次もがんばってください!
435通常の名無しさんの3倍:2006/12/29(金) 04:59:28 ID:???
>>409辺りからのこの流れ…
409には顔射、もとい感謝ですなあ
436アカデミでの話。新編。:2006/12/29(金) 20:56:44 ID:???
「あーあ、アカデミーとも今日でお別れかぁ。」
感慨深げに建物を見上げ、つぶやくメイリン。
「そんなにさみしいんだったら、あんたもう一年ここにいれば?」
姉のルナマリアがさばさばとした口調で言う。
「もぉー、そこまで言わなくてもいいじゃない!」
膨れるメイリン。
また始まったと、ホーク姉妹の姉妹げんかを横目で見ながら、シンは自身も感慨に浸っていた。
明日は、アカデミーの卒業式なのである。
「おーい、シン!」
シンが声のする方に顔を向けると、二人の男がシンに向かって駆けてきていた。
ヴィーノとヨウランである。姉妹げんかをしていたホーク姉妹も、駆けてきた二人に気づいた。
「ヴィーノ!ヨウラン!」
「よっ。いやー、それにしても驚いた。みんなそろって、ミネルバに配属されるとはなぁ。」
ヨウランは、驚きを含んだ口調で話す。
そう、ここにいるシン、ルナマリア、メイリン、ヴィーノ、ヨウランは
揃って新造艦のミネルバに配属されることになっているのだ。
シン、ルナマリアはパイロットとして、メイリンはオペレーターとして、ヴィーノとヨウランはMS技術スタッフとして、だ。
「ほんとだよねー。聞いたとき、びっくりしちゃったもん。」
またみんな一緒だね!とうれしそうに言うメイリン。
「それでさ、今日の夜、シンの部屋でお別れ会しないか?」
お調子者のヴィーノが切り出した。
「って、何で俺の部屋なんだよ!」
「いいじゃんか。どうせひまだろ?」
憮然として答えるヴィーノ。
「いや、だからそうじゃなくて・・・」
はぁっとため息をつくシン。
「けってーい!じゃあ今日の夜6時に、シンの部屋に集合!」
ヴィーノが高らかに決定を告げる。
「じゃ、またあとでな!」
そういい残し去っていくヴィーノとヨウラン。
「お別れ会かぁ。楽しみ!シン、またあとでね!」
ルナマリアとメイリンも別れの言葉をいって、部屋に帰っていった。
・・・ったく、と一人ごちながら部屋に戻ったシン。
ごろりとベッドに横になる。
はぁーと、息を吐き出す。
いろいろな思い出が蘇ってくる。なにせ、数年を過ごした場所なのだ。
うるさかった教官、眠かった授業、MSの操縦訓練
それと・・・
思い出に浸っていると、急に疲れが出てきて、シンそのままは寝てしまった。


また書いてみました。


437通常の名無しさんの3倍:2006/12/29(金) 23:17:18 ID:???
GJ!!
438アカデミでの話。新編。part2:2006/12/30(土) 00:51:47 ID:???
コンコンというドアノックの音が、シンを夢の世界から現実に引き戻した。
シンはベッドから体を起こし、ドアに向かう。
「シン、いないのー?」
どうやらメイリンのようだ。
「いるいる!ちょっと待って」
ドアのロックをはずし、扉をあけるとメイリンがちょこんと立っていた。
「あれ、シン寝てた?」
「ん、ああ、ちょっと。それで、どうしたんだよ?」
時計を見るとまだ4時過ぎである。
6時にはまだまだ時間がある。
「お別れ会のためのお菓子買いにいこうかなーって思って。それで、シンも一緒に
どうかなって思って。」
それならルナといけばいいのに、と思ったがせっかくの誘いだ。
「わかった。俺も行くよ。」
急いで支度するシン。ポケットに財布を突っ込む。
売店までは結構距離がある。かといってそれほど遠いわけではないが。
歩きながら、シンは先ほどの疑問を口に出す。
「てか、なんでルナと一緒にいかないんだよ?」
横を歩くメイリンはうつむいて答えた。
「・・・んだもん」
「え?聞こえないよ」
「だって、シンと二人きりで行きたかったんだもん。」
メイリンが小さな声で言う。
「え?」
その瞬間、シンは耳を疑った。メイリンが?俺と二人きりで?
それって・・・いや、そんなはずは・・・
メイリンを見ると、メイリンはうつむいたまま顔をあげない。
「メイリン・・・?」
おそるおそるメイリンの顔をのぞきこむ。
メイリンの瞳がちらっと動いて、シンをみた。




すみません、part1の最後の行に誤字がありました。すみませんです。
×シンそのままは寝てしまった。

○シンはそのまま寝てしまった。
です。申し訳ありませんorz


439通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 02:35:06 ID:???
いっぱい来てる!保守しててよかった〜
しかもかなりメイリンがかわいく書かれてて嬉しい限り
>>433さん待ってます
440アカデミでの話。新編。part3:2006/12/30(土) 19:01:49 ID:???
シンは、理解した。どうしてメイリンがうつむいていたのかを。
そしてシンが理解したのと同時に、メイリンは走り出した。
「メイリン・・・このやろっ!」
シンはメイリンを追いかける。
要するにメイリンは、声を出さず笑っていたのだ。顔中を口にして。
「あははっ、シンったら本気にしちゃった?」
立ち止まり振り向いて、メイリンはいたずらっぽく笑う。
「別に・・・本気にしてないけど」
メイリンに追いついたシンは、憮然とした表情で答える。
笑うメイリンの顔が、今は亡き妹に重なったからだ。
なんというか・・・勝てないなぁと思った。
「えへへ、ごめんね、シン」
シンの頭をなでなでするメイリン。
そんなメイリンをシンは横目で見ながら、なんだかんだで売店についた。


どうやったらネ神みたいに上手になれるのかなぁ。
>>433さん、自分も待ってます。


441通常の名無しさんの3倍:2006/12/30(土) 23:54:36 ID:???
毎度ながらGJ!!
ちょっとネタを思いつかないので保守・・・・・・
>>433さん、マジで待ってます!
443433:2006/12/31(日) 19:26:26 ID:???
「シン次これ、あ〜ん」

パクッ

「どぉ?」
「…うん……おいしい…」
「さっきのとどっちが美味しい?」
「…さっきのかな…」

ここはホーク姉妹の部屋
シンはメイリンにチョコを食べさせられていた
だがシンの表情は曇っている

「シーン!これも食べてみて!」
ルナマリアがキッチンから出てきた

今度はルナマリアがシンにチョコを食べさせる
「はい、あーん」
「無理…」
「え?」
「もー食えない!吐きそう!」
2時間ほど前にルナマリアとメイリンに部屋に呼ばれたシンは
それからずっとチョコを食べさせられているのだ
流石のシンも限界である

「じゃあこれで最後にするから、ね?」
「ほんとに最後だからな、メイリンも!」
「はーい…」

シンはルナマリアの持っているチョコを自分で取って食べた

モグモグ

「どぉ?」
「…これが一番うまい」
「ほんと?じゃあこれにしよっと☆」
「ぅー、あたしのとどっちがおいしかったぁ?」
「うーん、さっきのメイリンのが一番美味かったかな」
「ほんと?☆えへへー♪」

「酷いシン…」
「あっ、あー、ルナのも美味いよ」
「ほんと?」
444433:2006/12/31(日) 19:28:20 ID:???
「うん、アスランは確か甘さ控えめの方が好きだったはずだし
ルナのチョコの方がアスランの口に合うかも」
「そうなんだ!ごめんねメイリン、この勝負もらったわ☆」
「そんなの明日になってみないとわかんないじゃん!」
「てか、なんで俺がアスランなんかの為にこんな…」

明日はバレンタインデー
なぜシンを部屋に呼びチョコを大量に食べさせているのかというと
ホーク姉妹憧れのアスランに渡す手作りチョコの
味見をシンにしてもらうためだったのだ

「ふわ〜あ」
「眠いのシン?…うわっもうこんな時間!」
メイリンが時計を見ると時計は深夜12時を指していた

「今日はこの部屋で寝る?」
「…そうだな」
ルナマリアに聞かれるとシンはメイリンのベットに横になった

「私たちも寝ましょう」
「そうだね」
テーブルの上のチョコを片付け各々のベットへ向かう姉妹

ルナマリアはメイリンのベット方を向いて横になる
シンはメイリンのベット上で壁の方を向いて寝ている、
メイリンはそのシンに背中をくっつけルナマリアの方を向いて横になる
445433:2006/12/31(日) 19:30:24 ID:???
「明日が楽しみね☆」
「アスランさんはきっとあたしのがいいって言ってくれるもん!」
「あなたのは甘すぎよ、大人なアスランにはビターチョコで勝負よ」
「ぅー」
「☆」
勝ち誇った表情を浮かべるルナマリア

「もーいいもん!あたしにはシンがいるもん!」
そういうとメイリンはルナマリアに背を向け
シンの背中に抱きついた
シンはもう眠っているようだ

「うっ…」
何だか悔しそうなルナマリア

「ねぇ…シン起きてよぉ…」
メイリンは軽くシンの体を揺する

「寝かせてあげなさいよ…」
ルナマリアはイラついた表情でメイリンのベットを見つめる

「シ〜ン〜ってばぁ…」
「…チッ、なんだよ…」
舌打ちをし寝返りをうつシン

「♪」
シンがこっちを向いたのをいい事にさらに抱きつくメイリン

「ん〜♪シン〜、ギュッてしてぇ♪」
「…んんー…」
シンは気だるそうにメイリンを抱きしめた

「へへへ〜♪シーンー♪」

ルナマリアは唇を噛みしめていた
446433:2006/12/31(日) 19:34:02 ID:???
…翌朝

食堂にはモーニングを食べるアスランの姿があった

そのアスランの耳に隣のテーブルの女の子達の話し声が聞こえてきた

「聞いて聞いて、さっきルナとメイリンを起こしに部屋にいったのよ
そしたらブザー押しても応答なくってさ
ロック掛かってなかったから入ったの
そしたらルナのベットには誰もいなくて
メイリンのベットに3人寝てたの!」
「3人?」
「ルナとメイリンと……誰?」
「シン・アスカ☆」
「「えーっ!」」
「シンアスカが真ん中で2人を腕枕してたのよ!
メイリンはシンアスカに顔くっつけててさ、
ルナなんか手が…」
アスランはそこまで聞いて席を立った

「…あ、あいつらどういう仲なんだ…」


結局その日ホーク姉妹は
アスランにチョコを渡すのも忘れ部屋でシンと遊ぶ事に夢中になっていたそうだ


おしまい






シンメイルナみたいになっちゃったし、短いし、下手ですいません

アカデミでの話。続き楽しみにしてます!
447通常の名無しさんの3倍:2006/12/31(日) 22:22:31 ID:???
よく頑張った、感動した!!w

時間できたら俺もまた書くよ
448アカデミでの話。新編。part4:2007/01/01(月) 02:16:10 ID:???
「あれ?シンと・・・メイリン」
店の中に入ると二人は、ルナマリアとばったり出くわした。
「どうしてあんた達一緒にいるわけ?」
ルナマリアは、シンとメイリンの顔を交互に見比べて、言う。
「え?いや、別にどうしてって言われても・・・」
シンは返答に困った。どうしてといわれても・・・困る。
ただ、メイリンが部屋に誘いにきたから一緒に来ただけで・・・
すると、ルナマリアはメイリンを見てにやりと笑う。
「ははーん・・・メイリンあんた・・・」
その先を言われまいとして、メイリンは顔を真っ赤にして否定する。
「ち、違うってばお姉ちゃん!ただ暇だったからシンを誘っただけっ!」
するとルナマリアは、さらにいじわるっぽく笑う。
「あれ?あたしはまだ何も言ってないけど?」
やはり姉のルナマリアのほうが一枚上手である。
「もー!お姉ちゃん!?」
ホーク姉妹のじゃれあいを不思議そうに見つめていたシンは、だんだんばかばかしくなり、
かごを取って歩き出した。
数秒送れて、メイリンが追いついてくる。ルナマリアは、一足先に部屋に帰ったみたいだ。
「ご、ごめんね、シン。お姉ちゃんが・・・」
メイリンは、いまだに頬を朱に染めている。
「え?別にいいけど・・・」
シンはこともなげに言う。
「てか今考えたら、みんなそろってミネルバならお別れ会とか開かなくてもいいじゃんか!」
シンはもっともな突込みをする。
「別にいいんじゃない?おもしろそうだし」
メイリンは笑いながら答える。
雑談しながら買い物していると、いつのまにか買い物籠はスナック菓子やらジュースやらでいっぱいになっていた。
「こんなもんでいっか」
レジに向かおうとするシン。
449アカデミでの話。新編。part4-2:2007/01/01(月) 02:21:05 ID:???
メイリンは・・・と振り向くと、メイリンはデザートコーナーとにらめっこしていた。
「どうしたんだよ?メイリン」
どうやらメイリンは、どのデザートを食べようか、迷っているみたいだ。
確かに、メイリンが迷うのもわかる。あらためてみると、一口にデザートといってもたくさんの種類がおいてあるのだ。
売店という名ではあるが、シャンプーやはみがきなどの日用品も取り扱っており、そこら辺のコンビニよりは品揃えが豊富である。
「うーん・・・どれにしようかなぁ・・・」
どうやらメイリンは、真剣に悩んでいるみたいだ。
「ねぇ、シン。この焼きプリンとモンブランどっちがいいかな?」
「うーん・・・じゃあこっち」
シンはテキトーにプリンを指差した。別にどっちでもいいのだ。
「えー、プリンかー・・・うーん・・・」
こちらが質問に答えたというのに、どうして迷うのだ・・・。悩み続けるメイリンに、シンは告げた。
「あーもう、俺が両方おごってやるから!」
メイリンは、ぱっと笑っていった。
「え?ほんとに?」
「ほんとほんと!だから早くいくぞ!」
「はーい!」
メイリンはプリンとモンブランを籠に入れると、うれしそうに言った。
450アカデミでの話。新編。part4-3:2007/01/01(月) 02:22:59 ID:???
「ありがとね、シン」
「いいっていいって。」
レジで会計を済ます。袋につめるてあらためてみると、結構すごい量だ。
一つの袋では収まりきれなかったため、二つの大きな袋を手に提げることになった。
「結構買ったなー・・・」
シンが感嘆したようにつぶやく。
「そうだねー・・・」
メイリンも同じくつぶやく。
「まぁ、これだけあれば大丈夫だろ。帰ろうぜ。」
「あ、あたしが半分持つよ。」
メイリンが手を差し出してくる。
「え?別にいいよ。そんなに重いわけじゃないし。」
確かに量はすごいが、中身はスナック菓子が大半である。見た目以上に軽いのである。
「いいって。あたしが持つ」
「そっか。だったら頼むよ」
「うん」
メイリンはシンから軽いほうの袋を一つ受け取ると、うれしそうに言った。
「シン」
「なに?」
「プリンとモンブラン、ありがとね」
「え?あ、うん」
「それと・・・」
「え?」
「ううん、なんでもないっ!」
わけがわからなくなったシンがメイリンの顔を覗き込むと、
メイリンはうれしそうに笑っていた。

>>433さん、GJです。
それと今回は誤字はない・・・はずです。あ、part3の最後から2行目ですが
×どうしたらネ神になれるのかなぁ。

○どうしたらネ申になれるのかなぁ。

です。申し訳ございませんでした。

それとみなさん
新年明けましておめでとうございます。
451 【小吉】 【466円】 :2007/01/01(月) 03:31:49 ID:???
はい、おめでとう。

「あ〜今日の訓練もマジきつかった!」
メイリンの部屋にシンがやってきた。
訓練を終えてシャワーを浴び、遊びに来たらしい。
「メイリン、なんか飲み物くれよー。おもいっきり冷えたやつ!」
「何よ、来るなり飲み物の要求?ちょっとは遠慮しなよー」メイリンは文句を言いながらも、冷蔵庫のあるキッチンの方に向かった。
「おっ、ちょうどスポーツドリンク出てんじゃんか〜!」
一秒でも早く喉を潤したかったシンは、
テーブルに置いてあった開封済のスポーツドリンクに手をかけた。
「ちょっ、それはあた…!!」
ゴクゴク…
「あ〜生き返る〜〜!!何かうまいなコレ!」

「も〜!!何考えてんのよ!!それはあたしが飲んでたやつでしょ!
なんでちょっとの間も待ってられないのよ!」
「いいじゃん別に、飲みかけでも。俺は気にしないぞ?
っていうか男はみんなそんなこと気にしないぞ?」
「わたしは男じゃないの!!
も〜どうしよう〜コレー」
メイリンは残りわずかになった自分のドリンクのボトルを持ち上げる。
「何だよ、そんなにイヤなら俺が全部飲むよ。ほら、貸せ」「う〜ん………」
「悩むようなことじゃないだろ?早くしろって」
「…………やっぱダメ!」
「え〜結局自分で飲むのかよー、めんどくさいやつだなぁ」
「シンだけなんて……ズルいから!」
「へ?」
「何でもない!はいコレ新しいの!」
「サンキュー。」

メイリンは自分も残りのドリンクを飲もうとしたが、シンの目の前で飲むのはやはり恥ずかしかったのか
それをこっそり冷蔵庫に戻すのだった。

終わり。
452433:2007/01/01(月) 04:43:01 ID:???
皆さんGJです!
あけましておめでとうございます
453通常の名無しさんの3倍:2007/01/02(火) 19:24:08 ID:???
ここのメイリンの可愛さは異常なんだがw
454通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 00:40:41 ID:???
あけおめです。
何か活気が出て、久しぶりに創作意欲が湧いてきた。
つーことで、投下させていただきます。

「あ〜、疲れた」

オペレーターの当番が終わり、ようやく数日振りのOFFになったメイリンが、うきうきとツインテールを揺らしながらロビーへと足を運ぶ。
するとロビー全体に異様な熱気が立ち込めており、TVモニターの前に男性クルーがわんさと押し寄せ、やんややんやと歓声を上げていた。
見ると、ヨウランやヴィーノも混じっている。
そこから離れたところにある自動販売機のすぐ横で、ルナマリアがジュースを片手に立ち尽くしていた。
メイリンはトテトテと姉の横へと移動すると、手持ちぶたさな表情の彼女に声をかける。
「お姉ちゃん、なにあれ?」
「ラクス・クラインの実況生ライブ、ここからすぐ近くの港でやってるんだって」
呆れたように呟くルナマリア。
「あははは・・・なるほど」

しかしここまで歓声を上げていては、肝心のラクスの歌が聞こえないんではなかろうか・・・。
それでも男達はミュージックと歌声に合わせて体を揺らし、掛け声をあげている。
「うわぁ・・・凄い、全員息ぴったりだ」
「・・・キモイ」
ボソリと呟く姉の苦言に苦笑いを浮かべると、踊っているクルー達の中にはシン・アスカがいないのに気づいた。
「あれ? シンはいないの?」
「あら、そういえばいないわね。」
室内に視線を流すと、ちょうどシンとレイが談笑しながらロビーの入り口にさしかかって、狂気乱舞している仲間の痴態(笑)にゲゲッと驚愕の表情を浮かべる。
455通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 00:43:02 ID:???
レイが二人に気づいて歩いてくる。その後ろにシンもついてきた。
「休憩か? ルナマリア、メイリン」
「ええ、そのつもりでここに来たんだけど・・・これじゃあねぇ・・・」
ジト目のルナマリア。
「まあ仕方ないさ。ミネルバが出航して以来、ろくな娯楽もないからな、ここは」
ジュースを買いながらシンは、仲間を擁護する。
「ふーん」
冷静なシンの態度に、ルナマリアは意外そうな表情を浮かべる。

「・・・ねえ、シンはあーゆーのには興味ないの?」
メイリンの問いに、シンはジッと考え込むと、ニパッと笑みを浮かべる。
久しぶりのシンの笑顔に、ドキッとした。
「まあ、嫌いじゃないし、ラクス・クラインのCDは何枚か持ってるけど、あそこまで熱狂はしないな。どっちかというと、俺は普通に身近な女の子の方がいいや」
ドッキーーーーン!
シンったら、な、な、なんてこと口走ってるのよ!
本人は全く考えなしの発言だった。でも、それだけに間違いなく本音である。
あっという間に自分の顔が真っ赤になったのを自覚したメイリンは、慌てて駆け出してしまった。

「そ・・・そう! うん、わかった! それじゃあ、私急用思い出したから・・・!」
「あ、ああ・・・。それじゃあ、っておーい前見て走れ、こけるぞ」
ツインテールをピョンピョンと跳ねさせながら、ドタバタとロビーを出て行くメイリンの後姿を見送って、ポカンと立ち尽くすシン・アスカ。

そっかぁ、シンってアイドルとかには興味ないんだぁ。
メイリンは真っ赤に染まった顔を両手で挟みながら、ミネルバの廊下を駆け抜けて行く。

「・・・急にどうしたんだ、メイリン?」
こちらを振り向くシンに、ルナマリアとレイは呆れたように長いため息を吐く。
「何気に天然で鈍感よねぇ、こいつ」
「そうだな。心中察するぞ、ルナマリア」
「・・・あんたは鋭すぎるのよ・・・」
肩を落とし、もう一度長いため息をつく、ルナマリア・ホークであった。

おしまい
456通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 23:38:02 ID:???
ガンダムだから反論はかなり多いと思うけど…
こんなのほほんミネルバ見たかったー
457通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 21:06:02 ID:???
保守
458通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:36:32 ID:???
萌えた。 こんなスレがあるとは。
459通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 14:51:23 ID:???
保守
460455:2007/01/08(月) 21:34:07 ID:???
今、ミネルバ艦内には異様な熱気が漂っていた。
男性クルー達は、カレンダーをめくりながら、そわそわとXデーを
待ち構えている。

「なーんか、みんな落ち着かないよね」
メイリンとルナマリア、そしてシンとレイの4人は食堂で朝食を
取りながら、食堂内にも漂っている空気を敏感に感じ取っていた。
「まあ、仕方ないだろう、何しろあの歌姫ラクス・クラインが
ミネルバに慰問に来るんだ。落ち着けというのが無理な話だ」
と、全く動じない表情でレイは黙々と朝食を食べている。

「で、なんでシンがそのラクス・クラインの送迎役なの?」
「あ〜、一応今回のイベントって中継されるらしいんだ。だから
ここからインパルスで港まで迎えに行って、こっちに連れてきて
艦上ライブやって、それからまた港に戻るまでを放送するんだって」
振って湧いた役得に、アイドルにはさほど興味がないと言ったシンも、
少々にやけ気味だった。
「で、なんでシンなの?」
「仕方ないだろ、ここから港までそれなりに飛べるモビルスーツって、
フォースシルエットのインパルスしかないんだから。なんでそんなに
怒ってるんだよ?」
「別に怒ってないわよ・・・なんで、もぐもぐ、飛行機を使わないで、
もぐもぐ、わざわざモビルスーツを、もぐもぐ、使うんだか」
喋るか食べるかどっちかにしろと言いたかったが、メイリンから
発せられる怒気に、何となく怖気づいてしまうシン。

「ごちそうさま」
メイリンは食べ終わると、さっさと席を立ち、トレイを返却すると
そのまま食堂から出て行ってしまった。

「なあルナ、メイリン何かあったのか?」
「・・・さあ、私は知らないわよ。本人に聞いてみたら?」
ルナマリアも食べ終わると、サッと席を立ち、同様に食堂から
出て行ってしまう。
「おーい・・・ルナさーん」
「先に行くぞ、ザクの整備がまだ終わってないんでな」
「あ、ああ。俺も食べ終わったら格納庫に行くよ」

ポツンと一人残されたシンは残ったスープを口に運ぶ。
「あれ、冷めてら・・・」
一人で食べる朝食は、食べ慣れているいつもの味のはずなのに
何となく不味かった。

おしまい。

まだ、この続き書いていいですかね?
461通常の名無しさんの3倍:2007/01/08(月) 21:48:18 ID:???
>>455
書いて書いて!
462通常の名無しさんの3倍:2007/01/08(月) 22:21:37 ID:???
>>455
→頼む、書いてくれ
463455:2007/01/08(月) 22:34:20 ID:???
>>461
レス滅茶苦茶はやっ!w

いよいよXデー!
ミネルバクルー男性一同(レイ除くw)は、満を持してこの日を
待ち構えていた。すでにミネルバの全体にはモールやボンボンの
飾りがつけられており、無骨な艦体にポップな装飾が浮かんで、
青い海の上で不気味な雰囲気を醸し出している。

「じゃあ、行ってくるよ」
パイロットスーツに着替えたシンが、見送りにきたレイに手を上げる。
「ああ、くれぐれも気をつけろよ」
「大丈夫だって、行って帰って来るだけなんだから」
「お前じゃない、ラクス・クラインにもしものことがあったら・・・」
・・・ただじゃすまないな。確実にヨウランやディーノらに殺される。
「・・・気をつける」

コアスプレンダーが所定の位置にセットされる。
バカヤロー! 死んでこーい! ラクス様だけはちゃんと連れて来いよー!
整備員達の妬みと怒号の声に見送られながら、エレベーターが上昇する。
「何で俺がこんな目に会わなくちゃならないんだ」

コアスプレンダーがカタパルトにセットされ、ナビ映像にツインテールの
少女が映し出される。
「あ、メイリン、あの・・・」
「・・・コースクリア、コアスプレンダー発進どうぞ」
こっちはこっちでまだ機嫌悪いし、勘弁してくれorz

四面楚歌の状況の中、シンのコアスプレンダーは海上へと飛び出し、
続いて射出されたフォースシルエットと合体。一路、港へと向かった。
464455:2007/01/08(月) 23:00:31 ID:???
「どうかしたの?」
一連の発進シークエンスを終えたメイリンに、背後からミネルバ艦長の
タリア・グラディスが声をかける。さすがに女性だけに、微妙な
メイリンの口調の棘に気づいたらしい。
「べ・・・別に私はシンがあんまり浮かれてるからって・・・」
「別に私はシンの事を聞いたわけじゃないですけどね」
「え? あ・・・! あぅ〜・・・orz」
墓穴を掘ったメイリンに苦笑しながらタリアは手元のインターフォンを
取ると、控えのアビーに連絡を取る。
「悪いけど・・・ええ、今回のイベントの間だけでいいから、ごめんなさいね」
「グラディス艦長?」
「そんな仏頂面でブリッジにいたら、こっちも落ち着かないわ。
 ロビーに行って、中継を見てきなさい」
「あ・・・ありがとうございます!」
メイリンはガバッと立ち上がると、ヘッドフォンを外し、席を立っていそいそと
エレベーターへと駆け出していく、入れ替わりにアビーが驚いた表情で
ブリッジインしてくる。
「彼女どうかしたんですか? 元気そうですけど?」
「そうね、みんな元気過ぎて爆発しそうなのよ。ミネルバは現海域に固定!
レーダー、哨戒員、大丈夫とは思うけど、一応念入りに周辺をチェックしてね」
艦長の指示のもと、ミネルバは速度を落とし、ラクス・クラインを迎え入れる
ために静かに停止した。

フォースインパルスが約束の港に到着すると、すでにイベント主催側の
車やヘリが待ち構えていた。
「こちら、ミネルバからラクス・クラインを迎えに来ました、シン・アスカです」
民間用周波数に合わせ呼びかけると、何人かのスタッフがゾロゾロと地上に出てくる
のが空から見えた。
『お待ちしてました。着陸するところから中継始めますんで、回線はそのまま
開けといてください。まずはゆっくりとこのポイントに着陸して、ラクス様を
手のひらに乗せてください』


やっべぇ、軽く書いてたのに、思ったより長編になりそうですorz
465455:2007/01/08(月) 23:05:32 ID:???
このポイントっつったって・・・正直狭い。
一応モビルスーツが着陸できるスペースはあるもののもともと普通の港である。
お世辞にも広い港とは言えない。それでもシンはできるかぎりゆっくりと、
地上に直接噴煙を向けないように、慎重に着陸をこなす。
「ふぅ〜、緊張したぁ・・・」

『ミネルバのレッドジャケット! スーパーエース、シン・アスカが到着しました!
ラクス様はこれから、ザフトの最新鋭モビルスーツインパルスに乗って
精鋭部隊ミネルバへ慰問に向かいます!』

「ぶはっ! スーパーエースだってよ(笑)。俺達って一応精鋭なのか?」
ヨウラン達がモニターの前で、やんややんやと喝采をあげる。
その中でメイリンはモニターを見て、憮然とした表情でモニターを睨んでいる。

うわ、シンったら何にやけてるんだか・・・。実際はにやけていないのだが、
どうやらメイリンにはそう見えるらしい。
手のひらに乗ってオートメーションで地上に降りるシン。すでにその手前に
ラクス・クラインは待ち構えていて、手を伸ばしたラクスの眼前に膝をつくと、
かしましく腰を下ろし、あたかも中世の王女に対する騎士のような仕草で
彼女の手を取る。

『勘弁してくれ、演出過剰だよ・・・orz』
「ご苦労様です、それではよろしくお願いしますね?」
いつもCDで聞き慣れた歌姫の声が、直接自分に向けられる。この上ない名誉の
はずだが、当の本人は緊張して、「はひ」と間の抜けた返事をするので精一杯だ。

しっかりその声も中継に流れ、ミネルバの艦内は大爆笑の渦。
「ああ、シンったらガチガチに緊張しちゃって」
いつのまにかメイリンの隣に来たルナマリアが、楽しげに彼の様子を見守る。
この辺りの余裕の態度はメイリンと人生経験の差であろう。

ラクスを右手に乗せて、左手でそれを覆うようにかばうと、ゆっくりと
インパルスは地上を離陸し、ミネルバへ向かって飛翔を開始した。

-------------------------------------------------------

ちなみに、このラクスはミーアですからね一応w
466455:2007/01/08(月) 23:06:41 ID:???
とりあえず今夜はここまでです。申し訳ありませんが、続きは
明日の夜にでも投下したいと思います。
467通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 02:41:46 ID:???
GJ!
続き楽しみにしてます
468通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 19:47:55 ID:???
久しぶりの長編SSだ!
469通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 19:50:37 ID:???
シンはアイドル興味ない奴だけどこういう注目浴びるのは苦手そうだからな
メイリン可愛いよメイリン
470455:2007/01/09(火) 21:55:39 ID:???
お待たせです。続きを投下します。


「大丈夫ですか? ラクスさ・・・ラクス様?」
中継用のヘリとの連動もあるので、さほど速度は出していないのだが、
インパルスの手のひらに乗っているラクスには、強めの風が当たっている
はずだ。長い髪が風になびいて、太陽の光を反射しキラキラと輝いていた。
「クスクス、無理に様づけでなくてもいいですわよ、シン・アスカ。全然大丈夫ですわ」

なんか想像してたのと違う。
ラクス・クラインといえば、もっと高潔で近寄りがたい雰囲気を
持っているかと勝手に思っていた・・・。
「・・・ハハ、それじゃあ!」
シンはちょっとインパルスの速度を上げ、一気に海面近くに急降下する。
中継用ヘリが慌てて進路を変えて、インパルスを追跡するが、追いつける
ものではない。
超低空を飛行しながら、ソッと右手をさらに下げ、海面スレスレまで
右手を下げる。通信機に中継用ヘリからのコールが鳴り響いているが
シンは無視した。
「あははは! 凄い、すごぉーい! ほらシン・アスカ、海がこんなに近く!」
満面の笑顔で思わず水面に触れようと手を伸ばすラクス。
時折舞い上がる水しぶきが、彼女の周囲で光を反射している。
471455:2007/01/09(火) 22:10:54 ID:???
「ちくしょー! 俺もパイロットコースに行ってればよかったぁ!」
中継映像を見たヨウランとディーノが叫ぶ、ロビーはブーイングの嵐だ。
「まるで恋人同士のドライブ気分ねぇ〜・・・あ」
呆れたように呟くルナマリア。その声は当然、しっかり隣のメイリンにも
聞こえていて・・・。
「ブツブツブツ、バカシン、アホシン、そのまま海面突っ込んで死んじゃえ・・・」
ツインテールの毛先を指でいじりながら、ブツブツと呪詛を吐くメイリン。

「さあ、もうすぐ到着です。ラクス・クライン!」
「あら、そうですの? 残念ですわ・・・」
すると海面の向こうに、見慣れた艦影が見えてくる。
「こちらインパルス、ミネルバの艦影を確認した」
『はい、こちらミネルバ管制。インパルスは艦体前部の中央カタパルト前に
着地してください。中央カタパルトが臨時ステージになります』
「了解・・・ってアビー? メイリンは?」
『彼女なら、たぶんロビーで中継をご覧になってますよ』
・・・やばい、ますます機嫌悪くなってそうだ。あいつラクス・クラインが
嫌いなのか?
472455:2007/01/09(火) 22:13:47 ID:???
インパルスはさっきの港と違い、慣れた動作でカタパルト前部の狭いところに
スムーズに着陸し、インパルスの手からカタパルトへと降り立つ。
「ミネルバの皆さーん、ラクス・クラインでーすっ!」
すでに待ち構えていたクルー一同が歓声を上げて、彼女を出迎える。
どうにか追いついたヘリも着陸し、無事中継慰問ライブがスタートした。

ふぅ、コクピットの中に流れる歌声を聞きながら、シンは大きく息をつく。
集音マイクを最大にすると、生の彼女の歌声が狭いコクピット内に響く。

『静かな〜この夜に〜♪ 貴方を待ってるの〜♪』

何だか、イメチェン前のしっとりしたバージョンが好きだったが、
今のポップカバーな「静かな夜に」も好きになれそうだった。

やがてライブも終了し、再びひとしきり歌い終わったラクスがインパルスに
歩み寄る。ちょっとコクピットを見上げて、近くの中継スタッフを呼びつけると
何やら話し込んでいるようだ。
「・・・?」
開いたコクピットカバーからその様子を見下ろすシン。
てっきりまた右手に乗るかと思ってたのだが・・・。しぶしぶという様子で
中継スタッフが移動ヘリへと踵を返す。それを見送ったラクスは、こっちを
見上げると、手をブンブン振ってニッコリと笑みを浮かべる。
「・・・嫌な予感がする・・・」
473455:2007/01/09(火) 22:35:06 ID:???
『シン・アスカ? ラクス様からの提案で、できればそのコクピットに
同席したいとのことです・・・ハァ〜』
「んなっ!」
思わず噴き出すシン。狭いから無理だとか、操縦がしにくいとか言い訳を並べたが、
「そう大した距離でもありませんし、レッドジャケットの貴方なら
大丈夫ですわ。よろしくお願いしますね、シン・アスカ?」
にっこりと小悪魔的な笑顔を浮かべたラクスに、がっくりと肩を落とすシン。
インパルスの巨大な掌にラクスを乗せると、ゆっくりと上昇を開始する。
「あれ?」
真っ先に様子が違うのに気づいたのは、メイリンだった。
「え・・・え?」
ヨウランやディーノ達も、てっきりそのまま立ち上がるかと思ってたインパルスが
まだ動こうとしない。やがてコクピットのすぐ脇まで、掌が上がった。
「もしかして・・・」
シンの伸ばされた手を取り、そのままコアスプレンダーに乗り込んだ彼女を見て、
ミネルバ全員の、空気が、完全に、固まった。
「んなっ!?」とルナマリア。
「シ・・・シン!?」とメイリン。
「ほお、シンもなかなかやるじゃないか」とレイ。
474455:2007/01/09(火) 22:41:57 ID:???
狭いコクピットだ、当然シートに座ったシンの上に、ラクスは乗ることになる。
「ちょっと待てぇぇぇぇ!」
艦内から一斉に怒号が沸き起こる。
俺・・・帰ってきたら、ぜってぇ殺される・・・(((( ;TДT)))ガクガクブルブル
シンの苦悩をよそに、目の前のラクスは、さあ参りましょうと、気楽であるw
こうしてインパルスはミネルバを離脱し、再び元来た港へと舞い戻る。
「ありがとう、シン・アスカ。とても楽しかったわ」
「こちらこそ、ミネルバへの慰問。本当にありがとうございました」
「・・・ええ、また機会があったら、ぜひ行きたいわ」

会話の内容までは中継されていないが、談笑する二人の様子は
ロングレンジのカメラで遠目に中継されている。
「落ちろ落ちろ落ちろ落ちろ・・・」ビシッ!
メイリンの握っていた机の縁が嫌な音を立ててひび割れた。
「意外だったわねぇ・・・あの人見知りの激しいシンが・・・」
「うむ、思ったより打ち解けたようだな」
あえてメイリンを無視して、会話を交わすレイとルナマリア。

港に到着し、地上に降りたラクスは、コクピットから乗り出すシンを見上げる。
「それでは、シン・アスカ、帰還します」
敬礼すると、ちょっと寂しげな表情を浮かべて、ラクスは手を振り返す。
それを見届けて、シンはインパルスを上昇させ、ミネルバへと帰っていった。

「・・・ホントありがとう、シン・アスカ」
帰っていくインパルスの後姿を見ながら、ラクスは手を振り続けていた。

さて無事に任務を成し遂げたシンであったが、ヨウランやディーノ達からは
無言のプレッシャーをかけられ、ルナマリアからは毎日のようにからかわれ、
メイリンからは1ヶ月以上、必要最低限の会話以外、完全に無視された
状況になったのは言うまでもない。

それでもいつの間にか、シンの私室にはラクス・クラインのCDの枚数が
何枚か増えていたという(笑)。

おしまい
475455:2007/01/09(火) 22:46:06 ID:???
しまった・・・メイリンの出番が超少ない・・・orz

ttp://www.youtube.com/watch?v=uV9ugXcMoAQ
↑これ見て浮かんだインスピレーションだったんで、シンミーアに
なってしまいましたorz

またこの続きのシンメイ挽回話も考えますんで勘弁してくださいorz
476通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 23:19:47 ID:???
後日談が待ち遠しいぜ。
ワクテカしてます。
477通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 01:12:49 ID:???
確かにシンミアのがあるかもね
でもプンスカメイリンが萌えだからおk
続き期待してます
478通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 05:56:23 ID:???
GJ続き楽しみにしてます!
ちょっと気になったんですが
ディーノってヴィーノの事ですか?
479455:2007/01/10(水) 08:55:27 ID:???
>>478
ぐはぁぁぁぁぁぁ!
メインキャラの名前を間違えるとはー!orz
脳内変換して読んでくださいorz

ミネルバの形状とかはちゃんと調べて書いたのに・・・。
480冬休みの話。:2007/01/10(水) 19:35:45 ID:???
「だーもう!こんなのやってられっか!」
そう口に出しながらも、シンの手は休むことなくペンを走らせている。
「そういってもやるしかないんだよ?仕方ないじゃない」
頬杖をかきながら答えるメイリン。
「そりゃそうだけどさ・・・」
シンは少し口を濁す。シン自身も理解しているからだ。やるしかないということを。
今、シン達は冬休み期間である。正確には今日まで、だが。
「口を動かさないで手を動かせば?明日の朝までには終わらせないといけないんだよ?」
焦っているシンとは対照的に、すでにそれを終えているメイリンは余裕の態度だ。
「てか・・・」
シンの手がぴたりと止まる。
「なんでメイリンがくるんだよ?このままじゃ課題終わらないじゃねーか!」
そう、今シンが必死に手を動かして終わらせようとしているもの、それは宿題であった。
「だいたい、なんでルナがこないんだよ?数学教えてくれるって言ったじゃんか!」
わめくシン。本来、シンが呼んでいたのはルナマリアだったのだ。だが、直前になって用事が入ったから行けない、と電話があり、急にメイリンがくることになったのである。
「だ、だからっ!お姉ちゃんは用事が入ったんだって!」
メイリンが少しむきになって言う。
「じゃあ何なんだよ?その用事ってのは。」
シ探るような目つきで、シンは問いかける。
「そ、そんなの知らないってば!ほら、早くしないと終わんないよ!」
「わかったよ・・・何なんだよマジで・・・」
シンは深くため息をつき、またペンを走らせはじめた。


久々に投稿しました。本当は>>450には続きがあったんですが書くの忘れてました。
文才のなさを痛感する毎日です

481通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 22:06:30 ID:???
シンに共感した
卒論の終わらない俺
482通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 22:35:58 ID:???
シンも冬の課題終わってないんだねぇ。
ドタバタとしている状況の中でほのぼの感が出ていて良いです。GJ!
483冬休みの話。part2:2007/01/11(木) 03:22:53 ID:???
「あれ・・・メイリン?俺・・・」
シンが目を開けると、メイリンの顔が大写しになった。
「あ、ご、ごめんシン、起こしちゃった?」
メイリンはあたふたと赤くなった顔をシンから離し、
「俺・・・寝ちゃってたのか」
シンは毛布がかけられた上体を起こし、目をゴシゴシとこする。
辺りを見回すと、うっすらと暗くなっていた。
「うわ・・・もうこんな時間か・・・」
時計の針は、6時近くになっていた。結構な時間寝てしまったな・・・とシンは思った。
「びっくりしたよ。あたしがちょっと目を離したすきに寝ちゃってるんだもん」
「あー・・・ほとんど終わらせちゃったからさ。ちょっと休憩って思って目をつぶったら、寝ちゃってた」
シンはまだ寝ぼけ眼だ。
「どうせなら全部終わらせてから寝ればいいのに」
「・・・じゃあ何で起こしてくれなかったんだよ」
シンは口を尖らせていう。
「え、なんでって・・・」
メイリンは不意をつかれ口ごもる。
「き、気持ちよさそうに寝てたから起こせなかったの!」
メイリンは少し怒ったように話す。
「あっそ・・・てかなんで怒ってんだよ・・・」
「べ、別に怒ってない!」
メイリンはぷいと顔を背ける。
・・・何なんだよ。女ってのは。
「それにしても腹減ったな・・・」
「そ、そうだね。じゃあ、晩御飯食べにいこっか」
立ち上がるシンとメイリン。
シンの携帯電話の着信音が鳴ったのは、そのときだった。

484455:2007/01/11(木) 09:30:57 ID:???
あ、なんか483の方がいかにもシンっぽい。
自分の書くシンて、何かお人よしだし。
485通常の名無しさんの3倍:2007/01/11(木) 23:23:15 ID:???
テンションあげようと思って、スペシャルエディションの完結編というものを初めて見た。
・・・・・・さらにテンション落ちた・・・噂には聞いていたけど・・・orz
486通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 18:40:41 ID:???
保守
487433:2007/01/12(金) 21:01:50 ID:???
オーブ市街…
若者の集まる街でシンはメイリンと待ち合わせをしていた

「おっせーなー、メイリンの奴…」

メイリンが、今週誕生日を迎えるアスランにプレゼントを買いたいと言ってシンを誘ったのだ

その頃メイリンは走っていた
メイク、服選びに時間がかかり遅刻してしまったのだ

「あー、シンに怒られちゃうよー!ハァハァ」


そしてやっと待ち合わせ場所に到着
人混みの中に腕組みをして不機嫌そうに立っているシンを発見した
「シンー!」

シンに駆け寄ると下を向き肩で息をしながら謝った
そんなメイリンをシンは見下ろしていた
「ハァハァ…ごめんな…さい…」
「ったくお前なー…!?」

シンは何を思ったのか怒るのをやめ、メイリンの肩持って顔を上げさせた

「な、何?」
「…」

メイリンの肩を持ったまま無言でジーっとメイリンを見つめている

「ちょ〃シン?〃」
「これ…」

そしてそのままシンは顔を少し傾けメイリンの顔に近付けていった

「えっ〃こんな人前で〃やだ〃…」


「…やっぱり」

どうやらキスではなかったようだ、シンはメイリンの耳を見ている
488433:2007/01/12(金) 21:04:44 ID:???
「へ?やっぱり?」
「…このピアス、マユのと一緒だ」
「え、あ、そ、そうなんだ〃」

メイリンはキスをされると勘違いしていた事が恥ずかしくて赤面している
それを何とかごまかそうとする

「こ、これお気に入りなんだよ〃」
「…そっか」

シンのメイリンの肩を持つ手が震えていた
それに気づいたメイリン

「シ、シン?」
「俺が…俺が買ってあげたピアス…あいつめちゃくちゃ喜んで……なのに…なのに!」
シンは額をメイリンの肩に落とした

「シン…」


沈黙のあとメイリンが優しく呟いた

「慰霊碑行こう…」
「え?」
顔を上げるシン

「ね?」
「買い物は?」
「いいから」
「ちょ…」
メイリンは自分の肩にあるシンの手をとって手をつなぎシンを引っ張って歩きだした

「…私はこのピアスつけてもマユちゃんにはなれないけど、
シンを1人ぼっちにはさせないから…」

「…メイリン」

メイリンはシンの方を振り返りニコッと笑った
シンも微笑み返す

(…ありがとうメイリン)



おしまい
489通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 22:15:03 ID:???
gj!
490通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 15:56:31 ID:???
保守
491通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 02:23:10 ID:???
保守
492冬休みの話。part3:2007/01/17(水) 01:02:11 ID:???
「もしもし・・・あ、今からメイリンと晩飯食べにいくとこ。・・・え?そうだけど・・・。・・・なんでって言われても。・・・あ、ああ、わかった。じゃあな」
シンは携帯電話をポケットにしまい、部屋の鍵を閉めるとメイリンに向き直った。
「今の電話・・・誰からだったの?」
なぜか不安げなメイリン。
「誰って、えっと・・・ヴィーノだよ。あいつも課題終わってないらしくてさ・・・ほらそんなこといいから、さっさと行くぞ」
シンは強引に話を打ち切り、すたすたと歩く。
「待ってよ、シン」
メイリンは小走りでシンに追いつく。
「シンは、晩御飯何食べるの?」
「え、俺は決めてない。メイリンは?」
「んー・・・あたしは・・・」

すみません、中途半端ですが眠いので今日はここまでです。

493455:2007/01/18(木) 10:32:32 ID:???
保守ついでに、執筆報告。

シンメイ仲直り編執筆中。でもまた結構な長編になりそう。
何でこう俺は、短くまとめるということができないんだ・・・orz
494通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 17:55:48 ID:???
短けりゃいいってわけでもあるまい
読む側としてはむしろ多少長い方が楽しめたり。
俺も卒論オワタからなんか書こうっと
495通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 20:04:49 ID:???
シンメイの会話ができる限りあるのがうれしかったり
だから長編大歓迎
496455:2007/01/21(日) 22:43:59 ID:???
とりあえず前編でーす。

シンメイ仲直り編

「あ、無理。あーなるとあの子、かなり強情よ?」

シンは謝罪(そもそも、何で謝らなくちゃならんのだか・・・)
の仲介にルナマリアに懇願したのだが、にべもなく断られた。
何しろ慰問ライブ以来、オペレーターとパイロットしての
やりとり以外、全く会話が出来ないのだ。

メイリンの方が意図的にシンから逃げているという状態だ。
『まあ、ホントは怒ってるんじゃなくて、ヤキモチ焼いてる自分に
気がついて、恥ずかしいだけなんでしょうけど・・・』
姉だけに、メイリンの心情を理解しているルナマリアであったが、
ここは面白いから傍観を決め込む。というか、鈍感なシンを
ちょっと懲らしめたいという意味合いも無かった訳ではない。

だが、そろそろ1ヶ月にもなろうとしている。さすがに他の
クルー達のシンに対する態度も以前と変わらぬものとなり、
いい加減同じネタで彼をからかうのにも飽きてきた。
それだけにメイリンだけが、シンに対して頑なな態度を取り
続けているのも、姉としては気持ちの良いものではなかった。
ヨウランやヴィーノが心配そうにルナマリアに事の次第を
聞きにくるし、あのレイですら心配そうに、しょげている
シンを遠目から見ている場面もあった。
497455:2007/01/21(日) 22:45:28 ID:???
まぁ、そろそろ潮時かもねぇ・・・。
このまんまじゃ、緊急事態にも支障を来たしかねないし。

目の前で肩を落としているシンは、いつもの強気な彼とはかけ離れた
女の子に対するリアクションに困っているただの年相応の少年だ。

「あー、わかったわかった。一応話だけはしてみるから、
でも期待しないでね。ほんと、あーなったメイリンって
手ごわいんだから」
「あ、ありがとう、ルナ!」
あー・・・私も人の事言えないかも・・・。
ルナマリアは、シンの笑顔に一瞬ときめいてしまった自分が
恨めしかった。

もともとルナマリアとシンも仲が悪いわけではない。
むしろ異性同士としては友達以上恋人未満にかなり近い。
実際、自分のことをルナと呼ぶのは、父親とシンぐらいで、
そんな親しい彼が実の妹と仲が悪いというのは、ミネルバ艦内でも
あまり居心地の良いものではない。

『それじゃあ、シンと可愛い妹のために、お姉ちゃんが一肌脱ぎますか』
498455:2007/01/21(日) 22:47:32 ID:???
その夜、寝巻きに着替えたメイリンにルナマリアが声をかける。
「ねえ、そろそろシンを許してあげたら?」
「ゆ・・・許すも何も、私は別に怒ってるわけじゃ・・・」
ペタンとルナマリアの眼前に座り込み、うつむくメイリン。
「まあ、確かにあいつって普段は強情でわがままで、人の話聞かない事
多いけどさ。あ、それと人見知りも激しいか」
「お姉ちゃん、それ言い過ぎ・・・」
確かに。
「でもね、シンは妹のように思ってるあなたに冷たくされるってのは、
他の誰よりも辛いはずよ?」
「あ・・・」
ハッとうつむいていたメイリンの顔が、ルナマリアに向けられる。
そうだ。シンは両親と妹を・・・!
アイドルやラクス・クライン等の偶像より、身近に親しい者を求めるのも、
その悲惨な体験からの心情なんだろう。

「あなたはあんまり知らないでしょうけど、士官学校で初めて会った頃の
あいつ、凄く殺気立ってた。まるで近づくもの全部を拒絶してるみたいに」

そういえば一番最初にシンと親しくなったのは、やはりレイだっただろうか。
彼もどこか孤独な影を持っている。そんな似た部分を感じ取ったのか
シンは何かとレイに構うようになり、そしてルナマリア、ヨウランとヴィーノと
次第に友好が広がり、ようやく次第に笑顔を見せるようになってきた。
メイリンが入校してきた頃には、最初の棘は消えて、ルナマリアの妹という
こともあり、出会った当初から割と親しく会話できたものだ。
499455:2007/01/21(日) 22:50:16 ID:???
自分のシンに対する行いを思い出し、自責の念にかられたのか、ルナマリアに
抱きつくメイリン。こっちを見上げるメイリンの瞳に見る見る涙が浮かび、
泣き出してしまった。
「グスッ・・・お、ねえ、ちゃん、わた・・・私、シンに凄く
酷いことしちゃった・・・ど、どうしよう・・・ウェェェン」
「ああ、もぉ、泣かないの。ほら、顔見せなさい」
ルナマリアはハンカチを取り出すと、妹の頬を撫で、流れ落ちる涙を
ソッと拭い取る。瞼が赤くならないよう、目の周囲を細い指先で優しくなぞる。
「私、どうすればいいの・・・? どうすればシンは許してくれるかな?」
「許すも何も、別にシンはあなたに怒ってるわけじゃないし・・・」
クスッと笑みを浮かべながら、寄り添うメイリンの髪を撫でるルナマリア。
「そうね・・・いっそのこと、謝るついでに告白しちゃえば?」
「!?・・・お、お姉ちゃん!」
思わずルナマリアを突き飛ばすメイリン。
「わた、わた、私はシンの事なんか別に・・・!」
「別に? 嫌い?」
「嫌い・・・じゃない・・・」
離れたメイリンを抱え込み、ポスッと妹の頭を胸元に抱き寄せるルナマリア。
「クスクス、告白は半分冗談だけど、ちゃんと謝れば、シンは許してくれるわ」
仕官学校時代、何度彼と喧嘩したことか(笑)。
シンが原因のことが多かったが、たまにはルナマリアが悪いこともあった。
それでもレイ達がとりなしてくれて、後から謝りに行くと「仕方ねえなぁ」と
言いながらも照れくさいのか、笑みを浮かべて頭をかいていたものだ。
500455:2007/01/21(日) 22:54:29 ID:???
まだ、この区画の点呼までは少し時間がある。メイリンは立ち上がると、
パジャマの上に、制服のジャケットを羽織った。
「私、今から謝ってくる」
「そうしなさい。点呼までに戻れなくなったら、私が誤魔化しておくから」
「お姉ちゃん・・・!」
「アハハハ、ほら点呼まで30分もないわよ」
「うん」
駆け出そうとしたメイリンだったが、一旦立ち止まると、こちらを振り返る。
「お姉ちゃん・・・ありがとう・・・!」
再び身を翻し、部屋からパタパタとメイリンは飛び出して行った。
「もう世話が焼けるんだから・・・あれ?」
長い廊下の暗闇へ消えていく妹を見送って、ルナマリアはスンと鼻をすする。
その時初めて、ルナマリアは自分の瞳から涙が零れていることに気づいた。
501455:2007/01/21(日) 22:56:04 ID:???
---------------------------------
前編終了
ちょっと対面までじらしたりする(w

>>495
了承。後半はたっぷり会話を入れます。
502通常の名無しさんの3倍:2007/01/22(月) 01:42:24 ID:???
乙!!
503通常の名無しさんの3倍:2007/01/22(月) 05:35:01 ID:???
ルナの「一肌脱ぎますか」にときめいてしまった
不覚
504通常の名無しさんの3倍:2007/01/22(月) 13:11:22 ID:???
GJ!
ルナとレイといいミネルバメンバーがやっぱ好きだ、和む
505通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 11:19:48 ID:???
保守
506通常の名無しさんの3倍:2007/01/26(金) 17:02:44 ID:???
ああ、かちゅ〜しゃから見えなくなったんで、落ちたかと思った。
サーバ移転でもあった?
507通常の名無しさんの3倍:2007/01/28(日) 09:14:31 ID:???
保守
508通常の名無しさんの3倍:2007/01/29(月) 20:49:55 ID:???
こたつネタで書いたのにさ、書き込み時にミスって全部消えちまった…
509通常の名無しさんの3倍:2007/01/30(火) 14:00:13 ID:???
( ̄□ ̄;)
510通常の名無しさんの3倍:2007/02/01(木) 11:17:31 ID:???
ほっしゅ
511通常の名無しさんの3倍:2007/02/04(日) 20:39:29 ID:???
保守
512通常の名無しさんの3倍:2007/02/07(水) 02:08:51 ID:???
hosyu
513休暇の話。:2007/02/08(木) 02:07:59 ID:???
・・・どうしてこんなことになってしまったのだろう。
俺は漆黒の空間に目をさまよわせながら自問した。
今、俺の傍らにはメイリンがすやすやと眠っている。
真っ暗な部屋に響き渡るメイリンの寝息。
顔を横にむければ、彼女の顔は目と鼻の先だ。
はぁ・・・と俺は深いため息をついて、あきらめるしかなかった。

そもそも事の始まりは、昼食だった。
「シン、午後からひま?」
メイリンが俺の顔をうかがいながら聞いてきた。
「特に予定はないけど・・・なんで?」
俺はけだるさを押し殺しながら、昼食のハンバーグを口に押し込んでいた。
「もしよかったら、一緒に町に行きたいなーって」
断られると思っているのか、心配そうに上目遣いでこちらをみつめるメイリン。
「・・・だめ?」
そんな上目遣いで見つめられてもなぁ・・・。
「・・・なんで俺なんだよ。ルナといけばいいじゃんか」
俺の言ってることは正論だ。俺なんかといくより、ルナと出かければいいじゃないか。
「だめよ、シン」
それまで傍観していたルナが口を開いた。
「メイリンってば、シンと二人きりじゃないと嫌なんだってさ」
にんまりと笑って、ルナは告げる。
「もー、お姉ちゃんのばかっ!べ、別にそういうわけじゃないんだからね?シン」
あたふたと説明するメイリン。
「ただ、なんとなくシンひまかなーって思っただけで・・・用事があるなら別にいいんだよ?」
頬を赤く染めているメイリン。それを横から見て笑っているルナ。
「別にいいよ。それじゃ、また後でな。」
俺は席を立った。さっさと部屋に帰って寝たい。なんでだろう・・・妙にだるい。
「あ、待ってシン。午後からのこと、またあとから連絡するね。」
「ああ、わかった。」
とりあえず俺は部屋に戻って、ベッドに横になった。同室のレイは、大切な用事があるとかで、
いない。
・・・そんなことどうでもいいか。
俺は目を閉じて、心地のよい感覚に身をゆだねた。


久々に書き込みました。



514通常の名無しさんの3倍:2007/02/08(木) 05:13:56 ID:???
ええい!続きはまだかっ!
515休暇の話。:2007/02/09(金) 03:10:05 ID:???
こんこん・・・
扉がノックされる音で、俺は目を覚ました。
誰だろう・・・なんか約束でもしてたっけ・・・
誰が、一体何の用だろう・・・まだ寝ぼけている頭を回転させながら、俺はドアを開けた。
「あれ・・・メイリン」
あけたドアの先にたっていたのは、私服姿のメイリンだった。
「やっほー、シン」
にこっと微笑むメイリン。心なしか、いつもより可愛い。
「ああ。それで、何か用か?」
俺はあくびをかみ殺しながら、メイリンに問いかけた。
「何か用かって・・・さっき一緒に町に行くって約束したよ?」
あー・・・そういえばそんなこと言ってたような・・・
「もしかしてシン、覚えてないの?」
メイリンは少し不機嫌そうに頬をぷぅとふくらませている。
「い、いや覚えてるけど・・・」
寝起きだったからさ、と俺は慌てて言葉をつないだ。
「ふーん。それで、大丈夫なの?」
「あ、ああ。大丈夫だよ。着替えてくるから待ってろよ。」
俺はドアをしめて、急いで外出用の服を着た。
ポケットにさいふをつっこみ、部屋のキーを取る。
靴をはき、扉の向こうで待っているメイリンの顔を想像しながら、俺はドアを開けた。
・・・歴史にifなんてものはない。
だが・・・もし、俺がこのときこの誘いを断っていたら、状況はああはなっていなかっただろう。
でも・・・このときの俺は、この先に待ち受けることなんて、知る由もなかったんだ。


なんか話の流れが意味不明になってきてます・・・

516通常の名無しさんの3倍:2007/02/09(金) 17:00:35 ID:???
ちょっとサスペンス
517通常の名無しさんの3倍:2007/02/10(土) 21:43:56 ID:???
スリルとサスペンス
するりと挿すペニス

昔あった下ネタ
518休暇の話。:2007/02/11(日) 00:37:03 ID:???
「ほんとごめん。待たせちゃって」
「ううん。じゃあ、いこっか!」
にこっと笑いかけてくるメイリン。
俺達は並んで町に向かって歩き出した。
少し歩くと、視界に海が飛び込んでくる。
太陽の光を反射して、きらきらと輝く水面。
故郷のオーブの海を思い出して、俺はかすかな郷愁にとらわれた。
今となっては敵となった国。
俺を捨てた国。
そして、俺から家族を奪った・・・
「・・・ン?シンってば」
見ると、メイリンが顔をのぞきこんでいた。
「どうしたの?さっきからぼーっとして。」
「い、いや、なんでもないって。ちょっと考え事してただけ」
俺はそれだけいって、また海のほうを見た。
「きれいなところだね・・・ここ」
メイリンはうっとりした表情で海を見つめている。
プラント育ちの彼女にとって、海は珍しい物なのだろう。
でも・・・
「オーブは・・・もっときれいだった・・・」
俺は、思わずそう呟いていた。


いつかは萌え要素が絡んでくる・・・はず



519通常の名無しさんの3倍:2007/02/11(日) 18:21:11 ID:???
続きが楽しみだな
520休暇の話。:2007/02/13(火) 02:32:47 ID:???
少し歩くと、町についた。
基地から町へは、ほとんど目と鼻の先だ。
それにしても思ってた以上に人が多い。
アクセサリー店やらなんやらがたくさんあって、ショッピングには困らないだろう。
とかいろいろ考えていると、メイリンが突然俺の腕にしがみついてきた。
腕に柔らかい感触が伝わってきたあと、自分の腕に何が当たっているのかを理解して、俺は頬を赤らめた。
「ど、どうしたんだよ」
俺はなるべく平静を装っていた。
「えー、だってはぐれちゃうかもしれないし。こうしておけば、大丈夫でしょ?」
一方メイリンは平然として答える。
いや、確かに人は多いけどはぐれるか?普通・・・
困惑気味の俺を見てとったのか
「もうっ、とにかく早くいこっ!」
強引に押し切り、歩き出したメイリンにつられ、俺も歩き出した。
「最近ずっと戦闘続きだったからねー。ほんと疲れちゃうよ」
はぁ・・・とため息混じりに話すメイリン。
確かに最近戦闘続きだ。メイリンだって年頃の女の子だもんな。
「あ、このお店寄っていこっ」
そういって入った店は服やらアクセサリやらが並んでいる、まぁメイリンが好きそうな部類だ。
鼻歌交じりに服を選ぶ彼女を見て、女の子って大変だなぁとつくづく思う。
彼女とて、結構な量の服をもっていたはずだ。そんな着る機会もないのに、どうして女の子はこんなにたくさん服を買うんだろうなぁ。
「ねー、どっちの服がいいかな?」
突然目の前に差し出された二着の服。
「あーこっちのがいいと思う」
俺はてきとーに右のほうの服を指差した。
正直、俺は服の種類なんて知らないし、興味もないのである。
「んー、こっちかぁ・・・でもなー」
・・・おい。なんで俺に聞いておきながらまだ迷うんだよ?俺は確かに右のほうを指差した。
俺に判断を委ねたんだろ?
んー、どうしよー・・・と未だに難しい顔をして迷っているメイリンに、俺はこういった。
「決められないんだったらさ、両方買えばいいだろ?」
俺がこう口にすると、
「こうやって選ぶのがいいのっ!」
とメイリンは反論してきた。だったら俺に聞くなって・・・
「もー、わかってないなぁ、シンはー・・・」




521通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 03:03:49 ID:???
こりゃいい、萌える
522通常の名無しさんの3倍:2007/02/13(火) 10:44:36 ID:???
純心でいいですね(´ω`)
523休暇の話。:2007/02/15(木) 02:04:57 ID:???
年頃の女の子というのは、みんなこうなのだろうか。
「じゃ、あたしちょっと試着してくるね。」
そういい残し、メイリンは試着室に消えていった。
一人取り残された俺。気がつくと、ため息をついていた。
まだ基地を出てから一時間とちょっとしか経っていない。たったこれだけの時間でこうも疲れてしまうとは・・・。
それにしても難しいな・・・こういうのを女心って言うんだろうか。と考え込んでいる最中だった。
・・・とんとん
「え?」
ふにっ。
肩を叩かれ思わず振り返ると、俺の頬に彼女の白い指が触れる。
「やーい引っかかったー!」
いたずらっぽく笑うメイリン。
「・・・お前なぁっ!」
大して怒っていたわけではないのだが、つい怒鳴ってしまう。
「あのねー、こういうのは引っかかるほうが悪いんだよー?」
まだまだシンも甘いね、と得意顔のメイリン。
「・・・わかったから。もう決まったんだろ?早く買ってこいよ」
俺は憮然とした表情でいった。
別に・・・そう怒ってたわけじゃないんだけど。
はーい、と言ってレジに向かうメイリンの背中を見ると、なぜか少しだけ、頬がゆるんだ。
そんな気がした。


524通常の名無しさんの3倍:2007/02/15(木) 08:09:25 ID:???
頬がゆるんだシンの表情が容易に想像できて
微笑ましくなってしまった
525休暇の話。:2007/02/16(金) 04:14:34 ID:???
店を出ると、もう何時間もそこにいた気がして、外の空気が新鮮に感じられた。
メイリンは自分の好きな服が買えて、上機嫌みたいだ。
「それじゃ、いこっか」
メイリンは、さも当然のように、また俺の腕にしがみついてくる。
・・・一応俺も男なんだけどな。ま、せっかくだし感触を楽しむか・・・。
などと邪なことを少し考えつつ、俺達はまた歩き出した。
・・・それにしても、こういうのって、やっぱ恋人同士に見えるのであろうか。
もしも見られてるとしたら、メイリンは構わないのであろうか。
俺は、傍らを歩くメイリンの横顔を見つめた。
いつも彼女とはコックピットのモニター越しに顔をあわせているはずなのだが、こうやって間近に見ると、なんというかいつもと少し違う感じがする。
なんというか・・・つまるところ、彼女はかわいいのだ。アカデミーの男子にも、結構メイリンは人気があった。
「どうしたの?」
視線に気づいたのか、こちらに顔を向けて、メイリンは首をかしげている。
「なっ、なんでもないって。」
俺は慌てて彼女から視線をずらし、海のほうを見た。
とりあえず、そうするしかなかったんだ。
526通常の名無しさんの3倍:2007/02/16(金) 20:11:23 ID:???
二人で歩いている姿は可愛らしくて見とれてしまいそう…
お化け屋敷にいくシンメイも見たかったり
527通常の名無しさんの3倍:2007/02/17(土) 12:40:22 ID:???
乙!!

だけど、半角カナより全角のが良いと思う
528休暇の話。:2007/02/17(土) 18:39:28 ID:???
「でもこうしてるとさー」
メイリンの声が少し小さくなり、俺にしがみついている手の力が少し強くなった。
「あたし達、恋人同士みたいだね」
・・・え?
だしぬけにメイリンが放った言葉に驚いて、俺はメイリンの横顔をうかがおうとした。が、彼女はうつむいている。
急に心臓の鼓動が速くなり、自分でも顔が赤くなるのが分かる。
「え、お、俺は・・・」
上手く言葉がでない。なんでこんなに動揺してるんだ?俺は・・・!?
ただ、恋人同士みたいって言われただけじゃないか!
とにかく落ち着け、シン・アスカ!
だがようやく落ち着きを取り戻そうとしていた俺は、次の言葉でさらに動揺を深くすることになった。
「それとも」
メイリンは、うつむいたまま、こう言ったんだ。
「ほんとに・・・恋人同士になっちゃおっか」



529通常の名無しさんの3倍:2007/02/18(日) 12:40:29 ID:???
告白キタこれwwww
もちろんなりたいです!
530休暇の話。:2007/02/19(月) 03:52:19 ID:???
「・・・え?」
突然の言葉に、俺は頭の中が真っ白になった。
「メ、メイリン・・・?」
彼女を見やると、依然としてうつむいたままであった。
・・・どう答えればいいんだ?
そりゃメイリンのことは嫌いじゃない・・・というか好きだ。
でもそれは友達として好きなのであってそれ以上のことを考えたことはなかった。
・・・結構可愛い子だとは、思ってたけど。
とりあえず俺は沈黙に耐えかね、なんとか言葉を吐き出した。
「え、えっと・・・俺は・・・」
混乱してしどろもどろな俺。
なんとか言葉を模索しているときだった。
「あ、あたし・・・」
メイリンが、言葉を紡ぎだした。
「ちょっと買い忘れた物があったから、行ってくるね」
それだけ言うと、メイリンは走り去り、人ごみに消えていった。
一人取り残された俺はというと、呆然としていた。
さっきの言葉が、彼女の仕草が、脳裏をよぎる。
要するに・・・俺のこと、好きってことなんだよな・・・?
そして、さっきのは告白ってこと・・・だよな?
ま、まぁ正確に「好き」って言葉を聞いたわけじゃないけどさ・・・
で、でもああいうこと言われたら、普通そう思うだろうし・・・。
などと、いろいろと考えていたときだった。
「うあっ・・・と!」
突然横から人がぶつかってきた。一度にいろいろなことを考えすぎて、周りに目がいかなかった。どうやらちょうど角にさしかかっていたらしい。
俺は反射的に、ぶつかってきた人の体を後ろ手で抱きとめていた。



531通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 04:32:13 ID:???
イーネ!ツヅキガキニナル
532通常の名無しさんの3倍:2007/02/19(月) 05:21:15 ID:???
ぶつかった人物はもしや……
533通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 05:45:42 ID:???
レイ
534通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 11:07:10 ID:???
モラシム
535通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 11:42:28 ID:???
アッー!
536通常の名無しさんの3倍:2007/02/20(火) 15:59:39 ID:???
デュラ 「どうも、変態議長だ。ふむ、可愛い顔をしているな」
シン 「アッー!」
537休暇の話。:2007/02/21(水) 01:38:01 ID:???
「ご、ごめん、大丈夫?」
ふわりとした金髪の少女は、驚いた様子で振り向いた。
「誰・・・?」
俺は一瞬、少女の茫洋とした表情に魅入ってしまい、我を忘れた。
少女はあどけない、無邪気な瞳で俺を見つめている。
と、そのときだった。
俺は強烈な既視感に襲われた。
この子とはどこかで会った気がする。
・・・どこだ?
少し考えたが、思い出せない。
俺は後先考えず、思ったことを口に出していた。なにか、とても重大なことのような気がしたからだ。
「ね、ねえ、君・・・どこで」
会ったことない?と言いかけた時だった。
少女は表情を一変させ、鋭い眼光で俺をにらみつけると、手を振り払って走り去っていった。
俺はあまりのことの唐突さに、その場に呆然と突っ立っていた。
・・・なんなんだ、あの子は?
でも、可愛い子だったな・・・
「ごめん、遅くなっちゃって」
突然声をかけられ、はっと我にかえると、いつの間に帰ってきたのか目の前にメイリンがいた。
・・・全く気がつかなかった。
「さっきの子、知り合いなの?」
メイリンは不思議そうな表情をしている。
「え、違うけど・・・」
・・・まぁ、どこかで会った気はするけど。と言おうとしたが、言わないでおいた。



538通常の名無しさんの3倍:2007/02/21(水) 20:34:50 ID:???
ステラチャマか!
三角関係っすか兄貴!
539通常の名無しさんの3倍:2007/02/23(金) 17:08:41 ID:???
保守
540休暇の話。:2007/02/24(土) 01:07:57 ID:???
さっきの女の子、か。
そう、確かに俺は、さっきの女の子について明確な情報をもっているわけではない。
ただ、かつてどこかで会ったような気がする、というだけだ。
「そういえば・・・さっきの人にちゃんと謝った?」
・・・え?
「そりゃぶつかった時にごめん、くらいは言ったけど・・・」
かと言ってこちらだけが悪いわけではない。あの子だって、少なからず余所見していたはずだ。
「もー、そうじゃなくて!」
・・・じゃあなんだってんだよ?
メイリンは頬をちょっと赤らめた後、人目をはばかるように俺の耳元で、こう言った。
「シンさ・・・さっき・・・」
メイリンは、言いにくそうに口ごもる。
「えっと・・・む、胸、触ってたよ・・・」
言い終わってから、俺の耳元から顔を離すと、メイリンはうつむいてしまった。
「いや、え、えっと・・・」
言われてみてから、俺は手に残るかすかな感触の正体がなんであるのか分かった。
で、でもそうは言っても・・・さっきのは事故みたいなもん・・・てか事故だったし!
呆然としていた俺に、メイリンはなぜか少し怒ったような、恥らうような口調で言った。
「シンの・・・・エッチ・・・」
「ち、ちがっ!あれは事故だって!」
俺は弁解しようとしたが、メイリンはうつむいている。
ま、まぁ言いふらしたりはされない・・・よな?
もし仮に言いふらされでもしたら・・・特にルナからはどんな顔をされるか分からない。
とりあえずこのときの俺はメイリンへの弁解に必死で、この一瞬の出会いを忘れてしまった。

前回の誤字
×「ね、ねえ、君・・・どこで」
○「ね、ねえ、君・・・どこかで」

541通常の名無しさんの3倍:2007/02/24(土) 18:03:19 ID:???
あーもうメイリンかわいすぎ
542通常の名無しさんの3倍:2007/02/26(月) 17:03:22 ID:???
hosyu
543休暇の話。:2007/02/27(火) 02:19:36 ID:???
・・・別に言い訳するつもりじゃないけど。
さっきのは事故だ。
確かにぼーとしてた俺も悪いさ。
でもあの子だって、十分ぼーとしてたじゃないか。
「・・・そろそろ帰ろっか。」
・・・メイリンは、なぜか怒っているみたいだ。
「う、うん」
さっきまでとは違い、俺と腕を組まないで、すたすたと先を行くメイリン。
なんとなく、俺はこういうときの女の子は扱いかねて、戸惑っていた。
町を出て、10分くらい経っただろうか。
今はもう海岸沿いの道に出た。ちょっと遠くに基地が見える。あと7〜8分くらいで基地につくだろう。
それまでに、なんとかせねば。
それにしても・・・こういうとき、どうすればいいんだろう。
メイリンは、口を開かない。
俺から話かければいいんだろうか。
それとも、話かけてくるのを待っているほうがいいんだろうか。
俺は慣れない事態に、ただ翻弄されるだけだ。
小さくため息をつき、夜空を見上げた。
数年前までは、いつもこの空を見ていたんだ。
漆黒の闇に、小さな光が点在している。
プラントの空とは違う、どこか懐かしいような感じ。
改めて、今自分が地球にいるという実感がわきあがってくる。
アーモリーワンでの強奪機体をおって、それからユニウスセブン落下を阻止しようとして、地球に降下したんだっけ。
・・・遠くに来たもんだな。とは言っても、俺の場合もともとオーブにいたから、帰ってきたということになるんだろうか。
感傷に浸っていたときだった。
「シンってさ」
メイリンは、立ち止まってこちらを向いていた。
「さっきの女の子みたいな子が、タイプなの?」
暗くて表情まではわからなかったが、どこか決まり悪そうに発せられた言葉だった。
俺は、どう答えるべきか迷った。





544通常の名無しさんの3倍:2007/02/27(火) 02:40:01 ID:???
ここのメイリンテラモエス


触発されたんで近い内に俺もなんか投下するわノシ
545休暇の話。:2007/02/27(火) 03:35:32 ID:???
・・・こういうとき、どう答えればいいんだろう。
雰囲気的には、「違う」って言うべきだよな・・・?
メイリンのほうがタイプ、だとか気の利いた言葉の一つでもかけられるといいのだが、俺はそんなに器用じゃない。
「えっと・・・な、なんで突然そんなこと聞くんだよ?」
俺の口から出た言葉は、こんな益のない言葉だった。
でも急にこんな質問されてすぐ答えがでるわけないだろ?
「答えてよ、シン」
メイリンは俺の質問には答えず、彼女にしては強い語気で俺の答えを促した。
少しの沈黙。
「そりゃ・・・まぁ、少しはかわいい子だなって思ったけど・・・」
俺は視線を落として答えた。なんとなく、面と向かっていうのはためらわれたからだ。
「そう・・・なんだ」
少しの沈黙の後、メイリンは確認するような、納得するような、そんな口調で言った。
「え、えっとね、さっきシンがあの子と見つめ合ってたとき、なんか表情が違ったから」
深い意味はないんだよーと、なぜか急に明るい口調で、メイリンは言った。
なぜか胸が締め付けられる。
・・・違う。
メイリンは何か誤解してる。
でも、だからどうなのか、どういえばいいのか。
自分の気持ちさえ混沌としていて、上手に表現できない。
確かにさっきの女の子は少しといわずかなり可愛い子だったさ。
でも・・・だからといって、メイリンの質問の意味とは、なんというか・・・違うというか。
正体のつかめない気持ち。
目の前にあるのだけど、捕まえることができない。
それは形をなさず、煙のようにただぼやけている。
俺はあまりに幼くて、どうすることもできなかった。
傷つけることも、傷つくことも、怖かったんだ。







546通常の名無しさんの3倍:2007/02/28(水) 03:40:02 ID:???
素晴らしい

544さんにも期待
547通常の名無しさんの3倍:2007/03/01(木) 03:57:09 ID:???
イイヨイイヨー
GJ!
548休暇の話。:2007/03/01(木) 04:39:52 ID:???
それから、俺達は夜風に抱かれながら、基地まで無言で帰った。
お互い、いろいろと意識してしまって、うかつに言葉を出せなかった。
意識しないでもいいのかもしれなかった。
ただ思ったことを、素直に言葉にできればよかったのかもしれない。
でも・・・
思考がループして迷っているうちに、宿舎までついてしまった。
「今日は・・・ありがとね、シン」
かすかに微笑み、また明日ねーと手をヒラヒラと振りながら、メイリンは宿舎にはいっていった。
俺はというと、まだ部屋に戻る気にはなれなかった。
「晩飯、どうしよ・・・」
・・・とりあえず晩御飯でも買うか。どうせならさっき町に行ったときに一緒に食べればよかった。
俺はてきとーにハンバーガーとドリンクを買い、座り込んだ。
・・・ここなら、誰も来ないだろう。
まだ部屋には帰りたくなかった。
なんとなく、夜空が名残惜しかったし、一人になりたかったんだ。
俺はただ機械的に、ハンバーガーを口につめこみんだ。
味なんて、わからなかった。ただ・・・口に運んで噛み飲み込む作業。
でもそうすることで、何も考えずに済む。
そして、ハンバーガーを完食し、ドリンクを飲んでいたときだった。
「何してるのよ?こんなところで」
振り向くと、ルナが立っていた。
「・・・晩飯食ってただけ。ルナこそ、何してんだよ」
一人になりたかったから、このような場所にきたのに。
「あたしは」
視線をさまよわせ一拍した後、
「えっと・・・散歩してたらシンを見かけただけよ」
ルナにしては、なんとなくさっぱりとしない言い方であったが、俺はこのとき、それを気にすることはできなかった。
「そうか」
俺はそれだけいい、前に向き直った。
帰るかと思ったが、ルナは俺の前に回りこんでくる。
・・・なんだよ?
といおうとしたが、俺の言葉は、ルナの差し出した物によってのどに詰まった。
「これ」
ルナが俺に差し出した物は・・・
チョコレート?
「遅くなったけど・・・バレンタインのチョコ、渡してなかったから」
呆然としていた俺に、彼女はさらにこう付け加えた。
「・・・義理ってわけじゃ、ないんだからね」
それだけ言うと、ルナは俺のお礼の言葉も聞かず、宿舎のほうへ消えていった。
549休暇の話。:2007/03/01(木) 05:05:58 ID:???
・・・義理ってわけじゃ、ない?
じゃあなんなんだよ?
と自分に問いかけてみたものの、答えはすぐに出てしまった。
というか、聞くこと自体、無意味だとわかっていたが。
渡されたチョコをながめながら、俺はさらに頭の中の混沌が深くなっていく気がした。
「・・・とりあえず、帰るか」
部屋につき、ベッドに横になると、疲れがどっと出てきた。
いろんなことが一日に起こって。
そりゃ悪いことではないんだろうけど・・・
とりあえず整理すると・・・。
要するに、だ。
ルナとメイリン、両方から告白されたって・・・ことなんだよな?
最も身近にあった存在といっても過言ではない、二人。
確かにアカデミーからの同期で、一番仲良しな女友達だが・・・。
ルナもメイリンも、俺を子供扱いしていた。
特にルナは、俺の頭を撫でたりすることも多かったし・・・。
周りから見ると、姉と弟・・・みたいな感じらしかった。
メイリンだって、「シンは子供だねー」とよく言ってたし・・・。
だから・・・
だから何なんだろう。
だから俺のことを恋愛対象としてみているとは思わなかった?
自分に問いかける。
そう、思わなかったさ。
だって普通そうだろ?
思わないだろ?普通。
ふあーと、あくびが出てきた。
・・・もう寝よう。
俺は思考を中断させると、眠りの世界に入った。

550休暇の話。:2007/03/03(土) 03:19:52 ID:???
眼が覚めると、意外にも寝てから2時間程度しか経っていなかったらしい。
時計の針は、10時前をさしている。
「ま・・・昼間寝ちまったからなぁ」
それに、本来はまだ寝るような時間ではない。
視界の隅に、ふと先ほどルナからもらったチョコレートが映る。
それと同時に、また先ほどの言葉が蘇る。
・・・義理ってわけじゃない、か。
なんとなく手にとって見てみると、意外ときれいにラッピングされている。
やっぱり、ルナも女の子なんだな・・・。
とりあえず、まだ食べないでおこう。
外に出る気も起こらないし、やることもないので、俺は部屋のテレビの電源をつけた。
とはいっても、見たい番組があるわけでもなく、てきとーにチャンネルを回していたときだった。
・・・こんこん、とドアがノックされる。
誰だろうか。レイが帰ってきたのか?
いや、それはない・・・はずだ。レイは明日の昼まで帰らないと言っていた。
「あ・・・」
扉をあけると、意外な人物がたっていた。
「メイリン・・・?」
「こ、こんばんは、シン」
・・・なんで、メイリンが?
大方予想は・・・つくけど。
「で・・・、何か用か?」
「よ、用ってほどじゃ・・・」
弱弱しく、言葉を紡ぐメイリン。
「あるから来たんだろ?とりあえず入れよ」
俺がうながすと、少しためらった後、おずおずと部屋に入る。
お風呂に入ってきたらしく、服が先ほどと変わっていた。



551休暇の話。:2007/03/03(土) 04:26:53 ID:???
静かである。
ちょこんと座ったきり、メイリンは口を開こうとしない。
ま、まぁ、部屋に招きいれたのは失敗だった・・・かな。
とりあえず・・・黙ってても仕方がない。
「あ、あのさ」
俺の声に反応し、メイリンはやっと顔を上げる。
「えっと・・・何か飲むか?」
俺はこの沈黙を打破すべく、なんでもないことを口にする。
「う、ううん。いいよ。ありがとね」
不器用に微笑み、メイリンはまたうつむこうとしたが、テーブルの上に載ったチョコレートを
手にとり、こう聞いてきた。
「これ・・・誰から?」
「あ、それはルナから・・・」
と言いかけて、俺は自らの過ちに気づいた。
しまった・・・!
「え・・・おねえちゃんから?」
メイリンは意外そうな、少し困ったような顔をしている。
「あっと・・・ま、まぁ・・・一応」
俺は自らの失言を悔いた。
メイリンは何かあきらめように、そっか、とつぶやき、悲しく微笑むと言った。
「じゃあ、あたしもう帰るね。夜遅くに・・・ごめん」
唐突にそう言ってメイリンは立ち上がる。が、バックの中から袋を取り出し、テーブルにおいた。
「これ・・・今日のお礼。お礼、だから・・・」
なぜか、その言葉は自分に言い聞かせるようにも聞こえた。
メイリンは帰ろうと、扉に向かって歩き出した。
なぜか、また胸が痛んだ。
また、失われようとしている。
・・・このままでいいのか?
これが、俺の、自分の望むことなのか?
違うよな。
嫌だったのなら、昼間の誘いだって断ればよかったじゃないか。
服選びだって、付き合わなければよかったじゃないか。
そうだろ?
このままじゃだめだ!




552休暇の話。:2007/03/03(土) 04:59:06 ID:???
「メイリン」
メイリンはこちらに振り向く。
目に、かすかな涙を堪えていた。
俺は何も言わず、彼女の柔らかい体を抱き寄せた。メイリンが一瞬びくっと体を震わせたのがわかった。
「あのさ、俺・・・」
抱きしめたまま、耳元でつぶやく。
「えっと・・・」
言葉が出てこない。
変わりに、さらに強く抱きしめる。
メイリンもおずおずと俺の背に手を回してくる。
シャンプーのいいにおいが、鼻をくすぐる。
熱が収まり、静かに身を離すと、俺は自分のやったことを理解した。
自分でも、頬がめちゃくちゃ赤くなってることが分かる。
「え・・・と、俺・・・」
「・・・もう、シンのばか・・・」
メイリンは照れくさそうに頬を朱にそめ、静かにつぶやいた。
553通常の名無しさんの3倍:2007/03/03(土) 12:54:09 ID:???
しばらく見ないうちに急接近!GJです!
554通常の名無しさんの3倍:2007/03/05(月) 11:55:02 ID:???
投下がとまった・・・わけじゃないですよね?保守
555休暇の話。:2007/03/06(火) 03:37:24 ID:???
ルナには、悪いけど・・・。
ちょっとした罪悪感みたいなものを感じる。
それにしても、我ながらさっきの行動は大胆だったよな・・・。
俺もメイリンも、お互いこんなことは初めてだ。
意識してしまって、声をかけることができない。
メイリンを見ると、視線があってしまった。
メイリンはまた頬を赤らめ、うつむいてしまった。
思えば・・・もう時間は10時を回っている。
あんまり遅くなったら、それはそれで・・・まずいよな。

>>554さん
すみません、まだ一応続きはあるです。
556通常の名無しさんの3倍:2007/03/06(火) 04:21:57 ID:???
>>555
こちらこそすみません。
こんなに間隔が空いたの久しぶりだったので、ちょっと驚いてしまって。
楽しみにしてますので頑張って下さい。
557通常の名無しさんの3倍:2007/03/06(火) 15:38:12 ID:???
シンメイミネルバに萌えるスレはここですか?
558単発保守作品1/2:2007/03/07(水) 00:16:57 ID:???
メイリンがシンに片想いと言う設定で



「にがぁぁぁぃ・・・・」

自動販売機の前で蹲ってるツインテールの少女メイリン・ホーク
初めて“コーヒー”と言うものを飲み、その苦さに舌を出してる

「(何でシンはこんなの飲めるのかなぁ・・)」

想いを寄せてる人が飲んでる飲み物、それがどんなものか飲んでみたいと
思って買ったはいいものの、その味に驚愕し買ったことを後悔してると
背後から黒髪の少年が

「何してるの?」

「えっ!?シン!な、何って只ジュースを飲んでただけだよ!そういうシンこそ何でここに?」

「何でって、ここは飲みもん買う場所だろ?」

「へ?あ!そ、そうだよね。あははは・・」

「?」

よく分からない質問をされ、ジュースを飲んでるだけで蹲るという奇怪な行動に
疑問を持ちながらもシン・アスカはいつも飲んでるコーヒーを買おうと
メイリンの前に動こうとすると

「あれ?メイリンもコーヒー飲むんだ」

メイリンが持ってる物が目に入った
彼女は姉のルナマリアも呆れるほど甘いもの好きだ
そんな彼女が自分が買いに来た無糖のコーヒーを飲むなどシンには考えられないことだった

559単発保守作品2/2:2007/03/07(水) 00:33:18 ID:???
「ううん違うの!間違えて買っちゃって、せっかくだから飲んでたの。」
「(シンと同じもの飲んでみたかったなんて言えないよ///)」

「ふぅ〜ん・・・」

自販機で買いたいものを間違えることに疑問を持たずコーヒーを買おうとするが

「じゃあそれどうするの?」

「どうしよう・・・」

まだ一口しか飲んで無いのに捨てるのはもったいない。そう思っていたら

「メイリンっていつも何飲むの?」

「わ、私はいつもこれだけど・・・?」

不可解な質問に答えると

ピー ガシャン

「はい」

「え?」

「だからこれとそれ交換。そうすりゃ問題ないだろ?」

確かに今自分が持ってるやつはシンがいつも飲んでるものだ、そしてシンは私がいつも飲むやつを持ってる。
なら二人とも交換すれば万事解決だ。何か引っ掛かるけど

「そぅ・・だよね、分かった。はい!」

「次からは間違えんなよ!」

「わ、分かってるよ!(///)」

そう言ってシンはコーヒーを飲みながら去って行く。
しかしメイリンはここであることに気が付く。

「あ、あれって間接キッスじゃ・・(真っ赤)」

それから一週間、メイリンはシンを見掛けるたびに真っ赤になって逃げるのはまた別の話
560POTT:2007/03/07(水) 00:37:36 ID:???
初SS&携帯からなので色々お粗末
ちゃんと書けてるかな…(汗

シンメイ最高!!
561休暇の話。:2007/03/07(水) 02:37:00 ID:???
「んー・・・なんだか眠くなってきちゃった」
ごしごしと目をこするメイリン。
「それじゃ、そろそろ帰れよ。あんまり遅くなるのもあれだし。俺が送っていくから」
「いい」
メイリンはとろんとした目をさまよわさせ、俺のベッドに向かう。
・・・え?
「今日はここで寝る・・・」
そう言ってごろんと横になるメイリン。
・・・おいおいおい
「何いってんだよ・・・ルナだって心配してるだろうし・・・ばかなこと言ってないでさっさと帰れって!」
ちょっと語気を荒くしてみたがまるで通じない。
それにさっきまで普通に起きてたし・・・これって演技じゃないだろうな。
俺の部屋で一緒に寝たいから・・・?いや、そんなことは・・・。
ま、まぁ、仕方がないよな。
無理やりおんぶして連れていくわけにもいかない。
そ、それに一緒のベッドで寝ないのなら問題はないはずだ。
「もー、いつまでぼーと立ってるの?早く電気消してよ」
促されるまま、俺は部屋の明かりを落とした。これではどちらがこの部屋の者か分からない。
仕方なくレイのベッドを借りて寝ようとしたら、メイリンが声をかけてきた。
「そっちはレイのベッドなんでしょ?」
見ると、半分ベッドのスペースが空いている。
・・・要するに、一緒に寝ようってことなのか?
ベッドは一応二人入るスペースはあるものの、そう大きいわけではない。
562通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 03:06:32 ID:???
>>544だが、一応投下してみる。初投下なんでアレかもしれないが。
563通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 03:11:38 ID:???
 どうしよう。
 泣きたい気分で、メイリン・ホークは答えの出ない問いを口の中で呟く。
 いつもと変わらない日常のはずだった。いつもと変わらない時間に起きて、いつもと同じ朝食を食べて、講義を受けて。
 だというのに……
「どうしたのよ、メイ。そんな顔して」
 姉が気楽そうな顔で尋ねて来る。姉――ルナマリアの能天気さが、こんな時だけは羨ましい。
 アカデミーの食堂。その馬鹿馬鹿しい広さを除けば、そこらのカレッジの食堂と何かが変わる訳ではない。厳つい教官が生徒と談笑したり、コースの違う生徒同士が共に食事を取ったり。
 そういった場所だから、自然と交流の場となる。なるにはなるが……
 こんな状況でどうしろというのだ?
 大好物のはずだったA定食も、今は喉を通らない。
 原因は分かっている。共に食事を取っている二人組のせいだ。
 気付かれないように、ちらりと視線を移す。メイリンの横には、黙々と食事を取る少年が一人。黒髪黒目という特徴も相まって、やたらと陰鬱な雰囲気を撒き散らしている。
 それを確認してから、もう一方……ルナマリアの横を見やる。そこには、金髪碧眼の美しい少年。こちらもやはり、ひたすらに無言。
 シン・アスカとレイ・ザ・バレル。パイロットコースではもっとも有名な二人組である。
 センスは抜群だが、問題児である事に間違いはない――というのが、この二人の評価だ。特にシンの方は、教官も手を焼いているらしい。
 そんな二人と、何故一緒に食事を取っているのか。
 ……まあ、単にルナマリアが連れてきたからなのだが。
 しかし、いきなり連れてきた挙句に、
『この子、あたしの妹のメイリンっていうの。仲良くしてやって』
 と投げやりに言うのだからたまったものではない。
 こちらとしてはこれっぽっちも望んでいない状況なのだ。
 確かに、レイはカッコいいとは思う。メイリンとて多感な女子であるし、『王子様』のイメージそのままなレイに憧れる気持ちもなくはない。問題はシンだ。
 曰く「狂犬」だの「闘牛」だの「猛獣」だの……シンの噂は、良いものを聞かない。そんな相手に話しかけようものならどうなるか。
 突然怒るかもしれない。もしかしたら、暴力を振るわれるかも……
 流石にそこまで行けば立派な暴力行為である。しかし、シンの雰囲気――研ぎ澄まされたナイフのような雰囲気が、メイリンにそう感じさせる。
 ろくな会話も出来ず、食事もロクに味がしない。
 最悪だった。
「どうした、メイリン。顔色が悪いようだが」
 不意に、レイが声をかけてくる。あまりに唐突な出来事だったので、思わずびくり、としてしまう。
 それでも一応は平静を装って、
「い、いえ、大丈夫です」
「そうか」
 明らかに大丈夫ではなかったのだが、レイは頷くと再び食事に戻る。恐らく、あまり物事に執着しない性質なのだろう。
「本当に大丈夫? まあ、あんた人見知りするから仕方ないと思うけど」
 とっくに食事を終えたルナマリアの、頬杖をつきながらの言葉に頷く。
 ……いくら人見知りするといっても、相手が相手なのだから仕方ないと思うのだが。


 結局。
 メイリンは味のしない食事を無理矢理喉に詰め込んで、昼食を終えた。
564通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 03:16:00 ID:???
 ――同日、夜。
 午後の講義や訓練を終えたアカデミー生たちが、寮に帰る時間である。ある者は遊びに行くなりするが、まあ大概の生徒は疲れ果てて寮に帰る。
 メイリンもその内の一人だった。
 アカデミーの寮は、コースごとに分かれている訳ではない。兄弟や姉妹などは優先的に同室か近辺の部屋になるし、申請が通れば部屋割りも変えられる。ホーク姉妹もその例に漏れず、女子寮の同室だった。
「お姉ちゃん、遅いなぁ……」
 ぽつりと、呟きが漏れる。
 パイロットコースの生徒は、他のコースよりも訓練時間が長い。実際の訓練以外にも、使用した機器――特にモビルスーツ――の整備などに時間がかかるからだ。
 だからオペレーターコースのメイリンは大抵姉を待つ羽目になるのだが、これも妹としての義理だと思っている。
 ……もっとも、今日の待ち合わせ場所は違った。整備コースにいるルナマリアの友人――ヨウランとヴィーノという――からの伝言で、食堂の前で待っているようにと言われたのだ。
 まあ、ルナマリアの思いつきはいつもの事だ。このくらいで騒いでいたら妹は務まらない。
「それにしたって、もうちょっと早くてもいいと思うけど」
 文句を言っても仕方ないとは思うが、唇から漏れてしまうのはどうしようもない。
 そのまま数分も待っただろうか。
 かつ、かつと……足音が通路に響く。
 ルナマリアのものに違いない。やや音の間隔が広い気もするが、姉は大股で歩く事も多い。
 失礼な事を考えつつも、声を上げる。
「お姉ちゃん――」
 遅いよ、と続けようとして。メイリンは、通路の角から現れた人物を見た瞬間に、完全に固まった。
 現れたのはルナマリアではなく、シンである。
 上げかけた手が、所在なく宙を彷徨う。
 何で。どうして。何がどうなって。
 頭の中を疑問だけが駆け巡り、答えを持ち得ない脳が悲鳴を上げる。
 その間にも、シンはこちらに近付いてくる。メイリンには、それがやけにゆっくりに感じられた。
 長い前髪から覗く、鋭い目。それが紛れも無くメイリンを見据えている。
 シンは、固まったままのメイリンの目の前で立ち止まって、
「おい」
 ひっ、と悲鳴が漏れる。
 何をされるのだろうか。最悪の予想だけが駆け巡る。
「あ、あの、お姉ちゃんを待っているので……」
「ルナマリアなら先に帰ったぞ」
 親指で来た道を示し、シンが告げる。その言葉に、メイリンは目の前が真っ暗になった。
 ああ、お姉ちゃん。あなたは本当に馬鹿なのですね。
 心の中で、姉に対して罵詈雑言を渦巻かせる。そんなメイリンの心境など露ほども知らぬ、とばかりにシンは食堂の入り口を指し示し、
「入ろうぜ」
「は、はい……」
 逆らったら、それこそ何をされるか分からない。メイリンはただ頷くしかなかった。
565通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 03:18:00 ID:???
 昼には人で賑わう食堂だが、この時間は大して賑わう訳でもない。ちらほらと人の姿は見えるが、それだけだ。
 その空虚さが……今はとてつもなく、恐ろしい。
 そもそも、こんな事になったのは全部ルナマリアのせいだ。メイリンは胸中で、ここにいない姉に向かって恨み言を呟く。
「何にする?」
「え?」
 一瞬、何を言われたのか分からずに問い返す。
 シンは食券の券売機を指差し、
「飯だよ。食うだろ? 奢るから」
「……じゃ、じゃあA定食」
「よしきた」
 シンは頷くと、券売機にカードを通して食券を購入する。
 ……どういう事なのだろうか。
 メイリンの頭の中は、混乱の極みにあった。これではまるで、ただの学友に食事を奢る光景そのものではないか。
 それでも身体はカウンターから定食を受け取り、シンに導かれるままにテーブルの一つに座る。
 ……普通だ。至って普通だ。ルナマリアとメイリンが普段やっている事と、別段何が変わる訳ではない。
 どういうつもりなのか。尋ねるのは勇気が必要だったが、尋ねないのはもっと恐ろしい気がして口を開く。
「あの……どうして?」
 メイリンの問いに、簡素なC定食を食べていたシンの手が止まる。
 顔を上げたシンの紅い瞳と目が合った。不思議と……昼時に感じた怖さは感じない。
 彼は素っ気無く、
「……昼飯、あまり食べなかっただろ? ひょっとして、気を使わせたかなと思って」
「………………え?」
 ひたすらに意外だった。
 この行為の理由以上に――シンの、照れとも言える表情が。
「だから、ルナマリアに頼んで……その、お詫びの機会を作ってもらった」
「……そ、そうなんだ」
 真相というのは、知ってしまえば呆気ないものだ。
 メイリンはその事に安堵し……また、喜んでもいた。
 シンという少年は、決して噂のような少年ではない。確かに近付きがたいし、凶暴そうにも見えるが……実際には、不器用なだけなのだ。
 本当は優しい癖に、周囲に壁を作っている。ただひたすらに、弱さを排除したがって。
 そう考えると、むしろ可愛いような気さえしてくる。
「ありがとう、シン」
 メイリンは、昼には考えられなかったような顔で微笑んだ。とびっきりの笑顔だった。
 シンはただ、鼻を鳴らしてそっぽを向いただけだったが。


 この時に食べたA定食は、今までのどの食事よりも美味しかった。
566通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 03:19:41 ID:???
以上。
アカデミーでのシンメイの馴れ初めってどんなんかなー……と妄想してたら思い付いた話。
567休暇の話。:2007/03/07(水) 03:54:37 ID:???
>>561の続き

俺がベッドに入ると、メイリンはきゅっと抱きついてきた。
「シン・・・好き」
俺の耳元でささやくメイリン。
・・・。
もう何も言うまい。
しばらく硬直していると、すーすーとメイリンの可愛い寝息が聞こえてきた。
どうやら眠いといったのは本当らしい。
・・・それにしても緊張するな。
ま、まぁ緊張することもないんだろうけどさ。
メイリンの全身が、俺に触れている。
温かく、柔らかいメイリンの体。
逃げ出そうにも俺の腕にメイリンの腕がからめられ、動けない。
諦めてみると、妙に思考が冷静になった。
それにしても、メイリンって結構大胆なんだな・・・。
大人しい印象が強かったけど、今回のことで、イメージは大きく塗り変わった。
そして、存在も。
で、でもさ・・・
やっぱりこれってまずいんじゃないのか!?
俺は宙に向かって問いかける。
漆黒の空間は、俺の問いに答えてくれるはずもなくただ沈黙していた。

Fin
本当はバレンタインまでに終わらせたかったのですが・・・。すみません。


568通常の名無しさんの3倍:2007/03/07(水) 17:57:33 ID:???
>>562
まってました。このスレにも光が・・・?
569通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 01:19:40 ID:???
GJ!いやされるな…
570通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 10:46:13 ID:???
みんなGJ、やっぱシンメイは最高
571544:2007/03/09(金) 19:49:17 ID:???
調子に乗ってもう一作投下してみるテスト
572544:2007/03/09(金) 19:50:28 ID:???
 パイロットコースともなると、必ずと言っていいほど出る疑問がある。
 即ち、「一体誰が一番強いのか?」という話だ。
 そして今期の生徒であれば、誰もがひとりの少年の名前を挙げる。
 レイ・ザ・バレルである、と。


 アカデミーの休憩時間。誰もが辛い講義や訓練から解放され、一息つける時間ではあるのだが――
「あー、ったくやってらんないわよ!」
 ぶつくさと、ルナマリアが文句を垂れる。彼女は訓練中の為、緑のパイロットスーツを身に纏っていた。パイロットスーツを着ると否が応にも彼女のボディラインが強調される。
 その姉の、いかにも女らしい体つきを見て、思わずメイリンは腹部を押さえた。
(……やっぱりパイロットって、カロリー消費が凄いのかな。お姉ちゃん、あんなにバカスカ食べてるのに……)
 ちらりと、姉の胸部の膨らみを見る。ウエストの細さによって胸囲が引き立つというのなら分かるが、ルナマリアの胸囲は明らかにメイリンのそれよりも上だ。
 ルナマリアの方が脂肪分を浪費しているはずだ。にも関わらず乳房には脂肪がいく、というのは理不尽でなかろうか。
「大体、あいつらなんであんなに速く動けるのよ? 絶対インチキしてるわ!」
 姉の怒声に、意識が引き戻される。
 ルナマリアは飲んでいたジュースの缶をめきいっ! と握り潰す。まだ残っていた中身がこぼれるが気にもしていない。
「それって単に、お姉ちゃんが遅いだけじゃ……」
「そういう生意気な事を言うのはこの口か、こーのーくーちーかー!?」
「いひゃい、いひゃいよおねえひゃん(訳:痛い、痛いよお姉ちゃん)!」
 うっかり口を滑らせたメイリンの頬を、ルナマリアがつねり上げる。はっきり言って、みっともない事この上ない。
 道行く生徒たちも呆れ、または失笑をその表情に浮かべて通り過ぎてゆく。
「何やってんだよ」
 そんな二人に冷ややかな声をかけたのは、ひとりの少年だった。黒い髪と紅の瞳。シンである。
 彼は缶コーヒーに口をつけつつ、じゃれあっている姉妹を冷めた目で見ている。
 流石にルナマリアは自分達の姿を客観的に眺め、すぐにメイリンの頬を離す。
「うう……ひりひりする……」
 メイリンは痛む頬を擦りつつ、恨めしげにルナマリアを見る。が、姉の視線はとうにシンに向いていた。
「あぁら、未来のエース候補の御登場ね?」
 何かを含んだいやらしい声でルナマリアが呟くが、シンは気にした風もない。ただコーヒーを啜っているだけである。
 それがルナマリアの癇に障ったらしい。彼女は眉を吊り上げて、
「あんたね! ちょぉぉぉぉっとセンスがあるからって自惚れてんじゃないわよ! 今日だってレイに十戦二勝しかしてないじゃない!」
「…………なんだと?」
 シンは平静でいようとしたらしいが――無理だったようだ。僅かに目を吊り上げて、鋭い視線をルナマリアに遣る。
 しかしルナマリアは怯む事なく、
「しかもあんた、理論分野でもレイに負けてるじゃない。女子人気もレイは圧倒的だし。せいぜいあんたがレイに勝ってるのってナイフくらい? あ、あと凶暴性も勝ってるか。でも人間的にはマイナスよね、それ」
「ぐ…………!」
 シンは口惜しげに奥歯を噛む。その右手がわなわなと震えているのをメイリンは見逃さなかった。
 メイリンは知っている。モビルスーツの操縦にセンスがあるかは知らないが……ルナマリアは、口だけは異常に達者だ。
「お? 殴っちゃう? シン君は女の子を殴っちゃうんだー?」
「こ、こいつ……」
 拳を握ってはいるが……シンは殴らないだろう。一見しては分からない彼の穏やかさを、メイリンは知っている。女子に手を挙げるなどという事が出来るはずもない。
 しかし、このままではいくらなんでもシンが可哀想だ。
 メイリンはそう思い立つと、口を開いた。
573544:2007/03/09(金) 19:51:59 ID:???
「まあ、偉そうにするならせめてレイに操縦で勝ってからにしなさいね――」
「勝つよ」
「…………え?」
 勝ち誇った風なルナマリアは、思いも寄らぬ方向からの反論に目を丸くした。見ると、シンも驚きに目を見開いている。
「その内、シンはレイに勝つよ。きっと将来は、凄いパイロットになるんだから」
「………………」
 ルナマリアはひたすらに不思議そうな顔をしていた。この妹が、こうまで強気に反論する事などなかったのだ。
「い、いや……その内、ってのはちょっと無理が……」
 シンは驚愕の表情を浮かべつつも、何やらもごもごと呟いている。
「その通りだな」
 メイリンの援護をしたのは、これまた意外な人物だった。
「レイ?」
 シンが、その金髪の友人を見て声を上げる。
「先月、シンは俺に一勝しかできなかった。だが今月に入ってからは二勝だ。来月には……いや、もしかしたら来週には三勝するかもしれない」
「レイ…………」
 全員が、驚きに固まっていた。シンも、ルナマリアも、そしてメイリンも。
 メイリンはただ、なんとなく意地になって言っただけなのだが……まさか当のレイがそれを肯定するとは思っていなかった。
 レイはそんな三人など気にすることもなく、
「シンの成長速度には目を見張るものがある。メイリンには見る目があるという事だ」
「あ、ありがとう……」
「気にするな、俺は気にしない」
 メイリンの礼に対してそう答えると、レイは自販機で紅茶を買い、どこかに去っていった。
 三人はそれを、間抜けのように眺めていたが……
「……も、もうすぐ休憩時間も終わるわね。行くわよ、シン」
「……あ、ああ」
 意外な出来事の連続ですっかり意気が挫かれたのか……ルナマリアの言葉に、シンは素直に頷く。
 そしてルナマリアの後を追うように歩き出し――
「……あ」
 ふと思い出したように、メイリンの方を振り返る。
「……メイリン、その……」
 何かを言いたそうに、口をもごもごと動かす。
 しばしの逡巡。そして――
「あ、ありがとうな」
 素っ気無くそう言うと、すぐに走り出して去っていく。
 メイリンは、しばらくその後姿を眺めていた。
 頬が、微かに熱い。
 きっとルナマリアに抓られたせいだ。そう思ったが、頬の火照りはしばらく治まらなかった。


 まったくの余談だが――
 この日、ルナマリアの成績はレイに十戦十敗だった。
574544:2007/03/09(金) 19:53:10 ID:???
終了。色気に乏しい話でスマソ
575通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 20:02:38 ID:???
短い中でやりとりがしっかりしてて面白かった。是非また書いてくれ。GJ!
576通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 20:29:12 ID:???
GJ!
しかしレイは強いなあ・・・。ナチュラルなのに。
コーディ完全に形無しですな。
577544:2007/03/09(金) 20:41:16 ID:???
レイが強い、ってのはほぼ想像。てか妄想。
まあクルーゼ級の才能を持ってるって事とタリアの「何でシンにインパルスが……」のくだりから妄想しました。
578通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 21:34:11 ID:???
確かレイがアカデミーの成績トップだったと思います。
実際レイは相当つよかったはず。
クルーゼも戦争初期に怪物級のスコアをたたき出しているし、
そのあまりの優秀さゆえにナチュラルかと疑われる事さえ無かったとか。
いやはや人工的な天才・秀才であるコーディと違って
天然の大天才なんでしょうなあ、レイもラウも。
579通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 21:37:43 ID:???
そういやアルダ・フラガはスーパーナチュラルっつー設定のSSをどこかでみたな。
まあ、フラガの血筋は間違いなく超一級品でしょう。
580通常の名無しさんの3倍:2007/03/09(金) 21:42:44 ID:???
まあ、だからムウですら「出来損ない」だったのだろうし
581通常の名無しさんの3倍:2007/03/10(土) 09:15:57 ID:???
>>579
スーパーナチュラルww
カタカナだと響きがいいけど、直訳すると「超普通」とか「超自然」。
582通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 03:16:26 ID:???
ナチュラルを超えている、と読めなくもないかもしれない
583544:2007/03/12(月) 05:08:24 ID:???
なんとなく閃いたので投下する。今回はちょっと暗めの話かも
584544:2007/03/12(月) 05:09:37 ID:???
「しっかし、もう卒業か。二年間っても、長いようで短かったなぁ」
 アカデミーの食堂にて。
 ヨウランが何の気なしにぼやいた言葉に、メイリンはぴくり、と身体を震わせた。
「なーに、じじむさい事言ってんのよ」
 ルナマリアが呆れた風に返すと、ヨウランはいやぁ、と頭を掻きつつ、
「なんだかんだ言って、アカデミーじゃ充実してたなって話。まさかこのメンバーで飯を食うなんて考えてなかったからな、俺」
 言われて――別段示し合わせたわけでもなく、全員が一斉にシンとレイを見やる。
「……何だよ」
 その視線に気付いて、シンが憮然とした表情になる。そんな表情すら、当初のシンは見せなかったのだ。それを思えば、全員が失笑を禁じえなかった。
 シンは変わった、とメイリンは思う。
 最初は、自分に近付くすべてを拒絶するかのような少年だった彼が……レイという親友を得て、ルナマリアやメイリンと親しくなり、ヨウランやヴィーノといった友人もできた。
 それ自体は喜ばしいことだと思う。思うが――
「……はぁ」
 つい、溜息が漏れてしまう。
「どうした、メイリン」
 目敏く、レイが声をかけてくる。メイリンは慌てて「なんでもない」と両手を振った。ややオーバーリアクションの感は否めなかったが、レイは「そうか」とだけ頷くと、再び食事に戻る。
 ……どうやら、レイはあまり変わっていないようである。
 何にせよ、彼女は追求がなかった事に安堵した。
 ちらりと――意識して悟られないように、メイリンは姉の横に座るシンを見やる。
 彼はしばらく憮然とした表情を崩さなかったが……やがて、ヨウランの冗談に苦笑したようだった。
 それを見て、再びメイリンは嘆息した。
585544:2007/03/12(月) 05:13:22 ID:???
 卒業。
 考えてみれば、当然の事なのだ。いつまでも学生でいられるわけがない。いつかは卒業し、それぞれの職場に配属される。
 それは後方の退屈な待機任務かもしれないし、もしかしたら最前線での危険な任務かもしれない。
 シンとレイ――ついでに姉は、周囲の期待通りの成績を出し続けた。レイはやはり操縦技能のトップを走り続けていたし、シンはナイフ戦において『ナイフのフレッド』を倒してみせたらしい。姉は……まあ、及第点というところだったのだろうか。
 そんな彼等であれば、安穏とした場所に配属される事はあるまい。しかるべき場所で、存分に己の能力を振るうのだろう。
 メイリンは……オペレーターコースはそれなりの成績で修了したものの、それだけだ。
 ザフトレッドが確実視されている三人と同じ場所に行けるのだろうか?
 ……恐らく、そんな偶然もないだろう。
 姉は言うに及ばず、レイも……そしてシンも、彼女にとっては大切な友達だ。離れれば寂しい。
(……トモダチ、かぁ)
 胸中で呟く。メイリンの不安はそれだけではなかった。
 確かにシンは変わった。それと同時に、今まで彼を『問題児』とだけ見ていた人々の対応も変わってきたのだ。
 特に女子などの間では、シンの人気も高くなってきている。元々整った顔立ちと優秀な能力のせいか、少し険が取れればすぐに評価は変わった。
 モシカシタラ。
 思考に不協和音が混じる。
 シンと離れている間に、彼がそういった女性と付き合う可能性がないわけではない――どころか、むしろその可能性は高い。
 つまりは、そういう事だった――誰とも知らない、いないかもしれない人間に嫉妬している。
(嫉妬?)
 頭の中に浮かんだ言葉に、疑問が生じる。どうして嫉妬する必要があるのか。
 これではまるで――
「メイリン?」
 ルナマリアの呼びかけに、はっと我に返る。
 気付けば、全員が――レイを除いて――こちらに怪訝そうな眼差しを向けている。
「な、なに?」
「なにって……具合でも悪いの?」
 それで、メイリンは皿に盛られた食事がまったく減っていない事に気付いて、あわてて口に運び始める。
「だ、大丈夫大丈夫。ほら、この通り」
 そうアピールしてみせるが、その際に零れたスープが口元から零れ落ちる。スカートに付着したそれを、これまた慌ててナプキンで拭く。
「あんたね……大丈夫に見えりゃ聞かないわよ」
 まったくもって説得力のない事をルナマリアが告げる。
 しかし、鈍感の姉に気付かれるほどというのは――
 シンを見ると、彼は頬杖をついてこちらを見ている。その表情は、あからさまに呆れた風であった。
 かっと頬が熱くなる。みっともないところを見られた、という羞恥心がメイリンの全身を駆け巡った。
 ここから逃げ出したい気分に駆られる。が、ここで逃げ出せばそれこそ変な女の子確定だ。
 仕方なく、メイリンは顔を俯かせながら黙々と食事を続ける。こんなに味のしない食事など久しぶりだった。


 そんなメイリンだったから、気付かなかったのだ。レイが、こちらに視線を注いでいる事に。
586544:2007/03/12(月) 05:15:00 ID:???
 食事を終えたメイリンは、真っ先に部屋に帰った。
 部屋に戻ると同時、ベッドに飛び込む。彼女の体重を受け止めたベッドがぼふん、とシーツを震わせた。
 枕に顔を埋めると、閉ざされた視界が暗闇を生み出す。その暗闇は、メイリンの心象風景にも思える。
 恥ずかしい。頭の中に、先程のシンの表情が去来する。
 あんなところを見て、魅力的に思う男子はいないだろう。むしろみっともないとか、そういった評価が正常だ。
 ルナマリアはまだ帰ってきていない。シン達を連れてどこかに行っているのだろう。
(……お姉ちゃん)
 不意に――心の中に、不定形な靄が生まれた。
 姉はどうだろう。いつもハキハキしていて、あまり飾らない。気前も良く、度量は決して小さくないだろう。何よりメイリンと違って運動神経も抜群だ。あとは……まあ、多少おつむが足りない気もするが、そこは努力で補えるだろう。
 妹のメイリンから見ても、自慢の姉だった。女子としても魅力的だろうと思う。
 もし……もしも。ルナマリアとシンが付き合ったら。自分は心から祝福できるのだろうか。
 ありえない事ではない。ただの第三者などよりもずっとあり得る取り合わせだ。
 ルナマリアは当初からシンの姉のように振舞っていたし、仲も悪くはない、というかむしろ良い。ひょっとすれば、メイリンなどシンにとっては「ルナマリアの妹」くらいにしか思われていないかもしれない。
 そう考えた瞬間、胸の内が締め付けられるように痛くなった。まるで心の臓を鷲掴みにされたが如く。
(無理……嫌)
 きっと、今の自分では祝福などできないだろう。こうして仲が良さそうに笑い合っている二人を想像するだけで、こんなにも辛いのだから。
(ああ――そうか)
 不思議なくらいに平静な心で、彼女は納得した。
 どうして、シンの事を考えるだけでこんなにも切ないのか。
 つまりは――
587544:2007/03/12(月) 05:16:50 ID:???
 メイリンの中で結論が出るのを待っていたかのように、部屋に来客を知らせる電子音が響いた。
 枕から顔を離し、ベッドから降りる。インターフォンで応対をすると、それは意外な人物だった。
「メイリン、俺だ」
「レイ?」
 この部屋にレイが来た事など一度もない。シンやヨウラン、ヴィーノは何度か来た事もあるが……彼はもともと何処かに行く性質でもないし、むしろ遊んでいる姿など見た事がない。
 とりあえず、部屋の扉を開ける。「邪魔するぞ」とだけ言って、レイは部屋の中に入ってきた。
「どうしたの、急に……? まあ、適当なところに座ってよ」
 適当なところ――と言われて、レイはルナマリアのデスク付属の椅子に座った。どんな動作をしても絵になる男だ。
「……昼食の際、様子がおかしかったのでな。気になって尋ねてみた。これでは不満か?」
「……不満って。そんな事はないけど……」
 あまり他人を気にかけなさそうなレイにとっては珍しい。そう思っただけだ。
 しかし、そんな事はどうでもよかったのだろう。レイは射抜くような鋭い視線を投げかけてきた。思わず、メイリンは身が竦んでしまう。
 彼の視線は、どこか畏怖を覚えさせる。まるで心の中まで見透かされるかのような――
 そんな風に考えていると、レイが何の脈絡もなく口を開いた。
「メイリン。これから俺が言う事はただの妄言かもしれない。もしくは俺の勘違いか。どちらにせよ、違っていれば笑って済ましてくれればいい」
 何を言おうというのだ? それは分からなかったが、メイリンはその言葉に素直に頷いた。
 レイは一拍置いて、
「お前は、シンの事が好きなのか? 無論、異性として」
 ……呼吸が止まる。
 なんで。どうして。そういった諸々の疑問が脳裏を埋め尽くすが――息を詰まらせた喉は、それらを言葉として排出する事を許さない。
 メイリンの反応は、レイの言葉を肯定するに等しい。レイは得心がいったように頷いて、
「やはりそうか。最近の様子から、そうではないかと思っていたのだが」
 鋭すぎる。ルナマリアやヨウラン、ヴィーノ、当のシン……それどころか、メイリン自身ですらその事に気付いていなかったというのに。
 頭に血が上るのを自覚する。鏡を見れば、茹蛸のように真っ赤になった顔が映し出されるだろう。
「……な、なんで?」
 ひきつる肺から、強引に言葉を搾り出す。
 気付かれていた事には驚いたが、それがレイにどう関係があるのか。まさか色恋沙汰に目がないとか、そういった下世話な人物でもなかろう。
588544:2007/03/12(月) 05:21:12 ID:???
 レイは平然と――要するにいつものように――、答えを返してきた。
「別に。ただ確かめたかっただけだが」
「そ、そう……」
 ほっと息を吐く。確かめてどうこう、という話ではないらしい。しかし、
「ただ、必要はあった」
「え?」
「……シンは、孤独な奴だ。お前のような支えがいれば、あいつはいくらでも強くなれる」
「……………………」
 今度こそ、メイリンは完全に絶句した。
 つまり、レイはこう言いたいのだろうか?……「付き合ってやってくれ」と?
 レイがそこまで友人想いだという事も意外ではあったが……何故、メイリンに白羽の矢が立ったのか。それが分からない。
 もしかしたら……ルナマリアだって、シンの事を好きなのかもしれないのだ。
 そんな彼女を他所に、レイは続ける。
「……大切なものを失ったあいつは、ただがむしゃらに強くなろうとしている。いつか……もしかしたら、強くなれば誰かを守れるかもしれない。あいつは名前も知らない『誰か』の為に力を求めている」
「大切な……もの?」
 なんだろう。考えてみれば、シンの過去に関しては聞いた事がない。オーブからの難民だという事は聞いた事があったが……
 メイリンは興味を抱いたが、レイはどうでもいい事だと思ったらしい。無視して続ける。
「お前が……その『誰か』になればいい。人というのは、具体的な目標があるとないでは違ってくるものだ。お前という存在を芯にして、あいつは強くなる」
 レイは椅子から立ち上がる。言いたい事は、すべて言ったという風に。
「それだけを言いにきた――邪魔したな」
 そのまま、何も言えずにいるメイリンを置いてレイは部屋から去る。
 一人だけ取り残されたような形になって、メイリンはそっと胸のあたりを手で押さえた。
 鼓動が早鐘を打ち鳴らしている。しばらく止まりそうにはない。
 ――お前がその『誰か』になればいい。
 レイはそう言った。
(その……『誰か』になったら……)
 シンは、メイリンを守る為に強くなるのだろうか。その想像は嬉しくもあったが……同時に、危険な甘美さももたらす。
 どうすればいいのだろうか。
 答えを得られぬまま、メイリンは静寂の中、ただベッドに座り込んでいた。


 これでいい。
 メイリンの部屋を出たレイは、内心で密かに呟いた。
 議長が見出したシンの素養は、確かに高いかもしれない。だが、彼の心は不安定だ。元々優しく、繊細な為に……時折、哀れに感じるほどに脆い。
 家族を失った過去をレイに話したのも、その脆さがさせた事だ。もっとも、単純に彼等の相性が悪くなかったという事もあるのだろうが。
 議長が……そしてレイが目指す世界を作るためには、シンのポテンシャルは最大限に引き出されなければならない。その為に、メイリンを利用する。
 別に、相手はルナマリアでも良かったのだ。シンが、心の平衡を保ち……『守りたい』と強く願う相手であれば。ただ、色々な機会が重なってメイリンとなった。それだけに過ぎない。
 レイは、胸の内に僅かな痛みを覚えた。肌を、針で軽く刺されたような。
(……気のせいだろう)
 意思の力でそれを押し殺す。
 これは必要なことだ。世界に、ギルに、自分に……いや。シンやルナマリア、メイリンにもいずれ必要になる。全ての人がいつか必要としなければならない。
 その為なら、自分を友と信じる相手も利用する――
 暗い感情を抱いて、レイは通路に軍靴の音を響かせた。
589544:2007/03/12(月) 05:22:26 ID:???
以上。こんなんシンメイじゃねえよとか、そういう批判なら受け付ける覚悟です
590通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 05:56:29 ID:???
544氏GJ!
こーゆーシリアスなのも悪くない。
いっその事シリアスな続き物も書いてみてはどうか?とおねだりしてみるw
591通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 08:44:25 ID:???
>>544
すげー、GJ!
こういうシリアス調のもいいです。
592通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 08:47:22 ID:???
GJ!
お見事です!レイのキャラがよくあらわされていると思いました。
しかしこのシンはメイリンの事どう思っているんでしょうかねえ。
593通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 17:40:22 ID:???
めっちゃGJ!
ここの人達はシンメイはもちろんミネルバクルー好きとみたw
594544:2007/03/12(月) 23:33:41 ID:???
>>590
続きはあんま考えてなかったので……
本編のIFくらいで良ければ暇を見て書きますが
595通常の名無しさんの3倍:2007/03/12(月) 23:48:48 ID:???
>>594
wktkして待ってるよ!
596保守がてら:2007/03/14(水) 02:38:16 ID:???
メイリン「キャー!」
シン「!?」
アスラン「どうしたメイリン!?」メイ「今服の中に虫が入ったぁ!誰か取ってぇ!」
シン「虫!?」
アス「なんだ虫か…俺が取ってやるよ…」
メイリンに近寄るアスラン
メイ「イヤッ……シン取ってぇ!」
メイリンはアスランをかわしシンに駆け寄った
アス「…;」
シン「えっ;やだよ…俺も虫嫌いなんだよ;」
メイ「早く…きゃっ!今動いた!早く取ってぇ!」
アス「あっ、メイリン俺が…」
メイ「シン早くぅ!」
シン「わかったよ;」
シンはメイリンの襟元からの手を入れた
メイ「あっ…ははっ…くすぐったいw」
シン「我慢しろ…」
メイ「はい……やっ!また動いた!」
シン「いや、今のは多分〃」
メイ「シンの手か…〃」
アス「…;」
シン「…ん?どこだ?」
メイ「多分胸のあたり…」
シン「このへんか?」
メイ「…シン…それじゃない〃」
シン「これか?」
メイ「…んっ…ちがう〃」
アス「…;」
シン「あれ?」
メイ「やっ〃えっち!そこじゃないって!さっきからわざとやってるでしょ!」
シン「な;わざとじゃねーよ!見えないんだからしょーがないだろ!」
メイ「じゃあもう見ていいから早く取ってよ!〃」
メイリンは服を前に引っ張った
シン「最初からそう言えよな〃…」
597保守がてら:2007/03/14(水) 02:40:32 ID:???
シンはメイリンの胸元を覗きこんだ
シン「…〃」
もちろんブラはしているが目が行くのはそこばかり
メイ「いた?〃」
シン「あ、ああ、ちょっと待って〃」
アス「…;」
メイ「…ちょっと〃シンいつまで」
シン「いた!」
メイ「いた!?」
メイリンの胸の下から小さい蜂が出てきた
シン「うりゃ!」
シンは素早くその蜂をつかみ取り出した
シン「痛っ!!」
ブーンと蜂は逃げて行った
メイ「蜂だったの!?シン大丈夫?」
シン「このくらい大したことないよ」
メイ「でも一応……はむ…ちゅーちゅー」
シンの指をしゃぶるメイリン
シン「でもよくお前さされなかっな」
メイ「ひゅほひひょえ(すごいよね)」
シン「うん、よかったな」
おしゃぶり終わり
メイ「うん♪ありがとシン、また虫入ったら取ってね☆」
シン「はあ?w」
アス「…;」
メイ「あっ、アスランさん」
アス「!?」
メイ「えっと…あの………好きです!〃」
アス「…お前なめてるだろ」



おしまい
携帯からですんません
598544:2007/03/14(水) 05:01:01 ID:???
 どこまでも広がる蒼穹。独特の潮の香り。髪に絡みつく風。
 いずれも、プラントでは味わえなかったものだ――メイリンは密かに、地球の自然という奴に感動していた。
 アーモリー・ワンでの強奪劇を契機として、ユニウスセブン落下阻止を経たザフトの新造戦艦ミネルバ≠ヘ現在、太平洋上にその姿を晒している。進宙式もまだの艦がここまで戦ってきた事を考えれば、記録的な戦果と言える。
 しかし、異常事態とはいえ軍人には訓練規定というものがある。常に己を鍛えるべし。アカデミーの教官の口癖だ。
 だからこそ、こうして射撃訓練にも精を出している訳だが。
「……っかしいわねぇ……なんで当たらないのかしら?」
 ルナマリアが、その手に持った拳銃を見てぼやく。
 腕が悪いからじゃないのか――メイリンはそう思ったが、口には出さない。出したが最後、どんな仕置きをされるか分からないからだ。
 大体、姉は好んでザクウォーリア≠ノガナーウィザードを装備しているが、当たった試しがない。派手好きなのは結構だが、せめてもう少し実用性を考えてもらいたいものである。
 そんなルナマリアの横で、乾いた発砲音が響く。レイとシンだ。二人の撃った銃弾は百発百中とは行かないが、ほぼ九割方が模擬ターゲットに着弾する。
「……うん、きっとあれよ。銃が悪いのよ」
 頭を抱えながらぶつぶつと呟く姉を尻目に、メイリンは黙々と銃を撃つシンに視線を向ける。
 ……最近のシンは、少しおかしい。
 以前からぶっきらぼうでやや短気な部分はあったが、最近はつとにそれが酷いのだ。何かを話しかけようとすれば怒鳴られるし、無視される時もある。
 それもこれも、アスハ代表が原因だ。メイリンはそう結論付けた。
 カガリ・ユラ・アスハ……現・オーブ連合首長国代表。アーモリー・ワンの強奪現場に偶然居合わせた彼女は、成り行きでこの艦に乗ることになった。護衛のアレックス・ディノ――アスラン・ザラと共に。
 シンは、アスハ代表――というよりはオーブに個人的な恨みがあるらしい。彼がアスハ代表に対して吐いた暴言というのは、クルーの間ではすっかり有名になっている。

 ――『さすが奇麗事は、アスハのお家芸だな!』
 ――『俺の家族は、アスハに殺されたんだ!』
 ――『あんたってほんと、何も分かってないよな!』

 どれもこれも、下手をすれば重罪になりかねない言葉だ。相手は仮にも、国家元首なのだから。
 しかし……アスハ代表も、ややデリカシーに欠けるのではないか?
 シンの家族は、前大戦における連合のオーブ侵攻時に失われたらしい。最後まで抵抗したオーブは、本土まで連合の攻撃を許したのだ。それは、両勢力の戦力差を考えれば当然の結果だろう。
 オーブ戦で脱出した国民……その中のコーディネーターの大半は、難民としてプラントに流れた。その一人が、シンという訳だ。
 彼からしてみれば、連合もそうだが――『理念』とやらの為に勝てないと分かっている戦いで被害を出したオーブは、憎むべき家族の仇だろう。逆恨みとも取れるが……メイリンは、そうは思わない。きっと、自分がシンの立場ならそう思っただろう。
 にも関わらず、アスハ代表はシンの最も嫌いなオーブの理念、そして彼にとっての『キレイゴト』を次々に持ち出した。
 少しでも彼の心情を考えれば、そうそう口には出せない台詞だ。
599544:2007/03/14(水) 05:02:44 ID:???
(……でも、だからって話くらいはしてくれてもいいのに)
 嘆息する。話せば楽になる――などという一般論を言う気はないが、少しでも彼の力になりたかった。八つ当たりでもいい。それで少しでも、彼の気が晴れるなら。
 今のシンは、まるで研ぎ澄まされたナイフだ。鋭さに関しては申し分ないが、同時に折れやすい。見ていて、不安で仕方ない。
 陰鬱に沈みそうになる気持ちで、メイリンは気晴らしにと拳銃のトリガーを引いた。当然ながら、腕もない上にそんな気分で撃った銃弾が当たるわけがない。
「へったくそねー、メイリン」
 これっぽっちも自覚のない台詞をルナマリアが告げる。いつもなら無視するところだが――
「お姉ちゃん、人の事言えないじゃない」
 思わず口が突き出る。これこそ八つ当たりだ……とは思ったが。
 最悪の気分のところに、能天気な姉の言葉は癇に障った。そもそも姉の援護下手のおかげで、シンが何度危機に陥ったことか。
「……何ですって?」
 案の定、姉の表情が険悪なものに変わる。これ以上は危険だ――と冷静な自分が告げるが、感情はそれを無視した。
「お姉ちゃんはいいね、気楽で」
「あんたね……!」
 メイリンの肩を、ルナマリアが掴む。その握力に、メイリンの顔が歪んだ。
「言いたいことがあるなら、はっきり言ったらどう!?」
「……なんでもないよ。離して」
 ともすれば昂ぶりそうになる感情を抑えながら、メイリンは低く押し殺した声音で告げた。
 そうでもしなければ、ここで叫んでしまいそうだった。
 ……姉なら。ルナマリアなら。今のシンにも、気軽に声をかけられる。怒鳴られても、無視されても。どうして自分はそれができないのだろう?
 怒られるのが怖い。無視されたくない。嫌わないで。そんな思いだけが先走り、どうしても声をかけられない。
 これはただの嫉妬だ。ルナマリアはまったく――ではないが、決定的に悪いわけではない。
 それらの事を言い出せないでいると、ルナマリアの指は肩にどんどんと食い込んでくる。思わずメイリンは呻くが、ルナマリアが止める様子はない。
「よせ、ルナマリア」
 そんなルナマリアを静かな声で諌めたのはレイだった。シンはこちらに視線を向けることもせずに、的に向けて銃を構えている。
 外界のことなど、一切耳に入っていないかのようだ。メイリンは密かに失望を覚えながら、掴まれていた肩を撫でた。
 姉はしばし、不満に顔を曇らせていたが――
「あら?」
 甲板の入り口に目をやった瞬間、表情が変わる。つられてメイリンも、そちらに視線をやった。
 そこに立っているのは、ひとりの青年だ。青みがかった黒髪と、翡翠の目。
 今はアレックスを名乗る、アスラン・ザラ。
 ちっ……という舌打ちが聞こえる。
 メイリンが視線を移すと、シンの表情が苦々しいものになっていた。彼にとって、オーブに所属する人間はすべて敵だとでもいうように。
「訓練規定か?」
 それには気付かず、彼はこちらに歩みを向けながら尋ねて来る。
「ええ、どうせなら外でやった方が気持ちがいいって。でも、調子悪いわ」
 銃を掲げながら、ルナマリアが嘆息する。いつもこんな調子ではなかっただろうか。
 彼女はすぐに表情を変えて、
「あ、一緒にやります?」
「え?……いや、俺は」
 かつてはザフトに所属していたとはいえ、既に除隊……というよりは、亡命した身だ。いきなり訓練を勧められて「はい」とは言えないだろうし、それ以上に気は進まないだろう。
600544:2007/03/14(水) 05:05:22 ID:???
「本当は私達みんな、あなたの事よく知ってるわ」
 そんな事はどうでもいいのか、姉は軽い調子で続ける。
「え?」
「元ザフトレッド、クルーゼ隊。戦争中盤では最強と言われたストライクを討ち、その後国防委員会直属特務隊『フェイス』所属。ZGMF−X09Aジャスティス≠フパイロット、アスラン・ザラでしょ?」
 挑発するかのようなルナマリアの物言いに、アスランの表情が変わる。
「……お父さんのことは知りませんけど。その人は、私達の間では英雄だわ。ヤキン・ドゥーエ戦での事も含めてね?」
「お姉ちゃん……!」
 思わず、悲鳴じみた声が漏れる。シンの前でそんな事を言うのか。どれだけデリカシーがないのだ、この姉は?
「……ふん」
 予想通り、シンが不機嫌そうに鼻を鳴らす。しかしルナマリアはそれにも気付かず、拳銃のグリップをアスランに向けた。
「射撃の腕もかなりのものと聞いてますけど? お手本……実は私、あんまり得意じゃないんです」
(……自覚してたんだ)
 軽い衝撃を受けて、メイリンは身体をよろめかせる。自覚があってアレでは、尚更タチが悪い。
 アスランはやれやれ、と呟き、差し出された銃を受け取る。
 グリップの感触を確かめるように握ると、設定距離に置かれたテーブルの前で構える。
 銃声。
 放たれた銃弾が、ターゲットの中心に穴を開ける。彼はそれを数発の間続けてみせた。
「…………」
 その鮮やかな手並みに、誰もが目を奪われる。メイリン、ルナマリア、レイやシンでさえ。
 彼はその視線に気付いて、軽く苦笑してみせた。
「……こんな事ばかり得意でも、仕方ないけどな」
「そんな事ありませんよ。敵から、自分や仲間達を守るためには必要でしょ?」
 アスランから拳銃を受け取りながら、ルナマリアはやや紅潮した顔で声を上げた。まるでアイドルに会った時のようだ。
 しかし当のアスランは何故か眉を顰め、
「……敵って、誰だよ?」
「え?」
 返された言葉に、ルナマリアの動きが止まる。何を言われているのか分からない。そういった表情だ。
 レイは無言。メイリンも何も言えず、気まずい空気だけが流れる。
 真っ先に動いたのはシンだった。彼は拳銃とヘッドセットを置くと、踵を返す。
「シン?」
 ルナマリアの問いかけにも答えず、シンは甲板の入り口に足を進める。
 途中、アスランと擦れ違うが――互いに視線を交し合っただけ。
 彼は結局無言で、甲板を出て行った。
「あ……」
 メイリンは、思わず追いかけようとして……留まる。
 追いかけるべきだ。シンをひとりにはしておけない。理性はそう告げている。
 だが、同時に――追いかけて、拒絶されたくない。その恐怖が襲ってきて、足が竦んでしまう。
 臆病な自分が嫌になる。


 そのまま……誰が何かを言うわけでもなく。
 やがて、その場は解散となった。
601544:2007/03/14(水) 05:06:36 ID:???
オリジナル分少ないorz
それ以上にシンメイ度少ないorz

次回はオーブ上陸編。多分ちっとはシンメイ分が増える……はず。
602通常の名無しさんの3倍:2007/03/16(金) 09:00:25 ID:???
GJ!気長におまちしております!
603通常の名無しさんの3倍:2007/03/19(月) 18:25:59 ID:???
保守
604通常の名無しさんの3倍:2007/03/20(火) 17:44:15 ID:???
メイリン「シンだーいすき♪」
605544:2007/03/21(水) 04:19:38 ID:???
 メイリンは、シンの部屋――正確にはシンとレイの部屋だ――の前で、表情に苦悩を滲ませていた。
 今彼女が着ているのは普段の軍服ではない。私服である。
 これまでの激戦で多大な損害を被ったミネルバ≠ヘ、オーブ国内での修理を必要としていた。
 通常ならばザフトの軍事機密であるミネルバ≠他所の国家で修復するという行為は問題ではあったが、戦闘艦というのは常にベストの状態を保っていなければならない。機密を気にした挙句に撃沈した、などという事になれば笑い話にもならないからだ。
 しかし、艦の修理が一朝一夕で終わるはずもない。数日の期間を要する事がクルーには伝えられ、交代で上陸許可が下りたのだ。
 プラント出身者達は地球の環境に興味津々である。ヨウランやヴィーノなどは真っ先に飛び出していったし、他のクルーも観光気分で艦を降りていた。
 メイリンも、それらに混じって上陸しても良かったのだが……
(……しっかりしなきゃ。うん、今日はシンを誘うって決めてきたんだから)
 胸中で自分を励ますが、中々声をかけられない。恥ずかしいから……などという甘酸っぱい理由からではない。
 シンは、家族を奪った――と、少なくとも彼は思っている――オーブという国を憎んでいる。
 そんな彼を、オーブへの上陸に誘っていいものか。彼の傷を抉るだけなのではないか?
 そういった不安から、メイリンはシンを中々誘えずにいたのだ。
 けれど、いつまでもそのままでいいわけがない。昨夜、不眠で考えた結論がそれだった。
 彼にとってオーブでの記憶が辛いものだったならば、自分が楽しい記憶を……思い出を作ってあげればいい。
 偽善かもしれない。ただのおせっかいと思われるかもしれない。だが、メイリンはそう決意していた。
 していたのだが――
(……き、緊張してきた)
 扉ひとつを隔てた向こうにシンがいる。そう考えると、心臓の鼓動が速くなる。生唾を飲み込むと、ごくりという音がやけに大きく聞こえた。
 思わず口を押さえる。聞こえるはずがないと思いつつも、周囲をきょろきょろと見渡してしまう。
 そのお陰だろうか。通路の向こうから、誰かの足音を聞き取れたのは。
 反射的に、通路の影に身体を隠す。隠れる意味はまったくないというのに。
 そろそろと顔を出し、足音の主を確認する。その瞬間、メイリンは思わず声を上げそうになった。
(お姉ちゃん!?)
 そう。歩いてきたのはルナマリアだった。彼女はシンの部屋の前まで来ると、インターフォンのボタンを押し込む。
「シン、いる?」
 遠慮も躊躇もなく、ルナマリアは声を上げる。
 どうしよう。メイリンは通路の影で頭を抱えた。
 まさか姉もシンを誘いに来るとは思わなかった。もしもここでシンと姉が連れ立って上陸してしまったら、わざわざ格好に気を遣ってきた自分はまるっきり馬鹿ではないか。
 なにより……そんな状況は、悲しいし悔しい。
 そこまで考えるのに、数秒を要していた。が、部屋からシンの応答はない。
「シン、居ないの? もう……」
 不満げな顔で、ルナマリアはその場を去る。
 ほっと胸を撫で下ろして、メイリンは通路の影から出た。
 どうやら、シンはいないらしい。だが、どこに行ったのか。
 先にオーブに降りた……というのはない。彼の感情を考えれば当然だし、上陸時に残すべき記録にも彼の名前はなかった。
 部屋から何の応答もなかったという事は、レイもいないようだ。
 二人連れ立って、どこかへ行ったのだろうか?
 メイリンはざっと頭の中に艦内マップを思い浮かべ――
「……あ」
 思い当たる場所を発見し、そちらに歩みを向けた。
606544:2007/03/21(水) 04:25:41 ID:???
 ミネルバの甲板。先日、射撃訓練を行っていた場所である。シンとレイの姿は、そこにあった。
 シンはターゲットを真っ直ぐに見据え、トリガーを引く。軽い反動と、乾いた発砲音。その一瞬で、弾丸はターゲットに到達する。そして、ターゲットの中心から少しずれた部分に着弾した。
「……はぁ」
 思わず溜息を吐く。アスランの射撃が脳裏に焼きついて離れない。
 まだ、自分はそこまでは到達していないのだ――かつての、ザフトの英雄には。
 何かを守る為には、力が必要だ。自分ひとりを守る力では足りない。もっと多くを。大切なもの、すべてを。
 まだ、力が足りない。もっと、もっと強く。アスラン・ザラにも――前大戦のフリーダム≠ノも勝てるくらいに。
「降りないのか?」
 ふと……隣で同じように銃を撃っていたレイが、呟くように言ってくる。
「え?」
「上陸したかったんじゃないのか? 出たろ、許可」
「そんなことは……」
 シンは思わず口篭る。
 上陸したかった? そんなはずはない。オーブは憎むべき家族の仇だ。あそこには、辛い思い出しかない。もしかしたら楽しい思い出もあったかもしれない。だが、それはシンにとっては既に『過去』でしかない。
 家族が死んだあの時から……オーブにおけるシンの時間は、止まったままなのだ。だから『過去』ではないし、いつまでもこだわるべき部分だと思っている。
「取り戻せないもの、それが過去……か」
 ほとんど独り言のような口調でレイが呟く。或いはそれは、本当に独り言だったのかもしれないが――今のシンにとっては、心の底を見透かされたような気分だ。このアカデミー以来の親友は、時折人の心が読めるんじゃないかと疑ってしまう。
 不意に、甲板入り口の扉が開く音が耳に入った。振り向くと、そこには私服姿のメイリンが立っている。
「あ……やっぱり、ここにいたんだ」
 彼女はそう呟くと、シン達の近くまで歩いてくる。
「どうしたんだ?」
 何か用があるのかと思い、シンはメイリンに尋ねる。しかしメイリンは何も言わず、両手の指をもじもじと絡ませている。何か言いたい事があるが、躊躇して口篭っている……そんな様子だ。
 言いにくい事なのだろうか? シンはメイリンが言い出すまで待っていようと、ヘッドセットと拳銃を置く。
「あ、あのね……その……シン、暇?」
「……まあ、暇ってきかれりゃ暇だけど」
 そもそも、本来は非番なのだ。射撃訓練をしているのは自主訓練に過ぎない。休むのもパイロットの仕事だ、とよく教官に怒鳴られたことを思い出す。
 メイリンは……口をぱくぱくとさせてはいるが、肝心の言葉が聞こえてこない。流石にシンも痺れを切らしかけた時、レイが口を開いた。
607544:2007/03/21(水) 04:29:29 ID:???
「……シン、上陸してくればどうだ? メイリンと一緒に」
「え?」
 レイの言葉に、シンとメイリンの目が丸くなる。レイは口調を変えずに、後を続けた。
「メイリン、お前もシンを誘いに来たのだろう?」
「そ、それは……そうだけど……」
「なら、行ってくればいい」
 あっさりと、レイは告げる。
 しかし……シンとしては、心苦しいものがある。
 オーブに上陸などしたくはないし、そんな心境でメイリンと降りても彼女を退屈させるだけだろう。
 口下手なシンは、その旨をうまく伝えてくれないかとレイに視線を送る。だが、いつも冷静な親友は軽くかぶりを振って見せた。そして、
「メイリンは、お前と降りたいんだ」
 隣にいるシンに聞こえるか聞こえないかという声で囁く。
(……俺と?)
 何の意味があるのだろうか。シンは視線だけでレイに問いかけるが、彼の視線は既にシンに向けられてはいない。
 仕方なく……軽く息を吐いて、シンはメイリンに振り返った。
「分かった……行くよ」
「ほ、本当!?」
「こんな事で嘘吐いてどうするんだよ?」
 半ば呆れつつ、シンは甲板を出るために足を進める。メイリンはその後ろをちょこちょこと付いて来たが、不意に後ろを振り向くと、
「レイ、ありがとう!」
「気にするな。俺は気にしない」
 何の礼なのだ? シンは考えたが、答えは得られそうにない。
 メイリンの表情がやけに嬉しそうなのが、気にかかった。


 二年という歳月は、街並みを変えるのに十分ではない――本来ならば。
 しかし、今のオーブはかつてのシンが見知った街並みとは違った。行った事のある場所を見ても、ほとんど別物に感じられる。
 それはつまり、オーブがかつて受けた被害がそれほどだという事でもあるのだが……
(……なんで皆、笑ってられるんだよ)
 道行く人々が交わす他愛ない笑みに、シンは微かに不快感を覚える。街並みが違えば違うほど、シンの中での『オーブ』という国が変わっていく。
 もう、ここには彼の居場所などないのではないか……
(……今更だよな、ほんと)
 そう思ったからこそ、二年前に彼はプラントに渡ったのだ。この国には、もう辛い思い出しかないから。
 それは正解だったのだろう。今のこの国と……あの、アスハ代表を見れば。
 レイやルナマリア、メイリンなどの仲間もできた。少なくとも、オーブにあのままいるよりは有意義な二年間が過ごせたはずだ。
 あのままいるよりは……
608544:2007/03/21(水) 04:33:31 ID:???
「ね、ねえ、シン。少し早足すぎない?」
 と、多少遅れてついてきたメイリンが声をかけてくる。その言葉に立ち止まると、確かにメイリンは息を荒げていた。
「あ、ああ、ごめん。考え事してたら、つい」
 歩幅も体力も違う彼女の事を考えていなかった。いつも彼が連れ立って歩く人物などレイかルナマリアである。あの二人とメイリンでは根本的に体力が違う。
 そう自身に言い訳して、歩調を緩める。
「……で、どこ行く? つっても今のオーブはあんまり知らないから、案内なんてできないけど」
「ガイドマップ見れば大丈夫じゃない? あ、そうだ。ちょっとカフェで一休みしていこうよ」
 シンはわざとらしく明るい声を上げる。メイリンもそれに合わせてか、目に付いたカフェを指差した。
 まあ、たまにはこんな休暇もいいだろう。ここがオーブである事さえ忘れてしまえば、単にメイリンと遊びに来ただけの話だ。
 意識してオーブという単語を頭から締め出すと、シンはふと気付いた。
(……そういえば)
 こんな風に、メイリンと二人で遊ぶなどというのは初めてかもしれない。シンにとってはルナマリアとメイリンはセットみたいなものだったし、レイも一緒だった。『仲良し四人組』などと揶揄されるくらいだったのだから。
 そう考えると、この状況が急に新鮮に思えてくる。
 とりあえず、今のこの状況を楽しもう。シンは努めて明るい思考に切り替えると、カフェに向かうメイリンの後を追った。


 メイリンは、シンの機嫌が思ったほど悪くはない事に安堵していた。
 無論、意識して明るく振舞っている部分もあるだろう。それでも、陰鬱な気分でいるよりはずっといい。この状況を楽しんでくれていれば十分だ。彼女はただ、シンの助けになりたかったのだから。
(……でも、これって)
 不意に、頭の隅に疑念がよぎる。
 もしかすれば、これは世に言う『デート』という奴ではないのか?
 男と女がワンセットで連れ立つ。デートの定義などメイリンは知らないが、今の状況は十分にそれに値するのではないか。
 そう考えると、急に頭に血が上ってきた。
 ちらと、テーブルの向いに座るシンの顔を見る。彼は興味本位で頼んだ『デラックスオノゴロパフェ』を征服するのに夢中で、メイリンの事を気に掛けた様子はない。

 それに安心と、同時に不満が生じる。
(やっぱり、私ってシンにそういう目で見られてないんだ……)
 胸中で嘆息する。無論、そんな事はとうに分かっていたことではあった。
 ルナマリアがシンの姉貴分を気取っていた時、ヨウランが「じゃあメイリンは妹か?」と冗談交じりに言っていたのを思い出す。
 妹。距離としては相当に近い部類だろうが、それは要するに女とか、恋愛対象としては見られていないという事だ。むしろ恋愛対象として妹を見ていれば積極的に危ない人である。
 むすっとして、メイリンは頼んだパフェを頬張り始める。密かにデラックスにも興味はあったが、最近体重が危険域なのだ。これ以上増えれば姉を追い越してしまう。体重だけ。
609544:2007/03/21(水) 04:36:57 ID:???
「……メイリン、何か怒ってないか?」
 流石にシンも気付いたのか、メイリンに声をかけてくる。おそるおそる、といった感じではあったが。
「怒ってないよ」
「いや、でも」
「怒ってないってば」
 かたくなにそう告げるメイリンに、シンは尚も何か言おうとしたが……観念したのか、半分ほどを食べたパフェをメイリンの目の前におずおずと差し出してきた。
「ま、まあ何だ。これでもやるから機嫌直せよ、な?」
 その言葉に、メイリンの頬が僅かに引き攣る。
 半分とはいえ、デラックスと銘打つだけあってその威容は現在メイリンが食べているパフェを軽く凌駕している。
 こんなものを食べれば、一体どれほどのカロリーを摂取することになるのか。
 コンディションレッド発令。言い慣れた言葉を頭の中に反芻する。これを食べてはいけない。食べては……
 と、そこで……メイリンは、あるものに目を留める。食べかけのパフェのグラスに入っているのは、先程までシンが使っていたスプーンではないか?
(……って、何考えてるの!?)
 一瞬脳裏に奔った思考を、慌てて否定する。そんな事をすれば確実に変態だ。あのスプーンを使えば間接キスではないか、などと!
「い、いいよ。シン、食べなよ。私、そんなにお腹空いてないから」
「でも……」
「いいから!」
 思わず語気が強くなる。シンはしゅん、としながらパフェを手元に引き寄せ、黙々と食べ始める。
 ……気まずい空気になってしまったと後悔するも、時既に遅し。
 暗澹たる空気を纏う二人を、店内の人々は不思議なものを見る目で見ていた。


 それから先は、あまり記憶に残したくもない。
 気まずい空気のままカフェを出て、二人で何を話すでもなく歩き出した。
 目的地はない。話し合っていないのだから知るはずもなく、そしてお互いに現在のオーブの地理には詳しくない。
 つまり、どこに向かっても不思議ではなかった。
 それでもその場所に足が向いていたのは運命の皮肉なのか。
 二人は今、とある岬に立っていた。
 この場所からでは、夕日がよく映える。
「うわぁ……綺麗……」
 知らず知らずの内に、感嘆の言葉が漏れる。プラントには夕方などない。昼と夜しかないのだ。だから、メイリンにとってはこの上なく新鮮で、そして綺麗だった。
 横目でシンを見やる。彼もまた、久しく見なかったであろう夕日に目を細めている。
 もはや、そこには気まずい空気などない。メイリンは嬉しくなって、笑みを零した。
610544:2007/03/21(水) 04:42:23 ID:???
 その時。ふと視線が下に――岬の先端に向けられる。
 そこには墓標のように立つ岩がひとつ。
「……慰霊碑?」
 逆光で読み難いが、目を細めてメイリンが読み上げる。すると、シンの視線もそちらに向けられた。
 彼は僅かに視線を険しくすると、慰霊碑に向かって足を進める。メイリンは慌てて、その背中を追った。
 近くで見れば、その慰霊碑は悲惨な有様だった。ところどころ岩が崩れているし、供えられている花はしおれ、枯れているものさえある。
 ユニウスセブンが落下した際、被害は一時的なものには留まらない。落下地点から離れたこのオーブさえ、高波に襲われた。
 その結果なのだろう。花というのは、水をやりすぎれば逆に枯れる。それが潮水ならば尚更だ。
 しゃがみこんで、メイリンはその花の一本を手に取った。
「……せっかく綺麗に咲いてたのに、枯れちゃうね」
 悲しくなって、メイリンは呟いた。それは何の意味もない、ただの独り言だったのだが――
「――誤魔化せない、って事かも」
「え?」
 メイリンが顔を上げると、シンは何かを堪えるかのような表情で慰霊碑と、そこに供えられた花を見ている。
 彼の握り締められた拳が震えている事に、メイリンは気付いた。
「どんなに綺麗に花が咲いても、人はまたそれを吹き飛ばす……!」
 はっと気付く。この慰霊碑が悼む者達の中には……シンの家族も含まれているのだ。
 そう考えると、急にこの慰霊碑が酷く矮小なものに見えてくる。
 オーブにとっては、ただの一国民。けれどシンにとっては、何にも代えがたい家族の命。
 決して代えの利かない、たったひとつのものを永遠に失った。その時残ったのは、もっとも簡単に交換が可能なもの――『オーブの理念』とやらだけだ。
 だからシンは、オーブを憎む。その理念を憎む。
 人は、痛みを忘れて生きていける生物だ。だからこそ悲しみを永遠に引きずらずには済む。だが逆に、それは新たな痛みを呼び起こす事にも繋がる。
 前大戦で、どれだけの被害が出たのか。それすら考えずに、再び戦火を起こそうとする者がいるのだから。
 それはシンが最も憎む類の人間だ。
「……ユニウス破砕作戦の時にさ、テロリストのひとりが言ったんだ。『無残に散った命の嘆きを忘れ、討った者等と何故偽りの世界で笑うか』って。俺……あれ、実感なんだ」
「……シン?」
「だから俺は忘れない。家族を奪ったオーブのことを。その馬鹿げた理念とやらを守り続けるアスハを」
 シンの目尻に、水の珠が浮かんだ気がした。しかし彼はすぐにかぶりを振って、それを振り払う。
 もう、シンは何も話そうとしない。それは彼の引き締められた唇から知れる。
 メイリンは、何かを言おうとした。何でもいい。今、彼に何かかけられる言葉はないのだろうか?
 考えろ。今、シンがもっとも必要としている言葉を。悲しみに暮れる彼を救う言葉を。
 知恵を絞りつくして――メイリンは、口を開いた。
「……シンは」
「え?」
「シンは、ひとりじゃないよ。レイもお姉ちゃんも、私も……皆シンの事、大事に思ってるよ。ヴィーノやヨウランだって。皆口には出さないけど、シンが無茶したときは心配で仕方ないんだから」
「………………」
 シンがやや呆然とした表情で見返してくるが、言葉を必死に選びながら話すメイリンはあまり気にかけてもいられない。
「ミネルバ≠フ皆は、シンの事頼りにしてるし……きっと皆、シンの事好きだよ。その……」
 私も――と続けようとして、言葉を飲み込んでしまう。いくらなんでも、そこまで告げる勇気はなかった。
 代わりに、その先を続ける。
「皆、シンの味方だよ。だから……辛いときは、頼ってもいいんじゃない?」
 独りじゃ辛すぎるから。言外にその言葉を潜ませて、メイリンは言葉を終えた。
 恥ずかしい言葉を長々と告げた為か、頬が紅潮しているのが分かる。
 それでも視線は外さず、シンの瞳に向け続ける。
 二人はしばらく見詰め合ったが……やがて、シンの瞳が潤んだ。
 顔を伏せ、低く嗚咽を漏らし始める彼に、メイリンはそっと寄り添う。
 抱き締めはしない。彼のプライドを傷つけたくなかった。
 そのまま……シンの嗚咽が収まるまで、メイリンは彼の傍にいた。
611544:2007/03/21(水) 04:43:34 ID:???
 すっかり日の暮れたオーブの街を、シンとメイリンが歩いている。
 シンは、目の周りを僅かに赤く腫らして。メイリンは、頬を朱に染めて。
 手を繋いだその様は、さながら恋人同士に見えなくもない。
 外出時間が過ぎようとしているが……まあ、仕方ない。二人揃って怒られよう。
 シンはそう納得して、メイリンを見た。彼女はその視線に気付かず、前を見ている。
 心が軽い。今までずっと抱えていた重荷が取れた気分だ。その事を、深くメイリンに感謝している。
 独りじゃない――ずっと誰かに、そう言って欲しかったのではないか。今となっては、そう思えた。
「メイリン」
 彼の声に、メイリンがこちらを向く。シンは――自分でも驚くほど素直に――笑みを浮かべた。
「ありがとうな」
「う、うん」
 何故か顔を紅潮させて、メイリンが頷く。
 そうだ。
 ミネルバ≠ノ配属され、インパルス≠フパイロットに選ばれたとき、彼は誓ったのだ。
 もう二度と、あんな思いはしない。手に入れた力で、今度こそ大切なものを全て守ってみせると。
 レイ。ルナマリア。ヨウランやヴィーノ。タリアを始めとするミネルバ≠フクルー。そしてメイリン。
 彼が皆に助けられているように、彼もまた皆を守る。命を懸けて。
 シンは心にそう刻むと、繋いだ手に力を込めた。


 翌日。
 オーブ沖での戦闘において、彼はその想いのままに連合艦隊を相手に大立ち回りを演じるのだが――
 それはまた、別の話である。
612544:2007/03/21(水) 04:46:32 ID:???
やたらと長くなってしまった……orz

IFものって結構難しいですね……とりあえず37話が納得行かないクチなんで、そこらへんだけでも書こうかと思ってますが……
613通常の名無しさんの3倍:2007/03/21(水) 08:00:41 ID:???
超GJ!!
描写が丁寧で面白い。続きに期待してます。
614通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 03:01:01 ID:???
544氏の文章と比べて俺の文才の無さと言ったらorz

ガンガレ、超ガンガレ
615通常の名無しさんの3倍:2007/03/22(木) 18:53:24 ID:???
>>544
おおう、GJ! 文章上手いっす!
思わず引き込まれてしまった。
616通常の名無しさんの3倍:2007/03/23(金) 06:29:35 ID:???
gj!ハイグレード!
617通常の名無しさんの3倍:2007/03/26(月) 02:01:32 ID:???
シン「メイリンを傷つける奴…許すもんか!」
618通常の名無しさんの3倍:2007/03/28(水) 14:26:34 ID:zZf/fk7g
保守
619通常の名無しさんの3倍:2007/03/29(木) 00:50:51 ID:???
GJ
初めてきて、シンメイも結構良いなと思いました。
620544:2007/04/01(日) 02:10:13 ID:???
まだ書き途中だが、投下するぜ
621544:2007/04/01(日) 02:11:44 ID:???
 慌てている他人を見ると、却って冷静になると言う。今のメイリンは、まさにそんな気分だった。
「だから、今朝のことは誤解だ……その、俺にも落ち度があったことは認めるが」
 ディオキア基地の食堂。ミネルバ≠フモビルスーツパイロットが集合しているその場で必死に弁解しているのはアスラン・ザラである。
 ザフトの英雄アスラン。つい先日まではアレックスを名乗りアスハ代表の護衛に就いていたが、今は議長直属のフェイス≠ニしてザフトに復帰していたのだ。
 姉は憧れの人に会えて喜んでいるようだし、レイはもともと他人に興味を示さない。
 だが、やはりシンとの衝突は多かった。顔を合わせる毎にシンが暴言を言い、アスランがそれに言い返す。
 不思議なのは、アスランはシンに対して『流す』ということをしなかった。必ず何かを言い返し、その為にまた関係が悪くなる……
 そんな悪循環の中、ミネルバ≠ヘふたりのエースの息が合わないままここまで来てしまったのだが。
「誤解……ですか? へぇ……」
 白々しい、とばかりに呟いたのは姉のルナマリアだった。彼女は三白眼をアスランに向け、片手でフォークを弄っている。
 気まずい。なんだこの空気は。
 レイはミネルバ≠ノ戻っている為、ここにいるのはメイリンの他にアスランとルナマリア、シンだけである。
 メイリンはシンに視線を遣るが、シンも戸惑ったように視線を返してくる。
「ね、ねえ、お姉ちゃん……一体、何があったの?」
 流石に耐え切れず、メイリンはルナマリアに尋ねた。ルナマリアはふん、と鼻を鳴らして、
「ほら隊長、メイリンにも説明してあげてくださいよ。やましいところがないなら構わないですよね?」
 ルナマリアは「やましい」をやたらと強調して告げる。それに対してアスランは「う……」と呻いただけで、何も言えない。
 シンに対してはばしばし言うのに、とメイリンは思った。やはり後ろ暗い部分があるのか。
「そ、そういえば、議長はもう発たれたんだっけ?」
 話題を変えようとしたのか、シンがわざとらしく明るい声を上げる。完全に裏返っていたが。
「あ、ああ。お忙しい方だからな、議長も。昨日、ああして話せたのが不思議なくらいだ」
 その話題転換に乗ろうと、アスランがうんうんと頷く。やはり声が裏返っていたが。
 こういう時は、妙に息の合うふたりであった……
 しかし、
「シンはいいわよねぇ。昨日はあーんなお褒めの言葉まで頂いて今日はオフだし。ルンルンだわよねぇ?」
 今度は、ルナマリアの矛先はシンに向けられたらしい。いやらしい口調で、嬲るようにシンに言う。シンもまた「う……」と呻いて、何も言えなかった。
 シン、アスラン共にシグナルロスト。
 頭の中でそんな言葉が回るが、とりあえずメイリンは次善策を取った。
「じゃ、じゃあお姉ちゃん、私はこれで……」
 と、食事の乗ったトレイを片付けようと席を立つ。背後でまだ、ルナマリアが不平不満を垂らしているのが聞こえる。
「どうしよっかなぁ。街にも出たい気はするけど、ひとりじゃつまんないしねぇ。レイにも悪いから艦に戻ろっかなぁ?」
「……め、メイリンと行けばいいじゃないか。せっかくの休暇なんだ、のんびりしてくればいい。艦には俺が戻るから……」
「そっか! 隊長はもういいですもんねぇ。ラクス様とじゅ・う・ぶ・んゆっくりされて」
「あ、いや……」
 アスランは再度撃破されたらしい。口論になると姉はザフトのスーパーエースふたりを相手にできるのだからある意味凄いかもしれない。
622544:2007/04/01(日) 02:13:08 ID:???
(ごめんねシン。ごめんなさいアスランさん)
 胸中でふたりに謝りつつ、メイリンはそそくさとその場を離れようとしたのだが――
「あーあ、もうこの際シンでもいいかなぁ」
 その言葉に、むっとなる。
 いいかなぁ、とは何だいいかなぁ、とは。男を選り好みできる立場か!
 憤慨しつつも、踵を返す。
 シンの前までつかつかと歩み寄ると、
「ねえシン、これから暇だよね?」
「へ? いや、まあ……」
 と言いながらも、シンは姉に視線を移す。そこにはにこにこと笑みを浮かべたルナマリアが、シンに無言のメッセージを送っていた。内訳はこうだ。
 ――逃げたらコロス。
 それにシンはひくひくと頬を引き攣らせつつ、
「い、いやぁ、ちょっと暇がなくてさぁ……」
 その瞳は、恐怖に怯えきっていたのであった。
 連合の新型モビルアーマーを倒し、ローエングリン砲台を破壊し、デュランダル議長にお褒めの言葉まで頂いたザフトのスーパーエースが怯えている。
 しかし、メイリンもさるものである。シンの腕を掴み、強引に引き寄せる。
「さっきは暇だって言ってたじゃない」
 むすっとした表情で告げると、シンは必死に視線でメッセージを送ってきた。
 ――戦場で死ぬのは怖くない。けど、ルナマリアにいびられ続けて死ぬのは怖い!
 ……気持ちは分かる。が、メイリンは無視した。
 ぐいぐいとシンの腕を引き寄せ、連れて行く。
「じゃあね、お姉ちゃん」
 密かに舌を出して、メイリンは形容しがたい悲鳴を上げるシンをずるずると引きずっていった。
623544:2007/04/01(日) 02:15:42 ID:???
読めば分かるとは思いますが、ディオキア編。
本当はメイリンはオンだったんだけどね!そこは脳内変換で勘弁してください。
624通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 05:54:26 ID:???
アスラン取り残された
ワロスwwwwww
625通常の名無しさんの3倍:2007/04/01(日) 19:24:44 ID:???
>>いいかなぁ、とは何だいいかなぁ、とは。男を選り好みできる立場か!
激しくわろたw
626通常の名無しさんの3倍:2007/04/04(水) 23:17:37 ID:???
保守
627通常の名無しさんの3倍:2007/04/05(木) 11:03:39 ID:???
GJ!
なんか凄い自然な流れで感服したw
628通常の名無しさんの3倍:2007/04/10(火) 21:22:25 ID:???
保守
629通常の名無しさんの3倍:2007/04/12(木) 03:49:22 ID:???
保守
630通常の名無しさんの3倍:2007/04/15(日) 00:52:20 ID:6RFASBU4

631通常の名無しさんの3倍:2007/04/19(木) 22:35:46 ID:???
ほしゅ
632通常の名無しさんの3倍:2007/04/20(金) 18:26:38 ID:???
シン「アスランと行けよ」
メイリン「いや!あたしシンじゃなきゃダメなの!」
シン「メイリン…」
メイリン「シンが…いいの…〃」
633通常の名無しさんの3倍:2007/04/26(木) 00:11:57 ID:???
続き保守
634通常の名無しさんの3倍:2007/04/27(金) 20:48:27 ID:???
シン「え……なんで…」
メイリン「え……えっとね…あのね…あたし…シンのことが〃」
シン(ゴクリ)
メイリン「す」
635通常の名無しさんの3倍:2007/04/28(土) 14:11:12 ID:???
ゴクリ
636通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 18:47:54 ID:???
ゴクリ
637通常の名無しさんの3倍:2007/05/01(火) 19:38:16 ID:???
メイリン「す…」
ルナマリア「シンー」
シン「!、ルナ」
メイリン「お姉ちゃん…」
ルナマリア「メイリン?あれ、今日は買い物に行くんじゃなかったの?」
メイリン「え…あ…うん」
ルナマリア「そっか、ねぇシン♪見たい映画があるの、一緒に行こ♪」
シン「え…あ…」
メイリン「…」
シン「…ごめん、今日はやめとく」
ルナマリア「えー、なんでよ?つまんない…」
シン「次の休暇に、な?」
ルナマリア「もういい…アビーと行ってくる」
メイリン「あ、お姉ちゃん…」
シン「…」
メイリン「行っちゃった…いいのシン?…」
シン「……じゃあ行くか」
メイリン「え?」
シン「買い物行くんだろ?ほら行くぞ〃」
メイリン「あ、待ってよシン!〃」
シン「…」
メイリン「ねぇシン、次の休暇…お姉ちゃんと映画…行くんだよね?…」
シン「だったら?…」
メイリン「…やだな〃…」
シン「〃」
メイリン「…〃」
シン「…じゃあ次の休暇何がしたいか買い物しながら考えとけよ〃」
メイリン「!、いいの?」
シン「いいよ〃」
メイリン「♪♪♪」

メイリンは嬉しそうにシンの腕に手を回した


めでたしめでたし
638通常の名無しさんの3倍:2007/05/03(木) 09:04:04 ID:???
ここのシンはわかってるな
639通常の名無しさんの3倍:2007/05/06(日) 22:44:13 ID:???
シンメイ保守
640通常の名無しさんの3倍:2007/05/10(木) 23:05:01 ID:???
641通常の名無しさんの3倍:2007/05/14(月) 19:49:01 ID:???
ほし
642通常の名無しさんの3倍:2007/05/18(金) 06:18:38 ID:???
シンメイほしゅ
643通常の名無しさんの3倍:2007/05/23(水) 01:39:54 ID:???
644544:2007/05/28(月) 04:33:53 ID:???
しばらく投下できなくてスマソ。久しぶりに続きを投下する。
645544:2007/05/28(月) 04:34:53 ID:???
 ディオキア基地付近にある岬。
 元々観光地としても名を馳せた場所だった為か、眺めは悪くない。眼下に見える海も、他の地域に比べれば格段に美しかった。
 メイリンはその景色に軽い感動を覚えながら、シンの表情を横目で窺う。
 ややむっとした表情ではあるが、これはシンの表情としてはデフォルトだ。むしろ笑顔や爽やかにしているときの方が珍しい。視線はまっすぐに水平線を睨み据えでおり、何を考えているかは読み取れない。
 ――やっぱり、無理矢理連れてきちゃったのは悪かったかな?
 今更ながらに、メイリンは胸中で罪悪感を覚える。しかしそれを口に出すことこそ今更であるから、特に口を開くことはなかった。
 こういう時は、シンが口を開くのを待つに限る。メイリンに限らず、同期のクルーがシンの扱いで学んだことである。
 と――
「…………?」
 唐突に、どこからか歌声が響く。
 美しい声音ではあった……が、どこか幼児が歌っているようなちぐはぐな印象を受ける。
 シンも疑問に思ったようで、ふたりしてひとつ向こうの崖を見やる。
 そこに、歌声の主はいた。よく見れば、歌だけでなく踊ってもいる。一心になっている為か、こちらには気付いていないらしい。
 少女である。美少女、と読んで差し支えのない容姿ではあろう。金色の髪は透き通った色彩であり、天然のものと分かる。瞳の色は目を閉じている為に分からないが、滑らかな白い肌はここからでも判別がつく。
 思わず少女の胸元に目をやって――メイリンは、思わず自身の胸を押さえた。
 ――大きい。
 メイリンどころか、姉のルナマリアを凌駕する大きさだ。流石にタリア艦長ほどではないが……逆に言えば、身体とのバランスを損なわない黄金比であるとも言える。
 反射的にメイリンはシンに視線を送る。シンはやけに優しい顔をして、少女の姿を眺めている。その表情に、むっとなってしまう。
 別にシンは鼻の下を伸ばしている訳でも、あからさまな下心を見せている訳でもない。が、それを面白くないと感じるのは少女の感性である。理屈ではない。
 そのメイリンの視線を感じたのか、シンがこちらに視線を戻す。
「な、なんだよ?」
「……別に」
 自分でもつっけんどんと思える口調で、突き放したようにメイリンは告げた。可能な限り刺々しくならないように口調を押さえたつもりではあったのだが。
 シンのうろたえ顔が視界に映る。それにやや気分を回復させて、メイリンは表情を半眼から戻した。
 が。
「きゃああっ!」
「……へ?」
 悲鳴と同時、派手な着水音。
 まさかとは思いながらも、メイリンは少女が踊っていた崖を見やった。シンも同様である。
 しかし、探せどそこに少女の姿はなく。
646544:2007/05/28(月) 04:36:32 ID:???
 ………………………………
 僅かな沈黙。ふたりは顔を見合わせるが、互いの顔に答えがあるわけでなく。
 瞬間。弾かれたように、ふたりして崖下を見下ろした。
 崖下――即ち海。正確には沖合か。そこに、少女の姿はあった。必死の形相で、ひたすらに水面を叩いている……
「う、嘘だろ!? 落ちた!?」
「し、しかも泳げないの!?」
 日常では滅多に目にかかることのない光景に、驚きのあまり叫んでしまう。
 崖の上で踊っていたら落ちました、など一体誰が信じるというのか。だが現実は目の前にあるのだ。
「え、ええい! ちくしょおおおっ!」
「シン!?」
 半ば自棄気味な声を上げながら、シンが一気に崖下に飛び降りる。流石に運動神経が抜群なだけはあり、無事に着水、そのまま潜水へと移行していった。
 不安を抱えつつ、泡を吹き出し続ける水面を見守る。
 少しの後、少女を抱えたシンが浮上してきた。それに安堵の息を吐く暇もなく――
「いやぁぁぁぁぁぁっ!」
 再び、少女の悲鳴。それも先程の比ではない。文字通り耳をつんざくような声である。
 慌てて崖下を覗き込むと、暴れている少女をシンが押さえつけているところであった。
 どうやら沖に向かう少女を、シンが必死に引き止めているようだ。となるとあの少女、自殺志望者なのだろうか?
「って、そうじゃなくて! シン、大丈夫!?」
 メイリンは焦りのあまり、崖下に身を乗り出すような格好になる。
 そして、それがまずかった。
「……あれ?」
 本来、手を置くべき場所に岩はない。代わりにあるのはただの空間。
 どうやら、焦って手の置き場を間違えたらしい。
 などと冷静に分析しつつ――
「きゃあああああああああっ!」
 結局はメイリンも、少女と同じような悲鳴を上げて崖下へと落下した。
647544:2007/05/28(月) 04:38:30 ID:???
 シンは焦っていた。
 思わず言った「死ぬ気か、この馬鹿」……この一言を皮切りに、少女の様子が変貌したのである。
 この少女、自分で「死ぬのは嫌」だとか「死ぬのは怖い」だのと叫ぶ癖に、何故か沖の方へと進んでいくのだ。
 それを止めようとしたら、頬を引っかかれた。まるで格好がつかない。最悪だ。
 シンは少女の身体を引き寄せ、そのまま腕の中に抱えるようにする。この少女は意外に力が強く、ハンパに引きとめてもすぐに引き剥がされてしまうのだ。
「だ、大丈夫だ! 君は死なない!」
「…………え?」
 少女の、呆けたような声。息と共にそれを耳で感じながら、シンは言葉を重ねる。
「俺が……俺がちゃんと、守るから!」
「……まもる?」
 言葉自体は、口から出た出任せのものである。しかしそれは的を射ていたらしく、少女の抵抗が弱まる。
「ああ、守る! だから君は死なない!」
「……まもる」
 どうやら「守る」という単語がこの少女には有効らしい。
 それを悟ったシンの必死の説得に、ようやく少女も抵抗を止める。
「守る……」
「うん、守るよ」
 無意識的の少女の頭を撫でながら、シンは子供をあやすように「守る」と続けた。
 ――よかった。これで――
 安堵のあまり溜息が漏れそうになった、その時。
「きゃああああああああっ!」
 上空からの悲鳴。咄嗟に空を見上げたシンの目に映るのは見慣れたツインテール。
 それを認識した瞬間、頭蓋への強烈な衝撃と同時にシンの意識は暗転した。
648544:2007/05/28(月) 04:39:45 ID:???
「…………ん」
 徐々にフェードインするような感触と共に、意識を取り戻す。
 白濁した視界に入ったのは、オレンジの光に照らされた岩肌だった。
 はっきりとしない意識のまま、首を横に向ける。つられて、視界も横に移動した。
 映るのは炎。その向こうにうっすらと見える肌色と、その中心部……
「って、うわぁ!?」
 それがなんなのかを理解した瞬間、シンは腹筋の力だけで上体を跳ね起こした。
「あ、シン。気付いたの?」
 寝ていたシンからは丁度横に位置するメイリンが声をかけてくる。目を合わせられず、「ああ、うん」とシンは適当に返事を返した。
 ちらりと、視線だけを周囲に向ける。どうやら、場所は洞窟らしい。気絶した自分は、崖下に点在した洞窟のひとつに運ばれたのだろう。それはいい。
 彼が半裸同然になっているのも、まあいい。いつまでも濡れた服を着ていては風邪を引いてしまうし、体力が減ってしまう。
 だが……メイリンと、もうひとりの少女が下着だけというのは、彼には刺激が強すぎた。
 顔に血が上ってくるのを自覚して、シンは炎が焚かれていることに感謝した。きっと誤魔化せているはずだ。
「俺……どうして、気絶したんだっけ?」
「……私が滑って、シンの上に落ちちゃって。ごめんね」
「あ……いや。そうだ、エマージェンシーコールは?」
「もう出した……けど、いつ来るかは分からないよ。信号が壊れている可能性だってあるんだし」
 顔を合わせずに会話するのは不便なものだ。シンは横目でちらちらとふたりを窺いながら声を出す。
「……じゃあ、その子は……」
「……大変だったんだよ。シンが気絶したらその子、シンがし――」
「ストップ!」
 メイリンの言葉を慌てて遮る。それから、少女の様子を窺う。
 ……どうやら、正気は保っているようだ。
「その……うん、大体予想はできた」
「そ、そう? で、シンも大量に水を飲んじゃってたから……」
「ふーん……水をね……」
 特に奇妙なこともなく、シンもその言葉を流そうとしたが……
 ――あれ?
「水を……飲んでて……どうしたんだ?」
 聞くべきではない。頭の奥から警告が発される。しかし時は既に遅く、口から出た言葉をかき消す方法もない。
649544:2007/05/28(月) 04:44:52 ID:???
 直視すまいと思いながらも、どうしてもメイリンの顔を見てしまう。彼女は炎に照らされても尚分かるほど、顔を紅潮させていた。指をもじもじと絡めながら、
「そ、それは……やっぱり、訓練通りに……」
「……そうか。いや、もういいんだ。ごめん」
 なんてことだ。シンは密かなショックを誤魔化そうと、少女の方へと視線を移した。
 彼女はといえば、シンとメイリンのやりとりをきょとんと眺めているだけである。胸を両手で押さえていたところを見ると、胸には下着を着けていないらしい。そのことに再び赤面しつつ、口を開く。
「君は……この街の子? 名前は? 分かる?」
 歳の頃はシンやメイリンと変わるまいが、どうしてもこの少女は幼く見える。自然、問い質す口調も子供に対してのものになってしまった。
「名前……ステラ。街……知らない」
 少女――ステラはシンの尋ねたことに対して鸚鵡のように答えてくる。
 やはり、精神年齢はかなり幼いらしい。そのことに配慮しつつ、シンは問いを続けた。
「じゃあ、いつもは誰と一緒にいるの? お父さん? お母さん?」
「一緒はネオ、スティング、アウル。お父さん、お母さん知らない」
 ……なるほど。
 シンは頭の中で情報を整理する。どうやらいつもはネオ、スティング、アウル――名前からして男だろう。兄か何かか――と一緒に各地を転々としているに違いない。
「そっか。きっと君も、怖い目に遭ったんだね」
 そしてステラの精神年齢の幼さは、きっと恐怖による幼児退行だ。勝手にそう納得したシンは、可能な限り優しい声音で彼女に声をかけた。
「……怖い目?」
「ああ、ごめん! いや、今は大丈夫だよ。僕が――じゃなくて、俺がちゃんとここで守るから」
 丸っきり勘違いしたまま、シンは生暖かい目でステラを宥めるように告げる。しかしそれでも構わないのか、ステラは無垢な目でシンを見つめたまま、
「ステラを守る? ステラ、死なない?」
「うん、大丈夫。死なないよ。こう見えて俺、強いからね。ああ、そうだ。俺、シン・アスカって言うの。分かる?」
「シン?」
「そう、シン。覚えられる?」
 ここまで来ると、最早完全に幼い子供をあやす大人である。無駄に満足感を得て笑みを浮かべるシンは、ふと奇妙な物音に気付いた。
 こつ……こつ……と、岩肌を何かが叩く音。そちらを見ると、メイリンがさも面白くなさそうな表情でこちらを見ていることに気付く。音は、そのメイリンの指が立てていた。
「……そ、そうだ。こっちがメイリン。メイリン・ホーク?」
「メイリン?」
「……よろしく」
 ぎこちない笑みを浮かべて、メイリンがステラに挨拶をする。その笑みがやたらと引き攣っていることは気になったが、きっと照れているに違いないと思い込んだシンは満足げに頷いた。
「シン」
「ん? 何? ってうわっ!?」
 ステラから声をかけられ、メイリンから視線を逸らす。しかし、即座に再び視線を逸らした。逸らした方向にいたメイリンの顔は明らかに引き攣っており、更に視線を逸らした結果、シンの視界は岩肌に限定された。
「……シン、どうしたの?」
「す、ステラ、む、胸……」
「…………?」
 イマイチ彼の意図は伝わらなかったらしく、ステラがこちらに身体を向けてきたのが空気で分かる。そして、何故かメイリンの機嫌が下降状態にあることも。
 その後もステラはシンの顔を窺おうとしたが、シンはその度に体勢を変えた。やがて諦めたのか、ステラはシンの手を取り、
「……はい」
「……え?」
 掌に、何かが握らされる。引き寄せて見ると、それは貝殻だった。綺麗な模様である。幼い頃、オーブの海岸で妹と貝殻を取りにいったことを思い出す。
「俺に、くれるの?」
「うん」
 再びステラが両腕で胸を覆い隠したことに安心しつつ、彼女に確認を取る。ステラは躊躇なく頷いた。
「あ、ありがとう」
 別段、貝殻を貰ったから嬉しいわけではない。が、会ったばかりのシンにこうまで懐いてくれることが嬉しかった。
 僅かな達成感と、言い様のない喜び。それを胸に抱いたままシンは視線を移し――
「………………」
 メイリンの半眼に迎撃され、一気にテンションの下降を味わった。
650544:2007/05/28(月) 04:47:09 ID:???
 気まずい空気を味わった時間は短かった。
 救援隊はそれからすぐに駆けつけ、三人は無事――かどうかはさておき、保護された。
 何故か先頭を切っていたのはアスランだったが、ひょっとせずとも逃げ出してきたのでは……と邪推するのも仕方のないことではあろう。
 とにかく、ステラも保護者が現れたことで無事に帰路につくことができた。
 しかし……
「……ほんと、仲良くなったよね」
 ジープの後部座席から、いつまでも後方を眺め続けるシンにメイリンは刺々しく告げた。
「な、なんだよ」
「……別に」
 メイリンとしては心中穏やかではない。
 今日一日で、彼女はシンのことを知らないのだとほとほと思い知らされた。
 あんな優しい表情をしたこともなかったし、「僕」などと言うのも初めて聞いた。そもそも他人にあれだけ気を遣っているのも初めて見る。
 これが本当に幼い子供相手ならまだいい。だがしかし、相手は彼女と同じような歳なのだ。
 メイリンやルナマリアが二年かけて歩んできた道のりを、ステラはたった数十分の邂逅で駆け上がったに等しい。
 やはりアレか。胸か。胸なのか。密かにラクス・クラインのライブで狂喜していたのか。
 自らがマウス・トゥ・マウスを果たしたことも忘れ、そんな根拠のない思考――というよりは妄想すら首をもたげる。
 複雑な女心であるが、シンにそんなことが分かるわけもない。
 ただ彼は、メイリンの逆鱗に触れないように後部座席で縮こまっているだけだった。


 そんな気まずい空気の中、もっともとばっちりを受けたのは運転席のアスランである。
 ――なんだ、この居づらい空間は……!
 折角ルナマリアのプレッシャーから逃れようとミネルバ≠ゥら出てきたというのに……
 内心でさめざめと涙を流しながら、彼はハンドルを切ったのだった。
651544:2007/05/28(月) 04:49:12 ID:???
ディオキア編終了。間が開いて申し訳ない。
シンメイ分は少ないかもしれないけど、ステラに嫉妬するメイリンが書きたかった。
今ではもうちょっとシンメイ分を増やすべきだったかもと思っている。
652通常の名無しさんの3倍:2007/05/28(月) 20:36:06 ID:c4LT4HUy
待ってました!
保守
653通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 07:22:14 ID:???
乙です。
シンメイは癒されますね。
654通常の名無しさんの3倍:2007/05/29(火) 20:44:04 ID:???
やはりシンにとって"守る人"には地が出るって感じがする。
まだメイリンは守る人ではないから、その差かな?
なのに胸の差と思ってるメイリン可愛いww
655通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 01:47:15 ID:???
ふと気になったんだが、このスレの住人的にはどんなメイリンエンドが理想?

1.議長に操られるシンを見捨てておけず、シンを巻き込んで脱走。ラクシズエンド。
2.議長に操られててもキニシナイ!ザフトエンド。
3.もういっそ戦争を忘れて二人で(ry


本編的にはここらへんか?
656通常の名無しさんの3倍:2007/05/30(水) 03:19:17 ID:???
5.憎き凸からメイリンを取り戻せ!メイリン奪還エンド

と言うわけではないけれどアスラン脱走の時にホイホイついてっちゃうメイリンにも違和感あったし、
シンにはレイを静止してでもアスランの言うこと聞いてメイリンを取り戻して欲しかったと思う
ついでにアスランとも最後の意思疎通(出来そうにないが)しておけ、と

ここまで書いて「これなんて無印種のラクス返還?」って思った
657通常の名無しさんの3倍:2007/05/31(木) 05:08:15 ID:???
つまりあれか。

凸「銃で脅されたと言え!」
メイリン「って本当に脅してるじゃないですか!」
シン「あんたって人はー!」

となるのか。
658通常の名無しさんの3倍:2007/06/05(火) 22:28:21 ID:???
>>544
待ってたぜ。
凸の毛根また減りそうですね。
659通常の名無しさんの3倍:2007/06/13(水) 08:16:25 ID:QRnGRPvk
保守
660通常の名無しさんの3倍:2007/06/17(日) 18:40:06 ID:???
保守
661通常の名無しさんの3倍:2007/06/23(土) 22:36:37 ID:???
ほしゅ
662通常の名無しさんの3倍:2007/06/29(金) 22:37:56 ID:???
ほす
663通常の名無しさんの3倍:2007/07/03(火) 01:23:46 ID:???
664通常の名無しさんの3倍:2007/07/05(木) 18:02:31 ID:ba8ZWkU0
なんでシンメイってマイナーなんだ??
俺はメッチャ好きだが
665通常の名無しさんの3倍:2007/07/05(木) 22:07:10 ID:???
まあ公式じゃないし、本編での二人の扱いがねぇ……
666通常の名無しさんの3倍:2007/07/08(日) 12:12:14 ID:???
うぉ
667通常の名無しさんの3倍:2007/07/10(火) 00:36:19 ID:???
メイリンって声かわいいし髪下ろすとちょっと艶っぽかったりで好きなんだけどな。
あぁでもこのスレじゃメイリンはシンに首ったけ。キーッ、嫉妬しちゃうわ!!
668通常の名無しさんの3倍:2007/07/14(土) 18:59:40 ID:???
669通常の名無しさんの3倍:2007/07/15(日) 08:57:01 ID:???
670通常の名無しさんの3倍:2007/07/16(月) 22:58:22 ID:???
671通常の名無しさんの3倍:2007/07/24(火) 02:49:45 ID:???
捕手
672通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 03:50:03 ID:???
インパルスを用いての初めての実習訓練

シン「よろしく頼むな、メイリン。」
メイリン「う、うん。(シ、シンと一緒にやるんだ・・・私。)」

ルナ「大丈夫?メイリン。すごく緊張してるみたいだけど。」
メイリン「だ、大丈夫だよ!」

換装訓練
シン「よし、レッグフライヤーを切り離して、と。
メイリン!予備のレッグフライヤーを!」
メイリン「は、はい!こ、これをこうして・・・えい!」
シン「よし、パーツが来たな・・・って!
メイリン、これチェストフライヤーだ!う、うわぶつかる!」
迫ってくるチェストフライヤーをシンは紙一重で避け続ける。

アーサー「ああ・・・迫ってくる上半身から必死に逃げ回ってますね。」
タリア「・・・傍から見てると随分不気味な光景ね。」
メイリン「ああ〜、ど、どうしよう、こ、今度はこれを・・・」
ルナマリア「ち、ちょっと!あんた、それフォースシルエット!」
メイリン「え、ええ!」
レイ「・・・。」

結局急遽出撃したレイがシンを追っかけているパーツを撃墜して
事なきをえましたとさ。
これは後に無敵のフリーダムを撃墜する二人の初期の失敗談でしたとさ。
673通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 04:24:27 ID:???
>>672
保守してきたかいがあったぁぁぁぁぁ!
GJ!
674通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 09:04:46 ID:???
>>672から続き

訓練から戻ってきて
シン「メイリン、さっきは何をするんだよ、危ないだろ。」
メイリン「ご、ごめんなさい!わ、私・・・。」
シン「メイリン?」
メイリン「シンと一緒に頑張りたくて、シンと一緒にやれるのが嬉しくて・・・。」
シン「・・・。」
メイリン「でも、本番となるとうまくやりたくて緊張しちゃって・・・ごめんなさい。
駄目だよね、私。こんなんじゃシンのサポートなんか・・・。」
言いかけたメイリンの左肩にシンがやさしく手をおいた。
シン「一緒にがんばろう、メイリン。インパルスは俺達二人の協力が大切な機体なんだ。
今度はちゃんとレッグフライヤーをちゃんと送ってくれよ。」
メイリン「う、うん!私頑張るよ。シン!」

再び換装訓練にて
シン「シン・アスカ。コアスプレンダー、行きます!よし、パーツが追いかけてきた・・・って!
こ、今度はレッグフライヤーが3つ追いかけてくる!」
ルナ「なにやってんのよ、あんたー!」
メイリン「ご、ごめんなさい!レッグフライヤーを送ることにばかり夢中になっちゃって・・・。」
アーサー「ああ・・・シンのコア・スプレンダーを3つの足が追いかけてますね。」
タリア「シュールな光景ね・・・。レイ、お願いね。」
レイ「わかりました、館長。」
675通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 09:05:50 ID:???
>>674の最後は艦長、でした、スマソ。
676通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 20:01:34 ID:???
なんというドジっ子wGJ
677通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 21:33:25 ID:???
>>674から続き
メイリン「ああ・・・。今日も失敗しちゃった・・・。
きっとシンにも嫌われちゃったよね・・・。」

シン「・・・まったくとんでもないものを押し付けられたな。」
メイリン「(この声はシン?角の向こう側にいるの?)」
シン「甘いし、無駄に太いし、おかげでこっちは大変だよ。」
メイリン「(シン、そ、それって私の事・・・?)」
シン「ああ、もう見てるだけで、考えるだけで胸がむかむかしてくるな。」
メイリン「(そ、そんなひどい、ひどいよ、シン・・・。)」
シン「でも・・・なんだかんだいって俺は好きなんだよな。仕方無いよな。」
メイリン「(!シン!)」

メイリン「シ、シン!あ、あの私も・・・」
シン「あれ、メイリン。いたんだ。」
メイリン「シンが持っているのは・・・焼き芋?」
シン「ああ、余ってるからって押し付けられちゃってな。無駄に太いから
食べるのにどうしようかと思ってたんだ。」
メイリン「・・・。」
シン「このボリューム見てくれよ。見てるだけで、これを食べるかと考えるだけで
胸がむかむかしそうだろ?」
メイリン「・・・。」
シン「まあ、なんだかんだいって俺は焼き芋好きなんだけどな。メイリン、どうしたんだ?」
メイリン「・・・もう知らない。」
シン「どうしたんだよ、いきなり不機嫌になって。・・・半分食べる?」
メイリン「・・・うん。ありがとう、シン♪」
678通常の名無しさんの3倍:2007/08/03(金) 23:18:45 ID:???
久々に見たら3つも投下されてるな。GJです。
しかし>>677は随分紛らわしいなw
679通常の名無しさんの3倍:2007/08/04(土) 01:27:05 ID:???
最後のシンとメイリンのやり取りに萌えた。GJ!
680通常の名無しさんの3倍:2007/08/05(日) 22:02:06 ID:???
ネタが投下されたと思ったら一瞬の輝きだったか。
これからまた長い保守が始まるんだな…。
681通常の名無しさんの3倍:2007/08/07(火) 20:58:55 ID:???
このスレは俺が初めてss投下した思い出のスレだから落ちないでほしい
682通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 00:04:43 ID:???
落とさせやしない
683通常の名無しさんの3倍:2007/08/08(水) 02:09:26 ID:???
一応このスレには俺を含めて>>681>>682で3人ほどいるわけか。まだ。
684通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 03:41:37 ID:???
もう一人いる
685通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 14:36:28 ID:???
もう一人
686通常の名無しさんの3倍:2007/08/10(金) 15:59:15 ID:???
ノシ
687通常の名無しさんの3倍:2007/08/12(日) 01:09:30 ID:???
忘れてもらっちゃ困るな、同志達よ
688通常の名無しさんの3倍:2007/08/15(水) 10:23:34 ID:???
同じく!!
689通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 00:07:39 ID:???
ノシ
690通常の名無しさんの3倍:2007/08/18(土) 14:55:21 ID:???
本当にこんなにいるのか?
いるとしたらこの過疎っぷりが逆に不思議だ。
691通常の名無しさんの3倍:2007/08/19(日) 22:00:02 ID:???
俺は文才がないから文とか書きたくてもかけん・・
692通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 19:09:16 ID:???
じゃあメイリンヒロインで種死再構成してみようぜ。
693通常の名無しさんの3倍:2007/08/22(水) 20:00:59 ID:???
>>692
やってくれ
694通常の名無しさんの3倍:2007/08/23(木) 20:59:18 ID:???
>>692
存分にやって下さい
695通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 00:40:43 ID:???
やりたいけどそんな才能ないからミリ
696通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 13:43:59 ID:???
途中までは同じで・・・アスランと脱走したのがルナマリアだったら反対になるんじゃないか?
697通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 16:56:17 ID:???
そんな超脚本されても困る
698通常の名無しさんの3倍:2007/08/24(金) 18:15:40 ID:???
本気で再構成するつもりなら、「戦争はファッション」なんて言葉が万民に納得できるような、
ボーイミーツガールな話になる、
アカデミー時代から始まり、戦争に翻弄されるシンに対して
始めは妹の様なスタンスでシンを支えるが、アスランやステラ関係の事件を乗り越えて
お互いを意識しだすようになりアスラン脱走時にアスランが何を言おうが、
「メイリンを返せ〜」なんて本編以上にぶち切れたシンがメイリンを取り戻す事が最終目的な、
戦争中に芽生えるパイロットとオペレーターのラブコメ、断じてロボット物にはならない気がする
699692:2007/08/24(金) 19:24:31 ID:???
恋人、というよりは兄妹のような関係のシンとメイリン。
アスラン脱走の時にはシンの傍にいたいとザフトに残ろうとする
しかしアスランに強引に連れていかれる(人質として)。
で、シンはアスランをメイリンごと撃墜し、再び大切な人を失った(ように見えた)が…

ごめん限界
あとは任せた
700通常の名無しさんの3倍:2007/08/25(土) 01:43:49 ID:???
>>699
メイリンによるインフィニットジャスティス強奪だな。
701通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 09:59:58 ID:???
保守
702通常の名無しさんの3倍:2007/08/29(水) 11:14:06 ID:???
シン「メイリン好きだああああああっ!!」
703通常の名無しさんの3倍:2007/08/30(木) 13:39:09 ID:???
シン「メイリン好きだああああああああああ」
704通常の名無しさんの3倍:2007/09/03(月) 10:31:17 ID:???
保守しとく
705通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 08:19:01 ID:???
メイリン「もぅ・・シンったら・・/// そんなに大きな声で言わなくても聞こえてるよ・・///」
706名無しさん@お腹いっぱい:2007/09/06(木) 08:27:00 ID:???
シン「メイリーン萌えー」
707通常の名無しさんの3倍:2007/09/06(木) 15:35:23 ID:???
メイリン「氏ね!シン氏ね!」
708通常の名無しさんの3倍:2007/09/09(日) 16:13:27 ID:???
保守
709通常の名無しさんの3倍:2007/09/14(金) 07:22:34 ID:gckCeiX0
保守
710通常の名無しさんの3倍:2007/09/17(月) 02:04:21 ID:???
保守
711通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 01:08:17 ID:???
メイリン「シン、お姉ちゃんと私どっちが好きなの?」
712通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 03:57:03 ID:???
シン「メイリンに決まってるじゃないか」
713通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 14:16:22 ID:???
シン「メイリンは俺とアスランどっちが好きなんだ?」
714通常の名無しさんの3倍:2007/09/19(水) 14:44:18 ID:???
メイリン「私はシンが好き」
715通常の名無しさんの3倍:2007/09/20(木) 10:56:01 ID:???
この流れ、なんかほのぼのするなぁ
716通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 07:47:28 ID:???
アスラン「あれだけ俺への片思いみたいにしておいて・・・・。
     理解は出来ても、納得できない!」
メイリン「あれはシンに妬いてもらうためにやっていたことで・・・・。」

  ルナ「あれだけ私とベタベタしてたのに・・・・。
     なんでメイリンなの!?」
  シン「ごめんルナ。メイリンは死んだと思って・・・。
     メイリンとルナを重ねてたんだ・・・・・・。」
717通常の名無しさんの3倍:2007/09/21(金) 07:55:52 ID:???
ラクス  「で、この有様ということですわね?」
アスラン「いやその、ラクス…………」

 アークエンジェル格納庫。ストライクフリーダムが駐機している。
 その隣のハンガーはもぬけの空。

 その頃、ミネルバでは……

レイ  「格闘戦重視だが、ファトゥムという仕込み武器もある。
     性格から行ったら、シンが乗るのが適当だろう」

 ミネルバのハンガーに格納されたインフィニットジャスティス。

シン「でもそうしたら、デスティニーはどうする?」
レイ「ルナが乗ればいい。ルナはシンとは別の意味で適応性が高いからな。
   ど う せ ど ん な 機 体 で も 格 闘 戦 し か し な い。
   チューンされているといってもソフトウェアレベルで解消できる程度のものだ」
ルナ「仕方ないわねぇ……(レイにコブラツイストをかけながら)」 
718通常の名無しさんの3倍:2007/09/26(水) 18:54:03 ID:???
  ルナマリア 「なんでアニメでシンとメイリンの絡みってあんまりなかったのかしら?」
     シン 「なんでも、俺とメイリンの絡みがあまりにも過激すぎて
        子供に悪い影響を与えてしまうと思ったかららしい。」
   メイリン 「そこまで過激だったかなぁー。
        ‘×××בとか‘○○○○‘とか。
        それくらいしかやってないのに・・・。」
  ルナマリア 「・・・・充分やばいでしょ。」
     シン 「そういうシーン、とことんカットされたんだよなー。」
   メイリン 「・・・・なんかそういう話してたら変な気分になっちゃった・・・。」
     シン 「ん?じゃあ今からやろっか?」
  ルナマリア 「あたしがいるんですけど・・・。」
   メイリン 「いいよ、気にしないから。」
  ルナマリア 「あたしが気にするわよ!!」
シン&メイリン 「んちゅー・・・・」
  ルナマリア 「・・・・レイの所行ってくるわ・・・。」
719通常の名無しさんの3倍:2007/09/29(土) 18:52:05 ID:???
保守総一朗
720通常の名無しさんの3倍:2007/10/02(火) 07:31:18 ID:???
保守
721通常の名無しさんの3倍:2007/10/06(土) 00:23:18 ID:???
722通常の名無しさんの3倍
ほしゅ