もしシンじゃなくてマユが主人公だったら13

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566I and I and I(1/7)
昼の砂漠は暑くて、夜の砂漠は寒い。
なんだかとても不思議で、素敵だと思いませんか?
なんて、今の自分には何もかも素敵に見えているのかもしれない。
でも、それでいいんだって、ワタシは思いたい。
今を生きてるのは、記憶があった頃のわたしじゃないんだから。
今のワタシが、ワタシなんだって思う。
砂漠のサラサラな砂みたいに、時間は流れていく。
だから立ち止まっていなくない。
あ…砂漠で思い出したけど、あの時の女の人は本当に見間違いだったのかな?
時間が経った今でも、気になっている。
誰なんだろう。



〜I and I and I〜 第三話「白い猫」



タッシルで夜を明かしたその翌日。
質素な朝食を済ませ、マユ達は移動のための準備をしていた。
次の目的地はタッシルとさほど遠くはないバナディーヤという街。
「お話、参考になりましたぁ」
「大した話じゃねぇがな」
ミリアリアが一礼し、サイーブが軽く返す。
二人共笑ってはいるが、少し疲れ気味の表情だ。
夜通しでアークエンジェルが砂漠を離れた後のアフリカの状況を伺っていたせいである。
「よし、積み込み終わったぞー」
サイが皆に声をかけた。