クルーゼ生存で種死書き直そうぜ

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1通常の名無しさんの3倍
〇決定事項〇
ヤキンドゥーエでラウが生きのこってた

〜予定〜
クルーゼが議長のコネで素性を隠してミネルバ隊
アスランはそのまま議長に呼ばれることなくAAに

キラ・アスランの乗機はM1アストレイorムラサメ

主人公はシン←(これ重要)
2通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:14:09 ID:???
そうなるとレイとクルーゼの並び立ちが見れるのか!
関俊大変だな
3通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:15:52 ID:???
じゃ、レイの声は桑島にやってもらおう
そうするとステラとの二役だが前作でもナタルとフレイやってたし
4通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:16:14 ID:???
種死までの3年間に持病で死亡



               糸冬               了



 
5通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:18:12 ID:???
>>3
それやるとレイがクローンっていう設定が意味なくなるぞ。ヘタしたらドラグーンも使えなくなるし。いいのか?
6通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:19:54 ID:???
>>>主人公はシン←(これ重要)

あれ、なんだろ・・・涙が・・・
7通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:20:03 ID:???
>>5
さらに女説がまた浮上してしまうな
やっぱり関俊2役で頑張ってもらおう
8通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:20:40 ID:???
声変わり前ってことで>桑島
9通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:21:49 ID:???
ステラを失ったシンを洗脳して、ラウがキラとムネオを始末する
10通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:22:49 ID:???
ミネルバにはキュピーンが二人もいるのか
あ、後半のAAもそうか
11通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:23:52 ID:???
クルーゼがシンごとき小童を洗脳までするとは思えんがな
それにクルーゼがいるなら、議長は必要なくなってしまわないか
少なくともラスボスではなくなるだろう
12通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:24:10 ID:???
ヤキンドゥーエ以後からかいていけば良いのかな
13通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:24:27 ID:???
最初の乗機はザクファントムだよな
プロヴィ使おうものなら正体バレバレだ
14通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:24:36 ID:???
レイがいるとポジショニング被りまくるから
レイは出さないかどこかに秘匿されている設定はどうかな
物語途中で実はもう一体いますた見たいに登場するのもおもろいかと
15通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:26:02 ID:???
シンはいっそ無口で冷酷な復讐鬼にしちまうか
ダークヒーロー路線まっしぐら
16通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:26:22 ID:???
主人公はシンという設定であることを考えると、ラスボスはどこにもとめるべきか
17通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:28:05 ID:???
>>16
議長の野望に気付き最終決戦でラウと戦い勝利。
その後、ラウの遺志を継ぐレイとラストバトル

とか?
18通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:28:09 ID:???
議長にMSにでも乗ってもらう?
19通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:28:24 ID:???
でもシンの味方になるキャラはやっぱりレイじゃないと不自然だ
シンはあんまり大人と絡まんだろ
議長の言ってることも、良くわかりませんって感じだったし
20通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:28:34 ID:???
>>16
キラとラクス
21通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:28:48 ID:???
シンはダークヒーロー化しても、亡くした仲間を思う心は忘れさせないでほしい
22通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:30:40 ID:???
軍人のタリアと付き合ってたから、議長も元軍人でも不都合はない
23通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:30:42 ID:???
>>1の設定のままだとするなら
キラはオーブ軍の一尉ぐらい、機体は色違いのムラサメ(宇宙はM1)
ってことでいいかな
24通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:32:02 ID:???
むしろシンがレイを説得(「おまえはおまえだ!あの人じゃない!」とか)してレイがシン側に付き、
クルーゼと議長がラスボスでシンとレイが共闘して倒すってのがみたい
25通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:33:03 ID:???
Zプラス?
26通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:33:13 ID:???
>>22
シンを遺伝子情報でインパルスパイロットにするとか、クルーゼやレイの薬を作るとかのエピソードができなくなる
27通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:33:58 ID:???
皆想像以上に本気で感動した
28通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:34:13 ID:LPtil5xY
クルーゼがラスボスってのもなんか微妙だ
Zのハマーンみたいな感じというかラスボスの一歩手前に留めて欲しい
29通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:35:59 ID:???
一尉って大尉ぐらいの階級だよな。
それくらいならOKか。本編で中将ってのがやりすぎなんだ
30通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:40:09 ID:???
キラ・ヤマト一尉
ヤキン・ドゥーエ戦線を生き延びたパイロット
トダカ一佐の指揮の下、空母タケミカズチのMSパイロット

こんなもん?
31通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:40:58 ID:???
本編中クルーゼは世界を滅ぼそうとしてたわけだけど
議長は世界を導こうとしていたわけだが
この二人手を組むのか?
ばかしあいの利用し合いの関係なの?
32通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:50:03 ID:???
>>31
そうなるだろうな。
シン離反→ラウが議長裏切って野望発覚→シン、レイ共闘。

みたいな流れか
33通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:52:32 ID:???
クルーゼは鯖復旧後もhostsの設定を忘れたためログインできず期限切れ削除
34通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:53:50 ID:???
>>33
とりあえず巣に帰れ
35通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 16:56:36 ID:???
>>30
アレックス・ディノ一尉(アスラン・ザラ)
オーブ軍空母、タケミカズチのMSパイロット隊の小隊長
その正体はかつてのザフト軍最高議長パトリック・ザラの息子アスラン・ザラ

便乗して書くぞ
36通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 17:00:38 ID:???
>>31-32
クルーゼと議長の意見が対立してるのはそうなんだけど、
滅ぼそうとしてるんじゃなくて「人は自ら滅ぶんだよw」って言ってるだけなんだけどな
それを受けて議長は「じゃあ俺が導いてやる」って言ってる
クルーゼとしてはニヤニヤ笑いながらお手並み拝見ってとこじゃないか?
37通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 17:02:33 ID:???
>>30
>>35
せめて二尉にしておけば?
馬場一尉の立場がねーもんwww
38通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 17:05:11 ID:???
オーブ軍として正式に編入されたAAのMS隊でいいんじゃないの?
さすがに自由・正義に乗せようだなんて考えないけど
39通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 17:21:53 ID:???
まとめ

ラウはミネルバ隊
シンはダークヒーロー路線
レイは登場のタイミングを考える
キラ・アスランはオーブ軍所属、機体は量産型

ところでラウの偽名どうすんの?
40通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 17:24:48 ID:PH+tBFj2
キララクのせいで、デス種が台無しになったことを考えれば
「キラヤマト、君はいてはいけない存在」というクルーゼの危惧は当たってたな
41通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 18:31:06 ID:???
>>1
クルーゼの動機は? 
世界滅亡? それともDプラン? 単に唯一の友人に付き合ってやってるだけ?
42通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 18:35:45 ID:???
>>41
クルーゼ・・・・・世界リセット
議長・・・・・リセットされた新しい世界を導く
43通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 19:24:37 ID:???
キラ・ヤマト一尉
ヤキン・ドゥーエ戦線を生き延びたパイロット
オーブ軍旗艦、クサナギのMSパイロット隊に所属している。
機体は青と白のツートンカラーのムラサメ

アレックス・ディノ一尉(アスラン・ザラ)
オーブ軍旗艦、クサナギのMSパイロット隊の小隊長を勤める
その正体はかつてのザフト軍最高議長パトリック・ザラの息子アスラン・ザラ
機体は赤いムラサメ
44通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 19:33:10 ID:???
>>43
オーブがそうなってるとなると、だ。
キラの乱入がないわけだよな? となると一体いつの段階でオーブVSザフトになるんだろう・・・
45通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 19:38:00 ID:???
>>44
しゃしゃり出てくることには変わりないけど
一方的な戦いにはならないということ。

連合と同盟結ぶかどうかだけど
結ばなかったら本格的に第三勢力として出てくること間違いなしかな
46通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 19:48:05 ID:???
虚しいスレを立てたもんだな
47通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:21:23 ID:???
ちょいと気が早いが
wikiあたりで保管庫でも作ってみようかな
48通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:33:22 ID:???
シンはダークじゃなくていいだろ。
むしろクルーゼに不信感を抱く位で。
49通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:35:29 ID:???
キラのミーティアをあそこまでボコったのは単機ではクルーゼのプロビだけだしな。
50通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:42:17 ID:???
クルーゼをフェイスにするってのはどう?
セイバーに乗っけてさ
キラアスはオーブ軍だし
51通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:45:20 ID:???
>>50
その案のは賛成。
そうか・・・セイバーを忘れてた
52通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:56:49 ID:???
>>51
ただし、セイバーは白と灰色のカラーリングになるな。
ラウの機体は大体が白と灰色だし。
しかし・・・・・・・白と灰色のセイバー・・・・・微妙だ。
53通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:57:51 ID:???
見慣れればどうということはない
54通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 21:58:27 ID:???
>>48
不信感抱くのを成長フラグにすりゃ綺麗にまとまるんじゃね?
序盤は被害者意識全開の戦闘マッスィーンで、すごいよクルーゼさん!と尊敬。
でも段々本性知るにつれて引き気味に。同時に自分自身の痛さにも気づきだす。
そういう反面教師な導き手って扱いで。
55通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:00:41 ID:???
いっそのことシンが脱走……
56通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:03:19 ID:???
さてみんな、唐突だが今、アストレイのほうに凄い機体が来てる↓
http://syobon.com/mini/src/mini16653.jpg
http://syobon.com/mini/src/mini16653.jpg.html
このセイバーの改修機、このスレ住民の皆さんに使いこなしていただきたいッ!!
57通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:09:50 ID:???
>>56
色的にこのセイバーでおkじゃね?
58通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:13:58 ID:???
プロヴィと同じカラーリングのインパルスがあってもいいのかな?
59通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:15:02 ID:???
>>56はプロトタイプのセイバーガンダムに、ザフトの核ガンダムの11番機(9番はジャスティスで、10番が自由)のコアパーツをつけたもの。後ろに核エンジン背負ってるよーなモン。
合体を解除すれば、普通のセイバーガンダムが黒くなった以外はほとんど変わらない機体。なんでも地上での評価試験用でアスランがもらったのとは別の機体だとか。
だから、アスランのセイバーとこのセイバーを同時に出す事は出来る。

しかも、後ろにくっ付いているドデカイ強化パーツは、機体から分離すればオールレンジじみた機動が出来る。
この場合、クルーゼは地上での評価試験のデータ取りを終えて、この機体でプラントまで戻って来て置けば良い希ガス。
60通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:18:15 ID:???
>>59
いや、出すのは普通のセイバーでいいんじゃないかな
改修されたのはあくまで外伝の方の機体だし。
61通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:19:35 ID:???
>>58
インパルスは元々VPSで、電圧設定さえコンピュータの方で変えてやれば機体色も自在に変わるMS
ブラストやらソードはおろか、デスティニーシルエット三機生産の全てに異なる色彩が割り振られているほどですよ?
それくらい、再現するのは軽い軽い!!

>>59
プロトセイバーを持ち出すとはやるな
しかし、+11持ち出すのは後半の合体強化イベント用に取っておけ。
プロトセイバーはそのままでいいジャマイカ。

クルーゼの持つ空間把握能力は元々戦闘機の空戦に現状は悪用に使われてきた技能。
それの究極を持つクルーゼが、このセイバーを制御できないなどありえない――!!
62通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 22:22:18 ID:???
クルーゼの空間把握能力=無印のドラグーン自在操作能力
           =三次元立体空間における高速戦闘中の現状把握判断能力
63通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 23:30:24 ID:???
キラとレイのドラグーンは誰にでも扱える簡易版だしな。

おそらく手動(というか脳波だけど)よりも、コンピュータによる制御に
ウェイトの比重が移っているんだろう。
ストフリや伝説のドラグーンの動きとか見ても、プロビみたいに個々に独立した
動きをさせたり、複雑な機動はできないみたいだし。
特にストフリのドラグーンなんて、完全に一斉射出して固定設置して撃つだけで
感覚的には、フルバーストの砲門増やしただけというか。
64通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 23:34:08 ID:???
だから脳波なんて公式設定はないと。
どこぞのインタビューの妄言にしかないっつーに。
651 ◆Jo4.jjItcY :2006/02/26(日) 00:36:38 ID:???
保管庫作ってみた。
http://wiki.livedoor.jp/freaksout/d
661 ◆Jo4.jjItcY :2006/02/26(日) 00:38:27 ID:???
あれ、繋がらね
http://wiki.livedoor.jp/freaksout/d/
67通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 00:42:25 ID:???
>>52
量産機は白・銀・ピンクだけど、ガンダムは灰・青・黄だったから、
セイバーもそっちにすればいいんじゃね?
68通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 00:55:35 ID:???
空間把握能力と、高機動MSのセイバー合わせたら相当強いだろうな
69通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:13:42 ID:???
三次元戦闘が前提だろうからなセイバーは。
でも、空間把握能力といえば(ドラグーンは関係ないが)シンにもその才能はある希ガス
なんだかんだ言ってコアスプレンダーで色々やってるし。
70通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:15:04 ID:???
>>67
小説版の表記によればプロヴィは灰色じゃなくて白銀だそうだ
71通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:34:27 ID:???
いっそのこと、ずっと休暇中だったことにして途中から何事も無く出てくるってのはどうだ
あと折角、クルーゼがいるんだから、やはりミネルバ隊じゃなくクルーゼ隊が良いし
72通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:36:41 ID:???
しかしそうなるとミネルバには白服が2人いることになってしまう
前作でもガモフ組とヴェサリウス組に別れてたし、もう1隻ナスカ級を出せばいいんじゃね?
73通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:38:55 ID:???
>>71
一応、旧大戦で戦争煽ってた張本人として知られてるわけだし、
クルーゼ隊と言っても旧メンバーが揃わんとしっくりこない。

ましてや野望知られた後にイザークやディアッカ、アスランも従わんと思う。
74通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:40:05 ID:???
どう考えてもタリアよりクルーゼの方が有能そうだし、今更誰かの下に付くとは思えないから
クルーゼ白服で良いと思う
75通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:41:20 ID:???
いっそのこと戦える国防委員長でいいじゃん
もちろん偽名で
76通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:43:28 ID:???
素性を隠して議長の側近→青森湾襲撃の際に議長と共にミネルバ搭乗

これなら違和感ないんじゃないか?ずっとミネルバいるわけじゃないし
77通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:45:57 ID:???
偽名で通してたけどレイの登場であっさりばれるってのはないかな
流石にありえないか。某国の代表じゃないんだし
78通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:46:46 ID:???
じゃあ、クルーゼの偽名考えようぜ
79通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:48:53 ID:???
一応先に聞く。ミドルネームは有り?無し?
80通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:49:33 ID:???
>>79
いいんじゃないのか?
とくに困ることないだろうし
81通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 01:51:44 ID:???
名前はラ行で姓はカ行なんてどうだ
82通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:04:13 ID:???
参考までに中の人の演じた横文字キャラをぐぐってきた

ジョージ
ルードヴィッヒ
ペガサスナイト
アレクサンダー
ディエゴ
アポロ
ハルーン
デュオ
フレッド
フェンリル
レガート
ヒッテル
ベルシオ
デュウ
フェイト
ウォリアム
ラド
シド
83通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:05:53 ID:???
黎人もレイトっていう読みは横文字でも十分いける
84通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:10:45 ID:???
いっそロアノーク姓で

「なんで連合とザフトに別れて同姓の仮面の白いのと黒いのがいるんディスカー」と
種デスからの視聴組を混乱に陥れつつ
無印視聴者に「フラガだろ?クルーゼだよな?偽名が共通って何事?ロゴスと議長が通じてるのか??」
と考えさせるような感じでどうだ
85通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:11:00 ID:???
レイト・カンザキか
それだと微妙にレイと被ってしまう。レイトとレイだし
86通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:17:21 ID:???
なんかクルーゼはロアノークって感じじゃないな、個人的な感想だけどw
貴族っぽいのが似合いそう
87通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:17:40 ID:???
>>84
だが書いたり読んだりしてる方も混乱してしまうという罠
88通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:32:45 ID:???
貴族って言ったら手っ取り早く中の人から言ってルーイとかあるけど
貴族の名前で目ぼしいのないかちょっとぐぐってくる
89通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:39:20 ID:???
>84
ああー…

「ネオ・ロアノーク」って名前にずいぶん長い事
違和感一つ覚えることのないフラガと(疑似記憶凄すぎ)、
最初から、
勿論こんなの自分の名前じゃございませんよーフフン
つかムウよお前はほんとに騙されてんのかよ、と言わんばかりな感じで
「○○・ロアノークだ」
って名乗るクルーゼが目に浮かんだ。
それはそれは楽しそうに名乗ってネオをたき付け、ガチバトやってくれるだろう。


でも確かに区別はつきにくいな…


あとファーストネームがなかなか思いつかないな
90通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:40:12 ID:???
そもそもクルーゼって、コーディしかいないザフトの中で
本来MSの操縦すらできないはずのナチュラルの身でありながら
努力だけであの地位に登りつめた、種世界で一番努力してる人だよな。

生まれ持っての才といえば、天性の勘のよさだけだし。
91通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:42:43 ID:???
>>90
一番の努力家が、一番のニートに殺された話なんだよな、種って。
断固クルーゼの復活あるのみ。
92通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:45:51 ID:???
>>91
そう聞くと、みもふたもないよなぁ。。。
93通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:46:00 ID:???
公式サイトでレイがその点で褒められて?たけど、クルーゼは公式でそこを言及されたことってある?
94通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:47:39 ID:???
>>91
泣いた…(´Д⊂

しかも無印でラクスが行った犯罪の数々も、全部クルーゼになすりつけられたらしいし。
死人に口なし。
95通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:57:13 ID:???
ラウルクルーゼってキッチン用品のメーカーだろ
偽名もそれっぽいので良いよ
96通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 02:59:07 ID:???
今後新シャア板はこういう感じに書き直そうぜスレや○○を主人公にしようぜスレが乱立していくのかねぇ
まー今でも結構あるしな
97通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 03:04:07 ID:???
マジに作るんだったら、ガイドラインスレの1-10は読んどけ
重要
98通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 03:10:36 ID:???
つーか、もう保管庫作っちゃったのか。気が早いな
9997:2006/02/26(日) 03:10:55 ID:???
追加
>22-23も読んどけ
100通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 03:17:50 ID:???
>>95
キッチン用品として有名だけど、元々ルクルーゼ=坩堝

るつぼ 1 0 【〈坩堝〉】
(1)化学実験などで、物質を溶融し、または焙焼する場合に用いる耐熱性容器。石英製・陶磁製・金属製などがある。
(2)熱く激しい気分がみなぎっていることのたとえ。
「場内は興奮の―と化した」
(3)種々のものが混ざっている状態のたとえ。
「人種の―」
101通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 05:01:09 ID:???
ステラ殺しルナ殺し、アスラン殺しレイまで殺してシンとキラにボッコボッコ






















されずに互角に戦うラウ最強
102通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 14:56:21 ID:???
103通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 15:57:53 ID:???
ナチュラルの身でありながら努力で種持ち最高コーディと互角とは凄いな…クルーゼ…

まるでガンパレの芝村舞のようだ…
104通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 18:22:36 ID:???
ルネ・ラ・ホーロー
ラ行で始まるファーストネームとホウロウ鍋のホーロー
105プロローグ1/2 ◆Jo4.jjItcY :2006/02/26(日) 18:36:22 ID:???
CE71年 ヤキン・ドゥーエ戦線
長期に及ぶナチュラルとコーディネイターの戦いは、一つの終結を迎えようとしていた。

――――あなたは!あなただけは!!

無数に浮かぶMSの残骸。

――――これが定めさ!知りながらも突き進んだ道だろう!

目下に聳えるものはザフト軍の最終兵器『ジェネシス』

――――違う!!人は・・・人はそんなものじゃない!

そこで、二つのMSが戦っていた。

――――まだ苦しみたいか!いつか!やがていつかはと!
    そんな甘い毒に踊らされ一体どれほどの時を戦い続けてきた!?

白と白銀、互いにぶつかり合う二つのMS。互いに満身創痍の状態でも戦い続ける。

――――どのみち私の勝ちだ!
    ヤキンが自爆すればジェネシスは発射される!
    もはや止める術はない!地は焼かれ、涙と悲鳴は新たなる争いの狼煙となる!
106プロローグ2/2 ◆Jo4.jjItcY :2006/02/26(日) 18:39:03 ID:???
白銀のMSの男が叫ぶ。白いMSを襲う砲撃は、より激しさを増していく。

――――それだけの業!重ねてきたのは誰だ!!
    君とてその一つだろうが!

だが、白いMSは全身を吹き飛ばされつつも疾走する。

――――それでも・・・守りたい世界があるんだ!!

無数の砲撃を潜り抜け、白いMSが接近する。
しかし、白銀のMSを串刺さんとする寸前で動きを止めた。

爆音とともに、ジェネシスが崩壊していく。二つのMSは動きを止め、その光景を見ていた。
「ジェネシス・・・アスランか!」
「馬鹿な・・・」
ジェネシスの崩壊は戦争の終わりを意味していた。標準となった地球は、今も青く輝いている。
「フン・・・まあいいだろう。今回は果たされることがなかったが・・・審判の時は再び来る」
白銀のMSの男、ラウ・ル・クルーゼは自らの機体を翻す。
「また会おうキラ君。人はまた過ちを繰り返す・・・何が正しく、何が間違っているかは、後の歴史が証明してくれるだろう!!」
ラウは高らかに笑うと、どこまでも続いていくような宇宙の闇に消えていった。


CE71年9月27日
アイリーン・カナーバを中心としたプラント穏健派議員により、戦闘の停止及び戦争終結に向けての協議が提案される事となる。
この日、地球・プラント間の戦いは事実上の終結を迎えることとなった――――
107通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 18:49:46 ID:???
GJ続き期待
108通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 18:53:32 ID:???
そして、ラウは宇宙規模のテロリストとなり、連合とザフトは協力して
そのテロリストたちと戦うことになる。
これにより、どんなキャラも絡ませることが出来るので厨も皆納得
109通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 18:55:15 ID:???
実は生きていた常夏はテロリスト側
110通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 20:16:52 ID:???
ガンダム無料ネトゲスレって所から観光に来ました
111通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 20:23:17 ID:???
こんばんは諸君^^
112通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 20:24:32 ID:???
おいすー^^
なにこの糞スレ
113通常の名無しさんの3倍:2006/02/26(日) 20:39:47 ID:???
ガンダム無料ネトゲスレって所から生暖かい目で見守りに来ました
114通常の名無しさんの3倍:2006/02/27(月) 00:07:12 ID:???
で、偽名は104でFA?
115通常の名無しさんの3倍:2006/02/27(月) 00:38:11 ID:???
サイレン見て、ロアノークってそう言えば住人消失事件の島の名前だったなと思い出した。
居なくなった筈の人間だという暗喩で、ラウとムウ二人にロアノーク性を名乗らせるのも面白いかも名
116通常の名無しさんの3倍:2006/02/27(月) 00:52:51 ID:???
>>114
マジでホーロー?
117通常の名無しさんの3倍:2006/02/27(月) 00:54:16 ID:???
レオン=ロアノークなんてどう?
韻が似すぎかなあ
118通常の名無しさんの3倍:2006/02/27(月) 01:01:29 ID:???
ザフトでも連合でもない船(実際のところ議長直下の船)から
白グフに乗って飛び出てきて
「ラウ・ラ・ロアノークだ!」

「ラウ!?」と反応するレイ
「ロアノーク…!!?」と反応するネオ
いきなり何なんだ馬鹿にしやがって!と白グフに突っ込むエグザスと
これを牽制しようと割ってはいる白ザク、観戦を決め込む白グフ
白熱しすぎておいおいおちけつと近づいたインパをも巻き込んで白ザク大破
ここぞとトドメ刺そうとしたエグザスに急速に近づき
例のムチぶん回して有線ドラグーン全損に処し、双方撤退
白ザクとインパ掴んでミネルバに着艦する白グフ…
万感の思いを込めてレイが「ラウ…」と呼びかける

ってとこまで一気に妄想した。
119通常の名無しさんの3倍:2006/02/27(月) 19:38:02 ID:???
偽名に関しては>>104の案も含めて
『ルネ・ロアノーク』というのはどうだろう?
120通常の名無しさんの3倍:2006/02/28(火) 08:03:32 ID:???
いや、らうと言えばやはり鍋。
そこで『ルウ・ル・フューラー』はどうでしょう。
モロバレ系でひとつw
121通常の名無しさんの3倍:2006/02/28(火) 10:43:17 ID:???
フューラー良い!
指導者とか総統って合ってる
122通常の名無しさんの3倍:2006/02/28(火) 22:59:53 ID:???
ルウは響きが可愛らしい気がするから(私だけかもだが)、
『ルネ・ラ・ヒューラー』はどうでしょう?
123通常の名無しさんの3倍:2006/03/01(水) 13:16:09 ID:???
ルがつく二文字はどうもピンクミニスカ誤射王(ゲーム)の彼女が
浮かんできてしまう…うーん難しい
124通常の名無しさんの3倍:2006/03/01(水) 21:36:57 ID:???
ライ・ラ・フューラー
リオ・ラ・フューラー
ルイ・ラ・フューラー
ルウ・ラ・フューラー
ルカ・ラ・フューラー
ルネ・ラ・フューラー
レオ・ラ・フューラー
レノ・ラ・フューラー
レミ・ラ・フューラー
レム・ラ・フューラー
ロイ・ラ・フューラー
ロス・ラ・フューラー
ロタ・ラ・フューラー
ロミ・ラ・フューラー
ロム・ラ・フューラー
ロリ・ラ・フューラー
ロロ・ラ・フューラー
125通常の名無しさんの3倍:2006/03/01(水) 23:23:11 ID:???
ロリ・ラ・フェーラーにしようぜ
126通常の名無しさんの3倍:2006/03/02(木) 01:02:57 ID:???
○○・レ・フューラーとかどうだろう?
127通常の名無しさんの3倍:2006/03/02(木) 14:47:14 ID:???
ライ・レ・フューラー
リオ・レ・フューラー
ルイ・レ・フューラー
ルウ・レ・フューラー
ルカ・レ・フューラー
ルネ・レ・フューラー
レオ・レ・フューラー
レノ・レ・フューラー
レミ・レ・フューラー
レム・レ・フューラー
ロイ・レ・フューラー
ロス・レ・フューラー
ロタ・レ・フューラー
ロミ・レ・フューラー
ロム・レ・フューラー
ロリ・レ・フューラー
ロロ・レ・フューラー

128通常の名無しさんの3倍:2006/03/02(木) 14:55:43 ID:???
何日もかけてクルーゼの偽名を考え続けるスレはここですね?
129通常の名無しさんの3倍:2006/03/02(木) 17:10:05 ID:???
ここです
130通常の名無しさんの3倍:2006/03/02(木) 23:49:52 ID:a0ECN4sG
もうアウル・フラーゼでいいよ
131通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 02:51:03 ID:???
単純に「フューラー」だけでいいんじゃね?
なんとなくだが
いろいろ捨ててきた人、脛に傷持つ人っぽくてクールかもよ
132通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 04:15:13 ID:???
ミネルバの開かずの間に人知れず潜み
いろいろと暗躍する仮面のファントムでいーよ
133通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 09:04:00 ID:???
別に普通にクルーゼでいーじゃん
何で偽名?
134通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 10:57:37 ID:???
>>132
それ面白いな

じゃあいっそフューラー ザ ファントムとかどう?
135通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 16:52:12 ID:???
ファントム ザ フューラーでもいいな
136通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 17:07:11 ID:???
真ん中がザだとレイと被るよな
137通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 17:16:35 ID:???
ラウは真理の扉を開け、1939年第二次世界大戦にMSを導入した
138通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 18:35:23 ID:???
>>137
すげーな、おい
139通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 19:39:21 ID:???
>>133
無印のヤキン戦後
クライン派の汚点(自由強奪等)が全部クルーゼに押し付けられてて戦犯扱い
本名のまま生活できるはずがない
140通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 22:31:37 ID:???
ヒデエ話だ
141通常の名無しさんの3倍:2006/03/03(金) 23:16:43 ID:???
そういう側面も含めてクルーゼは政治劇向きかもしれない
表舞台でMSかっとばして撃墜しまくりトップガンでド派手にやるより
ドロドロした駆け引きと口八丁手八丁の権謀術策、裏社会で暗躍とかそっち向きなイメージ

プラントの立役者クラインやザラはともかく影も形もなかったポッと出のヒラ議員が議長に就任
かつてザラの独裁によって痛い目を見たプラントが当然のようにそいつの独裁を許してしまう
というあまりにも不自然な状況の影にクルーゼの暗躍あり、とか

めちゃくちゃ地味だけどw
142通常の名無しさんの3倍:2006/03/04(土) 00:06:34 ID:???
議長の影だと、無印と同じなわけだが
143通常の名無しさんの3倍:2006/03/04(土) 10:18:14 ID:???
クルーゼもまた連合に拾われ、クスリのおかげでもう少しは長生きできるようになった
144通常の名無しさんの3倍:2006/03/04(土) 20:42:15 ID:???
つうかネオのポジションに狂うぜでよくね?
マリューとの絡みもオモシロス
145通常の名無しさんの3倍:2006/03/04(土) 20:56:02 ID:???
クスリの力で今までの2倍のドラグーンを操れるようになる
146通常の名無しさんの3倍:2006/03/04(土) 20:57:58 ID:???
そんなことしたらもう化け物じゃないか
147通常の名無しさんの3倍:2006/03/04(土) 23:59:20 ID:???



148通常の名無しさんの3倍:2006/03/05(日) 01:45:53 ID:???
サイボーグとなって延命+強化
ジョージグレンのように脳味噌だけ保存されていてホログラムとして復活
エクステンデッドとなって延命+強化+記憶操作
ララァ化して取り憑き惑わせまくり
何の措置もせず血反吐はきながら執念で復帰
149通常の名無しさんの3倍:2006/03/05(日) 02:31:58 ID:???
レイを洗脳して使役
150通常の名無しさんの3倍:2006/03/05(日) 07:53:47 ID:TjvxOG5g
>>139
押し付けなきゃいいんじゃね?
151通常の名無しさんの3倍:2006/03/05(日) 08:32:40 ID:???
>>150
クライン派の汚点なんてパトリックに押し付けちまえよ、でFA?
152通常の名無しさんの3倍:2006/03/06(月) 00:06:19 ID:???
いっその事、レイの兄貴と名乗らせて××・×・バレルとした方が
ミネルバ隊になじみやすいのでは?

…おにぃ様とか言うレイを想像してしまったのは内緒だ。

もっとも、それより何より前作のラスボスが育て上げる
主人公シン・アスカがどういう成長をとげるのかがすっごい気になる。
…ルナはディアッカ化するのが眼に見えたのでパス。
153通常の名無しさんの3倍:2006/03/06(月) 00:48:54 ID:???
育て上げるとはいってもクルーゼは遺作にそうだったように基本は放任主義じゃね?
どうしようもない命の危険→表立っては助けないが生還のチャンスをこっそり与える
何と戦えば良いのか?何が正しいのか?と悩んでいたら→自分で考えろ、見誤るなよと一言
(議長を信じろ議長についていけばOK主義のレイの立場が無い)

とにかく 自 分 で 考 え ろ と一隊を率いる軍人にあるまじき個人主義w
こんなのの影響を受けたシンはステラ返還時に一緒に連合に行ってしまいそうだ
154通常の名無しさんの3倍:2006/03/06(月) 00:53:58 ID:???
基本的にクルーゼは、人の選択する道を見てみたい、という目的で動いてたわけだからな
スケールが小さくてもその方針は変わらないって事だろう
議長は逆にそんなものは誤りだから自分が決めるっていう目的だから、
クルーゼがいなくなった後にレイがそっちに傾いてしまうのも仕方ない・・・
ということは、クルーゼが生き残っていたらレイの考え方も違っている可能性があるわけだ
155通常の名無しさんの3倍:2006/03/07(火) 12:48:32 ID:???
レイは議長の為というよりもクローンやエクステの様な存在の為に闘っていたように感じるのはオレだけか?
で、ラウが普通に生きてたらレイのその辺の考え方が甘くなるようなキガス
ラウが死んだと思ってるが実は生きてるという方がすんなりいきそうだ
156通常の名無しさんの3倍:2006/03/08(水) 01:40:52 ID:???
いっそクルーゼ生存でのレイ主役シン準主役なんてどうだろう。
種時代に議長とレイがクルーゼの行動を黙認したように
今回はレイと議長のやりたいようにやるがいい結果を見届けてやるぜ
とミネルバの戦闘指揮官として与えられた仕事だけを黙々と執行しつつ
余生を楽しむ老人のように傍観者役、語り部役として配置するとか。
157通常の名無しさんの3倍:2006/03/08(水) 17:42:42 ID:???
前半レイ主役、シン準主役
後半シン主役、レイ準主役
158通常の名無しさんの3倍:2006/03/08(水) 17:55:44 ID:WPVi2aw7
たとえクルーゼが生き残ってようがレイが主役だろうが一つだけ変わらない事がある


つ中 盤 か ら キ ラ が 主 人 公
159通常の名無しさんの3倍:2006/03/08(水) 18:00:19 ID:???
それは負債がつくるからだろ
160通常の名無しさんの3倍:2006/03/08(水) 18:04:49 ID:???
>>158
つ 中 盤 か ら 、 キ ラ ラ ク こ そ が 真 の 大 ボ ス
これだろ?
161通常の名無しさんの3倍:2006/03/08(水) 22:46:23 ID:???
・・・クルーゼが生き残っていたとすると
レイがデュランダルに刷り込まれ、対キラ戦で致命傷となった「俺はクルーゼ」は完全消滅
しかもレイの傍にはラクスを超える話の通じない最強の屁理屈屋クルーゼがいる
キラの分が悪すぎないかw
162通常の名無しさんの3倍:2006/03/08(水) 23:43:18 ID:???
>>161
さすがクルーゼだ!!
味方になればこれ以上に頼もしい男はいないぜ!!

マジレスすれば、ラクス心理教に対抗できる唯一の存在かも試練。
163通常の名無しさんの3倍:2006/03/09(木) 03:03:08 ID:???
クルーゼは前作でラクスの歌を綺麗事と皮肉り笑い飛ばして永遠撃とうとしたり
漫画版では確かAAに人質にとられたラクスを見捨てようとした筋金入りの
アンチ洗脳電波だ。
「戦ってもよいのです」を聞いたら腹を抱えて大爆笑してくれると信じたい。
164通常の名無しさんの3倍:2006/03/09(木) 03:17:07 ID:???
アニメでも大して助けようとはしてないけどな
連れ帰れとの命令を受けた直後に「もしくは、屍を抱いて」とか言ってた
165通常の名無しさんの3倍:2006/03/09(木) 10:39:44 ID:???
>最強の屁理屈屋ワラタ
166通常の名無しさんの3倍:2006/03/09(木) 18:37:07 ID:???
クルーゼのあの電波耐性はなんなんだろうな
レイやムネオには無かったが・・・アル・ダ・フラガの育て方が良かったのか?

とりあえずクルーゼ生存ならネオのムネオ化は避けられる悪寒
シンもただ議長を妄信したりDQN化するのではなく無印の遺作のような
熱血野郎になるかもな、なんせ傍らで超ひねくれ者の屁理屈屋が
ニヤニヤしながら常にツッコミ入れてくるんだから妄信したくてもできねぇ
167通常の名無しさんの3倍:2006/03/09(木) 19:03:55 ID:???
そりゃクルーゼは行動原理破綻しまくりの種死種キャラの中で、
唯一己の行動原理を貫き通したキャラだもの。

敵役として生まれ、敵役として生き、敵役として死んだ。
168通常の名無しさんの3倍:2006/03/10(金) 00:30:17 ID:???
>>166
そんなシンが
見たかった
根拠のない電波理論にも、実の伴わない甘言にも耳を貸さず
ひたすら己の信ずる道を進むシンが見たかった
あんまり頭が回るようになると
オーブに帰って理念>国民の現体制を打倒する道を選んでしまいそうだが
169通常の名無しさんの3倍:2006/03/10(金) 15:26:46 ID:???
個人的な意見だが、
シンが家族死亡からザフトでの経験・成長を経て
将来オーブの国民開放運動に身を投ずるという流れになるのは願ったりだ。
クルーゼの屁理屈ツッコミはシンが甘言に踊らされ思考が硬直化しそうになったときに
痛いトコをついてシンが物事をより深く考えるきっかけを与えるといい
クルーゼ自身はシンの敵でも味方でもなくただ好き勝手言い放題で世界を嘲笑ってればいいよ
170通常の名無しさんの3倍:2006/03/10(金) 18:09:17 ID:???
クルーゼの偏屈突っ込み台詞を考えるのが一苦労だな
職人さんがんがれw
171通常の名無しさんの3倍:2006/03/10(金) 20:07:12 ID:???
クルーゼ生存で種死書き直す場合
終盤にはシンによるオーブ市民解放運動と
レイと議長を中心とした運命計画の是非or人類(コーディ)の未来を追求という
2つの国の物語に展開する事もできるということか

オーブとプラントがデス種の結果と正反対の結果に落ち着くというのも
世界に反逆し続けたクルーゼ生存話的で面白い・・・・・・かもしれない
172通常の名無しさんの3倍:2006/03/10(金) 20:11:14 ID:???
確かに面白そうだが、書く方側にしたらハードル高そうだなー
173通常の名無しさんの3倍:2006/03/12(日) 02:37:04 ID:???
ロドニア研究所にて
シン 「コーディネイターは自然に逆らった間違った存在とか
   言っておきながら、自分たちはこれですか!?」
狂うぜ 「まあシン、このジョージアはサービスだから、まず飲んで落ち着きたまえ。
     (うはwお得意のグロ描写かよwwメンデル以上でやんのテラワロス)」
シン 「遺伝子弄んのは間違っててこれはありなんですか!?いいんですか!?
   一体何なんです!?ブルーコスモスってのは!」
狂うぜ 「しらんがなwプ」

シン 「・・・あんたってひとはああああぁぁぁーーーーー!!」


こうですか?わかりません!
174通常の名無しさんの3倍:2006/03/12(日) 12:49:57 ID:???
草死ね
175通常の名無しさんの3倍:2006/03/12(日) 17:48:15 ID:???
ジョージアワロタw
176通常の名無しさんの3倍:2006/03/12(日) 22:43:00 ID:???
草ってなに?
177通常の名無しさんの3倍:2006/03/14(火) 13:39:51 ID:i/vUg15k
ほす
178通常の名無しさんの3倍:2006/03/15(水) 11:28:45 ID:???
179通常の名無しさんの3倍:2006/03/16(木) 10:04:46 ID:???
見事な竜頭蛇尾スレだな
しかもまだ200いってないというw
180通常の名無しさんの3倍:2006/03/16(木) 21:59:43 ID:???
まったくだ

ところで
クルーゼはミネルバ所属の戦闘指揮官、艦長はタリア、副館長はアーサー。
シンレイルナ、他二名(ゲイルだっけ?)のMSパイロット達はクルーゼの部下。
あくまで主役はシン。副主人公はレイ。
でおk?
あとクルーゼの偽名はフューザー?ラクスの罪擦り付けを無視して本名のまま?
クルーゼの呼び名は隊長?ハイネのように呼び捨て?さん付け?
始まりはやっぱアニメと同じところから?アスランとカガリはミネルバには乗せない?
この辺どうよ
181通常の名無しさんの3倍:2006/03/16(木) 23:49:55 ID:???
フューラーだよ
ふゅーざーならお(ryになってしまう
182通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 00:33:31 ID:???
無能の艦長の下に付かせてほしくない。クルーゼ隊の時みたいな扱いならいいけど
183通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 01:29:09 ID:???
クルーゼはアスランのポジなのか?
タリアの立場がないな、アーサーにいたっては・・・まあ良いか愛すべきへタレだしw
俺はクルーゼはあまり表には出ないって印象を持ってた。
能ある鷹は爪を隠すで普段は量産機を駆る緑服で地味に良い働きをしているが
艦がマジでやばくなると突然驚異的な戦闘力を垣間見せ、そこからタリアあたりが
正体を疑い始め、いずれ議長への不信につながるって妄想を勝手にしてたよ。
タリアに対しては慇懃な態度をとりつつも心の中では無能と切り捨てるだろうな。
184通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 02:32:06 ID:???
タリアって無能か?
性格はかなりあれだが無能というほど無能でも無かったような・・・
それはともかくタリアは
・タリアはヤキン戦を生き抜いたという初期設定があったがいつの間にか消滅
・幼い子供がいるのに何故か前線にでている
という事を生かせそうだ

いっそ完全な新米艦長にして子供は不治の病、夫は前大戦で戦死
莫大な治療費を稼がねばならず昔の男デュランダルの口車に乗せられ
パート感覚で「国内外に対するプロパガンダ戦艦ミネルバ」の艦長に就任
気丈な女を演じてはいるが内心ガクブルで早くやめたいと思っている、とか

アニメでタリアに関する描写が致命的に無かったおかげでいくらでも捏造は可能だ
185通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 02:38:59 ID:???
某歌姫がやったことがクルーゼに押し付けられたのってクルーゼがすでに死亡してるからじゃないのか
確かにクルーゼはいろいろやらかしてくれたけど、生きているなら某歌姫たちのやったことなど自分が
やったんじゃないと弁明することだってできる(クルーゼがするかしないかは置いといて)
あと、もしこのことが有効だしたら、罪をすべてザラに押し付けることだって出来ると思う
186通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 03:39:03 ID:???
いや、前作でかなーりはっちゃけ過ぎたから無理だと思うぞw
一般人には戦犯ザラ議長の側近中の側近として知られ、
キラに正体やら何やらしゃべっちまった以上クルーゼとしてはもう生活できんだろう。
結果やっぱり姿を消すことになり歌姫に罪を擦り付けられる、と思う。
それにもし罪を他人に押し付けようなんぞしようものならラクシズが黙ってないだろ。
187通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 10:45:06 ID:???
歌姫が擦り付けるのは良いんですか、そうですか、ありがとうございました
188通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 13:57:16 ID:???
良いわけないだろw(情報が勝者に都合良く改竄されるのは常だが)
だが平和の聖女様にはそんな倫理道徳は存在しないんだよ。
自分がMS戦艦強奪&兵器密造してたのは棚に上げ被害者面で
艦隊率いて気に入らん奴をぬっころしに来るようなカルト教団なんだぞ。
そして種世界の人間はクルーゼのようなアンチ洗脳バリアを持っていないので即洗脳される。
デュランダルは一応クライン派なので表立ってラクスを糾弾することは
自分の政治基盤を崩しかねないリスクを伴う。
善悪の話じゃなく、あの女なら擦り付けるしそれを止めるのは難しいといっている
シンたちの敵役として設定するならそのほうがラクシズの欺瞞を描写し易くないか?
189通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 18:08:26 ID:???
何のための偽名だよ。偽名で隊長で良いじゃないか
190通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 21:57:38 ID:???
レイやシンがピンチになると颯爽と現れる謎の特務隊フェイスがいい
議長しか素性は知らないで、議長が容認してるのでタリアたちも追及できないとか
191通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 22:42:14 ID:???
まるで正義のヒーローみたいだな!
192通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 22:43:33 ID:???
いや、颯爽と現れはするんだけど、その目的は戦線の拡大
193通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 22:48:34 ID:???
いっその事タキシード着せて薔薇持たせるかね?
194通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 22:57:57 ID:???
うわー似合いそう(棒読み)
195通常の名無しさんの3倍:2006/03/17(金) 23:44:04 ID:???
>>192
それってまんまキ(ryさんみたいだな
196通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 19:34:32 ID:VqPirn/E
スレ読んで思ったことを箇条書きにしてみました。

一、最新MSは全部ザフトから出てるからシンがザフトのエースパイロットから出発ってのははずせない。

二、種ではクルーゼがザフトの量産機を順に乗ってるけど種死でもそれやって欲しい(パビとかザウートの機動型とか)

三、ラストはクルーゼ(もう一つ新しい機体)VSムウ(暁)を入れて欲しい、むしろ入れろ。
  この時クルーゼがレジェンドでレイがドラグーン(少数)を持つ格闘有りの機体(ストフリの原型とか)希望

四、クルーゼがミネルバにいるならセイバーよりカオスのほうがいいんじゃね。

五、地球連がアーモリー1襲撃と同時にもう一個オーブのプラント襲撃させてそこで1機残してアスラン機にしちゃえば。

六、地球連が両方襲撃でザフト・オーブVS地球にして、そのあとザフトVSオーブにしちゃえば(笑)

七、地球連→ザフト、ザフト→オーブ の構図で襲撃してもいいんじゃね(泥沼の戦局で)

八、七ならアスランもオーブ産の機体(Gで)持ってちょうど色的に良くなったんじゃない?
  ザフト→技術力と豊富な人材。 
  オーブ→キラとアスランいればいいんじゃね。
  地球連→4〜5人の名前があるファントムペインと豊富な資源。

九、トダカとシンが決戦前に顔あわせれば戦闘中にシンがジレンマ陥ってキラ二号誕生。

十、>>1の趣旨に反するが、クルーゼがザラ派の残党とユーラシア連邦をまとめて第三勢力へ(オーブ虫)
197通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 20:46:50 ID:???
最初のスティングたちが起こした騒動で
カガリが死んで、オーブの軍事力を取り入れるために
連合がカガリが死んだのはプラントとザフトの仕業って情報操作して
最初っから本格的な
連合VSZ.A.F.Tにするってのはどうだ
198通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 21:51:28 ID:???
カガリが死んだら、他の誰が代わりになってもオーブの代表者の影が薄くなる
→シンのテーマでもある、オーブへの複雑な感情がストーリー上で薄くなる
→シンが主人公じゃなくなる
ので、最初で死ぬのはちょっとなあ
199通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 00:05:26 ID:???
シンを主人公として描く以上、オーブへの愛憎は重要なテーマだからな。
衝突→それぞれの成長→理解orやっぱり対立という流れはあったほうがいいと思う。
カガリは暗殺されそうになるが失敗程度でいいんじゃないか?
それならオーブを傘下におさめたい連合と政権を掌握したいセイランが組んで
プラント非公式訪問中のカガリ暗殺、責任をプラントに押し付けようと企んでた
ということで物語の整合性は何とか保てる。

単に暗躍する格好良いユウナが見たいだけってのもあるが・・・
200通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 11:24:34 ID:QFz3yiVr
astrayのオーブキャラ(ロンド・ミナ・サハク?)のほうがユウナより影が濃くて
悪人でも政権争いのライバルとしても使えるが、融通聞かしてだせばよかったのに・・・

>>199
ユウナは独裁政権では為政者次第で良くも悪くもなることを示すいい材料だと思う。
その点で暗躍する為政者キャラではギルバートがいるから最終的にザフトか地球連に丸め込まれて
最後まで策士って言うキャラが続かなそう
201通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 12:10:07 ID:???
クルーゼはサザビーでいいよサザビーで
202通常の名無しさんの3倍:2006/03/19(日) 14:39:07 ID:???
クルーゼF90でいいよF90
203通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 01:13:00 ID:???
ラウはあくまで旧キャラ、Zのアムロみたいな期間限定お助けマンがいい。
そうでないとシン(主人公)とレイ(脇役)が成長しないし。
シンのオーブへの感情は、一話でカガリにぶつけるのでいいと思う。そのあと、ユニウス7の
破砕作業にはカガリとアスランはタッチしないで地球に帰る。カガリはセイラン家とのやりあいで、
ウズミの判断が理念>>(越えられない壁)>>国民の命だったこと、国民がいなければ国家は
存在しないことを学んでほしい。それで裏でブルコスと繋がっていたセイラン家を頼ってジブリールが
オーブに入り込んだ時、オーブ国民であるセイランをかばった上で、ザフトの敵を引き渡すという形になれば、
シンは自分の故郷がまっとうな国になったと安心できるんじゃないだろうか。
204通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 14:13:03 ID:???
そうだな。カガリが代表としてオーブに迫る脅威を政治的に解決できるまでに
成長すれば、シンのオーブに対する葛藤も一応の決着がつき気持ちの整理もできるだろう。
主人公の視点が元オーブ民間人のシン→ザフト軍人のシンに変わることによって
軍の規律やエースの責任感、感情だけでなく軍人としての冷静な目で
戦争を捉えることができるようになればいいのだが。
本編のシンは最後まで戦争で大事な人を失った可哀想な“こども”扱いだった
反政府活動の運動家でもプロ軍人でもいいから主人公として主体性を持ってほしい
クルーゼは本人にその気はないものの結果的としてシンの成長を助けるってぐらいがいい
205通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 13:12:50 ID:iwxDLeem
>>203
カガリがセイランに一番怒ったことはザフト襲撃にもかかわらず、
ジブリールをかばい国民を避難させなかったことでしょ?
そのセイランをかばってまっとうな国だとはおもえないでしょ。

セイランがORBを戦争に介入させたことはカガリが自分の未熟さが招いたともいってるしね。

>>204
クルーゼの役回りはレイの大人版ってこと??
206通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 15:28:15 ID:???
で、結局偽名ってどうなったの?
207通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 16:07:19 ID:???
>>205
いや、レイの役割を奪うようなことはしないほうが良いんじゃないかと思っている
1がシン主役を明言している以上、旧キャラがあんまり出張りすぎて
前作からの積み重ねがある連中に新キャラが食われてはいけない
特にクルーゼなんて出生から思想まで突き抜けとる前作ラスボスならば
出番そのものは少なくても十分インパクトを与えられるんじゃないだろうか
レイは友人兼同僚、クルーゼは上司or先輩or正体不明の屁理屈野郎など
役割はかぶらないようにしたい
208通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 16:15:21 ID:iwxDLeem
>>207
つまりZのクワトロみたいなかんじ??

クルーゼがミネルバにいるならアスランの居場所はやっぱオーブかな?
209通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 16:24:25 ID:iwxDLeem
・・・続き
いや、クワトロに例えたのはまずかった、>>203がいったようにアムロのほうが適切だな。

だったらミネルバには乗せない方がいいかもね、艦に乗るとどうしても映っちゃうから。
暗部として政治的なほうがいいかも、キャラあってるし。
出演シーンはハイネのところとかかな?
210通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 01:24:28 ID:???
クルーゼ生存として、メインキャラの一人として出すなら
欝展開よりも救いが欲しいと思った
世界に絶望したままのクルーゼとか悲惨すぎる気もするお

その場合だと無印種から作り直さなきゃいけなさそうな気もスルガナー
211通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 02:36:07 ID:???
種死だけでも直し始めたらキリがない、無印まではとても手がまわらんだろうな
クルーゼは議長ブルコス双方の内情を深く知っているが世界がどっちに転んでもかまわん
というある意味達観した視点の持ち主だからあまり心理描写する必要は無いと思う
いまさら人の言葉で心を動かされるとは思えんし動かされたらそれはもう違うキャラだ
救ってやりたいのは漏れもだがメインとしてそれをやると収拾つかなくならないか?
あの凝り固まった超マイナス思考を変えるのは並大抵じゃない、
全てをまとめる技量を持った神職人がいれば別だが・・・
212通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 05:32:37 ID:GeKqvDLV
勧善懲悪でクルーゼを悪役にすれば?
逆シャアぐらいの壊れっぷりがあればじゅうぶんだろ
213通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 21:06:34 ID:???
実際クルーゼがレイの頭を笑顔でなでてた場面はイメージ壊れたな…
でも個人的にはあのクルーゼが好きだ
214通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 22:13:55 ID:???
別にあのマイナス思考をどうこうする必要なんてないのでは?
前作で憎しみの権化となり「クルーゼが絶望した人類そのもの」を体現したキラに敗北した事により
やっぱ世界はダメだったと何もする気力のない究極の諦観野郎になったという事にしておいて
今度は大局に手は出さないが友人?デュランダルのやり方を彼の部下Aとして傍観
その中でシンだのレイだのが人類に希望を持てる道をクルーゼに見せつけて
人類も世界も捨てたもんじゃねーよボケと思い知らせてやるってのもありじゃないか?

反発心の塊であるシンならクルーゼのマイナス思考を反面教師にできる
215通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 23:29:40 ID:???
たしかにある種の希望を見せることは可能だ
別に人類全体の業を何とかするとか大それたことである必要は無い
個人レベルでクルーゼに人の心の光を見せ付けるだけで少なくとも
クルーゼの人類もうダメぽ論に別の選択肢があることは示せる(選ぶかどうかは別として)
クルーゼ自身、本心では人類に希望を持ちたがっていた節があるしな
うまく使えばレイや強化人間の設定がすごく活きてくる
216通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 01:53:09 ID:???
レイが良い方向へ進むことで
子を見る父のような感情を沸かせてって方向に持ってくことは・・・
うーん、難しいかなあ
217通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 05:57:23 ID:ZRlH/epS
クルーゼが出るとレイが依存しすぎてレイがシンのサポート役に徹っせないのでは?

最初からギルバートの思案をレイが知っていて、
自分の立ち位置(シンの絶対的な信頼を得るとか)を前もって理解していれば依存しすぎることはないと思うが・・・・

あと、アスランは?

218通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 08:19:40 ID:MbpLOGT3
ラスボスルートに派生しそうだが、クルーゼの機体はリジェネイトの発展型なんてどうでしょう。
バラバラになってもOKの特徴を生かして、ターンXのように手足・胴体等のパーツをドラグーン化してのオールレンジ攻撃とか。
禍々しいフォルムも相まって貫禄十分な予感。
219通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 12:18:29 ID:???
後半からレイ出してもよくね?
220通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 12:37:08 ID:???
要所要所でレイがクルーゼのような気配を感じながらも気のせいか…みたいに会うことはできず、最後に感動の再開みたいなのが浮かんだ
221通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 17:26:56 ID:???
リジェネレイトの発展型=インパルス
222通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 17:30:43 ID:???
個人的にレイは最初からだして、主人公に近くて秘密を持った脇役にふさわしい尺で業者してあげてほしい。
アスランは、最初にカガリと一緒にプラントに来て、そのままなにもせずにオーブに帰り、カガリの護衛をやってればいいのでは。
ラウ以外の旧キャラの出番は最低限にするべきだと思う。
223通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 19:23:59 ID:ZRlH/epS
>>220
キープ

>>222ラスボスをキラにするなら最低限の出現ってゆうのはむずかしくない?
クルーゼがラスボスなら同じザフトの内輪もめになるだけだし・・・・
クルーゼはムウかレイと戦わせて、
シンは仲間を全員シンに殺され、記憶を取り戻し、ザフトの復讐に燃える4人目の強化人間と戦わせればいいと思う。

キラはオーブ防衛だけに出して、その戦闘だけであとはザフトに任せても大丈夫というせっていにすれば?
(その場合ディスティニープランはないほうがいい)

224通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 21:24:47 ID:???
シンは前作に対するアンチテーゼとしての役割も重要。
家族をキラに殺されたって設定はラクシズ絶対正義のために後付で
なかったことにされてしまったが、前主人公が憎しみの連鎖を止めようとして
知らず知らずのうちに新たな憎しみを生み出してしまったという皮肉はあったほうが
面白い。キラとの因縁の対決とシンが成長して憎しみを克服する描写は必要と思う。
AAについては本編どおり(絶対正義描写なし)にしながらシンを中心に描けばいいんじゃね?
225通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 21:48:28 ID:wg5LH/q1
クルーゼはやっぱり病持ちのまま?

兄貴との因縁決着テラミタス
226通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 22:02:15 ID:???
キラを悪役にすればキラファンの人らがだまってないとおもう。
作者は局所的な一部の人が満足するのではなく、
全体に好かれるものを作らないといけないから難しい。

その点でシンが最後まで主人公になれなかったところを直せばそれなりによくなるのでは
227通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 22:54:29 ID:pgqsCmVn
種死(ver俺)

シン一家生存、クルーゼ生存→名前は変わる
→シン、オーブ軍入隊。ルナ入隊。レイ入隊
本編
→冒頭でザラ過激派によるBTW
→物語スタート
→シン、ユニウスでガンダム一機奪取
→A(クルーゼ)隊追撃(シンは空間認識能力もっとる設定)
→ここでA(クルーゼ)とシンの因縁できまくりんぐ
→ミネルバ(verオーブ軍)地球圏降下
→キラと接触
→ザフトとドンパチ。兄貴記憶失ってザフトに操作されてるのが発覚
→ザフトとドンパチ。
→ザフトとドンパチ。
→キラ、兄貴撃墜
→ドンパチ
→オーブ軍基地で整備士の魔乳と兄貴接触。記憶復活、暁受領。(コーティングなし)
→衰退してた連合も参戦。ステラと幾度か接触
→デュランダル議長、裏でデストロイ実験導入指示。
→デストローイ戦 (シン=衝撃 キラ=ムラサメ改造機 ムウ=暁)
→凸も合流
→ステラ死
→デュランダル議長、ブルコス討伐命令。世界はザフトへ傾く。
→A(クルーゼ)の操作でレイ脱走
→追撃失敗。レイザフトへ
→シン、オーブ軍基地で運命受領。
→ミネルバ(verオーブ軍)宇宙へ。キラ、凸はオーブ防衛で地球圏
→3勢力三つ巴。レイがザフト入隊発覚
→シン、最高のコーディ失敗作と発覚。
→シン対レイ、ムウ対 A (クルーゼ)
→デュランダル議長、ネオ・ジェネシスをオーブにあわせる。
→ムウ、クルーゼ撃破。
→レイ改心。メサイアに突っ込み、ネオ・ジェネシス撃破  
→停戦協定  

なんか自分でもどこに誰がいるのかわからなくなった
@チラシの裏
228通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 23:24:27 ID:???
クルゼもレイも死んじゃうのね・・・・・・・
229通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 23:33:32 ID:???
クルーゼ生存で種死書き直そうぜ
230通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 23:40:59 ID:???
>>227
ジェネシスが地球に当たったら地球上の生物の半分以上が死滅するぞww
それにオーブだけのためにジェネシスはあ り え な い w w
231通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 23:44:11 ID:???
短時間販売って違反?
232通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 23:46:12 ID:???
ジェネシスでも売るの?
233通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 23:52:29 ID:???
スレが分散しているとスレストになりやすい
234通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 00:04:27 ID:???
このスレにおける書き直しってどこまでの書き直しなんだ?
たとえばここでよく言われるこれらがOKだと完全に流れが変わってしまう
 ・アスランとカガリはミネルバに乗らない
 ・没設定となった自由によるシンの家族殺し設定を採用
アスランの不在はシンの人格形成と動向に大きく影響するし
キラの思想関係にも影響する(クルーゼ生存の時点でキラは根本的に変わりそうだが)
カガリの不在はオーブと絡ませにくくなってしまう

設定と大まかな流れだけもらってあとは「クルーゼ生存」を軸に改変の嵐、と考えてOK?
235通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 02:25:30 ID:+jfVhAS0
キラの搭乗機コレだよな?コレにしようぜ
ttp://seedplamo.sakura.ne.jp/img/img-box/img20060310041310.jpg

あと凸はセイバーでよくね?
ジャスティスはうんこだからいらないけど、キラも凸も量産機ってのは
なんかおかしい。キラは改造ムラサメでいいよ
236通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 13:12:35 ID:???
キラの搭乗機をムラサメにしたとして、フリーダムはどうするの?
前作で壊したことにする?(協定で破棄決定とか)
でもエターナルでさえどさくさで隠れられるんだから、
オーブの隠れ蓑があるフリーダムを壊すのは無理があるかな。

オーブだってウズミ生存時にに暁作れる(設計だけか?)んだから他にもガンダム作れないことはない。
ムラサメ改→ガンダムにすればいいのでは?(いまさらガンダム出し惜しみしても意味ないし)

キラをZのアムロとかぶらせるんだったらシンとキラは同志の方がバリエーション多いと思う。
237通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 15:58:06 ID:???
だよなあ。
そういえば暁のときは

「おとうさまの裏切り者〜〜〜っ!!」

じゃなかったね。w
さすがに死んじゃったあとだったからね。
238通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 19:20:15 ID:???
>>234 >・アスランとカガリはミネルバに乗らない
自分はこれは賛成。いわゆる四馬鹿も成長するべきだし、そして話のメインにはなってもらいたくない。
目立つのはミネルバ組にしなければ。シンの兄貴ポジションはハイネがすればいい。中の人のスケジュールは
関係ないんだし。まあ、出張ってきて裏切りまくらないアスランなんてアスランじゃないという人もいるでしょうが。

>・没設定となった自由によるシンの家族殺し設定を採用
これはどっちでもいいのでは? キラの立ち位置によってかわるだろうし。
キラもラクスも、隠居生活でなく他の生き方をしていてほしい。隠居→テロリストの本編パターンは見たくない。
239中間報告:2006/03/25(土) 22:12:26 ID:???
じゃ〜〜、キラはオーブ固定で決定ということで依存はない?(異議があれば詳細を書いて別ストーリーをある程度書いてくださいね)
その場合キラはオーブ製のガンダム搭乗。
シン、レイ、ルナマリア等ミネルバ隊員は固定。

ここまではだいたい意見が合ってるんだが、アスランの居場所、カガリの政治活動、
ラクスの見せ場など旧四人組の意見が割れてる。
シンとカガリの関係やエクステンデットの立ち位置もいろいろだな。

世界情勢を書くならなるたけ通しで書いて欲しい。

個人意見だがハイネはあんなやられ役ではなく正面から斬られるか、最後まで登場。

240通常の名無しさんの3倍:2006/03/25(土) 22:13:42 ID:???
この手のスレスルーしてたが面白そうだ
241通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 00:20:00 ID:???
ラクス、カガリ、アスランについて個人的な意見をば。

ラクスはぶっちゃけプラントとオーブ以外に居場所がないので難しい。
かといってプラントに置くとミーアが出せなくなる。
オーブだと甘えどころになってしまってキラの成長が書けない。
種時代の福田が言った『己の無力を思い知った「平和の歌姫」』設定を活かして
名も身分も捨てナチュコーディ無関係に世界を巡業する一歌手にする(護衛に虎)というのはどうだろう?
巡業先(例えばコニール達の村など)で偶然シン達と会わせても良し
キラに会わせてもよし、ミーアの存在を知って動くも良し(武力は無しで)

カガリとアスランはいっそミネルバに乗り込むのはカガリと名無しの護衛のみにして
アスランはオーブで留守番。ユニウス後に寄港したオーブで軽く接触でもいいかもしれない。
劇中でのアスランはカガリとシンの個人レベルでの衝突としか見ていなかったが
体制側(カガリ)と一般市民(シン)の衝突として受け取らせて
ほぼ戦場には出さずに最後まで「オーブ元首カガリの補佐・護衛」役をさせる。
個人的感情で国を動かした独裁者を父に持ち、それに反逆したという設定を活かして。

というのを考えたんだが・・・完全にキャラが変わるからダメかw
242通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 01:09:29 ID:???
好きな香具師には悪いがミーアって出さなくても話進む希ガス
243通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 02:06:12 ID:???
むしろ出すとラクスが確実にしゃしゃり出てくるという…いや、結構好きなんだけどね
むくわれないな
244通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 02:44:21 ID:???
凸とカガリはジャスティス自爆に巻き込まれ戦死。
 ラクスは……別にいいや。
245通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 04:23:47 ID:???
生存してたら監察官でいいじゃん。ストーリーはあんまいじらず離反者を出さないようにミネルバに派遣されてきたって感じでさ。
当然の如く作戦にも口を挟む。そしてクルーに煙たがられる。
外見は眼鏡と腹巻きが特徴。

と。ちょっと息抜き。気楽にいこうぜ
246通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 10:54:03 ID:???
眼鏡は鼻とチョビヒゲ付き
パツキンエレガントカトちゃん系でひとつ
247通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 12:06:24 ID:???
キャラの位置関係は【Z】通りでよくね?
シンとキラを対極に置くと旧キャラの位置設定がめんどい事に
ラクスは>>241に賛成。キラと離させキラはオーブ軍入隊で良い。
ここでシン≒カミーユ キラ≒クワトロで 後半キラと凸を入れ替えれば良い。
キラはお留守番。カゴリは政治。戦闘はシン凸でいいだろう

ここでシンの設定だが何かしら誰かと因縁作った方がよくね?
上にある空間認識ちょっとあるとか。この際狂うぜだろうがムネオだろうが
因縁つけて展開した方が楽だと思う





>>239
>>キラはオーブ製のガンダム搭乗
必要ない。
248通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 13:26:32 ID:???
Zとキャラの位置関係がかぶるのは賛成だが、そうしたばあいシンはオーブ軍?

ラクスはザフト襲撃で意識不明にして最後のいいところまで寝かしとくとか。
そうするとキラはラクスのそばにいるので無駄な戦闘はない。
さらに、キラとラクスがオーブの軍事医療病院にいるためには
カガリに国家元首でいてもらはないといけない。

オーブをザフトと連合の両方に攻撃されたとしてキラが2回出動できればそれ以上はのぞまない。
両方に攻撃されるわけだからアスランもその戦闘だけ護衛役を辞めて戦闘に出る。

つまり4人組はオーブ固定。


249通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 13:43:04 ID:???
ユウナは連合に攻められたときに死亡(それまでカガリ軟禁)

Zとかぶるためにはシンがオーブにいないといけないし、
後半ザフトからオーブに寝返らすということもできるがseedとかぶってる。

いっそ最初からオーブでだすか?
250通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 14:14:54 ID:???
今更何なんだが
キラって、ストライクフリーダムだフリーダムだとか行ってるよりも
ストライクノワールに乗せておけば無問題でよかったんじゃねぇか?
251通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 20:20:26 ID:???
ストライクノワールって連合製だからザフト製の機体よりも機体スペックが落ちてると思う。

ザフトの機体に慣れてるキラには物足りないんじゃない?
252通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 21:01:18 ID:CanpTu6B
電撃ホビーであったネタだが...
クワトロの格好でシンに一言
「君はラウ・ル・クルーゼという人物を知っているか?」
253通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 21:03:56 ID:???
トム「はい、それは僕のペンです。」
254通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 21:25:50 ID:dm/mqlh1
何か、当分、話がまとまりそうにないですな。
255通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 21:50:43 ID:???
>>251
そこがいいんじゃないか。
確かにザフトの化け物MSよりスペックは下がるが
その代わりにOSの柔軟性とレスポンス、部品の信頼性と整備性は上がる、コレ最強。

相良宗助軍曹もびっくりのストライク使用の戦闘を見せてくださいよキラさん。
MSの性能が、戦力の決定的無さで無い事を俺たちに見せてくれ!!
256通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 22:12:25 ID:???
>>251
ストライクノワール
=ストライクガンダムのE型(マイナーアップバージョン)+ノワールストライカー(IWSPの改良型みたいなSP)
ストライクガンダムは旧式だが、今でもリッパに最前線で使える完成度の高い機体。コレの部品レベルでの信頼性と整備製UPに
さらにOSの柔軟性上げた改良。そしてバッテリーをパワーエクステンダーにしてVPS装甲。これがストライクE型。

で、そこにレールガン二機と対艦刀二機を乗っけたエールストライカーみたいなストライカーパックを装備
これ、ノワールストライカー。

ノワールストライカーは対艦刀二本にエールの機動力ッつー近接戦闘主体だけどレールガンとビームライフルで遠距離戦闘も出来る、これ最高。
しかし地球連邦軍のMS戦闘における基本コンセプトは連携なので、味方との友情が深まる副作用まである。
これで、明日はホームランだよパパ!!
257通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 13:01:35 ID:???
>>254
5月ぐらいまではつきあう。

オーブ防衛はシン対キラとしたばあいディスティニーと最低引き分けにしないとオーブまた焼かれるよ。
やっぱシンがオーブにいてくれた方がいい気がする(ユウナ政権時に大暴れさせて)
258通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 17:40:37 ID:???
シンがオーブからの出発だったら種死の内容全部変わるな。(やっぱだめだな)

[提案]
四人目のファントムペインの出現、粗筋は>>223の中段
四人目のファントムペインを(最初から)出して、最後まで生きていれば宇宙でシンの相手になるとおもう。
クルーゼがザフトから機体を密輸(or強奪orデータ抽出)してファントムペインに渡せばちょうどいい。

その時間稼ぎの間にクルーゼがジェネシス発射しようとするというシナリオ
で、レイorムウorシンorキラが撃つ
259通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 19:11:07 ID:???
クルーゼまたラスボスはちょっとな…
種終盤であそこまで弾けちゃったから、どうやっても二番煎じで芸がない
種死にはデュランダル議長・ロゴス・ジブリという世界を動かせるようなでかい存在がいるんだし
クルーゼはあくまで後ろの方で怠惰にニヤニヤ人類&デュランダル観察でもいいんじゃないか?
死ぬ気で戦って敗北、いわば「己のシナリオに反して生き延びてしまったキャラ」になるんだし
これでまた殺し合えーwww貴方の理屈ーwなんて種の繰り返しじゃ嫁と何ら変わらない

人類に対しても己に対してもマイナスイメージのまま殺されたのが種のクルーゼだ
せっかくの生存設定だから今度は違う結末をクルーゼに与えてやりたいというのが本音だが

それより四人目のファントムペインなんて厄介なオリキャラ出すよかオクレで良くないか?
260通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 21:25:05 ID:???
スティングか、前半でもっとイイ動きしてくれたら問題無し。(ザフトのアスラン役みたいに援護でいい活躍してくれたり)

カガリみたくナチュラルで弾けてくれればシンとやり合えるかも、
そのばあいステラとアウルの死をおもい出した上で弾けてくれれば絵になる。
無自覚だからといって壊れていくスティングをみるのは正直痛かった。

シンの相手はスティングでいいかな?
機体は連合製?ザフト製?

クルーゼはギルバートの話し相手?(チェスのシーンが幻想ではなく実体とか)
261通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 21:34:24 ID:???
スティングだけは生き残るかもしれない・・・そんな風に考えていた時期が(ry
ナチュ派としてはコーディに偏ってるのが不満だ 
最後の墓なんかオーブを憎んでたはずなのに論点ずれまくってるし
262通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 22:03:56 ID:???
クルーゼが前作のように不穏な方向に動いてないなら
ネオをムウではなくあくまでネオとして連合内でのメインにできないだろうか?

ネオはジブリの犬だが一般兵より権力があって
連合の腐敗の原因をよく知っている
ムウとしても上層部に2度も捨て駒にされた過去がある
シンとステラの関係・それに対するシンの訴え、エクステンデットや雑兵に対する扱いを見て
首領でなくとも有志を募ってジブリやブルコス系上層部に対して内部から反逆を起こし
連合は腐ったブルコス崩ればかりじゃないという事を世界に証明しry
その合間にクルーゼとの決着を何らかの形で付ける(戦いはしても殺し合いは無しで)

・・・そういうキャラじゃないとはわかってるんだがw
地球連合軍大佐ネオ・ロアノークはただの飼い犬では終わらない、そんな風に考えていた時期がry
263通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 22:59:16 ID:???
スティングって誰?
264通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 23:20:13 ID:???
>>263
              , ,ィ,ゝ------z- 1
             /'′′       ',、i、
           ,ィ /             ゙ ', l
        i,/ '"´                ゙l'l
       ,' /レ                ,.   lイ
      、/                 /,l    .|
     、',′              _  ''1フ   |
     ヾ    _    ,ィィ/   ,.ィ-7‐ヘ. ' ,   7    ・・・・・・
     ヽゝ、 \ヽ 、 l,l/ _,.- '´      ', /l ,,../
.      '、 ト` −-ゝ /        '' l/ 、 ',
       ヽ',    `´         _,.-‐ "ヽ j }、   
        `',‐-、__ ヽ  、 __,,..z;ニ-ァ'    _ノ/- }  
         ヽ‐r;ぃミ`  ヽ` ゞ‐゙'"´   {-/
           '、 ̄             /'
             ヽ    '         /     
          / . ヽ、丶 _   __    , {__
          ゝ、ヽ  .\´ニニ´   / ヽヽ`
                 ヽ   /     `}
                   ̄~ヽ、    j
265通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 23:53:21 ID:???
オクレ兄さん?
266通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 01:21:37 ID:???
>>263-265
じょ……冗談にしてもひどすぎる……w
267通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 01:35:34 ID:???
…これからスティングの最適化を行います。

我らに牙向くコーディネイターどもを切り裂く、我らを守護する破壊者よ。
汝に命を下そう。
かの者どもが生み出した混沌のガンダムを奪い、混沌の創造主を打ち破るのだ!!
268通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 01:55:41 ID:???
これまでの流れを整理すると、大きく二つの案に分かれてる。

1.スレ1に従って、シンはミネルバで、種死本編のストーリーに沿って、クルーゼがお助けマンとして登場。
旧キャラ4人組はカガリはシンとやりあうことで成長させたいので、出番けっこうあり。後の三人は出番すくなく。

2.Zポジションにキャラを置き換えて作り直す。シン=カミーユ、ラウ=クワトロ。

個人的には1.おし。敵は連合とその背後にいるロゴス、ブルコス。シンとステラのストーリーは、シンがベルリンの市民のために
ステラを殺し、そのあとステラとデストロイに殺された人々のことでどんと落ち込む。
ネオは、魔乳と冬ソナしなければなんでもいいです。
269通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 03:46:19 ID:???
クワトロがラウか いいね
他はどういう置き換えになるかな?
270通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 11:46:09 ID:???
ってことはキラはアムロの位置に来るってことだから
少ししか出てこないわけだな

クルーゼは仮面じゃなくてサングラス希望
271通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 11:58:40 ID:???
クルーゼとキラが仲間になってしまうぞ。
やっぱ細部で変更がないと話がつながらないな。

クルーゼは自分の時間が残り少ないのに気丈に振る舞ってるところがみものだな
272通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 12:27:36 ID:???
俺は別に仲間になって構わないと思うんだが・・・
シャアとアムロだって最終的には敵対するんだし

種クルーゼ
世界滅ぼす

種死クルーゼ
滅ぼす必要ないんじゃね?
滅ぼさなくてもほかに何とかする方法
あるんじゃね?

?クルーゼ
やっぱ滅ぼす必要あるは
273通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 13:32:52 ID:???
その場合全員オーブの方がよくない?

少数精鋭とはいえザフトはそれなりに規模が大きいし、
そこにキラ、クルーゼ、シンがいるとシンの出番が少なくなる。

規模の小さいオーブは技術力はあるがパイロットに凡人が多く、
新MSのスペックを生かせる人がいないに等しい。
そこに4〜5人名前有のパイロットがいればオーブ主体で書いた場合、けっこうマシになる。
274通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 16:29:34 ID:???
カオスプロヴィデンスガンダム

混沌天帝ガンダム
275通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 17:55:49 ID:???
>キラ、クルーゼ、シンがいるとシンの出番が少なくなる。
そこで
キラ=前大戦によるストレス+フレイ&クルーゼの件でコクピット恐怖症、戦意喪失、気力喪失
クルーゼ=表には出さないがかなり病状悪化
としておきキラは精神的に、クルーゼは肉体的に一歩退かせておくなんてどうだ?
キラは憎しみの連鎖からも引き金を引くだけの指からも逃れられず、何より守りたい者を守れなかった
クルーゼは前作のような行動力は失っているが人類に絶望したまま
この二人の課題をシンが克服・・・は難しいので完璧でなくとも何らかの答えを提示
なんてどうだろう?

それによってキラとクルーゼを最終的に和解(一時共闘とか?)させて
主人公とラスボスともに救いようのない終局だった種からの難題を新主人公が終わらせると
276通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 19:38:50 ID:???
戦えないキラよりいっそ戦死してアスランの心の中にのこったキラのほうがいい気がする。
それに種死ではラクスが守りたいからとフリーダムに乗ったわけだし、襲撃がなければそもそもフリーダムに乗ることが
なかった。
戦意も気力ももともとなかったのにザフトが襲撃してしまったので余計な敵を作ってしまった。
遅かれ早かれ戦うとはおもうが・・・・。

>>248のようにキラではなくラクスが寝込めばキラはそんなに遠出ができないし、
宇宙に出さないようにすれば主人公を乗っ取ることはない。

シンの軍属はザフトかおーぶ、どっちかひとつにしてほしいな(裏切りネタは種だけで十分)
277通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 19:59:14 ID:???
シンがオーブにいるなら家族が生きてないとなんか違和感があると思う
278通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 20:20:11 ID:???
マユ派は種死内の画像多い方が喜ぶがな
279通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 14:55:04 ID:???
スティングがシンのラスボスになることに反論が無いことにおどろいた。
クルーゼが言う、シン→スティング(アウル等が殺された)の憎しみの連鎖と
キラ(地球でシンのサポート)→シン(何らかの理由で宇宙にいけないキラの意志を受け継ぐ)と気持ちが受け継がれていくのがいい。

マユは生きていて欲しいけど原作を重視するなら死んだ方がいいのかな。
両親を殺されマユと二人っきりっていうのもいいかも・・・・(オーブの少年育成プログラムとかやって)
内心オーブを憎んでいるという初期設定で。
280通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 17:21:24 ID:???
マユは故人の方がいいんじゃないか?
言いたくはないがそっちの方がエグいしな・・・
理念を守る為に散らされた何も知らない幼い命があったという現実はキツイと思われる

「生きる方が戦いだ」発言をカガリの思想としてウズミとは異なる道を詮索中という事にして
子供達の未来を奪ってまで守るほどの理念だったのか?とシンに訴えかけられ
当然「お父様だって辛かった」などとは絶対に言わせず
初期は答えが出せずとも終盤ジブリ関係できっちり行動で答えを出してみせる、なんて流れを考えた
281通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 00:50:50 ID:???
質問なんだけど、ここの住人の層ってどんな人なんだ?
282通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 12:59:52 ID:???
案外若いんじゃない? 

>>280
そうなると、最初にシン、キラとクルーゼが同じ勢力になるのって難しいな。
ザフトとオーブが協定結ぶと明らかに連合不利だし、ギルバートがディスティニープランの布石のためにオーブを囲うか、
権威を落とし周りの国が耳を傾けないように手配しそう。(そこでシンがオーブにいくというのもあるがそれでも裏切りにはかわりない)

ディスティニープランのせいでシンの最後のよりどころをザフトにすると最後にどうしてもキラが目立つ。
やっぱシンがザフトにいる=(マユが死ぬ)限り、Zの役をそのままかぶらせるのは無理になる。

主人公の属する軍が最終的に勝つようにしないと結局種死といっしょになってしまう。
裏切りネタを入れるなら別だが。(ザフト→オーブならアスランとどうしてもかぶる)
283通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 16:50:24 ID:???
スレタイ見て記念真紀子。

主人公であるシンの描写をメインにしてだな。
クルーゼは前大戦での陰謀を罪に問われて地上の辺境の刑務所に投獄されているが
ちょくちょくキラが面会に来る、と言う形でキラにも出番を与えるのはどうか。
最初のうちはクルーゼの理論武装に歯が立たないでそのまま帰ってしまうキラだが
だんだんその話し合いを通じて精神的に成長、クルーゼを論破し「これが僕の答えだ」
と前作で投げっぱなしだった「本当にやりたかった事」をはっきりさせる。
そこでクルーゼに「成長したようだな。……『敵こそが最高の教師』という軍人の諺があるが、その通りだ」
このイベントは中盤で行い、ここで初めてキラは積極的に行動すると決意。MS乗る。

↓チラシの裏↓
更にその後、やりとりをヲチしていたデュランダルの指示でクルーゼ釈放。
「彼はここに来てやっと自分の目標を決めた。しかし、君はそれでも彼とは相容れぬのかな」
問うデュランダルに、クルーゼは仮面をつけながら答える。
「当然だ。しかし私にも、彼が考える時間を与えてくれたおかげで、違った考え方の存在を認識する余裕が出来た。
 だからこそ今度は試すのだ。私の意志と彼の意思、どちらが強いのかを、な」
「今でも……人類に絶望しているかね?」
「ああ。だが、もしかして私は自分を騙していたに過ぎないのかもしれないな」
最終決戦にてMSに乗りながら艦隊に指揮を出すクルーゼ、彼を追うキラ。
「退いてくれ! あなたが戦うことにもう理由なんて無い!」
「違うな! まず第一に私は今また軍人だ。味方を勝たせねばならない。
 そして第二に、私と君の理想の世界はいまだ対極にある。君が意思を明確にした以上、
 私はもう一度確かめねばならない――どちらの思いがより強いのかを!」
結局キラが勝つ。行動不能としたプロヴィデンスのコックピットを開くと、クルーゼは死に掛けていた。
「どうして……まさか、コックピットにダメージが?」
「いや、もしそうなら私の勝ちは疑いようも無いが……残念ながら、『寿命』らしい」
クルーゼ死亡。
284通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 16:55:24 ID:???
メインというかシンが出てこないんだな
285通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 00:53:53 ID:???
地球にいるということは連合の支配下ということだし、キラとの面会の場がない。
オーブで拘置されることは無いし、連合支配下だとネオとクルーゼ二人コントロールしそう。
ザフト投獄の場合は軍内の犯行だから銃殺、極秘の任務担当かギルバートの支配下。

新キャラ目立たせるためにキラは地球にいた方がいい。
逆にドラグーンが使えると知られているクルーゼは宇宙だけの方がいい。
キラは劣勢だったら活躍が全くないわけでもないし、クルーゼはMSで目立たなくてもトークで目立つから大丈夫
286通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 13:24:36 ID:???
>>285
漏れの脳内ではザフトの地上基地の一角に拘置されてると言う設定で
イザークや痔と同様デュランダルの意向で銃殺は免れるが罪が大きいので投獄と。
もちろんデュランダルはすぐにでも旧友を外に出してやりたいがそのためには議長権限が必要で
議長の座を射止めるため選挙活動に専念。
空白の二年間、キラは足繁くクルーゼの元に通い続ける。
で、その後政権取ったデュランダルがクルーゼを解放し戦争スタート。

上のでは解りづらかったと思うので時系列をば。

CE71 大戦終了、クルーゼ投獄。シンの家族、キラの誤爆で死亡
CE72〜73初頭 キラ、頻繁にクルーゼと話しに足を運ぶ。デュランダル選挙活動。
シン、ザフト軍養成学校入学。
CE73 デュランダル議長就任。クルーゼ解放、地球軍宣戦布告

まあこんな妄想考え付くのって俺ぐらいだよね
長らく新シャアに居るとだんだんクレイジーになってくる
287通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 20:44:40 ID:???
ザフトの基地にクライン派のキラが行くのはちょっと無理がある。
あえるのはせいぜい1〜2回、しかもカガリの視察の護衛とかでないと一般人は基地内の施設に入れないと思う。

直接行くよりネットのやりとりのほうが簡単かもしれないし・・・・。
ヒトラーみたいに待遇がいいという設定で。

でも、クルーゼの情報流出行為は表に出ていないから戦犯扱いされること自体無理がありそう
288通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 20:45:00 ID:???
どう考えてもシンがザフト入ると旧キャラが敵対しちゃうからもったいない。
新キャラだけだと新しく設定考える必要あるし、めんどくね?
オーブ入隊でええやん。
あとやっぱシンって普通のコーディ設定?
289通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 22:22:42 ID:???
>>288
シンオーブ入隊に同意。
最初から連合とザフトと敵対してないといけないけどね。

普通のコーディでしょ、マユと血のつながり無くなるし、年齢とあってないし・・・・
290通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 23:55:04 ID:???
>新キャラだけだと新しく設定考える必要あるし、めんどくね?
いやそっちのほうがよっぽどめんどいだろw
元々あった陣営設定を無くして新キャラ排除だと「種死書き直し」にならない

そこまでして無理に旧キャラと絡める必要はないんじゃないか?
基本はデス種アニメの流れに従ってそこにZ形式で旧キャラをチラホラと関わらせ
このスレだけの設定であるクルーゼは主人公シンの近くに配置しておいて
前作での思想的強キャラ(=前作主人公が答えを返せなかった)クルーゼに答えを提示
なんてのが個人的には理想なんだが
291通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 00:03:18 ID:TTGCA77/
このスレは新シャアの希望の星ですね。
292通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 01:06:47 ID:???
スレの前提がシン主人公ミネルバ組、なのに、なぜクルーゼとキラのことばかりに話が行くのか。
キラとクルーゼを中心に種の未来を書きたい人は、別のスレを立ててそこでやってください。
293通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 14:01:03 ID:???
種死の書き直しには色んなところに亀裂が入るし、話がそれるのはその方向(キラとクルーゼ関係)が重要課題(すくなくとも書き込みしている人は)だという現れだと思う。
ひとつひとつ、話を煮詰めていくのも大事だと思う。
いまは、たまたまキラとクルーゼの関係と言うことと理解している。

シンのオーブ入隊は、話が>>1の趣旨に反するから新スレ立てた方がいいかな・・・・・
シンの処遇が2つある時点で1つのスレではカバーしきれないみたいだし。
294通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 14:57:22 ID:???
何この糞スレwww
295通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 21:31:49 ID:???
ほーら、要らぬ話するからたたかれた!
296通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 23:11:40 ID:???
クルーゼはなぜか生きていた。で、議長の下で暗躍。なぜ生きていたかは、ムウが生きているので不問。
種死第一話と同じところから話が始まり、アスランはザフトに復帰せず、シンとカガリは互いに成長するため
ぶつかり合い、でいいんじゃまいか? なんでキラの話がでてくるんだ???? クルーゼが生きていて一番困るのは
キラとラクスだろ。自分達がやった泥棒行為、全部クルーゼに押し付けてのほのんと生きてるんだから。
それともフリーダムはきれいな核で、クルーゼが連合に流したNTJCの情報は汚い核?????
297通常の名無しさんの3倍:2006/03/32(土) 23:55:02 ID:???
クルーゼとキラの関係に対する話が何度か出てくるのは
「シンが主役」だという前提が霞んでしまっているからなんじゃないか?
とりあえずこのスレ内での「主人公」シンと「根幹」クルーゼの関係をしっかり固めておかないと、
どうしてもこのスレの大前提であるクルーゼに視点が来てしまう部分はままあると思われる。
前作ラスボスクルーゼ&前作主人公キラの消化不足極まる因縁が気になる・・・という人もいるだろうから。

クルーゼとシンの関係に関する案は今のところ
・カミーユとクワトロ
・前作のキラとの関係と同じ「主人公の敵・ラスボス」
・全く接触なし
クルーゼ自身の立場も
・罪人としてどっかに拘置
・ミネルバに乗っているシンの上官(or同僚)
・突然現れるお助けマン(デス種キラの逆)
・議長の部下Aとして暗躍

と一向に定まらない
とりあえず決まっている事が
「クルーゼが生存」&「シンが主人公」だけというのが辛いところだ・・・
298通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 02:10:15 ID:???
>>297
一番辛いのは仮面を着けるか着けないかが決まっていないことだな
299通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 02:52:17 ID:???
>>298 仮面はつけるに決まっている。ひとつのガンダムに二人の仮面キャラは要らないので、
ネオはもととぜんぜん違う顔に整形されたということで。

自分はクルーゼは議長の秘密の部下でお助けマンがいいと思う。シンたちと接触時間が長いと、
レイが気がついてしまうし。議長とクルーゼで人類の未来にいろいろ暗躍してほしい。
エクステンディッドを作るロゴスは敵として、ナチュとコーディが共存できる世界をつくるという方向で
話を終わらせるためには、どういうラスボスがひつようなんだろうか。
300通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 08:28:33 ID:???
ラスボスは・・・・・シンが主役で、コーディとナチュの融和の為に議長達が頑張るという、
通常あるべきだった姿から考えれば、ロゴス側のネオで良いんじゃないか?
ネオをAAに持って行く必要ないし、そもそもAAはメインに出す必要がない。

本編通りにAAラクス組を出張らせるなら、それこそラクス=ロゴスとして
ラクス組が最終ボスという形でも構わないんだが。(やってることはロゴスだし)
301通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 16:34:34 ID:???
何が悪で何が善なのかという話にしてしまうと本編と変わらないので
難しいが悪役も正義の味方もいない話にしたいな
ラクスは上で出てるような巡業歌手でいい
デュランダル議長はただの「いい人」だとそれはそれで面白味がないw
シーゲル思想の過激な後継者か
人類の未来を憂い過ぎるあまり運命計画に逸ってしまうアニメ通り(悪役描写は無しでw)でもいい

ラスボスがネオというのは個人的に面白い
ロゴスの操り人形である連合の現状を苦く思いながらも
デュランダルの作る未来にも、未来にも居場所が無い強化人間達の為に
あえて連合の犬としてシンの前に立ちふさがるとか
ステラ絡みで因縁も話も作ることが出来るし、完全な悪にもならない

クルーゼに関してはお助けマンで議長の部下、に賛同
前作で「あーあ人類ダメポ」な結果になったクルーゼに
いやそれは違うぞまあ見てろニヤニヤとデュランダルが協力を要請
何らかの形でシンとだけ時々接触させりゃいい
302通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 17:49:57 ID:???
「まあみてろ」でデスティニー計画発動?
あんなのにクルーゼが乗るとは思えんが…

遺伝子レベルで人の人生の役割を・・・みたいなことを
遺伝子的欠陥で苦しんでいるクルーゼに手伝わせるのか?
書き直し議長って無神経な奴なのか?
しかもクルーゼはレイのように子供の頃から議長色に染め上げられている訳じゃないぞ
303通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 17:52:50 ID:???
ディスティニープランの元みたいなもん見せて
「どう思う」って意見聞くとか?
304通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 17:58:17 ID:???
完全に賛同していなくてもいいんじゃないか?
それこそ議長のプランがどういう未来を示すか興味あるとかでもいいんじゃ
305通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 18:14:29 ID:???
>>303
う〜ん
「却下」って一蹴されるのがオチのようなw
あのプラン自体幼稚で強引な感が否めないからなあ
屁理屈野郎クルーゼを議長の下に従わせるならプラン自体変えないと無理ない?
つーかあのプラン必要?
確かにレイが議長のプランの為に骨身を削っているのって
かわいそうに思ったよなあ
本人はその遺伝子の欠陥のせいで寿命すら短いって言うのに
負債めまたこんなシナリオで!と思わなくはなかった

って、そこまで拘らなくてもいい?w
306通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 18:18:50 ID:???
>>305
うん、だから議長がクルーゼに知恵借りる感じで
違う「ディスティニープラン」にしちゃえば
整合性とりやすいかなと思ったんだよ。
プランはあるけど中身が違うって事。
307通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 18:45:46 ID:???
なるほどね
じゃあいっそ「ディスティニープラン」=議長の全人類チェス派計画ってのはどう?w
「ナチュラルはロゴス殲滅によってBCさえ落とせば人心掌握はたやすい。
 私が人類の全てをチェスの駒のように動かし、争いのない世界へ導こう。
 私こそが全人類の  運  命  なのだ!」
そういうエキセントリックな個人的野望のほうがクルーゼが時折皮肉を言いながら
ニヤニヤついてくると思うんだよねえw
で、そのうちプランを知ったシンとレイが、
「ギル、そのプランには大きな欠陥があります」
「あんたが死んだあとはどうなるんだぁぁぁっっ!!!」
と言って謀反
キラとラクスが
「そうですわ!独裁するなら若いこのわたくしでなければ・・・!!」
「だよね、ラクス」
アスラン呆然
シン
「それも違うだろぉぉぉっっ!!!」
と三つ巴の戦い

そして戦局はさらに混戦を極め人類は疲弊し・・・・・・ダメじゃんw
308通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 18:49:29 ID:???
ごめん

「ディスティニープラン」=議長の全人類チェス派計画 じゃなくて
「ディスティニープラン」=議長の全人類チェス化計画
309通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 19:03:20 ID:???
>>307
結末はダメだがワロタw
呆然としているアスランが目に浮かぶ
310通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 20:00:20 ID:???
余談だが、某スレでは
ディスティニープラン=職業斡旋
だったりした。
311通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 22:13:16 ID:???
っていうか、設定部の発言で、デスティニープランは単なる「職業斡旋プラン」
だったんだが。

それに、ラウやレイは、寿命が短いっていうだけであって、優れた能力を持っている
大事な人材だぞ?
死のタイムリミットがわかっている状況は辛くても、わかっているからこそ
出来ることがあるんだよ。

ラウの演出方法がどう見てもおかしい解釈なので、クローンについて誤解してる
人が多いんだろうなぁ。
312通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 22:36:56 ID:???
できる能力があるからって…
でも議長っぽい意見だね
レイもラウもやっぱりカワイソス
313通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 23:31:11 ID:???
自分なりの解釈なんだけど、クルーゼと議長とレイって「人が変わらなければ世界は変わらない」ということに気づいていた3人だったと思う
クルーゼは今のままでは滅ぶと訴え、議長は人の本質は変わりはしないと諦めてDプランで変えようとし、レイは諦めつつも人を信じることをやめられなかった人だと思ってる
人によってかなり見え方に違いがあるだろうけど…
クルーゼがDプランに賛同するとは思えないけど人を変えようと具体的な案を出した議長には、その場しのぎしかしてこなかった人類とは違うものを見ていたんじゃないかと思う
お手並み拝見ニヤニヤっていう位置がクルーゼっぽい
314通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 02:25:41 ID:???
話トン切りすまん。種シリーズでは連合側にまともな考えを持った人がいなさ過ぎると思う。
ブルコス思想が強いとはいえ、もっと違う考えの政治家や軍人がいるはずで。話の最終的な
持って行き所は、ナチュとコーディの融和、もしくはつかずはなれずどう付き合っていくかだと思う。
シーゲル・クラインのコーディとナチュが通婚して、最終的にコーディはいなくなるというのは前者。
だがこれはコーディからの考えで、ナチュから見れば、数世代先の子孫が、どれだけコーディの血を
引いているかで優秀さが決まるというような不条理なもの。だから連合に後者(つかずはなれずどう付き合っていく)
の考えを持った政治家がほしい。基本的にコーディは宇宙、ナチュは地球、オーブのような共存国家もありで、
ナチュとコーディはお互いのことに立ち入らない。たとえば、生殖率を上げられずにコーディがプラントで滅んでも
関係ない、というような。
315通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 12:43:30 ID:???
自分はコーディ側に立って考えてるので、シーゲルのプランを支持している。
コーディの血の濃さによって優劣が決まるというのは、現在でも似たような
状態だと言えなくもない(IQが高い両親の子は高い、など)し、能力の優劣は
教育環境によっても異なるので、不公平だとはそれほど思わない。

というよりも、コーディが外宇宙に全員出て行って、完全にナチュラルと
別世界で暮らすという展開になるなら別だが、あの近い距離にいる状態で
完全別離状態ってのは、種死までの世界と変わらない=憎しみあう気持ちを
取り除く事なんて出来ないから、また戦争が起こるだろう。
(お互いを知ることがなければ、見下し意識も嫌悪感も解消することがない)

デュランダルの場合、コーディの出生率の低下に誰よりも危機感を抱いていた
と思うから、ナチュラルとの融和政策を考えていたはずだと思うがな。
それがなんで運命プラン導入に繋がってしまったのかは、謎だが。
いきなり通婚奨励しても「人々が自主的に願わない限り意味がない」ので、
お互いを知ることから始めようというプランだった・・・?

そもそも、オーブですらコーディとの共存がうまくいっていたのか
疑問が残る国家だった(同等に認められていれば、隠れコーディなんていう
存在がいないはずでは?)から、あの世界の意識を変革するには、それこそ
夢物語的な大胆なことをやらない限り無理なのかもしれない。

SEEDは、最終的に「シーゲル・クラインの思想」が広まるべきだという
話じゃないのか?
・・・そうでない限り、こんなコーディにとって絶望的な設定作って
どうするんだということになるぞ。
種だけならともかく、種死でさらに絶望的な情報が与えられてるんだから。
316通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 14:23:09 ID:???
>>314
嫁が「ナチュラルより頭のいいコーディ」を書けないばかりか「現実世界の一般レベル」
の思考力を持つキャラクターさえ描けないので必然的にナチュラルをバカに仕立て上げて
コーディの頭がいいように見せかけてる訳です。
「現実のナチュラル以下のコーディ」と「それにすら劣る種ナチュラル」しかあの世界には居ません。
317通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 15:43:52 ID:???
まぁファーストも地球にはロクな政治家いないし。あながち嫁だけが無能ってわけじゃあない。

はじめて死に直面して生に執着するようになったクルーゼも面白そう。何故かオーブにいたり。
318通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 15:49:13 ID:???
スレ違いかもしれないが小説版五巻が出ましたよ。

注目すべきはキラの心情を表した一文。
デュランダルの示す世界に対し、奴は

「混沌の中でもがき苦しむ世界。キラはそれを愛しいと思った。」

……悪魔だ!鬼畜だ!人外だ!
こいつは救えないんじゃないか?いや、救っちゃいけないんじゃないか?w
319通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 17:46:02 ID:???
>何故かオーブにいたり。
warata
320通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 17:53:48 ID:???
クルーゼ「嫌だ、嫌だ、死ぬのは嫌だ!」
321通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 17:57:22 ID:???
>>320
若かりし頃には、彼にもそうやってあがき苦しんだ時期があったのかもしれない
322通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 20:41:50 ID:???
そして「人はいずれ死ぬものだ。特に戦争に従事する者は」
とか吹っ切れる、と?
323通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 21:55:00 ID:???
狂うぜ「命なんて安いものだ。特に俺のは」
324通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 22:03:39 ID:???
「命なんて安いものだ。特に私のはな」
じゃね?
325通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 22:31:27 ID:???
それどんなヒイロ・ユイ?
ってか俺のせいで微妙に脱線した?
326通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 23:12:24 ID:???
話を戻して、ナチュラル側にブルコス以外にいろんな対コーディ観があるというのは、いいと思う。
種シリーズ二作とも、コーディが主人公で、ブルコスのおかげで全滅戦争をしかけるナチュが悪役になって、最後は
ラクスのテロで決着だし。ナチュラル側に現実的な考えを持った政治家がいて、クルーゼが生存していて、まともなDプランを議長が示せれば、「とにかく自由!」
のテロリストが介入する余地はなくなると思う。

あの世界、宗教は滅びたことになっているが、ブルコス思想は一神教ファンダメンタリズムが元だろう。
同じ根から、「コーディネーターは親が虚栄心から遺伝子操作をしてしまって生まれた被害者の一族」という
考えもありそうだ。
327通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 15:42:25 ID:???
先生!
ファンダメンタリズムって何ですか?
328通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 19:51:28 ID:???
「アストレイなんて認めない!」
329通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 11:23:23 ID:V310/RD1
保守
330通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 13:29:41 ID:???
豚は凸をシャアポジにしたいんだろうけどクルーゼのほうがまだ近いよ
運命でシンとクルーゼの共闘に期待していました
331通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 13:59:21 ID:???
キラはシロッコ
332通常の名無しさんの3倍:2006/04/07(金) 01:24:20 ID:OaxsJVpN
このスレ死んでなかったのか
ネトゲage
333通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 18:23:51 ID:???
難しく考えず単純にカミーユとクワトロでいいんじゃね?
クルーゼにクワトロ要素である「ヘタレ化」をブチ込んで
前作以上に絶望しきって無気力、本来の我の強さも消し飛び
人類ほんとどーしょーもないわとがっくりきてるときに
シンに喝いれさせて心機一転、シンの未来を見届けるため共に戦う。

クルーゼのようにねじ曲がりまくった屁理屈屋は
シンのようなガツンと本能と本音と衝動のみでぶつかってくるような
良い意味でも悪い意味でもバカで熱い一本気なお子様には弱い。
冷めた野郎が熱血主人公と衝突→こいつはアホだ、だが悪くはない→共闘
と一昔前の少年漫画ではこういう王道がまかり通っていたのだよ。

絶望野郎クルーゼの悲しい屁理屈を熱血少年シンで薙ぎ払え
334通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 21:08:36 ID:???
薙ぎ払うと言うより、屁理屈が通じないだけな其ガス
335通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 23:24:51 ID:???
通じないというより、クルーゼの屁理屈についてこれんだろw
336通常の名無しさんの3倍:2006/04/09(日) 01:14:01 ID:???
ニート化クルーゼか…
337通常の名無しさんの3倍:2006/04/10(月) 21:24:24 ID:???
ほとんど滅びかけのスレだが一応
外伝での変装クルーゼを再利用してほしいな
あれだったらデュランダルもレイも誤魔化せるし
(レイがクルーゼに感応するという設定は今のところ無い)

なにせ誰もがあの変装クルーゼをデュランダルだと思いこんでいたほどの完璧な変装だ!
デュランダルの部下になっていようがミネルバに乗っていようが
敵対しようが共闘しようが誰にもわからん
338通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 01:25:54 ID:???
漏れは台詞からクルーゼだと思ったがな・・・。
339通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 00:49:38 ID:???
俺の案が廃案されて以来書き込んでないんだが、やっぱり別スレ立てた方がいいのかな
340通常の名無しさんの3倍:2006/04/15(土) 11:41:29 ID:???
廃案されたのってどれだっけ?
超個人的な見解だが、
このスレは書き直しが実現しなくても、こんなのはどうかあんなのはどうかと
皆で意見出し合って想像と創造過程をを楽しむスレだと今は思ってるよ。
ここの要望全部聞いていると、かなり高度な話になりそうだからw
でも>>339が書いてくれるなら読んでみたいよ!
341通常の名無しさんの3倍:2006/04/15(土) 20:32:29 ID:???
携帯からでぶつ切りになるけどいいか?
342通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 00:21:57 ID:???
携帯から…!
根性あるなあ!!
個人的には読みたいよ!
スレはここでいいか、別スレがいいか、
他の住人さんの意見も聞きたいね。
343通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 01:27:21 ID:???
まずはレス番教えてくれ
これイイって思った奴かもしれんし
344通常の名無しさんの3倍:2006/04/17(月) 17:13:25 ID:???
あげ
345341:2006/04/17(月) 19:27:00 ID:???
346通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 08:05:51 ID:???
おれは>>339

廃案されたのはシンがオーブ軍からという設定なんだけど
レス300あたりかな
347通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 09:44:02 ID:???
オーブ軍じゃ、シンのメンタリティが全く違ってくるじゃん。

前作と反対に「主人公がザフト側の職業軍人」ってのが、
「元々の種運命」のコンセプトだっただろ?(放映前の説明な)
オーブのアンチテーゼにもならないし。

オーブ主役にしてどうするの? Zを下敷きにする必要があるの?

あくまでも、「種死」が、クルーゼが生きていたらどうなるか、という話だろ。
クルーゼは主役ではないし、キラもアスランも主役ではない。
シンとその仲間のミネルバ主体に考えるべきなんじゃないのか。
348通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 16:50:59 ID:???
キラが最初に戦場荒らし復帰して、その次の戦闘までに議長から「対フリーダムのスペシャリスト」ってことで
謎の仮面男が送られてくるってのはどうだw
レイが違和感を覚える描写を頻繁に入れつつ。
349通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 17:19:44 ID:???
>>347
だから、「新スレ立てた方がいいかな」といっている。

どのみちギルバートがいる以上ザフトが最後に勝つことが出来ないし、
裏切りネタ(ザフト→オーブ)も種とかぶる。

「主人公がザフト側の職業軍人」というコンセプトを守るのも大事だが、書き直しだからコンセプトを変えてもいいんじゃない?

それにどうころんでもミネルバ主体になると思うけどな
350通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 18:41:01 ID:???
何でギルバートがいるからザフトが勝つことが出来ない、のか
わからんな。裏切りネタって、誰が何故裏切るんだよ?

オーブネタが否定された頃に、ロゴス側がラスボスでいいだろ、
となってただろ。ネオがムウというネタを別に入れなくて良いし、
ギルバートは悪役じゃなくて良いだろうに。

それこそ、種のテーマであるべきはずだった「ナチュラルと
コーディネイターの融和」を目指しておかしくないキャラは、
ギルバートなんだから、運命プランは出さないor別物にすればよい。

というか、ラクス側を正義と描きたいなら、本編と変わらない&
クルーゼがいる意味が何処にもないと思うんだがな。
351通常の名無しさんの3倍:2006/04/18(火) 19:52:50 ID:???
>>348
仮「相変わらずだなキラ君」→キ「あなたは!?」→シンレイルナミネルバ「「「いまだ!」」」→撃破
ラクス戦法きたこれ
352通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 01:16:27 ID:???
>>350
ロゴスが悪役じゃなくて、シンの最終ボスがスティングってだけじゃなかったっけ?
連合のレクイエムで最後まで引っ張れないと思うし、引っ張るとしてもスティングでレイシンあいてにするの?
機体持ってるオーブが最後連合についたら種の意味なくなるし、そうなるとザフトvsロゴス&オーブ?

べつにラクス側がしゃしゃりでなくてもいい、
むしろ、ザフトに襲われずにオーブ戦以外出れないようにしたほうがいい。

オーブネタはおれ個人の嗜好だとしてもオーブが種を踏まえて中立として描かれた場合、連合vsオーブvsザフトの図式になる。
そうなると主立ったパイロットのいないオーブにシンをおくのが妥当と思った。

クルーゼが蚊帳の外で本末転倒なのは認めるがな
353通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 01:31:10 ID:???
全然まとまってねぇwww
354通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 12:37:51 ID:???
だから、なんでシンをザフト、ミネルバから離す意味があるんだと。
ラスボスはスティングじゃなくて、ネオで。(これも前に出てたよな?)
AA拾われは全く意味ないイベントなんだから、最後まで連合。
「ロゴスvs融和を説くプラント」これで何の問題もないはずだろ?

オーブの扱いなんかどうでもいいって言えばどうでもいい。
あの国、実質的には中立なんかじゃなくて、ロゴスだったじゃないか。
オーブ軍にパイロットがいないって・・・キラは?
(出すとしても、馬鹿みたいな機体&補正は無し。パイロットの腕だけで
どれだけやれるかという描写必須だが)

まぁ、ラスボスがネオだと機体をどうするのか&レイの相手は誰にするのか、
色々ややこしくなるだろうが・・・機体性能に頼ることなく、レイvsキラ
だったら、それはそれで面白そうだ。

第一、オーブが中立とかいって、自分の娘やお気に入りだけ逃がして、
国民の事を全く考えないで、自己満足の自殺なんかした為政者がいたオーブに、
どうしてシンが居なきゃいけないんだよ。
見事にスルーされたまま終わったが、これこそ種の気持ち悪い所だったのに。
理念の方が国民よりも大事だなんて、あり得なさすぎる。
シン個人の問題じゃない、オーブの一般市民の代弁者としてのシンが
必要だったはずなんだ。
(何故か種死でアスハ一色に染まったオーブでは意味ないが・・・)

シンが主役なら、根本的設定を変えるなんて案はありえないな。
クルーゼが生きていれば、という前提が本末転倒だとわかってるなら、
普通に「オーブが中立を貫いて、世界を平和にしたお話を作ろう」
というスレでもたてれば?
355通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 15:41:08 ID:???
>>354
「ありえる」「ありえない」はこの場で>>354が決めることではないだろう。
人に勧めるのもいいが、いっそ>>354自身が満足のいくスレを立ててみたらどうかな?
356通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 16:22:05 ID:???
まあクルーゼが生きていることに大きな意味がなければ、
このスレでやるのはスレ違いだろうと思えるな。
357通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 16:35:22 ID:???
オーブ:キラ、アスラン、トダカ他カガリ親衛隊+オクレ落とした三人組
ザフト:シン、レイ、ルナマリア (ゲスト:イザーク&ディアッカ、ハイネ)
連合:ネオ、オクレ、アウル、ステラ、他強化人間多数

わざわざシンをオーブに持ってかなくてもMS抜いても戦力バランスは十分だべ
そもそも一発逆転確実の種持ちは分散させておくに限ると思うんだ・・・
オーブにシンが行くと負債補正抜いてもパワーバランスガタガタ
レイとルナにそんなに強いイメージがないってのもあるが
実質ほとんどミネルバではシンが1人で頑張ってたんだし
カオスアビスガイアエグザス相手にレイルナではあんまりにも可哀想なんじゃないかと

まあ「シンをオーブ所属で種死書き直そうぜ」でスレ立てたらそれはそれで面白いかも
オーブには前作主役格4人が揃っていて、しかもアスランは堕落、キララクはNEET、カガリは敵だらけ

このスレに限るからこそクルーゼの生存設定を重視して欲しいというのは個人的願望だが
「シンが所属するオーブ主体、生存クルーゼ蚊帳の外」だったらそれはもうこのスレでやる必要はない
新たにスレ立ててみてはどうだろう?確実にこのスレより多く人が集まるんじゃないか?
358通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 16:38:19 ID:???
レイを最凶の悪役に設定してみてはどうだ。議長信者のフリをして実際は彼をも利用していると。
Lを殺されたニア&メロに近い心境かと思うので。

戦争で家族を亡くしたシンにはある一つの信念が生まれる。
それは「戦争のない世界こそ人類が最も幸福に生きられる世界」というもの。
『俺の敵、それは戦争の火種を撒く者』
一方メンデルの調査を免れた秘匿区画には、まだ膨大なアル・ダ・フラガのクローン胚が眠っており
レイ・ザ・バレルはもう一人の自分であったクルーゼの遺志を継ぎ人類文明を滅ぼすことを決意。
『俺の敵、それは世界』
レイの暗躍により次々と世に解き放たれていくクルーゼの分身たち。
レイ自身も「彼」の仮面を装着し、キラに挑む。
二人しか聞いていない閉ざされた回線の中で、黒い憎悪の結晶が吼える。
『俺は ラウ・ル・クルーゼだ!』

ただ「クルーゼが生きてたら」ってのとはベクトルが違う気もするw
359通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 16:43:46 ID:???
クルーゼが生きている&シンがオーブ軍で主役、というのは
接点がなさ過ぎて、「ありえない」と言ってるだけなんだが。

クルーゼと深い関わりがあるのは、レイとギルバートだが、
オーブにいるシンならば、この2人とも何の関係もないだろう。

シンが成長していくという過程を入れるのに、導き手は誰にするんだ?
シンの仲間&友人のポジションには、誰がなるんだ?
こんな根本的な設定を変えるぐらいなら、「シンがオーブ軍」なんて
ネタをここでやる必要がない。

「種死をシン主役で書き換え」を「クルーゼを絡めて」やる方向で
話を進めていたが・・・まぁ、普通に人気なのはオーブ側なんだろうし、
だからオーブ主体とか言われるのもわからなくもなかったがな。
360通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 16:49:52 ID:???
レイを悪役にするのも、全然ベクトルが違うだろう。
そもそも、クローンネタを誤解するような話はおなかいっぱい。
少なくとも種シリーズのクローンは、培養液クローンじゃないんだから。
361通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 18:51:46 ID:???
単純に アニメデス種の大まかな流れに「クルーゼ生存」というスパイスをふりかけてみた
でいいと思うんだけどなあ。
無理に議長を善人にする必要もないし、もちろんラクスを正義にする必要もない。
原作そのまんまに
デュランダルは人類の未来を憂いて運命計画ゴリ押し、逆らう者達の大量殺戮も辞さない鷹派。
ラクスは気に入らないものすべてを殲滅するテロリスト、オーブはその支援国家、ロゴスよりやばいターミナルも配下。
連合はロゴス=ブルコスの傀儡で無意味に虐殺したり戦火を拡大させまくる。

どうしようもない権力者ばかりの世界で
力はあっても権力を持たぬ一兵卒シンと、番狂わせクルーゼが出会いました。
でいーと思うんだがなあ……?
原作通り、コーディとナチュの関係はデュランダルがロゴスを利用して有耶無耶に…でも十分だと思う
362通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 19:58:52 ID:???
なるほど
この世に嫌気が差して世界を滅ぼそうとした男と
この世のことをあまり知らない、怒りと恨みだけでザフトに入隊したエリート新兵の
出会いというわけか

んでシンは途中までクルーゼに共感するけど
物語後半で人類を滅ぼす必要なんてないし
デスティニープランなんていらないって気付いて、それをに共感した仲間とザフト脱走して
全ての勢力を敵に回して、その戦いの中で一緒に脱走した仲間がキラやアスランに次々に殺されて
シンもとどめを刺されそうになるけど、最後の最後にクルーゼに助けられて
そのクルーゼも殺されて、信頼できる仲間や上司を全て失って
最終的にはボロボロ+精神崩壊なんてのはどうだ
363通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 20:58:26 ID:???
シンはラクシズにすべてを奪われ精神崩壊、ラクシズマンセー!
なら本編と少しも変わらないという現実w

かといってシンが正義というのも拙いが
364通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 21:03:44 ID:???
シンを途中で脱走させて傭兵にするとかダメか?
んで世の中ってもんが見えるようになってくるの。
365通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 21:07:50 ID:???
種死本編と大幅に違ってくる上、クルーゼとの接点はどう保つんだろう。

レイやギルバートには影響を与えないのかねぇ、クルーゼは。
366通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 22:33:33 ID:???
>>365
議長とレイにはもう十分すぎるほど影響与えてたからな
しかも議長においてはクルーゼ死んでからも傍にいたような感じだし
クルーゼ死ななかったらレイは世界を平和にしようなんて思わずクローンなりに結構平凡に生きたりして
367通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 22:37:05 ID:???
>>365
いや、ただの思い付きなんだけどね。
下手にシンの所属で悩むよりは傭兵の方が扱いやすいかと考えたの。
クルーゼとは雇われ先の敵だったり雇い主だったりでさ。
出すかわからないけど外伝キャラも出しやすくなるだろうし。
368通常の名無しさんの3倍:2006/04/19(水) 22:42:32 ID:???
>>366
うん、だから、生きてたと知ったら、違った影響があったかな、と。

レイがザフトに入るのを決めたのは、ラウが活躍していたからっぽい
(死んだ後に入ったわけではない)が、死んだと聞かされていたラウが、
何故かどこかにいるような気がする・・・と気づいたら、どんな反応するのか?
とか、まぁそういったことが気になったんだ。
369通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 11:17:43 ID:???
ただ、傭兵が持っている力は売るものであって、弱者を守るための力ではない。
シンの行動理念には合わないのでは? 議長のDプランが何かもよくわかってないし、
戦争は普通に連合とプラントが戦い、その中で変態仮面の屁理屈やレイたちとの友情、
ステラとの悲しい別れ(守るべきものと定めた相手を、多数の民間人の命のために殺す)
とかあって、最後は政治的に決着。プラントの完全独立、プラント、連合ともにナチュ、コーディが
共存できる世界になる予定、で終わるんでいいんでないの。当たり前の世界を作るための大変さを
シンは学んで大人になる。
370通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 12:55:27 ID:???
理想の種死に近づくような話にしたい。>>369とかなり似てるが…

シンがレイ&ルナ達と一緒に活躍しつつ(ルナはともかく、
レイが前半目立ったのは、宇宙のvsネオ戦だけって酷すぎ)
連合とプラントの戦争を最小限の被害で終わらせようと努力する。

しかし、被害を拡大している敵が、実はステラだった。
ステラ返還はそのままとしても、「戦わされているステラ」が
目の前に出てきてしまった以上、心を鬼にしても切り捨てなければ
ならない。このあと、どうにもならない無力感とか色々悩むだろうが、
そこはクルーゼに煽ってもらったり?それとも救いになる言葉があるか?
そこら辺は好みの問題だけど、まぁそんな感じで乗り越える。
(クルーゼが煽り系ならば、反対にレイが本編通り救い系になるな)

ギルバートは、クルーゼとチェス問答を生身でやってもらう。
クルーゼは、前大戦の結果&シン達の行動&ギルの政策(ラクス替え玉)
なんかを踏まえつつ、皮肉たっぷりに喋って欲しいね。

で、その結果、ロゴスのような「戦争を煽る勢力」を壊滅することに成功。
シン達の活躍はここまで。その後は政治劇のエンディング。
オーブも含め、もうこれ以上戦争を続けたくはないという世界的風潮に
なって、ナチュラルもコーディも共存出来る世界に希望が持てるように
なりました…が、ベターだと思う。救いのないEDは本編だけで沢山だよ。
371通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 19:31:37 ID:???
>>370
クルーゼが軍属でなく自由に行動できる立場だとして考えた。
議長との問答は
「ラウ、軍に戻ってくれる気は無いのか」
「友の頼みでもそれは聞けん。私は一度死ぬ事でやっと自由になったのだ」
とかやらしとけば(適当)
で、神出鬼没でどこにでも現れる。

直情的、熱血馬鹿のシンとクール系のレイという役割だったが
クルーゼはレイを更に老成させたような態度でシンと接触させる。
動機は、かつて見たことがないほど素直で一本筋な少年(ということに)と出会って
人類に絶望していたクルーゼが始めて個人に対し純粋な興味を抱いた、こんなところで。

見終わった後の視聴者だからこその考えだが、要は「主人公の感情的な行動に対する正論によるアンチテーゼを提示する人物」
が欲しい訳だ。
戦士としてシンを利用するために間違いを黙殺して肯定し続けるレイと、事実をただ
一辺の遠慮もなく示すクルーゼ……という対比が欲しいのね。

ステラ関連も、逃がすと決めた時にまずレイが「どんな命でも、生きられるなら…」で
手助けしてハッチを開けに行く。その直後何処からかクルーゼが出てきて(「どこから入ってきた!?」と言う)
「私は『やめろ』と強制することはしない。しかし、その行為がもたらす結果を良く考えろ。
その少女が再び敵として己の前に立つ時、彼女が味方をまた殺すとき、責任を取る覚悟があるか」
という問いかけ。シンは背を向けてコアスプレンダーで飛び立つが、その問いが頭から離れず。
ベルリンでの最悪の再会、そこでもクルーゼが民間の回線から戦闘中のシンに語りかける。
「眼下を見渡してみろ。この炎の海は、あの少女が作り出したものだ。男も女も、子供も大人も、
数え切れぬほどの―否、数字とするべきではない―命が失われたのだ。
 それを生み出したのはみなあの少女、そして彼女を解放したお前だ」
「違う! あれは…連合の奴らが、ステラを……」
「いい加減に目覚めろ。あの少女は人間ではない、只の“兵器”だ。兵器を愛する事をとやかく言うつもりはないが、
せめて己のなした事には責任を持て。……できるな、お前なら?」
泣く泣くシンはデストロイに特攻してステラを『救って』あげる、と。
372通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 20:08:34 ID:???
ああ、なるほど・・・そうやってまとめればいいのか。
クルーゼ、ちゃんとシンの気持ちも考えて良いこと言うなぁ。

でも、レイは「戦士として利用する為に〜」ってのはなくて
良いんじゃないか?
議長悪役前提じゃなく、しかもクルーゼと交流があるのなら、
そんなキャラにはならないと思う。
普通にミネルバのまとめ役として、シンのフォローをしてる
・・・と思うんだがな。
(友人だから甘くなる、ってのは少年キャラとしておかしくないのでは。
そこが、年齢も立場も別の、クルーゼとは違う所だと)
373通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 22:54:21 ID:???
>でも、レイは「戦士として利用する為に〜」ってのはなくて
良いんじゃないか?

賛成。議長のためにSEED因子の持ち主のシンに近づいたにしても、感情型のシンはレイのような沈着冷静な優等生
と友達になるタイプではない。アカデミー時代になんらかの少年らしい出来事があって、シンはレイを友人と思うように
なったんだと。
374通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 23:16:02 ID:???
>かつて見たことがないほど素直で一本筋な少年(ということに)
簡単に"ということに"はできんのでないか?シンは復讐鬼みたいな設定だろ?
復讐鬼同士で接してく内に客観的に復讐鬼の自分を見て双方or片方が復讐鬼から脱却してゆく
って筋はどうだろう
375通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 23:19:55 ID:???
シンレイルナはPASTの過去映像でも仲良さそうだし、スーツCDでは
普通の友人っぽい感じが出てたから、「きちんとした友人関係である仲間」
ポジションがいいな。

種って、キラとアスランが友人と言われても微妙だったし、へリオポリス組は
もっと問題外な扱いをされてしまってたし、まともに友人関係を築いているのが
いないんだよ。(強いて言うなら、イザーク&ディアッカなのか?)

レイは、素直に感情をぶつけてくるシンの存在が理解出来なくてとまどって、
でも「優等生で近づきがたい」と思わずに、そうやって接してくれるシン&ルナ
が嬉しかった・・・という、「少年としての一面」が欲しいな。
376通常の名無しさんの3倍:2006/04/20(木) 23:26:53 ID:???
シンは、アカデミー当初はPTSDっぽい感じになってたはずだと思うが、
そこからどうやってスーツCDのような馬鹿っぽい明るさを身につけたのか謎だ。

少なくとも、復讐鬼なんて感じはないぞ。
アスハの当主がああいった言動をしたから、アスハへの恨みがぶり返して
しまっただけだろ。あれは(未熟な少年としては)怒って当たり前の箇所だったから。
377通常の名無しさんの3倍:2006/04/21(金) 17:50:06 ID:???
シンが本当に復讐鬼だったのは
フリーダムにステラ殺されたときだけのような

フリーダムによる家族皆殺し設定(=キラのアンチテーゼ)が消滅した時点で
復讐鬼設定は無かったことになったようだし
オーブというかカガリに対する態度は、復讐や憎しみによるものではなく
民を犠牲にしてでも守った理念とやらの正しさを証明しろ!平和にしてみせろ!
という実はオーブ大好きなシンなりの訴えだと嫁がほざいてたし

クルーゼにしたって別に復讐鬼ではなく
NJCなどによって人類が選ぶ道を見極めたかったってだけ
人類が殲滅戦を選んだからじゃあお望み通り滅べばいいさwwになっただけで
378通常の名無しさんの3倍:2006/04/21(金) 17:54:08 ID:???
>かつて見たことがないほど素直で一本筋な少年(ということに)
むしろ「ということに」要らなくないか?
すぐ人の言う事信じるし(ある意味素直、言い換えれば単純)
行動は迷っている時ですら一本筋だ(自軍の正義に迷っても親友との約束の為に戦う)
379通常の名無しさんの3倍:2006/04/22(土) 08:04:36 ID:???
沢山意見ありすぎだな。もう諦めて、各人サイトでやれば?
380通常の名無しさんの3倍:2006/04/22(土) 22:29:24 ID:???
てか、統一見解出そうとするんじゃなくて、それぞれが思う形でSSでも書いてみたらどうや。
設定やシーンぶったぎりで並べられても仕方ないよ。
381通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 04:04:58 ID:???
それもそうだ。
スレタイのネタを別個に何人かが書いてるところって結構あるし。
382通常の名無しさんの3倍:2006/04/23(日) 22:06:11 ID:???
熱意を感じるしな。だれか短編でもいいから神が降りてくれないものか。
そうすればここも活気ずくはず。
383通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 21:49:44 ID:???
 最後の買出しということで、シンは目が見えなくなるほどの荷物を抱えていた。彼が配属された戦艦ミネルバが宇宙に出れば、アクシデントがない限り二ヶ月はプラント本土にも他の基地にも寄港しない予定だ。新兵のシンたちは、細かな私物をあれこれと買い込んでいた。
 突然、ふわりと目に入るものがある。金髪、白いドレス。
 気がついたときには荷物ごとぶつかっていた。
「だいじょうぶ?」
 この衝突は絶対に相手の不注意−−混雑する路上でドレスを翻しながら歩いていたのだから−−だと思ったが、転んだ女性に手を貸さないような教育は受けていない。
 しかし、体を起こした少女の手をとろうとしたシンの手は、見事に乳房をわしづかみにしていた。
「あっ、ごめん」
 誤る暇もなく、少女は立ち上がって走っていった。
「よ、ラッキースケベ」
 友人たちにはやしたてられながら、シンは右手に残った感触を忘れられずにいた。
384通常の名無しさんの3倍:2006/04/26(水) 21:50:50 ID:???
「人類を変えられるなどと思うのは、ただの学者の傲慢だよ」
「しかし、変えねばヒトは自らを滅ぼす」
 長い黒髪の男の視線の先には、金髪の男性の後姿。
「滅びればよいではないか。人類のエゴがこれまでに滅ぼした動物、植物、昆虫、人類に害を及ぼすからと根絶させられたウイルスや細菌がどれだけあることか。
そして足りない知性で人類の遺伝子を組み替え、結果有史以来最大の人種差別と戦争を起こす。技術に知性がおいつかない、厄介な生き物だよ、人類というものは」
「その厄介な部分を生むのが遺伝子。しかしその人間が持つ倫理観にあわせた生き方をすれば、世界から戦争をなくすことはできる」
 歌うようなバリトンの笑い声が流麗に流れる。
「それならキミは、政治家失格だな。このコロニーで作られた、そして現在も作られている兵器の数々。ただの抑止力ですむのかね? コーディネーターとナチュラルという、
人類史上もっとも醜い戦い、条約を結んだとて、いずれ再戦があるとお互いが思っているというのに」
「私が政治家失なのは覚悟の上だ。次の世代の、レイが大人になったとき、戦争のない世界になっていれば」
 金髪の男の肩が、ぴくりと動いた。
「さて、私はオーブのじゃじゃうま姫のお相手の時間だ」
385通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 00:14:03 ID:???
わーい、職人様がいらっしゃった!
クルーゼとデュランダルの「らしい会話」がすごく嬉しく思える。
大変かもしれませんが、頑張って下さい!
386通常の名無しさんの3倍:2006/04/27(木) 17:36:54 ID:???
携帯から書いてるのか?
改行が変で見づらい。
387通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 19:09:25 ID:???
すげー!>>385と同じような感想で申し訳ないが
議長とクルーゼ2人の言い回しが絶妙にリアルだw
脳内でばっちり再生されたよGJ
388通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 20:06:49 ID:???
横槍なんだけど連休中に書きたいと思ってる。でも情報源がTVしかないから
よく分かってないとこが多い。だから時折質問する。皆協力頼む。

ところでクルーゼは偽名を使う必要があるのか?見た限りではクルーゼは
命令にも背いてない(結果的に)し、キラがどれだけ叫んでも
所詮はニートorテロリストの戯れ言でしかないと思うんだけど。
そこら辺どうなってるの?

P.S.
職人さんGJ!
できればオレも続くよ。
389383:2006/04/28(金) 21:35:26 ID:???
 ブライアン・オチアングは密かにため息を吐いた。彼は、反対だったのだ。元首自らプ
ラントに乗り込むことに。
「オーブからの移民者を、オーブで習得した技術を使ってこうした武器の製造にかかわら
せる。デュランダル議長、あなたはこの状況をどう思われているのか?」
 オーブ元首カガリ・ユラ・アスハの声がザフトの工廠に響く。
「先の大戦のあと、オーブから多くの移住者がプラントにやってきました。彼らは自分の
生活のために、持った技能を使っているのです。姫が元オーブ人の研究者や技術者と守秘
義務について交わした契約書をお持ちでしたら、対象者の状況を追ってお教えすることも
できますが、いかがですか?」
 オーブの国営企業モルゲンレーテに勤務していたコーディネーターのほとんどが、コー
ディネイター国家である宇宙のプラントに移民した。反コーディネーターの連合に蹂躙さ
れたオーブでは、将来どんな弾圧を受けるか分からないと判断したからだ。そしてオーブ
を支えてきた技術は人的資源とともにプラントに流出し、今のオーブは大西洋連邦の資本
で復興している。
 首長会議では連邦の圧力に誠意を見せるために特使を派遣すれば良いという意見が多数
だったが、カガリが自分で出向くと主張したのだ。
 結果、カガリが秘書官のブライアンと護衛官のコヅカを一尉を伴っての訪問となった。
場所が新造コロニーアーモリー1、そして平気で工廠を案内するというのは、プラントが
二年前の大戦から立ち直ったとアピールするためだろう。新造のモビルスーツが並び、明
日は新造戦艦の進宙式もあるという。
 彼らを先導する金髪の若い軍人は、大戦を経験していないだろう。赤服のエリートであ
れ、若輩者が要人の案内役に抜擢されるというのは、ザフトの人手不足なのか、それとも
よほど優秀で議長に目をかけられている人材なのか、迷うところだった。
390383:2006/04/28(金) 21:35:41 ID:???
 そのレイ・ザ・バレルという少年に対して、コヅカ一尉が持った感想は、「軍人がちゃ
らちゃらと髪など伸ばして、軟弱者め」ということだった。もともと民兵組織であるザフ
トには役職はあっても階級はなく、軍服の色で大まかなクラスをあらわすだけであり、風
紀にも厳しくないと知ってはいても、長い金髪に碧眼の、美少女とみまごう美少年がエリ
ート軍人というのは、ナチュラルの彼には理解しがたい。
「モルゲンレーテが連合軍に襲われた時、書類はすべて燃えてしまった。しかし契約は書
類が焼失しても継続する」
 カガリが苛立った声で言う。
「証拠となる書類がなければ、プラント政府としては何の対応もいたしかねます。モルゲ
ンレーテ社が、プラントに移住した元社員と連絡がとりたいのであれば、広告を出すなり
していただかないと」
「なっ、あなたはオーブをバカにしているのか!?」
「プラントとオーブ、対等な国としてのお話をしているだけです、姫。私にはプラント市
民を守る義務があります。その中にはもちろんプライバシーも含まれます」
「その、姫というのをやめてくれ」
 子供扱いされているのが腹に据えかねたようだ。
「ここの兵器がすべて、プラント市民を守るためだけのものだというのか!? 強すぎる力
は戦いを呼ぶ!!」
 話がずれたが、これがカガリの正直な感想であろう。
 と、その時。
「奇麗事はアスハのお家芸だな」
 鋭く響く、まだ若い少年の声が工廠のざわめきを切り裂いて響いた。
「な、なに!?」
 カガリはうろたえ、声の方に目をやった。
 そこには赤服をまとった少年。そして、その瞳は、彼がコーディネーターであることを
如実に示している。カガリが生まれてはじめて見る赤い瞳、その中には瞋恚の焔が躍っていた。
「シン!」
 案内役の少年が、7,8メートルの高さがある通路からモビルスーツデッキにひらりと
飛び降りた。しかしカガリに暴言を吐いた少年は、足早に廊下に消えたあとだった。
391通常の名無しさんの3倍:2006/04/28(金) 23:12:54 ID:???
すげええ
職人さんすげえgjgj!
文字ぎっしりなのに読ませる文を書いてるのが素直にすげえ・・・

>>388
クルーゼのプラントにおける罪というのはNJC漏洩と国家反逆じゃないからキラは無関係。
ラクスの罪である「自由盗難」の罪を新政府によって被せられた、言ってしまえば
戦後そうやって戦犯として粛正された多くのザラ派の中の1人として扱われてるようだ。

この設定だけが戦後のクルーゼに関する情報なんだが、ぶっちゃけこの設定
ラクスの剣としてプラントの連中に広く知られているという設定を持つ自由を
「プラントから持ち出したのはクルーゼ」って時点でいくらでも弄くりようがある。
種お得意のラクシズの為の矛盾設定だが軽く捻ればクルーゼを英雄にだってできる。

それを弄くるのか、無視するのかは職人さん次第だ!GWまでwktkして待ってる!
とりあえず偽名は絶対に必要なものではないと思われる。
392通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 13:13:52 ID:???
30文字前後で改行するといい。
携帯なら3行。
40文字まで(携帯4行目まで)なら多分ぎりぎり。

続き、楽しみにしています!
393386:2006/04/29(土) 13:37:46 ID:???
うん、いい改行になった。GJ。

悪いね、小言を言ってるように聞こえるかもしれないが
一定の字数で改行してくれると目の移動が少なくて済むから、
読む方も目が疲れずにどんどん読み進めるわけで。

ところで偽名云々をば。
ここは小説でなおかつ基本設定と言うか前提を知ってる住人ばかりだから偽名キャラが出てもバレバレだとは思うが
仮にTV版でやるなら始めは別人を名乗ってたほうが「私はかつてラウ・ル・クルーゼと呼ばれていた」
ていうカミングアウトに衝撃を持たせることが出来る。

いやまあここでは結局偽名不要という結論だけど。
394通常の名無しさんの3倍:2006/04/29(土) 17:49:30 ID:???
親切に教えてくれてありがとう。じゃあ本名で通すことにするよ。
まぁ例え罪になってもイザーク達のようにデュランダルが弁護するってことで。

ところで実弾の着弾時の衝撃でパイロットにダメージって与えられる?
PSのMSでも流石に衝撃は無理だと思うし。
ダメージを与えられるんだったらMS戦の幅が広がるんだけど・・。
395通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 01:21:29 ID:???
>ところで実弾の着弾時の衝撃でパイロットにダメージって与えられる?
こればっかりは実弾の規模による。
ダメージの意味が「負傷」か「一時的な戦闘不能状態」なのかにもよる。

パイロットを負傷させるのはよっぽど特殊なケースでない限り無理だが
パイロットを怯ませ隙を作るのには一役買うだろう。勿論PS装甲が相手であっても。
実弾ではないが、キラシンアスランクルーゼなどが何度かやっていた戦法で
体当たりの勢いでキック→パイロットは衝撃によって隙が出来る→一気に猛攻 というのがある
特にクルーゼは紙装甲と名高いゲイツでPS装甲のストライク相手にこれをやってのけた。

とりあえずダメージは無理でも攪乱には十分使える。
396通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 01:34:15 ID:???
すまん。説明がたらなかった。オレが言いたかったのはジンやシグー
の装備しているマシンガンの弾のことだ。クルーゼの専用機の中でまともに
使えるのはシグーくらいしかなかったものだから・・。(プロヴィはドラグーンが
かなり破壊されてるし)
397383:2006/04/30(日) 03:42:39 ID:???
 オーブ側にとっては得るもののなかった視察が終わり、カガリたちはVIP用の応接室に

通された。プラントの議員を交えての外交委員会は明日開かれる予定だ。しかしブライア
ンには、もう先行きが見えていた。彼の祖父が東アフリカから移民して以来、彼の一家は
忠実で優秀なオーブ国民だ。彼もオーブ国立カレッジで法学を修め、大西洋連邦のハーバ
ード大学ロースクールで修士をとって、オーブの上級国家公務員として奉職している。留
学時代に知り合ったさまざまな国の友人とのネットワークを大事にする彼には、他国の高
級官僚たちが、オーブの独立は形だけ、資本と人材面から大西洋連邦の手に落ちていると
思っていることを知っている。
 先の大戦でオーブが連合軍に焼かれたあと、国を出たのはコーディネーターだけではな
い。大西洋や東アジア、大洋州連合などとの二重国籍を持つナチュラルも多く出国した。
そして今彼らは、オーブでないパスポートで入国し、そのパスポートの国の資本のために
働くのだ。
「カガリさま、明日の委員会での演説の草稿です。さきほどのデュランダル議長との会話
を鑑み、修正しました」
 プリントアウトを手渡す。
「ああ」
 機械的な返事。感情の勝った性格の彼女には、先ほどの少年の存在がショックだったの
だ。二年前の大戦のあとプラントに移住した元オーブ人が、すでにザフトのエリートとし
て前線に配備される。カガリはこの二年間、マスドライバーとモルゲンレーテを失ったオ
ーブを立ち直らせるために、オーブ中の島を訪問した。お飾りの元首と陰口を叩かれるの
は不快だったが、政治や経済の専門教育を受けていない彼女に出来るのは、残った国民の
心をまとめることだけだった。
 ただ、出て行った国民がアスハ家、ウズミのことを悪く言うなど、想像したこともなか
った。連合軍の脅しを敢然として拒否し、オーブの理念に殉じた父を誇りにこそ思え、そ
しる者がいるとは。
 カガリは大き目のフォントでプリントされた文字を、ぼうっと目で追うことしか出来な
かった。正式の地位を持って国外に出たのは初めてだ。プラントは外交儀礼に沿った対応
をしてくれるが、それだけだ。議長の滑らかな抑揚の利いた声、それが今のプラントを象
徴していた。


 インターホンの音に、コヅカ一尉が反応する。彼が拳銃を構えてドアの横に寄り、ブラ
イアンがの受話器をとった。
『先ほどアスハ代表の案内役を勤めさせていただいた、レイ・ザ・バレルと申します。無礼
を働きましたシン・アスカと申すものを連れてまいりました。もし、アスハ代表が彼の謝
罪を受け入れてくださるなら、ザフトの一軍人として幸いに存じます』
 そのシンという赤い瞳の少年が立ち去っていたので、金髪の少年は「必ず謝罪させます
ので、この場はお許しください」と言った。約束を守った、ということだ。
「少しお待ちを」
 ブライアンはそう言って受話器を下ろした。
 疑いたくはないが、カガリ暗殺の可能性もゼロではない。ザフトのエリート軍人二人が
ナチュラルの少女を殺そうとするなら、ナチュラルの腕っこき軍人と文官一人ずつでは荷
が重過ぎる。
 コヅカ一尉はその可能性を主張した。しかし、カガリは自分の命はそこまで重くないと
判断したのか、元オーブ人の少年に会ってみたいだけなのか、二人を迎え入れることを命
じた。
398383:2006/04/30(日) 03:43:07 ID:???
 扉が開いて、金髪の少年に続いて、黒髪の、一度見たら忘れられない緋色の目をした少年が続く。
 立ち上がって二人を迎えたカガリに、少年達はきちんと訓練された敬礼で返す。
 口を開いたのは、金髪の少年だった。
「さきほどは、このシン・アスカがカガリ・ユラ・アスハ・オーブ代表に対して無礼な物
言いをし、ザフト軍として恥じ入る次第であります。彼も後悔しておりますので、反省の
言葉をぜひともお聞き届けいただければ、幸いです」
 プラントの成人は15歳、カガリの親しい友人のアスラン・ザラも16で前大戦に出陣
した。ただこのレイ・ザ・バレルという少年は、プロトコールについてはプラント議長の子
息だったアスランより上を行っているようだ。
 一応カガリも姫と呼ばれる育ちなので、自分の礼儀作法は棚に上げて、相手がきちんと
しているというのは好ましく思うほうだ。
 シン・アスカと紹介された少年が一礼した。
「オーブの国家元首であられるカガリ・ユラ・アスハ嬢に対し、ご尊家への礼を欠く発言
をしましたこと、お詫びいたします」
 よく通る、まだ少年の声だった。
「しかし、ウズミ・ナラ・アスハが己の勝手な理念とやらのために、国を戦場にし、民間
人に数多くの犠牲者を出したことは許せません。自分の両親と妹は、フリーダムの流れ弾
で死にました。国は、元首は、国民があってこそなりたつものであり、その逆はありえな
いからです!」
 シンの真っ赤な瞳が燃え上がり、白桃の頬が紅潮していた。
 その目に射ぬかれ、カガリはつい呆然とした。
 オーブには国より国民が大事だと主張する政治家などいない。国体があってこそ、民が生きていける。首長たちはみなそう思っている。しかしこのコーディネーターの少年はそのオーブの国体を、あからさまにカガリの尊敬と愛情を集めて止まない父を否定した。
「このお、保険金だけもらってプラントに移民した乞食コーディネーターが!!」
 コヅカ一尉が殴りかかったが、それはするりとよけられた。そしてカガリとブライアン
が気がついたときには、シンの拳をレイががっちりと押さえていた。
399383:2006/04/30(日) 03:47:31 ID:???
これで第一話のAパートくらい分を書き終えたと思います。あとは、自分にとって美味しいとことを
つまみ食いしながら種死をいじっていこうと思います。
388さんがモビルスーツ戦を書かれるようなので、楽しみです。
400通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 08:42:50 ID:???
保守
401通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 13:28:55 ID:???
モビルスーツ戦と言うよりは、種死を全体的にクルーゼ生存+オリジナルストーリー
に仕上げようとしてる。かるくプロットを考えてるけど、ラストは昔どっかの
誰かさんが言ってた“大団円”になってる(今のところは)。
402通常の名無しさんの3倍:2006/04/30(日) 23:43:29 ID:???
レジェンドをプロヴィデンスのマイナーチェンジみたいな扱いにする事でパワーインフレを防げないだろうか?
個人的に、ストフリはマユスレよろしくフリーダムの武装チェンジ版みたいにして
隠者もぶっ壊れたセイバーのレストア、デスティニーはインパルスの隠された最終シルエットってことにすれば
どれも正直新しく出す必要が……って感じなんだけど。どうかな?
403通常の名無しさんの3倍:2006/05/01(月) 02:47:40 ID:???
こういうスレの強みは「磐梯の都合」が無いことだ
いっそ運命伝説和田隠者暁という後期MS群を全排除して
インパルス、ザク、カオスガイアアビス、自由、セイバーで一貫してみては?

それよりパワーバランスの悪さはデス種だからこそ職人さんの腕の見せ所じゃないか?
なにせ
「百発百中の虹色ビームが当たるのは動かない的だけ!」「名無し兵は盾を使わないし動かない」
「生まれつきの才能となにより寵愛がすべて」「経験と努力と知能と戦術はゴミ」
と、MSの性能云々よりも書き手の都合と個人的感情がでかいのがデス種ですよ
404383:2006/05/01(月) 14:08:52 ID:???
モビルスーツの扱いについては、書き手の自由でいいのでは? つーか私は自分の書きたいように書くよ。
今決めてるのは、レイは最初からセイバー、キラはムラサメくらい。永遠はザフトに、AAは連合に返還されてるので、
ストフリと隠者が出るとしたらザフト。扱いについてちょっと考えてるのはアスランだけど、彼はザフトには行かない。
でもモビルスーツに乗って戦うことはあるかもしれない、ってくらい。
405通常の名無しさんの3倍:2006/05/01(月) 19:59:22 ID:???
モビルスーツはもちろんのこと、種死の世界も書き手の自由でいいのでは?
ここでの必須条件はクルーゼが生きていることだけだし。
ちなみにこっちは運命たちを出す予定。何とかしてパワーバランスを調整します。

ところでデストロイって何で動いてるの?核ですか?
406383:2006/05/04(木) 01:17:57 ID:???
 アーモリーワンからカオス、ガイア、アビスを強奪した三人のテロリストは、コロニー
の硝子外壁に穴を開けると、そこから宇宙に脱出した。
 そして新造戦艦ミネルバが急遽発進して、強奪されたMSとおそらく近くにいるその母艦
に対することとなった。

 更衣室でパイロットスーツに着替えたミネルバのパイロットが命令を待つ間のしばしの
時間。

「あー、私、デプリ戦の成績、いまいちだったのよね」

「ルナは射撃全体がいまいちだったろ。参謀本部勤務でも希望してたほうが、向いてたん
じゃないのか」
 シンの言葉に、ルナマリアが向き直る。

「私はもし二年前の大戦が起こるようなことがあったら、前線でプラントを守りたいの。
コロニーは攻撃されたら、壊れるしかないんだから。逃げるところもない。宇宙空間じゃ
コーディネーターでもナチュラルでも一分と生きていられないんだから。敵の手がプラン
トに伸びる前に叩く。私たちコーディネーターが生き延びるには、それしかないのよ」
 きっぱりとした物言い、国を守る自負、さすがにザフトアカデミー成績上位10位に送
られる赤服だけのことはある。
 そこへレイが、現実を告げる。
「オレたちが出るのは実戦だ、演習じゃない。セカンドシリーズのMS、相手がどれだけ使
いこなせるかわからんが、さきほどの強奪の様子とシンとの交戦を見ると、そこそこ使い
慣れた程度には動かしている。つまり、次はもっと強くなる」
「死ぬかも、ってことね、私たちが」
「いや、俺達は死なない。所詮テロリストだ。背後に連合がいるにしても。相手を分断し
て、コクピットを狙い、機体を奪還する。そこまでしなければ、作戦成功とは行かない。」
 シンが両手を組み合わせて、強い言葉で言った。このMS強奪事件が戦争の引き金になる
こと、それがシンの最も恐れることである。ルナマリアの言うように、プラントさえ守れ
ば、民間人の被害は出ない。しかし戦場が宇宙から地球に降りた場合、民間人の犠牲者一
人も出さずに軍隊同士が戦争するというのは無理な話だ。だからシンは、この事件がアー
モリー1の小競り合いで終わることを望んでいた。
 と、そこにアラームが鳴り響く。
「第三次戦闘態勢、各パイロットは乗機にて待機のこと」
 パイロット達はハンガーに降りて、愛機の最終チェックを始めた。
 そして巨大なミネルバの戦隊が安定したころ、「6時方向に熱源反応、MS隊、発進願い
ます」CICにいるルナマリアの妹、メイリンの声が響いた。
「シン・アスカ、インパルス、出る!」
「レイ・ザ・バレル、セイバー、発艦する」
「ルナマリア・ホーク、ガナークザクウォリアー、行くわよ!!」
407通常の名無しさんの3倍:2006/05/04(木) 17:15:52 ID:???
連休前半忙しくてスレを見れなかったら、職人さんが書いたものが投下されてる!

カガリの周辺を丁寧に書いて、シンの怒りのわけも描写している、
あそこが「お父様だって」で流されたのが納得いかなかった自分にとっては、
かなり嬉しいです。
しかし、謝ると言って連れてきたのに、また暴言吐いてしまったシンを、
レイがかばい切れたとしたら、よほどすごい手段を使ったのだろうか。

それから、今回の投下分は、ルナの意志がはっきり示されていて、
ルナって本来こういうキャラであるべきだったんだよな、と改めて感じました。
このような話をするシン、ルナ、レイ達を、本来本編で見たかった。
408通常の名無しさんの3倍:2006/05/07(日) 23:08:20 ID:???
保守
409通常の名無しさんの3倍:2006/05/08(月) 16:46:52 ID:???
保守
410通常の名無しさんの3倍:2006/05/09(火) 23:30:31 ID:???
hosyu
411通常の名無しさんの3倍:2006/05/10(水) 21:47:35 ID:???
保守
412383:2006/05/11(木) 03:29:29 ID:???
 月軌道で敵艦(コードネーム・ボギー1と設定)及び、盗まれたセカンドシリーズのM
Sと交戦したミネルバだが、結局作戦は失敗に終わり、MSを取り戻すことも破壊するこ
とも出来なかった。
 戦果のない、ただ生き延びたことに感謝するだけの初陣のあと、ミネルバはデブリベル
トから起動を変えたユニウス7へと向かっていた。
 長期安定軌道に乗っていたユニウス7が、地球の重力に引かれて落ちる軌道に移ったと
いうのだ。もしユニウス7が落下すれば、地球には数千キロ単位のクレーターが出来、そ
の衝突で巻き上がる粉塵、海水などにより、核の冬が訪れる。
 それを防ぐために動けるのは、皮肉なことに宇宙を本拠地とするザフトの艦数隻だけだ
った。
 ユニウスセブンに向かう間、非番の仲間たちがレクルームに集う。シンにはアカデミー
時代から仲がよかった5人が同じ船に配属されていて、こういうときは気が楽だ。ただ整
備班に入ったヨウランとヴィーノが早いとこ腕を上げてくれと、自分のことを棚上げにし
て思うのであった。
 窓にはきれいに全円の地球が見えている。地球で月の満ち欠けがあるように、宇宙では
地球の満ち欠けが見える。知識では知っていたが、オーブを捨てプラントに移住するシャ
トルで目の当たりにしたときには驚いたものだ。
「ユニウス7が地球に落ちると、人類滅亡? それってもう攻めてこられないから、俺達
にとってはラッキー??」
 茶化した言葉でヨウランが言う。確かに地球人類が滅亡すれば、宇宙に進出している人
口ではコーディネーターがナチュラルを上回る。しかし。
「よせよ。50億人に死ねってことだぜ」
 プラント育ちには地球の大きさが実感できないだろうと、シンが咎める。
「そして、カーペンタリア、ジブラルタルのザフト基地の人間にも死ねということか?」
 レイの声が厳しく響く。
「あ、そうだ。急いで破砕作業に行かないとだめだな。地球に配属になった同級生もいる
ってのに、オレ、バカなこといっちゃった」

「そんな小さいこと考えてないで、『人道支援』って言葉を思い出しなさい。人間には、
人間にしか出来ないことが一杯あるの」
 ぱしっとルナマリアがまとめた。

 ユニウス7近辺に集まったザフトによる、破砕作業が始まった。
 多くの艦からメテオブレーカーを持ったMSが作業区域に向かっていく。
 もちろんシンもその一人だ。宇宙空間では空気やチリというものがないため、遠くのも
のがひどくくっきりと見える。だからユニウス7の巨大さも、これをどの程度の大きさに
砕けば、大気圏で燃え尽きてくれるのか、コンピュータの画面上の数字にしか思えなかった。
 先に到着したジュール隊がメテオブレーカーの設置をしている。そのあたりは各艦が連
絡を取り合って、シンは受け持ち区域まで飛んで行く。
 そのとき、無線に雑音が混じった。そして悲鳴。
 混乱のあと聞き取れたのは『我々は攻撃を受けている。工作用MSを戦闘用MSは援護。
メテオブレーカー設置を急げ!!』というものだった。
 ミネルバはセカンドステージ運用のために作られた純粋な戦艦なため、工作部隊を持た
ない。そして至急の発進だった為、シン、レイ、ルナマリアの三機しかMSがない。
 ユニウス7の圧倒的な大きさに呑まれそうになるが、とにかくシミュレーターが計算し
たポイントでメテオブレーカーを爆発させるのが彼らの仕事だった。
413383:2006/05/11(木) 03:32:06 ID:???
 決められたポイントについて、メテオブレーカー設置作業に入ろうとした時、ジュール
隊と謎の敵の戦闘が激しくなってきているのが無線から伝わってきた。
『こんな、一分一秒を争う時に仕掛けてくる敵なんて……連合じゃないということか? 
テロリストがザフトの正規部隊と戦うだけの物資を持っているというのか?』
「シン、ルナマリアと三つ並べてメテオブレーカーをいっぺんに作動させる。計算どおり
いけば、この大地に大きなひびが入るはずだ」
「了解」
 レイに応えて、シンとルナマリアはメテオブレーカーの設置に入った。ユニウス7を割
れば割るだけ、地球に落下する質量は少なくなる。
 プラントに来る時に捨て値で処分してしまったが、オノゴロ島の家。家からそのままプ
ライベートビーチにつながっていて、シンは貝殻拾いも、砂の城作りも、泳ぎもそこで覚
えたし妹に教えた。コロニーの破片が地球の海にひとつでも落ちれば、あの家は津波に押
し流されてしまうだろう。オーブ国籍は捨てたが、シンは故郷の土地を愛していた。
 ミネルバの三人は器用に戦闘用MSを扱い、メテオブレーカーを規定の場所に設置し、
被害を避けるために浮上した。母船からの連絡にあわせてスイッチを入れると、コロニー
の残骸が悲鳴を上げて崩れる。
 計算通りのひびが入った。空気抵抗のない宇宙空間では、運動方程式に純粋に従って、
物体は二つに割れていく。
「やったわね!」
「あと4回砕かなければ、地球への被害は避けられないぞ」
 2の4乗、シンはレイの声に一瞬暗くなった。そのとき、
「ジュール隊、破砕作業一回成功、続けて二度目のオペレーションに入る」

という声が聞こえた。攻撃を受けたというジュール隊は、任務を果たしている。新兵とは
いえ、最新鋭のMSを与えられた自分達は、さらにがんばらねばとシンは思った。

 しかし破砕作業を続けるうち、ジュール隊の工兵部隊の損傷が大きくなり、その部隊の
撤退が決まった。あとは戦闘用MS隊だけが、未知の敵と戦いつつ、メテオブレーカーで
ユニウス7を砕く作業をするだけだ。
 ミネルバから射出されたメテオブレーカーを受け取ったインパルスのすぐ脇を、ビーム
がかすった。瓦礫の山の陰に、敵MSがいるのだ。攻撃を返している暇はない。とにかく
作戦を遂行しないと。
 シンたち三人は攻撃を避けつつメテオブレーカーを設置したが、不自由な姿勢しか取れ
なかったために、ミネルバが指示したポイントから少しずれてしまった。それでも起動さ
せるしかない。三人は虚空にスラスターをふかすとスイッチを入れた。
 そのタイミングで隠れている敵機を視認し、攻撃したのは、三人の運動神経と兵士とし
ての才能の賜物だった。
『ジン!!!』
 視認した敵は、ザフトのMSだった。
 メテオブレーカーがコロニーの破片を砕く。
「計算と今の破砕は合いません。このままだと右の大きい破片が地球に衝突します」
 ミネルバからメイリンの声。真っ二つに割れていれば、片方は地球軌道から外れる予定
だったのに。
 またメテオブレーカーを受け取り、取り付けにかかるが、ジンが本格的に攻撃を仕掛け
てきた。
「ジンは私が防ぐわ。インパルスとセイバーは手先が器用だから、作業に集中して」
 ルナマリアの指示にシンとレイは従った。
414383:2006/05/11(木) 03:32:30 ID:???
 赤いザクがジンと交戦を始める。ジンは一機ではないが、ルナマリアは二度目の実戦だ
ということを感じさせない動きで対等に戦う。
 しかし多勢に無勢、インパルスとセイバーにも攻撃は及ぶ。シンとレイも、自分の命の
ために交戦に出た。
「あんたらが、ユニウス7の軌道を狂わせ、地球に落とそうとしてるのか、なんでだ!?」 つい叫んだシンの耳に、答えが返ってきた。
「我が娘の墓標。地球のナチュラルどもを焼き尽くすことこそ、娘への唯一の手向け。そ
なたらもコーディネーターならば、パトリック・ザラ議長の取った政策こそ、我らコーディネーターにとってたった一つの正しき道であったと知れ!」
 破砕作業に当たっていたザフトの全員が一瞬、体を止めた。二年前の、コーディネータ
ーとナチュラル、最終的にどちらが生き残るかまでを問われた殲滅戦争。その亡霊がここ
にいる。
「世迷いごとを抜かすなあぁ」
 まだ若いジュール隊長の声が響く。彼は短気なエリート主義者だが、少なくとも物事を
公平に見ようとする目は持っている、ザフトの兵士に嫌われてはいない。そしてこういう
とき、テロリストを一言で切って捨てられる強さの持ち主であった。
 とはいえテロリストのジンは数機とはいえ歴戦のつわもの。ジュール隊も、ルナマリア
もおされ気味である。
「ルナ!」
 シンは三機に狙い撃ちされそうになったザクの援護に出た。
「お前ら、自分の家族の民間人が戦争で殺されたからって、また新たに戦争で死ぬ民間人
を作るつもりかぁ!!!」
「ナチュラルは己の家族を焼かれねば、何も理解できぬ」
 攻撃を避けながら、シンは叫ぶ。
「それは思い上がりだ。自分の基準でしか物事を判断できない、幼稚な人間のエゴだ」
「そうよ。シンだって大戦で民間人の両親と妹さんを戦争で亡くしているんだから」
 ルナマリアが叫びながら攻撃を続け、一機のジンを葬った。
「お前達の行動は、コーディネーターとナチュラルの、憎しみの連鎖を繋げるだけだとな
ぜ気付かん」
 沈着冷静なレイも、強い口調で言う。レイの年の離れた兄、たったひとりの家族が前大
戦で戦死したことは、シンもルナマリアも知っていた。
 ユニウス7の破片が地球の重力の井戸に飲み込まれそうになる。デュートリオンシステ
ムMSとはいえ、母艦のミネルバから離れている時間を鑑みるに、タイムリミットはもう
ない。
 ミネルバCICから通信が入る。
「レイ、シン、ルナマリア機、離脱してミネルバへの帰還をお願いします。ルナマリア機
は大気圏突入に耐える確率が70%ですので、即刻の帰還を」
 メイリンの声は姉の身を心配しているように聞こえた。
 ザクより装甲で劣るジンである。テロリスト達はユニウス7とともに地球に落下して死
ぬ心積りだろう。テロリストにとって、それは作戦成功であろうが、軍人であるシンたち
にとってはまったく異なる。
 ルナマリアのザクはミネルバに帰還し、レイの白いセイバーも、重力の井戸に引き込ま
れるのを恐れて離脱を始めた。そしてレイは、距離の測りにくい宇宙に、一体の白銀色の
MSを見た。彼を惹き付ける何かを発する、モビルスーツを。
415383:2006/05/11(木) 03:34:07 ID:???
秀丸で書いてますけど、改行がずれちゃいましたね。いちおう書いたあとに書式はそろえてるつもりなんですが。
まあ、改行が揃ってないと嫌な方は、スルーしてください。
416通常の名無しさんの3倍:2006/05/11(木) 20:21:13 ID:???
>>412-414
何か普通に本編であっても可笑しくない内容だな…。
続編のキャラ描写って殆ど旧キャラ(主に4馬鹿)ぐらいしかなかったんだと改めて実感した。
本編は話だけ進んでキャラは置いてきぼりって感じだったからな。

後、やはりコーディネーターを主役にするならラスボスはナチュラルが適切なのでは?
続編は敵役どころか蚊帳の外でカワイソス
417通常の名無しさんの3倍:2006/05/11(木) 22:36:42 ID:???
やっと奴がきたー!というところで
 つ づ く
とは読ませ方がお上手ですな。続きが気になって気になって仕方ないw

ルナがやたらと格好いいなあ・・・設定に忠実だというのにアニメとは別人のようだw
クルー唯一の地球育ちというシンの地味だが重要な設定を
ヨウランの爆弾発言に絡めてきたのには意表を突かれた気分。
アニメにありそうで無かった、どこか足りなかったシーンやセリフ回しが満載なのが面白い。
418通常の名無しさんの3倍:2006/05/12(金) 16:49:14 ID:???
>そしてレイは、距離の測りにくい宇宙に、一体の白銀色の
>MSを見た。彼を惹き付ける何かを発する、モビルスーツを。

なぜかプロヴィデンスが腕組みして宇宙に浮いてる図が浮かんだ。
それもマスターガンダムとかじゃなくてアヌビスっぽい感じの姿勢でw
419383:2006/05/13(土) 02:50:34 ID:???
『総員、対ショック体制をとれ。本艦はローエングリンでユニウス7の最大破片を砕き、
そのまま地球海上に着水予定。タイムカウント、表示、読み上げ開始』
 タリア・グラディス船長の声に、ミネルバに戻った三人のパイロットは驚かなかったと

いえば嘘になる。ただこの宙域でコロニーを砕くだけの火力を持った戦艦はミネルバしか
なかった。
 三人はパイロット控え室のショックアブソーバーに体をしっかりと固定した。地球での
運用も可能とはいえ、もともと宇宙戦艦として建造された船である。どれだけ滑らかに着
水できるか、今の差し迫った状況では分からない。最悪、数百メートルの高さの津波が荒
れ狂っているかもしれないのだ。
「タンホイザー二門で、あのユニウス7の破片が燃え尽きるまで砕けると思う?」
 不安げにルナマリアが口にする。
「かなり小さくなるだろうが、もともとの形がいびつだ。実験室でのようにはいかないだ
ろう。そして、小さな破片がミネルバにあたれば、その巨大な運動エネルギーはこの船を
落とすに十分だろう」
 不吉であっても、レイの言うことは冷静で正確だ。シンは拳を握り締め、主砲発射のカ
ウントダウンを待った。
 ルナマリアをはじめミネルバ乗員全てが、息を飲んで時計を見詰めていた。艦長からの
指示を待つ砲手の掌は、緊張から来る汗で濡れていることだろう。
 しかしレイは、まったく違うことを考えていた。
 ユニウス7から離脱する前に見かけた銀白色のモビルスーツ。確認したが何の信号も出
していなかった。しかし熱源反応はかすかだが捉えられた。つまり、宇宙を漂う戦死者の
幽霊などではないということ。そして、何か、額の辺りが熱くなる感覚。
 これは初陣で盗まれたセカンドステージ3機を追っていたときに現れた、連合のガンバ
レル付きモビルアーマーからも似た気配を感じた。あのガンバレルの攻撃はレイにとって
特に脅威ではなかったが、シンはどこからともなく飛んでくるビームにうまく適応できな
かった。アカデミーでの訓練で、シンが非常に、なんというか、野性の勘に恵まれた少年
だということは知っている。教官に自分に与えられた役割について問いただしたり、不公
平だと思うことはへらず口レベルまで叩いたりするが、彼が優秀な兵士であることに代わ
りはない。
 そしてなにより気になるのは、銀白色のモビルスーツも、連合のモビルアーマーも、彼
の家族に近い感覚を伝えてきたことだ。これまで、あの感覚を彼に味合わせたのはラウ・
ル・クルーゼだけだった。ただラウからは弟を見守る優しさをいつも感じていたが、あの
MSにはそれはなかった。血族特有のものとラウがもらしたことがある。ならば、自分は
今日、二人の血族に出会ったのだろうか?

「てぇーーー!」
 艦長の命令、反陽子砲が打ち出される。メテオブレーカーなどと桁違いの威力は、地球
の重力に従って落下を続けているコロニーの破片を砕き、その破片たちが互いにぶつかっ
てどんどん小さくなっていく。
「お願い、燃え尽きて!」
 ルナマリアがモニターを見ながら呟く。
 彼らはユニウス7を落としたのが強硬派のコーディネーターだと知っている。地球に被
害があれば、それはすべてコーディネーター国家プラントへの不満となって跳ね返るのだ。
盗まれたセカンドシリーズのMS、そしてユニウス7の落下。全ては戦争に向かって誰か
が画策したように、動き始めていた。
420383:2006/05/13(土) 02:50:54 ID:???
 いくつもの破片が火玉となって大から小まで、地球に降り注いだ。のちにブレイク・ザ
・ワールドと言われる事件である。人類が数千年にわたって敬愛してきた神殿、何百万の
人の住む都市がいくつも壊滅し、津波の被害は世界の沿岸部をくまなく襲った。
 着水を終えたミネルバは、小さな破片が居住部をかすり、その部屋で対ショック体制をとっていた二人の兵士が死亡した。
 シンたち同期生6人組は怪我もなく無事であった。いつものレクルームに誰からともな
く集まって、外の荒れた海の映像を眺める。
「わたしたちが今いるの、ハワイとオーブのあいだくらいの公海だって」
 ブリッジ勤務で情報通のメイリンが言う。
「てことは、カーペンタリア基地までわりと近いな」
 ヴィーノが応える。彼がメイリンに好意を持っているのはアカデミー時代から誰の目に
も明らかなのだが、なぜかメイリンだけは気付かないという仲だ。
 と、そのとき、船体に大きなエネルギーが打ち付けられ、周囲の海水が水柱を上げて噴
出、そしてミネルバの甲板に叩きつけられた。
「きゃあ」
「もしかして、地球の雷って奴?」
 妹よりは少し冷静にルナマリアが言う。
 しかしレイが糾した。
「おそらくは地球を一周してきた、最初の衝突の衝撃波だろう」
 音速を超える速度で巨大な質量を持つ物体が落下したのだ。その衝撃波はクレーターの
周りの建物や森林をなぎ倒し、減衰するまで地球を走り続ける。
「どのくらいの被害が出たんだろう? オレ、こないだアーモリーワンにオーブの代表が
来た時、生まれて初めてナチュラルを見たんだ。さっき、バカなこと言っちゃったけど、
コーディネーターもナチュラルも、同じ人間なんだよな」
 ヨウランが噛み締めるように言った。
「そして俺達は、すべての生命を産んだ、地球の海を航行している。俺はすべての命に、
幸あれと祈る」
 いつも論理的なレイの口から「祈る」という言葉が出たのに、全員が驚いた。宗教のな
い時代に育った彼らだが、OMGは意味もなく連発する。ただそこに、神への尊敬も祈りも

ない。
 急にモニターの映像が乱れた。電波状態が悪いのだろう。
 そう思っているうちに、
『我が娘の墓標。地球のナチュラルどもを焼き尽くすことこそ、娘への唯一の手向け。そ
なたらもコーディネーターならば、パトリック・ザラ議長の取った政策こそ、我らコーデ

ィネーターにとってたった一つの正しき道であったと知れ!』
 ユニウス7でのジン部隊テロリストとのやりとりが、モニターに流れ始めた。
421383:2006/05/13(土) 02:57:23 ID:???
感想ありがとうございます。

シンのパイロットとしてのラスボスはコーディの予定です。
ただ戦争のゆくえは?というと、政治的決着でいきたいのですが、DPというものが。
CE世界の人間は人格障害者が異常に多いので、DPと人格、倫理観、道徳観などを
コーディネイトしてまともな人間にしてやりたいような気もします(遺伝子社会主義?)
人体実験マンセー、殲滅戦争マンセーな人間多すぎ。

これからは戦闘がたくさん出てくると思うのですが、その前に一回、シンとレイのアカデミー時代の
話を番外で書く予定です。ちょっと趣味に走ります。
422通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 23:40:52 ID:???
保守
423通常の名無しさんの3倍:2006/05/15(月) 18:57:29 ID:???
すれ違うレイとラウ。ラウは今後どんな風に出現するのかわくわくします。
しかし、描写が細かくてすごいです。コーディは宗教を信じてないネタとか、
誰もが忘れている問題をきちんと拾い上げて消化している手腕にはお見事。
本編と比較したら涙が出てくるので、こちらが正史だと思いたいw
あの世界の人類に限っては、DPプランというかそういったプランが施行された
方が幸せな未来になる気がするという点も同感。
コーディ技術が公開されてすぐ、それに手を染める生殖医療関係者が多かった
っぽい(CE15年からCE16年に禁止される前は法的にグレー)点も、現在の倫理観
と大いに違いますし、我々の世界の未来ではないのでしょう。
(パルテノン神殿等が壊れて、それを笑う描写を入れるスタッフの意識も
ちょっと信じられないけど)
424383:2006/05/16(火) 13:26:14 ID:???
番外篇です。スーツCDとかいうのが、こういう軽いドラマみたいです。と思って書いたら、
結構重たい内容です。本編の回想シーンに入れるには長すぎるので、番外です。
ただ、男と男が仲良くなる過程は受け付けない、という方はスルーしてください。


 ザフトのアカデミーに入って最初の学期が終わった。週末に帰る家もないシンである。
将来自分の愛するものを守るための力をえる第一歩、それがこのアカデミーを優秀な成績
で卒業することなら、平日も週末も、机とコンピュータにかじりついて勉強することに何
の苦も感じなかった。
 最初はプラント生まれの連中からバカにされたりもしたが、それは毎週更新される成績
で克服した。
 プラントに生まれ育った二世代目コーディネーター達には、程度の差こそあれ、地球に
ナチュラルのお情けで住まわせてもらっているオーブのコーディネーターへの差別意識が
ある。自分達こそ、本物の能力と矜持を持ったコーディネーター、ということだ。
 確かにシンは、アカデミーに入ってみて、オーブのコーディネーター用学校で受けた高
校までの教育も、ナチュラルと一緒に通った大学も、ぬるいものであると知った。コーデ
ィネーターの知力にしろ体力にしろ、幼いときからスパルタで鍛えなければ資質が完全に
花開くことはない。シンの14歳という年齢は、本人の努力次第で生粋のプラント育ちの
エリートと張り合えるようになるだけの若さであった。
 週末は外出許可を取れば街に出ることもできるし、外泊許可を取れば実家に帰ることも
出来る寮生活だ。しかし勉強が忙しいので、たいがいの学生は月に一回くらい帰省してい
る。シンの同室の連中がそうだったし、週末の食堂や図書館の混み具合を見ても、それは
伺えた。
 今回の正月休暇、アカデミー自体が一週間完全閉鎖されるのだ。寮に居残りは許されな
い。四人部屋で仲良くしているヴィーノから、家に遊びにこいよと誘われたが、正直、両
親と妹がいるという幸せな家庭に招かれるのは辛すぎて断った。
 幸い親が遺産を残してくれたので、ホテルをとって勉強することはできる。シンが荷物
をまとめて部屋を出たのは、アカデミーが閉まる門限の直前だった。
 寮の出口で、金髪の美少年と出くわした。レイ・ザ・バレル、成績トップの少年だ。彼
も一度も帰省せずに寮で週末勉強していることに、シンは気付いていた。
「よい休暇を」
 ほとんど口を利いたことはないが、挨拶くらいする常識はシンにだってある。
「君はオーブからの移住者で、プラントに家がないと聞いている。正月休暇はどこですご
すんだ?」
 話し方は丁寧だったが、内容にむっとする。
「家なき子でも、ホテルってもんがあるんだよ。お前は美人のママのおっぱいでも吸って
きな」
「−−オレには家族がない。親の記憶はない。年の離れた兄はヤキン・ドゥーエで戦死し
た」
 レイの冷ややかな美貌から、冷ややかな現実がこぼれる。
「だが家ならある。シン・アスカ、君を招待したい」
「へっ??」
 レイの唐突な申し出に、シンは困惑した。
「どうせ一人で過ごす新年なら、二人でも同じだろう」
425383:2006/05/16(火) 13:27:24 ID:???
 確かにホテル代が浮く。シンの父親は金融数学の専門家で投資ファンドに勤めて高給を
とっていた。母親は材料工学の専門家でモルゲンレーテの管理職だった。彼らは十分裕福
であり、シンがプラントで好きな学問をして遊んで暮らせるくらいの遺産を残してくれて
いたが、できるだけ使いたくないというのが本音だった。遺産が減るということは、両親
との絆が失われていくことのような気がしてならない。
 だからこう答えた。
「じゃあ、遊びに行ってやるよ」
 にこやかに微笑を返したレイという少年への興味も、その一因だった。


 レイの家はアプリリウス市の5バンチ、静かな住宅街にあった。
 シンはプラントの不動産の値段は知らなかったが、落ち着いた町並みで、庭のある家が
続いているから、結構高級なのだろうと推測する。ただ現在のプラントの状況では、住環
境をよくすることより食料自給率を上げるほうがよほど大切だ。
 表札のない家、しかし庭には落ち葉ひとつなく、木々は春の芽吹きの時期を待っている
ようだ。プラントのコロニーの三分の二は地球の北半球中緯度地域の気候に調整されてい
る。他は南半球、そして赤道付近の気候に設定されたコロニーはリゾート用だ。常夏のオ
ーブ生まれのシンにとって、寒い正月というのは、家族でヨーロッパ旅行をしたときだけ
だった。そのとき、シンは茶色いコンタクトレンズを付けさせられ、自分がコーディネー
ター、オーブ以外では排斥される存在だと実感したのだった。
 4ベッドルームの家はきちんとして、埃ひとつなかった。客室に通されて荷物をとき、
勉強用のコンピュータをセットしながら思う。
 レイはアカデミー入学以来4ヶ月この家に帰っていない。しかし部屋は客室まで掃除さ
れ、庭も人が住んでいるかのように手入れされている。ハウスクリーニングを頼んでいる
ということだが、一人暮らしとしてはきちんとしすぎているような気もする。
 レイは、ヤキン・ドゥーエで戦死したという兄が生存していて、ひょっこり家に帰って
きてもいつでも前と同じ状態で迎えられるようにしているのではないか? シンはセンチ
メンタルだと思いながら、可能性を否定しなかった。
 一週間のふたりの共同生活。寮生活で掃除と洗濯は慣れているが、炊事が問題だった。
レイは料理が出来たので、シンは彼の命令に従ってじゃがいもの皮むきやテーブルセッテ
ィングをした。後の時間はおのおの好きに使う。レイはシンに何も聞かなかったし、シン
も同じだった。正月休みとはいえ、アカデミーからは山のように課題が出ていた。ネット
でアカデミーのデータベースに入り、資料を集め、考え、レポートを書く。規則正しい三
食と三時のお茶、という生活だった。レイが紅茶が好きで、冷凍庫に幾種類もの茶葉をス
トックしていた。地球産のものもあり、シンは密かに舌を巻いた。
 コーディネーターは基本的に味覚や嗅覚がナチュラルより優れている。中でも特にその
感覚を遺伝子操作で強化された人たちがいて、プラントの食料業界、外食業界はその能力
を産まれ持った人たちの職場だった。なので養殖の魚、ブロイラー、大豆から作った代用
肉などを使って、きちんとした料理が作られる。アカデミーの寮の食事ですら、味付けや
香辛料の使い方は非常に巧みなものだった。
 シンはオーブから移住してきてアカデミー入学まで、ハーフボードの週払いホテルに滞
在していた。昼は外で食べるのだが、一回、久しぶりにステーキが食べたくなって、サー
ロインステーキを注文したことがある。値段を確認しなかったのがバカなのだが、ホテル
滞在3日分ほどの値段だった。プラント友好国である大洋州から輸入されたビーフは、オ
ーブで食べていたのと同じ、懐かしい味だったが、輸送費を含めると、値段は100倍だ
った。プラントの規模ではまだ牛のような大型反芻動物を飼育するのは難しい。ミルクも
代用品だ。シンはそのステーキの件を教訓として、食べ物に関してオーブではどうだった
と考えることを己に禁じた。
426383:2006/05/16(火) 13:29:15 ID:???
「新年料理の買出しに行くが、お前はどうする?」
 食費は半額ずつ出し合うことに決めていた。それはそうとして、プラントの新年料理に
興味がある。
「プラントの新年って、どんなことするんだ? 地球じゃ年が明けるときにカウントダウ
ンして、大人はシャンパン、子供はジュースで祝ってたけど」
「同じだ。あとは出身の国や地域の伝統を守る人は、12月31日のディナーか1月1日
の朝食に伝統食を食べる」
「同じなんだ、地球と」
「人間に変わりはないからな」
 こういう言い方をするあたり、シンから見てレイはクールともいえるし、コーディネー
ターとナチュラルの垣根をあまり意識してないようにも思える。
 一本の茶色がかった毛もない純粋なブロンド、深い海色の瞳、古代の名匠が彫り上げた
理想の美少年のような顔、そしてアカデミーで成績トップの頭脳と身体能力。彼の祖父母
は子供のコーディネートに一財産つぎ込んだだろうに。
「レイの祖先は地球のどこの出身なんだ? オレの祖父母は東アジアの日本出身だ」
「西大西洋連合だと聞いている。お前の家族は、何か新年の伝統食があるのか?」
「ああ。御節料理っていうの。数の子、ごまめ、黒豆の三品があればいいんだって教わっ
た。オーブには日本出身者が多かったから、簡単に手に入ったなあ」
 彼も妹のマユも、甘い黒豆以外は好きではなかった。今では携帯の中にしかいない妹。「プラントでも手に入るさ。デパートに買い物に行こう」

 アプリリウス市で一番の繁華街である2バンチの高級デパートに買い物に行った二人は、
日本の御節料理を買ってきた。数の子は100g、ごまめは50gしか買えなかったが。
しかしその値段で大洋州産のローストビーフ用の牛肉を買うことが出来た。デパートでひ
としきり口論した二人だが、レイの「自分は正月用の伝統的な料理を知らないから」とい
う理由で、買い物を決めたのだった。
 軽い夕食をとってから、二人とも部屋に戻って勉強。そして11時30分ごろに居間に
下りてきた。大きなリヴィングにはグランドピアノがあって、毎日レイが弾いているのは
シンも気付いていた。
 シンは大枚をはたいて買ってきた日本の御節料理を冷蔵庫から出して皿に盛り付ける。 レイは、銀製のシャンパンクーラーにクラッシュドアイスを満たし、透明な瓶に白と金
のエチケットが張られたボトルを差し込んだ。
「オーブは島国だから、新年になると、港の船がいっせいに汽笛を鳴らすんだ。ぼー、ぼ
ーって音が響いて、当たり前だったけど、懐かしいや」
「プラントでは、芸能人がテレビでカウントダウンだな。そんな騒がしいのより、オレは
電波時計で自分でカウントダウンをしたいと思うが」
「それ、賛成」
427383:2006/05/16(火) 13:29:25 ID:???
 シンはプラントの芸能人をよく知らないのだ。全人類社会的に有名なのは、ザフトの新
型戦艦とモビルスーツを盗んで戦場に割り込んだラクス・クラインだ。彼女は地球ではテ
ロリストと見られているが、プラントではいまだ主義者というかファンも多いらしい。
 レイ・ザ・バレルという、とびっきりの優等生だが個人的に親しい友人がいない少年と
話すには、ラクス・クラインの話題は微妙すぎる。シンは、この三日間でレイが気に入っ
ていた。お互い触れられたくない部分があって、それを読んで行動できている気がする。
居間には家族の写真一枚とてない。それはおそらく、レイの部屋だけにあってしかるべき
ものなのだ。そしてそのたった一人の兄は、ラクス・クラインのテロリスト集団に殺され
たザフト兵である可能性は高い。三隻同盟にオーブが加盟していたおかげで、テロリスト
たちはオーブの国籍を得たらしい。オーブ人の両親からオーブで生まれた自分が、政府の
無策ゆえに家族を失い、プラントに移民した。そして連合とプラントの戦争にテロルな破
壊行為を行った人間達が、いまではオーブ市民だという。さすがに連合はアークエンジェ
ルのクルー全員の引渡しと処刑を求めて活動しているが。プラントはせいぜい賠償金の支
払いを求めている程度だ。これが国力の違いだ。
 そうするうちに時計が11時55分を指した。
 レイが二脚のシャンパングラスを出し、麻のナフキンでシャンパンのボトルの水滴を拭
いた。
「俺たち、まだ未成年」
「なら、お前はジュースを飲め。冷蔵庫に入っている」
 レイの真面目な物言いに、シンは破顔する。
 電波時計が0:00を指すと同時にレイがシャンパンの栓を抜き、ふたつのグラスに満
たした。
「C.E72年、おめでとう!」
 二人の言葉が重なり、グラスの澄んだ音が響いた。
428383:2006/05/16(火) 13:37:37 ID:???
次は戦闘の予定だったのですが、旧キャラのブレイク・ザ・ワールドの状況を書く予定です。
かなり辛い目にあって、人生が変わる人もいる予定です。
で、相談です。ラウが乗っているMSは何がいいでしょうか? 話の都合上、ドラグーンがついてないと
困るのですが。まあ、宇宙でドラグーン付き、地球でなしで問題ないわけですが。彼がMSまで含めて
神出鬼没というのは、アニメの演出としてありなのでいいんですが。
あと、どういう仮面をかぶっているかも、ご意見募集中。個人的にはレイに見られても大丈夫なように、
フルフェイスの仮面なのですが。でもガンダムの変態仮面は顔の下が見えて、美形だと想像されるのが常。
ご意見、お待ちしています。
429通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 18:23:37 ID:???
制約無しなら地上でもドラグーン付きが望ましいが、あまり厨機体になってもな。
プロヴィデンスのマイナーチェンジ(電池式)か、ドレッドノートの灰色版とか。
430通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 19:33:07 ID:???
クルーゼの所属はザフトでおk?
ごく普通にザクのドラグーンウィザードとか
MSVにはプロヴィデンスザクとかいう下手物もあったからそれを流用するとか
ゲイツのエクステンショナル・アレスターだっけ?をドラグーンに改造するとか
 一 応 歴戦のパイロットなんだからできれば旧機体で頑張って欲しいところだw

クルーゼの初期設定画にかなり多数の仮面案があったから
それを参考にしてみてはどうだろう?良ければうpするよ
431通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 21:27:32 ID:???
やっぱり教育によって違うというネタは基本だよな、と再確認。
そして、細かなプラント環境の設定描写に納得。
(どうでもいい設定を後付けしても、こういう基本を設定してくれないので、
好きに想像出来るという利点はありますが)
食糧自給が基本的に出来なかったという設定が無茶だと言えるとはいえ、
こうやって考えてみると・・・やはりプラントって変な世界だw
このように世界観を入れつつ、キャラクターのドラマを展開するという話は
一番読んでいて面白いです。

で、ラウのMSは、「プロヴィデンスザク」・・・だろうか、デフォルトで
ドラグーン付きとすれば。旧機体に付けるという案もいいな。
仮面については、Wのゼクスがかぶってたような感じしか思いつかない。
色は白銀系統。黒だとネオとかぶるし、ラウのイメージと違うので。
432通常の名無しさんの3倍:2006/05/16(火) 21:34:20 ID:???
サングラスはダメなのか・・・
433通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 00:57:01 ID:???
そこでクロノクル式ですよ!



ごめん、調子こいた(´・ω・`)

じゃ、じゃあカロッゾパパ型とか・・・あ、これも・・・(´・ω・`)

キシr
434383:2006/05/17(水) 12:37:19 ID:???
ご意見ありがとうございました。
ラウのMSはプロヴィデンスザクにして、マスクはサングラスにします。
レイにばれないように変装するのが主眼なので、もう、白いノースリーブを着てもらいます。
匂いでばれないようにトワレはファーレンハイトからエゴプラに変更。ただのあやしい優男だ。
435通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 20:22:47 ID:???
ノースリーブwww
クルーゼは老化した肌を隠すために手先まで完全装備だったんだからそれはちょっとどうかとw

ぶっちゃけ変装しようがどう足掻こうが
ほんの数年前に接触していた血族なんだし
キュピーンこの感じは?!で一発で正体ばれるような・・・
キュピーンではっきりと個人認識やってのけたのはクルーゼだけだから
レイやフラガにもそれができるのかというと微妙だが
436通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 20:44:08 ID:???
それさ、クルーゼの肌って全然老化してないぞ?

小説の描写はさておき、放映を隅から隅まで見てみろよ。
素っ裸でベッドに潜ってたりしてた時、普通の青年の体だっただろ?
サングラスで普通に人と出会ってただろ?
そもそも、ずっと目に見えてる口元が普通だったじゃん。
(老化って、口元からくると思うがなー)
437通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 21:00:16 ID:???
薬で抑えられなくなった時に
明確な老化が始まるわけか
438通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 22:19:43 ID:???
>クルーゼの肌って全然老化してない
そここそがクルーゼが「安っぽい」「薄っぺらい」「悲劇性が感じられない」
と散々叩かれてきた原因の一つなんだよな・・・
万人にもパッと見わかりやすい悲劇の表現である外見の欠陥が殆ど無いのが辛い
せめて目元が見るに耐えないほど老化していれば
それなりに悲劇の男として認知されていたかもしれないのに悲劇的設定だけが空回り

ザフトでトップガンでありつづける若い軍人の手がシミだらけ皺だらけでボロボロ
ってな話を聞いたときはクルーゼという存在に背筋が薄ら寒くなったものだ
439通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 22:52:48 ID:???
MS乗りは20代くらいまでの仕事だって設定だっただろ、確か。
だから、ただでさえナチュラルというハンデがあるのに、老化設定は無理だろ。

ラウ自身は「老化が早い」って言ってないから、単に「寿命が短い」
だけじゃないのかね、と。
現実にも、「テロメアの短さと寿命の長さ」は関係あるかもしれないが、
「老化が早い」という結果にはなってなかったはず。
ドリーだけがクローンじゃない。
440通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 22:57:56 ID:???
あの無機的なラウの部屋を思い出してみてくれ
あそこにトワレやコロンが存在すると思うか?
441通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 23:13:03 ID:???
実際に老化してたかじゃなく、老化するかもしれない、
してるかもしれない肌を人目にさらしたくなかったと解釈してた
442通常の名無しさんの3倍:2006/05/17(水) 23:57:14 ID:???
俺は仮面の理由については自分の代用品として作りゴミのように捨て
最後には自分の手で殺したアルの顔と年を経るごとに似てくる自分の顔を
見たくない・人に見られたくない為に隠してたんだと勝手に思ってた
執拗に肌の露出を避けるのも失敗作である自分の存在への嫌悪感の表れかと
443通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 01:58:38 ID:???
クルーゼ生存ならザラ派率いるのがいいな
ユニウス落としの後がウヤムヤだったし
理由はザフト内のザラ派の決起を促すため
議長が地球に降りたあたりでプラントでクーデター起こす
オーブと議長派が同盟、ブルコスがオーブを攻める
キラたちは対ブルコス、シンたちは対クルーゼ(キラたちの戦いはOVAで)
アスランは宇宙に上がって対クルーゼ
キラがクルーゼに出せなかった答えをシンが出せばいい
444通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 03:42:30 ID:???
クルーゼが現政権に対しクーデターを起こして
議長と対立したら薬もらえなくて死ぬと思うんだが・・・
一応中立を謳うオーブが大西洋に侵攻されるリスクを犯してまで
国内基盤が不安定な議長と手を組む理由は?
近隣の赤道連合は外圧に屈し、国の実権を握るセイランは大西洋寄りなんだぞ
ラスボスが前回と同じってのも見る人間を飽きさせないのが難しい
神職人が降臨すれば十分化けるだろうが
445通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 09:44:48 ID:???
薬はプラント抑えればいくらでも入手できるだろ
オーブはナチュラルとコーディネーターの共生を望む立場から
SEEDの真のテーマはそれのはずだし
連合内部は派閥対立で割れてオーブ側に付く勢力もあるだろうし
セイランは実はオーブを愛する狡猾な政治家でいいと思うんだよね
連合と同盟して時間稼ぎでいいわけだし、その間に他の国をオーブ側に引っ張らせる
オーブとしてはコーディネーター追い出したら国力が低下して何の価値も無くなるだろうし
真の黒幕はクルーゼを復活させたロゴスでいいし
クルーゼはエクステンデット化してラフレシア的な巨大MAに乗せたい
446通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 12:16:14 ID:???
まぁ、そういう話が好みだというならば、自身で作ってみないか?
自分は、383さんの話に毎回どきわくして期待している。
それ以外の職人が別種の話を展開するのは構わないし、面白いと思うが。
447383:2006/05/18(木) 12:35:01 ID:???
ブレイク・ザ・ワールド、宇宙から落下したコロニーの破片は、地球の赤道中心に降り注ぎ、
多数の都市を壊滅させ、世界中を覆った津波による死者など、直接被害の累計をだすまで
かなり時間がかかるほどの被害だ。そして、小規模ながら「核の冬」が訪れる。気象学者
によると数十年単位での異常気象、それにともなう農作物の不作が予想された。
 赤道付近に位置するオーブは、思いのほか被害が少なかった。直撃がなく、津波に対し
てはもともと火山島であり徹底的なシェルター確保が行われているので、市民は速やかに
避難した。
 しかし、テレビで伝えられる世界の惨状を見るに、自宅に戻ったキラ・ヤマトの心は痛

む。宇宙育ちで映像でしか見たことがない人類の歴史が崩れていく。
 ただオーブの一医学生でしかない彼にできることは、津波のあとの瓦礫撤去のボランテ
ィアくらいだ。
 だが心配なこともある。

 そこに母親が彼の親友、アスラン・ザラの来訪を告げた。大学の海洋学部に入り、寮と

学校、実習で船に乗る日常の彼と会うのは、三ヶ月ぶりだ。
 とりあえず、お互いの無事を祝いあう。
「本当に、アスランが無事でよかった」
 幼少期からの友達ゆえの秘めた言葉。アスランはそれをたがえず受け取った。
「ああ、大学の仲間と山のシェルターでテレビを見ていたら、あれだ。一斉に白い目が向
けられたよ、当たり前だが」
 よく日焼けしたハンサムな顔が歪む。実習でアスランの体力を知っているから、暴力行
為に至らなかったのだろう。Gに強く船酔いもしないコーディネーターは、宇宙開発だけ

でなく海洋開発にも向いた体質を持っているのだ。
『我が娘の墓標。地球のナチュラルどもを焼き尽くすことこそ、娘への唯一の手向け。そ
なたらもコーディネーターならば、パトリック・ザラ議長の取った政策こそ、我らコーデ
ィネーターにとってたった一つの正しき道であったと知れ!』
 地球圏全てのテレビで放送された言葉。
 ユニウス7を安定軌道から地球に落下する軌道に乗せたのはザラ派のコーディネーター、
いくらザフトの兵士がそれを防ぐために戦い、犯人達の希望ほどの被害から地球を守った
とはいえ、所詮コーディネーター同士の勢力争いに地球が巻き込まれた。こう思うのが地
球住民の素直な気持ちだ。キラですらそう思わなかったといえば嘘になる。だからパトリ
ック・ザラの一人息子のアスランが、とりあえず五体満足で生きていてくれるだけで嬉し
い。
 
448383:2006/05/18(木) 12:36:17 ID:???
 アスラン・ザラはヤキン・ドゥーエの戦いの後、プラント政府とオーブ政府、連合軍の
取り決めによって、ザフト軍籍とプラント国籍を剥奪された。そしてプラント政府からは
MSジャスティスの建造費とジェネシスの建造費、ジャスティスが破壊したMSや戦艦の建造
費とそのために戦死したザフト兵士への賠償金を、連合軍からは同じくジャスティスの被
害にあった人と物への賠償を請求されている。三隻同盟にオーブが加盟していたおかげで、
オーブ国籍を得て、返す当てのない賠償金の桁の大きさを考える日々である。プラントに
残った父の遺産を処分したが、そんなものでは賠償金額の利子一日分にしか満たなかった。
正規の軍に属して戦争をしている限り、装備は軍から貸与されるもので、その兵器で敵兵
士を殺しても、賞賛されることはあれ非難されることはない。しかし一旦国の枠組みから
外れると、すべてが自己責任になる。あれから二年たったが、アスランは自分の行動は間
違っていなかったと信じている。三隻同盟の行動によって、ザフト、連合の戦死者、民間
人の死傷者は減って、早く平和をもたらすことができた。ただ世の中というのは、そうい
う楽観的な数字で動くものではない。それをかれらに教えてくれたのは、アークエンジェ
ルの士官たちの行動だった。
 連合軍からの脱走艦アークエンジェル。大天使の名を持つ船は、戦争を終わらせるため
に三隻同盟の中核を担った。戦後連合はアークエンジェルの返還と乗員全員の引渡しをオ
ーブに求めてきた。オーブには、アークエンジェルを連合軍に返還しないという判断は、
一緒に戦場に出たカガリ・ユラ・アスハにしても出来なかった。
 そして乗員の引渡しに関しては、艦長マリュー・ラミアスが、「自分たち士官の命令に
沿って下士官以下の兵士は動いただけであり、実際自分たちは銃で威嚇して彼らを脱走、
三隻同盟で働かせました。加害者は艦長の自分以下士官であり、下士官および兵士たちは
脅迫された被害者であります」と主張した。
 そのときの連合軍の遺族連盟を中心とした非難中傷の嵐、ネット上にはアークエンジェ
ルヘイトサイトが乱立し、クルーを捕まえて虐殺するゲームのダウンロード数が億の単位
を超えた。
 巻き込まれてアークエンジェルに乗って以来、苦楽をともにしたキラには辛いことだっ
たが、連合軍とオーブの間では士官のみ引渡しで決着がついた。カガリは泣いたが、大西
洋連合と近いセイラン家がこれからの連合への優遇を約束して下士官以下を助けての決着
だという。
 連合軍に引き渡されたアークエンジェルの士官たちは、脱走罪と反逆罪で処刑された。
非公開で行われた処刑のスナッフフィルムが堂々とネットに流出し、それに対して、連合
軍はなんの処置もとらなかった。
 母親が運んできたくれたコーヒーを飲みながら、渋い顔でキラが言う。
「ラクスは、アフリカにいると、一週間ほど前にメールがあったよ。大丈夫だろうか。バ
ルトフェルトさんと一緒だけど、あの髪は一目でコーディネーターだとわかるし、色んな
意味で有名人だし」
「アフリカはブルーコスモスの勢力は弱いし、バルトフェルト隊長のコネでなんとかなる
だろう」
 アスランはこう答えたが、彼はオーブに住むようになってから、ブルーコスモスの本来
の姿、環境保護団体としての活動を知り、近しくするようになっていた。
「ラクスは、僕にフリーダムをザフトから与えたこと、そして僕が殺した連合とザフトの
兵士の賠償金まで、自分で責任を負うって言って……」
 キラの声は、「僕が殺した」というところで震えた。彼にはいまだに二年前の大戦で自
分がモビルスーツパイロットとして、たくさんの人を殺したということを受け入れたくな
い部分があるのだ。人殺しをしたから今度は人助けをと、医学部に通っているが、ナチュ
ラルの学生と同じように6年かけて卒業する予定で、ゆっくり生活している。生きるか死
ぬかの瀬戸際でモビルスーツに乗ってしまったから、コーディネイトされた遺伝子がひと
つ花開いた。でもそれ以外の優秀な遺伝子が発現するのは、キラにとって恐怖でしかない。
449383:2006/05/18(木) 12:36:43 ID:???
「ラクスは、コーディネーターとナチュラルが別れて暮らし、いがみ合うのを止めさせた
いと思って行動した。父親のパトリック・シーゲルは遺伝子的適性で子供の出来にくいコ

ーディネーター二世代目のことを思って、相性のいいラクスとオレを婚約させたが、ラク
スはラクスで、自分の道を選んだ。ただそれには、プラント国民の税金と必死の努力で作
られたフリーダム、エターナルの強奪が必要だったんだ」
「ラクスは、エターナルだけじゃなく、フリーダムが出した被害まで、かぶってくれた。
『だって、わたくしが決めて、やりとげたことですもの。責任をとるのは当たり前ですわ』
って」
 可愛らしくて歌の上手いだけの婚約者だと思っていたが、劇場で自分についてきた警官
をラクスの手下のものが射殺したのを思い出すと、アスランの背に寒気が走る。
 キラはラクスに恋しているし、ラクスも同様に思えた。ただアスランにとっては、ラク
スはハロに喜んでいたプラントのアイドルでは、もうないのだ。彼女に罪を着せる気はな
いが、犠牲者を減らすためとはいえ、テロルに手を出し、先導した事実は消えない。それ
に乗ったのは自分なのだから。
 オーブに逃れた後、この地の音楽配信会社と契約し、歌を売っているラクスだが、最初
はコーディネーターのテロリストの歌姫とやらの歌を試し聞きする人間も多かったが、定
着した人気は得られなかった。それでも、自分の生の歌を聴いてほしいと、プラントでは
けしてしなかった巡業の旅に出ている。キラにとってラクスは現実の恋人だが、アスラン
にとってはもう思い出の中に住む少女だった。
「戦争に、なると思う?」
 キラの瞳が揺れる。ナチュラルとコーディネーターという二つの民族が殲滅戦争をした
愚行から、たった二年しかたっていない。とはいえ三隻同盟の横槍で終戦させられたと思
っている連合にとって、今回のコーディネイターによる地球への無差別攻撃は、いくらザ
フトが迅速に被害地に救援活動に向かおうと、開戦すべしという符号でしかない。
「連合は、一気にプラント壊滅作戦にでるかもな。彼らは突発的で、容赦がない」
 しかし前大戦でエースと呼ばれた青年二人には、自分たちの国オーブがどういう状況に
なるのか、まったくわからなかった。ただカガリが国家元首であるからには、オーブは連
合の圧力を受けようともナチュラルとコーディネーターが共存する国であり続けるという
ことだけは、信じられた。
450通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 13:11:11 ID:???
旧フレイスレ、新フレイスレ、マユスレ、学園スレ、と見てる俺だが
このSSも面白そうで巡回スレが増えてしまったことに謝罪と賠(ry

乙でした(*´д`)
451通常の名無しさんの3倍:2006/05/18(木) 17:33:12 ID:???
元三隻同盟メンバーがめちゃくちゃ半端無くかっこいいな!!
世界の流れに反して己の義に生きた人間達の覚悟と姿勢をこんなにも美しいものにしてみせるとは。
特にマリューとラクスの良い女メーターが異常な数値だ。
戦後の三隻同盟ってこんなに魅力的な設定持ってたんだよな・・・本当に勿体ない
多少やりすぎのような気がしないでもないが
それでもぬるま湯に浸かって高みから見下ろしてたアニメの姿よりずっと人間らしくて好きだ。

ぶっちゃけ現状の新キャラ勢よりずっと魅力的に感じたよw
新キャラ勢もいずれ383神の手でこんな風になっていくのだろうかと思うと楽しみでならん。
452383:2006/05/20(土) 15:02:07 ID:???
「私、プラント議長ギルバート・デュランダルは、地球連合軍の核攻撃への対処として、
積極的自衛権の行使を宣言するものであります」
 地球圏全てに流された放送。ユニウス7が地球に落下したことへの報復として、地球連
合軍はプラントに向かい大量の核ミサイルを撃ち込んだ。核技術に関しては地球より進ん
でいるプラントが、もしもの時のために開発していたニュートロンスタンピーダーが役割
を果たし、一気に戦いを決めようとした連合軍の意気をくじいた。
 そしてこの宣言と同時にザフトは動き始め、プラント本土の防衛、月のアルザッヘル、
ダイダロスの両連合基地に宇宙軍が向かう。月を含めた制宙圏の確保が、プラント防衛の
第一歩である。連合軍の基地を落とすのが理想だが、連携をとれなくして月面にはりつけ
れば、戦略的意義は失われる。あとは地球から上がってくる戦力との戦い、そして宇宙へ
新たな戦力を投入させないため、ザフト軍地上部隊の戦いが要となる。
 そのシミュレーションは幾百通りもできていたし、優秀な参謀が今も変化する状況にあ
わせて対応している。
 デュランダルは、そういった打ち合わせを終え、自室に戻った。
「また戦争か。まったくヒトとは愚かな生き物だ。大地溝帯からヒトの先祖が出た日は、
永遠に呪われてあれ」
 まったく自分の物のようにリクライニングチェアでくつろいでいた青年の声。
「その原因のひとつは、君も噛んでいるだろう。ドラグーン使いでなければ、あれはでき
なかったのだから」
 デュランダルは自分の椅子に腰掛けながら言う。
「情に狂った哀れなザラ派か。単純な連中は馬鹿すぎてつまらん。まあ、一アースダラー
の賠償金も返す気もなく、オーブで気楽な学生生活を送っているザラの息子とコンタクト
をとるほどには、愚かではなかったが」
453383:2006/05/20(土) 15:02:33 ID:???
 青年はくるりと椅子をデュランダルに向けた。ザフトの隊長職を

現す白服の襟元には議長直属の特務隊フェイスの徽章。しかし大胆にも上着は袖なしに改
造され、下も本来はゆったりしたシルエットなのだが、肉体美を強調する細身のものに作
り変えられていた。
「元部下に対して手厳しいな、ラウ、いやニノ・アレッシィ隊長」
 大きな黒いサングラスで顔を隠した小麦色の肌の金髪の青年だった。
「タンニング、そしてフレグランスも変えたのか。確かに別人には見えるが、髪の色は?」
「毛染め剤は匂いがきついので染めていると気付かれやすい。トワレはもちろんシャンプ
ー、石鹸、歯磨き粉まで変えて化けているのだよ」
「君に行ってもらう船には、以前の君と直接の面識があるコーディネーターはいない。嗅
覚を強化されているのは、厨房のスタッフだけだ」
「コーディネーター、か」
 アレッシィと呼ばれた男は片頬で哂った。そして立ち上がる。
「まあいい。ギルバート、キミの考える理想の世界の実現の始まりだ」
「好きに動いてくれてかまわんが、要観察者の報告は密にほしい」
「SEED因子か。キミの好きな遺伝子にまたやっかいな要素が増えたわけだ。地球にはジャ
ンク屋ギルドと繋がった怪しい宗教家までいる」
 ほとほと呆れたというように、手を広げてみせる。
「SEED因子の正体を掴んだものが、人類の将来を左右する可能性は非常に高いのだよ」
「そのSEED因子が人間の愚かさを拭い去り、進化させるものだとでも思うのかね? それ
こそ時代錯誤の宗教屋と変わらんぞ」
 デュランダルの秀でた額が曇る。
「確かにこれまでのSEED因子を持っていると思しきものは、エゴイズムの塊のテロリスト
に目立つ。要観察者をまともな軍人に育てることができるのは、君しかいないと思うのだ
よ」
「口で言うだけなら、いくらおだててもただだ。キミもすっかり政治家になったものだ」 アレッシィは喉の奥で笑った。
「まあいい。明日、カーペンタリアに降り、ミネルバのモビルスーツ隊隊長として赴任す
る」
454383:2006/05/20(土) 15:09:37 ID:???
やっと彼が表舞台に、というところまでです。ル・クル−ゼはフランスの鍋の名前だったので、
アレッシィはイタリアのキッチン用品のメーカーから(あのオレンジ絞り、実際に使っている人はいるのだろうか?)
タンニングで小麦色の肌というのは日焼けサロンではなくて、今でも一般に使われているタンニング剤です。
アメリカの男子フィギュアスケーターが日記に「タンニング剤は体中、お尻の谷間にまでちゃんと塗らないとね」と
書いてましたが、CEなら誰でも使うアイテムになってるでしょう。

451さん、熱い感想ありがとうございました。ただ私の意図したようには読んでいただけなかったようで、それは残念ですが、
ただ単に私が下手だということです。これからは真綿に包んだような表現は出来るだけ避けて、もっとストレートに書こうと思います。
455通常の名無しさんの3倍:2006/05/20(土) 18:42:44 ID:???
富野節? いや、これは何か別種の『波動』を感じる台詞回しだ……。
456通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 00:22:15 ID:???
ディアッカの代名詞ともいえる小麦色の肌をした
いい年してノースリーブに軍服を改造した規律も糞も無い露出狂な
謎めいたすかした指揮官

想像したらかなりキモい人だなww絶対近寄りたくねーw
これがあのクルーゼかw話の流れがまともな分、極端なネタキャラ化にワロス

でも話は楽しく読ませてもらった。独特なセリフ回しも嫁の万倍良い
457通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 01:06:19 ID:???
>454

サンデュだろうか‥??(小声)
458383:2006/05/24(水) 15:42:31 ID:???
 またもや地球連合とプラントは戦争に入った。宇宙での戦闘、制宙圏争いはザフトが優
位に進めていた。ただ二年前のニュートロンジャマーによるエネルギー危機、そして今回
のブレイク・ザ・ワールドによる被害があっても、地球連合軍が物量でプラントを圧倒する
という図式は変わらない。
 ザフトは連合軍が宇宙に戦力を送れないようにマスドライバーを確保したかったが、二
つの基地しかない状況では、宇宙からの降下作戦頼みである。ただそれもカーペンタリア
とジブラルタル、この二つの基地を死守しないことには、はじまらない。
 地球降下のあと、ほうほうのていでカーペンタリアに逃げ込んだミネルバだったが、修理を終え、新任のMS隊隊長を本国から迎えて、連合からの防衛戦に参加することになった。
 カーペンタリアのある大洋州はプラントとの貿易関係が密なので、背後から撃たれる憂
いはほぼ100%ない。しかし太平洋の中立国、オーブは連合軍と同盟を組んだ。ヤキン・ド
ゥーエでの三隻同盟が連合にもたらした被害に関して、テロリストのプラント人たちに国
籍を与え、連合軍からの脱走船アークエンジェル乗員のうち、士官しか引き渡さなかった。
次に何かあったときには、連合軍に付きますとの言質がなければ、もう一度オーブが戦火
に焼かれていただろう。脱走艦やテロリストが戦場の戦況を左右したなど、近代戦争史の
恥だと、連合軍幹部は考えたし、連合加盟各国の国民も、オーブに不信感を持った。
 元々中立国であるがゆえに、国営企業で兵器開発、製造を行い、プラント以外の地球各
国に輸出していた。コーディネーターもナチュラルも差別しない国というのも、優秀なコ
ーディネーターを自国の企業で労働させるためと冷めた目で見ている人も多い。
 『平和を愛する南国の楽園・オーブ』というウズミ・ナラ・アスハが作った虚像は、彼
の死とともに潰えた。テロ支援国家として連合に目を付けられたオーブは、自国の独立を
守るために、連合軍に同盟して艦隊をカーペンタリアに差し向けていた。
 オーブの理念、「他国に侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入せず」とあ
る。しかし三隻同盟に加盟したことは明確にその理念に反していたし、更に戦後処理でそ
の仲間をカガリ・ユラ・アスハ代表が個人的感情から守ったのは世界中に知られている。
オーブは二年前のツケを払わされている。
 それは志願兵として空母タケミカズチに乗り組んだ、キラ・ヤマト三尉にもわかってい
ることだった。ザフトからラクス・クラインとともに盗んだフリーダムのパイロット、罪
は首領のラクスがかぶってくれたので暢気に学生生活を送っていた彼だが、自国の危機に、
モビルスーツに乗れるという特技を生かして志願した。腕は衰えておらず、軽量で小回り
の利くムラサメを実戦で乗りこなす技量があると認められての実戦配備である。キラにと
っては、友人のアスランが志願しなかったのは少々不思議だった。ザフトからの脱走によ
りプラント人としての権利を剥奪されて、オーブ人として生きていくより仕方のない彼で
ある。志願することによって、オーブへの忠誠とカガリへの感謝を示すだろうと思ってい
たが、彼はそれをしなかった。大学も休んで、オーブの昔ながらの生活をする漁村に住み
着いているらしい。親友、だが生き方は別れてしまった。いや、あの幼年学校の卒業式の
日に、彼らは違う道を歩み始めたのだ。
459383:2006/05/24(水) 15:43:03 ID:???
 作戦開始日が近づくにつれて、元々感情の起伏が激しいシン・アスカが怒りっぽくなっ
ているのは、彼の周囲の人には容易に見て取れた。ミネルバにはザフトアカデミー時代か
ら彼と親しい者が5人いて、非番の時間に各部署で話されることなど、情報交換していた。
彼らはみな、シンが前大戦の連合軍によるオーブ攻撃で家族を失ったのを知っていた。プ
ラント生まれの彼らにも、シンがオーブの理念のために家族を失ったことは分かっていた。
そしてそのオーブは、大戦の最後にテロリストと組んで参戦した。結果戦争の終結は早く
なったと政治学者たちは考えているが、テロは許される行為ではない。結果、オーブは連
合に圧力をかけられれば拒否できない立場に落ちぶれた。
 シンだけでなく、大戦で家族を失いプラントに移住したコーディネーター達は、連合と
同盟を組むなら、なぜあのとき強情を張ってオーブ国民の財産たるマスドライバーまで破
壊して、為政者たちは自決したのかと憤怒の思いを込めて呪った。オーブという国はアス
ハの玩具でしかなかったと、厭世観に浸るものもいる。しかし若いシンは、理想を掲げる
母国を麗しいものと思って育ったし、その分裏切られたショックも強い。
 新任の隊長アレッシィから、「キミはオーブの出身だが、今回、オーブを含めた連合軍
と海戦することになるが、未練はないかね? 戦場での感傷はキミを殺すものだ」と問われたが、「自分はザフト軍人として、命令に従い連合軍と戦う所存です」とシンは答えた。
「ふむ。ではミネルバがオーブ艦隊と直接交戦するとしても、キミはその気持ちを持ち続
けられるかね? オーブで同級生だった友人が、その艦に乗っているかもしれないが」
 サングラス越しに冷たい眼差しが向けられた。
 正直、シンはそこまで考えていなかった。
「……オーブは敵国です。オレは、自分は軍人として、任務に従い、敵国と戦います」
 シンの一人称が乱れたのを、アレッシィは記憶に留めた。ギルバートが気にする「要観
察者」シン・アスカ、アカデミーでの成績は秀でているし、とりあえず初陣も生き残った。
ただ兵士として化けるかはいかに最新鋭機のインパルスが与えられていようと、これから
の戦い次第だ。感情の起伏が激しいのは、初対面で見て取れた。この気性の激しさが戦場
で吉と出るか、またギルバート御執心のSEED因子がどういう働きをするのか、楽しみであった。
460383:2006/05/24(水) 15:43:28 ID:???
 レクルームでヨウランとケントがディスクを見ているところに、シンとレイがやったき
た。画面に映し出されているのは、黒髪の少女が激しく踊り歌う姿だった。ミーア・キャ

ンベル、今プラントで一番人気のアイドルである。
「たまんねーなー、な、そう思うだろ、シン」
「ブスじゃん。そりゃ、グラマーだとは思うけど」
 缶コーヒーを買いながら答える。
「このアグリキュートなミーアの魅力がわからんとは、不幸な奴。レイはどう思う?」
「歌の音程があっていない」
 冷ややかな声で切り捨てた。
「……そりゃ、オペラ歌手とかじゃなくて、所詮アイドルだから。ラクス・クラインだっ
てこの程度の歌だったしさあ」
 ミーアと比べたら、以下にテロリストとはいえラクスのほうがずっと可愛いと思ったシ
ンだが、これは口に出さなかった。コーディネーターはほとんどが容姿をいじられており、
ナチュラルから見ると標準以上の見た目の持ち主があらかたである。ここにいる四人の少
年にしても、地球の町を歩けば、女の子達が振り向く美少年揃いだ。そういうプラントで
育つと、不細工な遺伝子をそのまま残しているというのは、十分な個性になる。ミーア・

キャンベルの「アグリキュート」人気の裏には、そういう事情があった。
「なに、ミーア・キャンベル? まったくあんたたちは、ちょっと胸がおっきい女の子だ
からって」
 つかつかとルナマリア、そのあとを控えめにメイリンが入ってくる。
 この六人でこうして喋るのも、海戦が終わるまではお預けだなあとシンがセンチメンタ
ルな気分になったとき、
「あの、アレッシィ隊長って、絶対にハードゲイよ。制服改造して、腕の筋肉見せ付けて、
気持ち悪いったりゃないわ」
「……ルナ、お前のスカートだって」
 シンは呟いた。
「私は好きでミニはいてるんだから、いいじゃない」
「それなら隊長も同じだし」
「とにかく、シンとレイは襲われないように気をつけなさい。あの人と二人っきりで更衣
室やシャワールームに入らないように」
 確信したように、ルナマリアが指示する。
「シフトの関係で、そのシチュエーションは避けられない。あまり勝手な思い入れで喋る
な、ルナマリア」
 レイはアレッシィ隊長に微妙な思いを抱いているが、それは誰にも相談できるような生
易しいものではなかった。
「いま、艦長や隊長たちは基地本部の会議に出てるわ。連合軍の陣容もわかってきたし、
こちらの作戦も決定するんだって」
 メイリンが真面目なことをいう。
「隊長と艦長は同じ白服で、隊長はフェイスだよな。俺たち、いざというとき、どっちの
命令聞けばいいんだ?」
「MS隊のオレたち三人は隊長に従うのが筋だろう。命令系統が混乱するような乱戦になら
ないことを祈ろう」
 このあとは自由時間が終わるまで、たわいもないおしゃべりを続けた。
461383:2006/05/24(水) 15:47:51 ID:???
>456 このスレは真面目なクルーゼファンが多い感じですね。私にとっては一話からネタキャラでした。
仮面の趣味が悪くて。中盤は「私には人類を滅ぼす権利がある」にwktkし、終盤では「では、ドリーには羊と
人類を滅ぼす権利があったのか?」と思いました。
このストーリーの中ではゲームの差し手が議長と連合、クルーゼWはジョーカー(道化師兼切り札)として動く予定。

>457 ジョニーです(小声)
462通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 16:15:28 ID:???
もしドリーに人間並の知能と自我があったら、
そうなった可能性は0ではないだろうな
463通常の名無しさんの3倍:2006/05/24(水) 22:50:30 ID:???
ああやっぱり。どっちかだと思ったんだよ。
ど〜も近年黒いあの人か。よく考えたらエマは元から黒いさな。(小声)
464通常の名無しさんの3倍:2006/05/25(木) 00:49:05 ID:???
このSS、俺好きかもしれん
465通常の名無しさんの3倍:2006/05/27(土) 12:19:54 ID:???
シンも主役なら遺伝子関連で何かあって欲しいかもだが…
その決着もつける終わり方なら好きにどうぞ
466383:2006/05/27(土) 22:28:37 ID:??? BE:185544689-
「何なんだよ! この数は!!」
 連合のモビルスーツを打ち落としながら、シンが一人ごちる。
 『圧倒的な物量』というものを実感する。カーペンタリア基地を守るために扇形に展開
するザフト艦隊、それを押し包む勢いの連合軍艦隊。
 作戦会議で全モビルスーツの指揮をアレッシィ隊長がとることになり、シンたちは少し
驚いた。しかし彼が一晩で、稼動可能なザフトMS全ての配置と戦況による配置変更のパタ
ーンをコンピュータに入力して指示をだしたのには舌を巻いた。いくら暗号化通信してい
ては、敵に傍受される可能性が高い。戦闘中の通信は少なければ少ないほど、暗号解読の
可能性は下がる。
 シンのインパルスに任された任務は、敵中央からくるモビルスーツの撃破という単純だ
が大変なものだった。だが、最新鋭機のインパルスのパイロットである以上、まだ新米兵
士であっても、エースとして戦えということだ。
 ブラストインパルスで敵機を撃ち落す。シンたち空中の包囲網を潜り抜けた運のいいMS
は、艦上で待ち構えるルナマリアたちの標的となる。元々宇宙戦を得意とするザフトであ
る。ユニウス条約でのMS数保有制限もあり、大気圏飛行型のバビはまだ数が足りなかった。
 そして海中では水中用MSによる鬩ぎ合いが行われ、時折大きな水柱が立つ。ミネルバの
ような宇宙船が本業の船にとって、敵の水中用MSに取り付かれることは死を意味する。だ
がザフトの最新鋭艦として、前面に出て勝利を収めないことには、グラディス艦長への風
聞、議長と寝て船を手に入れた女、が消えることもない。
 強奪されたセカンドシリーズのアビスが海中からビームを発射し、水による減衰がある
とはいえ、空中のディンを落とす。レイのセイバーは連合のウインダムをあしらいながら、
カオスと互角に戦っているようだった。
 戦況が膠着状態に陥ったころ、連邦の空母から巨大な、そして醜い形のモビルアーマー
が発進した。データはない。新型だ。
「インパルス、シン・アスカ。あのモビルアーマーを仕留めろ」
 簡潔な命令がアレッシィ隊長の白銀のバビから流れた。
 その間にもMAは強力な火力でザフトのモビルスーツ隊に損害を与えていく。これは搭乗
者が一人ではないと、ザフトの誰にも判断がついた。操縦者、砲手、昔の戦車をモビルア
ーマー化したものといえよう。
 シンが放ったビームには直撃もあったが、ダメージを与えたようには思えない。
「なんて装甲だっ」
「ミネルバ、タンホイザー起動。目標敵モビルアーマー、射線からモビルスーツは離脱」
 グラディス艦長の声。大気圏内で陽電子砲?シンは己の耳を疑った。今戦っている海で
すらブレイク・ザ・ワールドの津波の影響で茶色いというのに、さらに放射線を撒き散らす
と?
 ただシンにしても、自分の命が大事だ。インパルスが被爆からは守ってくれるが、あの
モビルアーマーに接近していては自分の身が危ない。
 ミネルバの誇る主砲、タンホイザーが発射された。
 敵モビルアーマーに直撃、したが、それだけだった。
「陽電子リフレクター?」
 戦場のザフト兵全てがまじまじと鍵爪の生えたモビルアーマーを見詰める。
 常識的に考えて、地上兵器に必要な機能だとは思えないが、連合はつけてきた。一機だ
け投入されているからには、まだ試作機であろう。ここでザフトに対してこのMAが多大な
戦果を上げれば量産化、そして宇宙の戦線にばら撒かれることになる。
 近距離に迫って集中的に砲撃したものの、インパルスの足を鋏に取られた。
467383:2006/05/27(土) 22:30:16 ID:??? BE:25770252-
「しまった」
 そう思ったら、頭の中が急にクリアになって、視界がモニター越しでなく、360度見
えているような感覚に襲われた。
 バーニアをふかしてレッグを捨てる。
「ミネルバ、レッグとソードシルエットを。あとデュートリオンビーム!!」
 シンの声にメイリンから承諾の返事があった。
 エネルギーを補給し、インパルスの換装システムを使って、シンは新たな武器を手に入
れた。そしてエクスカリバーを抜くと、連合の巨大モビルアーマーに突進する。今は相手
の動きがスローモーションのように見えた。ざっくりと、真ん中からMAを切り裂く。
 そしてその最期を見届ける暇も惜しいとばかり、前進してきていた連合軍艦隊に襲い掛
かった。対艦刀を二本使い、ブリッジを、機関部を攻撃していく。
 バーサーカーと化したインパルスを、ニノ・ディ・アレッシィは興味深げに見守りつつ、
戦場の片隅に感じる、因縁ある敵パイロットの存在を気にかけ、更に焦ってタンホイザー
を発射したグラディス艦長にどんないやみを言ってやろうかと考えていた。


 タケミカズチ所属のキラ・ヤマト三尉はムラサメで敵機と交戦中であった。できるだけ
人を殺したくないという気持ちは昔と変わらず、ザフト機の武装を狙って戦闘能力を奪い、
海に落とす戦法だ。
 コクピットを狙ったほうが効率がいいのはわかっている。でも、志願しておいて言うの
もなんだが、やはり人殺しは好きになれなかった。
「このぉ、ムラサメの反応速度がフリーダム並みなら」
 呟きながら、ディンと戦うキラである。フリーダムであれば、今頃オーブ艦隊に向かっ
てくるザフトMSは全て叩き落していた自信はある。だがいくらコーディネーター用のOSを
入れたとはいえムラサメでは、一機一機確実に倒していくより方法はない。
 そこに後退信号が入った。戦場全てを把握しきれていないキラだったが、命令に従おう
とタケミカズチに戻りかけたところを、ディンとバビ5機に囲まれてしまった。なんとか
防戦しているところに、「ヤマト三尉、援護する」とヤマモト二尉の声。
 二機で交戦したが、キラは自分の戦法を変えなかった。そしてそれを見抜いたザフト機
がヤマモト機に集中攻撃をかけたのは、戦術上当たり前のことであった。ビームとレール
ガンで蜂の巣にされ落ちていくヤマモト機。それを見て、キラのSEEDが割れた。
「ヤマモト二尉ーーーー!!!」
 叫びながら、キラはザフト機の手足を全てビームサーベルで切り落とし、海に没させた。
468383:2006/05/27(土) 22:31:05 ID:??? BE:126273577-
「4時間後に夜間戦闘を仕掛け、連合軍をこの海域から敗走させる。パイロット三名、ま
ず生き残ったことを褒めておこう。食事を取って仮眠のあと、乗機で待機すること。それ
まで解散」
 ミネルバに戻ったシン、レイ、ルナマリアの三人にアレッシィが告げる。夜間戦闘、こ
れは宇宙で訓練をつんでいる分、ザフト兵に分がある。
 敬礼の後立ち去ろうとする三人、しかし隊長がパイロットルームに残るのを感じて、レ
イが言った。
「隊長は休息は取られないのですか?」
「私には私の仕事がある。敵艦隊とザフト艦隊の勢力関係が変わってきたので、シミュレ
ーションと指示を出しなおす。乗機に乗ったら必ず新しい命令を読んでから行動に移るよ
うに」
「はい!」
 三人は声をそろえて答えた。
 隣の更衣室に入るまでの間、「隊長ってすごい人じゃない、ね、そう思うでしょ」ルナ
マリアがつい先日までの暴言をすっかり忘れて興奮して言う。
「うん、冷静で有能だよな」
「きょうのシンもすごかったわよ。インパルスがあのモビルアーマーを撃破してから、ザ
フトは敵艦隊に直接攻撃をかけられるようになったんだから」
「確かに、膠着状態を打ち破ったのはシンだな」
 同僚二人に褒められて、シンは少し頬を染めた。
「なんかさあ、いきなり、全てが見えたっていうか、敵の動きが手に取るように分かった
し、遅くみえたんだ。で、自分がインパルスを動かしてるっていうより、インパルスの部
品になった感じだったかなあ。よくわかんないけど、オレ、普通じゃなかった」
「戦場で強くなれるなら、いいことだ」
 レイが言ったところで、更衣室の前だった。
469383:2006/05/27(土) 22:31:53 ID:??? BE:61849038-
 連合軍も夜戦の準備はしていたが、先に仕掛けたのはザフトだった。インパルスの活躍
で連合軍艦隊の数は減っている。当初の目論見、カーペンタリアを落とすのは不可能。地
球軍の参謀達は、どのタイミングで撤退に入るかを協議していた。
 しかしその間も砲撃は続き、命は失われていく。これが戦争だ。
 シンへの命令は変わらず、中央を切り開けというものだった。
 暗視の利く遺伝子を持ったシンにとって、夜戦も昼間も別に変わりはない。ナチュラル
の兵士はモニターの光度を上げ、レーダーに頼って戦うので、ベテランと新米でかなりの
差が出る。気を抜くわけではないが、自信を持って戦っていたところに、隊長からの通信。
「インパルス、9時方向に動きのいいムラサメがいる。あれを落とせ。フリーダムのパイ
ロットが乗っている」
「!!!!!」
 シンは了解の返事もせずに、インパルスを9時方向に向けた。フリーダム、二年前のオ
ーブ戦で彼の家族を殺した白い悪魔、そのパイロットがこの戦場にいるというのか。なら、
倒さねばならない、いや、倒すのは自分の権利であり義務でもある。これまで中央を担当
していたのでオーブ艦隊とは当たらなかった。密かにそれを感謝していたシンだが、フリ
ーダムは違う。ザフトから盗んだモビルスーツで各地の戦場に乱入し、多くの被害を出し
たテロリスト。オーブにかくまわれているというだけで業腹なのに、オーブ軍のパイロッ
トとして戦場に出てくるとは、なんという厚顔だろう。怒りに血が頭に上った状態のシン
は、なぜ隊長がムラサメのパイロットをフリーダムのそれと判断したのか、不思議に思い
もしなかった。


 先ほどの戦闘のあと、タケミカズチでは誰もキラに声を掛けなかった。しかし明らかに
聞こえるように、陰口が叩かれた。
「あいつ、自分もコーディネーターだから真面目に戦ってないんだぜ」
「そのおかげでヤマモト二尉が戦死だなんて、許せないじゃないか、まったく」
 キラは誰も自分の心をわかってくれないのだと思う。オーブは守りたい、宇宙生まれと
はいえ彼はオーブ国民として育ったのだ。しかし人は出来るだけ殺したくない。だから一
般的なモビルスーツ戦闘のセオリーであるコクピットを狙った攻撃をしないのだ。そんな
キラを優しい方と理解してくれたのは、恋人のラクス・クラインだけだった。
 戦い方を変えることはせず、キラは必死でオーブのために戦っていた。昼は数で上回っ
ていた地球軍だが、今ではザフトに数でも押されている。
 そこに白いモビルスーツが飛び込んできた。
「ガンダム?」
 今はもう自分の物ではない『力』。あれはザフトの最新鋭モビルスーツだ。
 撃ち込まれるビームを器用に避けたが、レールガンがムラサメの頭部を破壊した。
「しまった、PS装甲なら。でも、メインカメラをやられただけだ」
 機体の性能が違うなら、腕で勝負するしかない。
 キラはSEEDを割った。サブカメラからの情報だけでも、前と同じ程度の動きは出来る。
頭部を失ったムラサメとインパルスの戦いから、他のMSは退避した。激しい戦いぶりに、
加勢するのが迷惑という状態だ。
「死ねぇーーーーー!!!!」
 シンが裂帛の気合で放ったビームが、ムラサメの胸を貫いた。そして海上に落ちる。
「コクピット直撃のはずだったのに」
 あのパイロットはシンの射撃を読んで機体をずらした。しかし直撃を避けるまでの回避
行動は取れなかったということだ。
470383:2006/05/27(土) 22:34:30 ID:??? BE:38655353-
 ムラサメは沈んでいく。キラはコクピットで軽いパニックに陥っていた。大気圏内での
仕様を目的に作られたムラサメは、1Gで動くように設計されている。軽量高速モビルス
ーツなので、装甲はけして厚くない。宇宙育ちのキラにとって、水圧、というのは未知の
領域だった。ぎしっと機体が歪む音がする。
(死んでしまう。機体が圧壊する!!!!!)
 ムラサメに深度計などついていないので、いま水深何メートルまで沈下したのかも分か
らない。このまま水圧に機体とともに押しつぶされるか、海中に出て戦闘中の海面を目指
すか。キラはアスランがコーディネーターの体はGに強いので、ナチュラルより深い海に
潜ることが出来ると言っていたのを思い出し、コクピットのシールドをあけようとした。
ボタンを操作してもシールドは上がらない。
「動け、動いてくれぇ」
 ヘルメットの下で泣きながらボタンを叩いたら、30センチほどシールドが上がった。そ
こからすさまじい勢いで海水が浸入し、コクピットの中の空気がごおと音を立てて逃げて
いった。キラは必死でその隙間に身をもぐりこませる。細身なのが幸いし、なんとか脱出
に成功した。海の中は真っ暗で、水圧がパイロットスーツを締め上げる。海面まで何メー
トルあるのか分からない。潜水病にならないよう、ゆっくり上昇していくしかない。そし
てそれはぎしぎしと頭を締め付けるヘルメットがどれだけ水圧に耐えられるか、そして頭
上からモビルスーツの破片が落ちてこないかにかかっていた。
 海面に月明かりが見える。キラにとってムラサメから脱出してここまで来る時間は、こ
れまでモビルスーツで戦場に出て戦ったどの戦闘の時間より長く感じた。
 海面に浮上したキラは、運良くオーブ戦艦に泳ぎ着くことが出来た。
 戦闘は終わり、連合軍は撤退するところだという。
「君は運がよかったな」
 結局軽い潜水病の症状を呈したキラに、軍医が言った。
「海に落とされて生還したモビルスーツパイロットなんて、見るのも聞くのも初めてだ」
 喋れる状態ではなかったが、キラは自分が敵パイロットを殺さないために武装を奪って
海に落としていたのに、そこから生き延びるのはほぼ不可能なのだと知った。そして宇宙
では、永遠に失われない速度で戦場から遠ざかり、空気が切れて死んでいくのだろう。自
分の戦いの無意味さを知り、キラはベッドの上で涙を流した。


 艦隊がオーブに帰還したのち、キラ・ヤマトは除隊届けを提出した。普通ならこの戦時

下で受け付けられるものではないが、彼は姉であるオーブ代表カガリ・ユラ・アスハに直
接願い出て、除隊を受理された。
471383:2006/05/27(土) 22:39:05 ID:??? BE:144312678-
今回は本来はシンの初種割れが主眼なのですが、個人的にはキラが書きたくて書きました。
本編のキラはラクスの戦闘用家畜人ヤプーという感じでしたが、今回のことで「人間」として
成長するのか、それとも誰か女性のスカートの中にもぐりこむのか? まあ、彼はサブキャラなので
本編にはもう関係しないでしょう。
次回は連合です。ファントムペイン第三の部隊とあの人が登場します。
472通常の名無しさんの3倍:2006/05/28(日) 00:43:20 ID:???
キラが好きじゃないどころか全く興味も無かったのに
なんでかキラにばかり目がいってしまう・・・
奢ったガキが甘ったるい場所から離れ現実を思い知ってズタボロに打ちのめされ後悔に涙を流す
なんてむしろシンよりずっと主人公的な存在感と待遇、魅力的な燃え描写だぞこれw

383氏はたぶんキラはどうでもいい(そんなに興味ない?)んだろうけど
ぶっちゃけてすまない個人的な感想だから気にしないでほしい。
383氏のシンはなんとも印象が薄くて魅力がよくわからない。
383氏のキラは信じられないぐらい好感が持てるし今後が楽しみでならない。
嫁のシンは好きでキラはどうでもよかったのに我ながら本当に疑問なんだ。
シン主人公&クルーゼ生存で書き直しを期待して読ませてもらってるんだけどなあ・・・
473383:2006/05/28(日) 19:43:20 ID:???
>472 感想ありがとうございます。シンのことは私も少々悩んでいて。テレビの種の続編である
種死を書き直すという時点で、世界観含め私のオリジナル部分がかなり入ります。キラはじめ
種キャラはテレビの世界から私の世界に連れて来られたという感じになり、テレビでは「戦争は
ファッション」だったのが「戦争は政治の一手段」という別の論理の中に放り込まれたわけです。
それを表現したのが上述のエピソードです。
対してシンは種死キャラであり、「オーブ戦で家族を失い、大切な人を守る力を得るために軍人になった少年」
です。最初カガリに噛み付いてますが、そのあと、本編で登場した出戻りのアスランはいなくて、代わりにカッコはヘンだけど
大人で優秀な上官に恵まれてます。すると、基本設定通り「優秀な軍人」になってしまう。いわゆる、ツンとかDQNになる理由が
今のところないのです。ちょっと先に、性格や考え方でシンと衝突するキャラを出してみる予定です。
474通常の名無しさんの3倍:2006/05/28(日) 21:04:34 ID:???
更新乙。

賛辞は色々あるから言うまでもない…ので、省略させてもらうとして。
ザムザ戦、「足つかまれる→しまった→種割れ」じゃなくて
「足つかまれる→しまった→足ぶっ壊れる→水没→種割れ」ぐらいシンを追い詰めた方が
初の種割れ環境としては適当かと思われます。
475通常の名無しさんの3倍:2006/05/29(月) 16:31:46 ID:???
383氏乙
話しは良かったけどシンがちょっと強すぎでは?
一応原作ではこの時点でネオのウインダムと互角ぐらいなのにこの強さでは
ファントムペインのメンバーは余裕で倒せそうな気がします。
まあ勝手に自分が思ってることなので気にしないで続き頑張ってください
476通常の名無しさんの3倍:2006/05/31(水) 23:47:53 ID:ogv3Qt2k
期待上げ
477383:2006/06/01(木) 01:06:05 ID:???
「戦争が始まってしまいましたから仕方ありませんけど、わたくしたちのヴィザが取り消
されてしまったこと、残念ですわ」
 オーブ国際空港のロビーで桃色の髪の少女が言う。隣にいるのは傷痍軍人だろう。二年
前の戦争で戦死者もけが人もたくさん出たのだ。
「仕方ない。俺たちはテロリストと国際的に認知されている身分だからな。ただ早く戦争
を終わらせるための方策を考え、行動しただけなんだが」
「とりあえずカガリさんが泊めてくださるということですから、参りましょう、バルトフ
ェルトさん」
 タクシーに乗り込む二人は、昔の仲間が空港の出発ロビーに向かっていることには気付
かなかった。


 アレックス・ディノと書かれた大西洋連邦のパスポート、偽造などではない。ワシント
ン発行の本物だ。問題があるとすれば、書かれている名義が持ち主の生まれたままの名前
ではないということ。アスラン・ザラ、ザフトのエースパイロットとして前大戦に勇名を
はせたが、最終的に元婚約者のラクス・クライン率いるテロ組織三隻同盟に加盟し、ザフ
トの最終兵器を自分のモビルスーツとともに自爆させた男だ。そのときに、プラント議長
だった実の父親をも殺したという風聞もある。オーブに亡命して、宇宙にはない地球の海、
自然に惹かれて生活してきた。オーブは近代化した工業国であるとともに、南洋の楽園と
して観光にも力を入れていた。そしてどちらにも興味を示さず、数百年前と対して変わら
ない生活をしている村もいくつかあった。浅瀬で魚をすなどり、簡単に出来る芋や果物を
主食とし、祝い事があったときだけ豚を潰して食べる。アスランがそういう暮らしに惹か
れていったとき、環境保護団体としてのブルーコスモスに出会ったのだ。彼らは民俗学者
たちで、「人間が生活している以上、プラントの生活にも興味はあります。我々にフィー
ルドワークをさせてくれませんかね」と言って、アスランの気持ちをやわらげてくれた。
彼らの話で、ブルーコスモスといっても段階や分派がいろいろあり、コーディネーター排
斥派は一番過激で、コーディネーターがプラントに孤立することを止めて、ナチュラルと
地球で共生し、混血していくことを選ぶなら受け入れるという人も多数いると知った。 
とはいえ、彼はもう、コーディネーター殲滅の武闘派ブルーコスモスを関係を持ってしま
った。たった二年しかたっていないのにまた戦争。戦うなら、プラントのためでなく地球
のためでありたかった。
 地球で一番強い大西洋連邦のパスポートなので、出国はあっという間だった。大戦後、
オーブはテロ支援国家と各国に思われるようになり、スカンジナビア王国以外の国に渡航
するには全てヴィザが必要とされるようになった。それに「アスラン・ザラ」名義では、
隣の赤道連合に観光に行くにしても、ヴィザの取得に一ヶ月、入国審査に二時間は要した
だろう。そして大西洋連邦のヴィザは絶対に下りないはずだ。この偽名の、しかし中身は
本物のパスポートがあってはじめて、ロス・アンゼルスまで飛ぶことが出来る。
 機内でのほとんどの時間をうたた寝ですごした彼だが、一度トイレに行って、人生最後
の自慰をした。
478383:2006/06/01(木) 01:07:21 ID:???
 ロス・アンゼルスの空港で出迎えの男性と会う。隠していても細かい動きから、みっち
りと訓練を受けた軍人だと分かる。
「アレックス・ディノ、いや、アスラン・ザラ。私の任務は君をエリア81に連れて行く

ことだ」
 ヘリコプターは砂漠に向かって飛び立った。
「この書類をよく読んでサインを。契約は君がエリア81の滑走路に足をつけた瞬間から
発行する」
 内容はオーブの連絡員から口頭で聞いていたことと変わりはなかった。しかし幾度も読
み返し、文法的に複数の意味に取れるところは質問し、結局サインをしたのは、ヘリが降
下を始めてからだった。
「このヘリから降りた瞬間から、君はこの基地の人間です。わかっていますね?」
「ああ」
 拒否したら殺されることもわかっている。
 アスランは、ヘリの轟音が止まない中、通称「ファントムペイン」の基地に一歩を印し
た。
 覚悟していたことだが、最初に連れて行かれたのは別棟の手術室だった。全身を消毒さ
れて手術着に着替え、手術台の上に乗る。麻酔は局部麻酔だ。
 鋭いメスがアスラン・ザラの男性器一式を切り取り、尿道からの筋道が形成された。
 古代、人々が大地の女神を崇めていた頃、神官は狂騒状態に入って、己の陽持を切り落
とし、女神に捧げたという。ナチュラルでない体の自分だが、地球の女神はせめてもの犠
牲を受け入れてくれるだろうと、アスランは祈った。青き清浄なる世界のために。


 麻酔が覚めて、傷がふさがったのは翌日。アスランは鏡で顔を見て、昨日から髭が伸び
ていないのに気付いた。支給された連合軍の軍服に着替える。下着の中に何もない感覚に
慣れるには、しばらく時間が必要だと思った。
 そこにノックの音。扉を開けると、ラテン系の男性が立っていた。階級章は中尉。
「スティーブン・アゴスト中尉だ。君の上官になる。食堂に案内してから、第81独立機
甲兵団の指揮官に引き合わせる。わかっていることだろうが、ここでは君は少尉だが、少
尉でない。君よりナチュラルの掃除人のほうが身分が上だということ、忘れないように」 しかしセルフサービスの食堂で、トレイにコーヒーとトーストを載せていた時、ミルク
を出してくれた女性につい「ありがとう」と言ってしまい、「ありがとうございました、
と言いなさい。卑しいコーディネーターの分際で」ときつい目で叱責された。
「ブルーコスモスにも色んな人がいるということを君が学んだのは、調書で読ませてもた
った。ここは一番の右派の基地だ。コーディネーターは生存権は保障されているが、人権
はない。三つ部隊があって一番は今作戦行動で出かけているがスゥエン中尉率いるナチュ
ラル将校のモビルスーツ部隊。ブルーコスモスのエリート部隊で、装備もいい。次が生体
CPU、強化人間の部隊。彼らはザフトのコロニーからモビルスーツ三機を強奪してきて、
自分の機体にした。ここの工廠で修理用のパーツを作成中。エクステンディッドは見た目
は少年少女だが、訓練されたコーディネーター並みに力も反射神経もある。第三の部隊が、
俺、アゴスト中尉が率いるコーディネーター部隊。君の加盟で三人になった。もう一人は」
 アゴストが周囲に目をやり、軽く手を振った。
「タニス、ちょっと来てくれ。新入りを紹介する」
 この砕けた口調から、タニスと呼ばれた女性がコーディネーターだとわかる。
 やってきたのはしなやかな体つき、茶色い髪と目をした美女だった。彼女は卵巣の除去
手術を受けているはずだ。
479383:2006/06/01(木) 01:08:09 ID:???
「紹介する。新しく加盟したアスラン・ザラ少尉」
 彼女の目はじっとアスランの藍色の髪に向けられていた。
「そのナチュラルじゃない髪、剃るなり染めるなり、何とかしなさい!」
 これだけ言い捨てて、自己紹介もせずタニスは去っていった。
 あっけにとられているアスランにアゴストが言う。
「ま、座れよ。ここに流れ着くコーディネーターはいわばひねくれ者ばかりだ。自分がコ
ーディネーターにされて生まれてきたことにコンプレックスを持っている。二世代目の君
にとってはその髪、両親のどちらかからの遺伝で、ナチュラルなものなんだろうが、一世
代目にはそうじゃない。話しておくと、タニスの髪、目の色、あれは染めてるしカラーコ
ンタクトを入れてるんだ。本当はブロンドに青い目なのさ。ただ彼女はブルネットの両親
が子供をブロンドにコーディネートしたことを恨んでいる」
「髪や目の色くらいで……」
「それがプラントと地球の温度差だ。プラントには君の仲間だったテロリストのラクス・

クラインか、あんなピンクの髪をした人間までいるんだもんな」
 ただアスランは「タニス」というカルタゴの地母神の名を持つ彼女にシンパシーを感じ
た。昨日自分は大地に己の男性を捧げたのだから。

 アスランにとってカルチャーショックを与えた朝食が終わった。トレイを片付ける時、
係の男性に「ありがとうございました」と大声でいうのは忘れなかった。
 アゴストに司令官の部屋に案内された。まだ若いが有能な指揮官だという。
「スティーブン・アゴスト中尉、アスラン・ザラ少尉であります。入室の許可をお願いしま
す」
 中から承諾の返事があった。アゴストについて部屋に入り、敬礼をする。三十歳くらい
だろうか、金髪碧眼の美丈夫で、本来白を基調とした連合の士官服だが特別あつらえだろ
う黒を基調にした軍服を着ていた。
「アスラン・ザラ少尉、エリア81へようこそ。第81独立機甲兵団の指揮を任されてい
る、ネオ・ロアノーク大佐だ」
 右手を出された。穢れたコーディネーターと握手するつもりだろうか。ただ棒立ちとい
うのも礼儀にかなっていないと思い、右手を差し出した。思ったより普通の握手をされた。
一目見たときから思っていたのだが、ヤキン・ドゥーエで戦死したムゥ・ラ・フラガ少佐
をきつくしたような顔立ちだ。そして、なぜそう思ったのかはわからないが、ラウ・ル・
クルーゼ隊長に共通する雰囲気があるように感じられた。
「よろしく御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」
「正直、期待している。がんばってくれたまえ。青き清浄なる世界のために!」
 アスランとアゴストも和して応えた。
480383:2006/06/01(木) 01:09:25 ID:???
 最後に工廠を案内された。モビルスーツが最大で15機くらいは収容できそうな大きさ
である。そこにはザフトから強奪されてきたセカンドステージの最新モビルスーツが三機
並んでいたが、アスランの目は、ウィンダムの隣にある赤いモビルスーツに釘付けになっ
た。
「イージス?」
 親友のキラを殺すために自爆させたかつての愛機。
 よく似てはいるが、新しい技術で作り直したものと見て取れた。
「アシーネイージス、君に乗ってもらう予定だ」
 アゴストの言葉にアスランは、自分が戦場に戻るのだとはっきり自覚した。


 そのころ宇宙の戦線では、数の地球軍をザフトが何とかせき止めるという戦いが続いて
いた。イザーク・ジュールは生来短気なため、消耗戦に持ち込まれるのは好きではなかっ
たが、いまは地上部隊に元を叩いてもらうしかない。そんなことを考えていたところに、
通信兵が紙にプリントアウトされた電文を彼に手渡した。秘密事項、ということだろう。
それを読んだ彼の顔色は真っ青になった。
「ディアッカ!!」
 信頼の厚い副官を呼ぶ。
 MSデッキにいた彼が艦橋に上がってくるまでしばらく時間があったが、その間、艦橋の
人間は神経質に打ち鳴らされる靴音に悩まされた。
 ディアッカ・エルスマンが来ると小声で告げる。
「母上が逮捕された。ユニウス7の地球落下を企んだ連中にジンや爆薬を渡すのに一役買
ったと」
「おばさんが。ザラ派でも一番の強硬派なのは、以前と変わらずだからな」
「母が関与してなければと祈っていたが、とにかく、俺は接見に行く。その間の司令官代
理は任せた」
 イザークの元々白い顔は、血の気を失って貧血で倒れそうに白い。
「ここは俺たちが食い止める。お前は接見に行って、悔いを残さず戻って来い」
481383:2006/06/01(木) 01:18:20 ID:???
アスランが行くとこは、もうここしか残ってないでしょうということで。
ミネルバ6人組の話を書きたいのですが、本編のキャラ描写が逆切れシンくらいしかない。
アスランの女難と総集編を半分にすれば、激戦でMS稼働率が0になったミネルバ、メカニックたちは
いつ襲ってくるかわからない敵と時間を争うように修理を急ぐ(ここでアカデミーの思い出)。
敵襲、なんとかインパルスだけは動く状態になっていたが作動時間と砲弾に限りがあった。
しかしシンは冷静だが熱い戦いをして、敵を追い払う、つー「友情、努力、勝利」の回も作れただろうに。

戦闘シーンについていろいろ御意見をいただきましたが、ひとえに苦手なだけです。なので早く終わらせたいので、
シンが勝つという結果が決まっていれば、ついつい途中を省略してしまいます。これに関しては脳内保管お願いします。

アスランが乗るアシーネイージスはイージスの元ネタであろうイーリアスの「アイギス保つアテネ女神」を英語にしただけです。
482通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 02:32:29 ID:???
やってしまった感があるな
期待してたんだけどね
483通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 02:33:16 ID:???
アスランは切ったのか・・・凄いな
いや、独特の、新しい雰囲気は好きだ
こう・・・なんだろう
極めて富野的でありながらまた違う新しい感じだ
楽しいのも良いがこういうのも良いな、乙!





さっきからアソコがむずむずしてる
寒いと言うかなんという・・・アスラン頑張れアスラン(;^ω^)
484通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 02:55:16 ID:???
上でも言われてるけど
いっそアスラン主役かキラ主役とした方が面白いようなw
ラクシズ側が本編とは違いかなり独特で我が道を行ってるという印象で新鮮だ
ここまで旧キャラを徹底的に弄っても結構面白いんだし
もう新キャラ達もこのぐらいはっちゃけさせてもいいんじゃね?
嫁の手抜きのせいで元が穴だらけなんだし旧キャラ達よりよっぽど弄りやすいかも

それにしてもブルコスすげえええ本当に種世界か?
米にありそうなヤバイ宗教団体臭がして読んでて背筋が寒くなってきたwある意味GJ
ただでさえ宗教に弱そうなアスランがこうくるとは・・・彼はこれからどうなってしまうのか
485通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 16:21:40 ID:???
割と書きなれてるな
こう見てるとやっぱ連合優位だなあ
486通常の名無しさんの3倍:2006/06/01(木) 17:33:32 ID:???
空気呼んで誰も言わなかったであろう事を俺は言っちゃうゾ!


 アスランがチンコ切ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
487通常の名無しさんの3倍:2006/06/02(金) 19:59:56 ID:???
>>484
新しい時代を作るのは老人ではなく若者と言うだろ
488通常の名無しさんの3倍:2006/06/02(金) 22:32:24 ID:???
>>383
いやいやGJです、うむ
アスランが去勢したのはブルコス思想によるものなのかな?コーディはその一代限りで潰えるべき物だと
どんな敵としてシンとレイ、アレッシィの前に立ちふさがるのか、今からWktkですよw

きら、アスラン視点のエピソードも挿入されましたが、これからシン視点の、そしてアレッシィ視点の物語が本格的に始まる事を期待します!
489通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 00:43:37 ID:???
なんかもういろいろやりすぎて
シンとかクルーゼとかどうでもよくなってきた俺がいる
490通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 00:44:59 ID:???
やりすぎて→やられすぎて
491383:2006/06/03(土) 00:52:51 ID:???
「さて、ファントムペインコーディネーター部隊も体制が整った。あれが君たちをテスト
するための獲物だ」
 強襲揚陸艦JPジョーンズのブリーフィングルームで、ネオ・ロアノーク大佐がスティー
ブン・アゴスト中尉、タニス・ヴァーチャー少尉、そしてアスラン・ザラ少尉に声を掛けた。
 画面に指し示されたのは、ザフトの戦艦と巡洋艦が一隻ずつ。先のカーペンタリア基地
包囲戦のあと、パトロールを強化しているのだ。
「あれを三人で始末してもらう。艦載モビルスーツは情報によると、戦艦に5機。巡洋艦
に水中用が2機。こちらは空中用だから、水中用はうちもらしてもかまわん。船は必ず始
末すること。お前達で部隊を組むことには内部に反対意見もあった。お前たちに出来るこ
とは、戦果で反対派を黙らせることだけだ」
「イエッサー。青き清浄なる世界のために」
 三人が和して敬礼する。
 作戦開始予定通りに、発進シークエンスが始まった。
「アスラン・ザラ少尉、アシーネイージス、出る!」
 勇躍と空に赤い機体を躍らせた。


 連合軍の広報は誇らしげに戦果を発表した。
「本日現地時間1400、本軍はザフト軍と交戦、戦艦一隻、巡洋艦一隻、モビルスーツ
7機を撃破。本軍の戦力はモビルスーツ三機、パイロットはスティーブン・アゴスト中尉、
タニス・ヴァーチャー少尉、アスラン・ザラ少尉の三名であります。アスラン・ザラ少尉
は故パトリック・ザラプラント評議会議長の子息であり、このたび大西洋連邦の理念に共
鳴して、永住権を申請し、軍に入隊したものであります。これからの軍功によって、市民
権の授与までの期間が最低限にまで縮まる可能性もあります」
492383:2006/06/03(土) 00:54:49 ID:???
「アスランが、連邦の軍人になって、ザフトと戦っただと?」
 テレビを見ながら真っ青な顔で呟くカガリに、ユウナが声をかける。
「こっちで学生をしてたんだっけ? 戦士の血が騒いだってことか、父親の贖罪のために
働く気になったのか。でもこれで大西洋連邦のコープランド大統領と会うときの課題がひ
とつ減ったね。これで、アークエンジェルの下士官や兵士にオーブ国籍を与えて連合軍に
引き渡さない理由が強くなったからね」
「そういう問題か!?」
「そういう問題だよ、ボクらにとってはね。結婚式の後、同盟関係を固めるためにワシン
トンに招待されてるんだ。大統領夫妻といる時だけでも、ネコをかぶれるようになってお
くれよ、カガリ」
 子供をあしらうように言われるのは心外だが、正式に外国訪問するなら必要なことだ。
乳母のマーナはカガリに姫らしい礼儀作法や所作を教えようと懸命になったが、果たせな
かった。いま花嫁見習いでセイラン家に来ているのもそのためだ。ウズミの従姉妹に当た
るユウナの母に捕まっては、さすがのカガリも逃げようがない。とはいえ彼女もじゃじゃ
馬馴らしを完璧にするのは無理と見て取ったのか、とにかく正式の場で恥をかかないよう、
国賓のことをかぼちゃと思って天気の話だけするようになどと教えているのだった。
「オーブのためだ。努力はする」
 カガリは前大戦のオーブ戦で家族を失ったザフト兵の真紅の瞳を思い出した。ありった
けの憎しみと侮蔑を込めた視線、国民にあの少年のような目をさせないためなら、公式の
場でだけ淑女ぶってほほと笑い、しとやかにハイヒールで歩くことなど、苦労にもならな
かった。


 先の戦闘で傷んだ艦やモビルスーツの修理に追われるザフトのカーペンタリア基地にも、
パトロール隊が全滅したことの確認とほぼ同時刻に連合軍の発表が入った。
 シン・アスカはハンバーガーショップでハンバーガーを食べていた。プラントでは牛肉
は高級品で、ファストフードのハンバーガーチェーンはない。ここにはオージービーフを
使ったオーブと同じ店が入っていて値段はオーブより安い。それで彼は通いつめているの
だ。ただファストフード店としては、ここよりフライドチキンの店のほうが人気があるよ
うだ。プラントでは肉といえば一番身近なのが鶏肉だからしょうがないかもしれない。食
べなれていないせいか、牛肉特有の濃い脂肪にグラスフィードの草の臭みが加わった匂い
が苦手だというザフト兵も結構いた。
 ちゃんとしたレストランではミルクフィードの小牛料理もあったので、シンは小牛のT
ボーンステーキとレバーのソテーも食べた。ミネルバが出航するとき、どれだけの牛肉を
積んでくれるんだろうか。宇宙に帰ってもしばらくは牛肉が食べられるくらい積んでほし
いと、願うシンだった。
 
493383:2006/06/03(土) 00:55:57 ID:???
 名残惜しげに席を立とうとしたところに、店内のスクリーンに情報が入った。
 カーペンタリアの艦が撃沈されたこと、敵に元ザフトのエースの名前があることで、店
内は騒然とした。二年前の大戦を生き延びてここにいる兵士が多いのだ。
「テロリストが、今度は地球軍に入ってプラントに敵対しただと!?」
「あの戦艦には友達が……。大戦を生き延びたのに、なんで裏切り者に殺されなきゃいけ
ないんだ!?」
「ひどい、人間じゃない」
 店の中に怒号が渦巻く。
「この戦争だって、パトリック・ザラの亡霊が起こしたようなものなのに、その息子が…
…バカ野郎。前大戦も今も、被害は全部プラントにっていうことか!」
「アスラン・ザラの引渡しをオーブとの交渉で求めなかった、カナーバ前議長の責任だ。
軍法会議で死刑にしておけば……」
 シンにとってアスラン・ザラはじゃじゃ馬姫が暴走した挙句、ウズミ代表の失政に輪を
かけてオーブが地球上で孤立するようになった愚行の仲間だった。アカデミーでシンは白
兵戦ではレイにも差をつけたトップだったが、教官たちが密かに「アスラン・ザラの方が
一歩上だ」と言っていたことは知っている。いくら成績がよかったとはいえ、あんなテロ
リストと比べるなと、直接文句をつけたこともある。
 テロリストが正式な敵軍人として姿を現したことに、古参兵ほどでないにしろシンもシ
ョックを受けてミネルバに帰還した。


 レクルームに行ったら、非番のルナマリアとレイ、ヨウランがいた。
「聞いたか? 信じらんねーよな、まったく。ザフトアカデミー始まって以来の秀才が、
テロリストどころか地球軍の軍人に身を落とすなんてさ」
「ホント。前大戦のクルーゼ隊で活躍してた頃は、かっこいいななんて思っちゃったけど、
あーー、過去に消しゴムかけたい」
 実際アカデミーで女子生徒に密かな人気があったのは、シンも知っていた。議長の息子
でトップエリート、そしてその座をなげうって婚約者とテロの道を選ぶというのが、女の
子にとって退廃的な王子様だったのだろう。同じようにラクス・クラインの大ファンもア
カデミーの初期にはいた。地球で歌手活動は続けているらしいが、プラントで今彼女の曲
に人気があるとは聞いたこともなかった。過ぎ去った人たち、過去の忌まわしいものとし
て葬りさりたいとプラント人が思っている人間が、オーブという墓場から起き上がって、
ロンドンの替わりにワシントンに出現したドラキュラのようだ。
「父親がプラントを第一に考えた政治家だったということと、息子が裏切り者に育ったこ
とは、教育もあるだろうが、生まれ持った性格も大きいのだろう。アスラン・ザラは一度
ザフトを裏切ってテロリストになり、今度は地球軍に入った。コーディネーター排斥を唱
えるブルーコスモスが地球軍の中で強い勢力を占めていることを考えると、おそらく彼は
反コーディネーター思想に染まったのだろう」
 レイが冷静に言った。
「それって、自己否定ってやつ?」
「俺には彼の気持ちはわからんが、プラント生まれのコーディネーターが連合の士官にな
るには、それなりの覚悟が必要だろう」
「そういや、ザラ派筆頭のジュール議員が逮捕されたばっかりだったな。彼女はパトリッ
ク・ザラのナチュラルを殲滅してコーディネーターが生き残るって思想のために、この戦
争に繋がる動きをしたらしいけどさ」
494383:2006/06/03(土) 00:57:54 ID:???
「議員が武器の横流しなんて、サイテーだ」
 潔癖なシンには許せなかった。プラントに移住して日の浅い彼には、ザラ親子というの
は報道でしか知らない人だというのもあり、ザラ派というよりは対地球強硬派と考えるほ
うが自然なのだ。
「でもジュール議員の息子のイザーク・ジュール隊長は、このあいだのユニウス7破砕作
業をメインでやった軍人だわ。近頃メイリンがファンしてるみたいだけど」
「ファンって??」
 ヨウランが訊く。
「ああ、ミーハーってこと。ああいう家柄のいいエリートと恋に落ちて結婚したいって、
乙女の夢よ」
「−−家柄って、俺たちコーディネーターは二世代目じゃん。家柄も出自もへったくれも
ないと思うのは、俺が孤児だからか?」
 シンは少々きつくルナマリアに言った。
「確かに、そうなんだけどね。うちみたいに父親がコロニー公社勤務、母親が教師なんて
ごく普通の家庭に育つと、議員の子供っていうだけで別格のエリート、特権階級に思える
らしいのよ」
 ルナマリアたちの父親が血のヴァレンタインの前日にユニウス7に視察に行った。一日
違いで被災を免れた父の強運に感謝して、最初からザフト希望だったルナマリアだけでな
くメイリンも一緒にアカデミーに入ったことはみんな知っていた。
「しかしアカデミー時代、議員の娘のアリッサ・チャンがルナマリアに対抗意識を燃やし、
あげくにメイリンをいじめていたことがあっただろう」
 過去の事件を簡潔にレイがまとめた。
「あーー、あれね、思い出してもむかつくわ、アリッサの奴。ま、二度とメイリンをいじ
めようなんて気にならないようにしてやったけど」
 これはリアルタイムで一緒にいた時の事件だが、男性陣は詳細は知らない。威張りまく
って取り巻きグループを作り、自分より成績のよい女子にはつっかかりまくっていたアリ
ッサ・チャンがある日から借りてきた猫のように大人しくなった事実を知るのみ。
「確か彼女、赤服がもらえる成績がとれなかったからって、任官拒否したんだっけ?」
 女同士の争いは怖いと知ると同時に、愛国心の薄さまでわかって、可愛い女の子だと思
っていたアリッサにシンが興味を失くした出来事だった。
「そう。最終席次発表のあと、派手に泣いてたわね。『チャン家の娘には赤服しか許され
ないのに』なんて喚いて。シンじゃないけど、プラントの歴史を考えたら、どこからそん
な選民意識がでてくるのやら」
 ルナマリアの声に険が含まれる。
495383:2006/06/03(土) 00:58:43 ID:???
「赤服にそれだけの価値があるとは思えないな。座学も実技もまんべんなくできれば、そ
れに相応する成績は取れるのだから」
 主席卒業のレイにとっては実際その通りなのだろう。
 そしてシンも言う。
「ヨウランにしろヴィーノにしろ、座学の成績はすごくよくて、モビルスーツ工学のレポ
ートなんてA+だったし。確かに、実技はいまいちで、俺とレイでシミュレーターの訓練
に付き合ったけどさ。人間、得意不得意があって、あたりまえだろう」
「あれはありがたかった。夢はモビルスーツ設計者な俺たちだが、モビルスーツ実技の単
位を落とすと整備士の資格がとれねーもん。レイって、お高い優等生だと思ってたけど、
あの日から俺たちのダチになったもんな。−−でも、メイリンはいじめられても議員の子
供とかに憧れてるわけ?」
 親友のヴィーノがメイリンに恋しているのを知って尋ねるヨウランだし、ルナマリアも
わかって答える。
「みたい。家柄のいいエリートと結婚して、社交界のマダムに収まるのが夢って感じ」
 エリートはともかく、家柄がいいとか社交界のマダムとか、男性3人の理解を超えてい
た。ヨウランはこの情報をヴィーノに話すかどうか、真剣に悩んでいた。
496通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 02:25:45 ID:???
食物の話をはじめささやかな物事のとらえ方なんかで
コーディ同士でも地球産とプラント産、出生地によって違いやズレを細かく描写してるところ
いいね
こういうの好きだ
特に食文化は種において手抜きされまくったものだから余計に光ってるな

それにしてもやっぱり地球育ちのシンが一番親しみ持てるわ
497通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 02:56:13 ID:???
>宇宙に帰ってもしばらくは牛肉が食べられるくらい積んでほしいと、願うシンだった。
無茶な願いにワロタ。
498通常の名無しさんの3倍:2006/06/03(土) 11:52:05 ID:???
アシーネイージスの武器やデザインはどんなのなんだろう
499通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 05:23:53 ID:???
エリ8にベルアゴ‥
逆回転のしずにーも‥?

いやいや楽しみですだ
500383:2006/06/04(日) 15:12:19 ID:???
>>484 ブルコスは環境保護団体と、宗教が崩壊したことによって行き場を失ったキリスト教
ファンダメンタリストの力によってできた、という設定にしてます。本編でも大西洋連邦に本拠が
あるようなので、そうずれた設定ではないと思ってます。
>>488 ブルコス思想により、穢れたコーディネーターに生殖機能は不要ということで。
なぜ不完全去勢ではいけないのかというと、不完全去勢では勃起の射精(無精子だけど)
できるので、もしナチュラルの女性と交わるようなことがあってはいけないから、完全去勢です。
>>498 アシーネーイージス、MAになる、スキュラの出力うpくらいしか考えてません。つーか、だれか
考えてください。
>>499 うけてくれましたか。エリア00というのは米空軍基地の一般的な呼び名です。UFO関係で
エリア51が有名ですが。エリア81はブルコス右派の基地なので、コーディネーターと同じ空気を吸うだけでも
汚らわしいと思っているナチュラルも多いのですが、当然、身分が下のものを虐待するナチュラルもいて、
アズグレイブ刑務所状態です。すまん、ベルアゴ。
501通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 17:06:05 ID:???
イージスのマイナーチェンジverでもいいと思うけどな
下手に弄ると想像しづらいし

PS装甲→VPS装甲にしといて後はアビオニクスとフレーム、武装の換装と改修とか?
502通常の名無しさんの3倍:2006/06/04(日) 18:56:16 ID:???
ぎゃ、性転換!・・・と思ったら、よ、要するに宦官と同じ
状態だったのか。
このアスランは、種終了後にカガリに恋愛感情を抱くわけでもなく、
種のケジメをつけたという形なんだろうけど・・・単なるキャラファン
の視点では思いつかない、こんな決着。
不意打ちだったので、切られた箇所を読んだ時、なんか心の一部も
スパッと切られたような気になったものの、2chならではの作品かも
しれないな。

で、カガリについても・・・うわ、こっちのカガリはきちんと結婚する
気になってる! ま、アスランがいなければ当然だけど。
本編では、結婚する気がないのに婚約状態を続けた上に、アスランが
トチ狂って指輪送るわ、それにほだされるわ、ユウナをこけにするわ
・・・めちゃくちゃだったからな。

食については、種では全然描写されない問題だったから余計光ってる、GJ。
503383:2006/06/06(火) 16:51:24 ID:???
「なかなか勝手なことを押し付けてくれるな、議長様は」
 アレッシィは自室でメールを読みながら呟く。議長直属の特務隊フェイス所属の彼に、
司令部を通さず議長から直接命令が来るのはおかしなことではない。暗号技術ではコーデ
ィネーターがナチュラルの上を行っているので、まず暗号メールが解読されることはない
し、暗号自体、毎日変更されていた。
 ミネルバの乗組員は修理と補給が終わり次第、宇宙に戻るものと思っている。実際ミネ
ルバは一応地球でも使える宇宙戦艦であり、海では喫水下に武器を持たぬので、魚雷や水
中用モビルスーツの攻撃に弱いのだ。
 しかしデュランダル議長の指令は違った。可愛い子には旅をさせよということか、最新
鋭艦ミネルバであれば、地球で連合の戦力を減らすのに使えるということか。とにかく指
令は「カーペンタリア基地からジブラルタル基地へ向かい、スエズ攻防戦に参加せよ」と
いうことだった。また先日の戦闘のことはアレッシィから密な報告を送っておいたので、
それについては、「要観察者の日常および戦闘時の感情を更に細かく報告してほしい」と
いうことだった。それにくわえて、あるパイロットをミネルバに配属するかもしれないと。
「あいつは私を保育士だとでも思っているのか。しかし、もしそうなったら艦長は不愉快
な思いをするだろうな」
 そして次の画面に見入る。ザフト情報部に依頼して入手した、先日の海戦でアレッシィ
の神経を逆撫でした、紫色のウィンダムに乗った男の情報だった。
『ネオ・ノアローク大佐、C.E.40.3.23,大西洋連合ロス・アンゼルス市生まれ』
 育成暦、写真の数々。子供のころから色の変わらない金髪と青い目、長身の逞しい骨格、
整った顔。母親は映画スターを夢見て映画の都ハリウッドに出てきて、娼婦に身を落とし
たという女だった。ただ女優業にはそうそうに見切りをつけて高級娼婦になり、ネオとい
う私生児を一人生み、今は高級売買春斡旋でハリウッドの夜の世界の大物と呼ばれる存在
だという。
「アル・ダ・フラガはこの私生児の存在を見逃していたのか? 士官学校の成績を見る限
り、ムウ・ラ・フラガよりできはよさそうだが」
 ブルーコスモス直下の部隊と言われる、第81独立機甲師団通称ファントムペインの隊
長。先日のアーモリーワンを強襲してザフトのセカンドシリーズのモビルスーツ三機を強
奪した時の指揮をとったとされる。
 情報戦ではザフトが一歩先んじているはずだった。連合軍にブルーコスモス主義者が多
いとはいえ、金のためなら情報を売る輩はいくらでもいる。対してザフトは、連合に負け
るイコール自分たちコーディネーターの滅亡と考えるものがほとんどなので、金で情報を
漏らす人間は滅多にいない。そして前カナーバ議長が戦後処理の一環として、ザフト、議
会、官僚にはびこっていたラクス・クラインのテロリズム支持者たちを一掃したので、情
報漏洩の可能性は低くなった。
 しかし人間世界を構成しているのは地球とプラント、いくつかの自由都市だけではない。
怪しい盲目の宗教家と組んで、宇宙を我が物顔に飛び回るジャンク屋組合という連中がい
る。彼らは戦争で出たジャンクだけでなく、情報をも金に買えて売り買いする。そして、
彼らは戦争がおればあるだけ潤うのだ。
「まあいい、考え、駒を動かすのはギルバートの仕事だ。この男と遊ぶ機会が早くくれば
いい。ゆっくりと時間をかけて嬲り殺してやりたいものだ」
 彼は喉の奥で猫のような笑い声を立てた。
504383:2006/06/06(火) 16:51:52 ID:???
 自由時間、シンとレイは部屋で連合軍が流したアスラン・ザラの戦闘の様子を見ていた。
アスラン・ザラの機体が前大戦で彼が使用したイージスの改良版であるのは見て取れたの
で、二人の間では「イージス改」という名前で呼んでいた。
 ザフトのモビルスーツ隊を僚機のウィンダム二機に任せ、MA形態を取って、戦艦の射線
を潜り抜けながら、更に変形し、スキュラといわれる複列位相エネルギー砲で艦橋を撃ち
抜く。そして巡洋艦の甲板上で砲台役を務めているグーン二機に対しては、モビルスーツ
形態でビームサーベルで仕留めていた。そしてまたスキュラで艦橋を射抜く。その頃には
二機のウインダムは踊るような連携を見せて、五機のディンを葬っていた。
「二年前のイージスより、ずいぶん機動性や火力があがっているんだろうな」
「イージスの戦闘データは自爆のため、ザフトにも完全な形では残らなかったが、連合は
それを手に入れたのか、それとも対戦時のデータをもとにヴァージョンアップしたのか。」
 レイは考えてから、さらに口を開いた。
「この二隻に乗っていた乗組員たち、画像を見ると、艦橋がやられたあと救命ボートを出
しているが、カーペンタリアに帰還したものはいない」
「……救命ボートをイージス改とウィンダム二機で沈めたってことか?」
「おそらくな」
 シンはつい声を荒げた。
「それって、国際法違反じゃないか。いくら敵の軍人でも救命ボートを襲ったら、虐殺だ
ろ」
「アスラン・ザラはブルーコスモス思想に染まって、連合軍入りしたのではないかと、前
に言ったろう。それなら生き残ったザフトの兵士を虐殺してもおかしなことではない」
 シンは地球育ちなので、ブルーコスモスのことはそれなりに知っていた。オーブでの活
動は自然保護だったようだが、両親からブルーコスモスと関係のある自然保護区には、た
とえコーディネーターの友人家族とでも行ってはいけないと教えられて育った。オーブに
もコーディネーターへの差別は有形無形にあったが、ブルーコスモスに捕まれば殺される。
実際、ひどいリンチを受けて殺されるコーディネーターが年に何人かいた。そしてニュー
スになるころには、犯人は大西洋連邦に向かう飛行機の中なのだと、コーディネーターの
間では言われていた。
「連合軍のブルーコスモス部隊ってことか」
「そう考えるのが妥当だろう。アスラン・ザラはザフト有数といわれたパイロット能力を、
同胞たるコーディネーターを殺すために使うと決めた、ということだ」
「ブルーコスモスがコーディネーターを全滅させたら、最後は猟犬の自分が始末されると
か、考えないんだろうか」
「そこまで含めてのブルーコスモス思想盲信だろう。ザフトのエリートからテロリスト、
次はブルーコスモスとはな。節操も理念もない行動だが、本人は真面目なつもりなのだろう」
「そんな奴、俺がインパルスでぶっ殺してやる」
505383:2006/06/06(火) 16:52:39 ID:???
 アスラン・ザラ少尉が目を覚ましたのは、エリア81の医務室のベッドの上だった。
「目を覚ましたかね。体は打撲で、骨折はしとらん。ここの連中はコーディネーターの痛
めつけ方には長けているからな」
 60がらみの白衣の医者だった。
「申し訳ありません。コーディネーターの分際で医務室のベッドを使わせていただくなど、
本当にありがとうございました」
 基地に戻って、祝砲だといわれてたくさんの連中に殴られた。顔はあまり殴られなかっ
たので、喋るのに不便はないが、体のほうはコーディネーターの強靭な肉体でなければ、
内臓破裂で死んでいただろう。
「まあ、気にせず動けるようになるまで寝ていなさい」
「本当にありがとうございます、ドクター」
「私はナチュラルだが、元コーディネーターの作成を手がけていた遺伝学者でもあるので、
コーディネーターの世話も見ることが出来る。君の遺伝子配列もすでに解読済みだ。私に
仮病は利かないので、そのつもりで」
「了解しました、ドクター」
 こういってアスランは、またとろとろとした眠りに落ちた。
 目が覚めたときには、もう耳慣れたスティーブンとタニスの声がした。
「御気分はいかが? 祝砲はけっこう利いたみたいね」
 こう言うタニスは、目の周りに大きなあざを作っている。
「その、あざ……」
「ああ、見えるところに祝砲を浴びせたがる人もいるのよ。コンタクトがずれちゃうから、
もう少し別のところにしてほしいんだけど」
 そういう問題じゃなくて、女性の顔に−−と思ったが、アスランは口を閉じた。その考
えは昔のアスラン・ザラの考えだ。連合軍のアスラン・ザラ少尉は、タニス・ヴァーチャー
少尉の意見に同意すべきだと。
「お前さんも、個性的な髪型になったじゃないか」
 スティーブンに言われて、あわてて頭に手をやる。長めだった髪が、適当に鋏を入れら
れたのかざんぎり頭になっていた。
「あなたのナチュラルじゃない髪を切ってくれる人がいたなんて、感謝なさい」
「あ、ああ」
 不恰好だろうが、穢れたコーディネーターの頭に手を掛け、髪を切ってくれたナチュラ
ルに感謝しなければ。アスランは髪をなでながら、やっとファントムペインの一員として
認められたのだという感慨にひたった。
506383:2006/06/06(火) 16:54:28 ID:???
>>501 ありがとうございます。参考にさせてもらいます。あの、アビオニクスって何ですか?
507通常の名無しさんの3倍:2006/06/06(火) 18:23:56 ID:???
>>506
ちゃんとアシーネイージスが活躍してる!

アビオニクスとは航空用電子機器のこと
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%93%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%82%B9

イージスの時は頭部に大型の多目的センサーユニットを搭載していたし弄り様はいくらでもあるかも
今回はブルコス所属だから指揮官機としての運用はまずないだろうし元々最前線に出る強襲機兼指揮官機っておかしかったからそこらへんはオミットしてさらに弄りまわしてもいいかもね
508383:2006/06/07(水) 00:21:02 ID:???
>>507 アビオニクスのリンク、あちがとうございました。種用語かなと思って、ぐぐらなかったので。
イージスってスキュラのイメージしかなかったんですが、結構立派な機体だったんですね。
しかし複列位相エネルギー砲、大学が物理学科でSF研の部長だった私にも、まったく理解不能な武器。

あとタニスとアゴストの二人のヴィジュアルモデル、ベルビン&アゴストです。
ベルビンの髪を茶色に(地毛は茶色)、アゴストを宦官なんでなよっと妖しくしてイメージしてください。
ttp://www.iceskatingintnl.com/images/four_continents/4C2004%20Belbin&Agosto%20CD.jpg
ttp://www.iceskatingintnl.com/images/sk8usa/sk8usa%202005%20belbin&agosto%20cd.jpg
ttp://www.scratchspin.com/2006/worlds06/06011627.jpg
509通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 10:12:16 ID:???
アゴストが想像上に濃くてワラタw
510通常の名無しさんの3倍:2006/06/07(水) 10:47:19 ID:???
乙です。

ファントムペインすげぇ…壮絶すぎる。
シン、レイ、アレッシィと繰り広げる戦いに期待。
511通常の名無しさんの3倍:2006/06/08(木) 01:00:30 ID:???
とりあえずネオの設定とこれからにwktk
ムウに対する以上に意味不明な因縁ふっかけるアレッシィワロスwwなんだこいつww

熱血漢で良い奴+アニメキャラよりはるかに人格者な主人公陣で誤魔化しまくってたが
ラクシズ以上の厨房組織・宗教法人ジャンク屋組合の歪みに言及してくれたのが個人的に嬉しいw
512383:2006/06/09(金) 00:55:36 ID:???
 グラディス艦長は艦長室にアレッシィ隊長とアーサー・トライン副長を呼んだ。
「司令部から入電。ミネルバの行く先が決まったわ、ジブラルタルよ」
「え!? 宇宙に戻るんじゃないんですか?」
 アーサーに苛立ったようにタリアが答える。
「命令ですからね。ミネルバにとって海戦が不得手とはいえ、やらざるをえないでしょう。
潜水艦を一隻、つけてくれるそうよ。アレッシィ隊長、平然としてらっしゃるけど、御存
知だったのかしら?」
「ええ、放射線への遮蔽が十分にされてない軍艦の前で陽電子砲を撃ったことへの、司令
部からの意趣返しですかな。ユニウス7落下で反コーディネーター感情が地球で高まって
いるなか、敵味方問わず将兵を被爆させたというのは、よろしくない。地球とナチュラル
を学んで来い、と」
 アレッシィは端正な唇をゆがめ、一息ついた。
「あとお知らせしておきますと、ミネルバのモビルスーツ隊にパイロットと機体が一人分
追加されることが決まりました。明日、宇宙から降りてくるということです」
 いかにも自分のほうが情報に通じているのだというアレッシィの口ぶりに、タリアは腹
が立ったが、相手はフェイスだ。彼女は艦長だがMS隊への指揮権がないのだ。ただこれも
ザフトの能力主義の賜物だし、実際に上手く機能した例も沢山ある。先日の海戦だって、
作戦会議でアレッシィがフェイス権限で全MSの指揮を執ると主張すれば、逆らえる人間は
いなかったし、あとはそれを鑑みて作戦を立てるという形になった。そしてアレッシィの
MS指揮は一体いくつのモニターや計器を見ながら考えているのかと思うほど、無駄のない
ものだった。タンニングしたマッチョなボディを強調するような改造軍服も、いまではカ
ーペンタリアの若い兵士たちに憧れられている。
「よろしければ、その追加のパイロットの名前を教えていただけないかしら」
 自分の船に所属するパイロットの辞令が直に降りてこない不満を声に出した。
「イザーク・ジュール。では私はスタンバイ時間に入りますので、失礼」
513383:2006/06/09(金) 00:56:47 ID:???
「イザーク・ジュール!? 逮捕ざれたエザリア・ジュール議員の一人息子で、ジュール隊
の隊長の??」
 アーサーが扉が閉まるのを待って、素っ頓狂な声を上げた。
「……ジュール隊は解散、一パイロットとしてミネルバに配属、ということかしらね。彼
がここで嘘を吐く利点はないのだから」
 ニノ・ディ・アレッシィが必要とあらば、絹を紡ぎだすように嘘の言葉をも紡げる男だ
とは、タリアも見抜いていた。
 大戦後、三隻同盟に味方したディアッカ・エルスマンと協力を受けたイザーク・ジュー
ルは軍事法廷で裁かれた。エルスマンは死刑、ジュールは懲役刑が妥当だったが、その席
で穏健派の中心人物になりかけていたデュランダルが彼らを擁護したのだ。いわく『若者
が一度過ちを犯したということで、厳しい処分を与えていては、プラントに未来はありま
せん。本人たちに反省してやり直す気があるのなら、その機会を与えるのが我々大人の役
割でありましょう』。この奇麗事に加え、二人が最高評議会議員の息子であったことも−
−表向きにはけして語られないが−−あって、エルスマンは緑服に降格、ジュールは無罪
となったのだ。
 タリアにしても、プラントのコーディネーター第三世代の母として、プラント人を無駄
に死刑にはしたくない。15歳という揺れやすい年齢で成人してしまうプラントのあり方へ
の疑問もある。だから考えなしに情に走った少年達の命が助かったときは、プラントはこ
れからまだまだ成長すると思ったものだ。
「ジュール隊長って、母親のエザリア・ジュール議員が艦隊司令官のブラウニング提督の、
その、愛人で……」
 ここまで言って口ごもるから、アーサーは愛すべきでありかつ無能なのだ。
「その話は私も知っているわ。戦争で大きな戦果を複数上げなければ、前科持ちの二十歳
の白服はありえないってことも」
 たとえばシン・アスカは先日のカーペンタリア攻防戦で一番の働きをし、彼のインパル
スの存在と力によって連合軍艦隊を打ち負かせたというほどだ。だが初年兵の彼を黒服に
ということは基地司令部の誰も、考えなかった。ただ、ネビュラ勲章受勲の手続きをとる
ことは、全員一致で決まった。自由な軍隊といわれるザフトにも、勲章だの、地位を表す
軍服の色だの、役職だのは敢然として存在するのだ。
「でも、ミネルバにはアレッシィ隊長旗下のモビルスーツパイロットということでの、赴
任なのでしょう」
「……彼が、黒服なりできれば赤服に降格されていればありがたいのが本音ね。白服でも、
フェイスのアレッシィ隊長は平気で他のパイロットと同格に扱うでしょうけど、私たちは、
難しいわね。役職がないのだから、一パイロット扱いで軍規上は問題ないのだけれど、直
接接するとね」
「自分達にとっては、白服のパイロットとレイやシンを同列に扱うべき、ということです
か」
「そうなるわね」
 同じ白服なだけ、タリアのほうがうっとうしく感じるだろう。優秀だが短気で我儘なと
ころもあると聞く青年だけに。
「彼が一パイロットとなるということは、母親のジュール議員は、ユニウス7を地球に落
としたザラ派のテロリスト達と関係があったと、自白したのでしょう。プラントの議員が
あのテロに協力していたと地球側に知られたら、積極的自衛権の行使という奇麗事もただ
の言い訳ね。実際戦争は始まっているわけだし」
「はあ、イザーク・ジュールが持ってくる機体が、水中用モビルスーツだといいですね」
「……確かに、あなたの言うとおりだわ」
 アーサーは馬鹿ではないと、タリアは頭に刻んだ。
514383:2006/06/09(金) 00:57:46 ID:???
 ミネルバ艦載のMS4機の修理は済み、予備パーツの補給も受けた。インパルスの予備パ
ーツはアーモリーワンにあり、ここでは補給を受けられなかったが、宇宙に帰れば手に入
るということで、整備班にはのんびりムードが漂っていた。
 なので、ヨウラン、ケントたち数人でコーヒーを飲みながらテレビを見ている。最初は
カーペンタリア基地で独自に流しているニュースとプラントのテレビの録画しか見なかっ
たが、地球に降りてもう一月以上。結構地上の番組も見るようになっていた。なんといっ
てもプラントは人口1,000万人の小国。地球の国家は億単位の人口を持ち、旧世紀か
らの映像製作のノウハウも持っている。そして衛星放送の普及により、数百チャンネルは
無料で見ることが出来た。クルーに人気があるのは映画と自然のドキュメンタリーだった。
プラントでもそういう映像を集めたライブラリーはある。しかしソフトの量が段違いに多
かったし、またその映画の舞台となった、その動物達が生きている地球で見るのは感慨深
いものがある。たとえば、プラントのコロニーの空に、鳥はいない。ペットとしての小鳥
が飼われるのみだ。出来るだけ地球環境に近づけようとして作られているが、コロニーの
大きさと環境ではスズメやカラスレベルの野鳥しか成育できない。そしてその鳥達が生態
系を作るのも不可能だ。
 この基地の周囲は自然に恵まれていて、毎日空を飛ぶインコの群れを見ることができた
し、すこし遠出すれば、野生のカンガルーを見ることもできる。
 適当にリモコンをいじって面白そうなチャンネルを探していたヨウランは、美人歌手が
声量豊かに歌っているチャンネルに気を止めた。
「上手いなあ」
 プラントでは声をコーディネートされた遺伝子を持つ人の中からが歌手になるが、地球
の50億人のナチュラルの中から売れっ子になるまでになった歌手は、やはり産まれ持っ
た才能と努力のレベルが上だった。母数が少ないこともあり、芸術ではナチュラルを唸ら
せたコーディネーターはまだいない。楽器や歌を超絶技巧でこなし、絶賛された者はいた
が。コーディネーターは器用で正確に歌い、楽器を演奏し、絵を描くが、独自の個性を持
つ芸術家ではなく軽業師のレベルにしかないと評論家からは評される。
 聞きほれているうちに、歌詞がわかってくる。清らかで美しい地球、人類と全ての生命
を育む青い星を守ろう。生命を汚してはいけない、自然(ナチュラル)でいることこそ美
しいという内容だった。
 曲が終わると、スタジオの中にいる客から万雷の拍手。
515383:2006/06/09(金) 00:58:33 ID:???
 そして歌手が引き上げたあと、銀髪のまだ青年の域に含まれる年齢の男が登場した。
「みなさん、ロード・ジブリールです。今日も御来場、また御視聴ありがとうございす。
さて、今日はコーディネーターがこの戦争でいかに地球を破壊し、汚染しているかについ
て映像を交えてお話しましょう」
 ユニウス7の破片が火玉になって、地球各地に落ちていく映像。
「プラントのコーディネーターたちは、地球のナチュラル全滅をもくろみ、巨大なコロニ
ーの破片を落としたのです」
 場内からすすり泣く声が聞こえる。
「このブレイク・ザ・ワールドという悲しい名前がついた事件、ローマ、上海、ケベック
といった大都市が壊滅し、海に落ちた破片が引き起こした津波は世界中を襲い、津波によ
る死者だけで3000万人を超えました」
 男が悲痛な顔をして俯くと、会場からのすすり泣きが一段と高まった。
「それだけではありません、ブレイク・ザ・ワールドのもたらす影響は。巻き上げられた
粉塵は大気内を漂い続け、太陽の光を遮ります。気象学者たちにも、地球の平均気温が下
がることしか、まだわかっていません。しかし6300万年前の、恐竜が滅亡した時と同
じレベルの気象変動があると予測する学者も沢山います」
 映像はCGで作られた、恐竜たちがやせ衰えて倒れていくものに替わった。
「この恐竜を明日のナチュラルの姿にしないために、我々は宇宙で高みの見物をしている
コーディネーターを滅ぼさねばなりません。人類の母体たる地球にこれだけの攻撃を加え
たコーディネーター、彼らは人類と呼ぶに値しません。遺伝子を改変した時点で、彼らは
人類と違う、化け物になったのです。地球と地球に生きる生き物達のために、邪悪な化け
物を退治するのは我々ナチュラルにしかできないのです。皆さん、コーディネーター撲滅
と地球環境を一刻も早く元に戻すために、御協力をお願いします」
 ジブリールという男が頭を下げると、割れんばかりの拍手が送られた。
 そして透明な募金箱を持った少年少女が客席を回る。観客は、高額のアースダラー札や
小切手を争うように詰め込んでいった。
 ヨウランたちはしばらく何も言えず、黙っていた。
 途中でこれがブルーコスモスの宣伝番組だとわかったが、つい見続けてしまった。一瞬
でもこの男の弁舌に酔わなかったかといえば、嘘になるだろう。
 画面が切り替わり『青き清浄なる世界のために ブルーコスモス 募金はレッドネック
銀行ブルーコスモス 口座番号111111まで』と、大きく映し出された。
「……これが、ブルーコスモスってヤツなんだ」
 陽気で深く物事を考えない性質のヨウランですら、低い声で呟いた。
 プラント育ちのコーディネーターにとって、初めてリアルに体験する排斥運動だった。
516383:2006/06/09(金) 01:03:37 ID:???
ジブリールといえば、ロードでもコーランでも天使禁猟区でもなく、シセの私ですが、中国との
テストマッチで骨折。ワールドカップに出られなくなってしまいました。ティティに頑張ってもらって、
プレミア限定FWの名前を返上してほしいものです。
今回も、なんかにやっとするネーミングを使ってます。ブルコスのイメージのひとつとして、アメリカの
テレビ伝道師ってのもあるので、心にもないことを喋ってお金をむしりとるジブリールでした。
517通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 01:24:26 ID:???
本来なら、そういう裏でトップにいるような人たちはそうでないといけないんだよなぁ
乙、おもしろかったよ!
518通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 19:35:21 ID:???
乙!
イザーク、ミネルバ入り!?クルーとどう絡むのか楽しみ。
特にシンとどういう関係を築くのか気になるよ。
ブルコス宣伝番組の細かい描写に何だか惹かれた。
383氏は、ディテイルを濃く描きながら同時に主旋律をきっちり進行させるバランス感覚が秀逸だな。
続きも応援しています。
519通常の名無しさんの3倍:2006/06/09(金) 22:23:58 ID:???
アーサーがちょっと賢くて嬉しい
520通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 00:04:22 ID:???
アスラン関係で散々ブルコスの闇や宗教的狂気とか見せつけられた後だからか
そういう闇を感じさせない、言っては何だが地味で大衆向けな排斥運動に精を出していても
 あ の ブルコスの盟主だと思うとジブリールが凄い大物に見えてくる・・・

アニメでは一貫してデュランダルやラクシズの引き立て役で噛ませ犬、コメディアン呼ばわりと(脚本家が)最低だったが
ブルコス&その盟主をきちんと有効利用してくれた383氏本当に乙です
521通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 00:08:39 ID:???
嫁に代わって383氏が書けばよかったのに・・・

とにかく乙です!!
522通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 09:31:00 ID:???
取り戻せないもの、それが過去だ。
523通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 14:45:53 ID:???
ブルコスKOEEEEEEEEEEE!
524通常の名無しさんの3倍:2006/06/10(土) 20:06:18 ID:???
ここのブルコス描写見ていて思う。


世のカルト宗教団体をその構成員ごと皆殺しにしないと世界は終わりだ……
ここのアスランみたいに一度でも染まっちまったら、「抜けた」っつっても内心は死ぬまで一生忠誠誓ってる奴らばっかだし。


現時点では、カルト宗教創価学会が最強権力になっとる日本が一番やばいけどな。
奴らと民主党のせいで北朝鮮人権法案が北朝鮮を朝鮮半島北部から日本列島に移動させる為の法案になって13日WCで盛り上がってる所をこっそり成立させる流れになってる。
なんせ「北朝鮮からの難民だったら、日本人殺しまくる気満々の奴でも入国OK」って代物だからな。
ふつーはどんな国でも(勿論日本でも)こんな奴ぁ締め出されるはずなんだが、北朝鮮人権法によって北朝鮮からの難民に限ってはどんなド腐れ野郎でも入国及び定住OKなんだそうな。

朝鮮人って「相手が日本人だったら何やっても良いんだ」っていうリアルブルコスだから、これが上手くいっちゃったら来年の今頃は俺ら日本人の命なんざチリ紙以下の価値しかなくなる。
それに日本の経済も間違いなく無茶苦茶になるから、その影響で日本発の世界恐慌だって有り得る。

詳しくはここ参照。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20060514/m20060514005.html


イヤ、ほんとカルトはこえぇよ……ふつーの防衛本能持ってる普通人には真似できねぇ…………
525通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 19:26:04 ID:???
hosyu
526通常の名無しさんの3倍:2006/06/11(日) 20:55:35 ID:???
ついでにあげとこう
527通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 07:57:44 ID:NGU4kIL/
ここまだ落ちてなかったのね
528通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 10:44:35 ID:???
ががが
529通常の名無しさんの3倍:2006/06/12(月) 16:30:06 ID:QwidL1y5
初めてここに来たのだが…383氏はネ申か!?
530通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 00:05:23 ID:uThHauPS
531383:2006/06/13(火) 21:44:29 ID:???
 レイとともに隊長の部屋に向かうシンは、朝食の時ヴィーノが言ったことを思い出した。
「モビルスーツ隊に来るイザーク・ジュール、気をつけたほうがいいみたいだぜ。ジュー
ルとアカデミーで同期だった先輩がさ、『イザーク・ジュールの機体の整備から自分を外
してください』って班長に頼んでた」
「なんで?」
「聞いてみたら、アカデミー時代、成績と母親が議員なのを鼻にかけて、派手にいじめし
てたんだって。年下で自分と競う成績で、父親が議員で性格のいい男の子がいて、なにか
と彼をいじめてたって。彼は大戦で戦死して、イザーク・ジュールはテロリストと馴れ合
って生き残った。シンもレイも、用心しろよ」
 いじめ、実はシンも受けたことがある。アカデミーに入学した当初、彼がオーブ出身だ
ということで絡まれた。『オーブから逃げてきたんだと。ホントにコーディネーターか?
ハーフコーディネーターって混じりもんじゃないのか』と言葉ではやされ、お決まりだが
トイレで絞められた。そのあとプラントの教育方になれ勉強のこつも掴んで成績がぐんぐ
ん上昇し、いじめていた連中より上になったら、ぴたりといじめは止んだ。
 地球各国でも、士官学校の卒業席次は出世の大きなファクターとなる。ザフトは階級が
ない軍隊、あるのは役職のみと言っているが、アカデミーの成績優秀者に特別な色の軍服
を与え、エリート意識を強調している。シンは赤服の成績で卒業した時素直に喜んだが、
ナチュラルから排斥されるコーディネーター間でものすごくエリートだ何だという争いが
あるのには、得心が行かなかった。オーブでも他の国でも、大学を出るときに上位10%
に優等賞が贈られたりするのが普通だったが、プラントではアカデミーや大学の成績席次
が一週間ごとに更新され、誰でも閲覧できるのだ。プラント人は他人より優れていること
に力点を置きすぎだと感じた。アカデミー時代レイに聞いてみたら「俺は他人より勉強や
スポーツが出来ることが遺伝子の優等を示すものだと思うプラント人の傾向は、好きでは
ない。遺伝子によって向き不向きがあることを、もっと受け入れるべきだと思う。俺は将
来の可能性のために一生懸命勉強しているだけだ」と答えられた。
 そんなことを考えていたところで、隊長の部屋に着いた。
 インターホンを鳴らし、レイが二人を代表して
「レイ・ザ・バレル、シン・アスカです。入室の許可をお願いします」
 と、ドアがスライドした。
 中には机に向かうアレッシィ隊長と白服を着た銀髪の青年、スタンバイ中でパイロット
スーツのルナマリアがいた。
 隊長が滑らかな動きで立ち上がった。
「揃ったので紹介しよう。こちらは今日付けでミネルバモビルスーツ隊に配属になったイ
ザーク・ジュール。君達より年上だが、同僚として対等に付き合うように」
 きつい目をしたイザーク・ジュールの目に、燃え上がらんばかりの憎しみが宿るのにシ
ンは気付いた。前大戦を生き延び、白服をまとう身で、初年兵と同じに扱われるのが不服
でならないのだろう。
「自己紹介を」
「はい。ルナマリア・ホークです。よろしく、イザーク・ジュール」
「レイ・ザ・バレル、以後よろしく」
「シン・アスカ、よろしく」
 イザークの冷たい青い目が三人をねめつけた。
532383:2006/06/13(火) 21:45:51 ID:???
「インパルスのパイロットは誰だ?」
「俺ですけど」
 偉そうな声色に、シンはちょっとむっとして答えた。隊長職にあったとはいえ、今はモ
ビルスーツパイロットとしてアレッシィ隊長のもと対等である。ザフトの考え方として、
軍服の色があらわす大まかな階級より、辞令が出た役割のほうが上だと、軍歴が上ならわ
かっているはずだ。それでも自己紹介ひとつせず、相手に問いただすというのは、よほど
今回の人事に不満があるのだろう。
「宇宙からインパルスの予備パーツを運んできてやったぞ。感謝するんだな」
 高慢な物言いに、更にシンは業腹になる。
「インパルスの予備パーツを作ったのはアーモリーワンの工廠の技術者達で、降下ポッド
に積み込んだのも、下ろしてミネルバに搬入したのも、あんたじゃないでしょう」
「−−新米の癖に、生意気を言うな!」
 激昂したイザークに、アレッシィが柔らかい声音で、しかしきつい言葉をかける。
「シンの見解が正しいな。イザーク、君は口の利き方をもう少し考えるように。同僚に上
から見下ろすような物言いはよくない」
 シンはイザークの白皙の肌が屈辱に赤く染まるのを見た。
「スタンバイのシフト変更は入力しておいた。各自コンピュータで確認するように。では
持ち場にもどれ」
 

カガリは部屋に戻るなり、頭からティアラをとって、床に投げつけた。
 ふかふかの絨毯がダイヤのティアラを優しく受け止めた。なぜこの部屋の床は大理石で
はないのだろう、大理石だったらキャシャーンと胸がすくような音がしたはずなのにと、
更にむかついた。
「アスハ家のティアラ、大事にしないとハウメア神の罰が当たるよ。とはいえ、今日は猫
かぶり、がんばったね、君にしては」
「あの女、晩餐会の間で20回はグラスのシャンパンをぶっかけてやろうかと思ったぞ」 頭から湯気を出しながら、カガリは銀色のハイヒールを放り投げるように脱いだ。
 オーブ代表カガリ・ユラ・アスハは五大氏族のひとつセイラン家の跡取りユウナ・ロマ
・セイランと結婚し、最初の公式訪問として大西洋連邦を訪れていた。首都のワシントン
で公式行事、そのあと大統領のはからいで高原のリゾートホテル一軒貸切の新婚旅行が予
定されている。戦争の最中に紐付き新婚旅行というのはカガリの好むところではなかった
が、同盟国である。相手の元首の厚意を無視できるほど、オーブの国力は強くない。
 肩からかけた勲章をむしりとって、これまた放り投げる。
「嫌味全開で、オーブは新興国で歴史がないのがおかわいそうだの、前大戦のお父様の政
策についてねちねち、オーブにどれだけの大西洋連邦の企業が進出してると自慢、あんな
に人から馬鹿にされたのは初めてだ!」
 カガリはローブデコルテを脱ごうと背中に手を回した。
「有能な弁護士のマシュー・コープランドは、政治的野心のために北米で知られた金属製
造業の社長の娘のナンシーと結婚しましたってね」
 カガリに手を貸しながらユウナが言う。大統領夫妻のプロフィールはカガリも書記官の
オチアングからレクチャーを受けて、知っていた。
「ナンシー夫人の兄が経営する会社の取引先の多くは軍需産業で、ってこと」
「ロゴスの手先があの女で、大統領は操り人形だってことか」
 カガリはなんとかローブデコルテを脱いで、下着姿で仁王立ちになった。
「そういうことは、ちゃんと事前に教えてくれ。それが夫の義務だろう」
「秘書官から事前に情報は教わっただろ。そこから考えるのが国を背負う者の仕事だよ」 
ユウナはそう言いながらメモになにやら書いてカガリに渡した。
533383:2006/06/13(火) 21:46:38 ID:???
『この部屋は盗聴されている。でも気にしないように。こちらがどこまで情報を持ってい
るか教えたほうが、相手は安心する。もちろん寝室の盗聴器は全部外させたよ、ハニー』
 カガリは顔色を変えたが、ここで妙なことを口走るほどにはもう子供ではない。オーブ
の国民のために、彼らの命を守るためなら、何だってすると決めたのだから。先ほどの晩
餐会でも、ナンシー・コープランドの言葉にむかつくたび、宇宙であったコーディネータ
ーの少年の憎しみに燃える赤い瞳が胸をよぎった。
「モルゲンレーテの技術に嫉妬しているのか、連合は」
『ウナギみたいな男だな、お前は』
 メモを返す。
「元プラント理事国は無重力でしか作れない特殊な合金を、完全にプラントに依存してい
たからね。オーブはヘリオポリスで作っていたわけだが。前大戦からその供給が途絶えて、
連合軍は月基地の近くに生産工場を作ろうとしていたけど、原料の金属を含んだ小惑星を
探してアステロイドベルトから引っ張ってくるだけで、2,3年はかかるからね」
 ユウナもタイを緩め、疲れたように首を振った。
「オーブは、ヘリオポリスを失くしたあと、ジャンク屋組合から金属を買っているんだっ
たな」
「そう。前の戦争で壊れた兵器が宇宙に沢山浮いてるからね。彼らはそれを集めて分解し、
金属の種類ごとに板金に戻して売っているわけだ。元は連合とザフトの資源だったわけだ
から、オーブが睨まれるのも仕方ない?」
「なら、連邦もジャンク屋から買えばいいことじゃないか。彼らは宇宙で危険を冒してデ
ブリを集めているんだから」
 カガリは冷蔵庫から冷えたミネラルウォーターをだして、ぐびりと飲んだ。
「ジャンク屋組合からの売値が連邦とオーブじゃ違うのさ。オーブはマルキオ導師を昔か
ら保護している国だからね」
「ああ、そういうことか。義理堅い奴らだな」
「とにかく、気をつけたほうがいいことは沢山あるからね、小国は辛いよ。キミの友達の
ラクス・クライン、オーブに戻ってアスハの屋敷に滞在しているようだけど、様子はどう
だい?」
 訊かれてカガリの眉が曇った。
「ラクスは元気なんだが、彼女の恋人のキラが……。オーブ軍に志願して、先日のカーペ
ンタリア包囲戦に参加したあと、PTSD状態で引きこもってって。家族やラクスが話しても
医者に行こうとしない、自分の部屋から出ない、ほとんど口を利かない。心配しているん
だ」
 ユウナにはキラが双子の弟だと話してあるが、それを連邦に知らせる義理はなかった。「ラクス・クライン、あのピンクのお嬢さまには注意したほうがいいよ、オーブのお姫さ
ま」
「ラクスはいい友達だぞ」
「彼女が母国プラントで武装組織を作り、ザフトから最新鋭の戦艦とモビルスーツを盗ん
でテロを起こしたのは16歳の時だよ。準備を始めたのは何歳の時なんだろうね。ほやっ
とした外見でおっとりした喋り方だからって、油断しちゃいけない。オーブに来てから外
国にまで歌を歌いに行ったのも、壊滅したプラントの組織の変わりに新しいテロ組織の細
胞を地球に作るため、と見られてもしょうがない人物なんだから」
 ユウナの言葉に、カガリはあっけにとられた。
「キミだって、ある日突然モルゲンレーテの工場から最新鋭の戦艦とモビルスーツが盗ま
れたら困るだろう」
534383:2006/06/13(火) 21:47:24 ID:???
「困るなんてもんじゃない! 国家反逆罪だぞ、それは!!」
「−−だから、ラクス・クラインは生まれ故郷のプラントで一度それをやってるんだよ。
彼女にとってフリーダムのパイロットだったキラ・ヤマトは欠かせない人材だ。ジャステ
ィスのパイロットだったアスラン・ザラは今じゃ大西洋連邦のパイロットだからね」
 カガリは下着姿のままソファに腰を下ろした。生まれて初めて知り合ったプラント人が
今では、コーディネーター排斥派が主流の連合軍の一員。おそらく本人がブルーコスモス
思想に感銘を受けて、コーディネーターを殺す側に回ったのだろうと言われている。彼に
はオーブの、ナチュラルとコーディネーターが共存する世界を理解してもらえなかったと
思うと、少し悲しくなる。
「ラクスはアスハの家にいるから問題ないとして、キラの周囲に見張りをつけたほうがい
いな」
「ボクもそう思うよ」


 フェイスの特権とは使えるものだと、アレッシィは思う。
 地上軍の情報部に新しい任務を、最優先で、予算も決めずに発注できるのだから。
 地球人はプラント人より人口が多く、経済規模も大きく、つまり貧富の差が激しい。金
のために敵国の仕事を請ける人間にはことかかない。更に頼んだ任務が行われるのは、ロ
ス・アンゼルス。大西洋連邦の中でも特に貧富の差が激しい大都会だ。ブルーコスモスの
私兵を率いる隊長のもとから、髪の毛を一本以上採取すること。相手は用心深い狐だろう
が、金銭欲に狩られた人間はなんでもするものだ。
「いくら金がかかろうが、何人死のうが、彼に幸せをもたらせるかもしれないなら、価値
があるというものだ、そうだろう、ギルバート」
 金髪の少年の生真面目な顔を思い出しながら呟いた。
535383:2006/06/13(火) 21:49:10 ID:???
やっと全体の構成が大まかに決まったので、今回はロングパスを出してみました。
次は「インド洋の死闘」、苦手な戦闘ですし、ワールドカップで死にそうな生活を送っているので、
ちょっと時間が空くと思います。
536383:2006/06/13(火) 21:51:33 ID:???
設定を少し調べたのですが、地球で兵器を製造している会社って、オーブのモルゲンレーテと
西ユーラシアのアクタイオン・インダストリー以外にありましたっけ? 大西洋連邦に沢山あるはずなのですが、
御存知の方がいらしたら、教えてください。連投すまん。
537通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 22:31:46 ID:???
このSS・・・おもしろいんだが
どこかエヴァヘイトSSのような匂いがする・・・
538通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 22:57:09 ID:???
あーそんな感じはするね
でも原作は組織相関図や設定が壊滅的だったからなあ・・・
皮肉ってるのが大きいような
539通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 23:06:58 ID:???
>>383
量産機スレからの拾い物ですが

◆連合・オーブ

○モルゲンレーテ
前期GAT-Xシリーズ、アストレイ、AA級、イズモ級、ストライカーパック

○PMP(Propulsion & Machinery Progress)社
ライトニング、IWSP、スカイグラスパー(後者二つは、モルゲンレーテにおいて完成)
スカイグラスパー、スピアヘッド等の航空機

○FUJIYAMA社、PMP社、モルゲンレーテ・エアロテック社、
アドヴァンスト・スペース・ダイナミック社 の共同開発 コスモグラスパー

○アクタイオン・インダストリィ社
各種戦闘車両、ゲルフィニート、グティ、ボヴィー、バチルス・ウエポン・システム(次世代量子通信)

○アクタイオン・インダストリー社の協力を得たユーラシア連邦
ハイペリオン(CAT1-X)
540539:2006/06/13(火) 23:11:43 ID:???
◆ザフト
主にヴェルヌ設計局は小型の宇宙船や航空機を、ウエルズ設計局やMMI社は各種火器類を担当
戦後、ザフトのヴェルヌ、ウエルズ、ハイライン、クラーク、アジモフ、各主要設計局は統合される

○アジモフ設計局
ジン

○ヴェルヌ設計局
ヴェルヌ35A/MPMF

○クラーク、アジモフ、ハインライン各設計局
ドレッドノート、プロヴィデンス

○MMI社(ハイライン、クラーク、アジモフ各設計局の共同製作ともいわれる)
ゲイツ

○ヴェルヌ、ウエルズ各設計局
ミーティア

○統合設計局
ジャスティス、フリーダム、セカンドステージ、ニューミレニアムシリーズ

こんな所かな?お役に立つかは微妙かも。
何はともあれ続きをWktkして待たせてもらいますお
541通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 23:28:06 ID:???
>>537
本編で持ち上げすぎてたからなあ。
少々貶められただけでヘイトみたいに見えてしまうのは仕方がない。

まあこれからの変化しだいだが。
542通常の名無しさんの3倍:2006/06/13(火) 23:55:05 ID:???
383氏乙!
俺にとって今の新シャアで一番wktkさせてくれるssですよ。
ユウナの食わせ者ぶりがたまらなくカコイイ。
カガリも、カガリらしいまま見違えるようにキャラ立ちしてて感動した。
フェイス権限も活きた設定に変わってる!!
続きは少し時間が空くそうだけど、楽しみにしてますよ。

GJですた!!
543通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 01:18:50 ID:???
乙!
だがイザークはもうちとは節度あると・・・チトカワイソス
アレッシも昔みたいに対立させて面白がる理由がないから
禍根を残すような場の収め方はしないんで内科医?
544通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 02:19:39 ID:???
う〜ん、正直このイザークの描写はちょっと…

イザークが親の権力を盾にして他者に危害を加えるような描写、あるいはそういうことをしそうな奴だという描写ってあったっけ?
過去のエピソードを捏造までして「イヤな奴」にしてしまうのは、正直読んでて気分悪い。
545通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 02:31:38 ID:???
過去にあったかどうか、は良いんじゃないか?あってもさ
成長すれば問題ないさ、たぶん

で、まだイザークがイライラしてる理由が明かされては無くて
シンがそういう風にイメージを感じ取っただけでさ
今までのSSの感じから、キャラクターを適当に書くって事は無いと思って
このイザークは誤解をされてるって状況にあると判断した

こう・・・良くあるお決まりというか、お約束というか
王道というか・・・それでいて大事な要素でもある、というか

まぁ、たぶんとしか言えないけどw


ふぅ、マジレスは疲れるぜフゥハハハー
546通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 02:47:48 ID:???
いや、あそこまで詳細に「過去の出来事」が語られてしまうとね…
どうしても「気に入らない人間に親の権力を盾にして危害を加えるような人物」として表現されていると見えてしまうのよ。
しかもシンの回想によって、その「過去の出来事」が事実であると補強される形になってるし…
イザークをそういう人物として描写するつもりでないのなら、ヴィーノの話はいらなかったと思う。

他の部分がすごくいいだけに、こういうキャラヘイトっぽい部分が出てくるのが残念で、ついつい書き込んでしまったスマソ
547383:2006/06/14(水) 06:06:46 ID:???
クロアチアの19番はイケメンでした。
>>539 ありがとうございます。連合、結構兵器開発力弱いような。でもロゴスの設定は……。
>>546 先のネタバレはしたくないのですが、ちょっとだけ。アカデミー時代ヴィーノの先輩はイザークが
いじめをしていると思った。イザークは気に食わないやつをからかって遊んでいたつもりだった。相手は戦死したので、
当の本人がどう感じていたかはわからない、ということ。まあ、今回はイザークを鼻持ちならない野郎と悪感情を持ってもらうように
書いたので、キャラヘイトという意見があるのは、こちらの意図が成功したということでしょう。
548通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 07:15:18 ID:???
>>544-546
種時代のニコルに対しては明らかに理不尽な言いがかりをつけたりしてたな

元々そんなたいした人物でもないだろ?イザークとか
549通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 07:49:46 ID:???
>>383
アズラエルが経営してるコングロマリット社って言うのがある
MSの開発、生産を行っているかは不明だけどロゴス企業の一つだから、一枚かんでると考えてもいいのかも
550通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 08:43:50 ID:VO9YSM4m
人の噂なんて悪く歪んで伝わっちゃうもんだからな。
イザーク本人はちょっとからかっていたつもりでも。

とにかく383氏GJ!
551通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 11:29:48 ID:???
嫌な奴と思ってたら誤解→和解、は王道中の王道だと思うけれどなあ。

実際俺は種死でアスランがミネルバに入ってすぐに馴染んだのが不自然でしょうがなかった。
552通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 12:32:28 ID:???
無印から接続してるなら、イザークはニコルが死んだ時あれだけ嘆いてるわけだし、
ニコルもいじめられてるとは思って無かっただろうから、
噂に尾鰭がついちゃっただけだと思って読んでた。
553通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 16:43:00 ID:qZlItkGa
どうもイザークを素晴らしい聖人君子キャラにしたい方が居たようで。
種序盤なんてナチュラルへの差別意識むき出しだったのにね。
554通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 16:44:15 ID:???
あれ?なんでageになってるんだ?
メ欄にはsage入ってるのに…。
555通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 16:47:33 ID:???
大気圏降下時にストライクに自分の射撃が当たらなかった事を事を避難民シャトルのせいにした。「よくも邪魔を」
パナマの捕虜虐殺を見て見ぬフリ。「動けない敵を撃って何が楽しい」
556通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 17:15:05 ID:???
たしかそれ、設定変更で
避難民に偽装された軍人だと思い込んで撃ったって事に
なってたような。
557通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 17:20:51 ID:???
種時代は結構好きなキャラだったのだが、そんな所を含めてだから、
昔いじめっ子ぶりが・・・という話でも全然違和感なかった。
というか、ほんとに種序盤を見ればそういうキャラだもの。
ニコルへの態度も酷かったし。

それはともかく、カガリとユウナの描写が好きだ。
力及ばないなら及ばないなりに、ああいうキャラなりに
出来ることがあるはずだったんだよな、としみじみしたので。
558通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 20:55:42 ID:???
>>553
>どうもイザークを素晴らしい聖人君子キャラにしたい方が居たようで。
そう言う意味で言っているんじゃない

>>557
>というか、ほんとに種序盤を見ればそういうキャラだもの。
>ニコルへの態度も酷かったし。
イザークに関しては、良いか悪いかは別としてニコルには奴なりの
仲間意識があった上でのあの態度であるわけで、
初期にアスランに対して抱いていたようなギラギラした気持ちもないのに
初対面の人間にあんな物言いするかなあと俺はギモンニオモタダケ

キャラたちの発言には、相手に対する思惑や感情が常に背景にあるわけで
イザークにしろアレッシにしろ、ああいった物言いの裏側にそういうものがちらほら
見え出したらキャラの言葉に奥行きが出るし、読んでる方も面白くなるとオモタダケ
559通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 21:05:57 ID:???
職人さんのスタンスが「イザークはこういうキャラ」なんだろ。
それについてスレ住民があーだこーだ言っても始まらんよ。

己のイメージと異なるからと言って食って掛かるのは良くないな。
560通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 21:18:23 ID:???
食って掛かっているつもりもないんだが・・・

最初の発言を勘違いされたかなと思って補足させてもらった。
>>547を読んだ時点で、キャラの発言はキャラの思惑から出ているのでなく、
職人さんの思惑から出ている発言なのだなと理解もしているつもりだよ
561通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 21:23:27 ID:???
ただでさえ激情家なイザークが
命救われて与えられた性格的に向いてない指揮官という職務を彼なりに頑張ってただろうに
己の知らぬ親の事情だけでたぶん周囲に叩かれまくってほぼ降格されたも同然で1人左遷され
クッション役であり、また前大戦で信じたラクス派がプラントから一掃されたという設定のようだから
プラントで唯一の理解者だったろうディアッカとも離れ
なんというかイライラトゲトゲと当たり散らしても仕方ないような大変な状況だ・・・

こういってはなんだが半病人ヒッキーになったキラや宗教に逃げたアスランより
理不尽な現実の辛さをまともに受け止めてるんだからよっぽど立派だと思った
読者視点からすると周囲に当たっても同情が先に立つというか仕方ないというか
深読みしすぎなのかもしれんがw
562通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 22:57:10 ID:???
イザークでここまで語れるのかw
キラはまあ流石に自分の偽善っぷり直視すりゃ鬱入ってもおかしくねえよなあ
アスランはケツ軽すぎだけど
563通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 23:17:55 ID:???
全くだ。
まあもうイザークのキャラ云々の話題は終わりにしようぜ。
個々人の趣味や見解を言い合ってもスレの無駄になるだけだし。

564通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 23:36:37 ID:???
アスランの連合入りはやっぱり愚行なのかー・・・
仇役なのは分かるんだけど、
本人がそれこそ真面目なつもりで、あっさり人生ぜんぶ放り出してるあたりが救われないな。
カルトの怖さだね。
383氏のキラとアスランは弱くて人間臭くてどうにも好きなので、
行く末が心配だったり楽しみだったり。
565通常の名無しさんの3倍:2006/06/14(水) 23:53:00 ID:???
まあこの調子で叩きなおしてくれれば先のイザークの描写みたいなのも生きてくるわけで
566通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 00:07:03 ID:???
俺たちは全員383氏に釣られている、という事か

キョシヌケー!
567通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 00:13:46 ID:???
>>566
そうだよこのキョシヌケ
383氏は策士
568通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 00:28:15 ID:???
結局ブルコスの思想に共感したいえ一番右派の派閥に所属したっぽいからね>アスラン
最初に会った融和派っぽい学者の派閥で頑張ればチンコ切らずにすんだのに・・・
569通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 00:39:47 ID:???
まあこの世界の科学力なら
またどっかから持ってきてくっつけることも可能っぽいし。
いいんじゃないの。
使い道ないと思うけどね。

とか何を言ってるんだ俺は
570通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 09:27:20 ID:???
煽りや叩きなどではない忌憚のない感想は
俺はありがたかった記憶があるからから書いてみたが、
食って掛かっていると見られるだけだったり
スレの無駄にしかならないということなら
もうこれからは書き込まない。

レスの無駄遣い、すまなかったな
571通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 20:16:19 ID:???
別に383氏が拒否ってるわけじゃないし書いてもいいんじゃないの?
572383:2006/06/15(木) 21:01:39 ID:???
 イザーク・ジュールは腹が立っていた。何に腹が立っているのか、全てに、である。そ
れでも世界を呪うというほど大業で暗黒の感情ではなく、立腹と憎しみの枠におさまるの
がこの青年の精神がまだ正常な範囲にあるということだ。ただ感情が激しく、超の付くエ
リート主義者のうえに、色々と過去の行状を知っている者もいるようなので、新しく赴任
した艦自体が自分の敵のような気がして、更に腹が立って仕方がないのだ。
(まったく、あいつは、三年も前のアカデミー時代のことを掘り返して)
 さきほどモビルスーツデッキで、整備班と顔合わせをしたときのことを思い出す。
 紹介された彼のスラッシュザクファントムの整備主任は、アカデミーの同期生だった。
「よろしく、イザーク・ジュール」
 といわれた顔に、不愉快な表情がありありと見て取れて、また腹が立った。
「卒業席次45番、ティモシー・シルヴァースタイン、よろしく」
 自分より成績の下の者には赤服を着るレヴェルのものにしか興味はなかったが、同期全
員の名前と席次は暗記していた。
 整備兵たちがざわめく。
「アカデミーの成績より、今の自分の整備の腕のほうが君には大事なはずだと思うが、相
変わらずなんだな。気に食わない奴は、今でも殴ってるのか?」
「なんだとぅ!」
 スラッシュザクファントムはいい機体だ、宇宙では。地上用にバビかもっといい機体を
希望したのだがかなえられなかった。グゥルという、モビルスーツに空を飛ばせる前大戦
時の道具が与えられただけで。自分の希望が通らなかったこと−−それは機体についてだ
けではない−−について、イザークがどれだけ不満で怒っているか、ティモシーにはわか
らないのだろうか。
 確かにアカデミー時代、生意気な奴を殴ったことはある。そういえば、ティモシーも殴
った。しかしそんなの、少年なら誰でもやることではないか。今のイザークは指揮官の資
格を持つ白服の主だ。任官してから、上司に不満を言ったり命令違反までしたが、彼を殴
る上官はいなかった。それに感銘を受けて、イザークは部下にも同僚にも手を上げるまい
と誓ったというのに。そのイザークの三年間の軍人としての努力と成長に、どうして敬意
を払わないのだろう。
「俺は白服だ。艦長とアレッシィ隊長になにかあれば、この船の指揮を取る権利があるの
は俺だ!」
 こう言ってイザークはモビルスーツデッキをあとにし、自室に帰った。
 自室といっても、二人部屋だった。白服の指揮官なら個室が常なのだが、一パイロット
としての待遇でしかないのだ。その屈辱に、はらわたが煮えくり返る。
 最初のスタンバイに入るまでまだ三時間ある。ティモシーはちゃんと機体の整備が出来
る腕があるのだろうかと、意地悪く考える。荷物を解くのをあとにして、イザークはベッ
ドに転がり、このミネルバに来るまでの顛末を思い出した。
573383:2006/06/15(木) 21:02:28 ID:???
 母のエザリアが逮捕されたというニュースで、戦場から飛んでプラントへ帰った。ユニ
ウス7を地球に落としたザラ派のテロリスト達への武器を横流しには、ザラ派の議員が絡
んでいると考えるのが妥当だった。母でなければいいと願っていたイザークだが、プラン
トの拘置所で接見したエザリアの顔を見たとき、確信した。彼の性格が激しいのは母親似
で、二人とも感情が顔に出る。エザリアのほうが大人で世間で鍛えられた分ましだが、息
子にははっきりとわかる後ろめたげな表情だった。
 イザークとの接見のあと、エザリア・ジュールはサトーらにジン・ハイマニューバ等を
知り合いのザフト幹部と図って横流ししたことを認め、共犯者の名前を吐いた。
 ザフトの武器製造部の責任者マキシム・ズーリン。
 母は独身だしあれだけの美人なのだから恋人がいても当たり前だが、不倫をいうのが性
的に潔癖なイザークには許せないでいたブラウニング提督ではなかった。
 そしてズーリンという男は、女癖が悪いので有名だった。
 ズーリンとエザリアが男女の関係にあったという噂が広まるには、一日あれば十分だっ
た。
 たった一人の愛する母親がこの戦争の引き金を引く手伝いをしたのかと思うと、イザー
クも身が切られる思いだった。更に尻軽の噂を立てられる、侮蔑ぶりである。とはいえそ
の思いをわかってくれる人もなく、戦場へ戻ろうと思ったとき、大戦のあとオーブに亡命
していたアスラン・ザラが、大西洋連合のパイロットとして戦場に現れた。その映像はプ
ラントでも見ることが出来た。彼にとってショックだったのは、ザフトが完敗したことよ
りアスランがイージスの新型機に乗っていることだった。自分たちがヘリオポリスから強
奪した機体、イザークが乗っていたデュエルは条約締結の際に連合軍に返還された。イー
ジスはストライクを倒すための自爆で原型をとどめないジャンクに成り果てたが、連合は
二年の時間を経て、新しく作り直したのだ。
(あいつは俺が始末しなければ! あいつがアカデミーでずっと主席だったおかげで俺が
どれだけの屈辱を味わったか。人の気も知らずにオーブに亡命したかと思っていたら、こ
の裏切り者!!)
 ラクス・クラインの武装蜂起には少々共感するところがあったイザークだが、ラクスに
従ってザフトを捨てたアスランが、敵の、ナチュラルの拠点大西洋連合の軍人になるとは。
これを始末するのは、昔の仲間の義務であり権利だとイザークは思った。
 それで軍本部に転属願いを出した。地球の基地にモビルスーツ隊の指揮官として、赴任
できるように。そして宇宙用のスラッシュザクファントムの代わりに地上で空中戦闘能力
を持つバビの支給を申請したのだ。本音を言えば、セカンドステージのインパルスかセイ
バーが欲しかったが、二機ともすでにミネルバに配備されていた。
574383:2006/06/15(木) 21:03:28 ID:???
 これまで宇宙で戦ってきたジュール隊に未練はあった。エザリアがブラウニング提督と
愛人関係にあるということで、一度傷ついたイザークの経歴を考えると戦時下以外では望
めない出世−−白服と隊長職−−を手に入れた。そして集められた部下はディアッカはじ
め、大半が脛に傷持つ身だった。それでも真面目に訓練を続け、今では宇宙の前線で戦う
ザフト軍の中でも知られた部隊になっていた。
 実績を捨てて、過去の亡霊アスラン・ザラを倒そうというイザークの決意だったが、軍
上層部には軽くあしらわれた。モビルスーツの変更はなし、隊長職はいかにささやかなも
のでも与えられず、一パイロットの待遇でミネルバ所属となった。イザークの目算ではカ
ーペンタリアかジブラルタル、それは無理でも他の基地のモビルスーツ隊隊長職と最新鋭
のモビルスーツが手に入るはずだった。彼は命令書を読み返し、母親の失脚で自分の軍内
での地位も地に落ちたのだと泣いた。
 二度傷ついた男として、イザーク・ジュールはミネルバに赴任した。その二回の傷はプ
ラント人なら誰もが知っていることだった。そして更に、彼のアカデミー時代の悪童ぶり
を知っているものもいる。
 エリートとは一度でも傷が付いたら、価値がない。しかし一度目の傷をデュランダル議
長に糊塗してもらったイザークは、子供のころからの強烈な意識ゆえに、自分はエリート
だと、思い続けた。そして二度目の傷は、わかっているつもりでも、彼の心も頭も、認め
ていなかった。
 イザーク・ジュールにとって、ザフトに自分以上のエリートはいないのだった。

575383:2006/06/15(木) 21:04:15 ID:???

 メイリン・ホークは食堂でトレイを持ってテーブルを見渡した。昼時でかなりの人数が
いる食堂だったが、ある場所だけぽかりと空いている。
 きっちりと切りそろえた銀髪と端正な顔立ちに、白服が優雅に似合っている。
 勇気を出して、その銀髪の青年の向かいに立ち、
「ここ、いいですか? イザークさん」
 と訊いた。
「ああ、もちろん」
 きつい顔が和らいだようだった。なのでメイリンは一安心して腰を下ろし、食事に入る
前に自己紹介した。
「メイリン・ホークといいます。モビルスーツ管制担当です。よろしくお願いします」
「ホーク? パイロットのルナマリア・ホークの親戚なのか?」
 普段はルナマリアの妹といわれるのが本心では嫌なメイリンだったが、イザークとの会
話のきっかけになるなら歓迎だった。
「ええ、ルナマリアは私の姉です」
 にっこり笑って、男勝りの姉と違う部分を見せてみた。
「姉妹が同じ船に勤務というのは、ありえないはずだが……」
 兄弟、姉妹は同じ船、同じ隊に勤務させない。撃沈されて全員死亡することも珍しくな
いので、ザフトの人事内規でそうなっている。
「コンピュータミスかもって、みんな。申し出れば配属が変わったんでしょうけど、両親
は二人が同じ船に乗っていてもかまわない、心配の数が減るって言ってくれたし、アカデ
ミーで仲のよかった友達も何人かミネルバに配属になったので、そのまま人事には何も言
わずに仕事に就いちゃいました」
 こう言ってメイリンは首をかしげて微笑んだが、向かいのイザークの顔色に翳りが走る
のを見逃さなかった。
 このあとイザークは自分の食事が終わるまで一言も口を利いてくれなかった。そして、「さようなら」と声を掛けて席を立った。
(イザークさん、アカデミーの同期の人たちと上手くいってないって、ホントだったんだ。
でも、顔と名前は覚えてもらえたわね。評判悪いけど、女性には優しいヒトよ、絶対)
 ちょっと失敗はしたが、イザークに話しかけた女は自分だけだと思い、今日のところは
満足するメイリンだった。
576383:2006/06/15(木) 21:05:02 ID:???
 威嚇するハリネズミのようなイザークを思い出し、アレッシィは報告書を書く手を一瞬
止めた。そして報告書作成とイザーク・ジュールがミネルバに来ることになった異動願い
を思い出すという二つの仕事を脳に命じた。

 異動願いを読んだ時は爆笑した。イザーク・ジュール、哀れなプラントのエリート主義
の犠牲者。彼は昔からイザークの母親のエザリアが嫌いだった。それはお互い様だったと
思う。彼女の教育で生み出された落伍した元エリート、どう扱うかが彼に委ねられたとい
うのは皮肉だ。以前のラウ・ル・クルーゼだったときは、プラントの政治やザフトの軍内
政治に気をつけていたが、今はそれをする必要もない。プロテインと筋トレでひとまわり
体を大きくし、タンニングで肌を小麦色に変えた。それと同時に、好き勝手に振舞うこと
も決めた。長い命ではない。ギルバートに依頼されたこと以外は、自分の好きにする。
 あからさまに元からミネルバに配属になっているパイロットに肩入れしてみせたのも、
単純な感情だ。地べたを這いずり回って、そこから這い上がれるのなら這い上がって見せ
ろ。10歳で自分の創り主を殺してから一人で生きてきた彼には、イザークなど傷ついてい
るようには見えない。膨らみきった自尊心が破裂しただけだ。それで以前敵わなかったア
スラン・ザラを討ちたいというは、まるでコメディだ。おそらくブルーコスモス思想に染
まったアスランは、元もとの迷いやすい性格ではもうないだろう。イージス改の部隊にや
られた海域を捜索に行ったザフト軍は、救命ボートのひとつも見つけることが出来なかっ
た。敵兵を殲滅させる。軍人の行為としてふさわしいかどうかは置き、ひとつの強さであ
ることは確かだ。そしてアスランはギルバートによると、SEED因子の持ち主だ。
 このミネルバと連合軍のアスラン・ザラが所属する部隊が戦うことがあったとして、機
体の優劣以前に遺伝子の優劣でお前はアスランにかなわないのだとイザークに教えてやっ
たら、あのお坊ちゃんはどんな顔をすることだろう。
 出港はあさって。ミネルバの行く先には、ザフトの最新鋭艦を沈めようと、連合軍が待
ち受けているはずだった。
577383:2006/06/15(木) 21:06:37 ID:???
イザーク視点、神視点、メイリン視点、アレッシィ視点です。ミネルバが出港すれば、シン視点の
イザークも書くことになるとは思います。
578通常の名無しさんの3倍:2006/06/15(木) 21:58:02 ID:???
乙!連続で投下してくれるとは思わなかった。

価値観、性格の異なる複数人物によるイザーク評は面白かったよ。
特にアレッシィ評はいいね。かつての部下を嘲笑し、ばっさりと斬って捨てるクルーゼ。
さすが人類全てを嘲笑った男だ。

次回のシンによるイザーク評も楽しみ。どっちも激情家だからだいぶ火花が散りそうw
苦手と仰っていた戦闘にも期待してますよー。



それにしてもメイリン…やはりエリート好きなのね。
579通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 17:01:51 ID:HxrSez4d
クルーゼ切れ味良すぎwwwwwww
本気になるとこうなのかwwwwwwwww
580通常の名無しさんの3倍:2006/06/16(金) 20:53:13 ID:???
メイリンワロタ
年頃の少女らしい打算やミーハーっぷりが可愛いw

アレッシィはある意味突き抜けたというか
以前もそうだったんだろうが今はそれ以上に怖い物は何もないぜ成るように成れ状態だな
治療に専念だの延命だのでなく戦場でフラフラしているのが実にこいつらしいというかw
辛い現実だけを冷めた目で見てる所がこれぞブチ切れた苦労人クルーゼという印象

殺戮が当然なカルト教団ブルコス+迷いの無くなったある意味最強アスラン
との戦闘がとにかく楽しみだ!
581通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 00:57:02 ID:???
えぇ〜〜(´д`)
大の大人のデキる管理職は、たとえ腹の中でどう思おうと
後々面倒になるような対処はとらないYO!
582通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 01:09:42 ID:???
後々面倒になろうがしったこっちゃないんじゃね?
目先の問題は口先と実力と立ち回りでごまかすなり先送りにして寿命で死んで勝ち逃げってスタンスな気がする
583通常の名無しさんの3倍:2006/06/17(土) 02:28:59 ID:???
ザラ隊結成時のクルーゼのアスラン&イザークへの対応からすると
できるできない以前に管理する気は全く無いのではないかと
むしろイザークのアスランへのライバル意識を煽って楽しんでいたような部分もあった
こっそり煽って楽しむあらゆる意味で愉快犯な男だし個人的に違和感は感じないかな

にしても設定上イザークは唯一クルーゼを慕っていた部下だったのにクルーゼヒドスw
584通常の名無しさんの3倍:2006/06/18(日) 18:34:31 ID:???
保守
585通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 00:31:56 ID:???
ほしゅ
586通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 12:46:42 ID:???
個人的には、『爆笑』の一言はクルーゼっぽく無いと思った。
『笑いが止まらない』とは言いそうだけど、『爆笑』ってどうにも下品な言い方に感じるし…

…横から見てただけのものがちょっと口出しして失礼しました。
587通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 15:29:35 ID:???
>>586
同意「失笑」とか

でも職人さんのイメージ中では相当大笑いしていたんだろなw
思わずDVDのジャケットを思い出した
588通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:43:39 ID:???
クルーゼの爆笑
「フッフッフ…ハァッハッハッハッハ!!!アッハッハッハ!!!」
589通常の名無しさんの3倍:2006/06/20(火) 23:47:45 ID:???
その笑いをいかに文章にするかだなw
590通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 01:26:59 ID:???
>>587
「フ…クククク、
ハハハハハ…ハァッハッハッハッハ!!!アッハッハッハ!!!」」
このくらいがいいな。
591通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 04:47:17 ID:???
クルーゼはしゃぎすぎwww
592通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 12:53:02 ID:???
クルーゼの大爆笑
「ぷふっ!ぷっぷふふっ!ふふぁっふぁっははは・・・ははははははははは!フハハハハハハハハハハハ!
 ハァーッハッハッハッハ!アッハッハッハッハ!ヒィーッ!ヒィー!ヒヒィー!フヒャーーーヒャヒャヒャヒャヒャ!
 アッヒャ!アッアッアッ!アッヒャヒャヒャヒャヒャ!げふっうぇっほ!ごほっごほっ!ヒィーヒヒヒヒ!フヒィーふふふふ!
 ハッ・・・ハッ・・・・はぁ・・・はぁ・・・・げっほげっほ・・・ふふふふ・・・・ふ・・・ヒッヒッヒッヒ・・・はぁ・・・」
593通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 12:54:38 ID:???
正直やりすぎた、今では反省している
594通常の名無しさんの3倍:2006/06/21(水) 17:02:54 ID:E+g8tD3P
アルベドさん並に狂った笑いキボンヌ
あれは文字では表現できないが…w
595383:2006/06/22(木) 11:28:14 ID:???
 ミネルバがカーペンタリアを出港して二日経った。赤道連合は連合に加盟しているが、
人口の割に軍事力は低いので、まだザフトの制海権と言っていい。なのでパイロットのス
タンバイシフトは一名ずつだった。隊長を含めても5名しかモビルスーツパイロットがい
ないミネルバでは、よほど敵基地の近く、敵艦隊の近くを航行する時でなければ、二人ス
タンバイ体制はとれない。
 5人で常に一人スタンバイ状態を続けるというのも、肉体が強靭なコーディネーターの
軍隊であるザフトだからできることだった。C.E.16にジョージ・グレンが自分が「作られ
た存在」であると告白し、その遺伝子配列を公開した。リベラルな金持ちは自分の子供に
優れた身体的能力、頭脳そして容姿を望んでコーディネート技術に殺到したし、遺伝子学
者にとってもいい商売だった。身体能力、頭脳、免疫系の強化、遺伝病遺伝子の除去はジ
ョージ・グレンのものを参考にすればよかったし、容姿をいじるのは比較的簡単だった。
しかし上手くいかなかったのが精神面で人間を改良することだった。人格はまだどういう
仕組みで遺伝子が関わりあって基本が形成されるのか、わかっていない部分が大きい。統
合失調症や人格障害、躁鬱病といった精神疾患にナチュラルとコーディネーターで差はな
かったし、前大戦後の兵士に心のケアが必要なものの割合も差はなかった。
 シンはのんびりと海を見ながら、カーペンタリアでダウンロードした地球の最新アルバ
ムを聞いていた。レイはクラシック派で、プラントでは手に入らない新しい指揮者やオー
ケストラの曲をたくさん落としていた。だがヨウランとヴィーノは、色々聞いてみて気に
入ったのもいくつかはあったそうだが、やっぱり慣れ親しんだプラントのポップスのほう
が好きだと言っていた。シンにしてみれば、プラントのミュージックシーンは地球のに比
べて遅れていて退屈だと思う。それはプラントが基本的に社会主義で、一部が自由経済な
ものの貧富の差があまりないからかなと分析してみたり。プラントの金持ちというのは、
第一世代コーディネーターの親に当たるナチュラルが金持ちだった場合がほとんどだ。彼
らは地球に財産を持ち、運用して増やした金をプラントで使っていた。しかしプラントが
独立したため、旧プラント理事国はプラント人が土地や銀行、株式口座を持つことを禁止
した。その資金は大西洋連邦と同盟を結んだとはいえ、コーディネーターにナチュラルと
同じ権利を表向きは認めているオーブに流れ込んだ。オーブ復興は大西洋連邦の資本によ
るインフラの整備と、プラント人の投資による金融市場の活性化が主な要因だった。
 金融数学の専門家だった父親が生きていれば、稼ぎ時だと言っただろう。ナチュラルの
客の中には、担当者がコーディネーターであるのを嫌う者もあったので。
 シンがそんなことを考えながら、音楽に身を任せていると、いきなり後ろから声を掛け
られた。
「シン、あなた、気がついてる?」
 なにやらいきなり、ルナマリアに本題に入られて、慌ててシンは音楽のヴォリュームを
下げた。
「何にだよ」
 向かいのソファに腰を下ろしたルナマリアが、さも重大そうに言う。
「メイリンが、イザークのあとを追っかけてること。パイロットのシフトを調べて、食事
時間が同じになるように自分のシフトまでいじってるわよ」
「そういえば、食堂で一緒に食事してるの見たような……」
 イザーク・ジュールはミネルバのクルーにまだ受け入れられていない。アカデミー時代
の悪童ぶりの話は三年前だからそんなに気にしてはいないしやられたらやりかえす自信の
あるシンだが、彼が地球に一パイロットとして降りてきたいきさつを聞くと、好きにはな
れない。議長に救われ、母親とその愛人の後ろ盾で出世し、後ろ盾を失って降格、という
感じでミネルバにやってきた青年だ。シンの目からすると異常にプライドが高くて怒りっ
ぽいのは、自分の待遇に不満があるからだろう。
596383:2006/06/22(木) 11:29:02 ID:???
「そ、エリート好きなのかしらねえ、根っから。噂になって、こっちが恥ずかしいわよ」
「イザークって、エリートか? 彼はそう思ってるみたいだけど、今はただのパイロット
だろ。昔はエリートでしたって奴? 経歴に一点の傷も曇りもない優秀な奴がエリートだ
ろ、レイとか。イザークも戦果を上げればまた出世できるかもしれないけど、地球でザク
じゃ、華々しい戦果は無理だろ」
 彼の母親が兵器の横流しをしなければ、ユニウス7の地球落下、ひいてはこの戦争も起
きなかったかも知れないのだ。もしエザリア・ジュールと親が連合軍人のナチュラルの少
女がいて、どちらか一人しか助けられないという状況になったら、シンはコーディネータ
ーのエザリアを見捨てて、ナチュラルの少女を助けるだろう。
「あたしもザクよ!」
「あ、ごめん」
 素直に謝るシンだった。しかしハンガーでインパルスの整備点検をしている時に、イザ
ークと出くわしたのを思い出すと嫌な気分になる。シンにとってインパルスは初めての機
体、初めての「力」だし、テストパイロットから勤めて技術陣と一緒に開発したという自
負もある。あの冷たい青い目で、憎らしげにザクより性能の勝るインパルスを見詰められ
ると、十分嫌な気分になれた。
 話をとりあえず元に戻す。
「でも恋愛は自由だし、メイリンがイザークに魅力を感じてるのなら、付き合えばいいと
思うし、それであの、元からのミネルバクルーに敵愾心丸出しみたいな態度が少しでもま
しになればいいんじゃない。すんげーつんけんしてて、感じ悪いしさ。あ、ルナ、もしか
して自分に彼氏がいないのに妹に先を越されそうで焦ってる?」
「何よ、それ!!」
「あ、顔が赤くなった、図星!」
 二人がじゃれあっていた時、警戒警報が響いた


「うちのモビルスーツを全部貸せだと、正気か、貴様!」
『当たり前だ。これは命令だ。貴官には従う義務がある。そこはわきまえているだろう』「……むぅ」
 無線越しのネオ・ノアローク大佐の声に、司令官は黙り込んだ。建設中の基地の守りで
あるモビルスーツ隊を全部よこせと言われたのだ。対空砲がまだ完備していないから、30
機ものウィンダムを配備されているというのに、それを全部だと。馬鹿にするなと拒否し
てやりたいが、あの男の後ろについているものを考えると、それはできない。自分の地位
も命も大事だが、家族の安全も同じくらい大切だ。
「了解した。ウィンダム部隊に発進の準備をさせる」
『奇襲をかける。急ぐように』
 落ち着いているが、権力で押し付けてくる声に嫌悪感を感じたが、無線を切って、部下
に命令を出した。
597383:2006/06/22(木) 11:29:49 ID:???
「行くぜ、ステラ。ネオが呼んでる」
 強襲揚陸艦JPジョーンズの甲板で、ステラにちょっかいをかけた兵士たちをやりこめて、
アウルが言った。ステラはぱっと顔を明るくして応える。
「うん、戦争、楽しみ」
「今度は何機おとせっかなぁ」
 無邪気に見えるが、彼らがファントムペインの強化人間部隊のパイロットである。幼い
頃からの薬物コントロールと肉体的訓練により、コーディネーターと比較しても上位に入
る運動神経、反射神経を持っている。しかし身分としては実験動物で、家畜扱いのコーデ
ィネーター部隊よりは上だが、ナチュラルのパイロットたちには身分違いと蔑まれている。
彼らはそんなことは知らないし、気付くだけの認識力もない。自分たちが優れた能力を持
っていることに自信を持つようマインドコントロールされているし、自分の行動やネオの
命令−−彼らにとって戦争は遊びであり、ネオは擬似的な親であった−−に従うことに、
何の不信感も持たない。
 モビルスーツデッキに下りていったら、もう一人の仲間スティングとネオ・ノアローク
大佐が待っていた。
「ネオ」
 ステラはにっこり微笑んで、信頼する青年を見上げる。
「今回はステラは基地の護衛をしてもらう。頼んだぞ」
「?」
「ガイア、飛べねーし、泳げねーし」
「そういうことだな。大人しくしてろよ」
 年長のスティングが頭をなでてくれた。
「発進準備にかかれ」
 ネオ・ノアローク大佐が命令した。一回戦いに出すたびにメンテナンスが必要な面倒な
強化人間たちだが、現状では有効な兵器だ。ただこの使い物になる三人を育成するまでに
10年を超える年月と、巨額の費用がかかっている。ラボには有用な研究データが集まった
ので、これからはコストダウンできそうだが。ただ問題は彼らの『ブロックワード』だっ
た。何か命令を利かない、精神の壊れた状態の時に聞かせれば、沈静するはずのものだっ
たのだが、彼らにはパニックを起こす方向で働く。それを改善するのが、強化人間量産へ
の数少ないハードルだった。
 今日の獲物はミネルバということで、増援のウィンダムを借りた。あの船にはザフトの
最新型のモビルスーツが搭載されている。できれば沈めたい、倒せないまでもパイロット
の経験値を上げるには最適な相手だ。
 ネオのウィンダム、カオスが空に飛び出す。アビスは名前の通り、海に潜った。ガイア
は器用に水深の浅いところを走って、基地に向かった。ステラの頭上を、たくさんのウィ
ンダムが飛び上がっていった。
598383:2006/06/22(木) 11:30:35 ID:???
 敵襲が告げられ、インパルス、セイバー、バビが迎撃に舞い上がっていく。
「メイリン、水中用モビルスーツが相手にあるようなら私は海に入るように指示を受けて
るので、わかり次第連絡を」
「了解しました」
 ルナマリアは移動用のエレベーターに自分のザクを近づけた。
「確認しました。アビス一機が水中にいます」
「ルナマリア・ホーク、ザク、潜水します。リフト降下、願います」
 赤いザクが海に入っていく。
 もう一機の青いザクは甲板に残った。本来接近戦を得意とするスラッシュザクファント
ムなので、ルナマリア機の予備のオルトロスを借りている。空中戦を抜けてミネルバまで
接近してくるような敵がいれば、これで葬ることが出来る。
 イザークに自分に与えられた役割が妥当なものだと判断する頭はあったが、感情はそう
甘くはなかった。地球に降りる際に空中戦闘が出来る機体を希望した。それがかなえられ
なかった上、不愉快なことに新兵たちが最新鋭機で空を飛んでいるのだから。
 とはいえ、自分と船が生き延びるのが一番大事だ。イザークはザクにビーム砲を構えさ
せ、空を見た。
 接近してくるモビルスーツ隊はどう見ても30機はありそうだ。それを三機のモビルスー
ツで相手にしようというのだ。新兵達は先日のカーペンタリア攻防戦で戦果を上げ、イン
パルスのパイロットはネビュラ勲章の叙勲が決まっているという。イザークも持っていな
い、ザフトで最高の栄誉だ。それならナチュラルの量産機の20や30、落とせてあたり
まえだ。
「レイ・ザ・バレル、カオスをメインに相手しろ。シン・アスカ、あの紫色のウィンダム
が敵の指揮官機のようだ。あの機を中心にフォーメーションを組んで攻撃してくるだろう。
シミュレーターでやったように、私と連携を取って動け。イザーク・ジュール、ビームの
射程に入ったウィンダムには威嚇射撃を。ルナマリア・ホーク、海中での戦いは不利だが、
潜水艦とアビスを当たらせて、死角を取れるように動け。以上、行くぞ」
 アレッシィ隊長の指揮の下、ミネルバモビルスーツ隊は交戦に入った。
 ウィンダムはまだ練度が低いのか、いい動きをしている機体のほうが少ない。シンはと
にかく相手の数を減らそうと、ビームライフルでウィンダムを撃破する。数機落としたと
ころで、相手は隊長機を中心に3機でフォーメーションを組んで接近してくるようになっ
た。ビームが雨あられと降り注ぐが、なんとかかわして攻撃に持っていく。
 いける、とシンは思い、戦いに集中した。
 その時、水中でずうんという鈍い音が響いた。潜水艦がアビスに撃破されたのだ。カー
ペンタリア出港にあたって、水中用モビルスーツの追加がなされなかったのが残念でなら
ない。そのあたりの兵器配分のことなど、シンのような初年兵の知ることではなかったが。
 アレッシィもかなりのウィンダムを撃墜していた。レイはお互い高い火力とモビルアー
マーに変形する高速飛行機体ということで、互角の戦いを見せていた。時々邪魔になるウ
ィンダムを落としながらだから、レイのほうが余裕を持って戦えているということか。
 残ったウィンダムは隊長機に上手く操られる腕を持った連中ばかりだった。
「隊長機は私が押さえる。シン・アスカは他の機体を落とせ」
 言葉の通り、アレッシィは紫のウィンダムと戦闘状態に入り、隊長機として指示を出し
ていられない状態にした。そうなればあとは少々腕が立つといっても知れている。
 シンがのこりのウィンダムを片付けた時には、隊長と相手の隊長機が一対一でやりあっ
ていた。さすがに相手も巧みだ。お互い相手の動きの一歩先を読んで戦っているように見
えた。
「シン・アスカ、ここはいい。レイ・ザ・バレルの援護に向かえ」
「了解!」
599383:2006/06/22(木) 11:31:21 ID:???
 セイバーとインパルス二機で立ち向かえば、カオスを落とすことは難しくないはずだ。
もともとザフトの機体なのだから、できるだけ損傷を少なく、機体を回収したい。カオス、
アビス、ガイアの三機が強奪された時アーモリーワンにいたし、この三機もミネルバに搭
載される予定だった。ザフトのために、取り戻したい。
 モビルアーマー形態でやり合っているカオスとセイバー。シンは後ろから援護射撃をす
る。レイはそれを知ってモビルスーツ形態をとり、カオスに組み付こうとしたが、相手も
さるもの、もうすっかりカオスを手の内に入れている。ほんのちょっとで交わされて、捕
獲もできなければ、シンの狙撃も直撃はしなかった。
「撤退か?」
 レイの声。
 紫色のウィンダムも牽制弾を打ちながら後退していく。
「待て!」
 シンはインパルスを駆って、追いかけた。
「止せ、深追いはするな」
 言いながら、レイが付いてくる。
 敗走する二機のモビルスーツの先に、動物型のモビルアーマーが見える。ガイアだ。
 そしてガイアの背後には、管理塔、滑走路、多くの格納庫が見える。連合軍の基地だ。(こんな、カーペンタリアに近いところに基地があったなんて)
 よく見るとまだ建設中らしく、労働者が働いている。
(ん?)
 違和感を感じたのは、その労働者達が工兵の作業服を着ていなかったからだ。そして基
地の柵の外には沢山の女子供が心配そうに見守っている。
(あいつら、民間人を徴用している!!)
 シンの頭に血が上った。彼が軍人になった理由のひとつ、民間人は戦争に関わりなく命
を守られるべき存在というのに、この連合軍基地は真っ向から歯向かっている。
 現地住民を徴用して働かせ、銃で監視するとは、なんという非道なことを。
 インパルスという力が自分にあることを感謝した。そして基地の司令塔を、倉庫や滑走
路を破壊する。さっきのウィンダムはこの基地のものだったのだろう。インパルスの出現
に怯えたのか、作業に動員されている男たちが、柵の隙間を縫って逃げ始めた。そうした
ら、連合軍の兵士はその民間人に発砲した。威嚇射撃ではない。血を流して倒れる男たち。
「なんてことをするんだぁ、お前らは!!!」
「シン、止めろ。この基地を破壊する命令は下りていない。隊長に報告、隊長と艦長が話
し合ってからでないと、攻撃するかどうかの判断は下りない」
 いつもと変わらず冷静なレイの声だが、シンにはまったく聞こえていなかった。
 バルカンで民間人を射殺していた兵士達をなぎ払う。
 インパルスの力を持ってすれば、基地を覆っている柵など、簡単に抜くことが出来た。
インパルスが自分たちを攻撃する意図はないとさとった民間人たちは基地から脱出し、家
族と抱き合って喜んでいた。その姿を見て、シンは軍人になってよかったと心から思った。
600383:2006/06/22(木) 11:32:27 ID:???
 レイ・ザ・バレルはミネルバに戻ってから、アレッシィ隊長にシンの勝手な判断での行
動について報告した。ヤキン・ドゥーエで死んだはずのラウ・ル・クルーゼとよく似た感
覚をレイに味合わせる上司、しかし二人きりで話したのは初めてだった。身長はラウと同
じくらいだが、体格はアレッシィがひとまわりいい。話し方はラウほど持って回ってなく
て、すっぱりと切り込んでくる鋭さがある。
 とはいえ、地球軍の紫のウィンダムのパイロットからも、似た感じを受けているので、
少々レイは混乱していた。この感覚は血族特有のもので、相手を感じることが出来るのだ
と言われて育った。とはいえその感覚を共有していたのは、ラウ・ル・クルーゼ一人だっ
たのだ。新たに二人、似た感覚を覚えさせる人物。一人が連合軍の人間というのは、それ
なりに得心が行ったが、もうひとり、アレッシィ隊長はザフトの軍人である。もしかして
ラウ?とこれまで何度も思ったが、つけているトワレも、使っているシャンプーもラウの
好みの香りではなかった。女心をそそるタイプの品で、彼が下品だと嫌っていたタイプの
ものだ。ただ彼がフェイスであり、自分よりギルバート・デュランダル議長に近いという
事実がある。そしてレイはアカデミー時代からシン・アスカについてギルバートにレポー
トを送っているが、おそらく彼はアレッシィからもシンとミネルバ全体について報告を受
けているように思われる。
 レイは考えるのに疲れて、自室に戻った。
 部屋ではシンが嬉しそうに死んだ妹の携帯電話をいじっていた。


601383:2006/06/22(木) 11:33:14 ID:???
「シン・アスカです。入室の許可をお願いします」
『入れ』
 自動ドアがスライドして、シンは隊長室に足を踏み入れた。机に座る隊長の前で敬礼す
る。
「なぜ呼ばれたか、わかるかね、シン・アスカ」
「いいえ、わかりません」
 報告書はこれから書くが、何か上官に呼び出されるような行為をした覚えはない。
「ふむ。単純なのは兵士として使いやすいともいえるが、それだけでは長生きはできない」
 アレッシィは手元のコンピュータを操作して、インパルスのカメラが撮った敵基地の映
像を浮かび上がらせた。
「君はまず報告すべきだった。私が出した命令は敵モビルスーツの撃退であって、敵基地
破壊は含まれていなかった」
「あっ、でも、民間人が徴用されていて、彼らを守らなければと思ったんです」
「あの基地にまだ余剰戦力があると考えなかったのかね? たとえば、カーペンタリア攻
防戦に出てきたモビルアーマーのような兵器があの倉庫の中にあったと」
 映像を見ながら、アレッシィが言う。頭に血が上っていたシンは、目に見えるところに
敵モビルスーツやミサイル砲がないということしか気付かなかった。
「君はインパルスのテストパイロットから勤めているから、インパルスを作るのにどれだ
け沢山の人が関わったが知っているだろう。そして莫大なプラントの税金が使われたということも」
「はい、それはわかっているつもりです」
「ならば、そのインパルスを命令以外に使い、自分の命と機体を危険に晒したことの意味
はわかるな?」
 アレッシィの口調が厳しくなった。冷静で理詰めである分、シンは自分が感情だけで行
動したのだと思わされる。
「それはわかります。でも、連合の兵士は民間人を徴用して働かせただけでなく、殺害し
たのです!」
「それは非難されるべきことだ。ただ戦争はヒーローごっこではない。君が軍人である以
上、手順を踏まなければならない」
「……民間人が殺されるのを見ても、ですか?」
 これはもう意地だとシンにしても思う。
「そうだ。手順を踏むことで私や艦長が連合軍の非道なやり方を知ることになる。そして
この情報が広まれば、ザフトの軍人は連合軍が民間人を虐待していないか、今まで以上に
気をつけるだろう。君のような新兵にとってはまだ馴染めないかもしれないが、今日の1
00人の命より明日の1千人の命を救うことを考える。軍隊とはそういうところだ」
 アレッシィの言ってることは正しい。でも今映像で映し出されている、夫や息子を無事
に取り返せて喜んでいる人たちの笑顔。シンは理屈を受け入れることは出来ても、今日助
けた100人を大事にしたかった。
602383:2006/06/22(木) 11:36:14 ID:???
スティングのブロックワード、設定がないんでしたよね、かわいそうに。
ラウとアレッシィ、そして素のままのラウというのを上手く書き分けたいなあと思います。
正体を明かすまで、あまり激しくレイが疑うようでも困るので。クワトロ大尉とはそこが違う。
603通常の名無しさんの3倍:2006/06/22(木) 22:00:25 ID:???
おお、仕事から帰ってきたら続きが投下されてる!GJ!

ヒーローごっこじゃないイベントキタね。
ちゃんと理屈で話す分、説得力があるね。

ガイアとの戦いは省略されちゃったのかな?そこが少し残念。
604通常の名無しさんの3倍:2006/06/23(金) 00:43:24 ID:???
何の説明もなく頭から「それはダメだ」と感情的に切り捨てたアニメよりずっといいな
批難されたシンの方も、理由も何も語らず「お前は間違ってる」と断言されるよりも
よっぽど悪い気はしないだろうし、ひねくれもしないだろうし、意固地にもならない。
きちんと説明しての批難はそのときは腹が立っても後で有りがたく身にしみるものだ・・・
種における「根拠は語らないがお前は間違っている」の多用に虫唾が走ってた者としては嬉しい改善だよGJ

ともかく中身はアレだが外面だけはまともな人間だというクルーゼの設定を忠実に守っているのが好印象。
期待を裏切らないネオの受難の日々の始まりにワラタw今後の彼の動向に期待w
あの一族ならではの先読み戦法とか細かいところまでこだわっててGJ
605通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 22:17:20 ID:ZhLLbXIj
初めてここを見たが感動した。
383神、GJ!!
606通常の名無しさんの3倍:2006/06/24(土) 23:14:31 ID:???
いやぁ、ほんとに383氏の描くラウ・・・いや、アレッシーだな
最高だよ、芸が細かいしキャラクターが生きてる
アスランも嫌いじゃなかったんだがやっぱ
シンみたいなヤツにはこんな上司が必要だったんだな・・・見てて普通に面白い

理詰めの正論で叱咤を受けた上で「今日助けた100人を大事にしたかった」
って思ってるシンとかも原作なんかよりもずっとカッコよく思える
マジでこれからの展開にも期待してます、ガンバってください!!
607通常の名無しさんの3倍:2006/06/25(日) 17:55:43 ID:???
保守保守
608383:2006/06/26(月) 13:41:26 ID:???
 衛星放送で流される各国のニュース、特に現在戦争中の連合とザフトの広報番組を見る
のは政治家にとって大事な仕事だ。
 カガリの友人のアスラン・ザラが連合軍入りしたのも、そういう報道で知った。西ユー
ラシアで連合軍への反感が強まり、それに対する弾圧が激しくなっているというニュース
は、ザフトの広報が一番詳しい。
 今夜カーペンタリアから流されたニュースは、ザフトのモビルスーツが一機で連合の基
地を撃破、そこで強制徴用されていた民間人を解放したというものだった。モビルスーツ
のカメラからの映像は、戦闘の臨場感を伝える。映ったかと思うとビームライフルで射撃
されて落ちていく連合のモビルスーツ、そして基地から逃げようとする民間人を銃殺する
連合の兵士たち。その兵士たちはザフトのモビルスーツのバルカンに蹴散らされ、そのモ
ビルスーツは基地の柵を取り去り、強制労働させられていた民間人が家族と抱き合う姿ま
でが映し出された。
「連合、卑劣なことを。民間人を守るための軍隊ではないのか!?」
「カーペンタリアに近いところに基地を早急に作ろうと焦ったんだろうね。ただ赤道連合
は猛抗議するだろうし、元々大西洋連邦にそう近いわけじゃないから、外交的に一歩引く
可能性が大きいかな」
「お前は、政治的なことを考える前に、まず人道的なことに怒れ!」
 カガリは夫をねめつけた。
「それはキミがしてるだろ。夫婦で役割分担して、足りないところを補うんでいいじゃな
い」
 カガリは更に言い募ろうとしたが、テレビから聞こえてくる音声に注意を引かれた。
『連合軍の愚行から赤道連合の民間人を解放したのは、ザフト軍ミネルバ所属のモビルス
ーツ・インパルスのパイロット、シン・アスカです。彼は前大戦の連合軍によるオーブ攻
撃で家族を殺され、プラントに移住しました。そしてザフトアカデミーに入隊し、卒業席
次五番で赤服を授与され、新型機のパイロットに抜擢されました。先日の連合軍によるカ
ーペンタリア基地包囲戦では、モビルスーツ19機、敵艦5隻を撃破し、ネビュラ勲章が
授与されることとなっています。ザフト軍の若い力が、地球連合軍の恥ずべき行為を暴き、
被害にあっていた民間人を救出したことは、誠に喜ばしいことです』
 美声のアナウンサーが語る言葉、そして映し出されたパイロットの姿に、カガリは息を
呑んだ。
「真紅の瞳か。まるでスタールビーだね、綺麗なもんだ」
 コーディネーターの居住を許可しているオーブの政治家でも、驚く容貌だった。しかし
ユウナとカガリは感情を共有しなかった。カガリはあの少年を知っていたからだ。国のこ
とを思うたび、オーブを捨てたコーディネーターの少年の瞋恚に燃える真紅の瞳が脳裏に
浮かんだ。アスハの無策のせいで自分の家族は殺されたと叫んだ少年は、徴用されていた
民間人を助けたことで少しでも救われただろうか。
「−−彼とは、この間プラントで会った。オーブを憎んでいた。お父様のしたことを許さ
ないと言っていた」
 カガリは少し沈んだ声を出した。ユウナが自分を慰めてくれるだろうと思って。
「政治家の判断は常に国民に支持されるものじゃない。叔父様たちがマスドライバーを破
壊して自爆したあと、オーブに何が起こったか考えれば、そう思う人間がいるのは当たり
前だよ、カガリ」
「お前まで、きついことを言う……」
「連合に攻められて国土を焼かれて、それでも大西洋連邦の資本でオーブは復興した。ロ
ゴスにとって、モルゲンレーテの技術力にはそれだけの魅力があったってことさ」
「結局、大西洋連邦の掌の上でオーブは踊らされているだけだと言いたいのか?」
 正論かもしれないが、腹は立つ。
609383:2006/06/26(月) 13:42:15 ID:???
「小国が技術立国として生きていくには、大国の資本も御機嫌取りも大切さ。このあいだ
大西洋連邦に公式訪問したとき、それはキミも感じただろう」
 圧倒的な国土の広さと人口、そして食料やエネルギーを自給できる力。オーブはエネル
ギーは地熱発電で自給しているが、食料自給率は低かった。人口は大西洋連邦の数十分の
一だ。それでも国営企業モルゲンレーテで兵器開発して外国に売ることは、国民に文化的
生活をおくらせるのに必要なことだ。
 しかしコープランド大統領夫妻の押し付けがましい態度はカガリにとって不愉快極まり
なかったし、内輪のお茶会で会ったブルーコスモスの盟主にいたっては殴り倒すのを我慢
した自分を褒めてやりたい気分だ。
「ロゴスはブルーコスモスの言いなりじゃないか。あのロード・ジブリールという狂信者
の」
「父が言うには、前の盟主のムルタ・アズラエルはコーディネーター排斥主義者ではあっ
たけど、考え方の基本は企業家だったそうだけど。ロード・ジブリールは元々ブルーコス
モスの宣伝担当出身だからね。今でもブルーコスモスチャンネルで、善男善女を弁舌で丸
め込んでるし」
 ユウナは呆れたように手を広げて見せた。
「とはいえ、彼の意向がロゴスを、ひいては連合軍を動かすのは事実なんだ。オーブのコ
ーディネーター許容政策は憎悪されてるし、先日のカーペンタリア戦のあと、オーブ艦隊
が素直にオーブに戻されたというのが逆に不安だよ」
「どうして? 連合軍への義理なんて、最低限でいいじゃないか」
「最低限の限度があっちとこっちじゃ違うだろ。あのまま連合の太平洋艦隊と一緒に行動
を続けてれば、次に要求された時断れるんだけど」
「そういうことか」
「ブルーコスモスからみれば、オーブは蝙蝠国家ってとこだからね。親プラント国であっ
たことは一度もないのに」
 ユウナは部屋にある端末を操作して、シン・アスカのオーブ人だった時代のデータに目
を通した。家族を失ったあと、かなりの資産を処分してプラントに移住している。プラン
トに移住したコーディネーターはたいがい、資産の半分はオーブに置いていた。宇宙に浮
かぶコロニーに全ての資産を移すのは、ある意味無謀といえた。プラントが戦争に負けれ
ば、通貨は暴落し、インフレーションが起こって、プラントの紙幣は紙くず同然となるだろう。
「ふーん、あの真紅の瞳の美少年はホントにオーブを捨ててプラント人になったんだね。
プラントの金持ちはナチュラルの親から受け継いだ資産をオーブで運用してるっていうの
に。彼のほうが、純粋なプラント人といえるかもしれないね。キミの友達のラクス・クラ
インの父親、シーゲル・クラインも生まれ故郷のスカンジナビアとオーブに資産をある程
度置いていた。といっても娘が支払う賠償金の一日分の利子にも満たない金額だったけど」
 スカンジナビアは旧プラント理事国ほど厳しい政策をとらなかったので、そういうこと
もできたのだ。
「−−アスハ家だってセイラン家だって、外国にも資産を持っている」
 カガリは力なく呟いた。
「資産を分散させて管理するのは悪いことじゃない。でもボクたちに批判的な国民は、国
を追い出された時の準備のために外国に資産を置いてると思うだろう」
「私たちがオーブから追い出されるなんて、あるはずがない!」
「そうならないように努力するのが仕事だろう。歴史の本を読めば、国から追い出された
為政者なんて山ほどいるんだから。国は税金を払う国民のもの、為政者はその意思をまと
める代理人。ボクはこう思ってやってるけど、難しいね。つい上に立って国民に幸せを与
えようという考え方をしてしまう」
610383:2006/06/26(月) 13:43:05 ID:???
「国民に幸せを与えるという考えはダメだというのか?」
 カガリはそれが為政者の義務だと思ってきた。父もそうだったと信じている。
「行き過ぎると国を玩具にすることになるからね。キミは前大戦で連合の脱走艦やプラン
トのテロリストと一緒に戦ったが、その後処理でわかっただろ。一時の感情で行動するこ
とは、国にいらない弱みを持たせることだと」
「う…うん」
 仲間をある程度切り捨てることになった戦後交渉。そしてオーブをテロ支援国家と見る
目も、確かにある。
「とはいえ、ボクがいつも正しいことを言っているかどうかは、ボクにもわからない。判
断するのは国民と後世の歴史家さ」


 アレッシィは届いた報告書とそれを元にギルバートが解析した結果を読んでほくそえん
だ。適正は十分、拒否反応の心配なし。これは実に嬉しい遺伝子の妙というやつではない
か。脳の寿命は肉体の寿命より短いとされるが、長い寿命を持つ肉体を手に入れれば、脳
年齢の限界まで生きることが出来るだろう。
 あの少年の明日のために、この男をなんとか五体満足で捕虜にしなければいけない。先
日戦ってみて腕がたつのはわかったが、落とせないほどではないと思う。ただ捕虜にする
には、色々と策を凝らす必要がありそうだった。
 そんなことを考えていた時、部屋のインターホンが鳴った。シン・アスカが面会を申し
出てきた時間がきたのだ。アレッシィはコンピュータの画面を切り替え、エースパイロッ
トを迎え入れた。
 敬礼をしてアレッシィの前に立った少年は、感情的な性格を露に見せていた。
「今日は隊長にお聞きしたいことがあって伺いました」
 なかなか可愛いと思う。
「なんだね、言いたいことは言うといい」
「はい。昨日から、カーペンタリア基地の広報番組で、先日の赤道連合基地の件が流され
ていることです。隊長は、戦争はヒーローごっこではないと仰いました。自分も少しは得
心したつもりです。でもあの放送では、ヒーロー役は必要だというふうにみえます。そう
いう矛盾、自分は好きではありません」
 愛すべき、単純な少年だ。レイがそれなりに友人関係を作っているのもわかる。彼にと
って人間は怖ろしいものだというのが基本だが、シン・アスカはその率直さと単純さで受
け入れているのだろう。
「君はスターシステムという言葉を知っているかね?」
「……いいえ、存じません」
「ふむ。戦争はヒーローごっこではないが、国民は英雄を求める。それに手っ取り早く応
えるのが『スターシステム』だ」
「スター、英雄を作り上げるということですか?」
 馬鹿ではない。アレッシィはシンが眉をひそめたのを見た。
「そうだ。若いモビルスーツパイロットというだけで、最初の資格はクリアできる。君は
カーペンタリア攻防戦でネビュラ勲章を授与されるほど働いたし、今回は民間人を救った。
命令違反は先日言ったとおりよく考えるべき課題だが、ザフトの広報部にとっては、君の
行動はスターシステムにふさわしいということだ」
「そんなの、詭弁です」
「戦争は政治の一環だ。私は現場の指揮官として君の行動を叱咤した。それを別として、
プロパガンダに使いたがる人間もたくさんいる」
611383:2006/06/26(月) 13:43:58 ID:???
「宣伝に使われること自体は、なんとか受け入れられます。あの映像で、連合軍の非道さ
を知る人間が一人でも増えてくれれば、自分は嬉しいです。でも、オーブから来た可哀相
な少年としてスターに祭り上げられるのは不愉快です」
 シンの象牙色の肌に朱が差した。アレッシィは他人と肌を合わせる行為には強烈な嫌悪
をもっているが、少年の表情の変化を観察して楽しむくらいの審美眼はある。
「君のいうことはわかる。だが、プラント人というのは、とにかく優れたものを好む、欲
する人たちなのだよ。自分たちの遺伝子の優秀性を示したい、ナチュラルよりコーディネ
ーターが優れていると信じたい。そういう思いでも持っていなければ、プラント理事国に
よる搾取に不満を唱えて、独立することはできなかっただろう」
 アレッシィ本人は、コーディネーターのそういう傲慢な部分が嫌いだったが。
「それなら、プラント生まれの血統書つきのエリートをスターシステムに乗せればいいと
思います。自分はアカデミーでオーブ出身ということで、いじめをうけたことがあります。
プラントのために戦う軍人であることに誇りは持っていますが、プラント人の差別意識は
嫌いです」
 シン・アスカは正直で、おごるところが少ない。自分の狭いものの見方にこだわりすぎ
るのは少々困りものだが、欲望にだけ忠実に動く人間よりはずっとましだ。
「前大戦はそういうスターシステムだった。君もアカデミーで聞いているだろう。議員の
息子の赤服エリートだけを集めた部隊のことを」
「あ、クルーゼ隊ですね」
「そうだ。親が最高評議会の議員でアカデミーの成績もいい選良を集めて作られた隊だ。
敵機を強奪するという作戦で敵の最新鋭機を自分たちの物にし、戦争途中ではプラントの
一般人民の称賛を浴びた。優秀な遺伝子を持ち立派な仕事をしている親が産み育てた子供
が、受け継いだ優秀な遺伝子を開花させて野蛮なナチュラルをやっつけているという構図
を作った」
 アレッシィは言葉を切って、シンの表情を見た。
「結果は、君も知っているだろう」
「はい。成れの果てがミネルバに乗ってますからね。戦死者は悼みますが、裏切り者のテ
ロリストは軽蔑してますし、残り二人にしても、裁判が甘かったとはいえ今もザフトにい
るというのは、恥を知らないとしか思えません」
「恥を知らない、か。彼らがあの時の行為を恥と感じていなければ、平気でいられるだろ
う。裁判はザラ派とクライン派の手打ちのようなものだったからな」
 そのあたりの大人の事情を知らないシンは、いぶかしむような顔を見せた。
「両派とも党首を失っていた。地球連合との和平に関しては穏健派のカナーバ議長が仕切
ったが、クライン派にもアキレス腱があった」
「あっ、テロリストの首謀者がラクス・クラインだったことですね」
「そうだ。彼女はプラントの中に自分の支持者によるネットワークを作り上げていた。そ
れを解体したものの、強硬派から見れば穏健派のやりかたにテロリストを生む温床がある
ということになる。結局現議長のギルバート・デュランダルの演説が決め手になって、裁
判は被告達の頭の上で決まったのだよ」
「でも、前大戦でプラント生まれのエリートを持ち上げて失敗したからって、今度はオー
ブからの難民を持ち上げるなんて、自分は好きになれません」
 宣言するように言うシンは、アレッシィからみれば本当にひよこだった。クルーゼだっ
たときの部下より、地に足が着いている分まだ好意が持てる。おぼっちゃまたちの無意識
の特権意識を好む精神的風土を、彼は一切持たなかった。
「気にしないことだな。プラントの民はオーブから来た君の苦労のストーリーで自分たち
の優しさを確認したいし、プラントの環境が君の優秀な遺伝子にあっていたのだと自慢し
たいのだ。他の部隊と共同作戦を張る時に、少々やっかみを受けるだろうが、それはエー
スパイロットの宿命として乗り越えろ」
612383:2006/06/26(月) 13:44:53 ID:???
(ラウの考えは十分実用的だと返事したが、実際戦場で特定の相手を捕虜にするのはかな
り難しかろう。さて、どうやって捕らえるつもりか、お手並み拝見だな)
 デュランダルはそう思いながら、ディスプレイを切り替えた。
 映し出されたのは人工子宮の設計図だった。
(ヒビキ博士入魂の人工子宮、数百の命の犠牲の上に、彼が遺伝子調整した通りにキラ・
ヤマトが生まれた。そして二年後、メンデルに残っていた研究員のたわむれで、ひとつの
クローン胚がここで育てられ、生まれた子供は実験動物扱い……か)
 遺伝子学者ではあるが、デュランダルは安易な人体実験には反対の立場をとっている。 プラントの出生率低下は、第二世代コーディネーターの遺伝子適合性の問題だけではな
い。第一世代の夫婦からの出生率も1.32となっている。人口を保つ2.05にはとて
も足りない。それでもプラントが発展してきたのは地球からの新しいコーディネーター移
民があったからだ。しかし地球でのコーディネートが禁止されて十年以上、実際には不妊
治療の名を借りて体外受精のついでに受精卵をコーディネートすることは、ブルーコスモ
スのお膝元の大西洋連邦でも行われているようだ。ただそういう闇コーディネーターは、
自分がナチュラルと信じて生きている場合が多いだろう。鍛えなければ、コーディネータ
ーの才能が発現することはなく、あまり勉強をしないでもよく出来る学生のレベルにしか
達しないのだから。
 プラントは宇宙で生きていくのにかつかつの状態であるから、働ける年齢の人間は男女
問わず働くのが一般的だ。子育て支援もしっかりしていて、ゼロ歳児の24時間保育がすべ
ての保育所で行われている。しかし女性達は、妊娠中の悪阻、ホルモンバランスが崩れる
ことにより普段のように頭が働かない状態などを嫌い、二人目以降の子供を持ちたがらな
い傾向にある。また子供はひとりにしておいて、その分エリート教育を施したいという気
持ちの夫婦もある。まあ、30を越して独身の彼に、他人の子作りや子育てをあれこれいう
資格があるとも思えず、苦い微笑を浮かべた。
 デュランダルは恋人だったタリア・グラディスから別れを告げられた時のことを思い出
した。子供が欲しいから、プラントの定めた遺伝子適合者と結婚して子供を産むと彼女は
言い、実行した。産んだ子供は一人で、もう離婚している。彼女は欲しかった「自分の子
供」を手に入れたが、相手の男性はどうだったのだろう? 種馬とはいえひとりの女性を
一時期確保できたことに満足しているのだろうか? 多分違うだろうと、彼は思う。その
男性だって、子供が欲しくてタリアと結婚したはずだ。二人子供を産んでいてくれれば、
離婚の時に一人ずつ引き取れたのにと思っているのではないか?
 人工子宮を実用化すれば、少なくとも第一世代と遺伝子が適合する第二世代の夫婦には
朗報となるだろう。女性が犠牲をはらうことなく子供を持つことが出来るようになるのだ
から。ただコーディネーターたちが人工子宮から生まれた子供に、素直に愛情を持つかと
いうとそれには疑問符がついたが。
613383:2006/06/26(月) 13:45:34 ID:???
 メイリン・ホークはコンピュータで検索をかけていた。かけている言葉は「イザーク・
ジュール」。
 データベースは数秒とかからず結果をはじき出した。
「やった!」
 プラントの第二世代コーディネーターは成人の15歳の誕生日に、自分と子供を作れる遺
伝子適性を持った異性を調べるデータベースへのアクセスを許される。第二世代コーディ
ネーターの適性が合う確率はだいたい1/3程度といわれている。とりあえず身近な異性と

いうことで仲良しのシン、レイ、ヨウラン、ヴィーノを調べてみたが、適合するのはレイ
一人だった。
 でも本命がヒットしたのだから、アカデミー同期の連中なんてどうでもいい。イザーク
・ジュール、銀髪に鋭い青い目の貴公子。母親がテロリストに武器を渡してこの戦争の発
端になったというエピソードも、エリートゆえの悲劇かもと、メイリンは思ってしまう。
姉に比べて平凡な成績の自分だが、母親が元最高評議会議員で本人は19歳にしてザフトの
白服という青年と子供を持つ可能性があると知って、彼女は自分の遺伝子にはじめて誇り
を感じた。
614383:2006/06/26(月) 13:50:35 ID:???
インターミッションて感じですか。次は「ローエングリンゲートを討て」のはず。
ワグネリアンの私は、種の武器の名前のつけ方はついていけません。
「ガンダム」である以上、ローエングリンより陽電子砲のほうが、兵器の凄みを感じさせられて
いいと思うのですが。まあ種シリーズは言語感覚以前に、キャラクター設計からしてUC厨にはいまいちです。
615通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 14:16:25 ID:???
最速でGJ!
兵器につける名前じゃないとは思うが、個人的にMSの名前だったらまだ許したw
銀英のトールハンマーなんかは気にならないのにね…。
616通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 15:11:38 ID:???
ユウナとカガリは他の二次でもよくみる名コンビだな
理想のボケと現実のツッコミは構図としても解りやすい
617通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 17:33:32 ID:???
ここのユウナとカガリがあらゆる意味で大好きだ!猛烈に応援したくなる。
シンとアレッシィの凸凹コンビが意外と面白いなw
エリート社会において努力と根性でゼロからトップガンに昇り詰めたこの2人の会話は好きだ。
オーブに帰ってからカガリの会話以外で全く音沙汰のないラクスの動向が怖い
メイリンも怖いwが、姉への劣等感が根本にあるというのが悲しくも人間らしい


種は厨房ネーミングや厨房キャラ設計どころか世界設定がry
618通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 23:34:03 ID:???
作った人たちがアレだからそれは仕方が無いな・・・
主人公からして
生まれつき他に類を見ないほど天才って設定だし
まぁ、これだけならまだ沢山弄りようがあるんだけど・・・結局種シリーズでは天才が最強でFAだったしなぁ・・・
天才故の欠点とか、そんなのも色々と書けるだろうに

と、フレイSSスレ住人だった俺が言ってみる
619通常の名無しさんの3倍:2006/06/26(月) 23:45:26 ID:???
608から610までの間で「ユウナがなんかカッコいいぞ!?」って4回くらい叫んじゃったよw
いやー、毎回読み応えのある内容でGJGJですよ
あれこれ本編とは変わってしまってるのにキャラの方向性とかがしっかりしてて
その上でそれぞれのセリフの言い回しとかがすっごい好きです
620通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 23:01:25 ID:???
ユウナはこういうSSスレではかっこいいよなw
621通常の名無しさんの3倍:2006/06/27(火) 23:04:19 ID:???
描き方次第ではいくらでもかっこよくできるキャラだからな。
外見のキモっぽさが相乗効果を生む。
622通常の名無しさんの3倍:2006/06/28(水) 00:25:01 ID:???
ここにはちゃんと「大人」のキャラクターがいる。嬉しいです
ラウがレイのために画策していることがなにげに怖そうだ
昔の某ホラー漫画を連想してしまった
623通常の名無しさんの3倍:2006/06/29(木) 22:12:52 ID:???
 
624通常の名無しさんの3倍:2006/06/30(金) 20:05:30 ID:???
ほすほす
625通常の名無しさんの3倍:2006/07/01(土) 10:13:30 ID:???
ほっっしゅ
626通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 00:33:39 ID:???
ほすほす
627383:2006/07/02(日) 14:52:29 ID:???
「あ、デーツがある」
 嬉しそうにシンが言った。レイはデーツという言葉は知っていても、見るのは初めてら
しく、細い枝に付いたまま乾燥された濃い褐色の細長いドライフルーツを見詰めた。
「ものすごく甘くって、美味しいんだぜ」
 地球の食べ物が絡むと、シンの機嫌はよくなる。このマハムール基地にミネルバが入港
して、自由時間に同室の二人でPXに来てみたのだ。カーペンタリアのようにショッピング
モールがあるわけではないが、雑貨屋としては十分な大きさと品揃えだった。
 ただ店に入って、客の兵士たちから、『こないだニュースで流れてたエースくんじゃん』
『赤服ってのは、入隊時の扱いからして違うもんな。初年兵が最新鋭機もらえるってんっ
だから』といった声がひそひそと囁かれた。むかついて噛み付きそうになったシンをレイ
が押さえたのだが、シンはデーツや干しイチジク、ピスタチオなどのフルーツやナッツに
目を奪われると、そんな侮辱はすっかり忘れてしまった。この単純なところが、レイがシ
ンと友人付き合いできるゆえんだった。自分の中に泣いている子供を抱えているレイには、
子供の部分を多く持ち、戦渦に巻き込まれて死んだ家族にとらわれているシンのような少
年のほうが、大人ぶった少年より付き合いやすい。
「へえ、デーツが好きかい、坊や」
 三十代後半だろう店員に声を掛けられた。シンにとって『坊や』扱いされたのは不快だ
ったが、相手の顔を見たらそういう気持ちはふっとんだ。いや、自分の赤い目だって相当
珍しいものだと知ってはいるが、彼の肌は、オリーブグリーンと評すのが一番しっくりく
る色だった。コーディネーター技術が進歩して、容姿や体色を自由に出来るようになった
のはC.E20年代だ。一番技術が進歩したのは30年代と言われている。でも肌の色に関して

は、髪や目と違って、ナチュラルにない色にコーディネートされた人はほとんどいないと
聞いていたが、今ここにいる。
「ああ、ニュースで見たがオーブ出身なんだよな。なら、地球の食べ物に詳しくて当たり
前だな。そっちの金髪の君は、プラント出身か?」
「はい」
「マハムールは古代メソポタミア文明が栄えた地域にも近い。そののちも沢山の民族が行
き来して、多くの国が勃興した、歴史ある地域だ。このユニウス7が落下して大気中に大
量の粉塵が巻き上がっているというのにいっかな弱くならない太陽の光とともに、時間が
あったら歴史の勉強もしたまえ」
 なにか面白そうな人だと、シンは思った。黒髪と鋭い黒い目、痩せた鷹のような容貌。
これまでオーブとプラントで知っているコーディネーターとは違う、もっとワイルドな雰
囲気を漂わせている。でも服装から見るに軍人ではなく軍属のようだ。
「せっかく遠くからきたんだ。ミントティーを淹れるから、飲んでいくといい」
 二人は招待を受けることにした。陽炎の立つ真昼間で、先ほど陰口を叩いていた兵士た
ちが帰ったあと、新しい客もない。お茶の一杯くらい飲ませてもらっても、問題はないと
判断したのだ。
 男はスツールを二つ用意し、そしてガラスの高さ5センチほどのコップに紅茶とフレッ
シュのミントが一枝入った物を出してくれた。そしてデーツやナッツ、マジパンの菓子な
どもそろえて勧めてくれた。
「ありがとうございます」
 二人で言った。紅茶好きのレイは、滅多に見せない嬉しそうな笑みを浮かべている。
 猛烈に甘い紅茶に、ミントの香りと爽やかさがよく合っていた。
「お菓子や果物も食べなさい。砂糖が来るまではこの地方の人間にとって、甘いものとい
えばデーツだった。砂糖が入ってからはいろんな菓子が増えた。イスラム教の影響で酒が
飲めなかったので、男も女も甘いお茶と甘い菓子でおしゃべりをするという文化が千数百
年続いたんだ」
628383:2006/07/02(日) 14:53:16 ID:???
 レイはデーツをひとかじりし、濃厚な甘さに驚きつつ嚥下した。確かにこの土地では蜂
蜜はあまり取れないだろうし、砂糖が入るまではこの甘さが一番身近な喜びだったという
のはわかった。
「失礼なことをお聞きしますが、あなたは学者なのですか? この地方の歴史か民族学の」
「コーディネーターとナチュラルの戦争が始まるまではな。戦争になってからはコーディ
ネーターが組織に属さず生きていくのは無理になったので、ここに軍属として現地入隊し
たんだ」
 男がミントティーをすすりながら言う。
「この地方は石油が採れたので、一昔前までは金持ちが沢山いた。俺の先祖は石油が枯渇
する前に、財産を外国に移して大西洋連邦のロンドンに移住したがな。残されたのはオイ
ルマネーで財産を築けなかった人たち。そういう人の中には、ジャーヒリーヤ、イスラム
教以前のアラブ人の世界を再建するといって、砂漠を駱駝で横断して商売をしている連中
がいる。そういう人間に会ってみたくて、アラビア語を勉強し、歴史の研究もしてここに
来たのさ」
「そんな、昔ながらの生活をしてる人がいるんですか」
 シンは目を丸くした。オーブにも自給自足の古い生活を守る人たちはいたが、なにしろ
魚や果物ならほっておいても採り放題という土地だ。このマハムール基地のデータを見る
だけでも、降水量は少なく昼と夜の気温差が激しい、住みにくい土地だと思う。更に内陸
の砂漠地帯でどうやって生活するのか、想像も付かなかった。
「ああ、彼らはコーディネーターに好意的ではないが、俺の体力は評価してくれたな。で
も戦争とともにブルーコスモス思想が入ってきたから」
「ブルーコスモスは、大西洋連邦を中心とする先進地域だけのものかと思ってましたが、
そんな、その、辺境にまで入っているのですか」
 考え深げにレイが言った。
「自然が一番という考え方自体は、おかしいものじゃない。それがコーディネーター排斥、
コーディネーターは殺してもいいまで発展するのが人間の困ったところだ。プラントだっ
て、強硬派のザラ派の中にはナチュラルは皆殺しにしてもいいと思ってる連中がいるよう
だし。ただこのあたりのナチュラルにとって、コーディネーターは見知らぬ民族だがな。
彼らには自分の子供をコーディネートする金がなかった」
 シンは地球生まれで14歳まで育ったから、他の友達より地球とナチュラルについて知っ
ているつもりだったが、自分の知識が偏っていることを知った。
 レイが冷静に問いかける。
「あなたの御両親は、イングランドに移住していたし財産家だったので、あなたをコーデ
ィネーターにしたのですね」
「そうだ。アラブ人であることに誇りを持っていた両親は古いアラブの詩を英語で読んで『肌は緑』と書いてあったのを信じて、大枚をはたいて俺の肌を緑に近い色に仕上げたの
さ。その時代のアラビア語では、肌は緑とは肌は黒いという意味だったんだがな」
 そういって男は皮肉げに笑った。
「あ、日本語でも、『緑の黒髪』っていう表現がある。オレ、日系だし、オーブじゃ日本
語も公用語だから知ってたけど」
 シンは思わぬ共通点を見つけて言った。
「へえ、日本語で。君の髪のような漆黒のことを言うのかね。まあ、俺のコーディネータ
ーとしても、君の赤い瞳より珍しいだろう肌の色の由来は、両親の知識不足だったってわ
けだ」
「−−それでアラブを研究するようになったのですか?」
「一番大きな理由だね」
 そういう話は興味深くて、思ったより長くの時間を二人はこのPXで過ごした。そして色
んなドライフルーツや菓子を買って、ミネルバに戻った。
629383:2006/07/02(日) 14:54:10 ID:???
 同じ頃、ミネルバの首脳陣艦長のグラディス、モビルスーツ隊隊長でフェイスのアレッ
シィ、副長のトラインはマハムール基地の一室で基地指令たちと現状を話し合っていた。 30がらみの白服、アイスブルーの髪と瞳にカフェオレ色の肌のヨアヒム・ラドル司令は、
『飲み物はコーヒーと紅茶、どちらがよろしいですか? ここはコーヒー豆も紅茶の葉も
いいものが手に入ります』と豊かなバリトンで訊き、ミネルバの三人はコーヒーを選んだ。
運ばれてきたのは普通のドリップ式のコーヒーで、この地方でよく飲まれる甘くて濃いも
のではなかった。そして地上部隊の白服の隊長とモビルスーツ隊の黒服の隊長を紹介され
た。地上部隊の隊長カタリーナ・フレミングはミンクの毛皮を思わせる艶やかな濃茶の巻
き毛を長く伸ばした美女、モビルスーツ隊のアンドリュー・ゼレンカは見事な金髪の美丈
夫だった。
 第一世代コーディネーターの90%は容姿の遺伝子を改変されている。親は自分の子供
に、美しくまた親好みの容姿を与えるために金は惜しまなかった。しかしその一方、髪の
色、目の色がオーダーと違って生まれてきたという理由で捨てられる赤ん坊があとを絶た
なかったのも事実である。
 彼らの前のテーブルがそのまま立体パネルになっていて、このマハムール基地を中心と
する地域の状態を見せる。スエズの連合軍基地の上には、強大な戦力が数字となって浮か
んでいる。
「連合軍はスエズから地中海を越えて、一気にザフトのジブラルタル基地を落としたいの
でしょうが、このマハムール基地が現状では重石になっている、ということですね」
「ええ。そのために作られた基地ですからね、ここは。落とすためには宇宙からの大規模
な降下作戦しかありえませんが、その案は議会を通らないようです」苦笑して続ける。
「そして近頃我々の頭を悩ませているのが、条約締結後に連合が作ったガルナハンの橋頭
堡なのです。西ユーラシアでは連合、実質的な大西洋連邦の支配に反対する人々が武力で
レジスタンス運動を行っているのは、皆さん御存知だと思います」
 さんざんザフトのテレビで放送されていることだ。三人は頷いた。ジブラルタル基地の
情報部から、各地のレジスタンスに情報、武器、資金の援助が行われていることも、指揮
官クラスの彼らにはよく知れたことだった。
「ガルナハンには火力プラントがあり、西ユーラシアに電力を供給していたのですが、連
合が橋頭堡を築いて以来、その流通が止められました。現地住民たちにすれば、収入源が
断たれたわけで、反連合のレジスタンスが活発です。我々とも秘密裏に連絡を取り合い、
今ではこの連合の橋頭堡を潰すことに関して、共同作戦を行おうというところまで信頼関
係が出来上がっています」
 前大戦を宇宙で過ごしたタリアとアーサーは、素直に感心した。プラント育ちの二人に
は、ナチュラルと友好関係を結ぶというイメージが上手くもてないのだ。ナチュラルは遠
くの人もしくは敵であった。
 ラドウ司令がフレミング隊長に眼で指示した。彼女が柔らかなアルトの声で説明を始め
る。
「この敵橋頭堡−−連合軍ではローエングリンゲートと呼ばれているようなので、我々も
その呼称に従っています−−はこのマハムール基地から軍事的行動が取れる道はこの渓谷
だけというところに作られています。先方もそれを見越して、陽電子砲を設置し、リフレ
クターを備えた巨大なモビルアーマーで守りを固めています」
630383:2006/07/02(日) 14:55:35 ID:???
「あ、陽電子リフレクターというと、カーペンタリア攻防戦に出てきたモビルアーマーの
ような」
 アーサーが思わず声を上げた。
「はい。記録映像で見たカーペンタリアのモビルアーマーとは違う型のものです」
 フレミングが操作すると、六本足の昆虫の上にモビルスーツの上半身を載せた、不恰好
なモビルアーマーが机の上に浮かび上がった。
 趣味悪い!と思ったアーサーだったが、好みのタイプのカタリナに嫌われないため、こ
こはなんとか口をつぐんだ。
「攻撃を仕掛けたことはあるのですが、陽電子砲の威力とこの巨大モビルアーマーに痛い
目に合わされました。マハムール基地の存在意義がスエズへの牽制であることが一番だと
いう事実を考えると、いたずらに攻撃を仕掛けて、こちらの戦力を減らすことは避けたい」
 ラドウ司令の言葉はもっともだった。
 初めてアレッシィが口を開いた。
「しかしこのローエングリンゲートを突破しなければ、ミネルバははるばる喜望峰周りで
ジブラルタルに向かうしかない、ということだ。先ほど地元レジスタンスとの協力関係の
話が出ていたが、ミネルバにやらせたいことは決まっているのだろう?」
 白服でフェイスの彼が、いくら顔を大きなサングラスで隠したノースリーブのあやしい
男でも、この中では一番立場が上だ。
 ラドルは神妙に答えた。
「はい。ミネルバなら可能な作戦が存在するのです」
「では、聞かせていただこうかしら」
 タリアはラドルを促した。

631383:2006/07/02(日) 14:56:21 ID:???
 フラットの鍵を開けた瞬間、背筋に警戒警報が鳴った。見たところ部屋が荒らされてい
る様子はないが、絶対に何かあった。ネオ・ノアロークは自分の勘を信じていた。彼が順
調に出世したのは優れた頭脳と身体能力という軍人に必須の能力に優れていたからだけで
なく、この勘のよさもあって生き延びてきたのだ。
 鍵を閉めてフラットから出る。車の中に入って、ロスアンゼルス近くの基地の情報部に
直接連絡を入れた。
『第81独立機動部隊のネオ・ノアローク大佐だ。休暇でフラットに戻ったんだが、何者
かが留守中に侵入したようだ。自分はまだ部屋には入っていない。調査員をすぐに派遣し
てくれ』
 情報部だけあって、話は早かった。30分も待つと、目立たない男が二人、車に器具を
積んでやってきた。ネオは彼らと合流し、自分の部屋に向かった。
 調べたところ、ネオの持っている靴ではない靴跡がかすかに検出された。それはバスル
ームとベッドルームに向かっており、情報のありそうなコンピュータや金が隠してありそ
うな金庫類を物色したあとはまったくなかった。
「バスルームとベッドルーム?」
「何者かわかりませんが、侵入者のお目当てのものは大佐の本当に身近なものだったので
しょう」
「髪でもひろって、DNA検査でもしてくれるつもりか? ありがとう。一応、安心した」
「お仕事柄、色々おありでしょうが、情報部はファントムペインの味方ですので、御用命
があればいつでもどうぞ」
「ありがたい。では、青き清浄なる世界のために」
 ネオの言葉に、情報部の二人も同じ言葉を返した。
 まだ用心したほうがいいような気がして、母親の屋敷に向かうことにした。今では半年
に一度くらいしか会わないが、親愛の情がないというわけではない。もうネオが大人なの
で、互いに干渉しあわないだけだ。ビバリーヒルズの豪勢な屋敷は、ネオの目から見ても
ちゃんとした警備体制がしかれている。一度侵入されたからには、もうあのフラットには
いられない。戦争中で任務に忙しいので、しばらくは実家を使うのもいいかと考えたとこ
ろで、門が彼の声紋と指紋を認証して開いた。そのまま手入れされた庭の私道に車を滑り
込ませた。
632383:2006/07/02(日) 15:00:56 ID:???
親にワールドカップのフランス監督の説明をしたら、母親が彼のことを「星占いさん」と呼び始めました。
宗教の滅んだ世界、オカルトが流行るのはこの世の習いで、西ユーラシアにはあやしい秘密結社的
レジスタンスグループが乱立しているのかなあと、考えています。シンステのイベントが本編で少ないので、
ちょっとヨーロッパ本土も絡めて二人のイベントを考えてみようかなと思ってます。そういうオリジナル展開について、
またシンとステラの関係について、御意見、お待ちしています。
633通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 17:36:57 ID:???
634通常の名無しさんの3倍:2006/07/02(日) 23:59:56 ID:???
肌の色を変えたコーディか。本編だと流石にこういうのは居なかったな。
緑の肌と聞いてピッコロさんをイメージしてしまったw

コニールの登場は次かな?TVでのシンの態度はアスランへの反発という部分が強かったけど、このスレだとどういう風になるんだろうか
インド洋の死闘でのことを考えると積極的に助けようとしそうだけど…。

シンとステラ、というか幻痛との戦い自体をおう1・2回挟んでみてはどうかな?
635通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 02:22:52 ID:???
肌の色か…気づかなかった!
GJ!
肌までピンクのラクス様を想像したらこわかった
636通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 11:36:22 ID:???
関係ないが、プラントにもナチュラルはいるんじゃないか?
第二第三世代はともかく、第一世代のコーディの親はナチュラルでしょ?
コーディ誕生から100年も立ってないんだからプラントにナチュラルがいない方が不思議だと思う。

と、戯れ言はともかく面白かったです。
アレッシィの活躍に期待してます!
637通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 12:48:59 ID:???
確かに第1世代の親はプラントに住むことが出来ると設定でなってたようだが、
本編の「ナチュラル憎し」の風潮を見ると、とてもナチュラルが同じ立場で
プラントに住んでいるとは思えないんだよな。
ナチュが最下層民としての扱いを受けているならわかるものの。
だが、わざわざそんな扱いを受けるのにプラント移住したいナチュはいないだろ。
ということで、プラントに住んで市民権を持っているのは基本的にコーディ、で良いと思うが。
638通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 14:24:15 ID:???
つってもまったく関係ないナチュラルならともかく自分達の親だぞ?
自分達の親を最下層民として差別するなんてそれこそ理解不能だわ
第二世代なら表面上は敬ってはいるものの無意識に差別してそうだが

だがそのナチュの子供である第一世代の連中なら普通に敬意を持ってを接していると思うが
親のほうだって自分の子をコーディにしてさらにはプラントに
移住するようなことまでしてるんだからコーディに対しては理解があると見るべきだろう
実際外伝では地球に帰りたいといったナチュの親をコーディは心情を理解できずとも
自分達の親だから何とかして願いを叶えてやりたいと地球に村を作ってまで移住させた

ただそれなりに敬まれてはいてもやはり国の政策に口を出せるような権利とかはないような気がする
それにちゃんとした扱いを受けているのはあくまでコーディの親として移住した
ナチュラルであって、本編の前後に移住したナチュは(そんなのいるとは思いづらいが)
差別的な扱いを受けていそうではあるな
639通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 15:00:33 ID:???
後ついでに言えばプラントのナチュは人数的にも凄く少なさそうだし
年齢も高齢者ばかりのような気がする
プラントではまず第一世代のコーディが移住してその後コーディ同士が結婚して
第二世代が生まれるって流れだと思うんだが
ザラやパトリックとかプラントの古株の第一世代はもう中年で
その親となると爺ちゃん婆ちゃんになるだろうしな
そういった年齢的なものに加え能力的にもコーディに劣るナチュの親達は
コーディの子供達に養ってもらってるようなイメージがあるな
そんなわけでそのほとんどが隠居生活してそう

もちろんキラみたいにそれ以後になって作られた第一世代もいるだろうが
その頃にはナチュとコーディの軋轢が強まっているし
>>637の言うとおり差別を受けるかもしれないのでわざわざ移住しようとは思わないだろう
そういった最近作られた第一世代とその家族はオーブ辺りに移住してるんじゃないかな
640通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 19:12:21 ID:???
パト達が「プラントを作った」のは20歳位だから、その親はまだ現役だ。
そして、パト達の世代の親は大金持ちが多いので、その時点でわざわざ
プラントに行かないだろう。
その後のコーディブーム以降の人数が一番多いが、多数がプラントに移住した
55年時には子供は25歳以下、親はやっぱりまだ現役世代だな。
「プラントでしか作れないものを作るのに、コーディが適していた」という
ことだから、まだ現役とはいえ能力の低いナチュラルが「同じような仕事」を
出来るとは思えない。
だから、最下層民というのは言い過ぎかもしれないが、同じ仕事を出来ない
状態ならば、普通に差別されそうな気がする。
第2次大規模移住のCE68年時には、子供の最低年齢が13歳くらいだから、
必ず親と一緒に移住するべき年齢というわけでもない。
第二世代も台頭してきた状態なので、なおさら親は移住しにくいだろう。
現時点を考えるのではなく、移住時の状況を考えてみると、親と一緒に移住した
子供がさほど多いとは思えないし、その後呼び寄せるという線も変だと思う。

それに、確かに普通は親を敬うべきだから、コーディの親のナチュラルは敬われて
いるだろう、と思いたいが、「ナチュラルの親」の「地球のナチュラルへの感情」は
コーディと同じなんだろうか。同じだとしても違うとしてもおかしな事だと思う。
ああいう「ナチュラル憎し」の雰囲気にプラント全体がなっている状況で、
自分の故郷、親類、そのほかが被害を受けるのを甘んじて受け入れる、というのは
ちょっと想像しがたい。だから、いるとしても「殆ど見かけないレベル」と思うぞ。

まぁ、そんな考察はさておき、ギチギチに「設定から考えられること」通りにする
必要は全くないだろう。話を考えるには、ナチュを見たことないのが大半、という
状況の方が、色々なことを出来るからな。
641通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 19:15:13 ID:???
あ、すまん、なんか1行目変なこと書いてるが・・・
「理事国によってプラントが作られて、パト達が移住した」と言いたかった。
642通常の名無しさんの3倍:2006/07/03(月) 19:56:56 ID:???
まあある程度設定には隙間を作っといたほうがいろいろと想像できて面白いもんな

プラントのナチュについてはどんなものかあまり描写がないからなあ
やっぱりコーディのなかで普通に働くのはきつそうだから隠居生活ってイメージがあるなあ

後プラントの初期の頃はむしろ親たちが一番役に立った時期なんじゃないかと思う
なにしろ国としてのノウハウとか外国とのパイプラインとか組織の運用の仕方とか
そういったものはなく手探り状態だったはず
当時のコーディの親に金持ちが多いとしたらそういったことに関してはまさに得意分野だろう
そういった方面で手助けをしてくれたりアドバイザーになったりしてくれれば
パト達としてはありがたいことこの上ないんじゃないのか?

まあだからといって確かにプラントに移住するとは限らないかも知れんが
パト達のような古株の第一世代の親だとそれだけでブルコスとかに狙われたりして
身の安全のために子供達を頼ってプラントに移住するというのもあるかもしれない

にしてもここまでくると考察だか妄想だかわからんくなってくるなw
643通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 19:11:55 ID:???
そういえばパトの親とかどうなってるのかな
プラントに移住してなかった場合、ブルコスあたりに暗殺されてそうだな
644通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 19:29:06 ID:???
開戦初期にリンチとかはある程度あったんじゃねえのかな
>>642
親とかそういうのとはうまくいってねえんじゃねえの?
上手くいってりゃそのラインでもっと穏便に独立してたと思うしお互い何より身近なナチュ/コーディなんだからそういう差別もなかったと思うんだけどな
645通常の名無しさんの3倍:2006/07/04(火) 20:52:44 ID:???
ウィキペディアによると
プラントは開戦まで理事国に独立を求めていたので国ではなく植民地。
プラント評議会が発足するまでは出資国の理事会が運営していた。
パトたち自身がザフトの前身である「黄道同盟」を設立した。
シー&パトは極秘裏に誕生したとあるので親は表にはでていないと思う。
646通常の名無しさんの3倍:2006/07/05(水) 09:07:03 ID:???
アメリカ移民の子供たちが親たちの稚拙な英語を恥じたように
実の親相手だったとしても、軽蔑までいかなくとも見下しているような感情を抱くのはアリだと思う
647通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 06:02:56 ID:KJZvN4we

648通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 18:41:34 ID:???
とりあえずステラとシンの関係は
アニメのシンにとってステラはひたすら「可哀想なか弱い守るべき被害者」だったが
そういう無邪気でか弱いちょっと頭の足りない天然少女としてだけではなく
無慈悲な殺戮兵器としてのステラの面もはっきりシンに認識させてほしい。
その上で守りたい、救いたいという思いにいたってほしいなと。

アニメシンのようにステラ>>被害者・ベルリン市民(完全スルー)だけにはなってほしくないので
ステラと、ステラが殺した者と、2つの相容れない戦争被害者の板挟みで苦悩するぐらいが良いのではと。
やっぱ主人公にはジレンマだろ!という個人的嗜好でしかないんだがw

アニメシンはステラ個人一直線で、ぶっちゃけ強化人間とかその辺はどうでも良さそうだったので
ステラを通してその辺の闇に対してもっと憤りを抱いたりしても良いかもしれない。
そういうのをアニメシンに期待していた頃があったものだ・・・
649通常の名無しさんの3倍:2006/07/06(木) 19:08:19 ID:???
ディオキア前にもう一戦交えてもいいかもしれないね
漫画版ではウィンダムを失ったPPがミネルバに奇襲→シン合体不能→グフ出陣というオリジナル展開もあったし
650通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 10:11:55 ID:???
そこらへんは作者さんしだいだろうな
まあ完結さえしてくれれば好き勝手書いてほしい
651383:2006/07/07(金) 11:10:20 ID:???
 プラント議長ギルバート・デュランダルは、幕僚から宇宙での連合軍との戦闘の経緯に
ついて報告を受けていた。
「敵月基地の艦隊は開戦時に比べて30%減りましが。メンテナンス等入れますと、稼働
率は当初の50%を割ったものと思われます。我が軍の艦隊損傷率は10%、稼働率は8
0%を保っていますので、地球軍の数的優位はなくなりつつあります」
「連合が月に二つも基地を持っているというのは、プラントにとって困りものだ。喉元に
刃を突きつけられているようなものだからね」
 デュランダルの戦争終了プランのなかでは、地球軍の月基地の排除は大きなものだった。
人類全体を動かす腹案も持っているが、それは一種の博打であり、為政者として優先すべ
き課題は、地球軍が宇宙に戦闘拠点を持たない状態を作ることだった。
「それから、地球からの報告によりますと、アークエンジェルが月軌道に向けて発進した
とのことです」
「アークエンジェル? 強力だな。陽電子砲を二門備えている。テロリストの道具とされ
たが、船に罪はないというところか。では同じくザフトのエターナルのほうはどうなって
いる?」
「はい。フリーダムとジャスティスの運用艦でありますから、返還直後から後継機の設計
をはじめ、ユニウス条約の関係で部品のみ製造してありましたが、現在は二機ともほぼ組
みあがっています」
「ZGMF-X20A、ZGMF-X19Aの二機か。あれらとミーティアの組み合わせなら、地球軍の戦艦
と一機で十分に戦える」
「ストライクフリーダム、インフィニットジャスティスが設計通りの能力を発揮すれば、
一機で敵艦隊を相手にすることも可能です」
 誇らしげに幕僚が言った。
「……決まってしまったことだし、私には口を出す権利もないが、その、ストライクフリ
ーダム、インフィニットジャスティスという名前は何とかならないものか。私は同じ開発
中の機体の名称なら、デスティニーとレジェンドの方がずっと好きだが」
 呆れたようなデュランダルの声に、幕僚は軽く頭を下げた。
「開発局でも確かに反対意見もありましたが、テロリストに強奪される以前に、あの船と
二機のモビルスーツはプラントの自由と正義を永遠に守るために付けられた名前です。最
終的に最初の開発者たちの意思を大事にしようという結論に達しました」
「そうか。ならいい。エターナルとその二機が月軌道に上がってくるアークエンジェルを
打ち負かして、地球軍に打撃を与えてくれるように祈ろう」
652383:2006/07/07(金) 11:11:14 ID:???
「食事のあと、基地のPXに行きませんか? あの、よかったら、ですけど……」
 メイリン・ホークの少しずつ小さくなる声は、イザーク・ジュールに不快感を与えるも
のではなかった。
「このあとは非番なので、時間はある」
「じゃ、行きましょう。お店は大きくないけど、カーペンタリアにはないものも売ってて
おもしろいんですって」
 まめに声を掛けてくる少女は、なかなか可愛いだけでなく情報通だった。考えてみれば
メイリン以外とプライベートな話をした記憶が、逮捕された母親と接見した時以来ない。
メールはディアッカから一通届いた。ジュール隊が解体されて、みんながどこに配属にな
ったか書いてあった。赤服のハーネンフースを除いては、左遷といっていい人事だった。
元々がジュール隊にはディアッカはじめ問題ありとみなされている隊員が多かったので、
仕方のないことかもしれなかったが、そう簡単に納得する気性の彼ではない。だが今の彼
は何の役職もない。隊長クラスが入れるネットにパスワードを入れてはじかれた時に、そ
れを痛感した。彼が知りうる情報は一般兵のものだと思い知らされた。
 ただこの、メイリン・ホークという少女は嫌いではない。よく身の程を知っているとい
うか、きちんとイザークに接することができる。そして結構かわいらしい容姿をしている。
姉のルナマリアはイザークに同等の口を利く生意気な娘だが、赤服である。メイリンにも
それなりにすぐれた遺伝子はあるはずだった。
 二人で食堂をでようとしたところにで、シン・アスカと出会った。イザークはこのイン
パルスのパイロットが一番気に食わない。初年兵の分際で最新鋭機、それもたった二年前
にオーブからの移民、プラント生まれのエリートでないものが赤服を着るだけでも不愉快
極まりないというのに。
「ああ、イザークのお母さんの判決、下りたんだってね。禁固300年。プラントには民
間人を死刑にする法律がないから、命が助かってよかったな」
「なんだとうぅ!! 判決が三日後のはずだ。嘘をつくな、下衆」
「テレビでやってるって。上の事情で早まったんでしょ。プラントを裏切ってテロリスト
に武器の横流しをした裏切り者だし、証拠はそろってったって言うし」
 シンはイザークの激昂ぶりに呆れたように答えた
「嘘だ! 母上が禁固300年なんて……」
「求刑通りじゃないですか。情状酌量の余地があると思ってたんですか?」
 いつの間にか周囲に人が集まっていた。それもシンの周りに。
「あんたの母親のエザリア・ジュールは、最高評議会議員の役職を使って、ザラ派のテロ
リストと接触。武器開発局のマキシム・ズーリンと図って、ザフトの武器をテロリストに
横流ししたのは事実でしょ。マキシム・ズーリンは軍法会議で死刑判決が出てる。あんた
の母親達の愚行がなければ、この戦争だって、始まらなかったかも知れないのに!!」
 イザークはシンの言葉に唇をわなわなと震わせ、拳を握った。入隊以来、部下であれ同
僚であれ殴ったことはなかったが、これほど殴りたいと思ったことはない。
「俺もさっきテレビで見たよ、このニュース。ザラ派が対ナチュラル強硬派なのはわかる
けど、地球の生物全部を滅ぼすようなテロをするとは、見損なった」
「そうよね。ミネルバが地球に降下する破目になったのも、戦争が始まったのも、あのテ
ロが原因だし。ユニウス7は鎮魂の地にすると、誓ったのに。私たちコーディネーターか
ら戦争を仕掛けたように地球からは思われて……」
 地球のテレビ番組を見て、ミネルバの乗員は地球サイドの見方もプロパガンダを差し引
いてある程度理解している。ただ軍人である以上、正義はザフトにあると皆思っていたが。
「違う! 母上はプラントのことを考えて」
「で、したことが泥棒って、何だよ、一体」
 シンの言葉にイザークは切れた。
653383:2006/07/07(金) 11:12:31 ID:???
「母上を侮辱するな!!!!!」
 気がついたときには、拳でシンを殴っていた。
 そして呆然とする。前の大戦で上司だったラウ・ル・クルーゼ隊長は、しっかりと部下
の話を聞き、手を上げることなどない人だった。彼以外の上司も、彼ほど冷静でなくても、
イザークに鉄拳制裁したものはいなかった。だから自分も誰も殴るまいと決意して、これ
までやってきたというのに。けれどシンの生意気な態度と、それ以上に「泥棒」という汚
らわしい言葉を母親に向けられたことが、なにより許せなかった。「テロリストに組した
裏切り者」と言われてもなんとか耐えられたが、「泥棒」。イザークはまだ自分の気持ち
を理解していなかったが、前者は思想に基づいての行動ととれるが、後者は単なる行為の
事実を表していて、そこにはなんの精神性もないというのが、選民意識の強い彼には許せ
ないというだけのことだった。


「さて、反省の弁を聞かせてもらおうか、イザーク・ジュール」
 テレビで母親の実質的な死刑を確認した後、隊長に呼び出された。サングラスの奥の表
情は見えないが、きっと自分を嘲笑っているだろうと思い、イザークは顔を朱に染めた。「シン・アスカに暴力をふるったことは、ザフトの兵士として恥ずべきことであり、反省
しており、隊長からの処分を待つ覚悟です。しかし自分の母親を侮辱したシン・アスカに
も、相応の処罰があってしかるべきだと思います」
 どうせ謹慎をくらうのだから、言いたいことを言った。エザリア・ジュールを泥棒を呼
ぶ権利など、世界中の誰にもないのだ。
「私がその場にいあわせた複数の第三者から受けた報告によると、シン・アスカが君の母
親を侮辱したとは思えないが。ただ君がそう勝手に解釈して殴った、ということだが?」 アレッシィの冷静な声を聞いているだけでむかむかした。
「彼は、自分の母のことを『泥棒』と呼びました。これは侮蔑です」
「エザリア・ジュールがザフトの財産を盗むことに関与したのは、残された証拠、本人の
自白、共犯者の自白により明白だが、君が否定しているのはその事実ではなく、『泥棒』
という言葉だけのように聞こえるが」
「……そうです」
 イザークは絞り出すような声で答えた。母親が過ちを犯したことは認める。しかしそれ
をあんなオーブ生まれの半端なプラント人に非難される覚えはない。エザリアは地球生ま
れのコーディネーター第一世代だが、大学院を卒業した15歳の時にプラントに移民し、コ
ーディネーターの世界を築くという崇高な仕事に従事してきたのだ。
「窃盗犯、ならよかったのかね?」
 イザークは黙って、きつい目で隊長をにらんだ。
「では訊くが、君はこれまでの人生で、他人の親の職業や行為について、何も言ったこと
がないのかね?」
 沈黙の後、イザークは答えた。
「−−あります」
 母親が誇りだったイザークは、付き合う友人の親の職業を気にしたし、またエザリアも
エリートの親を持つ優秀な子しか彼の友人として認めなかった。
「それはすべて褒める言葉だったのかね? 事実を指摘したことはないのかね?」
 畳み掛けられて、イザークは黙った。そうしたら記憶のそこから、忘れていた10年ほど
前のことが浮かび上がってきた。
 
654383:2006/07/07(金) 11:13:42 ID:???
彼が中学生だった8歳の時だ。学校に彼より勉強のできる少年がいて、その存在が疎ま
しかった。そしてその少年の父親の職業が汚水処理場の作業員であることを知り、そばを
通るたびに『下水の匂いがぷんぷんする』と言ったものだ。今はスペースコロニーのよう
な閉鎖環境で水を循環させることがいかに大切かわかっているが、まだ子供だった。相手
の少年はイザークの挑発を一切無視し、あっという間に飛び級で大学に行ってしまった。
そのあと彼は担任に自分も大学に今すぐ進学したいとねじ込んだが、君の学力では無理だ
と一言で切り捨てられた。イザークがはじめて味わった屈辱と挫折だった。そのころバン
チの議員だったエザリアの息子の自分より、汚水処理場の作業員の息子が優秀な遺伝子を
持っているなど、あってはならないことだ。優秀な遺伝子こそ、人間の価値。その考えは
イザークの中で不変だった。
「誰も聖人君子ではない。君の母親もだ。そしてこれから君には一生母親が国家反逆罪を
犯した罪人だという事実が付いて回る。プラント人は遺伝子を重視するから、君に反逆者
の血が流れていることを嫌って、君と人間関係を持ちたくないと考える人間もたくさん出
るだろう。母親が泥棒と呼ばれたのが、いかに君にとって許せないことでも、事実である
以上、慣れるしかない。だがそんなことを乗り越えて、君の友人になったり恋人になった
りする人間が出てくる可能性もあるだろう。それは君の人間性次第だ。24時間、自室謹慎
を命じる。君にとって、人生を一度考え直す時間になれば幸いだ」
 イザークは了解の返事をし、自室に戻った。


 ネオにとって休暇は久しぶりだった。母親に挨拶をして、士官学校に進んで以来休暇の
時に帰るだけだった自室にはいる。習慣で盗聴器や隠しカメラをチェックしたが、そうい
うものは見つからなかった。セキュリティには母親が大金をかけている。
 休暇が取れたのは、コーディネーター部隊を率いてパナマに派遣していたエルドリッジ
少佐が帰ってきたからだ。彼らはスエズ基地攻略でなかなかの戦果を上げてくれた。さす
がにザフトの元トップガンのアスラン・ザラはパイロットとして頭ひとつ抜けているとい
う評価だった。ただ防戦に追われたザフトは大胆にも、スエズ基地を放棄して、ジブラル
タルに兵員を移した。そうなると、戦争はナチュラル対コーディネーターではなく、前大
戦前からの遺恨を引きずる大西洋連邦対南米合衆国になる。第81独立機公団はナチュラル
と戦う舞台ではない。そういうことで、エルドリッジ少佐以下は基地に引き上げたのだ。
 ナチュラルの部隊は単独で行動させられるが、コーディネーター部隊にはネオか少佐、
エクステンディッド部隊にはネオ本人が付いていないと作戦行動がとれない。中でも一番
手間がかかるのがエクステンディッド部隊だ。薬で能力を上げて使い捨てにするなら、大
層なメンテナンスも、ネオに従うような刷り込みも必要ない。彼らにどの程度の耐久性が
あり、コストパフォーマンスがどの程度になるか、まだ実験中ということだ。
 スティング、アウル、ステラ。なついてくる三人の顔を思い浮かべる。
 ファントムペインの隊長職を受けたのは、彼がブルーコスモスの一員だということだけ
でなく、エクステンディッドという存在に興味があったからでもある。士官学校時代、能
力の高さと優れた容姿のために同級生から、コーディネーターじゃないのかと陰口を叩か
れた彼にとって、ナチュラルをコーディネーター以上の存在に作り変える技術は興味を惹
いた。
 使い物になるエクステンディッドができるまでに、多くの実験体が処分されたことは知
っているが、彼はそういうことを気にするほど甘い人間ではない。
655383:2006/07/07(金) 11:14:30 ID:???
 彼本人が、望まれて生まれてきた子供ではないからだ。母親は彼が幼児の頃に『相手も
私も避妊してたのに、私は妊娠してしまった。だからお前には生きる権利があると思って
産んだんだ』と語った。確率論の問題だが、生まれてきたからには最大限の努力をして明
日を掴むべきだ。彼にとっては、処分される実験体も、世の中で上手く行かないといって
いる人間も努力が足りないという点で同じ程度のものだった。そして親が望んだのと髪の
色や目の色が違うといって捨てられたコーディネーターの赤ん坊達。彼の母親はそういう
赤子を引き取っては、ペドフィリア相手に売春させていた。コーディネーターは体が丈夫
なので、三歳になれば、セックスの対象となる。裂傷を負っても、ナチュラルより治りが
早い。ただ10歳を越える頃には力が強くなって危険になるので、責め殺すためのペットを
求めるサディストか若い子供の肉が好きなカニバリストに売却していた。
656383:2006/07/07(金) 11:16:37 ID:???
 そういうナチュラルの変態の存在を知っていても、彼はコーディネーターのいない世界
を支持していた。遺伝子を人工的にいじることより、自然の変異性を重んじるべきと思う
からだ。プラントのように、エリート主義で優れたものを追い求めた社会の結果が、最高
評議会議長の子供が二代続いてテロリストになり、母国に反旗を翻すこととなった。コー
ディネーターの民族としての限界はもう明らかだ。あとは青き清浄なる世界のために、全
滅させて、彼ら自慢の遺伝子のかけらも残さないようにするだけだ。最終的には、彼の部
下であるコーディネーター部隊のパイロット三人とメカニックや開発でエリア81に勤務す
るコーディネーター全てを殺すことで。


 イザーク・ジュールは自室でぼうっと横になっていた。軍艦において、船室はくつろぐ
場所ではない。最低限の睡眠と少々の個人生活を行う場所だ。だからすわり心地のいい椅
子ひとつないので、自室謹慎と言われたら、ベッドの上で過ごすくらいしかない。
 そして先ほど隊長に言われた、一生母親が国家反逆罪を犯した罪人だという事実が付い
て回る、という言葉がぐるぐると頭のなかを回っていた。それは母親が逮捕されて、アス
ラン・ザラがコーディネーターを裏切って地球軍に入隊したことを知って地球に転属願い
を出し、結果平パイロットとしてこのミネルバに配属された時にも感じたことのない奇妙
な感覚だった。自分が平パイロット扱いされたのは、エザリアの逮捕が原因だと思ってい
た。ただ彼にとって、母親が犯罪者だということは何とか認められても、国家反逆罪だの
泥棒だの言われるのは認められないのだ。
 確かに隊長が言ったことは正しい。テロリストに武器を横流ししたのが母でなく他の議
員だったら、イザークはその議員の子供や親戚と友人であったとしても、即座に関係を絶
っただろう。いや、ディアッカ・エルスマンだけはなにがあっても友人で居続けると思う。
(オレに友達というのは、ディアッカしかいないのではないか、元から)
 不意にそんな思いが胸を掠めた。
 自分より成績の悪いものには基本的に興味がなかった学生時代、わがままを咎める相手
は罵倒し、殴りもした。イザークに味方すれば将来出世できるだろうと思って付いてくる
取り巻きはいたが、そういう連中を友人だと思うほど間抜けではなかった。
 そう考えると、少し気が楽になった。プラント中がエザリアのことを泥棒だの戦争の引
き金を引いた女だのと言い立てても、ディアッカはそれで彼を責めはしないだろう。これ
まで人と知り合うとき、必ず親なり家族なりの職業を訊き、クラス分けして相手をしてき
たイザークだ。これからの自分は、そういうクラス分けで最下位のカーストに属すること
になるということ、これが現実だ。
 身にまとう白服は、誇りの証だった。しかしなんの役職もない平パイロットである。こ
れから彼ががんばってザクで戦果を上げようとも、おそらく隊長職への復帰どころか新型
機を与えられることもないだろう。軍部の扱いが不満で不満で、ミネルバの若いパイロッ
トたちを逆恨みするほどになっていたイザークだが、やっと上層部から『死んでこい』と
放り出されたのだと理解した。
 これまでその事実に気がつかなかった自分があまりにも馬鹿で、哄笑していたら、涙が
あふれ出た。プラント一番のエリートでザフトの出世頭を自負していた自分が、これほど
了見の狭い男だったとは。
 イザークが落ち着いた頃、インターホンが鳴らされた。
『夕食です。開けてもらえますか?』
 メイリン・ホークの声に、少し和まされた。彼女は食事の乗ったトレイを手渡すと、一
時間後に取りに来るからちゃんと食べてくださいねと言って帰っていった。
657383:2006/07/07(金) 11:17:30 ID:???
 食欲はなかったが、食べてなければあの少女が心配するだろうと思い、食事を平らげた。
でも、彼女に心配されるなら悪くないような気もする。とにかくミネルバでイザークに悪
意でない個人的関心を抱いているのは、彼女だけだろう。たんに相手が女性だから食事の
同席を断らなかったことから始まった関係だ。しかしミネルバのクルーがイザークを犯罪
者の息子という目で見ていたとき、彼女はそれを気にせず声をかけたのだ。イザークは、
自分には絶対できない思った。国家反逆罪で禁固300年の刑を受けた女性の息子を蔑まな
いプラント人が、一体何パーセントいるだろうか? 宇宙に浮かぶ人工の大地のスペース
コロニーは核ミサイルだけでなく通常兵器の攻撃でも、簡単に潰れてしまう。地球と違い、
空気と重力はただではないのだ。その苛酷な環境に生きるからには、国家への忠誠心を高
く持つのは当然であった。
 トレイを回収にきたメイリンは、きちんと食べ物がなくなっているのを見て、安心した
ようだった。
 そして夜も更けた頃、もう一度インターホンが鳴り、何事かと思ったイザークが出ると、
メイリンの『あの、お話があります。入れてもらえませんか?』という震える声が聞こえ
た。女性に優しくと躾けられたイザークは、夜更けであることを心配しながらも、メイリ
ンを部屋に迎え入れた。
 コンピュータデスクの椅子をメイリンに勧めた。
「あ、あの、シンのことですけど、あまり怒らないであげてください。彼、前大戦のオー
ブ戦で両親と妹さんを亡くして、一人でプラントに移民してきたんです。軍人になったの
も、民間人を守りたいからだって。性格はつんけんしてていやなところもありますけど、
根は単純な男の子なんです」
「処分が下りたのは俺だけだ。喧嘩したわけじゃなくて、俺が一方的に殴った。当然の処
分だ。君が気を遣う必要はない」
 こう言いながら、もし立場が反対だったら、イザークのために弁護してくれる人間がい
るだろうかと思う。はるか宇宙のディアッカしか思い浮かばない。自分の交友関係がいか
に狭いものであるか、イザークはしみじみと思い知った。
「それで……あの、わたし……イザークさんのこと、初めてあったときから、すごく気に
なってて。だから、お母様のことで落ち込んでるんじゃないかと思って」
 
658383:2006/07/07(金) 11:18:28 ID:???
自分の部下ならこんなしどろもどろした物言い、女性であろうと叱り飛ばすが、精一杯
気を遣っているのがわかるので、イザークも受け入れた。
「母上のことは、ある程度受け入れた。ただ自分が犯罪者の息子という事実と、そういう
目で見る人間に馴れるには、時間がかかるだろうが。俺は、わがままだからな」
 イザークは自分の口から滑りでた本音に驚いた。自分がわがままな性格なのは重々承知
していたが、それを自戒すべきものとして他人に言ったことなどないのに。
「わがままは、言える相手がいるうちが華じゃないですか」
「……確かに、そうだな」
「わたし、イザークさんのわがまま、聞きたいです」
 目を上げて言うメイリンの表情に押されて
「イザークと呼んでくれ」
 と言った。
「はい、イザーク。わたし、あなたのわがままもエゴも、受け入れたいんです。お母様の
代わりにはなれないけど」
「君は君でいてくれればいい。優しい、人を思いやる気持ちを持っているんだから」
 自分にはそれがない。そういう心を持つことより、他人より優れた成績を獲り業績を上
げることを母は期待した。それもひとつの愛情だと、イザークは信じている。ただ自分が
プラントのエリートでなく、一庶民以下になった以上、これまでの価値観にこだわってい
ては生きていけないことはわかった。それを受け入れるのに、一月以上かかったわけだが。
そっとイザークはメイリンの小さな手をとった。握り返してくるぬくもりこそ、今の彼が
求めて止まないものだった。
 イザークは自分を戒めたが、メイリンは受け入れた。狭い船室のベッド、訓練を受けて
いるといっても、少女の体は柔らかいのだと、イザークは知った。
 生まれて初めて他人と肌をあわせるのは、お互いさまのようだった。本能の導くままに
二人はひとつになった。メイリンの赤い髪がベッドの上で乱れ、イザークに昔憧れていた
少女を思い出させた。
「ラクス嬢」
 小さく呟いた。あのピンクの髪の少女、彼女の歌が好きだったし、最高評議会議長の娘
という血統を求めて、婚約者に選ばれたかった。しかし彼女が婚約したのはアスラン・ザ
ラだった。
 ラクス・クラインがテロリストになるずっと前、アスラン・ザラと婚約する前、彼女の
崇拝者をしていた頃の無邪気な自分を思い起こし、イザークの青い目から涙があふれた。
659383:2006/07/07(金) 11:25:58 ID:???
コニール登場は次回です。
色々と御意見ありがとうございました。シーゲル・クラインも娘の結婚を政治利用するなら、
「うちの娘に、ナチュラルの夫募集!」をするぐらいのほうがよかったのに。
この話はいわゆるラクシズが軍事勢力として登場しないので、ここからはシンステ、ザフトVS連合
マルキオ導師の怪しいSEED教団を中心にして、かなりオリジナルの展開に持っていこうかなと考えてます。
西ユーラシアの陸地で話が進むことになりそうです。
660通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 12:59:43 ID:???
乙!

見終わったあとはあまりの文才に
口ポカーンだった
661通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 16:37:06 ID:???
イザークwwwwwwwww
すごく人間らしくなってるぞwwwwwww
662通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 17:30:43 ID:???
うわああああああなんだこれすげえ!!!
あの薄っぺらい甘ったれた負債の汚物まみれで見れたもんじゃない種世界を
ここまで世界を構築してみせるとは!感動した!!
そしてイザークの挫折と復活にも感動した!苦悩〜復活の流れで今までの嫌味なキャラ描写がすごく生きてる
あとアレッシィの暗にお前の力で這い上がれやり直してみせろ発言が
スピットブレイクの時の生き残るチャンスはやるから生き残って見せろを思い出してまた感動したw

マルキオ教団もシンステもザフト対連合もネオ周辺もイザークもアレッシィも新生AA対永遠も
すべてにwktkだ

・・・・・・・・・ラクス様まだー?
663通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 18:01:26 ID:???
成長してるように見える<イザーク
大人の階段も上ってる
664通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 18:50:26 ID:???
ストフリと隠者のネーミングにケチつける議長の所で思わず笑ってしまった
己の境遇を受け入れたイザークがこれからどんなキャラになっていくのか楽しみ
あとネオママ怖えええ!!
665通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 23:21:23 ID:???
議長!
ディスティニーはともかくレジェンドはラウも密かに反対したんじゃないのか・・・
だって伝説だぜ?
ほどよくずれたネーミングセンスだな
666通常の名無しさんの3倍:2006/07/07(金) 23:55:02 ID:???
本来ならすべてのキャラにこれくらいの物語があってしかるべきなんだよな。
667通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 00:09:16 ID:???
しかしあれだな、今後もセクロス描写があると思うと複雑だ


アスランの描写思い出しちまうw
668通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 00:19:32 ID:???
ネオママ怖すぎるな・・・さすがは あ の アルの愛人?だと妙に納得してしまうが。
スペエディでのアズラエル母なんぞよりもよっぽどえぐいし容赦がない。
でも殲滅を望むほどのブルコス思想に至るならこれぐらいやってくれんとな!GJです!!
ネオが根っからのブルコスでコーディ殲滅派だというのが個人的に意外だがこれはこれで
コーディもナチュもそもそも人間自体が愚ryなアレッシィとの思想戦に期待してしまうではないか。

えぐい描写をはじめ何でも容赦なくやってくれる383氏がシンステをどう料理してくれるのか楽しみ。
669通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 09:19:34 ID:???
ムウを洗脳する為のカバーストーリーかと思ってたけどネオって別人なのね
まああれで生きてられても困るしな
670通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 10:57:54 ID:???
死んでいるのが普通。生きている原作がおかしい。

それにつけてもイザークが人間らしくて(・∀・)イイ!!
そしてネオママンが怖すぎるwwwwwwwwwww
671通常の名無しさんの3倍:2006/07/08(土) 13:32:31 ID:???
イザークがスラザクで活躍する姿を想像したら
もう鼻血がとまらんwwwww
672通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 21:22:39 ID:???
ほすほす
673通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 23:26:21 ID:VxVt3Q+h
遺作がこれでバキのようになったらヤだな
674通常の名無しさんの3倍:2006/07/09(日) 23:36:56 ID:???
むしろ死亡フラグ
675通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 01:20:36 ID:???
イザークが土壇場でメイリンにラクスを投影しているのが不安だ
崇拝していたと過去形にしてはいるがラクス自身を否定していないのが気になる
エリートから転落して一般コーディである現実を受け入れはしたが
ラクス思想とラクシズ参加を否定してないままなのがもっと気になる
676通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 03:01:27 ID:???
憧れてたのはアイドルとしてのラクスだと思いたい
677通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 23:12:22 ID:???
独自に色々考えてみたがやっぱ難しいな・・・。
クルーゼ生存だとこんな感じかねぇ・・・?

シンの家族をアボンさせたのはキラに確定
自由強奪等の罪はラクスらがクルーゼが生存しているにも関わらず
己の保身の為にクルーゼに罪をなすりつけている
クルーゼはデュランダルが議長就任時に
極秘にフェイスとして復帰している(当然偽名)
アスラン、ムウは前大戦で死亡。カガリは一人身のまま。
ファントムペインの隊長はリーが艦長と兼任。
クルーゼは中盤で寿命の限界がきて死亡。
ベルリンでステラを救出するもザフトで軍事利用されそうになると
シン、レイはステラを連れてミネルバから去り
拿捕されていた連合の宇宙船を使って宇宙へと逃亡。
拿捕されていた船の内部に強化人間のメンテナンスベッドがあった。
(生体CPUとして強化人間を乗せる予定の船だった)
記憶操作だけ難しくて治療のみは案外楽だった模様。
デュランダル議長はラクスの影響力を削ごうとして失敗。暗殺される。
その直後ラクスが議長就任。オーブと同盟を結ぶ。
同盟後オーブの軍事技術がザフトに本格的に流入する
シン、レイは潜伏先のメンデルでロドニアのラボで発見されたデータを発見。
調べていく内に強化人間を研究する施設をメンデルに作る予定だった事を知る。
678通常の名無しさんの3倍:2006/07/10(月) 23:19:14 ID:???
展開的には面白そうだけどプロット書いちゃうと先が読めちゃうよ・・・
679通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 00:24:22 ID:fPy65wDl
とりあえず今は383氏が書いてるからなぁ
680通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 15:32:48 ID:???
同時進行でもいいんじゃない?
てか、そういう話じゃなかったか?
681通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 16:19:28 ID:???
そうだっけ?
682通常の名無しさんの3倍:2006/07/11(火) 18:58:41 ID:???
そりゃいいんじゃね
ちゃんと名前欄に固有名詞いれてくれると抽出して見易いが
683通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 01:35:10 ID:???
ほすほす
684383:2006/07/13(木) 03:15:07 ID:???
「現地協力員って、つまりレジスタンスってこと?」
「そうらしいわ。連合がかなり強烈にガルナハンの街を支配してて、反発も大きいんだっ
て」
 シンの質問にルナマリアが答えた。
「マハムール基地とミネルバが共同作戦を取ると決めたからには、それなりに信用が置け
るという判断だろう」
 レイの言葉に、二人は首肯した。そしてブリーフィングルームに入った。
 中には共同作戦でアレッシィ隊長の指揮下に入るマハムール基地のパイロットたちがす
でに揃っていた。そこにはすでに謹慎のあけたイザーク・ジュールが座っていた。三人は、
挨拶をしてイザークの隣の最前列の席に着いた。
「今日はよろしく」
 地上からのザクでの攻撃になるルナマリア。
「こんにちは」
 挨拶だけのレイ。そしてシンは、しばらく黙ってイザークを見ていたがぷいと顔を背け、
「謝る気はないからな」と言った。
「お前を殴ったのは俺だ。お前は報復しなかった。だから謝る必要なぞない」
 この言葉に、正直びっくりしたのはシンだけではなかった。カーペンタリアから何とか
イザークと同僚としてやってきたが、年上のくせにシンより突っかかる性格だわ、母親の
プラントへの裏切り行為もあって誰とも−−メイリン以外とは−−まともに口も利かない
わ。戦闘時空を飛ぶモビルスーツに乗っているシンとレイはいいにしても、一緒に組んで
戦うことになる自分が不幸だと思っていたルナマリアは、大きな青い目をまじまじと見開
いた。
 なにがあったのかわからないが、イザークが24時間謹慎している間に少しは考え方を変
えたようだ。それはルナマリアだけでなく、ミネルバ全体にとっていい方向のものである
ように思われた。
 ブリーフィング開始時間ぴったりに扉が開き、アレッシィ隊長、12,3歳に見える埃で薄
汚れた少女、そしてマハムール基地のモビルスーツ隊のアンドリュー・ゼレンカ隊長が入
室してきた。シンたちは立ち上がり、敬礼で上官を迎え、手の合図を受けて着席した。
 モビルスーツ全体の指揮はもちろんフェイスのアレッシィ隊長がとることになる。カー
ペンタリア攻防戦でのアレッシィ隊長の見事な指揮と、先日のインド洋での戦闘でミネル
バのモビルスーツ隊が活躍したことは知られているので、マハムール基地のパイロット達
には表向きに不満をむき出しにするものはいなかった。
「……子供じゃん」
 正直なのだが残酷な呟きが、シンの唇からもれた。現地レジスタンスとの共同作戦とい
うからには、中央アジアを舞台にした映画に出てくるような屈強な髭面の男が来るものと
思っていたのだ。
「口を慎め、シン・アスカ。彼女はまだ幼いが、自分の生まれ育った街の自由にために戦
うことを決めて、連合軍の占領地を抜けてここまでやってきた。口を開く前に、他人の事
情を慮るように」
 アレッシィ隊長の論理的な叱責に、シンは素直に謝った。そして他のパイロット達もナ
チュラルを差別しない公明正大な見方に、感銘を受けたようだった。
 彼女、コニール・アルメダは子供扱いされてむっとしたが、そのあと部屋を見渡してび
っくりしていた。ここに連れてきてくれた二人は、金髪の男性で、テレビで見る俳優やモ
デルのような容姿をしていた。しかし部屋にいる連中ときたら……。
685383:2006/07/13(木) 03:15:56 ID:???
 さっき生意気なことを言った少年は真っ赤な眼をしているし、他にも髪の毛が青だの緑
だの、肌の色も白から褐色、黒まで揃っている。そして一番驚いたのは、普通の人間には
ありえない色の組み合わせの肌、髪、目の色だけでなく、全員がガルナハンの街なら一番
のハンサム、美女で通る以上の整った顔立ちをしていたことだ。
「マハムール基地とミネルバ共同で行う、『ローエングリンゲート攻略作戦』についての
ブリーフィングを始める」
 アレッシィの声に、集まったパイロット達の顔が引き締まった。
「まず現地レジスタンスから、重要な情報を持ってここまでやってきてくれたコニール・
アルメダ嬢を紹介しよう」
 コニールは顔を赤らめ、そしてすぐに生真面目な表情を浮かべた。
「ガルナハンのレジスタンスから来たコニール・アルメダです。ガルナハンの火力プラン
トを連合軍が占領して、街にもひどい圧制をしいてる。それで、ザフトが砲台を攻めた時、
こちらも我慢できなくなって蜂起したこともあったんだけど、持ってる武器の性能が全然
違って、連合軍は街中をモビルスーツで暴れまわって……大人も子供も、沢山の人が死ん
だ。今度のザフトに協力してのローエングリンゲート攻めが上手くいかなかったら、報復
に街が潰されるかもしれない。お願いだ、あの連合軍の奴らを追い出してくれ」
 彼女は頭を深々と下げた。
 マユが生きていればあのくらいの大きさなのかと思い、シンはぞっとした。携帯の中の
マユは成長しない。戦いもしない。永遠に、消去されない限り、優しくて暖かい世界にい
る。しかし現実は、こんな少女が自分たちと同じナチュラルの軍隊の支配を嫌って、コー
ディネーターの軍隊に頼る世界なのだ。
 そして室内の照明が落とされ、作戦ボードにこの地帯の立体図が映し出された。
「これがガルナハン・ローエングリンゲートと呼ばれる連合軍の橋頭堡とその周囲の映像
だ。この断崖の奥に、ガルナハンの街と火力プラントがある」
 アレッシィ隊長がボードを指し示した。
「マハムール基地から攻略できるのは、この赤で示したラインのみ。しかし敵のローエン
グリン、陽電子砲が高台に設置されており、渓谷全体が射程に入るため、通常の攻撃では
圧倒的にこちらが不利になる。実際、マハムール基地による作戦が一回失敗に終わってい
る」
 ルナマリアが挙手して発言を請い、アレッシィはそれを許した。
「宇宙からの降下作戦をかけるのが一番効果的だと思いますが、それは司令部で検討され
たんでしょうか?」
「その疑問は軍人としてはもっともだ。しかし現在プラントは積極的自衛権を行使してい
るに過ぎん。地球に対する領土的野心はないのだ。先日スエズ基地が危機に陥る前に、隙
を見て基地を放棄したことは、君たちも知っての通りだ。我々ザフトは戦争を早く終わら
せるために戦っている。今回の作戦も、そのためのものだ」
「でも、ガルナハンの、連合軍の圧政に苦しんでいる人たちを救うためでもあるんでしょ
う」
 シンが口を挟んだ。
「もちろん。だがガルナハンのレジスタンスとザフトの利害が一致したからというのが実
際の理由だ。ローエングリンゲートを破壊すれば、ガルナハンの火力プラントの電力がマ
ハムール基地に優先的に供給されることになる」
「そんな大人の事情……」
 呟いたシンは、コニールがきつい目で自分を見詰めているのに気付き、押し黙った。
「さて、ブリーフィングを続ける。敵砲台の近くには、陽電子リフレクターを装備したモ
ビルアーマーとモビルスーツ隊が配備されている。ミネルバ隊の者は、カーペンタリア戦
で同様のモビルアーマーと戦ったことがあるだろう」
686383:2006/07/13(木) 03:16:53 ID:???
 ミネルバの三人が頷いた。イザークはそのあとに配属されたので、陽電子リフレクター
という強力な兵器をナチュラルが開発して配備しているなど、信じたくはなかったが。
「マハムール基地とミネルバの戦力を持ってしても正攻法で落とすのは難しいローエング
リンゲートだが、今回、ガルナハンからミス・アルメダが連合軍の知らない情報をもたら
してくれた。説明を、お願いできるかな?」
 アレッシィの言葉にコニールは、はいと答え、手に持ったディスクを示した。
「ローエングリンゲートの砲台の真下まで、もう使われてない坑道があるんだ。出口が落
石で数十メートルにわたってふさがっているから、連合軍は存在に気付いていない。坑道
はモビルスーツが入れるような大きさじゃないけど、相手の陽電子砲を避けて砲台に近づ
く道はこれしかないんだ」
 モビルスーツが入れない大きさというところで、皆がいぶかしげな表情を浮かべたが、
シンははっと顔を上げた。
「ということで、この坑道を抜けて連合軍の陽電子砲を破壊するのは、インパルスとシン
・アスカにやってもらう。理由はわかるな?」
「あ、はい!」
 インパルスは、ユニウス条約の関係でモビルスーツ扱いされないような抜け道として考
案された兵器である。チェスト、コアスプレンダー、レッグの三つの部品に別れるので、
戦闘機扱いで登録してあり、普通の大きさのモビルスーツが入れない坑道に入ることが可
能だ。
「ミス・アルメダ、彼が君のデータを必要としているパイロットだ」
「こいつが?」
 最初の印象が悪かったので、コニールは不安げな声を出した。他に大人が沢山いるのに、
こんな少年がガルナハンの街の命運を握る作戦の一番重要な役目をするなど、はっきり言
って不満だ。
「まだ若いが、パイロットとしての腕は一流だ。それは保障する」
 こう言われても、信用しきれず硬い態度を崩さないコニールに、アレッシィは更に付け
加えた。
「君は若いが、ガルナハンのレジスタンスの中で信頼されているから、今回の任務につく
ことが命じられたのだろう。彼も若いが、プラントでは立派な成人だし、優秀だ。そして
地球生まれであり、地球の人々の命と平和を大事に思っている。性格には少々難があるが、
それを上回る能力がある」
 コニールは立ち上がったシンの生意気そうな顔と真紅の瞳をじっと見詰めた。
「このデータは、すごく大切なものなんだ。万が一にも連合軍に知られないように守って
きた。あたしも、ここに来るまでに連合軍に捕まりそうになったら、このデータごと自爆
するつもりでここまで来た。このデータにはガルナハンの街の人間全員の命がかかってる
んだ」
 薄汚れた少女の決意を込めた視線を、シンは受け止めた。自爆覚悟でここまで来たとい
うのか。しかし未知の坑道でインパルスを飛ばすためには、聞いておかなければならない
こともある。
「このデータ、いつ取ったものなんだ? そのあと地震や岩盤の崩れで地形が変わってい
る可能性はどれくらいある?」
「データは三年前のものだ。地震で坑道が崩れたのは30年以上前、それ以来、地形が変わ
るような地震は起こってない。ただ……坑道の中は地下水が染み出してるから、確かに岩
はこのデータより崩れてると思う」
「じゃ、データ通り飛べばいいって訳じゃないんだ」
 シンが腕を組んだ。もちろん自分の操縦技術、反射神経には自信がある。データが100
%正しいシミュレーションなら、絶対にミスしないと思う。
687383:2006/07/13(木) 03:18:09 ID:???
「データをメインに、インパルスのレーダーで補正するようにプログラムを書き換えれば
いい。出撃までにその程度の時間はある」
 結局隊長の命令に、シンは従った。


 敵に探知される距離に入る前に、シンは発進した。合体せずに三つのパーツに分かれた
まま、坑道に進入する。ここからはコニールのデータと先ほど自分で組んだ修正プログラ
ムが頼りだ。わかっていたことだったが、あっという間に周囲は漆黒になり、シンはモニ
ターに3D映像を表示させた。
「真っ暗じゃねーかぁ。それに、狭い!!!」
 ぎりぎりですり抜けていくが、コアスプレンダーの翼が岩を削る。速度を落としすぎる
と失速するし、本隊の行動とあわせるためには、作戦通りの速度でこの暗黒の行動を飛び
ぬけるしかない。シンは雑念を払い落とし、操縦だけに専念した。


 ミネルバはアレッシィ、レイ、ルナマリア、イザークの四機のモビルスーツを射出する
と、空中から敵を攻撃する態勢に入った。マハムール基地の地上艦からも、バクゥ、カズ
ウート、ジンオーカーが出撃する。
 敵基地からはダガーL部隊が迎撃にでてきた。
 そしてミネルバが陽電子砲発射準備に入るのに気づいた連合軍は、噂のモビルアーマー
を前面に出した来た。それはカーペンタリア戦で使われたものとはまた別のモビルアーマ
ーで、大型昆虫の背中にダガーLの上半身を埋め込んだような奇妙な形をしている。
「てぇー」
 グラディス艦長の命令の元、ザフトではタンホイザーと呼ぶ陽電子砲が発射された。
 ユニウス7すら砕くことのできる陽電子砲だが、リフレクターをそなえた敵モビルアー
マーはひょうひょうと無事だった。
「わかっていたこととはいえ、不愉快だわね」
 艦長の声にブリッジの全員が首肯する。
「モビルスーツ隊に作戦成功の是非がかかっているわけだけど、あっちの陽電子砲がミネ
ルバに直撃すれば、この船は沈むのだから、全員、敵砲台に集中!」
「はい!」
 モビルスーツ隊同士の戦闘は、ザフト側に有利に進んでいた。敵モビルアーマーは基地
を守る盾としての役目が大きいのであって、攻撃力はダガーLより上という程度のものだ
った。アレッシィとレイは空中から、ルナマリアとイザークは地上からダガーLを狙って
は落としていった。この橋頭堡には陽電子砲と陽電子リフレクターを持ったモビルアーマ
ーがあるので、新型のウィンダムの配備は後回しにされているのだろう。とはいえ、やは
り陽電子砲があるのは恐怖だ。ミネルバを標的をして敵砲台が動くと、ダガーLがさっと
射線を開けた。
「ミネルバの回避はミネルバに任せろ。モビルスーツパイロットは一機でも敵を減らせ」 アレッシィの命令により、回避運動を取るダガーLが次々と落とされていく。
(そろそろシンに出てきてもらいたいものだが)
 アレッシィが時計を見ると、インパルスとの合流予定時間まであと40秒だった。
(ならば、ミネルバは自力で回避してもらわねばな)
 敵陽電子砲、ローエングリンが真っ赤な火を噴いた。しかしミネルバは射線を予測して
いたようで、撃たれる一瞬前にぐんと沈み込んで砲撃をかわした。
 とはいえすぐに二発目のチャージに入ったようだ。計算では、チャージ完了よりインパ
ルスが行動を出てくるほうが早い。
688383:2006/07/13(木) 03:19:08 ID:???
 必死で坑道内を飛んでいたシンは、岩にふさがれた出口をようやっと見つけ出した。そ
こにミサイルをぶちこみ、そのまま外に出る。すばやく合体シークエンスを終わらせてみ
ると、確かに眼下に敵砲台があった。
(あれを壊さないと!)
 砲台の警備役の対空砲から、ミサイルが飛ぶ。その対空砲を破壊し、防御用のダガーL
をビームライフルで破壊する。
 下から奇妙な形のモビルアーマーが上昇してくる。
 あっと思った瞬間、レイの声が無線に入った。
「こいつは俺にまかせろ。お前は作戦通り敵砲台を潰せ!」
「わかった!」
 インパルスの急襲に恐怖を感じたのだろう。敵はチャージ中の陽電子砲を下げ始めた。
シンは抵抗するダガーLを倒しながら、砲台に迫る。しかし、このままでは砲台は下がり、
シャッターが閉じてしまう。
 エネルギーの尽きたライフルを捨て、ナイフで手近のダガーLを切り裂くと、そのまま
砲台のシャッターに投げ入れた。そして止めとばかりにバルカンをお見舞いする。
 シャッターの下から激しい爆発が起こった。チャージされていた陽電子が対消滅を起こ
し、爆発したのだ。その威力は、基地全体を誘爆させるに足るものだった。
(あのモビルアーマーは!?)
 シンが下に目をやると、レイのセイバーが接近戦に強い機体性能を生かして、モビルア
ーマーのダガーLの部分を切り裂き、そこから強烈なビームを食らわして、仕留めること
に成功していた。
(やった!)
 陽電子砲と基地、陽電子リフレクターを持つモビルアーマー、すべての破壊に成功した。
まだ残っている敵モビルスーツが数機あったが、降伏信号を発信し始めていた。
「作戦終了。各機、母艦に帰還せよ。捕虜はフレミング隊長にお任せしたいが、それでよ
ろしいか?」
「了解しました」
 ガルナハン・ローエングリンゲート攻略戦はザフトとガルナハンのレジスタンスの勝利
に終わった。

「やったな!」
 ミネルバに戻ったパイロット達はいつものように無事を確かめ合った。そしてその輪に
初めてイザークが入ってきたのにシンたちは驚いたが、彼を仲間として受け入れた。イザ
ークのスラッシュザクファントムは空から攻撃してくるダガーLを正確に射撃して落とす
ことで、戦いを有利に進めるのに十分な役目を果たしたからだ。
 そして整備士たちに、自分の機体が受けた被害やこの気候でのセッティングがどうだっ
たかを伝える。これは期待を成熟させていく上で、とても大事な仕事だった。パイロット
の腕の中には、いかに上手く自分の機体を管理し、状況に合わせたセッティングをするか
も含まれていた。エイブス班長から『アレッシィ隊長はお前らの半分の時間で二倍の情報
をこっちに伝えるぞ』と言われたのは、カーペンタリア戦のあとだった。
 そのあとパイロットルームに集合して、口頭で今日の戦闘の報告を隊長にした。
 ミネルバはガルナハンの街の近くに留まっている。さっそく火力プラントからバッテリ
ーに電気を充電してもらうことになったらしい。
「今日はみなよくやってくれた。ガルナハンの街に帰ったミス・アルメダから、君たちパイロットを今日の殊勲者として食事に招待したいという話が来ている。希望者は武装し、ザフトの軍人としての節度を守り、禁酒するなら、行ってもよい。希望するものは?」
 面白そうだと思ったので、シンが手を上げた。そしてルナマリアとレイも。イザークはまったく興味がない様子だった。
「シン・アスカ、レイ・ザ・バレル、ルナマリア・ホーク、外出許可を出すので各自コンピュータからわたしに申請書を提出するように。イザーク・ジュール、君は私と交代でスタンバイに入れ。君は明日は全休だ」
「はいっ!」
 シンはガルナハンの街がどんなところか、楽しみでならなかった。
689383:2006/07/13(木) 03:19:58 ID:???
 三人でバギーに乗ってガルナハンの街に入ったのは、真っ赤な夕日が沈み、東の空に星がまたたきはじめるころだった。
「空気の屈折だってわかってるけど、まだ星の明るさがしょっちゅう変わるのにはなれないわ、私」
「俺は宇宙で距離感を掴むのに苦労したなあ」
「それはプラント育ちでも苦労する。しかし、この街、血の匂いがしないか?」
 レイの言葉に二人はくんくんと鼻をかいだ。
「ホントだ」
「でも、市街戦はなかったでしょ。基地が全滅状態なんだから、連合の兵士は降伏したは
ずよ。でなきゃ夕食に招待してくれるなんて暢気なこと、言ってられないじゃない」
 ルナマリアは腰の拳銃に手をやった。念のため拳銃、ナイフ、自動小銃を三人とも持っ
てきている。
 バギーは街の広場に入る。広場では篝火が焚かれ、そこここで羊がこんがりと丸焼きに
なっていた。彼らを見つけたコニールが駆け寄ってきた。
「来てくれてありがとう! きょうはホントに助かった。あたしたち、街のみんなが自由
に生きてられるのも、あんたたちザフトのおかげだよ!!」
 作戦前は不安でこわばっていた顔が、今ははじけるような笑顔だ。
「さ、おいでよ。羊が焼けるところだから。ん? 用心深いんだね、自動小銃まで持って」
「まだ捕虜になってない連合の兵士がいるかもしれない」
 レイが冷静に言ったが、コニールの言葉に三人は驚かされた。
「連合の兵士? 街中総出で、街に駐屯してたのも火力プラントを占領してたのも、みん
な殺したよ。いまこの街にいるのはガルナハンの市民とあんたたちだけさ」
 戦争とは軍隊同士でするもので、負ければ捕虜になるという教育を受けて軍人になった
三人にはショッキングな現実だった。
 顔をこわばらせ、しっかりと自動小銃を握ってコニールのあとに続く。
 広場では民族楽器の音が流れ、鮮やかな長いスカートを翻しながら踊る女性達、そして
炎の上でぐるぐると回る羊。地球生まれのシンにも、テレビの紀行番組でしか見たことの
ないような風景だった。しかしコーディネーターの夜目の効く目には、広場に通じる道に
連合軍の兵士の死体があるのがはっきりと見て取れた。
 コニールは三人を恰幅のいい中年男、三十代の鋭い顔の男がいるテーブルに案内し、自
分もそこに腰を下ろした。恰幅のいい男はこの街のまとめ役でコニールの父親、鋭い顔の
男はレジスタンスの隊長だということだった。
「プラントから来ましたザフト軍ミネルバ、モビルスーツ隊所属のレイ・ザ・バレルです」
 きちんと敬礼して挨拶するレイに、シンとルナマリアは倣った。こういうとき、生粋の
優等生はありがたい。
「ようこそ。プラントの友人達。そう呼ばせていただいてかまいませんな? そちらのシ
ン・アスカ君はザフトの広報テレビに出ていたのを見たことがありますよ。皆さん、赤服
のエリートだということも理解しています。ここはユーラシアの辺境ですし、豊かな土地
ではありませんが、2千年以上の歴史がある街です。我々にとって、情報は生き延びるた
めに大切なのです」
 シンたちの前に、小さな皿に大匙三杯ほどの灰色の粒粒がだされた。ルナマリアは一体
何だろうとしげしげと見ている。見た目はよくないが、海と潮の香りがする。
「もしかして、これ、キャビア?」とシン。
「ええ。このあたりでもチョウザメは滅多に取れなくなりましたが、今日はお祝いです。
食べていってください。よく冷やしたウォッカもありますよ」
「上司から、禁酒の条件で外出許可をもらってますので、残念ですが遠慮させていただき
ます」
 レイが結構美食家なのを知っているシンは、彼が心底残念がっているとわかった。
690383:2006/07/13(木) 03:20:55 ID:???
「いただきます」
 三人は生まれて初めてキャビアを食べた。ルナマリアは魚卵自体が初めてだったが、世
界三大珍味ということと、ガルナハン付近が産地だということは知っていた。口に入れる
とぷちぷちとはじける感触。そしてねっとりとした脂肪とたんぱく質の濃厚な味わいが潮
の香りとともに口いっぱいに広がる。彼らは美味しいと感謝の言葉を述べるより先に、キャビアを堪能した。
「こんな美味しいもの、生まれて初めて食べました」
 皿を嘗め尽くさん勢いでルナマリアが言う。
「皆さんへのお礼です。この街に連合軍がやってきて二年、だんだん彼らの締め付けが厳
しくなって、開戦と同時に圧制に変わりました。いま西ユーラシアは揺れています。大西
洋連邦メインの地球連合への反発です。彼らの歴史は数百年。対して我々は二千年から四
千年の歴史があります。大西洋連邦の奉じる正義だけが正義だなぞ、我々ユーラシアの者
には通じません」
 羊の丸焼きを切ったものが運ばれてきた。あばらの部分と腿の部分、表面と内臓を抜い
た内側に塩と香草をまぶして焼いたものだ。香ばしい匂いに、羊を食べつけないプラント
人でも食欲をそそられる。
「でも、コーディネーターと組むのは不安じゃなかったんですか? このあたりにはコー
ディネーターは住んでないでしょう」
 羊のあばらにかぶりつきながら、シンが訊いた。コーディネーターが多く産まれたのは
旧プラント理事国の都会の裕福な階級で、このガルナハンで子供をコーディネーターにす
る人は、いたとしても数えるほどだったろう。
「確かに。コーディネーターは我々とは違います。しかし人間だというのは同じでしょう?
民族が違うなど、ユーラシアでは当たり前のことです。この町が出来てから、支配した民
族だけでも十は軽く超えますし、通り過ぎて混血した民族なぞ、数え切れません。今回の
連合軍も同じです。それにこの街の星占いをよくする婦人が、ザフトにはSEEDの加護があ
ると主張していました。彼女の言葉は、信頼が置けます」
「では、あなた方のアイデンディティはどこにあるのですか?」
 レイはナイフで羊のあばら骨から肉をそぎ落として食べていた。
「この街だ」
 沈黙していた鋭い顔の男が言う。
「昔は交易で栄え、今は火力プラントの電力を売って生きることが出来る。人がここで生
きている以上、街も生き続ける。そして街の自由のために、オレ達は戦う準備をし、戦う
だけだ」
 女として骨付き肉にかぶりつくのはまずいなと思っていたルナマリアは、レイの食べ方
を真似た。そして、思い切って訊いた。
「でも、どうして連合の兵士を捕虜にしないで、殺してしまったんですか? 連合が戦力
をこの地方に回せるようになったら、報復されてしまいます」
「……我々には捕虜に食わせる食料がない。このあたりで獲れる食物は限られている。ユ
ニウス7落下の影響でこのあと農作物の不作が続くのは確実だ。それに、連合はレジスタ
ンスを捕まえたとして、捕虜にしてくれるような優しい軍隊ではない。お前達は軍と軍で
戦争をしているから、捕虜交換といった発想もあるだろうが」
 三人は口をつぐんだ。このあとの戦局が連合に有利になったら、街が壊滅することを覚
悟して、彼らは行動しているのだ。
「ここではすべてが混ざりあい、未来を作ってきました。たとえば、私の目は黒いが、娘
のコニールの目は青い。色んな民族が行きかった結果です。いまこの街にいる妊婦の三分
の一は連合の兵士の子供をはらんでいます。でも我々は産まれてくるその子供達を差別し
ない。ガルナハンの街の子供として、大切に育てます」
691383:2006/07/13(木) 03:21:42 ID:???
「それは、立派なことですが、ホントに差別しないで育てられます? この街のレジスタ
ンスを弾圧して殺した男の子供でしょう?」
 やはり女なので気になるのか、ルナマリアがきつい口調で問いただした。
「できるよ。子供に罪はないからね」
 コニールがきっぱりと言い、ルナマリアは押し黙った。コーディネーターは遺伝子にこ
だわる分、『理想の自分の子供』を欲しがる気持ちが強い。彼女のような二世代目のコー
ディネーターにはまず起こらないことだが、相手がコーディネーターにしろナチュラルに
しろレイプされて妊娠したら、迷わず堕胎するだろう。
 シンが、コニールは偉いなといい、彼女がガキ扱いするなと言い合って、場がほぐれた。
そのあとはガルナハンの生活を聞いたり、宇宙の暮らしの話をしたりしながら、

和やかに食事は終わった。最後に濃くて甘いコーヒーが出された。粉が沈むのを待ちなが
らゆっくりとすすって飲むコーヒーだ。こってりしたキャビアと羊を食べたあとに、さら
にこってりしたコーヒー、美味しいが太ってしまうとルナマリアは思った。
「さて、夜も更けました。男性お二方には、この街を訪れた客人の役目を果たしていただ
きたいのですが」
 コニールの父親の言葉に、シンとレイは目を丸くした。ローエングリンゲートを破壊し
た自分たちに、それ以上の任務があるのだろうかと。
「先ほども申しましたが、常に新しい血を入れることでこのガルナハンの街は幾度となく
全滅の憂き目に会いながら復活してきました。この街の将来のために、あなた方の子供が
欲しいのです」
 ストレートな物言いに、シンは真っ赤になりレイは真っ青になった。
「よく練れた女性がお相手しますから、経験不足の心配は要りません」
 そういう問題じゃないんだと思ったシンだが、うまく口が回らない。反応によっては街
全体が敵に回るかもしれないのだ。
「ちょっと……そういう習慣は、プラントにはありません。愛の証として子供が生まれる、
それが私たちの考えです」
 ルナマリアが急に不愉快さを露にする。男女同権、前線の戦闘員の三割が女性というザ
フトのエリートだから当然だろう。
「子供は愛の証、それは正しい。しかしまれびとが子種を残していくのも、人間社会の習
慣ですよ、お嬢さん」
「いや、その、目の赤い子供なんか生まれたら苛められるし……」
 あたふたとシンがコニールを見ながら呟いた。
「あなたはコニールがお気に召したのか? この子も十分子供が産める年齢です。本人も、
いやではないようですなあ」
 顔を真っ赤にしたコニールを見て大きく笑う。
「お気持ちは嬉しいのですが、シンも自分もまだ童貞です。初めての相手は心底好きあっ
た女性とと思っています。子供っぽいと思われるでしょうが、少年の夢を大切にしていた
だきたい。コーヒーもいただいたので、われわれは失礼します。外出許可でもらった自由
時間もそろそろ終わりですので」
 レイの言葉に、シンとルナマリアは大きく頷き、一緒に席を立った。
692383:2006/07/13(木) 03:25:58 ID:???
>>677氏、新しい職人さんかな? 歓迎です。

今回の話を書くのにセイバーの武装を見たら、ビームの名前が「アムフォルタス」。
インポの聖杯王の名前の付いたビームなんて、弱そう。フンディングとかミーメなんて武器も
いずれ種シリーズに出てくるんだろうか。ワールドカップでスケジュールがぐちゃぐちゃになってしまったので、
とりもどすまで、これの更新もゆっくり目になると思います。
693通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 09:17:03 ID:???
真夜中の更新乙です!
異文化に触れるコーディネーターって自分が種の時から見てみたかったシチュじゃないか
本編はなんでこういうの入れてくんないんだ…
ミネルバメンバーと打ち解けつつあるイザークにも注目
694通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 11:22:39 ID:???
遠まわしにユニウスセブン落としの所為で捕虜を殺す必要ができたっていびってるし街の人も大変だな
つーかレイはなぜ真っ青にw
695通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 13:16:07 ID:???
クローンである自分の欠陥遺伝子のことを考えたんでしょ
696通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 13:26:52 ID:???
>>693
異文化つってもなあw
697通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 14:44:54 ID:???
特別編としてコックとしてミネルバに配属されるディアッカ版沈黙の戦艦が読みたいぜ
698通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 14:45:27 ID:???
生殖能力が無いんじゃなかったっけ?<クローン
それ以前に、欠陥の多い自分の遺伝子を続けさせたくないとか(レイが自分をクローンだと認識している場合だけど)
699通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 15:13:43 ID:???
あーそういやさらに劣化して欠損が激しいんだっけかレイは
700通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 17:09:58 ID:???
このSS、種キャラのその後とか種死世界はどうなってんのか、みたいな部分がとてもよく出来てるな
捉え方が斬新で面白い
ただ、シン主人公のSSとしてみたら、この上なくつまらないけど
701通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 18:26:02 ID:???
ちゃんとメインは張ってるけど<シン
でも確かに他のキャラが見事にキャラ立ちしてるねぇ。
702通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 19:03:24 ID:???
クローンは別に、生殖能力がないor異常がある訳じゃないぞ。
体細胞クローン牛からでも、正常な子牛が生まれている。
(それ以前に、体細胞クローン牛ではテロメアリセット出来た結果が出てるが)
レイのテロメアが短い、という本編の設定をそのまま考慮したとしても、
精子生成には全く関係ないことなので、「遺伝子的にはアルの一卵性双生児の
子供」が出来るだけだ。
(そこらのナチュよりはおそらくダントツに能力高い、金髪碧眼白人混系ハーフだな)

自分は、レイが答えた通りの状況じゃないと、という気持ちで青くなったんだな、
と解釈したが。(赤くなるよりは青くなるキャラだろう、レイの場合)
……いや、そういう事に興味が薄いので、まともに妄想したこともなかった、
というのでも構わないが。

どう取るべきかは見る人の自由だと思うので、そこら辺は解釈の余地が
ある方が嬉しい…
703通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 19:05:01 ID:???
このSSはよく出来てるよ。けどそれだけにいくつか不満点も・・・

1.クルーゼの存在意義
はっきり言って現時点ではいるだけに近いクルーゼ
登場こそするものの、ストーリーにあまり差し支えのないレベルでの行動しかとらないのがなんとも・・・
くわえてこのSSは原作から変わってる部分が結構あるが、すべてクルーゼとは関係がないし
まあこれはこの先クルーゼが何かやらかすことに期待、か?

2.各キャラクターの性格
旧キャラの性格は『痛み』を受けながら変わっていってるのに対し
種死キャラは初めから特に理由もなく性格が変わってるのに違和感
設定を変更しましたといえばそれまでだが、あんまりやりすぎるのもどうかと
704通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 19:44:34 ID:???
そうだねぇ…
シンとかはもはや別人だな。
705通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 20:42:59 ID:???
まだ完結してないじゃん
ステラもまだ出てないしシンが主人公だと思えるような展開やラウの絡みもまだまだ期待できるぜ
キャラの性格云々や待遇の差異ははまだミネルバチームを表の世界観描写に使ってるからじゃないかな?
706通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 21:13:31 ID:???
シンは原作の性格のままじゃ動かせないだろ
軍規で吊られるのが目に見えるw
707通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 21:20:28 ID:???
環境が違えば
性格も変わるさ
708通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 22:22:48 ID:???
まあこれから
迷いを振り払って戦場の鬼となった最強の狂信者アスランがおそらくライバルとして
後にも先にも絶望しか背負ってないようなステラが悲劇のヒロインとして
ロボもの主人公の王道を手土産にシンの前に現れるはずだ!
虐殺魔のライバルと、死にたくないと泣きながら市街を焼き尽くすヒロインなんて最強だぜ!?


個人的に乗り越えるべき壁がいないのが寂しいな(それもアスランの役目か?ネオ?)
アレッシィが上司として出来過ぎている上に関係が薄すぎて壁にも畏敬の対象にもなってないのが残念
709通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 23:50:14 ID:???
この話のアスランをライバルにすると乗り越える壁っぽく無いし、ステラも悲劇ヒロインだから違うなぁ。
キラは今引退中だっけ?候補はネオか議長か?アレッシィか?
710通常の名無しさんの3倍:2006/07/13(木) 23:59:42 ID:???
>>703
世界観自体が作者の悪く言えば独断と偏見で(特にコーディネーターの
意識あたり)構築されてるからね・・・。
まあ別物としてみれば悪くないから別に行けど。
711通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 00:25:52 ID:???
みんな結構厳しいね
愛のムチ?www
712通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 00:40:56 ID:???
後の展開でこれだけwktkするのも久々だしな
713通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 00:59:24 ID:???
>>711
ちゃんと見てるという事なんだろう。
でも良い意味で展開分かんないから正直楽しみにしてるww
714通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 01:08:30 ID:???
キャラの名前だけ借りたオリジナルだと思えば
715通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 01:16:14 ID:jNoCEpyC
軍人としては、種のクルーゼ隊の連中より、この話のアレッシィ隊の面子のほうが、まともだとは思う。
716通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 02:07:48 ID:???
少年兵ばかりってのがあれだけどまともっちゃまともだわな
717通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 03:26:51 ID:???
クルーゼが活躍するのは終盤のデスティニープランが発動してからで良いと思う
無印でも終盤になるまで特に居ても居なくてもどうでもいいキャラだったし
まあこれは嫁の力量不足が大きいが
718通常の名無しさんの3倍:2006/07/14(金) 03:29:26 ID:???
クルーゼが活躍するのは終盤のデスティニープランが発動してからで良いと思う
無印でも終盤になるまで特に居ても居なくてもどうでもいいキャラだったし
まあこれは嫁の力量不足が大きいが
719通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:01:25 ID:???
まぁ、なんだかんだ言いつつ、みんな383氏のSSが好きなんだな。
720通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 20:41:44 ID:3a4WJjQK
なんつーか文章を読ませる力があるな
話の展開は嫁みたいな超展開じゃないし
人物の行動は一貫してるし
嫁にせめて383氏の半分くらいの力があれば
721通常の名無しさんの3倍:2006/07/15(土) 23:31:46 ID:???
クルーゼは種シリーズになくてはならない存在。
持つもの持たざるもの、憎み争うそうしようもない人類の
負を一挙に背負った象徴的人物。

彼の思想と行動原理は「人類などすべて滅んでしまえ」という
ものだが、決して単純な悪者ではなく、人であれば誰もが
もっている負の部分や戦争に見られるどうしようもない人類の
おろかさなどを根拠にしているため説得力がある。

ロゴス:コーディネーターをすべて滅ぼせばいい。
ザラ:ナチュラルをすべて滅ぼせばいい。

という次元のひとつうえをいう思想
クルーゼ:全人類を滅ぼせばいい。

キラがいなければおそらく実行されていた。
地球にジェネシス、プラントに核で。
722通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 22:09:11 ID:???
ロゴスはただ戦争による利益を求めていただけで、ブルコスとは違って
コーディネーターを滅ぼそうとは思っていないはずでは?
 
723通常の名無しさんの3倍:2006/07/16(日) 22:43:51 ID:???
ロゴスは大多数がブルコスのメンバーだから大体同じ考えを持っていると考えて良いと思う
何故そうであるかの必然性に劇中で全く触れない嫁が悪いと言えばそれまでだが
724通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 10:06:30 ID:???
つうか、戦争の利益が欲しいなら双方に加担すべきだろうがよ。
何で連合にしか手、貸してないんだ…

ま、今更な話だが…('A`)
383氏、これからもがんがってくれ。
725通常の名無しさんの3倍:2006/07/17(月) 14:48:13 ID:???
プラントを回収するついでの戦争って感じなんだろ多分
後ブルコスがロゴスの中でも影響力もち始めたのはエイプリールフールクライシス以降だと思うな
726383:2006/07/17(月) 23:38:23 ID:???
 ステラは海のほうが空より好きだったが、目の下に白い雲が波打っているのを見るのは
好きだった。色が違うが、海に似ている。
 エリア81からユーラシアに移動するのだという。
 ステラにとって、目的はどうでもよかった。スティングとアウルがいて、ネオがたまに
頭をなでてくれれば。
 しかし一緒に空中空母ボナパルトの展望室にいる大事な仲間二人は、ステラと同じ考え
ではないようだった。
「何考えてんだよ、ネオの奴。オレたちとコーディネーターを一緒に作戦行動させような
んて!!」
 背がどんどん伸びていて、そろそろ青年の仲間入りをしそうなスティングが嫌悪感丸出
しで言う。
 答えるアウルは、スティングに比べるとシニカルな態度をとっていたが、不快なのは同
様だった。
「ファントムペインは実験部隊だもんなぁ。俺たち、軍属だけど軍人って奴じゃねーし。
ま、他の連中より好き勝手できてる? つってもあいつらと一緒に戦えってのは、正直や
だね」
 彼らは幼い頃から優秀な強化人間になるための訓練や薬物投与と同時に、コーディネー
ターへの反感と憎しみを教え込まれる。自分たちは人類の敵・コーディネーターを殲滅す
るための戦士であるという認識を持たされている。
「コーディネーター、きらい」
 それはステラも同じだった。
「気持ち悪い」
 コーディネーターのコロニーに行ったことの記憶は、改変されていた。
727383:2006/07/17(月) 23:39:21 ID:???
 ミネルバはガルナハンを抜けてディオキアのザフト基地へとルートを取っていた。西ユ
ーラシア地区は、元々大西洋連邦の風下に立つのをよしとしない歴史と気風があり、今回
の戦争ではコーディネーターに地球規模での災害−−ユニウス7落下−−を加えられたこ
とと、戦争に乗じて地球連合といいながら大西洋連邦の軍の力が強くなっていることへの
警戒、そして『神』という唯一絶対の価値観が打破されてから生まれた世代が多数を占め
る人口、そういう要素があいまって都市部ではさまざまな価値観と思想、それを共有する
もののネットワークが生まれていた。
 ディオキアにプラント議長ギルバート・デュランダルがミネルバ入港に合わせて宇宙か
ら降りてくる予定なのは、まだこの艦ではフェイスのアレッシィしか知らないことだ。
 最前線で戦う兵士の慰問というのが表向きの理由だ。そしてミネルバやユーラシアの部
隊はそれに信憑性をもたすだけの戦果を上げていた。議長の肝いりで作られた新造戦艦と
モビルスーツは、最初は人事を含め議長の玩具といわれたいたが、ユニウス7破砕の活動
から始まって、カーペンタリア攻防戦、赤道連合の民間人を地球軍が勝手に徴用していた
事件を暴いたこと、そして難攻不落で知られていたガルナハンのローエングリンゲートを
落としたことで、名前負けしない戦績をあげ、いまでは立派にザフトの地球での活動の象
徴とも言える艦になっている。
 しかしギルバートの来訪の本当の理由は、西ユーラシアの巨大軍需産業、アクタイオン・
インダストリーのオーナーとの面談だと、アレッシィは知っていた。
 『ロゴス』と呼ばれる軍事産業のトップの集まりは、自国には防衛のための武器を売り、
メンテナンスで稼ぎ、他国には戦争や内戦のための武器を売ることを生業としている。た
だ時代遅れの白人至上主義を奉じているため、東アジアの巨大兵器メーカーであるフジヤ
マ社、太平洋のオーブのモルゲンレーテとは付き合いこそあるものの、彼らを正式なメン
バーとしては受け入れていない。そんなナチュラルの中でも激しい差別意識を持つ彼らに
とって、コーディネーターは兵器開発の道具に過ぎなかった。ギルバートのアジア人のよ
うな漆黒の髪、コーディネーターであることを示すオレンジの瞳は嫌われるだろうが、あ
の骨色の白い肌は好かれるのだろう。プラントのなんでもありな外見特徴になれた彼には、
失笑したいようなことだったが。
 アレッシィは自室でコンピュータをいじりながら、そんなことを考えていた。ネット上
にはさまざまな政治結社が己の主張をばらまいている。
 テンプル騎士団、14世紀に財力を妬まれて滅ぼされた聖地巡礼守護の騎士団の人気はC.E.
になっても衰えず、後裔を主張する多くの団体が存在した。そして現在一番力を持ってい
る『テンプル騎士団』は、聖地エルサレムから異教徒を排除するために戦った騎士と、聖
なる地球から遺伝子操作された汚らわしいコーディネーターを排除することを重ねて主張
していた。
 もちろんナチュラルとコーディネーターの融和を図る団体もある。フリーメーソンは加
盟してメーソンリーになれば、遺伝子の違いなど結社の友愛の誓いの前には何の意味もな
いと主張する。そのほかでは薔薇十字団を名乗る団体、黄金の暁団などが融和派であり、
一番意味不明な陰謀論を撒き散らしているのがイルミナティの後裔を名乗る結社であった。
 そういう過去の秘密結社を名乗り、誰もがアクセスできるネットで宣伝合戦を繰り広げ
る連中を内心嘲笑っていたアレッシィは、突然、全身の激しい痛みに見舞われた。体中の
細胞が、もう新しく分裂することが無理だとばかりに悲鳴を上げる。
728383:2006/07/17(月) 23:40:32 ID:???
 彼は机に突っ伏し、しばらくは息も出来ず、発作が過ぎ去るのを待つ以外になかった。
数十秒が数時間に感じる痛みのあと、デスクの引き出しからピルケースを取り出し、白と
青のカプセルを口に放り込んでミネラルウォーターで嚥下した。そのまま椅子に体を沈め、
即効性の薬が効くのを待つ。この中途半端な時間は、彼にとって辛いものだった。しみじ
みと自分が欠陥品のクローン人間だと、思い知らされる。単にテロメアが短いだけならば、
細胞分裂の回数が健常者より少ないだけで、このような発作が起きることはない。つまり
己の研究資欲しさに違法なクローン人間製造を請け負ったヒビキ博士は、自分の持ってい
る技術をすべて使うどころか手抜きをして、アレッシィを作ったのだ。設計したとおりの
遺伝子を発現できるスーパーコーディネーターを作ることに血道を上げていた遺伝学者に、
同じ分野とはいえ少々畑違いのクローニングを発注したアル・ダ・フラガが、人を見る目
がなかったということだ。ただその見る目のない男の不完全なクローンであるニノ・ディ
・アレッシィことラウ・ル・クルーゼとしては、人間の愚かさを呪う以外に願いはなかった。
(……発作は減っていたが、先天性の欠陥がなおるわけもない。精神的に以前より解放さ
れているから、少々楽ができた、というわけか)
 ラウ・ル・クルーゼであった頃を思い出して一番ストレスを感じるのは、自分の目的の
ためにパトリック・ザラに近づいたことだった。黄道連盟の時期から優秀で知られた彼が、
プラント独立を目指す強硬派政治家に目をかけられるのは当然のことであった。しかしパ
トリック・ザラの父権の強い性格は、ラウに葬り去った過去の亡霊であるアル・ダ・フラ
ガを思い出させた。そのストレスがなくなって、発作の回数は減っていたが、なくなるも
のでもない。もう少しまともなクローニングがなされていれば、自分の元となる細胞が採
取されたときのアル・ダ・フラガの年齢と人間の寿命、フラガ家の人間の没年齢を参考に
残り寿命を計算することもできるのだが。
 まあ、もう自分の寿命のことはいい。年の離れた哀れな一卵性双生児の弟に、もう少し
はましな人生を送らせるための作戦を練るほうが彼にとって大事なことだった。ラウ・ル
・クルーゼ、ニノ・ディ・アレッシィ、どちらも目的のために作り上げた人格だ。本当の
自分がどこにあるのか、彼にももうわからない。物心ついたときには、アル・ダ・フラガ
の理想の跡取りとなるべく教育されていたから、無邪気な子供時代の思い出などない。ラ
ウ・ル・クルーゼという名前にしても、ただの記号としてつけられたものだ。愛着はない。
彼が愛着を感じるのは、実験動物として飼われていた子供に友人と相談してつけた名前、
そして二年前の大戦で彼が最後に乗ったモビルスーツ、プロヴィデンスだけだった。空を
飛びかい敵を攻撃するドラグーンを持つ機体だけに、開発者はおそらく「天帝」の意を込
めたのだろうが、彼の耳には「摂理」と響いた。自然の摂理に逆らって生まれた自分が、
自然を超える意図の下に生まれた少年と戦うために乗るモビルスーツには、この上なく似
合いの名前だと思われた。

729383:2006/07/17(月) 23:41:19 ID:???
「作戦開始時間まであと二時間です。ノアローク大佐」
 事実を告げるだけでなく、何かいいたげなエルドリッジ少佐の伸びやかなメゾソプラノ
に、彼は耳を傾けた。
「コーディネーター部隊の三人は、精神的にも肉体的にも安定しています。パナマでザフ
ト軍との交戦経験を積みましたし、医師によるチェックでも、元ザフトのザラ少尉にすら
なんら精神的な影響は出ていないと」
「それはいいことだ」
 デヴィ・エルドリッジ少佐の白い軍服に包まれた完璧なボディライン、そして誇り高く
突き出した後頭部を強調するようなショートカットの縮毛、大きな黒い目とくっきりした
唇のせいでますます小さく見える顔。ネオは彼女のネグロイド特有の美しさが好きだった。
「ただ……私が言いたいことはすでにお分かりだと思いますが、エクステンディッド達は
今回の作戦行動に不満を漏らしています」
「彼らには、コーディネーターへの反感が植えつけられているからな。我々と違って、コ
ーディネーターを道具としてみるだけの知恵もない、ということだろう」
「はい。特にカオスに乗るスティング・オークレーが一番強い反応を示しています。あの
三人の中で、一般的な知能が一番高いのが災いしているようで」
「ステラのように、戦うためだけの知性を残したエクステンディッドというのも、まだ偶
然でしか出来ないのが現実だ。……まあ、あれの場合は、普段少々間抜けすぎるか」
「同意します」
 彼女はうすく笑いながら首肯した。ファントムペインは大西洋連邦軍の中のブルーコス
モス主義者から選抜されたもので構成される部隊であるから、パナマで自分の指揮下で戦
い戦果を上げたコーディネーター部隊とエクステンディッド部隊を比べれば、もちろんど
ころか比較できないほどエクステンディッド部隊に好意的である。コーディネーターはフ
ァントムペインでは、ヒトモドキ、家畜などと呼び習わされる。性欲をもてあました男性
兵士がコーディネーターのヴァーチャー少尉を肉便器にしているとは知っているが、「同
じ女性として同情」などという感情はこれっぽっちもない。あんなものを相手にするナチ
ュラルの男性兵士を、獣姦野郎と蔑むだけであった。しかしもしステラに性的な嫌がらせ
をする男性兵士がいたら、厳罰に処すだろう。彼女はエクステンディッドといえど、ナチ
ュラルなのだから。
「コーディネーター部隊三機とカオスで空から攻撃させ、ガイアとアビスは甲板からの援
護射撃ということで、彼ら6名だけで仕事をさせようと思ったが、私が直接出て指揮を取
ったほうがいい、君はそういいたいわけだ」
「はい。大佐にコーディネーター部隊の成長を艦で見ていただきたいのは山々ですが、相
手との戦力が互角であると想定しますと、リスクはできるだけ減らしたいのです」
「君の判断が正しいと思う。私のウィンダムも戦闘準備をさせてくれたまえ」
730383:2006/07/17(月) 23:43:57 ID:???
 スタンバイ状態ということで、ソファでごろ寝、音楽を聞きながら雑誌を読んでいたシ
ン・アスカはエマージェンシーの音で、飛び起きた。ガルナハンからディオキアにいたる
空路には、連合の勢力はないと聞いていたのでお気楽モードだったが、世の中そう甘くは
ないらしい。
「敵空中空母確認、パイロットは各機で待機してください」
 メイリンの声に、シンはモビルスーツハンガーに向かった。他のパイロットが出撃体制
をとれるまで最低でも15分はかかる。もしものとき、その15分を死守するのがスタンバ
イパイロットの仕事だった。
 他のパイロットが揃うのが早いか、自分の発進シークエンスが始まるのが早いか、シン
は操縦席でいらついていた。爪を噛みたい気分だが、パイロットスーツのためにそんなこ
とはできない。オペレーターから情報は逐次入るのだが、敵の全容はまだわからなかった。
そんななか、他のパイロットが順次機体に乗り込んだというのを聞くだけでも、少し安心
する。
「敵は先日までパナマを攻撃していたイージス改とウィンダム二機、それと以前交戦した
カオスと紫色のウィンダムと確認された。パイロットは最終チェックの後、発進すること。
イージス改とウィンダム二機はパナマからの情報によると、非常に上手く連携をとって戦
う。インパルスはまずその三機を引き離し、イージス改を叩け。パイロットを鑑みるに、
あれが敵部隊のエース機だ。セイバーはカオスを。私はウィンダムを相手にする。ルナマ
リア・ホークとイザーク・ジュールのザク二機は、甲板上からオルトロスで援護をするよ
うに」
 隊長のいつもながら明確な指示が入り、シンは自信を持って発進シークエンスに入った。
「シン・アスカ、コアスプレンダー、発進する!」


 『アスラン、あなたが信じて戦うものは何ですか? いただいた勲章、それともお父さ
まの命令?』
 二年前婚約者の少女の口から、滑り出た言葉。あの時、自分はまだ子供だったので、ラ
クスの言葉に惑わせれた。しかし今の自分は違う『青き清浄なる世界と同志のために、俺は戦う』胸を張ってこう答え、ラクスも、幼馴染の親友だったキラも射殺できる自信がア
スランにはあった。彼らは汚らわしいコーディネーターなのだから。
「アスラン・ザラ少尉、アシーネイージス、出る!」
731383:2006/07/17(月) 23:50:35 ID:???
今回はちょいと短めです。
スターゲイザー、結構面白かったので次に期待。ただシャトル回り(本体、管制、宇宙服など)が
21世紀初頭の「リアル」であって、C.E.73の「リアリティ」を感じさせてはくれなかったのがSF者としては
残念です(まあこういう人間が、SF冬の時代を招いたわけですが)。
このごろいただく感想で、「このSSを見て」に類するものを散見しますが、若い方の間では、ディスプレイに表示
される文字は「見る」と表現するようになっているのでしょうか。一応小説なので「読む」と言っていただければ幸いです。
732通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:06:41 ID:???
じゃあこの小説を読んだ上での感想だけどさ
スレタイ読んだ? ここは種を一からつくりなおすところじゃないぞ?
クルーゼがいることによる変化を楽しみにしてる俺としては最悪もいいところだよ
733通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:20:00 ID:???
ん?普通に種死の再構成じゃん?
クルーゼもいるしなにが不満なんだ?
734通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:24:37 ID:???
「書き直そうぜ」だから一から作り直しても問題ないだろ。
不満があるなら自分でも書いて投下してみてはどうだろう。
>>732が思うクルーゼがいることによる変化ってのを読みたい。

いつもROMってるだけだったけど応援してるよ。
人が多くなると色んな人間が出てくるだろうけどがんばってくれ。
何か言われて変えるより、作者が最善と思った内容で書いて欲しい。
735通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:27:46 ID:???
それもそうか・・・よし、ここは一発考えてみよう
736通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 00:31:21 ID:???
天使と悪魔ネタまで出ましたか。‥やべ、とっとと読み終わさないと。
連合の描写が楽しみでしょうがないです。
シンとステラ、血みどろの出会いになるんだろうな‥いや、会わなかったりして?‥‥
737通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 01:24:21 ID:???
>>731
>。ラウ・ル ・クルーゼ、ニノ・ディ・アレッシィ、どちらも目的のために作り上げた人格だ。
>本当の 自分がどこにあるのか、彼にももうわからない。

・・・・どういう意味なのかよう分からん。
自分で人格って作れるもんなの?
738通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 01:56:26 ID:???
クルーゼの生きる目的にレイを気遣う思いが強いのが良いね。
種死から後付けされたギル、レイの存在と絡ませることによって、
クルーゼがどういう人なのかは随分変化していると思う。
ファントムペインはエクステンデッド部隊、
コーディネイター部隊共に痛ましい。今後の描写も楽しみです。
383氏の物語には生活があって良いね。
主要人物のことだけでなく、世界は人間が生活する場だという視点を感じる。
GJ!
739通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 03:01:46 ID:???
>>737
必要に合わせて自分を作っては演じる、というのは実生活でもあるんじゃないか?
上司、同僚、友人、家族、全く同じ態度ではいられないと思われる。
本来は怠け者だが、上司に気に入られたい為に真面目で仕事熱心なふりをするとかよくあるパターンだが
本来の自分とは異なった自分を演じてるんだから、そういうのがいわゆる作った人格なんだろう。
クルーゼの場合はザラ議長に取り入るために、ザラ議長が気に入るような性格の人間を作って演じたわけだ。

クルーゼが抱える自我の喪失設定が個人的に気になっていたので取り上げてくれてとても嬉しい
デス種でデュランダルが「名前」の重要性だの何だのを凸に熱く語っていたのをふと思い出したよ。
その辺のくだりで大いにじわりとさせられたが外見がネタ+ネット中毒だと思うと即相殺ですね
383氏GJ!!
740通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 04:29:31 ID:???
>>732
文句があるなら自分で書け
人の創作物を
頭ごなしに最悪と言い切る態度はいただけないな
741通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 05:53:24 ID:TGs5kr+m
せめてここのSSではシンとステラに
幸せになって欲しいと思うシン厨の俺ガイル
742通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 06:08:25 ID:???
カプ厨の間違いだろ?
うぜー
743通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 06:30:04 ID:???
強化人間とコーディネーター混成部隊は強そうだな
ミネルバ大丈夫なんだろうかとハラハラしてしまう
744通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 07:32:59 ID:???
現実は非情である。って感じの展開っぽいけどな
切欠の記憶が改変済みだし
745通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 07:41:28 ID:???
>>744
それは原作でも同じだと思ったが
746通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 08:56:23 ID:???
>>732
同時進行でもいいみたいだから、書きたかったら書いてみればいいと思う。
747通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 09:00:23 ID:???
ヴァーチャー少尉スキーの俺は起った
748通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 10:09:48 ID:???
>>739
ああ、そういうことね。
クルーゼの種の時に見せたあの狂気を
作り上げられた人格と表現したのかと思ったよ。
749通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 12:42:24 ID:???
今のクルーゼの外見は確か黒髪で茶色の肌で、サングラスして…クワトロ軍服だったかな?でコロン付けてると。
名前に合わせてイタリア人風なんだろうか?(クルーゼがフランスの鍋だったし)
750通常の名無しさんの3倍:2006/07/18(火) 12:51:58 ID:???
>>454をみるとずばりそうっぽい
751通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 02:40:13 ID:???
>>746

732は文句つけるしかできない厨だから、無理。
752通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 08:40:31 ID:???
まあ>>732>>735と言ってるんだし(同じ人だよね?)期待しよう
753通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 10:43:38 ID:???
だね。
754通常の名無しさんの3倍:2006/07/19(水) 15:38:54 ID:???
>>735
ガンガレ!!
いろんなクルーゼが見られるのは嬉しいぞ
755通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 01:11:30 ID:??? BE:162351397-
732=735に期待してるのって、常識足りないクルーゼ厨?
スレタイや内容を誤読したあげく他人に突っかかるような読解力、
句点や三点リーダが使えない作文力じゃん。
多分リア小なんだろうけど、甘やかすのはよくないと俺は思うぞ。
756通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 01:36:22 ID:???
まぁ、結果を見てからにしようや

えーと・・・ほら、富野御大だって素敵な発言ばっかりしてるし( ^ω^)
757通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 02:58:36 ID:???
>>756 富野はお禿さまだけど、創作物で評価を得て、金稼いでるからな。
なにも創作してない>>732=735と一緒にするのは、侮辱として最上級かと>UC厨
758通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 03:25:31 ID:???
ぶっちゃけどうでもいい。
書くなら勝手に書け。
面白けりゃマンセーしてやる。

つまらなかったら…分かってるな?
759通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 05:37:30 ID:???
>>755=757?
自分がここに書いてるわけじゃなかろうに
まあなんとも偉そな御人がいてはりますなあ
びっくりやわ
760通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 06:05:21 ID:???
句読点が打てない人、出現ですか。せめて、国語の教科書くらい読んでからSSスレにくるべきかと。
761通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 07:40:16 ID:???
みんな けんかが すきだなあ
762通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 07:42:08 ID:???
にちゃんの通常の書き込みで句点省略なんて普通だと思うけど
ssにしても「」の最後の句点だって略してる職人が多いだろ
読点に至っては書く奴のセンス
・・・か…かなんてそんなにこだわる事か?
どうしても気になるなら次スレを立てるときにテンプレに載せてもらうよう
立ててくれる人に頼んでみれば?
「このスレにおいてはレスに必ず句点を付けること。・・・は三点リーダ使用のこと。」
ってな
763通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 12:10:38 ID:???
>>755
遠回しな批判だろ<期待
流れからして本当に期待してるとは思えないぞ。
764通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 13:17:50 ID:???
マターリ
気に入らん発言にいちいち反応するのはスレが荒れる元だぞ、
スルースキルを身につけるいい機会だと思おう。
なんせもうすぐ 夏 休 み が始まるんだからな
765通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 16:31:49 ID:Q/d40JU+
383です。さようなら。
766通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 16:39:34 ID:???
384です。こんにちわ。
767通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 17:14:37 ID:???
>>732が書いてみるといいよ!
 期待してるからねプゲラプオスwwwwwwwww」
という皮肉を理解できないなら、ここに来る前に銀英でも読んで皮肉のセンスを磨いて来い。
768通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 18:25:24 ID:???
このスレは…


死んだな。
769通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 19:50:46 ID:???
383氏一人で続いてるスレだから、氏が見離したら終わりだろ。
770通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 20:02:19 ID:???
スレの荒れ様に関係なく飽きない限りは淡々と続けるだろ
771通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 20:04:30 ID:???
383はけっこう図太い人みたいだからスレが荒れたぐらいでやめないと思うよ
本編を小バカにしたり、自分語り大好きだったり
終わるとしたら、本人が飽きたときだろう
772通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 20:19:53 ID:???
そんな彼が最近ほんと普通に好きになってきてしまいました。
383氏がんばって!やめないでください!
やめるならもっとヴァーチャー少尉にひどいことしてからにして!
773通常の名無しさんの3倍:2006/07/20(木) 20:33:31 ID:???
べつに383氏が叩かれているわけじゃないからな。
ただ、氏の「見るではなく読む」発言が文法や文章にうるさい人の
揚げ足取り魂に火をつけてしまった感はあるなw
個人的には続きを楽しみにしているが、もし氏が去ってしまったら元の議論スレに戻るだけだろう。
774通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 00:16:17 ID:???
>>762
小説などの場合
「」の最後の句点は打たないほうが一般的
775通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 01:32:02 ID:???
>>771
まあこういっては何だが、荒しを招来しやすい言動ではある罠
黙ってりゃいいのに・・・
776通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 01:54:16 ID:???
でも黙ってSSだけ買いてろって、奴隷労働を強いるみたいじゃん。
自分にとって面白い話を書く職人さんなら、嵐を呼ぶコメントくらい軽い軽い。
他人を誹謗中傷したことはないしな。本編批判にはぜんぐ本人なりの理由ついてるし。
人間、好きに生きるのが一番だ。
777通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 02:08:29 ID:???
2chは匿名掲示板だからな。作者自身を見て欲しいというなら自サイトを作ってやればいいんだよ。

ぶっちゃけここの住人だって種のSSじゃなかったら383の作品を読まないだろ。
(多分)いい歳なんだから他人の暖簾を借りながら、元の主を馬鹿にすることに
少しは恥じらいを持ってはどうかと

てか、いちばん自分の好きに生きている例が負債なんだが。
あれだけ批判されても厚顔な態度を取ってる人はなかなかいない
778通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 02:29:41 ID:???
つか、クリエーターってみんなそんなもんだよ。
知人の売れっ子小説家は、他人の書く小説をまったく受け付けない(読めない)。
マンガはすごい好きで、沢山読んでるけどね。
779通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 03:02:04 ID:???
まあ、スレが荒れたんだから、みんな言いたいこといって膿をだせばいいじゃん。
みてても「383」と「383氏」つー温度差があるし。嫌いなら、もっとSSの具体的にどこが嫌いか
書けばいい。好きなら、同じくどこが好きか書けばいいじゃん。それが、2chのSSの価値なんだろwwwww
780通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 04:14:01 ID:???
おいおいお前ら数少ないクルーゼファン同士だろ
もう少しマターリできんのか?

で、話の流れを永遠剣でぶった切り質問させれ

クルーゼがメンデルで使ってた銃、あれ実在する?
するんなら誰か名前教えてー
781通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 04:57:06 ID:???
ケケケケケ。変態仮面のスレなんて、さっさと潰れろ、塵クズの分際で。
782通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 05:20:53 ID:???
383氏の連合が大っ好きだ!
超設定と、それを補強できるだけの真実味のバランスとか、
悲劇的な境遇と本人達の残酷さとか、すごい鮮やかでドキドキする。
なんかこんな空気になってしまったけど、このスレ見捨てないで続きを書いてほしいよ。
待ってます。
783通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 09:22:55 ID:???
>>780
グロック17か22だ
虎もパトも同じ
そんな事はで質スレで聞けよ、板違いだ
784通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 10:07:14 ID:???
連ザではいつもパイロットはクルーゼの俺にとってここは神スレだな
785通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 22:21:24 ID:???
ぶっちゃけ、383氏の脚本でアニメを書き直ししたら毎週みてやっても良いかなと思った俺ガイル
786通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 22:52:12 ID:???
383氏の脚本は15禁指定くらいだからテレビ放送できないと思うがなw
383氏は「好ましく無い状態」のキャラを魅力的に描写なさるね。
シンもいい子だし何ら文句は無いんだが、すくすく育ってるなってかんじで…
どうも薄いかんじがしちゃうんだよな。
これからステラに会って闇を覗き込むシンがどうなってしまうか期待。
ステラ絡みでアレッシィはどんな役割を果たすかも興味ある。
でもこのままでいて欲しい気もする……。シンがんがれ
787通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:01:07 ID:???
今日初めてこのスレを覗いて
アレッシィと聞いて「えらいねェ〜」の人を思い浮かべてしまった俺は
心底荒木節に毒されているんだという事がわかった。
788通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:30:43 ID:???
>>786
なぁ〜に、PTAの目がギラギラ光ってるこの世の中に、ゴールデンで血+、クレしんや平気で不健全を連想させる種本編などが流してるから、383氏のシリアスなストーリーも余裕でしょうw
789通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:45:13 ID:???
ちんぽ切り落とすアスランとか
790通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:51:40 ID:???
あの描写を読み返す度に俺の息子が痛むぜ
791通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:55:56 ID:???
>>789
チン切りにしても一応、直接描写が無いから大丈夫じゃないかねw
あ、でも最後のオナニーがあったか…。
792通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:57:43 ID:???
聞かれてもないのに今後の展開に口出しするのは痛いと思いつつ
ここまでしたらアスランには青き清浄なる世界と同志のために戦い抜いてほしいものだ。
陣営変えなどやらかしたら、何か…目も当てられない。
793通常の名無しさんの3倍:2006/07/21(金) 23:59:03 ID:???
イザメイセックルと輪姦されるタニスは?
794通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 00:05:28 ID:???
>>793
セックルは種で
輪姦じゃないけどレイプはリヴァイアスでやった
795通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 00:34:17 ID:???
なんつーかこう、383のSSはさ、キャラを生かすために
「吐き気を催すような悪」とか「お互いを対立させるために誰かがファビョる」とかじゃなく
「CEにおける胸糞悪くなるような現実」を自分なりに描いてるのが魅力的なんだよな
目を逸らしたくなるんだが続きが気になる。オリジナル展開が多かろうが俺はマンセーだぜ

今後シンとアレッシィがぶつかるとしたら、シンが不信感を抱くのはステラ返還あたりだろうか・・・
それともファントムペインと組んでいるアスランと出会いライバルになっていくんだろうか・・・
あぁクソ!!気になる!!!
796通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 13:28:55 ID:???
続き期待待ち
797通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 14:10:19 ID:???
まとめも欲しくなってきた
798通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 21:54:40 ID:???
とりあえずアンカーだけまとめてみた
>>383-384
>>389-390
>>397-399
>>406
>>412-415
>>419-421
>>424-428
>>447-449
>>452-454
>>458-461
799通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 21:55:53 ID:???
800通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 21:57:01 ID:???
801通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 23:49:52 ID:???
親切な人、乙!!
802通常の名無しさんの3倍:2006/07/22(土) 23:53:54 ID:???
とは言え
次スレが立つ頃にはまとめサイトが欲しいところだな
803通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 13:09:47 ID:???
すでに出来てたみたい
保管庫 >>66
804通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 17:48:49 ID:+GWoqnsM
>>803
だが誰も更新していない
805383:2006/07/23(日) 17:53:36 ID:???
もういいよ、ここまで言われてなんか書く気無くした。名前は言えないが、これでも結構有名な小説家なんだけどね。
806通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 21:51:36 ID:???
>805
乙。
このていどごときでヘコむなんざ小説家たぁ随分と楽な仕事なんだな。


で、本人マダー?
807通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 22:07:58 ID:???
小説家なら
この程度の批判は日常茶飯事だと思うけどな
本人まだかな?
808通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 22:21:52 ID:???
騙りは簡単だからなー
半年単位で更新されなくなったら本人認定してあげよう
809通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 22:36:20 ID:???
383氏がトリ着けてくれれば一番簡単だが
383氏が善意で書いている以上強制は出来ないな
810通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 22:38:46 ID:???
問題出てくりゃ自分でつけるだろ
811通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 22:57:14 ID:2oCsTfaz
さぁみんな、マターリと本人降臨を待とうじゃないか
812通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 23:00:19 ID:???
俺は待つ!!



頑張ってageる
813383:2006/07/23(日) 23:30:39 ID:???
「おい、あんた、メイリンに何してんだよ」
 シン・アスカは、廊下の端でイザーク・ジュールがメイリン・ホークにきつい語調で話
しているのに気づいて言う。イザークと個人的な会話を交わすミネルバクルーはメイリン
だけだったし、まあそれも彼女自身の好みだと−―ヴィーノはショックだったようだが―
−受け入れてきたアカデミー仲良し組だったが、一方的に年下で非戦闘員で女性のメイリ
ンが詰問されてるのは、許してはおけない。
「個人的な話し合いだ、さっさと去れ」
 イザークが持ち前のきつい口調で答えた。
「さっき、グゥルがどーとか、聞こえたんですけどね」
 シンも嫌味を込めて答える。コーディネーターは聴覚に優れているので、廊下のひそひ
そ話くらいなら、かなり遠くからでも内容はうかがえる。
 イザークの白い頬に血が上ったのを見て、さらにやりこめる。
「隊長にグゥル出すの、命令で、止められたでしょ。オペレーターのメイリンにはなんの
責任もないじゃないか。大体、あんな前大戦のモビルスーツ用空中移動機に乗ったところ
で、ウィンダムやあんたのこだわってるイージス改と互角の戦いが出来るとは思えないね。
甲板からオルトロスで射撃したほうが、ずっと効果的じゃないか」
「貴様に何がわかる!! アスラン・ザラはアカデミーで俺の上、主席だった。その男が、
地球軍のパイロットになぞなりさがって……。あいつは俺が討つ。そのために宇宙から降
りてきたんだ」
「へ!? 左遷じゃなかったの??? まあ、アレッシィ隊長の下で一から鍛えなおせって
いうなら、結構思いやりのある左遷だとは思うけど。しばらく前まで、隊長で駆逐艦の指
揮してたんでしょ、あんた。それが平パイロットだもんな、いまは」
 シンが喋ったことは、この船に乗っている人間の総意に近い。同じ船に乗っているだけ
で身が穢れるという、昔のイザークなみに潔癖な乗組員だっているのだ。
「それに敵パイロットに国際救難回線で話しかけるなんて、軍人として恥ずかしいと思わ
ないのか?」
 シンは呆れたように両手を広げ、少し仕草でおどけて見せた。
「『アスラン・ザラ! 聞こえているなら、俺と勝負しろ!!』なんて、子供のヒーローご
っこじゃあるまいし。相手は空中飛行可能なモビルスーツなんだから、あんたのことを覚
えてたって、甲板のザクと勝負なんてしないでしょ。あれの相手はインパルスとセイバー
でしますよ。確かに強かったし、スキュラの直撃をミネルバが食らわないように牽制する
ってのが隊長の出した一番優先順位の高い命令だったし」
 シンの言葉には嫌味の針がちくちくと植えられていたが、アレッシィの指示が戦闘を通
じて理にかなったものだったのは、イザークにもよくわかっている。艦載モビルスーツの
第一の役目は、母艦を守ることなのだ。
「で、なんか前大戦のテロリストはブルーコスモスの教義について、あんたに喋ってまし
たね。裏切り者のテロリストに、結構信頼されてるんじゃないですか? あんなふうに『お
前は間違っている!』なんて説得されるくらいなんだから」
 イザークはぐいと拳を握って耐えた。一度、シン・アスカを殴った。二度となれば今度
は営倉入りだ。メイリンは自分をかばうだろうが、それはプライドが許さない。イザーク
の夢、最終的にプラントが地球のナチュラルどもを支配する体制を作る最高評議会議長と
なり、母のエザリアに恩赦を施すためには、ここはどんな屈辱でも耐えねばならない。
 苦々しく、アスランの言葉を思い出した。
814383:2006/07/23(日) 23:31:47 ID:???
『イザーク、イザーク・ジュール、お前は間違っている! お前達、コーディネーターは、
自分の遺伝子がいかに優れているかをひけらかすことばかりに夢中になって、人類にとっ
て一番大事な、生命の源、地球への愛を見失っている。このあいだのユニウス7落下の直
接の被災で一億8千万人が死んだ。津波でもやはり一億人以上が。そして巻き上げられた
粉塵は太陽光線を遮り、何年作物の不作が続くかわからない。地球上の人間が、今にも飢
え死にしそうだというのに、お前達コーディネーターは積極的自衛権の行使と言葉だけ飾
って、地球を攻めてくる。矛盾していると思わないか? 選民思想を捨てろ!! 自分がバ
クテリアや細菌と同じ命だと認めて、歪んだプラントのエリート教育は忘れろ!!』
 明らかにこれを敵のプロパガンダ放送と判断したアレッシィ隊長は、無線を完全に切る
ように命じた。イザークを除くミネルバパイロットと艦のクルーの間には、この程度の戦
闘なら無線はもう不要のものだった。砲手はモビルスーツの射線からの退避を予想して討
つことができたし、コンビネーションはできたいた。それには空を飛ぶモビルスーツのパ
イロットの二人がアレッシィとレイという、異常に勘のいい人間なのが重要だったが。
 そして無音の戦闘の中、ミネルバ本体に何とか攻撃をかけようとインパルスとバビの間
をすり抜けたウィンダム。シンのインパルスはイージス改と戦闘していたのにくるりと敵
に背を向けた。当然その背中にイージス改のスキュラが浴びせられたが、シンはすいっと
背中に目があるかのようにそのビームを避け、それまで手こずっていたウィンダムをライ
フルで撃破したのだ。
 その戦果が悔しくて頭に血が上ったイザークは、それでも歴戦のつわものであることを
示し、オルトロスでカオスの右足膝に直撃を食らわせることに成功した。
 それで連合のモビルスーツと母船は引き上げていった。しかし敵母船からガイアの長距
離砲がいくつかミネルバの甲板に命中していた。
 引き分け、なのだろう。
 ミネルバはもう敵と遭遇しないことを願って、ディオキア基地に向かっていた。
「とにかく、メイリンはちゃんと命令を守ったし、あんたに絡まれる筋合いはないですよ。
行こうぜ、ルナマリアがディオキアで休暇が取れるから、その過ごし方の相談したいって
言ってたし」
 シンはそのまま、メイリンを引きずっていった。メイリンの目は、悲しげにイザークを
見詰めていた。
815383:2006/07/23(日) 23:32:33 ID:???
「タニス……」
 自分が両親のエゴで作られた証の金髪を地味な茶色に染めた女性。それでも泣きじゃく
る彼女は、男性機能のないアスランにとっても非常に魅力的で、こういう女性を守るため
に男性は生まれたのだと思わせる。
「スティーヴンが…ステフが……ああ、アスラン、信じられないわ」
 アスランには、ただ彼女を抱きしめて、まだ同胞がいるということをぬくもりで伝える
しか出来なかった。
 明るい笑顔のスティーヴン・アゴスト、陽気でそつがなくて、彼ら三人のリーダーだっ
た。そしてザフトでコーディネーターにとってもきつい訓練を受け、才能を評価されてき
たアスランの目からしても、彼にはまぎれもないエースパイロットの素質とそれをかなえ
るだけの実戦経験があった。しかし、母艦を守るために姿を翻したインパルスをスキュラ
でしとめたとアスランが確信した瞬間、白い機体はビームの射線から消えて、アゴストを
正確に射撃し、ウィンダムのコクピットを背中から打ち抜いたのだ。
 あんなことができるのは自分とキラだけだと思っていた。しかしザフトの広報番組で流
れていた赤い目のエースパイロットは、あの無我の境地をおそらく知っている。多分コク
ピットもモニターも関係なく、全天が意識の中に入り込み、それに反応して行動したのだ
ろう。だからスティーヴンの実力が足りなかったとは思わない。パナマで少々モビルスー
ツを破損させることはあっても、エースの称号を得るだけザフトのモビルスーツを落とし
てきた彼を。
 上官のエルドリッジ少佐がハンガーに降りてきて、優しげな声で告げる。
「アゴスト中尉のことは、本当に残念だったわ。パナマで戦ってきて、上手くひとつの小
隊になれたと思っていたのに。ヴァーチャー少尉、ザラ少尉、あなたたちには辛いことで
しょうが、臨床心理士とのカウンセリングをすぐに行ってください。アゴスト中尉の死を
無駄にしないために、必要なことです」
 抱き合ったままタニスを立たせたアスランは、
「はい、少佐」
 スキンヘッドの頭の横で敬礼をして答えた。
816383:2006/07/23(日) 23:33:37 ID:???
「さて、今日のミネルバとの戦闘の解析の時間だ。アゴスト中尉の戦死と、スティングが
敵ザクから直撃をもらったことについてを主な議題にしたいと思う」
 ネオ・ノアローク大佐が口を開く。メンバーはエルドリッジ少佐、エクステンディッド
部隊のメンテナンス責任者のバウアー博士と助手のボイタノ博士だ。
 ファントムペインはロゴス直属の特別部隊であり、コーディネーターやエクステンディ
ッドの実験部隊でもある。戦果を挙げることも大事だが、挙げられなかった場合の原因究
明こそがナチュラルの明日に繋がるのだ。
「では、私から発言させていただきます」
 立場を考えて、エルドリッジ少佐が口を開いた。彼女が手元のコンピュータを操作する
と、コーディネーターたちの戦闘中の感情グラフがディスプレイに表示された。
「ザラ少尉が敵から国際緊急回線で声を掛けられたとき、感情のぶれが見られますが、す
ぐに落ち着きました。そのあと彼が相手に呼びかけたときも、感情が高ぶった状態にはな
っていません。しかし愚劣なコーディネーターの言葉に反応して、言葉で答えるというの
は、まだ彼が地球軍の兵士として一人前ではない証です。そこはカウンセラーが理論的に
話をして、教育的指導をしたということです」
 ここで彼女は一度言葉を切った。
「アゴスト中尉の戦死のあと、ヴァーチャー少尉がかるいパニックに陥っています。早期
に撤退を決められた大佐の判断は正しかったと思います。あのままでは、彼女も撃墜され
ていたでしょう。そして、アゴスト中尉を撃墜したインパルスの動きに注目したいのです
が、これはアシーネイージスのカメラからの映像です」
 ミネルバに取り付こうとするウィンダム、それを追ってアシーネイージスに背を向ける
インパルス、そしてスキュラの発射。ザラ少尉の攻撃に一切の無駄はありませんし、コー
ディネーターとしても最上位の反射速度です。しかし、インパルスはスキュラの射線を予
測していたように避け、簡単にウィンダムを撃墜しました。これまでのデータで、インパ
ルスは高性能機でパイロットも優秀だということはわかっていましたが、こういう、一線
を越えたような動きをしたのは、カーペンタリア攻防戦の時にあっただけです」
 ネオも実際見ていて、驚いたのだ。自分には異常な勘のよさがあって、その助けで生き
延びてこられたと思っている。あの母親とまっとうな関係を作れたのも、そのおかげだ。
ただ、ミネルバのほかのパイロットには自分と共通するものを感じるのだが、インパルス
のパイロットには感じない。自分の勘のよさとはまた別の能力なのだろう。
「オーブの小島に住む宗教家が、SEEDを持つ者は、人間の能力を完全に解放できるという
教えで人気が上がっているらしいが、インパルスのパイロットがそういう人間なのかもし
れんな」
 不意に思い出して、口に出した。
「人間の能力、私たちエクステンディッドを管理する者として、今一番興味があるのがそ
の部分です。もちろん、私たちは科学者ですから、オカルトとは一切関係ありませんが」 バウアー博士の言に、ノアローク大佐はそのまま続けるように促した。
「スティング、アウル、ステラの三人はザフトのセカンドシリーズ三機の情報が入り、そ
れにもっとも適応する能力と素質があるので、パイロットに選ばれました。実際初めて乗
ったモビルスーツでそのまま実戦ができるだけの能力がありましたし、機体に慣れた現在
では初期よりいい反応を示すようになっています」
 ここでボイタノ博士が、反応値のグラフをいくつか表示した。
「ただ問題があるとすれば、この反応値の上昇率はナチュラルとしては十分なものですが、
コーディネーターに比べると低いのです」
817383:2006/07/23(日) 23:34:33 ID:???
 グラフにアスランとタニス、死んだスティーヴンのものが重ねられた。
 アスランは一番データ採取期間が短いが、最初からエクステンディッドの三人の上の数
値を取り、上昇率も三人より高い。そしてタニスとスティーヴンは、エクステンディッド
より3割がた低い数字から始まっているが、実戦に出るようになってからぐんぐん数字が
上がり、いまでは三人を追い抜こうかという勢いだ。
「私たちの持つ実験体の母数が少なすぎるので、可能性しかいえませんが、適性のあるコ
ーディネーターを鍛えた場合と適性のあるナチュラルをエクステンディッドとして育てた
場合、前者が後者より高い成長をするということです」
「――エクステンディッドは、一定値を過ぎると普通のナチュラル程度の成長しかできな
い、ということか? これまでの理論では、肉体と精神を強化すれば、成長の幅も大きく
なるということだったが」
 ネオが冷ややかな青い目を二人の研究者に向けた。
「現在の技術では、限界が見えてきたということです」
「君達の話では、エクステンディッド三人の成長は頭打ちで、敵コーディネーターの能力
はまだまだ伸びるというように聞こえるが」
「現状、その可能性が高いのです。エクステンディッドの素体を選ぶ段階で、これまでよ
りもっと厳しい選別をして、運動能力の高いコーディネーターに匹敵するような遺伝子を
持った子供を選ばないといけないでしょう」
「それは無責任だ、バウアー博士。あのエクステンディッドたちを作るためにブルーコス
モスがいくらの予算を費やしたか、君が知らないはずはあるまい。運動能力の高いコーデ
ィネーターに匹敵するナチュラルが100万人に一人いたとする。その100万分の一を探すた
めに、また予算を組めというのかね? 元々エクステンディッドは、身体能力で劣るナチ
ュラルにコーディネーターより優れた能力を与えるためのプロジェクトだ。そしてその中
で、厳しい選抜を君達が行って作り上げたのがあの三人だろう。君の言っていることは、本末転倒、言い訳に過ぎん」
 バウアー博士は口紅も塗っていない唇を噛んだ。
「申し訳…ありません。大佐」
「差し出口をお許しください。デストロイが完成すれば、少々のパイロットの成長曲線な
ど簡単に逆転できるはずです」
 エルドリッジ少佐の意見は、ノアローク大佐に切り捨てられた。
「あれは戦略兵器だ。戦術兵器である艦載モビルスーツと一緒にするとは、君らしくもな
い」
 そしてバウアー博士に訊く。
「デストロイと一番相性がいいのはステラだ。ステラをデストロイにまわしたあとのガイ
アのパイロットは北米のラボから来ると報告があったが、日時は決まったのか?」
「検討中です。候補者は複数呼び寄せます」
「我々が今いるのが西ユーラシアだということを忘れるな。ガイアのテストなどしていた
ら、地元の反乱分子からザフトに情報が筒抜けになる」
「はい、では、どのように?」
「それを考えるのも、君達開発管理班の仕事だ」
 厳しいネオの声に、バウアー博士は沈黙した。
818383:2006/07/23(日) 23:38:24 ID:???
スレが荒れてるときに、本音を書く人はなんか、小心者のマゾって感じで可愛いと思う。
作家は繊細な生き物なので、あまり苛めてはいけません。読者の意見を、怯えてるんじゃないかというほど
気にする人もいます。強気な人も、多分読者が思ってるよりは感想を気にしてるし。

だらだら書いてるだけじゃつまらないんで、たまには小説のテクニックwを使ってみました。
819通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 23:41:56 ID:???
乙!

( ^-^)_旦~~ アスランから切り取った一物を三日三晩煮立てたお茶ですが、どうぞ。
820通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 23:55:06 ID:???
>>818
乙!

・・・・・・・・・けどさあ、荒れかけてる時にはガソリンを
撒かなくてもいいんじゃねえ?
ていうか、テクニックって何? この長いだけで何の面白さのない会話のこと?
わざとやってるのは分かるけど、ああいうのってセンスが要求されると思うんだけどなあ
ちょっと策士策に溺れるというか。実力あんだから、もちっと謙虚にやれば?
821通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 23:56:12 ID:???
知識量が半端じゃないし、ライターさんだろうかと思っていたが
作家か、納得。
822通常の名無しさんの3倍:2006/07/23(日) 23:57:54 ID:???
>>818GJ!
今回も面白かったです。



シンをブチ殺したくなりましたwww
823通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:02:23 ID:???
>>820
マゾで小心者=自分のことを指しているじゃないかと
824通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:10:29 ID:???
乙GJ!
ステフのご冥福をお祈りします。
相変わらず大胆不敵なコメントが自分はちょっと楽しみになりつつあるw
いろいろあるだろうけど383氏の思うように書いてみてくれ!
引き続き期待
825通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:12:20 ID:???
これはシン「裏表のある性格」みたいだなw
何かこう、383氏の表現したいシン像ともずれてるのではないか?
まあ途中経過なので、引き続き正座して彼の成長を見守るよ
826通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:46:28 ID:???
小説のテクニックって、ぶっちゃけなんなんですか?
827通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 00:58:55 ID:???
今回の投稿分を読めば分かるだろ
分からないなら説明しても無駄だな
828通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 01:04:33 ID:???
過去を語ってるな。
829通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 01:05:59 ID:???
一話分見逃したかとオモタ
830通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 01:18:32 ID:???
戦闘シーンが無かったので見逃したのかと焦った…。
これがテクニックだよね?面倒で省いたんじゃないよねw
831通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 01:43:21 ID:???
結局>>805は偽者でFA?
作家さんじゃないってことかね?
832通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 01:47:58 ID:???
やめるって言った直後に投下したら読者を釣って遊んでるってことになる
833通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 01:56:02 ID:???
383氏乙です!

語りが出たなら酉付けた方がいいのではないでしょうか?
それで防げる無用な荒れも混乱もありますし、
なにしろこれから夏本番ですから
834通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 02:14:36 ID:???
>>832
じゃあこっちは釣られて遊ぼうw

      

||
     ∧||∧
    ( / ⌒ヽ  
     | |   |  ブラーン
     ∪ / ノ
      | ||  
      ∪∪
       :
      -====-
835通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 04:13:06 ID:???
釣られてるんじゃなくて吊られてるよ
836通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 07:18:35 ID:???
アスランとイザークが面白いくらい対になっている。
マルキオとSEED教団の登場が待ち遠しい。
837通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 12:24:46 ID:???
ア、アスランスキンヘッドにしちゃったんだ・・・

とにかく乙!
838通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 14:04:25 ID:???
もうエクステンデッドはコーディを素体にするか戦時中だし脳改造で屍の山を築くのかしないときついってことか
839通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 20:12:57 ID:???
エクステンディッドが、ケアされて長持ちを期待されるパイロットから、使い捨ての生体CPUに変わるってことか。
840通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 21:37:58 ID:ghSclPoR
>>837
したんじゃなくてされたのかもな…ガタブル
841通常の名無しさんの3倍:2006/07/24(月) 23:55:44 ID:???
ミネルバ組に犠牲が出るんではないかと思っていたが出なかったな、
もっともっと苦戦するのかと思っていたが、連合の方が苦戦してるし犠牲も出てるのは個人的に意外だった。
シンの戦闘能力が化け物クラスになってるんだなーと。

>>787自分も。奴もノースリーブでグラサン掛けてたな。
842通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 00:35:16 ID:???
>>841
シンは負債の愛が平等なら凸以上に強くなってたと思う
843通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 00:40:49 ID:???
>>840
ついに本物の禿になったな…アスランもう原型が見当たらないw
またさりげなく教育的指導とかされててガタブル
しかし自分も含めたコーディが汚らわしいという認識なのに、
タニスかわいいとか普通に思えるものなのかな?
あと、
>そしてザフトでコーディネーターにとってもきつい訓練を受け、才能を評価されてき
たアスランの目からしても
>あんなことができるのは自分とキラだけだと思っていた。
このへんとかまだコーディ>ナチュっていう認識を出てない気が。
これだけの自己矛盾を抱えつつ自信満々なのが非常に怖くて良いところだと思うんだが、
もう少し彼の頭の中がどうなってるのか整理してみせてほしいかもしれん。
844843:2006/07/25(火) 00:42:03 ID:???
スマン、途中から383氏宛てのレスになってた
845通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 00:55:24 ID:???
 本編でも増長してきたころだろ?<シン
 実際、戦果だってキチンとあげるし、アレッシィに理論的に責められてもいるけどそれでもいい気になっちまうのは仕方が無いだろう。
 遺作との諍いの解消、今回からつきはじめたアスランとの因縁、そして言うまでも無いステラとの関係…と、これから巻き返しにかかるのかな?

 383氏を応援してます。
846通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 00:58:53 ID:???
383氏の作品のキャラは痛い目に会った後からが華のような気がする。
847通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 03:19:31 ID:???
ここのネオはムネオより優秀な士官だな。シンとまともにステラ返還できるのか、気になるけど。
848通常の名無しさんの3倍:2006/07/25(火) 21:33:43 ID:???
ネオがエクステンデッド達に中途半端に感情移入してないのが好印象
最後は絶対正義のAAにて昼メロ、という大前提が無いネオは本当に良いキャラしてるわ

アニメとは違い感情に振り回されず大義に生きる男といった印象を383氏のネオから受けるが
今のところ甘ちゃん坊やなシンが泣き叫びつつステラを返還しても平然と騙し討ちをするか
巧みな話術でシンを籠絡してあっさり反逆させそうな凄みがあるw
849通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 06:08:11 ID:???
本編だとキラキラ言ってたアスランが、ここでは地球の為に闘っているんだと思うと感慨深い、
イザークへの訴えかけのセリフなんか見ると特に。
850通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 14:13:29 ID:???
シンステが成立しうるのか気になる
しても相当凄い関係だなこれは
851通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 15:11:21 ID:???
まちまち
852通常の名無しさんの3倍:2006/07/26(水) 20:37:10 ID:???
コーディネイター気持ち悪いとか言われてるよシンがんがれ
成立したら真実の愛だと思うから期待しておく
853通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 21:20:00 ID:???
アスランって能力的にコーディ>ナチュなのは認めてるんじゃないのか?
汚らわしいかそうでないかとは別問題だし
854通常の名無しさんの3倍:2006/07/27(木) 21:55:35 ID:exQMqWmk
保守
855通常の名無しさんの3倍:2006/07/28(金) 14:14:59 ID:???
 ようやくたどり着いたディオキアは、黒海にユニウス7の破片が落ちなかったこともあ
って、少々ひなびた田舎の避暑地にザフトの軍港と基地があるという感じの街だった。ユ
ーラシア連邦自体は地球軍の一翼を担うが、生産力の高い西ユーラシアでは、大西洋連邦
主導の地球軍のありかたに疑問を持ち、敵の敵は味方と、ザフトに親近感を持っている住
民は多い。先日ガルナハンのローエングリンゲートで、その土地に二千年以上住んでいる
という人間の誇りを見せ付けられたミネルバだ。
 入港手続きをすませたタリアとアーサーは、空からピンク色のザクがディンとオレンジ
色の新型空中飛行能力付きのモビルスーツに支えられて、降りてくるのを見た。そのザク
の胸には白い大きな文字でLOVEと書いてある。そしてスピーカーから、大きな声が響
いた。
「はーい、ミーア・キャンベルです!! がんばってるザフト軍兵士の皆さん、一緒に楽し
みましょう!!!」
 プラントで一番人気のアイドルだ。ミネルバの乗組員にも人気が高いことは、タリアも
知っている。若い兵士にとっては、ありがたい慰問だろう。
「はい、問題はありません。整備や補給など、御自分の母港に入られたと思ってください、
艦長」
 なかなか口の滑らかな係官だと思っていたら、脇をアレッシィを乗せた車が走り抜けて
いった。彼の持つフェイス特権には、すべてのザフト基地での行動の自由が含まれる。
 別に彼と敵対しているわけではないし、モビルスーツ隊を上手く扱ってくれていると評
価しているけれど、自分の指揮下に入らない人間が艦に乗っているというのが、どれだけ
艦長にストレスを与えるか、ザフトの保健部で研究すべき課題だと思った。
 二機のモビルスーツから下ろされたピンクのザクの掌で、黒髪の少女が歌い始めた。お
そらく危険域を示す枠がザクの掌に書かれているのだろうが、ハイヒールで軽やかに踊っ
ている。タリアの息子はミーアのファンなのだが、今度プラントに帰ったら、ミーア・キ
ャンベルは勇気のある少女だと伝えてあげなければと思った。彼女の顔の遺伝子が操作さ
れてないらしいらしい欠点の多い部分と、完璧なプロポーション、愛らしい歌声で「アグ
リキュート」と人気のあるが、立派なプラント人としての心とコーディネーターの身体能
力を持っているようだ。
「このあと、夜に花火を上げてミーア・キャンベルのライヴが行われる予定ですので、ミ
ネルバからも非番の方はぜひ楽しんでください。プラントから降りてこられた議長のお計
らいです」
 タリアは声を飲み込んだ。これはプライドの問題だ。アレッシィがさっさと出て行った
のはデュランダルと密談するためだろう。彼は最高会議議長のスケジュールを知っている。
自分が知らないのを悔しがるのは、フェイス制度より昔二人の間にあった男女の愛情のた
めでしかないのだ。振ったのは自分だ、そしてその代償に自分は素晴らしいコーディネー
ター三代目の息子を手に入れたと、タリアは何度も心の中で呟いた。


 艦内に戻ったら、タリアあてにギルバートからメールが入っていた。ミネルバの活躍は
聞いている。まず君とレイで来てほしい。そのあと、他のパイロット達をお茶に招待する
からそのように用意を、という内容だった。レイ・ザ・バレル、アカデミーをトップで卒
業した完璧な優等生でで無愛想なパイロットだが彼が学生時代から感情的に激昂しやすい
シン・アスカをクールダウンさせる存在だったのは資料で知っているし、何より、レイが
成人するまでの後見人がデュランダルなのだ。戦争をしている時は気にならなかったが、
自分がいかにギルバートの近くにいる人間にこだわっているのか思い知って、タリアは少
しだけ己を醜いと思った。
 とにかくレイには議長の言葉を伝え、他のパイロット三名には30分後に基地の保養施
設に来るように命令した。
856383:2006/07/28(金) 14:16:34 ID:???
 車の隣に座るレイは、最初に礼儀正しく挨拶して敬礼した以外、何も話そうとせず、じ
っと前を見ていた。とことん感情をださない性格と見える。彼と友人関係といえるのは、
アカデミーから一緒だった六人組だけで、ミネルバでは仕事上の付き合いの人間と最低限
の言葉を交わすだけで、新しい友人を得ようとはしていないらしい。軍人としては、その
選択も正しい。戦場で知り合ったものは戦死したり、戦えない体になって故郷に帰ってい
くものがたくさんいるのだから。
 そんなことを考えているうちに、車は指定された場所に着いた。
 長身のデュランダルは予想通りアレッシィと一緒で、基地の中とはいえ数名の赤服の護
衛がついていた。
「レイ、無事でよかった。活躍は聞いているよ」
 優しい声に、レイが首っ玉に抱きついて応える。それをデュランダルも当然のこととし
て受け止めていた。
 正直、タリアは驚いたが、それをあからさまに顔に出さないだけの年季は積んでいた。
レイの兄が前大戦で戦死して、そのあとギルバートが後見人になったということだが、彼
が子供のころから親しい付き合いをしてきたのは明らかだ。自分と付き合っていた時期が、
ギルバートがレイを年の離れた従兄弟のように可愛がっていた時期と重なっているのだろ
うかと思うと、なんとなくむかついた気分になる。子供が望めない遺伝子を持つ二人だか
ら、タリアから別れを切り出したというのに……。
 もしかして自分は、新鋭戦艦の艦長より最高評議会議長夫人という肩書きに惹かれてい
るのかもと、ふいに思い、その未練を消し去った。
 そのあと、海辺にセッティングされたきれいなリネンのクロスがかかったテーブルにミ
ネルバの三人はをめられた。プラントでは天然繊維というのは実験的にしか作られていな
いが、地球ではちゃんとした場所でこういうクロスとナプキン、陶器か磁器の食器、銀の
カトラリーでないと認められないというのは、本で読んで知っていた。
 一国の元首が人をお茶に招くなら、地球ではこうするのが正しいのだ。プラントは生き
ていくだけで精一杯なので、利便性にこだわる性質があるが、郷に入れば郷に従えという
諺もある以上、デュランダルとその周囲は地球の要人と会うための準備もしているのだろ
う。
「美味しいお茶をありがとう。でも大西洋連邦と講和交渉をするには、まだ時期が早いの
ではなくて? 講和の席に相手を引きずり出すだけの戦果はまだ上がってませんからね」
 少々上目遣いにデュランダルを睨む。ザフトのシンボルに祭り上げられかけている艦の
艦長としては、議長が地球に降りてきた理由は知りたい。
「ああ、さすがに慧眼だね、君は」
 ちっとも本音ではない言葉に、タリアは鼻白んだ。心無く人を乗せるのが上手いのを、
こちらは十分知っているというのに。
「大西洋連邦は、ザラ派のテロリストが行ったことをプラント全体の責任にしようと必死
だし、それはほぼ成功している。ただ、あの事件で多大な被害をこうむったユーラシアで
あっても、国民の自由と尊厳のためには、大西洋連邦よりプラントと組みたがる節はある。
今のところ、レジスタンスはばらばらだが、だから稚拙な作戦でも成功しているようだ」
「差し出がましい口を利かせていただければ、西ユーラシアは思想と言論、暴力のカオス
なのですよ、艦長」
857383:2006/07/28(金) 14:19:10 ID:???
 アレッシィの澄ました口調に、そこはかとない毒を嗅ぎ取って、タリアはむっとした。
コーディネーター全体の傾向として、思想より実践、哲学や文学より実学を重んじる傾向
がある。それはプラントが文化的生活を送るだけでかつかつの社会主義経済下にあること
と、遺伝子改造において数学や工学に秀でるようになる遺伝子は見つかったけれども、一
般人の100倍深い思考が出来る遺伝子や、人間を100倍深く観察して小説に構成でき
る遺伝子が見つかっていないことに直結する。実際プラントの大学では人文系の人気は著
しく低いし、地球の学会において高い評価を得た学者もいない。人文系でコーディネータ
ーがまだ得意とするのは、歴史、地理など知識量とそれを分析して計算する能力が大事と
される学問だ。
 このアレッシィ隊長は、自分もコーディネーターのくせに、その能力を見切ったような
言い方をすることが多いと、タリアは思う。
「この紅茶、ほんものの、ダージリンですね。マスカットと薔薇の香りがします。プラン
トで手に入るものは、地球産でもマスカットの香りはしても、薔薇の香りはしなかったん
です。ありがとうございます、議長」
 白い頬をピンクに染めたレイの言葉。いつも冷静で言葉の少ないレイが、こんな微妙な
香りをききわけて味わう少年だとは、タリアは想像したこともなかった。
 そこに入り口から声がかかった。さっき議長についていた、赤服にフェイスの徽章をつ
けたオレンジ色の髪の青年だ。さきほどの新型モビルスーツも、オレンジ。タリアはオレ
ンジのモビルスーツに乗るエース、ハイネ・ヴェルテンフルスの名前を思い出した。
 彼の後ろに、ミネルバのパイロット達が続く。彼は、シン、ルナマリア、イザークの順
で席に案内した。
 デュランダルは立ち上がって、彼らを迎えた。
 シン・アスカとまず握手する。
「シン・アスカ、君とインパルスの活躍は聞いているよ。先日のガルナハン・ローエング
リンゲートでも大活躍だったとか。カーペンタリア戦の手柄で叙勲の申請が来ていた。問
題なく通ったので、すぐに手元にネビュラ勲章が届くはずだ」
「あ、ありがとうごさいます!」
 白い頬を真っ赤に染めてシンが、半ば叫ぶように答えた。
「君がルナマリア・ホークだね。アレッシィ隊長から話は聞いている。優秀なパイロット
だと」
「ありがとうざいます」
 さすがにルナマリアは、シンよりは落ち着いて答えた。
 そして、
「イザーク・ジュール、ミネルバには新任だったか」
「はい。カーペンタリアで合流しました」
858383:2006/07/28(金) 14:24:26 ID:???
 イザークは議長のよく光るオレンジ色の目を凝視したが、そこに何の感情も見て取るこ
とは出来なかった。母のエザリアのことについても一言もない。それに二年前の軍事法廷
で彼とディアッカを助ける演説をしたことも、一切覚えていないという様子だった。
 二年前の軍事法廷は、ザラ派とクライン派の微妙な綱引きがあって、ザラ派としては無
論イザークたちを無罪にしたい。クライン派にしても、テロリストの首魁がラクス・クラ
インである以上、藪をつついて蛇を出したくはないというのが本音だった。そこでクライ
ン派の若手議員だったギルバート・デュランダルが『若者の命を一度の失敗で奪っていて
は、プラントに未来はない』と演説して、両派が納得、手打ちとなった。あのときは、上
手く喋ったクライン派議員お疲れさんくらいにしか思わなかったのだが、その直後、彼は
最高会議議長、イザークの母親の上席に座る身となった。裁判の直後に礼を言って、よい
関係を結べばよかったのだが、そういう政治的行動をとるにはイザークは未熟だったし、
うぬぼれてもいた。しかし、その結果が、白服の自分が一番下座に座らされることになろ
うとは。
 イザークは屈辱に震える手で、ナプキンを広げた。
「この付近が落ち着いたのも、君達がローエングリンゲートを落としてくれたおかげだ。
あれで連合軍はカスピ海、黒海沿いの街に地上兵員を置くことを止めて、基地に引きこも
ったからね」
 薄く笑みを浮かべながら、デュランダルが言う。
「あの、それなら、民間の人たちに犠牲はでなかったんですね?」
 シンがつい勢い込んで聞く。
「いや、撤退する部隊を追ったレジスタンスに若干被害が出たと聞いている。戦っている
のは、軍人ばかりではないのだよ、今のユーラシアでは」
「はい。わかっています」
 レイ、シン、ルナマリアの三人が声を合わせた。彼らはガルナハンの街で、連合と戦っ
てきた人たちに会ったし、彼らが捕虜など置いておく余裕はないとリスクを承知で連合軍
兵士を皆殺しにしたのも見たのだ。
「それで、宇宙の戦いはどうなってますの? 本当の最新情報を伺いたいわ」
「月の制宙圏をめぐってやりあっている。あちらはアークエンジェルに新型の陽電子リフ
レクターを備えた、ザムザザーとかいうモビルアーマーを五台積んでいる。強力だよ」
 あれを!とイザークを除くミネルバ組は息を飲んだ。インパルスに破壊されたものの、
機能は十分と連合は判断したのだろう。しかしあっという間に量産体制に入るとは……。「エターナルとストライクフリーダム、インフィニットジャスティスを対抗に向かわせた。
あの二機は、君達には悪いが、インパルスやセイバーより上の能力だ。そういった機体で
強力な敵兵器を落としつつ、弱点を探ると、ブラウニング提督は話していた。私は彼を信
頼している」
 母の愛人だった男の名前を聞いて、イザークは拳をぐっと握り締めた。そしてセカンド
シリーズより高性能の機体を駆って戦っているパイロット達を嫉妬した。
「どんどん兵器開発は進んでるんですね。でも、それでいつか停戦できるんでしょうか?
西ユーラシアの人たちは、大西洋連邦への恨みがあって、敵の敵は味方という考えで、私
たちザフトと手をむすぶことを厭いません。ユニウス7を落としたことで地球全体から恨
まれているはずの、私たちコーディネーターであっても。それだけ、人間の業というのは
深いんでしょうか? 私は軍人ですが、できるだけ早く講和できればと思っています」
 ルナマリアが理路整然と述べた。シンはプラント育ちの彼女が「業」などという古臭い
宗教用語を使ったのにすこしびっくりした。地球に降りてからテレビで覚えたのだろう。「でも、いつだって、戦いを起こそう、拡大しようとする人たちはいますよね。ブルーコ
スモスとか、大西洋連邦とか」
 シンの言葉には、無理解に対する怒りが宿っていた。
「そうだね、確かに。では君は戦争を起こそう、拡大しようとする人たちが、なぜそうす
るか考えたことがあるかね?」
859383:2006/07/28(金) 14:26:37 ID:???
 議長にまっすぐな目を向けられて、シンはアカデミーでわからない問題を教官に解けと
いわれた時より動転した。
 上手くレイが助け舟をだした。
「それは、戦争が一部の人たちにとっては儲かるビジネスだからだと思います」
「そういうことだ。我々プラントのザフトは、武器を全部自国で作っている。だから、あ
のような新型モビルスーツを作ったり、戦うためのミサイルや戦艦を作っても、経済的に
はすべてプラントのなかでまわるし、プラントは市場主義経済をまだ導入していないから、
兵器を作って大儲けする武器商人はいない」
 議長は一息ついて、紅茶で唇を湿した。
「軍需景気という言葉があるほどだ。戦争で儲けることを一度覚えたら、戦争のない世の
中はなんと儲けどころの少ない世の中ということになるだろう。だから、常にどこかで戦
争があってほしいと願うものたちは、裏で手を回して、戦いを起こす」
 少年達は、議長の言葉に本気でびっくりした。
「でも、戦争のない世界で、愛し合って暮らしていくのが、もし少々貧乏だったとしても、
人間一番大切なはずです!」
 シンの声に議長は答えた。時間がとってある分、きっちりと講義をする教師のように。「君のように考える人間ばかりなら、世の中は平和だろう。しかし自分の幸せを当然のも
のとし、他人の不幸から血を吸うことを考える人間はいくらもいる。ブルーコスモス、彼
らはコーディネーターが全滅してこそ、ナチュラルに平和が訪れると信じている。対する
プラントにも、ザラ派というナチュラル殲滅派がいて、ブレイク・ザ・ワ−ルドで三億人
以上の人を殺した。彼らの根絶のためにザフト情報部と警察は頑張ってくれているが。も
し死んだ人間の数でいうなら、ユニウス7の24万3721人の代償にブレイク・ザ・ワールドで三億人殺したコーディネーターの方が罪が深いといえる」
「そんな!! コーディネーターとナチュラルの命を同じに扱うなんて、絶対に間違ってる!」
 沈黙していたイザークの叫び。
 隣に座っていたルナマリアが、穢らわしいものにあったかのように、椅子をシンのほう
にずらした。
 デュランダルには、イザークの声はまったく聞こえていないようだった。
「戦争は産業として考えれば、効率のよいものだ。世界のあちこちで紛争、戦争の火を絶
やさないことで、権力と財力を守ってきた家系が、地球には数え切れないほどあるのだよ」
 ミネルバの初年兵達は、議長の言葉にしんみりと落ち込んだ。
「でも、それは変えられますよね?」
 期待を込めてシンが食らい付く。
「もちろんだとも。あのブルーコスモスの母体ともいえる兵器産業の集合体ロゴス、彼ら
を解体すれば、世界は変わる。我々が求める停戦の条件には、もちろんそれが含まれる。
前の戦争からたった二年でまた戦争だ。コーディネーターのテロに応えたブルーコスモス
とロゴスの反発。必死に前線で戦っている君達には不愉快だろうが、これが戦争の現実な
のだよ」
 デュランダルのそばに赤服の士官がやってきて、小声で何かを告げた。時間だ、という
のだろう。
 アレッシィは南アフリカ統一機構、大洋州連邦、南米合衆国にロゴスより安い価格でプ
ラント=ザフトが武器を売っているからこそ、その三カ国が親プラント国家であること、
南アフリカ統一機構では、プラント製の武器を持った正規軍がロゴスに属する会社やモル
ゲンレーテから手に入れた武器で、10歳以下の子供すら兵士に仕立て上げて泥沼の殺し合
いをしている現状を知っていたが、何も言わずに黙っていた。今日はギルバートの日なの
だから。
860383:2006/07/28(金) 14:27:40 ID:???
「失礼しなければならなくなった。君達のような未来を考える若者と話が出来て光栄だっ
た。スケジュールが許すなら、基地の保養施設に泊まっていきたまえ。軍艦の船室よりは
広い部屋を約束する」
 デュランダルの言葉に、ルナマリアの顔がぱあっと明るくなった。
 そしてイザークが沈痛に言う。
「自分はスタンバイの時間が迫っておりますので、ミネルバに帰還します」
「私も夜にはミネルバに戻るが、それまでのスタンバイはまかせたぞ、イザーク・ジュー
ル」
 アレッシィの命令で、お茶会は終わった。


「ちょっと、なんであんた達の部屋、スィートルームなのよ!!」
 チェックインした三人組だが、すぐにルナマリアが連絡を取ってきて、部屋にまで押し
かけてきた。
「フロントで話したら、二人別々ならツインルームのシングルユースだけど、二人一緒な
らスィートルームがお取りできますっていうからさ。ちょっとでも広いほうが気持ちいい
だろ」
 シンはそう言って、ふかふかの本革のソファの上で猫のように伸びをした。
「でもあんた達、ミネルバでも同室じゃない。たまには一人部屋で寝たいとか、思わない
の?」
 スィートへのやっかみ混じりでルナマリアが言う。同室であっても、スタンバイシフト
の関係で、同じ時間に睡眠をとるのは三分の二程度だろう。
「二つ寝室があるから、別の寝室だ。片方が黒海に沈む夕日が見える部屋なのでじゃんけ
んをして、俺が勝った」
 ちょっとレイが自慢そうに言う。
「ふん、オレはこのソファで十分満足さ」
「私の部屋、夕日が見えないのよ! 女性にはできるだけ紫外線の入らないお部屋をって。
街はこじんまりして、映画で見たみたいな雰囲気だけど、やっぱりクライマックスは夕日
よ。だから、レストランに食事に行きましょ。六時に予約を入れれば、ちょうどいいわね」
 勝手にルナマリアが話を進めるのに、シンが文句を言う。
「明日の朝食までフリードリンクフリーフードなんだから、この居間でルームサービスと
ればいいじゃん、なあ、レイ」
「それもそうだな」
「むさくるしい男の部屋より、華やかなレストランに決まってるでしょ。ほら、予約の電
話いれて」
 ルナマリアの命令に、シンはしぶしぶ従った。レイは海を見詰めていて、何も言わなか
った。


 イザークはミネルバに一人戻ったものの、スタンバイに入ろうとはしなかった。連合軍
がこのあたりから撤退したというのは聞いたし、沢山の船が並ぶ基地である。居間のミネ
ルバに一番必要なのは、このあいだのアスラン・ザラとの戦闘で受けた被害の修理であっ
た。だから、隊長が帰るまで、オフだというメイリン・ホークを自室に呼び出して体を重
ねた。この少女の姉が、ついさっき、イザークを汚いものを見るような目で見、そしてあ
からさまに椅子を動かして近くにいるのが不愉快だと示したことは、一生忘れないだろう。
庶民の出身のくせに、少々アカデミーでのできがよかったからといって大きな顔をして。
861383:2006/07/28(金) 14:28:42 ID:???
「っ…」
 まだ経験の少ない者同士なので、加減がわからず、メイリンが痛みの声を上げる時もあ
る。イザークはそれには十分気をつけているつもりだし、これからも気をつけるつもりだ。
しかし彼がプラントの最高評議会議長になるとき、妻として横に立つのは、メイリン・ホ
ークなどではなくラクス・クラインが正しい運命だと思った。


 夕日の見えるテーブルと言って予約した席は、眼下に広がる基地とこれから行われるミ
ーア・キャンベルの慰問ライヴの様子がよく見えるし、水平線に沈む夕日が正面から見え
る一番いいテーブルだった。
「ステキ、ねえ、食前酒、何にする?」
 プラントの食文化は貧しいが、形式は地球のものが残っている。そしてここは食材の種
類に恵まれた地球である。
「食前酒だけじゃなく、コース全体を考えろよ。俺はオードブルは魚介、メインは肉にし
たいから、白ワインと赤ワイン、必須な」
 シンが言う。
「俺も料理の選択はシンと同じだろうな。オードブルはこのザリガニのボイルがいい」
 メニューを読みながら、レイが言う。
「なら、オードブルは色んな海の幸盛り合わせでどうだ? 多分段重ねの、アフタヌーン
ティーみたいな器でくるんじゃないかな」
 シンが楽しそうに言う。食べ物の知識では負けているのをルナマリアも自覚しているか
ら、面白そうだと思った。
 そんなこんなで、突き出しの小魚のフリッターと食前酒、ルナマリアはキールロワイヤ
ル、レイはシャンパン、シンはシェリーのフィノを選び、これまでの無事を祝って乾杯し
た。
「アーモリーワンからディオキアまで生きてこられたことを!」
「乾杯!」
 ちょっと声が大きかったかなと思ったら、先ほど案内してくれた青年が彼らを見つけて
やってきた。
「やあ、ミネルバの諸君。夕食かい? もしよろしければ、同席の名誉を賜りたいと思い
ます」
 端正な容姿の青年が、見事なコーテシーをしてくれたので、ルナマリアは嬉しくなった
し、男性二人はフェイスがこんなに愉快な部分を持っているとは思いもよらなかったので、
ただ頷いた。
「ハイネ・ヴェルテンフルス、今は議長の護衛兼雑用係、というところかな」
 彼を三人は席を立って握手で迎えた。
「お近づきになれて光栄です、ヴェルテンフルスさん」
 とルナマリアが言うと、
「そんなかたっくるしい呼び方はなし。ハイネ、こう呼んでくれよ」
 その緑の瞳が真面目に見えたので、シンとレイはファーストネームで呼んだ。
 彼は食前酒に彼の目の色に近い、濁った緑色のぺルノーの水割りを選んだ。
「本で読んで、飲んでみたかったんだが、はっきり言ってこれ、臭い」
 そんなこともいう気楽な性格に、三人の緊張はさらにほぐれた。
 
862383:2006/07/28(金) 14:30:39 ID:???
確かにグラスを回してもらうと、薬臭いとしかいえない匂いがする。
 結局四人で突き出しをつまみながら、食事のメニューを決めた。そのころにはそとは太
陽の最後の揺らめきが見えるばかりになっていて、この光景は、地球生まれのシン以外の
三人にとっては、何度見ても神秘的で大自然の大きさを感じられるのだった。
 そして黒海の海の幸とりあわせと、地元の辛口ワイン、ザリガニ、牡蠣、茹でた巻貝、
アサリ、貽貝、何種類かの魚の燻製の盛り合わせとマヨネーズソース、レモン、シブレッ
トの小口切り、オーロラソースなど。
 自然の恵みがたっぷりで、四人ともほとんど喋らずにむさぼり食べ、ワインを飲んだ。 担当のウェイターが、邪魔にならない程度に解説してくれるのもありがたい。彼らは地
球で経験を積んで、プラントの食文化を豊かにしようと色々勉強しているので、聞いたこ
とには打って響くような返答があった。
 メインディッシュが届く頃には、外は真っ暗になり、強烈な花火がミーア・キャンベル、
プラント一の人気歌手のライヴの始まりを告げた。
 ルナマリアはガルナハンで羊が苦手だとわかったので、プラントで食べなれた鶏肉のパ
プリカ風味、レイは子羊のあばら肉のローストミントソース、シンは地球育ちの牛肉好き
をここでも発揮して、ロニョンとリ・ド・ヴォーのフリカッセ、ハイネは案外地道にシュ
ニッツェルを頼んでいた。
 料理とともに、注文した赤ワインが運ばれてくる。このあたりでは甘口と辛口の赤ワイ
ンが両方有名で、8000年を越える歴史があるという。そんな話を聞いて、彼らは興味を持
って注文したのだ。ワインが注がれる頃には、ステージの上でミーア・キャンベルが歌い
始めていた。ミネルバ組三人は彼女に別に興味はない。仲良しのヨウランとヴィーノがフ
ァンなので、上手くライヴが見られていればいいなと思うだけで。
 まず素焼きのボトルに入った甘口のワインを口に含んだハイネは、「うわ、あま」と言
い、続いてシンも「あまーい」と言った。レイは冷静に「デザートワイン用かな、これは」。
「甘くて飲みやすいじゃない」
 ルナマリアは気に入ったようだった。
 ハイネは彼らと初対面とは思えないほどに打ち解け、また他人を警戒しがちなレイにも
隔意を覚えさせないようだった。
「ここにくるシャトルでミーア・キャンベルと一緒だったけど、アイドル歌手でもいつも
にこにこしてて、愛想も機嫌もよかったよ。多分、本当にいい子だよ」
「そうなんですか。『アグリキュート』とか持ち上げられて、アイドルになって、いい気
になってるわがままな子じゃないかと思ってました」
「アイドル歌手のイメージって、大体がそんなもんだろ。彼女の前にプラントで人気があ
ったラクス・クラインは可愛い顔をしてプラントの財産を盗んだテロリストだったし。戦
友が何人もあいつらに殺されたよ。まともな講和ができてれば、死ななくてすんだ隊や艦
が沢山あったのにな」
 前大戦に従軍していなくとも、今日議長の話を聞いた三人には、ハイネの気持ちは深く
響いた。講和は政治である。テロリストという第三勢力の介入で、戦争は早くおさまった
という見方もあるが、プラントはようやく、あれだけの犠牲をはらって『独立』を勝ち取
った。
「ハイネは、議長付きの武官でフェイスなんですよね。護衛以外に、具体的にどんな任務
があるんですか?」
 興味深げにシンが訊く。
863383:2006/07/28(金) 14:31:36 ID:???
「俺の仕事が議長の護衛だけですむのが一番いいこと。もし有事に議長が巻き込まれたら、
俺はフェイス権限でその場の指揮を取ることになるけど、そういう目には遭いたくないね」
 猫のような目を光らせながら言う。ハイネ・ヴェルテンフルスといえば、前大戦のエー
スパイロットだし、人格的にも高い評価を受けていると聞く。一緒に食事をしていて、自
然体で楽しい人だと、シンたちにしても思う。上層部に評価が高くて当たり前だ。
「そういえばさ」
 ハイネの猫を思わせる緑の目がきゅっと細くなる。
「お前達の艦に配属になったイザーク・ジュール、あいつが今日やけにいらいらと落ちつ
かなげだったのは、母親のジュール議員のことがまだ気になってるのか?」
 三人は顔を見合わせた。そして代表でレイが答える。
「彼はミネルバに着任して以来、非常にセンシティヴなのです。我々とも、任務以外で話
をしたことはありません。隊長はそのあたりまで面倒は見ないようですし、もう大人同士
うまくやれと言われてるような気はしますが、イザーク・ジュールも我々も、同じくらい
子供のようで……」
「ふーん、いや、あの軍事裁判の後、てっきり退任すると思ってたら止めずに続けて、出
世までしてるから、なんか不思議だなと思ってたんだよな」
 確かに戦争の歴史を習うと、戦争のあとは退官するもの、残った者も多くが降格する−
−というより戦時昇格のため通常時より二階級ほど高くなっているのを平常に戻す−−の
が、地球の軍隊での常識だ。役割はあっても階級のないザフトにしても、大体同じになる
のが常だろう。
「俺は前大戦のあと退官しようと思ってたら上司に止められたんで残ったけど、たいがい
は除隊して予備役にはいって、今度の戦争でまた帰ってきたからなあ」
 彼らはまだ戦争が終わった後どうするか、具体的に考えたことはなかった。生き延びる
ことだけが大事だ。でも、イザーク・ジュールが軍法会議にかけられてまで、ザフトの軍
人でいることを望んだ気持ちは、いくら母親が議員でコネがあるからとはいえ想像できな
いものだった。
 辛口の赤ワインも注がれ、四人は楽しい食事を続けた。
「俺たちはミネルバの修理が済むまでしばらくここにいますが、ハイネは?」
「ん? 議長のお供。行き先はひ・み・つ」
 そう言ってハイネはもう一口ワインを飲んだ。
「とはいえ、地球まで来て自由時間がないのは、正直残念だけどね」
「あ、お祖父さんお祖母さんが西ユーラシアにいらっしゃるとか?」
 こういうことは女が鋭い。
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「うん、ベルリンに祖父母が住んでる。俺が五歳の時までプラントで一緒に住んでたんだ
けど、地球との関係は悪くなるし、ナチュラルの祖父母はプラントの土になるより生まれ
故郷の地球の土になることを選んだ、それだけのことなんだけどね」
 こういう形の離散家族は結構ある。コーディネーター第一世代の親が、子供とともにプ
ラントに移住して働いたものの、コーディネーターには宇宙適応能力で劣り、年を取って
退職してからは周囲のコーディネーターからナチュラルゆえにプラント理事国の味方、ス
パイとさえ見られる風潮があったのだ。
「地球でも、あ、俺はオーブ生まれなんですけど、東アジアの祖父母と会ったのは赤ちゃ
んの頃だけ。そのあとも両親は連絡を取ってたみたいだけど、俺たち子供にはなにも教え
てくれなかったですね」
「地球じゃ、コーディネーターの子供がいるってだけでブルーコスモスに狙われることも
あるみたいだからな」
 ハイネは眼下の盛り上がるコンサート風景を見ながら言った。
「コーディネーターでもナチュラルでも、同じ人間なのに」
 ルナマリアが呟く。
「そう思わないから、戦争するんだな、人間って。さて、デザートはなんにする?」
 ハイネが話題を替え、彼らの晩餐は楽しく進んだ。