きっと素晴らしい作品になっていたと思う
重複
3 :
通常の名無しさんの3倍:2006/02/14(火) 18:42:31 ID:inITaNPn
スティングに圧倒されて、ディアッカが苦悩する話とかマジ面白そう
終
オクレ兄さんが圧倒できそうなのはルナマルオ程度じゃないか?
互角ぐらいだろうが
痔「ハッハ―――――――ッ!ホント数だけだなっ!オラオラオラァ―――――――――ッ!!!」
ズカーン!ドカーン!
痔は次々に敵機を撃墜していく
凸「あいつまた腕をあげたな…まったく…ついてけないよ」
シン「す、すげぇ!さすがディアッカさん!」
レイ「あ、圧倒的じゃないか…」
ルナ「ほんとあの人が味方でよかったわ!ディアッカさん素敵!」
痔「おいおい!何ボーっとしてんだよお前ら!ボサボサしてっと全部俺がやっちゃうぜぇ?うっふふ」
オクレ兄さん登場
↓
ディアッカ妄想乙
イザ「む!なんだあのMSは!新型か!?俺が落としてやるぅ!うおぉぉぉぉぉぉ!!」
オクレ「ふっ…止まって見えるぜ」
ドカーン!
イザ「なにぃぃ!くそぉ!」
オクレ「ほう?やるじゃないか。急所は外したか。だがっ!これで終わりだあっ!」
イザ「なっ!く…くそぉぉぉぉぉぉ―――――――っ!」
ガキーン!
オクレ「くっ!何者だ!」
痔「イザーク!無事かっ!?」
イザ「ディ、ディアッカっ!」
オクレ(俺の攻撃を軽々と止めやがった…こいつかなりデキるな)
痔(わかる…こいつ…今までのヤツとは格が違う!)
イザ「ディアッカ!こいつかなり強いぞ!」
痔「ああ、わかってる…イザークは戻れ。こいつは俺がやる」
イザ「なっ!いくらお前でも無茶だ!俺も残るぞ!」
痔「その機体で何ができる!!戻れ!これは命令だ!イザーク!」
イザ「く…しかし!」
痔「おいおい俺を誰だと思ってるんだぁ?ZAFTナンバー1の撃墜王だぜっ!安心しろって!」
イザ「そうか…そうだな…わかった!任せるぞ!死んだら承せんぞっディアッカ!!」
痔「グゥレイトッ!当然だぜ!」
痔「さてと…待たせたな!聞こえるか、連合のパイロット?」
オクレ「さっきから聞かせてもらってるよ。しかし…俺はつくづく運がいい」
痔「なに?」
オクレ「初めての出撃で、まさか最高の獲物に出会えるなんてね!俺は嬉しいぞっ!ディアッカ・エルスマン!」
痔「なっ!?俺を知ってるのか?」
オクレ「連合でお前を知らないやつなんて一人もいないさ!漆黒のなんとか…なんとかの黒豹…黒きなんたら
お前の名を聞かない日はないぜ?俺の上官もしょっちゅう言ってるよ、『エルスマンさえいなければっ!』ってな」
痔「ふーん、そいつはうれしいねぇ…」
オクレ「だがお前の不敗神話も今日で終わりだ!いくぞッッッ!!」
痔(なっ!なんて速さだっ!)
ズカーン!ドカーン!バキッ!ドカッ!
オクレ「ハッ!どうしたディアッカ!!さっきのヤツと大して変わらんぞ!!」
痔「ちぃ!コイツっ!くらいやがれ!」
オクレ「そんなものかっ!!どうした!本気を出せ!!ハッハッハ!」
痔(全くきいてない!くそっ!ここまで出来るとは!!)
しばし戦闘
ディアッカ機はボロボロ
スティング機は無傷
痔「ハッ…ハァハァ…ハッ…くそ…ハァハァ…」
オクレ「…がっかりだ、ディアッカ・エルスマン。何が漆黒の流星だ。とんだ期待はずれだよ。そろそろ死ぬか?」
痔「…くっ…ハァハァ…」
オクレ「じゃあな、ザフトの英雄さん!!これで終わりだぁ!死ねぃっ!!」
痔「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
オクレ兄さん妄想乙
そういやディアッカが主役のデス種を出来心で書いたことがあるなあ
需要あるの?あるなら試しに投下してみるが…無いか?
11 :
通常の名無しさんの3倍:2006/02/17(金) 19:21:46 ID:zIZHqWpF
試しに投下して
12 :
10:2006/02/17(金) 19:35:44 ID:???
ちょっと設定が厨臭いんだよな。
ディアッカを記憶失わせて連合に入れた設定なんだが
もろネオと丸被りで…放映中に書いた代物だからそのままお蔵入りになったんだが。
それでもいいなら
妄想ワロスwwwwwwww
14 :
通常の名無しさんの3倍:2006/02/17(金) 21:53:29 ID:EUsZaRTA
オクレ兄さんと痔悪化でダブル主人公なんて
恐ろしく見てみたいな・・・
そしたらデス種も名作になっていたのでは・・?
とりあえず、痔悪化連合ver見てみたいな。
16 :
通常の名無しさんの3倍:2006/02/17(金) 22:33:03 ID:yfTEVlkc
フュージョンしたら確実に弓兵になるなwwwwwwwww
19 :
通常の名無しさんの3倍:2006/02/21(火) 21:34:46 ID:9XkNxgxF
ほしゅ
その時
一陣の風が
主を失った
サングラスを
舞い上げた
…………!!
地球連合軍
ファントムペイン
三人衆
最後のひとり
スティング・オークレー
…………死す!
ほしゅー
狂ってないころのスティングと痔はいい友達になれそう
24 :
通常の名無しさんの3倍:2006/02/24(金) 09:10:58 ID:eL5YZvdF
保守
ステラとミリィ、ナイフ対決
26 :
通常の名無しさんの3倍:2006/02/25(土) 19:45:58 ID:qjiVfd4W
ほしゅ
その日ディアッカは休暇を利用して、ある街へ繰り出していた
(やっぱイザークも連れてくればよかったな…一人だとつまんねーや)
一人遊びに限界を感じ、そろそろ帰路につこうかと思っていた矢先、ディアッカの視界に見過ごすことの出来ない文字が飛び込んできた
宇宙一うまい炒飯!!2500円!!
それは中華料理店の炒飯の看板だった
店の前には長蛇の列が出来ている。炒飯通のディアッカとしてはこれを見過ごすことは出来なかった
(否グゥレイト!宇宙一だと…気に入らねぇ!それに炒飯が2500円ってのも間違ってるぜ!炒飯ってのはもっと…こう…
くそっ!とにかくこのままじゃ帰れねーぜ!俺も並ぶぞ!)
列に並んで待つこと50分、ディアッカはようやく店に入ることができた
「へい、らっしゃい!ご注文は?」
「宇宙一の炒飯ってのを一つ」(ちっ待ちくたびれたぜ!)
「はいよ!じゃあ、兄ちゃん悪いけど相席でいいかい?見ての通り混雑しててね」
店主の言う通り店は満席で、どの客も炒飯を夢中で食べていた
(なるほど…客の様子から見てもあながち嘘ってわけでもなさそうだな)
ディアッカは店の中の様子を探りながらテーブル席に着いた
席の向かいには緑色の髪をした同年代と思われる青年が座っていた
(変な髪…)
続
ほしゅ
期待してます^^
30 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/01(水) 01:35:05 ID:nYnNc5BZ
ほしゅ
ほしゅ
>>10じゃないけど
今、プロット考えてたり・・・
なんとか時間を見つけて投下まで持っていきたいのだが
職人さん大歓迎ですとも!頑張ってください
>>33 いろんな話読みたいです
ほす
37 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/05(日) 23:25:02 ID:yHfQad42
ほしゅ
ほしゅ
保守
外伝はスティング主役なら良かったのにな
スティング主人公スレでも行ってきたら?
何気に炒飯の続きを待ってる俺がいる
(変な髪…)
おまけにみれば白いジャケットはいいとして変なインナーまで着ている。
しかしそれは単にディアッカがUNIQLOというアジアで広がった
シンプルなファッションを好んでいるというだけで
大概はこのようなファッションのしているのでこれが普通なのだろう。
気を取り直し時間つぶしにメニューに目を通した。
金閣豚のレバニラ炒めに高級中華丼そして目立つよう大文字で書かれた宇宙一うまい炒飯……
(グゥレイト…、高級なんだか大衆なんだかワケがわからないぜ。)
ため息をつき放るようにしてメニューを戻した。
「ヘイ、兄ちゃん!宇宙一うまい炒飯お待ち!!」
威勢のいい声と共に宇宙一うまい炒飯とやらが青年の前に出される。
「うちのはイベリコ豚をチャーシューに使ってるんだぜ、そっちの兄ちゃんはもうちょっと待っててな。」
「そうなんですか、ではいただきます。」
青年は妙に丁寧に店の例を言う。
それがどこか他人行儀な対応に感じディアッカは世間慣れしていないのだろうという印象を持った。
案の定青年はそわそわしながらテーブル脇に置かれた酢や醤油を手にしたりしている。
(否グゥレイト!炒飯が邪道だからって食い方まで邪道にすることなんかないぜ!)
「おいおい変わった炒飯の食い方するんだな。」
悩んだ末ラー油を手に取った青年に思わず声をかけてしまった。
「ハハ、あんまこういう所来ないんでね。」
声をかけられた青年は手に持ったラー油と炒飯を交互に見た後照れくさそうにして笑った。
「そうなんだ、しかし一発目から邪道な所にあたっちまうなんて運がねえな。」
「ちょっと兄ちゃん!そういうのはコレ食ってから言ってくんねえかな?」
親父が眉をしかめた様にして笑いながらディアッカの前に炒飯を出した。
「HAHAHA悪ィ悪ィ、じゃあ一丁お手並み拝見行かせてもらうとするか?」
ディアッカは口調とは裏腹にうれしそうに意気込んでレンゲを手に取った。
「でも言うほどまずくはないぜ?」
見ると目の前の青年はうまそうにレンゲを口に運ぶ。
一口食べてみると確かにうまい。確かにうまいがそれは高級食材のおかげで腕は中の上といった具合だった。
「んーまぁまぁだな?だがなんていうかこう、グゥレイトって言うまでは程遠いぜ!!」
「ハハ、はやってんのソレ?スプーンも使いづらいしな。」
「ホント初めてなんだな、ソレはレンゲって言って中華料理屋では対外コレを使うんだぜ。」
陽気なディアッカの言葉を聞き青年はレンゲを一目見るとまた照れくさそうに笑った。
先ほどのようなどこか他人行儀な態度は消えていた。
恐らくは誰にでも人当たりなく陽気に接するディアッカの人柄もあってなのだろう。
イマイチだという割にはうまそうに炒飯を口に運びながらディアッカは青年に話しかけた。
「なぁ?ここにはなんか用事があってきたの?」
その言葉を聞きレンゲを置いて水を飲みながら青年は答えた。
「あぁ、用事っていうか旅行にね。」
「でもここあんま観光で見るようなところないっしょ?」
アーモリーワン、プラント本国から離れた新設プラントでありザフトの軍工がある。
しかしコレといって観光客を魅了するような場所ではなかった。
「俺も観るなら本国がいいって言ったんだけど金もないしシャトルに乗れればどこでもいいって友達がうるさかったんでね。」
「友達と来てたの?」
「ああ、けど昼何食うかで揉めてね、なら好き好きに食おうって話になったんだ。」
「で、ここに来たってワケか。しかしせっかくプラントの炒飯食うんだったら俺が振るってやりたいものだったぜ?」
「グゥレイトって思わずうなっちまうやつかい?」
そう冗談交じりに笑いながら青年は返しディアッカもHAHAHAと陽気に笑った。
軽く談笑しながらレンゲを進めるうちに、炒飯がこんもりと盛られていたはずの皿は見事空になっていた。
「ふぅ、腹は満たされたが2500円つうのはな、まぁ気になった結果もわかったしよしとするか。」
「じゃあ俺はダチでも拾うとするかな。」
青年は席を立ち、うまかっただろうと無意味に豪快に笑う店長の親父に金を払った。
「確かにここに何にもねぇけど、車道沿いを西に真っ直ぐ行けばモールがあったはずだぜ?」
ディアッカも会計を済まし飯時を過ぎても今だ行列が並ぶ入り口を潜りながら青年に声をかけた。
「じゃあ集まったら行ってみるとするよ、ありがとう。」
「では良い旅を。」
ディアッカは本人的にはカッコいいつもりなのか手を振りながらくるっと踵を返し青年と反対側の方へと歩みだした。
彼が歩を進めるのを確認すると青年も店を後にした。
「スティング!!」
スティングと呼ばれた青年は声の方に顔を向けると向かいの歩道から青い髪の少年と金髪の少女が駆け寄ってきた。
「スティング、あんま他人と接触するなって言ったのお前じゃん。」
「ハハ、悪いアウル。なんか妙に陽気な奴でなかなか無視するのも難しくてな。」
言葉とは裏腹に咎める様子もなく明るく声をかける少年に青年は笑って答えた。
「それにさ、俺肉食いたかったのにステラに場所わかんないって付きまとわれてパフェ食べるハメになちゃったよ。」
「おっきくて甘くておいしかった。」
「よかったなステラ、折角ドレス着てるのに口にクリームついてたら台無しだぜ。」
ステラと呼ばれる少女はニコニコと笑いながら「うん」と答え不器用そうに口を拭うとまた微笑んだ。
「それよりさ、案外近いよね、例の場所。」
呑気そうに話すアウルの言葉を聞くとスティングの顔からは柔和さな笑みが消え、目に力がこもる。
「ああ、港の方からは確認してくださいって位だったからな。」
「ネオは慎重に、気をつけろってうるさかったけどそうでもなさそうだよね。」
「お前がそう気楽に言うから念押してんだろ、舐めるなってことだよ。」
「でも俺達が失敗するわけないじゃん。」
「まあな。」
それに失敗は俺達には許されない、スティングは心の中で付け足した。
「ねぇ、何やってるのアレ?」
のんびりと言うアウルの視線の先を見るとステラがショーウィンドウを見ながらうれしそうに踊っていた。
思えばアーモリーワンに入ってからこの6時間、例の工場の確認を抜かせば1時間30分、
自分達は自由だったのかもしれない。外で暮らす人間達と変わりないように…
ステラは相変わらず楽しそうに踊っている。
もしも普通に生きていたら、ステラは学校の帰りにでもショーウィンドウを楽しそうに眺めていただろうか。
それともそんな日常でありふれたものは目もくれず友達と流行の話でもしていたのだろうか。
アウルは時間を見つけては毎日のようにストリートバスケにでも明け暮れていたのだろうか。
ふとそんな考えがよぎったがありもしない事を考えても無意味だと思い直した。
だいたい人目も気にせず街中で踊りだす奴は普通いないだろうとまだうれしそうに踊るステラを見つめた。
高だが外ほっつき歩いたぐらいで浮かれやがって、スティングは自分に言い聞かすように心の中で自嘲した。
「浮かれてるバカの演出……じゃねえの?お前もバカをやれよバカをさ。」
どういうわけか中華料理屋で会った無意味に陽気そうな男の顔が頭に浮かんだ。
(そういえば変な髪だったな。)
ごめん勝手に続けた。27氏が続けるならなかったって事にして下さい。
先
続き乙!
50 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 01:41:46 ID:cpJBwYiN
ほし
勝手に炒飯書いてた椰子だが
保守の動きもあるしこの際続けてみてもいいっすか?
52 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/18(土) 18:27:09 ID:MVKDy6tO
age
51
是非!楽しみにしてます
食事を終えたディアッカはそのまま特に目的もなく待ちをぶらついていた。
新造プラントで在るだけに、オープンカフェや雑貨店なども新しい店が多く
洒落た装飾を施しているものの特にディアッカの目を引くようなものはあまりなかった。
(どうせなら、さっきの奴のガイド役でも引き受ければよかったかな?)
そんな事を考えながらよく行くアジアン雑貨の支店を見つけるとそこに立ち寄り
日本の民芸品を眺めた。
サルボボのような可愛い人形や細かく彫られた日本の神仏像などが並べたコーナーに
オカッパのコケシ人形を見つけ彼は自分の友人を思い出した。
(ハハ、嫌がらせにイザークの土産でも買っていってやろうかな。)
笑いながら人形を手に取ったその時大きな衝撃が店を襲った。
食器具が傾れ落ち、店内にいた人達は一瞬身を屈めると身を叫ばないまでも次々と困惑した声を上げる。
地震とは違う、大きな大地の揺れ。しかしこの衝撃はディアッカにとっては身に覚えのあるものであった。
「マジかよ……。」
ディアッカ呟きながら落ち着いた足取りながらも急ぐようにして外へと飛び出した。
外は特にパニックになり走り回るような人達はいなかったものの皆一様に空を眺めている。
アーモリーワン、ここには兵器工廠が多数存在し軍事都市といっても過言ではない。
だからいつここで戦闘が起こってもおかしくはないはずなのである。
しかし停戦条約から二年。ザフトには停戦に異を唱えるものもいればまた地球連合政府から来る
プラント資源の要求もありまだ互いに燻っているものはあれど表立って戦争を起こすような動きは見られなかった。
それが何故今?
そんな事を考えながらディアッカは唇を噛みながら人々と同じように閃光が舞飛ぶ青い空を見上げていた。
しかし何故そうなったかはともかく今ここで戦闘が起こっているのは紛れもない現実である。
「こんなこと知ったらうちのコケシさんはカンカンだろうぜ。」
軽口を叩きながらも一目散にザフト軍基地へと向かった。
度々起こる衝撃に足を取られながらも上がる息を飲み込んで無理やり足を進め空を見上げる。
そこには新型のザクウォーリアーと見慣れぬMSがライフルを打ち合っている姿があった。
新型か?見慣れぬMSは一度に数発ものビームを撃つものや遠目からではイマイチわからないが
変形し一気にザクに飛び掛るなど巧みな動きで自軍を圧倒していた。
その中に一機ザクとは違うMSがそのMS達に負けじと巨大なサーベルを振るっている。
ということは自分でも知らないMSが作られていたということ。
かつて自分達がオーブのコロニーで愛機となったバスターを奪取したときのことが頭にちらつく。
「おいおい、ってことはまさか今交戦中のMSは!?」
苦しげな息を吐き出すようにして叫んだその時より大きな衝撃とそれから一間を置いて風邪が巻き起こった。
交差して覆っていた腕を解きそしてまた空を見上げる。
そこにはコロニーの外壁にぽっかりと開いた穴がありそこに吸い込まれるようにしてMSが宙へと飛び出す姿があった。
「クソッ!」
ディアッカが基地にたどり着いたのはそれから一時間後のことだった
スティングが目を開けると透明なカプセルの天井とそれを隔てて見えるライトの明かりがそこにはあった。
相変わらずの肌触りが良過ぎるこのシーツには懐かしいようなそれでいて余所余所しいような不思議な感覚を覚える。
白衣を着たスタッフが言うには最適化とやらを施すためこの半球状のカプセルで寝ることになっているのだが
それはどうしてかはわからないし、説明されてもやはりわからないのだろうと思っていた。
唯一つだけ、ここで目覚めた後記憶の一部が現実だったのか夢であるのかあいまいに感じることがある。
俺は昨日アウルとステラと共にプラントに潜入し、MSを奪った。
情報にはなかった新型があリそいつがしつこく食いついてきた。
基地に潜入する前相変わらずアウルは余裕こいてた。ステラは買ってもらったドレスに大喜びしていた。
飯は炒飯を食った。潜入前にアウルとやったトランプは珍しく俺が勝った。
これは現実だろう。多分これは覚えていても奴等に損はないのだろう。
戦いの駒として差し支えあるものではなかったのだろう。
幼いころ過ごした施設での日々が時間の経過以上に曖昧に色あせたものになっている。
繋がらない記憶の中で無機質ともいえるような白い部屋の中で
同じ歳位のガキが同じガキに殺され俺も同じように目の前のガキの首元にナイフを突きつけていた。
まるで他人事のように曖昧さをもった夢のように感じるこの記憶の断片は多分消しきれなかったものなのだろう。
彼らは勝ち残った自信よりもそれが精神的な傷となることを危惧したからだろう。
しかしそれは吐き気のするほど不快な記憶ではあるが俺を病むまでには至らなかった。たぶんそう思う。
隣で同じカプセルに入り子供のように丸まって眠るステラを見た。
ステラは俺とは違い彼らの手によってその記憶は硬く封じられている。
そうしないとその現実にとても耐えられないから。
でもいくら硬く覆い隠そうとしてもステラを深く傷つけた記憶は消せるものではなく
死という言葉は記憶をこじ開けないまでもステラの心をひどく取り乱させる。
だからその言葉も「ブロックワード」というそれらしい名称をつけステラから遠ざけた。
反対の方で気分よさそうに寝ているアウルには施設に入る前に母を失ったのか
「母」という言葉がブロックワードに指定されていた。
施設での記憶をもっていても普段どおりいられる俺にも触れてはいけない記憶があるのだろうか。
あるとしたらその鍵をステラやアウルは知っているのだろうか。
カプセルが開いた。
「終わったよ、もう自室に戻っていい。」
俺達のいる部屋から窓を通して見える白衣の男がマイク越しに声を掛けた。
「了解。」
ガラス越しに聞こえるのかどうかわからないがスティングは男に返事をすると
まだ完全に開ききっていないカプセルを潜るようにして外に出ると軽く背を伸ばした。
「よう、お目覚めかい?」
今度はマイクではない声のするドアの方をみるとそこには目元を仮面で覆う男が
口元だけからでも人のよさの伺える笑みを浮かべて佇んでいた。
「ネオ!!」
ベッドの上で目をこすっていたステラはネオという男を見るなり大きな目をより一層広げうれしそうに男の方へと飛び出した。
「よくやったなステラ、おかげで新しい機体が手に入った。」
頭を撫でられたステラはうれしそうに「うん」と大きく返事をした。
「ネオ、あいつらはどうした?」
スティングは相変わらずうれしそうに笑うステラの頭を撫でているネオに声をかけた。
「ああ、なかなかできる奴らでね、まあ一応は巻いてきたよ。」
プラントから間へと戻る際に途中、プラント外で待機しているネオたちと入れ替わるようにして
そのまま着艦を目指すのは手はずどおりであったが、
それでもプラントを出ても追っ手が喰らいついてくるとは思いもよらなかった。
「ねぇどうすんのアレ?」
「そうだぜネオあの合体野郎、もう一体のあったなんて聞いてなかったぜ。」
アウルに続くようにしてスティングがネオへ問いかけた。
「そうだな、さっき報告したがこれから対処を決めるそうですの繰り返しだったしなぁあいつら。
向こうは待ってはくれないってのに全く悠長なもんだよ。
予定通り三体は手に入ったし決まるまではできれば捕獲、それが困難なら潰す方向でいいだろう。」
「へへ、今度会った時こそ仕返ししてやるぜ!!」
「次こそあの合体野郎に一泡吹かせてやろうぜ。」
笑いながら呟くとスティングは目を細めた。
あの時一見自分達がザフトを圧倒しているかに見えた。
しかしあの換装を容易に施すもう一体の新型には致命的な一撃を与えることはできず
それどころか連携は取れていないにしろ自分達の態勢を崩し執拗に
追ってきた事実からしてあの新型のMSは過小評価できるものではないのだろう。
あの程度の奴にやられることは考えられないが捕獲よりも潰すべきだ、スティングはそう思った。
「ああ、それよりお前どうだった?プラントの方は少しは気分転換になったか?」
一転して表情を明るくしたネオはステラの頭をクリクリと弄びながら三人に笑いかけた。
「ステラね、アウルとね、パフェ食べたんだよ……すごくおいしかった。」
「そうかぁめったに食べられないしなぁ、よかったなステラ。」
「ああ!そうだ俺結局ステラににつき合わされちまったんだよ、結局いい思いしたの二人だけじゃん。」
「ハハ、まぁ外出ただけありがたいと思ってくれよ、俺なんかずっと留守番だったんだぜ。」
ネオは相変わらず満面の笑みを浮かべるステラと口を尖らせるアウルを交互に見ながら大げさに肩をすくめながらスティングの方を向いた。
「ハハ、アンタが留守番している間にうまいカレーでも食わせてもらったよ。」
そう言いながらスティングは白衣の男達の方に目を向けたが男達には
別段表情を崩すような動きは見られない。
すべての記憶を覗き込めるわけではないのか。それともそんなことははどうでもいいだけか。
どうやら脳みそを覗き込む仕組みがどうなっているのかは自分には想像できそうにもなかった。
「おぐ!」
ふいに股間に痛みを感じスティングは情けない声を出しながら内股になり後ろから股間を握る手を押さえ込んだ。
「へへん、スティングだけいい思いしたお返しだよ。」
「お前なぁ……。」
怒りとも呆れたとも言わんばかりの表情でスティングが後ろを見やると
そこにはしてやったりといった具合にニタニタと笑うアウルの姿があった。
「なんつー報復の仕方してんだよコラ!!」
スティングも笑いながらアウルの股間を握り返そうとしアウルもそれを笑いながら身をかがんで防ぐ。
「ステラもー。」
それを見るなりステラもいろんな意味で揉み合っている二人に飛び掛った。
「ちょっと待て、いい加減にしろお前等!!」
あまりこういう子供じみた遊びはスティングは好きではないのだが
それでも征しようとする声は楽しげ見える。
「おいおい女の子がすることじゃないだろ?」
笑いながらもみくちゃになる三人を見てネオはまた困ったように笑いため息をついた。
曖昧で不快な記憶や、戦争という現実が自分を取り巻いていた。
しかしステラやアウルという仲間がいる現実もここにはあった。
それでいい。それがあればいいとスティングはそう考えていた。
続きキター乙乙
ファントムペイン仲良いな
あげたる
さあ…仕事イソガシスとか?
もしくは…
62 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/23(木) 11:41:29 ID:aTaXGvRz
保守
63 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 19:57:22 ID:uZpWvcda
保守
「大体なぁディアッカ!!
お前があの時何とかしていればこんなことにはならなかったんだぞ!!」
窓に青白い地球が映るブリッジに一際甲高いヒステリックな男の声が響いた。
声の主である銀髪の男に睨み付けられたディアッカは
大げさに耳を押さえてうろたえる。
「だぁから帰ってきた時にも行ったろ?
俺はあの時市街に居て着いたときには終わってたんだって。」
「お前がたるんでいるからそんなことになるんだ!!」
「無理言うなよ。」
「お前はすぐそんな弱音吐くから降格しちまうんだ!!」
それを聞きいたオペレーターの一人がこらえきれずに噴きだすと、
イザークは眉間に一層深い皺を寄せ彼を睨み付けた。
「何を笑っているんだ!ただごとではないんだぞ。」
「落ち着けってイザーク、その血管の浮き出し方もう漫画だぜ?」
「冗談は休憩室でだけにしてください。」
長髪を末端で結った少女はディアッカにきつい視線を浴びせぴしゃりと言い放つ。
「HAHAHAシホ、隊長憧れるのはいいけどそこまでまねることないだろう。」
「なっ、ですからもう脱線しないで下さい。」
ディアッカの空気の読めない一言を聞くなりシホははっとした表情で
一瞬イザークに視線を寄せたが、一転して表情を戻すと軽く咳払いをし、
手にした資料に目を戻した。
「続けます、そのガイア、カオス、アビスは三時間ほど前にも
所属不明艦、通称ボギーワンと共にミネルバを襲撃、
およそ数十分の交戦となりましたが同三機はすぐに撤退した模様です。」
「逃げ足の速さや規模からして特殊部隊かな?
しかし奪取後すぐに実践投入とは早すぎるぜ。」
「そうだな、今後の解析のためすぐ撤退したのかもしれん、しかし
わざわざ再び攻めて来る意味がわからんな、襲撃の目的はインパルスか?」
「私としては連合が我々のMSを動かすことができた事実から見て既に連合が
新型に対応したナチュラル用OSを用意できていたかもしれないという点が心配ですけどね。
話を戻しますがもう一つ、これは本来は秘密事項なのですがミネルバには議長、
オーブ首相も乗り合わせており…
「何ィ!!」
シホの会話を遮るようにしてイザークが大声を上げた。
「ひょっとして奴等はそれを知っているわけではないだろうな!?」
「それはどうにも…
先ほども申しましたとおりミネルバに議長、オーブ首相が乗艦していることは
極秘なのですが、お二人の身に何かあった場合国交問題どころの騒ぎではないと
判断したミネルバの者が内密にこの事実を作戦本部に伝えたものでして、
この事実を知らされている隊も極一部のみなんです。」
「もしまた攻めて来る様なら新米どもには任せておけんぞ!?増援はあったのか?」
「それが…。」
「お姫様か議長が強情張っちゃってんの?」
困惑したように呟くシホの代わりにディアッカがかったるそうに言葉を続けた。
「はぁ、こういう事態でこそFAITHに動いてもらいたいんだけどねぇ。」
「だがいくら権限が与えられていたとしてもやはり現場を離れるまでは難しいか。」
腕を組みながら吐息を漏らす二人にクルーの一人が陽気に声をかけた。
「ディアッカ先輩もある意味FAITHじゃないですか。」
「何でだ?」
イザークは不思議そうにクルーに問いかける。
「だってホラ、
ヤキンドゥーエ戦の時ちゃっかり三隻同盟に入ってたって言ってたじゃないですか。」
「HAHAHA!!世界のためならなんだってやるのが俺のフェイスだぜ!!」
ディアッカは先ほどの表情から一転して能天気な笑みを浮かべ、
親指を立てながら大声で笑った。
「あれはただの軍規違反ですよ。」
調子付くディアッカに対しあくまでシホは冷たく言い放つ。
イザークはその大戦時、ディアッカをアークエンジェルへと戻したときにそのメカニックから
盾をもらった事を思い出し胸が少し痒くなった。
「その信念に授けられたものが勲章ではなく裁判と降格だったってのは残念っすけどね。」
「おいおい勘弁してくれよ。」
ディアッカが心底困ったように言うとクルー一同は堪えきれず一斉に笑い出した。
「よし!冗談はこのぐらいにしておけ!!
FAITHが動けぬというのなら我々が作戦部に申し出てみよう。」
イザークが一声かけるなりオペレーターは手際よく作業を進めた。
「あ、そうだ。あのおてんばのお姫様がいるってことはアスランいたりすんのかな?」
思い出したように言うディアッカの言葉を聞くとイザークはとたんに眉間の皺を寄せた。
「何ィ!?あいつがいながらこんな事態になったというのか!!」
「いたりしてなって言っただけだろう?」
「クソ!すぐに向かうぞ、我が艦は今すぐミネルバへ向かう!!」
「だぁから落ち着けよ、だいたいあいつはザフトじゃないんだぞ。」
大声で喚くイザークとそれをたしなめるディアッカを交互に見た後
シホはがっくりと肩を落としため息をついた。
「隊長よろしいでしょうか?」
奥にいたオペレーターの一人が振り返りイザークたちに声をかける。
「なんだ?」
「ちょうど今入ってきた情報なのですが…」
一際真剣な表情をするオペレーターのモニターにはユニウスセブンが映っていた。
「ユニウスセブンが地球にか?」
受話器を片手にネオは困惑した声を上げた。
「ええ、それで第81独立機動隊には
現在の任務を進行しつつ原因の究明に向かっていただきたいと。」
「おいおい無茶言ってくれるな、他はどうなっている?」
「現在避難民の避難施設割り当てを行なっております。
大陸全域に飛散するであろうユニウスセブンに対しては、
連合軍の総力をもってこれを阻止する構えです。」
アバウトな返答にしか聞こえないが、それくらいしか言えなかったのだろう。
例えプラント側の解体作業方法からユニウスセブンの破片の落下地点くらい
予測することができるかもしれないが例え予測どおりだったとしても
すべて止められるわけではないのだろう。
「そうか。でもさぁ、
こういうときにこそ使うべきなんじゃないのか?えと、なんだっけアレ?」
「レクイエムでしょうか、国連の会議ではそのような案も出されていましたが
盟主様からそのようなご指示は出されませんでした。」
受話器からは聞こえる男の声は感情をかみ殺すようにして話している様に思えた。
ネオ達が所属している第81独立機動隊、通称ファントムペインは
地球連合であるが、実際はブルーコスモスの命により行動をしている。
ネオは後ろに振り向き、後ろで座っている初老の艦長、
イアン・リーの方を見ると大げさに肩をすくめ笑いかけた。
それを見たイアンもまた困ったように目を閉じ口の端を吊り上げる。
「そうか、わかった。こちらも全力で調べ上げる。そっちも死ぬ気で阻止しろよ。」
力強く了解と答える声を聞くとネオは受話器を下ろした。
「まさか奴さんらの反感を作らせるために
宙からの対処はあっちにだけ任せたってのは考えすぎですかね。」
ネオはフワリと浮き上がるとイアンの隣の席へと腰掛けた。
「どうでしょうな。」
イワンは視線を前に向けたまま呟いた。
「青き清浄なる世界がやばいってのにねぇ、上層部の信仰心も考えもんだな。」
「数字への信仰心は数学者以上でしょう、金のですがね。」
「ハハ、言うねあなたも。」
「抜くところ抜かなければ軍人やってられませんよ。」
イアンは俯いて苦笑した。
「如何なさいますか。」
「そうだな、まずはユニウスセブンに向かわんことには進まん。
これよりガーティ・ルーはユニウスセブンへ向かう!!
三人にはいつでも出れるよう待機させておけ!!」
「了解!」
底から唸る様な低い音を発し艦はゆっくりと進路を変更した。
「プラント落っことすなんてあいつらも大胆なことするよね。」
アウルはパイロットスーツのジッパーを上げながら
隣で着替えているスティングに話しかけた。
「連合ぶっ潰したいんだろうけど限度ってものがあるからな。」
「調べるも何もその前に奴等やっちまえばよかったのにな。」
「でも軌道が変わっちまった今そういうわけにもいかないだろ。」
「そりゃそうだ。」
アウルは全くだと言ったように頷き笑った。
背中の方からギチギチとあまり心地よくない音が聞こえるので振り返ると
ステラが胸元のジッパーが引っかかってるのかうまく上げられずにしどろもどろしていた。
それを見たスティングはやれやれといった具合に首を軽く振りステラのジッパーを手に取った。
「ねぇ、プラントが落ちちゃうと地球はどうなるの?」
胸元で金具の位置を直すスティングを見ながら不安そうに問いかける。
「ここにいりゃまず安全だから気にすんな。」
スティングはヘタすりゃ大勢が死んでしまうなんて
とても言えないなと思い心の中で軽く笑った。
それを聞いたアウルも「まぁそうだけどね」と言いながら思わせぶりな笑みを浮かべる。
ステラは相変わらず不思議そうな顔をしていたがきちんとジッパーが締まると
満足げな表情を浮かべ更衣室の真中に備え付けてあるベンチに腰掛けた。
「ここ行く前にお魚さんにごはんあげたの…あそこのパフェおいしかった…
お魚さんもおいしいの食べたくなるのかな。」
「そんなこと言ったってグッピーはアレしか食べないよ。」
「ああ、きっとアレが一番おいしいって思ってるから喜んでるよ。」
二人の言葉を聞いたステラは納得したのかうれしそうに微笑んだ。
「着替え終わったか?」
機械的な音を立て扉が開くとクルーの一人がクリップボードを携えて
室内へと入り三人を見据えた。
「あと一時間もしない内にユニウスセブンに到着する。
今から20分後に格納庫三番ゲートに集合、いいな?」
「了解。」
「でも今回は出るかはわかんないんだよね。」
「ああ、だが出ないとも限らない。
その時は地球にいるみんなを守るためにあいつらを倒してくれよ。」
言葉こそ優しいものであるがその口調はどこか台詞めいたものでもあった。
それもそのはずだろう、これは引き金の一つだ。
それを確認するようにスティングはステラを見つめた。
「守る…?」
そう一言呟いたステラの瞳が次第に鋭さを持ち始める。
普段のあどけない表情が一転して冷たさすら感じるものとなっていた。
「大丈夫、今度こそあいつら全部落とすから。」
誰に言うともなく静かに呟いた一言は落ち着いているようでどこか危なげでもあった。
クルーの男は表情を変えずしばし黙ってステラを見つめていたが
部屋を出るのかくるりと踵を返した。
「いい心掛けだな、頼んだぞ。」
男は最後の一言だけはステラではなくスティングの方を見て言ったが
スティングは頭の上に視線を感じても顔を上げることなく扉が閉じるまで
そのままもう反対側のグローブを締め直していた。
乙 続き待ち
巧いなぁ…乙です!!
72 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/26(日) 20:38:00 ID:PMBngHRr
乙
ホ
74 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/30(木) 11:04:23 ID:7Z0tJvGv
保守
一般人でもここまでのシナリオ書けるのに、種死っていったい・・・。
勝手に炒飯書いてる椰子ですが用事あったりなかったりで
続き書くのもうちょいかかりそうです、スイマセン
ついでに読んでくれてる方ありがとうございます。
wktk
ファントムペインの仲のよさに萌え
80 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 21:23:54 ID:FtosCWoZ
もこみちが主役のスレってここですか?
82 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/02(日) 20:26:01 ID:/Sod1qRx
保守
83 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 21:53:35 ID:???
黒ずみ荒れ果てた岩肌のような地面を覆うようにして
植物を思わせるほどに異様に曲がった鉄骨や、岩山があたりに聳えていた。
もし何も知らぬ人がこれを見たなら、ここが人の手によって作られ、
そして当たり前に人々が生活をしていたなどとても信じられないだろう。
しかしこの黒ずんだ大地にはかつて地球の緑となんら違わないほどの自然が広がっていた。
ユニウスセブン、プラントでも有数を誇る大規模な農業用コロニーであった。
そのような場所が何故このような姿になったのか、
数年前連合ブルーコスモスが暗躍する大西洋連邦により核によって焼き払われたのである。
人口増加に伴い地球内の資源では
間に合わなくなり始めていたと言われる地球が何故ここを焼いたのか。
輸入により産業を奪われ崩れ始めた途上国を憂う余りの行動であったのか、
それともプラントが独立の道を歩み始めることを恐れたのか
新聞の紙面では様々な憶測が飛び交ったが真相は未だに明らかにされることはなかった。
ただ明らかにされた理由が何であれ243721もの命を奪う正当な理由にはなりえないだろう。
ユニウスセブンに備え付けられたブースターの角度、出力の調整を確認した後
サトーは操縦席の横に貼られた写真を見つめた。
写真には笑顔で寄り添う妻と自分の姿が写されている。
後ろから自分が載っている機体と同じ脇に日本刀を模した実剣が
装備されているジンがゆっくりと降りてきた。
「サトー、最後の仕上げはどうだ?」
「ああ、問題ない。時間が奴等に審判を下すだろう。」
「そうか。」
パイロットの男はうなづいた後、まるで未開の星であるかのような
ユニウスセブンの大地をゆっくりと見回した。
84 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 21:56:15 ID:???
「あい変わらずこのあたりが運動公園だったとはとても思えないな
最後に思い出させてくれるぐらい許して欲しいもんだが……。」
スピーカからサトーの返事は聞こえなかったがそれでも男は言葉を続けた。
「奴等に裁きを下す決心に変わりはない、
だが最後に言わせてくれ、娘はこんなことを望んじゃいない
それだけははっきりとわかるんだ……。」
「……。」
サトーは悲しそうに呟く男の声を聞きながら写真を指でなぞった。
写真の中の妻は相変わらず明るく笑っている。
「そんな優しかったあいつらにこんな惨い死を与えたんだ奴等は!!
俺は絶対に許すことはできない!!」
「ああ見せてやろう、奴等の犯した罪をその目で直接な!!」
男とサトーはモニターに表示された時間を確認すると荒廃したプラントの地を離れ
プラントを取り巻くよううにして待機している仲間達同様
事前に打ち合わせた配置へと着き、残り僅かな時間を刻むモニターを確認した。
残り時間がゼロを指したときユニウスセブンが地球へと向かうため
最終軌道修正されたブースターが一斉に勢いを上げ噴き出した。
「さあ、行け。我らの墓標よ!嘆きの声を忘れ、真実に目を瞑り、
またも欺瞞に満ちあふれるこの世界を、今度こそ正すのだ!!」
85 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 21:58:28 ID:???
「しかしこうしてみると本当にでかいな。」
腰に手を当てながらしみじみと呟くディアッカにイザークは
むすっとした表情で腕を組んだままぶっきら棒に答えた。
「当たり前だ!俺たちはここに住んでいるんだぞ。」
ディアッカの所属するイザーク隊はユニウスセブンが地球に向かい始めているという
情報を受けてまもなく作戦本部からユニウスセブン解体という命を受けた。
ユニウスセブンの巨大さを目の当たりにすると
コレが地球に落ちた時の恐ろしさというものが改めて感じられる。
しかしなんとしてもそれは食い止めなければならない。
それは隣で神経質そうに眉を吊り上げるイザークは当然のこと、
後ろで手持ちぶたそうに佇むシホも、一昨日グラビアを喜んで受け取った新兵も
同じように思っているのだろうとディアッカは思った。
「ディアッカ、どうだったんだアレは?」
小声で呟くイザークの言葉を聞いたディアッカは一度周りを見回した後
同じように小声で囁いた。
「ああ、先に言うがこの艦からだとロクな探偵ごっこもできなかったぜ
けど終戦から集団で退役している奴等を探してみたらさ、
そこから二ヶ月以内にごっそりと抜けてる奴等がいてな、
とくにパトリック派って言われてたモーガンのクルーが特に目立ってたな。」
「モーガンのサトー隊か?確かにナチュラルそのものを敵視していたと話に聞くが
ヤキンドゥーエでは俺の隊と共に核を防いだ隊の一つだぞ。」
「まぁあくまで退役したってだけだけどな、
退役後半数が休息に宛て、残りが記録上一応別の仕事へ、
その再就職先のHPを除いてみたが社員リストに誰の名前もなかった。
それと念のためジャンク屋でザフトのMS大量買い付けを調べてみたが
それはどこにもない代わり長期の改修改造で依頼拒否していた所が3件あったぜ。
まぁ流石にここはこじつけだけどさ。」
「しかし自軍のベテランとやり合うと考えるに越したことはない。
解体に人員を割く上にお前をそっちに置くとなると
確実に同レベルで戦えるのは俺とシホぐらいか、厳しいな。」
「おいおいあいつらだって死ぬ気でお前のしごきに耐えたんだし少しは信じてやれよ。
ミネルバとルソーもいるだろう。」
「馬鹿野郎!俺がそのミネルバに掛け合うからお前に調べさせたんだろうが。」
「HAHAHA悪い。で、どうだったのそっちは?」
「ああ、結果は今の状況で察してくれればいい。」
めずらしくイザークの方がため息をついた。
86 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 22:00:29 ID:???
振り回される側に回ったイザークをからかいたいもの事態が事態ゆえに
ディアッカは困ったように笑うばかりである。
「ミネルバもオーブに送迎を頼んだ見たいなんだが状況が状況ゆえに難しいらしい。
案外小さな救援艇に乗せるよりはミネルバにいた方が安全かもしれんけどな、
ルソーや俺達もいるし。
ミネルバに万が一のことがあればルソーかウチのどちらかが迎えることにしている。
「そうか、その万が一って時にどう動けるかも問題だろうけどな。」
「全くだ。」
「隊長、先輩?さっきから何話してるんです?」
後ろから不思議そうに覗き込むシホに二人ははっとした表情で振り返った。
「ああ、こいつがおてんばな女の子に振り回されててね。」
元々ではあるがあまりにもわざと臭いディアッカのHAHAHAという笑いを
聞いたシホは怪訝そうな顔で二人を見つめた。
「違う、俺達は今後のことについて話していただけだからな!」
誤解を正そうとしたのかイザークは真っ先に大声を上げた。
「隊長、こんな時にそんなこと話すのはディアッカさんぐらいだってわかりますよ、
しかし何かあるなら今のうちに我々にも言って頂けるとうれしいです。」
「そうです、そのほうが腹をくくれるってもんですよ。」
シホの言葉にクルーの一人が続けるように二人に言い放った。
「そうか、気合入れてやるのは出撃前でいいと思ったが
必要もないかもな…。」
87 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 22:01:51 ID:???
イザークはクルーを見渡すと満足げに笑った。
今回が初の実戦になる者が多い上、相手となる者が彼ら以上の実力者であり
元自軍である可能性がある現状をどこで伝えるべきかイザークは迷っていた。
しかしそれなりに覚悟を決めているらしい彼らには無駄な気遣いのようだ。
「これは憶測の域を出ないものでしかないが相手はヤキンドゥーエを生き残った
元ザフトの軍人である可能性がある。初の戦闘になるお前等には不利であるだろうし
解体班も想像以上に危険な作業になるだろう。しかし何があっても全力で守りきれ!!」
「「「了解!」」」
まだ出撃前ではないというのにクルー一同は力強く答えると敬礼した。
それを見たディアッカは頼もしい反面少し力が入りすぎかなとも思った。
「安心しろって、こっちには力強ーい五月人形様と雛人形様と
大胆且つセクシーでグゥレイトなナイスガイが着いている。
死ぬ気でやる分には構わないが無駄死にする必要はないぜ
状況判断ってのも忘れずにな。」
「わかってますけど大体無茶するのがそのナイスガイの方じゃないですか。」
余裕を見せるよう明るく声をかけるクルーや前髪を気にしだしたシホを見ながら
ディアッカはこっちの方は一応は大丈夫そうかなと一人納得したような表情を浮かべた。
「だったら残る話はやっぱりおてんばなお女の子の方だなイザーク。」
その言葉を聞き皆がいってる意味がわからないと不思議そうな顔をする中
ディアッカは困ったように笑いイザークは鼻で息をした。
88 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 22:04:04 ID:???
「一体なんでこんなことに!!」
ミネルバのブリッジに首相というには少し幼すぎるように感じる少女、
カガリ・ユラ・アスハの声が響き渡った
「それはわかりませんがユニウスセブンが地球に向かっているのは紛れもない事実です。」
ミネルバ艦長のタリアの言葉に続けるようにプラント議長ギルバート・デュランダルは
カガリの席の隣に立つと独特の落ち着いた口調で話しかけた。
「原因の究明や回避手段の模索にプラントは全力を挙げています。
またもやのアクシデントで姫には大変申し訳ないのですが、
このミネルバにもユニウスセブンに向かうよう特命を出しました。」
その様子を副艦長のアーサーカガリと同様に不安に顔をゆがませていた。
確かにこのユニウスセブンが地球に落下させることはあってはならない。
総力を持って阻止するのは当然だろう。
しかしこの艦には議長もオーブ首相も乗り合わせている。
万が一のことがあればプラント、オーブは体勢が揺らいでいる中で
ユニウスセブンの被害に対する対処をしていかなければならなくなるのだ。
成功した暁には国民に対し大きなPRとなるがそうだとしてもリスクが大きすぎる。
処罰覚悟で本部に伝えた意味も今はなくなりアーサーは落胆した。
「それは無論私も同じ考えだ、これは私達の問題であるはずだからな…
私に、私に何かできることはないか…?」
不安感をそのまま表情に表したような面持ちで
カガリはデュランダルにすがるような口調で問いかけた。
「姫、お気持ちは解りますが、どうか落ち着いて下さい。
お力をお借りしたいことがあればこちらかも申し上げますので。」
デュランダルの言葉を聞き子供のように俯きこくりと頷いたカガリは
何も出来ない自分のふがいなさを痛感し膝元に置いた手を握り締めた。
89 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 22:05:40 ID:???
「一国を背負う首相がアレじゃあな、オーブの末も知れたものだな。」
壁にもたれかかりながらシンは悪態をついた。
「お前は何でそうカガリに当たるんだ、それに今はそういう問題ではないんだぞ。」
「そうだ、シン。それに今の状況で首相に出来ることは無いだろう。」
呆れたように呟くアスランと落ち着いた口調で諫めるレイの言葉を聞いて
シンは気に入らないといったように鼻を鳴らした。
「そうですね。こういう時アスハは無力だったからな。」
何故彼がカガリ、オーブに対しここまでの嫌悪感を持つのか?
以前の話でオーブに暮らしていたシンの家族は先の大戦で家族を失っていたことがわかった。
確かにあの時連合の申し出を聞き入れていればシンの家族は生きていたのかもしれない。
しかしその時はそれで凌げたとしても後に地球対プラントという図式での
最悪の戦争が起こっていた可能性も十二分にあったのだろう。
しかしなんにせよ彼にとっては家族を失ったことがすべてなのだが…
難しい問題だな、そう思いアスランは窓に映る地球を見つめた。
「しかし今地球が危ないって時にただ黙ってみているわけにも行かないな。
俺も支援の許しを艦長にもらうとするか…。」
「はぁ?あなたは民間人ですよ、
気持ちはわからなくはないけどそんなこと!?」
「無理は百も承知だ、しかし状況をただ待つだけの身にもなれない!」
驚いたように声を上げるシンを横目で見たあとアスランは司令室へと歩き出した。
それを見たシンも思わずアスランに駆け寄ろうとしたがレイの制止により足を止めた。
「シン、判断を下すのは艦長だ。それにお前が彼の立場だったらそうするだろう。
お前が決心して今ここにいるように彼にも守りたいものがあるんだ。」
口調こそ淡々としているが友人の言葉にシンは俯くと再び壁にもたれ掛かった。
「わかってるよ、そんなこと……。」
家族を苦しめたアスハに政権を委ね続けるオーブへの嫌悪と
国を守りたいと思う彼らの気持ちも理解できる心がシンの中に渦巻いていた。
「そうだな…出すぎた事を言ってすまない。」
その後アスランは議長から特例を受けるとジュール隊支援の参加が決まった。
90 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 22:06:38 ID:???
ヴォルテールのMS格納庫では慌しく金属音が鳴り響いていた。
重みのある音が鳴り響くたびにザク、ゲイツなど無骨な造りのMSが
モノアイに光りをともし全身をきしませ、足元にいる小さなメカニックの
誘導を受けてカタパルトへと向かう。
射出口に備え付けられた青いザクに搭乗するイザークはタッチパネルの通信ボタンを押した。
「まずは陽動班準備はいいな!作戦通り俺たちはユニウスセンブン天井部に向け突っ込むぞ、
ディアッカ達の出撃は10分後だ、何があってもメテオブレイカーを死守しろ。」
イザーク率いる陽動班が中央より攻撃を仕掛ける、その十分後に下方宙域から
シホ率いる護衛班Aがプラント中央までの経路を作りメテオブレイカー班
およびディアッカ率いる護衛班Bを誘導、メテオブレイカーが作業ポイントに着き次第
メテオブレイカーは解体作業へ、A班は上空へ、B班はメテオブレイカー周辺を警護する
というのが今回のジュール隊の作戦である。
「了解、お前も俺達が来る前にへばるんじゃないぜ?」
同じくコックピットでベルトの調整をしながらディアッカは声だけの友人に軽く話しかけた。
大声のせいかヒビの入った音で聞こえる友人の「誰に向かっていっている。」
という言葉にディアッカもうれしそうに口の端を吊り上げた。
「しかしデビュー戦は先輩方に相手してもらえるわけですね。
なんとも光栄で華々しいもんだ。」
イザークの二つ後ろで構えるゲイツRのパイロットが冗談交じりに呟いた。
自分なりにはもう腹をくくっているのだろうがまだ緊張が解けないのだろう。
「気にすんな、相手が誰だって今回の任務お前等のやることは変わんないぜ?」
ディアッカは相変わらず呑気そうな口調で新兵に声をかけた。
そのやり取りを見てイザークは周りの声を聞いたあと一呼吸おいて口を開いた。
「そうだ貴様等、今回の相手は恐らく
ヤキン・ドゥーエの大戦で核の猛威からプラントを救った英雄達だ。」
「今回の任、直接は地球を守るための作戦だろう、
しかしプラントの英雄の誇りを守るための戦いでもある。
貴様等も既にプラントを背負って戦いに望むんだ!
立ち向かってくる限り尊敬の念を持って全力で叩き潰せ!!」
91 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 22:08:26 ID:???
「「「応!」」」
(や、お前らここは了解だろう普通。)
ライフルを手にしたパイロットから解体作業班、メカニックからオペレーター、
大人しいはずのシホすら血気盛んに叫ぶ姿を見てディアッカは一人温度差を感じた。
とはいえ引き締まる隊の面々を見てこれは自分になり友人の一つの魅力なのかもしれない
と思いながら瓦礫の星へと飛び立つ友人の後姿を見つめていた。
「さってと、それじゃ今のうちに肩の力抜いておけよ、
外でたらもう息する暇もないかもしれないしな。」
「ちょっと先輩さっきの隊長の気合入れ台無しじゃないっすか?」
首を軽く回しながら話すディアッカに新兵は茶化されたといった具合に笑いかける。
「戦う前から固まってもしょうがないだろ?
人には人それぞれのやり方ってもんががあるんだよ。」
「だからと言って隊のやる気をそぐようなこといわれても困ります。」
「おいおいリラックスできるように俺なりに努めてみたんだぜこれでも。」
怪訝そうなシホの声を聞きながらディアッカは困ったように眉を下げて見せた。
「よし、時間だ、護衛班は先輩達のご挨拶、メテオブレイカー班はお墓掃除だ!」
「了解!」
「時間に限りはあるがあせる必要もないぞ!ディアッカ・エルスマン、出るぜ!」
ディアッカの掛け声と共に背部に高出力ライフルを携えたザクはブースターから
勢いよく火を上げ射出口から飛び立つとそれに続き、ゲイツR、メテオブレイカー
を携えるザクらもそれに続いた。
92 :
勝手に炒飯:2006/04/02(日) 22:17:07 ID:???
この話あたりで痔と兄さん合流って予定なんですが
なんか無駄なことしてしまうせいかちょっと長くなりそうです。
自分が低スペックなせいか書く側に回ると
嫁がレヴェル高く見えて来るなオイ
相変わらずGJな炒飯だ
いくらでも長くしてしまえw