奴隷と日本人
まったく権利のない「奴隷」は日本には存在しなかった。
奴隷とまったく同じ扱いをされても、主人が「もう解放してやる」とひと言いったら、自由になれる存在。
(つまり日本の奴隷は、完全な奴隷ではなかった。法的には自由人にあたる)
奴隷以下の自由人…権利はあっても境遇が奴隷以下になることはある。
戦争中の兵士、極端な貧困の中にある人、契約で莫大な負債を抱えた人など。
奴隷の場合は経済的価値を持つ道具。だから価値・性能を維持・再生産するために、
所有者が食料・繁殖(!)の手配をしなければならない。最低限以上の手入れ、
生活保障をしないと所有者の損失となるのである。
契約さえ守れば、自由民は奴隷以下に扱っても「あとくされ」ない。
境遇が悲惨かどうかは、自由人か奴隷かの区別にならない。(裕福な奴隷は存在できる)
契約の有無が、自由人か奴隷かの、決定的分岐点。
自由というのは、そもそも契約を前提とした概念(コンセプト)
奴隷は売買の対象、自由人は契約の対象→歴然たる区別がある