【嵐の中で】第69次厨腐攻略戦【輝いて】

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353通常の名無しさんの3倍
俺はいつも駅前の立ち食いそば屋で一杯のそばを食べている。
エビの天ぷらが一尾のっかった一杯500円の安いそばだ。
俺は10年も前からほぼ毎日昼休みこの店に通っているが、一度も店主とは話したことがない。
当然、話す理由なども特にないのだが、今日俺は自然に店主に話しかけていた。
「おやじ、今日俺退職するんだ。」
「へぇ・・・。そうかい。」
会話はそれで途切れた。ほかに話題があるわけでもない。
俺の退職は、今日が店を訪れる最後の日であることを表していた。
すると突然、俺のそばの上にエビの天ぷらがもう一尾乗せられた。
「おやじ、いいのか。」
「なーに、気にすんなって」
俺は少し泣きながらそばをたいらげた。些細な人の暖かみにふれただけだが涙が止まらなくなった。
俺は退職してからもこの店に通おうと決めた。
そしてなけなしの500円玉を取り出し、

「ごちそうさん、お勘定!」とありがたく言った。



「750円になります。」