638 :
626:
「ど、どうだ!!これなら――――」
「ミツル!!後退しろっ!!そいつはヤバイ!!」
「背中からぶち込んだんだぜ?流石に――――」
煙の中から、何かが飛び出してくる。
「効かないってんだよおぉ!!」
アーリーの咆哮と共に、αがミツル機へと喰らいつく。
「おらぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
足を掴まれると、ミツルのヴァッフDはそのまま投げ飛ばされたように見えた―――
「う、うわぁぁぁぁぁぁ!?」
「ちっ!!馬力までバケモノしてやがる!!」
咄嗟にシエルは、飛ばされたヴァッフDを受け止める―――
ミツルのヴァッフDは、片足を失っていた。
「すっげぇ馬力………」
1対2の状態であるはずなのに――――
その圧倒的な性能が、優劣を覆していた
639 :
626:2006/02/07(火) 23:47:17 ID:???
「あの角付き……なんて性能だ……っ!!しつこい!!」
ジャッジ・エッゾンは焦っていた。
簡単であろうと思われていた奇襲作戦―――
そこにあったのは、二つの誤算。
一つは、あの新型MS―――
そしてもう一つは――――
「逃がしませんよ。そちらには借りが大量にありますからねぇ」
このパイロットだ。
自機の長所を活かし、相手の長所を殺す方法を知っている――――
間違いなくエース級――
それを窺い知るのは、容易だった。
「…………失敗、だな………シエル、ミツル!撤退だ!戦線を離脱する!!」
通信と信号弾でその旨を伝えるジャッジ。
すぐさま、シエルから抗議の通信が入る。
「大尉殿!!自分はまだやれます!!」
「馬鹿者!!ここで犬死にしてもしうかたかなかろう!!ミツル機の損傷も酷い。撤退は命令だ!いいな!?」
「……了解」
悔しさと不満を一杯にして、シエルは通信を終了する。
それと同時に、三機のヴァッフは閃光弾とチャフをばら撒きながら、深淵の宇宙へと消えていった。
「引き際のいいパイロットですねぇ。腕もいい―――さて、問題はαですか」
ワットがαに目をやると、ヴァッフの右足を掴んだまま、宇宙を漂っていた。
一体誰が乗っているか――――
そんな事を考えながら、ワットはαへのコンタクトを開始した。
突っ込み所満載ですまんOTL