護衛艦隊の出航直前、突然プラントから打診されてきた『警告』。
暴走した無人機の群が、船団集結ポイントに現れる可能性があるという情報。
それを耳にした彼を含む上層部は、プラントが自らさらけ出した醜態に、皆揃って失笑していた。
警告が訴える危険性よりも、今も昔も敵対関係を続けているプラントの無様なミスの方が、彼らにはよほど重要な情報だった。
…仮に、本当に暴走部隊が現れたとしても、そのような欠陥プログラムの元に動く機体なぞ、
取るに足らない存在だろうという考えが上層部にはあっただろう。 無論、司令官自身にも。
それでも一応、警戒配置に付いたものも何者かが現れる気配は一向に無く。
プラントが伝えた情報を、誤報だったのだろうと判断し、安堵しきっていたその時。
それらは、デフリの海の中から現れた。
前大戦で沈んだ戦艦の残骸に潜んでいた、ザフト製のMSで編成された一個中隊が、
突如横合いから、護衛艦隊へと奇襲を仕掛けてきた。
最も近い位置にいたネルソン級の一隻が、横腹を撃たれる形で真っ先に沈められたのを皮切りに
次々とデフリベルトから飛び出し、護衛艦隊を含む移民船団の行く手を阻むように、扇状に展開されていく多数のMS。
一糸乱れぬ迅速な行動で展開を完了させたそれらは、各々近くに存在する護衛艦へと攻撃を開始する。
同時に始まった、多方面からの攻撃に護衛艦隊はMS部隊を分散させ、対処を試みるものも
たかが人工知能、と侮っていた暴走機たちは想像以上の能力を有していたのか、次々と撃破されていく護衛部隊。
戦況は時間経過と共に、明らかに最悪のものへと転げ落ちていく。
「…せめて船団を下がらせろ!
このままでは取り付かれてしまう上に、戦闘の邪魔だ!」
「し、指示はしていますが…
船団が密集しているため、思うように身動き取れずにいる模様です…」
「ええいっ…何をやっているか!」
司令官の動揺を露わにした怒声に、通信士が蒼ざめた表情で答えを返す。
その言葉に傍らのコンソールを拳で叩き、のろまな移民船団へと侮蔑を吐き捨てる司令官。
だが、彼の命令している事自体が無理があるもので。
移民船団の現在位置は、大気圏からさほど離れていない場所で、後退し過ぎれば地球の重力に引き込まれる可能性がある。
その上、多数の船が進む事も出来ず退く事も出来ず、車の渋滞のように密集している状態だ。
下手すればお互いの接触事故すら起きかねん状況下で、そのうえ至近での戦闘。冷静に行動できるはずも無い。
そして、たとえ船団が無事に後退できたとしても
この絶望的なまでに不利な戦況に、劇的な変化が起こりようはずも無かった。
忌々しげに唸り声を上げながら、どう動くべきかと頭を悩ませる司令官。
彼の耳に、索敵を行っていたオペレーターから絶望的な報告が届いた。
「………っ?!
艦長! せっ、船団後方より…敵MS部隊の接近を確認! その数、27機」
「なっ……挟み撃ちだと?!」
その言葉に愕然とし、司令官は悲鳴に近い叫び声を上げる。
――完全に、退路を絶たれた。
戦力に余裕が無く、前方の敵へのみ集中させていたため、後方にMS部隊は一切配置していなかった。
護衛艦も、ネルソン級が2隻存在するするだけだ。
「ええいっ、誰でもいい! とにかくそちらを援護しにっ……」
もはや大局を見る作戦も何もなく、
ただ、その場のトラブルに収拾をつけようとする思考の元、司令官は指示を放とうとした、その時。
彼らの眼前にある、大型モニターのほとんどを埋め尽くした一機のザクの姿。
敵機に、艦橋の目前にまで踏み込まれたという事実をブリッジ内の人々が理解する前に
エイブラハムの艦橋部は、ザクの携えたビームランチャーによって溶かされ、砕かれ、そして蒸発した。
頭部と呼べる位置と機能を兼ね備えた箇所を失ったエイブラハムへ、周到なことに機関部へも閃光の一撃を与え
粉々に爆散していく獲物へと背を向け離脱し、ザクは速やかに別の方向へ向けて加速していく。
次に優先されている攻撃対象、既に仲間たちの手によって守りを奪われ、
丸裸の状態で、行き場を失っている移民船団へと。
――船団のSOS信号を受信し、現場へ急行している途中のミネルバ。そのブリッジ内。
クルー皆が固唾を飲み、口を閉ざしている中、索敵担当のバートが強張った表情で口を開く。
「移民船団を確認…光学映像を回します」
彼の声と共に、正面スクリーンへと映し出される、彼方の映像。
そこには、無造作にへし折られたように、幾片にも砕かれた何隻もの戦艦と
原形を留めないまでに千切れ果てたMSの破片が散らばる、凄惨な光景だった。
――そして今なお、惨劇は現在進行形で。
護り手を完全に失った民間船たちが、無人機の群によって周囲を包囲され、退路も無い状況。
情無き兵器たちは、攻防いずれの術も持たない船へと、携帯火器による砲撃を注ぐだけに飽き足らず。
逃げ出そうと進み始めた船の行く手を遮るように、前方を飛び回る威嚇行為で進路を変更させ
同じく逃げようとしていた、他の船の針路上に出るように追い込むという行動にも出ていた。
…それはまさに、阿鼻叫喚の地獄絵図と呼ばれるものだったろう。
その場に満ちる思念は、恐怖や絶望といったものばかりで。
マイナスの感情と恐慌化した集団心理に背を押され、民間船の群は完全に統率を失い
互いに行く手を遮り、外壁の表面を摺り合わせ、己が身ともろともに相手の外壁を砕く。
その、彼らの混乱と対照的に、冷徹なまでに統制取れた動きで行動する無人機たち。
威嚇射撃や近接武器による攻撃、そして相手の針路が乱れるように仕向けられる巧みな飛行によって
まるで、自動車同士の玉突き事故そのものな状況が今まさに、彼らの手により作り上げられていた。
「……くっ…間に合わなかったか!」
ブリッジ内のクルー全員が、眼前の光景に驚愕し、言葉を失くしている中
後方の、オブザーバーシートに着いていたカガリは呻きながら、肘置きに拳を打ち下ろしていた。
自分で予期していた中でも最悪のケースが、今まさに目の前で発生していて
その事実を凝視する琥珀の瞳は大きく見開かれ、絶望に震えるように揺れる。
「まだです! 全ては沈んでいません! 止める事は出来ます、代表
MS部隊発進! ジュール隊と連携し、一刻も早く敵を撃退しなさい!」
彼女に対してだけではなくブリッジ内全ての人間、そして自らに喝を入れるように声を上げたのは艦長であるタリア。
飛ばされた指示に、はたと我に返ったメイリンは速やかに、待機中のパイロットたちへのアナウンスを開始する。
『MSパイロット各員に通達! 本艦はこれより戦闘宙域に突入します
ザクはレイ機より順にカタパルトから発進してください!』
「……最悪の予想が当たったか」
赤色のヘルメットに内蔵されたスピーカーから聞こえてくる、管制官の声を耳にしながら、藍髪の青年は低く呟く。
彼、アスランが纏うパイロットスーツは因果なことに、以前自分が着ていたものと同じ、ザフトレッド仕様のデザイン。
最初にそれを渡された時、彼は思わず面食らったのだが、
予備として置いていたパイロットスーツに、これの他サイズの合うものがなかったと聞き、納得する。
現在、ミネルバに配属されているパイロットは誰も自分よりも小柄で、合うはずもないのだが
この艦に搭載される予定だったとされる、強奪された三機に乗る予定だった
ベテランのザフトレッドたちのものだとすれば、可能性はあると得心したのだ。
…しかし、久しぶりにこれに身を包むと、気分が引き締まってくるもので。
目を閉じ、天井を仰ぎ、身体の中に残る空気を全て吐き捨てるように、深く息をつくと
開いた双眸には静かな闘志が燐光のように宿り、憂いの表情も掻き消える。
先ほどまで考えていた、最悪の事態への恐れも薄れ、限りなく無心に近い状態になる。
――既に事は起きた。ならばそれを嘆く暇などない。
今は少しでも多くの人を守るために、一心不乱に戦うしかないのだ。
手馴れた様子で、自らの精神のコンディションを整えたアスランは、カタパルトへと向かうべく、鉄の足で一歩を踏み出す。
『インパルス発進スタンバイ、モジュールは『フォース』を選択…』
耳元に伝わるメイリンのアナウンスを聞きながら、マユはコアスプレンダーのコクピット内で厳しい表情を浮かべていた。
今回で彼女は、三度目の実戦を経験することになる。
一度目はアーモリーワンへの襲撃者の追跡。
しかし、強奪された三機の新型機を含めて、全て逃がしてしまう結果となる。
二度目は襲撃者…ボギーワンと名付けられた所属不明艦への追撃。
しかし、地球連合軍の大演習艦隊に阻まれ、それ以上追撃することが出来ず、遠回りで追う羽目となった。
そして三度目の任務は、襲撃を受けている船団を助け、被害を最小限に抑えるという内容で。
敵は自軍の開発した無人兵器の暴走部隊。 護る対象は、地球から上ってきた移民船団。
カガリからの話によれば…その移民船団は、前大戦で焼き出された難民たちを月都市へ移住させるためのものだという。
戦争に巻き込まれ、家や家族を失った人々……その境遇は、自分と全く同じものに感じられて。
そんな人たちが、新しい生活を取り戻そうと新天地へ向かっていた船が、あろうことか襲撃されている。
マユはその事実に激しい怒りを覚えていた。 何故、何故彼らが再びそんな目に遭っているのかと。
同じように家族を失った自分は、それでも優しい人たちに出会い、助けられ、
家族を得て、友人を得て、あの時に比べると信じられないほど幸せに生きているというのに。
「死なせない…死なせないよ!」
操縦桿を掴む手に、きりりと篭められる力。 小さく呟かれたのは、己を奮い立たせる言霊。
『射出システムのエンゲージを確認。 カタパルト推力正常…進路クリアー。
コアスプレンダー発進、どうぞ!!』
「マユ・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」
メイリンの指示に導かれ、カタパルトへ移動した戦闘機は、乗り手の声と共に滑走路上で加速する。
ミネルバからの全機発進と同時に、随伴するジュール隊のナスカ級2隻からも、
ザクやゲイツRといったMSの発進が完了される。
一刻を争う事態。 皆、互いに言葉を交わす余裕も無く、目の前にある一方的な殺戮のフィールド目指し突撃する。
彼らの襲来に、移民船団へと攻撃を仕掛けていた『レギオン』たちは気付き、同時に攻撃の手を止める。
その空白…『群』の思考は短いもので。 十秒にも満たぬ間を置いた後、再び動き始める。
半数きっちり、数を二手に振り分けられた部隊。
一方はは襲来者の阻止及び排除へ。 一方は先ほどまでと同じ行動を取る。
「…機械ぶぜいに、俺たちも見くびられたもんだな」
ギリと歯を軋ませながら、忌々しそうに吐き捨てたのは、MSのコクピットシートに座するイザーク。
艦隊指揮を艦長に任せ、愛機のスラッシュザクファントムを駆り、自らも戦闘宙域に飛び出したのだ。
彼は激しい憤りを感じていた。自分らのことを、部隊の半数を向ければ大丈夫と判断したであろう、無人機たちに対して。
コンソールのキーを叩き、イザークは自分の指揮下にあるMS部隊へと通信を送る。
「各部隊に通達。遺憾なことに敵の詳細なスペックは公開されていない。
相手を侮るなよ! 十分に注意し、複数で連携を取って対処しろ!」
『えっ、マジかよぉ!? まさか、こんな事態になってまで軍事機密とか言ってんじゃないよナァ?』
「…そのまさかだ!
まったく、上は何を考えているんだ! この期に及んでデータの出し惜しみなどっ……!」
伝えられるくだけた返答、相棒のディアッカからの不満の声に、イザークは憤りを隠すことなく吼える。
彼は軍本部よりミネルバ援護の命を受けた時に、これから戦うであろう敵の情報公開を求めた。
これは指揮官として至極当然の要求だったろう。 相手は未知の兵器とはいえ、自軍で開発されたものなのだから。
部下を少しでも危険な目に合わせないようにと、レギオン搭載機の詳細なデータ提供を求めたのだが…
いくつもの手順を踏んだのか、随分な時間をかけて返ってきた答えは、NOだった。
とにかく『レギオン』については、軍の最重要機密に位置しているため一切のデータ公開は無い、と。
その言葉が、彼の感情により油を注いでしまい、今のような激昂状態になっているのだろう。
「…今分かっている情報によれば、あれらには『隊長格』がいることは確かなんだ
それを潰せば簡単に状況を収めることが出来るというのに……なのに、何を考えているんだ上は!」
彼が言うように、事態の迅速な収拾にはホストコンピューターに代わり無人機を指揮しているであろう存在
臨時状況における『レギオン』たちの隊長を務める役割を与えられた機体が、一機存在しているのだ。
それを破壊すれば、命令系統を失った彼らは機動停止するか、そうでなくてもこちらに有利な状況になるはずなのだが…。
しかも相手がどのような機種によって編成されているのか、どのような装備をしているのか、それすら分からない状況。
そんな詳細の分からない敵と戦うことを、部下たちに強いるという危険性に、彼は苛立ちを覚えていた。
かくして『レギオン』部隊と、ミネルバ隊、イザーク隊との戦闘の火蓋が落とされる。
敵部隊は数機のザクを有しているが、残りはジンやシグー、ゲイツといった旧式機で構成された30機の部隊。
対して、こちら側の戦力はミネルバから5機、イザーク隊は2中隊24機…計29機の編成。
数はほぼ互角な上に、大半をザクで構成するこちらの方が、『レギオン』部隊よりも有利なものかと思われた。
しかし、その予想を覆すに十分な要素を『レギオン』たちは有していた。
「くぅ……早いっ!」
インパルスを駆るマユは、相対するゲイツの動きを追いかけながら、歯噛みしていた。
互いに一定の距離を保ちつつ、相手の側面を狙うべく、あるいは相手に側面を取られないように描かれる螺旋回転。
相手を真正面に捉えたまま横移動するインパルスが放つ射撃を、敵は縦横に機体を揺することで回避する。
急制動に急加速、そして上昇下降を織り交ぜて火線から逃げるランダムな動きに、翻弄されながら、少女は戸惑う。
明らかにそれは、強烈なGを伴う危険な回避行動だというのに。 相手はそれを何度も繰り返しているのだ。
――それこそが『レギオン』の強み。 乗り手を必要としないことで可能になった、高機動操縦。
マユはその無理のある動きに翻弄されながらも、七発目の射撃でようやくゲイツの胴を穿ち、爆散させる。
「っはぁ、はぁっ……」
緊張と疲労による汗の玉を額に滲ませながら、マユは荒く上がった息を整えるべく、目一杯に空気を吸い込む。
型遅れの機体を用いながらも、ここまで戦える『レギオン』の戦闘技術は、並みのものではなかった。
コンピューターに組み込まれた多くのパイロットの戦闘データと、
無人機ゆえに可能となった、機体性能をギリギリまで引き出した常識外れの高軌道が、それを作り上げた。
ホント、なんてモノを作ってくれたんだろうと。 マユは胸中で毒づいていた。
しかし…今はそんなことを考えている暇は無い。
「――次っ!」
荒い呼吸をなんとか整えた少女は、休息が足りないと悲鳴を上げる身体に鞭打ち、新たな敵を求めて再び駆け出す。
「ったく、デフリ戦は成績良くないんだけどね!」
ガナーザクのコクピット内で独り言つルナマリアは、両手で抱え持つ巨大な砲を取り回しながら、戦う。
つい先刻作られたばかりの、戦艦やMSの破片によって成るデフリの海に見え隠れする敵を追いながら。
相手は型遅れのジン。 彼女が持つオルトロスならば、一撃で破壊できる相手なのだが…
なにせ周囲は逃げ回るのに格好な遮蔽物が多い上に、ジンの動きは信じられないほど俊敏だ。
これを倒せたとしても、敵の数は多いと聞く。 無駄玉の許せない状況下で、少女は顔をしかめさせる。
彼女の前を飛び交い、浮遊物から浮遊物へと移って移動していく相手を狙い、銃口を小刻みに動かしながら、彼女は待つ。
敵が自分へ刃を向けてくる瞬間を。 回避から攻勢に転じる瞬間の隙を。
――来た。 戦艦のブリッジブロックに隠れていた敵が姿を現し、こちらへと真っ直ぐ突撃してくる。
幸い、相手は近接武器の重斬刀のみを装備してる様子で。 自分を攻撃できる間合いまでの距離はそれなりにある。
「来たわねッ!」
物陰から飛び出してきたジンへと一発、二発。 着弾点をずらし立て続けにオルトロスを放つ。
――しかし、相手はそれを読んでいたのか。 弾丸が如く突撃しながら、機体をぐるりと一回転させた。
結果、胴へ当たるはずだった弾は僅かにずれ、片腕と頭部を破壊するだけに留まる。
本来ならばそれだけでも、相手の動きを止めるに十分な損傷だったろう。 …相手が人間だったなら。
だが、相手はその損傷をものともせず、速度を落とすことなくザクへと肉薄する。
両手持ちの砲を用い、射撃に専念していた彼女がそれに対応するのは、もちろん困難なことで。
容赦なく振り下ろされる、黒い刃を前に動くことも出来ずに、絶望に凍りつく。
――瞬間。 二機の間に割り込んでくる緑の影。
肩のシールドを用い重斬刀の一閃を阻み、シールドを捻ることでジンの刀を掌から弾き飛ばす。
敵の武器を奪えば、後は一方的なもので。
乱入してきたザクは脚部を跳ね上げ、ジンの腹に強かな蹴撃を与え、無理やりに距離を開ける。
そしてすかさず、手にしていた突撃銃を構え、コクピット部分を撃ち抜く。
……その、一連の鮮やかな手際を、ルナマリアは先ほどの絶望から抜け出せない様子で、ぼんやり眺めていた。
『――ぉぃ……大丈夫か? 返事をしろ』
「…ぁっ? は、はい! 大丈夫です、アスランさん」
自分を助けてくれたザクから伝わってきた青年の声に、ハッと我に返ったルナマリアは慌てて返事する。
『いいか。 こいつらは無人機だ…自らの被害をまるで気にする相手じゃない。
胴以外を狙った攻撃では怯まない。 確実にコクピットなり機関部を狙い、確実に仕留めるんだ』
「りょ、了解」
モニター端にその姿を映す青年からの言葉に、ルナマリアはどもりながらも頷く。
画面の彼は、彼女の姿を一瞬心配そうな眼差しで見ていたが…それ以上何も言わずに通信を切ると
鉄の身を翻し、混戦の様相を見せる宙域へ向けて飛び去っていった。
「……あれが、アスラン・ザラ……ザフトのエース…」
あっという間に離れていく背姿を、少女は呆然とした様子で見送っていた。
――戦況は当初の予想を覆し、圧倒的に不利な方向へと進んでいた。
特にジュール隊は出撃経験の浅い新兵も少なくなく、『レギオン』搭載機の並外れた行動を前に
対処しきれずに一機、また一機と撃破され、均衡していた戦力差は開いていく。
「くそっ! いいようにやらせてなるものかァァ!」
手にした長柄の武器、ビームアックスを振りかざし、
部下の機体へとシールド内蔵のガトリング砲を向けていたシグーを薙ぎ払いながらイザークは吼える。
シグーの胴を鮮やかな袈裟斬りに両断し、即座にその場を離脱し、味方を襲う敵へと襲いかかる。
獅子奮迅の動き…見ようによっては無謀な突撃にもとれる戦いぶりを繰り広げる
彼のスラッシュザクファントムをサポートするのは長大な砲を抱え持つ、ディアッカのガナーザク。
背後へと回ろうとするジンの背を正確に撃ち、撃破する。
『このまんまじゃあマズイよなぁー、イザーク。
敵はまだ、半数も減ってないってのに』
「分かってる! だから俺たちがやらねばならんのだろうが!」
ディアッカからの通信に、秀麗な面を歪ませながらイザークは言う。
そう、こちらへ差し向けられてた30機以外にも、船団を襲う残り半数は未だ健在。
なんとしてでも目の前の敵を倒し、一刻も早く船団への攻撃を止めさせなければいけない現状だ。
さしものエースパイロットにも、疲労の色が見え始めていたその時、横手から飛来する一機のジン。
僅かに反応の遅れたザクファントムへと、M68キャットゥス無反動砲を向ける。
青年は自分の失態に舌打ちしながら、なんとか直撃だけ避けるべくその場を離れようとする。
…しかし、砲撃は来なかった。 背後から飛んできた一条のビームに、機動停止するジン。
その閃光の形状はオルトロスのものではない。 驚きの表情でイザークがそちらを向くと
『無事か!? イザーク!』
聞きなれた、それでも久方ぶりに耳にした声はビームを放った主…ザクからのものだった。
「アスラン! 貴様今まで何処で何をやっていたんだァッ!」
『ちょ、ちょっと待て、今はそんな事を話してる場合じゃない。
…それに、俺がオーブにいるってことは以前カガリから伝えられてただろう?』
以前、自分がザフトにおけるライバルと決めていた男、アスランの登場に思わずイザークは怒鳴ったが
伝えられてきた、素っ頓狂に驚いた声と、彼の告げる内容を聞き、声量を僅かに下げる。
「…分かっている。 今は一刻も早く船団の脅威を払わねばならない。
シホ、お前はウィッジの小隊の援護に回れ!
ディアッカは俺について船団の方へ来い。 アスラン、貴様もだ!」
『あいよっ、任された!』
『了解しました、ジュール隊長。 …どうかお気をつけて』
『分かった、イザーク。 お前の指示に従おう』
「…フンッ! 当然だ民間人!」
己の部下からそれぞれ返ってきた言葉、そして本来部外者であるはずの過去の戦友の言葉に
イザークは憎まれ口を吐きながら、それでも心強い援軍の登場に口の端を上げつつ、ブースターを吹かせ速度を上げる。
そして、彼の先導に続きディアッカのガナーザクと、アスランのザクも駆け出す。
未だ無防備な身体に攻撃を受け続ける移民船団と、その襲撃者たち目がけて。
敵との交戦を開始したMS部隊を、固唾を飲んで見守るのはミネルバのブリッジクルーたち。
彼らはその場を動かず、ただ戦況を見守り、帰還してくる機体を収容する役目のほか、今は出来ることはない。
なにせ、相手はMSだけなのだ。 艦砲射撃をしてもそうそう当たるはずもなく、絶対撃つわけにはいかないのだ。
下手をすれば…自分らが救うべき民間船を盾にされるのがオチなのだから。
せめて、こちらへも手を差し向けてくれれば攻撃の術はあるものも
はじめから『レギオン』たちは戦艦に見向きもせず、こちらのMS部隊と船団への攻撃のみを行っている。
不利な戦況だというのに、こちらには支援のしようがない。 その状況に誰もが、歯がゆい思いを抱いていただろう。
居たたまれなくなるような沈黙の空気。 それが突如、切り裂かれる。
「ブルー18、マーク7チャーリーに連合艦隊を確認
アガメムノン級が2隻と……アークエンジェル級が一隻です!」
「ッ?! なんですって!」
バートからの報告はあまりに唐突かつ、衝撃的な内容で。
移民船団を挟んで、自分たちとは反対側から現れた3隻の地球連合軍戦艦。
しかも、その中に含まれているアークエンジェル級は…過去にザフトが何度も痛手を受けている戦艦だ。
だが…2番艦『ドミニオン』は前大戦で沈んでおり、1番艦アークエンジェルについても戦後行方知れずのはずだ。
「あ、アークエンジェル級だと?!
まさかあれまで再び建造しているのか!」
タリアと同じく、その報告に驚きの声を上げたのはカガリ。
やがてメインモニターの一角に映し出された映像の中心に見える、特徴的な形状の艦を見て、愕然とする。
それは、色は違えども彼女がよく知る戦艦と瓜二つで。
カガリはそれを見て、怒りを露わにする。
「一体……何処まで軍備を強化すれば気が済むんだ、連合は!」
ダンとシートを叩きながら、歯噛みする娘。
しかし、彼女の反応とは違い、タリアは一瞬表情を明らませるとメイリンの方へと振り向く。
「メイリン、向こう側との連絡はつく?」
「……可能です! 少し待ってください!」
艦長から下された指示に、メイリンは相手の位置を確かめてから頷き、コンソールを操作し始めた。
支援?
一方、件のアークエンジェル級『ケルビム』のブリッジ内では。
眼前に繰り広げられる、一方的な殺戮劇にクルー全員が言葉を失っていた。
ブリッジ中央に位置する艦長席に座するシャーナも、悲嘆するように柳眉を下げ、瞳を細める。
『あのMSども………なんて事をしやがるんだ、ザフトめ!』
愛機のモニターに映し出される、ブリッジから転送映像を見ながら、ラガーシュは拳をコクピットシートに叩きつける。
痩せぎすの相貌に浮かぶのは、激しい怒り。 睨み殺さんばかりの視線を、空間を蹂躙するMSに向けながら。
移民船団へと攻撃を仕掛けている部隊は、識別コードを発していないものも、
それらはジンやゲイツといった、ザフト製のMSばかりで構成されていた。
一見すれば、ザフトの手によるものだと考えるのが普通なのだが…
「大佐、我々以外にも救援部隊がいるようです。
しかしこの識別は…ザフト軍です!」
『は? なんだと…』
オペレーターからの報告を伝え聞き、怪訝な声を上げるラガーシュ。
「ザフト所属コードの戦艦三隻と、
その艦載機と思われるザフト識別のMS部隊がアンノウン部隊と交戦中です。」
『どういうこった…仲間割れか?』
不可解な事態を聞き、眉根を寄せながらモニターの中で指揮官は唸る。
…そして、奇妙な出来事は続くもので。
「大佐、前方のザフト艦より通信がはいってます…私が応対してもよろしいでしょうか?」
『あ? …分かった、お前が相手しろ、シャーナ』
「はい、それでは…」
部隊の指揮官から許可を受けた女艦長は、コンソールを操作し、相手との回線を開いた。
操作から少しの間を置いて、メインスクリーンに白い軍服姿の女性が映し出される。
『ザフト軍所属ミネルバ艦長、タリア・グラディスです』
「こちらは大西洋連邦軍所属ケルビム、艦長のシャーナ・ラーミエル少佐です。
グラディス艦長、一体どのようなご用件でしょうか?」
所属を名乗る女性へと、自分も同じように名乗ったシャーナは、彼女へと用件を問う。
『現在、セレネ移民船団を攻撃中の部隊についてです。
あれは我が軍のテスト中に暴走した、無人MSです。現在ザフトの総力を持って攻撃していますが…
相手の数が多く、処理しきれないために被害がより拡大する恐れがあります。
そこで、貴艦に鎮圧へのご協力をしていただきたいのです』
タリアの語る説明に耳を傾けながら、シャーナは自分の前にあるコンソールの画面に映る男を見る。
モニター越しに彼女の視線に気付いたラガーシュは、無言のまま一つ、頷いてみせた。
「…我々もセレネ船団のSOSを受けてここへ急行しました。
その、暴走の経緯など気になる点は多いですが…事は一刻を争います。共に協力しましょう」
『感謝します、ラーミエル艦長。
なお、暴走機体は全て我が軍の識別コードを出しておりません。
混乱した戦場での識別は、困難なことかと思われますがお気をつけていただきたいです』
「了解しました。 我が部隊も速やかに出撃させます。御武運を…」
ミネルバとの通信が途切れると、シャーナは再びラガーシュへと告げる。
『大佐、お聞きの通りです。 ザフト軍識別の部隊は、現在のところ味方ですので、お気をつけ下さい』
「分かってるさ…無駄弾を撃ってる余裕なんざねぇ。 心配するな」
一連の会話を、腕組みしながら静かに聞いていた男はそう答えると、傍らのコンソールに指を踊らす。
僚艦を含む艦内全域、及び艦載機全て。彼の統括する部隊『シュヴァルツヴィント』全員に対して音声通信を送る。
「いいかぁ野郎ども! これから俺たちが相手するヤツらは、間違いなく地球人類の敵だ
無力な移民船団を群れ成して襲う、文字通り血も涙も無い、ただの糞以下の機械どもだ!
一切の遠慮はいらねぇ…容赦無用で撃ち砕け スクラップも残らぬ塵に変えてしまえ!
どうやら今回の事件に噛んでるらしいザフトからも、殲滅部隊が来てるようだが気にするな
いいな? 全て俺たちでブッ潰すんだ! 地球の敵は、俺ら地球の人間の手で排除する!」
『イエッサー!』
『やっちまいましょうぜ大佐! あんなオンボロ機械どもなんて!』
それは高らかに響き渡る、士気高揚の言葉。
指揮官の声に呼応するように、そこかしこから飛んでくるクルーたちの気合の声。 雄叫び。
それはMSパイロットたちのみならず、ブリッジからも、モビルスーツデッキからも、艦の機関部からも生まれる。
『了解っす、大佐。
無人のMSなんて、ふざけたモン作ってトラブル起こしてやがるザフトの鼻を明かしてやりましょうぜ』
ラガーシュの愛機に隣接するMSから伝わってきた声は、
MS部隊長を務める青年、ヴァルアス・リグヴェート少佐のものだ。
「おし……じゃあ出撃だ。
シュヴァルツヴィント! 全機、吶・喊ッッ!」
ラガーシュの言葉を皮切りに、次々と射出されていくMS部隊。
異様なことに、それらは全て漆黒基調のカラーリングを施されたもので。
宇宙空間の暗闇の中で、その輪郭はおぼろげなもので機体の判別がつきにくいが
もしもその全容を見ることが出来れば、特徴的な姿からすぐに判別できるだろう。
ダガーシリーズよりも鋭い、バイザー型のメインカメラ。 せり上がった肩部。 細身の体躯。
――GAT−04 ウィンダム。 それがかの機体が冠する名。
大西洋連邦を中心とし、ダガーLの後継機として開発された新型MS。シュヴァルツヴィントはそれらを主力としていた。
移民船団のいるポイントへと向けて飛び立つ群の中、
先陣を切るのはアクセント程度に真紅を差したカラーリングのウィンダム。
そこから、全部隊に対して通信が送られる。
「全機に通達。 無人機の連中は識別コードを発してない。
ザフトの識別出してる奴らは、今回は味方だ。 間違えて撃つなよ?」
旗頭を掲げるように、群の先に立つ機体を駆るのは指揮官であるラガーシュ当人だった。
彼の元へ、一機のMSが群から飛び出して近寄ってくる。
これもまた、他と同様に黒に塗装されているが…機体は全く異なるもので。
かつて、少数生産され名だたるエースパイロットたちが愛用したとされるMS、ソードカラミティ。
それを駆るのは、ラガーシュの片腕であるヴァルアス少佐だった。
自分の傍らに寄ってきたその姿を見て、男は乗り手へと語りかける。
「ヴァル、一番槍はお前に任せる。 俺はあいつのフォローに付いておく」
『了解。 …しかし、ちと過保護じゃあないすか? 大佐。
あいつだってやれば出来るヤツだと思いますがね』
「俺から見りゃ、まだまだヒヨっ子さ。 危なっかしくてしかたねぇ。
…そりゃ、才能があるのは認めるがな。それは戦場でしか磨けねぇものだ。 そして、死んだら元も子もない」
返ってきた青年の言葉に、ラガーシュはバイザーの奥で微かに苦笑っていた。
ケルビムのMSカタパルト…出撃の手順の関係で、他の部隊よりも少し遅れて、出撃せんとする機体が一機。
そのコクピットに座る少年は、初めての宇宙での実戦に、緊張感を覚えながら発進を待ち構える。
『ストライクmk−U発進準備。 装備はストームパック』
彼の乗る機体。 それは先の大戦で活躍した、GAT−X105ストライクの後継機として開発されたMSで。
新型のストライカーパック『ストーム』の試験に用いられ、その後シュヴァルツヴィントへ渡されたものだった。
その背部に、対艦刀が固定された大型のブースターパックが装着され
同時に左手にも、ビームガトリングをマウントしたシールドが装備される。
『ストームパック装着完了。 ストライクmk−2、発進どうぞ!』
『無茶しないでね。 新兵は任務よりも、まずは生還することが大事なんだから』
「ありがとう、シャーナさん。 いってきます」
管制官のオペレートの後に伝わってきた、艦長の柔らかな声に彼は深く頷き、敬礼を返す。
そして、真っ直ぐ正面を睨み据える。 開きつつあるシャッターの彼方に見える、チラチラと輝き走る戦火を。
――あそこに。 何の罪もない、戦争の被害者たちを襲っている奴らがいる。
バイザーの奥に隠れながらも、なおその鮮やかな色彩を宿す真紅の瞳が、怒りに眇められる。
「絶対に止める…一人でも多くの人を守ってみせる!」
己の胸中に渦巻く言葉を取り出し、確かめることで鼓舞されていく彼の心。
かつての自分には――恐らく、何を守る力も無かった。
それゆえ、欠けた身体と命以外の、それまで持っていたはずの『全て』を失ってしまったのだ。
いたであろう家族も、それらを焼き付けていたであろう記憶すら、彼にはない。
――代わりに、新たにもたらされたのは悪夢。
周囲を包む炎、黒煙、爆風、瓦礫の山。 そして、その中に佇む、死の使いが如き蒼い翼のMS。
恐らく、それが全てを失った瞬間。 彼はその悪夢にいつもうなされ、怯え続けていた。
けれどやっと――自分はここまで来た。
力を得ることで、全てを奪った、理不尽な暴力の恐怖を克服するために。
そして、空っぽのまま打ち捨てられ、死にかけていた自分の命を救い。
胸の空白を埋めるモノ。人の暖かさを、居場所を、家族を与えてくれた人たちに報いるために。
仲間たちはその思いを受け止めてくれて、自分に多くの事を教えてくれた。 戦う術、守る術、そして生きる術を。
特に、養父であるラガーシュは本当に親身になって自分に接してくれた。 厳しくも優しくも。
そうやって手に入れた力を――ついに使う時が来た。
かつての自分と同じ境遇…立ち向かいようのない暴力の前に、命もろとも全てを奪われていく人々。
何よりも、そんな人々を守りたかったから…自分はここまで来た!
「シン・イゾルデ、ストライクmk−U、行きます!」
彼の声と共に、ストライクmk−Uはカタパルト上を滑走し、虚空へと身を躍らせる。
そして、絶望と恐怖が支配するフィールドへ向けて、背中のブースターを吹かし、飛び込んでいった。
506 :
あとがき:2006/01/01(日) 20:28:54 ID:???
戦闘描写にブリッジ内描写と、苦手分野の場面ばかりに埋め尽くされて息も絶え絶えだった舞踏の人です(長っ
今回は最長の作品になりますね…制作期間も、もっとかかるもんだと予想されていたのですが、
ここで投入された燃料…無印種&種運命のサントラにより、種割れできました!(ぉ
ううむ、戦闘描写の時に聞くと非常に燃えます。あなどれませんこれ。
さて、今回はオリジナル部隊、しかも大規模なのを出すというオリジナル色満載の内容でしたが
ちょっと目立ち過ぎじゃないだろうか…でも初登場なのでこれくらいやっていいものかしらんと試行錯誤してました。
皆様からの反応が気になるところです…
ちなみに今後、彼ら及びファントムペインにスポットが当たることもたびたびあると思います。
そしてもう一つ、ついに出てきたシンについて。
他の作品とは異なるものを書いてみたいと思い、このような立場にしてみました。
一風変わった環境に置かれたシンが、どのように成長していくのか。これも物語の根幹としたいところです。
舞踏GJ!
新型AA級ですか!うーん、燃える展開ですなぁ。
無人機ならではの非情っぷりがエグイ。じわじわと……ですか。
よもやシンが出てくるとは思いませんでしたが。
なにはともあれ、新年早々いいものを投下していただきありがとうございます。
スレの終わりにいいものを見れてよかったです。
今、486Kだから丁度いいじゃないの
>>460 アスランのゲイツはやっぱり赤いの?ねぇねぇ
511 :
256:2006/01/02(月) 12:57:14 ID:???
舞踏乙!
戦闘描写が良くて、バトル好きな私には至福のひと時でした!
黒で統一されたMS部隊というとCVのブラックバンガードを思い出す俺は
おっさんなのか?w
そして、最後に出たストライクMkUとシン!!やっぱり燃える!!
ファントムペイン版や隻腕シンとは違った活躍、期待します!
しかし、シンとケイが同じ陣営か〜これは面白くなりそうな予感・・・
こっちも面白い……orz
読む作品が四つに……
舞踏の人乙です
オリキャラに関しては、個人的には同人アニメ版みたいにヤリすぎなければ問題ないと思ってます
オリジナル展開な上にキャラ数もかなり多いので、上手くまとめきれるかが懸念ではありますが、見事風呂敷を畳めれば名作になる予感がします
がんばってください
単発設定小話 脇話「ファントムペインとインド洋」
〜インド洋、ガーティ・ルー内会議室〜
ネオ「よし揃ったな。じゃあ作成会議始めるぞ」
ステラ「うぇ〜い」
ネオ「・・・ステラなぁ、その気の抜けるような返事はやめてくれよ」
ステラ「・・・ごめんなさい・・・・・・」
ネオ「よし。じゃ気を取り直して・・・諸君!我々は先ほどザフトの船、ミネルバを確認した」
アウル「へぇ、やつらもこの海域にいるってことか・・・」
ネオ「うむ。で、宇宙での借りをそろそろ返さないとと考えているわけだが・・・」
スティング「・・・ネオ。やつらはミネルバだけなのか?」
ネオ「さっすがスティング、リーダーはやっぱ違うね。やつらは地球のザフト軍とすでに合流しているようだ」
シン「ふーん・・・俺とスティング、アウルにステラっと・・・ちょっと戦力不足か?」
アウル「シン、ここは海だぜ。やっとアビスの本領が発揮できんだよ。戦力十分さ!」
ネオ「アビスにはもちろん大活躍してもらうがな。今回はせっかくウィンダムの大隊を借りることができたんだ」
スティング「へぇ、じゃぁあまり雑魚にかまわなくてもいいんだな?」
ネオ「そうゆうこと。でもスティング。今回はアウルに主役をゆずれよ?」
アウル「そうそう、これまでシンとスティングばっかだったもんね。今回は俺がしゅ・や・く!」
ステラ「・・・ステラも主役してない・・・・・・」
アウル「・・・ガイアは微妙だからなぁ。まぁサポートも立派な仕事だよ?」
ステラ「・・・仕事・・・・・・わかった。ステラ、サポートする・・・・・・」
ネオ「うんうん、いいねぇこの雰囲気。チームって感じがするなぁ」
シン&スティング「ああ、そうかい・・・」
ネオ「すねんなよ、二人とも。ああそれとなシン、お前はこれから別行動だ。」
シン「!?ハァ?別行動?・・・なんでだよ!?」
ネオ「上からの命令さ。これからすぐにロシア経由でベルリンまで飛んでくれ」
シン「大佐の上って一人しかいないじゃないか・・・くそ、せっかくインパルスと決着つけれると思ったのに」
アウル「っくっくっく。さすが人気者は忙しいね」
スティング「今回は俺たち3人に任せておけよ。メインデッシュは残らないけどな!」
ステラ「・・・シン、風邪・・・ひかないでね?」
シン「おぉうい!もっとこう、シン行くな!とか残ってとかないわけ?・・・なんか俺のけもんじゃん!」
ネオ「まぁまぁお前にはオーブ謹製ムラサメをやるから。な、今回は我慢しろよ」
シン「え?アプレンティスは?」
ネオ「お前がシステムチェックさぼるからいまだ調整中だ!」
シン「いや、もらったものはすぐにチェックしたぜ?まだ調整中ってことはないだろう!?」
ネオ「問題は他人事じゃなくて、お前自身のことなんだよ。・・・要するにお前と機体の相性の調整がまだ
不完全なの。システム系は成績優秀だったろ?移動中に自分の思うとおりに修正しとけってこった」
シン「・・・・・・へいへい・・・・・・」
〜出発するシン〜
シン「で、なんでまた偵察型なの?」
ネオ「ちっちっち。よ〜く見ろよ。背中の円盤の淵を・・・・・・」
シン「ん〜・・・・・・ネフェルテム・・・か!?」
ネオ「あれのテストもしといてくれよ・・・」
ステラ「・・・・・・シン、がんばって・・・」
シン「・・・ステラ・・・ありがとうな。見送りにきてくれて」
完
保守カキコ
ヒトイネ(爆笑)
みんな次スレに行ったからだよ
たかだか10レス前くらいちゃんと読めや
518 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/05(木) 09:19:06 ID:R62JzUbT
ume
あの悪趣味なメッキを剥がしただけで、かなりまともに見えるな
個人的にストライクMkUはIWSPあたりで落ち着いて欲しいかな
そんなことより、普段感想書いて下さってる皆さん。ちょいと聞いて下さいな。
資料にしようと思って休みの間に種デスのビデオ借りてきて見たんですよ。種デス。
戦闘シーンだけチェックしようと思って。
……激しく創作意欲が萎えますた orz
いや、だからこそ、書いているという側面もあるんですが……なんというか、久しぶりに見て「当てられた」感じで。
もうちょっと毒気が抜けるの待って書かないと、なんだか悪い方向に引っ張られてしまいそうです……
きらきゅんがしゅつげきしてふるばーすとしても、なおらないよ! 別の病気になるだけだよ! (゚∀゚)
他の作者様の作品、じっくりゆっくり時間かけて読んで、毒抜いてきます……。
>>522 内容を確認するだけなら小説にしといた方がいい、マジで
心理描写はともかく事実関係や設定は、一応全部公式のはずだからさ
あの本編は本気で死ねる
漫画版でも駄作にとりわけ強い耐性を持つMARスレでさえ死人が続出したほどだ
どんなに自画自賛しても二次は二次、と。
二次でも一次でも惨事でも、良いものは良い 悪いものは悪いさ
種は素材は悪くないんだよ 全部が悪いわけじゃないんだよ どっか重要なとこが狂ってるけど
優れた部分もあるからこういう二次もでてくるんでないの
種死はあれだな、雨降って土砂崩れって感じだな
固まらなかったとゆーか、固められなかったとゆーか・・・
・・・・・・たった今「今日の出来事」で種の曲使われてたなw
まあ曲だけはいいからな
本当にアニメで唯一褒められるとこ
曲か・・・好きな曲は「ミッション開始」、「覚醒シン・アスカ」、「キラ、その心のままに」だな
「悪魔との契約」だっけ?
デスティニーとレジェンドが初めて登場した時の曲。
あれは素直に格好良い曲だと思った。
曲しか良いと思わないアニメの板になんでいるの?低学歴さん
>>529 あれはあれで好きだが、やはり歌詞つき専用曲が欲しかった
くそ、ヴェスティージ・・・
連合好きの自分は「戦略進展せず」と「始まりが故」にがお気に入り
これSS執筆中はこれよく聞いてる
設定とかは良いのあったりするからこそ
種、種死と関わらず素晴らしいSSが生まれてくるんだよなぁ
料理人の腕が良いとここまで美味しくなるというのに
握った拳の強さで砕けた
願いに血を流す掌
果てない翼と鎖はよく似て
重さで何処にも行けずに
失くすばかりの幼い眸(ひとみ)で
人は還らぬ星を偲(おも)う
掲げたそれぞれの灯を命と咲かせて運んで往くことが運命
耀(かがや)き刻む
誰もが優しい刻(とき)の痕跡(きずあと)
終わって泣いても代わりを作って
総ては忘れる為に在る…?
明日が空から降る羽のような醒めて切ない幻でも
夢中で傷つく事を「イキル」と云うなら消えない君だけが真実
残して此処に
眩しく儚い僕等の痕跡(あと)を
掲げたそれぞれの灯を命と咲かせて
運んで往くことが運命
耀き刻む誰もが優しく
夢中で傷つく事を「イキル」と云うなら消えない君だけが真実
残して此処に
眩しく儚い僕等の痕跡(あと)を
「キラの歌」ねぇ・・・
,. <`ヽ、 `丶、ヽ>、 /∨ | : ┃┃
/ __ `ヽ `ヽ  ̄ ヽ /7 / | :::.. ┃┃
// /へ \ > > へ 〈 ヽ // / /^! .:::::::... ┃┃
// く ヽ//// / へ\\ i // / / / ::: ┃┃
i〈 `丶、__// // \\`!'ノノ / / ..:::::... ┃┃
,.. -‐-L `丶、__/ // / \ ヽ V{ {. / ::::. ┃┃
〔 `丶、 く く く ◇ > 〉{ .::: ... } .::: ┃┃握った拳の強さで砕けた
ヽ、__/TT>-、 `丶、ーゝ_\ \_/ / !`丶、 .::::::::/ .::::::... ┃┃
_∨/彡Y⌒ヽ、、 `丶、 ̄ ̄ ̄ / ヽ::/ ┃┃ 願いに血を流す掌
/ r{ / { 入 ヽ三>-、_ー一'′ ____,ノ'´ ┃┃
r┘ | }‐''"´ヽヽ〈{  ̄ 大_け¬ ̄.:: r┘┃ _ ┃┃果てない翼と鎖はよく似て
ノ レス ゙L」 .:: ∨/ / ┃ _/ l ┃┃
./ |V >、 ! / _」 ̄ ┃ // |r┐ ┃┃ 重さで何処にも行けずに
l ヽ_」 |ヽ、 ハ、 __,Y/ ┃ 〃' i' l : ┃┃
! \レ'」ヽ 丶、 ┬'/ _/// / / :::...┃┃ 失くすばかりの幼い眸(ひとみ)で
ヽ `ヽ ハ'フ〔「 ` ー一' / f'/「/ / ! .:::::┃┃
ヽ 「⌒〈 _| ,. -‐'′ /ノ l l / | ...:::::::┃┃ 人は還らぬ星を偲(おも)う
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|ハ ∨ { / === V / ....:::::...┃┃
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_, イ//r‐‐<テ三三三`ヽ、
,∠,rこ二二二、 ̄\:ヽ二二:.:.:ミト、 ニ_|_
/://(Tト、:.:.:.:.:. ̄≧、ヽヽ \ミト、ミト、 ニ !
/://:.:./ハヘ:.ヽTト、:.:.:..:ヽ¬Eヘこヘ:.ヽ:ミト、 □ |
_////:.:.:.:l:.!:.:.ヾ:.:..:.:ヽ:.「:.ヽ:.:.ヽ:.ヽ:.:.「カレヘ、:.:.:.ト、 ―┬―
,....''´::::://,イ7!:.:.:.:.:!:l:.:.!:.:ト、:.:.:.:l:ト、:.:.ヽ:.:ヽ:.ヽヽ:.⌒!ヽ、:!厂! | |二|二| |
l:::::::::::::l l:':.:ハi:.:.:.:.:.N:.:.!:.:.い:.:.:.:!ト、:.、:.:.\:ヽ:.:',:',:.:.:.ト、 V /´\ | |_|_| |
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l:::::::::::::l |:.:.!个ハト、:.:.!:.:.:ヽ:.:.:.:.:ヽリ:.:.ヽ:.:.ヽヽ:.:.l:!:!:.:l:.:.:!:.|:! l::::::::::::::::| フ |二|二|
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