68 :
下村コラムw:
今回はキラの話。デスティニーになってからファンの方、出版社を問わず聞かれたのが
「今回の主役は誰なのか?」ということであった。
何を持って主役とするかに因るのだが、インパルスに乗っているという点ではシンは主役である。
(極端な話であるからシンファンの皆さんは不買運動などしないように)。
また両作品を通じてストーリーラインの主軸となり、
他の主要キャラとのドラマを動かし続けたのは間違いなくアスランである。
しかし前作はもとよりデスティニーにおける、その立ち位置、描かれ方
(Sフリーダムとデスティニー初登場時の演出など、如実に現れてはいないか?
あるいはそのOPの決めでもいい)、
最終回における役割、いや、個々の例を出すまでも無く何よりそのヒーロー性において
キラ・ヤマトこそが最も主役という呼称に相応しかったのではないであろうか
(皆さんそれぞれのキャラに想い入れがあると思いますが、あくまでも客観的な印象です。
この数行は内情も知っているスタッフでは無く一個人の感想です。
くれぐれも不買運動などおこさないように)。
物語と主人公の関係性を突き詰めて考えると、主人公があってこその物語なのか?
あるいは物語が展開していく上で必要上創られた主軸をなすキャラクターが主役と言われるものなのか?
−−個性的なキャラクターが多数登場する小説が売りとなっているある直木賞作家は
「作品のキャラクターについてよく聞かれるが、(自分の作品では)、物語を構築する為に
キャラがあるのであって個々に対する思い入れなど無い。
またその経歴等もキャラは物語りの必要に応じて創られたモノなので、
提示してテクスト以外は存在しない」とまで言っていた−−という二次元なところまで行ってしまう。
しかしキラは両者を併せ持っていたはずだ。
「二人の少年の物語」の為に生み出された彼はデスティニーにおいて、
前作で創られていった「経歴」(キャラクター性)ゆれに物語りの展開に大きく影響する因子となる。
69 :
下村コラムw:2005/11/09(水) 22:34:20 ID:???
しかし、それはさておいても、この主人公の行動原因は受動的というか、
「巻き込まれ」なのである(無論、切っ掛けであって、戦うときは自分の意思で戦っていたが。)
ストライクに乗った時、フレイに揺さぶられた時、ラウに因縁吹っかけられた時、
ラクスが襲撃された時、議長にとことん厄介者扱いされた時。
何よりその誕生があからさまに他人の思惑が大きく関与している。
理不尽な運命に理不尽な強さを持って対抗したキラ。キラを漢字に変換すると
「吉良」「基羅」「綺羅」などが出る。宛字だと「鬼羅」という字も考えられるかな。
「吉良」は地名だがポピュラーなのは忠臣蔵敵役・吉良上野介。
あの話、冷静に考えれば四十七士の逆恨みによるテロとも取れる。
ラウ、レイにある意味逆恨みされたキラである。
「基羅」は碁石を並べたようにずらりと並ぶの意味だが、
メンデルにはキラの成りそこないがズラリと並んでいた。
「鬼羅」は字面のまま、鬼や阿修羅の如き戦闘力を持つキラ。
そして「綺羅」。華やかな外見や栄華を誇ることをさすが、
正に主人公に相当しい(ふさわしい)意味合いである
(随分前に両澤さんに聞いたイメージはこれだったような気がする)。
結論。キラ・ヤマトは名前からして既に主人公だったのだ。
さて最後は何時もの様に軽く雑談。先日デスティニーの打ち上げが行われた。
350を超える人が集まり豪く(すごく)盛大だったのだが、やはり盛り上がったのがクジ引き大会。
「デスティニープラン」と名付けられたこのコーナー、
石田彰さんと折笠富美子さんに引き役をやっていただいたのだが、当たる当たる。オイシイネタに。
まず角川賞がボンボンの担当さんに、直後の講談社賞が小説SEEDの担当さんに当たった。
それから出るわ出るわ、音響監督さんに「君も明日からアニメーターセット」(来年の今頃どうしてますか?)、
小山、三石の両艦長(小山さんはアラレちゃんで当選の言葉を言ってくださった。感激)も当てたし、
HIGH and MIGHTY COLORのユウスケさんは西川貴教賞を引っ張った。
まさに運命(デスティニー)、ゴッドアングル(神のいたずら)である。
そして保志総一郎さん(キラ・ヤマト)も玉置成実賞ゲット。
舞台であたしゃ石田さん(アスラン)に言ったね。
「デスティニープラン潰した当人が良い目みてる」と。やはり主役はやるときゃやるのである。