631 :
41の者:2006/03/30(木) 02:15:37 ID:???
「出港準備、全て整いました」
「よし、“ボルボ”発進。指定進発速度で基地走路を進行、離発後1000mも指定標準速度で前進」
「はっ、指定進発速度で進行!離発後変わらず!ナビゲーション異常ナシ!走路異物最終チェック!」
陸上戦艦ボルボの艦橋で、艦長シートに座ったシュリンカーが指示を出した。
背後に控えたアシエルの復唱は、艦橋内に大きく響き渡る。
「艦内ブロック、及び各部開閉扉、異常ナシ!」
「機関室、駆動管理室、問題ナシ!」
「各レーダー、カメラ、オールグリーン!」
クルーたちがアシエルに負けじと大きな声でシュリンカーに報告をする。
別に声の大小に大きな意味はない。
出港時の慣例のようなもので、どこの軍隊もどこの船も、同じように艦橋は大声が飛び交っているはずだ。
一種の景気づけ、気合入れといっていいかもしれない。
いざ出発というのに、元気の無い軍隊などありはしないだろう。
「目的地、モガディシオ!航路、北アフリカB管区319DC!」
「離発信号、3から1まで点灯!管制室からの走路クリアサインよろし!」
シュリンカーは緊張感に身を包み、頷いた。
どんなときでも、船が出る際というものは気分が高まるものだ。
まして、これからはアルトゥーロの追撃と掃滅という重要任務が控えている。
気持ちが昂ぶらないほうがおかしい。
ハザールとの共同戦線というのが気に喰わないが、それもまた命令の内だ。
632 :
41の者:2006/03/30(木) 02:17:12 ID:???
チュニスで新MSの配備と仮運用テストに数日時間を取られたせいで、
ハザールの先行を許してしまったが、遅れを取り戻すのはこれからだと言えた。
ハザールが討ったのはアフリカ北部に結集した反連合……というより、反融和政策のゲリラだ。
寄せ集めといえど、強硬派の塊で、MSも持っており、油断できない相手ではあった。
それを、本格的な蜂起の前に完膚なきまでに叩きのめしたハザールの手腕自体は、認めざるを得なかった。
しかし、共同作戦と言えど、シュリンカーはハザールと仲良く手を握って共に轡を並べて戦うつもりはない。
無論、作戦は完全に遂行されねばならないから、私情は挟まない。
だが、やり方というものがある。ハザールはもともと、独断専行を好む質だ。
唯々諾々とハザールが捻り出す作戦に従っていたら、ただのいい駒として扱われてしまうだけだろう。
作戦の決定権はハザールにあるが、要は最終的にシュリンカー自身が勝者の位置に立っていればよい。
アルトゥーロを討つ。そして、スティング・オークレーも墜とす。
それをもって、“円卓の騎士”内でハザールより優位なポジションを奪えばよいのだ。
現時点では、ハザールがシュリンカーの上に居るが、物的にはシュリンカーの方が戦力を持っている。
それに、ハザールとその部下は、まだ大西洋連邦に所属する地球連合軍の軍人という肩書きを捨てていない。
今回に限っては、“円卓の騎士”の正体を世間に明かせない以上、行動にそれなりに制約がかかるはずだ。
北アフリカで軍事行動を展開する以上、公的立場が余所者であるハザールは何かと苦労するに違いないのだ。
アフリカ共同体よりは、むしろ大西洋連邦こそがハザールの足枷になる可能性はある。
MSも、ワイルドダガー等、新式からはやや劣る性能のものしか手元にない。
一機、新型があることにはあるが――試作機に過ぎず、性能的にはともかくとしても、
操縦者が精神不安定で健康を回復していないメイ・ブラックマンである以上、
対アルトゥーロ戦の切り札として使えるとは思えない。
一方、シュリンカーの手札は今のところ十分過ぎるほどに足りている。
“マリオネット”こそ使い物にならなかったが、新規に補充されたMSパイロットは皆一流の腕前の持ち主だ。
それに、彼らが乗ることになる新型のザクファントム改も高い性能を誇る機体だ。
ナイトウィザードと呼ばれる、地上戦に特化したバックパックを装着しており、高い戦果を期待できる。
そして、何と言っても“スレイヤー”の存在は大きい。
ZGMF−VX71Sを正式な形式番号として持つスレイヤーは、カオスの試作機を発展、改良したMSだ。
総合的な火力の面ではカオスに劣るが、総合的なバランスでは優位に立つ。
高速飛行形態による空中戦能力も申し分ない。
シュリンカーも、短い間とは言え実際に搭乗して模擬戦を行い、その優秀さは十分に理解している。
633 :
41の者:2006/03/30(木) 02:19:12 ID:???
「……」
全ての指示を終え、シュリンカーは目を閉じて艦長シートに背を預けた。
今の段階で、特にさしたる問題はない。
逆に順調過ぎて少し怖いくらいだ。
一度閉じた目を薄っすらと開け、シュリンカーは背後に控えるアシエルに目をやった。
緊張と興奮がない交ぜになったような表情を、アシエルはしていた。
全員の顔を見ることはできないが、ブリッジのクルーたちも同じような感じなのだろう。
自身も確かに緊張してはいるが、それでもアシエルほどしゃちほこばっているわけではない。
「何らかの手段で始末しろ、か……」
シュリンカーは口の中で、小さく呟いた。アシエルにも聞こえないほどに。
“円卓の騎士”の一員である自分だが、それでも知らないことは多い。
シュリンカー自身はあくまで現場の実行員であり、全体を俯瞰する立場にない。
「……」
ぶるり、とシュリンカーはひとつ身震いをした。
戦慄に似た寒気が、背筋をひと撫でしたのだ。
自分は、円卓の騎士の幹部として、色々と知っている。組織の目的も、上層部の正体も。
だが、それがもし、偽りのもの、仮面を被った姿であるのだとしたら――。
「いや……」
シュリンカーは首を左右にほんの少しだけ振った。
あれこれと想像しても仕方がない。
少なくとも、自分は円卓の騎士が目指すものに賛同し、参加し、行動しているのだ。
余計な考えは自分そのものを危うくする。
今は、アルトゥーロの追撃にのみ集中していればよい。
それと、万が一のためにハザールを排除する方法を考えればよいのだ。
組織のために、自分のために。
634 :
41の者:2006/03/30(木) 02:20:26 ID:???
この時、シュリンカーは想像しえなかった。
余計な想像を意志によって止めてしまったがために、その答に手が届かなかった。
すなわち、ハザールの方も、シュリンカー自身を排除するように上から命令されているという可能性に。
ハザールは大西洋連邦の軍人であるという足枷を抱えているが、
シュリンカーもまた、ザフトの軍人であるという手錠をはめられているのだ。
「“ボルボ”、チュニス基地を離発!進路に沿って第一指定速度で前進します!」
「……次の指示は三十分後に出す。それまで、各自持ち場を離れるな」
オペレーターの言葉に、シュリンカーは低い声で応えた。
右のモニターに、徐々に小さくなっていくチュニスのザフト基地が映っている。
それをちらりと見ると、シュリンカーはまた、目を閉じた。
“ボルボ”がチュニスを進発したその丁度一時間後、ダカールの連合軍基地からも一隻のザフトの陸上戦艦が出航した。
“ボルボ”の姉妹艦、“ヘカーテ”だ。
そのブリッジは、“ボルボ”と同様、緊張に包まれていたが、
クルーの間に漂う空気が暗かったという点において、唯一違っていた。
艦長のデ・ヨンは必要な指示を出したあと、一言も喋ろうとせず、じっとシートに座って沈黙を守っていた。
……この、“円卓の騎士”の息のかかっていない船が(ヘカーテのアルトゥーロ派はハザールに排除された)、
一週間後の円卓の騎士とアルトゥーロ独立軍の戦闘に、大きな影響を与えることになる。
635 :
41の者:2006/03/30(木) 02:26:10 ID:???
今回はここまで。
あああああ、主人公であるスティングがホントにほったらかしに……何とかせんと。
それと、67氏の置き土産(まだ復帰される可能性もあるので、断定したくないが)の、
ザクのナイトウィザードとスレイヤーをやっと、ホントのホントにやっと出せました。長い道程だった……。
>連合兵氏
はじめまして、今後ともよろしくお願いします。
しかし新キャラですか……もうこれはお任せするしかないですかね。
次は……いい加減スティングの話を何とかしたいと思います。
新しい職人が来たのは喜ばしいが、また風呂敷が広がったなw
ちゃんとたためるのか、これ
オクレはとっ捕まったまま、敵役はアルトにハザにシュリ、サワム、メイ子、おまけに連合新キャラ
メアリー・スー化が進んでないか?
ちゅうか完結するのにあと十はスレが必要ぽいぞ、風呂敷たたむのに
638 :
連合兵:2006/03/31(金) 01:47:38 ID:???
連合新キャラを出した理由は円卓の騎士をいくらか始末してもらおうと思って用意したわけなんだが…
正直、とっつかまったスティングが動くに当たって2人のクローン(と言う名の遺産)の始末に困ってるわけでして。
いっその事、技術的には可能だが実際にはアウルもステラも完成してないとかいう方向にしてしまったほうがいい気がする…
で、完成前にハザール(シュリンカー)率いる円卓の騎士の軍勢がアルトゥーロを始末、
研究中のクローン培養装置も破壊されてアウル・ステラは蘇る事無く終わる。
【復活したら復活したで、どの辺までの記憶があるとか色々めんどいので】
アルトゥーロ一派の残党がスティングを開放し、
スティングがダークネスで暴れまわる。(その戦闘の前後に復活前に葬られてしまったアウルとステラを確認)
で、適当にハザール辺りが戦死。司令官が死に、戦力も疲弊した円卓の騎士達は撤退する。
そんな中、ゲールとティロードたちは円卓の騎士の情報を掴みつつ、
彼らを泳がせながら組織の崩壊(ハザールとアルトゥーロの後継者問題)を確実に煽らせる…
こんな方向性はどうでしょうか?
…ところで、【41の者】氏。
『一週間後の円卓の騎士とアルトゥーロ独立軍の戦闘に、大きな影響を与えることになる。 』
この一説の解釈に困っていて新作の投下が出来ずにいるわけですが、
具体的にはどのような事を考えていらっしゃるのでしょうか?
‥‥やる気があるのはわかったが、新参が今後の展開を「こうしましょう」と語って、
41の人や393の人が「じゃあそれでいきましょう」なんて言えると思うか?
他の職人には今まで3スレ分貯めて考えた展開があるだろうに、鼻面にいきなりマイ展開を嬉々として押しつけるなよ
あと、長文後に無闇にageないほうがいいぞ、このスレも嵐の標的になった過去がある
>>639 もちけつ、おまいのほうが荒らしみたいな語尾になってるぞ
>>638 あんまり気にしないほうがいいんじゃないかなーと思う
>638の言う通りそれぞれ別の職人(アウルの人もいる)ごとにこれからの展望みたいなの、あるだろうけど
今までホント綱渡りでここまでリレーできたのがめっけもんみたいなもんだから…
思うように書いたらいいんジャマイカ、きっとフォローは誰かがしてくれるw
もろちん、41氏や393氏、アウルの人の意見や意思は大事だと思うけど
641 :
41の者:2006/03/32(土) 00:30:43 ID:???
>連合兵氏
複数職人でリレーする際は、先の展開をそれぞれで確認しあうのが確かに筋かもしれないですが……
なんかこう、脳内設定をだだ漏らししているようで気が退けてしまうわけです。腐っぽい気がして。
まあそれより何より、ぶっちゃけ細かいところはほとんど考えてないんですがね。完全にノリでやってます。
言ってみれば、前と何とか繋がるように細い糸で無理矢理ツギハギしているようなもんで。
一応、大雑把には先を考えてはいますが、上で言ったようにどっかこっ恥ずかしいわけでして……。
個人的には、67氏の意思を尊重するためにアウル&ステラのクローンは有りだと思ってます。
もちろん、種死本編に出てきた二人そのままではなく、体だけがそうなのだということで。
で、393氏の考えられた「マリオネット」、67氏の考えられた「SEED因子を持つ強化人間」を、
アウル&ステラクローンと絡められないかと思っています。
円卓の騎士の目的のひとつに、マリオネット完成というのがあって、
その成功のためには強化人間のデータ、それも優れた強化人間のデータが必要だ、という感じで。
それで、アウル&ステラクローン、スティング、メイに拘っているのだ、と。
アウルとステラのクローンは人格を持たない、ただの人の形をしたモノに過ぎず、
アルトゥーロは自身で別の企みがあって、円卓を裏切り、マリオネット計画を邪魔するため、
もしくは自分のものとするためにスティングを強引に引き込み、クローン研究成果を奪った……とか。
陳腐ですが。
もう、後は本当に何も細かく考えてません。大雑把のパです。
円卓の騎士のトップはプラント国防委員長にしようか。情報屋の正体はどうしよう。
つーか円卓の真の目的も考えてないな、アルトゥーロの陰謀も考えてない。
イマズゲンどうしよう。イクナーとワットは今後どうしよう。舞台をアフリカに固定すべきかどうか。
騒ぎが大きくなるとオーブやプラント本国が絶対しゃしゃり出てくるので、
そうなるとラクスやカガリ達が顔を突っ込んでくるに違いないけど、既存キャラは出さない方向なのでどうしよう、
誰と誰が戦って誰が死んで誰が裏切るとかも、ぜーんぜん考えてない。
リペアの規模も考えてないし、大体名前も単語の頭文字を無理矢理くっつけただけだし、
ダークネスの性能もブリリアントの性能もその他のMSの性能も自分が考えたんじゃないからさっぱりわからない。
だから、“ヘカーテ”の『一週間後の円卓の騎士とアルトゥーロ独立軍の戦闘に、大きな影響を与えることになる。 』も、
本当の本当にノリ。ま、その場になってみりゃ筆の動くままに何とかするさという感じです。
なので、俺個人としては、援軍ありがとうございます、好きに進めて下さい。
できる限りは臨機応変に対処し、後付設定作ってでも何でも繋げてみます……としか言えません。
あとは393氏や156氏の意見を聞いて下さい。よろしくお願いします。
642 :
41の者:2006/03/32(土) 00:32:08 ID:???
俺の馬鹿野郎、メ欄にsが足りなかった……最低だ
何も考えてないって、まさに綱渡りだったのか
しかし全体の七割近くを書いてきた職人がまさか行き当たりばったりでやってきてたとはw
41氏がそこまで色々考えてることに感服します。リレー形式も今考えると奇跡的でしたしね。
>>641 他のSSスレでは大体そういう基本設定だかは初期に決まってるもんですが、
職人方でも先の見えない展開をリレーで書き綴るという、また新しい試みを見ていてこちらもワクワクしてきます。
ただの自慰文は簡便ですが、陳腐でも簡素でも41氏が書いてて楽しいと思える文ならば、自ずと私達も面白いと思える物と信じています故頑張ってください。
まあ、このスレ自体初期スレの1=67氏が勢いでたてたみたいなもんだしな
じっさい、勢いというかやる気失せたらあいさつも無しに去っていってしまった
それよりもまとめサイトがどうにかならないだろうか…
393の人は?
生きてる・・・生きてるぞぉ・・・
PC大破やら入院やら葬式やらなんやらでずっと来れなかったが
そろそろ落ち着くだろう
時間あるうちに言っておこうかな
マリオネットについては「特定の人物と同等、あるいはそれ以上の能力強化を図れるクローン」
と考えていたつもり。
一般コーディと違って、後天的に遺伝子を弄れる戦士。
成功すればマインドコントロールも薬物投与も必要ない、みたいな
SPIRAL-67氏の一括まとめの後からで良いなら保管庫作ろうか?
652 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:41:34 ID:???
新参者が色々とご迷惑をおかけしました。
おかげである程度の展望と方向性が分かりました。
…どうでもいいが、なぜ3月『32』日になっているのだろうか…?エイプリルフールだから?
>>651 ぜひともお願いしたいです。
それはさて置き、新作投下。
653 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:42:19 ID:???
ダカールを出発して数日後――― ハザールの部隊は、ダンタリオンから来た連合艦隊と合流する。
これが、更なる混乱を招き、暗躍する者たちをさらに惑わす事となる。
ハザール「ようこそおいでくださいました、ティロード・レイヴン大佐。」
ティロード「将官でもないのに、部下総出で迎えをしてくださるとはいささか大げさではないのかな、ハザール・バルタザール中佐。」
ハザール「いえいえ。ここ最近、ゲリラの活動が活発でしてね。途中で襲撃を受けないかと冷や冷やしておりました。」
…内通者が心にも無い世辞を言う。 …いや、初めから奴は『円卓の騎士』の中枢メンバーだったな。
最も、彼のもう一つの面としても母の権力に縋らせて欲しいと言う意味で、このような接待じみた真似をしているのだろうが…
ティロード「それより、友軍であったアルトゥーロ氏が突如部隊から離れ、現在行方不明になっているとの事だが?」
ハザール「彼は一人のゲリラの身の上に同情してしまって、そのまま離反してしまったようです。
…ザフトの方では彼を裏切り者と見なし、撃墜命令が出ています。我々もまた、ゲリラの一員として撃墜する所存です。」
…表向きの理由はそれでいいだろう。だが、その裏には『円卓の騎士』同士の醜い権力闘争が絡んでいる。
それを最大限に利用して、彼らを食いつぶし合わせる事が今回の目的。
だが、そんな事は向こうも裏のネットワークを駆使して重々知っているだろう。ならば、時にグサリ、時にのらりくらりと…
ティロード「…今回の事件には『円卓の騎士』と呼ばれる組織が色々と糸を引いているらしいですね。」
ピク… ハザールの笑顔がほんの一瞬凍りつく。彼の頭の中では私がどの位知っているのかを考えているのだろう。
だから私はさらに突き刺す。
ティロード「あなたと、アルトゥーロはその組織の一員だという話も聞きました。」
そして、引く。
ティロード「アルトゥーロが裏切って、欠員が出ているようですね。
もしよろしければ、あなたの推薦で私を加えていただけませんか?悪いようにはしません。」
ハザールの顔が形容しがたい表情になった。判断のしようが無いのだろう。
ハザール「…一応、『上』には伝えておきます。長旅でお疲れでしょう。ゆっくり休んでください。」
そうして、用意された部屋に案内される際に、冷静さを欠いたハザールにこっそり小型の盗聴器を仕掛けておく。
初手から想像以上にうまくいった。これで色々とボロが出てくるはずだ…
654 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:45:49 ID:???
ハザール「緊急会議を開かせて、申し訳ありません。」
???「…一体何があった?」
ハザール「レイヴンの奴、予想以上の食わせ者だ。
スパイの調査が裏の目的として派遣されてきたのかと思えば、実は我々に接触する事が目的だったようです。
奴は、俺とアルトゥーロが『円卓の騎士』である事もアルトゥーロの離反も知っている。
それで、アルトゥーロの後釜としてティロード・レイヴンを加えろと…」
?????「あの女狐…何を考えている。」
ハザール「俺としてはあのゲール・レイヴンを敵に回すよりは味方に加えた方が有益だと思いますが…」
????「だが、奴の存在は『円卓の騎士』をかき乱す不安材料になる。それに、いつ裏切るとも知れん。」
ハザール「しかし、迂闊に断って我々の事が公になるのも…」
???「ならばハザール。万一の時、お前がレイヴンを御し切れるのか?」
ハザール「そ、それは…。」
シュリンカー「…相当やり込められたらしいなハザール。恐らく無理だな。」
?????「手に負えぬな。あの食わせ者は。必要とあらば神すら殺してみせる魔女と言う話も、あながち嘘ではないな…」
???「…このままでは結論が出ないな。ならば、多数決で決めるとしよう。アルトゥーロが抜けて人数が12と半端だが…
レイヴンの息子を加える事に異論のあるものは手を挙げてくれ。」
シュリンカー「反対は6人…結果は持ち越し…か。」
????「なんにせよ、もう少し奴らの様子を見て、その上で結論を出すべきだ。」
???「本日はこれで解散する。何とかしてレイヴンの手綱を取って見せろハザール。」
ハザール「了解…しました。」
655 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:47:42 ID:???
ティロード「ふむ。飼い主の元に逃げ帰るのはもう少し先かと思っていたが、これほどあっさり尻尾を出すとはな…」
先ほどハザールに仕掛けた盗聴器から、『円卓の騎士』幹部の通信を傍受する。
サラ「一応キレ者との言われてたけど、突然急所を付かれればこんなものなの…?」
副官である妹が呟く。
ティロード「まあ、この程度は序の口にすぎんよ。まだまだ泳がせておく必要がある。共に喰らいあってもらうためにな…」
サラ「そうなの? ところでお兄ちゃんは、この後どうするつもりなの?」
ティロード「向こうの出方次第だな。
だが、確実に『円卓の騎士』の為に何らかの成果を挙げろ、と言ってくるのは間違いないな。
恐らくはアルトゥーロの首を持ってこいと。
しかし、『大西洋連邦』の立場の上では俺は大佐、ハザールの奴は中佐。部下の前で迂闊な事は言えないだろうさ。
階級の事もそうだが、俺には『大西洋連邦』の裏の仕事としてのスパイの調査がある。
俺が上に報告すれば、ハザールは明らかなスパイ容疑で捕まる。
円卓の騎士にかかれば釈放するのはそれほどの問題じゃないだろうが、一時的にでも動けなくなるのは避けたいだろうな…」
ふと、思い出したように妹が呟く。
サラ「あ、そう言えば、<新型機のアウトレス>を出して下っ端の会話を盗聴させたんだけど、
もう面白いくらいに『円卓の騎士』の内情吐いてたわよ。まあ、上司があれだけ動揺すれば無理もないわね。
今報告書持って来る。」
ミラージュコロイドを展開させたアウトレスを出撃させ、最大音量で集音させた結果、妹が言っていたように
本当に面白いくらい『円卓の騎士』の現在の戦力やらザフトと繋がってる事やらさまざまな事に裏づけと情報が集まった。
ティロード「うまく行き過ぎていて、怖いな。…もしかして、泳がされているのでは無いかと思えるくらいだ。」
妹が頭を抱えて考える。
サラ「ん〜。これだけ有利な状況だと、確かに何か怪しく感じるわね。」
ティロード「だが、ここからが本番だ。いかにして『円卓の騎士』の喉元に喰らいつくか。
今は『円卓の騎士』も様々な要因で疲弊している。チャンスはあるはずだ。」
656 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:48:38 ID:???
シュリンカー「…。」
先ほどの通信を受け、シュリンカーは自室で悩んでいた。ハザールの抹殺についてだ。
味方殺しの魔女:ゲール・レイヴンの噂はザフトでも聞いた事がある。
地球連合において、無能、かつ腐敗した味方を数知れず粛清したと言う話だ。
腐りきった地球連合において、その患部を徹底的に切除する大西洋連邦の急進派の軍人として、様々な場所で一目置かれており、
ザフト軍の撃破数より、味方を粛清した数の方が多いのではないかとすら言われている。
又、反コーディネイターを掲げるブルーコスモスの支持者でもあり、次期盟主の候補にすら挙げられているという。
そんな人間に目を付けられたハザール、ひいては『円卓の騎士』にとって大いなる脅威になる。
シュリンカー「しかし、奴を殺せばそれで済む問題でもない…」
ハザールは、ザフトとも繋がっている『円卓の騎士』のスパイとして挙げられている。
いや、恐らくはもう証拠も揃っているかもしれない。それであのハザールが慌てているのだろう。
ここでハザールを殺して尋問が出来なくなったとしても、円卓の一席がさらに減る事で
ゲールの息子、ティロード・レイヴンの参入する可能性を高めてしまう。
シュリンカー「そんな事があってはならない!!」
遠からず、組織が崩壊する―――――
それだけは、あってはならない事だ。あそこは、自分の居場所だから。
シュリンカー「…。ならば…」
答えは出た。ティロードを暗殺し、ハザールの口も封じ、そして裏切り者、アルトゥーロも始末する。
この際、スティング・オークレーは落とせようと落とせまいと重要性はさほど無い。
せいぜい派手に暴れまわってハザール達を消耗させてくれればそれでいい。
陰謀渦巻く『三つ巴』の戦いはまもなく始まろうとしていた…
657 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:49:50 ID:???
ティロードが赴任してきてから数日後…
連合兵A「中佐…そろそろアルトゥーロ・フェルディナンテスの現在の拠点となっているキリマンジャロ基地が見えます。」
ハザール「そうか。全部隊を展開させろ。俺もワイルドダガーで出る。部隊の指揮は任せてもよいのですかな、ティロード大佐?」
アークエンジェル級ヴァーチャーズに届けられる通信。
ティロードはいつものようにばっちり着こなした大西洋連邦の軍服の上に、黒いコートを着込んでいる。
ティロード「ああ、構いません。『執炎の灰狼』と呼ばれるあなたのお手並み、拝見させていただきます。」
ハザール「ハッ、若造が言ってくれるな。だが、期待に添えるだけの実力を見せてやろうじゃないか!」
ティロード「ですが、貴方だけにいい思いはさせませんよ。『アウトレス隊』、準備はいいか!」
ヴァーチューズのカタパルトで出撃を待つMS達。
サラ「準備はばっちりです!」
アウトレス隊員A「もちろんです隊長!サラ副隊長には指一本触れさせませんよ!」
アウトレス隊員B「っていうか、手ぇ出した奴は殺す!!」
アウトレス隊員A「お前が一番危ないんだろうが、このロリコン!」
アウトレス隊員C「もし本当に手を出したら隊長が黙ってないぞ。」
アウトレス隊員B「ノリで言ってるっていうのは少しは分かってくれよ…」
ティロード「貴様には実際に前科があるから、冗談に聞こえないんだ…」
アウトレス隊員C「ほら、隊長もああ言ってるぞ。」
アウトレス隊員B「あははははは…(苦笑い)」
ティロード「お喋りもその辺にしておけ、さっさと出撃しろ。サラはもう出撃してるぞ。」
アウトレス隊員B「え、あ。それでは行きます!」
ティロード「…。」
ハザール「なんつーか、賑やかでいいんじゃねぇか?」
遅れて3機の黒いワイルドダガーが発進する。
既に出撃していたエールストライカー装備のゲルズゲー改と、そして10機のフォビドゥンヴォーテクスと部隊間で陣形を取る。
そして、ハザールの部隊が前面をとり、一番手柄を得るつもりらしい。
シェリンカー「こちら、ザフト軍のシェリンカー・センギアである。
本基地にゲリラ側に造反したアルトゥーロ・フェルディナンテスの一派がいる事は明確である。
速やかにかの者達の引渡しを願いたい。さもなくば、一戦交える事も辞さない。」
その返答は、一発の砲弾だった。血気に逸ったアルトゥーロ派の一人の兵士が、咄嗟に撃ってしまったのだ。
ハザール「裏切り者がせいぜい足掻きに来やがったぜ…返り討ちにしてやるよ。」
658 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:51:16 ID:???
シェリンカー「…ティロード・レイヴンは出ないのか。」
ハザールは最前線に出て狼の名に相応しくひたすら敵を食い千切るつもりらしい。
だが、もう一人の暗殺する対象は後方で(文字通り空飛ぶ戦艦で)高みの見物を決め込んでいる。
戦艦を落とすとなれば、よほどの事が無ければ落とそうと思っても落とす事はできない。
アルトゥーロがとんでもない隠し球でも持っていない限りは、奴を落とすのは無理だろう。
自分自身が密かに手を下そうにも、さすがに対象が悪すぎる。
今回は見過ごそう。戦艦は流れ弾や誤射で落とせる様な物ではない。
シェリンカー「やむをえんか…」
<スレイヤー>のコックピット内で呟く。ティロードとハザール、両方が死ななければどうにも出来ない。
かといって始末できなければ、今後の『円卓の騎士』は恐らく立ち行かないだろう。
シェリンカー「だが、まだ機会を失ったわけではない。」
戦場では何があるか分からない。その、何かが起こる事を期待してシェリンカーは戦う事を決めた。
戦いが始まったみてぇだな。
アルトゥーロ「さて、君の出番だ。」
スティング「…。いつになったらステラやアウルに合わせてくれるんだ?」
開口一番がそれだった。だが、文句を言わずにはいられない。
アルトゥーロ「それh…」
スティング「誤魔化すようなら承知しねぇぞ!!!!!」
いけすかねぇこの男が、突然の大声にとっさに耳をふさぐ。そして手を離す。
アルトゥーロ「それは失礼した。では早速合わせてやろう。」
スティング「てめぇ、俺の事馬鹿にしてるのか?」
ミサイルが基地のどこかに着弾したのか、大きく揺れる。
アルトゥーロ「…事態は一刻を争う。ダークネスは整備しておいた。アウルとステラも出撃させるところだ。君の力を貸してくれ。」
スティング「けっ、ついさっきまで合わせずにいて、戦闘が始まるなりいきなり合わせてくれるかよ?何企んでやがる。」
アルトゥーロ「…ならば、アウルとステラは見捨てるのか?」
反論しようとして、口ごもる。
アルトゥーロ「今回の敵は『円卓の騎士』だ。私は彼らから離反した。」
スティング「はぁ?」
アルトゥーロ「とりあえず、状況を説明してる暇も無いが、敵は君の所属していたゲリラじゃない。手伝ってくれ。」
スティング「ああもう…分かったぜ。敵を蹴散らしゃあいいんだろ?」
何がなんだか分かったようで分かってないが、今はそれどころじゃねぇ。
659 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:52:19 ID:???
連合兵A「敵の増援を確認!これは…デストロイが2機とダークネス・そしてブリリアントです!!」
シェリンカー「これは…」
ハザール「へぇ、あんなものまで隠し持ってたとはな!」
メイ「出てきたな…お父様の仇ぃぃ!!」
ティロード「あれが敵の切り札か。…オーブにザフト・連合製と節操が無いな。」
2機のデストロイが一斉射撃を放つ。斜線にあったMSは、一撃で沈んでしまう。
アシエル「…まずは、なんとしてでもデストロイを仕留めるんだ!」
シェリンカー「いや、デストロイは後回しにしろ。」
アシエル「えっ?」
シェリンカー「よく見ろ、デストロイの周りを飛び回るダークネスを。迂闊に手を出せばやられる!」
これは、シェリンカーの一種の賭けだった。デストロイならば、戦艦と言えど…そのため、指示を誘導した。
アシエル「分かりました!」
ゲルズゲーのリフレクターがブリリアントのビームを弾く。ビームを弾かれたブリリアントはビームサーベルで追撃する。
サラ「きゃあ!」
だが、横から黒いワイルドダガーが迫ってきたため、回避せざるをえなかった。
アルトゥーロ「なかなかの腕だな。」
アウトレス隊員B「てめぇ、サラちゃんに手出そうとしやがっただろ!絶対殺してやるぞ!」
アウトレス隊員C「完全に頭に血が上ってやがるよ、あいつ…」
アウトレス隊員A「だが、副隊長をやらせる訳にも行かないのも事実…守りがやばくなる。」
サラ「皆、フォーメーションAで行くわよ。」
アウトレス隊員「了解!」
660 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:53:42 ID:???
サワムラ「そう簡単にはやらせない!」
ウィンダム・クラウン隊と息の合ったコンビネーションを見せる、サワムラ。
シェリンカー「…予想以上に腕を上げてるな、こいつ」
アシエル「クッ!」
メイ「父様の、仇!!殺してやる!」
スティング「仇だからって、簡単に殺されてやるわけにもいかねぇな!
それに、カオスの後継機みたいだが使い方がなっちゃいねぇぞ!」
ダークネスのドラグーンでカオスMkUの機動兵装ポッドを破壊する。
メイ「その程度で!」
ハザール「ガキンチョが無茶するな、押されてるじゃないか。」
メイ「うるさい、うるさいうるさいうるさいるさい!!」
そんなやり取りの中、デストロイが再び一斉射撃を行う。その砲撃は、ヴァーチューズにも直撃した。
艦長「…さすが連合自慢のデストロイ。もう落ちてもおかしくないですな。」
深手を負ったヴァーチューズはレッドアラームを鳴らしていた。
ティロード「…まだカタパルトは生きているな。俺も出撃する。ヴァーチューズは後退しろ。」
艦長「やはり、元前線指揮官としてはそっちの方が性に合いますか?」
ティロード「親父からの贈り物も使わずにそのまま船と運命を共にするよりはいいだろう。」
661 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:55:39 ID:???
アルトゥーロ「はははは!その程度か。」
時折ミラージュコロイドを展開し、索敵を騙してフォーメーションを崩すブリリアント。
サラ「ヴァーチューズ、ランチャーストライカーを!」
陽電子リフレクターを多用するためにバッテリーの消耗が激しくなるゲルズゲー。
換装してバッテリーを回復しても決め手になるようなダメージを与える事ができていない。
アウトレス隊員A「何!?」
ランチャーストライカーを射出した後に、ヴァーチューズがデストロイの砲撃の直撃を受ける。
それに気を取られたワイルドダガーはブリリアントに撃たれて行動不能になってしまう。
デストロイによって部隊がかなり損耗している。アウトレス隊もフォビドゥンヴォーテクスが5機やられてしまった。
アウトレス隊員C「ぐあ!」
換装の合間に、連携攻撃の柱である黒いワイルドダガーが次々やられてしまう。
サラ「…たった一機相手なのに…」
エース。たった一人、たった一機で戦局を変え、戦争の常識を打ち破る存在。
アルトゥーロ「いい加減に、さっきから私のビームを防いでる君には落ちてもらおう…」
アウトレス隊員B「やらせるかよぉ!!」
だが、突っ込んでいったワイルドダガーはそのまま落とされる。
アルトゥーロ「厄介な取り巻きは落ちた、次はお前…」
完全に不意を付かれ、アルトゥーロは気付きようが無かった。
出撃した時からミラージュコロイドを展開していた新型がいた事を。そして…
ティロード「頭を潰せば…戦いは崩れる。」
エースキラー……『喉笛喰らいの魔狼』ティロード・レイヴンの存在を。
ミストルテイン。神殺しの刃にコックピットもろとも切り裂かれ、アルトゥーロは死んだ。
662 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:56:31 ID:???
スティング「アルトゥーロの野郎、やられやがったか。なら、俺がいつまでもこいつ相手に遊んでる場合じゃねぇな。
全く通信を聞かねぇが、無理やりにでもアウルとステラを…」
ピュー…パン。信号弾が上がる。それは、“ダマスカス”から上がったものだった。
スティング「あれは…たぶん撤退命令って事か。」
それに応じるように、次の瞬間“ヘカーテ”も帰還の信号弾を上げる。
だが、それが円卓の騎士側の混乱を招いた。彼らはアルトゥーロの痕跡を完全に消すために
殲滅戦を指示されており、ハザールやシェリンカーは戦闘継続を指示する。
だが、一度始まった混乱はすぐには押さえきれず、そこを次々と狙い撃ちにされてしまう。
ハザール「くそ!あれはザフトの信号弾でこっちは戦闘継続だって言うのに!」
シェリンカー「何をやってる、帰還ではなく残党の殲滅を…」
スティング「…何をやってるんだ、あいつらは。」
あまりに無防備だが、今の正面の敵を無視するわけにもいかない。
メイ「お前を、殺す。」
スティング「言葉だけならなんとでも言える。出来るもんならやって見せろ!」
メイの操るカオスMk2の左腕を打ち抜く。バランスを崩し、機動ポットも失っていたカオスは地面に落ちていく。
スティング「これで、終わらせてやる。苦しむのも、悲しむのも。」
レールガンを構える。だが…
ハザール「俺の方も、忘れてもらっちゃ困る!」
スティング「何!?」
ハザールはメイを狙っていたレールガンを切り裂く。だが…
ハザール「…俺の最後が、ガキンチョを庇って死ぬなんて、ありえねぇ。だが、悪くない人生だったかもな。」
ダークネスのヴァジュラビームサーベルが目の前に近づいて来た時、そんな事を呟いた。
663 :
連合兵:2006/04/03(月) 02:57:24 ID:???
ティロード「これは、潮時だな。」
ヴァーチューズに全軍の帰還命令を出させる。さっきの混乱が部隊の損耗を酷い物にしてしまった。
ティロード「ン…?」
カオスMk2が打ち落とされ、それを庇うようにハザールが倒された。
…おそらく、カオスMk2には何らかの特殊なパイロットが配属されている可能性がある。
メイ「死んでよ、死んでよ、もうお願いだから死んでよ!父様の仇、スティング・オークレー!!」
…通信を入れてみれば、そこにはもう泣き出している女の子がいた。
だが、あれだけボロボロになった機体では勝てるものも勝てない。
ましてや、地上用ドラグーンをあれだけ自在に使いこなす相手だ。
ティロード(地上用ドラグーンは親父も、その師匠も考えてたが実用化に漕ぎ着けずに挫折していった。まさか完成していたとは…)
果敢にダークネスに挑むカオスMk2だが、もうダメだった。とうとう両手足を失い、コックピットだけにされてしまう。
それに止めを刺そうとするダークネス。
ティロード「あんな女の子が死んだとあっては、妹の事もあって夢見が悪い!」
グレイプニールを使ってコックピットを掴み、アウトレスがキャッチする。ダークネスの止めの一撃は思いっきり空振りとなった。
カオスMk2からの通信が途切れた。グレイプニールで掴んだ場所が悪かったのかもしれない。
ダークネスが追撃の構えを取ったが、何か思い直したのか、撤退していった。
ティロード「さて、色々と問題もあったが…南アフリカ統一機構については、どう言い訳したものやら。」
これほど大規模な戦闘だ。黙っているわけにも行くまい。
664 :
連合兵:2006/04/03(月) 03:02:04 ID:???
サワムラ「撤退命令だって? …しかたない、ここは引き上げるぞ。」
シェリンカー「…。」
ハザールは死んだようだ。だが、結局ティロードの暗殺には成功していない。
ならば、誤射と称してあの戦艦を打ち落とせばいい。デストロイの一撃で深手を負っている今なら…
だが、その考えは直ぐに打ち消された。
ティロード「シェリンカー・センギア…だったか?ともかく残存部隊を集めてくれ。一端体勢を立て直す。」
奴が通信を入れてきた先は戦艦ではなく、MSのコックピットだった。
ハザールも死んだ。恐らくはアルトゥーロの撃破も奴の功績として数えられるはずだ。
こうなれば『円卓の13騎士』入りは間違いないと見ていい。
シェリンカー「くそ、このままでは自分は…」
失敗続きとは言わないだろう。それなりの戦果は出しているのだから。
しかしこのままでは、遠からず組織から追放されてしまうのではないかと思える。
いや、その前にゲール・レイヴンの手によってナイツ・オブ・ラウンドが崩壊する危険がある。
様々な不安要素によってシェリンカーは怯えを感じずに入られなかった。
665 :
連合兵:2006/04/03(月) 03:03:13 ID:???
…あー。かなり長いですね、これ。
っていうか、自分が用意した性で動かしやすいキャラとは言え、ティロードにスポット当てすぎな気が…
正直言って、やりすぎです(汗
とりあえず、ハザールとアルトゥーロを殺してしまいましたが、
今後の話によっては、よりややこしい方向に持って行きかねないですねOTL
自分の予定としては、今後ティロードとサラは援軍を求め、ダンタリオン基地に戻っていったんゲールに報告しに行く。
そこで、新型機『アウトレス』の運用データの確保を兼ねたテストバトルをさせられる<この辺で議長スレの設定と被る。
破壊されたカオスMk2を修理するために一緒にダンタリオンに連れてこられたメイは、ある程度サラと馴染む。
カオスMk2は修理の過程でカミキ(ティロードの親父)によってアルミューレ・レミュエールなどの新武装を付けられる。
…こういう風に考えたりしました。
まあ、これ以上長く書いても仕方がないと思ったので、いったんここら辺で切って…と言う事で。
…夜は本気でテンション崩壊させるな。冷静さが無くなってるのがよく分かる。あはははははは…申し訳ありません。
睡眠不足です。恐らくは、ご迷惑を再びかけてるような事に気付いて無さそうで自分が怖いです。
前後の話の矛盾にも気付いてないかもしれません。…ぐっすり寝ますね。<壊れすぎだよ自分
職人にこう言うのは失礼かもだが、本当に考えて書いてるか?
前から67さん、41さんや393さんたちがハザは中ボス、アルトはラスボスだって言ってたろうが
勝手に殺して、結局マイキャラ活躍させたいだけじゃないのか?
以前、67氏がストフリ出して黒歴史→削除になったことがあったが…
41氏や393氏、アウルの人氏が認めたらこの展開でも文句はいえんよ
読む側が介入をはじめたらリバの二の舞だ
だが、大筋では
>>666に同意
リレーとはいえ、なんかあまりに勝手すぎるぞ
>>667 >読む側が介入をはじめたらリバの二の舞だ
そのリバだが、あっちは無軌道を防ぐためにラストや伏線まで大筋を固めたようだね。
暴走を防ぐためにも、最低限の大筋は決めておいたほうがいいんじゃないか?
ガチガチじゃなくて、大雑把にこんな感じに話は進む予定です、みたいな程度でいいから。
リレーは、この先どうなんるんだろう?という楽しみがある反面、無軌道になりやすいからね。
669 :
651:2006/04/03(月) 21:12:24 ID:???
乙
>>669 乙!ありがたい
で、連合兵さんは力作すまないが、今回は黒歴史にしてもらえないだろうか?
あまりにハザールとアルトゥーロがあっけなさすぎる、まだ67さんも393さんも二人をこれから使うつもりだっただろうし
それで提案なんだが、陣営の分業制にしてはどうだろうか?
連合兵さん→連合の新キャラ関係
67さん→ハザール・シュリンカー関係
393さん→オクレ兄さん・アルトゥーロ関係
みたいに……。それで、
>>668さんの言うとおり展開を大まかに決めて、死亡シーンや乱闘バトルシーンは職人さんの話し合いでその都度担当を変えるというのはどうだろう
そうすれば、今回みたいに苦情が出るような納得のいかない展開を防げると思うのだが
つ解決策
其の一:>653の前に戻って仕切り直し
其の二:あくまで基本を貫き>653の流れでいく
其の三:連合兵氏は>653から分岐ルートを書く、その他の職人は>653より前の流れで書く
つまりAルートとBルートに別れて二倍おいしい
673 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/04(火) 12:32:40 ID:x3zCVltR
>>672 其の一に1票
だが、内容はともかく連合兵はやる気は
ビンビンに感じるので其の三でもいい
むしろ、連合兵には新キャラを使って別の
スティング主人公話を書いてもらうというのはどうか
正直、突然新キャラ出されて主要人物ぬっ殺してとか
されるんだったら、そっちのほうが俺はイイ
スマソ…sage入れてなかった…
ホントゴメソorz
俺も其の三キボンヌ
初期の初期から読んでる身としては、アル吉が小物化してあぼんは認められん
ティロードとかキャラはいいんだから、連合兵の人は新たに話を起こしてはどうか?
さすればこのスレの盛り上がりにも一助となると思うのだが
まー読み手がイザウザ言ってもしかたないがね…
これって話の強制乗っ取り?
677 :
連合兵:2006/04/05(水) 20:34:50 ID:???
やっぱり、一波乱巻き起こしてしまったか…
投下した時の感想でも言ってるが、眠気や深夜のテンションに任せて書き上げて、
そのままストーリーとして大きく読み返す事無く、勢いで投下してしまったからなぁ…
今更後悔しても、もう時既に遅し…
自分が今回投下したのは
>>653〜658の円卓の騎士候補〜出撃までの流れと言う事にしておいて頂きたい…
次の人がアルトゥーロ軍VS円卓の騎士軍の戦闘を書くということで…
確かに、読者が言うようにAルート・Bルートに分けて進めるのもいいのかもしれません。
ただ、本当にBルートを書かせていただいてよろしいのか…
自分としては、このスレはAルートのみがあるべきなのだと思っていますが…
もし、皆が望むようでしたら、Bルートは
実はギルバート・デュランダルも生きていて暗躍しており、
アルトゥーロはその配下だったと言う方向性で続けていくのですが、どうでしょうか?
ある程度、ルートを分けてしまう理由の一端に近い戯言ですが…
…ある意味、他人を省みないこの発言と前の作品は、
まるでユニウス落としを決行すると表明した(彼はパトリック派ですが)サトーの如き
傲慢さな気がしないでもないですが…実に申し訳ありませんでした。
678 :
連合兵:2006/04/05(水) 22:42:37 ID:???
…何言ってんだ自分OTL
睡眠不足とか深夜のテンションに関係なく、本気で電波でも受信したのか…?
頭冷やすとかそれ以前の問題に近い…OTL
まぁまぁ、そう落ち込むな
やる気は感じるぞ、個人的にはBパートで進めてほしいなあ
>>677 もともと議長スレから来たわけだからそういうのを書きたい気持ちは解る。
ただ個人的な意見としては、アルトゥーロは『若さと高いカリスマ性を兼ね備えた天才』
のような、言わばシロッコのような立ち位置でいて欲しいと思っている
だからただの参謀に成り下がってしまうのは嫌なんだよな
あと俺もBパート推奨、しかもAパート主要キャラが殆ど出てこないSEED本編に対するアストレイのようなものになればいいと思う。
頑張っている職人さんに無礼なのは承知なんだがね