〜■シンとステラの愛の巣■〜 五部屋目

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24通常の名無しさんの3倍
アスラン。
悲しげな目をして、誠実そうな顔をして、自分達を裏切っていた。
”アークエンジェル”のメンバーと会ってる現場をちゃんと見ていたのに、
それでも彼がスパイだなんて思いもしなかった。
そんな自分のバカさ加減に腹が立つ。
自分は彼の、なにを見ていたんだろう。

メイリンはきっとアスランに騙されて手伝わされてしまったのだ。
あの子はおっちょこちょいだし、アスランのことを好きだったから、
きっと自分みたいに簡単に騙されたに違いない。
そう思うと、一緒に撃たれたあの子がかわいそうでならない。

みんな、かわいそう。
みんなアスランを信じていたのに。
議長も、艦長も、――シンも。
そんな人を撃たされたシンもかわいそうだ。

「ルナ」
不意に背後から声をかけられ、ルナマリアは振り向いた。
自室の前で立ち止まったシンが、ちらとこちらを見る。
「大丈夫かよ……おまえも?」
どこか決まり悪そうに発せられた、いたわりの言葉を聞き、
ルナマリアの胸に暖かいものが広がる。
「……うん!」
彼女がうなずくと、シンはちょっと笑い、自室へ姿を消した。