何か思い付いたんで投下
上空の仮面ライダーインパルス―ルナマリアの身体を一条の光が貫いた
「ルナアァァァァァァァァァァァアァァ!」
仮面ライダーデスティニー―シンは叫んだ。守れる筈だった女性の名を。
守ると約束した女性の名を。
すると彼女―ルナマリアはシンの方を向いた。
良かった、無事だったのかと安堵したのもつかの間、
彼女は落下していった。
まるで空が彼女を手放すのを惜しむかのようにゆっくりと。
シンは落下地点に駆け寄った。
そこには変身を解除し、胸から血を流すルナマリアが倒れていた
「ルナ!おいしっかりしろルナ!ルナアァァァ!」
シンは必死の思いで彼女に呼び掛けた。
すると彼女はゆっくりと目を開いた。
「シン…ごめんね…わたし…」
彼女は言いきる前に再びその目を閉じた。
「ルナ…。守るっていっただろ…。俺を置いていかないでくれよ…」
シンはすがるように、その瞳から大粒の涙を溢しながら呼び掛けた。
しかし彼女は目を開けることは無かった。
「畜生ォォォォォォォォォォォォォォォォっ!!」
シン―仮面ライダーデスティニーは
ルナマリアを貫いた光を放った主―デストロイに目を向けた。
しかしその瞳は憎しみや怒りといった表情は無く、
かわりに困惑と苦悩に満ちていた。
何故ならその巨体な化け物の腹部にはかつての恋人、
ステラの姿があるからだ。
「ステラを…とめなくちゃ…」
シンは正常な思考もできないままに
緩慢な動きでデストロイに向かって歩きはじめた。
そのシンの横を白い影が疾風の如く駆け抜けた。
仮面ライダーフリーダム―キラだ。
「止めろォォォォォォォォォォォォォォォォっ!!」
キラは駆け抜ける勢いもそのままに飛翔し、
その手に握られた剣をデストロイの胸に突き立てた。
一瞬だった。
デストロイはその胸から赤黒い血を吹き出し、ゆっくりと仰向けに、自らの作り出した死と崩壊にまみれた大地に倒れた。
「ステラァァァアァァァァァアァァっ!!」
シンはステラの安否を確かめようと駆けた。
だが、シンの想いも空しく、
デストロイは
ルナも
ステラも
辺りの屍の山も巻き込んで
それら全てを天に帰すかのように
光の柱を立てるように爆発した。
その光景は皮肉にも、とても美しかった。
「ルナ…ステラ…」
シンは、その美しい光景の中に、守るべき全てを失った。
そして絶望の中に、『声』を聞いた。
―着用者の絶望を確認。
デスティニーは運命侵奪兵器・パルマフィオキーナの使用を解禁―
「運命…侵奪兵器…?」
シンはその言葉にとよく解らない魅力を感じた。
そして『声』を不審にも思わず、その『声』に問いかけた。
すると『声』は返答を返してきた。
―肯定。
パルマフィオキーナはあらゆる運命を二つだけ奪うことが出来る。
ただしデスティニーの『核』は我と同化する―
『核』は着用者である自分の事か。
すると俺がデスティニーと一つになればルナもステラも蘇るのか!
そう判断したシンはパルマフィオキーナを起動させた。
「パルマフィオキーナ、ルナとステラから死の『運命』を奪え!」
―了解。二つの運命の侵奪を確認。
これにより『核』、マユ・アスカはデスティニーと同化―
>>288 あははは・・・・
思 い 出 を け な す な !
「マユが…『核』?おい!どういうことだ?!答えろ!」
シンは必死に問った。しかし『声』は答えることは無かった。
かわりに飛来したフリーダム―キラが答えた。
「僕達ライダーのベルトは着用者と親しい人の魂を
『核』として取り込むことで力を発揮するんだ。
そしてその『核』と同化する事で真の力に目覚める。
でも死の運命は侵奪できなかったみたいだね。」
「じゃあ…俺はアンタがマユを殺したと思い込んでただけって、
マユを殺したのは俺だって言うのかよ?!
しかもマユは無駄死にって訳かよ!」
シンはキラにそれこそすがるように問った。
だがキラは無情に、ただこう答えた
「そうだ。君がついさっき、無駄な事でマユちゃんを殺した。」
シンは絶望した。
キラに
世界に
自分に
ライダーベルトに
「ふふ…ふふ…あははははははははははははははははは!」
シンは真紅の瞳に何も写さないままに虚ろに笑いだした。
「そうか…。そうかよ…。なにもかも…全てが俺を否定するのか…。
なら…俺はデスティニーで全てを…俺とマユを否定した世界を凪ぎ払う!!」
シンは本気だった。
シンはデストロイの被害を免れた僅かに生き残った人達を
ビーム砲で焼き尽した。
「…君がこれ以上殺戮を繰り返すというなら…
世界を…否定するというのなら…
僕は君を討ち滅ぼす!」
「来い!キラ・ヤマトォォォォォォォォォォォォォォォォっ!」
そして二人は飛翔し
雲の向こうへと消えて行った。
―それから3年後
二人の旅人は砂漠を歩いていた。
二人の旅人―ルナマリアとステラの目的は同じだった。
フリーダム―キラと共に何処かに消えたシンを見つけ出すこと、
シンがした事は無駄じゃ無かったことを伝えることだ。
二人はシンとキラが飛び去る前に蘇っていたのだ。
そして紅い羽根のライダーの噂を辿り、各地を転々としていた。
「…喉、渇いたわね」
「でも…ステラたち…死なない…死ねない…」
「そうね。」
「シンに…あえるかな…?」
「逢えるといいわね」
二人の旅は続く。シンを見つけるまで、
永久に…
投下終了。
うわ…後になるにつれてクオリティ落ちてる…