Prologe
俺の名前はシン・アスカ。
新米警官で、警視庁の特殊任務隊(特務隊)に所属している。
数年前から、謎の怪人たちによる残虐事件が多発していて、その対策のためにこの隊は作られたらしい。
というわけで、今は怪しい事件がないかどうか、ディアッカ先輩とパトロールしているところだ。
「キャーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」
ん?悲鳴?女の子の?
「先輩、何かあったようです。行きましょう!!」
「んあ?こんな人通りの多いところで怪人が出たら、もっとパニック状態になるだろ。
大方、引ったくりか何かだろう。シン、お前一人で行って来い」
「了解!」
先輩の指示に従って、俺は悲鳴の上がった方向へ向かった。
一方の先輩はというと、近くにあったラーメン屋に入ったようだ。
きっと、趣味の炒飯の研究でもするつもりなのだろう。
チキショウ!自分だけサボりやがって!!
とりあえず、俺は走って、現場と思われるあたりに来た。
しかし、何か起こった形跡は、ない。
本当に何もなかったのか、注意深く調べてみる。
ドンッ!!
痛テ!!
横の方も見ながら歩いていたので、何かにぶつかったようだ。
「キャーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!」
ん?何だ?え?女の子?それにしてもこの悲鳴は?
あれ?ぶつかった拍子に女の子の胸をつかんでいた?エェ━━━━━━Σヾ(゚Д゚)ノ━━━━━━ !!!!
それにしても最初に聞こえた悲鳴とよく似ている。
どうやら、悲鳴はこの子のものだったようだ。
「ゴメンゴメン、ところで、さっきの悲鳴は君?」
「あなた、だれ……?」
「ああ、俺はシン・アスカ。警察官だよ」
「わたし、ステラ……」
話を聞いているうちに、2人とも落ち着いてきた。
ステラと名乗ったその子は、金髪のとてもかわいらしい子だった。
そして、胸も大…って、この際その話はやめよう。
ステラは今日、2人の友だちと遊びに来てたそうだが、ステラが持ってた風船を手放してしまったため、その2人は探しに行ってしまったようだ。
悲鳴は、その風船を手放したときのものだったらしい。
「なんのこっちゃ」
俺は、ステラと別れて先輩のところへ戻ろうとした。
が、その時、緑の髪の少年と、青い髪の少年が近づいてきた。
「スティング!アウル!」
とステラが叫んだ。
どうやら、連れの2人が戻ってきたようだ。
「おい、ターゲットは見つかったか?」
「うん、あそこ…」
「なんか弱そうだなww」
「おいおい、油断するな」
「シン、わたしのむねを、つかんできた…」
「何?それは作戦に使えそうだな」
「シン、やさしかった。ほんとうに、さくせんのとおり、するの?」
「しゃーねーじゃん。上からの命令だし」
「ちょっと、もしもし?」
緑の髪の少年が呼び止めてきた。
「え?何ですか?」
「ステラがあなたに胸を揉まれたって言ってるけど、それは本当か?」
「え?まあ、ぶつかった拍子に触ったというか、掴んだというか?」
「何だと〜、よくも、てめぇ!!」
青い髪の少年が、怒って胸倉に掴みかかってきた。
「我々は、謝罪と補償を要求するニダ!!」
「そうだそうだ、示談金をオークレー!!」
な、何なんだ?一体?
その時、俺の口と鼻を被うように、布がかぶせられた。
その主は、「ステラ…?!」
ステラの、「ごめんね、シン…」と言う声が聞こえたが、俺は気を失ってしまった。