教室の窓から差し込んだ柔らかな光の中、小さな埃がフワフワと頼りなげに舞っている。
今は昼休みのあとの5時間目という事もあってか、授業に真剣に身を入れているはほんの少数だった。心なしか教壇に立つ教師も眠そうに見える。
そんなありがちな光景を気だるげに横目で眺めながら、ルナマリアはぼんやりとした頭で先日、遭遇した災難を思い返していた。
ふいに現れた謎の一団。
彼らに追われ、逃げ込んだ先で見た正体不明の生物。
そして、仮面ライダーと名乗る謎の男…。
そこまで思い返してから、ふいに彼女は後ろの席に首を巡らせる。
そこには授業そっちのけで机に突っ伏したまま、惰眠を貪るシンの姿があった。
「声は似てたけど…まさかね。」
こうやってスヤスヤと寝息を立てている彼の姿と、この間の戦士の勇姿はとうてい同一人物だとは思えない。
ルナマリアは自分の想像力の逞しさに苦笑すると、照れたような小さな笑いを浮かべた。
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン。
茜差す空の下、放課後の訪れを告げる鐘の音が鳴る。
程なくして校門前は家路に着こうとするもの、これから街に遊びに出掛けようとする生徒達の姿で溢れかえっていた。
そこにはルナマリアを始めとする一団の姿もあった。学校が終わった開放感からか皆、はしゃいでいる様に見える。
「ねぇねぇ…シンさぁ、デュランダルさんてカッコいいよねぇ♪彼女とかいるの?」
「さぁ…どうだろ、分かんないなぁ…。」
「え〜…はっきりしない返事だなぁ〜。」
先程から場の中心となって賑やかに話題を振りまいているのはメイリン・ホーク。
シン達とは一つ下の学年であり、ルナマリアの実妹でもある。
彼女を中心にしながらシン、ルナの3人が下校するのはほぼ毎日の事だった。
「…バカねぇ、デュランダルさんみたいな大人の人がアンタみたいな子供を相手にするわけないじゃない。」
思わずルナの口から皮肉めいた言葉が飛び出す。そんな姉のからかいに、不満げにぶうっと頬を膨らませるメイリン。
ルナ、メイリンが言うデュランダルとはシンが現在やっかいになっている喫茶店、『赤い彗星』のマスターギルバート・デュランダルの事だ。
三十路をとうに過ぎてはいるものの、腰の辺りまで伸ばした長髪とミステリアスな風貌が近所の中高年はおろか、彼女達10代の少女にも好評を箔し、店はまずまずの客足である。
「そう言うお姉ちゃんだって子供じゃな〜い。」
「何ですって〜!!」
軽く反撃に出たメイリンに対して、ルナがわざと怒ってみせた。軽く握った拳を振り上げて追いかけてくる姉から逃れようと、メイリンはキャーキャー言いながら小走りに逃げ回る。
そんな風に目の前でじゃれ合い続ける仲のいい姉妹を暖かい眼差しで見つめるシン…それはたった一人戦い続ける彼にとって、数少ない心癒される時間の一つである…。
ガノタ仮面氏が投下中に言うのもなんだけど、
ちょっと文章作ってみたから、投下してみてもいいかな?
ガノタ仮面氏の作品はシリアス調ですが、流れを破壊しかねないギャグ調です。
(つか、ギャグしか書けんよ俺orz)
とりあえず、プロローグが完成。
題名は「仮面ライダーシン」(安直やね)
以下に基本設定と、プロローグの登場人物書くから、読みたい人いたら、反応してくれ。
誘拐された一般人
↓
↓肉体改造・洗脳
↓
強化人間
↓
↓脳改造
↓
怪人
敵組織の怪人製造フローチャート
つか、設定これしかできてないww
シン・アスカ:新米警官。特殊任務隊所属。
ディアッカ・エルスマン:シンの先輩警官。この板の常識で趣味はアレだ。
ステラ・ルーシェ:強化人間
アウル・ニーダ;強化人間
スティング・オークレー:強化人間
あ、俺文才ないし、投下希望ならそれも考慮してね
「アイツらもよく飽きないよな〜。」
「…まぁ、それだけ仲がいいって事なんじゃない?」
背後から聞こえてきた聞き覚えのある声にシンは振り返り、思ったままを口にする。
そこには先程シンに語りかけてきた、茶色く染めた前髪の一部に赤いメッシュを入れた軽い感じの少年と、浅黒い肌から覗く細い眼差しが知的な印象を与える少年がもう一人立っていた。二人ともシンと同じ制服に身につけている。
軽い感じの方がヴィーノ・デュプレ、浅黒い肌をしたのがヨウラン・ケント。
二人はシンのクラスメートでもあり、また気心のしれた悪友でもある。
「ヴィーノとも話してたんだけどさぁ、シンは買うのFD\?」
シンがこちらに向き直ったのを見て、ヨウランが口を開いた。その言わんとするところを察し、シンがぶっきらぼうに呟く。
「俺はいいよ…お前らがクリアしたら、貸してもらうさ。」
ヨウランが口にしたのは某有名大作RPGの新作タイトルだった。しかし以前の自分ならともかく、今は得体の知れない組織と命のやり取りをしている身だ。
今更ゲームの世界での冒険に心を熱くしてなどいられる筈がない…。
そこまで考えてから、自分と友人達との間に大きなギャップが在ることに気付かされる…そこにあるのはどうしようもない日常と非日常との壁…。
分かってはいる筈なのに時折、それを忘れてしまっている迂闊な自分…それ故、この前はルナを危険な目に遭わせる羽目になったのだ…こんなんじゃ、誰一人守れやしない!!
シンは二人に力なく苦笑してみせながらも、内心自分の不用意さを激しくなじるのだった。
>>256 いんでね?まずは投下してみそと言ってみるテスツ
つかギャグかけるの…ウラヤマシス
(*´・ω・`)
「そっか〜、3人でどいつが一番早くクリア出来るか競いたかったのによ〜。」
シンの心中を知ってか知らずか、ヴィーノが明るくぼやいて見せた。
そんな悪友に軽い皮肉の一つでも投げかけてやろうとした時だった…不意に見覚えのある姿が視界の隅に映り込む。
それは巧みに街角に溶け込むようなカモフラージュを施されていたが見間違えるはずがない、ザフトの改造人間だ…それも複数…。
背筋が凍るような…しかしそれでいて、体のどこが高揚していく様な感覚が身を襲う…。
こうなっては嘘をついてでも、友人達を一刻も早くこの場から遠ざけるしかなかった。
「ヴィーノ、ヨウラン…ごめん、俺学校に忘れモンしちまった…。ルナ達と一緒に先、帰っててくれないか?」
「バーカ、何やってんだよ。付き合うって…ホラ行こうぜ!!」
シンの苦しい言い訳を最後まで待たずに、ヨウランが口を挟む。
せっかくの友情だが今はそれを有り難く思っている場合ではない、シンは前言を撤回すると実はこれからデートなのだと嘘の上塗りをしてみた。
…これには案外リアリティがあったようで二人は思い思いの冷やかしを浴びせながら、その場から立ち去っていく。ルナとメイリンも同様だ。
あとにはシンだけが残された。
彼等の後ろ姿が見えなくなったのを確認すると、彼は先程まで進んできた道を戻り始める…その瞬間から、体にいくつもの視線が突き刺さってくるのを感じる。
「ここじゃあ、お互いマズいだろう?ついて来いよ…。」
そう吐き捨てたシンはいくつもの角を曲がり、裏通りから裏通りへと次第に人気のない場所へ向かっていく。
ザッ…ザッザッ…ザッザッ…。
そんな彼をどこからともなく聞こえる足音だけが付き従ってく…まるでそれは姿の見えない亡霊の様だ。
「へぇ…ずいぶん数を集めたもんだな…俺も評価されたもんだ。」
姿見せぬ追跡者を従え、辿り着いた先はとうに打ち捨てられた廃工場だった。
至る所に砕かれたガラス片が転がり、開け放された窓から差し込んだ真っ赤な夕日が床を所々、染め上げている。
案内を終え、シンが振り返ったそこには…サラリーマン、大学生風の男女、初老の男性といった様々な格好の老若男女がひしめき合っていた。
その数はざっと五十といったところか、その全員が一様に死んだ魚の様な生気のない瞳でシンを見つめている。
彼らは室内の中央に位置する彼を取り囲むでもなく、突っ立ったままだ…その姿はまるでゾンビを思わせる。
「これは…いい死に場所を選んだものだね、君のような人間に相応しい…。」
突然、外から何者からの声が届いてきた。
コツ…コツコツ。
ゆっくりとした歩みを思わせる靴音が廃工場の高い天井へ昇っていくようだ。
その音が近づくにつれ、目の前のザフトの戦闘員の群に動きが生じた…やって来る何者かの為に中央に道が開かれていく。
それはまるでモーセの十戒にあったワンシーンを思わせる光景だった。
「流石に雑魚だけってワケじゃないか…幹部も来るとはね。」
そう呟く、シンの前に仮面の男が姿を現した。その瞳の部分がユラリと怪しく輝く。
「やぁ…初めましてかな、私はラウ・ル・クルーゼ…組織の諜報活動を預かっているものだ、宜しく…。」
そう言うとザフト最高幹部が一人、クルーゼは口元をニィッと上げ不気味に微笑んだ。