脚  本      両 澤 千 晶  vol.2

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それぞれの恋の行方

――最後に『SEED DESTINY』の中での恋愛の描き方について、お聞きしたいのですが。
両澤 ちゃんと、若々しい恋愛をやっていたのは、シンとルナマリアだけですね。キラとラクスは落ち着いちゃって
るし、アスランとカガリは勘違いの恋です。だって、カガリは別にアスランのこと、それほど好きじゃないでしょう。
――でも、かなりお互いのことを意識し合っていたのでは?
両澤 たしかに、カガリは優しく接してくれて、アスランは誠実な男ですから、助けたいという思いは、自然に出来
上がっていったでしょうね。でも、カガリには国政という重要な仕事がある。アスランに関わってばかりいるわけに
はいかないんです。
――最終的にカガリは、アスランではなくオーブをとったいふうに見えました。
両澤 私は、カガリがオーブもアスランも取って、もう一回ちゃんとアスランと向き合えば、ちゃんとした恋人同士に
なれるかもしれないと思います。もちろん、それにはアスランの努力も必要で、カガリのそばにいて、彼女のフォロ
ーをしているだけではダメ。カガリが守ろうとしているのは、国なんですから。そのために自分も世界平和を実現で
きるようなポジションに行かなければ。
――カガリと対等になれ、と。
両澤 そうですね、極端な話、プラント最高評議会議長になってから、プロポーズしに行けと(笑)。そこまでしないと、
カガリとうまく行くことはムリなんじゃないでしょうか。
――一方のシンとルナマリアは、等身大のカップルですね。
両澤 シンは周りの女の子に手当たり次第にすがっていただけなので、最初は恋愛じゃなかったですね。でも、ル
ナマリアがシンより年上ということもあって、最終的には、ちゃんと恋人同士になれるんじゃないかな、と。
――最終回では、ルナマリアの膝でシンは大泣きしてましたね。
両澤 あれでいいんじゃないですか。シンはそれまで一人で頑張ってきたので、ルナマリアは、シンのつらさを受け
止めてあげられるしっかりした子なので、うまくいくんじゃないかな。