どうなる?
やっぱり空気化
>>1 君のような人がこの先生まれないことを切に願う
4 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 22:51:05 ID:dReM32OE
ステラとのキャットファイトを経てめくるめく百合の世界へ。
ガンダム史上最弱の主人公
>>1間違えるな
もしもキラではなくルナマリアが主役だったら
妹より弱い
初の女主役
頼むからガナーやめてスラッシュに…。
ビームライフルが当たらない
↓
毎回敵機に肉薄されてボコボコにされるインパルス
↓
乳揺れしながら悲鳴をあげるルナ
……いいんじゃない?
マホー
11 :
1:2005/09/11(日) 22:55:52 ID:???
あくまでIFな話なんで、
シンは脇役で種割れなしで搭乗機はザク、
ルナは主役で種割れありで搭乗機は衝撃、
こんな設定で考えてみませう。
いいんじゃないの。「元気いっぱいの女の子」が主人公のガンダムって今までに無いし。
そういった新しい方向性も見てみたい。
カップリングとか、嫁補正とかそんなんを抜きにして考えたらかなり楽しめそう。
初めはショボい量産機しか貰えないけど、任務を成功させて功績を積んでいくと、
そのうちガンダムがもらえてエースパイロットとしての端くれになれる。
フリーダムとの間になんの因縁もないよな。
オーブとも。
「ルナマリア・ホーク」という、一人のパイロットから見た一連の戦争を描写するというのは
面白い試みかもね。地味〜な戦争の裏舞台なんかも見えてくるだろうし。
毎週撃墜される→「お姉ちゃん!!」
あの腕前でどうやって赤服になれたのかという謎がついに明らかになるのか
>>17 主役補正で強くなるから大丈夫だお。
種の戦闘での強さ
補正70%
MS20%
中の人の腕10%
結論はとりあえずテレビでやる話じゃねーなでFA
毎週ルナマリアが魔法少女に変身して敵と戦う
前作主人公との因縁なし。トラウマなし。主義主張特に無し。
……おおお。なんか随分カラッとした話になりそうだな。
25 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 23:06:40 ID:E7KMxC5a
嫁補正を受けられないルナマリアが種世界をなんとか生き延びてゆく感動のドラマがw
とりあえず誰か主役らしいトラウマ話作れ
28 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 23:07:48 ID:0qNVbEQQ
ルナならラクス様の電波攻撃も無効化できるな。
単純馬鹿だから
「だからなんなのよ」とか言いそうだよな
主役にするにはルナマリアには実は秘められた過去が…とか必要だよ
あほ毛に隠された謎の力とか
ガロードみたいな健康的な単純バカ主人公になりそうだね
校庭走ってたら異世界にタイムスリップ
悪の組織ロゴスによって頭に爆弾を仕掛けられている
毎度毎度撃墜されて、ベッドの上で生きてることに感謝する人間賛歌ドラマ
メイリン「お姉ちゃん、この調子で壊してたらフライヤー全部なくなっちゃうよ?」
ルナ「うるっさいわねー。しょーがないでしょ、アタシだって頑張ってるんだから!」
タリア「しょうがないで済むわけないでしょ!ルナマリア!!」
…みたいな。
今から予想します
そのうちこのスレにメイリン厨が乱入してくる
良スレの予感?
監督を河森にして、音楽は管野よう子
しだいに成長し続けるあほ毛に身体を侵食される話
ルナ→ひとみ
シン→バァン
アスラン→アレン
ミーア→ミラーナ
メイリン→メルル
>>37 さすがに、良スレ化は難しいんじゃないかなw
ルナマリアはスパイ
脇役っぽい所がルナマリアの魅力です
44 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 23:18:05 ID:E7KMxC5a
ポークはイラネ
>>44 まぁネタスレでもちょい真面目っぽいスレでもなんでもいい
取り敢えずメイリン死なせてシン化させれば
とりあえずザクにおっぱいミサイルを装備させよう
ルナマリアが主役ならば…
メイリンとは敵味方に別れてドラマが
ディオキアで、崖から海に落ちたステラを見て
「うわっちゃー」と呟いたあと、一応119番通報だけしてあげるルナマリア。
撃墜したガイアのコックピットから覗けた傷だらけのステラを見て
「艦長、なんかまだ生きてるみたいなんですけど、どうします?コレ。」と冷静に指示を仰ぐルナマリア。
結局収容されたステラの処遇(タリアと医師の立ち話)を立ち聞きしてしまって、
「あー、やだやだ。軍隊ってホント、ドス黒いわよねー……」と、
ちょっと鬱になる(だけ)のルナマリア。
オクレあたりを乗せて侵攻してきたデストロイの迎撃、
「こんなのアタシ一人で倒せるわけないでしょーが!!」とか逆ギレしながら飛び回ってる間に
代わりにやっつけてくれたフリーダムに素直に感謝するルナマリア。
ところが今度はそのフリーダムとAAの討伐命令。
なぜか異様にやる気マンマンのシンに、インパルスを喜んで譲るルナマリア。
「フリーダムの人には悪いけど、まあ戦争だしね。しかたないか……」
ちょっとアンニュイな気分に浸りながら、のんびりシンvsキラの激闘をモニター観戦するルナマリア。
女主人公ガンダムって今まであったの?
女ガンダム見てみたい気はする。
両親自由に殺されてザフトに志願した姉妹でいいじゃん。普通に
マユ→メイリン
部屋で1人 携帯のメイリンの声を聞きながら悲しみにくれるルナ。
ミネルバのオペはアビーで。
オペはマユでもいい
主人公ルナには相手役固定せずに男難させろ。
腐の自己投影キャラになるか、徹底的に叩かれるキャラになるか
,........_
, -‐-、//´ ̄`` _
,ィ´/ ヽ{ r‐ミ、
/ィ´ ,.- '´ ̄ ` ー‐- 、 ' } }r'ニニ;ヽ
l/ ∠ ` て ̄` ` r' ノ. ヽ\
ヽ / / r' ,,._⌒__ ヽ ヽ ヽヽ
_ } / l ハ{ `ー、ヽ 、} ヽ l il
/r、 }{イ /{ l、ト -'‐1 l 、ヽ } },j
, ‐ゝ{ ノノ ヽ{ トlてミ ヽ/ィ // } } /
ヽ l ヽ、 - ' ノト'、ゞ‐' てメ/ィ l | /
,ゝ ___∠アィ , { ' ` -'_Z__ ノヘ {
/イ/T{ r――ミ、ゝ、ヽ、 F- ァ ‐z'´ rフ´ヽ ヽ { , = -、
ゞ‐ァ'´ヽ、 ヽ `ヾヽ~´_,,.rイ ィ iヽ \ヽ ヽ`__j }
/ l ヽ ヽ、  ̄ `く l /// ヾ、 ` 弋_
/,l { ll,ll\ ヾヽ、\ ヽ ヽ´ノ´ _ヽ ` 丶、ヽ`, ニ=
{ l| l |lト,l,!, `''メヽミ、} {1リ'て / } . 、}}jノ
l{ l l ト|弌i!ヽ ´てシ7j ∨ } r ‐´ ノ 、_jノ
/ / |,てう フノ ,{ { r‐ ニrヘ
厂ヽ ヽ ゞ' ` , /イ ノjノ | 「~zニr‐'' }
{,. -ュ_`ヽニ;Z_ ''' ´ /~ | ヽア´ へ
r'/ニヨ`1 l l` ニュ‐ '丶、 ノ1 /__ / 丶
l// r'" ゝ‐''"´ ヽ、ヽヽ ,∠ l/` −、_ ヽ
| {_ -'´ `ー‐ニく /丶 l
l/ / _ -'´ } / } }
/ l_ __/~「 ̄フ {__, / /
7ヽ ゞrニ_{ |/ ̄~7 { } _,イ _,.イ
j `-r ' , }' Lニニ」 |ノ ヽ / r7_- ニ‐´/
ゝ , , {,.Li { | / !〈r‐7"´ /
゙t~、_`''- ヽ}┘ 、 _ イ | l rl /
てヽ` ト、__ ヽ / ハ 7 /
lヽ、 }  ̄ ~ −―へ l ヽ{. /
ヽ ` −-} ヽヽ //. /
ヽ ,∧ノ_ ヽ,ィ /
` / //「` r- 、__ ヾ. /
r' j{ ` −‐'  ̄~ −ヽ {
_ -‐'´ ノ'、 { j
_ -ァ´ _ -‐'´ { , - ― ―― ! ./ヽ
59 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/11(日) 23:51:28 ID:E7KMxC5a
小隊規模でやってほしいな
偉い人が直接絡むのはせめて最期の方で。
凸の搭乗するザクと相打ちになる
…そんな感じのポケットの中の戦争
腕の差から考えて、コクピットに刺さるのはルナになってしまいます
それつまんないね
凸に色目使い出しておかしくなったから最後まで敵対して欲しい
ザフトに入った動機はなんとなく。要するに周囲に流されたとかで。
で、ちゃんと理由持ってるシンと一緒に戦っていくうちに色々と考え始めるとか。
過去に因縁アリのお堅いタイプの女性軍人が欲しい
それと民間人のマユを助けて逃避行みたいなの
シンは敵で呪いめいて追い詰める側
史上最弱主人公ってのもいいかもしれない。
毎回毎回撃墜されて、ほうほうの体で帰ってきて。
すぐに次の敵。修理もままならないまま間に合わせで出撃。
ガオガイガーみたいな、「寝たきりサイボーグ」のイメージで。
補給の遅れもあるとなお良し。
百合ガンダムしかないだろ
伝説のニュータイプの遺伝子を組み込まれたコーディネーターで、
ふとしたことから古代遺跡に埋まっているガンダムを発見。
ほどなく敵が襲ってきて、故郷は壊滅。家族も全滅。
ジャンク屋仲間の友人達と共に白い戦艦に保護され、襲ってくる敵は力を合わせて返り討ち。
話が進むと敵もガンダムタイプのMSを開発し、5人の少年パイロットを搭乗させて刺客にする。
さぁピンチとなったところで、昔格闘技を教えてくれた師匠が助けてくれるが、速攻で敵サイドに。
3クール目あたりで死んだと思われていた兄(クローン)と再会、月のサテライトシステムのことを教えてもらい、必殺技追加。
ラストは敵が地球に落とそうとした隕石を単機で止めようとする。
それに釣られてザコ多数もノリで一緒に止めようとする。
結果は不明だが、とにかく光になる。
EDが流れた後、山奥で片足を失ったルナマリアが訪ねてきた仲間を笑顔で迎える
そんなパクリ要素満載ガンダム
エゥティタのミッションモードみたいになりそうだな
最初はロクな機体が貰えないので三馬鹿やキラやアスランに遭遇したら
僚機が助けに来るまでひたすら逃げるしかない
なんかの間違いでミネルバ最強の機体インパルスに乗ることになった最弱の赤服ルナマリアが
圧倒的な機体性能に助けられ生き延び続けながらも、あまりにも低い戦果とあまりにも酷い機体の損耗によって
シンにもレイにも整備士たちにもタリア艦長にも白い目で見られて悔し涙を流しながら、
それでもなんとか頑張って成長していくスポ根物語でひとつ。
75 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/12(月) 18:14:04 ID:oHYuIj0u
主人公(シンみたいな偽じゃなく本物の)になったことで内面描写が大幅に増えたルナマリア。
実は番組開始当初、将来性を買ってレイを狙っていたことが明らかになる。
だが奴はリアルフォモだった。
ガックリ来たのも束の間、次の標的アスラン・ザラがミネルバに赴任。
ラッキー!
……だけどこの人も、なんか似たような匂いが。
76 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/12(月) 20:02:18 ID:WEvSXO9n
>>67みたいなのでイイんじゃないんでしょうか? 誰かSS描いて。
神無月の巫女
まずはどうやって赤服なんて分不相応なものを着れたか描写が必要
79 :
76:2005/09/12(月) 20:43:00 ID:WEvSXO9n
>>78 赤服目指して努力した結果でイイのでは
あと射撃ヘタ設定は要らんから
80 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/12(月) 21:11:44 ID:WEvSXO9n
保守
ああうんこしたいいんこしたい
姉御肌で軍人なルナマリアなら面白くなるはず
もうヒロインがルナで、主人公が遺作でええやん。
高山瑞穂に監修させれば普通に面白くなると思う
そもそも負債じゃなければ少しは面白く・・・
カプネタはどうしよう?
マ ホ
一話で死亡
銃口を向けながら凸との出会い→凸、セイバーで帰還後お出かけイベント発生→ミネルバにて妹と凸争奪戦開始
→桃乳登場で焼餅全開→カノジョ気取り→凸、自信喪失→告白→スルー→シンに乗り換え→うまくいかず→破局
→戦場で凸と再会→シンの焼餅イベント発生→シン介護エンディング
主人公になっても補正の力で4バカの間には喰い込めないだろうな…
メイリン!?きっと脚本家にスルーされるよ
ルナ主役ならシンいなくていいだろw
余計な尺取るだろうが!
93 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/13(火) 16:35:32 ID:0halmqot
>>92 そうは行かん。ルナの代わりに凸とミーアの泊まってる部屋におしかけていって、
「なにやってんだアンタはァ!!」とブチ切れる役割が残っている。
あとストーキングと。
メイリンとの姉妹愛
シンもしくは凸との恋愛
戦争に対する姿勢
アホ毛の存在価値
なんで弱いくせ赤服きてるか
こんなところか
マユ主人公スレにいる職人を召喚しよう
最近のゲームって主人公を男女から選べるじゃない?
あれで言うと普通に男主人公はシンで女主人公はルナマリアになると思うのだが。
どっちを選んでも男女NPCのリアクションが大差なかったりするとテラワロス
ルナマリアが主役かと思いきや途中でメイリンが主役をのっとります。
どうかインパルスで活躍させてやって下さい
100 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/13(火) 19:48:02 ID:Nk6T0gPg
まあ俺がルナ主人公にするならシンとレイもまともな青年にするな
壊れても壊れてもアンパンマン方式で復活できるインパルスは、実にルナマリア向きの機体。
とりあえず活躍できないので運命の受領イベントをシンにとられます。
シンには最初は一般カラーのスラッシュザクウォーリアで活躍してもらうか。
ああそれで主人公であるにも関わらず最初は格下だった
シンにポジションを奪われる、と。
て、目茶苦茶つまらんだろw
107 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/13(火) 23:37:36 ID:Nk6T0gPg
むしろザクのままでもいいかもしれないな。
ザクといっても時々改造されながら強くなっていったりとか。
あるいは途中でMSVのグフクラッシャーでも。
カプはアウルナで
アウルとステラの役割を入れ換えるのな。ステラカワイソス
>>110 そうなったらステラは単なるデムパでしかないなwww
ルナステでいいよ、俺は。
百合萌え
キラはムラサメ乗ってくれ。
自由だと勝負にならんw
シンはザフトではなくオーブ軍に入隊していてトダカの右腕になっている
ラボに調査しに行った際に惨状目撃してゲロゲロ
介抱してくれたアーサーに惚れる(今までは眼中にナシ)
自分の中でのルナマリアの好感度アップ
主役になったら主役補正が掛かるんだろうが、強かったらルナマリアじゃねぇ気がする
ラジオのパーソナリティも真綾
わふわふは絶対にゲストで来ない
13話でザムザザーに両足掴まれて股間にビームぶちこまれそうになった時種割れ
女は割れるとか弾けるじゃなくて、光が集まるとかそういう表現の方がいいな
セーラー戦士に変身するってのはどうだ?
負債補正よりマシだろw
運命やストフリ以上の性能機体を使いこなすために色々がんばるとかどうよ
戦闘中にヤバくなったらメイリンがガンダムの口の中にほねっこを放り込む
↓
今週のビックリドッキリルナマリアがゾロゾロ出てきて大逆転
↓
敵MS爆発後、キラアスカガリが3人乗り自転車で夕日をバックに逃走
↓
ラクス様からおしおきだべー
>>125 ヤッ○ーマン役は誰?
ツン?レイだったら似合わなすぎてワロス
>>124 それはステキな展開ですね 是非その路線でオネガイシマス
ラッキースケベはどんな展開に?
131 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/15(木) 09:16:42 ID:FlwxQ+LT
アーモリーワンでつまづいてコケたアウルが、買い物中だったルナマリアの股の間に顔面ダイブ。
なにそのハァハァな展開は…
きぼんぬ
前方不注意で歩いていたルナマリアがスティングに正面衝突。
よろけて倒れるルナを(強化人間の足腰の強さ>コーディの足腰の強さだから)上手いこと抱きとめて
「大丈夫ですか?お嬢さん」とサワヤカな笑みを浮かべるスティング(潜入中につき人当たりが良い。ディオキア参照。)。
ポーッとしながら見送ったあと、メイリンに突っ込まれるルナマリア。
後々、スティングが異常に強靭な肉体の持ち主であったことに気づく伏線。
それに気づいてどうすんだ?
135 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/15(木) 19:05:01 ID:hl5O1mC7
職人サン期待あげ
時間があったら「MS操縦演習」「破壊された市街地の復興」という地味ーなネタで書いてもいいんだけど・・・
期待して待ってる
カガリと五分に渡り合う
主人公ルナマリア…駄目じゃんw
テレ東でルナが主役だと証明されました。
もっとみんなにもわかるように言ってください。
わくてか
>>140 他のところで拾ってきた。
>TVチャンピオンによると
>アホ毛のある女性キャラはヒロインの証なんだってさ
>ルナもデス種のヒロインの誇りを忘れずにな
143 :
140:2005/09/16(金) 07:13:18 ID:???
職人さん早く来てください。このままじゃスレッド落ちますよ!
勿論、シンorレイとルナマリアとスティングのハアハアカップリング関係で話を引っ張る為ですよ、
>>134さん。
そして“ドモン、撃て!”“兄さん、僕には出来ないよ!”みたいなステキ展開に……誰かSSお願い。
ガンダム貰った男の子を横目に見ながら最新鋭量産機で頑張る女の子のスレはここですか?
議長「シンとアスランは来てくれないか。あとルナマリアも」
シン「はい」
凸「はい」
月「はい」
議長「これはデスティニー、シンの機体、こっちはレジェンド、アスランの機体。どちらも最新鋭の機体だよ」
月「議長、あたしは何故呼ばれたのですか」
議長「君はこっち」
シン「紅いグフだ」
月「…」
>>67 その展開いいな
ルナっぽくて
それと最初から強いのは勘弁だな
しかし、手首から伸びるムチだけは密かに気に入ったルナマリア。
いっそ主役は3機ともザク*1にするのはどうかな?
3機とも色違い*2&頭部違い―しかし基本はザクヘッド―にして(アムドライバーみたいな感じ)。
それならザフト流武装換装システムも活用出来、連合との差別化―連合はガンダム一辺倒で―*3も図れたろうに。
タイトルは“機動戦士G-SLAYER”とでもすれば。
ガンダムじゃないと売れない? そんなことはないでしょう、アニメスタッフが頑張ってくれれば。
*1その場合“あの名機体・ゲイツの発展系MS”って設定で。
これならゲイツを考えた“彼”も報われるってモンよ!
*2ルナザク:赤系 レイザク:青系 シンザク:白銀系、いっそ黒系
*3例えば住民を不当に虐殺するMSもガンダムヘッドMSで。
そうすれば“正義”の胡散臭さも伝わるかな。
ルナ「ザクとは違うのよ、ザクとはーっ!」
バンクの都合で換装システム使いにくいなら、
いっそ換装システムは無くしてこうすればよかったんじゃないかな
・3機のザフト製試作ガンダム“インパルス”で構成された部隊
・基本割り当て ルナマリア:飛行巡航形態変形インパルス レイ:インパルスガナー
シン:インパルススラッシュ
それからスパロボみたく一時的に機体を交換する回があるとイイね。
職人さん来訪までスレッド保守します。
>>151 もともとそういう機体が3機あるわけだな
それぞれに事情持ちな同僚二人&ファントムペインとの関わりは
面白くなりそうだと思うんですが? ついでに整備士コンビとの絡みorメイリンとの交流&確執も。
155 :
しのはら:2005/09/17(土) 23:09:42 ID:???
マユ主人公スレで職人の真似事してる者です
書いてみたいんですが・・・
来たぞ来たぞ職人age
しのはらキタ――――(・∀・)――――!!!
期待してます
158 :
しのはら:2005/09/18(日) 09:55:14 ID:???
許可下りたので投下します
少しの間お目汚しを・・・
159 :
しのはら:2005/09/18(日) 10:01:15 ID:???
CE73・・・
大戦終結後、地球連合はその力を大幅に弱体化させた。
世界各地で反連合のテロが発生、泥沼の紛争が始まった。
プラント評議会は地球在住コーディネーターの安全を確保するため、平和維持軍の派遣を決定した。その中には史上二番目に女性エースパイロットとなった、ルナマリア・ホークの姿もあった。
ルナマリアたちを乗せたザフト潜水母艦クストーは今、北アフリカへと向かっていた。
連合に包囲されたコーディネーター居住区を解放するためである。
160 :
しのはら:2005/09/18(日) 10:09:56 ID:???
満月の夜。
静寂を切り裂いてクストーが海外に乗り上げた。
すぐさま、地球軍の攻撃が始まる。
「歓迎してくれちゃって!」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ、お姉ちゃん」
「わかってるってメイリン、出るわよ」
垂直発進口から、赤く塗装されたスラッシュザクウォーリアが飛び出した。
あたりでは既に激しい戦いが始まっている。
数で劣るザフトだが、技術と戦術で互角に交戦していた。
「いえええい!」
ルナマリアは着地と同時に、二機のダガーを切り裂き、三機目をライフルで撃破した。
彼女たちの目的は、海岸に拠点を築くことだ。
ザクはビームアックスを振り回して、戦線深くへと食い込んでいった。
161 :
しのはら:2005/09/18(日) 10:33:55 ID:???
海岸がほぼ制圧された頃、メイリンから緊急連絡が入った。
「気をつけてお姉ちゃん、正体不明のMAが接近中!」
ルナマリアの足元に、真っ二つにされたシグーが転がってきた。
地球軍の新型MA、ゲルス・ゲーだ。陽電子リフレクターは全ての攻撃を無効化し、ザフト軍は次々に倒されていく。
「面白いじゃない!」
「お姉ちゃん!」
ルナマリアはビームバルカンを撃ち、リフレクターで防御された。
そのまま飛び上がり、MAのビームが浴びせられる。
「甘〜い」
ルナマリアは口元を歪めた。
爆発が起き、メイリンが悲鳴を上げる。
「お姉ちゃんに任せなさい!」
黒煙の中からザクが飛び出してくる。ウィザードを囮にしたのだ。
アックスを一閃、MAを両断した。
一時間も経たないうに海岸は制圧された。
メイリンが泣きながら抱きついてくる。
「心配したんだよ!?お姉ちゃん」
「大丈夫よメイリン。私はここにいるから・・・」
162 :
しのはら:2005/09/18(日) 10:35:46 ID:???
投下終了です
ではノシ
職人さん更に来て下さい。
(既存の設定その他は無視)
C.E.70…地球連合軍のオーブ侵攻に巻き込まれ、戦火を逃れたホーク一家。
しかし、家とともに製作期間半年に及ぶMGリックドム12機、通称「妄想コンスコン隊」を焼かれた長女ルナマリアは
失意のうちにオーブを去り、プラントへと帰っていった…。
その後、ザフトは新型MS「ザク」をロールアウト。
燃えるようなザク愛を理由にザフト軍入隊を志願するルナマリアと、寝起きモードで姉の付き添いをしていたら、いつのまにか入隊していた妹のメイリン。
仮初めの平和な時代を二人の姉妹はわりと気楽に駆け抜けていく。
そしてC.E.73。
アカデミーを卒業し、新造戦艦「ミネルバ」に配備されるMSパイロットに任命されたルナマリア。
偉い人 「ホーク君、君にはザフトの新型MSであるインパルスのパイロットを…」
ルナ 「ザクでお願いします」
偉い人 「…え?」
ルナ 「ザクで。 それと赤で。 できれば角も欲しいです」
偉い人 「いや…角は指揮官用だから…」
ルナ 「わかりました 角は自前でなんとかします」
一方、妹であるメイリンはミネルバの通信官制担当に任命されていた。
メイ 「あ、お姉ちゃん、私もミネルバに配属になったよ…って、前髪はねてるよ」
ルナ 「違うわ、アルテイシア。 これは角よ」
メイ 「…」
続かない
ガンオタルナワロスwww
GJ
>>164 ギャハハハ!なにそのガノタに媚び媚びなのが丸分かりなガノタ美少女設定。
そんなんに騙されるとでも……
騙されたい……w
しのはらカワイソス
>>しのはら氏
あれ、ルナマリアが強いぞ
熱血ガンオタ姉貴のルナを冷静に突っ込むメイリン
良いな
この姉妹、入隊の経緯とか動機とかも掘り下げて設定してありゃ、もう少し厚みが出たと思うんだよねェ……。
キラ様とアスきゅんの親友になる経緯すら描けない負債に無理難題をおっしゃる
174 :
164:2005/09/18(日) 23:50:47 ID:???
(1話だけ作ってみますた 長いので無視してくれてかまいません)
C.E.73 10月某日 プラント『アーモリーワン』
オーブ代表首長カガリ・ユラ・アスハとプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルの会見が行われている一方、
ルナマリアは近辺の玩具屋で購入した、MGシャアズゴとアッガイ2体を手に、基地への帰路を急いでいた。
先ほど曲がり角で青い髪の男と衝突し、アッガイを落としてしまったことを憤慨しつつ、
報復としてかました回し蹴りにより、独楽のように回転して地面と友達になった男の姿を思い出して、気持ちを落ち着ける。
数時間後、基地内で「妄想ジャブロー進入部隊」をせっせと作るルナマリアの耳に突如鳴り響く警報。
謎のグループが破壊活動を開始し、さらにロールアウト直前の新型MS『ガンダム』を強奪したのであった。
爆煙立ち上る基地施設内で、危機に立ち向かうザクウォーリアのコックピットには先の大戦の英雄、アスランの姿。
精神コマンド要員として、カガリも共に搭乗させている。
スクランブルを受け、直ちにザクに乗り込むルナマリアと、同期のレイ。
レイ 「行くぞ」
バーニアを唸らせて、ジャンプ体勢に入るレイのブレイズザクファントム。しかし…
ルナ 「お待ち」
飛び上がったレイの機体の足を、ルナマリアのザクの手が獲物を狩る獣のように捕らえた。
勢いを殺され、顔面から地面に激突するレイのザク。
レイ 「ぐっ…メインカメラがやられた!? 何をする、ルナマリア!?」
地面に口づけするレイに、高みからルナマリアの声がこだまする。
ルナ 「あんたこそ何やってんの。 白い角付きザクに乗るのは『シン』に決まってるじゃない。
レイは『レイ』らしくガンダムにでも乗ってなさいよ」
レイ 「な…インパルスのパイロットはシンに決定されて…」
ルナ 「だったら盗むとかパチるとか勝手に頂戴するとか、色々方法はあるでしょ! 最低限のルールは守ってよね!」
あまりの理不尽さに号泣するレイを尻目に、単独で戦地に赴くルナマリア。
一方、強奪された3機のGに、アスランとルナマリアより一足先に現場に駆けつけたインパルスに搭乗するシンは苦戦を強いられていた。
警報鳴り響くコックピット内で絶望するアスランとシン。
絶対絶命のその瞬間、舞い降りる剣。
アスランとシンを救ったその機体こそ、ルナマリアの赤いザクウォーリアであった。
今度こそ続かない
>ルナマリアは近辺の玩具屋で購入した、MGシャアズゴとアッガイ2体を手に、基地への帰路を急いでいた。
ハゲワロス
>ルナ 「あんたこそ何やってんの。 白い角付きザクに乗るのは『シン』に決まってるじゃない。
> レイは『レイ』らしくガンダムにでも乗ってなさいよ」
おいw
面白い、面白いんだが…なんでネタキャラなのよ…orz
そしてレイに
「あんたは『レイ』なんだからアフロヘアーにしなさい」
このルナ、デュランダルのシャアボイス聞いたらどうなっちまうんだろうなw
ユウナと対面したら
「女の名前なのに……何だ、男か」
ドムと対決したら
「レイ! あの黒い三連星を撃つ時は、どれか一体必ず踏み台にして!」
ついでにカプネタも希望。
184 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/19(月) 14:02:10 ID:W87ys5/B
ルナ男
シン女のルナシンだったら萌えた
>>184 エエええエエエエエエエエーーーーーーー
ルナ男はいや
せっかくしのはらが投下したのに・・・
>>186 ルナ活躍SS投下してくださったのは有り難いんですよ。
でもさ、
>ルナマリアはビームバルカンを撃ち、リフレクターで防御された。
>そのまま飛び上がり、
の辺とか、どうも省きすぎかな……って。
「迫るMAにスラッシュザクウォーリアはビームバルカンを撃つ。
しかしMAの陽電子リフレクターはそれをあっさりと打ち消した。――一瞬訪れる静寂。
直後、スラッシュザクウォーリアはいきなり上方へ跳び上がる。」
ってのは……駄目かな?
>187 携帯からだしなorz
サクサク読めるからいいんだが
/./ /;;;;;;;;;lj
/ / . /;; -、/ヘ
/ / ,:: /´ 丶 ヽ
/ { l{::. l ヽ リ
l :::{ ハ::. { ,-1l
{ :::';:. :. {_'、::.',_ /,イ1{ 見た見た?俺の新型
', :. :::ヽ:.. :::. l_zrぅミ;.', 、" ',l
', :.:::::lヽ:. ;:::.. ',ゞ‐'" `ヽ ヽ、}{
'、 :::::{l :.\.ヽ、::.. ヽ _ 1.!
_ ', :::::゙, :..:.`ヽ',`丶、_\ ,. ‐'T/: l
{ ヽ ', ::;:::::';::;::::. `` ', `'' ニ{:: !
', ', . };iハ::ハヾト;:::. l l____,ノ:: l
', ', /'l リ 'l `ヽ::::. l ト、ニ''T7 ';::: /
,. -‐: ´: ̄: ̄: ヽ._
/: : ;: ‐ : : : : : : : : : :`丶
/: : ./: : : : : : : : : : : : :\ . \
〃: .:.:/:: : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.. ヽ
/.: .:.:.:! :. : : : : : :、: : : : : : :.:.:.:.: l
/./ .:.:.:l..:.. ! :.. ヽ :..: : l : :.:.:.:.:.| ・・・・・・・・・・
l〃.: : ! l:. ヽ.ヽ:.. :ヽ:::... :ヽヽ:.:l.:.:,-、:.:! 後でゆっくり見させていただきます
ハ..:...:.:!:. :ト:.、:ヽ:ト、:.. :ト\:.:.:.:.:l:.!..::l.:ト lノ
ゝ、:.ヽ:.:l_ヽ\ヽ \L>≦、!:.:.:.:lハノ、
//..:.,イ:.:.:Y7こj ヽ ┴'ク:ィ:.:.:.:.:ク イ
!:l{:./ ノ/:.:ヽ ̄ j /7 ; ‐_´イ/
lハV//: :.:\ ヽ_ /: イ !イ:.:.:./_, 、
, -‐ 7/! ハl:.`丶.、 ` j:. .ノ !,ゝ/:....:.. ー- 、
| ...::::l/::|:. !::::ヽ\:.リ `Tl:./ //::::::::::::::::::... \
. .: : : : : : : : :: ;;;;; ;; :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. . .... ,.イ ,ィ"`)ヽ, :: :: ::: :::::: :::::::::: : ::::::::::曰::::::::::::::::
..(ハ| `ヾ) l. . . .: : : ::: : ::::::::::: :::::::::| |:::::::::::::::::
ヽ.ミ゛ヽリ从ー、. . .: : : :::::: ::::::::::::::::ノ__丶:::::::::::: アンテナ盗まれた・・・・
/ヨ~~|ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::||愚||::::::::::::::
.( / ̄;;::::ヽ ヽ:::l . :. :. .:: : :: ::::::::::::::||怖||::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄..||_|| ̄ ̄ ̄
192 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/20(火) 18:10:38 ID:0/3EA3/m
保守
193 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/20(火) 21:00:41 ID:0/3EA3/m
職人さん早く来て!
時々しか種死みてないからネタ振ろうにもアレでアレ(´・ω・)
来たれ職人サーン
195 :
しのはら:2005/09/20(火) 21:51:28 ID:???
明日あたりには第二話投下できると思います
文才なくてすみませんorz
>>195 よろしくお願いします。
ワクワクテカテカ
『アーモリーワン襲撃』(本編2話辺りの状況を想定してください)
「渡さない…こんなことをするあんた達にその力を渡すことはできないわ!」
眼下に広がる惨状を一瞥して、ルナマリアの瞳が怒りに燃える。
突如行われた破壊行為により、基地施設内では多数の死傷者が出た。
彼らの未来も希望も一瞬にして奪った者が目の前にいる。
平和を守るために作られたはずの力、強奪されたガンダムに乗って。
「なんなんだお前ぇ!」
戦闘の口火を切ったのは漆黒の機体、ガイア。
コックピット内、ステラ・ルーシェが吼える。
獣のようなスピードで踊りかかるガイアのビームサーベルが、ルナマリアのインパルスを襲う。
──閃光、そして轟音。しかし、ガイアの一撃はインパルスの巨大な対艦刀に受け流された。
「止まっている標的じゃないのよ」
間髪入れずに肩から体当たりするインパルス。
想定外の攻撃を受け、吹き飛ばされたガイアが地面に横たわる。
「殺しはしない…」
対艦刀を振り上げるインパルス。
「だけど、逃がしもしないっ!」
ガイアの頭部めがけて刀を振り下ろすインパルス。
しかし…
──衝撃。背後から放たれたビームライフルがインパルスの足元に炸裂した。
バランスを崩したインパルスの刀が地面をえぐる。そこにガイアはいない。
銃弾の主はスティング・オークレーの搭乗するMS、カオスであった。
「このままじゃ分が悪い。撤退するぞ、ステラ!」
目的の機体は奪取した。今、最も優先されるのは無事にこの機体を持ち帰ること。
「いえぇぇぇぇぇぇっ!」
仰向けの姿勢から繰り出されたガイアの蹴りが、インパルスを跳ね飛ばす。
「くっ…こいつ!」
体勢を立て直し、再度ガイアに挑みかかるインパルスの動きを上空から放たれたビームが遮る。
「こんなおつかいなんかとっとと終わらせたいんだけどねぇ…
そいつもいただいて、お駄賃を追加してもらおうかぁ!」
奪取された機体の3つめ、アビスを駆るアウル・ニーダが続けてビーム砲を放つ。
「熱くなるな二人とも! ろくに調整してないこの機体でこれ以上戦うのは危険だ!」
スティングが叫ぶ。
「こいつは想定外だ! 俺達はこの3機を持ってネオのところに戻ればいい!」
カオスのバーニアが火を噴き、高く飛び上がる。
「ちっ…今日はネオに気が済むまでケチつけさせてもらうとするぜ」
「お前…次は消えてもらう!」
カオスに続いて、アビスとガイアが撤退を始める。
「逃がさないって言ったでしょ」
叩きつけるように通信スイッチを入れるルナマリア。
「ミネルバ、フォースシルエットを射出して! あの3匹を追うわ!」
そして戦場は宇宙へ。
つかの間の平和は終わりを告げ、新たな戦乱が訪れようとしていた。
「あんたたち…やってくれたわね…」
眼下の惨状には目もくれず、ボロボロに被弾したアスランのザクを見てつぶやくルナマリア。
突然、騒ぎを起こして、『妄想ジャブロー潜入部隊』の製作を中断させられた上、
ジオ…もとい、ザフトの芸術品であるザクをことごとく破壊した怨敵が目の前にいる。
よりにもよって、忌まわしきガンダムという名の機体に乗って。
「ウェ────────────イ!」
なにやらヤバ気な雰囲気を感じ取ったので、とりあえずガイアがルナマリアのザクに飛びかかる。
ステラ・ルーシェのワンワンパニック。
文字通り、獣と化したガイアの刃がルナマリアのザクを襲う。
──閃光、そして轟音。しかし、ガイアの攻撃は届かず、頭をザクに鷲づかみにされていた。
「ゾ○ドはバ○ダイじゃないでしょう!」
ガイアをお座りさせ、バン○イホビー事業部の素晴らしさを熱く語るルナマリア。
この手の人の話はホント、長いです。
「いい? MGアッガイは腕が伸びるだけじゃないの」
恍惚の表情を浮かべるルナマリア。
「体操座りもできるのよ!」
両手を広げ、大げさにアッガイのクオリティを表現するルナマリア。
しかし…
──トントン。背後から近づいたMSがルナザクの肩を叩いた。
振り向いたルナマリアの隙をついてガイアがそそくさと逃げ出す。
背後からの訪問者はスティング・オークレーの搭乗するカオスであった。
「すいません、急いでるんで、そのへんで許してやってもらえませんか」
当初の目的は達成された。早く帰ってドラ○もんが観たい。
「ごめんね…おねえさん…それじゃ…」
これはチャンスと、踵を返すガイアの襟首をザクががっしりキャッチする。
「アッガイだけじゃないの。ジオンには他にもスゴいMSが…」
そんなやりとりを物陰からひっそりと見つめる機体があった。
「くっ…あの話に加わりたい…そして僕の作った1/144ゾックの自慢がしたい…」
奪取された機体の3つめ、アビスを駆るアウル・ニーダもなんていうか、アレでした。
「すいません、ホントすいません! ちょ、マジで急いでるんです!」
スティングが懇願する。
「うち、ビデオないんです! 早く帰らないとホント、ド○えもんヤバいんです!」
そう言い終わるやいなや、180度方向転換したカオスがガイアを掴み、ダッシュする。
「あぁ…今度遭ったときのために、今度からゾック持ち歩こう…」(←惚れた)
「アッガイが…いっぱい…」(←洗脳された)
カオスに引きずられながら、アビスとガイアも撤退を始める。
「またね〜」
手を振るルナマリアのザク。
「ちょ…ちょっと待てよルナマリア! 逃がしてどうするんだよ!」
M字開脚でへたりこむインパルスのコックピットでシンが叫ぶ。
「うっさいわね。盗まれてなんぼのガンダムでしょ!
上から命令されてホイホイ乗って、KO食らってる軟弱者より、盗人の方が3倍マシよ!」
号泣するシンの機体の横に転がるザクのコックピット内で、アスラン・ザラは思う。
この女にかつて自分もガンダムに乗っていたことを知られてはならない…と。
204 :
164:2005/09/21(水) 02:25:42 ID:???
というワケで、勝手に職人さんの前座を務めさせていただいた164です。
>>197-199のルナマリアinインパルスは割と必死に書きました。
>>200-202のルナマリアinザクは………orz
稚拙な文章を晒したことをお詫びしつつ、読んでくれた全ての方に感謝します。
勢いとか思いつきだけで生きてるせいか、先日、彼女にフラれた164でした。
ルナかわいいよルナ。
TGJ!
リロード連打してもうたw
ドンマイ!勢いの先には明るい明日があるよん
207 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/21(水) 07:43:55 ID:UxQedMwQ
164さんアリガトウ!
ステラはアッガイと合性よさそうだなw
>>195 そんなことないですよ。
期待して待ってます。
>号泣するシンの機体の横に転がるザクのコックピット内で、アスラン・ザラは思う。
>この女にかつて自分もガンダムに乗っていたことを知られてはならない…と。
オモロイwww
赤ザク編剥げ藁
俺も文章下手だけど書いてみたい
>>1 スレタイをよく見たら、シンが主役?
ルナマリアが、シンみたいな冴えない操り人形になったらっていう意味か?
>>214 いちいち揚げ足取るなウザイ。他スレ池。
保守
「なるほどね…こりゃ確かに俺のミスかな…」
宇宙空間。
プラント「アーモリーワン」から強奪された3機のガンダム。
それを追撃するルナマリアのインパルスとレイのザクファントム。
その様子をプラント外壁に張りつきながら窺うMAの影があった。
「せっかくだ、その機体もいただこうか」
外壁を離れたMAが加速する。
二人が気づいたとき、すでにMAは視認できるほどの距離まで近づいていた。
紫色のMA、エグザス。
それを駆るのは、ガンダム強奪任務を命じられた部隊「ファントムペイン」の司令官、
ネオ・ロアノーク大佐であった。
「伏兵…MA!?」
虚をつかれたインパルスにエグザスのレールガンが放たれる。
「くっ…こんなもので!」
とっさにシールドで攻撃を防ぐインパルス。
──速い。反撃を試みるも、すでに視界から消えている。
「おやおや、そう簡単にはやらせてくれないか…それじゃ、こんなのはどうかね」
エグザスの機体から、4機の自立型兵器が分離。
直後、インパルスに向けてビームが斉射される。
「これは…っ!」
機動性を活かしたオールレンジ攻撃の前に、ルナマリアはまったく手が出せない。
防御に徹するインパルスの背後から、エグザスのレールガンの一撃が迫る。
「止まるな、ルナマリア!」
咄嗟にインパルスに向けられたレールガンの攻撃をシールドで弾くレイのザクファントム。
「こいつは今までの奴とは桁が違う…っ!?」
──閃き。
違和感とも同調とも違う、何かをこのMAのパイロットから感じる。
「なんだ…この感じは…」
同時にネオも「それ」を強く感じていた。
ひとつ、またひとつと自立兵器を撃ち落すレイ。
宙を舞う羽毛のように銃撃をかわすネオ。
拮抗する両者の戦い。
操縦技術の高さだけではない。互いの思考がかみ合っている。
加勢を試みるルナマリアだが、目まぐるしく動き回るエグザスを捕らえきれない。
「やれやれ…ん?」
エグザスのコックピット内、レーダーが戦艦クラスの反応をキャッチする。
「噂の新造艦のおでましか…」
ザフトの新造戦艦ミネルバ。
ガンダムを強奪した部隊の母艦を叩くため、緊急発進を命じたのは、艦長のタリア・グラディスであった。
「こんなに早く出てくるとはな…欲張りすぎたか」
回頭するエグザス。高速で戦線を離脱していく。
「逃げる!? 冗談じゃ…」
スロットルを開け、追撃しようとするルナマリア。
「やめろ、ルナマリア。帰還信号だ。」
レイの通信が入る。気が付くとミネルバから三色の信号弾が発射されていた。
レッドゾーンに達したエネルギーゲージが光るコンソールに拳を叩きつけるルナマリア。
屈辱…無念…様々な負の感情がこみ上げる中、謎の部隊の打倒を強く誓うのだった。
「あー、これヤバいなこれ…買っちゃおうかなこれ…」
宇宙空間。
19時から始まるドラ○もんのために帰路を急ぐカオスと、それに引きずられるアビス、ガイア。
艦長とメイリンに怒られたので、渋々それを追いかけるルナマリアのザクと、お供のレイのザク。
その様子に気づくこともなく、通販カタログを読みふける男が乗るMAが漂っていた。
「あ、やべっ! あいつら、もう帰ってきたのかよ!」
3機のガンダムを追う2機のザクに気が付いた男はMAを発進させる。
2人が気づいたとき、すでにMAは触れることができるほどの距離まで近づいていた。
紫色のMA、エグザス。
それを駆るのは、例の3人に「ガンダム持ってこれたら、好きなもの買ってあげる」と冗談で約束したダメ保護者、
ネオ・ロアノーク大佐(自称)であった。
「うわぁ…何よこのカラーリング」
ルナマリア、突如現れた悪趣味な機体に、思わずドン引きするの巻。
「紫使うなら、他の部分は黒にしなきゃダメでしょう」
そう言って、ドムの芸術的カラーリングに思いを馳せるルナマリア。
──ジオン初の重MS。ドムは本当にいい機体です。
「すいません、うちの子たちがご迷惑おかけしまして…
あ、ガンダムは後ですぐ返しますんで、代わりにこれを担保として持っててください」
エグザスの機体から、4機の自立型兵器が分離。
直後、ルナマリアのザクに差し出される。
「これは…っ!」
MA、ビット…となればもうあれしかない。
動きを止めたルナザクの周りを、エグザスが怪訝そうに飛び回る。
「何やってるんだ、ルナマリア!」
無防備に得体の知れないMAの前で静止するルナザクに背後からレイザクが呼びかける。
「こんな奴は放っておいて、とにかくガンダムを…」
──衝撃。
突然、ルナザクが繰り出した裏拳により、メインカメラが潰された。
「…なにこの人…」
明らかに危険な人と関わってしまったことをネオは強く感じていた。
「何するんだ、ルナマリア! なんでいつもメインカメラを潰す!?」
「うるさいわね、せっかく感動してるんだから、邪魔しないで!」
言い争う二人。
操縦技術の高さだけで赤服になっただけで、人間的にやや難があるようです。
そんな様子を見て、おろおろするネオ。この人もなんだかアレです…。
「あの…聞いてくれてますか…って、ウヒョッ!?」
コックピットが激しく揺れる。
ルナマリアのザクがエグザスを両手で掴んだのだ。
「エルメスのパイロット、聞こえる?」
ルナマリアからの接触通信がネオに届く。
「いや…これはエグザスって言って…」
「はぁ? ビグザムはこんなに小さくないわよ」
「ちょ…人の話をちゃんと聞いてくださいよ…」
「こんなところでニュータイプに遭えるなんて思わなかったわ…感激よ!」
「あ…あの…あんまり揺らさないでもらえませんか…」
「ところでアナタ、ちょっと鼻声っぽいわね。 風邪でもひいてるの?」
「あぁ、これはですね、私、趣味で仮面など被っておりまして、それが鼻の部分を圧迫して…」
みしっ。
エグザスのコックピットが歪む。
「ちょっとアンタ…誰に断って仮面被ってるのよ…」
ルナザクのマニピュレーターによる圧力が徐々に上がっていく。
「私だってね! 我慢してるのよ! なんでか知らないけど、ザフトって仮面を禁止してるのよ!」(←例の人のせい)
エグザスをブンブン振りながら、ルナマリアが吼える。
「ちょ…揺らさないで…俺…乗り物に…酔いやす………うっ!!」
スパーキング。 食事中の人にはホント、申し訳ないっす。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その後、ステラの迎えでネオはなんとか帰還。ガンダムは返しそびれたまま。
ルナはやっぱり艦長とメイリンに怒られました。
ついでにレイも怒られて、シンと二人、仲良く部屋で号泣しましたとさ。
クルーゼの仮面を装着したルナを想像してちょっと鬱
どっかでそのAA見たな…
224 :
212:2005/09/23(金) 16:24:08 ID:???
とりあえず序章?書いてみたんで投下します。
225 :
212:2005/09/23(金) 16:25:12 ID:???
C.E.71 6/15
オーブ オノゴロ島。
大西洋連邦を主力とした地球連合軍によるオーブ解放作戦が始まった。
ビームとミサイルが行き交う中、4人の人間が山の中を駆け抜けていた。
少年は父親の背中を見て、少女は母親に手を引かれながら必死に走り続ける。
幾度も上空をMSが飛び越えていく。
そのたび衝撃波から身を守るために伏せる。
少女が携帯電話を坂の下に落とし、それを気にとめる。
母親はそんなのいいからと言わんばかりに引っ張っていこうとするが少女は取り合わない。
それを見た少年は、携帯電話を拾おうと坂を滑り降りる。
少年が携帯電話を掴んだとき、衝撃波が彼を襲った。
顔を上げた少年の眼に映るものは、信じられない惨状だった。
ちぎれ飛んだ腕、地を染める赤い血……。
それは、ほんの数秒前まで命がそこには存在していたという証だった。
家族というものがなくなったと少年は理解した。
少年は空を見上げ、声にならない叫びを上げた。
涙で霞んだ瞳には白と青のMSが映っていた。
オーブ戦の後、ビクトリアを奪還した連合は、戦力を月へと上げ、戦場は宇宙へと移動した。
幾多の激戦を経て、地球とプラントの戦いは第二次ヤキンドゥーエ攻防戦をもってようやくの終結となった。
そのさなか、プラントへの大量の核ミサイルによる攻撃があった。
水際で食い止めることには成功したものの、プラントに住む者への衝撃と動揺は大きく、
誰しもがユニウスセブンの悲劇を思いだした。
プラントに住む者である以上、ユニウスセブンのことは知らないわけはない。
自分たちの住んでいる世界の脆さを痛感させたあの出来事を。
戦ってでも守らねば、この世界は崩壊する。
この戦争を経て、大半がそういう意識を持つ事となった。
それは大人だけでなく少年少女たちも例外ではなかった。
226 :
212:2005/09/23(金) 16:26:15 ID:???
とある学校の教室。
学校の休み時間というのは、どこもかしこも騒がしいもので、ここも例外ではなかった。
「ルナマリアはどうするの?」
「何のこと?」
一人の少年が、ルナマリアという赤髪の少女に声をかけた。
「進学先のことだよ、俺はアカデミーにしたぜ。兄貴みたいなパイロットになるんだ」
「そうなんだ、あんたがパイロットねぇ」
ルナマリアと呼ばれた少女は、少し含んだ言い方をして返した。
そんなやりとりを見て、周りにいた仲間も会話に参加してきた。
「そうだよなぁ、おめーじゃ落とされるだけだな」
それに乗じて、別の少年も話に加わる。
「ジンがもったいないぜ」
「なんだよ、その言い方……、まあいいけど。それでルナマリアはどうするんだよ」
「俺もアカデミーだ」
「てめ−には聞いてねーよ」
ルナマリアは少し考えて言った。
「……あたしもアカデミーにしようかな」
予想外の反応に皆からざわめきがあがる。
「えぇーっ、おめーが」
「看護科だよな?」「通信科だろ、声だけはいいもんなお前」
そんな予想に反してルナマリアからでた答えは大きな波紋を呼ぶことになった。
「違うわよ、MSにのるの」
「マジで?」「ほんとかよ」
「いいじゃない、女性のMSパイロットがいたって…ね、ルナ」
騒ぎにつられて、別の少女も話の輪に加わってきた。
援軍を得た為かどうかは分からないが、ルナマリアは強気になりこういった。
「見てなさいよ、赤着てやるんだからね」
「冗談はやめてくれよ」
「はぁ、ありえんだろ」
「……ま、頑張れ……ぷっ」
アカデミーの卒業成績上位に与えられる赤服は羨望の的であり、エリートの証であった。
それだけに競争率は高く、周囲の反応も当然だった。
「なによ、あたしだってやれば出来るんだから」
そうルナマリアが言い切ったところで休み時間は終わった。
227 :
212:2005/09/23(金) 16:28:32 ID:???
それから二年の月日が流れた。
その間、世界を巻き込む戦争は無かった。
しかし、泥沼化していく紛争、終わり無きテロの連鎖など、世界に戦火が消えることはなかった。
そのような情勢の中、軍備増強をしない国など無かった。
唯一歯止めをかけていたのは、ユニウス条約という戦後結ばれた条約だけであった。
それは保有するMSの上限を定めるなど、軍縮を目的としていたものの不十分といわざるを得ず、
条約の範囲での戦力拡充は盛んに行われていた。
新型機の開発、消耗した兵員の補充……。
世界はまた戦争をする準備をしていた。
そんな中、アカデミーを卒業したルナマリア・ホークはザフトのMSパイロットとなった。
228 :
212:2005/09/23(金) 16:29:27 ID:???
以上です。
>「進学先のことだよ、俺はアカデミーにしたぜ。兄貴みたいなパイロットになるんだ」
このキャラは……まさかショーンorゲイル?
これから訳有りなシン&レイや燻ってる旧キャラ達と出逢って成長していく……そうですよね?
あげ
保守
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
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鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
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鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
age
ルナを主役にするなら
初陣でシンとレイが撃墜されてルナしかパイロットが残らなかったって展開が面白いかも
いっそのこと殺せばいいよ。
議長のDプラン失敗決定w
ルナが全部の尺もってけるぞ。
ガナーザク→インパルス(シンはデスティニーに乗り換え)→デスティニーインパルス(最終話)
とかだったらいいな、とか言ってみる
デスティニ−インパルスはNJ乗せないと使い物にならない
正直、本編におけるルナマリアの性格がよくわからない。
初期は単なるイヤミスト、中期は普通の(?)恋する女の子、後期は死亡フラグを立てたがってるとしか思えない行動ばかり。
行動に一貫性がなく、主義とか目標とかが見えないから、主人公にしても面白みがない。
某スレみたいに、妄想全開でキャラの人格改造すりゃ、そこそこの物語ができるかもしれんが、
それは「主人公の名前がルナマリア」なだけのものだと思う。
>>1に対しては「どうしようもなくなる」としか答えられん。
とりあえず、入隊の動機やきっかけを作りこむだけで、全然変わってくるんじゃないかな
ほす
豚マリア厨スレ乱立
確かに最近多いな。
よく考えたらルナが衝撃に乗るのが一番理に適っているな。
あ、ソードね。射撃下手くそだから。
ルナが突撃してシンとレイが援護で十分強いだろw
「あ、シルエットフライヤーの補給申請だけど、ソードを5、フォースとブラストは…念のため一つずつ頼んでおくか」
「ずいぶん偏った請求ですね」
「ああ、シンが新型に乗り換えるんで、インパルスにはルナマリアが乗るそうだ」
247 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/28(水) 19:36:18 ID:+P0KpPdq
SS職人さん早く来て!
シンのバンクが無かったら駄目な時点で理に敵うも何もないだろ
ソードでいいならソードカラミティにでも乗れや
実際だとドムに苦戦するくらいの実力ないけどな。
ガンダム初、周りの足をひっぱり続ける主人公w
>>250 シローやアムロもかなり周囲に迷惑かけまくってるけどなw
全然違う
そいつらは身勝手や独断専行で迷惑かけただけだろう
軍規守って真面目に戦ってるのに周囲の足を引っ張るのがルナだ
毎回被弾して整備班にどやされるルナ。
メイリンにまで小馬鹿にされて、落ち込むルナ。
そこを慰める空気読めない凸
女難だw
ルナが活躍する話マジメに考えてよ、オネガイダカラ
ぶっちゃけ無理w
トップを狙え、みたいに必要以上に熱くするか?
能力不足があまり問題じゃなくなるぞw
まぁどこまで種死のルナをまぜるかじゃね?
初期の設定だけ使っていくのが一番まともそうだけど
最終決戦の地、メサイア付近の宙域で、
ルナマリアのデスティニーとアスランのジャスティスの戦闘が繰り広げられていた。
「ルナマリア! 自分が何をしているのかわかってるのか!」
鍔迫り合いの最中、アスランが呼びかける。
「それを言う資格が貴方にあると思っているの?」
「っ…なんだと…」
激しく斬り合いながら、なおもルナマリアは告げる。
「主義も思想もころころ変えて! 私たちを裏切って! かつての仲間達を攻撃している!
あんたに何が言えるのかって言ってるのよ!」
「…!」
アスランの動揺から生まれた一瞬の隙を、ルナマリアは見逃さなかった。
ビームサーベルをはじき、対艦刀はジャスティスの右腕を奪い取った。
「アスラン…後ろが見える?」
ジャスティスのはるか後方で、ザフトの集中砲火を受けるエターナルの姿があった。
「あの艦には妹が…あなたが連れ出したメイリンがいるのよね…
今にも落ちそうなあの艦とメサイア…貴方が向かうべきなのはどちらかしら?」
「ルナマリア…お前は…」
「貴方の気持ち次第よ」
旋回するジャスティス。
自分のために、幾度も危険を冒してくれたメイリンを犠牲にはできない。
アスランがエターナルに向けて加速を始めようとした瞬間、視界に光が広がった。
遅れて、全身に鈍い痛みと焼けるような熱を感じる。
「…救いようのない人ね」
耳鳴りに紛れて、ルナマリアからの通信が聞こえてくる。
「あんたなんかに妹を守りきることなんてできないわ」
デスティニーの対艦刀が背後からジャスティスの腹部を貫いていた。
「裏切り者はそうやって、背中から撃たれるのがお似合いよ」
アスランの視界を血の赤が染める。
「ル…ナ………貴…様…」
対艦刀を放し、離脱するデスティニー。
背後にジャスティスの爆散を感じつつ、もうひとりの敵を目指す。
「大丈夫…もうすぐ全部ケリがつく…だからもう少し我慢して…メイリン…」
オーブのMSを蹴散らし、ルナマリアがたどり着いたそこに、フリーダムとレジェンドは居た。
双方の機体の損傷具合が、激戦を物語っている。
しかし、ルナマリアの到着と同時に、レイのレジェンドは炎に包まれる。
仲間の死を目の当たりにしたルナマリア。
悲しみは…感じなかった。
「フリーダム…キラ・ヤマト!」
デスティニーのライフルの照準がフリーダムを捉える。
「っ…デスティニー! まさか…アスランは…」
高速で接近しつつ放たれるライフルの攻撃を、疲弊したフリーダムはかわしきれない。
数箇所に被弾しつつ、必死で防御行動をとるキラであったが、気づいたときには既に接触するほどの距離まで
デスティニーの接近を許していた。
「これで終わり…」
デスティニーのマニピュレーターがフリーダムのコックピットハッチを破る。
衝撃で宇宙空間に投げ出されたキラを、デスティニーが掴んだ。
「これが幾つもの命の犠牲の上に生まれた…人類の夢のかたち…?」
マニピュレーターから逃れようともがくキラの姿を冷ややかに見つめるルナマリア。
「それがMSなんかで戦ってる…バカな話だわ」
キラを解放するデスティニー。
しかし次の瞬間、キラが見たものは、自分に向けられたデスティニーの掌部砲口の輝きであった。
「あんたはともかく…これは有効に使わせてもらうわね」
ルナマリアの視線の先に、半壊したフリーダムがあった。
「さて、と…」
メサイアに向かうデスティニー。
ルナマリアが通信スイッチを入れる。
「こちらルナマリア・ホーク、議長に繋いで」
視界の端にデスティニーが抱えた、パイロットなきフリーダムが見える。
この力で全てを終わらせよう。そう決意していた。
「やあルナマリア、ご苦労だったね」
コックピットに議長の声が響く。
「いいえ、デスティニープラン成就のための力を尽くすのは、私の使命ですから」
「君のおかげでようやく世界に平和が訪れる。疲れただろう、早く帰還するといい」
「…まだ最後の任務が残っています」
そう言ってルナマリアは運命の地に進路を向ける。
「議長、私は誰に命令されるでもなく、自分の意志で軍に入りました。それは正しかったと思っています」
「あぁ、私もそう思うよ」
「人は自分の意志で歩んでいくものです…それが例え間違った道だとしても」
「…どういうことかな?」
「たった一人の人間に未来を決められてしまうなら、それは家畜と変わりありません」
「そうではない。私は人類に真の幸福を…」
「議長、私が今、どこにいるか、おわかりですか?」
メサイア中枢。
デスティニーとフリーダムはそこにいた。
「君は……!」
「…人類のための…人の未来のためのデスティニープラン…。それならこの計画の最大の障害は…貴方です」
──デスティニーの掌部ビーム砲が、フリーダム撃ち抜いた。
核を上回るパワーのエンジンを搭載するフリーダムの爆発が、メサイアの動力炉をはじめ、あらゆるものを巻き込む。
すべてが終焉の光に包まれていく。
「元気でね…メイリン…」
炎とともに崩れ行くメサイアの姿が、誰の目にもこれ以上の戦闘の無意味さを物語っていた。
もはや戦闘不能となったエターナルのブリッジ。
キラを失い、泣き崩れるラクスの傍らで、メイリンは姉の声を聴いた気がした。
──もう大丈夫…戦いが終わった今、姉と自分を隔てるものはなにもない。
早く会って話がしたい。
もう少し時間が経てば、状況もきっと落ち着くだろう。
またふたりで一緒に、生きていこう。
─終─
スゲー!!
ルナ格好いい!!
でも死人だらけだなw
>>258-263 GJ! ……でもどうしてルナマリアがデスティニーに? シンとレイは何所へ?
どうしてルナマリアは議長に叛乱を? その辺描いてくれるともっと良かったかな。
あと、この後プラント&地球は誰が統治していくんだろうね。
それに姉の死を知ったメイリンはどうなるんだろ*。
いろいろ考えると素直に喜べないような……それもこれもアニメ版が(以下略)
*ヴィーノorヨウランが支えに……ってこれじゃあベタすぎるか。
あすらん哀れ正義なんてどこにもなかった
ラクスを生かしておけばまた第三・第四の種持ちを誑しこんで
同じことをしそうなんだがw
>>258-263を書いた、かつて164と呼ばれていた名無しでございます。
こんなクソ長い文章読んでくれた方、ホントにありがとうですよ。
今日はとうとう最終回ということもありまして、数日後には誰も種の話題に関心なくなるんじゃないかと思い、
今のうちに最終回をでっちあげてみた次第でありますよ。
本編でのシンの立場をほぼそのままルナに置き換えて、最終局面まで来たけれど、
49話のあたりで誰に説得されるでもなく、議長サイドの洗脳から解放されたルナマリアという設定で書いてみました。
レクイエムとか、ネオジェネシスが気に食わなかったんでしょう、多分。
ラクスにも逝っていただくつもりだったけど、同じ艦にいる以上、ラクスの死=メイリンの死になってしまうので…。
まぁ戦いの後、プラントをまとめる役として頑張ってもらいたいもんです。
(プラントの民衆は洗脳されやすいんで多分大丈夫でしょう。地球の方はカガリになんとかしてもらいます。)
シンはその頃、ドムかアカツキと戦ってたことにしといてください。
おそらく生きてます。というか、オッパイもアッガイもない人には興味ありません。
以上のように、あまり深く考えずに書いたので、至らない部分も多いんですが、
それでも脳内修正を加えつつ読んでくれた方に改めて御礼申し上げますでありますよ。
乙!
苦労して強くなったルナいいw
ちと状況がつかめないところもあるが、面白いのでよし。
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ミ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ハ:.:.l´リ_!:ト、:.:.:.:.:.:.:.::.:ヽヽ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.:.:.! ∨イノか ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.\
|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l、|,.lA:.:.:.| ゞ'"´ ',:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.\
>>176 lハ:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:|イノか`` !、:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ヽ__ ま〜たまた。ご冗談を
lハ:.:.:.:.l\:.:! ゞ'"´ ヽ ,.. 、 ハァ\:.:.:.:.:.:.:.:ヽ ィ´ `丶、
ヽ:.:.|:.:.:.ヾヽ <´ 丿 / / `ト、:.:.:.:.:ヽ! `ヽ、
ヽ!:.:.:.:.:.:.:.丶 __ `´ / / | `` く,.ゝ、 `!
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.: ̄:.TT、´/ ! |ヽ:.:.:\ _|
\:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:| ヽ/ , ‐ァ'⌒`ー 、__:.:.\ ``
ヽ:.:.:.:.:|ヽ/ |/メ\ / / / ,.イ \=、Tヽ /
ヽ:.:./´ //:::| / ヽl / // / / , -‐ ヽ| | \
/:.l |/:::,イ:::::! | lイノ-/ / / / 、 ,イ ! \
/:.:.| lヽ/ノ:::/ ! |\/ `´ト'='-<ヽ--イ//
|!:.:/! !| ,.イ__/ | lo o ! {ヽニニ二´ノ\
|:.l } // //| ! ! / ``丶、 ゚ 。\
V | Y // ! | \ / \ ゚ 。ヽ
| !`' | | ! ``´ \
l | l ! ヽ `ヽ、
272 :
271:2005/10/01(土) 11:35:10 ID:???
誤爆りました。 スマソ
保守保守。
見てないんでわかんないけどルナは生きてたわけ?w
保守! 保守!
ルナは月でシンの聖母様になりました。
・・・月面で膝枕ですぜ?平井画で。
276 :
212:2005/10/02(日) 00:28:47 ID:???
続きを投下しても良い?
どうぞ!
主題歌を坂本真綾が歌う
保守
280 :
212:2005/10/02(日) 02:49:36 ID:???
PHASE-01 「始まりの時」
C.E.73
プラント アーモリーワン。
「遠いなぁ」
彼女はそうつぶやいていた。それもそのはず、今彼女のいるショッピングモールと目的地は正反対の位置にあるのだ。
最も、ここはプラント有数の軍事拠点である。軍用車などそこら中に走り回っている。
乗せてもらおうと思えば簡単に乗せてもらえるはずだ。
しかも、彼女は女性では珍しいザフトレッドである。そんな彼女が一人で歩いているところを、兵士たちが放っておくはずがない。
それにも関わらず彼女は歩いていた。
「ダイエットのためと思えばいいか……それにまた、しつこいのに当たったら嫌だし……」
彼女はふと、さっきのことを思いだしていた。
買い物のために、出かけようと思った彼女は、軍施設から二人組の兵士の車に乗せてもらった。
二人は快く承諾してくれた。そこまでは何の問題もなかった。問題なのは、その二人組の兵士は下心丸出しであったのだ。
車を走らせながら、二人は彼女の気を引こうとした。
「ねえねえ、どこの所属なの」
彼女はこういう事を聞く目的がなんなのかは分かっていた。しかし、乗せてもらっている以上、無下にするわけにもいかず、答えることにした。
「……ミネルバよ」
「あの新型艦かよ」「驚いたなぁ」
(……早く着かないかなぁ……相手にしたくないわ……)
そう彼女は思った。
「モビルスーツは何に乗っているの、俺はゲイツ、こいつはジン」
次から次へと来る質問に、彼女はあきれながら答えていた。
そうして、いくつかやりとりをしている内に、話の内容は飛躍していった。
「それよりさ、一緒に食事に行かない?」
兵士は普通に言ったつもりなのだが、彼女には”一緒”という単語を強調した言い方に聞こえていた。
それがしゃくに障った彼女は
「あ、ここでいいから、ありがとねっ」
そういい、車から降り近くの店に入った。
店に入る直前の彼女の耳には次の言葉が聞こえていた。
「なんだよ、感じ悪いなぁ」「ま、諦めろ」
彼女はその言葉の意味を悟り、降りて良かったと再確認した。
そんな事もあり、彼女は安易に見知らぬ人の車には乗りたくないと思ったのだ。
281 :
212:2005/10/02(日) 02:50:37 ID:???
そういうことを思い出しながら、彼女は帰路を歩いていた。
やがて何台のもの車が行き交う中、彼女は見知った顔を見つけ、手を振り車を停めさせた。
「ミネルバまで乗せていってよ」
呼び止められた派手な髪をした少年は彼女に返した。
「ああ、いいよ、俺も行くところだし」
彼女が助手席に座り込むのを確認した少年はペダルを踏み、車を発進させる。
加速を終え、一定の速度になったところで彼女は少年に話しかけた。
「ヴィーノは何の用事だったの」
「ヨウランに頼まれて雑誌を買いに……」
そう言いかけたところで、少年――ヴィーノはしまったとばかりに口をつぐんだ。
「ふ〜ん、……基地で買えないような雑誌ねぇ」
「……何だよ……その言い方……、で、ルナマリアは何してたの」
少しほおをふくらませたヴィーノは、彼女に質問を返した。
「メイリンに頼まれて化粧品買いに行かされてたの、見るこのリスト」
彼女――ルナマリアは一枚の紙を取り出してヴィーノに見せた。
「……何種類あるんだよ」
リストの凄さに驚いたヴィーノを見て、ルナマリアは言った。
「それより、前見て運転しなさいよ」
「はいはい、分かりましたよ」
そんなやりとりをしている内に車は、軍の検問所に差しかかっていた。
282 :
212:2005/10/02(日) 02:51:33 ID:???
その頃、プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルとオーブ連合首長国代表首長カガリ・ユラ・アスハの極秘会談が始まろうとしていた。
あずき色の首長服を着たカガリ・ユラ・アスハ代表。
その傍らには、公式記録上では第二次ヤキンドゥーエ攻防戦後、行方不明となっていたアスラン・ザラの姿があった。
もっとも今の彼の身分は、アスハ代表の護衛であり、その名前はアレックス・ディノである。
会談場の扉が開くと、一人の人物が彼らを出迎えた。
その人こそ、現在のプラントの最高権力者ギルバート・デュランダルであった。
「これはアスハ代表、遠路遙々ようこそおいで頂いた」
「いや、こちらこそ急な申し出ですまない」
議長はちらりとアレックスの方を見やる。アレックスは軽く会釈をする。
それを見て、議長は話を切り出した。
「アスハ代表、今日はどういったご用件ですかな、我が方の大使が伝えるところにはだいぶ複雑な用件ということですが」
「私にはそう複雑な用件とは思えないのだが」
「で、具体的にはどういったことで」
「先のオーブ戦の折に流出した、我が方の人的資源と技術の軍事利用を止めて貰いたいだけだ」
「ほう」
議長は知ってか知らず、少し驚いた様子をみせる。
「我が国は幾度となく貴国に対して要求している、しかし、未だ貴国から明確な回答は得られていない」
なぜ代表自ら、ここに来たのかをその言葉は示していた。
「……アスハ代表、それは簡単なことではないのですよ」
「簡単なことではないと?」
「プラントがオーブへの帰国事業をしていることはご存じですかな」
「ああ、その件に関してはとても感謝している」
「前大戦が終結してから2年がたち、現在ではオーブに帰国したいという人はほとんどいません
これがどういう事か代表にはおわかりでしょう」
「それは……」
カガリが言葉に詰まったのを見て議長はすこし微笑む。
アレックスは助け船を出してあげたいが、護衛という手前出来ない。
いや彼としては、見守ることが一番だと思ったのだろう。
政治家として、いや代表として独り立ちせねばならないことを分かっているからこそ、そうしたのだった。
「そう彼らはオーブではなく、プラントに住むことを選んだのです。
そして生きるために働いているのです。私にその仕事を取り上げろとでもいうのですかな、アスハ代表」
議長の言葉はカガリに重くのし掛かる。
カガリは唇をかみしめ自分の無力さを悟った。
少しの沈黙の後、一人のプラントの高官が議長に話しかけた。
「議長、そろそろお時間が……」
それを聞き、議長は立ち上がり言った。
「アスハ代表、申し訳ないが時間があまりない、どうしてもというのであれば話しながら行きましょう」
「……あ、ああ、そうさせてもらう」
オーブの代表としてこの場に来ている以上、引くわけにはいかなかった。
議長と話しながら歩く代表の後ろをアレックスは無言でついて行った。
283 :
212:2005/10/02(日) 02:52:46 ID:???
式典装備のジンが立ち並び、兵士が走り回り、いろんな声が入り混じる基地。
そんな基地内を走る一台の車。
その助手席に座るルナマリアは基地の様子を見て、運転しているヴィーノに話しかけた。
「騒がしいわね、いくら明日式典があるからって言ってもねぇ」
「まあ、仕方ないんじゃないの、我慢しようぜ。明日はミネルバの進水式だし」
「ま、それもそうね」
退屈げに周りを見るルナマリアに、軍服を着ていない少年たちを乗せて走る車が目にとまった。
「何よ、あれ」
本来なら民間人は立ち入ることが出来ないはずなのだ。
疑問に思ったルナマリアはそう言い、指を指しヴィーノに教える。
「さあ、どっかのお偉いさんの子供とかじゃないの」
ヴィーノはあまり関心がないといった感じで言葉を返す。
やがて二人の視界に、白い戦艦――ミネルバが見えてきた。
アーモリーワンの外では、一隻の戦艦がその時を待っていた。
「作戦開始までもう少しですな、大佐」
大佐と呼ばれた仮面を付けた男――ネオ・ロアノークは不敵な笑みを浮かべ言った。
「ああ、そうだな」
「彼らは大丈夫なのでしょうか」
少し心配した様子で男は尋ねる。
「心配はない、彼らならうまくやれるさ」
そういい、窓の外のナスカ級に目をやる。
「さて、どの船から落とそうかな、艦長」
艦長――イアン・リーはそんな大佐の言葉を聞き冗談交じりに返す。
「やはり、噂の新型艦でしょうな」
アホ毛 アホ毛 真っ赤なアホ毛 怒る男に気をつけろ (殺られちゃうからね)
オシャレ オシャレ 何気にオシャレ お前の美脚を見せてやれ
あかね色の夕焼け 陽をあびて きらめく集音機
まなざしは獲物を見つめ 気配消し粘着ストーキング
飛んでる 飛んでる 赤ザク 赤ザク 専用赤ザク
飛んではみたけど 整備不良
(元ネタ:立て! 闘将ダイモス)
285 :
212:2005/10/02(日) 02:56:11 ID:???
そんな話が行われているころ、噂の新型艦――ミネルバのブリッジではルナマリアが艦長に報告をしていた。
「ルナマリア・ホークただいま戻りました」
「ご苦労様、早速で悪いんだけど、機体の整備がもうすぐ終わるそうだから受け取りに入ってちょうだい」
艦長――タリア・グラディスはそう言った後、少し微笑んだ。
「了解しました」
艦長に敬礼した後、ルナマリアは、オペレーター席に座っているメイリンに話しかけた。
「メイリン、化粧品ぐらい自分で買いに行きなさいよ」
「仕方ないでしょ、アビーさんが風邪ひいちゃってあたしの休暇無くなったんだから……」
「だからって姉をパシリに使わないでほしいわ……ちゃんと感謝しなさいよ」
ルナマリアはそう言い、ブリッジを後にする。
言うだけ言われたメイリンは他の人には聞こえないような声でつぶやく。
「お姉ちゃんの意地悪……」
286 :
212:2005/10/02(日) 02:58:19 ID:???
ルナマリアは自分の機体を受け取りに行く途中、格納庫に立ち寄ることにした。
受け入れの準備やその他いろいろな話があるからである。
人を探してきょろきょろしているルナマリア。
「なにしてるんだ、ルナマリア」
突然話しかけられて驚くルナマリア。
「脅かさないでよ、ゲイル」
「悪い悪い、で、誰か探しているの?」
「エイブス主任よ、あたしのザクの搬入について話があるの」
「いいよなぁ、ザクをもらえて、俺たちなんかゲイツだぜ、な、ショーン」
呼び止められた少年――ショーンは話に加わり言った。
「そんなことルナマリアに言ってもしかたないだろゲイル、それより整備は終わった?」
「まだだよ、ったくだるいよな」
「ちょっと、あたしを無視しないでよ」
「ごめんごめん、エイブス主任なら……」
そうゲイルが言いかけたところ、基地内にサイレンが鳴り響いた。
「えっ」「何だっ」「何っ」
そんなざわめきが各所で起こった。
そのざわめきを消すかのように爆発音が響き渡る。
「6番ハンガーの新型が盗まれただと」
その声はルナマリア達の耳にも届いていた。
次々に起こる爆発音、それは戦闘が行われていることを表していた。
「いったいどういう事なの」
そこに一人の整備員が走ってきて言った。
「カオス、アビス、ガイアが盗まれて、守備隊が取り押さえようとしているけどかなりやばい状況だってさ」
それを聞いたルナマリアは決意し言った。
「あたしも行く、ショーンとゲイルは出られる?」
「まだ整備終わってねえ、くそっ」
「出られるようになったらすぐに行く」
「分かった、早く来なさいよ」
そういい、自分の機体のあるハンガー走り出した。
艦から出たルナマリアの眼に映ったのは、幾筋もの黒煙、ビームの閃光、MSの爆発であった。
「早く乗れ、ルナマリア」
「レイ!」
一瞬立ちつくしたルナマリアに声をかけたのは、車に乗った長髪の赤服の少年であった。
その姿を見るなり、ルナマリアは車に乗り込んだ。
レイと呼ばれた少年は、アクセルを踏み込み急発進させた。
287 :
212:2005/10/02(日) 02:59:53 ID:???
一方アーモリーワンの外でも、戦闘が繰り広げられていた。
ミラージュコロイドを解き姿を現したガーティー・ルーとザフト軍艦艇による戦闘が行われていた。
突然の襲撃を受けたため、為す術もなく沈むナスカ級。
ガーティー・ルーより発進したダークダガーLの攻撃を受けて炎に包まれる港湾司令部。
状況すら分からずつぎつぎと被弾していくザフト艦を横目にしてネオは心配していた。
「あの子達はうまくいったのだろうか」
いくつもの爆発が起こる中、カガリとアレックスは走っていた。
議長と話しながら歩いている途中に騒ぎに巻き込まれた彼らはシェルターに避難することとなった。
しかしシェルターに案内してくれるはずの兵士は途中で爆発に巻き込まれたのか、いなくなっていた。
シェルターの場所など分かるはずのないアレックス達はただ、戦火のない方に逃げるしかなかった。
しかし、戦火は拡大するばかりで、逃げることなど不可能に近かった。
アレックスは倒れているザクウォーリアを見つける。
アレックス――アスランは戦うことを決意し、カガリを抱え、ザクに乗り込んだ。
「おまえ……」
操縦桿を握るアスランにカガリは話しかけようとするがアスランの声にかき消される。
「こんなところでやられるわけにはいかないっ、カガリしっかり捕まっていろ」
ゆっくりザクウォーリアが立ち上がるのを、黒い新型ガイアを操縦している少女――ステラ・ルーシェは見逃さなかった。
「……敵なのね」
そういい、ビームライフルを放つ。
「くっ」
スラスターを吹かし、間一髪のところで避けるザクウォーリア。
「何っ」
ビームライフルを避けられたことに驚くステラ。
着地したと同時にガイアに向かって体当たりをするザクウォーリア。
「きゃぁああ」
勢いにはじき飛ばされるガイア。
「よくもぉおお」
ガイアはビームサーベルを抜き放ち、ザクウォーリアへと突進する。
ザクウォーリアはビームトマホークを片手に、ガイアの攻撃をシールドで受ける。
「あたしのザクは出られるっ?」
自分の機体に駆け寄るなり近くにいる整備員に尋ねる。
「ああ、大丈夫だ、レイのはもう少し掛かる」
「わかったわ、レイ先に行くわよっ」
ルナマリアはコクピットに乗り込む。
「なんで、こんなことになるのよ……」
そう言いつつ、操縦桿を握りザクを戦場へと導く。
288 :
212:2005/10/02(日) 03:02:27 ID:???
基地司令部へとたどり着いたデュランダル議長は尋ねる。
「状況はどうなっている」
しかし情報が錯綜し、混乱しているなかで分かるはずもなかった。
「議長、ここも危険です。早くシェルターに」
「状況が分からぬと言うのにそういうことが出来るか」
「なら、ミネルバへ、戦闘の影響で空気の流出が始まっています」
「分かった、なんとしてでも取り押さえるんだ」
そう言う残し、ミネルバへと足を進ませる。
デュランダル議長がミネルバを見やったとき、インパルスが発進していくのが見えた。
「頼むぞ、インパルス……」
ガイアと互角に渡り合う、アスランの操縦するザクウォーリア。
「へぇ、少しは手強そうなのがいるじゃん」
その様子を見た、アビスを操る少年――アウル・ニーダは機体をその方向に向ける。
2機に囲まれるザクウォーリア。
「まずい……」
アスランは応戦するが、アビスのビームランスにザクウォーリアの左腕を破壊される。
体勢を崩したザクウォーリアに向かって、4足獣形態に変形したガイアが突撃する。
避けることが出来ず、はじき飛ばされるザクウォーリア。
「これで終わりよ」
ビームブレイドを展開し、走り出すガイア。
身動きがとれない機体の中でアスランは迫ってくるガイアを見ていた。
終わりかと思った刹那、ガイアの足下を一筋のビームが襲う。
後ずさりするガイア、そして一機のMSが着地した。
赤いザクウォーリア。
アスランは自分を救ってくれたその機体を見ていた。
その赤のザクウォーリアのコクピットでルナマリアは目の前の惨状を見て言った。
「どうしてこんなことにっ」
そしてビームトマホーク片手にガイアに向かって走り出した。
289 :
212:2005/10/02(日) 03:04:34 ID:???
以上です。
予定していたより長くなってしまいました…
今は本編まんまみたいな、感じですが変化を入れたいなぁと思います。
290 :
284:2005/10/02(日) 03:08:00 ID:???
乙&GJ。
今後に期待してます。 どうかシンの二の舞だけは…。
そして、割り込んじゃってゴメン!
リロードしなかった俺をなじっておくれ…orz
保守
過疎化した?
293 :
212:2005/10/02(日) 22:40:18 ID:???
続き期待する人どれぐらいいるの?
あと、要望とかあったら言ってくれ
>>293 ノシ
ルナVSカガリが見たいかも…
結構先の話になりますが…
いま最終回見ますた
本当に
>>268ENDだったらよかったのに
297 :
212:2005/10/03(月) 22:14:09 ID:???
……続き投下しても良い?
299 :
212:2005/10/03(月) 22:39:58 ID:???
PHASE-02 「ミネルバ出撃」
ザクウォーリアはビームトマホークを振りかぶりガイアに襲いかかる。
「何なのっ、こいつ」
とっさにシールドで防御するガイア。
相手が一瞬ひるんだとみたルナマリアはアスランの操縦するザクに通信を入れる。
「そこのザクっ、戦えないんなら下がりなさいっ」
2度3度とビームトマホークを叩きつけるが防がれる。
初めは勢いで押していたが、次第に機体の性能差に押し返されはじめた。
「えぇーい」
打ち合うたびに後ずさりする。
なかなかけりがつかない状況を見てビームランスを構え、アビスがザクウォーリアめがけて走り出す。
「早くやらないと、ネオがうるさいからね」
「……やばっ」
後部警戒のアラームが鳴り響くが、目の前の相手で精一杯なルナマリアはやられると覚悟した。
アスランは、赤いザクを援護するべく推力全開でアビスに突っ込む。
横から飛び込んできたザクにはじき飛ばされるアビス。
「えっ……」
何が起こったか。ルナマリアは一瞬分からなかった。
しかし、考える暇は無かった。次の瞬間にはガイアのビームサーベルが迫っていたのだ。
咄嗟に後ろにジャンプし回避する。
しかし、着地したところを4足獣形態のガイアの体当たりを受け吹き飛ばされた。
「きゃぁああああっ!!」
300 :
212:2005/10/03(月) 22:41:58 ID:???
一方、アビスをはじき飛ばしたザクの中では、アスランがぐったりしたカガリを支えていた。
「……カガリっ」
体当たりの衝撃でぶつけたのだろうか、血がアスランの腕へと伝う。
それを見たアスランはザクを戦場から離脱させた。
「逃げるのかよ…待てよ」
追おうとしたアビスの足を止めたのは、上空からマシンガンを放つディンであった。
もっともPS装甲を持つアビスにとっては蚊に刺されたようなものであるが、追撃するタイミングを完全に失った。
「邪魔するなよ、コイツ」
アビスの両肩のビーム砲の一斉射撃はディンを貫き爆散させた。
建物にぶつかり、倒れ込んだ赤いザクの中で衝撃で顔をしかめるルナマリアは呟いていた。
「……やってくれるじゃない」
コクピット内に警告音が鳴り響く。
それはメインバッテリーに異常が生じたことを示していた。
すぐにサブバッテリーに切り替わるが、あくまで緊急用のものであり容量は小さい。
目の前のディスプレイに映るバッテリーの残量を示すメーターはわずかであった。
「バッテリーが……シン達がくるまで持たせないと」
ルナマリアはザクの体勢を立て直すとそのまま動きを止めた。
「……さあ、来なさい」
先ほどまでとは違い、自分から動き出さないザクを見て訝しげに思う二人。
「何だぁ、降参ってこと」
「……何」
「でも……そんなんじゃ許してあげないけどねぇ」
「アウル……アレは私の獲物よ」
ルナマリアのザクをめがけて走り出すアビスとガイア。
その様子を見たルナマリアは、腰にマウントされたグレネードに手を伸ばす。
攻撃が繰り出される瞬間、グレネードを地面に落としザクウォーリアは飛び上がる。
足下からの爆発に包まれるカオスとアビス。
PS装甲を持つ機体にはダメージはないが、足止めの効果は十分にあった。
ルナマリアは爆煙と衝撃で動きが止まった2機に向けて、空中からビームライフルの狙いを定めた。
「これで終わりよ」
301 :
212:2005/10/03(月) 22:43:53 ID:???
ルナマリアが引き金を引こうとした瞬間、どこからともなくビームが襲いライフルを貫いた。
「ステラ、アウル、何をしているっ」
ビームを放ったのは強奪された3機目の機体――カオスである。
カオスを操るスティングは、空中で姿勢を崩したルナマリアのザクに狙いを定める。
カオスのライフルがザクのコクピットを捉えた瞬間、どこからともなく飛んできたミサイルがカオスに命中する。
爆発の衝撃によりライフルから放たれたビームは僅かにそれ、ザクの右足を貫いた。
ルナマリアのザクは片足で着地しようとするが、バランスを崩してしまい倒れ込む。
ミサイルを放った小型戦闘機――コアスプレンダーは追随する2機のフライヤーとシルエットと合体し地面に降り立った。
それと同時に倒れ込んだ赤いザクの側に白のザクファントムが降り立った。
「無事か、ルナマリア、後は俺たちに任せておけ」
「レイっ、シンっ」
待ちわびていた援軍にルナマリアの声は弾む。
「ルナマリアはミネルバに戻れ」
「分かった……頼んだわよ」
赤いザクウォーリアはスラスターを全開にして戦闘区域から離脱する。
新たに現れた敵を前にして、スティングは選択を迫られていた。
撃破すべきか、それともこのまま撤収すべきか。
しかし、回収の時間が迫っていることを知り退くことを決める。
「時間がない、ステラ、アウル、引くぞっ」
リーダー格のスティングの命令で3機とも飛び上がる
「シン、こいつらを逃がしたら大変なことになる」
「ああ、逃がしはしないっ」
強奪された3機を追いかけるべくフォースインパルスとザクファントムは空へと上がる。
302 :
212:2005/10/03(月) 22:47:41 ID:???
戦闘区域から抜け出したアスランの操縦するザクウォーリアは基地司令部の側に降り立っていた。
カガリの治療をしなければならないが、この状況ではどうすることも出来ない。
なにしろ極秘会談であった為、自分たちがアーモリーワンにいることを知っている人間はほとんどいないのだ。
事情を理解してもらえなければ、治療さえ受けさせてもらえない。
それどころか強奪犯とさえ間違われかねないのだ。
その為、アスランは事情を知っている議長を捜す必要があった。
ザクのカメラで周りを見回しているアスランに、白い戦艦へ先ほどの赤いザクが着艦するのが見える。
その戦艦の方に歩く人影を見たアスランはズームに切り替える。
アスランが今一番探している議長はそこにいた。
その後をを追うべく、ザクを歩ませる。
ミネルバに着艦したルナマリアは、片足のザクの姿勢を正すとワイヤーを伝いコクピットから降りた。
片足を失うという大ダメージを負ったザクを見て、格納庫にいた整備員達はルナマリアに駆け寄った。
「大丈夫か」「怪我はないか」
「あたしの心配はいいから、早く直して」
心配する声をよそにルナマリアは機体の修理をするよう言った。
あの3機を逃がすわけにはいかない。
そう心に誓っていた。
「ルナ、少しは自分の心配をしろよ」
そう声をかけてきたのは同僚のパイロットのゲイルである。
「……分かってるわよ」
少し不機嫌そうにルナマリアをみてショーンも話に加わる。
「焦っても仕方ないよ、修理が終わるまで待とうよ」
二人の言葉にルナマリアは冷静さを取り戻す。
初の実戦で少し頭が混乱していたのだろうか。自分を心配してくれるのに、突っ慳貪じゃいけない。
冷静にならなくちゃいけない、そう思った。
「うん、そうする。今度はあんた達も出なさいよ」
「ああ」
「任せておけ」
その様子を見たゲイルは少し安心したかのようにルナマリアの肩をたたく。
ショーンが少し睨んだような顔をしているが二人とも気づいていない。
303 :
212:2005/10/03(月) 22:49:19 ID:???
少し休もうと待機部屋に移動しようとしたとき、一機のザクウォーリアが格納庫に入ってきた。
「あのザク……」
「どうかしたの」
ルナマリアには見覚えがあった。
つい先ほどアビスの攻撃から助けてくれた機体である。
もっともいつの間にか居なくなっていたが。
誰が乗って居るんだろう。
そんな興味に駆られ、歩き出した足を止めパイロットが降りてくるのを待った。
お礼だけでも言わないとねと思っていたルナマリアの目に入ってきたのは一組の男女だった。
一瞬目を疑った。
明らかにザフトの軍人ではない。
自分を助けてくれたってことは敵じゃないって事なんだろうけど、訳分からない連中を野放しには出来ない。
兵士としての本能がそう告げていた。
「貸して」
近くにいた警備兵から、拳銃を取り、ザクから降りてきた男女に向ける。
「一体、あんた達は何?」
銃を向けられ男性の後ろに女性は隠れるようにした。
男性は女性をかばうかのように一歩前に出て言った。
「銃を下げろ、こちらはオーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハだ
議長との会談中この事件に巻き込まれてしまった、議長はこの艦に乗られたのだろう
議長に会わせてくれ、それと代表の治療をお願いしたい」
「オーブのアスハ……」
一国家元首がザフトの軍艦に乗ってきた。
にわかには信じられないが、目の前の女性が怪我をしているのだけは確かだ。
周りを見回しても、皆どうするべきか分からないようだ。
「詳しいお話は後で聞きます、とりあえず怪我の治療をするのでこちらに」
どうしてそんな言葉が出たのかは分からない。
でも深く考えず、男女を医務室へと案内することにした。
304 :
212:2005/10/03(月) 22:50:50 ID:???
ミネルバ艦橋
突然現れた議長にブリッジの面々は驚く。
「議長…」
「すまないねタリア、状況はどうなっている」
「あ、はい、現在インパルス、ザクがカオス、アビス、ガイアと交戦中です」
オペレータ席に座るメイリンが答える。
「くそっ、何なんだよこいつらっ」
戦闘中のインパルスのコクピットの中でシンは叫んでいた。
テストパイロット達でさえ乗りこなすのに苦労した機体を乗りこなしていることなのか。
自分の攻撃をいといも簡単に回避されていることなのか。
それは定かではないが、目の前の敵が強いことは確かだった。
やがて激戦の中、一筋のビームがコロニー外壁を破る。
裂け目から、空気が流出する。
「あいつらっ……なんてことを」
カオス、アビス、ガイアはその裂け目から宇宙へと逃げ出した。
インパルスとザクファントムも流れに引きずられるように宇宙に投げ出される。
「コロニー外壁に穴が……カオス、アビス、ガイアはそこから宇宙に出た模様」
「インパルスとレイのザクは?」
「コロニーの外で交戦中です。」
「そのすぐ側に所属不明の戦艦、Unknownです」
「まずいな、敵はこのまま逃げ去る気だぞ」
デュランダル議長の言葉にタリアは決意する。
「議長、これよりミネルバは発進し、敵を追撃します」
「あぁ、頼むタリア」
その言葉を聞くやいなや、副長であるアーサー・トラインに呼びかける。
「アーサー、出航準備、それと戦闘準備」
「はっ」
アーサーはすぐさまマイクを取り、艦内に命令をとばした。
「これよりミネルバは緊急発進する。乗組員以外は至急退艦せよ」
305 :
212:2005/10/03(月) 22:52:39 ID:???
その放送は、医務室で治療を受けていた男女――アスランとカガリにも聞こえていた。
「……えっ」
「……アスランッ」
カガリはしまったとばかりに口をつぐむが、同じ部屋の中にいたルナマリアには、はっきりと聞こえていた。
「……アスラン?」
その名前は幾度と無くアカデミーで聞いたことがあった。
地球軍のストライクを討ったザフトの英雄。
そんな人物が目の前にいるとは少し信じられなかった。
でも、それ以降一言も発しない二人を見る限り、本当のことだと思えた。
少しだけ重苦しい空気が漂う。
その空気を打ち消すかのようにメイリンの声が響く。
「コンディションレッド発令、コンディションレッド発令、各員は所定の位置についてください」
戦闘になるの?行かなくてはと思うが、機体がなければただの役立たずだ。
とにかくザクの修理状況を確かめることにした。
壁のコンソールを叩き格納庫に繋ぐ。すぐに見知った顔のヨウランが出てきたので尋ねた。
「あたしのザクは直った」
「いや、まだかなり掛かるよ」
「そう、分かった、なるべく早く頼むわ」
機体の修理が終わっていない以上出撃は不可能。
仕方なしにここで待機することにした。
でも正直、落胆の気持ちはなかった。好奇心がそんな気持ちを消していたといったほうがいいだろう。
彼がアスラン・ザラだというのなら興味があるし、少し話をしてみたい、そう思った。
ミネルバ艦橋ではアーサーが各部に指示を伝達していた。
やがて彼は、艦長の方を向き毅然として言った。
「艦長、準備完了です」
「……マリク、機関最大、ミネルバ発進」
艦長タリア・グラディスの号令のもと、ミネルバは星の海へと飛び出した。
306 :
212:2005/10/03(月) 22:55:36 ID:???
以上です。
ルナマリア以外の描写が淡泊になっているかもしれんけど気にしないで……
>>212GJ&乙カレー
この調子でモチベの続く限りがんばってほしい。
スレ保守は漏れにまかせれ
乙 しのはらタソはもう少しでマユ種の終わるから来てくれるはず
309 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/05(水) 18:03:37 ID:IORSxKhh
保守あげ
310 :
212:2005/10/07(金) 06:56:56 ID:???
そろそろ続きが投下できそうです。
あんまり期待しないで待っててください。
312 :
212:2005/10/08(土) 03:20:59 ID:???
PHASE-03 「偽りの存在」
「時間になりましたが、動きはありませんな……そろそろ引き上げませんとこちらも危険です。」
「……ふむ、困ったものだな……もう少し待ってみてくれ、俺が出て時間稼ぎをする」
ネオは席を離れ、エレベーターへ向かう。
「格納庫、エグザスの準備を」
「ブルーデルタにローラシア級2、MS7」
新手に対処すべく、リー少佐は指揮をとる。
ガーティー・ルーに追いすがる、ゲイツRとジン。
目標を捉えた瞬間、どこからともなく飛んできたビームが機体を貫き爆発させる。
爆発したジンを見て動きが止まった瞬間、ビームが突き刺さりゲイツRは残骸へと姿を変えた。
そうして為す術もなくザフトのMSは、次々とガンバレルのビームに散っていく。
「さてと、お迎えに行くとしますか」
エグザスはガンバレルを収容するやいなや、爆発を背に飛び去っていく。
「逃がすかぁ!」
逃走する3機のMS――カオス、アビス、ガイア。
それを追いかける2機のMS――フォースインパルス、ブレイズザクファントム。
「しつこいっ」
スティングはザフトのしつこさに呆れていた。
撃破したいのは山々だが、パワーはすでに危険域に突入していた。
それどころかアウルがステラにブロックワードを使ったために、ステラは戦闘に参加できない状態になっている。
手強い2機を相手に、ステラを庇いながら戦うというのは不利だといえよう。
スティングはアウルを諫めながら、ガーティー・ルーへの帰還を第一優先とした。
ブレイズザクファントムで追いかけるレイの脳裏に奇妙な感覚が走った。
「この感覚は……シン、何か来るぞっ」
そういった矢先、インパルスをエグザスのガンバレルが襲った。
突然の攻撃にシンは慌てた。
第一撃をかろうじて回避したものの、四方八方から飛んでくるビームに追い込まれていく。
インパルスの機体表面にいくつものビームがかすめた跡が出来はじめるに従い、回避運動は緩慢になり始めた。
それは全方位からの攻撃に対処しきれなくなってきていたことを示していた。
その一方で、レイは巧みにビームを避けるだけではなく、ビームライフルでガンバレルを撃破する。
「一体君は何なんだね、白い坊主君」
エグザスの攻撃をかわすブレイズザクファントムをみてネオは呟いた。
313 :
212:2005/10/08(土) 03:22:36 ID:???
エグザスが交戦してる間に、カオス、アビス、ガイアはガーティー・ルーたどり着いた。
「3機とも着艦しました」
「距離1200、オレンジ6マーク19ブラボーに敵艦……ライブラリーにありません」
「すると、噂の新型艦か」
目的を達成したとみたリー少佐は、引き上げるべくネオに通信を送る。
「大佐、そろそろ引き時です」
「おう」
一方、ミネルバでもガーティー・ルーの存在を見つけていた。
「それが母艦か……」
「間違いないでしょう……諸元をデータベースに登録、以降対象をボギーワンとします」
「メイリン、インパルスとザクの位置は」
「イエロー34マーク18アルファです……現在、機種不明のMAと交戦中」
このままでは敵艦を逃がしてしまうと判断したタリアは決意し命令を発する。
「アーサー、砲撃戦の用意……ボギーワンを撃つ」
「はっ、トリスタン、イゾルデ、CIWS起動、ランチャー1から3までナイトハルト、4、5はディスパールを装填」
ミネルバの船体より、砲塔がせり出し、その狙いをガーティー・ルーへと定める。
突如きびすを返して逃走するエグザス。
それを追うインパルスとザクファントムであるが、MAのスピードに追いつくことが出来ず引き離される。
314 :
212:2005/10/08(土) 03:24:55 ID:???
「敵艦よりミサイル来ます、数12」
「迎撃しろ、ミサイル発射管全門スレッジハマー装填」
ガーティー・ルーへとミサイルが迫るが命中することなくイーゲルシュテルンに迎撃され爆発していく。
「てっー」
反撃とばかりにガーティー・ルーの垂直発射管から放たれたミサイルが次々とミネルバを襲う。
アーサーが命令を飛ばし迎撃するも、圧倒的な数であるため迎撃が追いつかずミネルバへ命中する。
艦全体に大きな衝撃が走り、クルーはその顔を歪める。
「くっ」
「被弾2、損傷軽微」
「トリスタン1番2番……撃てっー」
ミネルバから放たれた、4筋のビームはガーティー・ルーをかすめる。
そのビームをかいくぐり、エグザスは着艦する。
「エグザス着艦!」
ブリッジクルーが声を上げる。
「機関最大、振り切れ」
ガーティー・ルーはその速度を上げ、ミネルバを引き離しに掛かる。
ミネルバも逃がすわけにはいかないと追いすがる。
ミネルバから幾筋ものビームがガーティー・ルーへと迫るが、リー艦長は巧みに操艦し回避する。
「燃料タンクを切り離せ」
やがてブリッジに戻ったネオの命令の下、ガーティー・ルーから燃料タンクが切り離された。
敵艦より切り離された構造物をみたタリアはしまったとばかりに臍を噛む。
「総員、ショックに備え!」
タリア艦長が言い終わるやいなや、猛烈な爆風がミネルバを襲う。
ミサイルの直撃とは比べものにならないほどの衝撃。
人や物が投げ出され、壁に叩きつけられる。
艦内のあちこちで、悲鳴やうめき声があがった。
揺れが収まってきたところで、タリアは指示を出す。
「アーサー、被害状況の確認、ボギーワンの位置は」
「ちょっと待ってください、センサーが正常になるまでもう少し…」
315 :
212:2005/10/08(土) 03:25:53 ID:???
「見つけました、距離8000、グリーンブラボー」
「やられたわ……」
タリアは自嘲する。
少し間をおいた後、議長に尋ねる。
「議長、本艦はこのままボギーワンの追跡に移ろうと思うのですが」
「ああ、頼むよタリア」
「メイリン、急いでインパルスとレイのザクを収容して」
「……あっ、はい」
「バート、宙域図を出して」
「アーサー、ボギーワンはどこへ向かうと思う」
「やはり、月ですかね、仮にアレが地球軍だとしたらですが」
「なるほど、確かに現状ではそれが一番妥当ね」
「敵もかなりの高速艦みたいだけど追いつけそう?」
「先ほどの戦闘データと予測進路からすると、本艦の最大速度で追撃したとして、約2時間後にこのあたりで追いつけるものかと……」
「……デブリ帯」
アーサーの予測を聞きながら、敵が罠に誘っているのではないかとタリアは思う。
「議長、増援は」
「軍はアーモリーワンで手一杯だよ、それに今むやみに軍を動かすわけにはいかない……ボギーワンの正体が分からぬ以上、
いたずらに軍を動かして他の国を刺激するのは得策じゃないからな」
「では、追撃は本艦のみで?」
「ああ、そういうことになるな、厳しいとは思うが頼むよ」
316 :
212:2005/10/08(土) 03:26:55 ID:???
オーブ代表と護衛の件を艦長に伝えたルナマリアは、控え室でゲイル達と談話していた。
「へーそうなんだ」
「オーブの代表がねぇ、俺らにとっちゃ関係ないけどさ」
「ま、そうなんだけどね……でね代表の護衛がさ、もしかするとアスランかも」
「えっ」
「代表が咄嗟に言ったのよ、アスランって」
「オーブに居るって噂はホントだったんだ」
「それ本物か?」
「ザクに乗って戦闘してたし、間違いないって」
「ルナがそれだけ自信があるって事は違うな」
「何よ」
「お前ら、MSの修理が終わったから来てくれ」
ヴィーノの声でルナマリア達は格納庫へ向かった。
戦艦ガーティー・ルー内では、今後についてネオ・ロアノークとイアン・リーが会話していた。
「敵は追ってきますかな」
「間違いなく追ってくるだろう」
「一戦するとなると厄介ですな……我が方の戦力は、ダガーLが2機とエグザスのみです」
「となると、やはり例の3機を使うしかないか」
「ええ、そうですね……今、急いで解析をさせています。問題はないでしょう」
「後は彼らの調整が済むまで何事もなければよいが……」
ネオはメンテナンスベッドで眠り続ける、ステラ達を眺めていた。
「ここが格納庫です。機密に関わることなのでMSの搭載数は申し上げられません」
カガリとアスランはデュランダル議長に案内されてミネルバの艦内を回っていた。
一方、ルナマリアは格納庫で愛機の調整を終え、シンと会話をしていた。
「シン、ガンバレル付きのMAと戦ったってホント」
「ああ、本当だよ……」
「ふ〜ん、そうなんだ……ってシン聞いて……」
「さすがきれい事はアスハのお家芸だな」
いきなり、叫んだシンにルナマリアは驚く。
「シン!!止めなさい」
ルナマリアがシンに詰め寄った時、艦内にメイリンの声が鳴り響いた。
「ボギーワンを捕捉、コンディションイエロー発令」
戦闘の準備のため、途端に格納庫が騒がしくなる。
「ふん!」
そう言い捨てるなりシンは格納庫の奥へと歩き出した。
レイはそんなシンを見た後、カガリと議長に向かい深々と頭を下げた。
「申し訳ありません、この処分は後ほど必ず」
レイはそう言い敬礼した後、パイロットスーツに着替えるべくロッカールームへ向かった。
317 :
212:2005/10/08(土) 03:27:58 ID:???
「申し訳ないアスハ代表、彼はオーブからの移住者なんですが、よもやあんな暴言を吐くとは思いませんでした」
「ほんと、申し訳ありません」
部下の非礼を詫びるために議長と艦長は頭を下げた。
「では、議長、私はブリッジに戻ります」
「そうだ、艦長。アスハ代表もブリッジに入って貰ったらどうだ。代表は先の大戦で自らMSに乗って戦われた勇敢なお方だ
何か、参考になるのではないかと思うのだがね」
「議長がおっしゃるのなら……」
タリアの言葉を聞いた議長は、アスハ代表の側にいるアスランに目を流した。
その視線にアスランはただならぬものを感じるのだった。
「やはり来ましたな」
「待ち伏せて、背後から叩く。あいつらを出せ」
ガーティー・ルーよりカオス、アビス、ガイアが発進する。
MS発進後、ガーティー・ルーは一発のミサイルを発射したのち、小惑星にロケットアンカーを打ち込み船体を小惑星に密着させた。
「ボギーワン、進路変わらず」
「シン、ゲイル、ショーン、ルナマリアを出すわ」
「アーサー、戦闘準備」
「ボギーワン……本当の名前は何というのだろうね」
「えっ」
突然話しかけられ驚きの声を上げるアスラン。
「名はその存在を示すものだ、仮に名前が偽りのものだというのならその存在も偽りだと思うのだがね
アレックス君いや、アスラン・ザラ君」
「……議長それはっ」
「ご心配なくアスハ代表、私は彼を責めているのではない、それにカナーバ前議長がとられた措置のこともご存じの事と思う
どうせ、話すのなら本当の君と話をしたいのだよ、アスラン君」
そんな会話を横目に見ながら、タリアは指示を出す。
「MSを発進させて」
「はい」
「進路クリア、コアスプレンダー発進どうぞ」
「シン・アスカ、コアスプレンダー行きますっ」
ミネルバ中央カタパルトからコアスプレンダーが発進する。
それに続いて、チェストフライヤー、レッグフライヤー、ブラストシルエットが飛び出していく。
合体を終えた、ブラストインパルスにルナマリアのガナーザクウォーリア、ショーンとゲイルのゲイツRが続く。
「俺とゲイルが前衛、シンとルナマリアは後衛」
「ああ」
「了解」
「分かったわ」
4機のMSは編隊を組み、ボギーワンへと進んだ。
318 :
212:2005/10/08(土) 03:29:46 ID:???
ボギーワンを追跡するミネルバ。
もう少しでボギーワンがミネルバの射程内に入ろうとしていた。
「進路変わらず……妙ですね」
アーサーがそう呟いた。
「ボギーワン、ロストしました」
「まさかっ」
「デコイだっ」
そうアスランが叫んだ瞬間、戦場でも敵が動き出していた。
「さあて、行くか」
デブリの陰から、飛び出すカオス、アビス、ガイア。
編隊を組んでいるミネルバのMSめがけてカリドゥス複相ビーム砲、両肩のシールドの3連ビーム砲を放つ。
回避こそしたものの編隊は崩れ、個別での戦いを余儀なくされた。
「待ち伏せっ!?」
「くそっ、各個に応戦」
カオスは機動兵装ポッドを切り離し、取り囲むように攻撃を仕掛ける。
「そら、いくぜ」
エグザスと同じような攻撃に、一機のゲイツRが撃破される。
「ショーンッ!!!」
ルナマリアは咄嗟にゲイツRのパイロットの名前を叫んでいた。
しかし、すぐに頭を切り替えなければならなかった。
そう、ガイアが目の前に迫っていたのだ。
ガイアのビームライフルを回避しつつ、オルトロスで攻撃するがガイアに回避される。
319 :
212:2005/10/08(土) 03:30:35 ID:???
「ショーン機、シグナルロスト」
メイリンの声にタリアは呟く。
「くっ……まんまとはめられたってわけ……」
「ブルーアルファーにボギーワン!」
「まずい、後ろを取られた」
「ミサイル来ます!」
「迎撃、メイリン、MSを呼び戻して」
「駄目です、敵と交戦中です」
ミネルバへ迫るミサイルの群れ。
CIWSが迎撃を行うが、それでも何発かはミネルバへ命中する。
「第2波、来ます」
「ボギーワンよりMS発進、数3」
「マリク、デブリを盾にして」
ミネルバは障害物の多い、小惑星に近づいて体勢を立て直そうとする。
浮遊するデブリに阻まれて、ミサイルは命中しない。
その様子をを見たネオは、掛かったとばかりに言う。
「砕いた岩のシャワーを浴びせてやれ」
反撃しようとするが、糸口が見つからないミネルバ。
「第3波、続いて第4波来ます」
「マリク、なんとか回り込めない」
「駄目です、回避で精一杯です」
「ミサイルを迎撃して」
ミネルバが盾にしている小惑星に次々とミサイルがあたり、岩石がミネルバへと降り注ぐ。
岩石が当たり、ミネルバの装甲板はひしゃげ、スラスターが破損する。
やがてミネルバを右舷を覆うように岩石が積もり、ミネルバは身動きがとれなくなった。
「レイを出して」
「しかし、カタパルトが……」
「そんなのはいいから、歩いてでも出られるでしょう」
身動きが取れなくなったミネルバを守るため、レイはザクファントムは操り、戦場に出た。
(……ミネルバにはギルが乗っているんだ)
320 :
212:2005/10/08(土) 03:31:28 ID:???
「ミネルバが……戻らなくちゃ」
ミネルバが身動き取れなくなったのは、MSにも伝わっていた。
「でも、どうするんだよ」
シンが叫ぶ。
インパルスはアビス、カオスにケルベロスを放つが、回避される。
そこへゲイツRが斬りかかりに行くがアビスのビームランスに突き刺され爆発する。
「ゲイルーッ!!!」
ルナマリアは悲痛な叫びを上げた。
「へへ、やっと一機」
対照的にアビスのパイロット――アウルは得意顔だった。
4対3から、2対3へ、数の有利が逆転した。
「ステラ、お前は赤いの」
「俺とアウルは緑だ」
インパルスへ迫る、カオスとアビス。
ザクへと迫るガイア。
「よくもーっ」
オルトロスで攻撃するが、回避されガイアの体当たりにはじき飛ばされる。
「いいわ、やりましょう」
「艦長!?」
ミネルバではアスランが提案した脱出案をタリアが受け入れていた。
そのミネルバを守るために、レイはネオの乗るエグザスと戦闘をしていた。
ネオはレイに二人の部下を打ち落とされ、復讐に燃えていた。
「やってくれるじゃないの、白い坊主君!」
ガンバレルを切り離し、攻撃するエグザス。
ザクファントムはそれを回避し、ガンバレルを撃破していた。
「右舷の全砲門の一斉射ととも、スラスター全開、タイミング間違えないでね」
「はいっ………準備よし………てーっ」
トリスタン、イゾルデから繰り出されたビームと実弾は小惑星に当たり、大きな爆発を引き起こした。
その爆発の力により、ミネルバは岩石の山から抜け出すことに成功した。
「回頭してボギーワンを撃つ、アーサー、タンホイザーの準備を」
「あっ、はい、タンホイザー起動、目標ボギーワン」
一方、追いつめたとばかりに思っていたイアン・リー艦長は噴煙の中、目の前に現れたミネルバを見て咄嗟に叫んだ。
「回避ーっ!」
321 :
212:2005/10/08(土) 03:32:29 ID:???
「タンホイザー、てーっ!」
ミネルバから発射された陽電子砲は、ガーティー・ルーの右舷をかすり装甲を溶かした。
ガーティー・ルーの船内では、爆発が起き、兵士が爆発に飲み込まれた。
互いに煙を噴く右舷を見せながらミネルバとガーティー・ルーはすれ違う。
リー少佐は思いの外大きい損傷に戦場から離脱することを決意する。
「くっ、離脱する。帰還信号」
ガーティー・ルーから、発光信号があがり、それを見たカオス、アビス、ガイア、エグザスは引き上げ始めた。
「艦長、追いますか」
アーサーの質問に残念そうに答える。
「この状況じゃ、追えないわ……議長、残念ながら追撃はここまでです」
「ああ、分かった……君たちは最善を尽くしてくれた、よくやってくれた」
「MSに帰還信号を送って、それとアーサー被害状況をまとめて頂戴、以降コンディションをイエローに」
「お姉ちゃん、シン、レイ」
パイロットスーツから着替えて通路に出た途端、妹のメイリンがやって来た。
「メイリン!」
「大丈夫だった」
「なんとかね、それよりショーンとゲイルは」
「二人ともシグナルロスト……」
「……そっか」
分かっていても、納得できない。出来ることなら認めたくない。
そんな気持ちだった。でも、いつまでも感傷に浸っているわけにはいかない。
そう自分に言い聞かせた。
「代表の護衛って人が助け船を出してくれて……」
そんな話をしながら、歩いていたとき休憩室に一人の男の姿を見つけた。
その人こそ、話のネタになっていたアスラン・ザラだった。
「ちょうど、あなたの話をしてたところでしたアスラン・ザラ」
前々から話をしてみたいと思っていたから話しかけてみたが返事は予想外だった。。
「俺はアレックスだよ……」
その言葉聞いた瞬間、頭にきた。なぜ、アスラン・ザラなのに偽っているのか。
なぜ、MSが操縦できるのに戦わないのか。
そんな怒りが自然と言葉になっていた。
「だから、もうMSにも乗らない?」
「……」
目の前にいる人は何も答えない。かわりに聞こえたのはシンの声だった。
「ほっとけよ、オーブにいるような奴なんて」
そう言ってシンは1人で歩いていった。
その様子を見たレイも「失礼します」と丁寧に言いシンの後を追った。
メイリンもそれにつられるかのように2人の後を追って、ひっそりと居なくなっていた。
いつの間にか、部屋の中にいるのは私とアスラン、いやアレックスだけになった。
正直、その場の空気は悪く、すぐに抜け出したかった。
「でも艦の危機は救ってくださったそうで、ありがとうございます、それでは失礼します」
嫌みな言い方をして、レイ達の後を追った。
322 :
212:2005/10/08(土) 03:33:22 ID:???
相当自分が混乱していると思う。そんな私を見てレイが声をかけてきた。
「どうした、ルナマリア」
「レイ……」
「ショーンとゲイルのことだな……でもそのことで彼に当たっても仕方ない」
「分かっているわよ……でも……アスランが戦っていたら……」
「仕方あるまい、今の彼はオーブの人間なのだから」
「あいつらが死んだのは弱かったからだろ」
「シン!あんた言っていいことと悪いことが!」
「やめろルナマリア」
「ふん、死んでたまるものか。俺は強くなるんだ……」
「シン!」
「少しは気を落ち着かせろ……でなきゃお前が死ぬぞ」
「……レイ」
ショーンとゲイル、二人の仲間の死に冷静さを失っている自分がいた。
一方、1人取り残されたアスランは議長の言葉を思いだし自問していた。
名は存在を示すもの……なら、アレックス・ディノというのは偽りの存在なのだろうか?
アスラン・ザラだから艦長は俺の進言を聞き入れてくれたのだろうか?
いくつもの疑問が頭の中を駆けめぐる。
そんな疑問を払いのけるかのように、アスランは頭を振る。
323 :
212:2005/10/08(土) 03:36:10 ID:???
以上です。
本編まんまですね。
そろそろオリジナル展開を入れようかなと思います。
進んでいるではないか。AGEておくよ。
>>212GJ
でも、なんかこのシン冷たい、シンなら逆に連合三機を
「ショーンとゲイルの仇だ。今度あったらたたき落としてやる。」くらいじゃないかなー
と、思った。あの遺作や痔でさえ二コル死んだとき悲しんでたし
326 :
212:2005/10/09(日) 07:39:22 ID:???
PHASE-04 「蠢く闇」
宇宙空間に浮かぶ巨大な廃墟。
それはユニウスセブンいうものの姿だった。
前大戦の引き金をなった「血のバレンタイン」で核ミサイルによる攻撃を受け多くの命が失われた場所である。
今も多くの命が眠り、さながら大きな墓標になっている。
普段、誰も近づかない場所を、黒いジンが通り抜ける。
「隊長、フレアモーターの取り付け終わりました」
「よし……ようやく、我らの雌伏の2年間が報われるときがきた……こんどこそナチュラルを……」
想いを巡らせ、サトーはコクピットの娘の写真を見た。
ミネルバは先の戦闘での損傷を修理するための作業を行っていた。
艦内が慌ただしい中、パイロットには休息を取るように命令が出ていた。
「ショーン……ゲイル……」
休憩室に一人、ルナマリアは飲み物の入った紙パック片手に呟いていた。
その顔には涙の通った跡がはっきりと見てとれる。
ルナマリアの脳裏には、二人の顔が浮かんでいた。
無邪気に笑う人なつっこいゲイル、少し神経質っぽくていつも冷静なショーン。
彼らの乗った機体が撃破される瞬間が思い出され、次にシンとレイの言葉がよぎる。
仕方ない……でもそんなんじゃ割りきれない。弱かったから死ぬ……そんなの納得できない。
なぜ、ゲイルが……ショーンが死ななければならなかったの。
あたしがアーモリーワンであの3機を取り抑えていればいればこんなことにならなかったのに……。
無力な自分が悔しかった。
327 :
212:2005/10/09(日) 07:40:11 ID:???
そんなルナマリアをアスランは入り口から見つめていた。
アスランは気分転換に何か飲もうと来たのだが、俯いているルナマリアをみて入るのを躊躇っていたのだ。
あれほど強がって自分に嫌みを言ってきた少女が先程と対照的に沈み込んでいる姿に驚いた。
そしてなぜ、悲しんでいるのか、アスランには分かっていた。経験したからこそ解るというのだろうか。
仲間の戦死に泣き崩れるその姿にかつての自分を見たような気がしていた。
携帯電話のディスプレイに映る、妹――マユ・アスカの写真をシンはベッドの上で眺めていた。
少し間をおいた後、シンは携帯を閉じると枕を殴りつけた。
「……くそっ」
部屋から出て行こうとするシンを、シャワー室から出てきたレイは見ていた。
「シン、どこへ行くんだ」
「……戦闘シミュレーターだよ」
「少しは休んだらどうだ、連戦で疲れているだろう」
「悪い……今度こそ、あの3機を落としたいんだ」
「そうか……無理はするなよ……」
「ユニウスセブンが動いているだと」
「一体どういう事だ」
「予測進路はどうなっている」
「アーモリーワンだけでも大変なのに」
「軌道修正は出来ないのか」
「議長に連絡は」
「そんなこと出来るわけがない」
いくつもの声が入り混じるザフト軍中央管制室。
「ここは議長の指示を仰ぐべきでは」
「議長と連絡が付かない以上、私の独断で軍を動かす」
「よろしいのですか」
「これは非常事態だ、ゆえに軍の指揮権は私にある……それに時間との戦いだ」
「シミュレーションの結果が出ました。軌道の変更では間に合いません……やはり破砕を行うほかありません」
「そうか……ナスカ級装備ですぐに出撃できる部隊は?」
「……ジュール隊です」
「よし、ジュール隊は大至急メテオブレイカーを搭載し、ユニウスセブンへ向かいそれを破壊せよ」
「支援部隊は出さなくてよいのですか」
「アーモリーワンでの事があったばかりだ……本国を手薄にするわけにはいくまい」
「そうですね、報告が遅れましたがアーモリーワンの件は思いのほか被害が大きいです」
「……大事にならなければよいが」
328 :
212:2005/10/09(日) 07:41:14 ID:???
「それは本当なのか」
大統領官邸で大西洋連邦大統領は側近達と話し合っていた。
「ええ、間違いありません。このままだと、あと8時間後に太平洋上に落着します」
「それで、被害のほどはどうなる」
「正直、予測がつきません……専門家の分析によると地球上の生物が死滅する可能性もあるとのことです」
「なんと言うことだ……国防長官、防ぐ手だてはあるのか」
「我々に防ぐ手はありません……しかし、被害を減少させる方法ならあります」
「その方法とは」
「核ミサイルによるユニウスセブンの粉砕です」
「……核を使わなければならないのか」
「はい……もはや一刻の猶予もありません、核ミサイルの使用許可を」
「少し待ってくれ……各国に何か動きは?」
核という単語に大統領は少し考え込む様子を見せた。
「プラントがこのことに関して各国に声明を出しました。あと破砕部隊を派遣したとのことです」
ナスカ級「ヴォルテール」艦橋
突然の呼び出しに慌てて艦橋へ上がってきたジュール隊隊長――イザーク・ジュールは服装を整えていた。
「何事だ」
「司令部よりの命令です、ジュール隊はメテオブレイカーを搭載し、ユニウスセブンの破砕作業にあたれとのことです」
「破砕作業だと?」
少し訝しげな表情をイザーク見せた。
「はい、ユニウスセブンが軌道を外れ、地球への落下コースを取っているとのことです。
落下による被害を最小限に抑えるため、メテオブレイカーによる破砕作業を行えとのことです」
「メテオブレイカーの搭載は?」
「もう少しで終わります」
「分かった……ヴォルテールとルソーはメテオブレイカーの搭載終了次第、全速でユニウスセブンへ向かえ」
「はっ」
指揮官の命令を受けた艦長は、慌ただしく出航の準備を始める。
その様子を見て満足したイザークは、後ろにいる赤服の少女に声をかける。
「シホ、編成を決めるから手伝ってくれ」
「はい、ジュール隊長」
329 :
212:2005/10/09(日) 07:42:28 ID:???
ミネルバの一室では、デュランダル議長とカガリ達がユニウスセブンの件について話をしていた。
「ユニウスセブンが動いているだと」
カガリは驚きに身を乗り出した。
「ええ、なぜだか知りませんが、それは動いているのです、確かに」
「もし、あれが落ちたら大変なことになる……オーブはいや、地球が……」
「ええ、ですからプラントはこれを打破するために全力をもって事態にあたっています」
「本艦もこのままユニウスセブンに向かう予定です、申し訳ありませんがもう少しこの船で我慢してください」
「それは気にしていない……それより私にも何かできることはないか」
そんなカガリの様子をアスランは無言で見ていた。
オーブ行政府の一室では国を預かる宰相ウナト・エマ・セイランとユウナ・ロマ・セイランが話をしていた。。
「ユウナよ、大変なことになったな……」
「ええ、困りましたね本当、この一大事に代表は不在、しかも連絡さえ付かない
もっとも、居たところでも、何も変わりませんがね」
「ユウナ、口がすぎるぞ……まあ、よい…………それでどうする」
「正直お手上げです……そもそもあんなもの壊せる兵器はオーブには存在しません」
ユウナはおもむろにポーズを取る。
「そうだな……ならば、我々のなすべき事をするか……」
「ええ父上、国民への避難勧告、オーブ全軍に非常招集命令ですね」
「ああ、そうだな……あとは祈るのみか」
「ええ」
ユウナは窓から曇り一つない空を見上げた。
薄暗い部屋の中、猫を膝に抱きかかえた男性は画面の中の老人と話していた。
「ジブリールよ、よいのか」
「ええ、我々は核ミサイルを持ってないことになっていますからな。
それに戦争のための兵器を、災害救助の為に使う。そんな馬鹿げた話がありますか。戦争に使ってこそ、意味があるのです」
「プラントは事態回避のために動いているというではないか」
「ですから、我々も動いていますよ……その次の段階のために」
ジブリールはそう言って、ワインの入ったグラスに口づけた。
330 :
212:2005/10/09(日) 07:44:40 ID:???
前半部分だけ投下。
後半は書き終わり次第投下します。
遅筆なんで気長に待っていてください。
早朝から激しく乙!
続き期待!
超乙!
このまま最終回まで見たい。
164さんはもう来ないの?
俺的には一番期待してる職人なんだが…
保守。
hosyu
あげ
あ
捕手
シンプルな室内であった。
装飾品の類が、極端にすくないのである。
射撃訓練の、部屋であった。
そこには均整のとれた体に、絶対領域を装備した女がいた。
ルナマリア・ホークがいた。
彫刻のような女だった。
何もかもが、美形だった。
指が、美形。
髪が、美形、
棟も足も肩も美形。
頭から放たれている、あほ毛までが美形だった。
その様子を、黙って見つめる男が居た。
一見、どこにでもいそうな男であった。
美男子ではない。しかし、自分の肉体に、何か独特の気配をまとわり付かせている。
不思議な、男であった。
−−アスラン・ザラ。
それが、この男の名前であった。
「あんたも、どうだい、アスラン−−」
ルナマリアが、微笑しながら言った。
「聴いてるぜ、色々とな」
「何をだ」
「だから色々だよ、クルーゼ隊での事や、ヤキンドゥーエの一件とかさ−−」
初対面のアスランに、ルナマリアはざっくばらんな口調でいった。
以前からの顔見知りであったかと、ふとそんな錯覚に陥りそうであった。
「うれしいねえ、あんたみたいな人がいてさ−−。俺はよう、久し振りに血が騒いだぜ」
皇帝が、にっと笑った。
「戦争が、好きですか」
「おう、好きだよ。派手な戦争も地味な戦争もみな好きだ。強くて強大なMSをぶちのめした時なんざたまらねえな。あんただってそうだろう?」
「好きです」
アスランの口から、ほろりと出ていた。
(続かない)
カエレ
保守
いや、むしろ続けろw
344 :
212:2005/10/15(土) 23:07:28 ID:???
保守ご苦労様です。
話の骨子は大体考えたので後は書くだけです。
少しずつですが、細々と投下していきますんで、ゆっくり気長に待っててください。
(*´Д`)( *´3= <,, `Д´>
楽しみだ――――!!
一日一回期待hoshu
( ´_ゝ`)(*´Д`)( *´3= <,, `Д´>
どうせ監督の頭の中じゃキラが主役だからたいしてかわんないよ
保守
保守
age
353 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/20(木) 21:21:36 ID:4OzJBKKD
保守
一日に3回も保守してどうする
保守
オーブに遊びに来ていたルナマリア。
迷いに迷って出た所はターミナルの地下格納庫だった。
「こ…このMSは!?」
そこでルナマリアはかつて戦闘を交えたはずのガンダムと再び出会う。
ぐぉんぐぉん、がっちょんがっちょん
突然動き出すMS、
そしてルナマリアの脳裏に声が響く。
”ぱふぇ・・・食べたい・・・”
「え゙・・・?」
『格納庫から二体のMSが!』
オーブに警報が鳴り響く。
ガイア(の中の人)の本体を求めて二人の旅が始まる─
逝ってよし
二ーソ(*´Д`)ハァハァ ルナたん(;´Д`)
保守
どうせ設定変えるならオーブのホーク姉妹とか見てみたいな。
あの二人目的があってザフトに入ったように見えないんだよ。
オーブで両親亡くして、孤児院にいたが食べるためにオーブ軍入隊とか
だったらシンのカウンターキャラとして生きそうなんだけどなあ。
改変しすぎ
他スレ行けよ
保守、職人さんはまだか!!
揚げ
保守
保守
あほ毛までが、ダンディだった
369 :
保守がてら:2005/10/27(木) 21:55:17 ID:???
「だろう?しかし部下なんてのを持つようになっちゃお終めえだな。戦闘屋じゃなくて指揮屋じゃねえか。部下の指揮に振り回されて大好きな戦闘が、できなくなっちまう−−あんたはどうだい?キラ」
ルナマリアはいきなり振り向くと、今まで彼らの会話を黙って聞いていた男に問い掛けた。
「私は戦争は嫌いです」
「ふうん」
ルナマリアは、本気にしてないぞと言うように、にっと笑った。
「ところでよ、あんた、帰った後で、俺を怒らせるような発言をしねえだろうな」
「怒らせる?」
例えば、ザフトに勝ったとか、ザフトは弱いだとかさ。イザークやアスランに程度に勝っただけで、そう言われちゃ困るんだよ」
「しないよ。ただ、ひとつ聞かせて貰えるかい」
「ほう、なんだい」
男の目の奥に、戦いを求める戦士の輝きが甦りつつあるのを感じながら、ルナマリアは聞いた。
「誰に勝てば、ザフトに勝ったと言っていいんだい?」
「いい質問だ」
ルナマリアは答え、ぽん、と自分の胸を叩いた。
「この、ルナマリアにさ−−−」
おい、アホ毛!!
アホ毛じゃない!
いいえ、アホ毛です
どうみてもアホ毛です。
ありがとうございました。
保守
アホ毛上げ
保守
377 :
212:2005/10/31(月) 08:19:41 ID:???
「ザクの整備終わった?」
ザクウォーリアの頭部で作業している見知った顔にルナマリアは話しかけた。
「ああ、もうちょっとで終わるよ」
端末片手に配線を繋いでいるヨウランは振り返らず言った。
「大丈夫?……眼が充血してるぜ」
ヨウランと対照的に振り返ったヴィーノはルナマリアの顔を見て尋ねる。
「……うん……もう大丈夫」
肯定はしているものの、ルナマリアは視線をそらした。
それは少なからず否定していると見受けられた。
視線をそらしたルナマリアに緑色の機体に整備員が群がっている様子が見えた。
無言の空気の中、話を切り替えるべくルナマリアは思ったことを口にした。
「アレも修理してるの?」
「アレって?」
「代表の護衛が乗ってきたザクよ」
ルナマリアの示す先には片腕を失っているザクウォーリアがあった。
「一応やっておけってさ、もうパイロットなんていないのに……」
そう言いかけたところで、ヨウランは口を閉ざした。
「……悪い」
しばしの沈黙の後、ヴィーノが口を開く。
「な、休憩しようぜ」
378 :
212:2005/10/31(月) 08:21:17 ID:???
「カガリ?」
アスランは心配そうにカガリの顔をのぞき込む。
「……ウナト達はどうしているんだろうか」
オーブの代表としての重荷が少女の肩にのし掛かる。
本来、オーブで対策を練るべきなのに、その場にいない。
それどころか、オーブ本国と連絡さえ出来ないのだから。
カガリは今の自分の無力さを痛感していた。
「心配しても仕方ない、彼らだってちゃんと対策を立てているさ」
アスランもカガリ同様に何も出来ないこと悔やむが、言葉に出さなかった。
「ユニウスセブンが軌道を外れちゃって、このままだと地球に激突しちゃうんだって」
メイリンの言葉に休憩室にいた皆が、注目することになった。
「それ、ホントかよ」
「ふうん、けど何でアレが」
実感が沸かないながらもヴィーノは疑問を口する。
「隕石でも当たったか、はたまた何かの影響で軌道がずれたか」
ヨウランが専門家らしく気取って言ってみせる。
「地球への衝突コースだって、本当なのか」
普段あまり喋らないシンが問いを発した。
「バートさんがそうだって」
メイリンが間違いないといった感じで答える。
「で、今度はそのユニウスセブンをどうすればいいの」
ルナマリアはそう言うなり、周りを見渡すが誰も答えを出しかねていた。
「砕くしかない」
今まで黙っていたレイが口を開く。
「砕くって!?」
「アレを!?」
「軌道の変更など不可能だ、衝突を回避したいのなら砕くしかない」
「でもでかいぜ、あれ……ほぼ半分くらいに割れているといっても最長部は8キロは」
「そんなもんどうやって砕くの?」
「それに……あそこにはまだ死んだ人達の遺体もたくさん」
血のバレンタインの後、宇宙に浮かぶそれはさながら大きな墓標となっていた。
その墓標を砕くということは、躊躇われて当然のことだといえた。
379 :
212:2005/10/31(月) 08:22:06 ID:???
「だが、衝突すれば地球は壊滅する……そうなれば何も残らないぞ、そこに生きるものは」
レイの冷静な言葉に、部屋は水を打ったように静まりかえる。
「地球滅亡……」
想像していたよりも、遙かに大きい被害にヴィーノが呟く。
「だな」
「そんな……」
「はあ、でも、ま、それもしょうがないっちゃしょうがないか
不可抗力だろ、けど変なごたごたも綺麗になくなって案外楽かも…俺たちプラントには」
ヨウランがそう言った直後、休憩室に怒声が響き渡る。
「よくそんなことが言えるな!お前達は」
部屋に入り込むカガリを見るなり、部屋にいた一同は立ち上がり敬礼をした。
しかし、カガリはそんなことを気にせずに怒声を発した。
「しょうがないだと…案外楽だと、これがどんな事態か…地球がどうなるか
どれだけの人間が死ぬことになるか…ホントに分かって言ってるのか…お前達は!」
部屋の中にいる人間がカガリに視線を集める中、シンは無視を決め込んでいた。
それを横目で見るルナマリアには我慢しているように見えた。
「…すいません」
事の発端であるヨウランが罰悪げに謝罪する。
「やはり、そういう考えなのか、お前達ザフトは!」
「あれだけの戦争をして…あれだけの想いをして、やっとデュランダル議長の姿勢の下で変わったんじゃなかったのかよ」
ヨウランの謝罪にも関わらず、カガリは言葉を止めることなく怒鳴っていた。
「よせよカガリ……」
アスランはカガリの肩を退いて止めようとする。
ただの正義感で言ったにしては行き過ぎだと感じていたからである。
「別に本気で言ってたわけじゃないさ、ヨウランも
そんくらいのことも分かんないのかよアンタは」
カガリの言葉に今まで黙っていたシンが口火を切る。
「なんだと……」
「カガリ!」
アスランが抑えなければ今にも飛びかかりそうな様子をカガリは見せる。
「シン、言葉に気をつけろ」
同様にレイもシンを制止しようとする。
「あー、そうでしたね、この人偉いんでした。オーブの代表でしたもんね」
レイの制止にも関わらず、シンはカガリに悪態をつく。
「お前……」
380 :
212:2005/10/31(月) 08:23:06 ID:???
「いい加減にしろカガリ」
いつ果てるか分からない口論を終わらせようとアスランは一歩踏み出して言った。
「君はだいぶオーブが嫌いなようだが、なぜなんだ」
それはアスランが少し前から疑問に思っていたことであった。
「昔はオーブにいたという話だが、
くだらない理由で関係ない代表にまで突っかかるというのならただではおかないぞ」
無益な言い争いを止めさせようとアスランは睨み付けるように言った。
「くだらない……くだらないなんて言わせるか」
言葉を発するたびにシンは顔を険しくしてアスランとカガリに近づいていった。
「関係ないってのも大間違いだね……俺の家族はアスハに殺されたんだ!」
その予期せぬ言葉にアスランは驚きを隠せなかった。
「国を信じて……アンタ達の理想とかってのを信じて……
そして最後の最後に……オノゴロで殺された」
シンは憎悪を込めてカガリを睨み付ける。
「だから俺はアンタ達を信じない……オーブなんて国も信じない!
そんなアンタ達の言う綺麗事を信じない!」
「この国の正義を貫くって……アンタ達だってあの時
自分たちのその言葉で誰が死ぬことになるのかちゃんと考えたのかよ」
全身から怒りを発しているシンに皆、黙り込んでいた。
「何も分かってないような奴が分かったようなこと言わないで欲しいね」
何も言わない相手を見て、シンは吐き捨てるように言って部屋を出て行った。
肩をふるわせながら出て行くシンを見てアスランは眼を細めた。
そんなアスランをルナマリアは不安そうに見ていた。
国家元首に対する暴言――本来なら謝罪するべきなのに誰も口を開かない。
その沈黙がカガリにはシンの言葉の正しさを肯定してるように思えた。
気まずい空気が流れる中、カガリの方を向こうとしたアスランとルナマリアの視線が合った。
「あ……」
ルナマリアは何か言おうとしたが言葉に詰まった。
その様子を見てアスランは動きを止めルナマリアの方を見る。
「すみません……失礼します」
何を言えばいいのか分からなくなったルナマリアは、敬礼してシンの後を追った。
381 :
212:2005/10/31(月) 08:24:20 ID:???
「シン!」
怒りにふるえながら歩くシンに、走ってきたルナマリアが話しかける。
「何だよ……」
「何だじゃないわよ、まったく……あたしにまでつっかかる気?」
気まずい雰囲気で圧迫されてものが弾けるように強くルナマリアは言う。
「別にそんなわけじゃ……」
「なら、少しは落ち着きなさいよ……」
少しは落ち着きを取り戻したかのように見えたシンに対してルナマリアは諭すように言う。
「シンが怒りたいのも分かるけど……だからって突っかかるのは止めなさいよ」
「……あいつの肩を持つっていうのか」
「違うわよ……言いたいことは一つだけ、アンタと代表じゃ立場が違うってこと……
それぐらいちゃんと弁えておきなさいよ」
「偉ければ何言っても良いのかよ!無責任なこと言って良いのかよ!」
「そういうことじゃないわよ!……それに代表が言ってたことも……」
続きをかき消すようにシンは言った。
「そんなにアイツが言う綺麗事が好きか!」
「綺麗事って……」
「違うのか?……違わないさ、言うだけ言って何もしない……今だって口先だけじゃないか……
アイツがこの事態に何をした……俺たちに怒鳴っただけじゃないか」
「確かに……そうだけど……」
「もういいだろ……」
「シンッ!」
「放っておいてくれ」
シンはそう言うなり、走り去っていった。
382 :
212:2005/10/31(月) 08:25:27 ID:???
一人廊下に取り残されたルナマリアは呟く。
「はあ……なんかもう……ごちゃごちゃ」
腕を組んで俯くルナマリアに、通り掛かったアスランが話しかける。
「どうしたんだ……こんなところで」
「あ、アス……アレックスさん」
ルナマリアは”アスラン”と口にしそうになったが咄嗟に押しとどめた。
”アスラン”というのはザフトの英雄であってオーブの代表の護衛ではないと思ったからだ。
「先程、何か言いたそうにしていたが……言いたいことがあるのなら聞くよ」
「いえ……別に」
「そうか」
「ところ代表はどうしたんですか?」
「部屋で休んでいるよ……突然で悪いが聞きたいことがある、いいか?」
「あたしにですか?」
「ああ」
意外な申し出であったがルナマリアは受けることにした。
「ええ、どうぞ」
「シンの家族のことなんだが……その、オノゴロで殺されたと言っていたが一体どういうことなんだ」
「あたしも良くは知りませんけど……なんでもオーブに連合が攻めてきて
シンは家族と一緒に避難しようとしていたんですけど、避難船まで後少しって所で
攻撃に巻き込まれて父親と母親と妹が命を落としたって……」
「……」
アスランは少し顔を曇らせた。
何も言わないアスランを怪訝に思うが何を言ったらいいのか分からない。
せっかくの機会であるし、何とか話を繋ごうとルナマリアは思った。
「あ、あたしが言ったって事、秘密にしておいて下さい」
「……ああ」
アスランは黙ったまま、その場に立っていた。
何を考え込んでいるんだろうかと、ルナマリアは考えた。
オーブでの戦いにザフトは関与していない……なのになぜアスランが悩むような表情を見せるのかと。
それを知りたいと思っても口に出すのは躊躇った。
そんなことより、自分にもこの人にもするべき事があると思ったからだ。
口先だけ……何もしない……。シンの言葉が脳裏に蘇る。
だから目の前で沈み込んでいる”アスラン”を罵倒したくなった。
「ぼーっとしてないでやるべき事やった方が良いんじゃないですか
お姫様の所に行くとか……」
挑発するような言葉にアスランはムッとした表情を見せた。
ルナマリアは自分を見つめるその瞳からは意志を感じとった。
「じゃ、あたし仕事がありますから、失礼します」
それは以前のような抑揚のない言葉でなかった。
383 :
212:2005/10/31(月) 08:26:47 ID:???
カガリは椅子に座りずっと考え込んでいた。
先程のシンの言葉が脳裏を幾度となく反芻していた。
部屋に戻ってきたアスランはそんなカガリを見て持ってきた飲み物をテーブルの上に置き足下にしゃがみ込んだ。
「考えてもしょうがない、カガリ……分かっていたことだろう、ああいう人もいるはずだって」
「でも…………お父様のことあんな風に
……お父様だって苦しみながらお決めになったことなのに……それを……」
「だが仕方ない……だから分かってくれと言ったところで…今の彼には分からない
きっと自分の気持ちでいっぱいで……君には分かっているだろう、カガリ」
「うぅ……ううぅ」
アスランは泣きながら飛びついてきたカガリを受け止め、包み込むように抱きしめた。
本当はもっと別のことを言わなければいけない。
アスランはそう思ったが、カガリの様子に言い出せないでいた。
ボルテールのブリーフィングルームではイザークがモニタの前で任務の概要を隊員に説明していた。
「以上が今回の任務だ。
メテオブレイカーの操作は各自の手元にあるマニュアルを見ろ
いいか、時間に余裕はない、ユニウスセブンと一緒に落ちたくなければ手際よくやれ!
質問は?………………なければ解散する」
隊員達は一斉に立ち上がり、指揮官であるイザークへ敬礼する。
イザークもそれに応え敬礼し隊員達を見渡す。
「諸君の健闘に期待する!準備にかかれ」
イザークが腕を降ろすやいなや隊員達は足早にブリーフィングルームより出て行く。
その様子を眺めるイザークの側にディアッカが立った。
「しっかし、大丈夫なのかねぇ」
「なんだ、ディアッカ」
「新兵が多いんだぜ、うちの隊」
「文句を言っても仕方ないだろう、お前も早く準備しろ」
384 :
212:2005/10/31(月) 08:27:56 ID:???
「どうしたのかね、アスラン……いや、アレックス君か」
ブリッジに上がったアスランを見てデュランダルは尋ねる。
「無理を承知でお願いします。私にもMSをお貸しください」
アスランは頭を下げお願いする。
「確かに無理な話ね、今は他国の民間人である貴方にそんな許可が出せると思って」
タリアは椅子を回しアスランを見て言う。
「カナーバ前議長の計らいを無駄にでもしたいの」
「分かっています。でもこの状況をただ見ていることなど出来ません。使える機体があるならどうか」
「気持ちは分かるけど……」
重ねてお願いするアスランにタリアは心を動かされる。
しかし、だからといって許されるべき行為でないことは十分に分かっていた。
「いいだろう、私が許可しよう」
「議長……」
タリアは疑念を含んだ声を上げる。
「戦闘ではないんだ艦長、それに作業支援だ、出せる機体は一機でも多い方がいい」
「ありがとうございます……」
「ただ一つ聞いておかないといけないことがある……良いかな?」
「はい、何でしょうか」
「それは君一個人としての判断なのか……それともアスハ代表の護衛としての判断なのかな」
「……私一個人としての判断です」
「そうか……艦長、彼の機体の準備を」
「あ、はい……メイリン、格納庫へ連絡して、それとアーサー、彼をロッカールームに案内して頂戴」
「こんなところにザフトのMSとは」
「予想外の事というのは何時でも起こるというものだよ」
「……ナスカ級が接近してきます」
索敵担当のオペレーターが声にリーは訝しげに思う。
「ほう……これはまたどういうことで」
「ナスカ級よりMSの発進を確認……見慣れぬ装備をしています」
「光学映像を出せるか」
「あ、はい」
メテオブレイカーを抱えたゲイツRを見てネオは呟く。
「なるほどね、彼らが破砕部隊って訳か」
「よろしいのですか……我々は何もしなくて」
「ああ……干渉せずに、記録を取れ……そういう命令だ」
「メテオブレイカーの設置場所を間違えるなよ」
破砕部隊のゲイツRはディアッカの命令の下、所定の位置に装置を設置しようとしてした。
メテオブレイカーの起動スイッチを入れようとしたゲイツRをビームが貫いた。
「我らの想い……邪魔させぬ!」
浮遊物の陰から飛び出してきた、黒いジンハイマニューバ2型が破砕部隊へと襲いかかる。
ビームライフルを持たないため、腰のレールガンで反撃に出るゲイツR。
しかし、難なく回避され、反対に接近してきたジンに斬機刀で切り裂かれ爆発する。
385 :
212:2005/10/31(月) 08:29:02 ID:???
「MS発進3分前、パイロットは搭乗機にて待機せよ」
格納庫にメイリンの声が響き渡る。
「粉砕作業の支援ていったって……何すればいいのよ」
ザクウォーリアのコクピットに乗り込もうとするルナマリアはヨウランに尋ねる。
「それは」
「あれって……?」
ルナマリアは緑色のザクウォーリアに乗り込もうとする赤いパイロットスーツを見ていった。
「アイツも出るんだって、作業支援なら一機でも多い方が良いって……」
「ふーん、そっか」
「MS発進1分前」
「到着後はジュール隊長の指示に従うように言って頂戴」
「ユニウスセブンにて戦闘と思われる熱分布を検知……MSです」
「えぇええ……そんな……一体どういう事だ」
索敵担当のバートの声にアーサーは驚きの声を上げる。
「艦長、ボルテールのジュール隊長から支援要請がきています」
「分かったわ、MSの装備ができ次第、全機急速発進、ジュール隊の支援をさせて」
「発進停止、状況変化、ユニウスセブンにてジュール隊がUnknownと交戦中」
「えっ」
「イザーク?」
「Unknown?」
「各機、対MS戦闘用に装備を変更してください」
「戦闘?、どういうことだ」
「わかりません、しかし本艦の任務がジュール隊の支援であることに代わりは無し
換装終了次第、各機発進願います」
ミネルバのハッチが開きカタパルトが展開する。
中央カタパルトにシルエットがセットされインパルスの発進シークエンスが開始される。
レイとルナマリアのザクにブレイズウィザードとガナーウィザードが取り付けられる。
二人の後続で発進の順番を待つアスランに通信が入る。
「状況が変わりましたね……危ないですよ……お止めになります?」
そんなルナマリアの言葉にアスランは力強く言い返す。
「馬鹿にするな……」
その言葉にルナマリアは少し微笑む。
「シン・アスカ、コアスプレンダー行きます」
中央カタパルトより、コアスプレンダーが発進する。
それに続く形で、チェストフライヤー、レッグフライヤー、フォースシルエットが続く。
「レイ・ザ・バレル、ザク発進する」
左舷カタパルトより、白いブレイズザクファントムが発進していく。
「ルナマリアホーク、ザク、出るわよっ!」
それに続いて右舷カタパルトより、赤いガナーザクウォーリアが発進する。
やがてアスランの乗るザクウォーリアも発進位置に移動しウィザードが取り付ける。
「進路クリア、発進どうぞ」
オペレーターの声を聞いた後、意を決してアスランは言った。
「アスラン・ザラ、出るっ!」
ミネルバより、4機目のMSが発進した。
386 :
212:2005/10/31(月) 08:33:15 ID:???
以上です。
なんだか久々の投稿ですね。相変わらず進歩してない読みづらい文章で申し訳ありません。
書いてみて何ですが本編と大して変わってませんね……。
もうちょっとオリジナル展開入れまくった方がよいのかな?
>>386 おおっGJ!ジ・エッジで言う凸みたいな感じでいい
けどオリジナル展開はいれた方いいですね
個人的には凸との絡みすぎると女難になりそうだからやめといて
もっと妹やミネルバ組と絡んだ方がいいと思う。それと>381みて思い出したんですが
>67に書いてるシンと一緒に戦っていくうちに色々と考え始める展開もいいかも。
>>386 相変わらずGJ!!
オリジナル展開も見たいですが、212さんにお任せします。
無理はしない方がいいですし。
368
GJ!!保守してきた甲斐があったよ!そして、保守
390 :
通常の名無しさんの3倍:2005/10/31(月) 21:32:10 ID:PhakrtNn
投下乙です!そして以後も期待。オリ展開は、無理にオリ展開にしなくてもいいと思うよ。でも作者さんが、こういう方が自然、とか、こうしたい、とか思えば歓迎。
保守
保守
394 :
212:2005/11/03(木) 08:36:39 ID:???
>all
保守ありがとう!
>387
あんまり意味のない女難はしたくないですね。
アスルナは当分は先輩後輩といった仲ですね。
シンルナは当分は友人、仲間といった感じでいこうかなと。
オリジナル展開について
今は、本編のおかしいと思ったところを書き換えるぐらいしかしていませんからやりたいと言えばやりたいですね。
正直なところ、本編のシンルナとかラクス様絶対正義とか大嫌いなんで、本編まんまにはしたくないです。
本編で不遇なキャラほど活かしたいですね。
>>394 >本編で不遇なキャラほど活かしたいですね。
では、全然無視して構わないので私の要望を一つw
もし出番があるなら、ユウナ・ロマ・セイランを
「一見軽薄なナンパ男だが、実は国の事を真剣に考えている硬骨漢」にして欲しいかも。
ルナタン主役の話なら、まあ多分出番無いでしょうがw
保守上げ。
700代は流石に怖い
dat落ちは最終書き込み時間な罠
398 :
396:2005/11/04(金) 00:39:53 ID:???
>>397 あ、そうなの?
よく知らなかった…
説明感謝。
1日1回の保守
新シャア板は落ちやすいから一日一保守に推奨
401 :
保守です:2005/11/05(土) 20:08:52 ID:???
>>392 「惜しいですね。貴方ほどの戦士が、いまじゃ、頭が、奇麗事が満開のお花畑の、お姫様の護衛とは」
観客に、見事な射撃の腕前を見せたアスランに、あきらかに険がかった声が、投じられた。
アスランは、激発はしなかった。ただ、発言者―まだ彼よりも若い男に冷たい視線を浴びせた。
「よさねぇか、シン。お客人に失礼だろう」
ルナマリアが叱責した。
「すまないねぇ。こいつぁ、オーブ出身なんだが、先の戦争の時に家族を亡くして、な。オーブ指導層関係者にゃ当りがきついんだ。」
「申し訳、ありませんでした」
シンが謝った。だが、あきらかに言葉だけ、であった。
「見てのとおり、なまいきな奴だがよう、あたしの部下ん中じゃ素質はとびきりだぜ。多分、あんたらを倒せるくらいになるかもな」
キラとアスランをニヤニヤ見ながら、いたずらっぽく、ルナマリアは言い、シンに近づいた。
「ぐぅ!」
なんの準備動作もなく、いきなり、シンに、ルナマリアが蹴りを放った。
ひとつ。ふたつ。みっつ。−−−よっつめは、入らなかった。かろうじて、かわされていた。
「へえ」
キラが、感心したように言った。
「ふひゅっ」
ルナマリアの赤い唇が尖り、そこから鋭い擦過音が漏れた。立て続けに、シンの身体をルナマリアの突きと蹴りが襲う。
疾い。
頭、喉、首、胸、腹、脚。
ところかまわず、ルナマリアの連打がシンの身を打ってくる。
シンは、かろうじてそれをかわした。あるものは受け、流し、外す。いくつかは当たる。だが、かろうじて急所だけは、当たっていない。
しかし、それまでだった。反撃する余裕が、ないのだ。
きっかり十秒。そこで、ルナマリアは、動きを止めた。
「ふー、こいつは疲れる、腕をあげたねぇ、シ――」
ルナマリアが不用意に、初めて見せた隙、に見えた。シンは、ルナマリアのその口に向かって、左の拳を叩き込んだ。
その攻撃が、空を切った。ルナマリアが、身を沈めていたのだ。
どんっ!
ルナマリアの足刀で、シンは腹を蹴られていた。ルナマリアの両手が、伸びきったシンの手首をつかむ。
ひょい、と下から、ルナマリアの身体がシンの左腕に絡みつく。ルナマリアの両脚の間にはさまれ、仰向けに倒される。逆十字が、完全に決まっていた。
「まいったかい」
ルナマリアが聞いた。
「いいえ」
シンが答えた−−途端に、シンの左腕の内部から、いやな音が響いた。
ルナマリアはシンの左腕を解いて立ち上がると、聞いた。
「まいったかい」
「隊長は、拳を入れられ、倒されたら負けを認めますか?MSなら、腕をを壊されただけで、負けですか?」
「いいや」
「どうなれば、負けるのですか」
「心が折れた時だな。こいつにゃ勝てねぇと思った時さ」
「よかった」
シンが微笑んだ。
「俺は、まだ、ギブアップしていません」
「――こんな奴なんだ。まったく。」
肩をすくめて、困っちまうよ、と言う様に、ルナマリアは周りを見回した。
「いい性格だなぁ。惚れ惚れするよ。−−今回はここまでにしといてくださいよ。私と戦う時には万全でいてもらわなければ、もったいない」
キラが笑顔で言った。どこまでも、本気の発言の、ようであった。
>>401 GJ!!
いいなあ「餓狼伝 SEED Destiny」w
じゃあ俺がルナマリアを攻略するSSを書いていいんですね
エヴァSSのジャンルに「気づいたら自分がシンジ」ものってあるけど、男がいつのまにかルナマリアになってたら、
絶対話が18禁になる
>>406 なるなる
↑逆から読んだらルナルナ
(´_ゝ`)どうでもいいか
私の名はルナマリア、趣味はプラモデル作製である
「やったぁー」
ついに手に入れたMS-06Sシャア専用機を掲げ思わず声を出した
「でも、流石はオーブね、まさか定価でコレを買えるなんて、永住しようかしら」
早速箱を開き組み上げようとした時
けたたましい警報が艦内に鳴り響いた
ルナマリアの部屋に通信が入る
「ルナマリア、オーブからミネルバに応援要請が来たわ、出撃よ」
ガァァァァン、ショック
「あ!でもシンやレイもいるじゃないですか、私お腹の調子が悪くて」
「駄目よ、これは命令よ」
提案はわずか2秒で却下されてしまった
悔しいが私は格納庫へと急ぐ
到着しザクに乗り込むと、妹から通信が入る
「お姉ちゃん、敵多数、オーブの応援もあるけど気をつけてね」
「勝利の栄光を君に!!」
「へ?」
「………コホン、ルナマリア、ザク出るわよ」
外に出ると戦闘は始まっていた
空で地上で爆発が起こっている、だがそんなことは気にしない
主役は何をしても死なないのだ
「フフフ、楽勝楽勝」
ミサイルの中を悠々歩いている、言葉通りミサイルもビームも付近を通過しているだけで当たらない
「ルナマリア、それでは的になるぞ」
レイから叱咤の声が響く
「ハァ?脇役の嫉妬はみっともないわよレイ」
「なっ……」
そういって私は機体を停止させザクを寝転がせる
コックピットを開き自分自身も大の字に寝転がる
当然ビームも何も当たらない、実に快適
その時!!事件が起こってしまった
「お姉ちゃん!お姉ちゃん」
「何よ通信なんて不粋ね」
メイリンがワナワナと震えながら言った
「パンツ見えてる」
…………………………
………………
………
時間が停止した、私はきっと茹蛸のように赤い顔をしているだろう
見られてしまった
あーあーあーあーあー、しまったなぁ
そして、世界は崩壊した
^^
勝利の栄光ワロタ
ルナマリアが議長を襲う日も近いなw
久々にガノタなルナを見た
AGE
タイトルはぜひ、「新感覚☆魔法少尉ルナマリア」
「魔法の少尉 プラスターマリ」を思い出したw
しかし変身後は萌えない
ルナを1日ザクに乗せてみたいw
保守
422 :
通常の名無しさんの3倍:2005/11/08(火) 22:24:38 ID:wdrwGg7w
待てよオマイラ!こんなスレ保守するから負債が真に受けて変なガンダム作るんだろうが!!
言いたいことはよくわからないが、ageてるあたり、
>>422がツンデレっぽいと思いましたとさ。
>>422 つめたい言い方だが、ネタスレというのはそういうものだ
ルナマリアとネタイ。特に膝枕
恋するルナマリアはせつなくておシャア少佐を想うとすぐHしちゃうの
君は邪魔なのだよ!シャア(専用機でプラモ遊び)と私とのね!
428 :
通常の名無しさんの3倍:2005/11/09(水) 18:27:59 ID:Klc8+VfC
落ちそうなので保守
保守
ルナで検索するとポルナレフも出るから困る
ルナ・マリアで検索しても
「ルナマリア様がみてる」がトップに来るのなw
保守
メイリンを主役にしてくれ。
あまり腕のよくないパイロットよりも、
タリア艦長に怒鳴られつつも頑張るMS管制官。
副長の下手くそなジョークに愛想笑い。
そんなガンダム史上初のMSに乗らない主人公きぼんぬ
メイリンを改名してヒロインにすれば主役に。
>>433 メイリンスレは山ほどあるんだから
このスレくらいルナに主役はらせてやれよ
433だ。
スマン、正直むしゃくしゃしてやった。
スレならどこでもよかった。
これからは空気読むので許してくれ。
保守
AGE
保守
保守
「ルナマリア、君のために用意したMA、ザフトンだ」
「ジオングみたいですね」
「うむ、それが元だ」
「足が無いですよ」
「あんなモノは飾りだ、ガンダム乗りはそれを知らんのさ」
「サイコミュも搭載されているんですか」
「無論だ、だが私に使いこなせるかな」
「議長のニュータイプ能力は未知数です」
「ハッキリ言う……気に入らんな」
「どうも…しかし、議長ならば乗りこなせると信じています」
「ありがとう、信じよう」
そしてザフトンを駆り星の海に出撃した議長
「………いつの間にか立場が逆になってた……」
ルナマリアの呟きは宇宙に吸い込まれていった
保守
アホ毛
ザムザザーに墜とされて1クールで主役交代
またしてもメイリンに出し抜かれる姉w
保守
ルナ「あんたが新入りかい、おいらルナマリアってんだ。みんなからルナって呼ばれてる。おめぇもそろえて貰っていい。
だけんど、おいらと戦闘シミュレーションやって負けたらちゃんと『さん』くれろ」
シン「お、戦闘シミュレーションなら俺もちょっとしたもんよ」
ルナ「反射神経と敏捷性に関しちゃおいらに勝つ奴ぁいねぇよ。そこんとこヨロシク!」
保守
上げます
452 :
212:2005/11/17(木) 21:06:55 ID:???
続き投下しても良い?
454 :
212:2005/11/17(木) 21:23:36 ID:???
PHASE-05 「星の降る日」
「何なんだよこいつら!」
ディアッカは突然現れた黒いジンの一群を見ていった。
分かっているのは、味方ではなく敵であるということ。
そして、不利な状況であるという事であった。
「一体どういう事だ」
ボルテール艦橋のジュール隊指揮官――イザーク・ジュールもまた予期せぬ事態に驚きを隠せなかった。
「ジンだと……一体どこの部隊だ」
「分かりません……マイク機シグナルロスト……このままでは」
「ゲイツのライフルを射出しろ!……ディアッカ、シホ、メテオブレイカーを守れ!」
「はいっ!」
僅かな間にもまたディスプレイに味方機のシグナルロストを告げる画面が映る。
「艦長、後を頼むぞ、俺も出る!」
「御武運を」
味方が為す術もなく撃破されている状況にイザークは居ても立ってもいられずブリッジを飛び出した。
「うわぁあああ」
「クルス助けてくれぇ」
ジュール隊は、不利な戦いを強いられていた。
すでに、4機が撃破され、2機が損傷、メテオブレイカーも1機が破壊されていた。
メテオブレイカーを守りながらの戦闘、加えて、パイロットの練度の差が戦況を不利なものとしていた。
「くそっ!……えぇえい」
ディアッカの操縦するガナーザクウォーリアがオルトロスを黒いジンに向けて放つ。
しかし赤いビームは敵に当たることはなく、ユニウスセブンの表面をえぐっただけだった。
オルトロスを回避した黒いジンは、斬機刀をかざして、ザクの目前に迫る。
振り下ろされた斬撃をディアッカを機体を横に滑らせ避ける。
黒いジンは、ディアッカのザクに追い打ちをかけずに、後ろにいたメテオブレイカーを運んでいるゲイツRに斬りかかろうとした。
「しまった!」
ディアッカは唇を噛む。
黒いジンがゲイツRへと迫ったとき、ビームが機体をかすめる。
2射目、3射目と正確な射撃にジンは攻撃を諦め、浮遊物の陰に隠れようと逃走した。
メテオブレイカーを運ぶゲイツRのそばに、ジンを追い返した水色のスラッシュザクファントムが寄り添う。
「ディアッカ、何をしている!……破砕作業を続けろ!これでは奴らの思うつぼだぞ」
ザクファントムのパイロット――イザークは近づくジンをハイドラガトリングビーム砲で牽制しつつ指示を飛ばした。
455 :
212:2005/11/17(木) 21:24:41 ID:???
一機のゲイツがビームライフルを迫り来るジンに向けて放つ。
ジンは螺旋を描くように、巧みに回避する。
後方に下がりながら、ジンの動きに合わせて、ビームを放つが当たらない。
蛇行しながら迫るジンとまっすぐ後退するゲイツR。
本来なら、間合いは広がるものであるが、逆に縮まっていた。
それが、歴戦の兵と新兵との差であった。
間合いを詰めたジンは斬機刀を振り抜きゲイツRの腰を両断した。
「ふん、ザフトの兵も質が落ちたものだな……MSに構うな!……破砕装置さえ撃破すれば良い」
「サトー隊長、新手が……」
「増援か……キサラギ、足止めしろ」
「あと少し……何としてでも成し遂げるのだ」
ユニウスセブンでの戦闘の様子は、支援のために赴いているミネルバMS隊からも確認できた。
スラスターの青白い光が行き交い、緑のビームの筋が交差する。
時折大きな爆発が起こる。MSの爆発である。
「かなり激しいみたいね……」
空に瞬く光を見て、赤のガナーザクウォーリアのパイロット――ルナマリア・ホークは呟く。
遠くからでは撃破されたのが、敵か味方かは分からないが、激しい戦闘というのは目に見えて明らかだった。
「ああ、そうみたいだな」
赤いザクの後ろにつけている通常カラーのザクのパイロット――アスラン・ザラは同意する。
「シン、ルナマリア、油断するなよ」
白いブレイズザクファントムを駆るパイロット――レイ・ザ・バレルが仲間に声をかける。
「ああ!分かってる」
「言われなくても分かってるわよ」
「くるぞっ」
アスランはユニウスセブンより自分たちに向かって飛び出してきたジンの集団をみるなり言った。
ルナマリアは先制攻撃をかけるべく、オルトロスを構えた。
1機の敵が照準に入った瞬間引き金を引く。
赤いビームを黒いジンは機体を横転させて回避した。
「避けられた!?」
ルナマリアは第二射目の照準をつけようとするが、敵の動きについて行けずに構えたオルトロスを振り回すしかできなかった。
「ここから先は、行かせはせぬ!!」
黒いジンはビームライフルを放ちつつ、間合いを詰めようとする。
シールドで防ぎつつルナマリアは、反撃とばかりにオルトロスを放つ。
黒いジンは横に移動し避ける。
黒いジンが回避したのを見て距離を保てたと思ったところへもう1機の黒いジンが迫る。
振り下ろされた斬機刀は、オルトロス高エネルギー長射程ビーム砲の砲身を切り裂いた。
「くっ!」
再び振り下ろされた斬機刀を咄嗟に後ろに下がり回避する。
三度斬機刀を振り下ろそうとしたジンをビームが貫き、爆散させた。
「迂闊だぞ、ルナマリア」
「……アスラン?」
「一人で動くな、狙われるぞ!」
「……はい」
456 :
212:2005/11/17(木) 21:31:14 ID:???
とりあえず、導入部だけ投下します。
ルナの新機体は何が良いんだろう
すごく悩みますね。
ガンダムタイプなら
インパルス、デスティニーインパルス、デスティニー、セイバー、インフィニットジャスティスのあたり
それ以外なら
ザクファントム、グフイグナイテッドか、もしくはオリジナル(ゲルググもどき)
いろいろ乗せてみるのも楽しそうですが
つ[ガイア2号機]
俺はセイバーがいい
保守
460 :
212:2005/11/18(金) 17:26:52 ID:???
ルナたん新機体
ガイア……1票
セイバー……1票
何はともあれ、赤くなくちゃいかんね。
セイバーを活躍させてやってくれ…
密かに修復しておいたジャスティスとかw
まあ、ストーリー的にはガイア2号機がいいかな。
確かにセイバーはもったいなかった。活躍も見たい。空も可にしたガイアも面白そう
シャアザク死守!
もっとザクに愛情持てよ、お前らw
厨機体に乗ったルナなんぞ、魅力半減だろうが!
現実に折り合いつけながら、頑張るルナたんに萌えようぜ。
赤いからデスティニールナパルス
ザクに乗ったルナは何故かガノタなイメージがある・・・w
オリジナルでいいなら、なぜか角と赤い塗装を許されたルナ専用ザクw
でバッテリーを消費する
出撃の度に被弾するが、必ず生還。
整備士たちと仲がよくなる。
毎度毎度整備を手伝ったりするので、大人気w
471 :
212:2005/11/19(土) 17:52:49 ID:???
ルナたん新機体
ザクウォーリアorザクファントム……3票
セイバー……2.5票
ガイア……2票
デスティニーインパルス……1票
ジャスティス……0.5票
ザクが人気ですね。
ウォーリアからファントムへの乗り換えは良さそう
念願の角付き!ですしね
ゲルググかザフトング
「大変だー」
オタオタしながらレイが部屋に飛び込んできた
「なに?ちゃんとジオラマ、敵刺すの攻防キットは買ってきたんでしょうね」
「すいません、それどころじゃ無いんですよ、ガンダムが3機盗まれましたよ」
「…………なななんですってー」
「出撃しましょう」
「だったらキリキリ動きなさい、この馬鹿」
ゲシゲシ
ルナマリアキックがレイの尻を襲い急かす
「ごめんなさいごめんなさい」
ゲシゲシ
そして外に出た二人の眼前に白いザクの下敷きになった赤いザクが……
「な………なに人のザク押し倒してんのよ馬鹿ーー」
「すいません、すぐよかしますんで」
3分程で白いのがどかされた
ルナマリアは即座に赤ザクに乗り込み白いザクをロックした
「ちょwwwwwwwwルナマリアさん?wwwwww」
「よくも私のザクを汚したわね!!」
しかしルナマリアのザクがライフルの引き金をひくのより早く
ビームが白いザクを打ち抜いた
「!!!」
呆気ない最後だった
レイからの通信は途絶えルナマリアは怒気を孕み打った相手を見据えた
「アンタね!!よくも私のパシリを!!!!」
ホーク家はいわゆる金持ちな家系だった
妹も姉も所謂軍人となり回りの人間は不思議に思った
誰が戦いをしたくてするのか、誰もが感じる事だろう
無論、彼女自信そう感じている
しかし、それが嫌だった、黙っていればおそらく戦争とは無縁な、毎日パンもミルクも食べられる生活はできただろう
活発な彼女にはそれが嫌だったのか
家族の制止を振り切り軍学校に入り見事、エリートとなった
彼女は人が死ぬ、また殺された時にいつも思い出す
死ぬ気で働いている人がいるのに、その頃自分達は笑ってテレビを見ていた頃を
出来ることをしなかったことを後悔して
敵の犬型のガンダムタイプを見て言い放った
「戦争がする暇があるなら、宿題でもしてなさい!!」
犬型のガンダムはその光景を不思議に感じた
赤いののパイロットが白いのが死んだ事に何故激昂するのか
自分も武器を向けていたくせに何故か
不意に通信が入った
「ステラ、とっとと脱出するぞ」
「オクレ兄さん………了解」
「ステラー、いい加減オクレ兄さんはやめてくれよー」
情けない声を上げる兄さん
「わかった…………オクレお兄ちゃん」
「……………」
そんな馬鹿な会話をしている間にも破壊活動はやめない
そう、それこそが
「三馬鹿クオリティ」
バーニアをふかし逃げよとする三機
そこに颯爽と登場したガンダム、我等がインパルスだ
「シン!遅い!!レイは死んだわ2人で追撃するわよ」
「わかった、俺は犬型を相手をルナはそれ以外の2機を頼む」
「了解!私が2機以外のガンダムを相手に戦うのね」
二人はパワーを上昇、一気に追撃をかける
だが二人は気付いていない
明らかに2機ともガイアのみ追い掛けていることに
インパルスのライフルから発射されたビームがガイアを掠める
続けざまにルナマリアのザクが蹴り飛ばす
絶妙なコンビネーションが炸裂した
結果、見事ガイアを取り返したのだ
「大変な事になったわね……」
「すいません」
「まったくシンはホント馬鹿ね」
「ルナマリア、貴方もよ」
はい、と返事をして俯く
「はぁ、それにしても、レイは戦闘不能だし、ガンダムは2機奪取された、どうしようかしらね」
「艦長、僭越ながら意見が……取り返したガイアを使ったらどうでしょうか」
「ガイアを?ルナマリア、パイロットはどうするの?」
「任せてください、すぐに用意しましょう」
おもしろかった。ガイアのパイロットは誰になるんだ?まさかステラ!?
とりあえず保守!
保守だけより雑談した方が良いのかな?
まあ、雑談出来るならねw
過疎ってるからなあw
保守がてら無理やり主人公化
テロリスト「フフフフフフ‥ はははははは!」
ルナマリア「何を笑ってるの!?」
テロリスト「私達の勝ちだな。いま計算してみたがユニウスセブンの後部は地球の引力に引かれて落ちる。貴様等の頑張り過ぎだ!」.
ルナマリア「ふざけるないで! たかが石ころ一つ、ザクで押し出してやる!」.
テロリスト「バカなことはやめろ!」.
ルナマリア「やってみなければ分からないわ!」.
テロリスト「正気か!?」.
ルナマリア「貴方達ほど急ぎすぎもしなければ、ナチュラルに絶望もしちゃいない!」.
テロリスト「ユニウスセブンの落下は始まっているんだぞ!」.
ルナマリア「赤いザクウォーリアは伊達じゃない!!」
すごいぞザクヽ(´∀`)ノ.
上げます
保守
質問ですけど
まとめサイトとかはないでしょうか?
まだ1スレも行ってないしないよ
保守
保守
488 :
212:2005/11/23(水) 17:45:20 ID:???
……ほんとに過疎になってるな。
保守してくれている人、ありがとう。
続き書き上げて早めに投下します。
489 :
通常の名無しさんの3倍:2005/11/23(水) 19:24:55 ID:d9TwAsM8
核ミサイルはプラントではなくジェネシスに打ち込まれた
全てが終わらない
じゃなくて、
ルナマリアは間違えてハイネのグフの方にガナーを打ってしまった
だが、避けた。
今度はハイネがルナマリアに攻撃してしまった。
第29話 敗北
その後、ハイネに主役を乗っ取られる
ハイネ「ザクとは違うんだよ、ザクとは!」
という展開になった
その後、ルナマリアは毎回ハイネに撃墜されていた
ステラが乗っていたガイアもルナマリアの代わりにハイネが撃墜。
シンがハイネを攻撃する
だが、フェイス所属のハイネはそう簡単にはやられなかった。
結局、ハイネはシンのデスティニーも毎回撃墜していた・・・
そういう展開
490 :
212:2005/11/24(木) 07:17:56 ID:???
続き投下します!
491 :
212:2005/11/24(木) 07:18:24 ID:???
「シン、後ろだ」
レイの声に、シンは振り向きざまにビームライフルを放つ。
放たれたビームはジンの右足を砕いた。
姿勢を崩したところを、ブレイズザクファントムのビームライフルが襲う。
1撃目は左手、2撃目はボディを撃ち抜き、光と共に機体を散らせた。
「サンキュー、レイ」
「シン、急いでジュール隊の支援に行くぞ……この様子だと破砕作業も進まない」
「ああ!急ごう」
ユニウスセブンに突入しようとするフォースインパルスとブレイズザクファントム。
それを阻止しようと、1機のジンハイマニューバが後ろから迫る。
「我らの悲願……邪魔はさせぬ!」
インパルスとザクファントム目掛けてビームライフルを放つ。
「くそっ」
回避しつつ、シンが反撃しようとした矢先、黒いジンにビームが突き刺さる。
爆発の後ろに、オルトロスからビームライフルに持ち替えた赤いザクウォーリアの姿があった。
「やったの?」
ザクウォーリアのコクピットでは、撃墜を信じられないかのような声をルナマリアが上げていた。
「いいぞ、ルナマリア」
「ルナ、上っ」
シンの声に咄嗟に、ルナマリアは機体を後ろに下がらせる。
頭上から放たれたビームは機体をかすめ、装甲を焼いた。
上を見上げる間もなく、ルナマリアの機体を次のビームが襲う。
「行かせはせんぞぉ!」
ルナマリアは左肩のアンチビームコーティングが施されたシールドを前にしてビームを防いだ。
アスランとレイが救援すべく射撃を行うが、ジンはそれを避けつつ赤いザクに攻撃を続ける。
「しつこいわねっ!」
尚も自機を狙ってくるジンにルナマリアは怒りの言葉を放つ。
パイロットの怒りを表すかのように赤いザクはシールドから引き抜いたビームトマホークを迫り来るジンに向かって投げつける。
円弧を描くように飛んだビームの刃はライフルごとジンの右腕を切断した
ビームライフルを失ったジンは、反転して逃げ出そうとするが、横から飛び出してきたインパルスのビームサーベルに貫かれ爆散する。
「逃がすかよ…………ルナ、大丈夫か」
「ええ、大丈夫よ」
492 :
212:2005/11/24(木) 07:18:52 ID:???
「シホ、左だ」
イザークの声に反応した蒼いブレイズザクウォーリアのビームライフルが閃光を放つ。
閃光の放たれた先にいた黒いジンが爆発する。
「くそっ、このままでは……」
イザークは状況にいらだちを隠せなかった。
メテオブレイカーの破壊こそ防いだものの、肝心のユニウスセブン破砕作業があまり進まないからである。
黒のジン部隊の攻撃に味方機が多数撃破され、メテオブレイカーを運ぶMSを満足に援護する事ができない。
何より味方機以上にメテオブレイカーのこれ以上の損失は許されなかった。
その為、容易に動くことができなかった。
「隊長、ミネルバから支援部隊がきました」
「…遅い!」
「遅れてすまない」
「……その声は……」
「アスラン……」
予期せぬ声にイザークとディアッカは驚きの声をあげる。
「貴様……どうしてこんなところに…」
「そんなことはどうでもいい、それよりブレイカーの設置を急げ」
「分かっている……それに命令するな!…俺が指揮官だ」
「大佐、あの新型艦のMSです」
「へぇ」
「MSが出払っている今ならあの船も簡単に落とせます」
「それも有りか……」
「やりますか?」
「いや、やめておこう……ステラ達の調整も終わっていないからな」
ネオの言葉にリーは呆れたような顔を見せる。
「肝心なときに使えないとは……困りものですな」
「そういうなよ……それに隠密行動が任務だ」
「ユニウスセブンさらに加速……プラス2いや3です」
「インパルス、レイ機、ルナマリア機、アスラン機共に敵と交戦中」
ミネルバブリッジでは刻々と変化する状況をオペレーターが伝えていた。
「艦長、このままでは」
「アーサー、今は彼らを信じなさい」
「……アスラン」
カガリは機上の人になっているアスランの身を案じ呟いた。
493 :
212:2005/11/24(木) 07:19:36 ID:???
オーブ国防本部。
「ユウナ様」
国防本部の将兵一同、現れたユウナに敬礼する。
「ソガ一佐、軍の配備はどうなっている」
「はっ、破片の迎撃に備えての護衛艦群、および陸軍部隊の展開は完了しています」
「救援部隊は?」
「陸軍1個師団が待機中です。また輸送艦、ヘリ、飛行艇も直ぐに出られます」
「完璧だねぇ、うんうん」
「よろしいのですか、シェルターに行かなくて」
「構わないよ、他の首長達はみんな避難したけどね……シェルターといっても当てには出来ないだろ…だからリスクは分散させておくのさ」
「はぁ……」
「僕のことはいい……それよりもソガ一佐、もう一度沿岸部に人がいないかどうか確認して置いてくれ」
「はっ……分かりました」
ユニウスセブンおいての戦闘はミネルバのMS隊の到着により事態が進展し始めていた。
地表に沿いながら、ゲイツRはメテオブレイカーを作業地点へと運んでいる。
その周囲を赤、蒼、白と色とりどりのザクが護衛する。
「赤と白のザクのパイロット、名前を教えてくれる」
「えっ」
「赤とか白じゃ、呼びづらいでしょ、私はシホ、シホ・ハーネンフースよ」
「……レイ・ザ・バレル……白のザクファントムだ」
「ルナマリア・ホーク、赤のザクウォーリアよ」
「レイにルナマリア……よし、覚えたわ…よろしくね」
「来たぞっ!」
後ろから、黒いジンハイマニューバがその名に恥じぬ速度で迫ってきた。
ジンの射線からゲイツを守るように蒼のザクはメテオブレイカーの後尾につく。
ビームを肩のシールドで防ぎつつ、反撃するがジンの手に持つシールドに阻まれる。
赤と白のザクも同様に射撃するが、ダメージを与えられない。
次第に両者の距離は縮まってきた。
「ルナマリア、援護するから敵の懐に飛び込んで」
「はいっ!……行くわよぉ!」
シホとレイの援護に助けられつつ、ビームの雨をかいくぐり、ジンへと迫る。
ジンが斬機刀を振り抜くよりも早く、ザクのビームトマホークがジンの機体に食い込む。
赤いザクがトマホークから手を離し後ろに下がると同時にジンが爆発に包み込まれる。
後ろに下がる赤いザク目掛けて、仲間の敵をとらんとばかりにビームが幾筋も襲う。
執拗な攻撃に右足をもがれながらも、ビームライフルで反撃を敢行する。
494 :
212:2005/11/24(木) 07:20:13 ID:???
「ルナマリア!」
仲間の危機にシホは声をあげる。
蒼と白のザクから、ブレイズウィザードに装備されたファイヤビー誘導ミサイルが放たれる。
ジンはその四方から迫る大量のミサイルを避けることができず、機体を宇宙に散らした。
また、別のジンは左手に持ったシールドを吹き飛ばされた。
「よくもやったわね!」
赤いザクのライフルから放たれたビームが、シールドを失ったジンを貫く。
「ルナマリア、大丈夫?」
「ええ、無事よ、ありがとうシホ、レイ」
護衛の奮戦により、ゲイツRは傷を負うことなくメテオブレイカーを設置していた。
「メテオブレイカー設置完了、突入角度よし、起動!」
先端のドリルが地面砕きつつ、深部へと進む。
少し離れた場所でも同様に、メテオブレイカーが地中へと姿を隠していた。
「こっちはいいな……向こうの支援に行くぞ」
作業を見ながら、レイは指示を飛ばす。
「そうね、行きましょう」
「あっ」
ルナマリアはひびが入り出したユニウスセブンの地表に気づき声を出す。
ひびは大きくなり、ユニウスセブンは幾つかに割れた。
「やった!」
分割された塊を見ながら、ルナマリアは歓声を上げる。
「いや、まだだ、向こうの塊を砕かないといけない」
ルナマリアと対照的にレイは冷静に判断を下していた。
レイと同様に、向こう側のアスランも同じ判断を下していた。
「駄目だ、もっと砕かないと」
495 :
212:2005/11/24(木) 07:20:55 ID:???
「おぉおお、ユニウスセブンが割れた」
ミネルバのブリッジではアーサーが一際大きな声をあげた。
「まだよ……あの大きさでは……」
タリアは首を横に振る。
「艦長、ユニウスセブン、間もなく限界高度です」
バートの報告にタリアは少し考え込む。
「……議長、本艦はこのまま降下、MS収容後に艦首砲による破砕作業を行おうと思いますが」
「ああ、頼むよタリア」
「では、議長とアスハ代表はボルテールの方へお移り下さい……メイリン、ボルテールに議長の移乗を通達」
「はいっ」
「では、アスハ代表行きましょうか」
デュランダルはカガリを促すかのように手を差し出す。
「いや、私は残る……アスランが帰ってきていない……それにミネルバがそこまでしてくれるというなら尚更行くわけにはいかない……」
「分かりました……そこまで仰るのなら………タリア、代表のことをよろしく頼むよ」
「はい、お任せ下さい……お気を付けて」
タリアは議長に向かい敬礼する。
デュランダルは頷くような動作をする。
「皆も気を付けてくれ、健闘を祈る」
「ミネルバが艦首砲を撃ちながら降下する!?」
「イザークどうする?」
「限界高度だ……仕方ない……後はミネルバに任せる……撤収だ」
降下を続けるユニウスセブンより、ジュール隊のMSが引き上げていく。
その数は、出撃したときの半数にも満たなかった。
イザーク達は引き上げるコクピットの中で、ユニウスセブンとミネルバを見て敬礼した。
それは死んでいった戦友に向けて、そしてこれから危険な作業を行うミネルバの健闘を祈ってだった。
496 :
212:2005/11/24(木) 07:21:21 ID:???
アスランは命令を無視し、メテオブレイカーを運ぼうとしていた。
「何やってるんですか、一緒に吹き飛ばされますよ」
「外部からの攻撃では効果は期待できない……せめてこれだけでも」
インパルスもメテオブレイカーに手をかけ運ぼうとする。
「何であなたみたいな人がオーブに……」
「これ以上は、やらせはせんぞぉ」
砕けた破片の陰から3機のジンが飛び出し、メテオブレイカーを運ぼうとするインパルスとザクを攻撃する。
「くっ」
インパルスは背中からビームサーベルを引き抜き、迫り来るジンへと向かう。
そしてザクもビームトマホークを取り出し、迫り来るジンへと向かう。
インパルスが振り下ろしたビームサーベルは、ジンのシールドに防がれる。
一方で、ジンの斬機刀もインパルスのシールドに阻まれていた。
押し合っていたところにビームの閃光が走り、ジンが爆発する。
「シンッ!」
「ルナッ!レイ!…メテオブレイカーを頼む」
「分かったわ」
アスランの乗るザクとサトーの乗るザクは幾度と無く打ち合いをしていた。
「ここで無惨に散った命の嘆き忘れ、撃った者となぜ偽りの世界で笑うか貴様らは」
「何をっ」
「軟弱なクラインの後継者どもに騙されて、ザフトは変わってしまった」
お互いに押し合いながらの攻防は他者につけいる隙を与えなかった。
「なぜ気づかぬか、我らコーディネーターにとってパトリック・ザラがとった道こそが唯一正しきものと!」
その言葉に動揺したアスランの隙を見逃さず、サトーの乗るジンはザクの右腕を切断した。
「アスランさん!」
「……アスランだと……クラインの娘に誑かされた裏切り者が!」
「うっ」
ジンが繰り出す斬撃を紙一重で回避していく。
「我が娘の墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ」
「えっ」
インパルスは迫ったジンの腕を切り落とすが、足で組み付かれ自爆される。
「うわぁあ」
「シン!」
「貴様は何のために戦う!……貴様とて我らの想いが分からぬ訳ではあるまいに」
今のアスランにはサトーの攻撃を受け流すの精一杯だった。
497 :
212:2005/11/24(木) 07:22:24 ID:???
シンとアスランが戦っているその間にルナマリアとレイのザクはメテオブレイカーを作動させていた。
少しの後、大きな地割れが走り、地面を砕いた。
「艦長、降下シークエンスフェイズワンに入ります」
「メイリン、連絡は取れないの?」
「駄目です、通信届きません……お姉ちゃん……シン…」
「マリク、艦をユニウスセブンに出来るだけ寄せて」
「しかし、艦長そんなことをしてはタンホイザーは」
「ゼロ距離でも撃てるでしょう……行かなければ助けられる者も助けられないわ」
「アスラン!」
メテオブレイカーの起動を終えたレイとルナマリアが援護に入る。
作業を終え、ミネルバのMSは離脱しようとする。
アスランのザクにサトーのジンが執拗について回る。
ザクの左足に組み付いたジンを背後から迫ったインパルスがザクの脚部ごと切り落とす。
「今度こそ、我らの想いナチュラルどもに!」
サトーのジンはユニウスセブンの破片にぶつかり四散した。
「降下シークエンスフェイズツー」
「ザク、レイ機、ルナマリア機、アスラン機、インパルス着艦しました」
「アーサー!」
「はいっ、タンホイザー起動、出力最大……てぇえええ!」
ミネルバ艦首に装備された陽電子砲から放たれた火線がユニウスセブンの残骸へと突き刺さる。
しかし、それは残骸の一部を欠けさせただけだった。
「チャージ急げ……第2射てえぇええ!」
幾度と無く放たれた陽電子砲により残骸は確実に大きさを小さくしていった。
しかし、無くなることはなく、ミネルバと共に重力に飲まれていった。
やがて、消えない流れ星は世界へと降り注いだ。
498 :
212:2005/11/24(木) 07:30:28 ID:???
以上でphase05終了です。
相変わらず下手で、読みづらい文章ですみません。
ルナマリアがエース級の働きをしていますが、主役補正です。
一応フォローしておくと、仲間に助けられつつってことです。
あとシホと絡ませたのは趣味です。
ザクの大気圏突入をさせなかったのは都合です。
ユウナがかっこいいのも仕様です。
アーサーがヘタレなのかまともなのか、微妙なところです。
カオスアビスガイアを出さなかったばかりにアスランがへたれになってる・・・
ちょっと反省しないといけませんね。
GJ!!そして保守
>ユウナがかっこいいのも仕様です。
同じく歓迎。GJ!
リバイブスレといいここといい、ユウナは愛されているなあ
でも、確かにもったいないんだよな、あのキャラ
急激にヘタレ化して最後はグフ下敷きあぼんなんてあまりにかわいそう過ぎ…
ユウナは基本的にかっこいいキレ者でなきゃなあ
へタレはフリーダムにカガリ拉致られた時だけで
あのシーンはありなのかw
水玉パジャマとナイトキャップはゆずれない
保守
保守あげ
508 :
212:2005/11/26(土) 10:37:01 ID:???
保守ばかりも味気ないのでちょっと企画みたいなことをしたいと思います。
物語に色を添えるキャラクターの名前と設定を募集します。(←私がネーミングセンス無いため)
↓のテンプレを埋めて投稿してください。項目追加をされたい方はどうぞ。ただし、追加項目は変更される可能性有りです。
今回は重要度高めなので自由度は低めです。物語中の扱いは良い方です。
期限は様子を見て決めます。先着順ではありません。
[ザフトMSパイロット]
【名前】
【性別】
【階級】緑
【年齢】アスランと同期
【容姿】
【性格】
【搭乗機】バビ
【設定1】ミネルバへの補充要員。
【設定2】前大戦を戦い抜いている。
【設定3】
※二人ほど募集。
[オーブ軍MSパイロット]
【名前】
【性別】女性
【階級】三尉
【年齢】
【容姿】
【搭乗機】ムラサメ
【設定1】前作SEEDのアストレイ三人娘の親友。
【設定2】
【設定3】
509 :
212:2005/11/26(土) 10:37:39 ID:???
[オーブ軍人]
【名前】
【性別】男性
【階級】三佐
【年齢】25前後
【容姿】
【設定1】ユウナの腹心。
【設定2】
【設定3】
[オーブ軍人]
【名前】
【性別】女性
【階級】三尉
【年齢】20前後
【容姿】
【設定1】ユウナの腹心。
【設定2】
【設定3】
[ロゴス]
【名前】
【性別】男性
【国】大西洋連邦
【年齢】30前後
【容姿】
【設定1】ブルーコスモスではない。
【設定2】ジブリールと対極的。
【設定3】兵器開発者。
510 :
212:2005/11/26(土) 10:39:05 ID:???
書き忘れ
上のテンプレからお好きなのを選んで投稿してください。
複数の投稿も有りです
511 :
212:2005/11/26(土) 10:40:10 ID:???
>all
順番が逆になりましたが、保守ありがとうございます。
モチベーション維持できるのはGJと言ってくださる皆さんのおかげです。
[ザフトMSパイロット]
・ブライアン・クラーク
・ロン・シモンズ
[オーブ軍MSパイロット]
・ジャッキー・ゲイダ
[ザフトMSパイロット]
【名前】ゴーシュ・アイヴズ
【性別】男
【階級】緑
【年齢】アスランと同期
【容姿】髪 短めのブラウン 目 碧
【性格】貧乏くじ引きやすいような性格?
【搭乗機】バビ
【設定1】ミネルバへの補充要員。
【設定2】前大戦を戦い抜いている。
【設定3】地球でジェット機の曲芸飛行士になるのが夢だった。
[ロゴス]
【名前】グレッグ・バートン
【性別】男性
【国】大西洋連邦
【年齢】30前後
【容姿】金髪・オールバック・細目・目の色緑
【設定1】ブルーコスモスではない。
【設定2】ジブリールと対極的。
【設定3】兵器開発者。
[オーブ軍MSパイロット]
【名前】 リク・アサヅキ
【性別】女性
【階級】三尉
【年齢】 18歳
【容姿】 黒髪・二つ結び・目水色
【搭乗機】ムラサメ
【設定1】前作SEEDのアストレイ三人娘の親友。
【設定2】 軍学校で周りから落ちこぼれと呼ばれるほど成績が悪く前対戦に参加できなかった
【設定3】 軍学校時代に励まされた三人娘の死を知り戦いに参加できなかった事を悔やんでいる
[オーブ軍人]
【名前】マイ・カンザキ
【性別】女性
【階級】三尉
【年齢】21歳
【容姿】茶髪・セミロング・瞳の色は青・頭には瞳と同じ青色のカチューシャ・美人というより可愛い感じ
【設定1】ユウナの腹心。
【設定2】ユウナのお気に入りで、よくデートに誘われるがいつも拒否してる。
【設定3】トダカ一佐に憧れてる。
マユ主人公スレの企画にインスパイアされたかw
保守
正直あきたw
キャラのネタよりストーリーのネタ出してくれ、読むのがつらすぎる。
まあ212氏のリクエストだし、保守書き込みくらいに思ってればいいかとw
暗いと文句を言う前に進んで灯りをつけましょう
保守
アゲ
212待ち。
保守。
保守
保守
527 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/01(木) 18:20:11 ID:qVundGfM
ハイネはとりあえずソードカラミティで。
528 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/01(木) 18:27:04 ID:I2VAI7Tq
地球連合軍から多数のフォビドゥンブルーを強奪
使用。
その内1機はM1アストレイと合成し、
ムラサメブルーとなった。
でもそれに誰が乗る?
どごーん
無惨に爆発する赤ザク
「ああ……時が見える」
「すまん、トキじゃなくてレイだ」
プチッ
保守
保守
保守
保守
「保守」てだけじゃなくてもっとなんかほら、書くことあるだろおまえら!!!!!!
スマン俺は無い。
フレッツでの再配信ではルナが出まくり大活躍
age
保守
ルナにジャスティス
とりあえず恋愛ネタはどうしますか?
レイルナで悲恋
シンorレイorヨウランorヴィーノorハイネ&まともなアスランとの三角関係……ってのは?
カガリと百合
ルナマリア・ホークセイバー出るわよ〜
シャアザク死守
メイリンと百合
ナイチンゲールに乗せようやw
それいい!
ちなみに、意味も無くナースコスなw
…ナイチンゲール?
知らんぞw
>>549 小説版逆シャアに出てくる、シャア専用機。
サザビーの上位機種、位と把握しておいて下さい。
脱皮してオーラバトラーに羽化したサザビー>ナイ
ナイチンゲールってIフィールドはついてないっけ?
サザビーなんかに乗ったら主役じゃなくなるぞw
ただでさえガンダムタイプばかりなんだから。
うにゅーガンダム
「ルナマリア専用デュエルインパルス」ってネタ画があったけど普通にカッコよかった
557 :
ヨウラン:2005/12/09(金) 20:58:30 ID:???
>>554 よせ! もうその事は言うな、絶対に……
保守
連ザでルナにラゴゥに乗せてみた。
561 :
212:2005/12/12(月) 08:24:19 ID:???
保守ありがとうございます。
続きを待ってくれている人、ごめんなさい。
纏まった時間が取れないので書けていません。
正直、保守して待ってくれている皆さんに申し訳ないです。
ルナマリアって接近戦タイプ、射撃戦タイプ、どっちなんだろう?
嫁準拠だと射撃まったくだめな印象があるが仮にも赤なので
ザフトの標準以上の腕はあるはず。
活躍がヘブンズベース戦のみだし変に格闘に特化してる印象があるが、
だとしたら始めガナーザクを愛機にしていた事に矛盾する。
(もしそうだとしたら空飛べるような装備背負って
接近戦に特化した機体にのっていたはず)
まあ職人さんの好きにしたらいいと。
主人公補正でがんばれルナマリアw
ルナを主役にするために!
チェストに搭乗するシン。コアに搭乗するルナ。レッグに搭乗するレイ。
三身合体でインパルスガンダm・・・
うわやめろお前らなにをすくぁwせdrftgyふじこlp
>>564 落ち着け!中盤あたりまでパイロット3人しかいないんだぞ!
あ、合体したら40mくらいにnあwせdrftgyふじこlp
凸とハイネがいるぞw
予定を早めて合流だ。
たしかDVDに付いてたキャラ、MSの説明で射撃で5機?以上落としていて
それでエースであるとかの説明を見た覚えあったけどレイの間違いだったかなぁ
誰か確認できるヤツいる?
568 :
212:2005/12/14(水) 07:36:28 ID:???
保守がてらに雑記
なぜか、機体とパイロットが補充されないミネルバ。
普通はありえない……正規軍で幾度と無く補給を受けているのに。
種のAAの立場と種死のミネルバの立場は一緒ではないのだから
やられ役にしても、居るべきだと思った。
キャラクターの名前募集したのは、そういう理由です。
名前なら人名事典から合いそうなのをてきとーにもってくればok
小細工してないでとっとと書けよ
571 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/14(水) 22:18:53 ID:WnXvzdvs
age
>570はツンデレ
ルナ保守
保守
とりあえず保守
>>568 そこでヨウランとヴィーノがMS操縦ですよ。
とりあえず上げ。
とりあえず保守
保守
ほひゅ〜
保守
582 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/22(木) 11:52:47 ID:+YlrJdFM
保守
583 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/22(木) 11:57:01 ID:V1ZeJYQJ
第1話で死ぬ気が・・・。
あのーまとめサイトって
無いでしょうか?
まだ1スレも消費してないしな。次スレ立ったら考えるべ
よし!ageてみよう!
そもそもルナを主役にする意義が分からんつーか
大手のマユスレとかスティングスレとかだと、それなりの理由があるから話が書きやすいが
保守
ルナがヒロインなら書きやすいんじゃね?
とりあえずルナ視点から見てみようって事じゃないか?
意外と見落としがちだけど結構美味しい設定多いしさ。
とりあえず今晩スペエディだから、ちゃんと保守せんと落ちるな。
今まで女性パイロットが主人公ってのがなかったからね
ルナしかおらん
カガリは普通のパイロットの範疇から外れるしな
保守
保守です。
保守
保守するとです。
ルナ…
保守
599 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/28(水) 02:33:06 ID:WR72ZoKq
浮上
600ゲット
あの迷台詞
「忘れてた?わたしも赤なのよっ!」は、あまりに悲しいので考えてみた。
「あの機体は。。。フリーダム!?落とした筈なのに!なぜこんな所に!」
「前の戦争でどれ程活躍したか知らないけど、今の奴は悪戯に戦場を混乱させる。あんなのに負けてらんないのよっ!」
ルナは前大戦の亡霊のような白い機体に怒りを露にして叫ぶ。
「わたしは赤なのよっー!」
ルナ叫びを纏いその亡霊に突っ込んでゆくデスティニー、
その機体は神々しいほど大きく光の翼をはばたかせる。
対するキラは初めて観る翼を持つその機体に対し、
「光の翼が戦場にはばたいている?新型なの?」
キラはそう呟くと光の如く接近してくるその機体に対し身構える。
みたいに闘う熱い展開を想像していました。
だけど文才がないので、誰かお願いします。
「わたしは赤なのよっー!」
「墜ちろ!時代遅れのコミーが!」
603 :
601:2005/12/29(木) 15:20:36 ID:???
やっぱダメが。。。スレ汚しごめん。
ルナはドラグーンへの対応能力はどれぐらいの物だろう
凸、シンみたいにシールドで防御したり、回避できるレベルなのか
種最終回時の痔みたいに手も足も出ずに瞬殺レベルなのか
ルナ「ねえ、どらぐーん、って何? 美味しいの?」
>>604 実際に対ドラグーンな描写がないから何とも言えんな
話が破綻しない程度なら主人公補正かけて
痔よりはマシレベルにするのもアリだと思う
保守あげ
HOSYU−AGE
保守
ツン「飛んでんだから下からも打たれるぞ!」
・・・ダメじゃね?
ルナはアカツキに乗れば無問題
元旦保守
保守
シン&レイとルナマリアとの違い―考え・目指す目標・運命計画に対する姿勢―で別れていく
かつての仲間たち。あの頃の楽しくも安らかな日々はもう戻らないのか……
こんな感じになっていくんでしょうか? ルナマリア主役だと出来ねえじゃねえかと言われそうですが。
(ルナマリア機体はセイバーがいいですね)
615 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/02(月) 22:21:05 ID:rs1XZLLH
ならばイージスは誰が乗る?
ルナはイージス
ルナマリアがヘタレ設定の場合、
戦闘はが“9*”サポートしてるってのは如何ですか。
(オレはヘタレ設定じゃない方がイイな)
*“8”の発展系。声はなぜか有本欽隆。ついでに口調&性格も“あのお方”そっくり。
620 :
619:2006/01/03(火) 15:46:05 ID:???
× 戦闘はが“9*”サポートしてるってのは
↓
○ 戦闘始めMS操作は“9*”がサポートしてるってのは
621 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/04(水) 18:02:33 ID:lV7fMNyF
イージスよりセイバーがいい
なぜなら新型だから
ルナマリア専用デュアルインパルスでラクシズを倒す
そんなお話がいい
セイバーのクルクルも捨てがたいがイージスはイソギンチャク変形出来るからな
四肢が更に二本ずつ分かれて八本になってほしかった。
イージスに乗るルナマリア→ルナ「戦闘右対空戦闘。CIC指示の目標。主砲撃ちーかた始め」
保守
>>625 DDG乗り乙。
とっととインド洋いけ。
保守
あげ
630 :
614:2006/01/08(日) 18:26:48 ID:???
俺の書き込みにレスがないってことは駄目な意見だったのかな?
>>630 んなこたない。オレも一度は考えた
しかしルナが別れるにしてもAA行くのはなんか安直だし、そもそもAA好きじゃな…
するとルナ一人でゲリラ活動?っていうのもキャラじゃないしね〜
シン&レイ以外のミネルバクルーが脱走して議長に反抗ってのも、それじゃ原作無印種みたいだ。
632 :
630:2006/01/08(日) 19:24:56 ID:???
>>631 >シン&レイ以外のミネルバクルーが脱走して議長に反抗
だったら「途中でギル派とアスラン派*1に分かれるプラント」はどうだろ。
その際ミネルバ*2一同(当然シン達)も、それぞれに分かれもとい別れていく。
別れる時期は
・ジブリール始め地球連合に打ち勝った後(ギルが世界の再構築を進めている*3)
・地球連合との戦いに一段落ついた時*4
(ブルコスなどはかなりの痛手を負ったが、まだ完全に壊滅していない)
のどちらがいいのでしょうか……ってSS描きでもないのに偉そうな書き込みゴメン
ただこういうことはまずアニメでやって欲しかったですねマッタク
*1別にアスラン派でなくてもいいかもしれないけど。
ただギルの目指す世界に賛同できない人たちってことで。
*2ミネルバの扱いは廃棄or引き続き使用のどっちがイイかね。
*3ギルと協力するかしないかで地球も派閥が分かれる。
*4ギル派とアスラン派が一時的に協力して連合と戦う。
その場合シン&ルナ&レイの3人の戦いもまた違ったモノになるかと。
633 :
630補足:2006/01/08(日) 19:39:51 ID:???
追加条件
・ファントムペイン全滅。当然ステラも死亡。
・AAは出さない。フリーダムは……もちろん出さないほうがいいんですかね。
凸マンセー
アニメ本編では最終的にギル派とラクス派に分かれたのでは。
637 :
632:2006/01/09(月) 10:53:43 ID:???
>>636 アレじゃあ唐突過ぎ&展開が遅すぎてどうにも……
638 :
637:2006/01/09(月) 11:06:00 ID:???
だいいち後者にはあまり賛同&肯定できないしさ。
理由? この板の住人なら言わなくても解るでしょ。
職人さん来訪まで保守&アニメに文句。
……何でルナマリアをヘタレキャラにしたんだよあの製作者どもは!
ヘタレキャラはアーサーとヴィーノとユウナ様だけでいいんだよ!!
(性格? マアあのままでもいいか)
>>631 じゃあ、ルナの元にオリキャラでホーク一族が結集
ノレナとかノナとかレナとか
唐突に兄が出てくるんだよ。
セント・ジョン・ホークとか
ストリング・フェロー・ホークとかね。
腕利きのパイロットでもちろん赤福w
メイリンだけ落ちこぼれだけど、それはそれでまたお話が出来るだろ。
むしろ艦長から技術者からすべてホークで。
艦長はもちろんキャプテン・ホークと呼ばれるの。
副官だけはゲラ=ハで可。
艦の名前はレディラック号
それなんてザンボッt(ry
私たち極悪非道なホークageシスターズ!
ネタもないのにスレをageてあげるわ!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__ age
〃Y "⌒`Y"ヽ ,r´ `ヽ age
( (( (`´))) ) (,,人ヽヽ!リ age
)从゚ ヮ゚∩(( ∩リ ゚ ヮ゚ノ从 age
(つ_^=) 丿 ヽ( (!^=⊂)
く/L_ゝ く/L_ゝ
し(_) (_)J
私たち極悪非道なホーク保守シスターズ!
ネタもないのにスレを保守てあげるわ!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__ 保守
〃Y "⌒`Y"ヽ ,r´ `ヽ 保守
( (( (`´))) ) (,,人ヽヽ!リ 保守
)从゚ ヮ゚∩(( ∩リ ゚ ヮ゚ノ从 保守
(つ_^=) 丿 ヽ( (!^=⊂)
く/L_ゝ く/L_ゝ
し(_) (_)J
保守
晒し
職人さんはまだか!
もういなくなりましたよ。
653 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/15(日) 15:47:14 ID:zUMtG1f3
私たち極悪非道なホークageシスターズ!
ネタもないのにスレをageてあげるわ!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__ age
〃Y "⌒`Y"ヽ ,r´ `ヽ age
( (( (`´))) ) (,,人ヽヽ!リ age
)从゚ ヮ゚∩(( ∩リ ゚ ヮ゚ノ从 age
(つ_^=) 丿 ヽ( (!^=⊂)
く/L_ゝ く/L_ゝ
し(_) (_)J
私たち極悪非道なホークageシスターズ!
ネタもないのにスレをageてあげるわ!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__ age
〃Y "⌒`Y"ヽ ,r´ `ヽ age
( (( (`´))) ) (,,人ヽヽ!リ age
)从゚ ヮ゚∩(( ∩リ ゚ ヮ゚ノ从 age
(つ_^=) 丿 ヽ( (!^=⊂)
く/L_ゝ く/L_ゝ
し(_) (_)J
職人待ちより自分達で作らないか?
文才がない奴の作品なんてつまらん
保守
で、職人さんは来るの?
659 :
212:2006/01/19(木) 01:39:24 ID:???
・・・続き待っている人います?
待ってるノシ
ノシ
待ってますぞ
ノシ
当然待ってますよ。
そのために保守してるのにw
待っていーる。
事の起こりはあまりにも唐突だったと思う。
たまたま配属された宇宙艦ミネルバの進水式の当日に起こったあの事件さえなければ。
「宇宙艦なんだから『進水式』じゃなくて『進宙式』なんじゃないの?」
そんなしょうもないことに奇妙な疑問を感じ、同僚のレイにしつこく絡んでいたあのころが懐かしい。
よりにもよってどこかの馬鹿が新型MS3機が強奪。いったい全体、どういう警備をしていたのだろう?
当然式典はオジャンになり、ご馳走を食べ損ねた。せっかく朝食を抜いて備えていたというのに!
その後の展開はご存知のとおり、すきっ腹を抱えての初陣。「せめて式典の後だったら」とは思ったものの、逆に満腹で戦うのはきつかったかもしれない。
そのことはまあよしとしましょう。
しかしその後の出来事は悪夢としか言いようがないと思う。どこぞの過激派が彼の「血のバレンタイン」で有名な廃プラントの地球落下テロを起こしたわけ。その側杖でそのまま地球行き決定!
あのときは正直眩暈がした…。
加えてこれからさらに状況は悪くなりそう。前の戦争が終わってまだ二年しかたっていないのに! ブルーコスモスとかいうアタマのおかしい連中がまたぞろ騒ぎ出して。
今いるオーブにもいつまでいられることやら。先が思いやられて…いいや、もう。考えても意味ないし。
ああ、忘れてた。私はルナマリア=ホーク。ZAFTの赤服組で一応パイロット。…そしてこの物語の語り部、なんちゃって…。
インパルスにラムダ・ドライバ搭載
>>666 上手〜い!! いやマジで。
ナイスな文章です。続きに激しく期待。
食いしん坊なルナ、萌えw
669 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/21(土) 15:42:17 ID:arrzdk9I
あたしヤル。
職人様待ち保守
671 :
種死異聞@:2006/01/22(日) 22:09:04 ID:???
「最悪だ…」
彼女、ルナマリアはそう呟いた。
コックピットの中がいつもよりも暗く、狭く感じられる。妙に息苦しく、閉所恐怖症にでもなってしまったのかと思うくらいに。
それはミネルバ内格納庫にいるからというだけではあるまい。もっと、こう、心理的な圧迫感のせいに違いなかった。
一瞬、「棺桶」という単語が頭をよぎり、背筋に寒気が走るのを感じた。実際、そのとおりにならないという保証はない。もしも海に落ちれば、MSザクの推力では自力で浮上することは難しいだろう。
≪ルナマリア機、発進どうぞ!>>
無線の向こうからブリッジにいるオペレーター、妹のメイリンが告げる。
(もう腹くくるしかない!)
「ルナマリア=ホーク、ザクウォーリア出るわよ!」
わきの下に冷や汗が伝うのを感じながら、彼女は半ば無意識に怒鳴っていた。
そして言ってしまって、少し後悔する。もう後戻りできない。サイは投げられたのだ。
恐る恐る、MSの足を出す。慣れているはずなのに、慣れていない感覚。どこか浮遊感のようなものさえあった。
そのとき副長のアーサーがうろたえたような指示を出すのが聞こえた。
≪急げ、敵が来るぞ>>
(うっさい、この窓際族!)
その小さな怒りが不安を少しだけ軽減してくれる。彼女には同僚パイロットのシンのように、不安や恐怖を塗りつぶすほどの怒りを抱く動機がない。
だから今だけはアーサーに感謝だ。思えば夕食のプリンを譲ってくれたり、いい人だった気もする。「甘いものは苦手なんだ」…そんな言葉が妙に優しげに思い起こされた。
あのプリンはまだ冷蔵庫の中にある。食べたら「末期の水」みたくなりそうで、今少し思いとどまったのだ。もし自分が死んでしまったら、同室の妹メイリンが泣きながら食べるのだろうか? 一瞬、目頭が熱くなる。
しかしメイリンのことだ。泣きながらもすべて平らげ、褐色のシロップまでスプーンで掬って舐めるだろう。そんな光景が脳裏をよぎるにつけ、再び陳腐な怒りが戻ってくる。
(あれを食べるまで死ねるものか!)
そして彼女は艦外へつながる出口へと歩を進めた。
<<気をつけろ、もし海に落ちても助けてはやれない>>
無線からレイの声が入ってくる。そしてそれが冗談でないことをルナマリアは即座に悟った。彼は嫌味みたいなことを言うことはしない。それだから、彼女はあえてこう答えた。
「意地悪ね」
ルナマリアはそう言いながらも、再び膨れ始めた心中の不安を押し殺すことに手を焼いてしまう。レイの言葉が「意地悪」などでないことは明白だったからだ。レイという人間を知っていて、ある程度の感性を持った者ならば直感的に理解できるに違いない。
彼はかなり美形の部類に入るし、立ち振る舞いも紳士的だ。それゆえ女性からは好感を持たれやすい。しかし少し付き合えば分かることだが、どこか「情」に欠けるところがある。ルナマリアが彼との友達付き合いにどこか線を引いていたのもそのせいだった。
例えば昔、レイが死んだ熱帯魚を無造作にゴミ箱に投げ捨てたときのこと。あのときの暗い目。血の通った人ならぬ無機質さを感じ、背筋に寒気が走ったのを覚えている。実際、太ももに鳥肌が立ったくらいだ。
シンなどは「横着だな」などと言ってややとがめただけでそれ以上深く考えなかったようだが、ルナマリアからすればレイよりもシンの方がよほど気の許せる相手であるという認識はあのころからのものだった。
さて、眼前の洋上には連合の艦隊が鶴翼の陣を敷いている。連合と手を結んだオーブから追い出されたザフト艦ミネルバを待ち受けていたに違いなかった。どうやら「売られた」らしい。
後方には数分前に現れたオーブ艦隊。再びオーブの領内に逃げ込むことは許さないとの意思表示に違いなかった。こういうのを「前門の虎後門の狼」というのだろう。
絶対数から見ても圧倒的に不利だった。僚機は艦上にいるルナマリアとレイのザク、それに空中に待機しているシンのインパルス。空中戦がやれるのはインパルスだけである。ミネルバは本来宇宙艦で、地上戦、ましてや洋上の戦闘など想定外だったのだから仕方がない。
この場合、作戦は限られていた。連合の艦隊の最も手薄な部分を突破し、足の速さを活用して一気に逃げ去る。それ以外に手はなかった。
しかし、こちらのMSで空中戦ができるのはインパルスしかいない。したがってその活躍にミネルバの命運が半分握られているわけだが、望み薄としか言いようがなかった。
鶴翼の陣は攻撃向けの陣形である。もたもたしていれば左右からU字型に挟撃され、撃沈されてしまうのは目に見えている。
<<ターホイザー起動、照準…>>
艦長が主砲を打つ指示をしているのが聞こえる。しかしその攻撃方向はルナマリアには意外なものに聞こえた。どうやら敵中央ではなく、オーブ艦隊と連合艦隊の間の間隙を突っ切るという作戦らしい。
たしかにそのやり方ならば、両側から砲撃を食らう恐れは少ないかもしれない。オーブは敵になったとはいえ数日前までは恩人扱いしてくれていたわけだったのだし、積極的に攻撃してくる恐れは低いかもしれない。
(でも・・・)
しかしルナマリアは一抹の不安を感じずにはいられなかった。
(もしその憶測が外れたなら・・・)
もしオーブ艦隊までが攻撃を仕掛けてきたらその場合、連合艦隊の中央を突っ切るのと同じことになる。それは確かに、ミネルバにとっては同じことかもしれない。しかし・・・
彼女は空中のインパルスを見た。インパルスのパイロット、シン=アスカはオーブの出身者なのだ。前大戦で家族を失い、宇宙のプラントに移住してきた。そのことで恨みを抱いているとはいえ、シンにとってオーブは祖国であり、故郷であるに違いない。
彼がオーブの首長カガリにぶっきらぼうな態度をとったのも、アンビバレンツな感情でゆえだろう。古い故郷を信じていたからこそ、幼いころの記憶を愛していたからこそ、シンは様変わりしたオーブに怒りを覚えたのだと彼女は思っていた。
(悪い予感がする・・・)
ルナマリアは刹那、視線を落として自分の膝頭を見つめた。
ミネルバの上に火の雨が降り注いでいる。
無数の連合MSが夜の明かりに群がる虫のように襲い掛かってくる。ルナマリアは爆音と銃声のみ満たされた戦場で、半ば狂ったように引き金を引いていた。落としても落としてもキリがない。
頭上から吹き付ける銃弾の嵐。よけている余裕などなかった。ただ自機や艦体にあたらないことを祈りつつ、相手が撃つ前に撃ち落すしかない。
この状況に比べればシュミレーターの射撃訓練など極めて上品なものだった。ライフゲージなどない。たとえ一発でもコックピットにもらえば、問答無用で即死だろう。
とはいえもはや恐怖などはなかった。余計な感傷を容れる余地など微塵もなかったからだ。
空中でインパルスが、何か巨大な「物体」と戦っている。どうやらMAらしかったが、あれを落とさない限りミネルバに活路は見出せない。なぜなら主砲で敵をなぎ払おうにも、あの忌まわしい物体がシールドを張って妨げるからだ。
(早くしてよ、シン・・・)
ルナマリアは心中でそう叫ぶ。あるいはそれは呟きだったのかもしれないが喉が強張って言葉にはならなかった。
それだからインパルスが物体に捕まり装甲のパワーがダウンして足をもぎ取られたときには、膝から力が抜けた。まるで彼女自身の足をもぎ取られたかのように、ふっと足の感覚がなくなってしまう。
爆音と振動でバカになった頭の中、「戦死」という言葉が脳裏をよぎる。
ヘルメットのガラスに映った自分の顔は引きつっていた。
虚脱感から応戦を止めようとする自分と戦いつつ、ルナマリアはトリガーを引き続ける。彼女が激しく頭を振ったそのときだった、無線か歓呼の声が聞こえてきたのは。
<<やった!>>
アーサー副長の声だ。その背景で他のクルーたちがざわついているのも感じられた。
<<ターホイザー照準!!>>
タリア艦長がいつになく凛とした声で支持している。
程なく閃光が道を開き、艦が再び前進を始めたのを感じた。
「このォ!」
気勢を取り戻した彼女はそう叫ぶ。妙に体が軽い。こころなしか命中率が上がったように感じたのは気のせいだろうか?
二十分も経っただろうか。ミネルバは連合艦隊を振り切り、洋上にポツンと浮かんでいた。
「ふう」
コックピットの中、ヘルメットを脱いだルナマリアは、スーツが汗でぐしょぐしょになっているのを感じた。前髪の先から汗の雫が滴り、スーツのももの上にポタリと落ちる。彼女はそっとキャノピー開閉のボタンに指を伸ばした。
目の前のモニターが上下に分かれ、世界がモーター音とともに開けていく。
水平線が見えた。塩のにおいのする風が吹き込んで汗にぬれた頬や首筋を撫で、少し冷たい。そして四角く切り取られた海原の風景が妙に清々しく感じられた。
gj!乙!
最近、奇妙な情報が入った。
オーブ首長のカガリ女史が同じくオーブ有力者で親連合のユウナ=ロマ氏との結婚式の最中に誘拐されたという事件だ。実行犯はカガリ女史の愛機ストライク=ルージュで戸外に設置されていた式場に乗りつけ、その手に女史を捕まえるや海のかなたに逃げ去ったというのだ。
話の信憑性はきわめて高いと言って良い。なぜなら全世界中継のテレビ放送で生中継されたからである。その裏についてはさまざまな憶測が飛び交ったが、ある種の計画的犯行の可能性が強いとの見解が有力だった。
一説によれば事件の首謀者は攫われたカガリ本人で、結婚式自体がオーブ=連合の同盟締結に対するあてつけだったとの見方がある。
プラント国内ではこの説は強い支持を受けているようだった。加えてミネルバのクルーたちの間では実行犯についてはアスランに違いないということで一致をみていた。
アスランは元ザフトのエースかつ当時の最高権力者の嫡子で、先の大戦末期にザフトクライン派と行動を共にしてオーブの亡命政府と共闘しザフトの地球抹殺路線に異を唱えた英雄ということになっている。
戦後オーブに滞在しているとの噂がもっぱらだったが、つい先日、プラント視察に訪れたカガリのボディーガード、アレックスと名乗る男がプラント議長と話しているところが目撃されている。
たかがボディーガードが議長と話し込むのも妙な話で、その風貌からアスラン=ザラなのでないかというのが定説となっていた。
これについて議長は微笑して口をつぐんだが、廃プラント落下テロの際の古参パイロットらとのやり取りがその事実を裏付けているとの説が有力である。
「ひょっとしてさ、アスランとカガリが助けに来てくれるかも」
ディーノがやや興奮気味にそう言った。MSの整備中でその頬には油が付いている。
「希望的な観測ってやつ?」
ルナマリアは冷めた口調でそう答えた。
確かに「逃走した」ということはどこか受け入れ先があるということで、あるいは母艦か何かがあるのかもしれない。
しかしアスランがやったという証拠は今のところどこにもないわけだったし、二人そろって助けに来るというのは楽観的に過ぎる。これはレイでなくとも思うだろう。
しかしアンチ連合の連中が存在する可能性がある以上、合流できるならそれに越したことはないというのはルナマリアもまた同意見だった。カーペンタリアのザフト基地への道のりはまだ遠い。
そのときブリッジから連絡が入る。
<<見方機が一機入ってくるわ、場所をあけて>>
ルナマリアはディーノと顔を見合わせた。早くもディーノは顔を輝かせている。
おお〜ちょっとずつ違う展開に・・・・つかキラルナのヨカーン
キラルナスレに知らせていい?
×ディーノ
○ヴィーノ
程なくして赤い機体が格納庫に滑り込んでくる。インパルスと同様、ガンダムタイプで空中戦が可能なMSらしかった。パイロットは果たしてアレックス=ディノだった。彼は整備クルーらと敬礼を交わし、名乗った。
「ザフトフェイス、アスラン=ザラ。議長の命令で貴艦の支援に来た」
アーモリーワン、MS強奪事件のあったプラントでミネルバクルーの幾人かは彼と面識がある。その一人であるディーノは早くも質問を投げかける。
「カガリさんは・・・」
「あれは俺じゃない」
アスランはやや怪訝な様子で答える。
「俺じゃないって、それじゃあ・・・」
ディーノは目を丸くする。単純極まりない奴、とルナマリアは目を細めた。が、アスランの次の一言は彼女の眼を見開かせる。
「心当たりはある・・・だが」
アスランはどうしたわけか苦虫を噛み潰したような顔で言葉を濁す。
「こころあたりって・・・」
そんな言葉が無意識に口を突く。アスランは視線を伏せ、やや躊躇いがちに言葉をつなぐ。
「断定はできないが・・・おそらく元クライン派のコーディネーターだ」
その場に居合わせたクルーたちの何人かは喜びの声を上げる。しかしアスランの次の言葉はそれを打ち消した。
「だが俺にはあいつの考えていることが分からない。連合との同盟を放っておいてカガリを拉致しても・・・」
そのとき唐突にシンの叫ぶ声が響いた。
「アスランさーん」
シンは階段を駆け下り、アスランやルナマリアのところへ走ってくる。紹介を受けずして彼をアスランと呼んだところをみると、前からそのことを知っていたふうである。
「シン?」
アスランもまた、唐突な呼びかけにやや驚いた様子ではあったがまんざらでもなさそうだった。
プラント落下テロの被害軽減作業の際、シンは協力に来たアスランと最後まで作業をしていた。おそらくはそのときに何かあったのだろうと、ルナマリアは目星をつける。
「どうして戻ってきたんですか?」
シンの口調は表情と裏腹にやや険があった。無論本心からではないのだろうが、アスランがオーブに戻ったときに毒づいていたことを思えば自然な反応かもしれなかった。「今さら何しに着たんだ」という一片の不満も抱けば文句の一つも言いたくなるだろう。
きっとシンにしてみれば、今度こそ色よい返事をもらえるとでも思ったのだろう。しかしアスランの反応はいまいちだった。
「分からない」
さすがにこの言葉には確執のないルナマリアも眉をひそめる。
あまりに優柔不断、かつての英雄らしからぬ態度。もっとも「英雄」の「枯れ尾花」ぶりはカガリで実証済みだったわけだが。
「分からないって、どういうことですか!」
シンが声を荒げる。それはクルー全体の声だったに違いない。
「俺の当面の仕事はこの船をカーペンタリアまで無事に送ることだ。だけど大局がどう動くかは分からない。できることならオーブを連合から切り離して、連合とザフトの停戦に持ち込めれば理想的だが・・・」
アスランの頭には連合やブルーコスモスの殲滅という考えはないようで、相変わらずハト派であるらしかった。
680 :
677:2006/01/23(月) 03:10:33 ID:???
早とちりか・・・orz
レポートしながら書きながらだけどリアルタイムで応援してるお
ガンガレ。超ガンガレ
その数日後。ミネルバは再び連合艦隊の攻撃を受けた。しかもオーブ艦隊もまたその姿を現している。前回のオーブ脱出のときと同程度の規模だったが、今度はオーブ勢も攻撃に参加してくることに疑いの余地はない。
問題は主力の二人、空中のガンダム2機のパイロットが二人ともオーブ関係者であることだった。シンのことも心配ではあったが、アスランはアスランで「あの国は敵じゃない」などと抜かしている。不安は尽きない。
意に反して先に攻撃を仕掛けてきたのはオーブのムラサメ隊だった。おまけにオーブ艦隊の旗艦が最前列に進み出てくる。それにはロマ家の旗が立てられており、「親征」であることを暗黙に宣言していた。
<<ターホイザー起動、照準オーブ艦隊旗艦!>>
タリア艦長の声には明確な怒気が篭っている。恩を仇で返されたのだから当然といえば当然かもしれない。しかも旗艦が目の前に出てくるなどほとんどザフトへの挑戦以外の何者でもないだろう。
ルナマリアは空中のムラサメを撃墜しながら「バカじゃない」と呟く。ロマ氏、花嫁の逃亡で気でも触れたのだろうか? 殺してくれ、と言わんばかりだった。2機のガンダムは同じく、アーモリーワンで強奪されたガンダム2機(カオス及びアビス)と交戦中である。
<<撃て!>>
タリア艦長がそう命じたとき、異変が起こった。
艦体に衝撃が走り、爆音と共に煙と炎が立ち上る。
「何?!」
舌をかみそうになりながら驚きの声を上げるルナマリア。
警報が鳴り響く。みればオーブ旗艦の少し上にMSが一機飛んでいるのが見えた。
「あれは・・・」
そのMSの正体を理解したときルナマリアは絶句した。
「あれはストライク・・・!」
かつてザフトを震撼させた連合を象徴する機体だった。
ストライクの砲撃でターホイザーは完全に使用不能になってしまったらしい。
<<あいつらァ!!>>
無線でシンの怒号が入ってくる。完全に頭に血が上っているらしく装備をソードに換装するや、オーブ旗艦めがけて飛んでいく。交戦中だったアビスを放っておいてだ。フリーになったアビスはこれ幸いと、セイバー、アスラン機に襲い掛かる。
それまでアスランは連合機を落としつつもカオスを圧倒していたが、さすがにガンダム2機を相手にするのは骨のようだった。
そのときムラサメがこちらめがけて突っ込んでくるのが目に入る。
<<あいつらを落せ! 体当たりする気だ>>
レイの早口な連絡が入り、ルナマリアは驚愕し目を剥いた。
「嘘でしょ?」
レイとルナマリアは懸命に撃墜するが、弾幕を潜り抜けた一機が艦上に激突する。
「嘘!」
しかしそれは事実に合い違いない。衝撃とブリッジからの悲鳴がそのことを裏づけていた。
そのときだった。聞き覚えのある声が聞こえたのは。
<<こちらオーブ亡命政府。ミネルバ、脱出を誘導する! オーブ軍、攻撃を中止せよ!>>
それはカガリのものに違いなかった。ミネルバの前の海面が膨れ上がり、何かが浮上してくる。
あのアークエンジェルだった。
<<どういうつもり?>> <<貴艦を護衛する>>
そんなやり取りが聞こえる。
見ればストライク=ルージュがどこからともなく現れ、セイバーを援護している。
インパルスはオーブ旗艦上で、同じくソードに換装したストライクと刃を交えていたがタリア艦長はシンに帰艦を命じた。
ミネルバはアークエンジェルの後に従い、戦線を離脱した。
ルージュはミネルバに着艦し、コックピットからはカガリが姿を見せた。
そしてアークエンジェルからの二人の来客にミネルバ一同は驚愕する。
「こんにちは」
艦長のマリューはともかくとして、ラクス=クラインには否応に視線が集まる。ルナマリアの隣には物見高いメイリンが目を皿のようにして佇んでいた。
「あなたたちは・・・」
出迎えたタリアもまた、三人の来客を変わりばんこに凝視していた。
「その、今度のことは、えっと、申し訳ないと思っている。オーブを代表してお詫び申し上げる」
カガリが言葉に詰まりながらそう言った。
「ただ、その、ユウナのことをあまり悪く思わないでほしい・・・あいつだって、好きであんなことしたわけじゃないんだ」
一瞬の沈黙があった。
そして、その静寂を破ったのは案の定、シンだった。
「どういう意味ですか」
その押し殺すような声は憤怒の情をにじませている。ほとんど噛み付かんばかりの勢いだった。レイとアスランが止めなければ、あるいは襟首くらいはつかんでいたかもしれなかった。
「ユウナさんなんです、私たちを逃がしてくださったのは」
割って入ったラクスが釈明するとクルーたちは驚きの声を漏らす。
「ユウナ、あのなよなよした奴が?」
シンはどこかあざ笑うかのように呟く。ユウナ=なよなよした根性なし、というのはミネルバクルーの間での定評だった。ヴィーノやメイリンをはじめとする一部の間では「オカマ」説さえ信憑性を帯びて語られていたほどである。
自分たちを見捨てたユウナという男をミネルバのクルーたちがよく思わないのは当然のことだった。
ラクスは少し微笑んで、言葉をつなげる。
「あの方が国内のコーディネータを集めて、脱出させてくださったんです。非公式に所有していた艦を動員して。アークエンジェルはその一隻で、中には数十家族が避難しています。現在、目立たないよう、各個ばらばらでザフトの勢力圏を目指しております」
ミネルバのクルーたちは皆、一様に息を飲んだ。たしかにブルーコスモスの支配下に置かれれば、コーディネータは虐殺される恐れがある。
そのとき、視線をさまよわせていたアスランが怪訝な顔をしてカガリに尋ねた。
「キラは?」
その問いかけに、来客たちの顔が曇る。アスランは眉間にしわを寄せてさらに問いかける。
「・・・あのストライクに?」
「・・・おそらくは」
カガリはやや躊躇った後、目を伏せてそう答えた。
「どうして助けたんだね? あのまま私が死ねば連合への義理も立ったものを・・・いや、それ以前になんで君がここにいる?」
オーブ旗艦来賓室内でユウナはキラに尋ねる。ルージュでカガリを拉致した後、本当ならアークエンジェルと共に逃げているはずだったのである。
「あなたが死ねば・・・」
キラはユウナの隣のトダカにちらと目配せして答えた。あのストライクを用意したのはトダカである。
「オーブは本当に連合のものになってしまいます」
ロマ家は親連合ということになってはいる。しかしユウナが父親とは見解を異にしていることは知る人ぞ知る事実だった。
感情的にコーディネータを嫌っている父親と違い、ユウナは単に現実主義的な立場から連合と同盟したに過ぎない。最大の理由は彼が父親以上にカガリの父ウズミを尊敬し、その世界市民的な思想に共感していたからだ。
また彼は恋敵のアスランはともかくとして、カガリの弟として紹介されたキラをはじめとするコーディネータたちとは付き合いもあった。実際、アストレイの開発にも若干関わっていたことが大きいわけだが。
加えて歌手ラクスのファンでもあり、二重底になった机の引き出しには秘蔵のサイン入りCDが隠されていたりする。
「わかった、君を直属の二佐に任命する。・・・本音を言えばね、僕だって命は惜しいんだ。それにカガリをあの男にやる気はないしね」
ユウナは少しほっとした顔で頭をかき、キラと握手する。トダカは国の前途を思って堅い顔をしていたがやや安心したかのように小さくため息をついた。
<一部完>
職人さんGJです。
保守したかいがありました…
職人さん最高!!!
…そうきたか…GJ!GJです!
687 :
677:2006/01/23(月) 18:24:17 ID:???
ユウナGJすぎてちとワロタ
定期保守。
…職人さん最高!!
ぐ〜〜じょぶ!ユウナかっこいいー
ユウナはきっと響鬼さんの弟子になったからこんなにカッコヨクなったんですよ。
>>641-642 そういや“MTT新潟”の同人誌“URANUS”では
ホーク父が出てましたよ。よければ一読を。
(ただなぜか中断臭いラストだけど)
ルナマリアのお父さんは、たぶん
はじめの一歩に出てきたブライアン・ホーク
693 :
691:2006/01/24(火) 21:27:59 ID:???
ちなみに同人発行予定より引用。
>ガンダムSEED-DESTINY本 「SWORD BREAKER」
>「(個人的理想の)アスラン君の生き様」をカガリちゃんと
>キラ君とシンちゃんをまじえ、本編は無視で……。
>
>ガンダムSEED-DESTINY本 「SWORD」
>シンちゃんが主人公です(強調)
>「SWORD BREAKER」と対になっております。
>(個人的)理想の、妄想のDESTINYです…。
みんな期待して待とうね。
そういえばあの負債はなぜルナマリアを
射撃が下手なヘタレキャラ&改造ミニスカなんて設定にしたんでしょうな。
まさか「その方が萌えるねブヒブヒ」とでも思ってやがったんでしょうかね?
……そんな糞設定じゃ却って萎えるぜ俺達は! なあ、そうだろうみんな!!
(でもミニスカは……すいません否定しきれないんです俺)
空が、青い。
海原の光景が航海中と違って見えるのは足もとの大地のせいだろうか? ミネルバが大洋を突っ切るコースを選んだせいでここ数週間の間、陸地を見ることさえなかった。その陸地に、今こうして立っている。
彼女の足跡をつけたカーペンタリアの砂浜に波上のような揺れはない。たしかにプラントにも砂浜はあった。しかしこんなにも広大な風景は写真の中でしか見たことがない。不動の大地。母なる星。
感無量!
ルナマリアは潮の香に満ちた空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
メイリンたちも来ればよかったのに、とふと思ったが考え直す。あの連中が一緒だったら、騒々しくて仕方なかっただろう。そういうふざけた時間も決して嫌いではない。しかしあの根っから社交好きの妹と違って、ルナマリアはこういう一人の時間をも愛していた。
タンクトップにジーンズ姿のルナマリアの背後ではエンジンを止めたバイクが革ジャンを引っ掛けて佇んでいる。晴天の太陽がそのボディを優しく暖め、その主にも好ましい光を投げかける。
彼女は腰を下ろし、そうしてさざ波に耳を澄ます。ほんの十数メートル先は寄せては返す波に、独特のリズムで洗われている。
悠久の時? いい言葉が思い浮かばない。もしレイならば、もっと気の利いた言葉を考え付いただろうか? いや、たしかに彼には芸術の素養がある。しかしこの手の情趣を介するかどうかには疑問符が付いた。
彼はあまりに理知的に過ぎ、機械仕掛けの人形のように無駄がない。まるでいつも、何か急いでいるかのような印象があった。一生は短いといえども、穏当にいけばあと四、五十年やそこらは生きていられるはず。
今回の騒ぎもきっと何かのアクシデントで、一過性の嵐なのだとそう思いたい。彼女はレイの無機質な生き方を哀れんだ。
きっと自分も母のように穏やかに老いるのだろう。そのときにはきっと父のような優しい連れ合いがいるのだろう。彼女はプラントの両親に思いをはせた。
そのときだった。静寂が破られたのは。
「ア、きゃ・・・・・!!」
それは鋭くもどこか間の抜けた悲鳴だった。
はっと顔を上げれば崖から落ちる少女。それは舞姫のようなひらひらした服装でくるくると踊るように回転し・・・・海に落ちた。
あっけにとられるルナマリア。半開きになった口からは「嘘」と呟きが漏れる。
とっさに海に向かって走り出す。落下したときの感じからして、それなりの深さのある場所らしい。あの少女が泳げるとは思えない。
ルナマリアは途中でスニーカーとジーンズを脱ぎ捨て、海に入る。そんなものを身に着けていては泳ぎにくくてしょうがないだろう。濡れた靴下がうっとおしかったがそれくらいは仕方がない。
職人さんGJ! 続きが待ち遠しいですねハアハアハアハア
「わ! ゴボ!」
何とか舞姫少女を捕まえたものの、暴れ具合が尋常ではない。末期のあがきの如くに手足をばたつかせ、海面に顔を上げれば叫び声をあげる。まるで救助に来たルナマリアを海のお化けか何かと勘違いしたかのような騒ぎである。
ルナマリアは仕方なく、みぞおちにパンチを打ち込む。・・・もう一発。まだ意識はあるようだったが、やや大人しくなったところで髪をつかんで砂浜へ引っ張っていった。
「あんた、何なのよ」
ようやく陸地にたどり着いたルナマリアは一緒に波打ち際にへたり込んだ少女に尋ねる。少女は同じ年頃らしかったが、半ば呆けたように座り込んでいた。その下を波が洗っている。
ずり下がった襟からは片方の乳房が露出していたがまったく意に介してもいない様子である。ひょっとすると根っからの白痴なのかもしれなかった。ルナマリアが服装を正してやると彼女はにっこりと笑う。それは邪気のない表情だった。
「あんた、名前は?」
ルナマリアはため息をついて訊ねた。
「すてら」
どこか丸みを帯びた、舌足らずな口調で答える舞姫少女。あ、こいつ美人だな、などと思いつつ、三白眼に見つめるルナマリア。ステラは悪びれたふうでもなく、幼子のような笑顔を浮かべている。
ルナマリアは自分の額に手を当て、説教するように言った。この状況では文句のひとつも言いたくなる。
「あんたねえ、死にたいわけ?」
ステラは答えない。
ルナマリアは顔を上げ、ぎょっとする。ステラの顔には先ほどまでとうって変わり、色濃い怯えの表情が広がっていた。
「しぬ・・・・しぬの・・・・・しぬ・・・」
茫然自失となったステラは海に向かって仰向けに倒れる。打ち寄せる波がその顔を洗い、彼女はむせた。しかし起き上がろうとする気配はない。空に伸ばした腕の先、指がすがるかのように蠢いている。
「どう・・・したの?」
ルナマリアはステラを抱き起こしたが、ステラは目に涙を浮かべ、うわごとのように「しぬ」と繰り返すばかりだ。
「しぬ、しぃぬぅうのォ・・やぁ・・・・」
ステラは突然ひきつけを起こし、体を痙攣させる。体を接していたルナマリアは、それが尋常でないことを悟る。おそらくはその意識と関係なしに身をよじらせるステラを落っことさないようにとあわてなければならなかった。
「ちょ、ちょっと・・・!」
ルナマリアが驚いている間にもステラの眼球は普通でない部分に回転し、引きつって持ちあがった足が砂の上にパタンと落ちる。彼女は口から泡を吹いてぐったりとなってしまった。・・・息をしていない? 脈はある。
ルナマリアはステラを横たえると、その鼻を摘み、口を合わせて息を吹き込んだ。それに合わせてステラの胸が上下するのを横目に確認しつつ。人工呼吸も楽ではない。昔、同じ士官学校にいたアビー相手に練習したときと異なり、妙に「重い」。
(このバカ巨乳!!)
毒づきながらも続けていると、ステラはやがて息を吹き返した。
きょとんとしているステラを尻目に、ルナマリアは私用に貸し出された携帯電話を手に取る。バイクではステラを保護者のところに送ることができない。基地に電話をかけるとうまい具合にシンがつかまった。
<わかった>
「早く来てよね」
ルナマリアは携帯を畳んだ。
「あー早く帰ってシャワー浴びたい」
シンが運転するジープの助手席でルナマリアはぼやく。全身が妙に砂っぽかった。
後部座席ではステラが不思議そうな表情でシンの横顔を斜めに眺めている。彼女はとりあえず警察署にでも預かってもらうか、最悪、基地にでも連れて行くことになっていた。その肩にはシンの制服の上着がかかっている。
その赤服にはカーペンタリアへの旅の途中、アビスをはじめとする多数のMSを撃墜してきた功績の印があった。
シンはステラに妙に優しい。何かやましいことでも考えているのではないか、とルナマリアは勘繰ったがどうやらそれは杞憂のようだった。「この子、戦争の被害者かもしれない」、そんなことを呟いたシンはいつになく暗い、悲しそうな目をしていた。
そのときになってルナマリアはようやく、シンが前の戦争で家族を失っていたことを思い出す。それは普段の彼には似つかない暗い過去だった。
「ステラ!」
声が聞こえた。シンではない男の声。すれ違いざまのオープンカーが急停止する。シンもそれに気が付いたか、ブレーキをかける。
「スティング!」
ステラはうれしそうに、こちらに歩いてくる若い男に駆け寄っていく。男はシンに一瞬、鋭い視線を投げかける。ルナマリアが慌ててとりなすように釈明した。
「ステラさん、海でおぼれてたんです。そのとき私一人でバイクだったので。迎えに来てもらったんです」
「そうでしたか、助かりました。私も探していたんですよ」
スティングと呼ばれた男は一転、朗らかな表情になる。今度はシンが問いかける。
「その子、その、戦争で何か・・・」
ルナマリアが一瞬、視線でとがめたが。シンの表情は痛切なものだった。
「ええ、兄弟を亡くしまして」
スティングはそれほど気分を害していないふうに答えた。
「あなたは・・・パイロット?」
上着をシンに返しつつ、赤服マークに目を走らせるスティング。
「はい・・・黙ってみているのは耐えられませんから」
スティングは少し考えてから、こう言葉を続けた。
「ミネルバのことはご存知ですか?」
シンはルナマリアと顔を見合わせた。
「ええ、ここまで乗ってきましたから」
シンはそう答える。ミネルバがカーペンタリアに無事に入港したことは公開されている情報だ。話したところで問題はあるまい。
スティングがかすかにだが、妙に陰険な笑みを浮かべたのをルナマリアは見逃さなかった。しかしその意味までは理解できない。
「それではこれで・・・ステラ」
スティングは会釈するとステラの手を引いて自分の車へと向かっていく。
シンとルナマリアが背を向けたそのとき。
パン、パン・・・
その銃声は背後からのもの。ルナマリアは無事だった、がシンは背中に銃弾を受けアスファルトの路上にうち倒れる。夕闇の中、流れ出す血はよく見えなかったが、その鉄さびくさい臭いはごまかしようもない。
オープンカーには拳銃らしきものを構えたをスティングとそれを背後から抱きついてとめようとしているステラの姿。
「離せステラ! アウルの敵だ!」
「だめ! スティング、だめ!」
ルナマリアとスティングの目が合う。スティングはシンに完全に止めを刺すのを諦めたらしく、舌打ちしてハンドルを握る。彼はルナマリアもパイロットだということまでは考え付かなかったようである。
そして急発進して走り去っていくオープンカー。
「シン! シン! しっかりして!」
ルナマリアは混乱した頭で、腕の中にぐったりとしているシンに叫び続けていた。
ミネルバの再遠征が発表になった。
まだ傷が治らないシンの代わりに、ルナマリアがインパルスに乗ることもまた決定された。
これでミネルバの戦力はルナマリアとアスラン、それに新しく配属されたハイネの三人になる。シンとレイは別行動をとるべき旨が指示されている。
彼女は釈然としない気分だった。インパルスのことも、シンのことがあるゆえ喜べはしない。
次の任務はカーペンタリアから別の前線基地への移動。地味な任務で、ミネルバの護衛である。シンとレイは別途で合流するという。
アスランもまた、浮かない顔をしている。どうやら友人の「キラ」とかいう男のことを気にかけているようだった。それとなく訊ねてみても詳しいことは教えてくれない。ルナマリアに分かるのはキラが元クライン派のコーディネーターらしいということくらいだった。
<三話了>
おお。見事にルナが主人公機に・・・GJです
凄い…
言葉で表現できないです。
ただ一ついえるのは「GJ!!!!!」
702 :
種死異聞C:2006/01/25(水) 02:15:49 ID:???
それは金色のMSだった。そして誰もが口にこそしなかったが、その姿はどこかフリーダムに似ていた。
移動中の洋上。ミネルバは再び敵襲を受けた。大部隊ではなく、機動力のあるMSの少数精鋭部隊のようである。
金色のMSとカオス。
たったの二機とは大した自信だった。二機でミネルバを落とすつもりらしい。
戦闘が始まる直前、金色のMSから通信が入った。
<こちら連合同盟国オーブ所属アカツキ。直ちに降伏せよ>
あのときアスランが叫んだ。「キラ、お前はまた繰り返すつもりなのか」と。それは絶望的な叫びだった。
アスランのセイバーが先頭に立ち、ハイネのグフが後に続く。ルナマリアはブラスト装備で後方援護に回っていた。
キラの金色のMSはセイバーと激しい空中戦を繰り広げる。アカツキと名乗ったそれがすさまじいパワーを持っていることは明白で、最新鋭のはずのセイバーを圧倒し、さらにはグフにも攻撃をしかける。
その隙にカオスが向かってくる。
<てめぇら! 覚悟しやがれ!>
無線から入ってくる声には聞き覚えがあった。あのスティングとかいう男!
ルナマリアは怒りに任せて引き金を引く。
当たらない。
フォース装備に換装して突っ込んでいく。
一方、アカツキはグフの鞭で足をつかまれつつも、バルカンでグフを蜂の巣にする。パラシュートで海に落下するハイネ。
「キラぁ! お前は!」
セイバーがビームサーベルをたたきつける。アカツキの肩に直撃。しかしさほどの効果はなく、かえって押し返され、吹き飛ばされる。
「このっ」
ルナマリアはライフルが当たらないことにいらだっていた。スピードに関してはカオスに歩がある。彼女はついにビームサーベルを使う気になった。接近戦に持ち込んだほうがよい、との判断からだ。
キラとアスランの対決もまた続いていた。しかしアスランは急にある作戦を思いつく。
「お前がその気なら、俺にも考えがある」
セイバーは飛行形態になって急反転し、インパルスの支援に向かった。
カオスとインパルスがビームサーベルでつばぜり合いをやっているところを飛行形態のセイバーが通過。動きが止まっていたカオスは背中を切り刻まれて中破する。
「キラ! こいつが落ちれば・・・」
連邦軍からカオスをわざと見捨てたと勘繰られるかもしれないぞ。
キラもそれを察したか、カオスを受けとめる。ルナマリアは撤退に入った二機を撃とうとしたが、アスランに止められた。
「無理だ。引き止めたらこちらがやられるぞ」
ルナマリアはライフルを下ろし、ややあってこう尋ねる。
「キラさん、なんですよね? ・・・何者なんですか?」
アスランはため息をついて答えた。
「フリーダムのパイロットだ」
「あいつだって、好きで戦ってるわけじゃない。理由さえ与えてやれば撤退すると思ったんだ」
アスランはティーカップを両手で持ち、椅子でうつむいたまま言った。
「あー、それそれ。俺も感じたぜ。何かコックピット避けてんのな、あいつ」
頭に包帯を巻いたその部屋の主、ハイネが笑う。ルナマリアに特性紅茶を手渡して、彼はさらに続けた。
「しっかし、大変だな、そいつも」
彼は少しアルコールが入っているらしい。基地についた後、夕食時にワインを一杯やったからだ。
「でも・・・」
ルナマリアは異論を挟む。
「わざわざ前線に出てこなくても」
その言葉にアスランは頭を振った。
「あいつは自分の力を自覚している。あいつ一人が戦えば他のオーブの連中を戦わせずに済む、とでも思ってるんだ。昔からそういう奴だ」
アスランはさびしげに笑う。しかしその目が急に厳しくなった。
「だがこの状況が長引けば、死人が出ることは十分にありうる。そうなったらあいつは・・・」
アスランは遠い目をし、どこか涙声だった。ルナマリアは身をかがめる。
「大丈夫ですよ、はやく戦争が終わりさえすれば。それに今の戦局はこっちに有利なんですから、オーブが連合を離反することも・・・」
そのとき無線が鳴る。
<お姉ちゃん>
メイリンからだった。
<次の出撃が決まったって。途中でシンとレイも合流するって>
そしてベルリン戦の幕が上がる。
「何よ、あれ」
ベルリン。そこでは数体の巨大なMAが暴れまわっていた。すでに避難勧告は出ているようだったが、家々が焼かれる様は痛々しい。
「気をつけろ、あの火力は半端じゃない」
レジェンドのレイが告げる。
「手分けする?」
シンはそんなふうに答えた。シンとレイは戻ってきてから妙に仲がよい。どこか労わっている様子さえ見受けられるほどだった。
「まず一機、集中攻撃してみて様子を見よう」
アスランはそんなふうに提案すると皆は頷く。
<オラァー!>
四機がミネルバを出て直後に無線から入った声、それはスティングのもの。
「あいつ!」
即座に飛んでいくデスティニー。シンは完全に頭に血が上っているらしい。
もはや攻撃目標は選ぶまでもなかった。
しかし、集中攻撃のプランは崩れ去る。
インパルスとレジェンドの前を遮った光。それを放ったのはあのアカツキだった。ルナマリアは身らに呼びかける。
「キラさん、もうやめてください!」
しかし会話する間もなく、レジェンドがアカツキと対峙し、サーベルで切り結ぶ。レイの言葉はルナマリアを驚かせた。
「キラ=ヤマト。また会えてうれしい」
それはまるで古い仇敵にでも会ったかのような言い草だった。
「どうして僕を知っている?!」
「あなたはラウ=ル=クルーゼにそっくりだ。自らの特異性から逃れられない。属するはずの集団とアイデンティティを共有できない。同胞に溶け込めず、裏切り者にしかなれない。例外者の悲しき宿命は、死だ」
キラは一瞬、絶句したかのように見えた。
「何よ、それって・・・」
そういいかけたルナマリアの耳に届いたのは、キラの悲鳴だった。
<ちがーーーーーうーー!!!!!>
「ルナマリア、油断するな。奴はフリーダムの前はストライクに乗っていた。全大戦でもザフト兵を多数殺害している・・・遠慮する必要はない!」
レジェンドはアカツキを蹴り飛ばし、アカツキは空中に一回転して体勢を立て直す。
レイの言葉はミネルバのブリッジクルーを含む全員に伝わる。アーサーなどは動揺を隠しきれないようだった。
「アスランさん、それって・・・」
シンの問いかけに対し、アスランはあえて冷静に答えた。
「今はどうでもいいことだ」
シンとアスランはスティングのデストロイに向かう。即座にゴッドフィンガーを食らわせるデスティニー。
「アスランさん、大丈夫です。単独でやれますよ」
感情を押し殺した声で答えつつ、シンの脳裏にある光景がよぎる。あのオーブの慰霊碑でであった年上の少年との会話の記憶が。
<慰霊碑、ですか?>
<そうみたいだね>
<こんなものたてたって、死んだ人は生き返らないのに>
<せめて忘れないことくらいしか僕たちにできることなんてないんじゃないかな>
<こんなもの建てる前に、戦って守ることを考えるべきなんですよ>
<僕は戦いたくなんてない。むしろ本当は戦わないことが強さなんじゃないかって、思う。
誰も戦わないなら、こんなもの建てなくてすむし、それが一番いいんだと思う>
スティングのデストロイを倒したシンは、周囲を見て呟いた。
「避難勧告出てたって、こんなこと」
ベルリンの町は燃えていた。
一方、アスランはキラのところに向かった。
「レイ、そいつは俺が・・・」
「アスラン、キラ=ヤマトがプラントに敵対するのは2度目です」
もし一本の連絡が入らなければ、アカツキとレジェンドは決着が付くまで戦ったかもしれない。
『オーブは連合を離脱する。アカツキはミネルバに協力してくれ』というオーブに戻ったカガリからの直接の連絡が入らなければ。ユウナは父親と共に更迭されたという。
「ハッ、今度は日和見か! さすが虚言はアスハのお家芸だな!」
シンはそうはき捨てるように呟いた。前の戦争のときも「オーブは戦争に加わらない」と明言していたくせにあの始末だ! しかも味方のはずのフリーダムの誤射で俺の家族は・・・
そのとき、前方で光がきらめく。アカツキが最寄のデストロイに攻撃を仕掛けたのだ。
<きゃああぁぁあ・・・・>
ルナマリアは耳に覚えのある悲鳴を聞いた気がした。
「あいつ・・・」
シンは一端はアカツキにビームの標準をあわせる。しかし結局、アスランになだめられ、アカツキと共同戦線を張る。
五体のガンダムがMAデストロイの一群を片付けた後、ルナマリアはコックピットから投げ出されて死んだステラの亡骸を目にした。倒れているデストロイはキラが倒したもの。ルナマリアはそれを抱き上げ、なぜか涙があふれて止まらなくなってしまう。
シンはそれなりにショックを受けつつも、傍らにルナマリアを慰めた。
足音がした。シンは顔を上げて驚愕する。それはあの慰霊碑であった少年だった。
「僕が、僕が、殺したんだね?」
キラの視線はステラに注がれている。その顔はやつれ、引きつってさえいた。
「あんたが、キラなのか?」
頷くキラ。
シンはつかつかとキラに歩み寄った。そして・・・
「シン!」
気が付いたアスランが止めようと慌てて呼びかける。しかし遅かった。殴り倒されたキラはぬかるんだ大地に倒れる。
「あんたって人は! 信念すらないのか!」
シンの目には痛いほどの怒りがある。襟首をつかまれたキラの目から涙が零れ落ちた。
「分からない・・・もう分からない・・・」
「ふざけんな!」
シンはもう一度殴る。キラの口の端から血が流れた。しかしそれでもキラは無抵抗だった。そしてそれがシンの怒りに火を注ぐ。シンにはキラの態度が「居直り」としか見えなかった。もし何らかの信念があるなら、殴り返してくるはずだと思ったからだ。
「何が<分からない>だ! あんだけ人殺しといて、俺の家族も殺しといて! 何のために殺したんだ!」
キラは顔をくしゃくしゃにして振るえる声で答えた。
「分ぁからにゃい」
ガン!
「なんで抵抗しないんだよ! 死にたいのかよ!」
キラは少し笑って、言った。
「そうかもしれない」
ガン!
シンのかみ締めた唇からは血があふれ、修羅のような形相になる。
もしアスランが割って入らなければ、シンはそれこそキラが死ぬまで殴り続けたことだろう。
「シン、もう止めろ! 経験したから余計分からなくなることもあるんだ! こいつだって好きでやってるわけじゃない!」
ルナマリアは再び拳を振り上げるシンに取りすがる。
「やめてよ、ね、シン、もう・・・」
ルナマリアは腕の中で暴れるシンに、泣きながら必死で呼びかけていた。
シンはなおも暴れつつ叫ぶ。
「戦わないのが強さだって、あんた言ってたじゃないか!」
少し間をおいてキラは答える。
「…僕は無力だ。だから、僕はまだ戦っている…」
キラのその一言がその場に沈黙をもたらした。
<二部完>
「そうか」
報告を受けたデュランダルは微笑んだ。ブルーコスモスのボスはすでに逮捕された。
本日中にデスティニープランは発動される。それは遺伝子による世界統制。すべての人間にあるべき生き方を示す福音となるだろう。
「嘘だろ…」
テレビの演説を見て、シンは驚愕した。
ルナマリアもまた、ひどく驚いて声もない様子だった。
<遺伝子ですべてを解決できるというのは間違っています>
<私の愛した人はナチュラルでした。ナチュラルだから愛したのではありません。あの人だから…>
<私にはナチュラルの友人がいるます。ヤキンドゥーエではイージスに乗って一緒に戦いました>
<私はメンデルで生まれた最高のコーディネーターです。だからそれが人間の決定的な価値でないと知っています>
<危険思想の持ち主たるデュランダル議長の粛清をブルーコスモス新盟主キラ=ヤマトは宣言いたします>
「…すまないね、サイ。つまらないことに巻き込んでしまって」
「いや、キラ。こっちの台詞だよ…だけど本当にいいのか?」
「デュランダルたち遺伝子至上主義者とプルーコスモスの過激派が共倒れになれば、少しは平和になるよ。それに僕も。際限のない欲望が悲劇しか生まないってみんなに知らせたいんだ」
「わかった。俺も最後まで付き合うよ。イージスも整備できてるし」
うおおおお…心の底からGJ!!
保守
保守
保守
>>249 苦戦するぐらいがちょうどいいよ
盾も構えないバンクをあいてにするよりは
714 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/30(月) 08:38:59 ID:uCIlIBmP
保守
保守
保守
保守
保守
異聞、一気に読んだけどイイ!話かいつまみまくっても支障ないのがすげー
一人ずついなくなる。
今まで、ほんのただ少し前まで、あんなにも一緒だったのに。
みんな行ってしまう。
まずアスランさんがいなくなった。先輩風を吹かしてたのに、すごく板についていた。
生意気で反抗的なシンも男にシニカルなメイリンも、すごくなついていた。そして私自身も。
あの人は「オーブに帰るから除隊願いを出した」と聞いた翌日にいなくなった。
「脱走したのだ」と噂に言うけれど、真相は分からない。
妹のメイリンも一緒にいなくなった。
アスランさんの脱走を手助けした、とレイは言うけれど、私は何にも聞いてない。
あの子はだいそれたことなんて、できる子じゃない。
そして、シンとレイもいなくなった。デュランダル議長の特別な命令で先にプラントに行くと言い残して。
昔からの友人のはずなのにどこかよそよそしくて、どこか別人のように見えた。
ヨウランやヴィーノたちもあまりに急な環境の変化に戸惑い、無口になった。・・・私自身も。
もう戦争は終わったはずだったのに。
これからもっともっと酷いことになりそうな気がする。
議長のデスティニープランと同時に、キラさんは議長の粛清を宣言した。
穏健な分派であるアーガイル派をバックにブルーコスモスの残党の総帥になって。
それでも普通なら、コーディネーターのキラさんが反コーディネーター団体の総帥になることなどありえない。
「勝てさえすれば何でもいい」というブルーコスモスの破れかぶれの姿勢が見て取れた。
きっと、酷いことになる。
ルナマリアは暗い部屋の中、膝を抱えていた。
みんな死んでしまうのかもしれない。
メイリンとアスランさんはもう死んでしまったのかもしれない。
陰鬱な感情と膨れ上がる不安。
青い闇に満たされた二人部屋は、一人で過ごすには広すぎる。数日前までメイリンがいたのに。
「シン・・・」
ルナマリアは自分の唇を指でなぞった。
あのベルリンの廃墟で抱きしめあい、唇を貪りあった記憶が胸を締め付ける。
あのときの激しい感情が何だったのか、彼女はまだ自分でも理解できないでいる。
「シン・・・助けてよ・・・」
ルナマリアは涙声で呟いたが、答えるものはいない。ただ冷たい闇が彼女を包んでいた。
最終章!?
しかも、きゅきゅきゅきゅ、急展開――――!!!
なんだよ。結局シンに縋るのかw
その雨の晩。
意外な来客はあまりにも唐突に現れた。窓を叩く音とともにどこかで聞いたことのある声が聞こえる。
「ルナマリアさん」
最初、夢かと思った。窓を叩く音も、きっと雨音だろうと最初は思った。
たしかにうつらうつらしていたのだけれど、それは現のようだった。
「ルナマリアさん、ルナマリア=ホークさん・・・」
夢じゃない?
ルナマリアははっとして立ち上がり窓のカーテンを開けると、そこにはあの歌姫が立っていた。
一度だけ会ったことのある歌姫が雨に濡れながらガラスの向こうにたたずんでいる。
ルナマリアは驚いて窓を開けた。
「ラクスさん!?」
「こんばんは。お部屋が一階で良かったですわ」
ラクスは髪から雫を滴らせてにっこりと笑い、優雅に会釈してみせた。その頬もまた雨に濡れている。
薄い簡素なドレスはびしょぬれになり、スカートは足にからみついていた。その華奢な肩のラインもあらわになっている。
しかしそんなになってもなお、彼女の気品まで流されることはないようだった。
「どうして・・・」
驚きを隠せないルナマリアにラクスはにわかに真剣な顔で告げた。
「タリア艦長に謁見願いたいのです」
「艦長?」
いぶかしむルナマリア。しかしすぐに状況を思い起こし、ラクスを部屋の中に招き入れる。
ラクスはルナマリアの手に取りすがって窓から滑り込んだ。
ルナマリアはカーテンを閉めるとすぐにバスタオルと着替えを渡す。そしてラクスが着替えている間にも質問を投げかけた。
「いったいどうして・・・」
ラクスは髪を拭く手を止め、答える。
「お力をかしていただきたいのです」
そしてラクスは、フェイスとして強力な指揮権限を持つタリア艦長の力をかりてこれから宇宙で起こるであろう惨劇を防ぎたいのだと訴えた。
現在、オーブの首脳はカガリも含めてザフトの監視下に置かれ、行動を起こすことができない。ゆえに監視がフリーだったラクスがシンパを頼ってここまで出向いてきたのだという。
しかしその唐突な頼みに当惑はしたものの、ルナマリアにとって良い知らせもあった。
「アスランも重傷で動けないのです」
ラクスは困り果てたようにそう言った。彼女の言によればアスランは一部のシンパによって密かに救助され、メイリンもまた彼のそばについているという。
しかしそれでもルナマリアは最初、ラクスにいったん帰るように勧めようと思った。タリア艦長に会わせれば、そのまま拘束される恐れもある。
だが、ラクスの一言がルナマリアの胸に刺さる。
「お願いです。キラを助けてください・・・」
そのあまりに素直な一言が、ルナマリアの心を動かさずにはおかなかった。
「私もギルに用があるの」
タリアは意外にもあっさりと首を縦に振った。そしてミネルバが単独で宇宙にあがることまでを約束したのだった。
「あなたたち、今晩はミネルバのルナの部屋で休みなさい」
そして今、二人は一つのベッドを分け合って横になっている。
ラクスは横になるとすぐに眠ってしまった。よほど疲れていたのだな、とルナマリアは思う。
ラクスの寝顔はあどけなく、柔和である。そんな彼女のどこに、あんな「力」が眠っていたのかとさえ思わせるほどだ。
そしてその力の源が「愛」だとルナマリアは知っている。
そんなことを感じるにつけ、いとおしさを感じる。ルナマリアは眠っているラクスをそっと抱きしめた。
死なせたくない。あの好きだった人たちを。
壊したくない。この愛していた世界を。
そのとき彼女の中で何かが芽生えた。今まで自覚されていなかった想いが強靭な意志となって実を結び、そして何かがはじける音を聞いた気がしていた。
「セイバーを私にかしてください」
翌日の昼、出発前のミネルバのブリッジでラクスはそう告げた。
確かにルナマリアのインパルス一機では戦力として心もとない。しかし、この申し出にはタリアもかなり考え込む。
しかしそのとき「解決策」が向こうからやってきた。
「ラクス! また無茶な真似を!」
アスランがメイリンに肩をかりて現れたのである。アスランはそう怒鳴りつつも傷の痛みに顔を歪めたわけだが。
彼はラクスの行動を知り、ベッドから這い出して後を追ってきたのだった。
「大丈夫なの?」
率直に尋ねるタリア艦長にアスランはやや噛み付くように答えた。
「モビルアーマー形態なら、やれます!」
タリアは少し思案して決済する。
「まあ、具合を見て決めましょ。・・・心もとないけどね」
「心配なさんな」
そのとき突然の新しい声がした。皆が振り返ると、そこにはハイネが立っている。
「俺のモビルスーツも積ませてもらったぜ」
ルナマリアは少し笑う。
「オレンジ、ですか?」
「いや、今度は山吹色だ」
肩をすくめて答えるハイネ。
そしてミネルバもまた宇宙へと上がる。
「この! ちょこまかと!」
ハイネは怒鳴りながらトリガーを引いていた。
当たらない。
サイ=アーガイルのイージスは専らにモビルアーマー形態で飛び回り、ヒットアンドアウェイを狙っている。かする程度だったが。
彼方ではキラのアカツキとレイのレジェンドがドラグーンを介して熾烈な戦闘を繰り広げている。レジェンドのドラグーンはアカツキのバリアに妨げられ、その意義は相殺される。
両者はビームサーベルを抜き、幾たびも切り結んでいる。
ミネルバは議長派プラント軍とブルーコスモス残党軍の交戦する領域へと侵入していた。
「シン! 話を聞いて!」
ルナマリアはインパルスのコックピットから何度もデスティニーに呼びかけた。
しかしシンは答えない。
「シン! もう、馬鹿な真似はよせ!」
飛行形態のセイバーから呼びかけるアスラン。その言い方が気に障ったらしく、シンはようやく答えた。
「馬鹿な真似? 馬鹿な真似ですか!」
シンの声は怒号に近い。
「戦争を永久に終わらせることが!」
モビルスーツ形態になって向き合うセイバー。しかしそれは無意味だった。即座にデスティニーの刃が一閃し、セイバーの左腕と左足を叩き斬る。
「ダメ!!」
ルナマリアがそう叫んだときにはもう遅かった。セイバーは手足をもがれ、胴体を蹴り飛ばされて吹き飛んでゆく。
デスティニーのカメラアイがインパルスを見据える。
もしとっさにビームサーベルで受けなければ、インパルスもまたセイバーと同じ運命をたどっていたに違いなかった。シンはヘルメットの奥でやや意外な表情を浮かべた。
コックピットのモニターには眼前で火花を散らして交わる刃が映っている。
「シン、お願い、聞いて・・・」
ルナマリアはシンに、必死に訴え続ける。
「ボートを用意して」
タリアはブリッジでクルーにそう命じた。
「ぼ、ボートですか」
驚いたように答えるアーサー。
「そうよ。ギルに会いに行くの」
「ここの指揮はどうするんですか?!」
タリアはうろたえるアーサーを指差して言った。
「あなたに任せるわ。・・・ちょうど監督もいるし」
その視線の先にはラクスが確固たる決意の表情でたたずんでいる。
「キラ=ヤマト。何を血迷っている? 人の欲望を滅ぼすことに反対か?」
レイは冷静に問いかける。どこか詰問するような口調でさえあったが。
「闘争も。迷いも。全ての運命が定められれば、人の業は消える」
断言するレイ。
「人が想いをなくしたらそれは人じゃない!」
キラは叫び、レジェンドのサーベルを持っていた腕を叩き斬る。
すでに互いにドラクーンは全て消滅している。ビームサーベルを失ったレジェンドに勝ち目はなかった。
「そんな妄執がラウ=ル=クルーゼを生んだのだ。これからも生まれる、私のようなラウ=ル=クルーゼが次々に! キラ=ヤマトになれるのはほんの一握りなのだよ」
レイは自爆装置を作動させる。
「私が死んでも、君は永久に新たなクルーゼと戦い続けるがいい!!」
レイはそれだけ言うと回線を切り、自爆前のコックピットで目を閉じた。
しかし彼の意図は素直には達せられなかった。
ハッチが開く。
「!! 何をしている! 死ぬ気か!」
そこにはキラの姿があった。その表情には必死さがにじみ出ている。自爆まであと数十秒しかないというのに。
「君はクルーゼじゃない! その命は君のだ!」
ヘルメットの無線越しに聞こえる、ノイズ交じりの叫びは感情に満ちていた。
「なぜ・・・」
レイはそこで言葉に詰まる。
「来たかね」
「ええ」
タリアに銃を突きつけられてもギルバート=デュランダルに何らうろたえた様子はなかった。
「私を殺しても意味はないよ。鍵を握っているのは私ではない」
微笑むデュランダル。
「どういうこと?」
剣幕を押し殺して問いかけるタリア。デュランダルは立ち上がると、書架の「宇宙鯨」の化石のレプリカを示した。
「君は、あれが何だかわかるかね?」
言葉の意味が理解できず、眉間にしわを寄せるタリア。
「あれは"最初の人間"だよ」
「最初の、人間?」
タリアは意外な言葉に思わず鸚鵡返しした。
「正確に言えば、人間のルーツ、とでもいったところかな。Seedのことは君も知っているね?」
「一応はね」
そっけなく答えた銃口は相も変わらずデュランダルを狙っている。もっとも彼は顔色一つ変えはしなかったが。
「人には自ら進化する力が備わっている。その力によって・・・計り知れない時間をかけてヒトはヒトになった、おそらくはあの化石の姿から。
そのルーツがあれだよ。その翼には覚醒を促す光が宿っていた・・・今は残骸だがね」
「それが何だというの?」
そう言い放ち、柳眉を逆立てるタリアにデュランダルは満面の笑みを浮かべて告げた。
「デスティニーガンダムの翼は宇宙鯨の翼のレプリカだ。シン=アスカは人の手によらない天然のコーディネーター、言うなればニュータイプ、進化の先触れだよ。
本人は自分をただの一世代目と思っていたようだが。彼の感情の爆発に応じて全人類を導く光を放つことだろう。それが本来の自ら進化する力を目覚めさせる。
死ぬべきは死に、生きるべき者は・・・」
「あなたという人は!」
タリアはその叫びとともに引き金を引いていた。
「邪魔するな! ルナ!」
シンは血の叫びをあげる。デスティニーの翼は虹色の光を放って広がっていた。
「シン、もう止めて!」
インパルスはもうガタがきている。一合ごとに機体が軋む。しかしルナマリアは下がろうとはしなかった。
「お前に何が分かる! 目の前で家族を皆殺しにされた気持ちが!」
そのときシンの目に映ったのは向かってくるアカツキだった。
「もうよせ・・・」
キラはレイをザフト艦にゆだね、シンを止めに引き返してきたのだった。
(キラ=ヤマト、お前が・・・)
「マユを殺したんだー!」
シンはインパルスをはね除け、怒りに任せて突っ込んでいく。
刃もろとも体当たりし、串刺しになったアカツキは大破した。
「アハハ! マユ! やったよ! ステラ! 敵はとってやったぞ!」
シンの笑い声はどこか虚しかった。あるいは泣いているのかもしれなかった。いずれにせよ、彼が精神に異常をきたしはじめていることは明らかだった。
そしてデスティニーの背中で翼が広がっていく。
「シン!」
ルナマリアはインパルスでデスティニーに取りすがった。
「こんなことしたって、マユさんもステラも喜ばないよ! シンがこんなになって、嬉しいはずない!」
インパルスの装甲が徐々に侵され、少しずつ溶け出してもルナマリアは離れようとはしなかった。
やがてインパルスの腕が焼けちぎれ、半ば融けかかったインパルスはデスティニーから引き離される。
ルナマリアはすでに50℃を超えたコックピットの中から呟くように呼びかける。
「分かるよ、大事な人がいなくなってどんなに辛いかって! シンがいなくなって辛かったから!」
そして彼女は気を失ってしまう。
シンはすでにデスティニーに心を支配されかかっていた。しかしルナマリアの最後の言葉に我にかえり、状況を理解する。
半ば溶解したインパルス。周囲にいたモビルスーツにはすでに原形をとどめていないものもある。
そのとき頭の中で声が響いた。
『そう、君が運命なのだよ。分岐点の選択肢は君の手の中だ。滅びるならばそれが定めさ』
それは知らない声。かつて世界の分岐点を作り、運命を賭けにかけたラウ=ル=クルーゼの声だった。
その言葉がシンの怒りを呼び覚ます。運命に対する怒りを。
「俺は・・・負けない・・・・・・!」
その翼が千切れ砕けた。
手足にも、胴体にもひびが入る。
そしてデスティニーは瓦解した。
シンはコアスプランダーのコックピットからルナマリアを抱き上げた。
周囲にはデスティニーの残骸が散らばっている。
「俺はまた大事なものを・・・今度は自分の手で・・・ところだった・・・」
ルナマリアは意識を失い、眠っていた。それは多分、安らかな眠りだったのだろう。
彼女の寝顔はとても安らかだった。
<種死異聞・完>
乙〜
楽しめましたよ。
な、なんかシンがどっかのアニメ版より主役っぽいかもしれんw
おもしろかった、乙ですた
少しでも楽しんでいただけたなら何よりです
発作的な即興で、読み返すと雑さや言葉足らずさが目立ちますが
ちなみに729さん=722さん?
ではではノシ
保守
また新しく始めるの?
ガノタなルナたんの話の続きが読みたいなあw
保守
ルナ主役ってムズイんかなぁ?
難しいっつーか、どう広げるかとっかかりがない感じ。
その分自由度は高いんだけど、別にルナじゃなくてもいいか、別にオリキャラでも一緒か、ということに
せめてもっと「ルナならでは」の要素があれば良かったんだが
ホーク隊結成だなw
初戦で退場した奴ら生存させよう。
>735
外出ネタかも知れんが、
『ラクス皇国の中を独り、地べたを這い蹲る庶民な主人公』
ラクス「庶民は、月(Luna)に居れば良いのだ!」
ルナマリア「人が、安心して歌う為には!!」
尚、細かい突っ込みは、受け付ける積りがない。
保守
私も保守
保守
私たち善良小市民なホークhosyuシスターズ!
ネタの乏しいこのスレをhosyuしてあげるわ!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__ hosyu
〃Y "⌒`Y"ヽ ,r´ `ヽ hosyu
( (( (`´))) ) (,,人ヽヽ!リ hosyu
)从゚ ヮ゚∩(( ∩リ ゚ ヮ゚ノ从 hosyu
(つ_^=) 丿 ヽ( (!^=⊂)
く/L_ゝ く/L_ゝ
し(_) (_)J
やらせはせんよ
保守
保守
コアとチェスト、レッグがそれぞれ戦闘機としても運用可能で、順にルナ、シン、レイが乗る。
で、ピンチになったら合体してインパルスになる。メインパイロットがルナ。
必殺技はインパルスビームとインパルス斬
それなんてEX−s?
けっこうノリノリで叫んだりするかも
ルナ「レイ今よ!インパルスビーム砲!」
レイ「スタンバイ完了」
その戦闘機がお互いにコアとチェスト、レッグになることができ状況により合体の組み合わせが変わるとか
チェェェェェェェェンジ!!インパルス1!!
ppp
ルナ「これで終わりよ、インパルスビーム!!」(ケルベロスを撃つとき)
保守
保守
二話冒頭で死亡
hosyu
保守
保守
保守
保守
保守
どうでもいいんだが、甥っ子がどうしても「ルマナリア」と言うんだ。
ル
マ
ウヒョー
保守
769 :
ルナマリア:2006/03/04(土) 20:37:19 ID:???
射撃は苦手なんだけど・・・四の五の言ってらんないか!
1ヶ月保守し続けるって凄いよな、ここのROM
保守
やはりルナが主役だとネタが少ないんだろうか?
>>3 ここが「まれない先生」のスレだと聞いて飛んできました。
保守だ!!
保守
保守
腕は悪くないけど別に強くも無くて、毎回ケガして苦労して、
戦いが嫌になってきたところでメイリンが死んで、しばらくふさぎこむけどメイリンの敵をとるため立ち上がって
悪鬼羅刹のように戦いに狂ってデスティニーを駆り、メイリンが実は生きていたことを知り喜ぶが
メイリンはザフトを散々邪魔してきたアークエンジェルに乗っていて、説得するも受け入れられず、
紆余曲折を経てブチ切れてアークエンジェルを沈めて、その後ストフリと相打ちになって行方不明
という展開が見たい
保守
保守
ガノタルナをひっそりと待ちつつ保守
>>777 そしたら 墓前に何とか勲章を貰って 二階級特進で アカデミーで永遠に語られる伝説になるな
誰もいない…
こっそり新作投下するなら今のうち…
というわけで、駄目な赤服パイロット・ルナマリアが何の因果かインパルスに乗ってしまい、悪戦苦闘するお話です。
コズミック・イラ73年。
プラントの軍用コロニー・アーモリーワンはセレモニーの準備でにぎわっていた。
今日は新型モビルスーツや新型艦のお披露目である。いくら平和になったとは言え、テロなどが起こらなくなった訳ではない。
万全の態勢で式を行うために、軍人は例外なく忙しく働いている。
……いや、ここに数少ない例外がいた。
「あーやだやだ…なんで赤服の私がこんなパシリみたいなことしなくちゃいけないのかしら…」
赤毛の美少女が左腕に荷物を抱えながら愚痴を言った。
彼女の名前はルナマリア・ホーク。ザフトの中でも優秀な軍人の証である「赤」を着る、数少ない女性パイロットである。
ただし、彼女は「赤」を着る者の中で歴代最下位という成績でアカデミーを卒業しているのだが。
したがって彼女に対する周りの評価は相当低い。買い出しという、重要とはとても思えない事をさせられていることからもわかるというものだ。
周囲のそんな態度を知っているため、彼女の日課は今のところ愚痴や鬱憤晴らしが主となっている。
「シンは新型のパイロットになって、セレモニーの主役になったのに、私はこんな所で…もうっ!」
不機嫌かつ苛ついた表情でぶつぶつ言いながら歩くルナマリア。もっとも不機嫌かつ苛ついているのは事実である。
したがって、たまたまぶつかった不運な少女が彼女の八つ当たりの犠牲者となるのも当然の結果だった。
「ちょっと!?どこ見てるのよあなた!気を付けなさいっ!」
「……?」
怒鳴られた金髪の少女というと、状況が分かっていないような呆けた感じの表情を見せた。
更になんで私は怒鳴られているのと言わんばかりに、首を傾けてみせる。そこに嫌味などは一切無い。
体つきは私と同じくらいだけど、実は私よりずっと幼いのかしら?
そんな疑問を持ったルナマリアは、同時に自分がそんな相手に怒鳴った事に対して自己嫌悪を感じた。
「……ごめんね。言い過ぎちゃった?」
「別にいい…気にしてない」
「そ、そう?」
「………」
こくん、とうなずいてみせる金髪の少女。とりあえず安堵したルナマリアは、ふと腕時計を見て目を疑った。
もう集合予定時刻まであまり時間がない。
「やば……基地に帰らないと!」
「……きち?」
「うん、私、これでもザフトレッドなのよ?」
凄いでしょ、と胸を張るルナマリア。そんな彼女に対し、金髪の少女は表情を変えた。
「……何かに乗るの?」
「え、えっとね〜」
さっきと表情が違うのは興味があるからかな、とルナマリアは受け取った。
実際に彼女が乗るのは式典用ジン、おまけにただ立っているだけ、という馬鹿みたいな役割なのだが…
「ガイアよ、ガイア!四つ足形態に変型するすっごいモビルスーツ!」
どうせばれないわよ、と考えたルナマリアは見栄を張った。
ガイアはセレモニーの主役となる、ザフトの新型機の一つである。もちろん、彼女は乗ったことは一度もない。
実際に乗って華麗に駆けていたら、と空想に浸っていたルナマリアは、袖を引っ張られて我に帰った。
「ガイアって…格好いいの?」
「え?うん、まあね」
「見たい。連れてって」
「今までどこ行ってたんだ、ルナ?買い出しにしては長すぎるだろ」
ミネルバの整備主任であるマッド=エイブスの質問はルナマリアが予想した通りの物だった。
結局ルナマリアはあの金髪の少女を基地まで連れてきて、それで余計時間がかかったのである。
まだセレモニーの開始前でガイアは公開していないため、一般人に公開しているロビーで待ってもらうことになったのだが。
「少し。それより、私のジンはきっちり飾り付けしてくれました?」
「ああ。少なくとも、こけたりしない限りはみっともない姿を晒すことはないぞ」
「……馬鹿にしないで下さい。立ってるだけなのに失敗したりしません!」
「だといいがな?」
そう言って意地悪な笑みを浮かべるエイブス。彼女は赤服でもその実力は緑服と大差ない、下手をすればそれ以下というのは有名な話である。
ルナマリア自身もそれを知っているので、反論しようが無い。腹を立てながら彼に背を向けた。
一方、同じ基地内の新型モビルスーツ格納庫では異変が起きていた。
血の匂いと、硝煙の匂い。一般人がいれば卒倒しかねない、凄惨な光景。
その中で立っているのは、たった四人。他は全て、死体である。
「……終わり」
ルナマリアに連れられて来た金髪の少女―――ステラは、手慣れた様子で目の前にいる兵士に向かってナイフを振るう。
無駄なく頸動脈を一瞬で断ち切ったその軌跡は、芸術的とさえ言えた。
喉を絶たれた兵士は、声も出せずに血を噴き出しながら崩れ落ちる。
返り血がかかったにもかかわらず、ステラが気にする様子は全くない。
「こいつで全部だな。ったく、しぶとかったなホント」
「ステラ抜きでもじゅうぶんやれるって言って、ステラの見張りを途中で勝手にやめた奴のセリフとは思えないぜ、アウル」
「うっせえな、本当にこいつが迷子になるとは思えなかったんだよ」
「だったら目を離さないでちゃんと見張っとけ。もしあの時基地で合流できなかったら本当に二人でやる羽目になったんだ」
彼女の仲間らしい二人が、兵士の死体の山を前に軽口を叩いている。
ステラはそんな二人にも興味なく、三機の新型モビルスーツを眺めていた。
「……スティング」
「ああ?」
ステラは仲間の一人、緑髪長身の青年に問いかけた。
「ガイアって、どれ?」
「……どこだっけ、ここ」
怒りのままに歩を進めていたルナマリアだったが、結果として今自分がどこにいるか全く分からないことに気付いた。
どうやら周りを見る限り、モビルスーツ格納庫がある区画のようだが…
「おい、ルナ。何やってるんだこんなとこで?」
「あ、シン?そっちこそなんでここに?インパルスはミネルバにあるんじゃないの?」
彼女に呼びかけたのはシン・アスカ。アカデミーをトップの成績で卒業した黒髪赤目のザフトレッドである。
もっとも、成績はともかく素行、特に上官への態度は恐ろしく悪いことでも有名だ。よくルナマリアと共に「最近のザフトの質の低下」の代表として挙げられている。
そのためか、ルナマリアに普通に接する数少ない人物の一人となっている。
「いや、コアスプレンダーだけはこっちにあるんだ。
なんでも上層部は十二時方向からカオスとかを発進させて、九時方向からコアスプレンダー、三時方向からチェストやレッグを飛ばして
交差する形で登場させる、っていう演出をしたいってさ」
「大変ねー、無駄な手間かかるでしょ。それ」
「ああ。見栄えはするっていう話だけどそれもどうだか…」
シンとルナマリアの会話はそこで途切れた。突然警報が鳴り響くと共に、ガイアなどを収納していた格納庫の扉が爆発、そして中から現れたのは…
「嘘!?」
「何でもうあれが出てきてるんだよ!」
二人の驚きを無視するかのように、出てきた三機の新型モビルスーツは周りの施設を破壊しだした。
素早く立ち直ったのはシンのほうだ。彼はすぐに三機が真っ先に破壊しているのは格納庫だと気づき、
奴らは迎撃に出られるモビルスーツを減らそうとしていると判断した。
このままではコアスプレンダーの格納庫も潰される。
「ルナ!こっちだ!」
「ちょ、ちょっと、引っ張らないでよ!」
シンはルナマリアを急かしながら、格納庫へ走った。ここに立ったままでは、確実に流れ弾や破片で怪我をする。
転びそうになりつつ、何とか二人が格納庫の入り口までたどり着いた瞬間、上で強烈な爆発音がした。カオスのビームライフルが屋根に当たったのだ。
「しまっ…!?」
「きゃあ!?」
ルナマリアはシンの後ろを走っていたため、とっさに飛び退いて破片を避けることに成功した。
しかし、シンは間に合わず、無数の破片を浴びる。
「シン!大丈…えほっ、ごほっ!」
土煙にせき込みながらもシンに呼びかける。土煙が晴れると、地面に伏せているシンの姿が現れた。
「シン、生きてる!?」
「なんとか…っつう!」
起きあがりながら、シンは苦痛に顔を歪めた。
右腕からひどく出血していて、怪我をしたのが見て取れる。幸い、頭などは無事なようだが……
「ちょっと服、借りるわよ」
そう言ってルナマリアはシンの制服を破き、きつく腕に巻き付ける。
「立てる?」
「なんとかな…」
今度はルナマリアがシンを先導する形で入り口を開け、格納庫へ入った。
しかし中もひどい有様であり、たくさんの兵士が屋根の破片で重傷を負っていたり、大きな破片の下敷きとなっていた。
「あいつら…」
シンは怒りに体を振るわせながら、コアスプレンダーを見やる。
ビームライフルが当たったのは屋根の前部分だ。
そのため異常を確認するため入り口付近に集まっていた兵士は全員被害にあってしまったが、奥に収納されていたコアスプレンダーは無事である。
シンの考えを理解したルナマリアは慌てて彼を止めた。
「ちょっとシン、やめなさいよ!」
「うるさい!あいつらを暴れさせておけってのか!」
「そんな怪我した腕で勝てるわけないでしょ!」
ルナマリアの正論にシンは顔をうつむかせた。利き腕を使わずに操縦なんてできるはずがない。
何か言い返そうと顔を上げたシンは、ルナマリアがコアスプレンダーに乗ろうとしているのに気付いた。
「ちょっと待てルナ!お前じゃそれに乗るのは無理だ!」
先ほどとは見事なまでに立場が逆転した。
「あいつらをこのままにしておけないって言ったのはあんたじゃない!」
「そういう問題じゃ…ぐっ!」
言い返そうとしたシンはまた右腕の痛みに唸った。その間にもルナマリアはコアスプレンダーに乗っている。
「……しょうがないな」
シンは諦めることにした。ただし自分の機体を勝手に破壊されるのも御免である。しかも合体失敗などというとんでもない理由で。
「いいか、よく聞けよルナ。まずな…」
「……いい。ルナの言ってたとおり、速い」
ステラのガイアに対する評価はそれだった。
彼女は今までストライクダガー・ロングダガー・ダガーLといった機体に乗ってきたが、その全てを上回る性能をガイアは持っている。
肩のビーム突撃砲でディンを撃ち抜くと同時に、変形。
四つ足形態の素早い動きでジグザクな高速移動を見せて相手の照準を外しつつ、すれ違った不幸な式典用ジンを背中から翼のように両脇に広がっているビームブレイドで両断する。
「へっ、コーディネイターも大したことねえな!こんまま壊滅させちゃう?」
アビスを奪った青髪の少年、アウルが仲間に呼びかける。
「調子乗るな。今動ける奴を潰してさっさと退くぞ!」
そう言ったのはカオスを奪った緑髪の青年、スティングである。
どうやらアウルは納得がいかないらしく、スティングと口論するのがステラにも聞こえた。
しかし、ステラはその二人の会話の他に気を取られる物があった。
「何か…飛んでる」
セレモニーの主役の一つ、インパルスに乗るのはルナマリアの夢だった。
現在ルナマリアは夢が叶ったわけだが、ちっとも嬉しくは無かった。というのも。
『ルナ!今の数値は!?』
「312」
『もう少し減速しろ、馬鹿!』
シンが格納庫から、通信機ごしに鬼教官っぷりを発揮しているからだった。
「……お姉ちゃん、レッグフライヤー射出していい?」
いかにも不安げな様子で話すのはミネルバの通信士でルナマリアの妹、メイリン・ホークである。
へたり込みたい衝動を抑えながらルナマリアは返事の内容をどうすべきかシンに聞いた。
「えっとね…シン?」
『射出させろ!』
「だそうよ」
「レッグフライヤー射出、どうぞ!」
まだ戦闘すら始まっていないのに、ルナマリアの神経は既にかなりすり減っている。
シンはルナマリアでも合体できるよう、ある程度までミネルバの方向に飛んだ後Uターンすることで
後ろからフライヤーに追われる形で合体できるようにしろ、とルナマリアに言った。
しかしインパルスに乗ったことのないルナマリアにはこの合体方法でもじゅうぶん難しく、
通信ごしにいちいちシンがチェックすることになったのである。
その様子を見て、ミネルバの艦長である独特な髪型の女性、タリア・グラディスは気が気でない。
「寿命がいい感じに縮むわね……ジェットコースターより効果抜群だわ」
この呟きは決して誰にも聞こえないように言う辺りが、艦長として大切なことである。
不安を伝染させるわけにはいかないのだ。もっとも、ブリッジ要員は既に全員不安げな様子だが。
それでもなんとかコアスプレンダーはミサイルを廃棄し、チェスト・レッグの二つのフライヤーと軸を合わせ、合体する。
「ふぅ、なんとかなるもんね…」
『馬鹿!急いでバランスを保て!シルエットが来るぞ!』
「え?別にバランスなんかくずし」
言うと同時にインパルスはバランスを崩した。
当たり前だが戦闘機であるコアスプレンダーとモビルスーツであるインパルスでは操作感覚が違うため、ルナマリアのように同じ感覚で操作しているとバランスを崩す羽目になる。
結果、インパルスはソードシルエットとの合体に失敗し、地面に落下することとなった。
「い、いったぁ…格好悪ぅ…」
インパルスを起きあがらせつつルナマリアが呻いていると、突然アラームが鳴る。
「もう、いきなりなに……!」
目の前に写る物を見て、ルナマリアは慌ててインパルスを飛び退かせた。
先ほどまでインパルスがいた場所にビームが着弾し、爆発する。
目の前に立ちふさがるのは、モビルスーツ形態になったガイア。
「………っ!」
ごくり、と唾を飲み込む。
言うまでもなく、彼女は実戦は始めてである。
緊張の頂点にある彼女に、そのガイアに乗っているのは誰なのか、という事は考えもつかない。
―――もっとも、それは既に戦い慣れているステラにとっても同じ事だったが。
こんな感じ。
基本的には本編準拠で行くつもりですが、一部キャラは省略・変更するかもしれません。
>>788 イイヨイイヨー
「他の人間の赤服はトップエリートの証だが、ルナマリアのそれは『赤点』の赤である」って自作フレーズ思い出したよw
投下乙です!
どきどきしますわー
ガイアがとてもカッコよく感じる……目の錯覚かな?
792 :
782:2006/03/14(火) 16:00:23 ID:???
本編準拠のはずが一部キャラの出番が消されたりエクザス戦(本編二話)とデブリ戦(本編四話)が一つになったりとどうみてもオリジナルです、本当に(ry
ともかく投下。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
下手に動けば、その瞬間すぐに殺されるという緊張感。
それに支配されながら、ルナマリアはガイアと向き合っていた。
「………」
一方のステラは、冷静に相手の動きを見つめていた。
目前の青い機体はデータにない。落ちてきたところを見るとまだ未完成なのか、パイロットの腕が悪いのか。
「……やればわかる」
ステラが言うと同時にガイアはライフルをサーベルに持ち替え、肩のビーム突撃砲を乱射しながらインパルスに接近する!
インパルスはとっさに左腕の機動防盾をかざし、ビームを防ぐ。
しかし盾に当たったビームはたった一つのみ、他のビームは全て外れ、周りに着弾した。
「え……!?」
どういうつもりなのか確認するためにモニターを見渡すと……先ほどのビームで崩壊した格納庫の破片によって、ガイアの姿が見えなくなっていた。
逃げたのかしら、とルナマリアが希望的観測を予測と取り違えていると。
「お姉ちゃん!後ろっ!」
「っ!?」
メイリンからの悲鳴のような通信。思わずブースターを吹かし、前に倒れ込む。
ギリギリでインパルスはガイアのビームサーベルを回避していた。
「あんな一瞬で……!?」
相手の技量に驚いたものの、それでも戦闘中に呆然とするほどルナマリアは素人ではない。
飛び退きながら胸部のCIWSを乱射。ビームライフルの破壊を狙った攻撃だが、あっさりと盾で防がれる。
ならばとビームライフルを連射したが、ガイアは変形して地面に密着することで簡単に避けてみせた。
「こ、こんのぉ!」
もう一度ロックオンし直そうとしたルナマリアだったが、その時には既にガイアが目の前に迫っていた。
ビームブレイドを防ぐためにインパルスは盾をかざしたものの、その動きを読んでいたステラはあえてビームブレイドを使わず、盾に向かって体当たりをする。
かなりのスピードでの体当たりに耐えきれずインパルスは転倒、激しい衝撃がコックピットを襲い、ヘルメットも着用していなかったルナマリアは一瞬意識が飛びかけた。
その隙にガイアは素早くモビルスーツ形態に変型し、インパルスの頭を踏みつける。
「これで終わりね、青いの」
そうステラが冷たく言い放ち、ビームサーベルをコックピットへ向けてかざした瞬間。
「ステラ!撤退だ!」
「……っ!?」
スティングからの通信と同時にガイアの脇をビームが掠め、ビームサーベルが弾き飛ばされた。
ステラが確認すると、モニターには数機のザクが写っている。
「どうやら増援きちまったみてーだぜ。俺が穴開けてやったから、さっさと逃げろよ」
不満げにアウルが言う。彼はスティングに言われて戦闘を途中で離脱、コロニーに穴を開ける作業をしていたため、戦闘にはあまり参加していない。
穴の位置を確認した後、ステラは先ほどまで踏みつけていたインパルスを見やった。
「……運、良かったね」
そう呟いて、ステラはガイアを離脱させた。
ミネルバの格納庫は慌ただしいことになっていた。
奪われた三機のモビルスーツを追撃するため、ミネルバは追撃に出ることになったのである。
そのために二機のゲイツR、二機のザクが急遽運び込まれ、調整を行っていた。
そんな中にルナマリアのインパルスは降り立った。
「………」
先ほどの戦いを思い出して、ルナマリアはまた自己嫌悪に襲われた。
自分の下手っぷりを再確認することとなったためだ。
整備士連中からも確実に嫌味を言われるだろうな、と考えながらコックピットを開放し、床に降りる。
「あ、ルナ!無事だったんだな!」
そう彼女に呼びかけたのはシンである。そんな彼にルナマリアは相当暗い声で返事をした。
「あ……シン……」
見るとシンは右腕を固定していた。どうやら骨も折れていたらしい。
もっとも、端から見る限りではシンの方がルナマリアより元気そうである。
「そんなに落ち込むなよ。俺だって始めてインパルスに乗った時はしくじったさ」
「でも……あそこまで歯が立たないなんて……」
そう言ってうなだれるルナマリア。
シンとしては彼女を慰めたいところだったが、あいにく彼はガイアとの戦いを見れなかったので慰めようもない。
仕方ないので、話題を変える事にした。
「それよりさ!今この艦にアスランがいるって噂だぜ?……あとアスハ」
「アスランって……あのアスラン?」
「そうそう」
明らかに「アスハ」の名を呼ぶ時のシンは嫌そうな表情だったが、泣きたい心境にあるルナマリアはそれに気付かなかった。
「ミネルバにいる奴の話はみんなそれで持ちきりだぞ」
「ああ……だから私がインパルスで完敗したのは話題になってないのね」
「………」
こりゃだめだ、とシンは白旗を揚げた。
一方、艦長室では三人の人物が話し込んでいた。
「なるほど…だから彼女がインパルスに乗っていたのか」
顎に手をあてながら納得した表情を見せたのはプラント評議会議長、ギルバート・デュランダルである。
長い黒髪を持つ理知的な男で、「インパルス計画」の発案者、そしてインパルスの製作に関する責任者も兼ねている。
「しかし艦長…本当に『あの』ルナマリアをインパルスに乗せ続けるのですか?」
「アーサー!そういう言い方はやめなさい。あなたの性格だとうっかり本人の前でもそう言いかねないわ」
「す、すみません艦長。しかし彼女の成績はあまりに有名というか……その……」
そう不安げに言ったのはミネルバの副艦長アーサー・トライン。
管理職に付き物である書類の処理などの雑務には見事な能力を発揮するものの、不測の事態には弱い一面がありタリアはそこが不安である。
「しょうがないわ。とっさに基地から集めた兵士にはあまりいいパイロットはいなかったし、一回でも乗ったルナマリアの方がまだ上手く使えるはずよ」
「私も同感だな。少なくともインパルス自体の合体は一回で成功させたのだろう?」
タリアの発言に対し、デュランダル議長はうなずいて見せた。だがアーサーはそれでも不安げらしい。
「ですが、シンとルナマリアでは実力にかなり差があるのは確かです。ルナマリアがインパルスの実力を出し切れるとは…」
「……まあね」
確かにタリアもそれには同意だった。ルナマリアの実力を考えれば、まだザクに乗せた方がいい戦いをできるかもしれない。インパルスの操縦はかなり複雑なのだ。
だが、かといってせっかくの新型を格納庫で眠らせておくわけにはいかない。
考え込むタリアを見たデュランダルは、突然話題を変えた。
「ところでタリア。今シンはどうしている?落ち込んでいる様子は無かったか?」
「シン…ですか?ルナマリアを迎えにいったはずです。別に落ち込んではいなかったようですが……」
いったいなぜこんなことを聞くのか図りかねる表情をタリアとアーサーはしたが、途中でタリアはその言外の意味に気付き、はっとなる。
それに応じて、デュランダルはゆっくりと語った。
「軍医の話によると、シンはもうモビルスーツパイロットとして働くのは不可能だそうだ。
日常生活の動きならゆっくりリハビリすれば大丈夫だそうだが、以前のように素早く動かすのは無理らしい」
「え、えええええええ!?」
「アーサー!静かに!この話がシンに聞かれたらどうするの!」
素っ頓狂な声を上げたアーサーを叱りつけるタリア。
そんな二人をたしなめることもせず、デュランダルは話し続ける。
「この事がシンに知れれば、恐らく彼は相当傷つくだろうな。彼は熱心に訓練していたからね。
しかし自分の事だ、私達が秘密にしてもじきに気付くだろう。彼に新しい役割を与え、自分は無駄な存在で無いと思わせる必要がある。
そこでだ、妙案があるんだがね。おそらく、大した手間はかからないはずだが…」
「お姉ちゃん、いつまで引きこもってるのよ。らしくないよ〜」
そういってベッドに寝転がるルナマリアを揺さぶるのはメイリンである。
ステラのガイアによって完膚無きまでなけなしの自信をうち砕かれたルナマリアは、今度は突発性引きこもり症候群を発症した。
「ね〜、お姉ちゃんったら〜」
「優秀なあんたには私の気持ちは分からないわよ…」
ふてくされながらうつぶせになるルナマリア。
アカデミーの成績は合計すればルナマリアの方が上なのだが、ルナマリアの成績は器用貧乏すぎてどれも中途半端にしかこなせないのに対し、
メイリンは一部の科目だけなら赤服の兵士さえ遥かに上回る成績を打ち出しており、優秀な通信士として重宝されている。
「も〜、前々からインパルスとかに乗りたいって言ってたのはだれ〜?ほら起きろ〜!」
「馬鹿、やめ、私のトレードマークを引っ張るんじゃないわよ!」
「あ、やっと元気になってきた?」
「メイリン、あんたいい加減にしないとぶっ飛ばすわよ!?」
「……お前ら何やってんだ?」
ルナマリアの特徴である一本だけ逆立った髪の毛を引っ張っていたメイリンは、シンが部屋の入り口に立っている事に気付いてやっと髪の毛を離した。
「あ、シンどうしたの?腕大丈夫?」
「ああ、腕はそのうち治るってさ。それよりお前ら、俺と一緒にコアスプレンダーがある格納庫に来いって艦長が言ってたぜ」
「「?」」
いったい何の用だろう、と二人は姉妹揃って顔を見合わせた。
地球軍特殊部隊「ファントムペイン」が保有する艦の一つ、ガーティ・ルー。
カオス・ガイア・アビスの三機を収容したこの艦は、地球軍基地がある月へと急いでいた。
その艦内部にある特殊な一室で、士官らしき男と仮面の男が話し込んでいた。
「かなりの損害を被りましたな…」
そう言ったのはイアン・リー少佐。この艦の副艦長である。
ステラ達が脱出する際に追撃されないよう、ファントムペインはダークダガーやブリッツにより軍港を奇襲した。
しかしブリッツ隊は全滅、ダークダガーも生存機は一機だけと手痛い損害を負っている。
「なぁに、あれだけの損害を与えれば組織だった追撃など不可能なはずだ。
これだけやって見せればジブリール閣下も万々歳だろう」
そう答えたのは仮面の男、ネオ・ロアノーク大佐。
ファントムペインの総指揮を執る男であり、凄腕のパイロットであると共に優れた指揮官である。
特殊部隊員としての経験は長く、こと奇襲に関しては彼に勝る人材はいないとされる。
「それにイアン。特殊部隊ってのは結構死人が多いもんだ。大抵は難しい任務だからな。
長続きできるのは俺みたいな運のいい奴か、さもなくばあいつらみたいな規格外の人間だ」
そう言ってネオは室内を見やる。そこにはベッドともカプセルとも言い難い物が並んでいた。
あえて言うなら、丸いベッドに半分に割った球状のガラスをかぶせた物。それが三つある。
その中ではそれぞれ、ステラ、スティング、アウルが眠っていた。
彼ら三人は特殊な強化を受けており、圧倒的な戦闘力の代償としてこの特殊ベッドで最適化を受ける必要がある。
「何かある度に揺り籠に戻さねば使い物にならん兵器ですか……いくらなんでも信頼性が低すぎるのでは?」
不満げにイアンは言う。当然だろう。何が出るか分からない物に命を賭ける人間はめったにいない。
「まぁ、そう言うな。まだ実験段階だからな。何もかもが手探りだ。
そういった状況の突破を担当するのが特殊部隊ってもんさ」
ニヤリ、と笑みを浮かべてネオは言った。その瞬間、突如艦内電話が鳴った。
「俺だ!どうした?」
「大佐ですか?レーダーにザフト艦を感知しました!」
「数は!?」
「1!しかしどうやら、セレモニーで発表した新型艦のようです!」
「ほう…なかなか面白そうな相手だ。いいだろう。俺はエクザスで出る、準備をさせとけ!艦内は全員第一種戦闘配備だ!」
そう言って電話を切ったネオは、不安げな顔のイアンと直面した。
「あの三人は最適化までまだ時間がかかりますが…」
「おいおい、あいつらを使ってばっかじゃ俺の出番が無くなるだろう?」
「……あの三人抜きで戦うのですか?この艦に残っているのはダガーLが四機、ダークダガーが一機だけです」
「なぁに。ここに来る途中のデブリを見て面白い策を考えてあったんでな。確か廃棄コロニーとその周りを漂う巨大隕石があったな?」
そう言うネオの顔は、不敵な笑みを浮かべていた。
「お姉ちゃんとシンならインパルス絡みだって分かるけど……なんで私も?」
「さあ?シンは聞いてないの?」
「ああ。来いって言われただけだ」
三人はのんびり話しながら格納庫へ向かっていた。
なんだかんだ言っても、メイリンの荒療治はルナマリアに少しは自分のペースを取り戻させたらしい。とりあえずまともに会話ができるようになっている。
格納庫に到着した三人を待っていたのは、意外な人物だった。
「もう来たのか。意外と早かったね」
「えっ!?」
「ぎ、議長!?ど、どうも」
「あ……つうっ!?」
よりにもよってプラントの最高権力者がこんなところにいるとは予測できなかった三人は呆然とし、
その後急いで敬礼した。ただしシンはつい右腕を動かそうとしてしまい、痛みで盛大に顔をしかめることになったが。
その様子を見てデュランダルは柔らかい笑みを浮かべた。
「はは、シン。無理はしなくていい。さて、君たちがホーク姉妹か。恐らく君たちは私がインパルス計画の発案者である、とは知らないな?」
「え、そうなんですか?」
「はい、初耳です」
ほぼ同時に言う二人。その様子を見て、うなずきながらデュランダルは続ける。
「まあ、当然だろうな。それはともかく、私はインパルスの事はだいぶ詳しいところまで分かっているつもりだ。
そこで、君たちの力を上手く使いこなせるようにコアスプレンダーに改造を施させた。自分の目で見てみるといい」
その言葉に反応して、コアスプレンダーをのぞき込む三人。真っ先に反応したのはシンだ。
「複座式……ですか!?」
シンの言うとおり、コアスプレンダーの中にある座席は二つに増えていた。もっとも、前からあった座席を前にずらして後ろにもう一つ座席を増やしただけのようだが。
「そうだ。君はインパルスのサブパイロットとして、メインパイロットとなるルナマリアへ様々な助言を行ってくれたまえ。
もちろん怪我をしている事を考え、君の座席はできる限り衝撃を軽減できるようにしている。
インパルス自体もいくらか衝撃が緩和できるよう、OSやヴァリアブルフェイズシフト装甲の堅さを変えてある。
性能は多少落ちたが、この程度なら支障がないはずだ」
そう言った後、デュランダルはメイリンに向き直った。
「君が通信する際は、ルナマリアではなくシンに対して行ってくれたまえ。彼女には操縦に専念して貰うからね。
もっとも、通信機などはシンの座る後部座席の方にあるから、自然に通信の相手はシンになるな」
「ちょ、ちょっと待って下さい!」
いきなり大声を上げたのはルナマリアだった。この表情には不安げな様子がありありと写っている。
「い、いくらなんでも私がインパルスのパイロットだなんて…ガイア一機さえ相手にできなかったのに」
「だが、ちゃんと生き残れただろう?」
ルナマリアの意見を、デュランダルは笑顔で軽くいなした。
「で、でもシルエットとの合体も…」
「そのためにシンがいるのだ。心配する事はない」
「しかし……」
なおも渋るルナマリアだったが、ここで突然警報と鳴り出した。
「……ふむ、もう敵艦に追いついたか。さすがミネルバだな。メイリンはブリッジに行きたまえ」
「は、はい!」
デュランダルに促され、メイリンはブリッジへと向かう。そして、デュランダルはルナマリアの肩に手を置いた。
「二人での初仕事だ。頑張りたまえ」
「で、でも!」
あいにくデュランダルにルナマリアの返事を聞く気は無かったらしい。
ルナマリアが声を上げたときにはすでに後ろを向き、ブリッジへ向かっていた。
呆然とするルナマリアに声をかけたのはシンだった。
「しょうがないさ、こうなったらやるだけだ」
「でも……私がミスったらシンも死んじゃうわよ?」
ぽつりと言うルナマリアに対して、シンははっきりと答えた。
「議長は、ルナはインパルスでやれると判断したんだ。俺はそれを信じるさ」
「インパルス発進、どうぞ!」
「ルナマリア・ホーク、コアスプレンダー!出るわよ!」
ルナマリアが答えるとともにコアスプレンダーは発進。その後を追う形でチェスト・レッグの両パーツも射出される。
「宇宙空間とコロニー内では感覚が違う。コアスプレンダーを気持ち遅めにするんだ」
「分かったわ」
シンの助言に従いつつ、ルナマリアはコンソールを操作。合体の手順をこなしていく。
危なげなく合体を済ませたインパルスは、更に後を追って射出されたブラストシルエットとの合体を図る。
「宇宙空間ならコアスプレンダーとインパルスの操作感覚の違いは少ないはずだ。無理に動かすな」
「う、うん」
前回失敗したこともあってか、ルナマリアの返事はどこかぎこちない。
それでも多少ぐらつきながらブラストシルエットがインパルスの背部に接着し、緑色にヴァリアブルフェイズシフト装甲が展開されていく。
「行くよ、シン!」
「ああ!」
掛け声と共に、緑色の衝撃がガーティ・ルーへ向かって発進した。
投下終了。
もうお気づきかと思いますが、この作品には今のところレイが登場する予定はありません。
レイがいると、ルナがインパルスに乗る理由が無くなってしまう(というか思いつかない)ので……
レイの分はショーンとゲイルを長生きさせてなんとかするつもりです。
本編準拠の割にオリジナル展開ばっかですが、勘弁して下さい。
投下乙です。
頑張れ、頑張れと言いたくなる展開ですね。
これならもし二人がくっついても自然だし。
レイが出なくても気にしません。オリ展開で目いっぱい筆を振るってくださいませ♪
おつかれです。
ここのルナ&シンならお互いに良い関係を築けそうだ
どうしてもレイを入れる必要が出てきたらハイネと一緒に補充パイロットってことにしてしまえば?
ルナ&シンがインパルスから離れられなくなった頃に議長からの増援として
登場させればいいと思う<レイ
>>802にイピョーウ
…嫌味大爆発のレイが見れそうな気がw
運命は誰が乗るんだ?
つーか、運命も二人乗りかな。
投下開始。
書いてて思ったんですが、この作品本編に比べてファントムペインが強すぎ。
まあミネルバが全般的に弱くなってるからですが。
「頑張ってよ、お姉ちゃん……」
姉が乗るインパルスを、メイリンはモニター越しのじっと見つめていた。
もちろん心配しているからだが、他の要素も無いわけではない。
ルナマリアが出撃する少し前のこと。
「ったく、俺だけ留守番かよ」
モビルスーツパイロットの一人、ルナマリアと同期のショーンが格納庫に向かいながら愚痴った。
タリア・グラディスの立てた作戦は単純明快である。
ルナマリアを隊長機とするモビルスーツ小隊が敵艦に接近し、攻撃。ただしショーンのザクだけはミネルバに残り、不測の事態に備えるという物だった。
「そう不満を言うなってショーン。『あの』ルナマリアと一緒に出撃するよりかはましだろ?」
やはり同期の緑服、ゲイルが答える。
「だいたいなんで『あの』ルナマリアが最新鋭機に乗ってんだ?それなら俺が乗っても大して変わらないだろうが。やっぱ赤服特権って奴か?」
ブリッジに向かう途中、通路でそんな会話をしているのをメイリンは耳にしたのだ。
「結局、他人に自分の力を見せつけるしか自分を認めさせる方法はないんだよ、お姉ちゃん」
少なくとも彼女はそうだった。伊達にこんな年齢でアカデミーを卒業、最新鋭艦に配備されたわけではない。
年少者だと侮る人間を、試験の結果や仕事の内容で考えを変えさせてきたのだ。それはシンも一緒である。
二人はショーンやゲイルのように近くにいたから運良く採用されたのではなく、他人に自分の力を見せつけてミネルバに乗ったのだから。
「あんまり成績良くないんだけどね、デブリ戦……」
目の前に広がるデブリ帯を見て、ルナマリアは呟いた。
誰にも聞こえないように呟いたつもりだったが、通信機まできっちり届いていたらしい。
「デブリ帯『も』だろ?」
近接用であるスラッシュザクウォーリアに乗っているゲイルが笑みを浮かべながら言った。どう見ても好意的な笑みではない。
「特に爆弾処理なんか、一度シンを殺しそうになったっけな?よく一緒にインパルスに乗せて貰えたもんだ」
「何ですって……」
「黙ってろよお前ら。訓練じゃないんだぞ」
言い返そうとしたルナマリアを、今回モビルスーツ部隊長となっているシンが制した。
だがゲイルはまだ言い足りないらしい。気配を察したシンは左腕で通信を切った。
端から見ると冷静そうだが、実際の所は相当苛ついている。
(あんたらも、止めてくれたっていいだろ!)
そう考えながらシンは怒りを込めて左右のゲイツRを見やる。話を止めるどころか、忍び笑いさえ通信機からは聞こえていた。ゲイルの話を面白いとでも思ったのか。
どちらも乗っているのは、シンが始めて会った兵士だ。追撃のため補充兵として集められたらしい。
確かマチスが二期上で、フレッドとか言う方が一期上だと暇つぶしに見た資料には載っていた。
緑服で、実戦経験は手の指で数える程しかないのも一緒。それも全てテロリストが相手で、正規軍とは戦っていない。
(自分は何もできない、ってのは意外と嫌だな……)
この急造部隊への不安と、自分は見ているだけという立場への苛立ちを抱えながら、シンはレーダーを見つめていた。
「……来たか」
注意深い人間なら恐らく気づいただろう。
岩や金属の破片ばかりのデブリ帯の中で、唯一紫色の光を放っているモビルアーマーが潜んでいた。
「しっかしこうも簡単に引っかかってくれるとはねぇ……せっかく見抜かれた時のための策も仕込んでおいたんだが」
エクザスに気づかずに目の前を通り過ぎていくモビルスーツ小隊を見ながら、ネオは呆れたように呟いた。
新鋭艦である以上パイロットもそれなりの腕が揃っているはずだと読んでいた彼にとっては、こうも簡単に行くことは逆に予想外だ。
「ま、いいさ。そろそろ頃合いだ、ガーティ・ルーは攻撃準備をしとけ!タイミングを間違えるなよ!」
それでもいつもの不敵な笑みを浮かべたまま、ネオはイアンに命令を下した。
ミネルバのブリッジにいるアスランは、ジレンマを感じていた。
(あの艦の動き……間違いなく罠だ)
アスランはそう確信していた。理由があるわけでない。戦場で培った勘がそう告げている。
かと言って今の自分の身分を考えれば理由もなしに助言を言うことははばかられるし、ましてや何かしらの手段でこの艦を援護するというのは不可能だ。
アスランにできる事は、客人としてただ座っているだけの今の自分に苛立つことだけだった。
そして、ついにその時は来た。突然ミネルバを激しい衝撃が襲ったのである。
「推力低下!敵艦の主砲が直撃した模様!」
「駄目です!小惑星に不時着します!」
「ろ、六時方向から新たな熱源が…これは、ボギーワンです!」
「え、えええええ!ボギーワンが二つ!?」
メイリンからの報告に、アーサーは泡を食ったような叫び声を上げた。
ブリッジが混乱する中、いち早く状況を理解したアスランは思わず叫び声を上げていた。
「デコイだ!」
そう言ってから、アスランは一瞬後悔した。
というのも、ブリッジにいる人間――もちろん、デュランダル議長とオーブ代表、カガリ・ユラ・アスハも含む――全員の視線を受けることになったからである。
「ああ、いや、その……」
「なるほど。先にいたボギーワンはデコイであり、モビルスーツ隊を誘い出す罠だった……と言いたい訳ですね」
「え?あ、はい、そういうことです」
言葉に詰まったアスランの代わりに、タリアが冷静にアスランの言いたいことを代弁した。
だが、それでも状況を理解しただけで、突破できたわけではない。
「完全に嵌められたわね……ショーンのザクの発進急いで!
アーサー!パルシファルとナインハルト準備させて!インパルスにも通信を!」
「は、はいぃ!」
タリアは素早く一つ一つの指示を出していく。彼女もまた、伊達に新鋭艦の艦長をしているわけではないのだ。
ミネルバが攻撃を受けたのと、ブラストインパルスがデコイを撃ち抜いたのはほぼ同時である。
「えっ!?爆発しないで消えるって……」
「ダミーバルーンだ!たぶん罠……みんな避けろ!」
シンは叫ぶと同時に、ルナマリアを押しのけてレバーを左腕で傾けていた。
同時にブラストインパルスの姿勢がずれ、どこからか発射されたビームを寸前で避ける。
「う、嘘!?いったいどこから!?」
「そんなの俺が知るかよ!ルナは操縦に集中して次弾に備えてろ!ゲイル、返事しろ!マチス、フレッド!」
『こ、こちらゲイル!ライフルと右腕が吹き飛んだ!移動には支障なし!』
「分かった、マチスとフレッドは!?」
シンは叫びながらレーダーを確認する。この付近にある光点は二つしかない。
言うまでもなくそれはインパルスとザクの物である。つまり……
「う、うそ……こんなに簡単に……」
「くっ……」
知り合ってさえいなかったとは言え、同じ小隊の仲間があっさりと殺された事に二人は愕然とした。
だが、戦場の慌しさは死人を思いやる暇を与えない。インパルスにミネルバから通信が入る。
『シン!急いでミネルバに戻るようにお姉ちゃんに言って!』
「メイリンか!?こっちはそれどころじゃ……」
『ミネルバがボギーワンに襲われてるの!ショーン一人じゃ守りきれないよ!』
「なにっ!?」
シンがメイリンと話している間にも、相手は攻撃を休める様子は無い。
ルナマリアの必死の回避運動をあざ笑うかのように、ビームライフルが撃ち抜かれる。
「私たちまんまと嵌められたってわけ!?」
「ああ、そういうことだね!でも戻れって言ったって、せめて敵の居場所が分からないと!」
「大した火器の数だ。こいつぁ近づくのに骨が折れそうですな、ミラー隊長!」
「ふん。不時着した艦一隻も沈められないなんてのは、我がファントムペインの名折れだ」
「へっ、確かに同感ですぜ!」
ヨーンとミラーのダガーLはまるで嵐のようなミネルバの火器を軽々とかいくぐり、巧みにビームライフルによる一撃を加えていく。
特にスラスター周りへの攻撃を重視しており、ラミネート装甲を持つミネルバでさえダメージとなっていた。
「くっ……ショーンは何をやっているの!?インパルスは!」
「残り二機のダガーLと交戦中!インパルスは奇襲を受けているようです!」
メイリンの報告はとても芳しいと言える物では無かった。冷静だったタリアの表情にも焦りが浮かび始める。
しかし、まだ冷静さを保つ人物が一人いた。デュランダル議長である。
「この艦には確かもう一機ザクがあったはずだ。あれは使えないのか?」
彼が言っているのはアスランとカガリが乗ってきたザクの事である。
二人は式典の混乱から逃げるためにザクに搭乗し、ミネルバへと逃げ込んだのだ。
ただしその際カオスの攻撃で左腕を失っており、タリアはそれを修理するよりは新しくザクを積み込んだ方が早いと判断、結果としてそのまま放置される事となったのだ。
「確かに援護程度なら可能でしょうが、パイロットがいません!」
「ここに一人いるさ。とびっきりのエースが、ね」
タリアにそう答えて、デュランダルはアスランを見つめた。
「さぁて、そろそろ仕上げといくか。メアリ、攻撃開始だ!」
『了解です、大佐』
ネオはダークダガーのパイロット、メアリに通信を入れる。
彼女のダークダガーもまた、そのステルス性能を生かしデブリ帯に潜んでいた。ただしエクザスと違い、今まで一度も攻撃していない。
サイズも小さく、ガンバレルによる物陰からの攻撃ができるエクザスと違い、ダークダガーはあくまで塗装によるステルスしか行っていないため、攻撃を行うと位置がばれる可能性が高い。
ネオの「仕上げ」は、それを逆用する作戦である。
一方、ルナマリア達はネオの策通り、ビームカービンを撃つダークダガーを発見していた。
「見付けた!あいつね!」
『俺の方が近い!俺にやらせろ、シン!』
「待てゲイル!あいつ一機じゃさっきまでみたいな攻撃はできないはずだ!他に伏兵が」
『だったらてめぇで他の奴を捜してろ!俺はあいつをやる!こんなに馬鹿にされて黙ってられっか!』
言うやいなや、ゲイルのザクはダークダガーへ向かい突進していく。
彼は仲間があっさりと殺されたことで逆上していた。と同時に、今までの不利な状況はこいつさえ倒せば突破できるとも考えていた。
どこから攻撃が来るか分からない混乱した状況で、擬似餌を見せてやれば必ず食い付く―――ネオの読みは完全に当たっていた。そして。
突然、ゲイルのザクが爆発した。
「え、げ、ゲイル!?なんで攻撃もされてないのに!」
「機雷だ!あいつの前に、機雷が仕掛けてあったんだ。多分あいつは囮だ!さっきまで攻撃してきた奴は別にいる!」
『その通りだ。さすがに新型のパイロットとともなればぼんくらではない様だな。ならこの状況でたった一機では勝ち目が無いとも分かるはずだ』
通信機から突如鳴り響く男の声。もちろんネオの声である。
『こちら地球軍大佐ネオ・ロアノーク。おとなしく降伏したまえ。できればその新型機、無傷で確保したいんでね』
「なんですって、この……」
「黙ってろ、ルナ!」
そう言ってシンは周りを見渡した。どこかにいるはずだ、この声の持ち主が。
『なるほど、複座式か。分離合体するともなればそれくらい必要なのかな?』
相手にとって、一番問題外なのは逃げられること。最悪でも破壊しなくてはならない。だから。
『こちらは無傷で新形が手に入る。そちらは死なずに済む。みんなが幸せになれるいい提案だと思うが?』
降伏を断った時にすぐに撃てるように、狙いを付けて潜んでいるはずだ―――
「ルナ。後方左斜め下にあるちっこい紫の奴を撃て。できる限り早くな。その後右にある廃棄コロニーに逃げ込め」
「え?でも、何なのあれ?モビルアーマーにしては小さすぎ……」
「いいから、早くしろ!」
「う、うん!」
シンの声色に必死な物を感じ取ったルナマリアは、狙いを付けるのもそこそこにデリュージー・超高初速レール砲を放った。
紫色の物体が爆発すると共にダークダガーが再び攻撃を開始、別方向からもビームが飛んできた。
ルナマリアはブラストインパルスを必死に動かし、なんとか廃棄コロニー……というよりはコロニーの残骸に滑り込んだ。
「ねぇシン、あれなんなんだったの?」
「多分、ガンバレルってやつだろ。ドラグーンの連邦版だ。あっちが元祖だけどな。
あれなら小さくて素早いから物陰に隠れるのは簡単で、見つかりにくい」
「ここなら大丈夫……よね?」
「大丈夫だろ。ガンバレルは有線だから、こんな所を撃とうとしたら絡ま」
そう言ったシンは、盾にビームが着弾するのを見て絶句した。
「……よく防いだなルナ」
「う、運よ運!それより嘘吐かないでよ、後少しで死ぬ所だったわよ!」
叫びながらも、ルナマリアは慌ててブラストインパルスをコロニーから脱出させた。
しかし、それを読んでいたかのようにダークダガーが立ちはだかった。右手にはサーベルを抜いている。
「ルナ、ジャベリンを出せ!インパルスのパワーならまともに斬り合えば勝てる!」
「分かったわ!」
ケルベロス・高エネルギー長距離ビーム砲のギミックが作動、二本のデファイアント・ビームジャベリンが射出される。
ブラストインパルスは素早く二本を連結、ラケルタモードにして右手に持った。
だが相手もそれをただ見ているわけではない、ビームサーベルを上段から斜めに振り下ろしてきた。
「こんな所で死ねるもんですかっ!」
レール砲を一門犠牲にしつつ何とかビームサーベルを回避し、ラケルタ・ビームジャベリンを突き出す!
ダークダガーは盾をかざしたが、それさえ貫通してジャベリンの光の刃はダークダガーのコックピットに突き刺さった。
「や、やった!」
「馬鹿っ!油断するな!」
ルナマリアが喜んだのもつかの間、エクザスのガンバレルが発したフィールドエッジがインパルスを掠め、ケルベロスが一門爆発する。
「こ、こんのぉ!」
「くそっ、いつまでも姿を隠したままでいたぶるつもりかよ!」
「どうすんのよシン、急がないとミネルバが!」
「分かってる、何とかしないと……」
焦りをつのらせる二人に、ミネルバから朗報が入った。
『お姉ちゃん!シン!ミネルバから敵は撤退してくれたよ!』
「それってどういうことだよ!?ショーンだけじゃそんな芸当は……」
『アスランさんがザクに乗って出撃してくれたの!凄いよ、片腕がないザクであっという間に二機落として。残りの敵も逃げだしちゃったんだ』
へへー、と自分の手柄のように言うメイリン。
『今ショーンとアスランさんがそっちに向かってるよ。安心して……』
「いや、その必要はないと思う」
『「え?」』
ルナマリアとメイリンが同時に声を放った。シンは無言でモニターの端を指さす。
そこにはガンバレルをまとめ、撤退していくモビルアーマーの姿が映っていた。
「メイリン、敵艦はどうしてるか教えてくれ」
『撤退中だよ。あ、そっか』
「艦が撤退するなら、あのモビルアーマーも撤退しなきゃいけないって訳ね。あいつ大佐とか言ってたし」
なるほど、と納得した風情で二人は言った。
「ひどい有様ね……」
「……ああ」
せめて遺体を持ち帰るためゲイツRを回収しようとした二人だったが、どちらの残骸もコックピットを見事に貫かれているのを見て愕然となった。
例え機体が爆発していなくても生存は望めなかっただろう。それほどまでにネオと言う男の狙いは正確だった。
「ゲイルは……」
「回収は無理だろうな。機体が完全にバラバラになっちまってる……」
ブラストインパルスのツイン・アイがゲイルが突っ込んでいった方向を見やる。
ご丁寧に、相当な量の機雷をまいていたらしい。インパルスのヴァリアブルフェイズシフト装甲を想定していたようだ。
「………」
「………」
シンもルナマリアも、どう言えばいいのか分からず、ただブラストインパルスにゲイツRの最も大きな残骸を引きずらせ、ミネルバに向かうことしかできなかった。
彼らは始めて、戦死というものを目の当たりにしたのである。
投下終了。
殺されるために量産されたオリキャラ三名に合掌。
この手のやられキャラは今後もいっぱい出そうだなぁ…。
GJです
オリキャラは、まあ仕方ないですよね
レギュラーを大量虐殺するわけに行かないでしょうし
連合、強いねw
まあ、ミネルバ勢が弱体化してるからですがw
レイとハイネ加入したら、ミネルバクルー大喜びだろうなあw
「まだ脚が無いようだけど」
「脚なんて飾りですよ、あっとルナマリアさんの脚は凄くウヒ…ヒデブ」
「セクハラ反対!」
そういいルナマリアはコックピットに乗り込んだ
中のパネルをいじくりまわしていると
議長から通信が入った
「どうかね、最新MSのザフトンの乗り心地は」
「なかなかいいですよ、ただ私にうまく扱えるかどうか」
「なに、シンがあんな状態だ今私が頼れるのは君とアーサーしかいない」
そう、シンは昨日の戦闘で捕虜にしたステラにお熱なのだ
本土決戦中に今頃ステラと喫茶店で1つのコップに2つのストローでよろしくしているのだろう
視聴者が疑問に感じたであろうレイはどうしたのか、と
「ルナマリア、今Nフィールド内でフリーダムを見掛けたという…イタタ」
「ギルー、そんな色狂い放置して一緒に遊ぼうよー」
レイは前回のフリーダム迎撃作戦時、議長の誕生日プレゼントを買いに行き
戦闘に参加しなかった、それを知ったルナマリアが本気で殴ると幼児化してしまったのだ
「じゃあそういう事で頼むぞ」
「ハッ!見事フリーダムを撃滅し…」
ルナマリアがいい終わる前に通信は途絶えていた
「ルナマリア=ホークでます」
スラスターを一気に吹かしNフィールドに向かい出撃した
途中に連合のMSに遭遇したが相手はその新型のスピードにロックすらできず撃破された
尚も進路上に敵MS数機
「邪魔ッ!」
両腰部に取り付けられた3連ビームで薙ぎ払う
さらに命中しなかった敵、いや的て表現すべきか
さらに指先の5連ビーム砲をかます
見事敵は爆散しザフトンはその場を通過
そしてついに憎きフリーダムを発見した
先制攻撃といわんばかりに
口についたビームで攻撃
見えていないハズだが流れるような動きでそれを回避
後ろにいた味方に命中したがご愛嬌
フリーダムが高速で移動しライフルを連射してきた
「赤ザクとは違うのよ赤ザクとわぁ!!バンクで死ぬわけが無いでしょう」
スピード、パワー、開発費
全てがフリーダムを上回るザフトン
両腕を切り離し四方から攻撃を試みる
正面からザフトン、両側からは切り離した腕で攻撃
後ろからは視聴者の悪口でキラの駆るフリーダムを一気に追い詰める
追い詰めた!
しかしキラは次の瞬間予想外の行動に出た
ピピピピ
敵からの通信
「戦闘中に通信っ!!?」
「そこのMSのパイロット、聞いてくれ」
「何を!!」
「く、クマさんだクマー」
「…………ハァ?」
「に、似てないかな熊のモノマネ、アークエンジェルのみんなにはキャライメージを損ねるからって止められてたんだ」
ルナマリアは答えずビームを打ちまくった
「やめてくれぇ…!僕は、僕はモノマネをしたいだけなんだぁー」
ルナマリアは絶句した
「んなこたぁーない、元気があればなんでもでくる、ファイナルアンサー?」
キラは構わずモノマネを続ける
「ああ、ラクス達の監視が無ければなんて極楽、モノマネがしほうだいだ」
感涙していた、そのキラに対しルラマリアはビームを打つのをやめた、そして
「うち来る?」
「え!?いいの」
そうして二人はプラントへと移動した
その頃議長ルーム
「ハァハアやはりレイの作った卵焼きはうまいなぁー」
トゥルルルル
ガチャ
「なにかね?」
「報告します!フリーダムが戦場から消えました」
……………
その報告を聞いた瞬間
レイと議長は椅子を倒す勢いで立ち上がった
「「イヤッホゥゥゥゥゥ」」
そして議長は
フリーダム消滅を喜ぶヤシの数→(1)
というスレをたてレイと踊り始めた
その頃シン
「平和だね、ステラ」
「そうだね〜」
「まるで僕とステラの関係みたいだ(笑)」
「そうだねー」
ギャグ系もいいなあw
ちょっとあげとく
>>806-813 おつかれっす。さりげにアスランが正体ばれているのな。シンもいい補佐役だしGJです
ところでそろそろ作者か作品の名称あたりを知りたいです。そのほうがレスもしやすいです。
>>815-818 ザフトンじゃなくてザブトンにみえた。読み直すまで気がついていなかった。謝罪はしない。
私たち小市民なホークhosyuシスターズ!
ネタの乏しいこのスレをhosyuしてあげるわ!
 ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__ hosyu
〃Y "⌒`Y"ヽ ,r´ `ヽ hosyu
( (( (`´))) ) (,,人ヽヽ!リ hosyu
)从゚ ヮ゚∩(( ∩リ ゚ ヮ゚ノ从 hosyu
(つ_^=) 丿 ヽ( (!^=⊂)
く/L_ゝ く/L_ゝ
し(_) (_)J
823 :
782:2006/03/17(金) 13:12:46 ID:???
カガリとアスランのせいで手こずった……ともかく投下開始。
>>821 名前ですか……考えてなかった。
私の名前は782でいいですが、作品名は……う〜ん、暫定的に機動戦士ルナパルスとでも呼んで下さい。(デスティニーに乗った後のことをちっとも考えていない)
824 :
782:2006/03/17(金) 13:13:47 ID:???
ブラストインパルスは機雷などに引っ掛かる事も無く、小惑星に不時着中のミネルバに着艦した。
いつもなら整備士が駆け寄ってくるところだが、今回はそれが無かった。
「あれ、ヨウランとヴィーノはどこ行ったのかしら?」
「あそこだろ、多分」
床に降りて左右を見渡しているルナマリアの問いに、シンは吐き捨てるように答えた。
シンの指さした先では、アスランが整備士達に取り囲まれているところだった。サインさえ求めている者も少なくない。
「人が三人死んだってのに……!」
明らかに嫌悪の色を浮かべて、シンは格納庫を出ていく。
ルナマリアは慌てて追おうとしたが、その背中が「ついてくるな」と言っているような気がした。
ルナマリアは結局、部屋に籠もっていた。
戦闘記録をコピーしたチップをパソコンに差し込み、画面に映るブラストインパルスを眺める。
「……今見れば丸見えじゃない。なんで気付かなかったのかしら」
思わずそう毒づいた。モニターの端には時々、しかしきっちりと紫色のモビルアーマーが写し出されている。
八つ当たりに枕を蹴飛ばしていると、扉の向こうから声がした。
「お姉ちゃん? 入っていい?」
「どうぞ。鍵は開いてるわよ」
ルナマリアの部屋に入ったメイリンは、またしてもベッドに寝転がっているルナマリアを目撃した。
「お姉ちゃん、その……シンから話は聞いたよ」
「………」
「シンにも言ったけど……みんなの事、怒らないでほしいの。まだ三人が死んだって知ってるのはブリッジにいた人だけだし……」
「……ショーンは」
「え?」
「あいつはどうしてるの?」
だんまりを決め込んでいたルナマリアのいきなりの質問に、メイリンは戸惑いつつ答えた。
「今何しているか、だったら分からないけど……ともかく無事だよ」
「でしょうね。英雄様が守ってくれたんだもの、私みたいな駄目赤服が隊長機に乗る部隊の場合とは違うわよ」
「……気にしてるの?」
「気にしてないはずないでしょう!?」
ルナマリアは跳ね起きて叫んだ。メイリンの声には少し苛立ちの様な感情が込められていたが、あいにくルナマリアにはそんな事に気付く余裕はない。
「戦闘記録を見る限りじゃ誰がどう見ても私の責任よ! シンがいなきゃ一撃で私は死んでいたわ!
あんな目立つカラーリングをしたモビルアーマー一機さえ私は見逃してたのよ!?」
シンもルナマリアも、脳天気な仲間に怒っているのではない。二人が怒っているのは―――自分自身。
「これじゃ、何のための赤服なのよ!きっとハーネンフース先輩も怒ってるわ……」
「お姉ちゃんのバカッ!」
「なっ!?」
いきなりメイリンが言った言葉に、ルナマリアは怒るより先に驚いた。だがメイリンは構わず怒鳴り続ける。
825 :
782:2006/03/17(金) 13:14:41 ID:???
「シンがなんて言ってたか知ってるの、お姉ちゃんは!
悔しいって!自分が怪我さえしてなければ、みんなを守れたかもしれないのにって!
それどころかお姉ちゃんのサポートさえろくに出来なかったって、泣いてたんだよ!?
自分の力を使えないことに、悔しがってたんだよ! お姉ちゃんは違うでしょ!?
頑張れるだけ頑張ったんでしょ! だったら今回の経験を生かして、次頑張ればいいじゃない!
こんな所で寝てないで、次の出撃に備えて訓練でもしてればいいじゃない!
シンは頑張ることさえできないんだよ!ただ怪我が治るのを待つことしかできないんだよ!?」
そう。彼女は確かに見たのだ。いつも強気なシンが、部屋でたった一人で泣いているのを。
彼は他の誰よりも、今回の戦いに責任を感じていた。
「今のお姉ちゃんはただ引きこもって逃げてるだけよ! もう知らないっ!」
「ちょ、ちょっとメイリン!?」
メイリンは言うや否や後ろを振り向き、開ききらなかった扉に右肩をぶつけながら走っていった。
部屋にはまるで顔面を盛大に殴られたような表情しているルナマリア一人だけが、ぽつんと残っていた。
一方、ガーティ・ルーのネオはブリッジから宇宙を眺めていた。
もっとも別にそういった趣味があるのではなく、指令が届く時刻まで適当に時間を潰しているだけである。
「やれやれ。あんなミスをしちまった、とジブリール閣下に知れれば怒られるかな?」
ネオが言っているのは先ほどの戦いでインパルスを追いつめながら撤退する事になったことである。
「ミス、ですか?撃墜したモビルスーツの数は、こちらもザフトも同じですが」
「それじゃあ駄目なのさ。特殊部隊ってのは過大な期待をかけられるもんでな」
イアンとネオが雑談していると、突然ブリッジのモニターに若い男の姿が映った。
二つに別れている眉毛の先端が特徴的な、どこか押しつけるような尊大な態度を持つ男である。
『ふむ、久しぶりだなネオ』
「ジブリール閣下!まさか直々に通信を行うとは……!」
ブリッジにいた全員が素早く敬礼する。ジブリールと呼ばれた男は全く動じない。そうされるのが当然だと言わんばかりの態度だ。
『さて、まずは新型機の強奪、さすがと言っておこうか』
「お褒めにあずかり、光栄です閣下」
『次の指令で作戦の仕上げとなる……これを完了すれば、後は曲を奏でるだけだ。
レクイエム
コーディネイター共への鎮魂歌をな。まずはこのポイントを見たまえ。地球軌道の近くだが……』
「えええええええ!?ユニウスセブンが、地球へ向かって降下中ですかぁ!?」
「アーサー!たまにはもう少し静かに喋りなさい!」
例のごとく素っ頓狂な声を上げたアーサーを、例のごとくタリアがたしなめた。
「人為的な物にせよ偶発的な物にせよ、放っておくわけにはいかない。ミネルバはすぐに破砕作業の支援に向かってくれ。
ジュール隊も向かっているが、人手は多い方がいいだろうからな。さて……」
デュランダルは脇の金髪の少女―――オーブ代表、カガリ・ユラ・アスハに向き直った。
「難しくはありますが御国元とも直接連絡の取れるよう試みてみます。
出迎えの艦とも早急に合流できるよう計らいますので、もうしばらくミネルバにご搭乗頂きたい」
「落ちたら、落ちたらどうなるんだ?オーブは…いや地球は!」
「あれだけの質量のものです。申し上げずとも、それは姫にもお解りでしょう。できれば……」
「分かっている!アスラ……アレックスにはこちらからも手伝うように言っておく。むしろこちらにとっての重大事だからな……」
「それはありがたい。感謝いたします」
デュランダルはカガリの返事に笑みを浮かべる。しかし、その笑みにはどこか含みがあった。
「カガリ……本当にいいのか?さっきの戦いもそうだが、今の俺がザフトのモビルスーツに乗るのは問題が」
「分かってるさ。だがしょうがないだろう、こんな所で死ぬわけにはいかなかったし、ユニウスセブンが地球に落ちたら終わりなんだからな。
それに、もう一回乗ったんだから大した違いは無いだろ」
カガリの返事にアスランはため息を吐くしかない。
先ほどの戦いで、アスランにザクに乗るように言ったのはカガリである。
基本的には頭より先に腕が動きがちな彼女としては、ただ見ているだけと言うことは我慢できないらしい。
それにアスランとしても、カガリの言い分に理がないと考えているわけではない。
自分たちが死んだり、オーブが無くなったりしてしまえば問題に直面する事さえできなくなる。
「それよりしっかりやってくれよ?もしあんな物が地上に落ちたら……ああ、考えるだけで嫌だ」
カガリは頭を振りながら、心底不安げな顔で言った。一国の国家元首である以上、自国の民を思いやる気持ちは人一倍強い。
「分かってるさ。しっかりやるよ……ん?」
アスランとカガリが話し込んでいる先の休憩室では、ミネルバクルー―――といっても、ルナマリアの同期生だけだが―――が集まっていた。
「ユニウスセブンが地球に向かってるって、マジか?」
「マジっぽいぜ、ショーン。急いで発進するから、とか言われて整備士はスラスターの修理を急がされてさ、ヴィーノなんか疲れ切ってベッドで爆睡してるぜ。
たまたまインパルス担当になってた俺はすぐ終わったんだけどな」
「感謝しろよヨウラン。俺達が頑張ったおかげで楽できたんだからな」
「はいはい、いつかお前とルナにジュースでもおごってやるさ」
そうやって三人で話すシンの様子はいつも通りにしか見えない。
(本当に泣いてたのかしら……?)
正直な話、ルナマリアにはシンの泣く様子はどうしても想像できなかった。
「おい、何ぼーっとしてんだよルナ?」
「あ、ううん、なんでもないわ」
シンの問いに、慌ててルナマリアは答えた。ショーンが呆れたような声を出す。
「何か最近おかしくねえか、お前。まあここでぼうっとする分にはいいけどよ、俺と出撃した時は勘弁してくれよな」
「ま、それも仕方ないんじゃねえの?式典用のジンに乗るはずがいつの間にかインパルスのパイロットだぜ?
いきなり正規軍と戦う羽目になって、おまけに……」
「その話はやめてよ、ヨウラン……」
ルナマリアが小さな声で言った。シンとショーンも目を伏せている。
「……悪ぃ」
同期のゲイルが死んだという事実はショーン達も気にしている。もちろん、ヨウランも。
「ま、まああれだ。ユニウスセブンが落ちるっつったってさ、変なゴタゴタも綺麗に無くなって、案外楽かも。俺達プラントには……」
とっさに場を明るくしようとして言った冗談だったが、あまりにも不謹慎だった。特に、カガリには。
827 :
782:2006/03/17(金) 13:16:17 ID:???
「案外楽……案外楽だと!?よくもそんな事が言えるなッ!!!」
「え、え!?」
「お、おい待てカガリ!」
アスランは止めようとしたが、そんな程度で止まるカガリではない。まさかこんな所にオーブ代表がいると思わなかったヨウランは固まるしかない。
「これがどんな事態か、地球がどうなるか、どれだけの人間が死ぬことになるか、ほんとに解って言ってるのかッ!?」
「す、すみません、冗談です……」
「冗談でも言っていいことと悪いことがあるだろうが!」
「こらカガリ、よせってば!」
今にもヨウランをぶん殴りかねない様子で歩き寄って行くカガリを、アスランは慌てて止めた。
だが足は止まっても口は止まらない。
「だいたいあれは犠牲者達の墓標になっているんだろう!そんな物を落として案外楽だと!?」
「話の前後関係も聞いてないのに、ずいぶん偉そうな口を叩くんだな、あんたは。口だけ立派なのはアスハのお家芸かよ?」
「なっ!?」
静かに、しかしはっきりと暴言を言ったのはシンだった。ルナマリアが、慌てて止めに入る。
「ちょ、ちょっとシン!?相手は……」
「オーブの国家元首、か?そこに住んでいた人間として現実を教えてやりたいだけさ。
そうでもしなきゃ無能は治らないだろ。そういう家系の人間だしな」
「な、なんだと!?」
「よせカガリ!こんなところでよけいに問題を作ってどうする!」
本当に握り拳を作ったカガリを、急いでアスランが止めた。カガリの腕を抑えながら、眉を上げてシンをにらみつける。
「君もだ。なんでわざわざ喧嘩を売りつける?下らない理由ならただではおかないぞ」
できるだけ静かな声で言ったアスランだったが、シンには完全に逆効果だったらしい。
「下らないだ?……下らないなんて言わせるか!関係ないってのも大間違いだね!俺の家族はアスハに殺されたんだ!」
室内の全員が絶句する中、シンは構わずに続ける。
「国を信じて、あんた達の理想とかってのを信じて、そして最後の最後に、オノゴロで殺された!
だから俺はあんた達を信じない!オーブなんて国も信じない!そんなあんた達の言う綺麗事を信じない!
あの大馬鹿野郎はこの国の正義を貫くとかなんとか言ってたけどな……結局あいつは理念を守っただけで、国民はちっとも守らなかったんだ!
だからオーブからプラントに移住した奴は、みんなオーブに帰らないんだ!オーブってのは……アスハってのは、そういうのだって分かってるからな!
あんた達だって、あいつが言った言葉で誰が死ぬことになるのか、ちゃんと考えたのかよッ!」
一気に言い終えたシンは息を切らせながら、それでも正真正銘の憎しみを込めて視線をカガリに向けた。
「何も解ってないような奴が……解ってるようなこと、言わないで欲しいね!」
言うと同時に、シンは左肩をわざとカガリにぶつけて走り去る。
誰もが―――ルナマリアさえ、言う言葉が見つからず、ただそこに立ちつくす事しかできなかった。
「ふむ……こいつはなかなか面白い指令だな?ジブリール閣下は俺達がどういう部隊かよく分かっていらっしゃる」
ネオは既にブラックアウトしたモニターを見つめつつ、まるで天気の話でもするかのようにイアンに話しかけた。
「しかしこれは何というか……あやふやな指令ですな。戦う相手さえ状況によって変わるとは……」
「なぁに、だから俺達の出番なのさ。とりあえずダガーLを二機とも準備しとけ。後は……カオスだな。
ガイアとアビスは、今回は用無しだ」
「は?」
怪訝な顔をしたイアンに、ネオは例の笑みを浮かべて答えた。
「強奪したモビルスーツじゃあ、いい写真が取れないだろう?」
828 :
782:2006/03/17(金) 13:17:06 ID:???
「彼の事は気にするな。彼のような考えがあるのは仕方のないことだって、君も分かってるだろう?」
あの後呆然とするカガリを部屋まで連れていったアスランは、慰める作業に手を焼いていた。
「だって……お父様の事まであんな風に……」
完全に打ちひしがれた様子で言うカガリに何か言おうとしたアスランだったが、放送によって遮られた。
『モビルスーツ発進10分前。各パイロットは準備をして下さい。繰り返します……』
「……悪い、もう行く。大丈夫、彼もいつかきっと分かるさ」
多少後ろ髪を引かれる思いがしたが、アスランは部屋を出た。
(これぐらいでへこたれるほど、カガリはやわじゃないさ……)
そう自分に言い聞かせ、格納庫へ向かうアスランは途中で先ほど見かけた人影を見付けた。やたらに左右を見渡している。
「あれ?君は……」
「あ、どうしたんですか? 格納庫ならこの道で大丈夫ですよ」
「いや、道は分かってる。ところで君はさっき休憩室にいた……えっと」
「ルナマリアです、アスランさん」
せっかく作った偽名は何の役にも立ってないな、とアスランは心の中で毒づいた。
「何か探しているようだが、手伝おうか? もうそろそろユニウスセブンなんだ、急がないと」
「いえ、結構です。シンなら待っていれば格納庫で会えますから……あ」
アスランがシンの名前を聞いて眉をミリ単位でつり上げたのを見て、ルナマリアはしまったという表情になった。
どうやらシンのことは名前まできっちり記憶に残っていたらしい。
「すみません、さっきはあいつが失礼な事を言ってしまいまして」
頭を下げようとしたルナマリアを、アスランは慌てて止めた。
「いやいいんだ、君が謝ることはないさ。しかし格納庫で会える、ってことは彼もモビルスーツに乗るのか? あの右腕で?」
「ええ。インパルスは私とシンの二人乗りなんですよ。彼がサポートで私が操縦です」
「へぇ……」
ということは彼女もパイロットなのか、という事に気付いたアスランは驚いた。
ただでさえ女性の赤服は少ないのに、その上パイロットとなれば彼が知っているのはシホ・ハーネンフース一名だけだ。
アスランはあくまで興味本位で聞いてみた。
「ということは、君も優秀なのか? 新型機に乗っているし、数少ない女性赤服だ。アカデミーではどんな成績だったんだ?」
イザークが議員だった時にオーブに来たことがあり、その時の雑談でアカデミーでのシホの成績は優秀だったと言うことを聞いていたアスランは、女性赤服は優秀だという先入観があった。
だが、この質問はルナマリアのプライドをかなり傷つける質問だった。
「ご期待に添えず、申し訳ありませんが」
アスランから視線を外して、そのまま一度も顔を合わせないまま苛ついた声でルナマリアは続ける。
「私のアカデミーでの成績は、歴代赤服の中で最下位です!」
「え!?」
アスランに謝る暇も与えず、ルナマリアは顔を背けたまま「失礼します」とだけ言って床を蹴り、そのまま先に格納庫へ向かった。
一方、一足先にユニウスセブンに到着したジュール隊は、既に作業に入っていた。
旗艦ヴォルテールの艦橋では、多数の人間がせわしなく動いている。
『こちらディアッカ小隊。メテオブレイカー設置完了だぜ』
『シホ小隊、メテオブレイカー設置完了。いつでも作動できます』
部下達の報告にうなずいた白髪の男、イザーク・ジュール隊長は通信士に振り向いた。
「ミネルバと通信はできるか?」
「はい、可能です」
「よし、こちらは作業に入ったと伝えろ。それから……」
落ち着いた様子でイザークは命令を出していく。しかし、モビルスーツ隊からの通信がその落ち着きを一気に吹き飛ばした。
『な、なんだお前ら!?』
『な……!? た、隊長、敵です!』
「どうした!? フェイル、光学映像写せ!」
「はっ!……隊長、これは、ジンです! ジンがメテオブレイカーを破壊しています!」
その映し出された光学映像に写るのは確かにジン・ハイマニューバ2型……ジンシリーズの最終量産機である。
それを見たイザークは盛大に顔をしかめた。
「馬鹿な、ジンがなぜ……いや、考えている暇はないか。
俺のザクを準備、同時にゲイツのライフルを射出しろ!急いでミネルバにも伝えろ、我が隊は謎の敵に襲われているとな!」
アスランはザクに搭乗し、気持ちを落ち着けていた。出撃までは後一分も無いだろう。
どうやらショーンのザクの腕を移植したらしく、アスランの乗るザクの左腕はきっちりと付いている。
(挨拶ぐらいはしておいた方がいいか……)
そう思い、コアスプレンダーへの通信回線を開く。あの二人とは気まずいのだが、戦闘中までそれを引きずるわけにはいかない。
『なんですか? アスハのお付きさん」
いきなりぶしつけなシンの声が聞こえた。ため息を吐きたい衝動にかられたが、なんとか抑える。
「シン君、だったな?とりあえず今回は一緒の出撃だ。よろしく頼む」
『二年間のブランクがあるからって、足を引っ張らないで下さいよ。それはショーンが乗るはずだったんですしね』
「………」
無駄だと悟ったアスランは、おとなしく相手を変える事にした。
「ルナマリアもよろしく頼む。まあ戦闘中は君とは話さないらしいが……」
『ええ、よろしくお願いしますね。私みたいな駄目赤服があなたみたいな英雄と共に出撃できるなんて光栄の極みです』
「………」
盛大な嫌味に、アスランはまた黙り込むしかない。
気まずい雰囲気―――と言っても通信越しの雰囲気だが―――を破ったのはメイリンからの通信だった。
『各モビルスーツは、対MS戦の準備をして下さい!』
「何だと?対MS戦?」
アスランの問いに答えるかのように、通信は続く。
『ジュール隊が謎の部隊と交戦中!急いで援護に回って下さい!』
「イザーク……!?」
思わず知った名前を聞いて驚いたアスランだったが、それでも自分のすべきことを忘れたわけではない。
素早くビーム突撃銃をザクの腕に持たせ、戦闘準備に入った。
830 :
782:2006/03/17(金) 13:19:25 ID:???
「何イライラしてんだよ、ルナ」
「それはそっちもでしょ!」
シンの質問に、ルナマリアはぶっきらぼうに答えた。シンが言い返そうとするより先に、メイリンから通信が入る。
『ねぇ、シン。シルエットは?』
「え、ああ。フォースで頼む」
『もう、しっかりしてよ、二人とも。やらなきゃいけない事はいっぱいあるでしょ』
メイリンの言葉の外に様々な意味を感じて、ルナマリアはむかっと来た(実際メイリンは私生活での事も込めて言ったのだが)。
だがあいにく、ルナマリアには言い返せる暇が無い。既に発進数秒前だ。
『コアスプレンダー発進、どうぞ!』
「……ルナマリア・ホーク、コアスプレンダー、出るわよ!」
様々なパーツが射出されていき、合体して青きモビルスーツ・フォースインパルスとなる。
『ミネルバは先の戦いのダメージが残っているため、あまりスピードは出せません。
モビルスーツ隊は先にユニウスセブンに向かって下さい!』
「了解した。行くぞ、ルナ!」
「分かってるわよ!」
『………』
デブリ帯での戦いとは違う意味で、メイリンは心配になった。
831 :
782:2006/03/17(金) 13:21:18 ID:???
投下終了。
やっぱオーブ絡みのシンや、アスランは書きづらいです。主役を食ってしまうので……
いっそ捏造設定でも追加しようかと思う今日この頃。
GJ!!
hosyu
782氏長文乙です
ユニウス落ちはアスランのお話みたいなものだから目立つのはしょうがないでしょう。
シンカガの諍いも原作にない行間が書かれているからわかりやす。いつかカガリは答えを明確に出してくれることを期待してます。
ジブやファントム隊のたくらみ、議長とカガリの思惑などお話のターニングポイントでしょうから次回楽しみにしてますよ。
権謀術数を練るのは大変でしょうがメンドかったら捏造もこじつけもありでしょう。そのときはMMR並に驚いて納得します。
835 :
782:2006/03/20(月) 23:42:17 ID:???
駄目だー、煮詰まった!イザークやディアッカまで描写すると糞長くなる。
この分だとレイは出せないな……
とりあえず前半だけ投下します。
836 :
782:2006/03/20(月) 23:43:04 ID:???
「行くぞ!今度こそ正すのだ、欺瞞に満ち溢れるこの世界を!」
『はっ!』
ジン・ハイマニューバ二型を操る男・サトーの号令と共に、ユニウスセブンに身を隠していた各種ジン十二機が全て登場、ザフト軍に攻撃を加えていく。
識別信号上では味方となっているジンの攻撃に対応できず、一機、また一機とザフト軍は撃墜されていった。
「なんと他愛の無い。偽りの平和に慣れきった軍ではこの程度か……む?」
慨嘆したサトーのジンHUが先ほどまでいた位置を、ビームの奔流が通り過ぎていく。
モノアイが見つめる先には、オルトロス・高エネルギー長射程ビーム砲を構えたガナーザクウォーリアがいた。
ディアッカの搭乗するザクである。
「ふん、まともな奴もいたか。ならば奴を落とせば残敵は一気に士気を喪失する!」
相手の練度を確認したサトーは、すぐに指示を切り替えた。工作隊に向かっていたうちの二機が、ディアッカのザクに向かっていく。
「くッ…どういうやつらだよ一体! ジンでこうまで!」
ディアッカは歯ぎしりしながらザクのビーム突撃銃を放つ。しかし、当たらない。
それどころか相手の見事な連携に翻弄され、メテオブレイカーから遠ざけられていく。
「シホ!俺の隊の工作隊を支援してくれ!奴ら俺狙いに切り替えてきやがった!」
『無理よ!私もあいつらに包囲されてるわ!支援してほしいのはこっちの方よ!』
「くそっ、隊長機狙いってわけかよ!」
サトーはジュール隊の中で練度が高いのはディアッカとシホのみだと看破、工作隊撃破の隊以外は全て隊長機に狙いに絞らせたのだ。
案の定、残された隊員は統制が取れず、隊長機を支援しようとしたりメテオブレイカーを持って立ち往生したりと、ばらばらな動きを見せた。
そこを見逃さず、ジン―――ハイマニューバではなく、黒塗りされただけの普通のジン―――がメテオブレイカー目がけキャットウス・無反動砲を構えたその瞬間。
「何をやっている!工作隊は破砕作業を進めろ!これでは奴等の思う壺だぞ!」
ジンのキャットウスを素早く撃ち抜いたイザークのスラッシュザクファントムは、肩部ビームガトリング砲で工作隊を包囲するジンを牽制した。
だがジンは怯むどころが、イザークのザクもディアッカ機やシホ機同様に引き離しにかかる。
イザークはそれを防ごうとするどころか、敢えて自分から離れた。ディアッカ機から慌てたような通信が入る。
『おい、イザーク!何やってるんだ!?』
「俺達がこうやって敵を引きつければ、工作隊に向かう敵を減らせるだろう!」
怒鳴り返したイザークは、部隊員全てに通信を開いた。その内容に唖然としたのはシホである。
「各機は工作隊の支援に回れ、俺達を支援する必要はない!」
『し、しかし隊長、相手はジンと言えど、並のパイロットではありません!』
「もうすぐミネルバが来る、それまで持たせろ!いいな、シホ、ディアッカ!」
『……了解しました』
『ったく、追加手当だしてくれよ?』
イザークの無茶な指示に、ディアッカとシホは観念したような声を出した。
837 :
782:2006/03/20(月) 23:43:57 ID:???
ガーティ・ルーでは、ダガーLが二機、そしてカオスが出撃態勢に入っていた。ダガーLにはどちらともエースストライカーパックが装着されている。
その三機に乗るパイロットは、それぞれの対応で指揮官からの通信を聞いている。
『……と言うわけだ。今回のお前らの任務は、まず『状況が分かっていないふりをして』ザフト軍とテロリストに攻撃をしかける事だ』
ネオは、笑顔でとんでもない事を言い放った。カオスに乗るスティングが質問を投げかける。
「どっちへの攻撃を重視すればいい。テロリスト共か?」
『いや駄目だ。あくまで地球が壊滅せず、なおかつ被害がある程度出るようにしろとの命令だ。
お前らが着くころにはあの新形艦のモビルスーツが到着しているはずだから、ザフト優勢になっているだろう。
最初はザフトへの攻撃を気持ち多めにな。状況が変わったら俺から指示する。さて、他に質問あるか?』
「なんで俺とステラはダガーLなんだよ?」
まるでホームルームを仕切るような口調のネオに対して不満げに質問したのは、アビスに乗るのを止められたアウルだ。
『おっと、言い忘れてたが……お前らのもう一つの任務が「ユニウスセブンを落とすザフトと戦うヒーロー」になることだ。
だが、元ザフトの機体じゃあいまいち見栄えしない。というわけでダガーLの出番だ。格好いいぞ?』
冗談めかしたネオの言葉に、ステラは笑顔を見せた。
「……かっこいいの?」
『ああ、かっこいいぞステラ。カメラマン次第だけどな。なぁスティング』
「……なるほど、だから俺だけカオスか。とんだ貧乏くじだ」
ちっ、とスティングは舌打ちをした。
宙域戦闘においてもっとも戦闘力を発揮するのはカオスである。そして残っているダガーLは二機、エクステンデッドは三人。
余った一人が奪った三機のうち一機を使うとしたら、何を使うかは決まっている。
『まあそう言うな。カオスのモニターにステラ達が戦うシーンを写してればそれでいい。三人とも、頼んだぞ』
「……うん」
「ふん」
「ったく、面倒くせーな」
それぞれ違う対応をみせつつ、三人は出撃した。
「あいつら本当にジンなの!? 動きが無茶苦茶よ!」
ユニウスセブンでの戦いを見たルナマリアは驚くしかなかった。
型落ちの機体であるジンでゲイツRやザクが簡単に翻弄されているのだ。この様子を見たら開発者は泣くに違いない。
ルナマリアは一番近くにいた青いザクファントムを包囲するジンに素早く照準を合わせ、ビームライフルを連射したが全く当たらない。それどころか素早く散開し攻撃をしかけてくる。
その狙いは恐ろしく正確で、数発が直撃した。
「油断するな、そこの新型! 今のがビームだったら死んでいるぞ!」
青いザクのパイロット、イザークから怒鳴りつけるような通信が入る。
見ず知らずの相手に怒鳴られたシンは多少むっとしたが、モニターに写っている相手が白服なのを確認して慌てて返事をした。
「イザーク・ジュール隊長……ですか!? そっちの指揮下に入れって言われてるんですけど」
「ああ、こちらもそう聞いている。まず俺やディアッカ達を包囲している奴らを撃破してくれ。
その後工作隊を狙っている奴らを……何ぃ!?」
指示を出していたイザークのザクの脇を、突然ビームの雨が襲う。
撃ってきた方向を見やったルナマリアは思わず叫んでいた。
「嘘……カオス!?なんでここに!」
「カオスだと! アーモリーワンで強奪された機体か!?」
思わず叫んだイザークだったが、それに答える暇すら戦場の慌ただしさは与えない。
『イザーク、まずいぞ! ジンが俺達の足止めをやめて工作隊に向かいやがった!』
『恐らく、カオスやダガーLと私達が戦っている間にメテオブレイカーを破壊する気です!』
ディアッカ、シホからの報告にイザークは舌打ちをした。彼が予想した以上にジン部隊の状況把握と対応が早い。
迷っている暇はないと判断したイザークは素早く指示を出した。
「ディアッカ、シホ! 貴様らはメテオブレイカーを護衛しろ!俺はミネルバのモビルスーツと共にカオスの迎撃に回る!」
『『了解!』』
返事と共に、二機のザクが遠ざかっていく。それを確認したイザークは再びインパルスに向けて通信をする。
「ミネルバには他にモビルスーツは無いのか?」
「いえ、他にはザクが一機。フォースインパルスと比べると足が遅いんで、少し遅れてくると思いますけど」
「一機だけか、まあいい。貴様らは付いてくるダガーL二機の相手をしていろ、俺はカオスをやる!」
イザークの命令にシンもルナマリアも驚いた。ザクでカオスとやり合おうなんて無謀にも程がある。
沈黙からそんな様子を読みとったか、イザークは理由を説明した。
「ミネルバからアスランがザクで来ると聞いている、奴と連携すれば勝てない相手ではない」
「そう……なんですか?」
シンもルナマリアもその自信がどこから来るのか全く分からなかったが、それを聞く前にイザークのザクはカオスへと向かっていた。
「……どうする、シン?」
「あっちがやるって言ってるんだから、ほっといていいだろ」
突き放すようにシンが言った。ルナマリアは多少気がかりではあったものの、軍では上官の命令は絶対である。
ともかく今の彼女の相手はエールストライカーを付けたダガーLだ。フォースインパルスは二機のエールダガーLへとライフルを向けた。
「うぇぇーい!」
ステラのエールダガーLが、ビームサーベルを振るう。
フォースインパルスはそれをなんとかシールドで受け止め、後退しながらライフルを連射。しかし二機のダガーLは軽々とそれを回避した。
「くっ……なんで性能差があるのに!」
「落ち着けルナ!無理に突っ込んでもやられるだけだぞ!」
「分かってるわよそんなの!」
そうは言っているものの、ルナマリアの表情は落ち着きとは縁遠い表情だ。
ダガーLはストライカーパック換装システムすら持つ優秀な量産機だが、既に二年前には量産されていた機体でもある。いくら1vs2とはいえ、最新鋭機のインパルスで互角なはずは無いのだ。
「えーいっ!」
ブースターを全開にしたフォースインパルスは、ライフルを連射しながらアウルのエールダガーLへ突進する。
機動戦を重視したフォースインパルスが突進すれば、そのスピードはすさまじい。あっという間に距離がつまる。
「ったく、しつこいっての!」
シールドを撃ち抜かれたアウル機は素早く左腕にビームサーベルを持ち替える。
そのままフォースインパルスが放ったビームの嵐をくぐり抜け、サーベルを振るう。しかしまたシールドに阻まれ、アウルは舌打ちした。
相手はライフルでシールドを破壊できるのに、こちらはサーベルが何回当たってもシールドを破壊できない。性能差があり過ぎる。
「ネオ、やっぱこんなんじゃ無理っぽいぜ! ここはスティングに任せて俺らはゲイツとかをやった方がよくね?」
通信を聞いたネオは、しばらく考え込んだ後うなずいた。
『分かった。お前達は新型を振り払ってテロリストにも少しちょっかいだして来い。そろそろザフトを支援しないと地球がやばいからな。
それに、ザフトの量産機として有名なジンやゲイツと戦う方が見栄えがするだろう』
「だってさ。先行け、ステラ」
「……分かった」
言うと同時に、ステラのエールダガーLがフォースインパルスから離れていく。それを見たシンは素早く意図に気付いた。
「ルナ! あいつ逃げる気だ!」
「損傷もないのにどういうこと? ……まさか一機でインパルスと?」
「いや、残った方も適当な所で切り上げる気だろ。方向から考えると狙いは工作隊だ、追わないとまずい!」
「分かった!」
再びフォースインパルスのブースターを全開にし追おうとしたルナだったが、目の前をビームの雨が通り過ぎるのを見て慌てて停止した。
「バァーカ、ここは通行止めだぜ!」
「こいつっ!」
ルナマリアはアウルのエールダガーLに向かってライフルを連射、同時にCIWSも放つ。しかし、全く当たらない。
こちらの攻撃は当たらないが、相手の攻撃は何回もシールドに当たっている。悔しいが、腕の差があるのを認めるしかなかった。
「シン、フォースならあいつを無視して先行ける!?」
「無理だ! こっちの向かう方向を読んで牽制してる、倒さないとここは通れない!」
「くっ……時間がないのに!」
ダガーLはこちらを倒すことではなく、あくまで牽制に回っている。
自分の間合いを保持することに力を注がれている以上、突破するのには恐ろしく時間が掛かるだろう。
こうなったら一撃くらう覚悟で行こうか―――ルナマリアがそう考えた時だった。
突然アウルのエールダガーLにビームの雨が降り注ぐ。
「えっ、何!?」
「ルナ、イザーク隊長とアスランのザクだ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ、それじゃカオスは!?」
ルナマリアは慌ててカオスを追わせていたモニターを前面に映し出した。
そこに映っているのは、既に機動兵装ポッドを失ったカオスの姿。つまり、イザークとアスランはザクでカオスを圧倒したという事になる。
この事実に、ルナマリア以上に驚いたのはアウルだ。
「おい、何やってんだよスティング!」
「うるせぇな、新型を壊さないように慎重にやったら逆にしくじったんだよ!」
「どっちみちやられた事に変わりねぇだろボケ!」
通信でスティングに悪態をつきながらもアウルのエールダガーLはビームを連射、二機のザクから離れカオスと連携しようとする。
しかし孤立しているこの状態を見逃すほど、イザークとアスランは甘くはない。
「イザーク!」
「うるさい!」
アスランがイザークに呼びかけたが、イザークは罵声で返した。もっとも、アスランにそれを気にした様子はない。
それと同時に二機のザクはビームライフルを連射する。
二機のザクが乱射したビームは回避したアウルだったが、それはイザークもアスランも折り込み済である。
むしろ避けることを想定していた。回避方向を読んで回り込み、エールダガーLを包囲する。
「今は俺が隊長だ!命令するな、民間人がァ!」
前に回ったイザーク機のファルクス・ビームトマホークを回避するも、後ろから来たアスラン機のビームトマホークには対応しきれず、右腕を持っていかれる。
とっさにカバーに入ろうとしたカオスだったが、アスラン機のビームライフルに阻まれた。
「くっ……こいつっ!」
苦し紛れにカオスはカリドゥス改・複相ビーム砲を放ったものの、そんな攻撃に当たるアスランではない。
それどころか、その隙をついてイザーク機がカオスの盾を両断する。
「凄い……あれが、ヤキン・ドゥーエを生き残ったパイロットの力なの……?」
思わずその動きに見惚れたルナマリアだったが、シンの声で我に帰った。
「ぼうっとするなルナ! 逃げた一機を追うぞ!」
「あ、う、うん!」
そう言われ、ルナマリアは慌ててフォースインパルスをユニウスセブン表面へ向かわせる。
カオスを圧倒する二機のザクを見ながら、シンは不機嫌な顔で誰にも気付かれないように呟いた。
「ちくしょう、俺だってこんな怪我が無ければ……!」
後半戦は後日。
エールダガーLは設定上は可能なはずです。多分。
投下乙です!
話の都合で時にはルナの出番が薄かったり、逆にルナを出すために設定作っても、
どっちもかまわないと思いますよ。作者さんが書きやすいようにしてくれれば♪
後半も期待してます!
843 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/21(火) 20:39:36 ID:lTZnWJXM
保守
捏造しないとキツイよな。
ルナは話的にはいなくても問題ないからな
845 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/22(水) 21:15:10 ID:UDcpTxNX
保守
種死で唯一むかつかなかったのはルナですた。アホ毛に癒される
>>846 アーサーばりに驚いたwww
嫌いじゃないけどむかついたよルナにも。
期待保守!!
849 :
782:2006/03/24(金) 00:05:30 ID:???
やっと完成したー!
ちなみに前後半合わせて一話の二倍の長さとなります。この調子で50話書いたら本当に長編ができてしまう……
850 :
782:2006/03/24(金) 00:06:32 ID:???
「ええい!」
ディアッカ機がオルトロスを構え、発射する。
僅かにサトーのジンHUをかすめたものの、致命傷には至らない。未だに工作隊はジンの部隊に包囲されている。
最初はザフトが圧倒的に上だった数の差も無くなってきている。ジンの数も確かに減ってきているが、それ以上にゲイツRの減少が大きいのだ。
『シホ、ディアッカ! 作業はまだ終わらないのか!?』
苛ついたようなイザークの声が通信機から飛んできた。
「待ってくれ、もう少し……!」
そう言った端から三機のジンがメテオブレイカーに迫る。再びオルトロスを構え、発射。
同時に周りのゲイツRもライフルを乱射。今まではこれでなんとか一時的に退かせられたが……今回は違った。
一機にビームが当たり、爆散するのも恐れず突っ込んでくる!
「こいつら……特攻する気かよ!?」
思わずディアッカは寒気を感じたが、それでも狙いを定め、恐怖に竦んでいる部下を叱咤しビームを放つ。
一機は撃墜されたものの、残り一機がビームをくぐり抜け、メテオブレイカーに迫る―――
「しまっ……」
その瞬間、突如横合いからビームが乱射された。
今まで無かった方向からの攻撃に、さすがにジンも怯む。その一瞬の隙を見逃さず、ディアッカはジンを撃ち抜いた。
「ふぅ、助かった……ぜ?」
ため息を吐きながらも、礼の一つでも言おうかとモニターを確認したディアッカは絶句した。
映っているのはエールダガーL、連合の機体である。そのまま、エールダガーLはジンの群れに突っ込んでいく。
「やっと手伝ってくれる気になった……ってわけでもなさそうだな」
ゲイツRがエールダガーLにライフルで追い払われるのを見て、やれやれとディアッカは肩をすくめた。
ジンとつるんでいると思われたか、それとも―――何か企んでいるのか。
どちらにせよ、早く作業を終わらせるべきだろう。
「シン、あれ見て!」
ルナマリアがモニターの一部を指さして叫んだ。そこにはユニウスセブンが割れる様子が映っている。メテオブレイカーが作動したのだ。
モビルスーツでさえ比較にならないほど巨大なユニウスセブンが、あっさりと割れていく。
その様子はどこか現実離れしており、タリアやデュランダルですらその様子を見て息を呑んだ。ルナマリアが驚くのも当然といえる。
だがシンは首を振った。その表情は険しい。
「あんなんじゃまだ駄目だ。あんなんじゃ……!」
―――俺の様な奴が出る……!
「……シン?」
ルナマリアはふと後ろを見た。そこには、いつもの活発な表情ではなく、まるで押さえ込まれたような陰に満ちた顔がある。
それでも―――いつも見ていなくても、どこかで見た事が。
「あ……」
『悔しいって!自分が怪我さえしてなければ、みんなを守れたかもしれないのにって!
それどころかお姉ちゃんのサポートさえろくに出来なかったって、泣いてたんだよ!?』
メイリンの言葉が蘇る。
シンはまだ何もしていない自分を許せていない。ただ見ているだけの自分を許せない。だから。
「……バカ」
聞こえないように誰にともなく呟いた後、ルナマリアは前に向き直り、視線を合わさず呼びかけた。
「ねぇシン。まだ作動していないメテオブレイカーはないか、探してくれない?」
851 :
782:2006/03/24(金) 00:07:21 ID:???
「なんでわたしが、こんな奴らに!」
ステラのエールダガーLは予想以上の苦戦を強いられていた。
ジン部隊とザフト、両方の攻撃を受けることになったのである。しかも乗っている機体の性能も高いとは言えない。
もちろん彼女は上手く立ち回り、ザフトとジン部隊を戦わせて自分への攻撃を減らそうとはした。
しかしそれをさせないほど、ジン部隊の動きが速いのだ。
「シホ! まだメテオブレイカーは残ってる、工作隊の指揮頼む!」
そうシホ機に言い残し、ディアッカ機がエールダガーLに肉薄する。
格闘戦か―――そう判断しビームサーベルを抜かせたステラだったが、ディアッカ機がトマホークを投擲したことでその判断は過ちだと気付いた。
「フェイント……!!!」
とっさに機体を反らせて回避したステラだったが、その隙を狙ってジン・ハイマニューバが重斬刀を振り下ろしてくる。
なんとかそれをシールドで受け止めたステラのエールダガーLは、画面端を見て慌てて後退した。
ディアッカ機のオルトロスを避けきれなかったジンHが爆発する。あと少し遅ければステラも巻き込まれていたのは疑いようがない。
更に後ろに警告。フォースインパルスが急激なスピードで迫っていた。このままでは包囲される形になる。
限界を悟ったステラは落ち込んだ声で通信をした。
「……ごめん、ネオ。もう無理」
『いや、よくやった。アウルとスティングはもう撤退している、ステラも戻れ。
それに、どの道限界さ。後はジブリール閣下に任せる』
「うん」
背を向けて撤退していくエールダガーLだったが、それを追撃する機体は無い。もうともかく時間がないのだ。
ザフトは急いで残りを砕かねばならず、ジン部隊はそれを防がなくてはいけない。
もう、青い星が目前に迫っていた。
撤退していくガーティ・ルーを見て、デュランダルとカガリはため息を吐いた。
「ようやく信じてくれたか……」
目を閉じて言うデュランダルだったが、タリアは重い声で反論した。
「いえ、おそらく別の理由でしょう」
「どういう理由だ、タリア?」
「高度です。ユニウス7と共にこのまま降下していけば、やがて艦も地球の引力から逃れられなくなります」
その言葉に、カガリもデュランダルも表情を曇らせた。しばらく考え込んだタリアは、決然とした表情で言った。
「こんな状況下に申し訳ありませんが、議長方はヴォルテールにお移りいただけますか?」
「なに?」
「ミネルバはこれより大気圏に突入し、限界までの艦主砲による対象の破砕を行いたいと思います」
「えええ、艦長!?」
アーサーがそれは無茶だと言う顔をしたが、タリアは無視した。
その様子は、デュランダルにタリアの決心の固さを悟らせるには充分である。
「分かった、すまない。では代表……」
「私はここに残る」
落ち着いた様子でデュランダルはカガリを促したが、カガリはそれを拒否した。
「アスランはまだ戻らない。それに、ミネルバがそこまでしてくれるというのなら、私も一緒に!」
デュランダルとは対照的に迷いのある様子だったが、それでもその言葉には強い意志が込められている。
それを感じ取ったデュランダルは、反論しようとしたタリアを制止した。
「代表がそうお望みでしたらお止めはしません。いいな、タリア」
852 :
782:2006/03/24(金) 00:08:54 ID:???
「くそっ、限界高度か……」
アスランは思わず唇を噛んだ。ユニウスセブンにたどり着いた瞬間、撤退命令を受けたのだ。
まだ巨大な破片が残っているというのに……。
『さっさと行け、アスラン。ミネルバは艦主砲を撃ちながら、共に降下するそうだ。
早く戻らないとモビルスーツで大気圏突破する羽目になるぞ』
アスランのザクを先導する形で進んでいたイザークのザクが止まり、通信を送ってきた。
イザークはイザークでまだ納得のいかない声をしていたし、実際もっと砕くべきだと思っている。
しかし、モビルスーツ単体で大気圏突破することがどれほど危険かも、体験者の彼がよく分かっている。
アスランがそれに返事をしようとした瞬間、ディアッカからイザークに通信が入った。
『おい! ミネルバの新型が残って作業してるぜ!』
『どこのバカだ! ったく、貴様も指示を仰いでる暇があったらさっさと止めてこい!』
『そうなんだけどよ、こんな大きさじゃまだ被害が出る、フェイズシフト装甲があるから大丈夫だ、とか言ってよ』
『むっ……』
怒鳴ったイザークだったが、確かに一理あるのは分かっている。このままでは地球は危険だ。そう分かっているから、ディアッカも強引に止められなかったのだ。
通信機越しに聞いていたアスランは、話を割り込んだ。
「俺が行って止めてくる。ミネルバに帰るついでにな」
『アスラン!? 何でそこにいんだよ!』
『ディアッカ、この事は通信で聞いていただろう! ともかく、貴様!本当に止めるだけなんだな?』
「ああ」
『……』
『お、おい、イザーク?』
ふぅ、とため息を吐いたイザークは、誰にも見られないように笑みを浮かべた。
『ふん、無茶はするなよ。ディアッカ、帰還するぞ! 議長は既にヴォルテールに到着しているはずだ、失礼の無いようにしろ!』
『ちょ、ちょっと待てイザーク!アスランはほっといていいのかよ!?』
『こいつが言ってやめるような性格か!』
慌てた声で言うディアッカを無視し、イザークのザクはユニウスセブンに背を向けた。
結局ディアッカのザクもそれに従う形で艦に向かっていく。
アスランは一言だけ、別れの挨拶を送った。
「相変わらずだな、イザーク」
『貴様もだ!』
挨拶の返事にしてはずいぶんとぶっきらぼうなイザークの言葉。この様子を見て、ディアッカは思わず呟いていた。
「やれやれ。十年経っても変わりそうにないな、こいつらは」
ユニウスセブンの地表で、インパルスがたった一機、立っていた。脇にはメテオブレイカーがある。
「ルナ、もう少し左腕をずらせ。うん、そこだ」
「分かったわ。……いまいち安定しないわね」
重力がユニウスセブンに様々な影響を与え、振動させる。それが、メテオブレイカーを設置するのを難しくしていた。
もっとも、逆に言えばもうそこまでの高度になったということだ。二人の表情に徐々に焦りが生まれる。
そこに突然、通信が入った。
『何やってるんだ、お前ら。撤退命令は出ているぞ』
「っ!? アスラン……さん?」
驚いたようなシンの声を無視して、アスランのザクはインパルスの脇に降り立った。
『ミネルバの主砲が撃たれるぞ、ここは危険だ』
「でしょうね、お先にどうぞ。俺達はこれを作動させてから戻ります」
ふう、と通信機からため息が聞こえ、シンもルナマリアも予想しなかった言葉をアスランは言った。
『じゃあ少しでも早く戻れるように、俺も手伝おう。構わないな』
「え、ええ! じょ、冗談だろ!?」
「な、何言ってるんですか!? もし戻れなかったら地面に叩き付けられておしまいですよ!」
『だったらすぐに作動させて艦に帰ればいい。ほら、そっちを持ってくれ』
言っている間にもザクはメテオブレイカーの取っ手を掴んでいる。
断る手段もなく、理由も無いので、シンもルナもアスランの言葉に従った。
もともとメテオブレイカーはモビルスーツを二機使って設置する物である。
そのため、アスランが加わった事で作業は順調に進み出した。
「これでいいわね。後は作動させるだけ……」
固定が完了し、ルナマリアがため息を吐いた瞬間。
『……気を付けろ、囲まれているぞ!』
アスランが言うと同時に、ビームが着弾する。
ルナマリアが確認するより早く、シンが数え上げた。
「やつらだ! 生き残り三機全員が集まってきてやがる!」
「ええ!? 後少しなのに!」
『くそっ! メテオブレイカーは作業完了まで何秒掛かる!?』
「十五秒!」
『分かった!』
アスランは叫びながらも、ザクに開始ボタンを押させていた。後は放って置いてもドリルが地中へと潜り込んでいく。
―――機械が破壊されない限り。
854 :
782:2006/03/24(金) 00:10:41 ID:???
ルナマリアとアスランがそれぞれ乗機にライフルとシールドを構えさせる一方、シンは相手の武装を素早く調べていた。
「ルナ、アスランさん! 飛び道具が残っているのは一機だけみたいだ!
そいつを優先して倒せばなんとかなる!」
「うん、分かった!」
『了解だ!』
返事と同時に、インパルスとザクは全武装を乱射する。もうこれで最後、弾を気にする必要はない。
もっともそれは相手にも言え、更に相手は命も気にする必要がなかった。盾すら構えずに突っ込んでくる。
「くっ、あいつら……」
『怯むな!』
アスランが叱咤すると同時に、ファイアー・ビー誘導ミサイルが全弾発射される。
ジンの脆い装甲では耐えきれる物ではなく、唯一飛び道具を持っていた一機が火だるまと化す。
だがそれと同時に、重斬刀を持ったジン・ハイマニューバがインパルス目がけ突進。強烈な体当たりを行い、そのままインパルスを組み伏せる形となった。
とっさに振り払おうとしたルナマリアに、聞き覚えのない男の声が聞こえた。
『我が娘のこの墓標、落として焼かねば世界は変わらぬ!』
「えっ!?」
「むすめ!?」
アスランの声でもシンの声でもない。つまりこれは、接触通信。
ルナマリアが呆然とした隙に、ジンHは重斬刀をインパルスに振り下ろす。全く効き目はなくとも、何度も何度も。
アスランは援護しようとしたが、サトーのジンHUに阻まれた。振り上げられた斬機刀を間一髪、ビームトマホークで止める。
その瞬間、サトーの叫びがアスランに、シンに、ルナマリアに聞こえた。
『此処で無惨に散った命の嘆きを忘れ、討った者と何故偽りの世界で笑うか! 貴様等は!』
「え……」
シンも、アスランでさえ一瞬戦闘を忘れるほどの、激しい怒り、憎しみを込めた言葉。
『軟弱なクラインの後継者どもに騙されて、ザフトは変わってしまった!
何故気付かぬかッ! 我等コーディネーターにとってパトリック・ザラの執った道こそが唯一正しきものと!』
『な……!?』
思わずアスランは呆然とした。自分がかつて敬愛し、そして豹変し、敵対した父の名。
それを彼らは支持すべきものとしてあげている―――!
一番早く立ち直ったのはシンだった。
「ルナ、まずい! 振りほどけっ!」
「えっ!?」
ジンHは重斬刀を振り下ろすのを止めていた。しかし……それは諦めたからではなく、最終手段を使うため。
突如ジンHが爆発する。その爆風に吹き飛ばされ、インパルスはユニウスセブンから落ちていく。
『我等のこの想い、今度こそナチュラル共に!!』
言うのと同時に、サトーのジンHUも自爆、メテオブレイカーごとアスランのザクを吹き飛ばした。
855 :
782:2006/03/24(金) 00:11:29 ID:???
ミネルバのブリッジは慌ただしい事になっていた。
大気圏突入、モビルスーツの位置確認、陽電子砲チャージ。その三つを同時にこなしているためである。
「降下シークエンス、フェイズ2! まもなくフェイズ3へ移行!」
「お姉ちゃん、シン! 返事して! アスランさん!」
「陽電子、臨海点です!」
各員から入る報告を聞いてタリアは爪を噛んだ。もう時間がない。これ以上決断を引き延ばすのは不可能だ。
彼女は口を開き、指示を出した。
「タンホイザー起動!」
「ええ!?」
「で、でも艦長、お……インパルスが!」
カガリとメイリンが反対の叫び声を上げたが、タリアはその二人の方向を見ずに指示を出した。
「ユニウスセブン落下阻止は、何があってもやり遂げねばならない任務だわ。照準、右舷前方構造体! てぇッ!!」
タリアの指示と共に、ミネルバの前部中央に砲が現れる。その砲は光を集めていき、やがて紅い光を放った。
ユニウスセブンを切り裂く、光の帯を。
856 :
782:2006/03/24(金) 00:13:10 ID:???
投下終了。
とりあえず、プラントへの電撃核攻撃は省略するか無くす予定です。ミーアは……どうしようかな……
857 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/24(金) 20:15:39 ID:uZpWvcda
乙
おつかれ〜。ルナが強くないぶん元クルーゼ隊ががんばってますね
シンも的確にナビしているけどもう少し早くしないとルナじゃ間に合わないw
最後のシーンも気になる終わりかただし期待して待ってます
あとルナの居ない場面は省略したり、ニュース等で知るって方法でもOKだと思います
ミーアの存在自体無くても支障はなさそうな気が。
ルナとほとんど絡んでないし。
スレ違いな発言で申し訳ないが、本当に福田負債はろくな奴らじゃないよな。
俺種死が放送する前は、ルナマリアを見て結構期待してたんだよ。
女の赤服パイロットで、しかも赤いザクに乗るなんて、もしかして、結構強い?
可愛い顔して実力者なんて、結構いいねぇ…。
…とかそんな風に思っていたが、実際には射撃下手、デブリ帯、水中戦は苦手と
駄目な所ばかり強調されて、役立たずに描かれてたんだよな…。
しかも、嫌がらせのように、ジブリールのシャトルを打ち落とし損ねるシーン
わざわざルナマリアにやらせるし…。
しかも、後半無理やりに
見るからに嫌いな奴同士くっつけてみましたなシンルナ展開をやっときながら
シンにあっているのはやっぱりステラなんて、インタで言ってたり
スペエディでは本編とラストを変える。
シンの運命は好転するが、あるキャラの運命は転落する、なんて言ってるし…。
これを聞いてると、ルナマリアが死亡もしくは酷い運命をたどるとも取れないか?
俺はそうとったんだが、それにしても負債はろくなモンじゃない。
何であんな奴らが種シリーズの生みの親なんだ…orz
いっそ種死だけでも完全に負債以外の誰かにリライトして欲しい。
つーか高山版をアニメ化して欲しいよ…。
高山版って、ルナの出番そんなに多くないけど、特に扱い酷いわけじゃなかったし…。
861 :
860:2006/03/26(日) 05:09:57 ID:???
そんな俺にとって、ここはまさに理想に近い場所だ。
ルナ視点だから、ルナだって頑張ってるんだってのが伝わってくるし
どっかのバカ負債の作ったアニメと違って
完全にいいとこなしの駄目女で、何で赤服を着てるのか理解に苦しむ
なんて風なキャラにされてないし…。
ただ、ちょっと気になる事があるんだ…。
負債発言からの推測だが、もしスペエディでルナが死ぬ
あるいは不幸になるなんて展開になったら、どう思う?
あと職人さんも、そんな展開になったら、創作意欲がなくなったりしない?
それが、ちょっと心配になってきた…。
スレ違いな発言&愚痴&質問スマソ…。
負債インタを読んだら、すごい鬱な気持ちになって
この気持ちをどうしても誰かに言いたかったんだ…。
スレの雰囲気を悪くしたとしたら、本当に申し訳ない…。
次からは、職人さんの邪魔にならないように、なるべくROMに徹しているようにするよ…。
>スペエディでは本編とラストを変える。
>シンの運命は好転するが、あるキャラの運命は転落する、なんて言ってるし…。
もちつけ。
これはZ劇場版インタの捏造コピペだぞ
863 :
860:2006/03/26(日) 05:28:38 ID:???
>>862 へっ…?
じゃあその文章はネタ…?
うわ、俺めっちゃ恥ずかしい…orz
ネタをマジ情報だと思ってこんな長々とした文章を…orz
「ウソをウソと(ry」ってひろゆきの台詞を思い出したよ…。
ROMに徹する以前に、自分は2ちゃんにいても問題ないのかを
考える必要があったみたいだな…orz
気にするな、君のルナマリアへの想いは伝わってきたからw
865 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/27(月) 09:43:02 ID:RBJzkAtI
保守
866 :
782:2006/03/27(月) 21:43:18 ID:???
時間が取れない……
行き詰まって結局オリジナル展開になった……
ユウナの話し方難しい……嗚呼、三重苦。
ともかく、前半投下です。
ユニウスセブンの破片は、大気圏突入の際の熱、そして途中までとはいえインパルスに打ち込まれたメテオブレイカーの影響で脆くなっていた。
ミネルバのタンホイザーに耐えきれず、砕かれていく。それは多くの人の命を助けることになるだろう。
しかし近くにいたルナマリア達は助かるどころか、次々と降ってくる岩の破片に手を焼く事になった。
「もう、少しは撃つのを待ってくれたってよかったのに!」
「命令を無視したのは……こっちさ……」
答えるシンの声は弱々しい。ジンHの自爆は装甲自体にはダメージを与えていないが、相当な衝撃をコックピット内に伝え、未だ治っていないシンの怪我を悪化させていた。
その上、モビルスーツ単体での大気圏突入という荒技もまた、彼に大きな負担を掛けている。
ルナマリアとしては本当に大丈夫なのか聞きたかったが、シンの性格からすればそういう言葉を言われるのは好まないだろう。何より聞いたところで、大丈夫だと言い張るに違いない。
だからその気持ちを押し殺し、無事に大気圏突入することに専念する。
「シン、どうすればいい!?」
「突入角度を……15°ほど上に。後は、廃熱システムが大丈夫かどうか確認していればいい……づっ!」
「シンッ!」
「気にすんな……」
そう言うシンの額には汗がにじんでいる。これで大丈夫だと判断する人間はまずいない。
ルナマリアにできるのはたった一つ、出来る限り上手く突入しシンの苦痛を和らげる事だけ……
そこで突然、シンの顔がモニターの右端を見つめて言った。
「おい、ルナ、あれ……」
「あ、アスランさんの!?」
つられて見たルナマリアは驚きの声を上げる。その先には左腕ごとシールドを失ったアスランのザクがいた。
ギリギリでサトーの自爆の爆風を防いだアスランだったが、インパルスの様な装甲がないザクでは完全に防ぎきることができなかったのだ。
シンは小さいながらも、はっきりとした声で言った。
「ルナ……インパルスをあっちに」
「……助けるのね?」
ルナマリアの問いに、シンは小さく肯いた。目の前で人が死ぬのはもう御免だ。
それを確認して、ルナマリアはペダルを強く踏み込む。フォースインパルスはブースターを吹かし、ザクへと向かいだした。
「インパルスの半分以上の大きさの破片は避けるか……破壊して、それより小さい破片は……」
「VPS装甲があるから大丈夫、ね?」
「……ああ」
もはやシンは喋っているだけで辛そうだ。それでもサポートしようとするあたり、どうしてここまで他人の死を恐れるんだろう―――
ルナマリアは不思議だったが、今はそんな事を気にしている場合ではない。
「シン、アスランさんとの通信は私がするわ。インパルスの計器はシンの方が詳しいでしょ、チェックお願い」
「……」
たまりかねてルナマリアが言った言葉にシンは渋々、と言った顔で肯いた。
姿勢制御などはルナマリアが行うのだから実質これは「休んでいろ」と言ったのに等しい。もっともそのつもりで彼女は言ったのだが。
シンの表情にため息を吐きつつ、ルナマリアはアスラン機に通信を繋いだ。
「アスランさん。ご無事ですか?」
『ちょっ……まずいか……も何とかしてみせ……』
途切れ途切れなザクからの通信に、ルナマリアは危機感を募らせた。
確かに大気圏突入時は通信が阻害されるが、ここまでにはならない。つまり、ザクはそこまで損傷を受けている。
「シン、どうする?」
おそらくシンも同じ事を考えたんのだろう、考え込む素振りを見せていた。
ルナマリアとしてはあまりシンに負担を掛けたくないが……悔しいことに、自分だけではいい案が思い浮かばない。
しばらくして、シンは口を開いた。
「シールドを……渡してやれ。その後こっちが先に突入して……ザクを、地面にぶつかる前に捕まえる」
「え、ええ!? そんな事して大丈夫なの?」
「フォースインパルスなら……な」
そっちじゃないわよ……そうルナマリアは心の中で呟いた。
シールドを渡せば、大気との摩擦を直接機体が受けるため自然に姿勢は不安定になり。
先に突入しようとスピードを上げれば……やはりインパルスは大気に揺さぶられる。
そして強烈なスピードで落ちてくるザクを捕まえれば、その際に強い衝撃を受ける。
それらは全て、シンの怪我を確実に悪化させる。
しかし……かといってこのままでは、確実にアスランは死ぬだろう。
二人とも無事に帰らせるには、方法はただ一つだ。
「私が上手くやるしかないわね……」
ルナマリアは覚悟を決めてインパルスのシールドを手渡し、機体を地球へ向ける。
アスランの心配する声が聞こえたが、ルナマリアは無視した……というより、聞く余裕がない。
できるだけ機体を前傾姿勢にし、機体が受ける摩擦を減らす。
「自動制御じゃ駄目だわ、手動でしないと。シン、角度は?……シン!?」
返事がない事に慌てたルナマリアは後ろを振りむきかけて、慌てて顔を戻した。
少しでも注意を逸らせば、姿勢はあっという間に崩れる。ともかく、無事に投入するのが先だ。
はやる気持ちを押さえつけてペダルやレバーの微妙な調節を行っていると、突然摩擦が消え、視界が蒼く染まった。大気圏への突入が完了したのだ。
「後はザクのキャッチね……上手くやらないと」
落ちてくるザクを止まって受け止めれば、相当な衝撃を受けることになってしまう。今のシンがそれに耐えきれるとは思えない。
スピードを少しだけ減速させ、共に落下しながらザクを受け止め、その後減速する。それが一番衝撃を減らせる方法だ。
「よし……!」
レーダーに反応、アスラン機は無事に突入できたらしい。
もっとも貸したシールドでカバーできなかった両足は吹き飛んでいるし、シールドも飛んでいっているので、これを無事といえるかは疑わしいが。
多少減速しながら方向をアスランのザクに合わせる。レーダーが示す距離の数値が、少しずつ小さくなっていく。
そして、衝撃。
「っ……っと。ご無事ですか、アスランさん」
『ああ……すまない』
ボロボロになった分機体が軽くなっているからか、予想より衝撃は小さかった。後は減速するだけだ。
フォースの出力なら、地面もしくは海面に叩き付けられる事は避けられる。やっと安堵したルナマリアは、後ろを振り返った。
「大丈夫だよね……シン……」
見る限り息はしている様だが、意識は無い。
ノーマルスーツを脱がして何か処置をすべきなのだろうが、操縦しながらそんな事ができるほど彼女は器用ではない。
一刻も早くミネルバに戻るしかない―――そう思って顔を戻したルナマリアは、レーダーを見て息を呑んだ。
異変に気付いたのだろう、アスラン機から接触通信が届く。
『どうした? 何かあったのか?』
「ミネルバと……はぐれちゃったみたいです。代わりに……オーブのモビルスーツが」
『……何!?』
メインカメラが死んでいるアスランのザクでは見えなかったが……フォースインパルスのモニターにははっきり、
オーブの大地、そして銃を向けるこの国の正式採用機・M1アストレイが映っていた。
そう、ここはオーブ領土の、ちょうど真上だった。
『ザフト軍モビルスーツに告ぐ。貴殿はオーブ連合首長国の領空を侵犯している。いったんそこで止まりたまえ』
重々しい声で警告が入る。あまりにいきなりな警告に戸惑いながらも、ルナマリアは反論した。
「で、でも、怪我人がいるんです! それに母艦も見つからなくて、早くしないと!」
『……分かった。ともかくそこで待機していたまえ、今上層部が対応を検討している』
「だから、そんな時間の余裕はっ!」
あまりにものらりくらりとした対応に、ルナマリアは瞬間沸騰しかけた。だがその瞬間、ザクから鋭い声が走る。
『聞こえているか、オーブ軍! こちらはアレックス・ディノ!』
『あ、アレックス……だと!?』
既にザクの通信機は故障しているため、インパルスの通信機越しにアスランはオーブ軍に通信を入れた。
インパルスとは接触通信で繋がっているため、アスランのはっきりとした声は明瞭に響く。
相手が驚きの声を上げるのも構わずアスランは続ける。
『この機体はユニウスセブン破砕に参加した機体だ! カガリ・ユラ・アスハ代表も出来るだけ手厚い世話をするように、とおっしゃっていた。
もしむざむざ死なせるような事があれば、代表はお怒りになるだろう。そこを考慮した対応を願う!』
『りょ、了解した! 今上層部にそう伝える!』
そう言うやいなや、M1は銃を下ろした。その後はあっという間である。
あっさりと許可が下り、フォースインパルスは軍施設に着陸を許される事となった。
ため息を吐いたルナマリアは、アスランに質問をした。
「アスランさん、さっきのって……」
『嘘に決まっているだろう。こういう時に後先考えずに動いてしまう悪い癖があって、いつも後悔してる』
アスランの言葉には、どこか自嘲する様子がある。
ルナマリアはふと思った。アスランは意外と、シンと似た性格なのかもしれないと。
インパルスが降り立つと、すぐに兵士がシンを医務室に搬送しルナマリアには一室があてがわれた。
テレビもベッドもあり、あまり不自由はしない。名目上の監視としてアスランもいるため、退屈もしそうには無い。
「シンは大丈夫だと思います?」
「多分な。医者の話だと二、三日眠っていれば大丈夫だそうだ。まぁ当分はモビルスーツに乗るべきではないだろうな」
「……そうですか」
ルナマリアはほっとしたような声を出した。シンが望んだ事とは言え、命令を無視してユニウスセブンにインパルスを残らせたのは彼女だ。
再びため息を吐いたルナマリアだったが、その瞬間いきなり扉が開く音がした。
見ると、青紫の髪をした長身の優男が立っている。ルナマリアが反応するより先に、アスランが声を上げた。
「こんな所に何の用だ、ユウナ」
「何の用だとはつれないねぇ〜、アレックス。
よりにもよってザフトがこの国にやってくるんだ、けっこうこっちは困ってるのさ。で、僕が直々に来ることとなったわけだ」
傍目に見ていても、この二人の仲はいいとは思えない口調だ。事情を知らないルナマリアも、黙っているのが賢明だと悟った。
「よりにもよって、とかやって『くる』、とはどういう意味だ?」
「おや、テレビを見てなかったのかい?そうだね、まずは2chだ」
眉をつり上げながらも、アスランはテレビの電源を付けた。
その途端に映ったのは―――ジンと戦うダガーLの姿『だけ』。
『……ブンにはフレアモーターが設置されており、また現場に急行した部隊がザフト軍で使用されているモビルスーツを確認しています。
連合各国はプラントに対し厳重な対応を求める方針で……』
「インパルスやザクが……映ってない!?」
「馬鹿な、なんだこれは! まるでザフトがこれを落としたようじゃないか!」
ルナマリアやアスランが驚きや怒りをにじませたが、対するユウナは平然としたものだ。
「要するに君たちは―――テロリストも含めて、連合の手の上で踊らされていたのさ。
これの効果は絶大だ。ほら」
そう言ってユウナはチャンネルを変えていく。アンケートの結果らしき円グラフが映っているチャンネルに変わった所でまた喋りだした。
「オーブでさえこれさ。聞く話では、先の大戦でプラントの味方だった大洋州連合も反プラントの声が大きいとか。
いやぁ、大西洋連邦の情報操作は見事だねぇ?」
まるでユウナの話し方は下らない世間話をするかのようだった。
しかし、テレビに映る物はまったく下らないでは済まない物―――アンケートに答えたうちの半分以上が、プラントに何らかの制裁を下すべきだと答えたという結果。
今までできるだけ抑えていたアスランも、とうとう立ち上がって大声を出した。
「馬鹿な! 情報操作だと分かっているのならなぜ真実を公表しない!
大西洋連邦の下らない手に乗る気なのか!?」
「確かに……『ザフトが』落としたのは嘘だ。だけど『コーディネイターが』落としたのは事実なのさ。
落としたのも現実、被害が出たのも、現実。
そして、コーディネイター全てが悪だと考えるのは、コーディネイターの一部が悪だと考えるより単純で、簡単なんだよ。
特に、ユニウスセブンで被害を被った人々には、ね。
なんで真実を公表しないかって? 地球にいる人全ての非難に耐えきれる自信は無いんでね、僕は。君にはあるのかい?
オーブでさえ、耐えきれるとは思えないけど?」
ユウナの言葉に、アスランは思わず歯を噛みしめていた。
かなり嫌味に満ちた口調だったが、だからといってその口調に言葉の説得力が失われるわけでもない。
脇で困惑したような表情を見せているルナマリアを一瞥した後、ユウナは後ろを向いた。
「それと、幸いにもカガリは無事に地球に来ていた事を軍は確認したよ。ザフトの艦もね。
カガリ曰く、手厚い世話をするようになんて言った覚えはないそうだ。
アレックス、君には後々処罰が下されるからそのつもりで」
嫌味な口調のままユウナは言い放つ。
今にも後ろから殴りかかりそうな目つきでその背中を見つめていたアスランだったが、ユウナが部屋を出ていった所で結局腰を下ろした。
下ろすしか、無かった。
872 :
782:2006/03/27(月) 21:56:03 ID:???
投下終了
とりあえず、読みやすくしてみました。
さて、連絡です。
ミネルバの戦闘員があまりにも少ないため、ハイネを早め(アスランと同時期、もしくはそれより早く)に参加させる予定です。
でもって、そのハイネと共に来るキャラクターを募集します。新規キャラでも既存キャラでも。
新規のキャラがいいという場合は「名前・髪型・性別・性格」を書いて下さい。ただし、死亡する可能性は高いですのでその辺りはご了承下さい。
「イザークとかディアッカとかシホでよくね?」となど、既存キャラでなんとかなるという意見がある人は、それも言って下さると助かります。
正直、今のままでは強化人間+ネオに勝てる気がしませんので。
>>872 ディアッカ参戦はありかも。
遺作「あんな戦力でどうにかなる訳がない!」
痔「どうするっての? お前はここを預かる身だろ?」
遺作「そんな事はわかっているキョシヌケェ!!
…ディアッカ、お前行って来い。理由は俺が適当にでっち上げるから」
あ、忘れてた。
投下乙です。
前半オツカレです
ユウナが早くも目立っている。これからどんなユウナになるのかwktkです
追加キャラにレイの名が無いってことはレイは除外ってことですか?
それならせっかくのオリ展開だしディアッカもってくるのはどうでしょ。実際本編では重要な役割じゃないし
もしくはアストレイとかのキャラを名前と設定だけもってくるとか。テストパイロットが何人かいるみたいですしね
私はアストレイ知らないから口調適当でもキニシナイ。
875 :
782:2006/03/28(火) 15:15:23 ID:???
投下投下〜。今回は半日で書けた。
何かジブリールが出ると書きやすいです。見事なまでに悪役なので。
>>873 ありがとうございます、参考にさせて頂きます。
ディアッカ、人気ですね。
>>874 レイの名前は挙げていないですけど、別に除外したわけではないですよ。
ただレイを出す場合、一部設定(ネオとのキュピーンとか)は消える可能性が高いですが。
あくまで主役はルナなので。(シンも主役か?)
ユウナが部屋を出た後、沈黙に耐えきれなかったルナマリアは多少ためらいながらも質問した。
「あの……今の人、誰なんですか?」
「ユウマ・ロマ・セイラン。前大戦後新たに五大氏族に昇格したセイラン家の嫡男さ。
もとが新興企業の社長の一族だからか、ともかく金とか資本の面での発展を優先しがちでね。
理念を大切にしてるカガリとは対立してる」
ふぅ、とアスランはため息を吐いた。それにつられてか、ルナマリアも暗い顔になる。
「……私達を連合に売り渡したり、しませんよね?」
「ないさ。カガリはそういう事が大ッ嫌いだからな」
アスランはそう言ったものの、ルナマリアの暗い表情は変わらない。
しばらく考え込んだ後、アスランは明るい調子で軽い笑みを浮かべて言った。
「心配するな。シンだったか? 彼が言ってただろ、綺麗事はアスハのお家芸だってさ」
もちろん、ちょっとした冗談なのは言うまでもない。
効果はあったようで、思わずルナマリアも笑みを見せていた。
ジブリール家が保有する、とある邸宅の一室。そこにジブリールは立っていた。
その部屋には100を越える画像を同時に映し出す特殊端末が設置されており、同じ設備を持つ人間が多数いれば距離に関係なくリアルタイムでの会議すら行う事が可能である。
『ふむ……ひどい有様だ』
『君にも責任の一端はありそうじゃの、ジブリール?』
「何をおっしゃいます。混乱している他企業の者をよそに、あなた方の企業は既に復興作業の権益を確保していると聞きます。
私のやったことで利益こそ出ても、損害が出ているとは思えませんな?」
ワイングラス片手に、ジブリールは悠然たる様子で言った。
そう―――ユウナの言うとおり、何もかも、この損害すら彼らの手の内。
あらかじめ情報を得ていた彼らは、それを止めることよりもそれを利用する事を選んだ。
「むしろやりすぎなのは皆様の方でしょう。
大企業が揃ってシェルターの準備をしたり、重要データや機材のバックアップを取ったり……
いくら情報統制しても、この不自然さはいずれ気付かれるでしょうな?」
『……何が言いたいのかの?』
「なぁに、簡単な話です。
万一気付かれた場合、おそらくデュランダルは民衆全てが我々を敵視するようにし向けるでしょう。
奴の動きは早い。今回も既に、甘い言葉を吐きながらなんだかんだと手を出してきていますからね。
不安材料は消しておくべきです……敵がいなくなってからなら、例え露見したところでいくらでも対応しおうがある」
最後は呟くように言った後、ジブリールは立ち上がって呼びかけた。
「開戦許可。それを頂けますかな?」
ミネルバはオーブの港に入港した。オーブの国家元首を伴っての物である以上、それなりに歓迎を受けるのが当然ではある。しかし……
「予想以上に警戒されてるわね……」
「……すまない、タリア艦長。本来ならミネルバには出来るだけの便宜を図るつもりでいたが、この情勢下では」
「代表が謝る事ではありませんわ」
オーブに入国許可を求めたミネルバだったが、随伴にオーブ艦が付くことになった。
それだけなら好意的なエスコートと見ることもできるが、ミネルバに随伴するオーブ艦の甲板にはモビルスーツがいた。
武器は持っていないが、準備はしているだろう。とても友好的な態度とは言い難い。
何事もなく平和に入港はしたものの、この先もそうなるかは怪しいところだ。
頭を悩ませながらも、今後の動きを話し合うためタリアはカガリを伴ってタラップを降りた。
目の前には宰相ウナト・エマ・セイラン以下官僚達が並んでいる。
「オーブ連合首長国宰相、ウナト・エマ・セイランだ。この度は代表の帰国に尽力いただき感謝する」
「ザフト軍ミネルバ艦長、タリア・グラディスであります。
不測の事態とはいえアスハ代表にまで多大なご迷惑をおかけし、大変遺憾に思っております。また、この度の災害につきましても、お見舞い申し上げます」
「うむ。まずはゆっくりと休まれよ。
何かご入り用の物があったら、後ほど言ってくれるとありがたい。できる限り善処する」
「ありがとうございます。それと、こちらに我が部隊のパイロットがいるとのお話ですが」
「その件については後ほど詳しく話を。正確に言えば……そのパイロットの乗っている機体か」
「……了解いたしました」
ウナトの最後の言葉に多少苛立ったものの、タリアは表情を変えずに敬礼した。
その「話」とやらがまともな物では無いことは見え透いていたが、この状況下では従うしかない。
しかし、意外な所から反論が来た。
「どういうつもりだウナト! 私はミネルバをちゃんともてなせと言ったはず!
入港する時といい、その態度はなんだ!」
そう声を上げたのはカガリである。しかし続きを言う前に、ユウナがカガリとは対照的な静かな声で遮った。
「カガリ、場をわきまえてくれると助かるね。艦長殿がいるんだ」
「ユウナ! しかし!」
「続きは行政府でやろうか。アレックスの処罰も決めなくちゃいけない」
「待て! 確かにアス……アレックスは嘘を言っていたが、私がそう思っていたのは事実だ!」
「だから、それも行政府でだ。艦長、見苦しい所を見せて申し訳ない」
「いえ」
タリアの返事を聞いて、ウナト達官僚は一斉に歩き出した。カガリも渋々ながら従っていく。
タリアは思わず、未来のオーブの姿をそれを重ねていた。
「結局は当分待機、って事ですか? まだミネルバには戻れないんですか」
「らしいな」
廊下を歩きながらアスランとルナマリアは話し込んでいた。
そう連絡を受けた二人は、とりあえずシンにも伝える事にしたのである。
しかし、ルナマリアだけではなくアスランにもこの連絡は疑問だった。
多少引っかかりを感じながらも、アスランは医務室のカード端末にカードキーを入れた。
部屋の中では、シンが身を起こして所在なげにテレビを見ている。
「あ、シン。起きてて大丈夫なの?」
「別に大したことないさ、あれくらい」
ルナマリアの質問に、シンはいつも通りに答えた。
もっとも片腕を固定し、点滴をうっている姿を大したことないと言えるかは疑問である。
ルナマリアはため息を吐きつつ、シンに連絡内容を伝えた。最後に一言付け足して。
「なんで艦に戻れないんだろうね、私達」
「さあな。パイロットを隔離して抵抗できなくして、連合に売り渡すんじゃないか?」
「ちょっと、物騒な事言わないでよ!」
ルナマリアがアスランを気にしながら非難したが、アスランはため息を吐いただけだ。
「俺はちょっと席を外すよ。二人きりの方が何かと話しやすいだろうし……」
「あなたはまた働くんですか?オーブで」
「……何?」
「シン?」
部屋を出ようと後ろを向いたアスランだったが、シンの突然の質問に振り向いた。
ルナマリアの視線にも構わずシンは続ける。
「オーブは力を否定する国だ……少なくともアスハは。
あなたはそんなに力があるのに、そんな所で何をしてるんです?」
「……何が言いたい?」
「力があるのに使えない、認められない……それじゃあ意味がない、そういう事をです」
そう言うシンの視線は鋭い。シンの言葉の意味同様に―――アスランに返事を躊躇わせる程に。
オロファト、オーブ行政府。その一室では氏族会議が行われていた。
もっとも今回の氏族会議は事前にすり合わせなどの裏工作が行われ、ただ規定事項を通らせるのみの形式化した会議となっていた。
ただし―――唯一、その裏工作の対象となっていなかった者がいたが。
「なんだと!一体何を言ってるんだこんな時に!」
「こんな時だからこそですよ代表。約定の中には無論、被災地への救助、救援も盛り込まれておりますし」
声を張り上げるカガリに、五大氏族の一人、タツキ・マシマが諭すような表情で言った。
もっとも―――その表情はカガリを除くこの部屋の氏族全てが持っていたが。
後を引き継ぐようにウナトが続ける。
「地球が被った被害はそれは酷いものです。今あの画像を見せられ、怒らぬ者などこの地上に居るはずもありません」
「だが……大西洋連邦は明らかに情報操作をしているんだぞ!」
「それも解ってはいます。だが実際に被災した何千万という人々にそれが言えますか?」
「くぅっ……!」
ウナトの表情にカガリは悟った。
既に他の氏族にこの内容に同意するように、裏で工作していたのだと。全員が賛同すれば、いかにアスハ家の力でも抗うのは難しい。
カガリが黙り込んだのを見て、ウナトは静かに告げた。
「さて、大西洋連邦との新たなる同盟条約の締結―――まだご反論がありますかな?」
880 :
782:2006/03/28(火) 15:22:43 ID:???
投下終了。
ユウナとカガリの婚約は無しで。設定が矛盾するんですよ。
セイラン家は前大戦後(≒ウズミの死後)に五大氏族になったんだから、ユウナとの婚約をカガリが知らないはずが無いんですよね……
カガリがオーブを出るのは違う理由を考えてあります。
881 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/28(火) 21:56:00 ID:bNy3mpev
GJ
>>782 相変わらずGJ!
本編をいい具合にリライトしてるな。
このままの調子で頑張ってくれ。
応援してるぞ。
乙です
そういえばシンもルナも軟禁状態ってことは今インパルスはオーブ軍管理下に…
OSとかロックしていても機械的なものをいろいろ調べられていそうだな
乙です。
アスランのジョークにウケたw
>>883さんのネタを拾うなら、インパルスのデータをフィードバックした
新型M-1や改良型ムラサメとか出てきそうですね。
連合のダガーシリーズみたいに。
885 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/29(水) 22:44:33 ID:B87QyfKg
保守
886 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 09:35:38 ID:Jd8AbCjA
保守
887 :
782:2006/03/31(金) 19:35:49 ID:???
えーっと、引っ越すので当分ネットができません。
出来て六日以降。最悪二週間かかるかも……
未完成品だけど投下します、途中まで。
氏族会議は、結局大西洋連邦と同盟を結ぶという事で終わった。
当然カガリには納得のできる物ではなく、会議が終わるやいなや彼女は早足で部屋を出ていった。
その後ろを見送っていたユウナは、演劇じみた動作で首を振る。
「やれやれ、あれじゃあ国家元首としては失格だねぇ?」
「そう言うな。お飾りにすぎん小娘だ、所詮はその程度」
ウナトの辛辣な一言に、ユウナは笑みを浮かべて息を吐いた。他の氏族も部屋から出ていき、話を聞いていないのを見計らって問う。
「そして、僕たちの意思に従わないお飾りはいらない……と?」
「そういう事だ。情報のリークは完了している。後は動くのを待つだけだ。
奴らの性格なら……予想通りに動く。お前はお前の動きをしておけ」
「了解です、父上。―――全てはセイラン家のために」
詐欺師の笑みを浮かべて、ユウナはその場から歩き去っていく。
その様子を見ながら、ウナトは一人呟いた。
「新たなるオーブの守り、村雨……ザフトを討つ事になるその守り、ザフトの力で完成させてもらうとしようか」
ミネルバが入港して6時間が経つ。ルナマリアとシンは未だオーブ軍施設の医務室にいた。
既に太陽も落ちかかっているにも関わらず、二人はまだ艦に戻されていない。焦燥感を募らせだした時、突然扉が開いた。
「やぁ、二人とも。元気だったな?」
そう明るい様子で言ったのはユウナだった。
胡散臭い目で―――更にルナマリアは敵意も込めて―――見つめる二人だったが、口には出さない。
ユウナの脇には、マシンガンを携行している兵士がいた。
「何の用でしょうか?」
「なに、一つだけ『お願い』があってね。それが終わったら君たちを艦に戻そうと思ってるのさ。
立てるかい、シン君。車椅子が必要かな?」
できるだけ丁重に聞いたルナマリアだったが、友達に話しかけるかのようなユウナの様子は全く変わらない。
そんなユウナに、シンは多少苛つきながらもはっきりと答えた。
「必要ありません、立てます」
「ふぅん、それはよかった。じゃ、ついてきてくれ」
そう言うや否や、ユウナは部屋を出ていく。同時に随行していた兵士達がルナマリアとシンの脇に移動した。その意図ははっきりしている。
下手な動きをすれば撃つ―――
「こいつら……」
「シン!」
「分かってるさ!」
怒りを露わにしたシンだったが、銃を持つ兵士に喧嘩を売るほど馬鹿ではない。吐き捨てた後、早足でユウナの後を追っていった。
思わずルナマリアはため息を吐いたが、彼女もシンの行動を理解できないわけでもない。脇に立っている兵士に怒りを込めて一瞥をくれた後、確かな足取りで後を追った。
そうして歩いていった先は、モビルスーツ格納庫。そこで二人は意外な人物を見かけた。
「タリア艦長!」
「久しぶり……というには、時間が経っていないかしらね」
「………」
思わず声を上げたルナマリアを見て、タリアは安心した声を出した。
しかし、タリアの表情にはまだ周囲に対する警戒の色が残っている。
それは黙っているシンも同様だ。シンの場合は、タリアの脇にもいる兵士達への反感が強かったが。
そんな表情に全く気付いていないのかのように、ユウナは明るい声で話し出した。
「さて、みんな揃ったところみたいだね。では、『お願い』を始めさせてもらおうか。
タリア艦長。補給物資が必要だと父上に言ったらしいけど、それだけでいいのかい?」
「……おっしゃる意味が分かりかねますが」
「なあに、簡単さ。修理までこっちでやってあげようってわけだよ。
―――『お願い』を聞いてくれたら、の話だけどね」
言うと同時に、ユウナの笑みが詐欺師じみた物に変わる。
それが合図だったのかのように、周りの兵士が銃を構えた。
「簡単な『お願い』だよ。ミネルバとかいう艦とこの新型、データを渡してくれると助かるんだけどね?」
投下終了。
なんでデータだけ要求すればいいのに、わざわざ修理までしてあげるのか……勘のいい人なら分かると思います。
では一週間後に会いましょう。
891 :
通常の名無しさんの3倍:2006/03/31(金) 20:35:04 ID:Jd8AbCjA
GJ!
>>890 フォースムラサメとか生産されそうな悪寒…
ともあれGJ!
続き期待してますよ!
ユウナ「最後に勝ち残るのがオーブであればよい。
連合もプラントもオーブの掌の上で踊っておればよいのだ」
こんなユウナだったらもえー
子供のころから合体変形ロボ(もちろん複数パイロット)にあこがれているユウナは
インパルスが羨ましくてしかたない…に1票
ユウナ「あるんだろ? 二人の心が一つになったときのみに使える必殺技がさ!?」
何この捏造w
897 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/03(月) 10:23:31 ID:SOijUumX
保守
>>895 捏造とはいえルナマリアが種割れてない状態で
種割れしたキラと対等に戦ってる…。
sugeeeeeeeeeeeeee!!
本編でもこんくらいカッコイイルナマリアが見たかった…。
>>895 (n‘∀‘)ηかっこいいわぁ
こんなルナ見たかった。
保守
901 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/05(水) 10:00:12 ID:ez2tq4xl
保守
保守
903 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/06(木) 11:13:34 ID:V310/RD1
保守
保守
905 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/08(土) 10:58:28 ID:Db8gb+Nb
保守
捕手
保守
ほす
ところで、次スレは必要でしょうか?
必要でしょう。
オチこぼれルナの方はまだまだ書かれると思いますし。
…個人的には、ガノタマリアの復活きぼんw
912 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/11(火) 23:53:49 ID:Jo60AOIE
保守
それで良いんじゃない。
このペースだと後一つ、二つ、作品が投下されたら次スレに移行ってとこか。
914 :
通常の名無しさんの3倍:2006/04/13(木) 01:01:18 ID:8pGUBwON
ぽしゅ
保守
916 :
782:2006/04/14(金) 12:41:11 ID:???
はい、まだ家でネットできません。
更に、ディスクのデータがとんで書き直し。
更に更に、携帯を誤って洗濯(バカ)。
次回を書き込むのはまだまだ先になります・・・
職人さん待ってます
>>916 気長に待ってますよ。
次スレになったとしても、私は待ちますからねw
定期保守
hosyu
保守
保守させてもらいます
定期保守
保守
保守
保守
保守。
保守
保守で1000目指す
保守
保守
保守
934 :
782:2006/04/30(日) 22:53:52 ID:???
やっと復活。なのですが……
だめだ俺にはキララクが書けない……というか早く戦闘書きてー!
ともかくユウナの会話だけ投下しておきましょう。
「簡単な『お願い』だよ。ミネルバとかいう艦とこの新型、データを渡してくれると助かるんだけどね?」
ユウナの口から発せられたのは、口調も内容もこれ以上なく挑発的な言葉だった。
元々シンもルナマリアも我慢強いほうではない。ただ、対応の仕方が違うだけだ。
「なんですって、この……」
「てめぇ!」
「やめなさい、二人とも」
ルナマリアが思わず口を開きシンが一歩踏み出したその瞬間、タリアの静かな、しかしはっきりとした声が響く。
振り返った二人に、タリアは目で言葉を伝えた――動いてはいけないという命令を。
とっさに反論する言葉を探す二人だったが、その前に場違いな拍手が響きだした。
「いやぁ、さすがは新鋭艦の艦長だ。自分の立場がわかっているらしいねぇ?」
演劇じみた、大げさな様子で言うユウナ。
もっとも、その演劇じみた様子は彼だけの物だ。周りの兵士には全くない。
だからこそ、ユウナの態度は余計挑発的に映るのだが。
苛立ちを押し殺し、タリアは静かに言った。
「なぜわざわざ私達に許可を求めるのですか?
データが欲しいのなら、もっと単純かつ簡単な手段があると思われますが」
下手をすれば命取りになりかねない、タリアの問い。
実際兵士の幾人かは眉を吊り上げたし、シンもルナマリアも驚いた様子でタリアを見つめたが、言われた当人であるユウナの表情には変化がない。
咎めることもなく、談笑するかのように口を開く。
「ん〜、それはあくまで『最終手段』さ。
どうせやるならスマートな方がいいと思わないかい?」
相変わらずの様子でユウナは答えたが、タリアはその視線が一瞬鋭いものになったのを見逃さなかった。
明らかにこの男、他に考えがある。その考えが、自分達に利益をもたらす事を祈るしかない――
タリアは、渋面を作りながらも口を開いた。
「……指示に従います」
「……ッ!」
「艦長!?」
シンとルナマリアは非難するような視線をタリアに向けたが、タリアはそれを完全に無視して正面を見つめた。
その先には、勝ち誇った笑みを浮かべたユウナが立っている。
「物分りがよくて非常に助かるよ。
それじゃあ、三時間後までにデータを送ってくれたまえ。確認しだい補給と修理を開始させてもらうよ……あ、そうそう」
いったんは背を見せて歩き出したユウナだったが、ふと足を止めてシンの方をみやり、こう告げた。
「パイロット二人は残って、今からここでデータのコピーを始めてくれるとありがたいねぇ。
そっちとしてもいちいち整備士を説得する手間が省けていいだろう?」
そう言って、返事も聞かずにユウナは歩き去っていく。
断るなどという馬鹿なことはしまい――その背中がそう告げている。
シンとルナマリアにできることは、その背中をにらみ付ける事だけだった。
937 :
782:2006/04/30(日) 22:57:12 ID:???
うわ、こうして載せると短いな……
まぁとりあえず生存宣言の代わりって事でご勘弁。
キタキタキタ―――!!!
GJGJGJ!!!!
というわけで保守
この手のスレタイって酷いと思うんだ
保守
942 :
782:2006/05/03(水) 10:22:52 ID:???
くそ、実家に帰省するまでに間に合わない……
無念ですがアスランパートのみ投下です。シンとルナの話も半分くらい書き終わってるんですけどね……
オーブの、とある海岸。
その周辺は都市部から離れていて、建物といえば孤児院が一つ存在するだけ。
道路は整備されているものの、人通りもなく交通量も皆無に等しい。
そんな場所を、車が一台通っていく。乗っているのはアスラン・ザラ。
彼の車が孤児院の前に止まると、庭で遊んでいた子供たちが騒ぎ出した。
「あー、アスラン!」
「違うよ、アレックスだよ!」
「アスランだよ!」
「アレックス!」
「こらこら、ジュンもトモエもそんな事で喧嘩しちゃだめだよ」
言い合いを始めた子供たちの間に入ったオーブ軍の制服を着た青年――というには少し幼いところがあるが――に、アスランは親しげな笑みを浮かべて話しかけた。
「久しぶりだな、キラ。ずいぶん帰りが早いみたいだが」
「僕もさっき着いたばっかりだけどね。なんでもムラサメに新しいデータが入るから、それの調整をするまで実機テストはお休みだってさ」
アスランに笑みを返しながら答えたのはキラ・ヤマト三尉。
三尉というのはオーブ独特の階級で連合で言う少尉、つまり小隊長クラスの人間なのだが、彼からは人を率いる者としての威厳が感じられない。
いや、そもそも誰か彼を知らない人物が見た時、軍人と言われても信じないだろう。
どう考えても、どこかの学生という方がしっくりくる。
「君こそここに来るだけでも珍しいのに、平日にわざわざ来るなんてどうしたの?」
「ああ……少しな。立ち話もなんだし、中に入らないか。……ラクスにも話したいことだし」
「……うん、わかった」
アスランの声色に何かを感じたキラの表情に、真剣な物が映る。それは激戦をくぐり抜いた戦士の顔だ。
キラはもう一度子供たちに笑顔を向けた後、玄関へ歩き出した。
中に入ったアスラン達を出迎えたのは、独特の雰囲気を持つ桃色の髪の少女――ラクス・クラインだった。
彼女は前大戦を終結させた「三隻同盟」の中心人物ではあるが、その過程で行った数々の行動は法の上では許されざる物であったのも事実だ。
結果として、三隻同盟のメンバーのほとんどは姿を隠し、ひっそりと生きることを余儀なくされた。
とはいえ、未だ世界情勢は不安定なことも事実だ。そのためいざという時に動けるよう、彼女達はあらゆるルートから情報を集めている。
そのためアスランの一言に、ラクスもキラもあまり驚いた様子は見せなかった。
「……プラントへ、ですか」
「ああ。ユニウスセブンを落とした奴らの事は?」
「知ってるよ。ザラ派のテロリストだって劾さんが言ってた」
ムラクモガイ
劾とは有名な傭兵部隊であるサーペントテールの部隊長・叢雲劾のことだ。
バルドフェルドやダコスタと深い仲らしく、キラやアスランも直接会ったことがある。
現在は、傭兵だからこそ手に入る最新情報を極秘裏に流してもらっていた。
「奴らの一人が言っていたよ……コーディネイターにとって一番正しい道は父上の取った道だってな」
「……」
「おかしな話だ。父上はただ母上の死と向き合えなくて、あんな道を取っただけだっていうのに」
そこまで言った後、いったんアスランは言葉を切ってラクスが淹れた紅茶を飲み干した。
その表情はまるでブラックコーヒーを飲んだかのように苦々しい。
「だけど、ああやって未だに父の言葉に踊らされている人もいる。
議長と話して、俺でも何か手伝えることがあるなら、俺はそれをしたい。
アスラン・ザラとしてでもアレックスとしてでも……な」
そういうアスランの表情には、決然としたものがある。
キラは止める気にはなれなかったが、ラクスには気がかりなことがあった。
「一つだけ、よろしいでしょうか。カガリさんにはこのことをおっしゃったのですか?」
ラクスの質問に、アスランは表情を曇らせてぽつりと言った。
「あいにくだけど、言えそうにないんだ。代わりにキラ、お前が言っておいてくれるか?」
「え? なんで?」
「今日付けでクビになったんだ。職権乱用の罰でな。まぁ、だからこんな決意をしたんだけど……」
「それは本当ですか!?」
アスランの言葉を、突然ラクスが遮った。その表情には驚きの表情がある。
あまりに彼女らしくないその様子に、キラもアスランも驚くしかない。
先に驚きから立ち直ったキラが困惑しながら問いかけた。
「どうしたのさラクス、そんな声出して?」
「少し信憑性が薄い所からの情報だったのでカガリさんにだけお話ししていましたが……
実は、セイラン家にカガリさんを殺害しよう、という動きがあるらしいのです」
「えっ!?」
「なっ!?」
今回は、驚きの声を上げたのはキラとアスランの方だった。
二人を見やってから、ラクスはゆっくりと続ける。
「しかし、もし今回のアスランの人事がセイラン家の手によるものだとすれば……
この情報の信憑性は高いといえますわ。アスランが身近にいるのといないのとでは全く違いますから」
「確かにそうだ……俺はオーブに残ったほうがいいみたいだな」
アスランは考え込みながら言ったが、その言葉にラクスは首を振った。
「いえ、アスランはこのままプラントに行ってください。もうチケットは取ってしまったのでしょう?」
「うん、まあ……」
「ならば、ここで急に取りやめるのは不自然な動きとして映ってしまいますわ。下手をすれば、私達が感づいたことを知られかねません。
アスランはそのままプラントへ。カガリさんの事は私達が対処いたします」
「だが……」
「君の気持ちも分かるけど、ラクスの言うとおりだ。
僕もオーブ軍にいるし、劾さんも今やってる任務が終わったら地球に来るらしいからなんとかなるよ」
「……」
確かに、アスランも理屈の上では分かっている。
例え残ったところでアスランにできることは何もない。
クビになった以上カガリの側にいることはできないし、もしこれがセイラン家の仕業だとすれば今も動きを探られているだろう。
下手に動けば、事態を悪化させるだけだ。しかし……
(理屈では分かってる……でも、納得できない)
カガリに危機が迫っているかもしれないというのに、自分は何もできないというもどかしさ。
本当に自分にできることはないのか――必死にアスランは頭の中でそれを考える。だが、いくら考えてもそれは思い当たらない。
『力があるのに使えない、認められない……それじゃあ意味がない』
アスランの頭に思いついたのはシンの言葉――プラントへ行くことを後押しした言葉。
今の彼には、恐ろしいほどに説得力があるように感じられた。
投下終了。
残りは実家で書きます。実家からも投下できるんで安心してください。
947 :
通常の名無しさんの3倍:2006/05/03(水) 16:26:20 ID:Ja+Z+AH7
待ちますよ!道中お気をつけて
GJGJGJ!!!
私も帰省前に保守
保守
hosyu
帰還待ち保守
保守
953 :
通常の名無しさんの3倍:2006/05/09(火) 23:40:16 ID:j3q1Zkjo
保守
954 :
平民バカ:2006/05/10(水) 00:25:16 ID:sflBWlwe
メイリン「ねえさん!ルナマリアねえさぁん!」
ルナ「メイリンか?すぐにアークエンジェルを降りろ」
ルナ「あの優しかったメイリンが」
メイリン「姉は鬼子です!」
保守
保守だぜ
957 :
782:2006/05/13(土) 18:37:12 ID:???
もうG.W終わってるよオイ。
ともかく投下……ホント難産だった!
ミネルバの補給と修理が開始されたのは、ユウナから『お願い』をされた半日後。
むろんデータのコピーに手間取ったというのもあるが、それ以上に手間がかかったのは艦内クルーの説得だった。
確かにタリアは有能な艦長でクルーから信頼されているし、理屈の上ではそれしか方法がないのは誰でも理解できる。
しかし、だからといってこんな形の『お願い』を呑め、なんていうのは簡単に納得できる話ではない。
いや――データを既に渡し終えた今も、納得している人間は一人もいないだろう。
『お願い』の現場にいたシンやルナマリアでさえ納得できてはいないのだから。
「表ではキレイ事言っといて最っ低な国ね……」
ミネルバ艦内を歩きながら、ルナマリアはぼやいた。
彼女とシンはインパルスのデータのコピーが終わった後にミネルバに戻って睡眠をとったのだが、
それでもセイランに対する反感は収まらない。
一人で愚痴りながら廊下を歩いている彼女の耳に、突然訓練場から銃声が断続的に聞こえ出した。
今はまだ早朝。艦内クルーは一部が補給、もしくは修理作業を行っているだけで、ほとんどは眠っている。
ふと気になった彼女は、暇つぶしついでに訓練場に足を向けた。音が聞こえるぐらいだから、そう遠い距離ではない。
扉を開けて中を覗き込むと、そこには左腕で銃を持っているシンの姿がある。
(怪我してるのにこんなことばっかりやってたら、いつまでたっても治らないんじゃないの?)
ルナマリアはその勤勉さに感心するより、むしろ呆れてしまった。自然と咎めるような言葉が口からでてしまう。
「こんな朝から、何してるのよ?」
「見れば分かるだろ。訓練だよ」
「そうじゃなくて。シン、ちゃんと休んでたほうがいいわよ」
「いいだろ、別に。やっと勘をつかんできたんだから、少し黙っててくれないか。集中できない」
対するシンの声はぶっきらぼうな調子だ。ルナマリアが黙り込んだ隙に、シンは訓練を再開した。
利き腕ではない腕一本で撃っているにも関わらず、シンは正確な狙いで的を撃ち抜いていく。
訓練が終わるころには、平均を上回るスコアを叩き出していた。
「すごいじゃない、シン!」
「まだだ、こんなんじゃ」
ルナマリアは感心したが、当の本人に納得した様子はない。
どこまで上を目指すんだか――ルナマリアはため息を吐きながら聞いた。
「……どこで納得すんのよ、シン。まさか最高スコア出すまでとか?」
「そんな低い目標で満足するかよ」
「低いって……じゃあどこまでいくのよ?」
「片腕だけでも、昨日みたいな囲みを突破できるようになるまで、だ」
「は、はぁ?」
シンの言葉のスケールの大きさに、思わずルナマリアは呆けたような声を出した。
当然だろう。あの状況下を突破するなどというのは、たとえ両腕が動かせても不可能に近い。
だが……シンの目が何よりもはっきりと言っている。
自分は――――本気だと。
「わ、分かったわよ。でも、せめて右腕が治ってからにしたほうがいいわ。
いくら左腕で撃ったって反動は伝わるんだし」
「今じゃなきゃ、駄目なんだよ。
ここで誰かを当てにしても、アスハを否定することなんかできない……!」
「え……!?」
シンは銃を置いて、呟くように、しかしはっきりといった。
すべてを押さえ込んだような――深い闇を孕む声で。
「いつか言っただろ、ルナ。俺が軍に入ったのは……
アスハの、戦いを否定する考えを否定するためだって」
「……それって、確か」
ルナマリアの頭に浮かんだのは、アカデミー時代。
爆発物処理の訓練で失敗し、二人で教官に叱られた後のこと。
――どうして、あんたって無茶ばっかりするのよ?
そして、そのときのシンの答えは、
――示さなくちゃいけないんだよ。何かを守るためには、力を見せ付けなくちゃいけないんだって。
……なぜ今まで思い出さなかったんだろう。
そう言ったときのシンの声は、ユニウスセブンの時のように――今のように、陰に満ちていた。
「なのに……今の俺は何だよ!?
せっかくアスハが目の前にいたのに、俺はアーモリーワンからここまでずっと何もできていやいない!
冗談じゃない。俺は絶対に否定してやる。あいつに、間違いを認めさせるんだ!
腕が治るまでとか……そんな悠長なこと言っていられるもんか!」
そう言って、シンは銃を再び手に取った。
しかし、それを構えるより先に耳に入った言葉が、それを止める。
「……バカ」
「っ……今なんて言った!?」
「バカって言ったのよ、バカって」
軽蔑の言葉に沸騰したシンは、ルナマリアに向き直った。
しかし、そこにあったのは、いたわる様な、諭すような、優しい表情。
「確かにシンは凄いわよ。伊達にアカデミートップ取ってるわけじゃないのね。
でもね……一人でやるより、二人でやったほうがうまくいくと思わない?」
優しい調子で言いながら、ルナマリアはシンの脇に立った。
そのまま訓練用の銃を取って、続ける。
「あなたが持ってる知識とか、力とか……そういったもの全て、教えてよ。
もともと私が軍に入ったのは生活のためでさ、シンみたいに大層な考えを持ってたわけじゃないわ。
だから、あんたの目的を達成するために力を使っちゃいけない理由なんてないもの。
戦う理由が見つかるんだし、かえって好都合かもね」
「……ルナ」
そう言いながら向けられる、ルナマリアの穏やかな笑顔。
先ほどまでの表情もどこへやら、シンはただ呆然とするだけだ。
「それとも……私みたいな落ちこぼれじゃ、迷惑かな?」
「そんなこと……ない」
「ありがと。じゃ、さっそく教えてくれる? やり方はシンにまかせるわ」
シンは、返事をしなかった――いや、できなかった。
今までの彼は、こんな言葉を言われたことなどない。
アカデミーでは、最終的に教官でさえ彼に敵う者はいなかった。
彼は全ての――かつて英雄と称された人間全ての記録に匹敵、もしくは上回る成績を叩きだした。
シンならなんでもできる――嫉妬の意味にせよ羨望の意味にせよそう思われた彼に、期待こそかけられても手伝おうとする人間などいなかった。
だから……呆然とするしかない。
「……シン?」
「え、ああ……うん。だけど、後悔すんなよ。
分かってると思うけど、俺の目標は相当高いところにあるんだ。
だから俺は今まで、馬鹿みたいな量の訓練をして、トップになった。
それを今から全部教えるんだから、相当厳しい訓練になるからな!」
「うん、分かってる。むしろ望むところよ」
「……ふん」
厳しい調子のシンの言葉にも、ルナマリアの笑顔は崩れない。
シンは息を吐きながらも、小さい声でぽつりと、聞こえないように言った。
「……ありがとう」
961 :
782:2006/05/13(土) 18:42:48 ID:???
ぶっちゃけステラの存在意義がなくなりつつある今日この頃です。
というか書いてて恥ずかしい……やっぱ恋愛話書くのは向いてないです。
喜多!
乙です。これから読みます!
シンがどんどんハードボイルドしててカクイイ〜!
シティーハンターのギャグ部分を取っ払った関係みたいでイイ!(・▽・)
キタキタキターーーーー!!!
乙です!
965 :
通常の名無しさんの3倍:2006/05/14(日) 23:38:18 ID:8O0vXC99
GJ!
>>961 そっすか? 俺は好きですよ、あなたの描写。
GJ!です
いつもながらGJっす!
亀っすケド
>>943でキラがニートじゃないのにビックリしたのはおいらだけっすか?
続きを期待しつつ保守。
2人ともいい味だしてるよな、やっぱ。
神スレだ・・・・。がんばってください!!