マターリ保守
まあ、連合系MSVキャラの生存フラグがたったからな・・・
ほっしゅ
好きだったスレがいくつか落ちてしまった・・・orz
保守
ここは生き延びたんだな…よかった
気を抜くマズイが・・・うん、よかった
716 :
392:2005/12/29(木) 21:30:54 ID:???
392だがネタ練りすぎて結局忘れられてしまった・・・・
続きできたけどいいかな・・・・?
717 :
通常の名無しさんの3倍:2005/12/29(木) 21:57:40 ID:5rPiM+lC
>716
楽しみにしてまつ
「は、ケンザキ二佐、自分の不注意であります」
ケンザキ、という針のような響きに、ステラは生唾をごくりと飲み下した。
ケロイドのように奇妙に引きつったケンザキの頬がぴくりと動き、それが怒りの
表れなのだとステラは思った。動けるものなら今すぐにでも踵を返してこのまま
逃げてしまいたいが、そうすることが出来ない。腰から下の筋肉が弛緩しており、
逃げることが出来ない。
「貴官は今回の任務を理解しているのか? 生体CPUの身柄をおろそかにするとは、
不注意程度の話ではない」
男はしばらくの間、無言で咎めるような視線をアサクラに注いでいた。それはまさに蛇眼に
射止められた鼠を想像させた。
ステラの脳裏に、不意に暗い記憶が蘇った。あの狭くて殺風景な部屋にすし詰めになり、
自分以外のすべての存在を淘汰するような毎日の、ごく片鱗だった。たしかあの研究所、
研究員達はラボと呼んでいたが、その中の一人の顔をふと思い出したのだ。自分達が
『お母さん』と呼んでいた、やさしくて綺麗な女の顔だった。毎日人目を盗んでは
頭を撫でてくれたり、外の世界の話をしてくれていた『お母さん』。なぜかはわからないが、
ケンザキに睨まれた瞬間、猛烈にあの人の顔が恋しくなったのだった。
俯いて何も言えないアサクラから目を逸らした男は、そのままステラの横を通り過ぎた。
「気をつけろ。万が一にでもなにか問題があれば、我々は切る首がいくつあっても足りはしない」
男の目がステラを捉える。その瞬間、男の目から攻撃的な色が抜け、変わりに別の色が宿った。
一秒に満たない、一瞬の出来事であったが、ステラはそれを見逃さなかった。まるでなにかを
慈しむような、悲しい色だった。ステラは一瞬、はぐらかされるものを感じ、力が抜けた。
しかし次の瞬間、ざらりとした殺気が肌に障り、ステラは総毛だった。一瞬ではあったが、
『殺される』という観念めいたものが頭を埋め尽くし、頭が真っ白になる。
男の姿が水密扉の奥に消えたあと、アサクラはステラを自室に戻るように言い、詰襟の男が
消えていった方向へ歩いていった。
本当なら、膝をついて倒れてしまうほどの恐怖だった。
ステラがそうならなかったのは、アサクラの中に、信頼するネオの空気を感じたからだった。
>>455の続きでつ。遅くなって悪かったよ。今進行してる話を壊さんように進むから
よろしく
「アンタはさ、なんで軍なんかに入ったわけ?」
そうアウルが呟くと、数秒間の沈黙があった。話しかけたはずのアサクラの視線は
虚空を舞うばかりで、一向にアウルに収束する気配が無かった。スティングやステラと
自分の間には、無駄な会話をするというコミュニケーションツールがなかった。
生体CPUとしてそれが正しいのか正しくないのかは知らないが、とにかく、暇だった。
「アサクラだっけ? おい、聞いてる?」
先に痺れを切らしたアウルにそう言われたアサクラは、一瞬『え?』という顔をして、
すぐに引っ込めた。「聞いてなかったのかよ」と満たらたらに続けたアウルに、
アサクラは小さく頭を下げた。ひょっとして天然なのかもしれない。アウルが
そう思うと、燻り続ける疑問の炎もますます勢いを強めた。
「もしかして抜けてるとか天然とか言われるタイプ? 軍人失格じゃない?」
ははは、と苦笑したアサクラを、別の軍服の男が一瞥した。アサクラのなにかを
静止している。アウルはそう思った。野球帽に似た帽子の鍔のしたから覗く眼は鋭く、
アサクラが漂わせている雰囲気とは全く反対の空気を湛えている。この船に
乗り込んだ100名近くの兵士たちは皆殺気立った空気を持ち合わせており、
生き馬の目を抜く世界を生きてきたアウルにすら畏怖を抱かせた。こいつらは
自分たちとは違う。全員が鋭く尖った切っ先のような、研ぎ澄まされた空気を
持っている。地面に這いつくばり、刃物やぎりぎりの飛び道具で生き抜いてきた
人間の目だとアウルは思った。MSのように、VRとの世界が限りなく曖昧な
戦争に浸っていては絶対に生まれっこない雰囲気を持っているのだ。
アウルがアサクラの眼を覗き込むと、すまないな、というような顔をし、
眉尻を下げられた。思念が出すぎる眼に、自分には無駄口を叩く権限が無い、
と滲んでいるのを見て、アウルはため息をついた。
最後の取り付く島がなくなった瞬間だった。また無音の数時間が始まる、と
思った瞬間、電子端末のモニターに眼を落としていたネオが口を開いた。
「アンタ、民間の人間だろ? なんで軍なんかに入ったんだ?」
連投スマソ
アウルだけでなく、アサクラ自身もあっけにとられた顔をした。相変わらず電子端末と
にらめっこをしているネオに不意を突かれたのか、うたた寝をし掛けていたスティングさえも
眼を覚ました。
ぴりりとした緊張が部屋内に走り、アサクラの口がすべるのを抑止した。それに答えるかのように、
アサクラも「・・・・教えられません」とだけ漏らし、ネオが放った言葉による動揺を
押し隠そうとしていた。
「・・・・オーブ、か」
その単語を口にした瞬間、部屋の中にいた全員の顔にはっきりとした動揺が伝播した。
今まで巌のように動かなかった兵士たちの表情がゆがみ、100もの『なぜ?』が
部屋の中の空気を攪拌する。アウルと、寝たふりで聞き耳を立てていたのだろう
スティングもぴくりと反応し、電子端末に眼を落としていたネオに視線を注いだ。
オーブ首長国連邦。先の大戦で激戦区であった、太平洋の小国。それにまつわる
忌まわしいしがらみが鎌首をもたげた瞬間だった。
「・・・・自分には、答える権限がありません」
動揺をひた隠しにしているアサクラをちらと見遣ったネオ・ロアノークは、いいぞ、その調子だ、と
心中で呟いた。
連合軍が裏で糸を引いていることは常だった。コーディネーターという、人外の能力を兼ね備えた敵と
互角に戦うには、徹底的に己の手の内を見せない慎重さと、どんな手も厭わない羅刹の冷徹さが
必要になる。それが勝利のための絶対条件ならば、ネオはそれに異議を唱えるつもりは毛頭無かった。
それが軍人である自分に課せられた役目であるからだ。しかしそれが自分と、その部下たちに
向けられているならば話は別だ。自分には部下を護る義務がある。もっと話を聞き出し、
嫌に不透明な今回の任務を少しでも透明にしなければならない。オーブという
固有名詞を出すのは多少良心の呵責があったが、予想以上の効果をもたらした。
さらに揺さぶりをかけようと口を開いたネオを止めたのは、先に発せられた声だった。
「・・・・先の大戦で、オーブ首長国連邦の急を聞いたのは6月だった」
しわがれた声が発し、ネオは思わず顔を上げた。その場にいた全員が開きかけた口をぱくりとさせる
間に、鬼瓦の面相が『なにも言うな』と無言の意思を放っていた。
純白の詰襟がまぶしい、長身の男は、小さなな窓から群青に輝く海を見据えていた。
連投します。すみません
「本国はオーブへの戦力供出を公式に発表した。MSの訓練さえ満足に受けていない国の軍隊が、地面に這いつくばり、
小銃を小脇に抱えてイオンの奔流に向かっていけというのだ。無論、誰も勝てるとは思っていなかった。私たちは
形ばかり新式の護衛艦にすし詰めになり、オーブへと向かったよ」
ぎらりと光る眼が、蓋をしたはずの記憶を懐かしがっていた。アウルたちに背を向けた兵士たちの顔は残らず伏せられ、
こめかみに浮き出る血管が、その記憶は永劫、癒えることは無いのだと主張していた。
「地獄、とは、意外に見れるものだ。MS小隊が我々の頭上はるか遠くを遊弋し、私たちに殺到するんだ。
飾りでしかないバルカン砲だけであっけなく我々の船は沈んでいった。ローエングリン? ジェネシス?
私はそんな剣呑な代物がどこにあるというんだ? 私たちはアリに等しかった。特別愚かなアリだ。
ゾウがアリを踏み殺すのにわざわざ本気を出す必要など無い」
詰襟から覗く喉仏が小刻みに上下し、次の言葉を搾り出した。
「所詮、戦争など本気で行う人間はいない。ナチュラルだろうがコーディネーターだろうが、遵守
するべきは国益なのだ。私たちが死地に派遣された理由はなんだったと思う? 痛みだ。この戦争で
自分たちが護り続けてきたはったりの理念の脆弱さを痛感したフリをし、≪専守防衛≫を捨て、
次世代に繋がる力を手にするための、だ」
この話が真実となれば、とんだお笑い種だった。抑止力としての核さえ保有していない国が、
MSすら持たないでどうして戦争ができよう。理念を遵守するあまり、時代に取り残されてしまった
陰りが、鬼瓦の表情から漂っていた。アウルやスティング、ネオすらも言葉を失っていた。
「ところで、最後に質問をしてもよろしいかな、ロアノーク大佐?」
それこそが常態なのだとでも言うように、一切の感情を捨て去った眼がネオを見据えた。
無言を返事にすると、詰襟の男は口を開いた。
「なぜ、アサクラ二尉が民間出身だと分かったのかな?」
アサクラをちらりと見据える。己の恥部を曝されたような揺らめきが、鍔に半分隠れた
眼から立ち上る。恥でも、恐怖でもない。ただどうしてよいのかわからない居心地の
悪さから逃げようとするアサクラが眼を背ける。
その行動に半ば確信を抱いて、「簡単だ」と口内に低く呟いたネオは、続きの言葉を
はっきりと口にした。
「あんたたちとは、眼が違う」
長い・・・・orz 今日はこの辺にします。
GJ!!
GJ!!
凄く場の緊張感が伝わる文章で、待ってた甲斐があったよ!
自分は長くても全然気にならないので是非続きもお願いします。
「因襲、という言葉が最も近いように思われますが?」
ロード・ジブリールはモニターいっぱいに映る幾人もの老人の顔に語りかけた。ノイズを映す画面、
いまだ混乱の最中にある東欧の街並を映す画面。その切り取られた四角い情景の中に自分は
語りかけているのだと思うと、泣けてくる。パープルのルージュを引いた唇が意思とは関係なく
震えそうになるのをこらえ、ジブリールは椅子の肘掛に頬杖を突いた。
『だがなジブリール、我々にも面子というものがある』
しわがれた声がノイズを含ませて耳朶を打つ。ジブリールがその方へ向き直ると、その老人は
眼鏡の奥からたしなめる眼をこちらに向けていた。思い止まれ、ということか。
それが発端となったかのように、モニターの中の老人たちが次々に異論を唱えだした。
ジブリールの頬が引きつり、奥歯の噛み合わせがギリ、と音を立てる。なんだ、まだ
口を開く体力が残っていたのか。冗談でなくそう思ったジブリールに、次々と声が降りかかった。
『あの海域はザフトも眼を光らせておるのだろう? 単独で潜入工作をするのも骨が折れる』
『それにな、簡単に≪あれ≫を破棄できるとは思えんな』
『コスト面は問題ないんだろう? 研究の成果を出すには長い目が必要だぞ、ジブリール』
『この戦争に勝つためには≪あれ≫の力が必要だ、とアズラエルは言っていたのだがな。こうも
簡単に手のひらを返されては―』
ドン、と腹の底に響く音が部屋を震わせると、モニター内の老人たちの顔にかすかな恐怖の色が走った。
ジブリールは肘掛に叩き付けた拳をゆっくりと解き、再び頬杖を付いた。
五秒間、きっちりと沈黙を守った時間内に、声を上げる者はいなかった。ほら見ろ、もうお前たちは
耄碌した人形だ。少し小突いてやれば簡単に恐怖に飲み込まれる。その事実を再確認させるため
だけに五秒もくれてやったが、現実はそうはいかない。数秒後には核の炎が世界中を煉獄に叩き込む
可能性もあるのだ。
722の続きです。
「さて、話の続きをしてもよろしいでしょうか?」
先代の理事の名前を口にした老人の顔を思い切り睨みつける。仕立てのいいスーツに身を包んだ
老翁がかすかに震える。老班の浮かんだ横顔、くだらない政権欲を滲ませたと見える
皺の一本一本を眺めたジブリールは、髪をなで上げた。
「仰ることは、確かにすべて頷けるものかも知れませんが、ね」
ジブリールは立ち上がり、唇を震わせて笑顔を作った。
「言ったでしょう? 因襲とは打ち壊すためにあるのです。我々、いや、この私こそが
その魁となるということを、皆さんにはよくご理解いただけていないようだ。いいですか、
先代の理事、ムルタ・アズラエルがなぜ死亡したか、知悉しておられない方はこの場には
いらっしゃらないでしょう。そう、彼は部下の裏切りによって死んだ。あの宇宙の片隅で、
ローエングリン砲によって骨身まで消滅したのです。彼は決して無能なわけではなかった。
ただ少し、信頼しすぎた」
そこでジブリールはからからと笑って見せた。
「≪あれ≫から誕生し、一応の完成形と言われた者が三人、先の大戦に参加しております。
が、実に情けない結果しか産み落とせなかった。一体、二体、そして最後の一体。
クロト・ブエル、シャニ・アンドラス、オルガ・サブナック。信じられますかな? 完成形、
つまり『完璧』と言われたものですら、生きて帰還した者はいなかった。つまり、彼らは
兵器として失敗だった、ということではないでしょうかな?」
何か言おうと口を開きかけた老翁の青ざめた顔をジブリールは鋭く睨み付け、
「反論は後にしてもらいましょう」と先回りの一言を吐いた。
「もはや白兵戦での戦争は終わっていることに、彼、先代の理事が気づいていなかったはずは無いでしょう。
≪あれ≫が食い潰すコストも、確かに我々にとっては大した痛手ではない。しかし、私の手元にあるデータを
見るかぎりでは、≪完成形≫など一笑に伏しますな。特殊な薬剤、まぁここでは正式名称は割愛させて
いただきますが、その薬剤を定期的に補給しなければ、生体CPUの連続稼動はできないというのですよ。
こんな不出来なものを信頼し、最新鋭の機体を三機も預けたとあっては、まぁ―」
ふう、と息をつき、ジブリールは椅子に腰を下ろした。
「先代の理事は、ずいぶんお人が善かったようですな」
失笑の一つも漏れるかと思ったが、誰も笑わなかった。そればかりか、誰一人としてジブリールと眼を
合わせようとしない。所詮この程度か、やはり耄碌しているのだと、彼らに対しての最後の信頼も捨て、
ジブリールは話の詰めを口にした。
「戦術核がこの世に生を受けたとき、開発者の誰もが口にしたでしょうな。『これで、世界は大きく
変わる』・・・・ 結構なことではないですかな? 彼らと同じように、これからはもはや、MSを大量に
導入して繰り広げる戦闘は終わったのだと私は思いたい。これから勃発する争いの勝敗を制するのは、
圧倒的な力なのですよ。核やジェネシスのような、ね。然るに、もう≪あれ≫は必要ない、私はそう考えます」
『しかし―、我々はどうすればよいのだ? ≪あれ≫に投じた莫大な費用の成果、それだけでも
この眼で見ないことには―』
そこで口をつぐんだ老人に、ジブリールは舌打ちをしたくなった。
結局、彼らとは相容れない、ということか。
先代の盟主、もっぱらジブリールは『理事』と呼んでいるが― に、他者とは一線を画す抜きん出た
カリスマ性があったことは認なければならない。ナチュラルにしてコーディネーターと
比類しうるほどの頭脳、やや暴走気味ながら冷徹に過ぎると評されるほどの内面に併せ、地下、地上と
顔の利く有力エスタブリシュメントの血筋を引いているとくれば、もはや彼が『王』となることは
誰もが信じて疑わないところだった。彼が幼い頃、コーディネーターによってその尊大な自尊心に
傷がつくような体験を経験しなかったならば、先の戦争は今日の歴史書に新たな項を増やすことは無かっただろう。
もともと、遺伝子操作という、神の領域に土足で踏み込もうとする科学の傲慢さに異を唱えて
結成された反コーディネーター組織『ブルーコスモス』を、一介の組織団体から世界の覇権を
掌握する巨大組織にまで押し上げた彼の功績は、彼と同じ椅子に座しているジブリールも
舌を巻くところであった。その豊富な人脈を生かし、世界に点在する軍事産業に対しての
癒着を進め、大西洋連邦に大して絶大な発言権を確保した点は、もはや政治団体の盟主と
言うよりは、政治家のそれに近いものがあった。唯一の違いを挙げるとすれば、彼の情熱が
富や名声の獲得でなく、コーディネーターの排斥にのみ向けられていた点にある。
しかし、ムルタ・アズラエルという伝説の最期はあっけなく訪れた。部下の叛乱。そんな、
誰の同情も誘わない幕切れ。男の伝説は、粒子の奔流によって徹底的に分解され、誰の眼にも
届かない虚空に霧散して終結した。
その後のブルーコスモスの腰抜けぶりはあえて特記する必要も無いものだった。盟主と言う
カリスマを失った組織に、もはや世界を統帥する力は存在せず、世界は瓦解のときを迎えるべく
動き始めていた。ブルーコスモスというタガが外れた大西洋連邦は、ブルーコスモスを迎合する
役員の首を残らず切り、さらしあげた。代わって台頭した過激派の議員が、ユーラシア連邦との
大規模な闘争の構えをちらつかせ始めると、世界は一気に緊張の渦に巻き込まれた。冷戦、という
ひそやかな囁きが世界中のそこここで囁かれ始め、世界は内部分裂の危機を現実的なものとして
受け入れ始めていた。
そんなときに自分が盟主と言う立場に上り詰めたのは、不幸だったのかとんだ僥倖だったのか、
ジブリール自身も分からない。ただ自分の登場が、大西洋連邦に対しては悪魔の再来であり、
ユーラシア連邦にとっては神の復活だったであろうことは想像に難くない。ジブリールという
タガが戻ってきたことにより、弱体化したブルーコスモスの勢力は再び盛り返し、大西洋連邦内部の
大規模な『魔女狩り』により、世界は再び結束を取り戻した。
そう、時代は自分を求めていた。それは微塵も疑うべきところではないとジブリールは思う。ブルーコスモスが
完全な独立独歩の巨人となり、天に鎮座する神の楽園をなぎ払う日は近い。そのとき生き残るべきは、新しい
時代の人間と思想。それ以外の余分な部分は、さなぎが古い皮を脱ぎ捨てて蝶となるように、脱ぎ捨てていけばいい。
その思いを再び結んだジブリールは、ルージュを引いた唇をぐいと引き絞った。
「つくづく、過去の話がお好きと見える」
ため息混じりに言ってから、ジブリールはモニターに向き直った。
「私も馬鹿ではない。すでに手は打ってありますよ。あなた方を喜ばせるような盛大なデモンストレーションの
用意もしておきました。じきにあなた方が最後に産み落とした≪あれ≫の申し子たちが新たな火種を生むでしょう。
そうだ、新しい時代の幕開けに、美しい大海原に核の花火でも打ち上げましょうか? もちろん、あなたたちの手は
多少汚れますがね」
まるきり狂人を見るような目つきで老人たちが停止している。「冗談です」と続けてから、ジブリールは付け加えた。
「しかし、それ以上の譲歩は私も出来かねる。さあどうします? あなた方が『YES』と言えば、あなたたちは古き
時代に別れを告げ、新たな時代への飛翔を約束されるでしょう。やや大仰に過ぎますかな? 私にはそうは思えない。
私は絶対の自信を持っている。このプラン、まだ名すら冠されていないこの作戦を、次世代への切符と致したいのですが、
どうでしょう? もちろん、あなた方の手は汚れない方法で、ね」
最後通牒、のつもりだった。拒否されれば、さらし首。そんな冷徹な意思が伝わったのか、モニターの中の一人の顔が
辛そうにゆがむのをジブリールは見た。
「≪ブルーコスモス≫も変わったな・・・・ 時代が変化すれば姿形も変わる。我々はもはや亡霊のようなものか」
ジブリールの耳に、聞きなれない単語が飛び込んだ。興味を惹かれたジブリールが「亡霊、と言いますと?」と
質問すると、口ひげを蓄えた老人の顔が自嘲するように笑みの形をかたどった。
「過去の幻想にすがりつけば、未練あるものとしてこの世に留まることを赦されるだろう。しかし、それは苦痛でしかない
だろうな。生者でもない、死人でもない。中途半端な≪亡霊≫―。愛着あるものにすがり、自らを貶めるのみよ。今の我々に
ぴったりの名前ではないかな、ええ? 新しき≪王≫よ」
その言葉に反応し、モニター内の顔が残らず俯く。それをGOサインと受け取ったジブリールは、ようやく
自分の立場をご理解なさったか、と心中で喜んだ。その哄笑を皮一枚下に押しとどめ、ジブリールは「素晴らしい」と
薄笑いを浮かべた。
「実に素晴らしい響きだ。亡霊、ファントムとは、いやはや、まさにぴったりの響きですな。では、名も無いこの
≪ジョン・ドゥ≫に名前を与えましょうか。≪プラン・ファントム≫、いかがでしょう?」
亡霊、という硬質な響きに、部屋の空気がきん、と冷え込んだ。
読んでくれてる人いるか分からんけど、こんなダラダラな文章読んでくれて
ありがとう
乙!
こういう「物語の裏」って感じの大好きです。
お、久々の新作だな。
ジブリールキモカッコイイ
ついに…ついにこのスレの時間が進み出した…
あけおめ!
今年もマターリ
職人さん方ガンガレ
あけおめ!
そしてジブリール、カッコイイ!
これを公式にしてくれ
GJ!!
ダラダラな文章どころか、文体が格好良くて好きだ。
応援してるんで頑張ってくれ(`・ω・´)
いいねー
GJ!!
ho
保守しよう
気長に保守っと
最終的にはジブもMSorMAに乗って戦うのかな。
ブーステッドにでもならんと勝負になりそうもないが…
いきなりですまんがロドニアのラボって海沿いにあったっけ?
ロドニアの森の奥深くにある
745 :
741:2006/01/09(月) 18:56:56 ID:???
>>742 「フハハハハ、これが究極のガンダムだ!」
そういってジブ(ry
むしろジブの悲願成就でコーディ全滅ルート
エターナルと相打ちくらいが妥当じゃね?
ほ
保守!
あげ
ジブリールの野望を作ってくれ!
ジブはナデシコの副提督みたいな感じで良いんじゃないかと。
せっかくだから主人公は一般兵で良いと思うぞ、母艦は豪華な方がいいからガーティ・ルー級戦艦で
ほ
しゅ
あげ!
マターリ保守
758 :
通常の名無しさんの3倍:2006/01/22(日) 03:38:47 ID:K7DCQ1Dv
ぬるぽ