SEED DESTINYはいい素材がいっぱいあるのに…それが生きていない!
または、ここでこうやってたら面白かったんじゃないか?
などを思ったことはありますか?
ここは、そんな人たちで理想の種運命を生まれさせるスレ。
リライトでも話を変えても今の本編からのもしも〜や、
設定を生かした全く違うSEEDなどを書いてくれればいいです。
SEEDでの主人公を変えて作るなどもやれるのならば!
※職人さんは感想などをちゃんと聞きましょう。
特に「ここはこうすれば良いんじゃない?」と言うような言葉には出来るだけ従いましょう。
それこそがあなたを職人として成長させるのです。
職人さん、頑張ってください。みな応援しております。
前スレ
SEED DESTINYでSSを作るスレ2
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1122129101/
乙
乙乙
乙乙乙
乙乙乙乙
元歌 恋のバナナムーン(SEVENTH MOONの替え歌)
俺は不可能を可能にする男だぜ!
それでも守りたいモノがあるからぁぁ!
おーれの名はフラァガ〜
カァッコイ軍人
見上げれば〜
俺の乗ったオレンジのメビウス〜
毎日大変〜
加速するソクトル重ねては〜
疲れ〜体は〜今日もボロボロ〜
それでも俺たちがんばる〜
アークエンジェルを落とさせたりしない
負けないぞムウ・ラ・フラァガ
この胸の情熱を〜
俺は戦うマリューのために〜
エンディミオンの鷹が
迫りくる敵ども〜を
イカしたバトルで倒し続けるだけさぁぁぁぁぁあ!
SSではないが何となく
7 :
1:2005/09/05(月) 23:55:08 ID:???
ザフトによるオーブ侵攻は、ジブリールの逃走によって停止となった。
しかし、なおも膠着状態が続き、予断を許さぬ状況であった。
そこへ飛び込んできたニュースはザフト、オーブ軍双方に衝撃を与えた。
プラントから見て月の裏側に位置するダイダロス基地から発射された兵器が
ヤヌアリウス他数基のコロニーを破壊…。
特にザフト側の反応は凄まじいものであった。
ある者は家族の死に泣き崩れ、
ある者は同胞の死に怒りをあらわに、
またある者は現実を受け入れられず、ただ呆然と立ち尽くす。
軍人とは酷なものである。
この状況下でも次の指令が下るのだから。
ミネルバへの指令は、宇宙へ上がり、連合の兵器を第2射の前に破壊せよというものであった。
ミネルバが宇宙へ上がるためカーペンタリア基地へ向かう準備をしていると、
突如、オーブから通信が入る。
「私はオーブ連邦首長国代表、カガリ・ユラ・アスハ。
グラディス艦長、お久しぶりです。」
そこに映されたのは、オーブの若き国家元首。
一時期、ミネルバに乗艦していたこともあったが、その頃とは明らかに顔つきが違う。
「お久しぶりです。アスハ代表…。
ご存知のこととは思いますが、火急の事態ゆえご用件は手短にお願いいたします。」
オーブを攻めたことに対する文句か、それともプラントが撃たれたことへのお悔やみか…。
いずれにせよ、構っている暇は無いのだ。
8 :
2:2005/09/05(月) 23:55:55 ID:???
「では、用件のみを伝えさせていただく。
もし貴艦が宇宙へ向かわれようとしているのであれば、
わが国保有のマスドライバーやブースターをお貸ししたいと思う。」
その言葉にタリアだけでなく、その場にいたブリッジクルー達も驚く。
先ほどまでロクに猶予も与えず自国を攻めていた連中に手を貸す?
なぜ?何のために?当然の疑問を画面の向こう側にぶつける。
「多くの命が失われ、またさらに多くの命が奪われようとしている。
それを止めるため。それ以上の理由が必要か?」
さも当然のごとく答える若き国家元首。
アスハ代表が大西洋連合との条約に現在進行形で反対しているのは知っている。
しかし、条約は条約。それは結ばれ、今なお生きている。
シンではないが、奇麗事というやつか?そんなことで条約を無視するような…。
「フフッ、つい先ほどまで我が国を侵攻していたあなた方にそんな心配をされるとは。
連合とオーブとの条約はこちらの問題だ。あなた方が心配することではない。
あなた方が心配するべきなのは、今まさに理不尽に奪われようとしている多くの命だろう?」
軽く皮肉を込められ、タリアの眉間にしわが寄る。
タリアは「返事は後ほど」と言い通信を切る。
どの道、艦の整備のため、あと1時間か2時間はここから動けそうにない。
その間にゆっくり考えようというのだ。
本来ならば、そんな罠とも取れるあやしい誘いは即答で断るのだが、
ここから宇宙に上がることが出来れば、カーペンタリアまでの移動時間が短縮できる。
しかも軌道や地球の自転の問題もあり、月までの航行距離・時間の短縮も大きい。
それがタリアを悩ませている原因だった。
艦長室へ戻ったタリアは、プラント最高評議会議長のデュランダルに通信をつなぎ、相談する。
それを聞いたデュランダルは即答で、その申し出を受けるように促す。
あまりの即答ぶりにタリアも驚きを隠せない。
そして、デュランダルはもう一つ、ミネルバに指令を出す。
9 :
3:2005/09/05(月) 23:56:46 ID:???
「改めて…お久しぶりです。グラディス艦長。」
「こちらこそ、アスハ代表。」
二人は握手をする。
カガリの向かって左側には、アークエンジェル艦長マリュー・ラミアスと
カガリの側近であるレドニル・キサカ一佐が、
そしてアーサーがさっきからじっと見ている右側には…。
「ラクス・クライン…とお呼びすればよろしいのでしょうか?」
先ほどのオーブの会見の際に、突如として現れた『もう一人のラクス・クライン』。
クルーには「私達の上官はラクス・クラインではないのだから、どちらが本物でも関係ない。」と言ってあるが、
やはり気になるものである。
「お好きなようにお呼び下さい。今、わたくしが何を申し上げたところで
あなた方にわたくしがわたくしであるという証明は出来ないのですから。」
タリアはラクスに対してのそれ以上の追究をやめる。
一方、タリアが連れてきたのはアーサーとシンとレイとルナマリア。
オーブ国内では、シンを目の届く位置に置いておかないと何をしでかすか解かったものではない。
レイは、シンを連れて行くと言ったら、ならば自分も、と付いて来た。
ルナマリアは、タリアの護衛にと自分から志願してきた。理由はタリアにも大体わかる。
シンとルナマリアは、妙にきょろきょろしている。
本当なら保護者として叱ってやるべきなのだが、その理由がわかっているため、止めようとは思わない。
「たしか…お前がシン・アスカだな?」
会議室に入ると、カガリがシンに声をかける。
シンは一瞬ビクッとなり、小さくうなずく。
シンは小さく声を上げる。
アスラン…ここに来る直前、レイから話は聞いている。彼が生きていたということを。
シンのデスティニーも彼に小破させられたことも。
「本当はアイツもここに来たかったんだろうが、無茶をしすぎてな。
今は病棟で休んでいる。それと伝言だが…そのまま伝えるぞ?」
10 :
4:2005/09/05(月) 23:58:33 ID:???
『お前には本当にすまないと思っている。
いつかまた俺とお前の道が一つになることを切に願う。』
カガリの口から、アスランの言葉が語られる。
シンは一瞬表情が柔らかくなったあと、すぐにうつむき、何かブツブツと言っている。
「なんでアンタが謝るんだよ…。」
タリアに唯一聞き取れた言葉だった。
「あの…!」
ルナマリアが口を開く。
「メイリンは!メイリンは無事なんですか!?」
タリアの予想していた通り、彼女は妹の安否の確認のためここに来たのだろう。
その言葉にシンもハッと顔を上げる。
「そうか…お前がルナマリアか。」
「はいっ!」
「彼女からも、お前に伝言を預かっている。」
ルナマリアと、その後ろのシンの表情が柔らかくなる。
「生きて…生きてるんですね!?」
「ああ、無事だ。ここに来るようにも言ったんだが、合わせる顔がないって…。」
『お姉ちゃん、迷惑をかけてごめんなさい。』
「あのバカ…。」
短い伝言であったが、無事であることを知っただけでも充分だったのだろう。
目からはとめどない涙が流れ落ちている。
11 :
5:2005/09/05(月) 23:59:21 ID:???
カガリとの対談を終え、ミネルバに戻ろうとする一行。
だが、先ほどからレイの様子がおかしい。
答えるとは思えないが、聞いてみるだけ聞いてみようとしたとき、
一行の前に一人の男がやってくる。
「やれやれ、やっと見つけたよ。
…この変な感覚も、こんなところで役に立つとはね。
久しぶりだな、インパルスの少年。」
顔に傷のある金髪の男。連合の制服を着ている。
「なんだよ、アンタ?」
いきなり喧嘩腰のシンに、タリアは軽くため息をつく。
いくら連合の人間だからって、そこまで嫌わなくても…。
「シン、この男は…。」
「あーあー、自己紹介くらいやらせてくれよ。白い坊主君。」
レイの言葉を男が遮る。
白い坊主?かつてレイが乗っていた白く染められたザクファントムのことだろうか?
だとしたら、なぜ連合の男がそのことを知っている?
「仮面がなきゃ、解からないか?
大西洋連合のネオ・ロアノーク大佐だ。」
男が言う。
「ぅえっ!!」
男が吹き飛ぶ。
「シン!?」
「シン…ちょっと!?」
突然ネオに殴りかかったシンをタリアとルナマリアが止める。
「いいんだ!やらせてやってくれ…。」
ネオがタリアとルナマリアを止める。
「アンタ…ステラを!ステラを!!」
ネオはやらせろと言ったが、そうもいかない。
今、シンを放したら、目の前にいるこの男を殺しかねないのだから。
12 :
6:2005/09/06(火) 00:00:14 ID:???
「お前さんの怒りはもっともだ。
だが…言い訳くらいさせてもらえないか?」
「言い訳だと!?今更何を!!」
聞く耳も持たない、といった感じだが、ネオは勝手に言葉を続ける。
「ステラは…知っていると思うが連合のエクステンデットだ。
エクステンデットは連合の手によって戦争の為に生み出された存在。
もし、彼らが戦争で使えなくなってしまえば、処分されてしまうだけさ。」
「俺だってそのくらいはわかってる!だから…だから俺はアンタに頼んだんだ!
ステラを戦争なんかとは関係のないところにって…、ステラが一番信頼していたアンタに!!」
シンの言葉にネオはうつむきつつも、なおも『言い訳』を続ける。
「ステラをどこか連合に見つからない場所に連れて行って、それでどうなる?
エクステンデットは定期的な処置を施さないと、その生命を維持できない。
君も見ただろう?解かってただろう?だから俺にステラを託したんだろう?
そして、その処置は連合の施設でしか出来ないものだ。」
シンは黙りこくる。
「俺はそこで諦めてしまった。お前さんとの約束も最初から守る気なんてなかった。
…お前さんなら、きっと最後まで諦めずに他の道を探してたんだろうな…。
だが、俺にはそれが出来なかった。
だからせめて、彼女の側で彼女を守ってやろうとしたんだが、
それすらも叶わなかった。
まったく、不可能を可能にする男が聞いて呆れるぜ・・・。」
ネオはようやく立ち上がり、シンのほうを見つめる。
タリアはもう大丈夫だろうと、シンを解放する。
「言い訳は以上だ。あとは好きにしてくれ。
コイツで俺を殺してくれても構わん。
オーブの皆さんにも、俺に何があっても、
そのことであんたらを責めたりしないように言ってある。」
そう言って、ネオはシンに拳銃を差し出す。
しかし、シンはそれを手に取る気配はない。
13 :
7:2005/09/06(火) 00:01:03 ID:???
「…今から…。」
シンが、その重い口を開く。
「今から、あんたをもう一回殴る。
それで許すことなんて出来ないけど、
ステラのことは、俺からはもう何も言わない。」
「それだけでいいのか?
OK、それなら一発、目の覚めるような奴を頼む。」
再び、辺りに鈍い音が響く。
シンはそのままミネルバへ走っていってしまう。
泣いていた…?タリアは彼の目に、光るものを見たような気がした。
「っ〜〜〜〜…!」
ネオは再び床に座り込み、声にならない声を上げている。
「ロアノーク大佐、うちのクルーが…申し訳ありませんでした。」
「あーあー、いいんだ。俺から望んだことだからな。
って、そっちのケがあるわけじゃないぜ?」
「はあ…?」
「んー、アンタがミネルバの艦長さん?なかなかの美人だね。
アークエンジェルといい、最近は美人さんが艦長やるのが流行ってるのかい?」
相手にしていると、疲れそうな男である。
14 :
ラスト:2005/09/06(火) 00:01:53 ID:???
ようやくミネルバへのブースターの取り付けが終わり、宇宙へ上がる準備が整った。
念のため、艦の整備兵に確認させたが、正真正銘のブースターだったようだ。
爆弾や発信機などが仕掛けられた形跡もない。
「どこまでお人好しなんですかね、ここの代表は?」
アーサーが半ば呆れ気味に言う。
他のブリッジクルーも同感といった顔だ。タリアを含めて。
「で、艦長。どうするんです?」
小声でアーサーが話しかけてくる。
先ほど、オーブの申し出を受けるかどうかを相談した際に、デュランダルから受けたもう一つの指令。
今それを知っているのは、タリアとアーサーのみである。
『宇宙へ上がる直前に、オーブのマスドライバーを破壊せよ。』
それがデュランダルより受けた指令。
オーブにはミネルバのように、マスドライバーを使用せずとも宇宙に上がれる艦はあるだろう。
しかし、全部が全部そうという訳ではないはず。
マスドライバーを破壊すれば、宇宙でのオーブの戦力を大幅に削ぐことができる。
そして、オーブはまだ『敵』なのだ。
タリアの中でその答えはとっくに出ている。
「どうするって、私達は軍人で、議長は事実上の上官よ。どうするもこうするもないでしょう?」
「は…はあ、そうですか…。」
アーサーは明らかに不満そうな表情である。
それを見てタリアはクスリと笑う。
「あら?そういえばこういったものもあったわね。」
タリアの視線は胸元にあるFAITHのバッジに向けられる。
「えぁ…?」
「仇を恩で返してくれたこの国に、さらに仇で返そうなんてできないでしょう?
ここは私のFAITH権限において、この指令を棄却します。
ああ、議長への言い訳はあなたも一緒に考えてもらうわよ?」
「はっ、はいっ!」
アーサーはブリッジクルー達に聞こえるほどの声で返事をする。
事情を知らない周りにしてみれば、いきなりなんだ?といった感じである。
ミネルバは宇宙へと上がる。
このダイダロス基地の一件が一段落すれば、再びこの国は敵となるのかもしれない。
クルーのほとんどはそれを望んではいなかった。
以上。
オーブ戦後のIF。
本編では尺がなくて語られそうにない、シンとネオの絡みを入れてみました。
GJ、楽しませてもらいました
嫁もコレくらいの描写位しろとマジで思う
今確認したら、ちょっと抜けてた。
>会議室に入ると、カガリがシンに声をかける。
>シンは一瞬ビクッとなり、小さくうなずく。
と
>シンは小さく声を上げる。
>アスラン…ここに来る直前、レイから話は聞いている。彼が生きていたということを。
>シンのデスティニーも彼に小破させられたことも。
の間に
「アスランからの伝言だ。」
「え…。」
を追加で…。
誰かスーパーカガリ様物書いてほしいな。
カガリの種割れはキラとの感応なのかなと思ったもので。
暁VSデスティニーでアスランが出てくるまで持ちこたえられるぐらい
強さがほしいな。ブーメランもろに食らったり情けなかったから。
無印から2年間死ぬ気で努力して名実ともにオーブの指導者として
がんがってるカガリが読みたい。
リリーナとハマーン様を2で割ったような政治家で、
MSに乗らせればオーブ軍で一番強かったり。
感情でものを言わないで冷静に議長と会談をして欲しいわけで。
キラの姉者なんだからがんがれば出来るような気がする。
双子の感応ってデプレがマグダルのダイバーパワーのおかげで
でミラー使えるようなもんか。
そこまで考えているんだったら自分で書けよ
投下すればネ申になれるぞ?
1.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「あぶない!」
ミーアを庇い、銃弾に倒れたのはラクス。朦朧とする意識の中で、サラが狙ったのはミーアの方だった。自ら仕掛けた策に最後で自分がおちいったのだ。
だが、結果的にそれがラクスに銃弾を打ち込むことになったのは皮肉な結果である。
「ラクス、ラクス、しっかりして!」
半狂乱のキラを連れ、アスラン達は必死にアークエンジェルに帰還した。
「そんな・・・なんで・・・ラクスさん」
ミーアも呆然としたままアークエンジェルに連れてこられていた。
ラクスは重態だった。
奇跡的に一命は取り留めたものの、銃弾は脊髄を貫き指一本動かすことができない。意識は微かにあるようだが、口も満足に開けなかった。
「先生!ラクスは・・・」
「命は取り留めましたが、たとえ次の手術が成功しても一生障害が残る可能性があります。少なくとも当分は絶対安静です」
重い沈黙が医務室に立ち込めていた。
2.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
次の問題はキラだった。自らを責めるあまりただ泣き、誰とも話そうとはしない。
強くなったと思っても泣き虫キラだった頃の自分をなくせた訳ではなかったのだ。
だが、地球軍を事実上沈黙させたデュランダル議長のディスティニープランは今まさに始まろうとしていた。
〜ディスティニープラン〜
それは、ナチュラルの生殖能力を奪うマイクロマシンを地球全土に撃ちこみ、そのマイクロマシンが活動しない遺伝子操作をされた人間だけが子孫を残すことができる。
結果的にナチュラルは戦争などしなくとも自然に消滅し、運命の名の下にコーディネートされた人類だけの争いのない世界が実現する。
それが、ラクスたちがつかんだディスティニープランの序章だった。
マイクロマシンが散布されればもはや止める手立ては無い。
その惑星間ミサイルユニットはプラントの何処かに潜み、ミラージュコロイドで完全に隠されている。だが、何者かの暗号文がエターナルに届いていた。それにはその座標が示されていたのだ。またプラント内部でも完全極秘であるがゆえに大規模な警備がされていないことも。
これがアスランたちに残された最後の賭けだった。
3.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
それなのに、ラクスは倒れ、キラもとても戦える状態ではない。こんなことでは・・・
「クソッ!」
アスランは苛立ち、壁をたたく。ふと、人影が見えた。
「ミーア・・・」
ミーアは言った。
「私がやります。私に今だけでもラクスさんの代わりをさせてください!」
ディスティニープランの正体を知ったミーアはしばらく誰とも口をきかず、ずっとふさぎこんだままだった。アスランも彼女にはそれ以上何も言わなかった。
だが、そんなミーアが突然言い出した事にアスランは驚いた。そんな事は考えもしていなかったからだ。
いくらミーアがプラントを欺き続けいたとはいえ、ここは本物のラクスを知っている人間が大勢いる。いくらなんでも無理だと思った。
「何を言い出すんだ!そんなことさせられる訳が・・・」
だが、ミーアは一歩も譲らない。
「私はラクスさんに憧れ、そして議長の言うまま彼女を演じてきました。でも、今回は違う。心から彼女になりたい。
そしてほんの少しでも皆さんのお手伝いができればいいんです。役不足だと思うけど・・・今の私にできることはこれだけだから」
「やってもらおうじゃないか!」
いつの間にか後ろにいたバルトフェルトが言った。
「今の俺たちに選ぶ余裕なんて無い。ネコの手だって借りたいんだ。こんな立派な子猫ちゃんなら喜んで頼りにするぜ」
アスランはかなり長く考え込んでいたが、重々しく顔を上げ、
「わかった・・・頼む、ミーア」
「わたし、やってみせますから!」
誤爆乙
25 :
勝手にエンディング:2005/09/07(水) 09:30:46 ID:sU7BJsM0
>>24 いや、いいよ。ここ隔離スレみたいだし、他の人の流れ
切らないみたいだから丁度いいかと。
オレ本スレの空気読みきれないし、続きも夜投下するよ。
自己満スレだしなこのスレ
いくらでもオナヌーすればいいさ
サウジアラビア北部。
コアスプレンダーはリアド基地に向けて飛んでいる。
シンは一人任務でこの地に来ていた。
照り付ける太陽が、身体をジリジリと焦がす。
「クーラーつけているのに、どうしてこんなに暑いんだよ!?」
暑さに頭を垂れながらシンはこうなった経緯を考える。
(まったく、なんで俺がこんな任務を・・・。それもこれも全部あの人のせいだ!!)
シンの脳裏に浮かぶのは―、出戻り上司のアスラン・ザラだった。
時間は2日前に遡る―
(結局、昨日は遭難して・・・。久しぶりの休みだってのについてないなぁ、俺)
ディオキアでの休暇も終わり、内心少し残念なシン。
どうやら、艦長が御呼びのようだ。
「失礼します。シン=アスカ只今出頭しまし・・・た」
艦長室に入ったとたん、いきなり不機嫌になるシン。
理由はというと、
「なんだ、俺がいるだけで不満か?シン」
そう、犬猿の仲のアスランだ。「別に、何でもないですよ」
明らかになんでもありだが。
「・・・・・・・シン、おまえなぁ」
「アスラン、シン!痴話喧嘩なら表でやってちょうだい」
アスランの言葉をタリアが遮った。
((どこが痴話喧嘩だよ!?))
アスランとシンの心の声が見事に重なる。仲が良いのか悪いのか。
「コホン。シンを呼んだのは新たな任務を伝える為です」
休暇明けにいきなり任務かよ。
苛立った頭でシンは考える。
「内容はテロ組織の掃討よ。これから貴方にはサウジアラビア王国のリアド基地に向かってもらいます」
タリアに続けてアスランが口を開く。
「詳しい話は現地で聞く事になっている。なお、今回ミネルバで派遣するのはおまえ一人だ。たのむぞ、シン」
微笑むアスラン。
俺一人か。そういえば初めてだっけ。・・・・・・。
「へっ?」
事の重大さに気付きシンはマヌケな声をだした。
「まぬけね」
「まぬけですね」
口を揃えて同じ言葉を呟くアスランとタリア。
「えっ、自分一人でありますか?ルナやレイ、隊長だっているのに!それに一度も・・・」
「二人は俺と共にダーダネルス海峡の防衛の任につく。あの辺りは連合の動きも活発だしな。
話は以上だ。成功を信じているぞ」
そう淡々と告げるアスラン。
―なんだよ、まるで俺だけ・・・
「仲間外れ、じゃないわよ。これはアスランが私に直接頼んで来たの。この任務は彼にしか出来ないって」
シンの考えを見透かしたようにタリアは諭す。
シンは驚いた顔でアスランの方を見た。
照れ隠しのつもりなのか、アスランは頭をぽりぽりと掻いていた。
―まったく、この人は・・・
尊敬している人に信頼されることは嫌ではない。
心に熱い何かが満ちていくのを感じた。
「やってやりますよ。絶対に」
ぶっきらぼうに言い放ちシンは部屋を出ていった。
―まったく、あいつらしい・・・
口下手で感情表現の苦手なところは自分に似ているな。
「人付合いは難しいですね、やっぱり」
アスランが苦笑しながらタリアに話しかける。
タリアもまた苦笑するのだった。
つづいていいのか・・・・
>>26 うい
>>27 サンクス。とりあえずあらすじは全部つくり終わってるんで
気合いれて書きます。
>>32 ぶったぎってすまんが続き投下するね。
4.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
ミーアの演技は誰もが驚くほどだった。ほんの少し本物のラクスと触れ合った時間が彼女をそうさせたのか、そう、”気”が違う。本当のラクスしか持ち得ないあの神々しさがミーアを包んでいた。
すこし違和感があった体形もラクスの服装ではうまく隠すことができた。このことを知っているのはオーブでもアークエンジェルとエターナルの一握りの人間だけだったが、知っている彼らでさえ彼女の声にハッと息を呑んだ。
「キラ」
ミーアは部屋に閉じこもったままのキラを尋ねた。キラはハッと息を呑み彼女を見る。
「ラクス!そんな・・・え、ミーア、ミーアなの?」
「そうですわ。キラ。でも、今だけはあなたのラクス。あなただけのラクスでいさせて下さい。」
「でも、僕は、僕は!」
ミーアはキラの頭をそっと抱え込んだ。
「キラ、私を守れなかったこと本当にあなたを責めると思いますか?私が責めるとしたら今のあなた。議長を止めるにはあなたの力が必要です。
でもあなたをそこまで追い込んだのもまたわたくしなのです。だから今日だけはこうしていましょう。
何もかも、涙が枯れるまで泣いていいんですよ。」
今のキラは、ただミーアにすがるしかなかった。
「うわあぁぁっ!ラクス、ラクス!」
ミーアは黙ってキラを抱きしめていた。
5.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
寝付けぬ夜、アスランは廊下をただ歩いていた。作戦の決行は30時間後。自分たちだけで本当に議長を止められるんだろうか・・・と苦悩しながら。
ふと、キラの部屋の前を通ったとき、甘く切ないミーアの声が微かに漏れ聞こえてきた。
「!!・・・・・」
いくら鈍いアスランでも、部屋の中で起こっていることぐらい察しがついた。アスランは走った。
頭の中が真っ白で何も考えられなかった。ようやく宇宙の見えるロビーでアスランは止まった。息を切らせながら思わずつぶやく。
「ミーア、君はそこまでして・・・これじゃ俺たちのしていることは議長のやっていることと同じだ!それ以下だ!クソッ!」
キラへの怒りでもミーアへの哀れみでもない、ただ何かともいえない思いがアスランをかき回していた。
「アスランさん・・・」
気がつくと、メイリンが立っていた。
彼女もまた寝付けずにいた。アスランがすごい勢いで走っていったのを見て、思わず後を追いかけてきたのだった。
6.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「キミ・・・」
「アスランさん、どうしたんですか。そんなに走って。ビックリしちゃいました。」
アスランは先程の事まですべてを話したわけではなかったが、気が弱っていたのだろう、メイリンに、ミーアが皆のために、そしてキラのために必死でラクスを演じていることを吐き出すように話した。
もちろんメイリンはその事は知っている。その中でミーアが何をしたのか、メイリンはなんとなく察していた。
しかし、アスランがそれをとても気に病んでいることを、自分たちが思っている以上に強い責任を感じていることをメイリンは感じ取った。
「アスランさん・・・その、私が言っても説得力ないかもしれないけど、ミーアさんは大丈夫です。自分が犠牲になった、なんて思っていません。
だって、私もそうだから。アスランさんについて来た時も、自分でも信じられなかったけど、今は後悔してません。だからミーアさんだって・・・」
メイリンの目に涙が浮かぶ。アスランがどうしていいか分からず困っていると、そっとメイリンの手がアスランの頭を抱え込んだ。
メイリンの肩に覆いかぶさるように崩れるアスラン。そんなアスランに彼女は言った。
「大丈夫です。大丈夫ですから」
涙声ではあったが、アスランの心はふっと軽くなったような気がした。
「メイリン・・・」
思わず、その名をつぶやく。
「アスランさん・・やっと名前を呼んでくれましたね。」
そう言われてハッと気がつく。今まで彼女をのことを「キミ」としか呼んでいなかった事を。その事が不思議なぐらい自分の小ささを感じさせた。
「大丈夫です。だって女の子は強いんですから!」
メイリンが明るく言った。アスランにはもう迷いは無かった。
7.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
作戦にむけて全クルーを集めた最後のブリーフィングが始まった。
キラはその場にいた。もちろんミーアもラクスとしてそこにいた。二人とも目に光が宿っていた。もう大丈夫だ、アスランは確信した。
ブリーフィングが終わったあと、キラが話しかかけてきた。
「アスラン、ごめん、僕は・・・」
「何も言うなキラ。今はディスティニープランを止めることだけを考えるんだ。それが何よりも皆への恩返しなんだ。お前の力が絶対に必要になる。できるな!キラ」
「もちろんだとも、必ず成功させよう、アスラン!」
二人は強く手を握り合った。
それを見たクルー達にも二人の決意と信念が伝わったのだろう。皆の目にも力がみなぎっていた。
作戦の概要はこうだった。
アークエンジェルとエターナルでプラントに奇襲をかける。しかし、それは全兵力を挙げての囮である。その隙に単機で惑星間ミサイルユニットに乗り込み、ユニットを破壊する。
ユニットの座標を知らせてきた情報がもし偽りであればこの作戦は終わりだ。だが、今の彼らにはそれしか手段が無かった。
ユニットを撃破する役目はアスランに与えられた。プラント内部に詳しいこと、そして何より長時間の稼動ができ、強力な機動力を誇るジャスティスしかこの役は務まらない。
キラのフリーダムをはじめとするモビルスーツ隊は全力でザフト軍、なによりミネルバを食い止めねばならない。それができるのもまた、キラのフリーダムしか考えられなかった。
「アークエンジェル、発進!」
「エターナル、発進します!」
マリューとミーア、二人の声がブリッジに響き渡る。
最後の作戦が始まった。
>勝手にエンディング
やべ、本編よりテラオモロイ
>>38 サンクス!あらすじは全部できているから、なんとしても本編より先に終わらせるよ。
今週が総集編でテラ助かる。
8.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「私は・・・止めたいの?それとも・・・」
暗号文を発信したタリアは自嘲気味につぶやいた。ナチュラルの生殖能力を奪うマイクロマシンを散布する惑星間ミサイルユニット"アーネンエルベ"の情報をエターナルに知らせたのは他ならぬ彼女であった。
久しぶりにギルバート・デュランダルと共に過ごした夜、情事の後にふと彼が漏らした言葉"アーネンエルベ"
そのときには意味が分からなかったが、彼が作ろうとしている社会において重要な意味を持つと直感したタリアは、時に非合法の手段を用いた調査の末、その意味を突き止めた。
だが、子を産み、育てるという事は人として当たり前の営みではないのか?コーディネーターとして、それが自由にならない事がおかしいとは思わない。だが、その心の痛みは決して遺伝子などでどうにもなるものではなかった。なにより彼女自身がその事を一番わかっている。
きっと彼らは来るだろう。あの場所へ。
その時、私は・・・
結論は出ていなかった。
そして、時はきた。
「アスラン・ザラ、インフィニットジャスティス 出る!」
アスランは戦場を大きく迂回し、単体でアーネンエルベに向かう。自分が背負う重責よりも、ザフト軍を相手にする仲間達の事の方が気がかりではある。だが、振り返るわけには行かない。
(後は頼んだぞ、キラ!)
9.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
ザフト本部に警報が発せられる。
「ザフト所属にない戦艦が2隻接近中!アークエンジェルとエターナルです!」
(来たわね・・・でも正面から?)
タリアは思考を巡らせる。確かに現在ザフト軍はかなりの兵力を地球の連合軍対抗支援に裂いており本国の守りは薄い。とはいえ、戦艦2隻に突破されるほどではない。なぜ?
(そういうことかしら?)
「艦長!出撃命令が出ました!アークエンジェルとエターナルを撃てと!」
アーサーからの連絡が入る。タリアはミネルバに向かって歩き出した。
艦長室にアーサーを呼んだタリアは開口一番言い放った。
「アーサー、あなたに艦長代理を命じます。ミネルバを率いて敵を撃ちなさい!」
「ええぇーーーーーっ!」
余りに突然の命令にアーサーは気を失いそうになる。
「そ、そんな無理ですよ艦長!自分にそんな事ができるはずが・・・」
「これはフェイスとしての判断です。ここはザフト本国よ。ジュール隊も援軍もいます。それに・・・貴方にはできるわ。今まであの戦いを生き抜いてきたのだから。自信を持って、アーサー」
優しげにそう言うと、アーサーの頬にそっとキスをした。アーサーはもはや人形同然である。
「返事は?」
その声で我に返ったアーサーが言う。
「りょ、了解! アーサー・トライン、ミネルバ艦長代理をお引き受けいたします。」
「よろしい。それとルナマリアとインパルスを借りるわ。私を連れて発進させて。」
命令を受けたルナマリアは怪訝な表情をしていたが、ノーマルスーツを着たタリアを連れて発進する。
「ルナマリア・ホーク、インパルス、出るわよ!」
そして艦長席についたアーサーも号令をかける。
「ミネルバ発進、アークエンジェルとエターナルを撃つ!」
タリアが不在であることにクルーは皆、首をかしげていたが、タリア自身の命令であること、そして、いつもとは違うアーサーの眼差しがなんとか彼らを納得させた。
おお、皆なかなか面白いぞ。
楽しみにしてますがんがれ職人さん
ついにアーサーが活躍するのか!!
10.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「シン、今度こそ終わらせるぞ、俺たちの手で!」
レイが出撃前のシンに言った。もちろん、シンの気持ちも同じである。今ここにルナマリアがいないことは、むしろシンにとって好都合かもしれない、と密かにレイは感じていた(タリア艦長もたまには粋な事をしてくれる・・)
「シン・アスカ ディスティニー 行きます!」
「レイ・ザ・バレル レジェンド 出る!」
次々とMSが出撃していく。イザーク率いるジュール隊もその後を追う。
「イザーク・ジュール ゲルググ・シューティア 出るぞ!」
「ディアッカ・エルスマン ゲルググ・バスター いくぜ!」
ジュール隊に配備されたばかりのザフト最新鋭主力MS ゲルググ。
キラたちにとって、この戦いをますます厳しいものにしていくかのようであった。
アークエンジェルとエターナルからも次々とMSが発進していく。ムラサメ隊、暁、ガイア、ドムトルーパー隊、そしてキラのフリーダム。
「キラ・ヤマト ストライクフリーダム 行きます!」
ここに、決戦の火蓋は切って落とされた。
11.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「アークエンジェルはミネルバにまかせろ!俺たちはエターナルを!」
イザークの指示が飛ぶ。エターナルめがけて突入をかけるジュール隊を阻むのは、ヒルダ率いるドムトルーパー隊だった。巧みな連携プレーが次々とザフトのMSを撃破していく。
「チィッ、あいつらをやるぞ!ディアッカ!」
「オウよ!」
「奴らが隊長機のようね。ジェットストリームアタックで撃破するわよ!」
「了解!」
(クッ、なんだこいつら!)ジェットストリームアタックを受けたゲルググ。イザークはなんとかかわしたものの、ディアッカが被弾してしまった。いったん距離をとって体勢を立て直し、再び突入をかけるイザーク達。
「あちらは手負いよ!今度こそ仕留めな野郎ども!」
再びジェットストリームアタックが迫る。ディアッカのゲルググが先陣を切って真っ向から突入してゆく。
1機目のドムから拡散ビーム砲が放たれる。だが、これは目くらましだ。広範囲を攻撃するものの、威力はさして強力でないことをイザークは見抜いていた。
ディアッカのゲルググは避けることなく体当たりを食らわし、組み付いたまま自爆した。爆発する2機のMS。
(なっ!)飛び出した2機目のドムには目もくれず、爆発の中から現れたイザークのゲルググが3機目のドムを一閃し、撃破する。
「味方を爆弾にしただと!」
すれ違ったイザークのゲルググとドムトルーパーはお互いに振り向きざまビームを放つ。
(グッ!)ゲルググの片腕が吹き飛んだ。だが、イザークの放ったビームはドムの中心を射抜いていた。爆発するドムトルーパー。
「やったぞ!ディアッカ!」
イザークが叫んだ。
12.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
イザークは宇宙を漂うディアッカの回収に向かう。イザークは被弾したゲルググ・バスターからディアッカを宇宙に放り出し、自動操縦で特攻用の武器としたのだった。
もちろんパイロットを宇宙の、ましてや戦場に放り出すなど正気の沙汰ではない。お互いに命を預けあえる信頼関係がなければこんな事はできなかったはすだ。
「信じてたぜ!相棒」
「当たり前だ!俺はイザーク・ジュールだぞ!」
ディアッカを回収したイザークは罵りあいながら、ゲルググ・シューティアは修理とディアッカの収容のために一時母艦に帰還してゆく。
そして、護りの要ドムトルーパー隊を失ったエターナルに危機が迫っていた。一瞬の隙をついたレイのレジェンドがエターナルに取り付く。
「しまった!」
ドムトルーパー隊に頼り前線に出てしまっていたバルトフェルトが叫ぶ。戦闘はダコスタ他部下たちに任せミーアにはただ艦橋に座っていろと指示したのは自分だ。
(なんてこった!俺とした事が!)
レイのレジェンドは、既にエターナルの艦橋と向かい合っていた。
13.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
ラクス(ミーア)はただ静かに艦橋に立っていた。その唇は微かに微笑んでいるかのようだった。それはまるで全ての罪を許す女神のようにレイは感じた。
レイの感情が爆発する。まるで抑えていた何かが吹き飛んだかのように。
「貴様のような偶像がギルの邪魔をするだと!国民の為と言うなら、お前などいくらでも作り出せばすむ事だ!そんなものに理想を語る口などいらぬわ!」
そしてレジェンドのビームジャベリンがエターナルの艦橋を貫いた。砕け散る艦橋。
だが、レイの激情はそれでも収まることはなかった。その微笑みに少しでも救いを感じた自らが許せなかったか、レジェンドのビームが船体を貫き続け、振り下ろされるジャベリンが装甲を破壊してゆく。援軍すら阻むドラグーンたち。
その姿はまさに鬼神そのものだった。
あちこちから火柱を上げ、炎に包まれてゆく船体。そして、エターナルは爆散した。
「ミーアさん・・・」
ラクスはアークエンジェルの医務室で横たわったまま、ただモニターに映る戦場を眺めていた。沈むエターナル、しかし今の自分には何一つ出来はしないのだ。
抑えきれない感情が涙を溢れさせてゆく。だが、指ひとつ動かせない体は、それを拭う事すら許してはくれなかった。
age
〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜シリーズの人乙
なんかやばいな、本編と比べれるのが恥ずかしいくらい良作だぞ?
あんな修正不可能確実のような話をよくここまで良くしたものだと思う。
>>42 >>43 >>48 >>49 サンクス!まだかなり長くなってしまいそうだけどがんばるよ。
あと訂正 ディスティニー > デスティニー
今後の投下分では修正します。
14.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
一方、タリア達はアーネンエルベに到着していた。ミラージュコロイドを解除し全容を現しつつあるアーナンエルベは、巨大な小惑星を切り取った面にミサイル発射口がくまなく並び、宇宙に浮かぶ巨大な蜂の巣のようであった。
「なんなの・・・ココ」
何も知らないルナマリアがつぶやく。そこへ接近する小型艇。姿を隠し、その船を見る。(デュランダル議長!なんで?ほとんど護衛もいないじゃない!?)
「ルナマリア、あの船を追うのよ!」
タリアが指示を出す。開いたドックのハッチから静かにインパルスは潜入した。
ドックの入り口近くで物陰に隠れて待機するよう命じられる。タリアはノーマルスーツに装備を取りつけ、単身で小型艇を追っていくようだ。
他に侵入者があれば止めろとも命じられたが、ここには、まるで人の気配が無い。警報すら鳴らなかったようだ。友軍機のインパルスだったからなのか?
「あ〜あ」
インパルスを待機モードに切り替え、ルナマリアはつぶやく。このインパルスには新たに改造が施されていた。
短時間での強化の為、フォースシルエットの宇宙空間で不要な部分をギリギリまで簡素化し、その分、ソード、ブラストの武装を可能な限り搭載した三種一体のシルエットである。
スーパー・インパルス。ヨウラン達は確かそう呼んでいた。また新シルエットとルナマリアにあわせたチューニングも施され、ディスティニーには及ばずとも、相当に強力な機体のはずであった。
この力で、シン達と共に戦いたかった。足でまといにならない事をもっと示したかった。
(なのに私、ここで何してるんだろう・・・)
15.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
デュランダルの小型艇がそのままドックから続く通路を進んでゆく。ここには居住の為の空気さえないようであった。おそらく直接、制御室まで小型艇で行くのだろう。
タリアはデュランダルの小型艇にとりつき、外部から接触回線で通信をおくる。
「ギルバート、いるんでしょ。お願い、もうこんな事はやめて!」
「タリア・・・そうか・・・私もうかつだったな。」
構えるSP達を制止し、デュランダルが応じる。
デュランダルは極少数のスタッフ以外は連れていなかった。アーネンエルベも基本的に無人システムである。それは、この作戦において誰もがどうあっても割り切れない感情を抱く事は予想できていたからだ。それゆえの彼なりの配慮であった。
隠密性を高める為、誤動作の可能性がある自動防衛システムすら存在していなかった。もしプラントが先に堕ちるような事があるなら、そもそもこの計画すら無意味なのだから。
「この戦争には勝てるわ!だからそれでいいじゃない!」
「ああ、だがその後はどうする。またすぐに戦争だ。これはどうしようもない事なんだ。人の宿命というやつかな。だからこそ理想の世界を作らねばならないのだ。」
彼の言う事は正しい、正しいのだ。しかし…
「あなただって子供の事ではつらい思いをしたはずでしょう?人の悲しみが分からないとでも言うの!」
「わかっているとも。だからこそ、私がやるのだよ。」
彼は・・・この計画の罪、誰も罰する事ができない罪を、自分一人が全て背負うつもりなのだ。そうあればこそ、このスイッチを押せるのだと。
タリアの心は決まった。
タリアが小型艇の前に出る。その腕にあるのはバズーカ砲。驚愕するデュランダル、SPたちもこの状況ではとっさに応戦しようが無かった。
(おやすみ、ギルバート・デュランダル)
タリアの手がトリガーを引いた。キャビンを直撃した砲弾が内部で炸裂する。コントロールを失った小型艇はそのまま側壁に激突し爆発した。
こうして、デスティニープランは終わりを迎えたかに見えた。
だが、アーネンエルベには不気味な警報(アラート)が響き始めたのだった。
16.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「おのれ!よくも!」
ネオの暁がレジェンドに迫る。二人の間に何かか通じる。
「この感覚…貴様も同じか!」
レイの心に再び怒りがともる。それを感じるネオ。だが、記憶があいまいなネオにはその怒りの理由が分からなかった。
全周囲からドラグーンの攻撃が炸裂する。だが、暁のビームコートは対ドラグーン戦闘において非常に有効に働いた。
「ちぃっ、小癪な!」
だが、暁もレジェンドに対し有効打があるわけでなかった。お互いの護りは堅く、致命的なダメージを与えられない。
レイとネオ、互いの心が通じ合う、もう決着を付けようと。
暁はビームさえかわさずにまっすぐ突っ込んでくる。レイは全てのドラグーンを戻し、全火力を集中させる。たとえビームコートといえども、途切れることのない集中攻撃には耐えられないことをレイは見抜いていた。
集中砲火を浴びる暁の装甲が融解し始める。内部温度はとっくにもう限界だ。
「女から生まれた劣化コピーが本物で、オリジナルのコピーが偽者だと誰が言う!落ちろ!」
レイのレジェンドもあまりの連射に砲身が耐え切れず融解し始める。
「誰でもない!俺は不死身のネオ・ロアノークだぁーーーっ!」
差は一瞬だった。レジェンドのライフルが融解し連射が途切れる、その刹那に、暁のビームサーベルがレジェンドを貫いた。レジェンドは爆発し、宇宙に消えた。
暁もほとんどの装甲が解け落ち、大破していた。もはや戦闘の続行は不可能だった。
「まったく…俺は不死身の男だ、なんて誰が言い出しんだ?」
ネオが呟いた。
17.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「爆発? 警報? なに?」
ドックで待機していたルナマリアは、突然の事態に驚き、インパルスを起動させる。だが、そのときハッチを突き破り現れたのは、ようやく到着したアスランのインフィニットジャスティスだった。
それを見たルナマリアは、この事態がアスランの仕業だと判断した。
(そう、あなたなのね、アスラン)
「インパルス?、ルナマリア!?」
アスランも現れたインパルスを認識し驚く。外見が異なるようだが、ジャスティスの認識コードは確かにミネルバ所属のインパルスを示していた。
しかし、展開し終わったフェイズシフトのカラーがアスランを惑わせる。赤。血のような赤。それはまるで今のルナマリアの心を映し出しているかのようだった。
「お願いだ!ここを通してくれ、ルナマリア!」
アスランは必死に通信を開きインパルスに呼びかける。だが、返答は無い。そして次の瞬間、烈火のような攻撃がジャスティスに降り注いだ。
防戦一方のジャスティス、反撃する事さえ許さない猛攻がアスランを釘付けにする。それを必死にかわしながらも、再び呼びかける。
「お願いだ!ルナマリア。人の、人の未来がかかっているんだ!」
攻撃が停止する。向かい合う 2機の赤いガンダム。
……しばしの沈黙の後、ルナマリアの声が聞こえてきた。
「あんたが、あんたが妹を連れて逃げたりなんか、逃げたりなんかしなければ…私は…」
「私はシンなんか愛さずにすんだのよーーーっ!」
インパルスが動く。エクスカリバーの渾身の一撃がジャスティスに迫った。
18.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
シンのデスティニーとキラのフリーダム、それは誰にも立ち入る事の出来ない壮絶な戦いだった。
キラのドラグーンが全周囲からデスティニーを捕らえる。だが、ことごとく貫くのは残像ばかり、それどころか、1機、また1機とその翼が確実に切り裂いてゆく。
デスティニーの大剣アロンダイトが腕ごとフリーダムのライフルを叩き落す。だが蹴り上げられたフリーダムの脚がアロンダイトを肘ごと虚空に飛ばしてゆく。
デスティニーはビームキャノンも破壊され、フリーダムのビームはことごとく残像を貫く。双方片腕もなく、二人のガンダムがとどめを刺せよとぶつかり合う。
デスティニーが迫る、その右手が光に染まる。キラのフリーダムは最大パワーのビームサーベルで迎え撃つ。二つの光がぶつかり合い、周囲を白く染め上げてゆく。まったく引かない二人の力が更なる光を放ってゆく。
「オレは、オレはあんたに勝つ!」
シンの執念。それが均衡を破ったのか、パルマ・フィオキーナのパワーがフリーダムのサーベルを押し切り、フリーダムの腕が融解してゆく。あと少し、あと少しで本体を砕ける!
(取った!)
その瞬間、デスティニーのコクピットに響くロックオンアラーム。
「なに!」
1機のドラグーンがデスティニーの背後にいた。至近距離から放たれたビームがデスティニーを、そしてフリーダムの頭部をも貫いた。
堕ちてゆくデスティニー。キラはドラグーンを1機だけあえて稼動させず空間に漂わせていた。シンが自分の目前で動きを止めるその瞬間まで。
「アスラン、僕は…」
爆発するデスティニーの光景がキラの心を痛めつけた。
19.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
もう限界だった。
エターナルを失い、MS隊もほぼ壊滅状態。キラのフリーダムにも戦う力など残ってはいなかった。
あちらは、レジェンド、デスティニーを失ったとはいえ、ミネルバ、ジュール隊、そして背後のプラント防衛艦隊も健在だ。もともと囮なのだ。勝てる戦いでない事は初めからわかっていた。
マリューは祈った。たとえ自分たちがここで死んだとしても、アスランがデスティニープランを止めてくれる事を。
そのとき、ミネルバから通信が入った。
「こちらはミネルバ艦長代理アーサー・トラインだ。アークエンジェルに告ぐ。貴艦にはもはや万に一つの勝ち目もない。武装を解除し投降せよ。乗組員の生命は保証しよう。繰り返す…」
マリューは目を見開いた。溢れる思いを抑えマイクを取る。
「こちらアークエンジェル艦長マリュー・ラミアスです。貴殿の勧告に従います。乗組員の命は…」
「わかった。保障しよう。直ちに武装を解除し停船せよ。」
「了解…ありがとう、トライン艦長」
両軍から信号弾が放たれる。まばゆい光が兵士たちを釘付けにする。
こうして、この戦いは終わりを告げた。
20.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「南無三!」
アスランは無意識の掛け声と共に、迫りくるルナマリアのインパルスを見据える。そして変形のプロセスを使い、かろうじてエクスカリバーをかわすとそのままルナマリアのインパルスに突進した。
飛行形態のままインパルスを掴み突進する。そのまま通路の壁に叩きつけなおも前進を止めない。その衝撃にルナマリアは思わずコントロールを失う。
「この、放せ、放せ!」
そのとき、インパルスのエネルギーゲージがEMPTYの警告を示した。スーパー・インパルスはその重装備と引き換えに稼働時間が犠牲になっていたのだった。先ほどの猛攻でエネルギーを使いすぎていた。
フェイズシフトが解除されてゆく。ジャスティスはなおも止まらない。PS装甲を失い、側壁との摩擦と衝撃に耐え切れなくなった機体が分解してゆく。
「こんちくしょおぉーーーっ!」
ルナマリアの絶叫と共にインパルスの機体は四散していった。
アスランの顔が苦痛に歪む。だが、それでも彼は振り返らなかった。
21.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
「どうして、どうして止まらないの!」
タリアの叫びが空しく響く。
アーネンエルベのミサイル発射シークエンスはデュランダルの死によっても発動するのだった。誰かに殺してほしい…この罪を背負うなら…という彼の僅かな弱さがそうさせたのか。だが、それはもう誰にも分からない。
そして、アスランのジャスティスが制御室に到着し、壁を突き破って進入してきた。
「アスラン!?」
「艦長!?」
タリアが先に口を開く。
「アスラン、止まらない、止まらないのよ!」
アスランは理解した。多くを聞く必要などなかった。彼女は今これを止めようとしているのだ。コンソールに駆け寄るアスラン。だが、二人の思いも空しく、カウンターが0を表示した。
「ああ…」
タリアのうめき声をかき消し、ミサイル発射の轟音が響く。
アスランはジャスティスに飛び乗った。策など何も考えられなかった。
「アスラン!モビルスーツ 1機でなにが出来るというの!」
タリアが叫ぶ。そんな事は分かっている。1000発近い惑星間ミサイルなどジャスティス1機になにが出来るものか。だが、彼は発射されたミサイルを追って宇宙に飛び出していった。
22.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
ミネルバとアークエンジェルの戦闘が終わった宙域では生存者の救出活動が始まっていた。安堵感ただよい、皆が疲れきっている中で事件がおきた。
突如、キラのフリーダムが回収隊を振り切り、戦闘宙域外へ離脱したのだ。
「ええーーーっ!な、なんで!?」
アーサーはすっかりいつも通りだ。だが、驚いたのはマリューも同じ。
「キラ君!止まりなさい!戦闘はもう終わったのよ!そんな機体で何をするというの!」
真っ青な顔でミネルバにも呼びかける。
「トライン艦長!申し訳ありません!でも、こちらには戦闘の意思はありません、信じてください。お願いです、お願いです!攻撃だけは…」
もはやマリューは艦長口調ですらなくなっていた。その美しき女性の必死の懇願を今のアーサーが跳ね除ける事などできるはずもなかった。
「わ、わかった、攻撃は、しない…」
呆気にとられてアーサーが答える。その言葉を聴いて安堵したのか、マリューは
「ありがとう。」
とだけ言った。それはとても軍人の言葉とは思えなかった。
だが、収まらないのはイザークだ。
「だからといってほっとけるか!追撃隊を出せ!プラントに入れるな!」
数機の MS がフリーダムを追い発進していく。だが、イザークもアークエンジェルに戦闘の意思がないことはだけは信じていたようだ。だから、それ以上のことはしなかった。
(アスラン、今いくから…)
キラの思いはそれだけだった。マリューの心配も、戦えないフリーダムも関係なかった。その気持ちだけが彼を突き動かしていた。
23.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
アスランは発射されたミサイル群を追う。
だが、いくらジャスティスといえど、惑星間ミサイルの加速に追いつけるはずなどなかった。ジリジリと距離が広がってゆく。
(これまでなのか…)
アスランの心に絶望が浮かんだとき、ジャスティスのセンサーが何かを捕らえた。
それは、ジャスティスの前方でミラージュコロイドを解除しつつ、漆黒の宇宙に浮かび上がってゆく。
純白の翼 ドラグーン・ミーティア。
ミーティアユニットを強化し、さらにドラグーンシステムを追加装備したそれは、パイロットの意思で単体での移動をも可能にした新しい力。
「これは!でも何故ここに!」
沈みゆくエターナルからミラージュコロイドに包まれ射出されたそれは、アークエンジェルに横たわるラクスの意思で導かれてきたのだった。
ラクスは病室にコントロールユニットを持ち込ませ、慣れぬ装置の意識の中で必死にアーネンエルベの座標を目指した。指一つ動かせぬ彼女に出来た唯一の事だった。
(ありがとう…みんな)
アスランの目に浮かぶのは二人の女神。その翼を手に取ったアスラン。
今度こそ止めてみせる! そして再びミサイル群を追い、飛び立っていった。
24.〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
ドラグーンミーティアと合体したインフィニットジャスティスは、すさまじい勢いでミサイル群との差を縮めてゆく。
ついに射程に捕らえようとしたとき、センサーに映るミサイル群に変化が生じた。ミノフスキー粒子の濃度が上昇している!そして加速がゆるまりつつあるのだ。
「まさか!」
アスランは叫ぶ。彼は瞬時に理解した。加速の減少はミサイル群が慣性飛行に入ることを示していた。
ミノフスキー粒子、ミラージュコロイドに匿われ、そして動力を切った慣性飛行に移ってしまえば、地球圏に到達するまでどんなセンサーも捕らえられない完全なゴーストとなる。
センサーに映るミサイル群の点が弱まってゆく。
アスランはミーティアの全兵装を起動させ、ミサイル群を捉えてゆく。だが、1000発近いミサイルのうち、一割でも打ちもらせばデスティニープランは達成されるだろう。撃ちもらす事は許されなかった。
アスランに顔に焦りが浮かぶ。そのとき、ジャスティスの通信機から友の声が聞こえてきた。
「アスラン!聞こえる!」
「キラ!どうしてここに!」
「話はあと!ドラグーンたちのコントロールをこちらに!」
「…そうか!」
アスランは目にもとまらぬ速さでコンソールを叩く。もともと二人の為のシステムだ。瞬時にミーティアに装備されたドラグーンのコントロールはキラのフリーダムに移る。
「いくぞ!キラ!」
「ああ!アスラン!」
ミーティアの全兵装が、射出されたドラグーンたちが、そしてアスランとキラの意識がミサイル群を捉えてゆく。
「ドラグーン・ミーティア フルバースト!」
二人の声が同時に轟く。
そして、宇宙が光った。
〜もしも撃たれたのがラクスだったら〜
一応、メインはここでおしまい。こんなクソ長いの(24カキコ)読んでくれた人がいたらサンクス!
今日の本編をみるのは総集編でもかなり怖かった。やっぱり本編あってのSSだからね。
あと、若干のエピローグ投下予定。ちょっと今日はむりだけど、蛇足になりすぎないようがんばるよ。
>>62 マジGJ!
呼んでて鳥肌立った。声付き動画で見てぇよこれ・・・
個人的にルナマリアが叫ぶシーンがお気に入り
>>62 面白いけど、種世界にミノフスキー粒子ってあったっけ?
>>63 ありがと!そう言ってもらえると嬉しい。
ルナマリアのセリフはすごく頭悩ませたところなんで(笑)
>>64 し、しまったー最後の最後でなんというミスを。
いまさらリライトしても手遅れだし、チラシの裏で修正しておくよ。
とりあえず 「ミノフスキー粒子の濃度が上昇している!」 は
「エクストラジャミングドライバが起動している!」に読み替えておいてくだされ。
自分の周囲だけ、レーダー波を打ち消す干渉波を発生させ、レーダー探知を困難にするシステム・・・
ということで。
指摘ありがとう!
25.〜エピローグ1 もしも撃たれたのがラクスだったら〜
あの戦いの後、タリアはプラント評議会議員として、アスランはその補佐として忙しい日々を過ごしていた。
オーブは地球の復旧に力を尽くすうちに、地球の中心的国家となっていた。理念に反して条約を結んだ連邦でオーブが中心となっていったのは皮肉な結果である。
ようやくまとまった和平条約の調印式のあと、久しぶりにアスランとカガリは顔をあわせた。昔話に花が咲くはずだったが、どうもアスランの様子がおかしい。
そして、アスランは断頭台に上る思いでカガリに告げた。
「オレ、メイリンと結婚するんだ。」
(言った、言ったぞ、もうどうにでもなれ!)
アスランは死刑を待つ気分でカガリの顔を見る。あまりの事に固まっていたカガリだが、満面の笑みに変わってこう言ったのだ。
「そうか!あの子と。よかったな、アスラン。お前にしては上出来だ!」
そしてちょっと下品に大口をあけて笑う。呆気に取られているアスランを尻目に、
それで式はいつだ、決まっていないならオーブでやれ、友人代表として私が挨拶してやろう、ザラ元議長の息子の結婚式にオーブ代表が挨拶すれば和平のPRにもなる、それがいい、式の準備も手配も全部任せておけ、なんせ私は一回やっているからな、ハッハッハ。
と機関銃のようにまくし立て、また大口を開けて笑っていた。
「わ、わかった、よろしく頼む…。」
アスランはそう答えるのが精一杯だった。
26.〜エピローグ2 もしも撃たれたのがラクスだったら〜
結婚式当日、現れた新郎新婦の美しさに来賓たちから感嘆の声が響く。
だが、その中には…
「う゛っ、う゛っ、やっぱり結婚式は若いうちにするべきよね。」
とハンカチを噛み締めるマリュー。ネオはやれやれと慰めている。
「メイリン、オレ、オレ本当はキミのこと…。」
と泣きじゃくるヨウラン。
「タカハシさん、タカハシさん、しっかりして下さい!」
誰?
そして、祝福の声の中、カガリが友人代表の挨拶に立つ。しかし、次の瞬間、会場の全てが凍りついた。
「この、裏切りものぉーーー!」
カガリの絶叫が会場に響き渡る。蒼白になるアスラン。
「そ、それが国家代表の挨拶なのか!」
「うるさい!私からの餞別だ、受け取れーーーっ!」
走ってきたカガリの渾身のキックがアスランに炸裂する。吹っ飛ぶアスラン。そしてカガリはアスランに駆け寄ろうとするメイリンを捕まえて抱き寄せると、あろうことか新妻の唇を奪ったのだ!
「な、な、な…」
あまりのことにアスランは尻餅をついたまま声も出ない。そしてカガリは仁王立ちになり、
「これぐらいでカンベンしといてやる!お幸せにな!お二人さん!」
と大声で笑った。それに釣られて周囲からも盛大な笑い声が巻き上がる。イザークとディアッカなど笑いすぎで死にそうな勢いだ。
笑い声が渦巻く中、カガリはそっとメイリンに近づき囁く。
「あいつ、頼むな。」
とあの指輪をメイリンに手渡した。
「はい、おまかせください!」
メイリンは満面の笑顔で敬礼した。
ウエディングドレスを翻し、アスランに駆け寄ってくるメイリン。アスランを助け起こすと、今度こそ二人は本当の口付けを交わした。
笑い声が歓喜と祝福の拍手に変わっていく。
27.〜エピローグ3 もしも撃たれたのがラクスだったら〜
そんな様子を取り囲んだ来賓の外から、群集に紛れ、眺める二つの影。
赤い瞳の少年と、赤い髪の少女。
彼らの表情からはなにも読み取れない。そして、ひとしきり式を見届けた後、二人はどこかへと去っていった。
メイリンがブーケを投げる。我先にと集まってくる女性たちを超えて、受け取ったのはマリュー。
「わ、わたし?」
マリューが顔を上げると、メイリンと視線が合った。見えるのは、悪戯っぽい笑顔。
「あ、あの子、狙って投げたわね…#」
マリューの眉間に皺が走る。だが、傍らにはネオがいた。彼の記憶は完全には戻っていない。本当にムゥなのか、正直なところ確信が持てなかった。けれども、今、彼は傍に居てくれる。その幸せだけで十分だとマリューは思った。
28.〜エピローグ4 もしも撃たれたのがラクスだったら〜
静かな湖畔と、その傍に立つ小さな家。
釣りを終えたキラが戻ってくる。それを車イスのラクスが出迎えた。
二人はアスランの結婚式には参加しなかった。正確にはできなかった。ラクスは回復しつつあるとはいえ、まだ歩く事も出来ず、手を少し動かすのがやっとの状態だ。それに、彼女はあの戦いでエターナルと共に死亡したことになっていた。
もう、彼らを追うものはいない。
「まだ寒いよ。中に入ろう」
キラが声をかける。微笑むラクス。
まだ空気は冷たい。だが、暖かくなり始めた日差しが春の訪れを感じさせていた。
29.〜エピローグ5 もしも撃たれたのがラクスだったら〜
ミリアリアのシャッターが、賑やかな結婚式の1シーンを次々と切り取ってゆく。
こんなに楽しい撮影は何年ぶりだろう。今、ここに居る人たちには結構国の要職もいるけど、みんな笑顔に溢れている。こんな人たちが作っていく未来なら、きっと戦争もなくなってゆくだろう。少なくとも、今はそれを信じたかった。
「戦場カメラマンも、もう廃業かしらね。」
彼女は明るく呟いた。
〜 ガンダムSEED DESTINY もしも撃たれたのがラクスだったら 〜
−完−
〜 ガンダムSEED DESTINY もしも撃たれたのがラクスだったら 〜
さて、これで今度こそ本当に終わりです。
誤爆から始まったこのSSも29カキコというクソ長いSSになってしまいました。
感想をくれた人、本当に励みになりました。ありがとうございました。
では!
乙!
ってかエンディングのカガリがテラカッコイイぜ!!
カガリが漢になってる件について
中々面白かった。シンとアスラン、キラは両方に因縁があるからどっちかのフラグは絶対に回収できないんだよな・・・
回収するとすればシンがまずどっちかを倒す(殺す)か2対2じゃないと駄目だが、無理ぽだし。
ったく勘弁してくれよ嫁。
ところでひとつ。
スーパー・インパルスだが、設定にはもろ同じコンセプト、同じ武装、同じ弱点を抱えた「デスティニーシルエット」があるんだが。
(これをエンジンの新調によって持久戦を可能にしたのがデスティニー)
素直にこっち使えばよかったんじゃないか?2つのデスティニーとの決戦なんて燃えるだろ。
ちょっとZな奴書いていい?
>>72 >>73 レスありがとうございます。ほんと嬉しいです。
デスティニーシルエット!?
す、すんません、知りませんでした。妄想力を高めるため、46話以降はまったく情報を
シャットアウトしていたんです。だから、他の新メカも全部妄想品なんですよ(汗)
今から仕入れるのも実は怖いっすが、また雑誌買います。
フリーダムvsデスティニー、ジャスティスvsデスティニーの同時進行は燃えますね!
これだけ言わせて(笑)
「短時間での強化の為、フォースシルエットの宇宙空間で不要な部分をギリギリまで簡素化し・・・」
ガノタとしてこの局地戦用カスタムのイスラエル兵器的な描写を入れたかったんです。
カガリの件
やっぱり漢カガは駄目っすか〜?もっとカガリに萌えさせてくれていればこんな事には・・・
でも、もし新妻の唇を奪ったのが男だったら、アスラン君は死んじゃってたでしょう(笑)
最後にヘタレつつ、なんとかハッピーエンドにしたかったんです。
いろいろアドバイスありがとうございました。
前スレ落ちた?
78 :
38:2005/09/12(月) 09:32:12 ID:???
>勝手にエンディング
おおおおおおおおおおおおお!
すげー! おもしれー! 超GJ!
でも、もうちょっと、ほんのもうちょっとだけ、
シンとルナのその後の描写が欲しい気もした・・・。
デスティニーシルエットの設定は46話放送以前に出てたぞ、と更に煽ってみるテスト
まぁ雑誌だから知らんでも仕方ないか。
ていうかそれ出されても読んでる俺らが分からんw
82 :
勝手にエンディング:2005/09/12(月) 18:21:43 ID:S6v61I/S
>>78 最後まで読んでくれてありがとうございます!
シンルナについては・・・ウッ鋭い指摘!
どうしてもあそこは筆が進みませんでした。すんません!
でも、もしもですよ。(もしもの話でもしもってなんですが)
あそこでシンが一発の銃弾を放っていたら・・・
>>73氏の指摘に合った、シンvsキラ、アスランの回収不能フラグ。
結婚式で未亡人になったメイリン。しかも姉たちの手で。
怒りと悲しみで己を見失ってゆくカガリ。
そしてそれを知ったキラは・・・
かりそめの正義すら無くしたそれぞれの決着は!そしてまた戦いの時代がはじまる!
なんて。
83 :
R・E:2005/09/12(月) 18:46:54 ID:???
長編乙です
口うるさいかもしれませんが、
職人は黙ってネタ書きがベストです。
今ぐらいなら全然問題ありませんが、
職人の皆さんが意図しなくとも、
馴れ合いになったり、初見の人間や
新規のネタ書きが出なくなったりすることもあります。
前スレ、前々スレのこともあるので、それだけ。
とにかく、皆様乙です。
>>84 ゴメンなさい。ついみんなの感想が嬉しくて・・・
>>72--83までであとがきって事で。
というわけで消えます。読んでくれた人、本当にありがとうございました。
あ、ゴメン言い忘れ。コテハン消えるだけで、読んでますから!
>>84、いいところで止めてくれてサンクス!
>>勝手にエンディング
おもしろかったよ乙彼。
シンVSキラ アスランのフラグ
寧ろ凸を凶弾から庇ってメイリン死亡のほうが燃える展開になるかもね。
それでもアスランならシンを更生させようと説得しそうだけどorz
hoshu
種死でSW3をそのままパクろうネタを書いていいか?
キラカガは前大戦の時点であぼーんで
アスランがもっと年食っててシンとの年齢差が開いてて
強化人間がステラしか出てこない上にステラの外見年齢がマユくらいになるが
PHASE1「偽りの平和」
コズミック・イラ71
オーブ領 資源採掘コロニーヘリオポリス
コロニーの中は相変わらず平和だった。
俺は一通りの作業を終えると、端末の出力をテレビに切り替えた。
「では次に、激戦の伝えられます、カオシュン戦線のその後の模様です・・・・・・」
また、地球のどこかの戦場の様子が映し出されていた。
俺が、オーブに渡り、ヘリオポリスに着いてから、もう2年近くになる。
父は、いつまで戦争を続けるつもりなのだろうか……。
「逃げるのか? アスラン」
また、いつもの父の言葉が、俺の頭をよぎる。
俺は逃げてなんかいない。
「お前はただのコーディネイターとは違う」
父はいつもそう言っていた。
「母を殺したのはナチュラルだ! なぜ敵を討とうとしない!?」
もう、嫌なんだ。
「・・・・・・母さんを殺したのは、父さんも同じことじゃないか」
俺は、戦わないと決めたんだ。
――ヘリオポリス外壁
思いのほか簡単に、コロニーへは取り付くことができた。
地球軍は、僕らのことを見くびっていたらしい。
「ヘヘ、楽勝だな」
「もう、そうやってすぐ調子に乗らないの」
調子に乗ったトールを、ミリアリアが諌めた。
「ナチュラルは管理が甘いな……、いくぞ!」
サイが、コロニー入り口のエアロックのセンサーを解除した。
ユニウスセブンで、両親と、僕の友人の多くが死んだ。
僕はナチュラルを許さない。
目標は地球軍の新型兵器。
まずカズイ達が陽動に入り、
その隙に僕らが基地を爆破。
工場区から持ち出してきた所を奪取することになっている。
サイ、ミリィ、トール、カズイ。
彼らもまた、僕と同じく多くの友人を失った。
戦争が終わるまで、一緒に生き延びて、戦い抜く。
僕らはそう誓い合った。
「行くぞ、キラ!」
「うん!」
僕の戦いは、始まったのだ。
3
「また、会えるよ」
「・・・・・・戦争にならなきゃ、な」
見送りには、親友のキラが来てくれた。
俺は、プレゼントに、自作のペットロボット「トリィ」を送った。
「戦争にはならいよ、きっと。 だから、また会おうね、アスラン」
キラは、そういって、俺を見送ってくれた――。
「アスラン」
「アスラン!」
「アスラン!!」
「うわああぁ!!」
誰かの呼ばれる声に目が覚めた。
どうやら、そのまま公園で眠ってしまっていたらしい。
「なんだよ、だらしねぇなぁアスラン」
「よだれ、たれてますよ」
カレッジの友人、ニコル・アマルフィと、ディアッカ・エルスマンだった。
「カトウ教授が呼んでたぜ、見つけたら連れて来いって」
「また、何か手伝わされてるんですか?」
「モルゲンレーテの仕事……まったく、コーディネイターは便利屋じゃないって」
「クク、それは君の生まれの不幸を呪うがいいってね」
「さ、行きましょうアスラン」
仕方ない、俺も研究室に行くか……。
俺はニコルたちと共にカレッジに向かうことにした。
――ザフト軍 ナスカ級高速戦闘艦「ヴェサリウス」
「隊長、やはり評議会からの返答を待つべきだったのでは……」
実直な軍人であるナタル・バジルールが同じセリフをまた言った。
「そう、難しい顔をするな、きれいな顔が台無しだ」
しかし、彼女の上官である仮面の男は、それを冗談のように受け流した。
「地球軍の新型機動兵器、あそこにあるのはわかっている。
ここで見逃せば、俺たちは大きな犠牲を払うことになる」
「ハッ……!」
「さあて、行こうか! 慎ましくな」
仮面の男、ネオ・ロアノークは、合図を送った。
ヴェサリウスが、ヘリオポリスに接近し始める。
カレッジへ向かうエレカの前では、
見覚えのある少女が、友人とおしゃべりしていた。
「えー、本当!?」
「だってアタシ聞いたんだから」
フレイ・アルスター、両家の子女でもあり、美人でもある。
何かと華やかな彼女のうわさは、時折、俺の耳にも入ってきていた。
「聞いたんだけどさ」
「え?」
「イザークのヤツ、フレイから手紙もらったらしいぜ」
あのフレイ・アルスターが堅物のイザークに?
意外だな……、いや、存外合うような気もした。
「やだーもう! 知らない!」
「待ってよ、フレイ!」
なんだかんだお喋りしている内にフレイ達は行ってしまった。
しかし、あのイザークが恋、ね。
……本当に平和、だ。
ゼミにつくと、イザークと、見知らぬ少女が居た。
ピンク色の髪で、可愛らしい顔立ちをしている。
どこか神秘的な雰囲気のする少女だった。
「よ、お疲れ」
「ん、ああ……、遅かったな。 それと、アスラン、これは教授からだ」
「ああ……まったく」
イザークが、ディスクを差し出した。
教授の仕事のデータが詰まったファイルだろう。
フレーム・モジュールの設計のことで俺の力を借りたいといっていたが、
学生にこんなことまでやらせるとは……。
「名誉なことだろうが」
しかめっ面をしていた俺に、イザークが言った。
本当にまじめというか……固い男だ。
「ところで……」
俺は、研究室の隅に居る少女の方をちらりと見た。
「ああ……教授の客人だと、あんな子が教授に何のようがあるんだか」
少女は、研究室をものめずらしそうに見ていた。
「案外教授、ロリコン趣味なんじゃないの」
クックックと、ディアッカが笑いながら言った。
「ディアッカ!」
ディアッカの行き過ぎた冗談を、イザークが嗜めた。
皮肉や冗談をいうディアッカ、それを怒るイザーク、
この二人はなんだかんだいいコンビだ。
「そんなことよりイザーク、お前、手紙もらったらしいじゃん」
「な……なんのことだ」
ディアッカの突然の切り返しに、イザークはうろたえた。
わかりやすい男だ。
「フレイ・アルスターが、お前にだよ」
「し、知らん!」
ディアッカが意地悪く言った。
イザークは必死になって否定している。
「……顔、真っ赤ですよ?」
「ニ、ニコル!!」
今度はニコルまでもが、イザークをからかいだした。
「お、おまえら、いいかげん!」
こんなにうろたえるイザークは初めてだな……。
「プ……アハハハハハ!」
「な! アスラン! ……何がおかしい!」
「悪い、悪い!」
俺は思わず、吹き出してしまった。
本当に平和だ。
いつまでもこういう時間が続いてほしい。
俺は心底そう思った。
ネオ・ロアノークが、手を差し出す。
発進の合図である。
「ザフト艦、応答されたし! ザフト艦!」
「貴艦の行動は重大な条約違反である! ザフト艦!」
ヘリオポリスの管制塔から、何度も警告が発せられた。
しかし、それはもう意味を持たない。
「抜錨! ヴェサリウス発進準備!」
艦長である、ナタルが指示を下す。
中立であり、安全であり、そして平和であったコロニーが、
今、戦場に変わろうとしていた――。
99 :
TURN:2005/09/15(木) 18:42:04 ID:???
私が大昔に某日記/SSスレ書いたネタ。
まあ、保守がわりに。
“もしもシンの性格がまともだったら”と
シン×メイリンスレにいた職人サン、是非こっちで続き描いて下さい。
なんだなんだ良作じゃないか。
>>99 いや、正直どうかと思うぞ。
脳内妄想ここに極まれ、という感じだw
お前、SSスレで妄想が過ぎるなんて言ったら、どうしようもないだろ。
職人の人にどうしろってんだ。本編のノベライズでもしろってか。
全員がGJするこの空気は異常だろ
SSの質が酷いんだよ
悪い点を指摘していくのも読み手の責任だろう?
106 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/16(金) 21:21:41 ID:nc8fj2zY
どうかと思うんならみんなネタを書こうよ!
そんな勇気ねえよ
>>105 いや、妄想が過ぎるとかだけ書くのは、批評以前なんだけどな
109 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/16(金) 21:37:05 ID:nc8fj2zY
また、前々スレや前スレの繰り返しか・・・・・・。
まだスレは再スタートしたばかりじゃないか、焦るな
書き込みが突然増えたんで、ゴキラが復活したのかと思った。
質を上げたいなら、読み手より書き手にまわれ。
ここは2ちゃん、それができるじゃないか。
>>100 シンがまともだったらスレのSSの続きは確かに読みたい
79 :通常の名無しさんの3倍:2005/09/17(土) 12:53:48 ID:???
整備士(ヨウランとヴィーノ)や一般兵視点の短編集とか面白いかもね。
サトーやトダカやハイネ等の生前の家族や部下とのエピソードとか読んでみたい。
あとロドニアラボの内乱話とかさ。
皆さんも是非。
・・・俺が自分の運命に出会ったのは薄暗い格納庫の中だった。
ヒトには全て役目がある。
自分の果たす役割を知らないまま生きるというのは大きな不幸だ。
そう語るデュランダル議長の言葉は確かな信念として俺の胸に届いた。
俺にも役割がある。
仲間と共に戦う義務と、大切なものを守る権利がある。
だから、討つ。
今そこに敵がいるなら。
こんな単純な理屈でも、その時には信じられた。 そう信じられたのに・・・
警報が響く。
敵がいると教える声が聞こえる。
この紅い翼をお披露目するには生憎の雨だが、俺にとって晴れ舞台であるには違いない。
俺は戦友とともに空に飛び出した。
「敵」が誰であるか知ったときは、自分でも意外なほど冷静だった。
もしかしたら、スパイがMSで逃走したと聞いたときから心のどこかで理解していたのかもしれない。
自分は仲間を、いや仲間だったものを討つことになると。
イヤダ、イヤダ、やめろ、やめろ、やめろ、戻れ、戻れ、戻れ・・・
結論から言うと、
俺は必死で呼びかける元・仲間の声を遮って、対艦刀アロンダイトを突き刺した。
元・仲間は永遠に海の藻屑となった。
奴の断末魔の叫びは今でも俺の耳に残っている。
(といっても実際に奴の声が通信機器を通して聞こえたわけではないが)
「デステニィー!! 兄弟に銃を向けるのか!!」
俺はこう答えた。
「俺の名前はデスティニーだ、このボケ!!」
可哀想なグフ。
>>115 ワロスwwwGJだwwww
かなり良さげだと思ったらオチがついてるwほかのMSも書いてはくれまいか?
AGE
118 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/19(月) 01:56:26 ID:lS59Dubl
職人とスレがある程度育つまで叩き禁止。
これでは質が上がるどころか過疎るだけだ。
うむ、長い目で見ていこうじゃないか
>>115 GJwクスッと笑えた
120 :
R・E:2005/09/19(月) 13:50:50 ID:???
「申し訳ありませんが何方かお医者様はいらっしゃられないでしょうかー?」
アークエンジェル保安部乗組員が避難民を保護、収容した区画で呼びかける
「どうしたのだ?」
長身黒髪の青年が問いかける
「艦長が肩に負傷されているんです。ですが艦にはまだ医術に詳しいものが居ないのが現状でして…:
「ふむ、私は医大生だが、その者の場所に案内していただけるか?」
「え?貴方は?」
「ドゥエロ、ドゥエロ・マクファイルだ」
艦下士官室
「何処に行くのかな・・・この船って」
学生の彼ら、巻き込まれた彼らは今後降りかかる事について話し合う
「この艦とモビルスーツを追っているだろ、まだ追われてるのかな……」
「え?何で?この船って結構危ないって事?」
「まぁな、マリューさんって人が俺たちに銃突きつけてまで守ろうとしてっからな…」
「ふぅん・・・・・でも壊れた救命ポッドで宇宙彷徨うよりはマシね」
「これからもやっぱ、戦争になるんだろうな…これ」
「………親父達、無事だよな…」
「避難警報は全土に出てたし、きっと大丈夫だよ」
「……でもさ………やっぱり心配だよな……お母さん……お父さん……」
重苦しい沈黙
さっきまで戦いも知らずに勉強して卒業して就職して恋愛して、
そのような日常と言うレールに沿って歩むはずだった道は突如として壊され
命の取り合いという彼らの考えではとてつもなく不条理な世界に放り込まれてしまったのだ
暫くは誰も口を開こうとしない
121 :
R・E:2005/09/19(月) 13:52:06 ID:???
「キラ・ヤマト!ムラサメ・ゼロ!」
「あ、はい?」「ん?」
その沈黙を破り、フラガが呼ぶ
「マードック軍曹が怒ってるぞぉ?人手が足りないんだ、自分の機体位自分で整備しろと」
「僕の機体!?え、ちょっと僕の機体って――」
「それはストライクしかないだろ」
「今そう言う事になってるって事だよ。実際アレにはお前しか乗れないんだからしょうがないだろ」
「そりゃ、しょうがないと思って二度目も乗りましたよ!でも、僕は軍人でもなんでもないんですから!」
「んで戦闘が始まって戦力が足らずして撃沈、全員アボーンか?」
「おいおい・・・」
「・・・・!」
また戦闘が始まる?
「今、この艦を守れるのは俺と君とお前だけなんだぜ」
「でも、僕は……」
そんな力はいらない
ただ平和に皆と暮らしたかっただけなのに
「君はできるだけの力を持っているだろう?なら、できることをやれよ。そう時間はないぞ。悩んでる時間もな」
「あの!この船はどこに向かってんですか!?」
宛先のわからない旅の目的地
不安からサイがフラガに聞いた
「ユーラシアの軍事要塞だ。ま、すんなり入れればいいがな、ってとこさ」
「僕は……!」
キラはそのまま駆け出していく
これ以上僕に頼らないで、と
「おい、キラ!」
サイの声を振り切って、涙を我慢しながら、走り去って行った
122 :
R・E:2005/09/19(月) 13:52:51 ID:???
「へ!?なに、今のどういうこと?あのキラって子……」
「格納庫にもう一機MSがあるだろ?あれ、操縦してたの。キラなんだ」」
「え!?あの子……!?でも、あの、あの子なんでモビルスーツなんて……」
「キラはコーディネーターだからね……」
「え……!?」
「カズイ!お前ッ・・・」
「うん、けどキラはコーディネーターでもザフトじゃない」
「ふうん」
「うん、私たちの仲間、大事な友達よ」
「フラガさん、アレはちょっと言い過ぎなんじゃないですかね?」
「・・・ああ、俺もそう思うのは確かだが、こんな時じゃあね……」
「もう少し何か他に言い方無かったんですか?このまま追い詰めるようだと彼、多分潰れちゃいますよ?俺の勘だと」
「だが、この際四の五も言ってられない状況だからな。何にせよ策がある分楽に行けるかも知れないしな」
「策?」
「おっと、これ以上は話せないな。それより早く格納庫、行ったほうが良いぜ?訳わかんないって軍曹頭捻ってたからなぁ〜」
「俺もわからないのに聞かれてもしょうがないのになー」
キラって奴の心情はよくわかる
だがあのゼロって奴は何か引っかかる
走り去るゼロの背中を見て
「少し、監視しといた方が良いかもしれないな」
123 :
R・E:2005/09/19(月) 13:54:02 ID:???
GAT−typeX 105
全身を対物理的攻撃吸収特殊装甲剤PS装甲で覆った試作MS
OSが未熟な事、バッテリーが戦闘時間30分以下な事、さまざまな利権が絡んだ事、私利私欲が絡んだ事を除けば名機である事には違いない
状況にあわせて出撃前に装備を変更、あらゆる状況に対応させる事が出来るという、売り文句がある
しかし素体での戦闘力はほぼ皆無で装備によっての性能上がり下がりが著しい
この状態での戦闘は自殺行為に等しい、ただ軽さを生かした格闘戦では操縦者の技量にもよるが
PS強化された手刀でアルミ合金製複合装甲を容易に貫く事が出来る
シールドはビームコーティングされた複合装甲板だが実体弾を受けすぎると脆く折れる
事、試作機と割り切って多数の失敗商品が盛り込まれた夢のある機体である
武装は頭部バルカン、コンバットナイフ、大型実体剣、40mmマシンガンのみ
105A
増層バッテリーと推進剤、それによるビーム兵器の使用可能状態
大型液体燃料ロケットエンジンによる高機動高出力戦闘を目指して造られた
海中以外オールラウンダーに戦況に対応するがビーム兵器の使用で活動時間は実質素体の30分と変わり無い
尚、大気圏内では跳ぶ事は可能だが飛ぶ事は出来ない、結果として地面を這い蹲りながらも限定的空中戦が出来る機体と言う事になった
可も無く不可も無い
武装は基本武装にビームライフル、ビームサーベルが追加
124 :
R・E:2005/09/19(月) 14:05:31 ID:???
105L
大型増層バッテリーとショルダーウイングシールド付きガトリングランチャーと2連装ロケットランチャーを搭載
最大の目玉は巨大な30口径プラズマビームーキャノンだがバッテリー食いで10発で機体が最低活動状態にまで落ちる
更に砲を伸ばして破壊力を増した形態もあるが試験もしていない為どうなるかはわからない
だがかなりの攻撃力が見込まれる
当初対艦対MSを想定していたがあまりの攻撃力で対城兵器と言うカテゴリーに含まれた失敗兵器である
平時は低出力ビーム砲として運用される
武装は先に語った物と基本武装、ならびにビームライフルが含まれる
105S
増層バッテリーと特殊実体対艦剣、ショルダーシールド、アンカーにビームブレードが追加 脚部に追加スラスター
当初大型ビームソード運用を前提としていたが、ある一定の長さ以上にビームを固着させる事が出来ず
実体剣にビームを纏わせることで解決を得た、実体剣とビーム剣と使い分けれると言うがこれは研究者の負け惜しみである
ショルダーにはブーメランをつける予定だったがNジャマー下でんなもん飛ばせるわけが無くビームブレードとして背中に装着される事に納まった
ロケットアンカーの射程は100m、それとビーム砲がアンカーの先に付いている
バルルスジンに放ったビームとはまた別、バルルスジンの足を奪ったビームガンは特殊実体剣の柄の部分に組み込まれている
特殊実体対艦剣とアンカーを繋いで伸ばし斬る戦術がOSに含まれている
どうせあれなら漢の浪漫、鋭角でもつけりゃよかったんだと子一時間
武装は上記と基本武装、並びにビームライフルが含まれる
∀
武装はビーム波動ライフルとビームサーベル、ミサイルサイロ、そしてシールドのみ
動力は縮退炉との噂があるが不明、ブラックボックスの多い機体(無論メカニックたちは動力源が何であるかもわからないが)
ミサイルサイロには試験的にウォンバットが搭載されている
操縦方法も特殊で概念操縦と同調操縦に分かれる
以下不明
R・E氏のは世辞とかじゃなく普通に面白いと思う。
GJ。
そして、「勝手にエンディング」の作者さんには失礼かもしれないが
多分に……ゼノギアス?
AGE
鋭角って、何?
多分衝角だろ。
ドリルじゃねーのか?
TURNの続き書いてください。
なんか続きが気になります。
デスティニープランの発動が議長によって宣言され、レクイエムがザフトの手によって撃たれた。
今は来るべき敵、アークエンジェルとの戦闘に向けて航行中だ。
レイはいきなりとんでもないことをカミングアウトするし、なんだか俺たちには時間がないような口ぶりだった。
「シン!」
背後から急に呼び止められて一瞬驚く。
「ルナ、どうしたの?」
「・・話がしたい。・・・・後で私の部屋に来て。」
それだけ言って、ルナは足早に去って行った。
そう言えば最近ゆっくり話もしてなかった。前の時も議長のプランについて話そうと思ってたって言ってたっけ。
結局レイに邪険に追い出されて、ようやく話そうとしたところで邪魔が入ったんだった。
俺は適当な時間を見てルナの部屋へと向かった。
________暗い__________
ここはどこだろう。俺、何やってたんだっけ?
視界は不明瞭だけど、頭が恐ろしい程に冴えている。
ふっ、と突然広がる懐かしい景色。 俺はそこにいる俺と俺の家族を眺めていた。
・・・ああ、またこの夢か。 頭で瞬時に判断できる。でも目は覚めない。
見たくもない映像を何度も何度も見せつけられる。
閃光、衝撃、少し遅れて耳をつんざくような音が立つ。
家族は、俺の妹は、木っ端みじんになった。
怒りと悲しみで身体の中味が押しつぶされるような感覚。
でも、もう慣れたはずだった。
場面が変わる
「・・シン、・・ステラ・・・守・・る・・・」
か弱い声で俺に縋るステラ。守るって約束したはずだった。けど、守れなかった。
今は湖の底で眠っている。
「シン! 死ぬのは嫌!!」
死ぬのは誰だって怖い。でも、あの子は極度に死ぬことを恐れた。死という言葉すらに怯えた。
「死ぬのは・・イヤアアアアアア!!」
叫びながら、湖の底で腐って行くステラの身体。
ステラ、、、ごめん。ごめん。ごめんな。
畜生!畜生!! っああああああああああああ!!
「マユ!、、、ステラァァァァ!!!」
視界に入るのは薄暗い部屋。どうやら目が覚めたらしい。
でも夢から解放された訳じゃなくて、体中がベトベトしてるようで気持ち悪い。
不意に吐き気を催す、、が何とか堪えた。
「シン!シン!?ねえ、シン!大丈夫!?」
ルナマリアが心配そうな顔をして俺を見ている。自分が肩で息をしている事に気づいた。
俺も彼女も裸だった。自分が泣いてるのに気づいて、急に彼女の胸に顔を埋めた。ルナには泣き顔を見せたくない。ルナは、ちょっと驚いたみたいだがすぐに優しく抱いてくれた。
「シン、すっごい汗。今、タオルと水持ってきてあげるから、ちょっと待ってて。」
そう言ってベッドからするりと降りた・・・がルナの歩き方がぎこちない。すごく痛そうだ。シーツに赤黒い血が付いてる。 俺、こんな状況でステラの名前叫びながら目を覚まして・・・。最低だ。
ルナはよく気が利く娘だと思う。自分には本当にもったいないくらい、良い子だ。
罪悪感と感謝の気持ちで結局ルナを気遣うこともせず、ただ彼女が戻って来るのを待った。
「・・・シン。あのね、私ずっと黙ってた事があるの。」
俺が落ち着きを取り戻したのを確認してから、ルナは切り出した。
「艦長の命令だったから、忘れようって思ってたんだけど、私、議長のプランを聞いて思ったの。何かおかしいって。」
!? 確かに、人の人生を全部遺伝子で決めちゃうなんてちょっと強引だとは思うけど。戦争を、なくす為、平和の為って・・・みんなもう悲しい思いをしなくても良い為なんだろ。レイだってそう言ってた。
「私、前にアスランがアークエンジェルのクルーと接触した時、監視を命じられてたの。離れた所から盗聴してた。アスランはあの時あの人、キラっていったっけ、たぶんフリーダムのパイロットだと思う。彼を説得しようとしてた。議長は正しいって。」
「フリーダムの!?」
その名前を聞くと条件反射的に興奮した。彼奴がステラを殺した。思い出すだけで怒りがこみ上げる。
「シン、落ち着いて聞いて!・・・彼、言ってた。"議長の声は正しく聞こえる。でも、あのラクスは何?なんで本物のラクスの命が狙われなきゃいけないの?"って。」
「どういう事だよ、それ!!」
「私、ずっと意味が分からなかった。でも、ラクス・クラインが二人いたのはシンだって見ているでしょ。」
「・・・」
言葉に詰まる。自分が混乱しているのが面白いように解った。
ルナはまだ続けた。
「議長は理想の為、平和の為って言って、またシンを戦わせようとしてる。そんな気がするの。」
「それは俺自身で選んだことだよ。」
「私もそう思ってた。でも、おかしいよ!シンはあんなに苦しんでたじゃない!苦しんで、うなされて!・・私、シンがあんななっちゃうなんて嫌だよ。」
ルナに対する愛しさが湧く。本当に優しい子だと思う。
でもそれはパイロットとして許される台詞じゃない。
「・・・ルナ。でも平和になれば誰ももうこんな風に悩む事もなくな・・」
そこまで言って遮られた。
「議長もレイも、シンのそう言う気持ちを利用してる! 議長のプランってそう言う事でしょ!?人の役割を決めて、人の人生を勝手に決めて。そんなのやぱり変よ。」
えっ!? フラッシュバックする記憶。アスランの乗ったグフを撃墜した時のモノだ。アスランは必死に俺に呼びかけてた。確か、今ルナが言っているのと同じようなことだったと思う。
「レイは・・・最近ちょっとおかしいわ。シンにけしかけてる。理想の為に戦えって。前はそんなのじゃなかったでしょ? 無口だったけど、何も考えずに命令に従うのが私たちの役目って、そんな感じだったじゃない。」
レイはクローンだ。寿命が短いと。自分でそう言った。俺に何かを託そうとしている。そんな感じだった。
「・・・あいつは、・・・レイは」
ルナに言ってしまって良いのかとまどう。
「・・訳あってもうあまりパイロットとしてやっていく時間がないんだって。だから、俺に彼奴の理想を託そうとしてるんだと思う。」
結局肝心なことは言い出せなかった。
「!?」
「俺、ルナの言いたいことも解ったよ。でもまだ何も決められない。何を信じたら良いのか解らない。・・・結局何もできないから、馬鹿だから、だからこんなこと繰り返しちゃうんだろうな、きっと。」
「・・・シン」
自嘲気味に笑う俺を、ルナは悲しそうな目で見つめた。
138 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/21(水) 15:03:24 ID:L4E1w+AL
お、これは結構あり得そうな展開だな。
かってに膨らませちゃうと
このあと シンとアスランが戦って、アスランが説得しようとする。シンは戦いながらもアスランに何が正しいのかを問う。
で、
アス「俺も何が正しいのかは解らない。でも議長の方法じゃ本当の平和は訪れない!」
とか「答えは自分で探せ」見たいなこと言って、シンが切れる
シン「あんた(福田)はいつもそんな曖昧な言葉でごまかして! 俺(視聴者)は何を信じたらいいかわからない!」
とか言いながらも寝返る。まあ、理由はとまどうルナを「邪魔だ」とかいって撃とうとするレイに敵対とかかな。
半狂乱のレイと議長を三機でアボーン。
たぶん議長は死ぬ前に何かスゲーウエポンを発動させちゃう。それを三人で止める。
MSが大破してさまようシン、キラ、アスランをルナがインパルスで回収してハッピーエンド。
あとついでにドム3機とかは知らん間に死んでる。ディアッカとイザー句もAAに寝返ってそこそこ活躍するけど、最後は機体大破で、「「アスラン、頼んだぞ」」。
こんな感じ?
レイ&議長を発狂させずに終わらせる方法は無いのか……('A`)
なんか完璧アナキンとパドメだなw
>>138 GJ
しかし考察やSSに劣る両澤脚本ってどうなんだろうな
>131−137
非常に俺好みの展開!!
144 :
R・E:2005/09/22(木) 02:15:53 ID:???
モビルスーツを動かせたって、戦争ができるわけじゃない……!
【キラ・ヤマト】
作戦宙域への移動を開始したヴェサリウス艦内
アスランは隊長に呼び出され、隊長私室へと向かっていた。先程の無断出撃についての詰問、今後の処遇を裁定するのだろう
ただ、ZAFTは軍ではなくあくまで国防義勇兵であるため、余程の事が無い限り罰せられるということは少ない
しかし命に関わる事なので軍規をもっと徹底させるべきと言う意見もあるが現時点では未だ甘いままだった
それが結果として捕虜とらずにその場で虐殺、略奪等と言う人にあるまじき行為も見て見ぬふり、発見されても処罰されないといった事態が起こっている
だがそれを止めようとする者もいないから尚更始末に悪い。コレが後にコーディネーターの存亡に関わる事は誰でもわかる事だろうに
進化した人類と言われながらも結局の本質はなんら変わりないことに失望した某仮面がそれを見かねて人類を滅ぼす原因の一つになったと言う事も
隊長室と書かれたネームプレートが飾られた扉をコツコツと叩く
「アスラン・ザラ、出頭いたしました!」
「ああ、入りたまえ。」
中へ入るとクルーゼ隊長はPCに何やらを書き込んでいる
ほんの少し回りを見回してみると調度品がほとんど無い、普通なら本の一〜二冊くらい誰しも置いてある筈なのに
本当に何も無い。目に付いた物は机のPC、プリンターとチェスのキングの駒、筆記用具のそれのみだった
「……へリオポリスの崩壊でバタバタしてしまってね。君と話すのが遅れてしまった」
「は!先の戦闘では申し訳ありませんでした」
「懲罰を課すつもりはないが話は聞いておきたい。余りにも君らしからぬ行動だからな、アスラン?」
「……」
アスランは黙って俯く、
「あの機体が起動したときも君は側にいたな?」
「申し訳ありません……。思いもかけぬことに動揺し報告ができませんでした。あの最後の機体、あれに乗っているのはキラ・ヤマト。月の幼年学校で友人だった、コーディネーターです」
「……ふむ」
「まさか、あのような場で再開するとは思わず、どうしても確かめたくて……」
「そうか……戦闘とは皮肉なものだ。君の動揺もしかたあるまい。中の良い友人だったのだろう?」
アスランの脳裏にかつての別れが、桜の下の思い出がフラッシュバックする
「本当に戦争になるなんてことはないよ、プラントと地球で。避難なんて意味ないと思うけど、キラもそのうちプラントに来るんだろ?」
「僕は―――――――」
「はい……」
「わかった。そういうことなら次の出撃、君は外そう」
「え!?」
145 :
R・E:2005/09/22(木) 02:18:38 ID:???
「そんな相手に銃は向けられまい?。私も君にそんなことはさせたくはない」
「いえ、隊長!それは……」
「君のかつての友人でも、今敵なら我らは討たねばならん。それはわかってもらえると思うがね……」
「キラは、あいつはナチュラルにいいように使われているんです!優秀だけどっ、ぼーっとしてっ、御人好しだからそんな事にも気付いてなくてっ……だから私は、説得したいんですっ!あいつだってコーディネーターなんだ!こちらの言うことがわからない筈がありません!」
「君の気持ちはわかる……。だが、聞き入れない時は?」
「……!そのときは……私が討ちます」
「―――君の覚悟はわかった。これからもう一度あの艦に仕掛ける。部屋に戻って休んで居たまえ。追って詳細を伝える」
「………了解です」
敬礼をし、くるりと翻し、部屋を出ようとすると
「ああ、それからもう一つ――――あれにコーディネーターが乗っているという事実は他の者に言ってはならん」
「え!? それはどういう―――」
「以上だ、行きたまえ」
クルーゼ隊長はPCに向かって何やらを打ち込んでいる。まるで既に話す事はもう無いと
「…………了解です」
不信に思う、けどこの隊長はこんなものだと言い聞かせ、部屋を出る事にした
「(・………キラ・・・)」
この戦争、何と何が戦っているのか
それは同じ人間でありながら生まれも育ちもちがう別種族同士の滅ぼし合い
自らが進化したと自惚れるコーディネーター。自ら以上の存在を認めぬ臆病なナチュラル
互いに憎しみ合い、生まれを呪い、差別を怨む。
ナチュラルの業、他者より強く、他者より先へ、他者より上へと作り出されたコーディネーター
そんな心の闇の果てにたどり着いた先は滅び。
私の時間は残り少ない、だがまだ終われん
「自らの業で皆滅んでしまうがいい」
愚者の夢の極み
さて、被検体・キラ・ヤマト 最 優 良 種
人類の業の極みによって作り出されたスーパーコーディネーター
よもやこんな所で見つけようとはな…
「見せてもらおうか、エゴの結晶が見せる破滅と言う未来を」
打ち込んだデータを送信する
受信者のネームはただ4と書いてあった・・・
146 :
R・E:2005/09/22(木) 02:23:37 ID:???
――作戦空域――
「あれが……」
「アルテミスの傘だ。すでにこちらを察知しているのだろう、展開中だな」
「地球軍の新型艦、ついに捕捉できぬまま来てしまいましたが……」
「頭は押さえた、ここで仕留めるさ」
「180度回頭、相対速度アルテミスに合わせ、微速後進!」
艦の各部スラスターが2、3度噴射。ゆっくりと回頭していく
「さて、そろそろだな。順調に行けば5分後に視認距離に到達が予想されるだろう」
「しかし隊長、敵は引っかかってくれるので?そもそもつきに向かわれているという可能性は――」
「それは無い。あの艦はGと共に開発中だったものだ。恐らく補給は十分に出来ていないはず。
とすれば敵を振り切り、なるべく近い味方の所で、補給が受けられる場所と言えば――」
コンソールに映るMAPに指を突き立てる
「アルテミス以外に無い」
ピーピー
「隊長、時間です」
「よし、ガモフに通信。MS隊を出せ」
イージスコックピット
ブリーフィングでの作戦をもう一度確認するアスラン・ザラ
『アルテミスへと向かう連合新造戦艦の破壊、ガモフと連携し、撃沈せよ。尚、敵新造戦艦名称を【足つき】とする』
キラ・・・・頼むから出てくるなよ
出てきたら俺は、お前を撃たなきゃならなくなるんだ
俺は、お前を殺したくは無いんだ
【コンディションレッド発令、総員第一次戦闘配備。繰り返す、総員第一次戦闘配備】
『アスラン・ザラ』
「なんでしょう、隊長」
『先の言葉、信じるぞ、アスラン・ザラ」
「はい、……了解」
【隔壁閉鎖、隔壁閉鎖、構内の整備員、及びノーマルスーツを着用していないものは直ちに退避せよ。繰り返す――】
ハンガーアンロック 展開していくリニアカタパルト
これから駆る奪取した機体 イージスをカタパルトデッキへと向かわせる
カタパルトデッキの隔壁が閉じ、足場が下がっていく 機体が浮き、スラストバリアが後方に展開する
射出機異常無し、電圧異常無し、コースに異常なし
【オールグリーン・発進を許可する】
「アスラン・ザラ、イージスで出る!」
147 :
R・E:2005/09/22(木) 03:05:14 ID:???
>>129 正解
他4機に関しては議会への報告時へとする
SF4=MA1メビウス
西大西洋連合が西共同で設計した宇宙戦闘機を搭載量増加、航続距離増加を目指し、3度目再設計を得た名機
機体外部に多数のハードポイントを持ち、旧式と化したMIg3ミストラルに代わって採用された
過去何度か東部設計MIgミストラルと西部設計Fメビウスとで競合試験で競い合っている
機体の大型化ということにあいまって、F表記からMA表記に変更された
主な武装は固定のケースレス20oバルカン砲、ワイヤーガン、搭載兵器は有線誘導ミサイル、赤外線誘導ミサイル、宇宙機雷多種多様な装備を積む事が出来る
だがその汎用性が災いを持ち込む事とは誰もが予想だにし得なかった
そう、2月14日、バレンタインの贈り物事件
(バレンタインの悲劇は連合ではこう呼称されている。しかしそれを嫌悪するものも少なからずいる)
(大体贈り物と言う人物に限って青き清浄なる世界へと語る事が多い・・・)
初めての宇宙核攻撃と言う汚点を背負わされた悲運の機体である
後にMSの台等で少しずつ姿を消していくがMAと言う名称は今後多く使われていく事となる
SFX4-0=MAX1-0 メビウス・ゼロ
開発されたメビウスを更に再設計、機体をスリムにし、ガンバレルという特殊兵装ポッドを取り付けた
メビウスに比べて軽量化され、エンジンも高出力のものに換装による高機動性の確保、噴射剤の増加による航続距離の増加等多次元宇宙戦闘を目指した機体である
固定武装として35o無反動砲、ワイヤーガンを搭載、ガンバレルにはケースレス25oバルカン砲と有線、赤外線誘導ミサイルを搭載
機体ハードポイントはF4メビウスよりは減っているものの共通の武装を取り付ける事が可能
ただしバレンタインの贈り物事件にはどの機体も一切関与していない
ワイヤーで制御されたポッドで多次元攻撃、及び遠方からの強襲を目指した試作機体である(そのため表記にはXナンバーがついている)
しかし機体の操縦、さらに有線誘導弾の制御にパイロットの回避、攻撃運動という要求をパイロットに求め
更にガンバレル最大4機の誘導と言う重労働と特殊な感性を必要とする失敗機体になってしまった
この為、パイロットは物凄く限定されてしまう。否も乗り込むものはエースの証として、頭のおかしい奴が乗る機体と言う揶揄を受け、数十機が生産されただけとなっている。
その全期は特殊試験部隊に全機納品されたのだがエンディミオンクレーター戦線で一機を残して撃墜、現存するのはムウ・ラ・フラガ大尉機のみという皮肉な専用機となった
後にビーム兵器搭載と性能向上を目指した試作機、EXASに受け継がれる事となる
職人さんには悪いが、オリガン解説は正直イラネ。
SSなんだから文章中の描写で魅せてくれ。
乙
てかこのペースで行くとかなり長くなりそうだから個人スレ建てたほうがいくない?
ウッソスレ ハマーンスレみたくにさ
長編はそれがいいかも。
>>147 俺はそういう設定も大好きだが、確かにこういうスレでやるとダメかも。
俺はあんたなら個人スレを立てても応援するぞ!
でも個スレ建てるとすぐ荒らしがやってくるんだよな。
良作だからそれも乗り切れるとは思うが、
まあ、とにかく応援してるぜ!
全キャラクターに上方修正をかけた種死二次創作を作ろうと思い資料を集めているのだけれど
ラクスという存在そのものが分からない。
調べれば調べるほど矛盾と無茶苦茶さ加減が浮かび上がってきてどうすればいいんだ状態。
キラ、アスラン、カガリ辺りは何とかなるんだけれどラクスはもう原作無視で行くべきだろうか?
そんなん、SSなんだから自分で考えるといい
文学を書くわけじゃ無いし、言ってみれば所詮暇潰しのネタ。
面白可笑しく書くのが一番かな
自分の中で確固たるイメージを立て、更にそれを作中で一貫して表現すれば
多少糞本編と違おうが誰も文句言わんと思う
「ラクスである必要がない」役割なら削除しようが他人に割り振ろうが構わんのだし
俺の考えでは
ラクスは絶大な力を持ちながら、明確な目的や、理念を持たずに行動する悪の秘密結社の首領
通常、大きな組織が存続するためには目的や理念が不可欠だが、組織自体がラクスのカリスマ(あるいは洗脳技術)によってのみ存続し、構成員は誰もそれを疑問には思わないので、ラクスは主義主張を一貫させる必要が無い
深い考えはなくその場のノリや勢いで、なんとなく良さそうな行動を、もっともらしい理屈をつけて選択するが、その行動が本当に正しいのかどうか、それがどういう結果をもたらすかということは深く考えてない
そしてラクス本人、及び組織の構成員自身はそのことに気付くことは無く、自分達が常に正しいことをしていると信じている
ならそれをいかに説得力のある描写にするかが課題だね
カリスマとか洗脳とか一言で言うとへーそうなんだ、と思うけど
何で全員がおかしくなるのか?素地があったのか?ラクスの訴えかけはそんなに効果あるのか?
具体的にどういうことしてんの?そんな奴何で野放しなの?を詳しく表現できないと
本編と同じく結果ありきの「脚本の都合で発狂」になる
箕条のアルターみたいな能力があるとかは?
「ラクスの『唄』には人類全ての遺伝子に潜在的に影響を及ぼす力がある」とか。
関係ないんだが、前作でずっと気になってたフレイの「……パパ?」発言。
アレを基に、実はフレイが空間認識能力者でなおかつ生存ルートというのを
考えてみたんだが、何に乗ればいいと思う?
ストライクルージュに乗ってほしいが、それだと空間認識能力の使いどころがないな
いや、オーブ搭載機なら何でもいいと思うぞ。
アカツキドラグーンはどうやら2年前の代物らしいし、技術的下地は十分だ。
まぁ空間認識能力ならバレーやサッカーで生かしてる、という活動的フレイ説もありっちゃありだがw
ストライクかフリーダムを二人乗りにしてドラグーンだけ使わせるとか
相談しといてナンだが、自分で考えてみた。
操縦能力とかは高く無さそうだから、代わりにフラガ一族を遥かに凌ぐNT能力者ということにする。
複雑な技能を必要とせんように脳波操縦のMAに搭乗。
武装も全部ドラグーンの応用形で、思い切って本体の武装はカット。
要するに種版エルメスやな……。
で、種終了後行方不明だったフレイが議長に拾われてザフトにいると。
ジュール隊に議長の命で配属された謎のナチュラル、戦闘力は絶大。
議長曰く「これぞ適材適所」
>>157 俺の中ではラクスはシーゲルが全人類の指導者となるように
人をひきつける遺伝子を組み込んで生み出した存在になってる。
保守
ステラ。
何のことはない、ありふれた名前だった。
壁に文字を書きつける。
嘘をついていた。
ずっと、ずっと、嘘をつきつづけてきた。
少女はつぶやいて、少年はうつむいた。
少年の腕にもたれかかり、少女は眠りについた。きっとめざめることはないだろう。
俺は、色も匂いもある、輪郭のくっきりした夢を見ていた。
それは幻でなく、おそらくは現実であろうと気づいていた。
オーブの軍服を着た若い女性が見舞いにきた。
この艦の艦長らしい。
しかしなぜか友軍である俺を捕虜あつかいにしている。
俺が眠っていた間に情勢が変わり、オーブと地球連合は敵対することになったのだろうか。
ときどき艦長が見せる奇妙な表情も、情勢にほんろうされている俺をおもんばかってと思う。
親指を強く噛む。
痛みをおぼえつつ、赤い玉となって浮かんだ血を病室の白壁になすりつける。
気づかれないように、ただモニターをいじっているかのように見せかけて。
モニターから流れる報道の渦。
いくどとなくくりかえされるデストロイとインパルスの姿。
破壊の名を持つ兵器が破壊し、破壊される姿。
見るたびに、胸に針が突き刺さったような痛みがはしる。
俺はカーテンを引き、外界の情報を可能な限りさえぎろうとした。
この艦は、あまりにも楽天的だ。
戦場における底抜けの陽気さは、麻薬のように魅力的だ。
しかしそれに身をゆだねれば、はっきりとはいえないが、大切なものを失いかねないように思う。
戦争では、敵を殺すことも味方を見殺しにすることも時にはわりきるべきだ。
しかしそれが人のあるべき姿でないと自覚することも、きっと大切なはずだ。
俺は忘れるわけにはいかない。
戦端を開いた日から、ここにこうしているまでの事を。
モニターを眺める。
ベルリンで倒されるデストロイの姿を目に焼きつける。
ステラ。
ステラを返してきた青年。
ステラを大切に思う記憶を消去されたオークレー。
ステラ。
「ステラ」
口に出してつぶやいてみる。ステラ・ルーシェ。
大丈夫だ、おぼえている。忘れていない。
モニターに映るのは五体のデストロイ。
おそらく一機にはスティングが乗せられているのだろう。
そしてデストロイは全滅した。
奇跡でもないかぎり、生き残られたとはおもえない。
俺はいつものように噛んだ指を壁に押しつけた。
この痛みが記憶に輪郭を取り戻させてくれる。
そして俺はステラとアウルの名の横にスティングと書きくわえた。
カーテンごしに声がした。
「あなたが、なぜここにいるんですか?」
隣に眠っていた青い髪の少年が近より、問い質してきていた。
「ベルリンで捕虜になったからさ」
「ベルリンで何が起きたのか、あなたが何をしたのか聞きました」
「そうか。戦争では、よくある事だ」
「たしかによくある事かもしれない。しかし、だからといって免罪される事でもない」
「戦えば敵が死ぬ。戦わなければ味方が死ぬ。それだけだ」
俺は罪を背負っているつもりはない。
ザフトの赤服に嘘をついた事は心にひっかかっていたが、しょせんは敵だ。
少しでも部下を守りたいなら、いくらでも嘘をつくし、殺し続ければいいだけ。
カーテンの向こうで押し殺した声がした。
「あなたは俺の記憶だと、そんな人じゃなかったはずだ」
何の事だ。
問い返そうとして振り返ったが、少年は一声うめいて床に倒れ、気絶した。
重症なのに無理をするからだ。
俺は衛生兵を呼び出し、少年が倒れた事を告げた。
呪文のようにとなえ続ける。
ステラ。ステラ。
しかしステラとは何だったのだろう。
誰?
目を閉じる。
金の色。
広がる小麦畑の色でも富豪の持つ金貨でもない、ただ金髪だったというだけだ。
手がかりには心もとない。
幼さを感じさせる像も浮かんできた。
何となく、遠い昔、子供のころに聞いた名前だったような気がしてくる。
俺と同じように金色の髪を持ったクルーゼ。父のクローン。
そうか、きっとステラとはクルーゼのあだ名だ。そうに違いない。
俺はテレビに飽きて、ベッドに寝転んだ。腕が紐でつっぱられ、じくじくと傷む。
痛みに寝返りをうつと、壁に並んだ赤黒い文字に気がついた。
ラクガキだろうか。
過去に存在していたという記憶がない。もちろん俺が書いたおぼえもない。
そっと指で文字をなぞる。かさかさに乾き、ざらざらした手ざわり。
まるで血のような色が不快だ。
俺はガーゼを唾液で湿らせ、字をぬぐった。
スティなんとか、アウル、ステラ、イアン、インパルスのパイロット。
いったい何の意味があるのかわからない名前の羅列。
完全に文字が消え、白くなった壁に気分が良くなり、俺は今度こそ気持ち良く眠りについた。
嘘をついていた。
ずっと、ずっと、嘘をつきつづけてきた。
少女はつぶやいて、少年はうつむいた。
少年の腕にもたれかかり、少女は眠りについた。きっとめざめることはないだろう。
俺は、色も匂いもある、輪郭のくっきりした夢を見ていた。
しかし目覚めとともに記憶はぼやけ、うつろぎ、消えさった。
ステラ。
何のことはない、ありふれた名前だった。
壁の文字はすでにない。
リアルタイムで乙
超乙
泣けた
すげぇ。鳥肌たった。何か、涙出てくるんだけどこれ
乙
AGE
174 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/26(月) 21:01:30 ID:TWvg72Tg
上げ
これからこんな最終回だったらいいなというSSを投下します。
戦闘シーンがすごくてきとうですが、そのあたりは素人ということでお許しください。
真空では音は伝わらない。モビルスーツや戦艦が爆散し、数多くの命が散っていってもただ瞬間、空間が光るのみである。
プラントのザフト軍は連合の月基地をレクイエムで破壊していたので、数の上では圧倒的に有利である。相手はオーブのテロリスト上がりの
宇宙軍たちだ。ただ彼らは、大量破壊兵器を保持することの非を唱えながら、おのれらは条約違反のモビルスーツにミーティアというオプション
をつけ、立派な大量破壊兵器として使用していた。
カスタムメイドのモビルスーツとエースパイロットの存在は、時として戦場の戦況を左右する。しかしエースパイロット同士が戦いあっていれば、
それは戦略的に消えているも同然だ。
レジェンドとフリーダム、デスティニーとジャスティスが現在その状態にあった。
(シンとレイががんばっている間に、私とミネルバ、月軌道艦隊でオーブ軍、特にアークエンジェルとエターナルを討たなければ)
ルナマリアはソードシルエットのインパルスをエターナルに向ける。アスラン・ザラとともにザフトを脱走した妹のメイリンが乗っている戦艦だ。
先ほどのメイリンの言葉が頭に響く。
『お姉ちゃん、誰が本物のラクスさまだか、わからないの?』
アスランに好意を持っていたルナマリアにとって、妹が自分の意思でアークエンジェル陣営に組していると考えるのは辛い。しかし、脱走兵が妹なら、
赤服の誇りにかけて、処刑するのは姉の自分でなければならない。
エターナルの護衛についているモビルスーツはグフイグナイテッドとザクファントム、軍を、仲間を裏切ってアークエンジェルに走ったイザーク・ジュール隊長と
ディアッカ・エルスマンの二人だ。二人とも二年前のヤキン・ドゥーエで生き残ったエースパイロット、そしてアスランの同僚だった。自分の生まれた国を、
志願して入った軍をこれほど簡単に脱走できるなど、人間としての資質を疑う。プラントはレクイエムの照射でコロニーを落とされ、多くの民間人が犠牲
になったというのに、なぜプラントを攻める側に寝返るのだ。ルナマリアの後ろに従うジュール隊のMS部隊、オレンジ色に塗装されたのはハイネ隊の
生き残り達だ。彼らは彼女と心を同じくして、二年前、ザフトから強奪された戦艦エターナルを落とそうと、射程距離内に入ったところだ。後ろからは
ナスカ級をはじめとする多くの戦艦が、主砲をエターナルに向けている。
「君は君だ!」
パイロットスーツの下にまつわりつく冷や汗。二年前、プロヴィデンスに乗ったラウ・ル・クルーゼに対し、キラは自分の言葉で
反論することができなかった。そしてラウと同じ存在、レイ・ザ・バレルに返した精一杯の言葉がこれだった。
「君が君でいるために、デステニープランなんて、不要だと、どうしてわからないんだ」
「違う。俺のような存在を生み出さないために、デステニープランが必要なんだ」
低い、冷静な声が帰ってくる。お互いのドラグーンがビームを乱射するため、他者はまったく入り込めない戦いだ。
一瞬の隙を突いてフリーダムがビームの籠から抜け出す。フルバーストで向かう先は、ザフトの移動要塞メサイヤ。
「メサイヤにはギルがいる。させるか!」
追いすがるレジェンドに向かって
「僕はデュランダル議長に会いたい。彼に直接会って話をしたい」
「たかが一パイロットの存在で、なにを言う」
「僕はオーブの准将だ。今回宇宙に上がったオーブ軍のなかで、一番地位が高い。議長と面談して戦争を止めさせることが出来る権限があるのは、僕だけだ」
沈黙の後、
「メサイア、レジェンド、オーブ特使、キラ・ヤマト准将を伴って帰還する。議長との会談を准将はお望みだ」
明らかに皮肉交じりの声が聞こえた。
キラは無視して戦場を見渡す。デスティニーとジャスティスが激しくやりあっていて、互いに機体をかなり損傷していた。
「アスラン!」
親友の声が聞こえたのか、ジャスティスの動きが鋭くなり、ビームライフルがデスティニーの右腕を薙ぎ、アロンダイドを切り離した。
「このぉぉぉ、お前ってヤツはぁ!!!!!」
シンの激情した声とともにデスティニーはビームブーメランを左腕で投げ、見事ジャスティスの頭部、メインカメラを破壊する。
機体もパイロットの技量も互角、互いに武器が尽きるまで戦い続けるつもりのようであった。
「アスラン、シン、止めろ! 戦いは破壊を生むだけだ。僕はオーブの代表としてデュランダル議長と会談する。アスラン、ぜひ君も一緒に!」
キラの声に二機の動きが止まった。レジェンドがフリーダムを先導するように動いている異常な事態に、シンですら気付いていたのだ。
「議長に……」
「議長に面と向かって話をする度胸がお前にあるのか、脱走兵」
レイの声は怜悧に現実を告げる。
「俺は自分の信念に生きる。戦う人形じゃない」
「ふん、能書きは一度でも兵士としての本分を全うしてから言うがいい、アスラン」
彼が二度、ザフトから脱走した事実を皮肉る声だった。
「アスラン、ジャスティスは大破している。フリーダムを近づけるから、乗り移ってくれ」
「どうなってるんだ、まったく!」
シンも愚痴る。
「シン、デステニーはまだ動けるか? 動けるならゆっくりでいいからメサイアに帰還し、議長の執務室まで来い」
「……了解」
実は戦いのさなかシートベルトが破損し、シンは左腕に裂傷を負っていた。生死にかかわる傷ではないが、これ以上戦闘を続けるのは自殺行為と言えた。
「では俺は、このオーブの代表とやらをメサイヤに連行、いやお連れする。議長はヒビキ博士の夢のスーパーコーディネーターをぜひ一度生でご覧になりたいそうだ」
「艦長、艦隊射撃を続けていますが、あの金色のモビルスーツが」
副長のアーサーがぼやく。ザフトの最新鋭艦ミネルバとしては、なんとかしてアークエンジェルを落としたい。相手の旗艦をこの戦争で幾度も
死地を潜り抜けてきたミネルバが沈めるということは、ザフト軍の士気を大いに高める。
「あれをなんとかしなければ。でもあれだけのIフィールドを展開できる出力、動力は、やはり、核。メサイヤにレーザー通信、暗号005送信」
「了解」
すぐに暗号回線で返答があり、グラディス艦長はほっとしたあと、眉をひそめた。その電文には議長からの直接命令が記されていたのであった。
メサイヤから発進した戦艦の腹部に白いプロペラ状のものが取り付けられている。金色のモビルスーツはその間にもナチュラルとは思えない動き
でザフトのモビルスーツを撃墜していく。
Nスタンピーダーから白い光が放たれ、黄金のモビルスーツを包んだ。
「なんだ、ん、原子炉が暴走!?」
アークエンジェルのガーディアンとして八面六臂の活躍をしていたモビルスーツは爆散した。
「ムウ!!!」
艦長のマリューは再び心を通じ合えた男性の戦死に、思わず声を上げる。しかし彼女は艦長であり、このアークエンジェルを持ってしてザフトの
移動要塞メサイアを落とさなければならないのだ。感傷など、生き残ってからひたればいい。
「暁が失われたことによって、ザフト軍からの艦隊射撃の距離が近くなるわ。全砲門開け。周りは全て敵。全速前進、全力で攻撃しながら、敵要塞
に突っ込むわ。白兵戦準備用意!!」
数で劣るオーブ軍、今生きている船はアークエンジェルとエターナルの二隻となった。フリーダムが敵要塞に近づいているが相手のモビルスーツと一緒だ。
しかし、もし、キラのフリーダムと同時に敵要塞に取り付くことが出来れば、相手の頭を押さえることができるかもしれない。マリューにはもう選択肢がなかった。
「トリスタン起動、目標、アークエンジェル!」
この空域のザフトの全艦隊の主砲がアークエンジェルに向けられた。
「ローエングリン、バリアント、ゴットフリート、てーーーーーーーー」
ハリネズミのようにアークエンジェルから陽電子砲が、ミサイルが発射される。それにあたって爆発を起こした船も何隻かあるが、そのあとにはザフト艦隊の射撃が襲う。
数え切れぬほどのビーム、ミサイルが白い大天使と呼ばれた美しい船に命中する。直撃を受けた甲板がめくりあがり、砲門もかなりやられた。しかしエンジンは戦闘戦速
を保ち、敵要塞との距離は縮めている。それは敵艦隊との距離が短くなったのと同義であって、次の射砲を先に出来るかどうかが全ての鍵を握っている。
勝ったのはミネルバだった。
この戦争に踊らされている時代にあって、二年の時間は最新艦を中古に変える。陽電子生成、砲身の材質の硬度、すべてミネルバが上。
主砲がブリッジを粉砕した。他の船からの射撃に、アークエンジェルは沈黙した。しかしまだ、エンジンは生きていた。オートパイロットでネオジェネシス
の中央に方向を定められていたアークエンジェルは、砲撃を受けるたびに質量を失いながら、それでも前進を続けた。ザフトのモビルスーツ隊が瀕死の
大天使のエンジンに集中砲火を浴びせる。艦隊は横に展開して砲撃を続けるが、当たり所が悪いのか、爆散させることができない。
目視でスピードが掴みにくいのが宇宙空間の特徴である。タリアは二本の足も、翼も失ったアークエンジェルの残骸がネオジェネシスとゆっくり接触したのを見た。
次の瞬間、アークエンジェルとネオジェネシスのミラーは爆発し、宇宙空間に新たなデプリがまきちらされた。
「副長、議長からの指令で私はメサイアの司令部に行くことになりました。このまま空母ゴンドワナの指示に従って、対エターナル戦に臨んで下さい」
「えっ」
「復唱は?」
「はい、アーサー・トライン、ミネルバをゴンドワナの指令下に置きエターナルと戦います」
まぬけでどじでひとがいいところだけがとりえのように見える青年だが、ザフトで出世しているということは出来る男のはずだ。
「あちらにはルナマリアが回っているわ。彼女のインパルスの状態にもよく気をつけて」 ミネルバでモビルスーツ管制をしていて
インパルスのソード射出のタイミングなどに一番慣れていた彼女の妹、メイリンはアスラン・ザラとともに脱走した。アスランは生きていたが、
彼女はシンにグフイグナイテッドが落とされた時に死んだかもしれず、また生きていていまアークエンジェルで死んだかも、まだエターナルで
生きているかもしれない。 アークエンジェルとフリーダム、戦場の不確定要素、テロリストといっていい。オーブ軍の仮面をつけたとて変わる
ものではないのだ。
タリアは一度艦長室に戻り拳銃の銃弾を換装し、シャトルに乗ってメサイヤに向かった。
タリアが議長の執務室に入ると、思わぬ人物がいた。パイロットスーツ姿のレイはいいとして、あとの二人。脱走兵アスラン・ザラと、
同年代だろう東洋系の優しい風貌の少年。パイロットスーツを着ているということは、これがフリーダムのパイロットと考えるのが自然だ。
「やあ、タリア、戦闘中に呼び出してすまない」
どこまで本気ですまないと思っているのか、まったくわからないのがデュランダルの常だ。だいたい、執務室に敵のパイロットを招きいれるなど、
気が違っているといわれてもしかたのない行為だ。タリアは反射的に拳銃を二人に向けたが、制された。
「こちらは、オーブ軍准将のキラ・ヤマト閣下と同じくオーブ軍のアスラン・ザラ。私と停戦の話し合いをされたいそうだ。武器はしまってくれたまえ。
こちらも彼らの自衛権を認めて武装解除はしていない」
タリアは銃を降ろした。
「ただ、停戦と言われても、わがプラントはオーブから宣戦布告を受けていない。アンノウン部隊に攻撃を受け、撃退している最中だ。先ほどは
このグラディス艦長の奮戦もあって各地の戦場を荒らしていた、アークエンジェルという船を撃沈したが。さきほどキラ・ヤマト准将に本国に連絡
をとってもらったが、アスハ代表はオーブの理念を枉げての宣戦布告など死んでもなさらぬそうだ」
ぱっと彼らの前に立体映像が浮かぶ。
「ネオジェネシスは損害だが、もう撃つ予定のなかった兵器だ。彼らはなにを思って特攻したのだろうね」
キラとアスランの顔が青くなる。彼らの盟友たちが散華したのだ。
映像が切り替わる。ピンク色のエターナルがザフト艦隊に囲まれている。3体のドムトルーパーとイザーク、ディアッカが奮戦している。
「アスラン・ザラ、イザーク・ジュール、ディアッカ・エルスマン。いずれもプラントの中でも優秀な遺伝子を持つエリートだが、君たちには
『脱走』という遺伝子が組み込まれているのかね。それとも『能力はあっても役割を果たしたくない』遺伝子かな。研究してみたいものだよ」
アスランが俯く。彼は議長の顔も、グラディス艦長の顔もまっすぐに見詰めることが出来ないでいた。議長の戦う人形であることを拒否し、
人間が自分の意思で生きられる世界を守るために戦っているという誇りはある。ただこれまで二回も、居場所を間違えてザフトに籍を置いた。
その結果としての脱走である。迷いの多い男だと恥じることはあっても、今の自分に自信がないわけではない。執務室の扉が開き、
左肩を押さえたシンが姿を見せた。
「遅くなりまして申し訳ありません。シン・アスカ、帰到しました」
そういってタリアの姿に軽い驚きの表情を見せる。
「怪我をしているようね。大丈夫なの?」
「議長や艦長の盾になる程度には役に立ちます」
シンの赫い瞳が憎しみを込めてキラとアスランに向けられた。
エターナルを落とすためにソードインパルスでいるのだが、相手モビルスーツ部隊の動きがよくて、防衛ラインを突破できない。
ルナマリアが一度ミネルバと接触をとろうかと思った頃、戦況が変化した。アークエンジェルにかかっていたザフト艦隊がこちらへ
回頭したのだ。モビルスーツ隊が先行してくる。援軍だ。これだけの力があれば、エターナルのパイロットが凄腕だろうが、時間の問題だ。
そのとき、オープン回路の無線から声が響いた。
「このエターナルはザフトの船だ。攻撃を止めろ!」
ルナマリアは相手のあまりの厚顔無恥さに頭に血が上って叫んだ。
「二年前に盗まれたザフトの新鋭艦よ! 乗ってるのは泥棒じゃない」
「隊長! お願いします。どうかザフトに戻ってください」
ザクウォーリアがグフイグナイテッドに迫る。
「シホ、お前は議長のデスティニープランに賛成なのか!? 人間の誇りを奪う政策だぞ、あれは」
「なら、意見を議長に具申すればよいことです。ジュール隊長、ジュール隊は脱走兵を許すほど甘い部隊ではありません」
激しく切り結ぶ二機のモビルスーツに、ルナマリアは大体の事情を察した。もう一気のザクファントムに、オレンジ色のモビルスーツ部隊が襲い掛かる。
ルナマリアはシホという女性パイロットを援護するようにグフイグナイテッドにビームを集める。彼女の言い分は正しい。戦場でいきなり寝返って、
これまでの味方を、部下を殺そうとする軍人など最低だ。
しかしドムトルーパーは連携の取れた動きでザフトのザクを破壊していく。艦隊射撃も、エターナルに深手を負わせることは出来ない。
たった一隻の船、5台のモビルスーツにこちらは何機かかっているのだ、まったく。そしてこの戦場で唯一カスタム機に乗っている自分が、
まだ一機も撃墜できないでいる。ミネルバの姿が目に映る。
「ミネルバ、ルナマリア、フォースシルエット射出願います」
接近戦用に換装して、ドムトルーパーの足並みを崩さなければ。
混戦を抜け出して換装して戦場に戻り、ビームサーベルでドムトルーパーに対する。いくら連携がよい三機でも、10台以上のモビルスーツから
ビームやミサイルを浴びせられていては必ず動きに隙が出る。彼女はその瞬間を狙い、一機のドムトルーパーの両足をなぎ払った。そこに攻撃が集中し、やっと一機沈んだ。
オレンジの、おそらくはハイネ・ヴェルテンフルスを慕うパイロットたちに囲まれたザクファントムはかなり被弾していて、戦闘能力を失うのもそうさきではないだろう。
と、そのとき。
「エターナルにはラクス様が乗っていらっしゃる。なぜその船を攻撃する。なぜラクス様のために戦わないのだ!」
ドムトルーパーの女性パイロットの声が無線に乗って響く。
一瞬動きの止まったザフトのモビルスーツはかなりあった。そしてあろうことか、そのモビルスーツはエターナルの砲撃で落とされた。
ルナマリアも無線をオープンにする。
「ラクス様ラクス様って、バカじゃないの。ただの歌手じゃない。私はプラントの国民、ザフトのアカデミーを卒業した職業軍人よ。このインパルスはプラントの国民から
私に託された機体、エターナルはプラントの国民の税金で作られたのに、ラクス・クラインに盗まれて、私物にされて、あまつさえプラントの敵、地球連合と同盟関係に
あるオーブの戦艦なんでしょ、今は。そんな船に乗ってる女に指図されたくはないわよ!!!」
ルナマリアの猛烈な激にザフト軍の士気が上がる。ドムトルーパー二機、ザクファントムは沈黙した。シホと戦っているグフイグナイテッドは無事だが、
戦闘を終えたモビルスーツたちが加勢に駆けつけた。
「ディアッカ……」
アスランが呟く。皮肉屋だがプラントのためを思って、二年前も今日も戦ったが、今度は生き延びることが出来なかった。
アークエンジェルとともに沈んだミリアリアと天国で舌戦を繰り広げるだろう。せめて、そう祈ろう。
「ルナマリアは強くて正しい」
レイがきっぱりと言った。シンとタリアも頷く。
「キラ・ヤマト准将。先ほども言ったが、宣戦布告を受けていない状況で停戦交渉はありえない。停戦したいのなら、
オーブの国家元首の名前でプラントに宣戦布告してもらわないと」
「そんな。オーブは地球連合と同盟関係にあります。その同盟関係に立って戦いを継続しているのです」
「それは子供の理屈だよ。スーパーコーディネーターとはいえ、国際法や論理的な物事のつめ方の知識は欠けているのだな、残念だ」
デュランダルは滑らかな声で言った。
「その、スーパーコーディイネーターってなんですの?」
戦況が決まった安堵感がタリアの声を軽くする。
「世界で最も優れた遺伝子を持つコーディネーター。昔メンデルでヒビキ博士が研究し、作り上げた。
そうそう、君が送ってくれた連合のロドニアの研究所を覚えているかね。あれとにたことをヒビキ博士は行った。
たくさんの受精卵に遺伝子操作を行い、妊娠という不安要素を取り除くために人工子宮で胎児を育てる。
何十何百という受精卵が、胎児が犠牲になって死んでいった。彼は研究費のために、法で禁じられている
ヒトクローンを作って売った。」
シンはレイの顔がこわばり、更にきつい目をキラに向けたのを見た。
「コーディネーターの歴史もあの連合のエクステンディッドと似たようなものだ。遺伝子処理の失敗、
間違いによって注文主である親に捨てられた子供達は専門の孤児院で傭兵としての訓練を受け、
売られていった。人間は己のエゴのためならなんでもする生き物だ」
「それを解決するのが、ディステニープランだと」
デュランダルは薄く笑みを浮かべた。
「解決の一助になればということだ」
プラント国民なら知らぬもののない鈴を転がすような声が響いた。
「わたくしは、ラクス・クラインです。感情的にわたくしを否定したがるかたがいらっしゃるのは理解できます。
でも、みなさん。いま、考えるべきことは何なのでしょう。エターナルがザフトの船であるか、オーブの船であるかですか?
わたくしはそのような些細なことにはこだわりません。国が違おうとも、コーディネーターであろうとナチュラルであろうと、
間違っている政策にはノーを言うべきなのです。それがわたくしたち人間の誇りなのです。デュランダル議長のデスティニープランは、
人間を遺伝子の奴隷に変えます。人間のもつ無限の可能性を閉ざす死の世界、わたくしは戦いは嫌いです。
でも、戦わなければならない時があるのです。それが今です。皆さんは敵を取り違えていらっしゃいませんか?
撃つべきはこの船でなく、あの要塞だと、なぜ気付かないのですか?」
「テロリストの言い草だ。クライン議長はよい方だったが、娘は詭弁家に過ぎない、か」
デュランダルが呟く。
「アスラン、あなたの脱走の理由がこれだというの? あまりに幼稚だわ」
タリアはほとほと呆れたように言った。
ラクスが喋っている間、ザフト艦隊の砲撃は止まった。平和の歌姫、ラクスを慕う人間は多いのだ。だが、ザフト軍人全てが彼女と同意見ということはありえない。
ルナマリアの胸にふつふつと怒りが滾る。これまでと同じだ。戦いを玩具にして、責任を取らないアークエンジェル、
ラクス・クラインはあれと同じものなのだ。
彼女はビームサーベルを最大出力にしてエターナルのブリッジを狙う。砲座からの射撃の直撃をくらい、
インパルスが傷ついていくのが分かる。
「お父さん、お母さん、ごめんなさい。メイリン、ラクス・クラインと同じ船に乗ったのがあんたの選択なら、大馬鹿よ。
私はザフトの赤服として、脱走兵と兵器泥棒を処刑する!!!」
インパルスのビームサーベルがエターナルのブリッジに何度も突き刺される。ルナマリアは完全にブリッジを破壊
するまで攻撃の手を休めなかった。血を分けた妹を殺した。しかしミネルバに帰れば甘えっ子のメイリンが待っている。
そう思えてならない。彼女はブリッジを破壊した後、上空に飛び上がった。
「あっ」
グフイグナイテッドに足をやられた。とっさに分離してコアスプレンダーになって逃げる。自分の役目は終わったのだ。
そしてグフイグナイテッドのコクピットがシホのザクが投げつけた手榴弾で爆発するのを見た。
「隊長ーーーーー!」
シホの涙声が聞こえた。ルナマリアは彼女と話したかった。お互い、顔と家柄だけのバカな男にふりまわされてしまったね、と。
エターナルのブリッジがインパルスに破壊される映像は、議長の執務室にも大きく映し出されていた。
「ラクス!」
「ラクス!!!、ああ、ラクス! なんてことを」
キラはその場にうずくまった。
「あのパイロット、許せないじゃない。ラクスのいるブリッジを攻撃するなんて……。だって、ラクスはいつも正しいのに、
間違ってるのはあなたなのに、なんでラクスが死ななきゃならないの!?」
泣き声と裏腹の迅速な動きでキラは銃を出すと、中央のデュランダル議長に向かって発砲した。
「ギル!!!」
ふわりとレイの金髪が舞った。キラの動きを予想していたかのように議長に体を投げ出し、盾になったのだ。
ほんの一瞬後に、シンの銃口が火を噴いた。正確にキラを捉え、弾が尽きるまで打ち込む。
「キラ!」
アスランは銃を取り出し、自分に銃を向けている元上司、タリア・グラディスに向けた。シンは玉切れ、
タリアをシンの二人を殺すことは彼の腕を持ってすれば簡単なはずだった。
「アスラン・ザラ、脱走兵として処刑します」
銃口が火を噴いたのは同時だった。まずタリア、そしてシン。しかしどうしたことだろう。被弾する覚悟は
出来ていたが、この苦痛は。右肩に一発食らっただけで銃を取り落とす。炸裂弾だ。顔面に二発目を浴び、
意識がなくなった。そして心臓への三発目で、アスラン・ザラは人生を閉じた。
「艦長、無事ですか?」
「脇腹に二発もらったわ。でも、弾は貫通しているから。それより、レイとギルバートを」
シンはタリアが議長をファーストネームで呼ぶのをはじめて聞いた。
あわててレイと議長の安否を確かめる。
「ギル……無事で」
蜂の巣になったレイが、喘ぐ。
「レイ、大丈夫だ。君の傷も治る」
「自分の体です。もう、持ちません……」
「レイ、生きよう、これからも俺と一緒にミネルバでモビルスーツに乗ろう!」
シンが叫ぶ。寿命の短いクローンのレイだが、だれよりも前向きだった。限界まで生きようとしていた。
「レイ、私より先に死なないでおくれ」
「ごめん……」
一瞬レイの誰よりも青い瞳が大きく見開かれ、光を失った。
「レイーーーーー!」
シンはその場に座り込んで泣き伏した。大事な戦友、親友、また、守れなかった。自分は力を得た。それなのに、どうしていつも大切に思うものは彼の指の間をすり抜けて逝ってしまうのだ。
「ギルバート、あなたも!」
レイの体を抱き上げて床に寝かした後、タリアは議長を見た。腹部に穴が三つ開いている。レイが体を呈してかばったというのに。
デュランダルはごほっと咳き込み、血を吐いた。
「内臓のなかで弾が走り回ったようだ。せっかくレイからもらった命だが、もたないな」「ギルバート!」
「議長、生きてください、レイのためにも!!」
タリアが執務室の扉を開け、重症の議長が運び出され、怪我をしているタリアとシンも医務室行きだった。
左肩の手当てを受けたあと、戦闘の疲労と薬による作用で少し眠ったらしい。目を開けると二時間ほど
たっていた。
担当の看護士に聞く。
「議長は……」
「亡くなられたわ。あなたの艦長さんは貫通銃創なので、二週間もあればなおるでしょう。あなたの腕も一週間
で治りますよ」
レイがあんなに守りたがっていた議長の命が失われた。やるせない気分でシンはテレビをつけた。
地球のニュースで、オーブ首長国連邦が首長制を廃し、議会制民主主義の国に生まれ変わることが決まり、
現代表のカガリ・ユラ・アスハは大西洋連邦に亡命したと伝えていた。
怪我が治って休暇が取れたら、ルナマリアを誘って新生オーブを訪ねよう、シンはそう心に決めた。
END
リアルタイムGJ、楽しませてもらったよ
まああいつ等だから仕方ないよな・・・
そもそもの発端は種だしな・・・・
188 :
通常の名無しさんの3倍:2005/09/27(火) 07:40:00 ID:MrOzyzVp
新シャア板AAアンチの主張を切り貼りしてつなぎ合わせたようなSSだな
もっとひねれよ
ルナマリアかっこよすぎ
これはGジェネであった気がする。
REマダー?
RE氏にも都合ってモノがあるんでしょうよ。マターリ待ちましょうぞ。
とはいえ先が気になりまくるが。
>>176-186 100点、とは間違っても言ってあげられないが
本編よりは間違いなく面白いから安心汁!
RE氏、言っちゃ悪いんだけどセリフばっかだから、どこがどうなっているのか……。
いや、種序盤は五話くらいから見たんで……。
保守上げ
197 :
通常の名無しさんの3倍:
保守