TVシリーズ 機動戦士ガンダムSEEDDESTINY MSV〜閃光のサイ〜
第18話前半「新たなる輝き!サイ、座長就任」
…関空攻防戦から数日後、大破して海に落ちたため華子は死亡の確認がとれず、MIAという形になった。
「名誉の戦死により2階級特進の華子師匠に敬礼!」
ヤスシのそんな言葉を聞きながら、サイは華子の墓標に敬礼をした。その目にはかすかに涙が浮かぶ。供養
が終わった後ヤスシが声をかけてくる。
「サイ。華子の遺品の整理はおまえがやっとけ。あと、いつまでもウジウジしとったらぶん殴るからな!あの時
華子がおまえを助けんかったらおまえは死んでた。おまえが死んでたら俺らもあのMAにやられて死んでた
やろう。そうなってたら関西も終わりやった。華子の事は残念や。でも、おまえは関西を救った英雄なんや。
もっと英雄らしい顔しとかんかい!わかったな?」
「…はい。」
ヤスシの言葉にサイは一言答えるだけしかできなかった。英雄…自分にそんな言葉が似合うなんて思っても
いない。同じ隊の仲間を死なせてしまう人間のどこが英雄だというのだろう…サイは落ち込んでいた。しかし
周りの関西軍の兵士達はサイを英雄として崇め、慕ってくる。サイはヤスシの言葉を思い出し、無理にでも笑
顔をつくって接していた。カズィや雪見らクルーの面々はそんなサイにかけてあげられるうまい言葉が見つから
ずにいた。
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第18話後半「新たなる輝き!サイ、座長就任」
ところはかわり、ここは関東軍の施設の中のとある部屋。その薄暗い部屋の真ん中に辻が立っている。
そして、辻を取り囲むように円卓状のテーブルに座る8人の男と後ろに立つ秘書のような1人の男の影。
そのうちの1人が喋る。
「これまでの失態、どういい訳する気かね?」
「それは……」
辻は答える事ができなかった。どういい訳したところで、これまで関西軍に破れつづけた自分は無事でいら
れるはずがないと諦めていた。何も言えない辻を見かねてか、別の男が口を開く。
「まあまあ、円楽さん。そう怖い顔をしなさんなって。辻くんも怯えているよ。今日はそういう事ではないでしょう?」
「それはそうだが…まぁ歌麻呂さんがそう言うなら…。おーい、山田くん、あれ持ってきて。」
円楽と呼ばれた男がそういうと秘書らしき男が動き、1枚のディスクを持ってきた。その内容がスクリーンに映し
出される。そこにはクモのような形をしたMAのデータが映っていた。
「これは…ザムザザーの改良版ですか?」
「まぁそんなところだ。拠点防衛用のMAゲルズゲーというらしい。連合の人間がそう言っていた。なぜ君にこれを
見せたかわかるかね?」
「え?いや…」
「中部地方の事は君も知っているだろう。あそこは関東・関西のどちらにも属さない県が多い。最近、そこで不穏
な動きがあるという事だ。これまでの戦果から、どうも関西にとりいろうと動いている県があるらしい。中部地方
は関東・関西を分かつ重要なラインとなる地方だ。だからこそ、我が軍もあそこにローエングリンゲートを作って
いる。君の任務はゲルズゲーの搬送、および中部地方の県を関東側にとりこむことだ。たとえ、武力をもってし
てもな…。」
「ハッ!私の命にかえても、その任務まっとうして参ります!」
「その言葉、信じているよ。」
辻が中部地方に向かうのと時を同じくして、関西軍の1室で服部とサイが話をしていた。
「…以上が理由だ。サイ・アーガイルを座長に就任する、な。」
「でも議長!オレにはそんな資格…」
「華子を死なせたからか?確かに華子のことは残念だ。しかし、おまえのせいではない。むしろ、華子のことを
残念だと思うのなら、なおさら就任してもらいたい。仲間を守りたいなら、力とともに責任も持つものだ。座長
就任だ。わかったな?」
「はい…やってみます。」
納得もしていなければ自信もない。それでも、仲間を守るさらなる力を得る事ができるなら…そう思い座長に就任
したサイは新たなる一歩を踏み出した。しかし、それは力のみを求める道につながっていた。
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第19話前半「職務放棄!?恋にドキドキ、サイ・アーガイル」
サイの座長就任はその日のうちに関西軍内に告知された。その内容はサイの座長就任とそれにともない、
アーガイル隊が結成されるというものだった。また、アーガイル隊の母艦として軍の最新鋭艦おとみが配備
される事も記されていた。スタッフに関してはシマカゼのスタッフがほぼそのまま異動。しかし、パイロットは
サイとカズィの2人だけで、近藤や吉本隊はシマカゼに残る事になっていた。また、カーンもシマカゼの艦長
として残るためにおとみの艦長として新たに関西軍で闘将として圧倒的なカリスマ性を持つホシノ
>>184が
就任する事になっていた。人事についての正式な通知は後日改めてされる予定だ。
「サイ!座長就任おめでとう。」
カズィがサイに祝福の言葉をかけてきた。
「ありがとう。これからも一緒に頑張っていこうぜ。」
「まぁねー。しっかし、議長もさ、パイロットが俺たち2人だけって何考えてんだろな。どう考えても少ないよ。
それともまだ決まってないだけで、もっと増えるのかな?」
「さぁ…それはオレにもわからないけど…。とにかく頑張っていこう!」
通路で話している2人のもとに雪見があらわれた。
「あ、サイさんにカズィさん。お疲れ様です。サイさん、私もおとみに異動になったんでよろしくお願いしますね。」
「あぁ、こっちこそよろしく。」
「それじゃぁ、私まだ仕事があるんで、これで失礼しますね。」
そう言って雪見は手をふりながら去っていった。
「いいよな〜、サイは。」
「え?何が?」
「何がって、雪見ちゃんだよ。まさか気付いてないわけないよね?」
「…?」
サイにはカズィの言っている事の意味がわからなかった。そんなサイにカズィは呆れ果てる。
「サイ、鈍感にも程があるよ。雪見ちゃんがサイのこと好きだってわからないの?」
「えぇ!?雪見ちゃんが・…?まさかぁ。」
「前から思ってたけどさー、サイって押しが弱いっていうか、純情というか…そんなんだとフレイみたいに雪見
ちゃんも誰かにとられちゃうよ。」
「え…」
「あ、ごめん……フレイは関係なかったよね。ごめん、サイ…」
「あ、いやいいんだ。気にしてないから。フレイのことはオレが悪かったんだし。雪見ちゃんは仲良いけど、
オレのこと別に好きってわけでもないと思うけど。それに…今はそういう事まだ考えられないや。」
「そっか…。ごめん、余計な事言って。」
「誤るなって、カズィ。とにかくお互いパイロットとして頑張っていこう。俺たちの関西を守らないと!」
「…うん。」
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第19話真ん中「職務放棄!?恋にドキドキ、サイ・アーガイル」
その夜、サイはいつものようにおとみの手伝いをしていた。おとみが閉店の時間になり客が帰った後、サイ達
は店の掃除を始める。
「オレ、生ゴミ捨ててきますね。」
「あ、待って。サイさん。これも捨てなあかんから一緒に行きましょう。」
慌てて雪見が後を追ってきた。ゴミ捨て場までは少し距離がある。2人で夜道を歩いていると、ふいに雪見が
話し掛けてきた。
「サイさんは本当にすごい人ですね。」
「へ?…なんでオレがすごいの?」
「だって…関西軍のエースとして座長に就任しはりましたし、今日はサイさんを祝福するためにたくさんの人が
店に来てくれてはったやないですか。すごいです!」
「そんなことないよ…。雪見ちゃんの方がすごいよ。幹部候補生なんだし。」
「それは…単に試験に受かっただけの話です。私はサイさんのようにMSを操縦することはできません。いつも
見てるだけです。ブリッジに入ったっていうても、実際戦ってくれてるんはサイさんですし…」
「雪見ちゃん…」
2年前の自分を見ているみたいだ。サイはそう思った。キラと自分、パイロットとクルーの間にある確かな差…実
際に戦っている者と、そうでない者。ある種の劣等感を感じているのだろう。
雪見の言葉に対し、サイはそれ以上何も言うことができなかった。雪見もそれ以上何も言ってこなかった。沈黙
したまま2人はゴミ捨て場につき、ゴミを捨てた後、また沈黙のまま帰路についた。静かな帰り道、雪見に気の
きいた言葉1つかけてやれない自分にもどかしさを感じていたサイ。沈黙に耐え切れなくなり、うつむきかげんで
横を歩く雪見の名前を呼ぶ。
「雪見ちゃん。」
「はい?」
「オレはパイロットとブリッジは違うだとか、パイロットの方がすごいとかそんなふうには思わない。雪見ちゃん達
のようにパイロットをサポートしてくれるクルーがいなかったら、オレはとっくに死んでるよ。たとえどんな状況に
なったって、雪見ちゃん達が支えてくれるって思える、信頼できるから、オレはMSに乗って戦えるんだ。雪見
ちゃんはオレが皆を守ってるって言ってくれた。それと同じように雪見ちゃんはオレ達パイロットを守ってくれて
るんだ。なんか全然うまく言えてないけど…とにかく!そんなふうに落ち込まないでほしい。元気だしてよ。」
「サイさん…ありがとうございます。」
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第19話後半「職務放棄!?恋にドキドキ、サイ・アーガイル」
笑顔になった雪見を見てサイはホッとした。その時歩いていた雪見が小石につまづき、転びかける。それを見た
サイは雪見の手を掴むが一緒にバランスを崩しこけてしまった。その際、サイの眼鏡が外れて落ちてしまい、レ
ンズに傷がはいってしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「いいよ、気にしなくて。これくらい簡単に直るし。」
雪見がサイに謝る。が、その時雪見はある事に気付いた。
(…これって買い物にかこつけてサイさんをデートに誘うチャンスなのでは?)
そう思った雪見はすぐサイを誘ってみた。
「あの〜…もしよかったら明日オフやし、2人で眼鏡見に行きませんか?デートとかそんな深く考えないで。ほら!
サイさんあまり難波の方には行った事ないから案内もしたいですしぃ…。」
「そう?じゃぁそうしてくれると助かるし、一緒に行こうか。」
そうこう話しているうちにおとみに戻った2人は残りの掃除も終わり、雪見達は眠りについた。
しかし、サイは眠れずにいた。華子が死んだあの日以来、寝ようと目を閉じるとあのシーンが脳裏に浮かんできて
寝れなかった。暗いと何か不安になるので、電気も消さずにいた。あの日以来、そのような生活が続いている。
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第20話前半「雨の再開…フォーリング・ジュリ」
一晩明けて、天気はあいにくの雨だったが、サイは雪見と買い物に来ていた。あの後、サイが寝付いたのは
早朝近くになってからであった。
「サイさん、もしかして疲れてはります?なんか目の下にくまもできてるみたいですし…。」
無理もない。ここ数日毎日2〜3時間ほどしか寝れていないし、眠りも浅い。睡眠不足による疲労は確かに
あった。しかし、せっかくの休日を自分の買い物に付き合ってくれている雪見の前でそのような事を言うこと
は失礼だと思い、サイは「気のせいだよ」とだけ言っておいた。
「サイさん。雨降ってるし、なんばウォークに行きませんか?あそこやったら傘ささなくていいですし。」
なんばウォーク…難波と日本橋の間にある地下街で多くのショップが入っている。大阪では有名で多くの人
が利用する場所だがサイは行ったことがなかった。
「なんばウォークかぁ…1回行ってみたかったし、そこに行こうか。」
「ですね。そこやったらメガネ屋さんもあると思いますし。探してみましょう。」
なんばウォークについた2人はまずメガネ屋を探した。店はすぐに見つかり、修理に1時間ほどかかるという
ことなので、その間に昼食をすまそうということになった。サイはあまり店がわからないので雪見に任せると
雪見が大好きだという店があるらしく、その店に行くことにした。雪見に案内され日本橋の方へと歩いていき、
地上に出てから、また少し歩いた。すると黒門というラーメン屋についた。
「ラーメン?」
「はい。私、ここのラーメン大好きなんです。」
普段女の子らしい雪見のお気に入りの店ということだから、かわいらしい感じの店だろうと思っていたサイは
少し驚いた。が、雪見の言うとおり、美味しかったのでサイは満足した。
ラーメンを食べて少ししてから店に行くと、サイの眼鏡の修理が終わっており、直った眼鏡を受け取った。
「良かったですね、眼鏡直って。私のせいでごめんなさい。」
「いや、雪見ちゃんのせいじゃないって。とにかく直って良かったよ。これからどうしようか?雪見ちゃん疲れた?
疲れたなら帰ろうか?」
「え!?大丈夫です。私全然疲れてないんで、サイさん行きたいとこあるなら案内しますよ。」
「そうだなぁ…日本橋でMSのジャンクパーツ見たいし、もう少しつきあってくれる?」
「はい♪」
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第20話中半「雨の再開…フォーリング・ジュリ」
日本橋のパーツショップに着いたサイは現在考案中の新システムに使えそうなものはないかと真剣に品を
見ていた。雪見はそんなサイの後を嬉しそうに歩いていた。
「んー、このパーツ使えるかなぁ…」
悩むサイに店員が声をかけてきた。
「気に入りましたか?なんだったらお安くしますよ。」
「あ、まだ買うかどうかは…?……ジュリさん!?」
「え?もしかして…サイ君?」
サイに声をかけてきた店員はM1アストレイの元パイロットのジュリ
>>6だった。
「生きてたんですね!良かった…ヤキン戦でMIAになったって聞いていたから…。」
「私もダメだと思ったんだけどねー。瀕死で宇宙空間に漂ってた私を関西軍のMSが見つけて保護してくれたの。
それで運良く助かったわ。まぁつい最近まではリハビリ生活だったけどね。今はここでアルバイトしてるの。」
「そうなんですか。本当に良かったです。」
仲良さげに話す2人に雪見がわってはいる。
「あのぅ、サイさん。こちらの方は?」
「あぁごめん。雪見ちゃんは初めて会うね。ジュリさんはオーブの元パイロットで、ヤキンで一緒に戦ってたんだ。」
「よろしく。この子はサイ君の彼女?かわいい子ね。」
「え、いや雪見ちゃんとはそういう関係じゃなくて、まぁ同じ軍の仲間で…」
「軍?サイ君もしかして関西軍にいるの?」
「はい。ΨガンダムってMSのパイロットをしています。」
「そうなんだー。Ψガンダムのパイロットってサイくんだったのね。でも、なんか意外な感じ。ヤキンの時とかも、君
はあんまり軍人って感じじゃなかったから。まぁキラ君とかもそうだったけどね。」
楽しそうに当時のことを振り返るサイとジュリ。日本に来てからのサイしか知らない雪見は自分1人だけ仲間外れ
にされているみたいで少し寂しかった。そんな雪見の心情に気付かずサイはジュリと会話を続けた。
「…ところでジュリさん。ここでバイトしてるって言ってましたけど、もうパイロットにはならないんですか?ジュリさん
は元パイロットだし、もしなってくれたら心強いんですけど…。」
「ん…私も今の関西の情勢は理解してるつもり。関東とよろしくない関係って事とかはね。でも、どうしてもあの時
の恐怖が蘇ってきて…コクピットには座れないの。」
ここ数日華子の死にうなされているサイにはよく理解できた。
「そうですよね…。すいません、変なこと言っちゃって。」
「いいのよ。私は力になれそうにないけど、サイ君は頑張ってね。じゃぁ私そろそろ仕事に戻らないと…」
「あ、はい。すいませんでした、時間とらせて。じゃぁまた。待たせてごめんね、雪見ちゃん。次行こうか。」
その後日本橋での買い物をすませた2人はおとみへと帰ってきった。
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第20話後半「雨の再開…フォーリング・ジュリ」
…その頃、関西空港に1機の宇宙シャトルが着陸していた。2人の男が降りてくる。その後ろからマネージャー
らしき男も降りてきた。その2人(+1人)が向かう先には服部の姿があった。
「おぉ、待っていたぞ。わざわざ宇宙から呼び戻してすまんかったな。」
「ほんまやわ!議長が言うからわざわざ宇宙まで行ったのに、すぐ戻ってこい言うんやからな。疲れて当たり前や
っちゅうねん。で、オレらを呼び戻したからにはあんねやろ?それなりの理由が。あと、あれはどうしたらええねん?
宇宙で開発してた例のMS。シャトルに積んでるで。」
「外に軍の者がいるから、そいつらに運ばせる。まぁ話は後だ。とりあえず車に乗って軍本部に戻るぞ。」
「まぁオレらが戻ってきたからには関東の奴らに好き勝手はさせへんで。安心しとけ。」
「期待しているぞ。」
宇宙から来た2人(+1人)を乗せ、車は軍本部へと向かっていった。
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第21話前半「戦士の誇り!与えられたRe カズィ」
その日、サイとカズィの2人は議長に呼び出された。理由のわからない2人はとりあえず地下工場へと向かった。
そこには議長と見たことのない男が2人(+1人)いた。サイ達を見て議長が話しかける。
「よく来たな。」
「議長、そちらの方々は?」
「あぁ紹介しよう。この2人は浜田と松本だ。おまえも名前くらいは聞いたことあるだろう。あと、こっちはマネージャ
ーの藤原だ。」
「浜田に…松本って、まさか、あの?」
「呼び捨てとはいい度胸やな。ペーペーのくせに。」
「あ、すいません!浜田兄さん、松本兄さん。」
サイが驚きのあまり敬称を付け忘れるのも無理はなかった。この2人は関西軍の中でもトップクラス、いや実質
トップ2と言っても過言ではない2人だからだ。関西軍から派遣として参加した2年前のヤキン戦ではザフトのMS
を次々と撃墜し、戦後も関西の治安を守り抜いてきた2人である。議長命令で4ヶ月前から宇宙にあがっていると
聞いていた2人が何故ここにいるのかサイは不思議だった。服部はさらに話を続けた。
「驚いているようだな。まぁ無理もない。こいつらには宇宙でやってもらう事があって宇宙に行ってもらってたわけだ
が、それが1段落ついたから戻ってきてもらったのさ。そして、それはお前等にも関係あることだ。」
そう言うと、服部は浜田らの方を向いた。松本が話し始める。
「まぁそういうことやな。藤原、あれ見せたれ。」
松本の指示に従い、藤原が動く。藤原が動いた先にはシートをかぶったMSらしきものがあった。
「おい、センター分けの方。おまえの新しいMSや。ちゃんと見とけよ。」
松本がそう言うと、藤原がシートを外した。そこにはガンダムフェイスのMSがあった。
「これは…ガンダム?オレもガンダムに…?」
驚くカズィに藤原がMSの説明をする。
「正確にはちゃうけどな。これはオーブのムラサメっちゅうMSをうちで改良したもんや。ドゲザザーシステム改を
積んでるから、カズィ、おまえでも操縦できるわ。これを作るために松本さんはわざわざ宇宙に行ったんや。
ほんま松本さんの優しさは天井知らずやで〜。」
MS「Re カズィ」を見て唖然とするカズィ。服部が話し掛ける。
「まぁそういうことだ。宇宙用に開発されているが、大気圏内でもΨガンダム以上のスペックを誇る。これをおまえ
に託す。MS名はおまえに因んで「Re カズィ」
>>289だ。頼んだぞ!」
「え…でも……オレじゃぁ…」
とまどうカズィをサイが励ます。
「カズィ、おまえならできるって。」
「サイ……議長、わかりました。オレ頑張ります。」
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第21話前半「戦士の誇り!与えられたRe カズィ」
松本は話を続けた。
「それと、そっちのメガネの方。おまえのMSも宇宙で作ってるからな。」
「え!オレの…新しいMS!?本当なんですか?議長。」
「あぁ本当だ。巨大MAなど関東軍の力は日をおって強くなっている。それに対抗しうるだけの力がうちにも必要
だからな。量産機も開発中だ。」
そこに藤原がわってはいる。
「サイ、おまえのMSの開発にも松本さんは関わってるんやで。ほんま松本さんの優しさは5大陸に響き渡るで〜。」
新しいMS…その言葉にサイは興奮を隠せなかった。今よりも強くなれる、と。
そして、サイ達は服部の指示でいったんミーティングルームに移動した。そこで服部が話をする。
「さてと…そろそろ今回の作戦について話すとするか。」
「作戦?」
MS受領だけではなかったのかとサイが驚く。
「そうだ。まぁ簡単に説明する。現在我々関西と関東は紛争中だ。そして、その間の中部地方は中立地域になって
いる。しかし、関東軍が侵攻しており、実質関東領みたいなもんだ。だが、関東軍からの支配がイヤで反抗している
組織も多数ある。今回そういった組織の1つから共同戦線をはらないかという申し込みがあったのだ。」
「共同戦線?」
「うむ。関ヶ原という場所は知っているな?そこに関東軍が設置したローエングリンゲートというものがある。それの
破壊が今回の目的だ。それのせいで名神高速が米原JCTまでしか使用不可能になっている。上の福井に抜け
ようにもゲートの攻撃範囲内だからな。また名古屋は完全に関東軍の支配化のため伊勢湾岸道、東名阪も使用
不可と、ここで関西、関東のルートがほぼ断たれている。そのため中部は関東から高額とわかりつつも物資を購
入するしかないし、我々関西としてもいつ攻められるかわからない状況で放っておく事はできないという事だ。」
「なるほど…。でも、どうして関ヶ原の方なんですか?前は名古屋から来たんですし、そっちが先でも。」
「名古屋よりも関ヶ原の方が関東軍の数が少ないからだ。まずは1つ、道をこじあける。それにゲートは地上に設置
されているから、飛行可能なMSがいれば比較的安全に破壊できる。Ψガンダムはもちろん、Reカズィも飛べるか
らな。そういった理由だ。それと、今回の作戦には浜田、松本にも参加してもらう。以上だ。」
「まぁそういうこっちゃ。よろしくな。」
作戦当日までの5日間、サイはいつにもまして訓練に励んでその日をまった。
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第22話前半「危険な作戦!ローエングリンゲート攻略」
作戦当日。例によって十分な睡眠はとれていないものの、サイは充実した気持ちでその日をむかえた。
この作戦が成功し、関ヶ原のローエングリンゲートを破壊することができれば、関西と関東の情勢も今とは
また違ったものになる。関西にとって、優位にはたらくのは間違いないからだった。そして、浜田、松本の
2人と共に戦えるということもサイを興奮させた。
作戦に参加するのはおとみと、関西軍の巡洋艦2隻であった。おとみは本来艦長としてむかえるはずだった
ホシノが体調不良のため、ヤキン時に艦長を務めていた松本が急遽艦長に就任した。
関ヶ原への移動中、サイとカズィは艦内のMSドッグにいた。MSドッグにはΨガンダム、Reカズィ、ライオン
丸、そして浜田専用機のReカズィ試作型の4機が収容されていた。カズィが憂鬱そうに話す。
「Reカズィか…ホントに良かったのかなって、今でも思うんだ。オレは…キラやサイみたいには頑張れない…
また逃げ出すかもしれない……戦場でサイを置いて…。」
「カズィ…何も変わらないよ、オレもおまえも……キラも。」
少し重い空気を払拭しようと、サイは話題をそらした。
「あ、そういえばさ、なんでライオン丸があるんだろうな。カズィはReカズィに乗るのにさぁ。」
「さぁ・・・確かにそうだよな。パイロットなんていないのに。」
「何言うてんのや!」
突如として聞こえてきた大きな声にサイとカズィは驚いた。声がした先には美雪が。
サ「美雪ちゃん!?どうしてパイロットスーツを!?」
美「どうしてって、パイロットスーツを着る理由は1つに決まってるやろ!?私がライオン丸のパイロットや!」
カ「えぇ〜!?冗談はやめて早くブリッジに戻れっての。」
美「冗談やない!カズィ、あんたは知らんやろけどな、私もあの後おっちゃんからソフトもらってシミュレーション
やってたんたで。あんたよりも良いスコア出してたわ。まぁ私に任しとき!」
無邪気に笑う美雪にサイとカズィは呆れるほかなかった。しかし、さきほどまでの重い空気はなかった。美雪
のおかげといったところだろうか。
その時、艦内に放送が流れた。松本の声だ。
「あー、もうすぐ関ヶ原に着くからな。パイロットはMSに乗って用意しとくんやぞ。」
その放送でサイ達の緊張は一気に高まる。
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第22話後半「危険な作戦!ローエングリンゲート攻略」
「もう1度作戦の確認だけしとくぞ〜。浜田やサイらはMSでローエングリンの破壊に向かう。おとみはその後方
から援護射撃をするからな。わかったか?高速道路上に設置されてるから、なるべく道路壊さんようにな。」
「あれ?おとみは来ないんですか?」
「ボケェ!カズィ。おとみが前まで行ったらローエングリンのいい的になるやろが!」
「す、すいません!」
「まァ残り2つの艦のMSも合わしたら16機や。情報ではむこうはだいたい20機程度がおるらしいから、浜田と
サイとカズィで半分くらい倒してくれりゃ楽やわ。いけるやろ?任したで。よっしゃ!ほんなら行くで!」
カタパルトについたサイに雪見からOKサインが出る。
「よし…サイ・アーガイル、ガンダム行きます!」
まず浜田、サイ、カズィで先行した。ゲートまで近づくとジェットストライカー装備のダガーLが攻撃してきた。数は
情報通り20機ほど。敵MSが出てきたのを確認し、関西軍の残りのMS部隊出撃すし、関ヶ原は一気に両軍入
り乱れた戦場となった。
関東軍MSと空中戦を繰り広げるサイ。実戦経験を積んできたサイにとって一般兵が乗るダガーLはそれほど苦
戦する相手ではなかった。しかし、以前とは違う何かを感じていた。簡単に言えば、「反応がよくなった」という事
になる。以前よりも相手の動きがよく見えた。相手の攻撃をかわす回数が増えている。以前までならシールドで
防いでいた攻撃さえも今はかわす事ができる。ただ、どうにも落ち着かない気持ちだった。呼吸がはやくなり、息
づかいが荒くなる。それを心配した雪見から通信がはいる。
「サイさん、どうしたんですか?大丈夫ですか?」
「え?あぁ、問題ない、大丈夫だよ。」
サイの戦闘を横目で見ていた浜田も違和感を感じていた。
「あいつ…議長から見せてもろた映像資料と動きが違うな。敵は倒してるけど、反応がいいというか…まるで逃げ
てるみたいや。あいつ、まさか…な。」
浜田はさすがエースといった戦いぶりで関東軍MSを次々と落としていった。
「性能良い言うても、ダガーLはしょせん量産機や。こいつはダガーとはちゃうねん!ダガーとはな!」
カズィもつたないながらも、なんとか関東軍MSを落としていた。
「とりあえず、やられないように頑張らなくちゃ・・・」
「カズィ!うしろ、うしろ!!」
「え?…うわ!!!」
美雪からの通信で後ろを見るとReカズィめがけてライオン丸のビームが撃たれており、あやうく命中するとこだった。
「美雪!おまえ見方を殺す気か!!」
「ごめんて〜。なんやようわからんと撃ったら、カズィの方にいってん。ま、当たらんかったんやし、いいやろ。」
「おまえな〜!当たらなかったんじゃなくて、オレがよけたんだよ!」
次々と関東軍MSを撃破していく関西軍。浜田が指示を出す。
「よっしゃ!サイ、オレとおまえでゲート破壊に向かうぞ。ついてこい!
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第23話前半「癒えぬ傷跡」
浜田と共にローエングリンの破壊に向かったサイ。2人の目の前にローエングリンが見えた。その時、サイ
達とローエングリンの間に割って入ったMAが1機。
「な!…あれは関東軍の新型!?」
驚くサイとうって変わって、浜田は冷静であった。
「ちゃうな。関東軍は自軍でMSの開発はしとらん。あれは連合の新型MAやろ。」
謎のMAの登場に動きを止めたサイと浜田。遠く司令室から戦況を見つめる関東軍の辻がいた。
「ふふふ…以前のザムザザーはやられたが、あのゲルズゲーは違うぞ!連合の最新MAということに加え、
乗っているのは真島博士がつくりあげた強化人間だ!!
>>285 ハハハ!」
相変わらずの高笑いをあげる辻。一方、サイと浜田はゲルズゲーと戦闘を始めていた。しかし、リフレクター
により攻撃が無効化され、ローエングリンとゲルズゲーのビームライフルにより近接戦闘にも持ち込めず、
戦況は降着状態だった。
「おい、サイ!このままやと埒あかん!あいつは多分前面にしかあのリフレクターをはれへん。そやから、オレ
とおまえであのMAを常に直線状にはさむんや。360度はリフレクターはれへんねんから、オレかおまえ後ろ
をとった方がライフルで仕留めるぞ!」ローエングリンには気をつけろよ!」
「はい!」
浜田の指示通り、ゲルズゲーを2人の中心にはさむように動くサイ。浜田の予想通り、ゲルズゲーは前面にし
かリフレクターを展開できなかった。しかし、向きを変えて2人の攻撃に対応し反撃してくる。サイ達は距離を
取っているため直撃はなかったが、その距離がまたゲルズゲーに決定的ダメージを与えられない原因でもあ
った。それに業を煮やした浜田がサイに指示する。
「おい!もっと距離つめるぞ!この距離じゃあいつは防ぎおる!!」
距離をつめる浜田とサイ。その時、近づくサイに向けてゲルズゲーはビームライフルを撃つ。それまで全ての
攻撃を避けていたサイだが、直進していたため避けきれずにシールドで防いだ。シールドでビームを防御した
ため、少しの振動と爆発音がした。その時、
「う…うわぁぁ!!」
突如として叫び声をあげるサイ。呼吸も荒くなり、Ψガンダムはその場で動きを止めてしまった。
第24話総集編「MOIRA」
関西の混迷が深まる中、議長服部は今までのことを思う。
なぜこうなってしまったのか?
サイ、カズイ、雪見と自らの思いを重ねながら。
10年前、プラントでの友・ギルバートとの会合。
傍らに立つ赤服のザフト兵と金髪の子。
友の思いに服部の心は...
関西の宿命のため、飛びたてKAN−ψガンダム!
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第23話「癒えぬ傷跡」中盤
「オイッ!サイ!止まるな!死ぬぞ!おいっ!」
ψガンダムのバックアップがなくなり、ゲルズゲーの攻撃にさらされている浜田から通信が入るが、
サイはコクピットの中で震えていた。
動きを止めたψガンダムに気づいたゲルズゲーがビームライフルを射掛ける。
「お前の相手は俺や言うてるやろ!」
浜田は牽制のビームをゲルズゲーに放つが、ゲルズゲーのψガンダムへの攻撃は止まらない。
着弾の衝撃がコクピットを激しく揺らす。
―怖い
脳裏に華子のレイアースが散っていく様子がフラッシュバックする。
今まで、あの戦争の時も近いようで遠かった存在。
恐怖がサイの内側を支配していく。心拍数がどんどん上がっていく。
「はぁっはぁっ・・・」
とてつもなく息苦しい。コクピットの壁が迫ってくるような圧迫感。今すぐハッチをあけて外に出たい。
そして、いまサイを守っている唯一のものの、シールドが保持している腕ごと消失した。
「サイさんっ!」
ψガンダムの戦闘をモニタリングしていた雪見が悲鳴をあげる。
「ちょっとまずいな・・・」
松本もψガンダムの現状には眉をひそめることくらいしかできない。
今おとみが出て行けば関東軍のローエングリンの格好の的になってしまう。かといって、直掩のMSをψガンダムの掩護に
さけるほど、余裕もなかった。
「サイさん・・・」
雪見は銃火にさらされるψガンダムを祈るようにみつめた。
浜田の銃撃をたくみにかわし、ついにゲルズゲーは、ψガンダムの目の前にたどり着いた。
グロテスクなフォルムの前足をψガンダムの胸にかけ、ライフルの銃口をψガンダムのコクピットに向ける。
モニターいっぱいにゲルズゲーの虫を思わせる下半身と、腕に保持されたライフルが映る。
―もうだめだ
サイは全てを放棄し、目を閉じた。外に出られると思うと、サイの内の恐怖心はなくなっていた
第24話「舞い降りし女神は偽りか」
関東軍との睨み合いが続き、以前の激突からは双方小競り合い程度の戦闘しかなく
サイ達にも一旦の平和が訪れていた。
「キラ・・・・・・」
デイリースポーツを広げ裏面の記事にまず目をやるサイ、表面の阪神快勝の記事にはめもくれず写る裏面一面を飾るフリーダム、アークエンジェルの記事に
目をやっていた。
「フリーダム花嫁を略取誘拐、アークエンジェルと共に海の底か・・・」
詳しい中面の記事を読んでいたサイを間の抜けた声が襲う。
「うぁ!美雪ちゃんか・・・なんだよ」
「何だよやあらへんねん!お昼やでお昼!ソーメンがのびるで!」
新聞を奪われサイも渋々下へ降りていった。
「お早うございます、サイさん」
「雪見もうこんにちはの時間や」
雪見の言葉に都美子がすっと突っ込む、この大阪独特の会話にも慣れてしまった。
おとみは定休日なので閑散としている。
茶の間で賄い食以外のものをちゃんと食べるのも週に一度の楽しみだった。
大きなサラダボールに大量のそうめんと氷、徳用の3?濃縮汁に野菜や竹輪の天ぷらを目の前に昼食が始まった。
初夏の風が茶の間を抜けると風鈴をくすぐりおなじみの音色が歌う。
特にこれと言った会話もなく、テレビを見ながらソーメンをすする四人。
テレビではミネルバがスエズを攻略した事を伝えている。
現場からの映像に写るとザフトのガンダムは実にいい動きをしていた。
「サイより強そうやん」
美雪がすっと毒を吐く。
「お前のライオンもこいつにはかなわないだろ」
手なれた返答をするサイ、もうなれていた。
「サイさんもいずれはこれと戦うんですか」
雪見は心配そうな表情を浮かべる。
「服部議長はザフトとは友好的な関係を持っているから敵対する事はまずないだろうと言うがオーブですらあのありさま」
「世の中はワカワンてことですな」
都美子が頷いて代弁する。
「まぁ、そういうことかな、戦いたくはないけどね」
「そうですか」
不安ながらも笑顔を見せる雪見にサイも安堵の表情を見せた。
その時、おとみの看板を思いっきり開けて飛び込んでくるカズィ。
一瞬真昼間からの押し込み強盗だと思い立ちあがる三人。
「何、正規の軍人が皆揃ってビビッテんの」
座って何食わぬ顔でソーメンをすする都美子。
「すみません・・・カズィどうしたんだよ?」
「はぁ、はぁ・・・・あ、ありがとう・・・」
雪見が手渡した麦茶を飲み一呼吸置くカズィ。
「驚くなみんな、実は明日ラクス・クラインがデュランダル議長と関西空港にお付きになるそうだ」
「えー!」
都美子を除く全員が大声を上げた。
中編
翌日、確かにラクス・クラインはやって来た。
「なぁ言ったとおりだろ」
カズィが得意げな表情で笑っている。
「おいおい、俺たちは警護に来てるんだから真面目にやれよ」
修理中のψガンダムに代わり量産型ドムハイパーに搭乗しているサイがコックピットから身を乗り出して注意する。
「うち・・・ラクス様を生で見てるんやぁ・・・・軍に入ってこんなにハッピーな日は初めてやで・・・・」
ライオン丸のコックピットで美雪が目を潤ませて喜んでいる。
しかし、ラクスと面識のあるサイは疑問に思っていた。
何故キラと行動していないのか、何故プラントに戻ったのか、全てが謎でサイを困惑させていた。
「おい!しっかりしてくれよ、座長さん!」
考え事に夢中だったサイの後方にオレンジ色に塗装された新型MSが立っていた。
「しっかりしてくれよ!一応警備の係りなんだろ」
そのMSのコックピットが開くと青年が身を乗り出し呆れた様子で苦笑いしながら話しかけてきた。
「あの・・・・あなたは?」
「おっと申し遅れた、ザフト軍特務隊ハイネ・ヴェステンフルスだ」
ハニワ王国
日本の先住民をなのる地下国家
国王ハニワ大王ハニ八世の息子ハニワタケルノ皇子の指揮下関西侵攻を開始
保守
96 :
通常の名無しさんの3倍:2005/06/26(日) 07:38:50 ID:NEj1mLCZ
age
勝利を続ける関西軍、しかしこの事態を重く見た東アジア共和国は
ユーラシア連邦のアバーシリ牢獄から三人の囚人を関西に派遣した
その指揮を執るのはなぞの傭兵金銀仮面
次回、議長暗殺計画〜アバーシリの牢獄編
第24話外伝「同盟締結」【1】
辻正明は焦っていた、ローエングリンゲート陥落により中部地方が関西よりになった
責任を取らされることと関西からの追撃がいつ名古屋に来るかを。
名古屋方面関東軍本部をダガー部分を失ったゲルズゲーが防衛していた、
その脇をハニワの仮面を着けた一団が通り過ぎた。
「関東軍中部地方軍司令、辻正明大佐殿はいるのか。ハニワ王国将軍ハニワタケルの皇子が来た」
ハニワ仮面の一団の中のリーダー格の男は言った、
「私が辻正明だハニワ王国将軍が何のようだ」
東アジア共和国から日本の統治を任された関東と日本の先住民を名のるハニワ王国は敵対関係にあった
さらにネコ耳帽子を被った一団にヘリポートから眼帯を着けた海賊風の老人が降りてきて
貴族風の軍服を着た青年を護衛する軍団と頭を剃った男達が睨み合っていた
「ネコオウ軍団に九鬼海賊団さらに新生ロシア帝国にツルリン寺僧兵団だと」
hosyu
アークエンジェルの展望室で男女が会話している。
「サイ…地球軍に行くって本当?」
「ん?ミリィか…ああ、本当だよ」
「何で?皆カガリさんの計らいでオーブに移住できるのに…」
「ミリィ、俺たちってヘリオポリスで何をしてたんだろうな」
「え?」
「開戦してからも『オーブは中立だから』ってさ…昔マリューさんにも言われたけど」
「うん…」
「なんかさ、ザフトでは同い年の奴が戦ってるのにのほほんとしててさ。
こう、訳もわからないからとりあえず中立でいるっていうのが嫌なんだ。
どっちの言い分も聞いて…納得して自分の立つ所を決めたい、そう思ったんだ」
「サイ…」
「そういえばミリィはこれからどうするんだ?」
「あたし?あたしは…戦争で起きた悲劇を皆に知らせたい。
もう二度とこんなことが起こらないように…」
「そうか…じゃあしばらく会えなくなるな」
「そうね…でも一生会えないわけじゃないし、サイも頑張ってね!」
「ああ…頑張るさ」
フレイ…俺は…キミみたいな事が起こらない世界を作って見せる…!
−彼らが次に出会うのは2年後−
「姫をシェルターへ。エヴァンスは!?」
「なんで…」
「こちらへ」
「代表!」
「なんとしても抑えるんだ!ミネルバにも応援を頼め!
3機の情報はデータベースに公開しろ!奪われるくらいなら破壊も許可する!」
「くそっ!なんでまたこんな事に…うわっ!!」
目の前でMSが爆発し、案内のザフト兵が爆発に巻き込まれる。
「なんで!!」
「こっちだ、走れ!カガリ!!」
走った先でも爆発が起こる。
「っ!」
爆発を車の影でやり過ごし、退路を探すアスラン。
すると近くの倒れたMSが目に入る。
「乗るぞ!」
「ええっ!?お前!」
ハッチを開けて乗り込む二人。
「ここで君を死なせるわけにいくか!!」
破壊されたハンガーの横で倒れてる二人が見える。
「レイ!ルナ!大丈夫か!」
「大丈夫です」
レイは素早く立ち上がり返事をするとルナマリアに手を貸す。
「早く乗り込め!」
二人が乗り込むと同時に急いで車を発進させる。
「なんなんですかあれ!?一体何が…」
ルナが呟く。
「…多分新型が盗まれたんだろうな、前ザフトでやったみたいに」
「新型が…?」「昔ザフトが…?」
「とりあえず生きてるハンガーに行ってMSで出るぞ、奴らを止める!」
もう悲劇は繰り返させない、ここで止めてやる!
「出入口からは出るなよ!!壁を壊して出ろ!!」
指示を出して、外に出ると同時に今までいたハンガーは破壊された。
3機の正面にアビスが立ちはだかる。
「新型相手にザク2機とゲイツじゃちょっと荷が重いかな…」
急いで戦況を確認する。
と友軍は殆どやられ、少し遠くで交戦しているザクがいるのがわかった。
すぐに二人に指示を出す。
「黒い奴と戦ってるザクがいる、そいつを援護しに行け!」
そっちの方がミネルバに近いから援軍も来るだろう。
「えっ!でも!?」
「俺はこいつを足止めする、早く行け!俺のやられ損になるだろう!!」
「ルナ、行くぞ。迷ってても状況は悪化するだけだ」
二人が下がるまで新型に銃撃を浴びせる。
しかし新型はモノともせずにランスで切りかかってくる。
「フリーダムに比べれば…動きそのものは…」
とは言え流石は新型。何とかかわしたが、自分の腕ではとても倒すのは無理だろう。
向こうのパイロットが弱い事を祈るが、過去を思い出すとそういう事もないだろうと気付く。
「うわっ!」
またも切りかかってくる新型をかわし、蹴飛ばす。
攻撃が直線的だ、実戦経験があまりないな…この相手。
銃を向けてロックするとモニターに情報が表示された。
「アイ…ビス…?アビスか、武器は?」
コンソールを素早く操作する。
「ビーム…ランス…ミサイル…」
急いで情報を見ていると素早く立ち上がったアビスがビームを放ってくる。
「っと!ああっ!!!」
コクピットが激しく揺れる。
左腕を失ったか…クソっ!
援軍はまだ来ないのかっ!!
「いたっ!新型!!」
「そこのザク、大丈夫か」
アスラン機に通信を入れるレイ。
「味方か!助かる!」
アスランのザクはカオスとガイアに囲まれ苦戦していた。
『こいつぅ…』
『ステラ!俺が後ろに回りこむから気を引けっ!!』
『うぇーいっ!!』
飛び上がるカオスと切りかかるガイア。しかしカオスを横から銃撃が襲う。
『っ!援軍が来やがったか!ステラ!急いで片を付けるぞ!!』
『このー!!』
「くっ!」
腕を切り飛ばされるアスラン機。
「おい!大丈夫か!?」
心配するカガリ。
追撃しようとするガイアをルナ機が追い返す。
その後ろからレイ機が援護射撃で更に押す。
『何よっ!こいつらっ!』
『ステラ落ち着けっ!二人で一機を狙えばそいつは倒せる…ぐぅあっ!!』
突然カオスの背部に爆発が起こる。
「インパルス…シンか」
レイが呟くと同時にビームソードを構えてシンが叫ぶ。
「何でこんな事…また戦争がしたいのか、アンタ達は!」
このスレ落とすのは忍びないので稚拙なSSで持たせようと思います。
質問クレーム受付中
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,-, ' , ' ヽ 、―‐ッ ノ i /
/ ! ./ ゝ  ̄ /_, -'`!
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ヽ' '、 ,' !l !| | |.| l .!. ',
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ヽ' _,,.... -'、' .,'/ .! '、'、 -, -,.'- ' `" 'ー- .,_
/ /" `ー' ,! ヽ-‐'" `"''ー- .,,_ `'ー- .,_
110 :
通常の名無しさんの3倍:2005/06/29(水) 00:48:20 ID:TNBbkoMW
保守age
__,,,,,,___
(⌒ヽ:::::::::::'''''-,,
/巛 》~\ ::::::::::::::::::ヽ
ヾノ"~^ヽ,^ハ::::::::::::::::::::::ヽ,
∫ (´∀`* ( )
旦 (⌒ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄⌒)
連合vsZAFTでサイはパイロットとしてストライクに登場できる
ソースは今月号のアルカディア
素で驚いちゃったよ
||: : : : :| l;;;;;;;;;;;;;l;;;;r-_,,.. --――- 、---- 、;;l;;;;;;;;;;l |: : : : :||
||: ━ : | l;;;;;;;;;;;;;l,. ='' `ヽ、;;;;l;;;l;;;;;;;;;;l |: :━:||
|| : : : : :| l;;;;; ,rニィ / ヽ;;;l;;l;;;;;;;;;;l |: : : : :||
|ー┐ : :| l;;; 彡 ヽ;l;;!;;;;;;;;;l |: :┌┘.|
| |: : : |;;;;∠ , ,/ / ,,. -ァ,.. ァ,..:z/1 .ヽト|;l;l;;;;;;;;;;l |: : | .|
l___l_: l、 彡/イ/'" リ//;;;;;ll;;;;;;;;;/ー---/
\ \ \ ミlヘ'-ニ=、__j 、_,,ニゝl/イ;;;;;;;|__/_/ /
\ ,γ⌒ヾ.、ヾ={'゙亠' )-‐-('^亠'_}='ノ;;;;;,γ⌒ヾ.、 /
{ i i };;;ゝl  ̄ |ヽ  ̄ !'";;;;;{ i i }<オレがストライクで出撃して
ゝヽ_ノ_/__,-iヽ、 ,..: -、 /-、_ゝヽ_ノノ 自由をやつけてやる
_,. -'''"^`┬一1 _ノ! \ヽ='' / |__/ ̄ ̄/~ `丶 、
_,. -'''" , -''"~ |___|~_ ヽ ;iー イ / r'ー―-/ `ヽ、 _`ヽ、
!ー--r / ヽ 「 __ |ー'^ ヽ/ | l_/~ー/ __ / /ヽ |  ̄|
| | / \ | | | | ヽ | / / / / / / ノヽ| |
| |/ \ | | | |! | / / / / /_// /ヽ |
| /_/ | | | | |/ / / / /  ̄ヽ\ |
/ ̄ ヽ | | | | |/ [// / / \  ̄ \
/\ /l| |__| | | /  ̄~ //|\ /\
114 :
通常の名無しさんの3倍:2005/07/01(金) 19:12:41 ID:PLhoMXY7
ならストライクを使うしかないじゃないか!
サイ「このスレは墜とさせない!!」
やべ…
なんか、とてつもなく良スレだ…
俺もサイが主役の物語を妄想で描いたことあったが、ここはさらに上を走ってるな…
ということで応援します。
>116
トールが妙にハマリ役だな
サイがカッコよすぎる
カズィは......
28話「Ψの胎動」 前編
宇宙空間に関東軍が大量虐殺兵器建造中という噂を確かめるために服部議長はミネルバ二番艦おとみを
宇宙(そら)へあげることを決意する
松本・浜田 「議長これは・・・・」
浜田と松本は関東軍が宇宙空間に建造してると思しき、巨大なコロニーのような建造物の映像を見ながら絶句した。
服部 「うむ・・・デュランダル議長から警告があってな・・・・月軌道衛星上につくられた物のようだが
どうやらコロニーレーザのようだ」
松本 「こんな大規模な兵器・・・・実際に使われたらどうなるんや!」
服部 「コードネーム戒羅州と関東軍内部では呼ばれてるらしい、こいつの標準は「ここ」つまり大阪だ
もっとも直撃すれば大阪だけではすまないな・・・関西全域が巨大なクレイターと化す代物と推測される」
浜田 「そんな馬鹿な・・・・こんなもんつこうたら、関東だってただで済むわけないやないか!」
服部 「真実がどうであれこいつの完成だけは阻止せねばならん、行ってくれるな?お前たち」
服部 「それにザフトと共同開発していたアレをホーキンス隊から受領してもらいたいんでな、
サイたちも同行させてくれ、いざとなったら彼らの力が必要になるだろうしな」
そのころ、おとみのMSドッグでは修復されたΨガンダムのまえに立つサイの姿があった
インパルスは戸惑っているガイアを相手に剣を振るう。
「『あれも…新型か…?」』
アスランとスティングが呟く。
その間にもインパルスはビームブーメランをガイアに当てる。
『こいつ…』
ステラがうめく。
(いけるっ!)
シンが体勢を崩したガイアに切りかかろうとしたその時
『シン!捕獲が無理ならば撃墜という命令だからな!忘れるなよ!!』
「わかってますよ!できるかどうかわからないからやってるんじゃないですか!うわ!」
『お前らまだトロトロやってたのかよぉ!』
突然現れたアビスがインパルスにビームを浴びせる。
「ひょっとしてやられちゃった…?」
「まずいな…新型が3対1ではザクが3機いても…」
『こんなザコ相手に何手間取ってんだよ!』
『うるさい!』
『アウル!舐めてかかるなよ!』
「とにかく俺達は時間を稼ぐぞ、捕獲も破壊も恐らくシンでなければ難しいだろう」
「了解!」
「絶対に逃がさないからな!!」
!?
プラント内の地面が揺れる。
そこに船からの通信が入る。
『アーモリーワン周辺にてローラシア級が落とされました!』
「迎えが来たという訳か…シン!」
「わかってる!くっそぉぉ!!」
『このおぉぉ!!』
お互いのサーベルがぶつかり合って火花を散らす。
「!? 退いた?」
ルナマリアが相手をしていたアビスが下がる。
「このまま逃げる!?」
アスランが気が付く。
『スティング!今の!』
『分かってる、お迎えの時間だな』
『遅れてる』
『分かってると言ったろうが!』
『予定に無いことばっかり…ネオの野郎』
『ステラ、時間切れだ!行くぞ!』
『今すぐ沈める!喰らえーっ!』
「うわっ、あ、ぐあああぁぁ!!」
「シン、大丈夫か」
「まだまだ、クソ…訓練もない機体で!」
『こいつ!何故落ちない!!』
『いい加減にしろ!このままじゃキリも無い!援軍も来ちまう!』
『私は!こんな!』
『離脱だ、ステラ!』
『じゃあお前はここで死ねよ!』『アウル!』
『止まんないんじゃしょうがないだろう?』
スティングは舌打ちを返す。
『文句は結果出してから言えよ、ホラ!』
アビスはカオスの相手をしていたアスラン機にビームを浴びせる。
「ぐぁっ!!」「うわぁっ!」
倒れ込むカガリ。アスランは起こそうとしたがカガリの顔には頭から血が伝っていた。
「くそっ!」
すぐさま撤退するアスラン。
『これで満足だろ?』
スティングは無言で顔を顰めるとステラを連れて撤退を始めた。
『ったくよ!』
アウルもそれに続く。
「あっ!」「逃がすかぁ!!」「ルナ、追うぞ」
ミネルバ内に声が響く。
「状況は!どうなっている!」
「議長!」
タリアの声の後、すぐまたブリッジの扉が開く。
「すぐに出られる機体はあるか!…デュ、デュランダル議長…」
「いや、いい。すぐに出撃してくれ」
サイは横のオペレーターに尋ねる。
「メイリン、何かあるか?」
「今回収した中破のザクと式典用で装備が少ないディンくらいしか…」
「ディンで行く、準備しておいてくれ」
走ってブリッジを出て行くサイ。
それと同時に艦に通信が入る。
「ミネルバ!フォースシルエットを!」
「どうします?艦長」
「許可します、射出急いで!」
「ハッ!」
タリアはデュランダルに視線を向ける。
「もう機密も何もありませんでしょ?」
「当然だ、これで止められるなら安い物だよ」
「…フォースシルエット、射出スタンバイ」
「このままではインパルス1機が飛び出す形になります」
「艦を発進させます、議長」
「任せる」
カガリに声をかけるアスラン。
戦闘から離脱して身近な港に入ったところで一番近くにあった艦に収容された。
「ふぅ、カガ…代表、大丈夫ですか?」
「うん…ああ…」
(ここは軍艦か?ややこしいことになりそうだな)
「ちょっとお待ちを」
ハッチを開けて両手を上げて顔を見せるアスラン。
「こちらはオーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ氏だ。俺は随員のアレックス・ディノ
デュランダル議長との会見中騒ぎに巻き込まれ、避難もままならないままこの機体を借りた」
「少し待て、確認を取る。それとアスハ氏の顔を見せてくれ」
「了解した、代表は怪我をされている。確認が取れ次第治療をお願いしたい」
保守
ちょっとあげてみる