「本当にいいの?」
「いいんです、でも…あなたの方こそいいんですか?」
「俺の方こそ?」
「あの人のこと…」
「彼女のことは言わないでくれ…自分がミジメになる…どこが悪かったのか、何故嫌われて
しまったのか未だにわからない、そしてまた、それがわからない自分もイヤだ…」
「別に嫌われたわけじゃないと思いますけどね」
「慰めは要らないよ…」
「慰めじゃなくて客観的事実です、あなたが嫌われたんじゃなくて、あいつの方がより好き
になってしまっただけだと…ちょっと、どうしちゃったんですかまた落ち込んで」
「ははは、俺も女心がわからんダメなやつだけど、君も結構男心を…」
「は?」
「いや、なんでもない、とにかくいいんだね?」
「いいというより、むしろして欲しいです…」
「わかった、さすがの俺もそこまで言われて尻込みするのが女の子に対してどれだけ失礼か
はわかってる」
「ほう、流石にお前も少しは学習したようだな、何度も失礼なことをされたわたしとしては
複雑な心境だが」
「エ?」
「ええっ?」
「わーっ」
「きゃーっ」
今まさに「初顔合わせ」を迎えようとしたアスラン・ザラとルナマリア・ホークは、部屋の
入り口から聞こえてきた声に唖然とした。
アスランのモトカノ、カガリ・ユラ・アスハがそこに立っていた。
「邪魔をして悪かったな、ノックしても返事がないのに声がするからおかしいなと思ったら
ちょうどとんでもないところに出くわしてしまった」
平然と言うカガリに、アスランは改めて彼女がもう自分の知るカガリではないのだということ
をヒシヒシと感じた。