【ダンディ】トダカに萌えるスレ【シワ】

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257トダカ一佐の憂鬱な一日
今日は晩御飯は勝手に食べて来てくれ。朝、出かけに妻にそう言われた私は、適当な飯屋を探して街をフラついていた。
今、家には妻どころか娘も居ない。WEST-RIVERのコンサートに出かけているのだ。……危惧していたことが現実になったか。
まあしょうがない、とにかく今は何か食事処を………『グゥレイト食堂』。ここでいいか。
「グゥレイト!お客さんだぜ!いらっしゃい!」
随分変わった出迎えの言葉だな……ん?あれは……ハロ売りの彼じゃないか!どうしてこんなところに!?
「あっ、トダカさん。先日お買い上げになったハロの調子、どうですか?」
調子は良好だよ。……ただ、その代わりに親子仲が不穏になったがね。
「まあ、そうでしょうね。どうです?仲直りのために娘さんにもハロ買ってあげるとか」
「オイオイ、アスラン。商売熱心なのもいいけど店の外でやってくれよ。で、なんにします、お客さん」
ああ、それじゃあ……ところで、やたらと炒飯のバリエーションが豊かだな。店の一押しなのかい?
「まあね。いっちゃあ悪いけど、俺の作る炒飯はグゥレイトだぜ。どれを選んでも問題ないね」
「いや、でも激辛炒飯だけは止めた方がいいですよ。俺、前アレ食べたんですけど、辛さ度数3なのに辛くて辛くて……」
「それはお前に根性がないからだって。他の人間なら別に……」

「その通りだ!キョシヌケめ!」

その時、店の扉が開いてそこから現れた白髪おかっぱの男が、突然会話に割り込んできた。
「イザーク、お前……」
「ふん!アスラン、貴様を見損なったぞ!俺が真の男というものを見せてやる!ディアッカ!激辛炒飯、辛さ度数50だ!」
「ええ!?それは流石に止めた方が……」
「俺は貴様らとは違うと言ったろう!いいから、辛さ度数50!それ以外は認めん!」
「分かった分かった。でも、どうなっても知らないぜ?」
厨房の中の男はそう言い残して会話を切り上げ、私に注文を聞いてきた。私が普通の炒飯を頼むと、例のおかっぱの男が
ニヤリと不適に笑いながら、聞こえよがしに呟く。
「まあ民間人はそうだろうな。しかし、この俺は違うぞ。この俺はな……」
私は民間人ではないのだが、そんなことを一々突っ込む気を無くすほど勢いのある男だ。いったい何なんだ彼は……
「ほら、お待ち」
そう言って厨房の男が私とおかっぱの男に炒飯を差し出す。……オイ、明らかに色が違うぞ色が。本当に大丈夫なのか?
「イザーク、あんまり無理しないほうが……」
「辛さ度数3が限界の男に俺を止める権利はない!それでは、いただくぞ!」
そう言って男は勢い良くスプーンに大盛りにした炒飯を口の中に放り込んだ。ああ、いきなりそんなにいったら……

「$%#☆*+( ´_ゝ`)@∀д!!!!!!!!!!!!」

男は口に炒飯入れた途端、目を白黒させて声にならない声を上げた。……ほらみろ、言わんこっちゃない。
「イザーク、だから無理だと言ったろう。ほら、水……」
「う、うるひゃい!俺はまだ負けてない!きひゃまのほどこしなんぞ受けるか!」
男はそう言うと、もはやろれつが回っていないにも関わらず、一気に残りの炒飯を口の中に掻き入れた。……なんて負けず嫌いだ。
「ほん!はかはかうははっそ。ひゃああ!(ふん、なかなかうまかったぞ。じゃあな!)」
そういい残して男は炒飯を口の中に一杯にしたまま外へ出た。程なくして店の外の大通りから、人のざわめきが聞こえてくる。

「オイ!人が倒れたぞ!」「誰か、救急車を呼んで!早く!」「え、何?俺は負けてない?分かったから、とにかく病院へ!」

……君たち、助けにいかなくていいのかい?
「俺達がいったらアイツは起き上がりますよ。で、俺は大丈夫だって言い張るんです」
「そうそう。で、俺達が見えなくなったところでまた倒れるんだよな。ホント、グゥレイトな奴だぜ、アイツ」
彼らがそう言って別に何の行動も起こそうとしないので、私も彼のことは忘れて炒飯を食べ始めた。……普通に美味かった。
意外といい穴場を見つけたかもしれない。今度アマギ君でも連れてまた来るか。