凸が女難?バカジャネーノ?

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シンのエマージェンシーコールに出動して帰艦した後、艦内の
休憩室に行くとルナマリアが居た。
今朝のことをまだ怒っているのだろうか。
ルナマリアは俺に気軽に話しかけてくれる割と貴重な存在なので、
今朝のような状態のままだと非常に困る。
どうしていいか分からず、とりあえず飲み物を買おうと移動すると、
ルナマリアから話し掛けてきた。
「無視するんですか?」
「いや、そういうつもりは・・・」
ルナマリアの様子は今朝から変わっていないようだ。
「今朝の誤解は解けたと思っていたんだが」
「誤解ってあれですか?久しぶりに会った婚約者が艶かしい姿で
部屋に居て、何もしなかったっていうあれのことですか?」
キツイ口調の声がわずかに大きくなっている。
廊下の方から誰かがこちらに近づいてくる声が聞こえてくる。
あまり人には聞かれたくない話になりそうなので、
俺の部屋に行くことを提案すると、ルナマリアはあっさりと承諾した。


「確かに今朝のことは上官としては褒められた行動ではないと
思うが、君がどうしてそこまで怒っているか分からない」
ルナマリアが一瞬驚いた顔をした後、何故か悲しそうな表情を浮かべる。
しばらく無言の時間が流れた後、顔を上げたルナマリアが
こちらに両手を伸ばし、その手が俺の頬を包んだ。
ルナマリアの瞳がじっと俺を見つめる。
「分からないんですか?」
分からないと言ったらどういうリアクションをされるのだろう、
と考えていると不意にルナマリアが唇を重ねてきた。
862/2:2005/03/26(土) 02:44:47 ID:???
「ルナマリアッ!」
「好きなんです、貴方が」
再び口付けられ、ベッドに押し倒される。
「もう自分でもどうしようもないんです。
だから、今夜このまま私と・・・」
俺の上に覆いかぶさったルナマリアが微かに目を逸らしながら、
搾り出すような声で言った。
「それはできない。俺には好きな人がいるんだ」
「その人の代わりでもいいんです」
「いや、彼女とはそういう関係じゃなかったから」
国家元首である彼女においそれと手を出すことはできず、
行政府との軋轢に疲れた彼女は俺にウズミ・ナラ・アスハの
ような揺ぎ無い信念の持ち主たることを求め、
未だ確固たる信念を持てない俺は彼女の理想との隔たりに疲れ、
何の権限も無いオーブでの生活は俺を苛立たせた。
久しぶりに思い出したオーブでの記憶のためか、
心の奥に何か凶暴なものが鎌首をもたげてくる。
「俺が自分を押さえられる内に、帰ってくれないか?」
「いやです。帰りません」
ルナマリアが胸に顔をうずめてくる。布越しに伝わってくる
体温が心地よくて、彼女を抱きしめたくなる。
抑えられず、体勢を入れ替えるとルナマリアに覆いかぶさり
激しく口付けた。
「ごめん、もう止められないから」


事が終わった後、激しい後悔の念にかられる。
「済まない」
謝ると顔をそむけるように向こうを向かれた。
「謝らないでください」
「今夜のことはお互い忘れよう」
ルナマリアがくるりと向きを変えると、じっと俺を
見つめ軽く唇を重ねてくる。
「私は忘れませんから」